バハムートラグーンの二次創作スレです
2 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 04:12:39 ID:/7mZJPax
ぬるぽ
>>2 ガッ
自分の戦斧で2の頭がへしゃげたでアリマス
保守
即死判定って今もまだあるんだっけ?
とりあえず新スレ初ディアナたんハァハァしておく
とりあえず新スレ初アナスタシアたんハァハァしておく
保守
とりあえず保守
保守
まったりと保守る出でアリマス
なんかネタないかねえ
そろそろディアマイナイトがこっちに移ってきてくれるハズ! …だよね?
定期うpしてくれてるしネタは十分でアリマスよ
どうでもいい事だが、そのタイトルを見ると
目が勝手に「ディアナ」という文字列を拾ってしまう
末期的だな俺
ディアナダイナマイトに見えて、どこがダイナマイトなのか考えてハァハァしてしまう俺よりはましかもしれん
「ごめんな、メロディア」
その一言であっさりと機嫌を直したメロディア。
そんな彼女は今、テーブルの対面でスープをすすっているビュウをニコニコと見つめていた。
「ねえ、美味しい?」
「ああ、相変わらず美味いよ」
「わーい、嬉しいなー!」
ぴょんぴょんと飛び跳ねだしかねない勢いでメロディアは喜ぶ。
ちなみにメロディアは既に食事をおえている。
これは単に食事量の違いということもあるのだが、実際のところは小さな少女故のちょっとした乙女心が作用していた。
自分が一生懸命作った料理を好きな人が食べているのを見る。
それは思春期を迎えようとしている少女にとっては何事にもかえ難い幸福だったのだ。
「俺はこれからフレデリカのところに薬草を届けてくるけど」
「メロディアはモニョ達と遊んでるから平気だよー」
「そうか。ごめんな、いつもあんまり相手できなくて」
「ううん、いいよ。でも、帰ったら一緒に遊んでねビュウ!」
「ああ、わかったよ」
微笑むビュウに微笑み返す。
たったそれだけのやり取りがメロディアの幼い心を満たしていく。
(ごめんねおじいちゃん。でもメロディアは愛に生きるのっ!)
故郷に放置してきた祖父(ことわざジジイ)に謝罪しつつ、メロディアは今日も地道にビュウの隣を目指して頑張るのだった。
「じゃあ、行って来る」
「いってらっしゃーい!!」
チュッチュッ…!
頬に受ける熱烈なキスにビュウは苦笑する。
メロディアと同居するようになって以来、もはや当たり前になってきたやり取り。
少女の歳が歳なのでビュウの観点からすればおままごとに付き合っている感覚ではある。
が、それでもメロディアは十分美少女といって差し支えないレベルの女の子だ。
ビュウも男である以上は美少女にこうしていってらっしゃいのキスをしてもらえるというのは悪い気はしない。
どこまで本気なのかはわからないが、目の前の少女が自分を慕ってくれているのは確かなわけなのだから。
「いい子にしてるんだぞ?」
「あーっ! また子ども扱いしたー!」
「ははっ、悪い悪い。いくぞ、サラマンダー!」
「メローッ! 待てーっ!」
ビュウの掛け声に一鳴きして応じる赤き竜。
そして次の瞬間には、その巨体はバサリと翼をはためかせて空に舞った。
「今日も空は蒼いな…!」
視界を覆う蒼穹にビュウは感嘆の溜息をつく。
眼下では羽ばたきの風圧でこてんと転んだメロディアが「メロメロー!」と憤慨しているのが確認できる。
ビュウは心の中で少女に謝りながら今の我が家であるラグーンから飛び立った。
「よし、じゃあまた後でな」
王都近くの郊外に降り立ったビュウは散歩へと飛び立つサラマンダーを見送った。
そして自身も王都へと歩き出す。
オレルスの守護者としてバハムートを駆るビュウだが、別に彼は常にバハムートに騎乗しているというわけではない。
不眠不休、食事すら必要としていない神竜と違い、ビュウは人間である。
当然、四六時中バハムートと共にいるのは不可能。
それに、竜付き合いはバハムートよりも他の戦竜達のほうが遥かに長い。
竜としての存在格が違うからといってバハムートばかりを贔屓するわけにもいかないのだ。
まあ、それでも普通はバハムートを最優先するのが常識というものなのだが…
ビュウの竜好きに貴賤はないということなのだろう。
そして、そんなビュウだからこそ竜達も懐くのだ。
閑話休題。
数刻後、目的地であるフレデリカの薬屋に到着したビュウは首を傾げていた。
とうの昔に開店時間は過ぎているというのに、店が開いていなかったのだ。
「本日休業…?」
扉にかけられた札にビュウは更に首を傾げる。
フレデリカから予め休店日を聞いてはいるが、今日はそうではなかったはず。
いぶかしんだビュウは裏手へと回った。
もしかしたら、また倒れているのかもしれない。
彼女の健康状態をよく知っていたが故にビュウの足は急いだ。
六話終わりー、新スレ初登場でございます。
次回は原作新のヒロインことフレデリカ嬢登場予定。
SSのためにニコ動でプレイ動画を見てみるが、見れば見るほどなんでヨヨのための話を書かねばならんのだ?
と思えてきてしまうから怖いwww
祝六話目!
あー、うp早いのは涙がちょちょぎれるほど嬉しいですけど無理せんでくださいね。
フレデリカ・メディンスは解放軍結成当時からのメンバーである。
プリーストとしての腕は一級品で、ビュウも戦闘毎にたびたび世話になっていた。
性格はいたって温厚で穏和、万人に優しく物腰も上品で清楚。
そんなプリーストの鏡ともいえる彼女はファーレンハイト内『お嫁さんにしたい女性ランキング(ディアナ調べ)』上位入賞の実績を持っていたりする。
ただ、彼女は唯一の欠点として謎の病弱さをその細い体に抱えていた。
本人が頑として語らぬその病弱さは彼女に薬の服用を推し進めた。
ビュウが彼女と顔をあわせる時、半分以上は薬を服用している場面があったくらいなのだ。
しかし、その病弱さも戦争終結と共になりを潜めるようになる。
戦争が終わったことによって精神的な作用がプラスに働いたのだとか、薬の効果が今頃になって現れたのだとか諸説は様々。
ディアナによると、あれは仮病だったのだという一説すらあったくらいである。
まあ、真相がなんであれ、フレデリカの体が健康に向かったのは確かなので周囲の者たちは特に気に留めなかったことではあるのだが。
それはさておき、裏口にまわったビュウは急いでポケットから鍵を取り出した。
言うまでもないことだが、合鍵である。
フレデリカが何を思って自宅(フレデリカの薬屋は自宅兼業)の鍵をビュウに渡したのかは定かではないが
少なくともビュウが彼女の意図を汲んでいないことだけは確かだった。
「気のせいであってくれればいいんだが…」
健康に向かっているとはいえ、フレデリカの健康は一般人のそれに比べればまだまだ危うい。
ゾラやディアナといったプリースト仲間がたびたび訪れるといっても彼女は一人暮らしなのだ。
心配はしすぎて困るということはない。
ガチリ、と裏口の鍵が開く。
そして次の瞬間、時が止まった。
『え…』
金の髪を持つ男女の声が重なる。
ビュウの心配を余所に、フレデリカはしっかりと立っていた。
ただし片足で。
「ふ、フレデリカ?」
「ビ、ビュ…ウ、さん?」
誰もいない部屋の中、二人はそろって戸惑いの声を上げた。
顔だけをビュウに向けて固まっているフレデリカは下着姿だった。
着替え中だったのか、上半身は何も身につけていない。
下は脱ぐ最中だったらしく、宙に浮いている左足にスカートが引っかかっている。
「ぅわっ…!」
ビュウの頭にカッと血が集まっていく。
生まれてこの方、ヨヨ以外の女性と縁がなかった(というか目に入らなかっただけ)彼は女性の裸に耐性がない。
基本的に真面目軍人でドラゴンの世話さえしていれば幸せ、といいきれる男である。
勿論、娼館に行くという選択肢も取らなかったため彼は未だ童貞だった。
(マ、マズい!)
女性の下着姿を見つめ続けるなど言語道断。
ビュウは目をそらそうとするも、体は男の本能に正直だったらしく主人の言うことを聞かなかった。
フレデリカの体は扉の反対側を向いていたため、視界には後姿しか映らない。
だが、ウブな竜騎士にはそれだけでも刺激的な光景だった。
病的なまでの白い肌が金色のおさげに見え隠れし、見事なコントラストを作り出す。
ほっそりとしながらも女性的なラインを描く後姿がビュウの男を捉えて離さない。
「あ…っ」
送れて数瞬、ようやく状況を把握したフレデリカが大きく息を吸い込む。
まずい、とビュウは咄嗟に身をかがめ、友人の口を押さえるべく飛び掛る準備をする。
だが、既に彼女の悲鳴を止める時間的余裕は存在していない。
ビュウは悲鳴と罵倒を覚悟した。
「き――(くらっ)」
しかし、覚悟に反して悲鳴はあがらなかった。
フレデリカは悲鳴を上げる暇もなくパッタリと倒れこんでしまったのである。
「フレデリカ!?」
慌てて駆け寄るビュウ。
パッと見、フレデリカの体に異常はない。
足から崩れ落ちるように倒れたおかげか、体へのショックは少なかったのだろう。
ビュウはホッと息をついた。
が、問題はこれからである。
「ど、どうする…?」
倒れたままのフレデリカを前に、ビュウは自問自答する。
普通に考えればベッドにでも運んで介抱するべきなのだが、今のフレデリカは半裸状態だった。
つまり、そうなると倒れている女性の体を目にし、そして触らなければならない。
「仕方ない、か…」
悩んだ末、ビュウは極力見ず触れずを貫くことを心に誓って行動を起こすことにした。
自分の我侭でいつまでも床に女性を放置するわけにはいかないのである。
「ごめんな、フレデリカ…」
視界の端に映る下着や胸のふくらみにドギマギしつつフレデリカへと手を伸ばす。
ビュウとて一人の健康男子なので半裸の女性を前に欲望を覚えないわけではない。
しかし、フレデリカは解放戦争からの戦友であり、今では大切な友人の一人。
そんな女性が大変な時に、欲望を抱くということはビュウにとっては許しがたいことだった。
と、その時。
ビュウは後ろに現れた気配を感じ、反射的に振り向いた。
……振り向いてしまった。
「フレデリカ、いるー? 休みの札が出てた…け……ど」
そしてそこにいたのは、フレデリカのプリースト仲間であるディアナ・サウワーだった。
ピシリ。
そんな擬音と共に空間にヒビが入ったことをビュウを知覚した。
そして今の状況を振り返る。
現在、自分はフレデリカへと中腰で手を伸ばしている体勢。
フレデリカは気絶していると一目でわかる状態で床に倒れている、しかも半裸。
さて、この状況を見てディアナは正確に一連の流れを読み解き、誤解をしないでくれるだろうか?
――結論、そんな都合のいい展開はありえない。
「ビュウ…」
静かな、そして重々しい声がディアナの口から発せられた。
七話終わりー。
プロット段階ではシリアス一辺倒のはずだったのに書き始めてみればコメディ分が…
前スレ1000逝かずに落ちるとか・・・
GJ
ディアナは噂か
無理せずに頑張ってください
皆思ってるだろうが、敢えて言おうGJであると!!!!
<⌒/ヽ__
/<_/___/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(゚д゚ )
<⌒/ヽ-、_ノヽノ|
/<_/___/ < <
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
Σ(゚д゚ )
<⌒ヽ_/ヽ-、ノヽノ|
/<__ノ/___/ < <
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(゚д゚;)
<⌒/ヽ-、_ノヽノ|
/<_/___/ < <
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧∧
( ・ω・) Σ(゚д゚;)
| ⊃/(__ノヽノ|
/`ー(___/ < <
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧∧
(゚д゚) (゚д゚)
| ⊃/(__ノヽノ|
/`ー(___/ < <
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
>>32 980越えた状態で一定時間書き込みがないと
わりと短時間で落ちるんだよな。
まあ移行は済んでたし著しい問題はないかと
一応保守
とりあえず保守だ
>31
GJです
純愛と陵辱どっちが好きよ?
俺的にはどっちもいけるかな
抜きネタとしては陵辱の方が好みなんだけど
やっぱ好きなカプだと円満で萌えるのが読みたかったり
純愛に勝るものが有ろうか、イヤ無い!
読み物としては純愛。
抜きネタとしては凌辱。
つまり両方好きだな。
新作まだー?(AA略
今日クリアした
グッバイ マテライト保守
レゲ板本スレで超なつかしいスレの話題が出てたな
俺のディアナ脳内像って、実はあのスレのディアナがイメージぴったりだったりする
ラッシュとディアナは本当に再現度高かったな。
フレたんビュウサジンあたりは色々ブッ飛んでたけど、あれはあれでよし。
個人的にはルキアのイメージが凄い変わったな。
プレイ当時のルキアは、しっかり者の姉御という印象だったけど、
あそこを見てから、
しっかりしているようで微妙に天然入ってる、かわいいお姉さんというイメージになった。
ロ、ログ!ログぷりーず!!
上の誘導リンク先から最終章のログに飛んで、
そこの
>>4にある2chのURLを辿れば今でも普通に全スレのログ読めるよ。
当時は2ch過去スレのhtml化機能がまだ正常に働いてたんだよな
あのスレは常時誰かが死にかけてたような印象がある
大抵ラッシュ。でなきゃサジン。たまにパル公。フレデリカは四六時中。
>>50 トトトトトdクス!!
頑張ってSS書くよ!ありがとう!!うぇっつぇww
SS書く前にその気持ち悪いテンションをどうにかしろ
アナスタシアの頭をなでなでしたい
そんでむくれて怒られたい
ほしゅ
新作来ないね、最近(´・ω・’)
保守
まあ気長に待てライト
61 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 23:20:29 ID:TzNzGxv6
ほす。
急に過疎ったなあ・・・
ディアナは潔癖症でオナニーもしたことが無いと思うんだ。
だから、一旦ベッドの上で乱れだすと・・・・・・凄いよ
急に過疎ったっつーより
こんな感じが本来ここの標準だから
ディアナは「耳年増でエロに積極的」なようにも「奥手で潔癖症」なようにも、
どっちにも見える要素があるんだよな
そこがたまらんぜ
ディアマイナイトも気になるが、前スレにあった
フレデリカやディアナ、メロディアらがビュウの家に遊びに来てた奴の続きが読みたいなぁ。
あれのヨヨ様の今後の行動が凄い気になってる。
>>64 同意。続きが気になって気になって・・・
読みたいなぁ。
今必死にラッシュ×ディアナで書いてるんだが、
ディアナってラッシュの事なんて呼んるイメージが有るか、スレ住人達の意見が聞きたい
あー、自分とそっくりな疑問を感じてる人がいたとは驚きだ。
個人的にはディアナがラッシュの事を二人称で呼ぶ場合、
「あなた」と「あんた」のどっちが似合うかという点でたまに悩むんだが。
(名前で呼ぶ場合は「お互い呼び捨て」でOKと思う)
自分脳内では「あなた」かなと思ってたけど
他人の作で「あんた」人称を見た時も意外と違和感なかったんで
両方アリだなとか今は思ってる
漏れはあんた派かなぁ
普段「あなた」で、ちょっと怒った時は「アンタ」とか。
でもってフレデリカとかアナスタシアが相手だと、
今時の女子高生みたいに「なに言ってんだよオメー!」ぐらい言いそうなイメージがある。>ディアナ
期待する前にお前もなんか書け
すまん、実は書いてるけどいつ投下できる状態になるか皆目わからないw
74 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/22(土) 01:38:33 ID:tPXQ9vGU
気長に待つさ
待つのは慣れてるからねぇ
だが、これだけは言わせてくれ
必ず完結させてくれと
もう、生殺しはイヤなんだぜ?
漏れは完成してから投下するつもりだが
もう投下したくてしたくてたまんなくってさ、全然完成してないんだけど。
もの凄い生殺しだぜ
まあ気長に書いていきましょう。
RPGツクールと一緒で、チビチビ人目に出しすぎると、結局グダグダになって未完で終わる。
ほ
保守
保守
保守
81 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 03:09:14 ID:pcBDbepN
保守
こんなスレあったのか
2chは広大だわ
よかったら、前スレのよかったの貼ってくれ
それやり出すとキリなくスレの再消費になっちまうと思
前スレのログ上げてみたんで良かったらどうぞ。DLパスはlagoon
少々読みにくい仕様になってしまったのは勘弁
http://ud.gs/20cjr
ほす
ほっう
ビュウ…わしも、保守してもいい……?
ビュウ「アッー!!
作品まってます
前スレの500あたりから書き始めてまだ半分…
完成する頃にはこのスレが3になってそう(;Д;)時間と文才をくれ
3になってたっていいじゃんと素で思う俺がいるから大丈夫
ぼとむれすスレ住人はうろたえない!
92 :
実は66:2007/10/11(木) 02:01:01 ID:DQnpBpqq
>>89 3になるまでに完成するなら大丈夫だ
俺は終わりが見えない
93 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 09:42:49 ID:G8EWgqE2
作品上げてくれるなら無問題。
一番辛いのは、完結しないで放置だ
作者方、指示を・・・
指示を・・・
エロパートって難しいよな
kosyu
本音を言えばエロが無くてもいいと思う
ならば書いてくれ
HOSYU
ホシュムートラグーン。
どうでもいいけど、バハムートラグーンて発音すると
バハムー トラグーンて言ってる様になるね
ところでフレデリカはズッコケ三人組をなんて呼んでいると思う?
「さん」づけか、それとも呼び捨てか
>>102 薬でイッテる時はともかく、普段はさんづけ、或いは敬称つけて呼んでる気がする。
俺の脳内イメージだと、フレデリカは常に敬称つけてるような一歩下がった感じの娘さんかも。
ズッコケ三人組うけた
自分脳内ではフレデリカはビュウと三人組の中間くらいの年
(つまり三人組から見ると年上)なイメージだったりするんで
仮に呼び捨てでもあんまり違和感ないんだが
さんづけで呼んでてもそれはそれでフレらしいと思う
ラッシュがハチベエでビッケバッケがもーちゃんでトゥルースがハカセかw
てかまんま過ぎてワロタw
ていうか最初の元気なフレデリカはビュウも呼び捨てだった
ここって、別にビュウ×フレデリカ以外のSSでも投下していいんだよね?
じゃんじゃん来い。マジで歓迎する
>>108 サンキュー
今週中には投下させてもらう予定だよ
先に言っとくけど、いわゆる『寝取り』ものだからよろしく
トリップつけてくれな。
NGすっから。
そういえば、このスレって保管庫みたいなのは無いよな
いまだやっと2スレ目だし、前スレも未完作が割とあるからな。
(未完も未完なりに自分は楽しく読んでるけど)
いつか保管庫ができるくらい末永く続いてほしいものだが
保守
保守
116 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 01:18:55 ID:8bd+Bn9v
ほすあげ
保守
それじゃあ、だいぶ遅れてしまったけど、投下したいと思います
いわゆる「寝取りもの」ですので、お気に召さない人はNGワードにトリップをぶち込んでください
あらすじ
ラッシュがビュウからフレデリカを寝取る
このレスの直下から始まります
↓
くすんだ金髪の男の股間に顔をうずめて、口いっぱいに彼の陰茎を頬張るのは対照的に
きらめく金髪の女。
その彼女の薄い唇からこぼれる唾液が陰茎をてらてらと濡らしていた。
肉厚の舌の先っちょでカリをこそぎ落とすように舐め回し、鈴口から溢れ出す先走り汁
を唾液と混ぜ合わす。舌でカリを何周かさせるとすると少し頭を離して亀頭へと舌を移し
た。
最初はちろちろと焦らすように。やがて青年がじれったさに腰を浮かすと、それを待ち
かねたかのようにまずごく軽く甘噛みして陰茎に唾液をさらにまぶしてねっとりと亀頭を
舐めあげた。
頭上から堪えるようなうめきが聞こえると嬉しそうに顔を前後に揺らし始める。いつも
は束ねてお下げ髪にしている髪も今は戒めから解き放たれ、汗とともに大きく閃いていた。
淡いピンク色の唇は皮に吸い付いて陰茎を強くしごく。それだけでなく往復のたびに咥内
を締め上げたり緩めたりして陰茎への刺激に変化をつけて、射精を促す。
それが数回も繰り返されると、青年の腰からは力が抜け、ガクガクと小さく震えだした。
それを合図にラストスパートのように口でしごく速度をあげると咥内で陰茎が膨れ上がっ
た。
「うぉ……!!」
その叫びと同時に青年の鈴口からは大量の精液があふれ出して彼女の咥内を満たした。
大きく頬を膨らませても堪え切れなかった精液は咥内からあふれ出して、唇の端からたら
りと一筋の黄ばみがかった白濁汁の跡を作った。
こぼさないように注意深く咥内から陰茎を引き抜いて、ゆっくりと精液を嚥下する。彼
女は喉に絡みつくようなこの味は最初の頃はどうも好きになれず男に促されて渋々飲んで
いたが、今では美味しいものだとすら感じるようになっていた。
残った最後の精液をごくりと飲み干すと、ぷはぁ、とイカ臭い息を吐いて、
「おいしかったです。ごちそうさまでした」と微笑みかけた。
青年も満足したのだろう。微笑を返して彼女の頭を優しく撫でた。フレデリカは嬉しそ
うに目を細めた。
徐々に萎えだした陰茎。その鈴口から覗くぷっくりと表面張力で丸みを帯びた精液を目
ざとく見つけると、ちゅっ。と亀頭に口付けをしてまた陰茎を咥内へと誘った。そして頬
をすぼめて中に残った精液を吸い上げて嚥下した。
「えへへ。おかわりもいただいちゃいました」
ラッシュはそんな彼女に大笑いをして、くしゃくしゃとその艶やかな金髪を撫でた。
◆◆◆
そもそも彼らがこのような関係を結んだのはつい最近のことだ。
それは全ラグーン、そして空の向こうすらをも巻き込んだ戦乱もようやく終結を迎え、
それぞれが思い思いの道を選び出してそれなりの時間がすぎた頃でもある。
ラッシュはかつての戦友たちと商売を始めて、行商に交易にと様々なラグーンを駆け巡
っていたし、フレデリカだってかつての軍のリーダー的な存在とそれなりの結婚をして、
故郷にそれなりに小さな薬屋を開いていた。
――彼らはいわゆる不倫という関係なのだ。
時間を少し巻き戻そう。始まりは些細なことだったのだ。そして悪意に満ち満ちていた
のだ。
この話の主役の一人でもあり、そして薬屋の店主であるフレデリカだけでなく、その夫
もまたラッシュの馴染みであり、そしてある意味恩師でもあったので彼らの店の仕入れは
ラッシュらが一手に引き受けていた。そのため随分と仕入れ値は勉強してやっており、フ
レデリカらもラッシュには信頼と感謝を覚えていた。
そんな折、ラッシュが彼女の夫――名はビュウという――に招かれて薬屋に立ち寄ると、
当の本人は店先のカウンターで何か冊子と睨めっこしていた。
「珍しいじゃねえか」と挨拶するラッシュにビュウは「ああ。バハムート様にちょっと
暇を貰ったからな」と笑った。
ふと、店を見回したがいるべき人がいなかった。どうやらこの薬屋の女将は近所までち
ょっと買い物に出かけているらしい。女の“ちょっとした買い物”ほど当てにならないも
のはないということはラッシュ自身が経験上、一番良く分かっていた。
戦後、神竜バハムートの寵愛を一際受けたビュウは全ラグーンを見守るという大役を任
じられ、毎日忙しくラグーンを駆け巡っており、この薬屋――つまりは自らの家だ――に
立ち寄るほうが稀なのだ。
ラッシュがさっそく用件を問いかけると帳簿を見てくれるように頼んできた。
とにかくビュウが言うにはいくら互いに理解があるとはいえ新婚夫婦がほとんど一緒に
いないのは健全ではない。ましてや愛する妻が今どのような状況にいるのかを知らないと
いうのは異常だ。そう考えた彼は少しでもフレデリカの近況を知ろうと帳簿を開いてみた
が、どうも見方が分からない。そもそも薬屋が盛況なのか、それとも閑古鳥が鳴いている
のか、それすらもよく分からないからちょっと見て欲しいというのだ。今から思えばかつ
て軍にあっては雑務の全てを引き受けていた男には似つかわしくない言葉だったが、その
時のラッシュはさほど気にも留めなかった。
ラッシュが帳簿に目を通すとすぐにおかしなことに気が付いた。それは自分が納めたも
のとの計算が合わない品目があるということだ。たとえばラッシュが十納めたはずのもの
が、八しか仕入れなかったというようなことになっているのだ。それも中毒成分が強い類
ものばかり。中には強い麻薬的なものまであった
収支自体は自分が相当勉強してやっているから、一応帳尻は合うようになっている。
つまりフレデリカが商品を横流しているか、もしくは自らの懐にいれているということ
に繋がっていく。
ラッシュはおそらく後者だろうと思った。なんとなくだが。
そもそもフレデリカは戦中から薬に依存しているケがあったのは有名な話だが、それは
結婚と同時にきっぱりと断ったはずであり、なおかつ絶対に店の商品には手を出さないと
夫と約束しているはずなのだ。
これは以前にビュウ自身から聞いた話であるのでほぼ間違いないはずだ。
しかし何の依存にしても、一旦頼り切ってしまったものから抜け出すのは並大抵のこと
ではないのだ。もしかしたらフレデリカも逃げ切れずにとうとう約束を破ってしまったの
かもしれない。
「なあ、フレデリカ、お前の奥さんは最近身体の調子はどうなんだ? 薬依存とかまだ治
り切っていないのか?」
「あいつはそんなこと全然言ってないけどなあ。それに悔しいけどお前の方が詳しいはず
だろ。仕入れでうちに結構来ているんだろ? まあ、薬依存に関してはもうきっぱりと止
めたはずだ。――約束したしな。だけどどうしたんだ? 突然」
――フレデリカはその約束を反故にしている! しかもそれを旦那には隠して!
確証は無いが、ラッシュにはなぜか確信が生まれた。不思議そうな顔をするビュウにラ
ッシュは努めて平静を装って、
「いや、別におかしなところは無えよ。実際、客も結構入っているみたいだしな。他のラ
グーンでも噂は聞くだろ?」
ラッシュの言葉にビュウはにんまりと笑って「実はそうなんだよ。聞いてくれよ。前な
んて――」とそれから小一時間は続くような惚気話を話し始めた。それをラッシュは適当
に相槌を打ちながらも聞き流して、別の“あること”を考えることに夢中になっていた。
――これをネタにすれば、なかなか面白いことができそうだ。と。
下腹部にどろどろとした鬱屈した血のようなものが降りていく。そんな気がした。
今から思えば、当初は別にラッシュにとってフレデリカ自身は大した興味の的ではなか
ったのだろう。彼女への横恋慕なんてさらさら考えてもみなかったし、彼にとってフレデ
リカはあくまでビュウの妻。あるいは昔馴染みの取引先。それだけだったのだ。
しかし、だからこそ今回のような考えを企てたのだとも言える。
決して、追いつけない背中、到達できない高み。その鬱屈した劣等感の解消。それこそ
がラッシュがもっとも望んでいたことだったのだ。
そういえばラッシュはヨヨがパルパレスと結ばれたことを知った日、自らの初恋が破れ
た悲しみと同時に笑い転げたい衝動にも苛まれたことがあった。それと同じだ。
数日後、遠くのラグーンに深い藍色あるいは漆黒の巨竜が飛び去っていくのを確認する
とラッシュはあの薬屋へと竜首を向けた。ばさばさと翼をはためかせて降りていくと、戻
るはずのないビュウが帰って来たのかと勘違いしたのだろうかフレデリカが慌しいように
店から顔を覗かせてきた。
「ラ、ラッシュでしたか。ビュウさんから思っちゃいましたよ」
鞍から降りて、竜を繋ぐラッシュに息を切らしたフレデリカが笑いかけた。その所作、
あるいは笑顔はどこか人を和ませる雰囲気で、その上可愛らしかった。中にはこの笑顔を
拝むために来る常連客もいるらしい。それを今から崩すのだ。
そう考えるとラッシュは妙に興奮してくるのを感じていた。
「ところで今日は何のようですか? 仕入れならまだ余裕がありますし、注文期限もまだ
猶予があるはずですよね?」
フレデリカにラッシュは深く深呼吸をして、ただ一言「帳簿、読ませてもらったぜ」と
言った。
一瞬、きょとんとラッシュを見やるが、みるみるうちに顔色が変わっていった。笑顔は
単に顔に張り付くものになり、やがてそれも崩れて消えてしまった。
そして搾り出すように「そ、それがどうかしたんですか?」
「誤魔化すならそれでいいさ。ビュウに全部話すだけだからな。……あーあ、あいつ怒る
だろうなあ」
震える手を隠そうともせずにフレデリカは俯き、「――何が望みなんですか?」と言っ
た。彼に密告せず、イの一番で自分に告げてきたということは何か取引を望んでいるとい
うことなのだ。
認めたも同然の言葉に内心、ガッツポーズを掲げながらラッシュは「分かるだろ。男が
女に望むことなんて」
にやにやと笑う彼にフレデリカは背を向けて、付いて来て下さいと言った。そのとき小
さく「最低」と言ったのをラッシュは聞き逃さなかったが、特に何も言い返さなかった。
薬屋の店先に閉店の札を掲げて、そこを抜け、台所脇の階段を上った先の突き当たりが
夫妻の寝室だった。国を挙げての盛大な結婚式の際にカーナのお抱え宮廷画家に描かせた
『仲睦まじい新婚夫婦』の肖像画が二人を出迎えた。
ほとんどフレデリカの独り寝にしか使われない寝台はしかしダブルベッドだった。ご丁
寧に枕も二つ仲良く並んでいた。
「へえ。なかなか綺麗にしているんじゃねえか。感心、感心。お、これあの時描かせた肖
像画か。二人とも若いなあ」
ラッシュはあくまで扉の脇に立ち、無言を貫くフレデリカを部屋の中心へと誘った。念
のため逃げられないようにするためだ。
自らの身体をまるで隠すように背を向けながらフレデリカが口を開いた。
「あ、あの。まずは湯浴みでも……」
「必要ないぜ。別に。俺は気にしないから」
「でも、あの、やっぱり汚れていますし……。あの、ラッシュもドラゴンに乗ってきたん
ですし……」」
見え見えの時間稼ぎにラッシュは内心苦笑しながらいちいち否定の言葉を返してやった。
「俺のドラゴンは躾がいいからな。どっかの奴のとは違ってよだれを撒き散らさないから
大丈夫だぜ」
かの人を小ばかにするようなラッシュの言葉に一瞬、フレデリカが目を剥いたが彼がに
らみ返すとすぐに目を俯かせた。
「さあて、納得してもらったところで、……まずは服を脱いでもらおうか」
「……命令するつもりですか?」
「いや、違うぜ。これはお願い。あくまでお願いだ。別に嫌なら脱がなくてもいいんだぜ。
こっから先はお前の判断に任せるぜ。まあ、もしここで嫌われたら、悲しくて俺の口も軽
くなっちゃうかもしれないけどなあ」
「人の弱みにつけこんで……、最低……」
「最低なのは『愛する旦那様』とのかたーい約束を反故にして、薬でアヘるどっかの奥様
だと思うぜ。へへ」
「最低……。最低……」
まるで自らを隠すように震える身体を掻き抱いて涙を流す人妻をラッシュはにやにやと
眺めていた。
それから数分。
フレデリカは呼吸を落ち着かせ、鼻をすすると、のろのろと身を肌蹴させていった。
まずはフリルが可愛いエプロンドレス。水色の上着。そしてスミレ色のノースリーブの
ローブ。徐々に病的なほどの白い肌があらわになっていくのを見ていると、確実に血液が
下腹部へとたぎっていくのがラッシュにはありありと分かった。
最後に残ったのは上下の下着。清楚な彼女に似つかわしい純白。あるいは似つかわしく
ない淫靡な透かし模様付のものだった。ラッシュは上ずる声を隠しながら「へえ。中々い
い趣味しているじゃないか。それ高かったろう?」
部屋の中は陽光により暖かいくらいだったがフレデリカの身体はすでに震えを隠さなか
った。そして「もう、お願い。何でもしますから。お願い。もう許して……」とついには
板張りの床に膝をついて哀願を始めた。
――何を今更……!
とは思ったがラッシュは「だから何度も言っているだろ? 別に俺は止めないぜ。お仕
舞いにしたかったらすればいい。……そしたらお前とビュウとの仲もお仕舞いになるかも
しれないけどな」と平静さを装って、言った。
フレデリカは弱弱しく立つと「最低……。最低……」と呟きながらまずはプラジャー、
そしてショーツを脱ぎ捨てた。
――フレデリカは美しかった!
少々、痩せぎすで少々骨が浮き上がって見えるのを覗けば彼女はほぼ完璧だった。桜色
の小さな唇。大きすぎず、かといって小さすぎない乳房。ほどよくくびれた腰。そして何
より形のいい尻。生憎、乳首と陰部はフレデリカの腕によって隠されていたが、その陰に
あるものもきっと特筆すべきものであろうことは充分に予測できた。
「それじゃあ、その手も外してもらおうかな」
その言葉に一瞬、びくりとして、泣きそうに潤んだエメラルド色の大きな瞳で見つめて
きたが、ラッシュが言葉を翻す気がまったく無いと悟るとおずおずと隠していた裸体を、
夫となった者以外の男に初めて晒した。もちろん彼女は初婚だ。
形の良い乳輪にぽつりと芽吹く桜の蕾。きらめく金色の茂み。たまらない羞恥に身をく
ねらす所作が艶かしさを倍増させていた。その姿にラッシュはもう全てを放り投げて、そ
の裸体にしゃぶりつきたいという衝動に襲われていたが、なけなしの理性で無理矢理抑え
ていた。
ラッシュもダフィラのハーレム以来様々な女を抱いてきたが、フレデリカほどの女はい
まだかつて出会ったことが無いようにすら思えた。こんないい女を物にしておきながら、
ほったらかしにするような男はやっぱり馬鹿なのだとラッシュは思った。
「……脱いだわ」
「へえ。まだ綺麗な色してんじゃないか。やっぱり場末の娼婦とは比べ物にならないな。
ま、比べるのも酷って奴だな。もしかしてビュウにあんまり抱かれていないんじゃないの
かよ」
「!!……そ、そんなこと無い!」
ラッシュが笑みを浮かべながらフレデリカににじり寄っていくと彼女は怯えるように後
ずさり、思わずベッドへと倒れこんだ。それを追いかけるようにラッシュは彼女に覆い被
さっていった。
ラッシュが彼女の桜色の唇を求めて顔を寄せたがフレデリカは最後の抵抗とばかりに顔
を背け、一切目を合わせようとしなかった。ラッシュは嘆息すると幅広の舌で彼女の頬を
舐めあげた。先ほどの涙のせいか塩辛い味がした。
「ひぃ……!」
強張る頬に舌を這わせたままラッシュは乳房へと手を伸ばした。拒むように置かれた腕
を片手で頭の上にねじり上げた。
実際、乳房はなかなか柔らかく、かといって弾力を失っていなかった。かなり心地よい
もみ心地だった。白い肌もラッシュが揉みあげたところは紅潮して、フレデリカの呼吸も
乱れ始めていた。やがて掌の中央に感じるこりこりとした感触。
ラッシュは一旦乳房から手を放すと。乳首を口に含んで唇でしごき始めた。それが何回
か往復すると、口の中で固くぴんとたったしこりへと変わった。
「くっ……。くひぃ……!」
迫り来る性的刺激をいくら下唇を噛んで抗しようとも隙間隙間からこぼれ落ちる煩悶の
声は隠し切れなかった。その声にラッシュは勝ち誇ったように笑うと標的を変えた。乳房
への愛撫を無骨な掌に任せて、ラッシュは乳房からヘソへと舌を這わせていった。
この頃にはフレデリカの腕から戒めは無くなっていたが、彼女の手は悩ましそうにシー
ツを握り締めるばかりだった。
「く……あひ……いやぁ……」
心地よさとも嫌悪感とも違う、むしろ両方が入り混じったねっとりとした感触にフレデ
リカはたまらず声をあげ、すぐに口をつぐんだ。しかしその感触は確かに彼女の脳髄を侵
食し続けていた。
陥没したヘソにすぼめた舌をねじ込み唾液を垂らしていく。見る見るうちにヘソは唾液
に沈んだ。
「ビュウさん……助けて……」
かすれたフレデリカの声にラッシュは猛然と顔を上げて、フレデリカの頬を掴んで無理
矢理自分の方に向けた。
「何、言ってんだ? 約束を破ったお前なんかを助けてくれるわけないだろ。それに考え
てもみろよ。こんな場面を見られたら、お前タダじゃ済まないだろ? ここは割り切って
愉しもうぜ。そっちのほうがお前も気持ちよくなれて得だぜ」
「くう……、最低……。やっぱりあなたなんて最低よ……」
「それはお互い様だぜ」
もちろん、ラッシュ自身だってタダでは済まないだろうがそれはあえて言わずにおいた。
それでもいまだ唇だけは拒もうとするフレデリカの頬を掴んだまま、無理矢理その瑞々
しい桜色の唇を奪い、すぐに舌をねじ込んだ。
奥で縮こまっているフレデリカの舌に無理矢理、自らのそれを絡ませて、ついでに唾液
もじっとりと絡ませた。それでもフレデリカは顔を背けようとしたため交じり合った唾液
がこぼれ落ちていく。それでも抗しきれない刺激にラッシュの身体の下でびくん、びくん
と時折彼女の身体が跳ね上がる。
やはり感度がいい女だと思う。
(……こんな『いい女』をほったらかしにして果たすべき役目なんてあるのかよ)
唾液を絡ませながらラッシュはそう考えた。
(やっぱり、お前はのろまで間抜けな男だぜ。お前の愛しい人は俺の下でこんなにも足掻
いているんだぜ。それも知らずにあいつは……)
ラッシュは勝ち誇った、あるいはどこか優越感を感じさせる笑みを浮かべた。
戦時、ビュウに露骨に邪険に扱われても怒り一つ浮かべなかったパルパレオスのことが
何故か頭に浮かんだ。
(ああ、きっとそうだ。あいつに共感したのはきっと二度目だ。一度目はヨヨ様の虜にな
ったこと。そして、いまこの瞬間だ)
「くひぃ……あぁ……。もう、もう……」
もじもじと太腿をこすりあげてフレデリカが切ない声をあげた。ラッシュは愛撫を始め
て以来、秘所には指一本触れてはいないのだ。たまらずフレデリカは白魚の指先をそっと
秘所へと這わせたが、すんでのところでその指先はラッシュによって遮られた。
「“もう……”。なんだよ?」
彼女の細い腕を掴んだラッシュがにやついた笑みを浮かべた。
「くっ……、くうぅ……!」
悔しげに呻いても、じくじくと脳髄を蕩かす衝動は動きを止めずにフレデリカを苛んで
いる。それを見越しているのだろう、ラッシュは唇、乳房、そしてヘソあたりには甘った
るい愛撫は続けながらも決して秘所へとは手を伸ばそうとはしなかった。
「触って……触ってください……」
「へぇえ。どこにだ?」
「くぅ……。ひどい……。最初からこれが望みだったくせに焦らすなんて……」
恨みがましい目でラッシュをにらみ付けるが、すぐに目を伏せ震える唇でおずおずと
「お……おまんこ……です」
「へへ。あいつはおまんこって言わせているのか」
ラッシュは優越感の笑みを浮かべたまま、秘所へと指を伸ばした。
「あひぃぃいいいい……!!」
歓喜の叫びが部屋を満たす。固く勃起した肉芽は、もさもさとしたあるいはべっとりと
淫汁にまみれた陰毛の中でもはっきりと分かった。
「あひい。ひい……! やっぱり気持ちい。気持ちひいいいい!!」
「へえ。結構弄っているのか? 中々大きいじゃねえか」
こりこりと肉芽をほぐして、数回しごきあげてやればフレデリカは口角から唾を飛ばす
勢いで激しく喘ぎ声をあげていた。べっとりとした掌を服の裾にこすりつけ、柔らかな尻
に両手の指を沈めると、ラッシュはフレデリカの下腹部へと顔をうずめた。
「あ……? 止めちゃうんですか……」
一瞬、愛撫を中断された物足りなさからフレデリカだったがすぐに「あひぃ……!!」
と悦びの声を張り上げた。ラッシュが肉芽を甘く噛んだからだ。
じゅるじゅると淫汁をすすり上げる音が部屋に響き渡る。秘裂はもじもじとしてラッシ
ュの愛撫を待ち望んでいた。すぼめた舌の先端をちょっとだけ入れたり、抜いたりを繰り
返した。そのじれったさにフレデリカは切なげに哀願の喘ぎ声を上げ、膣口からはさらに
甘ったるい匂いを吐き出した。ラッシュは指先で淫唇を押し広げると、パックリと開いた
膣口は男を誘うようにひくひくとしていた。ラッシュが息を吹きかけてみると
「あひぃいいい!! 冷たいよおおおお。こんなの、こんなの、初めて……っ!!」
「へへ。ビュウはこんなことやってくれないのか?」
『愛しい夫』の名前を聞いたフレデリカはハッ! と一瞬口をつぐんだが、答えるまで
ラッシュが愛撫を中断するであろうことを感じ取ると「え。ええ。こ、こんなことはあの
人はまるでやってくれないわ……っ!!」と絶叫した。それに気を良くしたラッシュはじ
ゅるじゅると淫液をすすって、舌をすぼめて膣口に挿入した。人妻とは思えないほどに狭
いその中は熱く彼の舌を締め付けた。
「あひっ……あひっ。ひぃぃいいいいいいいい!! 気持ちいいよおおおお……ッ! 何
これ! 何これ! こんなの知らないよぉ!!」
絶え間ない刺激にガクガクと腰が揺れる。しかし意識しているのか、それとも無意識な
のか更なる刺激を求めるかのように下腹部をラッシュの鼻先に押し付けていった。それは
びんびんに勃起して敏感になった肉芽がラッシュの鼻に押し潰される結果ともなり、異常
なほどの快楽をフレデリカに与えていた。
「ひ。ひ。狂う。狂う。狂っちゃうよおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
今まで以上にフレデリカの身体がガクガクと揺れると、ビクリ! と弓なりにしなり、
一瞬硬直した。どうやらイってしまったようだった。ラッシュはにやりと愛液にまみれた
顔を上げた。
「はぁ……はぁ……。こ、これで約束通り、黙っていてくれますよね……」
荒い息を整えながら、フレデリカはベッドに横たわっていた。玉のように浮き出る汗が
美しかった。しかしラッシュはニヤリと笑うと
「何言ってんだよ。俺はまだイってすらないぜ」と言って立ち上がって服を脱ぎだした、
するすると現れる裸体はビュウまでとは言わないまでも整っていた。筋肉だけをみるなら
ばならばラッシュの方が逞しいだろう。指揮官を兼ねていたビュウとは異なり、常に最前
線で剣を振るっていた彼の身体には数多くの傷が見えた。
「あ。あぁ……!」
切なげな吐息を吐いたフレデリカだったがそれはすぐに驚きの声に変わった。現れたの
は勃起してヘソまで反り返っているような逞しく雄雄しい陰茎。
どう見積もっても彼女の夫のものより遥かに大きかったのだ。
実際。ラッシュのは平均よりは充分に大きいし、加えてビュウのは平均よりもほんの少
し小さいということを補足しておく。
「あ、ああ。お、おおきい……」
「へへ。ビュウのとどっちがでかい?」
「それは……、それは……」
古い馴染みだ。連れ立って立小便をしたことや共に湯屋を訪れたことも一度や二度では
ないので、自分のそれのほうが彼女の夫のものよりも遥かに大きいことは知っている。し
かしその事実をフレデリカから聞きだすことはラッシュの歪んだ自尊心をくすぐるには大
きく作用するのだった。
フレデリカは頬を染めて、言葉を濁したが、ねとついた唾液でごくりと喉をならして、
爛々と期待と不安に打ち震える深い緑の瞳は一瞬だってラッシュの勃起した陰茎から放れ
なかったのを彼は感じ取っていた。
ラッシュがフレデリカの上に覆い被さった。ラッシュの陰茎はフレデリカのヘソの窪み
に引っ掛かっていた。彼は応えを期待せず、フレデリカの唇を求めた。しかし今度のフレ
デリカは顔をそらすことなかった。それどころか、積極的に舌を絡め合わせてきた。これ
には当のラッシュが一番驚いた。
しかし一瞬の逡巡のあとで得心した。
(別に不思議じゃないな。こんなに若くて女盛りの器量よしがこうも亭主に放置されてち
ゃ溜まっちまうのも当然だな。それを解消してやってんだ。実際、感謝されてもいいかも
な)
ラッシュもようやく積極的に舌を絡めだした。ねちゃねちゃと二つ唾液が混じりあって
いった。そして互いにごくり、ごくりと嚥下して腹に収めていった。
フレデリカのヘソに当てられた陰茎から先走り汁がどんどんとあふれ出す。先ほどの唾
液とで、彼女の腹部はラッシュの体液でてらてらと輝いていた。
フレデリカのとろんとした瞳から頃合を悟ったラッシュが腰を引き、どろどろとして、
まるで溶けてしまったような秘所へと狙いを定めた。彼女もそれを認識して、股を開いた。
今まで以上の女の匂いが部屋を満たす。そしてラッシュの亀頭が蕩けきった膣口に触れた。
「あふ……っ!」
異常なほど敏感になっていたので思わずフレデリカから声が漏れた。彼女はやがて来る
であろう瞬間に備えて長い睫毛をまたたかせて目を瞑った。
一秒……十秒……三十秒……。
やがて、
「あふうううううううううううううううううううううううう!!」
訪れた歓喜の瞬間。ラッシュの陰茎がフレデリカの膣を押し広げて侵入してきた。
「あひいい……! おっきい……おっきい……。おっきいよぉ……! しかも長い……。
こんなの初めて……! 裂けちゃうかも……!」
彼女の肉壁は強くラッシュを締め付けたが、それは決して不快、苦痛といった類のもの
ではなく、間違いなく快感だった。それはフレデリカも同じだった。
侵入に屈せずに締め付けると思えば、誘うようにざわざわと陰茎を撫でる。そして温か
くラッシュを包んでいた。
亀頭がこつん。と膣内の最奥を突付いた瞬間、ラッシュはこれまで以上の征服欲を感じ
ていた。いつも自分より上にいて、そして決して追いつけなかった何かを叩き伏せた快感。
自然と笑いが漏れた。
「なあ、そういえば、さっきの質問に答えてもらってなかったな」
「え……」
「お前の旦那のものと俺のどっちがでかい?」
「え……そんなの……」
「別に応えなくてもいいぜ。それならもうこれでお仕舞いだけどな」
「う……えっと、えっと」
ラッシュが腰を引いた。その瞬間、「あ、あなたのほうよ。……ラッシュの方がずっと
大きい! ビュウさんよりおーきい!」
そう言うと、羞恥に今まで以上に頬を紅潮させ、フレデリカはぷいと顔を背けてしまっ
た。
――勝った! 俺は完全にあいつを超えたんだ!
ラッシュは今まで以上に笑い転げたくなるような衝動を抑えて、一旦、陰茎を最奥まで
挿入しなおすとずちゅずちゅと水音を響かせて抽送を始めた。
「ああああぁぁ。深くて、大きいぃいい! すごい。すごいぃいいい。こんなに気持ちい
いの、私、知らないぃいい!!」
きらめく金の絹糸の一筋が汗で額に張り付いている。抽送しながらそれを外してやる。
悦楽をだらしなく開かれた半開きの口からヨダレをたらしながら享受するその顔はたまら
なく美しかった。
この頃にはラッシュの腰にはフレデリカの艶かしい足が絡みついていた。背中には白魚
を思わせる指で爪を立てて。
ガンガンと腰を振りながら、ラッシュはもう一度、フレデリカの耳元に囁きかけた。
「なあ。ビュウとどっちが凄い?」
「も、もちろんラッシュ、あなたですうう……! あひい! もっとぉ……ッ!!」
即答するフレデリカに苦笑しつつ、ラッシュはまた抽送に意識を集中させていった。そ
して思いついたように目の前で揺れる乳房にしゃぶりつき甘く乳首を噛んだ。
「あひっ!」
その突然の痺れにフレデリカの身体が一際強くしなった。だがすぐに物欲しげにラッシ
ュのぼさぼさ頭を自らの乳房へと押し付けていった。
「あああぁ……!! こんなに、こんなに、セックスが気持ちひいものだったなんてええ
……!」
「そうだ。それはお前の亭主じゃない、この俺が教えてやったんだぞ。分かっているよな
あ……!?」
「はいいいぃ。あああ、素敵、素敵ぃいいぃぃ。ありがとうございますうううう!!」
互いの汗と体液でぬめる二人の身体はまるで溶け合った一つの身体のようだった。ラッ
シュが唇を求めれば、フレデリカはそれと同時に彼の舌を求めた。舌が、唾液が糸を引い
てぐちゃぐちゃとまみれあう。
ラッシュの陰茎が一際、奥に叩き込まれる。ラッシュは下唇を噛んでやがて来るであろ
う射精を堪えていたが、このぐしょぐしょに蕩けきった、しかし心地よい締め付けを忘れ
ない膣内にあってはそれも時間の問題だった。
「くぅう! そろそろ出すぜ」
「あひいいいい。出して、出して……膣内(なか)にたっぷり出してくださいいい!」
フレデリカが絶叫する。もはや自分でも何を言っているのか分かっていないのだろう。
浅ましく恥を知らない願いを口にした。
「出すぞ……!! たっぷり、孕むんだ。ビュウの子じゃない、俺の子をぉぉなあ!」
陰嚢からしぼりだされた滾りが陰茎の先端からほとばしって、フレデリカの膣内をそれ
だけで満たし出した。それとほぼ同時に弓なりにしなり、そして崩れ落ちる彼女の身体を
抱きとめて、ラッシュは満足げに笑った。
「出てるぅう。いっぱい、いっぱい熱くて臭い汁がああ……。こんなに濃いの初めて……。
これじゃあ、絶対に孕んじゃいます……。ビュウさんのじゃない……他の人の子を、ラッ
シュの子を孕むんだわ……。いっぱい、いっぱい……。でも気持ちいい……」
収まりきらなかった精液がごぷりと膣口からこぼれて、シーツに消えた。
◆◆◆
「これでもう黙っていてくれるんですよね……?」
気だるげにベッドに伏したままのフレデリカがぽつりと言った。どこか名残惜しい声色
が混じっているのは気のせいだろうか。
シーツを一枚腰に巻いただけのラッシュは椅子から立ち上がり、窓から空を見上げた。
白い雲が棚引いていた。その傍らを竜が一頭飛んでいた。
「別にお前がそれでいいなら、それでいいぜ。……本当にそれでいいのならな」
「ど、どういう意味ですか……」
「そのままの意味さ」
ラッシュはベッドに近づいて、身をかがませるとフレデリカの細くなめらかな顎に手を
やって、その唇を奪った。
「え? ちょ……!」
フレデリカは身を強張らせたが、すぐに唇を放すと
「それじゃあな。――そうだ。また明日の夜にでも立ち寄らせてもらうぜ。勝手口の鍵を
あけておいてくれよな」
「は……?」
そう言うとラッシュは手早く服を着ると部屋から出て行ってしまった。それからしばら
くしてラッシュの騎竜の鳴き声と羽ばたく音が聞こえて、やがて小さくなって消えた。
独り残されたフレデリカは呆然と空を見上げていた。そしてやがて小さく頷いた。それ
が意味するところは彼女にしか分からなかった。
◆◆◆
「遅くなっちまったな……」
思わぬ商売上のトラブルで予定していた時刻を大幅に超過してしまったし、予定外の損
失を蒙ってしまった。それは主にビッケバッケのキノコによるものだったが。
それでも大切な義兄弟を見捨てておけるほどラッシュは商売において冷酷になり切れな
かったのだ。それはラッシュの甘さであり、そして美点でもあった。だからこそ彼の実直
なところに惚れた人々が自然と集まってくるのだろう。しかし彼らは知っているのだろう
か。ラッシュが弱みにつけこんで女を犯すような男だということを。
なめらかに夜を駆ける騎竜の上、ラッシュは目を瞑った。思い出されるのは昨日のフレ
デリカの痴態。清楚で優しく幸福な夫人だった。しかしその実、歳相応の情欲をもてあま
す哀れな女でもあった。
『マジで惚れちまったのかもしれないな』
――自然と苦笑が漏れた。
果たしてフレデリカはもう寝てしまっただろうか。それとも拒んで鍵を締め切ってしま
っているだろうか。少なくともビュウは今、カーナにいる。それは確かだ。以前本人から
聞いたし、なおかつ商売仲間のツテからも同じ情報を仕入れているのだ。今夜、あの薬屋
にはフレデリカ一人のはずだ。無論、誰かが訪ねてきているかもしれないだろうが、その
時は自身の“負け”だ。ラッシュには何となくそう思えてならなかった。
――見えた!
夜の闇の向こう、ぼんやりと二階建ての建物の輪郭が見えた。しかし騎竜の上からでは
明かりは見えなかった。
汗ばむ手綱を強く握って、一層スピードを上げる。鼓動も早鐘のように鳴っていた。
脇の空き地に降り立っても、まだ薬屋からは人の気配を感じることはできなかった。来
客者用の竜舎には何もお繋がれていなかったし、店先はすでに締め切られていた。
(まさか、どっかに出かけちまったのかよ……! ちくしょうめ)
おずおずと忍び足で裏に回ってもそれは同じだった。どこからも物音は聞こえては来な
い。ただ、近くの藪からの虫々の声だけが聞こえていた。
そしてやがて目の前には勝手口の扉。銀色のドアノブがやけにぴかぴかに光って見えた。
呼吸を整え、ゆっくりと手を伸ばした。
――ガチャリ。
やけに大きな音と共にあっけなく扉は開いて、ラッシュを出迎えた。
「く、くくくく……。なんだ。なんだ。くくく……」
腹の底からの笑い声を漏らしながら、ラッシュは扉の向こうの闇へと身を滑らせていっ
た。
とりあえず、この話はここでお仕舞いです
それでは
GJ!いささかフレデリカの陥落が早すぎて寝取られって感じは薄かったけど
ラッシュのビュウに対する暗い嫉妬っていうテーマが素晴らしいな
本編のラッシュの見方が変わったわ
終わりの見えないラストも素敵
ビュウを魔王にでもするつもりか
GJ!
しかし、このラッシュは、
「あの世で俺にわび続けろビュウーーーーッ!!!!」とか
本気で言いそうで怖いなw
しかしビュウのバックにはバハムート翁がいるのである。
ビュウのも大変だなぁ。
この直後、暗がりにて待ち伏せしていたビュウの剣でラッシュが刺殺される所をなぜか幻視した
鬱ったがGJと言おう。しかし次はラブいのを頼む。
GJ!面白かった!暗いのもいいな。
何気にラッシュのエロって初?
そういやそうだったかも。
エロなしとか、あとはビュウ絡みのエロ話の脇役で出るとかはあったけどな
読みやすいし面白かったぜ。GJ
次にも期待してる。
保守りに来ましたよ
ディアマイナイトまーだー?
148 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 01:44:20 ID:nqfwgQJj
時々でいいから、実は大人だったビッケバッケの事も思い出してあげてください
「あはっ、ご、ごめんねビュウ!」
「いたた…」
頬に真っ赤な紅葉を咲かせたビュウに、ディアナは渇いた笑いを見せ、謝罪した。
既に誤解は目を覚ましたフレデリカによって解かれてはいる。
とはいえ、状況的に先程のビュウはフレデリカを襲っているようにしか見えなかったのも確かである。
である以上、ディアナがビンタを繰り出したとしても彼女を責めることができるだろうか。
いや、できない。
「ホ、ホワイドラッグかけようか?」
「いやいいよ。そこまでのものじゃないし」
「本当にゴメンね」
「…まあ、あの状況じゃあディアナじゃなくても誤解しただろうし、仕方ないさ」
苦笑するビュウ。
いくら誤解といえどもそうさせた理由の一因が自分にあることも間違いではない。
それ故に一概にディアナが悪いと言い切れないのも確かなのだ。
まあ、ビュウが単純にお人よしだという面もあるのだが。
「けどビックリしたわよ。いきなりあんな…」
「…わかっているとは思うが」
「わかってるって! 流石の私もこんなことまで噂にしようなんて思ってないし」
「ラッシュにも言うなよ?」
「な、なんでラッシュだけ名指しなのよ!?」
「いや別に」
「…うー」
痛いところをつかれたのか、唸り始めたディアナ。
それを無視し、ビュウはその隣へと目を向ける。
そこには、ひたすら真っ赤な顔で俯き続けるフレデリカの姿があった。
「……!」
びくんっ!
フレデリカの上目遣い気味にあげた視線がビュウのそれとぶつかる。
だが、時間にして一秒。
たったそれだけの邂逅でフレデリカは再び顔を俯かせて目を伏せてしまう。
(いや、確かにさっきはあれだったけど、ここまで過剰反応されるとそれはそれできついな…)
自業自得とはいえ、ここまで過敏な反応だとさしものビュウもそれなりに傷つく。
彼女のほうに悪気はないようなのが尚更だった。
ちなみに、実際のところフレデリカは照れているだけである。
当然朴念仁のビュウがそれに気がつくことはないのだが。
「ま、こんな話誰も信じないだろうけどね。ドンファンとかならともかく、当事者がビュウだし」
「それは助かるが、俺だしってのはなんだ」
「いやだってビュウって女の子に興味ないでしょ?」
「不穏な言い方をするなっ!?」
「えー、事実でしょ? 普通の健康男性ならあの場面はフレデリカを襲ってしかるべきだし。
それとも何? 本当はフレデリカの裸に欲情してたとか?」
「それは――」
「ディ、ディアナ!」
ディアナの物言いに抗議しようと口を開きかけるビュウ。
だが、それを横合いから割り込むようにして中断させたのはフレデリカの珍しい怒声だった。
普段は穏和にして表情が病的に青白いことが多いプリースト。
そんな彼女が顔を赤く染めて立ち上がったということに二人は目を丸くさせて驚く。
気勢をそがれたビュウは口を閉じ、ディアナは思わぬ事態に目を白黒させた。
「フ、フレデリカ?」
「ビュウさんは私を心配して…それなのにそんな言い方っ」
「あ、いやその、これはちょっとしたお茶目というか……ご、ごめん!」
仁王立ちプリーストの迫力に負け、ディアナは平身低頭で謝罪した。
普段は大人しく怒ることなど皆無な彼女だけにいざと怒ると非常に怖い。
だが、それゆえにディアナは気づくことができなかった。
フレデリカの怒りは半分照れ隠しであるということを。
「ビュウさんも…ごめんなさい。私が倒れたりしなければ」
「い、いや俺が勝手に入ったのがそもそも悪いわけだし」
「でも…それに、見苦しいものを見せちゃいましたし…私、ガリガリで骨ばかりだから…」
「いや、十分魅力的だったと」
「え…?」
「へえ…」
ポッ
ビュウの失言にフレデリカの頬が薔薇色に染まる。
と同時にディアナのニヤニヤした表情と視線がビュウを突き刺した。
「す、すまない!」
実はじっくり見てましたと自白したも同然の台詞にビュウは謝罪。
だが、フレデリカは既に夢見心地な表情で固まってしまっていた。
なお、ディアナはニヤニヤ度を更にあげていたりする。
「ふ〜ん、そうかあ、そうなんだ〜。ひょっとして、私お邪魔虫?」
『ディアナ!』
「息ピッタリ♪」
ぽん、と手をたたくディアナにビュウとフレデリカは顔を見合わせる。
そしてすぐさま目をそらしあった。
実にわかりやすく純情な二人である。
(ほんっとわかりやすいわよねー。ま、それだけにもどかしくもあるんだけど)
噂話と並んで恋話が大好物なディアナにとってこの二人の関係は目を離せない。
ゾラあたりからすれば「あんたはどうなのさ?」と突っ込まれるところだろうが。
「で、ディアナは何の用だったんだ? 俺は薬草を届けに来たんだが」
ビュウはあからさまに話題の矛先を変えようとそう切り出した。
「私? 私はヒマだったからフレデリカとおしゃべりでもしようかなって」
「あ、ごめんなさい。私これから用事が…」
「用事? そういえば着替えてたんだものね。えっと、どこかにお出かけ?」
「ええ、ちょっとお城のほうに呼ばれているの」
「お城って…カーナ王城?」
こくん、と頷くフレデリカにビュウとディアナは顔を見合わせた。
彼らが考え付く限り、フレデリカが王城に呼ばれるような理由がまったく思いつかなかったのだ。
八話終わり、大人の事情で復活しました(w
言った矢先に投下ktkr
そしてGJ。やはりフレデリカは可愛い。
次回はヨヨVSフレデリカか?
俺の股間から出るホワイトドラッグはどうしよう
>156
ブラックホールに突っ込むとメイクガードできるよ
やっぱりビュウの相手役はフレデリカが主流派だろうけど
ここは一発、大穴も欲しいね
>>158 ゾラやラディアやバーバレラを含めてどの女性陣も大穴とは感じず
性別不明のアサシンや実は男装していたラッシュとか考えてしまった
…無理がありすぎだな
そこでファーレンハイトの武器屋から防具屋を寝取り、
ついでに防具屋とマテライトの身分違いの恋も乱入して
泥沼の四角関係フラグって事でひとつよろしく
>>160 そんなの書ける奴いるのかw
俺にはもう意味がわからんw
何だ何だ、寝取り・寝取られブームでも来たのか?
俺としては、バルクレイ・アナスタシアのカップルから
ビュウがアナスタシアを寝取るか、フレデリカがバルクレイを寝取る展開を期待します
期待するくらいなら自分で書こうぜ
これこのスレの基本あるね
というわけで今日も保守るのぢゃよ
多分、おっぱいが一番大きいのはエカテリーナだとおもうんだ
逆に小さいのは、まあ順当に考えてメロディアだろう(僅差のブービー賞はアナスタシア)
>>165 ゾラおばさんもでかいとおもう。
……横にもでかそうだけど。
167 :
109:2007/11/16(金) 03:28:13 ID:U77NPjiW
今度は純愛を書いてみたよ。
長くなりそうだから二回くらいに分けて投下する予定
あらすじ
ビュウとディアナがラブラブエッチ
追伸
純愛ものと、非純愛ものでトリップ分けたほうがいいのかな?
とりあえず今回は前回のトリップを使いますよ
もし今が昼だったならば、もし今、太陽が昇っていたのならば彼女は目の前にマボガ
ニーの扉を見たことだろう。
しかし夜の闇はその美しい木目を隠し、そしてその向こうで彼女を待っているであろう
未来を感じさせなくしていた。
だからその未来が彼女に幸福をもたらすものなのか、それともそうでないのかは分から
ない。それでも、この扉を開けたならば、彼女を取り巻く世界は変わる。
それだけは漠然とだが彼女には何故か感じられていた。
だから結局のところ、信じるしかないのだ。加護を祈るしかないのだ。胸元からロザリ
オを取り出し、小さく神へと祈った。
しゃらりと鎖が鳴って、それが元の位置に戻ったとき彼女の瞳には迷いが感じられなく
なっていた。
手を伸ばした。息を吸った。そして吐いた。頬を上げた。
微かな、それでもはっきりとノッカーが扉を叩いて音を立てる。
――そして一瞬の間。
「はい」
扉の向こうから聞こえる彼の声。ディアナは今度も小さく頷くとノブに手をかけて、扉
を押し開いた。その途端に押し寄せる橙色の光の粒子たちに目を細めながら、ディアナの
瞳はソファに深く腰を下ろした青年を捉えていた。独りだった。
傍らのテーブルにはガラス瓶や、グラスが置かれていたのできっと晩酌をしていたのだ
ろう。
「こんばんわ。ね、ちょっとお邪魔してもいい?」
「なんだ。ディアナか。どうしたんだ。こんな夜更けに」
「なんだ、とは何よ。……まあいいわ。それより、ちょっと話したいことがあるの。今、
時間貰える?」
「別に構わないぞ。ちょうど独りで飲んでいるのも飽きてきていたところだったんだ」
ディアナはほっと胸を撫で下ろしながらも、悪戯っぽく微笑むと「で、レディーをいつ
までこんな寒いところに立たせておくつもり?」と言った。
その言葉にビュウは苦笑とともに立ち上がると、すでに半身は部屋に滑り込ませたディ
アナを丁重にエスコートして先ほどまで青年が座っていたソファの向かいへと誘った。
「ふふ。ありがと。ビュウ」
ビュウも元のようにソファへと腰を下ろして、グラスの中の液体をちょっと喉に流すと
「で、結局何のようなんだ。まさか夜這いでもしにきたわけでもないんだろ」
――“夜這い”
その余りに直接的で、肉感的な言葉にさっと頬を紅潮させるとディアナは「ば、馬鹿な
こと言ってんじゃないわよ」と可愛らしく俯いた。
そしてすぐに頬を上げると「ちょっと話したいことがあるってさっき言ったでしょ!」
「何だ。ちょっとガッカリしたぞ。はは。……まあいいや。それで話って何だ? こんな
夜更けに来なきゃならないほど大切な話か?」
その言葉でディアナは途端に小さくなった。言い出しにくそうにもじもじと身をくねら
す。
「うん。とても大切な話。だからどうしても話したかったのよ」と呟くと、また俯いてし
まった。このいつにない挙動にビュウは訝しげに眉をひそめた。
そして数分。
ディアナは無言だった。ビュウも無言だった。ただ時計の針音だけが聞こえていた。
「――ね、お酒。お酒貰ってもいい?」
唐突な言葉にビュウは微かに首をかしげた。
なぜならディアナは酒をやらないはずだったから。それは年齢的な問題などでも、いわ
ゆる戒律からでもなく、単に彼女がそういった性質(たち)であることを、ビュウもよく
知っている。
しかし今、この年下の幼馴染はその飲まないはずの酒を要求している。きっとこれから
彼女が切り出すこともただ事ではないのだろう。そんなときにわざわざその理由を問い詰
めたり、無下に断ったりするほど、彼は愚かな男ではなかった。
ただ、彼女がここまでせねばならないほどの悩みに気付いてやれなかったことが残念で
ならなかった。
「ああ、分かった。水割りでいいよな?」
彼が立ち上がって、グラスを取り出そうと背を向けようとした瞬間、ビュウは思わぬ異
変の気配に振り向いた。ディアナは酒瓶を掲げており、いわゆるラッパ飲みをしていたの
だ。飲み込みきれずにこぼれた酒が白い喉を艶かしく濡らしていた。
「おい。馬鹿! そんな飲み方する馬鹿があるか!」
驚きに目を剥いたビュウが彼女から酒瓶を取り上げたとき、ディアナの顔はこれ以上な
いほど紅潮し、そしてつややかに濡れた瞳が彼を見返していた。
「――ね、座って」
予想外にしっかりとした言葉が薄紅の唇から漏れた。ディアナはビュウに着席を促した。
しかし彼はそれを無視すると「“座って”ってお前、大丈夫なのかよ。気持ち悪くない
か? 吐き気はないか? それとも頭は痛くないか?」と慌しく動き始めた。
少女はそんな彼に嘆息すると、頬の色に似つかわしくないほどに落ち着いた口調で
「――ね、座って。話したい事があるって言ったでしょ?」と繰り返した。
渋々腰を下ろすビュウを確認すると、少女は小さく一呼吸つけた。頬の赤みも若干引い
てきた。
そして。
「私は――あんたが、ううん、あなたが、好き」
「え」
「うん、やっぱり私は、ビュウの事が好きなのよ」
「おい」
「ずっと、ずっと。多分、初めてお城で会ったときからずっと。陛下が亡くなる前も、後
も、そして今も。――私はあなたが好き」
「お前酔っ払っているだろ。だからこんな――」
「こんな……。何よ!? 何だって言うのよ」
「だから、こんな冗談が言えるんだろ。さっき、夜這いなんて冗談言ったのは謝る。だか
らお前もあんまり俺をからかわないでくれよ。ちょっと趣味が悪いぞ」
「――からかってなんかない! からかってなんかないよぅ……。私は別にからかってな
んかないよぅ! どうしてそんなこと言うの!?」
途端、空色の瞳から溢れる雨色の涙。それはポロポロと下界へと降り注いでいった。白
く滑らかな掌で顔を覆ってもそれは留まることを知らない。時折、その向こうから鼻をす
すり上げる音や、喉をひくつかせる音に混じって、からかってなんかない。からかってな
んかない。そればかりが聞こえていた。
呆然とそれを見続けていた青年もようやく我を取り戻すと急いで今、自分が何をすべき
なのだろうかと頭を巡らした。
ディアナ。幼馴染。戦友。告白。などなど。
取り留めも無い単語だけがくるくると踊る。彼女に何て声をかけるべきなのか、間抜け
で、不器用な彼には見当もつかない。
それでも心をただそれだけで染め上げる色があることだけははっきりと分かった。それ
は彼女の告白と同時に現れた色だった。
その色の名は――。
(ええい! ままよ!)
先ほどの少女と同じようにグラスを介さず、直接酒を喉に流し込んでいく。熱を持つ頬。
さらに荒くなる鼓動。ぐらつく頭。目の前の美しい女。
そして酒臭いゲップを一つ吐いて、テーブルの上に乗り上げると、いまだ顔を覆って泣
きじゃくる少女の片手を無理に取ってこちらを向かせた。
もう何を言うべきかなど、考えるまでも無かった。自然と口をついて出て来る言葉にす
べてを任せるのだ。
「――確かにお前ほど長く想っていないかもしれない。それも、ようやく今、気付いたく
らいだから。……それでも俺はお前のことが好きだ、好きだ、好きなんだ」
「嘘よ! ううん、嘘に決まっているわ。ビュウはヨヨ様のことがまだ好きなのよ。それ
くらい私だって!」
恋慕の情は吐きつつも、それが受け入れられると否定する。そんな不可解な理屈を捏ね
繰り回しながらディアナは彼の手を振り解こうした。その彼女が吐いた言葉にビュウは一
瞬、眉をひそめたがそれでも怯まずにディアナを掴み続けた。
それは、この小さく震えるディアナがどうしようもないほど愛しかったから。自然と動
き出す身体。ビュウはディアナの小さく、そして可愛らしい唇へと自らのかさかさで無骨
なものを重ね合わせていた。
途端、静かになる少女。互いの頬の赤みが再び色を増したのは酒のせいばかりでは決し
てない。そして、離れる唇。名残惜しそうに唾液の橋が二人を繋いでいた。
「ね、ほんと? ね、ほんとに私のこと、好きになってくれるの?」
「俺がお前に嘘ついたことなんてあるかよ」
ぶっきら棒に呟く青年にディアナは今更、照れたように「――うん、いっぱい」と笑っ
た。ビュウは苦笑して、また彼女の唇を求めた。ディアナもおずおずとそれに応えた。
「ん……。素敵……」
ふわふわとした浮遊感にディアナが陶然の声を上げた。
「ね、このままで終わりなんてレディーに恥をかかせるつもりはないわよね?」
「やっぱり、夜這いじゃないか」
「ふふ、やっぱり無粋ね。あんたは。――でもそれも私たちにはお似合いなのかもね」
くすくすと酒臭い息で互いに笑いあった。
「ね、ビュウ?」
抱き上げられ、その首に手を回すディアナの問いかけにビュウは「ん?」と応えた。
「――好きよ」
何をいまさら、と苦笑する青年にディアナは頬を膨らませて、「いいじゃない。今まで
言えなかった分も言いたいのよ。全部」と言った。その答えにビュウは何も言えず、ぷい
と目をそらした。その頬は真っ赤だった。
「ありがとう。嬉しいよ」
それからようやく呟いた一言にもディアナは嬉しそうに「うん。私こそありがと。私の
事、選んでくれて、好きになってくれて」
無邪気に微笑む少女にビュウはまた苦笑するしかなかった。今夜は苦笑ばかりしている
ような気がする。それでもそれは不快ではなかった。今までも、そしてこれからも、ずっ
と自分はディアナに振り回されていくのだろう。ただそれが楽しみでならなかった。
「ね、キス、して」
ベッドに沈みながらの願いにビュウは答えず、応えた。しっとりと触れる唇は柔らかっ
た。
「んふ。でもやっぱりお酒の力って凄いね……。ずっとずっと言えなかったことをこうも
簡単に言わせちゃうんだもの」
眼前の愛しい人の頬を撫でながら、ディアナが呟く。青年はその手を取ると、
(すまなかったな。気付いてやれなくて)
そんなわびの言葉を飲み込んで、ビュウはキスを落とした。詰まらないわびの想いなん
かより、胸を満たす想いを伝えたかったのだ。そして自らの眼下で嬉しそうにくねらす美
しい少女に欲情を覚えているのもまた確かで、わびの言葉で興が冷めてしまうことを恐れ
たのだ。
それでも不器用な彼はたった一言。
「――いいか?」
ディアナは目を泳がせ、逸らし、そしてまたビュウの瞳を射抜くと、静かに頷いた。
(――だって、そのために来たんですもの)
ビュウの手がディアナの紺碧色の腰布にかかった。それはカーナの空に良く似た色だっ
た。目を閉じるとディアナはふと幼い頃の影を見た。
あの頃、空を見上げればいつも彼がいた。
紺碧の空に紅い翼。その下で大きく手を振っていた幼い娘がいたことに彼は気付いてい
てくれていただろうか。
(無理だろうなあ。――だって)
彼女がビュウを見ていたように、彼にだって見ていた人がいたのだから。
(でも、でも、今、ビュウは私のことだけを見ていてくれているのは紛れも無い事実なん
だからそれで充分よ)
大きな頷きがディアナの顎を動かした。そして、腰布がはらりと解かれた。
そっと手を掲げて、彼の頬を撫でてみた。温かかった。ビュウはくすぐったそうに目を
細めた。
ディアナの肩の突き出た山吹色のローブ。彼の指が肩をすべった。彼女の細く、白い喉
が鳴った。それを合図とするかのように艶かしい肩にビュウが沈んだ。なめらかなそして
弾力ある感触を彼に伝えた
「愛している。――ディアナ」
「……ありがと」
啄ばむようなバードキス。そして見詰め合って、深くゆったりとしたキスを交わす。し
ばらくしてビュウの舌をそっとディアナへと差し込まれた。
「ひう……!」
一瞬、驚きに身を固くしたディアナも、やがておずおずと応えるようになめらかな舌を
返した。
初々しい恋人たちの舌がぎこちなく絡み合い、隙間隙間から唾液が漏れて頬を濡らす。
それでも自分の腕の中に愛しい人がいて、愛しい人の腕の中に自分がいるという当たり前
の事実が妙に嬉しくて、さらに腕に力を込め、そして舌で唾液を絡ませあった。ぐちゅぐ
ちゅとした水音が部屋に響いて、やがて大気に溶ける。
自分の唾液に相手のそれを混ぜ合わせて嚥下すればそれは甘露。もしくは媚薬。みるみ
るうちに身体は火照り、心はさらに相手を求める。
「あ、あああ……、好き……、好き……。ビュウ、あなたのこと好き……!」
途切れ途切れに思いの丈を吐きつつ、交歓は続いた。
その激しい交歓もしばらくすると、やがてディアナは小さく痙攣を起こすと背筋を張り
詰めさせた。そしてぐたりと弛緩する肢体。
「はぁ……はぁ……。何……今の……?」
荒く息をつきながらディアナが戸惑いの声をあげたがすぐに「あれが達するってこと?
何だか頭が真っ白になっちゃって、何も考えられなくなっちゃって……。変な感じ。で
も――気持ち良かった」と頬を染めて、頷いた。
「ね、キスだけで、達しちゃうなんて私たちって相性いいのかしらね」
息を調えながら、にんまりと笑うディアナにビュウは頬をかくと「まあ、そうかも知れ
ないな。でも誰に聞いたんだ? そんなことを」
「ふふ、ひみつ。……女の子同士の間には色々あるのよ。分かった?」
「ま、お前が言うならそうなんだろうよ。それより、続き、いいか?」
「――うん」
話の間に呼吸も調った。仕切り直すようにまた甘く優しいキス。うっとりと吐いた息す
らも甘かった。
まずは山吹色のローブを脱がす。現れるのは乳白色の艶かしい肌だ。緊張のせいか薄く
汗も染み出て、更に美しさを際立たせていた。それから短い巻スカートも外せば、あとは
落ち着いた色のキャミソールとショーツだけだ。ブラジャーはしていなかった。
肩紐を左右同時に外側にずらす。はらりと支えを失ったキャミソールをディアナがもど
かしそうに脱ぎ捨てた。
「恥ずかしいね。やっぱり」
もじもじと瑞々しい腿をこすり合わせながらディアナが照れ臭そうに笑った。酒のせい
か、それとも媚薬のせいか、身体が火照っているせいで寒さはそれほど感じなかった。
「――灯り、消すか?」
ビュウの心ばかりの提案にディアナは小さく首を振ると「ううん、止めとく。たしかに
見られるのは恥ずかしいけど、でもそうするとビュウの顔が見えなくなっちゃうもの」と
言った。
その言葉に一気に頬が熱くなるのがビュウにはありありと分かった。
どうしてこの愛しい人はこうも自分の心を掴むことばかり言えるのか。これでは――多
分、勝てない。
(とはいえ、負け続けるのは性に合わないからな。いつか勝って見せるさ。俺の生涯をか
けてな)
「ね、それより、ビュウも脱ごうよ。私ばかりじゃ不公平だと思わない?」
ディアナがビュウの服の裾をつまんで言った。ビュウも頷くとベッドから立ち上がろう
としたが、すぐにディアナを半眼で見やると
「おい、ディアナ。そこ掴んでいたままじゃ脱げないじゃないか」
「へへ。私が脱がしてあげるから、ちょっと待っててよ」
「いいよ。恥ずかしい」
「何よ。あんただって私の服を脱がしたじゃないの。いいから、いいから」
にこにこと笑うディアナにビュウもそれ以上抗することは出来ず、彼女に誘われるまま
ベッドに膝立ちになった。
「ふふ。私に任せてよ。上手いんだからこういうのは。……多分」
ディアナも同じように膝立ちとなると彼女のオレンジがかったショートヘアはビュウの
胸元のちょっと上あたりにあった。
――ボタンを外す。「ね、ビュウ?」
――ボタンを外す。「何だ?」
――ボタンを外す。「……後悔してないよね? 私とこうなったこと」
――ビュウに抱きすくめられた。「馬鹿言え。後悔なんてするもんかよ」
「うん、うん……。――さ、放して。まだ途中なんだから」
少し涙ぐんだようなディアナがビュウの胸元から指を指し込み、シャツを脱がす。シャ
ツは彼の背中側へと落ちた。
逞しく発達した身体、戦うために鍛えられた戦士の体躯だ。幾つか古傷が見えた。
「傷跡、残っちゃってるね」
「ま、しょうがないさ。それに勲章みたいなものだから、むしろ誇らしいよ」
「そうなの?」とディアナの細くなめらかな指が無骨な胸元をすべる。
「ああ。だって俺が傷ついた分、後ろにいるお前が傷つかなくて済むんだからな」
「――馬鹿みたい。そんなの単なる自己満足じゃない。あんたが死んじゃったらどうする
のよ」
でも。とビュウが笑う。
「――お前が死なないほうがずっといい」
くだらないヒロイズムかも知れない。それでもそうせずにはいられらない。それこそが
いわゆる男の本懐といえるものなのだ。ビュウはそんな風に思っている。
「はか……」
ディアナは頬を染めていた。そしてぽつりと「――ありがと。でも、無理はしないでね。
治癒魔法だって万能じゃないんだから」
そっとビュウの古傷に唇を寄せ、舌を這わす。
「くう……、くすぐったいよ」
思わずビュウの喉から高い音が漏れた。
「くす。可愛い」
舌は這わして、胸元からヘソを目指す。頭上から聞こえるくすぐったそうな声にディア
ナは何だか嬉しくなっていた。汗の塩辛さと彼の匂いがした。
ベルトを外してズボンを下ろせば、陰茎はもう、すぐそこだった。
ズボンの上からでもはっきりとは分かっていたが、薄布一枚越しだとその迫力は段違い
だった。丁度、隆起の頂点辺りの布は濡れていた。ちょっと怯みながらも思い切って、下
着を脱がす。
「ひっ……!」
思わず、目を背けた。想像以上に太く、そして長く、そして逞しかった。
「ね、これ、舐めた方がいいのよね……? というか、舐めなきゃいけないのよね?」
おずおずとした上目遣いの問い掛けに思わず首肯を返しそうになったが、こらえてビュ
ウは「いや、いいよ」と言った。
「え? だって私が読んだ本じゃ……」
「どんな本を読んだか知らないけど、今日はいいよ。それより早くディアナを感じたいか
ら」
――“今日は”
その言外に響く意味にディアナの頬に紅が走る。釣られてビュウの頬も紅潮した。
「キス、もう一度いいか?」の問いに「もちろん」とディアナが膝立ちで答えて、キスを
交わす。
「んふぁ……!」
舌を絡ませながら、想いを絡ませながら、二人の身体がベッドに沈んだ。ビュウがそっ
とディアナの肢体をまさぐりだす。くすぐったそうに目を細める少女。唇は合わせたまま、
なめらかな太腿に手を這わす。
「はうう……」
ディアナの脚から力が抜けた。そのまま太腿を撫で上げ、やがて指先が秘所にたどり着
く。先ほどの交歓のせいか、濡れた布地が張り付き、淡い茂みが浮き出ていた。
「ね、触るの?」
ショーツも脱がされ、いよいよ何もまとう物の無くなったディアナがおずおずと尋ねる。
ビュウは頷く代わりにその行動で返した。
「はひい……!」
生まれて初めての刺激に思わず甲高く可憐な声が漏れた。すぐに掌で口を押さえる。
ビュウの指が勃起した肉芽をショーツの上から転がす頃には、頬どころか顔全体を紅潮
させて喘ぐ少女の姿があった。
小便の不浄なところ。子を産む神聖なところ。その二律背反ゆえに触れることすらなる
べく避けていたところが今、男のいいように弄ばれて、知らなかった感覚、快感、悦楽を
もたらし続けている。ディアナは考える暇すら与えらずに喘ぎ続けていた。
「ああ……ひ、ひい……ああ! ひ、あ……! き、気持ちいひい……! こ、こんなの、
こんなの知らない。知らない!」
――達する!
そう思った瞬間、ビュウの指が秘所から離れた。爆ぜるタイミングを失った劣情はその
ままディアナの肉の内にこもったままとなった。
「え……。止めちゃうの? 止めちゃやだあ……!」
とろんとした瞳。だらしなく半開かれた口からよだれをたらしながらディアナが不満げ
に声をあげた。
しかしすぐに、「あひい……!」
喘ぎ声が上がった。ビュウが乳首を甘噛みしたのだ。
「いやあ……、食べちゃやあ……」
ディアナの切なげな抗議も意に介せず、ビュウは乳首だけでなく乳房をも咥内へと誘い、
存分になぶった。心地よい弾力の中に若々しい固さを残していた。
「ああ……いやあ。そんな……、やめてえ……、気持ちいい、いいよぉ!」
絶え間なく上がる嬌声。下腹部から燃え上がる劣情。ディアナはビュウの頭をかき抱き、
悶え続けていた。
ビュウが愛撫を中断して、ディアナの耳元に囁いた。
「俺ももう限界なんだ。だからお前の中に入りたいんだ、いいよな?」
ディアナは、もやのかかった、あるいは白い閃光が瞬き続ける思考の中で、訳も分から
ず頷いた。
『ビュウがそうしたいと望んでいる』
だたそれだけが彼女を促したものだった。
ビュウが一旦、ディアナの肢体から離れる。
「あ……」
ディアナの名残惜しそうな声が彼を追いかけた。その頃にはディアナも幾分平静さを取
り戻していた。
ビュウの陰茎がディアナの秘裂へと狙いを定める。ゆっくりと鈴口が、膣口に触れた。
もわもわとして濡れた淡い陰毛に潜んだそこは、熱く蕩けていた。
「いくぞ」
(ああ……主よ。この喜びをありがとうございます)
いよいよディアナは小さく神に感謝を囁いた。そして、目を瞑り覚悟を決めた。
「うん。お願い……」
――そして、ビュウがディアナの中へと押し入ってきた。
つ づ く
ディアナのエロの一番槍の栄誉は頂いたぜ!
なるべく早く続きを書く予定ですよ。それでは
なんという生殺し……!
186 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/19(月) 10:20:10 ID:rOIQQlYp
これは良いラブラブですね
保守
まにょ〜(保守だぜ!)
ほしゅ
保守
うむむ。過疎の極みだねぇ・・・
ところで、皆が読みたいキャラとそのシチュエーションはなんだい?
俺としてはキャラの好みは特に無いけど、そろそろ陵辱ものが読んでみたいな
ヨヨのガチ寝取られ描写
>>192 ここでいいことを思いついたんだが、パルパレオス視点で
ヨヨがビュウに処女強姦孕ませ寝取られ・・・という構成はいかがか。
無力化されたパルパレオスの目の前で、とかもオツかもしれませぬ。
これはもしかするとどこからも文句が来ない寝取られモノに・・・
>>193 どっちかいうとビュウには悪者キャラになってほしくないなぁ。
パルパレが死んで、ヨヨがもういちどビュウのもとに戻ろうとするも
ビュウは悟り開いたみたいになってて、ヨヨを振る→ヨヨ悲しみに暮れるみたいなの希望。
というか前スレにあった、ゲームのエンディング後バハムートたちと暮らすビュウのもとにディアナたちが来て・・・ってSSの続きが読みたい。
>>191 ああ、実は今陵辱で書きかけてるとこだった…
こういうのって需要ないかなと思ってたけど
もう少し頑張ってみるよ
ディアマイナイトの続きを待っている俺
>>194 そのへんはぶっちゃけ好みの問題だからなあ
まぜっ返すようでなんだが、自分はヨヨ(に限らず特定キャラ)へのバッシング感情が
あまりに生々しく滲み出てるようなのはちょっと。
エロパロ的ご都合と割り切れる範囲内でキャラが悪者化してたり鬼畜展開なのは全然余裕だけど
スルーで済むだけの話だから仮にそういうのでも投下自体に文句は言わんがなー
>>195 すまん!読みたくないわけじゃないし、批判したわけじゃないんだすまん。
投下待ってる。頑張ってくれ。
バハラグの辛い所は寝取られるだけでなく、寝取った奴が人格的にも能力的にも否の付け所がない所だと思う。
……それだけに、EDの刺殺受け入れはちょっと許せない物がありましたが。
それは責任とってないよ、つーかむしろ逃げだよバルパレオス!
>>199 まあまあ、そういうとこ語るとまた色々面倒なんで抑えて
>>197 だな。
世には鬼畜萌えという萌えもあるからそれで鬼畜を書くのは大いに良いけど、
エロパロ来てまで負の感情を原動力にするくらいならそのエネルギーで萌えようぜ?
という気もする。
関係ないけど、ドンファンのエロっていかにも過ぎるのか意外に見かけんね
>200
ドンファン云々と言うより十年以上たったゲームにしては二次創作系サイトは多い気もするけど
エロに関して言えばほぼ皆無だよな
このスレ以外だと全くと言っていいほど見かけない
なんでだろうね?
ここくらいにしかフレデリカで抜こうとかいう不届きモノが居ないってことだろ。
つか10年以上前の完全単発マイナーゲー、しかも公式設定画とかはほぼ無しってのを考えると
そのくらいで当然じゃないかね
むしろエロ無しでも二次サイトが多い事の方が有り難いくらいで
女性向け系でエロ有の表記出してる所ならまあいくつかあるけど、
男性向けっぽい所となるとそもそもエロ無しでも稀だからな
204 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 04:01:56 ID:PBXdCOeA
保守
早く規制解除されないかなあ……
205 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 10:13:23 ID:RXROTNV6
ほす
ついでにage
206 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 20:11:07 ID:y1yUHi7T
ようはアレアレ、保守ってヤツだ
207 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/15(土) 00:31:16 ID:NUDdsAA5
こんな板あったんだ・・。
俺中学生の頃にこのゲームでヨヨに好きな女の子の名前つけて・・
まさかNTRされるとは・・。あまりのショックにゲームやめた・・orz
板と言うかスレな。
まあ、誰もが通る道だ。ここで傷を癒していきたまえ。
フレたんNTRられたらカセット叩き割ってただろうが、
ヨヨに関してはどうでもよかったので、私はノーダメージでした。
むしろ、アナスタシアが結婚したって方がダメージ有った。
フレたんもアナも両方ほしいとはこの欲張り者めw
バルクレイ視点でアナスタシアに萌える妄想力があれば何も問題はない
後半のあの二人の落ち着きっぷりが憎たらしいのは正に嫉妬なんだろうな。
肝心の主人公は好きな女の子がギシギシアンアンしてる情報を耳にしてるしなww
なんだこの格差は…
あれはどっかでバハムートEND直行フラグを踏んじゃったからです。
製品版ではそれしかルートがありませんが、
開発中にはフレデリカやメロディアやセンダックやサラマンダーと結ばれるエンディングもあったに違いありません
エカテリーナと結ばれたいのですが
ディアナを挙げないとはまだまだだな
ディアナは何故かラッシュとケンカップルという印象が強い
217 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/20(木) 10:57:31 ID:KCOc+fG/
ビュウとフレデリカは縁側で茶をのんでるカップルのような希ガス
別のを書いてる傍らに湧いてきた陵辱ものだけど、
>>195で言った手前もあるし前半投下します。今回はまだ非エロパート。
形は一応ラッシュ×ディアナですが、戦場輪姦ネタで最低に救いがないため
胸糞悪くなる予感の人はどうかトリップをNG指定でスルーして下さい。
序章時点設定なので、二人が少し幼い描写なのは仕様ってことで。
>>198 何か批判されたと思わなかったんで、謝られて逆に驚いた。気にしないでくれ。
王国カーナの永き歴史の最後の一日となるその日も、もうすぐに終わろうとしていた。
世界を落日が赤く照らす。
やがて闇夜へと続くのであろう黄昏の中。戦火の街路を駆け抜けていく二つの人影があった。
辺りを警戒しつつ、それでも素早く前を走っていくのは一人のナイトである。
いかにも騎士然とした造りの盾を背負い、左腰には長剣を提げている。
そのなりで鋼鉄の鎧をまとった重装であるにも関わらず、彼の足取りは速くそして強かった。
勇壮な甲冑姿の割に顔立ちは随分と若い。まだ少年兵と呼ぶにふさわしい年齢だろう。
視覚と聴覚を著しく妨げる兜は既に捨てたのか、普通は戦場ではあらわにならないはずの短い髪が、
走る動作に合わせて揺れていた。
もう一つの人影は彼よりいくらか背が低い。
魔法使いたちの使う長いロッドを持ち、ナイトの後ろを遅れがちに、つまづきがちに追っていく。
フードつきの白いマントを被っているため姿は定かでないが、どうやら女性らしい。
不意に、崩れるように彼女が膝をついた。金属音をたててロッドが石畳に弾む。
ナイトがはっとして振り返った。
彼女のフードが落ち、透き通る琥珀の髪が乱れて肩の上に散らばっている。
その肩を激しく弾ませて息を継ごうとするのは、容貌にあどけなさの残る少女だった。
年頃はナイトとさして変わらない。淡いレモン色の服にカーナの司祭位を示す紋章がついている事から、
彼女がプリーストである事が見て取れる。
陽光や笑顔が似合いそうな可憐な面差しには、しかし今は絞め殺されかけた小鳥のような絶望が
色濃く滲んでいた。
ナイトが差し出した右手にすがりつき、少女はようやく上体を支えた。
肺を破らんばかりの呼吸の下から、弱々しい声を絞り出す。
「もう、駄目。わたし、走れない……
あなた、ひとりで……にげて」
「バカ言うな、栄光ある戦竜隊のナイトが女の子見捨てて自分だけ逃げられるかよ!」
怒ったような口調でナイトが言い放つ。
その戦竜隊という組織も、それどころか彼をナイトたらしめるカーナという国家すらも
永遠に滅び去りつつあるこの夕刻の中にあってなお、彼の目からは昂然たる光がいまだ
失われてはいなかった。
プリーストである彼女は、ナイトと比べて走力に劣る。
戦場で随伴行動する際には速い者が遅い者に合わせるのが鉄則なのだが、それさえ忘れて
相手に限界以上のペースを強いてしまったと気付き、ナイトは自責に唇を噛んだ。
しかしそれも一瞬だった。
決然とした動作で、盾を吊るベルトを肩から外して放り落とす。
軽くはないそれを今まで携えていた所からして、彼にとって価値の薄い物ではなかったのだろう。
だがもうその鉄塊を一顧だにせず、ナイトは即座にロッドを拾い、それから少女を強引に背の上へ
ひきずり上げた。
力尽きた細い体は容易になすがままになる。
「あ……!」
有無を言わさず背負われ、少女が小さく声を上げた。
その間にもナイトは彼女の両膝を脇腹で抱えこみ、一度揺すり立ててから走り出した。
「い、いけない……
あなたまで、逃げられなく、なる、ってば」
「うるせえ、黙ってろ!」
か細い制止は地を蹴るリズムに寸断され、その上で怒声に撥ねつけられた。
言葉と動作は乱暴きわまりないが、少女を離すまいとするナイトの腕には真摯な意志が満ちている。
何を言ってもきっと無駄に違いない。
ふうっと息を吐き、彼女は相手の肩に頭をもたせかけた。
遠い昔、こうして母親に背負われて、夕日に輝くカーナの街を見ていた時があった気がする。
それは今の状況ではあまりにも物悲しく場違いな連想ではあったが、はかない金色の幻は少女に一瞬だけ
現実を忘れさせた。
心を縛っていた茨の蔓がふわりとほどけていく。
力を抜いてナイトに全身を委ねると、彼の体が揺れるぶっきらぼうな動きすら、不思議に懐かしく快かった。
「…………ありがと……」
聞こえなかったのかわざとなのか、かすかな呟きにナイトは応えない。
ただ己を叱咤するようにもう一度少女を背負い直し、速度を落とさず走り続ける。
最後の残照が、二人の姿を茜色に染め上げていた。
少女のすんなりとした両脚は、司祭服のスリットから割り出されて腰の際まであらわになっている。
その格好で膝の間に異性の体を抱いた姿勢は、見ようによってはかなり際どい有様と言えなくもない。
が、今は二人とも、そんな事に気付く余裕も構う余裕もまったく持ち合わせてはいなかった。
- - - - - - - - - - - - - - - - -
彼らとて、戦う術をろくに知らぬ子羊ではない。
その立場に充分足るだけの訓練を受け、一線の軍人として戦場に立つ、れっきとしたカーナの精兵だ。
現に、見かけから二人を侮って後れを取った敵兵を、既に何人も倒してここまで逃げてきている。
実戦経験に劣るとはいえ、戦闘力では大人と比べてもほぼひけを取らないだろう。
そしてこの若年でそこに達しているという事は、彼らが高い素質を備えた逸材である事を語るものでもあった。
そうではあるが。
やはり、軍人としてはこれほど幼い男女を最終防衛戦に投じなければならないという選択そのものが、
カーナの追いつめられた窮状をあからさまに示している。
そしていまや炎上する祖国の王都と共に、二人の命運もここで尽き果てようとしていた。
けれどそれを知ってか知らずか。
少女はかろうじて、少年は頑なに、彼らはこの状況下で一縷の望みを捨てきってはいなかった。
ずいぶん走った末、ようやくナイトが歩調を緩めた。
その頃にはもう日は落ち、西空のわずかな明るみも宵に食われて、空は刻々と藍へ変わっていく。
彼は狭い横道へ身を滑り込ませると、犬のように荒い息をつきながら足を止めた。
目につきにくい物陰を選び、少女をそこへ下ろす。ついで自分も傍に座り込んだ。
少女ほど消耗が激しくないとは言え、彼の呼吸も今は相当に上がっている。
目を閉じて息を整えようと専念するナイトに、しばし経ってから少女が声をかけた。
「あの、ごめん……ね」
ナイトがぱっと目を開いた。
少女に顔を向け、気にすんな、と短く答える。
その眼差しは、怒気に燃えた時の迫力が烈しいだけに、こうして凪いでいると意外に雰囲気が変わって見える。
よく見るとけっこう子供っぽい目だなと今初めて少女は思った。
「走るのは慣れてる。どうって事ねえよ」
そう続けてから元の姿勢に戻った彼の息づかいは、確かに短時間でだいぶ治まってきていた。
少女はロッドを握ってうつむいた。負傷ならばともかく、疲労は自分の魔法で対処できるものではない。
ふと、司祭服の裾が激しく乱れたままなのが目に入った。
慌てて服装を整え、布地の下に足を隠す。
ついでに背負われていた時の事を思い出し、今更服の乱れを気にするのはあまりにも遅すぎた事実を悟った。
が、上目づかいにこっそりナイトの横顔を見ると、相手はその件について完全に気付いていない様子だ。
(良かった)
肌を見られたのどうのと騒いでいる場合でないのはわかっていたものの、少女は内心ほっとした。
あられもない自分の姿を彼に意識されていたら、尚更いたたまれなかっただろう。
今は逆境の中に二人きりで、頼れる同胞といえばこのナイトだけなのだ。
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薄暗い路地でじっとしていると、今までは想起する余裕もろくになかった数刻前の恐ろしい記憶が、
にわかに少女の意識へと忍び寄ってきた。
あれほど美しかったカーナ王宮が炎に包まれる光景。
白亜の竜牙と讃えられたその城の、無惨にして壮麗な最期が瞼によみがえる。
あの時、敗北が決定的となって城から離脱する際に、少女は友軍とはぐれ一人になってしまったのだ。
カーナの下町の小道は煩雑に迷走する。帝国兵から逃げるうち、自分がどこをどう走っているのか、
彼女にはまったくわからなくなっていた。
背後からレギオンの足音が追跡してくる。
それは路地にこだまして距離感を失い、遠くにいるようでも、すぐ近くに感じられるようでもある。
だが決して聞こえなくなりはしない。
──ああ、神様。
その祈りはどこへ届くのか。
プリーストは主に仲間の回復と補助を担う職種である。したがって、単独では敵に対して決定打となりうる
抵抗手段をほぼ持たないと言って良い。
高位の白魔法には攻撃的な術もあるにはあるが、まだ駆け出しの彼女にとっては無縁の話だ。
追いつかれればそれまでだろう。
不意に、疲れきった足がもつれた。
「!!」
目前の塀にすがりつく。なんとか転びはしなかったが、四肢が軋んで姿勢を立て直せない。
やや離れた角にレギオンが姿を現し、今や王手をかけようとこちらへ走り寄るのが見えた。
しかしどうする事もできなかった。少女の青い瞳が苦しげに瞑られる。
その時。
塀に当てられたままの彼女の耳に、高速で迫り来る別の足音が届いた。ただし頭上の方で。
──上!?
ぎょっとして見上げた瞬間、呆れるほどのスピードで塀上を疾走してきたそれが、最後の足場を蹴った。
急降下する火竜の翼さながらに、空中で翻る赤い戦衣。
ものものしい金属音をたてて着陸し、少女を背にかばって間髪いれず抜刀する。
まるで非常識な冗談のように突拍子もなく、そこにいたのは甲冑姿の一人のナイトだった。
レギオンが立ち止まった。
文字どおり降って湧いた新手に道を阻まれ、怯むというよりあっけに取られている様子だ。
猶予を与えず、畳み掛けてナイトが間合いを詰める。
狼狽しきってレギオンも剣を抜いたが、彼の構えはまともな形にすらなっていない。
でたらめに振られた刃は、あっさりと盾で弾かれた。
掲げた盾の陰から、ナイトの剣が流麗に一閃する。腕を傷つけられてレギオンが剣を落とした。
ひっと悲鳴を上げると、帝国兵は戦意をくじかれて闇雲に逃げ出した。
それをナイトは追わない。飛燕のようにくるりと刀身を反転させ、一動作で鞘に収める。
シャン!と小気味よい音が煉瓦壁に反響した。
あまりにも瞬時に片付いた事態を前にして、少女は助かった事を自覚する間もなく、
ただ唖然として一部始終を見守っていた。
「来い!」
鋭い目を少女に向けてナイトが一喝した。それでびくっと我に返る。
ナイトは彼女の手を強く引き、先に立って路地を駆ける。
王宮に上がるような軍人にしては珍しい事だが、彼は下町の地の理に実に詳しかった。
敵兵の多そうな箇所を巧みに迂回しながら、入り組んだ小道をすり抜けていく。
逃げる合間、彼も少女と同じように仲間を見失ったのだと手短に語った。
そして、偶然に彼女が追われている場を見かけたからああしたのだと。
どのくらい走り、追撃を退けただろうか。そうやって今、二人はここにいる。
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これまでの人生で、今日よりも酷い一日なんてありえない。
少女の「これまでの人生」の長さは老兵と比すればほんの短いものでしかないが、それでも今の彼女は
そう思わずにいられなかった。
グランベロス帝国将軍たちを前にして、彼らの力はまるで歯が立たなかった。
国王陛下はなすすべなく殺された。
ヨヨ王女はどこかへ連れ去られ、生死もわからない。
少女やナイトたちが生まれ育ったこの故郷、カーナという国は今日で消滅する。
仲間たちは、彼らと同様に年若い者も多かったカーナ軍の皆は、いったいどうなったのだろう?
ビュウは、フレデリカは、アナスタシアやエカテリーナは、ミストさんは……
次々と脳裏に浮かんでくる者たちも、既にこの世にはいないのかも知れない。
ふたたび暗い潮のうねりに心が呑まれそうになり、少女は両手で自身を抱きすくめた。
「……大丈夫か」
軽く肩を揺すられ、はっと相手を見る。
ナイトが心配そうに彼女の様子をうかがっていた。
「顔、まっ青だぞ」
「あ……うん、平気」
答えた声は、しかし嘘だと自ら明かさんばかりに震えていた。
少女は気力をふるい起こして怯えを戒めようとしたが、自分の心が折れそうになっている事実は
ありありと彼に伝わってしまっているに違いない。
そんな彼女を前に、ナイトは辛そうに目を伏せる。次に口を開くまでに長めの沈黙があった。
「心配するな。
今は──オレが、守るから。約束する」
荒削りな口づかいで言う彼の面持ちは、ひどく真剣だった。
少女を安心させるための言葉を懸命に探して、そんな体当たりな言い方しか見つからなかったのだろう。
こんな状況で言われたのでなければちょっとロマンチックな錯覚を招きそうな台詞だな、
と少女は心の片隅で思った。
「何ができるかわからねえけど、オレはあきらめない。
最後まで、きっとお前を守る。
だから……もう、そんなふうに……」
あとは言葉をうまく掴まえられず、焦れた様子でかぶりを振る。
空白を破ったのは少女の方だった。
「最後なんて言わないでよ」
やや跳ねっ返り癖のあるマリーゴールド色の髪を後ろに払うように、彼女ははっきりと顔を上げた。
その髪の佇まいに似つかわしい芯の強さが、まなざしに戻りかけている。
ナイトはわずかに目を見開き、やがて表情を和らげた。
「ああ。そうだな」
「ね」
彼を支える内なる炎が、自分にも移ってきたように少女には思えた。
戦場では、ナイト達と共にいると常ならぬ戦意と鋭気が一撃に宿る事があるという噂だが、
「クリティカル」と呼ばれるその不思議な力の本質がこれなのだろうか。
そう考えてから、彼女はそっと打ち消した。
(ナイトだからじゃなくて、多分、この人だからなんだ)
確かに酷い一日ではあった。そして状況は今も変わらない。
けれど少なくとも、まだ自分が生きてここにいて、隣に一人の仲間が存在してくれている事には
感謝すべきなのかも知れない。
そう思えばこれが最悪の時ではないような気がした。
「大丈夫。私だって軍人だもの」
喉の奥に力を込める。今度はしっかりした声が出せた。
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少女と並んで座るナイトの呼吸は、既にほとんど落ち着いてきている。
重力への反骨心を旺盛に示す彼の髪の枯草色を眺めながら、少女は頭の中のメモ帳をめくった。
このナイトは確か、戦竜隊長ビュウの部下のうちの一人だ。
先程の城での防衛戦でも、彼女と別の小隊に所属して戦っていたはずである。
名前は……なんといっただろう。
顔には確かに見覚えがある。しかし戦竜隊とプリースト部隊は王国軍内での所属が違うため、
実戦以外の場で行動を共にする機会はそう多くない。
さらに少女は軍内でも実戦経験が浅い方なので、目前のナイトとは大したつき合いがあるでもなく、
彼の名をすぐに思い出す事ができなかった。
きっと、気が動転しているせいだ。
そう考えて少女は額を押さえた。
彼女は普段から噂好きな性格で、本来ならば人の名を覚えるのは得意な方である。
現にこのナイトについても、軍規の枠にはまりきれず頻繁にトラブルを起こしているとか、
先月も激怒したマテライトの雷に吹っ飛ばされて城門前の川に派手に放り込まれていたはずだとか、
他愛もない噂ばかりが今は頭に浮かんでくる。
もとは市井の不良上がりだと聞いていたので、本音を言えばこれまで、彼に対して不信や用心に
似た気持ちをわずかに抱いてもいたのだが。
こうして行動を共にする中で、その感情はすぐに消え去っていた。
ふと、彼の日頃の噂や先程の芸当を思い出して、少女の心に一ひらのおかしさが浮かんだ。
「さっきの、びっくりしちゃった」
「ん?」
不思議そうにまばたきするナイトの仕草は、無心でいる時の戦竜のそれとどこか似ている。
「いきなり空から助けが降って来るなんて思わなかったから」
「ああ、あれか」
彼女がやや明るさを取り戻した事に心慰められたのか、ナイトもにやりと笑みを見せた。
「あのへん、道がすげえゴチャゴチャしてんだからさ。
誰か見つけるのも近づくのも、高いとこからの方が簡単に決まってるじゃんか」
「そう……かな」
下町慣れしている彼が言うのだから、一利ある話なのかも知れない。そう納得しようとしたが。
それにしても重鎧を着たままその軽業を試みる事に一抹の疑問も抱いていないらしいナイトの行動には、
やはり何か常規を欠いた点がある気もする。少女は首をひねった。
「それに、あれやると大抵のヤツは一瞬隙ができるからな。
意外と使えるんだぜ」
ビュウに仕掛けた時は効かなかったけど。
と、悔しさと敬服の混ざった口調でつけ足してから、ナイトは言葉を切る。
軍の上司であるはずのビュウに対し、どういう顛末で彼がそんな奇襲を挑むはめになったのだろう。
少女は持ち前の好奇心を起こしたくなったが、遠く追憶を馳せるような今のナイトの沈黙には
どことなく口を挟みかねて、それはまた今度尋ねてみようと決めた。
「さてと」
手近に落ちていた酒瓶の破片をナイトが拾い上げた。
「あと少し先の橋の所から地下水路に降りれば……
敵の下をくぐって、北の街外れまで行けるはずだ。
あそこの竜舎の事は多分まだばれてないから、そこで竜が手に入れば逃げきれる」
頭を使うのは苦手らしく、読みにくいものを辿るような調子で言葉を続ける。
そうしながら彼は、路地のむき出しの土の上にガラスで“T”の形を刻み、その左肩を指でトンと叩いた。
「水路に入ったら脇道はほっといて、突き当たるまでずっと道なりだからな。
分かれ道のとこに来たら左に曲がって、あとはもう一度外に出るまでまっすぐだ。
北にある軍の竜舎の場所、知ってるだろ?あそこだ」
少女も頷き返す。
そこまで一緒に行くはずなのに、自分に道順を覚えさせるような彼の口ぶりを訝しみながら。
「わかったわ」
彼女の確かな仕草を認めてから、ナイトは安堵した様子でTの文字を消した。
それからやおら背筋の力を抜く。
いっときだけ気が緩んだらしい。ゆっくりと物憂げな動作で壁にもたれかかる。
ずっと瞳に煌めいていた気魄が弱まり、何かを求めるような哀切な色がわずかに差した。
「あいつが今いてくれたらな」
そう独りごちた声は、傍の少女にすらようやく聞こえたくらいに小さかった。
恐れ知らずな挙動の裏にある弱気さを隠しきれなくなるほど、さしものナイトの心も
追いつめられているのだろう。
それを知るのが彼女にはわけもなく辛かった。
「……私が、こんなふうに足手まといにならなければ」
「だから気にする事じゃねえって」
彼の物言いはつっけんどんだが、根には不器用な気遣いがうかがえる。
「オレだって、お前がいなけりゃここまで逃げる前にとっくに死んでたよ」
その言葉は嘘ではない。
乱戦の中で、既に斃れていて当然なだけの傷をナイトは幾度も敵兵から負わされている。
しかしプリーストの少女がそれを魔法で癒すことで、二人は状況を切り抜けてきたのだ。
そうしようか否か、迷う様子をしばし見せた末、ナイトは励ますように少女の手を握った。
最初はおずおずと軽い力で。
しかし少女が彼以上の力で握り返すと、ふと驚いた顔になり、それからぐっと確かな力を込めて
もう一度彼女の手を握り直した。
こんな時だというのに彼が顔を赤らめたのがおかしくて、少女は微笑んだ。
革と鉄で無骨に作られた篭手を通してではあるが、ナイトの手の感触はどこか温かく、
心が安らぐのを感じた。
彼の名を尋ねようと、少女は口を開きかけた。
が、それを忘れている事が相手に失礼な気も、もうほんの少しで思い出せそうな気もする。
躊躇したその間に、明らかに照れ隠しじみた唐突さでナイトが立ち上がった。
「そろそろ行こうぜ」
確かに、あまりのんびりしていて良い状況ではない。
「そうね」
少女も気を引き締め直すと、ロッドを取ってナイトに倣った。
- - - - - - - - - - - - - - - -
ほとんど並ぶようにして二人は走る。
ナイトは、今度は無理をさせすぎないよう注意しているのだろう。しばしば少女の様子を
振り返りながら先導していく。
敵が手薄な方へ向かっているのか、あれから帝国兵と一戦を交える事はなかった。
やがて路地の前方が、運河に面した幅広の通りに行き当たるのが見えた。ナイトが足を止める。
「あそこだ。
橋の横の階段から降りれば、下に水路の入り口がある」
やや離れた所にかかる石造りの橋を顎で指す。
開けて見通しのよい橋の周囲はしんと静まりかえり、暗がりで目の届く限り人気はない。
──あと少しだ。
少女の胸にその思いが浮かんだ。
ナイトも同じ心境だったようだ。かすかに緊張を解き、彼女へと顔を向ける。
「そういやお前、名前なんていうんだっけ?」
「私は……」
そのとき、静寂を貫いて甲高い呼び子の音が響き渡った。
背後の遠方から帝国兵の声が飛ぶ。
「いたぞ、あいつらだ!」
近づきつつある敵の気配は明らかに一人ではない。ナイトの顔色がさっと変わった。
「走れ!」
少女の背をぐいと押すようにして叫ぶ。
同時に、二人は最後のわずかな距離を一気に駆け出した。
しまった、とナイトは心中で舌打ちした。
どこかで気付かないうちに敵兵は彼らを見かけ、探しながら追ってきたのだろう。
彼は不良として喧嘩に明け暮れていた頃から、危機への勘には自信があった。だがそれが長時間の
極限状態と疲労によって、自覚できないまま鈍っていた事を今になって知る。
それでもナイトは敵との距離を目測し、ほぼ直感的に判断を叩き出した。
追いつかれる前に水路に入れれば、迷宮のような構造と自分の剣で敵を切り返せるはずだ──。
だがその考えは、一瞬後ろを見た彼の視線が、青いローブ姿の兵士を認めると同時に破れた。
レギオンの向こうに混ざるその姿に、ナイトの歯がギリッと噛み締められる。
(ユーベルビュント……ちくしょう、あんな奴が!)
氷の術を操る魔法使いだ。その攻撃魔法が捕捉しうる領域の広さはレギオンの剣の比ではない。
直撃を受ければ、自分はともかく少女は、橋まで走破できなくなるほどの痛手を負う危険が高い。
その瞬間に彼は今までの目算をすべて捨て、なおも残された一つの覚悟を選択した。
踵を返し、後ろを走っていた少女とすれ違うように敵へ向き直る。
「え……」
突然の行動に戸惑い、少女が足を止めかける。
その体をナイトはドンと突き飛ばして橋の方へと押しやった。剣を抜き放ち、帝国兵から目を離さずに叫ぶ。
「先に水路から逃げろ!
もしオレが後から行かなくても、立ち止まるな!」
「!!」
少女は息を呑んだ。
一人でも行けるような道の教え方をしたのはそのためだった事に気付く。
最悪の時には彼女だけでも逃がす決意を、ナイトは初めから固めていたのだ。
そのために今、彼はここで盾となる気だ。
相手の意図を察し、少女は必死に言い募ろうとする。
「だめよ!そんな事できるわけ──」
しかしその言葉は半ばで立ち消えた。
振り返った彼が、殺し合いの中で敵に向けるのと同じ目で、容赦なく彼女を恫喝したからだ。
「何度も言わせるんじゃねえ!
行け!!」
牙を剥く竜のようにナイトが吠えた。それはまさしく声ではなく咆哮だった。
先刻までの子供じみた少年はもうそこにはいない。少女すら恐怖に打たれるほどの、壮烈な鬼気だけが
いまや彼を支配する全てだった。
彼女は思わず数歩あとじさる。
何か言わなければと思った。が、頭が混乱して何も言葉は出ない。
そうしているうちにも、ナイトが捨て身で稼ごうとしている時間は刻一刻と失われていく。
今は、それを無にしない事だけが自分にできる全てだ。
少女は意を定めた。
そして、なおも後ろ髪を繋ぎ止めようとする迷いをふり切り、いっさんに橋へと駆け出した。
その彼女を狙う者がまだ他に存在していた事に、二人は気付いてはいなかった。
ナイトは路地と通りの境に立ち、そこで迎え撃つ構えを固める。
広い場所で多勢の帝国兵に包囲されれば勝ち目はない。一人で食い止めるためには、相手を路地から
出してしまったら終わりだ。
──突破されてなるものか!
まだ剣の間合いには遠いが、迫る敵勢を見据えるナイトは既に攻撃の準備を開始していた。
彼の心の裡に気が満ちてくるにつれ、掲げた剣が光を放ち始める。
初めは燐光に似た淡い色だったが、見る間に燃えさかるばかりの強さを帯び、やがて正視もできないほど
まばゆい輝きが火花を散らし始めた。
刀身の回りで微細な星の雨がはじけてこぼれ落ち、歌うような澄んだ音を響かせる。
ともすれば見とれるように美しいそれは、しかし一撃で敵を葬り去る非情な力の発動の前触れだった。
バチバチと明滅する閃光が路地を照らす。その中で、先頭のレギオン達の顔に怯懦が浮かんだ。
カーナ軍の中でも最も一点集中の攻撃に特化したナイト部隊。彼らを軍の尖鋭な剣となす最大の切り札が、
パルスと呼称されるこの技だ。
帝国兵の間でさえ悪名高いその業火の目覚めを前にして、敵の先陣は見るからに浮き足立つ。
しかしナイトの狙いはレギオンではない。
パルスは並はずれた破壊力を誇る代償に、そう幾度も乱用できるものではないのだ。
刃に宿る光が渦を巻いて一点になだれこみ、球形に変わって凝集した。
剣の切っ先を後衛のユーベルビュントへと定めて、彼が全ての力を撃ち放とうとした時。
突然ナイトの背後で、争う物音と少女の声が集中を破った。
ぎくりとして肩越しに視線を向ける。
臨界近くまで純度を増した光弾は、彼の心の動揺に呼応してたちまち闇へと霧散していく。
橋の方を見たナイトの目に、突如現れた複数のレギオンが、少女の前に立ちはだかる光景が映った。
一体どこに潜んでいたものか。レギオン達は激しく抵抗する少女を数人がかりで抑えこもうとしている。
だが容易に思うままにならない彼女に業を煮やし、一人が何か罵りながら拳を振り上げた。
手加減なく少女の横顔を殴り飛ばす。
細い体がよろめき、路上に倒れた。
地に落ちる花びらのように、白いマントがふわりと後を追う。
その時にナイトは、自分が完全に敗北したのだと悟り──
自分の外界に存在するあらゆる状況と不運と、そして己の失策を呪った。
少女を阻んだレギオンは、実際には地下水路を封鎖していたのではなく、橋を渡る敗残兵を待ち伏せるため
近くの建物から周囲を見張っていた一群だったのだが。
そんな事はナイトの知る由もなかったし、また仮に知った所で何の意味もない事だった。
彼が愕然として我を見失った、その隙がとどめだった。
注意を逸らしたナイトの、兜で覆われていない頭めがけてレギオンが盾を振り下ろす。
すさまじい衝撃とともに視界が暗転する。
自分の体が力を失ってくずおれていくのをナイトは感じたが、何もかも、もうどうにもならなかった。
- - - - - - - - - - - - - - - -
これまでに今日より酷い一日は無い、と少女が考えたのは、まぎれもなく正しかった。
しかしその時、まだ最悪ではないのだろう、と考えたのは正しかったとも間違っていたとも言える。
なぜなら、真に最悪と呼べる事態はその後で始まる所だったから。
そして、もっと早くに二人が息絶えていればその悲劇の餌食とならずに済んだはずだったからだ。
月と呼ばれる夜の女王が、いつしか中空で弓形に光っている。
それは無慈悲に、本当にただ無慈悲に、小さな希望が砕ける情景を白く細い目で見下ろしていた。
前半はここまで。次からアレな流れになるので一旦切ります。
後半投下はおそらく来月の後半頃に。
リアルタイムで読んだ。上手い!
エロなしでもかなり面白かったのに、これからエロが出てきたらどうなっちゃうんだ!
読みやすくていいなwkwk
やべええ!これは全裸で待機せざるを得ない
GJ!!
脳が勝手に続きを再生しちまうほど素晴らしい出来だ。
後半も超期待。
ディアナも可愛いがラッシュかっけええええ
二人とも原作の感じがうまく再現されてて最高だ
先が読みたいような怖いような・・・いや楽しみにしてる!
グッッッジョーーッ!?
これは良いものだ。
243 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 15:21:30 ID:STg2VDut
とりあえず保守
角煮が荒れまくってるのでエロパロもされないか心配だ
たたでさえエロパロは基本まったり進行なのに
やっぱここにも爆撃がきたか
保守
しばらく連続投稿します
ウザイかもしれませんがお許しを
保守
保守
249 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 19:29:40 ID:ZcKjbmG8
ho
落とさせないぞ
保守
やらせはせん。
しかし「ぎゅっと」のヒト、是非続きのエロ版も書いて欲しいな。
>>253 >>241の人の事を指してると思われ
つか少なくとも今までこのスレで「エロ無しの投下は許さん」という意見は一度もなかったし
もし本人さえ良ければ、エロ無し作品でもここに直接投下してくれて全然構わないと思うんだが。
あえて別所にアップロードする形が好きなら強引には薦めないけど
というか、エロなしなら2chのほうに投下すりゃいいだろうよ
256 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 15:55:28 ID:OqcHhXpu
警戒保守
もう問題は解決してるぞ。
一時しのぎ感は否めないが。
258 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 03:06:03 ID:Zp4W338i
保守
259 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 16:55:12 ID:QAq+WrZO
保守
>>258-259 >>257 むしろ、そうやって「保守」しか書き込みがないスレになると、
逆に客足が遠退いて過疎が進行するだけだからやめれ。
そういうならば話題振ってくれたっていいじゃないか
だが落とすのも駄目だと思うけどな。難しいところだ。
バハムートラグーンの魅力は、何と言っても余裕のある大人に良い様に弄ばれているという感覚だと思います
当時小学生であったプレイヤーとしての僕は、ゲーム製作者である大人達の手のひらで踊らされるだけのピエロでした
ヨヨはしばしば自分の欲求を我慢できない幼稚な悪女として批判されますが、それは換言すれば
自分の弱さを正直に見つめ現実的な対応をとることのできる大人の女性ということになります
大人に嬲られ弄られからかわれる感覚を、非常な屈辱のなかに混じる一抹の興奮を、大人になった今でも忘れることが出来ません
そもそもできた当初からこのスレのまったり具合は
「一言保守ばっかだと客足が遠のく」とか
そういうとこに起因するレベルじゃないと思うんだよなー
まあ何が言いたいかっつうと、みんななんか書こうぜ!
ともあれ今年も楽しみにしてる。
>>261 ごめんよ。
話題になるようなネタがあれば
>>260の時点で雑談振ってたんだが、
生憎なにも思い付かなかったんだ。
書き込みがなくても人がいないわけじゃないから、こうして何かあれば
すぐにレスが付くくらいだし、このペースなら圧縮もまだまだ先だから
先月の爆撃ようなアクシデントがない限り落ちる危険は少ないと思うし。
ようはアレアレアレ、アイハブノーアイディアってやつだ。
ぼくはあたかも砂漠でオアシスを求めてさまよい歩く旅人のように
自分の浅はかさを呪うつもりだ。
アーバイン×バーバレラ物ってないよね
267 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 13:52:47 ID:iWeS8fAa
落ちそうで怖いんで保守しとく
色々と書いてはいるけど形にならん…
このスレは堕ちる
>265
そう言う状況なら自分の萌えキャラの萌えシチュでもあげてみるのはどうだろうか?
作者さんのインスピレーションを呼び起こすきっかけになるかもしれないじゃないか
俺? 俺だったら
私と噂になってみる? と冗談を言ったら真剣に頷かれて、困りながらも内心歓喜しているルキアさんだな
「私と噂になってみる?」
それは正直冗談のつもりだった。
当然ビュウもそれがわかっているだろう。
だが彼は純情だ。
だからおそらくは顔を赤らめて慌てふためいてくれるに違いない。
そう思っていたのに…彼はコクリと頷いた。
そう、頷いてくれたのだ。
言葉が出ない。
恐らく、今私の顔は真っ赤になっていることだろう。
なんてことだろう、これでは立場が逆ではないか。
ビュウがじっとこちらを見つめている。
とにかく、何かいわないと…
嬉しいっとメロディアのように抱きついて見るべきだろうか?
それとも、フレデリカのように黙って俯くべきだろうか?
はたまた、何を本気にしてるの、とこの空気を断ち切るべきなのだろうか。
ダメだ、言葉がどうしても出てこない。
どうしよう、こんなにも嬉しいのに。
…え、嬉しい?
嬉しいって……感じているんだ、私。
>269さんの発想に咄嗟に書き連ねてみた。
続きなどどこにも存在しないぜ。
過疎なぞは消し去る。
>>269が新たな物語を書き連ねる。
世 界 は 変 わ る
272 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 09:51:52 ID:GkUiNIfo
ドンファン3Pモノを妄想しつつ保守
273 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 09:04:12 ID:4v6Lt+OS
そろそろ前のラッシュ×ディアナものの作者さんが降臨を期待
274 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/30(水) 02:49:50 ID:2ssULeax
ここは、バルクレイの目の前でアナスタシアを陵辱して
「バルクレイよりずっといい!」って言わせる展開しかない保守
2月になっちゃったよ……
有り難くも申し訳ない。もう少しかかってしまいそうです。
さっさとそれ言わなかったせいで、もし焦れた人がいたら重ね重ねごめん。
>>276 焦れてるのは事実だが
尻を出したら簡便してやらないこともねーぜ ヘヒヒ
俺の*に免じて勘弁してやってくれ。
ドンファンのエロってありそうで無いよな
ドンファンは受け
ドンファンはまだ子供だった!(ナンパが成功しないから)
そして戦後はジョイさんとネルボさんにすっかり骨抜きにされる。
>>281 作中で百人斬りやってるんだが
実はかなりモテる男だぞ。ルキアとジャンヌがそっけないだけで
>>282 あれって単に100人にナンパしただけじゃないの? 結果はともかくとして
本気になればジャンヌとルキアを落とせるあたり、ドンファンって顔自体は良いと思う。
ただ中身が著しくアレすぎるだけでw
>282
「ひゃくにんぎりのドンファン」と自称しているが、あくまで自称で実態は不明。
100人に声はかけただろうけど、せいこう(性的な意味で)はしてないんじゃないか。
多分一方的に意味不明な事言って自己完結してそう。
ただでさえ思い込みで生きてるようなヤツだし。
とりあえず、二人の女性をゲットした時点で一番のモテ男がドンファンなのには違いない
次点がバルクレイとパルパレオス
>286
ばかやろうビュウはフレデリカ+ルキア+バハムートの3人斬りだこのやろう。
んでエカテリーナ+パピーのホーネットも忘れるな。
>289
メロディアの事も思い出してあげようよ。
ジジイもな
ビュウはある意味最モテな男なのに
不遇だなんだと言う奴がいるのは正直贅沢すぎてけしからん
ドラゴンたちにもモテモテだぜ?
確かによく考えてみればハーレム系のエロゲ並にモテモテだな、ビュウ。
本命?は寝取られたがな
ビュウ フレデリカ? ルキア メロディア バハムート サラマンダーはじめドラゴンたち
ドンファン ジョイ ネルボ ジャンヌ? ルキア?
なるほど、さすがビュウ。主人公だけある
というか前スレからここまででヨヨネタが皆無なのが笑える。
スレのタイトル名にもあるのにw
ヨヨはエロさで言えばレゲー界でもかなりぶっちぎってるヒロインだよな
そのエロさのベクトルがプレイヤーの心証のいい方に向いてないからあれなんだけど
しかし、周囲は誰も咎めない
ヨヨ自身はビュウ以外には憎まれることも悪く言われることもないっていう
不思議な立ち位置にいる
だってカーナ女王っていうオレルスの最高権力者だもの。
いや、というより
ビュウ以外に責められるようなことをしていない、ってのがね。
誰もビュウを(フラれて)可哀そう、とは思わないし
ヨヨが悪い、とは思わない
というのがイヤーなトリックだよなあと思う
んだ。
つかよく見ればヨヨそっくりな行動をしてるけど、最終的に選ばれるのが主人公側だから
特にヘイトを持たれてない女キャラってのは創作の中だと割と普通にいると思う
考えてみれば、自軍側に紛れ込んだ敵方の王女と主人公が恋仲になり、
王女の許婚だった敵将軍と争いつつ、最後には将軍と和解、悪の帝国を倒し、
王女とも結ばれてめでたしめでたし…なんて由緒正しきRPGな展開だ。ちょっと逆になっただけなんだよなぁw
バハラグは“ヨヨの成長物語”として読み解くと結構スッキリくるんだけどな。
ただ「プレイヤーキャラクター=主人公(物語を動かす人物)」でないというのは、当時のRPGとしては先鋭的過ぎたのかもしれん。
メインターゲット(と思われる)の小中学生の理解力じゃ普通は分からんわw
304 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 01:47:59 ID:uXhI3ysw
今またやってるけど、やっぱおもしろいよバハラグw
>>296 ヨヨのエロパロが無いってことじゃねえの。
>>305 前スレに「ヨヨ×ビュウ」のエロSSがあるよ
307 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 13:37:47 ID:Hh0GNwIW
もろ初っ端にあるよな。
ディアマイナイトの続きを全裸で待機している俺。
どうでもいいけどディアマイナイトをずっとディアマテライトと読んでた
眼科に行く事をオススメする
「あの、マテライト……その、わし……」とかじじいがモジモジしてる姿を想像した俺も病院に行くべきか。
眼科の前に、脳外科か精神科に。
俺なんかディアナマテライトと読んで
「なかなか奇抜なカップリングだがありと言えばありだな」
とか思ってた
ビュウ×バハムートSSマダー
「ビュウ…今夜は私が其方の上に乗っていいか…?///」
普通にぷちっと踏みつぶされそうだな
316 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 15:43:12 ID:ZViapFbv
ビュウは最初から尽くしてくれたサラマンダーを捨ててバハムートに走った最低の屑
ベッドの中で仲良く3Pしてれば問題なす
ドラゴンと竜人はふたなりなんだっけ?竜人の身体を使って復活したバハムートもふたなりの筈
そういや、前スレにはビュウ×サラマンダーがあったな。
一応、ドラゴンって設定上は「オレルスに取り残された竜人を哀れに思い、再び門が開いたとき帰れるようにバハムートが翼を与えた」だった筈だから、女の子にしてもなんら問題ないんだよなw
当初はマルチエンドで本来の構想では
バハムート+ドラゴン7匹+人間4人+魔王化の13通りのEDがあったはず。
容量とか製作期間の都合でバハムートENDだけになったんだよきっと
まじかよ
こりゃFF3,4に続くDSリメイクあるな
>>317 ふたなりってかオスメスの区別ナッシンね
ナメクジみたいなもんか、などと例えるとなんかアレな感じになるが。
(しかしナメクジのセクロスはエロいんだぜ)
>>320 さて、その四人の人間の内訳を教えて貰おうか
無論センダックは当確なのだろうがね
センダックグンソードラゴンおやじダフィラ王でFA
いやセンダック、マテライト、ホーネット、パルパレオスに違いない
つまり俺とビュウのあまあまハニーな新婚生活が始まるんですね
ホーネットと南瓜は、実際女性向けで見かけるので洒落にならんというか勘弁して
ほー、ネットの世界は恐ろしいな
くっ、悔しい……こんなしょうもないネタに不覚にもちょいウケてしまったなんて知られたら……(ビクンビクン
ツボへの刺激がいつまでも取れないだろう?
なぜ素直にフレデリカと言わんのだw
保守でアリマス!
333 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 23:54:12 ID:+FBknnQo
アナスタシアSSが無い…
>333
それも確か前スレにはあったはずだよ
ここまでで完結SSのヒロインとなった女性キャラは
ヨヨ、ルキア、フレデリカ、アナスタシア、メロディア、(サラマンダー)くらいか
ディアナとエカテリーナについては未完結SSはあるから次に来るのはゾラだね!
335 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 18:19:10 ID:490rbIYb
>>334 情報ありがとう!
でもゾラは勘弁してくれw
336 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 18:02:41 ID:ikUQUHic
今サラマンダー他竜を女体化させたビュウのハーレムSS書いてるが
投下はここでOK?
問題ない、行け!
>>336 さあ!早く!!
俺の股間のドレッドノートが暴走する前に!!!
341 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 23:17:11 ID:si1k+8EA
>>340 溢れ出るマグマストームも、
炎の竜のサラマンダーには効果がないだろうに
342 :
336:2008/03/23(日) 03:08:34 ID:Zw4DaTI+
まだ途中だが
一瞬で冷えた汗を頬に感じ、ビュウは双剣を手に取った。
外見で戦力を判断するつもりは毛頭なかったが、今、眼前に立つ者達に対して認識を改めな
ければならない。人外の怪力、かつてのウィザードを凌ぐ魔力、そしてこちらを見透かしている
ような反応。
"オレルスの竜騎士"元カーナ戦竜隊長ビュウを追いつめているのは、そんな恐るべき力とは
かけ離れた、四人の美しい少女達だった。
「もうそろそろ、許してあげたらどうかしら」
「むしろこれからが本番だろ? 血も出てやしない」
「ていうか彼、全然事情を掴めてないと思うけど」
「……」
と、そのうちの一人が近づいてきた。
赤毛の、神秘的な美少女である。意志の強そうな瞳としなやかな体、美しい容姿とは対照的
に、立ち上る魔力は底が知れない。
彼女は警戒するビュウの目の前まで来ると、何のつもりか、そっと彼の頬に手を添えた。
「……」
「! なっ……!」
そして次の瞬間、彼の顔を舌で舐め上げたのである。
そのまま押し倒すと、彼の体を抱きしめながら顔中を舐めていく。思わぬ行動に、ビュウは
ただ戸惑うばかりである。
「! サラマンダー、抜け駆けはよせって言ったろ!」
「さっ、サラマンダーってまさか」
「あ、やっと気付いた」
「色々混乱していると思うけど、そのまさかよ。私達……」
「……気付くのが遅い」
嬉しそうに言って、赤毛の少女はビュウの唇に自らのそれを重ねた。
驚くことに彼女らはビュウ達と共に戦った、あの竜達らしい。
赤毛の少女サラマンダーをはじめとして、高貴な雰囲気のモルテン、血の気の多い巨乳サン
ダーホーク、美少年のような中性的美貌のアイスドラゴン。
アルタイルには竜人がいたが、彼らとは違い完全な人間である。はじめはビュウも半信半疑
であったものの、竜達しか知らないはずの事実が次々と語られ、次第に信用せざるを得なくな
っていった。
「それで、どうして人間の姿に?」
「朝起きたらこうなってたんだよ。さすがのあたしも驚いたぜ?」
サンダーホークは、長身の美女である。ギラリとした切れ長の瞳に短めの髪、ぴたりとしたシ
ャツがその豊満な巨乳を余計に強調し、どこか危険な魅力をさらに増している。
「人間の姿なら自由に行動できるとわかって、みんなであなたに会いに行くことになったの」
透き通るような声の持ち主は、モルテンだ。青い瞳と艶のある金髪は気品に溢れ、戦場では
ヨヨ王女と共にいた彼女らしく、高貴な雰囲気を持っている。
「僕はやめといた方がいいって言ったんですけど、みんな聞かなくって」
くりっとした瞳と艶のある黒髪ショートが特徴的な、少女とも少年ともつかない中性的美貌。そ
のイメージ同様冷静沈着な物腰の、アイスドラゴンである。
343 :
336:2008/03/23(日) 03:14:35 ID:Zw4DaTI+
「……バハムートに、浮気してたでしょ」
壁際の椅子の背にもたれかかったサラマンダーが、頬を脹らませる。
カーナの城下町の、とある宿。ビュウ達は今日、ここに宿をとっていた。
「浮気って、何言ってるんだ?」
「"オレルスの竜騎士"なんて呼ばれて調子に乗って、私のこと放っておいたじゃん」
「放っておいたなんて、そんな……」
「だから私達、ちょっとお灸を据えてあげようと思ったの。浮気者に」
「……っておい、何を!?」
うふふと冷たい笑みを浮かべつつ、モルテンがビュウの両腕を掴み、そのままベッドへ押し倒し
た。
抵抗するが、いかんせん竜の力である。ビクともしない。
「さぁて、二回戦の開始だ。ちょうどムラムラしてたし、思い切り楽しませてもらうぜ?」
牙のような犬歯を見せ、サンダーホークがシャツを脱ぎ捨てる。と、ぷるんと大きな双球が姿を
現した。
「こっちのはじめても、私がもらってあげる……んちゅっ」
「むぅっ……!」
「あーあ、もう始めちゃった」
アイスドラゴンがビュウの腕を縛る傍らで、サラマンダーは彼の唇を塞いだ。
滑らかな唇が合わされ、舌が深く伸びる。それなりに主張する乳房が胸に押し付けられ、ビュウ
の鼓動は次第に速くなっていく。
「じゃあ、僕街を見物してくるから」
「何、あんたは加わんないのかよ?」
「こういうのは趣味じゃないし」
ビュウの陰茎に取り憑いたサンダーホークにそう言うと、アイスドラゴンはさっさと部屋を出て行っ
てしまった。
「放っておきなさい。いくら彼でも一度に四人はムリだもの、ちょうどいいわ」
「くぅっ……!」
嗜虐的な表情で彼の乳首を弄びつつ、モルテンが言う。
「ン……んっ、んっ、ビュウん……ちゅっ……はむぅ……」
「ん、ん、ん…… はっ、結構いいモノ持ってるじゃないか」
ゆるやかに、愛おしげなキスを続けるサラマンダーと対照的に、陰茎をその乳房で挟み、荒々
しいフェラチオに没頭するサンダーホーク。彼女が吸い上げる度に快感が走り、腰が抜けそうに
なってしまう。
中途だけど今回はここまで。とりあえず寝る
これはまさに俺が求めていたもの
バハムートに浮気するビュウは誠にけしからん
いいぞもっとやれ
シナリオで子作りしてた夫婦枠はツインヘッドとムニムニか?
って言うか雌雄の区別なく生殖可能とか俺の大好物のフタナリじゃんとか考えてたら堪らなくなってきた
ムニムニの擬人化は眼帯の隻眼美女(イメージFF9のベアトリクスあたり)で、
ツインヘッドの擬人化は素直クールと熱血系の二重人格とかか?
流石に無理があるかw
サラマンダーがバハムートの腹切って、
「中に誰も(ry」ですね。わかります。
349 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 01:45:25 ID:qVFtFBIW
>>274にインスピレーションを受けて、アナスタシアの
陵辱SS構想予定だけど、需要ある?
投下しちゃいなよユー!!
351 :
349:2008/03/25(火) 11:09:13 ID:qVFtFBIW
ただ、ものすごい遅筆なんで、1,2ヶ月ほど待ってくれ。ゴメン
>>351 正座して待ってるノシ
ディアナ「いや〜っ!ビュウお願いやめてー!」
ビュウ「うるせぇ!オレの事をバカにしやがって…!ズタズタに犯してやるっ!」
ビリビリビリ〜ッ!
ディアナ「嫌ー!お願い許して〜!!」
ビュウ「へっへっへ…良い尻してんじゃねぇか!このまま入れてやるっ!」
ディアナ「いやっ、いやぁ〜!入れないでーー!!!」
ビュウ「入ってます」
ディアナ→( ゚д゚ )
いまさらだけど
>>83に感謝シェイシェイ
353 :
349:2008/03/26(水) 00:39:59 ID:0iA/xotA
自分で行っておきながら何だけど、予想よりだいぶ速く
構想が組み上がったんで、早ければ2,3日中に途中までUPできるかも…
1ヶ月とか言っておきながら、ホントにゴメン(汗
書き上げ速度に関して言えば、いくら早くても喜びこそすれ怒られることではないな
356 :
349:2008/03/27(木) 21:42:20 ID:1CtAsQG3
宣言通りアナスタシアの陵辱SSで書き上がったところまで。
今回は割と早く出来たけど、前にも行ったとおり、基本遅筆なんで、
今回のペースはあまり期待しないでね^^;
それと、あまり救いのない結末なんで、閲覧の際はご注意を。
357 :
レスタットって他人の靴に画鋲とか入れてそうだよね:2008/03/27(木) 21:44:12 ID:1CtAsQG3
突如始まったグランベロス帝国の各ラグーンへの侵攻。
次々といくつものラグーンが帝国の支配下に置かれる中、
長い歴史を誇るカーナ王国も例外ではなかった。
グランベロスの圧倒的な兵力の前に、カーナの国軍は壊滅、王城も制圧された。
最後にはカーナ国王はグランベロス皇帝、サウザーによって殺害され、僅かに残った戦竜隊や兵達も、散り散りなってカーナを離脱。
この時をもって、カーナ王国は滅亡した。
「おい、レスタット!」
筋骨隆々の大男が、荒れたカーナ城の中で声を響かせる。
「何か用かい?ゾンベルド」
そのやかましくすらある大声に、細身の男が振り向いた。
大男の名はゾンベルド、細身の男の名はレスタット。共にグランベロス将軍の座に位を置く人物だ。
「この間の残党どもとの戦闘の時に、捕虜を一匹捕まえたってぇのは本当か!?」
「いちいち五月蠅い野郎だね。
あぁ、三日前の残党狩りの後に、逃げ遅れたヤツが一匹いてね、そいつを引っ張ってきたんだよ」
「で?そいつの処遇は?」
ゾンベルドが、僅かに笑みを浮かべて問う。
「いつも通りさ。何かしら残党どもの情報を握ってるかもしれないからねぇ。
尋問して、吐けばよかったが、結局突っぱねやがってね。だから今回も……」
その言葉を期待していたかのような笑みを浮かべているゾンベルドに対して、レスタットは更に言葉を続けた。
「拷問で聞き出すまでさ」
レスタットも、ゾンベルド同様、昏く、嗜虐心を含んだ笑みを浮かべながら。
358 :
レスタットって他人の靴に画鋲とか入れてそうだよね:2008/03/27(木) 21:45:22 ID:1CtAsQG3
捕虜を捕獲した際、捕虜に対する尋問は、パルパレオスとアーバインが受け持っている。
その二人の尋問に捕虜が応じなかった場合、レスタットとゾンベルドの拷問担当に回されるのだ。
「よし、ついに俺の出番だな!」
「なんだ、お前がやる気か?」
意気揚々としているゾンベルドに対し、レスタットは冷めた言葉を返す。
「あたぼうよ!この間はお前に出番を持って行かれたからな!今度は俺の番だ!
で、その捕虜はもう移動させたのか?」
「あぁ、既に独房から地下の拷問室に移させたが…」
その言葉を聞くやいなや、すぐさま踵を返してその部屋の方向へ向かう。
そこへ、レスタットの一言が降りかかった。
「相手は女だぞ?」
硬直。
ゾンベルドの様子はまさにそれだった。いや、冷水に突っ込まれたネコというか、蛇に睨まれた蛙というか、Lv40のアイスマジックが直撃したレギオンというか……
―――― とにかく、その場に固まって動けない、という様子。
ギギギギギ、と、錆びた金属がこすれる音が聞こえてきそうな動きで首だけ振り向かせ、ゾンベルドが尋ねる。
「………マジか?」
「えらくマジだ」
その一言に、ゾンベルドの顔に、失望感と脱力感の入り交じった表情が浮かぶ。
「………パスだ」
「やっぱりなァ」
名だたる帝国将軍の一人が、何故こんなにも肩を落としたかというと。
「……女は殴れん……」
この一言に尽きる。
男相手ならば、前線でもよくぶつかるので、どれだけ殴る蹴るなどすれば気絶するのか、もしくは絶命するのかはほぼ直感で判断できる。
だが、女は基本的に非戦闘員、または後方支援にいるのが専らだ。故に、どこまで抑えればいいのかが全く掴めない。
事実、過去に女性を拷問した際、殴りすぎて死亡させ、パルパレオス辺りに絞られた経験もある。
そして、理屈抜きに、(本人も意外だと感じているが)男に比べて女は殴りにくい、という感覚がゾンベルドの中にはあった。
それらの理由から、捕虜が女性と聞いてげんなりしている所に、レスタットの一言が突き刺さる。
「そんなことだから、アンタは『二大バカ将軍』とか言われてるんだよ」
359 :
ペルソナとゾンベルドはバカコンビで決まり:2008/03/27(木) 21:46:34 ID:1CtAsQG3
「ぶわっくしょーい!」
そのころ、ゾンベルドとレスタットが会話していた場所からだいぶ離れた位置で、
同じくグランベロス将軍の一人、ペルソナが大きなくしゃみをあげた。
「う〜……こりゃ本格的に風邪ひいたかな……まだ城の三分の一位しかやってねぇのに…」
ぶつぶつ言いながら、ペルソナは握っていたモップを持ち直し、更に廊下の床に、
これまでに七つほど各廊下に置いてきたものと同じ物を置いた。
【清掃済み区域につき、土足厳禁】
そう書かれた看板を置き、ペルソナは裸足のまま、再び廊下の清掃に精を出し始めた。
とりあえずここまで?
まだ導入部っぽいから期待しながら待っているよ
ところでsageた方がよくない?
361 :
349:2008/03/29(土) 23:46:49 ID:e3msQ8v8
とりあえず、前回の続きを投下。
でもまだ途中までなんだ、ごめん。
362 :
349:2008/03/29(土) 23:48:54 ID:e3msQ8v8
「誰が筋肉バカか!!」
レスタットの一言に、ゾンベルドが激昂した。
筋肉までは言っていない、と内心は呆れつつ、飄々とした態度で切り返す。
「おや、知らなかったかい?アンタとペルソナのヤツで、合わせて『二大バカ将軍』」
「俺をあんな掃除バカと一緒にするな!」
「一緒にはしていないだろう?ペルソナは掃除バカ、アンタは筋肉バカ、同じバカでも違うだろう」
「ぬがががが!屁理屈こねてんじゃねぇ!」
ギャーギャーとわめいているゾンベルドを尻目に、レスタットはゾンベルドの横を通り抜けて行った。
「てめぇ!逃げる気か!」
怒り心頭といった様子のゾンベルドに対し、レスタットは冷たく言い放つ。
「そろそろ仕事だからね。失礼させてもらうよ」
その言葉に、ゾンベルドは舌打ちし、床を踏みならして歩いていった。
レスタットは下っている。地下の拷問室へ続く階段を、至福の笑みを浮かべながら。
ゾンベルドは女性に対して拷問が出来ない。彼は圧倒的な腕力をもって相手を屈服させる。
相手がいかに強靱な精神と肉体を持っていようと関係ないほどのそれによって。
しかし、女性の身体では、それに耐える前に身体の方が一瞬で粉砕されてしまう。
しかも、そんな力任せな方法しか知らない故に、自ずと拷問が行える対象は限定されてくる。
だが自分は違う。自分は非力が故に、屈強な人間を痛みで屈服させるのは難しい。
だが、生き物には必ず弱点がある。そこを突けばいい。
特に女性ならば、そういった意味での急所は何カ所もある。そうすれば簡単だ。自分はあんな筋肉野郎とは違う。
そんなことを考えながら、拷問室へ続く廊下を歩いていた。
363 :
349:2008/03/29(土) 23:53:37 ID:e3msQ8v8
「ヒヒヒヒッ…ヒヒッヒヒ……」
これから行われるショーの光景を想像し、自然と笑いが込み上げる。
今までにも、多くの人間をそのショーで屈服させて見せた。純粋に苦痛を与える
手段をとったこともあれば、魔法で幻覚を見せ、精神的な面から崩したこともある。
だが、一番興奮するのは、やはり、女性を、今考えている手段で徹底的に嬲りつくすことだ。
それも、意志が強く、こちらに対して敵意をむき出しにしているようなタイプはゾクゾクする。
尋問室に連れ込まれているときに一瞥した限りでは、かなりそれにあてはまりそうだった。
小柄で童顔気味ながらも、その容姿とは裏腹に、まっすぐな眼をしていた。確かにあれでは
パルパレオスの小僧の尋問ごときには屈しまい。だがあのアーバインのそれにすら耐えきるとは……。
あまりの歓喜に、レスタットの身体はにわかに震えた。その震えをを抑えながら心をなだめる。
以前のマハール戦役では、あのマハール騎士団にその人有りと謳われたタイチョーと殺り合える興奮が先走り、
かなりの上玉を、捕まえる前に殺してしまった。あの時の二の舞は踏まないようにしなくては……
自分は他の連中とは違うのだから。同じ失敗を繰り返すのは好ましくない。
そんなことを考えている内に、拷問室の前にたどり着いた。
扉の前には、既に部下のゲリュンペル三名が待機している。
「イヒッ…ヒヒヒヒヒ………」
――― さぁ、ショーの時間だ。
拷問室の金属製の扉が、重々しい音を上げて開かれた。
364 :
349:2008/03/29(土) 23:55:54 ID:e3msQ8v8
とりあえずここまで。
次回からは××な方向なので、ここで一旦切っときます。
というか、次回からそーゆう内容なんで、本格的に遅れます。
早くても1,2ヶ月程かかるかも…?
バハラグってエロいよね・・
その通りでアリマス!!
大人になって初めて分かるあのエロさ!
たんすのアレとか、おうじょの???とか、
エロいって聞くけど、未だに正体が分からん……
たんすのアレってコンドームらしいよ!
370 :
名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 19:28:10 ID:XWEzUadz
コンドーム!?
……ずっと防虫剤だと思っていた……(たんすにゴン的な意味で)
たんすにコンドーム入れるのって、「アレ」って言われるほど普通なのか…?
両親の寝室の小間物だんすにはコンドームが入ってるんですよ。
372 :
名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 16:12:35 ID:o675YIcg
小学生の時にバハラグプレイしてた時のアレなアイテム・シーンのイメージといえば、
たんすのアレ→たんすにゴン
おうじょの???→あまあまハニー的な何か
グンソーの???→うにうじ的な何か
苦しそうな声が…→神竜
ハーレム→キャバクラ
大人になった→精神的に成長?
まぁ、あれだ、色々青かったわけだ。
苦しそうな声はまぁ神竜の可能性もあるというか、展開的に考えればそっちの方が正しいんだろうな。
その他のネタがちょっとアレな感じの物が多いからネタにされてるだけでw
言うなれば製作側の自業自得w
いや苦しそうな声もパルが来て神竜克服したのにまだ聞こえてくるし
部屋に入ったらベッドで乳繰り合ってるしで完全に狙ってる
???は下着か何かだとおもってた。
中3ぐらいでやらなくて本当に良かったと思う。
>>373 しかも「神竜の怒りなんて平気なはずなのにまだ苦しそうな声がするの。
いったい何なのかしら?」ってわざわざディアナに言わせてる台詞があるからな。
裏を読ませようという制作側の意図がなければそんな台詞入れないだろ。
>>376 その理由が知りたかったら、今から俺が教えてあげるよ。・・・・・・手取り足取りね!
と、ディアナをベッドに引き寄せるビュウが見えた
hosyu
今再プレイ中だが、フレデリカってあんなに可愛かったっけ?
保守
アナスタシアはいつプレイしてもツンツンしててかわいいな!
保守しておこうか
ビュウ×バハムートマダー?
息子×ムニムニもマダー?
俺×ビュウマダー?
まだまだ言う前にお前もなんか書け
「ああああああああ…………ッ!!」
ディアナの純潔がこそぎ落ちていく。
まるで焼けた鉄棒かなにかで腹をえぐられているようだ。苦痛だけが全身を駆け巡った。
(こんなのに痛いだなんて……ッ!)
確かに処女を失う時、初めて男を迎え入れる時、痛い、痛いとは人づてだが知っていた。
しかしこれほどまでとは想像していなかった。もう少しどこか甘いものがあると漠然と考
えていた。しかしその考えこそが甘かったのだ。身を包むのは、ただ苦痛だけ。
フラッシュバックのように瞬く白い光が次第にディアナの頭に広がって行った。
『――確かに痛かったわ。でもね』
忘我の中、ふと耳に響きだしたのはあの言葉。誰よりも敬愛してやまない女性のたおや
かな微笑み。あれはいつ、何について話した事だったろうか?
ああ、あれは確か――。
ふと気付くとつんざくような痛みは止み、鈍痛に取って代わっていた。おずおずと薄目
を開けてみるとビュウは心配げに見下ろしていた。
「おい、平気か? ……止めるか?」
優しく髪を撫でながらの男の声にディアナは目尻に涙をためたまま首を振った。まだ、
自分は『――』になっていない。
しかし、ビュウは無言で腰を引こうとした。そして逆立つ膣壁。しかしディアナはビュ
ウの逞しい尻に脚を絡めると、力強くビュウを引き寄せた。
その時の鋭い痛みは何とか耐えられた。
ビュウは彼女の行動に驚きに目を丸くしたが、やがて嘆息して、
「分かった。でも、我慢できなくなったら、すぐに言えよ」と言った。ディアナは固く目
を瞑りながらも、再び、いつかの日を思い出していた。
『――その痛みが収まったときこそ私は彼のもの、彼の女になれる。そう思えば耐えられ
ないものじゃなかったわ』
あの方はティーカップを置くと少し前のめりになって『いつか、あなたにもそういう時
が必ず現れるはずよ』
その言葉を聞いて、温かなティーカップを両手で包むように持ちながらディアナは曖昧
に笑った。紅茶の色はどこかルビー色に似ていたのを妙にはっきり覚えている。
(――なら、私だって耐えられるはず、耐えなければならないはず。大丈夫。だってずっ
とずっと待ち望んでいたことだもの)
「お願い。だから、続けて」
そして途切れ途切れの呼吸の間にかすれた声。
腰を押し出して、ディアナへと再び挿入が始まると、やはりディアナの喉からは隠し切
れないほどの苦悶の声があがった。しかしビュウは黙って挿入を続けた。
ぎちぎちと裂けて、道を拓く膣内。
誰も足を踏み入れたことの無い処女地を踏みしだく。自らの下で苦悶に喘ぐ美しい少女。
その征服欲は堪らないものがあった。
――このまま彼女を思うがままに蹂躙してしまおうか。
そんな邪な考えがふと浮かんだが、すぐに打ち払った。
今まで、愚かで、間抜けで、鈍感な自分をただ待ち続けてくれた、このひたむきな少女
を苦しめることなどしてはならないのだ。
やがて、――こつん。
最奥に達した。
まるで図っていたかのように彼の陰茎はディアナの膣内にすっぽり収まった。抱き合っ
たそのままでどちらともなく長く、柔らかなキスを交した。
ゆっくりと唇が離れていくと、ディアナがふう、と一息ついた。そして潤む瞳で、
「これで、私は、ビュウの『女』になれたんだよね」
「何だよ、それ……?」
眦にはいまだ涙をためたまま、ディアナは微笑んで「だからひみつ。女の子同士には
色々あるってさっきも言ったでしょ? 忘れちゃったの?」
「そうだったっけ? ――忘れちゃったかもしれないな」
ビュウが苦笑に身をよじると「痛……ッ!」と声が上がった。
「わ、悪い」
「ううん。平気。でも、もう少しだけこのままでいてくれる? ごめんね。さっきからワ
ガママばっかりで……」
「いいさ。このくらいのワガママならいくらでも受け止めてやれるさ。だって俺はお前の
“男”だからな」
「じゃあ、ワガママついでに、――もう一度キスして」ディアナが唇をすぼめた。
「お安い御用さ。お姫様」ビュウが唇をあわせた。
長く、甘く、それはきっと今日で一番優しいキスだった。
「――動いてもいいか?」
「ん、バカね。男ならそういう時、“動くぞ”って言うものよ」
ディアナの軽口にビュウは少しだけ安堵を覚えるとゆっくりと腰を引き、同じくらいゆ
っくりと腰を押し出した。
「ぐうっ……!」
ディアナからやはり苦痛の濃い音が漏れたが、ディアナはすぐに口をつぐむように下唇
を噛んだ。
ビュウが幾回か抽送を繰り返すとぎちぎちとした膣内も次第にほぐれて、柔らかく包む
ようにビュウの陰茎を撫でる感触が生まれた。それは甘美なものだった。
ディアナの顔が少しやわらんだ気がする。薄く目を開けてこちらを見ていた。ビュウは
少々自分勝手だろうかと逡巡したが、やがておずおずと口を開いた。
「少し、早くしてもいいか?」
ディアナからの返事は無かった。ただビュウの尻に白い足を絡ませることで応えた。
「あっ……!」
それは紛れも無く甘い声だった。
ディアナはそれにすぐ気付いて頬を真っ赤に染めて口をつぐんだ。それが妙に可愛らし
くてビュウは苦笑した。
「声、聞かせて欲しい」
「恥ずかしいよ、バカ、……ひぅ!」
語尾が甘く上ずった。ビュウは嬉しそうにディアナに腰を打ちつけた。じんわりと染み
出た愛液が、ぎちぎちとしたディアナの中をどうにかビュウを滑らせる。少しずつ柔らか
くほぐれてビュウを包み、彼の形に変わっていくのは気のせいではないだろう。
「ひ、あひ、いッ! いい!」
「ふっ、ふっ……!」
ビュウの呼吸が荒れてきた。どうやら射精が近いようだ。
忘我の中、それでもディアナを気遣いながら腰を振り続ける彼だったが本能的に自らの
射精が間際であることを感じ取ると、一際、亀頭を押し込んだ。
「ああああああっ!」
思わずこぼれたディアナの声を聞き届けたようにビュウは達した。
ディアナは子宮口に直接吐き出さ続ける熱い塊を確かに感じていた。やがてそれが治ま
るとビュウはびくりと小さく震えて、ディアナの乳房へと顔を沈めると荒い息を吐いた。
◆◆◆
「痛かったか? ごめんな」
ベッドに寄り添いながらビュウが申し訳無さそう言った。
「……別に」
それだけ言うと涙をシーツで拭いた。
じんじんと痛む股間をなるべく動かさないようにしてビュウの胸に耳を開けると、そっ
と眼を閉じた。確かな鼓動が彼女の身体に響いてきた。それはとても安心できるものだと
ディアナは思った。
「ね、ビュウ」と眼を瞑ったままディアナが言った。
「私、幸せよ。――ふふ、それが言いたかっただけなんだけどね」
ディアナはポツリと言って、急に立ち上がるとベッドからひょこひょこと歩き出した。
破瓜の痛みでまだ上手く歩けそうに無かった。
ビュウの慌てたような声が追いかけてきたがディアナは「ね、ハンガーどこ?」と振り
返って言った。
ビュウは間の抜けたな声を出すと、やがて壁を指差した。
「ありがと」
ハンガーに脱ぎ捨てられていた自らのローブやビュウの上着をかけて、その他の衣類を
丁寧に畳んで置くと、にっこりと笑って「さ。寝ましょ」と言った。
「え。寝るって?」
間の抜けたその言葉にディアナは頬を膨らませると「ちょっと。まさか、このまま私を
部屋に追い返すなんてつもりなんてないわよね?」
「あ、ああ。そりゃあ」
「なら、いいじゃない。あ。ちょっと立ってくれる?」
先ほどの交歓でベッドから滑り落ちた掛け布団を敷き直すと「汚れちゃったからね」と
言って、その上に身を横たえた。
「へへ。あったかいね」
ディアナは笑いながらビュウの肌に自らの肌がくっ付くように身をよじらせた。しっと
りと汗ばんだ気配が心地良く感じられた。
ビュウは訳も分からないままでいると「明日、買い物に行きたいの。もちろん付き合っ
てくれるわよね?」と、ディアナが口にしたのでビュウは考えることなく、すぐに頷いた。
ディアナがビュウの腕枕の上で逡巡する。「――あと、一つ、明日、一緒に朝ごはんを
食べること。いいでしょ?」
「ああ。その程度なら」
「なら、決まりね!」
「どうしたんだ。そんなこと……」
悪戯っぽく笑うディアナは「ひみつよ」とだけ言った。
もうそれは彼らにとってはお決まりの文句だったし、この甘い空気を壊すほどビュウは
無粋な男ではなかったので彼は曖昧に笑って「――お休み。ディアナ」と目を閉じた。
ディアナは最後にふふ、悪戯っぽくと笑うとそっと瞼を下ろした。
◆◆◆
ビュウに覚醒を促したのは、眩しいほどの陽光だった。
(あれ。昨夜カーテンを閉め忘れたかなあ?)
まどろみながらそんなことを考える頭に鈍痛。この痛みには覚えがある。いわゆる二日
酔いというやつだ。
(ああ、晩酌したんだっけ? そんな飲んだ覚えはないんだけどなあ。まあ、ともかく次
から少し酒量を控えることにするか)
それにしても忌々しい日差しだ。せっかくの心地良いまどろみが逃げてしまうではない
か。片手を日差しを避けるように目の辺りに置いた。
あれ? それよりももっと大切な何かがあったような――。
「ちょっと、ビュウ! もう朝よ、起きなさい!」
陽光よりもさらに快活に、そして爽やかな声が突然に頭上から降って来た。
「え、ああ、え?」
驚きに薄目を開ければ逆光の中、一人の少女がいた。
「え? 何でディアナがここに――?」
その言葉にディアナは頬を膨らませると「最低ねっ!」と言ってビュウに圧し掛かって
きた。ぷよんと乳房がビュウにあたった。よくよく見れば二人とも全裸だった。
「くうっ……!」
どちらともなく苦悶の喘ぎが上がった。ビュウは頭を押さえ、ディアナは下腹部を押さ
えていた。
「た、頼む。響いて痛いから勘弁してくれ」
「そ、それはこっちの台詞よ。だ、誰のせいだと思っているのよ」
まるで抱き合うような格好のまま互いに息を整え合った。そして、ようやく落ち着いて
くると「どう? 思い出した?」とディアナが口を尖らせて言った。
「あ、ああ。そうだったな」
夜更けの訪問、告白、交歓が数珠繋ぎのように思い出されていく。ビュウは一通り思い
出すと頷いて、「改めて、おはよう。ディアナ」と言った。
「うん、おはよう。ビュウ。――でも、何だか恥ずかしいね。まるで新婚さんみたいなん
だもの」
そして二人で笑い合って、「さ。じゃあさっさと起きて。朝ごはんの時間はもうすぐ
よ」とディアナが言った。
「ああ。ところでディアナは二日酔いとか無いか? 俺は頭が痛くてたまらないよ」
「んーん。何か平気みたい。ふふ、お酒もたまにはいいかもね」
ビュウは頭を押さえながら起き上がってクローゼットから糊のきいた服を取り出すと手
早く着込んでいった。
ふとディアナを見ると彼女もすでに衣服をまとっていたことにはまとっていたのだが、
昨夜着ていた服そのままだった。きちんと整えられていたのでそれほど皺だとかいったも
のは目立ってはいなかったのは幸いだった。
「いいのか? それで」
「へ? だってこれしか無いもの。まさか裸で食堂に行く訳にも行かないでしょ?」
けらけらと笑う少女だったが、これでは『昨夜“何か”ありましたよ』と喧伝して歩く
ようなものだとビュウは思った。クローゼットに目を移して、ここから服を貸してやろう
か。とも思ったがむしろ逆効果だと思い、すぐにやめた。
「じゃあ、行きましょ! もうお腹ペコペコだもん」
ビュウに腕を絡めて笑う少女に、彼も苦笑いするしか他なかった。
目的地への道すがらもディアナはずっとニコニコと笑っていた。対照的におどおどして
いるのは男のビュウの方で、自身の身体やディアナのそれを見やっては昨夜の残渣が残っ
ていやしないかと気にしてばかりいた。
食堂の大きなドアをビュウが押し開けてディアナを先に入るように促したが、彼女はそ
れを無視するとビュウの腕を引っ張って食堂へと足を踏み入れた。
「みんな、おっはよー!」
朝一番聞いたのと同じくらい明るくディアナが声を張り上げた。食堂にあった瞳の全て
が一瞬、こちらを向いた。そこに親しげに腕を組んだ男女(とは言っても、ディアナが一
方的にしがみ付いていたのだが)を見ると徐々にどよめきが拡がっていった。
「あら、おはよう。ビュウ、ディアナ」
「お早うございます!」「お、お早うございます」
そんなふしだらなどよめきには加わらず、パルパレオスと向かい合ってスープを啜って
いたヨヨがまず一番に二人に返事を返した。
「ふふ、朝から仲がいいのね。――ちょっと嫉妬しちゃうわね」
ヨヨが含みをもったように笑ったがディアナも何のてらいも無く笑った。
「そういえばヨヨ様。アレって本当だったんですね」
「アレ? ――じゃあまさか昨晩? そういえば服も昨日のままのようだし……」
「ええ!」
驚きに小さな瞳を丸くしていたヨヨもディアナの無邪気そうな笑みを見ると「おめでと
う」と言った。
「なあ、ヨヨ。アレとは一体何なのだ? そもそも昨晩彼女らに何があったのだ?」
ちぎったパンを持ったままのパルパレオスが話に割り込んできた。ビュウに視線をやっ
たがビュウは気まずそうに目を逸らすばかりだった。
「ふふ、女の子同士のひみつよね、ねえ、ディアナ?」
「ええ。ひみつです!」
察しの良い者は彼女らの所作や会話から大体を把握したのだろう。ひそひそと話し合う
声が聞こえだした。しかし当のディアナはどこ吹く風。さっさと配膳の列へ行こうとして
いた。
「あっ。ビュウはそこに座ってていいよ。私が持っていくから。――ミルクとコーヒーだ
ったら、ビュウはミルクだったよね?」
途中、「なんだよ。まるで夫婦みたいじゃねえかよ」とラッシュにからかわれたが、デ
ィアナは頬を染めて、はにかむと「えっ。やっぱりそう見えちゃうの?」と言った。思わ
ぬ返答にラッシュは呆然と彼女の後姿を見送った。
「おい! ディアナ、頼むから余計なことを言わないで、早く戻ってきてくれ!」とビュ
ウは思わず叫んでしまった。悪いことにその声が自らの頭の反響して二日酔いの頭を揺ら
した。うめき声と共にビュウは頭を抱えた。
その声にディアナは頬を膨らませて「だってしょうがないじゃない。あなたのせいで、
まだ痛くて上手く歩けないんだから!」
一気にどよめきの色が濃くなった。これではすべてを白状したのと同じだ。しかしディ
アナはニタリと笑うとビュウを見やった。
「もしかして、これって失言だったりしました?」
「ええ、すごく……」
ディアナのおざなりな問いにヨヨが首肯を返した。パルパレオスは訳も分からずパンを
噛み締めていた。
食堂を満たすのはおおむね、この新しい恋人達を祝うような雰囲気だったが、その中に
幾つか淀んだような恨みがましい視線が混じっていることにディアナは鋭敏に気付いてい
た。
しかし、怯まずにそれほど豊かとは言えない胸を張って鷹揚に見返してやると、悔しげ
な色を残してそれらの視線は消えてなくなった。
(乗りたい風に乗り遅れた者は間抜け。――ええと、誰がそう言ったんだっけ?)
ふと、頭を抱えたままのビュウを見やると、自然と口元に笑みが浮かんできた。
――――
以上でお仕舞いです
最後にもう一度、遅れた事をお詫びします
それでは
うっひょうおおおおおお!GJ!
あああああああ超GJ!!
今自分も書いてるけどこんな上手い人の後に投下するのが怖い(´・ω・`)
>>401 気にせず行くんだ。みんな君を待っている
このディアナの廉恥心のなさや湿っぽさや性格の悪さに違和感あるのは自分だけか
だけなら別にいいんだが
404 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 07:23:05 ID:Wyran5lK
保守age
同意。他の人の作にあるくらいの軽いイジワルぽさなら充分有りと思えるけど、
似てない云々除外して普通に見ても嫌な女だろ・・
セクロスを悦に入ってひけらかすとか気色悪すぎ。
んだら読み飛ばせばいいさ。わざわざ不快になってまで読まなくてもいいと思うんだ。
んだ、寧ろそんな書き込みされたら投下しにくいし見てて不快なんだぜ?
この作者、前スレ終盤荒らしてたあのサイトの人でしょ
展開が強引だとかキャラの心根がキモいのは仕方なかんべ
まー前の不倫ネタなんかは毒が味になっててそこそこ面白かった
オメーラ文句言うなら何か書けといいたい。
後、あのサイトの話を出すのはやめれ。またキチガイ湧いたらどうするんだ。
キャラ改変ってもこの程度じゃまだ二次創作の醍醐味と呼べる範疇だしな。
逆に、この程度ですら耐える事もスルーもできないならエロパロ板にいる事自体がもうすでに間違いだな。
エカあたりならこんな感じでもらしかったんじゃないかな…
まあマンセー以外の感想は総荒らし認定ってならそれでもいいけど
バハラグってキャラの性格とかあんまり細かく決まって無いからいいんじゃね
ビュウだってクールなキャラか、アホなキャラなのかどっちでもとれるし。
だから俺はルキアさんが実はドMだと信じてる
>411
まあ、全部マンセーしろとは言わないし、投下されたSSに対してはそれぞれの感想があって当然だ。
何しろ人に見られることを前提に投下したわけだしな。
だからSSを嫌なら見るなってーのは間違ってると個人的には思う。
しかし、掲示板である以上、レスにレスがつくのもまた当然だ。
ネガティブな意見に対して攻撃がつきやすいのも自明の理だと思う。
それをふまえた上で、ただでさえ過疎スレなんだから場が荒れやすくなるネガティブ意見は控えないかね、とも思うわけで。
あと荒らし認定はされてないと思うぞ。過剰反応だとは思うけどな。
>>412 それは普通にアリだな>ルキアがドM
俺はバーバレラがああ見えて
強い男に支配されたい願望の持ち主なんじゃないかとか思ってる
まぁ、バハラグは前提的に割とおおらかな設定だから、個々で受け取り方が違って当然といえば当然。
しかし、ドンファンだけは誰もが認識がずれないキャラだと思う罠。
「二枚目気取りの三枚目」以外の何者でもないしw
ドンファンは普通にイケメンだけどやる事が抜けてるイメージだなあ。
後、友情とかも意外と大事にしそうな感じ。
ドンファンにはなぜか垂れ目のイメージがある。
きっと「ふしぎの海のナディア」のサンソンが元ネタだ。
一般に漫画とかアニメとかでも、あれ系のチャラい感じの伊達男は
タレ目に設定されてるパターンが割とありがちだよな
「ガルディーン」の伊達男・スリムを思い出してしまった・・・
ここまで「うしおととら」なし >乗りたい風に〜
ビュウ「君、戦竜隊に興味があるのかね?」
オレルス「えぇーーーーっ!?」
422 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 07:53:34 ID:EIBFR9VL
あげますね
ビュウのキャラって掴みにくいなあ
「むくちなやつだなあ」ってやつだね
>>423 逆に考えるんだ。
自分の色に染めやすいと考えるんだ。
ビュウは台詞が選択式なだけで無口ってのとはまた別なイメージだな…
その選択肢の中身もよく見ると「どれ選んでも割とやんちゃな台詞」てのがけっこうあるし
427 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 09:44:34 ID:GTm94EZ4
クルーにエロ本売ってもらってるから結構親しみやすい性格かも
428 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 23:12:44 ID:kntDIJfg
タンスのアレも漁ってるしなw
多面性のある人物ですね、わかります
430 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 00:23:10 ID:hzCHO23S
人妻フレたん
新妻フレデリカさん。
幼妻の方が響きが良い。
幼い頃のフレデリカさんは病弱で妻どころじゃねぇっつーの!
寿命を縮める気か!
幼い頃のフレデリカさんの主治医になりたい。
プリーストになるのだって、きっと自分の体を直すためじゃなくて、
他の人の為になりたがってるんだ。
>>432 序章だか1章だったか忘れたがテードで再会を喜んではしゃいでた姿は
まさに幼妻って感じだったな。
毎日あんな風に出迎えられたら…
いろいろな意味でこっちの身が持たんw
なんつーか、俺のフレたんのイメージって「名も無き路傍の花」ってイメージなんだよな。
強烈に人目を引くような美しさじゃないんだけど、ふと目を向けるとその美しさに気づく、みたいな感じ。
あと、隣でフォローする人がいないと倒れるまで頑張りすぎるイメージもある。
…………もしかして少数派か
激しく同意
437 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 17:34:29 ID:1w4YDtWE
438 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 17:35:15 ID:1w4YDtWE
sage忘れましたすみませんorz
保守
保守がわりのどうでもいい余汰だけど、ビュウって童貞イメージの人が多いんかな
個人的には、軍の隊長という立場でもあるしラッシュやトゥルースより何年も前に
花街あたりでしれっと筆卸し済ませてておかしくない想像だったりする。
戦時の軍人としてはそういうの普通だったらしいし
女部屋やヨヨのベッドにも平然とずかずか入ってるし
(勿論プレイヤーがやらせてるだけなんだが)「女癖が悪い」とは違うけど
女性のあしらいにはそこそこ慣れてそうな気がしてる
そのへんのビジョンがプレイヤー任せなのもバハラグの面白いとこだ
ってか、ビュウって年齢いくつだ?
個人的にビュウは24
ナイトトリオが18ぐらい
序章と1章の間で案外時間が経ってる様子だから、
自分的には1章時点でいくら頑張っても20歳以下ってのは無いと思う
女性向だとえらく少年じみたビュウがいたりして俺脳内とのギャップにびびるw
>>443 それ分かるwwこの前たまたま見つけたバハラグの同人誌見たら
なんか子供っぽくて自分の脳内イメージとかなりの差があって驚いたよ。
人によってイメージは違うけどまさかここまで差があるとはww
eralagoon誰かつくらねぇかな…
エララグーンとは何ぞや
ある日フレデリカにエラが生えて人魚姫!とかそんなの?
ジャンルを恋愛シミュレーション(R18)やADV(R18)にするだけでもいい気がする
>>447 普通にヨヨとパルパレオスのやってるシーンを見るイベントが有りそうで怖いw
>>446 eraシリーズでググってみると分かるかと
eralagoonって言ったのはもし作られたらそんな名前になるんじゃないかなぁと思って言ってみただけ
>>448 パルハム主人公で、滅ぼした敵国から攫ってきた王女ヨヨを
調教し服従させるストーリーにすればもーまんたい
あらたちまち巷でよくあるタイプの鬼畜系エロゲに!
>>447 まぁ、実際問題、原作からしてエロゲチックではあるよな。色々な意味でw
フレデリカにメロディア、ルキアにセンダックとヒロインになりうるキャラも結構いるわけで。
……小ネタで“今的なバハラグ”を書いた事があるのは秘密の内緒だ。
>センダック
アッー!
メインヒロインは当然フレデリカだろうな
娘化したサラマンダーとフレデリカとビュウの三角関係ゲームですね
わかります
>>450 陥落させる対象の王女に想い人(しかもかつて王女に仕えていた騎士)がいるとか、
そいつに見せつけながら骨抜きにした王女とセックルするなんてのも
エロゲだととてもありがち展開だな
>>440 >そのへんのビジョンがプレイヤー任せなのもバハラグの面白いとこだ
だな。ただ稀に、ダフィラで「ビュウが大人になった」って言われてない
=「ビュウはハーレムでも我慢して童貞とっといたに決まってる!
なのにヨヨはそれを無碍にしやがって最悪!」って論旨の人がいるけど、
それは前半が脳内設定に過ぎない以上、正直言いがかりだよなあと思ったり思わなかったり
あそこでビュウがどうこう言及されてないのは、
想像の余地をプレイヤーに残すため故意に描写してないんだろうな。
バハラグって他にもそういう所けっこうあるんだけど
プレイヤーに言及しないためにビュウにも言及しないんだな。
つーか主人公が喋らないタイプのゲームってスクウェアには珍しいよな。
どっかの初期知力が現代人の十分の一にも満たない勇者と同じで、
絶望してプッツンしちゃったら饒舌になるんだよ。きっと。
>>457 饒舌なビュウとか想像できんwww
どんなふうになるんだ?ww
自分から喋らないだけで結構選択肢だと饒舌じゃね
>>459 確かに…言われてみれば結構会話の選択肢とかあったし
ホーネットの好きなもの( ▸甘いワイン うにうじ)とか
センダックからクッキー差し入れ(▸いつもありがとうセンダック いらないよ・・・ジジイ!!)とかww
会話の内容を思い返せば結構饒舌でユーモアのセンスもあったのかも
選択肢のウインドウ内に一行で収まる文字数でないといけないから
必然的に長い台詞にできない都合なんだろうけど、
短いながらパンチの効いた台詞も数多く見受けられると思う
「これはドラゴン向きの味付けだね」とか「センダックに愛をこめて」
とか「あんたたちがいてくれるから」とか、好きな台詞だなあ
保守
ほ
おお!!久々に戻ってきたらまだ生き残ってたのかこのスレww
せっかく来たんだ 何か書いてけ
467 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/14(木) 02:48:53 ID:Q0uJWYy6
ふれふれフレたん保守
>466
イ`。
復旧の暁には投下を願うぜ。
そういえば、ココって保管庫とか無いの?
なかったような
471 :
SS保管人:2008/08/17(日) 00:43:07 ID:Sqzw+Hbi
472 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/17(日) 01:00:53 ID:ueNkRhVu
>>471 いつもお世話になってます。お願いします。
476 :
SS保管人:2008/08/20(水) 00:53:52 ID:YLcbl7Lu
問題無さそうなのでゲームの部屋6号室に収蔵させてもらいました。
477 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 00:58:48 ID:E1AvbS3V
お疲れっす
ありがとうございます
なあ、ヨヨとアナスタシアどっちがいい?
エカテリーナがいいです
サラマンダーはビュウの嫁。異論はある程度認める
たぶんビュウを一番愛してるのはジジィだと思う
サラマンダーはビュウの嫁
センダックはビュウの妻
フレデリカはビュウのワイフ
バハムートはビュウの愛人
ルキアはビュウの彼女
メロディアはビュウの恋人
あと1人いるような気もしたが思い出せないのでそんなのはいないのだろう
ビッケバッケはビュウより大人だけど弟分
486 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/23(土) 22:01:39 ID:dpFOI5fY
マイディアの続きを所望いたす
ビュウヨヨって中々ないしなー
2次創作サイトもつぶれたところが多いな
>>487 >2次創作サイトもつぶれたところが多いな
そうなのか……どこの事を言っているか分からないが
もう十年以上前のゲームだから、ある程度は仕方が無いさ
489 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/25(月) 02:59:36 ID:wg2YndzR
五ヶ月ぶりに戻ってきたが、まだこのスレ残ってたかww
戻ってこなくていいよ
保守
保守
493 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/01(月) 21:07:03 ID:JceWyx7k
バーバレラ×アーバイン萌え
バーバレラとアーバインとエクスカリバーの三角関係萌え
擬人化かよ!
ヨーヨヨーヨヨヨクソビッチ
>>495 エクスカリバーって剣の名前だったかww
エクスカリバーって名前の将軍なんていたっけなーと丸1日考えてたわww
バルクレイからアナスタシアを寝取りたい
下らない事くっちゃべてる暇があんなら、
さっさと作品投下しろよカス共。
使えねえゴミだな。
そういうお前こそ(ry
まぁ、一つ投下されてそれに触発して連続でって流れもあれば
過疎る時もあるもんさ。気長にいこうや
それにしても過疎ったな
保管され始めたから人も増えると思ったのに
502 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 01:10:43 ID:dgCR10m3
10年以上も前のマイナーなゲームだしねえ
過疎るのは仕方ないんじゃない
ヨヨに間男の影を感じたビュウがブチ切れて押し倒し、寝取り返し開始。
それができていれば……
今ストーリーの再確認のためにまたスーパーファミコンを引っ張り出して
久々にプレイ中(小学生の時にやったからいまいち理解できなかった、タンスのアレとかww)
これは…あの時は感じなかったがヨヨひでぇ…思春期にやったらかなり辛そうだorz
506 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 01:11:59 ID:RpDfpovi
思春期には気付かなかったフレのエロさ
寧ろそっちの方が面白そうだwww
よし、書こうか(`・ω・´)
(´・ω・`)カエレ
ヨヨをドラゴンの餌にできるならリメイク版が出ることを願う
バハムート以外もエンディングで乗れるリメイク版が出ることを願う
PSPで何もかもそのままでいいからリメイクしてほしい
変に3D化とかシナリオ追加されてイメージ崩れるのもね…
リメイクするにしても10年以上前の作品だからね…
無理なのかなぁ…PS人気の陰に隠れてあんまり売れなかっただけで
ゲーム自体はいいのに(ヒロイン除く)
ヒロインの名は売れてる
>>514 ヒロイン?
フレデリカだよな最萌えで準優勝してるしなw
フレデリカ分を大幅強化したバハラグをリメイクすれば・・・
やべえ!オラわくわくしてきたぞ!
しかしNTR
ビッチ王女なんかパルちゃんにくれてやるお
あと、ヨヨの名前変更機能はオミットなw
まじめな話、あのシステムをブラッシュアップしたシステム的な意味での続編を待っていた。
待っていたんだ……(遠い目で
>519
レーシングラグーン。
(タイトル的な意味で)
>>519 レジェンドオブドラグーン。
(タイトル的な意味とドラゴン繋がりで)
>>519 レッドホットドラグーン。
(タイトル的な意味ともう出ない的な意味で)
>>519 ドラッグオンドラグーン
(タイトル的と色々な悪名的な意味で)
>>519 パンツァードラグーン。
(タイトル的な意味とドラゴン繋がりで)
おまえらwwwwwwwww
ドラッグオンドラグーンはアイテム的な意味も含まれてます
続編作るならヨヨ的なヒロインだけは勘弁してくれ。青少年の教育上よくない
リメイクするならフルボイスだけは勘弁してくれ。ヘタに声優の演技が上手だったら余計にヨヨ嫌いになりそうだ。
移植するならビュウと各キャラにペアエンディング用意して欲しい。ヨヨは用意されてても見ないが。
最終的にホモになる確率とヘテロになる確率が半々ぐらいか
各キャラにペアエンディングとかゲロキモイ仕様は無しにしろよ。
後期ペルソナとか澤田シャイニングみたいなギャルゲーやってろって話だ。
つか、あのエンディングだから色々妄想の余地があるってのに何言ってんだよ
ヨヨはビュウの目の前で自害しなかっただけまだマシ。
人間不信に片足突っ込んでたオルステッドはアリシアにトドメ刺されて魔王になっちゃったしな。
全てのラグーンが滅びたオレルスの空をアレキサンダーと往くビュウなんか見たくないよ。
>529
その妄想に水を差してる時点で、お前にそれを言う資格はないと思うなぁ。
マルチエンディング(笑)は有り得ないよなぁ
自演?
>>530 同意。アリシアは本当に救いようがない悪女。あれは引いた。
妄想の余地があるほうがいいというのもわかるけど、妄想は妄想でしょ。
語られてない部分もちゃんと語って欲しいと思ってるユーザーもいるんだから需要はあるよ
マルチエンディングというかFEみたいに友好度が高いキャラとの後日談をED後に追加すればいいんじゃね?
見たくない奴は見なけりゃいいんじゃね?
移植の予定もないのに喧嘩するなよw
小学校高学年の時にクリアして以来久々に再プレイ
無謀にもヒロインは初恋の子の名前にして…
………ガチで泣いたorzヨヨはビッチだったということを再確認した…
今更だがフレデリカに萌えた、ガキだったから気付かなかったんだな
フレデリカスレで投下してから丁度一年経過したビュウフレSS(エロ無し)。
ロダのデータも目出度く流れて誰も読めなくなったので、保存と保守もかねて、改めてこちらに投下…というのはこのスレ的にはありなのだろうか。
カモン
エロ無しでも書いていいですか?と言われると
ここじゃなくてもいいんじゃね?と思うのに
エロ無しだけど投下するよ?と言われると
いつでもカモンと思える不思議
それではお言葉に甘えまして、失礼。
542 :
1/13:2008/10/07(火) 02:45:41 ID:JDf0SxoQ
『Docta Ignorantia』
マテライトは一頻り勿体つけた後、彼に振り返って叫んだ。
「――――――フレデリカが退職金の代わりじゃ!」
…付き合いきれん、と独り言ち、ビュウは荷造りの仕上げをするために自室へと踵を返す。
噂を聞きつけ、マテライトの部屋の前で聞き耳を立てていたディアナやアナスタシアは、その出鱈目な宣言を聞くや否や中に押し入り、彼を問い詰めた。
おそらくは今でも、部屋では彼らの口論が繰り広げられているはずだ。
「…やれやれ」
とんだ退役になってしまった、とビュウは嘆息する。
だが、いずれにせよこれで義務は全て果たした。
戦竜隊の隊長の引継ぎはビッケバッケに。
各所の他の責任者にも事情は既に話してある。…センダックは甚く残念がっていたが。
…話は三日前に遡る。
「―――何じゃと?軍を抜けたい?」
カーナ宮殿のマテライトの自室。
眉を顰めるマテライトの前に立ち、ビュウはああ、と首肯する。
「…戦争も終わって、カーナの復興もやっとこれからという時に…わけを聞かせるのじゃ」
「戦争が終わったからこそ、だよ」
「………」
ビュウの言葉に、マテライトは低く唸る。先を続けろ、という素振りだった。
543 :
2/13:2008/10/07(火) 02:47:00 ID:JDf0SxoQ
「これから、空≠ヘ荒れるはずだ。グランベロスっていう、恐怖…そして同時に、その強大な秩序が失われたことで」
…そう。グランベロス帝国―――皇帝サウザーの行いは、確かに武力による征服だった。
だが、それは民衆の恐怖と同時に、圧倒的な力に裏打ちされた、決定的な秩序の完成でもあったのだ。
しかし、帝国の崩壊によって、築かれた支配は崩れ―――それは秩序を良しとしないしない者を、野に放つことをも意味する。
「あんたも知ってるだろう。この世界で一番恐ろしいのは、竜でも魔物でもなくて…人間だって言うことを」
「…守るべきものは、カーナだけではないと。…そういいたいのじゃな」
無言で、ビュウは窓の外の青空に視線を向ける。
誰に応えるともなく、彼は静かに語る。
「俺に、やらせてくれないか。オレルスの守り手を。…バハムートと一緒に」
ビュウの言葉に、マテライトはどこか不機嫌そうに頭を振った。
「全く。ひよっこが大層なことをいいおって。うにうにの手も借りたい時じゃというのに」
「意外だな。あんたのことだから、
『おまえのような若造の手など必要ない!わしの手でカーナを復興して見せるのじゃー!』くらい言われると思ってたんだが」
「!勿論じゃ!べ、別にわしは困らん!ああ、全然全くこれっぽっちも困らんのじゃっ!!」
眦を緩めて笑うビュウに、マテライトは慌てて語気を荒げる。…数秒前に、手を借りたい、といったことも忘れて。
ビュウは敢えて、それには触れずにおく。
話を面倒にしたくないというのもあったが…何より、彼が自分を評価していてくれたのが嬉しかったからだ。
「―――じゃが。ヨヨ様が、気の毒でのう」
「――――――」
だが。次にマテライトの口から転がり出た呟きは、じくり、と、ビュウの心に刺さった。
「お前も知っておるじゃろう。パルパレオス将軍はグランベロスに戻り、ヨヨ様は寂しいのじゃ。せめて、おまえがいてくれれば…」
「…すまない」
ビュウは目を伏せて、マテライトに頭を下げる。
彼の謝罪に言葉を遮られ、マテライトはかぶりを振って自戒する。
544 :
3/13:2008/10/07(火) 02:47:52 ID:JDf0SxoQ
「いや、悪かった。卑怯な物言いだったのじゃ。これでは、わしもあの男のことをいえんのう。
本来なら、わしがいの一番にヨヨ様の支えにならねばならんというのに。
…わかったのじゃ。お前が自分の意思で決めたのなら、仕方ない。
処理はわしとセンダックで進めておくから、お前は仕事の引継ぎのほうをするのじゃ。
退職金の件もあるから、三日後にまたここに来るようにな」
そう、許可と今後の手筈をもらい、ビュウはマテライトの部屋を後にした。
…直後。口を閉じた扉に背中を預けて、彼はく、と自嘲気味に笑った。
(…自分の意思で、か。確かに、そうなんだがな)
脳裏に浮かびかけた『彼女』の顔を振り払う。
自分を落ち着かせるように、ビュウはこの国での最後の仕事を片付けるために歩き出した。
―――そうして。約束通り全ての引継ぎを終え、三日後にマテライトを訪ねてみればこの有り様だったというわけだ。
「全く…妙に聞き分けがよかったかと思えば。マテライトも何を考えてるんだか」
戦後復興で金がない、という理由はわかった。退職金の現物支給も、この際止むを得まい。
だが、何も人をモノ扱いすることはないだろう…と。ビュウも色々と思うところはあったのだが。
結局のところ、彼にしてみれば、マテライトが軍の退役を許してくれた時点で、目的は果たされてしまっていたのである。
だから、退職金の代わりが、例えうにうじだろうが竜の糞だろうが、初めからどうでもよかったわけで。
(さて…とばっちりを食う前に、退散するか)
足早に自室に向かい、ドアノブに手をかけて引く。と。
「あ、ビュウ」
―――だから。まさかそこに、マテライトの言葉通りの女性が待っていた、なんて状況は。全く、想定していなかったわけで。
545 :
4/13:2008/10/07(火) 02:51:11 ID:JDf0SxoQ
「………フレデリカ。何をしてる」
「え、と?…あれ、マテライトからお話、聞いてないのかしら」
数秒。ビュウは停止した思考を取り戻すまでその場で固まり、抑揚のない声で問う。
綺麗に片付けられた部屋に残されたベッドの白いシーツの上にちょこんと行儀よく腰掛けたフレデリカは、さも不思議そうに首を傾げる。
「…聞いてるが。退職金の代わり、か?」
ビュウが頭を抱え、渋々答えを口にしてみれば、フレデリカはほっとしたように微笑み、こくりと頷く。
(ちっ…マテライトめ。いつになく手回しがいいじゃないか。どういうつもりだ。
というか、そもそもどうしてフレデリカなんだ。
確かに戦争中は、病弱なせいで戦闘以外では殆どベッドに伏せている彼女の話し相手になったりして、傍目にはそういう仲≠ノ見えないことはなかったかもしれないが―――それは純粋に、隊長として彼女の体が心配だっただけで―――ああ、くそっ)
内心で舌打ちをしながら、元上司に皮肉と愚痴を垂れるビュウ。
「…はぁ。フレデリカ、真面目なのはいいが、マテライトの言うことを一々真に受けていたらきりがないぞ。
どうせ思いつきで言い出したんだろうし、何も本気にしなくても」
何かを期待するように自分を見つめるフレデリカに、ビュウは嘆息と共に忠告を投げかける。
「思いつき?」
「ああ。きっとそうだ」
あいつとは付き合いが長いからな、と、ビュウは肩を竦めて机の上に残った書物類をまとめ始める。
戦竜隊の中でも比較的常識人のフレデリカであれば、これで納得することだろうと彼は思った。が。
「―――でも、困ったわ。マテライトは、もう私の除籍処分をしてしまったから」
ドサドサッ。ビュウの手から、抱えられていたドラゴンの飼育ノートの束が床にぶちまけられる。
―――除籍処分。…つまり、もう、カーナ戦竜隊には、フレデリカの居場所はないということだ。
546 :
5/13:2008/10/07(火) 02:52:18 ID:JDf0SxoQ
「わ、大丈夫?」
「ああ…」
思わず、ビュウは眉間に手を当ててその場で頭痛を押さえる体勢に入ってしまう。
ああ、あの金ぴか鎧は、本当に今回に限ってどうしてここまで手回しがいいのか!…などと口から飛び出そうになった文句を押し込めながら。
「…フレデリカ。それ、マテライトからちゃんと事前に確認されたのか?」
「え?…それは、その…ん、と」
「ああ、いやいい。聞いた俺が馬鹿だった。アレがそんな几帳面なことするわけないか」
問い掛けられ、困ったように口篭るフレデリカの言葉が遮られる。
彼女はその呆れたようなビュウの態度に、苦笑いで返す。
(最後の最後にこれか。…やれやれ)
今日何度目かの溜息を吐き、散乱したノートを回収しながらどうしたものかと思案する。
…と。ビュウの記憶の片隅に、過去の彼女の、ある言葉が引っかかった。
妙案か、と、彼はそれを口にしてみることにした。
「そうだ。フレデリカ」
「なにかしら?」
「前に…アルタイルに行った時、薬屋を開きたいっていってたな。
どうせマテライトの思い付きだ、俺に律儀に付き合うことはない。いい機会だし、自分のやりたいことをしたらどうだ」
アルタイル。バハムートを初めとする、オレルスの神竜たちの故郷。
空の扉の向こう側に広がる異世界に導かれ、最後の戦いを前に、フレデリカは己の望みを、ビュウに語っていた。
「ん…それは、そうなのだけれど」
ビュウの提案した選択肢に、フレデリカは短く唸って、指をむじむじと組みながら視線を床に落とす。
「今は、ビュウのことが心配だから」
「心配?俺がか?…ん、こっちもか」
微笑みながら語る彼女に、何の気なしに問い返しながら、ビュウは机の下に飛んだ一冊に手を伸ばす。
…その言葉が。彼女の―――フレデリカの、確固たる意志であるとは知らずに。
「うん。だって、ビュウ―――――――――でしょう?」
547 :
6/13:2008/10/07(火) 02:53:13 ID:JDf0SxoQ
「………っ…?」
――――――吐き気が、襲う。
それは、突然にやってきた。
ビュウには、フレデリカの言葉が聞こえなかった。否、聞こえていたが、それを認めることを、彼の理性が拒んだ。
…自覚は、あった。だが、考えないようにしていた。それはいい。
けれど―――それを、まさか、彼女が口にするはずがない、と、
「ビュウ?…あ、ごめんなさい、声が小さかったかしら」
フレデリカは、そんなビュウの内心を知ってか知らずか、彼の内へと更に踏み込む。
今度こそ、逃れられない。逃れるわけにはいかない、彼女の言葉が彼へと届いた。
「ビュウ。貴方、ヨヨ様から逃げようとしているでしょう=H」
「―――っ」
喉が、熱い。フレデリカの言葉は、まるで焼き鏝のように、彼の中を焦がすように、抉りぬく。
「…馬鹿な。マテライトから、聞いてないのか。俺は、オレルスを守るために、」
「うん。ビュウは誠実な人だから。確かに、それもあるのでしょうね。
…けれど、それは同時に、ビュウが、弱い自分を、自身で納得させるための口実でもあると思う。
嫌なのでしょう?このままヨヨ様の近くにいて―――そして、またヨヨ様に傷つけられるかもしれないのが」
「…フレデリカ。少し、黙ってくれ」
どくん、どくん、と。ビュウの鼓動は、秒毎に、苦しいほどに早まっていく。
彼の制止の懇願も、フレデリカは意に介さぬかのように続ける。
いつからそうだったのか、彼女の視線は、昂ぶる彼を射抜くほど強いものへと変わっていた。
「貴方のこと、ずっと見ていたから。私には解る。
…ビュウ。人の弱いことは罪じゃないし、それを周囲に悟らせまいとすることも、強さなのだと思うわ。
けれどね。隠そうとするその弱さが人に理解ってしまうと、それはその人にとって、見ていて痛々しいだけ」
548 :
7/13:2008/10/07(火) 02:58:54 ID:JDf0SxoQ
「…頼む。黙って、」
「貴方が自分でどう思っているかは知らないけれど―――グランベロスや、魔物たちとの戦いの合間に。
ベッドに臥せって、弱気になっている私を貴方が訪ねて来てくれたことは、私にとって、すごく心強い支えだった」
どくん―――。
(違う…俺は、そんなつもりじゃあ、)
「黙って、って、いってるだろ…」
「ねえ。あの時、私、こうもいったわ。『今のままじゃ駄目だ、戦争が終わったら、元気になるように頑張りたい』って。
…私、頑張る。元気に…強くなれるように。私をそう思えるようにしてくれたのは、ビュウだから。
今度は私が、ビュウが強くなれるように支えになってあげたい。だから、」
刹那―――フレデリカの身体は、ビュウの手でベッドへと仰向けに押し倒された。
「黙れ…っ!」
息を荒げ、目を血走らせて。苦しげに、ビュウは直下のフレデリカを睨めつける。
両腕で彼女の肩を押さえつけ。拾い上げた書物を、再び床に散らかして。
それでも、フレデリカの視線は尚も眼前の彼を射抜き続ける。
「………だから。ビュウ。自分の弱さを認める強さを…勇気を持って。私のこと、酷い女だと思ってもいい。今すぐじゃなくてもいい。
私、ビュウに弱さを打ち明けてほしい。そうなれるように、私、頑張るから」
「黙れ…黙れよっ!!」
希うように―――フレデリカの視線から逃れるように―――強く、目を閉じて。ビュウはうわ言のように繰り返す。
その手に掴んだ彼女の肩を、万力のような力でぎりぎりと締め付ける。
「―――いい。わかった」
脅しつける声で、ビュウは彼女を押さえ、圧し掛かったまま言葉を紡ぎ始めた。
549 :
8/13:2008/10/07(火) 03:02:54 ID:JDf0SxoQ
「退職金の代わりだからな。…俺が、フレデリカをモノみたいに扱っても、文句はないはずだろ」
―――お前を慰み者にする=\――と。ビュウは語気を荒げ、強く、脅迫する。
フレデリカが、いかに過酷な戦場を生き抜いたプリーストだとしても。
女性である以上、男にこういう類の言葉で迫られ、怯まぬはずがない。
そう、彼は、矜持も理性もかなぐり捨てて。騎士としては勿論、人として最低の選択肢を選んだ。
「――――――うん。いいわ。気の済むように、すればいい」
けれど―――彼女の意志は、塵ほども揺るぎはしなかった。
「けど、一つだけ言い切れる。今の貴方が私に何をしようと、私は汚せない、壊せない」
「なん、だって―――?」
淀みのない瞳で見つめ返すフレデリカに―――圧倒的優位な立場にあるはずのビュウが、逆に怯む。
それに呼応するように、彼女を押さえつける腕から力が抜け、がくがくと揺らいでゆく。
「ほら…手が震えている。
怖いんでしょう。人に、踏み込むのが。踏み込んで、傷つけられるかもしれないのが。
今の貴方は―――ヨヨ様だけじゃない。自分以外の、全ての人に踏み込むのが、怖くて仕方がないのでしょう?」
清水のように淀みなく紡がれる問い掛けには、少しの同情も、哀れみも篭らない。
ただ、フレデリカの、ビュウと真っ直ぐに向き合おうとする決意だけが、そこにあった。
「…お願い。その弱さを認めて。大丈夫、今まで弱音を吐かず、耐え抜いて、戦ってきた貴方を、誰も責められはしないから」
フレデリカの、確信に満ちた言葉。
それらは一つの例外もなくビュウの最奥に響き―――その心を、完膚なきまでに、へし折った。
550 :
9/13:2008/10/07(火) 03:04:40 ID:JDf0SxoQ
「………」
「………」
………上下の関係をそのままに、睨み―――否。見詰め合ったまま。
長い、長い沈黙が部屋を満たす。
だがやがて、ビュウは目を伏せ、組み敷いたフレデリカを解放した。
「ビュウ」
「フレデリカ」
ビュウは彼女に背を向け、床に落ちた書物を再度、集め始める。
ゆっくりと半身を起こしたフレデリカに名を呼ばれ。彼もまた彼女の名を呼び返す。
「今じゃなくてもいい。そういったな」
「うん」
「もしかして、ついてくる気か。…俺が、認めるまで」
「勿論よ」
「俺は、強情だぞ」
「…知ってる。こんなに頑固だとは、思わなかった」
「失望したか」
「ううん。やっぱり、私がビュウを支えなくちゃって。危なっかしくてしょうがないもの」
「………一応言っておく。ついて来るな」
「わかった。その代わり、ここで、私を殺して」
「………はぁぁぁぁ」
長い、嘆息。ビュウは本を集める手を止め、きょとんとするフレデリカへと、振り返る。
「―――全く。降参だ、もう、好きにしてくれ」
その目には、最早僅かの怒気も狂気も、含まれてはいなかった。
フレデリカは破顔し、ビュウの緊張の抜けた呆れ顔に嬉しそうに微笑み返した。
「しかし、分からないな。どうしてそんなに、俺を気にかけるんだ」
いくら何度もお見舞いに来た恩とはいえ度が過ぎているのではないか、と、ぽりぽりと頭を掻きながら、ビュウは溜息と共に問う。
すると、フレデリカの表情が一転し―――恐らくは、今日ビュウが見る初めての、明らかにそれと解る不機嫌なものに変わった。
551 :
10/13:2008/10/07(火) 03:07:05 ID:JDf0SxoQ
「ビュウ。…もしかしたらと思ったけど。やっぱり忘れているのね」
今度は、フレデリカが眉間に皺を寄せる番。
むーっと唸る彼女を前にし、ビュウは狼狽する。
「はぁ。…ビュウ。私がアルタイルでいった言葉。もう一度、よく思い出してみて」
「ん?」
フレデリカに問われ、ビュウは頭を捻る。…確か、先ほどの彼女との会話でも何度か使われたはずだ。
『今のままじゃ駄目だ、戦争が終わったら、元気になるように頑張りたい』…これだ。
「その後よ」
「………薬屋を開きたい、か?」
そう。あの言葉の後には、そう続いたはずだ、とビュウは一人納得する。
だが、フレデリカは不服そうに眉をハの字に曲げて睨んでくる。
(まだ、何かあったか…?)
自分が見逃しているらしい単語を、必死に脳の記憶中枢を引っ叩いて引きずり出そうと試みる。と―――。
「あ――――――」
そういえば、いっていた、と。
「思い出した?」
「いや、まさか、そんな、おい、待て、待てまてマテ」
だが、それを口にするにはビュウは少し羞恥心が勝ってしまったらしく、しどろもどろと呂律が回らない様を晒す。
それでも、フレデリカは彼が自身でそれを口にするまで許さないという風にやんわりと微笑む。
…やがて、ビュウも覚悟を決めて、抜けていた′セ葉を、先ほどの台詞に補填する。
「…元気になったら。その時は一緒に*屋を始めたい…」
直接、口に出し、ビュウは自身で自身の顔が真っ赤に火照ってゆくのを実感する。
彼の呟いた言葉を確認し、フレデリカもまた、もじもじと恥ずかしそうに、ベッドに座ったまま頬を染める。
552 :
11/13:2008/10/07(火) 03:07:55 ID:JDf0SxoQ
「うん…そう。だから、その…ビュウが、人の内に踏み込むことが怖いままでいられると…困るの」
その、フレデリカの態度に対峙して。ビュウはぐるぐると詮のない思考を巡らせる。
…実際。ビュウはアルタイルで彼女のその言葉を聞いた時は、それが本気だとは思わなかった。
彼女は体調が悪くなると、ネガティブになり誰彼構わず敬語を使うようになる癖がある。
それを話した時の彼女はその癖が出ていたため、ビュウはそれを、異世界で不安になる自分自身を落ち着かせるための、一時的なものだと決め付けていた。
だが、思い当たる節は確かにある。
先ほど自分が、退職金の代わりだという彼女に苦し紛れに口にした『薬屋を開いたらどうだ』という提案。
さらりと流してしまったが―――彼女は、それを自分の意思で口にしたものと、しっかり記憶していた。
そして、彼女は更に『今のままでは駄目だ』という台詞も自ら口にした。つまり、
「…まいったな。本気だったのか、アレ」
「一応…私なりの、精一杯の告白だったのだけれど。ビュウってば、忘れてるんだもの」
駄目?という風に、おそるおそる訊ねるフレデリカ。
ビュウはむぅ、と唸って赤面しながら、応える。
「フレデリカ。俺は、―――!?」
突然。フレデリカが、吸い込まれるように、ベッドに倒れこむ。
ビュウは本を元の机に乱暴に置き、仰向けに微かな呼吸をする彼女へと駆け寄る。
「フレデリカっ」
「ん…大丈夫、です。ごめんなさい、ちょっと、頑張りすぎちゃったみたい、ですね」
フレデリカは血の気の引いた顔で、無理矢理作っていることが明白な微笑を浮かべる。
「大丈夫ってな…っ!」
とてもそうは見えない、とビュウはベッドに膝を突き、彼女の体を抱き起こそうとする。
が、彼がフレデリカの肩に触れるや、彼女は苦しそうに悲鳴をかみ殺す。
(………当たり前だ。痛くないわけが、ないだろう…!)
そこは、先ほどまで他でもない、ビュウ自身が全力以上の力で握り締めていた場所。
彼が掴んでいる間、彼女が想い人に言葉を伝えるために、どれほどの痛みに耐えていたか―――。
ビュウは、生まれて初めて、自分自身を殺したいほど憎み、歯噛みする。
553 :
12/13:2008/10/07(火) 03:11:23 ID:JDf0SxoQ
「…寒い」
一度だけ、小さく震えて、フレデリカはもぞもぞと覚束無い手つきで脇にのけられた毛布を探ろうとする。
「すいません、ビュウさん。少し、借りますね―――!?」
それを、遮って。
ビュウは毛布で自身を。そして、その腕で、フレデリカの身体を、後ろから包み込んだ。
彼が抱きすくめた彼女の体はとても軽くて、そしてひんやりと冷たかった。
「あ、あの、ビュウ、さん」
「…やれやれ。強くなる、というわりに、その癖は直らないんだな。呼び捨てでいい」
呆れたような―――けれど、どこか温かい口調で、ビュウは穏やかにフレデリカの顔を見下ろし、囁く。
「あぅ…い、いいんです。これから、もっと頑張って、直しますから」
「そうか」
いつもの調子のフレデリカに、ビュウは毒気を抜かれ、先ほどまでの羞恥が不思議なほどあっさりと消え去ってしまっていることに気付く。
ああいや、全く―――フレデリカの言うとおりだ、と。ビュウは自分の弱さを妙な形で実感させられることに苦笑する。
(…俺とフレデリカの距離は、今はこのくらいが相応らしい)
「ビュウさん?」
「いや。何でもない。…それより、さっきは、すまない。薬は飲まなくていいのか」
「…謝りながら意地悪なこと、言わないで下さい。それとも、わざとですか?」
フレデリカは共に毛布に包まるビュウを、恨めしそうに見上げる。
「薬がなくても、少しだけなら元気に振舞えるようになりました。そこは誉めてほしいです」
子供っぽく意地を張るフレデリカに、ビュウは内心で感心する。
体調を崩してもこれだけ言えるようになったのか、と。彼は戦後間もない期間での、自分は知らない彼女の努力を想う。
(俺も…少し、頑張ってみるか)
「あ…そうだ。ビュウさん、今日発つ予定だったんじゃ」
「ん、気が変わった。…それに、どちらにしても、その調子じゃ今日は無理だろう」
眼下の女性を見遣り、渋々、という風に、わざと素っ気無く言い捨てる。
ビュウの腕の中で申し訳なさそうに萎縮するフレデリカ。
彼は、そんな彼女を静かに抱きしめる。痛まないように、そっと、そして、しっかりと。
554 :
13/13:2008/10/07(火) 03:12:19 ID:JDf0SxoQ
「っ、ビュウ、さん…?」
胸と、背中が密着する。…静かだけれど、確かなフレデリカの鼓動を感じる。
編まれたブロンドの髪と、ローブの襟元の間に覗く首筋から香る、微かな汗の匂いがビュウの鼻腔を擽る。
そうして。彼は意を決して、一歩を踏み出した。
「フレデリカ。――――――キスして、いいか」
肩越しに、耳元で囁く。
…彼の位置からでは、フレデリカが今、どんな顔をしているかは見えない。
だが、彼女の体の血液という血液が顔へと集まっていくことは、はっきりと解った。
だって―――フレデリカの頬から、耳元まで。すっと朱を帯びていったから。
「…うん。ビュウ」
小さく。ともすれば聞き逃してしまいそうな、消え入るような承諾を受け取って。
二人は目を閉じて、触れるだけの口付けを交わした。
…その後。そのまま、まどろみに落ちたフレデリカを抱きとめながら、ビュウは苦笑して思うのだった。
(大空を駆ける薬屋か。まぁ…もう少し捻りがほしいか)
――――――彼が自身の抱える弱さを認め、乗り越えるのは、そう遠くない未来かもしれない。
〜了〜
以上です。あ、一年前に比べてほんのちょっとだけ気になった部分を修正してあります。
こんな時間に乙。超乙。
GJだぜ!
なんとなく、人間だものって言葉が浮かんだ
こいつァいいなァー!
フレデリカの特攻が素敵だ。
非エロでもいいからまた投げに来て欲しいな。
勿論エロならそれに越したことはないが(きらきらした少年の瞳で
GJです!!
やっぱフレデリカ良いなぁ…
非エロでも一向に構いませんよ
またアイデアが浮かんだら書きに来て下さいな
GJすぐる
やはりウジウジするビュウをヒロインが慰める構図は最強であったな...
うんうん、やっぱり バハムートラグーンのヒロインは
フレデリカさんですよねぇー♪(まて
前スレの 新たなる波乱 ってどこいった?
>>562 ホントだ、俺も確認したけどなかったね
どうしても読みたいなら過去ログ漁ってみたら?
保守
ディアマイの続きがくるまで断食する
へんじがない
ただのしかばねのようだ
ルキアのふとももがたまらん
571 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/06(木) 21:58:34 ID:hgI4FUDH
ジャンヌ×ルキアと聞いて飛んで来ました
572 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 03:08:03 ID:YoGEjxOf
上げよう
>>573 主人公のイラストひどすぎて笑っちまったwww
575 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/17(月) 01:58:34 ID:3xSZRCIU
結局、リメイクはなしか
ラスレムっぽくリメイクしてくれないかな
システムとかごりごり変えて
脚本とか全部そのままで
ビュウとその仲間たちが、国を裏切って敵方についたビッチ王女と悪の帝国を倒すまでの話とかにすればいいのに。
ビュウとフレたんが薬屋開くシュミレーションでいいんじゃね?
牧場物語的な感じで
フィールドで薬草を調達してきて、お店で調合・・・って、それなんてマリーのアトリエ?
×フィールド
○敵ユニット撃破
ビュウの不思議なラグーン
ビュウ:主人公兼プレイヤー。バハムートが察知した異変を調べる為に不思議なラグーンをぼうけんします
バハムート:不思議なラグーンまでのアシ+助言者
フレデリカ:ビュウのおくさん。持ち帰ったアイテムをくすりにしてくれます
サラマンダー(名前変更可):育児休暇中。あかちゃんドラゴンに食べさせるアイテムをほしがっています
空を駆ける商人(二代目):ビュウのともだち。アイテムを売買できます
>>581 出来れば
ビュウ(名前変更可):主人公兼プレイヤー。バハムートが察知した異変を調べる為に不思議なラグーンをぼうけんします
にしといてくれ
フレデリカなら裏切られる事も無いだろうし
もしフレデリカにまで裏切られたら…
あまりのショックで死人が出るぞ…
裏切られたいです・・
>>585 このマゾめ!
だがそういうお前は嫌いじゃないぜ!
凄く過疎ってしまったな・・・・・・
なのでディアナは俺の嫁
588 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/01(月) 23:57:23 ID:CWPyrxpW
ルキアは俺の嫁
ディアマイナイトもう来ないのかなあ。
ものすごい楽しみだったんだが…
ビュウには幸せになって欲しいけど、それよりヨヨに後悔してほしい。
世間的にも、ヨヨ的にも、ビュウの評価がパルパレオスのそれを上回ってほしい。
別にヨヨがビュウを好きにならなくても良いけど。
保守
つーかパル公がおっ死んだ後で、今更って感じでビュウに色目を使ったり縋り付いたりするヨヨを金色夜叉チックに足蹴にする展開がいいな。
ヨヨアンチスレでも立ててそっちいってくれないかな
>>593 ゆっくりじっくり煮詰めて書けばいいさ、頑張れ!!
ハァハァ…フレデリカ…たまらん…
いやはやこんなスレあったのかぁ
名作とはいえ古いゲームのスレがあるとはおもわなんだ
正直な話、城で何不自由なく暮らしてた恋に恋する甘ちゃんお姫様のヨヨより
帝国で軟禁されたり男を知って成長したヨヨの方が女としての旨味は上のような気がする。
経験が女を美しくするってやつだな。
NTRにショックを受けてたウブな俺も今ではこんなこと考えるほど汚れた大人になれました^^
今でこそバハラグはみんなでヨヨ死ね(笑)とか笑って話せる苦くせつない思い出になっているけど、
もしもこの時代に発売されていたら、ディスクやカートリッジを粉砕する画像が出回って、
鳥山さんや野島さんが心労から入院したりしてたのかな。
>596
私見ではあるが、何事も良い経験の積み方と悪い経験の積み方があると思う。
ヨヨの場合、敵に捕まってたこととかを鑑みても、明らかに関心できたもんじゃない成長をしてる気が……
子供の良い成長を願う言葉に見ざる聞かざる言わざるというのがあってね?
帝国に捕らわれ少女から女へと成長したヨヨ
しかしそれはビュウの巧妙な罠だった
でも ぶっちゃけた話
敗戦国(?)の姫なんて、いきなり首チョンパされてもおかしくないわけで。
時が来たら国を復興させようと思っているのなら
国に殉じて野垂れ死ぬよりも、敵国の将軍の愛人になってでも生き延びるわな・・・
>>599 いけないっ・・・サラマンダーがうにうじを食べたがっていることを悟られたら・・・ッ
敗戦国の姫が首チョンパなんて姫がブスだった場合かやる奴が馬鹿かのどっちかだろ
senkaされるのが普通
まあ、政略結婚で名実ともに従属国にする工作に使われるだろうなあ、普通。
負けたっていってもそれで国がまっさらになるわけでなし、
よっぽどの馬鹿じゃない限り一族郎党皆殺しして抵抗勢力に日を付けるよりか、
利用して占領側に有利な条件で抱き込みにかかるよな。
ヨヨがsenkaされるのは蝶歓迎
ヨヨが主人公だと考えれば「想い出の中の君より隣にいてくれた貴方」という落とし所は創作的には許容の範囲内だと思う。
もっとも「ヨヨ=(物語的な意味で)主人公」説を是としてくれる人間が俺の周りにほとんどいないのだけれど。まぁ、正直気持ちはわかるw
心変わり自体は別に責められる対象じゃねぇんだよな。
ビュウの方もろくなアプローチどころか3年生存報告すらしてないし、優しくされたらむしろ流れて当たり前の状況。
反乱軍に合流した後は微妙にビュウにすり寄るような感じを見せたくせに、
Pの字回収したとたん掌を返すようにイチャつき見せつけ、あまつさえ正当化を押しつけるあたりが如何ともし難い。
悪く言えばビュウをキープ君として置いておきたいようにしか見えないんだよな。
>>605 単純にそういう心情でパル公とくっ付いただけならまだ許容範囲なんだが
・ビュウとの思い出をパル公で上書き
・しかもそこが戦場になって守る事になったら、二人っきりで入っていって見せ付けるようにキス
・もう最終決戦だって時に、毎晩ヤりまくって周囲に聞こえるほど盛り上がる
って惚れた後に続く行為がアレ過ぎるんだよ……
ヨヨが主人公だったとしても
性別逆転させたとしても「何この糞主人公」って扱いになるかと
敗戦国の王族は厚遇されて飼い殺しが普通
まあ例外はいくらでもあるが
>>605 今更のレスで悪いけど…
自分がやっていて当時思ったのは「ビュウは何でこんなヤツのために」だったわけ。
色々理由つけても、ビュウが頑張るのはヨヨのためだと自分は思った。
それをヨヨがわかってるならビュウの協力を拒まないといけない。
例えば、自分に気のある元カレからの贈り物は受け取ったらダメでしょ。
例えどんなにお金に困っても。
ビュウが頑張る理由をわかってないなら頭が足りない。知性も感性もダメ。
嫌ならゲームやらなきゃ良かったんだけどね。
最後はくっつくと信じていたのかな。それとも、良いゲームだったってことかも。
610 :
605:2008/12/21(日) 03:28:40 ID:Px3r2Uiq
あー、誤解の無い様に言っておくけど、俺はあのシナリオは贔屓目に見ても失敗だったとは思ってるよ?w
こういうやり方やるなら(「プレイヤーキャラクター」と「主人公」を分けるなら)、プレイヤーキャラクターは可能な限り物語に絡ませるべきじゃない。
その意味でビュウは個性が強すぎたし、ヨヨも説得力を持たせるほどに魅力的とは言いがたかったし(あと、半分ネタとはいえ「部屋から苦しそうな声が」とかはやりすぎ)。
信者補正あるとはいえ、そこは素直に認める。
でも「やりたかった事」とは分割して考えるべきかなぁ、という考えなだけ。
ただ、その辺の失敗を抜きにしてもキャラのアクの強さとか、システムの面白さとかは埋もれさせるに惜しいよなあ……
つーか、正直言って本筋より脇役たちののサブイベント的な話の方が面白すぎるくらいに魅力的なのがこの作品の最大の長所にして欠点だと思いますw
これ以上語るとスレ違いになりそうなんでこの辺で。
最終的にビュウがフレデリカと薬屋開いたよEDだったら当時も今も全部許せたかもしれない。
>>608 ビュウとヨヨはぶっちゃけ彼氏彼女の関係じゃなくて
(プレイヤーの印象としてはそういう事になってるかも知れないが)
それ以前に主君と騎士だから、仮にヨヨの態度がいかに男女感情としてはアレだろうと
ビュウ(やマテやラッシュその他)がヨヨのために命を投げ打つのはむしろ当然だと思う
ただ、現代人の普通の感覚から見るとそれが心情的に納得いかんのは自然な流れであって、
そこがバハラグのある意味イヤな感じに上手いと思う所なんだが
613 :
612:2008/12/21(日) 15:20:19 ID:AuSuM2lw
まあ、あれだ。
後のスイーツ(笑)である、てやつなんだろ。
いろんな意味で早すぎたソフトだったんだよ・・・
むしろ騎士が使える国の姫を守らないのはいかなモノかと
いやいや。
主従関係は「逆らったら滅ぼされる」とかそこまででなくとも「従うと得」とかが基本。
その点ヨヨはエンディングまで権力を得られるか、がまだ不明で、
ビュウを縛るものは実は個人的な関係のみ。
その命を張れるほどの個人的な関係はやはり愛情と考えるのが自然。
というか、野暮を言うな。
普通にプレイしてれば、スタートはヨヨの救出のため。
そして最後までそれをこえるものは無い。
プレイヤーと主人公は別とかいう屁理屈を持ち込むな。
ビュウがヨヨにつくか、共和制政権をつくるか、とか考え出したらいやだろ。
騎士道ってのは武士道と同じで、後世に騎士がいなくなってから美化されたもんらしいしなー。
仕える勢力の社会情勢が盤石なら宮仕えとして秩序もできようが、そうじゃないなら雇われの荒くれ者だろうし。
しかし、それだからこそホントに騎士道を貫く奴はカッコイイ。
ヨヨは制作者によって人の心情や仁義にやや不誠実で、
自分の望みを追求していても正当化できるように設定されてると思う。
若いうちにさらわれ、解放軍がいることも定かでないまま数年すごせば
姫としての自分をあきらめそこでの人生を生きようとするのはまあ仕方ない。
その後解放軍に保護され新しい人生からある意味自分の意思でなく切り離されリーダーになる。
その不安でビュウなどにきっぱりけじめつけず少し媚びるのもまあ責めるのは酷か、と。
さらに敵の恋人ひきぬいてビュウに大人になれと言い放ちずっとつきしたがってきた部下への配慮なしにいちゃつくのも、
ドラグナーとして唯一の存在で彼女の精神力に世界がかかってるから多少わがままでも彼女のメンタル第一の環境が正当化される、と。
ヨヨが幼いが貫けば価値ある絆を大人になれの一言で片付けたり
命をかけてつきしたがってきた部下に配慮なしとか傲慢で無神経なところがあるのは確か。
しかしそれはとても若いうちの激動の人生や自らの飛び抜けた異能によって正当化されると。
それはいいがビュウの生き方をもっときちんと価値づけてほしかった。
今のままじゃただの愚鈍で割くった人なだけなところがなきにしもあらず。
ビュウは有能な男ですよ。
「サラマンダーよりはやい」パルちゃんの竜より強い竜に乗ってるんですから。
ビュウがバハムートに乗るのは人としてパルちゃんをこえた象徴なのかもしれない。
「サラマンダーよりはやい」発言はともかく、
ドラゴンが人の価値をある程度表しているのかも。
人としての価値では恋愛感情は動かないけど。
ヨヨが一番人格者ということになるけど。…嫌だな。
ところで、エンディングの政治体制って、ヨヨの世界征服じゃない?
アレキサンダのおかげでヨヨに逆らえる国はない。
ビュウに与えられた役割はいざという時にヨヨを殺すことだったのだ!!
冗談だけど。
今夜一晩、このスレをお借りします。
これより、ちょっとした短編の投下を始めます。
ただ、今日を目処に執筆したものの推敲が完全でないので、各章ごとに小分けで投下しながら、
これから追っかけで修正・投下を繰り返す形になりますので、ご容赦ください。
イヴだっていうのにすることもない方々、もしここにおりましたら暫しお付き合いくださいませ。
あ、今から投下する話の内容は、清清しいくらいクリスマスと関係ないです、はいw
『ビュウは少しだけ大人になった』
フレデリカの眠りは浅い。
病弱な体質からか、彼女は規則正しい生活を心がけてはいるものの、その一日はベッドで横になっている時間がどうしても多い。自然、睡眠の時間も嵩み、深い眠りにつくことも少なくなる。
そのせいで、彼女の眠りは人一倍、周囲の環境の変化に影響を受けやすい。今朝のそれは、この上もなく穏やかではあったが、逆にそれが―――日常との齟齬が、彼女の目覚めを普段の時間より幾分早めたのかもしれない。
フレデリカは静かに浮上した意識のまま、うっすらと目を開ける。
見慣れない天井だった。ベッドや枕が自分の使うものとは別物であることも、目覚めの瞬間から気づいている。
いつもと違う目覚めは、それだけではなかった。彼女が寝ているのは屋内ではあったが、その湿度が、普段のそれよりも何倍も高い。
だが不思議なことに、彼女は全くそれが嫌ではなかった。寧ろその日の体調は、いつもよりずっと優れたものになるだろうことを、長年の経験から予感する。…その原因を、彼女は他の感覚より幾分遅れて、耳で知る。
(…ああ、そうか)
ここの『水』が、澱んでいないからだ、と。彼女は目蓋を半ばも閉じ、深く息をついた。
遠く意識を外に向ければ、微かに聞こえる清流のせせらぎ。『普段』の生活であれば万に一つもありえない、彼女にとって爽やかとまではいかないまでも、穏やかな寝覚めのアクセント。
その音が彼女に、この心地よい齟齬の原因にいきつく記憶の糸玉を手繰らせる。
…ここは、水のラグーン・マハール。タイチョーやルキアらの故郷だ。
彼女が身を置くオレルス反乱軍は、このラグーンをグランベロス帝国から奪還するためにここに赴き、将軍・レスタットを退けた。
そうして後、神竜の伝説を追いかけて訪れたのが、神竜リヴァイアサンの神殿だった。このマハールの地底湖に佇む遺跡に眠るというリヴァイアサンに会うため神殿内に入ったヨヨ王女は、『神竜の想い』に身を震わせた。
だから、そんな彼女を第一に労わっての事なのだろう。マテライトが、『近頃は連戦だったからのう、みなも今のうちに羽を伸ばしておくのじゃー!』なんて、突然不似合いな提案を叫んで見せたのは。
ともあれ、仮に彼の突然の思い付きだったとしても、反乱軍の面々はこの美しいラグーンで一時の憩いを与えられ、昨日ファーレンハイトより雪崩れ込んできたのであった。
「…ん」
仰向けの姿勢からゆっくりと半身を起こし、フレデリカは頭部に軽い血の気の引きを感じて小さく唸る。
未だ少しぼんやりと歪む視界に移る景色と、昨日眠りに着く前に見た部屋の記憶とを照らし合わせる。
決して粗末ではないが、反乱軍の寝室よりもやや狭い設えの部屋には、彼女の使っているものを含めて四つのベッドが横に並ぶ。フレデリカは視力の回復が終わるより少しだけ早く、自分以外のベッドが既に蛻の殻である事を認める。
…つい、と窓の外に視線を向ければ、風を感じさせない穏やかな空模様。それを眺めて、フレデリカは憂鬱な顔で小さな溜息をつく。
今日の自分はいつもより早く目覚めたのに。いつもより眠りが浅かったのに。いつもより周囲の変化に敏感だったのに。
だというのに、『自分は彼女たちが出て行くのを感じることが出来なかった』
同室した友人たち―――アナスタシアとエカテリーナ、ディアナらが、体の弱い自分を起こさないよう気を遣いながら、そろそろと出掛けていっただろうことは、フレデリカにとって想像に難くなかった。
「…はぁ」
「―――あ、フレデリカ。おはよ、起きてたんだ」
溜息を重ね、ほんの少し前まで確かにこの部屋で織り成されただろう一部始終を思い浮かべ、知らず知らずのうち憂鬱の堂堂巡りに嵌ろうとするフレデリカだったが。
それを止めたのは、無造作に開けられたドアの音と、同時に投げかけられた、何ともあっけらかんとした挨拶だった。
「ディアナ」
フレデリカは目を丸くして、部屋に舞い戻った友人の名を呼ぶ。
が、呼ばれた当の本人はそんな彼女の反応を特に気にした風もなく、ばつの悪そうな苦笑を浮かべて、
「置いてっちゃってごめんね。いや私も昨日はうっかりしちゃってたよ。
どうして忘れてたんだろうね、ここはあのオレルス一の水を誇るマハールなのにさ、水着の用意を怠るなんて!
今朝気づいて大急ぎでファーレンハイトに、皆の分も一緒に取りに戻ってたんだけど…」
そんな弁解をした。
話に出てきた水着が入っているのだろう、大き目の布袋を片手にぶらさげて、ディアナは尚も喋り続けるが―――その先の言葉は、フレデリカの頭には入っていなかった。
代わりに、ディアナのまるで遠慮のない、捲くし立てるようなそのいつも通りの口調に、先ほどまでの自分の憂鬱がとても些細なことに思えて。
「…くすっ」
フレデリカは、堪えきれずに微笑った。
そんな彼女の顔色の良さに気づいたのか、ディアナはむむっ、と唸り猫のような目ざとさで喋りを中断し、彼女の枕元に歩み寄る。
「なんだ、今日は調子よさそうだね。よかった、せっかくの休暇に外に出られないんじゃつまんないもんね」
「うん。確かに、気分は大分落ち着いてるけれど…」
自分の健康を喜ぶディアナの言を肯定しつつ、フレデリカは言葉を淀ませる。
「どうしたの?」
「…ん。せっかくの水着だけど、運動してまた体調を崩したら皆を困らせちゃうし…それに、私、泳げないし…」
フレデリカの脳裏に、再び先ほどの『友人たちの気遣い』の光景が過ぎる。
確かに、今日の自分の体調はいい。だが、もし湖や川に入って調子を悪くして倒れでもしたら。
…きっとディアナたちは、二の句も告げずに自分を助けに休日の貴重な時間を潰すだろう、と。
「だから私のことは気にしないで、楽しんできて」
フレデリカは、精一杯の、けれど他者から見れば明らかな、力のない笑顔で見送りの言葉を告げた。
「…フレデリカ」
だが、それを聞くや否や、ディアナは口を不機嫌そうにへの字に結び、彼女の眼前へと顔を突きつける。途端、
「ディアナ?」
「…私、そういうの嫌いだな。ていっ」
「えぅっ…!?」
ぺちん。フレデリカの額を、ディアナの指先が弾く。
可愛らしい悲鳴を上げて額を押さえるフレデリカに、彼女はしょうがないなぁ、という風な苦笑を浮かべ顔を離す。
「あなたのことだから、どうせ私らに遠慮して貧乏くじ引くつもりなんでしょ。気持ちはうれしいけどね、いーの。
そりゃ、私はエスパーじゃないもん。エカテリーナやアナスタシアなんかがどう思ってるかは解らないよ?
でもね、少なくとも私に対しては遠慮しないで。私はそういうのも全部承知で、好きであなたと付き合ってるんだから」
ディアナはころころと表情を変えて、けれどやっぱり最後は彼女の十八番の快活な笑顔を湛えて、フレデリカに己が胸中を提示する。
そんな彼女の態度に、フレデリカは何だかまた申し訳ない気持ちで一杯になり、謝ろうとするが、
「………ディアナ。ごめんね、私、」
「――――――それに、フレデリカ。こういう時こそ積極的にアタックしなくちゃ。ほら、あなた最近はビュウとご無沙汰でしょ?」
ディアナの発した言葉に、出掛かった台詞を押し込められた。
まだやや貧血気味だった頭部―――主に顔面に、血液が集まっていくのを、フレデリカは確かに感じた。
ふふり、と意地悪そうに笑って、ディアナは俯く彼女を観察する。
…そう、ディアナは知っている。フレデリカが、反乱軍の戦竜隊隊長であるビュウに恋心を抱いていること。そして、緑の大陸・キャンベルの奪還からここに至るまでの連日の多忙で、ビュウが殆ど彼女の元に訪れていないことも。
作戦行動の合間の待機時間。ビュウはマテライトに雑用諸々を押し付けられ忙しいだろうに、それでも隊員たちの現状を少しでも把握しようと足繁く旗艦ファーレンハイトの中を普段から巡回している。
ベッドで寝てばかりで娯楽に乏しいフレデリカにとって、自分の元を訪れて雑談相手になってくれる彼がどれほど気晴らしになっているか。そしてそれが絶たれて久しい現状、どれほど彼女が寂しいかが、ディアナには容易に想像できたし。
噂好きの彼女にしてみれば、事が恋愛絡みで、それが親友のもので、しかも暫くの疎遠の後にまたとない絶好のロケーションが訪れたとあらば、大人しくしていろというほうが無理な話だった。
「いつもは待ちの一手だからね〜。ここぞっていうチャンスでこっちから攻めないとね!」
「う…でも、さっきも言ったけど私泳げないし…こんなところでビュウさんのところに行っても迷惑じゃ」
「だーいじょうぶっ」
おどおどと危惧をいい連ねるフレデリカを、ディアナは指先を突きつけて制する。そして、にひっ、なんて少年じみた笑みを浮かべて、
「状況は調査済み。策は練ってあるわけよ、フレデリカ♪」
――――――持参した布袋から、『ソレ』を取り出したのだった。
一章目は以上です。一時間くらいで二章の修正が終わると思うので、その頃にまた来ます。
それでは、二章目の投下を始めます。
又、今回、使用の許可を頂けたので、途中、某絵師さんのバハラグ過去絵を挿絵として使わせてもらっています。
糸の張り。
竿の撓り。
腕にかかる負荷。
水面の飛沫。
それらを読み取り予測する、獲物の動き。――――――ぴしゃりだ。
「………フィッシュ」
逃がす気がしない。揺さぶりをかけ、竿を天頂に向けて引く。
余分な勢いを後方へと殺してやるだけの十分な撓みを持たせるために、手の力を緩める。
そして、水面から俺の顔面目掛けて飛来する『そいつ』を受け止める。
「…本当に、何にでも食いつくんだな、おまえたちは。もう少し、選り好みするってことも長生きのために覚えたほうがいいぞ」
晴天の下に引きずり出され、尚もうねうねと八本の脚をくねらせてもがく―――タコ。
俺は掌に収まりよく捕まっている頭の下にある、無機質な目玉を見つめ、忌憚のない意見を述べてやる。
竿を置き、空いた右の手で軽く頭を弾くと、この体のどこに入っていたのか、足の付け根の口から一振りの長剣が吐き捨てられるように地面に転び出る。
「やれやれ。ウチの連中も中々だが、おまえたちの悪食も相当だな。…ほら、行け」
もらう物ももらったので、じたばたと暴れ続ける軟体生物にお帰り願う。川の水面に放ってやれば、タコは着水するや、清水の照り返しに紛れていって、そのままわからなくなった。
「…ん。書物関係も見境なし、と。どうなってるんだ、ここの生態系は」
自分で試しておいてなんだが、まさか本当に釣れるとは。一体、何なら食わないんだマハール産のタコは。
「―――すごいね、アニキ!もう、ぼくなんかじゃ敵わない位上手くなってるよ、タコ釣り!」
と、柄にもなく余所のラグーンの生物の生態に呆れている俺の背中に声がかかった。
声の主を筋道立てて特定するまでもない。俺を兄貴と呼ぶのは、今のところ、この世に一人しかいない。
「ビッケバッケ。見てたのか」
「うん、今のタコを釣り上げるちょっと前から。アニキ集中してたみたいだったから、邪魔しちゃ悪いと思って」
振り返れば、ビッケバッケが嬉しそうにはしゃいで、俺の脇に積んである『戦利品』に目を輝かせていた。だが、そこに釣りをするのなら竿と対で在るべきモノがないことに気づいて、首を傾げた。
「アニキ、タコ、捕らないで川に帰しちゃってるの?」
「ああ。別に、俺は腹は空かせてない。目的はこっちだけだ」
言いながら俺も、釣ったタコ達が吐き出した剣やら鎧やらの山に視線をやる。…まぁ本当は、目的、といったら少し語弊があるが。
「ふぅん。おいしいのに…」
「やめておけ。こいつら、無闇に腹に入れるとどうなるかわかったもんじゃない」
物欲しげな顔で口に指を当てるビッケバッケに、俺は『目に付くモノなら何でも食べるタコ』を捕食することの危険性を諭す。ビッケバッケは渋々、という風に頷く。
「それより、せっかくのマハールだろう。おまえ昨日の、ラッシュたちと湖で泳ぐっていう話はどうなったんだ」
「あ、そうだよ!ぼく、それでアニキを探してたんだよ。ほら、アニキの分の水着、ぼくらが預かったままだったでしょ?」
俺の言葉に、ビッケバッケはどうやら忘れていたらしい目的を思い出して、慌てふためいた。
「…なんだ。あれは、俺も参加する前提の話だったのか」
「え、アニキ、泳がないの?」
「悪いな。おまえに教わったコレが思いの外気に入ってな。今日暫くは、のんびり釣りたい気分なんだ」
本当の意図はもう少し別にあるのだが、それを敢えて口にせずとも、ビッケバッケならばこう言えば引いてくれるだろう。…タコ釣りがある意味で気に入ったのは嘘じゃないし。
「そっかぁ。それなら、しょうがないね。じゃあぼく、着替えに行って来るよ!」
自分が俺に勧めた遊びが気に入られたのが嬉しいのか、案の定、ビッケバッケはどこか誇らしげに微笑んで宿泊小屋の方へと駆けて行った。
「―――あ、でもラッシュはアニキと泳ぎで勝負するの張り切ってたから、ラッシュも呼びに来るかもしれないよ!」
少しばかり、頭の痛い予報を叫びながら。…できればそうならないことを願いたい。
…ラッシュの奴、もしかして昔俺に遠泳で負けたのをまだ根に持ってるのか。何でもかんでも俺に挑戦したがる癖は、まだ直っていないとみえる。
あいつにはあいつなりに、俺より優れた才能がいくつもあるのだが、あいつ自身がそれを自覚していないのが難儀な話だ。…負けん気の強さは、評価に値するが。
「…さて。次は何を使うか」
気を取り直して、傍らに置いた荷物袋から『餌』を選別する作業に戻る。
…太陽は既に天頂にかかっている。朝からここでタコとの勝負を何度も繰り返し、既に釣り上げた回数は二十に届こうとしている。
事の発端は、昨日ビッケバッケにタコ釣りを教わった際、釣り上げたタコが剣と鎧を吐き出すという非常識をやらかした事件だ。
その直後にドンファンの起こした騒ぎでタコ釣りはお開きとなってしまったが、その時のあまりにシュールな光景が忘れられず、今朝ふらりと竿を持ち出し、もう一度ここに来てしまった。
腹の中にアンナモノが収まっていたということは、ここのタコは剣やら鎧やらを食っているということか。
そんな疑問を抱きながら、俺は竿の先に使い古しのロングソードを括り付け、川にとぷんと放り込んだ。無論、タコを釣るためだ。ついでに昨日のように資材を調達できれば儲けものだ。
―――そう。きっかけは、本当にそれだけだった。
結論から言うと、奴らは竿を垂らせど垂らせど食いついた。そうしたら後は、動きの先読みと竿捌き次第でいくらでも釣り上げられた。最初のほうこそ何度も失敗したが、今ではコツも掴んで、ほぼ負けなしだ。
それで、あんまり上手く行き過ぎるものだから、俺の疑問も変な方向に向いてしまった。
『こいつらが食指を動かさないモノってなんだろう』と。
思い立ったら、普段から持ち歩いている荷物袋を物色し、片っ端から食欲の沸きそうにないものを括っては放った。
いかつい武具類は手当たり次第、各種薬物、様々な草、毒物に酒、うにうじ。そして、今しがた試したのが、新品の航海日誌。
結果は、全勝。本当に、やればやるほど、連中のある意味でのサバイバビリティには頭が下がる。これでは丸っきりドラゴン並みだ。
「まいったな。あと試していないのといえば、タンスのアレと…あとは、グンソーの―――」
「―――見つけたっ。おい、ビュウ!」
俺が頭を捻って、荷物袋をひっくり返そうとした瞬間。怒鳴るような声が、俺の横っ面を引っ叩いた。
………………本当に来た。やはり、声の主を特定するまでもなく、俺は声のした方向へ顔を向ける。
川の水の流れる行く手。俺から見れば、ちょっとした崖から見下ろす形になる場所。地続きの岸辺に、ショートパンツタイプの水着だけを身につけたラッシュが息を乱して立っていた。
地面に点々とついた黒く水の染みた足跡を見るに、昨日話していた湖から走ってきたのだろう。
「よう、ラッシュか。どうした」
「どうした、じゃねぇって!あんまり遅いんでまさかと思って探しに来たら、こんなとこで釣りかよ!
逃げようとしたってそうはいかないぜ、せっかく広い湖があるんだ、今日こそあの時の借りを返させてもらうからな!」
努めて何も知らないふりを装って応対してみたが、やはりラッシュ相手では逆効果だった。しかも、飛び出した言葉はあまりにも案の定。分かりやすい奴だ。
「俺は今忙しい、勘弁してくれ。水泳なら若いお前らだけで楽しんでくるといい」
「いや、どう見ても暇人丸出しだろ!じーさんみたいなこと言ってないで来いって、いつまでも勝ち逃げさせっぱなしでたまるかよ」
「………まにょー(まっぴらごめんだぜ)」
「誰だお前!」
人間の言葉では何を言っても無駄と見て、駄目もとでプチデビの言葉で断ってみたが、キレのいい突っ込みが返ってきただけだった。そりゃそうだ。
しかし善良な釣り人を捕まえて暇人呼ばわりとは失礼な奴。まぁ、ラッシュに釣りの醍醐味である『静と動の趣き』を理解しろというのも酷か。
「くそ、意地でも動かないつもりだな。こうなったら力ずくで連れてってやるぜ」
「む」
痺れを切らしたか、ラッシュがこちらに向かって坂をずかずかと大股で上ってくる。
…まいったな。ここまで熱心だと、あんまり無碍にしてやるのも可哀相か。この際仕方ない、一戦だけ受けて、さっさと戻って来るとしよう。
そう、俺が妥協しようとした時だった。
「………?」
血気にはやり、俺へと猛進してきていたラッシュの足がぴたりと止まった。そればかりか、闘争心丸出しだった形相が、まるで何か予想だにしないエライものにでも出遭ったような仰天顔に変わり、大口をあんぐりと開けて固まってしまった。
ラッシュの視線は俺の後方。俺は奴を牽制する為に身構えかけた姿勢のまま、ゆっくりと振り返った。
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「…あ、あ、あの。おはよう、ございます、ビュウさん…」
――――――エライものがそこにいた。
具体的にどれくらいエライかというと、エライの方向性こそ全く違うものの仮にセンダックやマテライトが『ソレ』を着ていたとしても、俺はこの瞬間ほど無様な隙は作るまい、と断言できるくらい、エライ。
…今、俺はきっとただの子犬に襲われても反応すらできず土を舐める結末を辿るだろう。それほどに、俺は俺の体全てで、目の前に現れた女性の有様に驚愕していた。
俺はその女性の名前も素性もよく知っているはずだった。だが、眼前にいる彼女の現状と、自分が記憶する彼女の情報があまりにかけ離れていたために、上手く名前を口にすることができず、
「………………………ふれでりか?」
酷く片言に、彼女を呼ぶことができたのは、彼女の呼びかけから十秒も経った頃だった。
たったそれだけの返答だがフレデリカは、俺の言葉に『は、はひっ』と上擦った声で答えて体を強張らせる。
フレデリカが今身に纏う水着(らしきもの)は、形容し難いほどに過剰な露出を彼女に強要している。肩から両胸を通り下方に伸びる二本の生地のラインは局部で合流し、綺麗なVの字を作る。
鮮やかなピンク色が目に眩しいそのV字『だけ』が、ただ彼女が生まれたままの姿であることを否定していた。
それは普段の彼女の振る舞いから考えれば、仮令精神高揚効果のある薬物をありったけ服用したとしても、とても自分の意思で着用するなんて考えられない代物だった。まして、その姿で人前に現れるなど論外だ。
恥かしそうに頬を紅潮させ、ほんの僅かでも肌を隠そうと抵抗するように自身の体を抱き涙目になるフレデリカ。その態度が、俺の思考の真実性を裏付ける。
一先ずの問題を棚上げし、視線を周囲に巡らせる。
『主犯』と思しき人物はすぐに見つかった。フレデリカの遥か後方に佇む小屋の影で、ディアナがこちらを窺いながら『ぃよっしゃァッ!』といわんばかりの笑顔でガッツポーズをとっていた。…何考えてるんだ、あいつは。
「ビュウ、さん?」
「ん…すまん」
何も言葉を続けない俺を不思議に思ったのだろう、フレデリカの呼ぶ声で意識を引き戻される。
流石に、今のフレデリカにこの水着について問い質すのは気まずい。気まず過ぎる。俺はせめて、ディアナの口車に乗せられてしまったと思われる彼女を気の毒に思いつつ、それでも目のやり場に困って目を伏せる。
「えと、その…もし、お邪魔でなければ、なんですけど。…ご一緒しても、いいですか?」
「…好きにしてくれ」
消え入るような声で、フレデリカは言う。手持ち無沙汰が耐えられず、彼女に背を向け竿と餌候補を弄りながらそれに短く答える俺。
…って、ちょっと待て。自分で言っておいてなんだが、俺はなんで今、こんな愛想のない口調で答えたんだ。別に、フレデリカは何も悪いことはしていないのに、どうしてしまったというんだろう。
そっぽを向きながら思考を整理していると、
「―――――――――オレは何も、見てないからなっ!!」
すっかりいることを忘れていた、今まで固まったまま事の成り行きを見守っていただろうラッシュが突然咆哮を上げた。
言うが早いか奴は踵を返し、うおおおおおお、と絶叫しながら来た道を逆走してゆき、やがて見えなくなった。
…すごいぞ、ラッシュ。たったあれだけのやり取りでその気の回し、俺は尊敬するぞ。ただ、その結論は少しばかり早計なんだ、頼むからいらん勘違いはしてくれるな。
「………ラッシュさん?どうしたんでしょう」
「わからん」
ラッシュの突然の奇行に呆気にとられていたのか、フレデリカの反応は数拍遅れて聞こえてきた。自分より取り乱した人間を見たときによく起こる心理変化が彼女にもあったのだろう、その声は先ほどよりやや穏やかになっている。
だが、奴の離脱した意図を察するまでには至っていないらしいので、俺はその問いにはとぼけておく。
さて、とりあえず、膠着は解けた。心の中でラッシュに礼を言いつつ、並行して釣り糸に餌を括る。今度はあまあまハニーだ。瓶詰めの蜂蜜だが、恐らく問題ないだろう。
ワインを試したときにわかったが、連中、節操なしに釣り針に引っかかる癖にそういう知能だけは発達してるのか、その八つ脚で絡めとったボトルのコルクを自力で引っこ抜いてみせた。瓶の蓋くらいなら易々と突破してしまうはずだ。
…背後から、しげしげと俺の作業を観察するフレデリカの視線を感じる。無視しているようで、何とも決まりが悪い。だが振り返って今の彼女を直視する勇気は俺にはない。許せ、フレデリカ。
「となり、いいですか?」
一瞬の、覚悟を決めるように息を呑む気配の直後の、フレデリカの問い。
ともすれば呂律の回らない酔っ払いのような口調になりかけながら、早口で告げられた彼女の言葉に、俺の思考も数秒の間停止する。
色々とつまらない詮索が頭の中で巡りそうになる。また無愛想な返答が口をつきそうになる。
だが、それを先回りして、
「…ありがとうございます。失礼しますね」
俺の体は無言で、座る位置を人一人分、ずらしていた。そうして、糸で括った拳大の瓶を川に投げる。
フレデリカは安堵したように礼を述べ、おそるおそるといった動作で俺の右隣、崖の縁に腰掛ける。
俺は、数秒の逡巡の末の自分の行動に、まあ、訊きたいこともあるしな、などと理屈をつけて一人で納得してみる。
「………」
「………」
納得、してみたものの。やはり彼女を直視できない現状は変わっておらず、切り出すタイミングを計りかねるのだった。
水面に消える釣り糸の先を見つめながら、先ほどのように重苦しくはないものの、奇妙な沈黙の時間が流れる。
攻めあぐねて思案顔をしているだろう俺と対照的に、隣のフレデリカから伝わる呼吸は僅か、興奮しているように感じられる。
「…釣れますか?」
不意に、フレデリカが沈黙を破った。
「…釣れなくなるのを待つ程度にはな」
それに、我ながらよくわからない表現で応えて返す。だがフレデリカはその答えが甚く気に入ったのか、そうなんですか、なんて嬉しそうに漏らす。
そうして、横っ面にむず痒い彼女の視線が途切れ途切れになりはじめる。視界の隅に、ちゃぷちゃぷと水面に揺られる釣り糸にも興味を示す彼女が映った。
「変わったものを、餌にするんですね」
「今日は特別だ。ここの連中があんまり好き嫌いしないんでつい、な」
「そうなんですか。何でも食べるのは、いいことです」
それにしたって限度があると思うが。
「…熱心だな。見てて面白いものでもないだろう」
「いえ、私、釣りってやったことがないので、一度近くで見てみたかったんです」
「………いいけどな。せっかく綺麗な湖や川が沢山あるんだから、泳げるうちに泳いでおくのも悪くないと思うぞ。
そんな水着――――――まで、用意したんだから、な」
言いあぐねていた言葉が、会話の流れに乗せられて意図せぬ形で転がり出た。
水着、という単語が出た瞬間、しまった、などと他人事のようにありきたりな感想が浮かんだが、すぐにそれが目的だったことを思い出し、言うに任せて台詞を終えてしまうことを選ぶ。
「あ………あの、これは、ですね。ちがうんです、私が選んだんじゃなくてです、ね…!」
俺が言うや否や、フレデリカは忘れていた自分の現状を思い出したように口調を乱し、しどろもどろと弁解する。言葉の端々に上擦った声が混じっているのが、顔を直視せずとも、彼女が赤面しているだろうことを容易に理解させる。
「まあ、見当はついてる」
未だ物陰でにやにやしながらこちらの様子を見物をしているだろうディアナのしたり顔を思い浮かべながら嘆息し、フレデリカの言葉を制する。
野暮なことはいわないでおく。ただ、それ以降の沈黙を以って、俺が断じて彼女が乱心したなどとは思っていないことを主張する。…それで、彼女は一先ず、とりとめのない弁明をばつが悪そうに飲み込んだ。
一応、俺とフレデリカの付き合いは長い方に入ると思う。
一緒に過ごした時間こそラッシュたちやヨヨほど多くはないが、それでもカーナ滅亡以前から今まで、ずっと共に戦ってきた仲間だ。俺がはっきりと見当はついている、といった以上は、おかしな誤解はしていないはずだと信じてくれたのだろう。
やがて、俺がフレデリカが落ち着くのを待って黙っているのだと受け取ったのか、彼女は呼吸を整えてから、訥々と事情を話し始めた。
「…泳ごうかな、とは、思ったんです。
いえ、最初は遠慮するつもりだったんですけど、ディアナが水着を持ってきてくれて、勧められて…。
それでディアナに、ビュウさんがここで一人で釣りをしてるって聞いて、誘いに来たんですけど」
「けど?」
「気が変わりました。ビュウさんを私達に付き合わせるわけにはいかなくなりましたから。
だから代わりに、私がビュウさんにお付き合いしますね」
心なしか楽しそうに、けれどほんの少しだけ申し訳なさそうに、フレデリカは言った。
予期せぬ言葉に、思わず僅かだけ首を右に向ければ、彼女は微笑み俺の腰に視線を落とす。そこには甲冑もつけていないのに、場違いに光る二振りの長剣が鞘に納まっていた。
「………ん。…有難う」
余計なことを言うのは野暮な上に恥の上塗りなので、少しだけ悩んだ末に、短く礼を述べておくことにする。再び顔を正面に伸ばした竿に向けなおせば、フレデリカは少し間をおいて、はい、と返してくれた。
………意外、といえば失礼かもしれないが。どうやら、フレデリカにはバレてしまったらしかった。
俺がどうして、たまの休みにマハールで、泳ぎもしないで釣りに勤しんでいるのか。
まあ話としては実に単純だ。マハールは水のラグーンだ。他所のラグーンの出身者がここで休みをもらえば、大抵は遊泳に励むことになる。
そして当たり前のことだが、湖や川を遊泳するのに鎧や武器を引っさげて挑む馬鹿はいない。そんなことをするのは何かの罰ゲームか、向こう見ずな修行者か、自殺志願者のいずれかだろう。
だから当然、泳いでいる人間、つまり我が反乱軍の面々は、その間丸腰であって然るべきなのだ。―――つまり、個人の程度の差はあれど、今の俺たちは敵襲に対して無防備というわけである。
それに備える人間が、例え少数でもいなければならない。いくらつい先日、レスタットの部隊をここから叩き出したばかりとはいえ、あのサウザーの配下である連中が『兵は神速を尊ぶ』の格言に則ってこないとも限らないのだから。
だがせめてうちの連中は、基本ファーレンハイト内のどこでも出入り自由の俺と違って普段の娯楽に乏しいのだから、俺としてもこういうときくらい思い切り羽を伸ばしてほしい。
…という程度の気持ちで、今俺はここに双剣をぶら下げて座っている。別段ひけらかすつもりはなかったが、看破されてしまってまで隠そうというほど堅苦しい決意、というわけでもなかった。
それに正直、俺の出で立ちを一目見て気遣ってくれたフレデリカの申し出は、その、素直に嬉しくも、ある。…水着の件を抜きにしても、だ。
「優しいんですね、ビュウさんは」
「…勘弁してくれ。俺のは単なる自己満足だ」
静かな、けれども少しからかうような調子のフレデリカの言葉。それにまた、先程のような無愛想な答えを、投げつけるように返す。
…ああ、なんだ。要するに俺は、照れてるのか。自分の異性に対する免疫がイマイチ薄い性分は重々承知だが、これじゃ一桁のガキと変わらんな、全く。
俺の嘆きなどどこ吹く風と、フレデリカはまた嬉しそうに微笑んで、俺の応えを受け止める。と、
「あ、ビュウさん、糸、糸。引いてますっ」
「ん」
一転して、慌しく竿と俺を交互に見て、水面の糸を指差すフレデリカ。彼女の指す先には、ぐるぐると歪な8の字を描くように動き回る釣り糸。どうやらまた掛かったらしい。
俺は我に返って、例の如く餌に食いつき糸を引いて暴れているだろうタコの呼吸を、竿伝いに手で読み取る。
「フィッシュ…っ」
ぐりぐりと小刻みに竿を振るい、タコの体力を削いでやる。すかさず竿を引き、水面から飛び出したタコが空中に躍る。バシン、と小気味のいい音が響き、タコが俺の掌に収まる。
「わあ、お見事です」
「ちょっと小さいな。まあ、食うわけじゃないし、いいか」
ぺちん。頭を叩いて、ブツを吐き出させる。今回は小剣だった。地面に転がったそいつを脇の戦利品の山に加え、そしてタコを住処に放り投げ、帰してやる。
その一連の動作を『聞いたことあります、きゃっちあんどりりーす、っていうんですよね』なんて、フレデリカは目を輝かせて見ていた。
「…ふむ」
数秒ほど、思案する。
…釣りを近くで見てみたいといっていたフレデリカのことだ。竿を握って実際に釣りをしてみるなど、病弱な彼女にしてみれば今まで及びもつかない世界だっただろう。
せっかくの休日に新鮮味を求める、という趣旨の上で言うなら、これは遊泳よりずっと有意義な機会かもしれない。そう結論付けて、提案してみる。
「フレデリカ。やってみるか」
次の餌候補を漁り、視線をそこに落とし、努めて何でもない風に、竿だけを軽く彼女のほうに差し出す。ぴくっと体を震わせて反応し、無言ながら『!』という記号が頭の上で跳ねそうなくらい、彼女が動揺したのが伝わってくる。
俺は竿を差し出し、尚も武具類を弄りながら彼女の返答を待つ。そうしてやがて、
「いいんですか?」
うきうきとした応えが返ってきた。
フレデリカは両手でしっかりと竿を受け取り、先程まで俺がしていた構えを真似たり、釣り上げる際の引きを再現しようと上下させたりと楽しげにはしゃぐ。…む、そんなに喜んでくれると、俺のほうも嬉しくなるな。
「ここは狭い川だからな。高低差も割とはっきりしてるし、遠くに餌を飛ばす必要もない。
強く竿を振り下ろす動作がないから、とりあえずの竿の振り方を覚えるには、丁度いいだろう」
俺が説明してやると、フレデリカははい、と上機嫌で返事をし、竿を川に向けて構える。
あとは俺が餌を糸に括っていつものように放るだけだ。さて、まだ試していない餌は、と。
「…ん。こいつは」
武具の山から、異質なデザインのブツが顔を覗かせた。明らかに無骨なのに、どこをどう背伸びしたのかあらゆる意味で圧倒的なセンスが迸るオブジェ。…流石に、コレの強烈な個性なら、連中も手を出せんかもしれん。
納得の一品だと頷き、俺はソレを、今までより大仰に糸に括る。
―――――――――後で思い返してみれば、俺はこの時、どうしようもなく舞い上がっていただろう。
男というやつは、生来、異性にアウトドアなことを教えるときは少なからず正常な判断を失うように出来ているのかもしれない。せめて、その程度の言い訳は、許してはもらえないだろうか。
「じゃあ、いくぞ」
「はいっ」
ぼちゃん。どぼん。
…音にしてみればそれだけ。時間にしてみれば、たった一秒そこそこの出来事だった。
その時、張り切って竿を握っていたフレデリカに、竿を放すという選択肢は存在しておらず。川に放られた『餌』の重みに耐えられず、彼女は釣り糸が宙に描いていた道をそのまま辿って『餌』の後を追い、川へと誘われていった。
「―――!!」
しまった、という思考と共に、俺はフレデリカより数瞬遅れて川へと飛び込む。無論、彼女を助けるためだ。
すぐさま潜水し急流に乗り、体の中を満たす空気が少しずつ足りなくなってゆくのを感じながら、俺は内心で舌打ちする。
――――――そりゃあそうだ。マテ印斧なんて、フレデリカが支えられるわけないだろう…!!
支援
以上、二章目をお送りしました。続きはまた、少しかかります。
これはいい乳
お待たせしました、三章目の投下を始めます。
寝覚めの気分は最悪だった。
闇に深く沈んでいた意識が浮上し、五感が戻ってくるに伴い、今自分をとりまく環境を伝える様々な情報が頭に届いてくる。
背中には砂利の感触。全身に等しく纏わりつく、重力の感覚。
どこに流れ着いたのか、俺は陸に仰向けに寝ている。…体の節々には痛みを感じる。全身がところどころ痛いが、後頭部が特に酷い。ずきずきと、鼓動にあわせて頭骨の内側から鈍く響いてくる。どうやら流されるうちに派手にぶつけたらしい。
体についた水気がまだ飛んでいないことから、陸に上がってからあまり時間は経っていないようだが…。
「―――ビュウさんっ!…ビュウさんッ!!」
徐々にはっきりしてくる意識で、遠く、自分の名前を呼ぶ声を認める。声の主の気配はすぐ傍に感じる。…酷い矛盾だ、と他人事みたいに呆れながら、俺は右手を上げてみる。
「ビ…っ!」
ゆっくりと目を開ければ、空から注ぐ陽光を遮り、俺を覗き込む人影。フレデリカが目に涙を溜め、それでも俺に意識が戻ったのを喜ぶような笑みを浮かべた、泣き笑いの表情で俺を呼ぶ。
意識が途切れる直前、急流に流されながら、彼女に追いつき何とか抱き込んだのを覚えている。その後、彼女を庇う内どうも岩肌か何かにぶち当たったらしく、前後不覚なのが何とも情けない。幸いにして、彼女が俺を介抱する程度には健常であることが救いだ。
「ビュウさん…?」
…彼女に頭突きをしないよう、右手で制しながら半身を起こす。
辺りを見回す。俺たちが今いるのは見覚えのない川辺―――というには、あまりに狭い陸地。サラマンダーを三体も入れれば満席になる広さだ。
正面には穏やかにせせらぎを刻む川、背後には木々が生い茂る崖。流れが速い川の外周部の丁度死角になり、川底の大小の石が削り取られることによる水位の低下に伴い発生した天然急造の地面は、砂利とごろごろとした石ころが埋め尽くす。
地形の性質が随分変わっている。結構、流されてしまったようだ。
「………ビ…っ」
空を見上げ、太陽の位置を確認する。…やはり、それほど長い時間は経っていない。
マハールはそれほど国土が広いラグーンではない。あまり長いこと流されていると、年に何十人か出るという、ラグーンから落下した行方不明者に仲間入りする羽目になる。こうして川縁に引っかかったこと自体が、結構な幸運であるといえる。
俺に抱えられたフレデリカが、俺を引きずりながらここまで漕ぎ着けられるとも思えないし―――あ。
「………いつまで泣いてる」
俺は内心で、長年磨いた自分の生存技能の空気の読めなさを嘆きながら、脇で嗚咽を漏らすフレデリカに漸く初めて声をかける。
泣いている女子にかけるモノとしては、我ながら気の利かない台詞だ。
「だっ…ビュウさん…わ……で…!ごめ……ざいっ…!」
俺が覚醒一番、彼女を放置して現状把握に突っ走ったせい、なのは最早疑う余地はない。
無言の俺が、川に落ちたフレデリカに腹を立てて気を悪くしたと勘違いしたか、或いは打ち所悪くて俺の身体機能に何らかの障害が出たものと思ったのか。いずれにせよ、俺の態度が彼女の不安を、覚醒前より更に煽る結果となった。
「…すまない。気にしなくていい、あれは俺の落ち度だ」
騎士、失格だ。
俺は自戒しつつ、フレデリカの頭を撫でて彼女の手落ちを否定する。が、彼女は俺の手を振り払うようにぶんぶんと頭を横に振り、自分の非を譲らない。
…そうだ。そういえば、この子はこういう子だった。一度自分に落ち度があると思ったら、頑として他者にそれを譲らない。彼女の強さであり、欠点でもある。
そういう部分を受け入れた上で、今彼女が最も望む言葉は。
「―――っ?!」
俺は、泣きじゃくるフレデリカの半身を抱き寄せ、懐に収める。そうして、不安に支配される彼女にその一言が届くように。
「――――――有難う。俺は何ともない。だから、フレデリカが泣くことなんて、ない」
彼女が俺のものと認めない罪に対する謝罪でなく、俺を心配してくれたことに対する感謝を、強く囁く。
全く下手糞なやり方だが、俺に出来る精一杯の気持ちの表現だ。一杯に抱き寄せたのでフレデリカの表情は見えないが、嗚咽が聞こえなくなったことが、俺に彼女の安心を伝えてくれた。
「落ち着いたみたいだな」
「………………はいっ」
今度は、ぽんぽん、と軽くはたく様に、またフレデリカの頭頂部を撫でてやり、ゆっくりと体から離す。
俺を見上げる彼女は驚いているとも喜んでいるとも取れる複雑な表情で、目をぱちくりさせている。その頬は僅かに紅潮しているようだった。…まぁ、あれだけ泣きじゃくれば顔も赤くなる。
「俺の剣は?」
「あ、はい。…そこに」
腰を探れば、さっきまで身に着けていたはずのものがない。
フレデリカに問えば、彼女は座った俺の丁度真後ろに横たわる流木を指差す。そこに、俺のフレイムタンが鞘に納まって立てかけられていた。
「もう一本は、流されてしまったみたいで…ここに着いたときには、もう」
「いや、いい。こっちがあれば十分だ」
俺は体の調子を確かめがてら立ち上がり、剣をとる。よし、体も剣も、とりあえず問題なさそうだ。
「ビュウさん?」
「暖をとる。体が冷えたままだと健康に障る」
不思議そうに見上げるフレデリカにそれだけ告げ、俺は右手で赤い刀身を抜き放ち魔力を込める。途端、刃を染める鮮烈な赤色が光を放ち始める。
「つっ…」
「すまん、強すぎた」
刀身の熱気に、フレデリカが怯える。
普段使わない熱量なので、俺も少し力の調整に手間取る。その後一分ほど格闘し、どうにか理想の温度をものにする。
「わぁ、暖かいです。便利なんですね」
「当座凌ぎだがな。焚き火代わりにはなるだろう。…フレデリカ、ちょっとだけ、耳塞いでくれるか」
感心するフレデリカに告げると、彼女は少しだけ首を傾げたが、すぐに言われたとおり、両手を耳に当ててくれる。
それを確認し、指を口に当て、思い切り口笛を鳴らす。俺に出来る、最大音量だ。
俺の口笛に呼応するサラマンダーの咆哮は、かなり離れた距離にも届くように訓練してある。それが聴こえない距離、というのは、奴が俺の指示の範囲外にいるということになる。…果たして、十数秒待ってもいらえは返ってこなかった。
「やっぱりな。ここからじゃ、サラマンダーにも届かない、か」
「…かなり、遠くまで流されたと思いますから」
俺が元の位置に座りながらぼやくと、フレデリカが意図を察したのか、やはり先ほどの俺と同じ考えを漏らす。
こちらから助けを呼ぶのは無理、というわけだ。
「こういう時は下手に動かないほうがいい。みんなが見つけてくれるのを待つしかなさそうだ」
フレデリカが、不安そうに俺の言葉に首肯する。…とはいっても、俺たちが川に流されるまさにその瞬間を、まず間違いなく目撃していただろう人物が一人いるので、捜索組は割とすぐに来るだろうし、今日中には帰れるとは思うが。
まぁ、結局、俺の気まぐれは隊員の休日をつぶすことになったわけか…。
「裏目だな」
「ビュウさん?」
「何でもない。心配ない、多分、すぐに助けは来る」
俺の呟きに首を傾げるフレデリカを制し、俺の考えを伝える。…彼女は、ディアナが俺たちを見ていたことに気づいていたのだろうか。
そんなことを考えながら、俺はフレイムタンを地面に突き立て、濡れてべったりと体に張り付いたシャツを脱ぎ捨てる。
「わ、ビ、ビュウさんっ?」
「あ、すまん。冷たくて気持ち悪かったんで、つい」
俺の突然の行動に狼狽するフレデリカ。む、考えなしだった。女性の前で断りなくする行動じゃない、な、うん。
謝りつつ、シャツを乾かすために後ろの流木に引っ掛ける。…流石に、下はやめておこう。いくらなんでも不躾すぎる。
自重を心がけつつ、改めて手持ちの品を確認する。フレイムタンが一振りと、防具は置いてきてしまったので普段着のシャツとズボン。まあ剣はこっちが残ってただけ、めっけ物だ。
「悪い、フレデリカ。体を覆うものがあればいいんだが、生憎とこのザマなんだ。その―――」
―――その格好じゃ寒いだろうけど、辛抱してくれ。…そう、続けるつもりだった。
だが、俺はこれここに至り、身形に関する話題をあげようとして、とても大切な事実を失念していたことを今更に思い出し、言葉を詰まらせる。
…そうだ。そうだった。そうだったんだよ。いくら現状把握に努めていたからって、何だって俺は、『ソレ』を忘れていたんだろう。
「どうしました?―――っ!」
固まって動かなくなったのを不思議に思ったのか、フレデリカは対面に座る俺に問う。だが、俺が見ているモノに気づき、顔を先ほどの何倍も赤く紅潮させ、恥じるように両腕で体を抱く。
「すまないっ」
我に返り目を伏せるが、すでに遅い。頭が真っ白になりうっかり凝視してしまったが、見られたフレデリカにしてみれば今の俺は完全に『裸同然の格好の女性を観察するスケベ野郎』だ。
そうなのだ。今、彼女の体を覆うのは、例の冗談みたいな露出度の水着もどきだけなのだった。ここで目が覚めて今まで、俺は彼女と平然と会話していたが、それは俺が彼女の格好を意識の外に置いてしまっていたからだ。
フレイムタンを挟んで、重苦しい沈黙が訪れる。…こういう状況を作らないために、釣りの時は彼女を出来るだけ見ないようにしていたというのに、何て失態だ。この先、いつ来るかもわからない救援までこの状態で過ごさなければいけないのか。
…それにしても、フレデリカ、いつもの服だとゆったりしてるからわからなかったけど、意外と肉付き悪くないんだな。
体質のせいもあるんだろうが、確かに痩せ型ではあるけど不健康な印象は受けない。控えめな性格とは裏腹に、出るところはしっかりと出て、女性自身を主張している。
…って、待て。何を考えているんだ俺は当事者の前で。いくらすることがないからって、これじゃ丸っきり本物の変態だ。
思考を変えるための話題を探し、目を少しだけ開け、細目でちらりとフレデリカの様子を窺う。両膝を抱えて座る彼女は、フレイムタン越しだからか、熱を帯びたように見える目でじっと、突き立てられた剣の切っ先を考え事でもするように見つめている。
………肌、白いな。顔が赤く見えるのは、気のせいじゃない。雪のように白い、といえば気味の悪いものを想像しかねないが、不思議と彼女のそれは嫌ではない。寧ろその脚線美が映えて―――だから違うだろっ。
いよいよ本格的に変態じみてきた。いらんことを意識しすぎて、俺の愚息に集まらなくていい血液が徐々に集まっていくのを感じる。思えば彼女と完全に二人きり、という状況も謀られたように出来すぎだ。
俺は股間の隆起を隠すため何食わぬ顔で胡坐を崩し、代わりに片膝を抱える。これで、彼女の位置からは俺の股間は死角になるはずだ。そう、彼女に気取られないよう安堵したが、
「ビュウさん。足、開いてください」
即、バレた。反射的に明後日の方を向いた顔に、嫌な汗が吹き出るのが分かる。
「なぜ」
「すいません。言うとおりに、してくれませんか」
人が変わったように詰めるフレデリカの言葉に、迷いはない。恐る恐る彼女のほうに顔を戻して向き合えば、彼女は姿勢こそ変わらず体を抱いたままだが、何かを決意したような真剣な目で俺を見据えていた。
それを見て、俺は申し訳ない気持ちで胸を一杯にしながら、観念してゆっくりと胡坐を掻きなおす。…八割ほど『かかっ』た俺の愚息が、大して硬くもないズボンの生地を、中からぴんと押し上げていた。
「………っ」
俺の股間のテントに視線を落とし、先ほどの俺のように固まってフレデリカは息を呑む。
…とんだ公開処刑だ、と心で涙しつつ。俺はそれでも表情だけは出来るだけ動かすまいとしながら、ああ、俺も大して変わらんことを彼女にしたじゃないか、これはその報いなのかな、なんて内心で嘆く。
「男の人って、本当に、ソコが大きくなるんですね」
十秒ほども凝視してから漸くフレデリカが漏らした感想は、俺達男にしてみれば至極当たり前の現象の確認だった。
…俺にそれをうんそうだ、と頷けというのか。いっそ殺してくれ。
「あの、ビュウさん」
再びフレデリカの視線が、俺の方を向く。が、今度は先ほどのように真っ直ぐ見据えてはいない。俯きがちに、俺の様子を上目遣いに窺うようなものだった。
「もし、違ったら、違うって言って下さいね」
軽蔑の罵声を浴びせられる覚悟をしていた俺だったが、どういうわけか、俺に問う彼女の声は少し脅えがちだ。
俺は一瞬呆けたが、尚真剣さを失わないその声に気圧され、頷く。
それを確認し、彼女は意を決し、言った。
「ごめんなさい。…私の、せいですか」
直球だった。ぐうの音も出ない。その通りだ。
だが、フレデリカに謝られる謂れはない。悪いのは、こんな状況なのに男として自重できなかった俺のほうだ。
だから、単純に彼女の問いを肯定することは出来ず、どう答えたものかと悩んでしまう。…その暫くの沈黙で、彼女は俺に否定の意思がないものと判断したのだろう。
「やっぱり、そうなんですね。ごめんなさい、こんな、迷惑なこと」
呟くように、それでも確かに聞こえる強さで、フレデリカは謝罪を重ねた。
「…ん、すまない。正直、その格好は…目のやり場に、困る。
けど、別にフレデリカに変なことをしようなんてことは、考えてない。こっちは、その生理現象で…しょうがないというか」
申し訳なさそうにするフレデリカに、こちらも謝罪と、事実と、正直な思いを告げる。
…なんて、女々しさ。女性であるフレデリカにとって、男の生理現象など嫌悪の対象でしかないだろうに。俺はそれの理解と許容を請うのか。
自分の情けなさに嫌気が差し、手で顔を覆う。と、その直後。
「―――――――――あの。宜しければ、私に処理させてもらえませんか」
―――――――――何だか、とんでもない台詞が聞こえてきた。
「………なんだって?」
「はい。ですから、その、私にソレを…鎮めさせて下さい、と」
あまりに突拍子もない解釈しかしようがないフレデリカの言葉に、耳を疑った。思わず顔を上げれば、やはり俯きがちに俺を上目遣いに見る彼女。…今の言葉のこともあり、少しどきっとしてしまう。
フレデリカの人差し指は、俺の膨れ上がった股間を示している。彼女の言うソレ、とは、疑う余地もなく、コレのことだろう。…いや待て待て待て。
「フレデリカ。ちょっと待て、何を」
無意識に、体が尻込みする。だが、フレデリカの方はふるふると首を横に振り、落ち着いた口調で語りだす。
「ビュウさん。男性を慰める役目の始祖が教会の女だっていう話、聞いたことありますか」
「…何を」
「今よりもずっと昔のことです。性欲を持て余し困り果てて教会の扉を叩いた男性を、シスターが慰めたのが始まりなんです。
…神様に身を捧げたシスターがそんな汚らわしいことを、って思いますか。私も最初は驚きました。でも、違うんです。
誰にも体を許さず清い体でいることと、誰にでも体を許して全ての穢れを受け入れることは、
『誰に対しても差別しない』という一点において同じことなんです」
…呆然と、毅然としたフレデリカの弁を聞く俺。要するに、だ。彼女にとって、俺の性欲を祓うことは、彼女のプリーストとしての使命感によるもので教義に背く事もないので安心して身を任せろ―――と、そういうこと、なのか。
「―――あ、ち、違います。私がそう、っていうわけじゃなくてっ」
そんな俺の仮定が顔に出ていたのか、彼女は語りを中断し、慌てて注釈を入れる。
「その、そういう思想が残ってるせいで、教会の修行の一環でですね。
一応、学術講義だけなんですけど…男性の悦ばせ方も、あの、私、習ってまして。
…ビュウさんがそうなった原因は私みたいですし、やり方もそれなりに頭に入ってますし…」
毅然とした態度が一転、後半はごにょごにょと聞き取りづらく声が萎む。
俺は話を聞いて反射的に、想像してしまう。真面目な彼女のことだ、そんな埃の被った、恐らくは形式だけだろう講義にもせっせと励んだのだろう。…少し、胸に卑しい欲望が芽生えてしまう。
「とにかく、ですっ」
ずい、と、フレデリカが四つん這いの姿勢で俺の方に身を乗り出す。
「私に、ビュウさんを慰めさせて下さいっ」
湯気が出そうなくらい頬を紅潮させ、フレデリカは尻込みする俺に、四足獣の如く迫る。
それは確かに、僧侶としての使命感なんて大層なものじゃなくて、彼女の一人の責任感から紡がれた言葉なのだろう。
…俺は張り詰めた股間と、重力を受けながら、それでも水着の生地に収まりつつ控えめに弾む彼女の胸の膨らみを交互に見比べて。
「………どうすればいい。やりやすい姿勢とか、あるか」
俺は彼女に指示を請うことで、承諾の意思を示した。…誘惑に負けたくせに、はっきり『お願いします』ともいえないのがまたみっともない。
だがフレデリカの方はそんなことを気にした風もなく、はい、と力いっぱい―――まるで自分を鼓舞するように、応えた。
彼女に導かれ、俺はすぐ崖の近くにあった岩に腰掛ける。背中を岩肌に張り付け、ほぼ全ての体重を自然物に預け、脱力する。姿勢の安定にあまり力を割かないほうが効率がいいのだそうだ。
だったら仰向けにでも寝るのが一番ではないか、ともその時は思ったのだが。俺はすぐに、『この体勢』自体にも意味があったのだということを、いやというほど思い知ることになった。
「…じゃあ、準備は、いいですか」
座り、フレデリカのいうとおりに開いた足の間に、彼女自身が入り込み、跪く。頬を紅潮させたまま、視線を正面に戻せば鼻先に股間が来る位置から、フレデリカが俺を見上げる。
ん、と短く頷きながら、俺は今にも見えてはいけない部分が水着から零れ出そうな彼女の肢体を見下ろす。………悩ましい。
「失礼します…」
ズボンの紐を緩められ、下着ごと丁寧に下げられる。少しだけ尻を浮かせ、それら衣類を地面に落とし、ほぼ全裸に近い格好になる。
「っ!」
そうして、半勃ちになったペニスがフレデリカの眼前に突きつけられる。彼女は目を丸くして、隆々と血液に満たされた、俺の男性自身とまじまじと見詰めあう。
「…すごいん、ですね」
シンプルな感想が返ってきた。まぁ、持ち主の俺からしてもよくわからんモノではある。
返答に窮しつつ、片足をズボンと下着から抜く、と、
「んぅっ…!」
「あ、ごめんなさいっ」
ペニスに、未知の感触が訪れる。思わず呻くと、フレデリカが慌てて謝る。ピンク色の先端部分に、彼女が触れたのだ。
人生で初めて、異性に性器を触れられる感覚。まだ潤いのない、臨戦態勢の整いきっていないペニスには、少々突然の刺激だった。
「え、と。もう少し、固くなるんですよね」
「…ああ」
記憶の中の知識と、今の一瞬の感触とを照らし合わせるように、フレデリカが見上げて問う。
俺が頷くと、彼女は再びペニスに向き直り、そっと根元に指を添える。繊細な彼女の指の、ひんやりとした感触が少しだけくすぐったい。
「じゃあ…準備、しますから」
「う…っ」
つつっ。ペニスの裏側、陰嚢から裏筋まで、中指の腹が滑る。背筋が縮み上がるような、寒気にも似たむず痒さが駆け抜ける。ぴくぴくと震え、ペニスが更に固さを増す。
「くすっ。可愛いです」
自分の前戯に顕著な反応を返すペニスに、フレデリカはいとおしそうに微笑む。…『そういう意味』で可愛いといったのではないことは解っているが、何だか男として少し複雑だ。
「もう少し、強くしますね」
「ああ。…んっ」
フレデリカは高まりつつあるペニスの全体を、両手の十本の指で絡めとる。いくつものひんやりとした感触が陰嚢とペニス全体を駆け回り、自慰では及びもつかない心地よさに包まれる。
先ほど突付いてしまった敏感な亀頭部分にはまだ触れないよう、気をつけているのが解る。
しゅっ、しゅっ、と丹念に、彼女にペニスを扱かれる。その圧力は、俺が自分でするよりも随分弱い。恐らく彼女にしてみれば精一杯の握力なのだろうが。
しかしその弱さなど全く問題にならないほど、彼女の愛撫は的確で、繊細で、気持ちいい。俺は度々充足の溜息を漏らしながら、一心不乱に、また一生懸命にペニスを可愛がるフレデリカを高みから見守る。
そうして、やがてペニスは完全な臨戦態勢を整える。全身のラインから不自然に飛び出す、骨もないくせにどこよりも固くなったモノが、びんと威勢良く、フレデリカの顔目掛けて存在を主張している。
「すごく熱い…」
びくびくと脈動して傘を広げ、焼けた鉄のような熱と硬度を持ったペニスに大事そうに指を添えるフレデリカが、感慨深げに漏らす。
「あ…先から、お汁が出てきました」
先端の変化に気づくと、フレデリカは何故だか少し嬉しそうにそれを報せる。…この、逐一感想や実況をくれるのにも、気恥ずかしい反面、一方で新鮮で背徳的なモノを感じてしまう辺り、俺もいよいよ興が乗ってきたらしい。
ぷっくりと、鈴口に透明な滴が溜まっている。彼女はそれを物珍しそうに見つめた後、
「ほら、ビュウさん。濡れてきてますよ」
何をするかと思えば、それをちょんと指先に絡め、こちらを見上げながら見せびらかしてきた。空中に、てらてらと嫌らしく光る粘液の糸が曲線を描いた。
「…遊ぶな」
「ふふ。すいません」
少なからず、フレデリカのそんな行為に欲情し鼓動を早めながら、俺は軽く抗議する。
彼女は目を細めて微笑み謝罪すると、またペニスに向き直る。そして、今しがた指につけた先走り汁を丹念に、乾いて突っ張っている亀頭全体に、指全体を使って塗りこめ始める。
「ぁ…」
反り返る肉の棒が、てらてらと潤いを得て淫靡に光る。先走りの液を塗りこめられるのも、くすぐったくもまた心地よい。
それがずっと続けばいいのに、なんて甘いことを考えていたら、
「ビュウさん。その、口で、しますけど…宜しいですか」
それよりも、ずっと魅力的な申し出を提示された。
見下ろし、彼女の唇を凝視する。いつもベッドで寝ているのを見舞うときより血色のいい、艶のある唇だ。口でする、というのはつまり、彼女の口内に、俺のモノを受け入れてもらうということだろう。
…そういうやり方がある、というのは知っている。きっと、また未知の快感が与えられるのは間違いない。断る理由がない。
が、何だかまた、とても大切なことを忘れているような気がしつつ。
「ん…頼む」
俺の口は、目先の快楽に負けてさっさと承諾してしまった。
「はい。それでは…宜しくお願いします。これからお世話いたします」
フレデリカはそう挨拶し、ペニスに両手を添える。そして慈しむように、ちゅ、と軽く、ぬらつく亀頭の先に口付けた。
―――そうして、俺はその瞬間気づいた。俺にとって、異性の唇との初めての接触は、ペニスによって行われたのだという、事実に。
「―――っう!!」
自覚した途端、津波のような快感の電流が全身を突き抜けた。
目を伏せ、綺麗に編まれた三つ編みのブロンドを掻き揚げながら、彼女は俺の亀頭をぬるり、と口へと進入させていく。
例えようもない温かさと、ペニス全体に吸い付くような唇の摩擦。そして、裏筋を撫で付けるこれは、恐らく、舌の感触。
「くぁ…!」
二度、三度と、いきり立った怒張がフレデリカの口内、唇から喉奥までを往復する。いきなり早くではなく、初めのうちはゆっくりと。
数を増すごとに、丹念な愛撫はそのままに、速度が少しずつ、けれど確実に早くなってゆく。
ペニスの根元を押さえる右の指の他に、彼女はもう一方、左の指での愛撫も忘れない。徐々にせり上がりつつある睾丸を包む陰嚢を、マッサージするように揉まれる。性器全体の支配権を、彼女に奪われたような錯覚に陥ってしまいそうだ。
「ん…じゅぷっっ」
「〜〜〜…っ!!」
唾液ごと、口内で混じった先汁を吸われる。中身を吸い出されるような強烈な刺激に、俺は呻きを噛み殺す。
「ぷはっ…気持ち、いいですか、ビュウさん」
一度、ペニスから口を離し、こちらを見上げて訊ねるフレデリカ。次々と繰り出される技巧の妙に舌を巻くが、流石に彼女のほうも少し疲れが出始めているようだ。
ぬらぬらと唾液に塗れて光る怒張と彼女の顔を見比べ、俺は呼吸を整えるのも侭ならず感想を漏らす。
「…どうにか、なりそうだ。凄いんだな、教会の技っていうのは」
正直、甘く見ていた。学術だけでしか知らないという彼女の愛撫でも、童貞の俺ごときを手玉に取るのは造作もないらしい。
この上経験も十分に伴うシスターなんていうのがいるとしたら、脳髄まで搾り取られてしまいそうだ。考えるだけで身震いする。
「よかったです。こういうのも、あるんですよ」
俺の忌憚のない賞賛に、フレデリカは得意げに微笑み、またペニスを手に取る。今度は左手を先端に、右手を陰嚢に添え、そして。
「…ペロ」
「ッ!」
肉の幹に、舌を這わせた。ザラザラとした摩擦の感触に、軽く体が跳ねた。
フレデリカはペニス全体を、それこそ舐められていない部分など残すものかといわんばかりに、丁寧に、丹念に、舐めあげてくる。
又、添えられた指での愛撫も忘れない。鈴口の縁や、包皮に隠れた傘の裏側の部分を左の指先でくりくりと刺激し、右の指は陰嚢をひたすら揉みあげる。
三つの刺激に、俺はとうとう呻きを噛み殺しきれなくなる。
「フ、レ、デリカっ。もう、そろそろっ…ううっ」
「はぁ…射精、しそうですか」
「ああ…!」
「わかりました…じゃあ、こっちに…んんっ」
下腹部に集まる射精感を訴えると、フレデリカは再びペニスを思い切り咥えこむ。
粘液塗れの口内に導かれ、俺のモノは彼女の窄められた唇に吸い付かれながら、激しい抽送を繰り返す。
射精準備のためにせり上がった睾丸もくにくにと揉まれ、限界へと駆け上がってゆく。
「フレデリカ、このまま、じゃ、口に…っ!」
出してしまう、と続けようとするが、恐ろしい快感に遮られる。
ただでさえ近い限界時間を更に早めようとするかのように、口内でフレデリカの舌先がペニスの鈴口を穿り、尿道ごと刺激する。
―――それで、俺の理性は吹き飛んだ。
眼下の彼女を見下ろす。扇情的な水着を纏い、必死に俺のモノを頬張る、フレデリカ。…何て、征服欲を煽る、光景。
健気に俺に奉仕する彼女の口の中に、ありったけの、ドロドロの欲望を解き放ってしまいたい。そして、その汚らしい雄の性の結晶を受け入れて―――飲み干してほしい。
フレデリカを引き剥がそうと伸ばしかけた両腕で、そのままその頭を掴み、押さえる。何があろうと、ペニスを彼女の口内に押しとどめるためだ。絶対に、にがさない。
俺の乱暴な行為に、フレデリカは短く唸るが、彼女は構わず抽送を続ける。
「ん―――ジュウゥゥゥゥッ」
そして、彼女が一際強くペニスを吸い上げた瞬間。
「ッッッ…!!」
――――――ドクン。ドク、ドクドクドク、ドプッ。
…俺は、溜め込んだありったけの精をフレデリカの口内にぶちまけた。彼女が今口内に納めているのは、幹の部分を残し、丁度亀頭全体だけだ。
「ん、んん…ちゅうぅ」
「フゥー…フゥー―――ッ!」
頭を強く押さえられ、明らかに辛そうな顔で、尚も一滴残らず尿道の中に溜まった精液を吸いださんと鈴口を吸引するフレデリカ。
俺は、声とも息ともつかない音を喉から搾り出し震える。吐き出すモノがなくなるにつれ、背中を岩肌に預けて心置きなく脱力し、体液を放出する快楽の余韻に浸る。
…やがて、永遠とも一瞬とも思える射精の時間が終わる。脳が焼けるような、快感だった。こんなのは、初めてだ。
未だ思考がぼう、とする。四肢から力が抜け、だらんと重力のなすがままに預ける。呼吸を乱し、気だるい気分のまま、眼下に視線を移す、と。
「…〜〜〜、〜〜」
今尚、俺の股間を前に跪いたまま。口元に手を当てながら、ゆっくりと萎えたペニスから口を離すフレデリカの姿。
片目だけ開いているのがやっと、という辛そうな顔をそのままに、俺を見上げる。
「フレデリカ…?」
呆けた頭で、自然と彼女の名前が口を突いて出る。途端、
「―――――――――〜〜、コクン」
見下ろしたフレデリカの喉が、大きく鳴った。
続けてまた、コクン、コクン、と数回にわたって同じ音が聞こえる。
…彼女が何をしているのか、すぐに理解できた。そして理解した瞬間、再び、戻りかけた俺の理性がどこかへ飛び立とうと出鱈目に走り出す。
コクン。最後の一回が鳴った。そう、彼女は―――フレデリカは、俺が衝動に任せてぶちまけた欲望を、全て口内に押しとどめたのだ。
そして射精を終えて、余韻に浸る俺を見上げ、じっくりと嚥下して見せた。…全ては俺を、最後の最後まで満足させるために。
「………はぁ。お疲れ様でした、ビュウさん」
最後の一滴まで飲み干して、彼女は俺を見上げて微笑んだ。…行為の上下の関係は、最後の瞬間までそのままに。
彼女は奉仕する側として跪き、俺は奉仕させる側として見下し。彼女はただ、俺を満たすために全力を尽くしてくれたのだ。
「…え。あ、び、ビュウさん!?」
もう色々と、限界だった。最後の理性の欠片が吹っ飛ぶのと同時に、童貞小僧の刺激の臨界点も越える。
俺は、オーバーヒートした頭を置き去りに、そのまま意識の闇へと落ちていった。
三章目、終了です。次がエピローグとなります。
お待たせしました、エピローグの投下となります。
その後の事を少し語ろう。
「…そう、ですか。ヨヨ様が」
ヨヨの容態を伝えると、フレデリカはそう呟いて俯く。
ファーレンハイトの寝室のベッドで半身だけを起こし、枕元の席に座る俺の話を、心配げに、それでも彼女は黙って聞き届けてくれる。
「………ああ。命に別状はないみたいだが、とても戦える状態じゃないらしい」
「でも、やるしかないんですよね」
俺は、フレデリカの言葉に頷く。…洞窟で倒れ、苦しげに魘されるヨヨの顔を思い出し、強く拳を握る。
魔法都市のラグーン、ゴドランドの神竜ガルーダ。それを受け入れた瞬間、ヨヨはその激しい憤怒に耐え切れず昏倒し…今は、病床に伏している。自力で立つことも侭ならず、戦場に出るなど以ての外の状態だ。
「ダフィラでは、サウザーが軍を率いて待っている。激しい砂嵐が吹くラグーンだ、酷い乱戦になるのは間違いない。
…奴は、本腰で来るつもりだ。事が始まれば、パルパレオスも出てくるだろう」
視線を落とし、握った拳を更にぎゅっと締め付ける。自分でも、二人の強敵の名を紡ぐ声が僅かに震えているのが解る。
ここまで、数で劣るグランベロスとの戦いで勝利を収めてこられたのは、ヨヨの神竜を召喚する力に依る所が大きい。その力があるのは、彼女の他にはセンダックだけだ。戦力の大幅な低下は否めない。
「…ちっ」
手の震えが、止まらない。
…俺は。俺たちは過去に一度―――カーナ陥落の時も数えれば二度。既にサウザーに敗北している。そのいずれもが、言い訳の余地もない、惨敗だった。
個人の力量としても常軌を逸している、そのサウザー率いる軍勢に挑む、という大事な局面で背負わなければならないハンデ。俺は、それを恐れる自分に、隠そうともせず舌打ちする。と。
「…ビュウさん」
「―――!」
突然、唇に柔らかく、ひんやりとした感触。驚いて思わず息を呑めば、鼻先をふわりと心地よい香りが擽る。
ベッドから身を乗り出して俺に口付けしたフレデリカが、体を離し、穏やかに微笑む。
「落ち着きましたか?」
「…ん」
視線をあらぬ方向へ泳がせながら、俺は僅かだけその問いに頷く。いわれて、手の震えがフレデリカの行為の驚きで掻き消され、静まっていることに気づく。
「駄目ですよ。ビュウさんが不安そうにしてると、みんなも弱気になります。
だからビュウさんは、いつもみたいに真面目な顔で、どんと構えててください」
「…不謹慎だな。主君が寝込んでいるのに、それに仕える騎士がとっていい行動じゃない」
答えに窮し、相変わらず明後日の方を見ながら自戒の言葉を口にする。だが、殆ど間髪入れずに、
「はい。ですから、悪者は不意打ちした私だけです」
ビュウさんは全然悪くありません、なんて、得意げに彼女は笑った。
「………卑怯だな」
「そんなことないですよ。誰でも不安になるときはあります。それを誰かに励ましてもらうのは、全然ずるいことじゃ、」
「違う」
俺は―――左手でフレデリカの右手を掴み、ぐいと引き寄せる。
不意打ちなんかじゃない。真正面からの、純粋な力での拘束。空いた右手で、彼女の肩も抱き寄せる。
そうして、強引にフレデリカの唇を奪う。…彼女は、やはりさっき俺もそんな顔をしたのだろう、目をぱちくりと、驚きで瞬かせる。
「これで、同罪だ。…フレデリカ一人に、背負わせてたまるか」
ほんの少しだけ唇を離し、顔を肉薄させたまま。見つめる視線だけで、そういう約束だっただろ、と告げる。
「…ん」
顔を真っ赤に染め、恥ずかしそうにこくん、と頷く、俺に抱かれたままのフレデリカ。
俺はもう一度、彼女に唇を重ね、貪る。彼女は、触れている俺にしか分からないほど、静かに呼吸を乱しながら、それを受け入れてくれる。
心地よい息苦しさに苛まれながら、互いの吐息を直に感じあう。俺が舌でフレデリカの舌を求めて押し入れば、彼女も控えめにそれに、ちゅ、ちゅ、と触れ返し、応えてくれる。遠慮がちに二つの舌を触れ合わせながら、俺はあの日のことを思い出す。
「――――――私、不安だったんです。ビュウさんが、私を女として、魅力を感じてないんじゃないか、って」
自室のベッドで目を覚ました俺を見舞ったフレデリカは、力なく笑って、ぽつりぽつりと語りだした。
…俺が、フレデリカを残して気を失ったすぐ後。やはり俺たちの遭難を目撃していたディアナが、ムニムニと共に現れ、助けてくれたのだそうだ。
フレデリカがいうには、事情を察して代えの服まで持ってきてくれたらしい。噂好きのディアナにしては珍しく、俺たちにその時見聞きしたことの他言無用を約束してくれた。おかげで俺たちは、今も艦内であらぬ噂を立てられる羽目にならずに済んでいる。
そうして、最後に残ったのは、そもそも何故『彼女がディアナの誘いを聞き入れたのか』という、俺が結局訊かなかった疑問。それを、フレデリカは察し、自ら告白しに来てくれた。
「私は、ヨヨ様みたいに綺麗じゃありません。ディアナみたいに明るくないし、ルキアみたいにスタイルもよくありません。
だからそんな、女の私から見ても魅力的な女の子がいっぱいいるのに。
こんな体が弱くて、肌が白くて、体も細いばっかりの私なんて、ビュウさんは何とも感じないんじゃないかな、なんて。
…だから、ごめんなさい。私、ビュウさんを誘惑しました」
枕元のフレデリカが、弱弱しい微笑みを浮かべたまま、謝罪する。
それを前に、俺は、何も考えられず―――ただ、何故かも分からぬまま、ふつふつと溢れて来る感情の波に、胸を熱くしていた。
フレデリカがここに来るまで、俺はずっと彼女に乱暴な真似をしたことで自己嫌悪に陥っていた。だが、そんな安い矜持なんてどうでもよくなるほどに、俺の目の前にいるフレデリカは、『自分というものを粗末にしていた』
「…私、考えました。ヨヨ様にとってビュウさんが支えであるように、ビュウさんにも支えが要ると思うんです。
ビュウさんは優しい方ですから、誰も彼も支えようとして、それで最後は駄目になってしまうような、そんな気がするんです。
私、そんなの嫌ですから。ビュウさんが溜め込んだもの、我慢できなくなったもの。また、いつでも私に吐き出してください」
………彼女は、何を言っているんだろう。そんな、自分のほうが今にも泣き出しそうな笑顔をしているくせに、どうしてソンナコトを平然と口に出来るのか。自分を、欲望の捌け口にした男を前に―――。
ふつふつと溢れて来る感情が、やがて抑えきれないぐつぐつとした沸き立つものに変わっていき。
「今日のことで、安心したんです、私。
ビュウさんは、私のこと、ちゃんと女として扱ってくれてるんだ、ってこと、分かりましたから。
だからビュウさんは、私のこと――――――!?」
――――――気がつくと、俺はフレデリカに唇を重ねていた。
ただ触れるだけのキスだった。その時間も、ほんの数秒だけだった。それでも、俺と彼女にとっては確かに、初めての口付けだった。
「ビュウ、さ、」
「しない。俺は、フレデリカが考えてるようなことは、絶対にしない。して、たまるもんか」
湧き上がる感情に押され、激情がそのまま言葉になって吐き出される。頬を染め、フレデリカは呆然と俺を見つめる。
「フレデリカにはもう、あんな事までさせたのにな、今更、何で自分がこんな気持ちになってるのか全然分からない。
でも、俺は今、すごく、フレデリカを大切したいと思ってる。けど、その気持ちと同じくらい強く、俺はフレデリカが欲しい。
これが好き、っていう気持ちなのか、自信なんてない。まだ俺にフレデリカの誘惑が効いてて、頭がどうかなってるだけかもしれない。
だから、俺はフレデリカを抱かない。そんな中途半端な気持ちで、抱きたくない。
だから、俺は、俺が今フレデリカにしたいことをする。これから、フレデリカに会いに来る度に、今みたいにキスする。
何回でも、何十回でも。俺のこの気持ちが覆らないって胸を張って言えるようになるまで、俺はフレデリカを大切にする」
言葉が、止まらない。次から次へ、感情が声を後押しする。
自分で、自分の変貌に混乱する。こんなに必死に喋ったのも、こんなに纏まりのない理屈を人にぶつけたのも、一体いつ以来だろうか。
俺は、いつの間にか目を伏せていた。俯く自分の顔が、赤くなっているのが、鏡を見ずとも分かる。
「ビュウ、さん」
「っ…悪かったな、子供みたいな我侭で。俺は、女性経験ないようなものだし、どうせ、童貞の偽善だよ。
でももう、決めたからな。説得しようとしたって無駄だぞ」
駄目押し、とばかりに、まるで見当違いの宣言を、フレデリカにぶつける。
…暫しの沈黙。俺は、言いたいことだけ言い切って引っ込んだ自分の感情に、今更のように恨めしさを覚える。だが。
「………………………ふぇ」
やがて聞こえてきた、フレデリカの泣き声で、顔を上げた。
「…何故泣く」
最初から既にそうなりそうだった力ない笑顔が、本物の泣き顔に変わっていた。…それに、照れ隠しとはいえ野暮な反応を返す俺も俺だが。
フレデリカは流れる涙を手で拭おうともせず、心底からそうしたいのだろう、そんな風になりながらも、真っ直ぐに俺を見据えてくれる。
「だって、私…嬉しくてっ。ビュウさんの、隣には、いちゃいけない、いられないんだって…諦めてたから」
…俺は、しゃくりあげる彼女をそっと抱き寄せる。
無責任な愛の言葉なんて、今の俺には言えない。言おうにも、経験がないから言葉の持ち合わせもない。
「…俺のことを支える、か。有難い申し出ではあるけどな。これじゃあ、フレデリカを支える奴も必要だな」
だからやっぱり、照れ隠しくらいしか口に出来なかった。
けれど、フレデリカはすん、と鼻をすすり、目に溜まった涙をそのままにして。
「私は――――――もう、今のままで十分、支えてもらってますから」
俺の照れ隠しに、満面の笑みで、心からの言葉を返してくれた。
それが始まり。俺がフレデリカを、フレデリカが俺を支える関係。誰に、いつ知られるとも知れない、奇妙な蜜月関係は、こうして幕を開けた。
…宣言のとおり、俺と彼女には未だ明確な肉体関係はない。性欲の処理をしてもらったのも、あの日が最初で最後だ。けれど、キスの回数だけは、そろそろ百に届く勢いで重ねられている。何とも奇妙な間柄だった。
「…じゃあ、行って来る。出撃準備、しておいてくれ」
俺は、嬉しそうに微笑むフレデリカの頭をくしゃくしゃと撫で、寝室を後にする。もうすぐダフィラに降下する。その前に、甲板のドラゴンたちにも力のつくものを食わせておかなければならないからだ。
「―――ふぅーん、そうかあ。そうなんだー」
寝室を出て、ドアを閉めると、閉めたドアの裏側から、わざとらしい声が聞こえた。
「…何がそう、なんだ。故意犯の癖に、趣味が悪いぞ、ディアナ」
俺は、首だけ声のするほうに向けて、嘆息と共に悪態をつく。壁に寄りかかり、さも『計画通り!』といわんばかりの笑いを噛み殺してにやつくディアナがそこにいた。
「いやいや、二人を引き合わせたキューピットとしては、やっぱり結末が気になるわけよ」
「自分が引き合わせたのでなくても見境なしに追いかけまわすくせに、何がキューピットだ。柄を考えて言え、柄を」
騒動の発端であり、フレデリカとの蜜月のきっかけたる彼女の同僚の軽口に、再び悪態で返す。ディアナはそれに、えー、いーじゃない、キューピット、恋愛の神様よー、神様って気ままにやりたい放題が自然体だし、私にぴったりでしょー、なんて、不満を漏らす。
いやディアナ、確かにそんなものかもしれないが、プリーストのお前がそれを言うのはどうなんだ。
…だけど、まあ。ディアナの意図はともかくとして、俺が今、フレデリカと日々を過ごし、またあの日から変わらず、彼女を大切にしたいという思いを抱き続けているのは、紛れもない真実だ。
「まぁ、何だ」
「なに?」
「有難うよ。…一応、礼は言っておく」
「…どーいたしまして♪」
それだけ言って、返事をするディアナの顔を見ないまま、俺は足早に甲板への道を急ぐ。
つい先ほどまでの恐怖は、なぜか殆ど消えている。代わりに、呆れるほどに有り触れた危惧が、俺の思考の中で台頭する。
―――ああ、今日は暑くなりそうだ。
甲板へと階段から足を踏み出し、全身に照りつける日の光に目を細めながら、俺は―――元気一杯に突っ込んできたサンダーホークにぶっ倒されたのだった。
〜了〜
以上で『ビュウは少しだけ大人になった』は終了です。
お付き合い、ありがとうございました。
続きまして、丁度一年前に
>>241でtxtファイルで投下したクリスマスSSのマイナーチェンジ版の投下をしたいのですが、宜しいでしょうかw
ありがとうございます。
ただ、今しがた外出する用が出来てしまったので、こっちの投下は帰ってからになりますすみません…!
超GJ!ありがとうございますm(__)m
ただいま戻りましたー。
それでは一年越しの、『ぎゅっとつかまって』をお送りします。
昨日、突然『こんなん描いたよー』と俺のところにこのお話の挿絵を届けてくれた、めっさ空気を読める友人には頭が下がります。
『ぎゅっとつかまって』
古びた石造りの建物の中から人が出てくる。
一人、また一人。偶に夫婦や子連れ、家族らしき一組も混じっている。
人の流れは決して多くはなく、疎らだったが、彼らは皆、一様に微笑み、和やかな空気を纏っている。
そんな人々が町へと下る階段を降りてゆく様子を、ビュウは正門近くの縁石に座ってぼう、と眺めていた。
…つい今しがたまで聴こえていた賛美歌が聞こえない。その変化で、彼は自分が暫し寝入ってしまっていたことに気づく。
白い息を吐き出して目を瞬かせると、彼をその翼で包むサラマンダーが首を上げ、心配そうに主人の顔を覗き込む。
ビュウは微笑み、自らの愛竜の顎を撫でてやる。サラマンダーはくう、と嬉しそうに唸り、持ち上げた首を地に下ろした。…それを、まるで我が子を慈しむ様な眼差しで見届け、彼は眼前に聳える建物を見上げた。
…荘厳、という言葉すら色褪せる様な建造物だった。ちょっとした砦ほどはあろうかという佇まいを見せるそれは、その実、人々からは教会と呼ばれる代物である。
いつからここにあるのかは、ビュウは知らない。ただ、かつて自身の主が語った二つ名だけが、彼のこの教会に対する記憶だった。
更に首を動かし天頂を見上げれば、恐らくは満天の星空を覆い隠しているのだろう、一面の曇天。
ここに来る時はいつもこんな空だ、と、ビュウは皮肉めいたことを考える。三度訪れて、そのいずれの時も、彼が大好きな空を臨むことを許してはくれなかった。
今日、過去二度の訪問と違うのは、彼の主である女性が共にいないこと。そして、この教会に人が満ちていることだけである。
明かりの灯った教会から、町へと視線を移す。…見慣れたはずのカーナの町並みを、驚くほど小さく感じる。
町から外れた丘の上にあるこの教会からあの町を見下ろそう、などという考えは、ビュウにとって実は初めてのことだった。
一度目も。二度目も。その状況が、彼にそんな思考をする余裕を与えなかったのだった。
…今、彼が思い返すのは、数多の魔物。それに立ち塞がる様に、満身創痍になりながらもこの門を動かなかった一人の騎士の姿だった。
後に続くのは、その騎士を庇う、彼の主の―――。
「ビュウさん」
そこまで考えて、ビュウは、背後からの声で我に返った。
振り返ると、彼の待ち人がそこにいた。
「ごめんなさい、お待たせしました」
長く美しいブロンドの髪を束ね、防寒のためだろう、ストールを纏った若い女性。
フレデリカは、無言で振り返ったビュウに謝罪した。
「…気にしなくていい。いい子守唄だった」
それに対して小さく欠伸をし、自身が寝こけていたことを主張するビュウ。
フレデリカは頬を僅かに紅潮させて微笑み、ありがとうございます、と礼を述べた。
その、彼女の紅潮が照れや羞恥の感情から来るものでないことは、やはり白く色づく、彼女の吐息が物語っていた。ビュウはひゅ、と短く口笛を鳴らして、サラマンダーの翼を開かせる。
「じゃあ、急いでファーレンハイトに―――ビュウさん?」
「…座って」
外套を翻し、ビュウは徐に縁石から立ち上がった。そして、きょとんとするフレデリカに自分が今まで座っていた場所を示す。
「え、と…?」
意図を掴めない彼女に、ビュウはもう一度、座って、と同じ言葉を告げる。
そうして漸く、いわれるままにフレデリカはサラマンダーの懐に収まる。
それを確認して、ビュウは再度、同じように口笛を鳴らした。
「あ。………暖かい」
サラマンダーの赤い翼が、ビュウにそうしていたように、フレデリカを包み込む。彼女の口から、感嘆の言葉が漏れた。
炎の化身であるレッドドラゴンを起源とするサラマンダーの翼は、この世のどんな冷気にも侵されない。それが今、彼女の白く華奢な身体を外気から守っているのだ。
「…この雲だ。多分、帰りは雪の中を飛ぶことになる。身体が冷えたままだと、健康に障る」
仏頂面のまま。ビュウは彼女に、十分に温まっていけ、といったのだ。
やがて、フレデリカはそんな彼の内外不釣合いな気遣いが可笑しくて、くすりと笑いを漏らした。
「…え、でも、これだとビュウさんが」
しかし、すぐに慌しく、一人温室から追い出された青年の状態に気づく。
ビュウが纏う防寒具といえば、薄い外套一枚だけである。寒さに関しては自分と大して変わらないだろう格好であるにも拘らず、居心地のいい場所を自身に提供した青年が平気なはずがない、と、フレデリカは気遣う。
「…大丈夫。ドラゴン乗りは、寒さには慣れてる」
そんな彼女の心配に、ビュウはさもどうでもいいという風に、そっぽを向いて答えた。
慣れてる、とはいうものの、寒くない、とは言い切れないのが、彼の性分を物語っていた。
それを読み取ったフレデリカは、翼越しにビュウに遠慮の言葉を投げかける。
「ビュウさん、そんな、私だけ悪いです」
「俺は散々温まった。フレデリカだけじゃない。だから大丈夫」
「…屁理屈です」
「そうか」
そっぽを向いて、気のない返事をするビュウ。初めから取り合う気はない、という姿勢だった。
「…それじゃあ、一緒に入りましょう」
フレデリカはそれならば、と意を決して、折衷案、兼譲歩案を提案した。
「…俺はいいけど。フレデリカは」
「ビュウさん。私のこと、そんなに酷い女にしたいんですか?」
むぅ、と唸ったフレデリカに恨めしそうに睨まれ、ビュウは目を閉じて思案する。
こういう気遣いって迷惑なのかなぁ、などと、騎士としては一流の風体であるものの、女性に対して余り免疫のない彼は思うのだった。
「…だけど、サラマンダーの翼には一人しか」
「そうでしょうか。…ねえ、サラマンダー、もう一人くらい入れないかしら?」
それまで傍観者に徹していたサラマンダーは、くぅ、と小さく鳴いて、彼女の呼びかけに応えてみせた。その立派な翼で、二人分≠包み込めるだけの空間を作りながら。
苦し紛れの思いつきの反論も、第三勢力の介入によりあっさりと打ち落とされたのだった。
「…おまえな」
頭を抱えたくなるのを堪えながら、ビュウは呆れた目つきで長い付き合いの相棒に抗議の視線を送った。
返すサラマンダーの視線は『往生際が悪いぞ、マスター』といいたそうな、これまた呆れたもののようだった。
◇ ◇ ◇
ttp://rainbow2.sakuratan.com/img/rainbow2nd45558.jpg 真冬の空の下、誰もいなくなった教会の前で、赤い竜の片翼の中で身を寄せ合う二人。
やっぱり少し狭いんじゃないか、とビュウはなんとかフレデリカの場所を広く確保しようと、腰の居所を頻りに直そうと試みる。
だが、やがてそんな余裕はないことを思い知り、彼は観念して大人しく彼女と肩を密着させるのだった。
二人の間には、長い沈黙。だが、重苦しい、という空気はない。
ビュウは特に感慨もなく、彼女の身体が温まってくれればそれでいい、という風に鎮座し。
対するフレデリカは、どこか嬉しそうにサラマンダーの翼とビュウの体躯の間に大人しく挟まっていた。
「…今日は」
と。フレデリカが、その沈黙を破った。ビュウが、頭ひとつ分下にある彼女の横顔を見遣る。
「今日は、ありがとうございました。私の我侭に付き合って下さって」
「…構わない。俺も、今日は何となく空を飛びたい気分だった」
やはり、仏頂面のまま。微笑んで礼を言うフレデリカに、ビュウは気にするな、と答えて返す。
「ところで、今日のこれは、何の集まりだったんだ?」
ふと、ビュウは夢見心地に耳にしていた賛美歌を思い返しながら浮かんだ疑問を、他に話題もないかと口にする。
彼はただ、フレデリカが外に出る用事があるものの移動の足がなかった、という状況に遭遇したために、偶さか送迎を買って出ただけで、彼女の事情はろくすっぽう聞いていなかったのだった。…それで指定された行き先がこの教会、というのは、因果な話ではあるが。
「はい。えと、今日はクリスマスイヴっていってですね。メシアの聖誕祭なんですけれど…聞いたこと、ありますか」
「…いや」
首を横に振るビュウに、フレデリカは聖誕祭に教会で行われる行事について身振り手振りも交えて説明する。
だが、そもそもあまり教会の知識を備えないビュウは、終始よくわからないという風に首を傾げていた。
「カーナでは神様といえばバハムートのことですから、私達の宗教はここでは異端の部類かもしれません。
だから、ビュウさんが知らないのも無理ないですね。でも、他のラグーンなんかでは割と一般的なんですよ」
プリーストであるフレデリカは、いつも話をしてくれる側であるビュウに逆に話を出来るのが楽しいのか、嬉々として説明する。
「本当は毎年参加しなくちゃいけないんですけど…テードには、教会ありませんでしたから。
だから、ビュウさん達が帰ってきて、戦竜隊が復活して。カーナも取り戻せた今年こそは、って思って」
「…なら、ディアナには悪いことをしたな」
静かなビュウの相槌に、フレデリカはこくん、と残念そうに頷いた。
命に別状はないものの、彼女の親友であるプリースト・ディアナは今、ベッドで療養中である。帝国の空中要塞との一戦でついた傷の具合が、芳しくないのだ。
とはいえ、当人の精神は健康そのもので、今頃はラッシュ辺りに暇だ暇だと愚痴を垂れている時分かも知れない。
因みに、病弱なフレデリカが外出するときは大体がディアナと一緒で、ドラゴンの手綱を握るのも彼女の仕事である。それ故、彼女がそんな状態であれば、フレデリカは身動きがとれない。今回はそこに通りがかったのが、ビュウというわけである。
「でも、その代わりにディアナの分もお祈りしてきましたから」
一転して、和やかに微笑むフレデリカ。しかしビュウは、彼女の言葉に再び首を傾げる。
「祈る?…何を?」
「…帝国との最後の戦いが、近いですから。それに、空から現れた魔物のこともあります。
だから、皆が最後まで無事でありますように、って」
「…神頼みは、好きじゃない」
フレデリカの願いに、ビュウは視線を正面に戻して難色を示す。
…彼が歩んできた道を知る彼女は、そんなあからさまな嫌悪にも、残念です、とだけ口にして、力なく笑った。
「あ、そうでした。ビュウさん」
と、突然。思い出したように、フレデリカは自身の服の、ゆったりとした袖の中を探り始めた。
何事かと再び眼下の彼女の仕草に視線を移す。…もぞもぞと動くたびに揺れる、彼女の束ねた髪をくすぐったく思いながら。
「こういうのも、あるんですよ」
苦戦していた様子だったフレデリカが右手に摘んで取り出したものは、畳まれた白いナプキンと、二つの小さな小瓶。小瓶には血のように赤い液体が湛えられている。
「これは?」
「私、戦争が起こる前は、聖誕祭はいつもこの教会で過ごしてたんです。
それで、久しぶりに来たら神父様が私のことを覚えていてくださって。
事情を話したら、ミサ用のワインとホスチアを親切なご友人に振舞うように≠ニ、少し分けてくださいまして…はい」
彼女はビュウに片方の小瓶を持つように促し、彼はいわれるままに手渡されたモノを受け取る。すると、彼女は今度は、畳まれたナプキンを広げる。中から現れたのは、薄いパンのような欠片だった。
「ビュウさん、聖餐、というのをご存知ですか?」
知らない、とかぶりを振るビュウに、フレデリカは教会のミサについて最低限の説明をする。案の定、ビュウは首を傾げるのだった。
「よく、わからないが。…とにかく、これは嗜好品や娯楽品じゃなくて、儀礼の道具の類なんだろう。
俺はともかく、フレデリカがこんな風にして使うのは、不味いんじゃないか」
ビュウの言葉に、フレデリカはう、と言葉を詰まらせる。彼女の中の信仰と義理が交錯する。
「い、いいんですっ。ビュウさんには無理を聞いてもらったんですから、私も譲歩しないと、不公平ですっ」
結局、勝ったのは義理のほうだった。むん、と気合を入れて、フレデリカは小瓶の蓋を開ける。
そんな彼女の仕草が何だか可愛らしく思えて、ビュウはく、と口元を緩ませた。
「それでは」
「…頂きます」
ホスチア、と呼ばれた欠片を頬張り、二人はワインを一口に煽った。
フレデリカはこくり、と小さな音を立てて飲み下し。ビュウは口に含み、やがて音もなく喉へと流し込んだ。
「………甘いな」
「ミサには小さな子供も来ますから。飲み口がいいものを選んでいるのだそうです。ビュウさんは、苦いほうがお好きですか?」
どちらかといえば、と答えて、ビュウは自分も昔は甘いものが好きだったことを思い出す。
そして、苦いワインを好むようになったのはいつからだったかな、などと考える。
「―――フレデリカ?」
そんな矢先。ビュウは左の肩に寄りかかる、微かな体温と重みを感じた。
見下ろすと、フレデリカが自分に凭(もた)れていた。頬を、先ほどよりも濃い朱色に染めて。
「酔ったのか」
「…ううん。少し、温かくなっただけ。…大丈夫、ほら、よく言うでしょ?酒は百薬の長≠チて」
それを酔っているというんじゃないか、とビュウは内心で苦笑する。
…それにあれだぞ。あんまり知られてないけど、その言葉の後には万の病も酒からこそ起こる≠チて続くんだぞ。
都合のいいことにしか耳を貸さないのは人の深い業だぞ―――というようなことを、彼は口調が砕けてきたフレデリカを見て思うのだった。口調の変化は、薬を服用した際の彼女の特徴なのだが。
「ああ―――だから百薬の長=c」
「?何かしら、ビュウ」
何かを悟ったように、ビュウはちらりと眼下のフレデリカを見遣った。
顔をほんのりと上気させ、彼女は暫く小犬のように頭上の彼の顔を窺っていたが、やがてゆっくりと目を伏せた。
…まあ、今日くらいは彼女がどうあろうと最後まで面倒を見よう。そんな風に、ビュウは覚悟を決めた。
「―――ねえ、ビュウ。ビュウは」
だからだろうか。
「ビュウは―――この教会が、なんて呼ばれてるか、知ってるよね?」
そんな、彼女の予想もしなかった問いかけに。
「もし、本当に、もし、よかったらなんだけど。今から、私と―――」
驚くほど、冷静に答えられたのは。
「…やめておく。あの言い伝えに振り回されるのは、一度で十分だ」
ビュウはただ、本心だけを口にした。
………フレデリカは、目を伏せたまま動かない。ビュウは、彼女に目を向けず、ただ、そのまま彼女の拠り所として動かずにいる。
そうして―――聞こえるか聞こえないかという声で。一言、ごめんね≠ニいう言葉を、ビュウは耳にした。
「…うん。ありがとう、ビュウ。今のは忘れて。…どうしちゃったんだろうね、私」
顔を上げて、フレデリカは笑った。精一杯の力で。
「そろそろ帰ろう、ビュウ。ほら、もう十分温まったから。ね?」
「…そうだな」
気まずさを払拭するように振舞うフレデリカ。ビュウはやはり最後まで彼女を見ることはせず、また口笛を鳴らす。同時に、サラマンダーが咆哮し、翼を大きく広げる。
二人は翼の温室から抜け出て、密着していた身体を離す。外気の寒さが、二人の高まった体温に適度な刺激を齎した。
…と。空から、白い綿のようなものが降りてきて、ビュウの外套に黒い染みを作った。
「…降ってきたな。急ごう」
雪の気配がすぐ近くまで来ていることを悟り、ビュウはサラマンダーの背に跨り、手綱を握る。
そのまま、彼は動かない。後にフレデリカが続くのを待っている。
「………っ」
けれど。フレデリカは、動けなかった。続かなければ出発できないのが、分かっているのに。
見上げて、すぐ目の前にはビュウの背中。つい今しがたまで隙間もないほど寄り添っていた人の身体。
それから離れてしまった今、どうして、自分の身体は近づこうとしないのか。フレデリカは理解できなかった。
彼は、何も言わない。じっと、微動だにせずに。
…そっと、サラマンダーの赤い背中へと、静かに足を踏み出す。まだ、これでは足りない。振り落とされないよう、彼に掴まらないと。
「っ!」
強く思い、やっとのことで彼のベルトを掴む。
「フレデリカ」
すると、ビュウに名を呼ばれる。振り向かず、手綱を握って空を臨んだまま。
「な、なに?」
「本降りになる前に…は多分無理だけど。出来るだけ早く着けるように急ぐ。
だから、振り落とされないように、もっと強く、ぎゅっとつかまって」
淡々とした、けれど強く確かな、ビュウの言葉。
フレデリカの口から『いいの?』という確認の言葉が零れ掛けた。…ドラゴンを急がせるというのなら、そうするのが当然だというのに。今はそれが、許されないような、そんな予感がしたからだ。
彼女は、いわれるままに彼の胴に手を回す。これならば、彼自身が落ちない限り振り落とされはしないだろう、という力で。
ビュウの背中と、フレデリカの半身が密着する。先ほどよりも、更に強く、確かに。
「…いくぞ。サラマンダー…!」
それを確かめるように、一拍の間をおいて。ビュウは自らの愛竜の名を強く叫んだ。
…赤い竜は、古い教会を背に飛翔する。見る見るうちに小さくなっていくその場所を、その二つ名の通り『思い出』として心に仕舞い込んで。フレデリカは、ビュウと共に聖夜を後にした。
――――――そうして、暫くの後。戦いが終わってから彼らは二人、薬屋を営むのだが。
それが果たして、この夜の思い出とどんな関係があるのか、或いはそもそも何の関係もないのかは、誰にも分からない。
………ただ。一つだけ、間違いなくいえることがあるとするならば。
『彼』がドラゴンに騎乗する際、自ら『ぎゅっとつかまって』などと口にした相手は。
―――――――――後にも先にも、『彼女』ただ一人だけだったということである。
〜了〜
以上にて、今夜投下予定だった作品全ての投下が完了しました。
長々とお付き合い下さった方、本当に有難うございました。
しかし俺、本当にビュウフレばっかり書いてるな!カプ的な言い方ならフレビュウだけども。
いやいや、是非ともそのまま突っ走って下さい
ありがたやありがたや
いいクリスマスプレゼントでした
フレデリカは可愛いし、本編ではアレなビュウも幸せだろう
GJ!
ビュウのいい感じに投げやりな感じが出ていていいなぁ。
いいもの読ませてもらいました
正直ニヤニヤしてしまったぜ!
久しぶりに来たら何このすばらしい怒濤の投下。フレデリカ可愛すぎるよフレデリカ
あ、はい
686 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/30(火) 20:15:16 ID:OWixKn+9
保守でアリマス!
保守
なんで圧縮の後で必死に保守してんの?バカなの?死ぬの?
はい
半年ぶりに来たら!
いいビュウとフレデリカでした。いい年明けだ
書きたい!ラッシュ×ディアナが書きたい!
けどシチュが浮かばない(´・ω・`)
>>691 お前はグロイエルか。
シチュかー、前書いてたSSで遭難物書いてたが
それの主役にビュウを使うかラッシュを使うかで迷ってたことがあったなぁ
読みたい!ラッシュ×ディアナが読みたい!
「寝室からの苦しそうな声」の真相に素で気付かないまま、
アホのラッシュとうぶなディアナがヨヨの様子を見に行って
パルヨヨのセックルをガン見してしまうネタを永らく妄想し続けている
694 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 01:23:03 ID:UKpHctj+
ラッシュはおとなになった!の相手がディアナとか、
ヨヨがパルとくっついて落ち込むラッシュを色んな意味で慰めるディアナとか、
えっちなほんをディアナが発見してラッシュをからかう内に、
ラッシュがキレてレイーポとか色々と妄想しつつ保守
695 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 21:11:40 ID:UKpHctj+
ヨヨにレズ調教されるフレたんとかいいよね
フレにレズ調教されるヨヨも良いかも。
ネタでなくまじにヨヨフレの百合って割といいかもと思ってる
薬切れとセックル中の違いはあれど
苦しそう同士ですねわかりません
プレイしたの小学生の時だったからなぁ…
まだヨヨの部屋から苦しそうな声が聞こえていると聞いても
当時純情無垢な少年だった俺は「え?まだ苦しい!?大丈夫なの!?」
とか馬鹿正直に心配してたら…
後にパルちゃんとにゃんにゃんしてたと知った時はかなりショックを受けたぜww
ディアナ「ねえ、知ってる? フレデリカの話……
フレデリカの部屋からあいかわらず、苦しそうな声が聞こえてくるの。
また薬のせいかなって思ったんだけど……。
でも、フレデリカは薬なんかもう、へっちゃらなんでしょ?
いったい、なんなのかしらねえ」
>薬なんかもう、へっちゃらなんでしょ?
有り得ないだろ
耐性ついちゃってトリップ出来なくなったジャンキーか
ゴキブリがだんだん殺虫剤効きにくくなるのと同じ原理だな
(なんという例え)
>>703 お前は俺をスーパーサイヤ人にさせるつもりかね
でもフレデリカはオーバードーズ気味な気はする。作中の描写的に考えて。
フレデリカ「無恥な王女にはたどり着けぬ境地がある」
「薬物と滅びゆく肉体とのせめぎ合いの果てッ」
「薬物を凌駕する例外の存在!!!」
「日に30時間の横臥という矛盾のみを条件に存在する肉体」
「10数年その拷問に耐え」「私は今エリクサーを超えた!!!」
「ビュウさんの前に立つ!!!」
フレデリカ「あまつさえ己の身を護るための楯として使用される屈辱――ッッ」
「そのビュウさんの無念」「誰が知る!!!」
707 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 23:18:11 ID:4tyvYNCM
ちょwwwwバキwwwwww
>>706 あんたのせいで服脱いだらムキムキマッチョのフレデリカを想像してしまった
今晩はかなりグロテスクな夢が見れそうだ、どうしてくれる
ヨヨ「私の名は『ヨヨ・ビッチ・カーナ』年齢17歳。自宅はファーレンハイトの一室にあり……結婚はしていない
仕事は『オレルス救世軍』のワーロックで、毎日遅くとも8時までには帰還する
タバコは吸わない 酒はたしなむ程度
夜11時には床につき 必ず8回は(パルパレオスと)絶頂を迎えるようにしている
寝る前に将軍のミルクを飲み 20分ほど前戯で体をほぐしてから 床につくと ほとんど限界まで抜かずさ
赤ん坊のように疲れやストレスを残さずに 朝 目をさませるんだ……
プレイヤーから節操なしと言われたよ」
>>708 言うなww俺も想像しちまったじゃねぇかwww
しかも「私脱いだら凄いんですよ(はぁと)」
ってフルボイスの動画で脳内再生されたよwwww
711 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 10:52:50 ID:UIeq2BkH
保守
712 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 23:51:23 ID:D+1egQzx
ほっすほっす
713 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 20:12:00 ID:SKQZ7q0W
革新
714 :
名無しさん@ピンキー:2009/03/08(日) 01:12:07 ID:0Tt34gGH
過疎り過ぎ保守
715 :
名無しさん@ピンキー:2009/03/08(日) 22:54:31 ID:0iFoDoEL
「あのね…私…この前覗いちゃったの。ヨヨ様の寝室を…」
「え…?」
「ヨヨ様が苦しそうで…心配だったから…だけど…」
「だけど?」
「え、えっとね、ヨヨ様は…パルパレオスと…え、えっちな…ことしてて…わ、私…それを…」
「見ちゃったわけか…」
「その時から私…なんだか変なの…なんだか胸が苦しくて…
その時の事ばっかり思い出しちゃうし…だから…ラッシュ…私t
(省略されました。全てを読む価値はありません。保守代わりです)
716 :
名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 00:06:00 ID:089JsQ/U
わっふるわっふる!!!!
ホワイトデーなのでビュウは、フレにプレゼントあげるべき
>>717 ビュウの手作りホワイトチョコを「お腹いっぱい」食べさす訳ですね、わかります
フレデリカ「あぁっ…お腹が熱いです…」
後半元気になったフレと逆にフレが大事すぎてヤンデレ気味なビュウ。
そうなシチュを妄想しつつ保証。
721 :
名無しさん@ピンキー:2009/03/29(日) 10:58:30 ID:fhr+Wkf5
ヤンデリカ
ツンデリカ
デレデリカ
722 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/02(木) 22:28:55 ID:7ElnpSXo
そういや昔、角煮のスレでロリデリカってのを見た事あるな。
神竜の力的なものでロリになったフレたんてのはどうだろうか
いいじゃない
724 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/10(金) 20:26:38 ID:Vwi1NsFo
サラマンダーより速く保守
ビュウ「シコシコシコ…ウッ!」
ヨヨ「サラマンダーより、はやーい……」
726 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/12(日) 21:03:50 ID:2SRdhMjk
つまりヨヨはサラマンダーと…
まさかバハラグスレがあるとはな…
昔はドンファン×ルキアにひたすら萌えてた。
アホな二枚目とツンデレぽい美女というイメージで。
いろんな女の子に声かけまくるナンパ野郎だけど
本当はルキアにぞっこん一途なんだぜ!というドンファンと
馬鹿じゃないの?とあしらいながらもドンファンが気になり、
些細なきっかけで惹かれていることを自覚するルキア……
なんて妄想してたんだが、何分かなり昔のことなので
これがゲーム内の性格壊してないかとか分かんねー
728 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/12(日) 22:52:51 ID:govx2Di1
>>728 マジか!よかった。
久々に萌えが湧き起こりそうだ。
ドンファンルキア、カモーンという前に
まず自家発電しなくちゃ駄目だよなー。
何となくだがドンファンとビュウは意外と仲がいいイメージがある。
飄々としたドンファンに、ビュウが呆れつつも仲良くやってそう。
>>730 ビュウは全体的に仲良さそうだけどな
あの濃い仲間たちを上手くまとめ上げてる訳だし
まとめ上げてるのはマテライトとかヨヨとかホーネットのへんだぜ
ビュウはオレルス救世軍のリーダーじゃなくてあくまで戦竜隊長
……だったよね?
いくらなんでもホーネットは違うんじゃないのか
確かに戦闘と関係ないモブキャラのクルーは彼が仕切ってるんだろうけど
よくホーネットがファーレンハイトの艦長だと勘違いしてる人がいるけど
彼は単なるの航海士で艦長はセンダック、さらに言うとビュウはその艦長代理
建前上、軍のトップに立ってる事になってるのはヨヨやマテだろうけど
軍の編成・資金運用・ドラゴン育成方針etc、かなりの決定は実際ビュウがやってる。
(もちろん、ビュウがプレイヤーの操作キャラだから
そのへんの意志決定がビュウ=プレイヤーに委ねられてるのはゲーム的に当然なんだが)
マテもリーダーを自称してるけど「ビュウに任せておけば全部安心」
と言ってるし、ほんとは実質的リーダーがビュウである事を認めてるんじゃないかと思う
航海士じゃないや、航空士だ
野球でいうと
顧問→センダック
監督→マテライト
コーチ→ホーネット
キャプテン→ビュウみたいな感じだろうか。
ビュウはマネージャー兼任だな
その例えだと、顧問と監督は専業じゃなくて公立高校みたいな教師兼任タイプかね。
個人的にはホーネットは金持ちのベンツ運転してる運転手くらいの認識。
現場の船員にはボスって呼ばれてるし
彼ら目線からは「一番偉い人」と思われてそうだけど。
なんとなくホーネットは軍の方針や戦闘の事には発言しない・参加しない
(そもそも本人がそれを望んでない)イメージだ
マテに対する態度が大きいのは、公的立場が同等に偉いからではなく
船乗りの男気質ってやつだと思う。
最終的にはヨヨがリーダーっぽくなってたような
まあ王女だし
圧縮来そうだからいちおう保守
742 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/15(水) 18:24:15 ID:pe/daYUT
ルキアさんのふとももで圧縮されたい
俺は胸で圧縮されたい
744 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/18(土) 02:50:12 ID:1izkC11f
圧縮!圧縮ゥゥゥゥウウゥ!!!!
圧縮!圧縮ゥゥゥウウゥウゥ!!!
746 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/20(月) 01:13:07 ID:diiW2CKH
ルキアとジャンヌのWふとももで圧死したい
ジャンヌ「ねぇビュウ〜、お姉さんのふとももはどぉ?」
ビュウ「うわっ、ジャンヌさん何ですかいきなり」
ルキア「ちょっとジャンヌなにやってんのよ、ビュウが困ってるじゃないっ」
ビュウ「いや、ルキアさんもおっぱい近付けすぎでs」
ジャンヌ「何よ露出狂」
ルキア「それあんたが言える訳?」
ビュウ「ちょ、二人とも挟まないでおっぱいで息が出来ないtt」
こうですかわかりません><
ジャンヌって実際酔ってドンファンに絡んでる台詞あったし
酒入るとこんな感じになりそう
ジャンヌさんは貧乳
そのかわりいいケツ
ジャンヌ×ドンファンも捨てがたいね
ジャンヌはアスリート体形のひんぬー、細腹、引き締まり尻だと妄想
ルキア→大人のお姉さん的エロス
ジャンヌ→健康系爽やかエロス
ミスト→美熟女系エロス
という訳でOL姿のライトアーマーの姐様がたをぜひ
ヨヨなんて死ねばいい
前スレのビュウ×ヨヨ見たいんですけど、どこかのまとめサイトってないんでしょうか?
エロパロ保管庫にはなかったようなので……。
前スレのログもってたけど書いてたSSと一緒にデータ消えたからない。
未完のも含めて、作品っぽい物はだいたい
>>471の保管庫に収録されてるようだけど
探してるSSの概要どんな感じ?
漏れみたいにデータ紛失して続きが書けなくなった人とかいるかもしれんな。
もっとも自分の場合は完成してから投下する予定だったから過去ログあっても意味ないが…
759 :
名無しさん@ピンキー:2009/05/12(火) 09:30:03 ID:9SoY+cHt
新作もしくはつづきものを待って保守
中学生の時プレイしました・・・
途中からヨヨとかどうでもよくなってひたすら健気なビュウ萌え!(本名プレイはしなかった)
で進めました。
苦しい声とか女王の××とか当時は意味不明でした
初プレイの時からフレたん萌えだった俺は勝ち組。
当時好きだった子がちょっと身体が弱い子だったので妄想してたなあ…
ビュウ健気だよね。
ヨヨを遥かに超えるようないい女と幸せになって欲しいよ。
>>762 たいていの女はヨヨよりかなりマシだと思うが・・・。
フレたん陵辱が読みたい
フレたん殺す気か
フレデリカはマタニティな服装がよく似合う。
俺も、自分の好みとしては陵辱も好きだからどんと来いだけど
フレデリカについては純愛熱烈きぼんな人が多そうなイメージだ
まあ、陵辱はヨヨ担当だからなぁ。
ヨヨを陵辱しつつフレたんと純愛を育むというのはどうか。
純愛もいいが陵辱もね、な俺は
エロければ基本なんでもいいです
でもフレたんは激しくすると死んじゃいそうなので
脅しながら死なない程度に陵辱する感じで
男性向けでよくある、薬で理性失わせてらめええええってのは
バハラグだとフレたんでやらないで誰でやるんだって感じのシチュだと思う
>>768 どっちか片方ならまだしも両方同時にやってたらただの基地外だろ
戦後
自分の上で腰振りまくるヨヨを覚めた目でながめるビュウみたいな
そんな感じ
俺は「好きなキャラ+陵辱シチュ」ってのにすごい萌えるんで
「ヨヨ嫌いでむかつくから陵辱ネタでGO」って人の心情がちょいとわからない
嫌いキャラの陵辱SSって自分にしたら何の興味もないんだがそれで萌えるんか?
それともそういう人はハァハァ目的じゃなく、読んでざまみろって思いたいものなのか
まあ普通の発想なら「好きなキャラが酷い目に遭ってるシチュで興奮する」
というのが異常なんだろうけど、こればっかは自分でも
理由説明できないけど萌えるので仕方ない
>>771 前スレの最初にあったみたいな奴か。
自分の脳内ヨヨのイメージとは違うけどあれもけっこう好き
ヨヨの事に関して触れてはいけない箇所に踏み込んできてしまったフレデリカを激情任せに陵辱してしまうというシチュを時々妄想する。
……自分は結構温いんだろーな、何だかんだで最後にはビュウがその責任を取る展開にしかならんから。
そのシチュはあしらいを一歩間違うと
フレが「既成事実作って責任取らせるためにビュウの傷を故意に抉った性悪女」
ってふうにも見えかねん気が
>>772 それだけヨヨへの憎悪が根深い人もいるんだろう
エロパロスレにまで持ち込んで来るなって感じもするが
ネタじゃねーの?
バハラグの最後からすればヨヨはビュウに未練が沸いてしまったとも取れるが…
個人的にはビュウとどうにかなる程馬鹿な女であって欲しくないし、ビュウからヨヨに復讐して欲しいとも思わん。
今後は国の継続のためと割り切って、どこかの王族と愛の無い結婚でもして想いは墓までもっていくのがヨヨの責任だよ。
ビュウは綺麗さっぱり忘れて他の娘とラグーンの空を前向きに生きて欲しい。
ということでビュウのイチャラブお願いします。
まあ嫌いキャラをボロクソにするために叩きSS書く人って別ジャンルでたまに見るけど
好きキャラでSS書くのさえ大変なのにどんだけの執念なんだ、
もう少しプラス方面に気力と時間使えばいいのにとは思う
ということで「フレデリカ倒れる」→「ラッキーもらっちゃえ」
→「あ、ああ…ビュウさんお願いします、私にクスリを…」→「言う事聞くなら言う事聞いてやるぜ!」
でフレデリカと楽しくおクスリプレイする展開を俺は妄想するぜ
セックスしただけで大人とか言い切っちゃう子にそこまで求めるのは酷だなあ
ラッシュとトゥルースのことか
>>777 >バハラグの最後からすればヨヨはビュウに未練が沸いてしまったとも取れるが…
それって、たまに言われるけどエンディングで、それまでヨヨの心の中にいたバハムートに
「ヨヨのこころの中でおまえはとても大切にされていた。
「しかしそれは思い出の中のおまえだ…… いつかはきえさる記憶にすぎぬ……」
って言われるからヨヨがビュウに未練を残しているとは考えにくいと思うな
別にヨヨがパルパレオスとくっついてもいいと思うけどな。
小学生の時に好きだった人が大人になって、他の男とつき合ったとして悲しいか?
>>781 その時点でパルパ死んでなかったから、死んだ後に大切な人最有力という意味での未練はあるでしょ。
そうじゃなくてもあれは未練なしには見えないけどなぁ。
>>782 俺も1行目は完全に同意だよ。でも2行目は話の前提も年齢も全然違うじゃん。
自分はまだ女の事を好きでそれが同じ寮なりに住み始めていちゃつき始めたりギシアン聞こえてくるのはつらいだろ。
まして思い出の場所で男の方のエスコートさせられるんだぜ。
大人になるにつれて、それこそビュウへの恋情は
パルパレオスがいなくなっても風化することには変わりないんだよ、たぶんな
ビュウ視点でやってたプレイヤーからすれば、許してくれとばかりに
ヨヨに縋ってほしい(そして突っぱねてやりたい)のかもしれないが
「ビュウ……新たなる時代は来た……
だが、新たなる時代はすぐに古き時代となる
時間には誰もさからえぬ……
さあ、ビュウ……前だけをみて歩くのだ……」
結局のとこ、過去に囚われず前を見ろよ、ってことだろうな
明日が見えなくても、不安になって後ろ向きになってちゃだめだぞと
それを踏み台にして前へ進めと
作中スタッフの想定では、少なくともそのシーンまでは、
ビュウのほうがヨヨに対して、愛情が変質した、憎しみという形の未練を
抱えていたということになってるんだろうよ
ヨヨ死ねと言ってる奴はスタッフの思惑に乗せられてるんだろうな
ヨヨが、ビュウに「あのころのように」って力を貸してもらうために願ったのは
ヨヨだけでなく、他の奴らの明日も掴むため、前へ進むためのことだ
考えるだに納得はできないが、これからもバハムートラグーンの世界では
ビュウが糾弾できないくらい「正しく強い女王」であるヨヨに対して
苦い思いを噛み締めていくんじゃないかな……あそこで首は横に振れないだろ?さすがに
その苦みを踏み台に、いつか消え去る記憶として前へ進もうってことなんだろうけど
なんだろな、こういう構図を作ったスタッフの神経疑うわマジで
>>784 実際、作品はストーリーとしてのは凄く良かったけど、子供がやるようなゲームで昼ドラ展開をするのはな…という話だったしね。
当時を思い返すとやっぱり、ビュウが俗界から離れ、バハムートに乗って駈けるというEDが無難だったんだろうか…
>>785 苦みを感じてるのがビュウ=プレイヤーだけだからな。
前スレのSSにもあったけど、恋愛関係だけ切り取ればビュウ一人だけ芋引いてるけど恨みのぶつけどころは無いしね。
ビュウの立場って「自分の好きな女のために身を引くサブキャラ」なんだよね。
ヨヨは「正しく強い女王」ではあるけど「正しく強い女」ではないからモヤモヤするんだと思う。
せめて明確にビュウとくっつくヒロインを用意しておけば今ほど「ヨヨ死ね」とは言われなかったと思う。
ライターさんが似たような失恋経験でもしたのかね。
>>784 前半はおおむね異論はないが
自分はエンディングのビュウとヨヨの関係は「恋愛でない絆」と思ってて
それもいい結末だと思ってるから、「苦い」という確定で話している事自体がピンとこない
もちろんあの終わり方を「ビュウが不憫」と思う人もいるのはわかるけど、
まあなんだろな、必ずしもそう狙って作ったエンディングだとは思ってない奴もいるって事で。
俺の脳内ビュウはエンディング後も何の禍根もなく幸せにドラゴン親父人生を謳歌してるよ
>>787 そだね。
だからビュウ=プレイヤーがルサンチマンから脱却できたときに
いい絆、になれるってことなんじゃないかなと思う
ヨヨはカーナの女王な訳だし恋愛感情なんて持っても無駄な事ぐらいビュウは知ってると思うけどな。
パルパレオスがEDでは帝国に帰ってるあたり、一緒にはいると問題が有ったんだろうし。
子供の頃は二人に恋愛感情が有ったかもしれないけど、
大人になってからのビュウとヨヨの関係って「いい仲間」って感じだったんじゃないかね。
後、子供の頃の教会のイベントだってマテライトが持ってた思い出だし、
そもそも始めっからビュウがヨヨに恋愛感情を抱いていなかったって考え方も出来ると思う。
まあそういう俺はフレたん大好きなので、ビュウには薬屋をやってほしいと願っております。
作中で2回も「SEXする=大人になる」って描写を入れてるのはどうなんだろな
やっぱライターになんかあったのか
>>770 なんかそんなのをどっかで見たような覚えがあるが。
ヨヨ
弟さんを僕に下さい
素晴らしすぎる
いい仕事だ
799 :
名無しさん@ピンキー:2009/06/06(土) 19:21:23 ID:meVaoIIg
>>797 この人、フレたんスレでも描いておられたような…
801 :
名無しさん@ピンキー:2009/06/13(土) 23:26:14 ID:usbmTugZ
一週間ぶりにの書き込みがまた自分だとは思わなかった。
保守
vipでバハラグスレが立ってたな
vipにこのゲーム知ってる人なんているのか
ν即とかvipでネタにする→新参が興味持つ→ニコ動とかで実況を見る
みたいな流れで知ってるやつ結構増えてるよ。
特にヨヨ関係のネタは男女問わず興味を引きやすいから。
ニコ動で動画見るのも良いけど
出来れば自分でプレイしてほしいな
美麗なドット絵とか今聞いてもテンション上がるBGMとか
フレデリカとかフレデリカとかフレデリカとかフレデリk(ry
やっぱ自力でクリアした方が動画で見るより楽しいよ
だが、バハラグのソフトって今手に入るかな?
俺はまだソフト持ってるが、中古ショップとかに行けばあるかな?
>>804 でもその流れで、ヨヨ叩き部分だけを聞きかじって
いっぱしにバハラグの全貌がそれであるかのような顔をする人が最近増えたのは
正直あまり愉快でなかったり。
きっかけがそこでも、実際にゲームやって
バハラグ全体の良さを知ってくれるならいいんだけどさ
ヨヨの件だって、実プレイするとムカつくけど仕方ないよねってとこもあったりして
その割り切れ無さ感がある意味で醍醐味なのに
>>804 フレデリカや他キャラも、長時間のうちにだんだん挙動が変化するのが楽しいんであって
そこはやっぱり実プレイで見てほしいとこだよな
>>806 リアルタイムでプレイしたクチですが、
ヨヨのおかげでNTR以外の要素全部ぶっとんだです・・・
>>808 作中でビュウにも恋人ができたりしたら良かったんだけどね。
そうしたなら、わりかし良くあるメロドラマ的物語になって、「まあ佳作」程度の評価に落ち着いたかも。
あれは変に公式で恋人が出来ないからよかった。
妄想でいくらでもビュウに救える。
>>811 ある意味出るのが早すぎたんだよ。
実際当時のメインターゲットの年齢層にヨヨの展開はキツかった。
今くらい2次創作とか萌え文化みたいなのが栄えてればあのENDはむしろご馳走なんだろうけど。
愚痴る以外で不満を共有できなかったんじゃないかな。
ここにいる人たち、発売当時いくつだった?
俺は小学校低学年、タンスのアレとか王女の???とか理解できない年ごろだった
あーそれはあるかもなあ。上手い事言う。>今くらい二次創作とか萌え文化みたいなのが栄えてれば
自分は当時SFCで遊んでた層としては割と年いってる方だし、
当時から二次妄想大好きの末期ガチオタだったから
バハラグの「作中で全てすっきり片付かない感」がまさにツボ以外の何物でもなくて、
並の佳作ゲーの比じゃないくらい妄想補完で萌えまくってた。
そんなんだから「バハラグはあれこれ語られずに終わってる所こそがいいんだよ」
と思ってるわけだけど
>>813 俺は小学校高学年ビュウとヨヨの名前が変更出来たおかげでスタッフに殺意を覚えた年頃さ
俺は厨房なりたてだったよ。
エロ知識を色々理解し始め&それまでのスクウェアのソフトが主人公&ヒロインって王道ど真ん中だったんで油断してた。
>>814 >今くらい二次創作とか萌え文化みたいなのが栄えてれば
今やったらそれこそ某下○生みたいにディスク割って送りつける奴とか出てきそうだけどなw
ヨヨ関連は昔だからこそできたことだと思う
そんな俺は当時はNTRの意味すら知らなくてプレイしながらモヤモヤしてたなー
アサシンコンビにヨヨの暗殺頼んだりしてたわw
当時の俺は「冗談だろう」と面白半分でクルーの暗殺依頼したら
クルーの墓が出来て、罪悪感で泣いたピュアな少年だった…
>>813 俺は高学年くらいだったかなぁ。
当時はとにもかくにもショッキングで、
いまの俺の女性不信の源流にもなっている。
まあ、NTRでフル勃起するようにもなったがな!!
>>818 当時の自分はまさかエカの本性があんなキャラだと思わず、
軽い気持ちで「うにうじ」と応えたらごらんの有様だよの展開になってガクブル
しかし今やそっちルートのエカの方が好きでたまらない始末だ
発売当時小学校中学年だった俺はコロコロの記事でバハラグを知った(あと聖戦の系譜も)
実は、いまだにタンスのアレと王女の???が理解できない
>>822 タンスのアレはコンドーム、
王女の???は陰毛って聞いたけどなどうなんだろ?
>>823 し、知らなかった…
特に陰毛は全く見当がつかなかった
まあ昔から処女の○○毛はお守りとして重用されたからのー
>>825 ラッシュが王女の???を譲るのはもう処女じゃないからご利益無いしイラネ
ということだったのかw
プレイしてた当時は???はパンツだと思ってた。
大人になった!とか意味もわかってなかったし。
今はすっかり汚れてしまった。
>>826 必ずしも処女のでないと駄目って説でもないから。
一般的には恋人や奥さん、そういうのがいない若造の場合は母ちゃんの陰毛を持って行ったなんて話を
戦時中の逸話で見かけたりもするけど、まあ野郎の心理としてはおかんのより
意中の人の毛の方が気合い入るに決まってるわな
ラッシュが失恋してアレをビュウにくれたのは、処女じゃないからイラネって事じゃなく
単に今まで「愛する姫様のために戦うぜ!」って一念でよりどころにしてたのが
目前で他の男といちゃつかれてそういう心境じゃなくなったからだと思ってる。なんか気分的にわかるっしょ
>>828 なんとなく、弾よけにはなっても地雷には当たりやすくなりそうなお守りだよな・・・
寝ているフレデリカを100回調べるとフレデリカの???が手に入ります
帝国内では、グッバイがはやってるのか?
聖帝様一派だけです。
833 :
名無しさん@ピンキー:2009/07/02(木) 00:24:30 ID:R+UXQc7E
彼らはYOKOHAMAのWarrior達の先祖なのでしかたない
レーシングポエムゲームと申したか
そういえばグドルフも
「悪夢の神竜と共に空に沈め! グッバイ!」
とか言ってたな。
グランベロスの人間は、この言葉を使うのが好きなようだ。
しかもエンディングではパルパレオスが、この言葉を連発。
直後、この世からグッバイすることになった。
グンソーの???
センダックの???もありそうなもんだが…
>>838 毛根は歳を重ねるごとにダメージを受ける。
そしてセンダックはジジイ、後はわかるな?
パイパン・・・わしはパイパンジジイ・・・
842 :
名無しさん@ピンキー:2009/07/17(金) 12:23:18 ID:QNxlNtqz
革新
パイパンジジイと若き龍使い
ビッチ王女とポエム将軍
サラマンダーよりはやーいwwwww超ウケルwwwww
>>844 ヨヨがそんな感じだったら、見た瞬間フレイムヒットぶちかますと思う
>>844 ・・・待て。 その「はやい」は
もしかして竜のスピードじゃなくて、ビュウが早r・・・
つまり王女は犬や馬のものでは飽き足らず、竜のものまで試してみた古ツワモノだったんだね
848 :
ビュウ:2009/07/21(火) 23:12:02 ID:u/x02bNb
>>844 おっと手が滑ってセイントヒットォ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
フレデリカ「何その顔!チョーウケ…ゴホゴホ!…すいません…」
>>849 これに比べたら、DQ9のコギャル妖精なんて可愛いもんだな・・・ w
(口調ほぼ同じなのに・・・)
>>849 パルパレオスさん…あんた漢だったんだな…
>>849 だからエンディングで抵抗しなかったのかパルパル…
ラグーンファクトリー
〜新牧場物語〜
牧場物語系のゲーム性で竜を育てるゲームか。ありだな。
DSですれ違い通信対応とかなら普通にゲームになりそうな気がするw
そのゲームにはサラマンダーが人間のおにゃのこになるイベントはありますか?
そんなもんいらねえ
龍は龍だからいいんだろ
しかしまあサラマンダーも、
先祖を辿れば元は人間な訳で。
辺境のラグーンでゆったりのんびり畑を耕す[牧場要素]
作物やそれを売ったお金で買った道具を与えて竜を育てる[育成要素]
個性的なヒロイン達と絆を深め、結婚や子育ても出来る[恋愛要素]
勿論剣を取ってのダンジョン攻略も出来る[冒険要素]
一瞬で此処まで妄想した。
>>860 元は竜人だろ?
ドラゴンおやじの例を見るに、バハムートの力を借りればおにゃのこ化も充分可能そうでは有るけど。
ドラゴンおにゃのこ化は隠し要素だな、隠し要素。
恋愛要素に割り振るリソースを育成要素分にプレイヤーが割り振ればマスクデータの「ドラゴン恋愛値」みたいな物がアップ。
デフォルトの状態だと下がる設定で通常のプレイならトントンになる程度だが、恋愛要素に割り振る分をドラゴン育成に割り振れば若干上がる様になる。
で、それが一定値を超えればおにゃのこ化イベント発生とか。
……こんな夜中に何を考えてるんだ、俺は
擬人化しないドラゴンとラブりたい俺はどうすれば
それは本編で実現しとる
ようはアレアレ
ヒロインの????を食べさせれば突然変異するわけだ
性格が親しみからビッチになるんだな
フレデリカの????を食べさせるとヤンデレに
アナスタシアの????を食べさせるとツンデレになります
ヤンデレはエカテリーナだろ、フレデリカの病みはベクトルが違うw
>>869 体が病んでるか心が病んでるかの違いだなww
871 :
名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 01:08:23 ID:0yC0ta80
フレデリカはヤンデレというよりヤンデルだからな。
ちとスレの流れと違うのと、長文になりそうなんで、面倒だったら読み飛ばしてね。
自分は懊悩する主人公というシチュを妄想するのが大好きなんだけど、それって恋愛系だけに
限らないと思うんよねだ。で、自分がバハラグ(だけに限らないけど)でハァハァするのが、強い力を
手にしたけど、それに比例して殺した敵の数も増えていって、ビュウの心が…、という展開。
別のゲームでさらに古いけど、初代オウガバトルで最後の方の都市を開放すると、拍手喝采では
なくてブーイングで迎えられるんだけど、これって向こうから見たら自軍は解放軍ではなく侵略者
扱いなわけで、直接的な描写はないけど「父ちゃんを返せ!」的な言葉をぶつけられることもある
と思う。その時、指揮官として決して表には出さないが色々と苦悩する主人公がツボなんだよね。
長いので続く。無駄に消費してごめん。
続いた。で、エロパロ的な展開としては、その苦しみを少しでも癒してあげたい女性と、と続くわけだけど。
実際に「よし、書いてみよう!」と思うと、プレイしてる時は深く考えずに無双ヒャッホイしてたにも関わらず
戦争とかテーマが難しすぎて、自分にはとても書けないんだよねwエロが添え物になっちゃいそうだし。
どうしても御都合主義になったり、ただ流されてやるだけになったり…。
ビュウはサウザーみたいに力で自らの理想をというタイプでもないし、パルパレオスみたいに自分の中で
色々と見切りをつけて幕を引いちゃうのも、何だかなぁという気持ちになる。戦争が終わったら、無責任と
言われようと、重圧から開放されて優しい娘と幸せになって欲しいね。
3行でまとめられるんじゃね?
ビュウは
とっても
がんばりやさん
ビュウは
サラマンダーより
早い
ビュウは
フレデリカとくっつくのが
正義
ビュウは
大人に
なった!!
フレデリカも
大人に
なった!
怒ったビュウはヨヨに反撃を開始した・・・って男の夢だな
寝取り返しってジャンルはないんか
なんだ、パルパレオスをアッーしちまうのか?
寝取り返しと聞いてまずこんな発想が出てきた俺は余程ヨヨに怒りの矛先が向いているのだろう。
ヨヨが教会入ってくのを見て自暴自棄になったビュウが、
慰めようとしたフレデリカをレイプしようとするんだれど、
逆に薬を盛られてフレにいいようにされてしまう。
というフレのNTR?返し
>>881-882 自分を虐めていた女の彼氏を洗脳して
性転換させて自分の恋人にするというエロゲーなら知っている
>>884 ちょっ、おまっ・・激しくkwsk!!!!!!!!!
なんだっけ、デブジさんがでてくるやつだっけ
ロリデリカとちゅっちゅしたい
バーチャルコンソール配信おめ
うちのSFCは現役だから俺的にはそこまで環境変わるわけじゃないけど、
二次創作がいくらかは増えるといいな
昔よくいたような、異様に感情的なアンチがまた出るのはちょっと憂慮するが・・・
そだね
ちゅっちゅ
ヨヨだけでなくセンダックも消えてくれ
よよよ
>>892 センダックのあれはまだ可愛げがあるじゃないか
ヨヨヨ
ヨヨがヨヨヨって状態になってるのを想像した
かわいいw
セックスの時あえぎ声が泣き声なのは確定っぽい
さっそく某所でSSが投稿されてた
貴重なだけに期待したい
>>900 場所はマナー的にあれなんで、ヒントだけ
超有名 大型投稿掲示板 理想郷
ヒントどころかもう答えやね
内容は自分で確認して
エロパロでもなんでもないし、文章力的にも中の下くらいだし、
逆行モノというキワモノだし、プロローグ含めて2話しかない上短い。
過疎スレの話題にするにはあまりにも力不足だな。
>>902 うわぁ辛口w
てきとーにバハラグの話題ふっただけなんだが…
なんか、ごめんね?
>>902 理想郷って時点で出来の方は察してやれw
何処にあるか分からず読んでない俺は勝ち組
此処に来ないかな
よかったよ
ていうか感想の数とトラウマ告白が多すぎw
ちゃんとプレイしつつ書いてるみたいだし
そう悪くは無いと思うが
どっちみちここに投下されたんじゃないならスレチだ
感想はそっちの方にでも書いてやれよ
だな
刮目するほどうまくなくてもエロなしでもいいから、
オリキャラ大活躍だったり書き手のドス黒い感情が渦巻いてたり話が別物すぎたりしない、
シンプルに萌えられる二次SSが読みたい
つーのはそこまで贅沢な望みなんだろうか
書けばいいじゃないか
おまいが書けばみんなも幸せ一石二鳥
>>913 つまりフレたんとビュウの新婚ラブラブ日記を書けと
保守
>>913 うーん…つまりこういうのでもいいんかね?
――――――「何かをしていた方が楽だから」と、『彼女』は言った。
クッキーの作り方を教えてほしい。…おずおずと部屋の扉を叩いた『彼女』はそう言って、部屋の主からメモ書きを受け取り、ここを訪
れた。
フレデリカは一人、もう誰もいなくなった厨房で小さな溜息をつく。
少し前まで誰かがそこで何かを作っていたであろうことを容易に想像させる、未だ片付けられていない道具や玉子の殻の山。それを築い
た『彼女』の弱弱しい笑顔を思い返しながら、作業台に歩み寄る。
…思い描く。
『彼女』のその不安を隠し切れない笑みが『彼』に向けられて。
『彼女』の作ったモノが、『彼』に差し出される。
その情景を閉じた瞼の裏に投影すると、ちくりと胸が痛んだ。
焦りか。嫉妬か。きまぐれか。はたまた体調不良が生み出した、吊橋効果のような勘違いの類か。
ともかく、きっかけはそんな些細なことだったのだろう。
フレデリカは、ボールに残ったバターの破片を指先で掬い、ぺろりと舐める。そうして、そんなわけのわからない感情を抱いている自分
が少しだけ嫌になって下唇を噛んだが、やがて―――。
意を決して、バターと玉子を作業台に並べ始めた。
***
キャンベルを発ってから、既に数日が経っている。
空が機嫌を損ねる中、ファーレンハイトが目指すのは、水の大陸マハール。
そこに至るまで、ホーネットが握る舵を挟んで両側に備え付けられた、一対の梯子付の見張り台にはそれぞれ一日毎に見張り役が二人ずつ割り振られた。
今日の当番は、マハールを故郷とするタイチョーと、マテライトだった。が、例によって飽きっぽいマテライトは変わり映えしない空に早々に嫌気がさし、今彼がいるべき見張り台の上には、偶々そこに居合わせただけで当番を押し付けられた青年が根を張っていた。
彼は別に、職務を丸投げされたことでマテライトを恨んではいなかった。
というより、恨むことにも怒ることにも飽きるほどの年月、マテライトと行動を共にし、その性質を誰より理解していたので「そういうもんだ、しょうがない」と割り切っているのである。そこには、僅かな親愛の情すら窺える。
そんなわけで、彼は内心で怒りを燻らせる事も、愚痴を呟くこともなく。
また、空を眺めることなど既に生活の一部であるためにこの仕事を退屈に思うことなどあるはずもなく。
強いて今、彼が脳裏に何か抱くモノがあるとすれば、それは唯一つ。「しょっぱい」だった。
「…ビュウ」
丁度十枚目のクッキーをもくもくと咀嚼しながら、ビュウは自分の名前が聞こえた左側に首を向ける。反対側の見張り台に鎮座したタイチョーが、物憂げな横顔のまま愚図つく空を眺めていた。
「自分を気にかけてくれる人が傍にいるというのは、それだけで幸せなことでアリマスよ…」
やはりそのままの姿勢で、タイチョーは鼻の下に蓄えた髭を動かしながら、含みのあるような言葉を呟いた。
…ビュウは口の中のモノを嚥下しながら僅かだけ逡巡し、それに無言で以って答えることにした。
まだ目では見ることの出来ない、されど確実に近づく己が故郷を見つめる彼の言葉に秘められた重み。それに、自分が安易な返事をするべきではないと思ったからだった。
「…すまないでアリマス。お節介だったでアリマスね」
そんな彼の気遣いを感じ取ったのか、タイチョーは自戒するように首を振る。それが終わらないうちに、ビュウは再び正面に、ゆっくりと向き直る。そうして数拍おいてから、
「………いや」
気にしていない、という風に、短く返事をした。
それからまた、『二つ目』の袋から、クッキーを一枚取り出して口に放り込む。先ほどから味覚を支配していた「しょっぱい」が、程よい甘みで和らいでいく。…ただ、そのしょっぱいはことの外難物で、完全に中和することは出来ないが。
そうして再び、もくもくとクッキーを食べながら、空に異常がないか警戒する時間が流れ始めた。
マテライトがセンダックとマハールでの作戦会議をするといって艦長室に閉じこもってからというもの、今にも嵐が吹き荒れそうな空模様をずっと眺めていたビュウ。
幸いにして今まで敵襲はなかったものの、積乱雲が視界狭しと立ち込める中を飛ぶ現状では、突然の奇襲に対応しきれるかどうかに不安が残る。
そんな懸念に、ビュウは何度目か小さく鼻を鳴らして、『一つ目』の袋からクッキーを取り出し、頬張る。しょっぱい。
(悲しい色…か)
ふと、ビュウはこの数時間の出来事を思い返し始めた。
船の舵を握るホーネットはマハールの空が荒れることが珍しいと漏らした。…カーナ陥落以来、数年間オレルスを飛び回ったビュウも同意見だった。ビュウさん。
水の大陸と呼ばれるマハールは、水産による安定した国家経営を特徴とするラグーンである。
大陸に溢れる豊かな水のイメージに反し、気候自体は特別雨や嵐が多いわけではなく、寧ろ他のラグーンよりも落ち着いている。船の航行に支障が出るほどの気候の乱れは、それこそ年に一度あるかどうかである。
そんなことを考えていたところに、彼女が―――ヨヨがやってきたのだった。クッキー入りの『一つ目』の袋を差し入れと言ってビュウに手渡し、自分も見張り台に座ってみたいという彼女は、この空をして「悲しい色をしている」と評したのだった。ビュウさん。
ビュウも、戦竜隊の隊長となってから空を縄張りとした仕事をすることが多かったが、空に感情の起伏を見出したことはなかった。それはヨヨの独自の感性によるものなのか、或いは竜の声を聞くというカーナ王家の血の成せる業なのか。
「…はぁ」
いずれにせよ。そう漏らしたヨヨの不安げな横顔をただ眺めることしか出来なかったその時の自分を思い出して、ビュウは微かに嘆息する。ビュウさん。
一言、ごめんね、という謝罪を残してブリッジを去ったヨヨ。その背中に声をかけることも出来ず、ビュウは見張り台に戻った。
センダックが来たのは、それから一時間ほどした頃だった。マテライトの隙を見て艦長室を抜け出し、やはりクッキー入りの『二つ目』の袋を差し入れてくれた。
その味のほどは中々のものだった。ビュウは率直にその感想と礼を口にし、見張り台に戻って―――、
「ビュウさん」
突然。背後から名を呼ばれた。
瞬間、ビクン、と大きくビュウの体が跳ねた。少年の頃ならばいざ知らず、いくつもの苦難を踏み越え、騎士として成熟しつつある今のビュウのそんな大仰な反応は、彼をよく知る人間が見れば驚愕に値するだろう。
「あ、あの…ビュウさん?」
彼の名を呼んだ主もまた例外ではなかった。
みっともない有様をみせたのも一瞬、すぐに普段の冷静な呼吸を取り戻し、ビュウは振り返った背後、すぐ眼下にある梯子に視線を向けた。梯子の終着から、ひょっこりと顔だけを覗かせるフレデリカが、目を丸くして呆然としている。
ビュウはむぅ、とばつが悪そうに短く唸って、体の向きを変える。
「フレデリカ。どうしたんだ、ブリッジに来るなんて。俺に何か用か」
珍しい来客に、ビュウはもう普段どおりになった平静な口調で問う。
すると、フレデリカも落ち着けたのか、やや慌てながらも答える。
「はい。少し」
「そうか。でも、下から呼んでくれれば降りたのに」
「え、と。何度か呼んだんですけど…返事がなかったので」
おずおずと、梯子に掴まったまま答えを返すフレデリカ。
「…そうなのか、ホーネット」
その言葉に、ビュウは顔に小さく驚きの色を浮かべて、下にいる操舵手に問いかける。
「…本当だ。おまえは何か考え込んでて気づかなかったみたいだが」
ホーネットは忙しなく舵を取りながら、気のない返事をする。…わざとらしいほどに、視線を二人から外しながら。
「…呼んでくれてもいいと思うんだが」
ややじと目気味の視線をビュウが向けながら苦情を呈すれば、
「…俺はそんなに野暮な男に見えるか」
やはり視線を向けるのを避けながら、ホーネットは微妙に会話になっているのか怪しい反論で言い返す。
「タイチョー」
「自分は空しか見てないでアリマス」
右を向いて抗議の矛先を変えれば、ヨヨやセンダックが来たときと同じ『気遣い』の言葉が返ってくるだけだった。
「…成る程。つまり、俺が呆けていたせいで、余計な労力を使うことになったのか。すまなかった」
「い、いえ、そんな、気にしないでください、私が勝手に来たんですからっ」
もういい、という風にビュウは諦めて、正面から相変わらず顔だけを見張り台に覗かせているフレデリカに謝罪するのだった。
頭を下げるビュウを見て、フレデリカは慌てて彼の言葉を否定する。顔の前でぶんぶんと、病弱な彼女らしからぬ速度で手を振りながら――――――そう、手を。
「あ…?」
ぐらり。弱々しくも、それでも確かにフレデリカの半身を支えていた腕が梯子から離れてゆく。
背中を下に、綺麗な半月を描く軌道で、彼女は梯子にかけた足を軸に見張り台の下へと音もなく、落下し。
――――――直前で。フレデリカの体は、半月を描ききることなく、その落下をぴたりと止めた。
宙を掻いた右腕は、力強い別の腕に掴まれ、その体ごと静止する。
「…ビュウ、さん」
ブリッジの天井を見上げるフレデリカの視界に被さるように。
見張り台の上から、落ちそうなほど身を乗り出して。
それでも顔色一つ変えずに、無言で、彼女の腕をしっかりと捕まえ、支えているビュウがそこにいた。
「―――上がれそうか」
先ほどの動揺が嘘のように落ち着いた口調で、ビュウは短く問う。頭の中が真っ白になっているフレデリカは声を発することも出来ず、やっとのことでこくん、と一度だけ、首を縦に振った。
「よかった」
言うが早いか、彼は半身を引っ込めながら、ぐいとフレデリカの右腕を梯子に引き戻す。体を垂直に起こされた彼女は、真っ白な思考のまま、もう一方の腕もしっかりと梯子に取り付け、そのままビュウに引かれて見張り台の上に上がりこむ。
「すまない。降ろしたほうがよかったんだろうけど、あの位置からだと、一度上に引き上げた方が安全だと思って」
「っ、そんな。私の方こそ、本当に、ごめんなさい…っ!」
「気にしなくていい。フレデリカがここまで上がらなきゃいけない原因を作ったのは、俺だしな」
フレデリカはしゅんと力なく肩を落とし、深く頭を下げて謝罪する。だが、ビュウは冷や汗一つ浮かべずにそれを許し、彼女の体に怪我がないかを窺う。
「…傷は、なさそうだな」
「はい。…その。お蔭様で」
「よかった。でも、降りるのは念のため、もう少し落ち着いてからの方がいいだろう」
フレデリカの紅潮した頬から、彼女の脈が早まっているであろうことを読み取ったビュウは、彼女が再び慌てて梯子から落ちないよう、決して広くない見張り台を一瞥して思案する。
見張り台のスペースは、人二人が入るようには作られていない。実際、今のビュウとフレデリカはかなり窮屈に密着している。
そんな中で、ビュウは体の向きを正面に直しながら、どうにか台の左側に、人一人分のスペースを確保するよう、体を壁側に寄せる。
「狭くて、嫌かもしれないけど。少しの間辛抱してくれ」
申し訳なさそうに、ビュウは足を抱えて座るフレデリカに提案した。
…そんな、自分よりも何倍も冷静なのに、それに不釣合いなくらい所在なさげな彼の物言いが何だかとても可笑しくて。
「…じゃあ。お邪魔しますね」
くすり、と。たおやかに微笑んで、フレデリカは彼の脇に収まった。反対側のタイチョーはもう一度、自分は空しか見てないでアリマス、と念を押すように呟いて、そっぽを向くが、当のビュウ本人に『そういった意識』が皆無なことがまた滑稽である。
「ふぅ…ところで、ビュウさん、何かあったんですか?私が呼んだとき、随分驚いてたようですけど」
「ん。まぁ、さっきちょっと」
自分の顔を見上げるフレデリカの疑問。あれだけ大きな反応を見せれば、当然のことだろう。
そんな素朴な問いに、ビュウはつい先ほど途切れてしまった回想の『先』を反芻し、内心で身震いする。実に間が悪い、といえばフレデリカに失礼になるが、とてもではないがそうとしか表現できないタイミングで、彼は名を呼ばれたのである。
「それより、フレデリカ。俺に用って言うのは」
誰にも見えないようにそっと自分の臀部を擦りながら、ビュウはいつもの真顔と平静な口調で話題を変える。
フレデリカは彼の問いに、あ、と短く感嘆し、今更のように自分がここに来た理由を思い出した。
「はい、実は、クッキーを焼いたので…差し入れにと、思って」
言いながら、彼女は懐から袋を取り出した。彼女の僧衣と同じ鮮やかな水色をした、ヨヨやセンダックの持ってきたソレと同じくらいのサイズ。それを、ポンと膝の上に置く。
…それ―――『三つ目』の袋の増援が現れたのを見て、ビュウはまたもむぅ、と聞こえないよう短く唸り、冷や汗を浮かべる。
彼とて、フレデリカの厚意はとても嬉しく思うところなのだが、何分にも先客を平らげる算段をつけた上での更なる糖分―――ある面においては塩分もだが―――の摂取は、流石に体と脳が拒否反応を示しかねない。
どうにか『先客』を腹に収めた上で、フレデリカの差し入れも食べきってしまいたい。そう結論付けたビュウは、フレデリカに、
・せっかくだから、一緒に食べる?
ニア・フレデリカ、食べさせて!
「――――――――――――え?」
――――――真顔のまま。ビュウは、さらりと。一息に。その言葉を言い切った。
…数拍の、間。フレデリカは、自身の差し入れに対するビュウの思いもかけない反応に間の抜けた声を上げる。
自称・野暮ではない操舵手と、空しか見ていない男も巻き添えに、一瞬にしてブリッジの時が凍りつく。だが、みるみるうちに、空間の一部分が熱を取り戻してゆく。
いうまでもなく、当事者たるフレデリカだった。徐々に治まりつつあった鼓動は、再びばくばくと早鐘を打ちはじめ、小さく開いた口と見開いた目を顔に張り付かせたまま、頬を真っ赤に染め、戸惑う。
「え、ビュウさん…あの、私…えぇ…?」
「…ちょっと、先に差し入れがあってな。丁度、腹も膨れてきたし…それに、クッキーを食べるのに手を動かすのも疲れてきた。
気分転換もかねて、フレデリカの手で食べさせてほしい」
脇に置いた、『一つ目』と『二つ目』に視線をやりながら、やはり真顔で淡々と語るビュウ。
自分の体が糖分を摂ることを拒否するのであれば、人に食べさせてもらえばいい。…実に単純な発想である。彼の口にした『気分転換』という言葉は、極めて含みのある台詞だった。
………さて。ビュウ、という青年は、その落ち着いた態度や物言いから、よく真面目で、几帳面で、冗談も言わないような人物であると誤解されるのであるが。実際には、彼はちゃんと人並みのユーモアを持ち合わせた青年なのである。
然るに、誓って保証するが。こんな突拍子もない提案を、大真面目に口にする昼行灯のような呆け者では、断じてない。この提案は、彼なりのジョークである。
ただ、彼自身自覚していない、とても甚大な誤算がある。
それは――――――彼は、どんな馬鹿げた冗談も、真剣な顔で口にするということだ。それが周囲に、どう受け止められるかも認識せず。…そういう意味でなら、彼は立派な呆け者であるといえるだろう。
「………う」
視線を膝の上の袋に落とし、言葉を詰まらせるフレデリカ。手はきゅっと袋の口を括るリボンにかけられたまま、居心地悪そうに指遊びに勤しんでいる。
「―――ふ」
そろそろいいだろう、と。一瞬だけ、僅かばかり口端を吊り上げて、萎縮するフレデリカを微笑ましくみつめ、笑みを漏らすビュウ。
からかって悪かった、今のは全部冗談だ、ただ差し入れは有難いけど、これだけの量になると俺一人じゃちょっと食べきれそうにないから少し手伝ってくれないか、ああでも勿論無理はしなくていい、元々俺が名指しでもらったものだしな。
――――――そう、弁解しようとした時だった。
「………………あの。わかり、ました」
静寂を、確かに破るように。静かだが、強い意志のようなものが宿った声が、紡ぎ出される。
…声の主―――フレデリカが顔を上げる。先ほどまで、明らかに過剰に血液が集まっていることが見て取れた真っ赤な顔は鳴りを潜め、代わりに頬には、程よい朱色が帯びている。
その変化は意外ではあったが、弁解の出鼻を挫かれたビュウを面食らわせたのは、彼女の目だった。
口元は怯えを噛み殺すように真一文字に結ばれ。眉は強がりのように頼りない逆八の字をキッと描き。
それでも彼女の瞳は、確固たる決意を湛えて、すぐ目の前にあるビュウの瞳を見据えていた。
…相変わらず、ビュウは表情を変えず、真顔のままフレデリカを見つめている。だが、普段は大人しい彼女の思いがけない豹変に直面した彼の内心は、まるで未知の生物にでも遭遇したかのように真っ白になっていた。
フレデリカの手が、リボンをしゅるしゅると解いてゆく。綺麗に折り畳まれた袋口が広がり、そこに彼女の白く繊細な指が音もなく入り込み、探るように一枚のクッキーを取り出す。そんな光景を、頭の中が真っ白なまま、ビュウは一部始終、見守っていたが。
「………はい。どうぞ」
右の、親指と、人差し指と、中指に摘まれたバター色の丸いクッキー。破片や粉が衣服を汚さぬよう、気遣いで添えられた控えめな左の掌。フレデリカが、その両手を恐る恐るビュウの方へと差し出したのを認めた時。
彼の思考は漸く、錆付いた歯車のごとく、のろくさと回り始めたのだった。
「………ぅ」
彼は呻き声が漏れそうになったのを、やっとのことで堪える。
張り付いた真顔の頬には、暑くもないのに一筋の汗。
そうしてやっと、フレデリカがまさか本当に自分の提案を実行するとは思っていなかった彼は、自分がとんでもないことを言ってしまったのではないかという可能性に思い至る。
…まぁ。厳密には言った内容より言った態度が不味かったのではあるが。
「ビュウ、さん?」
クッキーを摘んだフレデリカの右手は、今丁度、彼女とビュウ、互いの顔の中間に差し掛かっている。
だが、そこまで近づいても、ビュウが口も開かず、微動だにしないことにフレデリカは一瞬だけきょとんとした表情を浮かべたが、すぐにその顔はそれまでの強がるようなモノへと立ち戻る。
…ビュウはそんな彼女と向き合いながら、鈍らのように切れの悪い思考をそれでも精一杯ぶん回しながら、この途轍もなく恥かしい状況を打破する手段を模索する。
密着状態の、狭い見張り台。ここでは彼女を残しての物理的な脱出自体が、不可能に近い。
いち早く事態の急変を察知した約二名に意識を向ければ、ホーネットは首を思いっきり左に捻って何もかもを視界に入れないよう尽力し、前を見ていない影響か、舵はじりじりと取舵へと傾いていっており。
タイチョーに至っては、自分は何も見てないでアリマス何も見てないでアリマスとすぐ左側の壁に向かって呪文のように繰り返しながら、警戒レベルを絶賛急降下中である。
見張り台に退路はなく、外部の助けも期待できず、ビュウの思考の指針は焦りで徐々に方向性を失い、悲鳴を上げ始め―――、
「ビュウさん。―――――――――あーん」
――――――フレデリカの一言で、盛大に空の彼方に吹き飛んだ。
それまで鋼の如く崩れなかった、ビュウの真顔が一瞬にして瓦解する。驚愕に口元は引きつり、目は見開かれ、顔中が火を噴くサラマンダーもかくやというほど紅潮する。
フレデリカはあーん、と。母親が子供の食事を促すように。恋人の逢瀬の一幕のように。目の前の青年に、明らかに慣れないであろう言葉と振る舞いで、「口を開けて」と求めたのだ。
今まで『そういった意識』でフレデリカを見たことがなかったビュウは、彼女の思いも寄らない不意打ちに遂に動揺し、言葉を詰まらせる。
…フレデリカは、クッキーを彼の眼前へと掲げ続ける。目の前の青年に、明らかな変化があったにもかかわらず、である。その頑なな様が、余計にビュウの混乱に拍車をかける。だが。
「…?」
ふと、ビュウは目の前に迫るフレデリカの右手に違和感を覚える。視線を移した、クッキーを摘むその指先は、よく見れば、微かにふるふると振るえていた。
視線をフレデリカの顔に戻す。強がるような表情は崩れず。だからこそ、それが確かに『強がり』なのだと―――彼女なりの精一杯の力で怯えを噛み殺しているのだろう、そこだけ血色を失うほど強くきゅっと結ばれた唇が、伝えていた。
それがどういった意志に基づくものなのか、ビュウにはとんと見当がつかなかったが。
それでもそれを見て彼は、フレデリカが今決して平静でなどなく、何某かの決意を秘め、そして持ちうる限りの勇気を振り絞ってこの行為に及んでいるのだということを、直感的に理解した。
…ビュウは顔を真っ赤に染めたまま。自分の中の恥の感情を、全力で叩き殺す。
自分で蒔いた種だ―――いや。そもそも、そんな消極的な理屈で納得すること自体、フレデリカに対する侮辱だ。どんな理由があれ、俺のふざけた冗談に、彼女は全身全霊を懸けて応えてくれている。ならば俺も―――。
「…ん」
そこまで考えて、ビュウはぐちゃぐちゃになりかけた思考も諸共、殺し尽くす。
いずれにせよ答えなぞ出ないのだ、今は成すべき事を成せ、と。彼はやはり真っ赤なまま、目を閉じ、口を広げてフレデリカの手を迎える。
「…っ」
フレデリカは、静かに生唾を呑み込む。宙を泳いでいた両手が、進行を再開する。
彼女の色白の手がソレを運ぶ。真っ赤な顔でソレが届くのを今か今かと待ち構え、口を開けているビュウ。
その光景は、何の皮肉か―――普段、ドラゴンに餌付けをしているビュウが、逆に餌付けをされているように見えた。
…甘い香りが、視界を閉ざしたビュウの鼻腔をくすぐる。クッキーの端が、彼の舌へと近づく。
―――――――――瞬間。轟音とともに、艦が激しく揺れた。
「―――!」
敵襲―――ビュウの全神経が、一瞬でスイッチする。
片膝を立てて見張り台から身を乗り出し、鷹の如き視力で前方の空の全てを視界と意識の内に捉える。
「あう…ビュウさん…っ!」
フレデリカはバランスを崩し、クッキーを見張り台に投げ出してしまう。咄嗟に見張り台の手摺に寄りかかりながら、ビュウを見上げ、名を呼ぶが、
「帝国の補給部隊でアリマス!」
「マハールに向かうのと鉢合わせたみたいだな…ビュウ、そっちから視えるかっ?」
「…ガーゴイル中心の部隊だ。数はそんなに多くない。…いや、それより、今の衝撃。首魁のデカブツと…この規模の部隊でも恐らく、取り巻きがいくらか、一緒にいるはずだ」
既に彼は、騎士としての彼に変貌していた。
キッと瞼を開き、空の果てまで射貫かんばかりの眼光で、雲の切れ目をちらちらと横切るいくつもの影を確信を持って視認する。
再び巧みな操舵を取り戻し、見張り台の下から問うホーネットに、彼は淡々と、そして強く、己が見解を述べる。
その、静かに燃えるような闘志を窺わせる彼の横顔を、フレデリカは呆然と見つめる。
「一つ…二つ…三つ―――」
ビュウの視線の先。雲の中から、ガーゴイルとは明らかに異質な、翼竜のシルエットが姿を現し始める。それを、息を殺すように数え、当たりをつけて、
「――――――視えた。ブランドゥングかっ、奴が頭だ―――!」
雲の向こうに、一際張り出したシルエットが飛び出す。巨大な体に、雄大な翼、四肢の先には鋭い爪。帝国の飼いならすドラゴンの一だった。
叫び、その存在をブリッジ中に報せながら、彼は舌打ちをし、
「きゃっ―――!?」
座り込むフレデリカを抱きすくめ、ブリッジへと跳んだ。
「っつ!」
ビュウの両足に、強い痛みが突き上げる。いかに彼が鍛えた体躯を持っているとはいえ、流石に人一人を抱えて梯子付きの見張り台から跳躍するのは、相当の負担だった。
痺れを堪え、両腕に抱えたフレデリカの安否を確認する。彼女には振動は伝わっていたが、痛みはない。
「すまない。大丈夫か」
フレデリカが目をパチクリさせながら、こくりと頷くのを見届けて、ビュウは彼女を静かに下ろしてやる。そのままぺたんと座り込む彼女を横目に、視線を頭上へとやる。
「…躊躇なしにブリッジ狙い、か。やってくれる」
険しい目つきで、呟く。
視線の先には、半壊し、用を成さなくなった見張り台だったモノが佇んでいた。ビュウがフレデリカを抱えて飛ばなければ、二人共消し炭になっていただろうことが容易に想像できる光景だった。
「なんじゃなんじゃ、何の騒ぎじゃーっ!」
「兄貴あにきっ、今の揺れはっ?」
「敵襲だ。…フレデリカ、立てるか。戦闘の準備を―――?」
騒ぎを聞きつけ、どやどやとブリッジへと雪崩れ込んでくる戦竜隊の面々。後には、甲板にいたはずのドラゴンたちまで続く。
意気揚々と出撃準備に入る彼らに続こうと、ビュウは傍らのフレデリカにも準備を促そうとするが、
「………クッキー」
聞こうという意思がある者以外には、誰の耳にも届かない、消え入るような声で、彼女は誰にともなくそう呟いた。
悲しげに俯き。先ほどまで膝の上にあった袋を求めるように両手を虚空に重ね。…目には、微かに涙が潤んで見えた。
「…あ。ビュウさんっ。はい、私は、大丈夫ですっ」
だが、それも一時。ビュウが自分を見ていることに気づくや否や、フレデリカは何事もなかったかのように、気丈な様子で自分の無事を主張した。
…一瞬。ビュウの脳裏に、真剣な顔つきで、クッキーを差し出してきた彼女の姿が過ぎる。何だか、無性に腹が立った。
「あの…ビュウさん、ごめんなさい。クッキーは、また必ず焼きますから。そうしたら、今度はちゃんとお部屋の方にお持ちしますね」
申し訳なさそうに、力なく笑って謝罪するフレデリカ。…それを、ビュウは。
「…必要ない。持ってこなくていい」
険しい表情で、彼女から視線を逸らしながら。一刀両断してみせた。
「………っ」
一方的な拒絶の台詞。それに、返す言葉が見つからず、しゅんと俯くフレデリカ。
…そもそも、この敵襲も、自分が余計な差し入れをせず、ビュウの目を以ってしっかりと見張っていれば察知できていたかもしれない、という負い目。それが、更に彼女の罪の意識に拍車をかける。
――――――けれど。彼女がそんな罪悪感を抱え込む必要は、別になくて。
「――――――持ってなんて来なくても、俺の方から食べに行く。フレデリカはお茶でも淹れて待っててくれ」
「………え?」
ビュウの言葉に、フレデリカは耳を疑う。
当の彼はというと、ああ、やっぱり柄じゃあないな、と。照れくさそうにそっぽを向き、鼻を鳴らして立ち上がる。
つかつかと舵を取るホーネットに歩み寄っていけば、気づいた彼がビュウへと指示を請う。
「ビュウ、敵の部隊は陣を組み直して雲の中に隠れたぞ…奇襲に備えるか?」
「そんな面倒はしなくてよいのじゃ!わしらは、」
「必要ない。こっちから打って出る」
既にビュウの指示を待つばかりとなっている戦竜隊の面々がどよめく。マテライトの大声を切り裂き、かき消すような、強い闘志を剥き出しにした彼の宣言にいつもにはない『何か』を感じ取ったからだ。
「ビュウ…勝算はあるの?いつもみたいに慎重にいかなくても…」
「奴らの飛び方と雲の形から、凡その出方は解る。顔を出したところをぶっ潰す」
センダックのおどおどとした問いに、淡々と、だが確かな強い感情の篭った答えを返す。
ぶっ潰す、という彼らしからぬ物騒な物言いに、更にどよめきが広がる。だが、粒揃いの戦竜隊の面々はやがてそんな調子の彼がツボに入ったのか、囃し立てるような声がぽつぽつと上がり始める。
そんな光景を、まだ状況を掴みきれず、彼らから少し離れた場所からぽかんと見つめるフレデリカに、ビュウは向き直って。
「…さ。一つも食べずに灰になったクッキーの仇。とりに往こう」
そう、恐らくは彼女にしか意味のわからない、静かな笑みを浮かべて、出撃を促した。
「………はい!」
そうして、漸く―――フレデリカは彼の言葉の意味を全て理解して、花のように笑ったのだった。
………………ところで、これは、余談となるが。この日の出来事には、小さな疑問が一つ残る。
それは、フレデリカから作り方を教わって作ったはずのヨヨのクッキーは、何故しょっぱかったのか、ということ。
料理の不慣れなヨヨが、妙なミスでも犯したのか。それとも、大元の土台が、そもそもから間違っていたのか。
真相は、後ほどフレデリカの部屋を訪れたビュウにしか判らない。
〜了〜
以前投稿された作品か
久しぶりに読んだがやはりいいな
以上、『Tasty or tasteless?』をお送りしました。
昔フレデリカスレに投下した選択肢付SSを、例によってdat落ちで見れなくなったためリサイクル。
見覚えある方は多分あっちで読まれた方。途中の妙な選択肢はそんときの名残ですね、はい。
で、都合九ヶ月ぶりの投稿なわけだけれども また俺だよ。しつこくビュウフレだよ!なんか鳥変わってるけど偽者じゃないよ!
あとまた例によってブラザーがいいもん描いてくれたので置いときますね つ
ttp://rainbow.sakuratan.com/data/img/rainbow103274.jpg
>>933 乙ですw
画像見て顔がにやけたまま元に戻らなくなったじゃないかどうしてくれる
久しぶりに読んだな
フレデリカの「あーん」の破壊力が凄まじい…
>>933 あんたのブラザーに「GJ!!ごちそうさまでした」と伝えておいてくれ
>>933 やはりヒロインはフレデリカ以外にありえんな。
VC配信もしたことだし「フレデリカの細腕繁盛記」みたいな
スピンオフ作品が出ると良いな。
ただ、店の薬に手を出すから繁盛しないか…
そろそろ次スレを考え始める時期かしら
フレデリカが飲む以上に薬を生産させよう!
ビュウは材料集め係兼マネージメント。
無理に作らせすぎると薬の消費量がガツンと上がってしまうぞ!!
なにその経営ゲーム
ーーーそれが、このスレの最後の書き込みだったーーー
終
確かに、残念だ…
こんな残念は初めて見た
フレたんの下着は
普通
縞パン
毛糸
はいてない
セクシー下着
のどれだろう
ドロワーズ
体が弱い
→腹や腰を冷やさない、これ大事!
→色気も何もない毛糸パンツ
というのが正直一番説得力ありそうで困る
俺的に縞パンはないな、縞は縞でいいものだが
何でもかんでも縞パン一択にしときゃいいってもんじゃないと思う
フレたんはノーパンだ。この前覗いてきたからわかる。
>>948 その通りだ。脱がしてきたのが俺だから分かる
お前センダックのパンツ持って何してんだ?
熱が出て汗をかいたので寝ながら着替えようとするするフレたん
しかし身体がだる過ぎてパンツを脱いだだけで力尽きて再び眠ってしまう
そこにビュウがやってきてうっかりローブの中身を…
>うっかりローブの中身を
どう見ても確信犯です。
本当にありがとうございました。
うっかりじゃなくてしっかり
ねぇ……ビュウ。おとなになるってかなしいことなの…
保守
規制解除まだか…
957 :
名無しさん@ピンキー:2009/11/15(日) 02:07:55 ID:zLqkhGzW
☆ゅ
サラマンダーにビュウってつけたらとんでもないことになった
ビュウより・・・はっや〜〜〜〜〜〜〜〜い!
更にヨヨの名前をセンダックにすると…おぉぅ・・
961 :
名無しさん@ピンキー:2009/11/20(金) 14:09:00 ID:hjLo+R9Z
ヨヨは帝国弱体化の為にパルを誘惑してて、戦後にパルが死んだのもヨヨの差し金。
こう考えるとヨヨは良い女王。
こんなスレあったんだな……
小房の頃、ヨヨを好きな子の名前にして、大変なトラウマになった記憶がある。
回想じゃあんなラブラブなのに……
あるある
ヨヨにとってはもう昔の男なんだよな……
バハムートの
「ヨヨの中でお前と過ごした記憶はすごい大事にされてたよ。
いや、うん。思い出としてだけどね。もうヨヨにとっちゃ昔の事なんだけどね(意訳)」
という台詞がまた……
でもまあ子供の頃の初恋なんてそんなもんじゃね?
ビュウも身分の差ぐらい分かってるだろうし
でもビュウがその気になればいつでも殺せるんだぜ?
生かしてもらってるんだから股ぐらい何もいわなくても自分から開けよ
某翼なサイト見てたら
トゥルースがひんぬーの女の子、という超展開を思いついた
お、久しぶりに来たらスレに人がいる
>>967 思い立ったが吉日というじゃないか
さぁ忘れないうちにSSを書くんだ
ところで次スレどうするよ?
>>966 「よくも俺を捨てやがったな。
わかるか、俺はその気になればお前をいつでも殺せるんだ!
わかったんなら股ぐらい何もいわなくても自分から開けよ!」
なんていうビュウはイヤだ
嫌すぎるw
スレ立て乙
スレ立て乙!!!
さて埋めましょうか
埋め
今年中に埋まるのか?www
無駄レスしていいなら余裕だろ(`・ω・´)
ビュウ「俺のドレッドノートを食らえっ!」
センダック「あひぃん!びゅうぅっ…!!ビクンビクン」
まぁ今年中には何とかなるでしょう
>>969 なんかベッドの上でけだるげに煙草吹かすビュウと
シーツくわえてしくしく泣いてるヨヨが浮かんだw
フレデリカ「フレデリカの…フレデリカのいやらしいアソコに…
ビュウさんのシャルンホルストをセイントヒットしてください…」
リメイクされないかねー・・・
中途半端にされるくらいならされなくていいけど
>>979 いろんな所で「ヒロインに好きなコの名前付けるの超オヌヌヌ」されるのが目に見えるようだww
キャラデザインも変わっちゃってボイスとか入っちゃって
「こんなの俺の○○じゃねぇ!!」とか言う御仁が現れるに違いない
難しいだろうな…
・男キャラも女キャラもイベント追加
・教会イベントなどの前から有るイベントやセリフはイジらない
・EDもそのまま
・当然ボイスなし
ファーレンハイトの面々ともっと会話したいと思ってる俺はこれで満足。
ただあまあまハニーみたいなギャルゲーイベントは勘弁。
バハラグっぽい陰惨で変態的なの頼む。
ラストレムナントみたいなグラでやってくれないかな
それならボイスあってもいい
ただしイベントはすべてそのままで
>>983 センダックの「ビュウのおしり、まろやか…」のシーンや
ビュウがマハールでグンソーと一緒にベッドに入ってるシーンがリアルなCGで再現されるのか…
声付きでサラマンダーよりはやーいとか言われた日には…
DSFFみたいな頭身低いギザギザグラになったら泣く
>>980 でも 『犯人はヤス』 ほどではないけど
バハラグのヨヨは有名なネタだからなぁ・・・
引っ掛かるヤツがいるのか?