【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part13【改蔵】
3 :
305:2008/01/14(月) 22:31:44 ID:HdO9rJlp
前スレ、一気埋めで困惑された方、並びに430氏に大変失礼しました。
埋め近くなると何だか興奮しまして… 失敬。
ともあれ、
>>1さん乙です!
前スレ430氏、305氏、乙です!
最近430氏のおかげですっかり命先生ファンになってしまった・・・w
忘れてた>>1乙、超乙!
1乙。それから二人とも乙。
たまには陰のある作品もいいかもと思った。たまにだけどw
6 :
真昼:2008/01/15(火) 17:16:25 ID:EMT0zcGa
>>1乙です。前スレ怒涛のラッシュの吃驚。良作品が拝めて嬉しゅうございました。
筆が遅いためスレを跨ぐことになってしまい申し訳ありません。
前スレ
>>495「愛しさを望む」望×可符香の続きを投下させていただきます。
まだエロスにはとどきませんごめんなさいいやホントに。5レスほど失礼します。
みなさん乙です。
宵待草の暗い雰囲気は好きです。文体も。
情景と会話が上手い。
崖っぷちな感じが伝わりました。それでいてどこへも行けないような。
8 :
真昼:2008/01/15(火) 17:40:09 ID:JWClt9UH
携帯から失礼します。
投下予告をしたものの、何故か書き込めなくなってしまいました…て、天罰?
またおりを見て投下させてください。どうもお騒がせしました。
>>8 すみません。割り込んでしまいました。
続き待ってます。
>>8 すでにご存知でしたら失礼。
「1行目が改行で20行以上の長文」
だと、投下できないようになったみたいですが、それだったりします?
自分も、続き待ってます。
真昼氏のももちろん期待して待ってるけど前スレのまた図書室で、の続き来てくれないかなー
気が向いたら、らしいけどなんか藤吉熱上がっちゃって飢えてる俺
12 :
199:2008/01/16(水) 05:07:50 ID:xHrVYjWO
真昼さんの望×可を待っている間にこっそり望×愛なんて落としてみる。
藤吉さんじゃなくてごめんなさいエロなくてごめんなさい。
アニメ2期には木野も出るんだから当然ツンデレ加賀さんが出るものと
夢見ていいんでしょうかシャフトさん。
元旦、午後7時。宿直室のこたつに潜り込んで緑茶をすすりながら、生徒達からの年賀状に目を通す。
『謹賀新年。 今年はきっちり進級したいと思います。本年も宜しくお願いします。』
『明けましておめでとうございます、今年も先生のお側で素敵な一年を過ごさせて下さい』
『あけオメ、ことヨロ』
『迎春 今年もよろしくお願いします(これはネズミのしっぽ拓です)』
「おめでたいんですかね、新年なんて」十人十色のそれらを見ながら、思わずぽつりと呟いた。
暦の上で年が明けたからと言って、何をそんなにお祭り騒ぎをする必要があるのか分からない。
昨日と何が違うと言うわけでもないだろうに。特別祝うようなことなど何もないではないか。
そんなことを、お正月くらいは本家へ連れて行くからと交を迎えにきた倫に
ぼやいたら『お兄様、そのお年で中二病ですか』と馬鹿にされた。とかくこの世は住みにくい。
まあ、霧もお正月くらいはという智恵と望の説得によって珍しく家に帰っているし交もいない、
一人きりで過ごせるという意味では非常に貴重な夜ではある。
(だからと言って、やることがあるわけでもないんですけどね)
読み終わった年賀状を輪ゴムで束ねながら、ぼんやりと思った。
休み中に片付けなければいけない仕事もこのまま進めば十分余裕を持って終わらせられそうだし、
大掃除も年末に――千里が――やってしまった。倫がおせちを置いて行ったから夕食の支度をする必要もない。
いよいよ暇になっていっそのこと勝手に図書室を開けて何か本を持ってきてしまおうか、等と考える。
――と。
コンコン、と弱々しいノックに気付いて、顔を向ける。生徒の誰かが遊びに来たかと思って
「どうぞ、開いてますよ」
と声をかけたが、戸が開けられる様子はない。首を傾げながら腰を浮かせたところで恐る恐る、といった様子
でほんの少しだけ戸が開き――そこから覗いた予想外の顔に思わず間抜けな声が出た。
「……加賀さん?」
「あああ、すみません!新年早々私なんかがお邪魔してしまってすみません!」
入り口から一歩も中に入らぬまま謝り倒す生徒――加賀愛にとりあえずこちらから近寄っていくことにする。
「いえ、別にそれは構いませんが……何か御用ですか?」
「いえそんな、御用と言うほどのことでもないんです。これをお渡ししたかっただけなんです、
遅くなってしまって本当にすみません!」
ひたすらに謝りながら愛が望に差し出したのは、先程まで読んでいたのと同じような一通の年賀状だった。
元旦、午後2時半。自宅に届いた年賀状の中に、自分が担任に宛てたものが混じっているのを見付けて
愛は目の前が真っ暗になるかと思うほどの衝撃を受けた。
よく見ると番地を間違えて書いてしまっているその葉書には『住所不明』のスタンプがでかでかと捺されている。
寒空の下あるはずのない番地を探し回ったであろう郵便局員に心の中で謝りまくった後、
『お正月なのに葉書しか買わない地味な客ですみません』と謝罪しながらコンビニで年賀葉書を購入。
何とかきちんと年賀状を書き直したはいいものの、今これをポストに投函しても担任の手元に届くのは
明日以降になってしまう。愛の脳裏に『絶望した!元旦に生徒から年賀状すらこない
教師人生に絶望した!!』と叫びながらロープを首にかける担任教師の姿が浮かんで――
「どこまで心が弱いんですか、私は」
「そ、そうですよね。私なんかが勝手に先生のお気持ちを想像して先走ってしまってすみません!」
思わず入れた突っ込みに対する謝罪を半ば聞き流しつつ、望は受け取った年賀状を片手に
少し思案してから入り口の戸を大きく開く。
「とりあえず立ち話もなんですから、中へお入りなさい」
「いっ、いえそんな、お気遣い頂いてご迷惑をおかけするわけには!」
「迷惑じゃありません。外は寒かったでしょう、せめて少しでも暖まってから帰らないと、
お正月からいきなり風邪で寝込む羽目になりますよ」
「わ、私なんかの体調にまで気を遣わせてしまってすみません!でも私なんかがいたら
交君と先生ののんびりとした団欒のお邪魔に……」
「ああ、交は今日はいないんですよ」
本家に帰っていまして、と続けると、愛の口からひっ、と引きつったような声が漏れた。
「そ……それでは私は先生が一人くつろいで過ごしていた優雅な時間のお邪魔を!?
ああ、すみませんすみません!新年早々空気が読めてなくてすみません!!」
「……ですから、邪魔じゃありませんってば」
軽く肩を落としながら、手で室内を示す。
「私も退屈してたんですよ。何もない部屋ですが、こたつで暖まるくらいはできますから」
望の言葉に、愛は青ざめた顔でおどおどしながら室内と望を交互に見ていたが、やがて何度も何度も
頭を下げながらおずおずと足を踏み入れた。
台所から自分用と来客用のと2つ湯呑みを持ってくると、コートも脱がないままこたつに遠慮がちに入って
辺りをおどおどと見回していた愛が血相を変えた。
「わ、私なんかが先生にお茶を煎れさせてしまって!」
「ああ、気にしないで下さい。私のお代わりのついでですから」
半分本音でそう言いながら愛の前に湯呑みを置き、向かい合うように腰を下ろす。
「それにしても、年賀状一枚のためにわざわざ学校へ来るなんて、貴女も何と言いますか、まめですねぇ」
呟きながら、先程愛から受け取ったばかりの年賀状を改めて手に取った。
人柄が表れているとでも言うのか、線の細い、綺麗だがどこか頼りない印象を受ける文字。
『謹賀新年 今年もよろしくお願いします』というごく普通の文章に、ネズミのイラスト。
――特に、どうしても今日中に渡さなければいけないものには見えない。
年賀状なんて3日以降に届くのも珍しいことではないでしょうに、と考えていると
愛がこちらの顔色を伺うようにしながら口を開く。
「……先生が年賀状を下さったのに、私の年賀状が届かなかったら
お正月からいきなり無視されたような不快な思いをさせてしまいますから……」
はあ、と曖昧に頷いて年賀状をこたつの上に置き、代わりに湯呑みを手に取りながら
「ここまで来て下さった貴女の前で言うのも何ですが、先生、お正月が特別な日だとは思えないのですよ。
年賀状だって、書かなくていいやなどと思われていたのならともかく、そういった事情で元旦に届かなかっただけなら
特に根に持たなければいけないことではありませんし」
そう言って緑茶を口に含むと、愛は困ったように視線をさ迷わせた。
「あ、あの」
おずおずと口を開く彼女に目で先を促すと、両手をぱっと上げて何かから身を守るようにしながら
「わ、私なんかがこんなことを言ってすみません。でも、あの、何て言うのか、
そんなに難しく考えるようなことでもない気がするんですけど……」
「難しく……考えてますかね?」
首を傾げると、望の視線から逃れようとでもするかのように細かく座りなおしながら再びおずおずと話し出す。
「私は、先生から元旦に年賀状が来たら嬉しいですし、来なかったら……ちょっと寂しいです、から」
生意気を言ってすみません、と消え入りそうな声で呟いて俯いてしまった少女を見つめ
頭の中で今言われたことを繰り返し――なるほど、と納得する。
「確かに、そうかも知れませんね」
自分だって、この少女からの年賀状が届かないよりは、届いたほうが、嬉しい。
例え、それが特別なものに見えない、ごく普通の年賀状だったとしても。
――それが、この少女が自分を喜ばせるために、わざわざ持ってきてくれたとなれば、尚更。
「有難うございます、加賀さん」
にこりと微笑んで本心からのお礼を口にした――途端、少女の顔が、歪んだ。
困ったように、あるいは怒ったように眉を寄せ、頬を真っ赤に染めて、焦ったように口をぱくぱくさせる。
「加賀さん?」
きょとんと尋ねる望の前でばっと勢いよく立ち上がり、先程とはうってかわって真っ直ぐにこちらを見つめながら
「べ、別に先生のために持って来てあげたんじゃないんだからね!!」
と叫ぶと、そのまま脱兎のごとく宿直室から飛び出してしまった。
「――は?え?ええ?」
すぐには事態が飲み込めず、一瞬硬直した望が我に返った時には、既に時遅し。
「ちょ、ちょっと!加賀さんっ!!」
慌てて後を追おうとするが、飛び出した廊下には少女の影も形も、もう無い。
――恐るべし、加害妄想。
「……私のためじゃないって、じゃあ誰のために持って来たんですか……」
疲れたように呟いてため息を1つつくと、のろのろとこたつに戻る。
結局手が付けられることの無かった湯呑みを見て、思わず苦笑が漏れた。
新年早々、何とも疲れる――ですが、悪くない来客でしたね。
そんなことを思って、置き土産の年賀状を見つめながら来客用の湯呑みを手に取る。
『謹賀新年 今年もよろしくお願いします』という、ごく普通の文章。
その下には、並んで仲良く寄り添うネズミのイラスト。
そう言えばせっかく会ったと言うのに、新年の挨拶もしていないじゃないですか。
まあ、お正月なんて特別なことでも何でもないと思いますけど。
「今年も、宜しく――お願いしますよ」
先程の真っ赤になった少女の顔を思い出して微笑みながら、こっそり1人そう呟いて
ゆっくりゆっくり、彼女のために用意した緑茶を口に含んだ。
16 :
199:2008/01/16(水) 05:17:52 ID:xHrVYjWO
お邪魔しました。ひっそり沈んで神様の降臨を待ちます。
あと、保管庫の12−143、12−166は自分です。
お手数おかけしますが199のまとめに入れていただけると幸いです。すみませんすみません。
こんな紛らわしい数字つけるからいけないんです本当にすみません。
>>199 沈ませてなるものかGJ!
やはり199さんはキャラを掴むのがお上手でござりますな。
キャラの表情や仕草が目に浮かぶようで、ニマニマしてしまう。
18 :
真昼:2008/01/16(水) 09:34:48 ID:ht7l2gTD
>>10 どんぴしゃりでございます。全然存じませんでしたー!
どうもありがとうございます。教えてもらわなかったらマゴマゴしっ放しでした。
>>199 文章の雰囲気やらキャラクターの把握っぷりやら、本当に見習いたい。
先生の天然タラシっぷりが良い意味で小憎らしい。照れる愛ちゃんも愛しいです。
ご迷惑おかけしました。改めて続きの投下をさせていただきます。
5レスとか大嘘言ってすみません。無駄に8レスも消費させていただきます。
可符香の自宅は、一般的な内装をした、ごくごく普通の家だった。
普段の彼女の振る舞いから、実は少々恐ろしいものを想像していたのだが。
ブーツを脱いでおずおずと上がりこむ望に、可符香はすっと二階へ続く階段を指差しながら、
「上がってすぐの所に部屋がありますから、そこのベッドを使ってください。
少し横になった方が、気分も楽になるでしょうから」
そう言うと、そのまま台所へ向おうとする。
「いえ、そこまで気を使っていただかなくても。もうそんなに気分は悪くないですよ」
その背を慌てて呼び止めるように声を上げて、パタパタと手を振って遠慮するが、
振り返った可符香は少しだけ怒ったような表情を作り、ピッと立てた人差し指を望の顔に突きつけた。
「いいえ、まだ少し顔色が悪いです。大人しく言うことを聞いて、横になってて下さい。
すぐに飲み物を持ってきますから。それまでちゃんと安静にしててくださいね?」
「わ、わかりました……、では、お言葉に甘えさせていただきます」
少しだけ強い口調に気圧されて、望は躊躇いがちに頷くしかない。
「はい。素直が一番です」
望が頷くと、可符香は表情を柔らかくして頷き返した。
言われた通り二階へ上がると、彼女の言った通り、上がってすぐの所にドアがあった。
だが、困ったことにドアは二つある。一瞬戸惑うが、もう一方のドアには「WC」と記されたプレートがくっついていた。
ついでだからと、一旦トイレを借りる事にする。
といっても、尿意を覚えたわけでもなく、ただ手を洗うだけなのだが。
自前のハンカチで手を拭きつつトイレを出ると、改めてもう一方のドアの前に立つ。
こっちのドアには何のプレートもついていない。おそらく客間か何かだろう。
一応念のために軽くノックをする。返事はなく、部屋の中からは誰の気配もしない。
一呼吸置いてから、ゆっくりとドアを開いた。
―――扉の先には、客間というには生活観の溢れた空間が広がっていた。
タンスや本棚、所々に置かれた小物類。そして部屋に染み付いた、覚えのある少女の香り。
「――え?」
思わず戸惑いの声が上がる。
疚しい事をしているわけでもないのに、何故か忍び足になりつつ部屋に入る。
キョロキョロと部屋を見回して、
「……もしかして、風浦さんの、自室……ですか、ここ……」
呆然としながら独りごちる。てっきり客間か何かに通されたものと思っていたが。
という事はつまり彼女は、普段自分の使っているベッドを男にすすめた、という事か。
いくら相手が担任教師とはいえ、異性に対してそれはあまりにもどうかと思う。
所在無さげにうろついていた望の足は、迷いに迷ったあげく、シングルベッドの前で止まった。
「……よ、横になんてなれるわけ、ないじゃないですか」
いつも彼女の身体を受け止めているであろうベッドを見下ろしながら、ボソリと毒づく。
只でさえ、さっきから妙な緊張感が身体を支配しているというのに。
その上女性の使っている布団に包まろうものなら、どうにかなってしまいそうだ。
(――って、何を緊張しているんですか。私は…ッ)
慌てて頭を振り、必死に冷静になろうと努める。
あんなものを見せられた後とはいえ、ただ生徒の家にお邪魔しているだけだというのに、何を緊張しているのだろう。
「えぇ、ええ。そうです、彼女はただの生徒さんなんですから。何も気を張ることなんてありませんッ」
自分に言い聞かせるように、あえて声に出しながら、思い切るように彼女のベッドに腰を降ろした。
柔らかく沈み込む感触。それに、ほんの少しだけ安らぎを覚える。
自然と溜息が漏れた。意図して肩の力を抜きながら、まだ納まらない動悸を鎮めようと、胸を押さえる。
深く呼吸を繰り返すと、部屋に漂う少女の香りが、肺を満たしていくようだった。
――その香りの中に混じる、僅かな「女」の匂いを感じて。
女というには幼い面差しの、一生徒に過ぎぬ少女へ向けるにはあまりに間違った感情が、俄かに彼の中で騒ぎ始めた。
「……ッ!」
膝の上で握り締めた拳が、細かく震えているのを自覚する。
気が付かないフリをしていたが、一度昂ぶってしまった男性自身は、
僅かな反応を見せたまま、今だ納まってくれていない。
脳裏を過ぎる、先ほど見た男女のまぐわい。
――その男女の役割を、一瞬、自分と――彼女に重ねようとして、
(―――やめろッ!!)
寸での所で、その光景を振り払った。
頭を抱えて、身体を丸めて、力いっぱい目を瞑る。
どんな淫夢でも、卑猥な妄想でも、それが名も知らぬ女ならばまだ、罪悪感にも耐えられる。
けれど彼女だけは、彼女にだけは、そんな感情を抱いてはならない。
そんな自分への嫌悪感に、とても耐えられない。
――あんな恥も理性もない、獣のように乱れた彼女の姿なんて、見たくない。
見たくないというのに、気を抜けば――女としての彼女を求めようとしている、この身体。
今まで、女生徒に対してこんな思いを抱く事なんてなかった。
きっと他人の情事なんて見せられた直後だから、見境がなくなっているのだろう。
結局、どんなにそういった行為を嫌悪しようと、この身は雄でしかないということか。
「……絶望した……」
「何にですか?」
頭上から降る、軽い声音。
「ぅひゃアあッ!?」
まさかの不意打ちに、思わず情けない悲鳴を上げながら盛大に仰け反ってしまった。
彼女は両手に湯気の立つマグカップを持って、こちらを見下ろしていた。
コートは脱いだらしく、今は黒いタートルネックのセーターに、短いスカートという出で立ちだ。
「い、いいいいいえッ、そのッ。い、居たんですか」
「ちゃんとノックしましたよ」
否応にも声が裏返る。そんな望の様子など気にしていないように、笑顔で片方のマグカップを差し出す可符香。
「どうぞ。インスタントですけど」
鼻腔を擽る甘い香り。礼を言いつつ受け取りながら中身を覗き込む。
「…ココアですか」
「疲れてる時は甘いもの、です。嫌いですか?」
「いいえ。ありがたいです」
両手で包み込むようにカップを持って、中身を一口啜る。カラカラに乾いた喉を湿らせるには丁度良かった。
望の隣に自然な動作で腰掛けながら、可符香はふと思い出したように口を開く。
「あ、飲み物用意するついでに、交君と霧ちゃんに連絡しておきました」
「あぁ、すみません。そんなことまで」
「いえいえ。私が引きとめたんですから、このくらい当たり前ですよぉ」
そう答えながら、自分の分を飲み始める可符香。どうやら中身は望と同じもののようだ。
くぴ、と小さく彼女の喉が鳴る。その様子を、湯気で曇った眼鏡越しに見つめながら、
「それで、二人は何て言ってました? やっぱり怒ってましたか?」
恐る恐るそう問うと、彼女は笑顔で頭を振りながら答える。
「大丈夫です。先生の体調が悪くて、今日は帰れそうにないって伝えたら、ちゃんと納得してくれました」
「そうですか。それは良かっ―――」
安堵したように頷く――その寸前で。
「……風浦さん」
聞き逃してはならない違和感に、頬に一筋の汗が流れた。
「ん?」
くぴ。もう一度、喉が鳴る音。
キョトンとした目でココアを飲んでいる可符香を、水滴の付いた眼鏡越しに見つめて、
「二人に、なんと伝えたか、もう一度言ってくれます?」
平静を装いつつ、着物の袖で眼鏡を拭きながら、再度聞いてみた。
「先生は体調が悪くて、今日は帰れませんって」
「……えーっと、それは、つまり?」
「だから。先生は、今日は私の家にお泊りです」
――長い沈黙が降りる。
時折、くぴ、と、可符香が喉を鳴らす音だけが場を満たして―――
「……はぁぁぁぁぁぁぁ……」
その静寂を破ったのは、深く長い、心底力の抜けた望の溜息だった。
「なんですか、そのリアクション」
やや不満気な可符香に、パタパタと片手を振りながら、望は力の抜けた声で答えた。
「いいえ。なんか、自分が馬鹿らしく思えただけです」
そう言う望の顔からは、先ほどまでの緊張が薄れていた。
あぁ、つまりこの少女は、こちらの事を「雄」としてなど、微塵も見ていないのだ。
気の抜けた表情で可符香の顔を一瞥すると、彼女はリスを思わせる仕草で小首を傾げて見せた。
その顔に、「雌」を思わせる要素など微塵もない。
ふっと苦笑が漏れる。可符香はよりいっそう訝しげな顔をして、望を見つめた。
「気の抜けた顔ですね」
「生まれつきです」
答える声からは、もう完全に力が抜けている。望は吐息を一つ吐き、天井を仰いだ。
「それじゃあお言葉に甘えて、一晩お世話になりましょうか」
「どうぞどうぞ。自分の家と思って下さってかまいませんよ」
そこまでリラックスはさすがに出来そうもないが、それでも大分自然に振舞えるようにはなった。
ようやく可符香の自宅の雰囲気に馴染んだのだろうか。それとも、彼女の気の抜けっぷりが伝染したのだろうか。
緊張が薄れると、とたんに眠気を感じて、望は欠伸をかみ殺した。
明日のことは明日に考えることにして、とりあえず早々に休ませて貰おうと、口を開く。
「で、私はどこで眠ればいいんです?
なんなら、毛布一枚貸してもらえれば、そこらへんに転がって寝ますけど」
「病人にそんな事させるわけないじゃないですか。ちゃーんと、布団で寝てもらいますよぉ」
見た所独り暮らしのようだが、どうやらちゃんと来客用の布団は用意してあるらしい。
感心しながら、改めて問い返す。
「それじゃ、私の寝床は?」
「やだなぁ。何をお惚け言ってるんですかぁ」
可符香はニコニコと笑顔で、ポンポンと自分が座っているベッドを叩いて見せた。
「ここに決まってるじゃないですか」
「へ?」
キョトンと目を丸くする望。
――それはつまり、このベッドを使え、という事なのだろうか。
「いや、さすがにそれはちょっと。貴女が寝る場所が無くなっちゃうじゃないですか」
まさか家人を差し置いて、自分がベッドで高い鼾などかけるわけもない。
慌てたように首を振る望に、可符香は――ほんの少し人の悪い笑みを向けた。
「大丈夫です。私もここで寝ますから」
「…………は?」
……どういう意味だろうか、それは。
考えるより先に、本能が理解することを拒否したのか、素っ頓狂な声を上げて固まる望。
そんな望を尻目に、可符香は口元に手を当ててニャマリと微笑みながら、
「一緒に寝ましょ、先生」
そんな事を、平然と口にした。
あまりにストレート過ぎる言葉に、固まっていた思考は否応にも動き出す。
「な、なに、ななななぬ……ッ、何を言って……!!」
呂律が回らない。ようやく解けたはずの緊張がまた、身体を支配していくのがわかった。
ダラダラと冷や汗を流しつつ、ブンブンと左右に頭を振って、必死に混乱する頭を静めようと努める。
「あ、ああああ貴女は、何を言ってるのか分かってるんですか!?」
無意識に座る位置を調整して、ジリジリと可符香から距離を取りながら叫ぶ望。
可符香は笑顔のままで、小さなテーブルの上にマグカップを置いて、
「何を慌ててるんですか? 先生」
ベッドの上に両手をつき、望の顔を覗き込むように距離を詰めてくる。
ギシリと軋むスプリングの音が、彼女の質量を意識させて――妙に、呼吸が苦しくなった。
細い両腕に押されて、ささやかな胸の膨らみが強調されている。
慌てて視線を横に逸らすが、女としての彼女を意識してしまってはもう遅い。
「だ、だから……一応、私も異性なんですから、少しは警戒していただかないと……」
「あれ。もしかして先生、わからないんですか?」
「何が――」
逸らした視線の先に、可符香の笑顔が回り込むようにアップで映る。
気が付けば、もう呼吸が触れるまでに距離を詰められていた。
息を呑みながら咄嗟に体を仰け反らせる。その拍子に、マグカップが手から滑り落ちそうになった。
「おっと」
その寸前。可符香の両手が包み込むように、望の掌越しにマグカップを支える。
コトリ、と。すっかり力の抜けた望の手からカップを奪って、自分の置いたカップの隣に並べる可符香。
「あ、す、すみません……」
思わず謝ってしまう。いや、そんな場合ではないのだが。
「先生」
改めて、といった感じで、可符香は仰け反った望の顔を覗き込んでくる。
体が後ろに倒れそうになって、咄嗟に両手を後ろについた。ベッドが僅かに軋む。
けれど可符香は近寄るのをやめない。それどころか、何のためらいもなく望の膝に片手を置いて、
「さわりっこしましょ、先生」
「さ、さわりっこ……って」
膝に置かれた掌の感触が生々しく感じられて、思わずゴクリと唾を飲む。
――さすがにもう、彼女が自分を男として見ていないなんて、思えなかった。
その瞳に色欲など感じられない。けれど、彼女の言動は男を誘うそれとしか思えない。
「あ、貴女は……そういうつもりで、私を……家に?」
もしかしたら、あの男女の行為を見せ付けたのも、自分をその気にさせるためだったのだろうか。
もしそうだとしても、何のために。何故。
「まぁ、半分はそうです」
「もう半分は?」
「あのままじゃ先生、帰り道で倒れちゃいそうだったから」
心配してくれたのは、本当のようだ。
吐き気に震える背に置かれた優しい手の感触と、今、膝の上に置かれた掌の感触が同じである事に、ほんの少しだけ――傷ついた。
「……風浦さん」
滾る一部分とは裏腹に、俄かに悲しくなってくる。
弱々しく、可符香の両肩に手を置いて、そっとその小さな身体を引き剥がしながら、
「やめてください、本当に――貴女とだけは、嫌なんです」
その言葉がどれだけ残酷か知りつつも、ゆっくりとそう言った。
―――嫌悪ではない。むしろ、彼女の事は気に入っている。
個性豊かな生徒たちの中でも、妙に彼女の存在が気になっていた。
春、卯月。
桜の舞う日に出会った時から、心に刺さるこの感情は――もしかしたら、恋なのかもしれなかった。
けれど、だからこそ。
無邪気に笑うその瞳が、情欲に染まるのを見たくない。
鈴の音のような愛らしい声が、男を求めて喘ぐのを聞きたくない。
その細い身体を、今まで交じり合った女と同じように扱いたくなかった。
「貴女も、わかってくれたんじゃないんですか。私が、そういうの……駄目だって」
男女のまぐわいから逃げ出した姿を見て、彼女は全て察してくれたものと思っていたのだが。
「うーん」
可符香は、明確な拒絶の言葉を身に受けても、まったく気にしていないようだった。
両肩に置かれた手を交互に見やり、そっと、その手に頬を寄せてくる。
「先生は、そういうのが怖いんですよね」
「やっぱり、わかってるんじゃないですか」
手の甲に触れる柔らかな頬の感触にドギマギしつつも、不満気に答える。
望が手を離そうとする気配を察すると、可符香はそっと彼の両手を掴み、自らの両手で包み込んだ。
「でも私、さわりっこしよう、としか言ってないですよ」
ぎゅっ、と、包み込む両手に力を込める可符香。
「そ、それでも困るんですっ」
「こうしているのも、怖いですか?」
包み込んだ両手を胸元に寄せて、上目遣いに見つめてくる。
その両目は恐いほどに迷いなく、望を求めていた。
けれどそれは明らかに、今まで望の身体を求めてきた女たちのそれとは、違う。
何が違うのだろう。それが知りたくて、どうしても目を逸らすことができない。
「優しく頭を撫でられるのは嫌いですか。
誰かにぎゅっとしてもらう時の、くすぐったい気持ちは怖いですか?」
染み入るような声音に呼応するように、昔感じた体温を思い出す。
それは今まで抱いてきた女たちとの経験ではなく――幼い頃、近しい人と触れ合った、懐かしい体温。
「そ、れは……嫌いじゃ、ありません」
「ですよね」
その返事に、可符香は満足気に微笑むと、そっと望の手を解放する。
「――あ――」
途端。胸が、少しだけ痛んだ。さっきまで感じなかった空気の冷たさを感じる。
望が小さく声を上げたのを確認すると、可符香はまた望の両手を握り締めた。
「やっぱり、先生は寂しがりやさんです」
――それでようやく、何故胸が痛んだのか気が付いた。
羞恥に耳まで真っ赤にしつつ、否定もできずに固まる望。
「さわりっこするのが恐いなんて人、居るわけないじゃないですか」
ベッドを僅かに軋ませて、可符香が身を乗り出してくる。
もう身を退くことはしなかった。そのまま、無抵抗に抱きしめられる。
まるで母にあやされるような感覚に、何故だか少しだけ泣きそうになった。
彼女の背に手を回す。少しだけ力を込めて抱きしめ返し、鼻先をより強く胸元に埋めた。
瞳を閉じて、満たされていく感覚に酔いしれる。――だが、まだ、物足りない。
「先生、もっと触りたくないですか?」
「え」
「物足りないんじゃないんですかぁ?」
「な、何をおっしゃっているのやら」
ぎこちなく視線を逸らすも、触れ合った部分は否応にも熱を持ち、お互いの体温を感じさせる。
―――きっと自分は、彼女を求めているのだろう。情けないほどに。
けれど、今までにないこの感情はなんだろう。ただ性欲を満たすだけでは足りない。もっと深く、根の深い場所にある欲求。
「好きなように、触ってみてもいいですよ」
覗き込んでくる丸い瞳。まるで誘うように瞬きをして、じっと望の瞳を見つめている。
「す、好きなように、ですか」
擦れた声で答えながら、おずぽずと手を伸ばす。触れた頬は柔らかく、僅かに紅潮していた。
頬から顎にかけて指を滑らせる。きめ細やかな肌の感触を楽しむように。
――むにゅ。
「ふぇ」
軽くつまんでみた。
妙な声を上げて目を細める可符香。――そのまま、ちょっと引っ張ってみる。
「うにー」「うぅ〜」
二人して気の抜けた声を上げる。しばらくして、堪能したのかようやっと手を離す望。
s
散々うにうにされた頬を撫でながら、不満気に呟く可符香。
「んー……、好きなようにとは言いましたけど、ちょっとどうかと思います。痛いです」
「――っふ、あはは」
堪らず笑みが零れた。色気もなければ意味もない、子供のような触れ合いを望んだ自分が可笑しかった。
「先生、失礼です」
「い、いえいえ。貴女の顔が可笑しかったんじゃないですよ」
怒らせてしまったかと思い、機嫌を取るようにもう一度頬を撫ぜる。
自然と、視線が唇に向く。きゅっと引き結ばれた、小さな桃色の唇が愛らしい。
「――好きに、触っていいんです、よね」
咄嗟に、そんな言葉が口をついていた。引き結ばれた唇が解け、小さく赤い舌が覗く。
「キス、したいですか」
「………」
少しだけ考えるように、彼女の唇を見つめた。
――口づけてしまえば、もう、さわりっこでは済まされないだろう。
今更ではある。けれど、これ以上進むべきか、僅かに迷った。
「私は、したいです。
先生のこと好きですから」
―――彼女の唇の動きが、鮮明に頭に焼きついた。
視線を瞳に移す。そこにあるのは、深く深く、真っ直ぐに迷いなく、望を求める二つの光。
ここまできてようやく、彼女と今までの女たちの違いを、理解した。
彼女は男でも雄でもなく、ただ一人「望」を求めているのだと。
「………」
言葉が出ない。何か答えなければならないのに、気持ちが胸につかえて、外に出てくれない。
あまり長い台詞を喋っては、情けなく声が裏返りそうだったので、
「――私もです。私も……好き、です」
不器用に、そんな短い台詞でしか、答えられなかった。
それでも可符香は嬉しそうに微笑んでくれた。幸せそうに両の目が細められる。
伸ばされた彼女の両手が、すっと望の眼鏡を奪い去った。不明瞭になった視界で、彼女の存在だけがクリアに映る。
くっ、と彼女の方から首を伸ばしてくる。
柔らかな髪を撫でるように手を回して、身体ごとかき抱くように引き寄せた。
お互いの吐息が絡まる。
少し乾いた自分の唇が、彼女の柔らかなそれを傷つけてしまわないかが気になった。
けれど一度触れ合ってしまえば、そんな心配も掻き消える。ただ、その感触に夢中になった。
息苦しさに可符香が僅かに唇を開けば、すぐさま舌を滑り込ませる。
「……んぅ」
小さな呻き声。それが息苦しさからくるのか、戸惑いからくるのかわからなかった。
僅かな水音。粘膜同士の触れ合い。不慣れながらも応えようとする、小さな彼女の舌の温かさ。
「――――」
涙が出るほど、愛おしかった。
きっと、自分が長いこと望んできたのは―――この感情なのだろうと、そう思った。
28 :
真昼:2008/01/16(水) 09:50:10 ID:ht7l2gTD
接吻させるだけでえらい長くなるのは何故だろう…次回はエロスに入れるかと思います。
もうちょっとお付き合いいただければ嬉しゅうございます。ご迷惑おかけしました。
相変わらず上手すぎ
次回のエロスとかエロスとかエロスとかに期待!
>>28 私は・・・自分のツボは『くちびる』だと気が付きました。
気付いてしまったーw
大甘で虫歯になっちゃうくらいの胸キュンマジパロ希望。
原作でフラグが立ってるにもかかわらず、見たことのないカップリングに挑戦してみます。
マ太郎×甚六で。
またあの夢を見た。
夢だということはわかっている。わかっているから、どうすることもできない。
ジャングルに囲まれた村。ひどく蒸し暑い。嗅ぎ慣れた硝煙と血の臭い。
私は目の前の幼い少女に、SMG(短機関銃)を向けている。
少女の瞳は、怯えと絶望、そして諦めの色に染まっている。
私の後ろから、足跡が近づいてくる。
どうする、どうする、どうする…
「死んでやるー。もう死んでやるー!」
なんとも物騒な絶叫が、職員室の方まで聞こえてきた。
しかし、もうこの部屋にいる誰も、その声には驚かない。
「またですか。あれでよく教師が務まりますね」
SCの知恵先生がそうつぶやく。
「まあまあ、あれが糸色先生なりの教育方針なのでしょう」
とっさに、私はそう言ってフォローした。あまりフォローになっていない気もするが、仕方がない。
「どんな方針ですか。そんな風におっしゃるのは甚六先生だけですよ」
千恵先生は、腕組みをしながらそう切り返してきた。この動作で、豊かな胸が強調される。
狙ってやってるのか、このひとは。
あいにく私は、そういった感情にはここ何十年も縁がない。
「離してくださいっ。今度こそ、今度こそ本当に自決します。死にますから!」
"死"か。
良家のお坊ちゃまに生まれ、何不自由なく育ってきた彼が、死のいったい何を知っているというのか。
「先生?」
千恵先生が、不思議そうな顔で私を見ている。
いかん。つい険しい表情になってしまったようだ。
私はいつでも「仏の甚六」でなくてはいけない。そう生きていくと決めたのだから。
「ジンロク。なあジンロクセンセ」
放課後の廊下で、私に声をかけてくる女生徒がいた。この子は確か、留学生か何かの…
「関内君。どうかしましたか」
「マリアでイイヨ。関内・マリア・太郎!」
元気に返答されたので、少し気おされた。
「ああ、あなたにはミドルネームがあったのですね」
どうかしてる。太郎って何だ、どう見ても女子だろう。
とはいえ、この学校自体、どうかしてる高校なのだから仕方がない、と私は気をとりなおした。
こんな適当な職場だからこそ、私のような経歴不明者でも雇ってもらえるのだ。
「ジンロクは、おしゃれ上級者なのナ」
「はい?」
いきなりそういわれても、意味がよくわからない。
「エート、背中に、おっきいアクマのタトゥー」
あ。やはり見られていたのか。
確かに、私の背中には巨大な般若の面の彫り物がある。
以前、つい気が緩んで更衣室でシャツを脱いでしまったことがある。
あのとき誰かの気配を感じたのだが、この子だったのか。
「それでナ、その、ゴメンナ」
マリアは急にしゅんとした表情になってしまった。
「ジンロクのタトゥー、すごくカッコイイと思ってナ、みんなに教えた」
「困りましたね」
口ではそういいつつも、表情はあくまで笑顔を崩さないで言った。
ばれてしまったのは面倒だが、学校側も彫り物があるという程度の理由で解雇はできまい。
「このクニでは、背中にタトゥー入れてるのは、ギャングメンバーだけなんだろ。マリア、知らなかった。ジンロク、ギャングか? クビか?」
私が彫り物を入れたのは、十九のときだった。
あの頃は若かった。とにかく、誰にもナメられたくない、その一心だった。
しかしすぐに、気の早い決断に後悔した
なにせ、気軽に銭湯にも行けない。
親からは勘当され、土方の仕事さえ断られた私は、もう極道になるしか無かった。
ヤクザの世界に入ってしばらくして、組の若頭に気に入られた。
出世のチャンスがやってきたと張り切った私は、彼の命令なら何でも従った。しかしそれが罠だった。
ある日、私が若頭の指示どおりに弾いた男は、上の組のお偉いさんだった。
身内殺しの汚名を着せられた私は、ついに日本にもいられなくなった。
「なーなー、もっかいホリモノ? 見せてナー」
職員室に戻ろうとした私の後を、いつまでもマリアがついてくる。
私がクビになるのではと心配した彼女に「彫り物程度でその心配はない」と説明したところ、
急にもう一度見せてくれとせがみ出したのだ。
「ダメか?」
急に心細そうな表情になって、そう聞いてきた。まるで親にはぐれた子供のように。
「ここではちょっと困りますね。人のいない部屋でなら」
そう言ってやったら、一転して満面の笑顔を浮かべた。
まったく、この子の頼みを断れる人間なんて、そうはいないだろう。
階段の脇に掃除用具室がある。狭くて、おまけに薄暗い部屋だ、ここなら誰も来ないだろう。
「これでいいですかな?」
上半身裸になって、背中を見せた。正直異様な光景だろう。人が見たらどう思うことか…
しかし、それでもかまわない。彼女と話しているうちに、なぜかそんな気分になってきたのだ。
それにしても、私の体も衰えたものだ。若い頃の面影はもうない、などと考えていると、
「エヘヘヘ」
何を思ったか、彼女が急に背中に抱きついてきた。からかわれているのか? それと、何か感触が変だ。
「マリア君?」思わず振り返る。
マリアは全裸だった。
いつの間に。床には脱ぎ捨てられたセーラー服がある。というかそれしかない。
「君、し、下着の類は?」
「もってないヨ」
そう答えられて、あっけに取られている隙に、押し倒されてしまった。
「とう!」
さらに、私の上に飛び乗ってきた。馬乗りの姿勢で、少しずつこちらに体を近づけてくる。
「んー…」
やめたまえ、と言おうとしたが、うまく口が回らない。
彼女が首に抱きついてきた。そして有無を言わせず、唇を重ねてくる。
やわらかい。そして、暖かい。女性の体とは、こんなに気持ちがいいものだったか。
しかし、なんとか抵抗しないといけない。横を向いて強引に唇を離した。
すると彼女は、私の頬をなでながら、耳元でこうささやいた。
「なんでも、するヨ」
そのまま、耳に、そして首筋にキスの攻撃を仕掛けてくる。過去に知ったどんな女よりも、巧みな愛撫だった。
「どこで覚えたんですか、こんなこと」
思わず聞いてしまう。
「マリア、いろんなお仕事知ってるヨ。女の子なら誰でもできるお仕事、いっぱい覚えたヨ」
にこやかに笑いながらする話ではないでしょう、と言いかけたが、すぐにまた唇をふさがれる。
今度は、なかなか開放してもらえなかった。舌を絡め合わせながら、彼女は優しく、私の背中をなで続けた。
その一つ一つの動作が心地いい。
もうこんな感情には、縁がなくなったのではなかったのか。
いや、嘘だ。そもそも、あの日以来、女性と肌を合わせたことなどなかった。
単に他人と触れ合うことから逃げてきただけだった。
三十年近く前、私はアジアのとある小島にいた。
紛争地域専門の国際民間警備員、と言えば聞こえはいいが、要は傭兵だ。
それも、正規の軍隊にはできないような、汚い仕事ばかり回ってくる。
だが、自分などいつ死んでもかまわない、そう考えれば、どんな危険な任務も苦にはならなかった。
そのときの雇い主は、この国を独裁政権によって支配している軍人だった。
作戦目標は、独立派ゲリラの排除。
より正確に言うなら、ゲリラの疑いがある島民の即時射殺。
そして、この島に「ゲリラの疑いが無い」者など一人もいなかった。
たとえ幼い子供でも、手榴弾を握り締めて自爆攻撃を行うぐらいはできる。
上陸してわずか3日で、私の部隊は作戦目標の9割を達成した。
まさに悪夢だった。殺されるほうにとってはもちろん、殺すほうにとっても。
だが、今さら逃げることはできなかった。
もしも任務を放棄したら、後ろから仲間に撃たれてしまうだろう。
この島で自分たちがしたことを、誰にも知られるわけにはいかない、
隊員全員が「共犯者」として、死ぬまで秘密にしておかなければならない。
この島で最後に残った集落を本隊が殲滅している間に、私を含む分隊は残存者の掃討を行っていた。
ほかの部隊が通ったあとを回り、動いている人間がいれば撃ち、原型を留めている家屋があれば火を放つ。
そして、集落の食糧庫らしき粗末な小屋をふと覗いてみたところ、そこに人影が見えた。
思わずSMGの銃口を向ける。その先にいたのは、まだ12・3歳ぐらいの少女だった。
少女の瞳は、怯えと絶望、そして諦めの色に染まっている。
なぜ生きているんだ、私はいらだった。これがただの死体なら、これ以上心が痛まずにすむのに。
逃がしてやれないか? いや、それはありえない話だ。こいつの運命は、ひとつしか残されていない。
後ろから、仲間の足音が聞こえてきた。私が戻ってこないのを不審に思い、様子を見に来たのだろう。
この少女の、これからたどるであろう運命が、実は2つあることに気がついた。
つまり、今から数人の男に陵辱されたあとに殺されるか、ここで私に殺されるかだ。
せめてすぐに楽にしてやれと、私の中の悪魔が告げる。
どうなろうとかまわない、傍観していろと、もう一人の悪魔が告げる。
足音はすぐ近くまで迫っている。どうする、どうする…
気がつくと、私はマリアを抱きしめていた。
「ドシタ? ジンロク」
彼女は私の眼鏡を外し、目尻にそっと口付けをした。
泣いていたのか、私は。
思わず涙を拭いた私の指を、すかさず彼女は口に含んだ。
暖かく、柔らかな舌の感触が心地よい。
そして、頼まれてもいないのに丁寧に私の指をなめてくれるその仕草には、底知れない慈愛が感じられた。
この子は、単に男性が喜ぶ方法を知っているだけではない。おそらくは、世界中の全ての人間を愛しているのだろう。
その感触に気をとられている隙に、自然な動作でベルトを外された。
さらに、私の服を全て脱がそうとする。
「な、ダメだ、それは」
拒否するが、逃がしてはもらえない。
「なんでダ? すごく元気ダゾ?」
そういいながら、局部を撫で回された。その瞬間、全身がしびれるような感覚に襲われた。
「その、これ以上は」
「知ってる、"誘い受け"ダナ、ジンロク」
私の目をじっと見つめて言いながら、その手で男性器をしごき始めた。それだけで、めまいがするほどの快感に襲われる。
諦めた私は、彼女のあごに優しく手を沿え、今度はこちらから口付けをした。
それだけのことで、心からうれしそうに微笑んでくれた。
そのまま、マリアを冷たい床に押し倒した。もうこれ以上、彼女に奉仕させる気はない。
「こんな年寄りにいたずらされて、何が嬉しいんだ?」
今まで攻められっぱなしだったので、少し意地悪なことが言いたくなる。
だが、それに対する彼女の反応は意外なものだった。
「パパ…」
頬を赤く上気させて、先ほどまでとは別人のように瞳を潤ませて、こちらを見ている。
私のことを、遠い国の自分の父親と重ね合わせているのか。そもそも、彼女の父親はまだ生きているのか。
なんにせよ、その表情で私はますますいきり立った。
しかし、こんな少女にこんなものを入れて大丈夫なのだろうか。いくら経験ありとはいえ。
さらに彼女はつぶやく。
「Come on…」
もう理性は残っていなかった。私は今までの優しげな態度を全て捨て、動物としてオスが行うべき行為を行った。
行為の最中も、彼女はときおり微笑み、私の唇を求めた。
私が果ててしまうまで。
またあの夢を見た。
夢だということはわかっている。わかっているから、変えなくてはならない。
後ろから、足跡が近づいてくる。どうする…
「ヘイ、ジン。そんな所で何やってんだ」
そう怒鳴りながら、同じ部隊の男が小屋に入ってきた。
結局、私はあの時、少女を撃てなかった。
「おお、女じゃねえか。まだガキだが、まあいい」
私はこの男を心から軽蔑していた。いや、ある意味ではうらやましかった。
罪悪感というものを一切感じないという、その性格が。
「たまには、私にも犯らせてくださいよ」
そう言いながら、私は戦闘服とシャツを脱いだ。背中には般若の彫り物。
「ジャパニーズってのは、こんなオコサマがいいのか。理解できねえな」
男は床に座り込んだ。順番を待つつもりらしい。
彼にこう尋ねてみた。
「我々は、死んだら地獄行きでしょうか」
「聞くまでもねえだろ!」
即答か。
「では先に待っていてください」
そう言いながら、私は無防備な彼の頭部にSMGを数発撃った。これで即死だろう。
少女は呆然とした目で私を見ている。
何をやっているんだ、私は。アクション映画の主人公にでもなったつもりか。
その後、何重もの幸運に恵まれて、私は奇跡的に島を脱出できた。
しかし頭部に重傷を負って、記憶の一部を失ってしまった。
記憶を? そうだ。
私は、あの夢の続きを、今まで忘れてしまっていたんだ。
「ジンロク、起きたカ?」
どうやら、行為が終わったあと、そのまま気を失ってしまったらしい。
マリアが、膝枕をしてくれていた。
すでにあたりはすっかり暗くなっており、非常灯の緑色だけが、ぼんやりと私たちを照らしていた。
「パパ」
ん。今なんと?
「マリアね、パパを探してニッポンに来たんだヨ」
そうなのか。
「ていうか、本当のパパは、どこの誰だかよく分かんないんだけどネ」
そんな重大な事をさらっと言われても。
「昔ネ、マリアが生まれるよりずっと昔、ママのことを助けてくれたヒトがいたんだって。だからそのヒトのことをパパだと思いなさいって、サイゴにママが教えてくれた」
私は、体を起こしながら尋ねた。
「その人は、どんな人なのですか」
「名前はジン、ニッポンジン。背中に…おっきいアクマのタトゥー!」
これはいいものだ
>私の後ろから、足跡が近づいてくる。
投下してから気がついた。なんで「足跡」? 「足音」だろうが。
絶望した!
想像もしなかった組み合わせだが、いいなGJ!
しかしこのスレもとうとう13スレ目か・・・
1スレ目から6スレ目までが4年以上かかってることを考えると
アニメが始まってからの勢いは目を見張るものがある
8 :名無しかわいいよ名無し:2008/01/15(火) 18:45:19 ID:9iVf4ZWx0
「う・・・あっ・・・」
「やだ、せんせいもうこんなになっちゃって・・・」
そういうと彼女は望自身を再びくわえ込み、
その絶妙ともいえる舌加減で緊張をほぐしていった。
「・・・ん、先生、こっちもおねがい・・・」
そういうとことのんはその誰にも見せたことのないであろう
女の部分、それをそっと望の顔にのせた。
また、望のそれもことのんの顔のまえにあるのでいわゆる69になったわけである。
しかしことのんの容赦無い舌使いについに望は耐え切れなくなり
急に起き上がったかと思うといまだ咥えたままのことのんの頭をつかみ、上下にピストン運動をさせた。
「(やだ・・・せんせいのわたしのくちでおっきくなってる・・・)」
そしてひとしきり激しく動いたかと思うと、まるで一物に押さえつけるようにことのんの頭を押し付けた。
ことのんは望の愛液を口全体でうけとめ、必死で飲み込もうとしている。
しかし・・・
「ぶふぉっ!ぶふっ、ぶふぇっ!」
やはり女生徒ほどのテクニックでは無理があり、すこしばかり吐き出してしまった。
しかし、このような状況にもかかわらずことのんの花弁は本番への準備を済ませていた。
「ほらぁ・・・、みてぇ、せんせぇ・・・」
ことのんは自分の花弁をくぱぁとんだれかきたようだううわーなにをするきさまら
これはひどいwwwww
初めてssを書いてみました。あびる×先生です。
読みにくいところ多々あるかと思います。
どうぞご容赦ください…。
私は夕暮れの光が差し込む自室の中で溜め息をついた。
撫でさすっていたワオキツネザルの長い尻尾に目を落とす。実に美しいしま模様とコシのある毛並み。私の数多くのコレクションの中でもお気に入りのひとつ。だがしかし。
違う、今、私の切望する感触はー
私のクラスの担任は随分と変わった男だった。
新学期早々、首吊り騒ぎを起こした。毎日のように、世間の事象を過剰に恐れ、被害妄想をこじらせて勝手に絶望し、死ぬ死ぬと声高に叫ぶ。まるで馬鹿、いや馬や鹿に失礼だ。いい成年男子が…
世界中の尻尾を集める夢を追って、険しいマニアの道を進む私には彼があまりに幼く見えた。
家庭訪問に来た時だって、せっかく尻尾の中から選りすぐって似合いのものをあてがおうとしたのに、真っ青な顔で逃げ出す始末。こんなホモサピエンスはイグアナあたりのハードな尻尾で叩き、しつけるのが妥当だ。くだらない。
だが一方で妙に保護愛をくすぐられる時もあった。注射を恐れて泣きわめく子犬のような姿。ラインバックのほうが数万倍もかわいいからそんな気持ちは微塵にも出さなかったけれど。
しかしあの夏の日から私は変わった。
ギラギラと照りつける太陽の下、まるで健康的な男女のように私と先生は波しぶきをあげてじゃれあった。動物たちとのスキンシップ以外で私がはしゃいで笑うなんて、自分でも驚いた。包帯が乱れるほどー
笑いすぎて息切れしている私に、そっと近づいて先生は耳打ちした。
「小節さん、好きですよ」
「!」
その瞬間、私は沸騰した。思わず彼の顔を見返す。目が合うと先生はにっこりと笑った。私の心臓ははっきりと早鐘を打ち、頬は熱くなった。これは恋だ。人間相手の初めての恋だ。
あの日以来、私は自慢の尻尾コレクションを愛でても、以前のような興奮が湧き上がらなくなってしまった。
先生のあの笑顔がちらついてしまうから。まったく、マニアの名にふさわしくない事態だ。
しえん
申し訳ありません!20行以内でも書き込めなくなってしまいました…
日を改めて投下いたしたく思います。ごめんなさい
52 :
199:2008/01/18(金) 04:31:18 ID:U5+Tm/45
>>51 「1行目が改行で 20行以上の長文」だと書き込み不可なだけで
改行は確か60行くらいまで大丈夫だったはずですよ。
お待ちしております。
エロ書こうとする→なかなか書けない→気分転換にネタでも→すらすら進む→
絶望しt(ry
>>51様を待つ間2レスほど小ネタでもどうぞ。
【木津 千里の場合】
「ロミオ、ロミオ、どうして貴方はロミオなの?
お父様と縁を切り、モンタギューの名前をお捨てになって。」
「貴女のお言葉どおりに致しましょう。これからはただ恋人とお呼びください。
これからは決してロミオではありません」
「本当に?」
「は?」
「私、こういうのきっちりしてもらわないと嫌なんです。
姓氏改名の手続きとか、相続放棄とか、全部ちゃんと手続きしてください!」
「ええと……この時代にはさすがにそういう手続きは存在しないと思うんですけど……」
「じゃあどうやって縁を切ったって証明するんですか!ああもう、いらいらする!うなー!!」
「ちょ、落ち着いてくださいどこから持ち出したんですかそのスコップいやあああぁぁぁ!!」
【常月 まといの場合】
「ロミオ……貴方はどうしてロミオなのでしょう?」
「いえあの、このシーンで既に背中に張り付かれていると私、どうやって登場すればいいのか……。
ここって確かジュリエットがテラスで、私が庭にいるシーンでしょう?」
「先生との距離がそんなに開くだなんて、私、耐えられませんから」
【小森 霧の場合】
「……………」
「……あのー、小森さーん、とりあえずテラスに出てきて下さいませんか。シーンが進みませーん」
「……私が部屋を出て行くと、キャピュレット家が滅んじゃうって、可符香ちゃんが」
「……滅んだ方が、ある意味平和に物語が進みそうなんですけどね」
【小節 あびるの場合】
「あれはひばりよ!朝の訪れを告げ、貴方を私の元から飛び立たせようとするにっくきひばり――」
「ちょちょちょちょ、ちょっと!何で貴女だけ別のシーンになってるんですか!
これってロミオとジュリエットの……その……事後のシーンじゃないですか!!」
「だってテラスのシーンって、しっぽのある生き物が登場しないじゃないですか。
ひばりのしっぽも本当はもう持ってるから興味ないんですけど」
「だからって既成事実は勘弁してください!ひばりも私もリリースする方向でお願いします!!」
【藤吉 晴美の場合】
「おのれ、仇敵モンタギュー、悪党め!ジュリエットにこれ以上近付くな!!」
「待てコラ!」
「先生、口調が」
「何で貴女ティボルト役になってるんですか!それジュリエットの従兄弟でしょう!
ロミオに殺される役でしょう!」
「何言ってるんですか!キャピュレット家の一員として、従姉妹を守ろうとしてロミオと決闘するティボルト。
しかしその心には憎しみ以外の感情があることに剣を交えるうちに気がついて――」
「気がつきません!ロミオとジュリエットっていう大前提まで覆さないで下さい!」
「えー、先生ひょっとしてティ×ロミじゃなくてロミ×ティなんですか?」
「そうじゃねえって言ってんだろ!」
「先生、口調口調」
【風浦 可符香の場合】
「大丈夫!貴方がモンタギュー家の人間でも、私がキャピュレット家の人間でも
人 は 皆 神 の 子 だ か ら !」
「……何だかもう、突っ込むのにも疲れてきたので貴女の解釈でいいような気もしてきました」
【日塔 奈美の場合】
「ああロミオ、貴方はどうしてロミオなの?
お父様と縁を切り、モンタギューの名前などお捨てになって、代わりに私を受け取ってください!」
「受け取りましょう、貴女のお言葉どおりに。これから私の名は貴女の恋人、決してロミオではありません」
「まあ!一体どうやってこの屋敷に忍び込んだのです?家の者が貴方を見つければ
憎いモンタギュー家の一員である貴方には20の刃が襲い掛かるでしょうに」
「何 で す っ て !
それはさすがに困りますね……それでは今夜はお宅の家人に見つからないうちに、これで失礼します」
「……え?ちょ、ちょっと先生!何で帰ろうとするんですか!
『貴女の愛を得られないまま生きるのならば、ここで彼らに殺されたほうがよっぽどましだ』ですよ!」
「何を言ってるんですか!死んだらどーする!」
「死んだらって、ロミオなんですから最後には死んじゃいますよぉ!」
「いやまあ、最後までやればの話でしょう……最後までやるんですか?こんな普通のロミオとジュリエット」
「普通って言うなぁ!!」
55 :
199:2008/01/18(金) 04:43:55 ID:U5+Tm/45
こんな小ネタばっかり日々考えている自分の頭はどうやったらデトックスできますか。
絶望した!エロパロ板なのにエロくないSSばっかり書いていることに絶望した!!
次回はちゃんとエロいの落とします。きっと。ごめんなさいごめんなさい。
人は皆神の子なら近親相姦だから大丈夫じゃないだろとか思ったが、人それぞれ創造主が違うなら
モンタギュー家の神とキャピュレット家の神が仇敵同士なわけでやっぱり大丈夫じゃないよなー。
>>42 もの凄い衝撃を受けた
最後の台詞に和んだ
60 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 11:18:55 ID:2ePbToGf
望「みなさん、おはようございます。
三連休、いかがお過ごしだったでしょうか」
奈美「基本的に、家でゴロゴロしながらテレビ見たりしてましたよ」
望「そうですか、日塔さんらしいですね」
奈美「……」
あびる「私は動物園でアルバイトしてました」
芽留『尻尾目当てでか。引っ張られる方の身にもなってみろミイラ』
千里「ていうか先生、その格好はいったいなんですか?
なんで紋付袴を着ているんですか?」
千里「はぁ?先生はもうとっくに成人を迎えているじゃないですか」
望「えぇ、確かにそうです。
しかし、成年になったからといって一人前になったといってもいいものでしょうか。
成人式に出席している成人のうち、どれだけの人間がいまだに幼稚であることか!
いくら年齢上では成年になったからといってもです。
果たして彼等を一人前の大人として認めてもいいものだろうか!」
千里「確かにそうですけど、それと先生がそんな格好をしている理由が繋がりませんが」
望「実は私、成人したときに成人式に出なかったので、
この機に雰囲気だけでも味わおうと思いまして」
千里「さっきの発言、関係ないじゃないですか!」
奈美「えー、じゃぁもしかして成人式、出てきたんですか?」
望「いえ、若い人たちが怖くて無理でした」
千里「全っ然意味ないじゃないですか、その格好……」
奈美「ていうか先生も比較的若いですよね」
芽留『ファッションセンスは一世紀前だけどな』
望「私、突然壇上に上がってパフォーマンスを始めたり、
会場の前で酒盛りしたり、奇声を上げて町中を闊歩するような、
いかにもな方々と関わって厄介ごとに巻き込まれるのはごめんです」
奈美「そんな所ばかりじゃないと思うんですけど……」
あびる「じゃぁ、先生。もしかして成人したときに出なかった理由もそれですか?」
望「いえ……、昔の友人に会うのがなんだか気まずかっただけです」
あびる「……」
奈美「でも、その気持ちわかります。
小学校とか中学校である程度仲良くしてた人達って、
進学したあと遊ぶ機会がほとんどないから、
いざ会うとなると相手にどう思われてるか気になっちゃいます」
あびる「そうね、下手に関係を悪くしたくないから、
以前のように接していいのか不安になるわね」
千里「でも、さすがに成人式に出るのを拒むほどじゃないでしょう?」
あびる「まぁ、そうだけど」
望「いいですよ、先生、どうせ心の弱い人間ですから」
芽留『要は友達が少ないってだけだろ( ´,_ゝ`)プッ』
可符香「ですが先生、話は戻りますが、
成人したのに大人とは言えない人間が多いのなら、
大人と子供の違いって一体どのようなものなのですか。
基準は何なのでしょうか」
望「大人と子供の違いですか……。そうですねぇ……」
一旧「私はある種のwebサイトの門をくぐるときに、
背徳感を覚えるか否かが分かれ目だと思いますが」
望「いきなり出てきてそういうネタはやめてください!
ていうかほとんど男にしか通用しませんから!」
マ太郎「私の国、ミンナ小さい頃カラ働かないト生きてイケナカッタ。
ミンナ立派な大人だったヨ……」
望「そういうリアルなネタもご勘弁願います……」
臼井「僕の頭髪はもう大人なんでしょうか」
望「しかし、大人と子供の基準というものは意外と難しいものですね。
昔ならば今よりも明確であったのでしょう。
締め付けが強かった分、個人の自意識もそれなりに高められていたから、
大人とはどういうものなのかがはっきりしていたのかもしれませんね」
芽留『てめぇの実家がまさにそんな感じなのに、お前がお前だから説得力皆無だな』
まとい「先生、そろそろ私達も大人の関係に……」
望「うわっ!いたんですか!」
まとい「えぇ、ずっと」
望「はぁ……、びっくりしましたよ。
常月さんはいつにも増して豪華な衣装ですね、どうしたのですか?」
まとい「うふふ……」
千里「(……イライラ……)」
望「……ってそうじゃなくて!さっきのような危険な発言は避けてください!
前にも言いましたが、先生、法廷画にはなりたくありません!」
まとい「つれない事言わないでくださいよ、先生♪」
望「やめてください!やめてください!」
千里「(……イライラ……)」
望「ん?なにやら不穏な空気が漂っていますが……」
あびる「いい加減悟る力もつけたほうがいいよね」
千里「あー、なんでこうも大人と子供の境目って曖昧なのかしら……、
大人ならきっちりしなさいよ、断るときはきっちりと断る、
口だけじゃなくてしっかりと行動でもって示さなきゃダメじゃない……、
そんなんだから勘違いする人が増えるのよ、まったく……、
ていうかまだ成人してないガキのくせに大人の関係だなんて、
生意気なことを言うんじゃないわよ、きっちりしなさいよきっちり、
それに先生は私が……ブツブツ……」
晴美「先生!千里はもう臨界点突破直前です!」
望「こ、これはやばいですね……。皆さん!早く避難を!」
マ太郎「ガ・ム・シャン!ガ・ム・シャン!」
望「そっちじゃありません!」
千里「ふふ……、大人と子供の区別はきっちりさせなきゃね……うふふ」
奈美「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
霧「ねぇ、交君、ニートって子供かな?大人かな?」
交「俺に聞くなよ」
うおぉ、最初のやつ、台詞一つ抜けてたぜ……。
以下、訂正部分。
×
千里「ていうか先生、その格好はいったいなんですか?
なんで紋付袴を着ているんですか?」
千里「はぁ?先生はもうとっくに成人を迎えているじゃないですか」
○
千里「ていうか先生、その格好はいったいなんですか?
なんで紋付袴を着ているんですか?」
望「なんでって、成人式だからですよ」
千里「はぁ?先生はもうとっくに成人を迎えているじゃないですか」
すまんでござる。
「あーもう!」
もうひとつの気に入らないこと。約束した夏祭り以来先生の様子が何だかおかしい。
最初は照れているのかなと思った。
しかし愛用の包帯でスキンシップをはかれば「放生会リリースありがとうございます!」なんて叫んで逃げてしまった。私は呆けてただ後ろ姿を見守るしかなかった。
次はツンデレかなと思った。警戒心と信頼のあいだで揺れる餌付け段階の野良猫のような。
だがあの後、学校でも外でも明らかに私を避けて目すら合わそうとしないし、会話も必要最小限の挨拶ぐらい。デレなんていつまでも出してくれない。
あんまり苛々したのでつい、ストーカー女まといちゃんを校庭の大木に縛り付けてしまった。
先生は一体どういうつもりなのか…
私は撫でていた尻尾を壁の飾り台に戻す。
募る苛立ち。不安。いてもたってもいられなくなる。
誰かに相談する訳にもいかない。先生については、女子は既にみんなライバルになってしまったから。
もう一度、先生と一対一で話をしたい。そのうえで、人間の女としてするべき躾はさせてもらおうー。
数日後の日直当番の日に私は行動を起こした。学級日誌と一緒に、先生にそっと包帯の切れ端を渡す。それにはマジックでこう書いてある。
「お聞きしたい事があります。放課後、教室で待っていますー」
それを見た先生の顔がこわばった。昼ドラのように陳腐な手だが、数多くの敵の目から逃れるには仕様がない。
窓から見る夕暮れが美しい。地平線の近くでは徐々に闇が夜の準備を始めているけれど、
誰もいない教室を見事に茜色に染め上げている。
もうそろそろ来る頃だろう。ヘタレとはいえ教師、日が落ちてから、のこのこと女生徒のもとへ来るような夜行性の行動はとらない筈だ。
はたしてターゲットは教
室の入り口から顔を出した。
「こ、小節さん、すみません、遅くなりました」
振り向いた私と目が合うと、慌てて逸らしおどおどとした挙動を取る。
「先生…」
私は彼のほうに足を進めた。
「…海に行った日のこと、覚えてますか」
ぎくりと彼は身を震わせる。
「…はい」
記憶を無くした訳ではないようだ。
「私、あの時本当に…嬉しかったんです」
「…」
先生の顔を見上げる。もっとも私は左目に眼帯をしているので、顔の右側を彼に近づけてじっと見つめる。彼は目をそらしたままだ。
「先生は、私のこと、どう思っているんですか」
重苦しい沈黙。
「先生…!」
促すと、ぽつりと彼は呟いた。
「あれは、影武者が…したことでして…」
「はあ?」
思わず声に出してしまった。
「小節さん、すみませんでしたっ!」
私がぽかんとしたその隙をついて、彼は今来た入り口に向けて走り出そうとする。
「待ってください!先生!」
口に出すより早く、私は両手の袖に隠し持っていた包帯を繰り出した。優雅に伸びるそれで先生の両足首を捕捉する。
「わああ」
彼は音を立てて無様に転んだ。影武者?何、それ?言い訳としても成立していないだろう。
結局、あの告白は気の迷いという事か。私は意識しないようにしていた心の傷が開いた気がした。
こうなったら意地を見せてやる。
「私を、本気にさせた罪は重いです」
「いや、だから、わあ」
先生の間抜けな声が挙がる。包帯を手繰りながら、教室の隅へ先生をずるずる引っ張っていく。彼は身を起こして抵抗するが、私の鍛え上げたスキルにかなう訳
がない。
「な、何をするんですかあ」
「聞こえません」
まったく仕様のない男だ。包帯で全身を締め上げてしまえ。私と同じ様な姿にしてしまえ。そのうえで躾をするしかない。
やがて包帯を手繰り寄せると、無様に尻餅をついた先生の体に、私はぴたりと身を寄せた。暖かい、人間の、男の身体。本当はこんな包帯なんか使わないで触れ
たかったけど。
「先生」
見上げると、先生とやっと目があった。夕日の映る綺麗な瞳に、意識が吸い込まれるかと思った。
困惑して、でも頬を赤く染めた端正な顔。あの日感じた興奮が蘇ってきて私の心を揺らした。躾の前に、欲望が湧き上がった。
私は先生の顔を見据えながらそっと、口づけした。彼の体がこわばる。気づかないふりをして先生の唇を自分の唇でなぶる。歯を舐めあげて徐々に舌を侵入させ
る。先生の舌を捉えて、絡ませてみる。
「…んっ、ふう」
苦しくなって、一旦唇を離して息を吸う。と、先生が急に荒々しく口づけてきた。え、ちょっと…!彼の舌が私の口内を乱暴に掻き回して、くちゅくちゅと音を
立てる。私は不意をつかれてされるがままになってしまった。体の芯が急激に熱くなる。
「はあ、はあ」
「す、すみません、つい…」
悔しい。こんな男にリードされるなんて。しかし、私が熱望していたのはこの感触だった。
私は先生をきっと睨むと、彼の下半身の辺りにゆっくりと手を伸ばして探りあてた。…熱くて、固くなりつつある尻尾。
「せんせい…このしっぽ…」
ゆっくりとその尻尾を両手で包み込むと、先生は急に慌てふためいて、
「いや、ち違います!ちょっと、あの、女人の刺激でですね…絶望した!こんな己の欲棒に絶望した!」
一通りまくしたてるのを待って。
「せんせい、勃ってる…」
私は袴の紐を無理やりほどいて、下着から先生の尻尾を露出させてしまった。
「こ小節さん!」
夢にまで見た先生の尻尾。動物たちの生殖器とは全く違う、皮膚に保護された逞しい肉棒−うっとりと半分ほど勃ったそれを見つめてから、私は優しく口づけし
、くわえてみた。雄の臭いが広がる。熱い。脈動を感じる。
「あっあ…」
先生の尻尾は大きくて、私の口に全ては収まりきらない。それでもできる限り奥までくわえると、全体を舌でねぶり回し、時には吸い上げた。念入りに先端部
を舌でなぞる。尻尾は刺激を受けて固さを増しさらに大きくなる。
「うぅ…はあっ」
いやらしい愛撫の水音と頭上の先生の喘ぎに胸が高鳴る。見上げると彼は真っ赤な顔で目をそらした。私は悔しくなって、さらに力を入れて舐めあげる。わざと音を立てる。
「せんせえの…おおきひ…」
「うはあっ!し、喋らないでください!」
先生は慌てて私の頭を持ち上げた。
潤んだ、しかし熱のこもった目を間近に見て、嬉しくなった。先生は、発情している…。
透明な液体が尻尾の先から溢れてきて、私は名残惜しくて舌ですくいあげた。
「こ、このままでは出てしまいます…」
「だして、ください」
そうしたら躾をしてあげるから…
しかし先生は私の顔を抱えると、再度唇を合わせてきた。侵入してくる熱い舌。動物たち相手とは全く違うキス。口内を隅々まで犯されている感覚に下腹部が燃え上がる。気が遠くなりそうだ。
「はあ、はあ…ひゃうっ!?」
先生が私の唇を解放した次の瞬間、首すじに熱い感覚が走る。包帯をしていない部分に強く唇が吸いついて、鈍い痛みに体がびくっと震えた。
あざになっちゃう…言葉にする暇もなく唇はすうっと鎖骨をたどり胸元をついばむ。先生の手がお腹から入ってきて私の胸を包帯ごしに優しく掴んだ。抵抗できない。
「痛くないですか…」
「ん、は、はい」
つい素直に答えてしまう。先生は胸を揉みしだきながら、包帯をずらして私の乳首を探している。何だか生まれたての仔猫みたいで、私は快感のなか少し可笑しくなった。しかし次の瞬間、探
し当てられた乳首が露わになって、思いきり吸い付かれた。
「ひああっ」
思わず声が出てしまった。かあっと全身が熱くなって苦しい。先生は両の乳首を指と舌先で転がし、甘く噛む。
「ああっ…やっ…いたっ…あふ」
「乳首立っちゃいましたね…」
「それ、は、せんせえが…やああ」
何度もきつく吸い上げられると、私はあまりの刺激に先生の頭を掴んでのけぞってしまった。異常なほど股間のうずきが高まっている。先生は私の胸を蹂躙しながら右手で私の体のラインをなぞる。包帯が乱れると私
の理性が崩されていくような気がした。彼が内ももを撫でる度に、この前作った打ち身に指が触れて、痛みが走る。でも今はそれすら興奮している自分に驚く。
スカートの中に手が入ってくる。下着はつけていたけど、自分でも分かるぐらい…濡れてしまっている。私も発情している…
「濡れていますよ…」
先生は微笑むと下着も一気に引き下ろした。私のももを両手で持ち上げると、大事なところを眼鏡をかけ直してくまなく凝視した。恥ずかしさに足を閉じようと
すると強い力で押し戻されてしまう。
「や、いや…は、はず…みないで…」
「恥ずかしいですか?見られるのはいやですか?」
そう呟くと先生は私の濡れそぼった大事なところに勢いよく口づけて何度も何度も舐めあげた。蕾も、ひだも、入り口も、その中も。先生の舌に犯されていく−
じゅぶっ、じゅる…
「ひゃっ…ああっ!んん!」
駄目、駄目。私おかしくなっている。こんなに、ぞくぞくと体中が熱くなって蜜が溢れ出すなんて、今までにない快感がびりびりと走る。口が締まらない。
もっと、してください、もっとー!言葉にならなくて私はただ赤子のように声をあげる。
「あああん!あっ…やああ…!」
先生は私の足の間から笑みを浮かべて私を見た。獲物を前にした猛獣のように眼が光っている。
「小節さん…」
そして先生の唾と私の蜜でべたべたになったあそこにゆっくりと指を入れてきた。
「はあっ…」
侵入した先生の細い中指が段々激しさを増して私の中をかき回す。ぐちゅぐちゅっという卑猥な音に私は益々恥ずかしくなって、同時に湧き上がってくる興奮で心臓が全身が震えてしまう。完全降伏。
「あっ、ふ、やあっ、せんせ…え」
頭の奥がしびれ出して腰が動いてしまう。もう何も考えられない。
「ひあああっ…!」
先生が蕾ををぎゅっと押すと同時に私の中を指の腹で強くすりあげた。と意識が飛んだ。花火のような煌めきが見えた気がした。
がくがくと大きな痙攣。
「はああ…」
一人で慰める時とは比べものにならない陶酔感で私はぐったりと惚けていた。
「…あびるさん、入れますよ…」
先生の声が遠くから聞こえる。私はぼうとなった意識のなかーせんせい、今私のこと名前で呼んだ…
力の入らない私の腰を抱えあげてあそこに入ってくる大きくて熱い熱い感触。先生の尻尾。
「あひっ!」
固くて熱い鉄のようなそれが、めりめりと私の肉壁を押し広げた。痛い!
「きつい…あびるさん、大丈夫ですか?」
「へ、へいきです」
私は歯を食いしばって耐えた。徐々に、侵入してきた尻尾は私の膣にすっぽり収まった。
「…は、入った…」
私は今先生を包みこんでいる。何だか涙が出てきて私は息も絶え絶えに言葉を口にした。
「あはあっ、せんせい、せんせい」
先生は優しく笑うと私の上に覆いかぶさって、ぎゅっと抱き締めた。そしてゆっくりと腰を動かしはじめた。
「あふんっ、あん、あっ!ああっ」
あまりに強い刺激。先生の熱い尻尾が私の奥に当たる度に矯声が出てしまう。ただマシーンのようにがくがく揺れる体。必死で目を開けると先生の顔が間近にあって、じっと私の顔を見ている。こんなに乱れた私を見られているなんて。
「あっ、ふっ、みな、いで、あん!んん」
先生はふっと笑うとまた私の胸に唇を当てて歯を立てた。
「やん!ああ、はあっ」
昇り詰める意識のなかで私は必死に先生の頭に手を伸ばした。
先生は腰を一層激しく動かしながら、私のだらしなく開いた口に唇を押し付けた。上も下も先生でいっぱいで、もう−私は半分泣きながら先生の口の中で叫んだ。
「あふっ、もう、だめえ、いき、あああん」
「ああっ、先生も…もう…あびるさん!」
「あ、だめえ!あう、いっちゃううっ」
「!」
先生が驚いた顔をしたすぐ後、絶棒が蠢き熱い液体が私の中に注がれるのがわかった。息も荒く先生が私の上に倒れこんできた。私は放心状態で抱きしめる。
二人の荒い息が教室に響く。
そこで意識が途絶えた。
日はすっかり落ちて、夕闇は教室中を満たしていた。
気が付くと、私は先生の腕の中でまどろんでいた。辺りにほどけた包帯が散らばっていた。
発情した雄と雌が交尾した、それだけのことの筈なのに。こんなに満たされた幸福な気持ちは。
「せんせい…」
呟くと、彼が目を開けた。
「小節さん…」
薄暗いなか、お互いを確認しあうように視線を絡め合わせた。
「…私たちも、動物だったんですね」
先生は困ったような笑みを浮かべた。その顔が可愛くて愛おしくて、私は両手を伸ばして先生を抱きしめた。
「本当は躾をするつもりだったのに…」
「…?躾?」
「はい。大人のオスになるための」
私は半身を起こすと教室の隅に置いた物体を指差した。
「あれは…?」
「尻尾ですよ。コモドオオトカゲの」
「…」
「叩かれると、しゃきっとしますよ」
先生は泣きそうな顔で答えた。
「勘弁して下さい…」
「今日はしませんよ。でも、また変なことを言ったら…お尻とか…」
「…」
青ざめている先生にまた抱きついて、私はそんなおしおきも楽しみにしている自分に気がついた。
終
70 :
反省:2008/01/18(金) 18:35:10 ID:Znk2i7Vk
まずは昨晩、投下でご迷惑かけてすみません。何とかpcと携帯で書き込みました。
次に情のない、冗長で稚拙な文章ですみません。書くのにす、すごくhp減った…職人さんてすげー
最後にスレ汚しすみません。特に昨晩から投下していらっしゃった方々。大反省しつつROMに戻ります
改行する位置が悪いかな、ちょっと読みにくいのが惜しい
でもGJ!出来ればまた投下して欲しい、書くのも楽しかったはず
72 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/19(土) 23:03:47 ID:JJV0QtLo
浮上
OPの可符香が先生とまといの抱き合う姿を見てショックを受けているように見える
でもあのまといの可愛さはガチ
opはいいな。凄くいいな。
>>61 なんか普通に絵が見えてくるくらいに上手い。
無駄なくまとめる能力は凄いな。
>>70 GJです。これからも楽しみに待ってます。
あびる視点なのはなかなか新鮮でした。
>>46それ俺が書いたwwwしかもデビュー作www
そして投下 望×愛 まったくエロくない
本番いく寸前で終わり では
すいませんいろいろあって夜書くことになった
ごめんなさい
決めた。他の人に合わせて書きたくないものを書いても仕方ないものね
誰か准×可符香をください
>>73 俺にはまといとくっついた先生を可符香が吊るしたように見えたw
義務感小森さんが可愛すぎてOP吹っ飛んだ
書いても反映されない
「ふぅ・・・」
露天風呂の中に入り、落ち着いて辺りを見回す。よし。安全。
まったく、気を抜いたら狙撃される世の中なんて、いやな時代になったものだ。
今日は生徒たちの修学旅行引率で来たのだが、ここには毎回宿泊するらしく、
女将達の対応もやけに手馴れた感があった。
それにしてもせっかくの休日なのになんで引率なんてしなければならないのだろうか
せっかく智恵先生も着てくれてるんだから全部やってくれればいいのに
ああもうまた絶望してきたぞ絶望した!やらなくていい職務を押し付ける社会に絶望した!
もうだめだもうこれは死ぬしかない早くロープを探さなくては。
でもまてよよく考えたら教師って生徒の保護も役割のひとつだし
第一何も死ぬことはないぞ、ていうかよく考えたらそこまで絶望することでも
「・・・おっと! 危ない危ない、危うくデトックスされてしまうところでした」
そういいながら望は傍らに用意済みの添加物を口にし、肩までどっぷりと湯に浸かるのだった
去年来た旅館のため、少しは対策もしてきているのである。
周りは静かで、虫の音さえもしない。真っ暗闇。
そうした中、望が眠気というまどろみの中うとうとしてしまったのは仕方のないことであっただろう
・・・どれくらい時間がたっただろう。
どこからか視線を感じた望はぱっと顔を上げるとすぐに辺りを見回した。もはや習慣となってしまったこの行為、悲しいことである。
何もない。しかし声はする。
「・・・さい! ・・・めんなさい! わたしごとき・・・」
「愛チャン、早く入ろうヨ」
「はっ! ごめんなさいごめんなさい! 気を使わせてしまいすいません! わたしなんかより三珠さんどうぞお先に!」
・・・これまた珍しい組み合わせである。
そしてすぐにザッパーン!と大きな音が。 大方、マリアが飛び込んだのだろう。もっと落ち着けばいいものを。
つづいてチャプ・・・と静かに入る音。控えめな愛そのものわ表しているようだ。
音がしないことを考えると真夜ももう入ったのだろう。
「(いや、問題はそこじゃないです。 なぜ彼女たちがいるんですか・・・。今は教師の入浴時間のはず・・・。)」
実際にはそんな時間などとっくにすぎており、午後八時になっている。だが、当然望はそのことを知らない。
望の記憶が途切れる前が五時だったことを考えると三時間ほど湯に浸かっていたことになる。
あわてて添加物を口にしようとするが見当たらない。猿でも出たのだろうか。
とりあえずこんな時間に温泉にいたらたとえ男湯といえ変質者扱いされてしまう。
ただでさえここは竹壁一枚のみで仕切られているというのに・・・。
「(早く・・・、早く出なくては・・・)」
しかし焦って音を立ててしまっては本末転倒だ。急いで、かつ慎重に温泉から抜けなければ。
そーっと、あくまで静かに抜け出すのだ。そう、あくまでそーっと・・・
「あれ?今男湯から変な音がしたような・・・」
「ソウカ?マリア、別ニ聞コエナカッタケド」
「ど、どうしましょう、変態とかだったりしたら・・」
「ヨシ、マリアチョイトミテクルヨ!」
まずい、とてもまずい。ああどうすべきかもういっそ正直に謝ってしまおうかいやしかし
いくらなんでもそんなことをすれば実家が黙っちゃいないし無職になるのも嫌だかといって
どうやってこの状況を
「! ダレカイル!」
考えるより先に体が動いた。とっさに息を大きく吸い潜ったのだ。
上半身を上にして水面と平行になるようにして潜ったのである。温泉が濁っている事も幸いした。
「アレ? ダレモイナイ」
予想通りうまく隠れれたようだ。後は早く戻って欲しいのだが・・・
それでもあと1、2分はいけるだろう。マリアもさすがにあきらめるはずだ。
こちらからも外は見えないが、声ぐらいなら多少聞き取れるし大丈夫だろう。
そう考えた望は、聴覚を研ぎ澄ますことに専念した。
どうやらマリアは誰もいなかったことに疑問を抱いているらしく、ンー、とうなっているようだ。
しかしやがて諦めたのか、そのうなり声も聞こえなくなった。やっと助かった、と望が安堵した次の瞬間、
「チエ先生 ソッチ男湯ダヨ!」
「(ぶふぉっ! ぶふっ、ぶふぇっ!)」
思わず吹きだししそうになるのを必死で抑える。ち、智恵先生、なぜ男湯に!? それにしても、なぜこんなときに来るんだ。
望の不満をよそに、マリアはしゃべっていく。
「ン、マア今ならソッチでも大丈夫カ。
それにしてもチエ先生のムネ、オッキイナ。アイダにバナナとか挟めるンジャナイカ?」
この言葉に、健全な成人男性である望は、正確には望自身が反応しないわけがなかった。
だがもしフル勃ちすれば姿勢から考えても確実に見つかってしまう。
望はがんばって精一杯萎える物を思い浮かべていった。複雑な数式、海亀の産卵シーン、ことのんのSS・・・
しかしマリアは追い討ちをかけるように智恵先生と会話していく。
「脚もキレイダナ。スラッとシテルシ」
「お尻もデカイシ、ボンキュッボンテヤツダナ」
望はだんだんと理性が本能に負けていくのを悟っていた。しかし、
負けるわけにはいかない。負けてしまえばそれこそ人生の終わりである。
だが、
「先生、毛もシッカリ刈リソロエテルンダナ」
この一言はきつい。智恵先生のソコが見えるという事はすなわちバスタオルをはおってないということになる。
望は思わず智恵先生の裸体を思い浮かべてしまった。そしてそこから性交にいたる自分の姿・・・。
もちろん望は本能と必死で戦った、しかし相手が強すぎたのだ。
望むのそれは立派な自己主張をし、そこだけにひんやりとした空気があたる。
「(終わった・・・。へへ・・・燃え尽きたぜ・・・真っ白にな・・・)」
そう望が考えて少しの間、何も音はしなかった。もしや、智恵先生が状況から察してくれたのでは、という
淡い期待も抱いたりしたが、
「びばっ!(痛ッ!)」
急激な痛み。そこへの。何かぶつけられたようだ。と同時に気付く。自分が温泉から顔を出してしまったことに。
「す、すいませんっ!
ち、智恵先生こ、これはですね決して覗きなどというは、破廉恥な行為ではなく・・・
な、なんというかそのですね・・・・・・ご、ごめんなさい!・・・あ、あれ?」
望が命乞いをやめ恐る恐る頭を上げた先、そこに智恵先生はいなかった。それどころか誰もいなかったのである。
いまいち状況が理解できない望は竹壁のほうを向く、壁の上からマリアがこちらをみていた。
そして、満面の笑みで
「センセー、ソコデナニヤッテルカ?」
と、問いかけてきた。
簡単に言えば、釣られたのである。
こんな少女に・・・しかも自分のを見られてしまった。また憂鬱になってきた。
しかしまずはこれをどうにかせねばならない。隠すものがないのでしょうがなく全裸で立ち上がる。
その瞬間
「ウオット!」
マリアがバランスを失い、竹壁ごと倒れてきた。しかし、すんでのところでマリアはジャンプし見事な着地をした、
そこまではよかったのだが、着地の反動でそのまま滑ってしまい、やっと止まったと思ったらそれは
偶然置いてあった作業用スリッパがマリアの足にはまってしまったからであった。
「キモイキモイ! ダレカタスケテ!」
大声で何度もそう叫びながら脱衣所に出て行ったマリア。まあ、大事にはならないだろう。
それよりも今気がかりなのは、
「せ、先生・・・」
この二人、加賀愛と三珠真夜である。そして問題点とは今フル勃ちしていてさらにそれを見られているということだ。
ふたりは露天風呂から出ようとしていたようであり、温泉に浸かっているのは膝から下くらいである。
そのため、女子高生の豊満な胸や恥部が丸見えなわけである。この場合は、愛はうまく両手を使って隠しているが。
ちなみに三珠はというと、愛の後ろに隠れてしまっている。
それにしてもそこまで貧相な胸ではない。C、いや、Bぐらいか・・・
「何見てるんですか・・・訴えますよ」
思考停止した。絶対に言うはずのない相手に、絶対に言われてはならないことを言われてしまった。
しまった、忘れていた。デトックス効果・・・恐ろしい子・・・。
と、とりあえず落ち着いて状況を整理しよう。
女生徒二人、その担任教師(フル)、薄い壁一枚の露天風呂・・・
まずい、証拠が多すぎる。かといって証拠過多にはならないだろう、なにしろ真夜までデトックスされているのだ。
望がどうやってこの状況を抜け出せば言いのか必死で考えていると、もう一言
「じろじろ見ないでください。覗きなんてして・・・」
なんという強気。いつもの加害妄想はどこへやら、である。
それにしてもこれはまずい。下手すれば一生変質者の汚名を背負わなくてはならない。
外に出るたびにそんな目で見られたら自殺するしかない・・・ そうだ自殺し
「それから」
思考をいつの間にか近くに来ていた愛に遮られる。このとき望が本当にパニックになったのはしょうがないことだろう。
何しろ普段の加害妄想がすさまじいものだ、そしてそれがすべて抜け出たとすればどれだけ毒舌になることやら。
そんなことを考えていると、愛がすぐそばで、はっきりとした口調で言った。
「ちゃんと責任・・・とってくださいね!」
ここで終わり。ある画像とかいろんなレスとか見て思いついたネタでした
>>76のとおりデビュー作がことのんで
2作目だけどなにかおかしいところがあったら是非。
誰か続き書きたかっらぜひかいて
鳥はこっちで固定 ありがとうございました
ここで終わり。ある画像とかいろんなレスとか見て思いついたネタでした
>>76のとおりデビュー作がことのんで
2作目だけどなにかおかしいところがあったら是非。
誰か続き書きたかっらぜひかいて
鳥はこっちで固定 ありがとうございました
一回言えば分かる。
この前まで先生×可符香が一番好きだったが、何故か最近木野×加賀に嵌まった…
マイナー中のマイナーだけど書いてみる
スカネタかと思って…そっちを期待してしまった自分に絶望した
名前のせいで一瞬痛い子かと思ったけど面白かった
朝目にあった絵のネタだな
実質初投稿だから焦ったんだw
でもまあまあよかったかなと
とりあえず満足のいく作品になりました
ありがとうございました
皆さま初めまして。
今までROM専に徹していた者ですが拙いながらも短い作品を投下させて頂きます。
望×可前提の准→可です。
カフカ本人は登場していない久藤君のモノローグっぽいもので、あまりエロくないですが一読して頂ければ幸いです。
―きっと永遠に永遠に片想い―
それでも、僕は構わないんだ。
彼女の笑顔を見る事が出来るのなら。
彼女が幸せになるのなら。
彼女の想いが叶うのなら。
…そう自分に言い聞かせて思わず苦笑いした…なんて陳腐な恋愛小説の様な恋なのだろうと。
「ねえ、もしヒマだったら私と遊ばない?」
今日も当てもなく街を歩いていると見知らぬ女に声を掛けられた。
いわゆる逆ナンという奴で。
「いいですよ。」
それを待ち望んでいた僕は同級生からは人あたりが良いと言われる笑顔でOKの返事をした。
喫茶店で軽食を奢ってもらってからOLだと自己紹介した彼女の一人暮らしのマンションに連れ込まれた。
それ以後は容易に想像出来るお決まりのパターン。
「…あぁっ…ひゃぁぁ…んんっ…いっ、いいぃぃ…もっとぉ…」
酷く耳障りな女の嬌声に辟易しながら行為にひたすら没頭していた時。
ふと自分の身体の下でシーツに乱れた髪を広げ激しく喘ぐ女の姿に彼女を重ねてしまった。
“…久藤くん…久藤くぅん…もっと…してぇ…あぁっ…ん…”
彼女が切なそうな声で僕の名を呼びながら濡れた瞳で自分を見上げている。
背中に回された細い腕、トレードマークのヘアピンが外れて乱れた前髪、杏より甘い柔らかな唇、桜色に染まる肌。
今、自分が抱いているのは彼女の様な錯覚に一瞬だけ陥った。
(…気を紛らわせるつもりだったのに代償行為になるなんて…最悪だ。)
正気に戻り内心で忌々しく愚痴ってから行為をこれ以上続けるのも苦痛になり、さっさと女を絶頂に追いやった。
ベッドの中、満ちたりた顔をして眠る女に既に興味がなくなり背を向けて瞼を閉じる。
(木野みたいに鈍感だったら僕はこんなに恋に苦しまずに済んだのだろうか)
(まだ彼女が誰を想っているのか気付かなければ楽だったのか)
(その彼女に想われている相手も彼女を想っている事実を知らなければ救われたのか)
もう全く意味を成さない自問自答を心の中で何度も繰り返す。
いつもポジティブな彼女の笑顔が脳裏に浮かんだ。
僕の心を揺らす太陽の様で時には残酷に見える笑顔を。
「…可符香さん…。」
密かに想いを寄せる同級生の名を小さく呟いた時、知らず知らず涙が頬を伝っていたのに気付いた。
「…僕は神なんて信じない…。」
これからも神様との約束を忠実に守る少女への叶わぬ想いは自分を苦しめ続けるだろう。
―終―
以上で投下終了です。お目汚し失礼致しました。
どうも自分は長編が苦手で短編ばかり書いております。
ですので長編が書ける方がとても羨ましいです。
出来れば幸せな准×可も頑張って書いてみたいです。
それでは失礼します。
>>100 GJ!短編も割りと好きだぜ読みやすいし
幸せな准×可も待ってる
>>90 すばらしいssかけるんだから変な名前やめれ
「半分あげる。」
「そう。」
ちゅぱちゅぱ
ちゅー
「…」
ずずっ
「?」
「ありがとうくらい、言いなさいよ!」
「えぇー!何が!?」
「…私の体で寸劇を始めないでください…」
木津の無意識が必死にサインをだしているのに、鈍感な藤吉は全く気がつかないという
悲しい絵だったな。あれがソフトクリームだとまたメタファーとしての意味が違ってくるのだが。
105 :
430:2008/01/22(火) 00:38:13 ID:98kkWfiU
こんばんは。
えー、またしてもJAS●ACの方からお叱りを受けそうなものを
書いてしまいました…。
先生が高校に赴任する直前の捏造話で、
先生とブラコン倫ちゃんしか出てきません。
エロなし小ネタなので、本来は埋めに使うべきなのでしょうが
エロが書けず小ネタばかりが溜まってきてしまったので…。
―――春、それは希望の季節。
草花が悦ばしげに芽を吹く季節。
そして、この季節には、様々な想いもまた、芽吹き、形を作っていく…。
ぶぁっ
一陣の風に、望がマフラーを巻いた首をすくませた。
暦の上では春分の日を過ぎても、ここ蔵井沢では、まだ風は冷たい。
望の隣で、倫はふふ、と笑った。
「まさに、春は名のみの風の寒さや…ですわね。」
2人は、屋敷の裏にある小さな山に登っているところだった。
望は、マフラーの間から白い息を吐き出しながら倫を見た。
「ああ、その歌好きですね。知ってますか、倫?
この歌は、信州人の春を待ちわびる心を歌ったものなんですよ。」
「知ってます…お兄様ったら、何だか、もう先生みたいな口調。」
「…いいじゃないですか。あと10日もすれば、私は正真正銘の教師なんですから。」
くすくすと笑う倫に、望は拗ねたように口を尖らせた。
望はこの春、教師として、東京の高校に赴任することが決まった。
今日が、望が蔵井沢で過ごす最後の日となる。
離れで荷造りに勤しんでいた望に、
中学校から帰ってきた倫が、裏山に登ろうと声をかけたのだった。
その後、登り坂がだんだんと厳しくなり、2人は無言になった。
しばらく歩き、ようやく街を見下ろせる高台に着いた。
息をきらしながら、2人で、目の前に広がる景色を見下ろす。
冷たい風が、2人のほてった頬を心地よくなでた。
「思ったよりも、狭かったんですね…この街。」
ぽつんと呟く望を、倫は見上げた。
望は、目を細めて、懐かしげに眼下の街を眺めていた。
「子供の頃は、随分広いように感じましたけど…。」
街を見下ろす望の表情を見て、倫は胸がざわめくのを感じた。
望の表情は、もはや、この街を生活の場としてではなく
思い出の場所として見ている人のそれだった。
倫は、急に兄を遠くに感じて、思わず、望の着物の袖をつかんだ。
望が驚いたように倫を見下ろすと、倫の顔を見て困ったように笑った。
「まったく…お前は相変わらず甘ったれですね。何を心配してるんですか。
ここから東京なんて、新幹線でほんの1時間ですよ。」
「…。」
「景兄さんだって命兄さんだって東京にいるんですから。
倫もちょくちょく遊びに来なさい。」
倫は、うつむいて首を振った。
違う。
上の兄達が上京したときは、こんな不安な気持ちにはならなかった。
理解できない感情が自分の中に生まれているような気がした。
そして、それを見極めることが、どこか怖いような―――。
倫は、それ以上、考えてはいけないような気がして、
慌てて望から手を離すと、望に背を向けて歩き出した。
しばらく、倫は望から離れたところをうろうろと歩き回っていたが、
ふと、足元に、黄色い可憐な花が顔を出しているのに気がつき
かがみこむと、そっと小さなその花弁に積もった雪を払った。
後ろから、雪を踏みしめる音が近づいた。
「福寿草ですか…やはり、もう春なんですね。」
倫は、望を振り仰いだ。
「ねえ、お兄様。早春賦の心…東京の人には、理解できるのでしょうか。」
「どうでしょう。確かに、東京の春は早いですからね…。
先日行ったときには、もう桜がちらほら咲いてましたよ。」
「…。」
倫は、再び福寿草を見ながら、ぼんやりと考えていた。
望と倫は、子供の頃、この季節になると春の訪れを待ちきれず、
雪の中を駆け回っては福寿草や雪割草を探したものだ。
そして、雪の中に小さくも鮮やかな色合いを見つけては、歓声を上げた。
しかし、来年からは、倫が雪の中にささやかな春を見つけているその頃、
望は、満開の桜の下を歩いているのだ。
東京では、色々な人との出会いもあるだろう。
自分の知らない人達で埋まっていく、兄の新しい生活。
そのうち、自分以外の誰かが、桜の下、望の隣を歩くようになるのだろうか。
倫は、ふいに心臓を鷲掴みにされたような衝撃を覚えた。
「…倫?」
急に胸を押さえてうつむいた妹に、望が心配そうな声をかけた。
しかし、倫は、望に答えることができなかった。
胸の激しい動悸に、息が浅くなる。
目の前の、真っ白な雪の中の福寿草の黄色が、目に痛かった。
ふいに、倫の頭の中に、先ほどの歌の歌詞の続きがよぎった。
―――春と聞かねば知らでありしを
聞けばせかるる胸の思いを いかにせよとのこの頃か―――
―――春だ、と聞かなければ、知らないままですんだのに。
―――なのに、私は聞いてしまった、春の声を。
―――ああ、この逸る思いを、いったいどうすればいいのだろうか。
胸の動悸が治まらない。
倫は、今、突然、さっきから胸に渦まく不安の正体をはっきりと覚った。
―――これは単に兄を慕う妹の寂しさなどではなかった。
倫は、聞いてしまったのだ。
―――望を、兄以上の存在として想う、自分の心の声を。
「倫…大丈夫ですか?」
望の呼びかけにも応えず、倫は、両手を握り締めた。
どうして、気付いてしまったのだろう。
気づかなければ知らないままですんだのに。
しかも、兄が故郷を離れようとする、こんなときになって。
望に背を向けて押し黙ってしまった倫を、望はしばらく心配そうに見ていたが、
やがて、優しい声で呼びかけた。
「…倫。」
倫の肩が跳ねた。
「倫。私は、いなくなるわけじゃないんですよ。」
「…。」
「さっきも言ったように、東京とここは近いんです。
それに、私の家はここなんですから。いつだってここに帰って来ます。」
「…。」
「だから…明日お前にかける言葉は、『いってきます』です。」
倫は、振り向いた。
望は、優しく微笑んで倫を見ている。
しかし、その目は、あくまでも妹を慈しむ、兄の目だった。
―――この逸る思いをどうすればいいのだろう。
倫は、固く目をつぶった。
この想いを、兄妹の情だと思い込むほどに、倫は子供ではなかった。
しかし、この想いをなかったことにできるほどに、大人でもなかった。
倫には、この想いを、ありのままに受け取ることしかできなかった。
この胸の想いを明らかにすれば、望は倫から離れていってしまうだろう。
否定することもできないけれど、打ち明けることもできない、
きっと、これは、一生報われることのない、辛く切ない想い。
―――それでも、否定できないなら…私は、この想いに耐えていくしかない…。
様々な思いを飲み込んで、倫は、ようやく目を開けた。
そして、望に向かって笑って見せた。
「…はい。いってらっしゃいまし、お兄様。」
―――こうして、この春、倫は1つ大人になった―――。
110 :
430:2008/01/22(火) 00:45:26 ID:98kkWfiU
小ネタにお付き合いいただきましてどうもありがとうございました。
キャラ崩壊はいつものことです、はい…。
しかも、季節感合ってないし。
しかし、先生って、いつから東京に住んでるんでしょうか。
今だに自動改札に引っかかるということは、
けっこう日が浅い=教師になってから、とか思ってみるのですが。
111 :
藤吉:2008/01/22(火) 01:01:13 ID:tAnUYeZW
決めた!
私好きな物を書く。
他の人に合わせて書きたくないものを書いても仕方ないものね
藤吉さん板が違う!
>>110 切々と語られた兄妹の話を読んで思いました。
倫が2のへ組に編入してきた理由とか。
いつも先生をからかうのは・・・とか。
皆の前で「お兄様かっこ悪い!」とか、わざとしていたり・・・ とか。
・・・こじつけの妄想なんですけどw
しかし、「好き」と言っても、本来の意味で捉えてもらえないんだろうな・・・
と、思うと切ない・・・
なるほど、ツンデレの上にブラコンか。
最高やん
確かにスレの進行スピードが落ちているなあ。どうしちゃったの?
そーでもないんじゃない?
119 :
199:2008/01/23(水) 02:03:36 ID:ApNdryW7
>>111 あの台詞に全俺が泣いた。
あそこの藤吉さんは輝いていたよ…。
望×まといで投下します。エロありの予定。でもまだ今回はなし。
4レスほど失礼します
2年生も3学期ともなれば、何かと身辺が慌ただしくなるものである。
夕日の差し込む2のへ組の教室の中、机の上に広げられた生徒達の名簿とにらめっこをしながら
望は小さく溜息をついた。
――進路面談。
留年を繰り返し、本格的に卒業が危ぶまれている永遠の2年生、2のへの生徒達だが
一応進級できるものと仮定して、そろそろ大雑把な進路の方向性を決めておかなければいけない。
そこまではいい、そこまではいいのだが。
進学か、就職か。それだけを聞き出すのに、どうして精神的にも肉体的にもこんなに疲労しているんだろう、自分は。
「それはまあ、うちのクラスですから。仕方ないですよ」
「今私の心を読みましたよね、って言いますか常月さんいたんですか」
「ええ、ずっと」
背後から聞こえた涼やかな声に眉をひそめながら振り向けば、ひっそりと佇む和装の少女。
鮮やかな朱色の着物に濃紺の袴、時節柄卒業式か一歩間違ったコスプレかという服装が意外に似合っている。
「ずっとと言うことは、他の皆さんの面談内容を全部聞いていたわけですか。
先生それはさすがに感心しません」
「安心してください、先生以外の人が話した内容は何も心に留めていませんから」
「いえ、そういう問題では……」
まといの言葉に軽く頭を抱えながら呻く望。
と言うか、自分も気付かなかったが他の生徒達もまといがこの場面にいることに気付かなかったのだろうか。
いや、気付いてもスルーしたのかも知れない。何しろ、この少女は自分のいるところいるところ
必ずついてまわるのだから。
「……まあ、どうせ次は貴女の番でしたし、丁度いいですね。
常月さんは、卒業後の進路は一体どうするのです?」
名簿を手に椅子ごと背後の少女に向き直ると、まといはきょとんとした表情で手を口元にやり答えた。
「どうって、私はずっと先生のお傍にいますよ」
「お傍にって、貴女……」
進路面談の意味が分かっているのだろうか、この少女は。そんなことを考えながら言い直す。
「そうではなくてですね、貴女は進学するつもりなのか就職するつもりなのか、ということを
私は聞いているんですが」
望の言葉に、少女は僅かに困ったような表情になった。きゅ、と着物の袖を握りしめながら
「進学か、就職かって、決めないといけないんですか?」
と尋ねてくる。
「まあ、普通はそうですね。それとも貴女、1年浪人するつもりですか?
受験や就職に失敗して浪人するならともかく、計画的に行うのはどうかと思いますよ」
思わず諭すような口調になってしまった。
フリーターだのニートだの、大して珍しくも無いご時世とはいえ、さすがにそれを推奨するようなことはできない。
「浪人とかは考えてないですけど……」
この少女にしては珍しく、困ったように視線を逸らしながら口ごもる。何かを考え込んでいる様子に
ひとまず口を挟まないでおくことにした。眼鏡を手で直しながらぼんやりとまといの顔を見つめていると
意を決したようにこちらを見つめ返して口を開く。
「私――私は、卒業してからもずっと先生のお傍にいたいんです」
「は?あの、ですから……」
「先生」
望の呆れたような声を遮って、まといが少しだけ望に近寄った。
「浪人っていうのは、進学や就職を希望していたけどそれができなかった人のことでしょう。
私、進学も就職も考えていません。ただ、先生のお傍にいたいだけなんです」
――その言葉を、頭が理解するまでに、少し時間がかかった。
「な……貴女は、何を言って……」
上手く言葉が出てこない。
「私は、先生のことをお慕いしていますから。先生のお傍にいられない進路なんて考えられません。
進学しても就職しても、今までみたいに先生の後をついて回るなんてできなくなってしまうでしょう?」
望とは対照的に、まるで教科書の朗読でもするようにすらすらと話すまとい。両手を後ろ手に組んで
真っ直ぐにこちらの目を覗き込んで続ける。
「そんなの、嫌なんです。私はずっと、ずっと先生と一緒にいたいんです。
それが私の進路希望なんです」
微塵の迷いすら感じさせずそう言い切ると、まといはこちらの様子を伺うように少し唇を噛んで黙った。
教室の中はストーブを焚いても少し肌寒いくらいの気温だというのに、背中をすっと汗が流れ落ちていくのを感じる。
数度大きく呼吸をして何とか気持ちを落ち着かせると、ゆっくりと口を開いた。
「……もう少し真面目に自分の将来というものを考えるべきですね、貴女は」
「先生、私は真剣に――」
「お黙りなさい」
今度は望がまといの言葉を遮った。いつになくきっぱりとした教師らしい口調に、思わずまといも口をつぐむ。
「進学も就職もしないだなんて、そんなこと簡単に口に出すべきではありません。そもそも考えるのも間違いです。
高校は義務教育ではないんですよ、それなのにどうしてわざわざ貴女のご両親は高校入学をさせたのか、
貴女自身も入学を望んだのか、しっかり考えてごらんなさい」
俯いてしまったまといから手元の名簿へと視線を落としながら、望は事務的な口調で続ける。
「――丁度、来週は実力テストですね。進学するのだったらそこである程度の点数は取らなければいけませんし
もう一度進路を考えてみるにはいい機会です」
『愛が重い』
名簿のまといの写真の脇に書き添えた、自分の文字。
ゆっくりと立ち上がって、俯いたままのまといを見下ろしながら
「今日の面談は貴女で終わりですから、私はこれで失礼します。
――先生、今日は本当に疲れました。ゆっくりと休ませてくださいね」
言外に、ついてくるなと釘を刺して。
棒立ちになったままのまといを教室に残して、望は1人で廊下へと出て行った。
『ただ、先生のお傍にいたいだけなんです』
少女の言葉が耳に残っているような気がして、軽くかぶりを振る。
夕日によって美しい橙色に染め上げられた廊下を1人歩きながら、望は名簿を抱える手に力がこもるのを感じた。
1人。
いつも自分の後をついて歩くまといが、今はいない。
私、恋するとダメなんです。
そう言っては常に自分に張り付き、学校でも私生活でも、常に自分を見つめ続けてきた少女。
数々の無言電話やら送りつけられた大量のFAXやら、明らかにディープ過ぎるラヴを押し付けられたことも多いが
自分の生活が、彼女の姿があって当たり前のものへとなっていったのは何時だったか。
――いたんですか。
そう問い掛ければ間をおかずに
――ええ、ずっと。
そう返ってくるのが当たり前になっていたのは、何時からだったか。
冬が終われば春が来るのが当たり前のように、その変化はとてもゆるやかなもので、でも確実なもので。
(……冬が、終われば)
春になれば、2のへ組の皆は進級し、3年生になって――その次の冬が終われば、卒業する。
その変化もまた、ゆるやかに確実に訪れるはずだったのに。
それなのに。
『私はずっと、ずっと先生と一緒にいたいんです』
まといの真っ直ぐだがどこか必死さの滲む視線を思い出して、思わず足を止める。
――何を考えているんですか、私は……。
あの瞬間、自分の胸にこみ上げてきた感情。
それから必死に目を背けて、望はこの日一番大きなため息をついた。
「おはようございます」
実力テスト当日。教室に入っていった望を出迎えたのは、生徒達の戸惑いの視線だった。
彼らが何を言いたいかは分かっていたので、敢えてその空気をスルーしてHRを始める。
「今日は実力テストです。各教科とも試験官の先生の指示に従って受験して下さい。
テスト中はシャーペン、鉛筆、消しゴム以外のものは机の上に出してはいけません。
全ての問題を解き終わってもチャイムが鳴るまでは席を離れずに――」
「あの、先生」
望の説明を遮って、千里が手を挙げた。
「どうしました、木津さん」
「いえあの、先生、常月さん……」
何事もきっちりとがモットーの彼女が、珍しく語尾を濁しながらちらりと見た先には
他の女生徒達と同じセーラー服姿で席についている、常月まといの姿。
まといが制服姿で学校に登校することも、自分の席に座って授業を受けることも、ここ最近全くなかったことで
2のへ組の戸惑い、興味、好奇心をいっぱいに含んだ視線が望に集中するのも無理のないことである。
おそらく、千里が挙手しなければ晴美や奈美が質問してきたであろう。
だからこそ、望は全員の顔をぐるりと見渡して、きっぱりと言い切った。
「何かおかしいですか?常月さんだってこのクラスの生徒さんなんですから、テストを受けるのは当たり前でしょう」
一瞬何とも言えない空気が教室全体に流れ、生徒達が顔を見合わせる。
「だってまといちゃん、今まで中間テストも期末テストもカンニング扱いだったじゃないですか」
「そうですよぉ、今更じゃないですか?」
あびるの発言に同意する形で、奈美。他の生徒達もうんうんと頷いている。
「今まで受けていないから、尚更です。これからの進路に関わる大事なテストなんですから
今までの集大成という意味で、きちんと受験してもらわないといけません」
言いながら出席簿に丸をつけていく望。どこか腑に落ちない、とでも言いたげにしている者と
なるほどそういった考えもあるのか、と納得したような者とに二分された教室内をもう一度見回す。
「テストは1時限目から順に国語、英語、理科、数学、お昼休みを挟んで社会となります。
私は他の組で試験官にならなければいけませんからこちらには顔を出せませんが
皆さん、先日の進路面談の内容もふまえて望ましい態度で試験に臨むように」
言いながら、ふとまといと目が合った。いつものようにじっとこちらを見つめているが
その表情は何かを思いつめたような、どこか苦しげなもののように見える。
――実力テストをきちんと教室で受ける、それまでは望から離れて試験問題も見ないようにする。
それは、あの進路面談の後、まといが自分から言い出したことだった。
そして彼女は言葉通りに、授業中やプライベートでは望につきまとったものの、教師達が問題を作成する
職員室の中には決して足を踏み入れなかった。盗聴や盗撮の気配も全くなかった。
自分の言葉に、彼女なりに何かを考えてくれたに違いない。そして今まで狭い視野でしか見えていなかった
彼女自身の将来というものに対して、何らかの大きなビジョンを持ってくれたに違いない。
――その方が、彼女にとって幸せなはずなのだから。
「……それでは、HRを終わります」
まといの目を真っ直ぐに見つめ返しながら、名簿を閉じる。
早くもテキストやノートを引っ張り出し、最後のテスト勉強が始まって騒がしくなった教室を
望はゆっくりと後にした。
――最後まで、背中にまといの視線を感じながら。
124 :
199:2008/01/23(水) 02:18:38 ID:ApNdryW7
アニメ2期OPの女生徒達の可愛さは異常だと思います。
シャフトゴッジョブ。
エロくなると途端に執筆スピードが落ちるんだぜ。
他の神様のご来訪をお待ちしてます。
神にまぎれて小ネタ投下。真昼さんの「先生が夢精」というネタに触発されました
・夢オチ
・フェラのみ
・女生徒が入れ替わり立ち代りっぽいのは
なるべく女キャラを多く出したい
↓
しかしどう足掻いても輪姦が書けない
↓
夢だから相手のイメージが安定しないってご都合設定で書こう
という一連の安易な経緯を経たからですサーセン
始終描写不足で申し訳ない
なにをするわけでもない。ただ憮然と天井の染みを見つめている。
眼鏡をせずともわかるその茶色い染み。ぽつぽつと、視界の天辺から底辺まで三つ。いや、四つ。血痕が乾いたあとにも、飛び火の焦げあとにも見えた。
「お目覚めですか」
よく通る声だ。誰だろうかと視線だけ向ける。見知った顔がそこにあった。
艶のある髪が、彼女の所作の一々に揺れる。特徴的なつり目は伏せられ、長い睫毛が呼吸に合わせてわずかに震えた。
「あの、ここは……」
「宿直室だよ。先生、突然倒れるから」
可愛らしい柄のブランケットから、遠慮がちに差し出された手が額に触れる。細い五指はやがて遠慮がちに頬を撫で、頚動脈を下へなぞった。ひんやりと冷たい手の感触が心地良い。思わずうっとりと目をつむる。
「まだ、熱っぽいですね」
彼女はこちらを覗き込み、無表情で顔を傾げる。おさげが頬をくすぐり、思わず声が漏れた。しかし彼女は意に介した風もない。物憂げに溜め息をつくと、いつの間にか手にしていた携帯電話でなにやら打ち込み始めた。
『馬鹿は風邪ひかないんじゃねぇのかよハゲ』
ずい、と眼前に押しつけられた画面には実も蓋もない文章。唖然としつつ顔をあげれば、冷ややかな碧眼で一瞥をくれる。背後の窓から差し込む陽光に、色素の薄いブロンドがきらめいた。
「私の国では、風邪を治すときこうするのよ」
唇の動きがストロボ写真のように一瞬一瞬、網膜へと焼きつく。無造作に髪をかきあげると、おもむろにブレザーを脱ぎ捨てた。
まるで若い頃に見たAVのシチュエーションだ。なんという既視感。ちょっとしたノスタルジー。ほろ苦い青春の日々。などなどと、脳内は既に現実逃避への準備を始めている。
そうこうしているうちに彼女は手にしていた同人誌を脇の小机へ置き、ブラウスの釦を勿体ぶって外していく。桃色のブラジャー。収まりきっていないその質量に、慌てて目を背ける。
ぎしりというスプリングの軋む音。背にしたベッドが二人分の重さで沈んだ。
「先生、先生、先生……」
何度となく囁かれる呼び声。押し殺した中にも漂う色香は、押さえかねて洩らす嬌声にも似ていた。とうとう観念して見据えてみれば、顔ばかりか耳まで赤い。熱があるのはどちらなのだろう。
「先生、私……」
袴の帯がするするとほどかれていく。血の気が引いた。身を起こそうにも、なぜだか身体は動かない。ここにきて初めて気付く。両の手両の足に自由がない。仰げば、ベッドの脚に黒く光る合皮の桎梏と両手がつながれている様が見えた。この分では足も同様。
途端、諦念の波に混じり、にわかに下腹部へと血が集中しはじめる。
ことが露見すれば解雇はもちろん前科持ち。家名に泥をぬり、復職の機会も危うい転落人生。まさしく二番底。そんな危機に直面してむしろ活気付く息子を茫然と眺め、次に切なげな目でこちらを粘着質に凝視する教え子を順に見た。絶望したと心底思う。
(もうどうでもいい)
「好きになさい」
緩慢な動きで瞼を閉じた。一拍置いて衣擦れの音。これでも彼女は良いのだろうか。愛がないどころかろくな意思もない。
「先生は寝たままで結構です」
彼女の小さな両手が袴の裡から引き上げる。外気に触れ、一瞬萎縮したのも束の間、暖かく柔らかい口内に収まることですぐさま勃ち直った。
じゅぷり、と派手な音を一つ。包皮に包まれた亀頭を巧みな舌が器用に導き出す。
尿道口をちろちろと舐められ刺激を与えられると、イチモツは見る間に屹立した。昔取った杵柄とばかりに、唾液やカウパーで鈍く光りそそり立つ姿はなにやら雄雄しく逞しい。
「うふふ、だめですよぉ。ちゃんと洗わないと病気になっちゃいますよ」
皮の間の汚れまですっかり絡め取ると、満足げに喉を鳴らして嚥下する。あどけない声で、子供をあやすような口ぶりが囁く。
二十歳にも届かない未成年を相手に、今まさしく自らの恥部を晒しているのだという事実を改めて認識し、羞恥心で気が狂いそうになった。
懊悩する自分など二の次で、今度は精嚢をやわやわと口に含む。
舌の上で転がしたかと思えば、ぎゅっとすぼめて圧力を加えるなど、高校生の性技とはにわかに信じられないものばかりだ。
本当に十七歳か?いや、留年が二度だから十九歳か。しかしそれにしてもこの技巧は一体どこで。
「お絶望なさいましたか、お兄様」
耳に馴染んだ声にはっと目を開けた。が、すぐさままた閉じる。
(大丈夫だ、何も見なければ)
全体、何が大丈夫なのだろうか。自分でも理解しきれぬまま、先とは異なり固く固く、目を閉ざした。世界は四方八方真っ暗闇。明日からの自分がまさしくそうだと自嘲した。
露見しようがしまいが、自分のような小心者には犯した禁忌が多すぎる、重すぎる。ここから開放されたらすぐにでも樹海へ、富士の樹海へ。
飛び飛びの思考を繰り広げる内向世界とは裏腹に、身体は蹂躙の下にある。
執拗に精嚢をいたぶる舌とは別に、右手は絶え間なく肉棒をしごく。指の腹に力を入れ、弱と強を交互に入れ替える絶妙な加減にカウパーはとめどない。
「くっ……」
「さぁ先生!きっちりたまった分を出してください。」
やけに覇気のある声だった。そしてその直後、ずぶずぶと根元までのみ込まれていく。
すぼめた口内からの圧迫感。加えて一定の速度を保つ上下運動に、あろうことか数秒ともたずに暴発してしまった。
「っぐ、んぐ……ん。私、きっちり全部飲みますから……」
恍惚とした声音に続いて荒い息遣いと舐めとる音が耳に届く。
絶望した。この手が自由であれば間違いなく塞いでいた。なんという失態なのだろう。教え子相手に絶頂してしまうとは!
絶望した、ああ絶望した!
夢ならば覚めろと切実に願う。夢でなければ、今度は本気で首を吊らねばならない。ただでさえ恥の多い人生に罪まで背負ってどうするのだ。
自分ばかりか親兄弟一族郎党七代末まで恥を遺して後ろ指を指されるなど、到底耐えられない仕打ち。
死のう、今こそ死のう。
死――。
「おい、おい望。起きろよ」
不機嫌な子供の声。はたと目を覚ませば見慣れた天井。眼鏡を掛けずともわかる茶色の染みは、一つ、二つ。いや三つ。
おそるおそる辺りを見回す。何の変哲もない宿直室。かわいげのない甥が仁王立ちで構える背後に、ジャージ姿の小森霧が見える。
炊き立ての白米と、味噌と葱の良い匂いが鼻腔をくすぐった。
「あ、先生。おはよう」
振り返り、にこりと笑う霧に内心胸を撫で下ろす。
(夢、だったのか……)
そういえば、と見下ろす。夢の中ではベッドで寝ていたが、今半身を起こしているのは昨日霧が干してくれたばかりの布団だった。
「あ、そうだ。今日の朝飯なんだっけ」
自分を構う様子が全くみられない叔父に愛想を尽かしたのだろう。それ以上は目もくれず、交は霧のもとへと踵を返す。
「今日はね、お味噌汁と……」
姉弟のようだ、と二人を横目に思いつつ、掛け布団をそっとめくる。
「うっ」
案の定の惨事に、これから二人の目をいかに盗み処理を済ませるか。早朝から頭を痛め必死で考える。
(絶望した!あまりにも情けない下半身に絶望した!)
以上です。お粗末さまでした。
まといちゃん…ブワッ
続きが、続きが気になる!
132 :
真昼:2008/01/23(水) 20:22:11 ID:cFbCwekp
>>125 あばば恐縮です。しかしこれは何という不思議ハーレム?状態。GJです。
「愛しさを望む」の続きなんぞ投下したく思います。望×可符香です。
今回はきっと、たぶんエロス。5レスほど失礼いたしやす。
交る。混じる。まじる。
舌と舌を絡ませて、粘膜と粘膜を擦り合わせて。
お互いの唇を結合させて、理性を、思考を麻痺させて。
少女の喉の奥から、小さな呻きが漏れる。それに答えるように、無心で唇を貪った。
なんて、温かいのだろう。なんて、狂おしいのだろう
なんて。
――なんて、愛おしいのだろう。
「……むぁ」
いい加減望も息苦しくなって、名残惜しそうに可符香の唇を解放した。
唾液の橋が、お互いの伸ばした舌先を繋ぎ、すぐにプツリと途切れる。
自らの膝の上に座る彼女の顔を見上げる。
頬を上気させ、肩で息をしているその様子に、望は少し申し訳ない気持ちになった。
「す、すみません。苦しかったですか?」
「ちょっとだけ。でも、気持ち良かったから、平気です」
ペロリと唇を舐めながら微笑む可符香。その表情が普段の彼女から想像も出来ないほど色っぽくて、
思わず鼓動が高鳴る。それを誤魔化すように、そっと額にキスをした。
「ん」
すると、可符香はお返しと言わんばかりに望の首筋にキスをしてくる。
小さく音を立てて吸い付いてくる唇の感触がくすぐったくて、望は喉の奥から擦れた吐息を吐いた。
気が付けば、可符香の手は望のシャツを脱がしにかかっている。あっと思った時にはもう遅く、
肌蹴られた胸元に、可符香はわざと跡を残すように吸い付いた。
鎖骨を舐められ、普段は意識することもない胸の突起に、軽く歯を立てられた。
「……っ、は……」
思わず漏れる声。堪えるような呼吸の震えに、可符香はふっと顔を上げて、満足そうに望を見上げた。
彼女の触れ方は、愛撫というより猫のグルーミングを思わせる。
「私も、触っていいですよね」
返事も待たずに可符香の身体を引き寄せて、彼女の耳朶をチロリと舐め上げた。
「ひぁ…っ。く、くすぐったいです、先生」
ち、と音を立てて吸い付くと、可符香は小さく身体を震わせて、望にしがみ付いた。
その反応が愛おしくて、もっと困らせてみたくなる。
背中に回した手で彼女のセーターを捲り上げると、
「んんっ」
撫でられる感触に、可符香は僅かに身体を強張らせた。
「くすぐったがりですね、風浦さん」
「えへへ。先生がお上手なんですよ」
可符香は望がセーターを脱がしやすいように、自ら両手を挙げて見せた。
スルリと露になる、白い肌。まだ彼女の体温の残るセーターが、ベッドの下に落ちる。
薄い桃色の、シンプルながら愛らしいデザインの下着に興奮を煽られ、望はゴクリと唾を飲んだ。
ささやかに存在を主張する膨らみは、未発達ながらも確かに女として彼女を魅せている。
「お気に召しましたか? あんまりおっきくないですけど」
自らの胸を見下ろして、悪戯っぽく呟く可符香。
望は答える代わりに、再度彼女の身体を抱き寄せて、柔らかな胸に鼻先を押し付けた。
柔らかい鼓動の音と体温が、望の心を落ち着かせていく。
「んふふ…」
吐息がくすぐったいのか、可符香は身じろきながらも抵抗する素振りはない。
僅かに顔を離して、もどかしい思いでそっと、可符香のブラジャーのホックを外す。
パサリと落ちる下着。露になった乳房を目の当たりにして、落ち着いたはずの心が再びざわつき始める。
望の熱い吐息を胸に感じて、ほぅ…と吐息を漏らす可符香。
「――どう、しましょうか」
「はい?」
望は困ったように眉根を寄せて、小首を傾げる彼女の胸にそっと触れながら、口の中でゴニョゴニョと呟く。
「いえ。その…何といいますか。月並みな台詞しか出てこなくて」
初めて目に触れる可符香の肌。その感動を、何か言葉にして彼女に伝えたい。
けれども出てくる言葉は、綺麗だとか、可愛いだとか、そんなあえて言葉にするのも馬鹿らしいほどありきたりな台詞ばかりだった。
ああもう、ボキャブラリーの貧困な自分に絶望した!――などと胸中で毒づいていると、
「安心して下さい。気の利いた台詞なんて、期待してませんから」
そんな望の内心を察したかのように、可符香は可笑しそうにクスリと笑った。
「それはそれで悲しいんですけど」
恨みがましい目で見上げてくる望に、可符香は笑みを崩さない。
「私は、そうやって困ってる先生が大好きですから」
その一言で、半眼だった望の瞳は真ん丸に見開かれた。
見る見る朱に染まるその頬を、可符香は愛おしそうに撫で上げる。
――絶望した!
彼の口癖。望みも希望もこの世に無いのだと泣き喚く、彼の癖。
まぁそれが、もはや彼のかわいそぶりである事は周知の事実なわけだが。
そのくせ色んな事に首を突っ込まずに居られなくて、その度に痛い目を見て泣きを見る。
こんな落ち着きのない、見ていて楽しい大人が他に居るだろうか。
初めはそんな好奇心。そして次に生まれたのは――確かな信頼と、安心感。
あぁ、この人は本当に傷つきやすくて……、けれど、絶対に壊れない。
悲しい事も苦しい事も、その身に全て受け止めて、嘆き苦しみ、受け流す事も出来ない。
きっと彼は、諦めが悪い大人なのだ。
どのような物事にも、最後の希望を捨てきれないでいる。まぁ本人は否定するだろうが。
年を重ねれば重ねるほど、人は色々な物事を諦めて生きるようになっていく。
それは罪ではない。そうする事で心の平穏が保たれるならば、それにこしたことはない。
けれど彼はこの歳になっても、何一つ諦めきれなくて、
色んなことに体当たりでぶつかりながら、傷つきながら、ふらつきながらも生きている。
その姿に憧れた。
自分とは対極に位置する人だって、わかったから。
それが恋と呼べるかわからない。
けれど、こんなにも一人の人間を求めた事が他にない。
自分に欠けた何かを、この人が埋めてくれたなら――それはきっと、とても幸せな事なのだろう。
「大好きです」
もう一度、彼の耳元に唇を寄せて囁いた。
「――可符香、さん」
震える声で名前を呼ばれると、胸の奥が甘く痺れた。きっとこの感覚を、愛おしいと呼ぶのだろう。
「……可符香…、さん……ッ」
望は気が付くと、乱暴に可符香の身体をかき抱いていた。
そのまま、二人して音を立ててベッドに沈み込む。二人分の質量に、スプリングが悲鳴を上げた。
呼吸が乱れる。さっきまで、ただただ優しくしたいと思っていたというのに、
今はもうこの少女の心が、身体が、全てが欲しくて堪らない。
――大好きです。
そんなたった一言に、なんて切実な想いを込めるのだろう、この娘は。
いつもあんなに飄々と、一人で何だって出来ると言わんばかりに自信たっぷりの少女が、
こんなに切に自分を求めてくれることが、嬉しくて堪らない。
「はぁっ、は――は、ぁ……――ッ」
荒い呼吸を抑えもせずに、桃色に色づいた乳頭に吸い付いた。
「ッ、んぅ…っ」
音を立てて吸い上げると、可符香の身体はビクリと反応を見せる。
それに気を良くして、舌先で硬度を増す突起を舐りながら、内股を撫で上げた。
反射的に足を閉じようとした可符香だが、すぐに自ら身体の力を抜いて見せる。
まるで望が、ソコに触れることを待ちわびるように。
顔を上げて可符香の顔を覗き込むと、彼女は慣れない快感への戸惑いを隠すように、挑発的な瞳で望を見返した。
「えへへ……。もっと、良くしてみてください」
熱い吐息に乗せて、そんな、こっちの理性が弾け飛びそうな事を平然と言ってのける可符香。
――その顔を、どうにかして恥じらいで染めてみたい。
望は僅かに口の端を上げて、意地悪っぽく微笑んで見せた。
「良すぎて泣いたって知りませんよ?」
「出来るものなら」
生意気な唇を、軽く触れる程度のキスで塞いで。
「では、お言葉に甘えて」
望の顔が、すっと可符香の視界から消えた。
見下ろすと、望は上目遣いにニヤリと微笑み、軽く可符香のお腹にキスをした。
「ふぇッ」
不意打ちに、思わず身体がはねる。
その隙をつくように、気が付けば望の頭がスカートの中に潜り込んでいた。
「うわ、わああっ」
望が何をしようとしているのか察して、可符香は珍しい事に本気で慌ててしまう。
咄嗟に足を閉じようとするも、足の間に望の頭があるので完全に閉じる事が出来ない。
「だ、駄目ですってばソレはっ。き、汚いから……っ」
「月並みですね」
スカートの中から、くぐもった声が答える。勝ち誇ったような、得意げな声音だ。
自分の顔が真っ赤になっているのを自覚しながら、何か反論しようと口を開くも、
「――ッぅああぁ……っ!」
出てきたのは言葉ではなく、声高な歓声だった。
生暖かい舌先が、彼女の一番敏感な部分を刺激している。
いつの間にか下着はずらされていて、望の舌は容赦なく、僅かに膨らんだ肉の芽を弄ぶ。
そっと周囲を舌先でなぞったかと思えば、強く押し潰すように圧迫してきたり。
他人の舌が触れることすら初体験だというのに、巧みとも言える愛撫は些か刺激が強すぎた。
「あ、ぁ、ぁ――それ、も……ッ、もう、ぃ……ッ!」
何かを堪えるように、強くシーツを握り締める可符香。
足の指もいつの間にか力強く丸められて、両足は絶え間なく揺れ動いている。
そんな彼女の乱れる様子を楽しむように、あえて水音を立てながら、彼女の秘部を攻め立てる。
――そろそろ頃合かと、望は槍のように尖らせた舌先を、しとどに蜜を流す入り口へ挿し入れた。
っひ、と息を呑む気配。さっきまでとは違う緊張で強張る彼女の身体。
少しずつ少しずつ、解きほぐすように丹念に舌をくねらせる。
時には指先で、ぷっくりと膨れた陰核を刺激してやりながら、彼女の快感を高めていく。
「うあ、ぁ、やだ――これ、やだ…ッ、ぁぁあ……っ!」
耳に心地よい歓声が、切羽詰ったものになってきた。彼女の反応から、絶頂がすぐソコまで近づいているのを感じる。
トドメとばかりに、ワザと大きく音を立てながら、赤く充血した陰核に吸い付いた。
「――っひッ、あ、ぅぁあぁあぁああッ!」
腰がはねる。シーツを握り締めた手が、力を込めすぎて細かく震えていた。
仰け反った細い喉が、空気を求めてヒュウヒュウと鳴る。きつく瞑った目の端から、一筋涙が零れた。
――スルリとスカートの中から顔を出して、彼女の顔を覗き込む。
彼女の瞳にもはや挑発的な色はなく、ぼんやりと望の目を見返してきている。
朱に染まる頬を流れるのは汗だけでなく、潤んだ瞳から流れた涙が、一筋の跡を作っていた。
まだ呼吸が落ち着かないのか、ハァハァと肩で荒い息をつく可符香。
「……言ったじゃないですか。泣いたって知らないですよって」
その様子に、内心ちょっと心配になったりしたのだが、ここで謝ったら格好が付かない気がして、
必死に口元に笑みを張り付かせてみたりする。
「――え、へへ……。ビックリ、しました……」
だが可符香は気丈にも、すぐに瞳に力を宿して微笑んで見せた。
あぁ、かなわないな――と、そんな事を思いながら、汗で張り付いた彼女の前髪をそっと撫でる。
熱く火照る少女の身体に、冷たい髪留めの感触だけが異質に思えた。
「糸色せんせ……」
「ん?」
髪を撫でる掌に、小さな彼女の掌が重なる。
「しんどくないですか?」
「何が、です?」
「我慢するの」
可符香の目が細められる。
「挿れたくて仕方ないでしょう?
私、いっぱい気持ちよくしてもらったから……好きにしていいですよ」
言葉だけ取れば挑発的とも取れる。
だがその声音からは、ひしひしと望に対する思いやりだけが感じられた。
ぐっ、と、喉の奥で息が詰まる。
――正直、今すぐにでも乱雑に突き入れて、めちゃめちゃにかき回してしまえたら、とも思う。
けれどそんな風に言われたら……いや、言われるまでも無く、自分の欲望を優先なんて出来る筈もない。
「――み、見損なわないで下さい。ちゃんと、優しくしますよ」
「そこでどもっちゃ駄目じゃないですか。私、不安になっちゃいますよ」
その言葉とは裏腹に、可符香は本当に嬉しそうに笑いながら、望の首に手を回した。
顔を引き寄せて、額と額をつき合わせ、至近距離で見つめあう。
「……一応、聞いておきますが」
「はじめてですよ」
望の問いに先回りで答える可符香。その返事に、より一層責任感を感じる。
「――それではもう一つ。
今更こんな事を聞くのも、失礼かもしれませんが」
「先生が良いんです。先生じゃなきゃ、嫌です」
またも先回りで答えられてしまった。それも、これ以上ないって程に、真っ直ぐな眼差しで。
これはもう逃げられない。そもそも逃げる気も――逃がす気も、もうないのだが。
ふっと苦笑して、両手で包み込むように、彼女の頬を撫でた。
「それじゃあ、覚悟して下さいね」
「先生こそ」
お互いに、クスクスと笑い合う。
どちらともなく軽い口づけを交わして、強く強く両手を握り合った。
掌に伝わる汗の感触。態度とは裏腹に、彼女が緊張しているのがわかる。
その緊張が解くのに役立つかはわからなかったが、
「可符香さん」
「はい」
「――大好きです」
最初は声が震えて、ろくに伝えられなかった言葉を、改めて口にした。
柔らかく微笑む可符香。
組み敷いた身体から、ほんの少し力が抜けたのが、わかった。
138 :
真昼:2008/01/23(水) 20:30:06 ID:cFbCwekp
もうちょっとだけ続くぞい!と某○仙人の如く言ってみるも、
龍球のように面白くもない上、ただ力量不足で短く纏められんだけの自分に絶望した。
それにしても前回の投下、誤字脱字ミス文章多すぎですねコレ。不自然保護していただけると幸いです。
「おずおず」がどうタイプミスすりゃ「おずぽず」になるんだよ…。
やはり可符香受けは良い
突然の質問すいません。このスレはオリキャラはありなんでしょうか?
どの作品でもそうだが、オリキャラは総じて好まれない。
自分のブログでひっそり公開しても叩かれること多いしね
>>140 111の藤吉さんのお言葉を読んだほうがいいな。
でも俺は叩くと思うけど。
主要キャラとどう絡めるかだと思う。
例えば以前あったカフカSSの叔父さんや従兄弟とか
真昼さんの「ダブルキャスト」の楓みたいなのなら自分はOK。
3話の藤吉さんがとても良かったので、ちょっと考えてたのを中断して先生×藤吉さんネタ。
まあそっちでも藤吉さん出るんですけどね。
「んー…」
「…?」
放課後の廊下に二つの人影。
一つは高校教師、糸色望。もう一つは彼が担任を務めるクラスの女生徒、藤吉晴美だ。
望は晴美にじろじろと何かを確認するように全身を観察されている。
「うーん…これは…」
「えっと…何でしょうか?」
つい先ほど二人が廊下で出くわしたときに、晴美はふと何かに気づいたような様子で望に近づいてきた。
現在晴美はくるくると望の周りを回りながらその姿を眺め、ときどき足を止めては何か考えているようだ。
「あの…何か付いてますか?」
「あーいえ、そういうんじゃなくて…うん、いける…」
「いける?」
「あのですね。先生、週末お暇ですか?」
週末、望が晴美に連れられて来た場所は以前と同じく同人誌即売会だった。
その会場内をカラカラとカートを引く晴美と望が並んで歩いている。
「付き合い良いですねぇ、先生。私ダメモトで言ったんですよ。」
「まあ実際暇でしたし、これでも教師の端くれ。出来るだけ生徒の望みには応えたいと思ってますから。」
などと言っているが、結局は単なる構って欲しがりだ。
本日望が頼まれたのは、晴美の同人誌の販売を手伝う事だった。
予定では晴美ともう一人、その友人とで売るつもりだったのだが来れなくなってしまったらしい。
曰く、「一人だと自分のスペースから離れられなくて買いに行けないんです。」
というわけでその穴埋めを望は頼まれたのだ。
「ハイ、これ着て来てください。」
そう言って晴美が袋を差し出した。その中にはコスプレ用の衣装が入っている。
「…着なきゃダメなんですか。私、キャラとかわかりませんよ?」
「先生なら素材だけでなんとかなります、それに比較的普通の服ですから安心してください。」
「んー…わかりました。まあ着てみますよ。」
しばらくして、ピンクのカーディガンに着替えて望が戻ってきた。
その姿を見て晴美が目をキラキラと輝かせる。
「…やりますねぇ。でも髪はもうちょっと…こう?」
「いいんですかこんな感じで?」
「なぜか声も似てる…すごい。」
「もしかしてこの間言ってた、いける、ってこの事なんですか?」
「そうですよ…よし。じゃ先生、今日はお願いしますね。」
「んんー…やったー、完売♪」
「ははっ、良かったですねぇ。」
にこにこと満面の笑みで喜びを表す晴美に望の顔もほころぶ。
「先生のおかげですよお。」
「私には何が何だか…たぶん今日は人生で一番写真を取られた日ですね…」
「へとへとですね先生…お疲れ様です。じゃ、帰りましょうか。」
来たときと同じく、カラカラとカートを引く晴美と望が並んで歩く。
ただそのときと違い、今はカートには晴美の戦利品が大量に積みこまれていた。
さらにそれでも載りきらなかった分が、紙袋に入れられて晴美の右手に下げられていた。
「ずいぶん買ったんですねえ…ああ、重いでしょう?そっち持ちますよ。」
望がひょいと晴美の手から紙袋を奪った。
「あっ…」
「どうしました?」
「いえ…なんでも…」
右手が空いた。
「…」
晴美が空になった自分の右手を見ながら、わきわきと動かしている。
しばらくそうした後、視線を望の左手に移した。
胸がドキドキしているのを感じる。
そっと手を伸ばして晴美は望と手をつないだ。
「どうかしました?」
突然手を握られたことに反応して、望が晴美の方を見た。
晴美は少しだけ照れた顔をしていた。
「……なんとなく、です。」
「そですか。」
そんな晴美の様子に思わず望の顔が緩んだ。
なんだか照れくさくなって、お互い無言になってしまう。
そのまま二人はてくてくと黙ったまま歩く。
しばらく進んだ所で晴美がちらりと望の方へ半分だけ顔を向けて話しかけた。
「先生…結構平気なんですね。」
「平気?」
「その…BL。」
「平気って訳じゃあ……んー、まぁ私も色々読んでますからねえ…そういう人が出る話も…いや違うかな…?」
「はあ。」
「やっぱり根本的な部分で違う気が…でも、まあそういう事ですよ。」
「うーん。つまりは下見の成果って訳ですか?その適応力。」
「ですかねえ…あ、言っときますけどけどそれは趣味じゃありませんからね!」
「わかってますって。」
「あと、絵があるってのはやっぱりキツいです…」
「はいはい。」
ふふ、と小さく笑う晴美に釣られて望の口元にも笑みが浮かんだ。
「先生、週末お暇ですか?」
あれから何度か、望は晴美に同様の誘いを受ける事があった。
あの日のことがよほど楽しかったのか、期待に満ちた目で望を誘いに来る晴美を断る事はできなかった。
ただ、望もその事に悪い気はしていない。
むしろ最近では、自分に懐いてくれている晴美を可愛いと感じていた。
というわけで今回も望は快諾し、また晴美を手伝う事になった。
「ゲットー!」
「……あれ?」
「あれ?ってどうしました先生?」
「何か違和感が…私、売り子の手伝いを頼まれたんですよね?」
「そうですよ。」
「えーと、売らないんですか?」
「売りますよ、明日。今日は買いに来ただけです、言ってませんでした?」
そういえば今回は入場の時点でいつもと違っていたことを望は思い出した。
しかしそれなら、2日目だけ呼べばよかったのではないか。
もしかして単純に自分と長く過ごしたかったのか、などと考えてしまって望は自嘲した。
「さて、と…そろそろ行きましょうか先生。」
「ええ、帰りますか。」
「帰りませんよ。」
「ん?どこか行く予定でもあるんですか?」
「売るのは明日って言ったじゃないですか、近くのホテル予約してあるんですよ。」
「…………ホテル?」
「さ、行きましょ。」
ぎゅっと晴美に手を握られて、望は引っ張られていった。
望の頭の中では、先ほどの晴美の発言が何度も繰り返されている。
(ホテルホテル…これは藤吉さんからのお誘い?…いやいやまずい、まずいですって!)
それは駄目だと思いながらもつい期待してしまう。
望を引っ張る晴美がくるりと振り向いて困惑する望に柔らかく微笑んだ。
その表情にどくんと心臓が大きく高鳴って、望は自身を引っ張る晴美にその身を任せてしまった。
「まったく…何を期待してんですか私は…」
望が連れてこられたのは簡素なビジネスホテルだった。
テレビ、ベッド、机、トイレ、それだけの小さなワンルーム。
晴美とは隣ではあるが当然別の部屋だ。
辿り着くまでについ考えてしまった朝チュンやら一緒にお風呂やら、どうやらどれもただの妄想に終わりそうだった。
その後、晴美と夕食をとり、浴場で今日の疲れを洗い流した。
今は備品の浴衣に着替えて、望はベッドに寝転んで本を読んでいる。
(今頃、藤吉さんも隣で同じことしてるんですかね。)
と考えていたところにコンコンとドアをノックする音が響いた。
「はいはい、今開けますよ。」
扉を開けると晴美がいた。
彼女も風呂上りのようで、望のように浴衣ではないが、昼間とは違うシャツとハーフパンツに着替えていた。
「ちょっと、お話したいことがありまして。」
「まあ、とりあえず中へどうぞ。」
望がベッドに腰かけ、そのすぐ横に晴美も並んだ。
「で、話って?明日の事ですか?」
「明日…なんというかこれからの事なんですけど。」
そう言いながら晴美はぽりぽりと頭を掻いている。
「えーっと……」
しばらく沈黙が続いた後、晴美がぽふっと体を傾けて望に預けた。
「すいません。ちょっと上手い台詞が思いつかなくて…」
「…」
何を言えばいいかわからないのは望も同じだ。
今の状況は、ちょっと前に妄想してしまった状況ととてもよく似ていた。
まさかまさか、と期待と不安がぐるぐる回る。
「なんだか…これって先生騙して逃げ場をなくさせたみたいで…ちょっとずるいかなって自分でも思うんですけど…」
そう言いながら晴美は腕を望の腰に回し、望の胸に抱きついた。
「先生、ダメ…ですか…?」
望の浴衣をきゅっと掴みながら搾り出されたその言葉が、見上げる潤んだ瞳が、望の心を大きく揺さぶった。
「藤吉さん………いいんですね?後悔しませんね?…手伝ったお礼とかのつもり…じゃないですよね…?」
「…うん。」
「ふぅ…じゃあ私も正直に言います。」
望は晴美に軽くキスをして、続ける。
「あなたにホテルを予約してるって言われたときにね…ちょっと期待しちゃってました…こういうの。」
「…っふふ…ほんとですかぁ?」
「ええ、恥ずかしながら。」
「せんせいのえっちー。」
「からかわないでくださいよ…っと。」
望が晴美を引っ張り自分の前に座らせた。
後ろから晴美を抱いて、うなじにちゅっちゅっとキスをする。
「っん…くすぐったいぃ…」
ゆっくりと晴美のシャツに手を入れ、彼女の肌の感触を楽しみながらシャツを捲り上げていく。
「ハイ、手あげてー。」
「…ん。」
「いい子ですね。」
シャツに続き、晴美のブラも望に外されてその胸が露になった。
反動でぷるっと揺れるそれに望の目は釘付けになってしまう。
その白さ、大きさ、柔らかさ、なかなか贅沢な一品だ。
「見事…ですね。もらっちゃっていいんですか?」
「先生、なんか言い方がいやらしい。」
「…いやらしいのはあなたの胸です。えい。」
「っひゃん…んぅぅ……はぁ…そう…かも…」
くりくりと両乳首をいじるたび晴美が甘い声を上げる。
望は自分の指の中で晴美の突起が少しずつ硬くなっていくのを感じていた。
しばらく晴美の胸を揉みしだいて楽しんだ望は、その手を晴美のハーフパンツへと移していった。
カチャカチャとボタンが外され、ファスナーが下ろされて、隙間から晴美の純白の下着が覗いた。
これから望にされる事を考えてしまい晴美は硬直してしまう。
望が晴美の首筋にくちづけをしながら下着の中に手を侵入させる。
胸への愛撫で少し濡れているそこに指を這わせ、晴美のクレバスを探り当てた望が指をその中へ挿しいれた。
少しずつ指を奥まで進ませて、晴美の様子を確かめながら刺激を与えていく。
「はぁ…ん…せんせぇぇ…」
大丈夫そうですね、と望は晴美への攻めを少し強くした。
それに促され、晴美も快感にその身を震わせた。
「や…なにこれぇ……すごい…すごい…ひもちいぃ……っんぅ…!」
カリっと膣壁を望の指にひっかかれ、晴美の体が大きく跳ねた。
ぐったりと脱力して、晴美は望にもたれかかりながら絶頂の余韻に浸っている。
「はぁぁぁ…せんせぇ…」
「そんなに良かったんですか?」
「うん…一人でするときよりずっと………うあ!?い、今の聞かなかった事にしてください!」
「はいはい…でも、そんなに悦んでくれたら私もやりがいありますねえ。」
望が晴美をベッドに寝転ばせて、残った衣服を剥ぎ取った。
とろとろと愛液を垂らす秘部を間近で見られて、晴美の顔が真っ赤になった。
そんな晴美の様子に望は満足そうに微笑み、晴美の股へと顔を近づける。
指に代わり、今度は舌を晴美の中へと侵入させ、にゅるにゅると膣壁を嘗め回す。
指とはまた違う感覚に晴美は身を震わせて、さらに蜜を溢れさせる。
一度口を離し、晴美の硬くなった陰核にキスをすると、晴美の体がぴくんと反応した。
「んぅ……あっ…やだ……きもちっ……よすぎるよぉ…」
敏感な芽を舌で転がされ、軽く甘噛みされ、その刺激に声を漏らしながら再び晴美は絶頂へと導かれていった。
「大丈夫…ですかね?」
ぽーっとした表情で夢を見ている晴美に望が尋ねた。
彼も既に衣服を脱いでいる。つまり大丈夫か、とはそういうことだ。
「ん…いいよ、先生…」
期待と不安のこもった声で晴美が答えた。
晴美の承諾を得た望が、晴美の足に手をかけてぐっと開かせる。
自分でも見たこともないような奥の方まで望に見られてしまっている、と晴美は羞恥心から顔を手で覆った。
暗闇の中で、晴美は自分の秘部に何か硬いものが触れたのを感じた。
「入れますよ?」
望の声が聞こえた。晴美は、こくりと小さく頷く。
ずぶずぶと望が中に入ってくる。
なんだか変な感覚だ。自身に含まれるはずのない異物であるというのに、むしろその存在に安心する。
「痛くないですか?」
「ちょっとだけ…でも大丈夫です…続けて、先生。」
さらに奥を目指して望が進む。
次第にその感覚に慣れてきたのか晴美も小さな快感を感じている。
艶の混じった声を漏らしながら望を受け入れていく。
「っん…入りましたよ…」
「え…あぅ……」
晴美が顔を覆っていた手を外して、望の方を見ると絶棒がずっぽりと自身の中に入り込んでるのが見えた。
恥ずかしくてまた顔が真っ赤になったが、その光景から目が離せない。
「動きますよ。」
「うん…」
晴美の中を望の絶棒が前後に動く。
少しだけ痛みを感じるが、望がたっぷりほぐしてくれたおかげか、それ以上に気持ちいい。
望の絶棒が引かれるたびに切なさを感じ、そしてまた入ってくるたびに愛しさを感じる。
「あぁ…あ……あっ…ひもちい…せん…せいは…?私の中…きもちいいですか…?」
「んっ…とっても…良いですよ…」
「ほんと?…っはあ…そうなんだ……うれしいなぁ…」
そう言った晴美の艶のある笑顔に望の興奮がさらに高まった。
そのため晴美のために少し抑え目にしていた動きをつい激しくしてしまった。
「ひあっ!?せ、せんせっ…や…はげし……あんっ…」
「藤吉さんっ!はっ………うっ…ん…!」
望が晴美の中で果て、どくどくと精液が流し込まれた。
同時に晴美もまた望の激しい攻めに陥落し、収縮した膣が望を締め付けた。
望が晴美の中から絶棒を引き抜くと、二人の愛しあった証がこぼれてシーツを汚した。
はぁはぁと息を荒げる晴美にキスをして望が謝る。
「すいません…最後ちょっとやりすぎちゃって…痛くなかったですか?」
晴美は望の発言に首を振り、にっこり笑って答えた。
「気持ち良かったです…それに嬉しかったし。」
晴美が両手を伸ばした。抱いて、という催促だろう。
それに応じて望が晴美を抱きしめ、二人はキスを交わした。
「んっ…先生、もっかいしましょ。」
「タフですね、あなた…そう言ってくれるのは嬉しいんですけど、明日引きずりますよ。」
「う、それは困ります…」
「まぁ今日はこのへんで…今日だけじゃないんですしね。」
「……はい。」
今日だけじゃない、という望の発言に晴美はとても嬉しそうだ。
「さすがにちょっと狭い、ですか?」
晴美はそのまま望の部屋で一緒に寝る事にした。
2部屋予約したとはいえ、今日は別の部屋で寝る気になんてなれなかった。
「本当は…2人用の部屋取ろうかなって思ってたんですけど…それはちょっと恥ずかしくて…」
「なるほど。でも、ちょうどいいと思いますよ、私は。」
望が晴美をぎゅっと抱き寄せた。
「…うん、そうかも。」
ついついにやけてしまう顔を隠すように晴美は望の胸に顔を埋め、眠りについた。
ガチガチに趣味が合うのより、メインジャンルは違うけど色々と付き合ってくれる人のが居心地良かったり
とか、まあそんな感じですか?結局モノによるとしか言いようがないけど。
最近レスの速度が遅いって話があったけど皆が感想書き込まなくなってるからじゃないかな
書く方としては反応があった方がうれしいだろうしレスによって場が盛り上がったりするし
そんな自分は上の藤吉さんSSも可愛くて好きだしその上のシリアスなカフカSSも大好きだ
前にも出たけど、この望×晴美という組み合わせはいいな。
本編では可能性が少ない分、そう感じるのかも。
とにかくGJ
今さらだがGJなんだぜ!
昔に藤吉SSを投下した身としては同志が増えて嬉しい限りです
コメント少ないのは豊作貧乏っつー贅沢な状況だからじゃない?
俺は上の真昼氏の可符香を楽しみにしているが、マナーとして過度な自虐は控えてほしい
例え久米田作品のスレでも
>> ID:VO/GzccD
, ノ)
ノ)ノ, (ノi
( _ ∩ (ノし
) ( ゚∀゚)彡 ノ <藤吉GJ!! 藤吉GJ!!!!
( ( ⊂彡 ) また投下してほしい
) | | )
( し ⌒J ノ
164 :
138:2008/01/26(土) 02:19:55 ID:aJ9buZhe
>>162 確かにちょっと鼻にかかる自虐だ…ごめんよう。
楽しみと言ってくれて嬉しゅうございます。
なるたけアレな言動は控えるよう精進します。
そして
>>158,GJにも程がありますぜ。
俺は真昼氏の自虐は芸風だと思って楽しんでいた
同じく続き楽しみにしてるぜ!199氏のまといの続きも待ってる!
それにしてもこのスレの住人藤吉好きなのなw俺もだけどw
166 :
199:2008/01/26(土) 12:29:02 ID:WnwDrkgF
望×まといの続き、投下します。今回もエロくはなりません申し訳ない。
4レスくらいお邪魔します。
4教科のテストが終わり、午前中の教科の答え合わせや午後のテスト勉強で騒がしい昼休み。
「ただいま戻りました」
「おかえり」
昼食を取りに宿直室へ戻ってきた望を、交が出迎えた。
「午前中って、テストの試験官やってただけだろ。何でそんなにぐったりしてるんだよ」
「さあ、どうしてでしょう。暇疲れってやつですかね」
大きく伸びをしながら覇気のない口調で答える。
実際試験官と偉そうに言っても、テストの間教室にずっと座っているだけの仕事である。
時折生徒が落とした鉛筆や消しゴムを拾ってやるくらいで、後はほぼ何もすることはない。
鉛筆の音と時計の針が動く音だけが響くピリピリとした空気の教室の中で、ひたすら時間が過ぎるのを待つ。
それが午前中4教科分で、4時間。いい加減疲労も感じるというものだ。
「交、午後は私の代わりに教室で座っていてくれませんか」
「冗談言うなよ」
半ば本気で甥っ子に押し付けようとしながら座布団に腰を下ろし、霧が朝作ってくれた弁当に箸をつける。
「そんなに暇なら本でも持って行けばいいだろ」
「……さすがに皆さんがピリピリしてテストを受けている中で読書は、無理ですねぇ。
皆さんの進路がかかった大事なテストですから、そんなテストの試験官が読書なんかしていたら
PTAとか教育委員会に何を言われるやら分かったものじゃありませんし……」
命の危機ですし。とは敢えて言わない。
携帯ムービーでテスト中に読書する自分の姿を撮影して動画投稿サイトに流す教え子や
どこかから取り出したスコップ片手に『どうしてきっちり試験を監督しないのかしら』と魚目で呟く教え子を想像して
ぞっとした表情で出汁巻き卵を口に運ぶ望。
「ふーん」
対照的に『どうでもいい』とでも言いたげな顔で唐揚げを口に放り込む交。
「そんな大事なテストなら真面目にやれよ、試験官」
「……分かってますよ」
正論で返されて、ぐうの音も出ない。
「……大事な、テストなんです。これからの道を決める、大事な……」
呟きながら、2のへの生徒達の顔を思い浮かべる。
その中でも1つ、際立って鮮明に浮かんでくる、あの少女の顔。
――先生のお傍に。
そう言い続けた彼女が、自分から離れて彼女自身の道を歩くための1つの転機なのかもしれないのだ、これは。
いつまでも自分の後ろに彼女がいるなど、あり得ない。彼女のためには、あってはならない道なのだから――
「……望」
「え?」
はっと思考を中断すれば、ちゃぶ台の向こうからげんなりとした表情でこちらを見ている甥っ子の姿。
「ど、どうしました?交」
きょとんと問い掛ける望の声に被さるようにして、ぴんぽんぱんぽん、と校内放送がかかった。
『糸色先生、糸色望先生、職員室までお越し下さい。糸色望先生、至急職員室までお越し下さい』
「ええと……」
頬に一筋の汗を流しながらあさっての方向を見つめる、その視界のぎりぎり端に、へっと甥っ子が笑うのが見えた。
「何やらかしたんだ、お前」
「何もやらかした覚えは御座いません!
絶望した!食事の時間さえ与えてくれない校内放送に絶望した!!」
頭を抱えて叫ぶ望。思いっきり聞かなかったことにしてスルーしたいが、さすがに校内全域に
オンエアされているであろう放送をスルーするのは無理がある。
「ううう……せめて昼休みぐらいはくつろごうと思っていたのに、何事でしょうねえ」
「至急って呼び出されるくらいだから、何かあったんだろ。早く行けよ」
交の冷淡な言葉に押されるようにのろのろと立ち上がると、まだ半分以上残っている弁当をちらりと見て
はぁ、と溜息をついた。わざわざ霧がテスト当日だと言うのに早起きして作ってくれた物である。
残飯として捨ててしまうのも忍びない。
「5時限の予鈴が鳴るまでに帰ってこないようでしたら、食べてしまっていいですよ、それ」
「全部は食いきれないよ」
「残ったら弁当箱ごと冷蔵庫に入れておいてください」
ひらひらと手を振りながらそう言うと宿直室から出て行く叔父の背中を見て
交は半目になって、さっきの何かを考えているようだった望の表情を思い出す。
(試験官ってのが、どれだけ疲れるんだか知らないけど)
――大の大人が、あんな泣きそうな顔するなよ。
小さく毒づくと、望の弁当箱から1つひょいと唐揚げを摘み上げた。
職員室の扉を開けた瞬間、その場にいた教師達の視線がばっとこちらに集中したのは、多分気のせいではない。
思わず気後れしながらも足を踏み入れる望の元に、智恵が駆け寄ってきた。
「糸色先生、お呼び出ししてごめんなさい」
「いえ……何かあったんですか?」
ただならぬ雰囲気にきょろきょろと周囲を見回しながら、望。こちらへ、と智恵に案内されて
自分の机の方へと進んでいくと、腕組みをして難しい顔でこちらを見つめている甚六と
椅子に腰掛けて俯いている1人の生徒が視界に入る。
「……常月、さん」
望の声に反応してか、ぱっとまといが顔を上げた。
朝見たのと同じ、何かを思いつめてしまったような表情に、望の胸にこんこんと不安が湧き上がってくる。
「あの……甚六先生、智恵先生、常月さんが何か?」
今回はまといはテスト問題は見ていないからカンニングにはならないはずだ。
試験中に気分を悪くしたのなら、行くのは保健室であってここではない。
――何か、問題行為を起こしてしまったのだろうか。
望の問い掛けに、甚六がううむと唸る。
「糸色先生は、国語の試験の採点はまだ行っていないのですか?」
「え?」
逆に質問を返されて一瞬うろたえるも
「あの、私は午前中はずっと試験官をしていましたから」
と答えると、甚六はなるほどと頷いた後、言いにくそうに口を開けた。
「実は……彼女の答案なんですが……いや、実際に見ていただいた方が速いでしょう」
智恵先生、と甚六に促されて、智恵が持ってきた答案用紙を望に手渡す。
午前中の英語、理科、数学のそれをざっと見て、望は絶句した。
「な――」
『2年へ組 常月 まとい』と丁寧な字で記入された名前欄。
彼女の字が書かれているのは、そこだけだった。
後は3枚とも全て空欄となっている。一度書かれた文字が消された形跡も、数式が途中まで計算された形跡もない。
望は慌てて自分の机へと駆け寄り、そこに置かれた答案用紙の山を掻き分けるようにして
まといの答案を探し出す――これも、白紙。
名前欄以外配布されたときと全く同じ状態のままで、全教科の答案を提出したのだ、この少女は。
「国語も、ですか」
ある程度予想がついていたのか、溜息をついて困ったように頭を掻く甚六。
「常月さん、貴女、問題が分からなかったわけじゃないわよね?
一体どうしてこんなことをしてしまったの?」
白紙の答案を持ったまま呆然と立ち尽くす望に代わって、智恵がまといに声をかける。
まといの膝の上で握られた両の拳が、微かに震えているのが見えた。
追い詰められたもの特有の強さをその瞳に湛えて、まといはゆっくりと口を開く。
「……先生が、おっしゃったからです」
「え?」
「自分の進路を真剣に考えた上で、それを踏まえてこのテストを受けるようにって、糸色先生がおっしゃったからです」
少女の視線は揺るがなかった。ただ真っ直ぐに、望を見つめている。背後に立っていた時と変わりなく。
「……何ですって?」
問い返す声が、少し掠れているのを自覚する。
「私、あれから真剣に自分の進路を考えました。でもやっぱりダメなんです。
先生と一緒にいられない進路なんて、どうしても考えられないんです。私、先生が好きだから」
まといの一言一言が、胸に刺さる。それと同時に、あの面談の時にこみ上げてきた感情が蘇ってくるのを感じた。
「私の希望は、ずっと愛する先生のお傍にいることですから。
だから、卒業後に就職も進学もできなくたっていいんです」
答案を持った手に力が入り、紙がくしゃりと音を立てる。強く、強く握り締める。
胸に湧き上がる感情をかき消そうとするように、強く、強く、強く、強く。
「先生と一緒にいるためだったら、卒業なんかできなくたって、ずっと高校生のままでも構いません。
私、先生と――」
「常月さん!」
望の強い口調に、まといの体がびくりと震えた。
力を込めすぎてぐしゃぐしゃになった答案を見やり、ゆっくりと少女に視線を戻す。
「貴女は――そんなことのために、こんな真似をしたのですか」
低い声に、まといの瞳が初めて揺らいだ。弾かれたように立ち上がる。
「先生!そんな――そんなことって――」
「私が進路について真剣に考えろと言ったのは、そういう意味ではありません」
悲痛な声を遮る。彼女の言葉をこれ以上聞きたくなかった。
聞けば、聞いてしまえば、自分は――
「ご自分のしていることの意味を考えなさい。そして、午後の社会は真面目にテストを受けるんです。
貴女のしていることは、とても馬鹿げた、無意味な、誰のためにもならないことだということを自覚なさい」
怒りを抑えているような、あるいは泣き出しそうなのを我慢しているような歪んだ表情でそう続けると
隣で黙って見守っていた甚六に答案を手渡し、くるりとまといに背を向けてそのまま職員室から出て行こうとした。
馬鹿げた?無意味な?誰の――先生のためにも、ならないこと?
こんなに、先生が好きなのに。愛しているのに。それだけなのに。
ああ、先生が行ってしまう。
いつもみたいに後ろについて行かなきゃ……。
でも、それも馬鹿げた、こと?
いつもは私がどんなにお傍にいても、何も言わないでいてくれるのに。
――どうしよう。
――先生に、拒絶された。
――目の前が、真っ暗になる。
――頭のおくで、がんがんと音がなる。
――せかいが、ゆれる。
――いきができない
「常月さん!」
智恵の叫び声に、反射的に振り返る。
望が見たものは、甚六が咄嗟に伸ばした腕に抱えられた、意識を失ったまといの姿だった。
171 :
199:2008/01/26(土) 12:40:51 ID:WnwDrkgF
次の投下分からはエロくなる…予定です。
書きながら霧はどこでテスト受けてるんだろう、とか考えてしまいました。
多分どこかの空き教室ということでスルースルー。
最近神様のご来訪が多くて嬉しい限りです。
萌えてエロいSSがいっぱいで幸せです。皆様本当にGJですな。
まといちゃん…(´;ω;`)ブワッ
199様GJです!
ああああああああああああああああああああああああああああああああ
まといいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
199氏GJ!!!
>>171 この話がどこに落ち着くのかが非常に楽しみ
病的なまでに一途なまといだからこそ、拒絶されたときに輝くものってのがありますね
ここ意外と藤吉さん好きって多いのか、もっと供給あったらいいな
やっぱ藤吉さんは百合スレで出ずっぱりだからここじゃ少ないんだろうか?
向こうじゃ出演率5割あるからなあ
175 :
430:2008/01/27(日) 20:07:30 ID:CvWeHVoJ
>>199さん
まとい…・゚・(ノД`)ヽ この先どうなるんだか、本当に楽しみです。
そして、先生がすごく教師っぽいところが何だかツボでした。
そして、藤吉さんSSも真昼さんも、他の皆さんも…
秀逸なSSが目白押しで読むのが大変!ホント、嬉しい限りです。
そんな中、先日ブラコン倫ちゃんを書いたばかりだというのに
某所で命先生と倫ちゃんの神がかったお絵描き動画を見てしまい、
すっかり頭の中が命倫になってしまいました。
連投気味な気もするのですが、自分の中の熱が冷めないうちに
落としたくて…ということで、命×倫です。
えーと、またもやエロなしです、すいません…。
その日、兄の医院を訪れた倫は、扉を開けたとたん目を丸くした。
「何を言われても、私は行かないからな!」
怒声と共に、荒々しく奥の診療室のドアが開き、
この上なく不機嫌な顔をした命が白衣の裾を翻して出て来たのだ。
「こら待て!自分ばっかり逃げやがってこの角眼鏡!」
「…望坊ちゃま、お言葉が。」
命の後から出てきたのは、これまた自分の兄である望と執事の時田。
「…望お兄様?…時田まで…。」
命も望も、医院の玄関に立っている倫に全く気づいていないようだ。
望が息を切らせながら命に指を突き付けた。
「今年こそ!兄さんにもあの恐怖体験をしてもらいます!!」
受付の看護師は、既に我関せずを決め込んでているようだ。
倫はため息をついた。
「…一体、何の騒ぎ?」
その言葉に、兄弟がこちらを振り向いた。
「お兄様方、いい年をして、何を喧嘩してらっしゃるのです?」
命と望は気まずそうに顔を見合わせた。
そこに、時田が横から楽しげに口を出した。
「いえ、今年の見合いの儀は、命様がご参加いただくというお話を。」
倫は驚いた。
今まで、命が見合いの儀に参加したことなど、聞いたことがない。
と、命が大声で叫んだ。
「待て、時田、私は参加するとは一言も言ってないぞ!」
「そうは行きませんよ、命兄さん!いつも私ばかりずるいじゃないですか!」
「うるさい!私はお前みたいに暇じゃないんだ!」
「暇ですって!!絶望した!教師の過酷な労働環境を知らない兄さんに
心から絶望したーーー!」
倫は、もう一度ため息をついた。
きっと兄達は、さっきからずっとこんなやり取りを繰り返していたのだろう。
倫は望に向き直った。
「望お兄様。見合いの儀が嫌なら、
ご自分が行かなければいいだけの話じゃありませんか。」
ところが、時田がすかさず口を挟んだ。
「倫様。お言葉ですが、見合いの儀は糸色家の大事な儀式。
糸色家の御方々が誰もご参加されないというのは少し…。」
その言葉に、望が、ぽん、と手を打った。
「そうか、よく考えたら倫でもいいわけですよね。」
「な…。」
倫はあんぐりと口を開けた。
時田も望の隣でうなずいた。
「倫様のクラスメートの皆様も、今年もまたいらっしゃいますし、
ちょうどいいかもしれませんな。」
「え、私は、今年は出ませんからね!彼女達は呼ばないでくださいよ!」
倫は、自分を差し置いて交わされる会話に抗議しようと口を開いた。
しかし、バン!という大きな音が響き、そちらを振り向いた。
命が、いつになく険しい顔で壁に手を当てていた。
「…いい加減にしろ、望。倫はまだ未成年だぞ。」
「婚姻適齢には達してますよ。」
望は、怯んだ様子もなく、さらりと答えた。
「冗談じゃない!倫を参加させるなんて絶対に許さないからな!」
倫は目を丸くして命を見ていた。
どうして、命はこんなに激昂しているのだろう。
望がわざとらしく時田を振り返った。
「でも、私も兄さんも行かないとなったら、倫が行くしかないですよねぇ。」
「そうですなぁ、望坊ちゃま。」
時田もそらぞらしい顔をしてうなずいた。
望は、勝ち誇ったように命に向き直った。
「さあ、兄さん、どうしますか?
倫を見合いの儀に参加させるか、ご自分が参加するか。」
お前が行け、と倫は心の中で呟いたが口には出さなかった。
何故か、命が何と答えるのか、少し聞きたい気がした。
命は悔しそうな顔をしてしばらく望をにらんでいたが、
とうとう、やけくそのように叫んだ。
「……分かった…行けばいいんだろう、行けば!!」
手を取り合って喜ぶ望と時田を医院から追い出した後、
倫と命は、診療室で向かい合ってお茶をすすっていた。
「まったく、あいつはいつまで経っても成長しないな…。」
湯飲みを片手にぼやく命を見て、倫は、クスリと笑った。
「望お兄様、ご自分は参加されないようなことおっしゃってたけど、
そんなの無理ですわ。クラスの女子達が許しませんもの。」
「…だったら、私は無駄に参加させられるだけか。」
命は疲れたように椅子に背を預けて、やれやれとため息をついた。
そんな命を見ながら、倫は、少し申し訳ない気持ちになった。
命が見合いの儀に参加するのを決めたのは、倫のためだ。
倫は、ふと、先ほどの命の激昂した様子を思い出した。
昔から、命は、倫には過保護気味であったが、
だからといって、あんなに感情的になることはなかった。
何が気に触ったのだろうか…倫が、そんなことをぼんやりと思っていると、
命が、気がついたように倫に声をかけた。
「倫。お前、今年も見合いの時期に実家に帰ってるのか。」
「ええ、でも見合いの儀の間は自室に篭ってますから、ご心配なく。」
糸色家の家族が生活する母屋だけは、見合いの儀の間もオフリミットだった。
「そうか…分かってると思うけど、くれぐれも外には出ないようにな。」
あくまでも過保護な兄に、倫は笑うと、冗談めかして言った。
「分かってますわ。
特に今年は、外に出たりしてお兄様と目が合ってしまったら、大変。」
ガチャン!
倫は驚いて目を見張った。
命は、空っぽの手を宙に浮かせたまま固まっていた。
命の手から落ちた湯飲みが、床で二つに割れている。
「…お兄様?大丈夫ですか?」
「あ、ああ…すまない、ちょっとぼんやりしていた。」
命はあたふたと立ち上がり、診療室から出て行った。
外から「ええー、割っちゃったんですか、あの湯のみ。」という
看護師の声が聞こえてくる。
―――お兄様?
倫は、いつにない命の不自然な態度に、眉根を寄せた。
見合いの儀当日。
先に実家に帰っていた倫は、母屋に命の姿を見つけて声をかけた。
「お兄様、お疲れ様です。」
「ああ、倫。中庭に軽食が用意されているようだよ。行かないか?」
「あら、いいですわね。」
2人は連れ立って中庭に向かった。
中庭では、ちょっとした立食パーティが催されていた。
大勢の人で賑わっている中、望がクラスメート達に囲まれているのが見えた。
「やっぱり参加してるじゃないか、あの馬鹿。」
「相変わらず、大人気ですわね、望お兄様。」
「遊ばれてるだけだろう、あれは。」
2人で望の様子を遠くから眺めていると、髪留めをした少女が振り向いた。
「あれぇ、今年は絶命先生も参加ですか。」
「くっつけて言うな!!」
命の叫び声に、望が、気がついたように振り返った。
「来ましたね、兄さん…覚悟しておいた方がいいですよ。」
「お前こそ、人のことより、自分の心配をしたらどうだ。」
命は、今から望の視線を受け止めようと目を皿のようにしている
女生徒達を見回して、肩をすくめた。
倫は、そんな兄弟のやり取りを少し離れたところから見ていたが
そこに、可符香がそっと身を寄せてきた。
「倫ちゃん、命先生に気をつけるよう言ってくださいね。
お見合いの儀には、妖怪百目小僧さんも参加されていますから。」
「は…?…ようかい…?」
倫は面食らった。
可符香は、倫の表情を気にかける様子もなく、頷いた。
「はい。昨年は、見ないプロの先生でも、目を合わせちゃいましたから。」
「…だったら、お兄様は今頃、妖怪と結婚してるはずではないか?」
不審気に言い返す倫に、可符香は、んー、と口を指に当てた。
「そうなんだけど、先生が気絶しちゃったから。
そうか、でも、だったらもしかして、あの妖怪さんは、
今でも先生のこと探してるかもですね!」
可符香はそう言うと、「それじゃっ。」と手を振って離れて行った。
「妖怪って…何だそれは…。」
1人残された倫は、我に返ると、馬鹿馬鹿しいと首を振った。
夜も更けて、糸色家の旧領地内のあちこちに、かがり火が焚かれ始めた。
糸色の屋敷は高台にあるため、その光景が一望できた。
―――大丈夫、まだ開始までには時間がある。
倫は、母屋と他の棟をつなぐ渡り廊下に立って眼下の街を眺めていた。
と、後ろから命の声がした。
「倫、何をしてるんだ。そろそろ儀式が始まる時間だよ。
こんなところにぼんやりと立っていると危ない。」
「でも、お兄様、ほら見て。とてもきれい。」
倫は振り向くと、揺らめく光の群れを指差した。
命は、倫の横に来ると、倫の指差す方向に目をやった。
「確かに、くだらない儀式でも、これだけは一見の価値はあるな…。」
2人はしばらく黙ったまま、並んで、幻想的な風景を眺めていた。
倫は、何となく寛いだ気分で、命の顔を見上げたが、
そこで目にしたものに、眉をひそめた。
母屋の庭にも、かがり火が焚かれている。
命の顔に、その炎が揺らめく影を作っていた。
しかし、炎に照らされた命の表情はどこか苦しげで、
思いつめたような瞳をしていた。
「…お兄様…?」
命は、倫のその声に、はっとしたように身じろぎをした。
そして、次の瞬間、慌てたように倫から目を逸らすと、
取り繕ったような、明るい声を上げた。
「そ、そろそろ、自室に戻ったほうがいいな、倫。」
倫は困惑したように、命の横顔を見つめていた。
この間の診療室でのことといい、最近の命はどうもおかしかった。
何か悩んでいることでもあるのだろうか。
倫が命に声をかけようとした、そのとき。
ざわついていた外の空気が、急に静まったかと思うと、
夜のしじまを、銅鑼が鳴る音が響き渡った。
命が顔を上げて舌打ちをした。
「…しまった…始まったか!」
倫も焦った。
いつの間にそんなに時間が経っていたのだろう。
ここから母屋までは、けっこうな距離があった。
―――どうしよう。
と、命が倫から顔を背けたまま、倫の手を握った。
「ついて来い!絶対に顔は上げるなよ!」
そういって、倫の手を引き、走り出した。
倫は、誰とも目を合わせないよううつむきながら、
命に手を引かれ、長い渡り廊下を必死に走った。
どこからか雄叫びとも悲鳴ともつかない喚声が聞こえ、
思わず倫は身を竦めた。
と、命の、倫の手を握る手に力がこもったのを感じた。
―――お兄様。
倫も、命の、細い骨ばった手を強く握り返した。
そう、この手に従ってさえいれば、大丈夫。
いつだって、そうだった。
命は、どんなときも倫を守ってくれていた。
だからこそ、命に何か辛いことがあるのなら、
自分も、命の力になりたいと思うのに―――。
しかし、命は、倫に対して、いつも年長者であり「兄」であった。
いつも倫のことを優しく包み込んではくれるが、
望のように、腹を割った付き合いはしてくれなかった。
結局、自分は、命にとって一人前として扱ってもらえてないのではないか。
倫は、走りながら、唇を噛み締めていた。
「ふう…何とか、誰にも会わずに済んだな。」
2人が辿り着いたのは、以前、望が自室として使っていた
廊下の突き当たりの離れだった。
命は襖を開けると、倫の背を押した。
「倫、お前は見合いの儀が終わるまで、明かりを消してここにいなさい。」
「え…お兄様は…?」
倫は驚いて尋ねた。
命は、少しためらった後、答えた。
「私は、すぐ外の廊下にいるから…何かあったら、呼びなさい。」
「そんな、一人なんて嫌です!」
こんな暗い部屋に一晩中1人なんて、余りぞっとしない。
命が、天井を見ながら強い口調で首を振った。
「ダメだ。」
そして、小さい声で、付け加えた。
「…万が一、と言うこともあるじゃないか。」
「…。」
「万が一」というのは、何を指しているのだろか。
2人の目が合ってしまうことを言っているのか、それとも…。
しかし、命の横顔は、それ以上の質問も反論も許さない、と語っていた。
「…分かりました、お兄様。」
倫は、ふい、と顔をそらせると、1人離れに入って行った。
倫は、豆電球だけをつけると、畳の上に正座した。
遠くで怒号や悲鳴、そして見合い成立を示す鐘の音が聞こえる。
―――命お兄様、いったい、どうなさったのだろう…。
命が、何か悩んでいるようなのは、見て取れた。
しかし、それを尋ねても答えは得られないことも分かっていた。
命は、いつも、その心を倫に見せてくれない。
さきほど、かがり火を見つめながら命が何を考えていたのか、
それが分からないことが、腹立たしかった。
それを知ることが、自分にとっても何故か非常に重要に思えた。
「心をのぞければいいのに…。」暗闇で、倫はぽつりと呟いた。
倫の呟きは、そのまま天井に吸い込まれていった。
その後、倫は、しばらくうとうとしていたらしい。
ふと肌寒さを感じ、相変わらずの薄明かりの中で目を覚ました。
時計を見ると、午前3時をだいぶ回ったところだった。
あと1時間もすれば夜が明ける。
外にいる、と言っていた命はどうしているだろう。
倫は、襖ににじり寄ると、細く開けた隙間からそっと外を覗いた。
離れに続く廊下の先に、ぼんやりとした人影が見えた。
命は、薄暗い廊下の壁に背を預け、通路を塞ぐようにして座っていた。
蔵井沢の高地にあるこの屋敷は、夏でもかなり涼しい。
夜明け前の最も寒いこの時間、廊下に座っているのは辛いだろう。
倫は、命の口から白い息が吐き出されるのを見て、
命に部屋に入るよう声をかけようと口を開いたが、
危ういところで、それを押しとどめた。
どうせ、命は断ってくるだろう。
どうしても取り去ることのできない、自分と命との間に張られた薄い帳。
倫は、小さくため息をつくと襖を閉めた。
外は、すっかり静かになっているようだ。
皆、さすがに疲れてきているのだろうか。
古びた置き時計の針の音が、やけに大きく響く。
急に、孤独感が倫を包み込んだ。
そのとき。
―――ざわり
部屋の後ろで何かが蠢くようなかすかな物音がした。
「!?」
倫は、後ろを振り返ったが、何もいなかった。
いや、正確には何も見えなかった…しかし、何かが、そこにいた。
今、物音がした部屋の隅の方に、
何か得体の知れない、禍々しいモノがうずくまっているような気配があった。
倫の背中に、冷たい汗が伝った。
―――気のせい、気のせいだ…。
必死に自分をなだめたが、気がつくと両腕に鳥肌が立っていた。
ふと、先ほどの可符香の言葉が脳裏によみがえった。
―――妖怪さんは、今でも先生のことを探して…。
倫は、ここが以前、望の部屋だったことを思い出し、首を振った。
「馬鹿馬鹿しい、妖怪なんているわけない…。」
しかし、その呟きは弱々しく、途中で消えていった。
―――怖い…。
倫は、部屋の隅から目を背け、両手で自分を抱きすくめた。
自分は、気丈だと思っていたのに。
良く見知っているこの部屋で、一体何を怯えているのか。
ふいに、豆電球が瞬いたかと思うと、ふっと消えた。
―――何!?
辺りが、完全な暗闇に包まれた。
「ひっ。」
倫は、部屋の隅に目をやって小さく悲鳴を上げた。
暗闇の中で、部屋の隅がぼうっと光り始めたのだ。
もう、気のせいなんかではなかった。
暗緑色のその光は、ぞろりぞろりと、こちらに向かって来ていた。
まるで、触手を伸ばして何かを探すように…。
―――ヨメ・・・イナイ・・ドコ?
すすり泣くような声が聞こえた。
淀んだドブような、生臭い臭気が、その暗緑色から漂ってくる。
その表面全体に何か、丸い、眼球のようなものが浮かび上がってきていた。
「い…いやぁっ!」
倫は叫ぶと、ふすまを開けて廊下に転がり出た。
倫を見て、命が驚いたように身を起こした。
「どうした!」
命が、慌てたように駆け寄ってくる。
「お兄様!何か変なものが!」
倫は、命に必死で命にしがみついた。
「…っ!」
命は、倫にしがみつかれた瞬間、びくっと体を震わせると、
倫の肩を持って倫を引き剥がそうとするような仕草をした。
しかし、途中でその手の動きが止まった。
命が息を飲む音が聞こえ、倫は後ろを振り向いた。
襖の隙間から、暗緑色の物体がぞろり、と姿を現した。
倫は、はっとして叫んだ。
「お兄様!百目小僧です!目を合わせては駄目!!」
百目小僧はこちらに向かってきているようだ。
―――ヨメ・・・ワガヨメ・・・ニゲルナ・・・。
「―――ふざけるな!この子はお前の嫁じゃないぞ!」
命が、顔を逸らせながらも、怒鳴り返した。
―――ウウウ…ウォォオ…!!
妖怪が唸り声を上げた。
その声に含まれた悪意に満ちた怒りに、倫は思わず身をすくめた。
「っ!」
命が、百目小僧に背を向け、かばうように倫を抱きしめた。
―――お兄様…!
伸ばされる触手を振り払って、命が再び叫んだ。
「やめろ!倫は、絶対にお前なんかに渡さない!!」
命の声に含まれた切実な響きに、倫は、思わず命の顔を見上げた。
―――あ…。
倫は、命の顔を見て、悟った。
兄が、今まで、何に悩んでいたのかを。
いつも、倫には穏やかに微笑んで、心が見えなかった命の表情。
今、そこには、命の心中の想いがはっきりと表れていた。
倫は、兄の顔を見上げたまま呟いた。
「お兄、さま…。」
その声に、命が、倫を見下ろした。
―――2人の目が、合った。
次の瞬間。
まばゆい明かりが辺りを照らした。
百目小僧が、うめき声を上げて縮こまる。
「見合い、成・立〜!!」
鐘の音と共に、あちこちから、わさわさと黒子が現れた。
「いやー、命坊ちゃま、意外と大胆なことをなさいますな。」
「まさかに、お相手が、倫様とは。」
「もう間もなく夜明けでございます。ぎりぎりでしたな。」
「…え。」
倫と命が呆然としていると、しばらくして、複数の足音が聞こえてきた。
「兄さん!倫!あなた方、兄妹で何をやってるんですか〜!!」
「…望。」
「望お兄様」
望が、複数の女生徒達を後ろにくっつけながら、走ってきた。
命が、はっと気を取り直したように後ろを振り返った。
「い、いや、そんな場合じゃない、あの化け物が…。」
そのとき、縮こまっていた百目小僧が望の姿を見て、伸び上がった。
―――ヨメェェェッ!!!
「いやぁぁぁぁぁぁあ!!」
望は、自分に向かってくる百目小僧を見て、叫び声を上げたが、
すかさず、望の後ろの千里がスコップを振り上げた。
「先生に何するのよ、この妖怪!!」
同時に包丁やら包帯やらも飛んできて、百目小僧は逃げ出した。
「…。」
2年へ組の女生徒達の圧倒的な強さに、命と倫は、再び目を見合わせた。
「兄さん、見損ないましたよ!まさか実の妹に手を出すなんて!!」
すっかり明るくなった離れで、望が、命に向かって指を突き付けていた。
「だから…あれは事故だ…。」
命は、さきほどから頭を抱えて、呻くように呟いていたが、
とうとう、望の追及にたまりかねたように、ガバッと顔を上げた。
「大体な、望、お前が悪いんだぞ!!
お前が、あの化け物とのことをうやむやに放っておくから…!」
「何ですって、じゃあ、兄さんは私に百目小僧の嫁になれとでも!?
絶望した!自分の弟を妖怪と娶わせようとする薄情な兄に絶望した!!」
相変わらずの口喧嘩をしている命と望を見ながら、倫は思い出していた。
自分を抱きしめる命の腕の感触。
さきほどの、命の表情…。
命の顔を見る。
命は、先ほどから倫と目をあわせようとしなかったが、
しかし、少し頬に血を上らせた命が、今何を考えているのか、
今では、倫にははっきりと分かる。
悪くない。
―――全然、悪くない。
「だいたい、兄妹で見合い成立させてどうするんですか!?
籍も入れられないって言うのに!!」
「だから、あれは、事故だって言ってるだろうがぁぁぁぁあ!!」
倫は怒鳴りあっている兄達に歩み寄った。
「いいじゃありませんか、命お兄様、籍なんてどうでも。」
「「…は?」」
命と望が、あっけにとられた顔で倫を振り返った。
「入籍なんて、形だけのものですわ。
それにどのみち、私とお兄様は同じ戸籍に入ってるじゃありませんの。」
そう言うと、倫は命の頬に軽く口付けた。
「な…っ!な、な、な…。」
目を丸くして頬を押さえた命の顔が、見る見るうちに真っ赤になる。
「倫!?あなた、何を考えてるんですか!?」
望の悲鳴が聞こえてくるが、倫は意に介さなかった。
そう、形などなくてもいい、姿なくてもいい。
見えないから真実、ということもあるのだ。
この世は万華鏡のようなものだから、愛の形も、また様々。
きっと、私達は私達なりの愛の花を咲かせることができるはず。
倫は、そう心で呟くと、にっこりと微笑んだ。
189 :
430:2008/01/27(日) 20:23:07 ID:CvWeHVoJ
長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。
衝撃を受けた勢いのままに書いたものなので、えらい散漫な気が。
途中、レス数をつけ間違えてしまいました…orz
望相手だと、倫ちゃん→望のイメージなのですが、
命相手だと、命→倫ちゃんになってしまうのは何故なんだろう。
斬新な取り合わせ。
GJ
今週のアニメで先生に褒められて照れてるカフカにやられた。
やばい命倫萌えるな
誰か絶望と倫の幼少時の話を書いてくださらないものか……
「万世橋らきすた」に見えてしまいました
「万」しかあってねぇww
>>159 ウチのは規制されていたから2週間ほど書き込めなかったぜ
>>195 俺は「万世橋きらきら」に見えた。何か負けた気がして悔しい
唐突だけど
保管庫にある7-305氏による可符香>まとい>まといの3話分を見て大泣きしちまった
ちっくしょう元はといえばエロパロスレなのに泣かせんじゃねえよ…
いい話をありがとう
アニメの劇場版弐号機千里ちゃんに萌えた
猟奇な千里もいいが、アスカ的ヤンデレな千里も見てみたい
もしくは普通少女を普通に病ませてみるとか。
巨大化した千里に先生がレイプされるというのが前スレに
>>200が求めてるのはヤンデレであって巨女ではないんだろうがw
>>189 GJ!そのイメージの差異は絶望先生は比較的子供で、絶命先生は比較的大人だから?
アスカは病んでるけどデレてはないしな
むしろ逆に千里を小さくしてリリキュア人形の服とか着せたい
204 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 17:30:43 ID:3rwrRZKj
そして、ボタンをきっちり締めないとか左右逆の靴下を履かせたりとかしてイライラさせたい
望君の恋人(自称)ですか
アスカはヤンデレというよりキチガイ
430の人、ブログはじめたのね
なんで千里は服も一緒に大きくなるのか
体だけ大きくなって羞恥に耐えながら戦うとか、尻餅ついて足広げた様子が全国中継されるとか、敵二体目の黄色い回転ボディを突っ込まれるとかすればいいのに
その妄想きっちり書いてみなさいよ。
>>207 えええええええ、昨日始めたばっかりなのに、なんで!?
絶望した!情報化社会に絶望したーーー!
…いえ、その、ご来訪ありがとうございました。
そしてついでに、規制に絶望した。
ブログの宣伝ならリンク貼るなり、最初から自演の宣伝をしないなり、どっちかきっちりしなさいよ。
>>210ですが、
>>207は自分じゃないですよー。
でも、確かにレスは控えるべきだったかも。余りにびっくりしたので、つい。
どうもすいませんでした、この話はこれにて…。
>>212 一応ここでのssのまとめだし、いいんじゃない?
てか検索したらすぐ出た。
今週号は絶望をからかう倫が可愛くて仕方なかった。
週漫板と誤爆った。スマソ
巫女倫様(*´д`*)ハァハァ
倫モノが読みたいのなら、誤爆のふりなどせず素直にリクエストすればいいのに。
218 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/31(木) 23:26:34 ID:yynpJNQS
何だろね、この過疎っぷり
最近のこのギスギスした雰囲気が良くないのか
軽い気持ちで感想言ったり、書かないにしても断片的なエロ妄想話してたりするほうがやりやすいだろうね
あと、>>1にスレの大まかなルールくらいあったほうがいいと
このスレの受け入れ態勢はあまり良くないと思う
>>219 失礼ながら
具体的にどうすればいいのかあなたなりの意見を聞きたい
初めて投下する人が結構戸惑ってる印象受けるから改行とか投下の基本的なやり方とか
あと百合ネタ出るたびに言い争うくらいなら
>>1で一言あればいいのにと
某スレに来ていた人が書いていたが
・鬱展開多すぎ
・原作破壊激しすぎ
・いたずらな超大作化傾向強すぎ
な傾向が極大化して離れていってしまった人が増えたのが閑散な原因だ
と思う。
あとみんなやりたいことをやってしまったというか。かぶっているSSもあった
し。
新しいシチュエーションなどのネタが投下されると、それに刺激されて類似
のバリエーションがでてきたりもするが、それもないしね。
ならお手上げだ
諦めよう
じゃあとりあえず今はアレとアレの続きを楽しみにしとくわ
規制やサーバー移動の為もあると思う
あわてないあわてないひとむかしひとむかし
の心境でお待ちします
たしかに作品レベルで言ったら面白いけど、
それ絶望先生である必要あるのか?ってな作品多い気がする。
まぁ原作のイメージ残したまま、二次創作ss書くのってむずかしいけどね。
期待すんなよ!期待すんなよ!
やっぱ原作どおりがいいのかな
今まさに直面していた問題が「これ絶望先生である必要あるのか?」だったりする。…うへへ。知るか。
「絶望先生である必要あるのか?」っていうか、キャラが全然違うのとかあるよな。カフカとか特に
どんな作風でも投下してくれれば歓迎するよ
さて、加賀さんで妄想する作業に戻ろうか
まあ完全に原作に忠実にキャラ書いたらエロに持っていくのは至難の業なんじゃないかとは思うが。
つか物凄くパターンが限定されると思う。
まあ全然キャラ違うのは問題かもしれんが、その線引きが曖昧だな…
キャラが違う云々いったら一番問題なのは先生のヘタレっぷりだろうなw
他のキャラは先生に好意を持ってる人が多いからそんなにキャラ崩壊はしないはずだと思うけど…
いきなりスマソ
あまりエロくはない上に藤千里だったら投下したら板違いになるだろうか?
>>237 歓迎したいところだが、何故か百合に過剰反応する輩が居るから、
百合スレをすすめてみる。投下したら見に行くよ。
>>238 百合スレの存在を知らなかった
書いたら投下してみる。有難う
新EDの日常情景映像がなんか良すぎる。
もともと絶望先生ってストーリーものではないし、各キャラクターもギャグの
ための個性みたいなものだから感情移入はしづらい漫画だよね。
話も基本的に先生対誰か一人、みたいな会話で、相手が次々変わることで話が
進んでいくし。
だけど何故か各キャラごとに専用スレができたり、過剰に感情移入する故か
SSについても人気あったりというのが面白い。
基本的に生徒同士の交流は描かれることが少ないので、こんどのエンディング
での喫茶店やバス停で生徒同士が集まっている図というのは妙に新鮮で面白かった。
なんだ、みんな仲いいじゃん、みたいな(w
で、SSを作るインスピレーションになった気がする、のかも。
>>61 このタイトル「ゴリオ爺さん」からとったのか
>>241 おれは改蔵の登場人物たちの他人以上友達未満な空気がよかったな。
友達じゃないけどお互いバカをやる仲な雰囲気が好きだったんだけどね。
絶望先生のクラスはみんな仲がよくて、なんかなーと思う。
以上チラシの裏
とうとう1本のSSの投下もないままに1週間経過か・・・
鬱でいいなら投下できるんだが
というか鬱展開のSSってそんなに多かったか?
どうぞどうぞ
エロパロで欝なら氏賀Y太級のを希望
どんどん投下お願いします
議論とかいいから
予告はあれど、投下なし。
いったいどうしちゃったんだ? このスレ。
多分そういうレスが遠ざける原因かと
凄いのは分かったから、あっちこっちに貼って回るのは止めとけよ
と空気読まずに言ってみる
エロなし小品だから、期待すんなよ。
254 :
感謝強盗1:2008/02/04(月) 05:43:13 ID:pUYX7ta/
(カンシャゴウトウ)
ずっとその言葉が頭の中でリフレインしている。
家に帰ってから、二階の自分の部屋で、敷きっぱなしになっていたマットレス
の上でごろごろしながらずっと考え続けていた。
(そんなに押し付けがましかったのかなあ)
せっかく頑張って作ったクッキーだったのに…先生の「美味しい」の一言が聞
きたかっただけなのに…。
両親は出かけていて、家の中は私だけだ。日曜の午後、雨の音だけが聞こえて
いる。
(先生、そんなに嫌だったのかな…)
家に帰って考えてみると、さすがに子供っぽい反応だったのかもしれないと
思う。でもあの場では本当に悲しくなったのだ。自分でもびっくりするほど。
今思えば、クラスのみんなもいる前で、あんな反応をしてしまったのは恥ず
かしかった。
明日は月曜だ。学校に行くことを考えるととても億劫な気持ちになる。何か急
に昔の自分に戻ってしまったような気がした。
(学校行きたくないなあ…)
255 :
感謝強盗2:2008/02/04(月) 05:44:16 ID:pUYX7ta/
考えてみると、あれだけひどい登校拒否状態があっさり直ってしまっているの
が不思議な気がした。
(なんで学校に通い出したのかしらね?)
自問してみるまでもなく、答はわかっていた。
糸色先生のクラスが楽しいからだ。先生やみんなに会うのが楽しいからだ。
1年の時はそうじゃなかった。なんとか我慢して進級はしたものの、2年になっ
てしばらく学校へ行く気にならなかったのは、そのクラスでの時間がとても
辛かったからだと思う。
(糸式先生はひどいことも言うけど、こっちも言い返すことができてなんか友達
みたいな気持ちでいたのかもね)
クッキーをあげたときの反応を思い出すと悲しくなる。
(でもしょうがないことなのかも)
先生は先生で友達じゃないし、私が変に仲が良いと思い込んでいただけなんだろう。
256 :
感謝強盗3:2008/02/04(月) 05:44:54 ID:pUYX7ta/
外もだいぶ暗くなってきた。
知らないうちにちょっと涙ぐみ、悲しいはずなのにいつの間にかうつらうつらして
しまう。
そのとき玄関の呼び鈴が鳴った。なんだろう? 日曜なのに宅配便かな?
しばらく考え、しぶしぶ起き上がって応対にでる。
「今行きまーす」階段のところで大声をあげ、玄関へ向かった。
引き戸を開けると、そこには糸色先生が立っていた。
「先生…」
「日塔さん、これ忘れていきましたよね」
そういうと先生は傘を差し出した。
「これ…」そうだった。感謝強盗の言葉にショックを受けて、傘を放り出して
雨の中、家まで走って帰ってきていたのだ。
「持ってきてくれたんですが」
「ええ、日塔さん、急に走り出したので、先生びっくりしましたよ」
「だって」
「先生、ひどいこと言いましたかねえ」
「十分にひどいです」さっきまでの考えはどこかに消し飛んで、急に拗ねて
みたくなった。
257 :
感謝強盗4:2008/02/04(月) 05:45:32 ID:pUYX7ta/
「まあ、先生時々辛辣になってしまうというか、教育者ですから厳し
いことも言わなきゃならないわけで」
「感謝強盗って言ったこと全然反省していませんね!」
「えー、まあ、あと日塔さんがちゃんと学校へ来てくれないと先生また不利な
立場に陥ってしまいますし。」
またそうやって関係ないことを言ってはぐらかす…。
「結局自分の保身ですか!?」
「厳しいですね、ずいぶん」
「厳しいですよ!」
そういって、台所に行き、包んであったクッキーを持ってきて、先生に強引に
手渡す。
「美味しいクッキーなんで、交君にも上げてください。月曜にどうだったか
感想聞きますからね」
「日塔さんも意外に頑固なところありますね」クッキーを受け取り、先生は
笑った。
私も釣られて笑いながら、声の調子は努めて厳しく言った。
「いくらでも感謝要求しますよ。私感謝強盗ですからね」
「わかりました、わかりました」
先生は声を出して笑った。
「日塔さんが学校来ないと先生楽しくないですからね」
258 :
感謝強盗5:2008/02/04(月) 05:46:04 ID:pUYX7ta/
先生が帰ったあと、明日のことを考えてみた。
(学校行くの楽しいんだもん)
自分でも良くわからないけど、自分を変える必要なんかないんだろうと思う。
少なくとも今のところは。
(先生は先生だもんね、私も私よ)
今日は親が帰ってくる前に、自分で夕飯の支度でもしてみようか。そう考えて
クッキーの匂いが残る台所へ戻った。
おしまい
おぉ神が光臨してるじゃないですか
普通に萌えた
保守。アニメ5話、神がかっていたなあ
カフ望、加賀木野、千理晴美、その他もろもろの
妄想膨らんだ
保守。アニメ5話、神がかっていたなあ
あれ? 2重に書き込んでしまった…スマソ
GJ!しかし先生は外道だな…
あんな可愛い笑顔見せられたら普通に苛めたくなるじゃないか…あれ?
カエレ×愛希望
>>258 奈美可愛いよ、普通以上にGJ
このシーンは先生ひどいとかも言われるが、奈美萌えにも欠かせないエピソードなので
むしろ先生よくやってくれた、うちは今夜だ…相合傘が楽しみ
267 :
10−478:2008/02/04(月) 20:39:22 ID:nHnpS0Yr
先週の小森さんが可愛かったので一個書きました。
先生×霧前提でただ甘々なSSになりました。
とりとめのない文ですがご容赦を。
268 :
眼鏡と水着:2008/02/04(月) 20:40:56 ID:nHnpS0Yr
ある夏の日の宿直室。いつもの様に望はだらだらと過ごしていた。
TVのチャンネルを何となく回したり、本を読んだり。何かと難癖を付けて絶望してみたり。
そうして今日も霧がやって来た。
「先生、おはよう。」
「あぁ、おはようございます。」
本に見入っている望は空返事を返す。
気のない返事に不満を感じ、霧は頬を少し膨らませている。
しかしすぐにいたずらを仕掛ける子どもの様な笑顔をわずかに浮かべ、望にすっと近づいていった。
横になってくつろいでいる望の後ろに回ると霧はそこに座り込み、望の読んでいる本を頭越しに覗き込む。
「何読んでるの?」
「小説ですよ。」
「そう…ねぇ先生。」
「ん?何ですか?」
「えいっ!」
不意に霧はさっと望の眼鏡を奪った。
「な、何をするんですか?返してください!」
「だーめ。私の質問に答えて」
「え?一体…なんでしょうか?聞いたら返してくださいね。」
このままでは周りが全く見えない、何より小説の続きを読めないので望は霧に従うことにした。
それにしても変ないたずらなんて彼女らしくありませんねと望ぼんやりとした視界で霧を眺めながらが思っていると、霧から思わぬ言葉が出てきた。
269 :
眼鏡と水着:2008/02/04(月) 20:41:50 ID:nHnpS0Yr
「先生…水着見たい?」
「…へ?」
予想だにしない展開に望は間の抜けた声を上げた。水着?どういうことだろう。
学校でプールでも開いているのだろうか?いや、夏休みに授業なんてないし、そもそも小森さんは外に出ない…
そんなことを考えているうちに望の頭の中に水着姿の霧が浮かんできた。
白い透き通るような肌を惜しげなく面積の少ない水着で披露している霧。
望は頭に血が昇ってくるのを感じた。
「そういうことだよ先生…見たい?私の…」
望の表情から何を考えているのか読み取ったのか霧は再び尋ねた。
これは彼女なりに私のことを誘惑しているのだろうなと望は思った。
精一杯甘く誘うような声色、霧としては大人っぽくしているつもりなのだろうが、抜け切らない子どもっぽさが望には少し滑稽に思えた。
その声音を聞いて望はおかしく思えた。
しかし、それ以上に自分のために、そういうと思い上がりかもしれないが、いろいろとこうしてやってくれる霧のことをとてもいじらしく思えてきた。
「ふふ…」
「…わ、笑わないでよ…」
霧はちょっとムッとした様な声で抗議する。
彼女なりに妖艶な雰囲気を出そうとしたのだろう。そう思い、そのぎこちなく可愛らしい誘惑に望は誘われることにした。
「すいません。つい。ええ、是非見せてください。」
「あ…うん。」
「それじゃあ眼鏡を…」
「まだダメだよ、恥ずかしいから…まだだよ。」
「はいはい。」
霧はそう言うと身体にかけている毛布を床に脱ぎ落とした。
霧はジャージ姿だった。チャックは首元までしっかりと閉められている。
俯いて霧はチャックに手をかけてゆっくりと下ろしてゆく。
「こ、小森さん!?」
「え?なに?」
徐々に開けていくその隙間から霧の白い肌と純白の下着が現れた様に望には見えた。
望はこの場で着替えると思い、うろたえた。
「こ、ここで着替えるというのは少し…」
「…先生。もう水着は着てるよ…」
「え…?あ…そうなんですか。」
「もう…」
霧は既にジャージの下に水着を着ていた。望には白い水着が下着に見えていた。
しかし目の前で霧が服を脱いでいるということに興奮を覚えざるを得ない。
なまじ視界がぼんやりとしているため、余計に想像が働いてしまう。望はその様を思わずじっと見つめてしまう。
「そんなじっと見ないで…」
「あ…すみません。」
想いの人の前で自らまとっている服を脱いでいく、霧はその行為に極度の羞恥を感じているのが霧の一挙一動にわかる。
そうして霧は下のジャージものろのろと脱ぎ捨てた。
270 :
眼鏡と水着:2008/02/04(月) 20:42:36 ID:nHnpS0Yr
「じゃあ眼鏡…返すよ。」
身長差があるため霧は背伸びをしてやっと僅かに震える手で望に眼鏡をかけさせようとする。意識的かどうかわからないが霧はかなり密着している。
鼻腔をくすぐる甘ったるい匂い、胴のあたりに感じる柔らかな膨らみ、今すぐに抱きしめたい衝動に駆られたが、今は霧の姿をはっきりとした視界の元で捕らえたいと思い望は堪えた。
やっとで眼鏡をかけてもらった望の前にはっきりとした霧の姿が現れた。ぼやけた視界で想像していた姿より魅力的に望は感じた。
無地の白い水着は純真な霧のイメージに一致していて、またその白に勝らずとも劣らない肌の白さを再確認できる。
水着を着ることによってより際立つ胸から腰までの豊かな曲線は幼い顔立ちとのアンバランスさも相まってより魅力を増している。
霧は頬を少し赤く染め恥ずかしそうに視線を望から逸らしている。髪をかきあげながら霧は望に尋ねた。
「どう…かな?」
「とてもきれいですよ。似合っています。思わず…見とれてしまいます。」
「えへへ…うれしい。」
そういうと霧はくるっと回ってポーズをとって望に笑いかけた。しかしすぐにますます顔を赤く染めて、いそいそと毛布にくるまってしまった。
「やっぱこういうの苦手…」
「小森さん。」
「なに?」
「先生的には…展開的にも収まりがつかないので…開けさせてもらいます。」
「ひゃっ…あ、開けないでよ…」
271 :
眼鏡と水着:2008/02/04(月) 20:43:29 ID:nHnpS0Yr
今の仕草が望にとって決定打になったようで、少々強引に霧から毛布をはぎ取ると霧を抱きかかえた。
「さて、どうしますか?」
「…どうするって…先生の好きでいいよ…」
「わかりました…いいんですね?」
「いいよ…ん…」
望は霧を抱きかかえたまま、軽く唇を交わした。そして昨晩から敷かれっぱなしの布団へと霧をゆっくり下ろした。
黒の艶やかな髪が放射状に広がる。その中心にある霧の瞳は望を求めて既に潤んでいる。
その瞳に射抜かれ、捕らえられた望は再び霧と唇を交わした。今度は深く、相手の中まで。
霧はそれを受け入れ、舌を絡ませ合う。
「ん…はぁ…んぅ」
「ふぁ…ん」
二人の声が漏れる。お互いを十分堪能した後、望はそのまま耳を経て首筋へと舌を這わす。
そして舌を下へ、鎖骨を甘噛みする。霧の身体がぴくんと震え、嬌声が漏れる。劣情はじょじょに二つの膨らみを求めてうごめく。
霧はそれを感じて、望の手を手探りで捜し、手を絡める。望はそれを解くと霧の手首を抑える。
「やぁ…せんせぇ…」
霧が弱々しい抗議の声をあげると、望は霧の手を自由にした。
望は片方の手を霧と絡ませ、もう片方で霧の身体を愛撫していき、柔らかな、吸い付く様な肌の感触を楽しむ。
弱いポイントを責めるたびに霧はきゅっと手を握る力を強め、可愛らしい声をあげる。
それが望にはとても可愛く思えて、執拗に霧の性感帯を責め続ける。
272 :
眼鏡と水着:2008/02/04(月) 20:44:12 ID:nHnpS0Yr
水着越しにも弾力の確かな豊艶な胸を揉み、舌を這わせ、吸い付き、口づけの痕をつけていく。
隙間に手を入れて乳首を指で弾いたり、固くなった乳首をこりこりとこね回す。
望は水着を脱がそうと少し思ったが、自分のためにせっかく着てくれたのだろうと思い、またこの可愛らしい水着を着ている方が魅力的に思えたため、思い留まった。
次に望は霧の太腿の内股の付け根当たりをさすり焦らした。決して秘所には触れない様にし、手を何度も往復させる。
霧は太腿をもじもじと擦り合せて、望に懇願の瞳を向けていたが望は構わず焦らし続けた。
「せんせぇ…そこ…さわってぇ…きゃぅ…やあぁぁん!」
望は霧が口でねだるまで焦らした。そうして霧がねだると存分に愛撫を霧の秘所に加えた。
望があらかた満足し、霧と繋がりたいという欲情を抑えきれなくなってきた頃には、霧は顔を上気させ、肩で息をして汗を滲ませていた。
霧はぐったりとして蕩ける様な目を望に向けている。その表情はさっき望に笑われた時にあった幼さは抜け、艶めいている。
「はぁ…せんせぇ…今日元気だね…」
休みない痺れる様な快感の波に翻弄され、意味を成さない喘ぎを発していた霧はやっとで言葉を発した。
「小森さんがそんな格好で来るからですよ。それに…」
「…それに?」
「あなたが今日、とてもいじらしかったから…」
そういうと望は霧を抱き上げ耳元で囁く。
「そろそろいいですか…?」
「うん…」
霧はこくりと頷く。
273 :
眼鏡と水着:2008/02/04(月) 20:44:50 ID:nHnpS0Yr
望は霧の頭を軽く撫でてやると袴を解き、自身を取り出せる様にした。
それは既に固く努張し反り立っていた。
望はあぐらをかく様な形で座ると組んだ足の所に霧を招き入れた。
霧はそれに従い、足を広げて望に跨がった。
霧は望の首に手を回し、ぴったりと望に密着してこれからやってくる快感に備えた。
「じゃあ入れますよ…」
「ん…はああぁん!」
望は愛液で濡れそぼった水着を少しずらして霧の秘所を露にし、そこから自身を侵入させた。
霧は望が侵入した快感に耐えるためよりいっそう望に強く抱きついた。
望も侵入時の射精感に耐えるためにしばらく動かない様にして霧の頭を撫でたりしていた。
やがて望は霧が抱きつく力を弱めるのを感じた。霧は首をもたげると、望と向き合った。
お互い無言で見つめ合う。しばらくすると示し合わせる様に顔を寄せ合い、唇を重ねた。
相手を慈しむ様に優しく触れ合わせる。長い時間そうしていた様に望は感じた。
唇を離すと望は霧に優しく囁いた。
「動きますよ…」
「うん…動いて…」
そういうと望は腰を動かし、霧を突き上げ始めた。突き上げるたびにおとがいをあげて霧は泣く様に喘ぐ。
前戯で十二分に責めを受けていた霧は過敏なくらいに感じやすくなっていた。
突き上げられたびに目の前に火花が散り、視界が真っ白になりそうになる。
その霧の中はきつく、襞の一つ一つがしっかりと、まるで精を搾り取る様に望に絡みついてくる。
これだと長く持たなそうだと望は思ったが、霧に少しでも長く感じてもらいたくて、迸る射精感を動きを緩めたりして何とか堪える。
霧は既に全身が弛緩し、すがりつく様に望に抱きついている。
霧が絶頂に達するのは時間の問題だった。
「やんっ!せ、せんせぇ…ふぁあん!もう…もうダメェェ!」
「小森さんっ…!私も…もう出しますっ…!」
望は抱きかかえていた霧を布団の上に下ろして自身を霧から引き抜くと、霧の腹部を白濁で汚した。
霧も達したようで望の腕にすがりついていた手から徐々に力が抜けていき、完全に脱力してだらりと両の腕を下ろした。
そして霧は自分の腹部にかけられた白濁を指ですくいあげ、焦点の定まらない目でぼーっと眺めている。
その眼差しを望に向けると霧はふと一瞬、妖艶な微笑みを浮かべてるとゆっくりと瞳を閉じ、そのまままどろみに落ちていった。
274 :
眼鏡と水着:2008/02/04(月) 20:45:53 ID:nHnpS0Yr
望は霧の髪を梳きながら、寝息を立てる穏やかな満ち足りた寝顔を覗いた。
さっきまでの淫媚な表情は消え失せ、年相応の、それよりも幼く感じられる横顔の頬を望は指でちょんと突いてみた。
柔らかな感触とともに、霧はむずがるようなつぶやきを発して『せんせぇ…』と甘えた声をあげた。
「こうして見るとまだまだ子どもですね…」
苦笑しながら望は呟いた。
しかしその幼い少女の顔に浮かんだあの妖艶な表情、寝顔からは想像もつかないあの笑み。
その表情を霧に与えたのは自分だと思うと、望は罪悪感と征服感がない交ぜになった気持ちになった。
275 :
眼鏡と水着:2008/02/04(月) 20:47:13 ID:nHnpS0Yr
数十分後、布団に包まり睦言を交わし合う二人。
霧は望に腕枕をしてもらい、望の二の腕に頬をすり寄せて至福の時を感じている。
「すみません、水着を汚しちゃいましたね。」
「いいよ。洗えばいいし、そんなに着ることなんてないから。」
「そうですか?私としてはもっと見てみたいですけどね。」
「ん…ありがと。プールとか行けたらいいんだけど…」
「そうですね、いつか行ける様になれればいいですね…あ、でも…」
「どうしたの?」
「他の人には見せたくないですね…あなたのその格好は。」
「…もう。」
望は霧の頬が朱に染まっていくのを見て何故か望は照れを感じた。
「いや、まぁ勿論外に出れるようになることは大事ですよ?
そういうのは目的があった方がやる気になりますし、なにより…」
望の弁解は霧の唇によって中断された。そして霧は望から唇を離すと、望の胸に顔をうずめてぽつりと呟いた。
「……先生にだけだよ…先生だけ…」
頭の中にその言葉が満ちていき、いても立ってもいられなくなる。
思っている以上に私はこの娘に捕われてしまっているみたいですね…
望は心の中で呟き、霧を抱き寄せ愛しい存在を確かめ、幸せを確認した。
276 :
10-478:2008/02/04(月) 20:55:32 ID:nHnpS0Yr
二期は最近昇り調子ですね。嬉しい限りです。
ペリーさんのは好きな話だっただけに残念です。
テストが終わってさあ投下しようって時に何故かネットに繋がらず・・・
優先順位間違えてネカフェに行ってもそこのPCがUSBを認識してくれず・・・
PCは私にツンばかりでデレを見せてくれません。
ということで加賀ちゃんのツンデレ神SSの投下を希望!
ではROMに戻ります。
もうね、最高ですよ。
霧大好きだよ霧。
…先生の前で着替える展開も是非見たかった。
想像するだけで抜ける。
278 :
254:2008/02/04(月) 22:03:30 ID:pUYX7ta/
このシーン、絶望シリーズ中屈指の可哀想シーンだし、先生のフォローもなかったので、
もしもあったら、と考えてみたのですが、読み返してみると普通すぎるというか、なんで
フォローに訪れたか動機もわからないし、話が終わって主人公の心にも何も進歩があり
ませんね。
ダメ小説ぶりに絶望した!
他の人の良作に期待することにします。
でもポロロッカ語のSSは投下すんなよ!
>>276 ずっと霧待ってました。もう最高…GJすぎです
ようやくポツポツ投下が始まったみたいだけどね、はやく本命の430さんのが読みたいね。
高級寿司店へ行ってわくわくしているのに回転寿司がでてきているみたいな感じだね。まだいまのところは。
だからそういう発言をするなと
スルーライフ推奨
糸色家は、命、望、倫の三人ネタ。
近親3P、アナルセックスありなので駄目な人はスルーしてください。
倫の、ですよ。男→男は、なし。
というわけで、マガジンでの倫の出番も多かったことですし、次号が出る前に投下。
287 :
うそつき:2008/02/05(火) 06:57:00 ID:dw2B2qwp
「まったく、うちに来るのは家族ばかりだな。」
「良いじゃありませんか、お兄様。この街の皆さんが健康な証拠ですわ。」
「たぶん違うと思う。」
「まあまあ、いつもの事でしょう。それよりどうぞ、お土産です。」
皆さんでどうぞ、と望が菓子折りを命に差し出した。
糸色医院を経営する糸色命、医者としては致命的なまでに不吉な名前の絶命先生。
その命のもとに彼の弟と妹である望と倫が訪れた。というか遊びに来た。
診療時間はとうに終了しており、命以外のスタッフは既に帰っている。
「悪いな、ちょっとやっとかなきゃならない事があって…すぐ終わるから待っててくれ。」
診察室のデスクに向かって何やらガリガリと作業をしながら命が言った。
「あら、でしたら私が何か入れてきますわ。紅茶でよろしいですか?」
「ん、じゃあ頼む。」
しばらくして倫が紅茶を持って戻ってきた。
望と倫が診察用のベッドに並んで座り、お喋りをして命を待つ。
程なくして命の用事も終わったようだ。ぐっと伸びをして椅子を回し、望と倫の方を向いた。
288 :
うそつき:2008/02/05(火) 06:58:00 ID:dw2B2qwp
「ふぅ…っと…」
命は倫の格好が気になるようで、少し不思議そうな面持ちで倫の姿を見ている。
「似合いませんか、これ?」
「いや、そういうわけじゃ…単に見慣れてないだけだろう。」
「兄さんは見たことなかったんですか、つい最近ですもんねえ。」
倫が望のクラスに転入してきたのが、数日前のことだ。
普段は和服であるし、住んでいる場所が離れているせいもあって機会がなく、命の目にセーラー服の倫は新鮮に映った。
「それで、どうしたんだ今日は?二人して来るなんて珍しいじゃないか。」
それも倫は制服、おそらく学校から直接来たのだろう。
「ええ。倫にですね、この辺りを案内して欲しい、と言われまして…」
望の勤める学校に突然転校してきた倫は、当然のことながらこの辺りの地理には詳しくない。
それで、本日、倫は望に学校が終わった後に色々案内して欲しい、と頼んだのだ。
その間、時田には離れてもらい、二人で食事をしたり、買い物をしたり、うさんくさい博物館に行ったり…
先ほどの土産の菓子折りもその一環だ。
そして一通り回った後、命の医院が近くにあったのでそのまま遊びに来た、という事だった。
(それで、さっきから倫の奴ご機嫌な訳か…まだまだ子供だな。)
望に構ってもらえて嬉しいんだろう、と命は笑った。
289 :
うそつき:2008/02/05(火) 06:59:01 ID:dw2B2qwp
三人で紅茶を飲みながら話をする。会話の内容は主に学校での望の事だ。
二人で望をイジりながら、とりとめのない話をして時間が過ぎていった。
「…倫、これ片付けてくれないか?」
「ええ、わかりましたわ。」
しばらく話をしているうちに紅茶を飲みきってしまい、三人のカップは空になった。
命にその片付けを頼まれた倫は快諾し、診察室から出て行った。
倫が出ていったことを確認して、命が望にうつむきながら話しかける。
「……望…お前もか?」
「お前もかって…まさか兄さんも!?」
望は、つい先ほどから自身に違和感を感じていた。どうにも下腹部が熱い、そしてひどく興奮する。
「なんなんですかコレは…?」
「さっきの紅茶…というかスティックシュガーにだな。何本か一緒にして置いてたんだ…」
「…って何を?」
とても嫌な予感がする。
「まあいわゆる…エッチなおくすりってのを…な。」
「兄さん、なんで職場にそんなモノを…」
「私は……医者だからな。」
「そんな台詞はもっとカッコイイ場面で使ってください!」
望が大きくため息をついた。
さっきから倫を見るたびにうずくのはそのせいか。
先ほどの作業に気をとられていたために、その事を命は失念してしまっていたのだろう。
290 :
うそつき:2008/02/05(火) 07:00:01 ID:dw2B2qwp
「で、どうするんですか?こんなのとても倫には見せられませんよ。」
服で誤魔化してはいるが、望のそこはすっかり大きくなってしまっていた。
「どうするって…とりあえず倫を先に帰らせて、自分で処理するしかないだろう。」
「はぁ…なんでこんな目に…」
「……お前のせいだ…お前が総受けなんて地位に甘んじてるせいで…とんだとばっちりだ…」
「なんですかその理屈は!?」
「いやお前が…っ…!?…まずいな、本格的に…」
顔を上げた命が望を見るやいなや、バッと視線を逸らした。
「今、お前が…可愛く見えた…」
「んなっ!?」
ああそれは本当にまずい。かく言う自分もムラムラと情動が高まっているのを感じる。
命がどうということはないだろうが、倫が居ればさすがに自分もグラついてしまうかもしれない。
「とにかくっ!倫を帰したあと、できるだけ離れて…わかるな?」
291 :
うそつき:2008/02/05(火) 07:01:00 ID:dw2B2qwp
「倫、時田を呼びますから先に帰ってください。」
「え?」
「ちょっと兄さんと話したい事があるんで。」
「そんな…それくらい待ちますわ、一緒に帰りましょう。」
今日は遅くまで望と過ごしたので、倫は望の宿直室に泊まる事になっていた。
明日の用意等は、時田が翌朝持ってきてくれる。
それまで暇をやっている時田を突然呼ぶのは、少し気が引ける。
「結構時間のかかる話で…とにかく帰ってください。」
「…何かあったんですか?」
「何もありませんよ。」
「命お兄様?」
「何もない。」
どうにも倫が戻ってから二人の様子がおかしい。
望はうつむいたまま、けして目を合わせようとしないし、命はデスクに向かい、黙って何かを書いている。
診察室の雰囲気はピリピリと張り詰めていた。
倫は望のことが心配になる。
望のかわいそぶりがただの構って貰いたがりであるのは百も承知だが、元来落ち込みやすい性格であるのは事実なのだ。
最近は低い位置で安定しているが、今の様子は尋常ではない。
292 :
うそつき:2008/02/05(火) 07:02:00 ID:dw2B2qwp
「…私には話してくださいませんの?」
「だから何でもありませんって…」
「お兄様っ!」
倫が、ベッドに座ったまま目を合わせようとしない望の顔を両手で挟みこんで、自分の方へ向かせた。
今日は、ずっと二人で過ごしていたのに、さっきまで三人で話をしていたのに、あんなに楽しかったのに。
突然自分だけ除け者にされたような疎外感を感じ、無性に悲しくなる。
「どうしてそんなっ…」
倫が何か言っているが、望には聞こえていない。
頬に触れる倫の指に、肌に触れる倫の黒髪に、ゾクゾクとした感覚を覚え、望の理性が揺さぶられる。
倫を見てしまった望は、眼前で動く倫の唇に目を奪われた。とても、柔らかそうだ。
「えっ?……お兄様?」
望が、倫がそうしている様に倫の頬にそっと手をやり、顔を近づけてその唇を奪った。
思った通り、いや思った以上に柔らかい。
「んぅ…お兄様……?んむ…」
一度唇を離した望だが、すぐにまた唇を重ね、倫を味わおうとむしゃぶりつく。
そのまま位置を入れ替えて、倫をベッドに押し倒した。
倫は突然の兄の暴走に混乱し、口を利く事も出来ない。
続いて望が唇を倫の首筋へと移し、鎖骨へ至るラインに沿って舌を這わせながら倫の胸を揉みしだく。
「っ…お兄様ぁ……やぁっ…」
「はぁ…倫………」
「待て、望!」
さらに倫のスカートの中へと手を伸ばそうとした望の肩に命が手を置いて静止した。
「あ…すいません、兄さん…倫……すいません…」
「…なあ倫、頼むよ、帰ってくれ。」
命が倫から目を背けたまま言った。今の倫の乱れた姿は刺激が強すぎる。
「そんな…こんな事までされて…わけのわからないまま帰れだなんて…聞けるわけありません。」
「……わかった。わかったよ、言う。」
293 :
うそつき:2008/02/05(火) 07:03:00 ID:dw2B2qwp
「…呆れましたわ。」
「だろうな…」
「どうなさるつもりなんですか?」
「まあ、まずはお前に帰ってもらって…あとは自分で…な。」
「ご自分で…って…」
つい想像してしまって、少し赤面した倫は咳払いをして誤魔化した。
少し黙って何か考えた後、望に向かって訊く。
「それで大丈夫ですの、お兄様?」
「…ええ。」
「…私には不安です。さっきのお兄様を思い出すと、今のお兄様はつまらない女にでも手を出してしまわれそうで…」
「そんなことは…」
ない、とは思うが、妹を前に理性が崩壊してしまった望である。しっかりと言い切ることが出来なかった。
うつむき、自己嫌悪する望の手に倫がそっと触れた。
「っと!?倫!」
「お兄様が…お兄様が望むのでしたら…私を使ってくれて構いません…」
「倫…」
倫が望をじっと見つめる。その潤んだ瞳に望の理性がグラグラ揺れる。
「……そんなこと…」
出来るわけない、と言おうとした望の口を倫がキスで塞いだ。
「…お兄様?」
「………すいません…お願いします…」
倫の誘惑に、ついに望は陥落した。
294 :
うそつき:2008/02/05(火) 07:04:06 ID:dw2B2qwp
診察室のベッドで四つんばいになった倫の前に望が座り、その局部を倫の前にさらしている。
そそり立つ望の肉棒を前にして一瞬固まってしまったが、倫は手を伸ばして望のそこに触れた。
望の内にこもった熱が倫の指へと伝わって、それに呼応するように倫自身も熱くなった。
そんな弟と妹の状況を目の前にして、命は頭を抱えている。だが、二人から目を離す事も出来なかった。
「何考えてるんだ…」
「あの、命お兄様もよろしかったら私が…」
「出来るかそんな真似!」
命の発言に、倫は誰に話すでもなく「そうでしょうね…」と小さく呟いて意識を望に戻した。
そっとつまむ様に望に触れている指を擦らせて、望を刺激してみる。
「こう…ですか、お兄様?」
「んっ……もっと握るようにして…強く、お願いします。」
「はい。」
言われた通りぐっと肉棒を握り、ごしごしとしごいた。
こんな事をして痛くないのか、と心配になったが、倫の目に映る望は実に気持ち良さそうだった。
「はぁっ……倫…っ!」
望に更なる快感を与えようと、倫が舌を伸ばして望の先端をちろちろと舐めた。
実の妹に性器を舐めさせているという背徳的な光景に、望の興奮がぐっと高まる。
続けて倫が望の肉棒をかぷりと咥えこみ、倫の口内の暖かな感触に望は包まれた。
(そこまでしてくれるんですか…)
そっと倫の頬を撫でると、倫はくすぐったそうにして望の顔を見た。
ぞぉっと望の背筋を何かが走る。
にゅるにゅると絡みつく倫の舌は、怖いほどに気持ちが良い。
「倫…っ……ん…っ…!」
堪らず望が倫の口内へ放った精液を喉奥に受け、反射的に倫は口を離してしまった。
倫の口から開放された肉棒は、なおも射精をやめず倫の口元とセーラー服に望の精液がべっとりとこびりついた。
295 :
うそつき:2008/02/05(火) 07:05:05 ID:dw2B2qwp
「はあ…はあ……すいません。」
「いえ…楽になられました?」
「ええ…」
自身の精液で白く汚れた倫を前にして、望は罪悪感を感じてしまう。
望はベッドの傍らに置かれたティッシュを手にして、倫の口を拭いた。
「ん…お兄様?…それくらい、自分で出来ますわ。」
「やらせてください、せめてこれくらいは。」
(そんなことされたら…余計に恥ずかしいじゃありませんか。)
赤面しながらも、倫はきゅっと目を瞑り、望に身を任せた。
倫の口元と服に付いた精液を取りながら、望は倫の口内で射精したときの感覚を思い出す。
(きもちよかった…なぁ…う、また…倫には悪いですが…もう一度お願い…しよう…かな…)
一度射精したとはいえ、薬の効き目は切れていない。未だ望の肉棒はそそり立ったままだ。
倫の服の汚れを取った望が、恥ずかしいが、情けないが、もう一度倫に頼もうとしたが、それより先に倫が口を開いた。
「あのお兄様、まだ…」
「倫…」
だが、それをさらに命がさえぎった。
「すまない…私も、頼む…」
「…はい。」
296 :
うそつき:2008/02/05(火) 07:06:13 ID:dw2B2qwp
望のときと同じように、倫が命の性器を口に咥えて奉仕している。
望と同様、命も倫に与えられる快感に震えていた。
望は黙ってそれを見ている。
その光景が望には非常に面白くない。
ついさっきまで自分がしてもらっていた事だというのに、そして、だからこそ。
まるで命に倫を独り占めされたような感覚を覚えていた。
命の番が終われば、倫はきっとまた望の相手をしてくれるだろう。
でも、それだけでは嫌だ。
望は今、倫そのものを強烈に求めてしまっていた。
(何を馬鹿な…倫は妹ですよ…そんな…)
かぶりを振って自身の感情を否定する。
だが、その考えを振り切る事が出来ず、望は熱に浮かされるようにふらふらと倫へと近づいていった。
「倫…」
「んむっ…お兄様?」
突然触れられたことに驚いて、倫が命から口を離し後ろへ振り返った。
倫と目が合った望は、にこりと微笑んだ後、顔を倫のふとももへと近づけてちゅっと口づけをした。
「やっ…ああ……」
倫の可愛い声を聞きながら、望が倫のももから付け根の方へと向かって舌を這わせた。
次第に望は倫のスカートの中へと潜り込んでいき、倫の下着を目の当たりにした。
舌を離して、今度は倫の下着にぎゅっと顔を埋め、そして肺一杯にそこの空気を吸い込んだ。
「やだっ…やだお兄様!そんなところ嗅がないでください!」
意に介さず、望はすんすんと鼻を鳴らして倫の匂いを吸い込む。
倫の匂い、妹の匂い、そして女の匂い。
吸い込むほどに望は昂ぶっていく。もっと欲しい、倫が欲しい、と。
さらにぐっと下着に押し付けた鼻先に、湿り気を感じた。
指を伸ばして触れてみると、柔らかな感触と共にくちゅっと小さな水音がして、望の頭の中は真っ白になってしまった。
297 :
うそつき:2008/02/05(火) 07:07:05 ID:dw2B2qwp
望が倫の下着を脱がせ、さらに倫の脚を掴んでぐっと開かせた。
倫の秘部は愛液で少し濡れていた。
望がそこに手を伸ばし、倫の割れ目を指で左右に広げて倫の中を覗く。
「あ…ああ…おにいさまぁ…」
羞恥に震える倫の膣内を、指で円を描くようにぐりぐりと弄り回す。
その度に倫は甘い声を洩らし、愛液がとろとろと溢れ出る。
「倫…辛いだろうが私の方も頼む。これじゃ生殺しだ…」
「やっ…はぁ…い……っちゅ…んっ…んぅ…」
望が倫を責め始めたせいで、放置されていた命の肉棒を再び倫が咥えた。
倫から与えられる刺激自体は先ほどより緩やかだが、望の責めに震えながら奉仕する倫の姿が命をより興奮させる。
その様子を見て、望が指に代わり舌を倫の中へ侵入させた。
望の舌に中を掻き回され、嘗め回される快感におかしくなってしまいそうで、倫は意識を保とうと命の肉棒に集中する。
だがそれは望の願うところではない、倫にはもっと自分のことを想って欲しいのだ。
自身の存在を主張しようと、望がじゅずずずっとわざと音を立てるように倫の愛液をすすった。
カーッと倫の体温が上がって、さらに命の肉棒への愛撫を激しくした瞬間、命の精液が倫の口内に放たれた。
その一瞬、緊張の糸が途切れた倫は、望に与えられる快楽の波に完全に飲み込まれてしまった。
ぷるっと震えたかと思うと、命の肉棒を咥えていた口をだらしなく開いてボタボタと口から精液をこぼした。
「ふあぁぁ……はぁ…はぁ………ひあっ!」
なおも望の責めは続く。倫の陰核を指でくりくりと弄りながら、望は倫の菊門にちゅうっと吸い付いた。
「え?え…?や…うそ…でしょう?」
尖らせた望の舌が倫の菊門を押し広げて、倫の中へと入っていった。
丹念に皺を伸ばすように望が舌を動かせる。
まったく予想の範囲外の事をされて、倫は大いに困惑する。
だが、同時に望に求められている事を感じ、たまらなく幸せな気持ちだった。
「はぁぁ…おにいさま……おにいさまぁ…」
絶頂を迎えた倫は、へたりと脱力してうわごとのように兄を呼んでいた。
298 :
うそつき:2008/02/05(火) 07:08:02 ID:dw2B2qwp
望の願った通り、倫の頭の中は望のことだけで一杯になった。
その事に満足した望が倫のヒップから顔を離して、ふと自分の手を見る。
倫の陰核を弄り続けていた手は、愛液でべっとりと濡れていた。
指に付いた愛液を舐めながら、今度はちらりと倫の秘部へと視線を移す。
トロトロとヨダレを垂らす蜜壷が望を呼んでいた。
ごくっと唾を飲み込んで、望は自身の肉棒を掴んで倫へと狙いを定めた。
「っと!?ちょっと待て望!それはいくらなんでも。」
「…え…ああ…」
望は倫に挿入する寸前で命に制止された。
「あの…今日は大丈夫ですわ、お兄様。」
「今日は…ってそういう問題じゃ…」
「……望お兄様になら…構いません。」
「お前…」
「いいん…ですか?」
「ええ。」
「待て!」
再び、倫に挿入しようとした望を命がまた止める。
だが、今度はただ止めただけでなく、命はガタガタとベッドに手を入れて何かを探し始めた。
「使いなさい。」
と、透明な液体の入った容器を望に手渡した。
望が渡された容器のラベルを見る。それは、いわゆる性交用のラブローションだった。
「倫のためだ。」
「まあ…ありがたくいただきます。」
あんた職場で何やってるんだ、と命に突っ込みたくなったが抑えた。
たぶん、今の望よりはマシだろう。
299 :
うそつき:2008/02/05(火) 07:09:01 ID:dw2B2qwp
にゅるにゅるとした液体を倫の中に馴染ませ、望の肉棒にも塗りたくる。
たっぷりのローションですべりを良くした倫の膣内へ望がずぶずぶと入っていく。
命は倫が落ち着けるように、と倫を抱いて髪を撫でていた。
(はあ…お兄様が……お兄様が……ごめんなさい。ごめんなさい、お兄様。)
とうの昔に諦めたはずの想いだった。
実の兄に一人の女として愛されたいという願いなど、許されるはずもない。
だが、今こうして二人は繋がっている。
判断力の鈍った望に女の体をチラつかせて誘った。
望のためなどと嘘をついて、さらには命まで誘って自分の気持ちは誤魔化した。
なんて卑しい女だ。結局は自分が望と体を重ねたいだけのくせに。
そんな唾棄すべき真似をしたのもこのときのため。
本日、今だけの、ただ一時の夢のため。
ぬぷぬぷと音を立てて、兄の男性器が前後に動いているのを感じる。
少し痛いが、それくらいの方が今日の事を忘れなくていいかもしれない。
「はっ、はあっ…倫ッ…」
ビクっと望の肉棒が大きく跳ね倫の中で望が射精した。
じわりと広がるその感触に、倫は今まで感じた事もないほどの幸福を感じていた。
(お兄様…私、幸せです…ありがとうございます。)
気を抜いたら涙をこぼしてしまいそうだ。
そんなもの望には見せられない、と倫はぐっとこらえた。
300 :
うそつき:2008/02/05(火) 07:10:03 ID:dw2B2qwp
「私も…いいか?」
「…はぁ…はぁ…はい…」
弟と妹の性交を眼前にした命も誘惑に負けてしまった。
寝転んだ命の上に倫が跨り、腰を沈めて命の肉棒を招き入れた。
倫が腰を動かして命の肉棒を自身の中で前後させる。
妹に手を出してしまったという背徳感に興奮を後押しされて、命は倫の体に夢中になってしまう。
「んん……っ?…あっ…望お兄様?」
また倫の体に望が不意に触れた。
望はベッドに上がって、背後から倫を抱きしめている。
「すいません…わがままな兄で…どうしようもない兄で…」
「ひゃうっ!あぁ…」
望が指にローションを絡ませて、倫の菊門へと塗りつけた。
もう一度指にローションをまぶし、倫の肛門へと馴染ませていく。
そのまま指を深く倫の中へと挿し込み、ずぼずぼと前後に動かして、さらに四方の壁を指でぐっと押し広げた。
「っ!あああ…やっぁぁ…」
指を引き抜いて、今度は肉棒にローションを塗りたくり、倫の菊門へと先端を触れさせた。
「倫…力抜いて…」
「へ…あぁぁぁ…」
みちみちと倫の肛門を押し広げ、望の肉棒が倫の中へ吸い込まれていく。
きゅっと締める入り口とは裏腹に、その中はふんわりと望を包み込んだ。
貫かれた痛みと快感が入り混じり、倫はポロっと涙をこぼしてしまった。
「あ…うぅぅぅ…」
「…すまん、我慢できそうにない…」
その衝撃に動けなくなってしまった倫に代わって、命が腰を緩やかに動かした。
望は倫の胸を制服越しに揉みながら、同じくゆっくりと小さな動きで倫の中を前後に動く。
三人の激しい息遣いが混じりあい、倫の中に前後から二人の兄の精が注ぎ込まれた。
301 :
うそつき:2008/02/05(火) 07:11:08 ID:dw2B2qwp
倫の中へ放出したときの射精感は、生涯忘れられそうにないほどの快感だった。
だが、それでも…
「まだ収まらない…か。」
命が倫に目をやると、倫はこくっと小さく頷いた。
「…ここじゃ狭いな、場所を変えよう。」
命に連れられ、三人は部屋を移動する。
倫は歩くには辛そうだったので望に抱かれて運ばれた。
少し大きめの入院患者用のベッドに場所を移し、また体を重ねあう。
三人とももう何も身に着けていない。
倫は命に重なるように座って繋がり、その前から望が貪るように倫の乳首を吸いたてている。
「やんっ!お兄様、そんなに強く…吸わないでくださいぃ…」
同時に命の肉棒をくわえ込んだ秘部のほうへ手をやり、倫の陰核をきゅっとつまんで引っ張ってみた。
「ふぁぁっ……ああ…」
「倫…」
倫の瞳からつうっとこぼれた一筋の涙を舐め取って、望は倫と口付けし、舌を絡めあった。
仰向けに寝かせた倫の股を大きく開かせて、命が倫に挿入する。
命に突かれながら、倫は傍らに座った望の肉棒を緩くしごき、その先端を舌でちろちろと舐めている。
「はあっ…倫…焦らさないでください…」
倫が小さく笑い、手首の動きを激しくして、望の尿道を舌でほじくったり、起伏に沿って舌をねっとりと絡ませたりする。
びくっと望の肉棒が膨張し、倫の胸まわりに白い水溜りが出来た。
「はぁ…はぁ…」
「ふふ…お兄様…かっこわるい…」
この特異な状況でお決まりの台詞を言う倫の頭を、望はばつが悪そうにくしゃくしゃと撫でた。
302 :
うそつき:2008/02/05(火) 07:12:03 ID:dw2B2qwp
両膝をベッドに着けたまま腰を浮かす倫。その前に望、後ろには命。
同様の姿勢で二人の兄は妹を挟み、倫の蜜壷と肛門に挿入している。
「おにいさまぁ……あんっ…あ…ああっ…」
前と後ろから交互に出し入れされる感覚に、倫はがくがくと震える。
倫と望は固く抱き合い、命は崩れ落ちそうな倫の腰を支えている。
乱れる倫の姿にひどく興奮して、二人の兄は倫の中で果てた。
「っはあ…はあ……薬、切れたみたいだな…」
「ええ…」
粘着質な音を立てて倫の内から、二本の棒が引き抜かれた。
どろりとあふれ出した精液は、どれが誰のものだと言うのも馬鹿らしい。
その光景に今さらながら命がため息をついた。
(やっちゃったな…でも、それ以上に…まずいだろ、それは…)
倫と望は未だ抱き合ったままだ。
倫は望の胸に表情を隠すように頭を押し付け、そんな倫を望は不安そうな面持ちで、じっと見下ろしていた。
「倫…どこか痛いんですか?…そうですよね、すいません。」
「いえ…少し疲れただけですわ…」
そう言って、倫は望を心配させまいとにっこり笑って顔を上げた。
その笑顔はどこか寂しそうだ。むしろ望には、倫が今にも泣き出しそうに見える。
303 :
うそつき:2008/02/05(火) 07:12:59 ID:dw2B2qwp
「お気になさらないで、お兄様。今日の事は、私も忘れますから…」
「……倫。」
「はい?」
ちゅ、っと望が倫に口づけをした。
それは今までで一番優しいキスだった。
「え…?どう…して?」
困惑する倫に望がもう一度キスをする。
「…お兄様。」
倫がちゅ、ちゅ、ちゅと望にキスを返す。そして、どちらからともなく二人は抱き合った。
(やっぱりか…)
命がため息をついた。
だが同時に仕方ない、とも思う。
もし自分と望の立場が逆だったら、堕ちていたのは自分の方だろうな、と。
(ああ、それにしても…)
(倫には、言えませんが…)
成人男性二人の限界以上の性欲を受けきった倫を見て思う。
絶倫だな、と。
母のつけた名前はまさに絶妙であった、と二人はその身をもって感じさせられた。
あとがきで終わりって所で、連続投稿ですか?って出ちゃいました。
本当はもっと前に出来てたんだけど、430さんの命倫の後にこれをやるのはな、と置いてたわけで
ところで、どうしちゃったの?と、急かすレスですが。
投下しにくさが跳ね上がるんで勘弁してください。
たぶん言った方がそれこそ速度落ちます。やりにくいったらない。
良作をもって、空気を変えてくれた
>>254さんと10-478さんに感謝。
GJ!兄弟で3Pたまらん!
倫様さすが絶倫!
てゆいうか命センセは職場に何を持ち込んでるんですかw
よっぽど暇なのか…
いいSSだったから順番とか気にしなくていいと思いますよ!
絶倫先生最高や!
307 :
◆n6w50rPfKw :2008/02/05(火) 19:19:57 ID:LYf65Woe BE:417694638-2BP(333)
萌え〜な作品に続いて投下します〜。
(命先生のソレ、欲しい……)
123話(我慢しない話)9頁9コマ目が元です。
まとい×望。
注意ワードなどは、ないと思います。
308 :
月のでんしん 1:2008/02/05(火) 19:23:53 ID:LYf65Woe BE:626541449-2BP(333)
――今日はアイツがいない。
「……よし」
盗聴器に繋がっているヘッドフォンを耳から外し、まといが何かを決意したかのように呟いた。
日頃から恋心が募って望の部屋や付近の様子を盗聴していたまといが、いつものように今日も自室でイヤホンを耳にあてていた。
すると、いつも望の傍にいて自分の恋路の邪魔をする霧が、今日はまだ宿直室には顔を見せていないことを察知したのだった。
――決行するのは今だ。
まといは宿直室を急襲した。
冷え込みの厳しい冬の夜のことだった。
晴れ渡った夜空に寂しく輝く月の傍に、星が一つ、寄り添うように瞬いていた。
☆
浴室の前まで来た。中から水音がする。
そっと戸を開き、脱衣場に滑り込む。
――ザバァ……シャァ――――……
中の人物が浴槽から上がったようだ。続けてシャワーの水音がし始めた。
これまで盗聴した経験からすると、望が髪でも洗い始めたのだろう。
脱衣場には望の服が畳んで置いてあった。他には服は見当たらない。
私の先生は一人で風呂に入っている。
――よしっ!
まといは素早く衣服を脱ぎ捨て、一気に風呂場に侵入した。
そして望の後ろから抱きついた。
「ひあああ!」
望は物音がするやいやないきなり後ろから抱きつかれ、心底吃驚した。
そして、闖入者がまといであることに気付き二度驚いた。
「つ、つ、常月さん!?」
「お背中流しますね」
まといは素知らぬ風に受け流した。
当初は単に愛する望と一緒に入浴することしか考えていなかった。
が、望の情けなくもカワイイ声を耳にして、ちょっとした悪戯心がムクムクと頭をもたげた。
「……失礼」
手早く湯桶で湯を浴びると、石鹸をたっぷり泡立て、自分の胸や腹に塗った。
そして望の後ろから首に手を回し抱きついた。
「ち、ちょっと!」
望の狼狽した様子に満足感を覚えながら、まといは自分の胸を望の背中に押し当て、揺さぶり始めた。背を洗い始めたのだった。
望は、なにか柔らかい物が二つ自分の背で動いているのを感じた。
若い頃のやんちゃな経験から、背中で何が起こってるかは朧気ながら分かる。
だが、今、後ろで動いているのは自分の教え子なのだ。
「な、何してるんですか? 普通に洗って下さい」
「これが普通ですよ」
まといは、そのまま担任の肩に手をかけ、上下に乳房をむにゅっ、むにゅっと擦り付けていく。
いつの間にか乳首が尖ってきていて、それが背中と擦れる感触が無性に気持ち良い。
胸の先からわき出る快感が全身に広がっていくのを自覚した。
309 :
月のでんしん 2:2008/02/05(火) 19:26:45 ID:LYf65Woe BE:783176459-2BP(333)
☆
「ああ……ああ」
妖しい感触に、望は思わず喘いでしまった。
すると、肩に掛かっていた手が静かに胸に回ってきた。
そうして細い指先が望の胸板を這い回り、こちらからも淫靡な触感をもたらしてくる。
時折指先が乳首を掠めると、男なのについ声が漏れてしまう。
「ひぅ……」
まといの指の動きはこれに留まらない。
そればかりか、時折明らかに胸を揉んでくる。
そうしながら、ますます自分の乳房を望の背に強く押しつけ、情熱的に動かしていく。
「あ、あなた、男の胸を揉まないでください!」
思わず抗議するが、まといはどこ吹く風である。
そのうち、望の腹に手を回してきた。
「じゃあ、下の方も洗いますね」
やや掠れた声で告げると、まといは再度石鹸を手に取り泡立てた。
そして、しばらく腹をゆるゆると撫で、指先で臍をくりくりと穿っていたかと思うと、固くなりかけていた絶棒を無造作に掴んできた。
「ひあああ!」
「しーっ! 声を出すと聞かれちゃいますよ。それとも見せつけちゃいますか?」
まといの艶っぽい声に、望の声は小さくなった。
こんなところを霧に見られたら一大事である。
「そ、そんな……止めなさい、常月さん。……お願いですから、あぅ」
だが、まといはわざと派手な音を出しながら茎を握り、絶棒を優しく、だが情熱的に扱き始めた。
――くちゅくちゅくちゅ……
「くっ……ん……やめて下さい……」
たまらない摩擦快感が絶棒を襲った。
男として枯れ始めていた筈の器官がたちまち熱を帯び、硬度を増す。
まといの指が触れ、往復する箇所から気の遠くなるような快感が生まれてくる。
そして、その快感が、背中に押し付けられ、自由に形を変えている若い乳房の感触により増幅される。
いや、まといに抱きつかれていること自体によって増幅されてしまう。
――こ、このままでは……くぁあ!
☆
310 :
月のでんしん 3:2008/02/05(火) 19:29:44 ID:LYf65Woe BE:696156858-2BP(333)
まといは、自分の腕の中にいる望が時折身を捩らせるのが愛おしかった。
自分の胸や腹が密着している望の背から、愛する人の体温が直に伝わってくるのがこの上なく幸せなことに思えた。
そして、望の分身が自分の愛撫によって元気になり、時折ひくつくのがたまらなく嬉しかった。
まといは今やすっかり猛々しくなっている絶棒をますます情熱的に扱きたてた。
そんな教え子の想いの篭った愛撫は確実に絶棒を捉えていた。
腰の奥で生まれた射精感が全身に広がっていく。
太腿の筋がぴくっ、ぴくっとひくつく。
足の爪先をきゅうっと丸める。
望は根本でたぎっている発射欲を懸命に堪えていたが、ついに音を上げた。
「もう、もう……勘弁して下さい」
――くちゅっ、くちゅ。
「先生、いいんですよ。どうかそのまま」
「ああ……風呂場が汚れちゃいます。堪忍してぇ……あぁ」
――くちょ、ちゅぷっ。
望の背筋をぞくぞくとした射精感が駆け上り、発射を覚悟した瞬間、まといは不意に手を離した。
望の快感に喘ぐ姿を正面から見たくなったのと、自分も胸から発する快感に我を忘れそうになったのだ。
まといは手を離すと望に声を掛けた。
「前も洗いますね」
「……!?」
望はまといの真意を図りかねたが、白い涙を一滴垂らしただけで、何とか発射を堪えることができた。
一瞬物足りなさも覚えたが、とにかく教え子によって射精に導かれるという屈辱は避けることができ、安堵した。
☆
まといは望に向き合って膝に跨った。
自分の乳房を望の胸に重ね、ゆっくり擦り合わせ始めた。
「ちょ、ちょっと!」
望は思わず自分の目の前で動いているまといを見つめた。
――うっとりとした表情だ。
そのうっとりとした表情の中心にある燃えるような瞳が自分を見上げている。
そのまま近づいてくる。
しなやかな腕が背に回される。
――接吻されてしまう。
唇が触れ合っているだけなのに無性に気持ちいい。
やや下を向きかけていた絶棒が角度を取り戻した。
先や茎がまといの尻や陰部にぽくぽくと当たる。
やがてまといの舌先が侵入してくる。情熱的な動きだ。
望の口内を彷徨い、愛する人のの舌先を探り当てるとひしと絡みつく。
舌を絡め取られた望は観念したようにまといの肩を抱きしめる。
そこで初めて彼女の肩が冷えていることに気付いた。
――これはいけません。風邪を引いてしまいますね。
望は洗面器で湯をまといの背中にかけた。
「せっかくですから、私も背中を流しますよ」
望はタオルに石鹸を含ませるとまといの背中を擦り始めた。
☆
311 :
月のでんしん 4:2008/02/05(火) 19:33:29 ID:LYf65Woe BE:313271429-2BP(333)
「とにかく湯船に浸かりましょう。それでは風邪を引いてしまいますから。さあ」
どうせ逃げられないと観念したのか、望は自らまといを誘った。
向かい合って入るには狭すぎる湯船である。
まず二人で湯船に立った後、望が肩までつかり、あぐらをかいた。
そして、その上にまといに座るよう促した。
まといはしずしずと体を沈めてくる。
座ってしまうと、背中をぴったり望につけ、安心しきったように頭を担任教師の肩に載せる。
――ほうっ……
まといが安堵のため息を漏らす。
望の手がまといの前に回り、白い腹の前で組まれた。
しばしの間、静寂が二人を包んだ。
まといは愛する人との二人きりで密着した入浴、という雰囲気に酔いしれ、目をつぶった。
できれば、いつまでもこうしていたいと思った。
☆
「温まりましたか」
望がまといの耳元で静かに訊ねた。
「はい」
まといが目を閉じたまま呟く。
「そうですか、それはよかった」
望の手がさわさわと移動し始めた。
かすかな水音がし、湯の表面が波打った。
「じゃあ、もう少し温まってもらいましょう」
望の手がまといの胸を軽くやわやわと揉み始めた。
「……ん」
まといは望の手が与えてくれる心地よさに陶然とした。
むにむに、と全体を穏やかに揉み込んでくれる。
指の腹で乳首を撫でてくれる。
――ああ、いつもの先生だ。決して女体を荒く扱わない。
どこまでも優しく柔らかな愛撫であった。
やがて、片手が下に移動していき、まとい自身を上から優しくなぞり始めた。
「あ」
敏感な部分が隠れている所を上からぐりっ、ぐりっと控えめに押さえていく。
「あん……」
まといは喘いだ。
そのまま円を描くように刺激を続けている。
胸も相変わらず適度な具合に揉んでいる。
まといは愛する人に抱かれたまま、愛する人の手で絶頂に達する幸せを噛みしめていた。
☆
312 :
月のでんしん 5:2008/02/05(火) 19:38:08 ID:LYf65Woe BE:556925748-2BP(333)
「あ……あぅ……っく……」
まといはもうすぐ達しそうになり身を捩じらせた。
だが望ががっちり抱え込み、逃がさない。
「うぁぅ……ああ、先生、せんせい、……もう、もう……」
「いいんですよ。そのまま、ね」
「あああ……せ、せんせ……はあああんっ!」
まとい、ついに望に膝に抱かれたまま極みに達した。
体を一瞬強張らせた後、ぐったりと望にもたれかかった。
☆
ところが、望はまといが達した後もさらに愛撫を続行した。
「ひぁ!? 先生、ちょっと待って」
「だめです」
望はまといの耳に吹き込むように囁くと、可愛い耳をぺろっと舐めた。
「ひぅん!」
「男子の入浴している所に女子が一人で侵入するなどという振る舞いは、ものすごく危険なことなんですよ。
二度とそんなことをしないよう、身に沁みて分からせてあげます」
こう言って望は指先をスリットの中に潜り込ませ、既に熱を帯びて赤く腫れている箇所を直にぐりぐりと刺激し始めた。
「はぅ! ああん」
まといはたまらず身を激しく捩らせた。
だが、望は膝で彼女の体を挟んで固定し、退路を断った。
そうしておいて、すでに固くなっている乳首をきゅんっと軽く摘んだ。
「ひいっ!」
まといは背を反らせた。
「ああ、先生、もう堪忍して」
「もっとです。もっと分からせてあげます」
――ぐりぐり。ぐりぐり。
「はああん……」
一度達して敏感になっているところを続けて刺激され、まといはしきりに身をくねらせ、のたうつ。
膝を閉じ、望の愛撫から逃れようとする。
だが、望はその度にまといをしっかり抱きかかえ、逃がさないようにしておいてさらにぐりぐりと押し潰し、まといの性感を追い詰めていく。
まといはまたも昇りつめようとしていた。
「か、堪忍して……せんせい、かんに……あああああっ」
まといは全身を震わせながら再度目くるめく絶頂へ達した。
☆
313 :
月のでんしん 6:2008/02/05(火) 19:41:36 ID:LYf65Woe BE:348078645-2BP(333)
だが、望はなおも甘い刑罰を続行した。
「まだです。ほらほら」
――ぐりぐり。ぐりぐりっ。ぐりぐり……
「いやぁ……あっ、あん……はぐぅ」
「どうです。キツイでしょう。苦しいでしょう。
もう二度と男子の風呂に忍び込んではいけませんよ。
でないとこんな目に遭うんですから」
望としては珍しく、下の尖りをじかに摘んで捻った。
「ひゃああああうん!」
体を電撃が走り抜けた。目の前に火花が飛び散った。
そこをさらに指で大きく転がされる。
受ける快感が大きすぎて一息つきたいと思うのに、望はそれを許さないでさらに快楽を与えてくる。
まといは望の指技に翻弄された。
ふいに体を裏返しにされ、望と向き合う形にされた。
「最後に串刺しの刑です」
望はそう宣言すると、まといの腰を掴み、絶棒をまとい自身にあてがった。
そうして、先端を徐々にめり込ませてきた。
「くぁあっ!」
まといはついに侵入してきた絶棒の感触に背を弓なりにのけぞらせた。
――お、奥まで来てるぅ……
奥の奥までずぶずぶっと挿入され、尻を下から支えられゆさゆさと揺さぶられる。
時折「の」の字を書くように捻られる。
そのたびに中を絶棒が擦り上げる。
擦れたところから痺れるような快感が渦のように生じ、全身を巻き込んでいく。
度重なる絶頂感で、意識が飛びそうになる。目の前が時々白くなる。
「ああ、あぅ、ん……か、かんに……せ、せんせえ、かんにん……」
「駄目です。男の怖さをもっと知りなさい。……ほらほら」
「あああああん」
こうして、まといはさらに望に責められ、湯船の中の熱気でのぼせているのか、望に与えられている気の遠くなるような快感で目が眩んでいるのか分からなくなった。
全身を熱気と快感に包まれ、脳内が陶然としたころ、下半身に望の放射をおぼろげに感じた。
「いやあああ……ああん……」
ついに、まといは浴槽の中でその日最大の絶頂に達した。
そして望に抱きかかえられたまま気を失った。
☆ ☆
314 :
月のでんしん 7/E:2008/02/05(火) 19:46:25 ID:LYf65Woe BE:626541449-2BP(333)
翌日の夜、望はやはり入浴していた。もちろん一人である。
浴室に鍵などかけない。
昨日の今日だから、まさか風呂に鍵なんてかけなくていいだろう、と思っていたのだった。
ところが、湯船に浸かってのんびりしていると、外で浴室の戸が開く音がした。
続いてかすかな衣擦れの音がした。
何より、すりガラス越しのシルエットには見覚えがある。
――ま、まさか……
「先生〜」
喜色満面でまといが浴室に入ってきた。
「つ、常月さん。あなた……」
手早く湯を浴びると、望の浸かっている浴槽に自分から入ってきた。
「失礼します」
そうして、昨日とは違い、望の膝に向かい合わせに跨った。
驚愕している望の顔をひたと見つめた。
「先生……私、今日も罪を犯してしまいました。ですから、どうか刑罰を与えてください」
「そ、そんなぁ〜」
まといが両腕を首背中に回し抱きついた。そして接吻をせがんできた。
「ん――」
「ちょ、ちょっと! 常つ……わむぅ」
ついに唇を奪われた望は、まといの柔らかな肌の感触と十代の少女の体温を全身に感じながら、ぼんやりこう考えていた。
――明日からは小森さんと一緒に入っていた方がいいんでしょうか……って、それは違うし! とほほほ……
まといの舌先が、予想外の事態に戸惑っている望の舌先を絡め取った。
そして、自分の乳房を望の胸板に押し付けてきた。
ひょっとすると、今晩は望が甘い罰を受ける番なのかもしれない。
──[完]──
315 :
◆n6w50rPfKw :2008/02/05(火) 19:49:38 ID:LYf65Woe BE:365482837-2BP(333)
以上です。
近いうちに、バレンタインネタで去年投稿しそびれていたものをアップしたいと思います。
こ、これはいいw
そいや、原作で浴室にまとい突入してたなw
えかったわ〜乙
お風呂ネタは良いです、ツボです、とても。
先に手を出すけどやられちゃうまといってのはすごい可愛い。
何だか、すごいモノを立て続けに読んでしまったような気がする…!
まず奈美でほのぼのして、次に霧でトロトロになって、
そこに、糸色3兄妹そろい踏みなんてスゴイもの読ませていただいて
完全に頭くらくらしてたら、なんと◆n6w50rPfKwさんまで…!
しばし呆然としてました、皆さんすげーです、GJ!
やっぱりまといは最高だな
なんか凹んでたけど職人の方々のお蔭で
元気なったヨアリガト
流れが戻ったな。やはり実作の投下が呼び水になるね。
もっと投下を、という人は、自分でアイデアだけでも書いてみる、それもだめなら感想を書いてみると
いうのがいいかもね。
こじつけ記見て、
奈美と先生の痴漢ごっこが妄想されますた
>>322 いいなそれ
奈美による普通な手コキプレイをお待ちしております
そろそろ199さんと真昼さんも戻ってくるかなwktk
だからそういう発言をするなと
だからスルーしろと
327 :
305:2008/02/06(水) 17:27:37 ID:uTJ90tT7
何だかお久しぶりな気がします。
みなさん、お疲れ様です。
えっと… テレビの番組を変えようとして、一生懸命、電卓のボタンを押していたりする305です…
激しくエロ萌えssが続いている所に失礼して、真夜で短編を投下させて下さい。
エロ無し・暴力的表現あり・ちょっと暗い話かも です。
では、お願いします。
まだおぼつかない足取りで、いつも私の後をついてくる小さな姿。
振り向いて追い付いてくるのを待つと、そばまで辿り着き、まだ生えそろっていない歯を見せてニッコ
リと笑いかけてくれる。
可愛くてしかたなくて、とても愛らしくて、大好きな大好きなこの子。
ぷくっとした柔らかいその両方のほっぺたに触れて、握りしめる。
ゆっくりと、左右へ引っ張ると、真っ赤な顔で火がついたように大声を上げて泣き出した。
手を離すと、私が握っていた部分が赤く染まっている。
棒立ちのまま空を見上げて泣くこの子の姿に、胸の中が締め付けられるように震え、私は微笑んだ。
誰かが近づいてくる気配がして、その後は覚えていない。
覚えているのは、それきり、その子に会えなくなった事だけ。
サマーキャンプの時に、とても気になっていた男子と一緒の班になれた。
泣くほど嬉しかった。今思えば、あれが初恋の人なのかもしれない。
準備の時も、ご飯の時もずっとドキドキして、一緒に過ごす事がうれしくて舞い上がっていた。
キャンプファイヤーの松明を振りかざして追いかけ回した時は最高だったのに。
火の粉が飛び散って、あたりに燃え移る中、ずっと彼を追いかけ回していた事……写真にも残ってい
ないけど、まだ鮮やかに思い出せるほど幸せを感じていた。
その日から、彼は、私を見ると即座に逃げるようになってしまった。
そして、私の知らないうちに違う学校へ行ってしまったと、教えられる事になる。
大好きだった相手はみんないなくなってしまう。
なぜだか分からなかった。私は、好きだと伝えたかっただけ。
…言葉に出すのは、いつも恥ずかしくてできないから。どうしても、あがってしまい喋れなくなるから。
だから行動で、分かってもらおうとしただけ。
時間がたつにつれて、自分が成長するにつれて、ようやく理解できた。
嫌われたんだという事を。
私の『好き』は、嫌われる事だという事が。嫌がる事をすると嫌われる事が。
大好きだった相手はみんないなくなる。
私が悪い子だから。
見た目も、中身も──悪い子だから。悪い事をしたがるから。
そして、この先ずっと、私は『好き』とは言ってもらえないだろう。だれからも。
□ □ □ □
日が差しこむ窓際の席は、この時期はとても気持ちがいい。
そして授業中は気持ちが良すぎて困ってしまう。
頬杖をつき、見た目はしっかりと目を覚ましているように見えるが、半分とろけかけた意識の中で、
意味不明の記号をノートに連ねながら、真夜はぼんやりと昔の記憶を手繰っていた。
教卓の前では、袴姿の担任教師が黙々として黒板を文字で埋め尽くしている。
その背中を見るために学校に来ているようなものだと、いまさらながらに思う。
真夜は、時折、生徒に質問を投げかけられては後ろ向きな答えを返し、教室を微妙な空気で満たし
てゆく先生を見つめている。
いつも、その周囲には女性徒の姿が絶えない。
ハッキリと好意を言動に表わしながら傍に居ようとするクラスメイト達。その影に隠れるようにして、
先生のそばに近寄る。
言葉に出す事などはとてもできない。油断するとたちまち赤面してしまうような自分をよく知っている。
本当はすぐにでもバットを手に、後ろから飛びかかりたい。
嫌がる姿を見たい。意地悪な事をしたい。
昂ぶる気持ちを押さえ、真夜は後ろ手に隠し持った着火マンを一瞬だけ点火させた。
もちろん、そんな事は出来ないのは気がついている。
意地悪な自分は嫌われる。
そしてこの人に嫌われて平気でいられるほど、自分は強くないのだとしたら。
いつも背景の一部となってそこにいる自分を感じる。
自分が人を好きになる事自体、間違っているような思いに囚われ、心が閉じてしまう。
このまま、誰かにこの人を取られてしまう時が来ても、何もできないのだろうか。
気がついた時には放課後になっていた。
先生は今日も、女の子たちに追いかけられ、まとわりつかれながら放課後を過ごしていた。
でも、先生は決して誰にも心を開かない。それが僅かに安心感を与えてくれている。
宿直室で、ほとんど一緒に暮らしているような子もいるから… そうでなかったら、毎日、気が気では
ないだろう。
自分も放課後を一緒に過ごせたら──
こたつに入って、ひざの上に乗って後ろから抱っこしてもらいながら、みかんを食べて……
思わず想像を膨らませ、ぼーっとしてしまった真夜は、気がつけば先生達はどこかに行ってしまった
事に気がついた。
慌てて、宿直室に行ってみようと思い、着火マンを握り締めて駆け出し──
いくらも走らないうちに、徐々に足取りが鈍り、やがて立ち止まった。
──以前の自分なら、迷う事なく先生を殴り倒して火を放って、積極的に自分を見せに行ったのに。
真夜は、細い指で着火マンを折れそうなくらいに、強く握り締める。
嫌われるのは嫌だ。せめて、嫌われたくない。
だから、意地悪は、ガマンする。
一番聞きたくない一言を、先生の口から聞く事になってしまう。それなら、このまま一人で帰ってしま
ったほうがいい。
大きな瞳から、ぽろっと涙がこぼれた。
それはただの寂しさからか、弱気な自分への苛立ちなのか。
真夜は、ゆっくりと振り返り、とぼとぼと歩きながら校舎をあとにした。
いつもの道と、いつもの商店街。
スイッチを切ったように思考を止めた頭には、視界から入ってくる風景も記憶に留まらずただ流れて
いるだけだった。
足を交互に動かして、毎日の習慣となったいつもの帰り道を歩いてゆく。
ふと。真夜は歩みを止めた。
自分でも不思議に思ったのか、辺りの様子を伺うと、足元の方から、細い──例えば壊れたリコーダ
ーから抜ける空気のような鳴き声が聞こえた。
足先に目をやると、そこには、一匹の犬が真夜に背を向けて佇んでいる。
真夜に尾を向けながらも、首を捻ってこちらを振り返り、どことなく人間臭さの滲み出る、しょぼくれた
表情を見せていた。
真夜と犬の目が合う。
鋭いその眼差しで見つめられても逃げ出そうとはせずに、もう一度鼻を鳴らした。
その側にしゃがみこみ、道端に転がっていた棒切れを拾い上げると、真っ直ぐに狙いを定めて、犬
の尻尾の下にあるアスタリスク模様に突き刺した。
後ろから、通りすがりらしいスーツ姿の女性が、持っていたバッグを落とした音がした。
それには取り合わず、真夜はぐいぐいと棒切れを押し込み続け、やがて満足したのか手を離す。
尻尾が二本になったかの様にも見えるその犬は、痛がる訳でもなく、ジッと真夜を見つめていた。
──可愛いと意地悪したくなる。…意地悪な私は、嫌われる。…痛くすると嫌われる。
傍目には無表情に見える真夜の瞳の奥。深く沈み込んだ葛藤が、何度も繰り返された。
やがて、その何処か不景気な顔の犬は、短く鼻を鳴らすと、真夜に甘える訳でもなく飄々とした足取
りで路地を曲がり、消えていった。
曲がり角で、一瞬だけ、二本の尻尾を振ったように、真夜には見えた。
「あ…あの… あなた、何を……?」
スーツ姿の女性が、少々引きつりながら真夜に話しかけてくる。
真夜は、傍らに投げ出したカバンを手に取り、立ち上がろうとして──
落とした時に留め金が外れていたのか、フタが開いてしまい、バラバラと中身が散らばってしまう。
灰色のアスファルト上に散らばったのは、愛用の着火マン始め、ハサミや包丁などの品々。
女性は短く悲鳴を上げて、青ざめた顔で後ずさりし、
「ひゃ……ひゃくとうばん……!?」
そう言い残し、踵を返すと逃げるようにその場から走り去ってしまった。
一人残された真夜は、散らばった物を拾い集めながら、妙に印象に残った今日の犬の顔と、今の女
性の言葉を、頭の中で反芻していた。
みんな、自分からは逃げて行く。──でも、違う時もあった。
目つきが悪くて勘違いされた事。…クラスメイトに。 …先生に。
今でも、勘違いされたまま……… いや、勘違いなのだろうか?
空を見上げると、燃えるような夕焼けの色が照り返して、街が赤く染まっている。
炎に包まれているような街の風景に真夜は思い出した。
初めて先生を炎で追い立てた時の事── 先生に初めて意地悪した時の事を思い出す。
あの時先生は────
真夜はすっくと立ちあがり、今来た道を振り返る。
そして、一瞬だけ湧きあがった躊躇いを振り払い、学校へと駆け出した。
──それは、ただの憶測でしかない。賭けに近いような、単なる思い付きだった。
自分の考えが間違っていなければ……
真夜は後ろ向きになりそうな考えを払うように激しく頭を振り、今はただ走る事に集中した。
先生の姿は校庭にあった。
また、いつもの悪い癖が出たのだろう。校庭の隅に植えてある木の枝にロープを掛け、輪の形に作
ったその端を両手に取り、じっと見つめている。
その背中を目掛けて、真夜は一直線に駆け寄って行く。
取り出したバットの柄をしっかりと握り絞め、カバンを投げ捨てながら大きく息を吸い込んだ。
先生の背後でブレーキをかけて踏ん張った脚を軸にし、全身の力を、振りかぶったバットに乗せた。
カーン!!
以外なほど乾いた音が出て、先生の細い体は一瞬宙に浮き、縦の方向に一回転して、うつ伏せに地
面へと倒れこんだ。
その後頭部には、大きなタンコブが膨れ上がる。
本来なら笑顔が浮かぶほどに、胸が高鳴るはずだが、今はまだ、不安から来る緊張が真夜の鼓動
を激しくさせているようだった。
いくらも待たずに、先生は がば! と顔を上げた。
真夜の姿を視界の中に認め、一瞬、何かを叫ぼうとしてすぐにそれを止める。
ちょっと落ち着いた仕草で土を払って立ちあがり、どこと無く皮肉さを漂わせた普段の表情を見せる。
「…犯人な訳がありません。」
──間違っていなかった。
真夜の中で、何かが弾けた。
「こんな見たままの悪い子がいるわけありません! そして証拠が揃いすぎです!」
腕を組み、独白するように空を見上げて、──少し格好つけたつもりなのだろうか、真夜に背を向け
た。
──間違っていなかった。この人の事。
間髪をいれず、その隙だらけの背中に真夜のバットが振るわれる。
再び地面に転がった先生は、バットを手にして立ち尽くす真夜を見上げて口を開く。
「ははは……! わかっていますとも! 三珠さんが犯人な訳が無いです。」
──この人を好きで間違ってなかった。
「…古今東西、様々なミステリー物を見てきた私は騙されませんよ!」
なおも何やら呟いている先生を尻目に、真夜は木に垂れ下がっているロープの端を手に取る。
「え……?」
ニヤリと先生に笑いかけ、ロープの輪を先生の首に引っ掛けた。
しゅるしゅると、枝を滑車代わりにして引っ張ると、張り詰めたロープが先生の首を隙間無く締める。
「ちょ…!?」
一瞬だったが、必死の形相でもがいてみせる先生の目が、笑みの形を浮かべた事を、真夜は確か
に捉えた。
そして思い切りロープを引っ張る。
「死んだらどうする!!」
勢い良く吊り上げられながら叫んだお決まりの台詞が、真夜にはやけに楽しそうに聞こえた。
332 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/06(水) 17:34:36 ID:2PWA6VGP
支援
333 :
305:2008/02/06(水) 17:37:08 ID:uTJ90tT7
おそまつでした。
最近、出番の少ない真夜…
先生との絡みも殆どない気がする。
失礼しました。ではまた。
キター!
305さんの真夜、いじらしくて大好きだ!
そして、先生がいつも大人でカッコええ。
何か最後のシーンに、すごくほのぼのしてしまいました。
GJ!
確かに出番欲しいよね。
GJ! これはいい
望×愛 書いてみた
正直、話しが迷走してるつーか、メインがおまけになっちまったけど投下するぜ
せいぜい脱ぐ程度のエロなんで期待しちゃダメだぞ
本当は強引にいんぐりもんぐりに持っていくつもりが、加賀ちゃんのATフィールドに阻まれて失敗しちまった
微妙に絡ませにくいんだよなぁ、好きだけど
精進するっきゃねーぜ
加賀愛の暴走
夕刻。宿直室の前に立ったまま、加賀愛は硬直してしまっていた。
彼女は可符香にとあるものを“先生の落し物”として届けるように、頼まれてやってきていた。
いわゆる”しょうゆの入ったお魚”を。
愛はおそるおそる、迷惑にならないかと不安になりつつ、しばし悩み、立ち止まっていた。
しかし、このままではかえって迷惑が掛かると思い、愛は意を決してノックをした。
「先生、あの、落し物を……」
「か、加賀さんですか!? ちょ、ちょっと待ってくださいよ、いいですね! 」
えらく焦った声色で、糸色望は返答した。
――しまった! 愛は青ざめた。現に、先生は明らかに困惑している。
きっと先生は、わたしがすぐに落し物を届けなかったせいで、とても切迫した危機に陥っているに違いない。
この“しょうゆの入ったお魚”がなくて、どう困るのか。――そこまで考える余裕は、加害妄想の暴走する愛にはなかった。
刹那、少女は扉を開け放った。
「んなっ! 」
「きゃ! 」
糸色望は全裸だった。湯上りのようだ。眼鏡もなければ、服もなく、ぽかぽかと湯気が立っている。
突然の来襲に、混乱する望にできたことは、せいぜい手で隠すことぐらいだった。
胸を。
「か、加賀さん、これはその! ちょうど湯上りで! 」
「せ、先生、その、優先順位が……」
「はっ! 」
慌てて、望は絶棒も隠した。すぐに望は物陰に隠れた。
加賀はあまりの出来事、そして罪悪感に恥ずかしくなり、一瞬で赤面しきってしまった。
「ど、どうしたんですか加賀さん、いきなり」
「おと、落し物を届けに来たんです! すみません、こんな時にやってきてしまって」
「い、いえ、お気になさらないでください。で、落し物とは? 」
「これです。風浦さんに頼まれたんです。遅くなって本当にすみません! 」
こたつの上に、置かれる魚。
「ああ、これは非常時に用いるための墨汁入れですね。醤油ではありませんよ。とっさに遺書を書きたいときに使うんです。
先生、何度か物を大切にしなきゃな、と思うことがあって、そのときに結局、この程度しか使える再利用を思いつかなかったのですよ。
まあ、無くても困るものではないのですが、わざわざ届けて下さって、ありがとうございます」
「い、いえそんな…」
相変わらずの先生の言動に戸惑いつつ、どこか、愛は安堵を覚える。よかった、いつもの調子だ、と。
「それにしてもすみません、先生。急ぎの用ではなかったんですね」
「いえ、お気になさらず。しかし、これは気まずいですね。穴があったら入りたいものです」
穴があったら、入りたい。
穴。墓穴。墓穴に入りたい。遺書。――自殺。わたしが全裸を見たばっかりに、自殺。
瞬間、愛の加害妄想スイッチが入った。わたしも全裸の自分を晒さねば、と。
「せせせ先生! 」
「へ? 」
先生の目前に踊り出ると、愛は顔を赤らめつつ、そっとセーラー服を赤い戒めをゆるめた。
「見てください、先生」
愛はたどたどしい手先で制服を脱ぎ去り、純白のブラジャーに包まれた奥ゆかしい胸元を晒した。
スカートも脱ぎ去って、青と白のしま模様のショーツを見せる。あまりの恥ずかしさに、内股になってしまっているあたりがいじらしい。
あまりのことに、望は絶句していた。
あの人徳の高い彼女が、いきなりこのようなあられもない姿になれば、驚きもする。
愛はブラジャーのホックに手を掛けつつ、羞恥心から顔を俯けて――。小さく震えるような声で。
「すみません、貧相な女体ですみません。こんな私なんかが一糸纏わぬ姿になってすみません」
そう自分に言い聞かせるように呟きつつ、パンツにも手を掛けた。
――全裸になり、愛は小刻みに震えていた。
望は、その美しさに息を呑んだ。
彼女は愛らしさは、その身ひとつの成すものではない。彼女の弱く繊細な心が、たまらなくいとしく感じられてならないのだ。
そんな彼女を喰らいたくて、望の心奥底で何かがうずく。
獣たちが潜むことを、彼女は感づいていて、だから不安で怯えているのだ。
それでも彼女は身を隠そうともせず、己を捧げようとしている。空腹の虎に我が身を捧ぐかのように。
望はそっと、彼女を抱き寄せて、御髪を撫でつけた。
「加賀さん、加害妄想が過ぎてますよ。あれしきのことで絶望して死のうなどとは思いませんよ。
さあ、服を着なさい」
「けど、先生だったら…」
なにをされても良い。
そう思っている自分が、愛の心のどこかに居た。
「まあ、たしかに普通の人はともかく、我ながら厄介な相手。不安になるのも仕方ないかもしれません。
わたしの人徳のなさゆえに、あなたに無理な心労を強いるのですね。これは反省しなければなりません」
「そんな、ただ、先生が死なないでいてくれたら……」
「この命、だれかに惜しまれるほどであっては、死にたがりのわたしには毒ですね。
あなたの心を奪いたくなって、いつ死のうとするか分からなくなるやもしれません」
「先生……」
「あまり期待をもたせないでください。素直におっしゃればいいんですよ、先生のこと、あなたは好きでも何でもないでしょう? 」
「あ……」
愛は俯いた。本当に、そうだろうか。わたしは何の好意も持っていないのに、こんな姿をさらしたのだろうか。
本当は、彼のことを手に入れたくて、素直になれなくて、加害妄想にかこつけて、こんなことを。
正直に、自分に素直になるとしたら、わたしは、何というべきなのか。
――きっと迷惑に決まっている。きっと、彼のことを傷つけるから――。
眼鏡が宙を舞う。気づいたとき愛は、平手打ちを見舞っていた。ジンジンと手が痛かった。
「あなたのことなんて! 好きでも何でもないんだからね! 」
手をさすりながら、愛は精一杯の声で叫んだ。目じりには涙が浮かんでいた。
望は無言のまま眼鏡を拾うと、風呂場の方にゆっくりと歩いていった。
「湯冷めしてしまいました。わたしが上がるまでのうちに、お帰りなさい」
シャワーの音が聞こえる。
愛は服を着替えると、逃げるように立ち去った。
「意外と痛いものですね、ああみえて」
望はぽつりと呟いた。
おまけ
後日。宿直室の夕飯には、なぜか五名も集まっていた。
望、交、小森、まとい、それに愛までなぜか居た。ちなみに今夜はお刺身とカニ雑炊である。
「すみません、私なんかが夕飯をごちそうになって」
「いえいえ、食事は人が多い方がおいしいというじゃないですか。構いませんよ」
ぎこちなく、しかしどこか打ち解けた感じのする二人に、小森とまといは内心ちょっとだけ焼いていた。
(なんでわたしが先生のために作った夕飯を、こんな見知らぬ子に…! )
(先生、例の一件、わたし見てたんですからね…)
と、交がふとあることに気づく。
「醤油がないぞ」
「あ、ホント」
「醤油ならありますよー」
風浦可符香は忽然と現れた。あの”しょうゆの入ったお魚”を手にして。
「でも一人分しかないんですよ、先生いかがですか? 」
「い、いえ、それは…」
墨汁、と言いかけたところで可符香にアツアツのカニ雑炊を食わされる。見事な口封じだ。
「醤油、今から買ってきますから。とりあえず先生の分だけ、受け皿に注いで置きますね。それじゃあ」
そういって、可符香は去っていった。
残るは醤油の注がれた皿、ひとつ。
「わたしが先生に食べさせてあげる! 」
とっさ、霧は箸を伸ばした。ライバルに先を越されるよう、俊敏に。
しかし醤油の正体を知っている愛とまといは、青ざめるしかなかった。
「ずるいぞ、そいつばっかり」
何も知らぬ交は、望のことをうらやましがっている。
そうして刺身をたっぷりとわさび入りの醤油につけ、霧は嫌がる先生の口に、刺身を――。
「はい、あーん」
「あーん」
望ではない。交がぱくりと横取りしていったのだ。
「……にがっ! からっ! 」
のたうち回る、交。
翌朝、交は新たなトラウマに怯えていた。
「刺身こわいよ刺身こわいよ」
「わさびは大人の味だもんね、そのうち分かる日が来るよ」
風浦可符香は今日も明るく、一人で微笑んでいる。
342 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/07(木) 00:59:51 ID:ePRmwuJd
GJ
アリアリアリアリ
そして地味に空想ルンバの歌詞が
これはまた新鮮な望愛 イイヨイイヨー
交カワイソスw
GJ!
>穴。墓穴。墓穴に入りたい。遺書。――自殺。わたしが全裸を見たばっかりに、自殺。
ルナ先生思い出したw
眼鏡はいつ…?
まあ大変GJなのでスルーしますw
347 :
337:2008/02/07(木) 12:49:12 ID:E9AUXaVR
337です
調子が良いので連投します、すみませんすみません
開き直ってエロ分ゼロにしてしまって、すみません
一応、また望×愛です
348 :
337:2008/02/07(木) 12:49:50 ID:E9AUXaVR
加賀のアイたん
その日、先生の頭の上には小さな加賀愛が乗っかっていた。
「すいません、私なんかが小さくなってしまって」
今朝、目覚めると愛はちんまりとしていた。どこかのアニメのおまけみたいな、小さな身体に。
それで仕方なく、先生に元に戻るまで付き添ってもらうことになった。
愛は先生に迷惑が掛かるといって嫌がったものの、かといって休んでも迷惑の掛かるため、遠慮がちに頭に乗っかっていた。
「ところで加賀さん、頭の上で何か食べてもいいんですよ。メロンパンとか、チョココロネとか」
「いえ、そんな失礼な真似、わたしにはできません。それにそんな小さなメロンパンはないと思います」
「それもそうですね」
他愛ない会話を交わしつつ、愛を乗せた先生は通学路を歩む。そのあとを追うように当然、まといもついてきていた。
「わたしも小さくなったら、先生の頭に乗っけてもらえるのでしょうか」
まといはうらやましそうに、愛のことを見つめた。
「ひっ! 」
「ん、どうしました加賀さん」
望が気づいたときには、愛の姿は見当たらない。
と、望の背後から聞き覚えのある心弱い声がする。
「すみません、私なんかが小さくなってすみません! すみません、すみません! 」
ダンボールの積み上げられた上に立って、愛はひたすら頭を下げ、まといに謝罪していた。
加害妄想だ。
うらやみの念を、うらみの念と取り違えて、むやみやたらに愛は謝っているわけだ。当然、被害者意識のないまといは戸惑うしかない。
「そ、そんなありませんよ」
「いいえ、わたしがちっちゃいのがいけないんです! すみません、すみません」
「は、はぁ」
と、そこにメルが現れる。めるめるめるめる、何やら望の携帯宛てにメールを打ち始めた。
『小さくて何が悪い! 』
「被害妄想ですよ、それは! 」
『小さくてもな、小さくてもな…! うわーん』
てふてふてふ、メルはどこかへと泣いて去っていった。
「なんだったんですかね、あの子」
「わたしの小さいせいでまた一人、傷つけてしまいました……」
「ああ、加賀さんお気になさらず! 小さくても役立てば、きっと皆さん喜んでくれますよ」
「役立つ? 」
と、そこにカエレが現れる。自販機の下を覗いては、なにか探してるようだ。苛々して。
「この国の自販機おかしいよ! 下の隙間に手が入らないなんて! 500円も落としたのに! 」
「ああ、500円は痛いですね。それは必死になっても仕方ありません」
「はっ! 」
ここは自分の役立つべきところ。そう気づき、愛は自販機の下までてこてこと歩いていった。
「なあに、あなた? もしかして加賀さん? 」
「は、はい。今から取りに行くので、待っていてください」
「そ、そう」
薄暗い闇のなかに、そっと、愛は頭を低くして入っていく。
それを見守るように、しかし腑に落ちなくて、カエレは小声で先生に訴える。
「なんで小さいの? 」
「さあ。朝起きたら、小さくなっていたらしいですよ」
「ふうん。わたしの国ではカニを食べ過ぎると呪われて小さくなってしまう、という言い伝えがあるんですけど、まさかね」
「だからどこの国の帰国子女なんですか、あなたは」
そんなこんなどうでもいいやりとりをしているうちに、500円を抱えて愛は這い出してきた。
「ありがと、小さな妖精さん」
「いえ、それより…」
血相を変えて、愛は叫んだ。
「先生、奥に爆弾がっ! 」
「んなっ! なんたる超展開! 」
と、そこに三珠とマ次郎が現れる。二人とも、手に何かスイッチのようなものを持っているようであった。
そんなことを気にかける余裕もなく、全員パニックに陥っていた。
「ど、どうしましょう先生! 」
「ま、まずは離れましょう! 」
「ああ、わたしが小さくなったばっかりに…」
と、そこに千里と藤吉が現れる。
「きっちり導線を切ればいいのよ。こういう場合、赤と青の線があるでしょう」
「赤×青か、青×赤か、それが問題よねー」
「で、では、わたしが切ってきますね……」
「じゃあ、これをもっていくといいわ。赤は動脈、青は静脈だから赤を切ればいいのよ、わかった? 」
恐る恐る、また薄暗い隙間に潜り込もうとする愛に、千里がカッターを渡してくれた。
カッターを背負い、小さな愛は爆弾のところまでたどり着く。
そこには二本の、赤と白の導火線があった。
「先生、赤と白です! 」
「紅白歌合戦ですか! 」
「じゃあ、今年も白組が勝ったので、きっと白ですね」
「もう爆発オチは飽きられてるゾ」
と、そこに風浦可符香とマ太郎が現れる。
「何しに来たんですか? 」
「見物に」
愛はカッターの刃を出して、慎重に、白い導火線に宛がった。
――この白い線を切れば、助かる。
――白い線は、白組。常勝の白組。白組を、切る。
――わたしのせいで白組が、負ける。
「先生、わたしにはできません! すみません! 」
そして愛は赤い線を切った。
――こうして人類は滅亡した。少女のやさしさと加害妄想のせいで。
「やっぱり爆発オチかよ」
――完――。
おまけ 小森の霧たん
朝起きると、小森霧は小さくなっていた。
しかしひきこもりなので、誰とも会わずに一日が過ぎた。翌朝、元に戻っていた。
先生の頭に乗ってみたかったな、と少しだけ後悔した。完。
GJ
いやあ可愛い、結構突拍子もない超設定とか好きです
先生生徒が逆になるとか、先生が唐突にショタになって藤吉さんに襲われるとか
にしても先生紳士、俺なら愛ちゃんが泣くまでねぶっちゃうよ
連投は…投下と投下の間隔を空けようと待ってる人が居る事あるからちょっと避けたほうがいいけど
まあその時間帯なら大丈夫でしょう
ちっちゃい愛ちゃんが欲しいよー
望愛はいいな。もっとやれー
今更ながら「すみません」のとこを「しゅみません」と言わせればよかったと後悔
元ネタのシャナたんの「うるさい」→「うるちゃい」みたく
ああ、後悔…
よければ
>>348 は「すみません」→「しゅみません」に脳内変換して読んでくれ
見ていて瓶詰妖精ならぬ瓶詰絶望生徒っていう妄想が浮かんだ。
形にする能力は無いけどな!!
手紙にきっちりハートマークとドクロマークを書いて送る千里が可愛い
可愛すぎて気を失いそう
先生×千里ちゃんで投下します
やることはやっていますが、千里視点ですのでちょっとエロ描写は薄め
358 :
あの雨の日:2008/02/09(土) 09:05:03 ID:NY0MYPtk
しとしとと雨が降っていた。
とうに下校時間は過ぎていて、放課後の校舎にはもう生徒の姿はなかった。
例外として極一部、家に帰りもしない生徒が、学校のどこかに居たのだろう。
そして私もまた、例外的にまだ校内に残っていた。
場所は宿直室。
私のクラスの担任教師、糸色望先生が住んでいる部屋だ。
カリカリと二つのペンが走る音。
一つは私の、もう一つは先生の。
その日、私は先生に溜まった仕事をするのを手伝って欲しい、と頼まれた。
お願いします、と渡された仕事は、終わったと思えばまた追加され追加され、
気付けばずいぶんと時間が過ぎていた。
「ふぅ…先生、まだあるんですか?」
「かなり進みましたよ」
「つまり、まだあるんですね」
「う…まあ、それで終わりにしましょう。残りは一人でやれます」
「それ以前にですね、生徒にテストの採点やらせるってのはどうかと思います」
「木津さんなら、ちゃんとしてくれるでしょ………暴走してなかったら」
「…まったく」
小さくため息をついた。
自分の仕事なのに、生徒を頼りにするなんて…
でも、同時に少し嬉しくもあった。好きな人に頼られるのは、やっぱり嬉しい。
359 :
あの雨の日:2008/02/09(土) 09:06:00 ID:NY0MYPtk
「言わないでくださいよ。私が木津さんにテストの採点頼んだ、だなんて」
「言いませんよ」
「保護者宛のプリント書いてもらったこととかも…」
「だから、言いませんってば」
くだらない事を心配する先生がおかしくて、つい頬が緩んでしまった。
まったく、仕方がない人だ。
あまりに仕方なさ過ぎて、ついつい刺したり、埋めたりしてしまうことすらある。
だけどそんな先生が好きな自分も、結構仕方ない人間かもしれない。
「ふふ…でも、先生も大人なんですから、もうちょっとしっかりしてくださいよ」
「あー言いますかそれを…今回に関してはですね、あなたにココ数日連続で埋められたからですよ」
「え?」
「おかげで時間取られて、仕事が溜まっちゃったんです」
ぷい、と子供が拗ねるように先生はあさっての方を向いた。
「う…それは先生が………すいません…」
先生が、ふふんと鼻を鳴らして勝ち誇った顔で私を見た。
「しかし、さすが木津さんが手伝ってくれるとはかどりますね、また頼んでいいですか?」
「またそんな事言って……でも、先生がそう言うんでしたら…またお手伝いします」
360 :
あの雨の日:2008/02/09(土) 09:07:02 ID:NY0MYPtk
「先生、終わりました」
「ん、ありがとうございます、助かりました」
先生は渡したテスト用紙の束を整えて、鞄の中へしまった。
「ああ、お礼といっちゃなんですが…確かクッキーがあったんで、食べていきませんか?」
「いいんですか?」
「私も休憩するつもりでしたんで」
「じゃあ、お言葉に甘えて頂きます」
「うん。じゃ、持ってきますね」
そう言って先生は戸棚の方へと歩いて行った。
「んー?どこ置いたんでしたっけ?」
ガタガタと戸棚を探る先生。どうやらクッキーを置いた場所を忘れてしまったらしい。
「交に見つからないように隠したのが裏目に…あ、木津さん、飲み物用意しといてくれますか?」
「わかりました」
先生に言われて、コップを二つ、そして冷蔵庫からジュースの入ったポットを一つ取ってくる。
それらをちゃぶ台の上に置いて飲み物の用意はできたが、先生の方はまだクッキーを探していた。
ジュースを飲みながら先生を待つ。
甘酸っぱい味が口に広がって、渇いた喉が潤っていった。
そうして、くぴくぴとジュースを飲んでいる所に、先生が戻ってきた。
「ありましたよー、そうそう押入れの…あ…」
「どうしました?」
「あの…それ、自家製の梅酒…」
361 :
あの雨の日:2008/02/09(土) 09:08:02 ID:NY0MYPtk
目が覚めたとき、私は布団の中に居た。
辺りを見回すと、すぐ隣に先生の背中があった。
先生はちゃぶ台の前に座って、何かを書いていた。たぶん、残りの仕事を片付けているのだろう。
私は、もそもそと布団から這い出て先生の横に座った。
「木津さん、起きたんですか」
「…私……寝ちゃったんですか?」
「ええ、お酒弱いですね、あなた」
「すいません…」
「いえ、私の不注意ですし…大丈夫ですか?」
「ちょっと…頭痛い…」
「水、持ってきます」
コップ1杯の水を持って、すぐに先生は戻ってきた。
ぐでんとちゃぶ台にもたれかかった私の上半身を先生が起こす。
そのまま今度は後ろに倒れそうになった私を、先生はその胸で受け止めてくれた。
「ほら、飲んで」
「ん…」
後ろから抱かれるような形で、私は先生に支えられて水を飲ませてもらう。
「…っぷぁ」
水を飲み干した私は、そのままふらふらと崩れるように先生の胸に顔を埋めて、また意識を失った。
362 :
あの雨の日:2008/02/09(土) 09:08:59 ID:NY0MYPtk
「…ん……?」
雨音が聞こえた。
眠っている間に降りだしたのだろう。
また眠っちゃったのか、と目を瞑ったまま思う。
しかし、自分が眠っている場所は、さっきの布団の感触とは明らかに違っていた。
なんだろう、と目を開けてみると、見回すまでもなく自分がどこで寝ていたのかがわかった。
「あ、起きました?」
先生の胸に抱かれて寝ていたのだ。
「……先生?」
「布団で眠らせてあげようと思ったんですけどね、あなた離してくれなくて…」
その代わりか、毛布が私の上にかけられていた。
私の腕は先生の腰に回されていて、その手は強く先生の服を掴んでいた。
ちらちらと辺りを見回す。外はもう暗くなっていた。
「藤吉さんにお願いして、一緒に遊んでるから遅くなる、って伝えてもらいましたんで…
親御さんに、お酒飲ませちゃって起きない、なんて言えませんから…」
そんなことを言っている先生の顔を、まだ少しぼやっとした視界で見る。
先生の様子は、ちょっとだけ照れている様にも見えた。
視線を落とすと、当然のことだがそこには先生の体がある。
ぼけた頭が回り出して、少し恥ずかしくなった。
363 :
あの雨の日:2008/02/09(土) 09:09:59 ID:NY0MYPtk
先生に抱かれて眠っていたんだ、と。
そのことを思うと、少し幸福な気持ちになる。
でも、それだけだ。それ以上に寂しくもなる。
冷静になって思い返してみれば、全ての始まりであった先生との保健室の一件も、それだけ…なのだろう。
それでも、すがってしまう。
私の先生への想いは日ごとにつもり、先生を追いかける子は増えていく。
そんな状況で、先生との間に何もなかったなんて認めるのは辛かった。
だから、先生に振り向いてもらおうと、いつだって本気でアタックをかけていった。
責任を取ってください、と結婚を申し入れた。
バレンタインには、これ以上ないってくらいにハートを込めたチョコレートを送った。
でも、いつだって先生には、はぐらかされる、逃げられる。
そのくせ、不意に期待させるような態度を取るのだ…
364 :
あの雨の日:2008/02/09(土) 09:11:00 ID:NY0MYPtk
「木津さん…?」
「へ?」
先生に声をかけられて、顔を上げる。
私と目が合った先生は、ついと視線をずらした。
「……あの、駄目ですよ。酔ってるからって、そんな無防備に男に抱きついたりしちゃ」
言われて、考えているうちについ先生の体に回した腕に力が入ってしまっていた事に気付く。
「危ないです。女の子なんですから、あんまりそういうことは…気を持たせちゃいますよ…」
私は、先生の発言にあきれて、ふうとため息をついた。
それを、あなたが言うんですか?
別に怒ったわけではないけれど、そんな先生になんだか反抗したくなってしまった。
だから、忠告に逆らってぎゅうっと強く抱きついて、先生に身を寄せた。
「っ…だから…」
「……いいんですよ、問題なんてありません」
だいぶ意識は、はっきりしていた。
でも、それでも少し寝ぼけていたのだろう、少し酔っていたのだろう。
「だって、私…先生の事大好きですから…」
普段の私なら、そんな風には言わないだろう。
365 :
あの雨の日:2008/02/09(土) 09:12:00 ID:NY0MYPtk
「なにをわけのわからないことを…」
いつものように、そう言われると思っていた。
だけど、先生は黙ったままだ。何も言わない。
どうしたんだろう、と顔を上げて見ると先生は片手で赤くなった顔を覆っていた。
「んな…なんですか、その反応は?」
「いや、その、だって…不意打ちで……あなたからそんなまともなアプローチ受けるなんて…」
「まともな?」
「いつもはもっと……ああもう!酔ってるんでしょ?水持ってきますからもう少し寝てなさい」
先生は照れていた。照れに照れて、明らかに狼狽していた。
そして、その照れは私にも伝染した。
先生に意識されている。先生に好意を持つ女の子として、意識されている。
先生が少し自分に近づいてくれたような気がして、嬉しくなった。
だが、同時に頭の中を回り巡る、期待感、不安感。目を合わせる事もできはしない。
あまりに不安定だった。こんな状態、私には耐えられそうもなかった。
366 :
あの雨の日:2008/02/09(土) 09:13:12 ID:NY0MYPtk
先生が、水を取って来るために立ち上がろうとした。
きっと、先生もその空気に耐えられなかったのだろう。
そう、そこは私と同じだ。だけど、私の取った選択は先生のそれとはまったく逆だった。
私は、立ち上がろうとする先生にしがみついた。
それまでの無意識や、なんとなく、ではなくしっかりと意思をもって抱きついた。
「いやです。離れないで…」
「え?えええ?」
「酔ってます…ちょっとだけ……でも、本心です。先生が…大好き…です」
「あ、ああ。はい…その…」
ばくばくと鳴り響く心臓の音がひどくうるさかった。
私の言葉など、その音に掻き消されてしまったのではないかと心配になるほどに。
顔を上げて先生と目を合わせる、ただそれだけの動作なのにひどく体力を消耗してしまった。
先生の顔は真っ赤だった。でもきっと、それ以上に私の顔は赤かったんだろう。
もう、何も言うことはなかった。思いつかなかった。
私は、先生から体を離した。そして、先生の目を一度じっと見つめて、目を瞑った。
367 :
あの雨の日:2008/02/09(土) 09:14:04 ID:NY0MYPtk
「っ…木津さん……それは…」
そう言ったきり、先生は黙ってしまった。
私はぎゅっと目を瞑って、先生の返事を待った。
何も見えない、何も聞こえない、触れるのは畳と毛布の感触だけ。
その時間はとてもとても長く感じた。
不安に押しつぶされてしまいそうで、つい下がってしまいそうになる頭を必死に抑える。
緊張が限界近くまで高まって、ともすれば泣き出してしまいそうな程になっていた所に、
先生の手が私の頬にそっと触れて、私は先生にキスをされた。
そっと目を開けると、すぐ前に先生の顔があった。
先生の顔は、目を瞑る前に見たときほどではなかったが、まだ赤かった。
「ええーっと…よかったんですよね…?」
落ち着かない様子で尋ねる先生に、こくこくと首を縦に振った。
私の方からもキスがしたい、そう思って先生に近づいて、先生の服を掴んだ。
でも、勇気が足りず、そこで止まってしまう。
そんな私の肩を、先生は優しく抱きしめて、頬にちゅっと軽いキスをしてくれた。
先生に勇気をもらった私が、一瞬触れるだけのキスをすると、先生はまたキスを返してくれた。
368 :
あの雨の日:2008/02/09(土) 09:15:10 ID:NY0MYPtk
「…はぁ」
触れ合った唇の感触が気持ち良くて、先生の胸に抱きつきながら思わずため息をもらした。
少し落ち着いた私は、ふと先生の顔を見る。
先生は、なんだかそわそわして落ち着かない。
これはもしかして…
「あの、あの…先生……他にも色々してくれて…いいん…ですよ?」
「ん、じゃあ…脱いでもらったり…とか…いいんですか?」
言ってくれればいいのに…と思いながら、私は頷いた。
パンツだけを残して服を脱いだ私は、布団の上に座った。
ガチガチに緊張して、強張った体は身動き一つ取れない。
そしてなぜか、先生も動かなかった。
どうすればいいかなんて私にはわからないんだから、リードして欲しいのに…
そんな先生の態度は私を不安にさせた。
この体、この小さな胸、やっぱり女性としての魅力に欠けているのだろうか、と。
「…貧相な体で、がっかりさせちゃいましたか…?」
「えっ!?いや、いやいやそうじゃなくて、その…あんまり綺麗なもので…
触ったら壊れちゃうんじゃないかと……ゴホン…いいですか、触っちゃって?」
「…はい、もちろんです」
369 :
あの雨の日:2008/02/09(土) 09:16:12 ID:NY0MYPtk
「ひぁ…」
「だ、大丈夫ですか?」
「…続けてください」
先生に、胸に触れられただけで声をあげてしまった。
それだけでも気持ち良かったというのに、さらに先生に胸をもにゅもにゅと揉まれてしまう。
「はぁ…ん……やぁ」
「木津さん、かわいい」
胸を揉まれながら、先生にちゅっちゅと口付けをされた。
「先っちょ…触ってもいいですか?」
「そんなこといちいち聞かないでくださいよぉ」
「えっと、じゃあ…」
きゅっと乳首を摘まれて、私の体がビクっと跳ねると、先生も反射的に指を離して身をひいた。
「せんせ…大人なんですから、もっとしゃんとしてください」
「う、すいません…」
再び先生に摘まれて、くりくりと弄られて、その気持ち良さに私は身をよじらせた。
「あの、舐めていい…ですか?」
「っだからぁ、いちいち聞くなぁ!」
恥ずかしさに目を瞑りながら、先生の頭を抱えて自分の胸に押し付けた。
私は先生にリードして欲しいのに、そんな風に下手に出られたりしたら余計に恥ずかしい。
「ああ、すいませんすいません…っむ」
「あぅ…ん」
先生が私の乳首を舌でころころと転がした。
湿った感触に包まれて、擦られる、吸われる、押し込まれる。
胸から広がる甘い甘い痺れに、私はおかしくなってしまいそうだった。
370 :
あの雨の日:2008/02/09(土) 09:17:06 ID:NY0MYPtk
不意に先生の指が、私の内股に触れた。
すすす、と付け根の方へと動いて行った指が私の下着の上で止まる。
先生が胸から顔を離して、私を見た。
「脱がせますよ?」
「…うん」
先生に、残った最後の衣服を脱がされる。
胸への愛撫で濡れていたそこと下着との間に、つうと糸が引いた。
座った私を後ろから先生が抱いて、その手を私の下腹部へと伸ばす。
先生は、周辺をすりすりと触った後、指を割れ目の入り口へと移して撫でた。
深く呼吸して、先生の指の動きに備える。
つぷ、と先生の指が私の中へ入ってきた。
「ん…ぅ」
自分の中で他人の指が動いている、という奇妙な感覚に声が漏れた。
その違和感に、少しずつ気持ち良さが混じってくる。
かぷっと先生が私の耳を優しく噛みながら尋ねた。
「大丈夫ですか?」
「うん…きもちいいです……はぁ」
その快感はどんどん大きく、確かなものになっていった。
先生の指は私の中で動き続け、一際大きな快感が訪れて体が跳ねた。
甘い痺れがじわりと体全体に広がっていく。
371 :
あの雨の日:2008/02/09(土) 09:18:03 ID:NY0MYPtk
脱力する私の首筋に一度キスをして、先生がまた指を動かし始めた。
同時に胸を揉まれ、乳首を摘まれ、溢れるほどの快感に私は身悶えする。
心なしか先生の指は、さっきよりも奥の方にまで侵入していた。
さらにその動きも少し違っていた。
四方の壁を押し広げるような動きを多く感じる。
ああそうか、先生の…入れるんだもんね…やっぱり痛いのかな?
目を閉じてそんなことを考えながら、私はまた先生にとろけさせられていった。
先生が余韻に震える私を寝かせた。
服を脱いで、私の足側に座る先生。
「力抜いてください」
ちらりと先生の裸を見たときに、先生のあそこを目にした。
一般的に大きいのかなんてわからないけど、とても自分の中に入るとは思えなかった。
見ていると不安になるので、そこには目を向けないように、先生の顔だけを見つめた。
ずぷ、と先生が中へ入ってきた。
思っていたよりは、すんなりと先生は私の中を進んでいく。
先生を受け入れることができて、嬉しかった。
でもやっぱり、ちょっと痛かった。
372 :
あの雨の日:2008/02/09(土) 09:19:08 ID:NY0MYPtk
「はー…」
奥まで進んだ所で、先生は動きを止めて、私が落ち着くのを待ってくれた。
「先生、保健室での一件、覚えてますか?」
「覚えているというか、覚えがないのを覚えているというか…」
「ふふっ…そうですね。やっぱり何もなかったんですね、あれは…
こんなの、忘れられるわけないです………うん、動いていいですよ、先生」
自分の中を先生が動く快感に、体も心もぐちゃぐちゃに溶かされていく。
そんな不安定な状態、嫌いなはずだった。
自分すら崩れてなくなってしまいそうな感覚、まったくもってきっちりしていない。
でも、そこに先生が居る、とただそれだけはしっかりと感じていた。
それだけなのに、だけどそれだけで私には充分だったんだろう。
私の中で、何かがじわっと広がった。
きっとそれは先生の…
これ以上ないという程の幸福感に包まれて、私はそのまま眠りについた。
373 :
あの雨の日:2008/02/09(土) 09:23:29 ID:NY0MYPtk
「…おしまい」
「……ほおおお…やるねー、千里も先生も」
「っはああ…恥ずかしい」
千里がストローでジュースを吸って、乾いた喉を潤す。
そんな千里を、晴美はケーキを食べながらにやにやと笑いながら見ている。
「いつも私が聞かせる側だったのになあ」
「晴美のは、ゲームの話じゃない…」
「…でも、最近仲良いと思ったら、そっかあの日にねえ」
そういえばあの日辺りから急に仲良くなってたな、と晴美は思い出す。
「で、他には?」
「他には…って」
「あーんな幸せそうにノロけちゃって…千里だってちょっと話したかったんじゃないの?」
「のろ…」
「何したの?何されたの?何されたいの?」
「何されたい…って」
「まあ、千里が言いたくないんなら、言わなくていいけどね」
「…………この間の連休にね…」
「うんうん!」
続いて語られた『一緒にお風呂』編も、晴美を大いに楽しませた。
歳の差カップルが照れちゃってリードしきれず、甘えきれず、ってぐだぐだも、それはそれで可愛い
そういうちょっとしたあとがきはいい!
『一緒にお風呂』編を早く! なぁ!?
けしからん。
朝からこんな、こんなニマリとしてしまう話を出すなんて。
もっとやれ。
一緒にお風呂編マダー?
ちょうどアニメでも千里
ちちりちりちりちちりち♪
声優シャッフルにシビレた。でもSSには繋がらないのだった。
アニメオープニング見てたら望×まといって美しいなって思った
先月に望×可前提の准→可SSを投下した者です。
先週のマガジンでどのコマでも光がない瞳だった可符香が気になって、
それが元で出来上がった准×可SSを投下させてもらいます。
相変わらず拙い出来ですが、ご一読頂ければ幸いです。
やっぱり今日の可符香さんはちょっと…いや、かなり変だと思う。
いつもポジティブな彼女が珍しくネガティブな発言をしたり、
ずっと光が一切ない暗い瞳をしていたり。
――まぁ、その原因は何となく分かっている訳だけど。
「…可符香さん、今日の君はいつもの君らしくないね…どうしたの?」
「…なぁに言ってるんですかぁ久藤くん、私はいつも通りですよ…ふぁっ…んぅ…。」
僕に剥き出しになった胸を揉まれて喘ぎながら可符香さんは案の定キッパリと否定する。
何度聞いたとしても彼女の答えは同じなのは承知しているので、
僕は黙って行為に専念する事にし淡い色の乳首に舌を這わせた。
「…あんっ…やぁ…んっ…久藤くぅん…。」
ツンと尖った乳首を舌で転がしながら、もう片方の乳首を摘んで軽く捏ね回すと
鼻にかかった甘い声を漏らしながら可符香さんは身体を震わせて快感に悶える。
彼女から僕の携帯へメールで急に会いたいと連絡があり、
こうして閉館時間後の図書室で僕達は淫らな行為に及んでいた。
別の女の子と会う予定をキャンセルしてまで可符香さんに付き合うのは
僕にとって彼女が特別な存在だから…つまり恋愛対象として見ているからで。
…ただそれを可符香さんに伝えた瞬間、この関係は終わってしまう。
けして彼女に気付かれてはいけないのだ。
僕達のこの関係を単純に“セフレ”という範疇に入れるのもしっくり来ない気がする。
じゃあ、それならば何と形容すれば良いのか…もうこの辺で止めておこう。
別に誰かに尋ねられた訳ではないのだから。
「…もう私…こんなに濡れちゃっているんですよ…久藤くん…。」
可符香さんがゆっくりとスカートを捲り上げると愛液でべとべとになった下着が露わになった。
そのまま椅子から立ち上がってスカートの裾を口に咥えながら僕に見せつける様に下着を脱いでいく。
彼女の薄い毛で覆われた恥部と下着の間に半透明な愛液が糸を引いていき、
その淫靡な様に僕は生唾を飲み膨張した股間が堪らなく疼くのを感じた。
「…挿れる前にちょっとだけ舐めさせて下さいね…。」
そう言うと可符香さんは椅子に座っている僕の前に、しゃがみ込んでベルトに手をかけ外していく。
そしてズボンの前を寛げ僕の屹立し熱を持ったペニスを取り出すと
彼女は既に先走りで濡れた亀頭に顔を近づけ舌を這わせ始めた。
「…っはぁ…久藤くんの…凄く大きくなってぇ…れろ、ちゅっ…んっ…ちゅぱ…。」
裏筋から陰嚢にかけて小さな舌で丁寧に舐め回してから、すっぽりと亀頭全体を口に含み吸い上げる。
あまりの気持ち良さと眼下の彼女の淫らな姿に我慢するのが困難になっていく。
「…くっ…可符香さん…このまま続けると君の口の中に…はぁ…。」
「…そうですかぁ?…じゃあ、そろそろ…。」
名残惜しそうにペニスから口を離した可符香さんは僕の股間の上に跨り、そのまま腰を沈めていった。
「…うふふっ…入っちゃいましたよ…久藤くんのが全部…ほら…。」
根元まで僕のペニスを膣内に咥え込むと可符香さんは
再びスカートを捲り上げ結合部分を見せながら艶かしい笑みを浮かべる。
僕が彼女の尻を両手で支え、彼女が僕の首へ腕を回して身体をより密着させてから、
互いに腰を動かし出すと繋がった部分から湿った粘膜の擦れ合う音が響いた。
…可符香さんを抱く毎に自分が心の奥底に隠す独占欲が募っていく。
この手で抱いている彼女の髪も唇も肌も何もかもを他の男…“彼”に触れさせたくなんかない。
今日、可符香さんがいつもと違う原因を作った“彼”には。
「…あ、あっ、あんっ…もぉ私…イッちゃいます、久藤くぅ…んっ、ふああぁっ!」
「…あぁっ、可符香さん…僕も…うっ…。」
同時に絶頂を迎え、ぐったりし弛緩する可符香さんの身体を強く抱き締めながら彼女の中で熱い精を迸らせた。
神様との約束でどんな時でもポジティブを貫こうとする可符香さんだけど、
そう捉えられない物事に直面した時、ちょっとした精神不安定状態になるらしい。
そんな時、彼女は僕との行為を求めてきた…精神安定剤の代用として。
僕はどんな形であれ可符香さんに必要とされるのがとても嬉しかった。
「…久藤くん…もう一度…してくれますか…?」
「…いいよ、可符香さん…僕も、もう一度したいと思ってたんだ…。」
余韻に浸ってから暫くして上気した頬で微笑みかける可符香さんに僕は笑顔で頷いた。
一つに繋がったまま、どちらからともなく唇を重ねて舌を貪欲に絡ませ合う。
彼女の中で大量の精を放ち萎縮したペニスが再び力を取り戻していった。
この先、彼女が僕を必要としなくなるのか、それとも――。
胸にほんの少しの甘い期待と苦悩を抱きながら、
今日も僕は可符香さんの精神安定剤としての役割を果たしていた。
―終―
以上で投下終了です。お目汚し失礼しました。
微妙に幸せと言い切れない准×可になってしまいました。
しかし、稚拙ながらも准×可を書けて満足しています。
それでは失礼致します。
可符香きた!もう超GJ
可符香には先生って印象強いが久藤もいい
GJ!
この話の中での先生はどんな感じなのかも見てみたい
388 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 17:45:11 ID:0VMGGJqA
>388はマルチポストのエロサイト宣伝
急に気になったから聞いてみる
俺はこう愛ちゃんとかめるめるとかのMキャラより真夜とかのSキャラに対するSの方が好きなんだが
分かりやすくいうと、普段Sっぽいことをするキャラが逆に先生に
Sっぽいことをされて反抗しながらも無理矢理しゃぶらせられて調教コース、て感じのが大好きなんだが
もしかして俺異端なのかそこらへん意見求めるまあつまり真夜ちゃんかわいいという事なんだけどね
普通・・・
俺はらぶらぶえっちのが好きだが
キツく睨み付けられながらしゃぶられたいってのはそう異端でもないと思う
ピンクなんだしそういうのも吐きだしゃいい、書いちゃえ書いちゃえ
望×愛でまたひとつ書いてみた
愛×可符香 かも
しっとり、悲恋? 非エロですまん。短めだよ。
内容は素直になれない不器用な少女たちについて、かな。
それはとある日の情事の後でのことだった。
加賀愛にも心休まるときはある。
すうすうとかわいげに寝息を立てて、望はとなりで眠っていた。
その寝顔を見ていると、ほんのちょっとだけ愛は、自分にも他人を幸せにできるのかな、と思った。
愛と望は、いわゆるセフレの関係に過ぎない。
恋人となると、迷惑を掛ける気がしてならなくて、こうして秘密の関係を結んでいる。
いずれは、そのうち望と結婚するであろう本妻に迷惑を掛けぬよう、慎ましく妾さんであろうと思っている。
それでもいいので、今の愛は彼のそばに居たかった。
雨の音に目覚めて、愛は、隣りに先生のいないことに気づいた。
もう行っちゃったんだ、とつぶやくと、愛はセーラー服の上に黄色いレインコートを着た。
さらに傘を差して、登校をしようとする。
服が濡れると、お母さんに申し訳ないから、いつもこんな格好になる。
ふと通学路で、可符香とばったり出会う。
しとしと雨の中、彼女はどこか湿っぽく微笑んでいた。傘も差さず、待っていた。
本当に、それでいいの。そう可符香は尋ねる。
わたしは構いません、これで。愛は伏目がちに答えた。
ふふ、と可符香は笑うと、愛のそばに寄り添い、その手を握った。
素直じゃないとこ、お揃いだね。
すみません、わたしなんかと一緒で……。
相々傘の下、二人は静々と自分たちのことを笑い合った。
よし書いてみよう 別に誰が書いてもいいよな
あと、誰か真夜のかわいいところを具体的に産業でおしえてくだしあ
今日明日中は無理なのでその間完成した人はどうぞ
スカトロじゃないよ
割り込みスマソ
以上です。短いからレス一つで終わってしまった。
個人的に好きなキャラトップ3は「愛、可符香、まとい」なので
可符香と愛の二人とも出てくる内容で、短いながらも満足できていたりして
>>395 もう投下を終えているので、割り込みじゃないですよ
気にしないで下さい
>>395 自称真夜ラーである俺があえて産業に絞って言うとしよう
自分の持ち物に名前を書き込む律義さ
愛したいけど愛せないダブルバインドに悩む正統派ヒロイン
作中でもっとも泣き顔が可愛いのは間違いなく真夜
>>395わざわざそんな自分を卑下した名前にしなくても
>>395 名前なんて各人の自由だとは思うが、自分から釈明するくらいなら変えたほうがいいんじゃないか?
>>394 俺も、愛と可符香スキーなので、凄くうれしい。
gj、gjでしたぞ〜!!!
えーと今週のネタで書いたんだが
軽いまといNTR.凌辱物なんだ…BADENDじゃないから安心してほしい
まだ読んでない人もいるだろうし、こういう系嫌いな人が多数かもしれないのでとりあえず半分だけ
稚拙な文だが、投下OKなら夜にでももう半分投下します
厳重な警備をかいくぐり、一人望がいる監獄までたどりついたまとい
だが結果的に二人とも閉じ込められる形になってしまった
看守の中年男性も驚きはしたものの、施錠してあるのもあり次第に落ち着きを取り戻していった
「ただのディープラブですよ」
「…まぁいい。小娘一人増えたところで何も…まてよ」
一瞬何か閃いたのか看守の口が止まる
「おい娘、ディープラブとか言ってたな?」
「そうですよ。私と先生は恋仲ですから」
「いや、恋仲ではありませんし!私の生徒で…」
望がすかさず否定したが、蚊帳の中にいるのに蚊帳の外
二人の会話を止められない
「どうだ?サービス次第でおまえの大好きな先生を逃がしてやってもいいぞ?」
唇の両端をニヤリとして看守が尋ねてきた
「サービス?」
「いやな、こう何日もこんなとこで仕事してるとなぁ…わかるだろ?」
始めはわからなく聞き返したまといであったが、すぐに理解することができた
「…わかりました。終わったら先生と一緒に帰してもらいますけど」
まといとて、好きでもない異性と交わるのは嫌であったが、愛する人が身近にいない学校生活はもっと嫌だった
それ故の結論。それでも返答したまといの表情は曇っていた
「契約成立だな。ほら、でてこい」
鍵を開け、まといに出るよう促す
無言でそれに従い出ようとするまといを望が引き止めた
「やめなさい常月さん!別に私はこのままでもいいのです!だからそんな真似は…」
「…すぐに終わりますから、待っててくださいね」
振り返ることもせず望の制止を受け流し、外にでていってしまうまとい
望が後を追おうとするも、すぐに施錠がされてしまう
「まぁ先生さん、そこで愛する生徒の恥ずかしい姿をゆっくり観賞してな」
「は、犯罪ですよこれは!やめなさい!」
「大丈夫ですよ先生。私がんばりますから。すぐに終わらせます」
「すぐに…ねぇ。終わるといいがなぁ」
「どうゆう意味ですか?」
品のない笑いを交え言い放つ看守に対し、まといがその意を尋ねる
「さぁなぁ…さてまずはこいつを綺麗にしてもらおうかな」
無言で看守の前に跪くまとい
腕が出せる程度の隙間がある鉄格子を挟み、望の目の前で行為が始まろうとしていた
「…っ!」
看守のチャックを下ろし、ペニスを取り出してまといが驚愕する
「どうした?男全部が先生のサイズだと思ってたか?」
望と性交する以前にも、元彼であるタカシ等のペニスを見たことがあったが、それらとは比べものにならないほどの長さ、太さ。
それを見た望もショックを受けるよりも早くまといを心配した
「つ、常月さんやめてください!そんなものを…」
「…平気です」
望が言い終わるより早く返事をし、看守のそれを口に含んだ
途端に異臭が鼻についたが、それでも亀頭、スジと舐めていく
「わるいなぁ、風呂なんてしばらく入ってないからな。しっかり綺麗にしろよ」
「…ふぁい」
口いっぱいに含みつつ答える。それでも全体の半分しか含めないほどの大きさであるが、手も交えて懸命に続ける
「っお…でるぞ、全部飲むんだぞ…うっ」
「んむぅ!?」
ペニスがビクンと脈打つと同時に、大量の性液がまといの口内で放たれた
「ゲホッゲホッ」
言われた通り飲み込もうとしたが、あまりの量にむせ返り、口からツゥーと精液がこぼれ落ちる
「全部飲めと言っただろうが!こぼれた分もしっかり飲めよ」
その言葉に怒りを覚えてか、一度キッと睨み付けたが、そのまま顔を床に近付けこぼれ落ちた精液を舐めとる
これでサービスと言う名の奉仕は終わる
先生、私がんばりましたよ。さぁ帰りましょう
そう考えながら立ち上がり望の方向へ振り返った
「常月さん…大丈夫ですか?」
「はい。さぁ先生をここから出し…あっ!」
望と話すまといの後ろから、急に力強く看守が抱きついてきた
「…なんですか?」
「おいおい、まさかフェラ程度でサービスとか言うんじゃないよな?」
耳元でそう言うと同時に、まといの上着をガバッっと脱がせ、上半身を露出させたかと思うと、そのまま乳房を荒々しく揉みしだく
「っ…最後まで…ということですか」
「当たり前だろ?にしても中々張りがあっていい乳じゃねーか」
尚も、ぐにゅぐにゅと乱暴に乳房を揉み、さらに時折乳首をキュッとこねあげる
その度に我慢してても自然と声が漏れてしまう
書き込めない…
「あっ…くぅ」
「常月さん…もうやめてください。何故そこまで…」
たまらず声をかける望
見ず知らずの男に自分の生徒を目の前で辱められる
それを鉄格子を通して傍観することしかできない自分
それにいくら自分を好いているとは言え、何故ここまでするのかわからない自分
安易に捕まってしまった自分
それらすべてを呪った
「平気…んっ…ですから」
辱めに耐えつついつもと変わらぬ表情を作り望に答えた
「健気でいい子じゃないか先生さんよ?でもいつまでこうしてられるかなぁ?」
怒りが籠もっているであろう声をあげると、まといの乳房を弄んでいた手を放し袴を腰まで捲り上げた
まといの桃のような尻が看守の前に現れる
「ほぅ、下も履いてないのか」
「…そういうものですから」
下半身を露出させられても、まといの口調は変わらない
だが望側からは、まといの恐怖と恥辱が交ざった表情が見えてしまっていた
それでももう望には立ち上がる気力すらない。ひたすら自分を責めるように嘆いている
「先生…」
「さっきの礼をしてやらんとな」
「ひっ!」
先生に気をとられていたまといであったが、下半身への刺激に思わず声が出る
尻をがっちりとつかまれ、その谷間に顔を埋められ秘部に看守の舌が入り込む
「ひぁっ…んっ、ぅあ」
「はは、もう大分濡れてるじゃないか。これなら大丈夫だな」
ひとしきりまといの秘部を責めると、顔を上げた看守
そして、まといは秘部に物が当てがわれたのを感じとった
書き込めますた('A`)
とりあえず前半終わり…
書いておいてなんだが、これ系嫌いな人、まだ読んでなかった人すまない
よければまた明日…ってか今日か
あと半分書かせていただきますです
よくないと言えばやめてくれるのか?
そんな怯えなくとも。嫌っつー人は注意書き見てスルーしますよ。
俺は凌辱とか無理矢理系は好物なんで、個人的にはもっとやって欲しい。
まといは凌辱映えすると思うんだ…。
俺としてはNTRENDじゃなきゃいいと思うよ
だけど特に思い入れの強いキャラが凌辱されてたらなんとも言えないけど…
ただいろんな作風のSSを受け入れる雰囲気は大事だし…
ホントにまといスキーな人はNGワードぐらいの気持ちでスルーしたらいいんでは?
長文スマン
続き期待してるんだぜ!
最新原作のネタがあるらしいからスルー
ZUBEって‥
空気読まずに絶倫先生で妄想中…
・景、命、望の三人で倫ちゃんをまわしちゃう
・一旧さんの婿入り(もちろん絶倫先生絡み←無理矢り系もいい)
そんな所でも縁兄さんは縁がないんですね、ついでに交も大人扱いしてあげてw
>>410 読んでない人、こういうのダメな人への配慮というなら半分に分けるよりむしろ夜に一気にの方がいいと思う
作品傾向の注意書きあるし、発売日だから問題はないけどね、後半楽しみにしてます
同じく楽しみにしている
えっと
どうするべきか迷ったけど、見てもらえる方々もいるようなので昨日の続き書きま…す
見たくない方、ほんと申し訳ないがスルーしてくれぃ…
「入れるぞ、手は鉄格子だをしっかり握っておけよ」「え?」
「暴れられると萎えるからな。もし放したらこの契約はなしだからな」
「…これでいいんですね?」
「もう少し尻を突き出せ…よし。いくぞ」
――ズプッ
「んっ!!」
まといの腰を掴み、亀頭部分を入れる
そのままゆっくり半分までまといの中に埋めた
「っ、意外と狭いな…俺のがデカすぎるのか。まぁ大丈夫だろ」
「まっ待っ…」
グッと一気に根元まで押し込める
続いて腿と尻がぶつかり合う音が一定リズムで鳴り響いた
パァン!パァン!
「うっ…んんっ!ふ、深…あっ!」
今までにない大きさ。それによる圧迫感。奥の奥まで突き当てられる
「いい声出すようになったなぁ。ちょっと遊んでやるか」
422 :
2/6:2008/02/14(木) 00:13:35 ID:Bi0D/ukC
「あっ…」
ゆっくりとまといの奥を突いていたものが、中間辺りまで抜かれた
そしてそこでまた運動を再開する
突くというより、擦り付けると言うべきか。小刻みにカリ部分でまといの膣壁に絶え間なく刺激を与える
―だめっ!…そこはっ!
微妙にポイントを変えて責められ、ついに最も感じる場所を捜し当てられてしまう
「おっ、ここだな?」
まといが一瞬ピクンと反応したのを看守は見逃さなかった
そこを重点的に刺激する
それまでの音から、チュプックチュッといういやらしい音に変化してゆく
「やっ、あっ、んんっ!」
急遽訪れる、苦痛から快感への逆転
抑えようとしても、息が荒くなり喘ぎ声も大きくなってしまう
パタタッ…ポタッ…
吹き出るように、秘部から落ちる蜜が床に染みを作っていく
数秒としない内に、まといは絶頂に達してしまった…愛する人ではない男によって…
423 :
3/6:2008/02/14(木) 00:14:51 ID:Bi0D/ukC
一度達してしまったまといの身体をさらに容赦なく突く
それは最初よりも激しさを増し、まといが手を放せないことをいいことに、同時に乳房を揉みまくり、秘部の芽をも弄ぶ
それらすべてが快感の波となってまといに襲い掛かかった…
響き渡る喘ぎ声の激しさに望がハッとして立ち上がった時
まといは既に3度目の絶頂を迎えていた
「ちゃんと見ろよ先生?俺のチンポでイキまくる大事な生徒をよ〜?」
「あんっ!ハァハァ…せん…せい」
もう半分全裸と言える格好のまま、身体の至る所を弄ばれ後ろから突かれるまといが望の目に写る
一突きされるごとに背を仰け反り感じているが、それでも手は放すまいと必死で握っていた
その姿に我慢できずフラフラとまといに近づいてゆく
「常月さん…」
「せん、せ…んっ!…て、手を…」
「え?」
「ひぁ!んっ…手を握っててくれません…か?」
何をすればいいかわからない望に対し、まといが求める
ただ手を握る。それだけでも、自分が役に立てるなら―
ぎゅっとまといの手を上から包むように握り締めた
424 :
4/6:2008/02/14(木) 00:16:04 ID:Bi0D/ukC
望の手から温かさが伝わってくる
だがそれも束の間だった
「おっと、それはいけないなぁ」
まといと繋がったまま、望の手を払いのけると、まといの両手を掴みグイっと引き寄せる
「常月さん!!」
「しっかり見とけよぉ?」
まさに獣
今日一番の…それまでとは比べものにならない激しさでまといを突き始める
「ぅあっ!あぁ!こわれ…ちゃ…」
「いくぞぉ、たっぷり中に出してやるからなぁ」
ぱぁん!ぱぁん!
「やっ、あっ!な、中は…」
ピ―ッ!
看守が達する直前、ポケットの無線音が鳴り響いた
チッと舌打ちし、まといからペニスを引き抜くと、無線を手に取り通話ボタンを押す
「なんだ?今いいとこなのに…あぁ。そうか。今いく」
通話を終えてまといの方を振り向くと、腕を掴み望の独房へ放り込む
「侵入者らしい。戻ったらさっきの続きをするからおとなしくしてろよ」
そう言い残し看守は奥へと消えていった
425 :
5/6:2008/02/14(木) 00:17:33 ID:Bi0D/ukC
ほぼ裸のまま横たわるまとい。まだ息使いが荒い
「常月さん…私は…」
まといは望を見つめつつも返事をしない
「私のせいでこんな…」
「フフッ、心配してくれたんですね?」
「はい?」
ニヤリとしながら笑いまといが続ける
「どうでしたか私?興奮しましたか?」
「え…」
「先生最近してくれないんですもの。もう一度先生に私のいやらしい姿を見てもらおうと思いまして」
「…」
「ですから先生、私と
「常月さんっ!」
怒声と言える大声に驚き、まといの言葉が止まる
「ほんとに…心配したんですよ…」
いつになく真剣な眼差しであった。見たことがないほどの…
「…すみません」
勢いに押され、まといが謝罪する。
「もう絶対やめてくださいね?あなたは私の大切な…」
「大切な?」
「大切な…生徒」
「…ふーん。まだ言いますか」
426 :
6/6:2008/02/14(木) 00:19:07 ID:Bi0D/ukC
せんせーっ、どこですかー?
ふと聞き慣れた声が奥から聴こえてくる
「あの声は…木津さん?」
次第に自分を探す声と足音が近づいてくる。さらに増える声。どうやらみんないるようだ
やがて2のへ一行が望達の独房の前に現れた
「先生、助けに来ましたよ…って」
「はい?…あぁ!」
声と足音に気がいっており忘れていた
まといがほぼ裸でしかも自分の横にいることをっ!
「な に し て た んで す か 先 生?」
「ち、違います!つ、常月さんからも理由を話してください!」
「先生の…とても気持ちよかったです」
「なっ…」
「せっかく助けにきたというのに、そんなことしてたのね。キッチリ看守共の死体と一緒に並べてあげる…」
逃げ出す望。それを追う一行
それらが見えなくなり、まといが立ち上がる
「いい罰になりそうですね先生…でも、心配してくれて嬉しかったですよ。フフッ」
明日からもまた、まといのディープラブは続く
おわり
おそまつさまですた
終盤gdgdな展開で、バッドエンドにならないようにしたらもうこんな…ね
もう、まといただの腹黒ビッチじゃねーか('A`)
気分を害した方申し訳ない
ここからいつもの流れでお願いします
GJ
待っててよかったぜ…
いや、バッドエンドにしなくて正解だと思うよ。その気遣いがGJ
GJ!
しかし無理にBADEND避ける必要はないかと。いや、推奨してるんじゃなく。
「俺の○○になんてことを!」って人はそもそも注意書き読まないのが悪いんだし。
もちろん純愛ハッピーも大好きだが、それ以外は駄目って流れはどうかと。
せっかくエロパロなんだし、自信持って色々やってほしいとも思うわけで。
長文スマソ。ともかくGJ。
びっちまといもいいよ〜GJ
バレンタインだね(^ω^)
2のへ女子は先生の為に体にチョコを塗りたくってる頃だね(^ω^)
今日はバカップル狩りの日ですね。
435 :
◆n6w50rPfKw :2008/02/14(木) 23:52:21 ID:Lvh4Y+/4 BE:348078645-2BP(333)
バレンタインネタをアップしたいのですが、時間切れで、前半のエロなしの部分だけでお許し下さい。
第九集82話(バレンタインの回)32頁1・2コマ目から始まります。
注意:
前半はまったくエロなし。
女装・女体化の描写あり。
「私、糸色君のこと、嫌いじゃないな」
千里の三分の一告白が決まった。
その場に居合わせた皆は、あまりのあざとさに言葉もない。
あざとすぎて、あたりに花吹雪まで舞い散る始末だ。
ところが、花吹雪に交じって妙に質感のある小さなものが望の背後を飛んでいる。
――蛾だ。
その場にいる一同の中で、倫だけが、望の背後を舞っている小指の先ほどの淡い色をした蛾を発見した。
見るうちに、その小さな生き物は望の背中に停まった。
もちろん、望本人も絶望ガールズも気付いていない。
――これはマズいぞ……
彼女達に知れたら一大事だ。それでなくとも「ブームにのってガとか入ってたら嫌だし」などと言っていた連中である。
とりあえず、望を女生徒達から隔離せねばならない。倫の思考はフル回転した。
「そ、それでは、お待ちかねの試食コーナーじゃ」
「わーい」
「そうこなくっちゃ」
幸い、絶望ガールズは試食に飛びついてくれた。
――助かった。やれやれ……
倫は心中で冷や汗を流しながら兄の教え子たちを試食へ案内しようとした。
「では、私も」
ところが、まさにその望が当然のようについて来ようとした。これには倫は慌てた。
来られては意味がない。ぴしゃりと断った。
「お兄様はダメ」
「えー!?」
望は素っ頓狂な調子で不満を表した。いかにも心外という調子である。
「試食室は絶対に男子禁制ですの」
「そ、そんなぁ」
望は歳に似合わない情けない声を張り上げた。
「あーあ。私も食べたかったな。せっかくの愛しい妹のチョコを食べたかったな」
傍目に分かるほどがっくりと肩を落としている。
壁に頭を押しつけてくりんくりんさせながら、眼前の宙に指で「の」の字をいくつも書いている。
高校教師の威厳など、どこを探してもない。
「昼間もダメで、今もダメ、か。あーぁ……」
☆
すっかり落ち込んでいる望の様子を見て、奈美・晴美・あびるがひそひそと囁き合った。
「先生ったら、また拗ねてるわよ」
「いつもの『絶望した!』って決めゼリフも出ないわねぇ」
「絶望先生、本当に甘い物が好きなのね」
ここで、倫が口を開いた。
「どうしても欲しいのですか?」
どうやら、「愛しい妹」という部分に反応したらしい。
「ええ。欲しいです! お願いしますよ倫さん」
望は、飼い主にすがりつく子犬のような目つきになって実の妹の膝に取りすがった。
目を潤ませてさえいて、いじましいことこの上ない。
「では、その服をお着替えになって。衣服を女子のものにすれば問題ありませんわ」
「へ?」
「まあ、悪いようにはしませんわ。――ちょっと」
奥に向かって手をポンポンポンと叩いた。
程なく黒スーツ黒サングラスの屈強な男たちが望を取り囲んだ。
「お兄様をここのコスチュームに着替えさせよ。例のアレでな」
「ははっ」
「ちょっと……倫さん!?」
「お兄様、では後ほど」
望はアッという間に麻袋に詰めこまれ、別室へ連行されていった。
――やれやれ。手を三度打ったら……などという、しょーもない約束事でも作っておくものじゃな。助かったわ。
「あれ? 先生は?」奈美が尋ねた。
「お兄様とは、後で合流する手筈にした。さあ、皆さんはこちらへどうぞ」
倫は先に立って工場の奥の扉を開けた。
☆
試食室はこぎれいな和室であった。
奥の窓からは見事な枯山水がその渋い姿を見せている。
「わぁ、素敵。」
「なかなかのモノじゃん」
「さすが糸色家ね」
面々は口々に感心した様子で褒め言葉を口にした。
「お待たせ」
倫が入ってきた。庭園を眺めていたあびるが、さっそく倫に訊ねた。
「なぜチョコレート工場に日本庭園が?」
「糸色家の接待用じゃ」倫は即答した。
「なるほどね」
絶望ガールズもすぐ納得した。
確かに、どことなく頼りない兄たちよりは倫の方が糸色家の雑事をこなすのにはるかに適任である。
倫が言葉を継いだ。
「あれはな、ぜんぶ甘いもので出来ておるのじゃ。
敷き詰めてあるのは、砂ではなくて、極小の金平糖、ホワイトチョコフレークじゃな。
その上からパウダーシュガーなどをまぶしてある」
「へえぇ」
一同は感心することしきりである。
千里が花瓶に活けてある花を指さした。
「じゃあ、ひょっとして、あれも?」
「うむ。花から花瓶まで、全部、細工菓子じゃ。出入りの和菓子職人に作らせた、伝統の技じゃな」
「凄いなあ」
「本物にしか見えないわねえ」
ここで、千里が倫とこそこそ相談を始めた。どうやら、次の茶会用に和菓子の花を使いたくなったらしい。
ちょうど話が纏まったところで、扉の方からノックの音がした。
一旦、倫が扉の外に消えた。
☆
一呼吸して、ドアが静かに開いた。
入ってきたのは、銀色に輝く大ぶりのトレイに色とりどりのチョコレートを山盛りにして持ってきたメイドさん……の姿をした望と、
兄に腰縄を打ってその端を持っている倫である。
――ひゃああああ!…………
――なあに、アレ!?…………
望の女装姿は時々目にしていた絶望ガールズも、今日の本格的なメイド姿には度肝を抜かれた。
メイド服はコスプレ用の安手の物ではなく、本物の黒のウェールズメイド服だ。
足が細いので白のレースリボン付きニーハイソックスがよく似合うし、男の癖に絶対領域が眩しい。
おまけに、マスカラはもちろん、薄化粧まで施され、控えめではあるが真っ赤なルージュまでひいてあるのである。
それに、よく見ると、可愛いカチューシャやエプロンには所々に小さなダイヤが縫い込まれていて、時折キラキラとまばゆい光を発している。
「よくお似合いだこと」
「先生、職業変えたらどうですか」
あまりに似合いすぎているので、一同は担任にからかいの言葉をかけつつも、嫉妬心を隠しきることができなかった。
そんな心中を知ってか知らずか、倫は兄にてきぱきと命令を下す。
「さ、早うメイドはお客様におもてなしをするように。
ほらほら、さっさとお飲物をお出しして。あちらに一式揃っているから。
コーヒーや紅茶は豆や茶葉の種類まできちんとお客様の好みを伺うこと。よいな」
「ううう……」
「ちゃんとし終わったら後でたくさんチョコレートを差し上げますわよ」
「ううう……」
ここで、奈美・千里・あびるが顔を見合わせていたが、奈美が側にいたペンギンを指して言った。
「ねえねえ、倫ちゃん」
「何じゃ?」
「この子にでも食べられるチョコってあるかしら?」
「うむ。動物用の菓子は以前から研究しておったのでな」
倫がトレイの隅にある細長いパッケージをつまみ上げ、ひらひらっと見せびらかすようにすると望に手渡した。
「ペンギンには、鮎の形をした若鮎チョコがよかろう。
鮎の香味エキスを乳酸菌飲料に溶かし込んでチョコにしたものじゃ」
「……それ、おいしいの?」
「まあ、やってみるがよい。ささ、メイド」
「……」
望が試しにペンギンにやってみると、皆の驚いたことに、つるつるっと平らげたではないか。
おまけにフリッパーをパタパタさせ、望の足を突っついてお代わりまで催促している。
「痛っ、分かったから、あげますから、あ痛っ、ちょっと待って」
――ペンギンに毒味させてみたけど、大丈夫みたいね。
――人間が食べてもオーケーみたい。
望の泣き言をよそに、皆が安心してトレイに載ったチョコに手を伸ばし始めた。
純銀製の大きなトレイの上には、紅、白、緑のパッケージに包まれたごく普通のチョコやら、
「ぬまんちゅをのまんちゅ」と題したチョコレートドリンクやらが所狭しと乗っている。
もちろん、職人が丹精込めて製作した粒よりの高級チョコも盛り沢山。
チョコそのものは一級品であるので、味にうるさい絶望ガールズたちにも好評だった。
☆
倫がメイドの望に別のトレイを取ってこさせた。
「こちらは試作品なのだが、効果はあるぞ」
トレイには、ピンク、赤、紫などのチョコがそれぞれ小さな山を作っている。
千里が何気なくピンクのチョコを手に取り、裏返してみた。
見ると、「バストを整えるチョコ」と小さく記されている。
「効くの?」
「うむ。サイズだけでなく、形も良くする効能があるのだな。さよなら胸も矯正されるぞ」
この淡々とした説明にかえって魅力を感じたのか、千里、芽留に加えて、
巨乳で定評のあるカエレやあびるまでもが手を伸ばした。
もちろん奈美も抜かりなく2個食べた。
その他、スリーサイズ調整チョコ、産毛を薄くするチョコ、ニキビの発生を抑えるチョコ、お通じを整えるチョコなど、
主に女性用のチョコが次々と提供された。
もちろん、チョコだけではない。
チョコを乗せるための薄手のスポンジケーキ、極上のサワークリーム、
そして甘みに鈍感になった舌を矯正するための塩昆布まで置いてある抜かりなさである。
各種の一級品のコーヒーに紅茶が始終望の手により提供されているのは言うまでもない。
「ここからは研究段階の試作品なのだが」
さて、トレイには新たに真っ赤なパッケージのX2、X3、X10とだけ書いてあるチョコと、
パッケージに次の判じ物のような模様が印刷されているだけのもの
↑→○/○→↑
○→+/+→○
この2種のチョコに加え、その他の簡素でいて何やら怪しげな風体の物が出された。
ここで倫の袂が震えた。
「む……ちと失礼。しばし席を外します。お兄さま、後はよろしく。皆様、どうぞごゆるりと」
何か外部から連絡があったのか、倫が皆を残して奥に消えた。
☆
支援
ところで、ここまで、望は誠心誠意メイドとして教え子たちに奉仕してきたつもりである。
それなのに、いくら待ってもチョコの一欠片さえ食べさせてもらえない。
我慢しきれなくなった望は、倫がいない隙にとばかり、目の前の試作品をわし掴みにした。
そこへちょうど倫が奥から戻ってきた。
「あらあら、お兄様ったら……」
仕方がないな、という調子で望の方に目を遣った倫は、兄が食べようとしているチョコのパッケージを見て顔色を変えた。
「だめ、お兄様! そのチョコは」
だが、望は聞く耳を持たない。
「ふ、ふん。今更遅いですよ。我慢しすぎてもうくたくたですからっ」
あたふたと包みを破ると、中身をぽいっと口の中に放り込んだ。
「ああ……何と言うことを」
「ムグムグ……身内を褒める訳じゃないですが、けっこう美味しいじゃありませんか。
最初から大人しく出してくれれば……」
続けて別のチョコをむしゃむしゃ頬張った。
「そ、それも……もう、どうなっても知りませんわよ」
倫の思わせぶりなセリフにも望は無頓着である。
「モガモガ……たかがチョコで何を大げさな」
自分がたかがチョコで大人げない振る舞いに及んだことはすっかり忘れているらしい。
だが、すぐに天罰覿面!
──ズクッ!
「はうぁっ!」
下腹部に鈍い一撃が来た。
いったい今のは何だと思っていると、続けてきつい第二波がやってきた。
──ズクッ! ズクン、ズクッズクッ、ズックッズックッズクズクズクズク……
ジョーズのテーマが下半身の中で響いているかのようだ。
恥ずかしい部分がみるみるうちに疼き始め、どうにも止まらない。
おまけに絶棒が痛いほど屹立してきた。
妹や女生徒の前だというのに、望はそそり立つ股間を押さえてとうとうその場にうずくまってしまった。
望の変調に、さすがの絶望ガールズも気付いたようだ。チョコを手にしたままの者もいるが、皆が担任を心配そうに見つめた。
「先生!?」
「いったいどうしたの?」
「……盗み食いなんかするから、罰が当たったのじゃ」
倫がやれやれといった風に言った。
「罰〜!?」
「こうなっては仕方ない。お兄様の行く末を見守るしかない」
「どういうこと?」
奈美の問いかけに、倫は答えをはぐらかした。
「まあ、しばらく見物しようではないか」
「?」
☆
うずくまっていても、股間の疼きが収まることはなかった。
それどころか、胸までもがジンジンと音を立てるかのように痺れ始めた。
そして動悸に合わせ甘美な電流が生じては脳に強い快感をこれでもか、これでもか、と訴えかけた。
――な、なんでこんな時に!
望は歯噛みする思いだった。
だが、意に反して下腹部と胸の妖しい疼きは激しさを増すばかり。
おまけに全身がカアッと熱くなってきた。
しかもその火照りが妙に心地よい。
「ああぁ……いったいこれは、倫さ……くあぁっ」
とうとう望は両腕を太腿で挟んでその場で転げ回った。
人の目がなければ自分で自分を激しく慰めたに違いないほどの耐え難さであった。
「うううう……あうぅん……はあぁぁッ」
メイド服のまま、スカートがめくれるのにも頓着せず、畳の上を悩ましい声をあげて転げ回る担任教師。
その姿はあっけにとられて見つめる教え子達に不思議な嗜虐心を呼び起こした。
☆
「はァ、はァ……」
望はまだ荒い息をついているが、発作は収まったようだ。
それを見て取った倫が兄に声をかけた。
「お兄様。お立ちになってみて」
望はおずおずと立った。
その立ち姿に、絶望ガールズはざわついた。
ブラウスの上からはっきりと分かるほど胸が膨らんでいる。
いや、ブラウスがはち切れんばかりになっている。
ボディラインもくびれるべきところはくびれ、円みを帯びるべきところは帯び、まるでストラディバリウスを思い起こさせる流麗さである。
それに絶対領域の眩しさと言ったら!
どこからどう見ても超一流の女になっているではないか。
「まさか……先生が食べたチョコって」
「そう。性別転換チョコじゃ」
奈美がおずおずと口にした疑問を、倫があっさり肯定した。
「性別転換チョコ〜!?」皆が一斉に叫んだ。
「そんなもの開発してたの?」カエレが呆れたように吐き捨てた。
「うむ。この部屋は接待用と言うただろう。
接待と言っても、いろいろあるからの」
倫がいたずらっぽくウインクをしてみせると、皆は声を失った。
もちろん、望もまさかの事態に対応しきれず、倫の言葉にショックを受けている。
そこへさらに倫の残酷な宣告が続いた。
「ちゃんとパッケージに♂→♀/♀→♂と記号が書いてあるのを見落としたのじゃな、我がお兄さまながら情けない。それに」
倫まますます楽しそうに言葉を継いでいく。
「もう一つお兄さまがむさぼったのは、『増感チョコ』じゃ。
二人の秘め事を行う際に、感度を増感させるチョコ……工場で「カカオの%で好き度を知らせるチョコ」について申しただろう? その裏バージョンじゃ。
だから、いろいろな感度用のがあるのだが……」
ここで倫が、兄が残した包み紙を点検して言った。
「あらあら……X10だとは。よりによって一番強力なものを食べてしまわれたのね、お兄さまったら。おほほほ」
倫はさも楽しそうに笑った。
「今、お兄さまは平常時の10倍まで感度がアップしておる。たぶん少し触られただけでもう……」
ここで、倫はいきなり望の背後から胸をむんずと掴み、無造作に揉み立てた。
「あっ、いやぁ! 止め、止めなさい、倫! あうぅ……あぁん!」
望は止めたが、甘い声を漏らした。おまけにもう腰がガクガク震えている。
「おほほほ……妹に胸を揉まれて感じるなんて、お兄さまったら恥ずかしい」
「ああ、言わないで……」
「その分ではきっと」
ここで倫は望のスカートをめくり上げ、下着をずり下げた。
躊躇わずに指を兄の秘部に這わせ蠢かせると、たちまちぴちゅぴちゃという音が聞こえてきた。
「くあぁ!」
「あらあらやっぱり、びちょびちょだこと。だらしないですわ、お兄さま」
「ひん。ひゃん。ひゃうぅん!」
倫がスカートをめくり上げたままなので、絶望ガールズもついその部分に目がいった。
自分達が望を相手にしたときに見たあるべきものがなく、自分たちと同じモノが息づき、ヌラヌラとして時折ひくついている。
だが、それは、しっとり濡れているくせに、成熟した女性のものではなく、まるでまったく使ったことがないかのような可憐さも秘めているように見える。
「はあぁっ」
ようやく倫が指を離した。兄の垂らした汁に塗れた指を一舐めしながら、望に残酷な宣告をした。
「お兄さまがお食べになった性転換チョコは、男性には完璧に、そして不可逆的に作用しますの。
もし食後3時間以内に体内に男の精を注いでもらわなければ、一生そのままですわ。
お兄さま、カッコ悪い! おほほほほほほほほほほほほ」
倫の高笑いが響きわたった。
「いやあああああ!」
「どうせ男として末期だったことですし、いいじゃありませんか、お兄さま。
いや、もうお姉さまとお呼びした方がいいかしら?
女の嗜みを一から仕込んで差し上げますわ」
「いやああ! 誰か……誰か助けて下さいぃ! すんすん……」
望はへちゃっと女の子座りをすると、とうとう両手で顔を覆い泣き出してしまった。
☆
「すんすん……すんすん……」
肩を震わせてすすり泣いている望を前にし、絶望ガールズが額を寄せ合って相談を始めた。
「どうする?」
「やっぱり男に戻した方がいいかしら」
「じゃあ誰が先生に精を注ぐの?」
「久藤くん?」
奈美が名前を出した。
「それはそれでいいような……」
晴美が同意しかけたが、千里がぴしゃりと否定した。
「それはだめ。」
「そう? じゃあ、絶命先生はど」
「晴美っ!」
ここで、
「じゃあ臼井は」
と誰かが言いかけたが、、
「もっとダメ!」
と全員一致で言下に否定された。
「それに、今から男子を呼んだんでは間に合いそうにないし」
あびるが冷静に言った。
「うーん……」
一同は考え込んだ。
「ねえ、倫ちゃん」
「どうにかならないかなあ。さすがにこれじゃあ可哀想だし」
「そうよ。実の兄だしさぁ」
「一応、私たちの先生だから」
「そうか? むぅ……」
口々に言われ、倫が渋々助け船を出した。
「実はの、性転換チョコは女にも部分的に効果があるのじゃ。
まあ、いわゆる竿が生じて、擬似的な精を体内で生じだけだがな。
他の女性的な部分はそのままじゃな。」
「じゃあ話が早いじゃない。誰かがそのチョコを食べて……」
カエレが言いかけたところを、倫が制した。
「それがの」
ここで倫がしばらく言いよどんだ。
「……それがの、部分的にしか効かぬと言ったろう。
実は、その擬似的な精は、男の10分の1の濃度しかない。
そして、一度精を漏らせば効果はおしまい。女子に戻ってしまう。
まあ、その分手軽に男性化を楽しめるとも言えるのじゃが……」
ここで倫はトレイの上をチョコを数えた。
「まだ性転換チョコは10個余っている。
つまり、お前たちが男になって代わる代わるお兄さまに精を注げばよい。
先に言うたように、注ぎさえすればお前たちは元の女の姿に戻るからの。
精は体内に入りさえすればよいから、どこから注いでもよいぞ」
「どこから注いでもいい」
「晴美。なに目を輝かせてるのよ。」
「でも忘れるな。3時間以内だぞ。もう少し経ったがな。
「でも私たちは9人しかいないわ。足りないから絶望先生元に戻らないのでは」
「心配ない。10人目は確保してある」
「まさか、倫ちゃん、自分のこと?」
「いや、……連れて参れ」
ここで倫が奥に向かって手を打った。
446 :
◆n6w50rPfKw :2008/02/15(金) 00:39:02 ID:7CPtMwpX BE:469906439-2BP(333)
今晩はここまでにさせて下さい。
できるだけ早く続きをアップしたいと思います。
これは新しい…
後半待ってますお
続きの気になる展開ですw
ひとまずGJ!!
さすが総受け!!
450 :
305:2008/02/15(金) 23:19:16 ID:M8lFypcV
お疲れ様です。305です。
◆n6w50rPfKwさんの後半とバッティングしないといいのですが… 投下させて下さい。
奈美+エロなし、バレンタインの後日ネタ、です。
では、お願いします。
…大雪。空は一面の雲に覆われ、舞い落ちる雪は、いつもの景色を全く知らない世界へと変える。
…休校。それは、授業が全てフイになる、とても幸せな響きの言葉。
──だが、この雪の中、帰宅する事を考えると、素直に喜べる人など居るだろうか? いや、いない!
「…40点くらいですかね。」
「わっ!? 先生!?」
出し抜けに背中から掛けられた声に振り向くと、そこには、いつの間にかニヤニヤしながら佇んでいる担
任教師の姿があった。
暖房の入っていない教室は、他に人影もなく、ことさらに寒く感じる。
冷え切った教室内をあらわすかのような、曇りのない窓ガラスから校庭を見下ろし、奈美は一人で呟い
ていた所だった。
「…勝手に添削しないで下さいよお!」
「一人寂しくポエムを作っていたのではないのですか?」
「違います! これは、えーと、…心情を独白と言うか、何と言うか……」
しどろもどろに言い訳を並べる奈美をよそに、窓辺に歩み寄り先生も校庭を眺めた。
「まだ降っていますね。…まあ夕方には止むそうですが。…日塔さんは帰らないのですか?」
振り返って尋ねる先生に、奈美は少し肩をすくめてみせる。
「いや、この雪の中を帰るのは寒そうだから悩んでいたんですけど…… 聞いてたよね?」
「ええ。聞いていましたよ。普通のポエムを。」
「普通って言うなあ! ポエムじゃないし!」
苦い顔をして文句を叫ぶ奈美に、先生は素知らぬ表情で他所を向いた。
「…まあ、凍えて帰るもよし。寒い教室で凍えて待つのもよし。選択は自由ですね。」
「……凍えるのは必須なんですか?」
苦笑を浮かべた奈美は、ふと、先生の背中側の違和感に気が付き、覗き込んでみる。
「あれ? 今日、まといちゃんはどうしたの?」
「ああ……、いませんね。彼女もいない時はありますよ。…ま、この大雪ですし。」
首を捻って自分の肩越しに誰も居ない背中を確認し、先生は笑って答えた。
「確認しなきゃ、居るのかどうか分からないのって……」
「そういえば、小森さんも今日はSC室に篭っていましたねえ。」
奈美の言葉をさらりと流し、誤魔化すように別の話題に切り替えてみせた。
半笑いになりながらも、それ以上は突っ込まずに奈美は答える。
「智恵先生のとこですか。仲いいよね二人とも。」
「交も昨日から命兄さんの所に行っていますからねぇ… まあ、つかの間ですが、一人気ままな暮らしを
満喫できるわけですよ。いつも騒がしいですし、たまには良いものですよ。」
「…なんか、所帯じみた話だなぁ……」
少し苦笑した奈美に、先生も笑い返した。
そこで会話が少し途切れ、静かな空気が立ち込める。
気まずい訳ではないが、何となく間が繋げないかと奈美は少し考え、
先に先生の口が動きかけた様子が見えたが、それを遮り奈美が口を開いた。
「あ、そういえば、先生。バレンタインのチョコ、もう全部食べました? たくさん貰ってたでしょ。」
先生は、一度開きかけた口を閉じ、言葉を飲み込んでから、再び口を開いて返事を言葉に出す。
「ええ…… 全部食べましたよ。………交が。」
「え……?」
「まあ、その後、原因不明の熱が出て、命兄さんの所に厄介になっているわけですが。」
奈美はちょっと力の抜けた表情になってしまう。
「食べすぎだってば… 保護者なんだから止めろよ……!」
「──そうですね。交も甘い物が好きな年頃…… 失念していましたよ。」
「また微妙にはぐらかすなあ…… あ、でも、いいの先生? あの中に本命チョコ……とかあったりする
かもしれないんだよ……?」
ちょっと視線をそらしながら、ついでに付け加えるような質問を先生に投げかける。
「本命……義理…… なぜ、そんな判断に苦しむようなシステムになっているのでしょう…」
「はい?」
唐突に遠くを見つめて一人ごち始めた先生に、ぽかんとした顔で奈美はその顔を見る。
「いっそ、義理 と書いた熨斗でも付けていただければ、分かりやすいのでは?」
「いや、それ、おかしいって…! お歳暮じゃないんだしさ。……第一、他の人に丸分かりだし。」
先生は少し首をかしげて難しい表情をしてみせる。
「では、デコペンでチョコに表記してみては? 99%義理、とか。これは良いのでは?」
「それじゃカカオ含有量だろ!? どっちにしろ微妙でしょ、そんなチョコ食べるのは!! そんなにデカ
デカとアピールがあったら食べにくいんじゃない?」
ちょっと半笑いで答える奈美を見て、先生はいつものシニカルな笑みを浮かべた。
「そういえば日塔さんのチョコは、アピールバッチリでしたね。」
いきなりの言葉に奈美の心臓が一度大きく跳ね上がり、一気に血が頭へと昇ってゆく。
冷えた教室内と言う事もあり、紅潮して行く顔は隠すことは出来ず、ごまかすように照れ笑いを浮かべて
みせる。
「え…え〜!? 何かしてましたっけ? いや、ちょっと失敗しちゃったけど! いつもは、もっとちゃんと
作れるんですよ?」
しきりに頭などを掻きながら照れて見せる奈美に、先生は悪戯っぽい笑みを浮かべ、頷いてみせた。
「わかっていますよ。──まさに高等テクニックですね。」
「……は?」
まったく予想していなかった言葉が飛び出し、奈美は口を半開きにした状態で間の抜けた声を上げてし
まう。
「ワザと左右非対称に造型する……そんな作戦ですね? あと、ちょっと歯触りを微妙にザラつかせたり、
甘味を調節して苦めの味わいにしたり。──頑張ったけど、ちょっと失敗しちゃった──、感を出す!
まさにドジっ子アピール!!」
「してないから! そんなアピール!!」
饒舌に失礼な事をまくし立てる先生に、奈美は苦い顔で抗議の声を上げるが、先生は、聞く耳を持たな
いという風に首を振りながら続ける。
「まあ、ドジっ子さ加減も普通でしたが。」
「普通って言うなあ!!」
怒った顔で叫び、奈美は机の上に置いてあったカバンを取り、ズカズカと出口の方へと歩いて行く。
「おや? やむまで待たずに帰るのですか?」
ちょっと意外そうに尋ねる先生に、奈美は出入り口の戸を開けながら首だけで振り返る。
「うん。やっぱ、もう返る。残っててもしょうがないし。じゃ、先生バイバイ!」
軽く手を振る奈美に、先生は無言で少し微笑んで手を振り返し、体の向きを変えて窓の外を向いた。
何となく、何か言いたげなその背中を見て、奈美は首をかしげながらゆっくりと戸を閉める。
最後に少し残った隙間から見えた先生の背中は、やはり変わらずに窓の外を眺めているようだった。
外をちらつく雪が返す光が窓から差し込み、校舎の中はいつも以上に明るく暖かく感じられる。
とは言え、コンクリで作られたこの建物では外の冷気が染み込むように伝わり、氷のように冷えた床の感
触が上履きの底を通して、つま先にじんじんと伝わってくる。
雪の中、わずかながらに登校してきた生徒たちは、休校と知るやすぐさま下校してしまったのだろう。
人気の感じられない長い廊下に足音を響かせ、奈美は昇降口へと向かっていた。
先程見た先生の背中。どこか気にはなる様子はあったが、まあ、いつもの事だと割り切り、寒そうに両腕
を擦りながら歩いていた。
一階まで降りてきた所で、SC室の中から微かに話し声が漏れている事に気が付く。
──霧ちゃんと智恵先生だな。
すぐにそう判断した時、ふと自分の記憶の中から不下校の勝負をした時の事が思い起こされた。
──あまりの恐怖に、結局日が暮れる前に逃げ出してしまったんだったな。
あれは想像以上の寂しさだったよ── ずっと一人で学校に残っているなんて……
苦笑交じりに思い出した情景から、次々と鎖のようにつながった記憶が引き出され、それは奈美の頭の
中で一つの形を取ろうとしているようだった。
気が付いたら足が止まっていた。…奈美は今来た廊下を振り返ってみる。
いつからか当たり前のように学校に来て、日々を楽しく過ごし、忘れていた事だった。
不登校だった頃の事。だれも心配してくれなくて、その事に怒って登校して、そして先生に会った時。
それ以来、会うたびに散々な事を言われたり、面倒に巻き込まれたりで。
ちょっと恥ずかしくなってきたのか、奈美は微妙に顔を歪める。
──だって、自分から構ってくれなんて言えないじゃない! だから、色々と可哀そうぶって……
ハッと気が付いたように奈美の表情が強張った。
思い出されるのは、つい今しがた見た先生の背中。──あの時、やけに小さく見えた背中だった。
「あの、かまってちゃんめ……!!」
奈美は歯軋りをするような表情を浮かべ、言葉に出して呟いた。
──自分だってアピールしてるじゃないか!
あの時、自分の言おうとした事を飲み込んでしまった先生の顔が浮かぶ。
──わかる。…私と同じだから、わかる。……それを。
奈美はいつの間にか早足になり、廊下を急ぎ進んでゆく。
──何で気が付いてやれなかったんだろ……
何だかんだ冷たいけど、いつも私の方が優先だった。
人一倍、もしかしたら私よりも構って欲しがりのクセに、いつもいつもムリして憎たらしい事ばかり言って。
一人がいいなんて嘘だ…… 一人は寂しい。
誰かに自分の事を考えてほしい。考えて、気にかけて、いつも思ってほしい。
自分の事を知ってもらってからでなきゃ、相手の事を気にかける余裕なんて生まれてこないんだ。
…私たちみたいなのは。
──だから、我慢させないようにしてあげる。私が。
「……ホントに、めんどくさい人間だな…!」
怒った口調で、しかしその表情は優しく、奈美は宿直室へと急いで歩いた。
遠慮なくドアを開け、奈美は宿直室に上がり込む。
「…あれ? まだ、戻ってきてないのかな?」
いつも、誰かしらは居るこの部屋だからこそだろうか。落ち着かなくなるほどの静かな空気が漂っている。
とりあえずコタツのスイッチを入れて中に入ろうとし、奈美は思いとどまったように捲った布団を戻した。
「…うーん…… ずっと、テレビ見てるだけじゃなぁ… 何か無かったっけ?」
ぶつぶつ言いながら、先生の机の引き出しを勝手に開けて、中を漁り始める。
便箋だか封筒だかをどけていると、奈美の動きが急に止まった。
紙の山で隠すようにして、引き出しの奥にしまわれた、見覚えのある箱が目に止まる。
ゴクリと喉を鳴らして、丁寧に封筒の束をどかし、その箱を取り出した。
何の飾り気も無い、真っ白な── しかし、どこか見覚えのあるそのフタをゆっくりと開く。
緊張した面持ちで、隙間から覗き込むように中を見た。
奈美の顔が少しずつ赤く染まってゆき、口元が緩んで笑みがこぼれた。
サッ とフタを閉じると元の場所に戻し、さかさかと紙の束たちを押し込んで引き出しを閉める。
(うそつきめ…… 交くんが全部食べたって…?)
どうしてもニヤついてしまう顔を何とか落ち着かせようと、襟首をいじったり頬をマッサージしたり、モジモ
ジしていたが、側らに置いてあったペンギンの縫いぐるみに気がつくと、思わず抱き寄せて「とおっ!」と
声を出して畳の上に転がった。
ごろんと一回転し、仰向けに止まった所で、入り口を開けて入ってきた先生と目があって、
「わあああ!?」
「──イタッ。」
「…って! いま、痛って言ったー!? 小声で!」
「いえ、何も。──それよりも、何をなさっているのです? 帰られたのではなかったのですか?」
わざとなのか、部屋に上がると、転がったままの奈美を邪魔そうにまたいで、先生は自分の机に背を向
ける位置でコタツに入り込む。
「わざわざまたぐな! 失礼だろ!?」
「…それはさておき、何か用事でも?」
やや投げやりとも取れる興味なさげな口調のまま尋ねる先生に、奈美は縫いぐるみを離すと、コタツの
向かい側の席に入り込んだ。
「…いや、まあ、たまには先生と遊んであげようかなと思ってさ。…どうせ暇でしょ? 先生。」
笑顔で答える奈美に、先生はロコツに視線をそらし、ぼそりと呟いた。
「……迷惑な。」
「おい!? せっかく来てあげたのに!」
渋い顔で叫ぶ奈美に、先生は視線を戻す。
「…で、何して遊ぶのですか?」
「……え?」
当然の問いかけに、奈美はしばし沈黙し、
「と……トランプ。──とか?」
「……普通ですね。」
「普通って言うなあ!!」
奈美は叫びながらコタツの中で足を伸ばし、トランプを取り出そうと机に手を伸ばす先生の膝を軽く触れ
るように蹴った。
その引き出しからは視線をそらし、ちょっとすねたような笑顔を浮かべて窓を見つめる。
暖かくなってきた部屋。すりガラスのように曇りがかってきた窓からは、ゆっくりと落ちる雪が影絵のよう
にぼんやりとした姿を映していた。
455 :
305:2008/02/15(金) 23:31:57 ID:M8lFypcV
おそまつでした。
ではまた。失礼します。
GJ
なぜかニヤついて読んでしまった。
外伝でこんな話を出したら、すごい反響があるんじゃないだろうか。
なんとなく普通のエロなし話って良作多いような気がする。
普通ちゃんの一人称って感情移入しやすいのかな?
ええ…ええわぁ…。
すごい普通が生き生きしとる…もうこの2人大好き。
思い切り映像が浮かんできたですよ。最高GJ!
特別扱いしたくなるいい奈美でした。GJ!!
GJ!
305さんの書く奈美は、毎回かわいいな。
GJ
GJ!
歯触りとか苦味とか言われた時点で先生が自分で食べたってことに気づかない奈美の普通さが。
そうか、倫様は義妹の可能性もあるのか……
可符香ちゃんのお腹にグーパンチしたい
>>464 角煮に書いてVIPに書いてここまできたかw
もうそれで一本書いちゃいなよ
糸色望×常月まとい
今週号ネタなので単行本派は注意してください
薄暗く、冷たく、無慈悲、そんな形容詞が似合うコンクリートの箱の中。
孤独に打ち震えなければならないはずのその部屋で、
まといと望は寄り添い温もりを共有するというあるまじき暴挙に出ていた。
「一人が良かったんですけどねぇ」
「何言ってるんですか、先生。
やっと二人っきりになれましたのに」
壁にもたれかかりため息を吐く望に、まといはしなだれかかって甘い声で囁く。
看守が不愉快そうににらみつけてくるが、まといは気付いてもいない様子でここぞとばかりに望に甘えていた。
知り合ってからほとんど離れた事の無いまといにしても、望と二人きりの状況はそう滅多な事では訪れない。
このようなチャンスに他の事に構っている余裕は無かった。
「しかし、こういうのもいいもんですねぇ………。
鉄格子から入るほのかな月明かり……体温を吸い込む冷たいコンクリートの壁……
囁き声すら響く圧迫感のある部屋……時には喧騒を離れこのような空間で物思いに耽るのもいいものです」
「ふふっ、そうですね。
こんな所で二人っきりってなんだかロマンチック……」
望は深いため息を吐くと、しみじみと呟いた。
生徒達の馬鹿騒ぎに巻き込まれる生活が嫌なわけではないが、時に疲れるのも事実。
ここに閉じ込められたのも厄介事ではあるが、望にとっては舞い込んできた幸運でしか無かった。
それに厄介な生徒も一人だけならそう大した事では無い。
うっとりとした声を出し見上げてくるまといを可愛く思える余裕すら今の望は持ち得ていた。
「……常月さんは寒く無いですか?」
「私は別に……先生が暖かいですから」
ぼんやりとストライプ柄にされた月を眺めていた望は、まといの答えを聞いて視線を向けた。
確かにまといは望の上に座っていてコンクリートには触れていないが、それでも寒く無い事は無いだろう。
にも関わらず嬉しそうに笑うまといの表情に望は柄にもなく感動を覚えていた。
どこまでもどこまでも慕って付いて来てくれる少女。
普段は鬱陶しさを感じる事もあるし、常に見られている事に苛立ちを覚えたりもするが、
慕われる事が嬉しくも思うし、けなげで可愛いと思う事もある。
今は正面を向いて相対しているからだろうか、
望は強固な心の防壁を解き始めていた。
「でも、先生に触れてない所が寒いです。
きっちり手を回して下さい」
「きっちりですか?」
「ええ、ちゃんと抱きしめないと千里ちゃんに怒られますよ」
ふふっ、とまといが微笑むとつられるようにして望も笑みを見せた。
くすくすと忍ぶようにして笑いあい、また看守に睨まれる。
「それは怖いですね。
――これでいいですか?」
「……っ!」
望の腕が横向きに座るまといの背中とお腹を掴む。
身体を包む温もりにまといは驚いたような顔をし、すぐにうっとりと目を閉じた。
散々アプローチして来たが、望の方から何かしてくれたのは初めての事だった。
きっと愛しくて抱きしめたのではなく、言葉通りに暖めようとして抱きしめてくれたのだと
まといは分かっていた。
なんだかんだ言って生徒に優しいから、自分を寒さから守ってくれただけなのだろうと。
しかし、それでも良かった。
その優しさもまといの愛する望の一要素だから。
「…………………」
「…………………」
それからしばらくの間、二人は静かに暖めあっていた。
まといは白い息を望の胸板に吸い込ませ、
望はまといの髪に頬を当てて一言も喋らずに温めあっていた。
内心ではまといは次なる段階を期待していたし、
望はまといの柔らかさを意識しないように努めていたのだが
表面上はとても穏やかに上品さすら漂わせる程だった。
その空気を破ったのは、この状況を至福と感じていたまといの方だった。
現状に言い知れぬ幸福を覚えながら同時に不満も感じていた彼女は、
わずかに身じろぎして望に自身の存在を意識させると、回された腕を解きおもむろに立ち上がった。
そして、不審がる望ににっこりと笑いかけた。
「トイレです」
少女が一緒に入る事など想定していなかった為、この部屋には金属製の粗末な便器が一つしか無い。
遮蔽物などあるはずも無い為、望はにわかに慌て、看守をしている中年の男性は素早く背を向けた。
それを視認したまといの次の行動は非常に素早かった。
無防備に背中を見せた看守に音も無く近づき、その首筋を手刀で打ち抜いたのだ。
「ぐふっ!」
「つ、常月さんっ!? 何をしてるんですか!?」
ドサリ、と鈍く重い音を立てて看守が崩れ落ちる。
望の悲鳴のような声に振り向いたまといは、返事をする代わりに微笑み
優雅に、そして艶やかににじり寄り望の太ももの上に腰を降ろした。
「つ、常月さんっ……」
驚いた表情のままの望の首筋にまといの腕がスルスルと回されていく。
やがて望の頭を抱え込むような体勢になると、まといは白い息を望の唇に吐きかけた。
「先生……唇が寒いです……」
「なっ、そんな……」
「暖めてくれますよね?」
望は別に聖人君子でも無ければ枯れ果てても、女に絶望もしていない。
魅力的な女生徒達のアプローチに心揺さぶられた事も一度や二度では無い。
だが、普段は女生徒同士で牽制しあってくれるおかげで、それがブレーキとなって踏みとどまらせてくれる。
しかし、今は誰にも見られていない。
胸に押し付けられる温もりが、柔らかさが、漂ってくる甘い香りが
望の中の教師としてのモラルを破壊しようとしていた。
「だ、駄目ですよ、常月さん。
もっと御自分を大切にしないと…」
「先生、一緒に死んでくれるって言いましたよね」
「そ、それはですね、ええと…」
どうにか逃れる言い訳を編み出そうとする望の頭を、まといの潤んだ瞳が掻き乱す。
キラキラ輝く大きな瞳も、控え目に通った可愛らしい鼻も、桜色に艶めく唇も、
吸い付くように滑らかな白い肌も、濡れた烏の色に流れる髪も、何もかもが望に食べて欲しいと囁きかけてくる。
そう強くも無い望の自制心は既に大きく揺さぶられ、崩壊しかかっていた。
このままでは不味い、と自覚した望は最後の抵抗に言葉を吐いた。
「せ、先生、そういう事がバレると不味い事になるんですよ。
社会的地位が大事なもので……」
要するにバレなければいい、黙ってるのなら手を出してやると言っているのである。
実に最低の発言だ。
こんなに最低な事を言う男に年頃の少女が幻滅しないはずがない。
そう計算しての言葉だったが、望はまといを見誤っていた。
まといは年頃の少女であったが、それ以上に恋する乙女であったのだ。
「私、言いふらしたりしません。
先生の事、愛してますから」
「常月さん……」
「でも、抱いてくれないと、抱かれたって言い触らすかもしれません」
「な、なんですか、それは?」
「言い触らしたくなんて無いですけどね。
そんな事したって先生の命が危うくなるだけで、あの邪魔女達には牽制にもならないでしょうし」
戸惑う望を見てまといはくすくすと笑い、花のような香りを口から蒔いた。
「――お慕い申しております、先生」
そして、おもむろに瞼を閉じた。
471 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 18:43:22 ID:wP83YxsZ
支援
あれ?書き込みが反映されない?
それは引き金であり、トドメだった。
望はゆっくりと顔を近づけると、唇を尖らせて待っている少女に口付けをした。
初めは触れるだけ。次に唇を押し付けて、今度は啄ばむ。
そうしてまといが逃げ出さない事を確認すると、
望は少女の唇にしゃぶりつき、華奢な身体を抱きしめた。
引き寄せて身体をこすりつけさせ柔らかさを愉しみ、唾液をすすって舌を追い掛け回した。
まといの喉から出るくぐもった音が、湿った音にかき混ぜられて冷たい部屋の中に響き渡る。
望の強引かつ練磨された手管は、恋愛経験が豊富だと自負していた少女にそれが自惚れであった事を思い知らせていた。
「ぅ……んんっ…」
荒々しく貪るような接吻から解放されると、まといは口を半開きにし恍惚とした表情で目を開いた。
はーはーと乱れた息を整えながら、蕩けた目は物欲しそうに望を見やる。
望はまといの上気した頬に軽く触れると、褒美を与えるように頭をそっと撫でた。
大人が子供を褒めるような、教師と生徒のあるべき関係のような撫で方。
まといが「んっ」と小さく鳴いて目を閉じた。
望はしばらくそうやってまといを甘やかし、労わってから、もう一度唇を舐めた。
「ぁ…ん」
まといの桜色の唇を望の舌が行き来する。
もどかしくなってまといが口を開くと、望の舌は少女の歯茎を舐め差し出された舌をねぶった。
じゅるじゅると音を立てて唾液をすすられ、まといの耳が赤く灯る。
望の唇はまといの口腔を蹂躙するだけでは満足せず、おでこや鼻、頬と顔の至る所を印付けをし
果ては顎から首筋まで犯していった。
時折まといが身をくねらせて抗ったが、望の腕に拘束されて柔らかさを擦り付けるだけだった。
「立ってもらっていいですか?」
「はぅ……はぃ…」
望にそう言われ、まといは唇を合せてからのろのろと立ち上がった。
熱くて働かない頭のまま立ち上がったまといは、そこでようやく帯が解かれている事に気がついた。
望の手が袴をするりと下げる。
まといの口から短い悲鳴が漏れたが、望は気にする事なく露になった白い太ももに口付けをした。
「きゃッ……」
細い腰を掴み、まといが逃げられないようにしてから望は脚を舐めた。
膝のすぐ上から少しづつ登って行き、付け根まで辿り着くと腰を掴んでいた手でずり下ろした。
「やっ……せんせい、見ないでっ…!」
手に持っただけでくちゃりと湿った音のする下着を剥ぎ取られると、
まといはいやいやするように顔を横に振った。
「何を言っているんですか。
常月さんはいつも先生を見てるんだから、先生も見ます。おあいこです」
「…そんな……やぅっ!」
熱い吐息にビクッとまといが身を震わせると、望はわざと音を立てて鼻から息を吸った。
「いい匂いがしますね、まといさんは」
ぷるぷると震えて恥辱に耐えるまといを見上げると、望は少女らしい肉付きの尻たぶを掴みやわやわと揉み始めた。
「それに毛が薄くてばっちり見えるのが凄く素敵ですよ。可愛いです」
望は下腹部に語りかけるように言葉を連ね、桃色の秘肉にキスをした。
まといの口から声にならない音が漏れる。
とろとろと溢れる汁を舐めとって、望は執拗にまといの中に舌を這わせた。
まといの脚がガクガクと震え、堪えきれずに泣き出し、全身が痙攣しはじめるまでそれは続いた。
「じゃあ、まといさん、先生の上に座ってください」
恥ずかしさで顔を手で覆ったまま、まといは小さく頷いた。
お尻を掴んだままの望の手が、まといをゆっくりと誘導する。
望とまといの目線がほぼ同じになると、漲った肉の棒がまといに触れた。
「手をどけて下さい」
望がそう言うとまといは少しだけ顔を横に振った。
「まといさん……顔を見せてください」
望の声は優しかった。まるで、普段つきまとっている時のように。
まといは少しだけ時間を置いて、顔を抑えていた手をゆっくりと離した。
「泣かせてしまいましたね、すみません」
まといは涙の跡を残した顔で、また顔を横に振った。
「先生は悪くありません。
……ああいうの初めてで…怖かっただけなんです」
まといは望の鎖骨辺りを掴むと恥ずかしそうに顔を伏せた。
初めて絶頂を迎える時、自分の変化に戸惑い恐れをなして泣いてしまう少女はそう珍しく無い。
しかし、この少女が泣くとは思っておらず、望は少なからず驚いていた。
それから薄く微笑むと、涙の跡に口付けをして鼻を擦り合わせた。
「可愛い生徒を泣かせるなんて私は教師失格です。
まあ、それ以上にこんな事をしているのですから今更でしょうが……」
「先生……」
「でも、止めてはあげませんよ」
そう言い切ると望はまといのお尻を更に下ろさせた。
「あぅっ……!」
十分に蕩けさせられていたが、それでも身体はまだ少女であり
わずかに押し入られただけでまといは苦しそうに顔を歪める。
だが、望はゆっくりとではあったが、確実にまといの身体を自らに近づけていった。
「はぅぅぅ………」
みっちりと押し広げて、奥の奥まで突き立てると
望は搾り出すように息を吐くまといをきつく抱きしめた。
「きついですか?」
望の声は優しげであったが、ほんの少しだけ違う上ずっていた。
だから少女は望の肩に顔を預けたまま、幸せに顔を歪めた。
「幸せです……先生は私で気持ち良くなってくれて」
嘘偽りなく幸福に彩られた声。
それは長い間一緒にいた望でさえ初めて聞くまといの声だった。
そして、その声に望が聞き惚れていると、まといはぎこちなくではあったが腰を前後に動かし始めた。
「あっ……くっ……す、好きに…先生の好きにして……ください…」
そうまといに耳元で囁かれた後の望は、獣であった。
人目という鎖を外された望は男の欲望を煮詰めたような存在と化していて
少女の腰を掴むと、前後に、上下に、円を描くように激しく揺さぶった。
まといが苦悶の声を上げようが嬌声をあげようがお構いなしに貫き、犯した。
鉄格子を掴ませて後ろから膣壁を抉り、固く冷たいベッドに寝かせては腰を叩き付けた。
薄暗く冷たく無慈悲なはずの部屋の中で、二人は静かに抱き合っていた。
獣と化していた望も今は優しくまといを抱き寄せて、ベッドの上で寝転んでいた。
気だるさすら漂わせながら余韻に浸る。
望は抱き寄せた肢体の柔らかさを愉しみながら、まといに謝罪の言葉を投げかけていた。
「……謝らないで下さい、先生」
「しかし、中に出してしまって――
「出来てても先生に迷惑かけませんから」
望の心配している事が何なのか分かっているという風に、まといは微笑んだ。
それが望の罪悪感を湧き起こす。
生徒に手を出し、避妊もせず、責任を取らない。
これでは完全に駄目人間ではないか、と。
ところが、まといは望の上に馬乗りになると本当に幸せそうに微笑んだ。
「いいんですよ、先生。
先生とした事も、父親が先生な事も言い触らしたりしません」
「そ、そうですか」
「でも、一つだけ約束してください」
「な、なんでしょう。
出来るだけの事はしますが、その……」
「うふふ、そういうんじゃないです。
約束は一つだけ。
これ、最後にしないで下さい」
へっ、と望の口がぽかんと開く。
しかし、まといは真剣な顔でもう一度繰り返した。
「これが最後は嫌です。
私はいつでもおっけーですし」
「まといさん……」
まといの輝くような笑顔が望には眩しく、不可解だった。
こんな最低の男に、やるだけやって責任逃れをしようとする男に、何故。
「……何故です? 私なんかにそこまで………
あなたなら私よりいくらでも素敵な人が見つかるでしょうに」
望が本当に不思議そうに聞くと、まといはにっこりと笑いかけた。
「私、愛が深いんです」
投下終了です。
途中、なんか書き込みがおかしくなってしまって時間がかかりました。すいません。
奈美平のエロまだー?
>>478 乙&GJです
牢の中でってなんかイメージしやすいよなw
484 :
430:2008/02/17(日) 12:20:12 ID:I3wu23Rl
こんばんは、お久しぶり(でもないか?)です。
えー、305さんのほのぼの奈美SSの後に、怖いもの知らずにも、
先生×奈美でエロを投下させていただきます。
アニメ5話見た直後に書き始めたのに、だらだら書いているうちに、
何だかすっかり時期を逃した感がありますが、恩着せの後の話です。
で、さらに最初に謝っておきますと、
最初の方が、微妙に
>>253さんのSSとかぶってしまいました…orz
本当のこと言うと、最初はもっとマルかぶりしていて(゚Д゚ノ)ノ、
これでもけっこう修正したつもりではあるのですが…。
すんません、最近、かぶってばっかりいるようで。
>>480 あはは、タイミングよすぎて、びびりました。
奈美は、雨の中、傘もささずにとぼとぼと歩いていた。
その手には、渡し切れなかったクッキーの残りが握り締められている。
大好きな先生に食べて欲しくて、一生懸命作ったクッキー。
材料も手順も、凝りに凝って心を込めて、作ったのに…。
―――感謝強盗です!!
望の声が、頭の中によみがえる。
奈美は、ぐっと唇を噛み締めた。
そうしていないと、泣き声が漏れてしまいそうだった。
奈美は、家に帰りたくなくて、公園の入口をくぐった。
公園の中には、雨をしのげる東屋がある。
奈美は、東屋のベンチに座り込むと、ぼんやりと考え込んだ。
―――どうして、先生は私にあんなに意地悪なんだろ…。
望の奈美に対する態度は、
他の生徒に対するそれとは、明らかに違っていた。
ネガティブで押しの弱いはずの望が、
奈美に対してだけは、いつも、強気に攻撃に出るのだ。
今回だって、心づくしのクッキーを「恩着せがましい」とまで言われた。
―――私、先生に嫌われてるのかなぁ…。
涙がじわりとにじみ出てきて、奈美は慌てて首を振った。
ふと、視界に影がよぎったような気がして、奈美は顔を上げた。
「あ…。…先生?」
先ほど分かれたばかりの担任が、傘をさして公園の中を歩いていた。
キョロキョロと何かを探しているようだ。
奈美は思わず立ち上がった。
望が、奈美に気づき、一瞬ほっとした様な顔をすると
こちらに向かって歩いてきた。
奈美は、近づく望を睨むように見上げた。
望は、奈美の顔を観察するように見ると、笑みを浮かべた。
「どうやら、元気そうですね、日塔さん。」
「…何しに来たんですか、先生。」
奈美は、望を睨んだまま不機嫌な声を出した。
望は目を瞬くと、ああ、そうですね、と上を向いた。
「えー、と、…そう、先ほどいただいたクッキーの残りを、
お返ししようと思って。」
望が袂からごそごそとクッキーの袋を取り出した。
「あのままだと、更に感謝を要求されそうですからね。」
にやりと笑ってクッキーを奈美に差し出した。
―――ひどい。
もう、限界だった。
「どうして…。」
奈美の目から、涙がポロリと落ちた。
望がそれを見て、ぎょっとしたように手を引いた。
「どうして、先生は、そんなにいじわるばっかりするんですかぁ。」
奈美の頬を、涙が次から次へと零れ落ちていく。
一度決壊した涙腺は、簡単には止まってくれそうになかった。
「あ、あの…日塔さん?」
慌てたような望の声を無視して、奈美は泣きながら言い募った。
「いっつも、私のこと、普通だ、普通だって、言ってるんだったら、
普通に、ひっく、扱ってくれたってっ、いいじゃ、ないですかぁ。
なのに、先生は、うぇっく、いっ…つも、私には、意地悪ばっかりで、
他の生徒と比べて、全然、普通扱い、してっ…くれない…っ!」
奈美は、涙で一杯の目で望をキッと睨むと、次の瞬間
「うわぁぁぁぁぁあああ!!!」
と手放しで大泣きを始めた。
望は、子供のようにワンワン泣きじゃくる奈美を、
唖然としたように見ていたが、やがて、ため息をついた。
「馬鹿ですね…。」
「馬鹿!?今、馬鹿って言いました!?」
奈美が、涙でべしょべしょの顔で望を見上げる。
「言いましたよ…本当にあなたときたら、がっかりです。
普通だと思ってましたが、洞察力は人並み以下のようですね…。」
また、何か酷いことをいわれている気がする。
どうしてこの人は、私にこんなに冷たいのだろう。
奈美は、再び泣こうと手を上げたが、ふいにその手を掴まれた。
「…!?」
見上げると、至近距離に望の顔がある。
「本当は、あなたに自分で気づいて欲しかったんですが…。
どうやら、あなたには、無理そうですから。」
「何を…。」
言葉の途中で、ぐい、と引き寄せられ、望の顔が迫ったと思うと、
次の瞬間、唇に柔らかいモノが押し付けられた。
―――え?
しばらくして望の唇が離れた後、奈美は呆けたように望を見た。
「え、えーと…。」
望は、バツが悪そうな顔をして奈美を見ている。
「せ、先生…今のは…。」
奈美の言葉に、望が、はぁぁぁあ、と盛大なため息をついた。
「ここまでやって分かってもらえなければ…もう絶望ですよ。」
「分かるって…ええ、えええええ!?」
奈美の頬に一気に血が上った。
「せ、先生、もしかして、私のこと好きなんですか!?」
「…そんなにはっきり言わないで下さい。」
望は、ぷいんと横を向いた。
その頬が何やら赤い。
どうやら、照れているようだ。
奈美は、パニックで叫び出しそうになるのを必死に押さえていた。
「や、やだ、うそ、どうしよう…。」
その言葉に、望が、くるりとこちらを向いた。
「…私に好かれるのは、嫌ですか?」
心なしか、傷ついた色が見える。
奈美は慌てて首をぶんぶんと振った。
「ち、違います!嫌じゃない、すっっごく嬉しいです!
そうじゃなくて…何て言ったらいいのか…。」
と、再び望が奈美の腕をぐい、と引いた。
「!!」
奈美は、すっぽりと望の腕の中に閉じ込められてしまった。
「…嫌じゃないんだったら、いいじゃないですか。」
「…ん…。」
奈美は、こつんと望の胸に頭をぶつけた。
聞こえてくる望の胸の鼓動が、随分と早いことに気づく。
奈美の中に、何やら、くすぐったい気分が湧いてきた。
奈美は顔を上げた。
「ねぇ、先生?先生は、いつから私のこと、好きだったんですか?」
望の頬が前よりもさらに赤くなった。
「そ、そんなの、覚えてないですよ。」
「ふーん。…でも、だったら、何で言ってくれなかったんですか?
それどころか、いつも意地悪ばっかりして。」
望は拗ねたように口を尖らせた。
「あなたの方から、先に、気づいて欲しかったんですよ。」
「…へ?」
「…だって、教師から生徒に告白なんて、みっともないじゃないですか。」
「えええ――!?」
奈美は脱力した。
まったく、この男は何を考えているのだろう。
みっともないと意地を張っておいて、そのくせ気づいて欲しくて、
それで、ずっと自分に意地悪をしていたというのか。
それでは、まるで小学生と同じではないか。
―――でも。
奈美は、頬を赤くして口を尖らせている望を見上げた。
―――そんな先生が、私は好きなんだなぁ…。
奈美は何となく嬉しくなって、望の背に手を回すと、
望をぎゅっと強く抱きしめた。
「―――!!」
望の体がこわばった。
「ひ、日塔さん…あの、余りそれ以上密着されると…。」
「ん?…先生?」
奈美の下半身に、何かが当たっている。
それが何かに気が付いた瞬間、奈美は
「ぎゃぁぁぁああ!」
と叫んで望を突き飛ばしていた。
「ぐはっ!」
望は、思い切り東屋のベンチに叩きつけられ、ひっくり返った。
そのまま、床に倒れて動かない。
「わわわっ!だ、大丈夫ですか!?」
奈美は、慌てて望の側に跪くと、望の顔を覗きこんだ。
「…大丈夫じゃありません…。」
「え…。」
次の瞬間、奈美の視界が逆転した。
気が付くと、奈美は東屋の床に押し倒されており、
望が自分を押さえつけた格好で見下ろしていた。
「まったく、あなたって人は…死んだらどーするんです。」
「ご、ごめん…っていうか、先生…あの…?」
この体勢は、どうみても…。
頭に血が上る。
望が、奈美を見て、にやりと笑った。
「何ですか?…分かってるから、突き飛ばしたんでしょう?」
そう言うと奈美の首筋に口付けた。
「ひぅあ!だ、ダメですよ!先生!!」
「それはこっちのセリフです。人のことをいきなり突き飛ばした罰ですよ。」
そう言いながらも、望は、唇で奈美の首筋をまさぐっている。
奈美の背中に、ゾクゾクとした感覚が湧き上がってきた。
―――ダメだって!まずいって!
奈美は、その感覚に流されそうになるのに必死で抵抗した。
奈美は、望の肩に手をかけて、引き離そうとした。
「だ、だって、先生、外で!公園で!人が来るって…。」
「来ませんよ、こんな雨の日に。」
望は、まったく意に介した様子も無く、奈美の鎖骨に口付けた。
再び、奈美の背中に痺れが走った。
「で、でも、地面で、こんな、服が汚れちゃう…。」
「仕方ありませんね、これでいいでしょう。」
望はコートを肩から外すと、器用にそれを奈美の下に押し込んだ。
「せ、先生…。」
奈美の、更なる抗議の声は、望の唇に塞がれた。
「ん…っ!」
「もうこれ以上、普通の言い訳は聞きたくありません。
日塔さん、先生とは、嫌ですか…?」
奈美は、望を見上げた。
さっきから強気を装っているが、望の瞳は不安げに揺れていた。
―――なんだ…先生も、不安なんじゃないか…。
奈美の体から力が抜けた。
―――先生……大好き…。
「もう、普通って、言わないでくださいよ…。」
そう言いながら、奈美は望の首に腕を回し、自ら望の唇に口付けた。
雨の音が2人を包む。
その中で、2人は何度も口付けを交し合った。
「は、ぁ…。」
望の執拗な口付けに、奈美は途中で息ができなくなり、
思わず上を向いて喘いだ。
望が、その声に一瞬動きを止め、奈美をしげしげと見つめた。
「そんな可愛い声も、出すんですね…。」
奈美は赤くなった。
「そ、そんなに意外そうに言わなくたって…。」
望がクスリと笑って、奈美の頬に手を添えた。
「…普通のあなたも可愛いですけど、こうなると
普通じゃないあなたも、見てみたいですね…。」
そう言うと、するりと手をセーラーの下に滑り込ませた。
「や、あ…!」
奈美は、羞恥に反射的に身をすくませたが、
望の指は器用にブラのホックを探り当て、手早くそれを外した。
そして、セーラーのブラウスを捲り上げた。
「や…恥ずかし…。」
奈美が、両手で自分の胸を隠そうとする。
しかし、望は奈美の手を掴むと、難なくそれを上に持っていった。
「この期に及んで恥ずかしがって、どうするんですか。」
奈美の両手は、望の片手で押さえられて固定され、動けない。
―――先生、実はけっこう力があるんだなぁ…。
奈美は、望を見上げながら、場違いな感想を思い浮かべていた。
「日塔さん…さっきみたいな可愛い声、聞かせてくださいね。」
望は囁くと、奈美の胸に顔を近づけた。
奈美の脳天を、激しい快感が貫いた。
「…ん、ぁあ!」
望の唇が、その細くて長い指が、胸の頂を行き来するたびに、
抑えきれずに声が出てしまう。
望が、嬉しそうに微笑んだ。
「いい声ですよ、日塔さん…。」
「やぁ…。」
今まで、同級生と付き合ったことくらいはあるが、せいぜいキス止まり、
初めて体験する大人の男の指の動きに、奈美はなす術もなく翻弄されていた。
―――な、何だか、先生じゃ、ないみたい…。
初めて触れるはずなのに、望の動きは確実に奈美のポイントを突いてくる。
絶え間ない快感に息を切らしながらも、奈美は、頭の片隅でぼんやり思っていた。
―――先生も、大人の男の人だったんだ…。
いつも教室でワイワイ騒いでいる時には感じることのなかった、
自分と望との年齢の差。
今、自分を見下ろす担任教師は、見たことのない男の顔をしていた。
望は、確実に、自分が知らない年月を過ごしてきているのだ。
そんな当たり前のことが、何故か無性に寂しかった。
気が付くと、涙が目尻ににじんできていた。
望が驚いたように動きを止め、奈美を見た。
「どうしたんですか、日塔さん…先生、どこか痛くしましたか?」
急に先生口調に戻った望に、奈美は泣き笑いをした。
「…何でもないんです。ただ、私の知らない先生がいるみたいで、
少し寂しくなっちゃっただけなんです…馬鹿みたいですね、私…。」
望は、何とも言えない顔をして奈美を見た。
そして、奈美の目尻の涙をそっと唇で吸い取ると、囁いた。
「まったく…あなたは、いったい幾つ引き出しを持ってるんですか。
あなたがさっきから見せる色んな顔に比べたら、
私があなたより生きてきた年数なんて、ほんのちっぽけなものですよ。」
「…。」
望が、ふいに真面目な顔になった。
「日塔さん、今の私には、あなただけしか見えてないですから。
その前の私も、その後の私も、いやしないんですよ。」
そう言うと、望は奈美に口付けた。
「―――ん、むふぅ!!」
望の長い指が、今度は、下着の隙間から奈美の中を探り始めた。
先ほどにも勝る刺激に、奈美は空気を求めて喘ごうとするが、
望の唇に塞がれて、それもままならない。
空気不足と快感で頭が朦朧となってきた。
―――し、死んじゃう…!
ふいに、望の唇が口から離れた。
「ぷはぁ、はぁ、はぁっ…!」
奈美は、ここぞとばかりに空気を吸い込んだ。
肺が新鮮な空気に満たされ、少し頭がすっきりする。
そこで、自分の下着が取り払われていることに気が付いた。
「あ…。」
慌てて望を見ると、既に袴を脱いでいる。
―――これから、私、先生と…。
内心の不安が顔に出たのだろう、望が奈美の頭を優しくなでた。
「大丈夫ですよ…日塔さん、辛いようにはしませんから…。」
それで、奈美の中に、ほっこりとした安心感が芽生えた。
奈美は、望を見上げると頷いた。
「大丈夫…先生のこと、信じてるもん。」
望の頬が、心なしか赤くなったようだ。
望は、奈美を抱きしめると、耳元で囁いた。
「あなたって人は、もう…黙ってなさい…。」
―――い、ったぁ…!
初めて貫かれる感覚に、奈美は歯を食いしばった。
先ほどまでの快感はどこへやら、ただ痛みだけが全身を支配する。
我慢しようにも涙がにじんでしまう。
と、ふわりと温かいものに体が包まれた。
自分の体が、すっぽりと望の腕の中に抱きすくめられていた。
「すいません、日塔さん…もう少しだけ、我慢してください…。」
そういう望の声は掠れていた。
―――先生も、辛いのかな…。
奈美の体から、力が少し抜けた。
その後、奈美の体を気遣ったのだろう、望はしばらく動かずにいた。
その間に、だんだんと、奈美も落ち着いてきた。
「日塔さん…そろそろ動いても大丈夫ですか…?」
「ん…多分、平気だと思う…。」
奈美の答えに、望がゆっくりと動き始めた。
「…ぁ、あっ!」
奈美は、先ほどとは違った感覚に声を上げた。
―――なにか、来る…!
望が動くにつれて、体のどこからか、痺れが駆け昇ってくる。
思わず、奈美の足に力が入った。
「うわっ、ひ、日塔さん…っ、そんなに、締め…っ!」
急に望が動きを止めて奈美を見下ろす。
「…?」
奈美は、息を切らして望を見上げた。
望はうろたえたような顔をしていた。
「い、いえ…その…。」
望は言いよどむと、体を倒して奈美に口付けた。
「余りに気持ちが良くて、先にいってしまいそうです…。」
「え…。」
奈美は、真っ赤になった。
そんな恥ずかしいことを言われて、頭に血が上る。
「わ、だから、日塔さん…!」
望が、両手を奈美の体の脇についた。
「ダメだ…もう少し、お互い楽しもうと思いましたけど、
私の方が持ちそうにありません…。」
そう言うと、熱で潤んだような目で奈美を見た。
「日塔さん、すいません、一気いかせていただきます!」
「え…あ、やぁああっ!」
一気に加速した望の動きに、奈美の脳裏に火花が散った。
―――先生、先生、先生…!
もう、何も考えられない。
ただただ、圧倒的な幸福感が、奈美の中に満ちていく。
―――先生、大好き…愛してる。
奈美は、目を閉じると、幸せな快感に身をゆだねた。
東屋の外では、冷たい雨が、いまだ降り続いていた。
しかし、東屋ではいまだ空気が熱を孕み、2人とも汗ばんでいた。
奈美は、望の胸に頭をもたせかけながら息を整えていた。
望が、奈美の額に張り付いた髪をそっとかきあげた。
「…すいませんね、日塔さん…大丈夫でしたか?」
「全然…気持ちよかったよ、先生…。」
望は、口を少し曲げて奈美を見ると、小さく息をついた。
「本当に、あなたには驚きですよ…すっかりやられました。」
「え…何が…?」
きょとんとした顔で奈美は尋ねたが、望は答えずに奈美を抱きしめた。
望の匂いに包まれて、奈美は何となく嬉しくなり、えへへ、と望を見上げた。
「私、今日、いっぱい先生驚かせましたよね。」
「ええ、まったくです。」
「そしたら、もう私、『普通』は返上ですね。」
嬉しげに弾んだ声で言う奈美に、
「そうですねぇ…。」
望はしばらく考え込むような顔をしていたが、やがて首を振った。
「いや、ダメですね。」
「えええ、何で!?」
望は奈美の髪をなでながら言った。
「今日はいろんなあなたを見せてもらって、どのあなたも魅力的でしたけど、
でも、やっぱり私は、普通のあなたが一番好きですから。」
奈美の顔に一気に血が上った。
望が奈美を柔らかい笑顔で見下ろす。
「…いつまでも、このまま、普通の日塔さんでいてください。」
「もうっ、普通って…。」
言いかけて、奈美は途中で口を閉じた。
「…でも、いいや。先生が好きなんだったら…普通でもいいよ。」
そういうと、奈美は微笑んで、望の唇に、ちゅ、と普通のキスをした。
496 :
430:2008/02/17(日) 12:31:00 ID:I3wu23Rl
以上、お付き合いいただき、ありがとうございました。
ただヤってるだけの話なのに、何でこんなに長くなるかなぁ…。
奈美の中の人が、以前「先生は攻めの方が萌える」と言っていたので、
とりあえず先生攻めを目指しましたが…まあ、こんなもんだ…orz
いやー、しかし、奈美エロは難しい!
305さん始め、奈美好きの皆さんには大変失礼いたしました…。
497 :
430:2008/02/17(日) 12:35:33 ID:I3wu23Rl
あ、書き損ねていた…、
>>466さん、GJです!
まといのエロさと健気さを兼ね備えた魅力にクラクラきました…!
GJ
こういう原作のフォロー的な話が出るのがここの魅力だね。
501 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 21:08:59 ID:WyXsmQL1
どの作品もGJなんだけど
どの作品も先生カッコ良くなりすぎだと思う。
なんか夢小説みたいな感じ。
ポカポカの話はないのか
女の国でベッドに縛り付けられて手コキされるシーンが子供心にトラウマなんだが
何か出て来たわ!
気をつけて!先端から毒液を吐くのよ!
みたいな
だって先生かっこいいんですもの
>>501 そんなに原作が大事ならこんなところに足運ぶなって話だ
そうか?原作は大事だし、敬意を持たなきゃいけないと思うが。
こういう遊び場で遊ばせてくれるのも。
507 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 02:31:03 ID:GpXnbWvy
GJ
先生には適度にチキンでいてもらいたいと思う。
理論武装しないと女一人抱けない程度には。
色んな先生像が見れるほうが面白いと思うけどな、俺は
男は別にどうだっていいよ
先生は天然タラシですね。
ところで、男性の方はカップリングに萌えないんですか?
俺(変態)の1意見はカップリングより如何にエロいかです
>>484 転げまわるほどGJだ・・・!
奈美可愛いよ波ナミ並み
先生と奈美の普通のカップリングに萌えます
カップリングに萌えるけど絶望先生だと好きなキャラ多いから
男側が先生なら割とどのカップリングでも萌える。
ところで…
兄妹の恋ってアリですか?
いや、アリじゃないかな……。
アリアリ!
そしてカップリングねえ…大抵の場合萌えられるが、
男側が先生じゃなかったらかなり抵抗を覚えちまうな…
甚六先生も命先生も先生
先生が多すぎるので違うのも読んでみたいと思うね。
僕は絶望先生でいいです。
なんか学級会みたいでいいなこの流れ
527 :
真昼:2008/02/19(火) 17:46:21 ID:aeTZV/jp
本当に、本当に今更ながら
>>137の続きなんぞ投下させていただきます。
自分のSSはどれも原作が本当に好きなのか疑いたくなる代物ばっかで、
正直こうしてまた投下させていただいていいのか分からないのですが、
途中放置のまま放置の方が駄目かと思いましたので。申し訳ない。
服を脱ぐのすらもどかしい。
焦りで震える手を必死で動かして、中途半端に引っ掛かっていた着衣を脱いだ。
袴と一緒に下着も取り払ってしまうと、愚息は腹につくほどに反り返り、やたら自己主張していた。
そのあまりの元気の良さにか、それとも男性のモノを見た事が初めてなのか、
寝転がってこちらを見る可符香の驚いたような視線が、下半身に釘付けになっている。
あまり凝視されるのも恥ずかしい。
羞恥を誤魔化すように、改めて可符香に覆いかぶさった。
ちなみに彼女の方も、望が脱いでいる間にスカートも下着も勝手に取り払ってしまったようで、
今は生まれたままの姿で彼の下にいる。
熱を持った眼差しで見上げられて、いきり立った男性自身に、更に熱が集中するのがわかった。
「あ、と……」
と、そこでふいに、もう一度身体を離す望。
「どうしました?」
「いえ、その……少し、準備を」
半身を起こしてこちらの様子を窺う可符香に、肩越しに振り返って答えながら、
ベッドを降りて、ゴソゴソとさっき脱いだ着物を探る。
中々見つからずに手間取っていると――背中に、柔らかな温度が触れた。
ピトリと寄り添う少女の感触に、思わず望の動きが止まる。
「いりませんよ、そんなの」
望が何をしようとしているのか察した可符香は、熱っぽい吐息を吹きかけるように、耳元で囁く。
「だ、駄目ですッ。こういう事は、ちゃんとしておかないといけません」
吸い付くような肌の感触。少しだけ早い彼女の鼓動。
それらに理性が陥落しそうになりながらも、ブンブンと頭を振って、お目当ての物――避妊具を取り出した。
だが、それを持った手にそっと、可符香の掌が重なる。
「もちろん、私だって軽い気持ちでいるわけじゃないです。
でも初めては……ちゃんと先生を、直に感じたいんです」
駄目ですか? と、彼女らしからぬ気弱げな吐息が、耳朶を擽った。
――カラカラに乾いた喉を、無理矢理ゴクリと鳴らして、そっと振り返る。
そこにあるのは、相変わらずまっすぐにこちらを射抜く、二つの濡れた瞳。
「………」
あぁ、本当に――彼女は私の全てを求めているのだな、と、泣きたくなるほど痛感した。
無言で、思っていたより随分と小さな身体を真正面から抱きしめる。
「……もし、子供ができたら――」
『後悔しませんね?』
そう言葉が続くものと思い、今更だと苦笑しながら、細い青年の身体を抱きしめ返す可符香。
だが、彼女の耳元で囁かれた言葉は、予想と少し違っていた。
「――本当に、もう、逃がしませんからね?」
目を見開く。
より強く抱きしめられて、彼が――思った以上に、自分を求めてくれている事を、理解した。
「……はい」
何か気のきいた台詞で返そうかとも思ったが、結局口をついて出たのは、至極簡潔な二文字の了承。
結局自分も彼とそう変らない。苦笑しながらその事を認めて、
自分を抱き締める腕と同じくらいの強さで、彼を抱きしめ返した。
――再度、二人はベッドに身を横たえる。
可符香を横たわらせる際、望は腰の下に枕を敷くように言った。
キョトンとする可符香に、「こうやって腰の位置を調整した方が、痛みがマシになる」と説明する。
「さすが先生。伊達にヤンチャしてませんね」
悪戯っぽく笑いながら、言われた通りに枕を腰の下に敷く可符香。
「……あの、正直に言いますが、初めての女性のご相手は……」
「したこと、ないんですか?」
「えぇ。――甲斐性なしでしたからね」
覆いかぶさりながら、自嘲気味に呟く望。
今まで関係を持ってきた相手は皆、少なからず経験を持った人間だった。
痛み云々の話は、そういう経験のある知り合いから聞いただけだ。
そもそも、こんな自分に初めてを捧げようなんて相手が居るはずも――ない、ハズだったのだが。
あらためて、処女を奪うという事へのプレッシャーを感じる。
だが自分よりも、奪われる彼女の方が何倍も緊張しているだろう。
彼女の掌の汗の感触を思い出して、望はきゅっと唇を引き結んだ。
「あら先生。顔が強張ってますよ? ほら、リラックスっ、リラックスっ」
と、そんな望の内心とは裏腹に、可符香はヘラヘラと笑顔で望の顔に手を伸ばし、
先ほどのお返しとばかりに、ムニムニと両頬をつまんでくる。
「ほひゃぇ」
「あははっ」
妙な声を上げてしまう。それが可笑しかったのか、綻んだように笑う可符香。
ああ、やっぱりかなわないな。と、つくづくそう思った。
「それじゃあ、いきます……」
立膝をついて彼女の足の間に割って入る。
足を開かれるのが流石に恥ずかしいのか、可符香は少し顔を赤くして、天井に視線を投げた。
ぴと、と先端を入り口に触れさせる。
それだけで、ソコが熱く疼いているのがわかる気がした。
こっちの滾りも伝わったらしく、小さく声を上げて、視線を望へ移す可符香。
ここで安心させるように優しく微笑む――くらい出来ればいいのだが。
生憎望の方もあまり余裕が無く、完全に真顔で、荒い呼吸と突き上げる衝動を抑えるのに必死だ。
「力を抜いて……、ください」
擦れた声でそれだけ言うと、何度か入り口を先端で撫で上げる。
「ん、んぁ……」
存分に愛液を絡ませるように撫でると、可符香はその動きに合わせるように腰をくねらせた。
彼女の脇から腰にかけてを、安心させるように何度も撫で擦りながら、
十分に濡れた自身の先端を、ほんの僅かに内部へと埋もれさせる。
「……ッッ、は、ぁ……」
「……入れ、ますよ……?」
可符香は瞳に涙を湛えて、コクリと一度、深く深く頷いた。
覚悟はとっくに出来ている――と、彼女の瞳が言っていた。
あとはただ、その想いに答えるのみ。
狙いを定めて、ぐっと腰を突き入れる。乱暴にならないよう、細心の注意を払いながら。
「ぁう、いッッ――――!!」
仰け反る少女の小さな身体。初めて受け入れる異物の感触に、呼吸が詰まる。
肉の壁をめいっぱい押し広げ、無遠慮に侵入してくる熱い塊。想像以上の質量が、彼女の内側を犯していく。
「っ、か、可符香、さ……っ!」
頤を逸らして大粒の涙を零す可符香を強く抱きしめながら、ゆっくりゆっくり、彼女の中に押し入る。
きつく吸い付くように絡み付いてくる熱い感覚に、理性が砕けそうになる。
背中に立てられた彼女の爪の痛みが、崩れる理性を繋ぎとめてくれるようだった。
可符香は強張る身体から、必死に力を抜こうと努めていた。
けれどどうしても身体がはねてしまう。深く息を吐こうとして、細い悲鳴のような声が漏れた。
無理をさせないよう、途中で何度も動きを止めながら、こっちの呼吸に合わせて、少しずつ腰を進める望。
その優しさが嬉しくて、思わず泣いてしまった。
きっと彼は、それを痛みの所為だと思うだろう。
まぁ、思わせておけばいい。――全部終ったあと、これをネタにからかってやろう。
そんな事を頭の隅で思いながら、可符香は泣きながら、ほんの少しだけ笑った。
――望にとっても、可符香にとっても、妙に長く感じられたその時間。
深く深く、恥骨が合わさるまで繋がって―――二人は僅かに肩の力を抜いた。
「こ、れで……ッ、全部、入りましたよ……」
「っは、っは、っは―――ぅ……ッ」
可符香は返事をする余裕もないのか、浅く忙しなく、擦れた呼吸を繰り返す姿が痛ましい。
だがそんな彼女とは裏腹に、望はあまりの快感にどうにかなってしまいそうだった。
まだ未開発のソコは今までに感じた事がないほどにキツく締め付けてくる。ドクンドクンと脈打つように。
今すぐにでも動き出したい衝動を全力で堪えながら、ギュッと目を瞑って痛みに耐える可符香の額に、軽く口づけた。
それから何度も何度も頭を撫でる。彼女を、そして何よりも快感に負けそうな自分を落ち着かせるように。
しばらくそうしていると、大分慣れてきたのか、可符香の呼吸が緩やかになってきた。
背中に食い込んだ指先から、徐々に力が抜けていく。
「――背中、痛くしちゃいましたね……」
「……貴女の方が何倍も痛いでしょうに」
思わず苦笑する望。正直、背中の痛みすら心地よく感じるほど、この小さな身体に溺れそうだった。
「大丈夫です。痛くないです」
「嘘おっしゃい」
「ホントですってば。何ならもう、ガツガツ動いていただいてもOKですよ?」
軽口を叩けるくらいまでは回復したようだが、それでも若干声が震えている。
「……」
試しに、少し腰を引いてみた。
「いッッ―――!!」
即座に身を強張らせる可符香。だが、すぐにハッとしたように目を見開いて、
「――ったくも、ない……ッ」
目尻に溜まった涙をゴシゴシ拭いつつ、必死に笑みを浮かべた。若干、引き攣ってはいたが。
「……そんなトコで勝負しなくて良いですから」
「勝負するトコなんですっ」
――今はまぐわっているのであって、決してバトルしているわけではないのだが。
ふっと苦笑するように溜息を吐きながら、見栄っ張りな少女の胸に触れる。
痛みが少しでも和らげばと、やわやわと掌全体で包み込むように、優しく揉みしだき、撫で擦る。
「んん、ん……」
ツンと上を向いた乳頭をクリクリと弄ってやれば、いつもより僅かに高い、鼻に掛かった声が小さく漏れた。
その声をもっと近くで聞きたくて顔を寄せると、お返しとばかりに耳を軽く噛まれる。
「うぁ」
不意打ちに情けない声が出てしまう。
慌てて顔を離すと、可符香は頬を染めながらも、してやったりと笑っていた。
「んふふ。先生、可愛い」
「こ、こら」
「あっ、ふふ……、先生の、ちょっとピクンってなりましたよ。
耳が弱いんですね〜。覚えておきます」
中で脈打つ男の反応にほんの少し体をひくつかせながらも、他人をからかう事だけは忘れないらしい。
「まったく……」
主導権を握りきれない事に若干の不満を覚えつつも、まぁ、この方が彼女らしいとも思う。
「――もう、本当に大丈夫ですよ。先生」
笑顔のままで見上げてくる可符香。その言葉の意味する所を察して、望は深く頷いた。
「それじゃ……。無理そうなら、ちゃんと言うんですよ?」
「了解です」
可符香は軽い調子でウィンクをひとつ。何が何でも弱音など吐くつもりはなさそうだ。
仕方ないな、と内心で苦笑して――ゆっくりと、腰を引いた。
「ん、んん――ッ」
ほんの少し引いて、すぐに突き入れる。細かく腰を揺らして、奥を軽くノックするように。
「はっ…、は、はぁ…ッ」
小さく揺れる乳房に口づけながら、何度か突き上げる角度を変えて、注意深く可符香の反応を見た。
「っは、ぅ、うんん――ん、んっ」
僅かに眉根を寄せて、薄く目を開いて見返してくる可符香。
頬は紅潮して、小さく開いた唇から覗く舌が艶かしい。
「――ぁ、そこ……、ちょっと、気持ち良い、です」
「ここ……、ですか?」
「ッッ、は、い――っ、そこ……っ!」
一点を擦りあげると、痛みとは違う感覚に可符香の身体が仰け反った。
「ぁ、ぁ、あ、ぅ――ッ、んん――」
突き上げる度、控えめな喘ぎが漏れる。
耳に心地良いソレに酔いながら、望は可符香の目元に溜まった涙を吸った。
二人でいかにお互いが気持ちよくなれるか探りあいながら、徐々に上り詰めていく過程が、少し楽しい。
望が動く度、膨らんだ陰核が望の陰毛に擦れるらしく、それが可符香の快感を更に助長していた。
繋がりあった場所から漏れる水音が派手になってくる。
肉と肉がぶつかり合う音と交じり合って、お互いの興奮を煽るかのように、室内に響いた。
「――は、ぁ……ッ」
望の呼吸が徐々に狂い出す。顎から伝い落ちた汗が、可符香の胸の輪郭をなぞった。
内で蠢くモノが膨張するのを感じて、可符香は望の限界が近い事を悟る。
「せ、んせ……。どうぞ……っ」
荒い呼吸の中で、精一杯の笑みを浮かべる可符香。
僅かな言葉の意味を察して、望は一瞬躊躇したものの――応えるように、少女の唇に吸い付いた。
必死に唇を吸いながら、ぐっと細い足を抱え上げる。
「んぁ――!!」
より深く突き入れると、可符香の身体が大きく仰け反った。その拍子に、唇が離れる。
彼女が痛がっていると頭では理解したというのに、身体は今更止まってはくれなかった。
もう、彼女の最奥に放つ事以外考えられない。
本能が理性食い尽くす感覚に自分自身で怯えながら、震える小さな身体を折れそうなほどかき抱いた。
背中に回された細い腕の感触が優しくて、余計に自分の残酷さを意識させられる。
「か、可符香さ―――」
ギシギシとスプリングが悲鳴を上げる。もう一度唇を貪りたくなって、彼女の顔を覗き込んだ。
突き上げられ、酷く犯されているというのに、彼女は。
「――せ、んせ、い――」
泣きながら、それでも笑みを絶やさずに。真っ直ぐに自分を求めてくれていた。
「――――は、ぐ……ッ!」
僅かに孤を描いた唇を塞ぐ。愛おしくて堪らなかった。
深く深く突き入れて――湧き上がってくる衝動を、そのまま中にぶちまけた。
「……ぁ……」
蚊の鳴くような、小さく細い声が上がる。
満たされていく感覚を感じながら、可符香は細く、長い吐息を吐いた。
望の荒い呼吸を聞きながら――あぁ、終ったのか――と、ゆっくりと目を閉じる。
瞼に押し出された涙を、望の温かい舌が舐め取るのを感じながら、可符香はそのまま意識を手放した。
◇ ◆ ◇ ◆
浅い所を彷徨っていた意識が、少しずつ浮上する。
ゆるやかな覚醒に心地良さを感じながら、望は薄っすらと目を開けた。
見慣れない天井に一瞬混乱するが、すぐに昨夜の事を思い出す。
――思い出してしまうと、眠気はすぐに覚めてしまった。
「おはようございます、先生」
まるで望の覚醒を待っていたかのように、隣から声がかかる。
「あ、ああ。おは――」
何故か少し焦りながら上半身を起こし、振り向くが――、上ずった声が思わず途切れた。
可符香は望より先に起きていたらしく、薄く微笑みながらベッドの上に座っていた。
黄色い無地のパジャマを身にまとって、大きく膨らんだお腹を擦っている。
……しばし、その膨らんだお腹を凝視する望。
「先生があんなに激しく出すから、できちゃいました〜」
「早ッッ!!」
いや、よしんば出来ていたとしても、急成長にも程がある。
「っていうか、朝からそういう微妙に洒落にならない冗談は止めてください! 心臓に悪いから!」
「ちぇ」
不満顔で、パジャマを捲ってお腹に隠していた枕を取り出す可符香。
「……もしかして、その冗談の為だけにパジャマ着たんですか」
確か――自分がぶちまけたモノを拭いたり、事後処理を一通りこなした後は、お互いそのままの格好で眠った筈である。
「はい。あ、ちょっと寒かったっていうのもありますけど」
「まったく……」
昨日の今日だというのにこれほどマイペースな態度で居られると、昨夜の事が嘘のように感じられる。
だが確かに、触れた温度や泣きたくなるほどの激情の余韻が、まだ身体の奥に残っている。
「ねぇ、先生」
いつのまにか俯いていた顔を上げると、可符香は驚くほど近くに顔を寄せてきていた。
「な、何です?」
「まだ時間ありますから、お風呂に入ってから、学校に行きましょう」
「お、お風呂……?」
視線を壁にかけてある時計に移すと、確かにまだまだ余裕があった。
カーテンの隙間から射す朝日もまだ僅かで、外は薄青い夜の余韻に浸っている。
「汗とか色々、このままじゃちょっとばっちぃじゃないですか。
それに、匂いで他の娘にバレちゃうかもしれませんよ?」
口元に手を当てて、悪戯っぽく笑う可符香。
耳まで真っ赤になる望を尻目に、可符香は「よいしょ」と声を上げつつ、ベッドから降りた。
「それじゃ、沸かしてきますね」
「え、あ――い、いってらっしゃい」
返事も待たずに部屋を出る可符香の背を見送りながら、望は今更肌寒さを感じて身震いする。
まだ少し少女の温もりが残る布団に包まりながら、何とはなしに、外の景色を見たくなった。
いつも小森がそうしているように、肩に布団を引っ掛けてベッドから降りる。
そっとカーテンを引く。夜から朝へ移り変わりつつある景色を眼下に、欠伸を噛み殺した。
と。まだ人気などほとんどない景色の中に、見覚えのある姿を見かけた気がして、よく目を凝らす。
丁度家の前を通り過ぎていくのは――昨日公園で行為を覗き見てしまった、あのカップルだった。
二人は腕を組んで歩いている。昨日の、まるで獣のような二人とはまるで違う、穏やかな雰囲気を纏って。
―――思い返せば、あの行為だって恋人同士の愛情表現だ。昨夜自分達のした事と、そう変らない。
幸せそうな姿をぼんやりと眺めていると―――女性の方と、目が合った。
それに気付き、男の方もこちらを見上げてくる。
すぐにカーテンを引けばいいものを、思わず硬直してしまって、そのまま見詰め合う形になる。
(ば……、バレてたんでしょうか……)
強くカーテンを握り締める手が汗で湿るのを感じつつ、青ざめる。
二人は何か会話したあと、すぐに何事もなかったかのように歩き出した。
ホッと息をつく――と、二人は道の真ん中でキスをした。
軽く触れるだけの口づけを交わし、また何事もなかったかのように歩き出す。
その後姿を呆然と見送りつつ、ハッと我に返り、ゆっくりとカーテンを引いた。
……最後に見た二人の顔は、少し悪戯っぽく微笑んでいた気がする。
「……見せ付けられたんでしょうか」
「何がですか?」
「にぎゃぁあッ!?」
予想外の応答に、咄嗟にその場から飛び退く。
結果。
っがごしゃん!
「ぉふッ」
背後の窓に後頭部を盛大にぶつけ、そのままズルズルとへたり込んだ。
「……何してるんですか?」
「な……、何でもないデス」
ぶつけた後頭部を擦りつつ答える。一人で勝手に大慌てしている自分が情けなかった。
「お風呂沸きましたから、行きましょう?」
「あ、先に貴女が入って下さい。私は後でいいですから」
ヨロヨロと起き上がり答えると、可符香は一瞬キョトンと目を丸くして、すぐに呆れたように苦笑した。
「何をお惚け言ってるんですか。一緒に入るんですよ」
「え」
硬直する望。見る見る頬が赤くなる様が可笑しくて、可符香は思わず吹き出した。
「あっははッ。今更恥ずかしがらないで下さいよ、先生」
言いながら、望の手を取り歩き出す。
「ほら。そのままじゃ風邪ひいちゃいますよ」
「あ、ああ――そ、そうですね」
部屋を出て、冷たい廊下を素足で歩く。ペタペタと足音を鳴らしながら、浴室へ向う。
「――そうですよね」
「はい?」
ふいに零れ落ちた望の声に、きょとんと振り返る可符香。掴んだ手はそのままに。
「恋人ですもんね、私たち」
気弱げな笑みがそこにはあった。掴まれた手を、ほんの少し強く握り返す望。
「……」
ノーリアクションの可符香。
――僅かな、間。
「こ、恋人、ですよね……?」
――更に、間。
「ちょ、そそそ、即答して下さいよ!」
「あはは」
「アハハ、じゃなくて!」
「大丈夫ですよ、自信持ってください」
一頻り青ざめる望の様子を堪能したのか、可符香はやっと安心させるように微笑む。
「それに、逃がさないって言ったのは先生じゃないですか。
そんな弱気じゃ、私、どっか行っちゃうかもしれませんよ〜」
ふいに、可符香は繋いでいた手を離し、軽い足取りで数歩先へと歩いた。僅かに遠ざかる、細い背中。
「あ」
それは困る。
なんというか――恥ずかしながら、もう彼女に夢中なのだ。
今更どこかへ行かれても、本当に困る。
ほとんど無意識に手を伸ばし、可符香の肩に手を掛けた。
そのまま引き寄せて、羽織った布団の中に包み込むように抱き寄せる。
間近に感じる少女の匂いに、昨夜の事を思い出してしまって、急に気恥ずかしくなった。
「――それで良いんですよ」
可符香は首だけ振り向きつつ、満足そうに目を細めた。
(……試されちゃいましたかね)
自分の不甲斐なさが腹立たしい。まるで彼女の掌で踊らされている。
「ッ、ふぇ――」
ふと、望は急に可符香から身を離し、慌てて口元を手で覆った。
クシュン。と、クシャミをひとつ。
「あらら。これじゃホントに風邪ひいちゃいますね」
「は、早く行きましょうか」
歩き出す可符香の隣に並ぶ望。僅かに触れる肩の温度が温かい。
――さっきのカップルの姿を思い出す。恋人として、自然に振舞う二人の姿を。
まだ学生と教師という立場上、あんな風に堂々と振舞う事は出来そうもないが、
せめて二人でいる時くらい、ちゃんと自然に恋人として振舞えるようになれるだろうか。
愛おしいという気持ちは、十分過ぎるほどある。
長いこと望んでいた感情は、彼女がくれた。
次に望むのは、この気持ちを上手く伝える方法だ。
「可符香さん」
「ん?」
浴室のドアを開けながら振り返る可符香。
「――よ、呼んでみただけです」
「そうですか」
苦笑で返される。
あぁ、本当に情けない。
切実に、この胸にある気持ちを、上手く伝える術を望む。
536 :
真昼:2008/02/19(火) 18:01:04 ID:J08fqvpb
以上です。どうも、長いことほったらかしてすみませんでした。
GJ!
催促はすまいと我慢してたのに我慢できなくてすみませんでした
相変わらず文章が神懸かってるなあ…すげえ
やっぱこの二人の組み合わせはいいね
ま、真昼さんが、来てた―――!
すげぇぇぇぇえ、濃厚すぎる…GJです!
真昼さんの先生と可符香の何気ない会話が、毎回超ツボだったりする。
またの投下を、心よりお待ちしております…!
待ってました!GJGJGJ!!!
カフカも先生もかわいいよ
すみませんageてしまった…吊ってきます…
あああ… 気持ちを伝える方法なんてもう十分に成してるよぉぉ…!
彼女を想いすぎて余裕の無い先生のその姿が最高に幸せな可符香なはずだよぉ…
翻弄されていてくれぇ… 可符香の中に不安が湧かないためにも…!
…気が付いたら、入りこんでしまって脳内で叫んでいる自分がいました。
気分が高揚し続けて困るゥー! GJ!
これでまたしばらく戦える。
ありがとう。GJ!!!!!
もう仕草と台詞が素晴らしすぎて死人がでますよ、GJ
でも、もうこれで投下はやめ的な含みを前書きに感じてしまって不安
545 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 00:06:22 ID:fcp/z0/c
>>496 今更ながらGJ。
さすが430さんというか、同じ奈美ものでも頭いくつか分水準越えてるね。さすが。
以後も期待。
真昼さんGJ!
可符香は特に好きなキャラって訳では無かったんですが…
思わず引き込まれてしまうほど文章能力が秀逸で
キャラの台詞なども
リアルに想像出来るほど…
…凄い!
何というか…見習いたいものです。
とにかくGJでした!
おお、職人さんが来なさっている。クオリティを保ちつつ毎度のスピード、量にはつくづく頭が下がります。
で、職人様が凄いのを投下された後なのに、空気を読まずに大暴投をさせていただきます。
エロかどうしようか、と悩んだ末の第三の選択。旬が今しか無いので、どうぞお付き合いくださいませ。
第七話のあれです。
エロなんて繊細なものは無く、不純粋で不完全なパロです。指をさしてポカンとなさって下さるといいと思います。
照明のスイッチを探すのも面倒で、眼前に広がる巨大なスクリーンの光を頼りにコンソールに歩み寄る。
明滅を繰り返す大きめのボタンを一つ押すと、スクリーンに表示された帝国のマークが消え、
代わりに建物の階層図が映し出される。そして順次、その建物の補足情報が追加されていった。
先週からガイナ高校に改名された、彼の勤務先であり潜伏地であり、そして目的地。
我先にと、情報どもは自らが意味する事柄を的確な位置に導かんと触手を伸ばしていく。
それらを揃えるのに、どれだけの時間と戦いを要したか。
その日々を思い返し、ふと、手のひらに痛みが走ったのに気づく。
開いてみると、よほど強く握りこんでいたらしく、うっすらと血が滲んでいる。
それを軽く舐めとると、彼はコンソールパネルに指を走らせ始めた。
操作卓から命じられるままに、スクリーンの情報が目まぐるしく移ろう。
画面狭しと並んでいた情報の数々は増減を繰り返し、そして一つの部屋をクローズアップして止まった。
「……先生。目が悪くなってしまいます」
不意に背後から聞こえた声に苦笑いが浮かぶ。
整備班に昇降機のギアをもう少しやかましく鳴るように、と言っておかなければならない。
こうまで静かに開閉をされると、万が一、誰か暗殺に忍び込まれたとしても、察知が遅れてしまう。
「常月さん。いらっしゃったんですね」
「はい。たった今、戻りました」
返事と共に、部屋に光が満ちる。高い天井に、大仰な照明がいくつも鈴生りにぶら下がっている。
無機質さしか宿さない鋼鉄の床が照らし出され、それらは広々とした無駄な空間を持つ司令室を支えていた。
思えば、この温度を持たない床を視界に収めたくないがゆえに、照明を入れなかったのかもしれない。
もっとも、日頃から染みついている貧乏性に命じられるがまま、
ただでさえ馬鹿でかいスクリーンに電力を割いているのだから、と
節約の為に切ったまま動いた、という方がより真実に近しいだろう。
「それでは、報告をいただきましょうか」
馬鹿な想像を振り払うように、肩に羽織ったマントを翻して副官に振り向く。
部屋の中に現れた時と同じように彼女は音も無く歩み寄ると、
手に持ったファイルを開いてそのページを捲り始めた。
「……恐れていたとおり、メルのnovaがFONAにグレードアップされました。
これで事実上、メルはありとあらゆる場所での戦闘が可能になったと言っていいでしょう」
抑揚無く読み上げられる報告を、定期的に頷き返しながら聞く。
彼女は聡明で優秀だが、そんな事実はこの基地に詰めている全ての人員が知っている。
それ程までに、『彼女ら』は帝国にとって無視できない存在になってしまった。
「更に一番の不確定要素であるカフカの髪止めの秘密は、依然として掴めては」
「ありがとうございます。その辺りで結構です」
報告を途中で遮られ、副官はその大きい瞳を僅かに見開くが、上司の意のままファイルを閉じる。
少なくともその態度に不快な素振りは見えないが、どことなくしょげているようにも見えた。
空間から残響が消え去るのを待ち、彼はゆっくりと口を開いた。
「元々、開いた戦力です。
報告を聞いて尻込みするよりも、聞かないままぶつかっていった方が思い切りがいいというものでしょう」
「ですがっ、キッチリのスコップもハート型になって以来、刺してきざんで叩いて」
「それにっ!」
次第に大きくなっていく副官の声を、更に大きな声で遮る。
上司がそこまで激昂したような声を上げるとは思っていなかったのか、
彼女はビクリと肩を揺らして若干の怯えを含んだ目を彼に向ける。
「それに、もうあまり失敗は許されていません」
その瞳に罪悪感を苛まれ、視線を伏せる。苛立ちをそのままぶつけてしまった自分を恥じ入り、コンソールに手をつく。
「……申し訳ありません」
「そんな。先生は何も」
「いえ。どちらにせよ、本部はそろそろ結果を欲しがっています」
「そんな……。そんな、だって本部は何も知らないんです。先生がどれだけ頑張ってるか、知らないから……っ」
献身な副官は、ただかぶりを振る。彼女は賢い。
賢いがゆえに分かってしまうのだろう、彼の立場が危うい事を。
そして、何か一手が無ければ、それは改善しえないものであることも。
顔に手の甲を押しつけ俯く彼女に歩み寄る。
「それに、そう悲観したものでもありませんよ」
そして顔をあげた彼女に弱く笑いかけ、煌々と光を発し続けるスクリーンを指し示した。
そこには先ほどのように一つの部屋が一杯に映し出されていたが、
一つだけ違うのはそこに彼らが求め続けて止まなかった一つの単語が表れていたことだった。
「まさか……」
「ええ。『梅玉』です」
「……遂に。やっと、突き止められたのですね」
あまりの事実に手で口元を覆う。
が、それも束の間、僅かに赤くなった目じりが、にこりと満面の笑顔で飾られた。
これこそが求めた一手。それも極上の。
これさえあれば、彼の立場は安泰どころか、帝国が恐れる『彼女ら』に対抗すら出来る。
「ええ。やはり、この学校内に溜めこんでありました。
間違いなく、あのコウテイペンギンが落とした梅仁丹の結晶です」
「なら、早く。一刻も早く『梅玉』を」
「ですが、事はそう単純ではないのです」
そう言うと彼は副官を促し、再びコンソールの前に立つ。
簡単にパネルを触り再び校舎の全体像を映し出すと、彼女は息をのんだ。
「開かずの間……」
「ええ。『梅玉』はあそこです。頑丈に鎖をかけられた、あの開かずの間にあります」
つまりそれは、これが『彼女ら』との、イヤボン戦士リリキュアとの総力戦になるという事。
『梅玉』を手に入れられれば、彼はリリキュア達と互角以上に渡り合えるだろう。
しかし、リリキュア達が駆け付けるまでにそれを手に入れられなかった場合、それが意味するものは。
「……さて、準備を整えなければなりませんね」
副官の視線から逃げるように、コンソールから離れる。どちらにしろ、もう時間はないのだ。
これ以上この地で仕事を、任務外の『仕事』をするわけには、いかない。してしまったら、自分は。
「……先生」
耳に届くか細い声を、聞こえないふりをして昇降機に向ける足を速める。
決意の綻びを、彼女に見せるわけにはいかなかった。
自分は任務を果たすために、帝国からこの地に赴いたのだから。
「先生っ」
それでも、副官の声は彼を追いかけてくる。
彼の足は昇降機に向けてなお早まるが、それより先に彼女は上司の行く手を阻んで昇降機との間に周り込んできた。
「先生! 本当は先生は、リリキュア達と戦う事を」
「いつの間にか、そちらの呼び名の方が使い慣れてしまいましたね」
眼前に立ちはだかった副官の頭に手を乗せて、笑う。
彼女の瞳が大きく見開かれ、その奥の感情がありありと見てとれた。
「常月さん、貴女が戦う必要はありません。
このままこの学校で生徒として暮らしていくのが貴女にとって一番いいと、私は思います」
「……いいえ。最後までお供いたします……糸色様」
彼を見上げた目の色は、揺るぎない堅固さに染まっていた。
彼女がこうなったら梃子でも動かない事は、よく分かっている。
「そうですか。……私は本当に、いい部下に恵まれましたね」
その言葉を受け、彼女の表情がくしゃりと泣き出しそうに歪む。
それを見ないで済むように、髪を乱さないように気を付けて頭を撫で、彼女の横をすり抜けて昇降機に向かう。
「さあ。行きましょうか」
望の言葉と共に、昇降機の扉が音もなく開く。もちろん、きちんと電気を消すのも忘れない。
ここに赴任してからの日々を思い返し、対峙してきた彼女らを思う。
握り込んだ掌に、再び痛みが走った。開いてみると、爪の痕から血がわずかに滲んでいる。
今度はその血を拭う事はせずに、もう一度固く握り込み強く胸板に押しあてた。ただ、決意が揺らがぬように。
そしてゆっくりと閉じていく扉を、スクリーンに映し出された帝国のマークだけが見送っていた。
「まといちゃん!? そんな、友達だと思っていたのに!」
キッチリの悲鳴にも似た声を切り刻むように、白閃が走る。
振り上げたスコップに叩きつけられた刃は、
その冷たさすら感じさせる繊細さとは裏腹の重い衝撃でもって、キッチリにたたらを踏ませた。
「ええ、友達よ。ただ、優先順位が違っただけ」
眼前に迫る少女の顔には微塵の躊躇いもなく、逆手に握られた包丁の軌跡はあまりに鋭い。
スコップの威力を殺しきる零距離に潜り込まれ、常にその距離で付き纏われる。
「それでも、どうして絶望帝国なんかに」
遮二無二振るわれたスコップは剛風を伴い、交錯した包丁を弾き飛ばす。
が、その刃物が宙に舞い上がるより早く、まといは既にスコップのリーチの外にいる。
「どうして……? あなたなら分かっていると思っていたけれど。それとも、分かっているのに認めたくないだけ?」
得物を奪われたまといは、しかし欠片の動揺も見せずに力強く腕を振り上げる。
袂から出鱈目な数の鎖分銅が吐き出され、八方に伸びた鋼の連環は
部屋のあらゆる場所からその身を蟒蛇のようにくねらせてキッチリの足を絡め取った。
「まあ、いいわ。分からないというのなら」
引き倒されたキッチリを、温度の宿らない眼が見下ろす。
苦悶の声と共に振り上げられたスコップは、しかしその身に相手を捉える事はなかった。
「貴女はここで負けるだけよ」
そして背後からの絶望的な囁きに誘われるように、白刃がキッチリの首筋に這った。
553 :
嘘予告:2008/02/20(水) 03:36:51 ID:TChJ1QgT
砕けて地面に散った髪止めは、梅玉と競うように暴虐ともいえる光と騒音を撒き散らす。
梅玉を持つ望は相乗して膨らみ続けるその輝きをかろうじて見る事が出来たが、
メルは既に耳を塞いで地面にうずくまっている。
が、髪止めを失って以来だらりと体を弛緩させたままだったカフカが、
突如としてメルの手からFONAを奪うように取ると、画面をろくに見もしないでキーを叩き出した。
昼の光さえ暗く錯覚させる赤い烈光の中で、残骸となった髪止めを挟んで望とカフカが対峙する。
が、彼女は梅玉を持つ望などまるで眼中にないように一心不乱にFONAのキーの操作を続け、
さしたる間も置かずにひときわ強くボタンを押しこんだ。
「……馬鹿な」
瞬間、小石すら持ち上げる音に埋め尽くされていた空間に、昼の光が戻る。
先の騒音は幻だと言われればおそらく信じてしまう程に、周囲は水を打ったように静まり返っていた。
呆気にとられる望に、カフカがFONAを無造作に放る。望は受け取ったFONAの画面を見て、驚愕に目を見張った。
ゆうて いみや おうきむ
こうほ りいゆ うじとり
やまあ きらぺ ぺぺぺぺ
ぺぺぺ ぺぺぺ ぺぺぺぺ
ぺぺぺ ぺぺぺ ぺぺぺぺ ぺぺ
「何故、お前の世代でこれを……いや、知るわけがないな。……貴様、何者だ?」
支えを失って重力に逆らわずに下りた前髪に隠れ、カフカの眼を見ることはできない。
その代わりだ、とでも言わんばかりに、綺麗に閉じられていた唇が嘲り笑うように歪み上げられた。
554 :
嘘予告:2008/02/20(水) 03:42:20 ID:TChJ1QgT
普通は、途方に暮れていた。どうして、こんな事になっているのかと。
「何故、コウテイペンギンが男になり、もう一匹が現れたのか。本当はわかっているんでしょう」
そんな事、分かるわけがないではないか。自分はいつも、リリキュア達に助け出されるだけの一般人だ。
「考えてもみて。梅仁丹をまき散らしたペンギンに、そんなに懐かれている理由。
どうして、貴女にだけその子はあっさり捕まるのか」
流れから仕方が無くペンギンと一緒に開かずの間に放り込まれ、リリキュア達の戦いが終わるのを待った。
なのに、奥座敷の精霊はそんな普通にゆっくりと歩み寄る。
自分はカメラマンに憧れて、ちょっとペンギンに好かれるだけの女子校生なのだ。
なのに。なのにこの人は。
「絶望帝国は今度こそ本気よ。梅玉を取られるのも時間の問題」
精霊は体に巻きつけた毛布をもう一度たくしあげ、長い髪の間から普通に睨むような鋭い目線を向ける。
普通は直感的に悟った。私の勘違いでないのなら、この人は私に、一般人この上ない私に。
「貴女が四人目よ。普通」
戦え、と言っているらしい。
ペンギンを強く抱きしめ、普通は途方に暮れていた。どうして、こんな事になっているのかと。
555 :
嘘予告:2008/02/20(水) 03:47:40 ID:TChJ1QgT
光に包まれる望は、声を上げなければならなかった。
失ってからでは遅すぎる。望は、ちゃんとその大切さを知っていた。
何とか戦いから遠ざけたかった。傍に置いておけば守りきれるはずだった。
なのに。
「本当に、目を離すと何をするか分からないんだから」
彼女の心を傷つけてしまうなら、せめて他の何も傷つけまいと幾度も撫でた髪がふわりと揺れる。
望に振り返った彼女はどこまでも優しく彼に笑いかけ、目尻には涙が浮かんでいた。
「常月さん。……駄目です、今すぐそこをどきなさい。どくんです」
縋りつき、代わってやりたかった。
地に伏して這うしかできない体にあらゆる呪詛を吐きかけ、光を抱えるまといに少しでも近寄ろうともがく。
「命令ですよ、どきなさいと言っているっ。聞こえないのか、今すぐそこからどけ!」
体を動かすのに全ての神経を使うと、言葉は勝手に流れ出した。
どんなに見苦しかろうと構わない。酷く渇いた喉を更に嗄らしながら、がむしゃらに地面を引っ掻く。
「私が代わりになる! 彼女を、彼女は止めろ! 駄目だ、常月さんっ!」
光はますます膨れ上がり、景色は白く塗りつぶされつつある。
三半規管すら侵す強烈な光の中、望が眼前の影に伸ばした手は、あえなく空を掴んだ。
そんな望に、まといはただにこりと微笑む。目尻の涙が一筋、尾を引いて流れた。
「どうか。どうか、お元気で……先生っ」
望が上げた声も、きっと届かないまま。
やがて、その微笑みも光に掻き消えていった。
556 :
嘘予告:2008/02/20(水) 03:53:31 ID:TChJ1QgT
一面に広がる岩、小石、砂利。
見渡す限り無機質で埋め尽くされた荒涼とした地に、二人は立っていた。
少女は水色の髪を揺らし、青年はボロボロになった袂から血を滴らせながら力なく空を仰いでいる。
「さあ」
やがて弱々しく風が舞い、砂埃が全てを柔らかく覆っていく。
「決着を、付けましょう」
そして、二人は歩き出した。
続かない
以上です。申し訳ありませんでした。正しい楽しみ方は指をさして笑う事のみだと思います。
ほんとすいません、ほんとすいません。
思いっきり叩いてください。ぶって! もっとぶって!
後の人が透過しやすいようにハードルを下げたんですよ、と言い訳。
勝手に書いてなんですが、ネタを回収しきれなかったのが心残りです。久米田先生とアニメスタッフ、マジ凄い。
改めて見ると本当に酷かったので、こんなのが残るのは末代までの恥、今回も倉庫には収録せずにお願いします。
最後に、本当に申し訳ありませんでした。
ポカン
>>557 絶望的な道が新たに拓けた気がする
これはこれでと思わないでもない
副官まといにテラ萌えたので問題なし
>>557 続いてもいいかもと思ったw普通に面白かった←普通ってゆーな
ちょっと地の文の「普通」が人名なのかまぎらわしかったかな
改蔵のssモウナイノー?
ナイノー
交×みよちゃん(5)希望
大草さん!いけません!
なまあしおじさんとジュディの艶かしい絡み希望
思ってませんよ?
生足だけでなく、身体を売る大草さん
全員にボインタッチしちゃう交君
が読みたいなぁ…なんて思ってませんよ
節分も過ぎたし、隣の女子大生の口紅の真相を暴露してもいいと思うんだ
交「胸って・・・ここかぁ!」
千里「・・・・・・・・・」
千里「悪い子にはきっちりお仕置きね」
交「え・・・・・・」
千里「まず、私の胸は こ こ 。」
むにゅ
千里「頭を抱き締められて、学習なさい。」
交「むぐっ」
千里「今君が顔を埋めてるのが胸。」
交「モゴモゴ(うずまってねーよ)」
ギリギリギリ
千里「埋めてるのが、 む ね 。」
交「ムグゥッ(痛い痛い頭痛い)」
ミシミシミシ
交「グゥゥゥ(あ・・・頭の骨から音がぁ!)」
千里「君が顔を埋めているのは、 何 処 ?」
ミシミシミシビキビキビキ
交「ミギャアアァ(ム、ムネですっ!)」
ガクッ
千里「正解。次、女の人の胸を触ったら、もっと強く抱き締めるわよ」
交「オッパイサワルノヨクナイデスヨ、オッパイサワルノ・・・」
交うらやましい…
くせになっちゃいそう。 (矢島さんの声で)
572 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 22:59:13 ID:/34vimpE
若いうちから女と縁があると、年を取ってから苦労するぞ
だからおじさんがかわってあげよう
絶縁先生乙
575 :
10-478:2008/02/22(金) 16:26:55 ID:hJBUuxIM
小ネタ投下します。
576 :
ボインタッチ:2008/02/22(金) 16:27:38 ID:hJBUuxIM
ボインタッチ
藤吉さんの場合
−−−−ムニュ
「ひゃ!へ?な、何ちょっと?」
「いや、その…」
「…ふーん。別に触ってもいいよ。交君可愛いしね。そのかわり…ね?」
ニヤマリ
「うわああぁ!」
After
「コワイヨ、コワイヨ棒がコワイヨ。」
ひのきの棒にトラウマ
霧の場合
−−−−ムニュ
「きゃっ!え?…交君どうしたの?」
「いや、その…」
「…もっと触りたい?」
「え!?」
「ウーソ。お仕置きだよ。」
「え?…!モガモガ…」
After
「おっぱいには夢がある!」
交君おっぱい星人への階段を昇り始める
加賀ちゃんの場合
−−−−ムニュ
「きゃっ!?あ、あの…一体?」
「いや…その…」
「…はっ!ごめんなさい!ごめんなさい!私のひ、貧相な胸では触りごたえが全くありませんよね!?すみません!ひ、貧乳ですみません!」
「あ、あの…」
「すみません!すみません!」
「…こ、こちらすみません!すみません!」
「ああ!謝らせてしまってすみません!すみません!」
「いえいえ!こちらこそ…」
以下無限ループ
After
「はぁ…なんだかとても悪い事をした気がする…そして疲れた。」
交君、ボインタッチがとても悪い事だと知る。
577 :
ボインタッチ:2008/02/22(金) 16:28:30 ID:hJBUuxIM
大草さんの場合
−−−−ムニュ
「あら?どうしたのかな?」
「いや、その…」
「いいのよ?寂しかったんだよね?ほら、おいで。」
「…おかーさぁーん!」
「よしよし。」
After
「俺…母さんに会うまであきらめないよ。」
交君、三千里の旅へ出る
あびるの場合
−−−−ムニュ
「・・・・・・」
「…あ、あれ?」
「何か?」
「いや、その…何でもない。」
「そう…」
じとーーーーーーっ
…ゾクゾク
After
「もっとその冷たい目で突き刺してくださぁーい!」
交君、Mに目覚める。
カエレの場合
−−−−ムニュ
「ちょっと!私のいた国では幼児が胸を触っていいのは謝肉祭の時だけだよ!そして触った幼児は(中略)…によってこれは刑条○△にあたります!訴えるよ!!」
「あの…ごめんなさい」
After
「法律って難しいんだな。」
交君、法律を学ぶ
奈美の場合
−−−−ムニュ
「きゃっ!?ちょっと何するの?交君!子どもだからってこういう事はしちゃいけないんだよ!」
「・・・」
「・・・?」
「普通の反応だな…」
「普通って言うなぁ!」
After
特になし
578 :
ボインタッチ:2008/02/22(金) 16:29:03 ID:hJBUuxIM
芽留の場合
−−−−ピタッ
「ッ・・・・・・!!」
めるめる、めるめる
『テメー何考えてやがんだ!ブッコロス!!』
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ハッ!
「メルメルに何をする貴様ぁ!!」
「うっわああぁぁぁ!!」
After
「髭と帽子コワイヨ。ターンエーコワイヨ。次元コワイヨ。」
交君、お髭のガンダムとルパンが見れなくなる。
真夜の場合
−−−−ピタッ
ガスッ!ドゴッ!ズギャン!!
After
「…痛い。」
交君、痛みを知って大人になる
まといの場合
−−−−サッ−−−−サッ−−−−
「ダメよ交君。私は身も心も先生に捧げたから!」
「捧げた…身も心も…」
After
「おや、交。どうしたんですか?」
ゲシッ
「痛ったぁ!何するんですか!?」
「別に。」
交君嫉妬
可付香の場合
そろ〜
「あれ?交君。どうしたんですか?」
「え?あっと…」
「あ、わかった!ボインタッチですね!どうぞいいですよ!」
「え…?」
「さぁ!」
「う…」
「ほら!」
「あ…あぅ…や、やっぱいいよ!」
タッタッタッタッタ
「逃げちゃいましたか。もう少しだったのに」
「眼が!眼が怖いよう!!」
579 :
10-478:2008/02/22(金) 16:32:25 ID:hJBUuxIM
倫も考えたけど交とはどういう口調で話すかわかんない事に気付いた。
よく考えたらこの二人はあまり絡みがないですね。
自分も子どもの頃はしかにかかっときゃよかった!
今やったら犯罪者。
このネタは去年から待ってた
GJ
交がタッチした人物によって、その後の人生が変わるのがワロタw
大草さんに包まれたい……
ことのんは?
芽留の場合にワロタ
人によって、交が触った時の音(?)が違うのも細かいな
深夜に投下
前の露天風呂に続き
たぶんこれで完
注意書き
・短い
・キャラの特性が崩壊している
・スカトロじゃないよ
なぜか自分では珍しく抜けなかった
では
「ちゃんと責任・・・とってくださいね!」
「・・・は?」
まずいまずいまずい、何でこうなったんだ。そうだまず修学旅行で生徒たちの引導を・・・。
そんなことを考えている間にも愛はじりじりとこちらににじみ寄ってくる。
じりじりと下がる、もちろんさらに寄ってくる。
そりゃ私も男なんだから女の裸なんて見たら勃ちますよ、などとぼやきつつもこの状況から抜け出す方法を必死で模索している。
たとえ千里やまといから逃げる際にもここまで必死にはならないだろう。
なんにしても、びんびんにいきり立っている自分のこれ、をどうにかしないと本当にまずい・・・。
そこまで考えたところで、急に視界が上を向いた。
だんっ!
「いてて・・・。」
どうやら考えことをしながら下がったため、端にきたことに気づかず足がひっかかり倒れこんでしまったようだ。
血はでていないようだが、それより
「・・・・・・・・・///」
倒れる際に手を離してしまったため、丸出しだ。
今私のブツは、可憐な少女の前に晒されている。
恥じらいを持った愛の顔は温泉のせいもあり赤く染まっている。
「・・・こ、これが・・・先生の・・・」
愛は小声でつぶやくと、それをまじまじと見始めた。
「か、加賀さん・・・やめましょう、せ、生徒と教師でそんな・・・」
しかし、全くやめてくれる様子はなく、それどころか彼女は望自身を両手でしごいてきた。
びくっ、と望の肉棒が勃ち、一気に元気を取り戻した。
それだけでもかなりの快感がこみ上げてきて、我慢できず喘ぎ声を出してしまっているのだが、愛には聞こえなかったようだ。
その後も彼女は興味深そうに望の男性器を弄っていた。
何とか意識を他に逃そうと、本当に普段とは大違いだ、とか三珠さんはどこに言ったんでしょう、など考えていると
唐突にいきり立っている私のそれに顔を近づけ、
「っはあっ! はぁ、はぁ・・・、か、加賀さ・・・はうっ!」
はむっ・・・
「うっ・・・あ・・・!」
先端を口に含んでしまった。
「ちゅぷ・・・、
ちろちろと触るか触らないかぐらいの感触で舐めてくる愛。
早く止めないと。頭ではわかっているのに身体が動かない。
そうしている間にも愛は根元までも含み、顔をピストン運動させてさらに舌も絡めてくる。
当然だが舌使いはとてもうまいとはいえない。しかし、熱心にしゃぶっているのがとても心地よく感じる。
先端から先走りがにじみ、愛がすぐにそれを舐めとった。
それすらも敏感になっている望にはかなりの快感となり、望の喘ぎ声となってかえってくる。
ちゅぷ・・・、じゅる、はむっ・・・ちゅぱ・・・
淫らな音が響く露天風呂で、望の臨界点がだんだんと近づいてきた。
「・・・ん・・・へんへいの・・・ほいひい・・・れふ」
「(う、上目遣い!)」
愛が男性の象徴を咥えたままこちらを見上げてきた。
自分の男性器を口で咥え両手で茎や玉をしごいてもらう、そんな状態が続き、望の射精感はかなり高まっていた。
「っ!・・・はぁ、加賀、さんっ! もう、出、ますっ!」
「だ、だいじょぶれふ、ぷはっ! せ、せんせいのなら、べつに・・・」
どうにも語尾がはっきりしないが、そういうとまたすぐに舌を肉棒に絡め始めた。
望の砲身はとっくに発射準備を整えている、しかし望自身が発射寸前のところをなんとか寸止めしているのだ。。
何で私ばっかりこんな目に・・・と考えながらも、自分の受け持ちの女生徒に奉仕してもらうという背徳感からくる快感はとてつもないものだった。
しかも、愛は肉棒を味わうようにしゃぶり、吸うようにしているので、望がすぐに限界を超えたのも無理はなかった。
そして今度こそ、
「だ、出し、ま、すっ! うっ、うあ、ああああああああああ!」
びゅるっ、びゅくっ! どくっどくどくどくっ!
絶棒が愛の口内でびくっと大きく跳ね、大量の白濁を放出し、果てた。
なんということだ。あろうことか口内に出してしまった。
しかも自分でも意識のないうちに愛の頭を上から押さえつけ、離れないようにしてしまった。
愛はというと、急に押さえつけられ絶棒から口が放せない上に、望の放った白濁をすべて口で受け、飲み込むしかなくなっている。
いまだに愛は絶棒を咥えているが、少しするとなんとか全部飲んだようで、ぷはぁ、と絶棒から口を離した。
そして望は一気に現実に引き戻された。
もうだめだ。受け持ちの女生徒に猥褻な行為をしたとして逮捕される!
そうなれば一家追放。下手すりゃ離縁なんてことに・・・ああ
絶望した!本当に絶望した!生徒の誘惑に耐え切れなかった自分の抑制心の弱さに絶望した!
どうすればいいんだ、自分。 気まずい雰囲気の中、ひとつの案が浮かんだ。
そうだ、ここはもうメンタルケアに当たって少しでも罪を軽くしないと・・・。
あまり名案とはいえないが、とりあえず当たり障りのないように話しかける。
「 ・・・加賀さん あのー、ちょっと。今後のことでお話をしたいのですが・・・」
「・・・なたのために・・・」
「へ?」
「あ、あなたのためにやったんじゃないんだからね!
誤解しないでよね!」
たたたっと駆け出していった愛。
一人ぽつーんと残された望、ぽかんとした顔をしているが、すぐに納得したような表情になった。
「(つまり、精液が濃かった、ということなのか・・・?
ま、元の性格に戻ったなら訴訟は避けられそうですね よかったよかった)」
辞職しないで済む、という安堵感から少しの間ぽけーっとしているとすぐに今がまだ生徒入浴時間中なのを思い出し、
そそくさと温泉を出て脱衣所に入った。
それにしても来年もここに来るのは気が引ける。来るたび来るたびこんな目にあってては身が持たないし、
なによりもう精力的な限界というものもある。
「ん?」
着物の上に何か置いてあるのに気づく。目を凝らしてみるとそれはただの紙であった。
もっともなぜこんなところにそれがあるのかはわからない。
眼鏡をかけそれを拾うとそこには、
「責任はとってもらいます
愛より」
と。
どうやら完全に性格が戻ったわけではないようだ。
しかしもうすでに心身ともに疲れ果てた望はがっくしと膝をつき
「・・・・・・」
「辞職はもういやだあああぁぁーーー!!!」
心からの叫び
そして、静寂
こうしてここにまたひとつ新たなフラグが立ちましたとさ
尾張
うんこ伯爵思い出すなあ
なんか二作目にして早くもマンネリみたいな感じがしてきた
自分ので抜けないのも個人的には結構珍しい
これを見た正直な感想やアドをお願いします
※三珠さんはこのあと最初のほうに出てきた猿がおいしくいただきました
名前が不快デス
そんなもんは、どうでもい。
作品としてはすごくいんだけどさ…
その名前どうにかならんのか?
>>592-594 改名するべき?
それと本当に少しでも違和感したところあったら教えてくらはい
なんか引っかかるんだよなあ
しいて言うなら、望は…だったり私は…だったり地の文の視点がころころ変わるのが少し違和感?
改名はして欲しい
読んだ方も、うんこさんGJとか言いにくいでしょう
せめて うこん とかならまだ…
>>596、597
把握
今度からまたがんばってみる
ありがとうございました
では
こうんワロタw
エロ付の続き書くより、前回のまま終わってればネタとしてすっきりしてた気はする
でも十二分に面白かたでつ
あとMになった三珠さんを勝手に妄想して死んだ。やばい最高。猿しね。
アニメは女子大生ネタ引っ張るんだね
ていうか可付香黒い、真っ黒だよ
>>602 アニメ見てないから知らないが、嫉妬により黒くなっている可能性もある?
それと原作で倫がバック見せるの長くなるけど、あれは望を誘っているのだろうか?
お尻は近親相姦にならないって聞くし
>>603 あれはアニメの中の人がクレしんの人なので、くめたんなりの
オマージュらしい。が、そういう目で見れた方が断然良いなw
倫にとっては望と近親相姦したいけど、それだと婿入りして糸色家の姓を捨てられない
ダブルマインドなわけですね。
…え、ちがう?
はい、違います。
「ダブルバインド」です。
そして義妹の可能性もあるのでセフセフ
608 :
98:2008/02/25(月) 07:12:58 ID:yTur+LGH
遅ればせながら私の投下したSSを読んで下さった方、感想を下さった方どうも有難うございます。
またSSを投下させて頂きます。
アニメ二期8話Cパートでの先生と隣の女子大生のシーンに構想を得て書きました。
SSでの時間軸は以前、投下した「Tranquilizer」と同じです。
今回はエロなしですが、ご一読頂けると幸いです。
「…可符香さん…。」
偶然、本屋に寄った帰りに仲良く話しながら歩く先生と変装した可符香さんを見かけた時、
その瞬間から自分の心の中で激しく揺らめく嫉妬の炎を感じた。
彼女の正体に気付かず浮かれてだらしない笑顔で会話する先生を自然と睨みつける。
「久藤くんじゃないですか、こんな所で会うなんて奇遇ですね。」
そのまま足早に立ち去ろうとした所を先生に気付かれ、向こうから声を掛けられた。
「こんにちは先生。本当に奇遇ですね…ところでそちらの方は?」
仕方なく人が良さそうな笑顔を作り先生に挨拶を返してから、
先生の後ろにいる“変装した可符香さん”について尋ねた。
ウィッグを被り化粧をした彼女は普段の彼女より、ずっと大人っぽくて本当に綺麗だった。
「…あ、彼女は…。」
「初めまして、糸色さんの家の隣に住んでいる女子大生です。宜しくね久藤くん。」
「はい、こちらこそ宜しくお願いします。」
先生の言葉を遮る様に自己紹介した可符香さんに僕は丁寧に返事をし、互いに初対面を装った。
「…お邪魔しているみたいですから、僕はこれで帰りますね。それでは失礼します。」
「…け、けして邪魔なんかでは…コホン…はい、ではまた明日に会いましょう久藤くん。」
僕の言葉から自分と変装した可符香さんが端から見れば恋人同士に見えるのだと思ったのだろう。
どこか照れ臭そうな笑顔で自分に挨拶を返した先生に胸の苛立ちが更に増していた。
二人と別れてから暫くして携帯のメール着信音が鳴り響く。
携帯を取り出してメールを確認すると可符香さんからだった。
今から会いたいという簡潔な内容で、僕はすぐにOKの返信を打ち始める。
「…繋がるのは体だけでも構わないよ…心まで求めたら…きっと可符香さんは僕から離れていく…。」
返信を終え携帯を握りしめながら、僕は空を見上げて苦しい胸中を吐露する様に呟いた。
“本当ですか、嬉しい”
――あんなに嬉しそうに微笑む彼女に本当の事を言える訳がない。
ああ、これが惚れた弱みなんでしょうね。
「交、一緒にたべませんか?私一人じゃ、とても食べきれなくて…」
「嫌だ、オマエ一人で食べろ。」
今日も隣の女子大生が作って持ってきてくれた料理を交は口にしてくれない。
“交も貴方の料理を喜んでいるんですよ”
彼女に嘘をついてしまっている事にかなりうしろめたさを感じていたが、
それでも彼女に真実を教えて傷つけるよりは幾分もましだと自分に言い聞かせた。
カップラーメンを作り始めた交の横で私は彼女の料理を黙々と食べ始める。
やはり不味くはない…今度こそ何の問題もない筈だ。
しかし、その私の淡い期待は今日も裏切られ胃腸薬のお世話になる羽目になってしまった。
「ほらな、やっぱり…あの女わざとそんな料理ばかり作ってきてんじゃないのか?オマエ騙されてんだよ。」
お腹を壊して苦しむ私を呆れながら見つめる交が隣の女子大生を非難する。
「そ、そんな訳ありません!いくら子供でも勝手な憶測で彼女を悪く言うのは許しませんよ!」
すかさず私は声を荒げ交の言葉を否定した。
「…はいはい…こりゃ重症だな…久藤兄ちゃんが教えてくれたお医者様でも草津の湯でも何とか…って奴か。」
交の口から出た“久藤”という名を聞いて、ほんの数時間前に彼と会った事を思い出した。
なぜ久藤くんは私が声を掛ける前の様に学校でも時おり険しい視線を自分へ向けるのだろうと。
目を合わせれば何事もなかったかの様に彼は柔和な笑顔を見せる。
私には久藤くんにあんな視線を向けられる何かをした覚えは全くない。
きっと理由を尋ねたとしても彼は上手くはぐらかして答えないだろう。
「…はぁ…いったい私はどうすればいいんですか…。」
交が部屋を出た後、誰に言う訳でもなく私は一人ぼやいた。
「…あははっ…先生は今ごろ私が作った料理を食べてお腹を壊している頃ですね。」
鏡台の前でウィッグを取り化粧を落としながら、腹を壊して苦しむ先生の姿を想像して呟く。
私に嘘をつき、私の言葉に浮かれて喜ぶ先生の姿が滑稽であり、そして愛しくも感じた。
「やっぱり久藤くんは、すぐに私だと気付きましたね〜先生は全然気付かないのに…。」
気付いたのが先生ではない事実に微かな寂しさを感じながら、鏡に映る自分を見つめる。
そこに映る私は神様との約束でいつも被っているポジティブの仮面を外したありのままの自分。
「久藤くん、会いに来てくれるんですね。」
久藤くんに会いたいと携帯からメールを送ると、すぐに返信があり内容を確認して微笑む。
久藤くんは絶対に隣の女子大生が私だと先生や他のクラスメートに明かしたりはしない。
それでも念には念を入れて、彼を呼び出して口止めしておく事にした。
…でも、私が今すぐに久藤くんに会いたいと思ったのは、それだけではなかった。
「…久藤くんに抱かれないと…自分を保てないんですよ…。」
どんな時でもポジティブを貫く私にも、やはりネガティブ思考になり不安になる時がある。
そんな時に私は久藤くんとのセックスを無性に求めた…まるで精神安定剤の様に。
ほんの戯れに経験豊富な彼に抱かれてから始まった都合のいい肉体関係は意外と長く続いていた。
「…そういえば私が誘って久藤くんが断った事は一回もないですね…。」
それについて更に深く考えようとした時に携帯がメールを着信して振動する。
久藤くんが私の家の前に着いた事を連絡するメールだった。
「…さてと、久藤くんを中へ迎え入れないといけませんね。」
鏡台の椅子から立ち上がり、私は急いで玄関に向かう。
今日も久藤くんは私に安らぎを与えてくれる筈だ。
―終―
612 :
98:2008/02/25(月) 07:24:30 ID:yTur+LGH
以上で投下終了です。
准、先生、可符香それぞれの視点で書いてみましたが初めての試みなので
至らない点も多くありますが大目に見てもらえると助かります。
それでは失礼します。
いいな。
先生が何も知らずにノンキにしているところが、またいい感じ。
久遠ってカフカ以上に何考えてるかわからないから心情書くの難しいよね
カフカは誰よりもわかりやすいよ
脳内補完すれば
そりゃ脳内補完できりゃどのキャラでも解りやすいだろうよ。
個人的に一番解り難いのはまといだなぁ。
一途なのか移り気なのか、粘着質なのかアッサリしてるのかイマイチ掴めん。
いや嫌いとかじゃないぞ、念のため。
やっぱ元はギャグ漫画だから、それぞれキャラ解釈の違いがあって面白い。
2月29日は跳躍の日だぜ
カフカだけ本音も名前の由来もわからないw
いや、名前の由来は分かるだろうと釣られてみる
621 :
305:2008/02/25(月) 22:05:16 ID:XuQmISka
お疲れ様です。305です。
あびるちゃんで作りましたので、投下させてください。
あびる+短編+微エロ(…かな?) です。
よろしくお願いします。
ドアを開け、微かに消毒薬の匂いが混じった空気の中へと足を踏み入れた。
冷房の効きは控えめだったが、外に比べればとても快適に感じられる。
ドアを閉めると、どこかで鳴いている蝉の声が遠ざかるようにして消えていった。
少し湿ったように重い質感で、しかし清潔に保たれている事が分かる待合室のベンチとカウンターが目
に入ってくる。
子供の頃から馴れ親しんで来た者にとっては、懐かしさを憶える空間かもしれない。
それとも、注射針の記憶を思い出すなどして、寒気を感じてしまう人の方が多いのだろうか。
外に比べて少し薄暗い受付の前では、カウンター越しに看護士の女性と小学生くらいの子が何やらやり
取りをしていた。
「……そうね。うん。動物病院に連れて行ったほうがいいと思うよ。──ゴメンね、ここ、人間のお医者さ
んだから…」
まだ、ようやく背がカウンターに届くかどうかの小さな子は、短くお礼を言うと、回れ右をしてバタバタと足
音を立てて外へと出て行った。
よく見ると、両腕で小さめの犬を一匹抱えている。
……すぐに尻尾に目が行ってしまうのは、しっぽ好きの習性とも言える所以だろう。
どんな時でも趣味を優先する─── こんな自分が割と好きだった。
──ただ、今の犬には尻尾が二本生えていたように見えたのがとても気になる。
少し硬そうな尻尾がもう一本あったような……
「…あの? 初診の方でしょうか?」
受付の女性に声をかけられ、いつの間にか玄関を向いた姿勢のまま、受付の前まで進んでいたことに気
がつく。
全身包帯だらけで初来院した患者に、彼女は少なからず戸惑っているようだった。
カウンターの上にあった受付用紙を手に取り、ペンを走らせる。
……やはり利き手じゃないと書きづらい。
それに気がついた彼女が手を伸ばし、押さえてくれた用紙に名前を書き込んだ。
『小節 あびる』
「小節さん、お入りください。」
ベンチに腰を下ろして数分と経たないうちに、あびるは診察室へと呼ばれた。
さすがに流行っていない事に定評のある病院だな。と、松葉杖の固い音を響かせながら部屋へ入って行く。
差し向かいで会う事は初めてだったが、何故か何度も会った気がするのは、やはりこの二人の顔立ちが
似ているからだろう。
兄弟そろって細面で端正な顔の造りをしているが、命の方にはやや険があって固い印象をうける。
すすめられた丸イスに腰掛けながら、あびるは相手の顔を見つめてそんな事を考えていた。
「──小節さん。…望の所の生徒さんでしたね? 今日はどうされました?」
確かに学校の制服を着ているのだが、一目で自分の弟の教え子だと気が付いた命に、少し驚く。
しかしよく考えてみれば、話した事は無くても、包帯とギプスで体のあちこちを固めた生徒がいれば印象
に残るのは当然かもしれない。
医師である彼にとっては、特にそうだろう。
「どうしました…?」
「あ……」
考え込んでいて反応しなかったあびるに、命はカルテを持ったまま小首をかしげて再び尋ねる。
あびるは少し姿勢を正すと、ぽつりと口を開いた。
「…なんとなく傷跡が痛くて。」
「なんとなく? ちょっと曖昧ですね… 今、怪我をされた訳ではないのですね?」
うなずいて見せるあびるに、命はカルテを机の上に置いて眉を寄せる。
「もしかしたら古傷が開いたのかもしれませんね。とくに痛む場所は?」
「…よく分かりません。あちこちが痛んで。」
首を振ったあびるに命は軽くうなずいてみせる。
「わかりました。ちょっと診てみましょう。では、包帯を解きましょうか。」
「はい。」
ゆっくりと立ち上がると、自由な方の手を使い、おもむろにスカートのジッパーを下ろす。
「……君、ちょっと? 何をしているのかな?」
眉をひそめて制止の声をかける命に、あびるは全く表情を変えずに答える。
「…脱がないと包帯が解けないから。」
事も無げにそう言い捨て、するっとスカートを下ろし、包帯だらけの下半身と下着を露出させる。
顔色こそ変わらないが、命が視線をそらしている事がわかった。
「……しかし、この包帯はどうやって巻いたんだい?」
「包帯が伸びて。」
「え……?」
「いえ…… 普段は家の人に手伝ってもらってるから。」
命は少し首を傾げたが、あまり突っ込んで聞かない方がいいと判断したのか、それ以上は尋ねない。
ふと、あびるがセーラー服の上着の裾を片手で掴んで命を見ている。
「脱ぐの……。手伝ってもらっていいですか?」
「あ……? ああ……」
何かが間違っているような不信感を覚えながらも、命は上着を脱ぐ事に手を貸す。
片手のギプスと三角巾が邪魔をし、腕がほとんど上がらない状態に苦心しながら何とか袖から腕を抜いてゆく。
ほとんど命に任せたままで、彼の動きを見ていたあびるがぽつりとつぶやいた。
「…先生。質問していい?」
「……ん? 何を、かな?」
手を止めずに答えた命に、あびるは言葉を続ける。
「両手骨折で入院してる時に女の人が見舞いに来るのって……男の人は嬉しい?」
命の動きが一瞬止まる。
微かに眉間に皺を寄せ、脱がせた上着をあびるに手渡した。
「いや、解らないよ。そんな経験は無いしね。……唐突に何を?」
すました顔で、手渡された上着を器用に片手で畳むと、あびるは包帯の巻かれた自分の両腕を見せる。
「両腕骨折した女の子が自分を訪ねてくるのって、どうなのかなあと思って。」
「なぜ、そんな事を私に?」
やや機嫌を損ねたようで、命はぶっきらぼうな口調で答える。
腕の包帯を解きながら、そんな命の顔を覗き込むようにあびるは口を開いた。
「先生、前にうちのクラスのセカンドオピニオンになりたがっていなかった? だから聞いてもいいかなって。」
命の表情が気まずそうな物に変わり、少しズレた眼鏡を指で直した。
「……いやまあ、あれは、付けられるよりは自分がなりたいと言うだけで。」
「じゃ、セカンドオピニオンしてもいいですよね?」
「あ……まあ……」
如何ともしがたいといった曖昧な笑みを浮かべ、命が頷いた。
肩の包帯に手を伸ばし、あびるは少し曇った表情になる。
「…先生が、他の女の子と仲良くしているんです。」
「──え?」
唐突な内容に、ガーゼと消毒薬を取り出した命の手が硬直した。
「…私が良いと言ってくれたのに。いつも素っ気無いし。」
「あ── 君たち、そういう仲なのか?」
「うん。」
迷い無くうなずいて見せたあびるから戸惑いがちに目をそらし、あごに手を添えて短く唸ってみせた。
「……あいつめ。教え子に手を出すとは…… 自分から誘って突き放すとは何を考えている…」
少し鋭い目つきになって呟く命に、あびるは小首をかしげてみせた。
「やっぱり似てますね。考え込んだ時の顔とか…」
「ん? そうかな…… って、何をしている?」
視線を戻してちょっと微笑もうとした命の顔が、またすぐに強張った。
話している間に上半身の包帯を殆ど解き終えて、残るはサラシ代わりに胸に巻きつけた部分のみになっ
ている。
その部分にあびるが手を掛けると、包帯が緩んだ拍子に押さえつけられていた大きな膨らみが柔らかそ
うにゆさりと揺れた。
「何をしているのかね!? 全部脱いで、とは言っていないだろう?」
少々怒りの色を滲ませた命の声に動じる事なく、あびるは大きな目を一度まばたいた。
「半裸の方が好きなんですか?」
「好き嫌いじゃなくて! 怪我している所だけでいい!」
「はあ。」
気の無い返事をしてみせ、あびるは一度緩んだ包帯を巻きなおした。
引っ掻き傷にしてはやや大きすぎる切り傷や、同じ場所に必ず二・三本ある傷跡を見、不審そうに眉をし
かめる命だったが、早々に詮索する事を止めたようだった。
手早く傷口を消毒し、軟膏の様な物を塗ってガーゼで包み、真新しい包帯を巻いてゆく。
「すまないね。いつもは女性の助手がやるんだが、今日は──」
「…平気ですよ。触られるくらい。」
抑揚の無い声で返されて、命は苦笑を浮かべる。
「先生は触れたことないな── 私に。」
再び硬直する命。
首を振って気を取り直すと、黙々と作業的に手当てを続ける。
「…どう思います?」
「いや…… 単純にチキンなだけだろう。」
「そう……」
ぽつりとしたあびるの返事に、命は気になったのか包帯をテープで止めながらチラリとその瞳をのぞく。
澄んだ大きなあびるの瞳からは何の感情の揺れも感じ取れない。
「………」
気がついたあびるに見つめ返され、命は多少引きつり気味の笑いを返した。
背中に冷たい汗が流れ落ちた事がわかる。
「じゃ…… 次は足の怪我の様子を見せて下さい。」
あびるは一つ頷くと、真横にあるベッドの上に手を付き、体を支えながら移動して上に転がる。
横たわったあびるの、長い足に巻かれた包帯を解きにかかった時、自分の下着に指をかけたあびるを
目ざとく見つけて素早く手首を掴む。
「だから脱がなくてもいいと……!」
「でも、ここの包帯が解けませんよ。」
あびるの示す通り、地肌に直接巻かれた包帯は一旦下着を取り払わないと外す事は難しそうだ。
そして、包帯の白色に微かに滲んでみえる赤色は、この下に怪我の部位があると教えている。
「…お医者さんでも気になるんですか?」
「あ……いや。」
命は言葉に詰まり、あびるから視線をそらしてしまう。
「──ハサミで切ろうか。どの道、新しい包帯に変えるからね。」
すぐに冷静さを取り戻したようで、デスクの上からハサミを取り出し、あびるに向き直る。
あびるは体を横たえ、相変わらずその表情は変えぬまま、唇が少し動いた。
「──もしかして、先生も……チキン…」
その言葉に命はやや鼻白んだ様子を見せ、コトリと音を立ててデスクにハサミを置くと、あびるの横に立
ち無造作に下着の両端に手をかける。
「………」
全く動じる様子も無く、無言のあびるにやや気圧され気味だったが、手を止める事なく両足を通して下着
を脱がしてゆく。
引っ込みがつかなくなったとは言え、何だかとんでもない事をしているような意識を覚える。
部屋の冷房はそれなりに効いているはずだが、命のひたいには嫌な汗が浮き出ていた。
「……ちょっと傷口が化膿しかけているかな。まあ、まだ暑いし。なるべく汗をかいたら包帯を取りかえて
、蒸れたままにしないようにして──」
わざとだろう。淡々とした口調で、こちらに背を向けて横になっているあびるに説明してゆく。
あびるは、スポーツでもしているような引き締まった背中と、くびれたウエストを惜しげも無くさらしていた。
足を閉じて向こうを向いているので、大事な箇所は見えない状態だが、形のよいヒップは丸見えの状態
だと言うのに、当のあびるはそれを気にする様子ない。
あまりに堂々としていると言うか、無頓着と言うのか。
その姿には、むしろ、清清しさすら覚える。
はずみで見てしまわないように視点をぼやかしながら、あびるの脚を取って包帯を巻き付けてゆく。
壁に顔を向けたままのあびるが、目だけを動かし、視界の隅にうつる命に話し掛ける。
「…先生。」
「ん?」
「このまま、ごろんと転がったら、慌てる?」
そう言いつつ、体を動かしかけたあびるに、本気でやりかねない事を悟った命は反射的にその体を押さ
えつけた。
「あ………?」
「あ! いや失礼!」
押さえようと伸ばした手で掴んだ場所は、あびるのヒップだった。
すぐに手を退け、謝る命をじっと見つめる。
「先生。」
「あ、ああ… はい?」
「……手、汗ばんでる。暖かいね。」
一瞬、立ち眩みでもおこしたように眩暈を覚えた命だったが、すぐにあびるに背を向けるとデスクに座り
カルテにペンを走らせ始める。
「──じゃ、もう、服を着ていいから。」
ワンテンポ置いて、背後であびるが起き上がる音を聞きながら、怪我のあった箇所と状態を書き込んでゆく。
あびるが自分の真横の丸椅子まで来て、そこに座ったのがわかった。
さりげなく顔をそらす。耳には、下着を履き、服を身につけていく布磨れの音がしていた。
「……さっきより痛みがマシになりました。それに、ちょっと、快適な感じがする。」
「それは何よりです。……じゃ、お大事にして。」
軽く命に頭を下げて、立ちあがりながら松葉杖に手を伸ばす。
──が、そこでバランスを崩して命の方へと倒れこんでしまった。
「きゃっ……!?」
「おっ……!? と!」
とっさに命が受け止めたおかげで、あびるは床に突っ込まずに、その腕に抱えられた。
「ごめんなさい…… 転ぶつもりは無かったんだけど…… 私、運動神経なくて。」
命に抱えられて立ち上がりながら、あびるはちょっと照れたような微笑を浮かべた。
「…いや。大丈夫?」
初めて表情らしい表情を見た気がして、命は少し戸惑いながらも笑い返す。
そんな命をじっと見つめ、あびるは軽く首を振ってみせた。
「ええと…… 何かな?」
間近で顔を見つめられ、やや気まずさを感じながらも、命は静かな口調で尋ねる。
「……じゃ、私、帰りますね。」
「あ… そうだね。お大事に……」
立ちあがり何事も無かったように背を向けるあびるに困惑しつつ、命はいつも患者を送り出すように声をかけた。
ドアを開けた所で、ふと、あびるが立ち止まり、首だけで振り向いた。
「……また…… お願いします。」
ちょっと笑ってそう言い残し、あびるは診察室を出てドアを閉めた。
松葉杖の固い音が、受け付けの方へと遠ざかってゆく。
急に全身に疲労感が広がり、命はデスクに寄りかかるようにして力を抜いた。
手を伸ばして戸棚から鎮痛剤を取り出すと、コップの水で飲み下し、溜め息をつく。
「……望よ。頼むから、私にツケを回すなよ。」
痛むこめかみを押さえながら、目を閉じる。
「まあ…… お前も大変なのは少し分かった…」
眼鏡を外し瞼を指で押さえながら、命は誰に言うとでもなく、溜め息と共に呟いた。
「暑……」
夕方近くになっても気温はさほど変わらず、蒸し暑い空気が溢れ、真っ直ぐな日差しが肌を射る。
蝉の大合唱も相変わらずに、衰える事ない声を響かせていた。
病院を出たあびるはすぐ横手の路地へと入り、建物の裏手の方へと回りこむ。
すでに自分を待っていた様子で、日傘をさした着物姿が目に入る。
「…あ、倫ちゃん。こんな感じでよかった?」
「うむ、上出来でしたね。…そうそう、約束のものじゃ。」
片耳に付けていたイヤホンを外すと、持っていたポーチから布で包まれた物を取りだし、あびるに見せる。
あびるは自分のお下げ髪の編み目の中から、ボタン電池のような物を取りだし、包みと交換するように手渡した。
包みの端を少し開けて中を確認すると、あびるは嬉しそうに笑顔をつくり、包みを大事そうに抱えなおす。
「…誰にも見つからぬようにな。見つかっても責任は負わぬぞ?」
「わかってる。」
うなずいたあびるを一瞥し、倫はイヤホンに繋がっていた携帯電話程のサイズの機械をポーチへとしまった。
「むう…… 命お兄様はあまり、からかい甲斐がなさそうじゃの…。もっと面白い事になるかと思いましたのに。」
「…色気で釣るのは無理だと思うけど。職業柄、慣れてるんじゃない?」
「慣れている……とは、どんな事じゃ?」
訝しげに尋ねる倫に、あびるはちょっと考えてから答える。
「……つまり、もう、色んな女の人が何人も、絶命先生の前でハダカを見せているからだろうね。」
あびるの言葉に、倫の顔色が一瞬真っ赤に染まり、険しい表情を見せた。
それを悟られないためか、慌てて横を向いて不機嫌な口調で言い返す。
「…お兄様は、そのようなふしだらな事はせぬ。」
「まあ、見なれている感じはしたな。…知り合いだからの照れはあるかもしれないけど。」
倫はますます不機嫌な顔になり、口を尖らせて黙りこむ。
「他に、からかいポイントを探したほうが早いかもしれないわ。」
「…うむ。あ! ──それはそうとして、最後のあれは何じゃ!? 予定にはなかったぞ!」
「あれはただの事故だけど……」
説明するあびるに倫はまだ不満げな様子で眉を寄せている。
「まあ今回だけは大目にみよう……! まさか、どさくさ紛れに命兄様に鞍替えなど考えておらぬな?」
「ちょっといいかなって思った。」
さらりと言われた倫は真っ赤な顔で絶句しているようだった。
「……あ、うそだから。」
「お主が言うと嘘には聞えないのじゃ! それに、私は望お兄様との仲も認めた訳ではないぞ。…このま
までは、うやむやにされそうなのでハッキリ申しておくが。」
あびるは少し困ったように口をつぐんで倫の言葉を聞いていたが、やがてポツリと呟く。
「倫ちゃんも大変だよね。」
「? 何がじゃ?」
「…あんな格好いいお兄さんばかりだと。」
「──っ!?」
倫は耳まで真っ赤の染め、あびるに背を向けるとさっさと歩き出して行く。
「…ええい! こんな場所で立ち話などしていては、日に焼けてしまうわ!」
文句を口にしながら去って行く背中を見て、今度は聞こえないような声で呟いた。
「……荒れる気持ちも分かるけど。──もっと素直には………なれないか。」
最初から選ぶ余地の無い倫の立場を一瞬想像し、去って行くその背中にはかける言葉は思い付かず、
暮れかけた日差しの中へと小さくなってゆくのを黙って見送っていた。
今まで自分の好きなものばかり追いかけていて、考えなかった事がある。
もしこの先、どちらかを片方だけ選ばなくてはいけない事になったら。
比べ様がないものでも、離れなくてはいけなくなったら。自分はどうするのか。
一方を、より大切だと選んだ時、もう一つの物が色褪せてゆく── その様は今は想像できない。
「どうにも……困ったものね。」
まるで他人事のようにつぶやきながら、遠く離れてゆく倫の姿に自分の背を向ける。
蝉の声に混じり、ほとんど聞こえない松葉杖の音を立てながら、ゆっくりと歩き出した。
627 :
305:2008/02/25(月) 22:12:56 ID:XuQmISka
おそまつでした。
では、また。
ちょ…!!
秘孔を突かれました…死にそうです!!
>>620 本気でわからないので教えてくれ百見様
>>621 たんたんとしたあびるがかわいいぞー!!!!!
なんて見事なスネークっぷりなんだあびる!
ぜひまた続編お願いします
___ ━┓
/ ― \ ┏┛
/ (●) \ヽ ・
/ (⌒ (●) /
/  ̄ヽ__) / 診察室の様子を倫様は録音して
. /´ ___/ それでおなぬーとかしたりしないのだろうか
| \
| |
>>629 >フランツ・カフカ
「変身」したりする小説家
>赤木 杏
赤毛のアン。絶望的状況でもポジティブ電波さんですよね〜
実は詳しくは知らない
絶望先生から逆流した人が多いと思いますが
フランツ・カフカは男です
つまり隣の女子大生が可符香であることを知り
さらに男だったことを知って真の絶望を味わう
そんな最終回、と
正直、フランツ・カフカを知らないとかどんだけゆとりだよと思う。
知識は他人を見下すための道具ではない。
>>633 そう言う前に自分の心にゆとりを持とうぜ
まーでも、一応はこのスレに来るからにはカフカの存在くらいはあらかじめ知っといた方がいいんでないかい?
年齢的にも、原作をリスペクトする意味でも
>>630 あー!それとつながるんだ!ありがとう、すっきりした
カフカも変身も知ってたけどまったく結びつかんかったw
フーラってなんかあったっけと思ってた
>>633 去年、飛天御剣流の奥義授かったお年頃
別に何を知るか、何を知っていないかはどうでもいいだろ。
知ろうと言う気持ちが大切なんじゃにゃいだろうか。
たまには一行リレー小説でもやろうぜ!
ある朝、糸色望が目を覚ますと皇帝ペンギンになっていた。
カピカピになった躰をケアしてもらうべく、ぺったんぺったん、あびる宅に向かう。
あびる宅に向かう前に、マスコミの注目をあびる羽目に。
カフカの本名が赤木杏説の材料として、1話で先生がこいつ赤毛のアンかよと言っている、というのが
あるが、まだ名前知らないんじゃないかと思う。初対面だし。
変な服をきて野次馬として来た木野君と、空気の読めない
>>642もいたが、振り切り逃げ出すことに成功する
一行リレーはやめとけ
気に食わない流れを無理やり修正しようとする輩が現れて泥沼化するのは目に見えてる
作品投下しにくいしね。書き手遠ざかるかもわからんよ。
646 :
639:2008/02/26(火) 09:40:19 ID:yGys5mRB
たんなる遊び心ですのに。10行ちょい続いたら適当なオチつけて切り上げるつもりでしたのに。
でもやっぱ空気読めてなかったですね。ごめんなさい。
千里×望(仮面教師ゼツボウ)でリリキュアのパロです
仮面教師ゼツボウと戦い勝利したその後の予告漫画の話のみです
※バットエンドな悪堕ち微エロなので嫌いな方はかなりご注意下さい
「かっ、仮面教師ゼツボウ!!」
「アハハハハ、久しぶりだな諸君」
怪しげな仮面に変な杖、まだ記憶に新しいその姿に全員で驚愕した。
「そんな、倒したはずなのに!」
「どうしてっ」
「迷ってる場合じゃないわ。カフカちゃんメルちゃんっ…変身よ!!!!」
「「了解」」
「あ、ちょっと待って下さい」
手を上げ変身しようと意気込んでいた所を引き止められ、勢いのまま転びそうになる。
「もうっ!何よおっ!!」
「いや、あのですね。今日は千里さん、あなたにだけ用がありまして…」
急に小声でボソボソと話しかける姿に少し動揺する。
「ええっ!?ちょっと…みんなの前で…その…どういうことですか!」
「プレゼントがあるのですよ」
「え」
瞬間的にポッと顔が真っ赤になるのが自分でもわかった。
けれど出てきたものは予想を遥かに超えるものだった。
「これを」
「ダ……ダンボール…の仮面?」
顔の前に突き出されたのは仮面教師がつけているものとは明らかに違い、子供のおもちゃ同然のような代物だった。
「ちょっと、どういう…ッ」
「あなたならこの意味わかって下さると思いまして」
仮面に覆われて素顔まではわからないがきっとニヤニヤといやらしい顔を浮かべているだろう。
「なに…」
人を馬鹿にしたのを思い知らせてやろうと仮面を乱暴に掴んで投げつけようとしたところで―――
「きゃああぁぁぁーーーッ!?」
「千里ちゃん!?」
仮面に触れた部分からビリビリと電撃のようなものが全身に流れ込み激しい衝撃が頭の先からつま先まで襲う。
「確かに、渡しましたよ」
不覚にも敵である仮面教師に支えられるのを感じながら、意識は暗闇へと消えていった。
私は夢を見ていた。とても幸せだった一時を…
「ん…ここは?」
眠い目をしながら体を起こす先生にゆっくりと優しく声を掛ける。
「おはようございます。先生」
「千里さん…」
眩しそうに一度目を伏せながら風に乗りゆらゆらと落ちるピンク色をぼぉっと眺めている。
「わたしは…何を?」
「よく眠られてましたよ先生」
質問には答えずにっこりと微笑んだ。
すると先生は舞い散る桜を見上げ目を細めながら切なそうに呟いた。
「長い…夢を見ていました…はっ!なにかこう…大事なことを忘れてしまっているような…むぐっ」
これ以上言葉を言わせないように、唇に人差し指を押し当てた。
戸惑う先生の表情が幼く見えた。
「いいの…もう終わったんだよ全部」
「あっ…」
驚きに見開いていた目に優しさが戻るのに時間はかからなかった。
「はい」
「先生…」
「ん?」
「おかえりなさい」
はい、私は再び帰ってきました」
「なっ!」
冷たい声と同時に急に辺りが暗くなって足元さえも見えなくなってしまう。
「あなたのために…」
「な、何を言っているの!?」
「フフフフフ…」
「違うッ、先生じゃない!あなたは仮面教師ゼツボウ!?」
「そうです」
懐からトレードマークの仮面を取り出し不適に笑う。
「そうよっ、確か私倒れて…」
では今私は夢の中に勝手に宿敵に割り込まれるのを許すほどに心をさらけ出し無防備な状態にあるということになる。
相当に危険な状態に立たされているのは間違いない。
「あのダンボールの仮面は一体…」
凄まじい衝撃を思い出し身震いしながら問いかけた。
「これのことですか」
言いながら仮面教師が手をかざすと、下の暗闇から黒い光を放ちながらそれが現れた。
「なんかさっきより毒々しくなってるわね…」
プレゼントすると言っていたがこんな明らかに危険なものを素直に受け取るわけがない。
「さっきは不覚を取ったけれど、もう負けないわ!変身!!」
呪文を唱えると辺りに青い光が現れ体をリボンのようなものが覆い全身を変化させていく。
魔法の力を溢れさせ変身が完了する。
「あなたは戦う気がないのかしら」
普段ならしっかりと顔を覆い表情を隠している仮面は手に握られたままだった。
「いえ…これはこうするのですよッ!」
突然持っていた仮面をこちらに向かって放り投げてきた。
ダンボールの仮面の横をすり抜けてブーメランのようにくるくると回りながら飛んでくる。
「しまっ…!」
とっさのことに避けることも出来ず仮面は吸い寄せられるように両手の中に納まった。
ドクン!
「な…」
覚悟した衝撃は訪れず変わりに頭の中に何かが勝手に入り込んできた。
夢の中だけあって明白に感じることができる。
「う…あぁ…」
(…なにっ?この感覚)
始めはわけがわからず流れてくるものに対して耐えるのが精一杯だったのだが、
次第にそれらがなんらかの感情であることが理解できた。
(もしかしてこれは…せんせいの…)
仮面を通して一方的に頭を侵し暴れる思考に心が張り裂けそうなほどに痛い。
(ぜつぼう?)
先生の絶望が私に入りこんでくる
まるで世界中の悲しみを集めたような重く苦しい絶望が…
先生は今までこんな思いを抱えながら戦っていたというの?
たった一人で…長い間…どのくらいこの過酷な運命と戦っていたのだろう。
「きゃっ…!?」
急に体から力が抜けて前に倒れこみそうになる。
「大丈夫ですか」
「あ…」
地面に倒れる前に後ろから支えられ、持っていたはずの先生の仮面が地面に転がっていた。
「あなたにはまだコレは耐えられない」
それを拾い上げながらこちらを眺める瞳にしっかりとした意志があるように思えた。
「先生…!」
咄嗟に仮面を持った方の腕を取り必死に呼びかけた。
「この仮面をつければあなたは私と同じになれるのですよ」
けれど先生から返事が返ってくることはなかった。
空いたほうの腕で宙に浮かぶダンボールの仮面を取り私の両手に押し付けてきた。
「あなたは私の事が好きなのでしょう?」
「なっ…!!」
心が激しく揺さぶられた。
わかってる、わかってるのこれが罠だって。
目の前に居るのは私の好きな先生ではなくて、ゼツボウの仮面に操られている先生で
私を仲間に引き入れる為だけに感情を利用するような卑劣な感情の持ち主なのだ。
真実を知ってしまったらもう私に抗うだけの力が無いのをわかってて近づいてきたのだ。
そんなの許せないに決まっている。
でもそんなことよりも許せないのは…
今まで先生が大事だった癖に先生自身のことなんてこれっぽちも考えず戦ってきた私。
自分の気持ちしか考えていなかった私…
「あんなに苦しい戦いをもう一度繰り返すのですか?」
あの時私が苦しんでいた何倍も先生は苦しんでいたはず。
これ以上先生を孤独に苦しませるわけにはいかない。
分かち合えるというのならば、少しでも苦しみを軽減させてあげたい。
「この仮面を受け取ってくだされば、あなたも私も幸せになれるのですよ」
「わかったわ…」
膨大な重苦しい絶望を先生がたったひとりで背負い犠牲になって私達を守ってくれていたことを誇りに思う。
先生の本当の優しさを誇りに思う。
「…すぐそっちに行くね先生」
持っていたダンボールの仮面をゆっくりと自分の顔にはめていく。
「…バイバイ…みんな…」
優しい二人の仲間を一瞬思い浮かべたけれど、瞬く間に消えていった。
「っ…いやああああああっ!」
さっき先生の仮面に触れた時とは比べ物にならないほどの絶望と、
それに抗おうとする魔法の力が体の中でぶつかり合いガクガクと激しく揺さぶられる。
「体はまだ反抗しているというところですか。仕方が無いですね」
「はっ…ううっ?」
「千里さん大好きです」
「―――ッ!」
その言葉を聞いた瞬間すべての思考が停止した。
「…あ…ああっ…」
いつの間にか瞳から涙があふれて仮面に覆われている頬を濡らしていた。
うれしいのか、かなしいのかその涙の意味はわからないけれど…
「せ…んせぇ…」
仮面から溢れ出した絶望がすさまじい勢いでどんどん体を包んでいくのがわかる。
魔法の力の源が思いであるからこその作戦だった。
「うぅ…はあぁ…」
「大丈夫ですよ、そろそろ苦しくなくなってくるはずですから」
言われてすぐに効果が現れてきた。
渦巻いていた絶望が段々と甘い痺れを伴う快感へと変わってきていた。
「な…んで…やあぁ…」
自分の中にある魔法の力と絶望がいつの間にか混ざり合い馴染んできてそれが心地よく思わず色っぽく息が漏れた。
ぼんやりとしながららこのまま先生とも心を一つにできたらいいのになと願った。
願ってしまった。
「だめ…ですか?」
心が全て絶望の仮面で覆われてしまった時自分はどうなってしまうのだろう。
もう今までのように先生のことを愛しく思うことができるかはわからない。
これが正気でいられる最後かもしれないという事実に気がつきいてもたってもいられなくて、
精一杯の力で黒いかたまりに覆われている右手を動かしそこに居るであろう先生の方に腕を伸ばした。
せめて触れたくて力も、残った魔法の思いもすべて込める。
絶望がすべての快楽となる今その行動はただ体が急速に熱く気持ちよくなっていくだけだった。
「はぁ…あ、あぁ…はん…っはぁッ…もッ…!」
「いいですよ」
欲望の波に意識すべてがのまれようとしたギリギリのところで右手が暖かいぬくもりに包まれた。
「せ…」
名前を呼ぼうとしたところではめられていた仮面が外され胸の辺りに置かれた。
明るい光とともに最も望んだ人がそこに居た。
「千里さん、私が弱いばかりにこんな…」
今にも泣きそうな顔で悲痛に叫ぶ先生の顔が見えた。
「…ッ…あぁ…うっ…」
言葉がすぐに声にはできず嗚咽のみが漏れた。
先生が居た。まだここに。
大丈夫だよ、と強く抱きしめたかった。
私なんかより強くて尊くて愛しくて本当に大切なんだよと伝えたかった。
「ふ…は…ッ………ぃ」
本当はそんな悲しそうな顔させたかったわけじゃないのに、と謝りたくてでもできずに遂に体も心も限界を超えた。
「ふわあああああ…うううぅぅあああんんんんッ―――!!」
これで…先生と一緒に…ずっと……
絶望と幸せで満たされながら仰け反った背中から崩れ落ちていった。
「・・・さん・・・千里さん」
「あ…せんせい?」
「気がつかれましたか」
「私どうしたのかしら…?何か夢を見ていたはずなのだけど…」
「ぐっすり眠られてましたよ」
「あっ!も、もしかしてずっと私の寝顔を見てたのですか!」
「あはははっ、かわいかったですよ」
「ちょ、ちょっと先生っ!」
「いいじゃないですか、これからは…ずっと一緒なのですから」
千里の足元にはダンボールだったはずの仮面が、完全な仮面となり転がっていた―――
リリキュアは千里と先生のラブラブっぷりにびっくりしましたがその設定に萌えたので書いてみました
ハッピーエンド的にはこの後仲間の励ましにより正気を取り戻し
新しい魔法の力を手に入れるとかそんな展開かと
バットエンド好きなので書きませんが…
このスレ向きではないのかなぁと思いつつ ありがとうございました
声をあげて笑うタイプではなかったけど、
何度かすこしクスッてなった
それにしてもよくあの短い部分だけで作ろうと思ったな
普通にGJ
>>639-644 −絶望一行集− 変身
ある朝目を覚ますと干からびた皇帝ペンギンになっていた望はあびる宅へ向かった。
道中マスコミの注目をあびるも、おしゃれTシャツ少年と別の話題に救われる。
泥沼にはまり乾きは潤されたが、投げっぱなしの皇帝ペンギン生活を肯定せざるを得ない望であった。
絶望した!四行で打ち切りの連載に絶望した!
>>652 GJ。ラブラブなのは嬉しかったけど、妄想はしにくいんだよなぁ、リリキュア
>>654 誰が上手いことを言えと(ry
>>654 単行本の前回のあらすじ的なのりにおさまったね
>>627 しれっとクールに脱ぎ出すあびるがすごく良い…305さんのシチュエーションの豊富さには感服します
>>652 千里、千里、可愛い、いじらしい。ハッピーバッド、共にこの後を色々想像しちゃいます
リリキュアは、本編よりよっぽど綺麗なフラグが先生と千里の間に立ってそうなのが素敵
さて
>>373の『一緒にお風呂』編、を書こうと思ったんですけど
出来上がったのは、一緒にお風呂には入るけど元のイメージとは結構違うモノ
先生×千里 事後から始まってずっと後戯って話
好きな人は好きかもしれませんが…どうなんでしょ?
658 :
くってりさん:2008/02/28(木) 16:56:57 ID:QbOu5e0U
はぁー、と深く長く息を吐いた。
じんわりと全身に広がっていく痺れ。
指一本動かすことすら煩わしくて、私は心地よい泥の中に沈んでいく。
ぼーっと天井を見上げながら余韻に浸る私の髪が先生に撫でつけられた。
とても優しい目が私に向けられている。
その視線の主である先生が、にこりと微笑んで、私の頬に手を当ててキスをしてくれた。
この人は、エッチした後が一番優しいかもしれない。
そう思うのは、単にそのときの私がこの上なく幸福だからかな。
ただ頬に触れられているだけだというのに、すごく気持ちがよくて、
顔が緩むのを抑えることは出来そうにない。
659 :
くってりさん:2008/02/28(木) 16:58:06 ID:QbOu5e0U
「拭きますね」
ティッシュを数枚、重ねて手にした先生が言った。
私は膝を立てて脚を開き、行為でべとべとになっているあそこを先生に拭いてもらう。
とんでもなく恥ずかしいけど、先生にこうされてるときが、困ったことに結構好きだったりする。
「よし…と。さ、お風呂入ってきなさい」
「うん」
体を起こし、立ち上がろうとした…が。
「……先生、いっしょに入ろ?」
思い直し、先生の手を取って言った。
お風呂の間だけだというのに、私は先生と離れたくなかった。
660 :
くってりさん:2008/02/28(木) 16:58:57 ID:QbOu5e0U
シャワーで、私の中をすすぎながら、先生が言う。
「まさか、あなたから誘ってくるなんてね」
「んっ……すいません…」
「いえいえ、素直で…」
ちゅっと軽く、先生におでこにキスをされる。
「かわいいですよ。でも、私以外にそんな所見せないでくださいね」
「あたりまえです」
ぎゅっと抱きつくと、先生は優しく抱き返してくれた。
661 :
くってりさん:2008/02/28(木) 16:59:57 ID:QbOu5e0U
先生と向かい合って湯船に浸かる。
その間になぜか、黄色いアヒルのおもちゃが浮かんでいた。
これを交くんが喜びそうには見えない。
ということは、先生用?
まさかね、と思っている私の目の前で先生が指でアヒルをつついて遊び出した。
どうやら本当に先生用だったようだ…
子供っぽい所があるとは思っていたけど、これほどとは。
でも、そういうところも好きなんだよね、と心中で呟きながら
流れてきたアヒルを指でちょん、と先生の方に返すと先生もまた押し返してきた。
そのまま二人でアヒルをつつきあう。
まったく、何をやっているんだろう私達は。
端から見れば確実にバカ二人だというのに、なんだか楽しくてやめられない。
662 :
くってりさん:2008/02/28(木) 17:01:08 ID:QbOu5e0U
湯船から出て、椅子に腰掛ける先生の正面に立ち、先生の頭をわしゃわしゃと泡を立てて洗う。
先生の髪は、私のよりずっと滑らかで、ちょっと羨ましい。
「んー…上手ですねぇ、木津さん。こういうのもいいもんですね」
「ええ」
「これからは一緒に入ることにしましょうか」
「うん…」
代わって、先生に頭を洗ってもらう。
長い髪に少し手間取ったようだけど、先生が大事に扱ってくれたのが嬉しかった。
663 :
くってりさん:2008/02/28(木) 17:02:05 ID:QbOu5e0U
お風呂から上がった私達は、お互いの体をバスタオルで拭きあい、寝巻きに着替えた。
そして、お布団の上にあぐらをかいた先生と向きあって座って、ドライヤーをあててもらう。
「熱くないですか?」
「きもちいい…です」
「よしよし」
と、先生が私の頭を撫でた。
先生は、二人っきりのときには、どうも私を子供扱いしたがる傾向にあるらしい。
今、私が着ているパジャマだって、上下共に先生に着せられたものだ。
そう、文字通り着せられた。
でも、そんな風に扱われるのが…お風呂上りに体や頭を拭かれるのも…
パジャマを着せられて、ボタンを一つ一つ止められたりするのも…嫌いじゃない。
もしかして、先生はそんな私の気持ちをわかって、こういう事をしているのかもしれない。
「……先生って…結構大人なんですね」
「なんですか結構って……でも、あなたこそ意外とあまえんぼですよね」
「いいじゃないですか、こんなときくらい…」
ぎゅっと先生の服を掴むと、先生はふふ、と笑った。
664 :
くってりさん:2008/02/28(木) 17:03:06 ID:QbOu5e0U
「で、前髪どうします?」
「前髪?」
「ええ、やっぱりきっちり真ん中分けにします?」
「真ん中分け………いえ、先生の好きなようにしてくれていいですよ…」
「……ん、わかりました」
「電気、消しますよ」
「はい。おやすみなさい」
「おやすみなさい、っと」
パチっと先生が電気を消した。
おやすみなさい、先生。
大好きです。
千里ちゃんは、これから先生に花にされるからまだ種なんですよ
こういう望×千里はいいな。GJ
危ねぇ
ネカフェできっちり萌え死にするとこだった
超GJ!!
668 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 22:16:19 ID:pe01fe76
高校生交×霧 木野×愛
Which story wants to read?
>>668 前者で。
後者の場合もちろん着衣ですね?
670 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 22:21:30 ID:pe01fe76
後者の場合もれなく、吐き気・めまい等の症状付きの気持ち悪い装備で。
>>665 GJ
ってか千里ちゃんはこんな話を藤吉さんに聞かせてたのかw とんだおのろけさんだwww
アヒルを突っつき合う二人に激萌えたあああ!!! いいっすよ、超いいっす!
一見様でも十見さまでも、職人さん歓迎しますよ〜!
と、何処かの空に向かってスレの端で何か叫ぶ小物。
交が高校生になる頃には、皆とっくにバラバラになってそうだけどな
霧ちゃんはショタコンだからであって高校生の交だと……
今日カラオケでマリオネットを見つけた。
さっそく歌・・・・・おうとして失敗した。
歌詞が先生がペットだの僕はオナペットだの吹かいでかっっ!w
まといが昔の男に撮られたハメ撮り写真でゆすられて凌辱されるSS書こうとしたが、
純愛ものばっかり落としてた手前今更鬼畜やりづらい俺涙目。
名無しで投下しようにも文章でバレるオワタ。
誰か書いてくれ、もしくは描いてくれ。
あああ何てトコに誤爆うわああスマソ忘れてくれ。
>>679 誤爆なのか?
いったいどこに投下しようとしたんだ??
>>678 純愛物ばかり書いてた作家がいきなり鬼畜物書いたって
誰も文句なんて言いませんよ
だからさあ早く書く作業に戻るんだッ!!
>>678 角煮にレスするはずだたのか?w
凌辱物の話になてたからねぇ
気にせず是非書いて欲しい
望×まといの続きは
陵辱読みたい
>>671 まさか今回は書いてない部分に反応してくれるとは…個人的にポイントなんですよ、そこw
>>678 投下されるSSの方向性が凝り固まってて息苦しく感じることがあるんで、できればやってもらいたいです
それに名無しで投下する人を特定しようなんて、書き手逃がすようなマネはしませんよ
個々人にバレるバレないってのだけはどうしようもないかもしれませんが
>>678 投下しても問題無いと思うよ。
確かにこのスレは純愛モノの比率が高くて、自分もそれが好きだけど、
たまにはそういうのが読みたいって人もいると思うし。
687 :
交+???×霧:2008/02/29(金) 19:09:02 ID:qzqZNKhd
「交くん、手を洗った方がいいよ。」
「わかってるよ」
僕は横になってテレビを見ながら適当に答える。
「外にはバイキンがいっぱいで、まさに今交くんの手はバイキンの巣窟になりつつあるから。」
「はいはい。」
つまらない2時間ドラマの再放送がBGMのようにただ聞き流されていた。後ろを見ると霧が布団にくるまって雑誌をめくっている。
僕はもう高校生になるが、この人は・・・もう何年も留年して、現在もまだ学校に引き籠もっている。もう1年すると同じ学年になってしまう、正直とても複雑な心情だ。
望はもう他の学校に転任した。あのキャラの個性がドぎついクラスのメンバーも、各々の人生を謳歌しているだろう。
だが、この姉ちゃんだけは残って・・・
あのクラスの皆が卒業する時、彼女の留年も決まった。
体育館で卒業の唄が流れていた。
僕は宿直室に居る。
彼女は、声を殺して泣いていた。
僕も胸が締め付けられるような気持ちになった。
「霧ねえちゃん・・・」
気の利いた言葉を知らなかったから、何も言うことが出来なかったことを、現在になって後悔している。
あの時ああ言ってれば、彼女の心は少しは救われたんじゃないのか。
504:名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) ID:/zetubou
そんなシリアスな展開はいいから、早く押し倒せwww
・・・・・・・・・・・・・・・?
今、何か下品な声が聞こえたような。
505:名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) ID:/otakuka
馬鹿@@@空気嫁( ゚д゚ #)交が一歩成長しようとしてんだよ!!
やっぱり何かいる!!
「ねえちゃん、何か聞こえない?」
「えー、テレビじゃない?」
「そうじゃなくてなんというか、下品な感じの・・・」
「交・・・・・・大丈夫?熱とかあるかもね」
「ちが・・・
506:名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) ID:/12345678
霧はもれの嫁。
!!
507:名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) ID:/87654321
俺は霧の夫。
何なんだ!!?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・つづく
……微妙
つまらないってレベルじゃないな
というよりageてんなよ…
普通に意味が分らん。
酷評もするんだなww
まぁがんばってくれ
ほんのさわりだけ書いてつづく…はやめたほうがいいぞ
まだヤマにもオチにも行き着いてない話に大した感想なんかもらえる訳もなし
それでやる気なくなって結局未完というのはよくある駄目なパターンだ
相当自信があるんならともかく、完成させてから投下したほうがいい
スコットに何か頼める!と思ったがなにを頼めるか忘れる
その後上着きて教室へフードかぶってたためはげかくしてるんじゃねーのという声
また特徴隠して誰かわからなくしてんじゃねーのとも言われる
教室の前入り口から見たら授業やっててしょうがなく後ろから入ろうとしたら中では給食作ってた
で、扉開けて体半分中に入ったとこで後ろから胸ぐらつかまれた 手を伸ばしてきたと考えれば可能
振り向いたらもっちゃんがいて「逃げるのか!力を持つおまえが逃げるのか!」的なことを言ってきて
かなり大きい声だったからクラス中ポカーンとしてこっち見てた
だが目立ちたがり屋の俺はうまく目立とうと思って「もう嫌だ!離せ!離せよ!」とかを大声で叫んだ
すぐ離してそのまま一組に帰ってった で、フードが深かったから誰なのか見えなかったらしくおまえ誰だよ
とか言われて「自分の名前 だよ!」って言ったが信じてもらえずフードと上着脱がされた
なぜか着てたのは愛用のジャージ自分は何人かから質問責め そこでまた目立ちたくなって
「何でもないってwwwおちんちんびろーんwwwww」
とかやって明らかに無理して明るくしてるというアピールををした
ごめん・・・
謎の誤爆短編に超早口で読み上げられる絶望文学集を感じた。
696 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 18:53:29 ID:T8SRUG+W
書くのやめた。
絵描くよ(´・ω・`)
カフカ可愛い
なにを今更
ことのんかわいい。
なにを今更
>>696 やめとけ
絵描きは文章書き以上に要求される度合いが高いぞ
>>696 ここはSSスレだ
描くなら半角二次元板の方行け
てかそろそろ次スレ移行しないと、SS書けなくね?
すごく…かっこいいです…
ヒュー、こいつはクールだぜ
でも、あとの埋めはどうするん?
梅で埋めようなどと思うなよ!
誰かが埋めSSを投下してくれることを信じてる!ワタシ信じてる!!
健全、小ネタ。望スレ原案。
ううっ、ゴホン!‥風邪をひいてしまいました。
この命兄さんが分けてくれた新薬、3日で直るヨクキククスリ、
良薬口に苦しと言えども何故これほどまでに苦いのか。
ふふ、だが私にはこの「おくせずのめたね」がある!
このチョコレートゼリーのオブラートに包まれればどんな苦い薬だろうと
ソフトフォーカスあま〜いゼリーになるのです!
しかしこのおくせずのめたねは便利ですね。一体どこのメーカーのものなのでしょう?
ろくに読んでいなかった裏書きに改めて目をやる望。
製造:絶望角散 販売:糸色製菓 ‥!?
ほほほ、お兄様。
倫!何故ここに、まさか‥
多角経営を目指しチョコレート工場に製薬部門を吸収してみたのです。
どうでしたか?新開発の服薬ゼリーと良く効く苦い薬は?
おかしいとは思いましたよ、買った覚えが無いのに机に置いてあるなんて。
これは交をダシにして薬局に行かなければ恥ずかしい思いをするものですからね!
誰も何も思いませんよ?(空気可符香通過)
常月さんあたりが気を利かせて用意してくれたのかと自分に言い聞かせましたよ。
「我々が苦い思いをしたっていい、これは病に苦しむ人々を助ける為なんだ。
何だ?決して弱みなど握られてなどいないぞ。」
兄さ‥ それだけを言いに。 倫、私だけに飽き足らず命兄さんまでその手に。
命お兄様も快く治験に協力してくれているのですよ。
お兄様達の反応も上々のようですしここは一気に大量生産が見込めますわ。
絶望した!意外なメーカーが製薬業を営む時代に絶望した!
・明治○菓 イソジソ
・住○他旧財閥の製薬業界進出
お子様用と知りながら使用してしまうなんておにいさまったらやっぱり子供!
ううっ、ギャフン!
ギャフンといえば絶望角散 おくせずのめたね絶望角散
‥と日記には書いておこう。
アニメの龍角散ネタを調べてみたらおくすりのめたねが龍角散製だったのと、
薬がごっくん出来ないかもしれない望を合わせてみました。
実際は大人向けも出ているようです。
ほんのちょっと吹いたw
まさに"小ネタ"だなw
埋めますか
埋めついでに絶望ファイトのナレーションって神谷さん? 上田さん?
神谷じゃね?
以下埋め ただめるめるにおもらしさせたいという勢いだけで書いた文
ある日、芽留ちゃんは渋谷にブラを買いに行きました。
お店に入ると、早速店員さんが話しかけてくれます。、
「いらっしゃいませぇ。ウチならAAでもAAAでもカワイイのがありますよぉ。」
いつも毒舌の芽留ちゃんだって、可愛くなりたい女の子。その目がキラキラ輝きます。
「お客さん、こんなのありますよぉ。」
あらあら、エアパッド入りのブラを買わされてしまいました。
今度はそうは行くものか。意気込んで次のお店に入ります。
さっきは店員に任せてしまったのが良くなかった、自分で選んで持っていこう。
「もっと大きくなってから来ようね〜」
おっと、子供扱いされて相手にしてもらえませんでした。
それでも芽留ちゃんは諦めません。何度がっかりしようとも。
しかし、そうこうしているうちに日が暮れてしまいました。
芽留ちゃん、仕方なく家に帰ります。
その様子を影から窺っていたお父さん。
くう。かわいそうなめるめる。待っていろ、今、この財力で…!
数日後。
タンスに入っていた見覚えのないブラ。
こんなの持ってたっけ?まぁいいや。可愛いじゃないか。
それを着けて、芽留ちゃんは学校にやってきました。
いつものように絶望先生の授業を受ける芽留ちゃん。
なんだか様子が変です。
体が熱い。息が乱れる。…気持ち…いい?
芽留ちゃんのお父さんは、何を思ったのかブラに電動マッサージ機を仕込ませていました。
タイマーで勝手に作動する物でした。無駄に高機能なのはお金の力。
…素です。一流職人の仕事に口出ししてまで作らせました。
ただ、めるめるがリラックスできるようにと。
しかし、彼の間違いはこれで終わりません。いや、もう、ある意味正しいと主張したい。
当然のように揃いのパンツまで作らせていたんですね、彼。素晴らしい父親です。
もじもじと動く芽留ちゃんですが、もじもじはいつものことなので誰も気にしません。
これだけなら不幸中の幸いのようですが、誰かが気にしてくれた方が幸せだったのかもしれません。
芽留ちゃん、自分で声を出せない。トイレにも保健室にも引っ込めない。
そしてついに。
「あ……ぁあ……──んんんんんんんっ!!」
ぷしゃあああああぁぁぁぁぁ。
芽留ちゃんは達すると同時にお漏らしをしてしまいました。
ちょろろろろろろろろろろろろろ。
残酷なほど静まる教室。椅子から床に落ちる水の音が教室中に響きます。
ぴちゃ……ぴちゃ……ぴちゃ。
おしっこの勢いも収まった頃、一転教室は騒然となりました。
「みなさん、静かにしてください。…えぇと、」
「先生!私が保健室に」
「お願いします、大草さん。」
うろたえるだけの絶望先生に比べて、大草さんは立派ですね。
泣きじゃくる芽留ちゃんとそれを慰める大草さんが教室を出て行きました。
その後数ヶ月、芽留ちゃんのお父さんは口を利いてもらうことはありませんでしたとさ。
おわり
>718
神谷かと思ったが
上田にも聞こえる
まといSSの続きマダー?
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私のような者が | /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :`ヽ、
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埋めてしまいすいません! / /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
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あ一箇所ずれた・・・
新スレに新作も投下されたことだし埋め加速
725 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 11:41:53 ID:ZViapFbv
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