こんなんに反応して何かしてやる必要なんかないって、ほっときゃいい
荒れる時は何をどうやっても妙な荒れ方するのが
ある意味バハラグスレの伝統行事みたいなもんだし
「なんでこんな有様に…」とか思う方が精神衛生上よくないと思うぞ
>>927 君のサイト叩いたやつはもうここを見てないから
ここで反論しても意味ないよ
つーか927みたいな考えだったら
バハラグキャラの大半がとても許容できたもんじゃない
(実際927みたいな理屈で大半のバハラグキャラを叩いてたし)と思うんだけど、
なんでバハラグサイトやってんのか純粋に疑問だ。
あとあそこの掲示板は、どうみても客より管理人の方がバカだと思う。
つかもう荒らしの話しなんかどーでもいいよ。
スルーが一番。
パルパレオスが凶刃に倒れ、死んだ。
その報告を受けた時にヨヨの頭に最初に浮かんだのは――安堵だった。
恋人を失った悲しみでも、犯人に対する怒りでもない。
ただ、パルパレオスという男がこの世から消えたことによって自分を苛む罪の一つが消えたという安堵だった。
「私、こんなに薄情だったんだ…」
ポツリ、と呟き苦笑する。
何を今更。
既にこの身はビュウを裏切った時から薄情で塗り固められている。
そのような女が自嘲をするなど滑稽でしかないではないか。
「これから、忙しくなわるね」
窓の外を見上げ、その果てにあるグランベロスをヨヨは思う。
サウザー亡き今、実質的にかの国の責任者はパルパレオスである。
その彼が殺されてしまったのだ。
今後の混乱を思うといささか頭が痛む。
「マテライトはそのあたりもう少し腹芸を覚えた方がいいのかもね」
くすり、と微笑む。
忠誠心、という面に限っては自分に仕える臣下一のパレスアーマーの顔を思い出したからだ。
パルパレオスの訃報を伝えに来た時の彼の表情は見物だった。
恋人を亡くした姫君が浮かべるであろう悲しみを悼む沈痛な表情の裏で確かに彼は喜んでいたのだ。
まあ、それも無理はないと思う。
マテライトの主観からすればパルパレオスほど気に入らない男はいなかったのだから。
国を裏切る、友を裏切る、今までついてきてくれた己の兵を裏切る。
それは古き騎士道を第一の旨とする彼からすればどんな理由がそこにあろうと許しがたい行いだったに違いない。
もっとも、それは表向きの理由である。
実際のところは孫娘のように可愛がっていたヨヨを取られたことに対する嫉妬だということは誰もが知っていることだった。
「悪気がないっていうのはよくわかるんだけど」
少々その古臭いまでの忠誠心が煩わしく思うこともある。
ヨヨは机にうず高く積まれた書類を見て顔を顰めた。
その書類は全てヨヨの伴侶候補のデータ、平たく言えばお見合い写真だった。
恋人が死んだばかりの傷心の女性にお見合いを勧めるなどデリカシーがないにもほどがある。
ヨヨは既に諦めの境地だったので特に気にすることこそないが、このマテライトの行動は城内の女性陣に大顰蹙をかっていた。
「結婚、か」
いずれは結婚をしなければならないだろう。
自分の立場を嫌というほど理解している少女とってその二文字は重みがあった。
だが、塔のようにそびえ立つ書類を見る気力などヨヨには存在しない。
元よりそんな気はさらさらないのだから。
別段、パルパレオスに操を立てるなどという気があるわけではない。
悲しみはある、心の一角にポッカリ穴が空いたという自覚もある。
それでも、ヨヨはもう夢見る乙女ではないのだ。
恋に浮かれ、人を傷つけ、それに無自覚でいられた時代などとうに終わっているのだ。
それを大人になったというべきなのか、それともただ冷たい人間になってしまっただけなのか。
それを判断する材料はない。
「ビュウ…」
大切な、とても大切だった幼馴染の少年の顔を思い出す。
大好きだった。
そして、愛していた。
カーナが陥落する前までは無邪気に彼と結婚することを規程事実として認識していた。
子供を産んで幸せに暮らす自分を想像することすら当たり前だった。
自分の手が彼につながれていることが当然で、その手が離されることなど考えたこともなかった。
だけど、その手は今はつながれていない。
理由は簡単だった。
自分から彼の手を離したのだから。
「なんて――蒼い空」
窓の外に広がる無限の蒼がヨヨの目を覆う。
この空のどこかで彼はバハムートにまたがり、世界を守り続けているのだろう。
今、彼は何を思っているのだろうか。
仲間たちの平和を祈っているのだろうか。
今日の晩御飯をどうするかとでも考えているのだろうか。
それとも、好きな女性のことでも想っているのだろうか――
そこまで考えてヨヨは頭を振った。
もはや自分に彼を心配する資格などない。
ましてや、彼が誰を好きになろうが関係ない。
「だけど…」
ただ、幸せになって欲しかった。
誰よりも優しく、誰よりも強く、そして誰よりも弱い人だったから。
ヨヨは手を伸ばした。
そうすることで、彼の幸せがつかめるのではないかと思ったからだった。
最近全然SSの投下がないので自力で頑張ってみた。
この後、ビュウを幸せにしてあげなくちゃ! と一念発起してビュウを結婚させようとヨヨ様が頑張ります。
実はお見合い書類の中にはこっそりとビュウのものも混ぜられていたりしてそのことが後に影響してきたり…とか。
とかまあいくつか続きの妄想が浮かんでますが、書くかどうかは不明。
元々悪女と称えられるヨヨ様を多少は救済したかっただけで書いた代物ですし。
…といっても俺が好きなのはフレデリカだったりする罠。
元鞘大好きな俺としてこれはGJせざるをえない
ビュウとの結婚が元鞘になるのかどうかはわからんが
>>943 GJ!!!
これはいいヨヨだ。できれば続きを書いてほしい・・・
>>943 GJなんだぜ
ほろ苦い大人な感じがちょっと新しいな
このヨヨ様なら萌える
とりあえず乙。確かにちと早かったかもw
けどま、こういう状況だしな。落とさないように保守っていきましょ
つか保守人どこいった
「ごめんなさい、マテライト。今はまだ…」
申し訳なさそうな表情と共に発せられたその言葉は、今日こそはと意気込んでいた老臣の心を叩き折るには十分だった。
項垂れる老臣のはマテライト・ゴルード。
新生カーナ王国一の忠臣にして口やかましい年寄りの冷や水を地で行く男である。
(ヨヨ様にも困ったもんじゃ…)
隠し切れない落胆の溜息を下げた頭の下でこっそりとつく。
目の前にはつき返されたお見合い用の書類。
幾度となく繰り返された光景にマテライトは虚しさを覚える。
(ヨヨ様のお気持ちはわかる。わかるが…)
デリカシーがないだの頑固ジジイだの言われているマテライトだが、ヨヨの気持ちを察していないというわけではない。
勿論、嫌がらせのつもりもない。
想い人が死去したばかりの年頃の女性に結婚を勧めることがどれだけ無遠慮な行為なのかも百も承知。
故に彼はそれ以上何も言わない、言えない。
(じゃが、せめて見るくらい…)
しかし、しかしである。
それでもマテライトは自分の思いが伝わらないことに落胆を覚えた。
マテライトはヨヨのことを孫娘もかくやというくらい可愛がっているし大切に思っている。
国のためとはいえ、見ず知らずの馬の骨に彼女をやるなど本来は言語道断。
だが、それでもなおヨヨの結婚は急務なのだ。
戦争は終結したとはいえ、オレルスにはグランベロスの混乱をはじめとした多くの問題が残っている。
カーナはグランベロスとは違い、他国を傘下においているわけではない。
しかし、一連の戦争の中心にいたのはまぎれもなくカーナ。
世界で最も発言力があり、また頼られているのはカーナ王国なのだ。
故にそのカーナの中心であるヨヨの地盤固めは何よりも優先されるのである。
とはいえ、戦力という外的な面ではカーナは磐石といってよい。
主力メンバーが抜けたとはいえ、戦争で鍛え抜かれた戦竜隊をはじめとする百戦錬磨の騎士達。
各国に散らばったかつての解放軍の仲間達。
そして何よりも、ドラグナーであるヨヨやセンダックがいる。
今は中立的な立場にいるビュウもいざとなればカーナの味方になるだろう。
実質、外敵に対するという面では今のカーナに太刀打ちできる戦力は存在しない。
(だからこそ――)
だからこそ、カーナを一人で支えているといっても過言ではないヨヨには伴侶が必要なのだ。
ヨヨは今でこそ数々の経験を経てカーナを統べるに相応しい君主になっている。
だが、彼女を幼少時代から見守ってきたマテライトにはわかるのだ。
彼女は無意識の内に自分の立場をこなそうと無理をしているだけなのだと。
勿論、最大限自分を含めた臣下達はサポートを勤めている自信はある。
しかし、それはあくまで仕事の面、つまりは肉体的な負担を軽減しているに過ぎない。
ヨヨはまだあくまで十代のか弱い女性に過ぎないのだ。
いくら経験を積もうと、彼女の精神はまだ成熟しているわけではない。
彼女を常に傍で支えることができる人間が必要なのだ。
(そしてそれができるのはただ一人)
マテライトは多少苦味の走る表情で一人の男を思い浮かべた。
それは書類の中にこっそり紛れ込ませておいたヨヨの伴侶候補の一人だった。
いや、候補というのは正しくはない。
何せ、マテライトの中ではその男一人だけが己の認めるヨヨの伴侶だったのだから。
(忌々しいが、ヨヨ様をお任せできるのは貴様しかおらんしな…ビュウ)
ビュウ・フレイヤード。
ヨヨの幼馴染にして先の戦争における実質的なリーダー。
そして、唯一マテライトが(渋々ながら)認めている男だった。
(まったく、あんな裏切り者のグランベロス将軍なんぞにヨヨ様を奪われおって!)
言うまでもないが、マテライトはパルパレオスをヨヨの伴侶として認めたことは一度もない。
いや、正確には憎んでいるといってもよい。
祖国を裏切ったというだけでも憤慨ものだというのに、目に入れても痛くないほどの存在であったヨヨの心を掻っ攫った存在である。
しかも、自分が傍にいなくてどうしようもなかった時期に、だ。
ヨヨの前だからこそ大人しくしているが、パルパレオスの死亡報告が来た時彼はタイチョーの手を取って踊りだす寸前だったという。
無論、ヨヨ様を悲しませおって! と怒りを覚えたのも確かではあるのだが。
「わかりました。それでは、失礼いたします。ですがヨヨ様…」
「わかっています。この件に関してはちゃんと考えておくから…」
「は!」
ピシ、と見本のような敬礼を送りマテライトはヨヨの前から去っていくのであった。
(見合い作戦がダメだったとなると、他の手を考えるしかなさそうじゃ…)
とりあえず続きを書いてみた。
キャラの苗字など、公式で不明な設定は今後すべて俺の捏造でいく予定。
GJです。
設定捏造は仕方ないと思うけど、苗字は無理につけなくても支障ないんじゃないかな?
とりあえず続きをwktk。
GJ!!!
続き期待してます!
「うんしょ、うんしょ」
積みあがった書類を運ぶ一人の老人がいた。
彼の名はセンダック・マーカオ(独身)
ヨヨにこそ及ばないものの、ワーロックとして神竜の力を操ることが出来る世界有数の魔道士。
そしてここカーナ王国におけるナンバーUの権力者である。
さて、肩書きこそこのように大層なジジイが何故書類運びなどをやっているのか?
それはひとえに彼の上役、つまりはヨヨからの命令が下ったからであった。
その命令の内容はというと
『ビュウ・フレイヤードの調査書を提出せよ』
というものである。
調査せよ、ではなく調査書を提出せよというところがミソだったりする。
センダックというとヨヨに次ぐ肩書きに目を奪われてしまうのだが、彼をよく知るものは口を揃えて彼のことをこう評するだろう。
ちょっとビュウに愛を注ぎすぎな気がするおちゃめなジジイ、と。
元々彼はカーナ王国の重鎮として仕え、その能力も比肩するものがいないと謳われたほどの老臣だった。
だが、カーナ王国の陥落を切欠に彼は大きく変わった。
常におどおどした態度をとるようになり、往年の能力など全く見る影もなく気弱なジジイとなってしまったのである。
そんな彼ではあるが、一つだけ執着する人物がいた。
それが解放軍のリーダーことビュウである。
過剰ともいえる信頼と敬愛を若き竜騎士に注ぎ続ける老人の姿は解放軍では一種の名物であった。
閑話休題。
長い廊下を書類を抱えて歩く一人の老人という図は非常に目立つ。
当然、有名人であり国の重鎮であるセンダックのことを知らないものはいない。
しかし誰もセンダックを手伝おうとはしなかった。
これはイジメだとか疎まれているだとかそういう問題ではなく、彼からキャラクター的にあまり近づきたくないなぁオーラが出ているのだ。
無論、センダックから手伝いを要請されれば皆率先して動くだろう。
だが、自主的に手伝おうというものはない。
何故ならセンダックはそういうキャラクターだからだ。
「ふぅ…ふぅ…姫様、わし、センダック…書類持ってきたよ…」
「ご苦労様センダック。じゃあそれはそこの机の上に置いておいてくれる?」
「うん…わかった。でもこんなもの何に使うの?」
どうにかこうにか書類をヨヨの執務室まで運んだセンダックは答えのわかりきった質問を口にした。
ヨヨの返答は予想通りの無言。
ただ、寂しそうな、それでいて嬉しそうな笑顔がセンダックを見つめる。
「ごめんなさい…わし、余計なことを聞いた」
「ううん、いいの。答えない私が悪いんだから」
「…用事が終わったら、返してね?」
「わかっているわ」
バタン。
ドアを閉めたセンダックはコキコキと関節を鳴らしながら自室へと向かう。
マッサージでも頼もうかな。
そんなことをつらつらと考えながらもセンダックは先程のヨヨの表情を思い出していた。
(まさかとは思うけど…姫様、ビュウとよりを戻したいの?)
表情を悲しみジジイに変え、センダックは廊下をトボトボと歩く。
パルパレオスの死は既にセンダックの耳にも入っている。
身体こそ男だが、心は乙女の彼はヨヨの気持ちはよくわかっているつもりだった。
一人の女性としての悲しみ、女王としての重責。
その二つを一片に背負う形になったヨヨである。
さぞ苦しいだろう、誰かに寄りかかりたいだろう。
(けどビュウは…)
その想いに応える義務はない。
むしろ拒否するほうが自然である。
それだけのことをヨヨはしたのだ。
勿論、ヨヨにも言い分はあるだろうし、当時の状況を鑑みれば仕方ない部分もある。
だが、彼女は紛れもなくビュウを裏切ったのだ。
例え彼ら二人がはっきりとした関係でなかったとしても、ヨヨの行為は裏切りだったのだ。
(わし、複雑)
しかしカーナ王国の家臣のセンダックとしてはヨヨの精神状態を早く安定させなければならないことは百も承知。
私情で国を傾けかねない事態へと方向を操作するわけにはいかないのだ。
(ビュウ。会えなくてもわしを困らせるなんて…わし、困っちゃう)
いやんいやんと体をくねらせるジジイは周囲からキッチリと距離を空けられていた。
三話終わり。
二回続けてジジイ主役でスマソ。
次からはヒロイン達が出っ張る予定、ビュウは別だが。
おもろい
続きも期待
センダック・オカーマ?
>>963 おまいさんのレスで気づいたww確かにオカマだわ。
マテライトはゴールドかw
GJ!!
キャラ一人一人をしっかり描いていて好印象
続きwktk
ヨヨは書類に一通り目を通し終えると目をこすってふぅと息を吐いた。
吐息には呆れと感心が半分ずつ含まれている。
そのどちらもがビュウのことをここまで調べているセンダックに対してのものだった。
彼の調査書は正確かつ精密だった。
身体データを始めとするプロフィールは勿論、最近の交友関係、終いには店での購入物までが記載されている。
中には、幼馴染である自分すら把握していないようなことまで書類には記載されていたのである。
ふと、ヨヨの脳裏にストーカーの文字がよぎる。
(この書類は破棄。センダックにも今後ビュウへのこういった調査はしないように釘を刺しておこう)
センダックは泣いてガックリするだろうが知ったことではない。
万が一にもビュウにこのことがバレたらどうなるか考えただけでも恐ろしい。
そもそも男、しかも白髪だらけのジジイがここまで己を調査しているなど知らない方が幸せに決まっている。
「だけどよく調べてあるのね…」
センダックのビュウ愛は知っていたつもりだったが、まさかここまでとは。
自分を含めてビュウに好意を持つ女性はそれなりに多かったが、あるいはこの老人こそが一番ビュウを愛しているのかもしれない。
そんなことを思いながら必要なデータが書かれている書類を選別する。
ヨヨが必要とした情報、それはビュウの女性関係についてだった。
センダックもこの部分については特に力を入れたのか、かなり詳細な情報が書かれていた。
「未だ独身、か…」
パサリ、と書類をテーブルに放り投げてヨヨは椅子に背を預ける。
ビュウの性格上、結婚するとなれば自分に報告するであろうから書類を見るまでもなく彼が結婚していないことはわかる。
だが、とヨヨは思う。
ビュウは何故結婚しないだろう?
戦争は終わり、世界に名を轟かす英雄ビュウ・フレイヤード。
質素な生活を好むため手付かずの財産がそれなりにあり、容姿も悪くはない。
性格はやや真面目すぎる嫌いがあるものの、冗談もわかり女性には基本的に紳士的。
ドラゴン臭いという欠点こそあるが、地位も名誉も兼ね備えている若き英雄がモテない理由は無い。
年齢的に考えても結婚を考えてもいい時期のはずのだ。
「まあ、気後れはするかもしれないけど」
相手がバハムートを駆る世界の守護神ともなれば一般の女性は近づくことをためらうだろう。
ある程度の地位を持つ女性にしても、それは同じだ。
「外見や名声に釣られて近寄って来るような女の人をビュウが相手をするはずはないけど…」
それは半ば確信を持った声音だった。
距離が離れてしまった今でも、ビュウという男を一番知っているのは自分だという自負がヨヨにはあった。
その自負もいずれはビュウの隣に立つであろう誰かに奪われるのだろうとはわかってはいたけれども。
「となると…この三人、いえ、二人ね」
調査書に書かれていたセンダック印の要注意女性。
それはすなわち、現行でビュウに近しい女性ということだった。
フレデリカ・メディンス。
ルキア・エルダータシス。
メロディア・リロータ。
以上三名がセンダックの言うところの要注意人物達だった。
上二名はともかく、まだ十代前半のメロディアまで警戒しているあたりがいかにもセンダックである。
フレデリカは病弱プリーストの代名詞だったが、現在では健康を取り戻し王都で薬屋を開いている。
ビュウはたびたびその薬屋を訪れているらしい。
ルキアは現在故郷であるマハールに帰郷して復興の手伝いを行っている。
一時期はランサーのドンファンと怪しい雰囲気だったらしいが、今ではカーナを訪れるたびにビュウと会っているという報告がある。
メロディアは故郷のゴドランドに帰らずにプチデビルたちと共にビュウの家に押しかけ居候をしている。
ビュウのお嫁さんになる! と公言して憚らない彼女は王都ではちょっとした有名人らしい。
「こうしてみると、ビュウって結構女の子に人気があるんだ…」
むう、と唸りつつもヨヨは今後のことを考える。
今の自分の目標はビュウを幸せにすることだ。
それが自分の義務であり、せめてもの彼への償いなのだ。
自分の幸せはそれから考えればよい。
勿論、それがただの言い訳であることは承知している。
これからしようとしていることは彼にとってはただの余計なお世話だろう。
独りよがりの偽善、だがそれでもヨヨは彼のために何かをせずにはいられなかった。
それはパルパレオスの死を紛らわすための行為だったのかもしれない。
けれど――それでも、それでもなおヨヨは行動をとめることはできなかった。
彼女は知らない。
ビュウのことを考えているときの自分がとても嬉しそうな表情をしているということを。
彼女は自覚していない。
ビュウの隣に立つ自分ではない女性のことを想像するだけで苦しく締め付けられている胸の痛みを。
彼女は考えが及ばない。
ビュウが結婚しない原因が自分にあるということを――
4話終わりー、次は新スレかな?
キャラの苗字についてはそれっぽい単語をアナグラムしてつけてます。
次はいよいよ我らが悲運の主人公ビュウ君の登場です。
GJ
しかしビュウとルキアの苗字の元がよくわからん
GJ
ビュウは「プレイヤー」だろうか
GJ!!!
これだけ間を空けずに良作投下してくれる職人さん見たこと無い!
GJ
>>972 ルキアの名字
エルダータシス→エルダーシスター=姉?
ロリータとメディスンがそのまますぎて吹いたw
ムリに苗字つけなくてもいいと思ってたけどここまで巧いと主要キャラ全部に期待しちゃうな
こんなに説得力と納得力のある苗字を考え出すあんたはスゴいぜ!GJ!!
ところでフレイヤードをプレイヤーではなくグレイブヤードと深読みしたのは俺だけ?
ほら、結婚は人生の墓場と言うではありませんか。
言いませんかそうですか…
少年と少女がいた。
二人はとても仲良しで、いつも一緒だった。
少女が王女という身分だったが、少年はそれを気にすることなく少女に接した。
少女も、自分を特別扱いすることなく接してくれる少年が大好きだった。
やがて、時が流れ二人は思春期を迎えた。
少年は少女を意識し、同時に身分の差に悩む。
少女は、そんな少年の葛藤に気付くことなく無邪気に少年を慕う。
僅かな気持ちのすれ違いはあった。
それでも、二人は幸せだった。
そして更に時は流れ、二人の運命を別つ事件が起こる。
二人の住んでいた国が他国に攻められ滅亡してしまったのだ。
王女であった少女は敵国に連れ去られ、少年はそれをどうすることもできずに見つめることしかできなかった。
少年は決意した、必ず少女を取り戻すと。
少女は信じていた、少年が自分をいつか助け出しにきてくれるのだと。
そして解放戦争と呼ばれる戦いが始まり、少年と少女は神なる竜の前で再会する。
少年は待ち望んだ再会の瞬間に歓喜に打ち震えた。
それは少女も同じはずだった。
だが、既にその時――少女は別の男を好きになっていた。
『お願い…ビュウ…私の大切な人なの…』
『今まで、ありがとう…でも…私…もう戻れないの。楽しかったあの頃に…』
『でも…ビュウ。貴方はやっぱり私の大切な人なの』
「……ぐ、ぅ」
胸の辺りに感じる鈍い重みと痛みにビュウは目を開けた。
ぼんやりと曇った視界に徐々に光が差し込んでくる。
「あ、起きたーっ」
「…何をやってるんだ、メロディア」
はっきりとした視界に映ったのは見慣れたメロディアの満面の笑み。
少女は古い目覚まし時計のベルのような髪をゆらゆらと揺らしながらこちらを覗きこむようにニコニコと笑っている。
体の位置はビュウの腹の上。
胸の上に両手を置いて前方に重心をかけるような体勢だった。
この苦痛はそのせいか…
ビュウは顔を顰めながら重りを排除するべく手を伸ばした。
「…とりあえずどいてくれないか、重い」
「あーっ! ビュウったら酷いー!」
「ええいうるさい」
「もにょっ!?」
ビュウの実力行使にメロディアはあっさりとベッドから妙な悲鳴を上げながら転げ落ちる。
「酷いよービュウ! レディになんてことするのー!?」
「そういう台詞は十年後に言え」
「ぷんぷん! 折角起こしにきてあげたのに!」
ふにゃーと猫っぽく怒りを露にしつつメロディアは部屋から走り去っていく。
ビュウはそんな小さな同居人の姿に苦笑をもらした。
「後で謝らないとな…」
押しかけ女房といった風情でビュウの家に住み込んでいるメロディアは見た目とは裏腹に家事能力が高い。
今では炊事洗濯、果てにはドラゴンの世話までこなしているくらいである。
彼女がいなくなったら生きてはいけない、とまではいかないが困るのは事実。
さて、どうやって機嫌をなおしたものか。
ボリボリと頭をかきながらビュウはゆっくりと身を起こし、ベッドから降りた。
「戦争が終わって一年…今更なんであんな夢を見たんだかな…」
頭に浮かぶのは夢に出てきた少女のこと。
少女は大切な幼馴染だった。
歳を取ると共に綺麗になっていく少女にドギマギしていたことは今でも鮮明に思い出せる。
一緒に遊びまわったことも、無邪気に笑いあったことも――伸ばした手が届かなかったことも、よく覚えている。
だが、少女はもう目の前にはいない。
かたや辺境のラグーンで暮らす世界の守護者。
かたや世界を統べるカーナ王国の女王。
そんな二人が滅多な理由もなしに会えるはずがない。
「ヨヨ、君は今どうしてるんだ…?」
パルパレオスの訃報は既に耳に入っていた。
正直、思うところの多い男ではあった。
死人になってしまった者をどうこういう気はない。
しかし、彼の死によってヨヨが悲しみに突き落とされると思うと冷静ではいられなかった。
手を握ることが出来ない場所にいるとしても、ビュウにとってヨヨは大切な人であることは変わらなかったのだから。
五話終わりー、悩んだ末にまだいけると判断してこっちに投下。
流石に次は新スレにしよう…
GJ!!!!!!!!
GJなんだぜ。
メロディアかわいいよメロディア なんだぜ。
オレのなかでビュウ争奪戦のトップにメロディアがたつことになろうとは…なんだぜ。
埋めがわりに
この話を読んでからヨヨにも感情移入できるかも、と最初からやり直してる
しかしヨヨの一挙一動がカンに障る
ゾラがぶったときはスカッとした
でもビッチの気持ちもわからなくはないかもしれない
これがSSの魅力だと思う
>>980頑張って下さい
気分はすげーわかるしヨヨ嫌いな人が多いのも無理ないけど、
ヨヨがメインで出て来るSS投下の後でビッチ呼ばわりはちょっと無いんでないかいと思った
次スレの第6話もGJ!
メロディアかわいいよメロディア