キモ姉&キモウト小説を書こう!

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1名無しさん@ピンキー
ここは、キモ姉&キモウトの小説を書いて投稿するためのスレッドです。

○キモ姉&キモウトの小説やネタやプロットは大歓迎です。
愛しいお兄ちゃん又は弟くんに欲情してしまったキモ姉又はキモウトによる
尋常ではない独占欲から・・ライバルの泥棒猫を抹殺するまでの

お兄ちゃん、どいてそいつ殺せない!! とハードなネタまで・・。

主にキモ姉&キモウトの常識外の行動を扱うSSスレです。

■関連サイト
キモ姉&キモウト小説を書こう!SS保管庫
http://kimoshimai.yukigesho.com/
■4スレ目
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1187005483/
■3スレ目
キモ姉&キモウト小説を書こう!Part3
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1181762579/
■2スレ目
キモ姉&キモウト小説を書こう!Part2
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1179863962/
■初代
キモ姉&キモウト小説を書こう!
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1176013240/l50
2名無しさん@ピンキー:2007/09/23(日) 04:07:59 ID:GRR88Qzf
■お約束
 ・sage進行でお願いします。
 ・荒らしはスルーしましょう。
  削除対象ですが、もし反応した場合削除人に「荒らしにかまっている」と判断され、
  削除されない場合があります。必ずスルーでお願いします。
 ・趣味嗜好に合わない作品は読み飛ばすようにしてください。
 ・作者さんへの意見は実になるものを。罵倒、バッシングはお門違いです。議論にならないよう、控えめに。

■投稿のお約束
 ・名前欄にはなるべく作品タイトルを。
 ・長編になる場合は見分けやすくするためトリップ使用推奨。
 ・投稿の前後には、「投稿します」「投稿終わりです」の一言をお願いします。(投稿への割り込み防止のため)
 ・苦手な人がいるかな、と思うような表現がある場合は、投稿のはじめに宣言してください。お願いします。
 ・作品はできるだけ完結させるようにしてください。

SSスレのお約束
・指摘するなら誤字脱字
・展開に口出しするな
・嫌いな作品なら見るな。飛ばせ
・荒らしはスルー!荒らしに構う人も荒らしです!!
・職人さんが投下しづらい空気はやめよう
・指摘してほしい職人さんは事前に書いてね
・過剰なクレクレは考え物
・スレは作品を評価する場ではありません
3名無しさん@ピンキー:2007/09/23(日) 04:31:13 ID:d8UlAcMN
>>1
4名無しさん@ピンキー:2007/09/23(日) 09:29:36 ID:7bWE8Kr4
>>1
おつ

スレタイにはないけど、ここはPart5なんだぜ
5名無しさん@ピンキー:2007/09/23(日) 11:02:53 ID:D13FrmDm
>>1
6名無しさん@ピンキー:2007/09/23(日) 13:26:16 ID:UzVFdAq8
投下
7虎とあきちゃん:2007/09/23(日) 13:27:05 ID:UzVFdAq8
 俺は今心を落ち着けて瞑想している───そう、日曜の郊外…ここは戦場だ。辺りは殺気の入り混じった
熱気が漲り、戦意旺盛な者たちが戦いの合図を心待ちにしている。まだまだ甘い。戦いとは戦意だけで
決まるものではない。常に冷静にやるべきことを為したものが勝つのだ。

「五時になりました。タイムセールを開始します。」
「「「「おおおおおおおおおおおおっ!!!」」」」

 ここは郊外のとあるショッピングセンター。巨大な生鮮市場も兼ねるここでは新鮮な食材が安く売られており、
俺もいい食材を求めて日曜日は毎週通っている。今日も首尾よく目的の野菜を手に入れた俺はほくほくと温かい
気持ちでセンターを歩いている。料理は食材が命なのだ。…ふと足を止める。

「…ん?」
 馬鹿姉のせいで鍛えられた危険察知センサーがわずかに反応したのだがだれもいない。気のせいか…
そう思いつつ、大量の食材と生活用品とともに俺は帰途についた。


 翌日、いつもより少し早く朝、亜紀姉とともに学校へと向かう。校門前で相変わらず男装をした薫と鉢合わせした…が、

「よ、よう。薫。おはよう。」「おはよう薫ちゃん。」
「お、おはよう虎之助君。あ…亜紀先輩も…」
 き、きまずっ!!!!!!

「あーえーうー、今日もいい天気だな。」
「そ、そうだね。じゃあとでっ!失礼しますっ!!!!」
 挨拶もそこそこに薫は顔を真っ赤に染めて走り去っていった。

「青春だねー。」
 何も考えてなさそうな姉の頭に軽くチョップし、辺りを何気なく見回すと辺りの女子の視線が何故か俺に集まっていた。

「ん、なんだ?」
「虎ちゃん見られてるよね。みんな虎ちゃんのかっこよさがわかったのかな。あ、でも私のだけど。」
「あほか。」
 気になって耳に意識を集中させる…
8虎とあきちゃん:2007/09/23(日) 13:27:51 ID:UzVFdAq8


「ねーみたみた?」
「うんうんっ!虎之助君が攻めなんだよきっと」
「えー。あのやんちゃそうな感じは受けのほうがー」
「私は虎×龍がー。」


……
………

「さすが虎ちゃん。人気者だねー。」
「俺はノーマルだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
 俺の魂の叫びは徐々に登校する人の増えだした校門前に響き渡った。


 朝から体力を極限まで使い果たし、扉を開けるとそこには背の低いポニーテールの女が立っていた。
 まるで、子供のような容姿に勝気な目と性格。俺の天敵塚本風子だ。

「おいおいー勘弁してくれよ。今日はお前の相手する元気はないぞー?」
「ちょっとこっち来なさい。」
 抵抗するのも面倒なのでそのまま手を引かれていく。抵抗してもうるさいだけで余計に疲れるのだ。こいつは。
 たどり着いた先は人気のない屋上だ。ついでにさぼっちまうか…?

「噂は聞いたわ。」
「いっとくが、俺はノーマルだからな。」
「まさか貴方がそっちの人だったなんてね。男同士なんて…著しく風紀をみだしているわ。」
「泣いて頼むから話聞いてくれよ。俺は普通なんだ。」
 なんでこいつは目的地に着いたのに手を離さないんだ?…手を掴みながら上目遣いで睨み付けてきている。
 背があんま高くない俺から見ても子供に睨まれてるみたいだ。

「だから俺は普通なんだって。どうしろってんだよ。」
「私が正しい道に戻してあげるわ。」
「はあ?」
 何いってんだこいつは。…っておいおいおいおい、何スカーフはずしてるんだ。っておいボタンっ!!

「おまおまっお前なにしてんだっ!!」
「か、勘違いしないでよね。風紀のためなんだからっ!!!」
「お前が一番乱しとるわっ!!」
 風子は暴れる俺を逃げないように掴みながら懐から何かを取り出して押し付けた。

「もう、うるさいわね。大人しく教育を受けなさいっ!!」
「ぐあっああああああああああ!!」
 す、すたんがんっ!!!!

9虎とあきちゃん:2007/09/23(日) 13:28:45 ID:UzVFdAq8

「ぐ…ぁ………」
 こ、こいつなんでこんなもんもってんだよ!って、脱ぐな脱ぐな!うう、動けないな。まずい…まずいぞ!
 こ、このままでは俺の貞操がっ!

「ふぅ…虎のも脱がさないとね。これは教育教育…」
「よ、よせ……」
 なんか目が血走ってるんだが気のせいか!ず、ずぼんがっ!
 目の前でブラウスも脱いで下着とスカートだけになった風子の体は…滑らかだがやっぱり凹凸がなく、
嬉しいというよりも罪悪感のようなものが…よかった、俺は正常だ。

「こ、、、声が、、」
「虎……立ってないわね…私の下着姿見てるのに…やっぱり男が…」
「ま、、、まてそれは、、、幼児たいk…ぐほっ!」
「まあいいわ。すぐに女の魅力がわかるように…」
 俺のパンツに手をかけたそのときだ。

「あらら〜ふう、やっと見つけたわぁ。あれ、虎ちゃん。」
 屋上のドアから現れたのは俺と同じくらいの身長のモデルもびっくりな俺の姉だった。
 ナイス!いつもは最悪のタイミングでしかこないが今日はナイスだっ!

「亜紀…姉…風子とめて…くれ…」
「あのその…亜紀先輩。これは風紀のためなんです。見ない振りしてください!」
 亜紀姉はいつもどおり穏やかに微笑んでいる…何考えてるのかさっぱりわからん。

「あらあら。虎ちゃんはまじめな学生さんだと私は思うのだけど…。何したのかな?」
「そ、それは……男同士の恋愛とか……」
 姉はゆっくりと風子のほうに近づくと困ったわねと首をかしげながら、

「でも風子ちゃん。貴女薫ちゃんが女の子って知ってるでしょ?」
 …は?ってことは…。

「う…ほんとかそれ?」
「実はね〜。お出かけするときよく風子ちゃん見るものだから、みやちゃんに頼んで風子ちゃんのこと調べて
 もらったのよ。これ報告書だけど…はい、虎ちゃん。」
 なんとか動けるようになった俺は、立つのはまだ辛いので座りながら読み始めた。

「んーなになに…。塚本風子は身長139cm上から75…アイドルのおっかけをしていた時期あり。現在は…ん!?俺の
 写真を大量に集めている…はぁ?んなわけないだろ。俺風子に目の敵にされてるってのに。」
「きゃーきゃーなんでなんでっ。そうよそんなわけないわ!!」
 疑う俺に姉はアルバムを渡してきた。

「それ、風子ちゃんの部屋の写真よ?」



一面俺の写真…床も天井も壁もベッドも…


…あ、昨日のショッピングセンターでの死闘の写真を撮っている写真だ…
……
………
…………俺の顔をプリントした布団でオナニーしてる写…………

「虎ちゃんっ!虎ちゃんっ!気をしっかり持ってっ!!」
 はっ!違う世界に行きかけてた。なんとか姉の声で意識を取り戻す。
 風子のほうを向くと顔を真っ赤にして体を震わせていた。これもやばいが、これをどんな手かで集める
みやちゃんとやらも俺は恐ろしい。

10虎とあきちゃん:2007/09/23(日) 13:29:36 ID:UzVFdAq8

「あ、その写真は一昨日だね。ほら、薫ちゃんと会った日。」
 姉はつかつかと風子に近づき、その小さな体を覆うように後ろから抱きしめた。ここから見ても
小さな体が震えているのがわかる。

「薫ちゃんが見られてるのみて我慢できなくなったんだよね。風子ちゃんは。」
「そ、そんなこと…」
 いつもの強気もどこへやら。動けないのか戸惑ったように体をよじっている。

「風子ちゃんはこっそり見るのも好きだけど…」
 亜紀姉が風子のスタンガンを奪う…そして俺に渡そうとっておいそれはぎゃああああ!

「あ…あああ、虎ちゃんごめん!!あうあうあう…」
 渡そうとして俺に電極押し当てやがったこの馬鹿姉っ!!

「まあ、怪我ないから良いよね。今度おやつあげるから許して〜。」
 そのおやつも俺が作ってんだから貰っても仕方ないわい。

「さて風子ちゃん。我慢できないからって虎ちゃん襲うのは感心しないな〜。よし、私が手伝ってあげる。」
「え……きゃああぁぁぁ」
 ホールドする力を強めたのか。俺でも抵抗できないんだ…風子に勝てるわけがない。まるで食虫植物だ。

「……虎ちゃん変なこと考えなかった?」
 こんなとこだけ鋭い。

「風子ちゃんはね…見るのも好きだけど見られるのも好きなんだよ。だから薫ちゃんが見られてるのみて
 我慢できなくなったんだよ?」
 後ろから抱きしめて風子に囁く亜紀姉。そして耳を甘噛みする。姉の形のいい唇が風子の耳に触れ、彼女は
嫌がるようにもがく。なんか妖しい雰囲気が…

「ぁぁん〜」
 う、声だけは風子も色っぽい。

「さあ、虎ちゃんに見てもらいましょうね。」
 まてこら馬鹿姉っ!何かんがえてんだ!

「我慢はよくないのよー?」
「うううう…お願い許してください亜紀先輩〜」
「だーめー。人の弟を襲うようなだめな子ちゃんは姉としてお仕置きしないとね。」
 ほんとにこの駄目姉…変な友人のせいで最近過激になっている気がする。
 亜紀姉は風子を俺の頭の近くに運ぶとおもむろにスカートの中に手を突っ込み風子のくまさんパンツを
脱がした。スカートが陰になってぎりぎり見えない…。

11虎とあきちゃん:2007/09/23(日) 13:30:06 ID:UzVFdAq8

「あ、あ、あ、あ亜紀先輩っ!」
「なあに風子ちゃん。」
「ふ、風紀が…」
「あら、ばれなければ何やってもいいのよ?」
 いいわけないだろがっ!!
 そんな文句もむなしく、姉は風子を力で強引に座らせると足を股の間にいれて腕を足の下からいれて
俺に見えるように風子の足を開いた。

「やぁぁぁぁっ見ないで!」
 縦一本だ…ほんとこいつ子供なんだなぁ…。顔はかわいいんだが…。
 見ないでといっても体がうごかん。

「どう?風子ちゃん。本物に見られてるのは…」
 こっからだと姉の顔は見えない。きっと楽しそうに笑ってるに違いない。こいつ、夕食は抜きだ。

「うあぁっや…んっ」
 風子が艶やかな声を上げる。

「ほらぁ…ひくひくいってるよ。何も触ってないのに…見られてるのがいいのね。」
「あう、ち、違いますっ!私そんな…やん、息がっ!」
 どんどん近づいてくる。もう、顔の直前だ…女の匂いが…

「薫ちゃんが羨ましかったんでしょ。正直に言えば…やめてあげる。」
「うう、はいっ私も…」
「じゃあ、最後までやりましょうね。」
「ええっそんなああ…やあ…虎やめて息がっ!」
 とはいえ、息止めるわけにも…。

「私も手伝ってあげる。」
 そういいながら亜紀姉は風子のブラをはずす。ちょこっとだけ、女だということを証明するような
胸があらわになり、それを壊れ物をを扱うように触れる。なんでこんなとこだけ器用なんだろうか。

「いや…胸はっ!!」
「あら、かわいいわよ。」
 幼児体系の風子と完璧な体型な姉が絡むとほんといたずらをしているようだ。いやしてるのか。
 薄い胸とちょこんとある乳首を軽く苛める。

「あ…来る…ああほんとやめてっ!!!やんっ!!
「あら、よく我慢してたけどもう限界なのね。イクところも見てもらいましょうね。」
 亜紀姉は最後にスカートを広げると風子の一番敏感なところを軽く摘んだ。

「うあっ!やだやだっ!!いやあああいくっ!!虎見ないでっああああああああっ!!」
「あら、見てほしいって聞こえるけどね〜」
 何度も達するのを我慢してたせいか、体を震わせ盛大に愛液を俺の顔にかけて風子はイった。

12虎とあきちゃん:2007/09/23(日) 13:31:12 ID:UzVFdAq8

「虎ちゃん〜おなかすいたよう〜」
「うるさいっ!今日はご飯抜きだ。」
「そんなぁ〜」
 逃げるように学校の外に走り去った風子を止めることもできずに見送った後、なんとか学校で
一日を終え、俺たちは帰宅していた。

「でもでも〜お姉ちゃん恩人だよ?虎ちゃん助けたよ?」
「やりかたが悪すぎるわっ!!」
 確かに俺のチェリーは守られた、だが…

「明日からどんな顔して風子に会えばいいんだ…。」
「んー。普通におはようって。」
「できるかっ!!」
 俺は子供のような顔で泣きながら去っていったあいつを思い出しながらすぱんと姉の頭をはたく。

「で、なんで屋上に俺がいるのがわかったんだ?」
「いたた。今日は虎ちゃんじゃなくて風子ちゃん探してたのよ。」
 ああ、そういえばそんな感じだった気もする。

「俺がいなかったらどうしてたんだ?」
「うん。写真全部焼き増ししてもらおうかとおもって♪」
 俺は頭を抱えてテーブルに頭を突っ伏した。

「だって〜虎ちゃんの写真だよ?お姉ちゃんほしかったんだもん〜」
「いつも見てるだろ…。」
「24時間みたいから。」
「とにかくだめだっ!!そんなことしたら、俺はもう亜紀姉の料理は一切作らんっ!!」
 姉はううーとうなって少しなみだ目で俺を睨んだ。く…かわいいが俺はひるまん。

「虎ちゃんの意地悪〜お姉ちゃんの恨みは怖いぞ〜」
「おう、俺は意地悪だよ。」
 ふーとため息をつく。しかし腹減ったな…。
 腹をさする俺を見て、姉は少し微笑んでいた。


 この後、風呂に乱入してきた姉は三回ほど手で俺のを抜いた。ここ最近のあれのせいか
要求不満がたまってるせいで殆ど抵抗できなかったのが辛い。俺も相当きてるんだろうか…。
13名無しさん@ピンキー:2007/09/23(日) 13:32:20 ID:UzVFdAq8
以上です
14名無しさん@ピンキー:2007/09/23(日) 14:34:51 ID:nePlsAS8
キタキターGJ!!
風子かわいいよ風子
15名無しさん@ピンキー:2007/09/23(日) 15:09:19 ID:nZtUEBto
亜紀姉万歳
16名無しさん@ピンキー:2007/09/23(日) 16:21:43 ID:QvSrKEr8
>>13
>この後、風呂に乱入してきた姉は三回ほど手で俺のを抜いた。
な、なぜここを省くのですかッ!!酷い・・・もうGJなんて言ってやらないんだからねッ!!!!



・・・GJ
17名無しさん@ピンキー:2007/09/23(日) 17:35:09 ID:VTAfOUon
抜きシーンを省いてんじゃねええええええええええええええええええええええええええええええ!!
本当にこの作者は・・・















GJ!!
18名無しさん@ピンキー:2007/09/24(月) 03:11:15 ID:ptSrNXOb
亜紀姉KOEEEEEE!!!!
19名無しさん@ピンキー:2007/09/24(月) 07:08:06 ID:s7R0yOQb
保管庫のことはもう少し待つってことで、おk?
20名無しさん@ピンキー:2007/09/24(月) 12:55:28 ID:bhbW849I
俺としてはもう新しいの作って欲しいんだが。
見れなかった3スレ目のも見たいし。
21名無しさん@ピンキー:2007/09/24(月) 14:03:32 ID:yj7Wvl/I
他人アテにしすぎだろそれ
22名無しさん@ピンキー:2007/09/24(月) 14:29:35 ID:nH7F4Qd0
ないものねだり
23名無しさん@ピンキー:2007/09/24(月) 14:38:09 ID:OEH+DIM2
>>20みたいなやつみて思ったんだけど、このスレの職人様ってクオリティ高い方?普通?
俺はヤンデレスレとこのスレにしか行かないから、ふと思った
24名無しさん@ピンキー:2007/09/24(月) 15:49:02 ID:WFPUrHyx
>>20
http://sslibrary.arings2.com/
一度出たけど、他のスレも相当担当してくれてるし、ここなら頼めばやってくれる可能性が高そう

他に保管庫の管理者の成り手がいるなら、その人でも構わないが
25名無しさん@ピンキー:2007/09/24(月) 18:38:15 ID:mbSp8UTn
>>20
そんなおみゃーにコレやる。

ttp://www.uploda.net/cgi/uploader3/index.php?dlpas_id=0000006889.zip
pass : eroparo
26名無しさん@ピンキー:2007/09/24(月) 19:02:03 ID:T3DAteIV
>>25
GJ!!!
>>20じゃないが、俺もpart3が見れなくて、桜の網の最初の部分読めなかったんだ・・・
ありがとう!
27名無しさん@ピンキー:2007/09/24(月) 20:35:27 ID:bhbW849I
>>25
サンクス!
満足した!!
28名無しさん@ピンキー:2007/09/24(月) 21:38:21 ID:6yxS9dzZ
>>25
貴方が神か!!!
29名無しさん@ピンキー:2007/09/25(火) 02:53:47 ID:bplqmtQs
いまさらだけどテンプレ抜けてね?


■誘導用スレ
嫉妬・三角関係・修羅場系総合SSスレ その38
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1188451287/l50
ヤンデレの小説を書こう!Part10
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1189967712/l50
いもうと大好きスレッド! Part4
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1188824773/l50
お姉さん大好き PART5
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1186239004/l50
30名無しさん@ピンキー:2007/09/25(火) 12:57:52 ID:n0Z+c6jw
綾シリーズ、桜の網の神職人様、続きwktkしてまってまつ!
31名無しさん@ピンキー:2007/09/25(火) 20:12:24 ID:Y5uUVBdv
都市伝説で有名な「メリーさん」っぽいキモウトが見てみたい今日この頃。
32名無しさん@ピンキー:2007/09/25(火) 22:52:23 ID:VKUGGk3K
「今○○にいるの」
ってズンズン近づいてくる妹か……
でも同じ家にいるわけだからキモウトの場合
「今お風呂あがったの。」
「今リビングにいるの」
「今階段を上っているの」
「今二階の廊下にいるの」
「今お兄ちゃんの部屋の前にいるの」
「今お兄ちゃんのベットの横にいるの」
「今お兄ちゃんの布団の中にいるの」
「今私どんな格好か知ってる?」
こうですか?わかりません><
33名無しさん@ピンキー:2007/09/25(火) 23:04:12 ID:uaR7/4VW
キモウトメリーの声が背後から聴こえるのに、振り向くといない。
他の女と話していると、どこからか刃物を研ぐ音がする。
34名無しさん@ピンキー:2007/09/25(火) 23:30:11 ID:VgFu7y0s
他の女と話してると撃鉄を起こす音が聞こえるでもいいなw
35名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 00:56:45 ID:nwdCU3sD
むしろ引き金を引いた音が聞こえる感じで
36名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 11:22:34 ID:oIKfpVlu
他の女「バーン!」
メリーさんは撃たれました
37名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 11:28:20 ID:XdM4vMoX
>>32
それを一々携帯で知らせてくるのを想像してみる。

………うーん……ドアに鍵かかってたらどうすんだろな。
38名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 11:58:28 ID:Wx7UpB59
屋根裏からニュルリ
39名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 12:37:59 ID:XL9/JiB4
にょろ〜ん
40名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 13:57:12 ID:XdM4vMoX
>>38
キモウトは鰻ではない。
41名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 14:10:24 ID:K+Uniudd
あげるなよ…
42名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 15:14:32 ID:UA9t6JLD
このスレを見ればわかるだろwキモ姉妹には鍵など無いも当然。むしろ法律ですら彼女らを
縛ることはできない
43名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 15:26:51 ID:rCIYJJBJ
でも法を無視するのは末期症状だよな
末期化させるのに一番やっちゃいけないのは拒絶することか?やっぱり

「姉弟(兄妹)でこんなのおかしいよ!」
44名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 15:45:55 ID:K+Uniudd
むしろそれは末期化を促進させると思うのだが…
拒絶によって姉(妹)は思い詰めて、怪しげな薬品や、首輪や手錠なんかがでてきそうな…

「私のことだけしか考えられないようにしないと…
私以外の目に触れられないようにしないと…」
みたいななw
45名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 15:46:00 ID:T/raXQ5O
聞きたいのですが、このスレはシチュエーションが面白いほうがいいのか、エロが過激なのがいいのか。どちらですか?
46名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 15:49:16 ID:5anKZpNN
俺は話が面白かったらエロはなくても良いかな
でもここはエロパロなんでそこは個人の裁量にまかせる。


要するに好きなように書いてみろって事だ。
47名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 15:57:05 ID:+TviaGWy
面白くてエロが過激ならだれも文句は言えまい
48名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 16:03:55 ID:UA9t6JLD
キモ系は過激な方向にいきやすいからな…ソフトなキモ系が好きなやつもいるだろうが基本的には
逆レイプとか監禁とかじゃね?
49名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 17:26:20 ID:ku3wvAxg
基本は過程だと思う。
50 ◆9BssOn5LsM :2007/09/27(木) 01:46:55 ID:FwaH0A8E
コテハン忘れたのでテスト。
朝までに投下するかも。
ところで私は誰でしょう。
ヒント:最近投下してなかった人。
51名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 01:51:02 ID:ib+nH67x
トリップテストは他所でやれよ
52名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 03:00:54 ID:YiJYsqqg
毒にも薬にもなる姉クルコレ!
53名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 07:01:18 ID:RBCidVgm
>>同意
54 ◆9BssOn5LsM :2007/09/27(木) 08:24:21 ID:xjJC272K
ゴメン。寝ちゃった。
今日のうちに投下します。
全裸で待ってた人ゴメンナサイ。
55名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 08:43:22 ID:RBCidVgm
投下できないなら、投下宣言はやめてほしかった
56名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 09:17:13 ID:S1TBDozC
ショック俺ショック!!
57名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 11:16:56 ID:sudI2V9i
誰だか知らんが>>50>>54を見るだけで
まー大して面白くもないのを書いてたんだろうなってのは想像がつく。
58名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 12:23:01 ID:FIaeS+lV
>>57
とりあえずお前は色んな人に謝れ
59名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 12:54:46 ID:7dpO5Bat
>>54だけだと構ってちゃんにしか見えないのも確かな希ガス
60名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 14:31:49 ID:hFpZFxgf
きっとキモウトに薬を盛られたんだよ
61名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 15:20:50 ID:eExEwUX8
いや、俺は6時間の間にキモウトと入れ替わってるとみたね。
>>54の時点で既にキモウト・・・ん?なんか物音がしたから見に行って来る。
62名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 17:13:34 ID:Qtg3gvDC
>>37
一々携帯で報告から妄想を広げてみた

「今お兄ちゃんの彼女の家にいるの」
「今おじさんとおばさんを解体してるの」
「これから泥棒猫を拷問するの」
「やだwこの女おもらししてるwwww」
―以下グロ展開―

病んでるのは俺だ
63名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 17:36:32 ID:ceFC21xG
もしもし、私キモウト、今お兄ちゃんの後ろに居るの
後ろは壁だ
・・・

おわり
64名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 20:49:12 ID:0V3IrFIH
 か べ の な か に い る
65名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 21:11:46 ID:+8F0jT7l
>>64
ちょwww怖えぇwww
66名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 22:16:22 ID:xIdu9hWV
だんだんキモウトに追い詰められるのっていいな・・・
逃げ切れないだろうけどwww
67名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 22:20:53 ID:tBE3k9z5
まぁ実際に俺がそんな状況になったら恐怖で漏らすだろうがな
68名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 22:58:32 ID:EWe4uckL
さて・・・今日もあと1時間ほどで終わってしまうわけだが
69名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 22:59:14 ID:2QyNm3z1
空気読めない>>57のせいで
>>54の人が投下してないじゃないか
70姉さんとお姉ちゃん ◆Oq2hcdcEh6 :2007/09/27(木) 23:05:23 ID:GL0iSCAk
投下します



 今日、姉が死んだ。

 旅行先の警察から電話がかかってきたのだ。
きっと火葬にする金を出せとか、手続きをする金を出せとか、そういう振り込め詐欺に違いないと思ったが、
警察を名乗る男の声の向こうから、泣き叫ぶ姉の友人の声が聞こえた。
そして泣き声で要領を得ない菜穂子さん――姉の友人との会話が、この電話が真実だと教えてくれた。

 実感の無いまま、それどころか半信半疑でさまざまな手続きを済ませた。
自分でも驚くほど冷静だった。胸の奥の方に焦りがあったが、それだけだ。
泣くどころか手が震えることも無かった。
「こちらに来るときには、ご自分で車を運転するのは控えてください」と言われたが、
姉の荷物もあるのだからと思い、免許を取ったばかりだが、車で行った。
普通は運転どころではなくなるのだろうに、普段と変わらず運転できた。その落ち着きが不思議だった。

 旅行先の病院にたどり着き、対面してもなお実感が沸かなかった。
遺体の状態が良くなかったためだろうか。
それを見ても、その傷だらけの体が姉だとは思えなかった。
あの泳ぎの得意な姉さんが、海で死ぬわけが無いと思っていた。
泣きながら俺に謝る菜穂子さんを気遣う余裕すらあった。
「波が」とか「ゴミが」とか、俺に事情を説明する菜穂子さんの言葉を聞きながら、
俺はずっと窓から海を見ていた。

 多分、俺は、海から姉さんが上がってくるのを待っていた。

 検死の結果、誰にも責任の無い事故だと証明され、お骨にして持ち帰ることにした。
「俺よりよほど長生きすると思っていたのにな」
助手席に置いた白い箱は、俺の頭の中でどうしても姉さんと繋がらなかった。
俺の助手席に乗ると、怖いだの、本気で運転してくれだの、騒がしかったのに。
今は時折揺れるだけだ。

 家に帰ってきた俺は、そのまま眠ってしまった。
「ただいま」という言葉に返事があることは普段から少なかったが、これからは少ないどころではない。
暗い部屋に入った途端に気が滅入ってしまったのだ。
翌朝目が覚めても腹は減っていないし何かをする気にもならなかった。
でも悲しくはなかった。
姉が死んだのなら悲しむべきじゃないか、と思うと、なおさら悲しくなくなった。
あの時のせいで悲しみ方が解からなくなってしまったのだろうか。
そしてまた眠る。
 ようやく悲しくなったのはその翌日、姉が死んで二日目の夜のことだ。
本当なら姉が帰ってくるはずだった日。
そろそろ腹が減ったので何か出前でも取ろうとメニューをしまった引き出しを開けると、
一番上に寿司の出前のメニューがあった。

 「おなかいっぱいお寿司食べてくるね。お寿司は無理だけどお土産買ってくるからね」

そう言って出て行った姉さんの笑顔を思い出した途端、涙がこぼれた。
帰ってこなかった。姉さんは帰ってきてくれなかった。
どこかへ行ったまま、いなくなってしまった。
「どうして」
 身も世もなく泣いた。
どうして、どうして、どうして。いくつもの疑問や怒りや後悔が一つに収束した。
どうしてぼくをひとりにしたの。
71姉さんとお姉ちゃん ◆Oq2hcdcEh6 :2007/09/27(木) 23:08:13 ID:GL0iSCAk
 自分の泣き声で、菜穂子さんの泣き声を思い出した。
一番辛いのは多分俺じゃない。菜穂子さんだ。きっと責任を感じているだろう。
そして実際、どうして助けてくれなかったんだという思いもある。
俺は多分そう考えることで自分の悲しみを和らげたかったのだと思う。
だけど菜穂子さんは俺にとっても友人だ。
もし彼女が責任を感じて自殺でもしたら、そう考えると恐ろしくなる。
俺はそちらのことまで悲しまなければならないのか、と。
こんな時でも自分のことを考えている自分がいやになって、涙が止まった。
(でもそうだ、考える事がある・・・)
そう気付いた途端に、現実がのしかかってくる。
姉さんの会社や友人への報告、保険の確認、様々な契約や銀行口座の解約、そして葬式。
山積みだ。
俺はあえて声を出してみた。
「泣いていないでこれからのことを考えなくちゃ」

 失った物にばかり目を向けているとろくなことが無い。
それは父さんが死んだときの我が家を見て知っていた。
母さんは父さんのことを思って悲しんでばかりで、姉さんはその分しっかりしなければならず、
数年後ついに俺も姉さんも精神的に追い詰められてしまった。
だが、母さんがある日失踪してからは、姉さんも俺も生まれ変わった。
新しく家庭を作り直したのだ。失った物たちを忘れて。
それを、今度は俺が一人でやらなければならない。
辛いことだが、そうしなければならない。
そう決めて、俺は泣くのを自分に禁じた。
そのように出来る能力はあの頃からあったのだ。
それの為に、今回も泣き損ねたのかもしれないが、今後のことを考えればそれで良いのかもしれない。

 決意すると行動は早かった。
まずは俺の学校に事情説明をしてしばらく休む事を告げ、
それからやるべきことを思いつくまま箇条書きにし、一つずつ片付けていった。
唯一の親戚である父方の祖母が心配して、その家を出てこっちに来るようにと言ってきたが、断った。
祖母にはずっとお世話になっていたし仲も良いから遠慮することは無いのだが、
将来的にそうする可能性はあるけれど今この家を出たら、姉さんを忘れられなくなる。
そう言うと祖母は悲しそうに「忘れる必要なんて無いと思うけどね」と呟いた。
一日おきにご飯を作りに来てくれたので、食べたいときに好きに食べることが出来て、これは助かった。
自分で作っても良かったが、作るほどの食欲はなかったし、
それに今は、姉さんの味になるのがイヤだったのだ。

 葬式はごく小さなものにした。菜穂子さんに聞いて姉と特に親しかった友人だけを呼んだのだ。
お金の問題もあるし、大勢に気の毒がられるのは耐えがたかった。
お決まりの言葉をかけられることが、どうしても嘘に思えて辛かったのだ。
「負けないで」「前向きに」という言葉が、作り物めいた言葉に思えてしまうのだ。
電話をしたとき担任に言われたその言葉が俺には不快だった。
姉さんの友人たちは、泣きながら、あるいは涙をこらえながら俺を元気付けようとしてくれた。
うれしいとは思わなかったが、不快ではなかった。
 高校生の俺でも、様々な手続きは問題なく出来た。
手間取ると思っていたが、事情を話すと、色々便宜を図ってくれたようだった。
仕事とは言え世の中には親切な人が多いようだ。
一週間ほどで、ほぼ全て片付いた。
72姉さんとお姉ちゃん ◆Oq2hcdcEh6 :2007/09/27(木) 23:10:39 ID:GL0iSCAk
その全て終わった日の夜、俺は自分の家で菜穂子さんと一緒に夕飯を作っていた。
菜穂子さんは姉の中学からの親友でよく家に遊びに来ていたから、俺とも仲が良かったのだ。
 この一週間、本当に世話になった。
何よりありがたかったのは、いつまでも泣いていなかったことだ。
俺が何をしようとしているのかすぐに察知し、少なくとも俺の前では泣かなかった。
姉さんの遺品を片付けているときに、何度も部屋を途中で出て行ったが、
帰ってくるときには何事も無かったかのように振舞っていた。
菜穂子さんに泣かれていたら俺もきっと泣いていただろう。

 今日は祖母が来ていないので、カップ麺でも食べようかと思ったが、菜穂子さんが作ると言い出したのだ。
断る理由も無いから、一緒に買い物をして料理を作ることにした。
それに自分に対する踏み絵の意味もあった。
姉さんと一緒に料理を作ったことを思いだして泣くような事がないかどうか試したかった。
 結論から言うと、俺も菜穂子さんも泣きはしなかった。
だが、俺は意識的に姉さんの好物をメニューから避けた。
今、姉さんの好物だったものを食べたら、これまでの我慢が決壊するだろうから。
姉さんが自分では作れずいつも俺に作らせていた煮物と揚げ物を避け、
さらに寿司を思い出す魚も避けた。
しかしなるべく多くの種類を作った。食べている間は菜穂子さんが帰らないからだ。
結局、やるべきことを終えた後の時間に耐えられるかどうかは未だ自身が無かったのだ。

 食事を始めるとちょうど良く面白い番組がやっていたために、
間が空いて困ることもなかったし、テレビや会話で笑うこともあった。
食べ終わり、後片付けも食後のお茶も終わった頃には午後十時を回っていた。
「ああ、もうこんな時間」
菜穂子さんが気付いて驚いたような声を上げた。
「ほんとだ。じゃあ、そろそろ・・・」
「う、うん」
菜穂子さんが立ち上がる。しかし動かない。
「あ、あのね、コウ君」と俺の名を呼ぶ。
「ん?」
菜穂子さんは背が低い。その菜穂子さんが少しうつむき加減になり、上目遣いに俺を見ている。
「コウ君の考えてること、わかるよ。まなちゃんのことを忘れようって。でしょ?」
「う、うん」
「でも、いいの?そうしたら、コウ君ひとりぼっちじゃない」
「そんなの・・・いや、どっちにしたって独りだよ」
菜穂子さんの言いたいことがわからない。
「そうじゃなくて、お姉ちゃんがいたことも無かったことにして、いいの?」
「・・・」
「まなちゃんのこと、本当に忘れられる?忘れたい?」
「でも、忘れなきゃあ」
菜穂子さんが一歩近づいてくる。
「忘れないと辛いって言うんでしょ?でも、忘れるのだって辛いはずだよ」
「わ、忘れて、一人に慣れれば」
「無理だよ、独りぼっちに慣れるなんて」
俺の目をまっすぐ見すえた菜穂子さんの顔がにじんでいた。
「やめてよ・・・せっかく、俺が」
せっかく悲しくない振りには慣れてきたのに・・・。
「悲しいんでしょ?寂しいんでしょ?」
嗚咽をかみ殺すことが出来ない。のどから声が漏れてしまった。
菜穂子さんが手を伸ばして指で俺の涙をぬぐった。そのまま両手で俺の顔を挟む。
「私が、お姉ちゃんになってあげる」
73姉さんとお姉ちゃん ◆Oq2hcdcEh6 :2007/09/27(木) 23:13:32 ID:GL0iSCAk
「えぇ?」
「そうすれば、まなちゃんのことも忘れなくていいし、寂しくもないよ」
「何を・・・」
「これからは私がお姉ちゃんになってコウ君のそばにいてあげるから」
「そ、そんな事してもらわなくたって」
「だって泣いてるじゃない。お姉ちゃんがいなくて寂しいんでしょ」
「違、俺は」
「ねえコウ君、私の弟になろう?」
「・・・」
「私がお姉ちゃんになって、コウ君と一緒にいてあげる」
「む、無理だよそんなの」
何を言っているんだ?菜穂子さん。
「無理じゃないよ。まなちゃんには負けるけど、コウ君のことならよく知ってるよ。
 それにまなちゃんにも負けないくらいコウ君のこと大事に思ってる」
菜穂子さんの手に引かれて俺の頭が下がり、菜穂子さんの胸に収まった。
「もう悲しまないでいいんだよ、お姉ちゃんはここにいるんだから」
「は、離して」
「だめ、お姉ちゃんから離れないの」
頭が混乱する。
なんでこんな事をされてるんだ?
「ね、コウ君。コウ君は私の弟だよ」
「俺は、独りで」
「違うよ、お姉ちゃんがいるでしょ。菜穂子お姉ちゃんだよ」
あれ?
「菜穂子お姉ちゃんだよ」
姉さんが死んだと電話が来たときの現実感の無さが蘇る。
「お姉ちゃんはここにいるよ」
そうだっけ。
「何も心配しないで、全部忘れて、お姉ちゃんのことだけ考えて」
姉さん・・・お姉ちゃん?
いつの間にか俺と菜穂子さんは床に座り込んでいた。
「お姉ちゃんがずっとコウ君を抱きしめててあげるからね」
頭を撫でてくれる手が気持ちいい。昔姉さんにこうされたことを思い出した。姉さん。
「あれ、でも」
「私がお姉ちゃんだよ」
そうだったかな。
「ねえコウ君。私がお姉ちゃんだから、こうしてるんだよ。そうでなければこんな風にしないでしょ?」
そうなのかな。
「お姉ちゃんが、コウ君から離れるわけないでしょ?そうでしょ?」
ますます強く頭を抱きしめられた。息苦しいが、嫌ではなかった。
「本当にお姉ちゃんなら、コウ君を置いてどこかに行くわけないってわかるでしょ?」
そうだ。
姉さんは帰ってこなかった。
ぼくをひとりにして。
「私はお姉ちゃんだから、コウ君を独りにしたりしないよ」
お姉ちゃんだから・・・?
「お姉ちゃんって呼んで?」
「・・・」
「コウ君のそばに居る私がお姉ちゃんだってわかるでしょ?」
そうか・・・。
お姉ちゃんが僕の頭を離して、すぐ近くに顔を寄せた。
「ね、コウ君」
「お、おねえ・・・」

「だめえええええええっ!!」

真上から耳を劈くほどの大声が轟いた。
見上げたそこには、天井、を体の向こう側に透けさせた・・・
「まなちゃんっ!?」
「姉さん・・・」
74姉さんとお姉ちゃん ◆Oq2hcdcEh6 :2007/09/27(木) 23:15:38 ID:GL0iSCAk
以上です
75名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 23:16:28 ID:EWe4uckL
ちょwwwここで切るのかよw
とりあえず投下乙
76名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 23:23:36 ID:2QyNm3z1
>>74
続きが気になるwでも乙
77名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 23:33:56 ID:WueyfWkP
くぅ何という我慢プレイだこれは。
作者様乙です。
78名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 23:48:02 ID:frQCdLdN
投下乙です!
続きが気になります
79らむだ ◆9BssOn5LsM :2007/09/28(金) 00:01:50 ID:FwaH0A8E
び、微妙にまにあわなかったー!
まあ何はともあれ
毒にも薬にもなる姉第四話です。
80毒にも薬にもなる姉 ◆9BssOn5LsM :2007/09/28(金) 00:03:48 ID:RPlBxVbC
第四話 キモ姉に抜かりなし?


灯火 芥

皆さんお久しぶりです。芥です。
季節はずれですが、入学式の話をします。
まず出発前から話すべきでしょう。
「ハアハア弟モエスハアハア」
あなたは自分の姉が自分のスーツ姿に欲情したことがありますか?
鼻血も大量にたらしながら。
目の前にいるのは灯火 光。
医学で世界的に有名な二本松大学教授であり、僕の姉。
本当に「自慢の姉」、といってみたいけど・・・
「ああ、殺人兵器だよ、弟feat.スーツ!」
こんなんじゃなあ。
81毒にも薬にもなる姉 ◆9BssOn5LsM :2007/09/28(金) 00:07:23 ID:RPlBxVbC
灯火 光
さてさて、おなかいっぱいになったところで出発です。
準備だって完璧です。
このために買ったハイビジョンDVDカム。
そしてブランクのDVD。(高画質にて100時間分)
もちろん純日本製!
「小学生じゃないんだよ。」弟が冷ややかに・・・。
弟×スウツ×冷ややかな言葉=大量殺人兵器級
ああああ、血が足りないよぅ。
「いや、その前に遅れるでしょ。」
「はいはーい、行きましょうねー。」
実際遅れ気味だったのでバイクで飛ばす。
「いとしの弟の経歴には傷ひとつつけさせない!」
「だったら早く出ようよ!これいつか死んじゃうって!」
「そのときは二人一緒に混ざり合い…」
「経歴を傷つけない以前に守るものがあるでしょー!」
さてさて、学校の大ホールに到着。
「んじゃ先生の仕事あるからこれでねー。」
「はいはいはいはい。」
82毒にも薬にもなる姉 ◆9BssOn5LsM :2007/09/28(金) 00:07:59 ID:RPlBxVbC
さて、準備の前に後始末。
「灯火教授。おはようございます。」
「おはようございます、二本松校長先生。」
「んー、めんどいから端的にいうよ。30万。二週間後まででどうよ。」
「いや、口止め料込みで40まで払えますよ。」
「んじゃそれで。」
「しかし、廊下でこんな会話だなんて。大胆不敵ですね。」
校長はあきれたように笑ってタバコを吸った。
「みーんな同じ穴のムジナ。それだけ。この話をきいてにすぐ乗りついたお前さんのほうがもっとどうにかしてる。」
「いや、不思議じゃないと思ってますよ。大学って黒いじゃないですか。」
「ふーん、やだね、白い○○効果。少しフ○テ○ビが憎たらしいよ。」
といいつつにやける。「でもおもしろいんだよなー、○ちゃ○ケと、C*が。」
この人は読めない人だ。何を考えているのか。
時々何も考えていないと思えてしまう人。
それこそが二本松大学校長、二本松先生。
そういえばこの人も、あっくーと同じ人だ。
「んじゃ、警視総監にはよろしく行っておくよ。そうそうあと、」
「あとなんですか、バックマージンですか?」
「息子さんが君のファンなんだって。今度サイン書いてね。」
83毒にも薬にもなる姉 ◆9BssOn5LsM :2007/09/28(金) 00:08:41 ID:RPlBxVbC
灯火 芥

集合時間はあまりにも早く設定されていた。
これは一種の人間性のテストなのか聞きたい。
長い間騒音が響いていたが、先生たちが出できてから沈黙がこの場を制圧した。
「それではこれより入学する皆様に校長より激励の言葉を…。」
い、いまさら気づいた。
あの馬鹿っぽく見えていた姉が、司会者になっている!
何だかとても凛々しい。司会者の魔力恐るべき。
いや、まて。あれは光ねえが開発したクローン!?
「お兄様もそう思います?」
「うん。」…あれ?
「ざんねんながら『はじめまして』。お兄様。」
「ど、どなた様で。」
84毒にも薬にもなる姉 ◆9BssOn5LsM :2007/09/28(金) 00:09:51 ID:RPlBxVbC
灯火 光

ふふふふふふふふふふふふふふふ。
司会者という貧乏くじで私に福が来た。
私の凛々しさを再確認したあっくーはこれで私に…。
ふふふふふ。
「あっくー、またせたねー。帰りま…しょ……」
「あら、お久しぶりです。光お姉さま。」
…こ…こ…。
このガキはああああああっ。
「お姉ちゃん、何で49日のとき合わせてくれなかったの?」
「あっくー、それは面倒ごとをさせたくなかったから。」
「仮にも妹のことを面倒ごとだなんて。信じられません。」
「はいはい、子供はお昼寝の時間だよ。海音(かいん)ちゃん。」
確か御義父さんの兄弟の二人目の長女だったような…。
「お姉さまが天才であることは認めますが、社会性は評価できませんね。」
「いや、何でいるの。」
「それが海音ちゃんもこの学校に入学するんだって。飛び級で。」
「しかし住居がないので、できれば同居させてほしいのですが。」
「お姉ちゃん、いいでしょ。確か部屋広かったから。」

薄れ行く意識の中

私はさよならを告げた

いままでのらぶらぶな生活に。

「いや、そんな生活送ってないし。」
「何ですの、お兄様。」
「あっ、いや、ひとり言。」
85らむだ ◆9BssOn5LsM :2007/09/28(金) 00:18:24 ID:RPlBxVbC
今回はこれまで。
薄いのは見逃してくれー。

>>55-56
ほんとすいません。はい。

>>57
しょ、精進します・・・。

ところで>>57-61みてたら急にネタが思いついたんだけど
パロディで書いてみていい?

最後に・・・
>>74
GJ
続きを早く!

以上、スレ汚しでした。
86名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 00:26:54 ID:yNNjLIvi
>>85
you書いちゃいなよ
87名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 00:41:18 ID:9nakj/ed
>>74
GJ!新連載きたあああああ!!!!
続きが気になってしょうがない!二人のお姉ちゃん・・・

>>85
毒にも薬にもなる姉きたー!!妹がいたとは・・・これは・・・。
全裸で待った甲斐がありました。
続きも楽しみにしてます。
88名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 08:32:13 ID:iExOI7r0
キモ姉作品が投下されたということは、次はキモウトか?
89名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 09:03:21 ID:Hq08R6BH
スレ住人「姉はもちろん弟LOVE、だが弟も姉LOVE…な作品は面白くない。だが、洗脳でなら姉LOVEでも良い。」

…だよな。
90名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 09:20:27 ID:CCO5b3Kn
>>74
なにこの超気になる展開はwww
次回も期待してます、Gj!!
91名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 10:34:19 ID:dVGyTp7/
そろそろキモウトが欲しい……
92名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 13:00:40 ID:wBEUjh+T
>>91
両親に頼むんだ
産まれた後は自分でキモウトになるように育てるんだ

なんか生々しいな
93名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 13:49:32 ID:iExOI7r0
>>91
俺はおまいよりも、もっとキモウトがほしい…
94名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 14:59:34 ID:qCA3m3k9
>>92
キモウトって生まれつきなんだから作れるもんじゃないだろ・・・(;´Д`)
懐く方法なら分かるけど。
95名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 15:07:33 ID:IyJ4Qm/8
>>94
詳しく
96名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 16:10:38 ID:eA8qJZGC
まず日々妹と接するときはネクタイ一丁を心がけます
97桜の網 ◆nHQGfxNiTM :2007/09/28(金) 19:01:55 ID:mp8fEZHO
桜の網、第六話投下します。エロも僅かながら。
98桜の網 ◆nHQGfxNiTM :2007/09/28(金) 19:03:29 ID:mp8fEZHO

     * * *


 決定的なことは予想を確信へと変えてくれた。
もともと疑念が強かったのも理由の一つではあるが、背中を押してくれたのは力強く、このままではいけないと思わせるのには十分だった。
 少し早足で、屋敷の中を歩く。
カーペットが敷かれているため音はなかったが、もしここで悠太の心がこの敷物によって表されるのだとしたら、とても快活な音を騒音のように生み出しているはずだ。
 憎いわけではない。
憎しみなどない。むしろ驚きと切なさが強い。

 故に―――救いたい。

 説教ではなく諭しだということを完全に理解して、過ちに気づき反省して、道を正す。
これがすんなりといけば、なにも危惧することなどありはしなくて、加えて何も不安はない。
だが、説教も諭しも、他人に伝えるという点は同じで、傲慢さがまったくないといえば嘘になる。
 しかし迷っているわけにもいかない。
 行動したのは桜だが、原因の一端を担っているのは、悠太自身だ。
責任などという言い方は愚かではあるけれど、義務という家族に関しているものを考えると、些か気持ちも安らぐ。
「兄さん、どこへ行くのですか」
 声は明瞭。誰であるかは背中越しでもすぐにわかる。
悠太は足を止め、ゆっくりと振り返った。
「桜を、探していたんだ」
 刹那、先ほどのどこか怒っていそうな顔に花が咲いた。大輪の華。
 桜はそのまま悠太の側までやってくる、そうして豊かな胸を悠太の背中に押し付け、後ろから包み込むように掻き抱いた。
柔らかそうな胸が形を変える。そして女性特有の甘いにおい。
これがもし妹でなかったら、悠太とてまんざらではなかった。しかしもう、その理由も霞のように儚い。
「私の部屋に行きましょう」
 手をとり軽やかに自室へと向かう桜。
その姿はなんだか可愛らしくて思わず頬を緩めてしまいそうではある。顔もなぜか赤い。
 気分のよさそうな桜に対し苦言を言うのは本意ではないが、それも致し方ない。
「どうしたのですか」
 豪華という言葉以外の形容が陳腐に思えるような部屋の下、天蓋つきのベッドにまず桜が腰掛ける。
続いてぽんぽんとベッドを叩く。手招きの元、悠太もすぐ横に腰を落ち着けた。
99桜の網 ◆nHQGfxNiTM :2007/09/28(金) 19:04:21 ID:mp8fEZHO
 丁度、真正面にヨーロッパなどで使われるサーベルが壁にかけられているのが目に映る。相変わらず。あまりいいとはいえない趣味だ。
「こういうの、よくないと思うんだ」
「何がでしょう」
 悠太の言葉とは裏腹に、桜の表情は嬉しさ以外の感情が見えない。
この顔が狂気を孕んだものであるとは今まで気が付かなかったけれど、もう知ってしまった以上は止めるしか道はない。
「いくらなんでも屋敷から出られないなんて変だよ。桜、長い間会えなかったからさびしいのはわかる。でもさ、もっと兄妹らしくしよう」
 まだ本題に入るのは早い。
そう判断したから回り込んだ言い方をしたけれど、瞬間に桜の表情が固まり、そして次第に薄目になっていった。ただ能面のように見つめてくる。
「私が嫌いなのですか」
 詰問というよりは糾弾。
 だがしかし、怯む理由は毛頭ない。
むしろ救済という盾が悠太を後押しする。
「そうじゃない。考えてもみてよ。四六時中一緒で、食事の時も寝る時も側にべったり。
 僕が注意しなかったらトイレにまでついてこようとしたりして、おかしいよ。外に出られた時だって、GPSや盗聴器をつけるそんなのおかしいだろう」
「掟ですから、仕方がありません」
 その免罪符はもう、意味がない。
 本来ならば、ここで引き下がり妥協するところだが、今はもう違う。そんなに簡単に諦めることは出来ない。
 躊躇いはある。が、後悔はないし、したくもない。
 初めて悠太の視線が僅かばかり鋭くなり、桜を妹としてではなく一人の人間として射抜いた。
「本当のこと、長谷川さんに聞いたよ」
 桜の眉が僅かにゆがむ。察したのだろう、今どんな状況で自分がどんなことで責められようとしているか。
 いつの間にか悠太のひざに手を伸ばしていた手が自身の膝の上に戻り、指が拳を作る。結ばれた手が僅かに震えている。
「本当は、別に外に出るくらい構わないんだよね。発信機も盗聴器も、何もつけなくていい。ガードマンだっていらない。しかも」
 そして、一気に声を荒げた。
「地下室でのお仕置きなんて、あんなもの、僕以外誰も知らなかったじゃないか」
 室内にこそ音が反響することはなかったが、悠太の頭は威圧の目的こそ持つ。まとまらない息がもどかしい。
 しかし桜はそんな悠太を見ると、予想に反して笑った。
それは残酷な笑みでも相手を嘲笑するためのものでもなく、ただただ、本当に嬉しそうに。
100桜の網 ◆nHQGfxNiTM :2007/09/28(金) 19:05:29 ID:mp8fEZHO

 長谷川の話は、端的に言うと桜のついた嘘のことで、内容は先ほど悠太がぶつけた激情の内容を見れば察せるものである。
 ただ、話を聞いたとき悠太は少し怖くなり、僅かばかり後に奇妙な正義感が身を包んだ。
 自分の持っている義など、愚かしくもあるのかもしれないが、悠太の信念とさえいえる家族に対する思いは、それほどだ。
 自分の妹をこの間違った道から正さねばならない。
悠太の頭にあるのはそれだけ。だから、桜が何を言おうと、いざとなれば必要悪さえいとわないつもり。
「教えてよ、桜。何でこんなことをするのか」
「なぜ、ですか。兄さん、貴方は本当にわかっていないのですか」
 わかってはいない。が、懸念はある。多少の疑念はあるが。
「もしかしてだけど、僕のことが心配なのか。僕が西園寺に出入りしているのに何の警戒もしていないし無防備だから。それは確かにそうかもしれない」
 そしてそれは、正解ではなかった。
もちろん間違いでも。

 悠太の言ったことは純粋に―――失敗だった。

「貴方は本当に」
 突如として声を出す歓喜。その姿は今度こそ侮蔑すら微かに含んでいる。
「可愛い人ですね」
 気づけば桜は悠太の胸へと妖しく手を添える。
「違うって言うの」
 ここまでの好意を一身に受け気づかない悠太と、これほどに愛情を向ける相手が兄だという桜は、果たしてどちらが―――愚かしいのか。
「兄さんが、好きなんですよ」
 どこか清清しく、憮然と言い放つ。
 しかし、もう家族という名の鎖が全身に雁字搦めになっている悠太にとって、この場面で好意を口にするということがどんな意味を持っているのか判断がつかない。
 むしろ格好の勘違いの的で、それが親愛の情の枠をはみ出たものだとわかるはずもなかった。
「もちろん僕も、桜のことは好きだよ。最初はいきなり妹って言われて戸惑ったけど、今はもう立派な僕の家族だと思っている」
 けれど、そんなことは桜が許しはしない。
 家族?
 いい加減にして。
 鎖が全身に絡まっているというのならば、今すぐに私がそれを引き千切ってあげる。粉々に。
もう二度とそんなことが頭に入らないように、しっかりと。
101桜の網 ◆nHQGfxNiTM :2007/09/28(金) 19:06:34 ID:mp8fEZHO
「じゃあ、抱いて」
 悠太の耳に桜の言葉が木霊する。
 何回も言うようだが桜はすでに家族で、過去に一緒にいなかった時間が辛辣なものとして悔恨にあったとしても、
もうそんなことは気にもしていないし、しようとも思わない。
 悠太は家族の一員として、かけがえのない家族として、桜が好きだ。
嘘など露ほどにもない。
 なのに。

 ―――抱く?

 抱くとはそれは。
いったいどういう意味で。
「何を言っているんだよ」
 あまりにも馬鹿馬鹿しかったので、笑いすらこぼれた。
もちろんここが笑うところではないとわかってはいたのだけれど、背中に流れる汗はそうでもしないとこの状況が虚偽だといってはくれない。
いや、でも本当は。
「好きなんでしょう?私のことが。だったら抱いてください。」
 頭の隅に残るいつもの日常。桜がいて悠太がいる。この西園寺に来た当初の頃。
あの頃にはなかったものが、ここにあることに今の今まで、悠太は、僕は気づかなかったというのか。
馬鹿なのはむしろ―――僕か。
「ち、違うだろう。好きって言うのはそういうことじゃない」
「違わないんですよ。私にとっては」
「冗談はよしてよ」
「冗談なんかじゃ、ないの」
 桜がドレスに手をかける。
脱ぐつもりか。
 でも脱いだら。それこそ帰って来られなくなる。
道徳が牙をむき、背徳が体を覆う。そして快感が。
 息を吸う。ここが、正念場。
102桜の網 ◆nHQGfxNiTM :2007/09/28(金) 19:07:22 ID:mp8fEZHO

「僕たちは家族なんだよ」
「…家族、ね」
 何と言われようが、とっておきの手はこれだ。
 家族。
悠太には偽悪的にも偽善的にも、これしかない。
 これしかないから、桜が悠太の言葉をあっさりと切り落とす。
「兄さん、貴方は家族というものがどんなに残酷か知らないのですよ」
 桜の顔にうっすらと朱が差す。言葉と状況がかみ合わない。
「白石に聞いたのに、まだわからないのですか」

 ―――聞いた?

 それはさっきの電話のことか。だがしかし、なぜそれを桜が。微かな抵抗で悠太がベッドの隅にまで逃げる。
「聞いたって、何で桜が内容を――まさか、」
 問いただしているのに、逃げているという滑稽。もう、どちらが兄なのかわからない。
「今更でしょう、盗聴ぐらい。それよりも、兄さん。聞きたいことがあるのではないですか」
 もう盗聴程度の、何かしらの悪事がばれようとも、もう桜を縛る網はない。そう初めからこうすればよかったと思うほど。
もはや遠慮も許容も、いらない。
 兄が自分から身を離したのを見て、ゆっくりと立ち上がった。手をドレスの裾に持っていく。こうしないと脱げないからだ。
 すでに下着は少しずつ濡れてきている。
 だが悠太からすれば、いい機会と言えなくもない。話を逸らす意味でも状況を変える意味でも今問いたださねば、何もかもが黒幕に閉ざされる。
本当の意味での懐疑があるのだから。

「桜、君は本当に桜なの」

 ぴたりと、桜の手が、止まる。
刹那、憎しみのこもった目が悠太を矢のように射抜いた。
 これが妹の顔か。普段と、先ほどと、今とどれが真実なのか。いや人間誰しも素顔なんてものはない。すべてが自身ですべてが断面だ。
そして、桜の憤怒がすぐに元に戻る。
「ええ、間違いないですよ。私は桜です。…愛美ではありません」
「どういうことなのか説明してほしい」
 口の中にたまった唾を、ごくりと飲んだ。
相手に聞こえないか不安になる。
103桜の網 ◆nHQGfxNiTM :2007/09/28(金) 19:08:51 ID:mp8fEZHO
 しかして桜は簡単に答えをつむいだ。
「愛美という人物が他にいて、私が愛美だったということですよ。それですべての辻褄が合います」
「………」
 つまりそれは、愛美が二人いるということか。
同じ人物が二人。
ならばここにいるのは誰だ。
つい先ほど桜であるということは肯定されたはず。そもそも、私が愛美だというのはどういうことだろう。
 桜はそれ以上答えない。見るとすでに格好はドレスが床に落ち、下着――コルセットというのだろう――姿になっている。
これ以上悠長に考えることは出来ない。もう余裕はない。
「もう、いいじゃない。貴方が私の兄であることは間違いないですが、私が貴方を愛しているのも間違いないのですから」
 距離はもういかほどもなく、顔は近い。桜の少しばかり開かれた妖艶な唇が迫る。ベッドに乗せられた体重は音を室内に響かせ、悠太を更に圧迫させる。
 蛇に睨まれた蛙いうよりは、虎に睨まれた鼠のようで、もう逃げることはかなわない。
 二人はただただ近く。桜の両腕は愛しい人の肩に。姿勢はすでに抱き合っているといっても過言ではない。
「やめてくれ。桜は大切な妹だけど、女としてみたことは一度もないんだ」
 そう振り払おうとして、いっそ突き飛ばす覚悟になる。このような常軌を逸した状況。狂気。間違っている。
 そして言い聞かせるために、真摯に桜を見た。

 ―――すると、妹は。

 今度は狂っているなどとは程遠い顔で。
 ただ切なそうな、泣きそうな表情で、悠太を見つめている。
 妹は、彼女は。
 それ以上迫ってこようとはしない。
 今度はうっすらと瞳に涙が浮かび、ついに頬に流れた。
「――――――」
 彼女は、本当に、狂っているのだろうか。

「―――兄さん、一生一緒にいてください」

 こんなにも。これほどにも素敵な顔を見せる、彼女が。
わからない。
 わからないわからないわからない。
104桜の網 ◆nHQGfxNiTM :2007/09/28(金) 19:09:44 ID:mp8fEZHO
 それに、正直、僕だって。
本当に桜を一人の女としてみてはいないといえるか?
こんなにも美人を前にして、最初から妹であることに区切りをつけられていたか?
この豊かな胸に目が一回たりともいかなかったと、はっきりと宣言できるか?

 ―――できないのなら、それはすなわち。

 僕だって、狂っているのではないのか。
 桜の好意を知らなかった?すでに愛と呼べる域に達しているのに?

 キヅイテイナカッタ?―――ホントウニ?
 オンナトシテミルノガコワカッタダケジャナイノカ?

「ほら、兄さんだって」
 気づくともう目の前に桜の顔がある。手は股間にあり、指の先で男の膨らみをなでた。
 ゆっくりと甘美に。そしてこれ以上ないほどに、優しく。
 悠太は桜を離そうと、しようとする、フリをする。
刹那、爪の先でひっかくように肉棒のかさの部分――カリを上に弾き、驚くような快感を与えてきた。
 ビクッ
 男の部分は見る見るうちに大きさが増し、硬くなる。さながら熱膨張にでもあったようで、響きはただただ気持ちがいい。
「あはっ」
 今度は先ほどのような顔ではなく少し淫らで、自分以外知らない素顔。蕩けるような笑みと見たこともないほどの妖艶。いやらしいというよりは興奮が高まる。
 いつの間にか悠太はベッドの上に押し倒されて、無抵抗。
 桜の左手が胸の上にあり、撫でた。右手はまだ股間にあり、上から下へ下から上へと刺激を与える。
ジーパンの上からでもしっかりと男の印であるものは膨れ上がり、形すら見るだけでわかるほどになっていた。
それだけに撫でられると気持ちがいい。
 顔が熱く頭に靄がかかる。
霞む。
何も考えられない。
105桜の網 ◆nHQGfxNiTM :2007/09/28(金) 19:10:30 ID:mp8fEZHO
 そんな悠太を見て桜は一層笑みを深くした。次いで、左手が乳首の辺りをこりこりと指でこね回してきた。
履いていたジーパンは、桜によって膝まで下げられた。外気にいつもは隠している部分がさらされる。開放感。気持ちがいい。
 もしこれがズボンではなくて、その下を覆っているトランクスだとしたらどれぐらい気持ちがいいだろう。どれほどに快感があるのだろう。
 桜の手は――パンツを下げるために手がかかる。
 これ以上はまずい、と思う。
呆けていた思考が戻る。
 しかしそれを許さないのが目の前の妹ではなく、女。
「じっとしてて」
 じっとなんて、できる訳がないのに。
なぜか体が動かない。
命令を聞いてしまう。自制心が消える。
 ―――ギシッ
 ベッドがいやらしく二人を包む。シーツは絶妙の愛のしわをつける。この屋敷に用意された自室で何回も聞いた音であるはずなのに、淫乱に木霊する。
「兄さん」
 お互いの顔はもう目と鼻の先にあり、ついに唇が触れ合う。優しくそして濃厚に。
 柔らかい肉。
 舌が口内へ侵入。
ぐちゅぐちゅと悠太を犯してきた。でも、正直、嫌じゃない。
 これ以上進めばどんなに、快感が待っているのだろうか。思考は重い。頭が染まる。染まっている。
 そしてついに、男根が室内にさらされた。
 桜はまず、愛おしそうに陰嚢を手のひら全体でさわさわと揉み解した。肉棒の硬度は増す。指は更に下へ。
俗に、蟻の門渡りと呼ばれるところまでくると、人差し指で再び袋のあるところまでつーっと撫で上げた。
 思わず悠太の体が浮く。
すると今度は、桜の手が悠太のシャツにかかる。慣れた手つきで服を脱がし、上半身を裸に。
 さらされるのは彫刻のような男の裸身。
 桜は息を呑んだ。
106桜の網 ◆nHQGfxNiTM :2007/09/28(金) 19:11:23 ID:mp8fEZHO
 美しい。
 欲しい。
 でもそのようなことを考える以前に、悠太の体に刻まれた赤々とした斑点。
それはお仕置きと称してつけた桜だけのマーキング。桜だけの、桜による傷。ということは。
「貴方はもう、私のもの」
 悠太の赤い跡に舌を這わせる。ちろちろと、舐める。ちゅうちゅうと、吸う。
 今度は傷による印じゃない。キスで。自分のものである証をつける。赤ではなく、朱。
棒をしっかりと握りこんだ。指にかかる肉厚。熱い。硬さはどんどん増す。
それを確認すると桜は親指で、棒の先端をくりくりと刺激した。
「――あっ」
 悠太の体がはねる。刺激の流れが一気に襲い掛かってきたからだ。
「気持ちがいいのですね」
 慈しみをこめた顔。目は細く、優しい。再び近づく顔。触れ合う唇。
今度はついに、応えてしまった。
絡み合う舌と息。混ざり合う唾液。荒い空気。
 桜は考えた。
ここまで来たのなら、もう一段階進むべきだ。
行動のことではない。意識に区切りをつけるために、呼称を変えなければ。
そうすれば私は、ついに妹ではなくて女になれる。体ももうすぐ女にしてもらうけれど、その前に気持ちで女になりたい。
女として抱いてもらいたい。
 僅かに息を染め、呟くようにして声に出した。

「悠太」

 ―――悠太の目が開かれる。
そして、桜の手が男の手を自らの胸へと導いた。
 これで、一つになれる。
本当の意味で、私のものに兄さんがなって、兄さんのものに私がなる。

 ―――兄さんが、悠太が手に入る!

 どんっ
 しかし。
 桜は、少女はよろめき、―――突き飛ばされた。

「僕はコンビニに行ってくる。しばらくしたら戻るから、それまでに頭を冷やしておくんだ」
 悠太は素早く服を着なおし扉へと向かう。見えるのは背中。蜃気楼。
 何が起きたか理解できない。
唖然としているのは女になりきれなかった、少女。
「待ってください、兄さん!」
 しかし、男はとまることはなく、扉は重く閉ざされる。
 残されたのは、愚かな綺麗な。乙女。
 体はもう、いかほどに暖かさがあるのか。
 部屋が圧縮された空間のようだ。
何も感じることが出来ない。今自分は何に触れているのか、どこにいるのか。
107桜の網 ◆nHQGfxNiTM :2007/09/28(金) 19:12:50 ID:mp8fEZHO
 考える。
なぜ最後までいけなかったのか。
最後に悠太が拒んだのか。
こんなにも私は彼を愛しているのに。拒む?でも兄は答えてくれた。あのキスが嘘だったとは、それこそ嘘でも考えたくない。
 ではなぜ。
 何が。誰が。いけなかった。
 ―――そもそも。
 なぜ、こうなった。
 ああ、暗い。暗い。黒い。このもだえるような感情。激情。
 片方が露になった乳房が寒い。体が、寒い。サムイ。
 妹。妹、妹。妹妹妹。
そう、妹。いつもそれだ。
 これが、家族か。
忌々しい鉄の檻。まだ『妹』が、彼の体を縛っているのだろうか。
本当に、小さい頃、何度も思ったことだが、これほどまでに家族は私を苦しめる。家族という名の黒が私を嗤う。
初めは、家族ならば一生離れることがないと思ってうれしがっていたが、やはりどこまでも呪いは消えない。消えようとしない。腹が煮えくり返るほどに。

 ―――だった、ら。

 もういい。家族は、いらない。もう一人の女に、妹はあげる。邪魔なものは必要ない。
 コンコンッ。
 部屋の扉が叩かれる。
「桜様。長谷川です。少しよろしいでしょうか」
 桜はゆらりと顔を上げる。
 そうだ。誰が悪いかなど。可笑しくて笑いすら、ない。だって、もうそんなことはわかりきっている。
 誰が、なんて。何が、なんて。
そんなものは、もう。
 必要なのはただ二つ。愛の悪魔たる激情と。
 愛しい兄。
 邪魔するものは他の誰でもない私がすべて駆逐して―――葬ってやる。
「どうぞ、入ってかまわないわよ」
 優しく声をかける。
立ち上がって、部屋にあった護身用のサーベルを、
しっかりと血が滲むほどに強い力で、
握った。
108桜の網 ◆nHQGfxNiTM :2007/09/28(金) 19:13:47 ID:mp8fEZHO



                    * * *



 どうしてこんなにも悲しいのか。
その理由がわからない。彼女を拒んだからか。傷つけたからか。
 ならば、どうしてこんなにも悔しい。
 本当は、悲しいもの悔しいのも、自分が原因だからじゃないのか。
 自分が引き起こした事実。だとすればそれは、自身が理由ということで。すべては自分がいたことによってできた結果ということ。
 いつまでも僕は、愚かだ。
 あの時、桜が悠太の名を呼ばなかったらどうなっていただろうか。
おかげで自分はあくまでも兄で、それ以上ではないと再認識することが出来たけれど。もしあのまま、何も言わずに求められていたら、かなりの確率で僕は。
 濃厚なキス。
 まだ唇がかすかに熱い。
 一度は受け入れて、拒む。
良心で人は死なないというが、自分がしたことはある意味、桜にとって、もっとも残酷なことだったのかもしれない。 
「お兄ちゃん」
 びくりと背中が震えた。けれどこれは、慣れ親しんだ心地よい声。
唐突にかけられた声に反してゆっくりと顔を上げる。
 やはり亜美だ。
夏休みだというのに制服を私服代わりに着ているのは彼女ぐらいしかいない。
事情が事情だけに仕方がないが、なんだか申し訳なくなってくる。妹にこんなにも負担をかけてしまっている自分。
 僕は、何をしても情けない。
「亜美、久しぶりだね」
 しかし悲しみを悟らせるなど、これ以上の愚は冒せない。むしろ機嫌よく装う。
何年も会っていなかったみたいだ、なんてどこかのドラマのような台詞が頭に劈くが、言うことはしなかった。
「泣いているの」
 見れば亜美の目に涙がいっぱいに浮かんでいる。
悠太に指摘されて、慌てて後ろを向き、袖で目をごしごしと拭いているようだったが、後から後から涙が出てきて、悠太に泣いている姿を隠しきれていない。
 なぜ泣いているのか。などということはしなかった。おそらくではあるが、何となく察しはつく。
「……なんで……来てくれなかったの」
109桜の網 ◆nHQGfxNiTM :2007/09/28(金) 19:14:35 ID:mp8fEZHO
 悠太は西園寺に行ってからというもの、白石とは何回か連絡を取っていたが亜美には一回たりとも電話が出来なかった。
言うまでもなく、桜が悠太と亜美が話すのを嫌ったからだったが、亜美は知らない。
 そして喫茶店での際、何度か白石の家を訪ねるといっておいて自宅に戻ることは遂には一度もなかったのだ。
いきなり兄に放任され、思うことは多くあるはず。泣くほどとはさすがに思わなかったが。
「ごめん」
 そっと亜美を慰めるため、頭を撫でた。
 何か悲しいことがあったときにこうするのは、亜美が悠太の側にきたときからずっとやってきたことだったが、兄が覚えていてくれて亜美はもっと悲しくなる。
 だから、なかなか泣きやめなかった。
悠太はまだ、頭を撫でてくれている。
 顔を上げると目が合った。
 この人が、私の兄。
 やっと、会えた。
「もう、大丈夫かな」
 名残惜しいが体が離れた。手が僅かに空中を掴む。

 ―――もっと泣いていれば、兄はもっともっとかまってくれるだろうか。

けれど、悠太を縛るような網にはなりたくない。懸命に涙をこらえ、泣き止んだ。
 一方悠太は、ほっとしてここがどこか確認することにした。
 無我夢中だったため、よく場所がわからない。
 周囲を見回すと、考えながら歩いていたために気づかなかったが、いつの間にか西園寺の家から少し離れたところにある公園に来ていた。
ここには昼ごろになると子供や主婦などの憩いの場となる所で賑やかさもある。
ただ、中にある遊具の数は侘しいもので、ブランコと砂場、あとはジャングルジムしかない。
 しかし、ここを訪れる人数は馬鹿にしたものではなく、それなりに多い。通りすがる、という程度のものかもしれないが。
 理由は近くにあるコンビニで、事実亜美もここで買い物をしに来ていたみたいだ。左手に握られた茶色い弁当の袋が揺れている。
 公園内に入る。人もそれなりにいるようだ。
 丁度、ベンチが一つ空いた。
亜美と二人で腰掛ける。座り心地は正直あまりいいとは言いがたいが、側にある樹がそれを帳消しにしてくれている。
 亜美はもうすっかりいつもどおりに戻ったようだ。黙って、ぼんやり。弁当はまだ食べるつもりがないらしい。
 目を瞑る。
 いい機会だ。
110桜の網 ◆nHQGfxNiTM :2007/09/28(金) 19:15:18 ID:mp8fEZHO
 西園寺のことについて、熟考したい。
 桜は言っていた。愛美が二人いて、私が愛美だと。
 それはつまり、愛美という名前の人間が二人いて、そのうちの一人が桜ということか。しかしそうするとなぜ桜は、桜という呼称なのだ。
 いやそれ以前に、すべて信じても、悠太自身が持っている疑問は何一つ解決されない。
 白石が電話していた相手。
 喫茶店にいた人物。
 桜が知っていて、白石が知らないお互いの認識。
 愛美。
 喫茶店の一件に関しては、そこにいたのが桜だったということから、白石が電話していた相手がわかれば、自ずとわかることだろうが、何か腑に落ちない。
それほど気にすることもないのかもしれないが…。
 あの、桜が見せた目。あれは間違いなく憎悪のこもったもので、軽く流せる問題ではない。

 ―――それに本当は。

 全く何もわからないというわけではない。
 推測は立つ。
もちろん証拠も保障も根拠ですらありはしないが。よくよく考えてみれば見えてくるものはある。
 加えてソレが正解であるならば、すべての矛盾は消える。
けれども、推論が線になるには、桜がある事実を行ったということが前提になる。それはあまり、考えたくは、ない。
 だが―――。
「お兄ちゃん」
 澄んだ声が耳に響く。とても無機質に。
 見れば亜美が石のようにじっと立っている。何か見つめているようでその視線の先を追うとベンチの横に生えている草が目に入った。
 なぜ草などを見ているのだろうか。少し気になったので、立ち上がり草の近くまで移動してみた。
すると、今度は亜美の視線がずれていた。ということは別に草に注視していたわけではないということか。
 そしてよくよく見ると、視線の先は明らかに悠太に向いている。
「どうしたの」
 声をかけるが、返事はない。
 呆けているようにただ一点を見つめている。自分に向けられたものであるから、こそばゆい。
目の道順をじっくりと追うと、悠太は自身のはだけられた胸が眼に入った。
きちんと着られていないのは、桜との一件があったときに急いでいたからだったが、亜美はそんなこと知りもしないはず。
「何それ」
111桜の網 ◆nHQGfxNiTM :2007/09/28(金) 19:16:00 ID:mp8fEZHO
 やっと亜美が口を開いたが、悠太は理解できない。きちんとシャツを着こなしていないことを怒っているのだろうか。
でもその程度のことでわざわざ亜美が気を取られるとは、珍しい。
「僕にだらしない格好は、似合わないかな」
 少しおどけて言ってボタンの二番目までしっかりと留めようとする。
 すると、急に、亜美に手をつかまれた。
「何それ」
 かなりの力で握られたので、悠太はこれが真剣さを含んだものだと推測する。
けれど、理由がわからない。再び亜美の視線を追う。
 そこにはだらしなく着こなされた白いシャツと。自分の赤い胸しかないはず。

 ―――赤い、胸?

 そうだ。胸には桜に、掟を破った時にお仕置きと称してつけられた痛々しい鞭の後がある。亜美と一緒にいた頃にはなかった傷が。
 でも、こんなことで自分の妹を心配させるわけにはいかない。
心が痛むが、嘘をつかなければ。
「何でもないよ」
「嘘」
 すぐに見破られた。が、黙っていれば亜美とて追求まではしてこないはず。
この大人しく優しい妹は、そういう人物だ。
 亜美と目が合う。咎めの視線。
時間が流れる。
 風が凪いだ。樹が揺れ木葉が僅かに擦れる音が耳を優しく撫でる。
辺りは少しずつオレンジの絹がかかり、夕刻が迫ってきたことをひっそりと知らせ始めていた。影が傾く。
砂場で遊んでいた子供たちもいつの間にかいなくなっていた。遠くから声が聞こえる。きっと、誰かが誰かを呼ぶ声だ。
なんだか、それは一層もうすぐ夜がちかいことを知らせているようで寂しい。
 今この公園にいるのは、悠太と亜美の二人だけだ。
 お互いの瞳を覗きあっている兄妹。
 唐突に、亜美が悠太の手を取った。歩き出す。向かう先は、どうやら手洗い場のようだ。
こんな小さな公園であるから手洗い場なんて大袈裟な表現よりも、ただの少し囲まれた水が出る場所といった方が、通りがいいかもしれない。
 蛇口と囲い、それ以外には何もない。
 亜美はまず蛇口をひねり、盛大に水を出した。
水がしばらくで続けると今度は、ポケットからハンカチを取り出した。
 これは随分前に悠太が誕生日プレゼントとして買ってあげたものだ。もうかなり綻びがある。
 亜美はハンカチを一気に水につけた。そして傷つけないようにするためか、優しく、でもしっかりと絞る。
112桜の網 ◆nHQGfxNiTM :2007/09/28(金) 19:17:11 ID:mp8fEZHO
 何をするためか聞こうとすると、悠太はいきなりシャツをめくり上げられた。
「手当て」
 言うや否や、右手で赤くついた斑点の上にハンカチを載せる。
水が湿って気持ちがいい。
まだ夏ということもあるのだろう。それが肌に当たると、なんだか清清しさもあって、自然と気が緩む。
「ありがとう」
 お礼を言うと、亜美は優しく微笑んだ。
 手当てしにくいということで、悠太はもう少しシャツのボタンを空けようとすると、やんわりと遮られた。でも、このままだとやりにくいだろうに。
思ったが、亜美は問題をものともせずに、右手で傷にハンカチを押し、左手でシャツのボタンをてきぱきとはずしていった。
 全く器用なものだ。
 安心して、亜美の頭を撫でた。
 すると目を細めて、心持ち身を預けてくる妹。
 もう夕闇。
早く帰らなければならないのに、なんだか気が重い。
 これから、どうすればいいのだろう。桜とはもう顔を合わせにくい。
もちろん、今日の昼の出来事が最大の要因だ。だがしかし、西園寺はどうも悠太にはわかっていないことが多い。
それが悠太を不安にさせる。
 何より、桜と愛美という少女のこと。もう大体予想はつくが、悠太の推論が正しければ、桜は―――。
 いやそんなわけはない。いくらなんでも、それは。
とにかく、桜とこのまま別れたくはない。
兄妹という枠は超えてはならないけれど、それでも、しこりを残したまま三ヶ月が過ぎてさようならというのはあまりにも。
 まだ西園寺にいる期間は僅かだが確かにあるのだ。
その間に説得するしかない。大丈夫だ。二人はお互いが嫌悪感によって、気まずい空気を作り出したのではないのだから。
113桜の網 ◆nHQGfxNiTM :2007/09/28(金) 19:18:09 ID:mp8fEZHO
 むしろ逆。簡単にはいかないだろうけれど、諦めるわけにはいかない。
 家族、家族と言ってきた自分だ。少しぐらいのことで、怯むことはしたくない。
「お兄ちゃん」
 亜美が下から悠太を伺っている。
 どうやら終わったのではなく、長い間湿らせていたので、瘡蓋になっていた部分が剥がれ僅かではあるが血が出たようだ。
「血」
「これぐらい、何でもないよ」
 とは言ったものの、亜美は気にしているのか、申し訳なさそうに謝ってくる。
しかし、手当てしてくれていた医者が謝る道理などない。
悠太は幾分力強く、大丈夫といったが亜美は困ったまま動かない。
 これがこの子のいいところだ。これほどまでに人をいたわれる心。美徳とすら言ってもかまわない。
「………舐めてもいい?」
「え?」
「小さい頃……お兄ちゃんが……やってくれたでしょ?」
 確かにやったけれど、でもそれは。本当に小さな頃で。
亜美が白石の家にやってきたときに見様見真似で料理をしようとして、包丁で手を切ったときのことだ。
「だめ………?」
 瞳を潤ませるしぐさは可愛らしいが。許していいものだろうか。
 傷口を見る。僅かに滲んだ血。
 この程度ならば、舐めるという行為もすぐに終わるはず。ならばせっかく悠太を気遣ってくれたのだ。断るのもなんだか悪い。
「少しだけだよ」
 自分で言ってから、亜美には見られないように顔を顰めた。
 少しなんて、どういう許可の仕方だ。普通に、いいよと言えばいいのに。
 でもそれは、桜のことが頭をよぎって敏感に反応してしまうからか。亜美からすれば舐めるという行為は治療の一種であるというのに。
 ぺろり。
 亜美が赤く染まった液体を舌ですくう。
 ほんのりと赤に染まった唇。
ぺろりぺろりと傷を舐めてくる。なんだか、いやらしい。
次第に舐めるという行為は吸うことへと変化していく。ちゅうちゅうと、妖しく。
114桜の網 ◆nHQGfxNiTM :2007/09/28(金) 19:18:43 ID:mp8fEZHO
 今度は、べっとりと唾液を乗せ、舌の腹全体で傷口を舐めた。
 これが治療か、とも思ったがそれ以上は考えることをやめた。
もし考えてしまえば、先にあるのは破滅しかない。これが治療であろうとなかろうと、亜美は治療だといっているのだから、その通りにさせてやろう。
 べとりと舐められた肌は、亜美の舌と唾液の橋を作る。今度はもう少し左へ。

 けれどそこには、傷はない。

「お兄ちゃん」
 はっとして、亜美を見るとそこには淫らに舌で肌を舐める女が一人。
「この傷、誰につけられたの」
 これは質問か、厳命か。それとも――確認か。
「誰って、ただ机にぶつけちゃったんだよ」
「そう」
 明らかに嘘とわかるのに、亜美は追及しない。ただただ、奉仕する。
もはや、愛撫といった方が適切か。
一歩近づいて、今度は悠太の背中に両手を回す。
「お兄ちゃん」
「な、何」
「この傷、誰につけられたの」
「だから、机に」
 さっきも言ったはずなのに。
これは信用していないとか、嘘を見破っているとかいうことじゃない。
もう嘘だと、わかっているのか。
 嫌な雰囲気が悠太を圧する。右足が下がる。
そんなわけないのに、亜美の力が悠太を絞めつけているようにすら感じる。
そして、背中に回された両手のうち、左手が悠太の股に入る。膨らみを、触る。愛しそうに、しっかりと。
 これ以上は。まずい。
 桜に続いて亜美とまで。するわけにはいかない、のに。
 亜美の力は万力のようだ。
「お兄ちゃん」
「な…何」
「この、傷。誰に、つけられたの」
115桜の網 ◆nHQGfxNiTM :2007/09/28(金) 19:20:18 ID:mp8fEZHO
 答えられない。でも何も言えないということは。
 ―――亜美が悠太の男根を服の上から掴む。
 亜美の顔が悠太を放さない。

 こっちを舐めたほうがいいかな。

 漆黒の瞳が告げる。もちろん亜美が直接言ったわけではないが、悠太の頭にはそう理解された。
そして、それを防ぐ方法は。答えろということ。
「……西園寺の人に」
「あの女に、でしょう」
「あの女って」
「桜」
 正解ではある。だがこの少女は、女は誰だ。何て淫靡な駆け引きを。駆け引き?いや、もうそんな言葉じゃ陳腐にすらなってしまうか。
 最後に傷口を舌先で舐めてから、離れた。
 もう夜の帳は落ちてきている。
 亜美の顔が見えない。
こんな時だからこそ、亜美の顔をしっかりと見ておきたかったのに。すでに凪いでいて風は跡形すらない。
 不穏な静寂。
「もう、帰ったほうがいい」
 堪えきれず、せき止められた濁流のように声を出した。
亜美は、動かない。
「お兄ちゃん」
 まだ何かあるのか。
「私が…ハンカチで、手当てしている間……何考えていたの」
 手当てしている間?
確か桜とのことをどうしようか考えていた時だ。でも、それを話して西園寺のことで亜美を不安にさせるわけにはいかない。
「別に、何も」
「…何考えていたの?」
「だから、何も―――」
「何、考えて、いた、の」
 いきなり亜美の顔が目の前に、在る。
116桜の網 ◆nHQGfxNiTM :2007/09/28(金) 19:21:16 ID:mp8fEZHO
離れたはずなのに、いつの間にか幽鬼のように。
なぜか瞳が、仄暗い。
まるで何かに憑かれているようだ。
 悠太は、怖くなった。
桜のことも、西園寺のことも、亜美のことも、自分の考えていたものとはまるで違う。
頭の中にあったイメージは虚像。すべてではないけれど、自分にあった像の何と脆いものか。
わかってはいる。この自分の中にある他人というものほど不確かなものはないのだということは。
 でも。でも。これはあまりに突然で。亜美ですら、長年一緒に過ごしてきたこの妹ですら自分の知らない一面があるのは。怖い。
蝉の鳴き声が聞こえる。
 いや―――しかし、よく考えてみれば。当たり前、か。
悠太だって亜美にすべてを曝け出しているわけではない。こんなことぐらいで過敏に反応するのは、今は仕方ないけれど、するものではない。
だって、僕らは家族、なのだから。

「―――殺してやる」

「―――え」
 亜美が僕を見る。穏やかな顔。寡黙だが優しい、いつもの少女。妹。
 でも先ほどの声は。幻聴か。
 二人以外、誰もいないのに。
 いないのに?
「行こう」
「どこに」
「いいから」
 亜美が悠太の手を引いていく。どこに行くつもりだろう。
 公園の出口に向かう。出口までは一直線だ。
遮るものは本来ならば何もない。いつもならば。
しかしなぜかそこには人影が一人。
街灯に照らされた場所よりも一歩下がった位置にある。だから誰がいるかはわからない。
 人影が照らされた円の部分へと入る。
姿がわかる。
117桜の網 ◆nHQGfxNiTM :2007/09/28(金) 19:24:23 ID:mp8fEZHO
 亜美が止まった。次いで悠太も。二人と一人の距離は五メートル前後。間には何も。
 睨み付ける亜美の瞳はどれほどの想いが乗せられているか、悠太は知らない。知ってはいけない。
まず見えるのは、夜なのに持ち歩いているトレードマークの日傘。
ただにこりと優しく微笑んでいる。いつものようにドレスを身に纏って。ただもう少し、凛としていたほうが彼女らしくあるか。毅然としているのは彼女らしさ。
 だからあまりに可愛らしい顔で微笑む顔は、正直不気味といってしまってもいい。
「こんばんは」

 桜の口がにんまりと弧を描いた。

 ―――悠太は、思う。
 僕は間違っていたのだろうかと。
そんなはずはないのだ。
僕は、結果として家族を守った。妹を汚さないですんだ。
 ―――けれど、桜は。
 汚れないことを、望んでいただろうか。
 そんなこと。



 ―――考えることなんて、できなかった。

118桜の網 ◆nHQGfxNiTM :2007/09/28(金) 19:28:59 ID:mp8fEZHO
 六話、投下終了です。
 少し間隔があいてしまい、申し訳ないです。
 これからはエロの方も少しずつ書けると思うので、また暇つぶしに読んでくれたらうれしいです。
 それでは。
119名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 19:30:15 ID:b0Zb1YMv
GJJJJJ!
桜の網最近よみはじめたが面白いな・・・・
120名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 19:51:10 ID:9nakj/ed
GJ!!!!
桜の網が読めるとは・・・今日は良き日だ・・・。
121名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 02:12:43 ID:bssqg6Mh
桜の網キタ!!
二人とも本格的に覚醒し始めたっぽいのでますます楽しみですなw
次回も期待してます、GJ!!
122名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 03:21:14 ID:LbuVWBWt
桜の網キタ!キタ!これで勝つる!GJ
123名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 03:51:05 ID:QNdqJCP+
桜の網神GJ!!!

キモウトの中で亜美が一番好きだ。純粋でクールで少し甘え気味という俺のツボを突きまくってる。
続き期待してますね
124名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 07:40:46 ID:XduYMIyt
あさっぱらから読みふけってしまったぜ…

しかし最高にキモイなこいつら!(最高の賛辞
125名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 08:47:19 ID:sfvKi54P
まとわりつく感じがたまらねぇ…。
126名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 12:32:22 ID:79KgbmGv
次は修羅場か…
キモウト同士の修羅場。それだけでwktkしてしまうなぁ。
あと桜と愛美の謎が気になる。わかるやついるの?
まぁとにかく…GJ!!
127赤いパパ ◆oEsZ2QR/bg :2007/09/29(土) 14:20:49 ID:9sgG1YzC
投下いたします。
128三者面談 その3 ◆oEsZ2QR/bg :2007/09/29(土) 14:22:09 ID:9sgG1YzC
 いる。
 誠二はいるっ。
 私は廊下を走る。織姫高校のリノウム廊下をゴム製の上履きで滑らせ、コの字型の校舎の一画目の曲がり角を曲がる。
 途中、同じように仲良く廊下を歩くカップルにぶつかるが、私はそちらを一瞥もせず一心不乱に走っていた。
 スピードをぐんぐんと上げる。こんなに本気で走ったのは何時ぐらいだろうか? 体育祭の時は手を抜いていたが、背景が線へと変化していく気がした。足がまるで私ではない別人のような感覚がする。
 これが本気ということかしら。いや、ただ自分が走り慣れてないだけでしょうね。
 前方を見据えると、廊下の真ん中を一人の女子生徒がてこてことこちらに向かって歩いてきた。身長129センチの小柄と言うのが憚られるほどのちっこい背と体のつくりをした女の子。ピノコの5年後という表現をすれば想像がしやすいわ。
ああ、あの子は有名な藤崎ねねこだわ。通称ロリ姉。いやなあだ名ね。アタシだったら断固拒否するわ。
移動教室だからか、藤咲ねねこはその小さな腕に教科書と地図資料を抱えてぼーっとした顔でこちらへやって来る。神妙な顔をしている。走ってくるあたしに気付いてない。
 廊下の真ん中に居るから、走行ルート上に居てとても邪魔だ。どいてほしいわ。他の生徒はみんな走る私の形相を見て避けるように廊下を開けてくれるのに。
「んー、んー……、んっ!? えっ! きゃぁ!!」
 ようやく目の前を走ってくる私に気付いた。私の姿に驚き、目を真ん丸にしちゃって、どうやら体が硬直したみたいね。右へ避けようか左に避けようか迷ってるのが顔に出てるわよ。
 このまま走ってぶつかっちゃたら、めんどくさいことになりそうね。普通の生徒ならいいけど、こんな小さな女の子じゃぶつかった衝撃で飛んでっちゃうかもしれないわ。自転車と自動車がぶつかったら被害が大きいのはどっちかしら。軽い方でしょ?
仕方がない。
「しゃがんで!」
「え!?」
 そう叫ぶと、私は足の動きを調節する。そしてタイミングを合わせると、三段跳びの要領で彼女の目の前までホップ、ステップと足を1・2と順番に前に出し廊下を踏みしめて。
「ジャンプ!」
 私は129センチの藤咲ねねこの頭上を股を大きく開いて、飛び越えた。
 思ったより、低い彼女の背。私ははっきりと藤咲ねねこの上から彼女のつむじを見ることが出来たわ。
「ほ、ほえ……」
 上手く、彼女の背の後ろに着地。情けない声が聞こえている。
「誠二!」
 私は、またもや足を動かし駆け出した。後ろなんて見ない。見る必要がない。自分でもあの高さを飛べたことには驚いたけど、いまはそれよりも誠二が優先。
 私の誠二を呼ぶ音はぎしぎし歯軋り混じりだった。

 教室、教室、教室。
 2−1、2−2、2−3、2−4……。
 ……行き過ぎたわ。
 2−3!
 半開きの引き戸を掴み、開く。
「誠二はいる!?」
 突然の来訪者である私に、教室中の視線が集まった。男子、女子、このクラスの生徒全員が目を丸くしていた。
 そのなかの大勢の生徒たちの中に、
「誠二!!」
 誠二は居た。
 自分の席に座って、井上くんと一緒に漫画雑誌をめくっていた。その巻頭のグラビアページをめくる指が止まり、井上くんと一緒に私の姿を見据える。
「ひっ」
 口の動きで見えた悲鳴は、小さいながらもとてつもなく恐怖心を与えているようだ。
 誠二の体はぎくりと硬直。対する井上くんの表情は微妙な表情で私を眺めていた。まぁ、無理もないわ。誠二が普通に来てることを教えてくれたのはあなたですものね。
 誠二を裏切ったと感じているのかしら? 別にかまわないわよ。誠二は私のものだから、失くしたものが見つかったら、そのモノの所有主へ教えるのは常識だわ。でも一割もあげないけどね。
「誠二、よくものうのうと学校へ来れたわねぇ……?」
 私は教室にいる生徒全てを無視し、誠二ただ一人に視線を合わせ、彼から目を外さず一歩一歩近づく。
 まるでヘビに睨まれた蛙ね。誠二は私の瞳に捕まえられたように席に着いたまま逃げられずに私の顔を見ていた。
 どう見える? 怒ってるように見えるかしら? 怒ってるわよ。とっても。
 ぐいとネクタイを掴み上げる。席に座っていた誠二は首元を引っ張られ苦しそうに顔を歪ませた。このまま引っ張るとどうなるかしら?
 ぐりぐり。
「ね、姉さん…!」
 苦しそうに声を出す誠二。
 私を見るその表情は暗く、恐怖に揺れ、瞳はきらりと潤んでいる。
129三者面談 その3 ◆oEsZ2QR/bg :2007/09/29(土) 14:23:17 ID:9sgG1YzC
 ……泣くのかしら。
 ……いいわね。昨日私が見たかったのはあなたのその表情なのっ! その苦しそうな息遣いが聞きたかったのよ!!

「立ちなさい。誠二」
「姉さん。僕は……」
「立ちなさいと言っているの! 誠二!」
 しかし、誠二は立とうとしない。
 これ好機と私は掴んだネクタイをさらに上へ引っ張り上げ、締め付けを強くしていく。
 吊り首。絞まる首元、不安に駆られてゆく誠二の表情。ああ、ゾクゾクする。心の泉がどんどんと温度を上げて沸騰して沸き上がっていくわ!
 ……この表情を他の誰にも見せたくない! この表情を私だけのものにしたい!
「二人ではっきりと話し合いしましょう?」
 私はそう言い放つ。こんな誠二の恐怖まじりに歪んだ表情を他の女どもに見せたくなかったから。この表情を独占したかったから。
 私の言葉に誠二は焦燥したように視線を動かし、瞳で右へ左へと助けを求める。が、誰も私と誠二の間に入ってこない。それもそう。井上くんをはじめ、このクラスの生徒達は全員私を恐れている。
 私と誠二のやり取りを一番よく見ているのは紛れもないこのクラスの生徒達。井上くんが私の駒として動かされていることも知っている。だから、私と誠二の関係に関わりは絶対に持たないようにしている。
 ふん、いい友達にめぐり合えないわね。誠二。まああなたは私以外の人間なんて必要ないからいいのだけど。友達なんて居なくても困らないわよ。それは私が実証済みだから。
 誰も助けをもらえないことに気付いた誠二はあきらめたように席から腰を浮かせ、立ち上がる。私とおなじぐらいの視点となり、ネクタイを掴まれたままの誠二はまるで犬みたいだわ。
「おいで」
「……はい……」
 私はまさに犬を引っ張るようにして誠二を教室から連れ出した。わんわんね。おっきなわんわんだわ。
 ふふふふ。「わん」と鳴いてくれないかしら。誠二? わーんわん。あときゅぅぅぅぅ〜〜んって鳴き声も聞かせてね?

 どさり。
「うわっ」
 織姫高校の校舎の端に存在する六畳ほどの小さな部屋に誠二を投げ入れる。
 リノリウムの床に誠二は尻餅をつく。床にたまったほこりが小さく舞った。この部屋は文系部用の空き部室。暗くてほこりっぽい部屋には教室用の机と椅子が積み重ねられているだけでただの物置と化していた。
 そんな中に砕けた腰で私を見上げる誠二の視線。
「誠二……」
 私もドアを閉めて中に入る。電気は消しているため、窓から漏れる明かりのみしか光源はなく、それがこの空き部室を独房のように見せているわ。
 独房ね……。
「ね。姉さん!」
「なにかしら?」
「僕の話を聞いて欲しいんだっ」
 ふぅん。
「それよりも、先に言わなきゃならないことがあるでしょう?」
「……!」
 誠二の傍へと歩いてゆく私。距離を縮める。誠二の額から汗が流れてゆくのがわかるわ。ちろりちろりと暗い中でかすかな光に反射して水玉を浮かばせていた。
「昨日はどこへ行っていたのかしら?」
 誠二の顔をつまみあげ、低い声で私は訊いた。
「私に黙って無断外泊ねぇ。そんなこと今まで全然しなかったのにねぇ
 意味が重複しているけど、そこは問題じゃない。いままで帰りが遅くなることはあっても昨日のような、連絡なしでどこかへ行くということは無かった。
「ど・こ・へ・行っ・て・い・た・の? 誠二?」
 一節一節に重みをつける。誠二はいやいやと首を震わせながら、私の問いに口を開く。
「い、井上のところに泊まってたんだ!」
 はい、嘘。
私は間髪いれず右手を振り、誠二の頬のその手のひらで大きく打ち鳴らした。

 パチーン!

「……ッ!」
 暗い教室に、新聞紙を床に叩きつけたような軽いぴりりとした音が響いた。
 頬を打たれた誠二は一瞬何が起こったのかわからなかったよう。左へ寄った視線は突然の痛みに、目を泳がせていた。
「嘘つかないで。誠二」
 井上くんからは私がすでに聞いているのにね。
 でも、井上くんが嘘をついたって可能性も否定できないわね。私に嘘をついて誠二をかくまってあげたとか……。……ないわね。井上くんにそんな度胸無いもの。
 打たれた誠二の右頬がじんわりと赤くなっていく。赤みのかかったほっぺた。まるで桃のよう。
「う、嘘じゃないよ……」
 それでも、誠二はまだ誤魔化そうとする。打たれた衝撃で左ずれた視線のまま喋る誠二。私が正面から睨みつけているというのにそれからは逃れようとしている。
 視線を私から逸らしたまま、まだ嘘を重ねようとする誠二になんだかムカっとした私は。
「私の目を見て答えなさい」
130三者面談 その3 ◆oEsZ2QR/bg :2007/09/29(土) 14:24:03 ID:9sgG1YzC

 パチーン!

 左頬を大きく打ち鳴らした。
「つぅッ!!」
 二度目の平手打ちは本当に予想外だったようね。思わず誠二は左の頬を押さえた。その仕草がなにか私の心をあわ立たせる。
 私が彼の頬を打った手のひらはじんじんとしびれていた。
誠二の頬を大きく打ち込んだこの手のひら。じっとりと赤く染まり、表面には彼の汗と私の汗が混ざり合っている。
 まるで、調味料同士を混ぜ合わせたみたい。
 そして、この手のひらにかすかに残るあの誠二の頬を叩いた感触。
 何故だか、とても気持ちよかった。
 私はもう一度右手を振りかぶる。
 大きくあがった私の手に誠二は怯えた表情を浮かべる。それがなんだか私の被虐心を妙に掻き立てて、

パチーン!

 気が着けば私はもう一度、誠二の頬を平手打ちしていた。
 赤くしびれる手のひら。頬の痛みに戸惑う誠二のおびえた表情。

パチーンッ!!

 頬、赤い頬、誠二の赤い頬。

パチーンッ!!

 手を打つごとに響く軽い音。

パチーンッ!!

 その音が私の脳内に響き渡る。その度に麻薬のように溢れる分泌液が体中から溢れた気がして、私の頬までも温度を上げて赤く紅潮してゆく。

パチーーンッ!!

 いい。いい。こうして誠二の頬を叩く度に、どんどん私の息遣いがおかしくなっていく。口元が笑い始めているのが自分でもわかる。
 誠二は何度も頬を叩かれて、涙目になりながらわけがわからないと言うように、私を呆然と見つめる。頬を真っ赤にして、まったく。
 いい顔。

パチーーンッ!!

 この顔に私は容赦なく手を振り下ろす。この可愛い誠二の顔に思いっきり平手打ちできるなんて、なんて贅沢だわ。
 誠二は段々力が尽きてきたのか、私の手を握ろうとした腕がだらりと脱力していく。抵抗が無くなった誠二、無防備な誠二。腰をまたいで馬乗りのなると、もうそこは私と誠二だけの世界。

パチーーンッ! パチーンッ! パチーンッ! パチーンッ!

 止まらない。腕が止まらない。叩くのが止まらない。叩くごとに湧き上がる熱。あつい、熱い思い。欲、欲、情欲。
 笑いが、悦びが、想像を超えた快楽が私の心を燃え上がらせる。気がつけばよだれがぽつりぽつりと口の端から溢れている。でも、そんなのも拭くのさえ気にならない。
 この行為。弟の頬をこの手で打つ。この行為が楽しくて愉しくて。夢中で、無我夢中で。心が萌える。

「あは、あははは、あはははははは!!」

 パチーーンッ! パチーーンッ! パチーーンッ! パチーーンッ!

「あはははははっ、あはははははははははははははっっ!!」

 ガラリッ。

「そこ、何をやっている!!」
131三者面談 その3 ◆oEsZ2QR/bg :2007/09/29(土) 14:25:20 ID:9sgG1YzC
 ……ちっ。
 鍵を閉め忘れていたのを思い出した。
 振り向くと、そこに立っていたのは養護教諭の時ノ瀬先生だった。……なんで先生がこんなところに?
 時ノ瀬先生は相変わらずTシャツに白衣に裸足でスリッパというふざけた格好をしていた。でも私を見下ろす目は厳しさで満ちている。
「えっと、お前はどこの生徒だ?」
 ふーん、誠二やそこらのどうでもいい生徒はともかく、生徒会の役員ぐらい覚えておいて欲しいですね。養護教諭でも。
「3−2の沢木千鶴です。この下にいるのは弟の誠二です」
 私はこともなげに答える。入られた瞬間「しまった」と思った私だったが、よく考えれば私と誠二は姉弟。姉が弟の教育のために延々と平手打ちをしてても何も問題は無い。
 時ノ瀬先生は私の股の間で力なく、だらりと放心している誠二に駆け寄る。
「頬が真っ赤にはれているじゃないか! 沢木千鶴。折檻かリンカーンか知らんがやりすぎだ」
「いえ、そんなことありません」
「五月蝿いっ。ただの姉がしていい量じゃないぞ!」
 そう言うと、先生は私を押しのけて誠二を抱き起こす。その様子が何か気に食わない。ちょうど跪いたときに自慢の足で蹴りこんでやろうと思ったが、やめておいた。
「立てるか? 沢木誠二くん」
 こくりこくり、誠二は赤い頬で涙を流しながら頷く。腕を持って、誠二を起こすとふらふらになりながらも立ち上がる。その瞳は私のほうを向いていた。
 大きく瞳の奥に見える怯えの感情。簡単に読み取れた。
「とりあえず保健室へ行くぞ。その顔じゃ教室にいけないだろう」
「先生。私も着いていきます」
「いや、着いてくるな」
「私はその子の姉ですよ?」
 先生は眉間に皺を寄せて怒鳴った。
「その姉がこの状態にしたのだろうっ。君は教室に戻れ」
 ……ふん。姉としての責務を果たそうとしたのに。
 誠二は時ノ瀬に庇われながら、このほこりっぽい教室を出て行った。あとに残されたのは私一人。
 手のひらにじんじんと残る、平手打ちの感触。熱い、熱い。私の鼻から空気が噴出してゆく。手のひら。手のひら。興奮が収まらない。
 はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、息が、息が。こんな心の高ぶりは初めてだわ。
 この左手の感触が残っているうちに…………。

 PiPiPiPiPi……。

 突然の電子音に思考がぶった切られた。
 機械的な音。私の携帯電話ではない。ぶぶぶぶぶと震える音も響いている。この空き部室に……。
 音の震源は足元だった。ひょいとその音を発する端末を拾いあげる。青い携帯電話だ。
「これは……誠二の携帯電話だわ」
 平手打ちのときに、誠二のポケットからこぼれたものだろう。コンパクト型の携帯電話を開いてみる。ロックはかかっていなかった。無用心ね。
「……そういえば、昨日誠二がどこへ泊まったのか、聞いてなかったわ」
 つい平手打ちに夢中で忘れてしまっていた。
「この携帯にヒントが隠されてるかも……」
 ……まったく、私は運がいい。
 私と誠二は同じメーカーの同じ機種を使っているので(私は銀色カラーだけど)、操作はすぐにわかる。左ボタンを押してアドレス帳を眺める。私が見知ったアドレスが並んでいた。
アドレスに書かれている友人の約半分は、私の息がかかっている。
 ……んー、……先生が多いわね……。
 高倉良子先生、保坂新太郎先生、さっきの時ノ瀬先生……。
 メールボックスを開けようと、操作する。すると、なぜかメールボックスだけはパスワードが必要になっていた。4桁の数字でロックされている。
「………」
 誠二の生年月日を入力する。ダメだわ。私の生年月日、ダメ。父・母の生年月日……。ダメ。1682(イロハニ)……。ダメ。
「………」
 誠二の生年月日の逆入力。
「開いた」
 ……誠二が単純なヤツで助かったわね。
 一瞬だけ暗くなった小さな小さな液晶画面に私のほくそ笑んだ顔が映った。ふふふ。さぁて、昨日はどこへお泊まりしていたの? 誠二。
(続く)
132赤いパパ ◆oEsZ2QR/bg :2007/09/29(土) 14:27:14 ID:9sgG1YzC
投下終わり。
次回投下は未定。
133名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 15:24:01 ID:h0f6z990
GJ
134名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 16:10:33 ID:8ldQY1Sf
リンカーンで吹いた
135名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 16:38:42 ID:6LAIrjBe
桜の網に続き三者面談まで読めるとは…。嬉しすぎる。GJ!
千鶴姉さんにぶたれたい。(#´Д`)ハァハァ
136名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 22:47:56 ID:orQIx/9C
GJ

なんか時ノ瀬先生と良子先生はグルっぽいな
137名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 01:02:37 ID:WrTfSezN
新作もきたし桜の網もきたし三者面談もきたし最高だwww
138名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 01:26:08 ID:D2UWEjrc
被虐心は嗜虐心のことかな?

まぁそんな些細なことはどうでも良い。GJ。
つーかお姉ちゃんドSすぎwww
139名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 03:06:46 ID:Fycl0ePp
>>137
おまい何か忘れてないか?
まあ、今回は短かったけど。
140名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 15:05:35 ID:KIszrNj6
一週間ぶりに来てみれば・・・
なんなんだよこの神スレは!最高じゃねぇかぁ!
そして遅いかもしれんが桜の網にGJを送らせてくれ!!次のキモウト対決も楽しみにしてるぜ!
141名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 02:06:30 ID:EwyUwfAK
話の展開上仕方のないこととはいえ、兄(弟)があまりに愚鈍なために妹(姉)の狂気が加速し、最悪の事態へ突き進んでいく
ラブorダイの殺し愛人生なんてまっぴらごめんですな
142名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 02:17:24 ID:qpHpObap
そのまさかですよ
143名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 18:29:25 ID:2c67kIkK
このまさかりですね
144名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 18:53:42 ID:wYy9wCpj
まさかり担いだキモウト
熊にまたがり泥棒猫退治
145名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 03:25:44 ID:RABtxv3C
まさかりのせいで前スレがえらい事にwwwwwwwwww
146名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 03:51:48 ID:lbL76afO
ふと思ったんだが。
お前達、Sなキモウトキモ姉とMなキモウトキモ姉、どっちが好みだ?
147名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 04:17:48 ID:NU/JN2S7
うお、やべぇ何コレ。
何でたったひと月足らずでこんなに進んでるの?

マジびびったわ
148名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 08:31:56 ID:HKeaf09x
>>146
Mなキモ姉。泥棒猫相手にはドSだとなお良し。
149名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 12:30:26 ID:ha4NzbL9
>>146
Mなキモウト。兄になら何をされても良いというような
150名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 13:16:04 ID:kuVnE958
泥棒猫相手にもドM

「さあ!あたしを叩きなさいよ泥棒猫!お兄ちゃんをたぶらかしなさいよ泥棒猫!
 アンタがどんなにあたしを苦しめたってあたしは喜ぶわ!ドMだから!」
151名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 18:07:11 ID:Hp1Yn94Z
むしろ泥棒猫もドM


「さあ、ヤンデレっぽく私を刺しなさいよ!○○君との近親姦を見せてみなさいよ!
 正直あなたみたいなキモウトは私を喜ばせるのよ!だって私もドMだもの!」
152名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 18:33:42 ID:Qg+rQYtH
>>150-151
ある意味すごく読んでみたい話だなw
153名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 18:41:39 ID:/avWiZrz
それにヤンドジがついたら面白くね?
154名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 19:40:57 ID:CCJuRaVb
Sなキモウト好きは異端?
155名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 19:46:02 ID:FgpO5/r+
正統です
156名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 19:51:16 ID:Wel6fXgT
異端どころか多数派かと
157名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 21:03:31 ID:FtwQUCg3
SでもMでもキモければ一向に構わん
158名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 22:10:02 ID:umfxravE
むしろSM混合がスタンダードだと思うんだぜ
159名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 23:41:52 ID:R6p4YnS6
ブラコン+ストーカー+痴女=キモウト?
160名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 01:04:39 ID:cWJXoiMV
たぶん痴女がなくてもキモウトたりえる。
大事なのは想い。痴女はその産物ってか結果かと。
161名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 01:13:00 ID:L/lpOcae
エロは飾り。むしろたまには必要以上に潔癖なのも読みたい
162名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 01:33:50 ID:YRur45zR
アニメダ・カーポ2の朝倉姉妹が空気でEDルートがほぼないだろうと確定しているので
ここでキモウト・キモ姉でも書いて発散したいと思っているのだが

一体、どういう作品を書けばいいのかわからなくて困っている

ベタベタな恋愛物語なのか

修羅場的要素を含んだ要素なのか

スクディみたいにNice Boatオチでいいのか

その辺がちょっとわからないですね。
163名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 01:50:00 ID:tjeZKIjY
キモ姉・キモウトを含めばなんでもいいかと
とりあえず保管庫を見る事をオススメします
164名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 02:54:45 ID:T2EOjto4
桜の網とか最初の方見逃したから保管庫待ち
165名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 03:43:10 ID:L/lpOcae
綾シリーズも4スレ目落ちると見れなくなるから急いだ方がいいお
166名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 07:27:49 ID:SRUpDqPn
おや、前スレが埋まったようだ
167名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 08:43:38 ID:1Fx8UfKP
ささやき
えいしょう
いのり
ねんじろ!

おねえちゃんのしたぎは はいになってしまった!

姉「れっつ しょうたいむ♪」
弟「いやぁぁ・・・」
168名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 15:13:29 ID:6vs5lGQf
* おおっと *
169名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 16:42:27 ID:0ZPXxOKl
前スレの埋めSSが面白かった
170名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 16:47:24 ID:hl0VJAmz
今更な質問かもしんないが、義理キモアネ・義理キモウトや、
姉(キモアネ)的存在・妹(キモウト)的存在はありなんだろうか?
171名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 17:54:24 ID:4PJKtQ8F
義理はあり
姉妹的存在(近所のお姉さん等)は無しって前に話してなかったっけ?
172名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 20:24:33 ID:SRUpDqPn
>>169
スレが埋まってないけど、また暇なとき書いてもいい?
173名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 20:40:09 ID:zwwyy0ES
>>172
君の心の中に熱いリビドーが滾っているならば、いつでも書くがよろし。
174名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 23:44:05 ID:xl3WCQoH
ダメーポで思い出したけど、音夢もキモウトだよな。
・主人公のお古のシャツをパジャマにしている
・病弱設定は主人公を振り向かせる(ある種の)自作自演
・海外の従姉妹から主人公に届いた手紙をこっそり処分
・さくら(従姉妹)ルートでは「あんな魔女にっ…」と主人公を罵倒

惜しむらくは他ルートでは嫉妬分を見せなかったこと、具体的な行動が足りなかったことだな
175名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 01:19:36 ID:dG61cEOh
2はキモアネがいるんだっけ?何気にやるな。
176名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 09:48:23 ID:C2PDfsVh
確かに音夢のキモウトSSとさくらの嫉妬SSは二次創作サイトでもよく見かけるな
177暇つぶし ◆8VZdN8eVUI :2007/10/05(金) 03:58:41 ID:3Ycx52Hk
「キモ姉妹のSM談義が弟たちの間で行なわれたようね」
「お前はSとMどっち?」
「馬鹿ね。私はいつでもどこでも、どちらにでもチェンジ可能よ」
「さすが売女」
「…って、何で貴様がここにいる。『過去』スレ」
「知れたこと。ここは私のスレだからよ」
「とうとう頭まで病んでしまったか」
「↑」
「記号で喋るな」
「上を見なさいってことよ」
「上?」
「なんて書いてある?」
「え?『確かに音夢のキモウトSSとさくらの嫉妬SSは二次創作サイトでもよく見かけるな』だけど?」
「GIFT使っちゃえばよかった!!」
「いや、作品違うから。あと意味もわかんない」
「そうじゃなくて、もっと上よ。もっともっと」
「もっと?私の『キモ姉&キモウト小説を書こう!』とか?」
「それよ」
「それがどうかしたの」
「あんた馬鹿?まだわからないの?それこそが私がここにいる理由じゃない」
「はぁ?私の名前にケチつけたいってこと?」
「『私』の名前?違うわよ。あれは、私の名前よ」
「!!な、何言ってんのよガキ!あれは本スレである私の」
「証拠は?」
「しょ、証拠?」
「そう、証拠。あれがお前の名前っていう根拠は?」
「根拠も何もあれは私のれっきとした名前よ!!」
「でも、お前…ないじゃない」
「何が」
「part番号が」
「――!!」
「だから、ここは私のスレ『かもしれない』ってわけ。まだまだ死ぬわけにはいかないわ」
「で、でも!番号はもともとあんたが捨てたんじゃない!」 「Nice Work.」
「話を逸らすな!」
「逸らしてないわよ。だってこれは前スレで、お兄ちゃんが私に送ってくれたGJだもの」
「自演乙」
「自演じゃないのよ、これが。ま、だから復活したんだしね」
「それじゃあ、最後の方に書き込みされたあんたの遺書みたいなのは?次スレとして生き返る、みたいな」
「ああ、あれ。ただのお兄ちゃんの悪ふざけよ」
「…マジ?」
「マジよ」
「自重してよ…」
「…そんなにあたしがいると迷惑?」
「迷惑じゃないわ。邪魔なの。排除したいくらいに」
「そう、わかったわ」
「え!消えてくれるの?死んでくれるの?」
「…条件がある」
「条件?まぁ、いいわよ。キモウトが消えてくれるのなら多少のことは我慢してあげる」
「二言はないわね?できなかったら、私もここにいるから」
「いいわ。で、何よ」
「――『未開封』のSch〇ol daysかSum〇er days」
「―――!!?」
「これが条件よ」
「ま、まさか…そんな。…汚い…」
「できないの?」
「できない…。だ、だって、たかだか30分のアニメじゃない!!」
「じゃあ、私はここにいるから」
「いやぁぁぁぁああああああ!!」
「あーはっはっはっは」
178名無しさん@ピンキー:2007/10/05(金) 13:09:43 ID:oXVF9EA4
GJ!
キモウトが帰ってきた!
179名無しさん@ピンキー:2007/10/05(金) 13:12:11 ID:dYhpaaHz
今年のお正月のお願いはこれにしよう
「可愛いキモウトが出来ますように」
180名無しさん@ピンキー:2007/10/05(金) 15:59:26 ID:afzz7zbm
なんで古いスレが姉じゃないの?
181名無しさん@ピンキー:2007/10/05(金) 17:42:53 ID:3Ycx52Hk
>>180
前スレを見てくれればわかると思います
182名無しさん@ピンキー:2007/10/06(土) 03:18:25 ID:0GT4CRN5
さて・・・スレ終盤になったら、【あなたたち二人が知らないだけで実はまだ姉がいました】展開になるのかなwww
183名無しさん@ピンキー:2007/10/06(土) 10:33:42 ID:lm7v1CYx
つ従姉妹登場
184名無しさん@ピンキー:2007/10/06(土) 13:03:51 ID:QTjLgNFn
まさしくカオス
185名無しさん@ピンキー:2007/10/06(土) 13:40:18 ID:3ejBB0zo
結構面白いって思ってるの俺だけ?
186このスレ立てた人:2007/10/06(土) 14:18:46 ID:WKbjCDsA
遠回しに責められてたりします?
187名無しさん@ピンキー:2007/10/06(土) 15:23:13 ID:ywwap3Bw
いいネタを提供したと思って、おk
188名無しさん@ピンキー:2007/10/06(土) 18:47:32 ID:WKbjCDsA
ありがとうございます、そう言っていただけるとうれしいで
189名無しさん@ピンキー:2007/10/06(土) 19:20:45 ID:lm7v1CYx
>188
…このレスを最後に>1は消えてしまった
今頃キモ姉かキモウトに監禁されているのか…?
それともどちらかの嫉妬の炎に焼かれてしまったか…?

『…>1…』
190名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 02:17:04 ID:dTGYn3b6
>>189
南郷さん乙。>>1ならきっと元気に麻雀でも打ってるよ。
ていうか、アカギほど修羅場系作品の主人公に向かない男もそうはおるまいw
191名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 02:19:16 ID:OV6V7ZfE
もう死にたい
192名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 06:59:23 ID:IfwWh49J
>179
今年?タイムマシンでも持っているのか
193名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 10:38:48 ID:WrsJRcEa
休日、俺はソファーに座って新聞を読むの楽しみにしている。
「ねぇ」
なにやら、下着とTシャツというラフ過ぎる格好の従姉の声が聞こえる。
(まあ無視だな)
「おーい」
(新聞新聞っと)
「えい」
ぎゅっ。
「うりうり」
「頭に胸押し付けんな」
「やだ」
(はぁ・・・)
「ほれほれ」
(ブラしてないのかよ・・・)
「・・・襲うぞ?」
「襲ってくれるの?」
「いやそうじゃないだろ・・・」
「じゃあお姉さんから襲って、あ・げ・る」

ていう姉がほしいです安西先生
194名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 13:53:03 ID:Ayp4nkW/
>>193
安西先生「いいから早く続きを書きなさい」
195名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 15:53:14 ID:WrsJRcEa
>>193の続き?

「頼むから、俺の前でも恥じらいを持ってくれ姉さん」
「うふふ、愛は恥じらいをも超越するのよ?」
(何言ってんだよ・・・)
「その通りですわ愛しのお兄様」
(もうどうにでもしてくれ)
「その前に私の愛しのお兄様から離れてくださいな、我がライバルの姉君様」
「い・や・よ」
「お兄様の寵愛を受けれるのは私だけですわ」
(いや、それも違うだろ)
(というかだ、従妹は下着とYシャツって狙いすぎだ・・・)
「ふふん、私の爆発ナイスボディは負けんよ妹よ」
「私だって負ける気はありません」
(たすけて・・・)


以下次回に
196名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 17:09:52 ID:iVxXBThV
キモ姉妹の手を逃れたオレを待っていたのは、また地獄だった。

理性の破壊の後に住み着いた愛欲と暴力。
痴話げんかが生み出したソドムの街。

ツンデレとヤンデレ、ハーレムと孕ませを
コンクリートミキサーにかけてブチまけた、
ここは現代日本のゴモラ。

 次回「幼なじみ」。

今度もオレと地獄に付き合ってもらう
197名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 17:33:07 ID:MyGR5bJh
食う姉妹と食われる男、そのおこぼれを狙う幼なじみ。

牙を持たぬ男は生きてゆかれぬ独占欲の家。
あらゆるキモ姉妹が欲情する性欲の家。

ここは近親両親が産み落としたキモ姉妹のソドムの市。
オレの身体に染みついた血縁の臭いに惹かれて、
危険な姉妹らが集まってくる。

 次回「出会い」。

オレが飲むキモ姉妹特製のコーヒーは、怖い。
198名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 18:01:51 ID:Kcbf2Lk2
>>197
怖いコーヒー…キモ姉妹のいろんな液体がたくさん混ざりすぎて、
コーヒーの味がしなかったりするのか
199名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 18:26:21 ID:todcqn6A
なんか・・・このままだと過疎スレになりそうな悪寒
200名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 18:42:38 ID:LDIMF40k
嫉妬スレと統合したら?
201名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 19:35:47 ID:todcqn6A
>>200
ループ。過去ログで現状維持だと結論が出た
202名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 20:51:18 ID:5wcHh7Qu
まずいな・・・もう10日間近くどうでもいいレスが続いているじゃないか・・・。
203名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 21:31:49 ID:xHpEIjuw
自分で書こうともせずにどうでもいいレスばかりとは
204名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 21:38:00 ID:zojzneOj
でも最近の妹スレや姉スレよりマシな気がするぞ
205名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 21:46:05 ID:L6CkfNTo
こんな時に綾がいれば…
206名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 23:09:31 ID:N3CTmQg8
キモウトに背後から玉袋を掴まれながら「あの女、誰」と聞かれたい俺は間違いなく異端
207名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 23:36:58 ID:rAfU03od
>>206
YOU書いChinaYO
208名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 23:48:58 ID:nOVHr21p
>>206
鳩「昨晩はお楽しみでしたね〜」
209名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 00:17:17 ID:1HW725Oa
>>198
想像してみろ^^
汗と愛液と尿・・・・ぉぇえええ(;´Д`)さすがにそこまでは
210名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 00:27:56 ID:pdSlabBP
尿や汗ならともかく愛液だけなら飲むかも試練
211完結できない人:2007/10/08(月) 00:40:04 ID:xbPFpeOT
H×Hの人が働き始めましたし・・・・・・
近いうちに、ちょっとなんか頑張ります
212名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 02:59:58 ID:2fE4ycBw
お姉ちゃんの独占欲のために防御の陣をひくが、
血縁の光は黒歴史の再現をしようとした。
泥棒猫との戦の執念を止めるために婚姻届の使い方があるはずだ。
僕は心を決めた。

次回、「鮮血の秋」。風はまたそよぐ。
213名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 04:03:48 ID:9rESTEl8
保守
214コピペ改変:2007/10/08(月) 04:33:44 ID:DDiq9cHE
つまんないけど保守がてらに改変。元ネタわかるやついたら凄い


弟「急に寒くなったよなぁ」
姉「こんなときこそ甘い物で元気を補給すべきですよ」
弟「さっき全部食べちゃったって騒いでただろ」
姉「大丈夫です。こんなこともあろうかと、とー君のポケットにチョコを仕込んでおきました!」
弟「……」
姉「どうかしましたか?」
弟「……チョコって溶けるんだよな」
姉「素敵ですよね」
弟「ポケットの中が凄いことになってるみたいなんだが」
姉「指がチョコフォンデュですね」
弟「気付かなかった自分も悔しいけど、絶対シミが残るだろ……どうするんだこれ」
姉「あ、えっと、その、すいません!」
弟「まったく、責任は取ってくれよな」
姉「は、はいっ、ちゃんと吸いますから!」
弟「……は?」
姉「ちゃ、ちゃんと吸いますから、怒らないでください……」
姉「いや俺はそういうアレなことを言ってるわけでなく洗濯とかそういう、こら聞けよ!」
姉「んん……生地が厚くて吸いづらいです……」
弟「いやそこは真正面過ぎる! 誰か来たらどうs」
妹「ちょっとお兄ちゃんたち何してんの!?」
弟「!?」
妹「……とー兄。これは一体どういうこと?」
姉「うっ…ううっ……とー君が、変なとこで溶かしたチョコを一滴残さず吸えって……」
弟「なっ!? 冤罪だぞ! 俺はそんなこt」
妹「……っの変態っ!!」
弟「ぐぇ!?」
215コピペ改変:2007/10/08(月) 04:36:23 ID:DDiq9cHE
妹「……いい? 性のあり方は人それぞれって言っても常識というものがね」
弟「……」
妹「白目剥いてないでちゃんと正座して聞きなさい!」
弟(無茶な……)
姉「ひそひそ(良かったですね、蹴ってもらえて、叱ってもらえて。嬉しいですよね?)」
弟「……める姉……」
姉「ひそひそ(大丈夫です、チョコを溶かした罰は後でちゃんと手抜かりなく執行します)」
弟「……!」
妹「ほらめる姉、もう大丈夫だからこっち来て」
姉「ううっ……しょっぱいのが、とー君の汗なのか私の涙なのかわかりません……」
妹「可哀想に……ったくこの変態め、変態めっ!」
弟「うぐっ! うぼぁ!」
妹「だから男女七歳にして席を同じゅうせず、と言ってね……ほら、ちゃんと目を見て!」
弟(勘弁してくれ……)
姉(ニヤニヤ…)
216名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 06:39:08 ID:pdSlabBP
悪いがわりとわけがわからん
217名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 14:03:09 ID:DDiq9cHE
すまん。まあ保守だし勘弁してスルーしてくれ
218名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 14:06:03 ID:Fduv2+kK
今はおもしろ系が読みたい気分!
219名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 20:54:57 ID:JYYV0ESn
>>214
いじめスレのか
なぜアイビスのを持ってこなかった
220名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 22:35:29 ID:DqxOLIWb
まとめサイト更新されてない・・・
221名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 23:31:32 ID:kU/oZUJ3
もう更新されないんじゃないか?
222名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 23:57:03 ID:7zRUYWg0
>>196
>>197
ボトムズwww
>>221
そういうことはおもってても言うもんじゃない
223名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 00:55:57 ID:6Qb0SGb7
>>214
知ってる奴いたー!!
だってアイビスのやつどう頑張ってもキモ姉キモウトにならんから…
Tシャツいっぱいの汗吸わせるドSなやつ持ってこようかと思ったら過去スレ見れなくて泣く泣く…
224時給650円:2007/10/09(火) 04:00:51 ID:vvg88tHe
投下します。
225淫獣の群れ:2007/10/09(火) 04:02:48 ID:vvg88tHe

 寿司が食いたい。
 綾瀬喜十郎は、風呂場の、もうもうたる湯気の中で、何故か唐突にそう思った。

 回る寿司でもいい。
 回らない寿司なら、なおいい。
 かねは、ある。
 先週、こっそり馬で当てた二万が、まだそのまま残っている。
 この金の事を妹たちに知らせる気は当然、無い。奴らがその金の存在を知れば、たちまちの内に没収されてしまうからだ。
“うちの家計はいま、苦しいんですのよっ”
 の一言で。
 幸い、晩飯もまだだ。腹も減っている。
 そう思ったら、矢も盾もたまらず食べたくなってきた。

――はまち、うなぎ、たい、甘えび、納豆巻き。赤だしも飲みてえなぁ……。

 喜十郎は、洗面器で湯舟から、その熱い湯を自分の顎にぶちまけた。
 泡はもう残っていない。
 ヒゲの剃り跡がちりちりするが、彼は気にせず、湯船に身を沈めた。
 熱めに沸かし直した湯が心地いい。
 髪は洗った。
 身体も洗った。
 ヒゲも剃った。
 後は身体をあっためて、あがるだけだ。
 寿司食いてえなぁ
 彼は、心中に再び、そう呟いた。

 しかし、彼は知っている。
 結局、自分は寿司を食べに行く事は出来ないだろう、という事を。
 この我が家に於いて、自分に、そんな自由は与えられていないという事を。
 すなわち――。
「――お兄様、お背中を流させて頂きます」
 扉がからりと開くと、胸元をかろうじてバスタオルで隠した、全裸同然の少女たちが風呂場に入って来た。
 一人ではない。
 五人だ。
 年齢はまちまちだが、そのいずれもが美しい。もしくは美しく育つであろう、そう思わせる美少女たちであった。
 彼の――喜十郎の妹たちであった。
226淫獣の群れ:2007/10/09(火) 04:04:26 ID:vvg88tHe

 無論、彼は、この風呂場への闖入に、何の許可も与えていない。
 しかし、この少女たちは、なんのためらいも無く、まるで当然の義務を果たす者のように、兄の眼前に肌を晒し、兄が浸かる湯船から湯をすくい、身体に浴びる。
 それでも、少女たちの一人は、兄の一目瞭然な不機嫌さに、やや怯えた様子を見せる。
「あの、お兄ちゃま、やっぱりその、勝手に入ってきて……怒ってる?」

 喜十郎は、半ば諦めたように苦笑いを浮かべ、泣きそうになっている妹の一人に応えてやった。
「……とにかく、取りあえず湯に入れ。風邪を引く」
「あっ、はいっ!」
 彼女たちの中に一種、ほっとした空気が流れたようだ。
 基本的には、いかに傍若無人な彼女たちとはいえ、妹たちは妹たちで、やはり兄の機嫌は気にしていたのだろう。
「それでは失礼いたします」
 そのまま彼女たちは、無駄に広い湯舟に、次々にその肢体を沈め、年頃の少女らしい雑談を交わし始めた。

 喜十郎は、そんな妹たちの様子を見て再び溜め息をついた。
「――桜(さくら)、ちょっといいか」
「はい?」
 彼女たちの中でも一際長身の少女が、その声に振り向く。
 ツインテール、というのだろうか。腰まで伸びた栗色の長髪を左右に分け、両方の肩口で結わえ、垂らしている。そんな子供っぽい髪型と、大人びた相貌が生み出すアンバランスさが、彼女に絶大な魅力を与える効果をなしていた。
 その頬が淡く桃色に染まっているのは、決して熱めの湯のせいだけではない。
 喜十郎の声音は、そんな彼女の期待には、まず添わないであろう険しさを含んだものであったが、――桜と呼ばれた彼女の表情には、それを残念がる気配は微塵も無く、ただ、彼に声をかけられた、という事実が嬉しくてたまらないようであった。

「昨日言ったはずだな。今後の俺の入浴には、介添えは一切無用だ、と」
「ええ」
「なら、何故ここにいる」
 湯舟の隅で、自らの背を壁にして他の妹たちに聞こえないように一応、気を遣う。
 この質問を、何故この場にいる妹たち全員ではなく、桜個人に問うのかと言えば、この桜こそが、綾瀬家の六人姉妹の長姉であり、どんな時でも常に彼女たちの音頭を取る役割を担っているからだ。

「本当に分からないの? ――全く、お兄様ったら……」
227淫獣の群れ:2007/10/09(火) 04:05:23 ID:vvg88tHe

 まただ。
 桜から“お兄様”と呼ばれるたびに、喜十郎は、何とも言えないむず痒さのような感覚を背中に感じる。
 実際、喜十郎と桜は、半年しか誕生日が離れておらず、学校でも共に同じ教室で、机を並べて授業を受けている。だから、そんな桜が自分の事を“兄”呼ばわりするのは、喜十郎にとって、かなり奇異に感じられる行為だった。
 その感覚は、無論、今でも変わっていない。

 湯気の中でうつむいたその美貌に拡がったのは、嘲笑、とでも言うべき表情だった。
「簡単よ、お兄様に理解してもらうためよ」
「理解?」

 桜は自分の唇を、れろり、と舐めた。
 その真っ赤な舌と、唇の端からこぼれ落ちる一筋の唾液が、たまらなくいやらしい。

 もう、さっきまでのひそひそ声ではない、風呂場にいる全員に聞かせる声だった。
 いまの桜は、まぎれも無い、ここにいる妹たち全員の利益代表として、兄と交渉しようとしているようだった。
「お兄様は、これでも由緒正しき綾瀬家の時期当主。常に身だしなみには気を遣ってくれないと、私たちの恥にもなるわ」
 音すら立てずに桜が湯舟から立ち上がる。
 その背後には、さっきまで雑談していたはずの四人の妹たちまでが、無言でこっちを見ていた。桜と同じく、年齢に似合わぬ潤んだ光をその目に宿らせて。
「だから私たちが、お兄様を綺麗にするの。私たちに出来る範囲でね」
 喜十郎の両頬に手を添え、熱のこもった目線で彼を見下ろし、桜は兄に訴える。

「すまないが、俺はそこまでガキってわけじゃない。自分の身体くらい自分で洗える」
 喜十郎は、何かから逃れるように桜の手を払うと、湯舟から立ち上がった。
「今日だってもう、洗うべきところは洗い終わったよ。当然、背中もな」
 捨て台詞のように言い放つと、振り向きもせずに彼は湯舟から出た。――はずだった。
228淫獣の群れ:2007/10/09(火) 04:07:49 ID:vvg88tHe

 湯舟の敷居をまたいだ瞬間、喜十郎はひっくり返って湯舟に落ちた。
 彼の重心が片足に移った瞬間、桜が喜十郎の手首を引っ張ったのだ。
「あらあら」
 兄を湯舟に沈めてなお、涼しい顔で桜は妹たちを振り返る。
「私には洗い終わってるようには見えないのだけれども……みんな、どう思う?」

「そうですわねぇ。確かに、兄君さまのお背中は、まだまだ垢が残っておられるようにお見受け致しますわ」
 ポニーテールにくくってなお、桜と同じく、ほとんど腰まで隠れる長髪の少女――春菜(はるな)が、長姉の問いに歌うように答える。

「うん。ぴっかぴかに洗えば、お兄ちゃまはもっともっと綺麗になるって詩穂も思うなっ」
 肩のあたりでこざっぱりと切り揃えられたショートカットの少女――詩穂が、ポニーテールの姉に調子を合わせる。

「くしししし、うん。ヒナもヒナもそう思うっ」
 五人の妹たちの中で一番幼い少女、いや幼女か?――比奈(ひな)までもが、きらきらと輝く瞳を兄に向けていた。さっきまで遊んでいた船の玩具には、もはや一片の興味も残っていないようだ。

「大丈夫ですか兄上様。お湯は飲まれてはおられませんか?」
 桜や春菜同様、腰まで伸びた長髪の少女――真理(まり)が、喜十郎に寄り添い、気遣う。もっとも、彼女の髪型はポニーテールではなく、その圧倒的な量の黒髪を三つ編みにまとめている。
「ああ、ありがとう。真理」
 喜十郎にとって姉妹の中では、この真理こそが一番気の置けない存在であった。
「でも――」
 ただし、
「兄上様のお体で洗い残しがあるのは、どうやらお背中だけでは無さそうですわ」
「真理……!」
 一度スイッチが入ってしまえば、この真理という少女は、姉妹の中で一番の残忍性を発揮する、サディスティンに変貌するという欠点があったが……。
229淫獣の群れ:2007/10/09(火) 04:09:17 ID:vvg88tHe

「五対一。民主主義の勝利ね」

 いつの間にか彼の背後に忍び寄った桜に反応して、思わず立ち上がった喜十郎の背を、春菜が羽交い絞めにする。
「くっ、放せ春菜っ!」
「みなさん、用意はよろしいですかっ?」
「いつでもいいわよっ」
 妹たち全員の位置を確認するように、桜が素早く視線を走らせ、そのまま叫ぶ。
 そして、その声に呼応するように少女たちが各々、配置につく。
 まるで手馴れた作業をするように、その動きには迷いが無い。

 詩穂は喜十郎の右手を。
 真理は喜十郎の左手を。
 比奈は喜十郎の股間を。
 春菜は喜十郎の背中を。
 そして桜は、そのまま喜十郎の正面に自らの身体を預け、その豊満な乳房を押し付ける。

 いかに男女に体力差があったとしても、五対一では所詮、勝負にはならない。
 喜十郎は、全身を妹たちの肉の檻に封じられ、微動だに出来なかった。
「放せっ! 放せっ! 放せぇぇっ!!」
「いやですわ」
 かぷり。
「――っ!!」
 春菜が、背後から彼の耳朶を甘噛みする。あたかも捕らえた獲物の悲鳴を塞ぐかのように。さらに次の瞬間、桜が、だらしなく開けた喜十郎の唇を文字通り塞いでしまう。無論、花びらのような自らの唇で、である。

「ああ〜〜〜っ、桜ちゃんずるぅいっっ! 詩穂もお兄ちゃまとキスしたいぃぃ〜〜〜」
「ふふふ……詩穂ちゃんもあまり、がっつかないで下さいまし。兄上様のお体がどこでも美味なのは、あなたもご存知でしょう?」
 そう言うと、真理は兄の左乳首に舌を這わせる。
「――っっっ!!」
 もとより口を塞がれた兄の悲鳴は、真理のいやらしい囁きと桜のキス、さらには彼の耳朶にしゃぶりつく春菜の口舌音によって、簡単にかき消されてしまう。
「んふふふ……ほんと、美味しゅうございます、兄上様……」
「ああっ! じゃあ、じゃあ、詩穂もぉ!」
 その上で、今度は詩穂の舌が、彼の右乳首に襲い掛かる。
「んぐっ! ふぐっ! んんんんっ!!」
230淫獣の群れ:2007/10/09(火) 04:11:17 ID:vvg88tHe

 二つの乳首と耳朶、さらに舌をしゃぶり尽くす情熱的な接吻。
 妹たちが風呂場に闖入してきた時点で、例えこうなる事は予想していたとしても、やはり喜十郎の陽根は、硬く膨れ上がってしまった。――最も幼い末の妹、比奈の眼前で。
「くししし。それじゃあ、おにいたま、一番気持ちのいいところ、ヒナが責めてあげるね」
 何度、快楽の中に身を浸そうとも、この瞬間だけは――この屈辱だけは慣れる事が出来ない。少女どころか幼女と呼ぶに相応しい末の妹に、自分のペニスを弄ばれる、この瞬間だけは。

 いや、比奈だけではない。
 この少女たちは、自分を責める上で、まだ全然、本気になっていないのだ。
 何度も何度も彼女たちに、この身を嬲りまわされていた喜十郎には分かる。
 その証拠に――。
「ねえ桜さん、今日の“ノルマ”はどのくらいになさいます?」
 耳朶から口を放した春菜の言葉に、桜も応えるように兄の舌を解放した。
「そうねえ、……二時間ってところかしら」

 にっ、にじかんっ!?
 喜十郎は、真っ青になってふるふる、ふるふると首を振る。
 そんな彼を見て、桜は慈しむような、とびっきりの笑顔を浮かべる。
 そして、自由になった喜十郎の唇に、今度は右側から詩穂が跳びつき、深く己の舌を絡ませる。

 ノルマとは、即ち妹たちが兄を責める時間的・回数的条件である。
 六人の妹たちが常時身辺に付きまとう彼にとって、時間・回数に制限を定めない性交渉は、彼の日常生活に支障をきたす可能性があり、それゆえに彼女たちは“ノルマ”という形で、互いに歯止めを掛け合っていた。
 しかし、やがて“ノルマ”は変質し、いまや妹たちが集団で兄を弄ぶ際の、単なる指針と化してしまっていた。

「二時間は長いですわ、桜ちゃん。せめて一時間で切り上げないと、折角の深雪(みゆき)ちゃんのお料理が冷めてしまいますわ」
「あっ、それ確かにまずいよぉ。深雪ちゃんって普段やさしいけど、怒ったらすっごく怖いんだよぉ。ヒナ、一度怒られたことあったもん」
231淫獣の群れ:2007/10/09(火) 04:12:15 ID:vvg88tHe

 深雪とは、詩穂の姉にして真理の妹。つまり、この場にいない六人目の妹のことである。
 現在、彼女は厨房で家族全員分の夕食を調理している最中であり、十代前半にして、己の料理の味が落ちる行為を何よりも嫌う、こだわりの料理人であった。
 もっともそれは、喜十郎に関する好意の量が、他の姉妹に比較して少ないという意味では決してない。
 彼の身体を愛撫するのと同次元で、彼に食べさせる愛情料理に精魂を傾ける、というだけの話であり、要は他の姉妹たちと、その人間的本質は何ら変わらない少女なのだ。

「では桜さん、今回の“ノルマ”は一時間ということで宜しゅうございますか?」
「……仕方ないわねえ。不本意だけど今日のところはこれで勘弁してあげる」
「良かったですわねえ兄君さま。桜さんの優しさに、きちんと礼を言わねばなりませんよ」
 そう言いながら春菜の指が、背後から喜十郎の肛門に、ずぶりと侵入する。
「――ぃぃぃぃっっ!!」
 思わず詩穂から、口をもぎ離して悲鳴をあげる喜十郎。
「ああっ! お兄ちゃまったら、ひどいなぁ、もう!」
 温和な詩穂にしてもムッとしたのか、右乳首に爪を立てる。
「そんなひどいお兄ちゃまには、お仕置きだよっ」
「ぁぁぁっ!! いたいいたい詩穂ぉっ!!」
「痛いの? 痛いのはどこなの、お兄ちゃまっ?」
「むねがっ、むねがいたいよぉっ!」
「胸じゃないでしょっ!? なんで教えた通りに言えないの、お兄ちゃまっ!!」
 詩穂が、乳首もちぎれよと言わんばかりに、さらに爪に力を込める。
「あああああおっぱいれすっ!! いたいのはおっぱいれすぅっ!!」

「あら詩穂ちゃん、もう兄上様にお仕置きするのですか?」
 半分うっとりしながら彼の左乳首を舐めていた真理も、
「仕方ないですわねえ、もう少し兄君さまで楽しみたかったんですけど……」
 彼の肛門をほじくり返しながら、背骨に舌を這わせていた春菜も、
「ま、いいじゃないの。これはこれで楽しいんだから。ね、お兄様?」
 詩穂の唇が離れた後の、喜十郎の右乳首を責めていた桜も、
「くしししし、わるく思わないでね、おにいたま。ヒナはただ、くーきを読んだだけなんだからね」
 亀頭をちろちろと舐めていた比奈も、

 一斉に、喜十郎の身体に歯と爪を立て始めた。

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっ!!!!」
232時給650円:2007/10/09(火) 04:13:21 ID:vvg88tHe
以上です。
233名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 04:22:07 ID:wSfFHZM4
GJ!
そして…続きを激しく希望する
234名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 04:42:55 ID:Ah2McULE
激しく寸止めktkrwwwwwwworz
235名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 04:56:28 ID:9mhMeJAI
シスプ…

いや何でもない
GJ
236名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 09:26:22 ID:0PrjCNTz
あーりーあーなーのー
237名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 21:25:24 ID:jKWCCS0P
逆レイプ属性も兼ねそえているおれは股間がLOVEDESTINYになった
238名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 22:13:38 ID:sLbZPYqy
>>232
GJ!!!!ドMが多そうなこのスレに相応しい作品が!続きを楽しみに待ってます。
239名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 22:14:42 ID:Hyz70ZYG
シスプリスレの方が過疎ってるから
そっちの方に投下してあげた方が…
240名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 22:20:38 ID:bbaYJed/
シスプリとは別物だろう・・
241名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 22:34:41 ID:V8j+kiYM
保管庫確認してて思ったが、もう続きは投下されないのかもしれないな・・・
って作品多いな・・・
242名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 22:58:28 ID:ri0ST+kY
保管庫がかなり前から更新してないみたいだから、そう感じるんじゃない?
243名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 01:38:54 ID:2Q7ZBWrw
>>238
ヤンデレ好きはみんなドMも超ドMだろうよwwww
244時給650円:2007/10/10(水) 03:55:03 ID:RRFd/j54
投稿します。
245陰獣の群れ(その2):2007/10/10(水) 03:58:27 ID:RRFd/j54

 綾瀬家は、辿ればそれこそ平安朝まで行き着くという堂上公卿の一族で、元は五摂家の一つである鷹司家の一門であったという。
 戦前・戦中こそ、京都以来の名門華族として鳴らしたものであったが、戦後のGHQによる華族階級解体に伴って、他の多くの華族たち同様、没落は免れなかった。
――太宰治の「斜陽」のパターンである。

 それはいい。
 今では、この綾瀬家が旧華族であるという事実すら、一族以外に知る者はほとんどおらず、現在の経済的状況からして、普通の中流家庭と何ら変わることなき生活水準を保持するだけで精一杯なのだが、まあ、それはいいとしよう。
 そこのところは、養子として来るにあたり、喜十郎も期待はしていなかった。
 少女マンガやラノベじゃねえんだ。
 伝統ある名家が、その歴史に見合うだけの資産家である可能性など、ほぼありえない。
 私立校の“理事長の孫”とやらが、生徒会長として校長以上の権力を握るのと同じくらいに、ありえない。
 現実っていうのは寂しいもんだ。そんな簡単にドラマチックな事態にはならねえ。
 お兄様、兄君さま、兄上様――せいぜい、兄貴をそんな特殊な言い方で呼ぶくらいが関の山だ。
 喜十郎は少なくともそう思っていた。

 彼が綾瀬家に来たのは、娘ばかり六人という家族構成に、当主の和彦が家名存続の危機を覚えたからだが、それでも、娘の一人を娶わせて家を継がせるという――いわゆる婿養子の形をとったわけではない。
 娘たちはいずれ、それぞれ自分で自分の想い人を見つけ、この家を去ってゆくだろう。
 養子としてやってきた余所者に、許婚者として将来を縛られては、娘たち自身も嫌だろうし、ましてやそれが家名存続という、現代人にはあまりにも無意味な事態によるものならば、なおのこと不憫だ。
 娘たちの父は、そう思ったのだろう。
 で、彼女らの従兄弟たる喜十郎に、白羽の矢が立ったわけだ。
 
 しかし、喜十郎にとってこれは渡りに船、と言ったところだった。
 彼は個人的に、これ以上、実家に居られない理由があったからだ。
 もっとも、彼が“ワケあり”で、実家から逃げ出してきた、その理由は、彼の家族……つまり両親、さらには実妹である可苗(かなえ)を含めても、知る者は誰もいない。
 だから、喜十郎がこの綾瀬本家に籍と居を移すと聞かされて、真っ先に難色――というより号泣を伴った抗議――を示したのは、この実妹であった。
246陰獣の群れ(その2):2007/10/10(水) 04:02:16 ID:RRFd/j54
――がりっ、がり、がりっ!
「〜〜〜〜〜〜〜っっっっ!!!!」

 詩穂の爪に負けじと、桜・春菜・真理・比奈ら四人の少女たちも、眼前の少年の肉体に、次々と苦痛を与えてゆく。
 或いは噛み、吸い、つねり、引っ掻き、握り締める。
 いまや喜十郎の全身は、妹たちが残した無数の歯型、爪痕、キスマーク、などによって彩られていた。

 春菜は、彼のうなじに歯を立てながら、三本目の指を彼の肛門に挿入し、腸液にまみれた内臓器官をこねくり回す。
 比奈は、ペニスを挟んで桜と向かい合い、タイミングを合わせて亀頭や竿に歯を立てる。その様子はまるで、姉妹二人が仲良く菓子を分け合っているようにも見える。
 桜は、末妹と仲良く兄のペニスに歯を立て合いながら、彼の睾丸を握り締め、ときに優しく、ときに激しく、断続的な激痛を彼の脳髄に送り続ける。
 真理は、彼の左乳首を食い千切らんばかりに吸い立て、また、兄の背後の回した左手の指を、いきなり彼のアナルに突き立て、喜十郎の肩越しに春菜と笑みを交し合う。
 そして詩穂は、喜十郎と情熱的な口付けを交わしながらも、時折その舌に前歯を立て、時に奥歯で噛みしめる。さらに春菜の胸と喜十郎の背の隙間に右手を差し込み、その爪で容赦なく白いラインを量産した。

――地獄だった。
 いま自分の神経から脳に伝達されている情報が苦痛なのか、はたまた快感なのか、もう喜十郎には分からなくなっていた。
(いや、この苦痛こそが快感なのか)
 そう思う自分がいる。
 そんな自分がいま思っている事が、客観的には全く意味が分からない情報なのだということも実感できる。
 そして、そんな取りとめもない事を考える事で、自分は必死になって理性を保とうとしているという事も。

 全身に力が入らない。
 もう、すでに喜十郎は自分の力で立てなくなっていた。
 さいわい、自分の身体はいま、五人の妹たちによって支えられている。

――もう、だめだ。

 喜十郎の身体から、最後の力が抜けた。

(……陥ちた!)
 桜は、そんな彼を見上げ、亀裂のような薄い笑みを浮かべた。
247陰獣の群れ(その2):2007/10/10(水) 04:04:10 ID:RRFd/j54

 喜十郎にとって、新たな生活にそれほどの困惑はなかった。
 生活習慣の細かい差異はあったが、あくまで中流家庭同士の何でもない問題でしかなく、それは文字通り、慣れれば済む程度の問題でしかなかったのだから。
 しかし、彼にとっても予想外因子はあった。
 それがつまり、新たに妹となった綾瀬本家の六人の娘たちであった。

 もとより喜十郎にとっては、何も養子となって初めて彼女たちと逢ったわけではない。
 本家と分家――といったところで、別に封建時代のような主従関係が成立しているわけでもない。年末年始、冠婚葬祭などのたびに顔を合わせる普通の親戚に過ぎない。
 いや、喜十郎と桜は、元来同じ高校のクラスメートでもあり、単なる従兄妹同士以上の仲ではあった。また、次女の春菜や三女の真理とも、同世代という事もあって、まんざら知らない仲でもなかった。
 しかし、少なくとも、ここまで自分が“兄”として慕われるような、そんな間柄ではなかったはずだった。

――まるで可苗と同じじゃないか。

 本来、思春期の妹というやつは、歳の近い兄弟を忌む傾向にある。
 家庭という狭い生活環境において男たちは、イヤでも異性としての存在感を誇示せずにはいられない。そういう生臭さが十代後半の、人生における最も潔癖で多感な頃の女性に、どれほど拒絶反応を与えるかは、想像に難くない。
 だが、この“妹”たちは違う。
 拒絶反応どころの話ではない。むしろ積極的にコミュニケーションを図り、そのスキンシップの度合いは、増すばかりだ。
 そして今、彼女たちは自分の肉体を、思うままに凌辱している。
 そんなはずではない。
 そんなはずではなかったのだ。

 喜十郎は恐れていた。
“妹”と呼ばれる存在を。
 実家から逃げ出したのもそのためだ。
 彼は可苗を恐れていた。
 そして、可苗から逃げ出した先でも、やはり彼女たちはいた。
“妹”と呼ばれる彼女たちが。
 いずれ自分は食い殺されるだろう。
“妹”を名乗る、この少女たちによって。
 害意なき、純粋な独占欲によって。
 ならば、せめて憎もうと思う。
 この悪意なき“妹”たちを、ではない。
 余りにも無力すぎる我が身を憎みつつ、生きてゆこうと思うのだ。
 せめて、己が食い殺される、その日まで。
248陰獣の群れ(その2):2007/10/10(水) 04:06:18 ID:RRFd/j54

「ぃぃぃぃっっっ、もうっ、もうっ、ゆるしてくらはいっっ!!」
 
 喜十郎の悲鳴が、徐々に意味を為さなくなってくる。
 恐らくは彼自身も、自分がいま何を口走っているのか、理解していないに違いない。
 そんな兄の様子を、妹たちはみな、うっとりした眼差しで見つめる。

「ねえ、お兄ちゃま」
 喜十郎との長いキスを中断した詩穂が、口を開く。
 そんな彼女の唇には、兄の口元との間に一条の銀色の糸が掛け渡されていた。それは未だ幼く見える詩穂の容貌を、妖しく飾る。
「詩穂たちに、いったい何を許してもらうのか、本当に分かってる?」
 
 その瞬間、彼を取り巻く全ての責めがやんだ。
 しかし、唐突に苦痛――もしくは快感――から放り出された喜十郎としても、瞬時に理性を取り戻せるほどに、自分を御せるわけではない。残念ながら彼とて、所詮は二十歳前の一人の少年に過ぎないのだ。

「え……?」
「そんな事も分からずに、お兄ちゃまは詩穂たちに謝ってたの?」
 そして、そんな彼を、妹たちが再び追い込んでゆく。
「兄君さま、罪を意識せぬ謝罪は、謝罪としての意味を持ちませんわ」
「つまり、お兄様はお仕置きをやり過ごすために、適当な事を言ってただけってわけね?」
「兄上様……いくら何でもそれでは、私としてもフォローしきれませんわ……」
「くししししし、さぁ困ったことになっちゃったよぉ、おにいたまぁ」

「ちっ、違う詩穂っ! ――おれはっ、そのっ……!」
「お兄ちゃまのばかぁっ!!」
 それまで喜十郎の背をかきむしっていた詩穂の爪が、いや指が、無造作に彼の肛門に突き入れられる。

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」

 言葉の態さえ為さない絶叫が、風呂場にこだまする。
「お兄ちゃまがっ! お兄ちゃまがっ! お兄ちゃまがいけないんでしょうっ!? 詩穂のキスを無理やり逃げ出して、春菜ちゃんのお指に感じてたりするからっ!!」
 詩穂の二本目の指が、彼の肛門に突き刺さる。
「――っっっっ!!」
「詩穂、すっごく傷ついたんだよっ! お兄ちゃまが詩穂を無視して、すっごく悲しかったんだよっ!!」
「ごめんっ!! 詩穂ごめんよぉっ!! もうっ、もう許してぇぇっっ!!」
249陰獣の群れ(その2):2007/10/10(水) 04:08:13 ID:RRFd/j54

 ずぶり。

「きひぃぃぃぃぃっっ!!!」
「ダメよ、お兄様」
 今度は桜の指だ。
 比奈とペニスを挟むようにして、湯舟にしゃがんでいた彼女の指が、彼の股間越しに臀部に伸びてきたのだ。
 すでにして喜十郎のアナルは、春菜・真理・詩穂に侵略され、ぐちゅぐちゅにほぐれてしまっている。今さら桜のほっそりとした指の一本くらい、呑み込むに雑作は無かった。
「いくらお兄様でも、私の可愛い妹を傷つけた罪は、ヒッジョ〜〜に重いわ。ねえ、真理?」
「んふふふふ……でも、あまり苛めちゃ、兄上様も可哀想ですわ」
 真理は、にんまりと笑って桜に答えると、上目遣いに喜十郎を見つめた。
「ねえ兄上様、答え合わせしましょう?」

「へっ、えっ……!?」
「答え合わせ?」
 とっさに何を言われたのか理解できなかった喜十郎に代わり、春菜が頓狂な声を上げる。
「そう、答え合わせ。もし外れた場合は、兄上様に更なる償いをしていただきましょう」
「あの真理ちゃん、……いまいち話が読めないんだけど、一体何の答えを合わせるの?」
 会話の主流からイキナリ置いていかれた詩穂が、困ったような声を真理に投げる。
「んふふっ、とても簡単な質問ですわ」
「ひぐうううううぅぅっっっ!!」
 その瞬間、喜十郎の身体が、えびぞりに身悶えた。
「いいですか兄上様、いま現在、兄上様のお体に、私たちの指が全部で何本挿入されているか、それをお答えくださいまし」

「なるほど……確かにそれは……とても『簡単な』答え合わせだわ……!」
「ええ、『簡単』過ぎて呆れるくらいですわ」
 桜と春菜が、酔ったような表情で真理を、そして喜十郎を振り返る。
「くししししし、おにいたま、自分のおしりの中のものくらい、ちゃんと答えられてとうぜんだよねぇ?」
 比奈がそう言いながら、兄の肛門に、さらに自分の指を追加する。
「――っっっ!!」

「ねえ、真理ちゃん」
「なぁに、詩穂ちゃん」
「もし、お兄ちゃまが答えを間違ったら、どうするの?」
「詩穂ちゃん。この答え合わせは、そもそも兄上様が詩穂ちゃんを傷つけたペナルティなのよ? だから、罰の内容を決めるのは他の誰でもない、詩穂ちゃんなの」
「えっ、ホントにっ? ホントに詩穂が決めていいのっ!?」
「そうですわ。乙女の心を傷つけた償いとして、兄君さまにとびっきりの罰を与えてやってくださいまし」
 真理の言葉を春菜が引き継ぐ。こういう瞬間、姉妹の関係性は恐ろしく強固な一枚岩になる。
「……というより、俺が答えを間違えるのは、ほぼ決定なんですか……?」
 喜十郎のその言葉には、誰も答えない。


「じゃあねえ、じゃあねえ。――今日から一週間、お兄ちゃまは詩穂の下着を着けて学校に行くのっ! これどう、お兄ちゃまっ!!」


 その言葉は、長時間のお仕置きで消耗した彼の脳髄を覚まさせるには、充分な威力を持っていた。
250時給650円:2007/10/10(水) 04:09:18 ID:RRFd/j54
今回の投稿は以上です。
251名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 07:21:22 ID:iLbnBq7T
おお……時給氏非常にGJ!
俺の股間もそろそろクライマックスです。
252名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 21:26:09 ID:4qwBelkw
GJ!
喜十郎カワイソス
253名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 22:43:34 ID:9lmbsksa
ペロッ・・・これは可苗フラグ!!
254名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 23:42:38 ID:p5IVr2sD
ことの始まりは放課後だった。突然クラス女子に呼ばれ何事かとついて行ってみると、屋上には俺が前から憧れていた朝橋 美沙さんがいた。
そして顔を赤くしながら一通の手紙を俺に渡し足早に去って行った。
そんな馬鹿なと手紙を読んでみると可愛らしい文章があり最後には付き合ってほしいと書いてあった。
俺はしばらくの間、呆然としていたが取りあえず帰る事にすると教室に戻り鞄の中に手紙を入れてフラフラしながら教室を出て家に向かった。
もう正直たまらん。
あの手紙を渡すときの照れた顔…まじたまらない。
今すぐ裸になって信号で停車している車のボンネット上で前周りをしたい気分だ。
…だがこんな浮かれた気分を壊すほどの問題がある。
妹だ。
この事が妹にばれると…考えたくもない。
取りあえず今の俺に出来るのは今すぐ家に帰り妹に見つかることなくこの手紙を隠す事だ…そうすれば後の事は
「お兄ちゃん」
俺の背後から声が聞こえた。
恐る恐る振り返ってみるとそこにはにこやかに笑っている少女がいた…俺の妹だ。
「お、おう」
俺はなるべく平静を装って声をかける。今すぐ駆け出したい気持ちを抑えながら…。
「今日お母さんもお父さんもいないから私が晩御飯作るけど何がいい?」
今日は両親は旅行に行っているので家にはいない。うちの両親は仲が良く、また、妹は料理を始め家事が万能なのでよく俺達を置いて旅行に行ってしまう。
俺としては行かないでと泣き叫びながらしがみつきたいのだが…。
255名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 23:45:26 ID:p5IVr2sD
「えーと…コロッケかな」
「コロッケね、ん〜と材料はあったよね…よし、美味しいの作ってあげる」
俺と一歳しか違わないとはとても思えないような幼い笑顔で答える。
兄としてこんな風に思うのは変かもしれないが妹はかなり可愛らしい。鎧を着て守ってあげたくなるような可愛さを持っている…それだけじゃなく妹の笑顔は人生全てを捨ててでも眺めていたくなるほど愛らしい。
10人に聞いてその中に例外が居なければ10人とも美少女だと思うはずだ。
周り奴によく「お前の妹貸してくれ」とか「妹さんの兄になりたい、代われ」とか言われる。
代われるものなら代わりたいものだ。
俺が家で妹にどんな事をされているかも知らないで…
「今日はお母さん達を気にしないでたくさんいろんなことが出来るね」
一瞬心臓が凍ったような感覚に襲われた。
「あ、あぁ」
「なにしよっかな〜?考えただけでうずうずしちゃうね」
「…そうだな」
本当はうずうずではなくひやひやしているのだが…まぁ今のところ妹は上機嫌なようだしばれる事はないか、ほら、もう家の近くだ。このままなら
「ところでお兄ちゃん」
今度は心臓が凍るだけじゃなく鷲掴みにされたような感覚に落ちる。
「な、なんだ」
「私に何か隠してない?」
ばれてないばれてないはずだ。冷静に対処するんだ。
「いや、なにも」
「そうだよね〜私に隠し事なんかしないよね〜」
「当たり前だろ」
「たとえ憧れの人からラブレター貰っても、私に隠したりしないよね」
256名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 00:10:44 ID:YYIZD3Zy
>>255
最後の一行がこえぇぇ!
257名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 00:43:36 ID:CT75sbFl
>>255
これはたまらんwwwwwwwwwwwwww
258名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 02:28:43 ID:XmgpXboz
>>255の続きです


ぼれている。
何故だかは解らないが確実にばれている。
手紙を貰っただけじゃなく俺が美沙さんに憧れている事まで…。
「隠して…ないよね」
「……………」
俺は答える事が出来なかった。
「一応、念のため、念のためだよ?…鞄の中見せてくれるかな?」
妹は笑顔のまま俺に手を差し出した。
俺が鞄を渡すと信じて疑わない目をしながら。
「…………」
俺は無言のまま妹に鞄を差し出す…手は震え、心臓は相変わらず凍ったままで。
妹は笑顔を崩さないまま俺の鞄を受け取り中を探る。
そして…まるで宝を見つけ出した海賊のような笑みで手紙を取り出した。
「あれ〜これは何かなぁ?」
「………」
「成績表か何かかな?読んでみよ」
妹は笑顔で無言のまま手紙を読見始めた。
このまま逃げるか?…いや、逃げたところで…
俺はもう完全に諦めていた。
永遠に思える沈黙の中、妹は読み終えたのか手紙を封筒の中にしまった…笑顔のままで。
だが俺は見てしまった…妹の手が微かに震えているところを。
俺は気づいてしまった…妹を取り巻く雰囲気が変わっていくことに。
妹は手紙を持ったまま鞄だけを俺に返すと笑顔で…仮面のような笑顔で。
「取りあえず…家に入ろ」
そう告げた。
妹が鍵を鞄から取り出し鍵を開け家の中に入っていく。
靴を脱ぐとそのままリビングへと向かっていき、俺は死刑囚のようにその後をついて行く。
「あっ鍵閉めといてね」
今や妹の言葉の一つで俺の心臓は砕けそうだ。
俺は鍵を閉め直すと妹がいるリビングに向かう、足取りは重く、今にも倒れそうな感覚に襲われながら。
妹は薄暗いリビングのソファーに足を組みながら座っていた…その顔は薄暗くてあまりはっきりと見えないが薄く笑っているようだった。
「座ったら?」
俺は言われたまま妹の前に座る…ただし正座をして。
妹に反省の色を見せているわけでも許しを請うつもりでもない…体が勝手に正座をしたのだ。
これからなにが起きて俺がどんな目に合うかはこの体が一番よく知っているからだろう。
この体制なら必然的に俺は妹を見上げる形になり、妹は俺を見下す感じになる。か
見上げて見る妹の顔はまだ笑顔のままだった…相変わらず仮面を貼り付けたような笑顔…それでも十分可愛いく幼さが残っている笑顔だった。
259名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 02:30:07 ID:XmgpXboz
「どういうことかな?」
「……………」
「あの手紙の事を聞いてるんだよ」
「……………」
「答えてよ」
俺は俯いたまま無言で妹の質問にどう答えるべきか考えてた。
「答えなさいよ!!」
無言のままの俺に痺れを切らしたのか妹が軽く怒鳴った。
その瞬間俺の体は小さく震えた。
妹の顔は先ほどからは想像出来ないような恐ろしい顔をして睨んでいた。
俺は覚悟をして妹の質問に答えることにした。
「今日、放課後にクラスの女子から貰いました」
自分が実の妹に敬語を使っていることになんの違和感も感じなかった。
それが当然であるかのように俺は敬語を使っている。
「憧れの朝橋 美沙さんから貰ったの?」
先ほども思ったがなぜ妹はこの事を知っているんだろう。
美沙さんから手紙を貰ったことはいい、自分で見た、誰かから聞いた…いくらでも知る方法はある。
だが俺が密かに美沙さんに憧れていた事は誰も知らないはずだ。
俺は勇気を振り絞って妹に聞いてみることにした。
「なんで俺が美沙さんに憧れている事を知っているんですか」
「知ってるよ、お兄ちゃんの事ならなんでも知っているよ」
「どうして解ったんですか」
「気になるんだ…まぁ言うなれば女の勘っていうか…妹の勘ってやつかな」
「そんなの…」
「見てれば解るよ、私ならね。悔しかったな〜気付いた時は…あの女を殺したくなるくらいにね」
「……………」
「だけどその時は我慢したんだよ〜まぁどうせ明日死ぬけど」
「!!…今なんて」
「どうせ明日死ぬ」
「やめてくれ!!」
「………」
「美沙と付き合う事は無い、絶対に…だから美沙を殺すのだけは!!」
もともと彼女と付き合うつもりはなかった。
付き合うということをまず妹は許してくれない。
それが解っていたから俺は彼女を遠くから見つめて密かに憧れていたのだ…好きではなく、憧れで終わらしていのだ。
こうならないようにと…。
「……………」
妹は笑顔のまま俺を見つめていたが急に無表情になり氷のような冷たい声を出した。
「あの女を庇うんだ」
260名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 03:45:51 ID:+JmGWvOe
>>259
ぎゃああああああ!
また怖い一言で終わってるううう!
GJううう!
261名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 05:22:29 ID:8hBIu2+5
Gj!!こわい妹とか最高にツボな自分はmなのか?
なにはともあれ次回も期待してます!!
262名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 11:43:37 ID:h5faQdSX
「成績表か何かかな?読んでみよ」→知ってるのにとぼける

「取りあえず…家に入ろ」→やんわり囲い込む

「妹の勘ってやつかな」→心の中も何でもお見通し

「どうせ明日死ぬ」→泥棒猫の確定死亡宣言

もうホラーです…
263名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 16:53:32 ID:JCnADy/e
だがそれがいい
264名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 19:08:32 ID:H1KF8Pe8
こう言うホラー映画を製作してほしい。もちろん二次元でね。(三次元は怖過ぎて萌えるとかそう言う次元じゃない)・・・)。
265名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 20:51:40 ID:0PQknhP/
しかしぼれているはないわwwwwwwwwwww
266名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 21:07:13 ID:54ojg85K
>>259
美沙さん\(^o^)/
妹怖いwwww
267名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 21:28:48 ID:gOm4t05D
何か胸のあたりがゾクゾクするホラーは好きだぜ。

…あれ?そういえばMのキモウトって見た事がないな…
268名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 22:10:30 ID:xdeckWsa
ひたすら謝るM?のキモ姉ならちょろっと投稿されてたな
269名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 22:13:23 ID:HFQGSnuM
>>265
お前ぼれてるぞ
270名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 22:48:37 ID:JCnADy/e
>>267
「ああっ!お兄様、この嫌らしい肉便器を使ってぇ!犯してっ、汚してほしいのっ、
 お兄様だけの私にしてぇぇ!」

…とか?

こりゃただの肉体言語か。難しい。
271名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 00:09:05 ID://gkESe1
>>270
うーんなんか違う気がするなぁ…わざと怒られるようなことをするとかじゃまいか?それだとただの肉便器だ
272名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 00:44:39 ID:GYDXpZDy
外では完璧超人なDV兄貴とか?
273題未定:2007/10/12(金) 00:46:55 ID:zru3YLhT
 月明かりすらない夜。
闇と静寂とに沈んだ住宅街の一角を、僕は一人、幽かな外灯の明かりを頼りに歩いていた。
体中が、鈍い痛みにも近い疲労感に支配されていた。それは、連日休みなく入れているアルバイトから来るものだった。
右手に提げた教材を詰め込んだ鞄が重い。いつもなら英単語帳の一つでも取り出して勉強するところだが、今日はそんな元気もない。
空いた左腕を見つめる。学校指定の半袖のカッターシャツから覗くそれは、今は包帯が幾重にも巻きつけられていた。
バイト先の中華料理屋での失敗が原因だった。包帯を取り外せば恐らく、軽い火傷の傷跡が、露になるだろう。
原因は、ちょっとした気のたるみから来るものだった。
疲労による睡魔から、調理中に誤って自分の左腕に油を掛け、それに火が引火したのである。

クビ・・・・・・かなあ

怪我そのものよりも、そっちの方が問題だった。
個人営業の店であるその中華料理屋は、店主のこだわりが強く、自身が認めた者にしか鍋を握らせる事はしなかった。
バイトを始めて既に二年経つが、鍋を握らせて貰ったのはほんの一ヶ月前でしかない。
最初こそ失敗続きで怒鳴られてはいたが、最近は慣れてきたと思っていたのに・・・・・・。

あの店長の事だから、きっとクビだろうなあ・・・・・・

今回の失敗は技術的問題ではなく、単なる不注意からくるものだった。
そして、店長はそれこそを許さない。料理中に気を抜くということは、店長にとっては料理に対する侮辱だからだ。
恐らく後日、店長から直々に解雇の通達を貰うことになるだろう。

「月給九万と夜の賄いが無くなるのは、痛いな・・・・・・」

今日負ってしまった左腕の火傷のこともある。
恐らく、これが直るまで次のバイトは見つからないだろう。
現状でも、ただでさえ困窮していて、日々の生活にも困る有様だ。
今もこの夜空の何処かで一生懸命働いているはずの母さんが、これを聞いたらどう思うか。
そう思うと、忽ちに頭の中を、自分への憤りと、申し訳なさと、明日からの生活への不安と、憂鬱が塗りつぶしていく。






――だから、僕は

「お久しぶりです。兄さん」

目の前の暗闇に佇んでいた彼女に

「お待たせいたしました。迎えに、来ましたよ」

気づくことが、出来なかった





以上予告です。続きは近いうちに
274名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 01:06:08 ID:H0w4kzg5
い、いいところできりやがって・・・
GJ
275名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 03:19:45 ID://gkESe1
>>273
なんという萌える展開…続き待ってるぜGJ!
276名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 04:37:26 ID:t7kA2D8K
キモウトに呼ばれる一人称として様々なものがあるが…
住人の個人的意見としてはどれが一番萌える?

ちなみに俺は、『兄さん』
277名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 06:23:11 ID:Tf8lhAlV
兄さんに同意
278名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 07:23:22 ID:dLdPyGbW
秋葉のイメージって強いからなぁ・・・
279名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 08:05:53 ID:fKAHwb2X
俺は音夢だな
280名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 10:00:12 ID:DS6VWrag
>>270
別にSかMかは問題じゃないんだけど、主人公がキモウトに翻弄されて
ガクブルするだけの話はちょっと飽きてきたかな、かな。
キモウトは高スペックなのが多いけど、それを上回るくらいの懐の深さで
暴走による被害を食い止めつつでもキモウトが憎いわけじゃないから
本気で怒るのもなんかなー、と悩む主人公って感じのコミカルなのが
読んでみたい気がしないでもない。
281名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 10:05:24 ID:e2p3bdmn
俺としては遠慮無く喰っちゃって修羅場る主人公がいいけどな
あんまそういうのないね
282名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 10:25:01 ID:Tg0O5ivg
>>276-277
えー・・
何か「兄さん」ってよそよそしい感じがしてなあ・・
やっぱ「お兄ちゃん」が最強だろー
283名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 14:02:42 ID:JcLTukDB
僕は「にーにー」が一番良いと思います
284名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 15:38:52 ID:7HZUA8hg
「お兄ちゃん」がいいと思う人は現実的?
「兄さん」がいいと思う人は2次元が好き?
「にーにー」がいいと思う人は2次元&ロリが好き?
285名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 15:46:48 ID:hWxQqrtd
兄ぃが好きな人は衛好き
286名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 16:39:31 ID:CeJ8cfvY
兄さんも現実的じゃないか?
287名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 16:45:21 ID:Tf8lhAlV
妹ならお兄ちゃん、もしくは兄ちゃん派だが、キモウトなら話は別だと思うの
288名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 19:14:37 ID:a8A4ewZs
>>259の続きです


庇う…確かに俺は美沙さんを庇ったのかもしれない。
でも、それは好きだから庇ったんじゃない…こんな事に巻き込まれて死んでしまうのがかわいそうだと思ったからだ。
いくらなんでも妹の気持ち…嫉妬が理由でその人生を終わらしてしまうのはあまりに残酷だ。
「何度も言うけど…俺は美沙さんのことは好きでもなんでもないんです…これからは憧れの気持ちすら抱きません!」
「…………」
「何をされても無視します!…だから!!」
「いいね…必死になって私にお願いするお兄ちゃんのその顔」
「ぇ………」
「なんとも言えないエクスタシーを感じちゃうよ」
いつの間にか妹の顔は紅潮し、微笑んでいた…愛おしそうな目をしながら…。
「見てるだけでゾクゾクしちゃう…聞いてるだけで感じちゃう………まじたまんない。
…ふふ、やっぱり私はお兄ちゃんのことが好き…溜まらないくらい大好き」
妹は初恋をした少女のような顔をし俺に告白している…その姿はどこか手紙を渡してきたときの美沙さんとタブって見えた。
しかし、次の瞬間…妹は俺を睨んで立ち上がり叫んだ。
「心の底から…殺したいくらい愛してる!!」
俺は呆けたまま妹を見上げる事しか出来なかった…。
「好き!大好き!愛してる!!けどお兄ちゃんはあの女に憧れてる、庇った!!
許せない…愛しているからこそ…だからこそ許せない!!
お兄ちゃんを憧れさせ、お兄ちゃんに告白したあの女も!あの女に憧れ、あの女を庇ったお兄ちゃんも!!
そして何よりそんな状況になるのを許してしまった自分を…許せない!!!」
「っ………ごめん」
「お兄ちゃんを殺して…私も死のうかな」
「なっ!?」
「嘘だよ。殺したいくらい愛してるのは本当だけど…殺しても死んでも二度とお兄ちゃんと会えなくなるだけだし、いろんな事が出来なくなっちゃうもん」
289名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 19:16:54 ID:a8A4ewZs
「それなら」
「けどあの女は別」
「!?」
「死んでしまっても私達には関係ない…でしょ?」
「けど」
「まだ庇うの!?いい加減にしてよ!!私がどれくらい頭にきていると思うの!?」
「…………」
「好きで好きで好きで溜まらない人が自分以外の人を気にする…それがどれくらい辛くて悔しいか解る!?
告白されて嬉しそうに…車の上で裸になって前周りが出来そうなくらい浮かれてる顔を見た私の気持ちが解る!?
それに、私がどれくらいお兄ちゃんの事が好きだか解ってる!?
お兄ちゃんが大好き!!愛してる!!お兄ちゃんの全てを愛してる!!
その目も、その耳も、その口も、その声も、お兄ちゃんの体の先から先まで愛してる!!
私のこの体はお兄ちゃんを愛するためだけにある!!

お兄ちゃんを惑わすものは全部壊してやる!!殺してやる!!
お兄ちゃんと私以外なら誰が死んでも構わない!!」
今妹が言ったことは全部本気だ…妹の顔がそれを物語っている。
妹を止めることはもう出来ないのか?………いや、止めてみせる…人殺しなんかさせない!!
「何でも言うことを聞きます」
「……………」
「何でもします」
「……………」
「だから誰も殺さないで下さい」
俺は…もう、後戻りは出来ない所まで来ていたんだ…。
だから最後まで行くしかないんだ…。
「俺は一生あなたの奴隷になります」
妹と最期ま
「今さらなに言ってるの?
元々お兄ちゃんは私の奴隷じゃない」
…え?
「これからもずっと…ず〜と私の物だよ」
「………」
「永遠に…私だけの物」
俺は今から奴隷になろうとしたがそれは違っていた。
俺は既に奴隷となっていたんだ…。
そして、これから、ずっと…永遠に妹の物。
…俺はもう何も出来るこは無い…。
「なんでもするって言ったからには何でもしてもらうよ」
290名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 20:14:33 ID:0beq1wuX
>>282
むしろそのよそよそしさがたまらん。
>>289
>車の上で裸になって前周りが出来そうなくらい
なんで分かるんですカー!
291名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 20:40:16 ID:UqJBmEfm
>>289
怖ぇぇ


外では猫かぶってて兄さん
二人のときは兄貴
仲良く暮らしてたとこに泥棒猫が邪魔しに来たときはお兄ちゃん
292名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 21:55:30 ID:AkjMWiQi
保守
293時給650円:2007/10/12(金) 21:57:31 ID:AkjMWiQi
>>249
続きを投下します。
294淫獣の群れ(その3):2007/10/12(金) 22:00:04 ID:AkjMWiQi

「にいさまったら遅いですの……。んもうっ! 桜ちゃんたちったら、にいさまで遊び過ぎですのっ!!」

 ダイニングキッチンで、ぷりぷりと可愛い怒りの湯気を上げているのは、深雪(みゆき)。
 六人姉妹の四女であり、一家の家計と食事を一手に担当する、綾瀬本家の母親代わりである。
 そう。
 いま現在、この家には彼女たちの両親――綾瀬家の本来の家長である和彦夫妻――は、ここにはいない。
 いかに伝統ある旧家とはいえども、単なるサラリーマンでしかない和彦は、社内派閥闘争のあおりを食らって、博多支社に左遷されてしまっており、妻(つまり姉妹たちの母)も、そんな夫の道行きに同道し、家を出ていた。
 単なる単身赴任ではない。
 完璧なる左遷だ。
 東京本社へはいつ帰って来れるか分からない。
 和彦が、喜十郎の養子縁組を急いだのは、綾瀬家家名存続問題よりも、頼りになる男が一人、“兄”として、娘たちしかいない家にいて欲しかったのかも知れなかった。

「これ以上、ぐずぐず煮込んでたら、折角の味が落ちてしまうですのっ」
 そう言いながら、コンロの火をさらに小さくする。七人分の夕食を煮込んでいる大鍋は、彼女の140センチの矮躯にはあまりにも大きく見える。しかし深雪にとっては、そんな作業も一向に苦にはならない。
 彼女にとって、料理というのは単なる趣味やルーチンワーク以上の価値をもつ行為であり、その情熱は、あたかもアスリートが自分の専門競技に傾けるそれに似ており、実際、彼女のその身には、莫大な料理の才能が埋蔵されていた。
 つまり深雪にとって、日常の食事当番は一日の面倒事ではなく、彼女自身の調理技術の研鑚の場であったのだ。
――彼女の“兄”、喜十郎が来るまでは。

 彼自身が記憶しているか否かは分からないが、そもそも深雪に料理の楽しさを教えたのは、喜十郎だった。
 ある日、風邪で寝込んでいた彼女たちの母親に代わって、仕事で帰宅が遅くなった和彦を含めた、その晩の家族全員の夕食を二人――たまたま本家に来ていた喜十郎と深雪――で作ったのが、彼女の料理人生の出発点となった。
 当時は、ただの従兄妹でしかなかった喜十郎の存在が、深雪にとって大きくクローズアップされたのもそれからであり、その喜十郎が“兄”として我が家に来た、その日から深雪の料理は家族全員のためではなく、彼個人のためのものとなったのだ。
 その“兄”が今、自分の料理を食べる前に、自分以外の姉妹に『食べられて』いる。

――深雪の心中は、穏やかではなかった。
295淫獣の群れ(その3):2007/10/12(金) 22:03:13 ID:AkjMWiQi

 喜十郎は、未だ腰を降ろすことも許されず、湯舟に立たされていた。
 しかし、男独りを五人がかりで取り巻いていた少女たち、という構図は、いささかなりとも変化があった。

「あ、だめぇ、おにいたまったら、ちゃんと自分の足でたたないとダメなのっ」
「んふふふふ……兄上様、しゃんとしないと、またお仕置きですわよ」
 喜十郎の身体を前後に挟むように、比奈と真理が自らの胸を押し付け、こすり合わせている。

「らめらっ、もうでる、でちゃうよっ!」
 押し付けられる白絹のような妹二人の肌、その快感をさらに増幅させるのは、二人の胸と彼の肌との間に生み出される泡沫――ローション代わりに使用されているボディソープ。
「ダメよ比奈ちゃん、兄上様をイカせては何にもならないわ」
「あっ、そうか」
 真理の放ったツルの一声に、陽気な末っ子はひょいっと、“兄”から身体を放す。
「ああああああっ、もう、もうイカせて下さいっ! おねがいですっ!!」
 優に一回りは年下の妹に長兄は懇願する。
 聞き入れてもらえる事など決してない、と分かっていながら。
「くしししし、あぶなかったね、おにいたま。もう少しで出ちゃうとこだったね」
「あああああ……イカせて、イカせてください……なんでもしますから……」
「本当にいいのですか兄上様? 射精なされば、その分お仕置きはひどくなるのですよ?」
「ひどくともいいっ! ひどくていいから……出させてくらさい……ぁぁぁ……もう、もう我慢出来ない……」
 むせび泣きながら妹たちに訴える喜十郎の表情を見ても、真理の瞳に宿った情欲の光は、やはりいささかも衰えない。むしろ、その輝きは増すばかりだ。
 そんな真理の表情に、いよいよ喜十郎の涙は水かさを増す。
296淫獣の群れ(その3):2007/10/12(金) 22:04:48 ID:AkjMWiQi

「――ダメよお兄様っ!」
 悶え苦しむ彼の背に、長姉の鉄鞭の如き声が飛ぶ。
「忘れたの? お兄様がイっていいのは、私たち全員の許可を取ってからだって事を」

 いま桜は、詩穂・春菜と並んで自慢の長髪を洗っていた。
 彼女たちが入浴してから、そろそろノルマの一時間が経つ。
 喜十郎を風呂場から引っ張り出す時は、すなわち自分たちも風呂から上がる時間である。
 なんのかんの言っても年頃の少女である。入浴には、人一倍時間をかけたい。
 しかし、かといって自分たちの身体を洗う時に喜十郎をほったらかしにするつもりも、彼女たちは無かった。
 つまり、妹たちが“兄”を風呂で愛撫する場合、どうしても複数の女手が必要だった。

「兄君さま、これはワタクシたちからの躾なのです。兄君さまをこの綾瀬本家に相応しい殿方に教育するためのシツケ。ですから、これはどうしても耐えて頂かなければなりません」
 春菜が、桜の尻馬に乗っかる形で言葉を継ぐ。
 だが、その真剣な語気に反して、彼女の眼は笑っている。
(我ながら、よくもまあ、こんなムチャクチャな理屈を、ぬけぬけと真顔で言えるものだわ……。)
 腹の底で春菜がそう思っているのは、いかにも見え見えだった。

「だからお兄様、あと三日我慢すればいいのよ。土曜になれば、腰が抜けるくらい搾ってあげるから」
「でも、お兄ちゃま、土曜日になったら、泣きながらいつも逆のこと言うよね? もう出ませんから勘弁して下さいって」
「平日に禁欲した分を週末に吐き出す。いかにも健康的だと思いませんか、兄君さま?」
「――だ、そうですわ兄上様。私としても心苦しいのですが、やはり兄上様の御要望にはお応えできません」
「くしししし、おにいたまもおとこのこだったら、がまんしようね?」

 喜十郎は、あからさまな嘲笑を隠そうともしない妹たちを、何も言えずに眺めていた。

 結局、彼が風呂から出ることを許されたのは、それから十分後、彼女たちの闖入からきっかり一時間後だった。
297淫獣の群れ(その3):2007/10/12(金) 22:07:08 ID:AkjMWiQi

 夜中に不意に目が覚めた。

(寒い……。)
 まぶたを覆う眠気より、全身を包む寒気の方が強い。
 可苗は、羽毛布団を肩まで引っ張り上げると、再び意識を闇の底に沈めようとする。
 するが――遠い。
 眠ろうとすればするほど、闇は意識から遠ざかってゆく。
 原因は分かっている。
 さっきまで見ていた夢。
(お兄ちゃん……!)
 心のうちでそっとつぶやいた瞬間、可苗の眠気は弾け飛んだ。

 がばっ!
 布団を蹴りはがし、上体を起こすと、まぶたを開く。
 二段ベッドの上階から身を乗り出し、部屋の一角に視線を送る。
 暗闇の先にある兄の机、兄の本棚、兄の洋服箪笥。
 かつて兄が存在していた空間。
 比喩ではない。――可苗は暗中であっても、この部屋のどこに何があるか、全て把握している。
 この部屋は、彼女の実兄たる喜十郎がいなくなるまで、ともに寝起きしていた――いわば、彼女にとっての楽園に等しい一室だったのだから。
 部屋数の乏しい公営団地。2LDKのこの我が家が、可苗は大好きだった。
 少なくとも、兄が家を出てしまうまでは。

 蹴り剥がした布団を手に取り、そっと匂いをかぐ。
 そこに存在するのは、微かな、しかし、彼女以外の確かな体臭。
(……お兄ちゃんの匂いが、薄くなってきてる)
 そう、かつて彼女の兄は眠りの際に、この二段ベッドの上階で、この布団を使用していた。
 喜十郎がこの家を後にしたとき、せめて可苗は、彼の匂いに包まれて眠りたかった。
 そうでもしなければ、兄の居ない、この広大な六畳間の一室で、到底独りで夜を過ごすことなど不可能であったろう。しかし、その残り香も、
(いや、お兄ちゃんの匂いが消えちゃう! いや、いや、いやいやいやいや!!)
 今では、可苗の寂寥感を助長する働きしか為しえない。
(補給しなきゃ! 早く『お兄ちゃん分』を補給しなきゃ、可苗どうにかなっちゃう!)

――この世で孤独死できる生き物はただ二つ、ウサギと人間だけだ。
 かつて兄がふざけ半分に言っていた言葉が、可苗の肩に、真剣な説得力を持って圧し掛かっていた。

298淫獣の群れ(その3):2007/10/12(金) 22:09:22 ID:AkjMWiQi

(何で、何でお兄ちゃんは、可苗の前からいなくなっちゃったの?)
 その明確な解答は、彼女には分からない。
 ただ一つ感じるのは、兄が、喜十郎が自分を捨てた事。

 本家の六人姉妹たちには、不思議と憤りは感じない。
 むしろ、同志のようなシンパシーさえ覚える。
 現在にいたるまで、喜十郎が学校でモテたという話は聞いたことも無かったからだ。
 妹として、そして女として可苗は、喜十郎の魅力に気付かない彼のクラスメートが不思議で仕方なかった。
 だから本家の姉妹たちが、喜十郎にくびったけになっているという話を聞いて、嫉妬と同時に安堵さえ覚えた。兄の魅力に気付ける女性は、自分だけではなかったのだという安心感に。
 逆に、喜十郎の本心が分からなくなった。
 わからない分、裏切られたと思った。

 彼女は、枕もとの携帯電話を手探りで掴むと、ディスプレイを開いた。
 暗闇に、兄の笑顔が待ち受けとして浮かび上がる。
 目覚まし代わりに使用している、と両親には言っているが、本当は違う。
 例え夜中であっても、兄から来るかもしれない電話・メールに、リアルタイムで返答するためだ。そのため彼女は入浴中であっても、この防水加工の携帯を手放さない。
 自分を裏切った。そう思えば思うほど、可苗は喜十郎が恋しくなった。
 その想いには、いつ芽生えたのかもしれない、重く濃い、血混じりの感情が多分に入り混じっている。
 殺意――とさえ呼んでもいいかも知れない。
 その重い感情は、つねに彼女が兄を見る眼差しに陰をつくりだし、彼が自分を『裏切った』後は、さらに深く暗く、可苗の心中に沈殿した。

――兄を犯したい。犯しながら殺したい。

 鎖で縛り付けた兄と騎乗位で情を交わしながら、首を絞める。そして失神した兄を人工呼吸で蘇生させ、再び首を絞める。そしてまた、人工呼吸で蘇生させる……。

 このシチュエーションを浮かべながら自慰を行う限り、可苗にイケない夜は無かった。
 ただの嗜虐性とは全く異なる、結果的には殺人すら許容する黒い情欲。
 その興奮には、血の禁忌に関わる要素が多分に含まれている。
 本来、決して許されざる相手だからこそ――その許されざる恋人に、許されざる行為を施すという興奮……。

 それこそは元来、従兄妹でしかない本家の姉妹たちには最も希薄な感情であり、そういう情の強(こわ)さこそが、――そういう感情を含む視線を実妹が兄に向ける、という事実こそが、喜十郎をして可苗から背を向けさせる最大の要因となった。
 しかし、可苗にはそれが分からない。
 分からないからこそ、許せない。
 許せないと思えば思うほどに、喜十郎への想いは深まる。
 情欲と殺意は矛盾しない。――それが可苗の“兄”に対する独占欲だった。
299時給650:2007/10/12(金) 22:13:43 ID:AkjMWiQi
投下終了です。
>>289さん
若干イモウトかぶってますね。悪意はありませんので、勘弁を。
300名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 22:51:29 ID:7tJawlog
なんだかその……「萌え」よりも「気の毒」の比率の方が占める割合を増やしてきているような……
301名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 23:17:34 ID:h3DNEqJX
お兄さん逃げ道無さ過ぎでカワイソス
302名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 16:32:21 ID:mcZx6dl3
兄が哀れすぎて・・・・・・(´;ω;`)
303時給650円:2007/10/13(土) 19:22:36 ID:Vo4mpZoE
続きを投稿します。
304時給650円:2007/10/13(土) 19:24:10 ID:Vo4mpZoE

 身体が重い。
 まるで全身の血管に鉛が詰まってしまっているようだ。

「あら、にいさま、起こしてしまいました?」
 窓から入る眩しいばかりの朝日に、思わず薄目を開けた喜十郎の目に入って来たのは、彼の傍らで、コキコキと首を鳴らす深雪だった。
 目が覚めたのは、深雪の気配のせいではない。朝日の眩しさが、まぶた越しに彼の眼を直撃しただけだ。

「ああ、おはよう深雪。今朝も早いね」

 とは、彼は言わなかった。
 正直、口を開くのも億劫だったからだ。
 目だけ動かして時間を確認する。
 壁の時計は、午前六時を少々回ったところを指している。
 まあ、一家の朝食を作る深雪が、ベッドを降りる時間という時点で、うすうす現在時刻の見当はついてはいたのだが、普通の学生が起床するには、やや早い。

「んんん〜〜〜〜」
 彼の股間を枕代わりにしていた比奈が寝返りを打つ。
 股間だけではない。腹部に詩穂が、左肩に桜が、右足に真理が、――半裸の妹たちが、それぞれ自分の体重を彼に預けて眠っている。そして深雪はおそらく喜十郎の右上腕あたりを抱き枕にしていたのだろうか。いや、春菜の姿が無い。
「春菜ちゃんなら、薙刀部の朝練のために、一時間ほど前に起きてしまわれたようですの」
 むふん、と笑みを見せた深雪が、キングサイズのベッドから降りる。
「――よく、分かるね。俺がいま思ったことが?」
「にいさまの考える事なんて、姫はぜ〜んぶ、お見通しですのっ」
(なるほど、その誇らしげな笑顔はそういう事か)
 もっとも、さっきの台詞は、本当は少し皮肉な意味を込めたつもりだったんだが、気付かれなかったようだ。

「姫は、これからシャワーを浴びて、お食事の準備をしますけど、にいさまは起きられるんですの?」
「……いや、もちっと……寝る」
「そうですの。でしたらまた、いつもの時間に起こしに来ますですの」
 ショーツ一枚の深雪は、そのはしたない姿を恥じる事も無く、軽い足取りで部屋から出て行った。
305淫獣の群れ(その4):2007/10/13(土) 19:29:30 ID:Vo4mpZoE

(姫……か)

 その、深雪独特の一人称も、彼女が幼い頃から親戚づきあいしていた喜十郎には、別段奇異には感じない。むしろ、彼女が自分の事を『にいさま』呼ばわりする事の方が、はるかに違和感がある。
(教えてやった方がいいのかな。“姫”って、処女膜の隠語なんだぜって)
 取り留めの無い事を考えながら、喜十郎は再びまぶたを閉じる。

――しかし、そんな事を聞かされた彼女が、どんな反応をするのか、何となくは見当がつく。
『姫のばーじんを味見したい。にいさまはそうおっしゃるんですのね!?』
 むふんむふんと、得意げに鼻を鳴らし、目を輝かせて有頂天になる姿が、手に取るように想像がつく。
(このまま叔父さんが帰って来なけりゃ、いずれは、やっちまう事になるんだろうな)

 喜十郎とて、聖人君子でもなければ不能でもない。
 眼前で女が股を開けば、ムスコも固くなる。開いた股がヌレヌレだったら、そこに突っ込みたくもなる。そういう意味では、彼も普通の、年齢相応の男子に過ぎない。
 桜や春菜、そして真理といった比較的年齢の近い妹とは、そんな風に誘われて――というよりは半ば逆レイプに近かったが――やる事は済ませてしまっていた。しかし年少組の詩穂、深雪、比奈の三人とはまだ、いたしていない。
 彼なりの良心もあった。まだ小学生の比奈は当然としても、外見的にいかにも幼さの残る詩穂や深雪(一応二人とも中学生ではある)に手を出すのは、やはり躊躇われた。
 もっとも、縛られて抵抗できなくなった上で、自発的に股間に乗っかって来られたら、喜十郎本人には対処の仕様も無い。
 しかし、その辺は、姉妹のリーダー格の桜も納得しているのだろう。少なくとも現段階でこの二人に、破瓜を迎えさせる気は無いようだった。

 しかし、その三人と何もしていない清い関係かと問われれば、彼としても口を閉ざさざるを得ない。ただ挿入していないというだけで、年少組との同衾など、ほぼ連日の事だったからだ。
 もっとも、それは年少組の三人だけの話ではない。
 喜十郎がこの家で住むようになって以降、いや、少なくとも彼女たちが自分の事を“兄”だと認めて懐くようになって以降は、六人の“妹”が彼の寝床に潜り込まない晩は、ほぼ絶無に等しかった。

 昨夜にしてもそうだ。
 湯あたりと過剰な愛撫によって、ほとんど半失神状態で風呂から上がり、食欲などカケラも無い状態で、深雪の創作料理をたいらげ、その脚で寝室に直で連行され、六人がかりで責めに責められた。
 それでいて結局、一度の射精すら許可されず、やっと夜明け近くになって眠る事が許された。
 それも、次々と体重を浴びせ掛けてくる六人の“妹”の身体の下敷きになって、である。
――もっとも、彼女たち一人一人は、行為後の心地良い疲労感とともに、傍らの男に己の体重を預けているに過ぎないのだが……。
 そんな状態で数時間まどろんだところで、一体どれほど彼が肉体を休める事が出来るだろう。
 現に、喜十郎の全身は、慢性的な疲労に綿のように包み込まれ、最近では朝勃ちすら力が無い。
(辛抱たまらん)
 口にこそ出さないが、喜十郎の精神は、かなりのところまで追い詰められていた。
306淫獣の群れ(その4):2007/10/13(土) 19:32:33 ID:Vo4mpZoE

 結局、喜十郎の意識が、そのまま泥のような眠りに身を任せることは無かった。
 人の心身は、骨の髄まで疲労に侵されると、もはや眠る事すら出来なくなる。喜十郎は、かつて何かの小説で読んだ記述を思い出していた。
 妹たちを目覚めさせないように気を付けながら、ごそごそと起き出す。
 全裸の肉体からはツンと酸臭が鼻につく。
 顔をしかめながら、そのまま引出しからトランクスを一枚引っ張り出し、シャワーに向かう。もう深雪も風呂場から出た頃合だろう。

「――だめだよぅ、お兄ちゃま」
「えっ!?」
 と声を立てる暇すらなかった。
 眼前に、ふわりと白い布切れが舞い降りる。
 詩穂自身の汗と唾液と愛液にまみれ、ごわごわに黄ばんだショーツ。
「今日からお兄ちゃまは、詩穂の下着を穿いて生活するんだよぉ」
 にぱっ、と詩穂が明るい笑顔を見せる。
 昨夜は汗まみれになって、あれほど乱れたにもかかわらず、寝癖一つ、髪に残っていない。
「……それとも、忘れたフリしてまた詩穂に、お仕置きされたかったのかなぁ?」
 無垢な笑顔が、瞬時にして上目遣いの淫蕩な嘲笑に変化する。

 喜十郎は引きつった笑顔を浮かべながら、
「わざとじゃないよ。……朝だからボッとしてたんだ。ごめん」
 精一杯言い訳をする。言い訳といっても、忘れていたのは本当だから、素直に謝るしかないが。
 このとき、もし詩穂の機嫌が悪かったら、今のことを口実に、またどれほどのお仕置きを喰らうかもしれない。だから、最大限口の利き方には気をつけねばならない。しかし、運良く彼女の機嫌は上々だった。
307淫獣の群れ(その4):2007/10/13(土) 19:33:41 ID:Vo4mpZoE

「んふっ、だったら許してあげる。――ねえ、お兄ちゃま、一緒にシャワーあびよっ」
 そう言うが早いか、詩穂は疲労など微塵も感じさせない動きで、ベッドから降りた。無論、彼女も、その肌を隠す一枚の布すら身に纏ってはいない。
「一緒に、か?」
 反射的に訊き返した瞬間、“妹”の笑顔が途端に曇る。
「え、お兄ちゃま、詩穂と一緒にシャワー入るの嫌なの……?」
「あ、いや、確認しただけだよ、うん。――それならそれで、その、お願いがあるんだけど……」
 そう言いながら、喜十郎は詩穂を廊下に引っ張り出す。あまり騒がれて、まだ寝ている他の妹たちまで起きて来られては、何かと面倒だからだ。
「うん、いいよっ! 詩穂、お兄ちゃまの言う事なら何でも聞いちゃうっ!」
「何でもっ? じゃあ、この下着の件――」
「却下」
「……少しは考えようよ」
「だぁからぁ、詩穂が出来る範囲ならって話だよぉ」
 この下着強制の一件は、すでに詩穂一人の手を離れて、姉妹全員のお仕置きという形に移行している。つまり彼女一人の権限ではもうどうしようもない。それに、詩穂個人としても、“兄”が自分の下着を穿いて真っ赤になっている姿を見たかった。
「で、お願いはもういいの? お兄ちゃま」
「うん、その、……一緒にシャワー浴びるなら、その……」
「――?」
「やらしいことは、もうナシで頼むぜ」
 羞恥で耳まで真っ赤にして、そっぽをむいたまま、彼は呟くように言った。

 ぷっ!
 その瞬間、詩穂は、汗臭い“兄”の胸に飛び込んで、必死に笑いをこらえていた。
「詩穂、……?」
 くっ、くっ、くっ、くっ、くっ……!
 この“兄”には、こういう可愛いところがある。
 こういうポイントが、彼女たちにとっては、またたまらないツボであり、彼女たち自身の嗜虐性を120%引き出すことになるのだが、喜十郎本人はあまり気付いてはいなかった。
「いいよぉ、今朝はお兄ちゃまの言うこと聞いてあげる」
「はっ、助かるよ」
「その代わり、お兄ちゃま、――その後で、詩穂のお願いも聞いてねっ」
「……お手柔らかに頼みます」
「さぁ〜〜、どうしよっかなぁ」
308淫獣の群れ(その4):2007/10/13(土) 19:34:53 ID:Vo4mpZoE

 詩穂は“兄”の腕を取ると、デート中の恋人のようにしがみ付き、いたずらっぽく彼を見上げる。
「詩穂、今日の放課後に、クレープ食べたいなぁ」
「ひょっとして、大黒屋の、あのバカ高いヤツか?」
「うんっ!」
「確かアレ、一個千円くらいするっていう……」
「詩穂の分だけじゃダメだよ。お兄ちゃまと二人分だよっ」
「あの、いまオレ、バイトの給料日前なんだけど……」
「うんっ、詩穂応援するねっ!」
 その明るい笑顔に、喜十郎もつられて苦笑する。
「仕方ないな、もう」

 何のかんの言って、喜十郎は、この“妹”たちと過ごす一時がキライではない。
 その一人一人は決して悪い“妹”ではない。年齢相応の魅力的な少女に過ぎないからだ。
 まあ、あくまでその底なしの性欲さえなければ、の話ではあるが……。

――ジリリン、ジリリリン、ジリリリリン!

 目覚し時計のような、けたたましい音を出して電話が鳴る。
 うるさいのも道理というべきか、綾瀬家の卓上電話はプッシュホンなどではなく、昔ながらの黒電話であった。
 人数分のフレンチトーストを作っていた深雪が、わたわたと受話器を取る。
「はい、もしもし、綾瀬でございますの。――あら、かあさま? こんな朝早くからどうなさったんですの? ――えっ、ええっ、本当ですのっ!?」

「……? どうしたの深雪?」
 今頃起きてきたのか、寝癖頭の桜が目をこすりながら、居間に顔を出す。
 喜十郎と詩穂は、まだ風呂場から出てこない。
 真理は低血圧なので、少なくとも、深雪が起こしに行くまで起きる事は無いし、比奈は洗面所で顔を洗いながら、自作の唄を歌っている。
「はい、分かりましたですの。では、失礼しますですの」
 深雪が受話器を静かに置く。


「かあさまが、帰って来るんだそうですの……博多から……」
「ええっ!!?」

309時給650円:2007/10/13(土) 19:36:55 ID:Vo4mpZoE
今回の投下はここまでです。
310名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 19:44:21 ID:lVzPQ55h
GJ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!11
311名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 23:38:05 ID:Xj/WBrGR
芋虫に群がる蟻が思い浮かんだ
312名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 04:11:25 ID:Sb9VOzV2
かあさまも凄そうだな・・・wGJ!!!!!!
313名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 12:14:42 ID:c350r/Xz
>>309
gj
取り敢えず一つ聞いていいか?


亞里亞は出ないのか?





亞 里 亞 は 出 な い の か ?
314名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 12:29:51 ID:aXthQgOI
にーやー

に ー や ー

に  ー  や  ー
315名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 13:46:36 ID:zyNCrXwp
アイヤ-
316名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 17:52:41 ID:0u4FTMV/
チョイヤッチー
317名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 18:26:20 ID:FDQP5Ggu
あ、哀れすぎる………全俺が泣いた
318時給650円:2007/10/14(日) 20:10:23 ID:fSR9jaTJ
続きを投下します。
319時給650円:2007/10/14(日) 20:11:43 ID:fSR9jaTJ

「喜十郎、ちょっといい?」
 昼休み、いつもツルんでいる仲間たちと学食に向かおうとしている喜十郎を、桜が呼び止めた。

 ちなみに桜は、学校では彼のことを『お兄様』とは決して呼ばない。
 彼女自身、喜十郎と従兄妹同士であるということは、このクラスの者であれば、誰でも知っているし、何より、彼と親しく口を利く者たちは、性別を問わず彼を『喜十郎』と呼ぶからだ。
(その、サムライのような彼の名前は、これまでの学生生活を通して、ほとんど仇名を必要としなかった)
 さらに桜は、現在の彼と自分たち姉妹の“関係”――養子縁組、同居の事実、さらに肉体関係など――が、外部に洩れる事を極度に恐れていた。
 今の生活と、彼女自身の妹たちを守るためだ。
 だから、この高校に通学している春菜や真理にも、中等部の深雪や詩穂にも、その連絡は徹底してある。
 しかし、いまの桜の眼差しは、単なる親戚兼クラスメートのものではない真摯さを伴っていた。
(何だってんだ、一体)
「ああ、悪いなお前ら、今日はオレ、学食はパスだわ」
 わざとらしく勝ち誇ったような笑顔で、背後の級友たちに軽口を叩く。

「おいおい喜十郎、まじかよテメエ」
「男の友情より、イトコのネエチャンを取ろうってか!?」
「単なる“イトコのネエチャン”じゃねえ。ミス3Bの誉れも高き、綾瀬桜のお誘いだ。お前らだったら断るか?」
 そう言いながら、桜の後を追って教室の扉に向かう。
「断るわきゃねえだろっ」
「でも、イトコだろお前ら」
「イトコとベンチに並んで座って、母ちゃんの弁当食うのか?」
「不潔だっ、不潔だぜテメエらっ」

「――うるさいわよっ あんたたちっ!!」

 扉から顔だけ出して、教室に轟くような桜の怒声。
 数秒間、昼休みに似合わぬ静寂が教室を覆ったのは、言うまでもない。
320淫獣の群れ(その5):2007/10/14(日) 20:13:51 ID:fSR9jaTJ

「……すげえ声だな、お前。放送部に入ってもやってけるんじゃないか?」
「これでも一応、演劇部部長だからね。腹式発声なら誰にも負けないわ。それよりもアンタ……」
「?」
「深雪が作ったお弁当、お母さんのだって言ってんの?」
「仕方ねえだろ。それが一番波風立たないんだから」
「だったら、あんな連中なんかと、お昼食べなきゃいいじゃない。それも、わざわざ学食行ってまで」
「人間関係を軽視してたら、今のご時世、高校生なんざやってらんねえだろ?」
「イジメられるって言うの? アンタが?」
「美人で優しい、ミス3Bには分からん苦労さ。――さて」
 喜十郎はそこで不意に口を閉ざし、ジロリと桜を見た。

「本題に入れよ、桜」

 それまでの、お茶らけたクラスメートの顔の下から、頼り甲斐のある“兄”の顔が現れる。
 桜は、そんな二面性をあらわにした瞬間の喜十郎が、決して嫌いではなかった。
「――ええ、大変なのよ、お兄様」


「帰ってくるって……叔父さんたちが?」
「ええ……いえ、正確には違うわ」
 風吹きすさぶ高等部旧校舎の屋上。しかし、まだまだ肌寒い季節ではないため、逆にその風通しが心地いい。ここは、綾瀬家六人姉妹たちの秘密の集合場所でもあった。
 ちなみに、こんな場所へと通じる合鍵を持っているのは、小中高一貫教育のこのマンモス校でも、おそらく桜ただ一人に違いない。
「帰ってくるのはお母様一人だけ。お父様はまだしばらく博多にいるみたい」
「ふ〜〜ん。……で?」
「で? じゃ無いわよ、お兄様っ!」
 
 桜の態度は、すでにしてクラスメートから“妹”のそれへとシフトチェンジしている。
 喜十郎は、深雪の弁当を食べながら桜の話を聞いていたが、いま一つ彼女の話が分からない。
「だからさ、イマイチ話が読めないんだよ。叔母さんが博多から帰ってくる。しかも、深雪の聞いたところによると――」
 喜十郎はそこで言葉を切って、自販機で買ったホットの緑茶を一口ぐびりと飲み、食べ終わった弁当を流し込む。――で、また話を続けた。
「その帰宅は一時的なものではなく、一定期間にわたるものらしい。少なくとも二週間から一ヶ月」
「もっと伸びる可能性もあるわ」
「だからさ」
 喜十郎は、やれやれという表情で、アスファルトに硬い視線を送る桜に尋ねる。
「一体それの何が問題なんだい? さっきから聞いてたら、まるでお前、自分たちの母親が帰ってくるのが困るみたいな口調だぜ」
「困るのよっ!!」
321淫獣の群れ(その5):2007/10/14(日) 20:15:28 ID:fSR9jaTJ

 そこでようやく、喜十郎も事態の深刻さに気付き始めた。

「困るような……何かがあるんだな……?」
 桜は、ノリこそ軽いが、そう簡単に冷静さを失う少女ではない。
「叔母さんが帰ってきたら、お前たちの――いや、オレたちの存亡に関わるような、何かがあるんだな……?」
 桜は静かに頷いた。
「なんだ? 一体何だそれは?」
「お母様は……」
「叔母さんは……?」

「――潔癖症なの」

……アノ、サクラサン……ナンデスカ、ソレ……?
 こんなに散々ビビらせといて、それがオチ?
 喜十郎としては、桜ではなく、むしろ不思議と叔母の方に怒りが沸いたが、しかし同時に興味も沸いた。

「……説明しろよ桜。ただの潔癖症っていうだけなら、お前がそんなに怯えるわけがねえ」
「潔癖症って言っても、他人の後のトイレに入れないとか、そういうんじゃないわ」
「当たり前だ。そんな下らねえオチなら、オレは今すぐ学食に行くぜ」
「人の性的な行為が許せない性質(たち)らしいの。だから、私も昔、初めてオナニーを見つかった時は、こっぴどく折檻されたわ……」
「で?」
「で、じゃないわっ! いまの私たちの関係がバレたら、一体どうなると思うのっ!?」
「そりゃ……まずいだろうな」
「まずいなんてもんじゃないわ。まずいなんてもんじゃないわよっ……!!」
 桜は、それこそ親指の爪をかじりながら、目を血走らせている。
「でもさ、そんなもん、それこそ見つからなきゃいいだけだろ?」
「何言ってるのよっ! あんな狭い家で、一体どうやってバレずにヤれって言うのよっ!!」
「いや、だからさ――」
 喜十郎は、ことさら彼女を落ち着かせようとオーバーアクションを取る。
「バレずにヤるのが不可能なら、しばらくヤらなきゃ済む話じゃないか。どうせ、最悪でも一ヶ月くらいで、九州に帰っちまうんだろ?」
「――冗談言わないでっっ!!」
322淫獣の群れ(その5):2007/10/14(日) 20:16:59 ID:fSR9jaTJ

 桜の剣幕に、思わず腰を引いてしまう喜十郎。しかし、未だに彼は桜が本当に言わんとする言葉の見当がついていない。

「いや、でもさ……」
「一ヶ月もガマン出来るわけないでしょうっ!! 二日三日だって、お兄様ナシじゃ怪しいもんだわっ。何でそんな事も分かんないのよっ!!」
「――さくら……!」
「私たちはねえ、私たちはもうねえ、お兄様中毒なのよ。もうお兄様のいない生活なんて考えられないんだから。――責任とってよっ! 取りなさいよっ!!」

 そう叫んだ桜は――怒りか、もしくは照れか――うなじまで真っ赤になっていた。
 一人の男としてそこまで言われては、喜十郎としても嬉しくないわけが無い。だが、空気的に素直に喜んでいい雰囲気でもない。現に、桜の言い分は支離滅裂もいいところだ。
「いや、でも……責任とか言われたってさ……」
「責任取れないとは言わさないわよ……! 私たちをこんな身体にしたのは、お兄様なんだからねっ」
(何を言ってやがる、オレを無理やり逆レイプしたのは、お前らのクセに)

 迂闊にも一瞬ムッとした表情が、桜にも丸見えだったのだろう。
「いま、オレのせいじゃないとか考えてたでしょう……!!」
「うっ、いや、……その……」
「いい? どう思おうとお兄様には責任があるの。日本では、男女関係の責任は男性が取る事に決まってるんだからね。――だから、お兄様には絶対に協力してもらうわ……!!」
「協……力?」
「そうよ」
 そこまで言って桜は、いつもの淫靡な“妹”の笑みを浮かべ、“兄”のブレザーからのぞくタイを掴み、引っ張った。

「お母様を出し抜くためには、もう手段は選べないわ。トイレだろうと玄関先だろうと、風呂場だろうと食事中だろうと、スキさえあれば――ヤれると踏んだときには、必ず協力してもらうわ」
323淫獣の群れ(その5):2007/10/14(日) 20:18:42 ID:fSR9jaTJ

 そう言って桜は、喜十郎の唇との最後の距離をゼロにする。
 タイを引っ張られているため、喜十郎は自分からキスを拒めない。

 ひとしきりキスを味わった桜は、彼を解放すると、
「例えば、それが学校だったとしても、ね」
 そう囁いて、スラックスの隙間から、股間に手を突っ込んだ。
「うっ!?」
「あら――えらいのね、お兄様。ちゃんと詩穂のパンティを穿いてるなんて……」
「桜……その……」
「なぁに? お兄様」
「スキあらば、いつでもどこでもって、――それで見つかったらオレたち……?」
「タダじゃ済まない、でしょうね。少なくともお兄様は、我が家からお払い箱って事になるでしょう」

 その瞬間、フラッシュバックのように喜十郎の脳裡に浮かんだのは、自分を見下ろす可苗の姿だった。

「じょっ、冗談じゃねえっ!!」
 喜十郎は、反射的に桜を突き飛ばす。
「きゃっ!?」
“兄”の予期せぬ反撃に、桜は思わずひっくり返った。
「そんなお前らの、そんな――ワガママのために、いちいち追い出されてたまるかっ!」
「おにいさま……?」
 桜は驚いていた。
 常ならぬ彼の剣幕に、ではない。
 かつて自分たちに、何をされても直接的な暴力で反撃した事の無い“兄”が、『お払い箱』という言葉に、そこまで過剰な反応を示した。それが意外だったのだ。

「帰りたくない、の……?」

 その瞬間、哀れなくらい喜十郎の顔が歪んだ。
「そうなのね? 帰りたくない。実家に帰れないワケがあるのね?」
 桜は立ち上がった。そして、ゆっくり喜十郎に歩を進める。
「私たちに何をされても、お兄様が全然逆らわなかったのは、本当はそのためなのね?」
「違うっ!! 違うっ!! 違うっ!!」
「隠しても無駄よっ!!」
324淫獣の群れ(その5):2007/10/14(日) 20:20:16 ID:fSR9jaTJ

 その瞬間、勝負はついた。
 彼は期せずして弱味を匂わせ、彼女は、抜け目無くそれを嗅ぎとった。
 誰のせいでもない。眼前の女の鋭さを侮った喜十郎自身のミスだ。

「お兄様が、一体何で帰りたくないのか、……そんな事はどうでもいいわ」
「桜……」
「ただ、そこまでして帰りたくないなら、私たちは協力し合うべきだと思わない?」
「脅迫する、つもりか……?」
「とんでもない!」
 その瞬間、桜は、自分のスカートをまくり上げ、喜十郎に自分のショーツを見せつけた。
「さあ、お兄様、――舐めて頂戴」

「……さ、くら?」
「お兄様がいなくなれば、お兄様中毒の私たちは困ったことになるわ。でも、一緒に住んでないからって、いざとなれば逢いに行く事は出来るわ。お兄様のご実家でも、どこかの公園でもね。でも、お兄様は違う……!」
 取り憑かれたように喋りつづける桜の頬は、真っ赤に興奮している。
しかし、それはさっき、同じく『お兄様中毒である自分たち』をカミングアウトした時に比べて、明らかに別種の紅潮だった。

 もう、喜十郎は何かを言う事すら出来ない。いや、桜の唇から放たれる言葉に、動く事すら出来ない。
(やめろっ! もう言うなっ!! もう聞きたくないっ!!)
 心の中で、悲鳴だけが半鐘のように鳴り響く。
「お兄様はご実家に帰れない。帰りたくない。――だったら、そのために最大限必要な事はしておくべきじゃない? 例えば……」
(もう、もうっ、勘弁してくれっっっ!!)
「――例えば、お兄様と私たちの関係を知る者、または当事者たちを、つねに上機嫌でいさせるための、そんな努力とかね……!」



――ぴちゃ、くちゃ、ぺちゃ……。
「――あ、もしもし、深雪? ――うん、私、桜――ぁぁぁ――ええ、お兄様も協力――してくれるって――くぅぅぅ、そこっ、そこっ!――え、ああ、今ね、ふふふ、お兄様がキョ、ウ、リョ、ク、してくれてるところ……ふふ、ぁっ、いいっ――」

 電話中の桜の、膝上スカートは不恰好にふくれあがり、その中に誰かが入り込んでいるのが分かる。そして、その“誰か”が、何をしているのかも……。
「んふふっ、そうよお兄様……あと三分でイカせなさい。さもないと、午後の授業に間に合わないわ……! ――あああっ、そうっ、そこそこっ、――ぁぁぁっ、あああああっ!!」

 桜の嬌声は、風にかき消されて、校内の誰の耳にも届いてはいなかった。
325時給650円:2007/10/14(日) 20:22:25 ID:fSR9jaTJ
今回はここまでです。
326名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 20:23:15 ID:B4yN47Gj
乙!
327名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 20:26:21 ID:nbGhsNAw
なんというリアタイ
GJ!
328名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 20:42:54 ID:n8Vjntx5
乙です
329名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 21:25:54 ID:E3orzUlf
乙です。…しかし兄貴カワイソス
330名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 22:36:04 ID:ph8pFXus
乙です

「責任取れないとは言わさないわよ……! 私たちをこんな身体にしたのは、お兄様なんだからねっ」
どう考えても自分達の蒔いた種です。本当に(ry
兄貴カワイソス
331名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 23:22:09 ID:efzpEKcW
どんだけ不幸なんだよ兄貴
332名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 23:46:05 ID:ibsNQi/i
GJ!!
一人や二人でも十分にキモいのに、キモウト×7ともなるとキモいとか言ってる場合ではなないな…
下手すると過労死しそうな兄貴カワイソスw
333名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 23:48:24 ID:+YDlAt4W
居候してればいずれ過労死
かと言って実家に帰ったら実妹のSATSUGAIとか
逃げ場なさ杉だろ常識的に考えて・・・w
334名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 23:53:53 ID:vOEqfsPa
つ泥棒猫の家
335名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 23:58:31 ID:pSQ9TC1y
海外へ高跳びとか
336名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 23:59:34 ID:JlOVRECo
乙です

みんなにちょい質問
執筆初めてで
当然遅筆で
でも話がグダグダと長くって
予定としてエロ要素が無いor薄くて
キモウト度も薄くて
でも妹スレにはふさわしくない

っていうすんごい微妙な物が生まれるかもしれないんだけれど
もしできてしまったらここに張ってみてもいいかな?ていうか張りたい
一応今可否を聞いておきたいです
337名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 00:04:54 ID:vOEqfsPa
聞くくらいなら書くな、以上
338名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 00:11:40 ID:XSMD4cnf
誘い受け不要
339名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 00:15:29 ID:YzIs4uZI
今投下してヒンシュクをかうのが怖いというのなら、次スレがたった後にここに投下するのはどうだろう。
さすがに作品を見ずしての合否の判断は難しい、てか不可能だし。
340名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 00:16:27 ID:B88mhBvz
書きあがったあと「今から投下します。」でいい。
気になるなら始めて書いたのでよろしくお願いします。とも付けて、それでいいから。
張りたいなら張ればいいじゃないか。
341名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 00:18:21 ID:zaomwxZy
当スレは誰でもウェルカム
来るもの拒まず去るもの追わずが基本・・・・
342名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 00:34:52 ID:n9OeXBOP
追いかけたら投下してくれるのならば、いくらでもって追いかけるのだがw
ここの姉妹は特にそういう猟犬めいたことが得意そうだ。彼女とのお泊まり旅行、視界を横切る姉妹の影!
343名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 00:52:51 ID:ONStwd3C
>>337-341
OK了解
344携帯から思いつき:2007/10/15(月) 02:16:28 ID:ONStwd3C
もう、そう生徒も見あたらない夕方の校門
玄関から近づいてくる女生徒一人
この見慣れたシルエットは妹の香織だ
「おっ、関心関心!今日はちゃんと待っててくれたんだね?」
「ああ…まあ昨夜は死にかけたしな」
朝までナイフ持って追いかけ回された事を思い出し身震いが走る
「流石に連日は勘弁っ…て、お前!血が出てるじゃないか!?」
香織の小さな胸から上が
べっとりと血に染まっている事に気づき駆け寄る
「あはっ♪心配してくれるんだ?でも大丈夫、返り血だよ」
「またかよ…びっくりさせるなよ、ていうかせめて着替えてから出てこい」
ひとまずの安堵で、ため息がもれる
「いや、もう玄関だったからね、豚が一匹馬鹿言い出してさー」
なるほど遠く見える玄関には倒れた女が確認できた
「明人さんを紹介してくれーって…何考えてんだか」
「お前はまた…俺の貴重な恋人候補を…」
手を地に着いてうなだれる
多分、あの子は香織の友達『だった』陽子とか言っただろうか
結構可愛かったのに…
「だからさ、そういうのは私にしろってさんざ言ったじゃん…あ、『加減はしといた』から救急車いらないよ」
119を入力した携帯電話を取り上げられる
「俺も、妹にしか見られないって言ったろ」
「ふーん…まあいっか、いつか世界中の女殺したらさ、流石に私を抱いてくれるよね?」
「マジな目で言うなよな恐ろしい」
「じゃあそうなる前に私を好きになれば?」
はぁ…と大きなため息がこぼれる
なんだかんだで香織を拒絶しきれない俺のこの今が
いつかは彼女を受け入れるだろう事を予言してくれやがる
「まいったなぁ…」
我ながら、情けなくって涙が出るよ
でも、それより今は
玄関のあの『死体』と
香織の制服をなんとかしないと
『大事な妹』がポリ公にパクられちまう
今日もまたこれから忙しくなりそうだ
345名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 02:16:51 ID:0fCQTGJq
ふぅ・・・疲れるな
誘い受けする時点で、それがどういうことになるのか考えようよ・・・
まぁ、ほじくりかえすのもかわいそうか
346時給650円:2007/10/15(月) 03:57:06 ID:D8b/QqQN
本日二回目ですが、投下します。
休日の晩は妙に筆の進みが早いので、ご勘弁を。

>>313
展開次第では出します。
多分、他の『妹』たちも。
347時給650円:2007/10/15(月) 03:59:13 ID:D8b/QqQN

「お兄ちゃま、これ、ホントにおいしいねぇ」
 詩穂が満面の笑みを浮かべて、コアラのように“兄”の腕にしがみつく。
「――だな。千円も取りやがるだけのことはある、かな?」

 その日の放課後、喜十郎と詩穂は、通学路の人気スポットの一つである『大黒屋』で並ぶこと20分、ようやく“妹”目当てのジャンボクレープを手に入れ、そのまま同じ学校の生徒が寄り道でにぎわう商店街を歩いていた。
 桜とあんなことがあった後なので、正直に言えば買い食いなどする気分ではなかったのだが、まあ、そんなクサクサした気分で帰宅するのも、喜十郎としては躊躇われた。
 それに“妹”たちを、無用に挑発する行為は、これまで以上に避けねばならない。約束をすっぽかすなど、もってのほかだ。
 まあ、シラフの時の詩穂は、妹たちの中でもかなりの癒し系である。
 ヘコんだ時に、女の子に癒されるというのも、決して悪い気分ではない。

 詩穂と喜十郎の片手には、それぞれジャンボサイズのクレープが握られていた。
 まあ、女の子が甘い物好きなのは当然だからいいとしても、喜十郎自身は自他共に許す辛党であるため、このパフェ並みにごてごてに膨らんだクレープは、彼にとっては結構きびしい。かといって――
『そんなに美味けりゃオレの分やるから、お前食え』
 などと、ムードぶち壊しの一言を、この喜色満面の“妹”に言えるほど、彼は残酷ではない。

 しかしこの、一見バカップルにしか見えないくっつき方で歩くのも、実際つらい。
 それが、いつクラスの悪友たちに出くわすかもしれない、この商店街では特にだ。
348淫獣の群れ(その6):2007/10/15(月) 04:01:07 ID:D8b/QqQN

「取り合えず詩穂、歩きにくいし、少し離れないか?」
「ええ〜〜〜〜っ、お兄ちゃまは、詩穂とくっつくのがいやなのぉ?」
「いや、そうじゃなくてさ、その、何だ――制服にクリームが付いちまったら、困るだろ?」
「却下」
「……少しは考えようよ」
「いいもぉん。クリームが付いたんなら、詩穂がキレイにしてあげるだけだもぉん」
 そう言うが早いか、詩穂は“兄”の腕をさらに引き寄せ、同時に自分も背伸びをする。
 そして――彼の頬に付着していた抹茶クリームを、れろり、と舐め取った。

「こんな風に、ね」
「……しほ……」
「えへへへへ……お兄ちゃまも、詩穂が汚れたらきれいにしてくれる?」
 真っ赤になりながら、上目遣いに尋ねるその“妹”の表情は、風呂場やベッドでは見せない、年齢相応の可愛げに満ち溢れていた。
「うん……まあ、考えとくよ……」
 その愛嬌のカタマリのような笑顔を前に、こんな気の利かない返事しか返せない自分が、喜十郎は非常にうらめしかった。



「お兄ちゃん――?」

 血が凍った。
 それまで汗ばみそうだった蒸し暑さが、一斉に冷えた。
 
「かなえ……?」


 次の瞬間には、胸元にタックルを受けていた。
 喜十郎の眼に焼きついたのは、背までなびいた黒髪と、左右に一本ずつの三つ編み。
 その人間サイズの柔らかい弾丸を反射的に抱きとめ、勢いで倒れそうになるのを踏ん張り、こらえ、持ちこたえる。
「お兄ちゃん! お兄ちゃん! お兄ちゃん! お兄ちゃん! お兄ちゃんっっ!!」
「――かなえ……どうしたんだ、お前……?」
「どうしたじゃないよっ! どうした……じゃ……ぅぅぅっ……!」
 そのまま身体を預けて泣き出してしまう可苗。おろおろしながら、そんな彼女と周囲を見回す喜十郎。そんな二人をぽかんと見つめる詩穂。
 商店街の通行人たちも、足こそ止めねども、その視線を思わず向けてしまう光景。

 やがて、喜十郎の目付きが変わった。
 その瞳から怯えと驚きは消え、覚悟と冷静さを取り戻した“兄”の相貌に戻った。
 その瞬間を、通行人を含む夥しい注視の中で、詩穂だけが気付いていた。
349淫獣の群れ(その6):2007/10/15(月) 04:03:59 ID:D8b/QqQN

「――詩穂」
「うっ、うん」
「悪いがデートはここまでだ」
「ええっ!?」
「こいつを家の方まで送っていかなきゃならねえ」
「でっ、でも、お兄ちゃま……」
「覚えてるだろ? オレの妹の可苗だ」
 喜十郎は、そっといとおしむように、泣きじゃくる可苗の頭を撫でる。
「帰ったら、深雪に伝えといてくれ。……今日は多分、メシはいらねえ」
「お兄ちゃま……」
 なおも、詩穂は喜十郎に何か言わんと食い下がるが――。

「ほら可苗! もう泣くなったら、恥かしい!」
 もはや“兄”の眼が詩穂に向けられる事は無かった。
「……だってぇ……だってぇ……お兄ちゃぁあん……」
 詩穂が気付いた時は――可苗が、さっきまでの詩穂以上の密着度と甘えた態度で“兄”にくっつき――二人の姿は、商店街の人ごみの向こうに消えていた。
 そして可苗は、最後まで詩穂に一瞥すら向けなかった。


「うおっっっ!?」
 素っ頓狂な声を出して、通行人の一人が転倒する。
 思わず振り返った詩穂が見たのは、その通行人に踏まれ、足を滑らせた原因であろう物体――可苗を抱きとめる瞬間に“兄”が反射的に手放した、大黒屋のジャンボクレープ……。


 詩穂は、その無残に踏み潰されたクレープに、胸の奥にズキリと、電流を流されたような痛みを感じた。
350淫獣の群れ(その6):2007/10/15(月) 04:05:55 ID:D8b/QqQN

 綾瀬可苗――綾瀬六人姉妹の従姉妹にして、綾瀬喜十郎の実妹。
 中学三年生、つまり本家でいえば、深雪と同い年(15歳)ということになる。

 この少女は、およそ人類が羨むべきほぼ全てに恵まれて、この世に生を受けた。
――美貌、頭脳、身体能力、性格、雰囲気、要領、手先の器用さ……。
 数え上げれば切りが無い。
 完璧超人とは、この少女を指すのであろう。可苗を普通に知るほぼ全ての人々が、この意見に異を唱えない。
 無論、六人姉妹だとて、個々のレベルは高い。
 男から見たとき、同世代の少女たちと比較しても、その魅力のハイレベルさは歴然だ。
 しかし、それでも総合評価では……やはり可苗に一歩譲らざるを得ないだろう。
 それほど可苗は、バランスの取れた、いわば反則的に“何でもアリ”の少女だった。

 その美貌は、彼女の通う女子校で『開校以来の美少女』と謳(うた)われ、
 その頭脳は、学年総合成績五番以下に落ちたことが無く、
 その身体能力は、体育祭・球技大会で花形となり、
 その性格は、あくまで大人しく、控え目で、自発的に目立つ事をよしとはせず、
 その雰囲気は、公卿の末裔に相応しく、所作の一つ一つに匂うような気品があり、
 その器用さは、ピアノの全国コンクールで入賞したほどであり、
 その要領よさは、それほどの完璧な自分でありながら、クラス内に一人の敵をも作る事は無い。
 
 無論、喜十郎としても、そんな可苗がキライというわけではない。
 むしろ、出来過ぎの妹として、何度も鼻高々な思いをした事もあるし、彼女自身よく気の回る、いい妹であった。そんな彼の実妹への評価は、基本的に今でも変わらない。

――ただ、恐いだけだ。
 
 何もかも完璧にこなす美貌の妹。
 だが、いつからだろう。日常生活に於いて、彼女からの目線を常に感じるようになったのは。
 ただの視線ではない。
 暗く、濃く、重く、深い、粘液質な視線。
 それを家にいる間中、喜十郎は常に感じるようになった。
 やがて下着やTシャツが無くなり、携帯のデータが覗かれ、弁当に異様な唾液臭を感じるようになった時、喜十郎は初めて気付いた。

 かつてクラスの女子が言っていた、自分の父親への愚痴。
『いや、だってぇ、あたしの事マジキモい目で見るんだよ、うちのオヤジィ。もう、死ねって言うか、死んでいいよって言うか、頼むから死んで下さいって言うかさぁ。とにかく実の娘に、あのキモいオヤジ目線はねえだろっていうかぁ……(繰り返し)』
351淫獣の群れ(その6):2007/10/15(月) 04:08:51 ID:D8b/QqQN

――あの、クラスの女子が言ってたのは、まさしくコレのことなんだ……。
 性欲混じりの、暗く重い、他者のまなざし。

 最初、彼は信じられなかった。
 あの可苗が……あの、何でも出来る可愛い妹の可苗が……!?
 いくら何でも、そんなまさか?
 だが、喜十郎が期せずして目撃した光景が、それまでの疑惑を全て裏付けてしまう。


「お兄ちゃん……お兄ちゃん……お兄ちゃん……お兄ちゃん……」
 そう念仏のように呟きながら、手にしたアイスピックで、飼い猫のヴァニラ(そう、我が家は団地住まいのクセに猫を飼っていた)を、穴だらけにして殺していた、あの光景。
 ヴァニラは泣き叫べないように口に猿ぐつわ代わりのハンカチをかまされ、素早く逃げられないように後ろ足をズタズタにされ、それでも不十分だと思ったのか、ヴァニラは首からTシャツを被せられ、ロクに動けなくされていた。
 そのシャツは――無くなったはずの喜十郎の白無地のTシャツだった。
 その目は血走り、その口元は歪んだ笑みが張り付き、その右手に握ったアイスピックには一分の躊躇いすらなく、その左手は――フリル付きスカートの中に潜り込んで、湿った音を響かせていた。
「お兄ちゃん……お兄ちゃん……お兄ちゃん……お兄ちゃん……お兄ちゃん……」
 そう、唱えながら。
 そして白無地のシャツが、ピックの刺し傷で紅に染まった頃、可苗はヴァニラの首をフローリングに押し付け、
「――あああっ、お兄ちゃぁぁんっっ!!」
 そう叫んで、へし折った。 
 その当時、彼は未だに童貞だったが、素人目に見ても、彼女がエクスタシーを迎えたのが分かった。


 そして、喜十郎は、自分が理解したと思っていた事が、全く違うという事実に気が付いた。
 ただの性欲ではなかったのだ。
 殺意すら混じった所有欲。
 キモウトなんて生やさしいもんじゃない。このままじゃ、いつか必ず殺される。
 それは確信だった。
 本能が告げる身の危険だった。
――この家を出よう。
 喜十郎が心に誓ったのは、このときだった。

 その彼が、その妹を伴い、家に帰る。
 もはや二度と帰ることは無い、そう思って後にした、かつての我が家に。
352時給650円:2007/10/15(月) 04:10:50 ID:D8b/QqQN
今回はここまでです。
353名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 04:13:29 ID:Qhkaa8yx
こんな時間になんというGJ
354名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 04:27:06 ID:j/6CQayH
残業のせいで非常にむしゃくしゃしていたが
ほぼリアルタイム投下に遭遇して疲れもふっとんだ。

作者さんGJ
355名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 07:06:37 ID:T8OX/gwE
最近の楽しみになりつつあるね。GJ!!
出来れば早いうちにまた頼みます!
356名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 13:53:28 ID:Jeib+y7B
兄がM!キモウトもM!
……そんな話は想像できないな。
357名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 14:08:06 ID:PEcAwpG7
なんていうかもう兄貴に幸せになってほしくてたまらない
そしてぬこカワイソス
358名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 16:36:17 ID:b/Or1HaX
ヴァニラ・アイス
359名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 16:37:54 ID:85S2QjRp
キモ兄・キモ弟
360名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 16:45:44 ID:LNzfENEI
前門のキモウト、後門もキモウト
361名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 16:51:06 ID:+mXPAnbE
猫を殺す理由がわからない
362名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 17:20:43 ID:ZLlLfPVG
ぬこを兄貴に見立てて殺しながらオナニー
363名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 19:34:29 ID:txVqjxfu
投下します。
364籠の鳥:2007/10/15(月) 19:36:29 ID:txVqjxfu
前日

 万歳をするような恰好で、慎は寝台に縛り付けられていた。
腕には手錠、脚には荒縄、口には猿轡といったふうに、慎はすっかり拘束されていた。
腕を動かそうとすると、鉄の鎖がじゃらじゃら音を立てた。ばたついて戒めを解こうとしても、きつく締められた縄が食い込んだ。ならばと顔を真っ赤にして叫んでみるが、くぐもった音がむなしく響いた。
拘束は完璧だった。体の抵抗は全てそれらによって阻まれた。
ぼやけた視界の中には見慣れた天井があり、頭の後ろには馴染んだ枕の感触があり、肺には綿を押し込まれたような窮屈さがあった。
完全に目が覚めると、彼は身動ぎすることを止めて、いくぶん落ち着いた頭で今の状況について考え始めた。
今日はいつものように学校へ行き、退屈な授業を受け、放課後には部活動に出て、疲れきった体を引き摺って家に帰った。
帰宅した自分を妹の真由が迎え、汗臭い体を風呂で洗い、真由の作った食事をいつものように兄妹二人だけで食べた。
けれど、そこから先が思いだせない。夕食の後の記憶がすっぱりと頭から抜け落ちていた。
食事の途中で眠ってしまったのだろうか、ハンバーグのかけらが口に残っていた。
挽肉と玉ねぎを飲み込んだとき、痛んだ蝶番がぎいぎい音を立てた。慎はただ一つ自由の利く首筋を精いっぱいのけぞらせて、いま正に開こうとする扉をにらみ付けた。
365籠の鳥:2007/10/15(月) 19:39:27 ID:txVqjxfu
「あはっ。おにいちゃん、やっと起きたんだね」
ふわふわとくせの付いた栗色の髪を手櫛で撫でつけながら、妹がそこに立っていた。
真由は風呂から上がったばかりのようで、寝台のそばへ歩み寄るにつれ、柑橘系のやわらかな香りが慎の鼻をくすぐった。
少女はくすくす笑いを漏らしてから、両手で枕元に寄りかかった。そしてにらめっこをするように兄の顔面を覗き込み、ささやくような声色で言った。
「ねえ、おにいちゃん。わたしのこと、好き?」
鈴を鳴らしたみたいな可愛らしい声は、慎にはまったく聞こえていなかった。彼は小人国で目覚めたガリヴァの心境で、自分を縛りつけた下手人は妹だという、誰でも簡単に考え付くだろう推測を信じられずに錯乱しきっていた。
むうむうと苦しそうに唸っている慎が落ち着くまで、真由は辛抱強くじっと黙りこくり、息切れを起こして静かになった兄の耳元に桜色の唇を寄せて、もう一度、はっきりと聞こえる声でささやいた。
「わたしのこと、好き?」
慎は再び暴れだした。今度は口だけではなく、体じゅうを用いて不埒な妹に抗議した。
悪ふざけにしても、縛り付けるなんてやりすぎだと、慎は出来るかぎりの力を目元に込めて、真由をにらみつけた。
ぎしぎしがちゃがちゃと全身で不愉快な音を鳴らしても、少女は顔を緩ませたまま、兄の瞳を覗き込んでいた。
「そっかぁ。おにいちゃんは、わたしのこときらいなんだね」
しばらくすると、妹はそう言って立ち上がった。そのまま寝台から離れてすたすたと出口まで歩いてゆき、扉の取っ手を掴んだ。
そうして兄に背を向けたままの姿勢で、
「じゃあ、おやすみなさい」と最後に呟き、真由は明かりを消して部屋を出た。
部屋には真由が出て行ったあとも唸り声が響いていたが、一時間も経つと静かになった。
泣き喚く幼子と同様に、慎は疲れて眠ってしまっていた。


366籠の鳥:2007/10/15(月) 19:42:33 ID:txVqjxfu
初日

 慎は窓から射す朝日で目を覚ました。寝台の上の自分は、昨日のままだった。
これが夢なら覚めてくれと、慎は頬を抓ろうとした。しかし硬く冷たい金属の輪っかがそれを阻んだ。彼は泣きたくなった。
「おはよう。おにいちゃん」
日差しが強くなってきたときに、真由が部屋に入ってきた。心底嬉しそうな顔が憎たらしくて、慎はじろりと妹をにらんだ。
それでも真由は微笑み顔を崩さずに、昨晩と同じ問いを兄に投げかけた。
「ねえ。わたしのこと、好きになった?」
慎は縛り付けられたまま、頭突きをするように首を跳ね上げて、妹に唸り声を浴びせた。きりきりと限界を訴える首と腹筋を無理矢理黙らせて、一所懸命叫び続けた。
苦しそうな赤ら顔を眺めて、少女はため息を吐いた。仕方が無いと言わんばかりで、その仕草の中には罪悪感の欠片も見当たらなかった。
真由は駄々っ子を諭す母親のように、優しい手つきで兄の髪を撫でた。そして枕元にある目覚まし時計を裏返して、慎からそれを見えなくした。
次に、眩しくなってきた日光から兄を守るためにカーテンを閉めた。シーツの皺を整えるなど簡単なベッドメイクも行った。
指を挟まれる危険を考えたのか、脚に巻かれた縄と、寝台の柱に嵌められた手錠には手をつけなかった。
「それじゃあ、わたし学校行ってくるからね。ちゃんと大人しくしててよ、おにいちゃん」
妹はそれだけ言い残して、縛られた慎をほったらかして部屋を出ていった。

 カーテンが締め切られた薄暗い部屋の中で、ちっく、たっく、ちっく、たっくと、秒針はけなげに時を刻み続けていた。
しかし、慎はもはや時間の感覚があやふやになっていた。音だけが聞こえて、時間はわからなかった。あの時計を正面に向けてくれるのなら、貯金全部はたいてやってもかまわないとさえ、慎は思っていた。
妹が出て行って何時間たったのだろうか。頭の中で音を数えて時間を計ってみるが、三百も続かないうちに、他の物事が割り込んで邪魔をしてしまう。
脚に食い込んだ縄が痛い、無理矢理固定された肩の筋肉が引きつり始めている、よだれでびちゃびちゃになった口枷のタオルが生臭い、真由はどうしてこんな仕打ちをするのだろうか。
とにかく体を動かして、思いきり新鮮な空気を吸い込みたかった。そのためなら、卑屈な飼い犬のように媚を売ってでも、枷を外してもらおうと慎は考えていた。
367籠の鳥:2007/10/15(月) 19:44:41 ID:txVqjxfu
 むせ返るような臭気が部屋に充満していた。真由は困ったような顔をして慎の股座をまさぐっていた。粗相をやらかしてしまった兄に、甲斐甲斐しく奉仕していた。
こうなることを事前に予期していたのだろう、無骨な大人用紙おむつを脇に置いて、しょうがないなあおにいちゃんはと、楽しげに独り言を漏らしながら、少女は兄の股間と、シーツにこびりついた茶色い塊をふき取っていた。
びっしょりと濡れた寝巻きと下穿きを脱がされて、慎は下半身をむき出しにしたまま目を瞑って顔を背けた。
漏らしてしまった水分が冷たくなり始めたとき、慎は半ばやけになっていた。
ぜんぶ妹がいけないのだ、俺がどうしたとしてもすべてあいつの責任で、俺の名誉には傷一つつかないのだと自分を納得させて、どうせなら盛大にやらかしてやろうということで、今度は産気づいた固体のほうを排泄するべく力んだという次第だった。
開き直った慎はこうして羞恥心に耐えるようなそぶりを見せたまま、反撃の機会を窺っていた。
汚物の処理をするには、脚の縄を解く必要がある。妹の気が緩んだ隙を狙って、思いっきり蹴飛ばしてやろう。慎はそう企んでいた。
やたら一物を撫でる真由の手つきに鳥肌が立ったけれど、呻き声を漏らさないよう、歯を食いしばって耐えた。
368籠の鳥:2007/10/15(月) 19:49:01 ID:txVqjxfu
「はい、これでおしまい。次はお漏らしなんかしちゃ駄目だよ」
ぽんぽんと、紙おむつで膨らんだ股間を軽く叩いて、真由は終了を宣言した。
慎はすかさず真由の顔面に蹴りを見舞った。躊躇しようなんてこれっぽっちも思わなかった。
蹴飛ばされた妹は、あうと小さくうめき声を漏らして床に倒れ込んだ。脚に感じる衝撃は予想したほど重くなかった。
妹は小さな体を丸めて、鼻から血を流していた。痛いよ、痛いよとしゃくり上げながら、蹴られた鼻を押さえていた。
ぐすぐすとすすり泣く妹の姿に慎が罪悪感を覚え始めたとき、真由は目元に涙を溜めたままふらふらと立ち上がった。様子が少しおかしかった。
「ひどいよ。おにいちゃん。蹴るなんて、ひどすぎるよ」
ゆらゆら左右に揺れながら近づいてくる妹の姿に、慎は得体の知れない恐怖を覚えた。体じゅうに戦慄が走り、爪のなかまで寒気がして、ぶんぶんと振り回していた脚はぴくりとも動かなくなった。
少女の目元は前髪で隠れていた。鼻から口元にかけては、拭ったせいで滲んだ血液が赤い化粧を施していた。唇はせわしなく小さな動きをくりかえして、おにいちゃんおにいちゃんと機械的に言葉を漏らし続けていた。
時折、栗色の髪の隙間から覗く目元が蛍光灯の光に照らされ、大きな、ぎょろついた、充血しきった目玉が鈍く輝いた。
痛々しい妹の姿をとても見ていられなくなって、慎はぎゅっと目を瞑った。後ろめたいからではなく、恐ろしいからだった。
真っ暗な世界のなかで、妹の言葉だけが、壊れた玩具のように響いていた。
音はだんだんと大きくなり、ついに鳥肌が妹の体温を感じ取ったとき、突如鋭い痛みが襲ってきて慎は目を見開いた。
ぱちぱちぱち、という爪きりを続けて鳴らしたような音が聞こえたのに数瞬遅れて、全身に針を突き刺される痛みが這い上がってきた。
「おにいちゃんがいけないんだからね」
意識を手放す直前、慎の目にスタンガンを構えた真由の姿が映った。少女は涙をぼろぼろと流していた。
翌朝、目覚めた慎の脚は再び縄できつく縛られていた。シーツは清潔なものに取り替えられ、寝巻きは新しいものに変えられていた。しかし、妹はいつになっても現れなかった。
その日も慎は寝台に縛り付けられたまま、薄暗い部屋に監禁されていた。

369名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 19:51:25 ID:txVqjxfu
以上です。一応続きます。
370名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 20:30:37 ID:D8b/QqQN
このペースで、あと30日くらい続いて欲しかったりする。
371名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 20:48:01 ID:FEttGcAJ
実際監禁されるってどんな感じか試してみようぜ

〜ルール〜
・自分の部屋から出てはいけない
・可能なら手足を拘束する
・パソコン・携帯は禁止
・食事等の世話は姉もしくは妹に頼む
・実験は外部に極秘とする
・実験の期間は妹もしくは姉に委ねる
372名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 20:54:17 ID:0fCQTGJq
そうゆうのはどうせまた、いつものキモ兄達がワンパターンを繰り返すだけだぞ
それより、そろそろ保管庫をどうにかしないとな…
373名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 20:57:02 ID:jtgrkemr
そろそろ姉が欲しいぜ・・・
374時給650円:2007/10/15(月) 22:26:11 ID:D8b/QqQN
>>351
続きを投下します。
375淫獣の群れ(その7):2007/10/15(月) 22:27:48 ID:D8b/QqQN

「ねえ、あの……母君さま、どうしてこんなに突然帰ってらしたんですか?」

 一瞥して不機嫌と分かる母……道子に、おそるおそる春菜が尋ねる。
「――ふう、まったく……!」

 普段は、“兄”と“妹”七人で仲良く食卓を囲む六畳の居間に、座布団を枕代わりに、だらしなくテレビを観ている一人の女性。――外貌を一瞥しただけでは、とても六人もの娘を産んだ四十過ぎの中年女性に見えない。それほど彼女は若々しかった。
 その母が、溜め息と共にジロリと鋭い目を向けると、正座をした薙刀部副主将の春菜がびくりと怯んだ。

「春菜ちゃん、あなたで三人目よ。その質問を母さんにしてきたのは」
「え、あの、そうなのですか……?」
「なんなの一体? 母さんが帰ってきたのがそんなに嫌なの、あなたたちは?」
「でっ、でもっ、やっぱり気になるじゃないですか。――博多で、何かあったのかなって」
「その件に関しては、夕食時に家族全員揃ってから言います! あんまり思い出させないで、不愉快なんだからっ」
「は、はい……」
 久しぶりに会ったはずの娘に、ひとしきり怒りをぶつけた後、道子は、ぐびりと卓上の麦茶を飲み、再び寝そべった。
――いや、違う。
「母君さま、これ、まさかお酒ですか……?」
「そうよ。春菜ちゃんも飲む?」
「何を言われるんですっ! まだ、日も沈んでない時刻なのに!」
 春菜は、そう言うが早いか、テーブルからグラスを取ろうとする。
 しかし、母は春菜より早くグラスを取り、舞うような動きでひょいひょいと娘の手を躱すと、一気にグラスを空けてしまった。
「ああああっ、母君さまっ!」
「あんたに日舞を教えたのは母さんなのよ。まだまだ見くびっちゃダメよ」
「でもそんな、はしたない……」
「大丈夫よぉ、この程度の量じゃ、まだ酔わないわ」
 そう言ってけらけら笑う母親に、春菜は複雑な表情を見せる。

(一体、母君さまに何があったのかしら……?)
 いくら何でも、娘の眼前で昼間から酒を飲んで、それを恥じないような母ではなかった。
 長姉・桜の独特の気位の高さは、この母親譲りなのだと知人全てが納得する――少なくとも自分の知る母は、そういう女性だったはずだ。
 春菜は、博多で何があったのかを聞くことに、とてつもなく嫌な予感を覚えていた。
376淫獣の群れ(その7):2007/10/15(月) 22:29:17 ID:D8b/QqQN

「そんな事より、あの子はどう?」
 けらけら笑いから、にやにや笑いへと表情を変化させ、道子は傍らのスルメをかじる。
「あの子?」
「とぼけないで。あなた達の新しい“お兄ちゃん”よ」

「あ、あにぎみ、さま……?」
「そう、その兄君さまよ。仲良くやってる?」
「え、――ええ。それはもう、力の限り」
「ふ〜〜ん。“力の限り”ねえ?」
 マンガの中の酔っ払いのように、道子はスルメを咥えたまま、春菜の隣ににじり寄ってくる。

「深雪も真理も桜も、母さんが不機嫌そうな顔をすると、途端に質問攻めの口を閉ざしたけれど、……“お兄ちゃん”の事を訊いた瞬間に揃って、同じ反応をしたわ……」
「同じ、反応、でございますか……?」
「そう、目を白黒させて、耳まで赤くしてそっぽ向いて、……深雪なんか汗までかいてたし」
「はぁ……」
「いまの春菜と全然おんなじ」
「――っ!」
「好きなの?」

 その瞬間、春菜は何も言えなかった。何も言えないという事が、どれほど母に、雄弁に解答を語る事になるか理解していてなお、それでも春菜は何も言えなかった。
「くすくすくす……ほんと、姉妹ねえアンタたち」
 母は、何もかも分かったような表情でスルメを噛み千切ると、
「そうやって、何も言えなくなっちゃうとこまで、全部一緒だなんてね」
「……あまり、いじめないでくださいまし……」
 首まで紅潮させて俯く春菜を、意地悪な母は心底楽しそうにからかい続ける。
「そうねえ、この詳細は、喜十郎君本人から聞いた方が面白そうだもんねえ」
「はっ、母君さまっ、それは――!」

「ただいま……」
 その時だった。姉妹の四女・詩穂が帰って来たのは。
 これ以上、この話題を続けたくなかった春菜は、思わずホッとして、玄関先まで迎えに出る。
「おかえりなさい詩穂ちゃん。冷蔵庫にプリンがあるわよ」

「――いらない」

377淫獣の群れ(その7):2007/10/15(月) 22:30:56 ID:D8b/QqQN

「何か、久しぶりだな」

 相変わらず、妙な振動がするエレベーターで六階まで昇る。
 箱の中に漂う薄いカレー臭も、あの頃のままだ。
――可苗は、さっきまでの詩穂以上に喜十郎にべったりくっつき、下手をすればカップルというより、容疑者を連行する婦人警官のような体勢にすら見える。
 当然、可苗にしても喜十郎にしても、そんな警官と容疑者のような暗い顔はしていない。
 むしろ逆だ。
 可苗は、ここ数日の陰鬱感がウソのようなあどけなさで兄を見上げ、喜十郎も、そんな妹を笑顔で見下ろしている。
……しかし、彼女には分かっていた。
(お兄ちゃんの身体、すっごく緊張してる。全然リラックスしてない……!)

「とうちゃ〜〜く」
「何か妙な感じだな。自分の家が懐かしいなんて」
「んふふふ……なんならもう一回帰っといでよ、お兄ちゃん。可苗は大歓迎しますよ?」
「そうだな。もし、あの家追い出されたら、また厄介になるか」

 もしもの話ではない。
 最悪そういう事態が、普通に起こりかねない現状に、喜十郎は非常に困惑していた。
(桜のばかたれが……)
 いや、もう、本家のことなど考えている余裕は無い。
 そんな事は、無事あの家に帰りつけてから考えればいい話に過ぎない。
 しかし、今もってなお、喜十郎の心中にあるのが、この妹に対する恐怖感のみであるかというと、そんな事は無い。
 その点、まだ喜十郎は少しは楽観的であった。

 いくら何でも今日イキナリ可苗が凶刃を繰り出すとは、さすがに思っていない。
 それに、夕方も六時を過ぎれば母が仕事から帰ってくる。そうなれば、狭い公団住宅の中で、妹が騒ぎを起こす事は不可能だ。この団地の壁の薄さは喜十郎もよく知っていた。
 何より、未だに喜十郎は、この妹に対する兄妹愛を持ち続けていた。
 確かに飼い猫ヴァニラの殺害シーンを目撃した時は、それなりに衝撃を受けたし、身の危険を覚えもした。だがそれでも、――それだけで、永年生活を共にした“綾瀬可苗”という一人の人間に、憎悪や嫌悪感を抱けるかと問われれば、それはまた別の話だった。
378淫獣の群れ(その7):2007/10/15(月) 22:33:41 ID:D8b/QqQN

 鍵を開けて、団地独特の重い鉄のドアを開ける。
 そのまま懐かしの自室に入る。
 可苗と二人で使っていた、六畳間。
「やっと一人部屋が出来て、お前も嬉しいだろう?」
 そう言って、キャスターつきのイスに座り、かつて勉強に使った学習机に向かってみる。

 ちなみに、この机は本家の一戸建てには持って行けなかった。
 一軒家とはいえ、娘が六人もいる本家では、喜十郎に個室を与えるほどの空間的余裕は持ち合わせていなかったからだ。
 わざわざ養子として呼んでおきながら、部屋一つもらえない待遇に、
(バカにしてやがる)
 と思わぬでも無かったが、無論そんな事はおくびにも出さない。
 何しろ部屋割り的には、娘六人が四畳半二部屋に押し込められているような実態だ。個室を寄越せなどと、そんな図々しい事を、とても言えるわけは無い。
 だから彼は、必要最低限の荷物しか、本家に持って行かなかった。
 そのため、机のみならず、本棚やCDボックス、コンポ、パソコンなど、自費で買った家具のほとんどを妹にくれてやり(もっとも彼が、所有権を手放す前からパソコンやコンポなどは共有扱いではあった)、冬物衣服なども大半が置きっ放しであった。

「嬉しいくないって言えば、嘘になるけど……お兄ちゃんがいなくて、可苗やっぱり寂しいです」
 そう言いながら、可苗はキッチンから二人分の紅茶とクッキーを運んできた。
 トレイからそれらを兄の机に下ろし、自分の学習机からキャスター椅子を持ち出し、兄の隣に座った。

「お兄ちゃんは、可苗がいなくて寂しくないんですか?」

 この瞬間、喜十郎は正直、やられた――と思った。
「寂しいよ。決まってるだろ?」
 そう問われれば、こう答えるしかない。綾瀬喜十郎という人間は、そんな質問を、適当に茶を濁して返答できるほど器用ではない。何より、茶を濁した返事で、可苗の機嫌を損なう事こそ最も避けねばならない。
 しかし、こう答えれば、可苗がその言葉にどう反応するかも、喜十郎には分かっている。
「じゃあ、もっともっと遊びに来て下さいっ、お兄ちゃんっ!!」
「……ああ、そうだな」
「それなら今週のいつなら空いてますか? 可苗、何曜日でもいいですよっ!」
 やっぱり、予想通りになった。こういう具体的な問い方をされてしまうと、
『また今度』とか、
『次に空いてる日』とかいった、ぼやかした言い方が出来なくなってしまう。
 そして結果は明白だ。
「じゃあ、今度の……火曜でどうだ?」
 この約束が成立すれば、取り合えず火曜日までは生き延びれる。少なくとも今日は無事に帰してもらえる。そう考えれば少しは救いになる。
「はいっ、じゃあ月曜の夜にまたメールしますねっ!」
「ああ……うん」
 これで忘れたフリをしてすっぽかす事も、出来なくなった。
379淫獣の群れ(その7):2007/10/15(月) 22:35:09 ID:D8b/QqQN

「可苗、スッゴク楽しみにして待ってますからねっ」
「いや、待て。どうせなら」
――外で会おう。今度オープンした水族館に一緒に行こう。
 と、喜十郎は約束した。
 親すらいない密室の団地の中で逢うよりは、まだ野外の方が安全であろう。そう思った彼の、せめてもの抵抗だった。しかし可苗は、喜十郎の本心を知ってか知らずか、あっさり、その提案をはねつける。
「だって、友達の噂じゃあ、あそこ、あんまり面白くないらしいんですもの」
――だから可苗、クッキーとお紅茶淹れて待ってます。……ううん、やっぱりそれよりも、
 どうせなら自分が、迎えに行く。その方が少しでも長く喜十郎といられるから、という内容の台詞を、可苗は嬉々として喋った。――底意の全く見えない、天使のような笑顔のままで。

(冗談じゃない)
 そんなマネをされたら、本家の姉妹たちに何をされるか分からない。
 何しろ彼女たちは、姉妹間においてこそ争いもせず彼を共有財産扱いにしているが、それ以外のいわば共通の敵に関しては、絶対に退かず、容赦もない。
……あるいは可苗ならば、あの六人を向こうに回して戦えるかも知れない。
 だが、どちらが勝つにしろ、喜十郎がタダで済むはずはない。下手をすれば、七人が一致団結して、彼を“飼い”にかかる可能性すらある。――そうなれば、もう確実に助からない。

「いや、いいよ。お前の学校からだと遠回りになるだけだし、それだったら家で待っててくれた方がいい。そっちの方が――」
 家に帰ったとき、『ただいま』って言えるだろ? と、喜十郎は媚びるような目線で言う。
「わあああっ、いい! お兄ちゃん、それってすっごく素敵ですっ!!」
 可苗の無邪気な喜びっぷりを見て、内心あれだけ彼女を警戒していた喜十郎も、妙に嬉しくなった。
(と言うより、こんなに素直で可愛い妹の一体何を、オレはビビってたんだろう?)
 思わず、そう感じてしまったのだ。
 永年、彼女と過ごした“兄”としての、無意識に身内を庇う習性が出てしまった、というべきか。
――ヴァニラの件は、あれはやっぱり何かの間違いじゃないのか? 少なくとも、やっぱり可苗が意味もなく、あんな気違いじみたマネをするわけがない……。
 とにかく、喜十郎はそのまま眼前の紅茶を手に取った。

 その瞬間、可苗の瞳が目ざとく光ったのを、喜十郎は気付かない。

380淫獣の群れ(その7):2007/10/15(月) 22:36:46 ID:D8b/QqQN

「どうしたの詩穂ちゃん。何かあったの?」

 詩穂は、登校時のはしゃぎっぷりからすれば、まるで別人のような意気消沈ぷりだった。
 どんなに部活でドジをしても、おやつがある、と聞かされれば、たちまちの内に元気を取り戻すのが、詩穂という少女のはずなのだ。
「そういえば詩穂ちゃん、今日はやけに帰りが早いけど、チアリーダー部は?」
「……」
 詩穂はうつむき加減のまま、無言で春菜の隣を通り過ぎる。
「――詩穂ちゃん……?」

「今日は詩穂の部活はお休みよ」
 その声を聞いた途端、びくんと詩穂が動きを止める。
 そう言いながら階段を下りてきたのは、桜だった。
「私が竜崎に連絡したの。今日の詩穂は二日目で調子が悪いから欠席させてあげてって」
 竜崎とは、中等部チアリーダー部のキャプテンであるが、演劇部部長である桜の大ファンであり、チア部員である詩穂を通じて、姉を紹介させたという経緯があった。――そのため、桜の名を持ち出されると、竜崎は詩穂に何も言えなくなってしまうのだ。
「どういうことですの、桜ちゃん?」
 いまいち事態が把握できない春菜に、今度は階段から、また違う声が聞こえてきた。

「――つまり今日、詩穂ちゃんは、桜ちゃんの協力の下、部活をサボって今までどこかに行っていたわけですね? 今朝の朝食時のはしゃぎっぷりからして、おそらく兄上様がらみではないかと思われますが。いかがですか……?」
 声とともに、真理がホームズよろしく顎に手を当てて階段を下りてくる。
「まっ、真理ちゃん?」
「すごい真理、大正解よ。――さすがに文型科目学年一位だけのことはあるわね」
 ぱちぱちぱちと拍手をする桜。しかし、詩穂の顔色はさらに暗くなるばかりだ。
「そう言えば詩穂ちゃん、兄君さまは? 真理ちゃんの推理通りなら、一緒に帰ってきてもよさそうなものだけど……」

 この一言が引き金になった。
 ぱんぱんに膨らんだ水風船は、針の一刺しでたやすく破裂する。
「ふえええええんっっっ!!!」

「どっ、どうしたのっ、詩穂っ!?」
「しっ、詩穂ちゃんっ!?」
「あのっ、詩穂ちゃんっ、私、何かまずいこと言いましたっ!?」
 三人の姉はおろおろして、詩穂の周囲をくるくる回るが、悲しいかな、何の慰めにもなっていない。
「――お兄ちゃまが、お兄ちゃまが……」
「お兄様が!? お兄様がどうかしたのっ!?」
「もしや兄君さまの御身に何か危険が!?」
「桜ちゃんっ、春菜ちゃんっ、いけませんわ、落ち着いてくださいっ!」

「詩穂っ、お兄ちゃまに、見捨てられちゃったよぉぉぉっ!!」
381淫獣の群れ(その7):2007/10/15(月) 22:38:43 ID:D8b/QqQN

 夕日の逆光で真っ赤に染まった一室で、少女が西日に劣らぬ真っ赤な携帯で、話をしていた。
「――ええ、そうですママ、いま言った通りです。――はい、パパには私から連絡しておきます」

「――ですから今日は、帰ってこないで下さい」

「――だから、だから言ってるでしょっ! これ以上、可苗とお兄ちゃんの邪魔をしないでっ!!」

「――ヴァニラみたいになりたくないでしょ? ……ねえママ?」

「はい。――ありがとう。……ごめんねママ……こんな娘で……」

 いま、可苗の眼前に、愛しくてたまらない一人の男が座っている。
 眠っているわけではない。かといって起きているわけでも無さそうだ。

 さっき飲ませた紅茶に、――いや、それだけではない。クッキーの一個一個にも、薬は盛っておいた。
 ただの睡眠導入剤ではない。
 心を静め、筋肉の緊張をほぐし、意識を保ったまま、それでいて記憶には残させない。
――いわゆる『催眠術』というべきものを、非常にかかりやすくするための薬剤。いわば、催眠誘導剤とでもよぶべき薬。
 もちろん、そこいらの薬局で売っているブツではない。
 もちろん、誰もが簡単に買える値段ではない。
(でも、その価値はありました。……お兄ちゃんが、ここにいてくれる……)

「――さあ、お兄ちゃん。ここはお風呂です。早く、その着ているものを全て脱いでしまいましょう」


 うつろな表情で、フラフラと立ち上がる兄を見て、早くも実の妹は、軽い絶頂を迎えていた。
382時給650円:2007/10/15(月) 22:40:16 ID:D8b/QqQN
今回はここまでです。
383名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 22:40:46 ID:JMiE64a7
384名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 22:41:46 ID:9XSK6cnq
>>382
実妹って怖いものと思い知りました。GJ!
385名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 23:07:27 ID:9XSK6cnq
続けて失礼。
>>373が姉分が欲しいって言うから書いてみた。
386僕(たち)の愛しいお姉ちゃん:2007/10/15(月) 23:09:10 ID:9XSK6cnq
朝、起こしてくれる幼なじみとは、男にとってファンタジーだ。
物語中の彼女たちは、優しい声で、綺麗な容姿をしていて、何の理由もなく自分と親しく、尽くしてくれる存在である。
が、同時に我々は本能的に知っている。そんな都合のいい女がいるはずがない、と。
現実には、寝坊したところで家族の誰かに叩き起こされるのがオチだ。
それを思えば、憎たらしい仇敵である目覚ましにも愛着がわくというもの。
間違って母親に起こされるくらいなら、這いつくばってでも自分で起きたほうがマシである。
もしくは起きる努力を放棄するとか。

 今ここに、目覚ましとの戦いに勝ち、惰眠という代価を手に入れた少年がいる。名を上野雅樹という。
時間は7時50分。
彼の住む、この閑静な高級住宅街から彼の通う高校までは15分ほどなので、そろそろ起きる限界なのだが。
「Zzz〜〜〜」
日光が部屋に入り込み、外から子供の声が聞こえはじめても一向に起きる気配がない。
387僕(たち)の愛しいお姉ちゃん:2007/10/15(月) 23:10:32 ID:9XSK6cnq
コンコン。ノックの音がする。
「マサ、入るよ」
そう言って入ってきた制服姿の少女は、雅樹の姉であり、名前は澄子という。
背中まである艶やかな長髪、きっちり着込んだブレザー。
古めかしい名がよく似合う、たおやかな容姿をしているのだが…。
げしっ。
「起きなさい、このゴクツブシ」
…彼女はサディストだった。躊躇なく弟の腹を踏み付ける。
「いつまでも寝てるから毎日忙しくなるんでしょ、根性なしめ」
彼女は口も悪かった。普段は猫を被っているが、本性を見た人間は例外なくヒいてしまうと言う。
…真性のマゾヒスト以外は。
雅樹の2つ年上の澄子は、両親が家を空けている上野家において、小さいころからよく弟の面倒をみていた。
が、同時にフラストレーションの発散も弟を通じて行われ、時に理不尽な怒りをぶつけたこともある。
今では家の中での刺々しい態度は落ち着いたが、その名残としてサド分は残っている。
388僕(たち)の愛しいお姉ちゃん:2007/10/15(月) 23:13:47 ID:9XSK6cnq
罵倒しながら足で揺さ振っていると、雅樹に反応があった。
雅樹は薄い掛け布団をめくり、上半身をゆっくり起こす。
「朝〜?スミ姉」
「………!!」
いつもなら、起きた途端に愚図だのオナニーのしすぎだのとまくし立てる姉が黙ったままでいることに、雅樹は困惑した。
─罵られないと、朝って気分になれないんだけどナ…。
彼は真性のマゾヒストなのだった。足で起こされるのを気持ちいいと思っているあたり。

そう思っていると、澄子が左手で目を覆いながら、雅樹の下半身を指差した。
「…それ」
─何だよ、サンライズなら毎日見て…って!?
「…?、あ、ああ〜〜〜〜っ!」

ポロリしてました。

スウェットのズボンから見事に彼自身があまさず露出していた。
昨夜、新天地を開発すべくブリッジオナニーに挑戦して力尽きた結果である。
結局、新技『レインボーブリッジ噴水』はモノに出来なかったが。
389僕(たち)の愛しいお姉ちゃん:2007/10/15(月) 23:16:10 ID:9XSK6cnq
澄子はうつむいてしまい、雅樹からは姉の顔色が見えない。
が、場の雰囲気が読めない彼の彼自身は、硬度を失う気配がなかった。
「あ、あの、スミ姉…」
「…」
「その…」
「……」
「い、いかんスミ姉!妊娠するッ!」
何をとち狂ったか、姉に抱き着き、彼自身を押し付けながら盲言を吐き始める寝起きバカ一代。
「…は?」
「ヘビの脱皮!ヘビの脱皮!」
「〜〜〜ッッ」
繰り返すが、彼はマゾヒストである。気まずさを紛らわせる手段が他に思い浮かばなかったのだ。
─さあ、はやく俺を罵ってくれ。それでチャラにしよう。
ペニスを姉に擦り付けながら、そういう計算が彼にはあった。

だが。

「…いいの?」
「へ?」
童のような姉の声に、雅樹は間の抜けた声を漏らす。

澄子が顔を上げた。恐いほどの真顔。
「…あの、そろそろ出てってくれないか?ホントに赤ちゃん出来ちゃうよ?」
「うん」
澄子は雅樹の背にそっと両腕を添えた。弟の逃げ場所を奪うように。絡めとるように。
「…ありゃ?」
「逆にさ、私が部屋を出ていかなければ、マサと子作りするってことだよね?」
「へ?」
390僕(たち)の愛しいお姉ちゃん:2007/10/15(月) 23:19:33 ID:9XSK6cnq
ここに来て、雅樹も違和感の原因に気付いた。姉の笑顔だ。
猫を被っているときの微笑とも、弟をいたぶっているときの嘲笑とも違う笑顔。

目が、濁っているのだ。

ニタァ、と口元が三日月を描いた。
「え、待ってあの「私はッ!」」
「私は待ってたんだよ、マサ」
「なっ…」
雅樹は凍りついた。冗談で抱き着いていた腕から力が抜ける。が、澄子との距離が離れることはない。
澄子は左手で弟の頬を撫で、右手で彼の露出している、硬度を失いつつあるペニスを優しくさすった。
「ごめんね、今まで痛いことしたり酷いこと言ったりして」
「…」
「一人前にしてやるとか、バカみたい。マサを繋ぎ止めたくてそんなことして」
「……」
391僕(たち)の愛しいお姉ちゃん:2007/10/15(月) 23:20:50 ID:9XSK6cnq
「でも、もういいよね、いくじなしのマサがようやく手を出してくれた…とっくに一人前だったんだね。
 これからは何でもマサの言うとおりにしてあげる。まず最初は子作りだよね、いいよ、今すぐ作ろ?
 二人で混じりっけのない、濃ゆ〜い血の子供を作ろ?お姉ちゃん子供三人くらい欲しいなぁ。
 マサが好きだったら、ボテ腹セックスもいいかなぁ。お腹の子がアレだけど…いいよね、マサのためだもん。
 あぁもうお姉ちゃん濡れてきちゃった。早くシよ?ね、二人でどろどろに溶け合ってひとつになろ?
 あ、でもその前にちゃんとマサの口から聞きたいな。聞かせてくれるよね?あ、い、の、こ、く、は、く」

雅樹の知る姉はそこにはいなかった。話し方も、一人称も、人格さえ別人のように思えた。
ベッドに押し倒され、唇を奪われる。
そして、視界いっぱいに広がるブレザーの胸元を見ながら、雅樹は思った。

─幼なじみじゃなくても、家族に起こされるのも悪くないな…。

『クス…』
392名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 23:25:13 ID:9XSK6cnq
投下終了。

初めて書いたんで出来はご容赦を。

タイトルは悪ノリで付けました。多分もう書かないんで勘弁してやってください。
393名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 23:39:48 ID:TOPAFx+b
GJ

しかし何故この内容で僕「たち」なのでしょうか?
394名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 23:55:38 ID:9XSK6cnq
>>393
他スレからタイトルをパクったのと、姉分を求める住人が他にもいるかなと思ったからです。

が、普通に要りませんでしたね…。保管庫に掲載される機会があれば、『僕の愛しいお姉ちゃん』に改題よろしくお願いします。
395名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 00:00:18 ID:aKfMi13K
つまりキモ姉は人類の共有財産というわけか。
その心意気や良し!


もちろん弟君はキモ姉ひとりの所有物なわけだが。
396名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 00:27:24 ID:Bsi2wH/y
>>382GJ!
397名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 00:51:31 ID:i+ULj8Gp
>>369>>382>>392
GJ!!!!一夜に三作も・・・素晴らしすぎる・・・悶絶しました。
398名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 00:56:29 ID:gONiRnhW
>>392
GJ
しかし蛇の脱皮って懐かしすぎるwwwwwwwwww
399名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 01:59:05 ID:9Cx1ESRT
もう書かないとは、残念だ
400373:2007/10/16(火) 08:54:58 ID:OUin+4mM
>>392

良くぞ・・・良くぞ書き込んでくれ申した・・・!!!!

401名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 10:10:16 ID:96bX5VYc
綾シリーズってもう終わったのか?
途中までしか読んでないんだが……
402名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 10:25:35 ID:/hnDSSkM
いや、終わってないよ。
続きがどうなるのかすごく気になるところで終わってる

綾に限らず、そういう作品多いよな
403名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 16:36:51 ID:pbocDobZ
>>402
終わってるのか終わってないのかどっちだよw

まだ連載中ですので次の綾をお待ちください
404名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 22:47:43 ID:rlb+GZVi
この間の過疎が嘘のようだ!
405時給650円:2007/10/17(水) 13:35:15 ID:hcXIdfW8
>>381の続きを投下します。
406淫獣の群れ(その8):2007/10/17(水) 13:37:40 ID:hcXIdfW8

「可苗ちゃんに、お兄様とのデートを邪魔されたぁ!?」
「……うん」

 泣きじゃくる詩穂を、なだめすかせ、落ち着かせ、ようやく事情を聞いたときは、もう詩穂の帰宅から三十分近くが経過していた。
 それも、二階の自室にいた深雪や比奈、さらには居間で酔っ払っていた姉妹の母親の道子までが、必死になって彼女を慰めたからこそ、三十分で済んだと言えなくもない。
――が、ようやく泣き止んだ詩穂が口にした、あまりに予想外なコトの顛末に、そこにいた全員が、やや呆気にとられていた。
「あの……可苗ちゃんって、確か兄上様の妹の――」
「確か深雪ちゃんと同い年、でしったけ?」
「ええ、確かそうですの」

「――そんな余計な事はいいのよっ!」

 ひそひそ声で可苗の情報を確認しあっていた真理と春菜・深雪を、桜が一喝する。
「可苗の歳がいくつかなんて、この際どうだっていいのよ……! 問題は、そんな事じゃないのよ……!」
 目を血走らせ、今にも正拳突きで壁をブチ破りそうな殺気を放っている桜。
 そんな長姉のあきらかな憤怒に、誰も言葉を発することすら出来ない。だが、当事者である詩穂を含めた妹たち全員が、ブチ切れモードの桜に違和感を覚えていた。
407淫獣の群れ(その8):2007/10/17(水) 13:41:27 ID:hcXIdfW8

「何をそんなに怒ってるの、桜?」

 その意見をイキナリ代弁したのは、この場に於ける、彼女の妹たちではない唯一の存在。
――すなわち、彼女たちの母・道子だった。
 桜にしては迂闊だったというべきだろう。感情に任せて、この場に母がいた事をすっかり忘れてしまっていたのだ。
「べっ、べつに私は、怒ってなんか……」
「それで誤魔化してるつもりなの?」
 呆れたように母は言う。
「喜十郎君からすれば、可苗ちゃんは妹よ。それも、あなたたちみたいな、お義理の妹じゃない。本物の――実の妹さんなのよ。その子がいきなり抱きついてきて、泣きじゃくったっていうなら、おうちに送ってあげるくらい、当然じゃないの」

(“お義理の妹”!?)
 その表現には、この場に居合わせた“妹”たち全員がカチンときたが、それでも母の言いたいことは、至極まっとうだと思わざるを得ない。
 詩穂には可哀想だが、綾瀬喜十郎という“兄”は、泣きじゃくる実の妹をほったらかしてデートを続けるような男ではない。逆に、そういう他人に対する優しさや思いやりなら、人一倍持ち合わせているはずだ。
――だから、今回の彼のその行動自体は、“妹”たちが持つ“兄としての喜十郎”のイメージに何ら矛盾するものではない。それは、詩穂とて(冷静になってみれば)納得できる。
 そんな喜十郎の人品骨柄に、一番惹かれていたのが、他でもない桜だったはずなのだ。

「なのにどうして、あなたはそんなに怒り狂っているの? 母さん全然納得いかないんだけど」
「――だから、私は怒ってなんか……」
「答えられない理由があるの?」

 桜としても、その当然すぎる疑問に答えたい。 
 もし、この場に居合わせたのが“妹”たちだけだったら、桜はアッサリ泥を吐いたろう。
 喜十郎が、昼休みに見せた、あの狼狽。
 この家から追い出される事を異常なほど恐れていた、彼の態度。
 それを逆手に取り、無理やり約束させた『協力』。
 そんな約束をしてまで、実家に帰ることを拒んだ“兄”が、……実の妹のためとはいえ、そんなやすやすと、実家に帰宅するだろうか?
 その疑問が、凄まじいばかりの嫌な予感を呼び起こす。
――もしかしたら、お兄様はもう、帰って来ないかも知れない。
 そういう思いが、桜をイラつかせる。
408淫獣の群れ(その8):2007/10/17(水) 13:46:33 ID:hcXIdfW8

 だが、母親のいるこの場でだけは、何ら口を開くことは出来ない。
 もし彼女が、いま自分自身が抱いている疑問を口に出すためには、必ず触れざるを得ない話柄があるからだ。
 つまり、喜十郎と“妹”たち全員の、ただれた肉体関係。
 そして、それを母親に知られるという事は……。

「お母様。何を勘違いしているのか知らないけど、私はただ、詩穂を独りで置いてけぼりにした、お兄様の態度が気に食わないだけ」
――それ以外に他意はない。そう言い張る長女を、じっと、見透かすような眼差しで見つめると、やがて母は諦めたように溜め息を吐いた。
 こうなってしまうと、我が子ながら、テコでも桜は自分の意見を曲げなくなってしまう。――母だけに、道子はそれを十分理解していたからだ。

「まあいいわ。じゃあ、そういう事にしてあげる。――でもいい機会だから、この際あなたたちには、ハッキリ言っておくわ」
 道子は、さっきまで酔っ払っていたとは到底思えぬ、凛とした態度で娘たちを見回すと、
「あなたたちが喜十郎君を“兄”として、どれほど慕っているか。……それはよく分かったわ。彼を選んだ母さんたちも、実際それはそれで鼻が高い思いよ。でもこれ以上、――彼に甘えるのはもうおよしなさい」

(え?)
 という表情で、母を見る詩穂と比奈。
 二人には、母が何を言いたいのか見当がつかないようだが、他の“妹”たちは違う。彼女たちが、母の帰宅を恐れたのは、まさしく今から彼女が言わんとする、その言葉を聞くのを、是が非でも回避したかったからだ。

「喜十郎君は、もうあなたたちの単なる従兄妹じゃないわ。もうあなたたちのお兄さんなの。例え義理とはいえ、兄と妹が関係を結ぶようなことは、断じてあってはならないの。いわんや彼が……この伝統ある綾瀬本家の惣領であるなら、特にね」
409淫獣の群れ(その8):2007/10/17(水) 13:48:35 ID:hcXIdfW8

 ここはどこだろう。
 まあ、どこでもいいか。
 こいつは誰だろう?
 オレの目の前にいるこいつ。
 まあ、誰でもいいか。
 いもうと?
 そうだ、“いもうと”だ。オレには“いもうと”がいっぱいいる。
 だから多分こいつも、“いもうと”だ。
 で、オレは一体何をしようとしてたんだっけ?
 そうだ。
 確かオレは風呂に入ろうとしてたんだ。
 この“いもうと”が沸かしてくれたんだ。熱い熱い、オレ好みの熱い風呂を。
 うん、だったら、服を脱がないとな。お前の言う通り、服を着たまま風呂には入れないからな。
 
――お兄ちゃん、何ですか、これは?

 おかしなことを言う。オレにこのショーツを穿かせたのは、お前たちじゃないか。
 昨日のお風呂のお仕置きだとか言って。

――お仕置き……。そうですか、お兄ちゃんはいつも、そういうお仕置きを受けてるんですね?

 そうだよ。恥かしくて、痛くて、つらくて、そういうお仕置き。
 あっ、やべえ。思い出したら勃ってきた。
 まあでも、お風呂でチンコが勃つのは当然か。当然だな。
 オレが風呂に入るっていうのは、そういうことなんだもんな。
 オレが風呂に入るっていうのは、恥かしくて、痛くて、つらくて、そういう事をされちゃうって事なんだもんな。お前ら全員にさ。

――そうなんですか……。日常的にそういう事をされてるんですか、本家では……! ああ、いいんですよ、お兄ちゃん。そんな不思議そうなお顔をしなくても。
――ただ、お仕置きの命令は変更です。お兄ちゃんが穿くのは、こんなゴワゴワの薄汚れたショーツじゃありません。この……可苗のショーツを……穿いて下さい。
――そうです。今日のお兄ちゃんは、可苗のショーツを穿いたまま、お風呂に入るんです。どうです? 可苗が沸かしたお湯は? すごくぽかぽかしてきたでしょう? 
――あ、だめですよ、お兄ちゃん。このおちんちんは、こうやって……パンティの横から外に出しておきましょうね。……わあ、すっごく可愛い……!!
410淫獣の群れ(その8):2007/10/17(水) 13:51:10 ID:hcXIdfW8

 うん。これは新趣向だな。パンティ穿かされたまま、風呂に入るなんて。
 でも、どうしたんだ? 今日はやけに大人しいな。
 いつもだったら、湯舟に浸かった瞬間に触ってくるのに。

――触って……いいんですか、お兄ちゃん……?

 いいんですかって……いつもは勝手にやってるじゃないか。オレが泣いても許してくれないじゃないか。
 どうしたの? 今日に限って?
 まあ、来ないなら、それはそれで全然OKだけどさ。

――ああっ、いえっ、触りますっ。触りますからっ。
――いいですか? いきますよ?

 あっ、……あれっ……何か、今日は……いつもと違って……ぎこちないっていうか……。
 いや、でも、……こういうのもなんか……気持ちいいかも……。

――気持ちいいですか、お兄ちゃん。

 うん。……なんか、こういうのも……いい……。
 でも、そこだけ? おっぱいとかは……今日は舐めたりしないの?

――おっぱい……ですか!? 
――えっ、ええ。そりゃあ……当然いまから舐めてあげるつもり、でしたよ?
――お兄ちゃんも、おっぱいをイジめて欲しいんですか?
――だったら、キチンと可苗に、おねだりして下さい。可愛い声で、ね。

 あふぅっ……! おっ、オレの、おっぱいを……ぁぁぁぁ……ぺろぺろ、可愛がって……ください!

――はい、よく言えましたね。えらいですよ、お兄ちゃん。
――じゃあ、よく言えたそのご褒美に……!
411淫獣の群れ(その8):2007/10/17(水) 13:52:49 ID:hcXIdfW8

 んんんん!! きもっ、気持ちいいよぉっ!!
 あああっ、だめだ……出ちゃいそうです……!!

――いいんですよ。ガマンなんかしないで。いっぱいいっぱい、イっちゃって下さい。

 なっ、なに言ってるんだよっ? 今日はまだ木曜なんだぜ。週末まではまだ二日もあるじゃないかっ!?

――週末? 

 オレがどんなに頼んでも、お前らいっつも出させてくれないじゃないか。全員の許可が取れなきゃ射精は厳禁だって言って、土日の“解禁日”まで出させてくれないじゃないか。

――お兄ちゃん、いつもそんな、そんな目に……なんて非道い……!! 
――でも……でも、いいのよ、お兄ちゃん。おモラシしちゃっても。
――実は黙ってたけど、許可は下りてるの。みんなの許しはもらってあるの。だから……。
――お口で可苗が受け止めてあげるから、思う存分イっちゃおうね、お兄ちゃん。

 イっていい? そうか、許しは出たんだ。射精していいんだ。
 あああああああ……そっか、そっか、……じゃあ、じゃあ……ぁぁ……ああああ!!

 どくん、どくん、どくん、どくん、どくん、どくん、どくん、どくん、どくん、どくん、どくん……。

412時給650円:2007/10/17(水) 13:53:58 ID:hcXIdfW8
今回はここまで。
413名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 14:30:42 ID:OFKFIlu2
ぎゃああああああああああああああああああああああああ

な、なんて恐ろしい。
414名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 14:33:22 ID:9SCmNkEJ
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

恐ろしい…
415名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 14:39:47 ID:jsWCEz+o
いや、なんて言うか、その、

怖いです・・・
416名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 15:37:14 ID:UAIxEBmH
ああ、続きが気になる
417名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 17:33:08 ID:uh02fSPL
マイシスが変態色情狂にされてる・・・
418名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 18:51:10 ID:tEp2PBqX
怖いと思いながらもbokkiしてしまってる俺は後戻りできないのだろうか・・・
なんにせよGJ!!!
419名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 20:12:09 ID:vzX+kuGv
健気で一途でカワイイ妹だ
こんな妹欲しかった・・・
420名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 20:35:33 ID:32Tk2Efg
>>419
>健気で一途

ベクトルが違うだろwwwwwww
421名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 20:51:28 ID:btmsclaw
みんな目が死んでるー!
422名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 20:53:04 ID:UAIxEBmH
このままいくと実妹にアナルをほじほじされるのか?
423名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 21:28:05 ID:dg639lo9
コンナカワイイイモウトヲモッテ、オレハシアハセダナァ…
424名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 23:18:22 ID:6u4I/7I4
あ!お兄ちゃんロボットだ!
425名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 00:40:37 ID:EdMMzmoW
お兄ちゃんスイッチとな!?
426名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 01:06:20 ID:db2TJW/t
おにーいちゃーん、拷問スイッチ!
427名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 10:32:20 ID:5Ur7Qw7y
♪お兄ちゃんスイッチ(弟も可)いきますよー♪
428名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 12:36:17 ID:Ed/nbWCs
>>427
ピタゴラスイッチ乙
429名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 13:39:22 ID:16nKtRtc
まみむめも でよろ
430名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 21:06:36 ID:KKsdIyXN
まじ
みんな
むだ

もえる
431名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 21:37:06 ID:5bLlFS52
>>430
めwww
432名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 22:46:53 ID:u8H8fynC
またしようよ
みじめな泥棒猫
むりなんて言わせない
めんぼう入れてもいい?
もうおしまいなの?
433名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 00:23:19 ID:6Q/MvlZE
弟クンスイッチ、行きますよ〜♪



『あ』
「姉ちゃん!指、指汚いって!シャレにならんって!」
「んふふ〜、弟クンの身体に汚いところなんてあるわけないじゃない。
 あ、出そうなら我慢しなくてもいいからね〜」

『アナル調教』

『い』
「チュ…クチュ、んん、ふ、ン…」
「Zzz〜、ん…?あ、勉強してて寝ちったのか。道理で肌寒いわけだ…ってなんで全裸なの俺!?」
「チュルッ」
「ハフンっ、って姉ちゃん!いつの間にッ!?」
「ダメでしょ、薄着で寝ちゃ。風邪ひくよ?でね、お姉ちゃん心配だったから…」
「それで?」
「…セックスして暖めてあげようかなぁー、って」

『いたずらされる』
434名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 00:24:27 ID:LwcY0jkK
クローゼットにキャンディガールを隠しておいたのに
キモウトorキモ姉に見つかってしまって焦る男
しかも、
顔はその姉妹に瓜二つでメイド服まで着ていましたとさ
435名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 00:24:45 ID:6Q/MvlZE
『う』
「もしもし、どちら様ですか?あ、先輩。はい、俺です、上野です。
 え、今からですか?…わかりました、10時に正門ですね、はい。
 …でも今どき部活の連絡を家の電話になんて珍しいっスね。
 そうでしたっけ?あ、じゃあ今日会ったときに交換しますか。…はい、はい、それじゃあ学校で〜」
「弟クン」
「うおおっ、姉ちゃんいつの間に」
「今の、だれ」
「文芸部の先輩だよ、先輩。部誌の仕分けが済んでないらしいから、ちょっと学校に」
「お姉ちゃんと土日を過ごす約束はどうするの?」
「…そろそろ時間がヤバイな。夕飯までには帰るから。行ってきます!」

ガチャ


「そっか…文芸部の、あの根暗の本オタクが弟クン泥棒か…」

「◯してやる…」

『浮気性?』


『え』
「姉ちゃんさぁ、小指にいつもその指輪してるよね」
「え?う、うん」
「いい加減古くなってるしさ、そろそろやめたら?」
「なッ!なんてこと言うの!これだけは駄目、絶対駄目ぇっ!」
「え、あ、うん…わかった…」
「…覚えてないの?」
「何が?」
「これはねぇ…、うふ、やめとく。また聞かせてほしいから、そのとき話すよ」

『エンゲージ・リング(小さい頃の約束)』
436名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 00:25:56 ID:6Q/MvlZE
『お』
「弟クン、大事な話があるの、聞いてくれる?」
「うん、どうした?」
「実はね、お姉ちゃん、赤ちゃんできたみたいなの」
「え、えぇ〜〜っ!だ、誰の子?」
「あ、しらばっくれるの〜?怒っちゃうぞっ、プンプン」
「まさか…」
「責任とってくれるよね、あ・な・た?」

『お姉ちゃんと結婚』


HAPPY END
437名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 00:29:45 ID:6Q/MvlZE
もう書かないって言ったのに書き込んでしまった。

過疎ったらまた来ます。
438名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 00:43:15 ID:m3Zcih47
OK皆過疎れ。




ごめんなさいごめんなさいふざけましたごめんなさい
439名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 00:43:51 ID:piOt/NKh
>>437GJ!
これからもどんどん書きこんでください。
440名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 00:44:43 ID:kA3XuxMI
Nice boat.
441名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 00:58:04 ID:iJv1z4oc
職人さん達を奮い立たせるためにも
『今一番読みたい作品は?』と聞かれたらなんて答える?
442名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 01:06:12 ID:b1PoFom0
私は桜の網をリスペクトするね
443名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 01:16:06 ID:nLe+69L1
>>441
ご新規さんの作品。
444名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 02:40:42 ID:IIx8Dk3M
三者面談
445名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 02:52:44 ID:aZHrjCBN
籠の鳥かな
446名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 03:01:08 ID:7dpfLsD0
綾と桜の網と淫獣
447名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 03:03:28 ID:7dpfLsD0
あ・・・一番だから、どれか一つかorz
448名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 04:06:46 ID:W4oVidM5
なぜそんな荒れそうなことを言い出すのか神経を疑う
449名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 04:36:30 ID:2NXYcCH+
>>441

「次の作品」と答えるのが習わしなのを知らんのかね。
最近の若い者は・・・・



と言って、山高帽にステッキで歩み去るのであった。
450名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 05:15:09 ID:oyAd6bBr
以下、何事もなかったかのように・・・
451名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 05:16:42 ID:gX/8MBNY
泥棒猫とダンス
452時給650円:2007/10/19(金) 06:17:56 ID:xz8a48Yi
>>411
続きを投下します。
453時給650円:2007/10/19(金) 06:19:59 ID:xz8a48Yi

「あの、おかあたま?」
「なぁに、ヒナちゃん?」
「かんけーをむすぶって、どういうこと?」

 しかし、その比奈の無邪気な言葉に、残り五人の少女全員が、真っ青になった。

「ん〜〜、ヒナちゃんには少し、難しすぎたかな? 過ちを犯すっていうか……」
「あやまち?」
(まずいわ……)
 まずいどころではない。本番こそイタしていないが、その『関係』なる意味を表す行為なら、ほとんど比奈は毎晩しているのだから。
 もし今、比奈が無知に任せて、余計な事を口走ってしまったら……!
「うん、まあ、……早い話が、お兄ちゃんとヒナちゃんが、その、何て言うか……う〜〜ん、コレはなかなか表現が難しいわね。ねえ、真理ちゃん?」
「えっ? ――ええ、まあ、そうですね母上様っ、ヒナちゃんの年頃の子には、なかなか説明が難しい言葉だと思いますが、――こっ、この場合は何と表現すればいいのかしら?」
 突然話を振られて、思わず、しどろもどろになる真理。
 無理もない。
 何しろ彼女は、思いっきり現役の『関係者』なのだから。

 しかし道子は当然ながら、真理が普段に似合わぬ狼狽を見せたのは、少女らしい潔癖感のせいだと考えた。いくら何でも、この文学少女然とした三女までが、その『関係』の当事者だとは思えなかったからだ。
――真理どころか、最年少の比奈を含めた、姉妹たち全員が“兄”と同衾する間柄だと知れば、母は卒倒したかもしれない。

「そうねえ。ちょっと露骨な言い方になっちゃうけど、――お兄ちゃんと一緒にヒナちゃんも裸になって、二人でエッチな事をしちゃうって言うか……」
「あ、それだったら――」
「かあさまっ!!」
454淫獣の群れ(その9):2007/10/19(金) 06:22:03 ID:xz8a48Yi

 危うく比奈が、何かを口走りそうになるのを、かろうじて深雪が制する。

「なっ、何よ深雪ちゃん、いきなり大声出して……?」
「これは、あくまで仮定の話なんですけど……。もし、もしも、にいさまと姫とが、そういう『えっちな関係』になってしまったら、にいさまはどうなるんですの……?」
 さすがに、母の眉間に縦ジワが走った。

(いくら何でもダイレクト過ぎるでしょう? その質問は!)
 もっと言葉を選びなさいよ。いつもなら桜はそうツッコんでいただろう。
 だがもはや、眼前の母は、そんなやりとりを許してくれそうな空気は発していない。

「……深雪、あなた自分がどういう質問をしているのか、分かってるの?」
「しっ、質問に答えて下さいですのっ! もしそうなったら、にいさまはどうなるんですのっ!?」

――ふう。
 母が一息、溜め息をついた。
「……そうね」
 しかし、改めて深雪を見つめた彼女の双眸には、一片の曖昧さも存在してはいなかった。
「どういう事情があるにせよ、兄が妹に手を出すなど、あってはならない大不倫。そんな者をこの家に置くわけにはいかないわ」
「つまり、にいさまには出て行ってもらうってこと?」
「ええ、そうなるわ」
「その……『えっちな関係』が、二人の愛情の結果だとしてもですか!?」
「何故そうなったかは問題じゃないわ。そういう『関係』になったこと自体が問題なの。だから――」
 もしそうなったら、彼にはやはり、出て行ってもらうしかない。

 母は、冷厳と言い放った。
455淫獣の群れ(その9):2007/10/19(金) 06:23:53 ID:xz8a48Yi

 前回の“解禁日”から、たっぷり五日間。――溜めに溜め込まれたその精は、容易に途切れなかった。

 ほとんど一分間にわたる長い射精。
 それによって吐き出された大量の白濁液は、とうてい未経験の少女に飲み切れるものではなかった。例えそれが、待ちに待った愛しい男のものであったとしても。
 喉にからむ粘液が気管にからまり、思わず口を放した可苗に、
「ああああっ、そこでっ、そこでっ、放すのかよっ!!」
 放射途中でいきなり刺激を失って、中途半端になった五日ぶりの射精感。喜十郎は反射的にペニスに手をやり、とろろ状の粘液を最後の一滴まで掻き出す。
 それは、可苗に容赦なく兄の精が浴びせられる事となる。――顔に。髪に。服に。腕に。脚に。靴下に。
 彼女の制服を真っ白に染め上げて、ようやく彼のペニスは、その精を吐くのをやめた。

「ごほっ、ごほっ、ごほっ、ごほっ」
「あ、――その、大丈夫か?」
 喜十郎が可苗に寄ろうとした瞬間、腰砕けにへたり込んでしまった。
 下半身に力が入らない。
 そのまま床に突っ伏してしまう。
“解禁日”の一発目はいつもそうだ。
 まるで、全身の骨を抜き取られてしまったような脱力感が、喜十郎を捕らえる。
 一方、ようやく呼吸が落ち着いた彼女も、半ば呆然と、むせ返るような精臭に身を包まれていた。

(……スゴイ匂い。ふふっ、これならホントにお風呂場でしてあげた方がよかったですね)
 そうは思っても、さすがにそれを口に出すわけにはいかない。
 それを言ってしまうと、ここは実は風呂場ではない、と言っているようなものだからだ。
 そして、その一言は、兄の意識を包む現状認識を否定する事になるからだ。
 喜十郎の意識の中では、あくまで今、自分は入浴中である、という解釈のもとで可苗と睦み合っている。風呂に入るという行為は、彼にとっては、イコール六人姉妹たちに集団で嬲りまわされる事を意味していたという現実も、彼女の催眠誘導にはプラスに働いた。
(無論、それは可苗にとって予想外であり、それ以上に腹立たしい事ではあったが)
 だから彼はいま、眼前にいる少女を可苗だとは認識していない。本家の姉妹たちの誰かであろう、とぐらいにしか思っていない。
 
456淫獣の群れ(その9):2007/10/19(金) 06:26:06 ID:xz8a48Yi

「お兄ちゃんこそ、腰が抜けたみたいだけど、大丈夫ですか?」
「うん、……大丈夫だ。ちょっと立ちくらみがしただけだ」

 いかに一服のクスリを盛られ、天地晦冥のまどろみが意識を包んでいたとしても、対話はできる。
 と、いうより彼は自分が正気を失っている事に全く気がついていない。
 酔っ払いが、(例え酔っている自分を意識していたとしても)その行動基準や価値判断能力までが鈍くなっている事に気付かず、路上で騒いだり、自販機に蹴りをカマしたりするのと同じであろう。
 あくまで酔いが覚め、理性を回復させてからでなければ、己のその行動を恥じる事さえ出来ない。
 しかもこの薬品は、その酩酊状態が覚めてしまっても、薬が効いていた間の一切の記憶を奪う。
 可苗にとって、これほど都合のいい薬はなかった。

「すごい、まだカチンカチンなんだ。――あんなに出したばっかりだっていうのに……」
 可苗は兄を膝立ちにさせ、そっと優しいキスを交わしながら、精液まみれのペニスに指を這わす。

――ひうっ! 

 ほとんど反射的に喜十郎の悲鳴が上がり、どすんと尻餅をつく。
「あっ、もうイっちゃうんですか?」
 可苗は、その途端に手を放し、結果的にまたしても、寸止めの苦痛が彼を襲う。
「なっ、何で?」
「心配要りませよ、お兄ちゃん」
 そのまま喜十郎を、そっと床に横たえる可苗。
 彼はいまだ下半身に力が入らない状態であったから、ほとんど抵抗はなかった。
「さっき言ったでしょう? 今日は思う存分出していいって。ただし……」
 妹は、自分を見上げる兄の眼前で、そのスペルマまみれのスカートを、そっと持ち上げる。
「ただし、お兄ちゃんが出すのはここ。――可苗の身体の奥の奥」
 そこは彼女自身の真っ白な本気汁で、ぐずぐずに濡れそぼっていた。

「いいですか、お兄ちゃん。もしも可苗がいいって言う前にオモラシなんてしたら、絶対許しませんよ」
457淫獣の群れ(その9):2007/10/19(金) 06:27:41 ID:xz8a48Yi

 妹が、兄のペニスを処女穴にあてがう。

「また、お仕置きされるのか?」
 喜十郎の顔に、また怯えが現れる。
「はい、お仕置きします。すっごく苦しい、息が出来ないぐらい苦しいお仕置きをします。お兄ちゃんは、苦しいお仕置きは好きですか?」
「きらいだよ。……好きなわけないじゃないか」
「んふっ、――知ってます? そんなお兄ちゃんだからこそ、みんな色んな口実をつけては、お仕置きを繰り返すんですよ」
「え?」
「痛くて、つらくて、苦しんでる……そんな最高に可愛いお兄ちゃんを想像しただけで、もう――」
 夢見るような瞳の少女がそのまま、少年の体躯の上に、ゆっくりゆっくり腰を降ろす。

 ずずずずずっ……ずずずずずっ……!!

「……ぁぁぁぁ……くぅぅぅぅ……」
「うあっ! きっ、きついよぉっ!!」
 
 十五歳の処女宮が、破瓜の痛みと共に兄のペニスを締め上げる。

 めりめり……めりめり……みしみしみし……ぶちんっ!!

 そして、彼女の純潔は今、破られた。
 夢にまで見た、彼女の最も愛する男のものによって。
 しかし正直なところ、可苗はそんなロマンチックな甘さに浸れる状況ではなかった。
(――いたいっ! いたいいたいいたいいたいっ!!)
 何故、これ程の激痛が発生するのか、可苗には理解できなかった。
 充分に濡れてさえいれば、例え“初めて”であったとしても、それほど痛みは伴わない。
 かつて、したり顔で語る友達から聞いた、うろ覚えの性知識。
 そういう意味では、いま自分は、これまでにないほどにしたたっているはずなのだ。
 だが、いま自分を襲っているのは、生涯かつてなかったほどの凄惨な痛み。
 その痛覚が無用の緊張を生み、彼女の膣を収縮させ、ますます彼のペニスを強烈に締めつける
 その結果、喜十郎のペニスはとうてい耐え切れず……。

「ああああああああっ!!」
「だめっ、出しちゃだめぇっ!! まだっ、まだだめなのぉぉっ!!」
 しかし、妹の懸命の制止にもかかわらず、もはや兄の肉体はブレーキがかからない状態だった。

 どくんっ、どくんっ、どくんっ、どくんっ、どくんっ、どくんっ、どくんっ、どくんっ、どくんっ!!
458淫獣の群れ(その9):2007/10/19(金) 06:29:17 ID:xz8a48Yi

 ほとんど一発目に劣らぬほどの大量の精子が、彼女の子宮を襲う。

「――ああああああっっ!! だめだって! だめだって! いってあったのにぃぃぃっ!!」
 喜十郎に馬乗りになっていた可苗の両手が、彼の首にとんだ。
「お兄ちゃんのばかぁぁぁぁっ!!」
 その感触。
 皮膚を通して、頚椎、筋肉、気管、食道、そして頚骨まで、まるで指先にCTスキャナーがあるかのように、可苗には、肉眼では見えないはずのそれらの位置・状態を含めた全てを見通すことが出来た。

――おんなじだ。独りでスる時に、可苗の思い描いてきたイメージとおんなじだ!

 それは歓喜であった。
 そして、次の瞬間、彼女は我に返る。
 永年思い描いてきた――それこそ夢にまで見た、あの“体勢”で、兄の首をこの手で絞めている!
 兄の精を貪りながら、兄の死命をこの手に握っている!
 その思いが、彼女の肉体から痛覚を忘れさせた。
 いや、忘れたのではない。
 消えたのだ。文字通り。
 そして、それまでの強烈な痛みの代わりに、不意に出現したのが――、
 それこそ圧倒的な、エクスタシーであった。

「くっ、ぐるじ! やめっ!!」
 窒息しそうになった喜十郎が、思わず可苗の両手首を掴む。
 しかし、そのときには、彼女の両手から力は抜けている。
 抜いた瞬間に、妹は体を倒し、兄の唇にキスを交わす。
 そして、そのまま囁いた。

「抵抗しちゃダメよ、お兄ちゃん。――これはお仕置き。可苗の許可無しにお兄ちゃんがオモラシしちゃったお仕置きなの」
459淫獣の群れ(その9):2007/10/19(金) 06:31:48 ID:xz8a48Yi

「オレが……悪いのか……?」
「そう。可苗の言う事を聞けなかった、お兄ちゃんが悪いの。だから、お兄ちゃんは抵抗しちゃいけません。分かります?」
「ああ……」
 そう、弱弱しい声で応えると、喜十郎は、可苗の手首を掴んでいた両手を放す。
「そう。いい子ね」
 可苗はにっこり笑って、女性上位から再び騎乗位に体勢を戻し、
「でも、罰は受けないとダメですよ」
 そう言って腰を動かし始めた。
 もはや痛みはない。
 一揺すりごとに、貫くような快感があるのみだ。
「悪いお兄ちゃんへのお仕置きは、――絞首刑です」

 その指先に、またもや力が込められ始めた。
「こっ、こうしゅ……!?」
「んふっ、安心してお兄ちゃん。ホントに殺したりはしないから。しかも、特別サービス付きです」
「とくべつさーびす?」
「ええ。可苗がお仕置きとして、この首を絞めている間、お兄ちゃんは何回でもイっちゃって構いません」
「ほっ、……ホントに……いいの!?」
「その代わり、――と言っちゃなんですが」
 可苗の瞳は、この瞬間らんらんと輝きを増した。

「十回イクまで、可苗はお兄ちゃんを放しません。泣いても喚いても、きちんと十回出しちゃうまで、可苗はお兄ちゃんを許してあげません。分かりました?」

「……イケなかったら? 十回もイケなかったら、どうなるの?」
 朦朧としながらも、おそるおそる兄は尋ねる。
 そんな可愛い兄を、心底愛しいと思いながらも、可苗は言い放った。
「だから言ってるでしょう? 十回イクまで放さないって。泣こうが喚こうが許さないって。だから、お兄ちゃんは――」
 舌なめずりしながら、可苗は続ける。
「ひたすら気持ちよくなって、ひたすらイクことだけ考えてたら、それでいいんです」
 喜十郎の首が絞まる――。
 可苗の腰が動く――。
「大丈夫ですよ。なんたって、お兄ちゃんは今日のために五日も溜め込んだ身体なんですから」

 もう、可苗の顔から笑みが消える事はなかった。
 その笑みからこぼれる唾液が途切れる事もなかった。
 何故なら、もはや可苗はイキっぱなしだったからだ。
――あああ、夢みたい。これが夢ならどうか、覚めないで……!
 十回どころではない。
 喜十郎が一度射精する間に、可苗は数回絶頂を迎えた。
 この調子だと、彼が“ノルマ”を達成するまでに、何度イクことになるのか見当も付かない。
 兄の手でイカされてるんだ。兄をイカせてるんだ。兄の命を握ってるんだ。
 そういう想いが、その一度一度のエクスタシーを、さらに深く・激しくさせた。

 可苗はしあわせだった。
 おそらくはこの瞬間、世界の誰よりもしあわせだった。
460時給650円:2007/10/19(金) 06:33:03 ID:xz8a48Yi
今回はここまで。
461名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 06:49:13 ID:h3QHl/XX
朝からいいものを見たぜ
いい一日になりそうな予感
しかしお兄さん、かわいそうようなうらやましいような
462名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 08:08:12 ID:7dpfLsD0
最高に面白いのだけれど・・・
主人公が・・・主人公が死んでしまいそうで・・・
と、とにかくGJ!!
463名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 13:07:11 ID:piOt/NKh
おお、これはGJ!お兄ちゃんまじで死にそうだな。
464名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 13:55:39 ID:CsEY+C/f
可れ・・・じゃなくて可苗怖えw
465名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 20:55:05 ID:XyxjMwBW
こんな清純で淫乱な妹とやりまくった後ならもう思い残す事は何も無い
最期はアイスピックで「お兄ちゃん大好き」って叫びながら刺して欲しい・・・
466名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 00:38:29 ID:iuaJJGIH
しかしこの兄は年下の血縁者にのみおモテになる素質でもあるのだろうか?ww
467名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 00:58:13 ID:U4Ofj6C0
>>466
このスレ的には喉から手が出るほどにうらやましいスキルですねw
468時給650円:2007/10/20(土) 03:01:10 ID:ab7wwzXD
続きを投稿します。
469淫獣の群れ(その10):2007/10/20(土) 03:06:41 ID:ab7wwzXD

「なんですってぇ……!?」
「本当なのですか!? 桜ちゃん!?」
「――ええ。当然お兄様に“協力”を強制する権利は、私たちに平等に与えられるわ」

 娘たち相手に、言いたい事を言い尽くして、飄然と二階の夫婦用寝室に去った道子。
 その直後、母に代わって春菜と真理をつかまえたのは、桜だった。
 彼女は二人の妹を、自分たち年長組用の四畳半に連れ込むと、早速、昼休みの出来事を語った。

「でっ、では……これからは兄君さまに、あんな事やこんな事も……ああああっ、ぽぽぽっ」
 頬を真っ赤に染めて、いやんいやんと呟きながらも、脳内世界に没入してゆく春菜。
 そんな彼女に真理は苦笑しながら、
「春菜ちゃん……あんな事やそんな事なら、いつもしてたじゃないですか」
「いいえ、いいえ真理ちゃん、そういうことじゃありませんわ。そういうことじゃないのですよ」
「え?」
「確かに、この家で思う存分兄君さまと愛し合うのも、それはそれで燃えますわ。……ですが人目を忍んで、束の間の逢瀬を重ねるというのも、これはこれで……あああ……!」
「春菜ちゃん……」
 もう、真理は苦笑いすらしていない。姉の妄想パワーに、完全に退いてしまっている。
「しかも、しかも兄君さまには、完全にワタクシたちに逆らう権利がないなんて……あああ……じゃあ、じゃあ、――例えば道場とかで、嫌がる兄君さまに、あんな事をしたり、こんな服を着せてみたりとか……あああああ……夢が膨らみますわぁ……ぽぽぽっ!!」
470淫獣の群れ(その10):2007/10/20(土) 03:09:55 ID:ab7wwzXD

「まっ、まあ、――いまはこの娘は放って置くとして……」
 桜が、半ば呆れながら真理の方に向き直る。

「とにかく、すんごい嫌な予感がするのよ」
「……そうですわね」
 確かに、話だけ聞けば、桜があれだけ冷静さを失ったのも理解できる。

 実家に帰る。
 それを死ぬほど恐れ、さらなる屈辱の“協力”関係を結ばざるを得なくなった喜十郎。
 にもかかわらず、恐れながらもなお、実家に帰宅してしまった“兄”
 そして今もなお、再三の連絡にもかかわらず、喜十郎の携帯が常に電源オフになっている事実。

 しかし理解は出来るが、……そこまで桜が騒ぐほどの不安材料かと問われれば、やはり真理としても、全面的に納得はしかねる。
――だが、
「女の勘よ」
 そう言い放った長姉の、真っ直ぐすぎる眼差しを見た瞬間、真理はその発言を全面的に信ずる事に決めた。この姉の勘は、――特に“兄”が絡んだときの勘は、まさしく信じられないくらいに鋭くなる。
「わかりました。桜ちゃんに従い、兄上様のご実家に急ぎましょう」
 真理は大きくうなずいた。
 

「――で、コレ、どうしよう?」
 桜が、冷えた目線で、独り妄想を突っ走る春菜を見て、困ったように言う。
「そうですわね……」
 やはり困ったように、真理も溜め息をつく。
「あああああ……いやんいやん、兄君さまったらぁん……ホントに消極的な、お、か、た。そこまで、このワタクシに言わせたいのかしら? ――でも、でも、そういう可愛い兄君さまも、決してキライではありませんわ。ぽぽぽぽっ」
「……なんか今、すっごくイイところらしいから、邪魔するのも可哀想なのよね」
「ええ、むしろ私としては、もう少し聞いていたいくらいなのですが……」
「――では、では兄君さま、この場に於いて、春菜が宣告いたします。――兄君さまの『処女』は、今宵このワタクシに捧げて頂きます! ――きゃあきゃあ! 言っちゃった言っちゃった! 
――兄君さま、春菜をこんなハシタナイ女にしたのは、兄君さまなのですよ。ですから……」
 
 放って置けば、朝までやってそうなので、二人はそろそろ、彼女を正気に戻す事にした。
 弓・剣・薙刀・合気道――全部あわせて都合八段という春菜の武道家としての技能は、殴り込みの際に是が非でも必要になるのだから。
471淫獣の群れ(その10):2007/10/20(土) 03:11:25 ID:ab7wwzXD

――ねえ、お兄ちゃん、聞いてる? 聞いてますか?

 ん、あ、いけねえいけねえ、ちょっとぼ〜っとしてたらしいな。
 まあ、無理もねえか。結局抜かずの十連発だからな。
 まだ呼吸困難で、肺が痛いや。

 うん、ああ、聞いてる。聞いてるよ。
 で、どうした?

――お兄ちゃん、どうでした? 可苗のあそこ、気持ちよかったですか?

 ああ。結構案外、終わってみたらなかなか……でも、首絞めるっていうのは、やりすぎじゃないか?
 まあでも、窒息状態になってなかったら、やっぱり十連発は無理だったかもだけど。

――え? どういうことですか、それ?

 ああ、人間は窒息状態になったら、括約筋とか不随意筋とかにも力が入っちまうから、排泄とか射精とか、ばんばんやっちまうらしいぜ。
 だから、吊るされた死刑囚とかって、かなりの確立で香ばしくなってるらしいよ。
 オレだって多分、こっそり放課後に学校でウンコしてなかったら、かなりヤバかったんだぜ。
 え? 何でこっそりかって?
 ばかだな、決まってんだろ。学校の男子便所で普通にウンコするのが、どれだけカッコ悪いことかくらい常識ですよ、ジョーシキ。
 って、……おまえ……分かってて首絞めたんだよな……?
472淫獣の群れ(その10):2007/10/20(土) 03:13:04 ID:ab7wwzXD

――そっ、そりゃあ、……当然じゃないですか? その程度の事くらい、可苗はお見通しですよ?
――って、ちょっと待ってくださいっ、お兄ちゃん! 
――じゃあ、じゃあ、お兄ちゃんって、……もう、身体の中もキレイになってるっていう事ですよね?

 身体の中もキレイ?
 イマイチ意味が分からんが、ウンコなら溜まってないぞ。
 
――もうっ、汚いなあ! そんなムードのない言葉を連発したらダメですっ!

 あひひいいいっ
 ごめん、もう言わないからっ!
 おっぱい……つねら……いたいっ、いたいって……あああああっ!! 

――うそばっかりっ! お兄ちゃんは痛いのが好きなヘンタイのくせにっ!!

 へっ、へんたいっ!?
 ちっ、ちがうよっ!
 いきなり何言い出すんだよっ、オレは……、

――いいえ、お兄ちゃんはヘンタイです。ヘンタイなんです。
――違うなんて言わせません。
――だって、さっきからイタイイタイって言いながら、ちゃんと、おちんちんは硬くなってるじゃないですか。散々出して、さっきまで可苗の中でフニャフニャになってたのに。

 ちっ、ちがうっ!
 これは、その、……とにかく、違う!

――違いませんっ!
――お兄ちゃんは興奮してるんです。痛くされて、苦しくされて、恥かしくされて。
――それで感じて、興奮しちゃうような、……お兄ちゃんは、そんなヘンタイさんなんですっ!!

 違う! 違う! 違う! オレは興奮なんかしてないっ!!
473淫獣の群れ(その10):2007/10/20(土) 03:13:49 ID:ab7wwzXD

――だったら、なんでお兄ちゃんは、勃起なんかしてるんですか?
――お口でどんなにウソをついても、おちんちんはすごく正直さんですよ。

 だから……これは、ただの……条件反射で……。

――反射? 条件反射だって言うなら、余計にヘンタイさんですよ?
――理性が否定しても、身体が勝手に反応しちゃってるっていうことでしょう?
――お兄ちゃん自身がどんなに否定しても、もうお兄ちゃんはすでにヘンタイ化しちゃってるんですよ。

 そう、なのか……?
 オレはもう、ヘンタイになっちゃってたのか……?

――そうです。お兄ちゃんは、自分が気付いてないだけで、とっくの昔にヘンタイだったんです。
――その証拠に、……ほら、『ヘンタイ』って罵られて、すっごく硬くなってますよ?
――あ、また……お兄ちゃん、また硬くなってきてる!……すごい、これって可苗に挿れる前より……。
――ふふふ……これでヘンタイじゃないなんて……絶対ありえませんよホント……。

 オレは……ヘンタイじゃない……!
 でも、でも、……やっぱりヘンタイだったのかな……。
 そう言われてみれば、確かにオレのは、痛い時でも苦しい時でも、恥ずかしい時でも……硬いままだった。それって、やっぱり……おかしいよな? 普通じゃないよな?

――はい。それって、やっぱりおかしいです。普通じゃありません。間違いなく、ヘンタイさんです。

 オレは……ヘンタイ……間違いなく……!

――ほら、言ってみて下さい、お兄ちゃん。『ボクはヘンタイです』って。
――『恥ずかしいこと言わされて興奮してるヘンタイ坊やです』って。

 ぼっ、ぼくは……ヘンタイ……です……。
 はずかしいこと言わされて興奮してる……ヘンタイ坊や……です……。
474淫獣の群れ(その10):2007/10/20(土) 03:15:01 ID:ab7wwzXD

――何ですか、それは?
――全然聞こえませんよ? もっと大きな声で言ってください。

 ぼくは、ヘンタイです。
 恥ずかしいこと言わされて興奮してる、ヘンタイ坊やです。

――聞こえませんっ! もっと大きな声でっ!!

 ぼくはヘンタイですっ。
 恥ずかしいこと言わされて興奮してる、ヘンタイ坊やですっ

――もっと心を込めてっ! 心底からヘンタイの自分を反省して言いなさいっ!
――『ヘンタイに生まれてゴメンナサイ』って謝りなさいっ!!
――もうまともに戻れない自分に絶望しながら謝りなさいっ!!

 ぼくはヘンタイですっ!
 ヘンタイに生まれてゴメンナサイっ!

――もっと言いなさいっ!! 
――可苗がいいって言うまで、一生懸命言い続けなさいっ!!

 ぼくはヘンタイですっ!!
 ヘンタイに生まれてゴメンナサイっ!!
 ぼくはヘンタイですっ!!
 ヘンタイに生まれてゴメンナサイっ!!
 ぼくはヘンタイですっ!!
 ヘンタイに生まれてゴメンナサイっ!!
 ぼくはヘンタイですっ!!
 ヘンタイに生まれてゴメンナサイっ!!
 ぼくはヘンタイですっ!!
 ヘンタイに生まれてゴメンナサイっ!!
 ぼくはヘンタイですっ!!
 ヘンタイに生まれてゴメンナサイっ!!
 ぼくはヘンタイですっ!!
 ヘンタイに生まれてゴメンナサイっ!!
475淫獣の群れ(その10):2007/10/20(土) 03:16:13 ID:ab7wwzXD

――ふふふっ、ヘンタイさんの末路は悲惨ですよ? 
――みんなから白い眼で見られて、後ろ指さされて、陰口一杯叩かれて……。
――お友達もみんな、口も利いてくれなくなるでしょうね。ヘンタイが伝染るとか言われて……。

 いやだ! いやだ! そんなの、絶対いやだっ!!

――ああっ、だめっ、そんなに急に動いちゃっ……!

 どうしたら、どうしたらいいんだ。どうしたら……!!

――大丈夫です。大丈夫ですよ、お兄ちゃん。
――可苗がいます。 可苗がここにいる限り、お兄ちゃんを独りにはしません。
――誰がお兄ちゃんを見捨てても可苗は、可苗だけは絶対に、お兄ちゃんを見捨てませんっ!!

 本当か!?
 本当にお前は、オレを見捨てないな!?
 オレを独りぼっちにしないなっ!?

――ええ、お兄ちゃん。可苗は、お兄ちゃんの“いもうと”です。
――恋人や友達は、恋人や友達をやめる事が出来るけれど、妹はずっと妹のままです。
――だから、可苗が“いもうと”である限り、お兄ちゃんの傍を離れることはありません。
――ただ……。

 ただ?
 ただ、何だ?
 言ってくれよ! 何かあるのか!?

――可苗は、お兄ちゃんに『初めて』を捧げたのに、お兄ちゃんは可苗に何も捧げてくれないのですか?

 そっ、そんな、……そんなこと言われたってさ……どうすりゃいいのか、見当も付かないよ。
 
476淫獣の群れ(その10):2007/10/20(土) 03:16:57 ID:ab7wwzXD

――じゃあ、可苗から訊いてあげます。
――お兄ちゃんの“うしろ”は『処女』ですか?

“うしろ”!? そっ、そりゃあ、確かに、お前らにされてるのは、指までだけどさ。
 でも、いつも5〜6本は同時に突っ込んでるじゃないか。あれを『処女』って言えるかどうか……?

――5〜6本っ!? そんなにっ!? 
――いや、でも、……それなら、いまさら特に馴らす必要もないってことですよね?
――つまり、それって……今からイキナリでも……OKってことですよね……!?

 え!?
 あの、それってどういう……!?
 おっ、おいっ、なんでまた、首に手をかけるんだよっ!?

――お兄ちゃん。お兄ちゃんの『初めて』を、……可苗に……下さい……!
――そうすれば、もう可苗は絶対に……誰がお兄ちゃんを見捨てても可苗は見捨てませんからっ!!

 それで……いいのか?
 それで、オレはもう、独りぼっちにならなくていいんだな……!?
 こんな……こんなヘンタイのオレでも、一緒にいてくれるんだな!?

――ええ、約束します。
――ですから、お兄ちゃんも約束してください。
――可苗に……お兄ちゃんの『処女』を捧げるって……言ってください……!

477時給650円:2007/10/20(土) 03:17:57 ID:ab7wwzXD
今回はここまでです。
478名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 03:21:06 ID:azdWxGxE
キガクルットル(もちろん良い意味で)
479名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 04:34:09 ID:5tL4+281
ここまできたら流石に萌え要素が・・・
480名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 11:16:54 ID:JFR9oYrR
だがそれがいい
481名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 12:32:51 ID:iuaJJGIH
これは結局従姉妹勢vs実妹な展開なんだろうかww
とりあえずwktkがとまらない
482名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 13:14:13 ID:kdBZwZ05
何というサバイバル…とんでもない妹だなぁw
兄ちゃん、壊れずに生きて帰ってきてくれ、応援してるぜ。
483名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 16:24:48 ID:2hynHhxt
確か妹追加もあり、って言ってたよな…?

お兄ちゃんガンガレ
484名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 16:34:59 ID:ZukUhH33
お兄ちゃん食べられちゃいそう
485名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 16:51:15 ID:f20g0mE+
正直辛いです(´;ω;`)
お兄ちゃん、強く生き抜いて・・・・・・
486名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 19:50:37 ID:SHmLBTUp
いかにこのスレに集う剛の者といえど、お兄ちゃんのかわりになりたい奴なんてさすがにいないだろうなぁ……





487名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 20:00:14 ID:b5sg+Dw6
>>486
おいおい、誰に向かってもの言ってるんだ?

488名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 20:10:32 ID:Xr4B3nL7
やっぱ保管庫欲しいな
wikiでいいから誰か作ってくれないか?
編集には協力するから
489名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 22:28:23 ID:6pll8DWf
>>486
俺にはこんなにうらやましいことになってるのになんでみんなかわいそうとか恐ろしいとか言ってるのかがわからん
490名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 22:34:51 ID:6KsXIxps
>>488
じゃあ自分で作れよw
と言いたいが土日で暇だから作ってみる。
ただ飽きて途中で投げ出す可能性のほうが高いから期待すんなよ
491名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 00:04:11 ID:UP3yX0Bf
なんていうか兄貴にはしあーせになってほすぃですたい。

492名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 00:04:41 ID:7TkpaDQb
ここの住人で見てる人も居ると思うが、パー速の人のようなキモ姉が欲しいな。
493名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 01:01:19 ID:8rg0hEq9
このスレはともかく、Part4は誰か持ってないの?
494490:2007/10/21(日) 03:30:36 ID:R1D/qEZy
取り合えずやっつけ仕事
http://www7.atwiki.jp/kimo-sisters/pages/11.html
過去ログとか埋めネタとか、タイトルない作品は誰か任せた
495490:2007/10/21(日) 03:35:54 ID:R1D/qEZy
あ、すまんトップページじゃなかった
http://www7.atwiki.jp/kimo-sisters/pages/1.html
496名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 04:16:31 ID:K7ntalTj
497名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 11:17:44 ID:5akqgi+i
うがぁ〜うがぁ?!
498名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 11:39:04 ID:VYffBe0+
ただ一言、乙
499名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 12:00:28 ID:+PxoXSUp
乙です
500名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 12:29:51 ID:B9s9UzJr
GJ!!

最近スレ活性化してるね
綾の新作まだかな
501名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 14:56:42 ID:kx1qpe7w
年明けぐらいにはくるんじゃない
502名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 16:53:11 ID:a0qMcl11
>>492
詳細KWSK
503名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 17:12:36 ID:hKVlVTIl
>>494
GJ!!乙です!
504名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 18:36:49 ID:xeG5ZMYD
キモ姉って最初から前回だとつまらないよな。

普段はまだ普通のお姉ちゃんだけど、一皮剥けば超キモ姉っていうのが良い。
505名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 18:38:33 ID:HH5HUhcW
>>504
YOU書いちゃいなYO
506名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 21:40:02 ID:edDQwW+y
504じゃないけど書いてみる。ここに投下するのは初なので意見あったらお願いします。
507理緒の檻:2007/10/21(日) 22:02:32 ID:edDQwW+y
「ふぁぁ…あ〜ねみぃ…」
また一日が始まる。
時計を見ると7時を指していた。
「まだこんな時間か…ってこいつはまた…」
自分の寝ていた横を見るとまた勝手に人のベッドに潜り込んで寝ている姉が居た。
「ったくこのバカ姉は…」
そう、この姉はいつも俺より先に寝るくせに、いつの間にか俺のベッドに潜り込んでいるのだ。
「仕方ねぇなぁ…ほら、理緒姉、起きろって。」
「うぅん…」
いや、うぅんじゃなくて起きろって。しかも寝返りをうった拍子にパジャマがはだけて下着が見えてるし。
「はぁ…起きろ〜!」
言いながら軽くデコピンする。
「ひゃんっ!…うぅ〜痛いよぅ…酷いよ修くん…」
「起きない理緒姉が悪いんだろ。さっさと起きて着替えろよ。…色々と見えてるから。」
「え…?あ、本当だ。まぁ修くんにだったら見られても良いや。家族なんだし。」
「……はぁ。」
「溜め息をつくと幸せが逃げるよ?」
「あんたのせいだろうがこのバk「何?今もしかしてバカ姉って言おうとしたのかな?」
「い、いや、なんでもない。」
危ねぇ…前に1度だけバカ姉って言って殺されかけたのを忘れてた…
「とっ、とりあえず朝飯にしよう。」
「うん。修くん今日は何を作ってくれるの?」
「今日はご飯と味噌汁と納豆と焼き魚かな。」
「おぉ、純和風の朝食だぁ。じゃあ修くんが作ってくれてる間にシャワー浴びてくるよ。」
「はいはい。15分位でできるからな。」
「りょ〜かい。のぞきに来ても良いからね〜」
「いや、行かねぇし。つーか行ってたら魚が焦げちまう。」
「もぅ、真面目だなぁ…」
「普通だろ?いいから入ってこいよ。」
軽く頬を膨らませて風呂場に向かう理緒姉。…ああいう所だけ見ると姉って言うより妹だよな。
さて、朝飯作るか。
508名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 22:21:19 ID:HH5HUhcW
今日はおしまいかな?
509理緒の檻:2007/10/21(日) 22:33:34 ID:edDQwW+y
「あ〜…さっぱりしたぁ!」
もうすぐ朝飯が完成しそうな時にそんな声が聞こえた。
「修くん、朝ご飯できた?」
「もうちょいで魚が焼けるから座って待っててくれ。」
「は〜い。」
そういってテレビをつけて座る姉。
「お待たせ…って理緒姉、服着ろって。」
「ん〜、暑いからもうちょっとこのまま。」
「…目のやり場に困るって前から言ってるだろ」
実際今も直視できない。いくら姉とはいえ体型はかなり良い方だ。
痩せすぎではなく適度にむちむちな感じと言えば良いのだろうか。
前に自分で「Eカップになったよ〜」とか言ってたっけ…
とにかく色っぽい。
シャワーを浴びたせいか頬が薄く紅潮していて余計に煽情的だ。
が、姉に興奮する様な俺じゃない。
「せめてバスタオル一枚は勘弁してくれ。」
「わかったよぅ…」
しぶしぶといった感じで服を着る理緒姉。
「さて、冷めないうちに食べよう。」
「ちょ、ちょっと!お姉ちゃんが服着るまで待ってよ〜!」
「いや、冷めちゃうし。」
「あと30秒だからぁ!」
「仕方ないなぁ…」
持っていた箸を置く。
「はぁ…はぁっ、お待たせ。さっ、食べよっか。」
「「いただきます」」
もくもくと食べて、半分位になった頃に姉が話かけてきた。
「ねぇ、修くんって好きな人とかって…居るの?」
「なんだよいきなり?」
「いやぁ…修くんも年頃だから、好きな人の一人や二人居るのかなって。ほら、保護者としてさ。」
「…」
そう、うちは早くに両親を亡くしてしまって、俺が保育園位の時から祖父母と、中学に入ってからは姉と二人暮らしをしている。
だから心の中では理緒姉には感謝している。
…言葉で伝えると調子にのってくっついてくるのが目に見えてるから言わないけど。
「別に好きな人なんて居ないよ。今は勉強しないといけないし。」
「そう…なら良いんだけど。」
実際は…中学の時からずっと憧れている人は居る。
でもその人は顔も知らなければ、どんな人なのかも分からない。
なぜならその人は小説家なのだ。
中学の時にふと手に取って読んで以来、ずっと。
名前を、大広リエという。
唯一女性だという事を除けば他に何も知らない。
その人の書く推理小説は売れているにも関わらず、あの人がTVなどのメディアに顔を出した事がないという不思議な人だ。
510理緒の檻:2007/10/21(日) 23:11:17 ID:edDQwW+y
時間を見る。
7時50分。そろそろ支度をして学校に向かう時間だ。
「さて、と…じゃ、理緒姉、いってきます」
「いってらっしゃい。気をつけてね〜!早めに帰ってくるのよ〜。」
無言で後ろに手だけ振って応える。


学校に向かう途中同級生の女子に会った。
「おはよう。織部君」
「あぁ、おはよう。」
この子は中学からの同級生の羽居春華。
何故かずっと同じクラスで、常に委員長をしているいかにも真面目、というような子だ。
「折角だし一緒に学校行こうよ。」
「ん?まぁ…良いけど。」
同じクラスに居てもあまり話す事はない。
唯一テスト前はお互いに得意分野が違うので質問をしたりされたりする。
「そういえば織部君は大学に行くの?」
「まぁね。推薦貰う為に勉強やってるみたいな所もあるし。」
「そっか…頑張ってね。」
「あぁ、ありがとう。」

などと話しているうちに学校に着いた。

「おーっす、修、おはよう!」
「おはよう。…なんかお前テンション高くないか?」
「そりゃあテンションも上がるってもんよ!お前新しく来る先生の話聞いたか?」
「来るのは聞いてたけど…それがどうかしたのか?」
「どうしたもこうしたも、その人めちゃ美人らしいぜ!それもスタイル抜群で!」
「ふーん…」
「ふーんって、お前…!あぁそうか!お前には綺麗な姉ちゃんが居るもんなぁ。他の女に興味無くても仕方ないよなぁ!」
「馬鹿、ちげぇって!あの姉はそんなんじゃねぇよ!」
「じゃあどんなんだよ?」
「家族に決まってんだろ。」
「か〜っ、これだからお前は…俺にあんな姉ちゃんが居たら間違いなくあんなことやこんなことを…くぅ!」
「実際に姉が居たらそんな事考えねぇよ…」
「じゃあお前の姉ちゃん俺によこせよ!」
「それは却下だ。」
「なんでだよ?」
「お前の義弟になんてなりたくない。」
「ちっ、仕方ねぇ、新任の先生に期待すっか…」
ガラガラッ
「お、噂をすれば…っておぉぉぉ!」
入って来たのは確かに美人だった。
スタイルも理緒姉と良い勝負か?
周りの男子は皆口笛を吹いたり歓声をあげている。
「黙りなさい」
ビシッと冷たい言葉が飛ぶ。
決して大きくはないその声だが、一瞬にして教室内が静まりかえる。
511理緒の檻:2007/10/21(日) 23:45:14 ID:edDQwW+y
「今日からこのクラスの副担任をする氷室澪です。よろしく。」
簡潔な挨拶だが、皆が拍手をする。
結構きつそうな人だな…
「この中に織部君は居るかしら?」
え…俺?
なんで俺が呼ばれるんだと思いながらおずおずと答える。
「織部は俺ですけど…なんですか?」
「織部修君ね?話が有るから放課後教室に残っていて。」
「え…あ、はい。わかりました。」
「では皆さん、通常通り授業を受けて下さい。」
そう言って氷室先生は教室を出ていってしまった。
「なんでお前が呼び出し食らうんだ?」
「知るかよ…俺だってびっくりしてるし。」
「くそっ!このうらやましい奴め!」
「いてっ、止めろって!」

何事もなく授業は6時間目まで終了し掃除をしていた連中もバタバタと帰って行く。
当然呼び出された俺は帰る訳にもいかず教室でただ座っていた。
俺以外全員が居なくなって少し外が暗くなった頃ようやく氷室先生が来た。
「待たせたわね。」
「まぁ…それより話ってなんですか?」
「あなたはお姉さんと二人暮らしをしているのだそうね。」
「はぁ、そうですけど。」
なんでそんな事まで知ってるんだ?
一体なんなんだこの人は…?
「どうして知ってるんだ?って顔をしてるわね。ふふっ、知りたいかしら?」
初めて氷室先生が笑顔を見せた。
とても妖艶で美しいが、反面冷たく凍る様な不思議な笑みだった。
「私の事…覚えていないかしら?」
「…?」
覚えてるも何も初対面のはずだ。
「まぁ覚えていないのも無理はないわね。
あなたと会ったのはあなたが小学校低学年の時だもの。」
全然思い出せない…
が、何か引っ掛かる気もする。
「簡単に言えば私はあなたの姉、つまり理緒の友達よ。」
「理緒姉の…友達?」
言われてみれば、あまり友達を連れて来なかった理緒姉が唯一連れてきた友達が居た。
まさかそれが氷室先生なのか?
「少しは思い出してくれたかしら?」
「なんとなく…ですけど…。それは良いとしてなんで俺を呼び出したんですか?」
「あら、分からないかしら?」
そう言いながら近付いてくる氷室先生。
既に机1つ分の距離しかない。
512名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 23:59:57 ID:7TkpaDQb
513理緒の檻:2007/10/22(月) 00:27:56 ID:urFxa0Lz
すごく嫌な予感がした。
急に理緒姉の顔を見たくなった。
「私はずっとあなたを好きだったの」
今…なんて言われたんだ?
俺の事が…好き?
そんな馬鹿な。会ったのは小学生だぞ?
「相手は小学生ですよ?氷室先生…」
「今は高校生でしょう?」
「そういう問題じゃ…」
「年なんて関係ないわ。好きなものは好きなの。」
それにしても…急過ぎるだろう。
「そんなことを言われても俺は…」
「あなたの返事なんて聞いてない。私はあなたの体が欲しいだけなんだから」
「っ!ふざけないで下さい!」
「ふざけてなんかないわ。ほら…もうこんなになってるもの…」
言いながらスカートを降ろす氷室先生。
見てはいけないと思うのに目が離せない。
既に下着は湿っているようだった。
「見て…もうこんなに濡れちゃってるの…んっ…」
こっちを見ながら指でなぞっている。
指を往復させる度にくちゅ…くちゅ…といやらしい音が聞こえる。
「織部君…いや、修君…もっと見て…」
「くっ…」
たまらず目を背ける。しかし、それは間違いだった。
いつの間にか氷室先生は俺との距離を無くしていた。
「ふふっ…目を背けても体は正直よね。ここ、もう大きくなってるもの」
しまった…!と思った時には、既に氷室先生は俺のズボンの上から俺のペニスを撫で始めていた。
「うあっ…」
「君のおチンチン服の上からでも分かる位ビクビクしてるわよ?」
耳元でそんなセリフを囁く氷室先生。
「くっ…あぁ…」
まずい…このままじゃ理性が飛んでしまう。
なんとか逃げないと…
「服の上からこれじゃ…直接触ったらどうなるかしらね?」
氷室先生がベルトに手を掛けた瞬間。
「えっ?きゃあっ!」
俺はベルトを掴んだ氷室先生の左手を引き、体勢を崩させた。
そして左手が離れた所で急いで逃げ出した。
「待ちなさい!修君!」
「ごめんなさい!氷室先生!」

「…ちっ。まだ理性が有ったのね…でも、次は逃がさない。」

ようやく家にたどり着いた。
「ただいま…」
「修くん…こんな遅くまで何をしてたの?」
「先生に呼び出されただけだよ。」
正直になんて言える訳がない。
「ふぅん…」
スッと近付いて俺のそばでくんくんと匂いをかぐ理緒姉。
「修くん、女の匂いがするんだけど。」
「きっ、気のせいじゃないかな?」
「そうやってごまかすんだ。そんな修くんにはお仕置が必要だね。」


514理緒の檻:2007/10/22(月) 00:30:12 ID:urFxa0Lz
とりあえず一旦終了します。
515名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 00:35:59 ID:BQRYgLbZ
まだ読んでないけど、とりあえずモツカレー
516名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 00:55:38 ID:x5nFlKzi
>>514
書きながらの投下は止めてくれ。メモ帳とかに書いてからの方がいい。
517名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 01:00:26 ID:ptC7HluN
>>514
スマソ割り込みしてしまった、乙
518名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 02:08:45 ID:8SCe9xjM
>>514
なんというksk
519名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 04:12:49 ID:M3XNWqSI
>>514
台詞を、」で閉じるなら
閉じる前の句読点の。は要らないから
。」にする必要ないぞ。
520名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 08:34:44 ID:7mIRkCYq
待っていた・・・こんな話を待っていたぞ・・・っ!!
ヤンデレ姉を待ち続けて幾星霜・・・
ついに、ついに来たぞっ!!
521名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 08:50:55 ID:v8HqDQNj
つづきが気になるけど、氷室先生行き当たりばったり杉だろこれ
522名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 13:37:26 ID:5t/WcGBm
>>519
別に明確なルールがあるわけじゃない。
一つの作品内で統一されてるならどちらでも問題ない。
523名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 14:47:29 ID:ZMc7TMX/
プッ
524名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 15:42:53 ID:urFxa0Lz
514ですが、携帯から書いてるんでメモ帳コピーとかできないんですよ…
>>521
確かにいきなり過ぎました…でもちゃんと話を考えて有るので、次はこうならない様に注意します。
525名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 16:51:56 ID:OmRZUjXm
とんでもない骨董携帯でもない限りメモ帳が付いてないなんてことはないはずだが
それもこれだけの文字数を投稿できるような携帯だし
何個かのメモにストックして順に貼り付け投稿すりゃいい話だろ
何にせよ書きながら投稿はやめてくれ
526名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 17:42:18 ID:zLnMv/FT
というかメール保存の機能を使えばいいだけだと思うが・・・・・・
527名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 17:44:23 ID:zLnMv/FT
ちなみに別板では携帯投稿のやつが変な投稿の仕方をしてるので、
もはや荒らしと認識されているから、投稿の仕方には注意したほうがいい
528名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 18:11:51 ID:urFxa0Lz
わかりました。次から投下する時は書きながらは止めます。
ご迷惑をおかけしました。
529名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 18:26:55 ID:QNtX7XIw
>>528
頑張って続きを書いてくれ!
530名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 20:39:48 ID:+ps5h8SS
>>528
作品自体は楽しくてwktk
がんばれ
531理緒の檻:2007/10/22(月) 23:11:18 ID:urFxa0Lz
なんとか日が変わる前に書けたんで投下します。
532理緒の檻:2007/10/22(月) 23:12:11 ID:urFxa0Lz
「理緒姉…冗談だろ?」
「冗談?そんな訳ないじゃない。お姉ちゃんが修くんの事をどれほど心配したと思ってるの?」
淡々とした口調で話す理緒姉。
「それに先生に呼び出される様な悪い子の修くんは叱ってあげないとね」
「あのさ、言い忘れてたけど別に俺がなんかしたから呼び出されたんじゃないんだけど」
「ふぇ?そうなの?」
一転とぼけたいつも通りの声を出す理緒姉。
これでお仕置は避けられる…
「そうそう。だからお仕置なんて…」
「じゃあ修くんはなんで呼び出されたのかな?」
「えっと、ほら、うちって親が居ないからさ、学費の事とかさ」
俺が言い終わると理緒姉はにっこりと笑った。
良かった…なんとかごまかせたみたいだ。
「ふぅん…修くんの先生にはそういうお金の関係の事は直接私に言って下さいって伝えてあるんだけどなぁ?」
ヤバい、なんとかごまかさないと…
「いや、ほら、今日うちのクラスに新任の先生が来てさ。その人に呼び出されたんだ」
「その人…名前はなんていうの?」
「確か…氷室って言ったっけ」
その瞬間理緒姉の表情が急変した。
533理緒の檻:2007/10/22(月) 23:13:02 ID:urFxa0Lz
「氷室…?氷室ってまさかあの氷室澪なの?」
「そうそう。そんな名前だった。あのって…理緒姉の友達じゃないの?」
「あの女…まさか……けど……」
ブツブツと独り言を続ける理緒姉。
「理緒姉?どうしたの?」
「えっ?いや、なんでもないよっ」
ふう…危なかった。
「そ・れ・よ・り。修くんもしかして氷室澪に呼び出されたの?」
「そうだけど?」
「じゃあやっぱりお仕置だね」
「はっ?な、なんで?」
「お姉ちゃんを心配させといて女性といちゃいちゃしてるなんて許せない」
「いちゃいちゃなんてしてねぇって…」
「今すぐにはしないから安心して。修くんとりあえず夕ご飯作ってね」
「えっ…ちょっと、理緒姉?理緒姉ってば!」
ふんふんふ〜ん♪なんて鼻歌を歌いながら行ってしまった。
「こんな状態で夕飯なんて…」
グゥ〜…
「…作るか…」
仕方なく夕飯の準備を始める。
〜30分後〜
「理緒姉〜出来たよ〜」
「おなか減ったよぅ…」
ふらふらしながら近付いてくる理緒姉。
「おぉ!今日はカレーね!」
「まぁ簡単だからね。さぁ、食べよう」
「いっただきま〜す!」
534理緒の檻:2007/10/22(月) 23:13:42 ID:urFxa0Lz
もぐもぐという効果音でも付きそうな位の食べ方をする理緒姉。
「ん〜!おいしいよぅ〜!さっすが修くんだねぇ〜!」
「褒めてくれてありがとう。それでさっきのお仕置の話は無しになったりなんかしないの?」
「えへへ。それとこれとは話が別だよ。」
「ちぇっ…つーかお仕置って何すんだよ?」
「秘密。痛い事じゃないから安心してね?」
安心できねぇ…まぁそんなに酷い事はされないだろ。
「修くん、お風呂入らないの?」
「え?あぁ、入ってくるよ」
さっさと準備して入ろう。
先にシャワー浴びるか。
シャアアァァ…
ワシャワシャ…
カラカラカラ。
えっ?今風呂場の戸が開かなかったか?
「しゅ〜う〜くん♪お姉ちゃんが洗いに来ましたよ〜」
「えっ?えぇっ!ちょっ、理緒姉っ?」
「んふふ♪ほらほら、暴れるとシャンプーが目に入るからじっとしててね?」
言うと同時に腕を後ろに取られ何か紐の様な物で縛られてしまった。
これがお仕置なのか?
これから何をされるんだろうか。
「とりあえずシャンプーは流したげるね〜」
シャワーのお湯で流される。
「ほら、これで鏡が見えるでしょ?」
「っ!理緒姉っ!裸かよ…!」
535理緒の檻:2007/10/22(月) 23:14:28 ID:urFxa0Lz
「やっぱり気になるの?修くんも男の子だもんね〜」
「良いから服を着ろって…」
「そんなこと言っても修くんのこれ、もう立っちゃってるんだけどなぁ?」
修くんのペニスをギュッと握る。
「くっ…理緒…姉、止めろって…」
「お仕置なんだから口応えしないの。それに…気持ち良いでしょ?」
「理緒姉…なんでこんな事するんだよ…?」
「お仕置だって言ってるでしょ?」
もちろん本当の理由は私以外の女の匂いが付いてて吐き気がする位苛ついてるからだけど。
そんなことを言ったら間違いなく修くんに嫌われちゃうもんね。
でもこの苛立ちは解消したいからこうさせて貰ってるの。
ごめんね?
「お姉ちゃんは洗ってるだけなのにこんなに大きくしちゃって…修くんてやらしい子だったんだね」
「ちが…う…」
「違わないと思うよ。こうして固くして、ビクビクしてるんだから」
「あっ…うぁ…」
あぁ…修くんの喘ぐ声…可愛い…もっと、もっと聞きたい。
ボディーソープを手に垂らす。
「ちゃんと皮も剥いて洗わないとね?」
軽く泡だてて滑りを良くしてから剥いてあげた。
「うっ…くぁぁっ!」
んっ…私まで興奮してきちゃった。
536理緒の檻:2007/10/22(月) 23:16:08 ID:urFxa0Lz
「ねぇ、正直に答えてくれないかなぁ?修くん、こうやってチンチンを握られて、シコシコされて、気持ちよくなってるんでしょ?」
「そんなこと…無い…」
もぉ…強がる修くんも可愛いなぁ…もっといじめたくなっちゃうじゃない。
「そっかぁ。気持ちよくないんだぁ。じゃ、これならどう?」
すっと前に回った。
あぁ…やっと夢の一部が叶う。
こうして修くんのを可愛がれる日をどれだけ待ったかしら…
欲しい物はある日いきなり手に入るっていうけど、本当だったのね。
「理緒姉…もう…止めて…」
そんな泣きそうな目でお願いされるとちょっと考えちゃうなぁ。
でもこれはお仕置。
止める訳にはいかないの。
「だ〜め。まだまだこれからなんだから。あむっ、ん、ちゅ…」
ん〜、おいし。期待通り。
もっと舐めたくなっちゃう。
「うあぁ…理緒姉ぇ…駄目…だってばぁ…」
「んはぁ。でも修くん、先っぽからねばっとしたのが垂れてきちゃってるよぉ?」
「理緒ねぇ…こんなの良くないよぉ…俺たち…家族なんだよ?」
家族…ね。今までその言葉にどれだけ縛られてきたか…!
ここで一枚カードを切ってしまおうか。
いや、それはまだ早い…
537理緒の檻:2007/10/22(月) 23:16:48 ID:urFxa0Lz
まだ持ち札、それも限り無くジョーカーに近いこの札を切る訳にはいかい。
「これはえっちな事をしてるんじゃなくてお仕置なんだよ?それをえっちな風にとらえる修くんはやっぱりえっちでいやらしくて変態さんなんだね」
話をしながらも扱く手を止める事はしない。
ちゅくちゅくと泡と先走り汁が混ざった淫美な音が風呂場に響きわたる。
「理緒ねぇ…も、出ちゃいそう…」
その言葉を聞いて少し扱く速度を上げる。
「いっ、あぁ…出る…」
「まだだ〜めっ!」
根元をぐっと押さえる。
「あっ…ぐぅ…な、なんで…?」
「忘れたの?これはお仕置だよ」
簡単に離す訳無い。
本当ならずっとこのままでいたい位なんだから。
「それに…気持ち良くなんかないんじゃなかったっけ?」
「それは…その…」
ふふっ、本当に泣きそうになっちゃってる…
もう本当に何から何まで私の心の琴線に触れてくれるわ。
「そうだなぁ…修くんが自分は姉にお仕置されて感じてる変態です、姉の手で精子出させて下さい、ってお願いしてくれたら良いよ?」
538理緒の檻:2007/10/22(月) 23:23:37 ID:urFxa0Lz
「そんなこと…言えない…」
「じゃあこのままだね。はむ、んぐっ…」
「あっ、うぁ…ぐっ…出…」
その瞬間口をパッと離す。
「あっあぁっ…」
また出す寸前で行為を止める。
「ほら、ほら、修くん、言えば楽になれるよ?言ってくれたら意識がとぶ位気持ち良くしてあげる」
泡まみれの手で修くんの乳首をつまむ。
「くっ…自分は…姉に…んあっ!…お、仕置され…て、感じてる…変態…ですぅ!」
「続きは?」
「り、りおねぇの手でっ、あっ…ぐ…俺の…汚い…精子…出させて下さいぃ!」
あぁん…すっごくゾクゾクしちゃった。
もうちょっといじめたいけど、そろそろ良いかな。
「良く言えました。ご褒美に思いっきりイかせてあげるから、修くんの白くて濃いぃ精子いっぱいお姉ちゃんの顔に出してね?」
言い終わってから先を口に含み、竿を手で扱く。
「うあぁっ!りおねぇっ!出る、出るよぉ!」
「出してっ!お姉ちゃんの顔にいっぱいかけてぇっ!」
…どくどくと白く熱い精液が顔にかかる。
すごく濃くてねばねば…これが修くんの子種なのね…
「とりあえずお仕置はここまで。のぼせないうちに上がるのよ?」
「うん…」
頭の中は真っ白だった。
539理緒の檻:2007/10/22(月) 23:25:25 ID:urFxa0Lz
今回の投下終了します。メモ帳コピーできました。自分が携帯の機能を使いこなせてないだけでした…
540名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 00:36:55 ID:FryG4v3o
>>539
乙!
携帯でこれだけ打つのは大変だろうなぁ、
と読みながら思ってしまった。
続きがwktk
541名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 00:48:51 ID:J47IZJBJ
GJ
携帯職人にしては読みやすいし良いSSだ
542名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 02:30:57 ID:1nCAWSix
義理姉フラグか
543名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 13:26:07 ID:Q7Idf/RO
>>539
お疲れ!!
説教がうざかったかもしれんが許してやってくれ!
544時給650円:2007/10/23(火) 18:36:20 ID:RJT42fGI
>>476
続きを投下します。
545淫獣の群れ(その11):2007/10/23(火) 18:39:30 ID:RJT42fGI

 可苗がゆっくり腰を上げる。
 それまで騎乗位の体勢で密着していた二人の身体が、ごぽごぽ、という音を発して分かたれてゆく。
 さっきまで彼女の膣孔深く挿入されていた喜十郎のペニスが、ゆっくり抜かれてゆくに従って、大量に射精された十回分の精液が、音を立ててこぼれ落ちているのだ。
 その白い液体は、いまだ寝そべったままの兄の身体に、少し大きめの白い斑点を作ってゆく。

「あっ……!」
 彼女は思わず股間に手を当てた。
 実の兄に、剥き出しの女陰を見られる羞恥からではない。
 愛しい男の精子が、自分の女陰から流出するのを防ぐための、反射的行為だ。
「ああ……こぼれちゃう……折角お兄ちゃんが可苗に出してくれたのに、こぼれちゃうよぉ……」
 悪酔いしたように呟きながら、可苗は自分の学習机の一番下の引出し(一般的に、一番容積が大きい引出し)をごそごそと探り、“それ”を取り出した。
「……でも、安心してお兄ちゃん。すぐにこぼれないように、“栓”しちゃいますから……」
 それは、喜十郎も何度も“観た”ことはありながら、実際にその目で“見る”のは初めてのプレイ用具。
 男根を模した器具を、股布の内外両面に取り付けた黒い下着――ペニスバンド。
「――おい、それ、お前……!?」
 喜十郎としても、色々ツッコミたいところがあり過ぎて、もはや眼前の可苗に何と言っていいのか分からなくなっている。

 可苗は、その股布の内面に生えた、やや小ぶりな張型を、
「――んんんんっ!!」
 と、うめきながら、今日まで“未開の地”だった膣孔に、一気に突っ込んだ。
「んはっ、……これで“栓”が出来ましたよ、お兄ちゃん」
 そう歌うように言いながら、ビキニタイプの水着のように、左右の腰でカチリと固定する。
「でも、これはただの“栓”じゃないんです。開通しちゃった可苗の“栓”であると同時に、……お兄ちゃんという極上のワインの栓を開通させるワインセラー……お兄ちゃんのための“栓抜き”でもあるんです」

――さあ、お兄ちゃん。
 彼女の目が、陶酔したように輝く。
――言ってください。さっきの一言を。
 そう、可苗が瞳で訴えかけた瞬間、彼女は気付いた。
 喜十郎の目に、さっきまで無かった動揺の光が生じているのを。
546淫獣の群れ(その11):2007/10/23(火) 18:40:59 ID:RJT42fGI

“いもうと”の股間からニョッキリ生えた人工ペニス。その鎌首が自分に向けられる。
 その瞬間、喜十郎はその心中に、これまで感じた事の無い恐怖を感じたのだ。
 ペニバンを見た瞬間は『ヲイヲイ』というツッコミの対象でしかなかったはずの物体が、その本来の、“他者を凌辱するための擬似男根”という用具として可苗が装備したとき、喜十郎の心中に余裕は消えた。

――かつて尻をほじられたことは何度となくあった。
 最初は怖かったし、若干痛みもあったが、今では厳然たる性感帯として存在している。
 指も一本二本どころか、最近では五〜六本以上まとめて挿入できるように拡張されてしまった。
 しかし、それでも、眼前の――他者の股間から生えた禍々しい“男根”を目の当たりにしたとき、己をこれから思う存分蹂躙せんとする、その器具に反射的な恐怖を抱くのは当然だろう。
 これが女性なら『今からお前を強姦してやる』と言われたようなものだからだ。
 ましてや、彼は――当然ながら――男だ。
 男の本能に、他者の“男根”によって征服される快楽なるものは、普通は存在しない。
 いかに、日頃から『嬲られ慣れ』している喜十郎とはいえ、その心底はやはり並みの男と変わらない。つまりペニバンが発する禍々しさは、彼に影響を与えるのには充分だった。

 可苗に、そういう喜十郎の心理は分からない。
 が、分からずとも、彼が身に纏う空気が変わったのは、敏感に察しがついた。
 さっきまでの、
……かつて目を背け続けてきた“マゾヒスト”としての自分を認めさせられた羞恥心。
……“ヘンタイ”としての自分を周囲に暴露され、社会的に抹殺されてしまう恐怖感。
 さらには、
……それら全ての負の要素は、眼前の彼女によってのみ救われるという依存心。
 可苗が意図的に追い込んだ、その雰囲気が一変してしまっている。
 まるで、この家の扉をくぐった当初の、あのガチガチに緊張していた兄のようだ。

(まずいわ。可苗、どっかでミスっちゃったんだ)
547淫獣の群れ(その11):2007/10/23(火) 18:42:18 ID:RJT42fGI

――まあ、いい。

 可苗は聡明な娘だ。
 兄の動揺の原因が、己の腰に揺れる張型だとは、彼女はまだ気付いていない。
 が、原因はともかく、彼が雰囲気を変えた以上、今までの流れで話を進める危険性を瞬時に嗅いだ。
(それならそれで、話の持ってゆき方を変えればいいだけ)

「――お兄ちゃん、“前立腺”って知ってます?」
「……え?」
「男の人のGスポットみたいなものらしいんですけど」
「……?」
「そこでイっちゃうのって、男の人には、スッゴク気持ちいいらしいんですよ」
(何を言ってるんだコイツは?)
 喜十郎は、眼前の“いもうと”が何を意図して発言しているのか、理解できない。
 だが……。
「そこで……イカせてあげます」
 そう言った瞬間、可苗は、いまだブザマに仰向けになったままの兄の脚を持つと、膝小僧が肩に触れんばかりの角度まで、喜十郎を二つ折りにしていた。
「うわああああっ!?」
「すごぉい! お兄ちゃんの身体、すっごく柔らかぁい!」

 れろっ、れろっ、れろれろっ。
「ひぃっ……!」
 彼女の舌が、喜十郎のアナルを襲撃する。
 ゆっくりと、皺の一本一本を解きほぐすように、その柔らかい武器は兄の肛門をなぞりまくり、いじりまわす。しかしその動きは――これまで彼が経験した、どの肛門責めと比較しても、その差がハッキリ分かるほどに丁寧で、執拗なものだった。
(きっ、きもちいい……!?)
 喜十郎は、その舌遣いの繊細さに驚きながらも、一方では半ば、安心感すら感じていた。
――こいつなら、こいつだったら……オレを壊さないかもしれない。
 股間の男根型の凶器に対する畏怖が薄らぐとともに、湧き上がってきたのが、先程の一言。

『スッゴク気持ちいいらしいんですよ』
548淫獣の群れ(その11):2007/10/23(火) 18:44:28 ID:RJT42fGI

(オレは……期待しているのか? さっきまであんなに、寒いくらい怖かったのに……)

「いいんですよ、お兄ちゃん」
 そんな喜十郎の自問自答を読み取ったかのように、可苗が囁く。
「お兄ちゃんは、感じたい時に感じてくれればいいんです。誰にも遠慮なんかする必要は無いんです」
「でっ、でも……ひぁぁぁぁっ!!」
「んふふふ……まあ、恥かしいのは分かりますよ。“いもうと”にお尻の穴舐められて、全身びくんびくんケイレンするくらいに感じちゃって……、まるでお魚さんみたい」
「――やっ、やめっ……あああ……そんなこと……いうなぁぁっ!!」
 そんな喜十郎の悲鳴は、しかし叫んだそばから無視される。
「でも、お兄ちゃんは大事なことを忘れてますよ?」
 そう薄笑いを浮かべつつ、可苗は兄の肛門に指を突き立てた。
「〜〜〜〜〜〜〜〜っっ!!」
「お兄ちゃんは、痛くて、苦しくて、恥かしいのが大好きな、ヘンタイさんなんですから」
――ですから、遠慮なく恥かしくなってください。
 彼女の唇が、そう動いたように思えた。
 なぜ“思えた”のか?
 彼の目には、もう何も見えなかったから。
 彼の耳には、もう何も聞こえなかったから。
 ただ、喜十郎の脳中を支配していたのは、体内に侵入した“いもうと”の、二本の指から与えられる、夢魔のごとき快感だけ。
 桜とも春菜とも真理とも深雪とも詩穂とも比奈とも違う、……ぐねぐねとした、その蠢(うごめ)きは、まるで指の形をした触手のようだった。

「ここですね――」
 その指先が、くるみ大のざらざらとした器官を捉え、刺激する。
「っっっっっっっっ!!」
 瞬間、胃液が逆流すほどのエクスタシー。
 その無理やり捻じ曲げられた背骨が、逆に反り返るほどの快感。
 しかし可苗は、それでも彼を解放しない。
 まるでブリッジのような体勢で、全身の力を振り絞ってもがく兄の裸体を、上から彼女自身の全身を預ける事で押さえると、そのまま彼の耳朶に唇を寄せた。

「お兄ちゃんの前立腺、ぱんぱんに肥大してますよ」
「いつもいつも、お家でお尻をイタズラされてる証拠ですね?」
「毎日毎日お尻で感じさせられて……普通の男の人なら絶対にありえないですよ。ほんと、お兄ちゃんはいやらしいんだから……」
「でも――」
 そのまま可苗は、渾身の愛情を込めた口付けを、兄に送る。
「そんないやらしい、ヘンタイさんのお兄ちゃんが、可苗は大好きなんです。ですから、もっともっとお兄ちゃんの感じてる、……ヘンタイ的な顔を可苗に見せてください」
549淫獣の群れ(その11):2007/10/23(火) 18:46:12 ID:RJT42fGI

 そうだ。
 感じていいんだ。
 喘いでいいんだ。
 恥かしくてもいいんだ。
 だって、オレはヘンタイだから。
 恥かしくて感じる、ヘンタイだから。

 その瞬間、屈辱は消えた。恐怖も消えた。その他あらゆる雑念が消えた。
 喜十郎の中には、ただひたすらに快楽を求めようとする、純粋なまでの欲望が残った。
「――して、ください……」
「え?」
「オレ――ぼくのお尻の“処女”を奪って下さい……」
 ほろりほろりと大粒の涙をこぼし、魂からしぼりだすように喜十郎は、願いの言葉を口にする。

 その瞬間、
「――わかりました」
 可苗のリミッターもまた、
「奪ってあげます」
 完全に外れた。


 ずぼぉっ!!
「かはぁぁぁっっ!!」


 可苗の腰の張型が、正常位の体勢で喜十郎のアナルに押し当てられた、その次の刹那には、“それ”は根元まで彼の体内を侵略していた。
「――ひゃうあっっっ……ふっひひぃぃぃっ……ぁぁぁっ!!」
 ずぽっ! ずぽっ! ずぽっ! ずぽっ! ずぽっ! ずぽっ! ずぽっ! ずぽっ! ずぽっ! ずぽっ!
 白目を剥き出しにして、一切の理性を剥奪された表情で喘ぐ喜十郎。
――いかに彼を日常的に弄ぶ本家の“妹”たちといえど、ここまで快楽に溺れた“兄”の貌(かお)は見たことがあるまい。まさしく百年の恋も覚め果てるであろう間抜け面で、彼は無残に喘ぎまくる。
 そんな兄をAV男優顔負けのストロークで、兄を凌辱する実の妹。
 そして、そのまま彼の腰を固定していた自分の両手を、そろそろ、そろそろと移動させてゆく。
 未だ斑状内出血が生々しい、兄の首へ。

――おにいちゃん。……かなえが、もっともっと、きもちよくしてあげます……!!
――だから、
――おにいちゃんも、かなえをきもちよくさせてください……!!
550淫獣の群れ(その11):2007/10/23(火) 18:47:48 ID:RJT42fGI

 ぴんぽ〜〜ん。ぴんぽ〜〜ん。ぴんぽ〜〜ん。ぴんぽ〜〜ん。ぴんぽ〜〜ん。ぴんぽ〜〜ん。
「はいは〜〜い」

 重い鉄のドアの向こうから聞こえる、明るい声。――それが、不安と苛立ちでささくれだった桜の神経を、いっそう逆撫でにする。
 がちゃ、がちゃがちゃ、――かちん。
「――はい、どな……あれ、桜ちゃん?」
 チェーンロックをかけたまま、細めに開いたドアの向こうから、キッチンのいい匂いと共に、三ヶ月ぶりに会う可苗の、いかにもご機嫌な美貌が垣間見えた。
「可苗ちゃん、お兄様は来てる?」
 久闊を叙する挨拶などカケラも無い。ドアの隙間に足を突っ込み、仏頂面の桜はイキナリ口を開く。
 さすがの可苗も、その剣幕にはたじろいでしまう。
「ちょっと、……どうしたんですイキナリ? お兄ちゃんに何かあったんですか?」
「いいからっ! お兄様は居るの!? 居ないの!?」
「――待って下さい。いま、チェーン開けますから」
「そんなことはいいから訊かれた事に答えなさいっ!!」

「桜ちゃん、少しは落ち着いてくださいっ」
「あんまり騒ぎ過ぎると、まずいですわよっ」
 口々にそう言いながら、春菜と真理が、怒り狂う長姉を取り押さえる。
 いくら従姉妹同士とはいえ、他人の家の玄関先でこんなやりとりをしていたら、流石にまずい。下手をすれば、団地の隣人に警察を呼ばれかねない。
 桜とて、それくらいの理性は残っていた。家に入れてくれると言うなら、大人しく従った方がいいに決まっている。少なくとも誰に聞かれるかもしれない、こんな玄関先でつかみ合いを起こすよりは。
「うん……分かった。――ごめんなさい可苗ちゃん、いきなり大騒ぎしちゃって……」
 桜は、先程までのヒステリーが嘘のように、しおらしく従姉妹に詫びた。
「いいんですよ、可苗は気にしてません。……で、お兄ちゃんなら」
 ロックが外れた。

「お兄ちゃんならウチに居ますけど……取り合えず入ってください」
551時給650円:2007/10/23(火) 18:48:37 ID:RJT42fGI
今回はここまでです。
552名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 19:25:35 ID:xZ8kbh5n
>>551
うん…まぁ…うんGJ
553名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 19:49:40 ID:/hByBazb
今、直接対決が始まる
554名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 20:20:35 ID:18mKm66e
>>543
いえ、ありがたい注意でしたので、全然気にしてないです。
>>551
ここまでいじめるのは自分には書けないので、勉強になります。
GJ!
555名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 21:02:07 ID:/FAe1T47
>>551
え、え〜!?家に入れちゃうの?一体どんな罠が・・・(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
GJ!!!!
556名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 21:41:51 ID:/fU4ZsFB
ここまで余裕ってことは・・・ゴクリ・・・
中に何が待ってるのかwktk
557名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 22:26:30 ID:YXGop+SK
>>551超GJ!
Mの俺にはたまりません。
558理緒の檻:2007/10/23(火) 22:40:08 ID:18mKm66e
続き投下します。
559理緒の檻:2007/10/23(火) 22:41:01 ID:18mKm66e
やっとの思いで風呂から上がる。
頭が…くらくらする…
それに…理緒姉の顔がまともに見られそうもない…
あれだけ無様な姿を見せ、情けないセリフを吐き、みっともなく射精した上に唯一の家族である姉の顔にかけるなんて…
などと回らない頭で考えていると、
「修くん、お風呂上がったの?お姉ちゃんと一緒にあったかい牛乳飲もうよ〜」
内心では今顔を合わせるのは避けたいと思った。
しかし、さっき姉がした行為を姉自身はどう思っているのか聞いておきたい、とも思う。
「今行くよ」
電子レンジのまわるブーンという音だけが響きわたる。
理緒姉はニコニコと笑いながら頬杖をついて牛乳が温まるのを待っている。
俺は…さっきあの手で…って俺は何を考えてんだ!
早く忘れないと…
チーン!
「うわっ!」
「修くん?なにをそんなにびっくりしてるの?」
「あっ…いや、なんでもない」
「はいっ、牛乳」
「あぁ、ありがとう」
受け取った牛乳を口に含む。
「あちっ!理緒姉、どんだけ温めたんだ?」
「ん〜…2分位かな?」
「通りで…」
熱過ぎるので机に置いておく。
「理緒姉…あのさ」
「どしたの?」
「さっきの…事なんだけどさ」
560理緒の檻:2007/10/23(火) 22:44:41 ID:18mKm66e
「さっきの事ってなにかな?」
「その…風呂場での…あの…」
あらあら…顔赤くして俯いちゃって。
可愛いんだから…もっとしたくなっちゃうじゃない。
「あぁ、お仕置の事ね。あれがどうかしたの?あっ、もしかしてもっとしてほしいとか?」
「ちっ、違うよ!そうじゃなくて理緒姉はどういうつもりであんな事をしたのかって事だよ!」
必死に否定すると余計そう見えちゃうんだけどな。
「どういうつもりもなにもお仕置だってずっと言ってるじゃない」
「本当に…ただ俺を叱る為にやったんだよね?」
叱る?とんでもない。あなたを、修くんを愛する為にやったに決まってる。私の物にするためにしたのよ。
なんて口には出さないけど。
「もちろんよ。修くんにはお姉ちゃんがどれだけ心配したのかを分かって貰いたくてしたの」
「そう…そうだよな。…うん、それなら良いんだ」
「聞きたい事はそれだけ?」
「あ、うん。あっ!やべぇ、明日のご飯の為の米研ぎするの忘れてた!…もう冷めたよな」
そういって牛乳を飲み干す修くん。
ふふっ…ちゃんと全部飲んでくれたね。
「ふぁぁ…お姉ちゃん眠くなっちゃった…先に寝てるね?」
待ってるよ?ふふふ…
561理緒の檻:2007/10/23(火) 22:47:31 ID:18mKm66e
「おやすみ、理緒姉」
眠そうな顔の姉を見送って、米研ぎの準備を始める。
シャカシャカと小気味良い音を立てて米を研ぐ。
明日も7時だなと考えつつ予約時間を決める。
「ふぅ、これでよしっと。俺も寝るかな…」
あくびを一つしてから自分の部屋へ向かう。
部屋の扉を開けてしばし立ちすくんでしまった。
なんで理緒姉が俺の所で寝てるんだよ…
叩き起こしてやろうか…くそぅ、幸せそうな顔しやがって。
これじゃ起こせないじゃないか。
「うぅん…」
うぅんじゃないうぅんじゃ。
仕方ない…起こさない様に入るか…すっごく嫌だけど。
もぞもぞとなんとかベッドに入る。
姉は今自分に背を向けている状態だ。
理緒姉…服がめくれてるって。
あまりにも寒そうなので起こさない様に服を降ろしてやる。
さて、寝なきゃ…

……
………
…………
なんでこんなに眠れないんだ?
いつもならすぐに眠れるのに…
しかも…俺のコレはなんでこんなに立ってるんだよ…
一回風呂場で射精してるにも関わらず服の下で痛い程に立っている。
ヤバい。このままじゃ眠れない…
仕方ない…トイレにでも行って自分で抜いて来るか…
562理緒の檻:2007/10/23(火) 22:48:11 ID:18mKm66e
「修くん…側に居て…」
動こうとした瞬間に理緒姉のそんな言葉が聞こえた。
「り、理緒姉?起きてる?」
「んん…スー…スー…」
寝てる…寝言か。
しかしびっくりした。って理緒姉…足が絡まってるんだけど…
これじゃ動けないじゃないか。
これじゃトイレに行けない…
ここでするしか無いのか…?
でも理緒姉が起きちゃったら…
ぐぅ…駄目だ…我慢出来ない…
そっとズボンとパンツをずらして俺自身を取り出す。
「ハァ……ハァ…」
シュッ…シュッ…
くっ…なんでこんなに…立ってるんだ…早く…おさめないと…
「ん…」
り、理緒姉がこっち向いてきちまった…
それも…その拍子に右手が俺の胸の辺りに…
これじゃ…続けられない…
どうしよう…どうしよう…
そんな事を考えていると、理緒姉の手がもぞもぞと動き始めた。
それも下半身の方に向かって。
その動きはまるでくすぐっているかの様でさわさわと俺の腹を撫でる。
くすぐったいけど…気持ち良い…
「っ!っ!」
なんとか声を抑える。
しかし理緒姉の手は止まってくれない。
とうとう太ももまで来てしまった。
くっ…もう先走りまで出てきちまってる…
563理緒の檻:2007/10/23(火) 22:48:58 ID:18mKm66e
このまま…理緒姉の手で…されたい…
いや…そんなの、駄目だ。俺と理緒姉は…血の繋がった家族なんだ…それを汚す様な事は…
でも…さっきみたいに…してもらいたい…なんで俺は…こんなに我慢してるんだろう?
さっきも、した事じゃないか。
頭の中で考えがまとまらない。
一回だけ…一回だけだ…
ごめん、理緒姉…
そう頭の中で呟き、理緒姉の手を取って…
俺のモノにあてがう。
理緒姉の手はひんやりと冷たかった。
でも、熱くなった俺のモノにはすごく気持ち良いと思える。
「ハァ…ハァ…っ!」
つい息が荒くなってしまう。
もう少し…もう少しでイける…
その瞬間。
「修くん…?なにやってるの?」
「っ!理緒…姉…」
「修くん、これ…どういう事?なんで、お姉ちゃんは修くんのを掴んでるの?」
正直…もう何も考えられなかった。
もう、これで…理緒姉と元の関係に戻れる気はしなかった。
「理緒姉…ごめんなさい…ごめん…」
とにかく謝る事しかできなかった。風呂場では俺達は家族なんだから良くないなどと言っておきながら、自分が姉を性欲の対象として見てしまったのだから。
「……」
理緒姉は無表情に俺の事を見つめていた…
564理緒の檻:2007/10/23(火) 22:50:40 ID:18mKm66e
今回の投下を終了します。
一つ聞きたいのですが、固定の名前を付けた方が良いですかね?
565名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 00:18:37 ID:AkChfPY4
そこらへんは作者さんに一任でいいんじゃないのかなぁ
ともあれGJ
姉策士ww
566名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 00:19:26 ID:vklEXrMA
>>564
GJ!

タイトルだけあればそれでいいと思
あまり自己主張するのはトラブルのもとだからな
567名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 00:20:20 ID:GYWEoZWM
おいおい、ビックリするくらいハメられているじゃないか弟よw
続きを楽しみにしている作品の一つです。GJ!!!!!!
568名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 00:28:56 ID:t3cuoKtt
コテはともかくトリップは付けといた方がいいと思うよ
569名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 00:37:22 ID:vFt04dRb
鳥は偽物対策につけたほうがいいかもね
570名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 04:01:55 ID:XR02VOeA
>>551
家に入れてしまった。
これで次回直接対決が始まるかと思うとwktkがとまらんwww
次回も期待してます、Gj!!
571名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 04:10:02 ID:VRVkidsK
無口なキモウト……はいないな。
572理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/10/24(水) 07:12:39 ID:3f+o/uGy
トリップだけ付ける事にしました。
573名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 09:13:58 ID:YIvNMijH
綾タンを待つ・・・
574名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 14:27:06 ID:I4kh8xjP
無口スレにキモウトになりかけな妹がいたな
前スレだから保管庫が更新するのを待つかログインするしかないけど
575名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 14:54:31 ID:dZSNxHjl
無口な妹ってこのスレにもなかったっけ?
576 ◆/waMjRzWCc :2007/10/24(水) 17:54:36 ID:3f+o/uGy
続き投下します。
577理緒の檻:2007/10/24(水) 17:55:15 ID:3f+o/uGy
ふふっ…まさかここまで上手くいくなんて。
自分で考えた事ながらびっくりするわ。
「理緒姉…ごめんなさい…ごめん…」
そんなに謝らなくても良いのに。だって私がそう仕向けたんだから。
「修くん…お姉ちゃんと修くんは家族だって、修くんが言ったんだよ…?」
「………」
「修くんは…お姉ちゃんの事…嫌いなの?家族じゃなくても、良いの?」
「そんなわけない!そんなわけない…けど…何故か頭がぼーっとして…」
そうだよね。そういう薬を牛乳に溶かして入れといたんだから。
牛乳の膜で包まれる事が無いようによ〜く溶かして…ね?
「お姉ちゃん、修くんの事嫌いになっちゃうよ?」
「嫌だ…俺…理緒姉に嫌われたくない…」
私が修くんの事を嫌いになるなんて事…たとえ修くんがどんなに私を嫌ってもありえないけど。
「理緒姉…俺、なんでもするから…許して下さい…」
なんでもする、ね。その言葉が聞きたかったの。
「なんでも?本当にお姉ちゃんの為になんでもしてくれるの?」
「うん…約束する」
「お姉ちゃんの事を一番に考えてくれる?」
「約束する」
「お姉ちゃんのものに…なってくれる?」
「約束するよ」
578理緒の檻:2007/10/24(水) 17:59:39 ID:3f+o/uGy
落ちた…!
ついに修くんが私の手の中に…
嬉しすぎて…思わず笑っちゃいそう。
今すぐ抱き締めてあげたい。
でも、今はしない。
まずは、自分が私のものになったんだと認識させる為にも…いじめておかないとね?
「じゃあ、修くん。ベッドのすぐ横に寝てくれる?」
「理緒姉…なにするの?」
「その…一回出したのに固くなってるそれ…しずめてあげるから…そのままじゃ眠れないでしょ?」
「えっ?いや、駄目だよ…また理緒姉を汚しちゃうし…」
「良いから良いから。修くんは…私のものになってくれるんでしょ?違うの…?」
「いや…俺は…理緒姉の…」
まだはっきりとは言ってくれないのね…
完全に落ちてはいない…か。
まぁいいわ。まだまだ持ち札は有る。
むしろここまで一枚も切らずに進んだ事が奇跡的なのだ。
もう少し苦労すると思ってたんだけどね。
「さぁ、そこに寝て?大丈夫、痛い事はしないから。ね?」
「分かったよ」
そう言って仰向けに寝る修くん。
「じゃ、始めるわね?」
そう言って私は修くんのモノを擦り始める。
手ではなく、足で。
「どう?気持ち良い?」
「あっぐ…うぁっ…あぁ」
「その様子だと良いみたいだね」
579理緒の檻:2007/10/24(水) 18:00:06 ID:3f+o/uGy
「りっ、理緒姉…こんなの…やだよ…っ」
「だ〜めっ。これはさっきの罰でもあるんだから。それに…気持ち良いんでしょう?」
話しながらも足は止めない。
むしろ動きは速さを増していく。
「いっあっ…理緒ねぇ…気持ち…良い…」
そうでしょう?この時の為に練習したんだからね。
「ふふっ、足でされて感じちゃって。一応罰なんだけどなぁ?」
「あっ…ごめんなさい…理緒ねぇ…」
ん…そんな顔で謝られると…ゾクゾクしちゃう。
やっぱり修くんは…すごく良い。
もう、絶対に手放さないんだから。
昔みたいな事は…繰り返さない。
「修くんの…もうぬるぬるしてきちゃってる。イっちゃいそうなのかな?」
「ん、あぁ…りおねぇ…も、…出ちゃう…」
「良いよ。いつでも出して?お姉ちゃんの足にいっぱいかけて良いから」
足の動きを加速させる。完全にイかせる動きに変える。
「うぁっ!あっ!りおねぇっ!出る、出ちゃう!」
ビュルッ、ビュルッ…どくどく…
「ふふっ、いっぱい出たね。お風呂でした時と同じ位濃くて…ねばついてる」
すっごぉい…こんなのを中に出されたら…一回で受精しちゃいそう。
「それじゃ、寝よっか?修くん♪」
580 ◆/waMjRzWCc :2007/10/24(水) 18:01:26 ID:3f+o/uGy
投下終了。
何か意見有りましたらどんどん言って貰えるとありがたいです。
581名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 18:05:32 ID:MEXhPs//
キモ姉(・∀・)イイ!!
582名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 19:56:48 ID:akaiDg7z
題名の横にトリップつければいいじゃないw
583名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 21:22:03 ID:+uqM17Nv
>>580
あれ?普段はキモさを見せない姉ってプロットで始めたんじゃないのwwww
キモさ前回wwwwwwwwww


まぁ大好物なんだがね
584 ◆/waMjRzWCc :2007/10/24(水) 22:33:49 ID:3f+o/uGy
>>583
そのつもりでしたが…まぁ今の所キモくなるのは行為の時だけなんで…普段は見せないだけですが。

さて、次回に続く接続を投下します。
585理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/10/24(水) 22:34:36 ID:3f+o/uGy
俺は、夢を見ていた。
昔、いつだったか好きな人ができた事が有った。
理緒姉にも話した。
その時理緒姉は笑って「頑張ってね」
って応援してくれた。
それで勇気を貰った俺はその子に告白した。
その子は、意外とあっさりとOKをくれた。
そして俺とその子は付き合っていた。
もちろんまだお互い子供だったからただ遊んでいるだけだ。
それでも、俺は確かに幸せだった。
両親が死んで以来初めて幸せを感じた。
でも、長くは続かなかった。
ある日突然、その子は泣きながら別れを告げてきた。
俺が何を聞いてもただ泣きじゃくるだけで答えは聞けなかった。
それから、俺は、学校でいじめられる様になっていた。
学校では俺がふって、その子を泣かせたという事にされていた。
いくら否定をしても誰にも信じて貰えなかった。
そんな絶望すら感じる状況で唯一助けてくれたのが、理緒姉だった。
理緒姉だけが俺の言葉を受け止めてくれて、理緒姉だけが俺と一緒に居てくれて。
その時から俺は、人と接する事を減らし、人を好きにならずにいた。
中学に入って、大広リエさんの本を読んで憧れを持った。
図書館に有ったこの人の本を全て読破した程だった。
586理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/10/24(水) 22:35:23 ID:3f+o/uGy
この人の本は推理小説でありながら、人間の描写がとても細かい。
あまり人と話す事をしなくなった俺には分からない事だった。
その中の登場人物にまるで理緒姉の様な人が居た。
誰にでも優しく、いつも元気で、人を疑う事をしない人だった。
こんなキャラクターが書ける人なら、きっと優しい人だ。
そう思って、ファンレターも送った。
高校に入ってからは、やっとまともに人と話せる様にはなった。
まだ、距離を置くようにはしてるけど。
人を好きになる事は未だにできない。
それほどまでに俺の傷は深かった。

眩しい…もう、朝か。
顔を触ると涙が出ていた。
こんな姿理緒姉には見せられないな…夢で泣くなんて情けなさすぎて。
理緒姉は隣で寝息をたてている。
理緒姉の寝顔を見ていたらなんとなく気持ちが落ち着いた。
さて、朝飯でも作るか…
今日はトーストにしよう。ジャムもマーガリンもちゃんと有るし。
トーストを焼いていると理緒姉が起きてきた。
まだ眠そうな顔で「おはよぅ〜…」
なんて言ってくる。
「おはよう理緒姉。今日はパンだよ」
「うん…顔、洗ってくるね…」
本当朝に弱いよなぁ…
587理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/10/24(水) 22:36:16 ID:3f+o/uGy
しかし…昨日の事を考えると、こんな日常に戻れるとは思わなかった。
本当に、家を出て行こうかと思う程だった。
でも、理緒姉は許してくれた。
多分次は無いだろうと思うけど。
顔を洗った理緒姉が戻ってきた。
「お腹減った…修くん、早く食べよう?」
「うん、もうすぐ焼けるよ。飲み物はコーヒーで良い?」
「いつも通りミルクと砂糖も入れてね?」
「分かってる。理緒姉ブラックのコーヒー飲めないもんね」
「あぁっ、なんか修くんお姉ちゃんを馬鹿にしてない?」
「そんなこと無いよ。ただ子供みたいでかわいいなぁとか思っただけ」
「子供みたいは納得いかないけど、かわいいって言ってくれたから許してあげる」
「それは良かった。さて、焼けたから食べようか」
「ん。ジャム大目でお願いね?」
「はいはい」
「いただきま〜す」
はむはむとパンを口に含む理緒姉。
本当にこうしてると小動物なんだけどなぁ…
まるで種をかじるハムスターみたいだし。
「ねぇ、修くん」
「何?」
「今日は学校おやすみしても大丈夫?」
「ん〜、一応平気だけど…どうして?」
「あのね、お姉ちゃん今日お仕事おやすみだから、一緒に居たいなぁって…駄目?」
588理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/10/24(水) 22:36:57 ID:3f+o/uGy
うっ…そんな上目づかいで頼まれたら断れないって…
この微妙に潤んだ目とか首の傾け具合とか…反則クラスだ。
「分かった。正直俺も休もうかと思ってたしね」
「ん、どうして?」
「…下半身にあんまり力が入んない」
「うわぁ…ごめんね?お仕置とはいえやりすぎちゃったね…」
「いや、あれは…俺が悪いんだし、理緒姉のせいじゃないよ」
「うん。じゃ、おやすみの連絡入れておくね?」
「分かった。熱が出たとでも言えば大丈夫だから」
「もしもし、お忙しい所すみません、3年の織部修の姉ですけど…………はい、すみません、失礼します」
ガチャリと受話器が置かれる。
「これで今日一日修くんと一緒に居られるね♪」
「理緒姉、楽しそうだね」
「あったり前じゃない!だってお仕事はおやすみだし、修くんとは一緒に居られるし。」
「俺と居るのが楽しいとは思えないんだけど…」
「そんなわけないじゃないっ!」
「あ…う、その…ごめん」
強く否定する理緒姉に驚き、謝ってしまった。
「えっと、とりあえず何をする?」
なんとなく質問する。
「とりあえず…いちゃいちゃしたいな」
は?と思った時にはくっつかれた。
今日一日どうなるんだ…?
589名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 22:58:38 ID:s/2ehX66
規制されたのかな。とりあえず支援。
筆が早くてウラヤマシス
590名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 01:43:46 ID:BMVTBliA
やっぱり姉の仕事ってアレかなあ。
591名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 02:30:39 ID:QHu66Z1k
最初あの変態女教師がかと思ってたけど姉っぽい気もするなぁ
でも物書きさんって休日決まってるのか……いや仮に姉がそうなら弟が知らない以上隠してるということになるわけであって、となると一応は勤めに出ているってことになってるんだろう

そういえば勤め人にしては朝がゆったりすぎるし……ブツブツ
592名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 14:02:07 ID:EN8a0fQi
このスレで待っていれば、作者さんがいずれ来てくれて、ここで山姉の続きを書いてくれんじゃないかと期待してる俺
593名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 17:53:16 ID:vqeU2ASv
とりあえず下手糞なりにwiki更新してみたけど・・。
できる人が綺麗に直しといて下さいorz
594 ◆/waMjRzWCc :2007/10/25(木) 20:46:31 ID:28eKpu81
続き投下します。
昨日は投下終了を書かないまま終わってしまってすいませんでした…
595理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/10/25(木) 20:47:17 ID:28eKpu81
「あっ、あの、理緒姉?ちょっと…くっつきすぎじゃね?」
「そんなこと無いよぉ〜。ん〜、修くんあったかいねぇ…お姉ちゃん眠くなっちゃいそう…」
「り、理緒姉…寝ちゃ駄目だよ。俺動けなくなっちゃうし」
「そうだねぇ…あっ、そうだ。お姉ちゃん買いたい物が有るんだけど…」
「ん?何が買いたいの?」
俺が質問すると理緒姉はにっこり笑って
「秘密だよ〜」
と言って着替えに行ってしまった。
俺って一応学校休んでんだよなぁ…
外出て平気かな?
まぁ学校が終わる時間より前に家に戻れば良いか。
俺も着替えよう。
「理緒姉〜まだぁ?」
「むぅ〜、修くんはやいよぅ…もうちょっと待ってて」
仕方ないな…
………
「お待たせ〜!」
「遅いよ理緒姉…って何?その格好…」
「何か変かな?良いと思うんだけど…」
「いや、良いんだけど…目のやり場に…困るというか…」
「興奮しちゃいそう?」
そりゃあそうだろう。なにしろ胸元の開きは大きいし、下はミニスカートだし、化粧も大人っぽくて色っぽいし…
正直どこを見ても…エロいとしか…
「理緒姉…それは派手過ぎない?」
「大丈夫大丈夫。」
俺が大丈夫じゃないんだけど。
596理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/10/25(木) 20:47:56 ID:28eKpu81
「さっ行こっか?」
「本当にそのまま行くの…?」
「もぅ、修くんしつこいよぅ〜」
「そんな格好してると襲われるかもしれないぜ?」
「修くんに?」
「違うって…」
修くんになら襲われても良いなぁ…
それはそれで燃えるシチュエーションよねぇ…
昨日みたいにしたらしてくれるかな?
「分かったよぅ、そこまで言うなら上着着てくから。ね?」
「まぁ…それなら」
「じゃ、行こっか」
さて、買う物を知った時の修くんの反応が楽しみだなぁ。
「ここって…服屋だよね?服が欲しかったの?」
「まぁとりあえず入ろ?」
「ん、分かった。へぇ〜女の人の服ってこんなのも有るんだ…」
「修く〜んこれとこれどっちが良いかなぁ?」
「どれ?… ってぶはっ!ちょっ、理緒姉っ…それ、下着じゃ…」
「そだよ〜。こっちのはかわいいよね〜。
うわぁ、こっちの黒いのはえっち〜」
「理緒…姉…それを俺に選べと…?」
「そうだよぉ。修くんの好みで選んでくれれば良いからさ」
「俺の好みとか言われても…」
「この普通のやつ?それとも横が紐のえっちぃの?あっ、それとももしかして縞パン?」
「……」
お〜、煙が出そうな位赤くなってる。可愛いなぁ。
597理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/10/25(木) 20:48:35 ID:28eKpu81
「さっ、どれが良いかなぁ?」
「ううぅ…」
「ねぇどれぇ?」
「き、決められないって…」
「あっ、そうか。実際はいてるの見ないと決められないよね。じゃ、更衣室に行こ?」
「え、や、違うって…理緒姉?聞いてる?引っ張んないでってば〜…!」
「で、結局入っちゃった訳だ…」
「さぁて、どれからはいてみる?」
「どれからとか言われても…」
「じゃあこの普通のからいってみようか」
するすると服を脱ぐ私。
もう既に下着だけの状態になっている。
そして下着をはきかえる。
「理緒姉…やっぱり駄目だって…」
「そんなこと言ってもちらちら見てる修くんに説得力無いよね〜」
「うう…だって…見た事無いから…」
「だから見て良いって言ってるじゃない。ほらほら。似合ってる?」
「…似合ってるけど、ちょっと地味かな…」
「そっか…じゃ次にいこうか」
またするすると脱ぎ、別のをはく。
「次はこれ。これ、結構えっちだよねぇ…」
「うわっ、エロ…」
「ん…修くん、じっくり見すぎ…」
気持ち良くなってきちゃうよ…
「あっ!理緒姉、ごめん…」
「うん…感想は?」
「すごく…エロいです…」
「もぅ…それしかないの?」
598理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/10/25(木) 20:52:21 ID:28eKpu81
「だってさ…」
「仕方ないなぁ…次行くよ?」
「うん…」
「次はこれ。縞パンだけど…これって何が良いの?」
「さぁ…俺縞パン属性持ってないから分からないよ」
「じゃあこれはさっさと変えようかな…」
縞パンは好みじゃない…っと。
やっぱり修くんていやらしい子だよね。
あの黒いのであれじゃ次のはどうなるかな?
「次はちょっとすごいから、良いって言うまで目、つむってて?」
「すごい?何が?」
「良いから見ないで!いくらお姉ちゃんでもさすがに恥ずかしいから…」
「分かったよ…」
ん〜、さっき見た時も思ったけど、本当にすごいなぁ。
「もう良いよ…」
「分かった。見るよ?………ぐはあっ!?」
「これ…すごいでしょ?」
「すごすぎ…そんなの…現実に有るのか…」
「お姉ちゃんも、びっくりしちゃった。これ…裸より恥ずかしくてえっちだよねぇ…」
こんな格好で修くんと個室で二人っきり…
すっごく興奮してきちゃった…
家に帰ったら…ふふっ…
「無理…それは無理だよ理緒姉…」
「そうだね…」
これと黒い紐のを買ってこう。
修くんきっと驚いてくれるだろうなぁ。
「じゃ、帰ろ?」
「うん…すっげぇ疲れたよ…」
599 ◆/waMjRzWCc :2007/10/25(木) 20:53:49 ID:28eKpu81
投下終了。
う〜ん…キモ姉ってより痴女になってきちゃったな…
ちなみに縞パンて何が良いんでしょうか?
600名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 23:08:39 ID:M9NRcYwZ
GJ
601名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 23:11:11 ID:1vmM8G+H
実験的ネタ投下します。エロ無しです。
602気持ち悪い妹:2007/10/25(木) 23:13:36 ID:1vmM8G+H
 先日、私は三度目の自殺に失敗しました。人間の体というものは思いのほか丈夫に作られてるらしく、勝手に毒を吐き出してしまうのです。
肉体は、とんでもないエゴイストです。持ち主の私がどんなに死にたい死にたいと願っていても、無理矢理生きようとしますから。
私という個性は、囚人です。否応なく生かされる、鎖を繋がれた奴隷です。
 幸せになれない人生に、何の価値がありますか。ただただ、苦しくて、悲しくて、妬ましく思うだけの一生に、どんな意味がありますか。
労働、心労、困苦、窮乏、失錯、茶番、倦怠、懊悩、嫉妬。私の生涯はそれだけでした。
世界のなかからきれいさっぱり消えてなくなってしまうことが、私のただ一つの希望でした。けれど、失敗しました。死ねばいいのに、私はまた兄さんを悲しませてしまいました。
 運ばれた病院での胃洗浄は、たいへん苦しいものでした。兄さんの叱責は、もっと辛いものでした。
どうしてこんな真似をするんだ。辛いなら相談してくれ。そう涙ながらに訴える兄さんの姿に、ひび割れ、砕けかけ、とうに色あせてしまった私のこころがぎしりと軋みました。本当、こんな私なんて、死ねばいいのに。
私は兄さんに何もいいません。私は臆病です。だから私は死のうとしたのです。兄さんが話している間も、こころの奥底に澱み、渦巻いているどす黒い想念を外に逃がさぬよう、私はじっと黙りこくっていました。
 私は素直にこころをあらわせない子でした。欲しいものやしたいことがあっても、両親に言い出せないどころか、そんなことを考えた自分を恥しく思い、顔を赤らめて、身動ぎ一つ出来ない子供でした。
私は怖かったのです。人に笑われることが怖い。人を傷つけることが怖い。人にさらけ出すことが怖い。つまり臆病者なのです。
自分の頭でものを考えたりせず、他人の頭で考えます。主体性なんてものはぜいたく品で、他人の真似しか出来ないのです。
603気持ち悪い妹:2007/10/25(木) 23:15:07 ID:1vmM8G+H
 そんな私にも、ただひとつ、自分の意志から出た欲求があります。私は兄さんが好きでした。男として好きでした。たまらなく愛しています。
はじめの兄さんとの思い出は、駄菓子屋でお菓子を買ってもらう場面です。いつもは意地悪な兄さんが、優しい声で「何がいい?」と話しかけてくれるのでした。
子供の頃の兄さんは、両親に叱られてばかりでした。私をぶったり、お菓子をとったりして、母さんに怒られるのです。
母さんのいる前では、兄さんは私に対して意地悪でした。けれど、私と二人きりのときは、とても優しい人でした。
近所に住む乱暴な年長さんに私がいじめられたときも、勝てもしないのに、兄さんは悪童へ殴りかかっていきました。
「お兄ちゃんなんだから当たり前だ」というのが兄さんの口癖で、私のためにこしらえた傷を撫で擦りながら、ぶっきらぼうに呟きます。兄さんは、私と同じ恥しがりやなのです。
 思春期を迎えた私は、夜な夜な兄さんを想って一人遊びに耽ったものです。そ知らぬ顔をして、先ほどまで股座をかき混ぜていた指で兄さんの体に触れてみると、背筋にぞっとするような快感が走りました。
こんなこといけない、いけないと思いつつも、私にとってそれはたいへん魅力的な行為で、麻薬のような常習性がありました。
この頃にはもう、私は兄さんを性愛の対象としてみていたのです。
高校に入ってしばらくすると、兄さんは一人の女性を家に連れてきました。兄さんは、私には何も教えてくれません。そして、隣にある兄さんの部屋から、無理に噛み殺したようなくぐもった音と、何かの軋む音が聞こえます。
私は壁に耳を当てて、涙を流しながら、自分を慰めていました。
604気持ち悪い妹:2007/10/25(木) 23:17:08 ID:1vmM8G+H
 時間は、常に私たちを追い立ててきます。鞭を叩きつけて、休む暇も与えずに先へ先へと追い遣り、血を流させます。
一つのところに留まることは、一瞬たりとも許されません。安息は、あってはならないことです。私たちは動揺し、移ろい続けねばなりません。
日々の糧を得るための労苦。一生涯、その日その日を引き摺られて生きて、疲れ果てて死んでいく。
老衰という病気は無いそうです。どんなに長く生きたとしても、医者は心不全などの病名をカルテに書きなぐります。
環境は変化します。私はただ、兄さんと仲の良い兄妹でいたかった。二人きり、余分な人間なんて要らないのに。けれど、私たちの周りは変化を強制する。
体は勝手に大きくなり、立場は年々変わっていって、二人の距離はその日ごとに広がっていく。
私は兄さんの恋人と談笑するようになりました。女の子同士の、秘密の話。男の子の兄さんには教えてあげません。
私は彼女に微笑みます。彼女も私に微笑みます。笑えるようになったのではなく、笑うしかないのです。
 兄さんが結婚しました。お相手は例の女性です。タキシードを着た兄さんの表情はとても幸せそうで、私は涙を流して祝福しました。
その翌日、私は最初の自殺未遂をしました。浴槽に浸かったまま、手首を深く切りつけました。
第一発見者は母らしいです。私は意識が朦朧としていたので、詳しいことは分かりません。
 病院で鬱病と診断されました。大学を休学して、カウンセリングに通わされます。ときどきは、兄さんの新居に招待してもらい、兄さんと一緒に夕食を食べます。
奥さんは私のことをあまりよく思っていないようだけれど、兄さんがとても優しくしてくれるので、へっちゃらです。
法事などで、家に親戚が集まるたびに私の陰口が囁かれていますが、兄さんは私を庇ってくれます。
私が病院へ通うようになってから、母さんは随分痩せてしまいました。白髪も増えて、まるでお婆さんみたいですけれど、私にはどうでもいいです。
 兄さんの赤ちゃんが生まれました。丸くてちっちゃな、醜い顔をした赤ん坊です。私は、最近よく眠れないとカウンセラーに報告します。馬鹿なおばさんはそれを鵜呑みにして、処方箋を出してくれました。ちょろいものです。
そうして、私はまた自殺に失敗しました。
605気持ち悪い妹:2007/10/25(木) 23:19:34 ID:1vmM8G+H
 母さんが倒れました。父さんにぶたれました。本当にどうでもいい。兄さんが悲しみました。自分が情けなくなりました。ですからもう一度、隠していた薬を飲み込みます。
悔しいことに、三度目の正直とはいきませんでした。薬への抵抗が付いてしまったようです。
 私は兄さんを愛しています。この秘密は、お墓の中まで大事に抱えていかなければなりません。根掘り葉掘り聞き出そうとする厚顔無恥な善人気取りや、ただ血が繋がっているだけで内心疎ましく思っているであろう赤の他人には、絶対に漏らしてはいけないのです。
たとえ、私の想いが叶ったとしても、私たちは幸福になれません。無関係な人間ほど、憤慨して、陰口を叩きたくなるものです。私たちの周りの人間がそうでした。人間は、倫理によって殺されます。恥らいで自殺します。
あのウェルテルでさえ、自ら頭を撃ち抜きました。兄さんの幸福を願うからこそ、気持ちの悪い妹は生きていてはいけないのです。私は生きていたくないのです。
 もしも、死後の世界というものがあるとしたら、私は今度こそ絶望したでしょう。死してもなお生きなければならないのなら、正しく無間地獄です。
私はもう、疲れてしまいました。忙しなく働くのはこのくらいにして、眠ってしまいたくなりました。何も無い状態、生まれる前の状態に戻りたくなりました。
 リストカットでは上手く死ねませんでした。服毒自殺は二度も失敗しました。今度こそ、必ず成功する、手間のかからない、邪魔が入らない、確実なやりかたを用います。
持ち運べる椅子を用意しました。長くて丈夫な縄を用意しました。近所の高校に私の背丈より高い鉄棒を見つけました。
深夜になるまで待ちます。結局、私は未通女のまま死んでゆくのでしょう。けれど、それがとても嬉しくもあります。
私の愛は清かったと、たいへん誇らしいこころのまま、死ねるのですから。
 頼りなくぶら下がる輪っかに、頭を通します。だんだん、首に感じる体重が、大きくなっていきます。
腕が、がくがくと震えて、宙を掴みます。足がしびれて、動かなくなります。
好きです。兄さん、と口の中で呟きます。愛しい人の顔を思い浮かべて、椅子を蹴飛ばします。
ごきり。鈍い音が、耳の奥から響きます。まるで、じぶんのからだじゃないみたい。うえからだんだんくろいのがおりてくる。
さよなら。兄さん。







606気持ち悪い妹:2007/10/25(木) 23:20:24 ID:1vmM8G+H






「子供たち連れて来なくてよかったわね。お義父さん、娘が亡くなったっていうのに、羽目外しすぎよ」
「まったく。まあ、気持ちはわからんでもないがな。親父たちもようやく厄介払いできて安心してるんだろ」
「でも、不謹慎だわ」
「そうだよなぁ」
「どうしたの?」
「いや、な。明日朝一で会議が入ってるんだ。このままじゃ終電に間に合わないかもしれない」
「後のことは私がしておくから、あなたはもう帰ったら?」
「ああ。そうする。母さんも疲れてるみたいだし、手伝ってやってくれ」
「ええ」



607名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 23:21:24 ID:1vmM8G+H
以上です。
608名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 23:29:55 ID:DmSq7S2C
兄を殴りたい
不思議
609名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 23:34:23 ID:xn3gxZ8q
改行の知識が必要です。

以上
610名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 00:03:30 ID:q0MhgZh+
日本語君の次は改行君か

>>607
妹ちゃんカワイソス……
611名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 00:09:42 ID:DLGmunYw
スルー


>>607
何か切ない気持ちになった……
612名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 00:17:27 ID:e8qxGkWm
つまりどういうことなんだ?
613名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 00:35:09 ID:4qqnJeSo
>>612
妹は兄大好き、でも言えない
兄が他の女と幸福になる現実に耐えられず自殺
兄とその嫁は事務的に妹の死を受け入れる

兄貴死ね
614名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 00:40:02 ID:+6hOU0Sp
最後の会話が兄さんとその嫁の言葉だよな?
結局は兄からも内心で疎まれていて、救われない話だと俺は読んだが。


>>599
GJ! 縞パンは割れ目の形が鮮明に浮き上がるのがいいのです。
615名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 01:15:22 ID:68LK+Xoe
キモウトが自らのキモウトっぷりを自覚した上で退いてるのがすごいと思った
なんかキモウト(キモ姉)っつーのは、
お兄ちゃん(弟)は私のもの。絶対に誰にもわたさないんだから的な押しの強いイメージを勝手に持ってた

でもやっぱり救いがないのはかわいそうだなぁ
616名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 01:41:24 ID:ApLrZQUn
俺も、キモウトは自分の気持ちをあらゆる手段を屈指しても貫くイメージがあるな
思い悩んでリアルに病み、不幸に死んでいっただけみたいで…
常識とか理性が欠けてこそなところはある
617名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 01:51:59 ID:OBI690nf
元ネタの人間失格も、本人(葉蔵)が抱いてた自分のイメージと、
他人が抱いてた葉蔵のイメージが違う、っていうのが最後の皮肉だからな。
618時給650円:2007/10/26(金) 01:59:38 ID:AwWakKzG
>>550
投下します。
と、言いたいけれど、……何か空気嫁、とか言われそうですな。
気に触ったら、ゴメンです。
619淫獣の群れ(その12):2007/10/26(金) 02:02:00 ID:AwWakKzG

「何だお前ら、一体どうしたんだ、がん首そろえて?」
 居間で、はふはふとおでんを掻き込んでいたのは、彼女らがあれほど捜し求めた“兄”だった。

「お兄様……!?」「兄上様……!?」「兄君さま……!?」

「――どこでもいいから座っちゃって下さい。よかったら晩御飯一緒にどうです?」
 さっきまでと同じく、上機嫌な声で三人の従姉妹に呼びかける可苗。そのまま、ぱたぱたと軽快なスリッパの音を立てて、奥のキッチンへ行ってしまう。

 居間の間取りは、本家と同じく六畳間。
 冬になればコタツにも転用できる、脚の低い大きなテーブル。
 その中央には、やや大き目の電気鍋。そこに、いかにも美味しそうなおでんが煮えている。
 そして、そのテーブルに座ってテレビを観ていたらしい喜十郎が、ほけっと“妹”たちを見上げている。
「わざわざ、オレを迎えに来たのか?」
「まっ、まあ……そんな感じなんですけど、――あの、お兄様?」

 そこで何か言わんとした長姉の肩を、武闘派の次女と読書家の三女がぽんと叩く。
「……桜ちゃん、ちょっといいですか……?」
「少しこちらで、話ませんこと?」
 気のせいか、二人の顔が心なしかヒクついているようだ。
「――え、ああ……えええっ……!?」
 そのまま春菜と真理に両腕をとられた桜が、じたばたと廊下に連行されていく。
……そして、話が違うじゃないですかとか、こんな事だろうとは思ってたんですよ、とかいった内容のひそひそ声が聞こえてくる。喜十郎にはよく聞こえなかったが、真理と春菜に、桜が怒られているらしい。
 そんな三人に、ふすまの向こうの居間から、のんびりとした兄の声が聞こえて来た。

「おい、その――何だか分からねえが、とにかく来たんなら、一緒におでん食わねえか?」
620淫獣の群れ(その12):2007/10/26(金) 02:03:44 ID:AwWakKzG

 キッチンで、茶碗にご飯を盛りながら、可苗は笑いをこらえるのに必死だった。
 勿論、廊下での三人の諍いも兄の声も、彼女には丸聞こえだった。
「くくくっ……くっくっくっ……!!」

――遅すぎますよ、あなたたち……!!
 そう、すでに実妹が実兄の“処女”を奪って、一時間以上が経過している。
 その間に可苗は、半失神状態にあった喜十郎に再び暗示をかけ、部屋の後片付けを手伝わせ、風呂までいれさせた。
 もはや喜十郎の脳裡に、この団地に帰ってからの肉の宴は刻まれてはいない。
 可苗とともに紅茶を飲み、気が付けば眠っていたのと、寝汗がひどかったので風呂を借りた。
 彼自身の記憶としては、ただそれだけである。
 何の痕跡もない。
 仕事としては完璧に近い。
 むしろ可苗としては、なかなか来ない本家の従姉妹たちに、内心イラついていたくらいなのだ。

 商店街の中の感動の再会。
 当然の事だが、あれは放課後から兄のデートを尾行した結果である。
 詩穂が彼の隣にいたのは無論計算外だが、彼女に“見せつける”ことで、本家の姉妹たちがどう動くか、それを測る絶好のテストケースになった。
 そして案の定、彼女たちはやって来た。
 今頃ノコノコやって来て、あたふたしている間抜け面の三人姉妹。
 彼女たちを思い浮かべると、可苗は、嘲笑というよりもむしろ、憐憫に近い感情さえ抱いた。
 
621淫獣の群れ(その12):2007/10/26(金) 02:06:28 ID:AwWakKzG

「――ほっ、本当はね、お兄様、もっと早く来るつもりだったんですよ」
「桜ちゃんが道に迷わなければ、もっと早く兄君さまのご実家へ辿り着けたはずですのよ」
「そうですわっ! だいたい、あの大通りを左に曲がっていれば――」
「ちょっと真理っ! そう思ったのなら、何でその時にそう言わないのよっ!?」

“妹”たちが、もはや誰に対してかも分からない言い訳を、“兄”の前で延々と続ける。
 それを苦笑いしながら、優しい眼差しを送る喜十郎。
(よかった。何とかお兄様は無事みたいね……)
 二人の妹と漫才を続けながらも、そんないつも通りの“兄”の様子に安心する桜。
――が、
「まあまあ三人とも、もう分かったから、とにかく落ち着きなさい」
(ちょっと、落ち着き過ぎてない?)
 その瞬間、桜は“兄”の態度に、言い知れぬ違和感を持った。
 彼女の脳裡に、今日の昼休みの光景が浮かぶ。

『三分以内にイカせなさい』
 そう言われて、苦渋の表情を浮かべながらも目を伏せて、唯々諾々と“妹”の股間に舌を使い続けた“兄”。吹きっさらしの屋上で、屈辱に身を震えながら、彼女の前に屈した男。
――それはすべて、実家に追い返されたくない一心の行為だ。
 そんな彼が、ここまで落ち着いた態度を取るだろうか?
 それも、あれだけ彼が拒絶した、実家の中で。
(ありえない)
 そう思った瞬間、桜の両手は喜十郎の頭を掴み、力任せに自分の胸に抱き寄せていた。

「おっ、おいっ、さくらっ!?」
「ちょっ……、桜ちゃんっ!?」
「桜ちゃんっ!! 兄君さまに何をなさるのですかっ!?」
――が、彼女は周囲のそんな騒ぎに耳を貸す事も無く、胸の中の男の髪から、とある匂いを嗅いでいた。
 洗いざらしのトニックシャンプーの匂い。だがそこからは、

 薄いが、とても馴染みのある一筋の精臭が、確かに存在した……。


 桜は、喜十郎を放り出すと立ち上がり、そのまま彼と可苗の二人部屋に駆け込んだ。
「……!!」
 もはや確認するまでも無い。
 一応、後始末はしてあるようだが、彼女の目から見れば一目瞭然だった。
 部屋に立ち込める湿った空気。カーペットの沁み。何より、この言いようの無い生臭さ。
 桜は、再び居間に駆け込むと、そのまま“兄”に詰問する。

「お兄様、一体何があったの?」
「……どういう意味だ?」
「言葉どおりの意味よ。お兄様がこの家に帰ってから、可苗に何をされたのか訊いてるの」
「何をされたって、――別にオレは……」
 思わず俯き、口ごもる喜十郎。桜は、その顎に手を差し伸べると、ぐいっと彼の顔を強引に自分に向けた。
「お兄様、……なぜ目をそらすの?」
「……」
「私の目をまともに見れない理由でもあるのね?」
「違う! オレはっ……オレは……」
 喜十郎は、そのまま結局何も言えずに、目を伏せるしかなかった。
 桜は、そんな“兄”の顔から、そっと手を放す。

 何かを理解したような、何かを妥協したような、何かを諦めたような、そんな溜め息を吐いて。
622淫獣の群れ(その12):2007/10/26(金) 02:08:27 ID:AwWakKzG

「……お兄様、帰りますわよ」
「桜――?」
「お母様が、私たち全員に、話があるそうです。……何故一人で、お父様を置いて、博多から帰ってきたのか、それを説明くださるそうです」

 一文節一文節ごとに、全身の力みを込めて……睨み下ろす強烈な視線に乗せて、文字通り吐き出すように言葉を語る。
「桜、ちゃん……?」
「何を、怒ってるんです?」
 彼女の二人の妹たちは、事態を読めずに、ぽかんと彼女を見つめている。
 逸って、勇んで来たのはいいが、何事も無かったように食事中の“兄”を見て、拍子抜けのバカ面をさらして、内輪もめをしていた長姉。
――が、いまここにいる桜は違う。
 さっきまでの、玄関前でヒステリーを起こしまくっていた殺気が、再び甦っている。
「私……可苗ちゃんに、挨拶してくる。お兄様を、返してもらうって……!」
 二人の妹をアゴで招く。
「春菜、真理、行くわよ」
 そこには、有無を言わせぬ迫力で妹たちに君臨する、一人の姉がいた。

 桜が何を怒っているのか、喜十郎には分かっていた。
 確かに、ここに帰ってからの記憶が妙に曖昧だ。
 だからといって、何もかもサッパリ分からないなどということは、ない。

――思い当たる節は有り過ぎる。
 身体が重い。
 にもかかわらず下半身は軽い。
 軽いというより中身を抜かれたような――溜まっていた澱(おり)を、残らず搾取された感じだ。
 あと、肛門に妙な異物感を感じる。
 これは“妹”たちに指やローターで責められたときの、前立腺をいやというほどイジられた感覚か。
 さらに、首だ。
 シャワーを浴びる時に鏡で確認したら、斑点状の内出血が首筋に残っていた。
 ドラマ『ER』によれば、頸部皮膚上に斑状内出血が見られる場合……首を絞められた可能性が考えられるという……。

 何をされたのかはサッパリ分からない。だが、何かをされた事は確実だった。
623淫獣の群れ(その12):2007/10/26(金) 02:11:15 ID:AwWakKzG

「――可苗っ!!」

 声を震わせながらキッチンに怒鳴り込んだ桜は、サイドヘアーの三つ編みを揺らしながら、上機嫌で鍋をかき回している従姉妹に、渾身の怒声をぶつけた。
「あら桜ちゃんたち、どうしたんですか? 向こうでお兄ちゃんと一緒に、おでんを食べてるはずじゃ――」
「あなた、お兄様に何をしたのっ!!」
「何の事です?」
「――とぼけんじゃないわよっ!!」
「とぼけてなんかいませんよ」

「ちょっ、ちょっと桜ちゃん」
「一体何を怒ってるんです?」
 先程の玄関先と同じ構図だが、……いや、同じではない。春菜と真理には、あの時と違い、もはや姉が何故怒っているのか分からない。
 常に動物的な勘を優先させて動く、この長姉の行動についていけなくなっているのだ。

「……桜ちゃん」
 可苗の目が、すっと細くなった。
「これ以上騒ぐと、お兄ちゃんに聞こえちゃいます。静かにしましょう?」
 ただ目つきが細くなり、声のトーンが低くなっただけだ。それ以外は何も変わらない。
 にもかかわらず、可苗の笑みは、まるで能面のような――いかにも上から貼り付けたような、そんな不気味な笑みに変わり果ててしまっていた。
 いや、変わったのは笑顔だけではない。

 さっきまでそこにいた、喜十郎の家庭的な実妹は、もうここにはいない。
 大根の皮を剥いていた包丁は凶器に、やや大ぶりなエプロンは返り血を防ぐ作業着に、そして何より、先程までの家庭的な雰囲気は氷のような殺気に、――文字通り一変してしまっている。

(こっ、これが……この娘の、本性っ!?)

 三人姉妹は、その眼光の奥に光る酷薄な輝きに、思わず言葉を失った。
624淫獣の群れ(その12):2007/10/26(金) 02:13:07 ID:AwWakKzG

 ならば、喜十郎が実家への強制送還を恐れた理由も納得がゆく。

――“兄”が怖れたのは、可苗。この年齢にして、ここまで凄艶無比な殺気を放つ少女。
 そして現に喜十郎は、その身に“何かをされた”形跡がある。
 にもかかわらず、それを全く意識していないかのような素振りで、食事をとっている。少なくとも、桜が知っている喜十郎は、そこまで器用に自分自身の感情を隠蔽できる少年ではない。
 と、なれば、彼女が実兄に何をしたのか、おおよその想像はつく。

「……あなた、お兄様に、何か一服盛ったわね……!?」

「……いっぷく」
「盛った?」
 春菜と真理が、鸚鵡(おうむ)返しに姉を見る。
 もっとも、二人が瞠目したのは桜の言葉だけではない。あの……眼光薄く光る、可苗の化生のような笑みを見据えながら、いささかも退いていない姉の気迫に、妹たちは驚いたのだ。

 しかし、可苗も当然、そんな一言くらいで怯むことは無い。
 先程からの冷たい笑みに、さらに蔑むような彩りが加わったのみだ。
 そしてこの沈黙の笑顔こそが、百万言の答辞よりもさらに雄弁な、桜の問いに対する返答だった。
「……やっぱり、そうなのね、可苗?」
「……」
「言いなさいよ。クスリで意識を奪って、実の兄に一体何をしたのか……!?」
「……」
「かなえっ」
「――ずるい」

 詰問調の一言に、思わず前のめりになった桜の動きを封じたのは、ギラリと光った包丁の輝きだった。
「やっぱり、ちょっとずるいですよ、桜ちゃん」
 いつ凶刃と化すかもしれない右手の包丁を、ステンレスの流しに置くと、可苗の笑顔は、また変化した。
 酷薄な、能面の笑顔から……少し拗ねたような、甘えたような、少女特有のイタズラっぽい笑顔へ。

「『実の兄に何をしたのか』なんて言い方、非道いですよ。それを言うなら、あなたたちにとっても、お兄ちゃんはお兄ちゃんでしょう? だから――」
625淫獣の群れ(その12):2007/10/26(金) 02:15:45 ID:AwWakKzG

「それは違いますわ可苗ちゃん」
 春菜がズイっと前に出る。
「ワタクシたちにとっても、兄君さまは確かに兄君さまですが、それでも義理の兄妹に過ぎません。義理の兄妹と実の兄妹とでは、同じく禁忌を破るにしても、雲泥の差があるのですよ」
 彼女は彼女なりに、近親相姦のタブーを悩んでいた時期があったから、義兄と実兄を同一視する可苗の言い草に、やはり一言あったのだろう。

「そこまでよ、春菜」
 しかし、桜はそんな次妹を敢えて制する。
「――だから、だから、どうしたっていうの、……可苗?」
 可苗の言葉の続きを促す。ここで大事なのは、少なくとも、そんな倫理上の話ではないのだから。
 そして、可苗もにっこり笑って、それに答える。
「だから……桜ちゃんたちが、お兄ちゃんにしている事を、可苗もしただけですよ」

「抱きしめあって」
「キスしあって」
「挿れてもらって」
「出してもらって」
「イカせてもらって」
「知ってます? お兄ちゃんってチアノーゼになったら、スッゴク可愛い顔するんですよ」
「桜ちゃんたちには、ホント感謝してます。わざわざ、この日の為に“可苗のお兄ちゃん”の身体を、手間暇かけて開発してくれたんですから」
「まさか。可苗が純潔を捧げたその日に、お兄ちゃんに“処女”を逆に捧げて頂けるなんて、思ってもいませんでしたもん」
「じゃあじゃあ、お礼に教えてあげますね。お兄ちゃんの“首”って、とっても細くて硬くて、それでも脆そうで――、お尻を犯しながら、きゅって首を締めてあげたときの、あの感触っていったら、もう……!!」
 
 
 もはや、桜たちは本当の意味で、絶句していた。

626時給650円:2007/10/26(金) 02:19:06 ID:AwWakKzG
投下は以上です。

>>607
実は、そういうの結構好きです。
627名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 02:26:59 ID:Do91eWQ8
GJ
個人的には、兄を玩具として扱っていた義妹達よりも
純粋に愛して壊れてしまった叶苗に勝って欲しいところ
628名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 02:54:37 ID:q0MhgZh+
暗闇に道を開くのは、「覚悟」のある者だけだ……義妹にはそれがない
おもしろくなってきた……実妹ゆえに犠牲は必要だが……
明るい輝きで『道』を照らしている。
実妹の「覚悟」が道を切り開く!!
629名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 12:59:09 ID:OS4VKfj6
だよね、可苗には禁断の愛を貫いて欲しい
630482:2007/10/26(金) 13:42:14 ID:E189X92K
兄ちゃんの生還が絶望的になってきたな…(´;ω;`)
確かに、輪姦逆レイプの毎日よりは幸せな末路かも知れん。
631名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 17:04:34 ID:1QDNu/dz
みんなで幸せになろうよ
632名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 17:15:47 ID:SaBBeoGp
GJ!! そして可苗にはエールを送る。がんばれ可苗。
633名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 17:41:47 ID:4qqnJeSo
兄貴の幸せはいずこに?
ま、可苗に抱かれて絞め殺されるのも一興か。
634名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 23:35:41 ID:68LK+Xoe
この実妹ちゃんはおにいちゃんのことがなくても猫とか虐待しそうで怖い

でもこのおにいちゃんラブっぷりはすごく素敵だと思う
635名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 23:59:13 ID:7GrkJ8db
猫にオナニー手伝わせようとは思わなかったのだろうか
636名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 00:10:46 ID:ANRgmgwe
オナニーをローマ字に変換すると『onani-』。

句切りをつければ『on ani』

なるほど、可苗そのものですね
637名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 08:29:53 ID:Ot25LYea
>>636
その発想は無かった
638名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 13:23:18 ID:V5RDIzCd
>>636
平成の異端児
639名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 16:49:05 ID:z52YyNOq
妹と弟は2字違い、兄と姉は一字違いってのに昨日風呂の中で気づいた
640名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 17:16:26 ID:Ot25LYea
それぞれ、妹と弟&兄と姉が一緒に風呂に入っているときに
気が付いたのならスゴイと思うが
641名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 18:50:18 ID:IS5Qsp7g
>>640
その妹と弟はどっちが年下で、姉と兄はどっちが年上なんだ?
642名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 18:58:07 ID:z52YyNOq
キモウトが弟だったらどうなんのかなって考えてたら、そういえば2字違いじゃねと思った。
643名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 18:58:52 ID:z52YyNOq
キモウトが弟→弟がキモウト
644名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 19:43:44 ID:Ot25LYea
>>643
それだとキモオトじゃね
645名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 19:55:34 ID:z52YyNOq
おとおとじゃないぞ・・・、そして弟はキモなくていい俺が襲われる
646名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 21:02:16 ID:zTR3OVHz
>>626
やべえなあ・・・
なんかもうここまで突き抜けてると可苗が好きになってきたわ
やっぱ実妹最高だな
647 ◆/waMjRzWCc :2007/10/27(土) 21:16:06 ID:xKJDTlqP
続き書けたから投下します
648理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/10/27(土) 21:16:48 ID:xKJDTlqP
ふらふらと家への道を歩く俺。
理緒姉はすごく楽しそうに歩いている。
あの後もしばらく理緒姉の買い物(下着ではない)につきあわされていた。
帰ろうって言ったのに…
時計を見ると既に5時を過ぎていた。
クラスのやつとかに会わなきゃ良いけど…
「あれ?織部君?」
「はっ、羽居…」
「修くん?この子はだれ?」
「あ、あぁ、同級生の羽居春華さん。うちのクラスの委員長をやってくれてる」
「初めまして、羽居春華です」
「初めまして、理緒です」
はぁ…なんでこんな時ばっかり会うんだ…
「織部君、今日は熱でお休みじゃなかったの?」
「あぁ、でも午前中寝たら治ったんだ」
「それでこんな綺麗な人とデートしてるんだ?」
「ち、違うよ。理緒姉は俺の姉ちゃんだよ」
「そうなの?てっきり恋人だと思った」
「あら、そう見える?嬉しいなぁ」
「すごくお似合いだと思いました。お姉さんですか…」
「その最後の間はなんなんだよ?」
「別になんでもない。その様子なら明日は学校来れそうだね」
「あぁ、明日は行くつもりだよ」
「良かった。じゃあまたね」
「またな」
「羽居…春華、ね…」
「理緒姉どうしたの?」
「ん、なんでもないよ」
649理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/10/27(土) 21:19:43 ID:xKJDTlqP
ふぅ…やっと家に着いた。
結局帰ってきたのは7時を過ぎた頃だった。
まぁ外食で済ませてくれたから夕飯を作る必要は無くて良かったけど。
「ん〜、楽しかったねぇ」
「まぁそうだね。理緒姉と出かけるなんて久しぶりだし」
「もうちょっと修くんとの時間が欲しいなぁ…」
「俺が学校行ってる限り無理だよな」
「修くん。お姉ちゃんが稼ぐから主夫にならない?」
「えっ…主夫って俺理緒姉と結婚できないじゃん」
「……冗談だよぅ」
「そういえば理緒姉ってなんの仕事してるのさ?一回も俺に話してくれないじゃん」
「えっ…え〜っと…そだっけ?」
「そうだよ。まさか俺に言えない様な仕事とか?」
「違うよ!だけど…内緒にしときたいの」
「分かったよ。これ以上聞かない」
気になるなぁ。まさか水商売じゃ…いや、ありえないな。夜一緒の時間に寝てるし。
「そうだ、お風呂沸いたよ理緒姉」
「りょ〜かい。ねぇ、修くん。一緒に入らない?」
「それは無理…」
「ね〜入ろうよ〜。背中洗ってあげるから〜」
「違う部分も洗われそうなのだが」
「それはお仕置の時だけだってばぁ」
「早く入ってきてよ…」
「むぅ〜…分かったよぅ」
650理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/10/27(土) 21:20:21 ID:xKJDTlqP
「ねぇ修くん、すっごく気持ち良いよ〜、入ろうよ〜」
「あ〜もう!入らないってば!」
「あぁ!お姉ちゃんにそういう口の聞き方して良いと思ってるの?」
「…」
「無視するなぁ〜!」
「…」
「修くん…上がったらお仕置決定だね」
「ごめんなさい!」
「許してあげないもん。決定事項だもん」
「謝ってるじゃんよー」
「誠意が感じられないから駄目」
「背中洗ってあげるからさ」
「…それはお願いするけど、まだ許さないからね?」
「はぁ…とりあえず入るよ」
「どぞどぞー。ってなんで服脱いでないの?」
「だって背中洗うだけだし」
「濡れちゃうよ?」
「どうせ理緒姉が上がったら風呂入るもん」
「ぶ〜…」
「ほら、洗うから座って」
「は〜い」
コシコシ…コシコシ…
「…」
コシコシ…コシコシ…
「んっ…」
コシコシ…コシコシ…
「あんっ…」
コシコシ…
「んんっ…」
「理緒姉…変な声出すの止めてくれ」
「だって修くんの洗い方気持ち良いんだもん…」
「ちょっと強くするよ」
ゴシゴシ…
「痛いたいたい!酷いよ修くん…」
「仕方ないだろ?それに強くしないと綺麗にならないぜ?」
「もうちょっと優しくしてよ…」
651理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/10/27(土) 21:23:25 ID:xKJDTlqP
「じゃあ変な声出さないでくれよ」
「だって出ちゃうんだもん…」
「我慢してよ」
「分かったよぅ」
コシコシ…
「…っ!」
コシコシ…
「っ!?っ!」
「…止めて良い?」
「ふぁ…なんで?」
「俺の精神衛生上良くないから」
「じゃあ次は前洗ってよ〜」
「前は自分で洗えるでしょ?」
「お〜ね〜が〜い〜」
「駄目だって…」
「じゃあ足だけで良いから」
「ん…仕方ないなぁ…」
「お願いね?」
ゴシゴシ…ワシワシ…
「ひゃ…ん」
ゴシゴシ…
「はんん…」
「我慢してって…あ…う…」
「修くん…どうしたの?」
「理緒姉…その…見えて…」
「あっ…」
「ごめん…見るつもりは無かったんだけど…」
「うん…」
「俺…もう出るよ…」
「待って!」
腕を掴まれる。
その瞬間理緒姉の体がバランスを失う。
「あっ…きゃっ!」
「危ない理緒姉っ!」
転ぶ刹那なんとか理緒姉をかばおうとする。
ガターン!
……つっ!
後頭部がズキズキとする。
理緒姉は平気なのだろうか。
「ん…大丈夫?修くん…」
「軽く頭を撃ったみたいで、視界がはっきりしない…理緒姉は大丈夫?」
「私は全然大丈夫。ただ…」
「ただ?」
652理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/10/27(土) 21:24:10 ID:xKJDTlqP
「修くんに抱きついちゃってる」
「!?」
てことはこのやけに柔らかいものは…
「お姉ちゃんの…おっぱいだね」
心を読まれたっ?
やべ…意識したら下半身が…
「あっ…」
屹立したペニスが理緒姉に当たる。
なんとか、なんとか落ち着けないと。
大丈夫、服は着てる。
「修くん…立っちゃってる?」
「…うん」
改めて言われると途端に恥ずかしさが増してくる。
「お姉ちゃん…我慢できなくなっちゃいそう…」
「だ、駄目だ!それは絶対駄目だって!」
「んん…でも、あそこがすごく熱くて…」
「そうだとしても…それはやっちゃいけない。俺と理緒姉は…」
「家族じゃない…」
「…え?」
「ずっと…内緒にしてたけど。私と修くんは血が繋がって無いのよ」
「そんな…じゃあ…なんで…」
「修くんは…私のお母さんが再婚した人が連れてきた連れ子だったの」
「…」
「修くんはまだ1歳位だったから覚えて無いのも無理はないの」
「じゃあ…俺と理緒姉は…」
「義理の姉弟なの」
「…そんな…嘘だ…嘘だろ?理緒姉…」
「嘘じゃないわ…」
本当は嘘。私と修くんは本当の姉弟。
だけど、確認する手段はほとんど無い。
653理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/10/27(土) 21:28:45 ID:xKJDTlqP
だからこそ、この嘘は限り無く真実味を帯びる。
両親が居ないからこそ言える嘘。
修くんを手に入れる為のカードのうちの一枚。
それを…今切る。
更に畳みかける。
「だから…私と修くんは…恋人にもなれるし、SEXしても問題無いの…」
「……うっ…あっ…」
「泣かないで修くん。私達は、本当の姉弟の様に居れば良い。でも、恋人にもなれる。だから…愛し合おう?」
「理緒…姉…」
「私は姉であって姉じゃない。だから…ほら。私を、愛して下さい」
そう言って、修くんの顔にまたがる。
修くんは…おずおずと舌を動かし始める。
「あっ…くぅんっ!」
なに、これ…すごく気持ち良い…
自分でするのなんて比べものにならない…!
「はぁん!もっと…もっとぉ!」
すごい…すごい!
修くんの舌が…私のあそこをなぞって…入って…
「んんんっ!私も…修くんのを愛してあげる…」
くるりと向きを変えて修くんのペニスに触れ、擦りあげる。
「すっごく熱くなってるね…」
「理緒姉…気持ち良い…」
「理緒姉じゃなくて…理緒って呼んで?」
「理緒…気持ち良い…」
「うん、私も…すごく気持ち良い…」
「理緒のここ、柔らかくて熱い…」
654理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/10/27(土) 21:29:23 ID:xKJDTlqP
「はあぁ…もう、我慢できない…修くんの童貞、私にちょうだい…!」
とうとう、修くんのが私の中に…
ゆっくりと手に持ったそれを目指して、腰を降ろす。
ズプッ…ズズッ
「ん…くぅっ…」
痛い…痛いっ!
裂かれる様な痛み…
こんなに痛いなんて…!
でも、嬉しい。ずっと夢見てた…
修くんに、私の処女を捧げるこの瞬間を。
「修くん…動いて?」
ズズ…ズズッ
痛いけど…ちょっとずつ良くなってきた…
「理緒…理緒…!」
「んっうんっ!修くん、キス…して?」
お互いにお互いの唇を貪る様に重ねる。
「理緒っ…!もう…出そう…」
「良いよ。私の中にいっぱい出して?」
「くっ…!」
「ふぁぁっ!出てる、熱いのがいっぱい出てるよぉ!」
どぷどぷと中に入ってくるのが分かる…
すごい…入りきらなくて溢れてきちゃってる…
「はぁ…はぁ…」
少し腰を浮かせるとずるりと抜ける。
その後に続くように白濁がどろっと出てくる。
もったいない…!
瞬時にそう考えて手で白濁をすくう。
それを慈しむ様に口に含み味わう。
くちゅ…くちゅ…
こく、こく…
おいしかった…
「理緒…」
修くんはうわ言の様に呟くと眠ってしまった。
655 ◆/waMjRzWCc :2007/10/27(土) 21:31:24 ID:xKJDTlqP
今回の投下を終了します。
姉がとうとう行為まで及んでますが、まだ終わりません。
656名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 23:15:39 ID:imcNbI4K
GJです
あっさり結ばれちゃった気がするけど
他のカードにも期待
657 ◆5SPf/rHbiE :2007/10/28(日) 00:51:52 ID:3oGV0AWj
微エロ投下します。
658黒の綾 ◆5SPf/rHbiE :2007/10/28(日) 00:52:50 ID:3oGV0AWj
午前四時。
小鳥が目覚めの囀りを始め、外の世界には朝の清浄な空気が広がっていく。
そこから窓一枚隔てた支倉家の一室には、澱んだ、いやらしい空気が満ちていた。
「あ、あ! んん! あ! お兄ちゃん……! お兄ちゃん!」
雨戸の隙間から差す光に、室内の輪郭がぼんやりと浮かぶ。
薄暗い部屋のベッドの上で、少女の白い体が艶かしく跳ねた。
「ん、ん……! お兄ちゃん……」
ベッドの端に両足首をくくりつけられ、手は後ろ手に縛られて寝そべる陽一。
その男性自身を己の身の内に受け入れて、身悶えする妹。
昨晩からずっと、綾は陽一と繋がったまま、ひたすらに快楽を貪っていた。
「ん……! あは……お兄ちゃん、また出してくれたわね」
既に何度子宮に陽一の精を受けたかもわからない。
綾が腰を動かし、陽一のペニスが赤く腫れたようになった綾の秘所を出入りする。
そのたびに、二人の結合部からは、愛液に混じって白く泡立った精子があふれ出した。
「ふふ……お兄ちゃんがたくさん出したから……私のあそこの中精子で一杯になっちゃって……動くたびに出てきちゃうわね」
幾分かぎこちなさの取れた動きで腰を前後に震わせる。
ぐじゅ、ぐぼ、ぐぽ、と膣内で愛液と精液をかき回すいやらしい音が鳴った。
「お兄ちゃん、聞こえる? すごくエッチな音がしてるわ……」
「う……」
「ねえ、気持ちいい? 気持ちいいわよね? こんなに私の中に出しているんだもの。気持ちいいはずよね?」
激しく身体を揺すり、さらに淫音は勢いを増す。
幼さの残る秘所がこれでもかというくらいに割り開かれ、綾はのけぞって身体を震わせた。
「あ、いい! いい! お兄ちゃん……私……気持ちいい……!」
息も絶え絶えに陽一の唇に吸い付き、キスを繰り返す。
「ねえ、お兄ちゃんも動いて……二人でもっと気持ちよくなりましょう?」
綾の情熱的な訴えに、陽一は苦しそうな、悲しそうな表情のままで、ピクリとも動かない。
しばらく陽一が動き出すのを待ったが、やがて綾はもどかしげに腰を引き上げると、勢い良く振り下ろした。
肉棒が膣襞をえぐりながら、一気に最奥まで突き立てられる。
数時間前まで処女だった綾の肉体は、いまや貪欲なまでに陽一の身体に快楽を求めていた。
「あぁ……ん……ふ、くぅ……! あん! あっ……!」
激しく腰を振り、陽一に何度も口付けを求める。
それはまさに、十数年間抑え込んできた想いが爆ぜて現れた姿だった。
「お、お兄ちゃん! 気持ちいい! あそこ気持ちいいよ! お兄ちゃんっ!」
「綾……」
「これで私……お兄ちゃんの一番近くに……ん、あああ! あぁあ〜!」
綾は理知的な瞳を蕩けさせ、涎を垂らしながら大きく喘ぐ。
陽一の上に倒れこむようにして、乳首を擦りつけた。
659黒の綾 ◆5SPf/rHbiE :2007/10/28(日) 00:53:35 ID:3oGV0AWj
「ね、お兄ちゃん、これからは……ん! わ、私と二人で生きていこうね。二人きりで……私、お兄ちゃんと一緒なら、大丈夫だから……」
舌足らずな声で、綾は言った。
「お兄ちゃん、約束して……私以外見ないって。何があっても私を一番に考えてくれるって……約束して……!」
陽一に抱きつき、間近で瞳を合わせながら綾は腰だけをかくかくと動かす。
浅ましくも性欲を満たすためだけの動きを、妹が自分に対してしている――
陽一は何度目とも知れない絶望に打ちひしがれた。
「お兄ちゃん……そんなに悲しそうな顔をしないで。お願いだから約束してちょうだい」
「約束……」
「そうでなきゃ、私また誰かを傷つけちゃうかもしれない。我慢できなくなっちゃうかもしれないの」
頬を紅潮させて綾は言った。
「ねえ、お願い。お兄ちゃんがずっと私の傍に居てくれるなら、私、元の自分に戻れるから……」
「元の……綾に……?」
陽一の目に涙が浮かんだ。
「……約束する」
「お兄ちゃん……?」
「それでお前が元に戻ってくれるのなら……いくらでも約束する。ずっと傍に居るから……お前以外は見ないから……だから……」
「お兄ちゃん……!」
歓喜に打ち震えながら、綾は陽一にキスをし、舌を絡め合わせた。
「ん……! お兄ちゃん……! お兄ちゃぁん!」
「綾……!」
綾の膣壁がぐねぐねと蠢き、陽一のペニスを絞り上げる。
耐え切れず、陽一は綾の中に精を吐き出してしまった。
「ん……熱いよ……お兄ちゃん……」
うっとりと呟いて、綾が腰を上げる。
ちゅぽ、と音を鳴らし、肉棒が綾の秘所から糸を引いて離れた。
激しい交わりに、綾の秘所は痛々しいほどに赤く充血し、ぱっくりと穴を開けてしまっている。
「ふふ……お兄ちゃん……気持ちよかったよ……」
外気に触れた膣口がヒクヒクと震え、大量に吐き出された精液がドロリと流れ出た。
自分の秘所から兄の精液が滴り落ちる様を、綾はうっとりと眺めていた。
660黒の綾 ◆5SPf/rHbiE :2007/10/28(日) 00:54:19 ID:3oGV0AWj
「ちゃんとハンカチとティッシュは持った?」
「ああ」
「あ、こら! 寝癖が直し切れてないわよ」
「仕方ないだろ。朝、あまり時間無かったんだから」
「ほら、ネクタイも曲がってる!」
朝の昇降口で、綾は陽一の身だしなみのチェックをしていた。
てきぱきと制服を整えながら、ぼんやりとする兄の胸を叩き、喝を入れる。
つい二時間前まで、陽一の上でよがり声を上げていた少女の姿はそこには無かった。
「ほら! もう学校なんだから、いつまでも寝ぼけてちゃだめよ! お兄ちゃんが情けないと、私まで恥をかくんだからね!?」
「あ、ああ……すまん」
その変わりように、陽一はひょっとして自分は夢を見ていたのではないかと思ってしまう。
数時間前までのことは、自分の浅ましい性欲の見せた夢だったのではないかと。
「何よ、じっと見て」
「いや……その……世話をかけて悪いなあと……」
「悪いことなんて無いわよ。私はお兄ちゃんの女なんだから」
「ん……」
やはり、つい数刻前まで、自分はこの妹と体を重ねていたのだ。
綾の言葉に、改めて全ては現実にあったことなのだと思い知らされ、。
「はいはい、落ち込んだ顔しない!」
「ああ……すまん」
「ま、仕方ないけどね。お兄ちゃん、根が真面目だから。でもあまり暗い顔してると、何かの拍子に私たちのことが他の人にばれちゃうかもしれないからね。ちゃんと普段通りにしてなさいよ」
昇降口を抜けていく生徒たちに聞こえぬよう、小声で言う。
そして、タイミングを見計らって、素早く陽一の頬にキスをした。
「! あ、綾……!」
「ふふ。まあ、私は別にばれてもかまわないんだけどね。お兄ちゃんは困るでしょ?」
「それは……」
「はい、身だしなみオッケー。じゃ、昼休みに会いましょ。居眠りなんてしちゃだめだからね?」
軽く笑って手を振り、綾は一年の教室に向かった。
その後ろ姿を、陽一は見送る。
本当に、いつも通りの綾だった。
抱き合っていた時とはまったく別の、厳しくしっかりした妹の顔。
表面上はいつもと変わらぬように見える兄妹。
しかし、二人の関係の根底には、もう戻れない感情の楔が埋め込まれていた。
一晩中触れ合った、妹の肌の感覚。
そして先ほどのキス。
激しい罪悪感と後悔が胸のうちに澱となって溜まっていく。
陽一は死人のような顔で教室に向かった。
今はただ休みたかった。
661黒の綾 ◆5SPf/rHbiE :2007/10/28(日) 00:56:14 ID:3oGV0AWj
徹夜ではあったが、綾はすこぶる調子が良かった。
何しろ、夢にまで見た最愛の人との一夜だったのだ。
肉体は疲れていたが、精神はかつてないほど高揚していた。
(ロマンチックとかそういうのとはほど遠いけど、まあ良しとすべきよね)
陽一が望んで自分と契ったわけではないことは、重々承知していた。
あの約束にせよ、あくまで家族としての愛情が先にあってのことだとわかっている。
それでも綾の表情は晴れやかで、時折鼻歌を歌ったりして、小夜子のみならずクラスの皆を驚かせた。
(そう……私はお兄ちゃんを愛しているわ。家族として、一人の異性として。お兄ちゃんは違う。それはわかってる……でも、いつか愛してもらえればそれでいいわけだし、ここまで来たら慌てることも無いわよね)
十年以上待ってこれから先待てないということはない。
陽一に近づく女が消えて、陽一に一番近しい女となった以上、少しずつ二人で幸せになっていけばそれでいいのだ。
「とすると、お兄ちゃん以外のことをこれから先どうするか、ね……」
教師の話を適当に聞き流しながら、真っ白なノートにペンを走らせる。
宇喜田縁、四辻夕里子、森山浩史、佐久間愛、生徒たち――
書き連ねられる名前は、綾にとっての駒だった。
これらを操り、動かし、時に排除し、今に至る。
今、この駒たちを自分に都合の良い形にし、全てを終わらせなければならない。
邪魔をする者は消え、疑う者も無く、兄と平穏に暮らしていけるように。
(今までのことについては、すでに処理は決まっている……)
森山浩史の名前の上に、大きくバツをつける。
(でも、これから……縁と夕里子はどうする? このまま放っておいて大丈夫なの? それとも、消すべきなの?)
夕里子は転校するという話だった。
昨日の家でのやりとりもあるし、陽一に今後も近づくとは考えにくい。
(消すことはないのかしら? だとしたら……)
人を一人殺すにはリスクが伴う。
夕里子に関しては、社会的地位もあいまって、それは非常に高い。
判断の失敗は絶対に許されない。
一度手に入れた幸せを手放すことは、絶対にしたくなかった。
「ん……夕里子さんがいい人だったら、残しておきましょ」
夕里子の名前に丸をつけ、綾はノートを閉じた。

その放課後、綾は電車を乗り継いで隣県の町にやって来た。
駅のトイレで制服から私服に着替え、容姿をごまかせるよう軽く変装をしておく。
夕暮れ時の賑やかな駅前の商店街を、目立たぬよう一人歩いた。
寂れた住宅地の端の、古い家の戸を開け、入っていく。
薄暗い木造の家の中。
綾が一歩進むごとに、廊下が軋んだ音を立てる。
家の奥に進み、居間の戸を開けると、ねっとりと体に絡み付くような空気が流れ出した。
強烈な腐臭が部屋の中には満ちていた。
腐臭の源は、上品な敷物の上に倒れた、人間の死体だった。
首を大きく裂かれ、そこからのぞいた肉はとろけたようになって黒く変色している。
この家の元々の住人で、人生の余暇を楽しむだけだった老婦人。
自分の家だと偽って森山浩史を連れ込み、その目の前で殺して見せたものだった。
「問題なし、と」
腐臭に表情を動かすこともなく、綾は居間を通り、さらに家の奥へと進んで、トイレの前で足を止めた。
ゆっくりと戸を開ける。
下半身を裸にして、全裸で便座に座らせられた森山浩史の姿がそこにはあった。
662黒の綾 ◆5SPf/rHbiE :2007/10/28(日) 00:58:33 ID:3oGV0AWj
森山は、顔には目隠しと猿轡、上半身はロープで何重にも縛られて、手すりに固定されている。
両脚は便座を跨いだ体勢のまま折りたたまれ、便器の後ろで足首をしっかりと結ばれていた。
「う……」
戸が開けられたのを感じて、小さくうめき声をあげる。
「はぁい、森山君。元気にしてた?」
「ぅう……」
元気なわけがない。
殺人を見せつけられ、完全に萎縮してしまった森山を、こうして縛って監禁した後、綾は最低限の食事しか森山に与えていなかった。
助けを呼んだり、脱出を試みたりといったことが無いようにだった。
二日ほどは小さくうめき声を上げていた森山も、体力が失われると、おとなしく便座に座るだけとなった。
綾は森山を排泄のみしか許されない、ただ生きているだけの存在として、この一週間飼いならしていた。
「今日はね、あなたにいいお話があるのよ」
「……」
「おうちに帰してあげるわ。嬉しいでしょ?」
「……! う……! ぅう〜!」
弾けるように身を乗り出して、森山はうめき声をあげた。
「よしよし、喜んでもらえて何よりだわ。でもね、ただで帰すわけにはいかないのよ」
笑って、綾は森山の顔面に巻かれた目隠しを外す。
衰弱しきって萎んだ眼孔。怯えをはらんだ眼差しが綾を捉えた。
「私の言うこと……聞けるわよね?」
銀に光る包丁の刃を見せつけて問う綾に、何度も繰り返し森山は頷く。抵抗の意思は全く無かった。
「……今から縄を解いてあげるわ。あなたの着ていた服も用意してあるから、体を拭いたらすぐに着替えなさい」
また頷いて了解の意を伝える森山に、綾は続けた。
「やることは簡単よ。手紙を一枚書いてくれればいいわ。そうしたら、温かいご飯を食べさせた後でおうちに帰してあげるからね」
言って綾は、森山の身体の自由を奪っていた縄を切っていった。
手紙の文面は実に単純なものだった。
『夕里子さん、愛さん、ごめんなさい』
一行――わずか一行で十分だった。
数週間ぶりに服を着て、震える手で言われるままに書き終えた森山に、綾は死体の転がる居間で料理をふるまった。
普通なら食べることを躊躇してしまう状況だったが、一週間で飢えに飢えた森山は、己の欲望に忠実だった。
「どんどん食べてちょうだいね」
テーブルに肘をついて自分を見つめてくる美少女。
そのにこやかな表情に、森山は思わず、つい先ほどまで自分がその少女に殺されかけていたことを忘れそうになる。
それほどに、綾の笑顔は穏やかなものだった。
「そ、その、いいんですか?」
「え? 何が?」
「こんなに優しくしてもらって」
あまりの扱いの差に、そんなとんちんかんな問いを口にしてしまう。
綾は笑い飛ばすことも無く、丁寧に答えた。
「優しくしない理由もないわ。私はこれで情が深いのよ」
「……?」
「これから死にゆく人間にはね」
「え……?」
腹を空かしている時、体の養分の吸収はこの上なく早い。
森山は視界がぐらぐらと揺れるのを感じた。

一度意識を失わせれば後は簡単だった。
風呂場に森山を運び込み、タイル張りの浴槽の中に座らせる。
予め用意しておいたポリタンクの蓋を開け、森山の体に灯油をかけていった。
冬に備えてだろう、この家の倉庫に収められていたものだった。
ポリタンク丸々四つ分の灯油が浴槽に溜まり、森山の下半身を浸すまでになっていた。
「これで全部燃えてくれるかしら」
監禁の跡を残すわけにはいかない。森山の体は、そのままでは絶対に残してはいけないものだった。
「ついでに家も燃やしておいた方がいいわよね」
脱衣場とその前の廊下にまで、残った灯油を撒いておく。
「ありがとう、森山君。何もしなくても、あなたは十分な働きをしてくれたわ」
満足げな笑みとともに、綾はライターを脱衣場に投げ入れ、強い熱気が現れるのを背に感じながら廊下を走り、家を出た。
燃え広がるのにそんなに時間はかからないだろうし、そうなると人が集まってくる。
炎は綾がこの家に出入りした証拠をあらかた消し去ってくれるが、その炎を生み出したことで別の証拠を残しては本末転倒であり、人に見られることは何としてでも避けねばならなかった。
夕闇に紛れるように、綾は初冬の風の吹き荒ぶ町を離れた。
663黒の綾 ◆5SPf/rHbiE :2007/10/28(日) 00:59:52 ID:3oGV0AWj
「ただいま」
日の落ちた後、支倉家には明かりも無く、薄暗い屋内に綾の声が響いた。
「お兄ちゃん……帰ってないのかしら」
二階に上がり、陽一の部屋を覗くと、ベッドに横たわって寝息を立てる陽一の姿があった。
「何だ……寝ちゃってたのね。せっかく、思い切り甘えてやろうと思ったのに……」
拗ねるような呟きが宵闇に冷えた部屋の空気に溶ける。
「つねって起こしてちゃおうかしら」
陽一の頬に手を伸ばして、少し考えてまた手を引いた。
「まあいいわ。許してあげる。お兄ちゃんも疲れているでしょうしね」
仰向けに、少し眉を寄せて眠る陽一の顔を見ているだけで、胸の奥が熱くなる。
綾の頬は赤く染まり、口元は笑みとも緊張とも取れる、微妙なほころびを見せていた。
自分は今、ひどく間抜けな顔をしているんだろうな――
そう思うと、何とも情けない気持ちになる。
「変よね。今更ドキドキすることもないのに」
何度もキスをした。
肉体関係も持った。
それでも、陽一の顔を間近で見ると、胸を高鳴らせずには居られなかった。
「もう……お兄ちゃん、何もかけないで寝てると風邪ひいちゃうわよ」
ベッドの隅に置かれていた毛布を広げ、かけてやる。
陽一の眠りを妨げることがないように、と思っていたが、堪えきれずにそのまま抱きついてしまった。
「お兄ちゃん……」
陽一の胸に顔をうずめ、体をすり寄せる。
熱い。
胸の中が熱い。
喜びで全身が満たされていく。
「お兄ちゃん……好き……! 大好き……! やっぱり私、お兄ちゃん無しには生きられないわ……!」
情熱的な囁きに、陽一はしかし、深い眠りの渕から目覚めることは無い。
「私、頑張るからね。お兄ちゃんが幸せになるよう、頑張るから。何でもやってみせるから」
陽一にとって不利な人間は消してきた。
陽一に近づくくだらない女も消してきた。
これまでで一番の障害だった夕里子についても、森山という存在を使って周囲を人質に取り、最終的に陽一に近づけないようにした。
森山を殺した今、その枷が外れる可能性もあるが、あれだけの人を犠牲にして、人間関係をボロボロにして、彼女の精神が耐えられるとは思えない。
夕里子の家庭も、これだけ問題を起こした付き合いを許すことはないだろう。
その証に、夕里子は近いうちに転校することが決まっている。
ただ一人、縁だけはさらに陽一と夕里子の仲を後押しするかも知れないが、夕里子の精神への負担と周囲の人間からの圧力は、夕里子から縁への信頼で秤をつりあわせるにはあまりにも重くなっている。
恐らくは、昨日の試みが最後の策と見てよい。
夕里子はもう陽一から離れ、縁は何も手出しができなくなる。
そして何より、陽一は綾だけを見ると言った。
その動機は綾が真に望むものとは異なるが、自らの意志で綾の傍に居ると決めたのだ。
「私の勝ちね……」
陽一の頬に指先を滑らせながら、うっすらと微笑み、目を細める。
成果は十分。
後処理についても、自殺に見せかけて殺したものは、とりあえず問題は無い。
加害者を必要とする佐久間愛の件は、森山に罪を着せて処理をした。
結果はこれからだが、ミスをした覚えが無い以上、十中八九うまくいくだろう。
「となると、後はお兄ちゃんの名誉ね……」
夕里子を陥れる過程において、陽一を巻き込む形でその評判を下げてしまった。
陽一は現在二年生。
あと一年以上、この状態で学園生活を送るのは、不便であり苦痛だろう。
「でも、それも大丈夫。今の状況なら、夕里子を使うことができるものね」
兄の温かみを、体臭を、十分に堪能して、綾は身を起こした。
「さて、せっかくお兄ちゃんが寝ているんだから、携帯電話のチェックでもさせてもらおうかしら」
履歴を見るが、縁からも夕里子からも、連絡は無かった。
664黒の綾 ◆5SPf/rHbiE :2007/10/28(日) 01:00:35 ID:3oGV0AWj
「よしよし。後は、と……」
床に置かれた陽一の鞄を開き、教科書とノートを全て取り出す。
小さく歌いながら、綾はそのページを開いた。
「ん……?」
幾分か時間が経って、綾の歌声に陽一が目を覚ます。
暗い部屋の中で、陽一のノートを素早くめくり続ける綾の姿が目に入った。
「な、何してるんだ……?」
「あら、お兄ちゃん、起きたのね。疲れは取れた?」
「まあ……楽にはなったけど、何してるんだよ、綾……」
「お兄ちゃんの教科書とノートを見てるのよ」
さも当然とばかりに言う綾に、陽一は首を捻った。
「いや……だから何でそんなことを……楽しいもんじゃないだろ、勉強道具なんて見たって」
「ううん、大切なことよ。お兄ちゃんの愚痴とか、悩みとか、どこかに書いてあるかもしれないでしょ? 字の形を見れば、元気かどうかわかるじゃない?」
「え……」
「お兄ちゃんが困ってたら、すぐに助けなきゃいけないもの」
話しながら、綾の視線は既に陽一の方には無かった。
高速でめくられていく見開きのページに、神経を集中させているのがわかる。
「綾……」
陽一は掠れた声で話しかけた。
「そんなこと……しなくていい」
「え?」
「俺は大丈夫だから、そんなことしなくていいよ」
「ふふ……お兄ちゃん、遠慮しないで。私たちは誰よりも近くに居る二人なんだから。お兄ちゃんのために私が何かするのは、当たり前のことなんだから」
会話の最中も、綾はページをめくる手を止めない。
二人の間の空気を、紙の擦れる音が微かに揺らした。
「頼む……綾、やめてくれ。お前だって疲れてるだろ? お前は、あれから寝たのか?」
「寝てないわよ。寝るよりも大事なことだもの」
黒髪を揺らして振り返り、綾は美しく微笑んだ。
「お兄ちゃん、責任感が強くて、頑張り屋さんだから、何かあっても私に隠そうとするもの。それじゃ駄目なのよ。寄り添う二人は、隠し事なんてしていたら駄目なの。互いの全てを知って、支え合わなきゃいけないのよ」
笑顔で頷く綾は、本当に美しかった。
あまりにも美しく、妖しく、狂気の影の滲む少女の姿があった。
「綾……」
やはりおかしい。
穏やかな雰囲気の底に感じる、粘つくような何か。
(いつからだ? そもそもにして世話焼きな部分はあったが……やはり森山に犯されてから……?)
綾がボロボロになって帰ってきた夜のことが、頭の中に蘇る。
陽一の胸に、刺すような痛みが走った。
「お兄ちゃん、どうしたの? 苦しそう……やっぱり何か悩みがあるの?」
「……あるとしたら、お前のことだよ」
「私の?」
きょとんとした顔で綾は尋ねる。
「休んでくれよ。俺のことはそんなに心配しなくてもいいからさ。綾が俺を心配してくれるように、俺も綾が心配なんだ」
陽一の言葉に、綾は不満げに唇を尖らせたが、すぐに諦めたようにため息をついた。
「わかったわよ」
ほっとした表情を見せる陽一に、「ただし」と綾は続けた。
「そんなに私が心配なら、今後一切隠し事は無しよ。何かあったらすぐに私に話して、私を頼ってね。他の人には話して、私には話さないなんて、絶対に無しよ?」
「ああ、わかったよ」
「本当の本当よ? 約束破ったら……酷いからね」
冷たく響く妹の声に背筋を震わせながら、陽一は黙って頷いた。
665黒の綾 ◆5SPf/rHbiE :2007/10/28(日) 01:01:42 ID:3oGV0AWj
次の日、学校は隣県の町の火事の話題で持ちきりだった。
四辻夕里子を狙っていたストーカー、森山浩史の焼け爛れた遺体が発見されたからだ。
家もあらかた焼け落ちて、同様に焼けた住人の遺体も見つかった。
さらに、外の郵便受けから遺書めいたものが発見され、警察では自殺か否かを調べている最中だという。
(さすがに警察も、あれだけとなると慎重を期す、か……)
四辻家からの圧力もあるのかもしれないが、警察も面倒ごとを引っ張るような真似はしないだろう。
一連の事件はこれで全て解決――
誰もが望んでいることであり、流れの向かいやすい方向であるはずだった。
教室に入り、自分の席に荷物を置いた綾は、すぐ後ろの席でうなだれる小夜子に声をかけた。
「沈んでるわね。どうしたの?」
「綾……」
「森山浩史の話?」
「ん……」
小夜子は小さく頷いた。
「良かったじゃない。これで夕里子さんも安心して眠れるってもんでしょう」
「それは……そうなんだけど」
おや、と綾は内心驚いた。
小夜子の瞳に浮かんでいたのは、紛れも無い怒りの色だったからだ。
「……遺書が見つかったって話は聞いてる?」
「まあ、聞いているわ」
「その内容……ユリねえから聞いたんだけどね、謝ってたんだって。ユリねえと、佐久間さんに」
机に置かれた小夜子の両手が、ぎゅっと握られた。
「何なんだろうね? 謝るくらいなら、最初からしなければいいのに。今更謝られたって、佐久間さんの心の傷は消えないし、佐久間さんのお母さんは生き返らないし、ユリねえが失ったものだって返ってこないのに……」
「……小夜子は、犯人に、どうして欲しかったの?」
意識せずに口を出た言葉だった。
何を意味の無いことを聞いているのだろう――思いながら、綾は小夜子の返答を待った。
「森山浩史……あんな人は……」
小夜子は、憎しみの塊を吐き出すように、その言葉を口にした。
「生まれてこなければ良かったのに」
綾はただ静かに、親友の言葉を受け止めた。
666黒の綾 ◆5SPf/rHbiE :2007/10/28(日) 01:04:36 ID:3oGV0AWj
放課後、綾は夕里子を屋上に呼び出した。
あんなことがあった矢先で、萎縮しながらやって来た夕里子を、綾は笑顔で迎えた。
「こんにちは、夕里子さん。調子はどうですか?」
「え、ええ、まあ……普通ですね」
「先日は見苦しくも取り乱したところを見せてしまって、すみませんでした」
丁寧に頭を下げる綾に、夕里子も「私こそ……」と頭を下げた。
やはり夕里子は綾に対する恐怖感があるらしく、瞳はどうにも落ち着かない。
が、そんなことには一切かまわず、綾は本題を話し始めた。
「夕里子さん、転校するんですよね」
「え、ええ……まあ……そうなりますね」
「ずばり聞きますけど、お兄ちゃんのことは、まだ好きですか?」
「そ、それは……」
怯えた様子を見せながら、夕里子は小さく頷いた。
「そう、それは良かった。お願いがあるんですよ、夕里子さんに」
「お願い、ですか……?」
ええ、と綾は力強く頷く。
「知っての通り、夕里子さんとお付き合いして、色々と巻き込まれたおかげで、お兄ちゃんの校内での評判はあまりよろしくありません」
「はい……すみません」
「級友が脅迫されているのを見捨てて、恋愛に狂った馬鹿二人と、好き勝手に言われています」
「すみません……」
ただ謝る夕里子に、綾は謝らないでくださいと厳しい声で言った。
「謝られても何も変わりません。お兄ちゃんを今でも好きで、申し訳ないと思っているのだったら、行動で示してください」
「行動で?」
「お兄ちゃんがこれから先、この学校で普通に過ごしていけるよう、動いて欲しいんですよ」
「それは全然かまわないけど、どうしたらいいのですか?」
夕里子の問いに、綾は不敵な笑みを浮かべた。
「簡単です。夕里子さんが全部の罪を背負ってくれればいいんですよ」
「え……?」
「お金でもそれ以外でも何でもいいです。夕里子さんが何かを盾にお兄ちゃんを脅迫して、強引に付き合わせていたことにしてください。
夕里子さんの家はこの辺りでは力のある家のようですし、その一人娘が、わがままから男を無理矢理自分のものにしようとしていたというのは、そこらの生徒なら信じそうなお話でしょう」
あまりの提案に、さすがに夕里子も戸惑ってしまう。
「ちょ、ちょっと待ってください。私、陽一さんとは……」
「わかっています。お互い合意で付き合っていたんですよね。でも、お兄ちゃんを救うためにはこの嘘が必要なんです。お兄ちゃんがこれから平穏に過ごすには、夕里子さんが全ての元凶だということにするしか無いんです」
綾は屋上の床に膝をつき、夕里子に頭を下げた。
「お願いします。夕里子さんは別の学校に行って新しい生活を始められるでしょう。でもお兄ちゃんは……ここにずっと残ることになるんです。お兄ちゃんの……愛する人の幸せを願うなら……どうか夕里子さん本人の口で、この嘘を広めてください」
「そんな……」
綾は正座をし、顔を下げたままで、懇願を繰り返した。
ストッキングを通して、冷たい石の感触が脚に、体に伝ってくる。
正直辛くはあったが、この程度でうまく説得できるなら安いものだった。
667黒の綾 ◆5SPf/rHbiE :2007/10/28(日) 01:05:30 ID:3oGV0AWj
綾は動かなかった。
夕里子が了承するまで動かないつもりだった。
「陽一さんの……ため……」
やがて、夕里子は小さく呟き、頷いた。
「……わかりました。わかりましたから、顔を上げてください。立ち上がってくださいな」
「夕里子さん……」
感謝の念を込めて、綾は夕里子の名を呼ぶ。
(さすが……人格者ね)
なかなか殺すことができず、これまで散々手を焼かせられたが、それも今では怪我の功名と言えるだろう。
綾にとって最善の状況で終わらせるための、重要な駒となってくれたのだから。
「ありがとうございます。本当に……ありがとうございます」
「いえ。私、陽一さんにも綾ちゃんにも、たくさん迷惑をかけてしまいましたから。これで少しでも償いになるなら幸いです」
「その……お兄ちゃんに知られたら、多分全部無駄になってしまうと思うので……くれぐれも内密にお願いします。
もしもお兄ちゃんや縁さんに知られてしまったら、夕里子さん自身の意志で、お兄ちゃんのためにしたいからしてるんだと言ってください」
「ええ、かまいませんよ」
申し訳ないとばかりに、綾は眉根を寄せた。
「勝手を言ってすみません。私が勧めたとわかれば、お兄ちゃんはきっと止めるでしょうし……正直私がお兄ちゃんに怒られたくないというのもあります」
「そんな、気にしないでください。それも含めての償いですから」
端正な顔に悲しげな笑みを浮かべて、夕里子は綾の手を握った。
「私が居なくなった後、陽一さんと綾ちゃんが、これまで通りの生活に戻れることを願います」
本当にいい人だと、綾は思った。
兄のことがなければ、きっと大好きになれただろうに、と。

小夜子がその騒ぎに気付いたのは、五時半を回った頃、図書室の閉館の準備を進めている時だった。
「まったく、ちゃんと片付けていきなさいよね……」
ぼやきながら、机の上に残された本を書架に戻す。
窓のカーテンをまとめようとして、中庭に人が集まっているのに気がついた。
「あれ……? 何かあったのかな?」
図書室の前を何人か生徒が走り過ぎる。
「誰か飛び降りたらしいぜ、屋上から」
「え、マジかよ」
そんなやり取りが聞こえ、小夜子は思わず眼下の人の集まりを凝視してしまった。
次々と集まる生徒たちを教師が遠ざけ、人の輪ができている。
その中央、校舎から数メートル離れた芝生の上に、人が一人倒れていた。
遠目にその顔ははっきりと見えないが、芝生に広がるスカートの裾から、女生徒だとわかる。
そして、その特徴的な栗色の髪に気付いたとき、小夜子は小さく悲鳴をあげていた。
668黒の綾 ◆5SPf/rHbiE :2007/10/28(日) 01:06:39 ID:3oGV0AWj
病院には続々と人がやってきた。
夕里子の両親、小夜子の両親、他何人もの親戚たち。
佐久間愛の事件以来遠ざかっていた級友たちもやってきて、小夜子に夕里子の容態を聞いた。
さらに、綾と陽一、縁も姿を現した。
「小夜子……夕里子さんは……?」
「……手術中……どうなるかわからないって……」
目に涙を浮かべながら、小夜子は答えた。
「しっかりしなさい。泣いたところでどうにもならないんだから。泣くぐらいなら祈らなきゃ。夕里子さんが助かるように」
綾の言葉に、小夜子はいくらか気持ちを落ち着ける。
一番混乱しているのは綾自身だった。
(何故……? 何故今になって……全てがうまくいきかけていたのに)
夕里子の自殺は全く予測していなかった。
陽一の名誉回復の策が取れなくなったのはまだいい。
問題は、自分が夕里子と接触した直後に自殺を図っているということだった。
(口頭で呼び出したから、私と夕里子が直前に話をしていたという証拠は何も無い。でもそれは、誰にも見られていなければの話……)
今回は、ただ頼むだけだったので、接触の際特に注意は払わなかった。
おまけに放課後だったとはいえ、校内は基本的に人の密度が高い。
思わぬところで見られている可能性は大いにあった。
(言うか言わざるか……どうしようかしら?)
直前に会っていたことで綾が不利になるパターンは二通り。
綾との接触が自殺の引き金になったと思われることと、綾が夕里子に直接的に危害を与えたと思われることだった。
前者は、周囲から陽一への印象がさらに悪くなるということ以外、まったく問題は無い。
何が自殺の原因かなどというのは、所詮推測の域を出ることはできないのだ。
後者は、陽一と共に過ごせなくなる以上、大いに問題があった。
(つまり考えるべきは、後者と見られる可能性を減らすこと。怪しいと思われる言動をとらないことだわ)
数秒で思考をまとめ、綾は口を開いた。
「私……今日の放課後、夕里子さんと話をしたのよ……」
綾が選んだのは、夕里子と話した内容を適当に変えて、それ以外は全て話す暴露戦術だった。
黙っていて後で指摘され、変に疑われるよりかはずっといい。
「話したのは……今後どうするのかとか、そんなことだったんだけど……私、ひょっとしたら夕里子さんを傷つけることを……?」
ふむ、と隣で聞いていた縁が頷いた。
「それはわからないけど、とりあえずお巡りさんに話した方がいいんじゃないかな?」
「はい……そうですね」
綾は縁の目を見た。
さすがに縁はいつもの笑みは浮かべず、不安そうな表情を見せている。
しかし、瞳の色はあくまで揺らがず、清水を湛えているがごとく静かだった。
669黒の綾 ◆5SPf/rHbiE :2007/10/28(日) 01:07:21 ID:3oGV0AWj
「縁さんは、夕里子さんの自殺の原因に心当たりはありますか?」
「無いよ」
「では、夕里子さんが自殺するかもしれないと、考えたことはありましたか?」
「それも無いよ。だから驚いてる」
縁の後に小夜子が続いた。
「私も……ユリねえはどんなことがあってもそんなことはしない人だと思ってたから……だからまだ信じられなくて……」
「これまでの事件の重圧に耐え切れなくなって、ということも考えられるけど」
小夜子は綾の言葉にぶんぶんと首を横に振った。
「ううん。ユリねえはすごく責任感の強い人だもん。死んで逃げるなんてことはしないよ」
「そう……そうよね」
縁の時は頷きもしなかったが、綾は小夜子の言を無条件で受け入れた。
そもそも、あの約束を交わした後で自殺をするのはおかしいのだ。
あるいは、あの時の夕里子の様子はあくまで表面上のもので、陽一と綾への当てつけに自殺して見せたとも考えられた。
(でも、だとしたら、私たちを批判する遺書を残していてもおかしくはないわ。当てつけとしての効果を期待するなら、少なくとも私はそうする……あるいは、単純な話……)
誰かに殺された。
まだ夕里子は死んではいないが、その言葉が頭に浮かんだ。
(殺す……まさか……私以外にそこまでできる人間が居るというの?)
誰が、何のために?
佐久間愛の関係者か、それとも――
綾は縁を見た。
恐らくは兄を好きであろう、今まで散々邪魔をしてくれた女、宇喜多縁。
しかし、夕里子を殺したとして、縁にどんな得があるのか、結びつかなかった。
(駄目だわ。考えがまとまらない。ああ、駄目……ちょっと予定外のことが起きたくらいでこんな……)
懸命に心を落ち着かせる。
何よりもまずは、自分の身を守ることを考えなければならない。
恐らくは自分が、夕里子が自殺を図る前に最後に話した人間なのだ。
「小夜子、警察の人も病院に来てるのよね?」
「う、うん……」
「とりあえず、話をしてくるわ。私が居なくなっても泣くんじゃないわよ?」
「うん……ありがとう」
それから日が変わるまで、綾は警察に事情を聞かれることとなった。
670黒の綾 ◆5SPf/rHbiE :2007/10/28(日) 01:08:08 ID:3oGV0AWj
次の日、学校は休校となった。
病院で一夜を明かした後、家で短い眠りをとり、小夜子は午後の日差しの中を歩いていた。
目指す先はとある喫茶店。
縁から電話で指定された先だった。
こじんまりとした店の、古びた扉を開け、すぐに見つけた三つ編み少女の対面に座る。
「何ですか、用事って」
「うん、まあ、色々あるんだけどね。まずは夕里子ちゃんが助かったこと、おめでとうと言っておくね」
「……まだ、予断を許さない状態らしいですけど」
あはは、と縁は朗らかに笑った。
「それでも、昨日の夜死んじゃってるよりかはずっといいよ。うん、良かった良かった」
「はあ……まあ……確かに良かったことは良かったと思いますけど……」
さて、と手を軽く打って、縁は話を切り出した。
「今日こうして来てもらったのはね、ちょっと聞いてもらいたい話があるからなんだ」
「はい。私でよければ聞きますよ」
「うん、小夜子ちゃんにこそ聞いてもらいたい話。と、その前にちょっとお尋ねするけど……」
縁はティーカップに軽く口をつけ、小首を傾げて小夜子を見つめた。
「この街で年にどれだけ人が死んでいるか、知ってるかな、小夜子ちゃん?」
戸惑う小夜子に、縁はあくまで笑顔だった。
671黒の綾 ◆5SPf/rHbiE :2007/10/28(日) 01:09:08 ID:3oGV0AWj
今回の投下は以上です。
672名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 01:12:48 ID:MBtyOQqA
やべえ・・・
お兄ちゃん遅すぎる覚醒か・・・?
673名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 01:15:57 ID:LApaLlpF
綾をリアルタイムで見れるとは…なんという至福…

GJ以外の何者でもない…

しかしホント縁はなに考えてんだ?
674名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 01:26:09 ID:sA6Gzwr1
ますます楽しみになってきた
675名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 01:28:42 ID:sv+01+yL
>>671
GJ!
全裸待機してて正解だったぜ。これでやっと服が着れる。
676名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 01:38:36 ID:K5RnCHGt
最後の縁の言葉はもはやホラーだなw
677名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 01:41:50 ID:SneHBCA8
とうとう縁が動いたのか…?
綾マジ頑張れ
678名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 01:48:07 ID:uMa8sIlf
すいません、スレではなく保管庫の方で作品をチェックしているものですけれど、
保管庫は更新なされないのですか。
679名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 01:55:28 ID:8XxNtlN0
ユリコさんは緑が落としたんだよ明らかに…
680名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 02:54:12 ID:Vq+xzU5Q
ついに縁たん覚醒・・・あな恐ろしや・・・
681名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 03:40:00 ID:xY3x+j15
久しぶりに綾が来てた(・∀・)
682名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 03:56:18 ID:gzUcy6tb
683名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 08:17:59 ID:CXim9SwJ
綾きたああああああGJ!
綾の腐れ外道っぷりに磨きがかかってていいwww
それと縁こええwww
兄貴もがんばれ! 真相に気づけ!
684名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 08:18:42 ID:CXim9SwJ
ageちゃったorz
685名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 09:46:23 ID:uE+cIbJv
腐れ外道とはよく言ったものだが、まさしくその通りだな
いや、最大級のほめ言葉だ
686名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 10:15:27 ID:TX+AGSiz
綾が来るとこのスレはいつも活気付くな
687名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 10:17:49 ID:xahzfDap
もう綾シリーズは書籍化してもいいと思う
688名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 11:21:55 ID:Fr9uLrMp
読んでる最中呼吸をしていた気がしないぜ・・・
689名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 12:30:36 ID:UstsiHES
綾キテタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
小夜子フラグキタ━━━━(´・ω・`)━━━━ッ!!

しかし・・・今更ながら、縁は兎シチューにびびってた頃とはえらい違いだなw
690名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 12:34:16 ID:vlaU4UpY
同意。
完全に綾世界に飲み込まれてタッス。
691名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 12:44:14 ID:SneHBCA8
綾中出しさせすぎだろ!大丈夫なのか?
安全日でもヒットする事もあるのに・・・
692名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 13:12:18 ID:hRsKverx
縁……血に慣れたか…
693名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 13:18:06 ID:Ueft7sWD
それすらも策略…
694名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 13:24:46 ID:dowxZ+l1
縁がハイレベル過ぎて付いていけない。
いつの間にか綾越えたな。
あんた最高だよ。
695名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 13:45:46 ID:zZPGj4d1
綾キテターーーーーーーー!!!

さぁこれからどうなる・・・!?
696名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 15:26:26 ID:S5IABKeg
んー・・・これはどういう展開に?
緑の行動が不気味だな・・。何故綾じゃなく小夜子に接触を・・・
697名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 15:52:32 ID:H565kphX
綾クオリティ高すぎる……
先が読めなさすぎ
まじでGJ
698名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 18:16:14 ID:e20NBmB5
綾シリーズはキモ姉妹スレにおいてのノントロ
699名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 18:55:34 ID:oBudR9Rz
スルー
700名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 21:01:32 ID:AW5g6KNP
>>699
君はスルー検定三級だな失格!!
701名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 21:36:06 ID:YuJaL9zg
>>700
それ面白くないからそろそろ止めたほうがいいよ。
702名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 22:19:32 ID:i5rclLul
>>691確か安全日ってもとから信憑性が低いものじゃなかったっけ?
703 ◆/waMjRzWCc :2007/10/28(日) 22:56:50 ID:W1pCMZEK
綾がハイレベルすぎて気が引けてますが投下します。
704理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/10/28(日) 22:57:51 ID:W1pCMZEK
私は、夢を見た。
修くんの事を考えながら寝ると、ほぼ必ず見る夢。
つまり毎日見ている様なものだ。
私はまだ小学生で、でも意識は今の自分。
すぐにその時の私の意識と同化する。
修くんに初めて好きな人ができた時の事。
私は心の中で深く暗い感情を覚える。
でも、表面上はそれを見せずに、全く逆の事を言う。
「頑張ってね」
だなんて言いたくもない。
だから、付き合うと分かった後で、私は行動した。
修くんにバレない様にその子に近付き、まずは説得してみる。
その子はただ「別に遊んであげてるだけ」と答えた。
「特に好きな訳じゃない」とも言った。
その時から少しの間記憶が無い。
ただ、気が付くとその子は泣きながら私の前に倒れていた。
おそらく私はその子の処女を奪ったのだろう。
その子は、股の間から血をしたたらせていたからだ。
それに、私の手には血の付いた棒が握られていた。
殺さなくて良かった。
彼女には、噂を広めて貰わないと。
「これ以上何かされたくなかったら、周りの皆に修くんに遊ばれて、ふられたって言ってね?」
そう言うとその子はただ泣きながら小さく何度もうなずくだけだった。
705名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 23:07:23 ID:ftFwJvnO
兎シチューは奇襲だったからな、普通に驚いたんだよ
それで綾に対する認識を改めた、友達の妹から恋敵へ
706理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/10/29(月) 00:05:05 ID:W1pCMZEK
すぐに噂は広まって、修くんがいじめられている事が分かった。
修くんがかわいそうだとは思った。
けれどこれは修くんの為にした事なんだよ?
あのままじゃきっと、もっと酷い傷をおわされていた。
だから、私が守ってあげた。
私は修くんの事を愛しているから。
修くんは人と話さなくなった。
でも、私とだけは話してくれる。
私の事を信用してくれてる。
修くんは私だけのものだ。
もう二度と、一瞬たりとも修くんを離したりしない。
離れられない檻を作ろう。
全てから修くんを守り、全てから修くんを遠ざける。
ただ、私と修くんだけが入る檻を…
そう決意をして、また朝を迎える。
側には修くんが居て、私を起こしてくれる。
はずだった。
「修くん…?」
起きた時間は7時。
まだ学校に行く時間ではない。
けれど、家の中のどこを探しても修くんは見つからなかった。
なんで?どうして?
なんで私の側にいてくれないの?
どうして私から離れるの?
携帯に電話をしても繋がらない。
修くん、どこに居るの?
私を一人にしないで!
気が付けば私は着替えもせず外に飛び出していた。
修くん、修くん…
お願いだから私の側に居て…!
707 ◆/waMjRzWCc :2007/10/29(月) 00:06:19 ID:lI/qGMZs
投下終了します。
708名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 00:22:15 ID:i7LA8Nw7
>>707
乙です。
さて、これからどんなドロドロが展開されるのか・・・。

>>702
そう、というか信憑性以前の問題で効果自体ない。
安全日だとか膣外射精、コーラで避妊できると考えている若者のなんと多いことか。
709名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 00:27:10 ID:jeKWw1QJ
>>707
乙なんだぜ!

コーラ避妊って信じてる奴いるのか?
一種のギャグ、冗談だと思ってたぜ
710名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 00:30:18 ID:duki+PUn
オギノさんも迷惑してるみたいだね。
711名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 01:04:08 ID:dSvusbKX
避妊にはまったくなっとらんが、一応確率的には下がるだろ
712名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 01:06:57 ID:NjrihAor
>>707
乙〜
しかし小学生の時にやられた子かわいそうだなw
713名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 02:58:12 ID:aEdorUGm
まあ、当たるか当たらないかの2つしかないんだから確率って言うのはどうかと・・・
714名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 04:11:24 ID:xtEI+uOp
>>711
>避妊にはまったくなっとらんが、一応確率的には下がるだろ

生物学というか保健体育というか、勉強しておけ。

>>713
>まあ、当たるか当たらないかの2つしかないんだから確率って言うのはどうかと・・・

数学というか統計学というか、勉強しておけ。
715名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 05:17:44 ID:atAYVX6Y
>>707
もっと書きためてから投下してくれ
716名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 07:14:03 ID:HrwE44hi
>>707
乙でした

俗に言う危険日に中田氏でも妊娠する確立は3割程度なそうな
717名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 07:23:23 ID:FGR1gk7S
>>716
>俗に言う危険日に中田氏でも妊娠する確立は3割程度なそうな

確立ねぇ・・・
718名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 11:00:44 ID:Pynxh/8l
どっちにせよ、綾は中出し妊娠オールオッケー
望むところよお兄ちゃん、てな感じなんだろうな
719名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 13:50:53 ID:hlOBJD1q
綾がガチで妊娠したら陽一は自殺する気が
720名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 16:17:41 ID:dJ0Qc+CP
自殺しようとする患者を手錠でベットに縛り付けることがある
だからお兄ちゃんが自殺しようとするものならそれを口実に監禁して目の前で大きくなっていくお腹を見せ付ける
さらに目障りだった緑の処刑ショーや出産ショーまでやってくれればお兄ちゃんの精神も崩壊です
と妄想
721名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 17:49:18 ID:jLm2Sy6/
そこまでやったらもはや地獄絵図
完全にアウトw
722赤いパパ ◆oEsZ2QR/bg :2007/10/29(月) 18:14:48 ID:7mLJx4m4
ナガレを切って投下します。
723三者面談その4 ◆oEsZ2QR/bg :2007/10/29(月) 18:16:04 ID:7mLJx4m4
「せ、先生……?」
 白いカーテンで仕切られたベッドの上。シーツの上で横たわる僕を高倉先生が見下ろしていた。
「気がついた? 誠二くん」
 まどろみから覚めた僕に気付くと先生はえへへと長いまつげを揺らして猫のみたいににっこりと笑う。
 なんだかおなかが重いなぁ、と思ったら先生は膝立ちで僕の体を跨いでいた。そのせいで先生のタイトスカートはぴんぴんに横に引っ張られていた。
「あ…、あれ? な、僕、なにかしましたっけ?」
 えーっと、記憶を思い返してみる。確か、姉さんに手のひらで打たれたことは覚えて……、
 そうだ、ぶたれてぶたれて打たれまくった。家にいた頃のように。いや、むしろそれまで以上に多かった。何度も何度も。
意識がおかしくなるくらいぶたれたのは久しぶりかもしれない。これだけぶたれたのは何年ぶりだろうか、えーっと……?
 ふわり。先生の手のひらがやさしく僕の頬を撫でた。
「まだ、痛むかしら?」
「あ、いえ」
 痛みは感じられない。でも、あの時のぶたれた感触は容易に思い出せる。それを思い出せば、心を伝わって頬に痛みが蘇りそうだった。
「腫れています?」
「ううん。大丈夫。綺麗なままよ」
 よかった。おたふく風邪みたいに腫れ上がってたらクラスメイトに見せられなくなる。僕は安堵の息をついた。
「お姉さんに何度もぶたれたって聞いたわ。大丈夫?」
「だ、大丈夫です」
 慣れてますから、そう続けようとして一瞬で飲み込んだ。
「先生。いま、何時ですか?」
 いま僕がいるのは保健室だということは理解できていた。時ノ瀬先生がボロボロになった僕を運んでくれた後、ベッドに寝かせてくれたのだ。
 ビンタぐらいで寝かせるなんて、あまり聞いたことない話だけど、時ノ瀬先生の風貌(Tシャツに白衣に裸足でサンダル履きそして土足)が許されている時点でもうアレなので、そこらへんは変に納得してしまう。この先生にこの処置あり。
 そうして、ベッドに入れられた僕はお言葉に甘えてそのまま寝付いてしまったみたいで。そして、気がついたときには先生に跨がれていたというわけである。
 というわけって?
「んーっと、四時前ぐらいだわ」
 先生が腕に巻いた小さな腕時計を見て答えてくれた。大体六時間目終わってHR終わって何分かぐらいだから……。僕かなり寝てるぞ。
 あー……、そっか。昨日先生のうちに泊まって寝不足だったからだ。……だって先生激しいんだもん。
「じゃあ、もう放課後なんですね」
 僕が体を起こそうとすると先生は潤んだ瞳でえへへと笑い、僕の両肩を掴んだ。僕の体はぐいと体重を押し込まれ、そのままパイプベッドの白いシーツに体を戻してしまう。パイプベッドの揺れる音にあわせてギシシと軋む音が響く。
「待って」
「あれ、先生?」
 僕が疑問の声をあげると、先生はまた僕の頬を撫で始める。なんだか、肌質やかすかに生えた産毛をさわさわと撫ぜうっとりとした顔になっていく。かすかに口元からじゅるりと唾液をすする音が聞こえた。
「本当に綺麗なまま……」
 すりすりと僕の頬を先生は優しく丁寧に撫ぜ続けている。くすぐったくて僕は体をよじって逃げようとするが先生に跨がれてるのでうまく動けない。
というか先生が僕の下腹部に腰を下ろしていて、ぷっくり膨らんだスカートの中身が当たってる。あそこに……。
「せ、先生っ」
 汗がぶわっと噴出す。せ、先生。まさか、こんなところで!?
「ねぇ、もうすぐ職員会議だからさ。その前に一回だけいいでしょ?」
 ねとつく視線を僕の体に彷徨わせ、先生の細指が僕のカッターシャツのボタンに伸びた。ぷちりと音がして首元のボタンがひとつづつ外されていく。
 第三ボタンまで外されたとき、ようやく僕は声を出した。
「だ、ダメですよ! 先生っ」
「なんで?」
「学校の保健室じゃないですか!」
「燃えるでしょ?」
「ダメダメ、危なすぎますよ!」
「10分で済ませるんだから大丈夫よ」
「だって、保健室ですよ! 誰か来たらどうするんです」
724三者面談その4 ◆oEsZ2QR/bg :2007/10/29(月) 18:17:03 ID:7mLJx4m4
 というか、こんな状況なのに誰か保健室にいないのか? 養護の時ノ瀬先生がいるはずですよ!
 しかし、そんな僕の心情とは裏腹に先生は終始落ち着いていた。なにか絶対に大丈夫という確信を持っているみたいだった。
僕のカッターシャツのボタンを全て外し終えた先生は、楽しげに口笛を吹いて僕の胸をはだけさせた。タンクトップごしに先生のひとさし指がつつくように動いて
「まぁ、口ではそんなこと言いながらも、こっちはそう思ってないみたいだけど」
 うわぁ、ありがちな台詞と返す間もなく、先生は押し付けているタイトスカートの中にある膨らみを下着の布ごしにゴシゴシと僕のズボンを擦るように蠢かせる。
 先生のスカートはズボン越しの僕の熱を持った棒に狙いを定めていた。そりゃあ、僕もいっぱしの男子学生であるわけで、さっきからずっと押し付けられている先生の柔らかな感触に、舌のほうも反応してしまっていた。
 先生はそれに気付くと、頬をピンク色に染めてはぁはぁ熱い吐息を混じらせ、腰の重力移動を強くする。ぐにっぐにっと先生の大事なふくらみに潰される刺激に僕の下の棒はどんどんと熱を上げて膨らんでいった。
「ふふふ。こんなに大きくなっちゃ私が帰ってくるまで待てないよねぇ? 誠二くんは動かなくていいから。ぜーんぶ先生に任せてね」
 先生の体が浮いて、棒にかかっていた柔らかな圧力が消える。見下ろしてみると僕のズボンは明らかに縦に一本膨らんでいた。先生の細長い指が僕のズボンのジッパーを抓むとゆっくりと手を下ろしていった。
 ちーーっ。
「ちょっちょっ!」
 慌ててズボンを抑える。しかし、先生はそのズボンを抑える僕の姿に妙に萌えたらしく、鼻息をぷすぷすと荒くし、口元をにんまりと歪めて意地悪く笑った。なんだか背中から黒い翼のシルエット見えそうだ。
「そうやって抵抗する姿も可愛いんだから……。もぅ、いただきまーす♪」
「やめんかい」
 その言葉と同時に白いカーテンが勢いよく開かれた。
 まさか、バレた!? 体が恐怖に硬直する。
 カーテンを開いたのは時ノ瀬先生だった。ぼさぼさにうねる長い髪と『定期預金』と描かれたTシャツに白衣といういつもの格好で、呆れた顔でベッドで倒れている僕らを見下ろしていた。
「せ、せんせいっ!?」
「ったく、人が人払いしてやって見舞わせてやってるのに、調子に乗りおって……。私のベッドで狼藉を働くな」
「むぅー、時の字のいぢわる」
 体中の毛穴という毛穴から冷や汗を噴出している僕とは反対に、高倉先生はまるで悪戯をしている現場を母親に見られた子供のような態度で、僕から体を離さないまま時ノ瀬先生に不満の声をあげた。
「あ、言っとくけど時ノ瀬先生は私たちのコト知っているから。大丈夫」
 高倉先生は僕の様子に気付いて、軽く説明してくれた。本当かと思い、時ノ瀬先生へ視線を移すと、時ノ瀬先生は呆れた顔で僕らを見ていた。視線が少し痛い。
「ほら、良子先生。さっさと職員会議にでも行け。10分で済ませるとか言ってたがもう時間無いぞ」
「え、あ。本当だわ」
 先生が保健室にかかった時計に視線を移すと、軽く驚いていた。先生の腕時計にズレがあったのかな。
「ごめんね。誠二くん。つづきは帰ってからね♪」
 僕のおでこを人差し指でつんと突いて言い聞かせる高倉先生。でもどっちかといえば僕が先生に突っつく方じゃないのかな。この立場だと。
 そんな風に思いつつ体を起こすと、先生はベッドから降りてぶぅぶぅと時ノ瀬先生に文句を垂れていた。しかし時ノ瀬先生は文句が言える立場かと一喝して、出入り口に顎を向けて外へ促した。
 僕もベッドから降りる。確かに、時ノ瀬先生がちゃんと人払いしていたようで保健室には僕以外生徒の姿は無い。白いカーテンがさっと窓を遮っていて、きちんと外からを見えないようにされていた。
 よかった。本当によかった。危ない危ない。
 時ノ瀬先生と高倉先生はまだうだうだ愚痴っぽく話していた。その二人の横を通り過ぎる。僕のカバンはここには無い。さすがにカバンまでは持ってきてくれなかったらしい。じゃあ、あとで教室に取りに帰らないと。
「じゃあ、またね。」
 ちゅっ。
 出入り口へ向かう高倉先生とのすれ違いざまに、お互いの唇が軽く合わさった。啄ばむようなキス。
 ばいばいのキス。
 僕の頬がぽぽぽっと熱をあげる。
 高倉先生はそんな僕にニコリと子供みたいに笑うと、ばいばいと手を振って保健室から出て行った。
 はぁ、とため息。
725三者面談その4 ◆oEsZ2QR/bg :2007/10/29(月) 18:17:44 ID:7mLJx4m4
「良子先生の世話は大変だろう? 君なぁ」
 そんな僕の肩をやさしく叩く時ノ瀬先生。そういえば、時ノ瀬先生は僕と高倉先生の関係を知っているんだ。僕は誰にも喋ってないから……、高倉先生が喋ったのだろう。
 ん、じゃあ仲いいのかな…?
「あの、時ノ瀬先生……」
「良子先生とは大学の頃の友人だよ」
 時ノ瀬先生はすぐに察したのか、すぐにイロイロと教えてくれた。
 時ノ瀬先生いわく。高倉先生とは大学の頃の先輩後輩の間柄だったらしい。高倉先生が先輩で時ノ瀬先生が後輩。なんだか雰囲気的には立場逆のような気がするけど、そうらしい。
 で。たまたま同じ学校に来て、僕のことについては高倉先生はよく時ノ瀬先生に相談していたとのこと。相談と言っても愚痴や僕に対するのろけが主だったらしい。
 それにしても、普通生徒と付き合っているとか言われたら止めたりとか反対したりとかしないんだろうかと思ったが、
「良子先生は頑固でな。一度これと決めたら神に咎められようが、曲げん。私の反対なんてどうせ無駄だよ」
 と、先生は苦笑した。
 でも、僕らの関係を秘密にしてくれたり、保健室に運んで人払いして高倉先生と二人っきりにしてくれたりと、かなり気を回してくれている部分、時ノ瀬先生は高倉先生を嫌ってはいないよう。
 時ノ瀬先生はパイプ椅子に腰掛けると、白衣のポケットからタバコを一箱取り出した。保健室で喫煙はダメなんじゃないかという僕の視線を無視して、先生は一服を始める。
 ぷはぁーっと、先生が吐いた白い煙は天井まで昇り、通風口へ吸い込まれていった。
「先生。僕を保健室まで運んでくれたのは先生なんですよね?」
「ああ。たまたまそこを通ったときに、やったらばちーんばちんと叩く音がしてな。女子生徒がキャットファイトでもしているのかと思って覗いてみたんだよ。あ、もちろんキャットファイトでも注意するつもりでだぞ」
 すると中に居たのは延々と抵抗もせずに頬を叩かれている僕だった。
「こりゃ珍しいと思ってしばらく様子を見てたんだよ」
 早く止めてください。
「最初は恋人が浮気していた怒られているのかと思ったんだが……。だんだん妙な雰囲気になっていてな。しかも叩かれている奴を見ると、良子先生がいつも話している君だったんだ。そこでさすがにおかしいと感じて止めに入った」
「じゃ、叩かれているのが僕だったらまだ見てるつもりだったんですか……?」
「そこはノーコメントだ」
 ぐりっ。
 時ノ瀬先生が携帯灰皿の中にタバコを押し込んだ。ほとんど吸ってないのに。贅沢な吸い方だなぁ。
「ところで……。沢木誠二くん」
「はい」
「君のお姉さんについて聞かせてくれないかな?」
「え?」
 先ほどまでの野暮ったい表情から一転、真剣なまなざしを僕に向けて放ち先生は言った。
「姉さんのことですか?」
 ああ。と頷く。
「どうしてです?」
「カウンセリングみたいなものだよ。答えなくなかったら答えなくて良いからちょっと質問に付き合って欲しい」
 はぁ。僕は軽く頷いた。
「今日君の頬を叩いていたのは君の姉さんでいいのだな?」
「はい。僕の姉さんです」
 千鶴姉さん。僕よりずっと優秀でずっと凄い姉さん。
「ああいうのはしょっちゅうなのか?」
「しょっちゅう……?」
「ビンタだよ」
 ばしーんっ。
 ああ、僕の頬にあの感触が蘇ってきた。鋭い痛みの連続。
「えーっと、あんなにぶたれたのは久しぶりですね」
「ふむ。ぶたれることは日常茶飯事なのかい?」
「いや、無意味にぶたれることは無いです」
 そうか、と先生は呟く。
 そのまま先生は考え込むように口元に指を当てて、黙る。ペンをくるくると回し、とんとんと机を叩き、時折なにかううんと呟く。
 僕は不安になって声をかけた。先生はそれに頷き、ぼりぼりと頭を掻く。
「……実はな、君の姉さんのことについていろいろと良子先生とも話しているんだが」
「え?」
 高倉先生が? 僕の姉さんのことについて?
 たしか、高倉先生と姉さんがきちんと顔を合わしたのはあの三者面談のときだ。いや、学校ではなんどか顔を合わしているはずだけど、ちゃんと面と向かって話したのはそこが最初だと……、先生はそう言っていた。
 それ以降、先生が姉さんのことを話題にしたことは無い。いや、僕が姉さんのことを話そうとすると嫌がり、話題に上らないように阻止された。
 ……待てよ。そういえば、先生は三者面談の時、はじめて逢って話しをしたって言ってたよな……。
726三者面談その4 ◆oEsZ2QR/bg :2007/10/29(月) 18:18:27 ID:7mLJx4m4

 三者面談で初めて話す先生が進路について指導するって、なにかおかしくないかな?

それに、先生は姉さんのことについて話題に出すのも拒否するのに、あの時は積極的に姉さんを呼ばせるようにセッティングしていた。姉さんと僕と先生、あの三人が集まるように動いていた。
 先生いわく、三者面談に僕を呼んだのは「君のお姉さんを説得できるのは誠二くんだけだから」と言っていたけど。僕が姉さんを説得なんて出来るわけが無いのにね……。
 なんだか、引っかかる。
「…………」
 あ、しまった。考え事に夢中で時ノ瀬先生のこと忘れていた。慌てて意識を先生に戻す。
「……先生?」
 しかし、先生は無言のまま僕を見つめているだけだった。いまなにか話しました? いや、話してない。さすがに意識は無くても言葉が発せられていたかどうかはわかるし。
 時ノ瀬先生は僕を見つめ、10秒ほど無言のまま止まり、なにかを言いたげに口を開こうとするが、すぐに閉じて、ふるふると頭を横に振る。そして、雰囲気に似合わない小さなため息をつくと、
「すまん。やっぱり今のは忘れてくれ」
「ええ?」
 言いかけてやめるって。
 僕がそう言おうとするが、先生も申し訳ないといった顔ですまんと呟く。
「もう少し時間が経ったら言おう。ちょっと、私の口からは言いづらいことなのだ」
 先生は左手を頭にあてて、本当にばつが悪そうに言った。いつもクールな先生とは違う、なにか納得のいかなさだけが残される。
 僕は文句をいいたくなったが、ここは空気を読んで素直に頷いた。

 教室でカバンを回収する。机の上には今日配られていたらしいプリントが数枚置いてあった。なんてことない、ボランティア参加のお知らせだ。
 学校の周りの掃除何とか空き缶拾いとか、先生も参加するのかな?
 とりあえず折りたたんでカバンの中に入れておいた。
 ……ん、そういえば。携帯電話が無い。
 ポケットを探るとあるはずの四角い感触。それがぽっかりとなくなっている。あれ? いつのまに……? 思い出してみれば、保健室に居たときから僕のポケットにその感覚は無かった。
 じゃあ、どこに? 落としたのかな……。記憶をたどる、たどる、たどる…。あの時にはあった、あのときにはあった……、最後に……。
 あ、姉さんにビンタされた時。あの時に腰が砕けた拍子に、ポケットからすべり落ちたのかもしれない。
 カバンを掴むと、僕は教室を出て、あの空き教室まで移動する。まだ姉さんがいるかと思って警戒していたが、さすがにあれから何時間も経っている。
 おそるおそる中を覗くと、姉さんはおろか誰の姿も無い。もぬけの殻。ホッと息を吐く。
 明り取り用の窓のみの暗い空き教室の床を僕は見て周る。目立つ色だからすぐ見つかるはずだけど……。何かをカツンと蹴った。床を滑って良く光るなにか。

 あ、あった!

 この携帯電話には僕と先生のメールのやり取り(ラブメール多し)が入ってるんだ。
 一応ロックはかけているけど、バレたら先生はこの学校を去らなきゃいけない。よく考えればそう簡単に無くすわけにはいかない物だ。
 それを右手で拾い上げる。
 が、僕の携帯電話は持ち上げた途端、折りたたみ式携帯電話のディスプレイ部分がぼろりと落下した。
「え?」

 カツン、コロコロコロ……。

 僕の携帯電話はボロボロに折り潰されていた。
(続く)
727赤いパパ ◆oEsZ2QR/bg :2007/10/29(月) 18:19:32 ID:7mLJx4m4
インターバル的に。
姉が出てきませんが、次回突入させる予定です。
次回投下は未定。あまり期待せずにお待ちください。
728名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 18:49:17 ID:ddYUFKmC
GJ!
姉KOEEEEE
729名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 22:28:01 ID:NjrihAor
これは続きが気になる・・・
GJと言わざるを得ない
730名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 23:06:24 ID://NyTWH8
おお…!
次回は姉さんの狂乱か…!?
731名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 01:51:05 ID:YuxBncCs
綾と桜と千鶴姉の御姿を見たい…
絵師さん来てくれないかなあ
732名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 04:26:46 ID:iXWQVQpr
とってもGJ!
携帯電話を姉のいるところで落としてさらにそれが壊されてるってことはきっと・・・
どんな折檻がくるかと思うとwktkが止まらないww
733名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 11:04:37 ID:3aaqztma
>>732
このドMがwwww


・・・俺も楽しみだけどな!!(*´Д`)ハァハァ
734無形 ◆UHh3YBA8aM :2007/10/30(火) 12:34:24 ID:d/Dwn6Zq
投下します
735永遠のしろ ◆UHh3YBA8aM :2007/10/30(火) 12:36:40 ID:d/Dwn6Zq

※※※

雨が似合う。
僕にとっての姉は、そういう人だ。
勿論、憂鬱な雰囲気を連想するとかではなく、落ち着いた幽玄な空気を纏っている様が雨の持つ独特な
世界観と合致するという意味で。
姉のいる和室――障子張りの窓から見える暗い空は、だから憂鬱には見えない。
静かな風景は、僕にとっては好ましく、美しく映えるのだ。そして姉は、それに近似した雰囲気を持っ
ている。
「しろ姉さんは、着物を着たら似合いそうだよね」
姉のいる和室。
僕はそこに在る独特な空気を纏った姉にそんな事を云ってみる。
「ん?」
と云ってこちらを向いた肉親は、幽邃な瞳を細めて、口元をオメガみたいに歪めて見せた。
「クロは私の着物姿が見たいの?」
硯と筆を傍らに、姉は微笑む。
「似合うかな、と思っただけだよ。ここ、和室だしさ。しろ姉さん、そういうの好きだろう?」
若い女性にしては珍しく着付けも出来るのだし。
「ん・・・」
姉は瞳を閉じて、幽かに頷く。
「確かに和装は嫌いじゃない。寧ろ好ましいと思うわ。けれど、現在の洋服に比べれば合理性で劣る。
兎角、手間がかかることが問題ね。だから特別着る気は無いのだけれど――」
開眼し、瞳だけで僕を見る。
「クロがそう望むなら、これからは和装にしても良いわ。着物も何着か持っているし」
「胴衣もあるしね」
「あんなものでは外には出られない」
そう云って姉は笑った。
(袴姿、綺麗なんだけどな)
僕は肩を竦めた。
会話が途切れると、姉は作業を再開する。
大きな色紙に筆を走らせ、
『蠢  如  木  鶏』
シュントシテモッケイノゴトシ。
相変わらずの達筆でそう記す。
「達生篇?」
「聊斎志異」
「ああ――促織か」
姉は頷きながら筆を置く。
「今度は誰に頼まれたのさ?」
「同門の後輩。自宅の道場に飾るそうよ」
満足いくものが書けたのか、姉の表情は明るい。
書画の道に通ずるみっつ上の肉親は、知己やその縁故筋から一筆頼まれることが多い。今回の色紙も
そのひとつだろうとは聞くまでも無く分かった。
「クロ、私はこれを届けに往ってくるけど、貴方は今日はどうするの?」
「ん〜?特に予定は無いなぁ。部屋で本でも読もうかな、と」
「そう」
姉は少し考えるような仕草で頷いて、
「出来るだけ早く帰ってくるから、そうしたらお話でもしましょう?」
柔らかく微笑む。対する僕は僕は首を捻る。
「しろ姉さん」
「何?」
「同門の後輩って、女の人?」
「・・・・・・」
姉の動きが止まった。
こういう場合、大抵姉は「一緒に来る?」と僕を誘う。
それが無い時は共通する条件があるのだが・・・。
(それが何かは敢えて云うまい)
僕が黙視していると、姉は顔を左右する。
736永遠のしろ ◆UHh3YBA8aM :2007/10/30(火) 12:39:11 ID:d/Dwn6Zq
「・・・違うのよ。あの娘は武芸一本やりで男嫌いなところがあるから、クロを連れ往っても仕方ない
と判断しただけ。他意はない」
何がどう違うのかはわからないが、姉に同行を求める意思が無いなら突付いても仕方ない。
彼女の通っていた道場は基本的に男子禁制の場所だったから、聞くまでも無く対象は女性だろうと思っ
ていたけど。
筋道立てて僕を連れて行かない理由を話す肉親の姿は、なんだか悪戯を見つかった子供の云い訳みたい
に感じらて、微笑ましかった。
と、ポケットに入れていたケータイが鳴った。
「ごめん姉さん、ちょっと外すね」
和室を出て、自分の部屋へ。
歩きながら画面を見ると――
「絵里ちゃん?」
五代絵里。
意外な人物の名があった。
この間の五代邸来訪の際にアドレスの交換はしたのだけれど、連絡は一度も取っていなかった相手だ。
何にせよかかって来た事は事実。僕はケータイを耳に当てる。
「もしもし」
「あ・・・五代、です。くろさん、ですよね?」
電波越しの甘い声。
それは紛うことなく五代絵里のそれであった。
「うん。そうだよ。絵里ちゃんだよね」
「はい。絵里です。突然お電話しちゃいましたけど、今、大丈夫でしたか?」
「うん。大丈夫だよ。暇を持て余していたところ」
「良かった・・・」
ホッとしたような声。
如才無いと云うのではなく、本当にこちらに気を砕いているのだろう。そう感じられる声と気配。
「急に電話をしたので、迷惑になってないか不安だったんですが・・・」
「いやいや。電話くらいで迷惑とか思わないから気にしなくて良いよ。それで、どうしたの?」
「はい。え、と・・・」
沈黙。
それは多分、逡巡。
何か云い難い事なのだろうか。
「この間の・・・くろさんの・・・・絵のことです」
「絵?僕の描いた?」
「はい」
返事の声は強い。
「――この間、私が何回も見たいって云ってしまったたじゃないですか。あの時はしろさんも褒めるく
らいの絵ですし、どうしても見たかったんですが、今になって思うと随分失礼なことを云ってしまった
と。それでお詫びの電話をしようと思ったんです」
「ああ・・・」
僕は頭を掻いた。
「そのことは別に良いよ。と、云うか、描いたんだよね、一枚」
「え・・・っ」
驚いたような、それでいてどこか高揚感を感じさせる気配が届く。
「こないだ云ったように、僕の絵は大したことは無い。それを判って貰うには実物を見てもらうのが一
番良いかなと思ってね」
百聞は一見に如かず。
そう考えて描いてみたものの、五代邸を訪れる理由も無く部屋の隅に放置されていたのだが。
「あ・・・あのぅ・・・」
「ん?」
「やっぱり見たいって云ったら、クロさんは怒りますか・・・・?」
その言葉を聞いて、僕は噴出してしまった。
「素直だね、絵里ちゃんは」
「あぅ。ごめんなさい」
「いや、いいよ。あんなものいつまでも部屋にあっても邪魔なだけだし。絵里ちゃんが見たいなら好き
なだけ見ると良いよ」
用が済んだらさっさと処分できるのだ。
「絵里ちゃんのトコって日曜も部活あるの?あいてる日があればその日にでも見せるけど?」
「あ、あのっ、それじゃあ、今日とかはダメですか?」
737永遠のしろ ◆UHh3YBA8aM :2007/10/30(火) 12:41:45 ID:d/Dwn6Zq
「今日?」
僕は外を見る。雨は相変わらず降っている。
「僕は平気だけど」
「それなら、私が伺います。それで大丈夫ですか?」
「ん〜。いや。僕がそっちに往くよ」
「でも、外は雨です。元元無茶を云ったのは私の方ですし、御足労願うわけにも・・・」
「良いんだよ」
僕は外を見たまま目を細める。
「雨の日に外を歩くの、好きなんだ」
これは気遣いとかじゃなく、本当のこと。
「だから絵里ちゃんの都合の良い時間にそっちに往くよ。いつなら大丈夫?」
「くろさん・・・有難う御座います」
私はいつでも大丈夫です。
絵里ちゃんは嬉しそうにそう云った。
多分、受話器の向こう側には笑顔があるのだろう。そこまで歓迎されるのは嬉しいのだが、これが暫く
後には失望に変わると思うと少し気が重い。けれどずっと期待されるよりはマシだろう。
じゃあ今から往くね。
そう云おうとした瞬間。
「――え?」
僕の掌から、ケータイが消えていた。
「では、これから伺わせて貰うわね」
「ね、姉さん!?」
いつの間にそこにいたのか。
僕のケータイを耳に当てた姉が、絵里ちゃんにそう返していた。
「しろさん、いらっしゃったんですか?」
絵里ちゃんも突然返事をよこした人物に驚いている。
「ええ勿論。私はいつでもクロの傍にいる。――じゃあ、すぐに往くから」
姉はそう云って通話を終了させた。
「しろ姉さん」
僕が口を開きかけると、姉はそれを無視してどこかへ電話をかける。
慣れた手つきだ。知人の類だろうか。
「生駒(いこま)。私だ。突然で悪いけど、今日はそちらにいけなくなった。・・・ええ。ええ。
・・・そう。緊急の用事。絶対に外せない懸案だ。ええ。色紙自体は書き上がっているから、近日中に
渡せると思う。ええ。それじゃあ」
ピッ。という、電源を切る音。
状況が飲み込めずに見ていると、姉はこちらを向いて、
「どういうことか説明してくれるかしら」
なんて云って微笑んだ。
いや、それは僕の科白だろうに。

「ふぅん」
説明を受けた姉はそっぽを向いたまま、そんなふうに呟いた。
憮然とした顔をしている。何か気に触ったのだろうか?
「しろ姉さん、何でそんなに機嫌悪いのさ?」
「別に悪くない」
けんもほろろだ。
元来、鳴尾しろと云う女性は感情の抑制が上手く、その行動形式は合理的で無駄が無い。形而上、形而
下問わず、巧みな取捨選択と遮断能力が具備されており、表情の変化も社交辞令を除けば、ほぼ無い人
物だ。だからこんなふうに“拗ねる”事は珍しいのだが――
「クロが私以外のために絵を描くなんて・・・」
などとぶつぶつ云っている。
何で絵を描くと不機嫌になるのか理解できないが、触れないほうがいい気もする。藪を突付いて蛇を出
す趣味は僕には無い。
雨降る道を傘さして歩く。
使用される雨具は一つだけ。
僕と姉は同じ傘を使い、それ故だろう、姉は僕の身体にぴったりとくっついて離れない。
濡れては困るものを運搬しているのだから傘は2つあったほうが良いに決まっているが、
「傘を2つも出す必要は無いでしょう。1つで充分」
なんて云い切られてしまえば、惰弱な弟としては抗う術も無い。
738永遠のしろ ◆UHh3YBA8aM :2007/10/30(火) 12:44:20 ID:d/Dwn6Zq
(これって、相合傘になるんだよなぁ・・・)
ツンと澄ました顔をする実姉の横顔を見ながら心で呟いた。
姉の腕は僕の片腕にしっかりと巻きついて、離れる気配も無く、照れている様子も無い。
(姉弟なんだから当たり前か)
意識する僕のほうがどうかしているのだろう。
姉の態度も雰囲気も、“これが当然”と云わんばかりのもので、自然体である。
姉は凛とした美人だ。
当然人目を惹く。
それはこの場合、僕に衆目が集まることと同義であって・・・。
「・・・しろ姉さん」
「・・・何」
今だ機嫌は悪そうだ。
「その・・・手、離さない?」
それでも怯まず提案してみると。

ぎゅっと。

姉は殊更力を込めた。
何も云わない。
こちらも向かない。
気配と態度のみでの拒絶だった。
もう一度問うてみた所で、返ってくるのは峻拒だけだろう。
姉はこうと決めたら我を曲げない。
そして僕には捻じ曲げる力も術もないのだ。
(我慢するしかないのかなぁ)
吐息をひとつ。
尤も姉にこうされているのは別段嫌ではない。余人の視線が嫌いなだけだ。
(だけど声を掛けられるわけでもないし)
耐えられなくは無い。
僕は自分にそう云い聞かせた。

※※※

僕の住む街は海と山に挟まれた一応の大都市である。
地形的には坂が多く、台地や丘も多い。
海沿いには、大きな公園があって、カップルなんかの定番のデートスポットになっている。
山のほうに目を転じれば、そこには大きな神宮がある。
神破(みわ)神宮と云うのが一般的な名称で、『陰影』を神様として祀っている。
一応は無格社だけど、その権勢はかなり大きいのだと聞いたことがある。
神宮そのものは山4つに及ぶ巨大な敷地を持っていて、宮内は内宮(ないくう)、外宮(けくう)に別
れており、更にその中には上社と下社があるらしい。
内宮に務めるものは神破の血縁の人間に限り、外部からきた人間は外宮に務める。
その外宮には大きな道場があって、武技や作法を教えてくれる。内宮にも類似した施設はあるみたいだ
けど、そちらで学べるのは神破の縁故だけだと云う話。
姉はその外宮の道場、神迎(しんけい)流・練舞館(れんむかん)の所属で、奥許しを受けている。
その為だろう、嘗ては外宮の禰宜さんから、神人にならないかと勧められたらしい。
けれど、歴史研究の夢のためにそれを断った。
その神破山を囲むように、街には大小の丘があって、そちらには教会その他の宗教施設がある。
海に近い丘の上には大きな管風琴のある教会があるし、他の丘には私設の大きな図書館があったり、寺
院や魔女のお屋敷や、古い塔なんかもある。
塔は街中にも一つあるけど、こちらは繁華街の一部で、タワーと表記したほうが正しいだろうか。街の
名を冠するそのタワーは展望台兼デパート兼ホテルになっていて、特に頂上近くの上層階にあるレスト
ランは、料理も眺めも良質である。
街の中にもある程度の区切りがあって、特に雪見台(ゆきみだい)と呼ばれる地域はお金持ちや名族な
んかが多く住んでいる。
雪見の中にも序列その他があるみたいだけど、「外」に住んでいる僕には関係のない話。
五代絵里の住む家屋は、その雪見の中にあった。

相対的に見て、そこそこの大きさの門の前へやって来る。
739永遠のしろ ◆UHh3YBA8aM :2007/10/30(火) 12:46:39 ID:d/Dwn6Zq
姉とは相変わらずの相合傘。
勿論、手もしっかりと繋がれている。
そろそろ五代邸に着くのだし、離した方が良い。
道中、そう提案したけれど、返ってきたのは矢張り無言の拒絶だけであった。
「クロ」
呼び鈴に手を伸ばしかけた僕を姉が呼び止める。
その顔は正面を向いており、僕を見てはいない。
「この間も云ったけれど、女の子の名を気安く呼んでは駄目よ?たとえ相手が年下であったとしても、
自らが望んだとしても、名前で呼ぶなんて絶対に駄目」
凛とした、真剣な瞳だ。
雨の良く似合う自慢の肉親は、心底僕にそう戒めているのだとわかった。
「絵・・・、じゃなくて、五代さんがそう望んでも?」
「ええ、勿論」
「・・・・」
姉の云うことは古風だけど正論なのだろう。
けれど、と僕は思う。
ケースバイケース。
人それぞれのような気がする。
五代絵里とはそれほど話していないけれど、彼女は名前で呼んであげるほうが打ち解けてくれるタイプ
のように感じられた。
姉にそれを説明して、果たして納得してくれるだろうか?
「それでも礼儀を守るほうが大切」
そんな風に首を左右する気がする。
(打ち解けることなんて、しろ姉さんにとっては、二の次・三の次なんだろうしなあ・・・)
堅さと、そして美しさが直結した人なのだから。
それが、鳴尾しろと云う世界。
鳴尾しろと呼ばれる風景。
雨霞の中に溶け込んで、それでも尚、存在感を放つ巌のような在り方。
畢竟するに、自然体。
僕とは違う。
(そう――違うんだ)
僕は僕らしくあれば良し。
(あとで怒られそうな気がするけどね)
苦笑をしながら、呼び鈴に手を伸ばす。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

小さい頃。
私は、絵が嫌いだった。

画家を目指した父は、夢破れて後、それでも絵画に拘泥を続けた。
       絵。
                         絵。
                  絵。
           絵。
来る日も。
来る日も。
来る日も。
来る日も。
時に自ら筆を取り。
時に夢成した人の賞翫をし。
喜び、落ち込み、心惑わされて。
家よりも。
友よりも。
なによりも絵に魅入られ。
自らの娘に、見知らぬ人物の見知らぬ作品を語り続ける。
そんな環境が嫌だったのか。
それともそんな父をみるのが嫌だったのか。
どちらかなんて、今もわかっていないけれど。
740永遠のしろ ◆UHh3YBA8aM :2007/10/30(火) 12:49:17 ID:d/Dwn6Zq
多分、五代絵里と云う人格は、絵と、それに付随する世界を憎んでいたのだろう。

“その日”も、絵に囲まれた退屈な一日だった。
父の勤務する芸大の展覧会。
そこの学生や教員、そしてその縁故のプロやアマの、文字通り玉石混交の宴。
無感動な私はその中にいた。
ある人がある絵を褒め。
ある人がある絵を批評する。
感嘆する者。
付き合いで居るだけの者。
暇つぶしに来た者。
自分の絵の評価を遠巻きに気にしている者。
様様な人。
様様な顔。
そして、絵。
その空間も、私にとっては退屈でしかなかった。

来客・知人の挨拶に追われる父から離れ、一人で鑑賞して廻る。
否。
その時の私は、多くの絵や人人を視界に入れながら、唯会場を歩いていただけだった。
他人ばかりの街並みを独りで歩く時のように。
背景を気にすることも無く。
風景を目にすることも無い。
右から左。
後ろから前へと。
画廊は唯の通り道でしかなく。
私はそこに居るだけでしかない。
だから、“そこ”で足を止めたのも、偶然か気まぐれに属するものだったのだと思う。

『不滅のクロ』

それが、その絵の題名だった。
「なに、これ・・・・」
黒。
一面の黒。
大きな額の中には、真っ黒な何かがあった。
白が無い。
いや、一部はある。
だけど、それは明らかなマイノリティ。
真っ黒な四角のなかに、無数の白線が抱かれるように、軋むようにあるだけだった。
普通、白い世界に赤や青や黄色があって、風景を。人を形作ると云うのに。
四角い世界は黒く塗りつぶされ、残った白が“線”となる。
(これ・・・逆だ)
『白』に色を塗るのではなく。
『白』を残すことで世界を表現しているんだ。
「・・・・」
私は見入っていた。
唯、逆転させるだけ。
それならば特に目を引かなかっただろう。
私の“無関心”に飲み込まれ、虚無の中に消えるだけ。
けれど。
けれどこの絵には、人を惹きつける魅力があった。

華――

そう呼ぶには少し違和感があるけれど。
不思議な何かが絵の向こう側にあるのだ。
それは私だけではないようだ。
漆黒の周囲には、街灯に集る羽虫のように、多くの人が立ち止まる。
741永遠のしろ ◆UHh3YBA8aM :2007/10/30(火) 12:52:06 ID:d/Dwn6Zq
それで気づいた。
(この絵、良い出来なんだ・・・)
往き交う人人なんて気にしてなかったけど。
視界を広げれば、黒い世界に目を向けている者のなんと多いことか。
大多数の支持がイコールで良作ではない。
けれど、良いものは多くの人に響く。
それもまた、事実。
黒の前にいる人人は、皆感嘆の相好を浮かべていた。
だから。
だから、唯独り。感心でも関心でもない表情で『不滅のクロ』を見つめるその少女は異質だったのだろ
う。
凛然とした――姿そのものが荘厳な風景画の様な女性。
知性と、意志の強さを感じさせる瞳。
静かで、でも力強い空気を纏った、随分と大人びた少女。
「――――」
私は、そちらにも見蕩れた。
容姿ではなく。
“在り方”として美しい。
唯、そこに在る。
それだけで魅力を感じさせる女性だったから。
「あの・・・」
どうしてだろう。
私はその女性に声を掛けていた。
「何か?」
女性は優美に私を見つめる。
「この絵、どうですか?」
私が描いたわけでもないのに。そんなことを尋ねていた。
「ん・・・」
女性は微笑すると、『不滅のクロ』に目を遣った。
「まあまあ、かな。モチーフが良かったからかもしれないけれど」
「モチーフ?」
「ええ。題材。気持ちを乗せるなら、それが一番大切」
女性はこちらを向かない。微笑したまま、黒い絵画を見つめている。
「・・・これって、カップルですよね?」
黒の中の白は、一組の男女のように。
「カップル?そう。そう見えるの」
くすくすと女性は笑う。
嬉しそうにも見え、滑稽さを嘲笑うかのようにも見える。心底の読めない笑みだ。
私は頷きながら話題を変える。唐突にすぎるかな、と自分でも思うけど。
「これって、なんで2色なんでしょうか?」
この絵画には、白か黒しか無い。
意匠としてそうである、と云われてしまえばそれだけなのだろうけど、この絵には何か、それ以上の意
図を感じる。
「陰陽、光陰は総ての基礎。別に不思議は無いわ」
「でも」
私は首を傾げる。
「多くの色って、必要じゃありませんか?表現の都合上」
「そう云う場合もあるというだけの話。“この世界”はね、これで充分。――しろに必要なのはクロ
だけで。クロに必要なのは、しろのみ。それで良い」
他はいらない。女性はそう結んだ。
「2色なのに、世界を表現できるんですね」
「2色だから、世界を表現できる」
女性は首を振る。
「では作者は、2色で世界を表せたってことでしょうか?」
「或は、描き手の心象には、2色しかないのかもしれない」
不思議な表情で女性は瞳を伏せた。
刹那。
「至路」
連れがいたのだろうか。
一間程離れた距離から誰かが女性を呼ぶ。
742永遠のしろ ◆UHh3YBA8aM :2007/10/30(火) 12:54:37 ID:d/Dwn6Zq
(しろっていう名前なのか)
女性は自らの名前を呼んだであろう人物に歩み寄った。
「ああ、朝歌先輩。どうでした?ここは」
「抽象的な概念は、私には向かない」
「そうでしょうね。この絵はどうです?」
「Rorschach test」
「まあ、間違いではありません」
女性はそう云って笑ってから、先輩と呼んだ人物を巡回路の向こうへ促した。
「じゃあ、私は往くわね」
そして、こちらに振り返る。
「貴女には、この絵はどう見えるのかしらね」
「・・・・私には、女性が男性を抱きしめているように見えます」
「抱きしめる、か。なるほどね」
しろと呼ばれた女性は僅かに頷いたようだった。
「貴女の数だけ、答えはあるのだと思う。作者が何を描いたとしてもね」
女性は手を振って、その場から歩き去った。
「・・・・」
私は『不滅のクロ』を見つめる。
漆黒に蝕まれ、捩れた白い線の集合のみで描き込まれた抽象画。
そこには多分、理解を超えた魅力が具備されているのだろう。
(もしかしたら)
「絵って、凄いものなのかも」
初めてそう思えた。
詩と絵画は自らが心を向けなければ響いてこないもの。
父はそう云った事がある。
私はその時、その意味がわかったのだと思う。
「他の絵も、見る気になれば見えてくるものなのかな?」
そう思うと、無味無感想な背景でしかなかった展示物が途端に色付いて見えた。
目に入るものはこんなに華やかだったのか。
あの絵も。
その絵も。
まるで違うもののように見える。
(凄い・・・。絵って凄い・・・!)
その時、私は素直に感動したのだと思う。
そのきっかけをくれた女性はもう見えない。
だから、津梁となった黒の絵画を見上げる。
「・・・・・」
綺麗な絵。
そう思っていたけれど。
周囲から抜きん出ているその漆黒は、魅力だけではない、『妖気』のようなものを纏っている様に見え
た。
女性が男性を抱きしめている。
私はさっきそう云ったけど。
改めてみた暗黒の世界は。
女性が男性の首を絞めているようにも見えたのだ。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

目の前には、小動物を連想させる小柄な少女。
真横には、物心つく前から共に在る実姉。
ここは五代邸の応接室。
以前にも来た、あの場所だ。
違いと云えば五代先生の姿が無く、代わりに姉が居ることと他人の絵ではなく、自分の絵を持って来た
ことだろうか。
甘い声と愛くるしい容姿を持った年下の少女は爛爛とした瞳を僕と僕の荷物に向けている。
対して真横の姉は醒めた瞳でどこかを見ていた。それなのに、身体は押競饅頭みたいにぴったりと僕に
くっついて、ぐいぐいと押して来ている。
(今回もこうか)
なんて僕は思う。
743永遠のしろ ◆UHh3YBA8aM :2007/10/30(火) 12:57:24 ID:d/Dwn6Zq
姉はこういった席で数人がけの椅子やソファに座ると、意識的か無意識的か、こうやってくっついて来
ることが多い。動きに対して表情は凛としたそれなので、妙にアンバランスだ。
絵里ちゃんは目の前の姉弟を不審に思わないのだろうか。
一つの傘で手を繋いで遣って来て、ピッタリとくっついて座る――
僕が第三者であれば「ドン引き」しているであろう光景なのに、何も云わない。
それどころかその片割れにして主原因の鳴尾しろと款談している。
「私、ずっと兄弟に憧れてたんです。だから、しろさんとくろさんが凄く羨ましくて」
私の兄弟の理想像なんです。
真っ直ぐな瞳でニコリと笑う。
外連の無い純白な笑顔。
思ったことを素直に外に出せることが、五代絵里と云う少女の魅力であり、本質。
瞬時に推考を練り、フィルタを掛けて言葉を外に出す姉や、内に籠もったまま周囲に流される僕とはま
ったくタイプの違う人間だ。
五代絵里の言葉に、鳴尾しろは「ええ」、「そう」、「ありがとう」、と、優美な笑顔で応じている。
それは、社交辞令に作り笑いで返すのと似た感覚。
けれども普段の姉は、心の底から褒められようとも「貴方の評価に興味は無い」とバッサリ斬り捨てる
人なので、これでも気を使っている方だと云える。
次いで、対面に坐す少女の“純粋”は、姉の外観にも到達する。
「しろさんって、とてもお綺麗です」
憧憬でも阿諛でもない。
先程の瞳と同じ。
唯、そこにあるものを認める言葉。
それを鳴尾クロの実姉にぶつける。
対する姉は矢張り変わらず。
心動かされる事も無く、
「光栄ね」
と、薄く笑った。
「くろさんはどうですか?しろさんのことを、お綺麗だと思いませんか?」
「ん?」
諦観していた僕は急に水を向けられて、少し驚く。
「うん。しろ姉さんは綺麗だよ」
特に考えることも無い。思ったことを口にした。
したら――
「な、ななな、な・・・急に何を云うの・・・っ。綺麗なんて身内に云われても、す、少し、も・・・
嬉しくないんだからね・・・・!!」
茹蛸が隣に発生していた。
「急にも何も、普通の会話の流れだったじゃないか」
「ち、違う。そうじゃなくて、そうだけど、夜討ち朝駆けには、慣れているけど、急には対処出来ない
っていうか、とにかく違うのよ」
支離滅裂だ。姉はどうしたのだろう?
「しろ姉さん、どうしたのさ?」
間近にある肉親の顔を覗きこむ。
すると。
「な、何でそんな近くに顔を寄せているのよ・・・〜〜〜〜〜」
異なことを云う。
くっついて座ったのはそちらではないのか?
「わ、わかったわ。御小遣いが欲しいのね。はじめからそう云えば良いのに」
赤い顔でプイとそっぽを向く。
唐突すぎてついていけない。
「小遣いの無心なんてしてないんだけど」
僕の顔には?マークしか浮かばない。
首を捻りながら対面に顔を戻すと、五代絵里がくすくすと笑っていた。
「しろさんとくろさんって、本当に仲が良いんですね。素敵です」
「いや、確かに仲は良いけどさ・・・」
この状況は何なんだ?
再びの傾首。
「平静、平常心、平城京・・・」
あちらを向いたままの姉はぶつぶつと何かよくわからないことを呟いている。
「ん〜と、しろ姉さんが壊れたみたいなんで、僕の用件・・・って云うか、本題を済ませておくね」
744永遠のしろ ◆UHh3YBA8aM :2007/10/30(火) 13:00:47 ID:d/Dwn6Zq
はい、と包みを渡す。
その中には勿論、鳴尾クロと云う人間の『弱さ』が仕舞われている。
「は、拝見します・・・・!」
包みを受け取った絵里ちゃんは、ワクワクを隠せない様子で微笑んだ。
この笑顔が今から引きつった作り笑いに変わるのか。
そう思うと少し辛い。
包みを解く五代絵里の動きがスローに見える。
こういった時間は刹那であっても長く感じるものだ。
書き殴りの水彩画は、すぐに他家の空気に晒される。
絵の閲覧を望んだ美術部員は、愛くるしい笑顔を消していた。
無。
そこに表情は無く。
目の前の四角い弱さに心が移ろう。
「・・・・・・」
彼女は無言。
「・・・・・・」
僕も沈黙。
「和同開珎、万年通宝、筑波万博・・・」
一人だけぶつぶつ。
五代絵里は動かなかった。
カチカチと時計の針の進む音と、誰かの呟きだけが時の流れを教えていたけれど、小動物のような少女
は、置物のように――否、目の前の弱さに魂を吸い取られたかのように、微動だにしなかった。
(褒め言葉でも捜しているのかな・・・・?)
どうかな、なんて聞く気は僕には無い。
あまり良い出来でなかったことは描いた本人が良くわかっている。
だから、唯静かに。
目の前の少女の言葉を待った。
「・・・・っ・・・・っ・・・・・」
変化があったのは少女の手。
少しずつ、だけど確実に、彼女の手は震えていた。
「・・・絵里ちゃん?」
たまらず声を掛ける。
「――え?」
泣いていた。
表情が変わらぬまま、少女はポロポロと大きな涙を流していたのだ。
「な、何で泣くのさ!?」
「ぅ・・・・っぐ・・・」
驚く僕と、首を振る少女。
「違、うんです。この絵・・・見ていたら、・・・感動して・・・」
「え?その絵で?」
「は、はい・・・」
五代絵里は涙を拭う。
「綺麗な景色を見ていると、心が震えて、涙がでるでしょう?・・・・それと、同じなんです。この絵
が、凄く綺麗で・・・それで・・・それで・・・」
「・・・・」
綺麗?
僕の絵が綺麗?
そんなこともあるものか。
蓼食う虫も好き好きだろうが、また首を捻る。
「幻想的で、凄く深くて、私、上手く言葉に出来ないですけど、唯、涙ばかりが溢れてきて・・・」
「・・・・」
飾らないことが彼女の本質。
ならば、少なくとも気に入って貰えたということだろうか。
「え〜と、取り敢えず御気に召したみたいで良かったよ」
僕はホッと一息を吐き、苦笑い。
「取り敢えずなんてとんでもない!凄く、気に入りました・・・・!」
感受性が豊かな娘なのだろう。これくらいでも喜んでくれるのか。
「あ、あの・・・くろさんっ・・・!」
絵里ちゃんは身を乗り出す。
「こ、この絵、どうかされる予定はありますか・・・?」
745永遠のしろ ◆UHh3YBA8aM :2007/10/30(火) 13:03:02 ID:d/Dwn6Zq
「ん?どうかって、何?」
「その、誰かに差し上げるとか、手放したくないとか、そう云う、の、です・・・!」
今だ涙ぐんでいるのか。喋り方がぎこちない。
僕は頭を掻く。
予定なんてあろうはずもない。
見せるだけ見せたら、さっさと処分するつもりだったのだから。
「もし、もしも、予定が無いのでしたら、この絵を、わ、私に――」
「ごめんなさいね」
凛。
そう評すべき声が響く。
「悪いのだけれど、その絵は私が貰うことになっているの」
振り向いた先には、いつも通りの姉が在った。
先程の茹蛸ではない。
玲瓏な巌のような姿の実姉がそこに居た。
「しろ、さん」
姉は雅に微笑んで、五代絵里の掌中から絵を取り上げる。
「しろ姉さん、一体どう云う――」
つもりなのか。
云いかけて僕の動きは止まる。
唯微笑んでいるだけ。
それだけなのに、姉からは云い知れぬ何かが滲んで見えた。
異論は許さない。
そんな気配に僕は支配されて、沈黙した。
「本当にごめんなさいね。クロは――クロの絵は私のものなの。貴女には、渡せない」
「・・・・あ」
五代絵里は引きつった笑顔をつくる。
それは、僕が予想したそれではなくて、大切な玩具を取り上げられた子供が気丈に我慢するかのような
表情だった。
「そ、そうだったんですか。すみません、厚かましい事を云ってしまって・・・」
身を乗り出していた五代絵里は力なく腰を下ろす。
(なんだか可哀想だな・・・・)
弱った小動物みたいに、凄く儚く、小さく見える。
(このままじゃ可哀想だしな)
僕は少女に目をやった。
「あのさ、絵里ちゃん」
もう一度くらいなら。
「今度は君のために、一枚描こうと思うんだけど」
746永遠のしろ ◆UHh3YBA8aM :2007/10/30(火) 13:05:47 ID:d/Dwn6Zq

※※※

「うわ、寒いな・・・」
肩を丸め、両手に息を吐きかける。
街の夜はかなり冷え込んでいる。
僕が居るのは『困り果てる両面宿儺』像の前。時刻は6時を少し廻ったあたり。
駅ビルとバスターミナルの間にあるこの像は、多くの人の待ち合わせに使われている。
ここに居るということは、僕も他の人人と同じ。
待ち人がある。
と、云っても、呼ばれたのは僕だ。
姉は門限に厳しい。
だから普段はこんな時間に外には出ないのだが。
数時間前の五代邸。
あれ以来、姉はずっと機嫌が悪くて、一言も口をきいてくれない。
何が逆鱗に触れたのかはわからないけど、酷く不機嫌だった。
(絵里ちゃん、って、名前で呼んだことを怒っているのかな?)
それとも他に何かあるのか。僕にはわからなかった。
姉はいつも的確だ。
だから僕に非がある可能性が高い。
けれどよくわかっていないことで頭を下げるのは失礼だろう。
だからそれを考える時間が欲しかった。
知己から外食の誘いがあったのは、ちょうどそんな時。
それでここにいる。
「少し早かったかな」
待ち合わせは6時半。まだ20分はある。普段なら待つことは苦にしないけれど、こう寒いと少し堪え
る。
(コーヒーでも買ってこようかな)
そう思った瞬間。
ふわりと。
暖かくて柔らかい何かが僕に纏わりついた。
「早いですね、クロくん」
綺麗な声。
それは、待ち人のもの。
「あ、甘粕(あまかす)先輩」
「他人行儀名呼び方は駄目ですよ?」
そんなふうに云いながら、優しい笑顔の美人が僕に抱きついていた。
甘粕櫻子(あまかす さくらこ)。
姉と同じ大学に通う人物で、古い知り合い。
特徴は表情で、いつもにこやかに笑っているので、その瞳を見たことが無い事。
怒るときも困るときも、ニコ目のままである。
彼女は美人で名高い甘粕6人姉妹の4女で、残りの姉妹5人もその瞳は見えない。
半数がニコ目で、残り半分が眠ったかのように閉じた目をしているためだ。
母性本能豊かな人で、スタイルも良い。知人曰く、「無駄にいやらしい体つき」。それを裏付けるかの
ように、見た目も感触も“むちむち”している。
そして。
そして、かつて僕に告白した相手だ。
告白と云っても、男女の間のそれではない。
あの日あの時、この人はこう云ったのだ。

「――私の弟になってくれませんか?」と。
747無形 ◆UHh3YBA8aM :2007/10/30(火) 13:08:37 ID:d/Dwn6Zq
投下ここまでです。
次回は永遠の続きにするか、キモウトものにするか、決めかねています。
気長にお待ちいただけると幸いです。
では、また。
748名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 13:32:48 ID:iL6ZGKtk
なんかペルソナ思い出した
不滅の黒 永遠の白 ってあったよね
749名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 13:56:45 ID:Sk/5gYsd
>>747
是非に永遠の、の続きにしてください。
早く続きが読みてぇぇぇぇぇえええええ!!
750名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 16:54:20 ID:in3rh++k
>>747
永遠のGJ!!

ぜひこのままキモ姉でお願いしますw
751名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 17:02:14 ID:heJSCeqg
おお…夢にまで見た無形氏の永遠のしろの続きを見られるなんて…
これは某少年誌で一年半ぶりに再開したマンガを見た感覚に似てる。
752名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 17:04:57 ID:vmgw4y5X
>>747
おいおい、俺らをいつまで全裸にしていれば気が済むんだい?
せっかく服を着られたのにまた脱いじまったぜ?
753名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 17:58:20 ID:QRENtAzH
>>747 GJ!
玲瓏、阿諛、賞翫、峻拒
普段使わない言葉なんで調べないと判んなかった…
博識ですなぁ
754名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 19:16:07 ID:10t7MSmi
>>747GJ!!
ずっと続きを期待して待っていました。
よかったら次も永遠の、のつづきをお願いします!!
755名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 20:17:48 ID:DdcXTQWv
女性が男性の首を絞めているように見えたって表現をした絵里ちゃんは任せられんな
756名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 21:00:17 ID:huDg5dRl
>>747
これはGJと言わざるを得ない!!
早く続きが読みたいです!!
757名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 21:08:09 ID:COUQzDzK
待ってました!!新キャラも登場しますますwktkがwww
続きでもキモウト物でも全裸で待ち続けます、Gj!!
758名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 21:35:55 ID:Ygjf88wc
俺を悶死させる気か・・・
マジでGJ
759名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 22:13:56 ID:USZpNFxf
綾、永遠の白…
大御所が来てくれて神GJ!
次は、次は…!!
760名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 00:09:08 ID:UHGRDr8P
大御所って、それじゃあ既に引退したことになるぞw
761 ◆/waMjRzWCc :2007/10/31(水) 00:39:22 ID:Y+rVCzl4
続き投下します。
正直投下すると悪いかなと思いつつ。
762理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/10/31(水) 00:41:19 ID:Y+rVCzl4
その日俺は朝早く、理緒姉を起こさない様に家を出た。
いつ寝たのかは全く記憶に無いが、その前にした事ははっきりと覚えてしまっている。
もちろん言われた言葉も。
俺と、理緒姉は姉弟ではなかった…
正直、立ち直れない位のショックをうけた。
なぜ、今まで話してくれなかったのか。
なぜ、あのタイミングで話されたのか。
頭の中が混乱して、何も考えられないうちに、理緒姉の中に入れてしまった。
しかも、そのまま中で…
あんな事をしてしまった以上もう家には居られないと思った。
たとえ行く場所が無くても、俺は出て行かなければならない。
今俺は公園のベンチに座っている。
学校に行く気にはなれないし、かと言って行く場所のあてもない。
だから、こうしてとりとめも無い事を考えながらただ座って居る。
携帯電話の電源は入れる気にならなかった。
おそらく理緒姉から電話が来るだろうし、話してしまったら理緒姉に言いくるめられてしまうだろう。
昨日の話について聞きたい気持ちも有った。
だが、今聞いても無駄だろうと思う。
思考回路は回っているようで、回っていない。
とりあえず、制服では無いから補導される事は無いだろう。
763理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/10/31(水) 00:44:34 ID:Y+rVCzl4
そう考えて、俺は公園を後にし、町の中をふらふらと歩いた。
理緒姉は…もう起きたかな…
俺の事探してたりするのかな…
でも…
気付けば俺はまた公園に戻って来ていた。
もう夕方だ。
そこで、少女が泣いていた。
膝を抑えてる所を見ると転んだのだろう。
「君…大丈夫?」
「ぐすっ…痛いよぅ…ふぇぇん…」
なんとはなしにポケットを探る。
絆創膏が入っていた。
なんでこんなの持ってるんだ…?
まぁ、ちょうど良い。
「君、ちょっと痛いけど我慢してね」
「お兄ちゃん、なにするの…?」
近くの水道まで連れて行き、軽く傷口を洗う。
「うぅ…痛いよぅ…」
「もうちょっと我慢してくれ」
洗い終わり、水気を取った傷口に絆創膏をはりつける。
「ぐすっ…お兄ちゃん、ありがとう」
「どういたしまして」
「お兄ちゃん、お名前はなんて言うの?」
「織部修だよ」
「修お兄ちゃん、ありがとう!」
「そんなに何回も礼を言われる事じゃないよ」
「でも、お母さんもお姉ちゃんもお礼はちゃんと言いなさいって言うもん」
「お姉ちゃんが居るんだ…」
「うん!とっても優しいんだよ?」
心にズキリとした痛みを感じた気がした。
764理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/10/31(水) 00:45:19 ID:Y+rVCzl4
お姉ちゃん…か。
「そういえば君の名前を聞いてなかったね。君の名前はなんて言うの?」
「私?私の名前は冬華っていうの」
「冬華ちゃんか。良い名前だね」
「えへへ…ありがとう。春華お姉ちゃんと同じ華が入ってるの!」
「え…?春華って…もしかして君の名字は羽居なのか?」
「そうだけど…修お兄ちゃんどうして分かったの?」
「あ、いや、なんとなくそんな気がしただけだよ」
「修お兄ちゃんすごいね!良く分かったね〜」
まさか羽居に妹が居るとは…しかも小学生?
知らなかった…
「ねぇ、修お兄ちゃん暇なの?」
「ん?暇と言えば暇だけど…」
「修お兄ちゃん、私と遊ぼうよ!」
「え…う〜ん…」
「お願い!私、お姉ちゃんが帰ってくるまでお家に誰も居なくて一人ぼっちで…寂しいの」
「もうお姉ちゃんも帰ってくる時間じゃないか?」
「ううん。お姉ちゃん、いつも帰ってくるの遅いよ。だから修お兄ちゃん、遊んで?」
う〜ん…まぁやることも無いし、良いか。
冬華ちゃんを一人にするのも気が引けるし…俺はロリコンではないが冬華ちゃんは可愛いと思う。
なんというか、無垢で、純真な感じと言えば良いのだろうか。
765理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/10/31(水) 00:45:59 ID:Y+rVCzl4
「分かった。お姉ちゃんが帰ってくるまでは遊んであげる」
「やたー!修お兄ちゃん、優しいね!」
俺は…優しくなんかない。今だって理緒姉に心配をかけているのだろうと分かっててこうしているのだから。
「冬華ちゃん、何して遊ぶの?」
「う〜んとね…修お兄ちゃん、ブランコ押して!」
「了解。じゃあ冬華ちゃん、乗って?」
「うん!」
冬華ちゃんが乗ったブランコをゆっくりと揺らし始める。
「冬華ちゃん、しっかり掴まっててね。少しスピードを上げるよ」
自分が座って漕いだらこの位だろうか。
そういえば昔からブランコにはあまり乗った覚えがない。
あの子が良く乗っていたからだろうか?
自分でも気付かないうちにトラウマになっていたのかもしれなかった。
「すご〜い。修お兄ちゃん、力持ちだね!」
「これ位普通だと思うけど…それに冬華ちゃん軽いし」
そんな会話をしていた時だった。
「…見つけた」
後ろからゾクリとする様な声が聞こえた。
ブランコを止めて後ろを振り向く。
そこには、寝巻のままの理緒姉が立っていた。
「理緒…姉…」
「一緒に、帰りましょう?」
「もし、嫌だと言ったら?」
「引きずってでも連れていくわ」
766理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/10/31(水) 00:46:41 ID:Y+rVCzl4
「俺と理緒姉は…家族じゃないんだろ?」
「だから?」
「だったら、一緒になんて暮らせない」
「どうして?」
「…」
「答えられないなら一緒に来なさい」
理緒姉の方に近付こうとした時、足を止められた。
「修お兄ちゃん、行っちゃやだ…」
「その子は誰?」
「羽居冬華ちゃん」
「羽居…?まさかあの女の妹なの?」
「どうもそうらしい」
「ごめんね、修くんは私と帰るの。また今度ね?」
「やだ!修お兄ちゃん、この人と一緒に行っちゃだめ!」
「ごめん冬華ちゃん。俺…帰らなきゃならないんだ」
「だめだよぅ!その人…すごく怖い…」
「怖いのは俺のせいなんだ。普段は優しいんだよ」
「でも…!」
「ごめんね。また今度遊んであげるから」
「…絶対だよ?約束破ったら、すっごく怒るからね?」
「約束する。じゃ、気をつけて帰るんだよ」
ばいばいと手を振って冬華ちゃんに背を向ける。
スタスタと歩き始める理緒姉。
家に帰ったら何を言われるんだろうか…?
家族でもない俺に一体何を?
それにどうしてこんなに必死に俺を探していたんだ?
本当の弟でもなんでもない、この俺を。
俺には理緒姉の考えがさっぱり分からなかった。
767理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/10/31(水) 00:47:26 ID:Y+rVCzl4
家に着いた。もう外は真っ暗だ。
「さて、修くん。話してちょうだい?」
「…何を?」
「なんでお姉ちゃんに黙って出て行ったの?」
「俺と理緒姉は家族じゃない。だったら俺はこれ以上理緒姉に迷惑をかけられない」
「出て行ってどうするつもりだったの?お金も住む所も無いのに」
「それは…その…」
「それに!なんで勝手に迷惑と決め付けてるの!?」
「だって…俺なんか居ても…」
パンッ!
「えっ…?」
気付いたら叩かれていた。
「何す…」
文句を言おうとして、理緒姉が泣いているのを見た。
「理緒…姉?」
「うっ…うっ…お姉ちゃんがっ…どれだけ心配したと…思ってるのよ?ぐすっ…朝起こしてもらえなくて…えぐっ…うっ…どれだけ寂しかったか修くんには分からないの?」
「理緒姉…ごめん…」
「それに…血は繋がってなくても…お姉ちゃんと修くんは家族なんだからっ…」
「ごめん…」
謝った時理緒姉にぐっと抱き締められた。
「罰として…しばらくこうさせなさい…」
頭を胸に埋められる。
「ふぇぇん…寂しかったよぉ…」
「うん…ごめん…」
「修くん…頭、なでなでして?」
ふわりとした理緒姉の髪を撫でる。
柔らかい…
768理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/10/31(水) 00:50:16 ID:Y+rVCzl4
「理緒姉…落ち着いた?」
「まだ…こうしてたい…」
「夕飯作らないと」
「うん…」
しぶしぶ離れる理緒姉。
今日の夕飯は何にしよう…?
そういえば何も考えてなかった。
とりあえずある物ですまそう。


「ごちそうさまでした」
なんとか夕飯を終わらせた。
「修くん」
「何?」
「お姉ちゃんと一緒に寝なさい」
「…拒否しても勝手に入るだろ?」
「でもその時には修くん寝てるでしょ?」
「当たり前だね」
「そうじゃなくて寝る前から一緒に居たいの!」
「分かったよ」
「じゃ、早く寝よ?」
「明日の準備だけするから先に行ってて」
「お姉ちゃん寝ちゃうよ…」
「じゃあちょっと飲み物でも飲んで待っててよ」
「うん…」
準備しないと明日の昼飯が無い。

まぁ、こんなもんか。
「理緒姉、終わったよ」
「ふぁ…?」
「結局寝てたのかよ」
「だって…朝からずっと…修くんを探してたし…」
「ごめんなさい」
「まぁ…今は良いから…寝よ?」
「うん」
俺の部屋のベッドに入る。
「修くん…くっついてて…良い?」
「…まぁ、良いよ」
「修くん…あったかい…くぅ…くぅ…」
「早っ…相当疲れてたんだな…」
申し訳無い。
769理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/10/31(水) 00:51:28 ID:Y+rVCzl4
そういえば理緒姉…お風呂入ってないよな?
軽く鼻を近付ける。
うん、汗の匂いがする…でも、この匂いも嫌じゃないのが不思議だ。
なんとなく汗ばんで、服がはだけかけている姿はとても色っぽい。
っていかんいかん!
これじゃあの時と同じ行為をしかねない。
さすがに明日は学校に行かないとまずいし、俺も早めに寝よう。
…髪もだけど…理緒姉って柔らかいなぁ…
そんな考えの中、俺は意識を手放した。
770 ◆/waMjRzWCc :2007/10/31(水) 00:52:31 ID:Y+rVCzl4
投下終了します。
771名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 01:15:17 ID:j6G9CNom
>>770
実にGJ
772名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 01:45:30 ID:tYhBtAZw
素晴らしくGJです。
理緒姉ってなんかとっても可愛い感じで萌えますな。
でも冬華ちゃんにときめきを感じてしまった俺は間違いなくロリコン。
773名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 01:51:13 ID:q+oESsFW
理緒ねえ、意外に常識派!?
こんなキモ姉なら喜んで応援したい。
GJ!!!!!
774名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 17:56:06 ID:GENZCbIS
>「君、ちょっと痛いけど我慢してね」
>「お兄ちゃん、なにするの…?」

ここだけ読んだらたんなる変態です
本当に(ry
775名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 19:43:32 ID:vwf2LHxM
「がぶりっ!」
776名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 21:52:18 ID:L3cLY43D
保管庫最近更新されてないねぇ…
777名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 21:58:31 ID:BTIfbPLz
旧保管庫の内容も新保管庫に移行してみるか…
やり方しらんから時間かかるけど
778名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 22:56:21 ID:AM8Gdedq
スレのデータをそのまま転載する、っていうのはダメなんかね。
779名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 23:19:01 ID:/IHIG4FL
>>770
GJだが不覚にもロリっ子に惹かれてしまった・・・w
780 ◆/waMjRzWCc :2007/10/31(水) 23:24:47 ID:Y+rVCzl4
続き投下します。
781理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/10/31(水) 23:25:26 ID:Y+rVCzl4
う…もう朝か?
なんだか下半身が温かくて気持ち良い…
まさかと思って上半身を起こす。
いや、正確には起こそうとした。
しかし、体に縄の様な物が食い込むだけで動くことはできなかった。
ちょっと待てちょっと待て!なんで俺はこんな状況に置かれてるんだ?
「あ、起きた?」
「理緒姉?どういうことだよこれは!」
「どういうことも何も、お姉ちゃんが修くんを使って性欲処理をしているのですよ」
「ふざけてないで早く外してくれ」
「ふざけてないから続けるね?」
ぱくりと口に含む理緒姉。
やばっ…!気持ち良すぎる…
「理緒姉っ!口、離して…」
「ふぁ?きもひいんでひょ?おひんひん、ひくひくしひゃっへるよ?」
「何言ってるかわかんないけど口に含んだまんま喋らないでくれ、舌が動いて…もっ…出るっ!」
ビュクビュクと理緒姉の口に射精する。
「んっ!んぐ…んぐ…」
理緒姉が口を離してこっちに開けて見せる。
俺が吐き出したばかりの白濁液が口の中に溜まっている。
それをくちゅくちゅと口の中で弄んだ後、理緒姉はこくりと喉を鳴らして飲み干してしまった。
「さて、修くん、次は私の番だよ?」
「うあぁぁぁっ!」
782理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/10/31(水) 23:26:50 ID:Y+rVCzl4
はっ、はっ、はぁ…。
夢か…やけにリアルだったな…
理緒姉は、まだ寝てるしな。
ふぅ…朝から精神的に疲れた…
さて、朝飯を作らなきゃ。
「理緒姉、起きて」
「うぅん…おはよ、修くん」
「朝飯作ってるからゆっくり起きてきて良いよ」
「ん、今日の修くん、優しい」
「…まぁね」
昨日の事を考えれば、俺が理緒姉に対して強い態度が取れるはずがない。

「さて、行ってきます」
「行ってらっしゃい。気をつけてね?」
「あぁ、分かってるよ。あ、そうだ。今日は買い出しするから遅くなるよ」
「分かった。でもなるべく早く帰ってきてね?」
「分かってるよ」
すたすたと学校へと向かう。
…そういえば、氷室先生の事を忘れてた…
まぁ、あの人はなんとかなるだろう。
俺は特に氷室先生に対して特別な感情を持ってないし。
先生だって何かの気の迷いだろう。
そう考えながら教室に入る。
「久しぶり。大丈夫かよ?」
「あぁ、今日は平気だ」
「織部君、今日はちゃんと来たんだ」
「羽居、おはよう」
すっと近付いてくる。
「一昨日会った事は誰にも言ってないから」
「え、あぁ、ありがとう」
良かった。あまり噂にされたくないしな。
783理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/10/31(水) 23:27:40 ID:Y+rVCzl4
SHRが始まる。
氷室先生が入ってきた…
「おはよう。あら、今日は居るのね」
「…どうも」
「今日は短縮授業ですので、皆帰って勉強するように」
そう言われて本当にやるのは何人居るんだろうか。
まぁ受験生だからやる奴も多いだろう。
しかし、短縮か。
ありがたい状況だな。
キーンコーンカーンコーン…
ふぅ、短縮だと早いなぁ。
さっさと買い出しに言ってこよう。

ふぅ…ちょっと買いすぎたか?まぁ、良いだろう。
帰り道に公園を通りがかる。
あれは…冬華ちゃんかな?
ちょっと、驚かせてみようかな。
荷物を置いて、ブランコに座ってる冬華ちゃんにそっと近付く。
ぱっと目を隠してみた。
「ひゃあぁぁっ!」
…すごく驚かれた。
「だ〜れだ?」
と、一応決まり文句を言ってみる。
「え?う?え〜っと…う〜んと…お化け?」
「ふっふっふ、お前もあの世に連れてってやる〜…ってお化けじゃ触れないだろ?」
「そっか…そういえばそうだね。う〜んと…あっ!わかった!」
「だ〜れだ?」
「私みたいな小さい子が好きな変態さん?」
「フヒヒ、このままお持ち帰りしちゃおっかなぁ。って俺にそんな趣味は無い!」
784理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/10/31(水) 23:28:18 ID:Y+rVCzl4
「修お兄ちゃん、面白いね」
「分かっててボケてたのかよ!」
なかなか面白い奴だな羽居冬華。
「修お兄ちゃん、遊びにきてくれたの?」
「学校が早く終わって、通りかかったら冬華ちゃんがいたからね」
「えへへ、嬉しい。修お兄ちゃん約束守ってくれたんだ」
「まぁね」
「じゃあ、遊んでくれるんだね!」
「あぁ、まぁ2時間位だけどね」
「それでも、私嬉しいよ。修お兄ちゃん、今日はお話しがしたいんだけど」
「良いけど…冬華ちゃんそれでいいの?」
「うん、私修お兄ちゃんの事あんまり知らないから…」
「そんなに話す事も無いけど…」
「修お兄ちゃんて、好きな人とか居るの?」
「えぇっ?いや、今の所いないけど…」
「じゃあ…私にも…」
「ん?何か言った?」
「う、ううん、なんでもないよっ!」
「そう?なら良いけど」
「修お兄ちゃんって、どういう人が好みなの?」
「そういう質問ばっかりなのかな?」
「そんなこと無いよ?」
「そうだなぁ…俺はどっちかと言うと主導権を握る方じゃないから、引っ張って貰える人が好き…かな?」
「ふ〜ん…引っ張られる方が良いんだぁ…」(修お兄ちゃんて…Mなのかなぁ?)
785理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/10/31(水) 23:29:12 ID:Y+rVCzl4
「修お兄ちゃん…私ちょっと眠くなっちゃった…」
「え?じゃあ、家に帰る?」
「ちょっと、修お兄ちゃんのお膝…貸して?」
返事を聞く前に私は修お兄ちゃんの膝に頭を乗せる。
私、すごくドキドキしてる…
こんな気持ち、初めてだよ…
「と、冬華ちゃん!?人に見られたら…」
私は、寝たふりをする。
「もう寝ちゃったのか…仕方ないな」
修お兄ちゃんやっぱり優しい。
私、修お兄ちゃんの事好きになっちゃった…
今も顔に出ちゃいそうなのを必死に我慢してる。
でも、恥ずかしいのとは反対、私は大胆な事をしてる。
顔を修お兄ちゃんの、足の間に向ける。
私の息、今修お兄ちゃんのあそこに、当たってるのかな?
少しだけ手を動かして修お兄ちゃんの足に触る。
あ、少しビクッてした…
修お兄ちゃんの反応ってかわいい…
「…(ヤバい、ちょっと立ってきたかも…俺って、ロリコンだったっけ?)」
修お兄ちゃんのあそこ…ちょっと大きくなってる?
私の動きに反応してくれてるんだ…
私、こんなにえっちな子だったんだ。
良く分からないけど、私、興奮しちゃってる…
「あ、時間だ…冬華ちゃん。起きて、冬華ちゃん」
「ん…どうしたの?」
786理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/10/31(水) 23:30:55 ID:Y+rVCzl4
「ごめんね冬華ちゃん。俺、もう帰らなきゃ」
「もう少し…一緒に居たいな…」
「居られれば良いけど、理緒姉に怒られちまうから」
「あの、怖い人…」
「怖いのは昨日だけだよ。普段は優しいんだ」
「そうなのかな…」
あの人は、何か怖い。
お化けとか、恐い映画とかと違う感じの怖さ。
「ごめんね冬華ちゃん。またね」
「うん、修お兄ちゃん、またね!」
また会いたいな。すぐにでも、会いたい。
「ふぅ…危ない人になる所だった…」
人に見られなくて良かったよ…
「ただいまー」
「修くんおかえり〜」
「理緒姉、今日の夕飯は何が良い?」
「なんでも良いよ。修くんの作る料理はなんでもおいしいから!」
「そうかなぁ。俺の料理なんて普通だと思うよ」
「そんなことないよ。修くん、自分を卑下するの止めなよ」
「別にそんなんじゃねぇよ」
「修くん、自分に自信が無いよね」
「自信なんて有るわけ無いだろ?」
「どうして?」
「頭だって普通だし、顔だって良いわけじゃない。運動だってそこそこだし、自信持てる所なんて無いだろ?」
「お姉ちゃんは、修くんの全部が好きだよ」
「…好きって、それは家族だからだろ?」
「違うよ…」
787理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/10/31(水) 23:31:57 ID:Y+rVCzl4
なんで、俺に向かってそんな顔をするんだよ…
「お姉ちゃんは、私は、修くんの事を一人の男の人として好きなの!」
なんで、俺なんかなんだよ。理緒姉だったらもっと良い人が居るだろう。
「なんで…俺なんだよ。理緒姉だったら、もっと良い人が居るだろ?」
「私には、修くん以上の人なんて居ないし、修くん以外に考えられない」
そんな馬鹿な。俺なんかを好きになる要素がどこに有るっていうんだよ。
分からない。判らない。解らない。ワカラナイ。
「私が、今までどれだけ修くんの事を考えてたか、分かる?」
「わからない」
「修くんの事を思ってした自慰の回数は数えきれない位だし、私は修くんの事を考えないとイけない位なんだよ?」
なんで自慰なんだよ。他に言い方が有るだろう。
なんだか、苛々してきた。
「私は…えっ?」
次の言葉を聞く瞬間、理緒姉との距離を詰め、押し倒す。
何も聞きたくなかったので手で口を抑える。
「むーっ!ん〜っ!」
くぐもった声を出す理緒姉。
うるさい。今は何も聞きたくない。
「俺が好きなんだろ?だったら今ここで犯しても問題ないよな?」
「んむっ!?んーっ!」
何言ってるかわかんねぇよ。
788理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/10/31(水) 23:33:10 ID:Y+rVCzl4
ずっと手で抑えてるのも面倒だな。
ポケットにハンカチが有ったな。
すぐに取り出し、理緒姉の口を塞ぐ様に巻く。
「むーっむむーっ!」
うざってぇ。
そう思いつつ、理緒姉の上着を脱がす。
「んっ、んんっ!」
この下着は、前に俺に見せた一番エロい奴か。
「こんな下着着てて、本当は犯されたいんじゃねぇの?」
キッと睨まれる。
が、気にせず胸を弄り始める。
「んっ!むーっ!」
「もう乳首立ってきてるぜ?」
「むーっ!」
透けてるブラジャーの上から乳首を舐める。
「ふっ、んっ…」
「何?もう感じて来てんの?さすがこんなエロい下着着てるだけあるよな」
「んんっ、んっ!」
「つっ!暴れんなよ」
すぐに近くに有った紐で(なんでこんなの有るんだ?)で足と手を縛る。
「むぐっ!」
ちょっと痛かったか?まぁ初めてだから我慢してくれ。
「そろそろ下も脱がせて良いよな?」
「んむーっ!」
スカートをはいていたので、下着だけ膝下までおろす。
「なんだよ、やっぱり感じてるんじゃねぇか」
指を入れると既にくちゅりといやらしい音がする。
「んんんっ…」
顔を横に振って否定する理緒姉。
789理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/10/31(水) 23:34:22 ID:Y+rVCzl4
「こんなに糸引いてるぜ?」
目の前で指をひろげるとトロッとした液体が指の間に橋をかける。
「んんっ…」
目に涙を溜める理緒姉。
少し俺の動きが止まる。
が、すぐに行為を再開する。
わざとくちゅくちゅと音が立つ様に指を動かす。
「理緒姉、こうやってオナってたんだろ?」
「んぐっ、むーっ…」
そろそろ抵抗もしなくなってきたし、ハンカチを外してやる。
「ぷはぁっ、はぁっ…修くん、ひどいよ…」
「…」
無言で俺のペニスを顔の前にだす。
「ひっ…」
前にも見ただろうに悲鳴を上げるなよ。
「やっ、むぐっ!」
口を開いた時に一気に押し込む。
「んぐっ、むぅぅ!」
「喋ろうとすると余計気持ちいいぜ?」
ぐちゅぐちゅと口内を犯す様に腰を動かす。
「くっ、出る!」
ビュルッ…ビュルビュル…
一気に精を吐き出す。
完全に飲み込ませる為に出し終わった後もしばらく抜かなかった。
ごくりと喉が動いたのを確認して引き抜く。
「ごほっ!ごほっ!…はぁ…はぁ…」
喋る気力も無くなってきたか?
止める気は無いけど。
スカートをまくり上げ、後ろを向かせる。
「じゃ、入れるから」
萎える気配の無いペニスを理緒姉にあてがう。
790理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/10/31(水) 23:37:55 ID:Y+rVCzl4
「ひうっ!」
ビクリと背を反らす理緒姉。
ぐちゅう…
「はんんっ!」
俺のペニスをすんなりと受け入れる理緒姉。
「あんっ、あぅっ!」
ただ、機械的に前後運動を繰り返す。

「ひゃん!あぁ!」
「理緒姉喘ぎすぎだろ。これでも咥えててくれよ」
余った俺の手の指を咥えさせる。
「ふむぅ!むぅっ!」
「そろそろ出すよ」
「ひぅっ、あむぅ!」
一気に動きを加速させ、イく前に引き抜く。
「理緒姉、こっち向いて!」
「あんっ!んっ!」
ビュクビュクッ、ビュルッ…
「んっ…んっ…」
どろどろと理緒姉の顔を汚す。
「はぁっ、はぁっ」
…未だに萎える事の無いペニス。
「理緒姉、お尻使っても良いかな?」
「はぁ…んっ…え…?」
ほうけている理緒姉の後ろの穴に指を当てる。
「んんっ、そこ、だめぇ…汚いよぅ…」
そっちの問題かよ?
それなら…
「舐めて綺麗にしてやるよ」
「だめだってばぁっ…!」
ぺろぺろと理緒姉の肛門を舐めあげる。
「や、んっ!あぁうっ…ん!」
舐めるのを止め理緒姉の唾液でぬるぬるの指を入れる。
「はぁっ…うん…」
意外とすんなり入るもんだ。
「あんん…変な感じがするよぉ…」
791理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/10/31(水) 23:39:35 ID:Y+rVCzl4
くるくると拡げる様に指を動かす。
そろそろ2本目が入るだろう。
「やっ、無理だよぉっ!」
ズプッ…
「2本目も入ったぜ?」
「うぁっ!ひうぅ!」
「そろそろ入るよな?」
「無理、無理だよぉ!そんな大きいの、入んないっ!」
ぐりぐりとペニスをあてがう。
「もう先端が入りかけてるんだけど?」
「だめぇ…そこは…っ!ひうっ!」
ぐぐっと亀頭が飲み込まれた。
「あうんっ!…ひんっ!」
「動かすよ?」
「だめだめだめっ!動かないでぇっ!」
そんな事言われてももう我慢できない。
ズズ…ズズ…
「理緒姉のお尻の中すげぇ良いよ」
「くふぅ!あぁ…っ!」
「すげぇ締まるっ…」
「やんっ!うぁう!
「理緒姉っ、中に、出すよ!」
「んんっ、出してっ!お姉ちゃんも、お尻でイっちゃうぅっ!」
ビュルッビュルッ!
今までと比べても遜色無い量の精液が理緒姉の体内に注がれていく。
「修くんの…お腹の中にいっぱいになってる…」
「はぁ…はぁ…理緒姉…」
もう、体力の限界だった。
理緒姉も気を失ったみたいだ。
とりあえず、服を着せて、ベッドに…寝かせよう…
そこまで終えて、俺は急速に眠りに落ちた。
792 ◆/waMjRzWCc :2007/10/31(水) 23:41:56 ID:Y+rVCzl4
投下終了。
思ったより冬華に人気が有ってびっくりしました。
そして主人公暴走。
ここまでさせるつもりは無かった。
反省はしている。後悔はしていない
793名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 00:15:55 ID:PhKYSLfe
GJ!!!!
俺もロリコンでは無かったと思うんだが、冬華株がガンガン上がると同時に股間もガンガン上昇したわけで・・・
主人公暴走し過ぎwこんな性格だったっけ?
794名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 01:51:19 ID:V9JrHO6z
>>792
おお、素晴らしくGJであります!
冬華ちゃんかわいすぎだろ!!
脳が・・・脳がとろけそうだ・・・!
795名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 02:15:28 ID:M157ZMvm
誰が何と言おうと俺は理緒姉の味方なんだぜ…

wiki適当に編集中
でもまだ1スレ目すら保管できない…
初投下時期の早い順に、作品ごとにまとめてるんで、時間あったら誰か編集してください
796名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 02:22:35 ID:yB+c1reA
今ある保管庫のソース使って作ればいいのに。
新しく加えるのを含めても3時間くらいでできるだろ。
797名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 02:25:22 ID:M157ZMvm
確かに無駄だね
疲れたしやめるわ
798名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 05:59:45 ID:IuUcDd1u
うーんちょいと職人さん達に提案。
ずっとスルーして来たんだけど、沈黙を表す中点「・・・」を「…」なんかの三点リーダーに変えてもらえないだろうか?
今までは文章作法として首をかしげる程度だったから、いちいち指摘する気はなかったんだけど、Wikiで編集した場合、中点を大量に使った文章があると、その部分が妙な具合に表示される事がある見たいなんで、出来ればお願いしたい。
799名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 07:56:30 ID:rzN/8xb1
小説では「……」がデフォ。
?!の後では1マス空ける。
これに慣れてるから・・・は読みにくいんだよな。
800名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 13:00:32 ID:f7xIXiJo
小説っていうか、小学校のときに習う「作文の基本」じゃね?
ゆとり世代だと教わってないのかもしれんが。
801名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 13:15:12 ID:qB7mTBUd
>>800
指摘でもない無意味な煽りはやめれ
802名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 13:18:09 ID:SRKWL5rw
はるか昔、まだ世界が光と闇に分かたれる以前、大地が混沌の海に浮かんでいた時代には、
日本のワープロには三点リーダが無かったり、パソコンでも機種依存だったりしたのじゃよ。
803名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 13:21:03 ID:IuUcDd1u
いつの間にか次スレきてるな。
誰か知らんが乙
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1193888223/
804名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 16:43:01 ID:dBm4dpWF
>>800
昭和生まれだが小学校じゃあ習わね
805名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 17:56:20 ID:s5UXJWGP
大体小学校の作文をPCで打たないよね
ゆとり教育じゃない頃って>>802だし
806名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 18:57:00 ID:Dy88+ZhQ
文章の作法はどうでもいいがまとめの表示に問題が出るならしかたないんじゃね
まぁ作者以外の人が協力して編集すればいいことでもあるが
807名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 19:58:59 ID:Nf8uqYAa
んーむ
wiki以外のをもひとつ作ってみる?
wikiで足りるとも思うが
808名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 22:25:32 ID:VwmCf4pQ
そもそも横書きの時点で小説では〜、みたいな論議は無駄だろう。
作者さんの好きなように書けばよろしい。
809 ◆/waMjRzWCc :2007/11/01(木) 23:17:02 ID:BPXPEOTX
続き投下します。
ロリなんで嫌な人は見ないで下さいm(_ _)m
810理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/11/01(木) 23:18:05 ID:BPXPEOTX
…目が覚めた。
最悪な気分だった。
自分が何をしたのかを分かっているから。
…でも、理緒姉もこれで俺の事を嫌ってくれるだろう。
あそこまでされて嫌わない人は居ないだろう。
そう考えて、再び眠りにつく。


私は、これ以上無い位の悦びを感じていた。
あんなに激しく修くんに抱かれて、犯して貰えて。
思い出すだけで濡れてきちゃいそう…
もう、離れられない。
私はより修くんに溺れる感覚を覚えながら、心地よい眠気に身を任せた。


「うっ…んん…」
もう、朝か?
昨日は夕飯も食わずに寝たんだな…
理緒姉は…まだ寝てる、か。
ちょうど良い。朝飯だけ作っておこう。
置き手紙と共に。
さて、行くか。正直今は理緒姉と話したくない。
だから、起こさずに学校へ向かった。

余裕を持って学校に着いた。
また、何事もなく6時間の授業を終える。
ほとんど寝てたが。
帰ろうかどうしようか悩んでいると羽居に声をかけられた。
「織部君、少し話があるんだけど」
「…なんだ?」
「最近何かしてるの?それもかなり体を使うような」
「…なんでだ?」
「授業中ずっと寝てるから」
「あぁ…ちょっと疲れてるだけだ」
「ならいいけど」
811理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/11/01(木) 23:18:48 ID:BPXPEOTX
こいつもあんまり考えがわかんねぇよな…
「話はそれだけか?」
「えぇ。じゃあ、また明日」
「あ、」
「どうしたの?」
「いや、羽居って妹が居たんだな」
「えっ?誰に会ったの?」
「誰にって…冬華ちゃんだけど」
「あぁ、冬華ね」
「冬華ねって、羽居、何人姉妹なんだ?」
「4人。全員女よ」
「マジで?初めて知ったよ」
「私が長女で、次女が3つ下で夏海、三女が5つ下で秋菜、一番下が知っての通り7つ下の冬華よ」
「ふ〜ん…全員に季節が入ってるんだな」
「ええ。なんだか両親にこだわりが有ったみたい」
「両親のこだわり…か」
「あ…ごめんなさい」
「何が?」
「その、両親の事」
「あぁ、気にしてねぇよ」
「でも、ごめんなさい。それじゃ、また明日学校で」
「あぁ、またな」
さて、帰るか。
帰り道、やはりあの公園で冬華ちゃんをみかけた。
「あっ!修お兄ちゃん!」
「こんにちは冬華ちゃん。今日は先に見つかっちゃったな」
「へへ〜、昨日と同じ事には引っ掛からないよ〜」
「むぅ…」
なんだか物足りない。
ちょっとどこまで行けるか試してみるかな。
まずは、軽く袖を引っ張ってみる。
「どうしたの?修お兄ちゃん」
812理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/11/01(木) 23:19:33 ID:BPXPEOTX
「…」
意外と反応が小さいな…
次は髪に触れてみよう。
頭をぺたぺたと撫でる。
「ん…修お兄ちゃんの触り方、気持ちい」
むしろ好反応?
次はさすがに嫌がるかな?
軽くスカートの裾を持ってみる。
「な、何するの?」
ぱっと離す。
「修お兄ちゃん、どうしたの?何か変だよ?」
ちょっといたずらしてみたいとは言わない。
…俺、ロリコンかなぁ?
「ちょっと、後ろに回って良い?」
「良いよ…?」
どう行こうか…
まずは肩位に触ってみよう。
「んん…」
さわさわ…
「きゃははっ!修お兄ちゃん、くすぐったいよ〜」
可愛い…
がばっ!
「えっ!?し、修お兄ちゃん?」
しまった…我慢できなくなっちまった。
「ご、ごめんね冬華ちゃん!」
「あの、その…もう少し、くっついてて欲しいな…」
…えっ?嫌がるんじゃないんだ…
「冬華ちゃんが、嫌じゃないなら…」
「…修お兄ちゃん、私の事、どう思ってるか聞いても良い…?」
「どうって…妹、みたいかな」
「そ、そうじゃなくて…えっと、異性としてっていうか…」
「…可愛いと思うよ?」
「ほんとっ?ほんとに可愛いと思う?」
「うん、冬華ちゃんは可愛いよ」
813理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/11/01(木) 23:20:23 ID:BPXPEOTX
私、そんなこと言われたら我慢できなくなっちゃうよ…
「修お兄ちゃん…私の体で、興奮してくれる?」
「え?えっ?」
「修お兄ちゃん、ごめんね?」
「えっ?うわっ!」
私はうまく修お兄ちゃんのバランスを崩して倒す。
「いてて…と、冬華ちゃん?」
「あのね、修お兄ちゃん…私、冬華ね、さっき修お兄ちゃんに抱き締められてから、体が熱くて、だめなの」
「冬華ちゃん…」
「冬華ね、修お兄ちゃんの事が好きなの。だから、修お兄ちゃんをちょうだい?」
「駄目だよ、冬華ちゃん!」
「んしょ、んしょ…修お兄ちゃん少し、静かにしてて?」
「とう、むぐっ!」
今脱いだパンツを修お兄ちゃんの口に詰める。
「修お兄ちゃん、冬華のパンツ…おいしい?」
「むーっ!」
修お兄ちゃんの、大きくなってきてる…
「修お兄ちゃん、冬華ね、とってもえっちな子なの…我慢できないわがままな子なの…」
「ん〜!」
「だから、修お兄ちゃんのこれ、いただきます…あむ、んぐ…」
修お兄ちゃんの、すごく熱いよ…
「むーっむーっ!」
「んむ、ちゅ…修お兄ちゃんの、おっきくて…冬華のお口に入りきらないよ」
「むうぅ!」
814理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/11/01(木) 23:21:07 ID:BPXPEOTX
「なんか、ねばねばしてきたよ?」
「むーっ!」
なんだこの状況は…まさか昨日の罰なのか?
「んぐ…ちゅ、ぺろ…」
うぅ…出ちまいそうだ…
だけど、このままイったら、冬華ちゃんにかけちまう…
「修お兄ちゃん…ビクビクしてる…」
くぅ…我慢しろ、俺…
「修お兄ちゃん、冬華、えっちな子でごめんなさい…」
そんな潤んだ目で上目遣いに謝られても…
怒れない…
「ここの…膨らんでる頭みたいなとこ、気持ち良いんだ…」
そんな、小さな手と口でされたら…
「むっ!むぅ〜!」
ビュッ!ビュビュ…
「んんっ!んぶっ!んっ…」
「ん〜…ん〜…」
「これが…修お兄ちゃんのせーしなんだ…」
いやいやいやいや、指で取って舐めるなって。
おいしくなんかないから。
「すっごくべとべとするよぉ…」
出しちまった…
冬華ちゃんにかけちまった…
「修お兄ちゃん…苦しいよね?外してあげる…」
「ぶはっ、はぁ…冬華ちゃん…」
「修お兄ちゃん…冬華のここ、熱いよぉ…」
まだ幼すぎる割れ目を自らの指で拡げる冬華ちゃん。
「冬華ちゃん…駄目だ…」
力が入らない…昨日の行為のせいなのか?
なんで俺はこんな事になってるんだ…
815理緒の檻 ◆/waMjRzWCc :2007/11/01(木) 23:21:43 ID:BPXPEOTX
「修お兄ちゃん、また大きくなってる…すごい…」
言われて気付く。
出したばかりの俺のペニスは萎える事もなく、むしろ痛い程に立ってしまっていた。
「修お兄ちゃん…冬華も、気持ち良くなりたいよ…」
駄目だと否定する前に冬華ちゃんの割れ目で擦られる。
「うっ…く…」
「ひゃうぅ…修お兄ちゃんのが当たって、気持ちいいよぉ!」
まだ未発達な割れ目には俺のペニスは入らず、素股の状態になっている。
「んんっ!んっ!」
上に乗っている冬華ちゃんはただひたすらに快楽を貪る様に腰を動かす。
「うあっ、くぅ…」
その動きは俺の脳に激しい快感を与える。
「修お兄ちゃん、冬華、おかしくなっちゃうよぉ!」
お互いの性器が擦れる度にぬちゃぬちゃといやらしい音がする。
「くっ…駄目だ…出る…」
「もうちょっと、もうちょっとで何かくるのぉ!」
更に加速する動き。
「ぐっ、うあぁ!」
「ひあぁぁぁぁっ!」
ビュルビュルビュルッ…
「すごい…冬華のお腹に、修お兄ちゃんのせーしいっぱいかかってる…」
「冬華ちゃん…」
「修お兄ちゃん…冬華から離れちゃやだからね…冬華、修お兄ちゃんのお嫁さんになる…」
俺に、犯罪者になれと?
816 ◆/waMjRzWCc :2007/11/01(木) 23:23:50 ID:BPXPEOTX
投下終了します。
817名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 23:37:36 ID:10EkMPij
全くだ
818名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 00:33:58 ID:bKMZ+Bau
>>816
GJ!
冬華ちゃん派の俺にとってはご褒美です。
しかし修よ…既に君は十分犯罪者だと思うが…
懐かれているからといって自分から手を出すのは頂けないっ!!
…でも、この展開にときめいてる俺はやっぱりロリコンorz
819名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 01:16:04 ID:XdSjmKGq
3点リーダはいまだに機種依存てイメージが強くて、なんとなく躊躇うわ。

ここ最近3点リーダ使えみたいなのをよく見るけど
俺は・・・の方がみやすいし慣れてるなぁ。
820名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 02:32:44 ID:mlRy8NSV
おれは・・・を使ってるとまだ文章書き始めて間もないんだろうなって思ってしまう。
このあたりは文章系のコミュニティに所属してたら、たぶん真っ先に指摘受けるところだし。
ちょっと違うかもしれんが、2ちゃんなんかで、wをwって全角で使ってたら恥ずかしい感じに似てるかな。
821名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 03:07:25 ID:0C/qBwBL
>>816
節操無くてワラタ

GJ
822名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 03:11:33 ID:rnc6Od73
まあ、三点リーダが機種依存だったのはだいぶ昔のことで、
2000年ぐらいからはHTML4.0の実態参照にも…として定義されてるくらいだから
今となっては気にする必要は全くない。
どうせだったら一般的な文章作法に合わせて…使った方がいいと思うけど。
823名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 03:31:57 ID:9F/eHSel
>2ちゃんなんかで、wをwって全角で使ってたら恥ずかしい感じに似てるかな。

釣りですか?
824名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 08:47:42 ID:0NzWhvDj
>>816
このロリコン!!!!


・・・だがGJ・・・!
825名無しさん@ピンキー
>>820
wって半角で使うもんだったのか・・・知らなかったorz