【ひぐらし】07th総合【うみねこ】

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1名無しさん@ピンキー
『ひぐらしのなく頃に』『うみねこのなく頃に』の総合エロパロスレなのです。あぅあぅ〜。

●過去スレ
【ひぐらしのなく頃に Part.11】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1185869911/
【ひぐらしのなく頃に Part.10】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1182621861/
【ひぐらしのなく頃に Part.9】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1178927298/
【ひぐらしのなく頃に Part.8】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1175338446/
【ひぐらしのなく頃に Part.7】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1173891861/
【ひぐらしのなく頃に Part.6】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1172307120/
【ひぐらしのなく頃に Part.5】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1169552599/
【ひぐらしのなく頃に Part.4】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1165148335/
【ひぐらしのなく頃に Part.3】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1156953323/
【ひぐらしのなく頃に Part.2】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1137410049/
【ひぐらしのなく頃に】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1108430147/

●まとめサイト
【エロパロ板 ひぐらしのなく頃に 保管庫】(現保管庫。誰か更新お願いします)
ttp://www16.atwiki.jp/when_they_cry/
【エロパロ板「ひぐらしのなく頃に」保管庫】(旧保管庫)
ttp://custody.hp.infoseek.co.jp/when_they_cry.html

※保管に関する詳細は>>2-10
2名無しさん@ピンキー:2007/09/08(土) 15:18:46 ID:7RxXgwXY
【作品を投下される職人さんへ】
現在スレが加速しているため、wikiへの収録が追いついていない状況にあります。
可能であれば、職人さんにセルフ保管していただけるよう、お願いいたします。

<作品ページを新規作成>

 新規ページの作り方
 @:「@wikiメニュー」から「新規ページ作成」をクリックしたら「新しいページ名を入力して下さい」と言ってくる
 A:タイトルをフォーム打ち込んだら(チェックはWikiモードのままでOK)「新規ページ作成」のボタンをクリック
 B:下に出てくる空白にSSをコピペして、ついでに修正
 C:「プレビュー」を押してチェック
 D:問題なければ「投稿」を押す

<各SSリストを開いて編集>

 編集の仕方(SS本文の修正も同様)
 E:各SSリストを開き、そこで「編集」から「このページを編集」をクリック
 F:下に出てくる文章の適当な箇所に
    -[[作品タイトル(ページ名)]]  と入れる。
 G:プレビューを見て問題なければ「投稿」して終了

何か失敗するかどうしても無理そうなら、そのときに言ってくれれば誰かしら対処しますのでご安心を。
3名無しさん@ピンキー:2007/09/08(土) 19:50:41 ID:Qxl+YlNm
ナンバリング忘れてるううううううううう
4名無しさん@ピンキー:2007/09/09(日) 00:08:18 ID:jBu2vPM2
うみねこエロパロまとめ(仮)のこと、忘れないでください
ttp://wiki.fdiary.net/umineko/?c=index
5名無しさん@ピンキー:2007/09/09(日) 13:14:38 ID:x9tPpYIv
前スレ>>986
gj!泣かせていただきました!
6名無しさん@ピンキー:2007/09/09(日) 18:32:24 ID:KtXcNeU/
そんなの「なかった」
7名無しさん@ピンキー:2007/09/10(月) 17:26:44 ID:QoHlOQh/
>>1
8名無しさん@ピンキー:2007/09/10(月) 19:33:24 ID:Y0/kU2vI
>>1乙です。
9名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 01:36:04 ID:sjGrrzZB
     ____  
   /      \
  /  ─    ─\ 
/    (●)  (●) \ 
|       (__人__)    |  そろそろ新作が投下されてもいいだろ
/     ∩ノ ⊃  /    
(  \ / _ノ |  |     
.\ “  /__|  |  
  \ /___ /
10名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 19:09:29 ID:spoRvRiU
前スレAAで埋め
11名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 20:48:03 ID:aOgmbSr0
うみねこSS投下しようと思ったら紗音が性格変わっちゃったので投下できん
12名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 22:46:14 ID:WuEuV0n9
投下せんでよし。
13名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 01:04:01 ID:m09+VH6f
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/eva/1175862892/64-67/
キーワード【 レナ フェラチオ 圭一 カルピス ちゃ シンジ ムスカ 】
14名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 01:06:06 ID:3eqBILTt
流れも何もかも読まずに投下する。
圭一→沙都子。
兄から恋人へ徐々にステップアップして欲しいもんだ。
1514:2007/09/12(水) 01:06:42 ID:3eqBILTt
ひぐらしのなく頃になると、もう夏なのだと思う。
去年の冬、沙都子の兄、悟史が帰ってきた。
病を患っていて意識昏睡の状態だった為、沙都子には伏せられていたそうなんだが、遂に意識を取り戻したのだという。
悟史を慕い続けていたという詩音と一緒に、沙都子は入江医院でリハビリに励む悟史の元を毎日見舞っている。
それは、今まで兄の帰りを待ち続けた沙都子にとって、とても幸福なことだろう。
雛見沢で虐げられ続けてきた沙都子にとって、兄の帰りを待つことは生きるアイデンティティだったのだから。
あいつは、小さな身体で両脚を踏ん張って、どんなに強い風に吹かれても、強い雨や雹に打たれても必死で立ち続けた。
そんな沙都子を、俺は守りたかった。
沙都子がいつも笑っているように、悟史の代わりに沙都子の兄として、あいつを守らなくちゃと思ったんだ。
北条鉄平により、沙都子は笑えなくなってしまった。
だから、俺は沙都子を守ろうと思ったんだ。
仲間として、兄の代わりとして。
そして今、兄である悟史が戻ったのだから、俺たちの関係はまた「仲間」に戻る。
それだけのことだ。


「私は、今日も入江医院に直行しますけど、沙都子はどうしますか?」
鞄に荷物をつめながら、詩音が沙都子に優しく微笑みながら問いかける。
俺や魅音に対する、裏のありそうな笑みとは違って、沙都子に向ける詩音の微笑みは何処までも甘い。沙都子が可愛くて仕方がないというのが、ありありと見て取れる笑みだった。
悟史の意識が戻ってから、詩音と沙都子の関係は更に親密になったらしく、時折沙都子と一緒に北条家に泊り込むこともあるらしい。
気付けはすっかり詩音は沙都子の姉貴分だ。
「ねーねーは先に行ってくださいまし。わたくしは今日は圭一さんと日直ですの。後で参りますわ」
沙都子もまた、にこにこと詩音にを見上げて笑う。
まさに、仲の良い姉妹そのものだ。
そんな姿に、なぜか俺は胸が鈍く痛んだ。

だって…その位置は俺のものだったのに…。

いやいやいや、何を考えてるんだ俺は。
仲間の関係が良好なのは素晴らしいことじゃないか。
寂しくなる必要はないっ! ないったらない!
1614:2007/09/12(水) 01:07:53 ID:3eqBILTt
「何を百面相してるんですの?」
「おわっ!」
俺が葛藤している間に詩音は帰ったようだった。
日誌を手にした沙都子にいぶかしげに見つめられる。
そ…そんなに表情に出ていただろうか…?
俺は気持ちが顔に出やすいらしいので気をつけなくてはいけない。
「気をつけても無駄だと思いますわよ。だって、実践されてませんもの」
沙都子は、肩をすくめると、俺の前の席にちょこんと座って、日誌を書き始める。
ううう、そこまで読まれるとは…本当にどんな表情してるんだ、俺は。
「おっおい、沙都子。他に日直の仕事あるか? 俺がやっておくぞ」
ちょっと慌てつつそう言うと、沙都子はペンをスラスラと走らせながらくすりと笑う。
「ご心配なく。今日のお仕事はこの日誌の提出で最後ですわ。黒板消しは全部圭一さんにやっていただいたから、これはわたくしのお仕事ですのよ」
「そっそうか…」
手持ち無沙汰になったので、沙都子の前の席に座ると日誌を覗き込む。
「おいおい、そんなに几帳面に書き込まなくってもいいだろ。日誌の今日の出来事なんて、こうちゃちゃっと要領良くだな〜」
「もう、圭一さんは黙っててくださいまし! こういうことはちゃんとしないといけませんのよ!」
アドバイスをしたというのに、怒られてしまった。
沙都子は普段から、悪戯好きだがこういところはしっかりしているというか凄く几帳面だ。
以前一緒にスーパーに買い物に行ったときも、俺よりよっぽどちゃんとしてたし…。
カレーのルゥを選ぶのに真剣な表情なんて、小さな主婦のようだった。
料理の腕は仲間内じゃまだ劣るけど、こいつは将来いい嫁さんになるんだろうな…。
そう思ったら、なんだか胸がずきんと痛んだ。

え…、なんで胸が痛いんだ、俺…?

「うむうむ、沙都子は良い子だな。褒めて遣わす」
その痛みをごまかすように、俺は沙都子の頭をぐしゃぐしゃとかき乱した。
この行為はあくまで、沙都子への厚意だったんだが、日誌を書くことを邪魔された沙都子はぷくっと頬を膨らませた。
あはは、こういうところはお子ちゃまなんだよな。
1714:2007/09/12(水) 01:09:42 ID:3eqBILTt
「もうっ、圭一さんなんて知りませんわ! さっさと終わらせて、わたくし帰ります!」
ちょっと、からかいすぎたかも…大人気なかった、反省。
ぷんぷんしながら、沙都子は乱暴に日誌のページをめくろうとして、顔をしかめた。
「いたっ…」
「だ…大丈夫か! 指、切ったのか!?」
慌てて、沙都子の手を取ると、さっくりと切り傷ができていた。
小さな白い指にじわじわと血が滲んで、とても痛そうだ。
「すまん、俺がふざけたせいで」
心から謝罪すると、沙都子はやれやれといった顔になった。
これじゃ、どっちが年上か分からないな。
「もう、大げさですのね。こんなの、舐めておけば直りましてよ」
「そっ…そうか。わかった」
「けっ、圭一さん!」
その時の俺は、夢中だったのだと思う。
そのまま、沙都子の指を口にぱくりと含んで、そっと傷口に舌を這わせる。
「ん…っふっ…」
「圭一さん、ダメです。汚い…から、ひゃっ」
ぺろぺろと指を舐めているうちに、沙都子の顔はどんどん真っ赤に染まっていく。
あ…こいつ、こんな色っぽい表情もできるんだ。
普段小憎らしい沙都子のその珍しい表情がもっと見たくて、俺はそのまま指を口に加えてみた。
「あっ…っ…」
真っ赤になって震えているその姿は、なんだか嗜虐的な気分になる。
もっといじめてみたいっていうか…おいおい、俺、そんな趣味があったのかよ。
「もう、いい加減にしてくださいましっ!」
「あだっ…!」
面白くなってそのまま傷のない指にも舌を這わせようとした俺だったが、我慢の限界にきたらしい沙都子に日誌でしこたま頭をぶたれた。
「圭一さんのケダモノ! もう、知りませんわ!」
泣きながら、ランドセルを背負って教室を走り去る沙都子の背中をぼんやりと見つめながら、俺は自分自身の行動に驚いていた。


俺…どうしちゃったんだろう。
自分でも自分の行動が理解できないのだ。
どうして、俺は沙都子にあんなこと…。
結局、その日は余りに遅い日直に焦れた知恵先生が、日誌を取りに来てくれるまで教室で呆けていたのだった。

ちなみに、翌日。
沙都子に泣きつかれた詩音に徹底的にボコられたのは言うまでもない…。
1814:2007/09/12(水) 01:11:54 ID:3eqBILTt
終わり。

「ひぐらし」初めて書いた。
沙都子可愛いよ、沙都子。
このカプはエロまでじわじわ進むといい。
保管庫見たけど、レベル高いな、ここ。
末席に混ぜてくれ。宜しく頼むノシ
19名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 01:20:27 ID:57BXt/Yo
すーじーこー
20名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 01:29:21 ID:q9rpsPkT
なんという寸止め…だけどGJ
21名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 01:37:47 ID:HTBeOKbo
いいね。やっぱ原作の関係にプラスアルファしてどれだけ恋愛要素やエロを乗せられるかが肝だわ。

>>13
保管庫にそのスレ入れたのはお前か?ああいうの止めてほしいんだけどね。
22名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 02:35:22 ID:bIQHTEs8
>>18
実にすばらしい、次も頼む
23名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 03:07:46 ID:gNZNKkLB
>>18
こういうの大好きだ、GJ!
24名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 08:57:19 ID:SqN9BTus
GJ

しかし、イチロー来なくなって
平和になったねwww
25名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 20:02:37 ID:qw9QC24r
>>24
イチローにはコアなファンが居るから注意
26名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 21:44:30 ID:ivKmyWsx
>>14
GJ 文章うまいなー
27名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 21:46:09 ID:/wRw+Lqy
イチロー…見てるなら投下してくれ
2820年越しの告白:2007/09/12(水) 22:47:20 ID:SqN9BTus
圭一×魅音
題名「20年越しの告白」

投下します。
2920年越しの告白:2007/09/12(水) 22:48:54 ID:SqN9BTus
俺は、自分に嘘をついてきた。

【好き】って気持ちが、恥ずかしかった。

ずっと前から、気づいていたはずなのに…………
時々見せる照れた顔
委員長としてみんなをまとめている時の凛々しい顔

眩しいぐらいの笑顔

何時の間にか、惹かれた
告白をしようとしなかった。

断れたら、どうしよう?色々考えてしまった。

やっぱり、告白しよう。そう決めた…………
3020年越しの告白:2007/09/12(水) 22:50:10 ID:SqN9BTus





「おっす!魅音…元気か?今日は、お前に伝えたい事が、ある。
笑わないで聞いてくれるか?
………その……前から……魅音……の…事が………好きだ!…………」







あれから、20年
長かったようで、早かったな。


やっと、言えた。
20年越しの告白。

「魅音…天国で部活やってるか?みんなと、仲良くやってるか?遅くなった告白聞いてくれて有り難うな」

墓前の前で、手を合わせその場を去った。


雛見沢大災害が起きて、20年
今でもひぐらしがないていた


END
3120年越しの告白:2007/09/12(水) 22:50:43 ID:SqN9BTus
ちょい短い話しです。

読んでくれた方有り難う
32名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 23:46:19 ID:e1d9wV5x
どういたしまして
33名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 23:47:37 ID:acT989wK
イチローさんお疲れ
34名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 00:20:50 ID:ewAen5DA
イチロー乙
35名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 03:51:04 ID:iJ2wfR9Z
なに、このバカSS
36名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 04:49:16 ID:cSu1r54T
そろそろあぅあぅで一本
37名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 08:09:02 ID:hwSvJkwn
空気読まずに圭詩希望
38名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 12:52:57 ID:RLanoorl
俺は、自分に嘘をついてきた。

【好き】って気持ちが、恥ずかしかった。

ずっと前から、気づいていたはずなのに…………
時々見せる照れた顔
エロパロのエースとしてみんなをまとめている時の凛々しい顔

眩しいぐらいの笑顔

何時の間にか、惹かれた
告白をしようとしなかった。

断れたら、どうしよう?色々考えてしまった。

やっぱり、告白しよう。そう決めた…………
39名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 12:56:27 ID:RLanoorl





「おっす!イチロー…元気か?今日は、お前に伝えたい事が、ある。
笑わないで聞いてくれるか?
………その……前から……イチロー……の…事が………好きだ!…………」







あれから、20年
長かったようで、早かったな。


やっと、言えた。
20年越しの告白。

「イチロー…天国でイッてうーんやってるか?みんなと、仲良くやってるか?遅くなった告白聞いてくれて有り難うな」

墓前の前で、手を合わせその場を去った。


イチロー大投下が起きて、20年
今でもひぐらしがないていた


END

40名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 14:00:35 ID:hwSvJkwn
41名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 17:46:48 ID:3u1FNiQu
>>24
そういうことは言いたくても言うもんじゃない。
下手に話題に出すと>>39みたいなよくわからんのがでてくるぞ。
42名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 18:36:13 ID:BbOgJR/W
>>37の期待に答えて圭詩(綿流し版)を投稿してみる
ぶっちゃけ俺は圭魅や悟詩よりも圭詩派なんだよな
43名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 18:38:44 ID:BbOgJR/W
「私の心を埋めるモノ」



「―沙都子の事、頼むからね」


そう言って悟史くんは消えた。

あれから一年。

悟史くんは、未だに沙都子との約束を果たせていない。


逢いたい。

とてもとても逢いたい。

悟史くん・・・・・・・・・・・・・



―今日、珍しく魅音が私に泣きついて相談してきた。
クラスに新しく転入してきた、ええと、前原圭一とか言ったかな?
そいつが、おもちゃ屋の帰りに貰ったお人形、魅音には似合わないからってくれなかったらしい。
期待するだけ無駄なのに、ばかなお姉。

 でも、ちょっとだけ羨ましい。
だって、私にはいない。
私の頭をなでてくれる人も、私を癒してくれる人も、私を「詩音」と解ってくれる人も、もういない。

ねえ、誰がこの空っぽの心を埋めてくれる?

誰か、教えて。
44名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 19:08:50 ID:ewAen5DA
氏ね
45名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 19:25:50 ID:BbOgJR/W
魅音は、魅音じゃない別の誰かとやり直したいと言った。
そして、私に成りすまして、やり直せたらしい。

前原圭一・・・私の勘では、からかいがありそうな男に見える。
ちょっと、誘ってみるか。

気がつくと、いたずら心のある私は、いつの間にか電話のダイヤルを回していた。


―がちゃ。
『もしもし、魅音か?』
「こんばんは、圭ちゃん」
「えっと、実は明日エンジェルモートでデザートフェスタってのがありまして、味見をしてもらう人を抽選で募集しているんです。
本来ならクジとかで決めるんですが圭ちゃん、モニターになってみませんか?」
『行く行く!つまりモニターってやつになればデザート食い放題ってわけだよな?』
「そうですね。じゃ、当選者に圭ちゃんの名前加えておきますね!」

圭一と言う男は、声からしてサバサバしてる感じで、いかにも男らしい。魅音が気に入るわけだ。
だけど、やっぱり、悟史くんとは違う。
「後、その見返りと言っては何なんですけど帰りにちょっと付き合って欲しいんですが」
『、えっ!?い・・・いいけど』
今度は少し言いよどんで、その後、たどたどしい口調になった。受話器越しに赤面顔が目に取れそうだ。
「あはは!じゃ明日待ってますねーっ!」

電話を切った後、思ったよりもからかいやすく、思ったよりも話しやすい男だと分かった。
明日は、楽しみな一日となりそうだった。
46名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 20:19:28 ID:wjPqN9tW
そろそろ知恵先生の話が来てもいいと思う
カレーを馬鹿にした富田岡村に身体から出る知恵カレーを食べさせるのは勘弁だけど
47名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 20:59:18 ID:lTKcPysf
そろそろ職人が居なくなった理由を、真面目に考えて見たらどうだ?
批判と罵倒、その違い分かってる?
48名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 22:39:40 ID:3jKynLBB
駄作を落とすから叩きが付くだけだろ。
良作がくれば普通にGJするわ。
台本形式にもGJ返しても駄作作家様が増えるだけで、腕のいい職人が逃げるだけ。
49名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 22:53:09 ID:2vJ6RmUM
前にもこんな状態に陥ったことがあったな…
確かに批判も大事かもしれないけど、具体的な批判内容がないと駄目だと思う。
50名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 22:58:14 ID:bCjDd2nC
ケンカ好きやなお前ら
51名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 23:08:26 ID:BrP6mX5M
書きながら投下するのはマナー違反やろ。
保管庫に他スレのネタやSSじゃないものまで入れたりするのもそう。
52名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 23:15:17 ID:ewAen5DA
>>28
始めにエロ無しって事を伝えてないし、
イチローを馬鹿にしたんだから、バカなSSなどと言われても仕方のないこと。

>>42
イチローに限らず、今までに溜めてから投下しろって批判があったはずなのに、書きながらの投下。
おまけにメ欄もあれだし・・・


これでいい?><
53名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 23:51:43 ID:8/Q05IPK
前スレの後半に投下されてた圭詩の続きマダー
文章が好みだから期待してるんだけど
54名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 23:57:18 ID:QMm+dAL4
今の所>>39が最良師だな
55名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 00:34:51 ID:Zhc8ui0m
ヲチ物件としては良スレ
56名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 02:28:01 ID:m+nofA0J
氏ね←罵倒
書きながらの投下はマナー違反←批判

罵倒と批判 中傷と意見 感想と愚痴 それぞれ別モノなんだぜ?

うみねこ終わらせて、創作意欲が沸いたんで、ひさびさに来たんだが未だにダメダメなんだな
キャラ個別スレにでも逝くか……
57名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 02:35:23 ID:cj1vcDWy
>>28ってイチロー馬鹿にした癖にイチロー以下のヤマなし意味なしオチなしSS書いてたのかよ
魅音スレに貼れば二人くらいはGJくれるよ。GJだけだけど
58名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 12:36:27 ID:iGkn0cYq
自分がダメダメな空気にしてるの気付こうね自称職人さん
59名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 12:36:34 ID:B/Aidyhw
>>56
南無阿弥陀仏逝ってよし

つか喧嘩はやめよぜ??
そろそろ普通のSSが読みたくないか??
つか圭詩を投下した人はメアド欄にsageっていれような。

60名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 12:44:58 ID:9+Zk3Uxj
これはひどい
61名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 13:01:29 ID:/ZfkYoRd
圭詩が補給されたところで、圭レナや圭魅が恋しくなりました
神様お願い
62名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 14:30:17 ID:oxsXIblz
前は、よく投下してたけど、ここ最近はひど過ぎる。文句言うならお前が書け。

もうここには投下しないよ。
別のスレでちょくちょくやるよ。


イチローがひどいのには同意
だがスルーすればいいだけ。
63名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 14:56:57 ID:xc2/lhEW
>>55が現状を表してるな

どんな奴でも職人は職人。例え荒らしでも叩くのは間違いだってことだ

批判はしても良い、意見しても良い、感想は推奨事項
だが、罵倒や中傷、愚痴や文句は、スレの雰囲気を悪くし、職人のやる気を削ぐだけだ

気に入らないから叩く←間違い
気に入らないからスルー←正解

職人が居なくなった現実を直視しようぜ?
64名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 16:34:54 ID:twWAOvCb
圭詩読みたかった・・・・・OTZ
65名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 16:42:08 ID:iGkn0cYq
荒らしを職人と呼ぶのはどうかと思います\(☆o☆)/
66名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 16:49:45 ID:cj1vcDWy
つまりつべこべ言わずに貼れってことだな
67名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 19:29:19 ID:CoNQ39zv
このスレにはもう石すら降らなくなった。
後はまともなSSを求めながら餓えて死ぬだけ。
68名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 19:46:29 ID:iGkn0cYq
それはやべぇな!
69名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 20:29:35 ID:bPEvhlYf
誰もいなくなったところに無口な神がやってくるのか
ということはここの書き込みが無くなれば……!?
70名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 21:05:13 ID:wWnbGUQx
( ゚ω゚)の降臨を期待してみる。
71名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 22:16:51 ID:B/Aidyhw
うみねこと合併した瞬間これだよ
72名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 22:40:40 ID:home73G9
>>28
「職人は新スレが誕生する前に愚かなスレ住人達を救ってやる事が出来たのだ」
「もう遅いわ。エロパロの職人はこのスレを見捨てたのよ」
「私は言ったはずだ。このスレの守護神になるのは、君にはおこがましいと」
73名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 23:30:09 ID:r1wbCmn6
ニコニコの影響かな…
74名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 00:22:59 ID:Ab0KSbjA
思い入れが深い上に書きなれてないから難しいんだよなー。
短くかつエロくってのが本当に難しい。
75名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 00:33:02 ID:YAOmNptn
ちょっくら圭一と寝てくる
76名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 00:59:41 ID:ZMKZ9/yH
>>74
確かに難しい。
ストーリー
キャラの組み合わせ
エロさ
萌え
色んな問題をクリアして投下しないとダメ

俺は、投下するほどの文章力無いし。
華麗にスルーされそうw
下手すると叩かれるかもorz

構想はあるけどな。
圭一×魅音詩音の3P
どのように、エロい方向に、持って行くか

保管庫読んだりしてるけど…

喘ぎの表現
特にムズイorz

携帯から投下自体叩かれるかもorz
77名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 01:02:22 ID:QjjJ6k6s
それでも俺は待つぜ

そう…全裸でな
78名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 03:13:43 ID:TNwbTz9Q
グダグダ言う前に投下すればいいじゃん
見てもらう為に作品作ったんだからさ
叩かれる叩かれないは二の次。
叩かれるのが嫌なら書くな
79名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 03:23:11 ID:INUUCB9d
という事で>>78がなんか投下してくれるそうです
皆さんリクエストをどうぞ
80名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 04:02:42 ID:4GPjdkZo
感想を貰らうために作品を投下するのであって、叩かれるために投下する職人はいない

>>78が釣りじゃないなら、このスレは完全にオワタなww
81名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 09:34:06 ID:gK6mNCo1
こんな状況で投下する作家なんていねーよwwwwwwwwwwwww
82名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 10:15:42 ID:YAOmNptn
マナーさえ守って投下すれば、下手でも叩く奴はいないだろ
83sage:2007/09/15(土) 12:25:52 ID:CDsqcB2n
季節のなかで

「先生、さよーならー。」
「また来週〜。歯ぁ、磨けよ〜。」

最後まで残っていた生徒を見送り、知恵は職員室へと戻っていった。
今日は半ドンの土曜日ということもあって、子供たちの帰宅も早い。
職員室に戻ると、知恵は出席簿を机に置き、椅子に座った。
校長の海江田は、昨日から教育委員会の会合のため出張しており、来週まで留守をしている。
久々に一人で過ごす昼の職員室であった。
知恵は鞄の中から、今日も作っておいた弁当箱を取り出すと、待ちかねたように包みを解き、蓋を開けた。
とろみを帯びた赤茶色の液体の中に、刻んだニンジン・ジャガイモ・タマネギ・鶏肉が彩りを与え、心地よい刺激臭が、鼻を包む。
その隣には白いご飯が仕切りで分けられ、隅に薄赤の福神漬けがちょこんと、かしこまった様に乗せられていた。
カレーライス。
知恵留美子にとってそれを食べる時が、人生でもっとも幸福な瞬間であった。
仕切りをとり、白米とカレーが交わり始める。それをスプーンで交わらせて、口に運ぶ。
何度食べても、この一口がたまらない。
自分の顔がほころんでいるのがわかる。
その時、開け放たれていた窓からふわりと、涼しい風が流れた。
8月も終わりに近づき、最近は大分熱気も収まっている。
雛見沢は夏の訪れも早いが、その分、秋の訪れも早い。
「もうすぐ、秋ですね。」
誰に言うでもなく、知恵はつぶやいた。
(いけない、また思い出してしまう)
心では思っていても、秋になればいつもあの日々のことを思い出す。
「彼」と過ごしたあの日々のことを。
84sage:2007/09/15(土) 12:58:32 ID:CDsqcB2n
ここよりも都会のとある街で、知恵は「彼」に出逢った。
眼鏡のよく似合う、捨てられた子猫のような雰囲気をもつ「彼」とは、学校で大工の真似事をしている時に初めて逢ったのだ。
「先輩」と優しく声をかけてくれた彼に、知恵は徐々に惹かれていった。
まるで泥棒のように、人の心にずかずかと入り込み、大胆にも自分の全てを奪ってしまった「彼」。
時には殺し合いといってもいい争いを行い、文字通り自分のせいで死ぬ目にも遭った。
それでも、自分を選んでくれた。
自分の背負う十字架を知った上でも、愛してくれた。
自分も誰よりも愛し、身も心も全て捧げた。

「彼」の残り時間がほんのわずかだと言うことを知っていても。愛さずにはいられなかった−。

「・・・くん。」
久しぶりに、「彼」の名前を口に出した。
本当に最後だという時に、何も出来なかった自分に、
「うん、俺、やっぱり先輩が、・・・が好きだよ。」
と言って遠くへ言ってしまった彼の名前を。
「・・・くん!」
もう一度、今度は強く呼んだ。
「どうして、どうして私を一人にしてしまったのですか!また、私を一人に・・・!」
「彼」がいなくなった後、知恵は荒んでいた。
生きる目標もなくなり、所属していた組織からも抜け、ただ彼の思い出だけを胸に、引きこもりのようにして生きていた。
そんな時、偶然流れていたニュースに目が留まった。
『村が沈んでしまうんです!』
『学校がなくなったら、私たちは遠くの学校にいかなくちゃいけないの!』
それは、遠い雛見沢という村落でのダム建設反対運動を特集した番組だった。
反対運動中心派のインタビューに加えて、村民の意見を年齢ごとに聞いていく場面があったのだが、その中で元気のよい女の子が叫んでいたのだ。
『お願い、もう、先生がいないの、誰か、誰か私たちの学校を守って−!』
その村には見覚えがあった。
もう、体調が悪化して、寝たきりになってしまった「彼」は、良く旅行雑誌を見ていた。
「元気になったら、今までの分、先輩を連れてってやるから!」
それが自分を元気付けるための嘘でも、知恵は「彼」が楽しそうに、見たことのない世界への夢を語ることが嬉しかった。
その中で
「こんなところもいいよな。ほら、こういう日本的っていうか、のどかで。先輩と、二人でさ、畑を耕しながら暮らすのもいいな。」
「彼」が一番目を輝かせた場所が、雛見沢のページだった。

85名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 13:19:20 ID:Jae+JA0x
…ひょっとして書きながら投下してる?
86名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 13:31:00 ID:zsiTEH3r
>「また来週〜。歯ぁ、磨けよ〜。」
87名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 13:46:06 ID:/foB8Zzg
GJ そのままの勢いで続けてくれ
88名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 14:02:44 ID:jSZOWyC3
「彼」が愛した風景が消えてなくなる。
知恵にとってそれは「彼」を彩るものの一つが失われてしまうような感覚があっ。
「彼」がいなくなってしまった後、その遺品は家族と、知恵をはじめとする友人達に分けられた。とはいうものの、物持ちの少なかった「彼」の形見は、古びた折りたたみナイフ一本だけだった。
「彼」の妹が
『認めたくありませんが、兄さんは貴女を誰よりも愛していましたからね。兄さんが一番大事にしていたこのナイフを、貴女に差し上げます。』
と涙ながらに渡してくれた物だった。
だから、「彼」が行きたいの願っていた雛見沢は彼の形見のように感じられた。
(それが、無くなる・・・?)

認められるはずはなかった。

意地悪な主は私に地獄を与え、愛した人までも奪い、その上数少ない形見まで奪うというのか−!
知恵の行動は素早かった。
直ぐさま鹿骨市へ向かって教育委員会に駆け込み、現役時代に培った催眠術で担当者を騙し、「教師・知恵留美子」の肩書きを手にいれた。
教師を選んだのは、昔その真似事をした自分を「彼」が喜んでくれた思い出があったことと、テレビで見た少女の顔が、「彼」に出逢うまでの自分に重なって見え、その願いを叶えてみせたかったからだった。
89名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 14:37:16 ID:jSZOWyC3
>>85
はい、現在進行系です。
メル欄と間違えて、名前欄にサゲかいてしまいました。すいません。
また少ししてから投下する予定です。
90名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 14:45:32 ID:CEQ/Tv25
書き終えてから投下なさい。
91名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 14:54:11 ID:366EBBlp
ひぐらし皆殺し編鷹野ネタ投下します。
携帯から・若干グロ・エロ少ない短編なので苦手な人はIDNGにしてください。
92皆殺し編鷹野ネタ:2007/09/15(土) 14:55:32 ID:366EBBlp
「……ぅぐ、――か、はぁ……っ!」
月明かりの下、夜の神社という神聖な場所で、祭が始まろうとしていた。
素裸に剥かれ衆人に白い肌を晒されている少女の身体に鋭い刃物があてがわれ動くたび、
肌は赤く染まり、澄んだ空気に澱んだ臭いが混じり出す。
猿ぐつわによるものか、それとも少女の強靭な意志の力によるものなのか、
加えられる行為の惨さに反して苦痛の声は少なく、
その瞳は苦痛を与えてくる相手を――この私を睨み続けている。
「さすがね梨花ちゃん。自分から麻酔を拒んだだけのことはあるわ」
「…………っ」
『当たり前よ、私は何としてでもこの記憶を持っていかなきゃいけないのだからね』
少女の――梨花の目的はわからないが、私に楽しみを与えてくれたことは確かだ。
今夜起こる最初で最後の祭の始まりに相応しい…。
「くすくす。……それじゃあ、あなたの綿流しを始めるわよ」
「……がっ!――ふ、……っっ!!」
腹部を内部まで一気にかき開き、「綿」を引きずり出すと、さすがに梨花の身体は大きく震え、猿ぐつわから声と血を漏らした。
「……ふふ。綺麗よ梨花ちゃん。月の光と血の赤とでこんなに濡れて輝いて…」
「か、ふ……ひゅ……」
梨花の瞳の輝きが鈍くなる。顔色も白くなってきた。
……これでもうすぐオヤシロさまの生まれ変わりとやらもおしまい。あっけないものね。
ジロウさんも、こんな風に苦しんだのかしら…?
………………。馬鹿ね。私は神よ。神になってやるのよ。もう遅いの――!

一旦梨花から身を離し、衣服を脱ぎ捨てる。
山狗たちは指示通り遠巻きに見ている。
月明かりの下の私の裸身にゴクリと息を呑む音が聞こえた。
「あなた達はここで起きることをしっかり目に焼き付けなさい。これは神の儀式なんだから」
再び梨花の側に行くと、もう彼女の瞳はどこも見ていなかった。
ひゅー、ひゅー、と小刻みに震えながら息を漏らすだけ。
「私の勝ちね、梨花ちゃん。くすくす……」
ずりゅっ…。
小さな身体から「綿」を引き出し、血に染まったそれを身体に巻き付ける。
「うふふ、あったかい……」
梨花ちゃんの鋭い瞳。私を拒んだジロウさんの激しい瞳。おじいちゃんの優しい瞳…。
…今はもう、誰も「私」を見てはくれない。だって、ここにいるのは神だから。
93皆殺し編鷹野ネタ:2007/09/15(土) 14:59:15 ID:366EBBlp
私の身体が血に染まる。「綿」が身体を滑るたびにぬるぬるとした液が身体を濡らす。
そして、私の内部も熱く濡れて――。
ぐちゅ…っ。
「ああ……ん、ふふ……どうかしら梨花ちゃん。オヤシロさまの生まれ変わりの神聖なあなたの「綿」で、
私、こんなになってるのよ…?あふ、んんっ……」
赤く濡れた指を滑らせるたびに、これまで感じたことのない激しい快感が電流のように流れこんでくる。
きっとこれが、神の領域。
普通の人間ならこんなことで快感を得られたりしない。
私は、神。神になったのよ。これから私は神としての偉業を成し遂げるのよ――!

月明かりの下。
神聖な神社に響くのはオヤシロさまの生まれ変わりの虫の息と、
快楽に身を委ねる神の声と、
血と粘液の混じった淫らな音だけ。
これが私の祭り囃子――。?
94名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 15:03:49 ID:366EBBlp
以上です。エロ少なくてすまん
ラストに「?」が混入してるかもしれませんがおそらく文字化けですorz
wikiに入れる時はグロ注意表記つけて文字化けも直しておきます
95名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 15:34:14 ID:0wlyjl9X
最近みてなくて覗いてみたが作品が投下されているなww
まとめてで悪いけどぐっじょーぶ。

それと、なんかもめているようなので一言言わせてもらう
どんな良いスレでもそうだけど良い雰囲気だからこそ神職人さんは集うもんなんだぜ?
96名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 16:03:15 ID:xwbQTZWg
良い作品ありがとー
自分は文才無いので投下してくれるだけありがたいです!
97名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 16:21:20 ID:d7oJQMg5
懐かしき、スレを貫くSSの山。
黄金郷を目指す者よ、これを登りて鍵を探せ。

山を登れば、やがて里あり。
その里にて二人が口にし谷を探れ。
そこに黄金郷への鍵が眠る。

鍵を手にせし者は、以下に従いて黄金郷へ旅立つべし。

第一の晩に、住人の選びし六人をSSに捧げよ。
第二の晩に、残されし者は寄り添う二人を引き裂け。
第三の晩に、残されし者は誉れ高き我が名を讃えよ。
第四の晩に、魅音を抉りて殺せ。
第五の晩に、レナを抉りて殺せ。
第六の晩に、詩音を抉りて殺せ。
第七の晩に、沙都子を抉りて殺せ。
第八の晩に、梨花を抉りて殺せ。
第九の晩に、職人は蘇り、誰も生き残れはしない。
第十の晩に、旅は終わり、黄金の郷に至るだろう。

SS職人は賢者を讃え、四つの宝を授けるだろう。
一つは、未公開の全てのSS。
一つは、全ての死者の魂を蘇らせ。
一つは、失った愛すらも蘇らせる。
一つは、職人を永遠に眠りにつかせよう。

安らかに眠れ、我が最愛の職人****
98季節のなかで:2007/09/15(土) 16:34:10 ID:/ICLPQUe
身分を手に入れた後は簡単だった。
本来なら時間がかかるはずの審査会も、催眠術を使えば満場一致での結果であった。
『募集は村が勝手にやっていることですからな。』
と、最初は余計な事をしてくれたという顔の審査員が、
『こちらは問題ありません。海江田校長次第ですな。』
という結論を出した時には、知恵も苦笑を禁じえなかった。

翌日、知恵は雛見沢行きのバスに乗っていた。
審査会の後で海江田の連絡先を聞いて電話したところ、海江田は
「お志、ありがとうございます。お会いして結論を出したいと思います。」
と野太い声で返答したので、早速雛見沢へ行く運びになったのだ。
もうじき廃止になるという路線バスの中には、知恵の他にいかつい男が一人座っているだけであった。
年の頃は中年というところだろうか、纏っているスーツが筋肉ではちきれそうになっていた。
「村の方ではないようですが、雛見沢へはどのような用で?」
いつのまにか、通路を挟んだ向かいの席に男が座っていた。
こちらを見る目は鋭いが、深く、穏やかな光を湛えており、巌のような雰囲気がある。
「ええ、私は教師なんです。この村が教師を募集していると聞いたもので。」
「ほお、それはそれは。前の学校を辞められたのですか?」
「いえ、私は就職浪人でして、これまで教壇に立ったことはありません。」
心の中で、「遊びではありますが」と付け加えて、知恵は答えた。
すると、男は一言唸って腕を組んだ。
「そうですか。いえ、この村が教師を募集していると聞いて、これまでも貴女のような方が教師になりたいとやってきたことが何度かあるのですよ。」
そういえば審査員の誰かが、言っていた気がする。
審査会がOKサインを出しても、肝心の海江田校長が断った教師が何人もいると。
村が教師を渇望しているのに、肝心の校長が首を縦に振らないのだった。
不思議でならない。学校の存続に最も熱心なのは、教育委員会の勧告を幾度となく無視して残り続ける校長自身ではないか・・・。
「校長先生が断られたという話ですね。私もそれは聞いたことがあります。」
「ご存知でしたか。」
「教師を求めているのは校長先生自身なのに、不思議な話ですね。」
「ええ、確かに。しかし、私には海江田高校の考えがわかる気がします。」
男の雰囲気が変わった。
こちらを見る目に、相手をどれほどのものか見定めようとする光が宿ったことを、知恵は感じていた。
「雛見沢は、確かに教師を求めています。それこそ教師として来てくれる人がいれば、村中総出で歓迎するでしょう。」
「では、なぜ?」
「誰だって歓迎するということは、翻せば誰でも教師に成ることが出来るということです。たとえ、その資格がないとしても。」
知恵の背中に冷たいものが走った。
この男、私の正体を知っている?
「ああ、失礼。私のいう資格というのは『教師としての資格』ということです。教員免許などではない、人にものを教えるに足りる人物であるかということです。」
99名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 17:22:22 ID:Xp4/gkA1
こうしてぽつぽつ投下もあるし結構潤ってると思うんだけどな? ……このスレって。
飢えた連中が多いのか?


>>98
ひょっとしてこういうスレに来るのは初めての人?
あのね。90の人も言ってるけど、書きながらの投下は止めてください。
それやられると、いつから書き込んでいいか分からないから他の人に
迷惑だから。

適当なテキストファイルか何かで全部書き上げるか、きりのいいとこ
ろまで書き上げて、それから纏めて投下して欲しい。
文章そのものは悪くないから、続き期待している。
100季節のなかで:2007/09/15(土) 17:22:26 ID:/ICLPQUe
「教師の、資格?」
「ええ。教師になりたいがなれないという人物は数多くいます。それこそ、玉石混合です。本来資格はあるのに、発揮する機会がない者、そして」
一旦言葉を区切って、男は続けた。
「資格もないのに、発揮する機会を求めている者です。」
知恵はこの男の言いたいことを理解した。
この男は自分が雛見沢の教師に相応しい人物であるかを、見定めようとしているのだ。
「生徒の人生は、学校という場で大きく変わってきます。良い教師に巡り会えば、素晴らしい若者に成長するでしょうし、悪い教師に当たれば・・・。」
「はい、そのことはよくわかります。」
知恵のその返答を待っていたかのように、男は腕組みをやめ、その手を膝の上に置いた。
そして知恵に自らの顔を近づけて、尋ねた。

「では、問いましょう。教師とは、何か?」

知恵は目を閉じた。
教師とは何か?
本来教師ではない自分にわかるはずはないではないか!
それでも、この人の言いたいことはよくわかる。
ここならば簡単に教師になれると思うような人間に、自分の子供たちを任せたくないのだ。
だから、こうやって私を試しているのだ。
その気持ちには一点の曇りもない。
ならば私はどう答えることが出来るのだろうか。
教師でない、私には−。

「御免なさい。私、本当は教師じゃないんです。」
答えは簡単だった。こんなに全力で向かってくる人に、嘘は付けない。
「彼」も嘘が嫌いな人だった。
もし「彼」がそこにいたならば、『しょうがないよ、先輩』と正直な知恵を求めるだろう。
「どういうことですか?」
意外な返答にも、男は眉ひとつ動かさなかった。
ただ、こちらの真意を測ろうと、眼光が一層鋭くなった。
「色々と誤魔化して、教師になったんです。悪いことは、出来ないものですね・・・。」
「なぜ、教師に?」
「雛見沢を守りたかったからです。」
「・・・失礼ですが、貴女はこの村と何の関係もない方だ。その貴女が、何故、こんな博打のような真似を。」
「あはは、それはですね。」


大好きな人の愛した風景を守りたかったから


しばらくの間、沈黙が流れた。
ガタゴトというバスの立てる音のみが社内に響く。
「ははは、ははははは!」
沈黙を破ったのは男のほうだった。
心底、嬉しそうな顔をして笑っている。
「好きな男が愛した風景を守るため、そのためだけにこんな危険な博打を打ったのですか!これは驚いた!」
「いけませんか。」
知恵の眼光が怒りに燃えた。
「彼」との思い出すら馬鹿にされたようで、目の前の男を視線で殺してしまいそうなほど、睨んだ。
その視線に気づき、男は笑うのを止めて知恵を見据える。
再びの沈黙は長くは続かなかった。
101季節のなかで:2007/09/15(土) 17:47:08 ID:/ICLPQUe
「気に入りましたよ。」
男の言葉に、知恵は目を丸くした。てっきり罵倒の言葉でも浴びせられるかと思っていたのに、意外だった。
「貴女は正直で、そして胆の据わった人だ。十分に、教師の資格がある。」
「え、それって・・・。」
「ようこそ雛見沢へ、知恵先生。貴女を歓迎します。」
ふーっと、力が抜ける感覚がして、知恵は肩を落とした。
どうやら、この人は自分を認めてくれたようだった。
ふと、気がつくと、目の前の男が自分に握手を求めていた。
「こちらこそよろしくお願いします、海江田校長。」
しっかりと、その手を握った。
これはテストだったのだ。
なるほど、校長が断っていたというのはこのバスでやってくる人間を見定めていたからだったのか。
校長も人が悪い。しかし人間の奥底を見るためには、このような奇襲が有効なのだろう。
それでもこのような状況で自分が認められたということに対して、喜びがこみ上げてくるのだった。
「ああ、私は・・・。おっと、付いたようですよ。」
気が付くと、「雛見沢」と書かれたバス停がすぐ側にあった。
照れくさそうに男が先に降りる。そして知恵もタラップを下った。
6月というのに真夏のような日差しが、目を刺す。
「おお、知恵先生ですかな?お待ちしていましたよ!」
声がする方向に目を向けると、古びた待合所の中に、ほぼ丸坊主の巨漢がいた。
身長も2メートル近くあろうか、伸びた髭が印象的な中年男性だった。
「私が校長の海江田です、いや、雛見沢へようこそ!」
え?
ええ?
えええっ?
知恵の頭に疑問符が付く。
この人が校長?海江田校長?それでは、今まで話していた人は!?
「校長、この人はとても良い人ですよ。立派な『先生』だ。」
「おお、園崎さんがそういってくれるなら心強い!」
「その証拠に、今までやってきたモヤシどもは、バスの中から降りてこなかったでしょう?」
「ええ。これまでに来た方は、全てそのまま町へ行く便で帰ってしまいましたからなぁ・・・。」
園崎と呼ばれ、これまで私と話していた男性は、しれっと海江田校長と話すと知恵の方を向き
(私もニセモノなんですよ、校長の)
と囁いてから私の元を離れた。
だ、だまされた!
一瞬、何かをいってやろうと思ったが、止めた。
男が去っていった先には黒色のベンツがあり、その側に和服の女性と、元気そうな少女が並んでいたのだ。
「あんた、またでしゃばって。若い衆や葛西にでもさせればいいじゃないの。」
「悪い悪い、一足先に魅音達の先生ってやつを見てみたかったんだ。」
少女を抱えて、園崎さんは一瞬だけ私に振り向いて、ウインクをくれた。
「魅音、お前たちの先生は良い先生だぞ。詩音の先生もあんな先生だといいんだがな・・・。」
彼がベンツに乗り込んで去っていくまで、知恵はその姿を見送っていた。
彼が園崎組という暴力団の組長であり、町の顔役であることを知恵が知ったのはしばらく経ってのことだった。
102名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 18:18:29 ID:CEQ/Tv25
完全に無視かよ
103季節のなかで:2007/09/15(土) 18:25:08 ID:/ICLPQUe
「こんなことがあったんですよ、覚えていますか。」
昼食を終えて弁当箱を片付けてから、知恵は手にしたナイフに向けて語りかけた。
「彼」の形見の折りたたみナイフ。
木製の柄に織り込まれた名前も、受け取ったときからは大分薄くなり、少なくない年月が経っていることを嫌でも感じてしまう。
「本当にみんな良い子達で、見せてあげたいくらいです。でも、見せてしまったら私がつかまってしまいますね、あはは。」
ナイフを愛しそうに見つめて、知恵はため息を付いた。
自分が雛見沢の教師として認められた後、ダム建設計画は撤回され、「彼」の愛した風景は守られた。
その後、「オヤシロ様の祟り」と呼ばれる連続不審死・行方不明事件が発生したものの、村は平穏を保っている。
懸案だった自分の生徒、北条沙都子に対する村の人々の偏見も、生徒である前原圭一の活躍で払拭できた。
「でも、・・・君は居ないんですね。」
平和で、穏やかな雛見沢。
しかし、そこには最も大切な人が居ない。
最も、側にいてほしい人が居ない。
悲しくて、もう一度「彼」の名を呼び、形見のナイフに口付けた。
「彼」の唇を、匂いを、そそりたつあの分身を思い出し、何度も、強く吸う。
舌で転がし、優しく噛み、万感の思いを込めて息を吐く。
「ん、ん・・・。あぁ・・・。」
寝台の上で優しく、そして強く抱かれ、荒々しく貫かれた事を思い出し、没頭する。
「彼」との全ての夜が走馬灯のように駆け巡る。
足りないのは「彼」だけだった。
「くっ、う、うああぁぁぁ・・・。」
いつの間にか泣いていた。何度も、何度も、名前を呼び、泣いた。
どうして、「彼」だけが居ないのだろう。
そのことが悲しくて、泣いた。

「わたくしともあろうものが不覚ですわ、学校がえりで、こんな、罰ゲームなんて・・・。」
「仕方ないのです。ふぁいと、おーなのです☆」
「簡単に言ってくれますわね。知恵先生に、カレーのごにょごにょを言うことが、どれだけ大変か・・・!」

生徒の声だ。
知恵は涙を拭いて、ナイフを机の中に閉まった。
「彼」が愛した場所で、自分がが教師として教え、子供たちを育てる。
ああ、そうだ。彼はいなくても、この子供たちの父親なのだ。
雛見沢という種を蒔いたのは彼。耕し、育てるのは自分。
そして咲いたのが彼らという花なのだ。
ならば、自分は母親としての責務を果たそう・・・。

「子供を愛せぬ母はなし、そうでしたね、・・・君。」

いつまでもめぐる日々と季節。
この繰り返される季節の中で、自分と「彼」の育てた花は、どのように咲き誇るのだろうか。
知恵はもうじき開くであろう職員室の扉を見つめ、知恵は微笑みながら、花たちを待つのであった。

終わり



104名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 18:29:10 ID:/ICLPQUe
>>99
>>102
全部書いての投下をしましたので、返答が遅れてすいません。
私も書き込むのが始めてでしたので、テキストファイルに写すという方法があるとはわかりませんでした。
ご指摘ありがとうございます。

今回、「月姫」の設定を拝借して書き込みました。
中に少し「男塾」と題名に松山千春の「季節の中で」も拝借しています。
長文と乱文乱筆失礼しました。
105名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 18:39:27 ID:edVlOyu/
>>104
いい話だよ。
いい話だけど…


ちょっと月姫の匂いが強すぎないか?

もうひぐらしの固有名詞を外して月姫のスレ(もうなかったけ?) に投下した方がいいという位だよ
106名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 18:58:06 ID:wpl3/Oga
>>104
>>90>>99が言ってる意味本当に分かってるのか?
なんで注意されてからも投下の間隔がそれぞれ30分近くもあるんだよ…
107104:2007/09/15(土) 19:04:21 ID:jSZOWyC3
>>106
書き込み→戻る→書き込みで、気付かなかったのです。
直に書き込んでいたので、時間がかかりました。
終わってからいったん閉じて、また開けたら途中にあったので、気付いた次第です。
108名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 19:11:41 ID:WvY+l/ve
どうか嘆かないで。
世界があなたを許さなくても、私はあなたを許します。

どうか嘆かないで。
あなたが世界を許さなくても、私はあなたを許します。

だから教えてください。
あなたはどうしたら、エロSSを書いてくれますか?
109名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 19:22:12 ID:M9Y/4MOz
あなたの渇きを癒せない
エロSS欲するあなたがそれを認めないから

あなたの渇きを癒せない
あなたの期待するエロSSが存在しないから

それでもあなたの渇きを癒したい
あなたを砂漠に放り出したのは私なのだから


>>107
なるほど、そういうことか。
理由は分かった。納得した。

まあ、なんにしても次からは(ここでなくても)直に書き込むんじゃなくて、
あらかじめ用意したものをコピペしていってくれ。
……今回は月姫色が強いけど、今度またひぐらしかうみねこのネタでここに
来てくれると嬉しい。
110107:2007/09/15(土) 19:36:02 ID:jSZOWyC3
>>109
こちらこそルール知らずで申し訳ありません。
忠告ありがとうございました。
また、ルールを守り投下したいです。
111名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 20:10:29 ID:Jae+JA0x
>>110
GJ!あなたの文章、きれいで大好きです。
また書いてほしいのですよ
112名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 20:13:05 ID:zsiTEH3r
>>110
死ね!あなたの文章、開きすぎで大嫌いです。
二度と来ないでほしいのですよ
113名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 20:35:53 ID:iemehAZq
>>110
GJ
上手いな。また来てくれ
114名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 20:41:54 ID:YAOmNptn
>>110
gj!
次のssを楽しみにしてるぜ!!
115名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 21:02:34 ID:SoIL4pTG
>>110
ルール守るなら大歓迎。
文章はなかなか綺麗だし、知恵がシエルのパロキャラだってことを使うっていう着眼点もいいと思う。
だけどやっぱ月姫色が強くて、月姫知らない俺にはさっぱりだったわ。
ここはひぐらしスレだし、月姫知らない人とかへの配慮がもう少し欲しかったなあとオモタ
116110:2007/09/15(土) 23:02:07 ID:jSZOWyC3
皆さん、ご意見とご感想ありがとうございます。
月姫が好きな作品なんで、知恵先生を書いたのですが、ひぐらしという主題から外れてしまいました。
今度は純粋なひぐらしネタで行きたいと思いますので、是非ともご指導お願いします。
117名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 23:25:56 ID:KkHR2M9k
>>110  I LOVE YOU!
118名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 23:41:17 ID:CEQ/Tv25
次はエロ入れてね!
119名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 00:56:08 ID:l4xudNvB
>>116
SSを書きながら投下という最低のマナー違反、
エロなし月姫要素が入ったひぐらしファンのみの人間には話が分かりにくいSS。
正直言ってこれだけ痛い事をしておいて、また平然に投下しようとか厚かまし過ぎる。
120名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 01:15:50 ID:pRVJy5lq
>>119
誰だって最初は初めてだ。
自分なんて最初はずっとageっぱなしでSS投下してたぞ? 後で改めたけどさ。
それでもここの人達は広い心で受け入れてくれたからここで書いてるんだ。

今度から「マナーには気を付ける」「次は純粋なひぐらしのネタにする」って
言ってるのに、何を心の狭いこと言ってるんだ?

いつからそんな初心者に優しくないスレになったんだよここ?
そういうレス見る度にこっちも書く気が削がれてるから止めてくれないか?
確かにいつまでもマナーを学ばない人もいたけど、誰も彼もがそうとは限らない
だろうに……。
121圭一×魅詩:2007/09/16(日) 01:16:17 ID:omsb7Uj3
圭一×魅詩

エロあり・長編・携帯から

雛見沢大災害前の話

流れ読まずに投下します。
122圭一×魅詩:2007/09/16(日) 01:16:54 ID:omsb7Uj3
何故だ…何故?
誰か教えてくれ!
右に、魅音
左に、詩音
俺の腕に、くっついている。

二人の目が………怖い

「コラ〜〜〜詩音ん〜〜圭ちゃんから、離れなさいよ〜〜〜〜」

「お姉こそ、圭ちゃんから離れて下さい。
圭ちゃんは、私の彼氏なんですから。」
「なっな…なぁに言ってんのよ!圭ちゃんは、私の彼氏」

「ちょっ…ちょっと待てぃ〜〜〜〜お前ら、何時から、お前らの彼氏になったんだよぉ〜」

「今!」

流石、双子…綺麗にハモったよ…

じゃなくて…

「そもそも告白されてないぞ俺?」

「圭ちゃん?他に好きな人居るんですか?」

「ふぇ…圭ちゃん…居るの?レナ?沙都子?…梨花ちゃん???」

「違う…あいつらは、仲間だ。それ以上それ以下でもない。ただ……」

「ただ?なんですか?」

「……………俺は………2人とも……その……………好きなんだよ!」

絶対顔真っ赤だ。俺…


「あははっ簡単な事ですよ?私とお姉、2人と付き合えば良いんですよ?ねっお姉?」

「……………」

「お姉?嫌ですか?嫌なら、圭ちゃん私と付き合いましょう。お姉…圭ちゃんの事嫌いらしいですから…クックック」

「何言ってんのよ!嫌いなわけ無いでしょ!
好き…大好き」

「だったら、良いじゃないですか?2人と付き合えば楽ですよ?いざこざ無いですし…」

2人で、勝手に話しが進んでいるんですけど?

結局詩音の強引?なやり方で、俺と魅音詩音の三人で付き合うことに、なった。
良いのか?これで?
123圭一×魅詩:2007/09/16(日) 01:17:38 ID:omsb7Uj3
今日も、爽やかな日だ。
眩しいくらいの光に、目が覚めた。

トゥルルル…
トゥルルル…

今日親達は、恒例の東京に行っている。

「もしもし、前原です。」


「もしもし…圭ちゃん?おはようございます!詩音です。今日暇ですか?暇なら、そっちに、お姉と遊びに行って良いですか?」

「あぁ…暇だよ。親達も、居ないから来て良いぞ。昼飯作ってくれよ!
腹ぺこなんだよ。なっ?頼むよ。」

「たくっ…しょうがないですね。大好きな彼氏のためですから、腕によりをかけて、作りますよ。買い物してから向かいますね。」

2人と付き合うように、なって大変かなって思ったが、意外な事に、大変では無かった。
デートするにも、三人
学校から帰るにも、三人…
今までと、変わらない雰囲気で居心地良かった。
問題は……sexだ。
キスは、クリアした。

まさか…3P…?

いやいや…俺童貞
無理だろ。
どうしよう?

なるようになるしかないな。

今日チャンスだ!
2人だって…そのつもりだろうし?

クールになれ圭一
息子よ…ホットになれ

今宵決めるぞ!
124圭一×魅詩:2007/09/16(日) 01:18:20 ID:omsb7Uj3
ピンポーン
ピンポーン

「…………………えっと………その………」
ガチャン

ちょっと待て!
今の格好…
メイド?
何故?
クールになれ圭一

「ご主人様…ドアを開けて下さいませ。」
ぐはっ…ご主人様
レナ居なくて良かった。お持ちかぇり〜☆
されてたな。

「分かったから、その…ご主人様ってヤメロ!」
「ふぇ…だって…詩音がメイド姿で行けば圭ちゃん喜ぶって、言ったから…だから…恥ずかしいけど…勇気出して…来たの」

可愛い…女の子モードの魅音…反則だよ。

「はろろ〜ん圭ちゃん…どうですか?この格好…可愛いですか?」
クルッと回って、スカートの裾を掴んでお辞儀した。

可愛い…詩音…

因みに、お屋敷に居そうな、正統派メイド姿

俺幸せ者

「凄く似合ってるよ。可愛い…上がってくれ」


「早速料理作るよ。
おじさんと、詩音で美味しいもの作るからね。
圭ちゃんテレビでも、見ててね。」

おう!と返事して、テレビを見つつ2人の姿を見ていた。

魅音…部活の部長
男勝りだが、可愛いとこもある。
詩音…魅音と、性格は正反対だが明るく可愛い

2人を好きになるのは、あっという間だった。

二人同時と、付き合うとは思わなかった。
125圭一×魅詩:2007/09/16(日) 01:18:55 ID:omsb7Uj3
「圭ちゃん出来ましたよ。一杯食べて下さいね」

ぐはっ…
何だこの、精力増強メニューは…

スッボンの生き血
高麗人参
レバ刺し
うな丼
などなど

「圭ちゃん?今日は、2人と交わって貰いますからね。」
「圭ちゃん…ゴメンね…今日…私達を女にしてね。」

最初からそのつもりだったか…

はぁ〜

「分かった。全部食ってやる…これ、食べ終わったら…覚悟しろよ。
獣になってるからな。」

「楽しみにしてますよ〜生卵も飲んで下さいね」
どうなっても、知らんからな


だんだんと、俺の中の…tmtkが……

ここは、クールになれ圭一

「魅音詩音、風呂に入ってこい。」

「…分かったよ。お風呂入るよ。」

「違う!…ご主人様って言え!今日は、お前ら…メイドだろうがぁあああ」

「はい!申し訳ございません。ご主人様…」

Good-bye理性
カモンtmtk
126圭一×魅詩:2007/09/16(日) 01:22:11 ID:omsb7Uj3
あっはっはっはっは
今の俺は、百獣の王
否!
最強の称号【tmtk】
それすらを超えた
「ご主人様…お風呂から上がりました。いい湯有り難うございます。」
「よし!俺が風呂に入ってる間に部屋にいろ!
勿論メイド姿でだぁあああ」
「はい!ご主人様」
部屋に戻ると…
もじもじした、2人が、真っ赤にしながらいた。萌えるな
「さて、まずは、魅音から戴きます。」
「ご主人様…優しく……どうか…優しくしてくださいませ。」
「こっちに、来なさい。詩音は、オナニーしなさい。分かったかな?」
「はい!ご主人様………後で、私も優しく…して下さい。」

俺童貞なのに…キャラ変わってる。

しかぁし俺の中に、伝説の【tmtk】がいる。

イケる

唇にフレンチキッス
離してディープキッス
舌を絡ませていく………
びちゃ…ちゅる……びちゃびちゃ…
唾液の音が響き渡る
「んっ…ふぇ………うっっ………はぁぁあ……」
少しずつ、息が上がってきた。
柔らかい唇を貪る
舌を舐め回す
耳に息を吹きかける
「けい……ちゃ…………んんん…気持ちいい……ふぁあぁ…」
俺も、夢中に貪る
長く感じたキスだった。
魅音の豊満な胸を触った柔らけぇ〜〜〜〜
メイドの服を脱がしながら可愛らしい白のブラとショーツが露わになった。(靴下は脱がしてない)
少し緊張気味の魅音を安心させるために、抱きしめた。
「魅音…好きだ。今抱きしめているだけでも、幸せだよ。優しくするからな…」
「圭ちゃん…うっ…有り難う…嬉しいよ。…私も大好きだよ。」
キスをして、魅音のショーツに手を伸ばした……かすかだが、湿っているブラを取りピンク色で、かぁいい胸が露わに…

俺のtmtkが反りたった。乳首を舐め、ショーツを脱がし、生まれたままの魅音が…みおんがぁあああ

我慢…無理です。
限界だ。

tmtkを魅音の秘所にあてがいゆっくり、沈めた
127圭一×魅詩:2007/09/16(日) 01:22:51 ID:omsb7Uj3
「痛い…けい………圭ちゃん……痛いよ…うっっ」

そのまま、処女膜を打ち破った。

「〜〜〜〜〜〜んっああぁぁあ…くっ…痛い」

「大丈夫?少しこのままでいるからな。」
優しく…抱きしめた。

「圭ちゃん…動いていいよ。いっぱい…愛して。」

腰を動かした。
好きな魅音の奥深くに…
「んっああぁぁあ…ふぁあぁ…圭ちゃん……ひゃああぁぁ…」

俺は、絶頂迎えた
魅音の胸には、分身が散らばった…
「魅音…はぁはぁ…気持ち良かったよ。有り難うな」

さて、詩音はどうしたかな?

「圭ちゃん……私を……はや…く……んっああぁだい……て…くだ…さい…」
何回も果てた詩音が、欲しがる目で訴えていた。
次は詩音だ……
128圭一×魅詩:2007/09/16(日) 01:24:10 ID:omsb7Uj3
すでに、準備OKだった
詩音は、すぐにでも欲しがっていた。

例の精力増強メニューを食べていた俺は、迷うことなく、挿入した。

「んっ…あっ……ひゃん……痛いですね。…でも…気持ち良いです。」

構わず腰を降り続けた。止まらない…気持ち良すぎだ!

妖艶な目をする詩音……自然に腰の動きが早くなる。

「ぅああぁぁあ…圭ちゃん………あん…激しい……………んっああぁ……イク……ああぁあぁぁぁ」
「詩音………好きだ!……俺………も……ダメッうぁあああぁ」
詩音の中に果てた。
魅音と詩音ぐったりして、俺を見つめていた。

「有り難う圭ちゃん。
嬉しいよ。大好き…」
チュッ
「圭ちゃん私も大好きですよ。」
チュッ

美少女双子からほっぺにチュッ

tmtkが、収まらない

「次は、下に魅音上に詩音レズプレイしろ!
命令だ。」

「はい!ご主人様」
慣れた?ように、下を絡ませレズプレイを開始した。

「詩音……んっああぁ…そこ…ダメぇええぇ………ふぇ……ふわぁああ……」

「お姉…胸は……よわ……い…うんっ…ひゃん……」

俺は、重なっている二人の後ろに、周り詩音の秘所に挿入した……

「圭ちゃん?……んっああぁ………また……イクっ……」

何回言ったか分からないぐらいセックスを楽しんだ。
129圭一×魅詩:2007/09/16(日) 01:25:27 ID:omsb7Uj3
俺は、幸せだった。
大好きで大好きで愛おしい魅音と詩音

そして別れは、突然だった。


俺は、親父の親が亡くなったということで、葬式に出るために、雛見沢を3日離れた。

無事に、葬式が終わりテレビを見ていたらニュース速報が流れた。

【××県雛見沢市に、原因不明のガス災害。】

頭が真っ白になった。
何かの間違いだ。
何故?
なぜ?
ナゼ?

うわぁああぁああああ




あれから、20年
雛見沢は、ずっと立ち入り禁止になっていた。

最近になって、中に入れるようになった。


「魅音、詩音…元気か?俺も、すっかりおじさんだよ。はは……今でも、あの時の事、思い出すよ。どうか、天国で幸せになれよ。ちょっと変だな俺も何時か、そっちに行くからその時は、付き合うな……また来るよ」


空を見上げれば、昔と同じ景色同じ空気が感じられた。

あの時の、思い出を心に閉まって一歩歩き出す。
【有り難う圭ちゃん】

振り返れば、風が吹いていた。

それは、2人の体温みたいに温かい風だった。



END
130圭一×魅詩:2007/09/16(日) 01:26:03 ID:omsb7Uj3
中途半端に長かったですね。

ssって難しいですね

これからも、勉強です。

読んでくれた方々有り難う
131名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 01:57:56 ID:jWOwmOwV
>>130
GJ
よかったけど
句読点が気になるからがんばってちょーだい
誤字も確認を。


結局投下が一番平和になる気がするなぁ

あと保管庫もGJ
132名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 02:11:16 ID:A436nLo5
>>131
なんかそれも喧嘩したカップルがSEXで仲直り的なイメージあってヤだけどなwww
平和になるならなんでもいいか。

>>130
GJです。この三人で付き合うのは案外いい感じかも。
詩音が上手に魅音の可愛さを引き出したりしたらえらいことですよ。
133名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 02:40:30 ID:ewmyG7bn
潤ってきたな
イイヨイイヨー
134名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 08:50:01 ID:LzdIzuQA
>>130
tmtkー!!
GJ!
こんな雰囲気のなか、書いてくれてありがとう
大好きよ
135「魔女の娘」うみねこ金蔵×夏妃:2007/09/16(日) 11:05:02 ID:Kb4YnXze
うみねこ金蔵×夏妃、投下行きます。予定レス数8〜9。
NGの方は名前欄「魔女の娘」を登録してください。
136「魔女の娘」1/8:2007/09/16(日) 11:07:16 ID:Kb4YnXze
右代宮ノ血ヲ継グ子ガ、喉カラ手ガ出ルホド欲シカッタ……!



 その夜、島は季節外れの嵐に襲われていた。
 窓の外で荒れ狂う風雨に目をやり、これでは蔵臼は戻れんな、と金蔵は思う。一昨日、
蔵臼は新しい事業のための打ち合わせだといって、東京に出て行った。戻りは今日の予
定だったが、この嵐では飛行機も飛ばないし船も出せない。滞在を延期するよりなかろ
う。それは仕方のないことだが、その一夜のために浪費される金額を思うと、金蔵は苛
立ちが納まらない。
 長男の蔵臼は、我が子とも思えぬほど愚かで、金の使い方というものをまるで理解し
ていない。翌年の十億のために一億を賭けることを金蔵は愚かとは思わないが、蔵臼は
足元の一億を拾い集めることに夢中で、目の前の二億に気付かないような男だ。そして
一億を手に入れるために、二億を落としていることにも気付かない。
 今夜もきっと蔵臼は、成功するはずもない事業のために、その協力者を名乗る詐欺師
まがいの連中をせっせともてなし、そのために金をばら撒いているのだろう。これを浪
費と言わず何と言う。
 金蔵はなんとか苛立ちを抑えようと、妖しい緑色の酒を何杯か呷ったが、一向に気分
は晴れなかった。窓の外の嵐も、金蔵の心の嵐も、まだ去りそうにない。
 そこに、ノックの音がした。重いドアを叩く音は弱々しく、だが何か思いつめた気配
をさせていた。
 こんな風にドアを叩くのは、使用人たちではないだろう。源次はもっと落ち着いたノッ
クでこの部屋を訪れるし、熊沢のそれはノックですら軽快で陽気だ。
 となると、こんな音を立ててドアを叩くのは一人しかいない。
「……入れ」
「夜分遅くに失礼いたします、お義父様」
 金蔵の予想通り、ドアを開けたのは夏妃だった。気配で察したとおりの、何か思い詰
めた顔をして唇を噛んでいる。
 何かあったのか、と心配するぐらいの慈悲が、まだこの頃の金蔵にはあった。金蔵が
魔術に傾倒し、世捨て人のようになって部屋に篭るようになったは、これから数年後の
ことである。
137「魔女の娘」2/8:2007/09/16(日) 11:09:14 ID:Kb4YnXze
 だが、慈悲の言葉より先に金蔵の口をついて出たのは叱責だった。
「義理の父とは言え、夫以外の男の前にそのような姿で現れるとは……恥を知れ!」
 怒鳴られた夏妃の顔が朱に染まる。
 夏妃が着ているのは、薄い夜着が一枚きりで、ガウンすら羽織っていない。体の線が
透けて見えるどころか、下着をつけていない胸の先端の尖りすらわかる。三十を越えた
ばかりの熟れた女の体が、ほとんど露になっているようなものだ。
「夫以外の男の部屋を、夜に訪ねるというだけでもけしからん! その上その姿……仮
にもお前は右代宮の長子の妻であろうが! それを……ッ!!」
 その後は言葉にすらならず、金蔵は右手を振り上げた。思い切り殴るつもりでいた。
 だが、その手を下ろすよりも夏妃の言葉の方が早かった。
「お願いがございます」
 意外なほど落ち着いた声に気圧されたのかもしれない。金蔵は手を振り上げた形のま
ま、夏妃の次の言葉を待った。
「……お……お情けを……頂きたく……」
「情け……だと?」
「はい……お義父さまのお情けを頂きたく、こうして参りました」
 その意味をすぐには理解できず、困惑する金蔵の前に、夏妃は跪き、いや額を床に摩
り付けんばかりにして懇願する。
「欲しいのです……私は何としてでも、子が欲しいのです……!」
 情け、とはそういう意味か。その望みは、昭和の怪物と言われた金蔵をすら呆然とさ
せた。
「お義父さまの血を継ぐ子を……この右代宮の血を継ぐ子を、私に授けてくださいませ……!」
「く、蔵臼の子でなくても良いと言うのかッ?」
「あの人との間に子が望めるならそういたしました! ですがこの十二年、私には懐妊の
兆しもなく、あの人が余所の女との間に子を成すこともなかった」
 そこで夏妃は、一瞬息を詰め、それから呻くように吐き出した。
「――あの人にはおそらく、その力がないのです」
138「魔女の娘」3/8:2007/09/16(日) 11:11:24 ID:Kb4YnXze
 それは金蔵も薄々勘付いていたことだった。夏妃は何度か不妊治療のために専門医の
検査を受けている。その結果はいつも「問題なし」。問題があるとすれば、蔵臼の方に
だった。
 だが、蔵臼が検査を受けに行くことはなかった。その気持ちは金蔵にもわからないで
もない。検査の結果、不能と宣告されることは男としてのプライドも苦しいだろうし、
何より跡継ぎを遺せないとなれば右代宮の後継者の資格を失うことになる。
 だから蔵臼は、子が欲しい欲しいと喚きながらも、その原因を調べようともせず、ただ
ただ孕まぬ夏妃をなじり続けるだけだった。
 それが夏妃をここまで追い詰めてしまったか。金蔵は床に伏したままの夏妃を、半ば
憐れむように見下ろした。
 生家には戻れぬ女だった。何としてでも蔵臼の子を産み、妻としての大役を果たさねば、
行くあてすらない女だった。
 子を授からぬことで、絵羽に随分と虐げられていることも知っている。絵羽が譲司を
産んだ後は更にそれが激しくなり、本来ならその盾となるべき蔵臼にも責められている
のも知っている。
 だが、だからと言って、血が繋がらぬとは言え父と呼ぶ男に抱かれ、子を成そうとす
るなど――
 狂っている。夏妃は狂ってしまったのだ。金蔵は本気でそう思った。可哀想なことを
した。あの愚かな息子には過ぎた妻だったというのに、とうとう狂ってしまった。
 お願いですお願いですお願いです……沈黙に耐えかねたかのように、夏妃はさっきから
そればかり繰り返している。お願いですお願いですお願いです。狂女の懇願が延々と
続いている。お願いですお願いですお願いですお願いですお願いです。
 ともかく、部屋に戻そう。今日は薬を飲ませてでも眠らせて、嵐が落ち着いたら医者
に見てもらおう。心の内でそう決めて、源次を呼ぶために、金蔵が電話に向かおうとした、
その時だった。
「――お義父さま」
 夏妃の白い手が、金蔵の足首を掴んで引き止めた。
「お願いです……!」
139「魔女の娘」4/8:2007/09/16(日) 11:13:44 ID:Kb4YnXze
 その時、金蔵は振り返るべきではなかった。夏妃の手を振り払い、源次の控える部屋
に電話をかけて、さっき思ったとおりにするべきだった。
 だが、金蔵は見てしまった。懇願する夏妃の顔を。

 その目を。

 狂った目だ。まともな人間の目ではない。人の理から外れた目だ。人の枷を外れた――
これは、魔女の目だ。
「……ベアトリーチェ」
 己が思わず漏らした言葉に、金蔵は愕然とし、そして確信した。
 ベアトリーチェだ。これはベアトリーチェの目だ。魔女が夏妃の体を借りて、己のと
ころへやってきたのだ。
 だとすれば、これは夏妃の意思ではなく、黄金の魔女の呪いだ。
 このまま蔵臼と夏妃が子を得なければ、最初の男子である譲司が右代宮の家を継ぐこ
とになるだろう。他に選択肢がないのだから、争いようもなく跡継ぎは決まる。
 だがここで、夏妃が子を孕んだら? 跡継ぎの子を産んだなら? 留弗夫の妻にも妊娠の
兆候があると言う。
 己の寿命が尽きる頃には、三つ巴の後継者争いが起こるのだろうか。いや、その頃には
楼座が子を得ているとしたら、勢力は四つになる。それがどんな醜い争いになるのか、
想像するのは簡単だった。
 それが望みか、ベアトリーチェ。それがお前の望む返済なのか、ベアトリーチェ!
金蔵は夏妃の目に宿るベアトリーチェに問い掛ける。もちろん、答えがあるはずもない。
 金蔵はふらふらと後ずさり、椅子にぶつかって、そのまま倒れこむように腰を降ろした。
「お、お義父さま……」
 夏妃が慌てて駆け寄る。金蔵が怒りと驚きで、何か発作でも起こしたのではないかと
思ったようだ。
 金蔵は心配ないと首を振り、すぐ傍まで顔を近付けていた夏妃の髪をそっと撫でる。
140「魔女の娘」5/8:2007/09/16(日) 11:16:44 ID:Kb4YnXze
「ベアトリーチェ……」
 金蔵はもう一度、愛しい魔女の名を呼んだ。
 ここにいるのは魔女だ。黒い髪こそしているが、これはあの黄金の魔女の化身だ。
「夏妃。お前は今夜、ここには来なかった」
「……はい」
「ここに来たのはお前ではない。ここにいるのはお前ではない」
「はい」
「わしが抱くのはお前ではなく、ベアトリーチェだ。お前に子を授けるのもわしではない。
ベアトリーチェだ」
 夏妃がこくりと、幼女のように頷いた。
 ベアトリーチェよ、これで良いのだな? ベアトリーチェ。我が愛しの魔女よ。

 夏妃が、おずおずと金蔵のガウンの前を開ける。取り出した金蔵のものには、まだ力が
ない。それを口に含むことを、夏妃は厭わなかった。口に含み、たっぷりと唾液をまぶ
して下から上へと舐め上げる。その間、手は後ろのふくらみをやわやわと揉む。慣れて
いるのは、そうやって蔵臼に奉仕していたからだろうか。蔵臼が教え込んだのだろうか。
 そう思うと、妙な嫉妬が金蔵の心に沸いた。これは夏妃だ。だが、金蔵の愛した魔女で
もある。その魔女に、自分の息子がこんな淫らなことを教え込み、毎夜毎晩奉仕させて
いた。そのことに怒りを覚えた。
 怒りが腰を熱くした。何年かぶりの硬さと熱さを伴って勃ち上がった己のものを、
金蔵は思い切り夏妃の喉に押し付けた。むせて逃れようとするのを、頭を掴んで離さない。
夫である蔵臼すら触れたところのない場所に、己を叩きつけたかった。
 夏妃がくぐもった悲鳴を上げる。唾液がぐちゃぐちゃと卑猥な音を立てる。唾液と
先走りの混じったものが口の端から溢れて、夏妃の端整な顔を汚す。
 そのまま喉奥に注いで、一滴残らず飲ませてやりたい。口から溢れた分は指ですくって
舐め取らせ、床にこぼれた分があったら、それさえも蹲って舐めろと命じたい――
その願望を成就させるのを、金蔵はすんでのところで堪えた。それは魔女の望みではない。
 頭を離してやると、夏妃は小さく咳き込みながらその場に崩れた。余程苦しかったのだ
ろう。抗う力もないところを、脚の付け根に手を伸ばす。
 そこは既に熱く潤っていた。金蔵はまた苛立つ。男に奉仕するだけで、こんなになるように仕込まれてしまっているのか。
141「魔女の娘」6/7:2007/09/16(日) 11:19:41 ID:Kb4YnXze
 いきなり指を差し込んでも、熱くぬめる沼は何の抵抗もなく、金蔵の指を容易く飲み
込んだ。ああ、と金蔵が聞いたこともないような、蕩けるような吐息を夏妃が漏らすのも
気に入らない。そんな声を毎晩蔵臼に聞かせていたのか。
 豊かな胸は仰向けになっても、その美しい曲線を崩さない。そのくせ、うっすらと
脂肪の乗った体はどこに触れてもやわらかく、若い女とは違って全身で男の欲望を受け
止めてくれる。
「蔵臼はいつもどうするのだ?」
 耳元でそう訊いてやると、羞恥で夏妃の顔から首筋までが真っ赤に染まった。
「嫌……そんなことは訊かないでください……」
「耳も弱いのか? 首もか? 蔵臼はいつもそこをどうしてくれるのだ?」
「嫌……嫌……」
 力なく首を振るのを、甘やかな暴力でおとなしくさせる。耳に息を吹きかけると背筋を
震わせ、首筋に唇を落とすとぎゅっとシーツを掴んで堪えた。鎖骨の窪みに舌を這わせる
と、か細い声を上げる。脇腹も太腿も弱いようだった。体のどこにでも、触れられる度に
夏妃の花は露を溢れさせ、蜜をこぼす。きっと、どこもかしこも蔵臼がそういうふうに
してしまったのだ。この愛しい魔女の体を。
 今度こそ、怒りの限界だった。
 何も言わず、いきなり突き入れた。予想もできなかった衝撃に、夏妃が声もなく震える。
花弁が震える感触があった。軽く達したのだろうか。
 空いた手で朱鷺色の乳首を嬲ると、白い体がびくんと跳ねた。達したばかりで敏感な
体に、立て続けに刺激を与えられては苦しいだろう。喘ぎは少し悲鳴に似ている。
 それでも許さなかった。たった一夜の魔女との逢瀬だ。これほどまでに愛していると
いうのに、二度と睦み逢うことのない魔女との逢瀬だ。明日の朝には息子の妻へと戻って
しまう女を、金蔵はきつく抱きしめた。
「ベアトリーチェ、ベアトリーチェ……!」
 うわごとのように繰り返しながら、金蔵は己の腰を強くうちつける。
 二度とないのなら、この一夜を深く深く、消えない刻印として魔女の中に刻み込める
ように。これから何度蔵臼に抱かれようと、その度に己との一夜を思い出すように。
 ベアトリーチェ。愛しの魔女の名を呼ぶ声が上擦る。限界が近い。夏妃の長い脚が
金蔵の腰に絡む。もっと深く、もっと奥に注ぎ込んでと誘うように。
「ベアトリーチェ――!」
 一際大きな呼び声と共に、金蔵は己の欲情の全てを夏妃の奥へと注ぎ込んだ。
 引き抜いた後、溢れ出したそれが夏妃の太股を汚していた光景が、金蔵の記憶から離れない。
142「魔女の娘」7/7:2007/09/16(日) 11:21:14 ID:Kb4YnXze
 しばらくして、体の不調を医者に診てもらった夏妃は、待望の懐妊を告げられた。
 その子の父は金蔵なのだろうか。それとも蔵臼なのだろうか。それはたぶん夏妃にもわからない。「あの夜の後、夏妃は懐妊した」。それだけが事実だ。
 だが半年後、だいぶ大きくなったお腹を撫でながら、夏妃がこう言っていたのを源次が聞いている。
「この子はきっと女の子です」
 その目は母になる者特有のやさしさに満ち溢れていたが、なぜかそれが自分にはおそろしかった、と後になって金蔵は源次から聞かされた。
「この子は、魔女様の思し召しで授かったのですから。魔女になれるのは女だけ――だからきっと、この子も女に違いありません」
 あれは母でありながら、魔女の目でした。源次にそう言われ、金蔵は瞑目し、心の中でこう問うた。
 愛しき魔女、ベアトリーチェよ。これでお前の願いは叶ったのか、と。


end(7レスでおさまっちゃいました。計算ミス失礼)
143名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 11:36:09 ID:qQdMEn4d
>>142
うおおお〜〜っ!!
夏妃さんエロいっ!! エロ過ぎるううぅぅっ!!
倒錯したエロさとかアダルト特有のエロさが堪らない。GJ。
144名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 11:51:28 ID:0aqLglxv
>>142
GJいいもん読ませてもらった
145名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 12:05:48 ID:+6QadTNP
GGGGJJJJ!!!!!夏妃さんエロ過ぎる!文章の雰囲気も素晴らしかった。
・・・ろくな感想を言えないが賞賛の声だけは伝えたいんだぜ。
146名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 13:17:35 ID:tH65C1hp
これはいい…!
金蔵の心理描写がすげえリアルで本編でも本当にありそうで/ヽァ/ヽァした
これ読んだ後に本編の片翼のエピソードを見ると感慨深いな
147名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 13:18:17 ID:IwkdkzBg
>>130
イチロー?
148名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 14:24:24 ID:pbCNJh/D
>>147
イチローだとしたら前回より上達したということだな
149名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 15:30:26 ID:IwkdkzBg
>>148
ん〜そうか?w
個人的には、いつもKだからたまには羽入と梨花あたりも見てみたいところだ

150名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 15:47:42 ID:XgDkfyFS
>>142
GJだぜw
だんだん流れが良くなってきたぜw
151名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 17:00:02 ID:cUp8OVey
圭一×魅音のスカトロファックって需要ある?
152名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 17:01:08 ID:gtlkXd43
あるあるあるある
153名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 17:33:37 ID:x2Sl4cll
いや、ないな
154名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 17:47:55 ID:+6QadTNP
普通のなら。圭魅は最近少なめだしな。
155名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 18:09:12 ID:mo/I0Glf
圭詩の勢いに流されて圭魅が全然なくなってたなw
やっぱり魅音はなんでも詩音に取られるのかw
156名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 18:55:50 ID:35Qflt5c
魅音は多いだろ
少ないのはレナサトコ梨花鷹野知恵
157大逆転!!―皆殺し編― ◆CRIUZyjmw6 :2007/09/16(日) 19:53:20 ID:1QNuI8mb
えーと、大逆転!!―皆殺し編―の続き投下します。
ボリューム少ないので詩音パートまでいきます。
予定消費レス数は4です。

【前回あらすじ】

抵抗虚しく、山狗達に囚われとなった部活メンバー。
圭一の目の前で、鷹野はヒロイン達を陵辱するように山狗にそそのかす。
獣欲に染まってヒロインを襲う山狗の前に、圭一の怒りが爆発する。

「お前ら、そんなヌルいことで陵辱なんて言ってんじゃねぇぇ〜っ!!」

レナを題材にもっとも燃える陵辱パターンを解説する圭一。
そして、彼の説明に歓声を上げる山狗達。
「じゃ、……じゃあ、このポニーテールの娘はどうするんで?」
「魅音か……? そうだな……魅音は――」
「け、……圭ちゃん?」
そして今、圭一による魅音の陵辱講座が展開される。
158大逆転!!―皆殺し編― ◆CRIUZyjmw6 :2007/09/16(日) 19:55:02 ID:1QNuI8mb
俺が魅音の前に立つと、魅音は怯えた表情を浮かべた。
「ああっ! いやっ! やだっ! やめてよおおっ!」
魅音の叫びに酔いしれながら、俺は魅音の上着を破いていく。
ブチブチとボタンが飛び散り、その大きな胸がこぼれ落ちた。
羞恥心に魅音は顔を真っ赤にさせ俯く。腕は背中に回して拘束しているので、胸を隠すことは出来ない。
「やだ……やだっ! 見ないで……見ないでよ」
しかし俺は魅音の声を無視してブラジャーを剥ぎ取る。
白く、たわわに実った双丘が露出する。
「くっくっくっくっ。……こんな立派な乳しておいて、見るなって言われてもそれは無理な相談だなあ」
「うっ……くっ…………ううぅ」
俺は魅音の胸を鷲掴みにし、乱暴に揉みしだく。
どこまでも柔らかいその感触が心地いい。ボリュームのある魅音の胸は実に揉み甲斐があるなあ。
「や……いやっ! そんな……強すぎるっ! お願い……お願いだからもっと優しく……」
「へえ? ……その割には感じてるんじゃないのか? 乳首もこんなに固く尖らせてるぜ?」
俺の手のひらから、コリコリとした感触が伝わってくる。
「そっ!? ……そんなわけ……ない。そんなわけないもの。…………はぁ……はぁっ」
自信なさげに呻きながら、魅音が内股を擦り合わせるのを俺は見逃さない。
にやりと俺は笑みを浮かべた。
「きゃああっ!?」
俺は魅音のスカートの中に手を突っ込み、そしてパンティの脇から魅音の秘部へと手を伸ばし…………もぞもぞとまさぐった。
恥毛を掻き分け、ぷりぷりした割れ目を指で丹念になぞる。
擦りあげる度に、魅音は身悶えた。
「んんっ……んっ……ふぅっ……」
俺は魅音のくぐもった声を聞きながら……ときに強く、そしてときには甘く、魅音の秘部を愛撫し続けていく。
懸命に声を押し殺そうとするものの、それも長く続くはずもない。
「や……はっ……ああっ」
魅音の口から甘い吐息が漏れ、俺はにやりと笑みを浮かべた。
「んん〜? じゃあ、お前の下の口から溢れるこれはなにかなあ?」
「そ……それは……その……」
「……お前はこんな状況で濡らす変態女なんだよお〜? ぐっひゃっひゃっひゃっひゃっ!!」
もじもじと身悶えする魅音にそう告げてやると、彼女はぽろぽろと涙をこぼした。あー、この表情がいいぜ魅音。実にそそる。
159大逆転!!―皆殺し編― ◆CRIUZyjmw6 :2007/09/16(日) 19:56:55 ID:1QNuI8mb
「じゃあ……いくぜ?」
「い……いくって……?」
怯えた瞳を浮かべる魅音に、俺はにやりと笑いながら告げてやる。
「決まってるだろ? お前のこの濡れ濡れになったお***に俺の***をブチ込んでやるんだよおおおぉぉぉっ!!」
「や……嫌ああああぁぁぁっ!!」
暴れる魅音に覆い被さり、俺は魅音の膣内に怒張を埋め込んでいく。
「あっ……ふぅ……んんんっ!! あああぁぁっ!!」
ずぷずぷと、心地よい抵抗感と共に軟らかい肉の感触が俺のものに絡み付いてくる。くはははは……この感覚、やはり何度味わっても堪らねぇぜ。
「あっ……んあっ…………くぅんんんっ!!」
俺の下で魅音が目を瞑り、唇を噛み締めながらも甘い呻き声を漏らしてくる。
俺が腰を振るたびに、敏感に魅音の体が震える。くくく……いい反応だ。体は正直ってやつだなぁ〜〜魅音〜〜っ?
更に、俺は魅音の乳房に手を置き、そしてその乳首に吸い付く。
「ひゃっ……あぅぅうっ!?」
おお〜〜っ!? やっぱり魅音の乳は最高だぜっ!!
たっぷりとしたボリューム、柔らかさ、滑らかな肌触り……どれをとっても一級品だっ!!
「やっ……だぁっ! そんな激しく……吸わないで……えっ!」
「馬鹿言え、これでやめろって言われてやめられる男がいるわけねぇだろ? こうなったらとことんまで犯りつくしてやるぜえっ!」
「い……いや、いやあ…………はっ……あんっ……んんっ!」
魅音の甘い呻き声をBGMに、俺は心ゆくまで魅音の膣内を俺のもので掻き回し、そして体を貪る。
そのあまりの気持ちよさに、俺が達するのもほとんど時間を必要としなかった。
「うくっ……イク……イクぜ魅音? しっかりと受け止めろよっ!?」
「いやっ……あああああああぁぁぁぁぁ〜〜っ!?」
歓喜に身を震わせながら、俺は魅音の膣内へと欲望を吐き出した。




「――と、いう感じか? M属性があれば、言葉攻め等で羞恥心を最大限まで高め、そして性的興奮に抗えないようにするまで墜としていくわけだ」
『おおおおおおおおおぉぉぉぉぉっ!!』
俺が説明を終えると、山狗達は歓声をあげた。
よーしよし、覚えのいい奴らだ。
「じゃ、……じゃあ、今度はこの気の強そうなのは?」
「詩音か……? そうだな……詩音は――」
「け、……圭ちゃん?」
俺が下卑た嗤い声をあげると、詩音から血の気が引いた。
160大逆転!!―皆殺し編― ◆CRIUZyjmw6 :2007/09/16(日) 19:58:17 ID:1QNuI8mb

「……うぅ……このっ……。殺してやる……殺してやるぅ……ううっ」
嗚咽混じりにポロポロと涙を流しながらも、詩音は悪態を吐くのをやめようとはしなかった。
後ろ手に腕を拘束されたこの状況では、それぐらいしか抵抗する方法が無いものな……。
無駄だというのに……。
「くっくっくっくっ……。いい目だ……隙あらば噛み殺さんといわんばかりのその鋭い目が堪らねぇぜ」
「ぐぅ……うううぅ」
ロクに濡れてもいない処女穴へと無理矢理挿入したんだ。痛くて堪らないはずだというのに……この活きの良さというのは、堪らねぇなあ。
にたにたと嗤いながら、俺は詩音の乳首を捻りあげる。
「うあああああぁぁぁぁぁぁっ!?」
固く……それでいてどこか甘く尖った詩音の乳首を引っ張ると、詩音の豊かに育った乳房も踊る。
「ひゃはははは。すげぇ締め付けだな。俺のものが千切れそうだぜ。乳首つままれて***締めるってどういう体してるんだよ? ……じゃあ、これは…………どうだっ!?」
パァン
「あうっ」
乾いた音を立てて、俺は詩音の頬を平手打ちした。
「くっくっくっ……面白えなあ……また締め付けてきやがった」
「ううっ……ぐっ……ううう……この……ど畜生が……くっ……うっ」
ぎちぎちに締め付ける蜜穴も最高だが、それだけじゃない。ボリュームあるその肉も最高だ。
たっぷりとした詩音の乳房を鷲掴みにしたまま、揉みしだいていく。むっちりとして張りのある弾力は、どれだけ弄ぼうと……何度でも俺の手のひらを押し返す。
「畜生……畜生……畜生……」
羞恥と怒りに真っ赤になる詩音の表情が……そして怨嗟の声がどうしようもなく俺の嗜虐心を煽る。
もっともっと彼女の泣き声が聞きたくて、何度も……何度も腰を打ち付ける。悦ばせるためじゃない……ただ、俺の快楽のためだけだ。
161大逆転!!―皆殺し編― ◆CRIUZyjmw6 :2007/09/16(日) 20:00:08 ID:1QNuI8mb
「ひぅっ!? ……んんっ」
幾度となく強引に蜜肉を突いているうちに、さすがの詩音も少しずつ快楽を味わい始めてきたらしい。
その口から漏れる嗚咽に、甘いものが混じるようになってきた。
「んぐぅうううううぅぅぅ〜〜〜っ!!」
今度は乳首を強めに摘み、磨り潰すようにこね回す。
よほど痛いのか、詩音はびくんびくんと体を跳ね上げてきた。くくくく……同時に俺のものに、蜜肉が絡み付いてきやがった。
狂乱状態になりながら首を振る詩音に体重を掛け、そのまま乳首をこね回しながら俺はもう一度強く腰を打ち付け……。
「うあああああぁぁぁぁぁ〜〜〜〜っ!!??」
熱くたぎった精液を彼女の膣内に射精した。
どくんどくんと怒張が脈動して、詩音の中を精液が満たしていく。
「ひっ……くっ…………うううぅ……よくも……そんな……」
俺の下で、詩音は呆然と……表情を失った。
そして、光を失った瞳で呟いてくる。
「絶対に許さない。殺してやる……殺してやる……」
くっくっくっ……そうだな……今度は尻でも叩いてやろうか……。
どうやら、まだまだ楽しめそうだ。




「――と、いう感じはどうだ? 魅音やレナとは違ったタイプ……反発してくる女には苛烈な責め苦を与え続け、その反応を愉しむんだ……」
『おおおおおおおおおぉぉぉぉぉっ!!』
俺が説明を終えると、山狗達は歓声をあげた。
うむうむ……だいぶ分かってきたようじゃねぇか。
「じゃ、……じゃあ、このチビ娘はどうするんで?」
「沙都子か……? そうだな……沙都子は――」
「あ、あの……圭一さん?」
俺がわきわきと手を動かすと、沙都子の頬が引きつった。
162大逆転!!―皆殺し編― ◆CRIUZyjmw6 :2007/09/16(日) 20:03:36 ID:1QNuI8mb
遅くなってしまい。申し訳ありません。
えっちシーンのボリュームが少なめですみませんでした。
色々と粘ってみたんですけど、これが限界でした。
今回は以上です。

あと、あくまでもこのパターンは自分の一例です。これがベストという主張
ではないので悪しからず。そういうことでお願いします。
お目汚し失礼しました。
163名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 20:53:39 ID:0aqLglxv
>>162
うぉぉ相変わらず素晴らしい…!続きも楽しみにしてます(*´д`*)
164名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 21:36:22 ID:ub21jVfh
>>162  素晴らしいです!GJ!
165名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 22:27:35 ID:MzTcdsDm
GJ
166名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 22:37:43 ID:mo/I0Glf
>>162
最高にして最強!!GJすぎる〜
オチがとても楽しみな状況じゃ。
167名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 22:39:15 ID:mo/I0Glf
ごめんなさい。sage忘れてごめんなさい。生まれてきてごめんなさい。
次書き込む時は絶対間違えないから…
168名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 22:44:11 ID:pbCNJh/D
>>162
GJ!次も超期待!

>>151
個人的には結構読みたいかもwww
苦手な人がよまないように、投下するとき一言書いとけばいいんじゃね?
169名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 22:51:11 ID:qEqA+cAa
>>162
やべえGJすぎる
これは今から沙都子と梨花ちゃんの展開にwktkせざるを得ない
170名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 23:37:50 ID:ys5CIgC4
GJ!
梨花が楽しみだ
171名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 00:27:47 ID:0Jx6dLuJ
(これ祭りだったら羽入のもみれたのに)
172名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 00:29:15 ID:ZtbEP8Y5
  -‐  ‐‐-    
  -‐  ‐‐-     あぅあぅ?
    _, U∠   
173名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 00:38:44 ID:o7vHQftA
>>162
GGGGGJJJJJ!!!!
年少組をどう料理してくれるのか、期待を隠せないぜ

ちゃんと待つぜ





全裸で
174名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 01:29:51 ID:TNIdkZYC
>>162
超GJ!!!
175110:2007/09/17(月) 20:19:07 ID:EmzzsBXz
新しい作品が出来ましたので投下します。

富竹×鷹野で、後日談となります。

今回は絡みも入っております。            
176110:2007/09/17(月) 20:23:29 ID:EmzzsBXz
            祭りの始末

 待ちかねた夕暮れを喜ぶかのように、ひぐらしが鳴いている。
 一日の終わりを寂しがっているのか、それとも夜の帳を待ちかねているのか。どちらにせよ、彼らの声を聞くと、言い知れぬ寂寥感が込み上げてくる。
 入江診療所の前に自転車を停めた富竹は、ふと思った。
 入り口のガラス戸を開けて中に入ると、扇風機の風が身を包む。キンキンに冷えた都会の病院の冷房よりも、この優しい風の方が心地良い。
 「もう、診察の時間は終わりですよ。」
 受付に座っていた年配の女性が、渋い顔をしてこちらを覗く。しかし、富竹の顔を見て
 「ああ、富竹さんですかあぃ。」
 と、笑みを浮かべた。
 医療スタッフ以外の受付や事務員、清掃員などはほとんどが地元の出身で、富竹の正体を知らない。
 入江所長の学生時代の友人というのが、病院内での富竹の立場だった。
 「綿流しが終わったんというに、今年はまだおるんですね。先生呼んでこようか?」
 「いえ、こちらから出向きますよ。」
 席を立とうとした女性を制して、富竹は所長室に向かった。
 
 「ああ、富竹さん。」
 所長室へ向かう途中、診察室へ入ろうとする入江とばったり出会った。
 カルテだろうか、何冊もある書類の束を脇に抱えていた。
 「お久しぶりです。」
 富竹は挨拶をして、入江の後に付いて診察室に入っていった。
 仕事の途中なのだろうか、机の上には書類が乱雑に散らばり、飲みかけの珈琲が置かれている。
 「すいませんね。私も筆が遅いので・・・。」
 「いえ、気にしないで下さい。僕も報告書は遅いクチですから。」
 患者席の丸椅子に座り、富竹は入江の机にある書類に目をやった。
 一週間前に発生したあの事件。
 「東京」の内部抗争から端を発した、雛見沢村の壊滅作戦のことである。
 結局は「番犬」部隊の投入と公安の秘密裏の介入により事無きを得たが、名目上でも責任者である入江京介に対し、各種の報告義務が課せられたのであった。
 「情けないですね。ここのトップでありながら、あんな陰謀に気づかなかったとは。」
 「それは私も同罪です。予算を司る立場でありながら、慣れ合いになっていて、直前まで不透明なカネの流れに気づかなかった。」
 お飾りの頭と、一介の連絡員。
 二人に出来る事は限られていたし、活動したとしても消されていたのかもしれない。現に富竹は消されそうになった。
 それでも、二人の心には大きな罪悪感があった。
 共に過ごした仲間の絶望に気付かず、心中の狂気を見逃し、凶行に走らせてしまったという罪悪感が。
 
 
 
177110:2007/09/17(月) 20:29:15 ID:EmzzsBXz
 
 「鷹野さんは、どうですか?」
 富竹が、ポツリと言った。
 「変わりません。食事や、ちょっとした会話はしますが、後はずっと窓の外を見ていますね。」
 逮捕直前に富竹の胸で泣き明かした後、鷹野三四は入江診療所に運ばれた。
 症候群の検査とトラップで負った傷の治療のため、今は隔離病棟で過ごしている。
 「そうですか。」
 富竹は顔をしかめた。あの後、自分は「東京」本部への報告と後始末のため、しばらく雛見沢を離れた。
 そのため、事件後に鷹野の姿を見ていないのだが、その憔悴の様子は容易に想像できた。
 「先生。」
 「ええ、3階の角部屋ですよ。」
 面会したいのですが。と言いかけた富竹の表情を察してか、入江は鷹野の病室の番号を告げた。
 「多分、いえ、必ず鷹野さんも会いたがっている筈ですよ。」
 「先生・・・。」
 「医者の私が言うことではないのですが、人の心に一番効く薬というのは、やはり人の心そのものだと思うんですよ。」
 入江は恥ずかしそうに、頭を掻いた。
 「行ってあげて下さい。夕食も終わったころです。」
 「ありがとうございます。」
 言うが早いが、富竹は立ち上がり、機関車のように走り去っていった。
 その背中を見送りつつ、入江は誰にともなく呟いた。
 「・・・人に想われるということは、素敵ですね。」

 鷹野三四は、病室の寝台の上に居た。
 包帯は未だ巻かれているが、治療の甲斐あって痛みは殆どない。
 「東京」による本格的な尋問は来週からというが、明日からでも答えることはできるだろう。
 三四は穏やかな気持ちであった。今なら何を聞かれたとしても、淡々と正直に答えることが出来る。
 「憑き物が落ちた」という表現があるが、今はまさにその心境であった。
 父母との死別・地獄のような施設の日々・祖父との出会いと別れ・「東京」への参加・狂気ともいえる復讐劇・・・。
 全てが心の中に等しくあり、まるで自分が観客であるかのように、今までの事実を冷静に見て取れた。
 その中で、唯一冷静に見て取れない事実。思い出せば心の奥底に火種を灯し、鼓動を打たずにいられない事実があった。
 「ジロウさん・・・。」
 ほんの少し、頬に紅が灯る。
 自分にとっては、野望のために付き合ってきた男の中の一人に過ぎなかった。
 少年ならば背中に胸を押し付けるだけで、大人ならば体を委ねることで、大抵の男は篭絡できる。
 富竹もその一人だった。好意を見せる一つ一つの仕草に一喜一憂し、どの男よりも単純な反応を示した。
 扱いやすい私の手駒。富竹に対する三四の評価はその程度だった。
 そして、最終的に駒は使われなくなる運命になる。終わってしまったチェス版に駒は残らない。
 これまでも使った駒は捨ててきた。時には激しく罵られる時もあったし、殺されそうになったこともある。
 しかし、富竹は違った。
 騙し、殺害を企て、目を覆いたくなるような方法で捨て去った。
 それでも、絶対絶命のその時に、この自分を救ったのだった。
 わからない。彼がわからない。
 こんな、酷い女をどうして。
 その時、まるで機関車が走ってくるような音が聞こえてきた。
 音はドアの前で停まる。向こうで息を整えるような声がした。

 
 
178110:2007/09/17(月) 20:37:09 ID:EmzzsBXz
      
 「鷹野さん、富竹です。」
 三四は息を飲んだ。富竹が、そこにいる。
 「ジ、ジロウさん?」
 答えて、寝台から身を起こし、布団を胸元まで引き上げる。
 (え、え、え?東京に帰っていたのではないの?!は、早過ぎない?)
 いけない、これでは中学生のようだ。そう思いながらも、三四は顔が赤くなるのを禁じえなかった。
 「入るよ、いい?」
 「え、え、はい。」
 答えるのと同時に、扉が開かれる。そこには黒色のタンクトップに緑色のズボンといった富竹の姿があった。
 富竹二尉ではない、自然な富竹ジロウとしての姿。見慣れているはずなのに、どこか頼もしく見えた。
 「ごめん、お見舞いでも持ってくればよかったんだけど、慌しくて忘れていたよ。」
 本当に忘れていたのだろう。それだけ彼の身の回りが慌しかったということだと、三四は理解した。
 「気にしなくていいわ。来てくれただけで、嬉しいんだもの。」
 その言葉に、富竹の顔が一気に赤くなる。本当に、嘘のつけない男だった。
 「もう、来てくれないと思っていたから・・・。」
 どんな理由があろうとも、彼を裏切ったのは自分だった。正直、二度と姿を見ることはできないとも思っていた。
 しかし、富竹は優しい顔をして自分を見据え、備え付けのパイプ椅子に座って三四の傍らに座った。
 「僕は、鷹野さんを嫌いになったことなんて、ないよ。」
 「でも、私はあなたを裏切った。酷いことをした。殺そうともしたのよ。」
 「・・・そうだね。僕は鷹野さんがひどいことをしたことについて、怒っているよ。」
 富竹の顔は、引き締まったものに変わっていた。
 いたたまれず、三四は視線を落とした。
 覚悟はしていた。だが、それでも富竹の口から絶縁や罵倒の言葉を聞くことは耐えがたかった。
 「御免、鷹野さん。」
 ぱんっ。と、乾いた音が響いた。富竹の平手が三四の頬を打ったのである。
 一瞬、三四は何が起きたか理解出来なかった。しかし、遅れて頬に走る痛みが、自分を現実に戻した。
 「うう、ううあぁぁぁぁぁ・・・。」
 平手といっても手加減はされてある。だが、痛い。トラップで受けた傷よりも、何よりも痛い。
 自分に科せられる贖罪は生半可なものではないだろうとおもっていた。
 しかし、この痛みはあまりに厳しい。心を許した人から受ける叱責が、こんなに心を穿つなんて。
 「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんさない・・・。」
 もう、届かないであろう贖罪の言葉、それを何度も繰り返した。溢れ出る涙と共に繰り返した。
 その時、強い力で抱きしめられた。気が付くと、富竹の顔がすぐ側にあった。
 「鷹野さんの罪は、関係のない人を巻き込んで殺そうとしたこと。それは、思うだけでとても罪深いことなんだよ。」
 自分の妄想が甦る。雛見沢の住民を皆殺しにしての血の宴。
 一瞬の陶酔に身を委ねたその後に、自分には何が残ったのだろうか。たとえ自分では「神」に至ったと思っても、自分以外の人間にしてみれば、狂った殺戮者でしかない。
 そんな大量殺戮者の汚名が祖父と自分に着せられるのだ。祖父の名を汚すと言うことは、自分と祖父の研究を唾棄した、あの連中よりも罪深いではないか!
 「もう一つの罪は、その事を一人で抱え込んだこと。閉鎖が決まった時、僕や、入江先生にその悲しみを打ち明けてくれれば、鷹野さんはここまで苦しまずに住んだのかもしれない。」
 そうだった。富竹も、入江も仲間だった。
 ずっと、一人で生きていた三四には、仲間という概念が欠けていた。だから、仲間に相談するという当然の選択肢が、最初からなかったのだ。
 「そう、なのよね。そうだったのよね。みんなに打ち明けて入れば、ああぁ・・・。」
 後悔の涙。遅かった。何もかも遅かったのだ。
 自分の過ちに気付くことも、仲間というものへの接し方も、全て、全て終わってしまってから気が付いてしまったのだ。
 「でも、鷹野さん。」
 懺悔の渦中にいる三四に、富竹は告げた。
 「僕は、誰が許さなくても、僕は許すよ。だって、鷹野さんは僕の大切な、仲間なんだから。」


 
179110:2007/09/17(月) 20:44:12 ID:EmzzsBXz
   
 三四は顔を上げて富竹の目を覗き込んだ。
 力強く、決意に満ちたその瞳。
 自分が、更に引き込まれていくのを感じた。
 「ん・・・!」
 唇と唇が、触れ合った。突然の口付け。
 驚いた富竹が離れようとするが、三四の腕が、頭を押さえて離さない。
 息が詰まるまで、それは続いた。終わると富竹が強く息を付く。
 「ありがとう、ジロウさん。私、あなたが好きよ。」
 それは、幾度の世界で告げた言葉。しかし、これまでと違って、言葉に挑発的な響きは無い。
 「鷹野さん、僕も、僕も君のことが。」
 言い終わる前に、再び唇が重ねられた。今度は優しく。
 「嬉しい・・・。」
 抱き合う二人。今度は富竹が唇を近づけた。軽い、子供のようなフレンチキス。
 慎ましやかな、富竹の性格そのままで、三四はくすりと笑った。
 「来て、私の全てを抱きとめてほしいの。」
 「鷹野、さん・・・!」
 富竹の体が三四を覆う。抱きしめたまま、寝台の上に倒れこんで、二人は唇を合わせ続けた。
 寝巻きの合わせから富竹の手が伸び、豊かな三四の乳房を掴む。
 「は、あっ。」
 唇が今度は首筋に走り、胸へと降りた。寝巻きの前がはだけ、胸元が露になる。
 「奇麗だ、とても・・・。」
 唇を離して富竹が呟く。三四はされるがまま、富竹の愛撫を受けていた。
 その時、三四の膝が、富竹のいきり立ったその部分に触れた。
 「あ・・・。」
 二人の声が重なり、沈黙が流れた。
 自然と、視線がぶつかる。
 「三、三四さん。これは・・・。」
 富竹が恥ずかしそうに呟く。
 その姿がどこか可愛げで、三四はくすくすと微笑んだ。

 
180110:2007/09/17(月) 20:47:55 ID:EmzzsBXz

 既に日は落ち、病室には街灯の薄明かり。
 その中で、裸身の男女が体を重ねていた。
 「三四さん、いいかい・・・?」
 富竹は開かれたその部分に、自分の分身を重ねる。
 既に潤ったその部分は、薄明かりに照らされて、妖しい色艶を輝かせていた。
 「ジロウさん、三四って呼んでいいのよ。」
 「う、うん、三四さん・・・。」
 この遠慮が三四にとっては愛しい。こんな優しい人を一瞬でも殺そうとしたなんて、狂気に毒されていた自分の考えに、恐ろしさを感じた。
 「いくよ・・・。」
 徐々に富竹の分身が埋没していく。
 「ん・・・。」
 筋肉質の富竹のその部分は、やはり大きい。わずかな痛みを感じながら、三四は男性を受け入れる悦びを感じていた。
 全ての部分が入り、富竹の吐息が漏れる。
 「ジロウさん、動いて・・・。」
 声と共に、富竹の腰が動く。ゆっくりと、この瞬間を1秒でも多く味わうかのように。
 「三、三四さん・・・。」
 「ん、あっ・・・。ジロウ、さん・・・。」
 それは三四も同じだった。上体を起こして唇を重ねる。本来二つであったものが一つになるように、二人は体の触れ合いを求めた。
 座位になって抱き合いながら交わる。お互いの唇を、首筋を、胸を、貪る様に、求める。
 自然と律動も激しくなり、それと共に嬌声も艶を増した。
 「三四さん、三四さん!三四さんっ!」
 「はあぁっ!ジロウさん。凄い!わたし、わたし、ああぁあっ!」
 「好きだ、三四さん。好きだ!」
 「私も、ジロウさん、ジロウさんっ!」
 このまま、いつまでも交わっていたい。二人の思いは同じだった。
 しかし、絶頂はすぐそこに近づいていた。
 「あ、三四さん・・・!も、もう!」
 「うん、うん!私も、一緒にぃ・・・!」
 寝台に倒れこみ、富竹は激しく腰を動かす。
 同じく、三四も律動に合わせて腰を動かし、両足を愛しい人の腰に回して、しっかりと絡みついた。
 三四を組み伏せた富竹の動きが一段と激しくなる。
 「う、うぅっ!三四さん!」
 甘い痺れと共に、富竹は全てを解き放った。
 激しい勢いで濁流が三四の胎内に流れ込み、まるで吸い込まれているような錯覚を覚える。
 「はぁ、あああぁぁ・・・。」
 恍惚の表情を浮かべて、三四は富竹の全てを受け入れた。
 自分の中に愛しい人の想いが流れてくることが、こんなにも温かいとは・・・。
 この想いを伝える言葉が見つからなくて、三四は静かに富竹の唇を求めていた。

  「僕が守るよ。君を。」
 幾度目かの営みのあと、富竹が呟いた言葉。
 眠りに付く直前に聞いたその台詞が、とても印象深かった。

 富竹ジロウの奔走により、鷹野三四及び入江京介の罪が減じられ、現状維持の判断が下されるのは数週間後のことである。

 終わり
 
181名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 21:14:21 ID:xKNwVYQ0
>>180
鷹野の憑き物が落ちた感じとかがよかった。
富竹も格好いいなぁ。
読後感爽やかでよかったよ。GJ。
182名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 21:24:26 ID:/a/MESId
富竹×鷹野キター!!
いいね、やっぱりこの2人はいい! GJ!!



さて、今まさに富竹×鷹野書いてた俺には
とんでもないプレッシャーがかかってるわけだが。
助けてトミー!
183名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 21:36:33 ID:0Jx6dLuJ
>>110
素晴らしかった。
叩いちゃってごめんね
またきてね
184110:2007/09/17(月) 21:39:51 ID:EmzzsBXz
>>181
>>182
早速の感想、ありがとうございます。
丁度執筆中の方には、先んじてしまい、失礼しました。

wikiに入れようとしているのですが、まだ認証番号の入ったメールが帰ってきません。
と、いうかwikiってアカウントがいるのですね。
自宅にPCがないので、普段は携帯からしか見ないので、知りませんでした。
185110:2007/09/17(月) 21:41:16 ID:EmzzsBXz
>>183
丁度書き込みが重なってしまいましたのでお礼が遅れました。
また、ご指導お願いします。
186名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 23:00:55 ID:LGQ8a9Tn
>>180
不覚にも富竹をかっこいいと感じてしまった…www
GJ!
187名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 23:17:09 ID:kMhCCZlT
GJ

>>182wkwk
188名無しさん@ピンキー:2007/09/18(火) 00:19:22 ID:tP2s1BqP
【蜩】第七研究所part52【海猫】
http://ex20.2ch.net/test/read.cgi/nanmin/1190027886/

927 :名無し草 :sage :2007/07/25(水) 23:32:32
レスのつけ方判定基準

GJ+感想>感想のみ>GJのみ>乙のみ>保守

・GJ+感想 面白かったよ、また書いてね

・感想のみ 観想の内容によるが読んではくれている

・GJのみ 読んでるかどうかも不明だが 一応礼儀だしな

・乙のみ 保守代わりおつかれさん、次いこ。次。

・保守 あえて何も言うまい 空気嫁

・雑談 もう来なくていいから消えろ
189名無しさん@ピンキー:2007/09/18(火) 00:36:31 ID:LzRQSOCz
あ、それ貼ったの俺だわ。ちなみのこの板からのコピペだぞ、それ。
190名無しさん@ピンキー:2007/09/18(火) 01:52:01 ID:nm7dPS02
>>180
素晴らしい!本編でも違和感ないくらい良かった…また書いてくれー
191名無しさん@ピンキー:2007/09/18(火) 01:55:27 ID:vzviPSjU
今更気付いたんだけどなんでWIKIに余所の板のSS未満のが載せられてんだ?
192名無しさん@ピンキー:2007/09/18(火) 01:59:38 ID:VdtJHIKA
どれよ? それ一つだけ?

基本的にこのスレに投下されたものじゃないとなー
193名無しさん@ピンキー:2007/09/18(火) 03:06:12 ID:XLlTLA+/
>>180
やっぱ富鷹はいいな
淫乱なたかのんも好きだが、富竹に純愛してるたかのんもそれはそれで(#´Д`)ハァハァ
>>182
おお、貴重な富鷹を書いてるのか!
裸靴下で待ってるお
194182:2007/09/18(火) 06:04:39 ID:mTMNFr01
すみません、富竹×鷹野を書いていた者ですが、
8レスも書いたのにエロが入らなかったため、wikiに直接投下してきました。
http://www16.atwiki.jp/when_they_cry/pages/275.html
(「祭りの後、最後の日」富竹×鷹野)

おっかしいなー、初夜書きたかったんだけどな、初夜。たかのん主導で。
195名無しさん@ピンキー:2007/09/18(火) 10:08:14 ID:jylUNrtD
>>194
エロなしでも全然GJ!!

感動して目から汗が…(´;ω;`)
196名無しさん@ピンキー:2007/09/18(火) 11:15:56 ID:nm7dPS02
>>194
イイハナシダナー( ;∀;)
貴方のSSは完璧だ…
197名無しさん@ピンキー:2007/09/18(火) 11:51:41 ID:Ca74PtHh
>>194
あぅあぅあぅあぅ…
すごい!!GJ!!
凄く心理描写が上手ですね。引き込まれました。これからも
どんどん投下してください♪
198名無しさん@ピンキー:2007/09/18(火) 17:55:33 ID:9g37Rnl/
>>194GJ
199名無しさん@ピンキー:2007/09/18(火) 18:04:35 ID:kojkkUSF
>>194
すげー……、マジですげえです。
超GJ!まさか鷹野絡みの話で泣かされるとは思わなかった。
(梨花好きとしては不倶戴天の敵っぽく思っていたので)

すごくいい話でした。GJ!!
200名無しさん@ピンキー:2007/09/18(火) 18:25:06 ID:uzhMENH+
>>194
超GJ

ところで性別反転ってOKか?
201名無しさん@ピンキー:2007/09/18(火) 18:27:08 ID:e4AH+iZk
目欄なんとかしたら?w
202名無しさん@ピンキー:2007/09/18(火) 20:00:23 ID:aU0zSkkV
>>194
エロありとか無しとか、そんなの些細なことさ。
GJなんだぜ。

>>200
ここには古くはクララ☆という女体化大石もいればフタナリの梨花もいる。
注意書きさえすれば無問題だ。
203名無しさん@ピンキー:2007/09/18(火) 21:01:44 ID:NGBFaSav
ここってエロ無しもOKなの?
>>136
GJ
とてもよかったです。
人名が一部間違ってたのでうみねこ辞書テキストのURL貼っておきますね
http://irimadonna.blog63.fc2.com/blog-entry-317.html
204名無しさん@ピンキー:2007/09/18(火) 21:22:19 ID:IvLj9ADB
>>200
あんた
なにも反省してなさそうだな
205名無しさん@ピンキー:2007/09/18(火) 21:42:30 ID:9g37Rnl/
NGIDという機能があってだな
206名無しさん@ピンキー:2007/09/18(火) 21:47:53 ID:aU0zSkkV
>>203
まあ、正確にはエロ無しはOKなんだが、エロコメか恋愛物に限るけどね?
過去の傾向を見る限りだと……。
207名無しさん@ピンキー:2007/09/18(火) 22:02:10 ID:fUZ0YclG
普通のエロなしSSならキャラスレの方がいいかも。
そうでないと18禁板の意味無いし…
208110と180:2007/09/18(火) 23:51:53 ID:Qju2u644
>>194
すごく幸せな結末で、引き込まれました。
二人が新しい道を歩むことを語るには、三年後の閉鎖は外せないですね。
GJ!

どなたか、私のSSをwikiに入れて頂き、感謝です。
現在、赤坂ネタを構想中です。二・三日以内には投下していきたいです。

209名無しさん@ピンキー:2007/09/19(水) 00:39:22 ID:sAInACfK
>>208
2ちゃん自体に慣れてなさそうだがそろそろ数字コテは止めようぜ
いい作品書けるのに作品以外で評価が下がるのは勿体ない

他人のSSの感想を書く時には名乗らなくていい
予告も個別レスもいらん。この書き込みにもレスは不要だ

SS書きなら作品で語れ
210名無しさん@ピンキー:2007/09/19(水) 00:40:14 ID:VUID/15p
>>208
エロパロ板では作品投下時以外は名無しになった方がいいぞ。
あと、投下予告もしない方がいい。
今後も投下していくならトリップ(←分からなければ検索しろ)を付けた方がいい。
ついでに、このレスに返信もしない方がいい。
211名無しさん@ピンキー:2007/09/19(水) 00:40:58 ID:VUID/15p
悪い、見事に被った…。
212名無しさん@ピンキー:2007/09/19(水) 12:20:10 ID:VhDSyVlz
結婚しろ
213名無しさん@ピンキー:2007/09/19(水) 13:15:31 ID:88es6sO6
祝福しろ
214名無しさん@ピンキー:2007/09/19(水) 18:59:18 ID:YskDMXde
だが断る
215名無しさん@ピンキー:2007/09/20(木) 11:56:06 ID:ua/Am2C3
人いねえな…(´・ω・)
216名無しさん@ピンキー:2007/09/20(木) 15:06:32 ID:NrRBbb/P
てめーらがイチローを追い出すから・・・・
217名無しさん@ピンキー:2007/09/20(木) 15:41:24 ID:J8xuvyUg
打ち込みのドラムってしょぼいなー
218名無しさん@ピンキー:2007/09/20(木) 18:30:27 ID:gE3h2DeV
どんだけ誤爆だ
219名無しさん@ピンキー:2007/09/20(木) 21:16:56 ID:MDmL9Xed
じゃあひぐらしアニメ休止の話題について語ろうか
220名無しさん@ピンキー:2007/09/20(木) 21:21:41 ID:6ZrXmC6B
スレチだからやめれ
荒れる元にもなりそうだし
221名無しさん@ピンキー:2007/09/20(木) 22:36:34 ID:eQa52zTF
ところで、前スレ>>865の圭羽SSはどうなったんだろな。
圭羽SSは多くないから楽しみにしてるんだが・・・・・・
222名無しさん@ピンキー:2007/09/20(木) 22:39:38 ID:fYtZCqof
黙して耐えるべし
223 ◆CoudB9M4c2 :2007/09/20(木) 23:20:31 ID:IVFHFk8e
赤坂ネタで投下しまーす。
題は「永遠の、恋人」です。
224名無しさん@ピンキー:2007/09/20(木) 23:21:47 ID:E8ZzBDOK
いちいち許可取るな
225 ◆CoudB9M4c2 :2007/09/20(木) 23:23:21 ID:IVFHFk8e
 永遠の、恋人

 目が覚めて、告げられた事実は信じがたいものであった。
 「赤坂さん、落ち着いて、聞いて下さい。奥さんが、赤坂雪絵さんがお亡くなりになりました・・・。」
 大石が告げた一言を理解するのに、赤坂衛は数秒を要した。
 「タイルが剥離していたらしく、階段から落ちたそうです。」
 雪絵が、死んだ。
 何かの悪い冗談だ。
 知り合ったばかりだがこの大石という老獪な刑事には、時折真剣な眼差しで冗談を飛ばし、相手の反応を楽しむという悪い癖がある。
 「すぐに手術が施されたそうですが、手遅れだったそうです。」
 本当に、人が悪い。
 だが、もう少しだろう。あの『んっふっふ〜。』という、余裕たっぷりの表情を見せて、自分の愕然とした表情を笑うその瞬間は・・・。
 「母子共に、お亡くなりになられたと。お義父様からのお電話でした・・・!」
 残念の呻きを上げて、大石は沈黙した。
 それは、自分に真実を告げる残酷な沈黙だった。
 「嘘だあああああぁぁぁぁぁぁっ!」
 赤坂は叫んだ。叫んで大石の肩をむんずと掴み、何度も揺すった。
 「大石さん、冗談はよして下さいよ!確かに私はこの出張で、電話をすることを忘れていましたよ。雪絵に寂しい思いをさせているんじゃないかって思っていましたよ・・・。」
 苦悶の表情で、大石は目を閉じる。かける言葉が、見つからなかった。
 「少しくらい、罰が当たってもいいと思っていました。雪絵にしばらく冷たくされてもいいと。」
 最後には大石にすがりつくような格好になって、赤坂はその場に膝をついた。
 「それでも、こんな、こんな・・・。うわあああああぁぁぁぁぁぁ!!」
 犬養少年の救出作戦が終わった直後の入江診療所の病室で、赤坂は泣いた。
 その姿を、大石は黙って見守ることしかできなかった。
 
  
226 ◆CoudB9M4c2 :2007/09/20(木) 23:26:41 ID:IVFHFk8e
 異変が起こったのは、赤坂の泣き声が止んでからしばらくのことだった。
 赤坂の表情が一変し、しきりに喉を掻き毟り始めたのである。
 「あ、赤坂さん・・・?」
 この時、赤坂は自分の体に、突如蛆虫か何かの生き物が、現れたような感触を覚えた。
 首が、痒くて痒くて仕方がない。
 まるで、血管の中を蠢いて、自分の体を侵食しているようだ!
 「うお、うおおおぉぉぉぉっっ!!」
 突然、大石は物凄い力で跳ね飛ばされた。病室の壁にぶつかり、激しい音が起こる。
 「赤坂さん!どうしたのですか!?」
 見ると、赤坂は凄まじい形相をしていた。自分を見る瞳には敵意しか宿っていない。
 激しく肩で息をして、何事かを呟いている。
 
 雪絵、雪絵、ユキエ、ユキエ、ユキエユキエ雪絵ゆきえゆきえゆきえゆっゆええうえhyd
 
 「赤坂さん、しっかりして下さい!お気持ちはわかりますが・・・!」
 「うるさい!貴様らが雪絵を殺したんだろう!!私が公安のスパイだと知って、見せしめのために!」
 傍目からも、赤坂は正気を失っていた。
 血走った目は焦点が定まらず、異様なまでの発汗が服を水浸しにしている。
 「ぐげっ、げげっ・・・!」
 赤坂が苦しそうに喉を押さえた。
 「貴様らぁ、私にまで毒を・・・。治療と称して寄生虫でも入れたかぁ!!」
 どうしたというのだ、この変貌は?
 目の前の出来事を、大石は理解できないでいた。切れ者の赤坂が、こんな世迷いごとを本気で口走っている。
 形容するならば、豹変。別の人間が乗り移ったような気がしてならない。
 「痒い、痒い痒い痒い痒いカユイかゆい!!」
 爪をたてて、赤坂は自分の首筋を掻き毟り始めた。一気に、赤坂の喉が朱に染まる。
 「っ!赤坂さん!!」
 飛び掛ろうとした大石だったが、先ほど跳ね飛ばされた記憶が脳裏をよぎり、一瞬の躊躇があった。
 「あああああぁぁぁぁぁぁ!!!」
 その刹那に首筋から鮮血が迸った。
 時代劇で時折みる首筋からの出血。いわゆる頚動脈が切り裂かれたのだ。
 「しまった!」
 赤坂の体が崩れ落ちる。大石は駆け寄りその体を抱きかかえたが、急速に瞳からは輝きが失われつつあった。
 「畜生っ!誰か、誰かきてくれ!」
 病院内の誰かに聞こえるよう、鮮血の中で大石は叫んだ。
 上着を使って必死に首筋を押さえるが、出血は止まらない。刑事としての直感は、間に合わないと告げていた。
 「これも、これも『オヤシロさまの祟り』だというのか!畜生、畜生おぉーっ!」
 もう一度赤坂を見る。間近に迫った死の床で、口だけがか細く、同じ言葉を繰り返していた。
 「ごめん、雪絵。ごめん、雪絵。ごめん、雪絵・・・。」
 最後はもはや聞き取れなくなっていたが、それでも赤坂は最愛の妻を呼び続けていた。
 遠くから足音が聞こえる。入江診療所のスタッフのものであろう。
 夢ならば、覚めてくれ。
 悪夢ではない、現実なのだと知っているからこそ、大石は思わずにはいられなかった。

 
227 ◆CoudB9M4c2 :2007/09/20(木) 23:29:14 ID:IVFHFk8e
  
 「ごめん、雪絵っ!!」
 不意に目が覚めた。とても嫌な夢だった。
 「どうしたんです?衛さん。」
 心配そうな顔をして雪絵が自分の顔を覗き込む。赤坂は呼吸を落ち着けて、周りを見てみた。
 見慣れた台所とリビング、自分が寝転がっているのは、結納の時に購入したソファーだった。
 「うなされていましたよ。そんなところで休むから・・・。」
 思い出した。夕食の後、子供たちと風呂に入り、一緒にアニメを見ていたら、いつの間にか眠っていたのだ。
 「ごめん。気づかなかった。」
 「最近は遅かったから、疲れが溜まっていたのでしょうね。」
 雛見沢での戦いから三ヶ月。赤坂は別件の捜査を担当していた。
 「東京」の調査に勝るとも劣らない厄介な事件であり、帰宅が遅れる日々が続いている。
 今日は久しぶりの休日であったため、知らず知らず体が休みを欲していたようだった。
 「ご自愛、して下さいね。衛さんは無理をするから。」
 「うん。」
 答えて、自分の体に毛布が掛けられていることに気づく。
 「ありがとう。」 
 学生時代から変わらぬさりげない心遣い。雪絵に惚れた一番の理由だった。
 雪絵は微笑んで台所に戻っていった。風呂上りなのか、桃色のパジャマに白のカーディガンを羽織って、スリッパを履いている。
 「子供たちは?」
 時計を見ると、夜の十時を少し回っている。もう2階の寝室で眠っているころだろうか。
 「二人とも『お父さんと一緒にねる』って言っていたけれど、先に寝せました。今日は遊んだから、すぐに二人とも眠りましたよ。」 
 食器を洗う音と共に、雪絵が答える。
 今日は子供たちにせがまれて、今年の4月、千葉の浦安に開園したテーマパークに行ったのだった。
 娘は人気のキャラクターのぬいぐるみを買ってもらい喜んでいたが、息子の方はマスコットキャラの気ぐるみに抱っこしてもらったものの、泣き出してしまい、なだめるのに大変だった。
 さすがに、逃げ出してしまうとは思わなかったが・・・。
 しかし、朝食の時以外は寝顔しか見ることのできない子供たちの様々な顔を見ることができて、本当に有意義な休日だった。
 「はい、どうぞ。」
 気がつくと、お盆に湯飲みを載せて、雪絵が傍らに座っていた。
 「うん。ありがとう。」
 ソファーから身を起こし、雪絵の隣に座る。
 湯飲みを受け取り、ちゃぶ台のようなテーブルに置くと、雪絵もお盆を置き、湯飲みを取った。
 「君は、疲れなかったかい?」
 「ちょっとだけ。でも、前に比べたらあまり疲れなくなりました。」
 雪絵は生まれつき体が弱い。正直、一昔であれば出産には耐えられない体だったらしい。
 それが二人も子宝に恵まれているのだから、近代医学の進歩には驚かされる。
 「前に言ってた雛見沢の先生から送られてくる薬のおかげでしょうか、最近ではすごく調子がいいんですよ。」
 あの事件以来、赤坂家には入江診療所から雪絵のためにアンプルが送られてくる。
 自分を救ってくれた恩返しをしたいという入江が雪絵の体質を聞き、症候群に対する試薬の過程で開発した新薬を送ってくれているのだ。
 無論、赤坂は恐縮したのだが、『あのままでは、私は消されていました。命の恩人に対するお礼としては、物足りないくらいです。』という入江によって、毎週律儀に送られてくるのである。


 
228 ◆CoudB9M4c2 :2007/09/20(木) 23:32:18 ID:IVFHFk8e
 
 「本当に、雛見沢の人たちには救われてばかりですね。」
 湯飲みをおいて、雪絵が呟く。
 「うん。本当に感謝してもしきれないよ。」
 赤坂も雪絵の言葉に頷いた。
 「梨花ちゃんからの忠告がなかったら、君を永遠に失っていたのだからね。」
 五年前の誘拐事件。出張先の雛見沢で出会った少女古手梨花。
 愛らしい少女としての姿と、オヤシロさまの巫女としての超然とした姿をもつその少女から、赤坂は
 「・・・東京へ帰れ。」
 との警告を受けた。
 ただならぬ雰囲気に感じるもののあった赤坂は、出産のため入院をしていた雪絵に用心するよう電話を架けたのである。
 その直後、タイルの剥離によって作業員が病院の階段で重症を負ったという事故が起こった。
 件の場所は、赤坂の出張時に毎日病院の屋上へ登っていた、雪絵の通り道になっていたのである。
 帰京した赤坂は梨花の予言に驚くと共に感謝し、そして思い出した。
 繰り返される世界で起こった雪絵の死、そして梨花と雛見沢の死。
 数え切れない世界で手遅れになり、後悔することしかできなかった哀れな自分のことを。
 正に、奇跡。
 本来ありえない並行世界での記憶を継承した赤坂は自らを鍛え、運命の時に備えた。
 そして梨花たちと共に、運命に打ち勝った。

 「・・・どうしたんですか。」
 気がつくと、赤坂は雪絵に口付けていた。
 驚いたものの、雪絵は咎めることなく、優しい瞳で赤坂を見つめている。
 「ごめん。君が、愛しいんだ。」
 もう一度、唇を重ねる。
 雪絵のいない風景を、赤坂は何度も体験した。
 絶望によりL5を発症して自らの喉を掻き毟って息絶えたことも、残された娘と思い出を胸に生きていくこともあった。
 百年の魔女である梨花は何度も同じ時を繰り返してきたが、自分は梨花が繰り返した世界分、その後の時間を生きていたのだ。
 ある時は元号が2つ変わるまで生きた。ある時は雪絵の死に絶望して自ら命を絶った。
 警察を辞めて、雛見沢の近くに移り住んだ人生もあった。
 反対に、雪絵が生きてそばにいる世界もあったが、それはごく少数なものだったはずである。
 「君がいない世界を知っているから、君のいる素晴らしさがわかるんだ。それは本当に素晴らしくて、言葉にできないくらいに大切なんだ。」
 赤坂の口付けは顔中に及んだ。頬にも、閉じられた瞼にも、お下げに結ばれた長い髪にも。
 その一つ一つを雪絵は愛しそうな顔で受けていた。
 「衛さん・・・。」
 それは百年を超える果てしなく長い恋心。
 その言葉には後悔と苦渋を知るものしか出せない重みがあった。
 「雪絵。君を、愛している・・・。」


 
229 ◆CoudB9M4c2 :2007/09/20(木) 23:34:15 ID:IVFHFk8e

 ソファーの上に寝転んだ雪絵に、赤坂は再び口付けの雨を降らせた。
 目を閉じてされるがままにされている雪絵は、消して自分から求めようとしない。貞淑という言葉が嫌味でなく当てはまる女性だった。
 結婚して少なくない年月がたっているが、雪絵のこの性格は新婚時代から全く変わらない。だから、赤坂も雪絵を抱く時は常に初夜を迎える気分だった。
 ああ、自分は今この瞬間にも、雪絵に恋しているのだな。
 今更ながら赤坂は思った。
 羽織っていたカーディガンを脱がして、パジャマのボタンに手をかける。
 一つ、一つゆっくりと外して上着を脱がせると、白い無地のブラジャーに包まれた胸元が露になった。
 その胸元に口付けて左手で背中のホックを外しにかかる。同時に左手でパジャマのズボンをずり下げると、同じく白色のショーツが視界に入る。
 「衛さん、恥ずかしい・・・。」
 レースの下着だけになった雪絵が顔を真っ赤にして呟く。何度同じことをされても、この反応は初々しい。
 「脱ごうか。」
 一度体を起こして自分もパジャマを脱ぐ。
 空手で鍛えた筋肉質の肉体が照明の光で照らされると、雪絵の顔がますます赤くなる。
 下着まで脱ぐと、同じく一糸纏わぬ姿になった雪絵が、目を伏せて胸元と股を隠していた。
 自身が言っていたことだが、虚弱体質ということもあり、雪絵の体は平均な女性のそれと比べると、見劣りするらしい。 
 しかし、赤坂にはその小ぶりの胸も、小さめの臀部も、十分に魅力的だった。
 第一、赤坂は雪絵以外の女性は知らないし、知るつもりもない。
 「綺麗だよ。とても。」
 おとがいを持ち上げて口付けをする。
 長く、やや強めに唇を吸い。雪絵の体を抱きしめた。
 「衛さん、嬉しいです・・・。」
 白い肌に唇を滑らせ、雪絵の甘い香りと、味を楽しむ。
 右手で乳房を揉み、左手で太腿を撫で擦る。だんだんと頭を下げていき、胸の谷間からお腹、へその辺りまで下を伸ばす。
 くすぐったいのか、雪絵が艶のある息を吐いて、身を捩じらせる。
 「あ、そ、そこは、きたな・・・。ああっ!」
 舌が恥毛をまさぐり、雪絵の女性の部分を転がす。急激な快感に戸惑い、雪絵が体を振るわせた。
 両手で足の付け根を支え、秘裂に口付ける。子供を二人も産んでいるとはとても思えない、綺麗な桜色だった。
 「くああっ、ふぅ、はあああぁぁっ!」
 指で開き、舌を深くまで差し込む。脳髄が溶けてしまうかのような女性の匂いと、ぬめりを帯びた液が、赤坂の鼻腔をくすぐる。
 「ああ、衛さん!んんっ、んっ、んんんんっ!」
 かき回すように舌を動かすと、雪絵の声の艶が増した。いやいやをするように顔を振り、両手で顔を隠しているが、こみ上げる快感に抗がうことができないようだった。
 「っ!そこは、嫌、きたない・・・!」
 赤坂の指が、今度は菊座に伸びた。軽く入口を擦り、徐々に進入していく。
 「ああっ、衛さん、衛さんっ!んんっ、はあっ!」
 羞恥と快楽の狭間で、雪絵は達しつつあった。その様子を察知した赤坂が、一番敏感な部分を甘噛みする。
 「んんっ、ん。んんんんんんっっっっー!!」
 最後まで唇を閉じたまま、雪絵は達した。緊張していた体から力が抜け、瞳が焦点を失う。
 白い、白磁のような肌は桜色に染まり、胸が空気を求めて激しく動いていた。
 「大丈夫・・・かい?」
 赤坂が上体を起こして雪絵を気遣う。
 しばらく惚けていたものの、雪絵は息を落ち着かせ
 「はい。今度は、衛さんが・・・。」
 と、微笑んだ。


 
230 ◆CoudB9M4c2 :2007/09/20(木) 23:36:04 ID:IVFHFk8e
 「いくよ。雪絵。」
 十分に潤った雪絵の秘裂に、赤坂は猛った自分の分身を当てた。
 雪絵が無言で頷いたのを確認すると、赤坂はゆっくりと雪絵の中に体を進めた。
 「ああ、衛さんが、中に・・・。」
 挿入の感触に、雪絵は女性としての悦びを感じていた。
 愛しい人の全てを受け入れ、自らの体で包み込む・・・。これほどの悦びが他にあるのだろうか。
 「雪絵、雪絵・・・。」
 最初は優しく、そして徐々に律動が強さを増していく。
 交わる部分がぬめりを帯びて、粘着質な音が室内を包んだ。
 「衛さん、衛さんっ・・・!」
 二人は絶頂を求めて手を握り合った。
 お互いを見つめる、熱を帯びた視線が絡み合い、愛しさがこみ上げる。
 どちらからともなく、唇を合わせる。握り締めあう手が不規則に、いかに相手を悦ばせるのかを求めて動く。
 赤坂の律動は、強く、深いものになっていた。雪絵の肉体全てを味わうかのように奥底まで貫き、求める。
 雪絵もいつの間にか自分の腰を激しく動かしていた。肉欲に対する罪悪感と、愛するものの全てを欲する、女性としての原初の欲望。
 「雪絵、雪絵、雪絵!!」
 「衛さん、衛さん、まもるさんっ!」
 「凄い・・・。雪絵が、絡みついて。このまま、ずっと・・・。」
 「私も、私もぉ・・・。衛さんと一緒に、一緒にぃ・・・。」
 二人を隔てるものはむしろ肉体ではないのかと思うくらい、二人は一つになることを欲した。
 繋がっているこの時こそが、自分たち本来の姿ではないのかとも夢想する。
 終わらせるためではなく、より深みを求めるための律動。それが永遠に続けられるというのならば、二人はそれを求めただろう。 
 「雪絵っ、もう、もうっ!」
 「はい、このまま、私もおおぉっ!」
 絶頂が近づき、赤坂が限界まで腰を叩き付けた。雪絵のお下げが上下に揺れ、胸元に落ちる。
 「おお、おおおおおぉおおぉぉおおぉおぉぉぉ!!!」
 「まもるさああああぁぁあぁぁぁぁん!!!」
 白濁の液体が雪絵の奥底を目掛けて迸った。
 凄まじい勢いで雪絵の肉体を満たし、残滓が結合の部分から噴き出す。
 「まもる・・・さぁん・・・。」
 名残を惜しむかのような赤坂の口付け。雪絵は愛しい人の名を呟き、それに答えた。 

 
 ・・・数年後。
 正月の初詣が一段落した古手神社の社務所にて、二人の少女が会話をしていた。
 二人とも体にしては少々大きめな巫女服に身を包み、やってきた年賀状に目を通している。
 「梨花ぁ。何をよんでらっしゃいますのぉ?」
 元気そうな八重歯の少女が、長い髪をした少女に声をかけた。
 「みぃ、赤坂からの年賀状なのです。三日も送れてきやがったのです。」
 「赤坂のおじさまからですの?今度はいつこちらに来ると?」
 言葉は不満そうだが、長い髪の少女の顔は笑っていた。
 「返上した正月休みが取れ次第くるらしいのです。にぱ〜☆」
 「??何か意味深な笑顔ですわね。」
 「奥さんが妊娠中なのだそうです。とても仲が良いのです。にぱ〜☆」
 (よかったわね、赤坂、でも・・・。)
 長い髪の少女は同じ差出人の名前の年賀状を取り出した。
 そこには、ほとんど同じ文面が、毎年一人多い家族とともに書かれていた。
 (やり過ぎって言葉を覚えたほうが良いわね・・・。)

 終わり  
231名無しさん@ピンキー:2007/09/21(金) 00:43:54 ID:hOyw6CGX
赤坂分投下GJ!

最後の一行で吹いたw
232名無しさん@ピンキー:2007/09/21(金) 01:57:55 ID:GeeHyzb7
赤坂ものははじめて読んだけどいいね!
233名無しさん@ピンキー:2007/09/21(金) 02:16:39 ID:7X9Kfm4e
>>224
割り込まれる可能性もあるし5分ぐらい前にタイトル、カプ、シチュを箇条書きで書いておくのは可?
234名無しさん@ピンキー:2007/09/21(金) 02:18:47 ID:2fVQ/WAL
可。

投下前と投下後に一言欲しいっす。
235名無しさん@ピンキー:2007/09/21(金) 09:56:28 ID:qF/SArdh
>>223
GJGJ!赤坂夫妻ネタは珍しいから嬉しいぞ(*゚∀゚)=3
ラストの梨花ちゃまワロスw

>>233

投下するよという直前予告ならむしろ推奨
苦手なカプやシチュなら前もってNGIDにできるしな

「1/5」みたいな通し番号も欲しいが目測は難しそうなんで
「カプ名またはタイトル:1」みたいに続きものであるとわかればそれで充分
236名無しさん@ピンキー:2007/09/21(金) 11:23:26 ID:14Xvwe0B
内容も読まないでNG登録ってどんだけ。公式にカエレ
237名無しさん@ピンキー:2007/09/21(金) 11:37:39 ID:qF/SArdh
生憎公式住人ではないし俺自身には苦手なカプやシチュはない
だがこういうスレには難癖つけてくるやつは誰かしらいるんだから
事前にちゃんと書いておけば厨避けになるだろ
238名無しさん@ピンキー:2007/09/21(金) 13:11:30 ID:6POdBjNB
さすがにスカやふたなりは事前予告がないと困る
239名無しさん@ピンキー:2007/09/21(金) 13:18:14 ID:8CpwyWcf
グロもな
240名無しさん@ピンキー:2007/09/21(金) 14:54:26 ID:vp+Ykz0w
難癖つける奴ってのはお前みたいな奴をいうんだよ、>>236
とっとと失せろ!
241名無しさん@ピンキー:2007/09/21(金) 17:30:38 ID:sC4rl8HE
終わりの挨拶が遅れましたが、赤坂ネタを書いた者です。
110・180の作品も書かせていただいてます。

職人はSSで語れとの意見がありましたので、挨拶を控えていたのですが、やはり投下と終了の挨拶は礼儀ですよね。
また、投下していく予定なのでよろしくお願いします。
242名無しさん@ピンキー:2007/09/21(金) 17:37:07 ID:CqQ5rEZt
投下と終了の挨拶?っていうか一言添えてくれないと、
投下が終わったのかどうかわからんしな・・・
243名無しさん@ピンキー:2007/09/21(金) 18:25:20 ID:qF/SArdh
>>241
いや、作品もよかったし投下方法の変化もGJなんだがここまで丁寧な挨拶じゃなくて大丈夫だw
ただ「これで投下終了」ということがわかればいいんだ
トリップがあれば今まで書いた作品番号もいらない

うるさく言うようですまん
このレスにも返事は不要だからな
244名無しさん@ピンキー:2007/09/21(金) 18:35:02 ID:dCeEETWK
>>241
これからも投下する予定なら、頑張ってトリップ付けてくれ。
騙りが出たら困るだろ?
245241 ◆CoudB9M4c2 :2007/09/21(金) 20:08:25 ID:sC4rl8HE
>>244
実は自宅にPCがなく、毎回ネットカフェか携帯から書き込みをしています。
現在名前の後ろに#とパスワードを付けていますが、携帯は毎回回線が切れるし、ネットカフェの端末も設定が初期化されるみたいなので、トリップ機能が働いているかわかりません。
アドバイスを頂いて試しているので、働いていたらよいのですが・・・。
246名無しさん@ピンキー:2007/09/21(金) 20:45:16 ID:x5VQgjuN
>>245
トリップはどこから書き込んだとかそんなの全然関係無い。
パスワードが同じならどこからでもどの板でも同じ文字列が出る。
ちゃんと働いてるから安心していい。

つか、自宅にPCとネットが無いのに書くとはなあ……恐れ入ったよ。
まあ……あとは何だ。何度も言われているが、そんな丁寧なレスはしなくていい。

ここはかしこまられると、首が痒くなる連中でいっぱいだ。
247名無しさん@ピンキー:2007/09/21(金) 22:52:03 ID:LvjEd7Aq
お前らも職人さんに対して畏まんなとかトリップとかうるせえよ
>>224みたいのは論外にしても・・・
248名無しさん@ピンキー:2007/09/21(金) 23:01:18 ID:14Xvwe0B
釣られるバカが非常に多いのがこのスレの特徴(笑)
249名無しさん@ピンキー:2007/09/21(金) 23:06:17 ID:7bG6SJPw
一話完結ならトリップは要らん。必要なのは連載物の場合だけ。
250名無しさん@ピンキー:2007/09/21(金) 23:09:37 ID:14Xvwe0B
お前等を監視してるってさ

【蜩】第七研究所part55【海猫】
http://ex20.2ch.net/test/read.cgi/nanmin/1190293956/
251名無しさん@ピンキー:2007/09/21(金) 23:24:21 ID:cpIxP6cn
とにかく圭一がちょっと意地悪でたじたじになるレナや魅音が見れれば俺はそれでお腹いっぱいです
性的な意味で。
252名無しさん@ピンキー:2007/09/21(金) 23:26:51 ID:14Xvwe0B

           /   /\   __   /\   \
           |          .|   |          | __o
      i⌒ヽ  |          |   |          .|    | 二|二''  _
 |⌒ |⌒ | ヽ_ノ|  .|         ノ__ヽ          |   ノ   |  ヤ   ッ
 |  |   | ヽ_ノ  .\      .  l    l         /


703 名前:名無し草[sage] 投稿日:2007/09/21(金) 23:13:08
エロパロの厨、フルボッコにされて涙目wwwwwwwwwwwwwwwww
監視されてるのはお前だ、あほが
253名無しさん@ピンキー:2007/09/22(土) 00:03:31 ID:yQ9s5E+M
何を今更
ここの大半はヲチスレ住人だと言うのに
254名無しさん@ピンキー:2007/09/22(土) 00:08:01 ID:VVhKE6KB
ですよねー
255名無しさん@ピンキー:2007/09/22(土) 00:18:24 ID:I4ezN0bt
ヲチスレってどこにあるの?
256名無しさん@ピンキー:2007/09/22(土) 00:20:27 ID:+CMkqDqe
257名無しさん@ピンキー:2007/09/22(土) 00:29:52 ID:BxAsestQ
>>252
ヲチされてるのは基本的にこういう奴だから
258名無しさん@ピンキー:2007/09/22(土) 00:32:36 ID:I4ezN0bt
>>256
あ、すいません見落としてました。

>>257
でもなんだか怖いですね。
259名無しさん@ピンキー:2007/09/22(土) 00:51:14 ID:BxAsestQ
>>258
大したことない。俺らはいつも通りやってりゃ良いさ
260名無しさん@ピンキー:2007/09/22(土) 00:52:35 ID:td+dVq1O
前スレにて↓の作品を投下した者ですが
http://www16.atwiki.jp/when_they_cry/pages/242.html

とある方から「年齢の割に性知識が深すぎだろう、普通スジを舐めない」と
いうご指摘をいただいたので、この作品の別バージョンを書きました。

エロにかかわる人物は、誰も性知識がほとんどないという設定にしています。

カプ:沙都子×梨花(賽殺し編の設定)

投下します。
261名無しさん@ピンキー:2007/09/22(土) 00:52:51 ID:0n1Qop/J
>>258
怖くない怖くないw
基本的にヲチスレはヲチ対象スレにお触り厳禁だからな
視姦されるだけだから痛いことさえしなきゃここの住人と変わらないぞ?
262名無しさん@ピンキー:2007/09/22(土) 00:54:25 ID:td+dVq1O
追記

冒頭部分が前作と被ります。
4レス消費予定。
263名無しさん@ピンキー:2007/09/22(土) 00:56:34 ID:td+dVq1O
私は、古手さんのことが嫌い。
私だけじゃない、クラスのみんなが、あいつを嫌っている。
あいつと仲の良かった男子たちは、みんな転校して、いなくなってしまった。
それがきっかけだった。私たちが古手さんへの意地悪をはじめたのは。

「行ってきまーす!」
「行ってきます」
「行ってらっしゃーい!」

今日も私は、大好きなにーにーと一緒に学校へと向かう。
いつも、にーにーとお話しながら行く学校。
にーにーと一緒に勉強しに行く学校。

でも、今日はいつもと少し違った。

今日は、古手さんにいつもとはちょっと違う意地悪をしようと考えていた。
体育の授業があって、男子と女子がわかれる時間が出来る。
絶好の機会だった。

「……で、体育の後で着替えるときにやろうと思うんだけど」
私は学校に着いてすぐ、数人にこっそりと打ち明けた。
「うんうん、そうしよっかー」
「その後は授業ないし、時間もあるよねー」
友達はのってくれた。よしよし・・・!!
(やった!!)
「じゃあ、後で着た人たちにも言っておいてくれる? 私も言っておくから」
「うん」
これで、計画は確実に進む……!!

ガラガラッ

あ……。

古手さんが学校に来て、教室の扉のところに立っている。
そのとき、あいつと思わず目が合った。
学校に来るのが嫌なのか、今日も根暗な顔をしている。
キッと睨みつけるとおびえたように視線をそらして自分の席についた。
いいざまだ。

そして体育の授業。

その間も、私たちはいつもどおりの嫌がらせをする。

準備体操で組になるとき、誰とも組ませない。
ドッヂボールで集中攻撃。
鬼ごっこではあいつが鬼!
足が遅くて誰も捕まえられないなんて、無様ね!
あっはっはっは!! いい気味ね!
下級生にまで笑われてるわよ!

授業が終わったときの古手さんは、もう泣きそうだった。
でも、これからよ……私たちの、いつもと違う嫌がらせが始まるのは!
264名無しさん@ピンキー:2007/09/22(土) 00:57:57 ID:td+dVq1O
私たちは更衣室に戻って、着替える。
園崎さんと竜宮さんはすぐに戻って、着替え終わってしまったようだった。

このときを、着替えてからずっと待っていた……。

「ふ・る・で・さ・ん」
と、私はゆ〜っくりと話しかける。
「……何ですか?」
その間に、他の子が古手さんの制服が入った入れ物を奪い取る。

「……あっ!!」
予想通り、古手さんは自分の制服を取り返すために追いかけた。
でも、入れ物に入ってたのが良かった。
私たちは入れ物を投げては他の子に渡して、投げては渡して。

そして古手さんが入れ物を持った子を追い詰めたとき、
私たちは、古手さんを捕らえて身動きをさせないようにした。

「……は、離してっ! 離してくださいっ!!」
古手さんは抵抗するが、2人以上に抑えられて身動きすら取れない。
そして、取り押さえている子達は古手さんの着ている体操着を脱がせた。
「ひゃぁぁ!! な、何なのですかー!!?」
そして、全部脱がせて裸にしてやった。
古手さんは、やっぱり泣きそうだった。あはは、いい気味ね。





やだ! やだやだやだ!!
なんで、私は裸にされてるの!?
私は押さえる手を精一杯振りほどこうとするけど、そんなことできっこなかった。

そういえば、朝に女子たちが集まって、例のごとく私はその中に入れなくて。
なんだか、お話が盛り上がってたみたいだけど。

もしかして、このための……?

そんなことを考えているうちに、北条さんが私の前に来た。
265名無しさん@ピンキー:2007/09/22(土) 00:59:21 ID:td+dVq1O
「古手さんってばちびで胸もぺったんこで、かっこ悪いわねー」
そう言って、私は古手さんの胸を撫でてやった。
「……んっ」
あれ……?
手が乳首に触れたら、古手さんは変な声を小さく出した。
なんだろ……もっと触ってみようかな。
「んっ……あっ……」
なんだろ……やっぱり、乳首を触られるのが嫌なの?
もっと触ってみよう。

ちょっとだけ、つねってみようかな?
「んぁっ……あぁ……」
やっぱり……。
なんか、変な声をあげて面白い!
もっとやってみよっと……。





身体を襲う変な感触のせいで、思わず声が出てしまう。
なんだろ……なんだか、電気が走ってるみたいにピリピリする。

そしてその変な感触は、容赦なく私の身体に連続して流れてくる。
「んぁっ……くっ……」
ダメ。
「あんっ……んくっ……」
声を抑えようとしても、無意識に出ちゃう。
それに、なんだか気持ちいい……。





私は、古手さんの乳首への手を緩めずに触り続ける。
ぷにぷにしたり、つねったり、なぞったり。

そんなことをしているうちに、乳首がなんだか、硬くなってきた。
いったいなんでこんなことになるんだろう。

……家に帰ったら、自分でもやってみようかな?

そんなことを考えているそばで、他の子が驚くようなことを言った。
「なんだかおしっこ出るところが光ってるよー?」
「ホントだー!」
「もしかして、おもらししちゃったのー?」
「かっこわるーい!」
266名無しさん@ピンキー:2007/09/22(土) 01:00:57 ID:td+dVq1O
北条さんに乳首を触られているうちに、身体がなんだか火照ってきた。
それに、おもらしっていうのも気になる。
おしっこを漏らしたような感覚はないのに、一体どうなってるんだろう。

「んああぁっ……あぁんっ!!」
身体にまた電流が走る。
北条さんじゃない誰かが、私のおしっこが出るところに触ったみたいだ。

そして、そこを触られて。
私の身体はさらに火照って、気持ちいい感覚も、より強まってきた。





「ひゃあぁんっ……あぅっ! あんっ!!」

古手さんが、高い声をあげる。
私は、それをただ見てるだけ。

でも、古手さんの様子を見て、だんだん私も古手さんのそこを触りたくなってきた。
今触っている子達にお願いして、触らせてもらった。
古手さんのおしっこが出るところには、なんだか変な突起もあったので、それを触ってみた。
「んあっ……ひゃあああっ!!!」
古手さんはより高く喘いで、そして古手さんの立っているところは水溜りが出来ていた。





はぁ……はぁ……。
身体が、熱いよ……。
なんだか、頭が真っ白になっちゃいそう。

さっきから気持ちいいのが止まらなくて、無意識に声が出ちゃう。
そして――――

「あっ、あんっ、あっ、ひゃんっ!! ひゃぁぁーーーーーーーーー!!!」
今まで出したことも無い位の、自分でも驚くくらいの。
高い声を――――

「……はぁ……はぁ」
私、どうなっちゃったんだろ……。
なんだか身体がガクガクするよ……。

疲れちゃった……。





古手さんの身体が大きく跳ねて、止まったと思ったら倒れこんじゃった。
本当に、どうなってるんだろ……?
後で自分で試してみようっと。



fin.
267名無しさん@ピンキー:2007/09/22(土) 01:02:23 ID:td+dVq1O
以上です。


被ってるの冒頭ってレベルじゃねーぞ!!

乱筆失礼しました。
268名無しさん@ピンキー:2007/09/22(土) 05:29:44 ID:1eUw/bCq
GJ!

で、家で試してみた沙都子が梨花たんを翌日誘う場面に繋がる訳ですかw
269名無しさん@ピンキー:2007/09/22(土) 18:30:24 ID:6OuAPjTo
>>266
GJ!
ょぅι゙ょ分、補給させてもらいました
やっぱり俺のツボは受けの梨花ちゃまだわw
270名無しさん@ピンキー:2007/09/23(日) 22:43:23 ID:nHrzO94i
L5大石はどうなったぁ!?
271名無しさん@ピンキー:2007/09/24(月) 01:05:16 ID:peYDZgy2
前スレのL5トミーの鷹野さん恥辱ものを密かにまっている俺は健気
272名無しさん@ピンキー:2007/09/24(月) 01:09:28 ID:JR3iiXz7
>>271
あれ…俺がいる…
273 ◆CoudB9M4c2 :2007/09/24(月) 21:30:59 ID:EXKka3DL
圭一パパ×圭一ママを投下します。

題名は「カモン・エンジェル!」です。
274 ◆CoudB9M4c2 :2007/09/24(月) 21:33:06 ID:EXKka3DL
 カモン・エンジェル!

 見てはいけないものを見てしまったことがあるだろうか。
 見てはいけない、すなわちタブーとされる物事を見てしまうということがその定義であるとするならば、私は今、その見てはいけないものを見てしまっているということである。
 「お、や、じ・・・。」
 「あ、圭一くんの、お父さん、かな、かなぁ・・・?」
 私の目の前には二人の人影がある。
 一人は私の愛すべき家族であり、一人息子の圭一。もう一人は、その女友達である竜宮礼奈ちゃんだ。
 驚いたようにこちらを振り向き、完全に固まっている。
 二人とも膝をつき、圭一の手は礼奈ちゃんの両肩に優しく置かれていた。
 
 キス・シーン(はぁと
 
 おお、おおお、おおおおおおおっっっっつ!
 テレビと漫画以外で、初めて見たっ!!
 しかも、あどけなさが残る、自分の息子のキスシーンだぞッ!
 私の心にズキュゥゥーン!とか、ドォーーーン!とかいう効果音が聞こえてきた。
 もしこの場面を漫画的表現で表すと、私の背景にそんな文字が飛んでいるに違いない。
 藍子に頼まれて、しぶしぶ差し入れに上がったところが、とーんでもないものを見つけてしまった、どーしよー。
 と、何処かの警部さんみたいな台詞を吐いてしまったが、どうしたものか。
 個人的には、このまま固まった二人の顔を見続けているのも一興なのだが、この年頃の少年たちは、恋愛事情に親が介入してくるのを極端に嫌う。
 見ると、圭一の顔が真っ赤に染まり、目線が見る見るうちに釣り上がってきた。逆噴射5秒前といったところだろう。
 しかし、甘いぞッ、息子よ!
 私は圭一から「出てけぇーっ!」という声が飛び出すその前に、素早く駆け寄り、力強くその肩を叩いた。
 無論、エンジェルモートで買ってきたチーズケーキと、セイロン紅茶が置かれているお盆は、足元に置いてある。
 電光石火の動きを何事かと思い、仰天する二人の顔を横目に、私は目を閉じて首を振った。
 そして次の瞬間!私は無言で目を見開くと、満面の笑みで右手の人差し指を『ビシッ!』と伸ばした。
 
 ・・・・・・・・・。
 
 数秒間の沈黙。
 そして私は身を翻し、颯爽と息子の部屋を後にした。

 クソ親父ぃぃぃぃぃぃ!!

 息子の絶叫が家中に響いたのは、階段を下り終えた直後のことであった・・・。

275 ◆CoudB9M4c2 :2007/09/24(月) 21:35:38 ID:EXKka3DL

 「あら?圭一の声がしたけど?」
 食卓に戻ると、妻の藍子が紅茶を入れ終えているところだった。
 食べ終えて空になっていたデザートの皿は片付けられ、部屋にはセイロン紅茶の馨しい香りが漂っている。
 「ん、あぁ。紅茶でもこぼしたんじゃあないか?」
 私は笑みを浮かべて席に座った。
 藍子の入れてくれた紅茶に口をつけると、先程の光景が思い返され、再び笑いがこみ上げる。
 「どうしたの?そんなに笑って。」
 「いや、それがね・・・。」
 私は先程の顛末を面白可笑しく、多大な脚色を交えて話した。
 息子に恋人が出来たと知った時、母親がどんな顔をするのか見てみたいという気分があったが、以外にも藍子の表情は変わらなかった。
 「あら、知らなかったの?」
 むしろ、私が二人の仲を知らなかったことが意外らしい。くすりと笑って、藍子は紅茶に口をつけた。
 「最近、遊びに来るレナちゃんが、どんどん綺麗になっていっているのよ。恋する女の子って、雰囲気まで変わるものなのよ。」
 「そうなのかぃ?」
 「えぇ。それに、シャンプーもエメ○ンに変わったり、透けて見える制服の下着も、良い物になっていたしね。」
 ミステリーマニア恐るべしといったところか、それにしてもよく見ているものだと、私は今更ながら妻の推理力に舌を巻いた。
 「初恋、か・・・。私にもそういう時期があったわ・・・。」
 藍子が遠い目をして窓の外を見る。窓の外には中天の太陽が赤々と輝いていた。
 強い日差しが藍子の頬を照らす。
 
 その時、私は今更ながら妻の美しさに心を奪われた。
 圭一を産んで十数年。三十も半ばの藍子だが、その外観は、大学時代に比べても変化に乏しい。
 ワンピース越しに見える肢体も、女性らしくメリハリがつき、オバサンなどとは到底呼べないだろう。
 ・・・・・・・・・・。
 そういえば、ここに越してきてからは仕事で忙しく、ご無沙汰だったな・・・。
 久々にもたげる男としての欲望。しかも、私はその欲望を高い形で昇華出来る、魔法のアイテムを手に入れているのだ。
 それは、この雛見沢に越してきて見つけた理想郷へと至る崇高な品物。
 そうか、使えというのか。
 この私に、あのビックリ・ドッキリメカを!!
 
 「そろそろ晩御飯の用意を」
 藍子が席を立とうとするその瞬間、私はその手をしっかりと握り締めた。
 「どうしたの・・・?」
 「あ、うん。ちょっと、いいアイデアが浮かばなくてね。『打ち合わせ』しないか?」
 我が家での『打ち合わせ』とは、無論腰の打ち合わせのことである。
 藍子の顔が、真っ赤に染まる。
 「え、うん、良いけど・・・。」
 視線を逸らして答える。藍子も少し欲求不満だったらしい。
 「今夜?」
 「いや。」
 そう言って、私は藍子の耳元に口を近づけて囁いた。
 「今から。」
 「え、でも、圭一も、レナちゃんもいるじゃな・・・」
 文句を言う唇を自分の唇で塞ぐ。
 「アトリエでするから大丈夫だよ。」
 私のアトリエは防音加工してあるため、物音が響き渡ることはない。しかも、私たちはちょくちょくそこに篭るため、急に姿が見えなくなったとしても圭一が怪しむことはないだろう。
 「それに、いいモノもあるから・・・。どうだ。」
 藍子が戸惑いに視線を泳がせる。しかし、この顔をする時の彼女には既に答えが出ていることを、私は経験上知っていた。
 「はい、あなた・・・。」

276 ◆CoudB9M4c2 :2007/09/24(月) 21:38:34 ID:EXKka3DL
 
 広い板張りのアトリエは、空調が効いているためか、夏だというのにむしろ寒々としていた。
 私は仕事机の傍にある、大きな籐の安楽椅子に座り、腕を組んでいた。
 私のアトリエはカンヅメ状態にも耐えることが出来るよう、一部屋にバス・トイレ・シャワーが付いている。
 『打ち合わせ』は私の作品ジャンルにも影響する重大事項だ。
 絵画だけでなく、同人世界にも生きているこの私にとって、新ジャンルの開拓は生命線の確保に等しい。
 だが、作品を作る上において、リアリティを欠かす事はできない。
 そのため、私は最愛のパートナーである藍子の体を張った『打ち合わせ』により、常に新ジャンルに挑戦しているのである!
 看護婦・メイド・スチュワーデス・OL・仲居さん・・・・。
 食堂のおばちゃんから果ては電撃鬼娘まで、その挑戦は飽くことを知らない。

 先にシャワーを浴びた私は、白いバスローブに身を包み、脱衣所で着替えているであろう藍子が来るのを心待ちにしていた。
 もうすぐだ、もうすぐ、私に理想郷が訪れる・・・!
 「で、できました・・・。」
 恥ずかしそうな声で、藍子がドアの向こうから声をかける。
 「ああ、入ってくれ。」
 私は意識してぞんさいに答えを返す。
 返答を聞いて、ドアがゆっくりと開かれる。
 
 キタキタキタキター!!
 
 濃紺の水着。いや、各所にフリルの着いた制服に身を包んだ藍子が、ドアの向こうに立っていた。
 羞恥心のために顔を真っ赤に染め、もじもじと胸元を隠すように左手を持ってきている。
 お盆に乗せられた残りのスイーツであるチョコレートパフェが、右手に支えられていた。
 
 藍子が身を包んでいるのは、エンジェルモートの制服である。
 通い倒して数ヶ月。
 店長の園崎氏を口説き落とし、破格の値で購入したこの最終兵器!
 想像通り、いや、想像以上の破壊力である。
 ドレスと水着の核融合。人類の辿り着いたエロスとフェティズムの境地。
 誰もが「お〜持ち帰りぃ〜☆」を夢見てやまないこの制服を、私はッ!私はアァッ!!
 
 「あ、あの・・・あなた・・・?」
 すっかり陶酔しきっていた私に、藍子の声が当惑した様子で声をかけた。いかん、いかん。
 私は正気に戻って藍子の姿を見た。
 成熟した大人の女性しか似合わない制服のはずだが、藍子の大きな胸のせいか、胸元がきつく見える。
 下手に肉が付いていると途端に魅力を失うビキニラインもしっかりと整い、フリルが可愛く揺れていた。
 「うん、綺麗だよ、藍子。」
 正直にほめると、藍子は顔を伏せて恥ずかしがった。
 「でも、ここでは『あなた』じゃない。ここはお店なんだ。『お客様』じゃないとね。」
 「はい、お客様・・・。」
 この『お客様』というのが重要なところだ。
 メイドならば『ご主人様』・『旦那様』。女生徒ならば『先生』と、そのジョブに合わせた呼び方をしなければ魅力が薄れるというものだ。
 「じゃあ、ウェイトレスさん。そのパフェをもらおうか。」
 
277 ◆CoudB9M4c2 :2007/09/24(月) 21:40:51 ID:EXKka3DL
 「はい。どうぞ、お客様。」
 藍子が私の前にひざまづき、パフェをスプーンで掬う。
 おずおずと差し出したパフェを、私は口に含んだ。さすがはエンジェルモート、味にも手抜かりはない。
 二・三度同じことを繰り返すと、私はスプーンを優しく藍子の手から奪った。
 「お客様?」
 「ウェイトレスさん。これじゃ冷たい。口移しで食べさせてくれないかな?」
 一瞬、藍子は驚いたようだが、この要求が意味することを察してか首を縦に振った。
 茶色のパフェを一口含み、唇を私に近づける。
 「んん・・・。」
 唇が触れ合って、冷たい感触が広がった。藍子が舌で押し出すパフェを受け取り、飲み込む。
 私は全て注挿された後も、藍子の口腔へ向けて強く口を吸い、舌を伸ばした。
 「ふ、う・・・っ。」
 藍子の舌が絡まり、私のそれと絡み合った。お互いを求めて強く引かれ合い、口腔内で踊り狂う。
 「・・・ウェイトレスさん。」
 私は藍子の顔を離して指を下に差した。見ると、茶色のパフェの一部が、バスローブの股間の位置に落ちている。
 「綺麗にしてくれないか?」
 「はい・・・。」
 藍子の手が股間に触れる。私の分身は既にいきり立ち、ローブの中で自己主張していた。
 お絞りで茶色の液体を拭き取ろうとすると、自然に硬くなったその部分に当たる。
 強すぎないよう、藍子が慎重に周りをぬぐっているのがもどかしい。
 生殺しのようなその感覚に耐えられず、私は藍子の耳元に囁いた。
 「今度は、口でしてくれないか?」
 藍子は上目遣いで私を見ると、上唇をそっと、舌で舐めた。
 瞳には淫らな光が宿り、欲望の火が体に灯ったことを、私に告げていた。
 ローブの前がはだかれ、分身が晒される。その分身に藍子は口付けし、うやうやしく口に含んだ。
 「うっ・・・。」
 瞬時に駆け抜ける射精への欲望。
 性感帯を知り尽くした藍子の動きに、私は翻弄されていた。
 口で含むだけでなく、手でもてあそび、舌を入れ、歯で甘噛みをする。
 貞淑な妻が淫乱なメス犬に変わるこの瞬間が、男としての征服欲をそそるのだ。
 私は藍子の頭を両手で押さえつけ股間に固定すると、その顔を撫で回した。
 愛撫に興奮しているのか、藍子は驚くことなく行為に集中し、更に口の動きを強めた。
 「くおおぉぉぉっ!」
 敏感な部分を舌でもてあそばれ、私は限界を迎えようとしていた。
 自ら腰を動かし、最後の瞬間まで導く。
 「出、出るっ!出るぞっ!!」
 先端から出る欲望の液体が、藍子の口腔を犯した。凄まじい勢いに、藍子がむせる。
 しかし、藍子は顔を引くことなく、私の全てを飲み干した。押さえきれなかった残滓が糸を引いて、唇から流れる。
 手を離しても藍子は分身から離れず、私の全てを飲み干そうと舌を動かしていた。


 
278 ◆CoudB9M4c2 :2007/09/24(月) 21:42:59 ID:EXKka3DL
 「もう、いいよ。ウェイトレスさん。」
 十分に分身が硬さを取り戻したことを確かめると、私は藍子の口から分身を引き抜いた。
 「あ・・・。」
 名残惜しそうに藍子が呟く。
 「今度は、ウェイトレスさんを頂くよ。」
 宣言して藍子を体の上に抱き寄せると、私は制服の布をずらして、分身を一番敏感な部分にあてがった。
 思ったとおりに、その部分には見なくてもぬめり気があった。
 「ふああぁぁっ!」
 一気に刺し貫く。二・三度律動するだけで、最奥まで至った。
 「思ったよりも、すんなりいったな。ウェイトレスさん、こういうのに慣れているんじゃないか?」
 「い、いや・・・。そんなこと・・・。」
 「でも、ほらッ!こんなに濡れて、咥え込むなんて、一度や二度じゃ出来ないモンだぞっ!」
 「あ、ふうっ!そ、それは、お客様、があっ・・・!」
 「くっくっく。そうだよなぁ、出来の悪いウェイトレスに、俺がたっぷり教え込んでやったんだからなぁ!!」
 「は、はひぃ・・・。わ、わたしは出来の悪いウェイ、ト・・・レスですぅ!!」
 「じゃあ、もっと、もっと教えてやらないとなぁ。男の味ってやつを!」
 「お、教えて、教えてくださいお客様ぁぁ!」
 いつの間にか創造していた役割に、私たちは没頭していた。
 私の求めたものに、創造以上のの反応を返してくれる最高のパートナーである藍子。
 改めて、私は彼女の全てを欲しいと思った。
 制服の前をはだけさせて豊かな胸に唇を這わせる。
 藍子も私の頭をしっかりと抱いて、話さない。
 安楽椅子がきつそうにギシギシと音を立てる。その音と私たちが生じる粘着音が、不思議なハーモニーを奏でていた。
 「あ、あなたぁ・・・!わ、わたし、もう、もうダメ、もうダメええっ!!」
 快楽によって素に戻った藍子が、限界を告げる。
 私も同じく限界だった。強く腰を動かして、最後まで密着した。
 「藍子、藍子!私もいくぞ!」
 「あなたっ!あぁ、あぁ、あぁぁぁぁ!ダメええええええぇぇぇぇぇぇ!!!」
 「あいこおおおおおおおおっっっっ!!」
 再び大量の白濁液が、藍子の中に打ち込まれた。
 『打ち合わせ』の終わりを告げるその流れはいつまでも名残惜しく、私の意識が途切れるまで続いた・・・。


 
279 ◆CoudB9M4c2 :2007/09/24(月) 21:44:28 ID:EXKka3DL

 「親父、話がある。」
 数ヵ月後のある日、圭一が真剣な面持ちで、私と藍子を食卓に呼び出した。
 隣には礼奈ちゃんが、同じように真剣な表情をして立っている。
 「どうしたの?藪から棒に。」
 藍子が怪訝な顔で、それでも優しい微笑を浮かべて答えた。
 あの日の事を気にすることなく、礼奈ちゃんは我が家に来て一緒に食事をしたり、圭一の部屋で過ごしていた。
 私もあの日の話題は避けていた(と、いうより触れようとすると圭一が噛み付かんばかりに起こるのだ)のでこれまでどおりの関係だったのだが、何か大事なことでもあったのだろうか。
 
 はっ!
 私は最悪のケースを想定した。
 最近の学生の進み具合は半端ではないらしい。しばらく前にあった「3年○組」では、中学生同士の妊娠がテーマとなっていたではないか・・・!
 自然と、私の顔はこわばった。
 KOOLになれ、前原伊知郎・・・!
 息子の全てを受け止めるのが父親じゃあないか。モデルガン事件の時と同じだ。痛い目に合わせて自分の過ちを後悔させた後、助けてやればいい。
 しかし、それに反して圭一の口から出たのは拍子抜けする言葉だった。
 「俺、前原圭一は、ここにいる竜宮レナさんと付き合っています。」
 一瞬、力が抜けた。
 そ、そうか・・・。考えすぎだったか。
 「わ、私、竜宮レナです。圭一君、いや、圭一さんとお付き合いをさせて頂いています。今日は、圭一さんのご両親に、交際を認めてもらいたく、お伺いしました。」
 恥ずかしそうに、圭一の隣で控えていた礼奈ちゃん、いやレナちゃんが顔を赤くして頭を下げた。
 その瞳を見ると、圭一を見つめていた。
 圭一のことを信頼しきっている。その意思が強く感じられる良い瞳だった。
 わざわざ、交際宣言に来てくれたのか。そう思うと、二人の律儀さと初々しさに、自然と頬が緩んだ。
 藍子を見ると。同じように微笑んでいる。
 
 これならば、告げてもよさそうだ。
 
 私は藍子の手を握る。
 「うれしいわ。それなら、レナちゃんは私たちの娘になるのね。」
 「歓迎するよ、レナちゃん。こちらこそ、圭一を頼むよ。」
 そして、私は藍子のお腹をさすり、二人に告げた。
 「ほら、お前も挨拶しなさい。お兄ちゃんとお姉ちゃんだよ・・・。。」


 終わり  
280名無しさん@ピンキー:2007/09/24(月) 21:47:21 ID:Bd/H5a16
>>279
リアルタイムktkr!
gj!


それにしても最近は珍しい組み合わせが多いなwww
281 ◆CoudB9M4c2 :2007/09/24(月) 21:48:24 ID:EXKka3DL
以上、投下を終わります。

毎回マイナーなネタになってすみません。

今回はこれまでと違って一人称にしてみましたが、慣れないので苦戦しました。

そろそろ部活メンバーの作品を投下したいと思います。

お目汚し、失礼しました。
282名無しさん@ピンキー:2007/09/24(月) 22:24:04 ID:EOQLwglJ
>>281
やばっ!最後はなんかいい話でじんわり温かい気持ちになっちまった!
改めてひぐらしは惨劇のお話じゃなくなったんだなぁって実感したよ
休日にいいもの読まして貰った。GJ!
283名無しさん@ピンキー:2007/09/24(月) 22:28:03 ID:zxfJF/lE
>>581
GJ!!!
この組み合わせは初めて見たけど、普通にいいな。
あと初々しい圭一とレナに萌えた
284名無しさん@ピンキー:2007/09/24(月) 22:43:27 ID:iTUABAwC
イチローと藍子か・・・GJ
イチロー見てるか?
285名無しさん@ピンキー:2007/09/25(火) 00:22:04 ID:1aMI9mhA
>>281GJ
ひぐらしファンにとって受難のときに
いいものを投下してくれてありがとう
286名無しさん@ピンキー:2007/09/25(火) 01:24:24 ID:YNprlPYo
>>281
どんだけGJなんだよ……あまりの良い展開っぷりに全俺が感動したぜ。
鬱なニュースばかりの中で投下してくれたお前に感謝するぜ。
287名無しさん@ピンキー:2007/09/25(火) 01:54:29 ID:5rjexEHW
なんて夫婦だ……
その血筋もKOOLに流れていると思うと


ところで最初の方に伊知郎がK1の肩を叩いて人差し指を突き出したのは、親指の間違いじゃないよな?
なんか気になったもんで
288 ◆CoudB9M4c2 :2007/09/25(火) 08:37:17 ID:qU9evbxn
>>287
ご指摘のとおり、素で間違えていました。
指を間違えるなんてどんだけ発症してるんだ私は・・・。
応援してくれた方々、すいません。ちょいと鬼隠しに遭ってきます。


しかし、斧での事件がまた起こりましたね。
それがひぐらしに関連付けされるのに、正直怒りを覚えます。
斧や金属バットで殺すのは残酷で、銃や刀で殺すのは残酷ではないのでしょうか。
スレチな話題で失礼しました。
289名無しさん@ピンキー:2007/09/25(火) 11:26:49 ID:4pYrDVMu
SSの出来そのものにはなんの不満もないんだが
読んでたら両親のSEXを目撃してしまった時のことを思い出して鬱になってしまった・・・
290名無しさん@ピンキー:2007/09/25(火) 12:23:09 ID:p+6GfhvQ
>>281
超GJ

素晴らしいです
勉強になるよ

次のSS楽しみにしてる
291名無しさん@ピンキー:2007/09/25(火) 13:24:58 ID:inpqHew9
幼姉妹(真魅音×真詩音)エロ投下します。
携帯からなので見づらいかもしれませんが、宜しくお願いします。
292園崎姉妹の黒歴史:2007/09/25(火) 13:28:22 ID:inpqHew9
「お姉、起きてくださいよ。……お姉ったら」
「う、う〜ん…。も、ダメ…無理ぃ…」
綿流し祭の打ち上げ後、すっかり出来上がってしまった魅音は私の膝を枕にして伸びていた。
厄介な事になったもんだ。既に今日は泊まると言ってしまった。
一晩これの面倒を見なきゃならないのか…うんざりしながら、今日の事を思い出す。

「本当に二人はそっくりだなぁ」
「そっくりなのは顔だけじゃないんですよ?ほらっ!下着の色も……」
「ぎゃああああっ!!?あ、あんた何すんのよぉおぉお!!!!!!」

真っ赤になって泣きそうなお姉の顔を思い出すだけで笑えてきた。今日は随分とお姉をからかった気がする。
……こういうスキンシップを、笑って出来るようになるなんて、凄い進歩だ。
ここまで思考を巡らせて、私はまた苦笑した。
今更こんな事を思い出すなんて、……今日は私も酔ってるのかな。
柱に頭を預けて、ゆっくりと目を閉じた。
293園崎姉妹の黒歴史:2007/09/25(火) 13:30:25 ID:inpqHew9
――数年前。それはまだ私が『魅音』だった頃の、ほんの些細な悪戯だった。
友人達との隠れんぼの途中、私は少しでも鬼の子の裏をかこうと、普段訪れる事のない河原へと駆けていった。
予想通り、そこは私が一番乗り。あとは死角になる岩の影にでも隠れて、戦況を見れば良い。
そう思って一歩を踏み出した時、かさり、と足から砂利以外の何かを踏んだ感覚が伝わる。
何だろ?……紙?足元に視線を落とすと、それはどうやら雨風に晒されて変色し、みすぼらしい姿に変わり果てた週刊誌…のようだった。
流れついたのか、誰かが捨ておいたのか周辺には同じような雑誌が点々と転がっていた。
ったく、汚いなー……。眉を顰めて踏みつけていた足をどける。
再び駆け出そうとした私は驚きに目を見開いた。週刊誌だと思っていたそれは、どうやら、……世間でいうエロ本という物だった。
今なら一蹴するような低レベルの内容だったが、当時の私は色褪せた女の裸体から目を逸らせないでいた。
294園崎姉妹の黒歴史:2007/09/25(火) 13:35:29 ID:inpqHew9
――暫しの間の後、私はゆっくりそこに腰を落とす。そして、石を使って直接触らないよう注意しながらページを捲る。
初めて見るものばかりだった。気持ち悪いけど、……もっと見たい。
妙な背徳感と好奇心に背中を押され、更にページを捲って凝視する。
何度か繰り返した時、私はぎょっとした。
見開きには何枚もの絡み合う女の写真。――そう、所謂レズ物ってやつだ。
「うっわ……」思わず声が漏れる。こんなの女同士で出来るんだ。変なの。ばっちいな。
なのに、私はそれらの記事から目が離せなかった。日が暮れ始め、辺りがオレンジ色に染まっても、睨み付けるように、ずっと見ていた。

「魅音ちゃんみっーけ!」
遠くから聞こえる友人の声にハッとする。隠れる事を忘れていた私はあっさりと見つかり、その日はお開きとなった。


―――――――
「あっ。お姉ちゃん、お帰り!」
「お帰りなさい、魅音さん。もうすぐお夕飯ですよ」
「んー……ただいまぁ」
出迎える詩音と葛西に適当に相槌を打つ。
家に帰ってもずっとアレが頭から離れない。私はご飯中も、風呂に入ってもずっと上の空の侭だった。

「じゃあお姉ちゃん、おやすみ」
「…おやすみ」
パチリと電気が消される。真っ暗で静かな部屋。……目を瞑るとアレが鮮明に浮かんできて眠れない。
イライラしていると、ふと背中越しに聞こえる詩音の寝息に気付いてそちらを見る。
「…………」


――どんな感じ、なんだろう。
気付いたら私は体を起こし、もぞもぞと詩音の布団に潜り込んでいた。
ちょっとだけ、……ちょっとだけ、試してみよう。詩音は妹だし、そういうのは知らない筈だから大丈夫。
私は頭まで布団で覆うと詩音の上に重なった。
295園崎姉妹の黒歴史:2007/09/25(火) 13:41:49 ID:inpqHew9
そっ…とパジャマの上から体を撫でる。詩音は小さな呻き声を洩らして身を捩った。
ゆっくりゆっくり、パジャマの中に手を忍ばせて、鎖骨辺りまでたくし上げる。緊張と興奮で、ゴクリ…と喉が鳴った。

「……。お姉ちゃん…?」突如聞こえた、寝ぼけた詩音の声。驚いて思わず手を引っ込める…が、既に遅し。こんな状況、どうやって説明すれば良いんだ。
「な、何して……んっ…?」
手で詩音の口を塞ぎ、もう片方を人差し指を立てて自らの唇に当てる。
「しーっ!何でもないから、ちょっと静かにしてて」
ぱちぱちと瞬きして不思議そうに私を見る詩音に視線で念を押し、再び体に手を伸ばす。……もう隠す気なんかなかった。……いや、詩音になら別にバレても良いと思ってた。この子が怒ったところでどうってことないし。
「お、おね…ちゃ…!むぐ…」
驚いたような声を無視して、私と同じ程度に膨らみかけた乳房にそっと触れる。
「……詩音、痛い?」
ゆっくりと力を込めて揉むと、それは芯があって堅かった。
ふるふるっと無言で首を左右に振る詩音は恐らく真っ赤になっているだろう。私には容易に想像出来た。
両手で優しく解すように揉みしだく。詩音はパジャマの襟元をくわえて堪ていた。
「っぁ……!」
指が突起に触れた時、びくっと詩音の身が跳ねる。
「……ここ、痛い?」
指の腹でそっと撫でながら視線を上げて様子を見る。
「ん、んん…ち、ちが、う…けど……」
恥ずかしそうに顔を逸らしてもごもごと返す様子に、今日得た知識を反芻する。

「……もしかして、気持ち良いの?」
きゅっと強めに突起を摘むとまた詩音は声を漏らした。
「やっぱりそうでしょ」
「ぁ、ぁっ…ち、ちがっ…!」
いつもと違う詩音の声。息も上がって、摘んだ突起も心なしか硬くなっているようだった。
すごい、あの本の通りだ。
「っ、ひゃ…!ぁ…お、お姉ちゃっ…!?」
すっかり興奮しきった私は満足出来ずに、片方の突起に吸い尽く。
「や、やだぁ……お姉ちゃん、やだっ…」
私の髪を握り込んで、いやいやと首を振る詩音にイジメてやりたい気持ちが膨らむ。
296園崎姉妹の黒歴史:2007/09/25(火) 13:47:58 ID:inpqHew9
ちゅっ…じゅる、ちゅう…
音を立てて吸い、飴玉のように舐ってやった。そのどこか懐かしい感覚が私にも心地良く、詩音の荒くなった息遣いを聞きながら夢中になって愛撫した。
「はぁっ……はっ…。ん、んんっ…」
長い間覆い被さる私を挟むようにして、もじもじと動く足に気付き、先端から唇を離す。……銀色の糸が隙間から漏れる光できらりと光って綺麗だった。
「どうしたの?もしかして、おしっこ?」
落ち着きない様子の詩音に問うと、潤んだ瞳は戸惑ったようにさまよい、小さく分からないと言った。
「そろそろ、こっちも見たいと思ってたんだ」

丁度良かったので、身を起こし、パジャマのズボンに手をかける。
もうちょっとだけ。もうちょっとだけ良いよね。
びくりと再び詩音の体が跳ね、驚いた表情で私を見る。
「やっ!な、…なんでっ……!?ちょ、待って…お姉ちゃんっ…!」
「…静かにしなって。変なんだったら私が見てあげる。おしっこじゃないんでしょ」
「で、でも……そんな、恥ずかしいよ……」
「どうせ私と一緒なんだから、今更だって。ね?」
「う、うぅ……」
嫌がる詩音を黙らせて、私は半ば無理矢理ズボンと下着を引っ張った。
「……!」
詩音は目を固く瞑って耐えていた。脚を大きく広げて、そこを、見る。

「うわ……」

思わず声が漏れた。初めてちゃんと見る、女の子のあそこ。それは想像以上に複雑な形をしていて……いやらしかった。
私のも、これとおんなじなんだ。そう思うとドキドキした。
まじまじと見た後、大きく息を吸ってから、そっと指で触れる。
くちゅ……。
小さく、響く水音。そこは少し滑っていた。
「詩音……。なんか、濡れてるよ…?もしかしてしちゃった?おしっこ」
「し、してな……」
「でも、ほら……」
もう一度、指を這わせて割れ目をなぞる。先よりも大きく水音が響き、詩音が呻く。
「っぁ…ん!ゃ…」
「詩音……ここも気持ち良い?」
「ちがっ……。は、はぁっ…」
そんな事知っていた。あの本でもここを触ってたから。
「あっはは……、詩音のエッチ」
「っ……!」
陶酔しきった声で煽ると、割れ目に指を挿し入れる。詩音が息を飲むのが分かった。
297園崎姉妹の黒歴史:2007/09/25(火) 13:53:18 ID:inpqHew9
ちゅっ…くち…ちゅくっ…
初めての感触に指を探るように動かす。その度に詩音は小さく喘ぎ、身を震わせた。
「っん、くっ……ひ、あ、ぁっ…あっ……!」
そのうち、割れ目の中の一番硬い部分を指で押した時に、この子が一番反応する事に気付いた私は、面白くてそこを執拗に弄った。
指先で円を描くようぐりぐりしたり、つまんだり。まるで玩具のスイッチのようで、何度も何度も繰り返した。
「あ、あ、あっ……ゃっ、お、ねぇちゃ……んっ」
背中を仰け反らせ、ビクビクと体を震わせて悶える詩音の顔は、もうぐしゃぐしゃで。
「詩音。詩音のここね、すごいよ。ほら、…もうお布団までびしょびしょなの」
「ん、んんっ…ふっ…、も、も…やっ…!」
顔を寄せて囁いて、示すように大きく水音を響かせる。間近で見る詩音の表情が……あまりに、その………だったから、私は思わず口付けた。
そしたらもう本当にどうでも良くなって、舌で伝う涎を拭い、ちゅうちゅうと夢中で唇を吸いながら下半身を弄る手の動きを早める。
「んっ…む、ぐ…ふ、ふぇっ……」
詩音の手が私の揃いのパジャマを強く強く握り、足が体に絡みつく。
「も…ダメ?もう、つらい?」
返答は無い。…私は名残惜しさを感じつつも、詩音のスイッチを最後にぎゅっと強く摘んだ。
「っ!あっ…ふぁ、あっ、あ……っ!!」
詩音の体が大きく震え、…やがてはぁはぁと荒い息だけを残して静かになった。様子を窺うと、どうやら気を失ってしまったようだ。
取り敢えずそれから私はパジャマを直して証拠隠滅を図る。そして、ぽすんと隣に横になると……詩音を大切なお人形のように抱いて、眠りについた。


――それから私はこの行為の虜になり、夜な夜な詩音の布団に潜り込んでは体を弄ったり、触らせたりして遊んだ。詩音と秘密を共有するのが楽しかった。
そういう関係は暫く続いたけど、……あの事件。
そう。私が詩音になり、あの子が魅音になってからは自然に…というよりかは互いに気まずくて、するのを止めた。物理的にも離れてしまったし。
298園崎姉妹の黒歴史:2007/09/25(火) 13:56:08 ID:inpqHew9
そうして今に至る訳だけど、振り返ってみると……とんでもない事をしてたと思う。無知故の恐ろしさというか、若さ故の過ちというか。
それはあの子も同じのようで、その件には一切触れないし、私達の間では所謂『黒歴史』となっている。
だから互いにじゃれるのを避けていたんだけど、最近は…そうでもない。何故か自然と戯れる事が出来る。
時が解決してくれたのだろうか。恋の話で盛り上がり、小突きあって笑う。姉妹として健全化していくようで嬉しかった。
私の膝に頭を預けて、相変わらず間抜けた顔で眠る魅音の頬にそっと触れ、撫でる。
「……詩音。ごめんね?」
その時、ぽたりとスカートに落ちる雫。


魅音の、涎だった。

……こんな顔、百年の恋も冷めるってもんですよ。私は脱力すると、静かに魅音をずらして自らも寝る準備を始める。
……そう、互いに思い人が出来た今、忘れた方が良いのだ。
明日になったら今日の酔っ払いお姉の痴態をネタに遊んでやろう。
そんな楽しい未来に思いを馳せて、私も深い眠りについた。
299園崎姉妹の黒歴史:2007/09/25(火) 13:57:54 ID:inpqHew9
以上です。
設定的には一応10歳位だと思って頂けると嬉しいです。
300名無しさん@ピンキー:2007/09/25(火) 14:04:06 ID:I8C6+5Ck
>その時、ぽたりとスカートに落ちる雫。
>魅音の、涎だった。

ちょwwwwww台無しwwwwww
何がともあれGJ!
301名無しさん@ピンキー:2007/09/25(火) 21:55:55 ID:Pq1EW6nf
久々の双子キター!GJ!!
幼女属性なかったのに萌えてしまったぜ…!
302名無しさん@ピンキー:2007/09/25(火) 22:35:41 ID:UTrqb2FN
>>281
堪能した♪
茜さんとは違った、主婦な人妻ってのもいいなあ。GJ。

>>299
こいつぁなんておピンクなww GJ。
303名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 01:18:56 ID:9Op9yI4o
これは



エロイ
304名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 13:44:19 ID:MUjW8cw5
保管庫に新しいのがうpされてるな
305名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 00:22:46 ID:9qWnQ3lS
GJすぐる
306名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 17:36:54 ID:gpzM1qpo
12 :名無しさん@ピンキー:2007/09/03(月) 23:39:53 ID:H2XsxThh
ベッドサイドの明かりをぼんやりと見つめながら、夏妃はごろりと寝返りを打った。
「あ…」
身じろぎするだけで、大量に出された白くどろりとしたものが己の内から流れ出てしまう。
それをもったいないと思う反面、酷使された身体は全く動いてはくれなかった。
「もう、解いていただいたのに…」
今まで荒縄にきつく縛られていたせいか、全身がひりひりと痛む。
ここ最近、とても夫婦の愛の営みとは言いがたいほどの異常な行為を蔵臼から求められるようになった。
彼は行為の時、夏妃を妻というより従属する奴隷のように扱った。
右代宮家嫡男蔵臼に嫁いで早数年…未だ懐妊の兆しすらない夏妃に対し、蔵臼が焦れているのは明らかだった。
彼女の細い肢体を乱暴に組み敷き、己の欲望のままに貫く。
抵抗は許されない。
なぜなら、右代宮家は完全な「男尊女卑」の家系。
この一族に嫁ぐということは、夫である蔵臼に支配されるということだ。
夫である蔵臼は、その一族の中でもことさら自信に満ち溢れた傍若無人な男であった。
4人兄弟の長兄であり、この強大な右代宮の跡取りとしての立場は、蔵臼の元々の性質と相まって彼を尊大にしていた。
だが、それでも嫁いだばかりのころは、まだ蔵臼も優しかった。
大きな手に触れられるのは、恥ずかしくも心地よく、強引ささえとても頼もしく思えた。
だから、彼の為にこの身を捧げようと幼い夏妃は誓ったのだ。
だが、子を成せない夏妃に対する風当たりはとても強く、彼女の決意はどんどん崩れていくのだった。
そして、持病の頭痛と癇癪を併発するようになり、蔵臼はそんな夏妃を持て余すようになってしまった。
右代宮家でたった一人の夏妃の「家族」であるはずの蔵臼すら、夏妃をかばうことはなかった。いや、むしろ子作れない夏妃を責めたてた。
だが、どんな蔵臼の無体な行為も、夏妃は必死で耐えた。
耐えることこそが貞淑なる妻だと信じて…。

ギィ…と重々しい音を立てて、扉が開く。
「夏妃、続けるぞ」
シャワーを浴びていた蔵臼が戻ってきたのだ。
無骨な蔵臼の手が夏妃の身体を無造作に開いていく。
乳房を乱暴にもみしだき、足の間を強くかき回して、ぐちゅぐちゅと上がる水音が上がる。
痛い、痛い、痛い。
ただでさえ身体はだるく、辛いのに、蔵臼は優しくなどしてくれない。
だが、仕方ないのだ。
借り腹の務めを終えるまでは、自分が耐えるしかないのだ。
子どもさえ、子どもさえできれば、夫も自分もちゃんとした夫婦に戻れる…きっと。

「はい…夏妃は…あなたのお望みのままに」
そう呟いて、夏妃はゆっくりと目を閉じた。


307名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 19:50:47 ID:VYC4gmJa
終わりでいいのかな? あと、大分下がっているのageる。
308名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 21:35:57 ID:z0r9k0ft
>>298
GJ!これは新しいシチュエーション。幼女でも双子のエロさは異常
魅音のよだれにも萌えたw
309名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 09:27:53 ID:ZkDOFkoq
>306
ああ、うみねこ単体スレ落ちたのか。
転載GJ!
310名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 22:21:48 ID:A8TJOezl
保管庫
超GJ
続きWKTK
311名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 00:27:04 ID:b1mCuWD1
>>306-307
なんで途中からなんだ?
312名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 00:30:38 ID:Ivbqtavs
元々、>>306の部分だけだったんじゃね
313名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 00:39:37 ID:b1mCuWD1
単発スレをこっそり覗いた時より短くなった気がしたが、そんなことはなかったぜ!
314名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 00:52:00 ID:wiZXun85
夏妃はドM
ローザはMとみせかけてS
エヴァはツンとデレの差が激しい
キリエは親子丼食ってる

反論は認める。
315名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 14:40:14 ID:6g4GBsnd
シャノンはカノンを食ってるよ。間違いない。
316名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 18:06:34 ID:hIpNjXKQ
シャノンのあのスリットから伸びた膝がぐりぐりと壁に押し付けたカノンのチ○コを虐めるんだな
そして膝の裏でチ○コを挟み込んでの膝ズリでフィニッシュ
その全てを立ったまま行う二人
317名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 21:39:10 ID:J6mLYh40
熊沢について誰か詳しく
318名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 23:13:55 ID:wiZXun85
>>317
割烹着の似合うメイドさん
好きな食べ物は鯖
登場していきなり主人公とフラグを立てようとした
本編ヒロイン最有力候補
319317:2007/09/30(日) 00:15:31 ID:HqpBFz0d
>>318
性的に詳しく
320名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 01:01:11 ID:vo8WkcOD
巨乳
321名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 01:02:15 ID:rs/pSccI
処女
322名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 03:01:35 ID:WcCgr/NT
うみねこの処女、童貞キャラはインゴット並に貴重なんだぜ。
323名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 06:44:24 ID:OFeB+kIr
>>322
真里亞、朱志香、嘉音あたりは未経験っぽい
324名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 06:53:30 ID:rFcNV61C
1番左違かったら嫌な事件だね・・・
325名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 08:45:23 ID:NKaUPHJD
魔女達は処女だろう?
326名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 10:30:30 ID:gYG/guq8
魔女達が梨花ちゃまやリアルベアトとは違う存在ならば、
旅の魔女ベルンが非処女で、ヒキっぽいベアトが処女という可能性もある。
327名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 12:33:41 ID:6m+ZrHlk
女は30越えても処女だったら魔女になれるらしい

…と、どこかで聞いた
だからベアトもベルンもラムダも全員処女←結論
328名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 13:31:29 ID:WcCgr/NT
バトラの生尻を見て、黄色い悲鳴を上げるベアト様もそれはそれで良い。
329名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 18:18:10 ID:BJwL22Fm
>>327
やべ俺の職場、魔女の巣窟だわwwww
330名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 21:50:20 ID:JSNLA/Uh
前スレの方とは別人ですが
L5トミーと鷹野さん話を投下します
331LUNATIC 1/7:2007/09/30(日) 21:55:54 ID:JSNLA/Uh
「鷹野さん、窓を開けてくれるかい」

 そこには笑いながら片手を回して窓を開けるよううながすジロウさんがいた。運
転席の私を外からのぞき込んで居る。私は車内からぼう然と見ていた。ジロウさん
の笑顔を月明かりが照らす。恐いほどに穏やかな笑顔だった。

 窓ではなくドアを開いたのは、それが私の無意識から来る願いだったのだろう。
私が愛した人はいつも、私を置いて死んでしまっていた。だから、あの世から私を
迎えに来て欲しいと願っていた。

 子どもの頃は何度両親が迎えに来る夢を見たかわからない。死にたくはなかった。
けれど、生きる意味もわからなくなっていた。愛した人はみんな死んでしまってい
たから、この世で愛した人を私は殺した。殺して、誰にも奪われないようにするた
めに。

 そして今、殺したはずのジロウさんが私の目の前で笑っている。ジロウさんには
H173を投与して、路地に捨てた後だった。
 私が立去る前にジロウさんは目覚めてしまったのだ。

「こんな夜中だけど、なんで僕達はこんな所にいるんだろうね……」

 照れ笑いしながらジロウさんがつぶやく。私は眉が寄るのを自覚しながらも
笑ってしまった。今のジロウさんはL5の末期なはずだった。
 それでも、私を信頼しきっている顔に頬が歪む。

 山狗に抑え付けられながら、私を拒絶した時の記憶をジロウさんは自分で封印
して、いつものように私の側で笑っていた。
332LUNATIC 2/7:2007/09/30(日) 21:59:02 ID:JSNLA/Uh
 その姿に雛見沢症候群を全身で否定されているようで憎らしく感じる。

本当にこの人はバカだと思った。一度信じたものは、死んでも信じきるとでもいう
のだろうか。

「ジロウさん、覚えていないの?さっきまでどこにいたのか」
「……うーーーーーん」

 考えこむ表情に普段のジロウさんとはやっぱり違うと確信する。こんな時のジロ
ウさんは慌てながら訳の分からない事をしゃべり続けていたはずだ。私はその様子
が面白くて何度困らせたかわからない。

「覚えてないのね。幸せな人」
「ものすごく嫌な夢を見たような、そんな気がするよ」
「そう、夢を見たの」
「夢だよ。夢じゃないと困る。小此木くんや山狗のみんなに抑え付けられて……
君に……」
「私に?」
「こんな事を言って良いのかなぁ……」
「殺されそうになったのなら、夢じゃないわよ」

 ジロウさんの私を見る目が大きく開いた。そして、私に一歩踏み出す。私はジロ
ウさんに抱きついていた。

「夢じゃないわ。私、あなたを殺したの」
「……僕は生きてるよ」
「そう想い込みたいだけ。もう死んでいるの」
「なら、なぜ君もここにいるんだい?」
「私も死んだのかもね。あなたと一緒に」
「どうしていつも、君はそんな悲しい冗談を言うんだい?」
333LUNATIC 3/7:2007/09/30(日) 22:04:10 ID:JSNLA/Uh
 抱きしめ返すジロウさんの腕と声は柔らかいものだった。怒りも憎悪もなにも
ない、寂しさと悲しさがこもっているようだった。

「冗談じゃないのよ」

 本気だと続けようとした唇は塞がれて、言葉が止まった。舌に絡みつく熱さに、
ジロウさんの抱きしめる腕の強さと食い込む指の痛みに、私はまだ生きている事を
感じた。少しずつジロウさんの吐息が乱れ始める。雛見沢症候群は理性から奪って
ゆく。

 私の下腹部にジロウさんのものが熱を持って触れていた。キスを止めるとジロウ
さんは私を抱きしめながら肩で息をしていた。

「ご、ごめん……ごめん、こんな所で……」
「ジロウさん」

 私はジロウさんに抱きかかえられた。私はジロウさんのうなじをなでながら耳も
とに囁きかえす。

「ジロウさん、続けたいなら車に入って」
「……う、うん」

 限界まで下げた助手席にジロウさんを座らせ、シートの背もたれを後部座席へ
倒す。そして私がジロウさんの上に座る。途惑うジロウさんが私の頬に手をそえた。
暖かい手に私は微笑み返しながらジロウさんの前をくつろがせる。

 元気になっているジロウさんのものを取り出して、シートから下りると屈んでジ
ロウさんのものを口に含んだ。大きく口をあけたつもりだったけれど、それでも歯
が当たりそうになるのを感じて一度顔を引いた。

「……ごめん、無駄に大きくて」
「謝る必要はないのよ」

 口に含まず舌先と指で刺激を与えながらジロウさんの反応を伺った。
334LUNATIC 4/7:2007/09/30(日) 22:07:28 ID:JSNLA/Uh
「鷹野さん……僕にそこまでしなくていいよ。僕と鷹野さんは不釣合いだってわ
かってるつもりだよ」
「ジロウさん?」

 ジロウさんの言葉に自虐的なものが滲んでいた。そして、それがジロウさんの発
症でもあったのだろう。ジロウさんの疑心暗鬼が向かうのがどこなのか。それは他
者とは限らないのだ。
 自殺したおじいちゃんがそうだった。痴呆で衰える脳に恐怖し、私を傷付ける前
に私の前から去っていったのだ。

「ジロウさんを選んだのは、私なの。わかる?」
「……鷹野さんには研究がある。邪魔はしたくない」

 ジロウさんの言葉を遠くに聞きながら、私は今罰を受けている。そんな気がした。

「ごめん、鷹野さん。僕……君の事を愛してないわけじゃないんだ」
「わかってるわ」
「どうしたのかな、今夜は。なんだか気味が悪いよ」
「恐いの?ジロウさん」

 ジロウさんは俯いてなにも言わなかった。のしかかり、抱きしめると大きな体が
震えていた。キスをする。手を添えたジロウさんの頬や喉にかなりの熱を感じた。
発症している。発症しているのに、この人は困ったように微笑んでいた。

 私の一番好きな笑顔を浮かべて、私の腕の中にいた。

 どうして良いのかわからずにいると、ジロウさんの腕が背中に回り腰をなで始め
た。そしてお尻から太股へと手がのびてゆく。私は何も言わずジロウさんにしがみ
ついた。
 エンジンの切られた車内はせまくて暑苦しい。汗ばんで肌にまとわりつく服を強
引に脱がされると痛みが肌を走った。
下着ごとパンツを下ろされ抱きかかえられる。
335LUNATIC 5/7:2007/09/30(日) 22:10:29 ID:JSNLA/Uh
「鷹野……さん」

 誰を相手にしているのかわからないような表情なのに、ジロウさんは私の名前を
呼んでいた。遠慮のなく太い指が私の中に入り込む。嫌悪感はないけれど痛みに体
が硬くなるのを感じた。
普段なら、普段のジロウさんならこれだけで私からそっと身を引いてくれていた。

 奥に何があるのか探るように太い指が入り込んでゆく。最初は引きつれる痛みが
あった。一度受け入れると私からあふれたものが潤滑剤になり、増やされる指を受
け入れていく。

 キスもない、言葉もない、ただ、なすがままにされるしかない行為に私はジロウ
さんにしがみつく。今までのジロウさんとの事がどれほどまで大事にされていたか
を思い知らされていた。まどろっこしいと思う事も、面倒だと思う事もあったのに、
今はそれが懐かしかった。

 乱暴な指でしかないのに。引きぬかれるのを察すると私の腰が揺れて指を引き止
めようと下腹部に力が入ってゆく。今の状況はずっと願っていた事なのだ。ジロウ
さんが体だけを目当ての男なら、となんども思っていた。
なんども、なんども願っていたはずなのに。 ……こんな時にそうなるなんて。

「ごめん、大丈夫かい……鷹野さん」

 ジロウさんの声がした。顔を上げてジロウさんの表情を見る。視線が定まってい
ない様子に現実の私じゃなく、ジロウさんの思い出の私と話しているのが見て取れた。

「……痛いわ」
「鷹野さん……ごめんっ……ごめんっ」
336LUNATIC 6/7:2007/09/30(日) 22:15:14 ID:JSNLA/Uh
 皮肉っぽくささやいてもジロウさんの腕は私の腰を抱え込んだ。そして自分の
ものを私にあてがい強引に引寄せてゆく。熱さと痛みが内股を押し上げていた。
私の体はそれなりに受け入れる準備ができているはずだった。それでも引き裂か
れるような痛みを覚えながら強引にジロウさんが入りんで来る。

 ジロウさんにとっては欲望を素直にぶつけただけなのに辛くて仕方がない。

「鷹野さん、キツイ……力を抜いて」

私は何も言えずに首を横に振る。痛みに声も出なかった。頬を伝う涙で初めて自
分が泣いている事に気がつく。酷い事をされているわけじゃない。ジロウさんの
配慮が普段より薄いだけだ。

それだけのことなのに私の体は拒絶するように軋んで、下肢に痛みを響かせていた。

「ごめんっ……」
「ジロウさん……ダメ、ジロウさん」

 喉をかきむしっているジロウさんの手を取って指を絡めた。指を絡め合う様に
手を握りながらキスをする。唇を軽く開くとジロウさんの舌が入って来た。腰を
自分から動かして少しでも楽な体勢を探す。けれど、車内でできる体勢は限られ
ていて痛みは決して楽にはならなかった。
 そのままジロウさんに動かれ、私は内蔵をかきまわされている気分だった。

「は……、あっ……ああっ、や……、ジロウさんっ!」

 叫んでも止まらない動きと、痛いほど握り締められる手に、ジロウさんが普段
とは違う事を体に刻み込まれていく。叫んでも、泣きわめいても動きは止まらない。
むしろ、奥へ奥へと楔を打ち込まれるように痛みが頭へとかけぬけていた。
337LUNATIC 7/7:2007/09/30(日) 22:19:47 ID:JSNLA/Uh
 弾かれるように目を開くと、胸倉をつかまれて頬をはられた後だった。タバコ
の匂いで小此木だと悟る。若干乱れていたものの身なりは整えられていた。私は
あのまま気を失っていたらしい。

「ずいぶん派手に可愛がられておられましたなぁ」
「……見てたの」
「時間になっても待合わせ場所に来られないと、あちらから連絡入ったもんで」
「ジロウさんは?」
「部下と遊んでますんね。……角材拾って追いかけてたから、富竹のヤツかな
りキテやがんなぁ……」
「私を守ろうと必死なのね、きっと」

 小此木の視線を感じたけれど私は視線をあわせなかった。

「富竹の所に行きたいなら、送ってやるぞ」

 私はその言葉に小此木の頬を叩いた。叩いた手の平が痛むのを感じ、どれほど
強い力で叩いたのかを思い知らされる。小此木は唇のはしを切ったようだったけ
れど、血をぬぐいもせず薄く笑っていた。

「それでは三佐、後の事はよろしくたのんますん」

 怪しい雛見沢弁でそう言った後、白々しく敬礼すると小此木は私の前から消えた。
私はハンドルを握ってエンジンをかける。車を走らせると途中で道端に倒れ込んで
いるジロウさんを見つけた。
 私はアクセルを踏みこんで遅れた時間を取り戻そうと目的地に急ぐ。

 もう、後戻りはできなかった。
338330:2007/09/30(日) 22:35:58 ID:JSNLA/Uh
以上で終わりです

>>271の健気さと
>>722のレスに萌てしまい
勢いで書き上げました

お二人同様、自分も
前スレのL5トミーと鷹野さんを
お待ちしています

そして遅レスですが、>>110の富鷹gj
澪設定の富竹は原作に比べて
はっきり話す男前なんですよね

おじゃまいたしました
339名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 23:25:19 ID:788cUsje
>>330-338
あなたが神か。
涙腺決壊しました超GJ!!
340名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 00:46:01 ID:XJaxBFS+
>>338
いい意味で難しい・・
341名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 01:48:07 ID:XnfXzLb2
>>338、超GJ!
やっぱみよみよは富竹じゃなきゃ駄目なんだろうな
痛くすると本文みたいにいやいやしそうで(;´д`)ハァハァ

つーか小此木見てたのかwww
342名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 08:19:40 ID:JkJrpiI4
おはようございます。あんまり寒いから会社やすんじゃった。
昨日ひょっと思いついた話投下します。
ひょっと思いついたわりには意外に長いです。
何レスとかちょっとわかりかねます。

カプは詩×レですが直接絡むわけじゃないんですよね。
直接じゃなくても百合なの?
タイトルは「詩ぃちゃんの保健室」
次レスからです。 弱気レナ好きな人におすすめかもしれません。
よかったら読んでみてください。
343名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 08:22:07 ID:JkJrpiI4
雛見沢分校の保健室には午後だけ保健の先生がいました。
名前は園崎詩音。
午前で本来の学校を抜け、沙都子にお弁当を届け、ひととおり談笑したあと、彼女は保健室に行きます。
それっぽく白衣なんかも着ちゃってノリノリです。
宿題などで時間を潰し、放課後まで待ちます。

―――コンコン

おや?今日も先生のもとに誰かが駆け込んできましたよ。
「…ぅう…詩ぃちゃぁん…」
竜宮レナです。赤い顔をしてなんだか苦しそうです。
「あらあらレナさん、熱ですか?なら私じゃなく監督に―――」
「違うの…『詩ぃちゃんの保健室』に相談なの…」

344名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 08:23:14 ID:JkJrpiI4
レナさんの言う『詩音の保健室』とは要するに『性の駆け込み寺』である。
私はいろいろ早熟な人生を歩んでしまい、バカみたいに性の知識を溜め込んでしまっていた。
保健の先生…というか悩める女性の大概の悩みに答えられるようになってしまったので、
何かに役立てられないかと思案するとひとつ思いついた。

雛見沢だ。

お姉の通う分校には女性教諭がいるものの、性教育なんておしべとめしべ程度のものらしい。
そんなんじゃいざってときに間に合わない。
だから、部活メンバーでも年上のお姉とレナさんを呼んで徹底的に性教育を叩きこんだ。
二人も多少は知識があったらしく、講義はけっこうスムーズだった―――のだが、
『何かあったときに困るから定期的に来てよ!保健室貸してあげるからさ!』
というお姉の一声にレナさんも賛同し、
めでたく『詩音の保健室』が開院しましたとさ。
345名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 08:23:49 ID:JkJrpiI4
二人もちょくちょく雑談に来ていたが、まさか本当に本来の目的を果たそうことになるとは…

「で、どうしたんです?」
顔を赤らめてもじもじするレナさんを保健室の椅子に座らせて、
私はあくまでも優しく問いかける。
「……ぁ…あのね、あのね…詩ぃちゃんはさ、女の子の日が近いときにさ…その…その…」
「あぁ、欲情しますよ。」
―――優しくするんじゃないのか詩音!
ピシャリと言い放った自分にうっかり突っ込んでしまう。
やっぱりやめた。
こんなもの遠回しにする意味はない。
信頼の置ける同性どうしなんだから直球で答えるに限る。
「全然普通です。生理前なんてみんなそうですよ?
私もはじめは戸惑いましたけどね。」
「…それでね…それでね……収まる方法ってないのかな?…かな?
このままじゃお勉強上の空で…せっかく圭一くんが教えてくれてるのに…失礼だから…」
暑いから脱ぎ捨てた白衣を椅子にかけて、
私は顔を真っ赤にさせたレナさんに近づく。
「だいたいなら自慰で収まりますよ。やり方知ってますよね?」
にっこり笑顔で記念すべき第一回の診察が終わる――――はずだった。
346名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 08:26:34 ID:JkJrpiI4
「…知らないの…」

どうやら、やはりこの子は一筋縄では行かないらしい。
「…………そうですか。まぁ無理もありません。
前回の講義ではお二人とも知ってるものと踏んで説明しませんでしたからね。」
驚かなかったと言えば嘘になる。
鈍感お姉よりは知識のあったこの子が知らないとは。

「…その、こんな相談恥ずかしいんだけど………詩ぃちゃんに、教わりたいな…?」

正直クラッときた。私は悟史くんを愛する異性愛者のはずなのに。
どうして目の前の美少女が眩しいんだろう。
赤い頬に潤んだ瞳。小動物的な弱さを見せ、上目づかいでこちらに助けを求める。
さらには生理前で欲情ときた。
これはもう据え膳喰わぬはというやつではなかろうか。
―――いやいや!私は保健の先生だ!
彼女の勉学に励むための真摯な願いを受け止めるだけなんだ!
落ち着け、クールになれ園崎詩音。
深呼吸をして、――さぁ、仕事を始めよう。
「わかりました、そこに寝転んでください。」
「うん…」
この分校では何かあれば入江医院に直行になっているらしく、少し固いベッドがひとつあるだけだった。
レナさんひとり乗っただけでかなり軋む。
347名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 08:28:24 ID:JkJrpiI4
「…私は乗れないなぁ……あ!椅子に座ればいいんだ!」
キャスターつきの椅子を引き寄せてベッドの隣に座る。
「…うーん、脱ぐのは恥ずかしいですよね…。じゃあ、少し足開いてください。」
「これぐらいかな?…かな?」
回りくどいのは嫌いだから胸でなく最初から挿入を教えることにする。
胸で得られる快感なんてたかが知れているし。
「あ…大丈夫です。じゃあ、手取りますよ。
いいですか?あくまでも自慰の方法を教えるだけなので、基本的には自分で指を動かしてくださいね。」
半分自分に言い聞かせているようなものだった。
レナさんの腕をとり、場所を示して、…まぁコツぐらいは伝授しようか。
「ちょっと失礼しますね。…あ、大丈夫かな…」
「ひゃうっ…!」
一度下着の中に手を入れ、十分に潤っているか確かめる。
いくら欲情していても実際にそこが濡れていないと痛いだけなのだから。
それだけでも感じたらしく、目を閉じて身体を強ばらせるレナさん。
私の与えた刺激でまた蜜が溢れてくる。うん、これなら大丈夫。痛くない。
348名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 08:28:59 ID:JkJrpiI4
「じゃあ実際に自分の手でやってみてください。
入口を触るだけでも十分な刺激になると思いますから。」
「…うん」
意を決したレナさんが、私が触ったときの真似をする。
「ん!……ふぁ…ぁ…っ」
慣れない感覚も感じてしまうらしく、目をつぶって快感に耐えていた。
「そのまま指を中に入れて、関節を曲げてみてください。そのまま動かして刺激するんです。」
「え?ぅん……ひぁ…あ…ぁああ……はぁっ…ぁ…ん…」
顔を真っ赤に染めて行為にふける。
はじめての感覚に相当感じているらしい。呼吸がだいぶ激しくなってきた。
「…はぁ……ぁ…あ……はぁ…詩ぃちゃ……なんか…レナ……わけ…わかんなく…なりそ……ぁあ…」
女性のオーガズムなんてそんな簡単じゃない。
しかし今の彼女は軽く達するだけでも相当未知の領域だろうからこの反応も無理はない。
「大丈夫です、もっと早く指を動かしてみてください。怖くないから安心してわけわかんなくなっちゃってくださーい」
私がそう言うと、レナさんは自身の制服を握っていた手を私に伸ばし、手を握ってきた。
「…ぁ…ん………詩ぃちゃん……詩ぃちゃ…ぁ…あ…あ…―――――!」
349名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 08:29:48 ID:JkJrpiI4
最後は声になっていなかった。
目をぎゅっとつぶり、身体が小さく跳ね、私の手も強く握られた。
「…………はあ……はぁ…はぁ……」
「どうでした?気持ちよかったですか?」
虚ろな目をしたレナさんに話しかける。
はじめてでそんなこと聞かれて答えられる訳がないのに。
やっぱ私はSなんだなぁ…
「…よく…わかんないや…」
「そんなもんです。お家で気が済むまで試行錯誤してみてください。」
「…ありがとう。…あのね、もうちょっと…このままでいいかな…?」
「ええ。構いませんよ。疲れたでしょう?起こしてあげるからどうぞお休みください。」
「…ぅん…そうするね…ありがと」
彼女はゆっくり眠りに落ちた。
350名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 08:30:51 ID:JkJrpiI4
「…さて」
…予想通り。私のショーツも濡れていた。
指を挿しこめばいやらしい水音がする。
こんな場面を見て思春期の女の子が反応しない訳がない。
「………ッ……んん……んっ!……んぅ……ん…ッッ………」
ベッドの掛布団に噛みついて起こさないように声を抑える。
「……ん………んッ………ん……んぅ………ん…ッッッッ……ん………!!」
情けない事に三分も持たない。
そのぶん一晩に何回も没頭してしまうのだけれど。

「じゃあ、ありがとね詩ぃちゃん。また明日!」
「はい、さようなら。明日も来ますから、よかったら寄ってくださいね」

「はーい!」
夕焼けに染まった彼女がやけに美しくて、なんとなく悔しかった。

「園崎診療所、本日これにて閉所ーっ!」
ひぐらしの声が、帰り道をずっと彩っていた。
351名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 08:33:35 ID:JkJrpiI4
以上です。お楽しみいただければ幸いです。
詩音もレナも大好きなんで楽しく書けました。
…目明しの詩音のレナ苦手は考えないでくださいw
ありがとうございました。
352名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 12:26:24 ID:8k3B9/lp
とりあえず次から投下するときはsageでよろしく
353名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 12:50:15 ID:8fGw8D2+
なんという、GJ。
昼休みにこんなもん、みつけてしまうとはw
後、投下するときはsageたほうがいいよ。
354名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 16:58:32 ID:JkJrpiI4
素でsage忘れてました…
355名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 18:33:08 ID:Y4WOuXB1
>>354
設定すると便利
356名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 19:34:08 ID:bWKLdANd
>>351
GJGJ!百合好きの俺に潤いをありがとう
357名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 21:21:57 ID:E/z6cOx4
>>351
なんという素晴らしい診療所ww
358名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 21:59:00 ID:XJaxBFS+
これは実にエロい・・・
359名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 05:46:27 ID:T2CbddzZ
>>351
なんて素敵な診療所なんだ、GJww
俺も行きてぇぇ
苦手=嫌いじゃないから問題ないだろ
この2人他の編では結構仲良いからな
360大逆転!!―皆殺し編― ◆CRIUZyjmw6 :2007/10/02(火) 22:32:48 ID:0slE63Ox
遅くなってすみません。最近、色々と忙しかったもので。orz

短いですが、皆殺し大逆転の沙都子パートを書いたので、読んでやって下さいまし。

消費レス数は3です。
なお、陵辱ものではありますが、内容は圭一の妄想となっております。
361大逆転!!―皆殺し編― ◆CRIUZyjmw6 :2007/10/02(火) 22:35:31 ID:0slE63Ox
背中で腕を縛られた状態で地面に転がされた沙都子に、俺は近付く。
「……な、……何をするんですの? やだ……お願いですから、やめて下さいまし。やっ……あああぁっ」
俺は沙都子の服をビリビリと破き、そしてその切れ端で沙都子を目隠しした。
「いやっ……ああっ? 何? 何をなさるおつもりなんですの?」
しかし俺は沙都子の問いかけには答えず、無言で沙都子の服を脱がしていく。……沙都子の膨らみかけの双丘に息を吹きかけると、沙都子はぴくんと身をよじらせた。
くっくっくっ……どうやら感度はいいみたいだな。
続いて下の方も脱がしていく。
「やあっ!? やめっ!! やめて下さいませ圭一さん。そんな……ああっ」
瑞々しくむっちりと締まりのある太股……日頃からの山を駆けめぐっているせいか? それがまたそそるなぁ。
「くっくっくっ……何だ沙都子、お前まだ生えてないのか。可愛いスジだなあ、おい」
「なっ!? いやっ! ど、どこを見ているんですの? そんなところ見ないで下さいましっ!?」
じたばたと藻掻く沙都子の脚を抱え込み無理矢理開いていく。
俺の目の前には沙都子の……何一つとして覆うもののないスジ。
両腕で沙都子の太股を抱え込みながら、俺は沙都子のスジへと舌を伸ばした。
「ひっ……いぃっ!?」
沙都子の柔らかく小さなスジに舌を当て、割れ目をなぞると、沙都子は悲鳴を上げて身をよじらせた。
「な……あぅああっ!? 何? 何っ!? 何ですのこれ? 圭一さん、あなた何をしていらっしゃるんですのっ!? やぁっ!? うあああぁぁっ!!」
それだけじゃない。俺は沙都子のスジの中へ舌を挿入していく。
「何? 嫌あっ!? 何が……何かが私の中に入ってきますの。…………ぬるぬるして、くぅんっ? やだ……そんなところ、掻き回さないでええぇぇ。にーにー。助けて……助けてよ、にーにー」
いやいやと必死に首を振る沙都子の目から涙が流れる。
沙都子の小さなスジが、俺の舌先でヒクヒクと痙攣した。
俺の唾液の他に、ぬるりとしてほろ苦いものが混じってくる。
俺はにやりと笑みを浮かべ、沙都子の上に体を乗り出していく。
沙都子の頬に舌を這わせながら、膨らみかけの乳房に手を置く。
ぐにぐにと揉みしだくと、沙都子は痛みと羞恥で悲鳴を上げた。
「もうやだ。……やあ……やだぁ…………助けて、助けてよ。にーにー。にーにー……」
俺は「にーにー」と泣き喚く沙都子の唇を俺の唇で塞いだ。
「むぐぅ? んんっ!? ……むぅっ!?」
荒々しく沙都子の口腔へと俺の舌を挿入し、貪る。
逃げまどう沙都子の舌を逃がさないように俺は自分の舌を絡め、そして生暖かい唾液を啜った。
362大逆転!!―皆殺し編― ◆CRIUZyjmw6 :2007/10/02(火) 22:37:37 ID:0slE63Ox
「ふぅっ……うむぅ……うぅ」
沙都子の柔らかい舌……そしてむせび泣く嗚咽が、俺の欲情をより強く煽り、びくんと俺のものが強く脈打った。
俺は荒い息を吐く沙都子から唇を離した。
沙都子の上で、服を脱いでいく。
その音……特に、ジッパーを下ろす音に沙都子は敏感に反応し、びくりと体を震わせる。
「け……圭一さん。あの……いったい…………何を……してるんですの? まさか……?」
沙都子の顔から血の気が引いた。
くくく……さすがにこれは気付いたようだな。
俺は膨れあがった怒張をズボンから取り出す。
「ねぇっ!? 圭一さんっ! 圭一さんっ!! 答えて下さいましっ!?」
何言ってるんだ沙都子? お前……もう分かってるんだろ?
沙都子を無言で見下ろしたまま、俺はにやにやと笑みを浮かべる。
「ひぃっ!? な……なんですの……? この……熱くて……固くて……まさか……そんな、本気……なんですの?」
むき出しの下腹部に怒張が触れると、沙都子は頬を引きつらせた。
俺は亀頭の先を沙都子のスジへと当て、じっくりと擦り付ける。
ハァハァ……やっぱり堪らねぇぜ、これからこの小さなロリ***に挿れるのかと思うと、それだけでイっちまいそうだ。
「や……やぁ……いや…………やぁ……」
がたがたと身を震わせる沙都子。
今頃は、何とかこの状態で押しとどまって欲しいと思っているのだろう。
だが、そうはいかない。
さぁ…………挿れてやるぜ沙都子っ!!
「いっ……ぎっ……あああああぁぁぁぁぁ〜〜〜〜っ!!??」
わずかな湿り気しかない……沙都子の狭い入り口に、俺は無理矢理に挿入していく。
まだこんな力が残っていたのかと意外なくらいに、沙都子は生きがよくピチピチと悶えた。
はははっ……それにしても凄ぇ……さすがだ。凄い締め付けだぜこいつは……マジで最高だ。
363大逆転!!―皆殺し編― ◆CRIUZyjmw6 :2007/10/02(火) 22:39:36 ID:0slE63Ox
「痛い……痛い、痛いいいぃぃっ!! 助けて、助けてえええぇぇっっ!!」
しかし俺はお構いなしに沙都子の膣内に怒張を出し入れし、奥まで小突き回す。
俺のものを飲み込みきれないというのが、どうしようもなく残念で、そしてかえってより強く……もっと奥までという欲望の炎を強くしていく。
悲鳴を上げる沙都子の中で、俺のものが止まることなく熱を帯びていく。
ダメだ……気持ちよすぎて、止められねぇっ……!!
駆け上ってくる射精感に目が眩みそうだ。
「くっ……ふっ……ううっ」
「えっ!? やぁっ!? ああああぁぁっ……。あっ……ああ……あ、熱い……です……わ」
どくんどくんと、俺は沙都子のスジに精液をまき散らす。
何度も脈打ちながら、俺の欲望は沙都子の中を満たし……そして零れた。
ずるりと俺は沙都子のスジから怒張を抜き出す。
そしてその場に立ち上がり、力無く横たわる沙都子の顔を両手で掴み、上半身を無理矢理起こさせた。
「はっ……あああっ……あっ……あ?」
俺は沙都子の口に親指を入れ、無理矢理口を開けさせる。
そして俺は、今だ固く……そして精液にまみれた怒張を沙都子の口に突っ込んだ。


「――と、いう感じか? せっかく、性に疎い幼女なんだ。どうせなら何がどうなっているか分からないまま、恐怖感を与えてその反応を楽しみ、かつ性知識に疎いままにするという……ある意味、処女性を残した楽しみ方が乙ってもんだ」
『おおおおおおおおおぉぉぉぉぉっ!!』
俺が説明を終えると、山狗達は歓声をあげた。
ふっ……お前らも、なかなかスジがいい。もうこの域まで到達するとはな……恐れ入ったぜ。
「じゃ、……じゃあ、Rを陵辱するとしたら……どうするんで?」
「梨花ちゃんか……? そうだな……梨花ちゃんは――」
「ちょっと……圭一? マジ?」
勿論じゃないかと親指を立てて見せると、梨花ちゃんは何故か溜め息を吐いた。
364大逆転!!―皆殺し編― ◆CRIUZyjmw6 :2007/10/02(火) 22:41:40 ID:0slE63Ox
今晩は以上です。
今度こそ梨花パートとオチはなるべく早く仕上げるように頑張りたいです。

お目汚し失礼致しました。
365名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 22:44:34 ID:9U3eL/d+
GGGGGJ!!
ずっと待ってた甲斐があったぜ!
梨花ちゃまも今から全裸で待ってる!
366名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 22:46:09 ID:PONztu1u
リアルタイムGJ!!
やべぇ、漆黒の魔王の手がついに梨花ちゃまにw
全裸で続きをまってますんね。
367名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 23:44:10 ID:EAxXwoMz
GJなんだぜw
梨花をどう処理するか楽しみです
368名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 19:07:21 ID:shRhC8+/
にゃーにゃーな梨花ちゃんを愛でるのも悪くないが、
黒梨花をあれこれしちゃう展開も期待せずにはいられない。
むう。
369名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 22:06:38 ID:8rWc/Y75
これは面白い。
素直にGJ!
370 ◆CoudB9M4c2 :2007/10/04(木) 00:11:39 ID:P/7vMWi8
新作ができました。

圭一と魅音で、「鬼の刺青」と題して投下します。

ちなみに、エロの肝心な部分は抜けていますが、ご容赦ください。
371 ◆CoudB9M4c2 :2007/10/04(木) 00:15:17 ID:P/7vMWi8
              鬼の刺青

 夏の日差しが照りつける部屋の中で、俺たちは卓袱台を挟んで向かい合っていた。
 卓袱台の上には、筆記用具に参考書とノート、そして俺が運んできた麦茶が雑然と置かれている。
 進学のために勉強を見てもらいたいと言ってきた身音の面倒をみてしばらく経つ。最初は興宮の図書館で教えていたが、移動にかかる時間が勿体無いということで、最近はもっぱらこの俺の部屋が教室となっている。
 「あ〜、圭ちゃ〜ん。」
 参考書を覗き込んでいた魅音が、ぐしゃぐしゃと頭を掻いて首をかしげる。
 「どうしてもおじさんにはわかんないよ〜。おしえてぇ〜。」
 机に座って十分も経たないうちに音を上げやがった・・・。俺はやれやれだぜと呟いて、渡されたそのページを眺めた。
 「げっ、魅音。ここって、一年の時に勉強していれば理解できているはずだぞ・・・。」
 魅音の知識は偏っているというかなんと言うか、興味のある部分についてはスラスラと解けるが、ない分野に関しては全くの無知であると言ってよい。
 そのギャップの激しさに、俺はいつも苦労している。
 「ええぇ〜嘘だぁぁー。そんなの知らない〜。」
 「レナの台詞をパクるなよ・・・。ここが分かってねえと、それからの勉強が成り立たないんだぞ。よくこれで進級できたなぁ。」
 「うぅ、おじさんを馬鹿みたいにいうなぁ〜。圭ちゃんのいぢわる〜。」
 気落ちした魅音が、がくりと机の上に突っ伏した。
 「別にいじめているわけじゃないんだが・・・。」
 俺もやる気をなくして参考書を閉じた。早くも今日の勉強はお開きのようだった。
 二人ともノビてしまうと、途端に部屋の中が暑くなったように感じた。扇風機は入れてあるが、油蝉の声が夏の日差しを引き立てるせいか、妙に熱気がある。
 俺は暑さに表面が濡れたグラスを手にして、冷えた麦茶を口に含んだ。
 「ぷはー。」
 思わず、オヤジのようなため息が漏れる。それを目ざとく魅音が聞きつけていた。
 「あー、圭ちゃんおやぢ臭〜い。」
 机の上体を伏せたまま、顔を上げて悪戯っぽく笑う。
 自然と上目遣いになって俺を見上げる仕草となり、それが妙に可愛い。
 だから俺は、思わず魅音の頭に右手をのばした。
 「あ・・・。」
 艶やかなその髪に指を広げて、手のひらで頭を包み込む。そして優しく、わしわしと頭を撫でてやる。
 瞬時に魅音の顔が赤くなった。
 妹の詩音と同じく、魅音も頭を撫でられることに弱い。何度か撫でるうちに心地良さそうに目を閉じて、俺のされるがままになっていた。
 「ほれほれ、愛い奴じゃ。かぁ〜いぃの〜ぅ。」
 俺に全てを委ねきり、安心しているその顔がとても愛らしくて、俺も撫でるたびに幸せを感じてしまう。
 手のひらに柔らかい髪の感触と、暖かな魅音の体温が伝わり、こちらも心地良い。
 「・・・。」
 十分に魅音の髪を堪能した後、俺は手を魅音の耳元へと持っていった。頬に沿わせて包み込むよう、肌に触れる。
 感触の変化に気づいて、魅音の目がうっすらと開く。瞳が潤い、まるで夢の世界を楽しんでいるようだった。
 俺は左手でも頬を包むと、身を乗り出した。上体を上げさせ、掌で顎を持ち上げる。
 そして俺は、魅音の唇にキスをした。


 夏休みに入り、こうして二人きりで勉強を見るようになってから、俺と魅音の仲は急速に深まっていった。
 休みの中でも、俺たちは部活のために学校やそれぞれの家で遊んでいたがそれも毎日ではなく、誰かと二人きりという時間はありえなかった。
 しかしほぼ毎日、部活で費やすのとは明らかに違う密度の濃い空間を、俺と魅音は過ごしていたのだ。
 元々憎からず思っていた俺たちの仲が深まるのは当然といえば当然のことだった。
 山狗と戦う時以上の勇気を出して告白してからはや一月になる。八月も終わりに近づいた今では、何度かキスも経験していた。

  
 
 
  
 
 
372名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 00:17:23 ID:KiDairhn
>>364
GJと言うのが野暮って気がするぐらいにGJ
梨花編が楽しみでしょうがないんだぜ
373 ◆CoudB9M4c2 :2007/10/04(木) 00:17:52 ID:P/7vMWi8

 「んん・・・。」
 何度目かのキスの後、魅音は俺から体を離した。
 畳の上に寝転がった俺たちは、お互いを抱きしめあい、唇を求め合った。
 勝気で元気良動く彼女とは思えないほど、彼女の体は柔らかく、強く抱きしめすぎると、壊れそうな感じさえ覚える。
 だからあまり負担をかけないよう、もどかしくなるほど軽く体に触れている。
 魅音も恥ずかしいのか、両手を俺の胸元に預けて縮こまっている。その様子が普段の燐とした姿からは程遠くて可愛らしい。
 「可愛いぜ、魅音。」
 つぶやいて頬にキスをする。すると魅音は首をすくめ、はにかむ様に
 「・・・嬉しいよ、圭ちゃん。」
 とか細い声でつぶやいた。
 
 くうぅぅぅぅぅぅぅっっっっ!!
 
 たまらない。萌え死ぬというのはこういうことなのか!
 数多の先人達が心を振るわせた萌えという感情が、俺を心の奥まで打ち振るわせるッ!
 俺は魅音の顔中にキスの雨を降らせた。
 「あ、あん。圭ちゃん・・・。」
 その一つ一つに、魅音は初々しい反応を見せてくれる。
 いかん、そんなにいい反応だと、俺、止まらなくなってしまうじゃないか・・・!
 手加減していた手に力がこもる。俺は欲望に身を委ね、ためらいを捨てた。
 魅音の全てが欲しくて、俺はその体を強く抱きしめ、手を胸元に伸ばした。
 「え?あ、圭ちゃん!?」
 びくりと魅音が体を震わせるが、俺はかまわずに胸元をまさぐった。
 服越しにも分かる豊かなふくらみが手のひらに伝わる。下着のせいでごわごわとした感触だが、柔らかい中身が、俺の指とともに形を変える。
 「す、すげえ・・・。」
 感動だ。思わずもう一つの手を胸にやり、両手で揉みしだく。
 ふよふよ、ふよふょ・・・。
 面白いように形が変わった。
 「あ、強くしちゃ、痛いよ・・・。」
 調子に乗りすぎていたのか、魅音の顔が苦痛にゆがむ。俺は手の力を弱め、撫でることに切り替えた。
 二・三度撫でるたびに、魅音は口から切なそうにため息を漏らした。
 感じているのだろうか・・・。俺は直にその胸に触れるべく、上着の下から手を入れた。
 吸い付くような肌の感触と共に、下着のレースが触れた。これが、ブラジャーというものだろうか。
 俺は魅音の顔を覗き込み、目で合図した。
 (先に、進むぜ・・・。)
 恍惚により焦点が定まらない瞳で、魅音が頷く。俺は次のステップへ至るべく、下着のホックがあるだろう、背中に手を伸ばした。
 
 その瞬間。
 
 「い、嫌っ!!」
 何が起こったのか一瞬理解出来なかった。
 気が付けば、俺はものすごい力で吹き飛ばされ、部屋の襖にぶち当たっていた。
 魅音が俺を突き飛ばしたのだった。
 「え・・・。」
 呆然とする俺。その俺を見て正気に戻ったのか、魅音が叫んだ。
 「ご、ごめん。ごめん、圭ちゃんっ!!」
 すぐに俺に駆け寄り、謝罪の言葉を繰り返す。
 甘い雰囲気は一瞬にして掻き消え、後には気だるい油蝉の泣き声のみが響いていた・・・。



 
 
 
  
 
 
374 ◆CoudB9M4c2 :2007/10/04(木) 00:19:53 ID:P/7vMWi8

 「はぁ・・・。」
 興宮にあるエンジェル・モートには、真の「萌え」を追求する二次元戦士達が集まり、今日も議論を繰り返している。
 いつもならばその様子を微笑ましく見つめ、時には熱弁を振るって参加するのが俺の日常なのだが、とてもではないが今日はその気になれなかった。
 俺の部屋での一件から早一週間。もう夏休みも終わるというのに、あれから魅音とは音沙汰なしだ。
 恋人同士だと思っていた魅音の突然の拒絶。あの後気まずくなったのか、魅音は早々に帰宅してしまい。以来、顔を見ていない。
 電話をかけても無視しているのか、繋がる気配もない。
 何度か園崎家にも足を運んだが、いつもお手伝いさんが出てきて外出中とか両親の所にいるとか気まずそうに答えるだけだった。
 つまり居留守を使われているということで・・・。俺は魅音に完全に拒否されていたのである。
 なんでだよ、俺達、恋人同士じゃなかったのかよ・・・。
 俺だけが舞い上がっていたのだけかもしれない。告白したのは俺だから、魅音がOKしてくれた時点でカップル成立とばかり思っていた。
 しかし、当の魅音はそれを友達の延長線上としか考えていなかったとしたら、俺はなんと早まったことをしてしまったんだと思う。
 俺達の年でああいう行為は確かに早い。不順異性交遊そのものだと言われても何の文句もない。
 魅音も俺を好きでいてくれるから、何でも許してもらえるんだと思っていた。
 あぁぁぁあ、俺は、何ということを・・・。
 馬鹿野郎、馬鹿野郎、馬鹿野郎!大馬鹿野郎・・・!魅音の気持ちを考えずに何が恋人だ!
 俺は頭を抱えて机の上に肘を付き、懺悔した。その時。
 「はろろ〜ん、圭ちゃ〜ん。どうしたんですか〜?」
 明るく、人を小馬鹿にしたような甘い声。見ると、エンジェル・モートの制服に身を包んだ魅音の妹、園崎詩音がチーズケーキを持ってそばに居た。
 そうだった。俺はもうどうしようもなくて・・・。詩音に電話をかけたのだ。
 一通りの事を説明すると、詩音はこの時間帯に店に来るよう指示していたのである。
 「もうすぐRなんで、時間はあります。だから詳しく説明してもらえません?」
 ボックス席の正面に座って、詩音はケーキを自分と俺の前に並べた。「話をきいてあげますから、おごってくださいね〜☆」とのことだ。
 双子ということもあり、詩音と魅音は外見上ほとんど区別が付かない。髪形を変えれば入れ変わることも可能で、俺も何度かそのトリックに引っかかったことがある。
 だから、詩音に経緯を話している時はまるで魅音と話しているようで、とても不思議な感触だった。
 「ふ〜ん、そういうわけですか。」
 一通り話をおえると、詩音はいつもの笑いを浮かべて残りのチーズケーキを口に含んだ。
 「おのオクテなお姉がここまできたか・・・。妹としては嬉しいですねえ、うんうん。」
 本当に嬉しいらしく、何度も何度も含み笑いをする。まるで魅音がそこで笑っているようで、どきりと心が鳴った。
 「その、詩音。魅音はやっぱり、起こっているのか・・・?」
 おそるおそる尋ねる。すると詩音は意外といったような表情で答えた。
 「え、お姉が?何を?」
 「俺が、その、せまってきた事を・・・。」
 恥ずかしさに、自分の顔が赤くなってくるのが分かる。恋人の妹に自分達の痴話喧嘩を話すというのは、これほど恥ずかしいとは・・・。
 「く、くけけけけけけけけけけけ。」
 一瞬、詩音が発狂したのではないのかと思うくらいに奇声を上げて笑った。周りの客達も何事かと俺達の席を覗き込む。
 「あー、可笑しい。圭ちゃん、私を笑い死にさせる気ですか?」
 ひとしきり笑うと、詩音は正気に戻り笑い涙を拭った。
 「そんなことでお姉は怒りませんよ、むしろ喜んでいるくらいです。『圭ちゃんがあたしを・・・。』って、電話がかかってきましたからねぇ〜☆」
 「へ・・・?」
 「一週間前でしたっけ、その日の内でしたよ。お姉、よっぽど嬉しかったんでしょうね。」
 あっけらかんとした詩音の表情に、俺は一抹の安堵を覚えた。良かった、嫌われてはいなかったんだ・・・。
 しかし、疑問は残る。それならば何故魅音は俺を避けるのだろうか。
 「お姉が圭ちゃんを避けているのは、別の理由なんです。」
 
375 ◆CoudB9M4c2 :2007/10/04(木) 00:25:40 ID:P/7vMWi8
 俺の表情を読み取ったのか、詩音が真剣な表情になる。それまでの飄々とした態度から一転、両手の指を組んで、俺を正面から見据えた。
 「理由を話す前に、圭ちゃんに聞きたいことがあります。」
 「何だ、詩音。」
 「圭ちゃんには、お姉と添い遂げる覚悟はありますか。」
 曖昧な答えは許さない。詩音の背中には一種の妖気さえ漂っていた。 
「ある。」
 俺は即答した。自然と背筋が伸び、詩音の気迫に負けないよう、その瞳を見据えた。
 「俺は園崎魅音を愛している。」
 「へーぇ、即答ですか。口だけなら何とでもいえますからねぇ。」
 俺を値踏みしているのか、詩音の口調が再び意地悪なものに変わる。
 「お姉の家、極道ってことを知っていますよね?」
 「ああ。」
 魅音の両親が仕切る園崎組。このあたりの顔役として、県内でも知らないものがいない存在だ。
 「しかも、園崎家の当主はほとんど女性が勤めます。その意味も分かりますか?」
  俺は無言で頷いた。その反応が面白くないのか、詩音は核心を持ち出してきた。
 「それに、知ってましたか?お姉の背中にはあるんですよ。立派な刺青が。」
 刺青。言うまでもなく現在の社会では一般人とその筋の人間を分ける名札のようなものだ。出自は住処を変えることでも誤魔化すことができるが、体に刻み込まれた印は隠し通すことが出来ない。
 俺が魅音と一緒になれば、嫌でも魅音の背中に刻み込まれた園崎家当主の印と向き合うことになるのだ。
 刺青という印を前にしては、並みの人間であれば怯えて逃げ出してしまうかもしれない。
 「お姉が圭ちゃんを拒んで、避けた理由はその刺青にあります。愛しい人に、自分がその人の住む世界の住人ではないことを知らせる刺青を見せたくなかったからです。」
 「そうか、だから俺が背中に触った時に・・・。」
 「見れば圭ちゃんは自分に幻滅するかもしれない。だから、どうしても背中を見せたくなかった。圭ちゃんも、そんなお姉の気持ち分かりますよね。」
 愛しい人を自分達の住む世界の住人に引き込みたくない。魅音の悲しいほどに俺を思う気持ちが良く分かった。
 自分は闇の世界の人間。だから自分に近づけばその人まで闇に染めてしまう。それは優しい魅音に耐え切れないことなのだろう。
 しかし、詩音、そして魅音。俺は前原圭一だぜ・・・。
 「それでも、お姉と一緒になれますか?日の当たる世界を捨てて、園崎家という闇の世界の仲間入りをするんですよ。その覚悟がなかったら−」
 「もういいぜ、詩音。」
 俺は熱のこもってきた詩音の話を遮ると、力強くその両肩をつかんだ。
 「詩音がどれだけ魅音のことを大事に思っているのかも、魅音と一緒になることがどれだけ大変なのかも分かった。だがなぁ・・・。」
 俺は詩音の瞳を見て言った。
 「でもなあ、園崎家の話も、刺青の話も、魅音には全然関係のない話だ。俺が好きなのは園崎魅音であって、園崎家の魅音じゃあない。」
 「でも、お姉と一緒になるってことは・・・。」
 「園崎家の慣習?しきたり?知らなぇなぁ。俺は前原圭一だぜ。そんなくだらねえモンで俺を止められるもんか。詩音だって、沙都子の件で俺がくだらねえ『オヤシロ様の祟り』をぶち壊してやったのを覚えているだろう?」
 「うん、あれは本当にすごかったですからね。」
 「園崎家もそれと同じさ、凄く硬そうに思える物でも、叩いてみればあっけなく壊れてしまうモンだぜ。金魚すくいの網と同じで、簡単にぶち破ってやるよ!」
 本当は簡単にいかないことだとは分かっている。それでも、俺は自分に降りかかる不安を打ち消すかのように熱弁を振るっていた。
 詩音はしばらく俺の顔を見ていたが、今度は非常に嬉しそうな顔で微笑んだ。
 「な〜んだ。こんなところでノロケを聞くとは思いませんでした。」
 「へっ。そんな奴がお義兄さんになるんだから、光栄に思うがいいぜ。」
 「全く、そこまで覚悟完了とは恐れ入りました。下手に戸惑ったらこのスタン・・・げふん、げふん。」
 後ろでに何かを掴んで咳き込む詩音。おい、何を持っているんだおのれは・・・。
 「そろそろRが終わりますね。それじゃあ圭ちゃん。今夜お姉に電話しときますねぇ。」
 時間が着たのか、詩音が席から離れる。
 「ああ、魅音に下らねえ事で悩むなって伝えといてくれよ!」
 「はいはい、分かりましたよお義兄さん☆」
 離れ際に(悟史君もこんなに積極的だったら・・・)という呟きを聞きつつ、俺はその背中を頼もしく見ていた。



 
 
 
  
 
 
376 ◆CoudB9M4c2 :2007/10/04(木) 00:27:18 ID:P/7vMWi8
 コツ、コツ・・・。
 日付が変わって間もなく。寝付けずに居た俺は窓から聞こえてくる小さな音を耳にした。
 石か何かがぶつかるような音。俺ははたと気づいて窓を開け放った。
 街灯の薄明かりの下に浮かんだのは、黄色いシャツとポニーテール。待ちわびた魅音の姿だった。
 俺は魅音に手で合図すると、ゆっくり階段を下り、両親を起こさないようにして家を出た。
 「あ、あはは、圭ちゃん・・・。」
 バツの悪そうな顔をして、魅音が俺の元に近づいてきた。
 魅音、魅音、魅音!
 俺は今にも駆け寄ってその体を抱きしめようと思った。しかし、魅音はある程度まで近づくと、そこから一歩も動かなかった。
 駆け寄れば3秒もかからない距離。しかし、その距離が今の俺達の距離を表しているようで、とてももどかしかった。
 「魅音、心配していたんだぜ。連絡、取れないから・・・。」
 「ごめん。おじさん、忙しくて・・・。」
 俺の顔を見ないようにして、魅音が答える。そんな顔をしてほしくなかった。そんな、悲しい顔は・・・。
 「詩音から電話があって、圭ちゃんが来たって言ってた。私のこと心配してくれたんだって。」
 当然じゃないか、魅音。一番愛しい人のことを心配しない奴なんていないぜ。
 「だからね、おじさん。これじゃ駄目かなーって、圭ちゃんに心配かけたままだと駄目だから、はっきりしないといけないかなって。」
 街灯の明かりが薄暗いので良く見えないが、魅音の顔が悲しそうに歪んでいるのは分かった。
 だから、魅音が次に告げるであろう言葉が何となく予想できてしまった。
 「圭ちゃん、私達、友達に戻ろう。」
 「魅音・・・。」
 ガツン、と鉈で頭を叩き割られるような衝撃。一週間俺を避けて導き出した答えがそれだったのかよ・・・。
 「ごめん、もう恋人じゃいられない。これから私を見かけても、ただの友達と思っていてほしいの。この間までの私はもういない。この間までの私は、そう、鬼隠しにでも遭ったとでも思って。」
 「つまり、別れようってことか。」
 オブラートに包んだはずの結論を俺に言われて、魅音が息を呑んだ。
 「え、あの、えっと・・・。」
 「結論はそういうことだろ。」
 「そうじゃなくて、その・・・。」
 やっぱり。俺は確信した。
 魅音にこんな馬鹿な結論を選ばせたのは、魅音の心の中にある「園崎家当主」といった重し。
 この一週間、魅音はその重しによる苦しみの中に居たのだろう。仲間にも相談できず、詩音から後押しされても一歩を踏み出せなかった。
 分かったぜ、魅音。俺が助けてやるよ。その馬鹿らしい「園崎家当主」の重しってやつから!
 
 
377 ◆CoudB9M4c2 :2007/10/04(木) 00:29:08 ID:P/7vMWi8
 
 俺は魅音との距離を縮めるべく、足を一歩踏み出した。
 思わず逃げようとする魅音を捕まえて、こちらを向かせる。
 「へへっ、捕まえたぜ、お姫様。」
 「駄目だよ、圭ちゃん・・・。」
 「おっと、余所見はナシだぜ。」
 顔を背けようとするのを、ぐい、と振り向かせる。魅音の顔は涙で濡れていた。
 「駄目だよ、私、私、やっと圭ちゃんと別れる勇気がでたんだから、そんなにされると・・・。」
 「じゃあ、別れなきゃいいだろ。簡単なことじゃねえか。」
 「それじゃ、駄目なの。私、圭ちゃんに嫌われたくないから。」
 「何で俺が魅音を嫌うんだよ。そりゃあ魅音にはガサツなところもあるし、結構腹黒いところもあるって知ってるけど、それ全部ひっくるめて好きだといっているんだぜ。」
 「嬉しいよ、圭ちゃん。でも、違うの。それを知ったら、多分圭ちゃんだって私を嫌いになる・・・。」
 「背中の、刺青のことか?」
 「!!」
 魅音の目が見開かれる。そして絶望に沈んだ。
 私が傷モノだということを知っていたのか、という濁った瞳。
 「知って、いたんだ・・・。」
 「ああ、詩音から聞いた。」
 「・・・詩音。喋っちゃったんだ。」
 捨て鉢な台詞を魅音が放つ。もう、どう嫌われても良い。そんな表情だった。
 「だったら、話は早いよね。こんな刺青女、嫌だよね。裸になったらいつも見なきゃいけないし、子供が出来ても一緒に銭湯にも行けない。何より、その、えっちする時に嫌でしょ、こんなの。」
 かなり話が飛躍しているような気もするが、魅音にとってはこの刺青がかなりのコンプレックスらしい。
 それが無くならない限り、魅音には何を言っても届かないだろう。
 そして、魅音は俺と別れ、そのまま孤独な人生を歩むのだろう。おそらく、俺との甘酸っぱい青春の思い出だけを胸に。
 馬鹿野郎。そんな悲しい結末を、雛見沢の最悪な結末を阻止した俺が許すものか!
 OK。ならばそのコンプレックスってやつを打ち砕いてやろうじゃないか。
 鉄をも打ち砕く、まさに徹甲弾の様に!
 
378 ◆CoudB9M4c2 :2007/10/04(木) 00:31:14 ID:P/7vMWi8

 「いいか、魅音。」
 俺は身音の両肩を優しく抱いた。
 「お前は分かっていない。ちっとも分かっていない。そもそも刺青をコンプレックスと思う必要は無いんだ。」
 きょとんとした瞳で魅音が俺を見る。くくく、かかった!
 「刺青は日本のれっきとした文化なんだよ。証拠に『魏志倭人伝』って本には、倭人が男女共に刺青をしていたって記述がある。ちなみに『魏志倭人伝』って、あの漫画の鉄人、横山光輝先生が連載している『三国志』の一節なんだぜ。」
 「その文化は、脈々と受け継がれてなぁ、江戸時代には彫師って職業が確立したんだ。タイムマシンで江戸に行ったら、それこそ職人さんのほとんどは綺麗な彫り物を背負っていたって話だぜ。遠山の金さんや、弁天小僧のお話は、主役が刺青をしていなければ始まらないんだ!」
 「戦後の本格派推理小説の旗手となった高木彬光のデビュー作に『刺青殺人事件』ってあるのは知ってるか?知らないならまだ甘いな。あれには(ネタバレになるので以下略)って刺青にまつわるトリックがあるんだが、刺青に関してアツい語りがあるんだよぉぉぉ!!」
 「極めつけは、戦前の浜口内閣で逓信大臣を務めた、小泉又次郎って政治家がいたんだがなぁ。それが全身に昇り竜の刺青をしていたんだってよ!何でも時の天皇にみせて(はぁと)と言われるほどだったらしいぜ。予断だけど、その人の孫も政治家やってるんだよな、これが。」
 口八丁手八丁で、仕入れた知識を存分に語りつくす。これがおれの「固有結界」!
 ほ〜ら見てみろ。聞く耳を持たないといった顔をしていた魅音が、今となっては熱を帯びた表情で、俺の話に聞き入っておるわ・・・!
 「魅音はまだ見ていないのかな?夏目雅子、そうあの三蔵法師だ。彼女が主演した『鬼龍院花子の生涯』、あの濡れ場で輝く刺青に魂を震わせない奴は男として終わっているんだぁぁっ!!」
 一際大きな声で演説を終えると、俺は強く魅音を抱きしめた。
 「こんなにも刺青ってやつは素晴らしい。だから魅音、刺青を気にすることなんて無いんだ。」
 「圭ちゃん・・・。」
 「魅音に刺青があっても、エニシング・オーケー。むしろ俺は大歓迎だ。」
 「う、嘘だよ、だって、こんな・・・。」
 口では否定するが、明らかに魅音の意思は揺らいでいた。もう、一押しだ。
 「じゃあ、見せてみろよ。背中。」
 「えっ、ええっ!駄目駄目駄目駄目!それだけはだめぇっ!」
 「そんなに否定されるとますます見たくなっちまうなぁ〜。どうせ俺と別れたいんだろ?そしたら刺青を見せて白黒つけた方が良いんじゃないか?」
 「・・・・。」
 魅音は逡巡していたが、最後には小さく首を縦に振った。
 これでよし。魅音を土俵に乗せることには成功した。後は俺が鬼の刺青を見て、そのいらない心配を吹き飛ばしてやることだ。

379 ◆CoudB9M4c2 :2007/10/04(木) 00:32:11 ID:P/7vMWi8

 「・・・後悔、すると思うよ。」
 闇の中に浮かぶ魅音が、背中越しに最後の念を押した。
 俺は沈黙を答えとして返す。しばらく経って、観念したかのように、魅音がシャツの縁に手をかけた。
 深夜の俺の部屋。魅音のリクエストにより、電気はつけていない。
 両親を起こさないようにして静かに俺の部屋に入ると、俺は魅音の刺青を見るべく、彼女にシャツを脱ぐよう促した。
 静かな衣擦れの音と共に、シャツが畳の上に落ち、続いて、薄緑のブラジャーが落ちた。
 「脱いだよ・・・。」
 裁きを待つ罪人のように、震えた声で魅音が俺を呼ぶ。俺は魅音の背中に近づいて、そこに描かれた鬼の刺青を見ようとした。
 薄暗い中で目をこらす。月明かりに映えたその鬼を見た瞬間。俺は
 
 (羽入!?)
 
 と、一瞬叫ぼうとしてしまった。
 魅音の背中には、確かに角の生えた鬼の、女の鬼の姿があった。
 巫女服のような衣に身を包み、髪を振り乱して舞をしているかのように体をよじらせている。
 長く伸びた爪は人を殺める武器なのか、血が煙っており、衣にも赤い返り血がこびりついていた。
 では残酷な鬼なのかと言えば、その表情には何ともいえない憂いがあり、真一文字に結んだ口と伏した瞳には明らかな悲しみがあった。
 紫色をした髪の間から伸びる角の片方からは出血しているようで、返り血とは違う色合いの紅が使われている。
 『園崎家は、かつて鬼と戦った古手の巫女を迫害した村人のリーダーを務めていたようね。その罪を悔いた園崎の当主は、自らに鬼の刺青を刻むことで、永遠にその咎を忘れないようにしたの。』
 かつて、鷹野三四と会ったとき、彼女がそんなことを言っていたはずだ。そうか、この刺青はそのまま園崎家の罪の証なのだ。
 何故、この鬼が羽入の姿をしているのかは分からない。しかし、その鬼は無言のまま舞っていた。
 その姿がとても綺麗で、思わず俺はその鬼の顔にキスをしていた。
 「ひゃっ、圭ちゃん!?」
 突然のことに、魅音が声を上げる。だが、俺はなおも背中にキスをし続けた。
 「綺麗だぜ、魅音。こんな綺麗な鬼を独り占めしていたなんてなぁ。ほんとに悪いネコさんだなぁ、みぃ〜☆」
 照れ隠しに梨花ちゃんの言葉を借りる。
 「あ、あんっ。う、うそ。本当に・・・?」
 「ああ、本当に綺麗だぜ。全く、何を気にしていたんだか。」
 魅音の体をこちらに向かせ、キスを唇にする。戸惑いながらも魅音は俺のキスを受け入れ、自分から俺の頭を包み込んだ。
 「う、嬉しいっ!圭ちゃん、圭ちゃあぁん!」
 最後は涙声。しかし今度は嬉し涙だ。俺達は固く抱き合ってキスを何度も繰り返した。
 そのたびに、裸になった魅音の胸が、俺の胸板に当たって・・・。
 「あ、圭ちゃん。これって・・・。」
 その部分の変化を感じた魅音が、恥ずかしげに呟いた。
 「魅音のせいだぜ。」
 俺は意地悪く魅音に微笑むと、そのまま彼女の体を押し倒した・・・。


 
380 ◆CoudB9M4c2 :2007/10/04(木) 00:33:56 ID:P/7vMWi8
 「えへへ・・・。」
 朝日が昇ろうとする中。俺達は裸のまま寝転んで向かい合っていた。
 目が合うと、魅音は照れくさそうに笑った。
 お互い初めてだというのに、調子に乗って何回も求め合ったものだから、さすがにだるい。
 このまま眠りこけていたいが、もうしばらくすればお袋が起きる時間だ。さすがにこの状況は刺激が強すぎるだろう。
 「もう、朝なんだね。」
 「ああ。あっという間だったな。」
 もう一度キスをする。あと少しで、別れなければならないと思うと、胸が痛んだ。
 「痛く、ないか・・・?」
 俺はそれほどでもないが、女の子は初めての時、ひどく痛むらしい。お互いを求めるのに夢中で、気にしている余裕がなかった。
 「うん、ちょっとだけ。でも、爪をはぐよりは痛くないよ。」
 魅音がはにかむ。無理しやがって・・・。
 「それに、嬉しかったし。私、てっきり圭ちゃんが引いちゃって、嫌われると思っていたから。」
 「馬鹿だな。俺がそんな刺青一つにびびるチキンと思うか?」
 「うん、そうだよね。圭ちゃんは大婆様に一歩も引かないくらい強い人だったんだよね。」
 俺は魅音に背中を向けさせると、そのまま抱きしめた。丁度鬼の顔が俺の胸元に来て、見上げるようになる。
 
 (あ・・・。)

 その時、鬼の顔が微笑んだ。しかも一瞬ではなく、この体勢になることで。
 刺青の勉強をした時に読んだことがある。見る方向により刺青の姿が変わる伝説の技術。
 呼び方は忘れたが、その技術が魅音の背中には使われているのだ。
 そうか、これは祝福。
 罪深い園崎家の娘を愛し、抱きしめたものだけが見ることの出来る鬼の真の姿。
 (あぅあぅ。偉いのですよ。あなたは姿に惑わされず、本当の愛をこの娘にくれたのですね。)
 どういうわけか、羽入の舌足らずな声が聞こえたような気がした。
 「どうしたの、圭ちゃん。嬉しそう・・・。」
 俺の笑いを感じたのか、魅音が背中越しに微笑んだ。
 二人の鬼姫様の微笑み。
 俺はこの微笑みを守るためのナイトになることを、後朝の光の中で誓った。



 終わり
 
 
 
  
 
 
381名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 00:35:10 ID:Qpl+NamU
( ・3・)gj
382 ◆CoudB9M4c2 :2007/10/04(木) 00:38:23 ID:P/7vMWi8
投下終了であります・・・。

今回は濡れ場が無いほうが主題には合うのかなと思いまして、泣く泣く割愛しました。

ちなみに刺青に関する文献・資料?は知っている限りのものをならべましたが、本家の固有結界には及ぶべくもないですね。
 
あと、刺青が羽入というのは完全に私の妄想です。作中で、どんな鬼なのか言明されていなかったようなので、勝手にイメージしてしまいました。

たびたびのお目汚し失礼しました。
383名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 00:51:20 ID:OW5MsknS
小泉純也って又次郎の養sゲフンゲフン
gj
384名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 01:56:43 ID:btYcyQ4X
>>382
GJ。圭一に燃えたぜ!
385名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 02:52:15 ID:GlnbEXQ9
>>382GJ
圭一かっこいいな
386名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 03:18:41 ID:D2D1hODe
さりげなく皆殺し編の記憶継承してるのもいいな
387名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 11:40:19 ID:Zx54dO9D
>>382
うおおおおお!GJ!
圭一熱すぎだろ!
ところでこのエピソードって澪尽し編の方の後日談なのかな?
388名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 13:40:02 ID:51aR4PA2
>>387
時間的にはそうかと。
皆殺しの記憶も継承してるし。
389名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 14:40:18 ID:Fn3nTko8
>>382
超GJ!
文章力を磨けば更に良くなると思うがストーリーとしては最高
390名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 16:03:26 ID:oZnX7z7R
>>382
GJ!!圭一の固有結界すげぇw
刺青について知ってたのか調べたのか…どちらにしても
細かい部分で手を抜かないのは素晴らしい。
何よりも幸せな圭一と魅音が見れて良かった!
391名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 17:44:44 ID:fVjcdr6X
保管庫更新しておきましたよ。
ところで、職人さんの中にはトリップつける以前の作品が宙ぶらりん状態になっているものがあります。
自己申告していただければ作者別に編集しておくのですが・・・
作風がよく似ていて同一人物のものと思われるものがあっても、勝手に編集するわけにはいかないし・・・
392名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 17:53:40 ID:TbB/lrJw
くぁ〜、GJ!! 萌えた!
あえて濡れ場を外したのは正解だったね。
固有結界見事!w
良いもの読ませてもらったよ!

魅音の刺青といえば、原作に大きさとかの描写が無いんで各二次作品で違いがあ
るね。
俺が知ってるのでは、エンジェルモートの制服を着た時にばれない様に、背中の
左側の
下、腰のやや上辺りに拳大の鬼の顔の刺青彫ってるのがあった。
アニメ版の刺青は背中一杯に書かれてるから、綿流しで矛盾しちゃうんだよな。
393名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 20:23:37 ID:XUULnwdX
>>382
エロパロなのに泣けた
もうこれは人間ドラマですなぁ…
しかし濡れ場も見たかっ(ry
ご馳走様っした

>>392
ドデカく描いてるのはアニメのOPやピンナップなどのイメージ画のみだからな。
へその見えるセーラーやスク水も着れることから確実にありはするが範囲は極小、程度だな。
394名無しさん@ピンキー:2007/10/05(金) 00:16:39 ID:nEkTqVhU
>>392
しかもその後、猫殺し編でビキニを着せるとかもうね
個人的には小説版の、勉強の出来ない家庭教師の方が萌えたわ
395名無しさん@ピンキー:2007/10/05(金) 00:24:51 ID:mC0duWVC
アニメ猫殺しのオリジナル罰ゲーム衣装デザインしたのは坂井だけど、
魅音のビキニはさすがにキャラ分かってなさすぎだったな
似合うし映えるしアニメ的には見えてなきゃセフセフ程度のもんだろうけど
ひぐらし的にはNGだわさ
まああの衣装着た部活メンバーと圭一のニャンニャンとか妄想してるんですけどね
396名無しさん@ピンキー:2007/10/05(金) 06:22:20 ID:S2JtexcP
分かった!きっと入れ墨って文字なんだよ!

多分I LOVE 羽入とかって彫ってあるんだよ。
397名無しさん@ピンキー:2007/10/05(金) 16:26:34 ID:PISufPju
つ「日本画っぽい羽入」
398名無しさん@ピンキー:2007/10/05(金) 17:53:30 ID:ykXaUJdK
刺青とか関係なく魅音の猫殺しのあの衣装が好きになれないのは俺だけ?
399名無しさん@ピンキー:2007/10/05(金) 18:48:46 ID:g2KKiusy
あぅあぅ
400382 ◆CoudB9M4c2 :2007/10/05(金) 19:54:49 ID:3LO7gDuZ
上の作品を書いたものです。
以前、コメントはしない方が良いと言われたのですが、質問などを頂きましたので、あえて書き込まさせて頂きます。
次の作品の冒頭で回答すると、時間がかかりそうなので・・・。

>>387
勉強できない設定は澪尽しから、羽入の口調などを知っているのは祭囃しから設定を頂いています。
どの編の続きでも話はつながるようにしています。

>>390
一時期高木彬光にはまり、「刺青殺人事件」を読んでいたので今回使用させて頂きました。
近い時期に「鬼龍院花子の生涯」があったので、引用したのですが、もしも昭和58年以後の作品であったら、藤純子(現在は冨司純子)の「緋牡丹博徒」を使うつもりでした。

>>391
保管庫の更新をして頂き、本当にありがとうございます。
自分ではwikiの更新が出来ないため、自分の作品が載っているのを見ると、うれしい限りです。
私は他に「季節の中で」という作品と保管庫にもある「祭りの始末」を書かせてもらっています。
まとめて下さる時間があれば幸いです。

刺青の大きさに関してはアニメの双子の裸から全体にあるという解釈を取りました。
「鬼」が羽入の姿を模したものというのは、「雛見沢の鬼=羽入」という理由ですが、保管庫を見ると以前同じような解釈でSSを書かれた方(『鍵穴』という作品でしたか)もおられましたので、被ってしまいました・・・。


皆様に叱咤激励を頂いて、また良いものと思われるようなSSを書かせて頂きたいという思いです。
お待ち頂けるならば、近日中にも作品を投下したいと思います。


401名無しさん@ピンキー:2007/10/05(金) 22:17:43 ID:LmaGOg9j
>>400
  _  ∩
( ゚∀゚)彡GJ!GJ!
 ⊂彡
402名無しさん@ピンキー:2007/10/06(土) 01:46:37 ID:xM8GPvX3
抜けてる作品が補完されてるな>wiki
誰だか知らんがJG!
403名無しさん@ピンキー:2007/10/06(土) 10:46:36 ID:MiLpuIMc
     ...| ̄ ̄ | 鬼蓄王はまだかね
   /:::|     |      ∧∧    ∧∧
  /::::_|___|_    ( 。_。)  ( 。_。)
  ||:::::::(´・ω・`)    /<▽> /<▽>
  ||::/ <ヽ∞/>\   |::::::;;;;::/ |::::::;;;;::/
  ||::|   <ヽ/>.- |  |:と),__」 .|:と),__」
_..||::|   o  o ...|_ξ|::::::::|  .|::::::::|
\  \__(久)__/_\:::::::|  |:::::::|
.||.i\        、__ノフ \:|  |:::::::|
.||ヽ .i\ _ __ ____ __ _.\ |::::::|
.|| ゙ヽ i    ハ i ハ i
404名無しさん@ピンキー:2007/10/06(土) 19:34:45 ID:OdPdA/Ie
鬼畜王の圭一は妄想

圭一の知っている梨花は基本的に白梨花

鬼畜王の圭一が実際にやれば、他のメンバーは予想通りの反応なのに
梨花ちゃまだけは反応が黒梨花で、圭一が( ゜Д゜)???←こんな顔する

と、いう電波を受信しますた
405名無しさん@ピンキー:2007/10/06(土) 23:06:03 ID:YTSszZT6
だが、それはそれで萌えると考えてそのまま続行しそうですが
406名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 09:36:48 ID:XN0riQjw
ショタなKって今まであったっけ?
407名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 09:40:08 ID:fDz0gP7A
鬼畜王の続き保管庫うpはまだですか?
408名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 17:26:30 ID:/IYXzHAK
圭一パパ×レナが見てみたい
409名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 17:35:21 ID:1/fjD0EZ
鬼畜王の続きも気になるが
大石×魅音詩音も気になるぜ
正座してずっと待ってたら足がしびれてきた…
410名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 18:02:22 ID:ynWqCm2s
うみねこSSマダー?
411名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 20:05:16 ID:3a/APMaO
うるさいのぉ。
都合ってもんがあるだろうが?
考えようぜ諸君。
412名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 01:27:34 ID:DSWfFSFX
>410
近親ネタ以外で絡めるとしたら一日目の晩くらいなんだが
現段階での全員のアリバイがあやふやだからな。
過去もはっきりしてないし。

あと主人公がフラグ無しなのも痛い。
どうにかエロに持っていけそうなのは
お茶会の魔女くらいしかいないのがなんとも…。
413名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 02:45:14 ID:O+iwBxgo
幼なじみの朱志香とはどうよ。
再会のシーンみたいに「女みたいになりやがって」「お前こそちゃんとアレ卒業したのかよ」とかふざけ合ってたらそれっぽく…とか。
414名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 03:05:33 ID:Fb/a6J3F
真里亞を忘れないでください
415名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 11:19:26 ID:iD/7axOO
ここでシャノン×カノン
416名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 16:17:08 ID:Vh5neVUe
>>409
その二作が完結するまでは死ねない
417名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 22:22:13 ID:n5ypFYuU
前スレで少し話題にでた、眠れぬ夜にの続きが気になって仕方ない漏れはどうすれば…


(´;ω;`)ブワッ
418名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 22:26:02 ID:4RELhZWU
>>417
同志よ
419名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 22:32:11 ID:Mfojo965
いっそのこと自分で続きを書いてみる手もあるぜ
420名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 22:54:03 ID:n5ypFYuU
>>419
いや それは作者に失礼な気がするし、投下されるまでずっと信じて待ってるよ。

時間出来たらリカサト書いてみようかな…
自信ないけどorz
421 ◆CoudB9M4c2 :2007/10/09(火) 00:00:16 ID:Hpa84LlM
408の方からリクエストがありました圭一パパ×レナを勢いで書いてみました。

前のSSの続きは私も読ませて頂きたいです。長編を書く場合は、間隔のリスクも考える必要があるみたいですね。

あと、保管庫管理をして頂いた方には感謝のしようもありません。投下した作品で楽しんで頂けることをお礼として受け取ってもらえれば幸いです。

それでは「可哀相なのはどっち?」という題で投下させて頂きます。

422可哀相なのはどっち? ◆CoudB9M4c2 :2007/10/09(火) 00:03:56 ID:Hpa84LlM
               可哀相なのはどっち?

 雛見沢の新興別荘地として開発が進む一角に、最も早く完成した邸宅がある。
 村中によくある日本家屋とは違い、近代建築の粋を凝らしたモダンな建物。通称『前原屋敷』と呼ばれる、私のクラスメイト前原圭一君の住む家だ。
 正門から入って広い玄関ポーチに着くと、私は扉の横に備え付けられた呼び鈴を鳴らした。
 「はい、前原です。」
 呼び鈴から声がして、びくりと体が動く。
 インターホンといっただろうか、この電話とは違う機械を通した声というものには未だ慣れない。
 私は気を取り直して声の主に自分の名前を告げた。
 「おおっ、レナちゃん!鍵は開いているからどうぞ、どうぞ!」
 圭一君に似てはいるが、もう少し重みのある声が楽しげに響く。私をここに呼び出した圭一君のお父さん、前原伊知郎さんのものだ。
 お邪魔しまぁ〜す☆と、扉を開けて玄関へと入る。扉を閉めるのと同時に、ドタドタと家の奥から足音が聞こえた。
 「いやぁ〜。ウェルカム!ようこそレナちゃん!ささっ、入って入って!!」
 満面の笑みを浮かべて、圭一君のお父さんが私を出迎える。一歩間違えれば、胡散臭いペテン師に見えるような人だ。
 「はぅ〜、こんにちはおじさま。いつもお世話になっています。お邪魔しま〜す。」
 こちらも負けじと笑顔を浮かべ、靴を脱いで家の中に上がる。
 圭一君の家は借家住まいの私のそれとは違い、内装も洒落ていて、まるで都会のマンションのようだ。
 貧乏性の成せる業か、廊下に掲げられている静物画がいくらするのか、ついつい考えてしまう。
 応接間に通されて、革張りのソファーに座る。しばらくすると、台所から紅茶とシュークリームを乗せたお盆を持って、圭一君のお父さんがやってきた。
 「圭一も母さんもいないから、好みがわからなかったけど、これでいいかな?」
 目の前に並べられたのは上等なアッサムの紅茶と、エンジェル・モートのアーモンド入りシュークリームだった。これはまた高級なシロモノである。
 「はぁ〜ぅ〜♪お、おいしそぅ〜!いっただきまぁ〜す☆」
 早速かぶりつくと、濃厚なクリームと刻みアーモンドの香りが私の舌を楽しませ、柔らかく、それでいて歯ごたえのある皮の部分が口中で踊った。
 流石はエンジェル・モート。制服だけでなく、味にも妥協を許さない!
 「気に入ったかぃ?まだまだあるから、持って帰ると良いよ。」
 「えぇっ、本当ですかぁ〜!?お、お。お〜持ち帰りぃぃ〜☆☆」
 紅茶を噴出す勢いで、私は喜びに身を捩った。おやつの時間はしばらく幸福なものになりそうだ。
 「あぁ。お父さんにも食べさせてあげればいいよ。」
 その言葉に、一瞬私の顔が歪む。
 
 そう、お父さん。
 
 圭一君がいないのに私がこの家に来た理由は、私のお父さんにあるのだ。
 とてもお人よしで、女性に免疫のないナイーブな少年がそのまま大きくなったような私のお父さんに・・・。
 
 
 
 
 
423可哀相なのはどっち? ◆CoudB9M4c2 :2007/10/09(火) 00:05:01 ID:Hpa84LlM


 「う、嘘だッ!」
 父から告げられた真実を受け入れられず、私は叫び声を思わず漏らしていた。
 「すまない、礼奈。父さんは、父さんはァァァッ!!」
 リナがいなくなった。
 父を惑わせていたあの悪党がその姿を消したということは、本来私にとって喜ばしいことのはずだった。
 しかし、悪党という狩人は、収穫のためにはどんな残酷なことでも平気なことで行う。手を変え、品を変え、獲物を手に入れるためには時と場所を問わないッッ!!
 その連中が姿を消したということは、狩りの終了。つまり狩りに見合うだけの収穫があったことを意味する。
 拭い切れぬ悪寒を感じて、私は父からひったくるようにして通帳講座を奪い取っていた。
 「何、これ・・・。」
 残高ゼロ。
 あれほどあった慰謝料も、これまで父が貯めていた蓄えも、全てが無くなっていた。
 「お父さん!これは、どういうことっ!?」
 涙ながらにお父さんが語った真実は、聞くのに大変な苦痛が伴うものだった。
 リナの甘言に乗せられて、無理な買い物をしたこと、背伸びをして羽振りが良い所を見せていたこと。
 てっきり自分との新居だと思い、リナがマンションを買う時に費用の半分を出したということ、そして鉄っちゃんとかいうレナの情夫に凄まれて、泣く泣く手切れ金を支払ったこと・・・。
 しかし、私が最も心を傷つけられたのは、手切れ金の中にリナの堕胎費用が含まれていたことだったのだ。
 私も年相応の性知識はあるから、お父さんとリナの関係はそういうものだと知っていた。だが、それを受け入れたくなくて私はゴミ山に篭り、二人の関係に目を瞑り、耳を塞いでいたつもりでいた。
 殻に閉じこもって甘い夢を見ていたかった。じっと耐えていれば嫌なことは台風のように過ぎ去るものだとも思っていた。
 だから、「堕胎」という言葉には残酷な鋭さがあった。非情な現実に引き戻す、得体の知れない凶器のような言葉だった。
 「嘘だ・・・。嘘だぁ・・・。」
 涙を流すお父さんの横で、私も泣いた。
 こんな性欲に溺れた馬鹿たれは、鉈か斧で脳天を一撃で叩き割ってやろうかとも考えたが、母に捨てられた父の姿を知っている私に、それ以上父を責めることは出来なかった。
 
 そんなことよりも、私達親子の当面の問題は、明日の食事と化した。
 父は再就職を目指すと言っていたが、愛していた女性に裏切られたショックは本人が思うほど強い。しばらくはまともな思考すら出来ないだろう。
 そうなればお金がほとんど尽きた今、私たちは干上がってしまう。
 誰かに無心するという手段も考えたが、収入源の無い今では返済する方法がない。これは本当の本当に最後の手段として残しておきたかった。
 と、なると私がお金を稼ぐことしか方法は無くなっていた。「細腕繁盛記」ではないが、竜宮家の命運は、私一人の双肩に掛かったのである!

 ・・・が、学生の身で、しかも女の子の身でお金を稼ぐ方法は、限りなく少ない。
 アルバイトという方法があるが、校則では無論、禁止されているのが実情だ。魅ぃちゃん達は親戚の手伝いという理由で何とか許可されている状況だから、私ではとても無理だ。
 古典的な手では新聞や牛乳の配達というものがあるが、これも人口の少ない雛見沢では募集がないというのが現状だ。もう少し人の多い興宮では募集もあるというが、そこでは配達後の登校が間に合わない。

 私は途方に暮れていた。


 その私に手を差し伸べてくれたのは、圭一君だった。
 「よくぞ俺に相談してくれたぜ!レナ!!」
 無理を言って魅ぃちゃんにエンジェル・モートでのバイトを頼もうとした矢先のこと、誰かから聞いたのか、放課後に私を呼び出すといつもの調子で私の肩を掴んできた。
 ・・・正直、父のこともあったせいで、掴まれた肩にわずかな嫌悪感を感じて、頬が歪んだ。
 「俺に任せておけ!実は、俺に良いバイトのツテがあるんだ!」
 その前日の帰り道、私はポツリと圭一君に、最近自分の家がお金関係で困っていることを伝えたのだった。
 騒がしい圭一君の前では冷静な思考が出来なくなり、どのように伝えてしまったのか覚えていない。しかし、圭一君は上の空で「そっか、大変だなあ」と無責任に呟いていた気がする。
 「え、何のことかな、かな?」
 「ふふふ、レナ。あるんだよ、短期間でワリの良いバイトがっ!」
 大石さんのように不気味な笑顔を浮かべ、圭一君が紹介したそのバイトとは・・・。

 
424可哀相なのはどっち? ◆CoudB9M4c2 :2007/10/09(火) 00:06:25 ID:Hpa84LlM
 

 「さて、レナちゃん。そろそろいいかな?」
 紅茶を飲み干した頃を見計らい、圭一君のお父さんが私に「バイト」の開始を促してきた。
 「あ、はい。」
 私は食器を台所に片付け、その後を付いていく。廊下に出て圭一君の部屋に通じる階段を過ぎ、「書斎」と書かれた扉の前で、私達は立ち止まった。
 「さ、どうぞ。」
 圭一君のお父さんが、重そうな両開きの扉を開ける。
 中に入ると、そこは二十畳はありそうなフローリング製の部屋となっており、南向きの窓以外の壁は、全て本棚で埋め尽くされていた。
 その中に原稿らしきかみや絵の具が置かれた仕事机や、写生用の人体模型、それに仮眠用のベッドが無造作に置かれていた。
 「うわぁ〜。凄いですねぇ。」 
 「ああ、トイレやお風呂も用意してあってね。仕事が煮詰まっているときには、ここに篭ることも多いよ。」
 カンヅメになる時も大丈夫ということか・・・。私はそっとベッドに目をやった。
 『ワリの良いバイト』
 その内容が分かる気がする。
 圭一君は『親父がレナを作品のモデルにしたいって言っていたから話をつけてやったぜ!』と善意丸出しの表情で私にこのバイトを紹介してくれたようだが、その依頼主が何を考えているのか理解出来ているのだろうか?
 芸術家のモデルになるということは、その作家の要求する姿を求められれば、それに答えならなければならないということだ。
 際どい格好をしろと言われれば従う必要があるし、脱げと言われれば脱がねばならない。反抗すれば契約不履行で、報酬はナシということだ。
 知識を並べ立てた上で結論を下すと、それは愛人契約に等しい。現にピカソだとかダリだとか夢二とか、芸術家のモデルとなった女性はそういう関係になっているのがほとんどではないか・・・。
 私は絶望に目を伏せた。
 憎からず思っている男の子の父親とそういう関係になる。誰にも体を許していない乙女にしては、無念の極みだ。
 お父さんが子供のころ、戦中戦後の混乱の中で、家族を養うために身売りをした女性達がいたというが、その気持ちが痛いほど分かった。
 「さぁ、レナちゃん。」
 圭一君のお父さんが振り返る。今までとは違う、少し怖い雰囲気。
 「そこに、『資料室』と書いてある部屋があるね。君に会うものがあればいいんだが、そこから私の指定する服に着替えて出てきてくれないか?」
 書斎の本棚の片隅にその部屋はあった。わずかに開いた隙間が私を戻れない世界に手招いているようで、不気味だ。
 「まずは・・・。」
 私をどう料理するのかを考えているのだろうか、腕組みをして圭一君のお父さんが私を睨んでいる。
 その視線が痛くて、私はため息を付いた。

 
 
 
425可哀相なのはどっち? ◆CoudB9M4c2 :2007/10/09(火) 00:09:26 ID:V5qwd8Oh

 「は、はぅぅ〜。お、おじさまぁ〜。」
 「どうしたんだ、レナちゃん。まだ、入ったばかりだよ・・・。」
 「こ、こんな、初めてで・・・。ひゃうっ・・・!!」
 「最初は、誰も・・・。ふぅ。戸惑うものさ・・・。おぉっ!」
 「レナ、レナぁ。恥ずか、しい・・・。」
 「ふふふ、直に慣れてくるよ。さぁ、それじゃあレナちゃん。そろそろ『快感』って言ってみようか・・・。」
 「い、嫌・・・。そんな、初めてで、無理ですぅ!!」
 「初々しいなぁ・・・。藍子も最初はそうだったよ。くぅ〜♪いいなぁ〜。未経験の女の子を開発するこの感触ゥ!」

 俺は買い物鞄を落としそうになるのを必死にこらえて、聞き耳を続けた。
 異変に気付いたのは、買い物から帰った後、レナのバイトの様子を見ようと書斎のドアノブに手を伸ばした直後。扉の奥からレナの「ひゃうんっ!!」という声が聞こえた時のことだ。
 その声に手を引っ込め、扉に耳を当ててから現在に至るまで、俺はこうして007の真似事をしている。
 扉の奥から聞こえるのは、紛れも無いレナと親父の声だ。
 しかも、その内容を聞く限り、とてもじゃないがマトモなことでは無いことが分かる。
 「ひゃっ、これ?本物!?」
 「あぁ、正真正銘。本物さ・・・。」
 「す、すごく硬い・・・。黒光りしてる・・・。」
 ま、まさか・・・!
 信じたくない。信じたくないが、扉の向こうで繰り広げられているのは、桃色の世界らしい。
 ば、馬鹿なっ!現段階でもお袋と恋愛中みたいな親父と、俺を憎からず思っていそうなレナが!? 
 「でも、おじさま。だ、駄目ですよ、こんなこと・・・。」
 「大丈夫だよ。圭一にも、藍子にも内緒だから・・・。」
 畜生。
 畜生、畜生、畜生、畜生!ちっくしょぉぉぉぉっ!!
 いつの間にそんな関係に!?。
 落ち着け、COOLになれ、前原圭一。
 多分、そう。親父とレナは緊張を解きほぐすためにマッサージでもしているのさ。
 『おや、肩がこっているねぇ。そんなんじゃモデルになんてなれないぞ〜♪』
 ってな感じで。あのセクハラ大魔王な親父ならやりかねないことさ・・・。
 しかし、レナが発した次の言葉が、そんな俺の考えをどこかへ吹き飛ばした。
 「・・・!!駄目ッ!おじさま!!発射は、発射だけはだめぇぇぇっ!!」
 体が踊る。俺はもう、何も考えなかった。
 馬鹿おやじっ、手前っ、何をしてやがるんだぁぁぁ!!

 物凄い音がして、書斎の扉が開いた。
 「圭一君!?」
 脱兎の勢いで現れたのは、見慣れた前原圭一君の姿だった。
 「親父ィィィ!!覚悟せえやぁぁぁっ!!」
 今にもバットを振り回しかねない勢いで、圭一君のお父さんに飛び掛る・・・。
 つもりのようだったが、圭一君は私達、特に私の姿を見て目を丸くした。
 「ど、どうしたんだよ、レナ。その格好・・・。」
 ぼんっ!と湯気が立ち上るのが分かる。自分の顔を鏡で見たら何とも赤くなっていることだろう。
 私は、セーラー服を着ていた。
 いつもの水色のセーラーではない、紺色をした裾が長めのセーラー服。
 そして、圭一君は私の両手に持たれた円筒状の物体を見て、再び目を丸くした。
 「お、おいっ!それって・・・。」
 正式名称はM3短機関銃だったろうか。ベトナム戦争で鹵獲されていた物を裏のルートで手に入れたらしい。ちなみに実弾入りだ。
 つまり、私はセーラー服を身に着けて機関銃を持っている姿をしているわけで・・・。
 
 「薬○丸かよ・・・。」

 力の抜けた圭一君の声が、静かな書斎の中に響いた・・・。


 
426可哀相なのはどっち? ◆CoudB9M4c2 :2007/10/09(火) 00:10:33 ID:V5qwd8Oh

 別れの挨拶をして外に出ると、それまで聞こえていなかったひぐらしの声が一斉に聞こえた。
 送って行くよという圭一君の申し出を受けて、私は帰宅するまでの間、圭一君との短い逢瀬を楽しむ事にした。
 「ったく、びっくりしたぜ。あんなのが聞こえたから、俺はてっきり・・・。」
 結局私も圭一君も、圭一君のお父さんのことを誤解していたのだ。
 「くすくす。盗み聞きをしてちゃ駄目ってことかな、かな?」
 圭一君のお父さんは作品構想のために沢山の衣装を購入し、させたいシチュエーションをモデルに取らせる作風らしい。
 普段はお母様がモデルをされているそうだが、今回は「セーラー服と短機関銃」がテーマのために、実際の女子学生である私をモデルに選んだということだ。
 「『発射はらめぇぇっ!!』だっけ、何を発射すると思ったのかな、かな?」
 「台詞に若干萌えが入っているような・・・。さ、さぁ。知らないな。」
 少し、圭一君に意地悪をしてみる。やはり反応が素直ではない。
 あーぁ。やっぱり圭一君が相手だと、頭がクールにならない。そう、冷静ではいられなくなるのだ。
 最初はこの感覚を不快だと思っていた。しかし、いつの間にかこの感触が無いと不安になってしまう。
 全く、困ったものだ。こんな子供っぽい男の子ではなく、もう少しクールで知的な人が私の好みだったというのに、すっかり私の好みが変わってしまったではないか・・・。
 「まあ、でも良かったぜ。俺はてっきり親父がレナ相手に、その、援助交際でもしてないかと思ったから。」
 「援助、交際・・・?それって、なにかな、かな?」
 「う。な、何でもないよ・・・。」
 援助交際。確か引越し前の学校で、隠語のように使われていた言葉だ。
 大人が少女に援助と言う形でお金を渡し、性的な意味でその見返りを求めること。略してエンコー。
 「ね〜ぇ、教えてよ。どういう意味なの、かな、かな?」
 困った圭一君の反応が見たくて意地悪を繰り返す私も、リナに負けないほどの悪党だなと思う。
 そう考えると、間宮リナという女性も、最初は私と同じように少し意地悪なだけの女の子だっただけなのかもしれない。
 それが周りの人間に恵まれなかったせいで、その意地悪が本物の悪になり、心根を病んでしまったのではないのだろうか。
 私も、彼女のことを笑えない。バイトに行く前、圭一君を信じることが出来なくて深い絶望に陥ってしまった。
 今考えれば、仲間が私のために紹介してくれたバイトだ。しかも自分の父親という、その人の人となりを良く知っている上での紹介だよ。
 私も自分のお父さんが女の人に弱くて、頼りない人だと良く知っている。私だってお父さんがそういう人だということを知っているんだから、圭一君も同じなんだよね。
 もし、逆の立場で、魅ぃちゃんがお父さんのモデルをしたいと言ったら、私は絶対に許さないだろう。弱い心の持ったお父さんのせいで、友達を傷つけたくないから。
 でも、圭一君は私にバイトを紹介してくれた。それはつまり、全てを考えた上で私のためになると考えたから。

 あははは、あっははははは。

 リナさん。あなたにはそういう人はいる?
 私には、いるよ。私のためにとことんまで力を尽くしてくれる人が。
 あなたとは違って、見返りなしに力を尽くしてくれる「友達」という存在が。
 リナさん。私はあなたを許せないけど、あなたを可哀相だとは思うよ。
 あなたのために力を尽くしてくれる人を裏切って、乗り換えていく人生なんて、悲しい人生とは思わない・・・?
 
 「あ、そうだ。これ、親父から。」
 分かれ道まで来たとき、圭一君は思い出したようにポケットから封筒を取り出した。
 「これからのバイト代を先払いするって。また、お願いするってよ。」
 差し出された封筒を受け取ると、少なくない厚みがあった。
 「へへ、これじゃ本当にエンコーみたいだな・・・。」
 照れ隠しなのか、圭一君が茶化して笑う。
 圭一君も、圭一君のお父さんも、こういうところを茶化す癖があるようだ。あぁ、これではまた眠れないではないか。
 だから私も、照れ隠しに茶化して答えた。
 
 「圭一君は、しないよね?援交・・・。」


 終わり
 
 
 
 
 
427可哀相なのはどっち? ◆CoudB9M4c2 :2007/10/09(火) 00:19:42 ID:V5qwd8Oh
投下終了です。

リクエストされた方。エロ分がほぼ「偽エロ」で申し訳ありません。

私は勢いで書くことが多いので、後から見直すと誤字・脱字が多く、表現も甘いと感じてしまいます。

今回も拙い作品ですが、楽しめる方が一人でも居て下されば幸いです。

余裕があれば、もう少し長めの作品を投下させて頂きたいと思います。

乱文乱筆失礼致しました。
428名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 00:54:12 ID:OHtRNoc8
GJ
話の構成も面白いけど前原家の部屋の描写や
レナの心理描写もお上手ですね
429名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 01:06:07 ID:g8k/Iszg
騙された…エロい展開かと騙された…
でも圭一が飛び込んで行くところの展開はGJww
父親がヘタレだと娘はほんと苦労するな、頑張れレナ
430名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 01:55:46 ID:oda9hE9d
オチがだいたい予想出来る展開だったけど
レナの心理描写とかがしっかりしててその辺りがGJだった
431名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 17:21:57 ID:SdlOMbmK
むしろ偽エロで良かった
432名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 23:43:49 ID:DsFDShw3
いい偽エロでした。面白かったです。GJ。
正直、偽エロでホッとしたww
433名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 00:35:52 ID:oMhvr/6E
これはいい。オットセイ☆が洗われる
434名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 21:46:36 ID:lc1cDkGl
偽エロにしてくれてよかったw
本編に本当にありそうな話
435 ◆FBzEQW9kzY :2007/10/10(水) 22:21:45 ID:Jc5nRFP8
大分前に圭×魅のほのぼのモノを書くと言っていた者ですが、
ようやく完成したので投下を開始します。(数か月前なので覚えてる人はいないと思いますがw)

ちなみに、少し圭一が受け気味ですので、苦手な人は注意を。
あと、全体量が結構多い&エロシーンまでがやたらと長い&エロシーンの割合が少ないです。
なので、エロを期待してる人には、少しキツイかもしれません。

それでは、投下開始↓
436 ◆FBzEQW9kzY :2007/10/10(水) 22:23:23 ID:Jc5nRFP8
ひぐらしのなく頃に 女明し(めあかし)編

■夜の宴

 ――その日、園崎魅音は憂鬱だった。
 彼のことを考える度に、自分はスタート地点にすら立っていないのだと思い知らされる
からである。


 空一杯に星が浮かんでいるその日の夜、園崎本家では軽い宴会のようなものが開かれて
いた。参加者は、お魎・茜・葛西・魅音・詩音と、ほとんどが園崎の親族だ。普段は興宮
に住んでいる詩音らが用事で本家まで来ており、丁度だから少し食べていけとお魎が気を
利かせたのだった。
 しかし、軽い宴会とは言ってもそこはさすが園崎家。マグロ。カニ。アワビなど。一般
家庭の夕食ではとてもお目にかかれないような素材を使った料理が、十数畳の部屋に一つ
置かれたテーブルの上で踊っている。園崎家の重鎮ばかりが揃うこの席に、お手伝いさん
も一層気合いを入れて用意したのかもしれない。
 そんな宴会も、始まってから結構な時間が経つらしく、テーブルの片隅には空のビール
瓶が八升ほど置かれている。当然、その頃には酔いが回った参加者も何人か出てくる訳で、
始めのいかにも旧家らしい静かな雰囲気とは打って変わり、少々下品な会話のやりとりが
されていた。
「で、どうなんだい魅音? 圭一くんとの仲は、何か進展したのかい?」
 茜は、持っていたコップをテーブルに叩きつけ、反対側に座っている魅音へ据わった目
を向けながら言った。相当酔っているのか、耳まで真っ赤に染まっている。
「だ、だからお母さん、別に圭ちゃんはそんなんじゃないんだって……! 」
 その言葉に対して、魅音は今にも泣きそうな表情で抗議した。
「お姉〜、どの口がそんなことを言いますか? 電話で圭ちゃんのことを話している時の
お姉の嬉しそうな声、私はしっかり記憶しているんですからね〜?」
 が、すかさず隣に座っている詩音からの援護射撃が入り、魅音は体を強張らせる。
 詩音も結構な量の酒が入っているようで、頬を薄らと赤く染め、言葉の調子も何処か上
機嫌だ。反対に、魅音は数分前からずっと続いている自分の恋愛に対する詰問の緊張で、
すっかり酔いが醒めてしまっている。とは言え、強い羞恥心で、顔は酔っている状態より
も真っ赤だったが。
(どうして私がこんな目に……)
 そう思いながら魅音は、尚も繰り返される酔っ払いからの問い詰めにげんなりとした表
情を浮かべた。
 宴の始めは取りとめもない雑談ばかりだったのだが、酒が進むにつれ、段々男がどうの
という話になり、いつの間にかその矛先が魅音と圭一の関係に向けられたのだ。性質の悪
い酔い方をした者(主に約二名)にとって、いつまでも煮え切らない魅音と圭一の話は、
格好の絡み相手だったのかもしれない。
「……茜さん、魅音さんが嫌がっていますよ。そろそろ止めておいた方が……」
 その様子を見かねたのか、茜の隣で静かに料理を食べている葛西がやんわりと諭す。園
崎家随一の酒豪と噂されるだけあって、飲んだ量の割に冷静さを保っていた。
「うるさいよ葛西っ! 私ゃ、全く関係を進展させない魅音に親として叱ってやっている
んだよ! あんたはすっ込んでなっ!!」
 だが、酒を飲んで勢いづいた鬼姫には、葛西の言葉など焼け石に水である。こうなると
茜は誰にも止められない。そのことを知っている葛西は、それ以上何も口を開かなかった。
「しかし、何でお姉は恋愛に対してこんなに意気地が無いんですかね。もっと気合いを入
れないと、いつまでたっても圭ちゃんと仲良くなれませんよ?」
「……そ、そんなこと言われても」
 詩音の言葉に、魅音は気弱な声を上げた。
「本当さね。園崎の血筋を継いだ女は、どの世代も色恋沙汰については豪快に立ち回るジ
ンクスがあるんだけどね〜。私は鬼婆様とポン刀でやり合ってまで旦那を手に入れたし、
鬼婆様だって父さんと結ばれるまでに色々派手なことをしでかしたんだよ?」
 ちらっとお魎へ視線を流す茜。
「…………けっ。余計なことを言うんじゃないよ蒐ぇ……。ほんにぁんじょうすったらん
……」
 上座に座ってお茶をすすっているお魎は、バツが悪そうに悪態をついた。が、顔は満更
でもない表情を浮かべている。一種の武勇伝なんだろう。
437 ◆FBzEQW9kzY :2007/10/10(水) 22:24:10 ID:Jc5nRFP8
「……でも、本当にそろそろ押していかないとマズいですよお姉。何て言ったって、お姉
のライバルはあのレナさんなんですから。のんびりしていたら、二人が仲良くごにょごに
ょやっている所を偶然お姉が目撃! ……なんて可能性も十二分にあるんですよ?」
 詩音が大げさな素振りで魅音を脅す。
「……え、えぇえっ!? や、やだよそんなの〜!!」
 どんな想像をしたのか、魅音に対する効果は抜群だった。
「だったら、さっさと圭ちゃんにアタックするべしです」
「……ぅ……で、でも私、その……圭ちゃんに女の子として見られていないみたいだし…
…。そ、そんなんじゃ……いくらこっちからアプローチしても……」
 今にも消え入りそうな魅音の言葉に、詩音は大きなため息をつく。
「何言ってんですかお姉……。いくら普段の態度が女の子らしいと思われていなくても、
お姉にはその体があるじゃないですか。何処をどう見ても女の子その物の」
「え……、え……?」
 パチクリと瞬きを繰り返す魅音。何が何やら理解できない、といった感じだ。
「そうさねそうさね。どんな男だって、こっちから押し倒して乳の一つも揉ませれば、あ
っという間に転んじまうもんさ。特に圭一君みたいなウブな年頃だったらねぇ」
「……ぅ、……ごほっ! ……ごほっ!」
 茜のその言葉に反応して、咽る声が上がる。葛西だった。何か想像したらしい。
 当の魅音はと言うと、湯気が出そうなくらい顔を真っ赤にし、プルプルと体を震わせて
いた。詩音と茜の言っていることを理解して、あまりの恥ずかしさに大きなリアクション
を取ることもできないようだ。
「ぉ、ぉ、ぉ、ぉしたお……?」
 魅音の口から、掠れた声が零れる。
「そう、お姉から押し倒すんですよ圭ちゃんを! そして、あんなことやそんなことをし
て、お姉のことを片時も忘れられなくしてやるんです!」
 ずいと魅音に迫りながら詩音が言った。
「……そ、そんなのダメだよっ!」
「あ〜ら? じゃあ、圭一くんをレナちゃんに取られても良いのかい? はっきり言うけ
どね、あんたじゃ普通にやってもあの子にゃ勝てないよ? 圭一くんにとって、あんたは
女の子という土台も作られていない状態らしいからね?」
「…………ぅ」
「えぇ、母さんの言う通りです。だから、お姉は多少強引な手を使ってでも、圭ちゃんに
女の子だと認識されないといけないんですよ。レナさんとの仲が進展する前に」
「……………………ぅ」
 親子の見事なコンビネーションに、魅音は唸る以外に何も言えなくなってしまった。
 圭一に女の子だと認められたい。だけど、押し倒すなんて恥ずかしくてできない。でも、
それ以外の方法が浮かばない……。そんな葛藤が魅音の頭の中で渦巻く。
 普段なら、こういう話も恥ずかしがるだけで流すだろうが、今回はレナを比較に使われ
たのが効いたようだ。そういう、部活的な負けず嫌い精神を恋愛面でも無意識に残してい
るのが、魅音らしいと言えばそうかもしれない。
 詩音と茜は、そんな魅音の様子を見て嬉しそうに唇の端を吊り上げる。最初から、魅音
がこうやって戸惑う姿を見るのも目的だったらしい。外道である。
「…………ぅうわ、わ、わ、私、部屋に戻ってるっ!」
 散々悩んだ挙句、こんな所で結論を出せないと判断したのか、魅音は顔から蒸気を噴き
出しながら宴会場から逃げ出した。
「くっくっく……。あの様子だと、魅音も今回は攻めに行くかねぇ?」
「ひょっとすると、ひょっとするかもしれませんね。こりゃあ、その内朝帰りをする日が
来るかもしれませんよ? くっくっく……。」
 魅音の姿を見て、酒の入ったコップを持ちながら、実に仲良さそうに嗤う二人。
 その横では、葛西が呆れた顔で二人を見つめていた。
438 ◆FBzEQW9kzY :2007/10/10(水) 22:25:43 ID:Jc5nRFP8
■昼の非日常:前原 圭一

1.
 ――部活メンバーみんなで川へ遊びに行こう。そう最初に言いだしたのは、魅音だった。
 ここ最近急激に高まってきた暑さで、普通の部活をやる気力も削がれてしまっていた俺
は、その提案に迷うことなく即賛成。他のメンバーらも、たまには変わったことをやりた
いからと、全員賛成。結果、その週の日曜に早速行くこととなった。
 そして当日。午後に入ってから学校に全員集合して、今まさにその川への道を歩んでい
るところである。
「……あぢぃ。おい魅音、川はまだなのか? いい加減、歩き疲れたぞ……」
 正面に大きく広がっている山と、辺りにある無数の田んぼ以外、周囲には何も無いあぜ
道。そこを延々と歩くという作業に嫌気がさし、俺は汗だくになりながら魅音に文句を投
げた。学校から出発して、もう二十分は歩きっぱなしだ。
 いくら川へ涼みに行くと言っても、その道中までもが涼しくなる訳ではない。頭上に大
きく浮かぶ灼熱の太陽。最近の雨で湿った空気や、土の匂い。更に、自身が流した汗で濡
れた衣服。それらが実に見事な不協和音を奏で、嫌がらせかと思うほどの不快感を全身に
塗りつけてくる。せめて周囲に木々でもあれば、その陰でこの不快感もいくらか緩和でき
るだろうが、困ったことにそういう類の遮蔽物は皆無で、この場は正に太陽の独擅場と言
えた。
「ま、まだだよ。も、もう少し山の中に入らないと……」
 魅音は、少しどもりながら言った。相変わらずのその様子に、俺は多少の訝しさを覚え
る。
 何故か今日の魅音はずっとこうだった。午後に集合した時からやけに緊張した様子で、
口を開けばいちいちどもり、目をこちらへ合わせようともしない。強引にこちらから詰め
よれば、赤面して黙りこくってしまうといった具合で、明らかにいつもと様子がおかしい。
 あの天下無敵の魅音がここまで変だと、心配な上にこちらの調子まで狂うので、途中で
レナにそのことをこっそり相談したのだが、レナもよくわからないらしい。梨花ちゃんか
らは、何故か意味深な笑みを貰った。沙都子は、風邪なのでは? と魅音を心配していた
が、特に辛そうな訳でもないので違うだろう。
 どうも約一名から煙に巻かれた気がしたが、俺には理由を探りようがない。だから、と
りあえず何か起こるまで魅音は放っておこうと自分の中で既に結論していた。
 よって、何事もなかったかのように俺は会話を続ける。
「山って、正面にあるアレか? おいおい、後どれだけ歩くんだよ……」
「ん、ん〜、い、一時間ちょいかなぁ」
「……溶けちまう」
 だらしなく舌を出しながら、俺は膝を付いて項垂れた。
「をーほっほっほ! 圭一さんは本当にだらしないですわねぇ」
 そんな俺に、この炎天下上にも関わらず平気な面をした沙都子が、いつも通りの挑発を
する。だが、俺にいつも通りの反応をする気力は残っていない。
 同じ状況に置かれた同じ人間で、何故こうも様子が違うのか。
「……はぅ、圭一くん大丈夫なのかな、かな?」
「みー。圭一はなんじゃくものなのです☆」
 ……いや、沙都子だけではなかった。この場を歩く俺以外の人間全員が、太陽の直射日
光に対して涼しい顔をしている。魅音も様子こそはおかしいが、それはこの暑さから来た
ものではないようで、汗の一筋も垂らしていない。どうやら、生粋の田舎育ちと都会のも
やしっ子では、こうも体力に差がつくらしい。
「圭一くん、一旦休憩する?」
 レナが、心配の色で濡れた瞳をこちらに向けながら言う。が、俺はそれを断った。メン
バー中唯一の男子であるこの俺が、こんなことでギブアップしていては格好が付かないか
らだ。それに、途中で休憩したことに対する罰ゲームを魅音から吹っかけられる可能性も
……と思ったが、今日の魅音の様子だとそれはないのかもしれない。
 ともかく、俺は気合を入れ直して、再び川へ通ずる道を歩み始めた。
439 ◆FBzEQW9kzY :2007/10/10(水) 22:26:27 ID:Jc5nRFP8
「ところでよぉ……、その川ってのは、こんな思いをしてまで行く価値のある場所なのか
?」
 しばらく歩いて、俺は疑るように今みんなで向かっている川について聞いた。回答者は
特に指定しなかった。何故なら、別に純粋にそのことが聞きたかった訳ではなく、暑さか
ら気を紛わすための会話のネタ振りに過ぎなかったからだ。……まぁ、要は単なる愚痴に
過ぎないのだが。
「うん。去年の夏休みくらいにも魅ぃちゃん達と行ったけど、奇麗で涼しくて、本当に良
いところなんだよ、だよ」
 隣を歩いているレナが、笑顔で言った。続いて、沙都子と梨花ちゃんも、レナと同様の
意見を述べる。行った当時の事を思い出しているのか、みんなとても楽しみな様子だ。
「ま、まぁ、圭ちゃん。み、みんなが言う通り良い所だから、もう少し我慢しなって」
 そして、最後に魅音が相変わらずのどもり口調で閉めた。
「……そうするかな」
 本当に楽しそうなみんなの様子を見て、暑さで消えかけていた俺の気力は、少し回復し
ていた。
 俺は、今までの人生の大半が都会暮らしな上、ほとんど旅行にも行かなかったため、い
わゆる大自然の名所という物を体験した事が無い。だから、そういう未知の領域がこの先
にあるらしいという事に、好奇心と期待感が高まってきたのだ。
 最初は軽いネタ振りのつもりで出した話題だったが、俺への影響は大きかった。気づけ
ば、足取りは嘘のように軽くなり、いつの間にか山の入口が目の前に見えてきた。

 入り組んだ山道を進み、どんどん奥へ入ってゆく。周囲からミンミンゼミの鳴き声が忙
しなく聞こえる。山の中だけあって道は木々に覆われていた。それが盾のように太陽の直
射日光を防いでいるため、暑さは先ほどと比べてかなり和らいでいる。それどころか、流
れてくる風が冷たくて心地よい。微かに、水が流れる音も聞こえる。もう、目的の川はす
ぐそこのようだった。
 そしてしばらく歩き、――視界が一気に開けた。
「さぁ、着いたよ。圭一くん」
 横を歩いていたレナがそう言い、ここが俺たちの目的地であることを理解する。学校か
ら歩いて一時間半ほど。遊び場への移動時間としては少々長すぎる気もするが、ようやく
到着したのだ。
 だが、俺はその達成感を味わう余裕も無かった。疲労が原因ではない。……何というか、
目の前の光景に圧倒されていた。これが、大自然の力という物なのだろうか。
 山の中の川と言えば、狭くて浅いというイメージがあったが、岩に囲まれたその川は横
幅が学校のプール程に広く、深さも人間が泳げるほどにはあるようだった。流れる水は、
濁りがほとんどなく、硝子のように透き通っている。周囲には、何本もの背の高い広葉樹
が、この場を空から覆い隠すが如く生い茂っており、その枝々の隙間から淡い太陽の光が
スポットライトのように射しこんでいた。そして、それが透き通った川の水で水晶のよう
に輝き、ここがまるで現世離れした場所であるかのように錯覚させる。
「良い所だな……」
 感じた通りの言葉が、思わず口から零れる。レナたちは、そんな俺を見て笑った。自分
たちのお気に入りの場所が、別の土地の人間である俺に受け入れられて、嬉しかったのか
もしれない。
440 ◆FBzEQW9kzY :2007/10/10(水) 22:27:08 ID:Jc5nRFP8
「それじゃ、早速水着に着替えますわよっ!」
 突然そんな声が聞こえたと思えば、沙都子が着ている服を脱ぎ始めた。
「へ? ……んぁ? ちょっ?!」
 俺は一瞬の思考の後、目の前で起きているとんでもない事象を理解し、一気に混乱に陥
る。思わず沙都子から目を背けるが、視線を投げた先ではレナや梨花ちゃん、魅音も自ら
の衣服に手をかけていた。
「お……、お前ら何をっ……?」
 部活メンバーらのあまりにも大胆すぎる行動に、俺は顔から蒸気を発しながら素っ頓狂
な声を上げた。が、そうこうしている内にもみんなはどんどん服を脱ぎ、その中身が露出
されてゆく。
 こいつらには羞恥心って物が無いのか? それとも、田舎の女の子ってのはこれがデフ
ォルトなのか? そんな疑問を次々と頭の中に浮かばせながら、俺は思わず目を瞑った。
いくら何でも、これは健全な思春期の少年である俺には刺激が強すぎる。
 しかし、本当に健全な思春期の少年であるからこそ、目の前で繰り広げられていると思
われる未知の光景――楽園ともいう――に、底知れぬ興味が湧くのも事実だった。そもそ
も、俺は女の子の一糸纏わぬ姿なんて、ブラウン管を通じてしか鑑賞したことが無い。そ
れも、大事な部分に非道なモザイク処理がされた中途半端な物だ。まやかしと言っても良
い。だが、目の前にあると思われる光景はどうか。下着を付けたまま水着を着る愚か者な
どいない。つまり、男なら誰もが思いを馳せる胸の突起物のみならず、モザイク処理を乗
り越えた向こう側の世界、女性の神秘が目の前で待っているのだ。これをわざわざ見逃す
のは、馬鹿がすることではないのか――?
 二つの考えが頭の中に同居し、ぶつかり合う。数秒間が数時間に思える葛藤の末、頭の
中に生き残ったのは、男子として極めて健全的な考えの方だった。
 俺は、ゆっくりと目を開ける。瞬間、眩い光と共に、服を全て脱ぎ終わったみんなの姿
が飛び込んできた。
「……あれ?」
 だが、そこにあったのは、俺が期待していたのとは全く別の光景だった。紺色の布。つ
まり、何故かみんな既にスクール水着に着替え終わっているのだ。まぁ、これもある意味
では悪くない光景だが……。
「……? 圭一さん、目を瞑ってましたけど、どうしたんですの?」
 茫然としている所に、沙都子の声が耳に入り、何となく事実を察する。要は、みんな予
め服の下に水着を着て来たのだろう。こんな更衣室も無い場所で泳ぐのだから、当然と言
えば当然だ。
「……あ、いや、何でもない。ちょっと目にゴミが入っただけさ。お、……俺、下に水着
着てないから、ちょっと向こうで着替えてくるわ。ははは」
 そう言いながら、俺は大きな茂みを指さして歩き始めた。
「け、圭一くんこんな所で着替えるの?」
「全く、はしたないですわねぇ……」
「うるせぇ……。忘れてたんだから仕方ないだろ」
 悪態を付きながら、さっきの恥ずかしい思い違いをレナたちが気付いていないことに、
俺は安堵した。背後から梨花ちゃんの満面の笑みを感じる気がするが、多分気のせいだろ
う。
 俺は茂みの中で用意してきた学校用水着に手早く着替えると、すぐにみんなの元へ戻っ
た。
441 ◆FBzEQW9kzY :2007/10/10(水) 22:27:59 ID:Jc5nRFP8
2.
トクンと、心臓が高鳴る。この距離ならば、その音は常識的にあいつには聞こえないは
ず。だが、あいつに見つからないように全身が緊張で満たされている今だけは、その物理
法則が通じないような気がして、ますますに心臓の動きが早まってゆく。そして、その音
が更に俺の心を焦らせる。所謂、悪循環を繰り返していた。
 俺たちは今、ゾンビ鬼をやっている。そう、部活だ。着替えが終わった後、みんなの元
へ戻ると、早速何かをやろうという話になり、紆余曲折を経てゾンビ鬼をやろうと決まっ
たのだ。ちなみに、普通に泳いで遊ぶという選択肢は初めから無かった。戦い無くして我
らが部活は存在しないということなのだろう。
 ルールはいつも通り。鬼が他の人に触るとその人も鬼になり、最終的に全員を鬼にすれ
ば鬼の勝ち。逃げる側は、あらかじめ決められた制限時間いっぱい逃げ切れば勝ちといっ
た具合だ。もちろん、負けた側には罰ゲームが下される。内容は、一回だけ勝った側の言
う事を何でも聞くという、オーソドックスながらも何をされるかわからないという点では
一番怖いものだ。
 正直、こんな川に来てまで何でゾンビ鬼をと最初は思った。だが、いざ始めてみればこ
れが中々面白い。学校のグラウンドとは広さが大きく違い、木や岩など隠れる場所がたく
さんあり、また、音で居場所を知られないために、川を移動する場合は慎重に動かなけれ
ばならず、所々でかなり神経を使う。もはや、鬼ごっこではなくかくれんぼに近かった。
特に俺の場合は、この地形であいつらから走って逃げ切るのは、身体能力的な面で無理だ
と言って良い。つまり、見つかればそこで終わりなのだ。
 そして今、俺が隠れている大木の向こう側にレナがいる。レナは鬼だ。他の人間なら、
まずそいつが鬼かどうかを判断しないといけないが、レナの場合は最初のジャンケンで決
まったので、絶対に鬼だと確信できる。
 隠れている大木にピッタリと張り付き、陰からそっとレナの様子を伺う。レナは慎重に
辺りを見回していた。鬼の行動開始から八分程度という時間を考えて、まだ獲物の索敵中
だと予想する。この状態で不用意に動けばすぐに見つかってしまうだろう。
 だが、このままここでやり過ごすというのもどうかと思った。レナは二分くらい前から
あの場所にいて、ここを動くのがいつになるかわからない。それに、精神的なプレッシャ
ーもあるが、何かの偶然でこちらの存在を気付かれるのを防ぐためにも、鬼の近くで長い
間待機しているのは避けたかった。
 何とか上手くこの場から逃げ出せないだろうか。そんなことを考えながら、体を木から
少しだけ離した時、腰の方で木の枝の折れる音が小さく鳴った。
「……ぁ」
 ――しまった! 大木に体を張り付けた時、水着に枝が引っ掛かってしまったのだ!
 それを理解した時には、既にレナがこちらへ足を進め始めていた。枝が折れる音自体は
小さかったが、神経が過敏になっている今のレナにとっては、鐘の音のように大きく聞こ
えたのかもしれない。一歩一歩こちらへ近づいてくる足音には、その先に獲物がいるとい
う確信が込められているように感じる。
 ドクドクと心臓が更に脈を打ち始めた。あれやこれやと回避策を考えようとするが、レ
ナがこちらの存在に感づいたという事実が、冷静な思考を妨害する。そして、考えている
間にもレナの足音がどんどん近付いてくる。既に、大木の側面にまで足を進めたようだっ
た。もう、三、四歩でこちらに辿り着く……!
442 ◆FBzEQW9kzY :2007/10/10(水) 22:28:46 ID:Jc5nRFP8
「…………ッ!?」
 その時、目の前にある茂みから突然何かが飛び出した。小さくて、丸い……石か? そ
れが、大木の横をすり抜けて勢いよく飛んでゆく。そして、さっきレナが待機していた辺
りの茂みに落ちたのか、俺が隠れている大木の向こう側でガサっと大きな音を鳴らした。
 何が起こったのかわからずに、呆然としていると、すぐ横まで来ていたレナの足音が急
に止まった。そして、間を置かずに今度は逆の方向へ慌てるように走りだす足音が聞こえ
る。つまり、何故かレナは俺から離れていったのだ。
 一体どうして……? と、頭の中に疑問が浮かぶ。しかし、少し考えたらその疑問は解
消された。
 恐らく、レナは俺の目の前の茂みから石のような物が飛び出す瞬間を見ていないのだ。
そして、そのせいで、大木の向こう側で鳴った音を、自分の狙っていた獲物が逃げ出した
音だと勘違いしてしまったのだろう。要するに、ひとまず俺は助かったらしい。
 しかし、そうなると頭にもう一つ当然の疑問が浮かぶ。一体誰がこんな俺を助けるよう
な真似を?
 が、その疑問は、俺が考える間もなく解消された。
「み、魅音……!?」
 目の前の、石が飛び出した茂みから、音を立てて姿を現したのは魅音だった。意外過ぎ
る人物の登場に、俺は声を出して驚く。
「な、何でおま……」
「こっち来て……!」
 続いて浮かんだ疑問を魅音に投げかけようとしたが、言い終わる前に魅音が俺の手を掴
んだ。掴まれる直前に、もしかしてこいつも鬼なのか? という考えが浮かんだが、どう
やら違うらしい。魅音は掴んだ俺の手を引っ張り、何処かへ連れて行こうとしているよう
だった。
「お、おい何処に連れて行く気だよ?」
 引っ張る魅音に抵抗するように、俺はその場で踏み留まる。
「こっちに、良い隠れ場所があるのっ!」
 そんな場所が? と俺が驚いている間に、魅音は腕に更に力を加え、無理やりこちら引
っ張ってくる。それによって俺は少しバランスを崩し、右足に履いていたサンダルが脱げ
てしまった。
「おいちょっと魅音、サンダルが」
 魅音にそう言うが、耳にこちらの声が入っていないのか、反応すらしない。やけに力を
込めて俺を引っ張り、ただ黙々と良い隠れ場所とやらへ歩を進めている。魅音の力は抵抗
するのが無理な程で、俺は成されるがままに足を動かし、せめて魅音の言う場所が本当に
良い隠れ場所であると信じるしかなかった。
443 ◆FBzEQW9kzY :2007/10/10(水) 22:29:41 ID:Jc5nRFP8
「……ここ」
 さっきの場所から三分ほど歩いたところで、魅音はようやく口を開いた。
「ここって……、何もないじゃねぇか」
 辺りを見回してみても、木々が疎らに生えているだけで、とても隠れる場所があるよう
には見えない。
「一体、何処に隠れるって言うんだ?」
 僅かの不満を込めながらそう言うと、魅音は掴んだままの俺の手を再び引っ張り、歩き
始めた。こっちへ来いという意味らしい。
 だが、魅音の進む方向に道は開けてない。行き止まりだ。あるのは、周りにある木より
一回りだけ大きく、枝が少し変な形に曲がっていて、自身の大きな葉っぱが地面に付いて
いる木だけだった。
「おい、まさかその木が良い隠れ場所って言うんじゃないだろうな?」
 そう問いかけるが、魅音は何も言わない。ひたすら、それだけしか頭に無いかのように、
足を進めているだけだ。
「……ほら、ここだよ」
 魅音は急に足を止め、指をさす。俺はその指の方向に目を向け、驚いた。
「これは、……鍾乳洞か?」
 そこには、成人男性一人分程度の大きさの縦穴が、ぽっかりと口を開けていた。奥の方
は真っ暗で、結構な深さがあるように見える。
 俺は狐に化かされたような気分になった。なぜなら、こんな穴、さっきは全く見えなか
ったからだ。これだけの大きさの穴が堂々と開いているというのに、さっき魅音が一旦足
を止めた場所からは、全然わからなかったのだ。
 一体どうして? 自分が妙な錯覚を起こしていなかったか確かめるために、俺はもう一
度さっきの場所へ走った。すると、呆れるほどに単純なトリックがすぐに明かされた。
 何の事は無い。周りより一回り大きいあの木が、妙な形をした枝から生えた葉っぱで、
鍾乳洞の入口を隠していただけだったのだ。
 だが、その単純かつ自然なトリック故に、隠ぺい能力はかなり高い。ここからではどう
見ても、行き止まりと木があるくらいにしか見えないのだ。余程に注意力が高い者でなけ
れば、こんな鍾乳洞があるとは思いもせずに、素通りしてしまうだろう。
 俺は、大自然が作った要塞と言っても良いこの驚異に、ただただ唖然とするしかなかっ
た。
「魅音、こんな場所いつ知ったんだ?」
 鍾乳洞の前に戻り、俺はそこで待っていた魅音に聞いた。
「小学生くらいの頃、婆っちゃから聞いたんだ。元々は、戦時中にこの辺りに住んでいる
村民の防空壕として使われていたみたい。戦争が終わってからは、ずっと放置されたまま
らしいけど」
「なるほど。こんだけ上手く隠れているんだから、当時は相当役に立ってんじゃないか?」
「さぁ、その辺りの話まではよく聞いてないから、わからない。でも、隠れる場所として
の機能は私が保証するよ。去年みんなとここに遊びに来た時も、今日と似たような遊びを
やっていて、私はここに隠れてたんだけど、最後まで鬼には見つからなかった」
「去年もこんな事やってたのか」
「うん。……あ、でも」
「どうした?」
「……う、ううん、何でもない。さ、さぁ、早く中には入ろ」
 急かすような魅音の態度に、少々の訝しさを覚えるが、こんな所に突っ立っていたせい
で鬼に見つかるのも馬鹿馬鹿しいので、魅音に続いて俺も鍾乳洞の中へ入って行った。
444 ◆FBzEQW9kzY :2007/10/10(水) 22:30:24 ID:Jc5nRFP8
 中の様子は、典型的な鍾乳洞そのものだった。入口の広さよりも内部は二倍程に広く、
天井にはつららのような石灰岩が所々から垂れており、また地面には、タケノコのように
盛り上がっている石が辺りに点々としている。耳に入ってくる音は、俺達の足音と、定期
的に鳴る水滴が落ちるような音以外に何も無く、少し不気味だ。
 十メートルも足を進めると、入口からの光が届かなくなり、辺りは完全に闇に覆われた。
だが、用意の良い事に、魅音が手に収まるほどの大きさの懐中電灯を持っていたため、問
題なく前へ進むことが出来た。何だか、洞窟の探検隊になったような気分だ。
 さっきと同様に会話は無い。ただ、黙々と先へ進む。
 そうして一分半程度歩いたところで、魅音の懐中電灯から放たれている光が、前方の壁
に突き刺さった。辺りを見ると、これまで歩いてきた道よりも更に広く、丸い袋状の、広
さにして六畳程の部屋になっているようだった。
 もう、先に進めるような道は見当たらない。どうやら、この鍾乳洞の最深部に到達した
らしい。長さは、大体八十メートル程度か。
 魅音は行き止まりを確認すると、懐中電灯を地面に立て、その場に腰を下ろす。ここで
待機をするという事なのだろう。それを確認して、俺も地面に腰を落ち着けた。サンダル
が脱げたせいで、右足の底が少し痛かったので、この休憩はありがたかった。
 傍らに立てられた懐中電灯は、その身に不釣り合いなくらい強い光を出していて、この
袋状の部屋全体をぼんやりと照らすには十分だった。ひょっとしたら、魅音が改造を施し
てあるのかもしれない。
「懐中電灯の光、外に漏れたりしないか?」
 俺は、懐中電灯を指さして、魅音に聞いた。確かに明るいのは良いのだが、それが仇に
ならないか少し心配だったのだ。
「大丈夫。この鍾乳洞、中で少し折れ曲がっているから、外には届かないよ」
「そうなのか。気づかなかった」
 俺は納得した。
 そして、洞窟内は静寂に包まれる。当然だ。そこで会話は完全に途切れてしまったのだ
から。
 魅音はそれ以降、じっと洞窟の壁のただ一点を見つめていた。何か、考え事をしている
のだろうか。何も喋ろうとしない。
 魅音に聞きたい事はたくさんあった。これからどうするのか。このまま時間まで待機す
るのか。何故、俺にここを教えたのか。いや、そもそもどうして俺を助けたのか。
 だが、今の魅音の様子に、奇妙な違和感を覚えてしまい、ただそれだけの事を喋るのに
も躊躇してしまう。
 いや、今だけじゃない。さっき俺を助けた時からだ。その時から、どうも魅音の様子に
違和感を覚えていたのだ。だが、その後の状況に流されたせいで、しばらくその違和感を
忘れていた。それが今こうやって落ち着いて、再び浮き彫りになっただけなのだ。
 違和感と言えば、確かに今日の魅音は最初から変だ。だが、今の違和感は、それとはま
た別の種類に思える。それが何なのかはわからない。が、ともかく俺を助けてからの魅音
は、いつもと明らかに何かが違っていた。
 静寂が、ひたすら空間を支配する。淡い闇が、永遠にこの時間が続くように錯覚させる。
沈黙の闇に覆われた俺たちに時の刻みを教えてくれるのは、窟内に定期的に響く、水滴の
音だけだった。
445 ◆FBzEQW9kzY :2007/10/10(水) 22:31:08 ID:Jc5nRFP8
 だが、この闇だっていつかは鍾乳洞の陥没と共に無くなる。この世に永遠なんて無いの
だ。
「……ねぇ、圭ちゃん」
 それを証明するかのように、静寂が魅音によって破られた。俺は突然来たその瞬間に、
何故か少しの緊張を感じる。
「……ん?」
 だが、沈黙で渇いていた俺は、その緊張を抑えつつ魅音の声に反応することが出来た。
「……圭ちゃんって、私のこと、……その、どういう風に思ってる?」
「え?」
 つい、素っ頓狂な声を出す。
「どういう風って……、何が?」
 質問の意味が少し理解できず、俺は魅音に聞き返した。だが、魅音はそれ以上何も喋ら
ない。ただ、手で膝を抱えて俯いていた。まるで、今の言葉だけで真意を理解する事を望
んでいるように。
 しかし、懐中電灯の淡い光で照らされたその真剣な顔は、決してこれが不真面目な問い
かけ出ない事を、十二分にこちらへ伝えてくる。真剣と言っても、勝負に勝つという真剣
さではない。何か、とても大事な事を決心したような、そんな真剣さを魅音の瞳の奥から
感じる。
 それは、この部活の場にはひどく不釣り合いで、俺はどう反応すれば良いのかわからず、
なかなか返答ができなかった。下手な事を言ってしまい、魅音を傷付けるような事はした
くなかったのだ。
 しばらくの思考。魅音は微塵も動かない。俺の答えを待っているのだ。俺が答えるまで、
魅音は何十分でもこの状態のまま待つつもりだろう。
 魅音が何故こんな質問をしたのかはわからない。だが、何かに悩んでいて、誰かの言葉
で救って欲しいと思って、俺に相談している事はわかる。だから、俺も魅音がどんな言葉
を求めているのかを真剣に考えた。
 その答えが、正しいかどうかはわからない。だけど、一人の仲間として、魅音の悩みを
吹き飛ばすように笑顔で快活にそれを言ってやった。
「……最高の仲間の一人だと思ってる。お前が何を悩んでるのかは知らない。だけど、こ
れだけは絶対だから、安心しろ」
 俺の言葉を聞き、一瞬驚いたような顔をする魅音。だが、その後の反応は、俺の期待し
ていた反応とは程遠い物だった。
「……そっ、か」
 そう魅音は消え入りそうな声で言うと、膝を抱えていた両腕に顔を埋めてしまったのだ。
直前にした、今にも泣きそうな魅音の顔を、俺は見逃さなかった。
 誰がどう見ても、今の俺の返答で余計に魅音を傷つけてしまったのは明らかだった。理
由はわからない。だが、俺の不用意な発言のせいで、仲間の一人が深く傷付いてしまった
のは確かなのだ。その事実が、俺の胸を後悔という名の釘で抉る。これなら、何も答えな
い方が却って良かったのではないか……。
 俺はそれ以上何も言えず、気まずい空気の中頭を垂れた。それは、さっきの魅音の姿勢
と似ていたかもしれない。とんだ皮肉だ。
 気づけば、今まで消えていた沈黙の闇が、再びこの場を支配していた。気のせいか、さ
っきよりも更に空気が重いように感じる。窒息してしまいそうだった。
 そうして、無機質な時間がひたすら過ぎてゆく。水滴の落ちる感覚がやけに長い。
 この空気をどうすれば拭い去る事が出来るのか。いや、どうすれば魅音の悩みを解決で
きるのか。
 俺には見当も付かなかった。
446 ◆FBzEQW9kzY :2007/10/10(水) 22:31:49 ID:Jc5nRFP8
3.
 しばらくして、俺の顔を照らしていた淡い光が、突然何かに遮られた。驚き、俺はその
何かへ視線を向ける。
「……魅音?」
 そこに立っていたのは魅音だった。闇に覆われていて、表情はわからない。
 いつの間にこんな所へ移動したのか。俺がそれに気付かなかっただけなのか。いずれに
しろ、魅音が何をしようとしているのかわからず、俺はただ気の抜けた顔で魅音を見上げ
ていた。
「圭ちゃん……!」
 その時、突然魅音がこちらへ飛びかかってきた。いや、座ってる俺に対して、倒れこん
できたという方が適切か。
 人間というものは本当に驚いた時、金縛りになったように動けなくなる。俺もその例に
漏れず、間抜けな顔をする以外、倒れてくる魅音に対して何をする事もできなかった。
 完全に不意打ちだった。さっきの真剣な問いかけは何だったのか。俺は、相手が魅音と
いう事から何らかの攻撃を予想し、せめてそれに備えて目を瞑って体を強張らせる。……
だが、どれだけ待ってもそれらしい動きは無かった。
 不思議に思い目を開ける。すると、魅音は俺の背中に両手を回し、俺の胸に顔を埋めて
いた。つまり、俺に抱きついた形になっているのだ。こちらに攻撃を加える様子など、微
塵も感じられない。
「み、魅音……!?」
 俺は何が何だが理解できず、自分でもおかしく聞こえるくらいに甲高い声を上げた。わ
かるのは、魅音がこちらに攻撃する意思は持ってない事と、これがいつもの魅音とのじゃ
れ合いとは種類が全然に違うという事だけだった。
 魅音は、またしても何も喋らない。俺の胸に顔を埋めているので、どんな表情をしてい
るのかすらわからない。そもそも、何でこんな事をしているのかすら、意味不明だ。
 そして、この体勢のまま、しばらく時間が過ぎる。体内時計がすっかり狂ってるしまっ
ていて、何分経ったかは、検討のしようもなかった。しかし、時間の経過は確実に俺を落
ち着かせてくれた。
 だが、落ち着きは俺に更なる動揺も与えた。今、俺は「女の子」に抱きつかれていると
いう事を、頭がようやく理解したのだ。
 心臓がトクンと跳ね上がる。……おいおい、俺は何を動揺しているんだ。女の子と言っ
ても、抱きついてるのはあの魅音だぞ? いつ関節技を極めてきてもおかしくない。そし
て、まんまと色仕掛けに引っ掛かった俺を大笑いしてくるに違いない。魅音とは、そうい
う奴だ。だから、この状況では、俺はさっさと魅音から離れなければいけないはずだ。
 しかし、何故か今日は魅音の「女の子」の部分を必要以上に意識してしまう。妙な違和
感のせいか。魅音が水着を着ているせいか。さっきの真剣な問いかけのせいか。体が触れ
るにしても、いつもと明らかに様子がおかしいせいか。……恐らく、全部かもしれない。
 そもそも、初対面の時以来、俺は魅音を女の子として意識した事は一度も無かった。気
の合う親友という感じか。その男臭い性格や行動から、ほとんど男友達のように今まで接
してきた。だから、今の魅音はいつもと全くの別人のように錯覚してしまう。いや、だか
らこそ今、魅音の「女の子」の部分を意識してしまうのかもしれない。
 そして、腕に伝わる柔らかい感触が、更に俺を動揺させる。以前にコブラツイストを極
められた時もそれが背中に触れたが、今回ほど気にはならなかった。だが、魅音を「女の
子」として意識している今は、思春期の男子として気にならない訳が無かった。
 俺の腕の形に沿って、その形を変えている魅音の大きな乳房に目を落し、俺は唾を飲み
込んだ。最早、いつもの魅音がどうのこうのという余計な事は、どうしようもなく価値が
無く、下らない事のように思えてくる。そんなものより、今の目の前の現実の方が、遙か
に興味があった。
447 ◆FBzEQW9kzY :2007/10/10(水) 22:32:30 ID:Jc5nRFP8
 俺の異変を感づいたのか、魅音はようやく俺の胸から顔を離し、俺の顔を見上げた。そ
して、目が合う。それでようやく、今まで魅音がどんな表情をしていたのかわかった。そ
れを見て、俺は一瞬驚いてしまう。あれ、魅音の顔ってこんなにも女の子らしかったっけ
……。
 魅音は、一言で言えば真っ赤だった。頬は異常なほど赤く染まり、それは頬のみに収ま
らず、耳にまで及んでいる。口が半開きで、目は焦点が定まらない。その動揺ぶりは、俺
よりも上かもしれない。だが、それは間違いなく女の子の顔だった。
 お互いに顔を見つめ合ったまま、静かに時間が過ぎてゆく。
 そして魅音は、俺の表情から何かを読み取ったのか、とても小さく、意識しなければ聞
き逃しそうな声で、少し俯きながら呟いた。
「……胸、……手で、さ、触っても、……ぃ、良いよ……」
「え……?」
「あ、……い、いや、あの、圭ちゃん、……私の胸、……さっきから、……き、気になっ
てるみたいだから……。だ、だから……」
 そう言って、魅音は恥ずかしそうに顔を逸らす。
 それを聞いて、俺は自分の体の芯が、徐々に熱くなってゆくのを感じた。体の奥底から、
情欲という名の炎が燃え上がり始めていた。心臓が、うるさいほどに脈を打っている。
「ほ、本当に良いのか……?」
 俺が期待を込めて聞くと、魅音は相変わらず目を逸らしながら頷いた。恥ずかしくて、
もう声も出ないらしい。
 俺はその返事を確認すると、魅音の両肩を掴んで俺の体から少し起き上がらせ、所謂膝
立ちの状態にした。そうして、その大きな胸が丁度俺の目の前に現れる。魅音の顔を見上
げると、まだ目を瞑っていた。
 魅音の肢体から突き出たその乳房を、俺は改めて観察する。スクール水着越しだが、そ
のボリューム感は十二分にこちらへ伝わってくる。まだ成長途上なのか、その周辺の水着
の布は伸びきっていて、かなり窮屈そうだった。
 心臓の脈が、更に早くなる。呼吸も荒い。いつの間にか、体中からぬめった汗が噴き出
していた。それは魅音も同じのようで、水着の所々が少し黒色に滲んでいる。夏場にこん
な洞窟に入っているからだろうか。いや、それもあるだろうが、少し違う。雰囲気だ。こ
の場の雰囲気が、俺たちに汗を流させているのだ。
 二人でいるには狭い、この空間。薄暗く、淡い光と闇の境界を作る電灯。俺たちの呼吸
音以外は水滴の落ちる音しか聞こえず、また俺たちの声も外部には届かない。外からは、
何か間違いが起こらない限り、誰も入って来ない。つまり、俺たちが何をしようと、邪魔
をするモノは存在しない。完全な、閉鎖空間。そんな場所で、俺たちはこれから卑猥な行
為に走ろうとしているのだ。
 さっきまでこの場を支配していた重い空気は、いつの間にか撫子色に濡れていた。
「……そ、それじゃ、いくぞ」
 言うが、魅音は何も応えない。俺はその無言を了承と受け取った。
 そして、自らの右手をゆっくり、魅音の胸へと近づけてゆく。途中、右手だけでなく、
地面に置いていた左手も緊張でガクガクと震えた。これが本当に自分の手なのか、鉛でも
入っているのではないかという程、力を入れないと動かない。だが、乳房との距離は着実
に狭まっている。魅音の顔をチラチラと見上げた。さっき以上に、顔をトマトのように真
っ赤にしながら、俺の手が触れるのを待っている。それを見て、俺の手は更に痙攣した。
 距離は後数センチ、数ミリと縮まり続け、……そして、遂に右手が魅音の左胸に触れる。
「……ぁ」
 触れた瞬間、魅音の口から切ない声が零れた。俺はそれに仰天し、そのまま体中が固ま
ってしまう。何か変な事をしてしまったのではないか。何か間違った事をしてしまったの
ではないか。と、明らかに普通では無い事を既にやっていると言うのに、そんな矛盾した
思考が俺の脳内を駆け巡った。
 だが、右手の平からは、確実にその感触を感じる。
 ……柔らかい。それが、まずの第一に思った印象だった。じんわりと魅音の汗で濡れた
水着の感触の向こうから、柔らかさが手の平全体に伝わってくる。五指一本一本で、魅音
の温かい体温を感じる。それは、これまで一度も触れたことのない柔らかさだった。
 そして、次第に俺の中で、次のステップへ進みたいという欲望が大きくなって来る。そ
う、魅音への心配よりも、自分の手の平にもっと強くこの新鮮な感触を味わわせたいとい
う気持ちが勝ったのだ。
 俺は無言で右手に力を込めた。
448 ◆FBzEQW9kzY :2007/10/10(水) 22:33:11 ID:Jc5nRFP8
「……! ……ぁ、圭ちゃ……」
 魅音が驚いたような声を上げる。まだ、その段階までは覚悟をしていなかったらしい。
だが、俺はそんな事は既に気にならなくなっていた。
 魅音の左胸は、俺が力を込めた通りに形を変え、俺の右手には、込めた力が強さに比例
して柔らかさが跳ね返ってくる。その感触は触れるだけよりも遙かに心地よく、俺は無我
夢中で手を動かした。初めの一回、二回はゆっくりだったのが、次第に早くなり、もう何
回揉んだのかわからない。いや、そんな回数に気を取られるよりも、右手に伝わる快感を
少しでも大きく楽しみたかった。
「……ぁん」
 魅音は、俺が揉む力を強めるたびに、掠れるような声を出した。魅音の顔を見上げると、
何かに耐えるように目を瞑り、口は半開きになっている。俺はふと手の平の中心に伝わる
柔らかさの中に、少しだけ硬いモノがある事に気づいた。何だろうと一旦手をどけてその
部分を見つめると、水着の下から突起物のようなモノが浮き出ている。位置的に、それは
魅音の乳首に違いなかった。そう、魅音は俺に乳房を揉みしだかれて、感じているのだ。
それも、喘ぎ声を洩らす程に。
 それを理解した時、俺の中で僅かに残っていた、魅音に対する遠慮の壁が崩れた。地面
で弄んでいた左手を、魅音の右胸へと這わせる。そして、両手で一斉に揉みしだき始めた。
「んぁ……ん!」
 魅音の喘ぎ声が更に強くなる。その反応が妙に面白く、俺は両手を動かすたびに魅音の
顔へ目を向けた。魅音は、額から大量の汗を流し、口を大きく開け荒い呼吸をし、俺が乳
房を強く揉むと、そこから大きな喘ぎ声を上げた。
 だがそれは、揉んでいる俺も似たような状態だった。体はいたる所が汗でぬめり、顔中
から玉のような汗が噴き出し、半開きになった口からは生ぬるい息が荒く漏れる。手で胸
を揉んでいるだけだというのに、自分で自慰行為に耽る時よりも、遙かに気持ちが高ぶり、
興奮していた。
「…………ぁあ」
 突然魅音がこちらへ倒れこんでくる。とうとう膝に力が入らなくなったらしい。再び、
最初の抱き合うような形になる。魅音は、肩で息をしていた。俺の胸に柔らかさと、僅か
の水着の感触が伝わる。見ると、魅音の胸がそこに押し当てられていた。潰れた乳房は魅
音の呼吸に合わせて細かく動き、その度に俺の胸が擦り上げられる。それは、たまらない
気持ちよさだった。
「……うっ?!」
 その時、俺の股間に電流のような刺激が走った。見れば、俺の水着の膨らんだ部分に、
魅音の太ももが触れたのだ。俺は、今頃になって自分の陰茎がガチガチに勃起している事
に気付いた。魅音の乳房を揉むことに夢中で、全く気付かなかったのだ。
 魅音の太ももは、柔らかい上に汗をかいているせいでヌルヌルとしていて、そのひどく
艶やかな感触は、水着の上からでも十分に伝わってきた。
「……圭ちゃんの、ここ……硬くなって、動いてる……」
 魅音が、自身の太ももに触れたまま、ビクビクと震えてる俺の股間を凝視し、そんな事
を言う。俺は、顔から火が出る程の恥ずかしさを感じた。平常時でも凝視されるのに抵抗
があるというのに、こんな勃起した状態で見られるなんて……。
 だが、それは凝視だけに留まらなかった。
「……じ、じゃぁ、……だ、出させて、……あげようか?」
「えぇっ……!?」
 俺は訳の分からない音程の声を出した。
「だ、だって……、すんごいビクビクしてるし……。……だ、大丈夫だよ」
 そう言って、魅音は突然俺の水着の腰丈部分に手を掛け、下に降ろそうとする。
「ぅ、あ、ちょ、ちょっと待った……!」
 俺は魅音の手を掴み、間一髪でそれを防いだ。何が大丈夫なのか意味不明だ。
 ここまでやっておいて、今更何を言っているんだとは、俺自身も思う。だが、これ以上
先に進むのは、どうしても抵抗があるのだ。それは、単純な羞恥心からだけではない。相
手が普段いつも一緒にいる、魅音だからというのが理由の大部分を占めていた。つまり、
これ以上の段階に進んで、普段の付き合いに影響が出ることに一種の恐怖を感じたのだ。
その恐怖は、興奮しきっていた俺の体を、一瞬で冷静に戻す程に強かった。
 馬鹿な考えかもしれないが、今までの行為なら、まだ引き返せると思ってる。だが、こ
こから先は、どうしても禁断の領域のように思えてしまう。それは、普通の付き合いだけ
なら絶対日に出る事のない、生殖器を使うからかもしれない。
449 ◆FBzEQW9kzY :2007/10/10(水) 22:33:52 ID:Jc5nRFP8
「さ、さすがにそれはやめておこうぜ……」
 しどろもどろになりながらも、とにかく俺は一旦の中止を魅音に呼びかけた。
「……どうして?」
 だが、想定外の返答をされ、俺は戸惑い、同時に驚愕する。魅音は、ここから先の行為
へ進むことに、何の疑問も持たないというのか?
「ど、どうしてって、……その、何というか」
「脱ぐのが恥ずかしいの? ……だったら、大丈夫だって」
 それだけを再び言うと、魅音は突然力を込めてこちらを押し倒してきた。完全に力が抜
けていた俺は、それに対して何の抵抗をすることもできなかった。
 背中に地面が触る。気づけば、俺は魅音に馬乗りの体勢で押さえつけられていた。
「お、おい魅音……!?」
「……大丈夫。大丈夫だって……」
 魅音は俺の呼びかけには全く反応せず、うわ言のように大丈夫という言葉を繰り返して
いる。気のせいかだろうか。それは、まるで自分に言い聞かせているふうに見えた。
 俺はふと淡い光の中に浮かぶ魅音の顔を見て、またしても違和感を覚える。その顔から
は、明らかに何らかの使命感のような物と、僅かの怯えを感じるのだ。性欲のあまりに暴
走しているとか、そう言った類の物は、魅音の表情からは間違っても感じられない。それ
は、今の魅音の行動とはどう考えてもチグハグで、だからこそ俺は強烈な違和感を覚えた。
 ――そして俺は何となく確信する。今の行動は魅音の本意ではないのではと。何かの目
的のために、仕方なくやっている事ではないかと。
「……っ!?」
 だが、そこで思考は中断される。俺の陰部に、突然何かが押し当てられたのだ。
「……ほら、こうすれば、お互い裸にならなくても大丈夫……」
 魅音の言葉は、やはり震えていた。
 魅音が何をしたのかわからず、俺は自分の未だに勃起している股間を見下ろす。一瞬、
そこから魅音の体が生えているように見えて驚く。……いや、違う。魅音は、俺の股間に、
自分の股間を押し当てているのだ。
「な……、何やってんだよっ……?」
「大丈夫……。私の……、女の子の大事な所で、気持ちよくしてあげる……」
 もはや、魅音に俺の言葉は伝わらない。自分の目的の達成以外、眼中に無いといった感
じだ。
「……ぅあ……み、みお……」
 魅音の股間が、更に強くギチギチと俺の股間に押し当てられる。その折に、一番敏感な
先端部分が、魅音の股間の妙に柔らかい部分で擦られ、俺は思わず喘ぎ声のような物を出
してしまった。それは、魅音の割れ目だったのかもしれない。
 体は、燃え盛る様に熱く。心臓は、壊れてしまうのではないかと思う程に鼓動した。
 これが魅音の本意ではないという事はわかっている。だからこそ、止めさせなければい
けないという事も、理解している。だが、自分の股間に、たった二枚の布を隔てて、魅音
の、女の子の大事な部分が触っているという事実が、不覚にも俺の冷静な思考を破壊し、
何も考えられないでいた。
「……じゃあ、動くね……」
 魅音が、そんな事を言ったかもしれない。音が耳から入っても、それが何なのか脳味噌
が正確に働かない。
 だが、股間への刺激に変化が起こると、間抜けな事に、脳味噌はイの一番にそれをキャ
ッチした。
「……ぅぁあっ!」
 自分の陰部へ初めて加えられる、他人からの積極的な運動。その強すぎる刺激に、俺の
口から無意識に悲鳴のような声が漏れた。
 俺の股間を、柔らかい物が激しく擦り上げる。更に、俺自身の水着も、自身の特殊な感
触で俺の肉棒を擦ってくる。それらは、撫でるように先端と裏筋を上下し、自分の手だけ
では絶対に得られない快感をこちらへぶつけてきた。
 ぼんやりとした視界の先では、魅音が自分の体を大きく上下させているのが見える。そ
の様子は、まるで本当に性行為をしているように見え、俺の中の邪な妄想を激しいものに
した。
450 ◆FBzEQW9kzY :2007/10/10(水) 22:34:43 ID:Jc5nRFP8
「……圭ちゃんの、……また硬くなってるよぉ……」
 俺の上で揺れている魅音が、今にも空気に溶けそうな声を零した。
「はぁっ……ぁあっ……!」
 それに呼応するように、俺も激しい息継ぎをする。
 そしていつからか、それまで水着が擦れる音だけが無機質に鳴っていた俺たちの接触部
から、新たにグチュグチュと瑞々しい音が鳴り始めた。それは始め、俺の先走り汁だけだ
と思った。だが、違った。接触部をよく見ると、俺の肉棒がある部分以外もビチョビチョ
に濡れていて、何より魅音の水着の股間部分も、陰部を中心に、円のように広く真っ黒に
滲んでいるのだ。だからその音は、俺の先走り汁と魅音の愛液が混ざり合って鳴っている
に違いなかった。
 ふっと、突然視界から光が飛んだ。魅音か俺の脚が、傍らに立ててあった懐中電灯に触
れ、倒れてしまったらしい。倒れた懐中電灯は、グルグルと回って窟内を不規則に照らし、
それが止まったかと思えば、なんと俺たちの接触部を強い光で照らした。そのお陰で、今
まで薄暗くしか見えなかったその部分が、ハッキリと見えてしまう。それは始め、強い羞
恥心を俺に与えた。しかし、股間と股間が擦り合う激しい動き、そしてその間で伸びるネ
バネバとした透明の糸を見ている内に、羞恥心を超える興奮を俺に与えてきた。
「……はぁっ……うっぁ……、み、魅音……も、出る……」
 段々と、自分の肉棒から明らかな限界を感じ始め、俺は掠れた声で魅音に言う。
「……だ、大丈夫! だ、出しても、良いよ……」
 その大丈夫は、これまでよりもやけに強く言っているように聞こえた。
 と、急に股間への刺激が更に強くなる。魅音が体の動きを強めたのだ。それに連動して、
接触部のグチュグチュとして音も、早く激しくなった。
 そして、体の奥底から射精への願望が込み上げ、……遂に、俺の肉棒は限界を迎えた。
「……ぅ、ああっぁあぁ……! ……はぁ……はぁ……」
 瞬間、落雷を受けたかのような衝撃が、俺の体を走る。だが、その衝撃は一気に引き、
今度は目の前が真っ白になった。何も考えられず、何も喋られない。ただ、荒い息だけが
俺の口を通る。所謂、放心状態というヤツかもしれない。
 股間部に目を落とす。水着の肉棒を包んでいる部分が、真っ黒に染みている。射精した
精子の量がよっぽど凄まじかったのか、水着の中に閉じ込められた精子で自分の肉棒がグ
チャグチャになっているのを感じ、少し気持ち悪かった。だが、水着の中の俺の肉棒は、
嬉しそうにビクビクと震えている。
 魅音は、そのまま動かず、肩で息をしていた。俯いているので、どんな表情をしている
かはわからない。
 とんでもない事をした後だと言うのに、頭の中では、この水着のこと、お袋にどう説明
しようとか、ゾンビ鬼はどうなったのかなとか、そんなどうでも良い事ばかりが巡る。自
分でも不思議だ。
 しかしそれは、一時の単なる現実逃避だった。脳味噌が処理限界を超えたせいで、オー
バーフローを起こしていたのだ。その証拠に、呼吸が次第に落ち着きを取り戻すと、それ
に比例して恐怖という感情が俺を支配した。もちろん、それは日常が壊れてしまう事に対
する恐怖だ。
 今、俺たちがした事は、どう考えても普通のことじゃない。異常で、非日常的な事。こ
んな事をすれば、もう今まで通りの付き合いなんて出来る訳が無い。会う度に今日の事が
チラつき、普通の友達として振舞える訳が無い。つまり今日の事は、今までの日常を捨て
る事と同議なのだ。
 そして、解決する方法は一つしかない。つまり、新しい日常を作ること。だけど、それ
が今までのように温かで、心地よい日常になるとは限らない。冷たく、居心地の悪い日常
になる可能性だって十分にある。だからこそ、今までの日常が大好きだった俺は、恐怖に
震えているのだ。
 この場を包んでいた撫子色はとっくに消え失せ、またしてもあの沈黙の闇が降りはじめ
る。
 だが、今度はそれはすぐに砕かれた。
451 ◆FBzEQW9kzY :2007/10/10(水) 22:35:43 ID:Jc5nRFP8
「……ぅっく……ぇっく」
 魅音が、突然泣き始めたのだ。俯いた顔を両手で覆い、震えて涙を零している。
「……ごめんね……。……ぅっく、こんなことしちゃって、……ごめんね、圭ちゃん……」
 そう俺に対して謝罪を繰り返しながら、痛々しくすすり泣いた。
 そう、魅音もまた恐怖に襲われているのだ。俺と同じく、日常の崩壊への恐怖に。とす
ると、やはり魅音の一連の行動は、本人の意ではなかったのだ。何かの目標のために、仕
方なく行い、その結果、恐怖に耐えかねて涙を零しているのだ。
 ――いったい、どうして。当然、俺はそれが気になった。こんなことをすれば、いつも
通りの付き合いが出来なくなる事くらい、誰でもわかるはずだ。なのに、どうして。どう
してそのリスクを背負ってまでこんな行動に走ったのか。それが気にならない筈が無かっ
た。
 だから、俺は質問した。
「……魅音、……どうしてこんな事をしたんだ?」
 そう、魅音を驚かさないように小さな声で、そっと問いかけた。
 すると、魅音は嗚咽混じりの声で、ゆっくりと答え始めた。
「わがまま、……みたいな物だよ。私の、勝手な……」
 数瞬の間。
「……ただ、女の子として見て欲しかっただけ……。別に、男友達みたいな付き合いが嫌
いな訳じゃないけど、……でも、圭ちゃんだけには私を女の子として見て欲しかった……。
私、圭ちゃんが……本当に好きだったから……だから、こんな事をしちゃったんだ……。
私の体を使って……圭ちゃんに無理やり女の子だと認めて貰おう、って……。
 ……ぇっく、……馬鹿だよね、私。……そんな事したって、良い事無いに決まってるの
にさ……。……でも、いつまでもこの状況が続くの……、好きな人に女の子と認められな
いのが……耐えきれなくって……ぅっく……。……本当に、ごめんね……」
 それだけを言うと、再び魅音は静かに泣き始めた。
 この時俺が受けた衝撃は、ちょっと言い表せない。驚きだとか、後悔だとか、そんな色
々な感情が、俺の中を一気に突き抜けたのだ。
 でも、一番強く、明確に俺の中を支配した感情がある。怒りだ。自分に対する怒りが、
自分の中で大きく燃え上がった。
 俺は、これまでとんでもない思い違いをしていたのだ。魅音が何も言わないのを良い事
に、勝手に男友達として付き合ってきた。時折魅音が見せていたであろう、女の子らしい
部分なんて無視して、勝手に男友達である園崎魅音を作り出していた。魅音が感じていた
ことなんて考えもせずに。魅音が思っていたことなんて知りもせずに。完全にこっちの都
合で、魅音の「女の子」の部分を見ないでいた。
 何てことだろう。俺が勝手に居心地が良いと思っていた日常は、魅音にとって耐えられ
ない物だったのだ。だからこそ、今日、魅音はその日常を壊してきたのだ。そして、そこ
までされてようやく、俺は魅音の「女の子」の部分に気づいた。
 何て、大馬鹿野郎……!
 魅音が、しきりに大丈夫と言っていたのを思い出す。あれは、やはり自分に言い聞かせ
ていたのだ。これまでの日常が壊れても、きっと新しい日常は素晴らしい物になる。だか
ら大丈夫と、魅音は必死で自分に言い聞かせていたのだ。すぐにでも逃げ出したくなる自
分を抑えて。……それ程までに、魅音は俺に「女の子」の部分を気付いて欲しかったのだ。
 この鍾乳洞に入ってからした、魅音の問いかけの意味も、完全に理解する。恐らく、俺
があそこで魅音を女の子として認めているような事を言えば、そこで踏み留まったに違い
ない。今のような事にはならなかった。つまり、あれが最後のボーダーラインだったのだ。
だからこそ、期待外れな俺の返答に対してあんな、泣きそうな顔をしたのだ。あぁ、これ
で私は今迄の日常を壊さなければならない、と……。
 そこまで理解すると、俺の中は魅音に対する謝罪の念でいっぱいだった。今すぐにでも、
この場で地面に頭を打ちつけて、何十分でも土下座をしたかった。知らぬ間に仲間を傷つ
け続けていたという事実は、それ程までに俺の心を抉り、そして俺を自責の念に駆り立て
たのだ。
 だが、思う。謝罪だけで、果たして魅音の心は洗われるのかと。何故、魅音は今日の事
をした? 俺に今日までの事を謝罪させるため? いや、違う。俺に、魅音の女の子の部
分を認めさせるためだ。だったら、俺がすべき事は謝罪だけではない。謝罪だけで終わっ
てはならない。――恐怖に身を震わせながらも戦った魅音を、認めてやらなければならな
いのだ!
452 ◆FBzEQW9kzY :2007/10/10(水) 22:36:28 ID:Jc5nRFP8
 ゆっくりと、俺はその場から立ち上がった。魅音は、ふとこちらへ顔を向ける。その顔
は、目の周りをすっかり真っ赤に泣き腫らしていた。
 俺は、その目をしっかりと見据え、――そして、魅音の頭に手を乗せて、優しく撫でて
やった。魅音の目が、驚きの色で染まってゆくのがわかる。
「……すまなかった、魅音。本当に、……すまなかった。……俺、魅音の事、何にも考え
ちゃいなかった。本当に、とんだ大馬鹿野郎だ……!!」
「……い、いいよ圭ちゃん、そんなの……」
 魅音は、遠慮がちに目を伏せる。
「俺、……今度から、魅音の女の子らしい部分もちゃんと見ようと思う……」
「え……」
 俺の言葉に、魅音は本当に驚いた顔をする。その目には、少しの喜びが垣間見えた。
「今更、……本当に今更かもしれない。だけど、今度からは、魅音にもそういう「女の子
」の部分があるという事を、……認めようと思う。今まで俺は、勝手に魅音の事を誤解し
ていた。女の子らしい部分なんて、これっぽっちも持ち合わせていないと、勝手に思い込
んでた。……それは、本当に魅音を傷つけていたと思う。本当にすまない事をしたと思う。
……だから、その罪滅ぼしになるかはわからないけど……、俺は、今までの考え方を改め
ようと思う」
「圭ちゃん……」
 魅音の濡れた瞳に、みるみる歓喜の色が満ちてゆく。だが、それはすぐに闇に覆われた。
「……でも、あんな事しちゃったから、もう今までみたいに遊べないよ……。私、今まで
の日常も大好きだった……。圭ちゃんに、女の子と認められないことが嫌なだけで、みん
なと遊ぶのは大好きだった……。なのに、あんな事をしたから……。一つを手に入れたら、
もう一つが離れちゃう……。……両方とも欲しいのは、我儘なのかなぁ……?」
 俺も、魅音と同じ気持ちだった。今までの日常は、絶対に手放したくない。いや、手放
すもんか。折角、魅音への誤解が解けたんだ。今までの日常を壊すなんて、勘弁ならない。
 だから、俺は言ってやった。
「……大丈夫」
「……え?」
「大丈夫、今までの日常も壊さない。簡単なことさ。……忘れれば良いんだ、今日の事を。
そうすれば、日常は壊れない。俺の魅音への誤解も解ける。……両方、手に入れられる」
「で、でも、そんなこと……!」
「無理だとは俺も思う。強烈な体験だったからな。でも、忘れるように努力するんだ。そ
もそも、俺が最初から魅音の女の子らしい部分に気づいていれば、こんな事が起きる必要
はなかった。つまりイレギュラー。いらない事なんだ。だったら、忘れてその存在を消せ
ば良い。頭の中から消せなくても、俺たちが今日の事を無かったように振る舞えば、それ
で良い。幸い、今日の事は、俺たちしか知らないんだからな。それで消える。それで今日
は無かった事になる。……それで、元通りの日常になる」
 魅音は驚いていた。驚いて、ぽかんと口を空けていた。だけど、しばらくすると、深く
頷いて、「……うん」と言った。だから、俺も頷いて笑った。
 そして、最後にどうしても言いたかった事を言うために、口を開く。
「……魅音の、あの問いかけに対する俺の返答だけど、……あれは、魅音が女の子らしく
ないからああ言った訳じゃない事をわかって欲しい。例え、レナや沙都子や梨花ちゃんが
同じ質問をしても、俺は全く同じ返答をしていた。それを、覚えておいて欲しい……」
 あの返答には、何の邪な気持ちは無い。俺の本心が込められていた。だから、それを誤
解されたまま放置するのは、どうしても辛かったのだ。……今更になって、魅音がどんな
気持ちだったかを、少し理解した。
「うん、わかった……」
 魅音は、再び頷いてくれた。そして、続ける。
「あれは、私の質問の仕方が悪かった。だから、質問を変える……」
 そこで、数秒の間を開けると、魅音は恥ずかしそうに俯いて、ゆっくり呟いた。
「――私の事、女の子としてどう思ってる?」
「え……? そ、それは……」
 それを聞いた瞬間、思わず俺は顔が真っ赤になり、答えに詰まった。しどろもどろにな
りながら、何とか答えを返そうとした、……その時。

「圭一くん!! 魅ぃちゃん!! そこにいるんでしょーー!!?」

 突然、窟内にレナの声が響き渡る。俺たちは同時にその場で飛び上がった。
453 ◆FBzEQW9kzY :2007/10/10(水) 22:37:10 ID:Jc5nRFP8
 何故、レナがここに!? ここに入る所を見られたのだろうか!? それとも、自力で
この場所を見つけたというのか!? いや、そんな事はどうでも良い。大事なのは、レナ
がこの場所を見つけたという事と、俺たちが今非常にピンチだという事だけだッ!
「……あぁ、やっぱり」
 魅音が、そんな事を呟く。
「ん……? 何がやっぱりなんだ?」
「去年もここで似たような事で遊んだって言ったでしょ? 実はね……、その時、鬼には
見つからなかったんだけど、レナには見つかってたんだ。あれには驚いたね、あの子自力
で見つけたみたいだったから」
「なっ……!? じゃ、じゃあ、何でこんな所を隠れ場所に選んだんだよっ!? 鬼はレ
ナだってわかってただろッ!?」
「いや〜、去年の事だし、さすがに場所は忘れてると思ったんだけどねぇ。鍾乳洞はここ
以外にもまだいくつかあるし。でも、そっちは隠れるにはちょっと不便で、ここが一番都
合が良いんだよねぇ」
 隠れるのに都合が良いからこそ、レナはここに俺たちがいると踏んだのではないか。レ
ナの記憶力を少し馬鹿にしてないかなど、突っ込みたい事は山々あったが、今はそれどこ
ろじゃない。というか、そんな場所であんな事をするなんて、魅音は心臓に毛でも生えて
るのではないか。
「でも、おかしいな……。私だけならともかく、何で圭ちゃんまでいるとわかったんだろ
……」
「そんな事はどうでもいいっ! とにかく、逃げるぞっ!」
「逃げるって……どうやって? 出口は一つしかないんだよ?」
 魅音はもうとっくに諦めてるらしい。だが、俺はそれを鼻で笑った。
「おいおい、たったこれだけで詰みと思うなんて、どうしたんだ部長さんよぉ? 駄目だ
ぜ。全然駄目だ。まだまだチェックメイトには至ってない。そして、確率がゼロパーセン
トじゃない限り、いや、例えゼロパーセントでもそこへ突っ込んで確率ごと叩き壊すのが
部活メンバーってもんだろ? ほら、行くぞっ!!」
 そう言うと、俺は傍らに転がっていた懐中電灯を引っ手繰り、電源を消した。そして、
魅音の手を掴み、レナがいると思われる入口方面へ駈け出した。
 出口まで二十メートル程の地点。果たしてレナはそこにいた。こちらは少し闇に眼が慣
れたために視認できたが、向こうは足音のみでこちらの存在に気づいたらしい。
「よぉ、レナ。よくここに気付いたな」
「あはははは。だって、圭一くんたちったら、本当にわかり易い手がかりを残してってく
れたんだもん。あんな物があれば、誰でも気付いちゃうよ」
「ん? そんなもん残したっけな?」
「サンダルだよ、圭一くん。あれが落ちていたから、レナはここに気付けたんだよ、だよ?」
「さ、サンダルぅ!? いや、確かに落としたが、あれからどうやってここに気付いたん
だ!?」
454 ◆FBzEQW9kzY :2007/10/10(水) 22:37:50 ID:Jc5nRFP8
「開始八分くらいかな。サンダルが見つかった場所、その時はサンダルは無かったんだけ
ど、その場所で妙に不自然な物音がしたんだよね。前の方から音がしたと思ってそこを確
認に行ったら、そこに行き着く前に今度は後ろから音がして、レナはついその音に釣られ
てそっちに確認行っちゃったんだよね。前の方の音がした場所を確認せずに。そして、後
の音を確認しにしばらく走ったんだけど、誰もいなかった。誰かがいたという痕跡も特に
無かった。で、そこでようやくレナは気付いたんだ。あれは罠だったんだって。あの時は
あちゃーって思ったよ。まんまとやられちゃった訳だから。
 で、急いで元の場所に戻ったんだ。あそこに誰かがいたのは確実な訳だから。そうした
ら、サンダルが落ちてるのを見つけたの。男の子用だったから、すぐに圭一くんのだと確
信した。そこで、レナは少し考えた。何で圭一くんのサンダルがここに落ちてるのかなっ
て。あまりにも不自然だったからね。サンダルを脱いでこんな場所を歩きまわれば足が痛
いだろうし、サンダルは壊れてる訳でもない。何より、圭一くんは頭が良いから、こんな
痕跡を残すような真似をするのは、考えられない。そうなると、他者の介入が浮かび上が
ってくる。
 とりあえず、誰かに無理やり引っ張られて、何処かへ連れ去られたのかなって仮定した。
そうすると、次に誰がって問題になる。こんな場所、レナたちくらいしか滅多に来ないか
ら、部活メンバーの誰かの可能性が高い。その時はまだ鬼は私だけだから、鬼に連れられ
たことはありえない。そもそも、それじゃルールが違う。じゃあ誰なのか。そこで一旦詰
まった。でも、サンダルが落ちてた場所を考えたらすぐに浮かび上がってきたよ。だって
あのサンダルが落ちてた場所の先と言ったら、去年魅ぃちゃんが隠れていた洞窟があるん
だもの。とすると、あの洞窟に行ったんじゃないかなと仮定した。あの道の先は、この洞
窟以外に目立った物は無いからね。そして、その洞窟は魅ぃちゃんとレナしか知らない。
となれば、圭一くんが連れ去られたなら、魅ぃちゃんかなって目星が付いた。もちろん、
沙都子ちゃんや梨花ちゃんの可能性も無い訳じゃない。でも、魅ぃちゃんの場合が一番現
実的に思えた。で、洞窟を確認しに来たら案の定、ね。
 多分、魅ぃちゃんが親切心で秘密の隠れ場所を圭一くんに教えて、それを信用しない圭
一くんを無理やり連れてきたって感じじゃないかな? まぁ、その辺りの真相は確認しよ
うがないけど」
 それで、レナの長い長い推理披露は終わった。
「さすがだぜレナ……。ほとんど完璧だ。よくあのサンダルからここに行き着いたな」
「あはははは。あのサンダルさえなければ見つからなかったかも知れないのに。惜しかっ
たね、圭一くん」
 レナはもうこっちを捕らえたつもりでいるらしい。だが、俺は不敵に笑う。
「あぁ、完璧だな。だが、その完璧さが逆に全然駄目だ」
「……どういう事かな、かな?」
「――推理の披露は、犯人を完全に捕えてからにしろって事さ、名探偵さんよっ!!」
 瞬間、俺は手に持ってた懐中電灯の電源を入れ、それをレナの目に向けた。
「……うっ!?」
 レナは怯む。当然だ、長い長い会話のせいで、さぞ目が闇に慣れただろうからな。それ
も、この強力な懐中電灯を直接目に向けられたんだ。ほとんど何も見えない状態に違いな
い。
 もちろん、俺たちもその光は眩しかった。だが、レナほどではない。レナのシルエット
を確認できるし、それだけで十分過ぎるほどだった。
「行くぞ魅音っ!!」
「うん!」
 同時に俺たちは出口に向かって駆け出す。レナはがむしゃらに手を振り回し、俺たちを
捕らえようとした。だが、手の動きは十分に見えてるため、それを避けてすり抜けるのに、
何の苦労もいらなかった。
455 ◆FBzEQW9kzY :2007/10/10(水) 22:38:36 ID:Jc5nRFP8
「よしっ!!」
 目の前を光の世界が迎える。それは、懐かしき外界の光だった。そう、俺たちは無事に
鍾乳洞を脱出したのだ。
「散るぞ魅音! 俺はこっち、お前はあっちだっ!」
「わかったっ!!」
 外に出た途端、魅音にそう指示を下し、俺たちは一斉に別々の方向へ走った。こうすれ
ば、どちらかは確実に逃げられる!
 息をつく間もなく走り続け、鍾乳洞のあった場所からグングン離れてゆく。もう、ここ
まで逃げれば大丈夫かもしれない。
 が、その時、俺の脚に突然何かが引っかかった。
「なっ!!?」
 そう声を上げてる間に、物凄い力でひも状の何かが俺の脚に絡み、それに驚く間もなく、
俺の視界は天地逆転した。
 しまった、罠だ……! それに気づいた頃には、既に俺は空中に逆さまで吊るされていた。
「をーほっほっほっほっ!!」
 そして予想通り俺の目の前に現れる沙都子。レナが既に鬼にしていたのだろう。
 ……ともかく、これは覆しようのない、完全な詰みだった。
「油断しましたわね、圭一さっ……ん……?」
 沙都子は、突然プルプルと震えだした。今の今まで勝ち誇っていたというのに、その様
子は何かに怯えているようにすら見える。顔は破裂するのではないかと思う程に真っ赤だ
った。
 何だ? 何があったんだ……? 訳が分からず、俺はぽかんと間抜けな顔をするしかな
かった。
「……ぃ、……ぃ、……いいぃぃぃいぃぃいいいいやああぁぁあぁああああ!!!!! 
け、圭一さんのっ、ふ、不潔ううぅうぅぅぅうぅううっ!!!!」
 すると、突然沙都子はそう叫び、この場から逃げるように、俺の前から走り去った。
 茫然とする俺。
「……ふ、けつ……? ……ん? あっ!!?」
 ふと自分の股間部を見上げると、……そこにあるはずの布が、「なかった」。
 恐らく、沙都子のトラップにかかった際に、水着に枝か何かが引っ掛かり、見事に破れ
てしまったのだ。
「おい……待てよ、沙都子。せめて、これ解いていけよ……! せめて、地面に降ろして
くれよ……! おい! いや、せめて大事な所を何かで隠してくれよっ! おい! もし
かして、このまま晒し者かよっ……!? レナ、魅音、沙都子、梨花ちゃんっ! 誰でも
良いから来てくれよっ!! いや、来ちゃまずいっ! 俺を見ないでこの縄を解いてくれ
っ!! というか、誰か、俺を助けてくえぇぇえええええええええっ!!!!!!」
 俺の悲鳴が、山々に木霊する。だが、誰も俺を助けてはくれなかった。

 あの後、レナは魅音の方向に逃げた方向へ行き、制限時間も忘れて延々と夜まで追いか
けっこをしていたらしい。沙都子は、あまりにショックを受けたのか、そのまま家に逃げ
帰ったらしい。梨花ちゃんは、ずーっと何処かに隠れていたらしい。それが何処かは知ら
ない。
 つまり、俺はあの状態のままその日の夜まで放置された。あの時、勝負が付いたらしい
魅音たちが偶然俺を見つけなければ、命に関わっていたかもしれない。幸い、夜だったの
で魅音たちは俺の大事な部分は見てないと言ってるが、信用ならない。
 結局、俺はそれが原因で大風邪をこじらせ、その後一週間学校へ行く事は出来なくなっ
たとさ。

 惨劇は、そうして終幕した。
456 ◆FBzEQW9kzY :2007/10/10(水) 22:39:20 ID:Jc5nRFP8
■朝の幕開け

 六月十五日の朝は、陽気な雀の鳴き声で始まった。空には雲一つなく、ただ太陽のみが
ギラギラと輝いている。それは、正に快晴と呼べる素晴らしい天気で、人々は誰もが今日
は何か良い事が起こりそうだと予感した。
「詩音ー! あんたは興宮の学校でしょ!? 早く出ないと遅刻しちゃうよー! さっさ
と支度しなー!」
 園崎本家に、魅音の慌ただしい声が響く。だが、その声の調子は何処か嬉しげだった。
「わかってますって!! あ、お母さん、私のハンカチ見ませんでしたか? さっきから
探してるんですけど、全然見つからないんです」
「知らないよそんなの。それより、何だいあの子。昨日からやけに声が大きい上に、ずっ
と顔をニヤニヤさせて、気味が悪いったらありゃしない!」
 詩音と茜は、その日の前日から再び用事で本家まで来ていた。その用事は珍しく夜遅く
まで続き、どうせだからと本家に泊まって行ったのだ。
「どうも鬼婆によると、日曜の遊びから帰って来てからずっとあの調子らしいです。何が
あったのかはわからないそうですが。……あ、ハンカチあった」
「詩音ー!」
「今行きますって! それじゃお母さん、お先に行ってきますね」
 そう言うと、詩音は玄関に向かって駆けて行った。茜はそれを見送りながら、何が何や
らという表情をする。
「まさか……いや、まさかねぇ……」

 玄関では魅音が詩音を待っていた。見送りをするつもりのようだ。
「お姉、一体何があったんです? どうしてそんなにハイテンションなんです?」
「ん〜? んふふ〜、内緒〜♪」
 魅音は上機嫌にそう言う。詩音は、そんな魅音の様子が気持ち悪くて仕方がなかった。
「……じ、じゃあもう行きますね」
「ありがとね」
「え……?」
「詩音のお陰で最近良い事があったから、だからありがとう」
「……?? どういう事ですか、それ?」
 詩音の頭の中に、たくさんクエスチョンマークが広がった。
「……何でもないっ。いってらっしゃい」
「あ、は、はい。……行ってきます」
 詩音は、朝っぱらから訳の分からないモノを抱かされた事に少しの不快感を覚えながら、
園崎本家を後にした。


 ――その日、園崎魅音は笑顔だった。
 ようやく、彼に対する恋路の幕が開いたからである。


 ひぐらしのなく頃に 女明し編 ―完―
457 ◆FBzEQW9kzY :2007/10/10(水) 22:48:20 ID:Jc5nRFP8
以上です。
ここまで読んで頂いた方、お疲れ様&ありがとうございました。
どうも、ダラダラ長く書いてしまうのが、自分の悪い癖のようです…。

あと、凄く今更過ぎるんですが……、
前回の蟲遷し、神惑しを保管庫に保管して頂いた方、本当にありがとうございました。
本当は自分でやるべきだったんですが、その事をすっかり忘れてしまって……すいませんorz

今回でひぐらしでやりたい事は粗方やったんで、次の作品はうみねこかもしれません。
しかし、今の段階だとどうもシチュを考えるのが難しいので、ひぐらしに逃げ帰るかもしれませんw

それでは、ひょっとしたらまた数ヵ月後かもしれませんが、また次の作品で。
458名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 23:26:37 ID:MCpp09E/
>>457
乙&GJ!
読み応えあったし心情描写もエロも良かったぜ!
459名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 23:52:50 ID:gzpiopmm
長編乙!!
これなら数ヶ月待っても元がとれるってモンだ!
460名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 00:01:35 ID:VG+CnuMh
これはなんていい圭魅。
行為に及ぶまでの過程とか心理描写が上手いなあ。二人とも初々しくてよかった。
GJ。
461名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 01:05:07 ID:CHj5meXd
なんか圭魅物の感想ってとってつけたようなのばっかりだな
462名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 01:06:14 ID:XDWgN0Pf
補給完了
463名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 01:18:18 ID:UvDVyviV
受けがデフォの魅音が迫ってくるってたまらんわ
ええもんもらいました。

圭一の海パン精液でドロドロだったんじゃw
沙都子はかなりすごいものを見てしまっただろうなw
464名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 12:12:05 ID:80RR+28J
>>457
グッジョブ!
エロいけど切なくてグッと来た
キャラが変わってなくて描写も派手じゃない分生々しさが増して、
大変美味しゅうございました。
受けが多い魅音が攻めに回ると新鮮でいいなぁw
465名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 18:35:04 ID:5zdTApbn
>>461
そのとってつけたような感想も書けない阿呆がなに言ってるのかな、かな?
466名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 18:55:06 ID:DqdmLKBN
そのとってつけたような感想も書けない阿呆にちゃんと意見出来ていない阿呆がなに言ってるのかな、かな?
467名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 18:56:33 ID:A4Tng+uW
      , -―-、__
    ,イ /  , ヽ `ヽ、
   / {  {  lヽ }  i  !_
   /{ i N\リーソヽ lハi;;;ヽ あぅあぅあぅあぅあぅあぅ!
   |;ヽル‐-  -‐‐ ソ }l;;;;;|   そんなことより
   {;;;;| {   _   ∠ノ |;;;/    僕×圭一を早く書くのですよ! あぅ!!
   ヾハ ゝ、 _ , イルノi.イ
    ノ、_l/ノ ! />、│/ |
    / ,イ i// _イ / |
   J r / / /  / Y 八
468名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 20:39:09 ID:5zdTApbn
意見wwww何を意見すんだよwwwwwwww
鸚鵡返しで冷静ぶっといてsage忘れwwwwwwwくやしいのうwwwくやしいのうwwwwww
469名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 20:40:38 ID:RFt1lQA1
喧嘩ならよそでやってくれ…
470名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 23:10:42 ID:BfXq+RK6
頼むから喧嘩腰にならないでくれ、また荒れてしまう・・・。
471名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 23:30:36 ID:f9hqeayR
おちつけ
>>461
完成度が高くて「良い」くらいしかいいようが無い、
しかし職人さんを讃えたいからつい取って付けたような感想になってしまうのさ
472名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 23:45:26 ID:GOMFFEXS
>>457
素晴らしかった。
473名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 23:57:11 ID:q277O3aH
>>457
すげー良かった。心理描写も状況説明も分かりやすくて、キャラもらしい!
エロだけでなく部活らしいやり取りと、オチも好きだw
無理にくっつかなかったのも良い。
474名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 00:15:19 ID:ae6g4AEZ
話きってすまない。
うみねこの小説が書けたんだが、ここに投下してもいいだろうか?
うみねこスレは落ちたみたいだし、新参者だからいきなり投下するのも図々しい出来だとおもうから駄目だったら言ってくれ…

ちなみにマリア×ローザものです。
475名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 00:16:23 ID:wJdQz7Zy
駄目な理由が無い
476名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 00:26:00 ID:HAGH9TGh
>>474
問題ない。というか、うみねこSSも取り扱うスレだからむしろウェルカム。
477 ◆xAG4.Wd6wQ :2007/10/12(金) 00:35:12 ID:ae6g4AEZ
>>375>>376
ありがとうございます。
ここに投下される職人さんの作品に比べたらカスみたいな作品ですが、多目にみて下されば幸いです。

タイトル『惨劇がくる予兆』
マリア×ローザ
時列的には親族会議が行われるの前の出来事です。
ローザ視点。使用レス数3

478惨劇がくる予兆(1/3) ◆xAG4.Wd6wQ :2007/10/12(金) 00:44:08 ID:ae6g4AEZ
『惨劇がくる予兆』

「はぁ…」
窓から外を見上げれば、暖かな日差しと共に曇りのない青空が見える。
こんなに良いお天気なのに、外へ散歩することも叶わない。
なぜなら、まぁ、当然のことだけど仕事中だからだ。
すこしくらい休憩を挟んだほうが気分転換にはいいかもしれない。
だけど今の会社の状態は油断ならない状態で、いつ如何なる時も私が適切な対応ができる状態でなければと思っていた。
束の間の一時を、紅茶が淹れられたティーカップに唇を寄せながら空を見つめる。
幸い私がいる部屋は自分以外誰もいず、気分的には楽だった。
だが、だんだんと“余計なこと”に思考が捕われそうになり頭を軽く振る。
その時だった。

コンコンー…

ドアから小さな音だったけど、確かにノックする音が聞こえた。
「どうぞ。」
声をかけてみるが反応がない。
「…?」
私は首をかしげ、ドアノブに手をかけた。

ゴンッ!!

鈍い音が頭全体に響き渡ったと思うと、おって顔(とくに鼻)がヒリヒリと痛む感覚。
「うー!ママ、いた!!うー、うー、やっぱりいた!」
ああ、やっぱりマリアか…。
あれほど仕事場には来るなと、…それ以前にドアは静かに開けなさいと言ったのに。
「…マリア、どうしたの?ママがお仕事しているとこに来ては駄目って言ったじゃない。」
痛む鼻を抑えながら、マリアを部屋の中へといれた。
そして鍵を閉める。
ー…もし今、誰かが入ってきて娘と戯れている所を見られたら
それは立派な職務怠慢であり、責任問題にまで発展してしまうかもしれない。その予防だ。
(…でもいまさら、ね。)
会社の経営状態を自虐的に客観視している自分に苦笑いを浮かべ、マリアの肩に手を添える。
「で、どうしたの?」
「うー!これ、これっ!」
マリアが片手に持ってるモノをぶんぶんさせ、やっとその存在に気付く。
「え、あ、傘…?」
またこの娘は何を思って、こんなものを…。
だいだい今日は天気予報でも快晴の青空、降水確率だって10%じゃないか。
かるく頭に頭痛がはしる。
いまなら、ちょっとだけ夏妃さんの気持ちが解るかもしれない。
「マリア、雨なんか降らないわよ。」
「うー、ー…『』るの!うー、うーっ!!」
「分かったから!」
ダンダン、と地団駄を踏むマリアを泣かれる前になだめる。
マリアに泣かれたら、なだめるまで手間がかかるし
いまの気分的につられて泣いてしまいそうだった。

(なんて自分は無力なんだろう。)

無意識のうちにしかめっ面になっている自分。
ここで泣いたら、マリアはびっくりするだろうか。
…びっくり、してくれるだろうか。
「ママー。」
ふと、我にかえってマリアを見下ろす。
そこには、さっきの駄々をこねるマリアはいなかった。
柔らかな白い顔、栗色の前髪から澱みのない蒼い瞳が私を見つめる。
こんなにも可愛らしいのに、この子の思考がまるで読み取れないのが怖かった。
479惨劇がくる予兆(2/5) ◆xAG4.Wd6wQ :2007/10/12(金) 00:51:18 ID:ae6g4AEZ
「どうしたの?こわいの?マリアがこわいの?」
マリアの口から放たれた、言葉
私はやっと我にかえり、マリアの目の高さに合わせるように屈みこむ。
「そんなわけないでしょう?マリアは可愛いなぁ〜、って思ってたのよ。」
とっさの作り笑いで誤魔化す。
でもマリアは笑わない。
顔が泣いてるようにも見え、私はどうしたらいいか分からなかった。
するとポスッ、とマリアが私の胸元に飛び込んできた。
「…ママ。」
ギュッとしがみつかれ、マリアの顔が胸にしずむ。
「だ、だめじゃない。離れなさい。いま仕事中なんだから!」
心とは裏腹に、予想外のマリアの行動に酷いことをいってしまう
それでも、マリアは離れない。
胸元から聞こえてくるのは衣服を擦る音と、呼吸音。
(甘えてる、のかしら?)
そういえばマリアを抱き締めてあげる機会が久しくなかった気がする。
毎日が仕事におわれ、マリアとはほぼ行き違いの生活だった。
家にお手伝いさんは雇ってあるけど、やっぱり母親が必要なんだろう。
そう思ったら顔が緩んで、おもわずマリアの頭を撫でていた。
「…んっ!」
突然、乳房に温かな感触が這う。
胸元を見ると、いつの間にかマリアが衣服のボタンを外して
その小さな手で乳房を撫で回していた。
「だ、だめよ!はしたないわっ」
手をつかもうとしたら、今度は先端の突起を吸い上げられた。
「やっ、ぁあん!!」
身体中に甘美な刺激がはしる。
禁欲的な生活をしていた身体にはそれは強すぎた。
「っぁ、はぁはぁ…。マ、リア…?」
「うー。」
まだ乳房に舌を這わせ、私をマリアは見上げる。
「…ずるいよ。ママだけずるい。うーっ。」
「んっ!はぁ、なにが?」
またしても先端を甘噛みされ、くすぐったいような刺激に耐えながら問う。
「マリアをおいてかないで…」
「…」
“おいてく”?
私が?マリアを?何処へ?
頭の中がクエスチョンマークでいっぱいだ。
考え込んでるとマリアが首筋に吸い付いてきた。
「っぁ。」
なんだろう、この背中を駆け抜ける感覚は。
気付くと下着がうっすらと濡れ始めていた。
480惨劇がくる予兆(3/5) ◆xAG4.Wd6wQ :2007/10/12(金) 00:55:49 ID:ae6g4AEZ
(マリア、寂しい…のかな。)
そう思うと、これは一種の成長過程における通過点のような気がしてきた。
第二次成長を迎えようとしている、多感な年頃だから満たされない欲求
つまり愛情を私に求めてるんだ。
我ながら身勝手な解釈だとおもうが、もしそうであるなら嬉しくてマリアを止める気になれなかった。
「ん、…はぁ。」
そのうちマリアが体重をかけて、私を押し倒してきた。
下は絨毯だったので、それほど背中に痛みは走らなかった。
マリアの背中を擦りつつ、なだめてみてもマリアは行為をやめない。
方膝を私の足の間におき、乳房に下を這わせ尖端を吸ったり噛まれたりされる。
「んぅっ。マリア、その…。ママの、っはぁ!ママの…お、おっぱいでないのよ…?だから、やめ…、ああんっ!」
突然下半身から異常なまでの快感が身体を駆け巡った。
見るとマリアの片膝がグリグリとスカート越しに秘所を刺激している。
「ママ、おっぱいでないの?つまんない。」
やわやわと胸を揉みしだきながら、マリアは尖端から口をはなし薄笑いを私にむけた。
口許から胸の尖端をつなぐ銀色の糸は妙に厭らしかった。
「…あなた、“マリア”よね?」
自分で自分が何を言っているのかわからなかった。
目の前にいるのはマリアじゃないか。
でも、でも…。
「マリアだよ。おかしなこというね。」
マリアは不機嫌そうに眉をよせながら、仕返しのように秘所を膝でつく。
「っあぁ!!そこはだ、めよ…。あんっ。」
「なんで?すごい濡れてるよ?マリアのお膝びしょびしょだよ?」
「ふっ、ぇ…?」
濡れてる?私が?
強すぎる刺激の嵐で、自分の身体の変化に今ごろ気付く。
(やだ、私ってば何考えてるのっ!)
仮にも自分の子供相手に乱れるなんて…。
「ママ、お顔真っ赤だよ?どうしちゃったの?はずかしいの?マリア、いけない子になっちゃった?」
「っ、…はぁ。大丈夫よ、マリア。気にしないで。」
少し反省してるのかしょんぼりと眉尻をおとすマリアが可愛くて、無意識に頭を撫でていた。
「でも…」
「えっ?」
「でも、まだママの腰揺れてるよ?」
自分の下半身に目を向けるとマリアの膝にあの場所があたるように僅かながら腰が揺れていた。
「ぁ、やっ。これは…。」
言葉を探しても見つからない。
自分の恥態に思考がとまり頬が熱くなる。
このままじゃどうにかなってしまいそうで、思わず顔を背けた。
束の間の沈黙が部屋を支配する。
それを破ったのはマリアだった。
「…マリアがママのしたいこと、やってあげる。」
その言葉にとっさにマリアのほうを向くと、マリアは私のスカートをたくしあげ下着に手をかけていた。
481惨劇がくる予兆(4/5) ◆xAG4.Wd6wQ :2007/10/12(金) 00:58:29 ID:ae6g4AEZ
「マリアっ?!」
するっと下着を脱がされ、秘所が外の澄んだ空気に触れる。
反射的に足を閉じようとしたが、マリアの身体が足の間にあって閉じられない。
「ママのここ、かわいい。」
「ひゃううんっ!」
ツッと恥毛をとおり、双丘を人差し指で撫でられる。
自分の最も弱い場所が晒けだされ、我が子に見られている。
そう思うとまた、ジトッと蜜が溢れ出てきた。
くすくす、とマリアが笑ったと思うと秘所に口をつけられ思いっきり吸われた。
「はっあああぁんっ!」
自分でも信じられないほどの大きな媚声に、すぐに口を手で覆う。
くちゅ…ちゅ…
舌でしつこく舐められ、舌先をいれられたりだされたりする。
「ん…んっ…。」
マリアは私の反応をみて遊んでいるつもりなのだろうが
わたしはそのじれったい刺激がもどかしくて、声を殺しながら腰をよじる。
いつの間にかマリアが動きをとめ、こちらをじっと見据えていた。
「…我慢しなくていいんだよ。ママが頑張ってるの知ってるから。」
その言葉に何かのせきが切れ、涙が溢れてとまらなかった。
「…指を、いれて。」
マリアは柔らかく笑うと、その小さな指を二本くっつけて膣内にゆっくりと挿入した。
「あ、はぁっ…。」
マリアの指が壁にあたる度、甘い刺激が身体を犯す。
「ママのなか、あったかい。」
ナカを確かめるように奥へはいってくるマリアの指が愛しくて、自然に内部がマリアの指を包んでいた。
次第に上下に抜き差しされていたマリアの指が勢いをましていく。
襲い来る刺激の波にどうしたらいいか分からず
ギュッと爪をたてないようにマリアの肩をつかんだ。
マリアの頬も赤らんでいて、息があがっているようにみえる。
そして私とマリアは欲求に流されるまま、静かに唇をあわせた。
「ママ、だいすき。」
「…ふぁっ!マ、ママもマリアが好きよ。だいす、き…、んっ!ぁ…はぁ…。」
私はマリアの指先をキツく締め上げ、絶頂を迎えた。
マリアは静かに指を私から抜き、指についた白濁の液を静かに舐めあげた。
「はぁ、はぁ…ん…。」
私はいまだ止まないナカの疼きを呼吸を整えながら抑え、マリアに目を向ける。
白い指を舐めあげるマリアはどこか冷めた表情をしていて、それなのに幼いながら妖艶な雰囲気を醸し出していた。
また、ドロリと蜜が溢れるのを感じマリアに両手をのばそうとした。
その時ー…

482惨劇がくる予兆(5/5) ◆xAG4.Wd6wQ :2007/10/12(金) 01:01:45 ID:ae6g4AEZ

コンコン

「ローザ様。お電話です。」
ドアを叩く音と共に、使用人のかしこまった声が聞こえた。
私はとっさにマリアを突き放し、立ち上がると乱れていた服装を整える。
「ありがとう。いま、行きます。」
そう返事をすると、一礼の間があり使用人の足音が遠ざかっていく。
先程までのどうしようもない熱は、さきほどの出来事で収まりをみせ
だんだんと、喘ぎ声を聞かれてはなかっただろうか等と他のことを考える余裕もでてきた。
ふとマリアを見下ろす。
マリアは絨毯上で尻餅をついたまま、俯いていた。
「きょ、今日のことは多目にみます。ママはこれからお仕事だからマリアは帰りなさい。」
髪を手で整えながら、窓の外に目をやる。

(えっ…?)

窓の外は、まるで別の世界に来たように変貌をとげていた。
そこに青い空を思わせるものは何一つなく、風と雨が窓を叩く。
いくら熱に浮かされていたとはいえ、これほどの変化にどうして気付かなかったのだろうか。

『うー、ー…『』るの!うー、うーっ!!』

あの言葉が頭をよぎり、マリアのほうへ振り向く。
マリアはすでにドアノブに手をかけ、私に背中をむけていた。
「言った。マリア、だからちゃんと言った。“くる”って。」
「ええと、“来る”…?」「…そうだよ」
そう言い終わると同時に扉がバタン、と閉まった。
絨毯の上にはマリアが持ってきた傘が落ちていて、それだけがあの子が来ていたことを証明していた。

来ていたのは、あの子。
それはマリアだったの?それとも…

考えようとするとまた、頭に鈍い痛みがはしる。
まだ下半身にも甘い疼きが残ってはいるが
これ以上電話を待たせる訳にもいかず、頭をかるく振って部屋を後にした。


あの時、マリアが言ったのは「ふる」だったのだろうか
「くる」だとしたら、誰が?何が?

答えは見つけられないまま、忙しい毎日に記憶は埋もれ、親族会議の幕があけた。

〈終〉
483 ◆xAG4.Wd6wQ :2007/10/12(金) 01:10:32 ID:ae6g4AEZ
…以上です。
レス番号間違えたり、改行エラーがでて予定よりレスを多く消費したり、わけわからない内容で、本当にごめんなさいごめんなさい。

ローザに関しては近親相姦説もあるので、けっこうボカしたのですが
かえって意味不明な感じに仕上がってしまってすみません。

もし保管させて頂けるなら、倉庫もひぐらし用の場所でよろしいでしょうか?
駄目でしたら遠慮なく言ってください。
こんな文しか書けず、ちょっと消えたくなってきた(⊃д`)
484名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 01:38:21 ID:2BYDOVuL
ttp://wiki.fdiary.net/umineko/
うみねこってここかな?
485名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 18:58:02 ID:8UOuPXYJ
圭詩が一番好きな俺は異端?
486名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 20:06:34 ID:RFxShh/E
>>483って文章力はあると思うし、完成度も低くはないと思うんだが……。
つまらないわけじゃないけど、なんかすっきりしないのは俺だけか?

>>485
別に異端ってことはないんじゃないか?
保管庫には圭詩だってあるし。
487名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 21:52:15 ID:Thm6jldQ
カプ別で詩音系から独立できるくらいある>圭詩
488名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 22:01:01 ID:LZhel1rq
これが元ネタかな?
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm506924
489名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 22:10:58 ID:yAiR0Giv
圭沙都の少なさに絶望した!
490名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 22:40:13 ID:0aVFKlTp
>>485
悟魅が一番好きな俺よりは…
491名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 23:14:05 ID:8UOuPXYJ
保管庫の圭詩で悶えてきた

>>490
乙としか言いようがない…作品あるのか?
492名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 23:28:21 ID:NJ/LLaI/
沙都子はてっぺい☆にレイープされて悟史に慰められる(性的な意味で)とこしか思い浮かばない
493名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 23:52:18 ID:F2jRN3//
赤梨花エロがもっと読みたい。
それも梨花が成長後じゃなくて祭囃し直後の話が読みたい。
赤坂の、半分も入らなさそうだけど。
494 ◆xAG4.Wd6wQ :2007/10/13(土) 00:22:32 ID:/xU44lMl
>>486
感想を頂けて嬉しいです。
はじめて小説を完成させることができたので自分としては達成感がありますが
やはり投下させて頂くかぎり、自己満足な作品にならないようにするために
第三者の意見はとても参考になります。
また投下させて頂くこともあるかもしれませんが、今回より更に良い作品がかけるよう努力します。
では長々と失礼しました。
495名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 00:23:24 ID:Sc/s7EPu
>>492
それもいいな…やべぇ、読みたくなってきたw

しかし、祟殺し編と言うものがあるのに何故圭沙都が少ないんだ?
というか沙都子自体人気がない…のか?
496名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 00:35:40 ID:fR54WfMG
沙都子が不人気なんてない

ご神体壊したとか適当にイチャモンつけられ
L3+以上の神主にレイプされる梨花が読みたい
497名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 05:36:27 ID:vkdTKcDw
沙都子は梨花ちゃま関係は多いな
不人気はない
498名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 05:39:10 ID:JSGwufGM
たまには夏美のことでも思い出してやってください
499名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 05:46:46 ID:vkdTKcDw
夏美はいらない子
500名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 10:43:34 ID:VsJ0/zX5
ええい、圭一×羽入はまだか
501名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 13:22:37 ID:HnQkIp1W
最終的に梨花×沙都子が一番好きな俺はどうしたら…
もちろん性的な意味でも好きだが、2人の友情の深さに萌えるww
でもやっぱりノーマルカプが好きな人のほうが多いんだなー
502名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 14:38:09 ID:WOlyoHmr
サトシオンとかも少なめ。少ない事に焦ってたけど良いSSが少しでもあれば
満足。初期の方に投下された詩音アナザーは神だし。飴渡し編をずっと待って
いるんだけど、エロなしでもあれはあれで良かった。
梨花沙都はいいよね。百合では一番多いのかな?
503名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 14:39:10 ID:2FXwjvi+
最萌え負けるな魅音!
504名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 14:44:37 ID:UsdBLSVF
最萌え負けるな梨花ちゃん!
505名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 14:48:00 ID:8Sjum6KA
別にどうでもいい( ´_ゝ`)
506名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 15:56:52 ID:KWkDsMlm
>>500
激しく同意。圭一×羽入も圭一×沙都子と同じぐらい少ないからな・・・・・
というか前スレで圭一×羽入を書くって言っていた神はどこへ行ったんだ!
正直言って待つ気も失せてきたぞ・・・・・期待しないほうが良いのかorz
507名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 16:14:56 ID:2ik02lFX
>501
え? リカサトってノーマルカプじゃないの?
508名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 16:50:20 ID:LLzfaFij
葛詩が好きな俺はもう駄目かもしれん
509名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 16:52:12 ID:34nis6Pt
メジャー過ぎるだろ。>葛詩
510名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 18:02:35 ID:l+78wjrq
葛西は詩音の保護者ポジションなのに肝心な時に役に立たないことが多いよなー
511名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 18:04:16 ID:JG3TOR04
葛西は頑張ってるよ
512名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 18:45:03 ID:VsJ0/zX5
葛西は難しそうだな、書くの

ところでMiwotsukushiはあれで完結なの?
513名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 20:12:14 ID:PdqLTj4z
だから魅音(ふたなり)攻めは一体いつになれば投下されるんだ?
514名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 20:19:34 ID:34nis6Pt
つ 自分で書く
515名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 20:51:42 ID:pkIwDXRq
わるい圭×黒梨花が好きなんd
516名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 21:38:58 ID:ND3aNCXv
圭×黒梨花俺も好きなんd
あー黒梨花を泣かせたい鳴かせたい
517名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 21:39:15 ID:6ZiTpW8A
僕は白梨花ちゃま!!!
518名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 21:55:43 ID:A52RpYJC
正直、黒沙都子に嬲られたい、ついでに真魅音を鳴かせたい
519名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 03:05:18 ID:kMnN6eJB
つ黒沙都子×黒梨花

黒梨花泣かせは赤坂なんかに任せられん
520名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 11:48:17 ID:Ok337yDS
wikiに新作投下しました

「誕生日裸祭り事件」
http://www16.atwiki.jp/when_they_cry/pages/308.html

部活メンバーで野球拳
エロ薄いので、どちらかと言えばバカネタですが
521名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 13:50:55 ID:xs2hyGRS
>>500・506
|;・ω・)
|⊂


| )彡サッ
|
522名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 13:58:33 ID:uQ29dMd4
|     ∧_∧ 
|     (; ・ω・)     (,, ´∀`)
|     (  (つ(つ∝∝∝と    )
|     ノ  r ヽ      人  ヽ
|    (_,ハ_,)     (_ヽ_,)
523名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 14:02:47 ID:9YwRqVGD
>>520
乙です。ひぐらしらしさがあって面白かったよ。
このシチュエーションはやり方次第でいくらでも楽しめそうだ。

それにしても今スレに移行したばかりの頃は職人に見捨てられてもう終わりかとも思ったけど、
ここにきて新しい職人たちが登場して活気が戻ってきたな。
524名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 15:19:34 ID:dRwmAl0Y
過去ログ漁ってて気づいたんだが、「ついカッとなって書」かれたSSが五つほどあるのな
同一人物の手によるものなのか?いずれも名作ぞろいなんで、ぜひまたカッとなってくれ
525名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 17:51:43 ID:chcrMZa7
>>520
GJ!梨花の負けフラグわろた

圭詩まだー?
526名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 18:08:29 ID:zlNs5QKX
【蜩】第七研究所part69【海猫】
http://ex20.2ch.net/test/read.cgi/nanmin/1192280515/
527名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 19:35:24 ID:XiRJ89Xu
>>520
褌で吹いた。アホすぎるwww
528名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 19:38:10 ID:2e2ggI33
>>520
やべえ、すっげえ面白かったw
ひぐらしSSの底力を見たような気がするぜ。
圭一のオットセイプロテクト技術が神掛かってたwww
529名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 01:16:14 ID:iZ8BEh/V
とりあえず俺はマイナー圭沙都がいつか投下されることを祈って気長に待つ
530名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 13:24:21 ID:GlWfe1wO
圭沙もだが圭羽も頼むぜ。
というかロリ、未亡人、天然!これだけの萌え要素があって人気がないのは何故じゃあ!
531名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 13:52:56 ID:vKnYJBKA
>>530
正直、そのどれに焦点を当てるべきかは迷うな。
読者層が分かれてそうw
532名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 17:59:06 ID:ZVQQ01gH
>530
「こう見えても人妻だったのですよ」
とかいいつつ、素晴らしいテクニックで圭一を攻めあげる羽入が
思い浮かんだ
533名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 18:11:00 ID:3G8wyZX1
>>530
人気が無いのではなくて、ネタが無いんじゃないか?
>>532
ぜひともそれで書いてくれ!!
534名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 21:15:08 ID:tToUD6Ou
私事ながら、無垢な羽入を汚して行くKを見たいので、人妻と思い出させるのは出来れば止めて下さい><
535名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 21:17:16 ID:dAmheq7K
  -‐  ‐‐-   
  -‐  ‐‐-    普段はあぅあぅ言ってますが、出産経験有り。
    _, "∠    
536名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 22:03:00 ID:eznRtWPR
>>534
>>人妻と思い出させるのは出来れば止めて下さい><

そう思うなら読まなければいいだけの事。
537名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 23:13:06 ID:AnqGawKq
まじれす・・・
538名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 00:36:07 ID:G3XASjJj
私事だとうっすらと自覚しているのにNGしないのはいけないこと
539名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 00:49:09 ID:/YrrMaNv
私情ですけど久々にレナ圭物が読みたい
540名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 00:54:03 ID:QdYLBAjL
同意
そういえば最近レナ圭見ないな
541名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 01:02:52 ID:eg/jERMV
君たちが新たな職人になるんだ
542名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 01:22:10 ID:upIESF4H
なんかアニメの次回予告に触発されて書いてみた。
プロレスってこうですか!?わかりません!

あ、一応以前に投下したHold me tightの続きと思ってもらえると助かる。圭一×詩音ね。
543或る街の群青(1/5):2007/10/16(火) 01:23:07 ID:upIESF4H
「…………いてぇ」

ギシギシとベッドのスプリングが軋む。
あー、こんな事になるならプロレスの話題なんて振らなきゃよかった。
……そもそも詩音の家に遊びに来たこと自体が間違いだったのかもしれない。

「で、これがバックドロップです。さっきとの違い、分かります?」

知るか、そんなの。
分かるのは俺が痛い思いをしているという事だけだ。

「……俺が悪かった。もうプロレスの投げ技なんてどれも似たようなもんだ、なんて言わないからやめてくれ」
「まぁまぁ、そう言わずに。次です。これがフロントスープレック……きゃっ!?」

詩音は両腕で俺を抱きかかえ、投げようと持ち上げた瞬間に足を滑らせた。
バランスを崩した俺の肘が、詩音の顔面に……入れさせてたまるかッ!
とっさに身体を捻り、ギリギリで最悪の事態を回避する。

「……あ……あっぶねぇなぁ!! あんまり調子の乗ってると、こういう事になるから……って」

詩音がぼーっとした表情で俺を見つめている……。
ふたりきりでこういう表情を見せる時、詩音が考えている事はひとつしかない。
いや、まぁ、うん。
俺が押し倒したような体勢ではあるけどさ……。

「……圭ちゃん。やられてばかりじゃつまらないですよね? ……私に寝技、掛けてみますか?」
「いやでも、昼間からそういう事をするのは、ちょっと健全じゃないというか……」
「プロレスごっこをするのに昼も夜もないと思います……」

そう言って俺の首に腕を絡める詩音。
……プロレスごっこねぇ。
ま、まぁそういう事ならいいかな……?
………………。
いやいやいや、ダメだろ!?
ちゃんと付き合っているわけじゃないんだから、ほいほいと誘いに乗るのは良くないって。

「……詩音。やっぱりさ、や……おおぉ!?」

なんて事を考えていたらグルンと体の位置を入れ替えられてしまった。
流れた詩音の髪が俺の鼻をくすぐる……。
……ん、いつもと匂いが違う……?
シャンプーを変えたんだろうか……って、そんな事を考えている場合じゃない!

「圭ちゃんが掛けないなら、私が掛けちゃいますね……」

詩音の唇が迫ってくる……。
って、おいおいおい!

「ちょっと待てッ!! そんなの技でも何でもないだろッ!?」
「そんな事はありません。れっきとした技です。技名は、えーっと……『圭ちゃん大好き』です。圭ちゃん大好きーッ!!」
「ふざけん……んんんーーー!??」

反論する前に口を塞がれてしまう。
鼻歌でも歌うように、ちゅっちゅと俺の唇を味わう詩音。
俺は詩音の肩を掴み引き離そうと試みるが、快楽に支配されつつある身体は思い通りには動いてくれない。
544或る街の群青(2/5):2007/10/16(火) 01:23:42 ID:upIESF4H
「……ん……だ……から、やめ……んんっ……!」

口を開くと、今度は舌をねじ込まれた。
舌を絡められると身体から余計に力が抜け、頭の中の大切な物をガリガリと削り取られていく。
そして、お互いの唾液が混ざる音に粘り気が出始めた頃には、俺の手は詩音の腰に添えられていた。
……俺が思うに、キスってのはある種の呪いなのではないだろうか。
口を使い、相手に己の考えを伝播させる呪い。
なんでそう思うのかっていうと……。
詩音にキスされると、俺はいつだってすっかりその気になってしまうからだ……。
……詩音は俺が抵抗しなくなったことを確認すると、満足そうな表情で口を離す。
そして、糸を引く唾液を拭いもせずに馬乗りになった。

「圭ちゃんって、寝技には強いんですね。全然ギブアップしそうにないです」
「……そりゃ強いさ。誰かさんに鍛えられてるからな……」
「……でも圭ちゃん。強いなら、こんなとこに凶器を隠し持たなくてもいいんじゃないですか?」
「……凶器って……?」
「これです、これ」

詩音は後ろ手で俺の股間をまさぐる。

「……それは凶器じゃない……」
「いーえ、絶対に凶器です」
「だったら確認してみるか……?」

俺はカチャカチャとベルトを外し、ズボンとパンツを一気に膝まで下ろす。
股間には詩音が凶器だと言い張るソレがそそり立っていた……。
詩音は肩越しにソレをまじまじと見つめている。

「やっぱり凶器じゃないですか!」
「これのどこが凶器だっていうんだよ……?」
「だって私、これで突かれて血を流した事があります……」
「あぐぅ!? ……そ、それは……」
「……とっても痛くて……私、泣いちゃいました……」
「で、でも、今日のソレは危険じゃないかもしれないだろ!?」
「……そうですね。それじゃ、危なくないかチェックさせてもらいます」

詩音は俺の股間へ向き直ると、胸の辺りに腰を下ろした。
そのまま身をかがめ、俺の凶器を手に取る。

「やっぱり怪しいですね。ちょっと失礼して、っと……」

詩音は凶器の先端部分をつまみ、側面にくちづけした。
ちゅくちゅくと吸いながら根本までじっくりと確認する。

「……どうだ……? ……ぜ、全然危なくないだろ……?」
「ん〜、これだけじゃ分かりませんね。こっちとか怪しいですし」

今度は凶器の裏側を確認するつもりらしい。
指でくい、と凶器を倒し、裏筋を舌先でちろちろと舐める……。

「……どうしたんですか、圭ちゃん。さっきから呼吸が荒いですよ? これを調べられると不都合なことでもあるんですか?」
「……そ、そんなことはねぇよ。す、好きなだけ調べろ……」
「当然です。最初からそのつもりですから」

詩音は凶器を口に含むと、ゆっくりと上下に動きだした……。
545或る街の群青(3/5):2007/10/16(火) 01:24:17 ID:upIESF4H
「……んん、ん……ふぅ……ん……」

口の中で舌を這わせ、凶器を丹念に調べ上げる。
……ザラザラした極上の感触のせいで、詩音の頭を押さえつけ腰を突き動かしたい衝動に駆られてしまう。
もちろん、そんな事をするわけにはいかないが。

(……さて。どうしたもんかな、これは)

それはそれとして、眼前の状況をどう処理すべきか熟考する。
凶器を調べることに夢中なせいなのだろう。
最初は俺の胸辺りにあった腰が徐々に後退し、今では俺の顔の上にあった。
それで、だ。
普段のロングスカートであればこんな事にはならなかったんだろうが、今日は似たようなミニを穿いている。
……そのせいでスカートの中が丸見えなのだ。

(……まだキスとフェラチオだけなんだけどな……)

今日はまだ、俺は詩音をまったく愛撫していない。
それなのに詩音はぐしょぐしょに濡れていて、薄い布地越しに秘部をはっきりと確認できた。
いきなり舐めてやろうかとも思ったが……もう少しお遊びに付き合ってやるか。

「……詩音。俺の凶器を調べるのはいいけどさ。お前はどうなんだよ?」
「んん……? ……何のことですか?」
「ここだよ、ここ。こんなに濡れて……かなり怪しいぞ? ここに凶器を隠してるんじゃないか?」
「え……? …………あっ!!」

俺の言っていることに気づき、詩音は赤面する。
いくら知らない仲ではないとはいえ、この距離で濡れていく様を見られれば恥かしいに決まっている。
……勃起する様子を観察された俺の気持ちを、少しは理解してもらえたのなら嬉しいのだが。

「……い、いつから……見てました……?」
「そうだな。……この染みがほとんど無かったときから、かな?」
「………………ぁ………ぅ………」
「詩音だって俺のを調べてるんだ。俺も調べたっていいよな?」
「……あ、あの……」
「いいよな?」
「……………………はい」

許可が下りたので調査開始だ。
まず怪しいのは、このぷっくりと膨らんだ突起だ。
それを舌先で刺激すると、詩音の口から喘ぎ声が漏れた……。
さらに身をこわばらせ、突起自体も心なしかぷるぷると震えているように見える……。
怪しい、怪しすぎる!
……これは徹底的に調べる必要があるな。
俺は詩音の潔白を信じながら、舌で突起をしつこく弄り続けた……。

「……ん……ぁ……はぁ……。……け……ぇ……ちゃん……。……そ、そんな所を調べたって……何も出てきませんよ……?」

……それもそうだ。
凶器を隠すとしたら……ここか。
俺は凶器の隠し場所らしき箇所に舌を侵入させようと試みるが、下着が邪魔で上手くいかない。

「……詩音。この布切れが邪魔で奥まで調べられないんだけどな」
「……そ、それなら取っちゃっても構いませんよ。……この凶器、危険じゃないみたいですから、これを使って調べてください……」

詩音は腰を浮かせ下着を脱ぎ捨てると、俺の下腹部に腰を移す。
俺はその間にズボンからコンドームを取り出し、慣れた手つきで身に付ける。
……こんな物を常備しているのが少し悲しい。
546或る街の群青(4/5):2007/10/16(火) 01:24:53 ID:upIESF4H
「……どうぞ。思う存分調べちゃってください……」

詩音が腰を下ろすと、凶器との疑いが晴れたソレがつぷつぷと詩音の中に沈んでいく……。

「……ど、どうですか……? ……凶器、見つかりました……?」
「……急かすなよ。これから調べるからさ……」

俺は詩音の中をじっくりと調べ上げる。
見落とすことなど無いよう、角度を変え何度も何度も。
ずりずりと擦り続けていると、詩音の呼吸が荒くなってきた……。

「……どうした、詩音? もうギブアップか?」
「……ギ、ギブアップって……? ……きょ、凶器を調べてたんじゃないんですか!?」
「甘いなッ!! 勝負はとっくに再開されているんだぜ!!?」

俺は繋がったままの詩音を抱え上げ、仰向けに寝かせるとそのまま覆い被さった。
そしてお互いの指を絡め、手をしっかりと繋ぎ、休むことなく詩音を攻め続ける。

「……ぁ……ぐ……や、やっぱりソレ、凶器だったじゃないですか……!」
「危険が無いと判断したお前が悪い! ほれ、さっさとギブアップしちまえッ!!」
「……だ、誰が……んん! ……け、圭ちゃんこそ、もう限界なんじゃないですか……?」

……詩音の言うとおり、俺の限界もすぐそこまで迫っていた。
とはいえここまで来ると、もう意地だ。
何が何でも先にギブアップさせてやる!

「……あっ……はっ……ぁ……ん……ああ……!」

詩音がイヤイヤするようにかぶりを振る。
これは詩音が絶頂を迎える寸前という合図だ。
……当然だが、この勝負は俺に分がある。
詩音の弱点なんて知り尽くしているし、そもそも詩音の中を鍛え上げたのは俺なのだから。

「……う……あ…………ああ……ッッ!!!」

詩音は一際甲高い声を上げ、身を反らし……果てた。
ほぼ同時にきゅっきゅっ、と締め付けられた俺自身も達し、詩音の中で脈打つ。
…………俺はお互いの荒々しい呼吸を耳にしながら、激闘を制した余韻に浸っていた……。

「……圭ちゃん……。……この勝負……」
「……ああ。この勝負は……」
「私の勝ちですね」

……………………は?

「ちょっと待て! お前の方が先にギブアップしただろうがッ!?」
「……何を言ってるんですか? 圭ちゃんが先にギブアップしたじゃないですか!?」
「いーや、お前だ!」
「いーえ、圭ちゃんです!」

お互い譲らず、平行線のまま。
となれば、勝負の行方は当然……。

「…………それなら……もう一回勝負しますか……?」
「……の……望むところだ!! 今度こそ、白黒はっきりさせてやらぁッ!!」
547或る街の群青(5/5):2007/10/16(火) 01:25:38 ID:upIESF4H
……とまぁ、当時の俺たちはこんな感じで、じゃれ合っているんだかセックスしているんだかよく分からない事をしていた。
この日は三回の勝負で決着がつかず、後日の再戦を約束してお開きになったと記憶している。
こういうのは曖昧な関係だったからこそ出来たことで、今やれと言われても出来ないだろう。
この後、しばらくして俺と詩音は正式に付き合うことになる。
その際に俺と魅音の間で色々とあったのだが……まぁ、その話はまた別の機会にってことで。
548名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 07:05:31 ID:AZ4hYV3n
GJ!圭詩いいよ圭詩。
まさか続きがあるとは思わなんだ。

>俺と魅音の間でいろいろ
この部分に次への期待が……
549名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 08:48:50 ID:QdYLBAjL
GJ!
魅音と?
続きが気になる
550名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 09:50:50 ID:l8d+DfSW
GJ!

圭詩いいな〜
551名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 12:47:07 ID:S5+NB7Kz
アジカンのファンなのか…?関係ない話でスマソ
552名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 14:55:05 ID:lU7oSVxJ
タイトル両方ともそうだね
553名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 21:41:22 ID:uIooojCv
あ、どっかで見たことあると思ったらアジカンか。
GJ!

頑張ってふたなり魅→kを書いてるけど、むずいなこれ。
2つ入れたいシチュエーションがあるけど両立できない…
554名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 22:58:48 ID:W6XPqhqU
>553
両立できないなら、2つの話に分けてみるのはだめかい?
555名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 06:56:42 ID:3fFcPie1
>>554
同じテーマで2話作ればいいのか。
あぁでもA型としては許せないな…
556名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 08:51:57 ID:xT6KNxO/
【おいでやす】ひぐらしのなく頃に 伍【雛見沢】
http://sakura02.bbspink.com/test/read.cgi/erochara/1191992302/
557名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 13:43:11 ID:N6hphrda
「レナキス」の5スレ目633です。久しぶりにひぐらし書きました。かなりの
ボリュームでここに置かず、保管庫に置きました。あんまりエロくはありま
せんがよろしくです。
なお、これは裏で、近日中に公式に表も送ります。もし、よければ、そちら
もぜひ。
話としては独立していて、どちらがいいというわけでなく方向性というか
選択した先の差と言うことで。
http://www16.atwiki.jp/when_they_cry/pages/310.html
http://www16.atwiki.jp/when_they_cry/pages/311.html
と言うわけでよろしくです。

558名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 17:18:30 ID:O4W2CmdF
ごめん……圭レナ物と思って読んでたら……
559名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 17:26:19 ID:N6hphrda
ごめんなさい。言い忘れてた。なんというか、ホラー要素のあるレズものです。
オリキャラじみたのも出てきます(公式の絵板でイラストされたものを参考にしてますが)
いささかきついというかグロイ描写もあります。中身を言うのを忘れるなんて、
何をしてるんだよ。
タイトルは「コドク箱」これで察し出来る方も多いかもしれませんね。
560名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 18:19:32 ID:FpS06AyV
【蜩】第七研究所part70【海猫】
http://ex20.2ch.net/test/read.cgi/nanmin/1192453013/

dT_Tb←BT(やる時はやるが腰は重い)
(*゚∀゚)o彡゚←赤字(自慰をライバル視・コメントつくまで削除再投稿という技を習得)
"(,,゚∀゚)"←まこ自慰(我関せず自慰漫画投下中・連投気味)
ミ*>д<*ミ←毬藻(最近地味)
(m-ω-)m←画伯(興味深いわね)
(。人。)←勇気(前科六犯クチュ羽入厨・!%勇気♪)
ヘ*´Д`*ナ←へな彦(白きヘナニー漫画へな滅し変完結・次の動きは?)
(G3G)←G3(BTの使い・こいつが介入すると事態は悪化)
ヘ(゚∀゚ヘ)←蘭背(地雷系自治)
ヾ( ゚д゚ )ノ" ←日卯(先走り系自治)
(゚听)ノシ←悪徳(自爆系自治)
∪^エ^∪←青犬(学生自治厨・削除キーを晒しながら削除されると逆ギレする自己矛盾)
■´・д・■←〇子(悪徳の注意で小6発言はなくなったようだが…)
(゚々。)←ワカメ(謝罪無しでリク強盗・悪徳の難解リクにどう応える?)
ε=(●皿●)←髑髏屁(自演擁護百恵の使い手・いじめられっこ)
|-`)ノ←ラ〇様(貴重な大人自治・絶滅危惧種)
'`ィ (゚д゚)/←ち〇た(貴重な大人自治・絶滅危惧種)
イ゚ー゚リ←楼座厨(痛可愛いよ楼座)

/\('A`)/\→闇雲(降臨待ち)
ロリДリロ←ロリ狼(永久凍結)
561名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 22:59:10 ID:b4eBLfQQ
>>559
かつてオカ板を震撼させたあのネタですか。
あれを読んだ夜は一睡もできなかったからなあ。
怖くて>>557を踏めない・・・
562 ◆CoudB9M4c2 :2007/10/17(水) 23:50:28 ID:J/gSCJkm
これまでに何度か作品を投下させて頂いているものです。

現在圭一×沙都子を作成しているのですが、かなり分量が多いので、時間がかかっています。

その合間に考え付いたネタを投下させていただきたいと思います。

題名は「張込みin興宮」今回は熊谷刑事が主役です。(からむ人は違うのですが)
563張込みin興宮 ◆CoudB9M4c2 :2007/10/17(水) 23:52:28 ID:J/gSCJkm
  張込みin興宮

 ネオンサインが輝く深夜の歓楽街。
 その歓楽街から程近い、沿線沿いの古いアパートの一室に、俺は潜んでいる。
 フォークソング全盛期のような、四畳半の一室。下宿していた学生達の落書きだろうか、「造反有理!」「日帝粉砕!」の文字が、煤けた壁に残っている。
 俺は近場の商店で買っていたアンパンを、油紙の包みから取り出して、口に放る。随分前に蓋を開けた牛乳瓶は、既に生温かった。
 腕時計を見て時間を確認する。もうじき日が変わる時刻だ。
 そろそろかと思い、例の道具の点検を行う。懐中電灯を取り出し、か細い光でテープが巻き戻っているのかを確認すると、俺はふぅっと溜め息を付いた。
 
 それと同時に、アパートの外階段の辺りから人の話し声が聞こえた。
 若干甲高い女性の声と、酔っているのであろうか、妙に上機嫌な中年男性の声。
 俺は目標が帰ってきたことを悟ると、すぐに引いてある黒電話のダイヤルを回した。
 二・三回のコール音とともに、相手が出る。
 「はい、二課本田屋。」
 「△△荘、熊谷です。マルタイ(対象者)帰宅、男と一緒です。」
 「現時刻、マルタイ帰宅。二課了解。」
 「只今から録音開始します。以上、熊谷。」
 連絡を終え、静かに受話器を置くと、俺は集音用の吸盤を壁に当て、録音機のテープレコーダーを回した。
 
 「もぉ〜、パパ。飲みすぎだよ〜。」
 「ご、ごめん。ごめんよリナぁ。ちょっと、無理しちゃったよ・・・。」
 集音機械を通さなくても聞こえる声。それほどまでにこのボロアパートの作りは酷い。耐震強度といった観点では、まず間違いなく建築基準を満たさないだろう。
 しかも深夜ということで、周りはとても静か。二人の声が響いてしまうのは当然だった。
 動向を観察する身としては、むしろその方がありがたい。

 「いらっしゃ〜ぃ。ここがアタシのお家だよ〜♪」
 鍵の開く音がすると同時に、ドサリと重たいものが崩れ落ちるような音がした。
 「あっ、パパぁ〜。こんなところで寝ちゃダメよぉ〜。」
 音の主は、酔い潰れてしまった男性のようだった。俺も新任の頃の飲み会では、こうしてよく潰されたっけ・・・。
 「ごめんよ、リナぁ・・・。」
 男性が甘えるような声で、女性に謝る。
 苗字は竜宮。雛見沢にすむ無職の男性で、今回の内偵捜査の対象者だった。


 


564張込みin興宮 ◆CoudB9M4c2 :2007/10/17(水) 23:54:12 ID:J/gSCJkm
  
 
 北条鉄平を主犯とする、恐喝事件の捜査会議が実施されたのは一週間前のことだった。
 尊敬する先輩、刑事一課の大石さんが雛見沢から得た情報により、刑事課長が捜査員に召集をかけたのである。
 これまでも北条鉄平は暴行・傷害の粗暴犯として要注意人物とされており、恐喝行為もしているのではないかとの噂はあった。
 しかし、恐喝は対象を恐怖に陥れて金品を奪うことにより成立する犯罪であるため、弱みを握られた対象が訴えることが少ないのも事実だ。
 噂はあるが尻尾は掴めない。暴力団や詐欺などの知能犯対策をしている二課の本田屋さんが「みんな口を閉ざすんだよなぁ・・・」と愚痴を溢すことが何度あったことか。
 そんな中、大石さんが縄張りである雛見沢で、北条鉄平による美人局の情報を得たのは僥倖と言えた。
 「んっふっふ〜。そういうわけで、北条鉄平が愛人である間宮律子と共に、カモを嵌める算段を進めているようです。」
 会議上、大石さんは情報の出元がカモとされている竜宮氏の娘、竜宮礼奈さんによるものであること、既に父親が多額の現金を貢いでいることを、いつもの調子で説明した。
 そして、話の最後をこう結んだ。
 「この竜宮さんは、父親の恥を私に相談してくれました。年頃の娘さんにとって、それはとても勇気の要るものだったことでしょう。」
 確かに、親の色恋沙汰を思春期の少年少女が他人に打ち明けることは、大いに抵抗があるだろう。両親の情事を目撃して欝になった自分には良くわかる。
 「その勇気に答えなきゃぁ、何のために給料を貰って警察官をやっているんですか。何も出来きゃ『給料いくらだ?』って、本庁の警察官に笑われちゃいますよぉ〜。」
 口調こそいつものおどけた調子だったが、その目には真剣さが宿っていた。警察官魂に燃えた、凄く良い目だった。
 
 捜査は、竜宮家の周辺と間宮律子、源氏名で間宮リナの住所であるこのアパートでの張り込みを主としたものとなった。
 ローテーションを組んで警戒し、やがて来るであろう破滅の時、北条鉄平による闖入の現場を押さえ、恐喝の現行犯として逮捕する。
 脅迫の証拠とするために、現場の状況を録音し言動を確保する。この録音機はそのための機械だった。
 
 「もぅ、お水持ってくるからね。」
 ドアを閉める音と共に、軽い足音が聞こえ、次いで蛇口を捻る音がした。
 キュキュッという錆びた金属音により水音が収まると同時に、再び足音がし、それは玄関先で停まった。
 「ほら、口を開けて・・・。」
 わずかな呻き声。どうやらリナは竜宮氏に水を飲ませようとしているらしい。
 「えっ、本当に!?」
 と、突如リナの声の調子が変わる。本当に小さな声で、竜宮氏がもぞもぞと何かを喋ったので良く聞こえない。
 「もう、仕方ないわね。んんっ・・・。」
 猫の泣き声のように甘く、リナがくぐもった声を漏らす。
 数秒後に粘着質の音が聞こえた。くちゅ、くちゅと唇を鳴らす音、これは・・・。
 「あ、あんっ。がっつかないでよ。ほら、まだあるんだから・・・。」
 もう一度、肉と肉が絡みつくような粘着音。間違いない、こいつら口移しで水を飲ませてやがるッ!!
 
 「んっ、ふあっ。やぁんっ・・・。」
 粘着音が強くなり、リナの声が益々甘さを増していった。ごそごそと体が壁や物に当たる音がそれに続く。
 「リナ、リナっ。リナあっ!」
 竜宮氏がリナを呼ぶ声が強くなった。壁に体が密着しているのだろうか、先ほどよりも鮮明に声が聞こえる。
 「好きだ。愛している。リナぁ・・・。」
 「んっ、パパぁ。私もよ・・・。」
 壁一枚を通じて、二人の吐息が直ぐそばにあった。
 俺は思わず、息を呑んだ。自分の喉が唾を飲み込む音がはっきりと聞こえる。
 駄目だ。俺は警察官なんだ。正義の心に燃え、悪を許さないためにこの仕事に就いたんじゃあないかッ!!
 だが、期待してしまう。警察官である以前に、俺は男性という罪深い生き物だ。
 この先に期待して、欲望がもたげてしまう熊谷勝也という男が、確かにここにいるんだッッ!!

 
565張込みin興宮 ◆CoudB9M4c2 :2007/10/17(水) 23:56:56 ID:J/gSCJkm


 「駄目だ。もう、我慢出来ないよ。リナぁ。」
 ジーっというジッパーを下げる音。竜宮氏も自分と同じ心境にあるのだろう。
 目の前に抱くことの出来る女がいる。だから、今すぐにでも挿れたい!欲望を吐き出したいッ!
 「あん、そんな、脱がしちゃダメぇ。」
 誘っているくせに、声に艶が混じっているくせに、まだ女というものはお預けを喰らわせようとする。
 まるで男を生殺しにするのが楽しいかのように。
 「い、いくよ。いれるよ。う・・・。おぉ・・・。」
 「んっ、あ、はァっ!もっと、優しくぅ・・・。」
 どんっ、と壁が爆ぜた。一瞬声を出しそうになるが、必死で抑える。本来空いているはずのこの部屋に人が入ることだけは悟られてはならない。
 高まる鼓動を落ち着かせようと、声にならない声で呟く。
 (落ち着け、熊谷勝也。そう、クールだ。KOOLになれ・・・。)
 そんな自分と対照的に、壁の向こうの二人は激しく燃え上がっていた。
 「くあっ、リナ、リナぁっ!良いよ・・・絡み付いて、ああっ!」
 「ふぅぅぁっ!パ、パパぁ・・・。お、おっきぃ。おっきいよお・・・。」
 「あうぅぅっ、おおぉぉっ!こ、こすれてっ!ううぁぁぁっ!!」
 「ひゃぁっ!そんなに強く!?」
 「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・!」
 「あんっ!胸、弱いの、弱いのぉっ!!」
 
 背にする壁を叩く音が徐々に強まっていく。いつしか俺の鼓動も、耳に聞こえるくらい高鳴っていた。
 最近電話口で情事の真似事をする、テレフォンセックスというものがあると聞くが、このようなものだろうか・・・。
 思わず自分の股間を押さえてみる。スーツズボンの中で自己主張をしているそれは、とても硬く反り返っていた。
 そういえば、最近仕事にかまけて妻を抱く暇も無かった。
 先輩に薦められた見合いで結婚した妻は、器量こそ並だが、自分には勿体無いくらいに家庭的な女性だ。
 最初は見知らぬ女性との夫婦生活が上手くいくのか不安であったが、今では恋愛中のアベックとも変わらないくらいに妻を愛している。
 だから、仕事が重なって抱くことが出来ない今が寂しい。
 その寂しさがつのって、俺はこんなにも欲望を溜めてしまっているのだから・・・!!

 
 
566張込みin興宮 ◆CoudB9M4c2 :2007/10/17(水) 23:58:56 ID:J/gSCJkm

 
 「ねぇ、パパ。愛してるって言って・・・。」
 「あぁ、愛しているよ。リナ。うっ!」
 「あん。もう、いっちゃうの?もう少し、もう少し我慢して・・・。」
 「ああぁっ、駄目だ。リナ、リナっ!!」
 壁の振動が一層激しくなった。終わりを迎えようと、竜宮氏が最後の律動を始めているのだと理解する。
 この桃色の空間が終わりを告げることを意味しているのだ。
 俺は罪悪感と共に自分のジッパーを下ろし、そそり立つ自分の欲望を、握り締めた。
 「うはっ、パパっ!パパっ!!すっごい、すっごいよォ!!」
 「くっ、うっ、おおおっ・・・。」
 「だから胸は弱・・・っ、ひゃうぅぅん!そこは、ダメぇ。そこをつまんじゃダメぇぇっ!!」
 竜宮氏とシンクロするかのように、俺は目を閉じて会話と物音のみに集中する。
 右手で扱きあげた欲望は硬さを増し、発射までの時間を刻々と縮めてゆく。
 「もうダメ、もうダメっ!アタシ、死んじゃうぅぅぅ!!」
 「くぁぁっ!リナ!!で、出そうだ・・・!」
 「あぅぅぅっ!はぅぅぅんっ!!」
 「い、いいかい!?このまま、中に・・・。」
 「はぁぁっ!ちょうだい。パパの白いの、アタシの中にちょうだいぃぃっ!!」
 限界を迎えようとしているのはこちらも同じだった。
 先端から出る透明な液が自分の指を濡らし、潤滑油となる。
 「おおおおおっ!!リナぁぁぁぁぁっ!!!」
 「ひゃうぅぅぅ!!パパぁっ!!!」
 絶頂を告げる声と共に、俺も自分の欲望を吐き出した。
 驚くほどに飛び跳ねた飛沫が畳を汚す。幸いにも機械にはかかっていないことに、俺はわずかな安堵を覚えた。
 「くすっ、いっぱい出たね。パパ・・・。」
 荒い呼吸音と共に、リナの猫撫で声が聞こえる。竜宮氏は答えることも出来ないほど、息も絶え絶えのようだ。
 俺も、全速力で走ったかのように肩で息をする。しかし、若さのためか、竜宮氏よりも回復は早いようだった。
 
 備え付けのティッシュを箱からつまみ出し、やや硬さの取れた自分の欲望を拭き清める。
 そして飛び散った欲望の残滓を拭き取ろうと体を伸ばして気が付いた。
 電灯を消しておいたアパートに、わずかな月の光が差し込んでいた。ここは窓が東側なので、月光が差し込むにはドアを開ける必要がある。
 
 その時に俺は思い出した。
 ローテーションを組んでいる大石さんが「今日はジジイ達と一局囲んできます。終わったら何か差し入れをしてあげますよ。んっふっふっ〜。」と言っていたことを。
 大石さんはまだ来ていなかった。こんな深夜に来るはずはないと思っていたのだ。
 しかし、大石さんたちの麻雀は平気で深夜に及ぶ。午前様なんてザラじゃあないかッ!!
 
 俺の失策だった。笑いたければ笑うがいい。欲望に負けた俺の自己責任だ。
 くそ、振り向くことが出来ない。背中越しに感じる視線が痛いからだ。
 振り向いた瞬間に聞こえるはずだ。あの、人を小馬鹿にしたような笑い声が。
 恥ずかしい格好でティッシュを握り締めたまま、俺は深い絶望感に襲われていた。

 「んっふっふっ〜♪」

 終わり
 
   


567張込みin興宮 ◆CoudB9M4c2 :2007/10/18(木) 00:06:40 ID:J/gSCJkm
以上で投下終了です。

絡みはレナパパとリナに任せました。熊谷さんの奥さんについてはほとんど言及されていないので、見合い結婚という形にしています。

あと、本田屋さんは大石&熊谷と一緒に仕事をしている描写がないので、刑事でも違う部署なのかと思い、大石たちと違う刑事二課にの所属にしました。

冒頭のとおり、圭一×沙都子の作品も出来次第投下したいです。筆が載るならば、圭一×羽入も投下したいと思っています。

毎回SSを保管庫の管理人さんに保管して頂き、感謝です。

今回も拙い作品で失礼しました。ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願いします。



568名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 01:02:38 ID:2vJCpSCg
>>567
絡み自体は案外珍しいかもね
GJ!


最近になって職人さんが増えて、活気が戻ってきたから嬉しいよ
だが、山狗の梨花編と、鬼畜王の梨花編をお預け状態の俺は
そろそろ飢えて来て限界なんだぜ
569名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 01:02:56 ID:yUjEGm/y
>>567
(「・ω・)「
570名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 02:24:51 ID:ojS1GqSv
>>567
GJめずらしい形式と組み合わせでなかなか楽しめた

>>568
梨花といえば澪尽し後日談の暗黒のかけらの続きなんかもそのまま放置状態だな
梨花は基本的に途中までとか他キャラで止まってるとかで放置が多すぎるorz
571名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 02:26:03 ID:ojS1GqSv
そういえばオヤシロ様の巫女とかも続きなかったな
572名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 16:39:31 ID:q3BaMo1J
>>567
GJ。中々無い組み合わせだが案外よかった。
圭一×沙都子と圭一×羽入、楽しみにさせてもらうよ。がんがれ

>>568
確かになぁ・・・・・そもそも鬼畜王なんてまだ沙都子編にも入ってないんじゃ?
保管庫では圭一×レナ×魅音あたりで止まってるし
573名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 21:13:49 ID:m3CLcPcp
出遅れたが圭詩GJ!
574名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 22:06:00 ID:aq44HGzl
ところで鬼畜王はどこ行ったんだ
575名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 22:11:07 ID:yUjEGm/y
>>574
|;・ω・)
|⊂


| )彡サッ
|
576名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 23:25:04 ID:/EcizlMg
RPG-40 – radziecki, ręczny granat przeciwpancerny o działaniu burzącym. Przebija pancerz o grubości do 75 mm.
577名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 23:55:58 ID:zU1XKjMZ
>>575
呼ばれてから出てくるまでが早いww
むしろまだいてくれたのか

数ヶ月先でも一年先でも待ってるんで気が向いたら投下してくだせぇ
578名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 00:48:21 ID:rB1XtyKL
このスレさ
無いのなら作ってしまえホトトギス
的なノリでおk?
579名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 01:22:14 ID:2gPb1QnA
>>579
もちろんじゃないか
580名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 01:23:11 ID:2gPb1QnA
ごめんなさい、おもいきりレス番みすりました
578あてです
581名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 01:46:03 ID:vQeu9Hb8
なら俺はまだ無い圭一×赤坂を書くぜ!
582名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 02:21:18 ID:rB1XtyKL
なら俺は大石×k…


















既出だと…!?
583名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 06:57:35 ID:HLVaCylk
>>582
ちなみにトミー×圭一も存在
584名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 12:53:21 ID:ll/AdgV7
801板で待ってる
585名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 19:49:21 ID:nCOyK6Iz
大逆転皆殺し編・裸祭りを見たら、
酒の勢いで、部活メンがK1を押し倒すが、齢1000年?を超える人妻羽入が、
皆を(性的な意味で)指導する、というネタが浮かんだw

「わかってない、梨花たちは、まったくもってわかってないのです。
指導なのです、あぅあぅあぅ〜〜〜〜!!!!」


……駄作だな。
586名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 20:25:21 ID:mQ9K3McH
駄作かどうかは俺達が決める!だからまずは書いてみるんだ!
587名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 20:34:43 ID:MDN50oVO
>>585
駄作
588名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 20:35:15 ID:B4vSBttE
妄想を具現化する作業に戻るんだ!!
589名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 21:01:27 ID:rB1XtyKL
そして最後に羽入が逆襲されたりするなら、裸で待ってる
590名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 03:20:14 ID:nbpWRzWQ
だれか俺の妄想を具現化してくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ
591名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 03:32:30 ID:p+bzmd7w
  ,.-、  
 (■,,)
592名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 20:10:44 ID:hTCWVyQ5
>>591
うまそー。
だが今、俺が欲しいのはおにぎりではなく、この心の渇きを癒してくれるSSなんだ。
593名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 20:18:18 ID:bIlXKGie
  ||\                           /||
  ||:. \____________/  ||
  ||.   | .       ____     .|   :||
  ||:   |      |滅菌オフ|     │   :||
  ||:   | .        ̄ ̄ ̄ ̄     .|   :||
  ||:   |            ;''"゙''" ;''""゙. . ||
  ||:   | 永遠におやすみー ;;''"゙''゙、;;〜''"''||
  ||:   |          (^o^)ノ;, ,,.゙〜'''"゙''||
  ||:. / ̄(^o^)ノ ̄ ̄ ̄ノ( ヘヘ ,.:;;:,゙,、;〜'' ||
  ||/   ノ( ヘヘ   (^o^)ノ   [___]゙'  \||
            ノ( ヘヘ
594名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 08:03:51 ID:RDPfc9lX
ttp://tirasi.ame-zaiku.com/index.html
ひぐらしのSSで「性」っていうSSが軽快で中々面白かった。
595名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 12:17:11 ID:tmSOxpyY
何かと思って見てみればサガのパロでキャラ当てはめなだけ物か……
と思ってたら上に理想郷で投稿と有り納得。
596名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 22:10:31 ID:zcUzKvnj
>>590,>>592
妄想を具現化してほしければ妄想を書き出すとか、SSが欲しければシチュを
考えるとかしないと職人さんがどうにもできないと思う。

ところで保管庫を見て思ったんだが、部活メンバーで3Pのエロパロに、
「圭一×レナ&魅音」「圭一×沙都子&梨花」の作品があるなら、
「圭一×梨花&羽入」なんてのもあっておかしくない気がしたんだが、
どう思うよ?

597名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 22:30:17 ID:Y5jhyo9r
それを言うなら「圭一×魅音&詩音」や「圭一×詩音&沙都子」、
果ては「圭一×大石&熊谷」なんてのがあってもおかしくないんだぜ?
598名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 23:39:09 ID:ywxfsHZ0
>>597
ちょっと待てwww
最初のは今書いてるからいいとして、最後のはなんだ最後はwww
599名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 23:44:06 ID:vKo+dx2G
おっ姉妹丼wktk
600名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 23:49:05 ID:6WbDd/dh
しまいどんに期待
601名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 23:56:51 ID:HcH+n7hg
姉妹丼ってネタにしやすそうだけど少ないよな。これはwktktmtk

姉妹丼に乗っかって、前に二回くらい書いてくれたカッとなる人のえろちい魅音がまた見たいな。
そして鬼畜王……
602名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 01:05:21 ID:nU4AymHo
なら俺は「圭一×藍子&レナ」を推薦しよう
603名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 01:12:53 ID:hNnfYbDs
なら俺は赤坂×梨花・サトコ・羽入だ!
604名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 01:31:47 ID:fHk0CHW4
それならベルンカステル×白梨花×黒梨花の梨花尽しはどうだ?
605名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 02:08:05 ID:mhANcpbO
『ソ ウ ル ブ ラ ザ ー』


「あまいあまいあまああああああああいっ!!なんだその半端なバニーっぷりは!!指導指導指導おおおうっ!!」
「んっふっ……ふはぁぁぅう」
「Kもなかなかやりますね……クラウドをあそこまで……!次は是非メイド姿で私に……」
「僕はトミー。フリーの肉便器さ」



反省し過ぎることはないよね
606名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 09:35:49 ID:NMt3vtBN
>>603
ロリコンきんもー☆
607名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 09:51:04 ID:weySxOyn
>>605
富竹の自己紹介に吹いた
608名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 11:02:17 ID:GvhGzQ8A
>>603
東京へ帰れ
609名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 17:40:38 ID:rFSZyDiV
今更だけどベアトリーチェってダンテの初恋の女性だよな
610名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 20:27:13 ID:sNy1Q5Hn
圭一×知恵先生のネタを思いついたんだが
知恵先生は生徒に手を出すような人じゃないかなぁ・・・
611名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 20:28:19 ID:3Wr/0a7O
パラレル設定にすればおk
612名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 20:28:28 ID:h+hBSCuY
逆転の発想でK1が・・・
613名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 21:23:49 ID:e0+Okb5J
フワラズの勾玉パワーでとかいっそL5発症とか・・・
614名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 21:38:09 ID:0ejOBLh9
K1に眼鏡かけさせて先輩と呼ばせればあるいは…
615名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 21:39:10 ID:kJdfWq5q
うみねこのなく頃に
コミック化けってい☆

http://rainbow.sakuratan.com/data/img/rainbow57925.jpg
616名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 21:56:34 ID:kW1JJ9Pu
うわぁー腐女子くせぇー
617名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 22:06:28 ID:drsmI01F
一瞬だけ外海かと思った
618名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 22:20:44 ID:r3Fn0rm6
あおおーっ!!
619名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 22:51:42 ID:77fOpSP2
手首細いな
モンキーパンチか
620名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 00:22:19 ID:T8Mht89D
拡げてって 拡げてって 貴方はアナルの花じゃない

後戻りはもう出来ない

さあ掘りましょう そのアナルが (アッー!)
また血塗られてゆくなんて

生温い血が とぐろを巻いたら
それが多分 ***
621名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 01:06:40 ID:2UheGebf
皆殺しを鈴木次郎さんが書いてくれるなら、文句はないよ。もう。
622名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 02:08:10 ID:6Q4d1+35
>>614
何かかぁいいモードのレナが猫アルク的な役割になりそうな予感
623名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 02:56:18 ID:NXC0Llzg
おk
まあエロパロに設定は関係ないか
こういうの書くのは初めてだから時間がかかるかもしれん
少し待っててくれ
624 ◆e91VJLqnD. :2007/10/23(火) 18:12:48 ID:yezlBim/
初めて投下させていただきます。

一応、梨花(但し幼女ではない)×赤坂ものです。あんまりエロくないのですが……。

「ベルンカステルの背理」という題名で投下させていただきます。よろしければ、どうぞ。

625ベルンカステルの背理 ◆e91VJLqnD. :2007/10/23(火) 18:13:48 ID:yezlBim/
 ベルンカステルの背理




「また来年の綿流しの日に、ここへ来るよ」
 赤坂は私の頭を撫でながらそう言った。
「……」
 私は黙ったまま、そっぽを向く。
「どうしたの、梨花ちゃん?」
 赤坂がいぶかる。
「私、もう来年には高校生よ」
「……何か気に障ったかな?」
 私は赤坂の顔を見上げた。
「別に……赤坂のせいじゃないけど……」
 そう。赤坂のせいではなく、私が勝手にむくれているだけだ。
 頭に乗せられた赤坂の手。
 彼に触れられるのは心地よいし、少しでも長く触れられていたいと思う。けれども、幼
子にするかのように頭を撫でられると、少し悲しくなってしまう。
 何年たってもお子様扱い。もう「にぱー」だとか「みー」だとか、あえて稚気を装った
言葉を口にしなくてもいいくらいに背も伸びたし、沙都子には敵わないが胸だってそれな
りに大きくなったのだから、一人の女性として見て欲しいと思う――そう思うのは、裏を
返せば、私が赤坂を一人の男性として意識しているからなのだが。
 そんなことを考えていると、
「ああ、そうか。ごめんね。そうだよね、もう気安く触れるのは良くないね」
 と、赤坂がまったく的外れなことを言い、私の頭から手をどけてしまう。触れるのが良
くないのではなく、触れ方が良くなくて私がむくれていることに、彼は気付いてくれない。
「あ……」
 赤坂の手の感触が去ってゆくのに未練を感じながらも、私は何も言うことが出来ず、再
び視線をそらしてしまった。
「本当にすまない」
 無駄なまでに誠実さを感じさせる口調で、彼は謝罪する。
「じゃあ、もう行くよ。またね」
 そう言って赤坂は、背を向けて歩き始めてしまった。彼の背中を見た途端、激しい後悔
が私を苛む。何か大切なものにひびが入ってしまったような、そんな気がした。
 
 違うのに……。そうじゃないのに……。
 
 遠くなってゆく背中を見ながら、私は胸の中でそう言い続けた。
626ベルンカステルの背理 ◆e91VJLqnD. :2007/10/23(火) 18:14:29 ID:yezlBim/

 赤坂と気まずい別れ方をした綿流しの日から、一年が経った。
 
 綿流し前日の深夜。
 
 私は布団の中で、自分の身体を慰めていた。
 シャツをたくし上げ、露になった胸の先端を左手で転がしたり軽く摘んだりする。下着ま
で脱いで、遮る物が何一つなくなった陰部を右手が弄る。
 全身は汗ばみ、息が荒くなっている。時折、足が生まれたての子鹿のようにガクガクと震
えてしまう。
「ああ…っ!」
 不意に大きく喘いでしまう。右手の人差し指が、あずきのように膨らんだ突起へ触れたか
らだ。すでに内股にまで愛液が滴っている。ひょっとしたら、シーツにも染みを作っている
かも知れない。
「……っ」
 私は、中指をおずおずと自身の中へと忍び込ませた。少し進入させた所で一旦指を止め、
指先をかすかに動かし、指の腹で軽く押すように天井を刺激する。
「あ……う……」
 段々と中指の動きに遠慮がなくなってくる。さっきまで慎ましく、軽く押すような動きを
していた指は、いつの間にか、くじるような恥知らずな動きをしている。すでに左手も乳首
を弄うのを止め、股間へと伸びて来て陰核を撫で回していた。
 中指が動くたび、納豆をかき混ぜるような音がしてしまい、羞恥で頬や耳が熱くなってし
まう。でも、指を止めることが出来ない。恥ずかしいと思うのと反比例するかのように、た
だただ指はその動きを速め、荒げてゆく。 
 段々と身体の芯が痺れたような感覚に見舞われる。幼子がイヤイヤをするように頭を振って
しまう。放っておくと叫びそうになってしまうので、シーツを噛んで声を抑えた。それでも唇
の端から、声が漏れ出てしまう。
627ベルンカステルの背理 ◆e91VJLqnD. :2007/10/23(火) 18:15:26 ID:yezlBim/


「ぁ……か……さか」
 
 あかさか――赤坂。
 漏れ出る声は、その名を呼んでいる。ことの始めから、頭の中には赤坂がいた。
 彼が、私の身体へ快感を与えてゆくというふしだらな光景。この身勝手な光景を、私は今ま
でに何度もリピートした。そして、同じ数だけ自慰に耽ってしまっている。
「……っ!」
 やがて、終わりが訪れる。身体の節々に力が入る。全身が小刻みに震える。赤坂のこと以外、
何も考えられなくなってしまう……。
 月明かりの薄暗い部屋の中、しかも目を閉じているはずなのに、眩しいような不可思議な感
覚と、身体の中心から波紋のように広がってゆく甘くてむず痒いような刺激に、全身が翻弄さ
れる。
 ややあって、身体の力が抜けた。同時に、倦怠感と空虚感、そして罪悪感のようなものが全
身を覆い始めた。いつものことだと思いながらも、這い上がるようにやって来るやるせなさに、
心が慣れることはない。
 身体を仰向けたまま、頭だけを窓へ向けた。
 銀色に光る月が、暗い空に浮かんでいる。
 その月を見ているうちに、何とも言えない淋しさが胸に満ちてくる。
 赤坂を……想う。表情や仕草、優しげな眼差しや声は、造作もなく脳裏に思い浮かべること
ができる。だが同時に、その仕草や声が、私一人のものには決してならないという現実が目の
前に立ちはだかる。
 彼には、雪絵という愛する妻がいる。実際に会ったことはないが、一度だけ赤坂に写真を見
せてもらったことがある。美しくて優しそうで、なおかつ聡明そうな女性に見えた。彼の惚気っ
ぷりからしても、二人の間には入り込む隙間などないように感じた。
 考えてみれば皮肉なものだ。かつて私は、雪絵に迫る危険を赤坂に教え、それにより雪絵は
命を落とさずにすんだ。
 もしも……もしも私が黙っていれば、雪絵はこの世におらず、赤坂は一人になっていたはず
なのだ。そうなったら私が――思考が奇妙に捩れてゆく。
 そこまで考えて、大きなため息をついた。
 この「もしも」はそもそも成立しようがない。
 なぜなら、雪絵が死んでしまっていたら、今日の私が存在しえないからだ。昭和58年6月
の迷宮を抜け出し、赤坂に想いを寄せる今の私が存在できるのは、雪絵が生きているからこそ
である。
 だが、その雪絵の存在が、今の私を苦しめる。
 私が脳内で赤坂にされたことを、いやそれ以上のことを雪絵は現実の中でしてもらっている
に決まっている。相思相愛の成熟した男女、ましてや夫婦なのだから、そんなことは自明の理
だと理解はしている。理解はしているが、胸が詰まるような感覚をなだめることが出来ない。
 
 気が付けば、眦から熱い雫がこぼれ、頬を濡らしていた。
 
 最近、こんなことばかり繰り返している。赤坂を想い、自慰に耽り、雪絵に対して不穏な気
持ちを抱き、最後に枕を涙で濡らす。まるで昭和58年の6月に捕らえられていた時のように、
何度も同じことを繰り返している。
 どうしたらいいのか、私には分からない。分からないままに流されては、不埒な快感に溺れ、
淋しさを消そうとあがき、そして結局それは成功しなくて、最後は涙で締めくくる羽目になっ
てしまう。
 胸が締め付けられる。
 また、涙がこぼれ出る。
 赤坂……会いたい……。
 声にならない声で私は言い、そっと涙を指で拭った。
628ベルンカステルの背理 ◆e91VJLqnD. :2007/10/23(火) 18:16:04 ID:yezlBim/
 

 綿流し当日。
 
 昨夜の不埒な夜更かしのせいで、私は少し寝坊してしまった。のろのろと布団から出て顔を洗
うと鏡台の前に座り、化粧を始める。余り濃くならないように注意する。
 最後に鏡台の引き出しの中から、紅皿を取り出した。蓋を開けて小指に紅をつけて唇へ塗る。別
にリップタイプの口紅でも構わないのだが、何となく演舞をする日だけはこの方法で口紅をつける
ことにしている。
 化粧を済ませると、巫女の装束に着替えた。そして髪を丁寧に梳かし、赤と白の組紐と紫色の金襴
で飾り付けられた絵元結(えもとゆい)という髪留めで髪を一つに結わく。
 身支度を終えると、私は大きなため息をついた。
 もうじき、赤坂がやってくる。
 一年振りの再会――でも、どんな顔で会えばいいのか分からない。何を話せばいいのかもよく分か
らない。そもそも、私は一体どうしたいのだろう――それが一番分からない。
 もやもやとした気分のまま家を出て、古手神社の境内へ入った。すでに境内は多くの人で賑わって
いたが、私は何となく祭りを楽しむ気になれなかったので、そのまま村を一望出来る高台まで抜ける
ことにした。あの景色を見れば、このもやもやとした気分も少しは晴れるかも知れない。

 だが、私のそんな期待はあえなく打ち砕かれることになった。

 高台には、先客がいた。
 一組の男女が、村を見下ろしていた。
 女の方はアンバーのワンピースを着ている。髪は肩口の辺りまで伸ばされており、全体的にすらり
とした身体つきで、後姿からでも美人であることが十分に伺える。
 女は隣に立つ男の左腕に、自分の右腕を絡ませていた。
 隣の男は、ベージュのカジュアルジャケットにカーキ色のパンツという格好だった。ふと男が、女
の方へ顔を向けたので、横顔が見えた。その男が誰であるかを判別するのには、横顔だけでも十分だった。
 
 赤坂、だ。

629ベルンカステルの背理 ◆e91VJLqnD. :2007/10/23(火) 18:17:02 ID:yezlBim/

 私の鼓動が、不自然な程に速くなる。一年ぶりの再会。ずっと会いたかった人が、近くにいる。
 けれども……私は心の水面に細波が立つのを覚える。
 その腕にくっついている女は……?
 その疑問に答えるかのように、女が顔を赤坂の方へ向け、私に横顔を見せる。こちらも横顔だけで
分かった――赤坂の妻、雪絵だった。
 考えれば、いや考えなくても分かることだったはずだったのに。赤坂に妻がいるという現実を受け入
れたくない私の頭の中は、その存在を認めたがらなかったのだ。
 雪絵が軽く頤をあげ、目を閉じる――接吻を、ねだっている。
 赤坂は少々戸惑っていたようだが、ややあってゆっくりと顔を近付けた。二人の唇が触れ合う。
 
 私の見ている前で。
 
 心の何処か深い所で、亀裂の入るような音を聞いた。
 
 その時、私の足元で、ざっ、という音がした。無意識の内に私は、地面を蹴っていたらしい。その音に
赤坂が気付き、慌てて顔を離してこちらを向いた。
 赤坂は私の顔を見て驚いたような顔をしていたが、雪絵の方は、私に見られたことなどまったく意に介
していないように泰然自若としており、あまつさえ笑みすら浮かべていた。見られているのを知っていた
かも知れない、と感じるほど雪絵は堂々としていた。
 私は軽く睨むように雪絵の顔を見た――正妻の余裕? それとも赤坂の心の手綱を、完全に握っている
という自負心の表れ? でもね、貴女は知っているかしら。長年愛用しているワイングラスでも、割れる
危うさを常に秘めているものなのよ。
630ベルンカステルの背理 ◆e91VJLqnD. :2007/10/23(火) 18:17:50 ID:yezlBim/

「やあ、久しぶりだね」
 赤坂の声は何処かうわずっているように聞こえた。
「紹介するよ。妻の――」
「妻の雪絵です」
 赤坂の言葉を遮るかのように雪絵が言った。妻、という部分に殊更に力を入れたように、私には感じら
れた。
「あなたが、梨花ちゃん――古手梨花ちゃんね。とても綺麗だわ」
「いえ……雪絵さんの方こそ、とても綺麗です」
 私は『奥さんの方こそ』とは言わず、あえて『雪絵さんの方こそ』で通した。私の口からは意地でも奥
さんなどとは言いたくなかった。
「あら、お上手」
 雪絵がにっこりと笑う。そして、聞いてもいないのに、
「娘を私の両親に預けて来たんですよ。衛さんと二人きりで旅行なんて、新婚旅行以来かしら」
 などと、私の神経を逆撫でするようなことをのたまう。
「一度、見てみたいと思ってたの」
「雛見沢を、ですか?」
「いえ。あなたのことを」
 雪絵の目が、半ばまで閉じられたようになる。
 瞬間、雪絵の周囲の温度が、氷点下まで下がったように感じた。
「衛さんってば、毎年毎年雛見沢に来ているでしょう? そして、帰ってくる度にあなたの話をするの」
「お、おい雪絵……」
 それまで地蔵のように黙り込んでいた赤坂が、及び腰ながらようやく口を開いた。だが、雪絵が半分
閉じたような目で一瞥をくれると、再び地蔵になってしまった。
「やれ梨花ちゃんの演舞が素敵だの、やれ巫女の衣装が似合ってるだの……聞いてないのに、自分から
話すのよ」
「妬いているのかしら?」
 私は鼻で笑うように言って見せた。しかし、そんなことで逆上するような雪絵ではなかった。逆に、
「まさか。自分で言うのもおこがましいけれど……私、寛容ですから」
 と言って、にっこりと花のように微笑んで見せた。しかし、私はその笑みに、おぞましさと得体の知れ
ない不気味さしか感じない。
「衛さん」
 私の方を見据えたまま、雪絵が赤坂に声を掛ける。 
「な、なんだい?」
 いきなり名を呼ばれ、まるで富竹のように赤坂が狼狽する。
「二人とも久しぶりの再会だから、積もる話しもあるでしょう。私は先にお祭りへ行ってますから、
せいぜい旧交でも暖めて下さいな」
「え? あ、ああ……」
「……私と赤坂、二人きりにしていいの?」
 私が問うと、雪絵は先刻と同様に微笑んだ。
「私、寛容ですから。でも20分後には、私の所へ来てくださいね」
 と赤坂に向かって静かに言うと、雪絵は境内の方へと行ってしまった。来てくださいね、と表面上
こそ穏やかなお願いの言葉だが、これは明らかに命令だった。
 ……寛容、ね。とてもそうは見えないけれど。
 後には呆然とした様子の赤坂と、胸中穏やかならぬ私が残された。
631ベルンカステルの背理 ◆e91VJLqnD. :2007/10/23(火) 18:19:00 ID:yezlBim/

「何で黙ってばかりなのよ。徹甲弾って仇名は、羽を生やして何処かへ逃げてしまった?」
 雪絵の姿が見えなくなると、私は軽く赤坂を睨んでそう言った。
「まあ……勘弁してくれないかな」
 赤坂が苦笑して、私を見る。
「雪絵さん、疑ってるわよ。赤坂のこと」
「……そうみたいだね。何処をどうしたら、そういう勘ぐりがでてくるんだろうか」
 赤坂は首を捻り、私はため息をついた――まったく男という生き物は。鈍感でいることに美徳でも感じ
ているのだろうか。呆れてしまうくらいに女心に疎い。昔の圭一の姿が浮かぶ。
「疑われるだけの条件は揃っているわ。足繁く雛見沢に通って、聞かれてもいないのに他の女の話しばかりする」
「あ……」
 赤坂が虚をつかれたような顔になる。
「でもそれだけじゃないわね、多分。何かもう一押しあったはず。去年帰ってからも、雪絵さんに私の話をした?」
「した……ね。ああ、そうだ。梨花ちゃんは覚えているかい? 去年、私が帰る時のやり取りを」
「……ええ。覚えているわ」
 忘れる訳がない。
「頭を撫でたら『もう来年には高校生だ』と言われて、梨花ちゃんがご機嫌斜めになった話をした」
「それから?」
「でも『赤坂のせいじゃない』とも言われた、ということも雪絵に話した」
「……それよ」
 私はため息をついた――まったく女という生き物は。鈍感であることに嫌悪でも感じているかのように
やたらと鋭い。昔のレナの姿が思い出される。
 雪絵は、赤坂のほんの少しの言葉の中から、私が女として、赤坂を意識していることを見抜いたのだ。
いや、見抜いたというより、直感的に感じ取ったのだろう。更に私が高校生になったのを知って、危機感
を募らせた。高校生ともなれば、精神的にはさておき、肉体的には成人した女とさほど差はない――いや、
差がない所か、肉体的に若い女の方が有利とも言える。
 男は若い女の方が好き――とういうのが世間一般の共通認識だからだ。
 そういう訳で、今回初めて赤坂について来たのだろう。
632ベルンカステルの背理 ◆e91VJLqnD. :2007/10/23(火) 18:20:40 ID:yezlBim/

「一体、どういうことなんだい?」
「雪絵さんに悟られたわ……私が赤坂を好きだってことを」
 思わず自分の気持ちを打ち明けてしまう。
「私も梨花ちゃんのことが好きだよ」
 そう言って爽やかに赤坂が微笑むが、明らかに彼は、私が言う『好き』の意味をずれた形で受け止めて
いる。赤坂の鈍さに腹が立ってくる。
「赤坂は……分かってない」
「どういうことだい?」
 赤坂が不思議そうな顔をする。私はイライラしてきた。鈍いにも程がある。何故、ここまできて分から
ないのだろうか。私が女としての好意を赤坂に抱いている、というのは雪絵の言動や話しの流れからして
容易に推察できるだろうに。
 赤坂はまだ合点がいかない、という顔をしている。
 そんな赤坂の顔を見ている内に、私の中で様々な想いが交錯し、ぶつかり合って、とうとう大きく爆ぜた。
「いい加減、気がついてよ!」
 私は大きく叫び、赤坂の胸にすがりついていた。
 もう、止まらなかった。堰を切ったように言葉が溢れ出してしまう。
「私は、貴方のことが好きなの! 一人の女として、貴方のことが好きなの! ずっと貴方を想ってた!
会えなくて淋しかった! 会いたかった! もう子供じゃない! 貴方を想って自分の身体を慰めもした!」    
 かなり恥ずかしいことまでぶちまけて、赤坂の顔を見上げる。涙で彼の顔の輪郭が滲む。
「梨花ちゃん……何を馬鹿な……」
 赤坂が呆然としている。
「馬鹿だって知ってる、分かってる! 赤坂には雪絵さんがいるもの。でも、でも……それでも私は……!」
 赤坂の両手が、私の両肩に静かに置かれた。触れられた部分から、全身に暖かいものが広がってゆく。膝が
がくがくと震える。
「……! あ、あぅ。う、うそ……」
 私は立っていられなくなって、赤坂に身を預けた。頬が熱くなり、呼吸と胸の鼓動が速くなってしまう。
「そ、そんな……」
 今、自分の身に起こっていることが、信じられなかった。
 軽くではあるが、オーガズムを迎えていた。肩に手を置かれているだけなのに……。
「あ、ああ……」
「ど、どうしたんだ! 梨花ちゃん!」
 赤坂の慌てた声が、ぼんやりと聞こえる。
「大丈夫か!? しっかりして」
「……平気よ。ちょっと、イっちゃっただけ」
 私は苦笑しながら、小声でそう言った。こんな時に、私ときたら――それだけ赤坂を求めていたということな
のか。肩に、しかも布越しに触れられているだけでこんなになってしまうのなら、直接触れられたら、一体どう
なってしまうのだろう。想像しただけで頭の芯が痺れてくる……。

「いやらしい雌猫」

 突然、氷刃を思わせる声が聞こえ、私の不埒な想像を断ち切る。まったく気がつかなかったが、いつの間にか
雪絵がすぐ傍らに来ていたのだ。寛容だとか何とか言いながら、実は隠れて見ていたに違いない。
 怒りを湛えた雪絵の顔は、般若の面を思わせた。そして、その般若が両手を伸ばし、私の首に手を掛け、華奢
な腕からは想像も出来ないような力で締め上げる。
「イったですって!? 人の夫を自慰の道具に使うなぁぁぁぁぁぁ!」
 造作の整った顔を嫉妬で歪め、敵意剥き出しの声で雪絵が叫ぶ。
「ぐ……」
 意識が遠くなる。雪絵やめるんだ、と言う赤坂の声が遠くに聞こえ、身体が左右に振られる。必死に雪絵の手
を解こうとするが、万力のように私の首を締める手はびくともしない。
 ややあって私は、意識を失った――意識が飛ぶ寸前、雪絵の死んだような目と、何故か雪絵の背後で何かを言っ
ている羽入の姿が見えた。


633ベルンカステルの背理 ◆e91VJLqnD. :2007/10/23(火) 18:25:07 ID:yezlBim/

 目が覚めると、ベッドの上だった。身を起こして辺りを見回すと、見覚えのある風景だった。どうやらここは入江診療所らしい。
 首がひりひりとする。きっと雪絵に締め上げられたせいだろう。手を当てると包帯の感触がした。どうやら首に包帯が巻かれ
ているらしい。私は首を軽く擦りながら、ベッドの端に腰を掛けた。
 ドアの開く音がした。視線を巡らせると、入江と赤坂が部屋に入ってくるところだった。赤坂は私を見ると、足早に近づいてきた。
「梨花ちゃん、大丈夫かい?」
 心配そうな顔で赤坂が聞いてくる。
「何とか、ね……。ところで雪絵さんは?」
 私のその言葉に、赤坂が顔を曇らせる。
「今は別の部屋で眠っていますよ」
 答え難そうな様子の赤坂の代わりに、入江が答えた。
「そう……。あの後一体どうなったの?」
「……どうやっても雪絵は手を離さなかった。仕方なく、首に当身を入れて失神させた」
 赤坂の顔に苦悩と後悔が滲む。いかに私を助けるためとは言え、雪絵に手を上げたことを心底悔やんでいるのだろう。
「すごい力だったわ。それにあの表情……」
 意識を失う直前に目にした光景が、頭の中に浮かぶ。雪絵の恐ろしく歪んだ顔に、死んだような目。そして何故か羽入の姿。
ここのところ、滅多に私の前に現れなくなった羽入が、何故いきなり出てくる?
「あれ……?」
 何かが引っ掛かる。私は慌てて記憶を巻き戻す。羽入のところ、だ。 私が気を失う寸前、羽入は何か言葉を発していたが、
私には聞こえなかった。ただ、唇の動きは覚えている。私はそれを自分の唇で再現してみた。

 ご…めん……な……さい。ごめ……なさ……い。ごめんなさい。

 口に出して、私はぞっとした。まさか……!
「入江……まさか雪絵さん……雛見沢症候群が発症……したの?」
 入江がなぜ分かったのか、という顔をして私を見た。
「赤坂さんから、雪絵さんの様子を聞きまして、念のためと思い検査をしてみました。ただL3とL4の中間くらい
です。ワクチンの投与を続ければ、何とかなります」
 何とかなる、と入江は言うが、雪絵がその身に爆弾を抱えてしまったことには変わりはない。
「そんな……どうして? 雪絵さんは今日初めて雛見沢に来たのでしょう?」
「私のせいだ……」
 赤坂が苦しそうに言った。
「迂闊だった。私は頻繁に雛見沢に来ていたから……。私から雪絵に感染したんだ」
「ですが、感染しただけですぐに発症する訳ではありませんよ」
 入江が合点がいかないという顔をする。
「精神的に不安定な状態、まあ一番良くないのは疑心暗鬼に陥ることなのですが……そういった状態にならないと
おいそれと発症するものではありません」
「それも、私のせいだ」
 赤坂のその言葉に、私は、はっとした。
「私は毎年、この時期になると雪絵が疑心暗鬼になってしまうようなストレスを与えていた」
「え? それはどういう――」
「入江。お願いだから、それは聞かないで」
 思わず私の声が尖ってしまう。
「は、はあ……」
 入江が口をつぐむ。
 私はベッドから降りた。壁にかけてある時計に目をやる。もうじき演舞が始まる時間だ。
 ――私が赤坂に近づこうとすればするほど、彼は遠ざかってゆく。赤坂を強く想えば想うほど、傍にいられなく
なる。この背理に、私はなす術を持たない。無理に近寄れば、雪絵が壊れてしまう。そうなれば、赤坂も……。
 赤坂が大事だというのなら、彼を悲しみの底へ沈めるようなことだけは、絶対にしてはならない。
「赤坂……」
「何だい、梨花ちゃん?」
「演舞を見て欲しい」
「……」
 赤坂が困った顔をしている。雪絵を一人にしたくないのだろう。当然のことだ――でも、それでも私はあえて言う。
「最後の……お願い」
 声が震えるのが分かる。
「……分かった」
 ややあって、そう短く赤坂が答えた。
634ベルンカステルの背理 ◆e91VJLqnD. :2007/10/23(火) 18:25:54 ID:yezlBim/

 私はこの年の演舞を、きっと死ぬまで忘れることはないだろう。何年もこの演舞を行ってきたが、こんなにも
心の中が澄み切り、集中していたことは過去にない。
  
 赤坂の記憶に焼き付けるためだけに、舞う。
 
 きっと、もう会えないから。
 
 せめて、記憶の片隅にだけでも、私を置いて欲しいから。
 
 雪絵の症状をこれ以上酷くさせないためには――。
 赤坂は二度と雛見沢に来てはならない。
 古手梨花のことを口にしてもいけない。
 古手梨花の影を感じさせてはならない。
 雪絵にとって、雛見沢という土地と、私の存在は災厄でしかない。
 
 今日を境に、私と雛見沢は生まれ変わらなければならない。
 
 赤坂にとって、私と雛見沢は、触れてはならない禁忌へと生まれ変わらなければならない……。
 
 演舞が、静かに終わった。
 
 
 


 演舞が終わり、綿流しが始まる。
 自分の罪を綿にのせ、川に流して許しを請う儀式。
 私と赤坂は河原に立ち、村の人々が綿を次々に流してゆくのを眺めていた。
 私と赤坂は、綿を手に持つことはしなかった。許しは得られても、罪がなくなる訳ではない。
「ここで、さよなら……しましょう」
 川面を流れてゆく綿の群れを見ながら、私は告げた。
「私が言えたことではないけれど……奥さんを、どうかお大事に……」
「……うん」
 どんな表情で赤坂が返事をしたか、私はあえて見なかった。今、顔を見たら、決意が挫けてしまうに違い
なかった。
 赤坂が背を向け、歩き出す。私は振り向いて、赤坂の背中を見つめた。
 ゆっくりと、赤坂の背中が遠くなってゆく。
 追いかけて、すがり付いて、その歩みを止めてしまいたい。
 でも、それは許されないこと。
 それは、私にだけ許されないこと……。
 やがて、赤坂の背中が暗闇の中へ消えてゆく。
 頬を、熱を帯びた雫が滑り降りた。

 さようなら。

 声にならない声で、私は呟いた。



 −了ー
635 ◆e91VJLqnD. :2007/10/23(火) 18:28:45 ID:yezlBim/

以上で「ベルンカステルの背理」終了です。失礼しました〜。
636名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 20:26:07 ID:E29fm1G4
>>635
不覚にも泣いた
いい作品をありがとう
637名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 22:32:08 ID:kbMt49Ju
梨花ちゃまああ!!(T T)
うおお、切ねえぜ。だがGJ
638名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 23:19:42 ID:lj+ULp61
GJ
いい話だな
639名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 14:16:35 ID:kMAPM7b0
惨劇を超えても悲しい現実が待っているのか・・・
640名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 23:55:19 ID:uIL+F4SO
成長した圭梨もの投下してみる。

前からエロは書いてみたかったけど

こんなに難しいとは思わなかったんだぜ(´・ω・`)
641640:2007/10/25(木) 00:04:07 ID:uIL+F4SO
 

梨花ちゃんを押し倒したのは無意識だった。
「えーと、圭一?」 
「いや、これはだな……」
 梨花ちゃんの長い黒髪が畳に触れる面積を増やしている。胸の前を両腕で隠
すようにして俺を見上げている様子は、無意識のままこの体勢にさせてしまっ
た俺にこの先を躊躇させる。
 いや、何を考えてるんだ俺は。
 そもそもなんでこんなことになったんだ。
 思い返してみる。
 久々に会えて嬉しかった。梨花ちゃんの作ってくれた夕食は絶品だった。寄
り添い、梨花ちゃんは高校生活、俺は大学生活をお互いに話しながら時間を過
ごした。そして、ふと会話が途切れたとき、キスをした。
 唇の感触は未だ残っている。梨花ちゃんの柔らかさと、熱さ。
 俺は一瞬何も考えられなくなった。
 気がつくと、この体勢。
「……圭一。何か言いたいことはあるかしら?」
 睨みつけられていた。声色も一段と低くなっていた。
 いつもの如く梨花ちゃんの腹黒変化(彼女に対して使う言葉ではないかもし
れないが)。ならば俺も痛い目(主に精神)を見る前に撤退するべきであって
、これまでもそうしてきたのだが、畳についた手は接着剤でもついているかの
ように離れない。
 背に嫌な汗を流しつつ、沈黙が状況を改善できるはずもないと思い俺は口を
開いた。
「あー、あのさ、俺たち久々に会ったよな」
「そうね。圭一がお金がないとか言って帰郷を遅らせてなかったらもっと早く会えたわ」
「…………」
 ……負けねぇぞ。何にかはよく分かっていなかったが。
「それは謝るよ。悪かった」
「許してあげなくもあるわ」
「…………」
 ……どうすればいい。

642640:2007/10/25(木) 00:06:31 ID:uIL+F4SO
 
 
 俺は今下で仰向けになっている梨花ちゃんをまじまじと見た。
 振り乱された漆黒の髪。電灯の無機質な明かりがその黒髪に反射されたとき
だけとても美しく輝いて見える。緑色のワンピースは年を重ねるごとに大人び
る梨花ちゃんの子どもからのお気に入りの洋服だ。サイズが合わなくなるたび
買いに出たり、作ったりしているらしい。出会ったとき以来、俺の記憶にはこ
のワンピースが存在し、何というか、いけない妄想をしてしまう。こう、胸も
腰もすっかり女性らしく成長した梨花ちゃんの、小悪魔的な笑みと無邪気な笑
みが頭を巡って……。
「梨花ちゃん……」
 いつの間にか口に出していた。
「…………」
 梨花ちゃんは何も言わない。まっすぐに俺を見ている。
 肩紐が腕の方へと寄っているのに今頃気づいた。そうして目に付いたのはブ
ラジャーの紐。透き通るように白い肌が鎖骨のふくらみにおいてより一層の滑
らかさを。胸元から下は俺の影で隠れており、視線をそちらに移すのをやめた
。代わりに、首筋を辿り再び目を合わせる。
 自分が何をしたいのか理解できてきた。
「梨花ちゃんて十六歳だよな?」
「そうだけど?」
「実は俺は二十歳だったりする。」
「? そんなの知ってるわよ」
「ああ、そこで導きだしたい結論がある」
「なによ」
「俺たちはお互いに結婚できる年齢だってことだ」
「……は?」
 ……は? 俺は何を言ってるんだ?
「……もう一回言ってもらっていい? 圭一」
「いやっ…そのっ…ああっと……っと」
 俺が軽いパニックを起こしてもごもごしていると、
「圭一、お願い」
 と梨花ちゃんが縋ってきた。シャツが引っ張られる。
 顔を見た瞬間自分を殴り倒したくなった。言い換えると、覚悟が決まった。
「梨花ちゃんと結婚したい。一緒になりたい」
 ……言った。言ってしまった。
 って指輪も何もなく何を言ってんだ俺はぁっ! 男としてどうなんだこれはっ!
 しかし常日頃考えていたことでもあるから本心であることに変わりはないのだが……。
 というかちょっと待てよ。断られたら俺はどうすればいいんだ。今更ながら
不安になってきた。心臓がばくばく鳴っていて息苦しい。雛見沢の夏夜は涼し
いはずなのにこの汗のかきようはどういうことだよ俺前原圭一。
 そんなことを考えていると、首に手が回されて重みが加わる。
「うおっ」
 梨花ちゃんが抱きついていた。しかしすぐに手を離しばたんと畳みに倒れる。
 そして。
「はいっ」
 と涙を目の端に浮かべながら返事をしてくれた。俺はその笑顔をきっと生涯忘れない。
 心を奪われた。同時に、理性も。
 震える声で梨花ちゃんに言う。
「して……いいか」
 顎に軽く手を添えられ、同じく添えるようなキスをされる。
「圭一の、したいように」
 梨花ちゃんは幸せそうな顔でそう言った。
 
 俺は梨花ちゃんに覆い被さった。

643640:2007/10/25(木) 00:11:34 ID:L0MUtHK8
 

 唇とその奥を執拗にに嘗め回しつつ、梨花ちゃんの首と畳みの間に腕を通し
首筋と耳を指でなぞる。感じるのか、時折びくっと跳ねるのが唇越しに伝わっ
てきた。
「ん…んん……はぁっ……は…あっ……けい、んむっ」
 息苦しさは快感を増長させてくれた。俺は唇を離そうとする暇を与えず貪り
続ける。梨花ちゃんの口内の粘膜が舌にまとわりついて熱かった。そして甘い。
たまにすくった涙を間に紛れ込ませてはさらに水音を梨花ちゃんの家に響かせていく。
 初めはきつく抱きついていたがだんだんと重力に従うように倒れていき、完
全に体重を畳みに預けてからは俺が梨花ちゃんの首を手で支え、ディープキス
を繰り返していた。年下のはずなのにいつもからかわれる俺。そんな関係は心
地よく楽しい日々だった。気に入っていた。けれど、たまには俺だって梨花ち
ゃんを掌の上で転がしてみたいんだ。両の手で包み込めそうなほど細い首は俺
に梨花ちゃんへの征服欲を強めさせていく。
 梨花ちゃんの足がもぞもぞと動いているのを俺の下半身が感じ取ったとき、キスは終わった。
「はあっはあっ、はあっ……」
 脳がしびれる感覚。張り裂けんばかりに膨張したそれは梨花ちゃんの膝がかすかに
触れただけで大きく跳ね上がり、行き場を求めていることを俺に激しく主張する。
 しかし。もう少し我慢してくれよ。
「……は…あ…あ……あ…は……は」
 焦点が合っていない目を俺に向けてくる。息も絶え絶えにかすかに笑っている。
「け、いいち……はげ…し…い……あは…」
 俺にはその様がひどく妖艶に見えて、また唇を重ね合わせたい衝動に駆られ
たのだが、今は次の行為へと進みたかった。けれど頬を伝う唾液だけは舐めて梨花ちゃんの口に戻した。
「服脱がすぞ」
「うん……」 
 思い切り破ってしまいたかったがそれは我慢する。梨花ちゃんのお気に入り
だし、そもそも俺のお気に入りでもあるからだ。裾を上へとずらしていく。ふと
手が止まる。梨花ちゃんの中心部、一番大事なところに目がいき思わず息を呑んだ。
 濡れている。白いパンツに大きな染みができている。
 お腹のあたりでワンピースを脱がすのを止めて、パンツ越しに指を這わせた。
 くちゅ……。
「ひあっ!?」
 梨花ちゃんが即座に反応する。その反応で俺はやめられなくなった。
 水音が耳奥で響いていたキスのときと違って、今度はその音が纏わりつく。
粘りをもって指に絡みつく様子と同じように。おそらく今の俺の目もそうなっ
ているだろう。梨花ちゃんの秘部へと。
「あ、ひっ、ひぅっ…うぅんっ!」
 撫ぜるたびにいやらしい声を出す。そんな梨花ちゃんの様子を窺うと、自分
でワンピースの下の胸を弄んでいるようだった。俺が見ていることに気づいたら
即座に目をそらして手を止める。
「胸も触ってほしいのか?」
「……いちいち、聞かないで……」
 今度はワンピースを完全に脱がし、ブラジャーのホックを外す。乳房全体を、
梨花ちゃんの腕が俺の視界から遮っていたがそっとどかして掌で揉みしだく。
握力を加えるたびに適度な弾力をもって手に柔らかい感触を返してくる。これ
またやみつきになりそうな触り心地だった。
「ふぅ、んぅ……あっ」
 喘ぎ声もしばらくは耳から離れないだろう。
 ……俺、自分を抑えきれるだろうか。大事にしないといけない。
「梨花ちゃん、愛してるからな」
 そしてまたとんでもないことを言ってしまっていた。
「……嬉しい。私も、愛してる、圭一……」
 全然問題なかった。よかった……。

644640:2007/10/25(木) 00:22:12 ID:L0MUtHK8


 すでにかたくなっていた乳首を舌の上で転がした。ピンク色の乳輪をぐるり
と舌先で何度もなぞり乳頭へと近づけていく。
「ああぁっ」
 乳頭のぎりぎりまで達してから乳首を口の奥まで含み、乳房全体に重みを加える。頬に当たる柔肌がとても気持ちいい。
そうして思い切り吸い上げる。そ の間もう一方の胸の乳首を休むことなく指で弾き続けていた。時々つまんだり。
「ひぁあっ!」
 本当にかわいい声を出す。頬はすっかり上気しており涙も流れるまま。俺が手を休めるたびに確認する梨花ちゃ
んの表情は常に恍惚としたものであり、間違いなく快感に溺れていた。
 病み付きになっているのではないだろうかという俺の思いつきは、
「圭一……もっと」
 という梨花ちゃんの言葉によって裏づけを得ることになる。
「ああ」
 病み付きになっているのは俺も同じだった。
 濡れて、通常の何倍にも重みを持ったパンツを脱がす。薄い恥毛と秘唇が露になった。 かすかにひくついたよう
に見えたのは空気に直に触れたからか、あるいは恥ずかしさからか……。
「あんまり見ないで……」
 後者のようだった。赤くした顔を下に向けて俺と目をあわそうとしない。
 梨花ちゃんの秘唇はさっき撫で回したせいか軽く開きかけている。奥から きらきら光る液体が漏れてくる
のを見て、これならもう挿入しても問題はないかと思ったが、処女だとイきにくいという話を聞いたことが
あったため愛撫をもう少し続けることにした。 ……しかしそんな俺に抗議するかのように息子ががまん汁を出した。
 一際強く梨花ちゃんの匂いがする。 濃艶さの立ち込めるその一帯にふーっと息を吹きかけた。
「んっ!」
 大陰唇に親指を添えて左右に押し広げる。
「梨花ちゃんのここ、綺麗だな……」
「……っ」
 小さく開いた膣口が目に入って俺はふと思った。こんな小さなところに入るのだろうか。
 指一本は入るが……。ぬちゅ…となんともいえずエッチな音がした。
「ああんっ!?」
 以前怪我したときに、梨花ちゃんに指を舐められたことがあったっけ。それよりも熱く、指先自体が熱を放って
いるかのように感じられる。そのせいか中 の襞を擦るスピードも早くなっていった。最終的にはかき回すと表現したほうが
いい行為にまでなり、梨花ちゃんの嬌声はこれまでになく激しいものへと変化していた。
「ああっ、は、ひゃあっ! ふぅっんっ、ぃひぁっ、ああんっ!」
 処女だとイきにくいと聞いたとき、ならばイかせるにはどうするのかと尋ねたところ、高い確率で女性がオーガズムを迎え
られるという場所を教えてもらった。
 止まらぬ喘ぎ声とだんだんと激しさを増していく呼吸のために揺れる双丘に 意識を向けつつ、俺は包皮から覗く小さな豆、
陰核を口に含み乳首と同じよう に舌先で転がした。
「―――っ!!」
 指が膣壁に圧迫される。梨花ちゃんは身体を弓のように反らせて息を吸いな がら声を出そうとする。が、それは当然声に
なるはずもなく。一瞬遅れて至上 の快感に悦ぶ叫びを俺は聞いた。
「あぁあああーっ!」
 ……。
 手首までべっとりと濡れていた。俺の息も荒れている。 もう我慢できなかった。
 虚ろな目とそれに合わず笑みを浮かべている梨花ちゃんに跨る。
「け…い……い…ち」
 呟いた声はおそらく自然に漏れたものだったのだろう。 返事をすることもなく俺はいきり立ったペニスを膣口に押し当てた。
「くっ」
「あっ」
 俺のものは梨花ちゃんの熱さと柔らかさに触れただけで飛び跳ねた。
 双方でコミュニケーションがとれているかのように、ひくひくと動いていた。
「梨花ちゃん、挿れるからな……」
「え…ま、まって……」
「ごめん、もう待てない」
 一気に奥まで突いた。それで梨花ちゃんと一つになった。

645640:2007/10/25(木) 00:37:10 ID:L0MUtHK8
 
 
 全く未知であったものの快感と一つという認識が頭の中で混ざり合ってペニスはさらに膨張する。
絡みつく膣壁をカリで巻き込みながら思い切り引き抜いて、突き上げる。それを繰り返す。俺のものは
梨花ちゃんに優しく包み込まれているはずなのにめちゃくちゃに暴れたがる。この矛盾がまた快感とは別に
脳を刺激する。最強の矛と盾というより最愛の、というべきか。
 一番に愛する人とのセックスがこんなに幸せなものだとは思わなかった。
「ぐっあぁあっ!」
「け、いぃいひぃっ!」
 涙をぼろぼろ流しながら俺の肩をがりがりと爪で削っていく。獣のごとく腰を振り続けていた俺に
とってはそれすらも激しい快感となり、ついに最後の一線を越える。
「で、射精るっ!」
 このまま梨花ちゃんの中で果てたかったが子どもが出来たらまずい。欲しいのは欲しいのだがこれ
からのことを考えると、一時の快楽に完全に溺れることは、よくない。俺も梨花ちゃんもまだ学生なのだから。
一緒に居られるだけでいい、という考えは少し現実を甘く見すぎていやしないだろうか。
 そんな思考が頭を過ぎった。それが最後の理性だった。
「はっあっはああっ」
 精液を吐き出す。梨花ちゃんのおへそでそれはプールを作り、横腹から太ももの付け根へとゆっくり
流れ落ちていった。どれだけ出るんだというぐらいに射精は続いており、俺は、梨花ちゃんのことを
何度も呼びながら梨花ちゃんが俺の精子に汚されていく様を見ていた。
「はっ、はぁっ、はっ…」
 畳に頬を寝かせて呼吸を整えようとする梨花ちゃん。染みができていることから分かるように、
結構な量の唾液か涙かを流したのだろう。少し罪悪感が生まれた。かなりめちゃくちゃなことを
してしまったかもしれない。おまけにまだ収まってない。あれだけ出したにも関わらずだ。
「梨花ちゃん……」
 後頭部に手を滑らせ優しく起き上がらせる。そのままキスをした。先のように激しいものではなく、
これまでの快感の余韻に浸ってゆっくり、じっくりと。完全に力が抜けていたのか、最初は俺だけが
舌を動かしていたが、梨花ちゃんも徐々に舌を絡ませてきてくれた。
「ん……」
 顔を離すと繋がっていた唾液がその力を失くしたように落ちていった。
 梨花ちゃんがとても満足そうに笑っていた。
 ……いささかの小悪魔的な表情も含まれているような気がした。

646640:2007/10/25(木) 00:39:58 ID:L0MUtHK8


「ふふ」
「うあっ」
 情けない声は梨花ちゃんがぺニスの裏筋を撫でた行為による。
「今度は私の番……」
 そう言いながら今度は俺が倒されていく。弱々しくしおらしい表情で、狂ったように
俺に身を預けていた梨花ちゃんの姿はもうなくて。全く逆のお姉さんのような態度と
ふるまいで体勢を変えていった。
 ああ、下から見上げる裸の梨花ちゃんもいい……。
 いつもの二人の関係だった。
「なぁ、気持ちよかった?」
「もう狂いそうだったわ」
「狂ってたと思うけど」
「うるさいわね。私をものにできたからって自惚れないでよね」
 ばしばしと叩いてくる。
「そんなこと言われると自惚れる必要もないよな、ってああ! 気持ちいい!」
 見ると、梨花ちゃんがあそこを俺のものにこすり付けていた。
「ん、ふぅっ…まだ、こんなに硬い、じゃないっ、はぁ…」
「あ、ああ。ごめん」
「謝る必要なんて――あっ。な、ないわよ……。……ねぇ圭一、一つ聞いてもいい?」
 腰を動かすのを止めることなく尋ねてくる。俺は頷いた。
「圭一……エッチ、したかったから結婚、なんて言ったんじゃないわよね」
 それはそう思われても仕方なかった。だから俺はそれを否定する。
「違う。あれは常日頃から思っていた俺の本心だ。将来は梨花ちゃんと結婚したいと思ってたし、梨花ちゃん以外考えられなかった」
「うん」
 梨花ちゃんからのキス。
「でも、その。ごめんな。指輪とか何も用意できてなくて」
 よく考えなくてもかなり情けない男に違いなかった。
「ううん、嬉しかったわ。そういうのはこの先にまた……」
「ああ、約束する」
「ええ。それじゃあ」
「うぅっ!?」
 敏感な性器にまた刺激が与えられる。
「今はこの節操のないおちんちんを、鎮めることからしないとね……ふふ」
 ああ……卑猥な言葉を堂々と言う梨花ちゃん、いい!
 そう、ここからは梨花ちゃんのターン。
 

 ――ぬはぁ!


<了>

647640:2007/10/25(木) 00:42:57 ID:L0MUtHK8
 以上です。
 
 お目汚し失礼しました。
 
 あ、途中投稿の時間空いてすみませんでした。
648名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 00:43:36 ID:bCk7xKBQ
うおっ

リアルタイムGJ!
649名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 00:46:47 ID:oz/EIOcO
>>647 GJですぞ!!!!!
圭×梨好きな俺にとっては最高だった
梨花ちゃんのターンも見てみたいのは俺だけ?
650名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 01:40:40 ID:rftHF9pn
我々はー>>647に抗議するー
何故梨花ちゃまのターンを見せないのかとー
全裸で断固抗議するー
651名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 02:09:39 ID:pfjFsDhv
>>647
骨の髄からの圭梨好きな俺は貴方のような人を待っていた!いいぞGJ!!
やっぱこの二人はいいわ〜、作中の二人と>>647氏の今後に期待する!
652名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 09:43:27 ID:plxk87HY
久々に圭梨分を補給できた
ところで梨花ちゃまのターンは(ry
653名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 10:54:54 ID:7rMl8W48
>>647
GJだけど一つだけ。
16歳の梨花ちゃんはまだ処女だよね?w
絶対イタイわこれー、と思ってしまった私は馬鹿ですかorz
654名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 11:31:54 ID:J0N+CmLo
梨花と沙都子の初体験っていつごろになりそうなんだろうな
655名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 15:42:41 ID:FmGIAbBz
already.

そんな100年も同居してて性的悪戯のひとつやふたつしないわけないじゃないですか
656名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 16:49:17 ID:7Z8ESpbp
毎日に決まってんだろ
657名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 21:51:10 ID:L0MUtHK8
>>647です。
感想感謝!(^人^)
梨花ちゃんのターン、妄想してたら書きたくなってきたので書く。
ただ遅筆なんだ。てか保管庫に入れてくれた人ありがとうw見て吹いたw

>>653
梨花ちゃんのターンで。
無理やりっぽくなるかもだけど。
658名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 23:42:31 ID:PAW7jpDP
>>647GJ
高校生の梨花ちゃまハァハァ
659名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 00:48:15 ID:V11+Cv18
>>657
久々の圭梨ありがとん
GJだぜ☆
660名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 01:23:27 ID:/8MtXMyS
>>647
GJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJ!!!!!!!!!!!
ものっそい萌えた!やはり圭梨はええのうww梨花受けもたまにはええのうww乙だぜー
661名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 08:41:26 ID:qBBJoSWt
…あれ?
沙都子はターンエンド?
662 ◆CoudB9M4c2 :2007/10/26(金) 11:08:26 ID:wjRfaFDd
567で圭一×沙都子を投下すると予告していたものです。
 
遅くなりましたがようやく作品が完成しました。

しかし、ちょっとした短編並みの分量になってしまい、SSを超えてしまっている気がします。

冗長な文体、ご容赦下さい。では、「トラップバスター」と言う題で投下させて頂きます。
663トラップバスター ◆CoudB9M4c2 :2007/10/26(金) 11:09:46 ID:wjRfaFDd
トラップバスター

 秋の夕日に照る山もみじ・・・。
 日本の自然は、特に秋のそれは美しい。
 夏の盛りに青々と茂っていた木の葉が、寒さの訪れと共に色褪せ、やがて地面に落ちて土に還る。
 自然のサイクルの中で、木の葉に現れる色合いの変化。緑から黄色、そして紅に染まるその様子は、少女が着物を着せ替えしている姿に例えて良いのかもしれない。
 
 『ちょ、ちょっとアンタ!何見てんのよっ、このヘンタイ!!』

 だとすると、秋の山を訪れて紅葉を楽しむ旅人は、皆すべからく少女の着替えをのぞきに来るヘンタイとも言える。
 突然の来訪者に戸惑い、慌てて身を隠し、モノを投げつけるその様子は、まさにツンデレ。時折落ちてくる木の葉や木の実も、このように考えると趣があるものだ。
 だが膨らんだ妄想を愉しむ余裕は無かった。
 俺は今、古手神社の裏山を歩いている。獣道という言葉が相応しい、細く傾斜のついた道を。
 只でさえ息の上がる山道に、今日に限って夏を思い出したかのような真昼の熱気。しかも俺の背中には、どデカいリュックサックが負ぶさっている。
 終戦直後の買い出しみたく、丸々と太ったその中身は、これでも減ったほうだ。
 だが、これまでの疲れのせいで、最初よりも重く感じてしまう。俺は手頃な木の枝を杖の代わりにして、歩みを進めていた。
 そんな俺とは対照的に、軽やかに先を進む人影があった。
 俺よりも頭二つ分ほど小柄で、黒いカチューシャが乗った短髪を小刻みに揺らし、鼻歌まで歌っている。
 桃色の袖無しシャツに紺色の半ズボンを身に纏ったその人影は、まるで踊るかのように華麗なターンを決め、俺に向き直った。
 「あら、圭一さん。お疲れでして?」
 すました様子で八重歯を見せて、北条沙都子が笑いかける。
 「へっ、馬鹿野郎。俺を誰だと思ってるんだ?天下の前原圭一様だぜ・・・。」
 挑発的な瞳に、こちらも空元気で答えてやろうと思ったが、やはり最後は息が切れそうになる。
 言い終えると、自然に肩で息する。思ったよりも体力の消費は激しいようだ。
 「をーっほっほっほ。圭一さん、最近なまっているではありませんこと〜♪」
 沙都子の笑い声が聞こえる。顔を地面に向けていても、片手を腰に、もう一つの手を口元に当てて高笑いしている姿が目に浮かんだ。
 「て、てめぇ、沙都子・・・。俺にだけ荷物を背負わせて、どの口がそういうこと言ってやがるんだ・・・。」
 重装備の俺とは違い、沙都子は手荷物一つ持っていない。そりゃあ、疲れ具合も違うというものだ。
 「やれやれですわ。不甲斐なさを荷物のせいにするのは、男らしくありませんわよ。」
 「・・・その荷物を背負わせてんのはどこのどいつだよ。」
 「言い訳はもっと男を下げましてよ〜♪」
 この外道め。日曜日の朝っぱらから俺を呼び出して言う台詞がそれかい。
 俺は激しく後悔した。あぁ、あの時沙都子の口車に乗らなければ・・・。

664トラップバスター ◆CoudB9M4c2 :2007/10/26(金) 11:11:13 ID:wjRfaFDd


 深夜番組を愉しんで昼前まで寝るつもりだった俺を、お袋が起こしに来たのは午前の七時過ぎ。沙都子からの電話を取り次ぎに来たのだった。
 寝ぼけ眼のまま電話口に出た俺の耳に聞こえたのは、「圭一さんっ、助けて下さいましッ!!」という沙都子の悲痛な叫び声だった。
 「どうしたんだよ、一体!?」
 「圭一さん、緊急事態ですわ!今すぐ私たちの、梨花の家に来て下さいましッ!」
 「だからどうしたんだよ沙都子。説明してくれないと分かんねぇぞ。」
 「あ〜、う〜。口で説明するには難しいですわね。ともかく来て頂ければお分かりになりますわッ!」
 「う、う〜ん。いきなり言われてもな・・・。」
 正直、乗り気になれなかった。学校でのトラップ攻撃に慣れ親しんでしまったせいか、どうしても沙都子からの誘いには裏があるように感じてしまう。具体的な内容が説明出来ないとなると尚更だ。
 しかし、次に沙都子が発した台詞により、俺の顔色は一変した。
 「お願いですの、梨花が、梨花がぁ・・・。」
 「えっ、梨花ちゃんがどうかしたのか?」
 現在、沙都子と梨花ちゃんは二人で共同生活をしているはずだ。時折羽入や詩音が遊びに来るものの、お泊まりでもしてない限り、こんな時間帯に留守であるはずがない。
 嫌な予感がした。
 鷹野さん率いる山狗との戦いは終わったものの、「東京」の過激派が未だ梨花ちゃんを狙っている可能性が無いとは言えない。
 いや、仮面ライ○ーでもよくあるパターンじゃないか。倒した組織の残党が新たな敵として現れ、平穏だった日常に終わりが告げられる・・・。
 「レナさんや、魅音さん。詩音さんにも相談出来なくて・・・。圭一さんにしか頼める人が思いつきませんの。お願いです、圭一さん。助けて・・・!」
 電話口の沙都子の声は、何時しか涙声になっていた。
 くそぅ、何てことだ。まさか特撮やアニメのような展開がこの雛見沢に降りかかってくるとは!
 「わかったぜ、沙都子。今からそちらに向かう!」
 「・・・!本当ですの!?」
 「あぁ、待っていろ、1500秒、いや1000秒も掛からずに辿り着いて見せる!だから俺を信じて待っていてくれ!」
 「圭一さぁん・・・。圭一さんならそう言ってくれると信じていましたわ・・・。」
 沙都子の声が終わるのを待たずに、俺は受話器を置いて駆け出した。部屋着から着替えると、お袋に外出を告げ、食卓の上から食パン一枚を掴んでくわえる。
 靴を履き、玄関の傘立てに置かれている傘から手頃な一本を取り出して背中に挿し込む。金属バットやゴルフクラブには及ばないが、獲物の代わりにはなるだろう。
 自転車に跨りスタンドを蹴飛ばすと、全速力で古手神社へと向かった。
 もの凄い勢いでショートカットを繰り返す。漕ぎ過ぎで腿が痛くなるが、お構いなしだ。
 ・・・何か、前にも同じような事をしていたような気がするが、今はそんなことを考えている暇はない。
 その甲斐あってか、普段よりも三分の二は早い時間に神社へと辿り着く。放り投げるように自転車を石段の下に停め、石段を駆け上がる。神社の境内を過ぎれば、二人の住処である物置小屋はもうすぐだッ!
 「沙都子ぉぉぉっ!」
 小屋の前に沙都子の姿を見かけ、俺は叫んだ。
 敵は何処だ?いや、それよりも梨花ちゃんはどうなったんだ!?いやいやいやいや、沙都子の無事を確認するのが先決だ!
 「あっ、圭一さん。」
 俺に気づき、沙都子が振り向く。
 が、俺を見るとぎょっとした表情を浮かべ、一瞬怯えたような表情になった。畜生、間に合わなかったか?
 「大丈夫かぁっ!」
 刀を抜くようにして傘を背中から取り出し、横に構える。ほんの少し格好を付けた形だ。
 覚悟完了。さぁ、「山狗」の残党か、「番犬」の別働隊か、それとも北の国からの工作員か・・・。
 この前原圭一の輝きを恐れぬならば、かかってこい!!

 
665トラップバスター ◆CoudB9M4c2 :2007/10/26(金) 11:18:37 ID:wjRfaFDd
 「・・・って、戦う覚悟だったんだぞ俺は。」
 「それは圭一さんが勝手に勘違いしただけの話ですわよ。全く、どこをどう聞けばそんな話になるんですの。」
 「おい。あの言い草なら、誰が聞いても異常事態だと思うぞ。」
 先程の場所からほど近い場所にある木陰で、俺達はシートを広げて座っていた。
 業務用の二畳シートの上には、俺と沙都子の姿と、リュックから取り出された弁当包みがあった。
 「まぁ、私の説明不足もほんの少しありましたけど・・・。」
 「ほんの少しかぃ!」
 何事もなかったかのように、すました顔で包みから弁当箱を取り出していく沙都子を見ていると、怒りよりも呆れてしまう。
 こっちがどんな思いで飛ばしてきたのか分かっているのかよ・・・。
 「お前ぇが『梨花がぁ、梨花がぁ』って言うから、俺はてっきり・・・。まさか『梨花がお出かけだから、トラップ作りを手伝ってほしいのですの』って言われるとは思わなかったからなぁ!」
 沙都子が俺を呼び出した理由。それはトラップ作りの手伝いだった。
 何でも、今日は梨花ちゃんが羽入と興宮へ買い物へ行ったので、休日の日課であるトラップ作りの手伝いがいなかったらしい。
 「ごめんあそばせ。圭一さんならば、そのくらい察して頂けると思っていましたから〜♪」
 「くそ、絶対ワザとだろ。」
 「あらあら。男が細かいことを気にしていては、器が問われますわよ〜。」
 ぐぐぐぐぐ・・・。
 言いたいことは山ほどあるが、ここで言い争いをしても不毛なだけだ。俺は松○梅のCMに出てくる七曲警察署刑事課長のように、ぐいと、注いでおいた水筒のお茶を飲み干した。
  
666トラップバスター ◆CoudB9M4c2 :2007/10/26(金) 11:19:40 ID:wjRfaFDd

 「ほらほら、これでも食べて機嫌を直して下さいませ。」
 不機嫌な俺の表情を見て取ったのか、沙都子が蓋を開けた弁当箱をこちらに差し出す。
 「おっ、こいつは・・・。」
 弁当箱からは柔らかいクリームソースの匂いがした。表面に狐色が混ざった白色の絨毯が箱の表面を覆い、その間から肌色をした細い管がひょっこりと顔を出している。
 芸術の国フランスの家庭料理と情熱の国イタリアの魂の融合!その名もマカロニ・グラタンだッ!!
 「この程度で驚くのは、早ぅございましてよー!」
 次々と開けられていく弁当箱の蓋。それと共に中身が姿を顕す。
 「をほほほほ、こちらは特製の和風ハンバーグ。あちらはポテトサラダでございますわよ〜☆」
 こ、こいつはすげェ!普段みんなと学校で突っつきあうそれよりもレベルが高いんじゃないか!?
 あまりの眩しさに、俺は仰け反らざるを得なかった。
 「お、おい、沙都子。この弁当、どうしたんだ・・・?」 
 「虚弱体質の圭一さんにはこのくらい食べて頂かないと働いてくれそうにないですから、ほんの少しだけ奮発したんでございますことよ〜♪」
 普段は嫌味に聞こえる沙都子の謙遜だが、このお弁当に関しては謙遜のし過ぎだろう。
 形こそいびつではあるが、丁寧に丸められたハンバーグ。野菜分は少ないものの、彩りのあるポテトサラダ。流行りの冷凍食品やレトルト食品には絶対に出せない「まごころ」ってやつが込められている。
 「これ、自分で全部作ったのか?」
 「ま、まぁ・・・。ちょっとだけ梨花に手伝ってもらったくらいですわ。」
 なるほど、梨花ちゃんも絡んでいるならこの完成度も理解できる。だが、それ以上に心の込もった料理を作ってきてくれた沙都子の心遣いが嬉しかった。
 「ありがとな、沙都子。」
 俺は笑顔を作って沙都子の頭に手を伸ばす。ぽむ、ぽむと軽く触れた後、優しく撫で回した。
 「あ・・・。」
 悪戯心に満ちていた沙都子の瞳が急に細くなり、嬉しさに満ちた光を湛える。
 俺の手が肌を揺らす間、沙都子は両手を胸元に置いてうっとりとした表情をしていた。指が何度目かの往復を終えた時、桜色をしたその唇がかすかに動いた気がした。
 「そ、それよりも、せっかく作ったので食べては頂けませんこと?冷めてしまいますわよ。」
 一段落したところで急に沙都子が頭をどけ、慌てて箸を持ち出す。
 弁当はとっくに冷めているのにと茶化そうとしたが、その仕草があまりに愛らしいので、俺は箸を受け取ると「いっただききまぁ〜す!」と大きな声で手を合わせた。
 全く、俺も単純だ。他のヤツがすれば嫌なことも、沙都子が同じ事をするならばそれを許してしまう。
 いなくなった聡史の替わりにこいつの面倒を見ている内、情が移ったのだろうか。それとも、一人っ子の俺が欲しかった妹ってやつを沙都子に投影しているのだろうか。
 厳密に言えば、違う。
 沙都子とこう一緒にいると、ほんの少し心音が上がってしまう。こいつの前で本当の自分を晒け出すのが恥ずかしくて、憎まれ口が先に出てしまうのだ。
 幼稚園のころ、同じ組で一番仲の良かった女の子に抱いていた感情。それに似ている。
 自分にかまって欲しくて、誰よりも自分を見て欲しくて、色々な悪戯をした。不器用だったから、素直に「僕と仲良くして下さい」という言葉が言えなかったんだ。
 悪戯が過ぎて、その子が泣いて先生に告げ口して怒られて、それで終わっちまったんだよな。
 おいおいおいおい、前原圭一。つまりそれってことは、俺、沙都子の事を・・・?
 あぁ、くそ。沙都子はあくまで部活の仲間だろうが。それに生意気この上ないし、偏食家でおこちゃまで、腹黒で、スタイルだってレナや魅音にも劣るし。
 でも、それでいて甘えん坊で家庭的で、素直じゃないけど誰よりも気の置けなくて、あの膨らみかけの胸やちょこんと突き出たお尻も可愛くて・・・。
 うをををを。何を言ってるんだ俺はァッー!
 ええぃ、考えるのが面倒になってきた。とりあえずこの飯を食べよう。そうすれば、混乱した俺の頭も少しはKOOLになるはずだ。
 頭の中に浮かんだこの妙な感情を忘れるべく、俺はがつがつと音を立て、沙都子の弁当を頬張り続けた。
667トラップバスター ◆CoudB9M4c2 :2007/10/26(金) 11:20:25 ID:wjRfaFDd
  
 嬉しかった。
 圭一さんが私のお弁当を喜んで食べてくれている。それはもうもの凄い勢いで、次々に口に運んでいる。
 私の分が無くなってしまうのではないかと心配になってしまう程だ。
 でも何よりも嬉しかったことは、圭一さんが私のお弁当を褒めた時に、優しく頭を撫でてくれたことだ。
 こう、まるでにーにーのように優しく、その温かい手で私の頭をよしよしと。
 思わず泣きそうになってしまった。そして久しぶりに「にーにー」と呟いてしまった。
 
 にーにーがいなくなって一年と数ヶ月。私を取り巻く環境が大いに変わった日々であった。
 にーにーの家出と共に叔母が惨殺死体で発見され、叔父も祟りを恐れたのか興宮へと逃げ去ると、一人残された私は梨花と共に生活を営むこととなったのである。
 子供二人の生活というものは経済的な負担を想像以上に強いられるものだったが、私たちの窮状を見かねた監督、入江先生の新薬試験に協力することでお金をもらい、何とか日々の生活を送れるようになった。
 叔父、北条鉄平によって身も心もボロボロにされていた私だったが、梨花やこれまでも部活で面倒を見てくれていた魅音さんやレナさんに助けられ、どうにか叔父夫婦に引き取られる前までの生活に戻れたのだと思う。
 知恵先生を始めとするクラスのみんなや、にーにーを慕っているという園崎詩音さんに梨花の親戚という羽入さん・・・。
 みんながいなければ、私はこうまで笑顔になることは出来なかっただろう。
 そして、圭一さん。
 転校して日が浅いはずなのに、いつの間にかみんなの中心に居て、人を引きつける力強さ、いわゆるカリスマというものを持っている人だ。
 これまでに私の周りには居なかったタイプの人間でもある。
 私は基本的に男という人種を嫌っている。
 お母さんをセックスの対象としか見て無くて、弄んで捨てて、与し易いと思えば擦り寄ってくる。
 物心付いた時から襖の向こうでにーにーと身を寄せ合い、母親の喘ぎ声を終わるのを待っている生活を送れば、男というものがどんなに汚らわしい存在か、自然と理解できてしまうだろう。
 それを言えば圭一さんも同類に入る。だから、私は都会から男の子が転校してくると聞いた時に、軽い拒否感を覚えた。
 転校初日にトラップを仕掛け、痛めつけてやろうと思った。そうすればこのクラスに溶け込もうとは思わなくなるだろうし、少なくとも私を敵と認識し、近づいては来なくなるはずだった。
 転校の挨拶の前に襲いかかるトラップに、為す術無く圭一さんは沈んだ。
 これで良し。度肝を抜かれて、私たちには関わり合いになりたくないと思うはずだ。私の世界をかき乱そうとは思わないはずだ。
 「な、なんだこりゃぁ・・・。」
 「をーっほっほっほっ。ざまーありませんこと〜♪」
 あっけに取られている圭一さんに、私はトラップの仕掛け主として正体を現した。
 さあ私を憎んで、嫌って、そして私に近づかないで−。
 そんな覚悟だった。どんな罵声も覚悟していた。しかし
 「こいつは、てめぇの仕業か〜。」
 つかつかと近づいてきた圭一さんに、私は身構えた。一瞬、鉄平の醜悪な顔が重なって見えたのだ。
 しかし、圭一さんは目の前で顔を近づけると
 「へへっ、面白ぇじゃねぇか。こんな歓迎、初めてだぜ。」
 と、言って、満面の笑顔を作ってくれたのだ。
 これまでにトラップを喰らった人間とは、全く違う反応。私にとっても、こんな経験は初めてだった。
 ほんの少し、ちくりと。今までに無い感情が私の心に灯った瞬間だった。

 
668トラップバスター ◆CoudB9M4c2 :2007/10/26(金) 11:21:40 ID:wjRfaFDd
 「ん?どうしたんだ、沙都子?」
 物思いに耽っていた私は、圭一さんの声で我に返った。
 圭一さんはお弁当を半分ほど平らげ、水筒の蓋に注いだお茶を飲み干したところだった。
 「な、何でもございませんわ、おほほほ・・・。」
 見つめられてしまっているのに気づくと、自然と頬が紅くなる。いけない、いけない。またその優しい瞳に引き込まれるところだった。
 照れ隠しに、おかずに箸を伸ばす。梨花から教えてもらった和風ハンバーグを一つ摘んで、口に運んだ。
 「しっかし、いつもこんな事してんのか?トラップ作り・・・。」
 「えぇ。モグ・・・。特に、ング・・・。こないだ・・・ハグ。使ってしまいましたから。」
 「食い終わってから喋れよ。」
 この間と言ってもしばらく経つが、私が山に仕掛けていたトラップは、鷹野さん率いる「山狗」との戦いでそのほとんどを失っていた。
 数年がかりで作り上げた私の作品が、半日足らずで役目を終えたというのは皮肉だが、自衛隊を相手にして私たちの命を救ってくれたのだから充分すぎる働きをしてくれたものである。
 「でもすげえよな、本物の軍隊を翻弄してたし。『番犬』の人も、外国の戦場でしかお目にかかれないシロモノだって言っていたからな。」
 「をほほ、それは私が作り上げた作品ですから。そこんじょそこらのものと一緒にしては、困りますわぁ〜♪」
 本職の軍人すら手玉に取る私のトラップ。
 2年前、私が叔父夫婦に引き取られて虐待を受けていた時期、偶然出会った人に教えてもらったものだ。
 名前は何と言っていたのだろうか・・・。
 ゴウ?ゴウジ?確か名前のどこかにGの付く人で、外国人のような名前をしていたと思うが、詳しくは思い出せない。
 その人はこの山で組木をアスレチックのようにして、黙々と訓練をしていた。何でも次の仕事のために、ナマった体を鍛えていたらしい。
 無口で人を寄せ付けない雰囲気のある人だったが、私が地元の抜け道などを教えると気を許し、ほんの少し身の上話もしあう仲になった。 
 話の中で、私が叔父夫婦に虐待されていることをしった彼は、私に簡単なトラップ作りの方法と、その心得を教えてくれた。私の持論である「トラップは心理の裏の裏をかく」というのも、彼の言葉だ。
 予定が急に繰り上がり、彼がこの山から姿を消したのは、その翌日のことだった。
 「ふ〜ごちそうさま。美味かったぜ。」
 いつの間にか、圭一さんが食事を平らげていた。綺麗にご飯粒一つ残していない。
 ご飯を作る側としては、こんなに嬉しいことはない。最近、都会では食事を少し残すのがエレガントだという風潮らしいが、作りすぎ不味すぎならばいざ知らず、作り手に対する冒涜としか思えない。
 「あらあら、がっつかれまして。もう少しエレガントに食べられないものですかね?」
 それでも、つい憎まれ口が出てしまう。いけないとは分かっているが、圭一さんの前ではどうしても言葉が意地悪なものになる。
 「美味いんだからしかたねぇだろ。あ〜。食った食った・・・。」
 満足げにお腹を抱える圭一さんを見ると、こちらまで幸せな気分になってしまう。
 私は笑い出してしまいたくなる気持ちを押し隠し、すっかり空になった弁当箱の片づけを始めた。

 
669トラップバスター ◆CoudB9M4c2 :2007/10/26(金) 11:22:34 ID:wjRfaFDd

 「ふぅ。ここを、こうすればいいのか?」
 「えぇ、こちらの柏の幹にロープを仕掛けて頂ければ、今日は終わりですわ。」
 思ったよりも早く、今日のトラップ作りは終わった。重い物を運ぶという点においては男の子だけあって、私や梨花よりも遙かに能率が良い。
 私は圭一さんがロープをしっかりと張るのを見届けると、切り株に立て掛けておいたリュックからタオルを取り出し、圭一さんに手渡した。
 「おっ、サンキュな。」
 「帰りも背負って頂くのですから、お駄賃代わりですわ。」
 「もう弁当箱の空しか入ってねぇから、自分で持てよ・・・。」
 「をーっほっほっほ。私、箸よりも重たい物は持ったことがありませんことよ〜♪」
 「さっき丸太ん棒抱えていたのはどこのどいつだよ。」
 愚痴を言いながらも、リュックを背負ってくれるあたり、圭一さんは本当に人が良い。
 本当に、口の悪ささえ無ければにーにーそのものなのに。いや、これは言い過ぎか。
 「さてと、帰るとするか。誰かさんのせいで汗だくだから、早くウチでひとっ風呂浴びたい気分だぜ。」
 「それには私も同感でしてよ。ベタ付いて仕方ありませんもの。」
 秋の半ばとはいえ、重労働をしていた私たちの体は汗にまみれていた。確かに、帰宅して早めのお風呂に浸かるのも良いだろう。
 「よっと・・・。忘れ物はないか。おや?」
 辺りを見回していた圭一さんが、何かを見つけて立ち止まった。
 目を凝らさなければ分からないと思うが、木立の合間からうっすらと、朱色をした二本の柱が見える。裏山から奧に連なる山脈へと続く、古びた吊り橋であった。
 「へー、こんな橋があったのか。トラップ作りに夢中で気づかなかったぜ。」
 「あら、圭一さんはご存じありませんでしたの?確か県境へと続いていたはずですわよ。」
 「面白そうだな。ちょっと見に行ってみようか?」
 「私は何度か渡ったことがありますけど、仕方ありませんわねぇ。」
 先程までの疲れ切った顔はどこへやら、圭一さんは目を輝かせて吊り橋へと向かっていった。男の子というものは、どうしてこう吊り橋とか断崖とか危険な場所が好きなのだろう。
 私は呆れた顔をして、走り去る圭一さんの後を追いかけた。
 
 
670トラップバスター ◆CoudB9M4c2 :2007/10/26(金) 11:23:18 ID:wjRfaFDd
 
 「うおっ、こりゃ結構高いな・・・。」
 谷河内から興宮に流れるこの川の渓谷は、驚くほどに深い。
 高所恐怖症の人でなくても、切り立った岩壁や清流に所々顔を出している岩を見ると、恐ろしさを感じるに違いないだろう。
 おまけに、予算不足か計算ミスか、この橋は良く揺れるし脇のロープの縛りも甘い。そのためか、向こう岸に渡る数十メートルの間が非常に遠く感じられた。
 「あらあら、流石の圭一さんも怖じ気付いてしまいましたこと?」
 欄干に手を掛けて下を眺める圭一さんを、いつもの癖で挑発してしまう。
 「へっ、橋があれば渡りたくなるのが男ってモンだぜ。噂じゃあ、来年公開されるあの考古学者の冒険映画の続編にも、吊り橋のシーンがあるって話だしな。」
 それに乗る形で、圭一さんが吊り橋に足を踏み出す。ぎしり、と綱が軋む音がして橋桁が揺れた。
 「へぇ、意外に揺れるな・・・。」
 中程まで来ると、圭一さんはロープに手をかけ下を覗き込んでいた。静かに後を付いてきていた私の心に、ふと悪戯心が宿る。そっと圭一さんの背後に近づき、無防備な背中に向けて手を伸ばそうとした。
 わっ、とでも言って驚かすつもりだった。驚いた圭一さんの顔を見たいと思っただけだったのだ。
 だから私の手が、圭一さんの背中に触れた瞬間。あの忌まわしい記憶が蘇るとは、想像だにしなかったのである。

 『死んじゃえぇぇ!!人殺しぃぃぃぃっっっ!!!!』

 え、え、え?
 何これ?
 こんなこと私はしていない。圭一さんを橋の上から突き飛ばすなんて、そんなこと・・・。

 (何をおっしゃっているのですか北条沙都子ッ!)
 (忘れてしまいましたの!?あなたが圭一さんに何をしたのかを!!)
 
 あああああああああ!
 やめて、やめてっ!思い出させないでぇッ!!
 圭一さんはここに居るんだ。だからするはずない、私が圭一さんを殺すなんてするはずがないぃぃッ!!

 (あは、あははははははは。本当にお目出度い人ですわね、あなたは。)
 (覚えていないのでいらっしゃいますこと?ここではない、どこか、しかし現実にあった世界のことを)
 (いいこと?あなたは圭一さんを橋の上から突き飛ばして、殺した。)
 (地獄を見せられていたあなたのために誰よりも尽くし、励まし、鉄平を殺すことまでした圭一さんを)
 (疑って、恨んで、最後には自分自身が生き残るために、殺した。)
 (本当は覚えているんでおいででしょう?自分が勘違いによって圭一さんを殺してしまったことを)

 いやああああああああああああああ!!!
 覚えている。私は覚えているッ!
 圭一さんに殺されると思った。「自分が呪った人間が死んでいる」との言葉を真に受けて、そして梨花が腹を割かれて殺されているのを見て。
 だからこの橋に誘い出した。背中を向けさせて橋から突き落とした。
 最後まで呪いの言葉を浴びせかけて。

 (それだけじゃありませんことよねぇ。あなたは三年前も殺していたんでしたわねぇ)
 (お義父様とお母様を、展望台の上から突き飛ばして、殺した)
 (あなたと仲良くなりたいために、家族旅行に連れて行ってくれたのですのよねぇ)
 (あなたに嘘を付かれてから、あなたに好かれようと、懸命に自分を変えようとしていたお義父様を)
 (自分を殺そうと思っている?を〜っほっほっほ。そんな馬鹿げた妄想で殺されてしまったのですねぇ。可哀想なお義父様とお母様)
 
 うあ、うあ、うあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!
 殺した、私が殺したッ!
 無防備な両親を、背中から、無慈悲に突き飛ばして、殺したッッ!!
 私がお義父様に意地悪したから、仲良くしようとして遠くに連れて行ったことを、私を殺す算段をしているのだと思って、先手を打った!!
 
 (ああ、そうだ。にーにーもあなたのせいでいなくなったんですっけ)
 (そうそう、叔母様のイジメからあなたを守るために庇ったから、疲れ果てて)
 (酷い人ですわね、あなたは。この人殺し。)
 (何が死んじゃえ、人殺しですの?あなたこそが、人殺しではなくて!?)

 えぁ、おぅ、を、をををををを。
 あああああああああああああっっ!!!
  
 
671トラップバスター ◆CoudB9M4c2 :2007/10/26(金) 11:23:57 ID:wjRfaFDd
  
 最初は、俺が振り向いた顔があまりにも恐ろしかったので、沙都子が驚いたのだと思った。
 そりゃあ、橋の上で突然背中に触れられたら誰だって驚いた顔をするだろう。
 しかし、沙都子の様子を見ると、その様子は俺の顔だけに驚いたものではないのだと、すぐに分かった。
 「さ、沙都子・・・?」
 俺は両手で顔を覆った沙都子の肩に手を置いた。その瞬間
 「ご、ごめんなさい。ごめんなさい、ごめんなさい圭一さんっ!!」
 俺の手が、強く打ち払われた。数秒遅れで痺れるような痛みが掌に伝わる。
 「ど、どうしたんだよ。いきなり?」
 沙都子の気に障ることでもしたのだろうか?俺は努めて優しく声をかけた。
 しかし、沙都子は俺を見据えたまま首を振るだけで、徐々に後退りを始めていた。あの、ごめんなさいという謝罪の言葉を繰り返しながら。
 「おい、沙都子。一体どうしたんだよ?俺、何かしたのか?」
 「け、圭一さん。近づかないで、私に近づかないで下さいましッ!」
 「ご、ごめんよ。気に障ったことをしちまったのか?」
 「違いますの、圭一さんは何も悪くございませんの・・・。悪いのは私なんですのッ!!」
 話が噛み合わない。俺は沙都子に何が起こったのか理解できず、戸惑うことしか出来なかった。しかし、次に発した言葉は、俺の混乱を更に加速させるものだった。
 「ごめんなさい、ごめんなさい圭一さん。圭一さんを殺した私を、どうか許して下さいましッ!!!」
 はぁ?沙都子は何を言っているんだ。俺を、殺して、ごめんなさいだと・・・?
 「ば、馬鹿言うなよっ!俺は生きてここにいるだろっ!?訳が分かんねぇよっ!!」
 本当に訳が分からない。何かの拍子で、沙都子は錯乱してしまったのだろうか。
 俺は沙都子に駆け寄り、その肩を強く掴んだ。「しっかりしろ!」と声をかけたかったのだが、その前に沙都子の叫び声が、俺の言葉を遮った。
 「い、嫌あぁあぁぁあぁぁぁッッ!!」
 想像以上の力で、沙都子は俺の手を振りほどく。あまりに勢いが付いたため、それが腿に当たって激しく音を建てた。
 「だ、駄目です圭一さん。私に近づくと、私はあなたに酷いことをする!だから私に近づかないで!!」
 「お、おい。俺は何もしない。何もしないんだ。だから落ち着いてくれよ。」
 「私がするのですッ!このままでは私はもう一度圭一さんを殺してしまうッ!いや、みんなを殺してしまうんだ。梨花も、詩音さんも、魅音さんもレナさんも羽入さんも、お義父様とお母様を殺した時のようにィッ!!」
 一際大きく叫んで沙都子が踵を返し、全速力で元来た方向へ掛けだす。
 「おいッ!待てよ沙都子!!」
 あまりにも一瞬のことで、伸ばした俺の手は空を切った。急な動きに橋が揺れ、バランスを崩した俺と沙都子との距離が開く。
 橋を渡り終えた時には、沙都子の姿がようやく見えるような状況だった。

672トラップバスター ◆CoudB9M4c2 :2007/10/26(金) 11:25:20 ID:wjRfaFDd
「沙都子、沙都子ぉーっ!」
 山道を全速力で追いかける。俺と沙都子との距離は、橋からわずかに縮まっていた。
 しかし、この場所は沙都子の庭みたいな場所であり、おまけに自衛隊お墨付きのトラップがあちこちに仕掛けられている。
 言うなればここは地雷原。文字通り「地雷を踏んだらさよなら、さよなら、さよなら・・・。」だ。
 だが、地雷の炸裂は意外に早くなってきた。それも、前を走る沙都子の身に。
 「あッ!」
 叫び声を上げて、沙都子が地面に激しく叩き付けられた。ほんの少し道を外れた所に仕掛けられたロープに足を取られたのだった。
 「お、おい。大丈夫か!?」
 「ひッ、圭一さん!・・・あああ、ごめんなさい。ごめんなさい!!」
 助けようと駆け寄った俺を見ると、沙都子はもつれる足で立ち上がり、さらに走り出した。衝撃のせいで血が滲み出ている膝小僧が痛々しい。
 だが俺は、沙都子が自分で作ったトラップに引っかかった事に衝撃を覚えていた。
 この地雷原を誰よりも理解しているはずの沙都子が、混乱のために恰好の餌食となっている。普段言っていたじゃないかよ『相手が混乱すればするほど、トラップは華麗に決まるものですわ〜♪』って!
 沙都子、お前が混乱しちゃ駄目だろ・・・!
 俺の心配をよそに、沙都子は次々とトラップに引っかかっていった。
 丸太落としのロープに足を引っかけて下敷きになりそうになるわ、落とし穴に寸手の所で落ちそうになるわ、胡椒入りの袋の直撃を受けるわ・・・。
 竹林に偽装した武者返しのトラップに掛かりかけた時は、流石に肝を潰した。誰だよ、あんな竹の槍襖みたいなモンを教えたヤツは!刺されば下手すりゃ死ぬぞ!!
 
 幸か不幸か、トラップのおかげで沙都子の足が遅くなってきた。かつて山狗のリーダーと魅音が一騎打ちをしたあの小屋の近くで、俺は沙都子に近づくと、ラグビーのタックルをするような感じでその腰に飛びついた。
 ザッ、と音を立てて、二人の体が地面に倒れ込む。庇うように沙都子の体を抱え込むと、埃を吸い込まないよう、背中を地面に付けるようにした。
 「いっ、嫌あぁぁっ!!離して、離してェッ圭一さんッッ!!」
 戒めから逃れようと、沙都子は手足と体を必死で動かした。それを押さえるため俺は沙都子の手首を掴み、足を膝で押さえて馬乗りの形になった。
 「くうっ!」
 それでも、沙都子の爪が俺の手首辺りに食い込む。激しく立てられた爪が肌を抉る嫌な感触がした。
 しかし離すわけには、これ以上沙都子をトラップの海に放つわけにはいかない。俺は痛みに耐えながら沙都子を正気に戻すべく、声を掛けた。
 「へへっ、捕まえたぜ。もう、逃げられねぇぞ・・・。」
 落ち着かせるために、努めて普段通りを装う。その甲斐あってか、沙都子の焦点が俺の目に合わさった。

 
 
673トラップバスター ◆CoudB9M4c2 :2007/10/26(金) 11:26:18 ID:wjRfaFDd

 捕まってしまった。
 私は必死に圭一さんの手に爪を立て、この場を何とか逃げようとした。
 だって、そうしないと私は圭一さんを殺してしまうのだ。今は良くても私という存在がある限り、私に関わった人は不幸になる。
 両親も!にーにーも!梨花も!みんなも!そして圭一さんも!!
 私は狂ってしまって、いずれみんなを殺してしまうんだぁぁ!
 「へへっ、捕まえたぜ。もう、逃げられねぇぞ・・・。」
 そんな私に、普段と変わらぬ圭一さんの声が聞こえた。何故?私に抵抗されて、爪を立てられて痛くてたまらないはずなのに、どうして?
 私は圭一さんの顔を覗き込んだ。遊んでいる時と同じ、悪戯っぽくて優しい顔。
 だが、口元が歪んでいる。耐えているのだ。私によって与えられている痛みに、耐えているのだ・・・!
 「けい、いちさん。」
 指から力を抜く。爪の間に圭一さんの血肉がこびり付いた感触がある。
 「いきなり、どうしたんだよ。闇雲に走っちゃ危ねぇぞ。」
 言われてみて初めて、体のあちこちに鈍痛があるのを感じる。覚えているはずのトラップの位置が思い浮かばず、引っかかってしまった時に出来た傷の痛みだ。
 「だ、駄目ですわッ。私に近づいては!私は圭一さんを殺したくないんですのッ!!」
 「いい加減にしろ沙都子ッッ!俺を殺すとか、近づけば不幸になるとか何言ってんだよ!!」
 「・・・私は覚えているんですの。ここではない、でもここに良く似た世界で、私は圭一さんを殺してしまった!この手で、お義父様とお母様にしたように、突き飛ばしてッ!!」
 「え?何だって・・・!?」
 圭一さんの目が驚きに見開く。
 何という、失言。私が一生抱え続ければならない罪が、圭一さんに知られてしまった。
 人類最大の罪悪、親殺しの罪。
 「嫌ああああああああああっっっ!!!」
 私は思い切り体を動かす。思いもよらない言葉に衝撃を受けたのか、圭一さんの膝からは力が抜けており、案外簡単に足が外れた。
 その足が、正確には膝が偶然にも圭一さんの鳩尾に入る。
 「ぐふっ!」
 圭一さんの両手から力が抜ける。私はその手を振り解くと崩れ落ちる圭一さんを尻目に、元来た道へと駆け出した。
 もう、終わりだ。
 私が一番秘すべき罪を、一番知られたくない人に知られてしまった。それはこれまでの関係の終わり、「友人としての沙都子」から「罪人としての沙都子」への変化を圭一さんに強いること。
 ごめんなさい、圭一さん。私はこれから罪を償いに行きます。
 関わった人間を不幸にする、本当の「オヤシロさまの使い」は消えるべきなのです。
 もう一度あなたを不幸にする前に、私は自分自身に決着を付けます。
 にーにー。もう一人の私のにーにーを守るために、私に力を貸して・・・。  
 
  


674トラップバスター ◆CoudB9M4c2 :2007/10/26(金) 11:27:01 ID:wjRfaFDd
  
 迂闊だった。俺ともあろうものが、あんな事でショックを受けるなんて・・・。
 リュックを捨て、痛む腹を押さえながら、俺は沙都子の追跡を再開していた。
 沙都子は元来た道を戻っている。その歩みは遅いが俺も先程の一撃で力が出ず、追い掛ける速度は沙都子とさほど変わらない。
 
 『ここに良く似た世界で私は圭一さんを殺してしまった!』
 『お義父様とお母様にしたように突き飛ばしてッ!』

 さっき沙都子が言った言葉が蘇る。
 ここと良く似た世界・・・。前に梨花ちゃんが言っていた別世界での出来事ということか?
 今、俺達の目の前にあるように、本来世界というものは一つしかないものだ。この世界での出来事は歴史となり、この世界での死はそのまま存在の永遠の喪失となる。
 しかし梨花ちゃんによれば、世界というものは一種のゲームにおける選択の内、最終的に選択されたものの積み重ねなのらしい。
 親父の持っている「信長の野○」(今年の四月に発売)というゲームに例えてみよう。あのゲームはプレイヤーの選択と、コンピューターがランダムに選択した行動により展開が様々に変化する。
 それでいて途中経過を記録することができ、結果に満足のいかないプレイヤーは保存した記録から世界のやり直しが可能となるのだ。
 ここで問題となるのは、プレイヤーが記録しなかった世界はゲームの登場人物にとって存在しない世界となるが、当のプレイヤーにとっては、かつて存在した世界として記憶に残っているのだということである。
 梨花ちゃん(もしくはその上の存在)をプレイヤーとするならば、俺達のようなゲームの世界の登場人物が、起こりえなかった世界の記憶を持つことは本来ありえない話なのだ。
 そのありえないことが、沙都子に起こっているということなのか・・・。
 もしもそれが幸せな世界の記憶だったら、沙都子にとって幸福だったのだろう。しかし、蘇ってしまったのは俺を殺したという悪夢のような世界の記憶。
 胸が痛んだ。俺にも忘れたい、思い出したくもない忌まわしい記憶がある。
 無力な幼女達を狙った連続襲撃事件。その記憶を無理やり蘇らされる羽目になるなんて、考えたくもない。
 加えて、別の世界での記憶は両親を突き飛ばして死に追いやったという、封印されていた記憶まで揺り起こしてしまった。
 二年目の綿流しの祟りと言われるあの出来事について、俺は断片的な情報しか知らない。しかし、梨花ちゃんや大石さん、監督に赤坂さん達の話を総合して考えると理解できる。
 その真相は、雛見沢症候群による疑心暗鬼が引き起こした悲しく、残酷な事件。
 沙都子は自分の身を守ろうとしただけのことだった。しかしその目的は、両親を死に追いやるという最悪の形で敢行されてしまったのだ。
 気づけば、俺の目に涙が浮かんでいた。
 遠い、うっすらとしか覚えていない記憶。
 俺にもそういうことがあったのかもしれない。殺されると思って、俺を救おうとした仲間を逆に殺してしまった喜劇にも似た悲劇。
 思い出せないが、知っている。俺はその悲しみを!辛さを!苦しみを知っている!!
 「そうなんだよな、お前が一番、辛いんだよな。沙都子・・・。」
 多分、沙都子の悲しみを癒せるのは俺しかいない。いや、俺が癒す、救う、絶対に助け出して見せるッ!!
 沙都子に殺されたという世界の俺も、同じことを考えるはずだろう。例えもう一度殺されるのだとしても、あいつの笑顔を守るためならば、惜しむものはないッ!!
 
 
675トラップバスター ◆CoudB9M4c2 :2007/10/26(金) 11:28:37 ID:wjRfaFDd
 吊り橋に戻った頃には、俺と沙都子の距離は大分縮まっていた。しかしあと一歩のところで、橋桁への進入を許してしまう。
 橋の真ん中に至った所で沙都子はこちらに向き直り、脇のロープを握り締めた。俺との距離はあと三歩といったところか。
 「圭一さん。もう来なくてようございましたのに・・・。」
 沙都子が力なく笑った。その笑顔には全く精気が無くて、まるで人形のような瞳をしている。
 「でも、最期の最期で、圭一さんのお顔が見れて幸せでしたわ。本当に、良かった。」
 目を閉じて、すっ、と沙都子がジャンプする。その動作はまるで垣根を乗り越えるようで、本当にあっけなかった。
 「さよなら、にーにー。」
 消える間際の沙都子の声が、俺がお前のにーにーだと認めてくれたその声が、幸せそうに響いた。

 
 
676トラップバスター ◆CoudB9M4c2 :2007/10/26(金) 11:29:16 ID:wjRfaFDd

 ほんの少しの浮遊感。あとは自然落下に任せてはい、おしまいのはずだった。
 しかし、最後までロープを掴んでいた左手が離れるのが一瞬遅くて、その手首が強い力で引っ張られた。
 「に、にーにーッ!!」
 死ぬまで開くことがないと思っていた私の目に映ったのは、信じられない光景だった。
 脇のロープを右手で掴み、圭一さんが私の手首を堅く握り締めている。身を乗り出すという段階ではない、私と同じように全身がロープの外にあったのだ。
 「くっ、間一髪ってとこかな・・・。」
 手を伸ばしただけでは届かないと思ったのだろうか、圭一さんはロープの隙間から飛び込んだのだ。一歩間違えば自分が飛び降りる羽目になるというのにッ!
 「駄目です、手を離して下さいましッ!このままではにーにーが・・・。」
 「い〜や、駄目だ。上がる時は沙都子、お前と一緒だぜ。」
 重いわけではないが、私の体重は圭一さんの半分以上はある。この状況が長く続くわけが無かった。
 私は圭一さんの手を振り解こうとした。私が落ちることで、圭一さんの負担を軽くする必要があった。
 しかし、圭一さんの手は堅く握られており、放す気配も無い。逆に私が暴れることで圭一さんが力尽き、巻き込む恐れがあった。
 やむなく、私は抵抗を止めて圭一さんに身を任せた。
 「どうして、どうしてッ!私みたいな疫病神、死んだ方が良いのですわッ!!」
 「馬鹿野郎。沙都子が死んだらなぁ、みんなが悲しむんだよ。何より一番、俺が悲しい。」
 「駄目ですわ、私が生き残ったら圭一さんに、にーにーに不幸が降りかかる。そんなのは嫌なんですのッッ!」
 「沙都子。お前ぇ、勘違いしてねぇか・・・。」
 「え?」
 「お前がいなくなること以上の不幸なんて、俺にはないんだよォッ!!」
 咆哮と共に、私は物凄い力で圭一さんに引っ張り上げられた。徐々に私の体が持ち上がっていき、圭一さんの胸元まで引き上げられる。
 「つ、掴まれ、沙都子・・・。」
 圭一さんの言葉に、思わず手を圭一さんの首に回す。厚いとはいえない圭一さんの胸元に顔を沈めると、柔らかな香りがした。
 「けっ、これ以上上げるのは、無理みてぇだ。『火事場のクソ力』って訳にはいかねぇなぁ・・・。」
 「も、もう充分でございますわ、にーにー。私をお離し下さいまし!それなら、にーにーだけは助かりますわ!」
 「ば〜か。俺は欲張りなんだよ。俺も沙都子も助からねぇと、満足出来ねぇんだよ。」
 そこまで言うと、圭一さんは顎で橋桁を指して私に昇るよう促した。
 死ぬのは構わないが、圭一さんを巻き込む訳にはいかない。仕方なく私は圭一さんの体をよじ登ると、ロープを潜って橋桁に辿り着いた。
 「さっ、圭一さん。手を・・・。」
 すぐに圭一さんに振り返る。圭一さんは両手でロープを握っていたが、その手が既に震えていた。残された時間は少ないのだ。
 手を伸ばした時、私は圭一さんが微笑んでいるのに気づく。諦観の入ったその笑みに、私は不吉な感触を覚えずにはいられなかった。
 「沙都子、お前じゃ支えきれねぇだろ。それにもぅ、手の感覚が無ぇんだ。」
 残酷な宣告だった。私を支えるのにすら苦労した圭一さんだからこそ分かる冷静な分析。
 「そ、そんなッ!圭一さん!何とかならないのですのッ!?」
 「無茶言うなよ。これでも、無理してるんだぜ・・・。」
 苦しげな圭一さんの声、伸ばしても決して受け取ろうとはしない、頑なに閉じられたその両手。全てが私の心を突き刺す。
 「あああああっ!私のせいで、私のせいでこんなぁ・・・。」
 「泣くなよ、沙都子。俺が消えても、笑っててくれ。新しい生活を迎えて、笑ってくれ。それだけは、約束してくれ・・・。」
 思い出す。最期の、あの時の圭一さんの言葉を。私に突き落とされて、殺される直前にも私のことを思ってくれていた圭一さんの言葉を。
 私の心がこれ以上傷つかないように、怖がらせないように、落ちる時まで笑っていた圭一さんの顔を。
 繰り返すのか、私は。圭一さんを目の前で失うことを。両親を失うことを繰り返すのか!?
 もう嫌だ!もう、自分の目の前で人が死んでいく様を見ることは、もう嫌だぁぁぁぁっ!!
 「うわあぁぁぁぁぁぁっ!!」
 圭一さんの手が離れた瞬間。私はロープに足を絡め、圭一さんの右手をしっかりと掴んだ。
 圭一さんが私に離すよう叫ぶが、聞こえない。離すもんか、絶対に離すもんか。
 「もうにーにーを殺すものかぁぁッ!二度と、私は二度と失わないんだああっ!!」
 どんなことがあってもこの手を離さない。疑うのならば試してみろ、この北条沙都子の覚悟を試してみろォォッ!!

 
 
677トラップバスター ◆CoudB9M4c2 :2007/10/26(金) 11:30:02 ID:wjRfaFDd
 
 必死になって俺を支える沙都子を見て思う。
 出来るじゃないかよ。お前、人を救おうとしているじゃないか、罪を償おうとしているじゃないかよ・・・。
 しかし、人間の力には限界がある。苦痛に顔を歪める沙都子に、その限界が近づいているのは明らかだった。
 「畜生ォォッ!誰か、俺はどうでもいいッ!沙都子を、沙都子を助けてくれぇっ!!」
 来るはずの無い助けを求める声が、山中に響く。神様でも、悪魔でも、オヤシロさまでもいい!誰か沙都子を助けてくれぇ・・・。
 全てのものに俺が祈った瞬間。奇跡が起きた。
 「どうしたんだっ!」
 近くで響く、力強い男の声。さらに俺が叫ぶと、まるで機関車が走るような地響きが近づいてきた。
 「「富竹さんっ!!」」
 まさか、ありえない。沙都子を抱え上げた姿を見るまでは信じられなかったが、その頼りなさそうな顔は正しく富竹ジロウさんだ。
 「沙都子ちゃんは大丈夫、次は圭一くんだね。三四さん!手を貸してっ!」
 信じられないことに、鷹野さんまでそこにいた。俺達との戦いの後、行方知れずになっていたのに、どうして・・・?
 「よっと・・・。もう、大丈夫だね。驚いたよ、こんな所で二人がぶら下がっているなんて。」
 橋桁に足が付いて始めて、俺は自分が助かったことを実感した。腰が抜けたような気がして思わずその場に座り込む。
 少し向こうでは、鷹野さんが沙都子の介抱をしていた。沙都子自身も突然の再会に戸惑っているようで、目を白黒させている。
 「本当に、有難うございます、富竹さん。もし、富竹さん達がいなかったら・・・。」
 「いやぁ、人の命を救うのが自衛官の使命だからね。礼には及ばないよ。」
 照れ隠しに笑う富竹さんに、この場所にいる理由を聞いてみた。何でも、鷹野さんのリハビリを兼ね、偶然この辺りを散策していたらしい。
 戦いが終わった後、鷹野さんには雛見沢症候群の発症が認められたらしく、現在は入江診療所で秘密裏に治療を受けているということだった。
 謹慎に近い形で外出もほとんど許されていないそうだが、富竹さんが来た時は尋問のためという名目で、このように気分転換をかねて遠出をすることが許されているそうだ。
 理由はともかく、本当に助かった・・・。
 「そうね。罪というものを償うことなんて、本当は出来ないのかもしれない。」
 富竹さん持参の魔法瓶に入っていたコーヒーを飲んでいると、鷹野さんと沙都子の話が聞こえてきた。
 鞄の中から消毒液を探す富竹さんを尻目に、その話に耳を傾けてみる。
 「罪を償っても死んだ人は、お義父様もお母様も帰ってきませんわ。それならば、私はどうすれば許されるんですの・・・!」
 「ねぇ、沙都子ちゃん。罪の償いと言うものは、許されるためにするものなの?」
 「それは、違うのですか?」
 「許されないならば、罪を償う必要はないの?私は許されなくても、罪は償い続ける必要があると思うの。許すべき人がいないならば、尚更の事とおもうわ。」
 「許されることがないと分かっていてもですの?」
 「ええ。沙都子ちゃん、私の手はあなた以上に血みどろよ。直接手を下さなくても、多くの人の命を私は奪った。死刑台に登れと言われても、何の弁解の余地はないわ。」
 「死刑台・・・。」
 「でも、死んで許されるほど、私の罪は甘くない。それこそ百回死んでも足りないかもしれないわ。それでも沙都子ちゃん、私は自分が断罪されるその日まで生きてやろうと思うの。」
 「許されなくても、生きるのでして・・・?」
 「私を殺したいという人がいたら、いつでもこの命を差し出す覚悟は出来ている。でもその直前まで、私は自分が選んだ贖罪の道を進んでいくつもり。」
 「許されるためではなく、償うために生きるということですの?」
 「それはとても険しい道よ。でも、私は一生この十字架を背負って生きる。私のしたことで罵倒を受けるならば甘んじて受けるし、牢屋にだって死刑台にだって行っても良い。それでも」
 ふと、鷹野さんが富竹さんを見る。その目はとても優しくて、俺達と戦った時からは考えられないほど澄んだ瞳だった。
 「私を支えてくれる人が、大切な人が求める限り、私は自分からその命を投げ出そうとは思わない、どんな罪悪感に苛まれても、人としての生を全うしていこうと思うの。」
 「・・・・・・。」
 「自分の罪に背を向けないで、ずっと見つめていくのは辛いことよ。でもね、一人では重すぎる荷物も、傍にいてくれる人が居ればきっと耐えられるから。」
 鷹野さんの目が俺に向けられる。何を言いたいのかが痛いほど伝わり、俺は鷹野さんに力強く頷き返した。


 
678トラップバスター ◆CoudB9M4c2 :2007/10/26(金) 11:30:52 ID:wjRfaFDd

 送ろうかという富竹さん達の誘いを丁重に断り、俺達は小屋の前まで戻ってきた。捨てたリュックを取りに戻る必要があったし、今は落ち着く時間が必要だった。
 小屋の扉を開けると、埃っぽい臭い。元々は営林署の機材置き場だったというこの小屋は、今現在使われていないため沙都子の別荘のようになっていた。
 備え付けの毛布を敷き、並んで座る。見渡すと、四畳半ほどある室内に、トラップに必要な機材や備蓄用のお菓子等が置かれている。
 それ以外は証明用だろうか、古びたカンテラが棚に座っていた。
 「大丈夫か、沙都子。」
 富竹さん達と別れてから思うことがあったのか、沙都子はあまり喋らなかった。もしかして痛みがぶり返したのかと心配になる。
 「私は大丈夫ですわ。それよりも。」
 沙都子は俺の手首を見た。爪で抉られた傷が、生々しく残っている。
 「あ、ああ。これか。んなもん、唾つけときゃすぐ治るよ。それよりも、俺は・・・。」
 「唾を付ければ治るんですの・・・?」
 沙都子の膝の事を言おうとしたのだが、俺の言葉を遮って沙都子が俺の手を取る。顔が間近に迫って、心音が高鳴った。
 「って、おわっ、沙都子ッ!?」
 手首にわずかな刺激と、そして湿り気を帯びた粘着感があった。沙都子が俺の傷口に唇をつけ、舌を這わせたのだった。
 ちろちろと、赤く染まった傷口に桜色をした沙都子の唇が重なり、舌がそれを優しく舐める。
 手首に対するキス。一つ一つ丹念に舐め取る沙都子の唇にはとても色気があって、俺はしばらく放心していた。
 「ん・・・。私のせいで、こめんなさい、圭一さん・・・。」
 贖罪の言葉を告げながらの口付け。ぞわぞわと背中から背徳感が込み上げてくる。
 「気にするなよ。俺だって沙都子に、怪我、させてる・・・。」
 俺は沙都子に膝を立てさせた。すりむいた膝小僧は鷹野さんに消毒してもらっているが、包帯も絆創膏もしていないためか、また赤く滲んでいた。
 その膝に、沙都子がしたように口付ける。やはり刺激があるのか、沙都子がわずかに声を漏らす。
 普段は嫌悪感しか覚えない血の味だが、沙都子のものだと思えば甘さすら感じる。ほんの少し吸血鬼の気分が理解できる気がした。
 薄暗い小屋の中で傷口を舐めあう俺達。それは体だけじゃくて、心の傷を舐めあうということでもあった。
 「沙都子。もう、死ぬなんて言うなよな。」
 傷口を舐めながら、沙都子に囁く。
 「さっきも言ったけど、お前がいなくなること以上の不幸は俺にないんだからよ・・・。」
 「・・・私にとっても、圭一さんがいなくなること以上の不幸はありませんでしてよ。」
 「ははっ、じゃあお互いいなくならなきゃ問題ないってことだ。」
 傷口から唇を離して、沙都子を見つめる。沙都子はまだ手首へのキスを続けていたが、俺の視線に気づいてキスを止め、目を伏せた。
 「でも、私は親殺しの犯罪者で、雛見沢症候群の患者で、とんでもない人間なのですわ、こんな人間−」
 「馬鹿っ!」
 沙都子の自己嫌悪をこれ以上聞きたくなくて、俺は沙都子を抱きしめた。思ったよりも小さな、それでいて柔らかな体が密着する。
 「あ・・・。」
 電撃に遭ったかのように、沙都子の体が震えた。拒否ではなく、嬉しさで、自分を受け止めてくれる人を見つけた喜びによって。
 「お前がどんな人間でも、俺はお前の傍にいる。お前が泣いていても、俺がすぐ笑わせてみせる。駄目なんだ。俺はお前が笑っていないと駄目なんだ。」
 「圭一さん。私、生きていてもいいんですの?私笑っていてもいいんですの?」
 「ああ、どんな奴がお前を罵ろうとも、お前を不幸にしようとも、俺だけは傍にいるぜ。だから沙都子、俺だけのためでもいいから、生きると言ってくれないか。」
 「圭一さん、圭一さんッ!!私、生きます。お義父様やお母様、にーにーに謝りながらでも生き続けてやりますわっ!う、うぅ・・・うわああぁぁぁぁぁん!!」
 堰を切ったかのように、沙都子はこれまで我慢していた涙を流した。こんな小さな体でとても重たい十字架を背負っていたんだ。我慢した。よく我慢したんだよな、沙都子。
 俺は泣くだけ泣いた沙都子の涙を拭い。思い切りその頭を撫でてやった。
 その、撫でられて微笑む沙都子の顔があまりにも可愛いかったから、何の予告もなしに、俺は沙都子の唇にキスをしてしまったんだ・・・。


 
 
679トラップバスター ◆CoudB9M4c2 :2007/10/26(金) 11:31:36 ID:wjRfaFDd
 
 ファースト・キスがこんな形で奪われるとは思ってもいなかった。もっと、こう、優しく。お互いの了解を得て行うものだと思っていた。
 萎んだゴムのように圭一さんの唇は私の唇に絡みつき、不器用に動く。全然ロマンチックじゃない、無骨そのもののキス。
 でも、嫌じゃない。シチュエーションに違いこそあれ、相手は私の理想とする人だったのだから。
 
 良かった。相手が圭一さんで。そして、圭一さんが私の罪を全て知っても私を受け入れる人で良かった。
 鷹野さんが語ってくれた罪に対する償いの姿勢。許されるために償うのではなく、償うという覚悟を貫いて生きるということ。
 本当に辛い、苦難の道。きっと私の人生が終わるまで続く終わりの見えない旅。
 でも、その旅を支えてくれる人がいる。一緒に十字架を支えてくれる人がいる。それは罪深い私に起こった奇跡。
 私はこれからも周りの人を不幸にする運命なのかもしれない。だが、圭一さんが傍に居れば、その運命すら打ち破って見せてくれる気がする。
 
 「圭一さん。も、もう少しだけ下ですわ・・・。」
 日が傾きかけてきた頃、私は一糸纏わぬ姿で圭一さんを受け入れようとしていた。
 背中には乱雑に脱ぎ捨てられた私と圭一さんの服と下着があり、目の前には分身に手を当てて私自身に沈み込もうとする圭一さんの姿がある。
 「こ、ここか・・・。」
 何度目かの挿入に失敗し、圭一さんは焦りの色を隠せないようだった。朱色に染まった太い圭一さんの分身が、何も生えていない私の恥丘を滑っていた。
 「大丈夫ですわ、こうすれば・・・。」
 自分でも驚くほど淫らに、男性を受け入れる部分に指を当てて広げる。何も隠すものがない私の女性自身が圭一さんに晒されていると思うと、形容しきれない快感が私の中に込み上げてくる。
 『時には情婦のように』という歌があるが、私は圭一さんのための娼婦になることに、何の抵抗も無かった。
 「いくぞ、沙都子・・・。」
 痛みと共に、圭一さんが侵入してくる感触があった。ほんの少し、先端が埋没しただけで全身を引き裂かれるような衝撃がある。
 「だ、大丈夫か。沙都子!?」
 「く、思ったよりは痛くございませんわね・・・。もっと、奧によろしいですわよ・・・。」
 嘘だ。母がこんなものを好んでいたとは信じられないくらいに痛い。
 圭一さんが私の奥底に入り込むため腰を進めるが、その度に激痛が走る。見ると私と圭一さんが繋がっている部分からは、うっすらと血が滲んでいた。
 「おい、我慢するなよ。痛いんだろう!?」
 「だ、大丈夫ですわ。この程度の痛みなんて、痛みなんて・・・。」
 歯を食いしばりながら答える。圭一さんのためなら自分の全てを捧げる覚悟はとっくに出来ていた。圭一さんが望むなら、命だって差し出しても構わないんだから・・・ッ!
 だが圭一さんは、私の膣内からゆっくりと分身を引き抜いた。粘液と血液の混じったものが、夕日を受けて輝く糸を引く。
 「け、圭一さん・・・。」
 私では、幼い私の体では圭一さんを満足させることが出来なかったのだろうか?
 落胆に私の顔が曇る。そんな私の頭に、圭一さんの右手が伸びた。
 「沙都子、俺も初めてだからよく分かんないけど、こういうのってお互いが気持ち良くならないと駄目だと思うんだ。」
 いつものように、温かい手の平が私の頭を優しく撫でる。それだけで、私は全身が悦びで満たされていくのを感じた。
 圭一さんは、母を抱いていた男達とは違った。あの連中ならば、欲望のためなら相手の事も考えず、ただ腰を振り続けただろう。
 しかし、圭一さんは快楽を目前にしても私のことを気に掛けて、その欲望を抑えた。
 男の欲望を嫌と言うほど知らされた私だから、その決断にどれだけの重さがあったのかが分かる。
 思春期の男子というものについては雑誌くらいでしか知らないが、女の子の事が欲しくて欲しくて、たまらなくなるらしい。
 そんな時に、目の前に自分から求めてくる女の子が居る。それは空腹時にご馳走を出されたようなものだ。
 しかもそれは初めての体験。誰もが夢見る大人の世界への甘く、甘美な扉だ。
 だが、後少し進めば得られる快感を前にして、圭一さんは行為の中止を選んだ。自分の欲望よりも、相手の身を案じる道を選んでくれたのだ。
 本当に、圭一さんの心遣いが嬉しい。でも、私だって相手に悦んでもらいたいんだ・・・。
 
 
 
680トラップバスター ◆CoudB9M4c2 :2007/10/26(金) 11:32:17 ID:wjRfaFDd

 「こういうのって、お互いが気持ち良くならないと駄目だと思うんだ。」
 苦痛に耐える沙都子の顔を見ているのに、これ以上耐えられなかった。
 俺は突き進みたい欲望を必死に押さえ、分身を引き抜くと沙都子の頭を優しく撫でた。
 そりゃぁ、俺だって沙都子の全てを貪りたい。でも、沙都子の小さな体では、俺の全てを受け入れることは無理なようだった。
 隠された部分に出来た肉の筋に先端を入れるだけで、万力に挟まれたかのような圧力が分身に走る。それは俺自身に形容しがたい快感を与えてくれたが、同時に沙都子に苦痛を強いることであった。
 本当に子供のような甘い考えだとは思うが、セックスというものは、片方だけが気持ち良いだけでは駄目だと思うんだ。
 だが、頭はそう思っていても、いきり立った俺の分身は欲望を吐き出したいと自己主張をしている。
 家に帰ったら机の奧からビニ本を出す必要があるな・・・。
 「うわっ!」
 そんなことを考えていたら、俺のその部分が柔らかいもので包まれた感触があった。見ると、沙都子が両手で俺の分身を包み、まじまじと見ている。
 「さ、沙都子!?」
 「・・・圭一さんの、苦しそうですわね。」
 先端と、竿の部分にかかった指が俺の快感を刺激して、分身が大きく跳ねる。
 「あちらなら無理ですけど、ここでなら・・・。」
 どこで覚えたのだろうか、沙都子は分身を包み込むと、上下にしごき始めた。ぎこちなく、力も自分でするのとは違って弱い。
 しかし、そのもどかしさがかえって俺に快楽を与える。年端もいかぬ少女に奉仕させる背徳感。
 ああ、今ならイリーの『沙都子メイド化計画』が理解できる。あの、強気で生意気な沙都子が俺のために懸命になっているんだ・・・。
 「なあ、沙都子・・・。擦るのも良いけど、くわえてくれないか・・・?」
 だから、俺も調子に乗ってそれ以上の事を求めてしまう。下の口が駄目なら、上の口が欲しいと。
 「こう、ですの・・・?」
 小首を傾げながらも、沙都子が俺の先端をくわえ込む。快感が電撃のように走り、一気に射精感がこみ上げた。
 「くっ、沙都子。もっと」
 優しくと続けたかったのだが、沙都子には強くと聞こえたのだろうか。先端部分が下で転がされ、強く吸われた。
 「うおおぉぉッ!!」
 どくん、どくんと欲望が放たれる。それは一気に沙都子の口中を汚し、逆流してが口元から吹き出た。
 「けほ、けほっ!?な、何ですの、これ。おしっこ・・・?」
 液体の正体を知らぬ沙都子が、口元に付いた白濁のそれを舌で舐め取る。
 その姿がとても淫らに見えて、俺は再び擡げようとする分身を収めるのに必死になってしまった・・・。


 
681トラップバスター ◆CoudB9M4c2 :2007/10/26(金) 11:33:22 ID:wjRfaFDd

 結ばれた私達が梨花との家に帰ってきたのは、日が落ちる直前の事だった。
 セックスという意味では失敗なのかもしれないが、私達は肉体的な結びつきよりも強く結ばれた気がしていて、幸せだった。
 あまりにも幸せ過ぎて、ここまでずっと両手を繋いでいた程だ。
「あっ、沙都子っ!探したのですよ!!」
 小屋の前では梨花が立っていた。圭一さんと一緒に居ることを冷やかされると思っていたが、血相を変えて走ってくる。
 「どこに行っていたのですか、鉄平が、鉄平が帰ってきたのですよ!!」
 梨花からもたらされたのは最悪の報せ、私を虐待していた叔父が、北条鉄平がこの雛見沢に戻ってくるという報せだった。
 またあの日々が戻ってくるのか、しかも今回は私を守り続けてくれていたにーにーが、居ない。
 私は膝から力を抜けるのを感じていた。鉄平の帰還はこの楽しい日々の終わりを意味する。梨花もその事を悟っているのだろう、沈鬱な表情を浮かべていた。
 「あ・・・。」
 膝がカクン、と曲がる。しかし、曲がった膝は土に付くこと無く、強い力で引き上げられた。
 「どうしたんだよ、沙都子。」
 私を引き上げてくれたのは圭一さんだった。
 そうだ、私には誰よりも心強いもうひとりのにーにーがいる。どんなことがあっても私の傍に居てくれる、誰よりも愛しい私の恋人がいる。
 覚えていないはずの記憶の中、圭一さんが見せてくれた運命への挑戦と打破。その光景がありありと浮かぶ。
 そうだ、私がトラップマスターならば、圭一さんはその罠を打ち破るトラップバスターなのだ。
 仕掛ける者と打ち破る者が一緒なら、怖いものなど何も無いではないか・・・。
 「をほほ、を〜っほっほっほっほっ☆」
 私は笑った。北条鉄平!?それがどうした。
 お前よりも辛く、高い壁を乗り越えた私が、今更チンピラ風情に屈するわけがないだろう。
 「みぃ、沙都子。どうしたのですか?」
 心配そうな顔を浮かべて梨花が尋ねる。大丈夫だよ、梨花。私はもう負けないから。
 「梨花も心配性ですわね。あんなチンピラ、私のトラップでお茶の子さいさいですわ。を〜っほっほっほっ〜♪」
 こんなに愉快に高笑いしたのは久しぶりだった。今の私ならどんな運命にも、どんな罪の重さにも耐え切れることが出来ると思う。
 圭一さん、あなたが傍にいてくれるのならば、私は無敵だ。
 秋の月が夜空にかかろうとする中、戦いの始まりを告げる私の笑い声が、いつまでも高く響いていた。


 終わり


682トラップバスター ◆CoudB9M4c2 :2007/10/26(金) 11:43:27 ID:wjRfaFDd
以上で投下終了です。

私なりの沙都子に対する「救い」を書いてみたのですが、本当に読みにくくて申し訳ありません。

罪の償いに対する考え方は、諸氏諸兄それぞれだと思います。鷹野に語らせた償いの方法も、誰もが納得できるものではないと思います。

それでも、ひぐらしの中で最も重い罪を背負っている沙都子を救う話は作れないかと、ない知恵を絞って考え付いたのがこの作品でした。

他の職人さんならばもっと良い形で纏められたかもしれませんね。

圭一と羽入の作品も、出来次第投下していきたいです。今回も乱文乱筆失礼しました。
683名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 12:42:46 ID:MVo7DLws
現在486kb。
次スレ立てた。

 【ひぐらし】07th総合part13【うみねこ】
 http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1193370066/


>>682
あとで読ませてもらうよ
684名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 13:22:55 ID:F+wWFz8y
>>682
乙、面白かったよ。
他は文句ないできなんだがエロパートが薄くないかな。
ま、童貞処女じゃあんなもんなんだろうけど…。

あとパイナップルARMY噴いた
685名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 15:24:14 ID:g/nhaWar
>>682
GJ! 圭一と沙都子が愛し合ってるってのが伝わってきて良かったよ。
たしかに>>684が言う通りエロは少なめだったけど、俺としては十分だと思う。
圭一×羽入にも期待してる。自分のペースで良いからがんばってくれ。
686名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 18:09:01 ID:5zP1vdPs
エロは確かに少なめだけどエロに至る展開がすごく良かった!羽入のターンも超期待!
687名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 18:27:46 ID:CZCz+kFJ
ゴーシって

パイナップルアーミーかよw
688名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 22:30:46 ID:TYMxFtsK
>>682
圭一×沙都子成分を補充させてもらったよ。GJ!

>>俺は松○梅のCMに出てくる七曲警察署刑事課長のように
あー年代的に分からない人が多そうだなーwww
つか、懐かしすぎw
689名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 22:37:33 ID:dEU8FkVv
>>647はゴムすればもっとよかった
ちゃぷちゃぷして遊ぶ梨花ちゃまが読みたい
690名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 23:34:34 ID:wkE8h8C3
>>682
圭沙は報われないものが多いからこういう終わり方でホッとした。
保管庫の方には分割して入れておきました。
羽入にも期待してます。
691名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 23:40:49 ID:gR+kTEG2
>>682GJ
エロよりもそれまでの展開が
素晴らしかった つり橋での二人の
セリフがいい
692682 ◆CoudB9M4c2 :2007/10/27(土) 09:40:32 ID:jxsR8nWp
ご感想と激励ありがとうございます。

読み返すと、ご指摘のとおりエロ分を強化しないといけないと思いました。

自分は行為そのものよりも、それに至るまでの過程を重視する性質なので、次回は内容の充実に力を入れたいです。

あと、パイナップルARMYネタと裕次郎ネタを分かってくれる人がいて、驚きです。スルーされるだろうなと思っていたので嬉しかったです。

保管庫に更新して下さった方も、分割整理して頂きありがとうごさいます。

また、満足できる作品を投下することで、お礼に代えさせて頂くつもりです。
693名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 10:47:52 ID:tSRXUqA2
松竹梅は俺的には渡哲也だったんだが
そういえば裕次郎もやってたっけな。
何にしても乙だぜ
694名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 13:35:41 ID:oDgPLtxw
>>647です。

「梨花ちゃんのターン」完成したので投下する

俺は梨花ちゃん受けが好きなのかもしれない…
695梨花ちゃんのターン:2007/10/28(日) 13:39:56 ID:oDgPLtxw
 

 前回(梨花への求婚)のあらすじ

「求婚! 求婚!」
「断婚! 断婚!」
「えぇっ!? そんなぁ梨花ちゃんっ!」
「あ、男根の間違いだったわ」
「愛してるっ!」
「ああんっ」


『梨花ちゃんのターン』


「くぅっ……」
 ペニスを左手で撫で回す。濡れた私の性器で何度か擦っていたので、すべりはいい。早すぎず遅すぎず。
緩急、強弱を入れ替えながら、圭一がそのたびに全く違う快感に支配されるように。
 じれったいのか気持ちいいのかよく分からない声を上げる圭一。改めて、その裸を見つめた。
 当たり前といえば当たり前だけど、私より広い肩幅に無駄のない肉の付き方。どんな運動でも軽々とこな
せるのではないだろうか。色も健康的。そして……。
「……っ」
 こうやって触ってはいるけれど、実はまだ、ペニスを直に見ることができないでいた。大きさを触覚で
確認しながら、こんな大きいのが私の中に入ったのか、とじんじんする股を見る。いじられて、入れられて、
狂ったように喘いでいた自分を思い出して赤面した。
 圭一がそんな私に気づいて何か言おうとしたので、一際強くペニスを握った。
「いだっ!」
「あら、ごめんあそばせ」
「いや、それ沙都子だから……」
「私としている最中だっていうのに沙都子のことを考えるのね圭一は」
「梨花ちゃんのせいじゃん……つあっ、ごめんなさい俺が悪うござんした……」
 そう言ってまた苦悶の表情を浮かべて喘ぐ。
 その顔に、幼さはもうない。それはつまり、百年以上見続けた中学生の頃の圭一はもういないということ。
時間は確実に経過しているのだから、顔が大人びるのも当然だった。そんな圭一に私が託すのは、私の全て。
いや、もう託したといってもいい。ついさきほど、私の処女は捧げたのだから。
「……んぁ…んん…んむん……ん」
 今度は私が上になり唇を交し合う。経験してわかったことだが、下のほうがディープキスはきつい。おまけに
圭一があまりに激しすぎたし。喉に流れてくる唾液が絶え間なくて、何度しゃくりあげただろうか。首を伝って
胸にまで流れて、乳首が刺激されたせいで熱くもなった。
 眠たくなりそうなほど単調なリズムで粘膜を弾く音が響く。時々顔を放しては、まっすぐに見つめてくる瞳に
私が映っているのを確認する。
「ん…ふふ……あむ…んぅ」
 頭が真っ白になって、そのときの記憶すらうろ覚えになるくらいに激しいのもいいけれど、やっぱり私には、
こうして圭一のことだけを考えながら自分のペースで事を進めていくのが合っているのかもしれない。だから焦れる圭一には悪いと思う。
 頭でっかちな思考。百年続けたそれはこれからも変わらないだろう。
 そして、私にはない行動力。それを備えているのが圭一。きっと私が惹かれた理由の一つ。
「…ぷはっ…っ梨花ちゃんキス魔だな……」
「…………」
「んんっ!?」
 何も返さずキスに戻る。圭一から口を離したときの物足りなさ、名残惜しさに引かれて唾液の橋が形状を失う前に。
子どもみたいだと思った。いや、子どもなのだろう。どこまでも自分が自分でいられるような気がして、それはきっと私の考えるとおり。
 ――愛してるからな。
 ありがとう。私も愛してる。
 だから。ずっとあなたの傍にいさせてください。

696梨花ちゃんのターン:2007/10/28(日) 13:45:47 ID:oDgPLtxw


「……んんんっ!」
 圭一が声、というか漏らした息を荒げる。知らぬ間にキス自体が荒くなっていたのだ。
 舌先、頬の内側、それは頭がくらくらするほどに全部圭一の匂いだった。唾液交換をすると
かすかに私の匂いも紛れ込む。それを残さず飲み込んでくれる圭一がただただ愛しい。
 長い間、自覚がなかったのだろう。私は愛情を求めていた。お母さんとお父さんがいなくて、
動き出した時の中で日々広がりゆく縁の見えない空白。包み込むでも、ぶつけるでも、
その裏返しでもいい。私を愛してくれる存在が欲しかった。そんな人を私は愛せると思っていた。
 今まさに、圭一と契りを交わしている。
「……はっ、はぁっ」
 身体を起こす。圭一が息切れしながら私を下から見つめて、
「梨花ちゃん…エロい顔してるなぁ……」
 なんて勝ち誇ったように言うもんだから。
 夏休みが終わり、また暫く圭一と会えなくなることを考えて泣きそうになっていた私は、
別れを惜しむよりいついかなるときでも忘れられないような私との思い出を圭一に植えつけてやろうと思い立ったのだった。
 圭一のペニスを見る。
 掌で感じた雄雄しさなんて、こうして見てみればなんてことない。大きさや太さのことを言っているのではない。
それはひとえに、今の私の百八十度変わった視点による。天を突く、なんて大仰な表現がひどく滑稽に思えた。
ひくひくと空中を掻く様は、そこに何もないことに慌てふためいている一人では何もできない幼子そのものではないか。
 でもその行き場をいやらしく濡れた私のあそこに求めているのなら、それも悪くないわね。
 私は圭一に問う。ペニスを指でさすりながら。
「ふふ…他のところも舐めてほしい?」
「えっ、あ……。あ、ああそう……だな。梨花ちゃんの、したいように…してくれよ…」 
 明らかに下半身を意識した反応。そうさせるのが悪いと思っている気持ちと本能には逆らえない気持ちが混じり合った
複雑な表情を見せる。プラスそれを押し隠そうとしている意図ね。そうして、選択権を私に委ねたのだ。圭一は。
 詰ってやろうかとも思ったけれど、まぁいいか。そういう認識、つまり圭一へのアドバンテージさえあればいつだって、
私は余裕綽々の顔でいられるのだから。
 ただ、圭一の希望通りにペニスに顔を埋めるのは面白くないので、ふと思いついた別の行為をしてみることにする。
「まったく。何を期待しているのかしら。圭一のここは」
 私は股を開いて右脚を圭一の顔に突き出すと、そっと顎に指先を下ろし、正中線をなぞってそのままペニスへと導いていく。
そして、裏筋を指の間で挟み込むようにして擦った。
「私に舐めてほしかったのかしら? 私の舌で。禍々しく浮き出た血管を圧迫して、カリを包んで頬の肉と挟んで、
私の思うように動かせる今だけの性器の中で、慰めてほしかったのかしら? そうして最後には喉奥を精子の行き所として……。
ねぇ、圭一? でも、だめ。そんなの文字通り足蹴にしてあげるから」
「うぁあっ、梨花ちゃん全開っ……」
「ほら、また大きくなった。私の小さい指の隙間ではもう十分にしてあげられないわ」
 両足で挟み込んだ。そのまま上下運動を繰り返す。俗に言う足コキ。
「くっ、あっあぁあ……」
 
697梨花ちゃんのターン:2007/10/28(日) 13:48:36 ID:oDgPLtxw


 圭一が気持ちよさそうに喘ぐ。手とは違って不器用にしか動かせない足。こうすれば気持ちいいだろうと思って、
ただの上下運動に加えた別の力では望みどおりの反応を得られず、逆に探るようにして加えた動きでは至高の反応を得られる。
こうして、自分の一番大切なところを手中(厳密に言えば足中)に収められていて、なおも逆らおうとするのか。圭一のここは。
私は興奮する。
 そして私の圭一への嗜虐心は強まっていく。
 やがて、快感に対する認識のずれが正されてくると、私は言うのだ。
「ほらっ、こ、ここが気持ちいいんでしょっ……っ」
 ずっと股関節に力を込めたままだから、こっちも少し疲れる。そのために投げかける言葉も焦ってとげとげしさを余計に含んでいく。
「びくびくって…、震えてるわよっ……! イっ、イきたいのっ? そうなんでしょうっ?」
「そ、それやばいっ! あ、あぁっ! もう、で、射精るかもっ……!」
 圭一がそう言ったのを確認すると、私は足を止めた。
「なっ……」
 非難の眼差しを向けてくる。虚ろな瞳の奥にドス黒い感情を読み取ることができた。男の本能といえばいいだろう。
精子のように粘っこい視線が私を絡めとろうとする。圭一の意識上では、すでにもう私に欲望を放っているはずなのだった。
背筋がぞくぞくと奮える。
「はぁぁ……」
 その奮えはお尻を伝って私の中心にたどり着く。そしていやらしく涎を垂らした。
 ぬちゃ…。触るまでもなく理解していたことだけれど、とうに準備はできていた。
 圭一の上に跨る。
「一人でイクなんてだめよ、圭一。ちゃんと、こうして……ん…」
 膣口にペニスの先を宛がうと、触れてはいけないものに触れてしまったかのように腰が跳ねた。そこまで敏感な膣を
これから、奥の奥まで圭一のもので埋めていくのだ。
「ん…ふ、ふぁ…あ…あああぁ…」
 時間をかけて腰を下ろしていく。圭一の呻き声が聞こえたが気にする余裕はなかった。
「あっ! あっ、ひぅっ!」
 膣壁を押し広げて圭一が昇ってくる。昇り詰めてくるに従って快感が二乗三乗になっていった。圭一の熱さが触れている場所が、
まだ触れていない場所への快感を期待させて、もう止まれない。そうして、一番奥にまで達した。
「あぁあああっ」
 同時に、快感も軽く達した。身体が痙攣して膝が圭一のわき腹を何度かつついた。
「はっ、あっ……かはっ…」
「……梨花ちゃん、もしかしてイった?」
「…………」
 息切れしながら申し訳なく頷いた。ちらりと圭一の表情を窺うと、今にも私を犯そう襲おうとしていたさっきまでの雰囲気はなかった。
目の前でイってしまったのだからそれも当然かもしれなかった。何となく、負けたような気分。
 だから。
「イっ、イってないわよ……っ」
 と鋭い視線を飛ばした。
「今痛いほど締め付けられたんですが……」 
「けっ、圭一のが大きくなったのよ! ほ、本当に節操のないおちんちんねっ。圭一は遺伝子レベルで、
え、Mに違いないから、い、苛められて悦んだんでしょ」
 息をつかず捲し立てた。
「えーと、反論していい?」
「だめよ。そんなことしたらもうしてあげない」
「ぐっ……それは卑怯だぞ」
「そう思うなら黙って私のされたいようにされてなさい」

698梨花ちゃんのターン


 ゆっくりと腰を動かし始める。ああ、気持ちいい。
 ぬちゃり、と艶かしい音を聞きながら私は考える。
 どうも、セックスをしているとき私は情緒不安定になりがちなのかもしれない。自分のことで恥ずかしいの
だけれど、身体がかなり感じやすいようだ。圭一を苛めようと気を張っても、挿入された瞬間から全てが飛んでしまう。
快感が全ての感覚を支配してどうにもならなくなる。私が私でなくなるような感じなんだけれど、きっとそれも私に違いないのだろう。
 ……こういった行為を重ねるうち、圭一が私より優位に立つ場面が増えてくるのかもしれない。
覚悟しておかなければならない、が、それは悔しいことだった。
「うぁぁあ……気持ちいい」
 その言葉に私は嬉しくなってさらに腰を振るスピードを早くする。
「はぁっあっはん、ぅあんっ、やぁっ、あぁっ」
 圭一が子宮口を突いているのがわかる。一際感じる場所だった。膣壁をえぐられる快感がペニス状の波になって子宮口へと集約される。
そうして体中を駆けていく。胸が疼き始めたので圭一の手をとって握らせる。
「ひぅっ!」
 待ちわびたとでもいわんばかりに反応する乳首。圭一の手で圧迫されたせいか、自分の鼓動がより響いて感じられる。
もう、全てが敏感になって何もかも感じずにはいられない。私という生の息吹はたった一人の愛する人との交わりにおいて、
最も激しくなる。女に生まれてよかった、という感情の発露。
 そして、もし、このまま中出しされたら、という考えが頭を過ぎった。
「ね、ねぇ、け、あっ、けいいちっ」
「な、なんだ…梨花ちゃん…くぅ」
「このまま、ひゃあっ、膣に出して、ひっ、みない……っ?」
「うぁっ、し、締まるっ! って、え? な、中出しっ?」
「そ、そう、よっ、あんっ、また圭一が大きくなった」
「な、中出しは……って俺じゃなくて梨花ちゃんのが締まってるんだよっ、…ほらまたっ」
 腰を止める。何か聞き逃せない言葉があったからだ。
「り、梨花ちゃんっ? う、動いてくれよっ」
「圭一の言い分だと、私が中出しって言葉のたびに反応するいやらしい女みたいじゃないっ」
「えっ? ってまた締まるっ!」
「ち、違うわよっ。圭一のが大きくなってるのよっ」
「いや、そうは言っても……。こればっかりは…、なぁ……、俺が正しいように、思う……のですが……いかがでしょう……?」
 喋っている途中から睨みつけたので、圭一の言葉は尻すぼみ&敬語になる。
 それにしても、腑に落ちないことを言う。淫語に反応するなんてまるっきり変態じゃない。
そういうのはいつだって圭一の役目であるはずでしょ。これは試してみるしかないわね。
「な、中出しっ」
「へっ?」
「妊娠っ」
「なっ!? って、くっ……、あの、締まってます……」
「っ!? ち、膣内射精っ」
「それ中出しと同じ意味だからっ、あぁっ、でも気持ちいいっ」
「…………」
 圭一の反応は嘘には見えない。それだけに、納得できないものがある。このまま淫らな女という烙印を押されてしまうのだろうか。
 私は腕を組んで考えるポーズをとる。胸が火照っているのが両腕で感じられた。
「うおっ、ボリュームアップ?」
 という圭一の馬鹿みたいな声が聞こえたが無視した。