姉妹スレと保管庫は見つからなかったので勝手に削除しました。
問題があるならすみません。
3 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/17(火) 16:25:21 ID:I8Z2fkkK
4 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/17(火) 18:53:34 ID:Sn5426ni
乙。
5 :
響也×冥:2007/07/17(火) 21:07:47 ID:DD19iEUV
前スレから続きます
6 :
響也×冥5:2007/07/17(火) 21:08:39 ID:DD19iEUV
手がそっと太ももに触れる。
スカートが下ろされる。
引き締まったヒップも、くびれた腰も、丹念になぞる。
時に手のひらで、時に指先だけで。
上から下へ、下から上へ、そして円を描くように。
「吸い付くようだ。本当にきれいだね」
太ももを撫で回していた手が、膝を割った。
「・・・やっ」
手のひらで、そっと丘を押さえる。
そのまま、ゆっくりと動かす。
片手が、胸の蕾を強くひねった。
「いた・・・いっ」
「・・・ごめん」
響也はその蕾を軽く吸い上げると、また手のひらで大きく揉み始めた。
片手は、脚の間をゆっくりとなで続けている。
下着の間から、手を差し入れる。
指一本で、上下に摺る。
「感じて・・・。でないと、つらい思いをするよ」
潤いの足りないそこを執拗に刺激しながら、響也が冥の耳元で囁いた。
「やめて・・・おねがいだから・・・」
「だめだよ。もう止められるはずがない。こんなにかわいいのに」
耳にかかる息で、冥は眉を寄せる。
それを見て、響也は耳に舌を差し入れた。
「・・・っ」
ここだ。
繰り返し、しつこく耳を嘗め回し、咬み、息を吹きかける。
首筋に、口付ける。
その間も、手は股間の割れ目を上下し続ける。
単調に、しかも終わることなく繰り返される刺激に、冥の表情はつらそうにゆがんだ。
「濡れているよ・・・狩魔検事」
単調な動きをしていた響也の指が、膣の位置で止まる。
入り口を確かめるように、わずかに差し入れられる。
親指が、敏感な下の蕾に触れる。
7 :
響也×冥6:2007/07/17(火) 21:09:14 ID:DD19iEUV
「い・・・や・・・」
「だから・・・だめなんだよ」
「・・・あ」
指が、進入した。
そしてまた繰り返される、単調な刺激。
「ああ・・・・っ」
「気持ちいい?感じてるね・・・?ここを、ぼくの指で」
刺激が強くなる。
「・・・うっ」
「だめだよ、そんな声を出しちゃ・・・。もっと抑えて」
響也はいきなり冥の腰を抱くと、下着を剥ぎ取り、両足をかかえるようにして広げた。
「きゃ・・・あっ」
「よく見えるね」
「いや、やめ・・・っ」
響也がそこに顔を埋め、冥はのけぞった。
舌が、一番感じるところでまた同じ動きを繰りかえし、指が奥深くに入り込む。
くちゅ、という音がした。
それまでのやさしく執拗な愛撫にくらべて、乱暴なまでに激しく、響也は責めた。
ゆっくり上昇してきた快感が沸点に達したかのように、蜜があふれ出た。
「・・・っ!」
声を押さえようと食いしばり、両手をしばられたチェーンが代わりに音を立てる。
白い裸体が薄紅に染まり、響也は蜜で濡れた指を引き抜くと、はちきれそうになった自分自身を取り出す。
先端で濡れそぼった冥の陰部をかき回す。
「いいかな・・・。挿れるよ、ぼくを」
冥の手首を縛っていたチェーンがはずれて落ちる音がした時、何かが彼女を貫いた。
8 :
響也×冥7:2007/07/17(火) 21:10:05 ID:DD19iEUV
動きは、やさしかったが単調ではなかった。
体全体を揺さぶられるように突き上げられ、冥は自由になった両手で響也の肩につかまらなければならなかった。
「あ・・・・っ、あ・・・・、くぅっ」
「だめだって・・・そんな・・・声・・・」
響也の声も、かすれている。
熱く、強く締め付ける冥に、彼も限界をこらえている。
「すごい・・・、こんな・・・いやらしいんだね」
「んっ、んんっ・・・あ・・・」
はあ、はあ、という響也の息遣いが冥の耳にかかる。
「ちょっと、もうだめだ・・・気持ちよすぎるよ、狩魔検事・・・」
響也はそういうと冥の腰を抱きかかえなおし、今度は速い速度で打ち付けた。
「・・・く」
「ああ・・・んっ!ああっ」
角度を変えながら緩急をつけて打ち付けられる快感に、冥は頬を高潮させ、目に涙をうかべた。
「あ・・・っ!」
冥が体をのけぞらせ、ぎゅっと響也を締め付けた。
「うわ・・・すご・・・」
耐え切れず、響也が欲望を吐き出す。
そのまま、しばらく冥も響也も動けなかった。
ようやく、響也が息を吐いて冥の髪をなでた。
「気持ち良かった・・・?」
「・・・・・っ、牙琉響也っ」
「ぼくは、気持ちよかったよ。あなたも、感じていたように見えたけどね」
そっと冥の唇に口付ける。
「今度は、もっと声の聞けるところで抱きたいな」
「・・・っ」
まだ、体中が熱い。そのまま響也は唇を冥のまぶたに押し付ける。
「好きだよ。あなたは・・・?」
両足の間に響也の腰を置いたまま、冥は近くにある響也の顔をにらみつけた。
「来月の給与査定・・・おぼえてらっしゃい」
了
本当はスレまたぎはしないでほしかったが
すまない、うっかりした!
オドロキ×みぬき
5レス程度
前々スレ 933-940 と 前スレ 441-451 と 前スレ 858-870 の続き。
時計の針が三本とも重なり、何事もなくまた次の動きへと移る。
二人はその場所からそれを眺めていた。
「着替えるよ」
長針がほんの少し角度を変えた頃、オドロキが言って、ベッドから出ようとした。
その動きはすぐさま、胸にしがみついてきた少女に遮られた。
オドロキは驚かない。その人が涙を流していても。
「やだっ、オドロキさんと別れるのなんてやだよぉっ!
みんなのことなんて、お仕事だって、どうでもいいから、一緒にいてよっ。
もっとキスして、もっとHして、なんでもするんだからっ!
お化粧だってするし、おっぱいだって大きくするから、オドロキさん、イヤだよ!」
オドロキは何も言わない。
「なんで、なんで、みんないなくなっちゃうのっ!
みぬきは一緒にいたいのに、何でみんないないのおっ!
みんな、みぬきのこと嫌いなんだ!
ママのばかああぁっ、パパのばかあああぁっ、
オドロキさんの、ばかあああっ!!」
幼少で両親から別れ、彼女を育てた成歩堂でさえほとんど見たことのない姿。
年相応といっては憚られるほどの幼い感情が、自分を押し込める殻から破れて
オドロキへと押し寄せる。
「うああああああああんんっっ!」
いつものように口や表情に蓋をすることなく、恋人でなくなってしまったその瞬間から
やっとオドロキへと隠していた姿を見せる。
いつかきっと帰ってくるはずだった父親。その後、自分を育んでくれたもう一人の父親。
パパをよろしくお願いしますと伝えた、はじめての姿から今まで色々なことがあった。
オドロキはみぬきをより強く抱きしめる。
みぬきは計算も何もなく、ぐいぐいと体を押し付ける。
互いの体はまだ裸のままで、オドロキの体はすぐにそれに反応しようとした。
オドロキの舌は、柔らかくおしつぶれ、突起とゆるやかな稜線を感じるその乳首を思い出す。
オドロキの指先は、他の部位よりもあたたかく、ふわりともりあがりどこまでも沈んでゆく
臀部の感触を思い出す。
そして彼の性器は、何度となく隙間を全てを埋め尽くしたその谷間を記憶している。
そのどこかに触れ、やさしく微笑みでも浮かべれば、みぬきは喜び、
狂乱のような性と二人だけの生活へと進むだろう。それはとても蟲惑的なものだ。
それはすぐそばにある。手を伸ばせばすぐに届く。5分前までそこにあった。
けれど今はもうそこにはない。
もう手をのばしてはならないものだ。
オドロキの性器はもう勃えてはいない。自らが選んだ道を破ることはせずに、
ただ妹の背中に手を回し、涙を胸に受ける。
オドロキは涙を流さない。妹をなぐさめる兄が泣くことは、今はきっとしてはいけないことなのだ。
「オレはみぬきちゃんのそばからいなくなったりしないよ」
みぬきは胸の中で頭を振って否定する。
「それならみぬきと別れるなんていわないもん!
だいいち、みぬきは別れるなんていってないもん!
パパが、勝手にオドロキさんに全部任せただけだもんっ!」
言葉遣いも幼い。自分自身で認めますといったことをないことにしたい。
オドロキは子どもにするように髪をなでながら、言葉を続けた。
「みぬきちゃんだって、わかってるはずだよ。
最初にオレ達が結ばれた日だって、みぬきちゃんが仕事を忘れることはなかった。
キスマークだって、仕事の妨げになるから、つけちゃいけないことを理解してた。
オレも、まことさんの勉強や、弁護士の仕事をおろそかにしちゃいない。
オレ達にはオレ達以外にも大事なものがあるし、大事な人たちもいる。
恋人じゃなくなっても、俺たちが愛し合えるなら、それでいいと判断したはずだ」
昨日からのたった一日で、この選択にいたり、ふたりともが理解したのは、
なんとなくわかっていたからだ。
自分達の夢や進む道を捨て去ることができないことを。
そのために、二人の愛し合う形が変わることを許容した。
それは感情ではとても選択できないことでも、理性がそれを選び、何度となくありえた
感情の爆発を押さえ込んだからだ。
「みぬき、言ってないです!!」
「いや、言ったはずだよ。オレとの電話で、
これからも、みぬきのことをよろしく頼む、って」
みぬきがぴくんと肩をゆらす。
「さすがに、年季が入ってるからだろうけど、真似がうまいね。さっきまでわからなかったよ。
なんで非通知なんだろうとは思ってたんだけど」
「うっ、うぐううっ、うぐっ」
みぬきの泣き声はまだやまない。
「みぬきちゃん、キミの事を心から愛してる。
みぬきちゃんのそばから離れないよ。
キスもしない。Hもできないけど、一緒にいる。
恋人でも連れてくれば相手の男に意地悪はするし、
結婚式では成歩堂さんと二人で涙にくれるよ。
ずっと、みぬきちゃん、キミの同僚として、友達として、兄として」
「うわああああああんっ! うあああああああんっ!」
みぬきの泣き声はそれでもやまない。オドロキはいつまでも胸を貸し続けた。
翌朝、ドアの音とともにオドロキは目覚めた。
よほど慌てていたのだろう。申し訳のように簡単に片付けられた部屋と、
昨日の残りの食材を朝食風にありあわせた食卓と、コーヒーがあった。
『学校に行ってきます。今日はステージがあるので、事務所に行くのは
少し遅くなります。 みぬき』
走り書きのメモを見ながら、下着だけを身に着けてオドロキは食事を取る。
今日は仕事の約束もなく、ゆっくりと事務所に向かうことができる。
せっかくだから部屋を掃除することにしようと思いたった。
しばらくの後、掃除を終えたオドロキは少しだけ違和感を覚えた。
コンドームやウェットティッシュなども片付けたが、何かが一つだけ足りない。
別にどうであってもいいものではあったけれど、昨日そこにおかれたはずのものが
なくなっている。
「ああ」
オドロキは気がついた。気がついて、すぐに吹き出した。
それを大事そうにもって学校へ向かったみぬきのことを考えると、申し訳ないが、
おかしみが先に立った。
気がつかなかったことにしよう。オドロキはそう思った。
きっといつか、捨てるか、どこかになくしてしまうか、遠い記憶として残るかするだろう。
そんな、つまらない、くだらない、たった一つの証拠品だ。
ただちに捨てられる運命のそれを、いつまでかわからないが、大事にとっておく人が
いるとは思いもしないだろうけど。
茜の持つその機械で判定すれば、きっと結果がでるだろう。
二人の指紋のついた、コンドームの袋に。
遅くに事務所に出向いたオドロキを一人の男が待っていた。
「やあ、オドロキくん」
「成歩堂さん、どうしたんですか」
「みぬきから電話をもらってね。解決したと」
「そうですか」
ちらりと視線を成歩堂に向ける。
「それについては、約束どおりぼくは何も言わないよ」
成歩堂はオドロキに、手を広げ、いつもの表情を浮かべて伝えた。
「一つだけ、成歩堂さんに聞きたいことがあるんですけど」
「いいよ。聞いてごらん」
「オレが電話したときの、あの、ありがとうってのはなんだったんですか」
「キミがみぬきのことを愛しているっていった時の、かい」
「ええ、それです。オレ達のことを知っていたのに」
ふむ‥‥と声を漏らしながら、成歩堂は遠くを見る目をする。
そしてオドロキへと声を出した。
「キミが、告白をしたというその翌日に電話をしてくれたからだよ。
心のつながりを軽視するつもりはないけれど、もしキスでもしたら大変だと思ってね」
成歩堂の台詞にオドロキは混乱する。
「‥‥ちょっと待ってください、だって、オレのところに話をしに来た時に、
結婚とかそんな話をしたじゃないですか」
「そうだよ、だからみぬきみたいなコドモをもてあそぶような
悪いやつじゃなく、キミみたいな男とでよかったし、だからありがとうと」
「そりゃ、オレはみぬきちゃんをもてあそぶなんてことは考えたこともないですけど、
いや、そうじゃなくて、なんでキスでもしたら大変なんですか」
その発言に逆に首を捻ったのは成歩堂のほうだった。
オドロキに対して、言葉をつづけた。
「わからないな、オドロキくん。
結婚まで考えていないと、そんなことをするわけないだろう」
オドロキは口を開けて成歩堂を見た。返す言葉がない。
(な、なんてピュアな人なんだ‥‥)
そしてオドロキは冷や汗をたらしはじめた。
もう思い出してはならないと思っていたはずの、みぬきとの情事のシーンが頭の中を回転する。
もし、普通のHどころか手とか口とか足とかお尻とか、そんなことを
したのがばれたらどうなるんだろう。
(こ、殺される‥‥)
顔中から汗を流すオドロキを見て、いつもどおり茫洋とした表情で成歩堂はひきつづき
頭を傾げる。彼の胸のうちは誰にもわからなかった。
「オドロキさん、ただいま! あ、パパ、お帰り!」
タイミングよく、大きな声とともに袋を抱えたマジシャン姿のみぬきが帰ってきた。
「お帰り、みぬき。ついでにただいま」
「お帰り、みぬきちゃん。ずいぶん大きい荷物だけど、どうしたの」
成歩堂とオドロキが返事を返す。オドロキの言葉には、成歩堂が聞く限り
いつものものと変わりはなかった。それはみぬきの言葉にも。
「あ、さっそく気づいちゃいました? えーと、これはね」
がさがさと袋をあさりながら、続きを話し出す。
「学校とステージで、失恋したって話をしたんです、みぬき。
振られちゃったんですよって。そしたら、その」
袋の中から小山のようなラブレターと花を出す。
臆面もなく普通の台詞で話すもので、オドロキもへぇ、そうなのというように
言葉を受けた。
机の上にそれを並べ、シルクハットに手をやり、舌を出して続ける。
「みぬき、どうすればいいかな。ねぇ、パパ? お兄ちゃん?」
「‥‥」
「‥‥」
(成歩堂さん、普通の顔で怒るのはやめてくれないかな‥‥)
そう隣で思うオドロキの顔にも気づかれない程度に青筋が浮かんでいる。
娘離れはなかなかできそうにない、もうすぐ弁護士として復活する父親と、
それに輪をかけてできそうにない、弁護士として名前の売れ始めた兄は、
二人で目配せをする。
立ち位置を変え、腕を思う存分伸ばせるようにする。
バランから手ほどきをうけようと決めたみぬきは、その二人の位置に
あわせて自分も動く。
「成歩堂さん」
「ああ、オドロキくん」
「あ、じゃあみぬきも言っちゃおうかな。じゃあ、せーの、で」
相変わらずうるさい成歩堂なんでも事務所から、近所迷惑な3つの声が
初冬の空に大きくこだました。
「異議あり!!」
おわり
以上です。
直後の投稿になって申し訳ない。
GJ
とりあえず前スレ埋めようぜ
新スレ早々乙!
前スレに関しては500KB到達済みだから放置でおk
GJ!
切な面白す。
前スレは500KB。埋まってるよ。
弟冥もオドみぬもGJ!
弟冥は下剋上エロに萌え、オドみぬは切ないけど明るい最後で良かった
22 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/18(水) 14:10:53 ID:t6h7EomF
GJ!
GJ!!
大作お疲れさまッス!
みぬきが大泣きするあたりもう切なすぎる。
すごいよかったです!
また新作が出来ましたら、是非投下をお願いします!
成みぬ飢え orz
GJ!!!!!!!!!!
すっげー面白かった!
GJ!
弟冥って今までにあったっけ?萌える!
>>27 弟冥はエロパロ初だと思う。
前スレで霧人←冥←響也ってのがあったけど、
響也と冥のエチは初だね。
弟冥の方GJ!!
オドロキ×みぬき萌えたんだけど、みぬきが持っていったのは使用済みのコンドームってこと?
あと
>ただちに捨てられる運命のそれを、いつまでかわからないが、大事にとっておく人が
>いるとは思いもしないだろうけど。
ここで「思いもしない」のはみぬき?それとも他の誰か?
ごめん、そこがすごく気になってモヤモヤしてしまった
前者は、コンドーム一つ一つを小分けにしてる袋のこと。
後者は推敲時に文章を削り間違えたらしい。
そのうちwikiのほうで修正します。
「わからないな、オドロキくん。
結婚まで考えていないと、そんなことをするわけないだろう」
こんなナルホドに見た目や雰囲気とのギャップ萌えちゃった私はどうすればよろしいですか?
ノシ
オドロキにピュアって言われるオッサン萌え
33 :
山田君:2007/07/19(木) 22:44:47 ID:qwV7T8mo
今3をクリアしただ。
誰かカミノギ×チヒロをかいてくんろ。
逆転裁判3のDS移植待ちwktk
ザッとまとめサイト見たんだけど、
堀田院長(自称)×狩魔冥って意外にありそうでないんだね。
それはただ単に愛がないから需要がないだけ?
2で冥に会う前の堀田に、冥の人物ファイル突きつけたら反応があったから、
イイ組み合わせかと思ったんだが(´・ω・`)
追い回される冥タンは見たいけど、堀田(引田)は見たくないw
冥タン視線ならいいのか?誰かタノム
>>35 「冥……」
「おじいちゃん……」
こうですか?想像したくありません><
ギャグなら見てみたくない事もない
というかあの爺さんでシリアス書けるほうがすごいw
レイープものとかダメかな?
まあ、取りあえず書いてみてから考えます
<堀田×冥
しかし冥は本当に色んなキャラと絡んでるな
保管庫見るとメインキャラの大半を穴兄弟にする勢いだw
成歩堂主人公のエロゲーってネタはよく聞くけど
冥主人公の18禁乙女ゲーも作れそうな気がする
今の所あるのは
成歩堂、御剣、糸鋸、矢張、響也、霧人、霧緒かな?
意外に真宵、豪はないみたいだね
あと絡む可能性がありそうなのは罪門ぐらいか?
千尋×冥があったら面白そうだけどw
>>41 成歩堂は色んなヤツと絡めるからな……しかも属性も様々。
真宵………元気なスレンダーっ子
千尋………グラマラスなお姉様
春美………世間知らずのょぅι゙ょ
マコ………不幸にも負けない元気っ子
霧緒………クールドジっ子な眼鏡
あやめ……おしとやかな清純派
ザッとあげてみたら、これだけかな。
>>42 ゴドー×冥もあるな。
冥たんは逆裁のセックスシンボルと言っていいだろうね。
このスレの外でも、アクロに想いを寄せられたり王都楼に迫られたり
巌徒に「さすが狩魔の娘、美しい」みたいに絶賛されたりなどのネタを見たことがある。
>>44 ガントwww
しかし冥はレイプも多いな。
エロネタ的には可愛がりたいというより犯したいタイプなのかも。
>>45 冥たんは生意気お嬢さんだから泣かしてみたいのかも。
>>43 >霧緒………クールドジっ子な眼鏡
霧人に見えた\(^o^)/
兄貴自重しろwww
マックス、リロ(ベン)、ミリカの3P(4P?)が見たい。
レオンorラトー×ミリカでもおk。
>>43 冥と茜は?
冥はツンデレ女王様、茜は…カガクオタク?
>>43改訂版
真宵………元気なスレンダーっ子
千尋………グラマラスなお姉様
春美………世間知らずのょぅι゙ょ
マコ………不幸にも負けない元気っ子
霧緒………クールドジっ子な眼鏡
あやめ……おしとやかな清純派
冥…………見た目は女王様のクイーンオブツンデレ
茜…………科学オタクで明るい素直っ子
巴…………冷静沈着、しかし根は優しいお姉ちゃん
ちなみ……関わる者の運命を狂わす悪女
巴とちなみは無理やり感があるが……しかし攻略可能っぽいのが9人とか。どんだけだ成歩堂は。
52 :
sage:2007/07/22(日) 07:52:51 ID:6gQ9yNV1
うらみは?
ミステリアス不思議系
みんなオバちゃんを忘れてる
まこと、マレカも必要
56 :
ゴドメイ・1:2007/07/22(日) 14:27:07 ID:BhUvegNM
「世話になったな」
そう言って、神乃木荘龍は歩き出した。
しばらくぶりに見上げる、自由な空だった。
直後、狭い通りを、後ろからシルバーのスポーツカーが走ってきた。
神乃木が通りの端によけると、車はその横で止まった。
左側の窓が音もなく下がり、ラベンダー色のセーターを来た若い女が、ハンドルに手をかけたまま神乃木を見上げる。
「神乃木荘龍ね。迎えに来たわ」
神乃木は、少ない荷物を肩に抱えてその女を見下ろした。
「誰だ、あんた」
言ってから、思い出した。
服装が違うので気づかなかったが、顔くらいは見たことがあった。
女は、運転席に乗ったまま勝気そうな目をまっすぐに向けて、言った。
「狩魔 冥」
助手席に収まって、後ろの席に荷物を放り投げる。
シートベルトをかちりとはめるのを待って、冥はアクセルを踏む。
道交法遵守だ。
「親父さんとは、法廷で会ったことがあるぜ」
最初の赤信号で止まったとき、神乃木は口を開いた。
「・・・」
「俺もペーペーだったが、コテンパンにやられたな。完全無罪を主張していたのに、親父さんに追及された被告人が、法廷でペラペラ自白し始めたんじゃ、どうしようもない」
「・・・」
冥が返事をしないのを見て、神乃木は話題を間違えたことを知った。
セーターの袖から出た白い手がギアを入れて、車は滑らかに発進する。
二人がしばらく黙ったままで車は街を走った。
塀の中にいる間にも、街はそれほど大きく変わったように見えなかった。
「・・・どこか、行きたいところはある?」
冥が言う。
整った横顔は、無表情のまま前を見つめている。
「いや・・・、おい」
大きな通りへ出て、神乃木はマスクの奥の目を細めた。
「どこへ行くつもりだ、コネコちゃ」
ハンドルを握ったまま、冥が目だけ動かして、キッと神乃木をにらみつける。
「・・・星影法律事務所は引越ししたのかい、狩魔のお嬢さんよ」
冥が今度は首をまわして神乃木を見る。
「星影法律事務所?あなた・・・」
はっとしたように、顔を前方に向ける。
道路が混みはじめていた。
「知らないの?星影弁護士は、あなたの身元引受人を・・・」
彼女が言葉を選ぶ間の、半呼吸の間で、神乃木は事態を悟った。
「断られたってわけかい。出所した弟子の身元引受人を」
「・・・・」
「で?俺はどこへ連れて行かれるんだい?」
「身元引受人のところよ。決まってるじゃない」
「だが、星影先生は・・・」
「御剣怜侍が引き受けたわ」
神乃木は、腕を組んだ。
御剣怜侍。
千尋の初公判の時の検事だ。葉桜院の事件でも、会っている。
だが、なぜ。
「よほど引き受け手がなかったんだな、俺は」
57 :
ゴドメイ・2:2007/07/22(日) 14:27:55 ID:BhUvegNM
「・・・・」
「御剣は狩魔検事の弟子だったか。あんたと同門というわけだな。それで、迎えに来てくれたのか?」
「御剣怜侍は自分で来るつもりだったけど、急な仕事が入ったのよ。それで」
冥が細い指でハンドルを叩いた。
「私が車を借りてきたの」
「これは、アイツの車かい?」
「こんな乗りにくい車、私の車なわけないじゃない」
忌々しげに冥が、今度はマニュアルシフトのギアを叩く。
そのしぐさが子供っぽさを感じさせて、神乃木は気づかれないように笑った。
「へぇ。アイツは真っ赤な車でも乗り回してそうなイメージだけどな」
「真っ赤な車にはイヤな思い出があるそうよ。・・・渋滞にはまったわ」
インパネの時計で時間を確かめて、冥はサイドブレーキを引いた。
「動かないけど・・・まだ時間もあるし」
神乃木は、車と人でにぎわう街に目を移した。
星影弁護士が、身元引受人をしぶった・・・。
ひさしぶりに出てきた娑婆も、生きにくそうだ。
「そういや、成歩堂はどうしてる?」
ふいに、冥がクラクションを鳴らした。
前の車が、のろのろと車間を詰める。
「気の短い検事さんだな」
「バカ歩堂のせいよ!」
急に、今までにない高い声で冥が叫ぶように言った。
「・・・なんだ?」
「あのバカ、弁護士バッジを剥奪されたわ」
「・・・なんだと?」
冥は車を無理やり横道へ入れると、街中から離れた。
弁護士バッジ剥奪?
どういうことだ?
街を見下ろせる丘の上の公園へつくまでに、冥はあの事件を語った。
成歩堂が捏造証拠を提出した、あの裁判を。
人の少ない公園の駐車場に車を止め、冥は神乃木を見た。
腕を組んだまま、じっと考え込んでいる。
そっとシートベルトをはずす。
神乃木を一人にさせようと、ドアに手をかける。
「いてくれよ、狩魔のお嬢さん」
「・・・・」
小高い丘から見下ろす街は、その中で今も沢山のいさかいを起こしているに違いない。
その幾つかは、法廷に持ち込まれる・・・。
神乃木は一言も口を利かず、身動きもせずに黙ってその街を見つめていた。
心が落ち着くまで。
そして、その隣で冥もやはり黙っていた。
58 :
ゴドメイ・3:2007/07/22(日) 14:28:41 ID:BhUvegNM
「なぜ、アイツは・・・それくらいのことで負けたんだ?得意のハッタリで幾らでも言い逃れできそうじゃねぇか。あのオトコが、捏造なんてシャレた真似をするとは思えねぇんだ。誰がハメたんだ?」
それがひとり言なのか、冥に向けて言ったものなのか、神乃木自身にもわからない。
「おまえさんは、なにもしてやらなかったのか?御剣も?」
今度は、はっきりと顔を左に向けて言う。
冥が唇を噛んだ。
「外国にいたの。御剣怜侍は。私もアメリカに」
「・・・そうかい」
「御剣怜侍は、その事件を知ってすぐに向こうを引き払った。でも遅かった。弁護士協会が成歩堂龍一から弁護士資格を剥奪して除名した後だったのよ」
「それは、どのくらい後だ?やけに早くねぇか?」
神乃木の目の前で、ラベンダー色が動いた。
冥の腕が上がり、髪をかき上げる。
「あなたは、これからなにをするつもり?」
ふいに話題を変えられて、神乃木は冥の横顔を見つめる。
狩魔は完璧を持ってよしとする、と言ったのは彼女の親父さんだったか。
彫刻のような、整った顔立ちだと思った。
「さあな。弁護士もやった、検事もやった。おまけにム所暮らしもやった。あとはなにをやるかね」
「・・もし」
冥が、初めてまっすぐ神乃木を見た。
「あなたにその気があるなら、手を貸してくれるかしら」
「・・・・そりゃ、ことと次第に」
「成歩堂はハメられたのよ。それはハッキリしてる。そこまでは、突き止めた」
「・・・突き止めた?おまえさんが?」
「・・・動いているのは成歩堂自身よ。私と御剣怜侍はその手助けをしている。あともうひとり、警察関係者」
「警察?」
「アメリカ帰りの現場捜査官だけど、科学捜査にも詳しいわ。彼女も、成歩堂に恩があるそうよ」
「そこに、元弁護士の元検事も加えようってわけかい」
「・・・・」
「なるほど、それが俺の身元を引き受けた理由か?」
「今の話は、私の独断よ。御剣怜侍は知らないわ」
「なんでお嬢さんは、俺にそんな話をしようと思ったんだ?俺が今の話を餌に弁護士協会に掛けこまねえとは限らねえだろうぜ」
神乃木がそう言うと、冥は左手で自分のジーンズの膝をつかんだ。
「・・・仮釈くらい、いつでも取り消せるのよ」
驚いた顔で、神乃木はクッと笑った。
「検事さんが、脅迫か?それとも」
狭い車内で、神乃木は大きな体をねじって冥に向けた。
「短い時間で、信用されたもんだな、俺も」
冥の顎に、指をかける。
車内という密室で、男に触れられてもビクリともせず、まっすぐ睨み返してくる。
気の強いオンナだぜ。
59 :
ゴドメイ・4:2007/07/22(日) 14:30:24 ID:BhUvegNM
そのまま、唇を寄せる。
「・・・!」
触れた瞬間、冥が逃げた。
ドアに背中がついて、それ以上距離が取れない。
神乃木は手を伸ばしてドアをロックした。
「キライじゃないんだろ、俺が。だからそんな話をしたんじゃねぇのかい、お嬢さん」
「・・・っ」
「いいぜ。あんた次第では協力してやるよ。成歩堂のために」
成歩堂の名を出されて、冥は振り上げた手を下ろせなくなった。
調査も、行き詰まりかけている。
わけありとはいえ、弁護士に詳しい協力者が欲しいところだった。
成歩堂のために。御剣のために。
冥が力を抜いたのを見て、神乃木はシートを倒した。
セーターの裾から手を入れる。
細い胴に手が触れる。
わずかにあばらが感じられる。
なで上げて、背中に回した手でホックをはずした。
そのまま背中をゆっくり撫で回しながら、唇をふさぐ。
舌を差し入れる。
抵抗する気がなさそうなのを見て、神乃木は大胆になった。
セーターをたくし上げ、ジーンズを膝まで下げるとそのまま覆いかぶさる。
「こんなところですまねぇが」
目の前にこぼれ出した形のいい二つのふくらみ。
片手ですっぽり覆って、ゆっくり揉む。
もうひとつのふくらみの突起に吸い付く。
じっくりと味わうように舐め、舌でつつき、吸い上げる。
次第に口の中でちいさな塊が硬くなる。
両の乳房を弄びながら、片手で腰をさする。
ショーツに指をかけ、一気に引き下げた。
「・・・っ」
冥の体が、一瞬震えた。
手を股間に添える。
そのまま指を割れ目にすべりこませた。
熱が、伝わる。
胸からの刺激と敏感なところを擦られる刺激で体が火照りを帯び、冥は顔を背ける。
御剣怜侍の車の中で、こんなこと。
神乃木の指が膣の入り口を探し当てた。
そのまま浅いところをかき回す。
乳首を吸い上げたまま唇を離すと、淡く色づいた乳房がぷるんと揺れる。
60 :
ゴドメイ・5:2007/07/22(日) 14:31:14 ID:BhUvegNM
「いいながめだぜ・・・お嬢さん」
唇がうなじを這い、耳朶を咬み、冥の唇を吸う。
その間にも乳房を揺らし、蜜のあふれ始めた秘所に指が進入する。
かき回されながら敏感な肉芽をぐりぐりと親指でこねられ、冥の唇から吐息がもれた。
「触ってくれ」
冥の手を導いて、取り出した神乃木自身を握らせた。
「・・・あ」
触れたそれは、熱く硬くなっていた。
「こするんだ・・・そう」
ぎこちなく、冥の指が神乃木をつかみ、上下する。
「クッ・・・上手だぜ、お嬢さん。そう・・・いい気持ちだ」
中に入れた指を二本に増やし、激しく抜き差しする。
「・・・っは・・・、あんっ」
冥のしなやかな体が反り返り、神乃木は片足をジーンズとショーツから引き抜くと、肩にかつぎあげた。
開いたそこを激しくかきまわし肉芽を擦ると、冥の手がぎゅっと力をこめて握った。
「おイタをしちゃいけねぇぜ・・・お嬢さん・・・」
「ん・・・あ・・・、あんっ」
駆け上がるような快感に、冥が手を離すと、神乃木ははちきれんばかりになったソレを、冥の股間に当てた。
びくんと体がはねる。
冥の予想に反して、神乃木はゆっくりと進入した。
「・・・んはっ、ああっ」
神乃木の胸に手を置いて、冥があえぐ。
「動くぜ」
引き抜かれ、差し込まれる。
その繰り返しの中で、冥の中に灯っていた火が燃え上がる。
「あっ・・・あっ・・・」
神乃木は狭い空間で自由に動けないまま、緩急をつけて冥を攻め始めた。
浅い位置で何度も奥深くを突く。
抜けるほど引いて、突き立てる。
挿れたまま、かき回す。
61 :
ゴドメイ・6:2007/07/22(日) 14:31:55 ID:BhUvegNM
「ん・・・、あっ、やっ・・・ああんっ」
熱く締め上げられると同時に、目の前で揺れる乳房と涙ぐんであえぐ顔に神乃木はいっそう欲情した。
「いいぜ・・・、すげえ締めてくる・・・。最高だ、アンタ」
「ああん、あ・・・あんっ」
「イキそうか?どうだ?気持ちいいか?」
「あ・・・、はぁっ」
「イケよ、イっちまえ。お高く止まった天才検事さんよ。人の車の中でこんなみっともねぇ格好で、そんなに気持ちいいかい?とんだエリートだぜ」
「・・・く・・・あぅっ」
「ガマンするんじゃねぇ・・・これでどうだい」
冥の腰に手を当てて持ち上げ、角度を変えて突く。
「い・・・あっ」
それまでと違うところに当たる感覚に、冥は白い喉を反らせる。
「ここがいいのかい、お嬢さん!気持ちいいのはここかい!なんとか言いな」
「・・・ふ、・・・あっ、あんっ、あっ、あっ、あっ!!」
「言えよ、言ってみろよ。どうなんだ、ええ?」
「いっ・・・」
「いいのか?感じるのかい、俺をくわえ込んで、気持ちいいのかいっ」
神乃木が、息を乱しながら腰を振った。
「あああ・・ふっ、そんな、んんっ・・・あん」
指で、敏感な肉芽に触れる。
「あああっ!」
「イくのか?イっちまうのか?ええ?」
「ああん、ああ、あ・・・んっ・・・はぁっ」
激しく突き上げながら指でこね回されて、冥の体はビクンビクンと痙攣する。
「いい顔だぜ、お嬢さん」
神乃木がそこで一度動きを止める。
あえいでいた冥が、神乃木にぎゅっと抱きついた。
「さあ、お嬢さん・・・ここまでにしようか?」
いじわるく囁く声も、興奮にかすれている。
「どうだい・・・、抜いちまってもいいのかい」
言いながら、手で胸のふくらみを持ち上げるように揺らす。
「ん・・・・あんっ」
「さあ・・・どうなんだ」
乳首をつまんで擦り合わせる。
「や・・・」
「ん?なんだい?聞こえねえぜ」
62 :
ゴドメイ・7:2007/07/22(日) 14:32:50 ID:BhUvegNM
神乃木の腰が動いて、冥の中をかき回す。
「あっ・・・」
「さあ、おしまいだぜ・・・」
「いや・・・やめ・・・ないで」
その言葉を引き出すと、神乃木はいきなり最奥を突き上げた。
「おねだりが下手くそだな、お嬢さん・・・」
「ん、ぁ・・・っ」
「だが・・・ク・・・あんたのここはたまらねえっ」
再び神乃木の腰が激しく動き始め、冥を攻め立てる。
体が揺れるほど強く突き上げられて、冥はまた押し寄せる快感におぼれた。
「んは、ああっ・・・!すご・・ああ、いいっ」
「俺も、俺もいいぜ!うぉっ・・・」
「あっ・・・!」
絶頂を迎えた冥が体を反らせて、きつく神乃木を締め上げた。
「クッ・・・いいぜ、も・・・うっ・・・」
冥の奥に神乃木が熱い情欲を吐きだし、うめいた。
「・・・すげえ・・・良かったぜ」
冥の乱れた髪を撫で、ぐったりと目を閉じたままの頬に唇を押し当てた。
うっすら上気した頬を、舌で舐める。
「こんな場所でなければ、何度でもお願いしたいところだぜ・・・」
「・・・っ」
顔をそむけようとする冥の頬を両手で包む。
「本気になりそうだぜ・・・冥」
下唇を挟むような軽いキス。
着衣を整えて、神乃木は名残惜しそうに冥の体をつつんだ。
「なんとか、言ってくれねえかな」
シートを起こして、両腕に抱きながら耳元で囁く神乃木に、冥は目を閉じてもたれかかった。
「・・・強引なオトコは・・・キライではないわ」
神乃木は喉の奥でクックッと笑い、ぎゅっと冥を抱く手に力をこめた。
「行こうぜ。俺の身元引受人のところへ。成歩堂の名誉は、必ず回復してやるぜ」
63 :
ゴドメイ:2007/07/22(日) 14:34:02 ID:BhUvegNM
以上。
ゴドメイGJ!!!!!!
>>63 GJGJGJ!!!!
ゴドメイキター!!
久々にゴドーが投下されて嬉しい!
冥にはこれくらい強引な男のほうが合ってそう。
乙でした!
>>63 ゴドメイGJ
神乃木の言葉責めと天然悪女な冥に萌えた
26歳冥はいいなー
相当色っぽくなってるだろうから
周りの男どもが放っておかんだろう
ゴドメイGJ!
萌えた。自分もなんか書きたくなってきたよ。だけどさすがに
>マックス、リロ(ベン)、ミリカの3P(4P?)が見たい。
>レオンorラトー×ミリカでもおk。
これは_
今更だが、このスレの初めにあった
オドロキ×みぬきを読んで感動した。
エロいだけじゃなく、ちゃんと話の中に
ドラマを盛り込める人ってマジネ申だと思う。
自分もネタ思いついたから書いてるけど、
成歩堂、御剣、真宵、冥の四角関係ものが読みたい。
成歩堂→真宵→御剣→冥でも
御剣→真宵→成歩堂→冥でも何でも
>>70 同意。自分もひとつだけオドミヌ書いたんだけど、
>>16さんのあまりの神さに途中で終わっているんだ。
ネタ、どんなかわからんけど楽しみにまってる。
四角関係、上はなんとなくわかるとして、下の御剣→真宵、成歩堂→冥が想像つかない。
見てみたい。
ゴドメイGJ!!冥が大人の雰囲気でいい!
話を作る設定としては、1〜3の後(捏造前)っていうのと、
4の後(捏造後)にわけられるのかな。
4の後のゴドーって成歩堂なみにやさぐれてるんだろうか。
御剣は出世争いに夢中とか、冥はアメリカで連勝、真宵は倉院で成歩堂のことなんか
すっかり忘れて楽しくやってるんだろうか。
捏造前は、その前に比べればキャラ皆が無邪気?だよな・・・。
4のゴドーは残念ながらこの世にはいないと思う。
もし存在するとすれば、全身ロボでターミネーターみたいな感じかな。
ゴドメイ超GJ!!!
最初の二人の会話が結構リアルで、想像しやすかった(´∀`*)
>>72 >御剣は出世争いに夢中とか、冥はアメリカで連勝、真宵は倉院で成歩堂のことなんか
>すっかり忘れて楽しくやってるんだろうか。
カナシスギル(つд`)
だれかそんなことないよっていう設定でなんか書いてくれ。
冥以外の新旧コラボレーションものも見てみたい。
御剣と4茜とか真宵とオドロキとか千尋とガリュー兄貴とか。
無論、冥でも大歓迎だけど。
弟冥なんかは意外なくらい萌える組み合わせだった。
ザックが手記のページを出さないせいで
成歩堂はやさぐれそれに真宵は悲しみ御剣はどうにもできないことに絶望し
冥は怒り千尋は失望しゴドーは何もすることがなくなったと息絶え、
ついでに巌徒は将来の法廷に不安を覚えた。
巌徒は生きてるのか・・・。
ところで今ここで投下してくれてる書き手さんは何人くらいだろう?
一人でいくつも書いてたりするんだろうか。
文体変えたりしてたらすごいな。
いや、ただの好奇心。スマン
マジで神が多すぎる…
好きな時読めるように勝手にダウンロードまでする始末です
萌えた!!!!
ってサイトの日記とかで語りたいけど語れないもどかしさwww
自分文章とかてんでダメだから本当にみんな凄いよ
何でもいいのでもっと投下頼む
ゴドメイ禿萌えた…
御剣×4茜良いな。
あと4キャラ×真宵とかも見てみたい。
クレクレでスマン
ここ最近の投下SSの影響で、4設定のメイたんは無意識の内に
男を翻弄する魔性の女というイメージがすっかり出来上がってしまった…
どの話もメイたんが押されてるように見えて、実は男の方がのめり込んじゃってるし
ぶっちゃけ1〜3まではメイたん関係のカプはミツメイ以外全く興味なかったけど
4のオトナ設定のメイたんなら色々見てみたいと思えるようになったw
エロなしはダメ?
>>82 エロなしでも大丈夫。
ただし、投下するときは注意書きしておいたほうがいいかもな
>>76 >千尋とガリュー兄貴
綾里法律事務所の面接落とされて「アヤサトチヒロオオォォ!!」な
がりゅんが思い浮かんだwwww
成歩堂を恨むようになったのもそのせいだったり
>>76 オドロキと真宵
最近よく事務所で顔を合わせる可愛いお姉さんと、
成歩堂の関係がなんとなく気になる王泥喜君。
その内彼女自身の事が気になり出して…とか。
ベタだな。
>>85 そのネタいいなw
自分が書くとしたら、成歩堂×真宵が前提で、
二人が事務所でエッチしている所をオドロキが目撃。
それでも、真宵が気になって仕方なくて
どうしようか悩んでるのを、みぬきが手助けする…とか。
>>71 勇気を出して、投下キボンヌ!
>>85 いや、いいと思うよ!
ナルホドがみぬきにばかりかまうので、
ちょっと寂しい気持ちの真宵ちゃんと、
そんな真宵ちゃんの気持ちをみぬいたオドロキくんが…って感じかな
>>78 書き手の一人。今まで何作か投下した。カップリングは全て変えてある。
まとめサイト見てたらかなりの数いそうな気がするけどな。
サイト餅さんとか多いのかな
もしかして自分が通ってるサイトの人だったりするんだろうかw
萌えすぎて、ここで乙とかGJとか言うだけじゃ足りず
メールか何かで一方的に感想伝えたくなる時がある
Wiki見て、マイベスト3とか選んでるよw
最近の新作で、ベスト1が入れ替わったばかりだwwww
>>89 自分はサイト餅だが、他ジャンルだしそこではエロも書いてない
ここでは色々と修行をさせてもらってる感じかな
皆さんのクオリティが高く、相当気合い入れて書かないといけないので
>>89 自分もサイト餅。
>>91 禿同。みんなうまいよね。
>>90 ベスト1何? オドミヌ?
自分は最近投下された弟冥だな。
>>85 オドロキは綾里の人々と相性が良さそうだな。
真宵もいいけどはみちゃんともお似合いだと思う。
親のいないオドロキと家庭的なはみちゃんは、いいカップルになりそうだし
綾里とアルマジキの血が混じるとどんな子が生まれてくるかも気になるw
そして、ドリル兄弟→冥はガチ。
奴らは面食いかつブランド志向っぽいから、冥みたいな高嶺の花系の女が大好物だろう。
>>93 でも正直出会ってもない人たちをカップリングするのは物凄い抵抗感だ
ドリル兄弟→冥はガチと言われてもピンとこない
>>94 いや、正直特に深い意味はなかったんだが気を悪くしたならすまん。
例えばの話だと思って適当に流しといてくれ
自分はここの影響で、響茜に目覚めた!
個人的には接点無しや捏造は書き逃げ上等の
匿名掲示板ならではの醍醐味の一つだと思うけどな
まあ、嫌ならスルーするに限る
というわけで王泥喜×真宵・響也×冥プリーズ
ふと思ったんだが、
逆裁で癒やし系のカップルって誰と誰だろう?
王道で成歩堂×真宵かオドロキ×みぬきかな
イトノコ×マコではなかろうか
>>92 最近のゴドメイかな。
弟冥もかなりいいね。
旧作とのコラボいいね
自分も御剣×茜とか読んでみたい
>>99 癒しといえば、自分もやっぱりナルマヨかな。
ナルあやとイトマコも捨てがたいけどね。
オドみぬもほのぼのしてて好きだけど、関係が関係なんで
一歩間違えるとドロドロな感じになってしまう気がw
>>102 4軸での御剣×茜かな?見たい!
茜の変貌ぶりに驚くかもな御剣w
蘇る設定でも見てみたいかも。
あとは無茶を承知で御剣×みぬきとか。
そして成歩堂に殺される御剣が見たいww
104 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 01:52:07 ID:FALLs45u
自分的ベスト3(数字はエロパロwikiの日付)
3、成歩堂×冥 07/01/25
2、御剣×冥 07/06/29(『ベッドサイドの〜』)
1、成歩堂×冥、03/01/26のもの(一番最初の日付のヤツ)
あ、なんか全て女性が冥になったな。
あとは07/05/14のやさぐれ成歩堂×未亡人真宵とか、
07/05/09のニット成×冥がすごくイイ!!
あっでも、他のももちろん堪能してるよ〜。
4のアカネと誰かのが見たい。
水を差すようで悪いけど、
↑みたいな書き込み、読み手はいいかも知れないけど、
書き手は気にするから止めなよ。
お気に入りだって言われた職人さんも、
そうじゃない人も、感想を貰うのは嬉しいだろうけど、
ランキングづけなんかされたら
気になって投下しづらくなると思う。
まあ、気軽にいきましょうぜ
御剣×茜って一個も投下ないのかな
未開の地で新たな萌えの発見がありそうな予感
ちょっと考えてみよう
ランキングじゃなくて、お気に入りを上げるだけなら良くない?
読んでない物も読もうかと気づかされるし。
茜にしろみぬきにしろ御剣が相手だと逆レイプしか思いつかんw
つーか御剣が攻めに回れるのは冥と絡んだ時くらいか
>>108は逆裁以外でも読む一方で書くことは全くない人?
一度でも書いたことがあるなら、読み手のランキングとかお気に入り晒しとか
嫌だと思うがな。
未開の地ネタで御剣×みぬき見てみたいな。
よき作品にはGJ!コール
苦手な作品は華麗にスルー
それがエロパロ板の基本で、書き手からしたらそれで充分だとおも
で、質問なんだが。
保管庫にあるずいぶん過去ものの話のGJってここに落としてもいいのかな?
>>109 いや、茜は御剣相手なら素直でいじらしくなると思う。
成歩堂が相手でもね。
茜が強気な態度になるのは、
王泥喜と響也だけじゃね?
茜は響也に対しても、強がってみせつついじらしくあって欲しい今日この頃
>>111 自分もかなり昔の作品に萌えすぎて、吐き出したい時あるんだけど…どうかなぁ
過去ログ倉庫にそういうページつくったら? Wikiに掲示板置くとか。
117 :
111:2007/07/26(木) 20:05:31 ID:stwzte4T
>>116 すばやいお仕事ありがとう!
書き手さんが見てくださってるかどうかワカンネでも、萌えたとひと言置けることがウレシス
書き手の一人だけど(
>>88です)
文句つけてるわけじゃなく、ただお気に入りを挙げてるだけなら全然気にならないし、
挙げられたものの中に自分のがあろうがなかろうが、書く気が沸くよ〜。
そんなの気にしてたらち2ゃんに書きに来ないってw
だからここにそういう書き込みあってもいいと思ってたんだけど、
掲示板できたならそっちがベストかもね。
設置乙。
設置してくれてありがとう。
じっくり読んで感想書きたくなることがあるので助かります。
たまに自分がエロパロ板にいるって我に帰る……
>>118のような人もいるし、そうじゃない人もいる。
どっちが多数派なんてのはわからないけど、
少なくとも自分はランキングづけや、
一部の作品にのみ、かたよったマンセー意見が書き込まれるようなスレは、
読み手としても書き手としても、ものすごく嫌。
例え、かなり前の作品だろうと、感想を書いたり、
リクエストしたりするのはいいことだと思うけどね。
それとランキングやお気に入り発表は
全く別次元の話だと思うよ。
同じ話題をいつまでもズルズルひきずるようで申し訳ないけど。
ふと思いついたんだけど、全く接点のない、
有り得ないカップリングなんてあるかな?
逆裁は結構何でもありな感じだけど、
敢えてくっつかなそうなキャラを、
ほとんど無理やりくっつけて、萌えるかどうか試したいw
御剣×マコ、イトノコ×茜、響也×巴、豪×千尋とか。
イトノコ茜はエロじゃなければ書ける気がする
弁護士・検事・警察関係者は皆どこかしらで顔を合わせてる可能性はある
時間軸の関係で一部無理な人々もいるが
ここで直斗×茜と言ってみる
ありえそうでありえなさそうでありせそうなライン
124 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/27(金) 01:42:27 ID:at1Ocy5c
ガント×巴見たい。
ザイモン×巴←ガントもいいかな。
ガントが巴を脅して無理やりやっちゃうとか。
それは既に保管庫にあったキガス
でも、自分ももっと巴のカップリングもの見たいな
罪門、巌徒以外の有り得ないようなカップリングだったら、
響也×茜のが前提の、霧人×巴とか面白そうw
なんか想像力駆使しないと難しそうなCPばかりだな。
自分は、4の成歩堂×冥がもっと見たい。
あと
>>125 >ガント×巴
昔コソーリ書いた希ガス。あれば引っ張り出してくるね。
>>125 霧人×巴
すげー見てみたいかも!!
年上の女性に翻弄される霧人が見たいw
濃厚なエチしそうだw
巴が主席検事時代に霧人は新米弁護士として活躍してただろうし、
二人が会っている可能性もあるよね。
牙琉兄弟と宝月姉妹は相性良さそうだ
以外な組み合わせもみたいけど、
もちろん定番の組み合わせも大歓迎です!!
>>126 ふと思ったんだが、4成歩堂とくっつく=みぬきのママ(候補)になるってことだよな?
真宵・あやめ・茜なんかは上手くやっていけそうだと思うけど(茜とは実際に仲良さそうだったし)
正直、自分には冥とみぬきが一体どんな会話をするのかすら全く想像が付かない
というわけで、その辺のネタを踏まえた4成歩堂×冥が見てみたいので神様降臨キボン
イトノコ×おキョウなんてのは?
前スレのナルみぬの続き書いてくれる人来てよ!
キチガイの糞書き込みしか無くて1ミクロンも得にならないよ!
前スレのナルみぬの続き書いてくれる人はやく来てよ!
もう夏か。早いなー
夏だなあ……
133 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 20:12:16 ID:3gGIPVRn
夏だし、スルー技術を磨こうぜ。
エロシーンだけです。放尿ありなんで苦手な人は読まない方がいいです。
牙琉霧人。いまや法曹界一クールな弁護士と名を馳せている男である。
知的で、常に冷静沈着な紳士だ。しかしその本質は悪魔にも等しかった。
「ふふ……もう逃げないんですか?」
牙琉はいつものように穏やかな笑みを浮かべたまま、みぬきを追い詰める。
「やめて……こわい……」
後ずさりしたものの、小さな背中は乾いたコンクリートにぶつかってしまった。
「ゲーム・オーバーですね」
男はためらうことなく幼女の唇を奪う。
「ーっ!!」
幼い手で押し返そうとするが、か弱い抵抗は、ただ牙琉を楽しませるだけだった。
牙琉はさらにみぬきの唇を吸って性感を高めておいて、空いた手で未発達の乳首を愛撫した。
「愛撫っていうのは、こんな風にするんですよ」
「っぅあ!」
乳腺を襲った強烈な官能に驚き、幼女は悲鳴を上げた。そして沸き上がる凄まじい快感に身悶えた。
「気持ちよかったですか?でもまだ足りないですよね」
男は再び幼い唇を吸った。そして口腔に侵入して小さな舌を捉え、絡みつき、引っ張り、押し、存分に嬲った。
さらに上唇を吸ったかと重うと、歯茎の裏を舐める。男の舌が動くたびに幼子の中に隠れていた性感帯が刺激され、
脳が痺れるほどの快感を生み出していった。
「かはっ……ふー…ふー……」
みぬきはすでに息も絶え絶えだが、幼い肉体で目覚めた性欲はさらなる快感を求めてふくらみ続けた。
「まだまだですよ。あなたの父上に味わわされた屈辱は、こんなものではありませんでしたからね」
牙琉の手がついに股間の割れ目にあてがわれる。ピッタリと閉じたそこをこじ開け、上から次々に責め立てた。
陰核、尿道口、そして未だ開いたことのない肉孔。それぞれが淫らな愛撫を受けると充血し、反応した。
とりわけ強く責めたのは尿道口だった。性器ですらないその場所だが、幼女にとっては日常的に使う器官であるために敏感でもある。
男はためらうことなく子供の尿道口に爪を突き立てた。そして容赦なく抉る。
「くひぃぃっ!!」
毎日、使い込んでいるはずの器官に強烈な快感が生また。とても耐えられるものではない。牙琉の腕の中でみぬきは絶叫した。
強烈な快感に中枢神経そのものを灼かれ、小さな体が跳ね回る。
牙琉は指先に別の圧力が加わるのを感じた。
「そろそろですか」
「きゃぃぃぃっ!!!」
幼女の絶叫と共に股間から熱い液体がほとばしった。それは牙琉の手をびしゃびしゃと叩き、火傷するほどに熱く感じさせた。
「あー! あー! あーー!!」
絶叫は言葉になってすらいなかった。幼女が叫んだのは母の名だったのだろうか、それとも今の父親、成歩堂の名だったのだろうか。
それはもはやわからない。
幼女の体は性的に開発されてひとつ上の段階に上ったのだ。
幼い肉体は横たわり、しょろしょろと尿を漏らしている。だが、開いた股間が閉じられることはない。
小さな口の端から涎が零れていた。
子供ははじめて迎えた絶頂に耐えきれず意識を失い、その魂は遠く夢の中を彷徨うのみだったのである。
>>134 ロリとかきもい。芯で。
霧人はそんなキャラじゃないしwwwww
響也と茜ェロ誰かかいて。
夏厨スルー推奨
>>134 GJ!!
霧人の鬼畜&悪魔っぷりがイイですね。
ナルアカ降臨を待ち続けます
このスレ、エロなしSSは大丈夫でしたっけ?
最初に明記しとけばいんでない?
検事局の地下駐車場に降り、御剣怜侍は自分の車の脇に立った。
5分もしないうちに、レモンイエローのスプリングコートの狩魔冥が現れた。
「待たせたかしら」
「いいや、私も来たところだ」
助手席のドアを開けると、冥はするりと座席に滑り込む。
「で、なに?」
御剣がエンジンをかけると、冥が窓の外を見たまま言った。
「うむ。成歩堂から連絡があったのだ。真宵くんと春美くんが倉院の里から遊びに来ているので事務所に来ないかと」
「・・・私も?」
「イトノコギリ刑事も呼んだようだ。ソーメンフルコースをごちそうすると息巻いていたが、ケータリングを頼んでおいた」
そう、と冥がつぶやく。
「ひさしぶりだわ、真宵と春美に会うのは」
13歳で検事になった冥にとって、真宵は初めての同年代の友人だった。
ぶっきらぼうに聞こえる言い方をしながらも、少し嬉しそうにほころんだ冥の横顔を見て、御剣も頬を緩めた。
成歩堂法律事務所に車を横付けにし、助手席のドアを開けると、すらりとした脚が車から出た。
手を取って降ろしてやると、窓を開けて見ていたらしい真宵が、
「あ、なるほどくん!きたよー!」
と叫ぶのが聞こえた。
事務所のドアを開けると、真宵が飛び出してくる。
「ひさしぶり、冥さん!」
「元気そうね、真宵」
御剣は、久々の再開で手を取り合わんばかりの二人から、テーブルにケータリングで届いた料理を並べている成歩堂に目を移した。
「今日は、すまなかったな」
「いやいや、こっちこそこんな豪華な料理を届けてもらってさ。イトノコ刑事がいたら、泣いて喜んだのになぁ」
「ム・・・、イトノコギリ刑事はまだ来ていないのか?それに、春美くんは」
「んー、イトノコ刑事は、急に事件が起きたらしくって。電話で『捜査ッスーーー!』って叫んでたから。春美ちゃんは」
成歩堂はちょっと困ったように笑った。
「なんでも、修行がいそがしいって」
一緒に行こうと真宵が言ったのに、
「せっかく久しぶりになるほどくんとお会いになるのに、わたくしなどお邪魔できません!」
と言い張ったらしいが。
「さあさあ、冥さん、座って座って。なるほどくんも、・・・御剣検事も」
真宵が元気よく言って、コートを脱ごうとした冥が手を止めた。
「車に携帯電話を忘れたわ」
勤務時間外とはいえ、いつどんな連絡が入るかわからない。
「怜侍、車のキーを貸してくれるかしら。取ってくるわ」
御剣がキーを渡すと、冥は「すぐ戻るわ」と事務所を駆け出していった。
「いやー、さすが御剣検事だよね、なるほどくん。この事務所に不似合いなくらいの料理だよ」
「不似合いで悪かったな」
「はみちゃんとイトノコ刑事に、申し訳ないなあ」
「そんなこといって、食べる気まんまんだろ」
成歩堂と冥の掛け合いに、ブランクはないようだった。
取り皿や箸をそろえて、冥が戻ってくるのを待つ。
「・・・遅くない?冥さん」
真宵が言い、御剣は立って窓から外を見た。
「今、なにか声が聞こえなかったか?」
ふと成歩堂が、御剣を見た。
御剣が、通りを見下ろす。
あまり人通りがない上に街灯も少ない。
「・・・ゃあ!」
今度は、はっきり聞こえた。
「冥だ!」
御剣が事務所を飛び出す。
成歩堂と真宵も後を追った。
事務所のビルから外に出たところで、御剣はなにかを踏んだ。
拾うと、それは冥の鞭だった。
コートのポケットから落ちたのだろう。
行かせるのではなかった、と御剣は唇を噛んだ。
「御剣検事、それ、冥さんの!」
「車の音はしなかった、遠くまで行っていないはずだ!」
車の中から携帯電話を取って事務所に戻ろうとしたとき、建物の影から男の声が冥を呼び止めた。
「狩魔検事さん、だよね」
足を止めてふりむきながら、コートのポケットに手を入れて鞭を握った。
「おっと、そんなもの振り回すのは法廷だけにしてくれよ」
ゆっくり姿を現した男に、冥は後ずさりした。
「誰っ」
「忘れたのかい、あんたが有罪にしたチンケな強盗犯をさ」
男が、冥の腕をつかんだ。
「きゃあっ!」
みぞおちに激痛が走って、冥は意識を失った。
・・・どのくらいの時間がたったのか、意識が戻ると、腹部の痛みと吐き気が襲ってくる。
「・・・う」
両手を後ろで縛られて、片方の足首もどこかに縛り付けられた状態で、冥は板敷きの部屋に転がされていた。
目を上げると、ブラインドのない窓から建物の灯りが見える。
「気がついたのかい、検事さん」
冥を覗き込むように屈んでいた男が、ニヤニヤと笑いながら言った。
「裁判のときはずいぶんと威勢がよかったけど、なんだい、まだ女の子じゃないか」
男の手には、サバイバルナイフ。
この声には、聞き覚えがあった。
ほんの少し前に有罪になった被告人だ。
もうすぐ、高等裁判所で刑期が決められる頃なのに。
・・・脱走した犯人に誘拐されたのだ。
冥の背筋に冷たいものが流れた。
ナイフが襟元に差し込まれ、服を胸元まで切り裂いた。
「・・・っ!」
「つまり、さかうらみってわけなんだけどさぁ」
ナイフの冷たさを胸に感じて、冥はこくりと喉を鳴らした。
「こんなことをして・・・逃げ切れると思っているの?罪が重くなるだけよ」
「えらそうなことをいうんじゃないよ!」
犯人がナイフを振り上げ、冥は固く目をつぶった。
ビシッ!
犯人の手から、ナイフが落ちた。
「いてぇっ!」
冥が恐る恐る目を開けると、ドアのところに人影が立っていた。
「キサマ・・・冥になにをした!」
冥の鞭を構えた御剣が、叫んだ。
「お、おまえ、鞭が使えるのかよ御剣・・・」
御剣の後ろに、呆然とした顔で成歩堂と真宵も立っている。
直後に、御剣が手配した警官隊が飛び込んできた。
人ひとりを抱えて遠くへ逃げるのは無理がある。
成歩堂法律事務所の隣にあるホテルの、使われなくなった従業員休憩所にたどりつくのに、時間はかからなかった。
あわてたらしい犯人が、取り落としたナイフを拾い上げようと飛びつく。
一瞬早く、冥の自由なほうの足がそのナイフを蹴り飛ばした。
「ちっくしょおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
警官が犯人を取り押さえ、御剣は冥を抱き起こすと手と足を縛っていたロープを解いた。
「大丈夫か、冥」
自分の上着を着せかけて、御剣は冥の肩を抱いた。
「・・・ええ、これくらい平気よ」
殴られたみぞおちを押さえて言った言葉は強気だが、ほっとしたのか震えが止まらないようだった。
「よかった・・・」
冥の無事を確認して、安心したのは御剣も同じで、埃っぽい床に膝をついて冥を抱きしめた。
ぐったりと抵抗をあきらめた犯人が連行されるのを見送って、成歩堂は真宵を見た。
「狩魔検事が無事でよかった。ね、真宵ちゃん」
「・・・」
「真宵ちゃん?」
「・・・なぁんだ」
真宵が、成歩堂の隣でうつむいた。
「あの間になんて、入り込めないよ・・・」
成歩堂は、冥を抱きあげて歩いてくる御剣と、隣でうつむく真宵を交互に見る。
やっぱり、そうか。
遊びに来る、と言った時もしつこいくらい御剣と冥に裁判の予定がないか確かめてきたのも。
そろそろ来るという頃になると、窓に張り付いてずっと外の様子を伺っていたのも。
それなのに、いざ会うと冥にばかり話しかけて、御剣に見向きもしなかったのも。
「少し、冥を事務所で休ませてもいいだろうか、成歩堂」
「あ、ああ。そうだな。行こうか、真宵ちゃん?」
冥を抱きかかえてそっと階段を上る御剣の後ろ姿を見ながら、真宵はまたため息をつく。
その真宵の隣を歩きながら、成歩堂は頭をかきむしる。
ああ、まさか真宵ちゃんが、御剣を?
事務所に戻ると、冷めた料理がぽつんとテーブルに取り残されている。
御剣は、奥の応接室を借りる、と言って冥を運んだ。
「えと、食べる?真宵ちゃん」
真宵が黙って首を横に振る。
・・・まいったなぁ。
「あのさ。真宵ちゃん」
「・・・」
成歩堂は、思い切ったように真宵の隣に座った。
「やっぱり、あいつのこと?」
今度は、ゆっくり首を縦に振り、それから激しく横に振った。
頬が、真っ赤だった。
「どっち?」
「わかんない。自分でもわかんない。でも、さっき御剣検事が冥さんをすっごく大事にしてるのを見たら、なんか、ちょっとさびしくって、それで」
「そうか」
成歩堂は膝に肘をついて手に顎を乗せた。
「うん、でもさ。あいつは狩魔検事の保護者気分でいるのかもしれないよ。なんせ、兄弟子だし」
「・・・弟弟子だって言ってたよ、冥さん」
「う、うん。どっちにしても、そういうんじゃないかも」
「なるほどくん。あたしだって、アレは見ればわかるよ。いいんだ、あたし。ほら、ちょっとカッコいいなあって思ってただけで、別に好きとか、そんな」
真宵は顔を上げて、にっこり笑って見せた。
ああ、かわいいなぁ。
ふいに、成歩堂はそう言いそうになってどきっとする。
「・・・あの、じゃ、じゃあ、さ」
ちらっと応接室の方を伺う。
「ぼく、は?」
「なるほどくん?」
「ぼくのことは、その」
喉がはりつくように渇いて、うまく言葉が出ない。
成歩堂は、テーブルの上にあった缶飲料のプルタブを開けた。
すっかりぬるくなったそれを、喉に流し込む。
「・・・げほ」
ビールだった。
冷えていないビールがこんなにまずいものだとは。
「なるほどくん、だいじょうぶ?」
軽くむせた成歩堂の背中を、真宵がさすった。
「まったく、あわてんぼだなぁ。しっかりしてよね」
「真宵ちゃん、ぼくは」
成歩堂にいきなり手首をつかまれて、真宵がびっくりした顔をする。
「ぼくは、よくわかんないわけじゃなくて、すっごくよくわかってる」
「なるほどくん、それだけのビールで酔っ払っちゃったの?」
「真宵ちゃん」
真宵の唇に、冷たくて柔らかいものが触れた。
少し、苦い味がした。
「ぼくは、アイツみたいにかっこよくないし、事務所の家賃も払えないくらいだし、それに、それに、でも」
「・・・・」
「真宵ちゃんが、好きだよ」
もう一度触れた唇は、少し強く押し付けられた。
息をするのを忘れるくらい長く、そして舌が進入してくる。
成歩堂は、ゆっくりと真宵をソファに押し倒した。
「なるほどくん、み、御剣検事と冥さんが」
唇を離すと、真宵が抗議する。
それを無視して、成歩堂は和服の胸に手を入れた。
「あ・・・」
小さな胸は、手のひらにすっぽりと収まった。
ゆっくりと、つかみ上げる。
「やわらかい」
「だめだよ、なるほどく・・・」
いつ応接室のドアが開くかと、真宵はひやひやした。
「しっ・・・、静かにしてればだいじょうぶだよ・・・」
そんなわけないよ。
真宵の言葉は、成歩堂の唇でふさがれる。
成歩堂は、真宵の乳房を揉みしだく。
柔らかなふくらみと、先端の突起を、やさしく。
鎖骨を唇でなぞり、もうひとつのふくらみにも舌を這わせた。
「な・・・る」
「真宵ちゃん・・・」
手で、太ももをそっとなで上げた。
外側から、内側へ。
指がそこを捉えたとき、真宵は悩ましい吐息をついて、成歩堂の首に手を回した。
「・・・やさしくしてね」
な、なにをやっておるのだ、あいつは。
水を取りにいこうとして応接室のドアを開けた御剣は、真宵におおいかぶさっている成歩堂を見て、あわててドアを閉めた。
あいつ、ヤる気だ。
ここに、私と冥がいることを忘れているのか?!
「怜侍・・・、お水は?」
応接ソファに横になっていた冥が、少し体を起こして言った。
「う・・・うム。いや、その」
まぶたの裏に、今見た光景が焼きついている。
成歩堂の肩にかかった素足。こぼれだした胸。高潮した頬・・・。
「いいわ・・・、私がもらってくる」
ドアの前で石像になっている御剣を当てにするのをあきらめたのか、冥が立ち上がる。
「いや、まだ横になっていたほうがいいのではないか、その、水ならまたあとで」
「なに言ってるの?」
御剣を押しのけてドアノブに手をかける。
「・・・・ん、ああん」
冥が、ぴたりと動きを止めた。
御剣が、耳まで真っ赤になっている。
一瞬、意味がわからないような顔をした冥も、遅れて頬を染めた。
「あ、あん、はあん・・・」
冥は、黙って御剣の手を引いてドアから離れた。
「立ち聞きなんて、フケツよ、御剣怜侍」
「・・・うム、そういうアレでは」
「・・・・」
きまずい。ものすごく気まずい。
冥はソファに腰掛け、御剣は意味もなく部屋の中を歩き回る。
「どう、したらいいのかしら」
「・・・待つしかなかろう」
「いつまでよ」
「それは・・・終わるまでではないか」
冥は首筋まで、真っ赤になった。
「なに考えてるのかしら、まったく」
御剣は、冥の後ろで足を止めた。
ピンク色に染まったうなじに、どきりとした。
思わず手を伸ばすと、冥の体がびくっとふるえた。
「いや、その・・・さっきは怖い思いを、させてしまった。私が携帯電話を取りに行けばよかった」
とっさに言い訳しながら、その通りだと思う。
すぐ近くとはいえ、女の子にひとりで人通りの少ない夜道を行かせるなど、無用心すぎる。
「二度と、あんな思いはさせない」
冥の肩に置いた手に、力がこもった。
「・・・ん」
冥が小さく頷いた。
「怜侍が、来てくれると思ってた」
御剣の脳裏に、ついさっき見た光景がよみがえる。
視界がぐらりと揺らいで、気づくと冥の肩に置いた手をそっと胸元に滑り込ませていた。
かがむようにして、後ろから冥の頭に口付ける。
「ちょっと、なにして・・・」
冥は体をよじって、進入してきた手から逃げる。
「・・・ム」
御剣はソファを回り込んで、冥の前に立った。
「だがしかし・・・、こうなってしまった」
目の前に、服地がぴんと張って盛り上がっている。
「バ、バカがバカなことを考えて、バカッ!!」
あまりの近さに、両手で顔を覆う。
「そんなかわいいことをされると、ますます大きくなってしまうのだが」
御剣は、冥の肩にかかっている自分の上着をすべり落とし、犯人が切り裂いた服からこぼれる白い胸元にそっと手の甲を当てた。
「バカ・・・っ、ち、ちっちゃくしなさいよっ」
御剣は片手で冥が頬を押さえている手をはずした。
顔を上げた冥を見つめて、御剣はそっと唇を寄せた。
「無理だ」
真宵の吐息が甘い声に変わる。
成歩堂は舌で舐めたりつついたりしていた乳首を甘噛みする。
つんと尖ったそれが、ますます固くなる。
その間にも、片足を腕にかけて開かせた秘所を指先でまさぐる。
音を立てて、蜜がからみついた。
膣口をかきまわし、小さな突起の周囲をこねまわす。
「・・・・ん、ああ」
思わず、真宵の口から大きな声が漏れた。
成歩堂は隅々まで真宵の体を撫で、口付け、そして十分に濡れたそこに指を入れた。
「あ、あん、はあん・・・」
進入した指が、敏感な壁をなぞり、真宵は体を反らせた。
「・・・はぁっ、なんか、なんか変だよ、なるほどく・・・ん、あたし」
成歩堂にしがみついて、真宵が言う。
「変じゃないよ。すごく、感度がいいんだ」
成歩堂が、ズボンを下げた。
ソレは、ぴんと屹立している。
「いくよ・・・」
「ん、はぅっ」
先端が真宵の秘所をまさぐるようにし、それからゆっくりと入ってくる。
「や、あ、ん、はっ、あ・・・あん」
抵抗するかのように締め付けてくる真宵の中を、成歩堂は進んだ。
「奥まで、入ったよ」
「ああ・・・、すごい、いっぱいだよ、なるほどくん」
ゆっくり、引き抜く。
また、押し込む。
引き抜く。
「あんっ」
ぐい、と進入する。
腰を引くと、また真宵が震えた。
「ああんっ」
引く時がイイらしい。
成歩堂はたまらなくなって、腰を動かす速度を上げた。
「んぁっ、あ、あっ、ああああああんっ」
「ぁぁ・・・・」
耳を澄まさなくても、隣の部屋の声が聞こえる。
冥を抱きしめたまま、御剣はごくりと喉を鳴らす。
「・・・バカ!」
自分を抱きしめながら、他の女のあえぎ声に興奮するなんて。
両手で御剣を押し返そうとすると、より強い力で押さえつけられ、一気にスカートを引き降ろされた。
「やっ、ちょっとそんな急に!」
準備の出来ていないその場所に、御剣は己を押し当てた。
痛みとともに、ぎゅっと押し込まれる。
こんなに乱暴にされたことはなかった。
「バカっ、ゆ、許さないっ」
半分ほど入ったところで、御剣が息をついた。
「だが、早くちっちゃくしろと言ったのはキミだ・・・。他に小さくする方法がない」
耳元で息を吹きかけるように囁かれる。
いつも眉間にしわを寄せながら法廷で容赦なく被告人を糾弾する男が、冥にだけ見せる素顔。
「許して、くれるだろうか?」
うなじに、舌を這わせる。
手が、二の腕を強くさすりながら下がり、冥の手を握る。
指と指を絡ませ、その手にも口付ける。
冥の指先を口に含む。
一本ずつ丹念に舐めながら、乳房に触れる。
抵抗するように締め付けられていた御剣自身が、するりと動いた。
冥の目を見つめながら、御剣がふっと笑った。
「許して、もらえたようだ」
潤いをたたえた冥の中に、ぐいと突き進んだ。
「・・・・ん」
冥が、目を閉じる。
何度も突き上げると、真宵は成歩堂にしがみついたまま目を潤ませた。
「やっぱり、やっぱりあたし、変だよ、すごくムズムズする、の・・・、あんっ」
「いいよ。もっと、もっとムズムズして」
肩に担ぐ脚を変えて、成歩堂は突いた。
熱くて、強く締まる。真宵の中はとても気持ちが良かった。
もう、限界が近い。
腰を打ちつけながら、指でぷっくりとふくれた突起に触れる。
「ひゃあんっ」
ぐるぐると回したり押したりすると、真宵が体をひくつかせる。
ぎゅっと成歩堂が締め上げられた。
「あ、あああああん!!」
その声があまりに艶かしい。
引き抜くのも忘れて、成歩堂は真宵の中に精を放った。
命令どおり、ちっちゃくなっって抜き取られたそれを、細い指が丁寧にウェットティシュで拭く。
「まったく、信じられない。あなたも、な、成歩堂も」
隣の部屋の声は、おさまったようだった。
きれいにしてもらったソレをしまいながら、御剣が軽く咳払いする。
「ム。すまない」
冥が御剣の足元に屈んだまま、破れの大きくなった服をかき合わせた。
「ん、もう。今度買ってもらうわからっ」
それが可愛くて、御剣はまた冥を抱きしめる。
「何枚でも、買おう」
さて。
しかし、服を買いに行くその前に。
御剣は、ため息とともにドアを見た。
・・・どんなタイミングで出て行けばよいものだろうか。
しなだれかかる真宵を抱きとめながら、成歩堂は応接室にいる御剣と冥を思い出して、冷や汗をかいた。。
気づいてない・・・わけ、ないだろうな。
出るに出れなくなっているのではないだろうか。
真宵の声。
ドア一枚を挟んだだけでは、まる聞こえだったにちがいない。
成歩堂は、ため息とともにドアを見た。
出てきたら、どんな顔でなにを言えばいいものか・・・。
終
151 :
名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 19:43:56 ID:Fm6GIvQt
GJ
153 :
名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 19:58:18 ID:nHysOole
>>142-150 GJ!GJ!GJ!
単純なナルミツのコンビにウケたw
部屋を出て来て、気まずく
「…や、やあ」「う、うム」
とか、意味がわからないやりとりをする
成歩堂と御剣が目に浮かぶみたいだww
>>150 GJ!
王道カプだけどシチュエーションが変わってて新鮮ですた
>ナルマヨミツメイ
GJJJJJJJJJJJJJJJJ!!!!!!!
一番好きなカプと二番目に好きなカプの上
シチュも興奮ものでした!
>ナルマヨミツメイ
本当に超GJ!
なんかいつもより感じそうなシチュエーションがナイス!!
そういう自分は、ようやくハケーンした、厳徒×巴を投下させていただきます。
↓
158 :
厳徒×巴 1:2007/07/30(月) 15:56:34 ID:4vqJ5oG0
『机上の薔薇』
まず最初に気づいたのは香りだった。
宝月巴が朝の捜査会議から戻ると、自分のデスクに一輪の薔薇が置かれていた。
花瓶に挿すこともなく、ただ無造作に置かれた薔薇を、巴は手に取る。
幾重にも重なって広がる真紅の花弁はみずみずしく美しく、濃厚な香りは脳の中枢を侵していく。
巴は薔薇を手にしたまま後方を振り返った。
彼女のデスクと向かい合うように置かれたもう一つのデスク。
そこでいつものように悠然と、資料に目を落としている人物。
「お早よう、宝月主席検事。会議はどうだった?」
厳徒海慈。
厳徒は巴の視線に気づくと捜査資料を机に置き、口角を上げた。
「いつもの通り、単調な会議でした。それより……」
巴は手にしていた薔薇に一瞬視線を落とす。
「綺麗だろう。ローテローゼという品種だ。紅い薔薇の代名詞だね」
厳徒は薄い笑みを保ったまま言った。
「ボクから君に。受け取ってくれるね?」
彼の言葉はあくまで提案で、巴に選択権を委ねているように聞こえる。
しかしその視線は真っ直ぐ巴を射ていた。
薄く色がついた眼鏡を通しても、その鋭さは少しも緩まない。
厳徒と巴が警察局長と主席検事として仕事を共にするようになってから、しばらくの時が過ぎていた。
いつの頃からか二人は"伝説のコンビ"と呼ばれている。
二人の残した功績はそれに恥じないものだった。
数々の功績は二人が互いに協力して生まれたもの、と言われている。
しかし実際はそうではない。
協力ではなく、服従。
巴と厳徒の関係は、協力者・パートナーなどではなく、支配される者と支配する者に他ならない。
厳徒海慈という大きな権力に隷属することが、巴の選んだ道だった。
159 :
厳徒×巴 2:2007/07/30(月) 15:57:47 ID:4vqJ5oG0
巴のデスクに初めて紅い薔薇が置かれたのは、彼女が主席検事になったその日だった。
みずみずしくしなやかな花弁の横に、厳徒の手書きのメモが添えられていた。
『今夜待っている』
巴はその日、厳徒と一夜を共にした。
それ以来、たびたびデスクに紅い薔薇が置かれるようになった。
何度か続くとメモの方は省略され、薔薇だけになった。
机上に薔薇を見つけた日、巴は夜の予定を白紙にする。厳徒と褥を重ねるために。
肉体の全てを彼に晒し、余すところなく支配されるために。
厳徒と肌を重ねながらいつも思うのは、妹の茜のことだった。
事の発端である、SL9号事件。
過ぎてしまったことは仕方がない。だけど妹を守りたかった。それが罪だとしても。
厳徒はその罪を共有してくれると言った。
だから、巴は従うしかないのだ。
厳徒に。彼が机上に置く紅い薔薇に。
巴は軽く溜息をつく。
手帳で今夜のスケジュールを確認した。
『21:00 検事局上層部会合』の文字を見つけて、ハッとする。
「今夜は、検事局上層部との会合があります」
巴の言葉に、厳徒は頷いた。
「知ってるよ。アレだろう、いわゆる、上層部同士仲良しだってことを確認する、宴会」
「そうですが……。今後いろいろと円滑に物事を進めるためには……外せません」
「だから、知ってるよ。検事局も大変だよねぇ。そんな会合しないと権力保てないんだから。でもさ……」
厳徒は一旦言葉を切った。
その顔から浮かんでいた笑みが消える。
「ボクは今日、その薔薇を持ってきたんだよ。明日になったら萎れちゃうでしょ」
「…………」
巴は黙って唇を噛んだ。
再び、厳徒の顔に笑みが浮かぶ。
そして、言葉を発することが出来ない巴を見つめて言った。
「妹さん、元気?」
巴は自分の背中に冷たい汗が伝うのを感じた。
そのまま崩れ落ちそうになるのを何とかこらえる。
「…………わかりました」
やっとのことでそれだけ答えると、巴は自分のデスクに戻った。
160 :
厳徒×巴 3:2007/07/30(月) 15:59:08 ID:4vqJ5oG0
とにかく関係部署に電話をかけて、今夜の会合をキャンセルしなければならない。
手が震えていた。
呼吸を落ち着け、心拍数の治まりを確認してから、デスクの電話に手を伸ばす。
ボタンを押そうとしたところで、ドアをノックする音がした。
「どうぞー、開いてるよ」
厳徒が答えると、静かにドアが開く。
「御剣です。宝月主席検事に、報告書を」
入ってきたのは長身の青年だった。
紅いスーツに身を包んだ彼は、まず厳徒に一礼した。
「やぁ御剣ちゃんじゃないの。どう? 最近、泳いでる?」
厳徒は顔をほころばせ、親しげに話しかけた。
御剣怜侍の名は検事局でかなり有名だった。
検事局きっての天才と呼ばれる彼と、巴は何度か仕事を共にしたことがある。
その中には件のSL9号事件も入っているのだが……。
とにかく巴は、御剣の才能を大いに買っていた。
「御剣くん。報告書、受け取るわ」
厳徒に話しかけられ、しどろもどろになっている御剣に、巴は助け舟を出す。
「はっ。それでは、これを」
御剣はホッとした様子で巴に歩み寄った。
そのあからさまな姿に、巴の頬が少し緩む。
「そうだ、御剣くん。今夜の予定は開いているかしら」
両手で差し出された報告書を受け取りながら、巴は訊いた。
「……19時までは会議で、その後は帰宅する予定ですが……」
「その後は? 誰か素敵な女性と食事でも?」
「……ザンネンながら、そのようなアレは……」
首を傾げながら質問に答える御剣をよそに、巴はデスクの電話に手を伸ばす。
そのまま短縮ダイヤルのボタンを押した。
「主席検事の宝月です。今夜の上層部との会合の件で」
巴は一呼吸置くと、目の前の御剣を見上げながら言葉を続けた。
「その会合ですが、私は急用が入って出られなくなりました。代理として、御剣上級検事を出席させます」
161 :
厳徒×巴 4:2007/07/30(月) 15:59:48 ID:4vqJ5oG0
「……宝月検事殿?!」
何かを言いかけた御剣を手で制し、巴は通話を続ける。
「はい。急ですが、御剣上級検事ならしっかり代理を務めてくれます。私が保証します。では」
「……宝月主席検事、これは、一体……」
受話器を置いた巴に、御剣が抗議の色を示す。
「聞いたでしょう。検事局上層部の会合よ」
「上層部? そんな会合にこんな一介の検事が出ても良いものでしょうか」
「大丈夫。そんなに堅いものではないわ。それに御剣くんの将来にきっと役に立ちます」
御剣はしばらく考え込んでいたが、やがて頷いた。
「心得ました。主席検事の代理はしっかり務めさせていただきます」
「ありがとう。時間は21:00からよ。詳しい場所は追って連絡するわ」
「連絡待っています。それでは失礼」
御剣はそう言って一礼すると、部屋から出て行った。
「随分買ってるねぇ、御剣ちゃんのこと」
部屋の中から御剣の余韻が消えた頃、厳徒が口を開いた。
「彼は優秀です。今はまだ若さが抜けていませんが、数年後が楽しみな逸材です」
「ふーん。ただの若造に見えるけどねぇ……」
巴はそれには答えず、御剣が置いていった報告書に目を通し始めた。
真紅の薔薇は、デスクの片隅に放り出されている。
清らかだったその花弁は、既に端から萎れ始めていた。
****************************
162 :
厳徒×巴 5:2007/07/30(月) 16:00:40 ID:4vqJ5oG0
厳徒が指定したホテルの部屋に着くなり、巴は組みしだかれた。
荒々しく唇を塞がれ、侵入してきた舌に歯列をなぞられる。
脱がすというよりは剥ぎ取られるような感じで肌を晒され、露になった部分に次々と赤い跡が散る。
胸元や首筋を唇が這い、くまなく攻められる。
その行為は次第に激しさを増した。
身体中を触れられている間、巴は声一つ挙げなかった。
いつものことだった。
早く時が過ぎるように、己の心臓の音を聞いていた。
そして、妹の茜のことを考えていた。
そのセックスに愛などなかった。
彼女は厳徒に支配され続けなければならない。
彼が求めればいつでも全てを捧げます、という意思を示しているに過ぎない。
一方、厳徒が巴を抱くのは、ただ彼女を支配するためなのだろう。
性的な欲はあるのかもしれないが、やはり愛はない。
そもそも、セックスをするのに愛が必要なのかどうか、巴は甚だ疑問に思う。
勿論、愛のあるセックスは存在する。
しかし、少なくとも厳徒との行為の間にそれは存在しない。
身体は差し出しても、心まで支配されているわけではない。
それならばいくらでもこの身体を差し出してやる。
それで妹が、たった一人の家族が守れるのならば、私はそれで構わない。
「御剣怜侍……今頃、君の代わりをやっているな」
巴の胸の頂を攻めながら、厳徒が口を開いた。
「彼は優秀です。私なんかよりもずっと」
そう答える巴を見て、厳徒は少し顔を顰める。
「相変わらずだね、トモエ。どんなに攻めても顔色一つ変えない」
「………」
胸の頂に舌が這わされる。それでも巴は身動き一つしなかった。
「御剣を見ていたら、思い出したよ。罪門だっけ? SL9号事件で死んだ検事。彼を、さ」
163 :
厳徒×巴 6:2007/07/30(月) 16:02:04 ID:4vqJ5oG0
罪門直人。SL9号事件の被害者であり、彼もまた検事だった。
正義感に溢れる優秀な検事だったが、今はもう居ない。
彼を殺したのは、妹の茜………。
「気に入らないな。ああいう正義面したタイプは」
厳徒は吐き捨てるように言った。
そして、巴の身体を無理やり引き起こす。
「抱かれたか? 罪門直人に。そして感じたか!」
激しい口調だった。いつもの落ち着いた感じがない。
そんな厳徒を見るのは初めてだった。
すっかり取り乱している厳徒の瞳の中に、巴は嫉妬の二文字を見たような気がした。
(―――まさか)
嫉妬。ありえない。
そもそも厳徒との間には、嫉妬を呼ぶほどの愛なんて……。
「答えないなら見せてもらう」
厳徒は巴を後ろから抱くと、その姿勢のまま彼女を挿し貫いた。
最深部に到達されたとき、巴の身体に衝撃が走った。
「……っっあっ」
思わず声が漏れた。
逃れようとしてもがく身体を、厳徒は強く押さえつける。
「ん……ん」
押さえつけられたまま、後背位で幾度も突かれた。
不自然な角度で内部をことごとく探られ、その度に巴の身体に衝撃が走る。
今まで何度も厳徒に抱かれたが、こんな感覚は初めてだった。
気を抜くと意識を失いそうな感覚。
心の奥底から、何かが湧き上がってくるような感覚。
そして、理性というものがどこかへ飛んでいってしまうような、そんな感覚。
「あっ……やっ……」
次第に、巴は乱れていった。
しかし厳徒は背後から巴の内部を攻め続け、同時に耳朶や背中に舌を這わせる。
「んっ……」
唇から切ない声が漏れる。
同時に、結合している部分から粘り気のある水音がし始めた。
164 :
厳徒×巴 7:2007/07/30(月) 16:02:41 ID:4vqJ5oG0
「やっ……あぁ」
「いい声だ、トモエ」
「嫌……聞かないで」
今までこんな事はなかった。
抑えきれないほど感じることなんて。
身体の奥から溢れてくる熱い蜜を、止められないなんて。
そんな姿を、この男の前で晒したくはなかった。
私は心まで彼に支配されているわけではない。
なのに、こんなにも感じてしまう。そんな自分が嫌だった。
しかし、一方で。
止めて欲しくない、と思っている自分が居た。
もっともっと奥まで来て。もっと触れて。
―――このまま一緒に墜ちたい。
幾度目かの衝撃が巴を襲った。
その波はひときわ大きく彼女を襲い、そしてそのまま彼女を飲み込む。
理性の糸が途切れる寸前に、彼女は身体の奥で感じた。
厳徒から吐き出された熱い欲望を。
****************************
165 :
厳徒×巴 8:2007/07/30(月) 16:03:19 ID:4vqJ5oG0
それからしばらくして、巴は厳徒の拘束から開放された。
紆余曲折はあったが、SL9号事件が真の解決を見たのだ。
はじめから全て、厳徒が仕組んだことだった。
巴は厳徒に騙され、利用され、いろいろなものを奪われた。
厳徒は何故罪を犯したのか。
広い法曹界で、権力が欲しかったのか。
それともただ単に、気に入らない人物を抹殺したかっただけなのか。
その両方なのか。
……あるいは、全く別の理由なのか。
巴にはわからない。
妹の笑顔が戻り、再び落ち着いた日々が訪れた。
厳徒に隷属していた期間がまるで夢なのかと思うほどに、平穏で、笑顔に溢れた日々。
しかし巴は時々思い出す。
彼に抱かれながら、溶け合いたいと感じたあの時の自分を。
そういう時、彼女は花屋で薔薇を買い求める。
真紅のローテローゼを一輪。
花瓶に挿すことはせずに、ただ眺め、そして考える。
―――あの時、私は心まで彼に差し出していなかったか。差し出してもいいと思っていたのではないか。
答えの出ないのは解っていた。
しかし問い続けた。
みずみずしく美しいその花弁が、黒く萎れていくその時まで。
(END)
以上です。
自PCからコレの発掘作業をしてたら、書きかけのエロロがイッパイ出てきて焦った。
死ぬ前に削除しとこう。
茜たんのエロ見たいー。
GJ!!!
巴が色っぽいなあ
うまいし、短編小説みたいにしっくりきてる。
こんなGJなモノを隠し持っていただなんて‥‥
>>157、なんてオソロシイ子っ!
最後の〆方が、綺麗に纏まってて好き。
ドラマを感じるなー
>>166 GJ!!
文章がプロの方かと思うくらい素晴らしいです!
その書きかけのエロロとやらを完成させ、
ただちに提出するんだ!!
すいません…また是非投下をお願いしますw
ナルマヨミツメイ&厳徒×巴 GJ!
正反対だがどっちも好きな作風だwww
GJ!!
ナルマヨミツメイって語呂良いなw
意外とおキョウさん絡みってないんだね。
もし書くとしたらどっちの人格だろう?
成みぬ見たい
>>174 おっとり笑顔で罪門にせまる
or
ガントに組み敷かれて姉御人格「くやしい…でも(ry」
or
姉御なおキョウ×巴で百合
このくらいしか思いつかんかったw
ぜひ最後のヤツを読んでみたいと思ってしまった
>>176 ガントモと3Pと姐御×イトノコ逆レイプも入れてくれ
179 :
御剣×茜 1:2007/08/05(日) 17:13:54 ID:jkurSkei
刑事課を尋ねて、廊下の向こうに彼女の姿を見つけたときは、心臓が跳ねた。
時間が、急速に巻き戻されたかのような錯覚。
懐かしさと、悔しさ。言いようのない、胸の痛み。
彼女が不審そうに足を止めたのを見て、御剣怜侍は反対側に歩き出す。
ちがう。
あれは、彼女ではない。
彼女と入れ替わりにこの国に帰ってきた、彼女の妹だ・・・。
翌日、検事局の廊下を足早に歩いていると、目の前で執務室のドアが開いた。
目立つ白衣を着た女性が飛び出してくる。
ぶつかりそうな距離で御剣に気づいた彼女は、あわてたようすで閉めたドアに張り付いた。
「きゃっ」
牙琉響也の執務室だった。
検事が検事局の中を歩いて、これほど驚かれるとは。
「ど、どうも、御剣検事」
数年ぶりではあったが、彼女は御剣を覚えていた。
「忘れられたのかと思っていた。宝月刑事」
やっぱり、昨日の人はそうだったんだ・・・と茜がつぶやく。
「いえ、あの。その節はお世話になりました。おかげさまで、今はこうして・・・」
語尾が弱々しく消える。
「そう思っているなら、例え気に入らない仕事でも真面目にやることだ」
つい、厳しい言葉が口をつく。
彼女が科学捜査課を希望していたことは、よく知っている。
だが、誰もが希望部署に配属されるとは限らない。
茜はカチンときたようだ。
「牙琉検事ですね?私のことを、あることないこと」
御剣は、ふっと微笑した。
やはり、性格はまるで違うのだな。
彼女は、こんなにあからさまに感情をむき出しにしたり、ましてやすねたりはしないだろう。
「私は、あることしか聞かない」
茜は絶句したように、肩からかけているカバンを手で押さえる。
おそらく、その中にはあの駄菓子が入っているのだろう。
180 :
御剣×茜 2:2007/08/05(日) 17:14:51 ID:jkurSkei
あの子はね、小さいときから嫌なことがあると甘いものを欲しがるの。
きっと、そういうものを口にすることで、無意識のうちにストレスから逃げ出しているのね。
我慢強くて、人に優しい子だから。
そう言った彼女の笑顔が、目の前の茜に重なった。
ちょっと困ったようにそっぽを向いた横顔。
御剣くん。私を、困らせないで。
そう言ったときの、彼女の顔。
御剣はふっと表情を緩めると、両手を軽く広げた。
「時間があるか?お茶でもどうだろうか?」
検事局のカフェテリアで、コーヒーが出てくるのを待って、御剣は茜のカバンを指さした。
「入っているのだろう?そこに。駄菓子が」
「えっ」
コーヒーに砂糖をれようとしていた茜が、目を丸くする。
この刑事は今、いくつなのだろう。
あの事件のときに、まだ高校生だった。
その後、アメリカへ留学したようだが・・・、今は24、5といったところか。
私が初めて会った時の彼女と、同じくらいだ。
そうだ、彼女はもっとずっと大人びていた。
少なくとも、むやみにコーヒーシュガーをテーブルに撒き散らしたりしない程度には。
「食べたまえ。私と話をするのに、それほど緊張するなら」
ペーパーナプキンでこぼした砂糖をかき集めながら、茜は首を振る。
「い、いえ、別に、そんな」
「以前、宝月主席検事・・・キミのお姉さんに聞いたのだ。キミは緊張や不安を覚えると、駄菓子を食べるクセがある、と」
「お姉ちゃんが?」
茜がびっくりした顔を上げた。
「御剣検事・・・、お姉ちゃんとそんな話をしてたんですか・・・」
おずおずとカバンから出したかりんとうの袋を開ける。
さくさくさくさくさくさくさく・・・。
「それで、さくさくさくさく、あの、私になにか?さくさくさくさくさく」
「・・・ひとりで食べずに、私にも勧めたまえ」
げほ。
茜がかりんとうにむせた。
あわてて飲んだコーヒーはまだ熱かったらしく、喉が粉っぽいやら舌が熱いやらで、茜はあわてふためく。
ハンカチを差し出すと、それを受け取って口に当てた。
「げほげほ・・・あー、び、びっくりしました・・・」
「うム。だいじょうぶか」
落ち着くのを待って聞くと、茜は頷いて、かりんとうを差し出した。
「どうぞ」
今度は、御剣がとまどった。
「・・・・・いや、冗談のつもりだったのだが」
「はあ?!」
甲高い声が、カフェに響く。
「そんなに驚くと思わなかったが」
「冗談って、そんな真面目な顔で言うものじゃないですよ。それに御剣検事、冗談言う人にみえないです!」
さくさくさくさくさくさくさく・・・。
茜に手厳しく言われて、御剣はすこしひるんだ。
自分に冗談のセンスがないことぐらいわかっているのだ。
なのに、思わずこの刑事を前にして慣れないことを口走ってしまった。
・・・そして、ダメ出しされてしまった。
181 :
御剣×茜 3:2007/08/05(日) 17:15:28 ID:jkurSkei
「それで」
コーヒーを冷ましながら、茜は上目遣いに御剣を見る。
「なにか、お話ですか。あたしに」
そう言われると、さほど改まった話があるわけでもなかった。
「ム、いや・・・、お姉さんはお元気だろうか」
茜は、コーヒーをすすった。
「はい。仕事もがんばってるそうです」
茜と入れ替わりに、姉はアメリカに渡った。検事を続けるわけには行かなかったからだ。
「そうか」
「お姉ちゃんのこと、聞きたかったんですか?」
御剣は、本当に手を伸ばしてかりんとうをつまんだ。
そうかもしれない。
シルエットだけで、彼女と見間違えるほどよく似た、妹。
あれから、ついに会うことのなかった女性。
顔かたちも立ち姿も、彼女の面影を色濃く受け継いで、性格のまるで違う茜を前に、御剣は「そうだ」とは言いにくかった。
「キミは・・・、今でも科学捜査の仕事をしたいのか」
さく。
「そりゃ、そうですけど」
さくさくさくさくさくさく。
「移動願いのほうは?」
さく。
「出してますけど、無理っぽいです」
さくさくさくさくさくさく。
「・・・・機会があったら、話を通しておこう。聞き入れられるかどうかはわからないが」
さく。
「いえ、けっこうです」
御剣が、手を止める。
「だって、御剣検事にお願いして移動させてもらったなんてことになったら、その先どんなにがんばったって認められません。あたし、実力でがんばりますから」
そう言い切った茜は、数年前に成歩堂の隣に居た少女ではなかった。
過去や今の辛さも全部受け止めて、自分の足で立っている、自分の力で生きている女性だった。
ああ。
やはり、彼女の妹だ。
「・・・余計なことを、言ったようだ」
茜ちゃんなら、大丈夫だよ。
そう言っていた成歩堂を思い出す。
茜を、お願い。
最後に、振り返ってそう言った彼女。
確かに、妹さんは大丈夫なようです・・・。
御剣は、伝票にサインをして立ち上がった。
「帰宅するなら、近くまで送っていこう」
道を聞きながら車を走らせると、少し慣れてきたのか、茜はぽつぽつと刑事課での仕事ぶりを話した。
遠慮がちに、牙琉検事へのグチもこぼす。
自宅の前まで行くつもりはなかったが、思いのほか人通りの少ない道が続き、途中で降ろすのがはばかられた。
「このへんでいいですよ、どうせいつも駅から歩くんだし」
「しかし・・・もう少し交通の便がいいところにしたらどうだろう。帰りが遅くなることもあるのだから」
「うーん。お姉ちゃんも、そう言ってたんですけどね」
茜は御剣の前でお姉ちゃん、と言う事にだんだんと抵抗を感じなくなってきているようだった。
その言葉を聞くたびに、御剣は胸が少し痛む。
誰よりも、彼女を救いたいと思ったのは自分だったのに。
結局は、彼女を追い詰める側に立たねばならなかった。
182 :
御剣×茜 4:2007/08/05(日) 17:16:06 ID:jkurSkei
御剣くん。
最後に控え室で聞いた、あの声。
追いかけて、抱きしめたいと思ったのに。
どこにも、行かせたくはなかったのに。
結局は彼女は戻ってくることはなかった。
「あ、ここです」
茜の声でふと我に返る。
礼を言って茜が降りる。
ぼんやりとその背を見送ると、茜が入っていったアパートの窓のひとつに灯りがついた。
部屋を確かめてしまったようで、御剣は後ろめたさを感じて静かにアクセルを踏んだ。
それからしばらく、茜に会うことはなかった。
裁判の資料を読み込んでいた夕方、ノックもそこそこにドアを開け、茜が御剣の執務室に飛び込んできた。
「なんだろうか」
驚いたが、出てきたのは落ち着き払った言葉だった。
そこで茜は、立ち尽くしたままうつむく。
「宝月刑事?」
御剣が、茜の顔を覗き込むように体を屈める。
「なにか、あったのだろうか」
「・・・い、移動」
茜は顔を上げる。
「移動になるかもしれません。科学捜査課に」
ぼろぼろと、頬に涙がこぼれた。
「御剣検事、あなたなんですか?あなたが、口を利いて」
しゃくりあげる。
御剣がポケットからハンカチを出して、茜の涙をぬぐった。
ようやく、事の次第がわかったような気がした。
希望の部署への移動を、御剣が手を回したと思ったのだ。
「私はなにもしていない。だいじょうぶだ。キミ自身の、力だ」
だいじょうぶだ。
その言葉で、茜はその場にしゃがみこんだ。
御剣は、そんな茜の背中をそっと撫で続ける。
好きな勉強が出来るとはいえ、アメリカで暮らすのには心細いことも多かっただろう。
日本に帰ってきて、科学捜査官になろうと思ったのに、なれなかった。
一生懸命に捜査したけど、どうしてもうまくいかない。
かつて世話になった成歩堂は、弁護士ですらなくなっている。
かりんとうを食べる量だけが増えていく・・・。
何年もの間、張り詰めていた糸が切れたように茜は泣いた。
183 :
御剣×茜 5:2007/08/05(日) 17:16:49 ID:jkurSkei
御剣のハンカチを握り締めて、ようやく茜の涙が止まったのは、それからどれほどたってからか。
「あ、あたし、なにしてるんだろう・・・」
そう言って、くしゃくしゃになった顔をハンカチでぬぐう。
ふいに、茜の頬に御剣の指が触れた。
気づくと、茜の唇に自分のそれを重ねていた。
「な、なにするんですかっ」
茜が飛び退る。
「うむ。失礼した」
御剣が手を離す。
「あ、謝らなくても、いいですけどっ」
茜はふりきるようにハンカチで、鼻をかんだ。
それから、はっとしたようにハンカチを見る。
「あの、ちゃんと新しいのを返しますから・・・。こ、この間お借りした分も」
「それには及ばないが」
「なんか、いい香りがするんですけど。もしかして、すっごく高級なハンカチだったりするんですか?鼻、かんじゃった・・・」
ふっと笑って御剣は、茜の手をとった。
「ひゃあっ」
脚をさらわれて茜の体が宙に浮く。
「みみみみつるぎけんじっ?!」
すとん、とソファに降ろす。
デスクの後ろにある棚から紅茶の缶を取り出す。
電気ポットがシュンシュンと音を立て、すぐに紅茶のいい香りが部屋中に満ちた。
「カモミールだ。気持ちが落ち着く」
茜の目の前に、ティーカップを置いた。
「ありがとうございます・・・」
隣に腰掛ける。
「な、なんですか・・・」
御剣が、茜をじっと観察すると、茜はわずかに頬を染めた。
目元と鼻、顎のラインが彼女によく似ている。
唇は、茜のほうが少し小ぶりだ。
御剣は、ちらりと時計を見た。
あいにく、これから出かけねばならない。
「では、今夜ハンカチを返してもらいに行こう」
狭いながらにきちんと片付いたワンルーム。
本棚の上段には、通販で買ったらしい怪しげな化学薬品が並んでいる。
小さなテーブルの上には、きちんと洗ってアイロンのかけられたハンカチが2枚。
そして、ベッドの上に、茜。
茜の上に、御剣。
「どうしてですか?」
シャワーの後の上気した体は、なにもつけていない。
「どうして、あたしに、こんな」
御剣はそれに答えず、自分自身を抱くようにしていた茜の腕をほどいた。
「嫌なら、断ればよかった。君には、それができた」
「・・・・・・」
茜が目をそらした。
「わかってます。あたし。・・・お姉ちゃんの代わりだってこと」
御剣が目を細め、茜の顎に手をかける。
「・・・では、私はなんだ。成歩堂の代わりか」
答えを聞く前に、口づけた。
184 :
御剣×茜 6:2007/08/05(日) 17:17:33 ID:jkurSkei
かつて、彼女にそうしたように。
・・・私を、困らせないで。
目の前の『彼女』は、今度はそう言わなかった。
茜の体に手を滑らせる。
これは、彼女ではない。
彼女の体ではない。
胸も、腰も、脚も。
しだいに熱を帯びてくるそれは茜のもので、彼女ではありえなかった。
もし、彼女をこの腕に抱く機会があったなら。
今、自分にすがりついている茜のように反応しただろうか。
「・・・・あ」
この吐息のように、声を上げただろうか。
ほっそりとした腕が、背中に絡みつく。
彼女は、こんなふうに抱きしめてくれただろうか・・・・。
膝を割り、そこに手を差し入れる。
声にならない息遣いだけが、茜の反応だった。
丹念な指使いで、息を乱す。
御剣は、記憶の中の彼女を手に抱いているかのような錯覚を覚えた。
その名を呼んでしまいそうな、かつて、彼女を抱いたことがあったかのような、錯覚。
乳房を乱暴に揉みしだき、桃色の突起を舌で責め、腰を抱く反対の手で蜜壺をかきまわす。
敏感な芽を押しつぶし、中に入れた指を探るように動かすと、声が漏れた。
「ああっ・・・」
違う。
彼女の声ではない。
彼女の声は、もっと、胸を突くような響きで。
「ああ、あっ、や、あん・・・」
違う。
これは、彼女ではない。
一箇所に集まるような熱と、思いがかなえられない苛立ち。
御剣は、それを茜に押し込んだ。
振り切るように、動きに集中する。
喉を反らせて声を上げる『彼女』を組み敷いて突き上げる。
違う。
違うのだ。
185 :
御剣×茜 7:2007/08/05(日) 17:18:25 ID:jkurSkei
望んでいたのは、こんなことではないのに。
「ああああっ」
強く締め上げられて、御剣は自分自身を引き抜いた。
茜の白い腹の上に、御剣の欲望が吐き出される。
後悔に似た感情。
体を細かく痙攣させた茜の目から、涙がこぼれる。
白濁した液体をぬぐったあとで、御剣はその目尻を指で拭いた。
「・・・すまない」
「あ、謝らないでください」
茜は、御剣の胸にそっと頬を寄せ、回した手に力をこめた。
「あたし・・・、アメリカから帰ってくるとき、お姉ちゃんと話したんです。お姉ちゃん、どうしても困ったことがあったら必ず御剣検事に相談しなさいって。」
「・・・・私に?」
「必ずあなたを助けてくれるから、って。そう、約束したから」
「約束・・・」
覚えがなかった。
ふと、自然と胸の中に抱く形になった茜の髪を撫でているのに気づいた。
茜を、おねがい。
彼女の声が聞こえた気がした。
私を、困らせないで・・・・。
御剣は、ふっと自嘲気味に笑う。
結局自分は、彼女を追いかけているつもりで、逃げられてばかりいたのだ。
すべては、彼女の思い通りに。
腕の中には、彼女の宝物が残っている。
この先、御剣にとっても宝物になるだろう彼女が。
おわり
GJ!
GJ
お見事!! 丑三つ時に超萌えました。
御剣×茜キタ!!GJ!
御剣→巴なエピソードも萌える!
GJ!!
御剣×茜ってなんかすごい新鮮だ。
茜が可愛い!
宝月姉妹最近ツボだ。
GJ!!!!
待ってました御剣×茜!!!!!
茜は「自分の足で立っている女」であって欲しいと思っているので、
イメージ通りでギザウレシス。
wikiに明らかにここに投下されたものではない文章が追加されてるがあれは一体…
トップページのコメント欄も変なのばかりだしもしかして外部から厨が流入してるのか?
あのwiki、普通にGoogleの検索で引っ掛かるしな
Wikiの管理人です。
荒らしのようなもの?に関してですが、以下の2つのページがスレにはない作品のページになっております。
この2つは削除でよろしいのでしょうか。
今日追加分は消すとして、下は5/24から連続して作品を投下しているようなのですが。
新規の作品はほぼ100%私の方で追加しております。
とりあえずは
「ログインユーザ以外による新規ページ作成」を「許可しない」に設定しました。
(職人が後で作品を訂正したい場合の変更は可能)
もし、作品掲載漏れがあった場合、スレに書き込みして貰えれば追加します。
ttp://www23.atwiki.jp/gspink/pages/240.html 編集者:219.105.30.245
ttp://www23.atwiki.jp/gspink/pages/218.html 2007/07/25 (水) 17:15:21 編集者:219.105.30.94
2007/07/17 (火) 18:26:11 編集者:219.105.30.94
2007/07/09 (月) 17:39:35 編集者:219.105.30.111
2007/06/24 (日) 10:44:41 編集者:219.105.30.111
2007/06/21 (木) 17:51:00 編集者:219.105.30.111
2007/06/14 (木) 15:55:21 編集者:219.105.30.111
2007/06/12 (火) 21:52:13 編集者:219.105.30.111
2007/06/10 (日) 17:43:00 編集者:219.105.30.111
2007/06/09 (土) 18:15:50 編集者:219.105.30.111
2007/06/07 (木) 19:29:45 編集者:219.105.30.111
2007/06/02 (土) 17:20:38 編集者:219.105.30.156
2007/05/27 (日) 19:18:37 編集者:219.105.30.156
2007/05/27 (日) 19:18:37 編集者:219.105.30.156
2007/05/27 (日) 11:57:26 編集者:219.105.30.156
2007/05/27 (日) 11:51:06 編集者:219.105.30.156
2007/05/27 (日) 11:50:10 編集者:219.105.30.156
2007/05/24 (木) 18:31:36 編集者:219.105.30.156
2007/05/24 (木) 18:29:58 編集者:219.105.30.156
2007/05/24 (木) 18:27:50 編集者:219.105.30.156
>>192 いつも乙です。
見てみたけど削除しちゃっていいと思う。
つーか正に「これは酷い」だなこりゃ。
>>192 乙です。
スレ以外の作品投下禁止とは書いてないから
一応そういう旨も書いておいたらどうだろう。
スレ住人ならそんなことは当たり前だが
外部から来た人なら知らなかったってこともあるのでは。
イトマコが見たい
イトノコの技巧って想像しにくいよな…
まー逆裁で上手そうなイメージのキャラはあまりいないけど
197 :
192:2007/08/10(金) 20:36:49 ID:1XecYh6B
>>196 個人的にはこんなイマゲ
成歩堂:基本的には優しく、たまに意地悪というか鬼畜というか
御剣 :不器用さんなので痛がらせちゃう
糸鋸 :体力バカ・真っ直ぐ一直線! かなり持続しそう
矢張 :女の子褒めながらしっかり前戯、本番は女の子より先に果てる
ゴドー:ザ・強引な男、キザなセリフ吐きつつ責め続けるタフネス
哀牙 :アイヤ、それはしたりぃぃぃぃっ!
王泥喜:オ、オレは大丈夫ですっ!
おおむね同意だが、
牙流兄弟と厳徒、マックスは?
あと逆に、女の子が主導権を握って
男を攻めるとしたら、
うまいのは誰だろう?
>199
オバチャ…いやなんでもない。
ここはマレカさんかな。あと意外にうらみちゃんとか。
ちなみ、梅世、姫神、美波なんかもかな
あとキミ子さんは熟女ならではの凄いテクを持ってそうw
202 :
198:2007/08/11(土) 01:04:28 ID:acJOcFH/
追加。
牙流兄 :優しそうな声と言葉を囁きながら、執拗に前戯を繰り返す
牙流弟 :調子のいいこと言ってやや強引めにコトへもっていく。優しくしてくれそう。
厳徒 :ニコニコ笑いながら誘い、殆どレイプ状態で前戯もあまりしないまま挿入
マックス:ゴーーーーーージャス!
こうして見ると、個人的にはあんまり逆裁キャラって夜の生活が思い浮かばない……
萌えられるエロパロ書けるこのスレの神々たちに、改めて敬礼!
絡ませるカップリングってどこまでいいんだろ?
ナルマヨ、ミツマヨ、オドミヌ、キョウアカとか王道なのはともかく、
滝太×美波、優作×希香とかもありだよね。
さすがにマックス×霧緒とかあまりにも滅茶苦茶な組み合わせはだめでも
岡高尾×うらみとかダイアン×ラミロアとか同じ章に出てるならいいのかな?
何を理由にダメだと思うんだろうか。接点が無いからとか?
そんなこと言ってたら4設定のナルマヨはありえなくなる。
組み合わせは801じゃないかぎり、基本的に自由なんじゃないかな。
過去ログにも矢張×マコとか九太×春美とか牙琉兄弟×冥等の
原作で顔を合わせたことのないキャラ同士のカプもあるしな。
関係性が薄い接点が無いとかはあんまり気にしなくていいと思う。
>>203 マックス×霧緒とか、関係が薄いとか抜きにしても出会うシチュが思い浮かばねーよwww
霧緒が実はサーカス好きとか?w
マックス×まことは何かあり得そうだけどな
普通に、霧緒がタチミサーカスのマネージャーになって、
彼らのテレビ進出をサポートするとかありそうだけどなぁ
でもマックスは年下が好きそうw
そろそろ4キャラの下半身事情を考察しようか
なんか今作は旧シリーズ以上に童貞・処女率が高そうな気がする
まことは箱入り(ひきこもり?)処女なのか、
誘拐されたときに貫通済なのか、それが問題だ
>>179 GJ!!
「では私はなんだ。成歩堂の代わりか?」
が切なすぎる。
みぬき:処女。・・・特に理由はない。なんとなく。
茜 :処女。知識だけ豊富な耳年増だったりするとなおよし。
雅香 :非処女。若い女が裏社会を渡るには色々あっただろうと推測。
美波 :非処女。初めての相手が滝太だったらいいな、と思っている。
まこと :処女。
>>210でいう箱入り(ひきこもり)処女説を支持。
とりあえず俺が文を書く時の脳内妄想を晒してみる。
男どもなんてシラネ
とりあえず茜は非処女
215 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 13:16:58 ID:WNLAk5lX
(´ω`)
216 :
名無し@ピンキー:2007/08/14(火) 16:32:25 ID:U7dMN1gs
梅世を誰か書いてクレ
暑くてなにも書く気になれぬ・・・
コナカルチャーの男性社員達の性欲を一手に引き受けてマネージメントするのもウメヨの大事なシゴトなのぉ。
みたいなやつか
>>209 王泥喜:非童貞(学生時代に普通に彼女とか作ってそう)
みぬき:処女(理由はない)
牙琉兄弟:非童貞(理由はない)
茜:非処女(興味本位でアメリカ時代に経験だけはしてそう)
雅香:非処女(闇の世界に生きる人で処女はないと思う)
滝太:非童貞(美波ちゃんとすることはしたと思う)
美波:非処女(滝太以前にもけっこうな人数としていそうな予感)
河津:童貞(知識だけは豊富)
マキ:童貞(目が見えないふりをしていたから)
大庵:非童貞(理由はない)
まこと:処女(箱入りだから)
葉見垣:童貞(まぁ特に理由はないw)
バラン:非童貞(それなりにモテてはいたと思う)
既婚者、1〜3登場キャラ(茜を除く)ははずした。
自分の予想はこんな感じ。
自分では処女、童貞率はけっこう低いと思ったんだが
220 :
名無し@ピンキー:2007/08/14(火) 23:24:58 ID:U7dMN1gs
218さん、ぜひそれでお願いします
>>219 まことだが、前に誰かがここに書いてくれた
まこと×霧人のお陰で、自分の中では非処女(ガリュー兄に奪われ済)
って今毛。
ナルマヨミツメイ辺りを書くときは、成歩堂と御剣がどの時点まで童貞か迷う。
>>223 自分もまことはガリュー兄に処女を奪われたと予想。
公式ガイドのまことの全身図を初めてみたけど、
なんだか妙に色っぽい感じがするのは気のせいか?w
>>224 成歩堂はあやめ相手orあやめ以外にも普通に彼女がいた
御剣は修行の一環で師匠に女を宛がわれたというがよく見る設定だな。
どうでもいいが真宵や冥が非処女のエロを見ると何故かドキッとする。
(処女を奪った相手が明白な場合は除く)
一体どこの誰とヤッたんだ?と妄想を逞しくしてしまうw
理由は自分でもよく分からんが、成歩堂には非童貞のイメージが、
御剣には童貞というイメージがある。
>>226 真宵や冥は修行の一環で…という設定なら時々見る。
冥の場合相手が御剣のパターンも有り。
むしろメイの相手は御剣であって欲しい。
しかし御剣の相手は・・・誰なのだ?
アッー!はスレ違い?
板違い
マッコイ×ミリカ希望
>>230を見て逆裁は同性同士の兄弟姉妹が多いから必然的に
兄弟丼姉妹丼なシチュエーションが起き易そうだなと思ってしまったw
逆に兄弟姉妹も含めて異性同士で血縁関係にあるキャラが
極端に少ないから近親相姦は起こり難い気もする。
メインキャラの中では狩魔親子と或真敷一族くらいか。
『喫茶店の人々』
裁判所からの帰りに、王泥喜は住宅街の奥にある一軒の喫茶店に向かった。
看板もメニューも出ていない、通りすがりの通行人には決して喫茶店だとわからないようなその建物のドアを押す。
「よぅ」
小さな丸いテーブルが二つと、5、6人も座ればいっぱいのカウンターの向こうで、大きなマスク型のメガネをかけたマスターが顔を上げた。他に客はいない。
「お、その面構えは裁判所からの戻りじゃねえのかい。今日も元気に負けてきたのか」
王泥喜は、カウンターの椅子を引いて腰掛けた。
「ひどいですね。当たってるだけに、なんとも言えませんけど」
「まあ、腐らねえことだ。弁護士に敗訴は付き物だぜ。なんせ、依頼人というヤツはウソをつく生き物だからな」
注文もしていないのに、勝手にコーヒー豆を挽きながらマスターは言った。
「でも、今日の依頼人は・・・」
「おっと、ここで仕事の内容は話さねぇ。それがオレの店のルールだぜ。でなきゃ守秘義務が守れねえからな」
ドリップが始まって、コーヒーのいい香りが店の中に立ち込める。
店のドアが開いて、白い影が飛び込んできた。
「あっは、やっぱり来てたね、オデコくん」
先ほどの裁判で検察側証人に立った捜査官だ。
王泥喜は、ついニヤケそうになる頬を押さえて、唇を尖らせる。
「牙琉検事みたいな呼び方しないでくださいよ、茜さん」
茜は、ひょいと身軽に王泥喜の隣の椅子に腰掛けた。
「へえ、今日の検事は、あのロック坊やだったのかい?」
マスターが王泥喜の前に白いマグカップを置き、茜の分のコーヒー豆を挽きにかかる。
「ううん、今日は狩魔検事。王泥喜クン、最短敗訴記録だったんじゃない?ムチで打たれる間もなかったもんね」
「クッ、相手が狩魔 冥じゃ、この新米坊やじゃ、歯がたたねえだろうさ。検事局広しといえど、連勝記録を立ててるのは狩魔か御剣だからな」
茜の前で小馬鹿にされて、王泥喜は黙ってコーヒーを飲んだ。
「そうそう、負けて当たり前だよ。なんせ相手は今年の検事・オブ・ザ・イヤーなんだからさ」
なんの慰めにもなってない。
「・・・仕事の話はしないのがルールなんじゃ・・・」
「だから、事件の内容は聞いてねえだろうさ」
コーヒーをドリップしながら、マスターがニヤッと笑う。
裁判が終われば、この喫茶店で一杯のコーヒーを飲む。
成歩堂から教わったこの習慣は、気持ちをリセットするのに最適だった。
やたら法律や裁判に詳しいこのマスターは、過去も正体も不明。
ただ成歩堂の古い知り合いらしい、ということしかわからない。
そして、やたらと美味しいコーヒーを出してくれるということと、ここにくれば、茜に会えるという事・・・。
ただ、難点は。
店のドアが開いた。
この店はこの時間からが繁忙だ。
「豪快に連勝中のようだな、ご令嬢」
マスターが気軽に客に声をかける。
狩魔冥はちらっと王泥喜と茜を見ると、小さな丸テーブルの椅子に腰掛けた。
「マキアートにしてちょうだい」
「了解だぜ」
茜が、肘で王泥喜をつついた。
「出ましょ。あたしまだ、検事に出す報告書をまとめてないのよ」
だからってなんでオレまで、といいかけたものの、ついさっきぐうの音も出ないまでにやり込められた相手と同じ空間は確かに辛い。
代金を置いて、茜に引っ張られるように店を出る。
この店、検事や弁護士ばかりを相手にしていてやっていけるんだろうか。
「茜さんは、あのマスターのこと知ってるんですか?」
目の前をすたすたと歩く茜の背中に聞いてみる。
「あ?なに、王泥喜クン。もしかして知らないとか?あのヒトの過去」
茜が振り向き、王泥喜はその隣に追いついて並んだ。
「か、過去ってほど大げさなものなんですか?!」
うーん、と両の手のひらを組んで空に突き出す。
白衣の袖に隠れていた手首が覗いて、王泥喜はドキっとした。
「ま、過去のない人間なんていないってこと。マスターしかり、成歩堂さんしかり。それに」
茜は指で王泥喜のオデコをツンとつついた。
「キミもね」
飛び跳ねた心臓の音が聞こえるのではないかと、王泥喜はあわてた。
「茜さんにも、ですか」
茜の顔から笑顔が消えた。
「あ、すみません、オレ、なんかよけいなこと」
「あるよ」
歩いているうちに、住宅街を出てしまった。
それでも、茜は歩き、王泥喜はその後をついていく。
「そりゃ、あるよ。なにもなきゃ、あんな人に出会わないよね」
あんな人?
王泥喜が不思議そうな顔をしたのを見て、茜はプッと小さく噴出した。
「法廷を必ず荒らす、恐怖のツッコミ男」
王泥喜もついつい笑った。
「いけないなー、自分のトコの所長をそんなふうに笑って」
「いやいや、言ったのは茜さんですから!」
あはは、と笑う茜の声に、王泥喜は今日の敗訴の痛手から立ち直れるような気がしてきた。
反省すべき点はたくさんある。まだまだ依頼主に振り回される傾向があるけど、それでもがんばるんだ。大丈夫だ。
「・・・たい」
「えー、なんか言った、王泥喜クン?」
また少し前を歩いていた茜が足を止めて、王泥喜を待つ。
「・・・知りたいです」
茜に追いついて、立ち止まる。
「え?」
「茜さんのこと。その、過去」
思わず、抱きしめる。
「え、ちょ、ちょっと!なに?!」
「過去だけじゃなくて、その、今も、・・・オレ」
言ってしまってから、王泥喜はふと周りのネオンに気がついた。
ヤバイ。
いつの間にか、ホテル街の入り口に来てしまっている!
こんなとこでこんなこと言ったら、まるで・・・。
「やっぱり、若い子はちがうね」
「え・・・?」
「いいよ、あたし」
茜を抱きしめる腕を緩めると、反対に腕を取られた。
「ええええ?!」
なりゆきで王泥喜は、そのまま一番近くのホテルに入ってしまった。
こ、これがラブホテルというものか。
部屋のドアを閉めて王泥喜が立ち尽くしていると、茜はクスっと笑った。
「やだ、そんな顔されたらこっちも緊張しちゃうよ」
「い、いや、大丈夫です。あの」
こういうとこ、よく来るんですか・・・とは、さすがに聞けなかった。
茜がさっさと白衣を脱ぐ。
胸元のリボンを緩めて、立ったままの王泥喜を見る。
「そこに居る気?」
王泥喜はやっと動くようになった足で部屋の中に進み、ベッドに腰掛けた。
でかい。そして、派手だ。
ふふふと笑い声のするほうを見ると、ブラウスのボタンを開けたところから、茜の白い胸元が見え、王泥喜はごくりと喉を鳴らした。
「ほんと、若いと気が早いのかな」
茜が腰に手を当てて見下ろした。
王泥喜は、とっさに両手で自分の股間を隠す。
茜は王泥喜の足元にひざまずき、両手をつかんで広げさせると、ジッパーを降ろした。
「あ、茜さん・・・」
「うふ、元気だね」
「うわ・・・」
いきなり口に含まれて、思わず声が出る。
自分をくわえ込んでいる茜の口元と、上から見ることで下着まで見える胸元。
王泥喜はそっと手を伸ばして茜のベストを肩からすべり落とす。
茜の舌が裏筋を舐め、指先が睾丸をくすぐる。
「茜さん、そんな、うう」
一方的にされて、王泥喜はベッドに両手をついてのけぞるしかなかった。
「気持ちいい?」
王泥喜のモノを口から離して、茜は王泥喜のズボンとトランクスを引き下げた。
「は、はい・・・、すっごく・・・」
「あたしも、気持ちよくして」
茜は腰掛けたままの王泥喜をそのまま押し倒して、上に乗ってきた。
王泥喜のシャツを脱がせて裸にする。
耳と肩を甘噛みしたり、胸を撫でて乳首をつまんだりする。
「ああっ、茜さんっ」
王泥喜は茜の手首をつかむと、体を入れ替えて上になった。
「ダメです、こんなの・・・。オレだって、オレだって」
組み伏せた茜の唇を奪った。
柔らかくてぷるんとしたそれをむさぼり、舌を入れる。
茜がそれに応え、お互いに存分に味わうと、王泥喜は茜のブラウスを脱がせた。
ブラジャーを取ると、丸い乳房がこぼれた。
片手でゆるゆると揉み、もう一方に吸い付く。
自在に形を変えるその柔らかな膨らみに、王泥喜は夢中になった。
先端が徐々に硬さを帯び、王泥喜は音を立ててそれを吸った。
その間に、手が茜のパンツと下着を剥ぎ取り、脚を開かせる。
腕とわき腹を撫で、尻と太ももをつかむ。
「当たってるよ・・・、王泥喜クン」
茜が甘い声で言い、王泥喜の股間に触れた。
「う・・・」
茜の開いた脚の間に体を入れようとすると、茜が両手を突っ張って止めた。
「だめ。まだだよ。ちゃんとあたしを気持ちよくしてくれてから」
王泥喜はもう一度むしゃぶりつくように茜の胸に顔を埋めた。
「王泥喜クン・・・、ねえ待って」
茜の言葉に顔を上げると、茜はにっこり笑った。
「あたしが上でも、いい?」
茜は仰向けになった王泥喜の上にまたがった。
ぷるんとした乳房が目の前で揺れる。絶景だ。
茜は両手を王泥喜の肩に置き、腕から指先まで強めに何度も撫でおろした。
それからソフトに鎖骨から胸と腹を愛撫する。
乳首の周りは特に念入りに。
そして、腰まわり。
「は・・・あっ」
思わず、王泥喜の声が漏れる。
自分の体の上にある茜の尻を両手でつかんで、胸の上まで引き寄せた。
目の前に、柔らかな陰毛が揺れている。
両手の親指でかき分ける。割れ目に指を滑り込ませる。
「あんっ」
どうやらいきなり敏感なところに触れてしまったらしく、茜が王泥喜の胸の上で跳ねた。
茜に膝立ちさせ、王泥喜は仰向けのまま茜の股間に舌を入れる。
王泥喜の顔にまたがる形になった茜は、中腰でソコを舐めまわされるつらい姿勢に、思わず反り返ってベッドに両手をついた。
おかげで奥のほうまで見やすくなった王泥喜は、自分の頭の下に枕を入れて首を曲げ、茜の腰を抱き寄せてぺちゃぺちゃと音を立てて舐めた。
「あ・・・いい、王泥喜クン」
膝を折って体を反らせたまま、茜が目を閉じた。
舌が奥のほうまで入ってくると、茜の内部から蜜が湧き出た。
それを指でからめとり、陰部をぐちゃぐちゃにかきまぜると、茜が悩ましげな声を上げ始める。
そのまま指を中に入れる。
ヒダを何度もこすると、茜が力尽きたように倒れた。
お互いに仰向けのまま頭を逆にして重なった状態で、王泥喜は茜の中をかき混ぜつつ、舌で敏感な芽をつつく。
「ああ、ああん・・・いいよ、すごく・・・」
「茜さんの、ここ、すごいです」
「うん・・・っ、あっ・・・王泥喜クン・・・上手いの、ね」
茜がシーツをつかみ、王泥喜は手を伸ばして茜の胸に触れる。
硬く立っていた乳首に触れると、茜がびくっと震える。
中に入れた指が、きゅっと締め付けられるようだ。
奥の方のヒダを強くこすり上げると、茜が腰を浮かせる。
「あああっ、そ、そこっ、ああんっ」
「ここ、ですか?ここが気持ちいいですか・・・」
「あっ・・・ああっ、あっ」
何度も刺激すると、どんどんあふれてくる。
茜は腰をつかまれたまま上半身をずらし、首を曲げて王泥喜の硬く反ったものを口に含んだ。
「うわあ・・・っ」
先のほうの溝をなめられて、王泥喜は茜の脚の間に埋めていた顔を離した。
69の形になる。
茜の中に指を入れているものの、咥えられてしごかれてはたまったものではない。
入れた指をかろうじて動かしながら、王泥喜は茜にされるままに股間を硬くしていった。
「う・・・、あか、茜さん、オレもう・・・」
「んぐ・・・大丈夫?王泥喜クン・・・」
王泥喜は体を起こして、ぐいっと茜の上に覆いかぶさった。
「大丈夫です」
脚を開かせて、先端を当てる。
まず軽くかき混ぜるようにくちゅくちゅと音を立てた。
「んっ・・・」
先が敏感なところに当たると、茜がぎゅっと目を閉じた。
そこを何度かこすると、茜は両腕を伸ばして王泥喜に抱きつく。
「ああん・・・焦らさないで・・・」
「言ってください・・・茜さん。どうしてほしいのか、オレに」
茜は薄く目を開け、王泥喜を優しくニラんだ。
「ずいぶんイジワルなんだね・・・。あんっ」
王泥喜が、膣口を捕らえた。
それでも中に挿れず、答えを求める。
「茜さん・・・さあ」
茜は腰を浮かせて王泥喜にこすり付けた。
「王泥喜クンの・・・、あたしに挿れて」
「・・・わかりました」
ぐい、と押し付ける。
半分ほど入ったところで一度引き抜き、浅いところで何度かそれを繰り返す。
十分に潤んだソコは、王泥喜にからみつくように締めてきた。
「や・・・」
茜が腰を動かす。
「もっと・・・王泥喜クン・・・」
「は、はい・・・いき、ます・・・」
強く腰を押し付けるように深く挿れると、今までにない刺激が王泥喜をさらに駆り立てた。
「ああ・・・あんっ!」
たまらず腰を打ち付けると、茜が声を上げる。
「い、いい、すごく・・・いいよ、ああっ、お、王泥喜くん、スゴイっ」
王泥喜が動かすのに合わせて、茜が腰を振る。
それが締め付けとなって襲い、王泥喜はたまらず呻いた。
「うう、き、気持ちいい・・・」
「あ、あたしもだよ、すごい、いいっ、ああっ、も、もっと」
ひたすら何度も腰を打ち付けると、茜の乳房が揺れ、王泥喜はそれをわしづかみにする。
「あか、ねさん・・の、おっぱい・・・」
「・・・ん、あっ」
「や、やわらかい・・・です・・・。中は熱くて・・・、オレをすごく締めてくるし・・・、ぐちゃぐちゃで・・・、すごい、気持ちいい」
「あん・・・いやらしいよ、王泥喜ク・・・」
「なんでですか・・・、全部、茜さんのこと・・・なのに」
「あ、あっ、いい、いいよ、王泥喜くん、そこ、そこもっとして」
「ここですか・・・、くっ・・・」
腰の角度を変えると、また違った圧力がかかり、王泥喜は限界を感じる。
「もう、もうダメです、オレっ・・・」
「あんっ、まって、あたし、あたしも、もうっ」
茜が両脚で王泥喜の腰をはさみ、何度か体を震わせて達した。
「んんっ」
その余韻で脈打つ腰を抱いて、王泥喜がヌメヌメとしたモノを引き抜くと、茜の腹の上に放出した。
「・・・く、はっ」
茜の横にどさりと倒れこむ。
「す、すみません、今・・・きれいに」
肩で息をしながら、茜の体をぬぐう。
すると、茜が両腕を伸ばして王泥喜の首に抱きついた。
「思ってたより・・・、ずっと良かったよ。なんか、気になっちゃったもん。王泥喜クンの、過去」
耳元で囁かれて、王泥喜は顔を真っ赤にした。
「そんなこと、オ、オレのほうが」
茜の背中に手を回して抱きしめながら、王泥喜はため息をついた。
茜の過去。
聞きたい過去と聞きたくない過去があるような、複雑な気分。
ふふっ、と笑って茜がベッドを降りた。
手早くシャワーを浴びて、服をつける。
「茜さん・・・」
「王泥喜クンはまだゆっくりしてっていいよ。あたしはホラ、報告書書かないとならないから」
「えええっ、そ、そんな」
きゅっとリボンを結び、メガネを頭に乗せて茜はカバンを取り上げた。
「じゃあね」
「あ、茜さん!あの、今度・・・いつ」
茜は左腕を上げて腕時計で時間を確かめた。
「そーだね。法廷か、またあの喫茶店でね」
呆然とした王泥喜をベッドに残して、女捜査官は足取りも軽やかにホテルの部屋を出て行った。
ようやく我に返った王泥喜が、シャワーを浴びようとベッドからノロノロ降りて、バスルームに近づくと、ドアに挟まっている小さな紙の包みに気づいた。
包みを開いてみるとその紙には、小さな手書きの文字が並んでいた。
『次は使い方を教えてあげるよ』
包みの中は、コンドームが2個。
「つ、次は2回だ・・・!」
王泥喜が興奮に鼻の付け根を痛いほど熱くしているころ、例の喫茶店では、裁判長とマスターがコーヒーを傾けながら法務省の人事について、無責任な噂話をしていた。
以上です。
ネタが続くようなら喫茶店シリーズにしたいと野望。
GJ!!!
喫茶店シリーズ読みたいなぁ
ゴドーとか冥の話も読みたいッス!
245 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/20(月) 02:16:24 ID:z+SMGHG2
>>GJ!!
オドアカも良かったし、喫茶店のマスターもGJ!
喫茶店かぁ…ありし日のカミノギとチヒロ
御剣と冥とかなら喫茶店が似合いそうなんだけど
ナルホドとマヨイだと喫茶店よりラーメン屋のイメージがあるな、なぜかw
>>247 ナルホド「今日もラーメン屋かよ……」
マヨイ 「まぁまぁ、近所に新しいラーメン屋さんできたから! さっ、行こ行こ!」
ゴドー 「クッ……来やがったな」
マヨイ 「きゃわわわぁぁぁぁ!」
ナルホド「なっ、何してるんですか、か……」
ゴドー 「おっと……ここじゃオレはゴドー、だぜ」
ナルホド「ゴドー、さん……何してるんですか、こんな所で」
ゴドー 「クッ……アンタ、屋台でコーヒー豆挽くのかい。屋台っていったら、それは麺と具とスープが絶妙のハーモニーを醸し出す神の創りし食べ物が付き物……だぜ」
マヨイ 「要するにゴドーさん、ラーメン屋やってるんだね」
ナルホド(どうしよう、ワケがわからない……)
ゴドー 「これはオレからの特別なオゴリだぜ。よく味わって食べな」
マヨイ 「オゴリだって! うわぁーい、いっただっき……ま……す………」
ナルホド「……あの、これは一体……」
ゴドー 「ゴドースペシャルトッピング、その名も『ゴドーみそラーメンコーヒー風味』……だぜ」
マヨイ 「スープがコーヒー色だよ……」
ナルホド「やれやれ、やっぱりゴドーさんか……」
こんなイマゲ
>ナルホド(どうしよう、ワケがわからない……)
ここで噴いた。
すんごくありそうな台詞回しだ。
真宵は喫茶店に連れてってもコーヒーよりは
サンドイッチ等の軽食やパフェ等のデザートだろうなw
真宵を名古屋のマウンテンに連れていきたい
同じ喫茶店でも、御剣&冥はお洒落なオープンカフェで優雅にティータイムを楽しんで
神乃木&千尋は昔ながらの隠れ家っぽい喫茶店でマターリ過ごしてそうなイメージ。
成歩堂&真宵は
>>251じゃないが名古屋式の喫茶店のサービスの良さに感動してそう。
「なるほどくん、飲み物頼んだだけなのに何か色々出てきたよ!
これ食べちゃっていいのかな!?」みたいな感じ。
3DSの発売を期にちなみ父×勇希を提案
狂言誘拐がちなみ父への復讐なら勇希が協力する動機がよく分からなかったので
>252
茶碗蒸しとか寿司とかついてきて、たまげるんだろうなw
ナルアヤ書いてるけど、DS買って五章クリアして菖蒲の特徴掴んでからじゃないとな…
アドバンスの記憶すっとんでるわ
256 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 14:55:06 ID:wpKZv2Sn
>>128さんの需要という心強い後ろ楯があったので、
ナルメイ+みぬきをコツコツ書きためててみました。
舞台は成歩堂が弁護士バッジを剥奪された3〜4年後のものになります。
エロ無しですが、投下させていただきます。
257 :
【call me@(成冥+みぬき)】:2007/08/24(金) 14:57:27 ID:wpKZv2Sn
仕事を終え、一息ついて携帯を開くと、着信が入っていた。
かけ直すと、さほど待たないうちに相手が電話に出てくる。
『助けて!みぬきが大変なんだ!』
必死の様子の彼を適当にあしらい、電話を切ると、冥は急いで検事局を飛び出した。
【call me】
成歩堂の自宅に着くなり冥は、泣き付く彼を押しのけて、脱衣場に向かった。そして、バスルームの曇りガラスの扉の向こう側にいる人物に呼びかける。
「みぬきちゃん、大丈夫?」
すると、シャワーの音とともに、愛らしい澄んだ声が帰ってくる。
「あっ、すみません冥さん。来てくださったんですか」
「ええ。準備ができたら、あがってらっしゃい」
「はーい」
二言三言交わし、程なくして、扉が開いた。バスルームから、素っ裸のみぬきが出てくる。冥はバスタオルで彼女の体を拭いてやった。
「もー、パパってば大げさなんだから。恥ずかしいなあ」
「いいわよ。そもそもこういう時、男の片親は役に立たないものなんだから」
腰回りを丁寧に拭うと、一旦みぬきにタオルを任せた冥。そして自分は、ここにくる途中で寄ったコンビニのビニール袋を手に取った。
そして、更に厳重に紙袋に包まれた中身を取り出す。
「今日仕事は?」
「パパが休みなさいって」
「それがいいわ。今日はおとなしくしてなさい」
小さな袋から出したナプキンを、きれいに洗濯されたみぬきの下着に取り付け、手渡した。
「はい」
「ありがとうございます」
「明日下着買いに行きましょう。今日はもう遅いし」
「はーい。……うう、なんか変な感じ……」
落ち着かない様子で、みぬきは下着とパジャマを身につけはじめた。その間に、脱衣場を出る冥。
すると、扉のすぐ横に、成歩堂がそわそわとしながら待っていた。
「み、みぬきは大丈夫だった?」
「大丈夫も何も…たかが初潮でそんなに慌てられちゃ、先が思いやられるわ」
「そんなこと言ったって…」
オロオロする成歩堂をよそに、冥は玄関へ向かう。
「じゃあ帰るから」
「ええっ?」
「ええーっ!?」
成歩堂と、脱衣場からひょっこりと顔を出したみぬきが、同時に声を上げた。
「冥さん帰っちゃうの!?」
「そのつもりだけど…」
「そんなっ!ああ、急に気分が悪くなっちゃったっ…みぬき、晩御飯作れないよー。冥さんのご飯が食べたいなぁー!」
258 :
【call meA(成冥+みぬき)】:2007/08/24(金) 14:58:23 ID:wpKZv2Sn
きゃあきゃあと、せがむみぬき。冥はやれやれとため息をつくと、仕方なく台所に向かう。
そして勝手知ったる様子で冷蔵庫を物色して、食材を漁り始めた。
みぬきがキチッと整頓している冷蔵庫の中から、いくつかの材料を取り出すと、一旦成歩堂を振り返る。
「あなたこそ仕事は?」
「僕は元々休みだったんだ…あああ、よかったよ。一人で不安にさせるところだった」
「…あなたが一番動揺しているみたいだけど」
痛いところを突いてやったつもりだが、彼は「まいったなあ」とただ軽く笑うばかり。それが面白くなくて、冥は音を立てて冷蔵庫を閉めた。
成歩堂がみぬきを引き取り一緒に暮らし初めて、すでに四年が経っていた。
当時、成歩堂が法曹界を追われたニュースを冥はアメリカで知った。そして単身アメリカから日本へ飛んできた彼女に、成歩堂はこう告げたのだった。
『娘ができました』
と。
このような誤解の招く言い方をされて、当時から成歩堂と恋人関係にあった冥がもちろん黙っているはずがない。ムチのフルコース付きで事情を問いただし、みぬきを紹介してもらった。
その後日本に仕事場を移した冥は、事あるごとに『成歩堂親子』に呼び出されることになる。
やれ参観日だの、運動会だの。
みぬきの誕生日には毎年かり出され、プレゼントからケーキまでプロデュースさせられる始末。
別に迷惑だと思ったことはない。仕事に差し支えない程度のことだったし、あまり人見知りをしないみぬきは、すぐに冥に懐いた。
冥も元々子供は嫌いじゃなかったし、まもなく打ち解けることができた。
幼い少女を独りぼっちにさせなかった成歩堂の判断は正しかったと納得もしている。
それでも。
自分たちのこの奇妙な関係は、時々歪みを生むのだ。
「みぬきも、どんどん大人びてきちゃうわね。父親のあなた形無し」
「あの子は元々しっかりしてたから。僕が面倒みてもらってるようなものだよ」
「…本当。言い得て妙だわ」
ようやく落ち着いたのか、ダイニングテーブルについた成歩堂は、台所で夕飯の下拵えをする冥と会話を交わしていた。今でも頻繁にムチを振り回す彼女は、料理をしている時が一番安全だ。もっとも、滅多なことを言えば、まれにムチではなく、包丁が飛んでくることもあるが。
成歩堂は、冥の後ろ姿を盗み見た。
動く度にサラサラと揺れる綺麗な髪は、出会った頃よりも、ずいぶん長くなった。雰囲気も随分落ち着いて、大人っぽくなったと思う。
259 :
【call meB(成冥+みぬき)】:2007/08/24(金) 14:58:59 ID:wpKZv2Sn
またちょっと、痩せたんじゃないかな。
元々細い体つきの冥だったが、今日は特にそう見えた。また、仕事を優先してまともに食事を採っていないのでは。そう考えると、冥を引き留めたみぬきの判断は正しかったようだ。成歩堂は、心の中で感謝した。
そのとき、くるりと冥が振り返った。両手には、麦茶の入ったグラスが一つずつ。
そして、そのうちの片方を成歩堂の目の前に置くと、彼女もその向かい側に座った。
作業が一段落ついたらしい。コトコトと、鍋が小さな音を立てている。
いつもなら、「効率よく動くべし」と、洗濯物を取り込んだり、合間に何か仕事を見つけるのに。
今日は疲れているのか、ゆっくりイスに座って、グラスに口をつける度に、溜め息をつくばかり。
よく見ると、目の下にうっすらとくまが出来ていた。
よほど、疲れが溜まっているらしい。
こんなことなら、料理を手伝えばよかった。
「どうしたの?」
成歩堂の視線に気がついた冥が、声をかけてきた。なんとなく気恥ずかしくなり、彼女から目をそらして返事をする。
「なんでもないよ」
「まだ落ち着かないの?これから毎月こうなんだから、ちゃんと気を遣ってあげなきゃ駄目よ」
「わかってるさ。君も毎回体調崩すからね……あ!ごめ…!」
軽口を叩いてしまい、成歩堂は口を押さえた。無意識に、ムチの衝撃に備え、体を強ばらせる。
「………?」
しかし、冥は微動だにしなかった。
いつもなら、立ち上がってすぐさまムチを打ってくるのに。ただただ、イスに座ったまま、成歩堂を見つめていた。
怒っているときの顔つきではない、しかし、何か言いたげな表情で。
「……冥?」
「………」
声をかけても、反応しない。キュッと口を結んで黙り込んでいる。
コトコトコト。
沈黙が続く中、鍋の音だけが部屋に響いていた。
冥がゆっくり俯いた。テーブルの上のグラスを、両手でぎゅっと握りしめて。氷が、カランと音を立てた。水滴が、彼女の手を濡らした。
何故黙っているのか、成歩堂には全くわからない。ただ、自分の心の中が、何故かひどくざわついているのはわかる。同じように、無言で見つめ返すしかできなかった。
やがて、冥が顔を上げた。しばらく視線を泳がせていたが、意を決したように成歩堂を見据え、静かに、口を開く。
「……来ないのよ」
真っ直ぐ、吸い込まれそうな色の瞳を向けて、きっぱり言った。
「二ヶ月、来てないわ」
260 :
【call meC(成冥+みぬき)】 :2007/08/24(金) 15:00:09 ID:wpKZv2Sn
空気が凍り付いた。
一瞬、何を言われたかわからなかった。言葉の意味を理解しても、それでも現実感がわかず、成歩堂はただ、冥と視線を合わせることしかできなかった。
もう一度確認しようにも、声を出すのもはばかられている気がして、訊ね返すこともできない。
とにかく何か言わなくては。そう思って口を開きかけた。すると。
「大丈夫よ」
それを遮るように、冥が口を挟んできた。
「ただの生理不順。医者も言ってたから間違いないわ」
「………」
思わず、ポカンと口を開けてしまった。途端に抜ける緊張感。止まっていた息が、思いっきり吐き出される。
「…そっかぁ…」
「………」
そんな成歩堂の一連の表情を、冥は黙ってぼんやり眺めていた。
本当は、こんなこと言うつもりはなかった。間違いだとわかっているのだから、言う必要はないのだ。
けれど。
確かめずに、いられなかった。
今まで、生理が止まったことなど無かった。ここまで完璧主義なのかという程、周期もほぼ一定だった。
だから、今回は本当に悩んだのだ。
仕事には集中できず、部下に檄も飛ばせない日々が続いた。誰にも相談できず、まともに眠れない日が続き、とうとう体調を崩して病院に駆け込んだ。
そこで思い切って、婦人科に行って調べてもらったのだ。
まだ子供を産む覚悟などないし、現在の生活の中で、もうひとり子供が出来るのは、実際大変なことだとはわかっている。
しかし、間違いであると判明したときには、言い様のない空虚感に襲われた。
そして、今。
可能性があると告げたときの、彼の困惑した表情。
間違いであったと告げたときの、彼の安堵した表情。
何もかもが、冥の心を抉った。
(…この人は)
他人の娘に関しては一喜一憂するのに、わたしとの子供は、困るのだ。
じゅうううっ。
お鍋が噴きこぼれる音でふと我に返り、冥は立ち上がった。
「そろそろできるから、みぬきちゃんを呼んできて」
そして成歩堂にそう告げると、返事を待たずにコンロに向かう。
良かった。もう少しで泣きそうだったから。
コンロの火を止めると同時に、背後で成歩堂が部屋を出ていく気配がした。
まるで、彼が離れていくような錯覚に陥った。
好きなのだ。彼をどうしても。
視界が霞んで、なにも見えない。
彼との未来のように、何も見えない。
261 :
【call meD(成冥+みぬき)】 :2007/08/24(金) 15:01:14 ID:wpKZv2Sn
このまま、気持ちも離れてしまうのだろうか。
そう脳裏によぎった、そのとき。
「……っ!?」
「……?」
成歩堂の声が聞こえた気がした。こもっていてよく聞こえなかったため、気のせいかと思ったが、どうやらみぬきの部屋かららしい。なにごとかと思い、冥はキッチンを出た。
「いったいどうし…」
襖を開け、みぬきの部屋に入った冥の目に飛び込んできたのは。
「……!?」
呆然と立ち尽くす成歩堂の傍らで、腹部を押さえてうずくまり、苦しんでいるみぬきの姿だった。
「みぬきっ!」
駆け寄った冥は、すぐさまみぬきを抱き上げ、成歩堂を見上げる。
「なにがあったの!?」
「部屋を訪ねたら、みぬきが倒れてて…!」
「救急車呼んで!早く!」
成歩堂にそう促すと、彼はすぐに部屋を飛び出した。残された冥は、みぬきの汗ばんだ手を握った。
一瞬、生理痛だろうかとも考えたが、この苦しみ方は尋常ではない。
(もし、なにか悪い病気だったら、どうしよう…!)
思考が悪い方へ進んで行く。冥は不安を振り払うように、かぶりを振った。
「…めい…さ…ん…っ」
その時、みぬきが掠れた声で冥の名を呼んだ。
「みぬき!」
「う…うぅ…っ」
「みぬき、いいから!喋っちゃダメよ!」
声を搾り出し呻くみぬきが、痛々しくて、ただかわいそうで。
普段ならどんな状況でも冷静に対処できるのに、できることなら代わってやりたいとか、不可能なことばかり考えていた。
「みぬき、大丈夫よ。大丈夫だから…!」
もしかすると、自分にも言い聞かせているのかもしれない。
救急車が来るまでの間、冥はずっと、ひたすらみぬきの体をさすり、手を握り続けた。
病院に運ばれたみぬきは、盲腸と診断された。ただし初期の段階だったため手術の必要はなく、薬で散らせる程度で済むらしい。治療も家からの通院で大丈夫とのことだが、今夜一晩だけは入院することになった。
「それでも、数日前からは痛みはあったはずなんですがねぇ」
そう告げた医者と、心配顔の成歩堂と冥に挟まれ、ベッドに寝かされているみぬき。先程の騒ぎなど嘘のように、痛み止めの薬のおかげでケロッとしている。
「やー、あたしはてっきり、ただの便秘だと…」
「だとしても、なぜもっと早く言わないの!」
ニコニコと笑みさえ浮かべて言うみぬきに、冥は思わず大きな声を上げた。
262 :
【call meE(成冥+みぬき)】:2007/08/24(金) 15:01:57 ID:wpKZv2Sn
成歩堂が冥をなだめている間に、医者は病室を出て行った。静かな室内。冥はまだ気持ちが落ち着かないのか、顔をしかめてそっぽをむいている。
そんな彼女の様子を見て、みぬきは口を開いた。
「……ごめんなさい、パパ、冥さん」
しおらしいその言葉に、成歩堂はみぬきの頭を撫でた。が、冥の方は微動だにしない。
「ほんとに、そのうち治ると思ってたし、心配かけたくなかったから、言わなかった。でもね…うれしかったの」
「「?」」
みぬきの言葉の最後の意味がわからず、冥はようやくゆっくり振り向いた。成歩堂も同様で、みぬきの顔をじっと見る。
そんな二人の表情を交互に見たあと、みぬきははにかんだ。
「みぬきは、パパと冥さんが、みぬきのことを心配してくれるのが、嬉しかったの」
「!」
「必死になって、みぬき以上に汗だくになって、何度も名前を呼んでくれて、それが安心する」
「みぬき…」
冥は、胸の奥が締め付けられるような思いがした。
「『みぬきはここにいていいんだよ』って言ってもらえてるみたいだから」
「な、なにを訳のわからないことを…」
冥は思わずみぬきから目を逸らし、窓の方を向いた。
その時、冥の目に飛び込んで来たのは。
「………!」
窓ガラスに映った、自分の姿だった。
走ったために、髪はボサボサで。涙の跡でアイラインもグチャグチャで。
ふと気がついて足元を見ると、いつものピンヒールではなく、成歩堂家の室内用スリッパを履いたままだった。
「……当たり前じゃない……」
…あ、ダメ。
また、泣きそう…
「……心配に、決まってるでしょ……っ」
普段ならきっと、病状を見れば、何の病気か大体判断できるのに。
冷静になどなれなかった。
倒れているみぬきを見た時。
苦しむみぬきと救急車に乗っている間。
生きた心地がしなかったのだ。
「冥さん、泣いてるの?」
「泣いてなどいないわ!」
背後からみぬきに声を掛けられ、冥はグシグシと涙を拭った。
「もぉ〜冥さんてば泣き虫だなぁ。みぬきなら大丈夫ですってば。だから、明日の買い物のお約束、よろしくお願いしますね?」
「行くわけないでしょ!しばらく安静になさい!」
「ええー!そんなぁー!」
背を向けたままの冥の言葉に、みぬきは飛び起きて頬を膨らませ、なおも食い下がろうとした。
263 :
【call meF(成冥+みぬき)】 :2007/08/24(金) 15:02:32 ID:wpKZv2Sn
「冥さん『カンペキシュギシャ』なんでしょう?約束破っちゃいーけないんだー!」
心底残念がるみぬきだったが、
「場合が場合じゃないの!そのかわり……明日はあなたと一緒に家にいるから」
「え、本当!?」
冥の言葉にみぬきの表情が、一瞬でパッと明るくなる。
「病人を、この人ひとりに任せられないもの」
「うわーい!やったぁ!」
「なんか引っ掛かる物言いだけど、良かったな、みぬき」
苦笑いする成歩堂の傍らで、みぬきは手放しで喜んだ。窓ガラスに映るその姿に、冥はますます瞼を熱くする。
この笑顔が…みぬきが、無事でよかった。
冥は今、心からそう思っていた。
「君とみぬきって、よく似てるよね」
みぬきの着替えを用意するため、一旦成歩堂家に戻ることにした冥。そんな彼女をタクシー乗り場まで送りながら、成歩堂は言った。
「…どこが?」
突然不可解なことを言われ、冥は不審そうに、隣を歩く成歩堂を見上げる。すると彼は悪びれなく答えた。
「いや、隠し事が上手なところとか」
「……は?」
どういうつもりで、そんなことを言うのだろう。彼の意図が、全くわからない。
「それは、褒めてるのかしら?」
「…いや、どちらかというと、あんまりしてほしくないな」
スリッパをペタペタ鳴らしながら、二人は並んで歩く。
「みぬきは、明るくてしっかり者だけど、時々目を離してる間に、どこか遠くを見てるような顔をするんだ……多分、お父さんのことを考えているんだろうね」
「……」
みぬきの本当の父親の事情は知っている。だが、成歩堂の口からその話をされるのは、なんだか嫌だった。
今の父親は、彼なのだから。
「で、君も変に生真面目な人間だから、なんでも一人でこなしちゃうんだよなあ」
「…ちょっと。『変に』ってどういうことよ」
眉間にしわを寄せて、成歩堂を横目に見る冥。だが彼のほうは、いつものようなヘラヘラした表情ではなく。
真剣な瞳をまっすぐに、冥に向けていた。
「今度は、ちゃんと先に言ってくれよ。そしたら絶対、病院に一人でなんか行かせない」
冥の足が、止まった。
「…僕たち二人のことなんだから」
先程の話の続き。もう続かないと思っていた、話の続き。
「一人で悩むなよ。僕を呼んでよ。すぐに飛んで行くから」
「…龍一」
264 :
【call meG(成冥+みぬき)】 :2007/08/24(金) 15:03:49 ID:wpKZv2Sn
先程の、成歩堂の困った顔の理由は。
一人で悩んでいた冥に対してのものだったのだ。
「…まあ、僕が鈍いのも悪かったんだけどね。ごめん…気付いてあげられなくて」
「………全くだわっ………」
本当に、この親子と付き合うようになってから、涙腺が緩くなって困る。
成歩堂に抱き寄せられ、冥は涙目を隠すように、胸板に顔を埋めた。
「今は、子育てとか、自分のことで精一杯で、君を不安にさせてしまってるかもしれない…でも、僕は君が好きだから」
抱き締める腕の力強さに、飾り気のない言葉に、彼の素直な気持ちが乗せられ、冥に流れ込んでくる。
「ちゃんと、好きだから」
何を不安に思うことがあったのだろう。冥はクスクス笑いながら、鼻をすすった。そんな彼女を愛しく思い、成歩堂は抱き締める腕にますます力を込める。
「…僕がまた弁護士に戻れたその時は…さ……君さえよかったら…ぜひ……」
あの子の…みぬきの母親に。
そう続けようと成歩堂が俯いたその時。
「………」
「……?」
きょとんとして見上げている冥と目が合った。
「め、冥………どうしたの?」
「…アナタ、また弁護士に復帰するつもりなの」
「え…そうだよ?言ってなかった?」
「聞いてないわよ!!!」
冥の大きな叫び声に、成歩堂は一瞬怯む。その隙に、冥はスルリと彼の腕から逃れ、言った。
「なんでもっと早く言わないのよ!もう!」
その口調は、怒っているようなものだったが、クルリと振り返った彼女の表情は、笑顔だった。
「言わなきゃ、わからないことだって、あるんだから!」
そう言うと、冥はさらに声を上げて笑った。まったくもってそのとおりだ。先程までの自分を棚に上げたような発言だったからだ。白い歯を見せてバツが悪そうに微笑むと、
「となると、こうしちゃいられないわ」
と、突然軽やかに駆け出した。
「ど、どうしたの、何そんなに急いでるんだよ?」
「わからないけど…いてもたってもいられないの!」
とりあえずは、みぬきの着替えを持って行き、明日には彼女のためにお粥を作る。
その次の日からは、いつものように、仕事。
そして、この親子の行事にも付き合ってやって。時々、こぶ付きデートもしたりして。
そう、何が変わるわけではない、いつもと変わらない日々が、これからも続くだけだ。
来るべき時が来る、その日まで。
それまでは、今日のように色々な出来事があるだろうけど。
「気長に待っているわね」
そう言って不敵に微笑む彼女に歩み寄り、成歩堂はその手を握り締めた。
■END■
265 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 15:05:32 ID:wpKZv2Sn
以上です。
つたない文章ですが読んでくださった方ありがとうございます。
>256
sageて。
>>256 GJ!
成歩堂の慌てぶりや冥の意外と家庭的な部分がすごくよかった。
次もし投下するときはちゃんとsageような。
gj
でもこの話、どっかサイトで読んだことあるような記憶があるんだけど本人による転載?
それならいいがsageてないしひょっとして第三者の悪意による投下じゃないよな
269 :
256:2007/08/25(土) 00:36:32 ID:o5pqNYDC
すみません、説明不足でした。本人です。
ご存知だった方がいてびっくり…
sageかたこれでいいのかな。次回は気をつけます!
>>269 2ちゃん初心者さん?
サイトで上げてたのをここに持ってくるのはやめたほうがいいよ
変な人たちに目つけられても知らないよ
自分も見覚えあって首ひねってたが本人だったんか・・騙りじゃないよな?
sage方もしらないサイト掲載をここにもってくる危なさも知らないとか半年ROMった方がいいよ
いやほんと危ないから
272 :
256:2007/08/25(土) 02:38:38 ID:o5pqNYDC
ご忠告ありがとうございます。
以前別の方がやってたのを見て、大丈夫なのかな、と思って…
ここのほうがたくさんの方に見てもらえると思ったので…
考えが浅はかでした。しばらく見るほうに徹します。
皆さんの作品、楽しみにしてます。
Wiki管理人です。
256さんの作品をWikiから削除しました。
でも、数年前だったかミツマヨ職人が投下した作品も
自作のサイトから掲載してたと思う。
だから俺は
>>256はそんなに問題ないと思ったんだが。
275 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/25(土) 16:49:36 ID:AjboH9CB
はげどう!!
サイトから転載して何が悪い
表現の自由だろ
あれって先にスレに投下したものを後からサイトに上げてるんじゃないの?
それならやってる人も結構見かけるけど、逆に先にサイトに上げたものを
スレに投下は宣伝乙と煽りを食らう恐れが高いからかやる人を見たことない
>>276 あ、そうだったのか。。。
ということは、ミツマヨの時はスレに投下したのが先だったからよかったんだな。
何かいろいろ問題あるんだな。職人も大変だ
でも俺は
>>256の作品、初めて見たんだが
文章も巧いし、十分楽しめたからGJ!と称えよう
冥ってこんな感じか?
たった今DS3クリアした。
携帯ゲーム板の逆裁本スレや次回作予想スレやその他の関連スレで
御剣と冥の結婚や子供の登場を望む声が上がってた理由が
よく分かったと痛感した自分は俄かミツメイ信者。
「最高のパートナー」が本心ならもう本当に結婚してしまえ
つーか5の検事はガチでこの二人の子供でいいよもうヽ(゚∀゚)ノ
ここで言うな
>>279 「最高のパートナー」ってのは別に恋愛的な意味で言ったんじゃなくて
ある意味殺し文句のような感じがしたw
つまり、あの裁判では御剣とほぼ同レベルに戦える相手が必要だった、 ってゆう。
あくまで俺の考えだが。でも恋愛的な意味だったらそれはそれで燃える。
と、このままじゃスレ違いだから
安西先生・・・、ハミイトノコの新作が・・・読みたいです orz
>5の検事はガチでこの二人の子供でいいよもう
いいわけねえ
オドロキVS狩魔一族か・・・・
あれ?勝てる気がry
>>281 好きカプを叫ぶスレってあるのかな?
本スレやキャラスレで叫ぶとカプ厨乙って言われるから
語れる場所があればいいと思った
最高のパートナーでさり気なくプロポーズしてるのかと
実際は違うとしてもそう解釈するとドキドキするwミツメイはいいね
トリビア
「御剣 冥」でググると関連検索で
「最高のパートナー」が出てくる。
更に「御剣怜侍」でググると「狩魔冥」が
「狩魔冥」でググると「御剣怜侍」が関連検索で出てくる。
Googleはミツメイ厨なのかw
286 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/26(日) 18:02:41 ID:3mYOE6Qy
wikiのハミイトノコ物語の続きって見れないのかないのかどっちなんだ
関連検索のしくみ解かってないのかよ…夏厨か
>>287 いや、一応分かってるよ
ミツメイ厨は冗談で言っただけw
>>283 奴らに「みぬく」は通用しないだろうからな
審理には無関係な言いがかりだと速攻で却下されそう
>>285 成歩堂で検索するとりんごみかん成歩堂が出てくるし
グーグル先生は本当にユーモアに富んでるなw
>>282 だね
二人の子どもだと、どれだけ頑張っても小学一年生くらいだよね
それにミツルギはメイの仕事なことを考えて、
メイが30歳ぎりぎりになるくらいまで子どもを作らない気がする
結婚は早いけど子どもは遅い、みたいな
>>291 そうかな、むしろ冥タンは30になる前に子供が欲しいって言いそう
293 :
282:2007/08/27(月) 00:35:24 ID:ghcgFQRS
ミツメイ厨じゃないから「いいわけねえ」なんだが
とりあえず続編に旧キャラ出すのは成歩堂だけにして欲しい
御剣は結婚や子供への憧れが強そうだし
冥も自分の血筋に対してこだわりがあるようだから
そういうことに関して結構行動が素早いんじゃないかと思う。
逆に成歩堂はみぬきが成人して一人立ちするまでは
自分のことは二の次にして結果的に婚期を逃しそうな予感。
3をやってどSな千尋さんに惚れた。
1の時点だと、頼りになる男勝りな先輩ってイメージだったけど、
あれなら千尋×成歩堂もありだなぁ
ついでに、捏造カプで千尋×霧緒も面白そうw
正反対なタイプだから、つねに千尋が霧緒を説教してて
エロに発展するまで時間かかりそうだw
>>293 そうゆう意見多いね
俺としては,もしオドロキ・ナルホドのW主人公が実現するなら
その時のナルホドの助手は,やっぱりマヨイがいいな
>>294 でも、御剣って子供苦手そうw
冥は姪っ子がいるみたいだから子供慣れしてそう。
3でも、春美には優しく接しようと心がけてたし(結果的に嫌われたが)
>>295 由梨絵と千尋ってタイプが似てそう。
ま、千尋さんは男に弄ばれたくらいじゃ自殺なんてしないだろうが。
喫茶店まだ〜?
3やってたら、4ナルホドが夢に出たちなみとポーカーするのを妄想してしまった・・・・
4ナルホドなら良い勝負ができそうだな。
性的な意味でも。
成歩堂のバッジ剥奪&ピアニート化はちなみの祟りかもなw
ところで4成歩堂のパパのロゴ入りニット帽はあやめのお手製?
3-1のRYUセーターと非常にセンスが似てる気がするんだが
攻略本かなにかにみぬきが作ったって書いてなかった?
>>301 俺も最初あやめが作ったと思ってた。センスが似てるし。
でも攻略本ではみぬきが作ったって言ってた。
よくみたら、マジックパンツと配色パターンが同じw
『喫茶店の人々』 #2
その日の夕方、住宅街の奥にある喫茶店は、ドアが開け放されていた。
ドアの前に立つと、ムッとした熱気があふれてくる。
「よう、悪いな。今、豆を焙煎してるんでな」
客に気づいたマスターは、マスクに流れ落ちそうになる額の汗をぬぐった。
旧型のエアコンがフル回転しても、残暑と焙煎の熱には歯が立たないようだ。
「ご機嫌ではないか」
客は熱気を避けるように、焙煎機から遠いテーブルに腰を下ろした。
「そりゃ、いい生豆が手に入ったからだろうさ」
「お手軽で良いことだ」
「まったくだ。ところで、あと30分待てるなら挽き立てで飲めるぜ」
御剣怜侍は手にしていた一般紙の夕刊を広げた。
「どのみち、焙煎が終わるまでは手が離せまい。私は急がない」
「すまねえな」
10分ほどで焙煎が終わったらしく、冷却が始まる。
「法廷だったのかい?」
「・・・ム。結審した」
「おめでとう、だろうな」
「・・・ム」
マスターは冷めたコーヒー豆をスプーンですくい取り、二人分を挽いてドリップした。
二つのカップに注ぎ、まず自分が味をみる。
「ほらよ。煎りたて挽きたて淹れたてだ。うまいぜ」
一口飲んで、御剣は眉間にシワを刻む。
「ウム。うまい」
マスターは満足げに笑った。
「・・・明日は、5日だな」
御剣が言うとマスターはちらりと9月のカレンダーを見る。
「そうだな。臨時休業させてもらうぜ」
「気をつけて行って来てくれ。よろしく頼む」
「ああ」
御剣はなにかを思い出すように、苦すぎるコーヒーを飲んだような顔になった。
「あなたに初めて会ったのも、あの法廷だった」
「・・・・」
思い出話は嫌がるかと思ったが、マスターは御剣の話題を案外すんなりと受け入れた。
「前評判どおり、アンタはなかなかの新人だったな」
初めての法廷。
御剣はカップに目を落とす。
「私にとっても、忘れられない裁判だ。あの人と法廷で会ったのは最初で最後だったが・・・、しばらく後になってからは検事局でも噂になっていたよ。怖い弁護士が出てきた、と」
「俺が眠っている間だな。アンタは、ずっとアイツを気にかけていてくれたのかい」
他に客のいない気安さか、テーブルを挟んで御剣と向き合って座る。
御剣は指先でカップのふちをなぞる。
「成歩堂が、彼女の事務所に入ったと聞いた時は驚いた。あんなことになってから再会したんだが、まるで」
・・・彼女の法廷を見ているようだった。
最後の言葉は、口の中でつぶやく。
すっかり喫茶店の店主におさまったこの男は、大きなマスクの下にどんな表情を隠しているのか。
「・・・俺は、俺の最後の法廷で、あの男の中にアイツを見たぜ」
「・・・」
「生きていてくれた、と思ったよ」
「・・・」
「それでも」
顔を上げる。
ドアの向こうに、新しい客が歩いてくるのが見えた。
「それでも、俺は・・・、アイツ自身に生きていて欲しかったぜ」
狩魔 冥が店の前に立った。
御剣がふりむくと、白い大きな花束が目に飛び込んできた。
「どうしてドアが開いてるの?エアコンの冷気が全部逃げてるじゃないの」
御剣が、両手をふさがれている冥の代わりにドアを閉めるために立ち上がる。
「よう」
マスターが立ち上がり、いつもの口調で客を迎えると、冥は白いアレンジメントの花かごをカウンターに置く。
それを見たマスターが、ふっと口元を緩めた。
「これは、ヒゲからよ」
「アイツの好きだった花だ。あの薄給刑事にしては、随分がんばったんじゃねえか?」
冥が黙って肩をすくめた。
もちろん、糸鋸刑事の希望を聞き入れて、花を用意したのは冥自身だ。
冥は直接彼女と面識はないが、その後にかかわった事件から、彼女を知らずにはいられない。
マスターはカウンターに入ると、冥がいつも注文するマキアートのために、エスプレッソ用のタンバーを手に取った。
「あ、私はすぐに失礼するから」
椅子に腰を下ろすことなく、冥が言った。
「急ぐのかい、ご令嬢」
「ええ。また来るわ。花を持ってきただけ」
「わざわざすまねえな」
くるりと背を向けて、冥は御剣を見た。
そのまま店を出る途中で、一言つぶやく。
「あれ、不起訴にするわよ」
御剣は返事をしないまま、ドアを開けて出て行く冥の後姿を見送る。
聞こえたはずのマスターも、なにも言わない。
この店では、仕事の内容は話さないのがルールだった。
冥が手がけていた事件の内容を思い出して、御剣はコーヒーを飲み干した。
不起訴か。以前はなにがなんでも起訴して、有罪に持ち込もうとしていた冥も。
「・・・人は、変わるものだな」
ひとり言のように、御剣怜侍が言った。
そして。
「あなたはこの先の人生を、後悔するためだけに生きるつもりか」
マスターは、冷めたコーヒー豆を保存容器に移していた手を止める。
御剣も、大切な人を失ったことがあるのは、同じだ。
それが恋人だろうと、父親だろうと、師と仰いだ男であろうと。
「・・・厳しいコトを言うんだな、検事さん」
カウンターの上の花が、まぶしかった。
マスターは黙ってエスプレッソマシンのスイッチを入れ、御剣は新聞に目を落とした。
少しのあと、スチームミルクを入れたエスプレッソが御剣の前に置かれた。
「アンタは・・・、大事な女を手放すんじゃねえぜ」
冥の好きなマキアート。
「・・・いや、私は」
「コイツはオレのおごりだ」
なにか、誤解されたような気がする。
それでもマキアートは美味かった。
ブレンドコーヒーの代金を置いて店を出たところで、前から歩いてくる女性が見えた。
ノースリーブのサマーニットに細縁のメガネ。長い髪を後ろで一つに結わえている。
「あ、御剣検事・・・」
華宮霧緒がほっとした顔をした。
手に提げた紙袋から、白い花束が見えた。
「どうしたのだ?」
「成歩堂さんに、喫茶店にお花を届けるように頼まれたのですけど、見つからなくて・・・」
花は、彼女が好きだったとマスターが言った白い花。
なぜ、彼女が成歩堂の使いでやってきたのか。
御剣が眉間のシワを深くした。
「あの、私、みぬきちゃんのマジックショーをマネージメントすることになったんです。お話してなかったですけど・・・」
「みぬきの?」
霧緒は手帳に挟んだパンフレットを取り出して開いた。
ビビルバーの名前の入ったそのパンフレットに、みぬきの写真とショーの開催時間が印刷されている。
仕事が立て込んでいてしばらく会っていなかったが、霧緒も忙しいようだ。
「喫茶店ならそこだ」
御剣が通りの奥を指差した。看板もない、ごく普通の家に見える建物。
「まあ、わからないはずだわ」
御剣は霧緒が喫茶店に花を届けてくるのを通りで待った。
しばらくして店から出てきた霧緒は、御剣が待っているのに気づいて嬉しそうに駆けて来た。
並ぶと、細い腕が御剣の体に触れた。
「・・・これから、どうするのだ?」
しばらく歩いてから、御剣が言う。
「今夜はみぬきちゃんのショーがあるので、そこに。その後はみぬきちゃんを家まで送って、帰ります」
パンフレットに載っていた開演まで、もうあまり時間がないようだった。
少し大きな通りまで出て、御剣はタクシーを目で探した。
「私は、このまま家に帰る」
右手を上げると、目の前にすべるようにタクシーが止まった。
霧緒を促すように背中を押すと、彼女は笑いを含んだ目で御剣を見上げた。
「来い、とは言ってくださらないの?」
・・・・大事な女を手放すんじゃねえぜ。
マスターの声が耳の奥で響く。
御剣は霧緒の乗り込んだタクシーのドアが閉まる瞬間に、言った。
「待っている」
みぬきのショーについて楽しげに語る霧緒の声を聞きながら、御剣は今日の新聞をスクラップしていた。
興味深い事件や裁判の進展を報道する記事を切り抜いて、ジャンル別に整理する。
習慣となっているその作業も、隣で切りくずを集めたりファイルを開いてくれたりする霧緒がいるだけで、少し楽しくさえ感じた。
あの事件の後、なにかと霧緒の相談に乗っていた冥が、一時渡米する際に「よろしくね」と言った意味はたぶん、こういうことではないとわかってはいたが。
裁判にも法律にも、特別な知識をもたない霧緒が、ただ無邪気に話す、他愛ない話。
自分が入れたのではない紅茶や、自宅で作られる家庭料理。
ただ隣に座って、そこに居てくれる暖かい存在。
そのすべてが、御剣には愛しかった。
スクラップを終えてファイルを本棚に収め、穴だらけになった新聞を片付けて戻った霧緒の腕をつかむ。
しばらくぶりの二人だけの時間に、すでに霧緒が目を潤ませていた。
霧緒の体を引き寄せたところで、インターフォンが鳴った。
「誰かしら、こんな時間に・・・」
「かまわない。放っておこう」
「でも・・・」
モニターが切れる直前に電子音が聞こえて、御剣は霧緒の体に沿わせた手を止めた。
ロビーのオートロックを解除する、暗証番号を押す音に聞こえたのだ。
「どうしたの?」
「いや・・・」
霧緒が腕を御剣の首にからめてきた。
華奢な体を抱き寄せて、指を長い髪の間に差し入れた時、玄関のほうで鍵を開ける音がした。
「え・・・?」
霧緒がそれに気づいて目を見張る。
御剣は人差し指を唇に当てて、ソファから立ち上がった。
リビングから廊下へ出るのと、冥が玄関のドアを合鍵で開けるのとはほぼ同時だった。
「あ、いたの?」
御剣を見て、冥が驚いた顔をした。
「うム。どうした?」
「どうしても今夜中に借りたい資料があって・・・」
言いながら、ふと足元を見た。
「なんの資料だ?」
「・・・もういいわ」
ふいに、冥はドアを開けて飛び出して行った。
「冥!」
追いかけようとして、御剣は玄関にそろえてある霧緒のハイヒールに気づいた。
まずかったか。
追うべきか。しかし。
少し迷って、御剣はドアに鍵をかけ、リビングに引き返した。
後ろめたさが残る。
今、自分ははっきりと片方を選んだのだ。
「今の、冥さん?」
霧緒が心配そうな顔をしていた。
「ああ、たいした用ではなかったらしい」
「・・・でも」
霧緒の言いたいことがわかって、御剣は隣に腰を下ろす。
「冥にはここの合鍵を渡してある。ロビーの暗証番号も教えてある」
「・・・」
霧緒は先ほど、ロビーでインターフォンを鳴らし、鍵を開けて迎え入れてもらった。
「冥は、家族だ。冥の父親は、早くに父を亡くした私にとって師匠であり父でもあったし」
「・・・」
「その後、今度は冥が父親を失った。彼女が私を頼るなら、力になってやりたいと思っている」
「・・・」
「だが、あくまで本当の妹のように思っている。キミが心配することはない」
言葉を尽くして、霧緒を納得させようとする。
法廷ではあれほどよどみなく出てくる言葉が、このときばかりはもどかしかった。
無罪を主張する殺人犯も、嘘をつく証人も、屁理屈をこねまわす弁護人もねじ伏せる自分が、目の前で不安げに目を伏せる一人の女性を安心させることができないのか。
「・・・私が愛しているのは、キミだ。それだけでは、いけないか?」
言ってしまって耳まで真っ赤になった御剣に、つい霧緒は小さく噴出した。
「なんだ?」
幸せな気分になって、霧緒は御剣の肩に頭を乗せた。
「いいえ、なんでも」
「人の真剣な告白に、失礼ではないか」
霧緒の腰を抱きながら、御剣が不平を言った。
「私、不安だったんです。もしかして、また貴方に・・・依存、してしまうのではないかって」
一呼吸の間に、さまざまな記憶が御剣の脳裏によみがえる。
「そしたら、また貴方が・・・、貴方もいなくなってしまうのではないかって」
霧緒もまた、大切な人を失ったことがあるのだ。
自分は決していなくなったりはしない。
そう言える人間が、いるだろうか。
どうしたら、彼女の不安を取り除けるのだろう。
霧緒を抱き寄せ、髪を撫でる。
胸に顔を寄せてくる霧緒を強く抱く。
「さっき初めてお会いした・・・、あの喫茶店のマスター」
「・・・ム」
「・・・うらやましいと思いました。亡くなってからも、あんなに想われている人が」
ユリエのことを考えているのだろうか。
御剣は霧緒の顎に指をかけて上向かせ、その唇にキスをした。
「だめだ」
「・・・え」
「どれほど想われても・・・、死んではだめだ」
大事な女を、手放したくはない。
御剣は、霧緒を抱き上げて寝室へ連れて行く。
期待に頬を高潮させた霧緒をベッドに横たえると、ノースリーブを脱がせ、下着を取る。
柔らかな胸に手を伸ばし、首筋に唇を押し当てる。
霧緒のつけている香水が香る。
スカートを引き下ろすと、霧緒は御剣の背に腕を回した。
「お願いがあるの・・・」
胸の頂に口付けられて、ピクリと肩を震わせながら、霧緒はささやいた。
「約束して。守れなくてもいいから・・・」
体中を愛撫されて、息を乱す。
御剣の手が、唇が、霧緒の全身を這う。
「いなく・・・ならないで」
失いたくない。
その思いは、同じ。
もう、誰も。
大切な誰も、なくしたくはない。
霧緒が体を反らせ、一瞬それが白い花が動いたように見えた。
御剣は花を愛でるように優しく触れ、花弁にそっと指を差し入れた。
「あ・・・・」
花は、蜜をたたえていた。
中を探るように進むと、そこは熱く締め付ける。
御剣は、乞われるままに言葉を唇にのせた。
「私は、どこにもいかない・・・」
破るつもりのない、約束。
守れると言い切れる者などいない、約束。
せめて、今だけでも。
「は・・・・あん・・・」
答えを聞いて、霧緒は乱れた。
「嬉しい・・・」
大きく開かせた脚が御剣の腰にからみつく。
目の前で薄く朱に染まってゆくしなやかな肢体に、我を忘れてのめりこむ。
ベッドサイドの小さな灯りを受けて、霧緒の体が揺れる。
ふいに、白い花を抱えた冥の姿がよみがえった。
『・・・もういいわ』
声が、聞こえた気がした。
バカな。
御剣は自分でも説明のつかないそれを振り切るように、霧緒の体に自分自身を突き入れた。
「ああ・・・」
耳元で、霧緒が声を上げる。
その声だけを聞くために、御剣は目を閉じた。
自分の体で、霧緒を感じる。
どくどくと脈打つ感覚と、切なげにあえぐ声。
「・・・はぁっ・・・」
幾度も幾度も打ち込み、霧緒が折れるのではないかというほど激しく攻め立てるうちに、御剣の思考が止まる。
「あああんっ!」
霧緒がビクビクと体を痙攣させて強く抱きついてきても、御剣はさらに深く突いた。
「あ、ああ、も、もう・・・っ」
涙を浮かべた霧緒が懇願するように訴えてぐったりし、両手でその腰を抱えたまま御剣はようやく霧緒の中に精を放った。
霧緒に覆いかぶさるように倒れこむと、じっとりと汗ばんだ背に腕が回された。
「・・・好き」
私もだ。
そう言おうとして、開いた唇から、なぜか思うように言葉が出ず、御剣は黙って霧緒を抱きしめた。
・・・大事な女を手放すんじゃねえぜ。
なにか心に小さなしこりを抱えたまま、腕の中に寝息を立てる霧緒を抱く。
その熱さが、重かった。
#3へ続く。
GJ!続きまってる
霧緒さんエロ久しぶりだ〜
意外な組み合わせキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!
新鮮でいいぞテラモエだGJ!
でもこの後はミツメイなのか…
喫茶店シリーズ続編ktkr!
俺の嫁一号と二号を両天秤とは…おのれ御剣、何て羨ましい奴だ
どっちに傾くかは分からないけど続きも期待して待ってる
314 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/28(火) 22:21:01 ID:7Duiq64z
GJ!みっちゃんもてるな!ミツメイwktk
新カプktkr!
続きに期待
316 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/29(水) 00:42:53 ID:JM7rt67E
GJ!!!
素晴らしくハァハァさせてもらいますた!!
続きも期待してます
>>310 GJ!
御剣×霧緒って初めて見たけどいいな
知性派な美男美女同士でなかなかお似合いだ
でも本命は御剣×冥なのでそっちにも期待w
319 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/31(金) 04:33:39 ID:AiuoUIAL
ミツメイも良いけど誰かナルマヨ書いてほしい…。
>>310 GJJJJJJJ!!!
三角関係が切ない・・・
御剣がどっちを選んでも、三人に幸せになって欲しいorz
>>319 自分もミツメイ、ナルマヨが一番好きですよ
まあいつか投下されるのをwktkしながら待ちましょう
ナルマヨはいいよなあ
マヨイちゃんとナルホドくんは7年後も付き合いがあることが判明されたし
間宮由美子のことか
特にカプにこだわりはないけど、ナルマヨはなんか読んでてなごむのが多いな
昔のやつだけど、真宵が成歩堂に初体験がいつなのか聞く話とか好きだった
原作者がなるほどの病室のDVDはマヨイちゃんからの贈り物と言ってるので間違いない
>>324 あれすごいいいよな。
エロ以外の部分もナルマヨらしい。
あんまそういう話題は自重な
ナルマヨ好きだけどエロが想像しにくいのが難点
自分はせいぜいほっぺたにチュウレベルが限界だ
ミツメイやカミチヒのギシアンは超余裕で想像出来るんだが
『4』設定(成歩堂32、真宵26)だったら書けそうなんだが。
>>329 私はミツメイの方が想像できないなあ…
マヨイちゃんのは、相手が誰でも割と簡単にできる
初めてのときは、痛いよ…とか言いながら頑張って受け入れてくれそうだし、
慣れてきたらエッチをすごく楽しみそう
昔、とあるスレで「冥は大人だからいいけど、真宵のエロは年齢的に考えて有り得ない」
「真宵と冥は同い年なんだが…この場合どっちに対して失礼になるんだろ?」
みたいなやりとりがあって爆笑したのを思い出したw
まあ確かに、実年齢に比べて真宵は幼いし冥は色っぽい印象だな。
それはw笑えるw
笑った俺はどっちに対して失礼なんだろうw
冥は大人っぽいけど子供みたいに凝り固まった考え方とも取れるし、
プライドが高いからエロ(恋愛)は難航するイメージがあるな。
真宵は結構柔軟な目線でいろいろ発言するし、性格も奔放な感じだから
恋愛にも積極的でエロも楽しみそうに見える。
>>334 その高いプライドと子供じみた潔癖さを踏み躙って
屈服させ調教することこそが冥のエロの醍醐味!!!
とまでは言わないが「イヤよイヤよも好きのうち」が
デフォルトなのは確かな気もする。
真宵たんはSっけもMっけも垣間見えるからどちらでもエロ書きやすい気がする。
今から1時間以内に発言がなければマヨイは俺の嫁
どうかしたかな?
むむ、誰か私を呼んだかね?
じゃあ今から一時間以内に発言がなかったら冥は俺の嫁
発言があったら罰としてナルマヨミツメイ投下…か?
ミツメイワクテカ
は、しまった!!
>>340 それではナルマヨミツメイをお願いしようか
9月か・・・・
以下、エロ極薄です。
『喫茶店の人々』#3
事務官にアポなしの来客を告げられて、狩魔 冥は来客の素性を尋ねる。
上級検事室に不似合いな、サンダル履きで現れた成歩堂龍一は、脇に抱えていた書類封筒を冥に差し出した。
「はい、これ」
デスク越しに受け取って、中を確認する。
「先週までに提出してもらうはずだったけれど」
「うん、ごめん。でもね」
デスクに肘を突いて、前に立つ成歩堂を見上げた。
「言い訳は聞かない。次に不手際があったらもう“キサマ”は使わないわよ」
パーカーのポケットに手を入れて、成歩堂は肩をすくめる。
「キサマ、か。ひさしぶりに呼ばれたねぇ」
冥は手早く書類をめくって、内容に目を走らせた。
「でしょ?そういえば、倉院には行って来たの?」
「うん。先月ね」
勝手にソファに腰を下ろして、成歩堂はぼんやりと窓の外を見た。
「真宵ちゃんも春美ちゃんも元気だったよ。向こうは山だから、もうこっちよりずっと涼しくってね。そのうちみんなで遊びに来ればいいって言ってた」
「そう」
「まったく、君も人使いが荒いよ。みぬきはぼくが無職でも、文句なんか言わないけどな」
「・・・バカバカしい父親ね」
音を立てて書類をデスクに放り出す。
成歩堂はまったくお構いなしに目尻をさげた。
「最近、霧緒さんにみぬきのマネージメントをお願いしたら、とてもいいみたいだよ」
成歩堂の言葉に、冥はイラっとした。
もう半月も前になる。
自宅で資料を探していて、御剣の部屋にあった判例が見たくなった。
先に電話すると、御剣は家にいなくても戻って用意してくれるだろうから、直接行ったほうが早いと思ったのが間違いだった。
インターフォンを鳴らしてみると、やはり出てこない。
もらっている合鍵でドアを開けると、玄関に見覚えのある靴があった。
いつだったか、華宮霧緒が履いていたハイヒール。
冥はそのまま引き返した。
御剣は、追ってこなかった。
「まったく、なにがみぬきみぬきよ。体よく押し付けられただけの子育てのクセに」
言ってから、しまったと思ったが、飛び出した言葉はもう戻せない。
冥は唇を噛んでうつむいた。
成歩堂がソファから立ち上がり、デスクに近づいてくる気配がした。
・・・ぶたれる。
そう思って、ぎゅっと目を閉じた。
ふわりと、肩に暖かい重みを感じて、冥が顔を上げる。
「どうしたの、冥?」
成歩堂が、自分を覗き込んでいる。
泣き出してしまいそうだった。
「あ、成歩堂さん」
客に不親切なことこの上ない店構えの喫茶店。
ドアを開けると、王泥喜がカウンターでコーヒーを飲んでいた。
「よう」
相変わらず、マスターがそっけなく迎えてくれた。
「最近どう、王泥喜くん。早い時間にこんなトコにいるなんて、仕事ないの?」
隣に座って、成歩堂が聞く。
事務所の所長とも思えない、無責任さである。
「はあ、ちょっとずつは。なかなかうまくいかないですけど」
「ふうん」
「なんか、相手が悪いっていうか。なんでオレの裁判って、毎回狩魔検事とか御剣検事とか、無敗だの天才だのって人ばっかり出てくるのかなぁ」
マスターが挽いたコーヒー豆にお湯を注ぐと、豆がふっくらと膨らんで、いい香りが広がる。
「あっはっは、あんまり負けつづけると、茜ちゃんに愛想つかされるかもね」
王泥喜が飲みかけていたコーヒーを噴出した。
「あ、なんか昔、法廷でそういうことしてた人を知ってる気がするなあ」
慌てふためく王泥喜をまったく気にせず、成歩堂はそう言ってカウンター越しにマスターからカップを受け取った。
王泥喜が店を出て行くと、マスターは自分のコーヒーをカップに注いだ。
「久しぶりだな。アンタがここへ来るのは」
「・・・そうですか?」
「なにかあったかい」
成歩堂が、笑った。
「なんだか、弁護士を辞めてからのほうが、いろんなことが見えてきたような気がするんですよね」
「ここにいれば、それだけで見えてくることもあるぜ」
「・・・現役って、大変だからなあ」
まったく人事のように言い、成歩堂はカップを置いた。
「で、その大変な現役の人なんですけど」
マスターが、壁の時計を見た。
法廷の終わった検事や弁護士たちが集い始めるのには、もう少し時間がありそうだった。
「なんだい」
成歩堂はカウンターに両肘をついて身を乗り出す。
「最近、冥は来ます?」
「ご令嬢?来るが、どうした?」
成歩堂はカウンターにおいてある白い陶器の器から、スティックシュガーを一本抜き取った。
「いや、どうしたのかなと思うことがあって」
スティックシュガーの端を引きちぎる。
「なに、御剣とケンカでもしたんじゃねえのか?イヌも食わないってやつだろうさ」
「ええ!?」
成歩堂がスティックシュガーを持った手を振り、カウンターは砂糖まみれになった。
「おい、師弟そろって店を汚すんじゃねえ」
「いやいや、今の、なんですか」
成歩堂には、マスターがマスクの奥で目をきょとんとさせているのが見えた気がした。
「御剣と冥って、そういうことではないでしょう?」
わずかな沈黙。
「・・・そうか。俺は、ご令嬢は御剣に惚れていると思ったんだが」
成歩堂が、スティックシュガーをわしづかみにした。
「だが、御剣の方は・・・違うのかもしれねえな」」
「・・・ものすごく、証拠不十分じゃないですか」
「クッ、ブランクが長いからな」
マスターがコーヒーカップを傾けて、ゴクゴクと飲み干す。
「それに・・・、証拠があるんですよ」
「じゃあ、提出してみな」
自称ピアニストはニット帽の中に手を入れて、髪をかきむしる。
「くらえ!・・・っていうのは冗談にして。・・・御剣のつきあっている女性を知っています」
「・・・」
「・・・」
新しく開けられたスティックシュガーが、コーヒーに落ちるサラサラという音だけが聞こえる。
「だいたい、冥は御剣の話なんかしてないですからね、一回だって!」
「・・・おい。なんでオマエさんがそんなにムキになるんだ?」
いきなりマスターが声を落とし、成歩堂はごまかすようにスティックシュガーの封を切る。
「いやいや、僕は別に」
「・・・まあ、ジャマすると馬に蹴られる、とも言うからな。がんばりな」
「ち、ちがいますよ」
砂糖を入れたコーヒーをむやみにかき回しながら、成歩堂が鼻にシワを寄せて反論したが、マスターはクッと笑った。
「結局、見えてないことはあるってことだ。俺も、オマエさんもな」
そこでいきなり店のドアが開いて、店主と客は飛び上がった。
「こんにちは、マスター!あ、パパ!」
学校の制服を着たみぬきが飛び込んできて、テーブルにカバンを投げ出す。
「今日、宿題いっぱい出ちゃったんだよ。ビビルバーでショーがあるのになぁ。霧緒さんは、宿題が終わるまでは絶対にステージに上がっちゃいけないって言うし」
カバンから、バサバサと教科書を取り出す。
「そ、そう・・・」
霧緒の名を聞いて、成歩堂はなぜか少し後ろめたく感じた。
「あ、でも今日の英語の小テスト、すっごくよくできたと思うんだけど。こないだ茜さんに教えてもらったからかな。やっぱり違うよね、キコクシジョ、っていうの?」
成歩堂が新しいスティックシュガーを取った。
「そ、そう・・・」
サラサラサラ。
「牙琉さんもキコクシジョだから教えてくれるって言ったんだけど。でもなんでかなー、みぬきが茜さんに教わってる間、ずっとオドロキさんがうろうろしてて・・・、パパ?」
サラサラサラ。
「そ、そう・・・、いや、なに?」
「お砂糖、入れすぎじゃない?」
マスターがまたクッと笑った。
「俺の淹れたコーヒーだ。飲んでもらうぜ」
霧緒とこの店で落ち合うことになっている、というみぬきを残して、成歩堂は暗くなり始めた外へ出た。
茜や牙琉響也もやって来て、店がにぎやかになってきたせいもある。
『・・・ご令嬢は御剣に惚れていると思ったんだが』
だが、成歩堂は御剣と霧緒の関係を知っている。
つまり、冥は報われないのだ。
「マスターの見解だけじゃ、物的証拠はないな。すべては状況証拠か」
ペタペタとサンダルの音をさせながら、成歩堂はつぶやいた。
「・・・苦手なんだよな。状況証拠」
『まったく、なにがみぬきみぬきよ・・・』
そう言った時の冥の顔を思い出す。
あれは、成歩堂が霧緒の名前を出した後だ。
あの時の、今にも泣き出しそうな顔。
やっぱり、放っておけないな。
成歩堂は来た道を戻り始めた。
検事局まで戻ってきたはいいけれど、どうやって冥に取り次いでもらおうかと考えていると、地下駐車場から見覚えのある車が滑り出してきた。
車が成歩堂の横で止まり、運転席の窓が開いた。
「忘れ物なの?」
成歩堂が、笑った。
右側のドアを開けて助手席のシートに体を沈める。
「左ハンドルの車だとさ、助手席に座っても運転してるような気分になるね」
両手を上げて、ありもしないハンドルを握るマネをする。
「いいかげん、運転免許くらい取りなさい」
「うん、でもあと3〜4年もしたらみぬきが取ると思うんだ」
「・・・あきれた」
「怒らないの?」
冥が首を回して成歩堂を見た。
「私だって意味もなくいつも怒ってるわけではないわ」
「みぬきの話をしたからさ」
「意味がわからないんだけど」
ハザードをつけたままの車の中で、冥は肩をすくめた。
「ふうん。じゃあ、昼間はみぬきの話をしたから怒ったんじゃないんだね」
「・・・バカバカしい。あなたがみぬきの話をするのが珍しいとでも言うつもり?」
「と、すると」
今度は、片手に持った見えない書類を手で叩くマネをする。
「あの時、僕はこう言った。『最近、霧緒さんにみぬきのマネージメントをお願いしたら、とてもいいみたいだよ』」
「よく覚えてるわね」
「そうしたら、君が言ったんだ。『まったく、なにがみぬきみぬきよ』って」
「・・・」
「でも、今の話だと君はみぬきの話に腹が立つわけではないようだ。これはムジュンする」
「・・・弁護士にでもなったつもり?」
「つまり、君が怒ったのは、この部分だ。『霧緒さん』」
「・・・」
「異議は?」
検事局から何人かの人が出てきて、人が乗ったままの路上駐車に不審そうな目を向けてくる。
冥は車を出した。
御剣以外で、冥が部屋に入れた男性は成歩堂が初めてだった。
「で、話ってなによ」
気ぜわしく聞いた。
成歩堂の事務所には王泥喜がいるし、どこか食事のできる店に行こうかと思ったが、成歩堂が君の家がいいと言ったのだ。
拒否することもできたのに、冥は黙って自宅へ車を向けた。
成歩堂は勝手にキッチンへ入ると、冷蔵庫を開ける。
「なにやってるのよ!」
「いやあ、見事に水しか入ってないね」
「わ、私が料理でもすると思ってるの?」
「思わないけど。キッチンがすごくキレイだもんね」
冥がムッとしたような顔をして、バッグを放り投げるとリビングのソファにどさりと座った。
「おっと、ポテトチップスだ。これ食べてもいい?」
「やっぱりお腹すいてるんじゃないの。だから・・・」
コンビニの袋に入ったままのビッグサイズのポテトチップスを見つけられた照れもあったが、だから食事に、と言えばまるで誘っているかのように聞こえる。
冥は言葉の途中で黙り、成歩堂が菓子袋とペットボトルの水を持って戻ってくる。
成歩堂は、冥の隣に腰を下ろして袋をバリバリと開け、冥は座りなおして距離をとった。
「真宵ちゃんが、千尋さんとお母さんのお墓を移したいらしいんだ」
冥が移動したことに構わず、ポテトチップスを音を立てて食べる。
「・・・・お墓?」
「うん。ほら、この間の命日。ぼくは君からの仕事で行けなかったろ?それで後から倉院のほうに行ったんだけど、その時にね」
そんな話をしたかったのか?
冥は手を伸ばしてポテトチップスをつまんだ。
「こっちにお墓を作ったのは、倉院の里のほうでもいろいろ分家の反対があったかららしいんだ。二人とも一度は里を出たわけだし。でもほら、今は真宵ちゃんが家元だからね。綾里家のお墓に移すことにしたんだって」
「それで?」
「ま、その時には僕も倉院に行こうと思うんだ」
「それで?」
パリっと音を立てて、組んだ冥の脚にポテトチップスの破片が落ちる。
「・・・まあ、そういう話」
「あいっかわらず、バカは仕事を変えてもバカなままね、成歩堂龍一!」
バッグの中に入っている鞭に手が届かず、冥はテーブルの上のペットボトルを投げつける。
「危ないなあ。当たったら痛いじゃないか」
投げつけられた水を受け止めて、成歩堂はキャップを開けて飲んだ。
「あんまり乱暴だと、嫁のもらい手がないよ」
「・・・ッ!」
「おっと、かんべんしてよ」
投げつけるもののなくなった冥が振り上げた手を、つかむ。
「まあ、御剣ならそれでもいいと言うかな」
「・・・バカがバカらしくバカなことを言ってないで、手を離しなさいっ」
「それは、異議?」
手を振りほどいて、冥は成歩堂をにらみつける。
「異議よ!だいたい、怜侍がそんなこと言うわけがない」
「それは、君の推理でしかない。証拠品の提出を求める」
「弁護士みたいな言い方をしない!」
たたみ掛けられて、成歩堂はポテトチップスの袋に手を伸ばした。
「あ、大きいの、見つけた」
パリッ。
冥は肩透かしをくって黙った。
「まったく、なにを考えているのかさっぱりわからないわ、あなたも」
「僕も・・・、御剣も?」
「だから、なんでそこに怜侍がっ」
「知ってるんだろ?御剣と霧緒さんのこと」
成歩堂は、冥の左手をとった。
白い手首に巻きついている、細いプラチナのブレスレットが軽い音をたてた。
「それで、妬いてる?」
冥は、手を振り払わなかった。
「私が?バカバカしい」
「そうかな」
「怜侍は、私のことなんか子供だと思ってるわよ。昔からずっと」
成歩堂は冥の指を口に含んだ。
ポテトチップスをつまんだ塩味がした。
「なにしてるのよ」
「・・・うん」
「離しなさい」
ゆっくりと冥の細い指に舌を這わせる。
一本ずつ、丁寧に。
「・・・っ」
ぞくりとする感覚に、冥が強く手を引いた。
引かれて体を乗り出した成歩堂が、そのまま冥の顎に手をかけて唇を重ねた。
成歩堂の舌が唇を割り、冥が力をこめて成歩堂の胸を押し返した。
「そんなつもりはないんだけど」
「・・・うん」
「バカじゃないの?」
「・・・うーん。好きな女の子の部屋に来た男としては、普通の反応じゃないかな」
振り上げた冥の手を、顔の横で受け止める。
「鞭がないと弱いね、冥」
「やめなさい、成歩堂龍一っ」
つかんだ冥の手を自分の頬に押し付けて、成歩堂はため息をつく。
「やめるよ。嫌われたくないからね」
「・・・・・」
ふいに、冥の目に涙が盛り上がった。
「冥?」
握ったままの手を引き寄せた。
抵抗なく成歩堂に抱きとめられた冥は、そのまま肩を震わせた。
声も立てずに泣く冥の背中を、優しく撫でる。
ずっと耐えてきたものに耐え切れなくなったかのように、冥はただ切ない想いを涙にする。
「御剣が、好きだったんだろ?」
ずっと。長いこと、ずっと。
冥は否定しなかった。
「言わなかったの?」
下唇をかみ締めてうつむいた冥の髪にそっと触れ、成歩堂はそこに唇を寄せた。
「・・・言えば、怜侍は困るわ」
ようやく、冥は言う。
『ご令嬢は、御剣に惚れていると・・・』
あのマスター、やっぱり見えていたんだな。
冥の髪から、甘い香りがする。
「嫌われたくないもの・・・」
言うと、頭に成歩堂のため息が吹きかかった。
御剣に嫌われたくない、冥。
冥に嫌われたくない、成歩堂。
すれ違う想いが、そこにあった。
成歩堂が指を冥の顎にかけると、冥はその手をそっと払った。
体を起こして、片手で頬に流れた涙をぬぐう。
「嘘よ。全部、嘘。忘れなさい」
「冥」
「嘘だって言ったでしょう。今の話は全部、嘘」
ぷい、と顔をそらせた冥を成歩堂が見つめる。
「・・・なに」
その視線に、冥がいらだったように聞く。
「ふうん。嘘なんだ」
「・・・」
「じゃあ、僕も嘘だ」
冥の肩を押すようにして、ソファに倒した。
「な・・・」
「やめるって言ったけど、嘘」
抵抗する冥の手首をつかむと、その手のひらに口付ける。
手のひらに舌を這わせ、指を順番に舐めつくす。
「やめ・・・」
冥の指を含んだまま、成歩堂は彼女の目を見つめる。
手首からひじまでゆっくり舐められて、冥はまたあのぞくりとする感覚に体を震わせた。
成歩堂の舌の感触が、ただ一本の腕から伝わる。
経験したことのない、もどかしいような痺れ。
成歩堂の視線が、痛い。
「やめなさい・・・」
「どうして?」
成歩堂が冥のスカートの上から体に触れた。
男の本気を感じて、冥が逃れようと体をよじった。
より強い力で、押さえつけられる。
「いや・・・!」
はっきりとした、拒絶。
成歩堂が手を離すと、冥はソファの端まで逃げた。
両腕で自分を抱くようにして、足を胸にひきよせるように丸くなる、防備の姿勢。
「・・・ごめん。もうしない」
「・・・」
「嘘じゃないよ。冥に嫌われたくないからね」
「・・・バカっ」
成歩堂は冥から離れて、ソファの反対側に寄る。
「あーあ。あいつには、かなわないのかな」
片手で、口元を撫でた。
「だいじょうぶだよ。あいつは、冥を嫌いになんかならない。絶対」
「なぜそんなことがわかるのよ」
成歩堂の手の中に、冥の感触が残っている。
「ごめん。帰るよ」
立ち上がった成歩堂を、冥が見上げた。
「帰るけど、・・・もう一回だけキスしていい?」
「いいわけないじゃない!」
「・・・そうだよね」
くす、と笑う。
「嫌いになんか、ならないよ。御剣も、・・・ぼくも」
冥は、見送らなかった。
ただ、ドアを開けて出て行く音を聞いただけで。
冥は、成歩堂の跡が残る腕を、そっと撫でてみた。
嘘よ。全部、嘘。・・・好きだなんて、嘘。
声にならないつぶやきが、吐息となって唇からこぼれる。
成歩堂が口付けた唇。それをなぞる指は、成歩堂が口に含んだ指。
ぎりっ、と指先を噛む。
痛みで、あの感覚を打ち消してしまいたかった。
成歩堂の胸の温かさに、すがってしまいそうになったあの気持ちと一緒に。
冥はゆっくりとソファの上で膝を抱えて丸くなる。
御剣でなければ、だめなのだ。
成歩堂は、マンションの下で冥の部屋の明かりを見上げる。
いつか彼女は、御剣をあきらめられるのだろうか。
それとも、御剣が彼女を振り返る日が来るのだろうか。
抱きとめた彼女の体と口づけた指や唇が震えていたのを思って、成歩堂は胸が痛かった。
346=成歩堂×冥 1 です。
GJ!続きが気になる!!
GJ!!!
泥沼多角関係の予感にwktk
響也×春美、途中までですが投下します。
エロ要素まだないです、すみません。
響也と春美が好きすぎてやってしまいました。
変な組み合わせですが…よければ読んでやって下さい↓
とある公園で起きた殺人事件。
事件はニュース報道でも大きく取り上げられ、現場付近には報道陣と野次馬がつめかけている。
そんな血なまぐさい殺人現場に全く似つかわしくない黄色い声が、一人の男に絶え間なく浴びせられていた。
ーーその男の名前は、牙琉響也。
ガリューウエーブのリーダーと敏腕検事の二足のわらじを履く彼は、どこにいても目立つ存在であった。
颯爽と事件現場にバイクで現れ、テキパキと現場検証をこなし、帰り際には詰めかけたファンへのサービスも怠らない。
そのスタイリッシュな彼の姿に魅了される女性は、日々増え続ける一方である。
この日も響也は現場検証とファン対応をこなすと、足早にバイクの元へ向かう。
再度ファンに捕まるのを避けるため、手際よくジャケットのポケットからバイクのキーを取り出す。
「すみません」
響也がバイクにキーを差し込もうとしたとき、背後から一人の女の子に声をかけられた。
しまった、と心の中で舌打ちをする。
一人のファンに構ってしまうと、その間に次々とファンは集ってくる。
一瞬、気づかないフリをしてしまおうかと脳裏をよぎるが、ファンを蔑ろにできない響也は咄嗟にファン向けの笑顔を作った。
「ごめんね、サインはまた明日でもー…」
そう言いながら振り向いた目の前に立っていた女の子の姿を見て、響也は少し驚く。
その女の子は響也を取り囲む今時の若い女子高生といった感じとは違う、どちらかといえば古風な姿であったからだ。
年齢は15、6くらいであろうか。
見慣れぬ学校の制服を着て、大きなバッグを小柄な体で精一杯抱え込んでいる。
色素の薄い髪を頭の上でくるりとまとめ、大きな瞳はぱちくりと響也を不思議そうに見ていた。
美人というよりは愛くるしい感じだが、よく見る取り巻きの女子高生とは雰囲気が違う女の子だった。
どこかで見た顔のような気もするが、思い出せない。
「あのー…、道をお尋ねしたいのですが」
響也に凝視された女の子は、少しオドオドした様子で言う。
てっきり自分のファンだと思った響也は、その言葉にきょとんとしてしまう。
有名人である自分に、まさか道を尋ねてくる人がいるなんて最近ではない光景だったからである。
自分も随分と天狗になったものだな、と小さく苦笑する。
「ああ、ごめんね。で、どこに行きたいのかな?お嬢ちゃん」
「成歩堂法律事務所なんですけど、確かこの辺りでしたよね?」
「!」
予想だにしなかった返事だ。
「成歩堂」といえば7年前、自分の手で弁護士バッジを奪った男の名前である。
まさかその名前を、こんな若い女の子の口から聞くことになるなんて予想できるはずもない。
だが、弁護士としての成歩堂龍一はもう存在しない。
法律事務所も、とうの昔に『成歩堂芸能事務所』へと成り代わってしまった。
「成歩堂法律事務所は、もう存在しないよ」
「えっ…えええーーっ!?」
その事実がよほど衝撃だったのか、女の子は抱えていた荷物を地面に落とした。
落としたバッグを全く気にも留めず、ひたすらオロオロしている。
そのリアクションからして、どうやら成歩堂法律事務所に何か重要な用事でもあったのだろう。
女の子が落としたバッグを拾い上げ、パンパンと土を払って手渡す。
「ありがとうございます」
女の子は響也からバッグを受け取ると、両手でギュッと抱え込んだ。
「もう7年も前のことになるんだけどね、知らなかったのかな」
「知りませんでした……。わたくし…ずっと里にこもっていたものですから…」
「里?」
「はい、里で霊媒の修行を。でも真宵さま、成歩堂くんが事務所を閉めたなんて一言も……」
がっくりと肩を落としながら、女の子は小さく呟く。
その言葉を響也は聞き逃さなかった。
彼女が口にした「霊媒」、「真宵」、そして「成歩堂」という単語。
それらのキーワードは昔よく耳にした。
過去に起こった霊媒をトリックとした奇異な事件は、法曹界に身を置くものなら誰もが知っている。
何やら訳アリという感じだが、響也自身には関係のないことだ。
とはいえ、成歩堂龍一から弁護士バッジを奪取した張本人として多少の罪悪感は感じる。
と同時に、女の子の異様なまでの落ち込みようはどうも引っ掛かるものがある。
「厳密に言うとね、成歩堂【弁護士】はもういないんだ。事務所の形跡は残ってるらしいけどね、今や芸能事務所さ」
「芸能事務所!?」
「まぁ話すと長くなるけど、今ではおデコく……いや、新米弁護士と成歩堂龍一の娘が跡を継いでる」
「なっ、な、な、な、成歩堂くんの娘さまっ!?!?」
女の子は全く訳が分からないといった様子で混乱している。
無理もない。その背景には、一言では到底説明できない複雑な理由が渦巻いているのだ。
「というわけで、成歩堂法律事務所は厳密に言うと存在しない。跡地でよければ教えられるけど」
どうする?と、響也はクルクルとバイクのキーを指に引っ掛けて回しながら尋ねる。
「…………」
少しの沈黙のあと、何かを決意したように女の子は俯いていた顔をあげて響也の目をじっと見つめる。
「もしご存知でしたらー…何があったのか教えて頂けないでしょうか?」
その目は真剣だった。
「ぼくに聞くより、直接本人に聞くのが早いんじゃないかい?」
「そ、そうなのですが…そうにもいかなくなりまして…あの…」
「何か聞けない理由があるのかな?」
「…………はい」
気まずそうに頷く姿を見て、響也はやれやれと首を振る。
面倒ごとは御免だが、多少の罪悪感と彼自身の性格の優しさが手伝ってNOとは言えなかった。
腕の時計を見ると、時刻は昼過ぎ。
検事局へ戻るには、まだ時間に余裕がある。
響也はメットインからスペアのメットを取り出すと、女の子へ投げてよこした。
「ここじゃあ色々とマズいから、場所を変えよう。バッグはショルダーで体にかけて、後ろに乗って」
そう言ってバイクの後部座席へと促す。
とその時、遠くから再び黄色い声が上がる。
「キャーーー、響也ァァァァー!!!」
「ガリュー、握手してぇー!!!」
熱烈な追っかけファンたちが、響也めがけて一目散に走ってくる。
「おっと、見つかったか。お嬢ちゃん、早く乗って!」
女の子は急な展開に戸惑うが、「いいから、早くッ!」と急かす響也に言われるままバイクへ股がる。
「オーケイ、しっかり捕まってて!」
エンジンを吹かし、響也は勢いよくバイクを走らせたーーー。
【つづく】
めちゃくちゃ長くなりそうなので、いったん切ります。
また近々投下させていただきます。
響也×春美、パラレルすぎて申し訳ない‥
>>363 4での旧キャラがどうなってるのかとか気になるんで楽しみ
続きに期待
>>363 響也それは犯罪だ!!って一瞬思ったが、
4の時のはみちゃんはみぬきより年上なんだよね。
蘇るのときの茜と成歩堂みたいな感じと予想。
年齢もちょうど同じだしね
とにかく続きに期待!!
連投で申し訳ないです、響也×春美の続き投下させて頂きます。
長過ぎて、また今回も途中までです…エロもまだありません。
>>364、
>>365 期待して下さって有り難うございます、添えられるように頑張ります!!
辿り着いた先は、響也の住む高級マンションのラウンジだった。
ここならば誰に邪魔されることもなく、落ち着いて話ができる絶好の場所である。
広々としたラウンジに設けられたソファに腰掛けた女の子は、キョロキョロと辺りを物珍しげに見渡している。
「紅茶でよかった?」
「はい、ありがとうございますっ」
響也は自販機で購入してきた紅茶を女の子に手渡し、次に自分用の缶コーヒーのプルタブを開けた。
「凄いですね、こんな素敵な場所に住んでらっしゃるなんて!」
「こういう場所は初めてかい?」
「はいっ!ソファもふかふかですっ」
よほど気に入ったのか、女の子は嬉しそうにソファの感触を何度も確かめている。
「そういえばお嬢ちゃんの名前をまだ聞いていなかったね」
「わたくし、もうすぐ18ですっ。お嬢ちゃんではありませんっ!」
ぷぅ、と小さく頬を膨らませて怒る様子が微笑ましい。
その可愛らしい主張に思わず響也は小さく笑ってしまうが、レディーは尊重するというのが彼のモットーだ。
「それは失礼、訂正するよ。ぼくは牙琉響也、キミの名前を教えてくれないかな?」
「わたくし、綾里春美と申します」
「綾里…。やっぱり、あの倉院の里の子だったんだね」
「えっ、倉院の里をご存知なんですか!?」
目を大きく見開いて驚く春美。
かれこれ9年前に倉院の里で起きた「外科医師殺人事件」は有名である。
その事件からわずか2年で起きた「童話作家殺人事件」と合わせて、綾里の一族の血は呪われていると
検事局内では今でも語り継がれている話だ。
「そういえば牙琉さんは、何をされてる方なのでしょう?多くの女性から追いかけられておりましたが…」
春美の純粋な質問に思わずガクッとなる。
まさかこの世代で、自分を知らない子がいるなんて思いもしなかった。
「ガリューウエーブって聞いたことないかい?」
「がりゅう…うえいぶ……? それは何かの機械の名前とかでしょうか?」
その答えに再度ガクッとする。
もしかしたら名前だけでもと思ったが、その淡い期待は響也のプライドと共に一瞬で砕かれた。
「いや、知らないならいいんだ…」
「すみません、わたくし横文字は苦手なものでして…」
春美は申し訳なさそうに肩をすぼめる。
ミリオンヒット連発の天下のガリューウエーブも、春美の前では単なる横文字にしか過ぎない。
なんだか調子狂うな…、と響也は苦笑する。
「ぼくは一端の検事さ。同時に音楽業もやっている、と言えば分かってくれるかな?」
見た目が派手なせいか、響也が初対面で検事だと思われることはまずない。
その理由からか、懐から身分証明書を取り出して相手に見せるのがいつしか癖となっていた。
「まぁっ、検事さんだったのですね」
差し出された身分証明書をまじまじと見つめながら、春美は感心したように言う。
「そう、だから成歩堂龍一のことは幾らか知ってる。綾里のことも多少は、ね」
「では成歩堂くんに何があったのか教え…」
「その前に」
響也が春美の言葉を遮る。
「1つ、キミに確認したいことがあるんだけど」
「なんでしょう?」
「キミさ、もしかして…家出少女かい?」
「!!!!」
ビックリした様子で春美は大きく開いた口を手で覆う。
図星ですと言わんばかりの、なんとも分かりやすいリアクションだ。
「…はい、わたくし悪い子です。勝手に里を飛び出てきてしまいました」
今度はしょぼんと項垂れる。
コロコロと変わる春美の表情を面白そうに眺めながら、響也は「やっぱりね」と笑った。
「なぜお分かりになったのです?」
「世間の学生は夏休みに突入したばかり。慣れない土地で大きなバッグを抱えてウロウロする女の子。
行く当てだった場所が、自分の知らぬうちになくなってることを知って狼狽する…。
こんなカードばかり並べられたら、安易に「家出少女」という役が出来てしまうよ」
まるで法廷で被告人を追いつめるかのような調子だ。
「やはり検事さんにはバレてしまうのですね……」
「何か事情があるんだろうけど、仕事柄、家出少女を放っておくワケにもいかなくてね。
尋問のようで悪いけど、どういう経緯で家を飛び出てきたのか聞かせてくれるかい?」
甘いマスクと優しい口調で少しずつ相手ににじり寄っていく手法は、響也の天性の才能だろう。
じりじりと追いつめられた春美は、事情を白状するほかはなかった。
春美の家出事情は、響也が思っていたよりもずっと複雑なものだった。
原因はどうやら、綾里家の血筋問題らしい。
発端は7年前に起こった、倉院流の血縁をめぐる事件。
事件が解決した後、本家の血を継ぐ綾里真宵が倉院流師範代を無事に襲名したという。
すべては終わったかのように思えたが、血の争いというのはそう簡単には円満解決しないもの。
真宵を心から慕う春美は、補佐役として真宵の役に立てるように修行に明け暮れる日々だった。
だが、春美の実母であるキミ子の意思を継ぐ分家のものたちはまだ多い。
分家の血筋でありながらも、真宵よりも高い霊力を持つ春美を倉院流の師範代に就かせたいという願いはもはや執念だ。
「いつか春美さまが師範代になる日が来ますわ」
「真宵さまよりも、春美さまのほうが師範代に相応しい能力を持っていらっしゃるのだから」
まるで洗脳のように言われ続ける言葉と、春美の純粋な気持ちなどお構いなしの修行三昧の日々。
それでも真宵の力になれるなら、と修行に励む春美に転機を与えたのは、他ならない真宵本人であるーーー。
それは偶然の出来事であった。
本家の家に住む真宵を尋ねてきた春美は、真宵の部屋から漏れる会話を思い掛けず立ち聞きしてしまったのだ。
ハッキリと聞こえた、真宵の言葉。
「………だから私、はみちゃんを自分の側に近寄らせたくないの…」
春美は一瞬で頭の中が真っ白になった。
いつも優しく接してくれる、大好きな真宵。
実母のキミ子が手をかけようとしたことに負い目を感じた春美を、笑顔で許してくれた。
だけど本当は自分のことを疎ましく思っていたなんて気づかずもせずに、のうのうと過ごしていたなんて…
自分の能天気さが嫌になる。
気づけば春美は手当り次第に荷物をバッグに詰め込み、逃げるように里を飛び出していた。
滅多に里を出たことがない春美の行くアテは、ただ1つだけーーー。
「で、成歩堂法律事務所を尋ねてきて、今に至るというわけかい」
「…はい」
「勢いだけで飛び出してくるなんて、とんだおてんば娘だねえ」
響也からすれば「家族の揉め事が原因のよくある家出」に分類されるのだが、春美にとっては青天の霹靂である。
「わたくし、真宵さまにとって邪魔な存在なのですね…。
それどころか成歩堂くんが弁護士を辞めていたなんて、更にショックです…」
「…………」
響也の胸がズキリと痛む。
「検事さん、成歩堂くんに一体なにがあったのですかっ?」
響也はソファに深く座りなおすと、ふぅ…、と軽く一息ついた。
真実はこの少女を更に傷つけることになるかもしれない。
だが例えそうなったとしても、真実は曲げられないのだ。
「…法廷でね、彼は捏造した証拠品を提出したんだ。それが原因で弁護士を辞めた」
「えっ……」
「そして彼から弁護士バッジを剥奪したのが、ぼくさ」
「!!!」
衝撃の事実を受け入れることが出来ず、春美は俯き、黙り込んでしまう。
まるで時が止まったかのような、長い沈黙のあと。
華奢な手を力一杯に握りしめながら、春美は声を振り絞る。
「…成歩堂くんが証拠品を捏造だなんて、そんなの嘘ですっ!」
「信じる、信じないはキミの自由さ。でもキミは知りたがった、だからぼくは真実を伝えた」
「で、でもっ!!」
「真実を追求するということは、同時に真実を受け入れる覚悟をするということだよ」
響也にピシャリと指摘され、春美はしゅんとなる。
「…そうですね、申し訳ありません。わたくし、動揺してしまいました」
響也は必要以上のことを春美に語ろうとはしなかった。
「真実は自分の力で追求するからこそ意味がある」というのが信念にあるからだ。
「真実の先には、更なる真実が隠れているものさ。
納得がいくまで追究することをオススメするよ…自分自身の目と、耳でね」
どこか含みのある言い方だった。
春美はこくんと頷くと、「有り難うございました」と丁寧にお辞儀をする。
「それじゃあ、次にキミの家出についてだけど」
話はこれで全て終わったと思っていた矢先に、春美は不意をつかれた。
えっ、と驚く様子の春美などお構いなしに、響也は喋り続ける。
「言っただろ?仕事柄、家出少女を放っておくワケにはいかないって」
「み、見逃してください…」
「ダメだよ」
「うううっ…」
表向きは爽やかな笑顔でも、譲れないことに対して容赦はしないのが響也だ。
春美の願いもアッサリと払いのける。
「家出して成歩堂のところへ行こうとしたものの、予想だにしない展開になっていて行きづらくなった。
しかも自分の信頼する人物から成歩堂に関する話を一切されなかったことがショックで、余計にね。
今の気持ちは、そんなところじゃないかい?」
「!!」
探偵のように春美の心情を推理していく響也。
そしてそれは、恐ろしいほど的確に当たっていた。
「なんで分かるんですかっ?」
「長年培ってきた、カンってやつかな。
で、キミは行く場所がなくなってしまったワケだ。でも家には帰りづらいし、帰りたくない」
「…心が読まれているようで、恐いです」
流石と言うべきか、響也の推理は的を外さない。
けれど彼にとって大事なのはそんなことよりも、家出少女の対処だった。
「聞いた感じだと、家庭内暴力などの問題はないようだね。
今日は警察に泊まって、明日にでも帰れるようにぼくが手続きをとっておくよ。
捜索願が出されてるかもしれないけど、そっちも処理はしておく。
今からぼくが警察まで送っていくからー…」
「お願いしますっ、わたくしを検事さんのお家に置いてくださいっ!!!」
缶コーヒーを口に運ぼうとした響也の手が一瞬止まる。
春美の申し出は予想の範疇にあったが、受け入れるわけにはいかない。
「随分と無理を言ってくれるね」
「無理を言っているのは承知の上です。でも長居はしませんし、迷惑もかけませんから…!」
「いま家に連れ戻されるのだけは回避したい、って?」
「はい」
どうかお願いします、と春美は深々と頭を下げる。
軽い気持ちで言っているのではないことは響也にも分かった。
だがしかし、自分にも立場というものがある。
「キミをかくまうのは立場上、色々とマズいんだよ」
「お願いしますっ、お願いしますっっ」
いくら言っても、春美は食い下がってくる。
どうしてそこまで必死になるのだろうかと不思議に思いながら、響也は缶コーヒーを口に含んだ。
「お金はあまりないですけど…。足りない分はわたくしの体でお支払いしますからっ!」
「ぶはッ!!」
イケメン台無しのごとく、響也は盛大にコーヒーを吹いた。
「なにを言って…」
「掃除に洗濯にお料理、なんでもいたしますっ!」
「…あ、ああ。なんだそういうことか、ぼくはつい…」
「え?」
「いや、なんでもないよ…」
うっかり変な妄想をするところであった。
気を取りなおし、響也は春美に尋ねる。
「ねえ、どうしてそこまで家に帰りたくないんだい?」
「…検事さんが仰っていた、真実の追求をしたいのです。
成歩堂くんのことも、真宵さまのことも…知るのが恐い部分も正直ありますけど…
それでも「真実の先に隠された真実」を、自分自身の目と耳で知りたいと思ってます」
「…なるほどね」
どうやら、先ほどの自分のアドバイスが起動力となったらしい。
春美が向けてくる真剣な眼差しは、真実を追究する者の目だった。
響也は、そういう目が好きだ。
真実を知るために、響也は検事になった。弁護士と検事の勝敗よりも、常に真実の追求をしてきた。
それ故に、春美の言い分も痛いほど分かるのだ。
響也は少し考えたのち、1つの決断を出した。
「わかった、とりあえず今日はぼくの家に泊まっていっていい。今日は警察にも引き渡さない。
だけど、ぼくにも1日だけ考えさせてくれ。キミを家に置くかどうかは、また明日返事するよ」
その言葉に、春美はパアッと顔を明るくさせる。
「本当ですかっ、有り難うございますっ!!」
やれやれ、とんだ拾いものをしたもんだ…と響也は思ったが、満面の笑みで喜ぶ春美の姿を見ると拒絶できなくなる。
「今日、成歩堂のところへ行くのかい?」
「…いや、その…今はまだ心の準備が…」
「そう言うと思ったよ。じゃあ部屋に案内するから、着いておいで」
ひょい、と春美の荷物を持ち上げ、響也はエレベーターへ向かって歩き出す。
「あっ、はいっ」
スタスタと歩いていく響也の後ろを、春美は急いで追っていった。
【つづく】
↑すみません、最後につけ忘れました。
一人でスレ消費してしまってごめんなさい、また書き溜めたら投下させて頂きます。
冥タン切ないよ冥タン
375 :
響也×春美:2007/09/06(木) 06:58:29 ID:kydKtt6m
それを陰から見ていた一人の男がいた。
金髪ドリルに眼鏡…牙琉響也の兄、霧人だ。
本来なら独房にいるはずの彼は、とあるコネを使って一時的に娑婆に出てきていたのである。
「フン…響也のくせに少女を家に連れ込むとは生意気ですよ。
今に見ていなさい……お前を後悔させてやりますからね…」
不気味に笑う霧人の手には悪魔が浮かんでいた。
そして翌日、新聞には響也の一面記事がトップに躍り出ることとなる。
『ガリューウエーブのガリュー、未成年の女子を家に連れ込んで猥褻な行為に及ぶ!』
376 :
373:2007/09/06(木) 07:29:55 ID:tmCuFo3j
>>375 ちょ、吹いたwwwww
しかし書いてる立場からすると…orz orz orz
>>366 とりあえず過度の謙遜・言い訳や全レス返しは嫌われるから止めた方がいい
>>375 GJ!!
続きかと思って普通に読んだ。
もうこれが完結編でいいじゃんwwww
>>375 一瞬本当に続きなのかと思って吹いたけど、別人が書いたんか。
作者本人の了承も無しに、まだ完結していない作品に勝手に書き加えるのはどうかと思うが。
>>378もせっかく投下してくれている
>>366に失礼だよ。
>>366 響也×春美って、ここではまだ誰も挑んでないカプだよね。
どうエロに発展していくのか楽しみなんで頑張って!
でも続き投下するときは完結させてから投下したほうがいいかも。
ハゲドー!
作者にどれだけ失礼なことしてるんか考えられねえボケなんだろ
俺が作者だったら二度と投下しないし、二度とスレ見なくなるわ
>響也×晴美作者
グッジョブ
これからどうなるのか楽しみです
頑張ってください!
勝手に完結つくるボケや、謙遜すんなとかごちゃごちゃうるさい注意厨はほっとけ!俺が許す
そもそも全レス禁止なんつールールないわけで
響也×晴美が嫌いな腐が荒らしてんだろがな、どうせ
>>373 GJ!
心無い人はスルーして続きお願いします
響也×晴美作者がんばれ!
陰湿な嫌がらせにめげずに是非続きを。
あと荒らしと注意厨は消えろ
18歳未満はお帰りください
>>373 GJ!でもちょっと気になったんだけど、綾里は師範代じゃなくて家元じゃない?
春美のほうが師範代に向いてるってその上の師範は向いてないのかよ、みたいなw
>>381 なんでもかんでも腐のせいにするのはちょっとね…
いろんな意味でいろいろ湧いてるな
喫茶店の続きマダー?
ID:dZkAfWKA
言いたいことはいろいろあるけど一つだけ。
綾里のはみたんは「晴美」じゃなくて「春美」だ。
投下するならさっさと終わりまで投下した方がいい。
他の職人が遠慮するかもしれない
まあでもハミノコもそんな感じだったしいいんじゃないか?
そして未完の道をたどるのか…
ハミノコにしろ響也春美にしろ喫茶店にしろ、完結まで読みたいもんだ・・・
保管庫をwktkで読んでて未完だったときのorz・・・
連作もので完結したのって最近じゃオドミヌしかないしな。
リロベンの完結まだー?
響也×春美、続き投下させていただきます。今回で完結です。
ぶつ切り投下になってしまって申し訳ありませんでした。
それと訂正です。前回「師範代」と書いたのは「家元」の間違いです…。
ご指摘下さった方、どうも有り難うございました。
響也は高級マンションの高層階に住んでいる。
モデルルームのような部屋は、春美にとって未知の世界であった。
だだっ広いリビングの窓の外には、都内を一望できる景色が広がっている。
壁にディスプレイされた響也愛蔵のギターコレクションたちを見て、春美は目を輝かせた。
「すごいだろ?ぼくの可愛い恋人たちなんだよ」と自慢げに言う響也に、
春美は「音楽業とは、楽器屋さんのことだったのですね!」と、素でボケをかます。
世間知らずもここまでくると、響也は笑うしかない。
響也の住むマンションは、一人で暮らすには広すぎる物件だった。
そのため部屋は幾つか余っており、ゲストルームという名目になって放置されている。
春美が案内された部屋も、余ってる部屋とは到底信じられないほどに綺麗で広い部屋だ。
「ちゃんと鍵はかけられるから安心しなよ」
「あの、有り難うございます…。無理を聞き入れて下さって、わたくしなんてお礼を言えばいいのか」
春美は今さらモジモジと恐縮している。
あれだけ食い下がった割には謙虚な一面もあるんだな、と思いながら響也は春美に鍵を渡す。
「ぼくは今から職場に戻らなくちゃいけないんだ。何か困ったことがあったら、ここへ電話しておいで」
電話の横に置かれたメモに自身の携帯ナンバーを書き、響也は家を出ていく。
その後ろ姿を見送った春美は、1人になった途端に脱力してその場へとへたり込んでしまった。
勢いでここまできたものの、不安は拭いきれない。
今日は置いてもらえることになったが、明日は帰されてしまうかもしれないのだ。
もしそうなったとしても、その前に成歩堂に会わなければいけない…。
よしっ!、と意気込んで勢いよく立ち上がる。
とりあえず置いてもらったお礼に家事でもしようと辺りを見回すが、掃除も洗濯も必要なさそうなほど
綺麗に整頓されていたし、炊事しようにも冷蔵庫の中には酒か水かつまみしか入っていなかった。
「お仕事、なにもなさそうです…」
タダで居座るのは、なんだか気が引けた。
何か仕事はないかとリビングをうろうろすると、ローテーブルの上に散乱した雑誌や本、書類や楽譜を発見する。
大した仕事ではなさそうだが、せめてそれらを片付けようと春美はテキパキとまとめ始めたのだった。
「これは…?」
その最中、雑誌や楽譜の下から開きっぱなしのファイルが顔をのぞかせていることに気づく。
どうやら新聞や雑誌のスクラップファイルらしい。
普段だったら気にも留めないものだが、春美はどうしてもスクラップされている記事が気になってしまった。
なぜならば、その記事はビリビリに破いたあとにセロハンテープで丁寧に繋ぎ合わせてあったからだ。
いけないと思いつつ、好奇心が勝って記事を読んでしまう。
「ーー!!」
衝撃の文字が春美の目に飛び込んできた。
見出しに書かれていたのは、『有名弁護士、七年越しの殺人計画!!〜衝撃の事実』の文字。
それだけで既に嫌な予感はした。しかし、目が離せない。
春美は夢中になって記事を読みあさった。
記事に出てくる「牙琉霧人」の名前は、響也の親族であることは春美にも容易に想像できる。
内容は、牙琉霧人の企てによる殺人事件に焦点を当てた記事。
それ以外の人物…つまり、成歩堂や響也のことについては詳しく触れられていなかった。
ファイルをパラパラと捲ると、過去の牙琉霧人の栄光を讃えた記事らがスクラップされている。
しかし何枚かはやはりビリビリに破かれ、テープで補修されているのだった。
響也にとって、ここは他人に踏み込まれたくない領域だったかもしれない。
本人の知らない所で勝手にその領域へ踏み込んでしまったことを悔やみながら、春美はファイルを閉じたーーー。
一方、そのころ。
検察庁へと戻ってきた響也は、午前に行った現場捜査の報告書を早々にまとめ終え、資料室へと足を運んでいた。
過去の事件の資料を引っ張りだし、読みふける。
2019年、2月7日の「童話作家殺人事件」…ーー綾里の血をめぐった事件である。
記憶にぼんやりと残っていた程度で、響也は内容を詳しくは把握していなかった。
ファイルしてあった「美柳ちなみ」と「葉桜院あやめ」の写真を見て、響也は「ああ、これだったか」と呟いた。
初めて春美を見た時に、どこかで見覚えがある顔だと思ったのだ。
そっくりではないにしろ、半分血が繋がっているせいかどことなく雰囲気が似ている。
どちらにせよ、春美が整った顔立ちをしていることに間違いはない。
だが、事件の内容はそれに反比例して醜いものだった。
資料をめくるたびに、響也は胸くそが悪くなりそうになる。
自身のプライドの為なら、人を殺めることさえも厭わない。
そのためなら、身内だろうがなんだろうが手段遂行のための道具にすぎないのだ。
全くもって下らないプライドだーーー。
響也の頭の中に、実兄である牙琉霧人が浮かび上がる。
彼もまた自身のプライドのために身内を利用し、挙げ句に身を滅ぼした愚かな1人であった。
「クソっ…!」
ダン!!、と拳で壁を思い切り殴りつける。
「ぼくも所詮、あの子と変わらないってことか…。ははっ…」
薄暗い資料室に、響也の乾いた笑い声が吸い込まれるように消えていったー…。
+++++++++++++++++++++++
その日響也は、いつもより早めに帰宅した。
リビングの灯りをつけると、響也お気に入りの広いソファでスヤスヤと気持ち良さそうに寝ている春美の姿が目に入る。
なんとも可愛らしい寝顔だ。
「あ…っ、おかえりなさいませ…」
響也の気配に気づいたのか、春美は眠気眼でのそのそと起き上がる。
「ごめん、起こしちゃった?」
「いえ、そんな…。はしたない格好で申し訳ありません」
「あのさ、キミを置いておくかどうか明日返事するって言ったけど…、今すぐするよ」
突然の展開に、春美は体をビクっとさせた。
そして不安げに、響也の顔を見上げる。心の準備なんて微塵も出来ていなかった。
「最初はやっぱり、キミを置いとくのはよくないかなと思ってたんだ。
でも気が変わった、学校が始まるまでの間ならここにいてくれて構わない」
「えっ……、本当…です…か?」
「本当だよ、嘘じゃない」
はっきりと響也が言い切ると、春美はこれ以上ないほどの笑顔を作る。
「あ、あ、有り難うございますっ!」
「ただし、条件つきだ」
響也が提示した条件は以下の3つだった。
【家にすぐ連絡を入れ、滞在中も定期的に家に連絡をすること】
【親族以外には、牙琉響也の家にいることを内密にすること】
【もし万が一何かあった場合、すぐに家に帰ること】
春美はこれらの条件を快諾するも、響也の心変わりの理由がどうしても分からない。
それを尋ねてみたところ、「さあね、ぼくは気まぐれだから」とだけしか返ってこなかった。
響也の真意は計りかねないが、何はともあれ追い返されないことに春美は心の底から安堵する。
「あ、そうだ。もう1つ条件を言い忘れてた」
思い出したように響也が言う。
「プライベート空間で「検事さん」って呼ぶのは禁止だからね」
春美が響也の家に世話になって、早数日が過ぎた。
早く成歩堂の所へ行かなければと思いつつ、どうしてもあと1歩で春美は踏みとどまってしまう。
ただでさえ色々と抱えているのに、響也のスクラップファイルの記事の内容まで引っ掛かって仕方ない。
自業自得とはいえ、それらが枷となって春美の決断を鈍らせていた。
響也は響也で「別に焦らなくても、決心がついたら行けばいいさ」と悠長な意見である。
ついついその意見に流されそうになるが、いつまでも躊躇している訳にはいかない。
「わたくし、本日…成歩堂くんを訪問しようと思います」
とある日の朝、春美は職場へと向かう響也を玄関で見送りながら告げた。
「そう、やっと決心ついたのかい。場所はこの前、地図を渡したから分かるよね?」
「はい。夕方には戻ります」
「…気をつけていっておいで」
ぽんぽん、と春美の頭を優しく撫でる。
「子供扱いしないでくださいっ」と恥ずかし半分で怒る春美を横目に、響也は笑いながら家を出た。
検察庁への道のりの間、響也はずっと頭の中で考え事をしていた。
春美は今日、成歩堂に会って全てを知ることになる。
証拠品の捏造疑惑は自分の兄が謀ったこと、そして知らなかったとはいえ自身も加担していたこと。
それを知ったら彼女はきっと、自分を侮蔑するだろう。
苦い記憶は見えない鎖となって、今でも響也に絡みついて離れなかった。
+++++++++++++++++++++++
夏の日差しがジリジリと照りつける中、春美は響也に書いてもらった地図を頼りに成歩堂芸能事務所へと足を運んだ。
分りやすく丁寧に書かれた地図のおかげで、迷うことなく目的地に辿り着くことができたものの。
「うーーーーん…」
「成歩堂芸能事務所」と書かれた看板の前で、春美はかれこれ10分以上も悩み続けている。
この扉の向こう側に成歩堂がいるのは、分かっているのに。
「ここまで来たら、もう行くしかありませんっ!」
自分に言い聞かせるように意気込んだのち、春美がドアノブに手をかけようとしたその時ーーー。
「うちになにか用ですか?」
「ひゃあぁぁっ!」
いつの間に背後にいたのか、突然声をかけらた春美は思わず素っ頓狂な声をあげる。
振り返るとそこに立っていたのは、無精ヒゲを生やし、サンダル履きという気の抜けた格好の男。
姿、格好は随分と変わったが、春美は彼が成歩堂だと直感で分かった。
「な、成歩堂くん…」
「あれ? …もしかして、春美ちゃん?」
数年ぶりの再会はお互いにとって、随分と衝撃的なものになった。
スーツを脱ぎ捨て、目もなんだか半目でやさぐれた印象の成歩堂は春美を驚かせ、
かたや身長も随分と伸び、幼女から女性へと美しく成長した春美の姿は成歩堂を驚かせた。
成歩堂に案内されて入った事務所の中も、7年の時を経て随分と様変わりしている。
あちらこちらに所狭しと並べられた手品用具を不思議そうに見つめる春美の前に、成歩堂がお茶を置く。
「最初、誰だか分からなかったよ」
「成歩堂くんも…随分と変わられましたね」
「はは、色々とあったからね」
そう言って笑う顔は、昔と同じままだなと春美は思った。
「真宵ちゃんから連絡があって、近々来るかなとは思ってたけど」
「ま、真宵さまから連絡があったのですか!?」
響也と約束した通り、春美はすぐに家のものへ連絡は入れている。
だが真宵本人にはまだ連絡をしていないのだ。
「真宵ちゃん、『はみちゃんが不良になった』って大慌てしていたな。
すぐに分家に連絡があって少しは安心したようだけど…」
「…真宵さま、わたくしのこと気にかけて下さってるんでしょうか」
「そりゃもちろん、そうだろ。真宵ちゃんはいつだって、春美ちゃんのこと大事にしてるじゃないか」
「でも、わたくし聞いてしまったのです!!」
「なにを?」
「………実は…」
春美は向かいのソファに座る成歩堂に、洗いざらい話した。
里を飛び出した理由と、ある人物から成歩堂が弁護士を辞職した事実を聞いたこと。
春美の話に成歩堂は、なるほどね、と納得してポリポリと頭を掻く。
「真宵ちゃんの発言の真意は、真宵ちゃん自身から聞くべきだとして。
ぼくに7年前なにがあったのかは、今からちゃんと説明するよ」
成歩堂はズズッとお茶を啜ったあと、ゆっくりと語り始めたーーー。
+++++++++++++++++++++++
成歩堂の話を全て聞き終わったのは、既に日が傾き始めた頃だった。
「…ということで、理解してくれたかな?」
春美は俯いたまま、こくんと頷く。
捏造疑惑の真相も、娘のことも、牙琉霧人の7年越しの計画も、そして響也と事件の関わりも全てが消化された。
緊張が一気に緩んだせいか、春美は思わず涙ぐんでしまっていた。
「なっ、成歩堂くんがっ…ぐすっ…
ね…捏造するなんてっ…絶対にっ…嘘だとっ…わたくし信じてましたっ…ぐすっ」
「信じてくれて有り難う、嬉しいよ」
成歩堂は優しく笑いながら、春美にティッシュの箱を差し出す。
春美はそれを何枚か取ると、成歩堂に見られないようにぐちゃぐちゃの顔を拭きながら言う。
「わたくし…、真宵さまに連絡しなくては…」
「ああ、そうしたほうがいい。真宵ちゃん心配してたから連絡してあげなよ」
「いえ、それだけではありません。ちゃんと自分の耳で、真宵さまからあの言葉の意味を聞こうと思います」
成歩堂は、先ほどとは違った意味で春美の成長に驚かされた。
7年と言う月日は、外見だけではなく中身も随分と成長させるのだなと感心しながら、成歩堂は受話器を春美に渡す。
春美は受話器を受け取ると、本家へ繋がる電話番号をゆっくりとプッシュした。
+++++++++++++++++++++++
すっかり日も落ちた夏の夜。
体にまとわりつく湿った空気は響也を苛立たせる。
だがその苛立ちの理由は、決してそのせいだけではなかった。
表面にそれを出さないよう気をつけて帰宅すると、キッチンから鼻歌が聞こえてくる。
覗いてみれば、そこには嬉しそうに料理をする春美の姿があった。
「随分とご機嫌のようだね」
「おかえりなさいませっ。ご飯まだですよね?」
「ん、ああ…」
「では、すぐにご用意いたしますねっ」
花柄のワンピースに白いエプロン姿の春美は、再び鼻歌を歌いながら作業に取りかかる。
「すごいな、今夜はパーティーかい」
目の前に並べられたご馳走の数々は、春美の上機嫌の象徴のようだった。
「はいっ、お祝いです」
「なんのお祝いか、ぼくにも教えてくれよ」
「ふふふ、実はですね…」
春美は嬉しそうに、今日の出来事を話し始めた。
今から数時間前、春美は真宵と電話越しに話をした。
『はみちゃんっ、わたし心配したんだよっ!どうして家出なんてしちゃったのっっ!?』
開口一番にそう大声で叫ぶ真宵の声は、受話器越しに成歩堂にも聞こえるほどだった。
春美はまず心配をかけたことを詫びると、ずっと恐れていた真宵の発言についての話題に触れた。
『…そっか、はみちゃんあの時のわたしの会話聞いてたんだ』
「わたくし、真宵さまのお気持ちに気づかないでいたことがお恥ずかしいです…」
『ちょ、ちょっとはみちゃん!それは誤解だよっ!』
「え…?」
『あのね、よぉぉぉーーーーく聞いてね。
…実はわたし、ずっと綾里の本家と分家の問題について、なんとか出来ないかなって考えてたんだ。
あまり家元とか分家とかに捕われすぎないで、協力しあって倉院流を持続していきたいって。
そうすぐ簡単にはやっぱ難しいみたいだけど、なるほどくんにも相談しながら頑張ってたんだよ』
「!! わたくし、全然知りませんでした…」
『だって内緒にしてたんだもん!
その計画が軌道に乗るまで、はみちゃんには言わないでおくつもりだったんだ。
近寄らせたくない、っていうのもそういうことだよ。
だってもし失敗しちゃったら、はみちゃんまで巻き込んじゃうと思って…黙っててゴメンね』
「真宵さま…ありがとうございますっ…。私てっきり、邪魔だったのかと勝手に…」
『もうっ、大好きなはみちゃんを邪魔だなんて思うワケないじゃんっ!』
「はいっ…わたくしも真宵さまが大好きですっ!」
『でねっ、なるほどくんもまた司法試験受けようかなって考えてるみたいでね!
一緒に頑張ろうって言ってて、目的を達成したらはみちゃんに報告しようかなって思ってたの。
はみちゃんにはバレちゃったけど、応援してくれるかな?』
「もちろんですともっ!わたくし…心からお2人を応援しておりますっ!!」
ぼろぼろと嬉し涙をこぼしながら、春美は受話器の向こうにいる真宵へと笑いかける。
成歩堂はその様子を見守りつつ、「司法試験、頑張らないとなあ」と呟くのだった。
+++++++++++++++++++++++
春美から真宵とのやりとりの内容を聞いても、響也は大して驚きはしなかった。
正直、それは響也にとって想定内であったからだ。
想定外なのは、成歩堂を陥れることに加担してしまった自分の前で春美が笑っていることだった。
食事が終わるまで、春美は結局そのことについては触れようとしなかった。
それが余計に響也を苛つかせるが、春美はそれに気づくことないままリビングを後にするーーー。
風呂から上がった春美は、リビングのソファに仰向けで転がる響也の姿を見て驚いた。
ローテーブルの上には、酒の瓶や缶が散乱している。
食後から短時間でこれだけの量を飲んだなんて、信じられなかった。
「牙琉さん、大丈夫ですかっ!?」
「ん……」
春美の呼びかけに僅かに反応するが、身じろぎひとつしない。
「しっかりしてください!!」
慌てて春美は響也の頬をペチペチと軽く叩くが、いきなり響也に手首を掴まれてしまう。
「きゃっ!?」
「心配しなくても大丈夫だよ、このくらいで潰れたりしないさ…」
「で、でも飲みすぎです…」
「それよりもさ、成歩堂から全部聞いたんだろ?」
ゆっくりと閉じていた目を開け、響也は喋る。春美の手首を離そうとはしない。
「は、はい。娘さまのこととか、捏造は成歩堂くんがわざとしたことではないって…」
「ぼくが言いたいのはそれじゃないッ!」
「…つっ!」
急に声を荒げた響也は、春美の手首を強く握った。
「ぼくは、アニキの用意した捏造品の情報で成歩堂から弁護士バッジを奪ったんだ。
知らなかったとはいえ、キミからしたらぼくだってアニキと同罪だろ?」
「そんなこと…」
「そんなことないって? …分からないな、キミだってぼくと同じ気持ちだったんじゃないのかい?」
響也は上半身を起こし、春美の手首をぐいと自分の方へ引っ張った。
バランスを崩した春美は響也に倒れかかりそうになるが、寸でのところで堪える。
目の前に迫る響也の鋭い視線に、春美は思わず吸い込まれそうになってしまう。
「キミは信頼していた母親に利用されて、大好きな従姉妹をその手で殺すところだった。
知らなかったとはいえ、今でもそのことを負い目に感じている。たとえ周りが許しても、自分も同罪だって…」
「やめてください…っ!!」
響也の指摘に耐えきれず、春美は思わず顔をそらした。
小さく体を震わせているのが、掴んだ春美の手首から響也にも伝わる。
「…ごめん、ひどいこと言ってしまったね」
響也は掴んだままだった手首を離すと、深く項垂れた。
「本当はずっと尊敬してたよ、優秀なアニキを。だからこそ、余計に信じたくなかったんだ」
「牙琉さん…」
「ぼくは心のどこかで、まだ真実を認めたくないのかもしれない。…検事のくせにさ」
今まで決して誰にも見せなかった心の内を、会って間もない少女にどうして話してしまうのだろう?
自分と少女を重ね合わせているなんて、バカらしい。
ははっ、と響也は軽く笑う。
「牙琉さんはちゃんと認めようとしていらっしゃるではないですかっ!!」
春美はスクラップブックを手に取り、響也の前へ突き出した。
「これ…、見たのかい」
「申し訳ありません。
でも、お兄様の記事を破り捨てずに保存しているのは、受け入れようとしてることではないのですか?
尊敬していた頃のお兄様のことも、犯罪に手を染めたお兄様のことも、すべて」
「…………ッ」
春美の指摘に、思わず言葉が詰まってしまう。
そんな響也の頭を、春美はいきなり自分の胸元に抱きかかえた。
響也は一瞬、何が起こったのか分からなかった。
「辛いときは、泣いていいですっ」
「えっ?」
「よく真宵さまが昔、わたくしにこうしてくださいました」
子供をあやすかのような扱いをされて思わず響也は苦笑するが、何故か不思議と心地がよい。
「わたくしだって、お母さまのしたことは許せませんけれど…。
それでも大好きなお母さまに変わりはないですし、真宵さまがわたくしを必要としてくださるのなら、
くよくよせずに頑張ろうって心に誓いました。だから…」
「…だから?」
「その、上手く言えませんが…。
牙琉さんも、わたくしと一緒に頑張って乗り越えましょうっっ!!!」
春美の精一杯の励ましに、思わず響也は笑った。
ただの世間知らずの家出少女だとばかり思っていたのに、その辺の大人よりもよほど強い心を持っている。
現実から目を背けようとしていた自分のほうが、まるで子供のようだ。
「ははっ、まいったな」
響也は春美の体を引き剥がすと、今度は逆に春美の体を自分の胸元へ引き寄せて強く抱きしめた。
言いようのない感情がどんどんと溢れてくる。
「牙琉さん…?」
「ありがとう、キミのおかげで救われた気がするよ」
「い、いえ、そんな…。それより…恥ずかしいので、そろそろ離していただけませんか…」
響也に抱きしめられた春美は、動揺してジタバタともがいた。
この辺はやはり女子高生なんだな、と響也は笑った。
「ダメだよ、逃がさない」
そう言うなり、響也は春美をソファへと押し倒す。
何が起きたのか分からない春美は,響也の肩ごしに見える天井で状況を把握した。
「な、な、なにを…?」
「なにって、ぼくの口から言わせる気かい?」
両手を押さえつけられた春美は,抵抗する術もなく響也を見つめるばかりである。
不安そうな顔で自分を見上げてくる春美を、可愛いな、と素直に思う。
「ねえ、キスしていい?」
春美は一瞬、その言葉の意味を理解出来なかった。
そして遅れて、顔を真っ赤に染め上げながら軽くパニックを起こす。
「えっ、あのっ…そのっ…」
「ダメって言わないってことは、いいってことかな」
「あっ、ダ……っ…」
ダメです、と春美が言うより早く,響也は春美に口づけた。
初めての経験だった春美は,ぎゅっと固く口を閉ざしながらそれを受けていたが、
丁寧に何度も繰り返す響也の口づけに少しずつ解きほぐされ、呑まれていく。
そして口づけはいつしか深いものへと変わり、春美は響也の動きについていくのに必死だった。
響也の手が,春美のワンピースの裾を捲し上げた。
露になった白い太ももをなぞりあげると、春美は全身を大きく震わせる。
「やっ…いやっ……」
驚いた春美は、いつの間にか解かれていた両手で響也の胸を押して抵抗する。
響也はハッとして手を止めると、春美の上から退いた。
最初は軽い冗談のつもりだったのに、途中からブレーキが利かなくなってしまった。
遊びではなく、純粋に彼女を欲しいと思ったのだ。
「悪かったね」
響也はそれ以外にかける言葉が見つからなかった。
春美はなにも言わず、ただずっと黙っているばかりであった。
「…もしお寂しいのでしたら、わたくし添い寝いたしましょうか」
少しの沈黙のあと、春美が言う。
罵倒されるかと思っていた響也は、春美の言葉に面食らった。冗談かと思いきや、その表情は真面目である。
同情されているのだろうか?と響也は思ったが、たまにはそれもいいかもしれない。
「それって誘ってるのかい?」
「………………」
響也がわざと悪戯っぽく尋ねてみても、春美はYESともNOとも答えなかった。
「さっきも言ったけど、ダメって言わないことは、いいってことだと捉えるよ?」
「………はい」
一体、どういう心変わりなのか響也には分からない。
だが自分の気持ちを優先するのならば、答えは1つ。
「こっちへおいで」
響也に手を引かれ、春美は響也の寝室へと足を踏み入れたーー。
響也の寝室は、キングサイズのベッドにサイドボード、ルームランプとウォーターサーバーだけと、
いたってシンプルなものであった。
目立って設置されているキングサイズのベッドは、1人で寝るには広すぎる。
どうしてこんな広いベッドに1人で寝るのか理解出来ない春美は、ベッドの真ん中で小さく体育座りをしていた。
添い寝をすると言ったのは、昔よく悲しい時に真宵がやってくれたことだからだ。
もちろん響也にした提案が、真宵とは違った意味合いになることは春美も理解している。
口には出さなかったが、響也に「キミだってぼくと同じ気持ちだった」と言われた時、それを否定出来なかった。
自分と同じ隙間を抱えた彼を放っておけないと思ったのは、エゴなのだろうか。
ガチャリ、と寝室のドアが開き、シャワーを浴び終えた響也が入ってくる。
春美は上半身裸の響也を直視できずに、慌てて顔をそむけた。
「緊張してるの?」
ギシ、とスプリングを軋ませてベッドに乗り上げ、春美の顔を覗き込む。
「…いえ、大丈夫…です」
震えた声は、明らかに大丈夫ではない様子だ。
「無理はよくないよ」
そう言って優しく春美の頭を撫でる。
響也自身も無理強いなんてしたくはなかった。
「大丈夫ですから…」
目を逸らしながらではあるが、春美はハッキリとそう伝える。
「途中でやめる自信は、ないよ?」
「……………」
春美の沈黙を肯定と受け取った響也は、ゆっくりと春美に口づける。
「んっ…」
ぎこちなく春美はそれに答えるが、体はやはりガチガチだ。
キスをしながら、響也は春美の背中をあやすように撫でた。
体の力が少し抜けたところを見計らって、背中についているワンピースのボタンを1つずつ丁寧に外していく。
ワンピースを脱がせると、白い下着を身につけた春美の体が露出する。
「あまり見ないでください…っ」
恥ずかしそうに手で体を隠す仕草が初々しい。
「どうして?可愛いよ」
褒め言葉なのに、春美にとっては辱められている気分だ。
響也は春美の背中を後ろへ倒し、次にブラジャーを上にずらした。
発育途上の春美の胸は控えめな大きさであったが、捲し上げられたブラジャーのワイヤーに押されて
その存在を主張している。
薄桃色の可愛らしい乳頭はツンと立ち、響也を誘っているかのようだった。
「いい眺めだね」
組み敷いた春美を上から見下ろしながら、目を細めて笑う。
そして可愛らしいその果実を口に含むと、舌の上で味わうように転がしてみせた。
今まで感じたことのない感覚が、春美の全身を駆け抜ける。
「や、やあっ…。んんっ…」
恥ずかしさのあまり春美は退かそうと響也の頭に手をかけるが、髪を掴むだけで力が全く入らない。
それどころか、愛撫はますます激しさを増していく。
声を必死で堪えて耐える春美の耳元で、響也が囁いた。
「好きなだけ声、出していいよ。聞かせてよ、ぼくだけに」
「ーーあッ!!」
いつの間にか響也の指が春美のパンツの布地をずらし、秘部へと触れた。
「ああ、あっ…やめ…っ」
「濡れてるね」
「………!」
指摘通り、春美の秘部は既に湿っていた。
響也がゆっくりと中指を差し込んでいけば、キツく締め付けてくる。
「力、抜いて。慣らさないと辛い思いをするから」
余裕なんて微塵もない春美は、響也の言葉なんて頭に入ってこなかった。
響也は半ば強引に指を引き抜くと、再び差し込んだ。
「…やっ…やあああっ!!!」
春美の中に入り込んだ指が、何度も出入りを繰り返して内壁を擦り上げる。
春美の意思に反して、秘部はどんどんと潤いを増していった。
「いやっ…あぁぁっ…ん…っ」
随分と中が濡れてきたことを確認すると、響也は更に人差し指を増やす。
そしてポイントを探すように、指で上側を探っていった。
「やっっっ!!」
ある箇所を擦ったとき、春美の体がビクンと大きく体を震えた。
「見つけた」と、響也はそのポイントを重点的に擦り上げていく。
「あっ…やっ…ああぁぁぁあーっっ!!」
まるで悲鳴に近い、春美の声。
感じたことのない刺激にビクビクと体を震わせ、自然と上半身が上へ逃げようとする。
だが腰を響也の手でガッチリと掴まれ、逃げることは叶わなかった。
「やめっ…やめてっ…」
涙目で必死に春美が訴えても、響也の指の動きは止まらない。
おかしくなるーーー。
「もっ…、もう無理で…す…。ごめんな…さい、…やっぱりっ…」
春美は耐えきれず、咄嗟に響也の腕を掴んで動きを制止しようとする。
だが、春美の手は簡単に響也によって振りほどかれてしまう。
「ゴメン、もうダメだよ」
響也の指に、先ほどよりも強い力がこもる。
「言ったよね、途中で止める自信はないって」
「そ…んなっ…、あっ、あああぁぁっっ!」
感じたことのない波が、春美に襲いかかろうとしていた。
「イッていいよ」
「あぁぁ…………っっ!」
まるで響也の言葉が合図かのように、春美は全身をビクビクと小さく痙攣させたのち、クタリと力を抜いて果てた。
響也が指を抜くと、中からトロりと溢れ出てきた蜜がシーツに小さい染みを作った。
幸いなことに、春美は濡れやすい体質らしい。
「そろそろいいかな…」と、響也は春美の両足に手を伸ばした。
絶頂の後、ぼんやりと天井を眺めていた春美は、自分の下肢を這う手の感触に気づいて視線を移す。
そして目の前の光景に、思わず目を見張った。
自分の両足は響也に抱え込まれ、大きく膝を割られている。
その上、少しだけ持ち上げられているせいで腰が浮き、自分の秘部を響也の目の前にさらけ出しているのである。
余りの恥ずかしさに春美はジタバタともがくが、力が入らない為に抵抗にすらならない。
「うっ…いやぁっ…、見ないで…くださ…っ」
「どうして? すごく魅力的だよ」
「やっ…」
響也の視線に耐えられず、春美はきつく目をつむった。
心臓が強く脈を打っているのが自分でも分かるほどに緊張している。
濡れぼそった秘部に、響也は自身をあてがった。
なるべく傷つけないように、ゆっくりと先端を埋めていく。
「…ッ、さすがにキツいか…」
充分に濡れているとはいえ、初めて異性を迎え入れる春美のそこは簡単に侵入を許そうとしない。
緊張のせいで春美が全身に力を入れてしまっているので、尚更であった。
春美の力を抜かせるため、響也はいったん動きを止めて春美に口づける。
「ふ、あっ……」
口内を貪るかのような深い口づけを響也がすれば、春美の意識はそちらに持っていかれる。
春美の体から力が抜けていくのを確認すると、響也は一気に腰を進め、全てを春美の中へと押し込んだ。
「…あぁあっっ!!!」
突き上げられる衝撃に、春美は何もかも分からなくなる。
だが、余裕がないのは春美だけではなかった。
キツく締め付けてくる春美のそこに、響也は思わず持っていかれそうになる。
欲しいと思う気持ちが次から次へと湧き出て止まない。
まるで、いくら水を飲んでも乾いた咽が潤わないような感じだった。
シーツを握りしめる春美の手を、響也は自分の背中へと回させた。
「苦しかったら、爪を立ててくれて構わない」
「っ…」
春美が返事をする間もなく、響也は腰を動かし始める。
「あっ、あぁっ、はぁっ…」
「ねぇ、この音…聞こえる?」
響也はわざとらしく春美の耳元で囁いた。
春美の中が掻き回されるたび、くちゅ、くちゅ、とイヤらしい水音が結合部から聞こえてくる。
「あっ、あっ、ああっ…」
羞恥心で春美は泣きそうだった。胸が苦しくていっぱいになる。
けれども体は快楽を得ようと、いつしか貪欲に響也を求めていた。
ベッドのスプリングが軋む音すらも、興奮を掻き立てる。
響也も限界が近かった。
「……くッ」
背中にしがみつく春美の手が背中に爪を立てると同時に、響也は白濁した欲望を吐き出す。
びくん、と大きく震えた響也を感じとった春美は、ゆっくりと瞳を開けた。
涙でぼやけた視界には、切なそうに眉をひそめた響也の姿が映っている。
春美は響也の頬を優しく撫でると、自分からそっと口づけをした。
+++++++++++++++++++++++
翌日、春美は倉院の里へ帰ると響也に告げた。
それは真宵との誤解が解けた時に、既に春美自身が決めていたことだった。
理由は「少しでも修行をして、早く真宵の役に立ちたいから」である。
「本当に色々とお世話になりました、どうも有り難うございます」
駅の改札口まで送ってもらった春美は、深々と響也に頭をさげて礼を言う。
丁寧に挨拶をする春美の顔は、初めて会った時と違って清々しいものへと変わっていた。
「いや、いいさ。ぼくのほうこそ…いろいろと有り難う」
「突然やってきて、突然帰ってしまうなんて…シンデレラみたいだね」
「す、すみません…」
「謝らないでいいよ。それよりもさ…手、出して」
なんだろう?と不思議に思いながら言われるがままに春美が手を差し出すと、響也は懐から取り出した鍵を乗せた。
ハート型のキーホルダーについた鍵は、春美が借りていたゲストルームのものである。
「これ…!」
「今度は家出じゃなく、ぼくに会いに出ておいで。その時はとびきり熱いギグを聴かせてあげるよ」
「はいっ!わたくし、また会いにきますねっ」
春美は嬉しそうに鍵を握りしめる。
きっと春美はギグの意味も、ハート型のキーホルダーの意味も分かっていないだろう。
「…今はそれでも、まぁいいか」
サングラス越しに小さくなっていく春美の後ろ姿を見送りながら、響也は小さく笑った。
【おわり】
>>406は「響也×春美3-11」です、すんません
はじめてリアルタイム遭遇した!
響×春の人お疲れ様ー。
物語にボリュームがあってよかった。GJGJ
GJ!
お疲れ様です。いやー完結してよかった!
楽しませて頂きました。
GJ!!
はみちゃんが可愛くって、それでいて凛としていてすごくよかった!
ありえないカプだと思っていたけど、同じ辛さを経験した者同士でお似合いかも。
また話が浮かんだら是非投下をお願いします!
お疲れさまでした!
成歩堂冥って
成歩同盟みたいだな
まあそれだけなんだが
412 :
ミツメイ1:2007/09/11(火) 07:59:07 ID:IVL63Jc6
指定された時間に、御剣怜侍は姿勢を正して上司の執務室を訪ねた。
中へ通されデスクの前に立つと、上司は不機嫌な顔を上げた。
叱責されるようなことをした覚えはないものの、とっさに覚悟をする。
「御剣検事」
「はっ」
上司は手にしていた万年筆の先を御剣に向けた。
「狩魔検事は、どこかね?」
「・・・は?」
一瞬、意味がわからない。
そういえば、この2、3日は狩魔冥の姿を見ていない。
しかし、多忙を極める職務でそれはよくあることだ。
「狩魔検事が、なにか?」
「昨日から携帯電話が通じないのだ。緊急に必要な資料があるのだが、それが過去に狩魔検事が扱ったものなのでな」
なにかあったのだろうか、と不安になる。
「では、検事局にも出勤していないと?」
「いや、狩魔検事は有給休暇中でな」
「・・・・・・は」
「だが、資料は必要だ。キミが連絡先を知っているなら、保管場所なりパスワードなりを聞き出してもらえないか」
最悪の事態がよぎっただけに、御剣はほっと胸をなでおろした。
「ですが、私は狩魔検事のプライベートまでは把握しているわけでは」
「しかし、キミは保護者なわけだからね」
「・・・・はあ?」
自分でも間抜けな声が出るものだ、と思った。
「この国では狩魔検事はまだ未成年だ。書類上キミが保護者ということになっているがねえ」
上司が引き出しから個人情報と思しきファイルを出して確認する。
そういえば冥がこの国に来た時、なにかに判を押せと言われたような気もする。
「というわけだ。早急に狩魔検事に連絡を取ってくれたまえ」
無理やり仕事を切り上げて、御剣は成歩堂に電話をかけた。
この国で冥の行くところなど、限られているはずだった。
あいにく成歩堂は冥の行方を知らず、市民法律相談会とやらに出かけるところだと言う。
「あ、でももしかしたら」
電話の向こうで成歩堂がなにかガサガサと探し物をする気配がした。
「ウチに来てたハガキ、冥さんのところにも行ったのかも」
御剣はそこで初めて思い出した。
「そうか。忘れていた。礼を言うぞ、成歩堂」
雪が溶けた葉桜院は、新緑に囲まれた、というよりはうっそうとして見えた。
山門の前に、誰かがうずくまっている。
御剣が近づくのにも気づかない様子で、熱心に・・・。
「やはり、ここか」
冥がぱっと振り返った。
「なにをしているのだ、このいたずらっ娘が!」
冥の足元に、いくつものチューリップの花が散らばっている。
ここの住職である毘忌尼が丹精したであろう花を、冥が手にしたハサミでちょん切っているのだ。
驚いて御剣が冥からハサミを取り上げる。
「あらあらあら、いらっしゃい。冥ちゃん、王子様がお迎えねえ」
足元・・・と言うのは大げさだが、かなり低い位置で声がする。
葉桜院の住職が声を聞いて出てきたようだった。
「おひさしぶりです」
きちっっと腰を折って御剣が挨拶をする。
「どうも、狩魔がたいへんなことをしてしまったようで」
「ちょっと怜侍、なに言ってるの?」
「まあまあまあ、この子ったら。ちがうのよう、オバサンが冥ちゃんに頼んだんだから、あっはっは」
毘忌尼が大きな声で笑う。
「チューリップはねえ、花が終わる前にちょん切っちゃうの。その方が、根元に栄養が行っていい球根が取れるのよ」
冥が落ちた花を集めながら、じろっと御剣を見上げた。
「・・・・バカ」
痛恨の、失態。
413 :
ミツメイ2:2007/09/11(火) 08:03:02 ID:IVL63Jc6
本堂で茶菓の接待を受けながら、御剣は住職・毘忌尼に話を聞いた。
半月ほど前、検事局の御剣宛てに、葉桜院から新しい修行コース案内のダイレクトメールが届いた。
事件の関係者に挨拶のつもりで送ったのだろう。
恐らくそれを見た冥が休暇をとって葉桜院を尋ねたのだ、という御剣の推測は当たったようだった。
「もちろん、冥ちゃんは修行しに来たわけじゃなくてね。
ほら、オバサン、あの事件からここを一人でやってるでしょ?いろいろ心配してくれてね。あれこれ手伝ってくれたり、話し相手になってくれたり、
腰を叩いてくれたりねえ。
ほら、オバサンの腰って暴力的だから。春も。あはははははは」
「そうでしたか・・・」
「ま、明日には変える予定だったんだけどね。オバサンの腰もだいぶ調子がいいしね、春だから」
「・・・それはなにより」
相変わらずの住職に、御剣は返事に困る。
やはり、あやめさんが不在なのはかなりこたえているのだろう。
冥がいくらかでも力になってやったようだった。
「ま、せっかく王子様が迎えに来てくれたんだしね、今日のうちに帰った方がいいかもしれないねえ」
「・・・その、さきほどもおっしゃったようが。王子様というのは」
どこからどこまでが脚なのだろうと思うほど、ちんまりと正座した住職はお茶をすすりながら笑った。
「いやだねえ、この子は。冥ちゃんの王子様といえば、アンタしかいないでしょうが」
「わ、私が?」
「言ってたよ、冥ちゃん。だーいすきなんだって?」
「ジューショクさまっ」
本堂の入り口で、冥が叫んだ。
「あらあら、ご苦労様。お手伝いはもういいわよ、ほらほら帰る仕度をしなきゃね。王子様をお待たせしないようにね」
「ジューショクさま、バカなことをおっしゃらないでっ」
気のせいか薄っすらと頬を染めた冥の抗議も、人生経験には敵わないとみえ、あっさりとあしらわれた。
「いいわよう、コイはねえ。オバサンだって、若い頃はねえ、あははははは」
冥は御剣の指示通り検事局に連絡を入れ、寝泊りしていた部屋で不機嫌そうに荷物をまとめた。
「どうしてここがわかったのよ」
手持ち無沙汰に部屋の中をうろついていた御剣が足を止める。
「キミの行きそうな場所くらいはすぐにわかる」
成歩堂にヒントをもらったことは、言わなかった。
「明日までここでのんびりするつもりだったのに。あなたが来たせいで、ジューショクさまに追い出されちゃうなんて」
「・・・それは、私のせいではない」
荷物がまとまると、住職に挨拶をし、不機嫌なままの冥を伴って御剣は帰宅の途についた。
冥のマンションまで送ろうと駅からタクシーに乗ろうとした時、冥があっとつぶやいた。
「どうした?」
「クリーニングよ」
いまいましげに御剣を見上げる。
「せっかく部屋を空けるんだからって、休みを利用して徹底的にクリーニングを頼んだの。今日と明日でやるはずだから、今部屋に帰ってもめちゃくちゃなのよ」
「・・・なぜ、今になって思い出すのだ」
「あなたがいきなりやって来てやいのやいの言うから忘れてたんじゃない!どうしてくれるの」
御剣はため息をつく。どっと疲れた気がした。
「とりあえず、私の家へ行こう。それからホテルを探せばいい」
ぷんぷんに膨れた冥をタクシーに押し込む。
「・・・あいかわらず、とんだじゃじゃ馬だな」
「なんですって?」
狩魔は、聴覚も完璧なようだった。
414 :
ミツメイ3:2007/09/11(火) 08:03:42 ID:IVL63Jc6
御剣の自宅リビングで、冥はソファに座り込む。
さすがに慣れないことをしたせいで疲れているらしい。
「ホテルを調べるから、少し休んでいるといい」
御剣が言うと、冥が首を横に振った。
「休むのはホテルに入ってからでいいわ」
書類を持ち帰ることが出来ないため、自宅に書斎がない御剣は、寝室にパソコンを置いている。
御剣がホテルを検索していると、心配そうにやってきて冥が後ろから覗き込む。
「そこかここがいいのだけど。やっぱり当日は無理かしら」
「うむ・・・、満室のようだな」
注文どおりの部屋を探していると、見ているのに飽きたのか冥はベッドに座り込んだ。
マウスを操作しながら、御剣は気になっていたことを聞いてみる気になった。
「住職の言っていたことだが」
「なによ」
「その、私がキミの王子様だという」
「バカじゃないの」
ピシリ、という口調で返事が返ってきた。
「だが、住職に言ったのだろう?だーいすき・・・」
「うるさいっ」
ふりかえると、冥が耳まで真っ赤にしていた。
御剣は、パソコンを操作する手を止めると、立ち上がって冥の隣に座った。
「な、なんなのよ」
「うむ。キミがその、どういうつもりでそう言ったのか、いい機会だし聞いてみたいと思ったのだが」
うつむき加減でそう言うと、隣で冥がたじろいだのがわかる。
「どういうって、どういうつもりもこういうつもりも、あなたに関係ないわよ」
「・・・そうか」
御剣は肩を落として、パソコンの前に戻ろうとする。
「すまなかった。キミの王子様は、他にいるのだな」
立ち上がった御剣の背に、冥が強い口調で言った。
「バカね!私がどう思っているかは、問題ではないの!あなたが私をどう思っているかが問題なのよ!」
御剣が、ふりむいた。
「どういうことだ?」
赤面したままの冥が、気の強いまなざしで御剣を見上げている。
「あなたが私を・・・、好きではないのならそれでおしまいよ。でも、もしそうじゃなければ」
「・・・・」
「それに返事をするのは、私だわ」
つまり、冥は自分から御剣に好きだとは言わないが、御剣が冥に告白すればそれにイエスかノーかを答えるということか。
「矛盾しているようないないような・・・、要するにキミは優位に立ちたいのだな?」
ぷっと頬を膨らませた冥の隣に、王子様が座りなおす。
「では、返事をいただこう。私は、キミが好きだ」
415 :
ミツメイ4:2007/09/11(火) 08:04:34 ID:IVL63Jc6
抵抗なく、唇を重ねることに成功した御剣は、そのまま唇を割って舌を進入させた。
「・・ん、ふ」
うまく呼吸できずに苦しそうに離れた冥を抱きしめて、耳元でささやく。
「返事は?」
「ば・・・バカ」
「その言葉は、この国の言葉に訳して理解しよう」
そのまま、冥をベッドに押し倒した。
「ちょ、ちょっと」
冥が両手で御剣の肩を叩く。
御剣はそれにかまわず冥の服を脱がせながら、小さく笑った。
「あいにく私は住職とちがってどこも痛くない。叩いてもらわなくて結構だ」
「バカ!!」
むき出しになった肩と鎖骨に唇を押し当ててから、御剣は片手で冥の頬に触れた。
「それは、この国の言葉ではこう言うのだ。だーいすき、と」
「んっ」
いつのまにか一糸まとわぬ姿にされた冥は、同じように服を脱いで自分に覆いかぶさってくる御剣の胸板から目をそらした。
胸を、わき腹を、お尻も、太股も、くまなく探る手の感触に、恐怖心が芽生える。
「怜侍・・・、こわい」
小ぶりな乳房に口付けた御剣が、動きを止める。
冥の頬を両手で挟んで、ささやく。
「初めてなのだな」
「・・・バカっ」
まだ生意気な言葉を発する余裕のある唇を、そっと舐めた。
「今のは確かに聞こえた。だーいすき、と」
御剣は時間をかけて冥の全身を愛撫した。
両胸のふくらみを緊張をほぐすように揉み、桃色の突起をじっくりと舌で弄ぶ。
腕も脚も何度も撫で回し、指をくわえる。
冥の呼吸がわずかに乱れ始める。
足の指の一本一本をしゃぶりつくして、ふくらはぎから上へ上がってくると、そこに隠された絶景が存在した。
丘に手のひらを当てると、冥の体がピクリと震えた。
そのまま、手のひら全体を使って上下に動かす。
「んん・・・」
艶かしい吐息。
割れ目に沿って指をいれ、長いストロークで何度も擦り上げる。
徐々に指の動きが滑らかになり、膣から愛液がにじんでくるのがわかった。
「あ・・・ん、そんなとこ」
羞恥心からか、冥が自分の指を噛んで顔を背けた。
その顎に手をかけて上向かせ、唇を重ねる。
「とても、かわいい。冥」
「・・・やっ」
膣に押し込んだ指がきゅっと締め付けられる。
ゆっくり動かすと、充血した壁が熱く絡み付いてきた。
「は、あ・・・・・」
もどかしげに冥の体がしなった。
御剣が十分に反り返ったモノを冥の股間に当てる。
「え・・・」
その堅さと質量に、冥が再び恐怖の色を浮かべた。
「力を抜くんだ。いい子だ・・・」
こじ開けるように先端が侵入し、冥が悲鳴のような声をあげた。
「やめ・・・、あんっ」
半分ほどで進むのをやめ、そっと目尻の涙をぬぐってやると、いくらか落ち着きを取り戻したのか御剣の肩を押していた手から力が抜けた。
その油断は、次の瞬間、一気に突き上げられる苦痛で打ち破られた。
416 :
ミツメイ5:2007/09/11(火) 08:05:17 ID:IVL63Jc6
「う、ん、怜侍っ・・・」
奥深くまで侵略して、御剣は高まる自分の欲望を抑えて冥に口付けた。
「冥の中は、とても気持ちがいい・・・」
「バカ・・・」
「違う。だーいすき、だ」
そう言うと、冥に苦痛を与えないように優しく腰を動かし始める。
眉を寄せて耐えていた冥の表情がだんだんと恍惚としてくる。
御剣の動きを助けるように、蜜があふれてきた。
指先で乳首を弄ると、悩ましい吐息が洩れる。
とろりとした愛液とともに、破瓜の血がシーツを汚す。
「は・・・あっ、ああ」
冥が御剣の腕にしがみつき、動きが速さを増す。
「冥・・・、言ってもらえないだろうか?この国の言葉で」
限界が近づいて、御剣が途切れがちに言う。
「あ・・・はっ・・・はっ・・・はあっ」
冥は喉を反らせ、痛みと快楽の両方に蹂躙される。
快感が痛みを凌駕し、御剣に抱かれているという思いが心を満たす。
「冥・・・私は・・・バカか?」
水音とともに肌を打ち付ける音がより刺激的に興奮させた。
「あ、あ、あっ」
「くっ・・・」
「あ、あああああんっ!」
大きく体を痙攣させて自分の中に入っているモノを強く締め付ける冥の中に、御剣は濃く長く射精した。
胸の中に抱きしめた冥の髪や背中を撫でながら、御剣はかつてないほど優しい声でささやく。
「ホテルの予約を、したほうがよいだろうか」
恥ずかしさと喜びでいっそう御剣にすがり付いて、冥が異議を申し立てる。
「・・・バカ」
冥の目元の小さな星に唇を寄せて、御剣が甘く言った。
「ちがう。それは、こう言うのだ。だーいすき、と」
絶対、言うものか。
冥は、引き締めようとしても微笑みそうになる口元を隠すようにうつむいた。
417 :
ミツメイ:2007/09/11(火) 08:05:49 ID:IVL63Jc6
以上です
「だーいすき」をあの顔で連発する御剣想像して吹いたwww
相思相愛モノは可愛らしくていいなw
冥は大変良いツンデレだしビキニさんもいいキャラしてるしGJ!
>>417 GJ!!!
これは大変いいバカップルですねw
みったんも冥たんも可愛すぎて読んでる最中ずっとニヤけっぱなしだった
ミツメイ最高!冥タン最高!!
ビキニさんには素直に言ったのかなwだーいすきってw
>>412-417 ミツメイキタキターー!!!!
このいたずらっ娘が!とか王子様とかバカ=だーいすきとか
その他全部まとめて萌えまくりでヤバかった(*゚∀゚)=3
御剣と冥っていつも神経を張りつめてそうな感じがするから
こういうほのぼのした話を見ると何だかとてもホッとする。
色々と苦労の多そうな二人だけど是非幸せになってほしいな。
なんつーかもうこのバカップルめww
最後までツンデレな冥たん可愛いよ冥たん
二人に似合わぬお茶目な単語連発で、それが妙にハマってて吹いたw
冒頭のビキニさんのお陰だな。ジューショクさま可愛いよジューショクさま
ここ色んなカプのSS読めて嬉しい。
しかもこのスレの職人さん、みんなレベル高いと思う
424 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 10:05:08 ID:d+qOlD3H
クイーン・オブ・ツンデレwwww
修学旅行みたいにビキニと布団並べてコイバナしたのかとww
ミツルギはちょっとS入ってるのか…?
あげちゃった…orz
冥たん相手だと何故か男はみんなサディスト化しやすいが
特に御剣はゲームで実際に冥たん泣かせてるからその傾向が顕著かもw
427 :
成歩堂×冥1:2007/09/14(金) 19:45:57 ID:nCWyD+q/
「抱いて・・・欲しいの。なるほどう・・・りゅういち・・・」
拳は既に真っ白になっていた。彼女の瞳も濡れている。
「もう、貴方を追わない。戻って欲しいなんて、言わないから」
情欲で求められているのでないことは、見ればわかった。あれに僕なりの決意があったように、これには、彼女なりの決意が込められているのだ。きっと。
・・・でも。
「御剣、は?」
途端、彼女は目を見開いた。その顔が真っ赤に染まる。
「どうしていつも怜侍なのッ?! 私は・・・私は貴方の声が聞きたいのに・・・!!」
「狩魔、冥・・・」
それは怒りだった。そして僕は、僕がいかに今まで彼女ときちんと向かい合っていなかったかを、思い知らされたのだった。
「貴方は私と話してるの?! 私は怜侍じゃない・・・だからすべて聞かせてくれなんていう資格はないかもしれないわ・・・。でも、せめて・・・」
瞳に溜まっていた、涙が遂に溢れた。たった、一滴。
それでも彼女は、それですべてを語っていた。
「・・・・・・」
言うより先に体が動いていて、結果的に僕は彼女の耳元で謝罪の言葉を言う羽目になってしまった。彼女が、息を飲む音が聞こえる。
「成歩堂・・・」
彼女の肩は、細く小さく。
「あのさ」
「ええ・・・」
「僕。結構溜まってるから、加減とか出来ないかもしれない」
「・・・・・・」
「けど、いい・・・?」
そういうと彼女は、恥ずかしそうに目を伏せて頷いた。
428 :
成歩堂×冥2:2007/09/14(金) 19:47:29 ID:nCWyD+q/
オドロキ君とみぬきが出かけていて、珍しく僕が事務所の留守番をしていた時だった。
事務所のドアを叩く音が聞こえ、僕は呼んでいた新聞から顔をあげた。ドアの磨りガラス越しに影が見える。
(依頼人か)
居留守を使ってもいいのだが、後からオドロキ君にばれるとまずいし、そもそも留守番の意味がない。どうぞ、と呼び掛ける。が、来訪者が入室してくる様子はなかった。
(聞こえていないのか・・・?)
人影は何やら躊躇っているようで、辺りを見回している。その内入ってくるだろうなと判断し、僕は再び新聞に目を落とした。
しばらくして、キィ、とドアが開く音がした。
その頃には僕はもうすっかり新聞に夢中になっていたので、来訪者が何者なのか、その人物が目の前に来るまで気付くことが出来なかった。
迂闊にも。気付くことが出来なかったのだ。
コツ、とわざと音をたて、彼女は僕の前に立った。僕はその音に顔をあげ、柄にもなく目を見開く事になる。
「狩魔、冥・・・」
「久しぶりね、成歩堂龍一」
そう言って彼女は、昔より大分寂しそうに笑った。
そしてその手には、もう鞭は無かった。
「どうしたんだ? こんなところに、君みたいな人がわざわざ」
「・・・・・・」
僕はあの後、狩魔冥をソファーに座らせ、比較的彼女の好みそうな紅茶を出した。昔の知り合いに対する精一杯の気遣いだったが、勿論安物なので、結局彼女の口には合わないだろう。しかしそれ以前に、彼女は先程から何も言わずに俯き、黙り込んでいる。
「用事があって、来たんじゃないのかい?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
狩魔冥は答えない。僕は溜息をつき、ソファーに身を沈ませた。
訪ねて来ておいてだんまりを決め込んでいる狩魔冥に、僕は正直なところいらついていた。
(・・・いや。それだけじゃないな)
彼女の目が。仕草が。態度が。
僕に同情している。
証拠品の捏造で法曹界を追われた僕に、同情しているのだ。
それを感じる。この狭い部屋の中で、彼女の胸の内に溢れる僕には必要のないその感情が、僕を限りなく不快にさせているのだ。
「用がないなら帰って貰えるかな? 僕、こう見えても忙しいから」
僕のその台詞にも。昔なら直ぐさま飛んで来た、彼女の勝ち気な反論はない。まったくと言って良い程に姿を消していた。
それが益々僕を不快にさせる。
「狩魔冥」
「なるほどう・・・りゅういち」
苛立ちを含んだ声で彼女を呼ぶと、彼女は弱々しく僕の名を呼んだ。僕は黙って先を促す。
狩魔冥が、口を開いた。
「もう・・・戻ってはくれないの」
「え?」
「法廷に。戻ってはくれないの」
「・・・君にそんな事を言われるなんて、意外だね。戻ってきて欲しかったのかい?」
「ええ」
「・・・・・・」
僕の冷やかしの台詞に、彼女はきっぱりと答えた。それは彼女なりの覚悟だったのかもしれなかったが、その瞬間の僕はただただ驚いていて、それに気付けなかった。
429 :
成歩堂×冥3:2007/09/14(金) 19:49:20 ID:nCWyD+q/
「・・・不意打ち、だね」
そう言うと、彼女は顔を上げて僕を見つめた。その余りにもまっすぐな視線に、僕は苦しくなる。
それは昔の僕の、僕と僕を取り巻くすべての人達がしていた目とまったく同じで。そこには同情など、微塵も含まれていなかった。
僕は一体、何を見ていたのだろうか。
「狩魔、冥」
「会いたかったわ・・・ずっと。貴方の事ばかり、頭に、浮かんで」
「・・・・・・」
「生意気だった私に、嫌々ながらも付き合ってくれて。いつの間にか、寝ても覚めても、貴方の事ばかり・・・」
いつの間にか彼女の目元は濡れていて、肩も小刻みに震えていた。握り締められた拳も、微かに揺れている。何を思ってそのような思考に至ったかは謎だ。凄く謎だったが、僕はもう少し早く、前を向いてあげたらよかったなあと、思った。
僕は彼女を見つめる。彼女の胸元の、昔と同じにそこにある、ブローチを見つめる。
「でもね」
狩魔冥は俯く。彼女の体が強張るのがわかった。
「でも、それを君が言うには」
狩魔冥は黙っている。
僕は続ける。
「少し、僕らの距離は離れすぎていたみたいだね」
狩魔冥は、黙っている。
「残念だよ」
本当に。
僕は再び、溜息をついた。
「じゃあ」と僕は立ち上がり、彼女の目の前のカップを持った。彼女は俯いたまま動かない。
「飲まないみたいだし、片付けるよ」
「ええ」
「・・・御剣は」
「え?」
何気なく出した御剣の名に、彼女は顔を上げた。やはり、連絡は頻繁に取っているようだ。表情でわかる。
「帰って来た事、知ってるの?」
「知らないわ。・・・それが?」
酷くあっさりと言ってのける彼女に、僕はまたしても驚かされた。
「どうして?」
「どうしてって」
「・・・・・・」
「貴方に、会いに来たのよ。怜侍の許可がないと貴方に会えないのなら、そうするけど」
「そんなことは」
ないけど。
ただ、不思議だった。
「・・・ねえ」
「なんだい?」
彼女の声が、震えているのがわかった。気付かないふりをして、僕は問い掛ける。
彼女は何を思ってここにいるのだろう。何を、言いに来たのだろうか。
知りたかったのだ。
――僕は、卑怯だ。
何故かその時、漠然とそう思った。
「お願いが、あるの」
狩魔冥の、声がする。僕はカップを、再びテーブルの上に置いた。
伏せた睫毛はとても長い。
彼女の赤い唇が、ゆっくりと言葉を紡ぐ。
「抱いて・・・欲しいの。なるほどう・・・りゅういち・・・」
拳は、既に真っ白になっていた。
430 :
成歩堂×冥4:2007/09/14(金) 19:51:11 ID:nCWyD+q/
「あ・・・やっ・・・な、る・・・っ」
「ッいい加減・・・フルネームで呼ぶの、やめてくれないか」
僕の上に、彼女が座っている。汗やら何やらでソファーは大分汚れていたが、それすらもどうでもいいと感じる程に、僕はこの行為に没頭していた。
久しぶりだからだろうか。
それとも。
「・・・えっ?あ、っん・・・」
夢中なのは彼女も同じなようで、僕はそれが少し、いや、かなり嬉しかった。
「フルネームで呼ぶのっ・・・止めてくれよ・・・冥」
少し速度を落とし、彼女の名前を呼ぶ。彼女は初めはぼんやりとしていたが、すぐに理解し表情を変えると、僕の肩に顔を押し付けた。彼女が言おうとしているのを感じ、僕は止まる。
声は小さく、だがよく聞こえて。
「なるほどう・・・」
「・・・そっち?」
「・・・りゅういち」
「それイイ」
顔が、更に押し付けられる。
純粋に、彼女が愛おしいと思った。丸まった背中を撫でると、背中の半ば、指先が髪の先に触れる。
「髪、のびたんだね」
「いま気付いたの?」
「うん」
服を着て、テーブルごしに話していた時よりも。今の方が、様々な事に気付く。しかし、それは多分僕だけなのだろう。僕は彼女から目を逸らしていたけれど、彼女の方は、僕を見ていたのだから。
「動くよ」
追ってきてくれて嬉しかった。
僕を見ようとしてくれて、嬉しかった。
素直になって思い返せば、こんなにも僕は彼女に喜ばせてもらっている。
僕は、彼女に感謝している。
「あっ・・・りゅういちっ・・・」
そして僕で喜んでくれる彼女がとても愛おしくて。僕は、彼女を妹のように大切にしていたであろう僕の友人に、心の中で謝罪した。
「冥・・・ッ」
「っや・・・りゅ、あん、ああっ・・・!!」
「――――ッ!!」
彼女の中で、僕は果てた。
彼女は何も言わずに、僕の肩に頭を乗せた。
431 :
成歩堂×冥5:2007/09/14(金) 19:51:49 ID:nCWyD+q/
いつまでこうしているつもりかしら、と冥に言われるまで、僕は彼女を抱きしめていた。僕はもう少しこうしていたいと言おうとしたのだが、思い当たる節があり顔を上げる。
「オドロキくん達が帰って来るかもしれない。服は着よう」
「オドロキくん?」
「僕の・・・息子? いや・・・従業員? 今度紹介する」
「・・・ええ」
自然に言葉が出た。
僕たちには、次がある。そしてそれは、僕が。
僕が、求めている。
服を互いに着終わって。ソファーに座り僕が両手を広げると、彼女は来てくれた。僕の足の間に座る彼女を、後ろから抱きしめる。
「こうしないと話せない?」
「うん・・・そうかも」
離れていると、また僕は君を見失ってしまいそうだから。
「あのさ、」
「ええ」
「これから近づいていくんじゃ・・・ダメかな」
彼女は、振り返る。
「最初から、離れてなんかいないわ。貴方がそう、思い込んでいただけ」
「そっ・・・か」
彼女の言葉は何よりも真実で。僕は少し、ほんの少しだけ、泣きたくなった。
「ねぇ」
「何だい?」
「・・・ううん、何でもないわ」
「そう」
何も失くしてなんかいなかった。僕はようやく、それに気付けた気がしたんだ。
サディストでもないしすげーぬるいんだけど
これで終わりですー。どうもありがとうございました。
>>432 GJ!
事務所でヤるとは大胆だなwwwww
ナルマヨ、ミツメイ(ナルメイ、ミツマヨ)のスワッピングを待機している俺がいる
434 :
響也×茜 1:2007/09/17(月) 21:00:18 ID:WW9WyGeH
『喫茶店の人々』 #4
貸切で深夜営業中の喫茶店が、にぎわっていた。
「じゃ、みぬき嬢の新しい魔術の成功を祝って、乾杯!」
牙琉響也が、腰に手を当ててキザにコーラを掲げた。
なんでオマエが仕切るんだよ、というその場の全員の心の中のツッコミが聞こえたような気がしたが、それが発せられることはなかった。
その夜、みぬきが新作『ハイパーぼうしくん』を初披露する、というので茜に招待された響也は、同じ「ステージに立つ者」として見に行く気になった。
ステージ終了後、他の面々と一緒に誰が言うともなくいつもの喫茶店へ場所を移し、閉店しようとしていた店を無理やり借り切る。
コーヒー以外メニューがない店に宅配ピザを取り寄せ、サラダやチキンと一緒に並べたテーブルを囲んだ。
今日の主役のみぬきが、響也の隣であれこれと食べ物を取り分けていた。
テーブルの食事に群がっているのは、みぬきと、マネージャーの霧緒、王泥喜と茜。
カウンターの向こうには、コーヒーを飲むマスター、向き合って並んでいるのが、成歩堂と王泥喜、一つ椅子を空けて御剣。
「皆さん忙しいのに、みぬきの魔術を見に来てくれて、ありがとうございましたっ」
みぬきが何度目かの礼を言って、『ハイパーぼうしクン』を披露した。
響也がグラスを置いて手を叩き、テーブル席は大喝采となった。
「コーラで泥酔してるな、あいつら」
呆れ顔でマスターが言うのが聞こえたが、気にしない。
日常の緊張から解かれたかのように、まだ十分若者の域を出ない彼らは陽気にはしゃいでいた。
各自がピザを一切れずつ平らげた頃、店の前にタクシーの止まる音がしてドアが開き、遅れてきた冥が両手一杯の差し入れとともにまた大きな歓声で迎えられた。
そして、小さなピンクと黄色のブーケをみぬきに手渡す。
「見に行けなくてごめんなさい。『ハイパーぼうしクン』成功、おめでとう。みぬき」
「ありがとう、冥さん!」
嬉しそうに、みぬきがブーケに顔を寄せて香りを楽しんだ。
「まあ、素敵なお花ですね」
保護者のごとくみぬきに寄り添っていた霧緒が、ブーケを覗き込む。
「冥さんはセンスがいいわ」
「・・・ありがとう」
そう答えた冥がやや屈託していたように見えたが、響也は先輩に余計なことは聞かないことにした。
ただ、霧緒の隣に腰を下ろして勧められるままにサラダのカップを手に取り、なにか言われて笑っている冥を見た成歩堂がつぶやいたのは、聞こえた。
「オンナって、コワイかも」
それを聞き逃さなかったマスターが、身を乗り出すようにして言ったのも。
「今頃気づいたのかい、アンタ」
435 :
響也×茜 2:2007/09/17(月) 21:01:46 ID:WW9WyGeH
差し入れのお礼にと、そこでまたみぬきが『ハイパーぼうしクン』をやってみせる。
成功にますます機嫌を良くしたみぬきは興奮気味に、茜の切り分けている差し入れのフルーツケーキを覗き込んだ。
「あ、茜さん、みぬき、イチゴのとこがいいです!」
「はいはい、みぬきちゃんはイチゴね。王泥喜くんもイチゴでしょ?」
三角形のフルーツケーキの乗った皿を受け取ったみぬきの肩に、響也が手を置いた。
「おっと刑事クン、ぼくもイチゴ」
茜が冷たく言う。
「もうイチゴはありません。牙琉検事はバナナで」
不満そうに口をとがらせた響也に、みぬきが自分のケーキからイチゴをつまんだ。
「あげましょうか、牙琉さん」
響也の口にイチゴを押し込む。
くるくると丸い目が、響也を見上げていた。
「むぐ・・・。あ、ありがとう」
見上げたまま、指についたクリームを舐めるみぬきに、響也は違和感を覚えた。
この子が王泥喜と一緒にいるところを何度も見ているし、この店で宿題をしているところに出くわして、教えてやったこともある。
さっきステージに立っているのを見たときも、けっこうちゃんとやるんだなと思っただけで、こんな違和感はなかった。
その違和感を自分の中に探しながら、響也はなにげなくケーキの上のイチゴに手を伸ばした。
「あああっ!」
みぬきが叫ぶ。
「ひどい、牙琉さんがみぬきのイチゴ、食べちゃいました!!」
イチゴのなくなったケーキの皿を持って抗議され、響也が両手を上げて降参した。
「あ、ごめん、つい。そんなに怒るとは」
みぬきの今の言い方には、先ほど感じた違和感がない。
「大人げないです!人のイチゴ盗るなんて」
本気でくってかかるみぬきに、響也がカウンター席の成歩堂に助けを求めた。
「ちょっと、なんとか言ってくれないか弁護士さん!」
成歩堂は振り返りさえしなかった。横で御剣が眉間にシワを寄せてコーヒーを飲んでいる。
「窃盗で訴えられたら、弁護してあげましょうか」
響也の背中をポンポンと叩いて、王泥喜『弁護士』が笑顔で助けを差し伸べる。
「じゃあ、検察側は私が」
真顔で冥が言い、王泥喜が響也をまねて降参した。
「まちがいなく有罪です、牙琉さん」
みぬきが笑って響也の腕にからみついた。
また、違和感。
腕から伝わる暖かさと柔らかさ、みぬきの笑顔。
「な、成歩堂さん、顔、顔!」
イチゴを守るように皿を持ってカウンター席に戻った王泥喜が、ものすごい渋顔で響也を睨みつけている成歩堂の腕をつついていた。
「むぅ、ぼくはみぬきの相手に牙琉くんはどうかと思うよ、王泥喜くん」
「・・・し、心配しすぎですよ。たぶん」
聞こえてるよ、オデコくん。
響也がため息をついて、みぬきの頭にそっと手を乗せた。
閑静な住宅街でいつまでも続く大騒ぎに、無責任な責任者はクックッと笑いながら、マスクの奥から楽しげに店の中を見ていた。
436 :
響也×茜 3:2007/09/17(月) 21:02:36 ID:WW9WyGeH
仕事を終えた牙琉響也が、バイクで検事局を出る。
しばらく走ると、制服姿のみぬきがショップのウィンドウを覗き込んでいるのに通りかかった。
見ているのは、季節には少し早い冬物のバッグ。
バイクを止め、ヘルメットを取って声をかける。
「寄り道はいけないな。魔術師さん」
ぱっとふりむいたみぬきが、跳ねるように響也に駆け寄る。
「牙琉さん、こんにちは」
「なにを見ていたんだい、パパにおねだり?」
みぬきはぺろっと小さく舌を出した。
「親孝行ですよ。パパはみぬきがおねだりするのが嬉しいんです」
やれやれ、と肩をすくめた響也の前で、みぬきはちょっと唇をとがらせた。
その表情が、意外にかわいい。
齢相応のしぐさの中に、ふっと以前感じた違和感を思い出す。
「でも、パパは最近元気ないんですよね。ショーシン、なんだって」
首を傾げて、響也を見上げた。
「ショーシン?」
見上げた目が、真剣だった。
「はい。みぬきはまだ、ママがいなくてもいいよね、って」
その言葉を、響也は頭の中でめぐらしてみる。
「ああ、傷心、か。ま、キミのパパもいろいろあるんだね」
成歩堂が誰に“傷心”させられたのか。
それは追及しないことにしよう。
「だから、みぬき早く大人になってパパを助けてあげたいんですよ」
「・・・それは、立派なことだね」
顔つきはまだまだ子供っぽく見えるが、考え方はしっかりしているのかもしれない。
「あ、牙琉さん、笑ってる。みぬき、もう一人前の魔術師なんですからね。『ハイパーぼうしクン』も好評だし」
制服の胸をそらせると、意外とちゃんとした盛り上がりが見え、響也はつい目をそらした。
・・・なんだ。
かわいいじゃないか。
まったくの子供だと思っていたみぬきの意外な面に、響也は興味をそそられた。
「いや、まだまだ子供だよ。パパ、パパって言っているうちはね」
軽く、挑発してみる。
「うーん」
みぬきは人差し指をほっぺたに当てて、首をかしげる。
その細い指で、口にイチゴを押し込まれた感触を思い出した。
まずい。
本当に、かわいい。
ヤバイことをしてしまいそうだ。
響也は腰に片手を当てて体をかがめ、みぬきの頭に手を乗せて顔を覗き込んだ。
「・・・どうしたらオトナになれるか、教えて欲しい?」
肯定されるとは、本気で思っていなかった。
「どうするんですか?」
牙琉響也のマンションで、みぬきはギターやアンプがぎっしり並べられた部屋を見回して聞いた。
「そうだね。まず、たしなみとしてはシャワーかな」
「はいっ」
元気が良すぎるのも、ムードがない。
「洗ってあげようか」
いたずらっぽく言うと、みぬきは赤面した。
「やだ、牙琉さんのえっち」
「なんだい、もっとえっちなことしようとしてるくせに」
みぬきは両手で頬をおさえ、響也が教えたバスルームに飛び込む。
なにをどこまで知っているのか、みぬきはあっという間に体にバスタオルを巻きつけて出てくる。
「たしなみは、これでいいですか?」
「ああ、オーケイだ。じゃあ、そこで待っておいで」
指さしたベッドの上に、ぴょんと飛び乗る。
スプリングを確かめるように跳ねたり、手触りのいいシルクのシーツに頬ずりしていると、響也がバスローブ姿でやってきた。
「あ、牙琉さんもたしなみオーケイですね?」
その言い方に、響也が苦笑した。
「さあ、どうすると思う?」
みぬきの座り込んでいるベッドの端に腰掛けて、その小さな顎に指をかけた。
「どうするんですか?」
「たしなみとしては・・・、まず、キスだよ」
みぬきの唇がふさがれた。
暖かいものが押し付けられ、なにかが唇を割る。
その何かが押し込んでくる。
「んふ・・・っ」
息苦しさにみぬきが大きく口を開けた。
「はあっ、息ができないかと思いました」
響也が笑う。
「息ができるようになると、オトナかな」
「うー、みぬき、まだ子供なのかも」
「じゃあ、そこに寝て」
みぬきがベッドに仰向けになると、響也はバスタオルをはずした。
小さな乳房と、ささやかな茂み。
「うん、いいね」
脚の間に、手を差し込む。
「ここを、オトナにしてあげるよ」
「・・・どうするんですか」
本当に知らないのか、知らないふりをしているのか。
すぐに、わかるさ。
響也はバスローブを脱いでみぬきの上にまたがった。
「でもまだ、ぼくは準備が出来ていない。手伝ってもらわないと」
「みぬきが?」
「そう。口を開けて」
みぬきが恐る恐る口の中に、響也を含んだ。
「ん・・・、んむ・・・」
「歯を立てないで。舐めてごらん」
「・・・ん」
やはり、なにも知らないわけではなさそうだ。
「う、ぐ、む・・・、がりゅうひゃんの、これ・・・、む、お、おっきくなってきました」
「そう、いいよ。大きくなったら、ここに入れるからね」
「そんなとこ・・・」
響也はみぬきの口から己を抜くと、華奢な体を裏返した。
「そんなとこに、だよ。でもその前に、キミも準備をしなきゃ。初めてだと、特に念入りにね」
「準備?」
うつぶせたまま、みぬきが聞く。
響也はそれに応えず、ベッドサイドの引き出しから何かを取り出した。
低いモーター音がして、みぬきはきゃっと体をそらした。
「な、なんですか?」
「だいじょうぶ、そのままで」
小さなローターが、弱い振動でみぬきの背骨をなぞった。
ゆっくり上下し、肩と耳の後ろをなぞり、脇の下へ移動する。
「く、くすぐったいです」
「ガマンして。準備だから」
ローターが下がり、みぬきのお尻の間に挟みこまれる。
「う、うう。くすぐったい・・・」
響也は腰から手を回しいれて、みぬきの小さな胸を下から両手で包み込んだ。
「ここも、くすぐったい?」
胸を触られて、みぬきは頬を染める。
「な、なんだか変な感じ」
「うん、それはいいね」
ゆっくり胸をもまれ、下半身にはゆるい振動が続いている。
みぬきは次第に息を乱した。
「あ、やっぱり変です、牙琉さん」
響也はみぬきの体をもう一度ひっくりかえし、仰向けにしてローターを抜き取ると、今度は前から押し当てる。
「きゃっ」
脚を閉じたまま、割れ目を上下するとみぬきが声を上げた。
「さあ、自分で胸を触ってごらん」
「・・・こうですか」
みぬきの両手が、自分の乳房を覆った。
「そのまま、下から上に。そう、動かして。どうだい?」
「あ・・・ううん・・・」
「くすぐったい?」
「くすぐ・・・ったく、ないです」
「じゃあ、乳首をつまんでみて。そう、すり合わせるみたいに。もっと」
「あ・・・、なんですか、これ・・・」
はあ、と息をついて、みぬきは自分の両手で乳首をこする。
小さな突起は硬く尖ってくる。
ローターの振動を、強くする。
脚を開かせて、表面をそっと上下していたもので中をくすぐる。
濡れ始めていたそこは、ぬるっとローターを受け入れた。
「あ、きゃっ・・・」
「どう?どんな気持ち?」
「あ・・・なんだか、すごい・・・ぞくぞくってします。なにか、こう・・・変」
「変じゃない。それをね、感じてるっていうんだ」
「感じ・・・」
「ここ、自分で触ってごらん」
手をつかんで下へ下げ、ローターで弄った場所へ導く。
「や・・・こんなの、どうして」
「熱くて濡れてるだろ?キミが感じてるってことなんだよ」
「・・・・感じてる?」
「そう。もっと触って。どこが感じる?いいところを探してごらん」
みぬきはぎゅっと目を閉じ、懸命に自分で指を動かした。
「はあっ、あっ」
みぬきの手首を握って引き離すと、響也はそこにローターを押し当てた。
「ああんっ」
小さな腰がぴょんと跳ねる。
少しずつ動かしながら、時々強く押し付ける。
顔を真っ赤にしたみぬきの、はあはあと荒い息遣いが聞こえる。
いくらか知識はあったのだろうが、想像を超えた実体験なのだろう。
響也の片手が未成熟な細い足をなで上げ、くびれの少ないウエストからみぬきが自分で触っていた胸へと上がる。
手の中に収まってまだ余るほどの小さな盛り上がりを揺らす。
つんと上を向いた乳首をはじく。
「自分で触るのと、ぼくが触るのとどっちがいい?」
みぬきの手が何か掴むものを探すように宙で泳いだ。
「あ、はっ、が、牙琉さん、に、あっ」
響也はみぬきの中にローターを半分ほど押し込んだ。
「はああっ!」
そのままみぬきの上半身を起こし、後ろから抱きかかえる。
耳の後ろに口付け、舌を這わせながら両手でみぬきの乳房をはげしく揉みしだく。
強い愛撫に、みぬきは響也の腕の中で体をよじった。
「あ、変、変です、やっぱり、みぬき変っ」
両膝をつけて、挟み込まれたローターを落とさないように、響也の胸に背中を押し付ける。
触れられる体中からしびれるような感覚に襲われて、自分でもどうしていいかわからないようだった。
響也は背中から回した手を下ろして、細かい振動に震える割れ目に差し入れた。
指で押し開き、まだ誰も触れたことのない芯を探った。
探し当てたそこはすでにぷっくりとふくれていた。
「きゃあっ」
暴れそうになるみぬきを強く抱きすくめる。
「おとなしくして。すごく良くなるよ」
周囲からぐるりと回すように指を動かすと、みぬきが強く脚を閉じようとした。
体をずらしてそのまま仰向けに寝かせ、上から組み伏せる。
脚を大きく開かせると、ローターが落ちた。
機械的な振動と指で十分に刺激された秘所は、てらてらと光っている。
未開拓のそこは濁りのない桃色で、響也は我知らずこくりと喉を鳴らした。
指先を差し入れると、それでもきつい。
響也はそこに顔をうずめると、立ち上がった熱い芯にそっと舌を当てた。
「は、ああああん」
指を、押し開くようにして奥に進める。
少しずつ動かしながら、舌で芯を押しつぶす。
みぬきの腰が痙攣するようにビクビクと打ち震えた。
響也は顔を離すと、みぬきの手に先ほど口に押し込んだ自分を握らせた。
「こ、これ・・・」
「これが、入るんだよ」
「なんか、さっきより大きくないですか?みぬき、壊れちゃう・・・」
「壊れないように、そっとしてあげる。心配しなくても、入るように出来てるんだからね」
響也が言い、みぬきが顔を高潮させたまま恥ずかしそうに笑った。
「はい。みぬきを、オトナにしてください」
かわいいことを、言う。
響也がコンドームを装着するのを珍しそうに眺めているのを、簡単に転がして脚を開せる。
響也は先端をみぬきの膣口に当てた。
くちゅくちゅとかき混ぜる。
みぬきが緊張で体を硬くした。
「だいじょうぶだから、力を抜いて」
「は、はい」
狙いを定めて、少しだけ押し込む。
「あ・・・」
そのきつさに、響也は片手を添えた。
ぐい、と進む。
「い、いた・・・・」
一息ついて、響也はみぬきの髪を撫でた。
「無理しなくていいよ。やめようか」
「や、やめないでください。ちゃんと、最後まで・・・」
「わかった」
ゆっくり、ゆっくり進む。
「うう・・・」
ぎゅっと目を閉じて、みぬきが耐える。
「入ったよ」
「・・・え」
「全部入った」
「牙琉さんの、全部・・・?」
「そうだよ。どんな気分?」
みぬきは目尻に涙をにじませたまま、両手を伸ばして響也の首にからめた。
「いっぱい、って感じがします。あったかい」
「動いても、いい?」
「え・・・、どうして」
響也がわずかに息を詰まらせる。
きつきつに締め上げてくるみぬきが、響也を高まらせるのだ。
「最後まで、いくから」
半分引き抜いて、突き上げる。
みぬきが唇を噛む。
もう一度繰り返す。
今度は、抜け落ちそうなほど引いて、一気に突き入れた。
「いいい、痛いっ」
奥まで挿入した状態で、動きを止める。
「やっぱり、やめる?」
「い、いやです。続けてください」
今度はもっとゆっくり動いた。
時間をかけて抜き差しすると、中からあふれてきた。
動きがなめらかになり、響也は速度を上げた。
「は、あっ、が、牙琉さん」
「痛いかい・・・?」
「い、痛いです。少し痛いけど、でも、やめないで」
「無理しなくていいんだよ。初めてはみんな痛いんだ」
「いいんです、やめないで。痛いけど・・・でも、ちょっとまた変なんです」
みぬきの脚が響也にからみつく。
腰が打ち付けられるたびに、みぬきは息を乱した。
「あっ、変、変です、みぬき、変になっちゃうっ」
「感じる、だよ。感じてるんだ。言ってごらん」
「か、感じます。みぬき、感じる」
みぬきの両脚を抱えるようにして、響也は場所を探るように中をかきまわした。
「ああんっ、今の、今のとこ、感じるっ」
「気持ちいい?感じると気持ちいいよね」
「はい、すごく気持ちいいっ・・・、あんっ」
「ずっと気持ちいいとね、イクんだよ」
「え・・・」
再び響也がみぬきを突き上げる。
みぬきが言葉にならない声を上げた。
響也が呼吸を荒くして動きを速めていく。
「ぼくも、気持ち、いいよ・・・。イキそうだ」
「み、みぬきも、みぬきもすごいっ・・・これって、これってイクんですか・・・」
「いいよ、先にイクんだ。ほら・・・っ」
「あ、あ、あ!あああんっ!!」
みぬきが体をのけぞらせて、シーツをつかんだ。
絞り上げられるような収縮に、響也も薄いゴムの中に熱を放出した。
コンドームの後始末まで終えて、みぬきはいわれるままに響也をふき取り、響也にふき取られてくすぐったさに笑った。
「今はくすぐったいです。さっきはくすぐったくなかったのに」
脚を閉じて、みぬきが首をかしげる。
「それでいいんだよ。おめでとう、キミはオトナになったんだ」
ぱっと頬を染めて、みぬきがブランケットをかぶった。
「はい。ありがとうございます」
困ったな。
ほんとうに、かわいい。
みぬきの顔に手を伸ばして、唇を寄せた。
みぬきが、クスクスと笑った。
「牙琉さん」
「なんだい」
「みぬき、まだ15なんですけど。・・・これって、ハンザイですか?」
「!」
響也の体が硬直した。
「なん、だって?」
「パパに言ったら、怒るだろうなぁ。牙琉さん、殺されちゃうかも」
声も出ないほど驚いている響也に、みぬきはぎゅっと抱きついた。
「もし、牙琉さんが他の女の人にこんなことしたら、みぬき、言っちゃうかも」
思わず抱きしめ返しながら、響也はみぬきの耳元で言った。
「この、小悪魔!」
違和感の正体を、見た気がした。
みぬきがカフェオレを飲みながら宿題を片付けて、ステージのために飛び出していくと、マスターは残された臨時家庭教師の前に新しいコーヒーを置いた。
「訴えられないようにするんだぜ。検事にとっては、かなり恥ずかしい罪状だからな」
カウンターに片手を置いて、牙琉響也は冷や汗をかいた。
なぜだ。
なぜこのマスターにはわかるんだ。
「クッ。この店にいるだけで、見えてくるものもあるんだぜ、ロック坊や」
背後に殴りつける壁のないのが、もどかしかった。
442 :
響也×みぬき :2007/09/17(月) 21:08:47 ID:WW9WyGeH
GJ!!
喫茶店シリーズ好きだ。次で終わりは悲しいよ。
一瞬茜はオドロキから響也にコロっと変わったと思ったよww
GJ!
響也×みぬきはさりげにスレ初登場だな
二人とも可愛いらしい感じでよかった
完結編も期待してる
小悪魔みぬき最高!
次がラストなのは悲しいが、楽しみ待ってます!
GJ!茜好きだからかなりwktkしてしまったじゃないか…orz完結編楽しみにしてるぜ
喫茶店GJ!
wikiについてだけど、喫茶店とかカップリングが複数ある連載ものは、一つの
ページでまとめるか【○○に続く】と最後にリンク貼るといいんじゃないかな?
中の人、乙です!
でもメニューの#3のリンク、響也春美に飛ぶよww
狩魔豪×真宵の鬼畜モノなんて需要ないですか?
>>451 需要ないかと聞く前にまずは投下してごらんよ。
必ず最初にカプ名をきちんと明記してな。
需要あるかないかは、それからさ。
俺は個人的には読んでみたいぜ
逆転で王道カプってどんなの?
ナルマヨとミツメイ?
俺と真宵たん、もしくは俺と冥様
>>456 ナルマヨ、ミツメイ、カミチヒ、イトマコ
王道っていうとすぐに浮かぶのはこの4組かなぁ
オバミツを忘れるな!
最近は4の響也×茜も急上昇中だな
男性向けではナルメイやナルチヒも人気
ちなみに保管庫の作品数ではミツメイが断トツ
数えてみたらナルマヨが結構少ないのが意外だった
ナルマヨは少ないな・・・
ミツマヨは凄いサイトがあって羨ましい
>>461 そうだな。ナルマヨはプラトニック萌って向きも多いからエロパロでは少し少なくなっちゃうのかもな。
最近は健全系でもナルマヨからそのまま響也×茜って移行しちゃったやつも多いんじゃないかな。
ちと寂しいオレ。
俄然ナルマヨ好きの自分は2−4後の話を作成中。
ナルマヨ萌えの人待っててくれ。
>>463 楽しみだ
ナルマヨ、ミツメイは本編で恋愛感情いっさい見せないのが逆に萌える
ナルマヨ18
ナルメイ18
ミツメイ27
ミツマヨ13
ミツメイ人気だなw
やっぱ王道CP人気だな
どこにこんなに住人がいてくれたのかと感動した
個人的にはありえなさそうなCPも見たい
御剣マレカとか、王泥喜マサカとか、ゴドーあやめとか
469 :
抜空:2007/09/23(日) 23:05:26 ID:Ciy9zFTz
みんな、避妊はちゃんとしような!
オラと約束だ!
>>467 ナルユミ
トロキリ
ミツチヒ
ナルマサ
この辺もイレギュラーでいいと思うんだ
イレギュラーCPだったが
保管庫にあったミツチヒは良かった、思った異常にハァハァした
神よ、新たな目覚めを有難う…!
変わり種カプならゴドマヨとゴドメイが好き
ゴドマヨは千尋さんのこととか3-5のこととかを
踏まえて想像するととそれだけで泣けてくる
ゴドメイはそれと正反対にエロ一直線なのがいい
性格はともかく身体の相性は抜群に良さそう
>>470のトロキリで、まず初めに想像したのがオートロ×キリヒトだったんだ・・・
吊ってくる・・・orz
>>465 前に別板別スレで人気の出やすい男女CPの傾向について
考察されてたけど、そこで挙げられてた条件項目の
ほとんどがミツメイに当てはまってて驚いたことがある。
そういう意味では人気があって当然なのかも知れないな。
「幼馴染」とか「素直になれない」とか「色恋に不器用」とか
そんなのだろうか
>>475 ・二人とも美形設定、ないしは異性にモテる描写がある
・少なくとも10代後半以上に見える外見年齢(これより幼いとエロをやり難い)
・濃い接点や因縁はあるが恋愛要素は薄め
・対等に張り合えるライバル、または肩を並べて戦うことの出来る同志的関係
・女が男の足を引っ張らない・お荷物にならない
・設定に空白部分が多く、妄想の余地が広い
確かこんな感じだった。
あとは「二枚目×ツンデレの組み合わせは強い」なんて直球な意見もw
成る程、なんか説得力があるなw
ヲタ女が一度は通る道みたいなもんだな
>>447 >二枚目×ツンデレは強い
そう言えば響也×茜も二枚目×ツンデレだしな
カミチヒも千尋さんは神乃木に対して
割とツン気味だから該当してると言えなくもない
そういえばこのスレってコテの職人さんいないんだね
もしかしてコテ禁止?
>>483 荒らさなければおk
と、自分で勝手に解釈してみるw
別に禁止されてるわけではないと思う
でもコテトリ付けるのってリスクが大きいから
必要に迫られない限り付けたくない人が多いんじゃない?
『喫茶店の人々』 #5
倉院の里にほど近い駅に、男女の団体が降り立った。
ぞろぞろと改札を出るとそこに、この里でよく知られた倉院流霊媒道の装束の女性が待っている。
「いらっしゃい!みんな」
綾里家の、和室をふすまで二つに仕切れるようになった大きな部屋へ荷物を置いて、一向はワイワイと周囲を見てまわった。
「あ、霧緒さん。あの向こうに見えるのがそうじゃないですか?」
渡り廊下に出たみぬきが、遠くに見える、木の壁で囲われた施設を指さした。
「あんなところに、温泉が?」
「温泉を引いたプールなんだって。観光対策で作ったって真宵さんが言ってました。霧緒さん、水着持ってきました?」
真宵が、喫茶店のマスターと常連客を倉院の里に招待したとき、「各自水着持参でね」と言ったのは、新しくできた倉院のレジャー施設にある「温泉を使った温水プール」のためだった。
最初は滝にでも打たれるのかと思ったことは口に出さず、成歩堂はみぬきに露出の少ないスカートつきの水着を買ってやった。
こんなのこどもっぽい、と不満そうなみぬきの苦情は、断固として受け付けなかった。
「楽しみだな、みぬきの水着」
牙琉響也が腰に手を当ててみぬきの大きなカバンを覗き込み、御剣と王泥喜がすばやく成歩堂を後ろからはがいじめにして止める。
「おちついてください、成歩堂さんっ」
「むうう、離すんだ、王泥喜くん、御剣っ」
「見苦しいぞ成歩堂!」
それを見て笑いながら、霧緒が冥の隣に膝を突いて小声で言った。
「私、新しいの買っちゃいました。うふふ」
冥は穏やかに、笑顔でそれに応えた。
茜が自分の荷物を抱えてきて、そこからショップの袋に入ったままの水着を引っ張り出す。
「私も買いましたよ、ほらほらっ」
まだタグのついたそれは、オレンジ色の三角ビキニ。
成歩堂を背中から押さえつけたまま、王泥喜がその生地の小ささに思わずぶっと噴出した。
女性たちが盛り上がる中、久々に仕事を離れた男たちは、思い思いにくつろぎ始める。
自然に御剣の視線が霧緒を追い、成歩堂の視線が冥を追い、冥は庭に面した廊下へ出た。
なにげなさそうに、マスターが立って来て冥の隣で外を眺める。
「アンタは、来ないのかと思ったぜ」
ひとり言のように言って、空を見上げた。
「心配しなくても、こんなところでみっともないマネはしないわ」
冥は緑の多い土地の空気を、大きく吸い込む。
「いいのか?」
言葉はそっけないが、その口調にいたわりと優しさがあった。
「・・・狩魔は、ジャマなプライドも捨てられないのよ」
そう言ったその横顔に浮かぶ、かすかな微笑。
・・・コイツは、なにかを後悔しながら生きるような女じゃないんだな。
部屋の中で女たちの笑い声が上がった。
マスターはつられたように後ろを見たが、冥は振り返らなかった。
唇をぎゅっと結んで庭をにらみつけ、風に乱される髪を押さえる。
その左手首には、マスターの知る限り常にそこにあった、プラチナの細いブレスレットがなかった。
ふいに、横顔が泣くまいとしている子供のように見えた。
マスターはそっと欄干を離れ、冥の背中に言った。
「強くなりな、ご令嬢。・・・もっと」
「温泉プールもいいけど、まずちゃんと温度の高い温泉に浸かりたいッスね、御剣検事」
部屋の中で大きな体をごろんと畳に転がして、糸鋸刑事が手足を伸ばした。
「おい、ジャマだ刑事。そんなとこにいたら踏みつけちまうぜ」
部屋の中に戻ってきて糸鋸につまづいたマスターが、軽くその脚を蹴った。
「うう、相変わらずひどいッス、昔と変わらねえッス・・・」
王泥喜は、その言葉にひっかかった。
「あれ、イトノコさん、マスターと知り合いだったんですか?」
畳の上で足を伸ばしている男たちと、それぞれの水着やリゾートファッションを披露している女たちが、いっせいに手を止めて王泥喜を見た。
「・・・え?あれ?」
突き刺さるいくつもの視線に、王泥喜が前髪を垂らした。
「クックッ、おもしれえ」
マスターが、知らん振りを決め込んだ成歩堂の横にあぐらをかいて座った。
「この坊ちゃんは、何にもしらねえで、よくあんな胡散臭い店に通ってくれるよな」
誰も何も言わなかった。
王泥喜が、えっと、とつぶやき、茜が腰を浮かせた時、廊下に面したふすまが勢いよく開いた。
「みんな、広間にお昼ご飯の用意できたよ」
倉院流霊媒道家元が元気な声をかける。
それから、部屋の中を見回して、自分の後ろに立っている春美と顔を見合わせる。
「ん?どうしたの?あ、食後のコーヒーは神乃木さんが淹れてくれるんだよね?」
「ああ、かまわねえぜ。とびきり美味い豆を持ってきたからな」
気軽にマスターが引き受け、みんながぞろぞろと真宵の後について廊下に出る。
残された王泥喜の背中を、茜がぽんと叩いた。
「神乃木荘龍。マスターの本名だよ。聞いたことくらいあるでしょ?」
真宵と春美が用意してくれた、山の幸満載の昼食の後で、一行は腹ごなしに春美に里を案内してもらい、それからレジャー施設の温泉プールへ行こうということになった。
全員の水着やタオルの入った荷物を背負って、糸鋸が元気に先頭に立つ。
みぬきと春美が、糸鋸の両腕にぶら下がるようにして歩くのを見送って、マスターは渡り廊下から里を眺めた。
「神乃木さん、行かなかったんだ」
後ろから、真宵が声をかけた。
欄干にもたれていた神乃木が、肩越しに振り返る。
「里は見たいが、あの集団はどうもな。それに、温泉プールもこの体にはちとキツイぜ」
「じゃあ、里は、後であたしが案内してあげるよ。昔、お姉ちゃんが山ブドウを取ろうとして落ちた池とかね」
神乃木が、口元だけで笑った。
「千尋は、ここで育ったんだな」
「・・・うん」
「前に来たときは、こんなにゆっくり眺めてるヒマもなかった」
あの事件の時に。
真宵は隣に並んで欄干に肘をついて、両手で顎を支える。
すっかり、家元の衣装がなじんでいる。
「神乃木さんは、まだ定期的に病院へ?」
「ああ。おかげでかろうじて生きている」
晩秋の風が、真宵と神乃木の髪を揺らした。
「本当は、もうこの体で長く生きる必要はねえと思っていたんだがな」
「・・・」
「あんな連中と、こんな風に賑やかに過ごすことになるなんざ、予想もしなかった」
ふふ、と真宵が笑う。
「考えたら、すっごいメンバーだもんね」
マスクの奥の不自由な目で何を見ようとしているのか、頭を上げて遠くへ顔を向ける。
風に乗って、静かな里に響き渡る歓声がかすかに聞こえてくる。
「あーあ、大騒ぎだね。はみちゃん、ちゃんと案内できてるかなぁ」
それから手を伸ばして、神乃木が腕を置いている欄干の傷を指でおさえる。
「これ。あたしと遊んでて、お姉ちゃんがつけた傷」
神乃木は、愛しそうにその古い傷を撫でた。
「子供の頃からお転婆だったんだな、千尋は」
「・・・元気だったら、今頃神乃木さんと一緒に喫茶店やってるかな。それとも弁護士続けてるかな」
神乃木は欄干の傷を、ぐっと握り締めた。
「・・・オレは。今は、もう少しこの体を持たせたいと思ってる。もう少し、アイツらを見ていたい」
「神乃木さん」
「その方が・・・、そう遠くなくアイツに会った時、面白い話がしてやれるんじゃねえかと思うのさ」
神乃木は、成歩堂の中に千尋が生きていると言ったことがある。
でも、神乃木の中にも、千尋は生きているのだ。
真宵は、ほんの少し嫉妬に近い感情を覚えた。
「神乃木さん」
「ん?」
「お姉ちゃん・・・、呼ぼうか?」
「・・・」
神乃木が、真宵をじっと見下ろす。
「ほら、あたしこれでも霊媒師だし、家元だし。もちろん、霊媒料も取らないからね」
おどけた言い方ながら、真剣な目で真宵は神乃木を見つめた。
見つめ返す目は見えないが、神乃木の動揺は伝わってくる。
「・・・いや」
長い間沈黙してから、神乃木は低く言った。
「オレはまだ、アイツに話せるようなことはなにもしてねえ」
―――あなたはこの先の人生を、後悔するためだけに生きるつもりか。
御剣の言葉が、よみがえる。
真宵は、神乃木から離れた。
「ここ、夕方には冷えてくるからね」
神乃木を残して、廊下を引き返す。
温泉プールでは、みんなが大騒ぎをしているだろうか。
御剣検事なんか、鼻まで温水に浸かって動かないんじゃないかな。
なるほどくんは、冥さんの水着姿に鼻血出してなきゃいいけど。
それに、イトノコさんが暴れたら、温水なんか全部なくなっちゃうかも。
いいなあ、あたしだって皆と遊びたいよ。
少し不自由な立場になった家元は、それでも自分を探す修行中の霊媒師の声に返事をして、足を速めた。
里を歩き回ってプールで散々騒いで、温泉に浸かった後は夕食で飲んで食べてすっかり満足した一行は、ふすまで仕切った部屋に男女で別れて布団を敷いた。
水着に続いてパジャマで大騒ぎする女性たちに、男性たちはそれを見ながら部屋に持ち込んだ缶ビールを空けてゆく。
夜が更けて、さすがに全員が寝静まった頃、神乃木はそっと寝床を抜け出した。
秋とはいえ、大勢が一室で寝ている空気が暑い。
ゴウゴウといびきをかいて眠っている糸鋸をまたぎ、ふすまを開けてそっと外の廊下へ出る。
風の冷たさが心地よかった。
千尋がつけた傷のある欄干を手で探りながら歩く。
廊下の先に、ぼんやりと灯りが見えた。
なにげなく、足をそこへ向ける。
小さな灯りは細く開いたふすまから洩れており、中に人がいた。
思わず、手をかけて開ける。
かたん、という音が深夜の静寂を破った。
ゆっくり振り返る、霊媒師の装束を着た女性。
にっこり、笑う。
限りある視力でもわかるその笑顔を、神乃木は知っている。
「眠れないんですか、センパイ」
喉がひりつくほどに渇いて、声が出ない。
「・・・それ、誰だ?」
彼女はくすっと笑った。
「春美みたい。急に呼び出すんだもの」
「そうかい・・・」
「さっき、真宵と少し話をしたの。みんな、来てくれてるのね」
「ああ・・・」
「明日は、私のお墓参りなんですって?」
「ああ・・・。やっとここへ帰ってこれたぜ」
神乃木が手を伸ばして、髪に触れた。
「私は、向こうにいても良かったのに。センパイ、いつも来てくれるでしょう?」
引き寄せて、抱きとめた。
会うことはできないと言った意地が、溶ける。
「・・・千尋」
腕の中に抱いたのは、まぎれもなく愛した女だった。
言葉が、口をついて出た。
「すまねえ・・・オレはお前を守れなかった」
ただ、それだけを思って生きてきた。
千尋は力をこめて神乃木を抱きしめ返した。
「ごめんなさい。私は、あの時あなたを守ることができなかった」
神乃木の表情に、驚きが広がる。
「後悔してたの。あの時、一緒にいなかったことを。あの子があんなマネをするのを、止められなかった」
お互いに。
お互いの、最大のピンチの時に、そばにいなかった。
「・・・そうだったのか」
神乃木が後悔し続けたのと同じように、千尋も後悔していたのだ。
そっと頬を撫でる。
「不思議なもんだな」
春美の体のはずなのに、形状と意識は千尋。
「私にもよくわからないの。だって、霊媒師の修行はしたけれど、霊媒される方は教えてもらわなかったから」
千尋が少し笑った。
「でも、私が出て行ったら、元通りの春美に戻るはずだから・・・」
神乃木は後ろ手にふすまを閉めた。
小さな燭台の明かりの中で、神乃木は千尋の唇をふさいだ。
長くそうしてから、千尋の耳元でささやく。
「いいのかい・・・」
答えを待たずに、千尋の体を抱きかかえるようにして畳に横たわらせた。
触れた脚も腰も、なつかしさと愛しさがよみがえる。
密着した肌から伝わる温もりが、すでに失われたものなのだと思うと、神乃木はただ強く千尋を抱きしめることしかできなかった。
手の中に抱くことでよりいっそう、失いたくなかった、守りたかったという思いが強く自分を責める。
後悔だけが、神乃木を満たす。
「・・・泣いてるんですか」
痛いほど抱きすくめられていた千尋が、腕の中で体を震わせる神乃木に言った。
「いやですね、泣きたいのは私ですよ。なんせ、死んじゃったんだから」
「千尋、オレは」
「後悔、しないでくださいね」
「・・・」
千尋が神乃木の言葉を唇でさえぎった。
「それ、全部私にください。センパイの後悔」
神乃木の背に回した腕に、力をこめて千尋は言った。
「だから、できるだけ、できるだけでいいからそばにいてください。あの子たちの、そばに」
「・・・」
「私のできなかったこと、お願いします」
「・・・」
「それで、できなくなったら。その時は私に、あの子たちの事、話してください。ね?」
「・・・」
「やだ、まさか忘れたんですか、男が泣くのは」
神乃木は親指で千尋の唇を押さえた。
「そうだ。まだ終わっちゃいねえ・・・」
うなじに手を回して、指で押し広げた唇に舌を差し入れるように口付ける。
千尋の舌がそれに応え、むさぼるように求めた。
果てしなく続くかと思えるほどの長いキスの後に、神乃木は千尋の装束の帯を解いた。
時間が、急速にさかのぼる感覚。
神乃木は千尋の耳に舌を差し入れ、首筋や背中に跡を残さないように、柔らかく唇を這わせる。
ぎこちない動きが次第になめらかになり、触れるか触れないかの危うさで乳房をなぞった。
その質量と柔らかさを確かめるように手の中に収める。
「ん・・・」
千尋の腕が神乃木を抱いた。
失われた時間をとりもどすかのように、千尋は神乃木を、神乃木は千尋を求めた。
千尋が上になると、神乃木の胸に腹に腕に口付け、撫でる。
しなやかな指が湿った唇が、皮膚を撫でる感覚が神乃木の体の奥に火をつけた。
自分の上の千尋の腰を掴み、そのまま感触を楽しみながら上へ手を滑らせる。
吸い付くような肌のなめらかさは、記憶のままだった。
豊満な尻をなぞった手を、花弁に差し入れる。
「・・・っ」
千尋が一瞬震え、神乃木のまだ残る理性がその先をためらわせた。
潤んだそこに、それ以上なにかすることへの罪悪感。
今の千尋の肉体に対する、不安感。
神乃木が手を引いたのを感じて、千尋は下の方に頭を下げた。
柔らかくて生暖かい粘膜に包まれて、神乃木は低くうめいた。
体中の血流が集まるかのような快感に、股間に伏せた千尋の頭をつかむ。
指の間に髪をからめると、ほどかれた毛先が太ももをくすぐる。
だんだんと卑猥な水音を立てながら、千尋は神乃木を愛撫した。
壊れ物のような体に負担をかけないように。
「ク・・・」
技巧的に優れているとはいえないその愛撫にも、次第に熱がこもる。
千尋の口に余るようになったそれが、息を詰まらせた。
「んは・・・っ」
唾液と体液でぬめったそれを口から離す。
神乃木が体を起こして千尋を組み伏せた。
やや乱れた息遣いで、片脚に手をかけて開かせる。
「大丈夫・・・?」
神乃木の体を気遣うように言う千尋の言葉は、神乃木の唇でふさがれた。
「・・・男は上だ、コネコちゃん。そいつがオレのルールだぜ」
やおら両脚を肩に担ぎ上げ、目の前に開いたその場所に口付けた。
「・・・あ」
舌が縦に何度も往復すると、千尋の唇から切なげな声が洩れた。
「はあ・・・、あ、あ、んっ」
わざと大きく立てるぺちゃぺちゃという音とその声で、神乃木の最後の理性は落ちた。
差し入れた指は程よいきつさで締められる。
充血してふくらんだ花の芯に触れると、千尋の体は弓なりに反る。
その突起を舌先で押したりこねたりすると、焦れたように千尋が腰を波打たせた。
執拗に加えられる刺激から、逃れようとするかのように。
すでにすっかりあふれている蜜壷をを強く吸い上げると、悲鳴のような短い声が上がった。
「ああっ、もう・・・」
それでも執拗に舐め上げ、つつき、吸い続けると、千尋は両手で畳を叩くように身をよじる。
「や・・・っ、あ、あっ」
神乃木の両手で押さえつけられた脚ががくがくと震えた。
がっくりと力の抜けた腰から離れて、神乃木はいきり立った彼自身をそこに当てた。
「ん・・・っ」
愛する人を受け入れた喜びが、千尋を満たした。
愛する人に受け入れられた喜びが、神乃木を満たす。
始め緩やかに、だんだんと速さと強さを増す律動が、二人を上り詰めさせる。
神乃木が眉根を寄せて息を乱す。
千尋が腕を伸ばしてその首を抱いた。
「あ、あ、あああっ」
千尋が体を反らし、びくりと震える。
神乃木が喉の奥でくぐもったような声を発して、体を引いた。。
千尋は体力を使い果たしたように突っ伏す神乃木の背に、優しく触れた。
「・・・情けねえな」
顔を背ける神乃木の耳元に、くすくすと笑いながら千尋は囁く。
「私・・・死んじゃうかと思いました」
二呼吸分の時間、神乃木は考えた。
「・・・すごいことを言うようになったな、千尋」
体をひねって腕を開き、千尋を抱く。
いつまでこうしていられるのか、それを聞くのは怖かった。
「オレが近いうち、そっちに行ったら・・・」
聞き取れるかどうかといった声で、神乃木が言う。
「間違いなくお前のところへ行けるように、迎えに来てくれねえか」
「センパイ?」
「もしそっちでこの目が役に立たなかったら、会えねえかもしれねえだろうさ」
「・・・」
「それだけが、心配でな」
千尋が、ぎゅっと神乃木を抱きしめた。
「ダメですよ。まだ来ちゃだめ。まだまだ、あの子たちはあなたを必要としているもの」
その言葉に、神乃木は意外さを感じた。
ただ生きているだけになりそうだった自分の毎日に、彼らが与えてくれた生き甲斐。
誰かが尋ねてきて、闇色の飲み物で笑顔を見せる。
それを楽しみにできる、日々。
「必要?オレを?」
千尋の手が神乃木の頬に触れ、温かみが伝わる。
「そうですよ。センパイの喫茶店がなければ、あの子たちどこで息抜きするんですか。どこで、あんな嬉しそうな顔して、あんな楽しそうにはしゃぐんですか」
「・・・千尋」
「私は待てるから。急がなくても、あなたを待てるから」
神乃木は、それ以上語る言葉を見出せなかった。
「センパイ。まだ」
「ああ。・・・泣いちゃいねえ」
そう言う唇に、千尋のそれが押し付けられた。
翌朝、一行は真宵の案内で、墓参りへ出かけた。
それぞれが、さまざまな思いで綾里家の墓に手を合わせた。
最後まで墓前で手を合わせていた成歩堂が顔を上げると、横に真宵がいた。
「ありがとう、なるほどくん」
成歩堂は、墓石を見つめる。
「千尋さんは、僕のことを怒ってるね。きっと」
今の姿を、千尋になんと説明してよいか。
真宵は、言葉の代わりに成歩堂の背中をバシンと叩いた。
「いいんだよ、なるほどくんはなるほどくんだから」
「・・・」
「いいんだよ。なるほどくん」
成歩堂は、少しうつむいた。
「ありがとう、真宵ちゃん」
綾里家の墓に背を向けて、成歩堂と真宵はみんなの後について歩き出す。
「なるほどくん」
「ん?」
「もし、この先、なるほどくんが子育てに追われてお嫁さんをもらい損ねて、みぬきちゃんがお嫁に行って、寂しい老後を迎えたらさ」
「なんだよ、それ」
成歩堂が笑う。
真宵は、真剣だった。
「そしたらさ、老後はこっちへおいでよ。なるほどくんの一人や二人、面倒見てあげられるよ」
「・・・」
「ね、そうしなよ」
顔を上げると、みんなの後姿が見えた。
まっすぐに背を伸ばして歩く、冥の背中も。
「ありがとう。真宵ちゃん」
真宵が、ほっとしたように笑った。
荷物をまとめて、一行は綾里家を後にして駅へ向かった。
もっとゆっくりできるといいのにね、と真宵は言ったが、今回このメンバーが同時に休みを取るのもかなり難しかった。
みぬきと別れを惜しんでメアドを交換する春美に、昨日と変わった様子はみえない。
神乃木はやや複雑な思いで、それを見つめていた。
「あーあ、明日からまた現実が戻ってくるんだ」
思い切り腕を伸ばして、先頭を歩く王泥喜がぼやき、
「仕事のないヒマな現実が?」
と、隣で茜が茶化す。
その後ろを、響也と並んで歩きながら、みぬきが口をとがらせた。
「みぬき、もう少しここにいたいなあ、ねえパパ?」
「そうだねえ」
なにげなく、みぬきと響也の間に割り込んで、成歩堂が父親の顔で笑った。
「成歩堂さんはともかく、みぬきちゃんは学校もステージもありますから」
のんきな成歩堂親子を、しっかり者のマネージャー、霧緒がたしなめる。
「ボクも、もっと休みが欲しいんですけどね」
と言う響也の苦情を、背後から御剣が言葉でひねりつぶした。
「検事局はいつでも人手不足だ。キミに回したい案件が私のデスクに山積みになっている」
後輩をやりこめた御剣は、あえて霧緒と距離をとり、歩調をゆるめて後ろを歩いている冥に並ぶ。
冥は御剣が言葉をかける前に、斜め前にを歩く糸鋸に追いつくようにすっと御剣から離れた。
今はまだ、御剣に優しくされたくなかった。
人の荷物まで持てるだけ持って歩く糸鋸に並ぶと、封筒に入ったお土産代を渡す。
「駅の売店で、忘れずに買うのよ」
「検事局にお土産ッスか?狩魔検事も気のきくところがあるッスね」
「あいかわらず、バカのバカげた発想ね。検事局がいつそんなのんびりした職場になったの。
あなたが刑事課に配るお土産に決まってるじゃない。裁判長の分もよ」
「か、狩魔検事・・・!」
「あっはは、よかったねーイトノコさん!イトノコさんのお給料じゃ、マコちゃんのお土産しか買えないもんね!」
送りがてら付いて来た真宵が、感動している糸鋸の大きな背中を叩いた。
一番最後を歩きながら、神乃木はその様子を眺めている。
それぞれが、前へ歩いていく後姿を、眺めている。
あの子たちの、そばにいてくださいね。
千尋の声がする。
あの子たちは、あなたを必要としているもの。
神乃木は、空を見上げた。
この目が空の青を知覚できることを、幸せだと思った。
「・・・マスター!」
風に乗って、神乃木を呼ぶ声がする。
駅に着いたあの子たちが、遅れた神乃木を呼んでいる。
神乃木はもう一度だけ里を振り返ると、唇の片端を持ち上げてかすかな笑みを作り、足を速めた。
これまでの、そしてこの先の人生を、後悔しないために。
494 :
神乃木×千尋:2007/09/26(水) 22:17:42 ID:zAaWTIeE
完
乙!!カミチヒいいよいいよー!!
リアルタイムで読めて嬉しい
GJ!超GJ!
まさかカミチヒが来るとは思っていなかった
眼からなんか熱い汁が出てるよ
乙!
けど、千尋さん霊媒のはみちゃんの体の事を考えると…
心からGJ!とは言い難い…難しいやね、霊媒ってさ。
俺は心の底からGJ!!!!
本当よかった!また機会があったら書いてください!
マヨイちゃんの出番が少ないのは残念だったな
チヒロinハミは「チヒロが出て行けば元の処女にもどる」んだよね?
戻ると言ってくれ
カミチヒGJ&完結乙!
こういうオムニバス形式の連載は新鮮で面白かったし
内容も王道カプから珍しい組み合わせまで色々あって楽しかった。
また次の作品を期待してます。
カミチヒ乙!その二人好きだー。
さて、成歩堂×真宵(2−4その後)出来上がったので投下します。
ほのぼののつもりだったけど出来上がったらそうでもなかった。
苦手な方はスルーを。
502 :
成歩堂×真宵:2007/09/28(金) 00:02:57 ID:NybHtv2/
数日振りに無事に真宵が帰ってきた。
監禁中に十分な食事を取らされていなかった所為だろうか、いつもよりも小柄な
身体が更に小さく見えて胸が痛んだが、祝賀と食事を兼ねたホテル・バンドーの
広間では色とりどりの料理が真宵を出迎えて彼女を喜ばせ、元気よくご飯を
食べる姿はいつも通りで、成歩堂は誰が支払いをするんだと思いながらも
ほっと胸を撫で下ろした。
事件に関わった皆が真宵の無事を祝福してくれる度に真宵は慌てて会釈を返している。
「ほあいあほう、ほらいまふ!」
食べ物を頬張ったままのほっぺたは大きく膨らみ、まるで小リスのようである。
というか、それ以前に何語を喋っているのか判別不明だ。
挨拶をしている御剣や糸鋸がほほえましさと苦笑を交えた絶妙な表情をしているのを、
ビールのグラスを傾けながら見つめる。
真宵の隣では春美が涙で真っ赤になった目を潤ませながら、真宵の次なる食べ物を
わんこそばの如く小皿に盛っている。
騒がしく、慌しい。いつも通りの光景。
それが今日はいつもよりも愛おしく感じる。
「何はともあれ、無事で良かったッス。」
大きく笑う糸鋸の声に成歩堂は心から同意した。
無事でよかった。ほんとうに。
「ふあい!」
大きく頷く真宵の笑顔が酒を益々美味しいものにしてくれた。
503 :
成歩堂×真宵:2007/09/28(金) 00:31:06 ID:NybHtv2/
数日振りの安堵で酒が進むのも、そして数日間の不眠の所為で酒が回るのも
いつもよりも早いようである。
手洗いの洗面台でみた自分の顔は思っていたよりずっと赤かった。
「まあいいか。こんなに飲めるのも久しぶりだし。」
上機嫌な千鳥足でホテル・バンドーの会場に戻る。
相変わらずにぎやかなその部屋は夏美が人一倍騒いでいる所為だろう。
大きな声が入り口にまで届いている。
真宵ちゃん、変なインタビューとか受けてないだろうな…。
そんな事を考えて喧騒の中心に目をやると――――
主役の姿が消えていた。
504 :
成歩堂×真宵:2007/09/28(金) 00:33:01 ID:NybHtv2/
さっと成歩堂の血が冷めて急激に引いていくのを感じた。
あのときの光景がフラッシュバックしていく。
あのときも、この部屋から真宵ちゃんは連れ出されて――――
酔いも手伝いぐらぐらと頭が、脳内が揺れる。
近づく人影を認識し、ようやく成歩堂は声を絞り出した。
「み…つるぎ…」
「どうした、成歩堂。飲み過ぎで気分でも悪いのか。」
「ま…真宵ちゃんは…真宵ちゃんはどこだ!」
「…ああ。心配するな。」
「え…」
「春美くんが眠りそうだったからホテルに部屋を取って連れて行ったのだ。
真宵くんから離れたがらないものでな、彼女が連れて行った。」
「そ…そうか…。」
息をひとつ吐き出すと少し落ち着いたが、動悸はまだ治まらない。
不安になって御剣に再び声を掛ける。
「ちゃんと誰か…」
「糸鋸刑事が付き添っている。大丈夫だ。」
成歩堂の質問を判っていたかのように、御剣は言葉を継いだ。
「そうか…ありがとう。」
漸く安堵し、近くの椅子にどさりと落ちる。御剣が冷たい水をグラスに注いで
くれたので、成歩堂は一気にそれを流し込んだ。
嚥下すると同時に頭の中も冷えて落ち着いていく。
「我々がいる前で二度とあんな事は起こらせるものか。」
水差しを置きながら御剣がつぶやくように言った。
そういえば、警察で総力を挙げて真宵の捜索をしてくれたのは、全てこの男の
的確な指示と素早い状況判断によるものだった。裁判中もそうだったが、御剣が
力を合わせて真実へと向かってくれたからこそ真宵の今の姿はあるのだろう。
「御剣、ありがとうな。」
改めて礼を口にする。御剣はいつものキザな笑顔とは少しばかり違う、
あまり見たことのない表情で軽く笑い、
「君も休んだらどうだ。事情聴取は明日にしたし、真宵くん同様疲れているだろう。」
と成歩堂を促した。
「うん。そうするよ。」
505 :
成歩堂×真宵:2007/09/28(金) 00:35:30 ID:NybHtv2/
帰ってきたイトノコ刑事の手には部屋のキーが握られていた。
「多分先に寝ちゃうから預けてくれ、とあの子からの伝言ス。」
「ああ、すみません。」
「お、鍵を渡されるなんてイミシンやなー。コドモみたいな顔してあの子
なかなかやりよるな。」
チャラリ、と部屋番号の入った鍵を受け取ると同時に、近くに居た夏美に声を掛けられる。
「へ?」
予想もしていなかった言葉だったので、成歩堂は一瞬ぽかん、と間抜けな返答を
してしまった。ホテルの鍵を渡される事と真宵ちゃんが「なかなかやる」事を
結びつけるのに成歩堂の脳内はやたらと時間が掛かってしまったのだ。
「え!そ、そうなんスか!アンタ…まさか!」
同じく多少意味を図りかねていたイトノコ刑事が、気付いた途端に犯罪者を見る目で弁護士を睨む。
もう彼女は18歳なのだから犯罪者扱いされるのもおかしな話なのだが。
いやいや、それ以前の問題だ。
「ち、違いますよ!真宵ちゃんはそういうつもりじゃ…」
真宵は18歳という世間的には妙齢の年頃だが、先ほどの食事振りでも判る通り、
色気よりも食い気の方がまだまだ先行している娘だ。
同じ部屋に招き入れるのも二部屋取るのは経済的な打撃が激しいだろうとか、
ベッドがふかふかだから自分にも味あわせてあげたい、だとか事務所のソファで
ひとり眠るのは(今から自宅に帰る元気はないのは見通されている)虚しいだろう、
だとかそういった話だろう。
「どーも最近の女子高生は進んでるらしいで。」
「ミ、ミダラっス!不潔っス!」
イトノコ刑事と夏美がやいのやいのと囃し立てるが、成歩堂はきっぱりと言い放つ。
「とにかく、真宵ちゃんにはそーいうのはないです!」
「では、キミがしっかりと自重するのだな。」
ワイングラスを傾けながら、御剣がいつものイヤミな顔でフッと笑っていた。
506 :
成歩堂×真宵:2007/09/28(金) 00:37:12 ID:NybHtv2/
ホテルのキーをちゃらちゃらと回しながら、成歩堂は真宵たちの部屋に向かう。
「くそ…御剣のヤツ…。」
余計な弁解は益々外部に突っ込まれると思い控えたが、自重も何も成歩堂は
真宵にそんな気を起こしたことなどない。
本人の幼さは勿論のこと、大事な師匠の妹という事もあり、真宵に深い愛情を
抱いてはいるものの、妹を見るような目でしか見ていないつもりだ。
半年前に彼女が里に戻った時は大きな喪失感に襲われて、なかなか仕事が
手付かずになった事があったが、それでも決して恋愛感情ではないと思っている。
(…まァ、いい足してるとは思うけど。)
短い装束の中からすらりと伸びた白い素足、細い足首と肌理の細かなすべすべした太腿は、
実は結構気に入っているし、ちょっとだけ疚しい気持ちを抱いたことも正直無くはない。
ついでに言うと自分に呼びかけてくるあの可愛らしい声も。
…いやいやいやいや。何考えてるんだ僕。
そういえば酒は一向に抜けてないのだと思い出した。
御剣の言うとおりにするのは癪ではあるが…
自重しよう。
っていうか春美ちゃんもいるんだし。
ないない。大丈夫。
そう思いながら成歩堂は鍵を扉に差し込んだ。
507 :
成歩堂×真宵:2007/09/28(金) 00:39:06 ID:NybHtv2/
部屋の中は暗かった。
二人とも、もう眠っているのだろう。
成歩堂はネクタイを緩め、二つのベッドの寝顔を確認しにいく。
きっと真宵と春美はひとつのベッドで猫の姉妹のように丸くなってかわいらしく
眠っている事だろう。
平和極まりない寝顔を見れば疚しい気持ちなど消えて失せるというものだ。
部屋の奥のふくらみのある布団に近づいたとき、ふと気付く。
なんだか随分ふくらみが小さい。
枕元に近づくと、布団で小さな寝息を立てているのは春美ひとりだけだった。
「…真宵ちゃん?」
あたりを見回す。もうひとつのベッドの布団を捲くってみるが、もぬけの殻だ。
どくん、と心臓が大きく脈を打つ。
寝室を出て客間のテレビのあたりに目をやるが、真っ黒なテレビは何も映しておらず、
人影も無い。
鼓動が早まる。
もう一度寝室に駆け寄るが、やはりベッドの中には小さな春美の姿だけだった。
「嘘だろ…」
508 :
成歩堂×真宵:2007/09/28(金) 00:40:17 ID:NybHtv2/
早鐘のように打つ心臓は痛いほど成歩堂を急かす。
いやな汗が額から頬を伝う。
どこだ。
落ち着け。
居ないわけがない。
成歩堂はゆっくりと息を吐いて瞳を瞑る。
奥のほうから水音が聞こえた気がした。
成歩堂は音のする方向―――洗面所へと駆け寄る。
扉を開けるとトイレの置くにアコーディオン型の扉があり、水音はその中からだった。
取っ手に手を掛け勢いよく横へと引く。
ザア、と開くアコーディオンカーテンの音と共にザア、というシャワーの音と
湯気が成歩堂の顔に飛び込む。
湯音と共に驚いて振り返ったのは、真宵の顔だった。
「わ!きゃわあああ!」
シャワー途中の全裸の真宵が慌てて体を隠そうとする。
「な、な、なるほどくん!?ちょっと、出てっ…!!」
真宵の言葉はそこで遮られた。
成歩堂が彼女を思い切り抱きしめたからだった。
509 :
成歩堂×真宵:2007/09/28(金) 00:41:36 ID:NybHtv2/
シャワーの激しい水音が、狭い室内に反響している。
真宵は戸惑い、どう声を掛けていいのか判らなく途方に暮れているが、成歩堂の
汗とお酒の匂い、そして彼の心臓がめちゃくちゃに早い事だけは感じ取った。
「あー…えっと…なるほどくん?」
真宵は次の言葉を考える。
えーと、あたし、裸なんだけど。
見物料とっちゃうよ。
あたしなんかの裸にお金払うのもったいないでしょ、ほらじゃあさっさと出る。
ん?なるほどくん、お酒臭い。
結構よっぱらってる?
あれ?
っていうか、ないてる?
うええ?ほ、ホントに泣いてない?シャワーのせい?
「…よかった…。」
「え?」
「また…居なくなったのかと思った…。」
涙ぐんで震え、水音にかき消されていく声が、真宵にはわずかに聞こえた。
「なるほどくん…」
抱きしめられたままの姿勢で、真宵は自分の両腕をスーツのままの成歩堂の
背中にそっと回して抱き返してやる。
「だいじょうぶだよ。もう居なくならないから。」
510 :
成歩堂×真宵:2007/09/28(金) 00:43:58 ID:NybHtv2/
「うん…。」
泣きそうな七つも年上の男の子の声。その声が真宵の心のうちに温かく広がっていく。
姉を亡くした時から自分を何度も救ってくれた、逞しいヒーローの横顔。
不安で、心細くて、怖くてどうしようもなかった数日間の孤独の中で、真宵は
頼りがいのある法廷での横顔を思い出して描いたこともあった。
そのヒーローは今、結構酔ってて、そしてちょっとだけ泣いている。
だが、その弱さは真宵にとって幻滅する事でも、イヤでもなんでもない。
温かく降りしきるシャワーのように、真宵の中にも自分を思ってくれた幸せの雨が
降り注ぎ、心を潤わせてゆく。
「あたし、ここにいるよ。なるほどくんのそばに。」
「…うん。」
「ごめんね、捕まってる間、お風呂入ってなかったから。」
「…うん。」
「汗くさいのはずかしくて、なるほどくんに抱きつけなかったし。」
「気にすることないのに。」
「そうだね…。なるほどくんも汗くさい。」
「お風呂、入ってなかったから。」
「ずっと?」
「うん。」
「そっか…」
真宵の瞳にも、いつの間にか涙がこみ上げてきている。シャワーで濡れていく成歩堂の
青いスーツに、真宵の涙も少しだけ染み込んで色を濃くしていった。
「なるほどくん、いっちょーらがびしょ濡れだよ。」
「いいよ、そんなの。」
その言葉に真宵は何だか赤面する。考えてみれば、自分は一糸纏わぬあられもない姿なのだ。
「えと、あの、あと…」
あたし、裸なんだけど…とは言えずに、真宵は
「ちょっとくるしいよ…。」
とだけつぶやいた。
「ごめん…もうちょっとだけ…。」
少しだけ力を緩めたが、成歩堂は真宵から離れなかった。
「い、いいけど…うう…。」
恥ずかしいよう…。
「なるほどくん、さては酔ってるな?」
「…うん、ちょっと酔ってる…かも。」
「もー。これだからオトナは。」
「うん、ごめん。」
子供のように素直に謝る大人に、真宵はふふっ、と笑う。
漸く真宵を開放した成歩堂は、改めて彼女の姿を認識した。
湯と強い抱擁で色づいた頬。
白い肌も桜色に染まり、黒い絹糸のような美しく長い髪が肩に、胸に、
そして腰にも纏わり付いており、ぞっとするほどなまめかしい。
真宵の裸を見たのも初めてだが、髪を結っていない彼女を見るのも初めてだった。
いつもの幼い彼女とはまるで印象が違う。
はっとするほど綺麗で、女だった。
511 :
成歩堂×真宵:2007/09/28(金) 00:45:55 ID:NybHtv2/
「……たい…。」
「え?」
抱きたい。
素肌の肩に両手を掛け、再び自分のほうに抱き寄せて真宵を見つめる。
見つめ返す瞳は大きく、睫がしっとりと濡れている。小さな鼻と愛らしい唇。
成歩堂はその顔に誘われるままに、彼女の唇に口付けた。
シャワーで濡れた唇がしっとりと熱く、やわらかく、溶けていくような錯覚が起こる。
「ん…っ」
いつの間にか成歩堂は舌を絡めて深くキスをしていた。真宵はどうしていいかわからずに、
ひたすら彼の熱い舌を受け入れ、為すがままになっている。
「ふ…ぁ…」
止められていた息が、唇を離した際にはっと吐かれる。
その吐息が、声が甘い。
その声をもっと聞きたい。
その声で、もっと名前を呼んで欲しい。
「真宵ちゃん…。」
彼女の耳元に唇を重ねながら、スーツとワイシャツを脱ぎ捨ててカーテンの
向こうへと投げ捨てる。中に着ていた白いシャツは汗とシャワーであっという間に
半透明になり、成歩堂の身体の陰影を浮き彫りにする。
成歩堂は纏わり付くそれも脱ぎ去り、裸の半身を熱い雨に晒した。
身体に細い水滴が打ちつけられていく。
真宵は彼を直視できずに、顔を背けている。
きっとはじめてなのだろう。あさっての方向を向いたまま、真宵が
自分に戸惑いの声を掛ける。
「あ…な、なるほどくん…」
自分に向けるか細い声に、不覚にも下半身が反応した。
「真宵ちゃん…こっち向いて。」
512 :
成歩堂×真宵:2007/09/28(金) 00:48:21 ID:NybHtv2/
言われるままに真宵がおずおずと正面を向く。
白い素肌、ふくらみに沿って滴り落ちる水滴に早くも力を持った成歩堂の分身は、
既に半分ほど首をもたげてきた。
半裸の男の身体を伝って、下へ下へと流れていくひとつの雫を真宵の視線が追う。
だが、その途中で彼の下半身の不自然な膨らみに気が付いてしまった。
「うわ…。」
「…怖い?」
「う、ううん、だいじょぶ…だけど…。」
浴槽の縁に小さなお尻を預けさせ、成歩堂はその手前のタイルに跪く。
真宵の白い胸が正面に置かれ、そのまま自然にそこに口付けた。
「ふぁ…!」
バランスを崩して湯船に落ちないように、片手で彼女の背中を支えながら
抱き寄せて舌を這わせる。
洗い立ての肌の匂いが鼻孔を掠める。いつもの真宵の香りが、こんなにも
欲情を掻き立てるなんて思いもよらなかった。
やや小ぶりながらも形のよい白い胸には桃色の突起が水に濡れて光り、
成歩堂を誘惑する。誘われるままにそこに吸い付き、舌と唇で丁寧に頂点から
側面まで舐る。
「う…んん…っ、はぁっ…あぁ!」
小さく震えるひざ小僧を割って上半身を割り入れながら、成歩堂の舌は胸から
下方へと線を描いていく。
「あ…!だめ、その下は…!」
だが成歩堂にはそんな静止の言葉は届かない。
いや、届いているが聞き入れる気がないのだろう。成歩堂の身体が入り込んだままの
両足は、当然閉じることが叶わず、あっさりと真宵の大切な部分は侵略されてしまった。
513 :
成歩堂×真宵:2007/09/28(金) 00:49:50 ID:NybHtv2/
「っ…!ああ!」
成歩堂の熱い舌が真宵の花弁と絡み、敏感な小さな肉芽を舌に弄られて、真宵は
たまらずに声を漏らす。花を咲かせるように、彼女の柔襞を丹念に解して成歩堂は舌を出し入れる。
「あ…は…っあっ…!」
とぷ、と真宵の中から熱いものが染み出し、成歩堂の舌に熱い海を感じさせる。
あふれ出たそれは座している浴槽に垂れて行き、縁にいくつかの滑りの雫を作っていく。
「あ…だめ…なるほどく…っあっ…あっ!」
舌を出し入れする感覚にぴったりとしたメロディで、真宵が短く嬌声をあげる。
その上気した顔が、涙がこぼれている瞳が、自分の名を呼ぶその声が、舌に残る
真宵の味が、成歩堂の男を切なく逞しくさせていく。
手を伸ばして胸を掴み、乳首を指先でもて遊ぶと、真宵の中から一層溢れていく。
ぷちゅ、くちゅ、といやらしい水音が浴槽の縁と肌の間で奏でられていく。
「いっ…あっ!あっ…ああ…!」
「真宵ちゃん…」
ようやく舌を剥がした成歩堂は、真宵を抱えあげるようにして膝の上に乗せる。
「いくよ…」
「ん…あ…、なるほどくん…。」
真宵が喘ぎながら成歩堂の胸を押さえ、顔を近づけた。
「もっかい…ちゅー、して…。」
「…うん。」
言われるままにキスをする。優しく、深く。
真宵が腕を成歩堂の首に回し、抱え込むようにして身を預けた。
514 :
成歩堂×真宵:2007/09/28(金) 00:52:23 ID:NybHtv2/
たっぷりと粘り気のある水気を孕んだ成歩堂の肉棒が、真宵の果肉に突きつけられる。
そしてそれは、ゆっくり、ゆっくりと真宵の華奢な身体の中に埋め込まれていった。
「ん…っ!」
「うっ…!」
舌で十分に判っていたが、やはりそこは狭く、そして熱い。成歩堂のそこはすさまじい勢いで
絞り上げられる。眩暈のするような快感に、成歩堂はこのまま果てるんじゃないかと必死に
己を押さえつける。
成歩堂を抱きしめる細い腕が強く引きつっている。
彼女の小さな背中に腕を回し抱きしめた。
「真宵ちゃん、力抜いて…。大丈夫だから。」
「…ん。う、うん。」
ゆっくりと落ち着くように息を吐き、真宵が少しだけ緩む。
成歩堂はそのスキを縫うように、少しずつ、少しずつ彼女に己を沈めて行く。
自分の果肉が広がり、成歩堂の硬いものを受け入れていくことに、真宵は興奮と驚きを感じていた。
「なるほどくん…すごい…はいって…くね…。なるほどくんの…。」
「痛い?」
「いたい…けど…へいき…」
「凄い…気持ちいいよ…。真宵ちゃんの中…。」
自分の中を確かめるように、真宵が小声でつぶやく。
「なるほどくんの…すごい…熱くて…かたくて…おっきい…。」
耳元でささやくその声が、どんなに男を狂わせるか。彼女は知りもしないのだ。
濡れすべる座椅子の上で、成歩堂が動き始める。真宵の背中を抱きしめたまま、
彼女の内側を抉っていく。
「んっ!あっ!あ…!…んう…っ!」
シャワーの音で誤魔化しているが、きっと風呂場の外にも声は漏れているだろう。
だが、互いの動きは止まらなかった。
515 :
成歩堂×真宵:2007/09/28(金) 00:54:20 ID:NybHtv2/
汗も真宵の中の熱い液体も破瓜の血も全てシャワーの音と共に流れていく。
突き上げられる真宵の身体が成歩堂の動きに過敏に反応している。
痛みを我慢している表情が、益々興奮を煽り、細い指は背中に力を込めて耐えている。
細い背中を掻き抱いていた手を下へ滑らせ柔らかく丸いお尻を両手で鷲掴んでやると、
真宵がんんっ、と声を漏らした。
縦線を指でこじ開け、後ろからも指で刺激をする。
「うあっ!だ…だめ、なるほどく…!や、やらし…よ…ぉ!」
プロレスのギブアップのように成歩堂の背中を力なくぺちぺちと叩く真宵が溜まらなく可愛らしい。
成歩堂は手も腰も動きを止めず、更に唇で真宵の首筋を刺激する。
「あぁ…っ!」
首へのキスは真宵を絡めとり、彼女は背中への攻撃すらもできずに熱い雨粒に打たれながら
声を漏らすだけとなる。
腰の動きはいつしか早まり、振動に呼応するように真宵の喘ぎが短く高くなっていく。
搾り取られるようなキツイ快感が成歩堂を絶頂へと導いていった。
真宵の奥がきゅう、と成歩堂を締め付け続ける。激しい快楽に脳が痺れ、
成歩堂の奥から欲望が形となってこみ上げていく。
「真宵ちゃん…もう…!」
「っ…!ぁ!―――!!」
引き抜かれる瞬間の快感に真宵の身体がぞくぞくと震える。
成歩堂の先端から迸ったそれは、真宵の太腿へ熱く飛び散り、熱い湯に溶けて流れていった。
516 :
成歩堂×真宵:2007/09/28(金) 00:57:17 ID:NybHtv2/
脱衣所に干したスーツは絞りが甘かったのだろう。ぴちゃぴちゃと水滴を垂らしたまま
扉にぶら下がってしなだれている。
一張羅をぞんざいに扱った後悔はあまりしていないが、明日の朝には乾かないのは少し困る。
事務所には衣服は今置いてないしシャツを買いに行こうにも買いに行く為に着る服もないのだった。
着慣れないバスローブに身をつつんだまま、成歩堂はちょっぴり途方に暮れる。
「あした、あたしが買ってきてあげるよ。」
「ああ、お願いするよ。ありがと。」
「ねえねえ、みてみて。みつるぎ検事のまねー。」
成歩堂と揃いの白いバスローブ姿でソファにどっかと座り、洒落たグラスに
グレープジュースを揺らして真宵がフッとニヒルに笑う。
「ははは。似てる似てる。自宅でバスローブ着てそうだよな、あいつ。」
「うん、みたことないけど絶対着てるよね。」
見たことあったら問題だぞ、と突っ込みつつ、いつも通りの真宵の笑顔が成歩堂を安心させる。
ぐっすりと眠る春美の隣のベッドに真宵は潜り込み、
「はい、こっち。」
と成歩堂を手招いた。
シングルベッドに二人は少し狭いが、小柄な真宵を抱きかかえるようにすると、
丁度よい狭さと心地よさだった。
布から露になった肌が触れる感触が気持ちいい。
517 :
成歩堂×真宵:2007/09/28(金) 00:59:02 ID:NybHtv2/
真宵が顔を上げ、成歩堂の顎のあたりにくん、とちいさな鼻を寄せる。まるで子犬か子猫のようだ。
「酔い、さめた?」
「ああ…まあ。」
「なら良かった。えっと、今日のことは…忘れてあげたほうがいいのかな。」
「え。」
どうやら酔いの上の不埒と思われているようである。
なんだかちょっと心外だ。
いや、そりゃあ酔いの上の不埒ではあったんだけど。
「ま、真宵ちゃんあのさ…」
成歩堂の弁解は真宵の言葉によって遮られる。
「寝よ、なるほどくん。はみちゃんより早起きしないと大変だよ。また誤解されちゃうよ。」
「ああ…」
そうじゃなくて…。どう言えばいいのか、この彼女に対する気持ちを。
成歩堂は少し考えてから
「別にいいんじゃない?もう誤解じゃないんだし。」
と真宵の耳元にそっと囁いた。
言葉の意味を一瞬測りかねたようで、真宵は一瞬きょとん、とした表情だったが、
すぐに気付いたようだ。
みるみる耳まで赤くなってうう、ともうん、とも取れる微妙な頷きで答える。
「…いや、でもまだちょっと…教育上宜しくないと思う、です。
は、はみちゃんのおねえちゃんとしては。」
赤くなったままゴニョゴニョと反論する。
たまにはしおらしい彼女というのも良いものだな、などと成歩堂は思う。
これからもっと、たくさんの色々な彼女の表情を見ることが出来るのだろう。
相棒として、友人として、可愛い妹として、そして愛しい恋人として。
「そうだね。じゃあ、頑張って早起きしようか。」
「うん。えと、おやすみなさい、なるほどくん。」
「おやすみ、真宵ちゃん。」
確かめるように暗闇で軽いキスを数回交わし、瞳を閉じた。
ほんとうは布団の中でもういちど、とか不謹慎なコトを少しばかり思っていたのだが。
まあ、今度でいいか。そんな事を思いながら眠りに付く。
腕の中の真宵があまりにも柔らかくて心地良くて、成歩堂はいともすんなりと眠ってしまった。
しかし疲労と安心の積み重なった睡眠欲というのは凄まじいもので。
翌朝、二人が目覚めたのは春美の歓喜の奇声によるものだったようである。
終
終了です。読んでくれた人、待っててくれた人ありがとう。
良かったら感想よろ!
519 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 01:13:07 ID:I9Mr7p/A
良かったです!!マヨイちゃん可愛い!!
GJ!!!
泣いて萌えました!
すごい良かったです!
ナルマヨは自分の心のオアシスだと思ったよ
とんでもなく萌えたよGJ!
GJGJ!!
ナルマヨ不足だった最近の自分にはスゲー嬉しい
シングルベッドに2人で寝ちゃう所に萌えた(*´Д`)
523 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 04:27:24 ID:H5+E/4AD
GJGJGJGJGJ!!!
ナルマヨ最高萌えすぎて(*´д`*)ハァハァ
ナルマヨらしいし真宵かわいすぎ。禿萌えた!GJ!
お風呂場のシーンは成歩堂と一緒に泣いてしまった。ひとつひとつの台詞がすごくイイ。
ネタにされる御剣に吹いたw
ナルマヨはいいね〜
GJ!
GJ!もう萌え死ぬッス
サザエカードは本当いいよなー真宵かわいすぐる
GJJJJJJ!!!!!
やっぱり自分はナルマヨ好きだと確信した!
そして二人のミッちゃんのイメージに笑ったw
529 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 01:42:07 ID:KpAJfL5W
最後のはみちゃんもいいね!
530 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 09:39:24 ID:JXs41d8x
sageて
釣れたw
犬を霊媒したら犬耳と尻尾が残ってしまった真宵たん
という電波を受信した
むしろカエルの霊媒を失敗したからあんな顔に(ry
保管庫見たが、ゲロまみれのおキョウさんが、鑑識の彼氏3人との乱交で白濁液まみれになって、
その後さらに罪門に激しく攻められまくるSSがないのが意外だった。
まことは、主人に逆らうだけ無駄であることを、とうに学習していた。
貧しいながらも、父と毎日笑いさざめいていた生活のなんと遠いことか。
この屋敷の中に法も人権もない。主だけが、ただ一つの絶対的な力であるからだ。
闇が空気に交じったような部屋で、まことの君主である牙琉霧人は、彼女の一挙一動を気怠げに見つめている。
ソファに深く腰掛けた主の前に、紅茶のポットとカップを用意する。どうしてもたててしまう音が、
主人の邪魔にならないように、まことは震えながら缶の封を切り、紅茶を用意していく。
何の感情も表面に出さず、霧人は書類の束を黙々と読んでいく。
ペーパーノイズすら、緊張している彼女には、背景音楽にも聞こえる。
片手に顎を支え、時折まことの仕草を眺めながら、書類を片付けていく。
「まことさん」
紅茶を注ぎ終わり、ほっとして出ていこうとするまことを、彼女の主は呼び止めた。
「爪を切ってもらえますか」
そう、霧人は命令した。
パチン、パチンと間隔を置いて響く爪切りの音は、主の邪魔をすることはない。
まことは霧人の両の手の爪を切り終えた。ほっと一息を心の中に吐いて、足の爪にかかる。
跪き、靴と靴下を脱がせる。腿の上に、蒸しタオルで清めた霧人の足を載せて、また爪切りをそっと当てていく。
頭上から向けられている主の視線を出来るだけ意識しないようにして、まことはまた爪切りの音を鳴らし始めた。
「……明日の資料は、以上ですね」
そう呟いて霧人は書類を揃えなおした。一息ついて、霧人は椅子に腰掛け直す。
その時だった。
「あっ!」
悲鳴めいた声はまことのもの。
霧人の爪先に、朱色の珠が浮いていた。
力なんて入れていなかったのに、血が出るほど傷が付くなんて。まことは今までの自分の失敗とそれに対する折檻を思い出し、
反射的に目の端に涙を浮かべた。顔を上げれば、霧人が先程よりも冷たい視線でじっと見下ろしている。
冷え切ったその視線にあるのはなんなのだろうか。もっともまことにそれを考えている余裕はなかった。
「ご、ごめんなさい!」
泣き声混じりに頭を下げ、まことはタオルを掴んだ。
だが、それで血を拭き取る前に、霧人の足がまことから離れるようにして動く。
蹴られるのかと思い、まことは縮こまりながら後じさる。床に尻をつく。
脅える少女に一瞥を投げると、霧人は面白く無さそうに小さく鼻を鳴らした。
「血が出ていますね」
「ごめんなさい、ごめんなさい……」
霧人は退屈を覚えた。ただ稚拙に謝るだけの娘の泣き声は、いつもなら嗜虐をそそるのに、今日はそんな気になれない。
「続けてください」
「……はい」
「もう爪切りは使わないで下さいね」
罰は受けずに済むらしいと解って、まことの表情には露骨な安堵が出る。次に、疑問が浮かんだ。
「あの……」
爪切り無しに、どうやって続けろと言うのか。
「続けて下さいと言いましたよ」
侮蔑するような霧人の言葉を理解できず、おろおろと視線を彷徨わせる。
「お手本が無いと解りませんか?」
霧人が声を出した。まことは、主人の顔を見た。眼鏡の奥には、初めて会ったときのような穏やかな笑みがあった。
霧人は椅子を立ち、フルオーダー・スーツの片膝を、躊躇いなく床につけ、そこに跪く。そして彼は、まことの足を手に取った。
するすると靴下を脱がされる。まことは不意に理解した。恐怖に似ているがそれとは違う別の感情に、また体が硬直する。
ゆっくりと霧人の顔が、まことの爪先へと近付いていく。
「い……いや……」
小さすぎる音も、この静かな部屋の中では隅々まで届いてしまう。まことのその否定めいた声も、主の耳に届いたことだろう。
白い爪先に霧人の乾いた唇が触れ、そして口の中へと消えた。まことには悪夢のようだった。
霧人はその状態で、先程と変わらず脅えたまことを見つめている。怠惰そうだが、先程より確実に生気ある瞳で、
震えるまことの姿を楽しんでいる。その口元が微笑の歪みを象った。
美しい地獄の悪魔のようだ、とまことは思った。それから、霧人はまことから視線を外した。その表情から微笑の影は消えている。
カリリ、と、湿ったような音が静かな室内に響いた。歯が爪を噛み切る音だ。
まことはそれ以上見ていることが出来なかった。吸い付けられるように外せずにいた視線を、剥ぐように外す。
何かが狂っている。わけのわからない得体無さに脅えながら、部屋を飛びだした。後でそれを理由に折檻されるかも知れない。
けれど、それでもまことは、恐ろしかったのだ。
堪えていた泣き声を漏らしながら部屋を出たまことに、部屋の中の主が視線を向ける事はなかった。
>>538 これ他スレからのコピペな上に、元々はどこかのサークルのSSを
無断転載したものらしいから保管庫に収めるのは見合わせたほうがいいのでは?
>>540 確認せずに申し訳ありません。
保管庫から削除しました。
保管庫の中の人、いつも仕事が速いな
感謝感謝!これからもよろしく頼む
サブキャラとメインキャラのからみってないよね
コナカ×真宵とか、煮星×冥とか、ハミガキ×みぬきとか……
いや、見たいわけじゃないけど。
ハミガキは・・・ぜひみたいです
ハブラシであれこれしちゃうのか
「あ、ワタシ。イきそうです、ってゆう!」
…萎える
むしろワロタ
保管庫に成歩堂×マサカってのはあった気が。
ムギツラ×茜、若御剣×若ちなみ、イブクロ×姫神・・・、
あんまり想像したくないなw
ナルホド×ちなみ
ゴドー×ちなみ
怒りに任せてレイープとか。需要ないかな…
若御剣×若千尋は見たいなぁ……
>>550 レイープならそれだけで需要あると思う
お、俺が見たいわけじゃないぞ
個人的にはオートロ×霧緒(レイープ以外ありえなさそうだが)や呑田×ちなみ、
エロは難しそうだがアクロ×冥等も見てみたい。
同じ章に出てきて絡めそうなのは
小中×梅世
山野×1話の被害者(名前忘れた)
荷星×スタッフ
荷星×姫神
町夫×マコ
霧崎×ミミ
アクロ×ミリカ
バット×ミリカ
オートロ×ユリエ
オートロ×霧緒
マレカ×ユーサク
愛牙×霧緒
ホンドボー×マコ
岡×マコ
ゼニトラ×マコ
ゼニトラ×うらみ
若御剣×若千尋
ザック×マサカ
宇狩×美波
滝太×美波
常勝×小梅
マキ×ラミロア
ダイアン×ラミロア
レタス×ラミロア
ハミガキ×まこと
意外にあるもんだね。
愛牙×霧緒、見たいなぁ。
愛牙節が難易度高そうだけど。
鼻を挿入するのか
>>556 霧緒「んぁぁっ! アイガさんっ、来て……入れてくださいっ!」
哀牙「さぁれ! ついに来た此の運命的な結合の瞬間っ! 結合を果たした時大いなる生命の種が女体に宿る! 如何に神秘的な行為か、嗚呼」
霧緒「きゃああああ! 哀牙さん、鼻を入れないでくださいっ!!」
哀牙「何とぉぉぉぉっ! 息がっ、息があああああ!」
こんなのが浮かんだ
哀牙の口調似てなくてゴメン
ワロタ
哀牙とキリオというか哀牙にエロパロは
どうしてもギャグになってしまいそうだなあ。w
読んでみたいけど。
というか、逆裁においてネタやギャグに走らずエロが出来るキャラは結構限られてる気がする。
あまりにもキャラが濃すぎて存在そのものがネタ化してる人物が多数だからなw
総じて第3話のキャラはギャク化しないとダメっぽいな。
特にサーカスとかサーカスとかトミーとかトミーとかトミーとかベンリロとか。
あとは山野星雄、アウチ、煮星、オバチャン、モロヘイヤ、キミ子、ホンドボー、マメ蔵、ビキニ辺りもギャクっぽいな。
上のキャラをみているとどれもこれもエロパロしにくそうだ。
哀牙はまだましかもしれんが、あの喋りがあるからなあ・・・。
アレを再現しつつ、エロパロを書くのは難しそう。
>>561 マメ蔵って誰かと思ったら、あのおじいちゃんか。
マメ蔵、ビキニ、オバチャンの3角関係って、消化不良起こしたジャマイカorz
小中×梅世とかいかにもエロくなりそうな組み合わせなのに
俺の脳内ではなぜかお笑いにしかならん
その二人普通じゃないもんなw
そんなこと言ったら、普通のキャラなんて・・・w
若御剣が例の衣装でギシアンしてるイラスト見たことあるけどギャグ以外の何物でもなかったからなぁ。
ゴドーもあのマスク付けたまででヤってるとこ想像するとかなり笑えるし。
シリアスも出来るレギュラーキャラでも冷静に考えるとネタ臭い奴が結構いるな。
>>567 >若御剣が例の衣装でギシアン
脱いでからやれよww
大事な勝負服が色んな体液で大変なことになるぞwwww
つーか、相手は誰なんだ?ひょっとして冥13歳か?
若御剣×冥13歳・・・
証拠を提出してもらうしかないな
>>566 そう考えるとアクロは、数少ないまともでアクのない二枚目だったなぁ。
若御剣が、若御 剣に見えて、別の人の名前かと思ったorz
若という文字を見ただけで、若本御大が浮かんだ俺はもう末期
アクロ、確かにまともな部類だったな。
最後の滝涙さえなかったら、萌えキャラになれたかもしれん。
被害者だったら、町尾守あたりは、清潔感ある好青年っぽいが。
二枚目じゃないが、呑田菊蔵も人としてはかなりまともだったと思う。
女は結構脇でも萌えキャラがいる(霧緒、ユリエ、マレカ、うらみ、ミリカ、あやめあたり?)
のに、男の脇キャラは、喋る長さが長ければ長いだけ、壊れキャラへの道につながる法則?
ロリ冥!ロリ冥!!
冥13歳って援交物の裏ビデオのタイトルっぽいw
575 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 13:13:21 ID:+y8a8Mg8
あげ
そろそろ3Pネタキボン
○
<| ○|\
_ト○| ̄ヒ|_
↑ ↑ ↑
な 冥 御
る 剣
ほ
ど
○
<| ○|\
_ト○| ̄ヒ|_
↑ ↑ ↑
な 真 御
る 宵 剣
ほ
ど
むしろ
○
<| ○|\
_ト○| ̄ヒ|_
↑ ↑ ↑
冥 な 真
る 宵
ほ
ど
そのほうが却ってリアルだから困る
流れを無視して霧人×まこと
しっかりと、電源が入っているのがすぐ分かるデジタルビデオカメラが三脚に据えられている前で服を脱ぐのは、さずがに恥ずかしかった。
服を脱ぐ事よりも、どう振舞っていいのか分からない。何をどうしたって、相手に媚びているような気がして、迂闊な事は何も出来ないような気がした。
ただ淡々と、服を脱ぐしか外にない。カメラが据えられている向かい側は壁面いっぱいの鏡だ。鏡に映る像は私が今カメラに何を撮られているのか教えてくれる。
精一杯平静を装って、なんでもない振りをして、いつものことじゃないかと自分に言い聞かせながら、それでも頬が熱く、身体が熱く、胸の奥からなおも熱いものが込み上げて来るのが分かる。
そのすべてを、カメラの目が克明に写し撮っていくのが分かっていても、あれこれと惑うのをやめることは出来無かった。
それは、すべて、鏡の正面。私の後ろに、大きな革張りの安楽椅子に、スーツ姿のまま座っている男のせいなのだった。
少し眉を寄せ、目を細めて肘掛け椅子に片方の肘を付き、軽く脚を組んでいる男、牙琉霧人。
背が高くて肩幅のある大人の身体をクラシカルなスリーピーススーツにつつんで、銀縁の眼鏡をかけていた。
いつまでたっても、私はあの人の前で服を脱ぐ事に慣れない。私達の間には相容れない壁があって、それを越えようとするたびに
私は、どうしたらいいのか分からなくて、途方にくれてしまう。相手が何を望んでいるのか全く検討もつかない上に
相手が望むような反応を返してしまうことに常に戸惑いと不安が付き纏う。
普段のあの人と私の間には、常に距離があって、たまに気が向いた時にあの人はそれを越えてくる。
それは、髪を撫でたり、ふと身体に触ったりする何気ない接触だけど、私はその度に舞い上がり、戸惑う。
初めて好きになった人、そして恋は一方通行。相手は客なのだ。ほんの気まぐれで突き放されても不思議じゃなかったのだ。
用心深く距離を取っていないと、私はコントロールを失って、彼の足にしっかりとしがみついてしまいそうだった。
そんなみっともない事はしたくない。
──違う。してもいいけど、そんな振る舞いをするところをあの人にだけは見られたくない。
誰かを好きになるって、なんでこんなにややこしいんだろう。嘘をつけば後ろめたく、振りをすれば落ち着かない。
誠実でありたいと思うほどに身動きならなくなり、正直になろうとすれば、恥ずかしさでいたたまれない。
しかも彼が見たいのは、そんなギリギリの所で私が恥をかきたくないと必死になっている有様と来ているのだから、混乱する事この上ない。
絶対に、絶対に見せたくないと思っている姿を、洗いざらい底まで攫ってさらけ出す以外に応える術が無いのだ。
……それでも、やっぱり私はあの人の側に居たくて、だから、こうして言われるがままにカメラの前で服を脱いだりしている。
服を脱ぎ終わってまっすぐ鏡に向かって立てば、そこには何をどうしたらいいのかわからずに途方にくれている素裸の私と、
両腕を肘掛に乗せて脚を組んでくつろいだ様子でじろじろと私を見ているあの人が映っている。鏡の中で視線が合う。
ちょっと微笑んだあの人の口元。きっちりとリボンタイの締められたシャツが包んでいる首筋。スーツに包まれた広い肩。そしてその下で息づいている身体。
私は思わずあの人に見とれてしまう。裸で所在無げに立ち尽くしている私よりもずっと色っぽく扇情的な男を。
我を忘れた私の視線が服の下の彼をみつめ、呼吸のたびにかすかに上下するスーツの下にある筋肉の動きを想像して、のぼせ上がっていく。
鏡に近づく。一歩。また一歩。手を伸ばしてあの人に触れようとする。ひんやりと冷たいそれに掌を当て、その中にいる彼の姿に少しでも寄り添おうとした。
鏡の中でゆらりとあの人が立ち上がった。近づいてくる。一歩。また一歩。私は怖気づき、思わず後ろに下がる。
憧れが過ぎて、求める気持ちが強すぎて、本能的に逃げようとする。近づいてくる鏡の中のあの人から。
後ずさった私は、待ち構えていた彼の腕の中に絡めとられた。
逃げようとして、却って近づいていく。近づこうとして却って遠ざかってしまう。
背中に押し付けられたスーツのボタンの冷たさが、自分の身体が熱くなってしまっている事を教えてくれた。
ぐいっと顎に当てられた掌が私の顔を上向ける。それから、覆いかぶさるようにのしかかってくる。
覗き込まれ、あの人の息が頬に掛かると、何もかもがその唇に向けて収束してくるような気分になって、
私は私の唇の上でうっすらと開いて私を待っているかのような彼の唇にむしゃぶりついた。
『カメラの前で…』
息が苦しくなって、何度か唇を緩めて息を付いた隙に彼が囁いた。なにを?と聞き返そうとした言葉はお互いの接吻の中に吸い込まれていく。
角度を変えてもう一度。深く。それからもっと深く。いつの間にか向き合って、胸を合わせ、腹を合わせ、脚を絡ませて尚、もっとぴったりとくっつこうと腕に力を込めている私。
『随分と積極的ですね』
しがみつく私の身体をまさぐりながら、首筋に向かってあの人の唇が伝い降りていく。
私はすでに混乱のあまりに何がなんだか分からない状態で必死にあの人の身体にしがみつきながら、その言葉を反芻する。
──なんだっけ?カメラ……。そう、ビデオカメラ!
ようやく、その言葉の意味を捕まえた私は、間抜けな事に改めて分かりきってる事に気が付いて
自分からしがみついていた彼の身体を押しのけようとした。だが、そんなこと出来る筈が無い。相反する行動を一度に行っても、目的を達するには程遠い。
私の身体はあっという間に彼の思うままくるりと向きを変えられて、両腕は鏡にぴったりと押さえつけられた。
『心配しなくても、映っていますよ』
あの人は、後から腰を抱きかかえて、右耳を軽く噛むと耳朶に唇をつけて息を吹き込みながら囁きかけてくる。
『そう、何もかも……』
胸を絞り上げられるような羞恥が襲い掛かってくる。どうにも逃げようがない姿勢に押さえ込まれて、スーツのざらざらとした布目が素裸の背中を擦りあげる感覚を味合わされる。
鏡をみつめる事もできずに逸らした首筋へあの人が舌をちろちろと動かしながら肩へ向かってその唇をずらしていく。
堪えきれない喘ぎに曇る鏡に、ぺったりと頬を押し付けて、降りてくる手の動きが与えてくれる感覚を貪欲にむさぼって、味わって、
布越しに感じる身体に自分から腰を押し付けて、泣きながら、懇願しながら、揺さぶられながら、それでいて頭のどこかに冷めた感覚が一箇所だけ残っていて
カメラに映っているだろう自分の姿をみつめている。二重構造の羞恥。二重構造の快感。
「いいですか……?」
何を聞かれたのか分からなかった。何を要求されているのかも分からなかった。それとも、感じているか訊いてたのだろうか。分からなかった。
何もかも。いい。いいんだ。なんでも、どうしても、どんな事をしても…。私は何も応えずに、黙って彼の身体に強く自分を押し付けた。
側に居られるなら、それだけでいい。
ゴメンなんか2分割で投稿できてしまったw
2で終わりです。おそまつ。
>>580 最初の一文で検索した結果、転載であると判断しましたので、保存庫には保管しません。
ここに投下された作品の設定を借りて三次を書くっていうのはアリ?
思いついちゃったんだけど。
>>585 とりあえずここで元の作品の作者さんに許可を求めてみたら?
作者さんがおkなら良し、NG回答や反応無しなら止めておくべきかと。
一読み手としては、その作品が未完だったら、
反応無しでも桶としたいな。
設定だけ借りるなんでしょ?
設定借りるってどういう意味?
同じカップリングで書くってことですか?
同じ時間枠で書くってこと?
すでに二次で書いたものに、借りるほどの設定ってある?
いや、純粋な疑問。
聞くだけ聞いてみれば?
反応が返ってくるかは知らんが。
591 :
585:2007/10/20(土) 00:28:01 ID:AwHeH9Zl
レスサンクス。
>>56-のゴドメイなんだけど、
出所したゴドーや茜が、御剣や冥と協力して成歩堂の捏造問題を解決する、っていう設定で
続きみたいのを書きたいんですが、いいでしょうか。
あと、その後のゴドーがカフェをやるっていう展開で、喫茶店の人々シリーズともかぶるかも。
見ていたら、許可or非許可いただけるとうれしい。
あと、住人でこの作品が好きだからやめてくれという意見があればやめます。
>>588 ハミイトノコ物語や喫茶店シリーズみたいな
特殊な設定の話の舞台や世界観を借りたいってことじゃない?
御剣怜侍がアメリカの狩魔邸に来るのは、久しぶりだった。
少年のときに狩魔豪に師事してから、早く学業を修めるために数年ここで暮らした。
多忙で日本を出ることがない狩魔豪はなぜか、末娘が2歳のときに妻と末娘を移住させたのだ。
それが、あの事件の直後だったと御剣怜侍が知るのは、まだ数年先。
かつて私室として与えられていた部屋がそのままで、御剣はデスクの前に座って冥を眺めていた。
娘しか持たない狩魔豪が、跡取り候補として御剣をアメリカに送ったとき、まだ小学校に上がったばかりの冥は顔を真っ赤にして怒ったものだ。
「私が検事になるわよ!」
自分と母を放り出して会いにも来ない父親への抗議と、息子のように扱われる御剣への子供らしい嫉妬だと思った。
そして本当に猛勉強し、御剣が日本へ帰った後、彼が初法廷に立った去年、同時にアメリカで検事になった。
御剣は二十歳、冥は13歳だった。
初法廷で、いまだに忘れられない苦い思い出を作った御剣に反し、冥は順当に連勝しているという。
その冥が、法廷での大人びた服装を解いて、少女らしいふんわりした可愛らしいワンピース姿で、専門用語を連ねている書類に目を走らせている。
さっきから同じところを何度も繰り返し呼んでいるようだったが、急に顔を上げる。
「キトウを舐めると、どうなるの?」
椅子から落ちるかと思った。
「なんだと?」
冥は黙ってファイルごと突き出し、御剣は立ち上がり、デスクを周って冥の座っているソファの前まで行った。
「・・・・・・ム」
一目見て、その案件が婦女暴行事件だというのがわかった。
こんな事件を、14歳の女の子に扱わせるのか。
しかも、被害者は強姦で訴え、被疑者は和姦を主張している。
「君は、検事局で嫌われてはいないだろうな?」
史上最年少というだけで、面白くない先輩はたくさんいるだろう。
困らせようとしてこんな事件を押し付けているのかもしれない。
冥は御剣が返したファイルを受け取って、ふんと笑った。
「考えすぎ。どんな事件でも同じよ。ただちょっと、わかりにくいことがあるだけ」
書類に目を落とし、指先で単語をなぞる。
「被疑者が合意の上だったと主張する根拠なんだけど」
淡々と取り調べの内容を読み上げる冥に、御剣のほうが赤面した。
「・・・世間話の途中で被害者は、被疑者の足元に膝をつき、こうね」
ふいに、冥が御剣の正面で立ち膝になった。
「ム・・・」
「そこで被疑者は前を開けて陰茎を取り出す。ほら」
「ほ、ほら?」
真剣な目で、冥が御剣を見上げている。
「手伝ってくれないの?」
前髪の間から見つめてくる瞳に、ドキドキする。
最後に会ってからそう何年もたっていないのに、わずかな間に急激に子供っぽさが抜けて、大人びた顔をするようになった。
ちいさな子供だと思っていたのに。
冥はいきなり御剣のズボンに手をかけた。
「ぬおっ?!」
「被害者によると、すでに陰茎は勃起していた。しかし、被疑者はそれを否定」
冥の細くて冷たい指に触れられ、外気にさらされる。
話題が真剣なだけに、突き放していいものかどうか、それにしても狩魔の完璧主義というのはここまでするものなのか。
「これって、勃起してるの?」
片手で御剣をつまみ、反対の手で床に置いた書類をめくる。
「い、いや、これは、まだ」
「どうしたら勃起するの?」
まさか、再現するつもりなのだろうか。
背中にじっとりといやな汗がにじみ、局所が熱くなる。
「被疑者の主張は、被害者が陰茎を口に含み亀頭をなめたことにより勃起、と」
ぱく。
「め、冥!」
「ひがいひゃのしゅひょうは、ひぎひゃが、もっきしたいんけいを、むいやい、くちに」
正直なところ、検事になることだけを考えてきた御剣にも、女性経験はない。
いきなり女の子に咥えられて、変化するなと言うほうが難しい。
「んっ」
冥は口の中で形を変えたそれを、離す。
「なにこれ・・・・・・」
「ム・・・、その、ぼ、勃起、だ」
「これが?」
珍しいものでも見るように、上下左右に振って観察する。
「い、いや、それは」
「キトウってどこ?」
御剣は観念したように、天を仰いだ。
「今、君がつまんでいるところだ・・・・・・」
「んー、さっきはするっと出てきたけど、この状態でズボンから出すのって大変じゃない?」
「ま、まあ、状態にもよる、が、うっ」
冥が亀頭を口に含んでちろちろと舐め、御剣はうめいた。
「そ、それはどっちの供述・・・」
「あ、これは私の好奇心」
カンベンしてくれ。
冥の両肩に手を置いて、大きく息をつく。
「もう、いいだろうか」
「被害者は、そこでいきなり被疑者がベッドに押し倒して下着をはぎとり、行為に及んだと主張」
「・・・・・・」
「被疑者は、被害者がすでに陰部を濡らしており、合意と認識」
まさか、そこまで再現するつもりでは…。
「どういうこと?」
冥はまだ、大きくなった御剣を片手でもてあそんでいる。
「つ、つまりだな、被害者は、被疑者がすでに自分だけで準備をしていて、無理に行為に及んだと言っているのだ」
「被疑者が勃起してたから?」
「う・・・ム、だが、被疑者は、被害者によって勃起させられ、ひ、被害者も合意だったと」
「『陰部を濡らしていた』から?」
「ま、まあ、そうなのだろう。ところで、もういいだろうか」
「これって、このままだとどうなるの?」
あまり刺激しないでくれ、と言いたいのを押さえて、御剣は息を吐く。
「いや、なんとか・・・うおっ」
冥が御剣の両手をつかんで、ぐいと引き寄せる。
はずみで床に冥を押し倒す形になって、御剣はあわてた。
生地の薄いワンピースの上から、胸の形がはっきりわかる。ノーブラだ。
立てた膝の間に身体を入れていることに気づいて、御剣は冥の手を振り払おうとした。
「ここで、合意がなくて強姦する気もない場合、どうなるの?」
それも、必要な疑問なのだろうか。
御剣はゆっくり冥の手を床に押し付けた。
「相手に、よるのではないだろうか」
「どういうこと?」
やはり、アレだ。
冥も、私も、これからその、ふ、婦女暴行のような事件を扱うことを考えると、必要なことではないだろうか。
自分の中で言い訳しながら、御剣は腕を曲げて冥の唇にキスをした。
「・・・・・・こんなの、供述の中にあったかしら」
唇を離すと、冥がつぶやいた。
「供述によれば」
御剣は冥の手を離すとそのまま手をすべらせ、ワンピースの裾をたくし上げた。
「下着を剥ぎ取ったとき・・・・・・」
引き下げようとしても、冥が腰を落としているので途中で引っかかる。
「ウム。ちょっと浮かせてくれ」
「・・・・・・こう?」
「そう。つまり、被害者が腰を上げないと、そう簡単に下着を剥ぎ取ることは出来ないわけだ」
足首に小さな白い布地をからませて、冥がうっすらと頬を染めた。
「つまり、被害者が嘘を?」
御剣が冥の脚を何度も撫で上げ、撫で下ろす。
「で、でも、力ずくで無理やりなら出来るのではない?」
「しかし」
内腿を撫でていた御剣の手が、冥の秘所に触れた。
「きゃっ」
「『被害者は、陰部を濡らしていた』」
膝をつかんで脚を開かせ、指でなぞる。
そこは、じんわりと湿っている程度だったが、乾いてはいない。
これがどの程度濡れている状態なのか、御剣にもよくわからない。
ただ。
女の子というのは、なんと柔らかくて暖かくて、壊れてしまいそうに華奢なのだろう。
「今の君に・・・、行為に及ぶと、これは強姦だろうか」
「お、及ぶの?」
「被疑者は、及んだのだろう?」
「で、でも」
冥は必死に脚を閉じようとしたが、御剣の腰を挟みつけることしかできない。
「被害者の供述は?」
「え・・・ええと、下着を取られて・・・、い、いきなり・・・」
御剣は身体を起こしてズボンを下げた。
冥が顔を背けて両手で覆った。
「いきなり、だな」
先ほど指で確認した場所に、先端をあてがう。
「や、ちょっと!」
冥が抗うまでもなく、そこはとても受け入れられる状態ではなかった。
「う・・・。やはり、その」
このまま突き進んでは本当に強姦になってしまう。
御剣は身体を引いた。
かすかに、違う感触があった。
そっと手を当てると、そこには確かに先ほどなかった水気があった。
「ム。なるほど」
「な、なによ」
「濡れてきている」
「え・・・、なに?」
「この場合、私は君によって勃起させられ、君は私によって濡らされたということになる」
冥が、耳まで真っ赤になった。
「被疑者は、嘘をついていないというの?」
「被疑者の供述が、ありえないことではない、ということだな」
指をそっと差し入れる。
「あんっ」
「だが、それで被害者の供述が嘘だと決め付けるわけにはいかない」
御剣は指を動かしながらもう片方の手で、ゆったりしたワンピースの裾から手を入れて、まだ小さな胸に触れる。
先端の突起を挟みこむようにして揉みしだいた。
「じゃ、じゃあ、どういう」
「とりあえず」
御剣は冥の唇をふさぎ、そのまま首筋と鎖骨に口付けた。
「被疑者の主張を、立証してみよう」
強く吸って、朱を散らす。
「脱がせたいのだが」
耳元に熱い息とともに囁くと、冥がそっと身体をひねる。
背中のファスナーを下ろすと、あっけなく白い裸身がさらされた。
小さくも形のいい丸い胸、先端のピンク色の花、白く滑らかな肌。
「・・・これは」
そそるな、という言葉を飲み込んで、御剣は痛いほど張り詰めた自分自身を冥の秘所に押し当てた。
そのまま入り口で動かしながら、冥の乳首を舐めた。
「ん・・・っ」
「供述で・・・、被害者の乳首は立っていたのだろうか」
「・・・あ、んっ、そんな、記述は、あっ」
「濡らしていたなら、立っていたのではないか?こんな風に?」
「あ、あんっ」
そのなまめかしい声に、御剣もどうしようもないほど冥が欲しくなる。
「合意、を確かめたいのだが」
御剣が腰を動かすと、くちゅ、という音がした。
全身を舐めつくされ、ピリピリするような快感が立ち上ってくる感覚に、冥は御剣に抱きついた。
「いい、わ・・・」
ゆっくりとめり込ませていく。
冥は一瞬苦しげに眉を寄せたが、しがみついた腕を解こうとはしなかった。
そっと動かすと、冥の吐息が御剣の肩にかかった。
そのまま速度を速める。
冥の息遣いが肌に感じられる。
暖かで柔らかい粘膜がからみつく感覚が、こんなにも良いものなのかと思った。
自分の下で、冥が恍惚の表情で揺れている。
こんなにも愛しい存在に、初めて出会った気がした。
「あ、ああ、あっ」
冥の声が漏れる。
動きの速度を落として、大きく回すように動かす。
「あんっ」
「・・・く」
冥が身体をそらせ、圧迫されて御剣も呻く。
身体を横向きにして脚を抱え、違う角度で動くと、冥が切ない声を漏らした。
「あ、や・・・っ、そんな、あんっ、怜侍っ」
冥の腰を持ち上げて、突き上げる。
「あ、そ、そこっ」
腰を抱える御剣の腕を強くつかみ、脚をからみつかせる。
激しく打ちつけ続けると冥の腰がビクビクと震えた。
「あ、ああああああっ!」
その表情が可愛く愛しく、御剣はそのまま動きを止めて、じっと冥に見とれた。
達した冥の中が痙攣するように収縮し、御剣は身体を引いた。
このまま、中に出してはいけないという理性は残っていた。
するといきなり冥が起き上がって、御剣のモノに口付けた。
「う、わっ」
引き離すより前に、冥の顔が白濁した液で汚れた。
「・・・ん」
顔をしかめた冥に、御剣はあわてて冥の顔を指でぬぐった。
「すまない、その、調整ができなかったのだ、つい」
くす、と冥が笑った。
「こんなの、供述にはないわ」
「・・・ウム」
冥の頬に手を当てたまま、御剣も少し笑った。
「ベタベタになってしまったな」
「しかも、結局なんの立証にもならなかったわ」
冥の白い腕が、もう一度御剣の首に巻きついた。
発達途中の華奢な胴を、そっと抱きしめる。
「いや、そんなことはない。私は一つ、立証した」
「なにを?」
「私に、大切なものがあるということだ」
囁いて、唇を重ねる。
「・・・ニガいな」
冥が、声を立てて笑った。
アメリカから帰ってきた御剣怜侍は、あれほどのダメージを受けていたとは思えないほど立ち直っていた。
無理に時間を作ってアメリカに行かせた効果があったことを、狩魔豪は確信した。
御剣怜侍はその後、黒い噂を身にまといながらも連勝を重ね、天才検事の名を欲しいままにしてゆく。
そして、同じく不敗と天才の名を冠して、狩魔冥が日本の法廷に立つのは、まだ数年後の話。
大変エロいお手前で。
ちょ、君達何やってるのwww
でも萌えたのでGJ
ちょwww
豪確信してる場合じゃねえwww
GJ
GJ!
暴行事件に絡めるとは上手いですな
過疎ってるから何か雑談ネタを振ろうと思ったが何も思いつかない…
とりあえず保守
保管庫みたけど、ノコマコって以外にないね。
個人的には4で結婚してそうなカプbPなんだけどな。
なんか貧乏子沢山なイメージでw
ノコマココンビは双子とかポコポコ産まれそうだww
しかし、安月給で生活苦か・・・
御剣、どっか行くならイトノコの給料上げてからにしてくれw
605 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 21:09:59 ID:w7HdhueP
あげ
ほのぼのラブなナルマヨが基本好きなんだが、
たまには黒くて鬼畜なナルホドに何も知らない真宵があれこれ当たり前の事と
信じ込まされてあんな事やこんな事をされたり強制奉仕しちゃったりする
そんなエロエロラブなナルマヨも読みたい
ナルマヨの子供は男が弁護士で女は霊媒師かな
あえて逆で
男で霊媒師は無理っしょや
じゃあ陰陽師だな。
悪霊退散☆悪霊退散
612 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 21:30:57 ID:o8mSss8N
ちなみタソのことかーーー!!!!
スマソ
俺の嫁が急にトノサマンとヒメサマンの話が読みたいなどと言い出した
>>612-613 何かツボったwwwww
>>606 ドウーイ
しかし成歩堂が真宵に黒くて鬼畜なことをする想像が出来ない。
証人に対してはあれだけSなのにw
仮に何とか真宵をイジめても、仕返しされそうな気が。それはそれで楽しそうだけどねw
基本ほのぼのなドタバタ系なら、書けそう>黒くて鬼畜な成歩堂
>>616 >しかし成歩堂が真宵に黒くて鬼畜なことをする想像が出来ない。
そうだよな〜。他の女性キャラへならまだ想像できるんだが、真宵に対してだけはダメだ。
何だかんだいって、成歩堂は真宵に甘いしな。
それこそ、成歩堂に大量に酒でも飲んでもらって酩酊でもさせなきゃあ無理じゃ?
で、その後真宵たんに怒られる訳だ(苦笑)。
始めて来た
ナルマヨってなんか旨そうだなw
>>616 むしろ真宵がナルホドに鬼畜なことする方が現実味がありそうだw
下駄履いたまま笑って股間踏んづけたり冥から鞭借りて
「一度これでナルホドくんを思うさま引っ叩いてみたかったんだよね〜」
と鞭のフルコース真宵風をご披露とか
で、それに成歩堂がキレて反撃に出る、と
>>616 書いてくれ!
>>614 彼氏がもうダメかも・・・
1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/09/22(土) 16:13:53.05 ID:vONWyRsw0
この前Hしようとしてたときに
御剣「なぁ・・・私がトノサマンをやるから、君がヒメサマンをやってくれないか?」
冥「!?・・・・・え・・・・」
御剣「いや・・・冗談だ、冗談w」
冥「・・・・・・・・別にやってもよかったけれど・・・・」
御剣「え!?ほ、本当にいいのか!?嬉しいな・・・愛してるよ!では始めようか」
悪夢の幕開けであった
元ネタはこちら
ttp://imihu.blog30.fc2.com/blog-entry-2988.html
ちょww御剣ダメ過ぎwww
本当にそういうプレイ要求してそうで困るw
冥は御剣のトノサマン好きをどう思ってるんだろうなw
>>621 御剣の股間のトノサマンスピアーでもなめてろwww
>>624 バカだと思ってるかもしれないけど、
真宵もトノサマン好きだし、そっちに付き合わされて見せられてそうな気がする。
御剣の前では興味ない振りしてるけど、意外と続きが気になったりして結局はまるとか。
冥はテディベアとかのぬいぐるみ好きって設定をよく見るから
そういう子供っぽい趣味には意外と寛容そうなイメージがある。
しかしその場合、もしこの二人が一緒に暮らし始めたら
家の中がテラカオスなことになりそうだw
628 :
ナルマヨ:2007/11/04(日) 20:42:19 ID:mf5daK5W
「ぶはあぁぁぁっ」
御剣検事が盛大に、飲んでいた紅茶を噴出した。
「な、なんと言ったのだ、真宵くん!」
あたしは御剣検事に箱ごとティッシュを渡してあげた。
「だから。御剣検事って、どーいうエッチするんですか?」
「ぶはあぁぁぁっ」
御剣検事があてにならず、あたしはため息をついた。
「冥さんに聞いたんだけど、普通よ、としか教えてくれないし……」
これ以上噴出す紅茶もなくなったのか、御剣検事は成歩堂法律事務所のソファからずるずると滑り落ちそうになった。
「わ、私は普通なのか?それは誰と比べられているのだ?」とブツブツ言っている。
「御剣検事?」
「い、いや、あの、そのようなアレは、その。いったいまた、どうして」
あたしは、ほっぺたに人差し指を当てて考えた。
「うーん。なんかねー、最近なるほどくんが、ちょっと、なんていうのかな?…ヘンタイ?」
「ぶはあぁぁぁっ」
「声だけで噴出すの、やめてください」
「う、うむ。失礼した……」
「御剣検事も、女の子を縛りたいとか思います?」
「ぶは…、いや、なんだそれは!成歩堂はいったいその、そんな」
「目隠しとか、ロウソクとか、楽しいのかなあ」
「ぶ…!!!」
「御剣検事って、えむですか?えすですか?」
「フケツよ、成歩堂龍一!」
御剣検事が答える前に、いきなり罵声と共に、なるほどくんが事務所のドアから文字通り転がり込んできた。
「なるほどくん!」
ドアをふさぐように立ちはだかった狩魔検事が、なるほどくんを見下ろしていた。
「か、返してくれよ、狩魔検事。それは矢張から借りたんだよ、ぼくのじゃないんだ」
狩魔検事が、なるほどくんから取り上げたらしい紙袋を持っている。
「あら、あなたもここにいたの、御剣怜侍」
「う、うむ」
狩魔検事がスタスタと事務所の中に入ると、紙袋を逆さにしてテーブルの上にぶちまけた。
DVDが何枚かと、見たことのない黒や赤の小物が散らばる。
「わ、これ、なに?冥さん」
手に取ってみると、狩魔検事が冷静な声で説明した。
「これは拘束用の小道具のようね。こっちは鞭…、私が使うものよりずっと短くって安っぽいわ」
なるほどくんを見ると、御剣検事が立ち上がるのに手を貸して、小声で聞いていた。
「なにをしているのだ、君は」
「ううう、うっかり事務所の前で狩魔検事に会ってさ。いきなり紙袋を取られたんだよ」
「君の性癖に文句を言うつもりはないが……」
狩魔検事が、お尻に穴の開いた下着を広げている。
「ねえねえ、冥さん、このボールにベルトのついたようなの、なにに使うの?」
「それは、いわゆる専用の猿ぐつわね。風俗店の押収物で見たことがあるわ。
成歩堂はこれをどう使うつもりなのかしら」
「ううう、キチク……」
「ち、ちがうんだ真宵ちゃん!うわっ」
駆け寄ろうとして、狩魔検事の鞭で打たれたなるほどくんがしゃがみ込む。
「大丈夫か、成歩堂!」
御剣検事が鞭の届かない場所から声をかけた。
「その男の肩を持つの、御剣怜侍!見下げ果てた男ね」
「ご、誤解だ。私にそんな趣味がないことくらい、君がよくわかっているではないか」
あたしは、狩魔検事がバイブだといった複雑な形の棒のスイッチを入れて、そのうごめく様を見た。
「でもでも、もしかしてほんとは御剣検事も縛ったり叩いたりしたいと思ってるのかなあ。これって何に使うの?」
「なんですって、御剣怜侍!」
狩魔検事の鞭が、御剣検事の鼻先をかすめる。
「な、なにを言う!それは冤罪だ!不起訴だ!」
御剣検事の襟首を、狩魔検事がむんずとつかんだ。
「ゆっくり取調べをしてあげるわ。いらっしゃい、御剣怜侍」
引きずられるように御剣検事が拉致され、事務所のドアが閉じた。
629 :
ナルマヨ:2007/11/04(日) 20:43:13 ID:mf5daK5W
「ま、真宵ちゃん・・・?」
そーっと手を伸ばして、証拠品を紙袋に戻そうとして、なるほどくんがあたしを呼んだ。
少し照れくさそうで、困った顔をしている。
「使ってみたいの?なるほどくん」
言葉に、怒っていないよ、という響きを持たせて、あたしはにっこりして見せた。
手元で、バイブがウニウニと動いていた。
「ううう、いや、なんていうかさ」
なるほどくんはソファに座ると、脚の間に手を入れてうつむいた。
「真宵ちゃん・・・、イッたことないよね?」
「え、ええっ?」
いきなり言われて、あたしはぱあっと自分のほっぺたが熱くなるのがわかった。
なるほどくんは、うつむいたままポツポツと言う。
「ボクがヘタなのかもしれないけど、やっぱり真宵ちゃんにも気持ちよくなって欲しいし。
どうしたらいいのかなって思ってたら、ちょうど矢張がこーゆーのもあるって」
急に恥ずかしくなって、バイブのスイッチを切った。
「そんなこと。あたし、き、気持ちいいよ?なるほどくんに、ぎゅうってしてもらっただけでも」
なるほどくんが思い切って言ってくれたのがわかるから、あたしも思い切って言う。
だって、ほんとになるほどくんが大きな手であたしの髪を撫でてくれたり、広い胸に抱きしめてくれたりしたら、
うっとりしちゃうんだもん。
「うーん。でもそういうのとイクのとは違うんだよ。ボクだって真宵ちゃんをぎゅってしたら気持ちいいけどさ」
そっか。
あたしなんかお姉ちゃんと違っておっぱい小さいけど、それでもなるほどくんは喜んでくれてるんだ・・・・・・。
ちょっと嬉しくなって、あたしはなるほどくんの隣に腰を下ろし、肩に頭を乗せた。
手には、持ったままのバイブ。
「なるほどくんはこんなふうに動かないよね?」
半透明のそれを見下ろして、なるほどくんは苦笑した。
「まあね」
大きな手が、あたしの髪を撫でる。
その暖かさが伝わってきて、とっても気持ちいい。。
「ねえ、真宵ちゃん・・・」
「ん?」
「・・・使ってみる?」
「え・・・?」
顔を上げると、あたしの両手首を片手でいっぺんにつかんで、反対の手で紙袋の中を探ってる。
柔らかい布で出来たベルトを取り出して、あたしの両手を束ね、アイマスクを顔にかけた。
「なるほどくん?」
それでなんにも見えなくなって、あたしはなるほどくんがいると思うあたりに顔を向けた。
「見えない、って、どう?」
ベルトで縛った手を頭の上に上げさせる。
すごく、恥ずかしい。
胸の辺りが涼しくなって、なにか柔らかくてあったかいものが押し付けられた。
「きゃわっ、び、びっくりした。なに?」
思わず言うと、ものすごく近い所でなるほどくんの声がした。
「ちゅってしたんだよ。どんな感じ?」
「ううん、なんか・・・変、きゃ」
ソファに押し倒される時も、後ろが見えない怖さからぎゅっとすがりついてしまう。
手首を縛っているせいで、装束は完全に脱げないから、肩にからまる。
次にどこになるほどくんの唇が押し当てられ、触れられるのかが全くわからない。
なるほどくんが、どんな顔でどこを見てなにをしようとしているのか、ぜんぜんわからない。
予測できない時に、体中のあちこちになるほどくんが触れる。
見られてる。
視線を感じるって、こういうことなんだ。
足首をつかまれて、広げられ、下着を下ろされるのがわかった。
630 :
ナルマヨ:2007/11/04(日) 20:43:58 ID:mf5daK5W
「あん…」
なるほどくんは、どこにも触らない。
ただ、足首を握っている。
事務所の中は明るいはずだ。
そんなところで、両手を縛られて頭の上に上げ、足を開かれている自分の姿を想像すると、恥ずかしくてたまらない。
そして、きっとなるほどくんはあたしを見てる。
なにもしないで、ただ見てる。
急に、足の間が冷たくなって、あたしはびくんってなる。
「なに、今の?」
もう一度、冷たくなった。
なるほどくんの笑い声が、足元で聞こえる。
「びっくりした?息を吹きかけてみたんだ。真宵ちゃんの・・・ここに」
「きゃわわっ」
今度はあそこを触られた。
縦に何度もなぞってる。
ううん、気持ちいい。
いっつもなるほどくんが入ってくるところも、上のほうの一番敏感なところも。
そのまわりも、全部全部気持ちいい。
なるほどくんに、いじって欲しい。
「はん……っ」
腰がよじれちゃう。
なるほどくんの指が浅い所でくちゅくちゅしていると、ぶーんという音が聞こえてきた。
なに?
いきなり、おなかになにか堅いものが当たった。
それが、細かく振動してる。
「真宵ちゃん、これわかる?」
この音、さっきあたしが持ってた、あれだ。
「ううん…、なに?」
わかってたけど、聞いてみた。
なるほどくんはそれに答えず、バイブを動かした。
ずっと上に上がってきて、おっぱいに触る。
あん、そこは先っぽ。
ブルブルっていうのが、弱かったり強く押し付けられたり、ぐりぐり動かされたり。
なるほどくんに舐めてもらうのも気持ちいいけど、これはすっごい気持ちいい。
いつの間にか口が開いて、声が出ちゃう。
だんだん足の間がじんじんしてくる。
やだ、下も触ってほしい。
「な、なるほどくん……、あっ」
あったかいものが、おっぱいに触れた。
なるほどくんの手だ。
先っぽを、ちゅって吸ってる。
バイブは、わき腹からお尻にかけてをなぞってる。
ああん、気持ちいい。
なるほどくんは服を脱いだんだ。
肌がぴったりくっついてあったかい。
足になにかあったかくって堅いものが当たった。
なるほどくんが、大きくなってるんだ。
はあっ、もう全部気持ちいい。
ぶーん、という音を立てて、バイブが足の間に移動した。
「あっ…」
おっぱいを触られたまま、バイブがあそこをなぞってる。
ぎゅうって押し付けられると、脚が痙攣するみたいにビクビクした。
「ああっ、あああっ!やんっ、あっ!」
自分でもびっくりするくらいの声が出ちゃった。
だって、こんなの初めて。
しかも、その堅いのが入ってくる!
やだ、動いてる。
ぐりぐりされると、すごく気持ちいい場所があるってわかった。
631 :
ナルマヨ:2007/11/04(日) 20:44:35 ID:mf5daK5W
「真宵ちゃん…、どう?」
「ん、あ…」
「ちょっと出し入れしてみようか」
ちゅぷちゅぷっていう音がした。
「あ、はあああんっ、あっ、あっ、あ、あああああ」
入れて、押し付けるようにすると中がすごく気持ちいい。
「気持ちいい?」
「う、んっ、あっ、すごい、すごく気持ちいいっ」
「気持ちいいトコ言って。こことか?」
「あ、あ、うううんっ、ああん」
「ゆっくり動かすから。どこがいい?」
ブルブルが動いて、もうどうにかなっちゃいそうなくらいだった。
あるところに当たると、お尻がぴょんって勝手にはねた。
「いやあああああっ!」
なにこれ?!
「ああっ、あ、あああああん、な、なんか、すごい、なるほどくうん!」
なるほどくんはそこにずーっとブルブルを押し付ける。
あたしはもう暴れるみたいに動いて逃げ出そうとしたけど、なるほどくんが押さえつけていて動けない。
中で動き回っているブルブルが、ポイントに当たったり外れたりしながら押し付けられる。
熱くて、どうしようもないくらいじれったい。
「いや、どうかしちゃう、助けて、なるほどくん、あ、あ、あ!!」
「すごいよ真宵ちゃん。どんどんあふれてくるし、ここなんか真っ赤にふくれて顔をだしてる」
「あああああああ!」
なるほどくんが、一番敏感な所をまわりからグルグルいじった。
もう、壊れちゃう。
目隠しの中で、涙が流れた。
体中、どこを触られてもしびれるみたいに気持ちいい!
「あ、ああ、うううううううんっ」
違う、なんか違うよ。
すっごくすっごく気持ちいいし、触られてるとこから湧き上がってくるみたいにぞくぞくするけど。
「やだ、やだよぉ、やめてやめてぇ!!」
あたしは大きな声を出した。
違うの、あたしはこんなブルブルなんかじゃなくって、こんな堅くて冷たいものじゃなくて。
「なるほどくん、なるほどくんがいいの!」
なるほどくんが欲しい。
ブルブルの振動が止まって、あたしの中に違うものが入ってくる。
「あああああああああっ」
身体が勝手にのけぞって、押さえつけられた脚が動いちゃう。
ゆっくり、入ってくる。ぴったり寄り添って、いっぱいになる。
ああ、やっぱりなるほどくんがいい。なるほどくんのが、一番いいよお。
「うう、真宵ちゃん、ヌルヌルで気持ちいい」
「あ、あたしも・・・」
なるほどくんが動くたびに、中がすごくしびれるみたいになる。
中の気持ちいいところと、なるほどくんの動きがぴったり合ってる。
あたしはもう声も出ないくらいで、この手が自由になれば力いっぱいなるほどくんを抱きしめたいのに。
「ん、はっ、…ん、ん、んっ」
なるほどくんが、動きを早くする。
「いいよ、すごくかわいい顔してる。目隠しで半分見えないのが、残念だけど」
熱い息遣いで、なるほどくんが言う。
そうだ。
あたしは目隠しされて、なんにも見えないけど、なるほどくんには全部見えてる。
手を縛られて、目隠しされて、脚だけ開いてるあたしを。
おっぱいにちゅってされたり、あそこにバイブをブルブルされて気持ちよくなってるとこ、全部。
ああ、どうしよう。
632 :
ナルマヨ:2007/11/04(日) 20:45:31 ID:mf5daK5W
「うんっ」
あそこになにかが触って、動かされた。ああん。
なるほどくんが、中に出し入れしながら敏感なとこも指で触ってるんだ。
気持ちいいところが二ヶ所になって、たまらなくなる。
「あ、ああん、あああっ」
じゅぷじゅぷ、っていやらしい音がした。
なるほどくんが見てる。
あたしを、全部、見てる。
「あんっ」
なにかが、あそこから湧き上がってくる。
「あ、あ、なるほどくん、なるほどくん!」
「はあ。はあ。真宵ちゃん、イキそう?」
「え、なに、あっ、あっ、これ、これが?ああっ」
「いいよ、イっていいよ、イって!」
「あ、あ、あ、あ」
そこ、そこがちょうど気持ちいい。そこをずっとして欲しい。
なるほどくんが動くと、そこが擦られて頭が真っ白になった。
「あああああああああああああっ!!」
あとは、なんにも覚えていない。
気がついたら、手を縛っていたベルトも目隠しも外されて、大きなバスタオルでくるまれていた。
「目、覚めた?」
なるほどくんが、ちょっと照れくさそうに暖かい紅茶のカップを差し出してくれる。
「ちょっと、やりすぎちゃったかな?大丈夫?」
「う、うん」
カップを受け取って、あたしはちょっと目をそらした。
は、恥ずかしすぎる。
あたし、どんな風に見えたんだろう。
「その、とっても可愛かった、よ。真宵ちゃん」
ううう。
なるほどくんは、あたしの隣に座って、耳元でささやいた。
「イった?」
首まで真っ赤になるのが自分でわかる。
あれが、そうなのかな。
だとしたら、初めてだけど。
「あんなの毎回だったら、あたしどうにかなっちゃうよ」
なるほどくんが、嬉しそうに笑った。
ぷいっと顔を背けると、目の前にあの紙袋がある。
なにか、チューブのようなものが転がりだしていた。
手に取ると、ローションって書いてあった。
「ああ、それね。さすがに事務所で使うと、後始末が大変だから……」
ふーん、コレを体につけてヌルヌルして遊ぶんだ。
あたしは、ふふふっとほくそ笑んだ。
「ねえ、これをなるほどくんの大事なトコにつけてヌルヌルしたら、どうなっちゃうの?」
「え・・・・・・、いや、それは」
「ちゃんとその前に、手を縛って、目隠しして」
「ま、真宵ちゃん?」
あたしはチューブを持ったまま、なるほどくんを見てにっこりした。
「アパートに、行こっか?」
なるほどくんが後ずさりするのが、楽しかった。
以上。
GJ!
マヨイタン大胆!!その先も読みたくなってきたw
うおおGJ!!
真宵タンかわいいなー。ラブラブなのも好みだ。
GJ!
この2人だとキチク物になりそうなノリでさえ、ほのぼのになっちゃうな。
GJ!!!!
鬼畜物のはずなのに、なんだかほのぼのして可愛いしエロい!
その後アパートでのエッチも気になる
GJ!
真宵ちゃんかわいすぎる!
御剣ww
GJ!!
ナルマヨも最高だったがミツメイも良かったw
ちゃっかり鞭の届かない所にいる御剣とかw
本当にたんのうさせてもらいました!ありがとう!
雰囲気とかテンポとか終わりかたとか、
全部イイ!!
うまく言えないけど、テラGJ
GJGJ!
悶えるマヨイを見て生唾飲み込むナルホドが
目に浮かんだよ
アパート編もキボン!
僕も真宵ちゃんをぎゅっとしたくなってきました
643 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 22:35:59 ID:BRaluzPe
哀牙×女キャラ、の小説を書けるヤシはおらぬかー?!!
wiki、カミチヒの上からミツメイが上書きされてない?
>>644 wikiコメント欄より
>御剣×冥05/06/06/が神乃木×千尋05/06/06/2になっています。差分を見るとミツメイSSが何故かカミチヒSSに置き換わってしまっているようです。 -- 名無しさん (2007-11-09 23:58:16)
>>名無しさん 修正しました。ありがとうございます。 -- 管理人 (2007-11-10 09:31:30)
ミツメイがカミチヒになってたのを修正した模様
管理人氏いつも乙
サンクス
設定してたRSSから飛んだので気づかなかった
管理人さん感謝。
>>628 超GJ!
四人の会話もかわいいw
ミツメイ、ナルマヨはかなりの神カポーですな
GJ!やっぱナルマヨミツメイの王道カプは萌える
649 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/18(日) 08:39:12 ID:ttJM568v
ほ
しゅ
最近少し寂しいな。王泥喜くんもたまには見たい。
千尋さんも見たい
ネタはあるがリアルで多忙・・・
書きたい・・・
待ってる。
連休に期待
>>653さんではないですが…
なるべく12月までにナルマヨ投下します。
>>652 ニット成歩堂×千尋さんが見てみたい
何だか鬱な話になりそうだけど
>>657 その場合、誰が千尋を霊媒するんだろうな。
マヨイ?ハルミ?霊媒する前後にニットとどんな話をするかも気になる。
前の方の連載のカミチヒでニアミスしてるんだよな〜、ニットと千尋。
もしそこで会ってたら、と妄想してみる
660 :
ナルマヨ:2007/11/23(金) 18:18:29 ID:wlt6KJsJ
―、気怠い……。
足が浮いているみたいで
何時もと変わらずただ歩いているだけなのに、酷く疲れた。
事務所はもう目前だし、少し休もう。
扉を開けて、出勤簿に名前を書いて…
痛、………。
突然、頭がずきりと痛んで。
あれ…
それから……?
661 :
ナルマヨ:2007/11/23(金) 18:20:29 ID:wlt6KJsJ
曇りかけた空を仰ぎながらスキップ歩調で足音を刻み、鼻歌すら口ずさむと漸く事務所に行き着いた。
お天気悪いなー…少し冷えるし、なるほどくん大丈夫かな。
「おはよう、なるほどくーん!」
事務所の玄関扉を勢い良く開くと、
目の前の床に何か大きなものが踞るようにして、小さく呻き声を上げていた。
明かりが無く窓も未だ閉まったままだったので、よくよく目を凝らさないとその正体が分からなかった。
「……うう。」
幸い聞こえてきた声がよく知るものだと認め、異常を知らせる声音が同時に真宵を焦らせた。
「なるほどくん…ちょっと、大丈夫!?」
直ぐ様近寄り声を掛けても、苦しそうに喘ぐだけで言葉を話せそうになく、
真宵は掌を成歩堂の額に当てて叫んだ。
「やっぱり、凄い熱!
救急車、呼ばなきゃ……」
徐ろに立ち上がろうとする真宵の腕が、何時の間にか成歩堂の腕により強く掴まれていた。
「………うん。」
膝を折るとちょうど肩の上に相手の頭が収まる位置になり、熱を帯びた吐息を首筋に感じて心臓の鼓動が高まった。
咄嗟の判断を止して看病に努める事を、先決にした。
662 :
ナルマヨ:2007/11/23(金) 18:24:57 ID:wlt6KJsJ
「う、ん……」
重たい瞼を開けると、うっすらとオフィスの電灯が見えた。
少し首を曲げると窓からは夕日が差し込み、時計は五時を差していた。
成歩堂は懸命に記憶を手繰り寄せるが朦朧とした意識に思考を邪魔され、叶わなかった。
突然、目の前に影が覆い被さる。
「……わ!」
「気付いた?どう、身体の調子。」
そう言われて、漸く自身の状態が気にかかる。
「あたしが来たら、なるほどくん玄関のすぐ先で倒れてたから…
38度もあったんだよ。もう一回計ってみて、お粥作ってくるね。」
「風邪引いたんだな…うっかりしてた。」
渡された体温計を当てようとして、ワイシャツの一番上からボタンが二つ外れている事に気が付いた。
真宵ちゃん―…
少し気恥ずかしかったけれど、有り難かった。
病気の自分をソファまで運んで、こんな時間まで看てくれていた。
ソファの肘掛けに、丁寧に畳まれたスーツが置いてあった。
663 :
ナルマヨ:2007/11/23(金) 18:27:39 ID:wlt6KJsJ
真宵がお粥と薬の乗ったお盆を持ってソファに近づく。
同時に体温計の合図の音が響いた。
「37度3分…良かった、だいぶ下がったみたいだよ。」
「ええっ!良くないよ、まだ治ってないんだから。」
「大丈夫だよ、真宵ちゃんにとってはそうかもしれないけど…男性の方が元々体温が高いんだ。」
「じゃあ、微熱ってこと?」
「そうだね。ありがとう真宵ちゃん、君のおかげですっかり元気だよ。
…と、そうだ。朝から眠ってたんだよね、ぼく。」
「うん、電話が一件、みつるぎ検事から来てたよ。
」
御剣から……?
なんだろう。
「わかった、ありがとう。
後でかけ直してみるよ。」
そう告げた後で、真宵ちゃんが運んできてくれた出来立てのお粥を平らげた。
成歩堂は最後の一口を頬張ってから皿を真宵に渡し、真宵は受け取った皿をデスクに置く。
でも、最後の一口は危うく吹き出してかけてしまった。
真宵が、とんでもないことを言い出すのだから。
664 :
ナルマヨ:2007/11/23(金) 18:30:43 ID:wlt6KJsJ
「……ね、ねえ…なるほどくん。」
「なんだい、真宵ちゃん。」
「あたしに風邪、移して…!」
「ぶっ、ん…ぐふ、ぐふ」
喉に言葉どころか、お粥が詰まった。
「何をバカなこと。それじゃあ真宵ちゃんが辛い目に遭うじゃないか…!」
「だって、なるほどくんが苦しそうなの見たくないもん。
あたしこれでも、なるほどくんの助手だし」
「いやいや…関係無いよ。
それにぼくは逆に真宵ちゃんのそんな姿、見たくないし…」
「お願い。」
「………」
この娘は………。
「……どうやって移すんだよ。」
「うーんと…隣で、寝るとか?」
「うーんとって、今悩むのかい。……って、えええ!!」
成歩堂は、体温が一気に上昇したような錯覚を覚えた。
それなのに彼女は微かな笑みを浮かべて素知らぬふりをしている。
沈黙が暫く続いた。
観念の微笑を口許にたずさえて、
「………おいで。」
「子供みたいに呼ばないでよ…。」
言い出しっぺの真宵もまた
いざとなると緊張して、少し躊躇っているようだった。
ただでさえ狭いソファの側面に背を貼付け、毛布を持ち上げて真宵を迎えた。
微熱で火照った身体に真宵の肌はひんやりと冷たくて心地良かった。
665 :
ナルマヨ:2007/11/23(金) 18:33:39 ID:wlt6KJsJ
なるほどくんが寄り添ってる
いつも近くにいるつもりだったけど
こんなにどきどきしたりはしなかった
心臓の音、
もうばれてるだろうな…―
成歩堂は瞼を伏せずに、じっと真宵の瞳を見つめている。
真宵も同様、視線を逸らしたりはしなかった。
まだ熱っぽいためか微かに紅潮した頬と薄く敷かれた瞳の中の水気のせいで、妙に男性特有の色気があった。
そんな彼に見入って、余計に緊張を増した真宵は過ぎた恥ずかしさに背後を気にするふりをして、
ソファから落ちないように成歩堂の足に自らの足を絡ませる。
もっとも、後にそれが何の関係も持たない男女の行為にしては尋常でない事に、真宵は後から気付くのだが…
成歩堂の方が、早かった。
「好きだよ。」
一言のみ告げてからゆっくり真宵を引き寄せると、間近で見つめ合ってからそっと、唇を重ねた。
初めての経験に真宵はぎこちなく舌を受け入れる事しか出来ずにいるが、成歩堂は深く真宵を求めた。
時折くちゅ…と水音が小さく響き、永い間くちづけは続いた。
熱のせいで温度の篭った身体とは対照的に、成歩堂の咥内は少し冷たかった。
漸く成歩堂が唇を離すと、真宵の顔はすっかり上気し赤みが差していて
身体は強張っているの
666 :
ナルマヨ:2007/11/23(金) 18:37:03 ID:wlt6KJsJ
「まだ返事してないのに…」
「返事、聞かせて?」
「え、えっと…すき。あたしも…」
「聞こえなかった」
「ずっ、ずるいよ…!ひゃ…あ…」
成歩堂は返事も待たず一度唇だけを重ねると、互いに身体を横たえたままの態勢で密着し
腕を伸ばして真宵の腰に手を宛がえ、くちづけを首筋に移動させた。
力のこもらない対抗の言葉はいとも容易く蕩けた吐息に変えられ、唇の吸い付く柔い火傷のような感覚に身をよじらせた。
「好きだよ」
真宵の鎖骨の辺りに、紅い花が咲いた。
瞳は潤んでいて。
成歩堂は腕をゆっくり真宵の胸部の前へ持って行くと、小振りな胸を掌で包み柔く揉んだ。
「…っ、ふあ………。」
腰の帯を解いたせいではだけた肩から
装束を下ろし薄桃色の蕾を弄ってやると、
肩を震わせて小さく声を漏らし、成歩堂を見つめる。
恥ずかしがって、ぎゅうと眼をつむる。
そんな姿はただただ愛らしくて
成歩堂をいっそう、欲情させた。
熱い指は、真宵の局部へと静かに移動する。
帯は音を立ててソファから落ち、真宵の片腕が垂れた。
下着の薄い生地の上から
未開拓であるその中心を指で擦ると、
小刻みでか細い声と共に腰は揺れ、初めて受け入れた感触に身悶えする。
衣?
667 :
ナルマヨ:2007/11/23(金) 18:44:44 ID:wlt6KJsJ
衣服の乱れた姿。
全部が愛しい。
「このまま…続けても良い?」
いまさら、とも思わなくもなかったが
紳士的なその問いに薄く微笑み呟いた。
「なるほどくんが大丈夫なら…。」
深いくちづけ。
だけど指は、割れ目の奥を上下に摩り一番敏感な部分を強弱をつけて回して…
もう片方の腕と舌で、胸の頂を丹念に刺激した。
局部の初めて触れるそこは既に湿っており、下着を取れば処女が香った。
「初めて、だよね?」
「うん……」
「大丈夫だから。」
正直、経験はきっと浅い方だ。
手順は分かれど自信はいまひとつ。それでも躊躇せず手を進める。
指を秘部に移し、少しだけ人差し指を埋めてみる。
「あ…っ、……」
直ぐに足を曲げた。
出来るだけ苦痛を与えないように、同じ場所を暫く擦る。
時間を掛けると自然に声は甘くなり、次第に息遣いが荒くなる。
やがて、水音が聞こえるようになった。
焦らないよう、じっくり真宵を解した。
張り詰めた自身を露にすれば逞しくそそり立ち、真宵は竦んだ。
「大丈夫……」
両腕で真宵の腰を支え、秘部に宛がう。
「なるほどくん…」
先端を挿れると吐息の音が聞こえ、そのままゆっくりと奥へ沈めて行く。
「っ…ちょっと、痛いかも」
「あ、ご…ごめんね。大丈夫?」
「うん、平気だよ。」
668 :
ナルマヨ:2007/11/23(金) 18:47:26 ID:wlt6KJsJ
成歩堂は真宵の頭を撫でてからもう一度首筋に唇を這わせ、身体全体が完全に密着してから鈍く腰を押し付けた。
ふと思い立って、再度真宵の頭上に手を遣り上頭を結わく紐を解いた。
少し梳いてやると髪は皆々へ溶け込み、見慣れない姿は成歩堂の目に新鮮に映った。
「………あ、あん…!」
真宵の身体がびくりと波打つ。
途端流れ出る極少量の鮮血が、膜を貫いた事を知らせた。
苦しそうに呼吸する真宵を見かねて腰を止めるが、真宵はそれをとどめた。
「なるほどくん…だいすき。」
669 :
ナルマヨ:2007/11/23(金) 18:49:46 ID:wlt6KJsJ
たまらない愛おしさと、微かな熱の怠さが成歩堂を先導する。
相手を案じながらゆっくりと腰を動かし始め、幾度となく唇を重ねる。
「ん、ん……あっうう…っ」
十分に潤った局部は内壁を擦られる度それを増して、次第に未知なる感覚が目覚めて行く。
その証に真宵の声は少しずつ嬌声を含むようになり、成歩堂の背に腕を回した。
「んあ、はぁ…なんか、ヘン……」
「感じてるんだよ、真宵ちゃん。」
「感じ…てる……?」
「可愛いよ。もっと気持ち良くしてあげるからね…」
我ながららしくないなどと窃笑しながら荒くなる息と共に腰の動きを早くして行き、無論真宵は増す快感に声を高くした。
自身を打ち付ける度に身体は揺れる。
「アっ、ふああん、ああっいやぁあ…」
ソファのせいで格好は制限される。
傍から見ればきっと、とてつもなく淫らなのだろう。
ぐちゅぐちゅと、卑猥な音も耳に入るようになった。
真宵は堪え切れず声を漏らしながら成歩堂を見つめる。
男、だ―………
好きな男性の側にいる。
それだけでこんなにも満たされるのに。
知識は皆無ではなかったにしろ初めて味わう感覚ばかりに、心臓が圧迫される。
670 :
ナルマヨ:2007/11/23(金) 18:50:46 ID:wlt6KJsJ
「あっ、あ…あんっな、なるほど、くんっ」
己を突く一度一度が、力強い。
絶えず真宵を支配する快楽に何かが沸き起こって…
「あっン、なるほどくんっ、凄いよ…あん、気持ち良いよ…!」
「真宵ちゃん、ぼく、もう…」
上り詰めて、頭は真っ白で
"あいしてる"
最後に聞こえた。
真宵は、一番熱い快楽に意識を手放した。
真宵が気付いたのは、翌日の朝。
目覚めた拍子に腰に痛みを感じて小さく呻くも夕べの記憶を辿れば言いようのない恥ずかしさに顔が火照る。
行為中はきっと、もう夜と呼べる時間だったのだろう。
何も着てはいなかったが肩まで掛かっていた毛布と、側に置いてあった装束に成歩堂を想った。
見渡してみてから初めて此処がソファの上でない事に気付き、何時の間にか簡易なベッドの上にいた。
装束を身に纏うやベッドを下りて下駄を履き、歩いては成歩堂の姿を捜す。
オフィスから受付口に続く扉を開けると、複数の人影が見受けられた。
「あ…真宵ちゃん、おはよう。」
ぎこちなく微笑む成歩堂と、来客用の椅子に座る人物、御剣怜侍と矢張政志だった。
671 :
ナルマヨ:2007/11/23(金) 18:53:56 ID:wlt6KJsJ
「あれぇ、どうしたの。事務所に集結しちゃって」
真宵は頓狂な声を上げながら三人に近寄り、それぞれを覗き込むように問い掛ける。
「…………」
「う、ム」
成歩堂は無言ではあるが、表情からは明らかな焦りが見られた。
矢張は何故か照れ顔で此方を見ている。
「じ…実はさ、」
「言うな成歩堂!私の口から説明する」
真宵は訝し気に首を傾げ、焦れったく二人を見る。
「昨日の昼過ぎに、君に電話を入れただろう、用があると。」
「あ…はい。」
はたと手を口許に遣る。
そう言えば昨日は成歩堂にそれを伝えて、それきりだったのだ。
「その用件を今、成歩堂に話してやったところだ。」
「なんですか?その用件、って…」
矢張が、俯せてしまった。
「その、な…大変言いにくいのだが。
実は昨日矢張から"ちょっとした頼み"を電話で受けて、な。
矢張があんまり暇で仕方ないから、成歩堂にイタズラを仕掛けると」
「イタズラ、ですか。」
成歩堂も、俯せた。
焦りと不安が真宵を襲う。
672 :
ナルマヨ:2007/11/23(金) 18:55:05 ID:wlt6KJsJ
「隙を狙って事務所に忍び込んだなら、暫く観察すると言い出して…
私にネタバラしを頼んだのだ。だが私の電話には君が出て成歩堂は風邪だと言うし、矢張はオフィスの棚の中に無理矢理身体を詰め込んだせいで身動きが取れなくなり、出られなくなる始末だ」
背筋が、凍り付いた。
「………き、昨日の君達の生活を丸ごと盗聴、という形になってしまったらしい。矢張はこの通り深く反省している、許してやってはくれないか…?」
もう、言葉の意味を拾えなかった。
それから二人は、矢張とはめっきり顔を合わせず穏やかに笑い合う日々を送ったらしい。
終わり。
…途中でなんかヘンになってるし。
てか、ホント描写飛びまくりだし展開早いし
何よりありきたりで萌えんし…
とりあえず
スマソ(逃)
GJ!真宵タン子供っぽくていいな
>>673 いやいや凄く萌えたよ!GJ!!
熱に浮かされた真宵が色っぽい
矢張と御剣は二人の喘ぎ声を聞いたんだよな…勿論…
GJ!
その後の真宵ちゃんの反応がすごく気になるww
GJJJ!
事件の裏にやっぱりヤハリにも笑ったw
そしてマヨイちゃんとナルホド君に悶えた
いい作品をありがとう
679 :
ミツメイ:2007/11/25(日) 19:57:21 ID:0j6Y60VC
>>628-
>>632 ナルマヨの続き。
御剣と一緒に事務所に戻り、ドアを開けると応接室の方から真宵ちゃんの声がした。
ただいま、と言おうとしたとき、御剣がぼくのスーツの上着をひっぱった。
「待て、成歩堂」
「…くないですか?」
あれ、真宵ちゃん、電話でもしてるのかな。
「…かしら、普通だと思うけど」
返事が聞こえるということは、相手がいるみたいだ。
御剣が、ひとさし指を唇に当てる。
「えー、多いよ!なるほどくんなんか週に一回でもくたびれたって言うけどなあ」
ん?ぼく?なんだ?
「それはどうかと思うけど」
相手の声は狩魔検事だな。
御剣がここで狩魔検事と待ち合わせたと言ってたけど、先に来てたんだろう。
検事局では人目をはばかるからといって、弁護士の事務所で待ち合わせる検事というのも変だけど。
「その一回が、ものすごいのではないの?」
とたんに、はじけたような、二人の笑い声。
ふりかえると、御剣が目をそらした。
「そうかなあ。あ、じゃあ時間ってどのくらいですか?」
「それって、全部で?」
「んー、じゃ、全部」
「どこから?しようかって言うところから?脱いでから?」
「えええええ、しようか、なんて言う?!」
「言わないの?」
「言わないです!も、いきなり、ぎゅってして、ちゅってして」
「なによそれ」
また、笑い声。
……こ、これは。
いわゆる、その。
女の子同士で、ものすごくキワドイ話をしているのだろうか。
ど、どうしよう。
ただいまと言うにしても、出て行くタイミングが難しいぞ。
御剣が、ぼくの上着をつかんだまま、オフィスの方に静かに移動した。
「ど、どうするんだよ」
ぼくが小声で言うと、御剣はじろっとにらみつけてきた。
「聞いたことがわかったら、私は冥に殺される」
ううう、狩魔検事、怖いからなあ。
真宵ちゃんと狩魔検事は、ぼくらが聞いていることなんか全く気づいていないみたいだった。
680 :
ミツメイ:2007/11/25(日) 19:58:22 ID:0j6Y60VC
「ねえねえ、それってやっぱり御剣検事が言うんですか?しようか、って?」
「私が言うと思う?」
「えー、想像できないなあ。あの顔で?」
ぼくの隣で、『あの顔』が、真っ赤になっている。
「あんな感じよ。ウム、そういうアレは、どうだろう、って」
「あー、それならわかります!!」
御剣がふるふると震えている。ふりむくのが恐ろしい。
真宵ちゃんの笑い声が、痛い。
「あのねあのね、それで…」
真宵ちゃんが、ちょっと声を落とす。
誰も聞いていないと思っているはずなのに、なんだ?
くすくす、と狩魔検事の笑う声がもれ聞こえてくる。
「……」
「ええええ!!そんなに?!」
いきなり真宵ちゃんが大きく叫んで、ぼくらは揃ってビクっとする。
「そうなんだあ・・・。もしかして、なるほどくん、ソウロウかなあ」
メマイがした。
御剣が、ニヤっと笑ってぼくの肩に手を置いた。
ううう、慰めてくれるな。
「そうなのか?成歩堂」
「…うるさい」
そんなはずは、ない。
…と、思うんだけど。真宵ちゃん、不満なのか?
「でも、長ければいいというものでもないと思うわ。チロウやインポテンツの恐れもあるし」
今度は、御剣がメマイを起こしたようだった。
さ、さすが狩魔検事。
恐ろしい単語を、起訴状を読み上げるように淡々と・・・。
「そっか。長ければ気持ちいいってわけじゃないの?」
「ま、テクニックなんじゃない?」
「御剣検事って上手いんですか?」
「さあ…私、あまり比べられるデータを持ってないのよ」
あまり、ってことは、いくらかは狩魔検事もデータがあるんだろうか。
真宵ちゃんは、ぼくが初めてだけど、だからって、コイツのデータを集めなくても・・・。
本気でメマイがするらしく、御剣はぼくのデスクの椅子に腰を下ろした。
「そんなに下手なの?成歩堂は」
…ひ、ひどい。
真宵ちゃんの返事を聞くのが怖い。
「あ、こないだ。ほら、アレがあったじゃないですか、ヤッパリさんのSMグッズ」
…御剣の非難めいた視線がぼくに突き刺さる。
ああ、真宵ちゃん、いったい何を言い出すんだ!
「まさか、使ったの?キチクね、あのオトコ」
「…キチクだな、成歩堂」
御剣まで、追い討ちをかける。
「で、でも叩いたりしてないぞ。か、軽く縛ったけど…」
なにを言っているんだ、ぼくは。
681 :
ミツメイ:2007/11/25(日) 19:58:55 ID:0j6Y60VC
「んー、でもね。ちょっと、良かった」
うわ、自分の顔が熱くなった。
そうか、そうだったのか。
「…そう?」
「うん。あのね、目隠しをしたんですけどね。なんにも見えないでしょ?予想が出来ないから、ちょっとのことでもすごくびっくりするのね」
「ふうん」
「それと、あのブルブルするのとか」
「……使ったの?」
「御剣検事は、そういうの使わない?」
「…使わないわよ!」
ああ、なにやら話がエスカレートしてるぞ。
女の子って、友だちにこんなことまでセキララに語っちゃうものなのか?
ついに、御剣が頭を抱えた。
「その、それは、どうだった?いいものかしら」
うわああ。
「狩魔検事、興味津々だぞ、御剣」
小声で言うと、御剣は顔を上げた。
「わ、私はそのようなものには、頼らん」
小声な上に、弱々しい。
インポテンツが、そうとうこたえてるな。
「んとねー。結論から言うと、けっこうイイかも」
ま、真宵ちゃん…。バイブ、気に入ってたんだ。
あれから使ってないけど、それが不満だったのかな…。
「なんかこう、あのブルブル加減がねー……」
「………」
「…うん、そういうとことか。あと、……」
「…それで……」
「…で、…ぐーんって…」
「…ッた、というわけ?」
「うん、そうなの」
「あきれた、それまではナシ?」
「んー、まあそうですね」
「最低だわ、成歩堂龍一」
…ままま真宵ちゃん、なにを告白してるんだ!!
ふ、と御剣が人をバカにしたように笑う。
「つまりアレか、成歩堂。キミは道具に頼らねば、女性を満足させられないのか」
う、うるさい。そんなことは…!!
「それまではどうしてたの?」
「んー、どうって言っても」
「いきなり、ぎゅってしてちゅ?」
「うん。で、帯ほどいて」
「待って、シャワーは?」
「えっと、しないときもあるけど、浴びるときはそのまんま一緒に行って」
「シャワーなしなんて、考えられないわ」
「そ、そうかな、やっぱり。でもお風呂って堅いし床は冷たいし」
「待って待って、それどういうこと?シャワーしたまま、そこで?」
「え、まず一回そこじゃないの?」
「ち、ちがうでしょう?そこから、その、ベッドに移動しないの?」
「するけど、まず一回…」
ううう、真宵ちゃん。たぶん、ぼくのすることが全部、みんながすることだと思ってるな。
だけど、一緒にシャワーすると、洗ってあげたいし、裸を見て触るわけだし、そしたらその気になるじゃないか。
そっか、床が堅くて冷たいのか…。気をつけよう。
「あ、でもお風呂でしかできないこともあるし」
「できないこと?」
「お湯かけたりとか。シャワー強くして、なるほどくんに当てると喜んでるし」
682 :
ミツメイ:2007/11/25(日) 19:59:31 ID:0j6Y60VC
冷や汗がにじむ。
そんなことを、バラされるとは思わなかった。
御剣が、小さく咳払いをした。
「それは、アソコに当てるんでしょ?」
「うん。裏側とか先っぽ、いいみたいですよ」
「舐める?」
「へ?」
「怜侍は舐めさせるわよ。やっぱり裏側とか先っぽがいいみたいだけど」
ああ、御剣を見る勇気がない。
そ、そうか。コイツ、狩魔検事に舐めさせてるのか……。
「えええ、あんなモノを?」
…真宵ちゃんに、あんなモノ、と言われてしまった。
「まあ…、見てキレイなものではないわね。でも」
また、くすくすと笑う声。
「優位に、立てるわ」
隣で、ぐう、といううめき声がした。
うーむ、人の生活というものはわからないものだ。
「うーん、舐められはするけど…」
「あれは、ちょっと屈辱的ね」
「え、そ、そうですか?きもちいい…ですけど、あたし」
「まあね。嫌いではないわ。でも、いいところで焦らされたりすると、屈辱的よ」
ものすごく冷静な声で話してるけど、すごいこと言ってないか、狩魔検事。
法廷では真面目くさってるけど、御剣の性癖が、見えてきたぞ…。
「怜侍も、私がどこがいいか知っててやってるわけじゃない?そこをもっと、って思ってるときに外されると、わざとじゃないかって腹立たしくなるわ」
「えー、なるほどくんもずっとはしてくれないよ。なんでかなー」
「そこじゃないと思ってるのかしらね。そこ、って言う?」
「んー、言うときもあるよ。そしたら、そこしてくれるけど」
「じゃあ、怜侍のほうが性格悪いわ。そこ、って言ってもこっちは?って言うんだもの」
「えー、そこ、ってとこをしてくれたら、イケるのになあ」
「だから、こっちも仕返しするのよ」
「どうやってですか?」
「舐めてるときに、ビクンビクンってなるんだけど、そこで止めるの」
「ひゃあ、そしたら?」
「むお、とかなんとか言うわよ」
「うわあ、御剣検事、かわいい!」
かわいい、とか言われてるぞ、オマエ。
御剣はすっかりヘコんでしまった。
気の毒に。
683 :
ミツメイ:2007/11/25(日) 20:00:12 ID:0j6Y60VC
「あ、仕返しで思い出した」
真宵ちゃんが動く気配がして、ぼくらは思わず身をかがめた。
「これこれ、こないだなるほどくんの部屋で使ったんですけどねー」
ま、まさか。
「すっごいヌルヌルなんですよ。これつけて、いじったら、もう」
「も、もう?」
ああ、やっぱりあのローションだ。
背中に、またいやな汗がにじんだ。
御剣の視線が刺さる。
「アウアウ言ってました。気持ちいいみたいで」
「そ、そう…」
……なんか、複雑だ。
「あたしも、けっこう良かったし。あたしたちはお風呂場だから、だいじょぶですけど」
「まあ、確かに…、部屋で使ったらひどいことになりそうね」
「あ、まだ開けてないのが一本あるから、持って行きます?お風呂はイヤですか?」
ま、真宵ちゃん、狩魔検事に勧めてるぞ、御剣!!
「これつけると、挿れるときにもヌルってするから、ちょっと違う感じで。あの」
「そうね。じゃあ、いただくわ」
か、狩魔検事が受け取ったぞ、御剣!!
声に出さずに、御剣の肩をバシバシ叩くと、御剣は笑いを隠すように手で口元を覆った。
なにを想像してるんだ、なにを!
「これですねー、なるほどくんの…に、……で、……」
「すごいわね…」
「ちょっと…ったりして、それで……」
「…いいわ、どうせいつも怜侍の部屋でするし。…今日もこれからしたがるだろうから」
女の子たちの話は、限りがなさそうだ。
それに、これ以上立ち聞きを続けると、本当に御剣が立ち直れなくなる可能性がある。
「大丈夫か、御剣」
「う…ウム。かなり、くらった気分だが」
「しっかりしろ。傷は浅いぞ」
真宵ちゃんと狩魔検事がまた賑やかな笑い声を立てた所で、ぼくは思い切って声をかけた。
「ただいまー、真宵ちゃん。御剣も来たよー」
応接室から、真宵ちゃんと狩魔検事が顔を出した。
「あ、おかえり、なるほどくん、御剣検事!」
「あら」
狩魔検事が、御剣を見て首をかしげた。
「どうしたの御剣怜侍。顔が赤いわ」
狩魔検事の白い手が、御剣の額に触れた。
「ウム、いや、なんともないのだ」
「ちょっと熱い気もするけれど。風邪かしら」
額から頬と首筋に手を滑らせて、狩魔検事が顔をしかめた。
うわ、今の状況でこんなことされたら、御剣はキツイぞ。
案の定、御剣の顔がゆがんだ。
狩魔検事の手をとって首筋から引き離すと、そのままドアに足を向ける。
「では、失礼する」
「あ、ああ、またな、御剣。…狩魔検事」
「また来てねー」
無邪気に真宵ちゃんが手を振る。
御剣に手を引かれて歩く狩魔検事のハンドバッグには、あのローションが入ってるんだよな…。
684 :
ミツメイ:2007/11/25(日) 20:01:20 ID:0j6Y60VC
「だいじょぶなのかな、御剣検事。ね、なるほどくん」
くるくるした目が、すぐ近くでぼくを見上げている。
ぼくは、真宵ちゃんの頭を軽く、こつんとゲンコツでつついた。
「えー、なに?」
「もう、ハラハラさせないでくれよ。いつも狩魔検事とあんな話してるの?」
真宵ちゃんが、ぽっとほっぺたを赤くした。
「やだ、聞いてたの?」
「うん。ちょっとね。…御剣も」
「えええ?」
両手でほっぺたを包むそのしぐさが、かわいい。
「きっとアイツら、これからすごいことになるよ」
「すごいことって?」
「…あんなことやこんなこと」
うふふ、と真宵ちゃんが笑ってぼくの腕に手をからめてきた。
腕に、柔らかい胸が当たる。
「あたしたちも、する?あんなことやこんなこと」
「そうだねー」
ズボンのポケットに手を入れて、自分自身を抑えながら、ぼくは何食わぬ顔を作って言った。
「舐めて、くれる?」
ほっぺたを真っ赤にしたまま、真宵ちゃんがこくん、と頷いた。
急いで、事務所を閉めてアパートに帰ろう、と思った。
*** *** *** *** ***
レストランで食事をしてからマンションに戻ると、冥はソファに座ってテレビをつけた。
リモコンでニュース番組をハシゴしながら、届いていた夕刊にも目を通す。
仕事熱心だ。
それが一通り済むのを待って、私は彼女の隣に腰を下ろした。
「…さっき、だが」
「なに」
つっけんどんな返事が返ってくる。
しかし、これは不機嫌なのではない。
不機嫌ならば、返事そのものが返ってこないのだ。
「なんの話をしていたのだ、真宵くんと」
たたんだ夕刊紙の折り目を整えながら、冥が首を傾げるように私を斜めに見上げた。
「なんのって?」
「いや。ずいぶん、楽しそうだったではないか。笑い声が聞こえた」
冥がほんのわずか、目尻を赤くした。
「あなたには、関係ない話よ」
ものすごく、関係があったような気がするが。
「そうか。…では、その」
冥の手から夕刊を取り上げて、きれいなカーブを描いた彼女の頬に手を添える。
「そういうアレは、どうだろうか」
冥が、くすっと笑った。
たぶん、私たちは今、同じことを思い出している。
唇を挟むようにくちづける。
挟んだ冥の下唇を、舌でつつく。
…このキスも、私の『癖』として話題になったのだろうか。
普段なにげなくしていることが、気になりだした。
ふいに、冥が私の口の中に舌を押し込んできた。
自分のそれを絡めると、冥の体から力が抜けたようにしなだれかかってきた。
「ん、…ふっ」
くったりした体を抱きしめると、冥が吐息まじりにささやいた。
「シャワー、してきて」
「…私が先に?」
「ん。いいでしょ?」
普段は、先に冥がシャワーを使っている間にベッドや避妊具を整えるのだが、まあいいだろう。
ソファから立ち上がって、バスルームに向かう。
先ほど聞いた話が断片的によみがえってくる。
冥の本音を聞けたということは、喜ばしいことなのかもしれないが、複雑だ。
685 :
ミツメイ:2007/11/25(日) 20:01:52 ID:0j6Y60VC
バスルームにシャワーの蒸気が満ちた所で、いきなりドアが開いた。
振り返ると、冥が服を脱いで立っていた。
「め、冥?」
以前、何度か一緒に入ろうと誘ったことがあるが、ことごとく撥ねつけられてきたというのに。
そんなことなどおかまいなしに、冥はさっさと入ってきて、シャワーヘッドの下にいる私にくっついてきた。
「いや?」
嫌どころではない。
一度、冥と一緒に風呂に入ってみたかったのだ。
成歩堂が、うらやましかったのだ。
少し冷たかった冥の体が、湯を浴びて温まってくる。
私はボディソープをスポンジで泡立て、その泡をとって冥の体に乗せた。
泡は、シャワーに流されて少しの間もそこにとどまらない。
シャワーのコックをひねって、湯をバスタブに溜めることにした。
暖かい蒸気が立ち上り、冥の白くて華奢な体を泡で埋め尽くす。
重力で流れ落ちる泡の間から、冥の胸のふくらみが現われる。
そこを手で覆ってそっと揺らすと、冥が小さく息を漏らした。
肩をつかんで体を回し、後ろから抱きしめる。
両手で胸を揉むと自由に形を変える、その柔らかな感触に私自身も興奮を禁じえない。
持ち上がりかけたソレが、冥の体に触れたようだ。
「んっ…」
片手を体に回して強く抱き、もう片方の手を下に滑らせようとしたところで、バスルームのドアの近くに落ちている見慣れない容器に気づいた。
「あれは、なんだ?」
予想はついたが、冥の体を抱きしめたまま聞く。
「ん…、ああ、…真宵に、もらったのよ」
手を伸ばしてそのかわいらしい容器を拾う。
外国製のシャンプーのような模様が描いてある。
蓋を開けて、手のひらに出し、冥の胸の突起に塗りつけた。
「やん…」
冥が身をよじり、思ったより粘度の低いそれが、とがりはじめた先端から垂れる。
香りがついているらしく、ふわりとバスルームに甘い香がただよう。
ぬるりとした液体を手と体の間にはさんで、すべらせる。
いつもと全く違うなめらかさで、冥の体を撫で回すと、糸を引いた。
つかもうとした乳房が逃げる。
思わず、自分の喉がこくりと鳴ってしまった。
肩から垂らすと、私の胸と冥の背中がすべる。
体重をかけていた冥が、ぬるりと滑るように落ちた。
「きゃっ…」
あわてて脇に手を入れて支え、ゆっくりとバスルームの床に倒した。
ふと、真宵くんが「床が堅くて冷たい」と言っていたのを思い出した。
タオルか何かを敷いたほうがいいだろうか、と見回すと冥の腕が伸びて私の首にからみついた。
背中を抱くと、ぬるりとした。
少し暖かいのは、ローションが発熱しているのだろうか。
そのまま撫でまわすと、冥が悩ましい声を上げた。
この段階からこんな声は、そうそう聞けるものではない。
背中のローションを広げるように、小さな尻をマッサージすると、するりと指が割れ目に入った。
「あんっ」
いい声だ…。たまらん。
抱きつこうとして滑る感触を楽しむように、冥が体を上下させる。
……気持ちいい。
冥が体をひねって、正面からすりよせてきた。
二つのふくらみが、ヌルヌルと共に胸に当たる。
「冥……」
「んっ…」
胸の間に手を入れて、先端を擦ると、冥はぴくんと喉をそらせた。
その表情が、愛しい。
686 :
ミツメイ:2007/11/25(日) 20:02:28 ID:0j6Y60VC
「うん…っ、ね…、まって」
冥が私の手をとどめようとしたが、待てる道理がない。
胸から尻までを何度も撫で回し、前から指を入れようとしたところで冥が屈んだ。
「ぬおっ?」
冥がローションの容器を取り、私の局部に垂らしたのだ。
すでに半分ほど堅くなりかけていたソレに、とろりとした液体がかかる。
冥の指がからみついた。
「…くっ」
思わず、声が出た。
今までも手で触られたり、口に含まれて舌で舐めまわされたりしたことはあるが、これは新しい。
なんともいえない感覚が立ち上る。
冥がくすくす笑いながら、持ち上げたり回したりしながら、手のひらで包んでしごき始めた。
粘り気のある液体が垂れ、袋の方がしびれてきた。
それを指先でたぷたぷと揺らされる。
ソレがむくむくと立ちあがり、先端がピンと張ってきた。
「ねえ」
「…む、な、なんだろうか」
「きもちいい?」
なんというストレートな尋問だろうか。
「う、ウム…」
不覚にも、呼吸が乱れる。
今ここが証言台だったら、私は問われるままに、やってもいないことまで証言してしまうだろう。
「う、ムッ……!」
冥が口に咥えた。
舌が動き、複雑な刺激が加わった。
冥の口中でなにが行われているのか、こらえ切れない心地よさが一箇所から全身に伝わる。
舌で舐めまわしつつ、両手を脚や腰をマッサージするように動かしてくる。
粘つく液体で滑る感触が、体の中に火をつけるようだ。
このまま、冥の口の中にイッてしまいそうだ。
ふいに、バスタブから湯があふれ出し、膝をついていた冥がびっくりしたように床を見た。
もう、こらえきれぬ。
冥の両肩をつかんで、仰向けに押し倒した。
髪が濡れて顔にはりつく様までが艶かしい。
引き離された体にローションが糸を引いている。
両脚を開かせて、そこにもローションの容器を傾けて中身を垂らした。
桃色に染まったそこがてらてらと光り、びくんと震える。
「ああんっ、熱っ…」
バスタブからあふれる湯が作る浅瀬で溺れんばかりになった冥が、首を振ってもだえた。
冥の手が宙をさまよい、私はそれを握ってもう一度自分の局部に導いた。
片手で握ると、湯がかかって薄まったローションが、滑らかにしごき上げるのを助けるようだった。
冥は慣れた手つきで竿をしごきつつ、時折先端部をいじる。
その快感を散らすように、私は首を振って気を紛らし、冥の片脚を持ち上げて、手を差し入れる。
「…ん、あっ」
ローションを垂らしたそこを指でなぞると、水音がした。
バスルームにその音がピチャピチャと反響して、いやらしさを増す気がした。
縦に何度も動かして刺激すると、腰をひねって逃げようとする。
滑り込むように入った指を動かすと、冥は高い声を上げて、つかんでいた手を離した。
「ああんっ、いっ…、はあっ」
これほどまでに感じている冥を見るのは、初めてかもしれない。
中に入れた指で激しくかき回しながら、片手で胸やわきを撫でまわすと、湯の中で冥が跳ねる。
「あ、あっ、んっ、うん…」
薄紅に染まってきた体が動くたび、情欲がそそられる。
限界まで張り詰めた私自身が、冥を求めて揺れている。
挿れたい。
奥まで、限界まで深く、冥に突き立てたい。
指を曲げ、そのまま中を引っかくように引き抜く。
「あ、ああんっ!」
687 :
ミツメイ:2007/11/25(日) 20:03:00 ID:0j6Y60VC
冥の体を抱き上げて、座らせるようにゆっくり沈めた。
ぬるっと抵抗なく入った。
「んっ…」
目の前に、冥の乳房が来る。
ローションがついていることを忘れて、思わず口に含んだ。
ほのかに、甘かった。
香りだけでなく、味もついているのか。
ゆっくり腰を揺らすと、冥がくぐもった声をたてて、私の胸に倒れこむ。
中に入っているだけなのに、動かしているかのような刺激が伝わってきて、私も思わず呻いた。
今まで感じたことのない気持ちよさだ。
濡れているのは、ローションだけではないようだった。
甘い香りに、冥の匂いが立ち混ざる。
「動いて、も…、いいだろうか…」
抱きしめた冥の耳元にささやく。
いつもなら、返ってくる答えは「バカ」である。
しかし、快感にとろりと溶けた冥は、そう言わなかった。
「お願い…。して」
ここで応えねば、検事ではない。
冥の腰を両手でつかむ。
そのまま上下に揺らそうとしたが、ローションで手が滑る。
体制を変えて床に寝かせようとしたが、あふれ続ける湯が渦を巻いている。
やむを得まい。
名残惜しい冥の中から一度、勇気の撤退を決める。
「あん、いやっ」
引き抜くのを拒むように、冥が抱きついてきた。
「少し流すだけだ。大丈夫…気の済むまで、してやろう」
横抱きにして、冥をバスタブに沈めた。
一緒に入り、湯の中で冥の体を手で洗うように撫でると、ローションが流れるのがわかる。
糸を引く粘つきが取れ、冥のなめらかな肌がもどった。
「ねえ…」
我慢できない、というように冥が両手を開いて私を求める。
気持ちは、私も同じだ。
「部屋に、行ったほうがいいだろうか?」
冥が首を振る。
「ここで…、まず一回、して…」
バスタブから抱え上げ、床に腰を下ろした上にもう一度冥の腰をつかんで降ろした。
「あ…」
挿れただけで、冥はくったりと倒れこんでしまった。
この格好は困る。動けない。
冥の脇に手を回して体を起こさせ、ついでに胸にも触れる。
「うんっ、あん!」
下から突き上げるように動かすと、声が上がった。
しかし、どうにもこれはキツイ。
体制を変えて冥をバスルームの床に仰向けにする。
「冷たいか?」
冥がぎゅっと目を閉じて首を横に振った。
唇がかすかに開き、頬が紅潮して、短く繰り返す息をつく。
感じているのだ。
私を迎え入れ、完全に無防備な姿で、快感を得ている。
もっと欲しいと言っているのだ。
私としては声が聞きたいところだが、しかたがない。
ゆっくり、そして徐々に早く動く。
中にはまだローションが残っているのか、こすれる感じが違う。
……イイ。
それは冥も同じらしく、短いあえぎ声が途切れ途切れに上がった。
688 :
ミツメイ:2007/11/25(日) 20:03:44 ID:0j6Y60VC
「ん、あ、あ、あっ、うんっ、ああっ」
いかん、イッてしまいそうだ。
これでは、チロウどころかソウロウではないか…。
「くっ…」
「あっ…、レ、レイ…っ、そ、そこっ」
「ム…」
なるべく体をずらさぬように、そこを突いた。
「ああんっ、やん、あんっ、あああっ」
ここだな。
もう少し、こらえられるだろうか…。
「あ、んっ、んんんっ…」
冥は急に声を押し殺すように、歯を食いしばって横を向いた。
絶頂が近いときの表情だ。
少し速度を落とし、しばらく焦らした。
「んんんんんんっ!」
いかん、焦らしているつもりで焦らされる。
私は頭の中を無にして、欲望のままに動くことにした。
声もなく漏れる冥の吐息と、ぬめる感触に、この上なく興奮してくる。
イ、イキそうだ。
ぐい、と腰を使うと、冥がのけぞった。
「うん…!」
ビクビクっと体を震わせて、冥が達する。
ああ、なんと愛らしい表情なのだろう。
…きもち、いい。
避妊具を装着していないことを思い出して、寸前に引き抜くことが出来たのは奇跡的だったかもしれない。
冥の太股に、私の欲望が降りかかる。
「あっ、た、かい…」
とぎれがちに、冥がつぶやく。
「ウム、すまん…、かかった」
くすくす、と冥が笑った。
「洗って…?」
要請のままに、シャワーヘッドを外して、冥の脚に湯をかける。
「あんっ、くすぐったい」
冥が逃げる。
「む?気持ち良くはないのか?」
「今はくすぐったいわ」
そのまま冥の肩からも湯をかけ、立ち上がらせてバスタオルで体を拭いてやる。
足元に倒れたローションの容器から、残った中身が流れ出してしまっていた。
「なくなっちゃったわね」
「う…ウム」
まあ、手に入れる方法は、矢張が知っているだろう。
交代で私の体を拭きながら、冥が背伸びして私の耳元に息を吹きかけるように言った。
「後は、普通に…して?」
タオルごと冥を抱き上げて、私は部屋に運ぶことにした。
ベッドに放り投げるように降ろすと、冥がきゃっと声を立てて笑った。
タオルがはだけて、艶やかな肢体があらわになる。
触れると、ローションマッサージのおかげか、いつもに増して吸い付くようにしっとりとしていた。
予想外に、私自身が早くも回復しかけている。
なにもつけていない冥の肌に舌を這わせるのも、良いものだ。
まだ治まりきっていないのか、冥が小さく声を立てた。
ふと、意地悪な考えが頭をよぎる。
「キミは焦らされると、どうなるのだったかな?」
冥が悔しそうに、私の胸を両手で叩いて異議を唱えた。
後日、真宵くんには、ラーメンフルコースでもご馳走しておかねばなるまい。
689 :
ミツメイ:2007/11/25(日) 20:04:15 ID:0j6Y60VC
以上。
前置きのマヨイタンと冥タンの会話が際どくていいなーGJ!!
GJ!続き見たかったんだ!
エロいプレイありがとう!!
GJ!!!
ローションプレイが大変エロくてけしからんとです
積極的なデレモード冥たん萌え
GJ!!
女の子二人のセキララ会話となすすべもなく聞いている男たちのシチュに
激しく萌えた!面白かった!
GJ!
笑ったり萌えたりエロかったりで最高です!
ナルマヨミツメイは大好物なので二重にうれしかったですよ〜
GJ!!!そして乙
御剣落ち込み杉ワロタwww
最初の際どい会話とか好きだ
またなにか思い付いたら投下してくれると嬉しいです
うはwwwwwwwwwwwネ申様ktkr
GJGJ!!キワドイ女子トークまた聞きたいよー
一喜一憂の男達も妙にいいなw「検事ではない」とか御剣の台詞に吹いた。
GJですーーー!!
立ち聞きシチュエーション良いですな。
成歩堂と御剣がオロオロしてる姿が目に浮かぶわw
女攻め男受けって需要ある?
有るんじゃマイカ
千尋×成歩堂とかちなみ×成歩堂とか…
どのカプでも反転アリだとオモ
真宵にくわれる御剣とか供給してくれまいか
マヨナル、メイミツ、チヒカミ、アカキョウ
どれでもいいからくれ
積極的な真宵も激しくキボン
御剣を縛り上げてムッチムチにしてあげて最後は足コキでイかせる冥とか
成歩堂のケツの穴に極太バイブ突っ込みながら二人声を揃えて
「あなるなるなるなるほどくん!」と絶叫する綾里姉妹とか
見てみたい
>>704 >御剣を縛り上げてムッチムチにしてあげて最後は足コキでイかせる冥
これは普通に萌えるから見たい
>成歩堂のケツの穴に極太バイブ突っ込みながら二人声を揃えて
>「あなるなるなるなるほどくん!」と絶叫する綾里姉妹
これはアッー!
あの姉妹はお菓子隊隊員だったのかw
みんな、今書いてるんだよね?ね?
707 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 03:30:35 ID:kttv9QZJ
捕手
そろそろ聖夜の性夜ネタが降りてくると期待
今さらうらみタソに萌えてる俺
百合にマヨメイが無い事に驚いた。誰か書いてくれ。メイマヨではなくマヨメイで。
いいね、見たい
712 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/17(月) 13:25:47 ID:dPdGDkiv
久々に3やって萌えた
3には御剣の「最高のパートナー」発言にバリ萌え!
>>713 そしてこのスレ的にはやっぱりこうかw
105 枯れた名無しの水平思考 sage 2007/10/13(土) 15:20:29 ID:TsO7u+BwO
ミツルギ「やはり、私の思ったとおりだった。
‥‥狩魔 冥。
キミは、最高のパートナーだ。‥‥性的な意味で」
カルマ「え‥‥‥(性的な意味で‥‥?‥‥!!!)」
ミツメイ多いな。自分もミツメイLOVEだから同志がいて嬉しいが。所で今度マヨメイを書いてみようと考えている。賛成か反対かは早めに言って下さい。
賛成
というかそういうこと全然気にしなくていいよ
>>715 書いてほしい
もし書くなら読みやすく改行してくれると更に嬉しい
719 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/23(日) 01:46:17 ID:5wNH+8fu
>>715ッス。 さ、賛成意見多数ッス!!光栄ッス!!頑張るッス!!うおおおお!腕が鳴るッス!血が騒ぐッス!マヨメイッスゥゥ‥‥あああ!!じ、自分のエネルギー源が‥‥ソーメンがもうないッス!!次の給料査定まで待たなきゃ書けねッス‥‥。気長に待ってて欲しいッス‥‥‥。
だから改行しろと・・・
sageて
改行して(スペースじゃ上手く改行出来ないから改行ボタンを使う)
なりきりは寒いからやめて
今一気に3までプレイしてきた。
あやめの可愛さは異常。
>>721 寒いかぁ?
オレは結構好きだぞ。
次は御剣のなりきりが出て来ると面白そう。
ミツルギに変になりきるとオバちゃんに怒られるんじゃ無いかという妄想が浮かんだ
「んっ、んぐっ、んんむぅ……っ」
「すごい、全部飲めたんだ? あんなに濃かったのに……」
「んぐっ、んんーっ」
「ダメだよ、吐いちゃ。全部飲むんだ」
「ん、んんっ……ぷはっ」
「口の周り、ドロドロだよ」
「うう、酷い。もう無理矢理だよ……」
「こうでもしなきゃ、真宵ちゃんは満足しなかっただろ? かなり積極的だったし」
「そ、そんなことないよ! 喉につっかえて、吐きたくなっちゃったもん……」
「でも美味しかったんだろ?」
「まぁね」
カランカラーン!
「スペシャルスーパーウルトラジャンボラーメン完食ー! 賞品に『1年間ラーメン半額チケット』でーす」
「わーい、やったぁ!」
(クリスマスに来る場所じゃないよなぁ、しかも大食い大会……)
「なるほどくん、またラーメン屋行こうね!」
神光臨を待つ
オチは予想ついたがそんなの関係ねえ
実にエロくていいよ〜GJ
728 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 17:52:30 ID:Eolsrcky
保守したほうがいいのかな
729 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 07:59:32 ID:oP3IPTm/
保守。
今大変みたいだね。
730 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 23:49:13 ID:9PXkEzus
保守
保守〜。
732 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 22:32:47 ID:3sb5QSn9
捕手
お弁当屋さん 響華だっけ?またの名をゲロ吐きのおきょう 誰か書いてよ
>>733 イイネ!
罪門×きょうか とか
萌えだね!
ヒドスww
吐いてどうすんだこの野郎www
明けましておめでとう。
あけおめ!
響華のゲロ食べたい
ミツメイのひめはじめが来ると信じて待ってる
「御剣検事、おかしいッス」
仕事始めの日に、糸鋸刑事が狩魔冥のオフィスに来て、そう訴えた。
「自分の話をぼーっと上の空で聞いていたかと思えば、急にカリカリ怒り出すッス。報告したことを忘れていたり、去年の事件を忘れてたり、あんなの御剣検事じゃないッス」
狩魔冥は口にくわえていた万年筆のキャップを外して、きゅっと閉めた。
「で?その“ニセモノ”の御剣怜侍の正体は?」
糸鋸は顔をしかめて髪をかきむしる。
「ほんとに御剣検事が別人だと言っているわけではないッス、別人のようだと言っているッス!」
「……わかってるわよ。私にどうしろっていうの?」
糸鋸が冥のデスクに両手を付いて身を乗り出し、冥が眉をひそめて体を引いた。
顔が近い。
「話を聞いてほしいッス!きっと、なにか悩み事でもあるッス!!」
「…自分で聞きなさいよ」
聞いたって、言わないかもしれないけど。
「御剣検事はプライドが高いッスからね、一緒に捜査をする自分には弱みを見せたがらないッス。その点、狩魔検事なら大丈夫ッス」
人に押し付けてるだけではないの。
「あ、面倒くさいと思ってるッスね?」
万年筆のサインが乾いたのを確認して、朱肉をつけた判を押した冥が軽く肩をすくめる。
「思ってるけど」
「お願いするッス!もう自分、狩魔検事しかお願いする人がいないッス!!」
手を振って、デスク越しに噛み付いてきそうな糸鋸を制し、冥は仕方なさそうにため息をついてみせた。
「仕方ないわね」
だいたい、あのバカがバカな理由でバカに落ち込んでるなんてバカバカしい事態に、なぜ私がバカみたいにのこのこと出かけていかなくちゃならないのよ。
ブツブツ言いながら、それでも少し楽しげに、狩魔冥は御剣怜侍のオフィスのドアをやや乱暴にノックした。
「どうぞ」
ドアを開けると、デスクの向こうで御剣が驚いたように顔を上げた。
この時間に尋ねると言ってあったのに、忘れていたようだ。
これでは糸鋸が泣きついてくるはずだ。
「ああ、もうそんな時間か。で、なんの用なのだ、め…、狩魔検事」
「そのボケぶりじゃ、ヒゲが慌てるのも無理はないわね」
いきなり、冥のふるった鞭が御剣の鼻先をかすめた。
「な、なにをする!」
「テレビの録画に失敗したくらいで、放心してるんじゃないわよこのバカ!!!」
「キミにはわからんのだ。トノサマン正月スペシャルは、なかなか再放送されないのだ!」
「わかるわけないじゃない、くだらない」
すっかりふてくされた御剣の頭を、冥が上からポンポンと叩く。
髪形を乱された御剣がちょっと神経質そうに前髪を直したのが気に入らず、冥がまたかき乱す。
「…どれだけ楽しみにしていたのよ」
「帰ったら見ようと思って、年始回りを大急ぎで」
「あーもう。むくれないの」
「むくれてなどいない」
そう言いながら、完全にむくれている御剣を見て、冥は思わずぷっと噴き出した。
まったく、人が見たらまたヒゲみたいに慌てるにちがいない。
恐らく、私だけが知っている。
トノサマンの録画に失敗して、仕事も上の空になるような、御剣怜侍の一面を。
御剣は、椅子に埋もれるようにしてさっきからマウスでパソコンの同じ画面をスクロールしている。
その襟元のヒラヒラを一枚引っ張って自分の方を向かせてから、冥は御剣に人差し指を突きつけた。
「部下に心配をかけない程度になさい、御剣怜侍。どうしてもあきらめ切れなかったら、私が録画した分をコピーしてあげるから」
御剣が、がばっと体を起こした。
「録画したのか?!」
もっとも効果的に切り札を切ったことに満足して、冥がふっと笑った。
「あなたが年末から騒いでたもの。どうせ、3回に1回は予約録画を失敗するんだから」
むう、と御剣がうめいた。
あわただしいほど、大急ぎで仕事を片付けた御剣に引きずられるように部屋へ帰った冥は、不満そうにトノサマンの録画をコピーする準備をした。
「あ。DVDの予備がないわ」
リモコンを握り締めていた御剣が、がっくり肩を落とした。
「じゃあ、とりあえずここで見ていく」
「はあ?!ここで2時間もあるトノサマンのスペシャル番組を見て行くって言うの?!」
「いけないか?」
「私は見たくないわよ、迷惑よ」
テレビの前から戻ってきた冥が、御剣からリモコンを取り上げると、いきなり御剣が冥の腰を抱き寄せた。
「では、心の隙間を埋めてくれ」
パシっとその手を叩く。
「都合のいいときだけなに言ってるのよ」
「せっかく、時間も早いし。テレビも見てはいけないのだろう?」
「……えっち」
「知らなかったのか?」
冥の脚の間に膝を入れるように抱きかかえて、胸のリボンを解く。
「知って、るけど」
冥のつぶやきは、御剣の唇でふさがれた。
手がブラウスのボタンを外して滑り込み、なめらかな肌を撫でた。
「ちょっと、本気?」
「もちろん」
するすると服を脱がせる御剣の腕を押さえて、冥が体をよじった。
「わかったわよ、見てもいいわよ、トノサマン」
冥が拾い上げたリモコンを、御剣が取り上げた。
「もう、遅い」
「あんっ」
乳房の頂に口付けられて、冥が声を上げた。
「トノサマンは、サムライなのだ。日本の伝統を守る必要がある」
「なに言ってるのよ、バカじゃないの」
御剣は、ひょいと冥を抱き上げた。
「姫始めといこうではないか」
勢いで書いた。
反省している。
GJ!!
ビデオの録画すら上手く出来ない御剣と
冥たんの「……えっち」 に萌えた
出来ればこの続きも見てみたいな
GJGJ!!!
ミツメイ大好きだ
いいなーこういうのも、俺も続きが読みたい
GJ!!!
やっぱり冥たんはカワエエ(´∀`)
前にマヨメイを書くと言ったのは自分。
家のパソコンが壊れたのも自分。
てことでごめんなさい。まだしばらくかかります。
GJGJ!!
自分742だけどありがとう!!言ってみるもんだ!
新年早々良運に恵まれ今年はいい年になりそうだよ
次回はエロ入りも是非!
743-744の続き。
むにゅ。
「かがみもち」
「バカバカバカバカ!!」
両手で胸をつかまれて、冥は叫んだ。
「うむ、上のダイダイが小さい」
「……ヘンタイ!」
ベッドの上で全裸に剥かれた冥が、顔を真っ赤にして抵抗した。
「良いではないか良いではないか」
むにゅむにゅと乳房を揉みながら御剣が笑った。
「ちょ、ちょっと御剣怜侍!キャラが違うんだけど?!」
「私は今、アクダイカーンなのだ。なんせトノサマン正月スペシャルを寸止めされて欲求不満なのでな」
両手で寄せた胸の谷間に顔をうずめて、御剣はふっふっふと笑う。
「知っているか?アクダイカーンには、エチゴヤーンという部下がいるのだ」
「しっ、知らないわよ、どこ触ってるのよ!」
「アクダイカーンには、触ってはいけない場所などないのだ」
膝の裏に手を入れて脚を開かせながら、そこを指でなぞる。
「なりきるのやめなさいよっ、この特撮オタク!!」
「まだそんなことを言うか」
片手で乳房の弾力を楽しみながら、もう片方の手のひら全体で秘部を揺らすように刺激する。
そのまま冥の唇に、まるで食べてしまうかのように口付けた。
「ん、んっ」
手のひらで撫で回していたそこに、割れ目に沿って指を入れると、わずかに潤ってきている。
「…なんだこれは?おぬしも悪よのう」
「そのキャラ、やめなさいっ!!」
中をゆっくりかき回されながら、冥が最後の抵抗のように御剣の胸板を両手で叩く。
「アクダイカーンは嫌いか?」
「そういう問題じゃ、あんっ」
弱点を知りつくしたアクダイカーンこと御剣怜侍に組み敷かれて、冥は背を反らして身悶えた。
冥の呼吸が乱れ始めると、体温の上昇と秘部の潤いを確かめてから御剣は体を起こした。
「必殺・『トノサマンスピアー』!」
トノサマンの最強の武器がそこにそそり立っていた。
「……バカバカバカ!!なんでアクダイカーンにそんなものがあるのよっ!」
「君がイヤだというからキャラを変えたのだ。では、くらえ、トノサマンスピアー!」
ぬっぷり、と武器が差し込まれる。
「バカァァァ!!」
一瞬冷めかけたところに、強い刺激が加えられて冥はまた体をひくつかせた。
大きく腰を回すと、なまめかしい声が漏れた。
「は、ああん、ああ」
「『トノサマンダイナミックハリケーン』だ!」
「い、いいかげんに、あんっ」
腰を使う速度が上がる。
「あっ、あんっ」
「いくぞ、『トノサマン御乱心大乱舞』っ、くっ!」
「そ、そんなの、いやあぁぁぁっ」
あまりにも不本意な設定で快感の絶頂に押し上げられて、冥はぐったりと動けなくなった。
「……冥?」
動かないままの冥のあちこちを拭いてやりながら、御剣が恐る恐る声をかけた。
「その、やはり、怒っただろうか?」
ぷい、と寝返りを打って御剣に向けた背中が小刻みに震えていた。
「冥、大丈夫か?!」
肩に手をかけて仰向けにさせると、腕で顔を隠した冥が笑っていた。
「ん?」
くすくすとしばらく笑い続けて、それから我慢できないというように体を折ってひとしきり笑った。
「んふ、んふふ、ふふふ。んふふ、ば、バッカみたい」
「め、冥、どうした?」
「あー、バカらしい。なにが『トノサマンスピアーよ』、『ダイナミックハリケーン』よ?検事局エースの上級検事ともあろう人が、バカバカしいったら」
あっけにとられたようにそれを見ていた御剣が、笑い転げる冥の顔の両側に手をついた。
「なにをいう、その『トノサマンダイナミックハリケーン』でよがっていたではないか」
「それは、んっ」
少し長い口付けで、冥の言葉をさえぎる。
余韻が残っているうちに深く口付けられて、冥がうっとりとした表情になったところで、御剣はふとした疑問を口にした。
「ところで、君はトノサマンを見たことがあるのか?必殺技を知っているようだが」
「みっ、見るわけないわ、あんな子供番組!あなたが言ったんじゃない、『トノサマンオオオクタイフーン』!」
御剣が、ニヤリと笑った。
「異議あり。私が言ったのは『トノサマンダイナミックハリケーン』だ。なぜ、トノサマンを見たことのない君が、『オオオクタイフーン』なんていう必殺技を知っているのか?」
「……!」
「語るに落ちたな、エチゴヤーン!!」
がばっ、と御剣が冥に覆いかぶさる。
冥の叫び声が、寝室に響いた。
「あーれーーーーーーっ!!」
調子に乗って書いた。
反省する。もうしない。
「もうしない」なんて言わないでくれ!!
GJ!!!
ちょ、おま、俺の氷結レモン返せwww
超GJwwwww
ちょっとマニアックなプレイでも
燃えてしまうミツメイに萌えた。
冥タソカワイイよ冥タソ(´д`;)ハァハァ
何これwww神過ぎwwwww
GJすぎて酔いがまわったよありがとう
冥ちゃんトノサマン見てんじゃんwww
可愛すぎるわ!!!!
あー、今逆裁3プレイしてるんだけど、みったんとメイちゃんの指や唇見ると
エロい妄想してしまうよwwww
これナルマヨバージョンで見てみたいな
ノリノリなのは真宵で引いてるのは成歩堂でw
ミwwwwツwwwwwルwwwwギwww
>「かがみもち」
でしょっぱなから噴き出して
>「必殺・『トノサマンスピアー』!」
>トノサマンの最強の武器がそこにそそり立っていた。
で思いっきり撃沈したwwwwww
萌える新年初笑いをありがとうwwww
冥の
「バカバカバカ!!」
に撃墜された
>>752 GJ!!!!!
もうしないなんて言わないでくれー!
新年早々こんなに笑って萌えるSSに会えるとは。
やったーナルメイの小説できたよー(^o^)ノ
───アタシの名前はメイ。弱冠13歳で検事にまで登り詰めた天才検事。フケガオスリムで潔癖体質のアメリカンガール♪
アタシがつるんでる友達は同じく検事をやってるレイジ、署長にナイショで
蕎麦屋で働いてるケースケ。訳あって眼科に通っているゴドー。
友達がいてもやっぱり検事局はタイクツ。今日もレイジとちょっとしたことでムチ喧嘩になった。
検事同士だとこんなこともあるからストレスが溜まるよね☆そんな時アタシは検事席で一人で裁判を担当している。
がんばった自分へのご褒美ってやつ?自分らしさの演出とも言うかな!
「あーバカがバカなりに(ry」・・。そんなことをつぶやきながらしつこい弁護士を軽くあしらう。
「い、異議あり!」どいつもこいつも同じようなセリフしか言わない。
弁護士の男はカッコイイけどなんか薄っぺらくてキライだ。もっと等身大のアタシを見て欲しい。
「待った・・。」・・・またか、とカンペキなアタシは思った。ムチを使うつもりだったけど、
チラっと弁護席にいる男の顔を見た。
「・・!!」
・・・チガウ・・・今までの男とはなにかが決定的に違う。スピリチュアルな感覚がアタシのカラダを
駆け巡った・・。「・・(カッコイイ・・!!・・これって運命・・?)」
男は弁護士だった。証人を連れていかれてゆさぶられた。「キャーやめて!」証拠品をつきつけた。
「ビッシ!クラエッ!」アタシは負けた。異議なし(笑)
ツッコミ所多過ぎ吹いたwwwwスイーツ改変上手えwwww
766 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 03:45:43 ID:k2+ko1uR
>>750 こwwれはwwww
初笑いありがとう
携帯小説もワロスw
マヨメイに期待。
768 :
マヨメイ:2008/01/13(日) 18:48:23 ID:8qifQ4eW
「冥さん、浴衣姿も素敵ですよねー」
旅館の部屋に戻ってきたところで、真宵が言った。
糸鋸が日ごろの感謝と称し、気と手を回して温泉旅館一泊二日に招待してくれたのだ。
しかし、回したのは気と手だけで、資金を提供させられたのは御剣だったが。
成歩堂と真宵も声をかけてもらい、温泉旅館に到着するなり、御剣と成歩堂と糸鋸、真宵と冥に分かれて温泉へ入り、二部屋に分かれた広いほうの三人部屋で皆で夕食を取った。
男たち三人は酒を飲んでグダグダに酔っ払い、真宵と冥はさっさと自分たちの部屋に戻ってきたのだ。
「なるほどくんたちもすっごい見てましたもんね、冥さんのこと」
「そう?」
温泉と食事と少しの日本酒でほんのりと頬を染めた冥が、真宵を振り返った。
着慣れない冥の浴衣が着崩れているのにちょっと手を添えて、真宵はふふふっと笑った。
「おっぱいも、大きい」
襟元をくいっと広げると、白い胸がのぞく。
「ちょ、ちょっと、真宵?」
「やっぱり、この温泉ってお肌にいいんですね。ほら、冥さんのおっぱい、つるつる」
とまどう冥の胸に、そっと唇を押し付けた。
手を突っ張って真宵を押し返そうとすると、かくんと膝の力が抜けて、冥は二人分並べてある布団に倒れた。
「え…?」
真宵の手が伸びて、浴衣の腰ひもをほどいた。
「え、え?ちょっと、あなたそんな趣味が?!」
言葉は出てくるが、思ったように腕が上がらず、冥は信じられないように自分に覆いかぶさってくる真宵を見た。
「ふふふ、さっきのゴハンに綾里家秘伝の媚薬をふりかけたんですよー。あと、男の人たちの方には、ぐっすり眠れるようなのをね〜」
「な、なぜそんな!きゃあっ」
腰のひも一本で着付けられていた浴衣は、そのひもを取り去られるとあっさりと冥の裸身をさらした。
「お風呂で見たけど、やっぱり冥さんってスタイルいいですね。うらやましいなあ」
真宵が指先で触れるか触れないかのように冥の体をなぞった。
「顎から首筋とかすごく華奢だし、鎖骨はくびれて、そこからおっぱいまでのなだらかな盛り上がりとか。仰向けなのにぜんぜん横に流れないし、乳首はピンクだし、乳輪も小さくてかわいいです」
「ま、真宵、お願いだからっ」
「だめですよー、御剣検事もなるほどくんたちと一緒に今ごろ夢の国です。でも、仲居さんに聞こえると困るから、あんまりうるさくするのやめてくださいねー」
テーブルの上にあったおしぼりを口の中に押し込まれて、冥は絶望的な目で真宵を見上げる。
「ほうら、ウエストもきゅってなってるし、お尻も小さいのに形がいいですよ。脚もすらっとしてるのに、太ももはちゃんとムチっとしてて、こーゆーの男の人は好きなんですよね?」
「んー、んーっ」
「で、ここ」
真宵の手が臍の下をすっと撫でた。
「お手入れしてるんですね?でも薄い方かなあ?きれい」
指が小さな白いレースの下着の中、閉じた脚の間に割り込む。
「んんんん!!」
媚薬で思うように体を動かせないながらも、必死に脚を閉じようとする冥を見下ろして、真宵は自分の浴衣に手をかけると、それを肩からすべり落とした。
「あたし、おっぱい小さいんですよね。ちょっと幼児体系だし。でも」
冥の上に真宵が重なる。
「感度は良いって言われますよ?」
真宵が、自分の乳首と冥の乳首をすり合わせた。
「う〜ん、きもちいい。ね?」
「んんんんん!!んーんーんー!!」
「だ〜め、やめない。あたし、女の子も好きなんだも〜ん」
真宵の立ちはじめた乳首で何度もこすられて、冥は目に涙を浮かべた。
媚薬のせいだとは思うものの、ごまかしきれない疼きが自分の胸から伝わってくる。
「あー、冥さん、立ってきた。うふふ」
はむ。
片方を口にくわえて、舌先でねぶる。
「はん〜、コリコリしておいしいっ」
もう片方を指先でつまんで転がしながら、自分の脚を冥の脚に割り込ませる。
温泉で潤った肌と肌がこすれた。
769 :
マヨメイ:2008/01/13(日) 18:48:57 ID:8qifQ4eW
「やわらかくって、弾力もあって、乳首はコリコリ。これは御剣検事も大喜びですよねっ」
「んんんん!!」
「えー?御剣検事とセックスしてるんでしょ?他の人なんですか?」
「!!!」
「このおっぱい、セックスしてる人のおっぱいだと思うけどなあ」
言いながら、真宵は膝で冥の脚を押し広げた。
「ま、ここに聞けばわかっちゃいます」
「むーーーーー!!」
するりと下着を足から抜き取り、薄い陰毛を指に絡める。
人差し指を割れ目に沿って進める。
「ふっくらしてやわらかいのに、大きすぎなくっていい感じ」
真宵は両手を冥の膝の後ろに回して、大きく脚を開いてその間に座り込むと、太ももを抱えるようにして覗き込んだ。
「ご開帳〜〜」
「んんんーーーー!!」
「大丈夫、きれいですよ〜」
顔をうずめて、指で開いた大陰唇の中に舌を入れる。
縦になぞるように舐めあげると、冥の腰がびくっと揺れた。
「きもちいいでしょ?やっぱり、女の子のきもちいいところって、女の子が一番よくわかるって思うんですよねー」
両手の指でひだを開き、膣口の周りをなぞった。
「あたしもねー、なるほどくんのおちんちん入れてもらうのも好きだけど、里の女の子とこうやって遊ぶのも好きなんです。今日は冥さんもいっぱい気持ちよくしてあげますからね〜」
「んーーーんーーー!!」
細い指が中に入り込む。
入り口のあたりのヒダヒダを何度も往復するようにこすられると、意に反してゾクゾクする感覚が冥を襲う。
「ここ、いいでしょ?男の人だと指も太いし、こういう繊細なとこってうまくできないんですよね?」
「んっ!」
指を回しながら、だんだん奥まで入り込むように出し入れさせて、真宵は冥の反応を見る。
「ほら、なんか出てきました、冥さ〜ん」
指を引き出して、それが濡れているのを確かめて今度は二本いれ、中で交互に壁を叩くように動かした。
「んっ、んっ!!」
そのまま顔をうずめて、クリトリスを舌でつついた。
「ん!!!」
「皮、むいちゃいますね〜」
「んんんんんん!!!」
「男の人はおちんちん入れちゃうと、ここ、あんまり触らないんですよね。自分が気持ちよくなろうとしちゃうから、ピストンばっかりしたがるもん。中に入れて、ここも触ってもらうのが一番きもちいいですよ」
片手の指を中に入れ、もう片方でクリトリスをつついたり撫でたりつまんだりされて、冥は思わず首を振って悶える。
どこからとりだしたのか、真宵は冥の目の前に、ピンクと水色のバイブをかざした。
「じゃ〜〜〜ん!」
「んんんん!!!」
「大丈夫、これすっごくいいですから。ほら太すぎず長すぎずでしょ?こーゆーのがいいんですよ、バカみたいに大きいだけじゃなくって、動きとか大事なんです」
スイッチを入れると、バイブが細かく動く。
「あとこの根元のウサギ。クリバイブなんです。ちょうど耳にクリを挟むようになってるんだけど、この位置が最高なんですよねー。も、たまんないの」
もうひとつのスイッチで、ウサギの耳が振動し始める。
「これ入れてあげますねっ」
「んんんーーーーーーーーーーー!!」
細い指でさんざんいじりまわされたあとに、そんなものを入れられたらどうなるのか、冥が顔を引きつらせる。
770 :
マヨメイ:2008/01/13(日) 18:49:28 ID:8qifQ4eW
「ちょっと暖めまーす。こーゆーの、大事だから」
真宵は自分の太ももで二本のバイブを挟んだ。
弾みで一瞬スイッチが入り、ブルっと震える。
「あんっ」
布団の上に正座した状態で、真宵が背中をそらして声を上げた。
「やだ、きもちいい・・・。ね、冥さん」
冥の中から出た液で濡れた指を、自分の脚の間に差し込む。
「あん…、あたしも濡れちゃいました」
挟んでいたバイブの水色のほうを、冥の股間に触れるように布団に置いてスイッチを入れる。
「ん!」
かすかな振動が、開いた脚の間に感じられる。
それを見ながら、真宵は冥から見える位置に座って自分の脚を大きく開いた。
「こうするんです…」
ピンクのバイブが真宵の中に飲み込まれていくのを、冥は信じられない思いで見ていた。
「ああ…、いい。すごくいいです」
後ろに左手を突いて体を支えながら、右手でバイブを小さく動かして、真宵はうっとりと頬を紅潮させた。
「スイッチ…、いれます」
真宵の中でバイブがうごめき、パッカリと開いたそこから愛液があふれてきた。
「ああ、きもちいい」
ブルブルと震えながら回転運動をするバイブが真宵の膣口からのぞく様子から、冥は目が放せない。
そして、自分に触れているバイブからの振動が、もどかしくなる。
「ああん、きもちいい、きもちいいです。たまんないっ」
真宵が腰をよじってあえいだ。
「こっちも、スイッチいれちゃう…」
大きく開いた脚の間で、ウサギが震え始めた。
「あああっ、いいっ」
赤くなって膨らんだクリトリスが、ウサギの耳の間に挟まれているのが見える。
真宵はぐいぐいとバイブを押し込み、耳は一番感じる芽を揉み上げるように振るわせた。
うめくのも忘れて、冥は自分で自分を高めていく真宵を見ていた。
「あーん、きもち、いっ、あっ、いいいいいいいっ」
限界まで大きく脚を開いたまま、真宵はシーツを濡らしてバイブで達した。
はあはあと息をつきながら、バイブを抜き取ると中からまたどっぷりと愛液がこぼれる。
「ああ、きもちよかったです。すぐイっちゃった…」
タオルを取って脚の間を拭くと、冥を見てふふっと笑った。
「人が感じてるの見るのも、感じちゃわないですか?」
冥の足元に移動して、軽く触れる位置で震えているバイブを強く押し付ける。
「んっ!!」
「ほら、冥さん、あたしがイっちゃったの見て濡らしてるじゃないですか?」
先端を差し込まれて、冥はかすかに腕を動かして布団を叩いた。
言葉も発せられず、体はしびれて思うように動かないのに、触られた場所は気持ちよくなる。
せめてもの抵抗に、感じまいとするのに、震えるオモチャを当てられた場所からこらえがたい快感が伝わってくる。
「入っちゃいまぁす。えいっ」
一度自分で満足したせいか、真宵は笑いながら余裕たっぷりに冥の膣口にバイブをゆっくりと沈めた。
「んん!」
「バイブ、“強”にしますね〜」
中で激しく動き始めたそれを真宵が手で出し入れさせ、冥は自分の理性を手放した。
「んーーーーー!ん、ん!!んあっ!」
「すごおい、冥さんったら」
跳ね回る腰を押さえつけて、真宵は驚いたように言う。
「すぐイクとつまんないから、ちょっとこのままね」
テーブルの上でとっくに冷めたお茶の入った湯のみに指を入れ、冷たくなったところで冥の乳首をつまんだ。
ひんやりとした指先で乳首をこするように動かされる。
「んっ!」
「ほんと、きれいな乳首ですよね。感度いいなあ」
指先でつまんだまま、先端を舌で舐める。
その間にも、バイブは下半身を蹂躙し続ける。
771 :
マヨメイ:2008/01/13(日) 18:49:59 ID:8qifQ4eW
おしぼりを噛まされたままの冥は、息苦しそうに眉をひそめ、ただうめくしかできなかった。
胸を揉んだり舐めたりされて体をひくつかせていると、するりとバイブが抜け落ちてそのモーター音が大きく聞こえた。
「やだ、冥さんお行儀が悪いなあ。ちゃんと締めておかないと」
もう一度、今度はいきなり奥までバイブを突き立てる。
「んーー!!ん、ん、ん、ん」
「そろそろ、ウサギさんもスイッチ入れてあげますよ〜」
クリバイブの威力は、想像を絶した。
一番敏感なところが、ピンポイントで挟まれて絶妙な強さで絞り上げるように震えるのだ。
同時に、中にもちょうどいい角度で凸凹がこすり付けられる。
「んーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
乳首を突き上げるように背中を弓なりにそらせて、両足を全開にして痙攣させながら、冥はぐっしょりと愛液をこぼして達した。
「あー、きもちよかった」
無邪気なほどの笑顔で、真宵は冥の口からおしぼりを抜き取った。
媚薬の効果はまだ残っているようだが、かろうじて体が動かせるようになった冥は、布団の上に落ちているピンクと水色の二本のバイブから目をそらして赤面した。
「ね、女の子同士もいいでしょ?」
畳の上でくしゃくしゃになっていた浴衣を広げて肩にかけて、冥は汗やなにかで湿った布団の上でそうね、と呟いた。
確かに、普通のセックスでは得られないものがあったような気がする。
ただ、これにハマるのはちょっと怖い。
そういう冥にはお構いなしで真宵は全裸のまま、抱きついてきた。
「ね、もう一回」
「えええ?!」
冥が驚くのを見て、あははと笑う。
「やだー、もう一回お風呂行ってこよう、って言いたかったのに。冥さん、なに考えたんですかー?やーらしーーー」
「なっ、バカなことっ」
ふざけたように、真宵が腰ひもを締めかけた冥の浴衣の襟に手をかけた。
「照れてる照れてる〜、おっぱいまで真っ赤にしちゃって、冥さん、かわいいっ」
それから真宵は適当に浴衣を着て、言葉少なな冥の腕に自分の腕を絡めるようにして、真夜中の廊下を大浴場に向かって足取りも軽く歩いていった。
壁一枚向こうでは、男たちがだらしなく眠りこけている。
勢いで書いた。反省しとく。
748を待つ。
なんだこの神
おもしろい。
じっくり読んじゃった。
GJ…!
初めて冥に萌えた
GJ
百合も好きだがナルマヨミツメイ本命の自分としては
ガチレズじゃないのもまた萌えた
それにしてもこの真宵、ノリノリであるw
されるがままにヤラれちゃう冥も可愛くて良かった
マwwwヨwwwwイwwwwww
478kbyteだからそろそろ次立てたほうがいいかね?
781 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 20:12:13 ID:GSNLfOAL
ほ
よく分からんけどこっち先に埋めたほうがいいんじゃないの?
雑談で埋めようにも新スレでさえ閑古鳥だしなあ
じゃあしりとりかAAか
新スレに期待するカプやシチュを上げていこうぜ
ヒントにしてなにか思いついてくれる人がいるかもしれない
というわけで茜の陵辱モノ、プリーズ
ほのぼのラブラブもいいが久しぶりにシリアスな話が読みたい
多角関係物とかいいかも、と「悲しみの向こうへ」を聴きながら思った
いや、あそこまでドロドロのシリアスじゃなくてもいいけど
>>788 同じく、エロももちろんいいけど、
ストーリーで萌えたい。
普通にミツメイ
節分とバレンタインが近いのでそれにちなんだのを。
バレンタインはともかく、節分は恵方巻ネタくらいしか思いつかんがw
冥可愛いよ冥
バラン×優海
>>792 つまり恵方を向いてアレをガブリってことか
痛い痛い
>>795 食べ終わるまで話したらダメなんだっけ?
響也×冥とか御剣×茜みたいなちょっと変わった組み合わせもまた見たい
う
め
ま
す
よ
あ
や
め
埋め立てがてらこっちでレス
誤爆スレ
>>474 恐らく御剣が冥にプレゼントしたものじゃないかと思う。
それを冥がいつも身に着けていたから、神乃木は二人が付き合ってると勘違いした。
そして5話で、御剣への片想いを吹っ切る為に冥はブレスレットを着けるのを止めた。
もちろん話の中にそんな描写は一切出てこないし、全部こっちの勝手な想像だけど。
やさぐれてるけど御剣に対してだけは素直な茜とか見たい
ナルマヨ見たい
ほのぼの純愛エロも良いが
ナルホドがめちゃめちゃ鬼畜ドSで
デートの途中逢った御剣と楽しそうに話す真宵タンに嫉妬
帰宅後 謝る真宵をお仕置きに託けて
道具やら何やらでいじめまくって壊しちゃう
突きまくり喘がせまくりイかせまくりの
激しいプレイを妄想しますた´`*
なるほどとまよいが大喧嘩する話がみたい
ミツメイのHR
ありそうなのに見たことない
>>811 作品では中田氏ばかりしているのになw
そういえばHRネタは俺もミツマヨしか読んだことない。
誰かミツメイで書いてくれる神いねーかな
HRって妊娠ネタのことなのか
ググって調べてしまった
ミツメイのホームランと読んだのは自分だけ
ミツメイのホームルームと読んで学園パロかとオモタ
そうか、はらませネタだったのか……賢くなったよ
>>810ー812
さぁ、今すぐ紙とペンを持ってPCに向かうんだ!
お前らが神になるときだ
>>809を見て竹刀装備の千尋さんが成歩堂を
>>811を見てスタンガン装備の豪が御剣を
鬼の形相でどつき回している様が思い浮かんだ
819 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/13(水) 12:12:16 ID:tkPhTBqD
成歩堂が事務所に帰ると、真宵が成歩堂のデスクを真っ白な粉だらけにしていた。
「な、なにやってるんだ真宵ちゃん」
「えっへへ〜」
カセットコンロの周りに、卵の殻や砂糖の袋などが散乱している。
見ると、真宵の装束も粉だらけだ。
「ちょうど出来たんだよ。見る?」
真宵が成歩堂の鼻先に突きつけた大きな皿には、丸くて白いものが乗っていた。
「……かまくらはんぺん?」
「そんなわけないでしょ!よく見てよ」
粉だらけの、白い半円状のなにか。
まんなかに、ピンク色のなにかが沈む込むように埋まっている。
「えっと、これは、もしかして」
「えっへへ〜〜、マシュマロおっぱい!!」
成歩堂ががっくりした。
「な、なんでマシュマロ…」
「だってほら、なるほどくん。バレンタインだよバレンタイン!」
「真宵ちゃん。バレンタインデーは、チョコレートをあげる日なんだよ」
「うん、だからほら、真ん中にアポロチョコが入ってるでしょ」
「……」
「はいっ、なるほどくん、バレンタインおめでとう!召し上がれっ」
なんか、ビミョーに勘違いしてるけど。
「しっかし、真宵ちゃんがこんなことをねぇ」
「うふふ、昔ねー、おねえちゃんが作ってたんだ。あたしも大きくなったら作ってみたいと思ってて」
「ち、千尋さんが?」
「おねえちゃんのはもっと大きかったから、卵もいっぱい使ったけど、あたしのはちょっとで間に合っちゃった」
「……」
「でも、いいよね、なるほどくん?」
成歩堂は手元のマシュマロと、妙な凹みのついた丼いっぱいの粉を見比べる。
「真宵ちゃん、これ、どうやって作ったの?」
「マシュマロってね、片栗粉を凹ませてその型にメレンゲを流し込んで作るんだよ」
「その型って」
「うん、おっぱい」
今度は、マシュマロと真宵の粉だらけの装束を見比べてみた。
真宵ちゃんは、丼に片栗粉を入れて、そこにおっぱいを押し付けて型を取って、メレンゲを流し込んで?
このマシュマロおっぱいは、真宵ちゃんのおっぱいなのか。
「千尋さんに教えてもらったの?この作り方」
確かに、千尋さんのマシュマロおっぱいは、かなり巨大なものだろう。
「うん。よくできてるでしょ?」
成歩堂は、つんつんとマシュマロをつつく。
「さあ、よく出来てるかどうか、最近ぼくはモデルになった本物を見てないからさ」
マシュマロをつついた指で、真宵の胸を装束の上からつついた。
「えー、おんなじだよ、だって型取ったんだもん」
マシュマロの皿を、デスクに置く。
「どれどれ?」
真宵をつかまえて、手のひらでおっぱいを包み込む。
「ちょっと、なるほどくん」
「んー、よくわからないな」
装束の合わせ目から、するっと手を入れる。
真宵の体温と小ぶりで柔らかなおっぱいの感触が伝わってきた。
そのまま揉みしだく。
「あ、あん、なるほどくん…」
「触った感じはよく似てるかな?見てもいい?」
返事を待たずに、装束の前をぐいっと開いた。
ぽろん、と二つのおっぱいがこぼれ出た。
「アポロチョコだね」
乳首をつまんで、こりこりとこねる。
「あ、あはん…」
「ぼく、こっちを食べたいんだけど」
「そ、そんな、きゃっ」
するっと装束を真宵の肩から下ろし、成歩堂はアポロチョコを口に含んだ。
「おいしいよ、真宵ちゃん」
真宵が崩れ落ちそうになるのを抱きとめて、ソファに寝かせる。
「な、なるほどくん、食べるんならマシュマロ……」
「うん、食べるよ」
真宵のマシュマロを、大きく口を開けてくわえ込む。強く吸い上げる。
「あ、ああ、なるほどくうん」
真宵が声を上げた。
成歩堂の手が帯を解いて、下着を下げた。
「ひゃあっ!そんないきなり!」
「だって、君が言ったんじゃないか。召し上がれって」
「それは、あああんっ」
成歩堂の手が脚の間をまさぐった。
「ここにもあるんだね、アポロチョコ」
「ち、ちがうの、そこは、あっ」
上と下のアポロチョコがクリクリとこねられる。
「あん、あ、あっ、なるほどくん、あっ」
「こっちのアポロチョコも食べていい?」
成歩堂は股間に顔をうずめ、舌先でアポロチョコをつんつんとつつき、大きく舐め上げる。
「うん、こっちもおいしいね」
「ああん」
舐め続けられて、真宵は声を上げた。
成歩堂が、顔を離した。
「はい、ごちそうさま」
ふいに中断された真宵は、火照った体を成歩堂に押し付けるように抱きつく。
「やだよ、なるほどくん。そういうの、食い逃げっていうんだから。弁護士がそんなことしちゃいけないんだよ」
「食い逃げって、真宵ちゃんがくれたんじゃないか」
言いながら、ズボンのベルトに手をかける。
「うん。だから、最後まで食べて」
天を突くような成歩堂のペニスを握り締めて、股間に導く。
「ホワイトデーは、あたしが食べるからね」
「それって、これとどう違うの」
ぐいっと押し付けて、成歩堂が笑った。
「あんっ」
「今、ぼくは食べてるの?食べられてるのかな?」
「んっ、あっ、は、うんっ」
答える余裕のなくなった真宵が声を上げ始め、成歩堂も突き上げることに集中した。
舐められてすっかり火の付いていた真宵は、ソファの上で体をよじって悶えた。
「あん、ああっ、すごい、いいっ!あっ、あっ!」
「く、あんまり締めないで、真宵ちゃ、うっ」
「ああん、気持ちいっ、あっ!」
真宵が成歩堂を絞り上げるようにイくと、成歩堂も真宵のお腹の上にぶちまけた。
息を乱してぐったりと目を閉じた真宵に、成歩堂がニヤニヤして言った。
「ホワイトデー、楽しみにしててね、真宵ちゃん」
おしまい。
チョコの食べ過ぎとGJ>>820-
>>821で
鼻血噴出して貧血になりますた
GJ!!
真宵タンのアポロチョコ(*´Д`)ハァハァ
「相変わらずヒマだねえ、事務所」
ソファに全躯を預け俯せに横たわる真宵が、肘掛けで頬杖をついて呟く。
テレビでお気に入りの番組を観終わってしまった後の第一声だった。
「いい天気。」
立春の正午―
陽射しがあまりに強いので窓のブラインドを半分下げている。
室内は暖かかった。
ちょうど昼時だと、真宵は徐ろに携帯電話を握った。
「お腹空いたし出前、取ろうよ!」
「良いけど‥‥さ。」
成歩堂はぎこちなく笑いながら紙面にペンを滑らせている。
「なに?その何か言いたげな目は」
「真宵ちゃんってさ、雨女ならぬ暇女なんじゃないの?実は。」
「むっ。それってあたしがいるからヒマってコト?
失礼しちゃうなあ、あたしはこれでもれっきとした"トラブルメーカー"」だよ!
「‥‥‥‥(それも困るんだけどね)」
頬を膨らませ憤怒する。
そんな真宵を見て微笑む成歩堂。
平和だなあ、と成歩堂は思った。
でも何だか足りないな、とも。
それも、物騒な殺人事件とか、そんなものではなく―
平和な、"刺激"。
825 :
ナルマヨ:2008/02/14(木) 05:52:38 ID:dbRD5lfA
「そうだ!」
「な、なんだよ‥‥びっくりしたなあ」
突然鼓膜に響いた元気な声に瞬時に消されてしまった一考だが、真宵はそんな成歩堂の胸中を知りもせず。
「はみちゃん呼ぼうよ。二人より三人で食べた方が楽しいし」
「‥‥春美ちゃんは里だろ。
一人で来られる訳ないじゃないか」
「ううん。明日のトノサマンのショーのために今、みつるぎ検事のところにお邪魔してるから大丈夫」
「どっちみち同じだろ‥‥危ないよ」
「もーっ、ここまて言ってまだ分かんないの?みつるぎ検事に送ってもらうんだよ。ここまで」
「え‥‥いや、アイツも忙しいだろうしそんな」
「明日のトノサマンのショー、一緒に行くくらい?」
「‥‥‥‥」
「とにかく、今からはみちゃんに電話するから」
「はみちゃんに?御剣にじゃなくて?」
「みつるぎ検事にはなるほどくんが話ししてよ。まずは、はみちゃんに代わってもらうの」
「‥‥‥‥」
沈黙を強いられる返答に、観念の溜息をひとつ。
「良いよ。」
にも関わらず、真宵は早速笑顔で携帯電話のボタンをプッシュする。
呼び出し音だけが鳴っている。
826 :
ナルマヨ:2008/02/14(木) 05:53:11 ID:dbRD5lfA
「‥‥‥‥もしもし。」
「あ、みつるぎ検事ですか?」
「真宵クン。電話など珍しいな。春美クンのこと‥‥か?」
「わっ!さすがみつるぎ検事、なるほどくんと違って察しが良いですね。」
横で机上に垂れていた頭が此方を向き、睨んだ。
「あの、はみちゃんに代わってもらえますか?」
「構わないが‥‥わっ、わ!」
突然短い叫びの後声が途切れたので真宵は何事かと戸惑うや、直ぐに安堵を取り戻した。
「真宵さま!」
「あっ、はみちゃん!
みつるぎ検事から電話、ひったくったの?」
「は、はい。真宵さまからのお電話なんて嬉しくて‥‥!どういたしましたか?」
興奮しているのかやたら声が上擦り、早口にまくし立てる。
真宵がくすくすと笑いながら人の気配に背後を振り向くと、いつの間にか机から離れた成歩堂が、反対側の肘掛けに座っていた。
真宵は急いで姿勢を正しスペースを開ける。
小声でありがとう、と
成歩堂は真宵のすぐ隣に腰掛けた。
「はみちゃん、あのね。よかったら今から‥‥ひゃっ!」
真宵の肩が震えた。
振り向かずとも、何が起きたのかすぐに分かった。
耳に吐息を感じたから。
「真宵さま‥‥!?」
「あ、ううん。なんでもな‥‥」
真宵は背後に向いた。
案の定成歩堂と目が合うと、にやりと口許を歪め不適に笑った。
やめて、と口を開く前に背筋をなぞられ、のけ反った身体をすっぽりと収められてしまう。
827 :
ナルマヨ:2008/02/14(木) 05:58:58 ID:dbRD5lfA
「‥‥な、なるほどくん‥‥」
「ホラ、普通に喋らないと春美ちゃんに怪しまれちゃうよ?」
「はみちゃ‥‥あっ!」
なんとか言葉を、と慌てている間に
成歩堂は真宵の肩を装束から覗かせ、丹念に耳を舐め上げながらか細いそれに指を這わせる。
会話を催促するのに静かに攻めてきて。
意地悪、とは言えず襲って来るむず痒い快感に耐えながら真宵は懸命に電話を握り締めた。
「真宵さま‥‥具合が悪いのですか?」
「ううん‥‥!そ、そんなことない、よ。ごめんね」
「そ、そうですよね!なるほどくんがついていながら
病気の真宵さまがお電話をなさっていたら、どうしてやろうかと思いました!」
「は、はみちゃん‥‥っ、」
素直に喜べない。
無論喜ぶべき事なのに、今は背後から畏怖する指が、刺激が気に掛かる。
それなのに次第にエスカレートしてゆく成歩堂の攻め手。
やがて指はなだらかな斜面へと辿り着き、両腕で二つの山を包み込む。
828 :
ナルマヨ:2008/02/14(木) 05:59:59 ID:dbRD5lfA
そして頂点の蕾は抵抗する術も無く
尚も意地悪く、片方ずつ刺激を与えてくる。
もどかしい。
羞恥に赤らめ、歪む表情。
「あの、さ。はみちゃん、今‥‥から、あ‥‥あっ、えっと‥‥今から事務所に‥‥っ‥」
電話を落としそうになるくらいの電撃が、全身に走った。
いちいち片方を攻めていたのに、唐突に両方の蕾を指で擦るから。
会話が進まなくて不安になる。
「今から、事務所に‥‥ですか?」
「うん‥‥あのね、みつるぎ検事に送っ‥‥送ってもらって」
「はい!何か、大事な用事があるのですね?」
「あ、違うのはみちゃっ‥‥ちょっとね、ふあ‥‥あっあああ」
あからさまに声を漏らしてしまってから、喉を締めた。
後ろの成歩堂を睨んだつもりが、潤んだ瞳と切なく寄せた眉間では
きっと相手からはやらしく見えているんだろう、と
それでも無言で訴えてみると、笑みを浮かべたまま下半身へと腕を伸ばして来たのだからたまらない。
「ま、真宵さま‥‥あの」
「はみちゃん‥‥?」
「なんだか、その‥‥真宵さまの声、なんだかステキ」
ステキと来たか‥‥‥‥
って、
「ええええっ!?や、やだはみちゃんてば、そんなこと‥‥な‥‥」
震える声で必死に。
そんな真宵を見て益々掻き立てられる、何か。
ここぞとばかり捲った装束から見える下着の内へ手を侵入させ、あっという間に一番敏感な部分を探り当てる。
829 :
ナルマヨ:2008/02/14(木) 06:00:56 ID:dbRD5lfA
「今から‥‥なるほどくんと、さっ三人でお昼‥‥みそラーメン食べ、食べよっ‥‥‥‥」
「わあ、嬉しいです!
でもよろしいのですか?お二人の特別な時間に割り込んでしまって‥‥」
「い、良いの!大丈夫、寧ろ‥‥あっん‥‥‥‥早く‥‥」
陰核に激しい快感。
グリグリと強く、指の腹を押し当てて。
首筋に吸い付く成歩堂の唇
片方の腕は胸を揉みしだき
もうダメだ、と真宵は悟り、御剣に代わる事を言い出せず
ごめんね
と一言だけ伝えると電話を切り、ついに電話を床に落としてしまった。
止まらない指
激しくなる刺激
確実に何かが這い上がってくる。
"膣"ではないから、「イく」とはまた別の感覚。
「はああッんっン‥‥あ、ん!」
声を我慢する必要の無くなった真宵の喉はしなり、高らかに甘い声を上擦らせる。
もっとも、春美に悟られてしまっては
我慢出来ていなかったかもしれない
「真宵ちゃん‥‥可愛いよ」
「なるほどくん、意地悪‥‥しないでよ‥‥ン、ヒドいよ、ヒドい」
少しずつ高みに昇って行く真宵は
それ以上の抵抗を示さず悪あがきの言葉は成歩堂に届かなかった。
830 :
ナルマヨ:2008/02/14(木) 06:01:38 ID:dbRD5lfA
「来るでしょ?もうすぐ」
指の動きが速くなると頭が痺れ、腰が動いた。
「あん、ンっん‥‥は、あああん!」
そのまま陰核の絶頂を受け入れ、身体を震わせ快楽のままに声を上げる
余韻を消すべく腰を緩く揺らし、乱れた息を整えていると
成歩堂は真宵の耳元で囁いた。
「ドキドキした?」
「‥‥‥‥キライ」
ぷいと、そっぽを向き装束の乱れを直しつつ不機嫌を態度いっぱいに表しては
落ちた電話を見つめ、もう一度呟く
「なるほどくんなんか、キライ」
「ぼくは大好き。真宵ちゃんのこと」
「‥‥‥〜〜〜〜」
「何?その何か言いたげな目は」
せっかく落ち着いたのに、また顔が真っ赤になった。
「みつるぎ検事に言っちゃおうっと」
「え‥‥!?いや、まっ待った!それは無しだよ‥‥!」
初めて動揺を見せた成歩堂を見て気味よくほくそ笑む真宵。
その時。
「お待たせしました、真宵さま!」
「成歩堂、邪魔するぞ」
電話が切れた後急いで駆け付けた御剣と春美。
真宵は一度笑ってから玄関に走って行き、慌てて追う成歩堂。
831 :
ナルマヨ:
しかし、孤独感と早い鼓動に悩まされる人物がそこにいた。
御剣だ―
何故なら春美をランチのため送って行くなら当然自分も事務所に寄るのだから、何も電話を春美に代わらず
自分に伝言をくれれば良かった。
まあ、図々しく言うなら一緒に行く自分も誘ってくれれば良いのにと思ったのだ。
そして春美の傍らで会話の内容を聴いていた御剣は当然、真宵の様子のおかしさの原因を悟っていたのだ。
この後、ランチタイムはポーンはナイトにどころか、
二人のクイーンに囲まれ追い詰められることになる。
-終わり-