247 :
健夏01:
以下健夏。まあ読んでくれたら猛烈に嬉しい。
>>245の者です
「あのぅ…夏希先輩…」
僕こと小磯健二は、目の前にいる仮彼女である篠原夏希に恐る恐る声を掛けた。
真っ昼間で縁側に座っているなら話は別だが、今は夜中だし、しかも同じ蚊帳の中で二人で布団に横たわっているという事実が非常にまずい。
いくら草食系男子日本代表(数学オリンピックは日本代表なりそこね)とはいえ、健二も高校2年生の健全な男子だ。
1つの布団に女性と、しかも学校のマドンナ級の美女と寝るとなると危ない妄想の1つや2つぐらいしたって普通だろう。健二は少し妄想しただけで鼻血が吹き出しそうになった。
「健二くん、どうかしたの?」
一方の夏希も夏希で、何ともないような顔であっけらかんとしている。
ここまであっさりしていると、かなり緊張している健二がおかしく見えるくらいだ。
「いや…、あの…、いきなり蚊帳に入ってきたからどうしたのかと思って…」
「だって健二くんと一緒に寝たかったんだもん」
上目遣いで甘えたような口調で喋る夏希は、やはりかなりの魅力を感じる。
真夜中で周りが暗いからばれなかったものの、健二の顔はきっと茹だこ状態に違いない。
健二はそのセリフだけで鼻血ものだが、何とか理性を保って冷静(なフリ)になる。
「じょっ…冗談はやめて下さい!」
「あははは!健二くんったら、本気にしちゃった?」
けらけらと笑う夏希を前に、健二はがっくりとうな垂れる。
(やっぱり嘘かよ…)
そんな落ち込む健二を尻目にけらけら笑い続けた夏希だが、急に健二の目を見据えてこう言った。
248 :
健夏02:2009/08/17(月) 23:53:19 ID:74S1KadV
「ねえ健二くん、……昼間に言ったことって、本当?」
「えぇ?」
健二は間抜けな声を出した後に、昼間に目の前の夏希に「大好き」なんて言ったことを思い出した。
確かに夏希は憧れであり、まあ恋焦がれている相手でもあるが、夏休みが終わったらもう縁はないと思っていた。
「答えて、健二くん。これを聞くために来たの。昼間だと、親戚のみんながいるし…」
夏希は健二の手首を彼女なりの精一杯の力で握り締め、もう一度健二の目をしっかりと見つめた。
昼間に言ったことは、健二の本当の気持ちであり、一切嘘偽りはなかった。
だが、ここで本当だと言ったって、夏希はきっと自分など見ていないだろう。
健二はやけにネガティブシンキングな思考回路になり始めた。
だがここで違うなどと答えることも健二には出来なかった。
根っからの正直者で、嘘は絶対に吐けない性質の健二は、夏樹の漆黒の瞳を見つめて、すこしの間をおいてこう言った。
249 :
健夏03:2009/08/17(月) 23:54:06 ID:74S1KadV
「好きです、大好きです。夏希先輩のことを、ずっと好きでした」
自分でも何を言っているか分からないくらい、すらすらと言葉が出た。
鼻血も出ず、赤面もせず、逆に健二が夏希の細い手首をしっかりと掴んで、夏希の目を見つめて言った。
夏希も夏希で、弱気な性質の健二がこんなにはっきりと自分に気持ちを伝えると思ってもいなかったらしい。
ぽかんとした顔で健二を見つめ、その後に逆に夏希が真っ赤になった。
「ほ…本当?」
「本当です、自分嘘吐けない性質なんで…」
佐久間にもよく指摘されるが、健二は嘘を吐くのが苦手、というより無理だ。
だけどその分、正直という長所でもある。
夏希は健二の目を潤んだ瞳で見上げ、「本当?」ともう一度聞いた。
昼間には強気な癖して、夜になると随分と弱気で女の子らしくなるんだなあ、と健二はまたそのギャップにときめいてしまうのだが。
「本当です!僕だけなんか恥ずかしいじゃないですか!夏希先輩はどうなんで…すか?」
やっぱり健二も健二で恥ずかしいらしく、お互い真っ赤な純情カップルは見つめあいながら「本当?」「本当です」という言い合いを繰り返した。
よく飽きないな、バカップルめ。
「健二くんは最初バイトの相手くらいにしか思ってなかったの。でも、どんどん好きになっちゃって…」
(かっ…可愛い……)
「いっ…今は大好きっていうかその…えっと…」
普段見せない弱気な態度の夏希のギャップに、健二は可愛いと思うばかり。
やけに潤んだ目、上昇した頬、白のワンピース、ワンピースに負けないくらい白い肌、うなじを伝う汗、か細い声……
夏希の可愛らしい一面に、健二は射抜かれるばかりであった。
「だっ…だからその…夏希って呼んで…?」
上目遣いで健二を見据えながら、夏希は可愛らしいおねだりをした。
これで頷かない男なんているのだろうか。
250 :
健夏04:2009/08/17(月) 23:54:51 ID:74S1KadV
「なっ…夏希」
「もう一回!」
「っ…夏希!」
健二はあたふたしながらも、しっかりとした声で夏希、と呼んだ。
それこそ恋人にかける様な、甘い包み込むような声で。
それからどれだけ経っただろうか。
甘ったるい新生バカップルは、「本当に好き?」「大好き」「私も健二くんが好き」なんて歯が浮くようなやり取りを続けている。
そんな最中に、夏希がこれまた甘い声で、
「キスして、健二くんから唇に」
と囁いて、薄い瞼を閉じた。
これまた途轍もなく可愛らしく、健二は危うく理性が吹っ飛びそうになったが、なんとか必死に堪えた。
目の前にいる夏希の肩を掴み、少しずつ引き寄せていく。
―――そして健二は夏希に、薄く「ちゅ」とキスをした。
252 :
健夏05:2009/08/17(月) 23:55:34 ID:74S1KadV
「もう一回」
夏希は真っ赤な顔で、健二に小首を傾げながらねだった。
健二も健二で、真っ赤な顔で要望に答える。
そうして何回薄いキスが繰り返されただろうか。
夏希の次なる要望が発せられた。
「もう少ししっかりしたキスして、今のじゃ薄すぎ」
初めてしたキスに要求されても困るんだけど…と健二が困っていると、夏希の顔がもうすぐ目の前にあった。
夏希に健二が組み敷かれているような体制である。
美少女が目の前にいるとなると、やはり緊張はする、が。
そんな緊張などしている暇は無かった。
夏希から健二に深いキスをしたのだ。
10秒…20秒…と刻々と時間は過ぎていく。健二にとっては1時間にも2時間にも感じられた。
そんな短い時間の中で、健二の中で何かが吹っ切れた気がした。
「僕だって男なんですよ?」
組み敷かれていた状態から逆転し、今度は健二が夏希を組み敷く形になった。
いくら弱弱しいとはいえ、一応男子高校生。力はあります。
「やっ、もう健二くんったら〜」
夏希はいつもの調子で健二をからかう。
健二はそれを物ともせず、吹っ切れた理性を保つのに必死だった。
253 :
健夏06:2009/08/17(月) 23:56:26 ID:74S1KadV
「健二くっ……んぅ…」
夏希の口から甘い吐息が漏れる。
それがさらに健二の理性をふっ飛ばさせ、キスが深いものになっていく。
唇を甘噛みし、口内にするりと舌を潜り込ませて、歯列をゆっくりとなぞる。
舌を歯の間に潜らせ、お互いの舌を絡ませると、気がおかしくなりそうだった。
「んぅ…っぁ…」
さすがにお互い苦しくなってきたのか、唇をゆっくり、それこそ名残惜しそうに離すと、透明の唾液が糸をたらりと引いた。
夏希も夏希で抵抗せず、むしろ甘えているかのように健二の肩に手を回す。
夏希の白いワンピースを捲り上げると、淡い水色の下着が晒された。
白い肢体によく映えていて、それがまたいやらしい。
「上下、お揃いなんですね、可愛い…」
「やっ…もぅ…恥ずかしいこと言わないでよ〜…」
夏希は恥ずかしそうに健二を叩くが、あんまり威力はない。
というより、今の健二には夏希の全てが可愛く見えて仕方がない。
254 :
健夏07:2009/08/17(月) 23:57:05 ID:74S1KadV
とりあえずブラジャーのホックを外そうと試みるが、さすがに童貞健二、女性下着の外し方など知る由もない。
恥ずかしながらもあたふたしていると、夏希がくすっと小さく笑った。
「外し方、知らない?」
小悪魔らしい笑い方で、夏希が背中のホックをいとも簡単に外した。
だが外した後急激に恥ずかしくなったらしく、布団の上に転がっていたタオルケットを胸元に引きずり寄せた、が。
透き通るように白く、形のいい胸と、その中央にぴんと硬くなった淡いピンク色の蕾が、健二を可笑しくしてしまいそうな程に魅力的だった。
「すごく…綺麗ですね…」
初めて見る女性の胸はこんなものかと、健二は感嘆の声を漏らすと共に、自分の中でどんどん性欲が高まっているのを感じた。
愛する人の体とは、こんなにも美しいものかと。
「健二くんったら……っ…」
夏希の胸に、健二は恐る恐る手を伸ばした。
絹布の様に滑らかなそれは、確かな弾力で健二の指を胸に食い込ませていく。
「んっ…っぁ…ひぅ…」
ほんの少しの愛撫だけなのに、夏希はか細い喘ぎ声を漏らす。
先端の蕾が、どんどん硬く、ぴんと張ってきたのを健二は見逃さなかった。
試しにぴん、と軽く指先で弾くと、夏希の細い身体が小さく仰け反った。