擬人化した凶暴な♀動物が逆レイプする【5匹目】

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1名無しさん@ピンキー
エロエロ擬人化♀動物が、♂の人間・動物を食べちゃう(性的に)スレです。
凶暴じゃなくても、昆虫や鳥類でも、架空の動物でも何でもOK。
孕ませに近親相姦、ハッピーエンドにバッドエンド何でも来いです!!

注意事項
※ゲイ、スカトロ、グロテスクはNGで。
※版権モノは専用スレでお願いします。

前スレ
擬人化した凶暴な♀動物が逆レイプする【四匹目】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1171815117/

まとめ・保管庫
擬人化した凶暴な♀動物が逆レイプするスレまとめ @ ウィキ
http://www21.atwiki.jp/brutalanimal/

過去スレ
擬人化した凶暴な♀動物が逆レイプするスレ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1156347496/
擬人化した凶暴な♀動物が逆レイプする【二匹目】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1164643168/
擬人化した凶暴な♀動物が逆レイプする【三匹目】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1168881506/
2名無しさん@ピンキー:2007/05/04(金) 11:05:47 ID:3mhzunxz
>>1
3名無しさん@ピンキー:2007/05/04(金) 12:31:59 ID:cbVhCnFG
乙!今スレも楽しみだ〜。
4名無しさん@ピンキー:2007/05/04(金) 17:05:36 ID:CsgNbsT0
>>1
5名無しさん@ピンキー:2007/05/04(金) 17:16:16 ID:nLXff4FH
>>1
6暁狐:2007/05/04(金) 18:33:40 ID:KtYgAy7v
>>1乙! さっそくですが、高於加美神の続き。ラスト

「んッ……うぁッ!」
 頭の横を、前後に何度も往復する高於の頭。
 鼻や頬に伝わってくる髪の毛の感触と、首筋を舐められる舌の感触に、優奈は声を殺しながら耐えている。
 時折耳を甘噛みされたり頬を舐められ、唇を押し当てられて舌を入れられる。
 高於の何らかの力により優奈は腕を動かすことも、声も出せなくなってきている状態。
 舌を絡ませられている間、衣服を脱ぎ取られ、嫌だという感情と裏腹に肉棒は硬くなりズボンに当てられ痛みさえも感じた。
「ふぅ……相変わらずいい体をしている……」
 ようやく高於の唇が離れ、二人の唾液が糸になって光っている。
 頬を赤くしている優奈の表情を見て高於は微笑み、再び舌で頬を愛撫し、優奈の体を下がっていく。
 胸や手の指の一本一本を音を立てて舐め上げ、下腹部まで行くとズボンを脱がし始めた。
「ほう、もうこんなに硬くさせていたのか?」
「ぅ……」
 ズボンをパンツごと膝あたりまで脱がし、姿を現した優奈の肉棒を高於は瞳を潤ませ微笑みながら優奈に聞く。
 恥ずかしさから優奈は顔を真っ赤にし、期待通りの反応が帰ってきて高於は肉棒に軽くキスをした。
「ッ……!」
 軽く口が触れただけだが、優奈は体を震わせ肉棒はビクッと動く。
 そして、高於は肉棒を口で咥え、頭を上下に動かし始めた。
「ぁッ……あ、んッ……」
「んんッ……んぶッ、じゅぷッ……ッ!」
 長い髪を掻き分けながら高於は久々の肉棒を味わう。
 亀頭から出る透明液を唾液とともに吸い、徐々に優奈を追い詰めていく。
 やがて肉棒から口を離し、竿全体を舐め上げ片手で肉棒をしごき、片手で袋を強めに揉んでいく。
「んちゅッ……大きくて、素敵だぞ? んッ……ん?」
7暁狐:2007/05/04(金) 18:35:05 ID:KtYgAy7v
 潤んだ瞳で肉棒を舐めあげながら高於は艶な声を上げ、何かに気づいた。
 それは目を瞑り唇を噛み、射精を我慢している優奈の背後、高於が作り出した結界の外からくる、天一の視線。
 嫉妬など負の念がこもった視線を感じ取り、高於は再び勝ち誇った笑顔を天一に見せる。
 神と九尾の狐では力の差は歴然、無論天一に結界を破るだけの力はなく、その事実がさらに天一を追い詰め、いっそう高於を睨みつけた。
「うぅ〜……優奈様ぁ」
「ふふ……お前もやりたいか? 九尾」
「え?」
 思いがけない言葉が天一の耳に入り、彼女の狐耳と九本の尻尾が瞬時に立った。
 高於は亀頭の先を舌先でチロチロと舐めながら、天一を誘うように上目遣いで彼女を見る。
 本当は行きたい……行って優奈にあんな事やこんな事をしたい……
 だが、行けば何かに負けたような、そんな思いが天一の脳裏によぎり、一瞬彼女を迷わせた。
「どうした? 早く答えないと、出してしまうぞ?」
 しかし、高於が肉棒を口に咥え、音を立てて吸った瞬間、天一は欲に負けて首を振った。
 その事にショックを隠せない優奈。
 だが、現実はそう上手くはいかないものなのだ。
「ふ………だ〜め、お前は寝ていろ……」
「はぅッ!」
 天一をからかうように高於が笑い、それと同時に浮遊していた龍球が白く眩く光った。
 その瞬間、天一は声を上げてその場に倒れこみ、高於が言ったとおり眠ってしまった。
「天一っ!」
 優奈も状況が理解できず真剣な声を上げた。
「案ずるな。ただ眠らせただけだ。さて、そろそろ一度出すとするかな……んむッ!」
 そんな優奈を安心させるかのように、優しげな声を上げる高於。
 だがその刹那、再び妖しい口調に変わり肉棒を咥え込んだ。
 天一のことで一瞬忘れていた射精感が再びこみ上げ、優奈は体を震わせ何とか射精を我慢しているが、それも無駄なこと。
「んんッ……じゅるるるぅぅッ……ッ」
「うぁ……ああッ!!」
 高於が唾液を口内に溜め、透明液と共に一気に吸い上げた瞬間、優奈は体を痙攣させ彼女の口内に精液を放った。
 白濁した液が高於の口内に流れ、それを感じ取り一瞬眉をひそませ瞳に涙を溜める高於だったが、すぐに喉を鳴らして飲んでいく。
 彼女の口からは精液が一筋流れており、射精が終わるとゆっくりと肉棒を口から離した。
「ん……ふう、ふふふ、随分と溜まっていたようだな。ほら、お前も味わえ」
「はぁ、はぁ……あむッ!!」
 射精の快感に浸り肩で息をしている優奈を見ながら、徐に高於は体を上げ彼の顔に近づく。
 そしてまた口を押し当て、舌を使い口内に残しておいた優奈の精液を彼の口内に送り込む。
 不意に苦い味と妙な臭いが口内に広がり、涙を浮かべて優奈は体を硬直させた。
 そして精液を送り終え、高於の妖艶な笑みとは裏腹に優奈は気持ち悪さから何度も咳き込んでいた。
「……大丈夫か?」
「けほっ! 大丈夫じゃ、ないです……」
「そうか……ならば治してやろう」
 体調が悪くなってしまった優奈を治すべく、高於は力を使った。
 龍球は再び光り、優奈の体もまた光っていく。
 すると、優奈は自分の体の変化に気づき驚く。
 先ほどまで気分が悪かったのだが、それがだんだん薄れていき、また体も自由に動かせるようになったのだ。
「これは……あぅッ!」
「さて、気分もよくなっただろう? 続きだ……」
 ついでに肉棒も硬くそそり立っていた。
 それを高於は片手で掴み上下にしごき上げ、射精後なので敏感になっていた肉棒を刺激され優奈は身を震わせた。
 亀頭からは透明液が溢れて高於の手を汚す。
 数往復しごくと、彼女は手の動きを止め、立ち上がり身にまとっている白い布を脱ぎ始める。
 布はすぐに緩み、高於は全裸となった。
 その美しい体に、優奈は少し見惚れてしまい、高於は微笑みながらゆっくりと優奈の上に跨いだ。
 その意味に優奈が気づいたときにはもう遅い、既に片手で肉棒を握り高於は腰を下ろし始めていた。
「た、高於さま、それは……っ!」
「こんなにしておいて何を言うか。私はこれが欲しいんだ……んんッ」
8暁狐:2007/05/04(金) 18:35:56 ID:KtYgAy7v
 亀頭が高於の膣内に入り始めた。
 肉棒を伝い、彼女の愛液が流れ落ち、優奈は体に快感が流れ始め高於を引き抜こうと彼女の腰に手を当てた。
 だがその前に、彼女が腰を一気に降ろすほうが先だった。
「ああぁッ……入った……あッ♪」
「うくッ!」
 肉棒の根元まで一気に納め、高於は微笑みながら身を震わす。
 そして休む暇なく、激しい出し入れが開始される。
 高於は優奈の肩に手を掴み、笑みを浮かべて喘ぎだした。
「あぁッ、いいッ、久しぶりだッ……あッ、ひあッ!」
 笑みを浮かべている高於の口からは唾液が一筋ながれ、結合部からは卑猥な音と共に愛液が飛び散っている。
 神気こそはピリピリと感じるものの、優奈の目の前にいる女神は美しくも淫らな姿を優奈に見せている。
 後ろ髪を縛っていた紐は音を立てて切れて挑発を乱れさせ、彼女の淫猥な表情に優奈は見惚れた。
「あんッ、ほら、お前も、動け。私を突き、せめろ……ッ!」
「……え?」
「早くしろ……でないと、祟るぞ?」
「は、はい……ッ」
 優奈は高於の言うとおりにした。
 少し体を前にやり、体を寝かせて腰を動かし高於を攻める。
 高於は嬉しそうにその快感を感じ、優奈の胸に両手を当て、前かがみになり自らも動き回り動きは激しくなっていく。
 彼女の肌は火照り、頬は赤くなっていた。
「はあぁッ、きもちいッ……おまえは、どうだ?」
「気持ちいです、高於さま………ッ」
 潤んだ瞳で高於は見下ろしながら優奈に問う。
 優奈は自分の気持ちをありのままに答え、その回答に満足し、高於は身体を寝かせて優奈と再び唇を重ねる。
 今度の口付けは高於の一方的なものではなく、優奈も舌を彼女の口内に入れお互いは舌を絡ませる。
 お互いの唾液を交換し合い、二人は上と下の口でお互いを求め合った。
「高於さま……もう、僕ッ、もうだめ、です……ッ!」
 やがて優奈は絶頂を予感した。
 高於の膣内で肉棒は膨らみ、袋は上がる。
 それを感じ取り、高於もまた絶頂を予感し、これまで以上に腰を動かした。
「ふふッ……なら、このまま出せッ……私も、そろ、そ……んッあッああぁぁッ!!」
 優奈を抱きながら身体を痙攣させ、肉棒を深く沈めて高於は絶頂を迎えた。
 膣内は締め付けを増し、優奈の我慢も限界を向かえ、彼女に言われたとおりそのまま射精する。
 むしろ、騎乗位なのだから外に出すなんて不可能に近いのだ。
「んんんッ……あつい……きもちいいよぉ……」
 自分の中に流れる精液の快感に、初めて肉体年齢に似合う口調で声を上げる高於。
 優奈もいつまでも続く射精に身体を痙攣させている。
 結合部からは高於の中に納まりきれない精液が流れ、射精が終わると、二人はしばらく繋がったまま肩で息をしていた。
「はぁ、はぁ、た、高於さま?」
「はぁ……はぁ、まだ……足りない」
 高於は耳元で優奈に囁く。
 しばらく誰かと交わることのなかった高於にとっては、これくらいはまだまだ性欲を満たすには足りない。
 そして身体を起こし、肉棒を引き抜くと優奈の横に足を左右に広げ仰向けで寝た。
「今度は、お前が攻めろ……好きにしていいぞ?」
「……わかりました……」
 魅力的過ぎる女神と交わり思考が麻痺している優奈は、高於に言われるがまま身体を起こし、彼女の秘所に肉棒をあてがった。
 すでに肉棒は硬くなっている。
 優奈自身が絶倫なのか、それともこれも神の力かは優奈にはわからないが、そんな事は気にせず肉棒を高於の膣内に沈め、腰を振りはじめた。
「あはぁッ……また硬い、もっと、突け……あぁッ」
「高於さまぁ……また、出る……ああぁッ!」
 高於を正常位で犯す優奈に早くも射精感がこみ上げ、そして彼女の中に精液を流し込んだ。
 その感触を、高於は笑みを浮かべて受け、射精中にもかかわらず肉棒はすぐに硬くなり優奈の腰は止まることがなかった。
9暁狐:2007/05/04(金) 18:36:52 ID:KtYgAy7v


「はぁ、はぁ、はぁ………ふぅ、なかなかよかったよ」
 高於と優奈が交わり数時間が経った。
 誰もいない奥宮に高於の満足そうな声がし、その横で優奈が眠っている。
 二人は何度も求め合った。
 騎乗位、正常位、バックから座位まで様々な体位や、高於が肉体年齢を変え熟女や幼女になったりと、彼女は優奈に色々な刺激を与えた。
 その度に、優奈の興奮は高まり何度も高於の中に精を注ぎ込み、また、高於も優奈の前立腺をいじったりし、何度も射精させた。
 しかし、優奈も限界を向かえ、最後に彼女の中に射精しそのまま眠ってしまった。
 力を使って無理やりしてもよかったのだが、この時点で高於は満足したのでそれはやらなかった。
「さて、そろそろ迎えを来させると……ん? そうだ……」
 高於はふと、何かを思いつき妖しく微笑む。
 彼女の横には、女のような寝顔の優奈の姿。
 その優奈の身体が光りだした。
「んん………」
 彼は寝返りをうった。
 光が治まると、高於の身体が光り人型から龍の姿へと変わり、そして妖艶に微笑みを浮かべた。
『ふふふ……その顔で男は、少し勿体無いからなぁ……』
 そして、龍神・高於加美神は意味ありげな言葉を残し、自らの力で優奈に服を着させその場から消える。
 この場に張られた人除けの強力な結界も消えていき、鳥の声や人の声が徐々に聞こえてくる。
 そしてこの場に残された天一が、その声と気配に気づくと慌てて耳と尻尾を隠し、優奈に歩み寄ると驚愕した。
「ゆ、優奈様!? ……まさか、これも高於の神様の仕業!?」
「ん……」
「あ、でも、これはこれで可愛い。あ、いけない!」
 天一はとりあえずこの場から離れるべく、さっきから震えっぱなしの魂剛を手に持ち飛び上がった。
 高於加美神の力にて、女となってしまった優奈を背負いながら……


―終―
10暁狐:2007/05/04(金) 18:38:23 ID:KtYgAy7v
まぁ、いろいろとごめんなさい。

何か指摘するところとかあればお願いします。
うん、エロって難しい&恥ずかしいorz
でもまた来る!!
11名無しさん@ピンキー:2007/05/04(金) 18:51:11 ID:LPy55hrB
すごく…エロイです…
女にさせられた優奈が家に帰った後どんな風に責められるのか期待

乙であります
12名無しさん@ピンキー:2007/05/04(金) 19:18:55 ID:CsgNbsT0
女になった優奈に性欲をもてあます。
次回作は女になった優奈が無意識中に男を襲うんすか?

神超GJです
13名無しさん@ピンキー:2007/05/04(金) 19:34:18 ID:mCH9yS9i
暁狐氏GJ!

個人的に優奈が男に犯されるのはチョット…
此処は詩音の力でナニを生やした四聖獣に犯されるのがイイナ〜
14名無しさん@ピンキー:2007/05/04(金) 20:41:56 ID:PhTh62iR
とてもいい感じのMなボクっ子になったわけだが……

残念、♀×♀はスレ違いだと思われ……

>>10
GJ!!
15名無しさん@ピンキー:2007/05/05(土) 01:52:28 ID:euxhJFBa
暁狐さんGJ!

まぁスレ的にいえば優奈が犯さないとだめだよな〜
とりあえず全裸で待機しとくw
16名無しさん@ピンキー:2007/05/06(日) 00:23:02 ID:mrN6M7g/
クドリャフカと虎マダー?
17暁狐:2007/05/06(日) 01:03:16 ID:HGSdym9E
虎……実は書こうとしている俺が来ましたよ。

>>11-15
レスありがとうございます。
正直、女体化というオチにビビってた。
女優奈……どこか投下できそうなスレってないですか?


クドリャフカと虎マダー?
18名無しさん@ピンキー:2007/05/06(日) 01:05:16 ID:cwdtIE84
>>17
残念ながらないでしょうね
優奈は『擬人化〜』スレのキャラだし、他のキャラもここの住人じゃないと分からない
まぁがんばってください
19名無しさん@ピンキー:2007/05/06(日) 01:06:04 ID:K8ty/Gi5
フタナリ天一とバッコンバッコンだろ……常識的に考えて……
20名無しさん@ピンキー:2007/05/06(日) 01:13:08 ID:cChTDRzl
一回レイプされないと男に戻らない設定でいいと思うよ
21名無しさん@ピンキー:2007/05/06(日) 01:36:42 ID:EHNv//9t
フタナリ化した四神をレイプしないと男に戻らない設定でいいと思うよ
22名無しさん@ピンキー:2007/05/06(日) 01:57:23 ID:QE4DdEAN
あ、あなたは…!
某家電娘の人じゃないっすか!
23名無しさん@ピンキー:2007/05/06(日) 02:29:50 ID:MtuDHhRq
っていうか暁狐さんだったらスレ違いでもかまわんよ







と、このスレの流れをぶった切る発言をする俺がでてきましたよ
24名無しさん@ピンキー:2007/05/06(日) 03:30:05 ID:1RcscEih

最後の手段ってことならこのスレかな
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1161043643/l50

スレタイがアレですが中は普通のスレなのでどうしてもという時には。
25名無しさん@ピンキー:2007/05/06(日) 12:26:07 ID:cakcEfIb
スレの趣旨にあうように考えるのがいいかも
26暁狐:2007/05/07(月) 13:18:35 ID:/GTYyP2z
>>18-25
レスありがとうございます。

おそらく>>24が教えてくれたスレで投下すると思います
女優奈以外にもグランゾンとか十二神将な九尾の狐とか脇役のエロとかを
27名無しさん@ピンキー:2007/05/07(月) 15:36:05 ID:e4n7QG3g
誰か♀視点で書いてくれないか?
28名無しさん@ピンキー:2007/05/07(月) 23:53:23 ID:5X3SBJ+I
前スレの続きを期待
29名無しさん@ピンキー:2007/05/07(月) 23:58:22 ID:F+E+f05i
グランゾンがグランゾートに見えた
30名無しさん@ピンキー:2007/05/08(火) 00:04:11 ID:lsACMEU2
>>29
ホロレチュチュパレロと申したか。
31名無しさん@ピンキー:2007/05/08(火) 03:16:56 ID:F7/Yvr8V
>>30
ホロとチュッチュしたいと申したか。
32名無しさん@ピンキー:2007/05/08(火) 12:45:07 ID:N3sBh2Po
スレ住人に聞きたい。長い作品ってどう思う?
33名無しさん@ピンキー:2007/05/08(火) 13:48:31 ID:HY4flntN
長いと思います
34名無しさん@ピンキー:2007/05/08(火) 13:53:56 ID:a4bnBVbW
長いとしか言えないけど……俺は別に気にしないです
35名無しさん@ピンキー:2007/05/08(火) 16:33:56 ID:N3sBh2Po
いや、さっさとエロシーンに突入した方がいいのかな〜なんて思ったわけだが…。
バランスって難しいね。
36名無しさん@ピンキー:2007/05/08(火) 17:34:18 ID:MyL27EOt
エロは多く語らず程度が読みやすいですけどね。
そういえばこのスレ近親相姦OKっすよね?
37名無しさん@ピンキー:2007/05/08(火) 18:07:12 ID:N3sBh2Po
>>36
そうなんだよな。
まとめサイト見ても今まで自分が書いた話って長いわりにそんなにえっちじゃないし…orz

他の職人さん達の作品はきれいに萌え:エロの話が両立してるしな。

俺が話を書くとなんだか話が重くなる傾向があるから、ぶっちゃけ抜き用途に使い辛い。
エロ漫画みたいにサクッと書きたいんだがなあ…。

暁狐さんの速筆ぶりが羨ましい(´・ω・`)
38名無しさん@ピンキー:2007/05/08(火) 18:08:37 ID:N3sBh2Po
>>36
書き忘れた。

近親相姦と申したか。構わぬ、投下なされい。
39名無しさん@ピンキー:2007/05/08(火) 19:08:52 ID:MyL27EOt
@裁くのはおれの『スタンド』だッー!!

A改心&ツンデレ化

B母登場

C兄登場

D兄妹で近親相姦

EなにもいうなよQ太郎・・・。なにもな。

終ニコリ

まで頭の中浮かんでるんすけど、実質@までしか完成してません。
後エロ描写は特に気にしなくていいと思いますよ。
40名無しさん@ピンキー:2007/05/08(火) 21:03:10 ID:a4bnBVbW
>>37
速筆だからっていいとは限らないと思うけど
41名無しさん@ピンキー:2007/05/09(水) 01:53:26 ID:lyPRioIE
>>37
大事なのはとにかく書いてみる心意気だってばっちゃが言ってた
42名無しさん@ピンキー:2007/05/09(水) 14:36:40 ID:4vDy2Xgb
黒歴史化させない事が大事orz
43名無しさん@ピンキー:2007/05/09(水) 16:39:55 ID:wcrQs3J9
>>39
先の展開言ったら面白くも何もなくなるわけだが
44名無しさん@ピンキー:2007/05/09(水) 16:59:32 ID:6BbWuEaj
俺に暁狐さんほどの腕があれば何とかなるんだろうけど・・・・。
まあ>>41さんのばっちゃの言ったこと信じるて頑張るよ。
4537:2007/05/09(水) 18:34:30 ID:x+JdUPdl
まあとりあえず今書いてるクドリャフカを完結できるように頑張るよ。
どうやってもハッピーエンドに繋がらねー orz
46名無しさん@ピンキー:2007/05/09(水) 18:51:49 ID:6BbWuEaj
頑張って。
あなたの帰りをいつまでも待ってます。
47名無しさん@ピンキー:2007/05/10(木) 14:36:07 ID:YSGkRKsg
今までの作品で未完の話ってどんなのがあるの?結構多いよな?
48名無しさん@ピンキー:2007/05/10(木) 15:54:12 ID:a65s1pjm
>>47
ドラゴンの奴とか狐の嫁入りとかかな?
49学生くまさん:2007/05/11(金) 02:18:33 ID:8Bu/s8zl
お待たせして申し訳ないです。エロ投下!

今までのあらすじはこちら
http://www21.atwiki.jp/brutalanimal/pages/153.html?
50学生くまさん:2007/05/11(金) 02:19:24 ID:8Bu/s8zl
抵抗もままならないまま空しく俺は服を剥かれてクドに眺められる。
「これが博士の…つんつん。あ、動いた。」
く…人の大事なところをおもちゃにしやがって…アンドリュー・ベリヤ一生の不覚!
だがもっと不覚なのは、クドの小さな手の感触や先にかかる熱い吐息で見事に反応してしまったことだ。
「わ〜大きくなった〜♪んと、次は…これを舐めればいいんだよね?」
「ひふはー!(知るかー!)」
「え、くわえた方がいいの…?」
親の心子知らずとはよく言ったもの。もっとも親になったわけではないが。

「ん〜…はむ…」
「くっ…」
こいつ、ホントに初めてか…?
クドは小さな口いっぱいに頬張ってじゅぶじゅぶと音をたてながら責めてくる。
蛇のような舌は裏筋を撫で、包み込むようにしごいてくる。
白い髪をかきあげる仕草や時折俺の表情を覗き込むような視線がますます俺の扇情を煽り、思わず息を漏らす。
「んむ…きもひいい(気持ちいい)?」
「ばか…しゃべるな…くっ」
「んんっ…!」
不意の射精に驚いて咳き込みそうになるのをこらえて、目に涙を溜めながら精液を受け止めている。
くわえた口からは溜めきれなかった精液が溢れ出して俺の肉棒を濡らしていく。

クドは口いっぱいに溜め込んだそれをどうするか決めあぐねているようだ。
しばらくうんうんと唸っていたが、やがて意を決したのか一息にそれを飲み込んだ。
「んくっ…苦いよ博士…」
「…」
「あ、喋れないんだった。んしょ、これで大丈夫かな?」
「ぷはっ!やっと喋れる…ってもまだ体は動かないな。」
「ね〜博士、気持ちよかった?」
この時の俺はきっと煙が噴き出すほど顔を赤くしたに違いない。
「………たよ」
51学生くまさん:2007/05/11(金) 02:20:27 ID:8Bu/s8zl
「ん〜よく聞こえないよ…?」
「気持ちよかった…よ。」
敗北感に打ちひしがれる俺と、満面の笑みを浮かべ尻尾をぶんぶん振って勝ち誇るクド。
「えへへ〜。たくさん出たしね♪」
「…言わないでくれ。」

「まだ大きい…ということはまだ出るんだよね?」
クドリャフカの青い瞳が細められ、徐々に瞳が暁を照らし出したかのような色に染まっていく。
紅くなりつつある瞳は、未だ固さを失わない俺自身を撫でるように見つめてくる。
それは動けない俺を視姦するかのように舐めまわし、今すぐにでも犯しぬきたいかのような…獣の目だった。

「クド…お前…」
紅い瞳は獣人の本能を映し出す色。獣に神が与えたもうた純粋で、汚れなき本能。
「今夜は…とても月がきれいな夜…我々の在るべき姿に還るだけ…」
そこにいたのは、普段の無邪気で天真爛漫な彼女ではなかった。
白い髪と、白い耳、そして白い尾を持つ一匹の獣と化した少女がいた。
彼女は俺の耳にそっと唇を近付ける。

「―――お前の、子種が欲しい…。」
それは今まで抱いたどんな女よりも艶やかで、扇情的な声だった。
52学生くまさん:2007/05/11(金) 02:21:28 ID:8Bu/s8zl
「ふふ…物欲しそうだな。そんなに出したいのか?」
熱を帯びた指が肉棒に絡みついて上下にしごいている。
彼女はそれに唾液を垂らし、ぬるぬると纏わりつく感触を楽しむかのように指を動かす。
「………っ」
「私も、もう我慢はできないようだ…」
寝そべる俺の前に差し出されたのは愛液に濡れて赤く染まった無毛の割れ目―――すじとでも言うべきだろうか。
それは彼女の幼さを感じさせると同時に男を知らない事も見て取れた。

「ん…ここ…か?」
割れ目をあてがってぬるりと動かしながら位置を探している。
亀頭への刺激だけで射精しそうになる…俺はすぐそこまで限界が近付いていた。

「あ…いくぞ…っ!」
ふいにぎり、と音がするほどの締め付けに襲われて俺は射精すまいと歯を食いしばる。
彼女の顔は破瓜の痛みに苦悶していたが…それでもなお腰を沈めてくる。
やがて8割方くわえ込んだあたりで彼女の子宮が当たる。
「ふあっ…奥に…っ!」
「ばか、急に締めるな…出るっ!」
「ひゃ…博士の精子ぃ…当たって…りゅぅ…いっぱぁい♪」
びゅく…びゅく…止まる事なく続く射精に俺は体中の力が抜けるのを感じる。
子宮にごぶごぶと注ぎ込まれていくのが自分でも分かる。
53学生くまさん:2007/05/11(金) 02:23:09 ID:8Bu/s8zl
「精子…精子好きぃ♪」
全身で射精を感じ取ったかのように体を震わせている。
部屋中に充満するメスの匂いと、彼女の小さな膣内の中で俺の肉棒は固さを失う事は無かった。
そして俺は彼女の瞳が猛々しい紅ではなく、月光のような優しい青色に変わっていくのを見た。
「博士…好きだよ…。」
クドはそう言って体を重ねたまま俺に唇を重ねる。
痺れ薬はいつの間に切れたのか、俺は自由に動くようになった手でクドの頭を撫でる。
「…ばか、俺の方がお前の事好きだったっつーの。」
「…え?」
きょとんとした顔で俺を見つめるクド。
「なに呆けた顔してんだよ。俺はな、ロリコンだ。
それも白い髪に白い耳、白い尾と透き通った空色の瞳を持った犬型の獣人が…ついでに言えば、
そいつはモスクワのボロアパートに変な博士と仲の良い姉2人と住んでいてな…」

「うん…うん…ひっく…」
クドは頷きながら嗚咽を漏らしている。

「…いつも元気で悪戯ばかりして無邪気な笑顔を見せて、それでいつも皆の幸せを考えて、
俺のかけがえのない大切な家族…そいつの事がたまらなく好きなんだよ!
ま、まあ断じてお前みたいなのじゃないのは確かだけどな!」
なんで…俺も泣いてるんだよ…。
俺はクドを胸に抱いてぽろぽろと涙をこぼしていた。
54学生くまさん:2007/05/11(金) 02:25:09 ID:8Bu/s8zl
「はぁ…クド…出すぞっ!」
「うん、きてぇ♪いっぱい出して♪」
「くっ!」
「はぁん!いっぱい博士の精子出てるよぉ…」
あれから何度目の絶頂を迎えたのだろうか。俺とクドは交互に攻め合っていた。
クドは抜いた拍子に子宮に収まりきらず溢れ出した精子をすくってはおいしそうに舐めている。
やべ…またしたくなってきた…。
ガタン!
「なんだ?」
クローゼットの中からガタゴトと物音がする。
…まさか…いやしかし、いくらなんでも…いやいや万が一という事も。
などと言った考えが頭をよぎる。

「博士、お姉ちゃん達はみんな寝てるから大丈夫だよっ!」
「皆まで言うな。お前はよく頑張った。」
…クド、声が震えているぞ。
全てを察すると同時に頭が痛くなってきたが、今は頭を抱えてる場合じゃない。
クローゼットの扉に手をかける。アーメン。

ぐわらっ!


「…で、お前たちは何をしてたんだ?」
正座する三人組に尋問する。

「参った参った!いやまさかここに来てバレるなんて思わなかったな。なあムーシカ?」

「全くですわ。気配を消すぐらい容易いはずですのに…ライカ少佐が胸を触っただけで動いたのがいけませんわ。」

「き、貴様ら…!いや博士。わ、私は反対したんだぞ?だと言うのにこやつらが…」
耳と尻尾を伏せてしゅんとなる少佐にはまだ同情酌量の余地はある…だが、3姉妹の片割れ二匹は全く悪びれる様子もない。
55学生くまさん:2007/05/11(金) 02:27:24 ID:8Bu/s8zl
「いや〜それにしても2人ともお熱いねぇー!久々にドキドキしたぜ!」
黙ってろこのおっぱいお化けめ。
「はぁ…私、正直申しますと発情寸前ですわ…思わず少佐に悪戯してしまうぐらいですから」
お前は両刀使いか。
「ふむ…実は私もこやつらの愛の営みに感動すると共に少しばかりあてられてしまったな…」
ちょ、ちょっと待て!

「だよなー!私もホントは発情しかけてるんだよ!ちょうど良いオスもいるみたいだし、交尾しよっか?」
「いいですわね。私はオスでもメスでもイケる口でしてよ?」
「…仕方ない!お前たちがするのなら私もしない訳にはいくまい。」
あの、俺の意見は…

そう言いかけて俺は見てしまった。彼女たちの瞳が皆赤く染まっている事に。ムーシカは最初っから赤かったが…。
「ん、これかい?今日は満月の晩だから発情してしまうんだよ。まあ私らは慣れてるから自我は保てるけどな。」
ク、クド助けて…

「ん、なんだまだ我と続きがしたいのか?」
クドは既に発情しきっているようだった。
1人の男に群がる四匹の発情した獣…逃げ場は、ない。

―――夜はあまりにも長い…。
56学生くまさん:2007/05/11(金) 02:32:03 ID:8Bu/s8zl
やっとエロ投下と相成りました。次回はラストです。
クドリャフカ、今までで一番長い話ですね…長文嫌いな方はすみません。
57名無しさん@ピンキー:2007/05/11(金) 04:11:09 ID:j1aX5B1E
GJ!!
続き期待して本日寝ます
58名無しさん@ピンキー:2007/05/11(金) 19:54:32 ID:gUtqieqa
GJ。
四匹の発情した獣に罪悪感はなさそうっすね。
59名無しさん@ピンキー:2007/05/12(土) 07:13:06 ID:9y8uJfsL
エロもいいが続きが気になる!
60名無しさん@ピンキー:2007/05/12(土) 20:27:37 ID:v9pjtTFA
GJ!
61名無しさん@ピンキー:2007/05/13(日) 01:04:50 ID:oZGqI2TE
>>56
GJですが、一つだけ。
>>50
>扇情を煽り
はちょっと違うと思います。
手元の明解さん(第五版)によれば、
せんじょう -ジャウ【扇情】-する
1:情欲をあおること。
2:世人の感情・関心をあおり立てること。「-的」
>ますます俺の扇情を煽り、
ではなく、
>とても扇情的で、
または、
>ますます俺の劣情を煽り、
なら問題無いかと思います。
62生産性の低い人:2007/05/13(日) 02:49:24 ID:kHsr/xPa

就活 \(^o^)/ オワタ!!!!



いや、オワタじゃありません。ちゃんとつつがなく終わりました。

いやー、二度とやりたくないですね。
初対面のオッさんにプライベートを根掘り葉掘り聞かれた挙句駄目出しされる訳ですよ。
冷静に考えたらやってられませんわ。


で、そんなこんなのストレスがこんなエロ文章になりました。
良かったら読んでやってください。
63生産性の低い人:2007/05/13(日) 02:52:48 ID:kHsr/xPa


 オフィス街、とあるビルの自動販売機コーナー。

「はぁ〜」
 板についていないリクルートスーツをどうにか着込んだ冴えない青年が、ため息をつきながらとぼとぼと自販機に近づく。
(こりゃ、駄目かもわからんね)
 何が駄目かというと、ついさっきまで一つ上のフロアで行われていた某企業の採用面接である。
 面接、といっても形式は様々だ。学生1人を相手に行う個人面接。数人を相手に行う集団(グループ)面接。学生数人があるテーマに沿って議論をし、その結論を発表するグループディスカッション。あるテーマについて賛成・反対に分かれて議論するディベート、等々。
 彼が今回受けたのはグループディスカッションだ。テーマは『少子高齢化社会で企業が生き延びるには』。制限時間は45分。
 常識的に考えて、たった45分で、しかも学生ごときが結論を出せるようなテーマではない。かといって彼が受けたグループディスカッションが特殊だったわけでもない。大概の場合、少々話し合ったからといってシンプルな結論が出るようなテーマは与えられないものだ。
 重要なのは、どんな結論が出たかではない。どんな議論をしたか、だ。
 青年は自販機の前でもう一度ため息をつき、財布に手を伸ばした。
(あンのデブとメガネめ。まじふぁっ○だわ)
 しかし、稀にいるのだ。とにかく自己主張をすれば好印象と思っている奴や、他人の揚げ足を取ったり論破すれば高得点と思っている奴が。
 それが1人だけで、残りのメンバーが空気の読める者であればどうにか修正できるかもしれない。しかし今回は4人中、2人がそれだったのだ(デブとメガネ・敬称略)。
 メガネの発言にデブが食いついて、メガネが長々と持論を展開し、デブがそれを遮って揚げ足取りを始め、メガネが切れ気味に反論、デブが逆切れ――。
 もう目も当てられない。
 青年は開始5分で自分の意見を言うことを諦め、残り5分の時点で議論をまとめることを諦めた。
 希望の光は残る1人のメンバーだったのだが――
「すまないが、買わないのなら先に買っても構わないか?」
 財布を持ったままぼんやりしてしまっていたようだ。青年は慌てて譲ろうとする。
「どーもすんませんね、って、あれ?」
「君か。ええと、黒川勇くんだったか。偶然だね」
「ああ、えーと、やま、やま……」
「椙山だ。椙山玲子」
 切れ長の瞳に細めの眼鏡、涼やかな容姿でパンツスーツを着こなす彼女こそ、青年と共にどうしようもないディスカッションを潜り抜けた最後の1人だ。
「すんませんね、どうも。あ、先どうぞ」
「ありがとう」
 メンバー唯一の女性であった彼女は、見た目の印象に違わず理性的な女性であり、まともな議論にもっていこうと四苦八苦する勇を幾度とフォローし、曲がりなりにも結論まで持っていけた陰の立役者だ。
 その知的な美貌もあり、控え室でもデブに執拗に絡まれていたが、彼女が一際人目を引くのは顔ではない。
「――君も、耳と尾が珍しいのか?」
 彼女は犬耳族であった。
64生産性の低い人:2007/05/13(日) 02:53:49 ID:kHsr/xPa
 自嘲気味に問いかける玲子に、ついつい視線が頭にある犬耳に行っていたことに気づいた勇は慌てて謝罪した。
「あ、いや、実は犬耳の人とサシで話すのって初めてなもんで、ついつい」
「そうか、君は都会育ちなのだな」
 少し皮肉っぽくそう言い、玲子は硬貨を入れて缶コーヒーのボタンを押した。
「いや、都会育ちというよりもド田舎育ちだったもんで……すみませんね、ほんと」
 もう一度謝り、玲子に続いてミルクティーを買う勇。
 勇が自販機コーナーに設置されたベンチに座ると、先に座っていた玲子が封を切った缶コーヒーを差し出した。勇も苦笑しながら缶の封を切る。
「お疲れさま」 「お疲れさまっす」
 乾杯。2人同時に一口飲み、同時にため息をつく。
「ふふっ」
「あはは」
 なんとなく笑みがこぼれる。短い時間ではあったとはいえ、共に過酷な状況を切り抜けた2人の間には妙な連帯感が生まれていた。
「いやはや、ホント疲れたねコレ」
「まったくだ。君は第一志望だったかい?」
「残念ながらね。そっちは?」
「残念ながら第一志望だ」
「そりゃ残念。お互い難儀なグループにあたったもんだねえ」
 今日出会ったばかりなのに、お互い不思議と感じる親近感。
 実は2人とも同じ大学であること、共に1人暮らしであることも判明し、より話が弾んだ。デブとメガネへの悪口で一通り盛り上がった後、お互いの就活状況や企業についての情報交換、相手の自己分析への感想まで、かなり突っ込んだところまで話し合った。
 いつの間にやら、夕日が差し込む時間になっていた。
「いかんいかん、もうこんな時間だわ。悪いね、引き止めちゃって」
 時間に気づいた勇は慌てて立ち上がる。
「む、いつの間に。私の周りには同じ業界を志望する人がいないから、もう少し情報交換がしたかったが……」
 とうに空っぽになっていた缶をゴミ箱に捨て、名残惜しそうに立ち上がる玲子。
「じゃあ、一緒に晩飯でも食う?」
 そう言ってから、自分の発言に内心驚く勇。特に他意もなく自然に出た言葉だが、よくよく考えてみれば就活にかこつけたナンパみたいなものだ。
 しかし玲子の方は気にした様子もなく、
「良いのか? じゃあご一緒させてもらおうか」
 すんなりと提案を受け入れた。
65生産性の低い人:2007/05/13(日) 02:54:34 ID:kHsr/xPa
 玲子はここいらの地理に詳しくないらしく、勇が店を選ぶこととなった。
 就活中は何かと金がかかるので手軽な値段で、でもせっかく美人と食事するんだから牛丼屋やファーストフードは除いて、だからといって"情報交換”という本来の目的を果たす為にはそれなりに長居できるところ……とあれこれ考えた結果、
「良くサークルで使うとこで、飯はなかなかいけるし、安いし、多少の長居は大丈夫なんだけど……」
「だけど?」
「居酒屋なんよ」
 熟考の末が居酒屋かよ、と軽く自己嫌悪の勇。
「飯の美味い居酒屋か、興味深いな。久しぶりにお酒も悪くない。ここから遠いか?」
 それにしてもこの犬耳娘、ノリノリである。
「や、ちょっと歩いたとこ」
 玲子の懐の深さに感服しつつ、勇は案内を始めた。
 オフィスビルが立ち並ぶ地域を抜け、繁華街へと入っていく。いかがわしい店が並ぶ区画をさりげなく迂回し、飲食店があふれる地域へ向かう。
「ここ、ここ。地下1階の『ひさや』ってとこだけど……」
 外見はどこにでもある居酒屋。やっぱリクルートスーツで来る所じゃなかったかな、と今更ながら悔やむ勇だが、
「どうしたんだ、入らないのか?」
 全く気にしていない様子の玲子。勇は覚悟を決め、玲子の後に続いて階段を下りた。

 金曜日の夜というのもあったのだろう、その店はそこそこ繁盛していた。
 勇はもはや馴染みとなっている店長に挨拶し、気を利かせた店長がパーテーションで仕切られた奥の4人席を用意した。
「オヤジさん、500円くらいでがっつりめの定食1つ」
「ええと、どうやって注文すれば良いのかな?」
「定食ってメニューにないんだけどさ、いくらくらいでどんな感じのが食いたいって言えば、オヤジさんがいい感じに作ってくれるんよ」
「へえ、面白いな。じゃあ私も君と同じので」
「がっつりだよ?」
「構わない。あと生中1つ。君は?」
「……飲む気満々っすね」
「なんだ、君は飲まないのか?」
「いや飲むけどさ。生中もう1つ」
 そんなこんなで普通に飲みになってしまった2人。生中で乾杯し、リーズナブルな定食で腹を満たす。
 やはりアルコールが入ったため、自販機コーナーで話した時よりもくだけた話題が中心となった。説明会で見かけた痛い奴・うざい奴、就活生の間で毎年まことしやかに伝えられる某企業についての噂、ブラック企業の噂、言いたい放題に言われた面接官への悪口、等々。
 やがて定食を平らげ、『ひさや』自慢の地鶏を肴に酒メインとなっていったのだが……。
66生産性の低い人:2007/05/13(日) 02:57:06 ID:kHsr/xPa
「ぷは、店員さん、おかわり。そうだな、今月お勧めの地酒で」
「ちょ、ちょ、ペース速いって」
 順調にジョッキを空けていく玲子。ゆうに勇の倍は飲んでいる。
「折角、久しぶりに居酒屋に来たんだ。心ゆくまで飲んでも罰は当たるまい」
 顔色一つ変えずに飲み続けているが、どうやら相当酔ってきているようだ。しらふの時は微動だにしなかった犬耳が、感情に合わせて動いている。勇の位置からは見えないが、きっと尻尾も表情豊かに動いているのだろう。
「君、聞いているのか」
「え、ああ、聞いてるよ」
「聞いていなかった時の、典型的な応答じゃないか」
 表情は変わらないが、耳がぴんと伸びる。
「ごめんごめん、ま、もう一杯どーぞ」
 酒をついで誤魔化す勇。店員が運んできた地酒を玲子のお猪口についでやる。
「ああ、すまない」
 こんどは耳がパタパタと動く。どうやら彼女は、本当にお酒が好きらしい。
「ええと、どこまで話したか、……そうだ、種族別採用のところだ」
 種族別採用とは、犬耳族や猫耳族といった、いわゆる獣人(差別用語として近年は使われていない)を対象とした採用枠だ。
「我が国は成文法による人権獲得は諸外国より遅れていたが、人と"耳を持つ者”が調和した誇るべき文化と風土を有してきていた。
なのに欧米に習って無闇に機会均等を図ったりするから変なことになるのだ。
どこの面接に行っても、最初の質問は『なぜあなたは種族別採用で応募しなかったのですか?』だ。
まったく、一昔前はそんな採用枠なんて存在していなかったし、"耳を持つ者”でも実力のあるビジネスマンは沢山いるだろうに、ああもう」
 どうやら随分と本音の部分が出てきたようだ。総合職を目指す彼女は犬耳族のコミュニティでも珍しいらしく、誰にも相談できずに随分と鬱屈をためていた。
「耳を持っていようがいよまいが、男だろうが女だろうが、内定出る人は出るし、出ない人は出ないしねぇ」
「結局、その個人次第だ、というのはわかるのだがな」
 コロッケを割り箸でぶすりと刺し、続ける。
「わかっていても、納得いかない」
 突き刺したまま、お猪口をあおる。
「まあ、納得いかないなら無理に納得することもないんでない?」
 玲子のお猪口に注ぎながら、何とはなしに相槌を打つ。しかしその言葉は玲子にとって意外なものであったようだ。きょとん、と目を丸くする。
(あ、かわいい)
 顔の表情は全く動かさない玲子が、初めて感情を顔で表した。大人びた顔立ちが、不意に少女っぽく感じられる。
「無理に納得することもない、か……」
 勇のそのく分け、かけらを口に入れる。眉根をひそめ、右の耳がゆっくりと上下している。どうやら彼女が考え事するときの癖らしい。
 会話が途切れる。
 居酒屋らしい雑多な喧騒が、奥の席にいる2人の間にうっすらと漂う。
 玲子はコロッケをつまみながら何事かを考えたまま。しかし勇は不思議と気まずさを感じなかった。上下する玲子の耳を眺めながら、ゆっくりとジョッキを傾けた。中のビールは随分ぬるくなってしまっている。
 何かに思い至ったらしく、玲子は顔を上げて口を開きかける。言葉をゆっくりと反芻する。突き刺したコロッケを小さ
「おいおい見ろよ、こんなとこに犬耳がいるぜ」
 無粋な闖入者が玲子をさえぎった。
67生産性の低い人:2007/05/13(日) 02:58:11 ID:kHsr/xPa
 大学生くらいと思われる、若い男だ。髪を染めてピアスをあけ、どこにでもある今風のファッションに身を包んでいる。
 その男に呼ばれた友人らしき男たち2人が勇と玲子のテーブルを囲む。どれも似たり寄ったりの格好だったので、勇はとりあえずAからCまで適当に番号を振った。
「すげーモノホン初めて見たわー」
「なになに、動物園から逃げてきたのかにゃー?」
「でもこいつ、ちょーマブいじゃん」
 どいつもこいつも相当酔っ払っており、言いたい放題だ。にゃーとかマブいとか、今時の若者としてはいかがなものかと呆れる勇。
 一方の玲子は、露骨に動物扱いしてくる男たちを無感情な瞳で眺めているだけ。一見すると何を考えているかわからないが、ぴんと立った両耳を見ると、彼女は相当腹に据えかねているようだ。
 勇はさっと店内に目を走らせる。オヤジさんが好意で奥のテーブルを案内してくれたが、それがあだとなてしまった。店員も含めてこの状況に気づいている者はいない。
 普段なら店内の揉め事には真っ先に対応しに来るオヤジさんだが、今のところ忙しそうに働いていて気付く様子も無い。
 そうこうしている間に、男たちの横暴な振る舞いはエスカレートしていく。
 やれ、そのスーツ姿エロいね、だの、いいケツしてるね、だの、犬耳って淫乱ってホント?、だの、ホテルでハァハァ喘がせたい、等々。実際はもっと聞くに堪えない言葉を投げつけていたのだが。
 勇は呆れてものも言えない。確かに頭の中に睾丸が詰まったような酔っ払いたちだが、こうも露骨に迫ってくるとは……"耳を持つ者”への偏見も含まれているのだろうか。
 玲子が黙っているのをいいことに、さらに卑猥な誘い文句をまくし立てる3人組。いい加減聞くに堪えなくなった勇は、なるべく穏便にこの不埒な男どもを排除するために店長を呼ぼうとする。しかし、その様子に気づいた玲子が勇を押しとどめた。
 玲子はかけていた眼鏡を外し、男たちに向かって口を開いた。
「君らの言いたいことは了解した。つまりは3人がかりで私を手篭めにしたい訳だ」
 莞爾とした笑顔。勇にはその怖いほどの笑顔が宣戦布告を意味するものだと瞬時にわかったが、対する男たちはといったら"手篭め”の意味がわからないらしく、仲間同士で馬鹿面を見合わせている。
「私にも思うところがあるが、君らもそうそう引く気はあるまい。ならば居酒屋らしく、これで決着をつけよう」
 そう言って彼女が掲げたのは、日本酒の徳利。彼女は飲み比べで決着をつけよう、と言いだしたのだ。唖然とする勇。
「君ら3人が私を酔い潰したら、君らに一晩付き合う。心ゆくまで味わうと良い。私が君ら3人を酔い潰したら、私たちの支払いを持ってもらう。どうだ?」
 ようやく玲子の意図することが通じたらしく、目の色を変えて興奮しだす3人。さっそく酒を持ってこさせようとする男たちに、勇は何とか割り込んだ。
「ちょ、ちょっと待った……流石に1対3はフェアじゃないだろ。俺も混ぜろ」
 意外そうに勇を見やる玲子。
「私の問題だ。君が無理する必要はない」
「いやいやいや、そういう訳にはいかんでしょうに」
 なおも食い下がろうとする玲子はこの際無視し、3人組に了解を取り付ける。既に玲子を使った下卑た妄想世界に浸っている彼らは、勇の提案をあっさりと受け入れた。
 追加注文の酒が運ばれる。異変に気づいたオヤジさんが駆けつけるが、時既に遅し。3人組はもちろんやめる気はなかったし、玲子にもなかった。
68生産性の低い人:2007/05/13(日) 02:58:55 ID:kHsr/xPa
 勇・玲子ペア、一番手・勇、大将・玲子。3人組、一番手・男A、二番手・男B、大将・男C。勝ち抜き戦。
 余談だが、3人組の順番が心の中で勝手に割り振ったABCの順番どおりになったようで、勇は不意に笑いそうになってしまった。
 それはさておき。
 一回戦、勇VS男A。この日はさほど飲んでいなかった勇が何とか勝利。3人組に大きなアドバンテージがあるため、男Aが無理をしなかったのも勝因だ。
 正直これ以上大して飲めそうもなかったが、少しでも玲子を有利にさせるため勇は二回戦へと進む。
 二回戦、勇VS男B。ぎりぎりまで粘るも、玲子からドクターストップをかけられ、勇の敗北。気分の悪くなった勇はトイレへ直行。
 勇・玲子ペアは、早くも後が無くなった。

********************

「あ゛ー、久しぶりに吐いた……」
 飲酒についてはサークルで鍛えられていたが、ここ最近は上級生として飲ませる立場だったため、無理矢理に飲んだのは久しぶりだった。
 だがいつまでもトイレでうだうだしてる訳にもいかない。出すものを出したら、玲子の所へ戻らねば。
(まあ、いざとなったらトンズラすっか)
 洗面所で口元を拭いて、扉を開ける。すると必死の形相で勇を押しのけてトイレに入っていく男がいた。
(今の……男B?)
 確かに男Bっぽい感じの男だったが、チャラ男の区別などつかない勇には判別不可能だった。
 テーブルに戻ると、いつの間にやら人垣ができていた。心配そうにオヤジさんが見守っているから無茶な展開にはなっていないだろうけど……勇は大急ぎで人の壁を掻き分けた。
 勝負は、違う意味で無茶な展開になっていた。
「さあ、早く飲め。私は次の銘柄が飲みたいんだ」
 テーブルの上には、空になった日本酒の瓶。空になりつつある焼酎の瓶。
「もう降参か? だったら早く負けを認めろ。君のペースにあわせて飲むのは苦痛だ」
 顔を真っ赤にし、視線の定まらない男C。顔色どころか、表情も変わらない玲子。
「ちくしょう……テメェ、バケモンか」
「化け物かどうかは知らないが、確実に言えるのは、君よりもお酒に強い、ということだ」
 自分のグラスに残りの焼酎を注ぎ、そのまま一気にあおる。そんな玲子の様子を見た男Cは泣きそうになりながらグラスに口をつけるが、一向に減る気配はない。
 空になった瓶をもてあそんでいた玲子だが、男Cの様子に痺れを切らし、
「貸せ」
 グラスを奪い、残らず飲み干した。
「さ、やっと次の銘柄を選べる。私は芋が良いのだが、特別に君に選ばせてやろう」
 品書きを男Cの方に押しやる。
「君が選びたまえ、さあ、何が飲みたい。早く決めてくれ、私はまだ飲み足りないんだ。さあ、早く、早く、早く!」
 にこやかな笑顔で迫る玲子。その笑顔は、天使でも悪魔でもない、さながら魔王の笑み。
 震える手で品書きを掴もうとする男Cだが、叶わず、テーブルに突っ伏し、
「……負けました……」
 か細い声で呟いた。
 それまで玲子の迫力に圧倒されていたギャラリーだが、男Cの言葉で沈黙が破れ、熱狂的な拍手喝采が巻き起こる。
「ふん。……店員さん、次は芋で」
 沈没する男Cには目もくれず、眼鏡をかけなおして追加の酒を注文する玲子。そんなクールな彼女の様子に、一層ヒートアップするギャラリー。
「……なんとまあ」
 呆れるしかない勇であった。
69生産性の低い人:2007/05/13(日) 02:59:37 ID:kHsr/xPa

「少し、飲みすぎたかな」
 階段を上りながら、そんなことをうそぶく玲子。
 勝敗が決した後、玲子の勇姿に感動して盛り上がるギャラリーを尻目に、彼女は淡々と飲み続けた。折角タダ酒になったのだから飲めるだけ飲んでおこう、という魂胆だったようだ。
 そして、店を出たときのせりふが、これ。
「ホントに大丈夫なん?」
「大丈夫。少し、飲みすぎただけだ」
 相変わらず彼女の顔色は変わっていない。足元がふらついている訳でもない。あれだけ摂取したアルコールは、いったいどこに消えてしまったのか……もはや勇には理解不可能だ。
「すまなかった。私に降りかかった火の粉だったのに、君にも迷惑をかけてしまって」
「いやいやいや、あんなチャラ男たちに手篭めにされる椙山さんを見るのは忍びないし。そもそもあんまし役に立てなかったのにタダ飲みできたんだから、こっちが感謝せんと」
 勇の言葉に一瞬驚いたような表情を浮かべ、ぱたぱたと尾を振り始めた。
「君は優しいな。今日会ったばかりの犬耳族に、ここまで付き合ってくれるなんて」
 少しほほを赤らめ、潤んだ瞳で見つめる玲子。だが勇は慌てず焦らず、
「椙山さん椙山さん、それ、カネールおじさん」
「……あれ」
 玲子は先ほどからずっと、フライドチキンを世界に広めた髭のおじいさんに語りかけていたのだ。
「……いや、いつもはこんなふうにはならない。本当だ」
「まあま、気にすんなって」
 相当恥ずかしかったらしく玲子は必死に弁解をするが、勇は気にした様子もなく笑って済ます。
「それよか、まずいことになった」
「?」
 疑問符を浮かべる玲子に、勇は自分の腕時計を見せる。
 AM0021。
「終電、もうないわ」
「あ」
 この国でも屈指の大都市であるN市だが、土地柄のせいか日付が変わると地下鉄は動いてくれない。
「まあ選択肢としては、歩いて帰るか、タクシー捕まえるか、ファミレスか漫喫で一晩過ごすか、てなとこか」
 右の耳を揺らしながら考える玲子。
「革靴で長距離を歩くのは辛いな。ここからタクシーを使うとなると結構な額になる。ファミリーレストラン・漫画喫茶は捨てがたいが、体調を崩すような事態になると就職活動に響く」
 酔っているとは思えないほど論理的に答える。
「あー、確かに。じゃあ、どーすんよ」
「可能ならホテルに泊まりたい」
「いやいやいや、タクシーのほうが安上がりっしょ」
「……正直に言うと、タクシーに耐えられる自信が無いんだ。やはり飲みすぎたようだ」
「そりゃしゃーないか。どっかに安いホテルでもあると良いんだがな……」
 タダ酒の恩人に無理を強いることはできない。勇は玲子に合わせてゆっくりと歩きながらめぼしい宿泊施設を探す。繁華街なので、色々とあることにはあるのだが……。
「あるじゃないか」
 玲子がある建物を指差す。けばけばしい照明に照らされた看板には、『HOTEL すたーらいと』の文字。勇が努めて見ないようにしていた、いわゆるラブホテルだ。
「ちょっと、これはさすがにまずいんでない?」
「こういうホテルだからといって、必ずそういう行為をしなければならない訳ではあるまい。嫌なら……私1人で泊まる」
 表情に変化はないが、どうも玲子の様子がおかしい。体調がだんだん悪化しているのかもしれない。
 勇は意を決して、ホテルの門をくぐった。
70生産性の低い人:2007/05/13(日) 03:00:18 ID:kHsr/xPa
「派手だな」
「こんなもんでない? あんまり知らんけど」
 1番安い部屋を選んだのでそう広くは無いが、けばけばしさは相当なものだ。
「こういうところには来ないのか?」
 そう問いかけてベッドに倒れこみ、「案外ふかふかだな」と感想を漏らす玲子。
「いやさ、下宿してるとわざわざこんなとこ来ないしねえ」
「……恋愛経験を聞いても良いか? 差し支えなければ」
「……えらく直球だね」
 勇はソファーに腰掛け、どう答えたものか考え込んだ。
「告られて、付き合って、二股かけられて、別れた」
「端的だな」
 どこまでも直球な玲子に、微苦笑で答える勇。
「俺からも聞いて良いかな。差し支えなければ」
 玲子の瞳が揺れ、耳が伏せられる。
「告白して、強姦されかけた」
 穏やかでない単語が彼女の口から発せられ、勇は目を見張った。
「もうずいぶんと昔、高校の頃のことだ」
 枕にあごをのせ、続ける。
「大好きだった先輩が、いたんだ。ちょっと、やんちゃだけど、みんなに慕われていた。告白したら、『やらせたら付き合う』って言われた。断ったら押し倒されて――」
「もういいって、無理しなくても」
 勇の言葉にふるふると顔を振り、可笑しそうな表情で、
「股間を蹴って、逃げた」
 我慢しきれず、くつくつと少女のように笑い出す。
「たくましいね、おたくも」
「そうでないと犬耳族なんてやってられない」
 彼女につられて、勇も笑い出す。ひとしきり笑った後、
「――でも、その男の正体が早めに判って良かったじゃん。変に深入りしてからでなくてさ」
 努めて明るく玲子を励ます。玲子は静かに彼の言葉に耳を傾ける。
「それに、椙山さんが純粋にその人が好きだったんなら、別に恥じることも悔やむこともない。たまたま、ちょこっとだけ男を見る目がなかったかもしれないけど、その時の想いが純粋だったならば、落ち度は無いんだから」
 そこまで一度切り、「ちょっと説教くさかったかね」と照れながら付け加える。
 玲子はただ、そんな彼をじっと見つめていた。
71生産性の低い人:2007/05/13(日) 03:00:54 ID:kHsr/xPa
「……椙山さん? もしもーし、そんな見つめられると、余計照れるんですけど」
 何も答えない。勇を見つめている、というよりも、ただ焦点が合ってないだけのように思われる。これはもしかして――。
「待て、落ち着いて、焦ったら相手の思う壺だぜ?」
 彼女の沈黙の意味を悟る勇。なぜ気付かなかったのか、こんな状態になった後輩を何度も介抱した経験があったのに。
 勇は部屋の隅にあったゴミ箱を引っつかみ、彼女に持たせた。
「ゆっくり、ゆーっくりでいいから、無理せず椙山さんのペースで」
 肩を抱き支えながら、トイレへと誘導する。背が高めのわりに細い肩とか、纏めた髪の影から見え隠れするうなじのラインとか、そんな美味しい状況を楽しんでいる場合ではない。
 十分すぎるほどの時間をかけ、どうにか無事にトイレへ到着。洋式便座の前に座らせる。
「ちょいと失礼しますよ。汚れたらシャレにならんから」
 なるべく玲子を動かさないよう、慎重にスーツの上着を脱がせる。シャツは良いとして、下は……まあ、流石に無理だ。
「はい、よく我慢しました。さあ準備万端、思う存分出してしまえ」
 玲子の肩が一瞬震える。が、どうやら我慢してしまったようだ。
「ほら、吐いちまったほうが楽になるから、思い切って」
「吐き方が……わからない」
 涙目で訴える玲子。酒豪の彼女にとって、“飲み過ぎで吐く”という経験は初めてのことで要領がわからないのだ。
「確実な方法としては、喉に指突っ込む、ってのがスタンダードだけど」
 勇の言葉に、恐る恐る指を口に含む。だが恐怖が先に来てしまい、嘔吐に至らないようだ。
 勇は意を決し、背広を脱いで腕まくりをし、彼女の手首をつかんで指を抜かせた。
「やったげるから、ほら、口あけて」
「いいっ、じぶんで」
「失礼しますよ」
「やっ、まて――ぅ゛っっ!!」

********************

「はいお疲れお疲れ、こぼさず綺麗にできたね。いやしかし、こんな細い体のどこにあんだけの量を溜めといたのさ」
 トイレを流し、自分の手を洗う勇。一方の玲子は、肩で息をしながら洋式便座に突っ伏している。
「残さず全部出した?」
 突っ伏したまま、力無く頷く玲子。勇は備え付けのコップに水を満たし、タオルと一緒に玲子に手渡した。
 口をゆすぎ、タオルで口元を拭く玲子。
「うぅ、……穴があったら入りたい」
「目の前にあるけど、入んないでね」
 勇はもう一度トイレの水を流し、玲子の背中をさすってやった。
「もう、大丈夫だ」
 立ち上がる玲子。だが足元がおぼつかない。ふらついたところを勇に支えられた。
「胃の中すっきりさせても、脳に入ったアルコールは無くならないからね。しょーがない」
「……すまない」
 トイレに入ったとき同様、勇に付き添われてよたよたとベッドまで戻っていく玲子。勇はいやな顔ひとつせず、玲子をゆっくりとベッドに横たえた。
72生産性の低い人:2007/05/13(日) 03:01:35 ID:kHsr/xPa
「……本当にすまない。いろいろ世話させてしまった」
 暫くの沈黙の後、気分が落ち着いた玲子が蚊の鳴くような声でもう一度謝罪した。
「まあまあ、気にすんな……ってのも無理かもしれんけど、酔っ払いの世話はサークルで慣れてるし、おたくよりタチの悪い奴らばっかだったし。ま、あれだけ飲んだんだから、しゃーないよ」
 勇はベッドに腰掛け、沈んだ様子の玲子に慰めの言葉をかけた。現に勇はさほど気にしていない。サークルの連中にくれべたら、ちゃんとトイレまで我慢できた玲子は優等生だ。
「そうか。……その」
 言いよどみ、躊躇いがちに続ける玲子。
「君は、やはり嘔吐するような女は嫌なのか?」
「へ?」
「それとも、犬耳が嫌いなだけか」
「えーと、……話が見えんのだけど」
 急な話の展開についていけず、勇は玲子の方へ振り向いた。
 玲子はベッドに身体を預け、潤んだ瞳で勇を見つめていた。
 無造作に投げ出された四肢。細い上半身を包むシャツの硬い生地。スカートより、より足の細さと長さを強調するスラックス。特に胸元が開いているわけでもなく、素肌を晒しているわけでもないが、その姿は妙に扇情的であった。
「その、ちょっと落ち着いた方が良いって。まあ酒の間違いは誰にでも」
「落ち着いている。ちょっと、ふわふわした感じがするが」
 まったく信頼性の無い言葉を紡ぎ、上半身を起こす玲子。が、バランスを崩して勇の方へ倒れこむ。
「ちょ、まずいってば……」
 反射的に玲子を抱きとめた勇だが、穏やかでない体勢になってしまったことに気づいて冷や汗をかく。
 ラブホテル。ベッドの上。抱き合う男女。
「私は、覚悟していた。ここに入る前に」
 そう言いながら、ゆっくりと両手を勇の背中に伸ばす玲子。
「積極的に行為を望むつもりは無かったが、君に要求されれば、受け入れようと」
 きゅ、と抱きしめ、体重を勇に預ける。
「だが、我慢できなくなったのは私の方のようだ。君にも抱く女を選ぶ権利はあると思うが、拒否されても、止められる気がしない。だから――」
 そのまま力を込め、狼狽する勇と共にベッドに倒れこむ。
「――君を、強姦する」
 勇を組み敷き、熱にうかされたようにそう宣言した。
73生産性の低い人:2007/05/13(日) 03:06:03 ID:kHsr/xPa
「こらこらこらこら! そんな簡単に見ず知らずの男に身体開いたらいかんでしょう!? つか強姦って!!」
「勘違いしてはいけない。私が身体を開くのではなく、君が身体をこじ開けられるんだ」
 玲子を引き剥がそうとする勇だが、既に不利な体勢になってしまっているため、思うようにいかない。それどころか、シャツ越しに身体が擦り合わされ、だんだん雰囲気が出てきてしまう。
「野良犬に噛まれたとでも思ってくれ。それでも気がすまなかったら、訴えてくれれば良い」
 玲子は自嘲気味にそう呟き、勇の首筋に顔を埋めた。
「どうせ、このご時勢、犬耳女が後生大事に処女を守っていたって、ろくな捨て方にならない。だったら」
 勇のネクタイを緩め、ボタンを2、3個外して胸元を開ける。
「――うん、やっぱり、君は優しい匂いがする。初めてが君なら、決して後悔しない」
 すんすんと鼻を鳴らし、肺を勇の匂いで満たす。
「って、ちょっと聞き捨てならないんだが……えっと、初めて?」
「ああ」
 事も無げにうなずき、今度は味覚で勇を感じるべく首筋に舌を伸ばす。
「っぁ……これ以上はマジでまずいって。初めてがこんなので良いの?」
 頚動脈あたりをなぞっていた舌を引っ込め、彼の目を覗き込む。
「初めては、君がいい」
 そして、彼の唇に舌を伸ばした。
「んんぅ、んく」 「ん……」
 流石の勇も、これ以上玲子を押しとどめることができない。始めは唇を熱心になぞっていた彼女の舌を、ついに中に導いてしまった。
 口腔内の、粘膜同士の摩擦。ついに一線を越えてしまった2人は、抑えがたい快楽に身をゆだねるほか無かった。
 ただひたすら、お互いの舌を擦り合わせ、お互いの歯を、歯茎をなぞる。
「ん、……上手いな、口付け」
「いや、椙山さんも相当」
「そうか、感情の赴くままにしてみたんだが、良かったなら嬉しい」
 上半身を起こす玲子。それにあわせて勇も身体を起こそうとするが、
「言っただろう、これは強姦だ。君は黙って横になっていろ」
 玲子は勇を押さえつけ、それを許さない。
「えっと、そこはこだわるとこなの?」
「こだわってなどいない。純然たる事実だ」
 本当はこだわっている。
 玲子には、この行為を同意の上で行うつもりは無い。というか、できない。この建前は、彼女が勇に対する罪悪感から逃げるために必要だから。
「では、これから本格的に君を犯すことにする。まずは――そうだな、まずはフェラチオからか」
74生産性の低い人:2007/05/13(日) 03:06:50 ID:kHsr/xPa
 ずりずりと勇の体を下りていき、膝の上辺りで腰を落ち着ける。
「既に大きくなっているな」
「そりゃ、しゃあないでしょ……」
 流石に恥ずかしそうにする勇。前の彼女と別れて随分経つし、就活で何かと忙しかったので溜まっていたのだ。
「ふん、口では嫌だといっても、身体は正直だな?」
「……何の真似?」
「言ってみたかっただけだ。それより、少しの間小さくしてくれないか。チャックが動かない……や、駄目だ、君は寝ていろ。私がやる」
 自分でズボンを脱ごうとするが、建前にこだわる玲子に拒まれる。かといってそんな便利に大きくしたり小さくしたりできるものでもない。そもそも、どうにかチャックを下げようと悪戦苦闘する玲子の指が意図せず刺激してくるのだ。
(……しょうがない、奥の手を使うか)



 ――俺は幹部候補でも構わず喰っちまう男だぜ?

 ――構いません……工場長なら、ラップ無しでも……

 ――嬉しいこと言ってくれるじゃないの
 ――そらっ

 ――アッー



「急に小さくなったな」
「……小さくしろって言ったの、そっちでしょ」
「?」
 なぜか疲れた様子の勇に疑問符を浮かべる玲子だが、とにかく行為を進めることにした。
 チャックを下ろし、丁寧にトランクスを掻き分けて小窓を探す。
「……面倒だ。ズボンごと下ろしてしまおう」
「てか、最初からそうすれば良かったんじゃね!? そうすりゃ良かった!」
「五月蝿いな、口ごたえするな」
 断固抗議する勇を無視し、ベルトをはずして脱がせにかかる。
「少し腰を上げろ。脱がせられない」
「はいはい……って、これってもう強姦じゃないでしょ」
「紛れも無い強姦だ。情状酌量の余地も無い」
 大真面目にそう言い、下着ごとズボンを足首まで下ろす。
(すごい匂いだ。濃い……)
 蒸れて濃縮された勇の匂い。一瞬、意識が遠のく。
「……せめて、シャワーでも浴びませんかね」
「標的にシャワーを浴びさせる強姦犯がどこにいる」
 匂いに誘われるまま、玲子は中途半端に充血したペニスに口を寄せる。
「ん、」 「っ!!」
 玲子はためらうことなくそれを口に含んだ。勇は声にならない声を上げてその感触に耐える。
「んん、……んく、んむ」
 だんだん大きくなるペニスを熱心に愛撫する。熱意を注げば注ぐほど、勇も反応を返し、更にサイズが大きくなっていくのが素直に嬉しかった。より丁寧に、唾液を塗りこんでゆく。
「ちょっと待って、ペース早すぎ……こら、そこは駄目だってば」
 勇の言葉は、既に玲子の耳には届いていない。それどころか、いよいよ愛撫に熱が入る。
「まっ、ちょっ、――あーもう、でるっつの!」
 勇は玲子の頭を掴んで無理矢理引き抜いた。が、その拍子に玲子の前歯が絶妙に亀頭を引っ掻き、
「あっ――」 「ひゃんっ」
結果、玲子に顔射をキめてしまった。
75生産性の低い人:2007/05/13(日) 03:07:28 ID:kHsr/xPa
 一度出始めてしまうと、もうどうしようもない。大人しく全部出し切るのみ。
「――前が見えなくなってしまった」
 たっぷりと射出された精液が、玲子の眼鏡をべっとりと汚していた。
 玲子は眼鏡を外してレンズを拭うが、薄く引き延ばしてしまい、余計使い物にならなくなってしまった。
「しょうがない」
 口を寄せ、垂れる精液をすする。そしてレンズに張り付いた精液を丁寧に舐め取った。
「……? どうした?」
「あ、いや……」
 正直に言うと、あまりに卑猥な光景に見惚れていたのだが。
「なんつーか、ホントにこういうの初めてなの? 疑ってるわけじゃないけどさ、やけに上手いから」
「君の反応をつぶさに観察すれば、どうすれば良いか大体わかる。そもそも、私は強姦魔だしな」
「まだ言うか。理由になってねえ」
 勇の悪態などどこ吹く風、玲子は自分の顔についた精液を掬い取り、残さず舐め取っていった。
「美味しくは無いな、流石に」
「そりゃそうでしょうよ」
 と、割と諦めの境地の勇。
「では、お待ちかねの本番といこう」
 玲子は自分のベルトに手をかけ、自らの準備に取り掛かる。
「……ん、あれ?」
 が、スラックスが思うように脱げない。どうも尾が引っ掛かっているようだ。
「どこがどう引っ掛かったんだ……すまないが、尻尾を持ってくれないか?」
「はいはい。もう、いろいろグダグダ……」
「ああ、すまない。ついでにショーツも脱ぐから、頼む」
「被害者に手伝ってもらうレイパーなんて聞いたことも無い……」
「……よし、準備万端だ」
 薄っすらとだが、玲子の秘所も湿っている。匂いに敏感な犬耳族には、強烈な性臭だけでで十分に濡れる。
 いよいよ最後の一線、と勇の腰に跨る玲子。
「待った」
「何だ、往生際の悪い」
「これだけは譲れんぞ」
 勇がベッド脇の棚から取り出したのは――コンドーム。
「お、1箱とは豪勢な――じゃなくて、避妊は大切だからね。……何で残念そうな顔してんの」
「初めてがゴム皮膜相手というのは味気ない。というか何だ、犬耳は変な病気でも持っているとでも言いたいのか」
「違うってば。これは椙山さんの為。いざという時は、やっぱ女性が苦労する羽目になるんだから」
「――ふん、貸せ」
 勇の真意がどこにあるか、玲子にはにわかに判別できない。が、その言葉が、言葉通り私の為を思ってのものであってくれたら、と心から願った。
76生産性の低い人:2007/05/13(日) 03:08:01 ID:kHsr/xPa
 いまだに酔いが抜けておらず、玲子はコンドームを装着するのにひどく手間がかかってしまった。
「これで良いのか?」
「ん、大丈夫っぽい。……まさか、2つも駄目にするとは思わなかったけど」
「五月蝿いな」
 勢い余って破いてしまったのをゴミ箱に投げ捨て、今度こそ、と勇の腰に跨る。
「……行くぞ、覚悟は良いな?」
「こっちはいーけど……震えてる?」
「震えてなどいない」
 強がる玲子に、勇は手を伸ばして頭を撫でてやった。
「ゆっくり、椙山さんのペースで良いからね?」
「……ふん」
 勇の言葉に踏ん切りがついた玲子は、ゆっくりと腰を落とし始めた。
 ゴム越しではあるが、勇の怒張が玲子の膣を押し広げていくのがわかる。
 ゆっくりと進入してゆき――最も奥まで到達した。
「っ、ふぅ、おくまで、ぜんぶ」
 大きく息を吐く玲子。無意識に呼吸を止めていた。
「だ、大丈夫? 痛かったりする?」
「いたい、のだろうか。なんか感覚が遠くて、良くわからない。破瓜、といっても大したこと無いな」
「いや、血ぃ出てる。むっちゃ血出てるって」
「……これくらいなら、生理の時よりましだ。気にするな」
「気にするなって……」
 破瓜の血に怖気づく勇だが、玲子は大して気にする様子も無い。アルコールが麻酔の役目を果たしているようだ。
 ゆっくりと腰を持ち上げ、再度奥まで押し入れる。
「ほら、大丈夫だ。現にしっかり動けるしな」
 持ち上げて、下ろし、また持ち上げる。
77生産性の低い人:2007/05/13(日) 03:08:35 ID:kHsr/xPa
「……単調だな」
「いや俺に言われても」
 恐る恐る出し入れしているだけで、どちらも十分な快感を得られない。
「もっとこう、動きのバリエーションは無いのか」
「俺が動いてもいいの?」
「それは駄目」
「なんじゃそら……じゃあ、ちょっと失礼しますよ」
 つい先刻まで処女だったんだからしょうがない、と勇は自分に言い聞かせ、彼女の細い腰を掴む。
「こう、前後に動かしたり、円を描くようにしてみたり」
「ひあっ、きゅ、きゅうにうごかすな」
「入り口を引っ掻いてみたり、奥に擦り付けてみたり」
「んう、こらっ、やめ――はなせ!」
 ぺし、と勇の手を払いのけ、荒い息をつく玲子。
「……ま、全く、私が強姦している、と何度言えばわかるんだ」
 もう苦笑するしかない勇。まあ確かに、急に強くやりすぎたかもしれないが。
「よし、では、いくぞ」
 呼吸を整え、再度腰を動かす。先ほど勇にされたように、いろいろな角度、いろいろな方向へ。
「ちょ! もうコツつかめたの!?」
 今度は勇が声を上げる番だった。
「んっ、んぁっ、慣れればなかなか、ふぁっ」
 小刻みに吐息がこぼれ、そのリズムに合わせて玲子の身体も跳ねる。
 初めて男を受け入れる玲子の中は、当然ながら狭い。しかし酩酊状態の彼女は、中が無理矢理広げられるのをかえりみずにペースを上げる。強い圧力と摩擦が、勇を一気に高みへ押し上げていく。
 一度出して余裕のあった勇だが、にわかに劣勢に追い込まれた。
「だんだん、良くなってきた、かな?」
「わかっ、わかったから、ペース落としてっ!」
「……んふ、やっと強姦らしく、なってきたっ」
 藪をつついて蛇を出す。切羽詰った勇の様子を察し、玲子は容赦なくペースを上げた。
「なんだかっ、わたしもっ、んぁっ、良くなってきたっ、みたいだっ」
「わりぃ、もう我慢できないっ」
 2度目の射精。そうは思えないほどの量をコンドームの中に吐き出す。
「あはっ、これがセックスか! 癖になりそう……っ」
「まっ……もうでっ……」
 射精した勇に構わず、出したばかりで敏感になっている肉棒を擦り上げる。
 勇は玲子を押しとどめるべく腰に手を伸ばすが、玲子に掴まれベッドに押さえ込まれる。
「なんか、不安定で、飛んでいきそうなっ、変なかんじ……イく、というやつか」
 絶頂に近づく玲子。
 勇も変なスイッチが入ったようで、抜かずの3射目に近づく。既に声を上げる余裕も無い。
「……っ、い、くぅっ――」
 背筋を反らし、勇を目いっぱい締め上げる。それが引き金となり、勇も睾丸が引き攣るかと思うほど精液を吐き出した。
78生産性の低い人:2007/05/13(日) 03:09:12 ID:kHsr/xPa
「……な、なんつうハードな……」
 やっと息を整えた勇が呟く。からからになった喉が痛んだ。元彼女とたびたび行為に及んだことはあったが、ここまで切羽詰ってしたのは初めてだ。
 玲子はというと、勇の胸の上で気を失っている。
(……幸せそうに寝おって)
 腹いせに犬耳を引っ張ってみる。薄く見える毛細血管が妙にリアルだ。
「……むー」
「むー、じゃねえよ」
 嫌がって声を上げる玲子。ぱたぱたと耳を動かし、勇の手から逃れる。再度つまんでやる。逃げる。つまむ。逃げる。
(ま、遊んでてもしゃーない。片付けるか)
 ゆっくりと玲子を体から下ろしてベッドに寝かせ、勇は2人の体液で汚れた諸々のものを片付け始めた。
79生産性の低い人:2007/05/13(日) 03:10:55 ID:kHsr/xPa


 オフィス街、とあるビルの自動販売機コーナー。

「……はぁ」
 糊の利いたリクルートスーツをぱりっと着こなした女性が、ため息をつきながらとぼとぼと自販機に近づく。
(……これが最後の持ち駒か)
 何が最後かというと、これから行われる某企業の採用面接である。彼女は今、この企業に落ちてしまうと選考中の企業がなくなってしまう、という状況だ。
(ここが駄目なら、実家に帰ろうか)
 ここのところ、散々だった。納得のいく就職活動をしよう、と意気込んだは良いが、どうも空回り気味だったらしい。受けては落ち、落ちては受け、の繰り返し。遂には持ち駒が残り1つになり、流石の彼女もひどく後ろ向きな思考に取り付かれていた。
(そうだな、家業の手伝い、といっても、経営に直接携われると考えれば面白いかも……いや、でも)
 頭を振り、弱気な思考を押しのける。
(ここだけは、頑張ろう。彼に顔向けできるくらいは)
 この企業は第1志望というだけではない。彼とであった企業だ。
 種族別採用に逃げようか、と思っていた自分が、兎にも角にも総合志望で頑張ってこれたきっかけをくれた人。へべれけになった自分を介抱し、強引に肉体関係を結ばされ、それでも翌朝に「おはよう、体大丈夫?」と言ってくれた人。
(というかあれだな、どれだけ心が広いのか、と。どこぞの仏さまか、と……」
「仏さまがどうしたんで?」
 硬直。ぎぎぎ、と、どうにか声のした方を振り向く。
「や、どーも。椙山さんも選考残ってたようで、何より」
「くくく黒川くん……何で……」
「何でって、選考だってば」
「ああ、そうか、そうだな」
「で、先買ってもいいですかね?」
「ああ、そうか、どうぞ」
「それじゃお先」
 玲子にとって、まったく想定外の出来事だ。
 例の日、目が覚めてついでに酔いも醒めた玲子は、消えてなくなってしまいたかった。恥ずかしくて彼の顔もまともに見れず、綺麗に畳まれた自分のスーツを見たときなど、もう死んでしまいたかった。
 とにかくホテルを出て、人のまばらな早朝の地下鉄に乗り、乗り換えのために逃げるように車両を降りてから――謝罪の言葉を忘れていたことに気付いた。
 いくら錯乱していたからといって、それは無い。連絡先も聞き損ねていたので、そのうち彼の学部まで探しに行って謝らねば、と思っていた。が、まさかこんなに急に再会するとは。
80生産性の低い人:2007/05/13(日) 03:11:28 ID:kHsr/xPa
「えーと、買わないん?」
 玲子が気付くと、ミルクティーを買いベンチに座っていた。なるたけ平静を装って玲子も缶コーヒーを買う。
「なんか緊張してるみたいで。顔色悪いよ?」
「最終面接なんだから、緊張もする」
「……なんで?」
「なんでって……」
 最終面接で緊張する。至極当然なことなのに、何が疑問なのか。
「えっと、状況を整理するとだね。椙山さん、前回は役員面接だった?」
「ああ、本社ビル、つまりここで役員面接だった」
「面接は今日で3回目? グループディスカッションは除いて」
「ああそうだ。――何が言いたい」
 苛立たしげに缶コーヒーをこつこつと小突く玲子。
「俺、3回目の面接が今終わったとこなんだけど……あの、役員の次呼ばれたら内々定、って話、聞かんかった?」
 無い内定、いや内々定。ナイナイテイ?
「待て――まて! どういうことだ!!」
 凄い勢いで思わず勇につかみかかる。
「いやだからどうもこうも……内々定なんて内定みたいなもんだから、おめでとさん、としか言いようが……」
 ふっ、と玲子の力が抜け、燃え尽きた灰のようにベンチに座り込む。
「…………私の決死の覚悟は、何だったんだ」
「知らなかったんかい」
 頭を抱える玲子の前に、勇はミルクティーを差し出す。
「ま、お互い内定出たようで、良かったじゃん」
「……まあ、そうだな」
 玲子も顔を上げ、缶コーヒーを彼の缶にこつん、と当てる。
「いやしかし、第1志望から内定貰えるとは思わんかったよ。椙山さんも第1志望って言ってたけど、ここに決めるの?」
「ああ、決める……というか、ここ以外残っていない」
「ま、どれだけ落とされても、第1志望から内定貰えたんだから、結果オーライ」
「ああ」
 どん底の状況から一転、就活に終わりが見えた玲子。あまりに急な展開で実感が湧かない。
「いやー、まさか同じ会社の同期になるとはね。不思議な縁ですなあ」
 不思議な縁。確かにそうだ。同じ組でグループディスカッションを受け、酒の勢いでベッドを共にし、偶然こうやって再会し、同期になる。
「……そうだ、君に言っておかないといけないことがある」
 はっと正気に戻り、勇に向かい合う玲子。そうだ、彼に会ったらやらねばならないことがある。
「ええと、何でしょう? 急に改まって」
「例の日のことだ」
 何度も頭の中で反芻した謝罪の言葉を思い出す。
「酒に酔っていたとはいえ、いや、酒のせいにして、君に酷いことをしてしまった。本当に申し訳ない」
「ああ、いや……」
 急にその話を持ち出された勇は一瞬うろたえる。周りを見回し、人がいないことを確認する。
「あのね、その、まあこっちも美味しい思いができたといいますか、この話は水に流したほうが良かないですかね、といいますか」
「そんな、悪いのは私なんだから、水に流すなんてできるものか。この償いはどうすればいい? 君の言うことは何でも聞くつもりだ」
「ああもう……」
 なんとか穏便に済まそうとする勇に業を煮やす玲子。
「……そもそも、おたくだって初めてだったんでしょうに。こんなオッさんが相手で良かったの?」
 小声でそう尋ねられ、思案する。初めてが彼でなかったら。あの場にいたのが、彼以外の男であったら。
「俺なんか、酔った女の子を手篭めにした男よ? 紳士でも何でもないし、顔だって」
「――嫌だ」
81生産性の低い人:2007/05/13(日) 03:12:51 ID:kHsr/xPa
 勇の言葉を遮って、思わず言葉がこぼれる。
「嫌だ嫌だ、絶対に嫌だ。君以外の男? 冗談じゃない、気持ち悪い」
 想像してみたそれは、嫌悪以外の何物でもなかった。
「私は、とても幸せ者だ。偶然とはいえ、手段が誤っていたとはいえ、君が初めてで、とても幸せだ。愚痴に丁寧に付き合ってくれた君で、親切に介抱してくれた君で、朝になっても横に居てくれた君で、本当に良かった」
 感情があふれ、止まらない。
「私ばかり良い思いをさせてもらって、本当に申し訳なく思っているんだ。君の気が済むなら、君が望むなら、何でもする。償わせてくれ」
「あの、ちょっと落ち着いて」
 勇にハンカチを差し出される。いつの間にか、涙が流れていた。
「あー……なんといいますか」
 涙を拭いながら、困惑気味の勇を見つめる。
「じゃあ、そこまで言うなら、1つ頼み事をしよかな」
「なんだ、何でも言ってくれ」
「面接終わったあと、暇?」
「ああ、暇だが……」
「飯、食いに行こ? 椙山さんのおごりで」
「……そんなことでいいのか? もっと他に」
「なに、何でもするって言ったのに、嫌なの?」
「そうではなくて……」
「じゃあ決まり。面接そんな時間かからんから、ここで待ってるわ。ほら、もうすぐ時間じゃないの?」
 強引に押し切る勇。確かに面接の時間が迫っていた。慌てて立ち上がる玲子。
「その……本当に」
「あーほら、ちゃんと涙拭いて、深呼吸して。時間無いんでしょ?」
 開けずじまいだった缶コーヒーを取り上げられ、鞄を持たされる。
「そんな顔だと、受かるものも落ちるよ? ほら、笑って」
「……うん、そうだな」
 ぺちぺちと頬を打ち、深呼吸をする玲子。

「……よし、じゃあ、行ってくる」
「はい、いってらっしゃい」

 惚れた男に見送られ、玲子は胸を張って歩き出した。
82生産性の低い人:2007/05/13(日) 03:18:11 ID:kHsr/xPa
以上です。ご清聴ありがとうございました。

いやね、自分ってどんな風に投稿してたっけ、と、本気で考え込んでしまった。
なにしろ、前回の投稿は2ヶ月前ですしね。



えー、という訳で、リクスー、眼鏡、スレンダー、犬耳という、趣味丸出しでお送りしました。

いっときますが、就活はもっと殺伐としたものですからね。
実体験とかじゃなく、こんな妄想をしてないとやってられなかったんです。

就活中のみんな、カンガレ。



書き溜めてた話があと2つあるんですが、明日早いんで寝ます。既にこんな時間で何なんですが。
また明日 ノシ
83名無しさん@ピンキー:2007/05/13(日) 04:13:03 ID:B5jYTL0m
おもろかった、gj
84名無しさん@ピンキー:2007/05/13(日) 08:51:55 ID:Od9bmaBy
これは………イイ!!
お気に入り作品のベスト2に入れるぞ!!
85名無しさん@ピンキー:2007/05/13(日) 09:03:50 ID:2PLEEFfQ
素直クール系のわんこ、実に好みでしたGJ
86名無しさん@ピンキー:2007/05/13(日) 10:58:46 ID:mdiU2eFt
眼鏡犬耳キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
87名無しさん@ピンキー:2007/05/13(日) 13:57:21 ID:X2WlD9g1
超GJ。燃え尽きるほど面白かったです。

『アルコールが麻酔の役目を果たしているようだ』

そ…そういえば…「アルコール」つーのは薬学上…
麻酔剤の仲間って事を学校できいたことあるぞ…
昔は…飲まして手術とかしたっつーし。

貴方の複線の回収は神レベルっすね。
88名無しさん@ピンキー:2007/05/13(日) 14:17:09 ID:uD/J0+FR
GGJ!!(グゥレイトGJ)

今更だが分割投下より一発投下のほうが良い?
89名無しさん@ピンキー:2007/05/13(日) 14:42:14 ID:8Sl/lmfD
>>82
よかった!なんかめちゃくちゃリアルだ…。

>>88
人によりけりだと思うけど、あんまり長くなければ一括投下のほうがいいんじゃね?

>>61
確かに…orz
90暁狐:2007/05/13(日) 16:41:52 ID:uD/J0+FR
神の後でも気にせず投下するのは私だ

今回は虎。
91暁狐:2007/05/13(日) 16:43:29 ID:uD/J0+FR
「これから一生、よろしく頼むで」
「……一生もなんて、やだ」
「な、なんやとぉ!!」
「何で俺が、お前みたいな虎女と一生一緒にいなきゃならないんだよ!!」
「当たり前やろ! ウチはあんたの……」


「……ぃ……おい、おい、零……」
「……うるせーな」
 昔のことを思い出していた。
 その中で誰かに呼ばれてハッと我に返って、零(ぜろ)と呼ばれた青年が、自分を呼び返した少女に苛立ち気に返した。
 そんな反応が返ってきたものだから、彼を呼び戻した本人は顔を真っ赤にして白いハリセンで零の頭を思いっきり叩く。
 彼らが歩いていた暗い森に小さな爆発でも起きたような音が響き、木々は揺れ鳥が一斉に飛び出し、あまりの衝撃でハリセンは壊れた。
「ってーな、馬鹿力なんだからむやみに叩くな。俺じゃなかったら死人が出てるぞコラ」
「うっさい! 零がボーっとしてるから優しく起こしたのに、第一声がうるせーな? そんなん誰でも怒る!」
 更に悪びる様子も無いゼロに、少女は壊れたハリセンを投げ捨てて彼に指を刺し怒鳴る。
 その声をウザそうに、両耳に指を入れ少女が怒鳴り終えるのを零はひたすら待った。
 少女が怒鳴り続けて数十分、ようやく治まったので耳穴から指を抜く零。
 そして怒鳴り疲れて肩で息をしつつも、零を睨んでいる少女がいた。
「はぁ、はぁ、と、とにかくや……今は、仕事中なんやから、ボーっとするな……はぁ」
「そういうサクラもいきなりバテてんじゃねぇ」
「誰のおかげで疲れたと思ってんねん。まったく……」
 冷静になり、零に何を言っても無駄だと分かると、サクラと呼ばれた少女はフッとため息を吐く。
 そして二人は森の中を歩き出した。
 既に真夜中という時間帯……数メートル先も見えない森を、サクラを先頭に零は進んでいく。
 障害物があろうともサクラは難なく避け、後方の零に伝える、それが何回か繰り返されている。
 零自身は先にある障害物など見えてはいない、いや一応見ることは出来るが見ようとはせず、メンドくさいという理由でサクラに頼っている。
 むしろ、偶にこうしないとサクラがブーブーうるさいので、零にとっては仕方が無い。
「そーいえば……」
「どうした?」
 ふと、サクラが立ち止まり零も彼女の横に着き立ち止まる。
 不思議そうな表情でサクラは、自分より背が高い零の顔を見上げた。
「さっきなんでボーっとしとったん? なんか考え事?」
「……なんでもいいだろ」
「そりゃそうやけども……その、気になるし。もしかして、ウチのこと、考えて……」
 最後まで言葉を言うことが出来ず、頬を赤くしていきなり女の子っぽい仕草になるサクラ。
 このような場面は多々あることだが、その度に零は思う。
 セミロングの白髪に見える丸みを帯びた白い猫耳、真紅の瞳に口から見える八重歯。
 要は、黙っていれば可愛いのに、と思ってしまうのだ。
 それでもサクラはサクラ、零にとって彼女は今のところ恋愛対象ではない、むしろ出来ないので少しドキリとする程度で終わる。
「まぁ、お前の事だと言えば、お前のことだな」
「え!? ほ、ホンマに!? そうかぁ……えへへ……」
「……」
 明らかに表情が緩んだサクラを、ジト目で零は見下ろすが彼女はその視線に気づかない。
 こうなった彼女はしばらく自分の世界に入ってしまう、呼び戻すのも面倒なので、零は休憩もかねて近く木に凭れ座り再び思い出していた。
 零がまだ幼かった頃、サクラと出会った日のことを……。

92暁狐:2007/05/13(日) 16:45:00 ID:uD/J0+FR


 その日は零が10歳を迎えた特別な日だった。
 特別と言っても、彼にとっては二つの特別が待つ誕生日だが。
 一つは普通に誕生日……そしてもう一つは、彼の使い魔が決められる日。
 零の家では、代々化け物退治などの仕事を行い、10歳になった者に使い魔がつくという慣わしがある。
 使い魔とは、まあ、簡単に言えば年をとらず、日常の世話から戦闘まで、主が死ぬまで永久に尽くす者である。
 無論人間ではなく、猫や犬、狐や鳥といった妖怪化した動物のことを言い、誰の使い魔になるかは使い魔本人たちが決めるのだ。
 そして、昔から少し無愛想だった零は使い魔達から人気があまりなく、結局サクラが零の使い魔となったのだ。
「ウチが零に尽くしたる」
「……」
 一応サクラは、当時の使い魔の中ではトップクラスの強さを誇っていたのだが、零的には多少弱くてもいいからお淑やかな犬や狐がよかった。
 よりにもよって、うるさそうな虎が自分の使い魔となってしまい、零はかなり嫌そうだったがサクラは気にすることなく笑顔で手を差し伸べた。
「どーしたん? キンチョーしてる?」
「………別に、ただ……」
「ただ?」
「……期待はずれ」
「き…………きた……期待はずれぇぇーー!??」
 零の実家の庭に、サクラの叫びが響き、当時地元の村で大地震が起こり木々は揺れ鳥たちが逃げるように一斉に森から去った。
 そして出会って十分も経たないうちに二人は口喧嘩、今のように喧嘩するほど仲がよい的な関係に至るのだった。
93暁狐:2007/05/13(日) 16:46:02 ID:uD/J0+FR


「……ふぅ」
 零は再び記憶から現代に舞い戻り一息吐く。
 出会いの部分から更に余計な所まで思い出してしまった……サクラに無理やり童貞を奪われた時のこと。
 そのことを思い出すたびにイライラしてくるので、忘れるべく零は二、三度首を横に振り、ゆっくりと立ち上がる。
 そして、自分の目の前で勝手な妄想をしている虎娘の側まで行き、猫耳の零距離で大声を上げもとの世界に引き戻した。
「にゃっ!! こ、こら零! び、び、びっくりするやないか!!」
「さっきのお返しだ。それに、にゃってなんだにゃって? お前は猫か? あ、いや猫科か……すまん忘れてくれ」
「ふふん、ボケもツッコミもまだまだやな」
「漫才を語る使い魔なんて聞いたこと無い。ちょっとは優奈とか巧んとこのを見習えよ」
「うっさい、他所は他所、家は家や」
 やはり何だかんだ言いつつ気は会うようだ、多分。
 すでに一時間は休み、二人は再び暗い森の中を進み始めた。
 ちなみに何故こんなところにこんな時間にいるのかというと、大量発生した上半身は人間の女、下半身は大蛇という妖怪の退治の為である。
 そしてだいぶ森の奥へと入った二人は何かの気配を感じ取り、その場に立ち止まった。
「……はぁ、メンドくせぇ」
「かなりの数やな。大丈夫、零はウチが守ったる」
「へいへい、じゃあお言葉に甘えさせてもらいますわ」
 彼らが感じていた気配は、やがて円を描くように至る方向から感じるようになる。
 二人は例の蛇に囲まれ、無数のさっきを浴びせられていた。
 至るところから女の笑い声が聞こえ、サクラの耳はその度にぴくぴくと反応し長い尻尾は逆立って、彼女は戦闘態勢に入った。
 が、零は一向にやる気が無い。まぁ、それは余裕の表れなのだが、サクラとは大違い。
 そして、零が小枝を踏み、その音が鳴った瞬間蛇は一斉に二人に襲い掛かり、零とサクラもまた仕事を開始するのだった……


―続―
94暁狐:2007/05/13(日) 16:47:59 ID:uD/J0+FR
勢いで書いた、今は反省してる。

何故か関西弁になった……難しいけど最後まで続けます。
95名無しさん@ピンキー:2007/05/13(日) 18:13:34 ID:vaJkLbZh
やべぇ、関西弁やべぇよ!で、もちろんサクラは阪神ファンなんだよな?w
96名無しさん@ピンキー:2007/05/13(日) 20:08:43 ID:Gf1wV10+
GJ!
関西弁、最後まで頑張ってください。
97名無しさん@ピンキー:2007/05/13(日) 21:01:46 ID:2uyBkHrt
生産性の氏ΩGJ!ボキもそんな就職活動がしt(ry

暁狐氏続きにa wktk !妖怪蛇女に萌えた俺(笑)
98暁狐:2007/05/14(月) 16:15:46 ID:1nbGsudg
おk、続きを投下します。
先に言いますが、結構無理やりな展開なのでご注意ください
99暁狐:2007/05/14(月) 16:16:27 ID:1nbGsudg
「……」
 翌朝、蛇女たちとの戦いを終え、零は近くの旅館で眠っていた。
 おそらく百体以上いた蛇女たちも、彼とサクラの前ではほとんど無力であり、仕事の大半は一晩のうちに終わった。
 それでも、戦闘後の蛇女たちの死体の始末やらで体は疲労し、朝になっても零は起きることなく寝息を立てている。
 まぁ、次の瞬間彼女に叩き起こされるわけで、零の部屋の襖が勢いよく開いた。
「こら! いい加減に起きなはれ!!」
「………素晴らしい朝の目覚めをありがとうございます。おやすみなさい……」
「寝るなー! まだ仕事は終わってへんで!!」
 寝ぼけ眼で見上げると、腕を組んでいるサクラの姿。
 自らの安眠を妨害され、再び眠りに入ろうとした零の布団を一気に剥ぎ取ると、サクラの顔が赤くなり零に背中を向ける。
 布団を剥ぎ取った瞬間彼女の目に映ったのは、シャツとトランクスのみの零の姿と、朝の効果によりトランクスにできているテントだった。
「と、と、とにかく! 朝ごはん冷めてまうから、は、早く着替えなさい!」
「つーかサクラ………お前まだペンギンのパ……」
 零が自分の目に映るものの事を口にした瞬間、サクラに蹴り飛ばされて壁に叩きつけられた。
 その瞬間、彼女のスカートの中からペンギンさんのパンツが見えたわけだが。
「う、うるさい! 余計なとこばっかり見て……」
 零の正面を向き、穿いているスカートを隠すように両手で押さえて耳まで顔を真っ赤にさせる。
 壁に凭れている零はこの一撃で目が覚め、サクラはやっぱりスパッツにしようと思い部屋を出ようとした。
「まったく、これだから零はだらしがなくてアカンのや……」
 最後に言い残し、襖を閉める音は部屋中に響き渡り、壊れた襖を見ながら零はゆっくりと立ち上がる。
 腰を少し強く打ってしまい痛いが、のんびりしているとまたうるさいのが来るので、しかたなく起きることのした。
 洗面所で顔を洗い歯を磨き、今日は蛇女の残存狩りの為再び森の中へいくので、汚れても破れても燃えてもいいような服を選択し着替え始めた。
100暁狐:2007/05/14(月) 16:17:32 ID:1nbGsudg


「ふぅ、こんなもんか……」
 蛇女たちの血の臭いが漂う森の中で、返り血を浴びて所々赤に染まっている零が一息ついた。
 こういった仕事は主に三日で行われる。
 一日目は相手の壊滅。ここで全て倒せれば苦労は無いが、数で攻められれば逃げ出す者もいる。
 そういった奴を二日目で倒す、いわば残存狩り。
 大抵の妖怪はすでに強さを知っているので零やサクラの就寝している時も襲ってこず、一晩のうちにどこか遠くへ逃げてしまうかその場に残り強敵が去るのを隠れて待っていることが多い。
 そして次の町や村を襲うか、零たちが去ったのを見計らって再び襲うかのどっちかなのだ。
 遠くへ逃げられれば追いつくの難しいが、その場に残っている場合は見つけて倒していけばいいし、妖気を感じることができればすぐに見つかる。
 今回の蛇女は、零の姿を見た途端、零に襲い掛かったので彼にとっては楽な仕事だった……妖怪とはいえ、綺麗なお姉さんを殺すのはちょっと複雑だが生活がかかっているのでそこは割り切っていた。
「おーーい、零ーー!」
「どうした?」
 頬についた血をタオルでふき取っていた時、茂みの奥から零を呼ぶサクラの声が聞こえた。
 そして彼女に呼ばれるがまま、零はサクラがいる所まで草木を手で払いつつ進んでいく。
 サクラのそばまで行くと、彼女は埃等の汚れやスカートなどが少し破れてはいたものの、返り血などはまったく浴びていない。
 零の視線が彼女の足元に行くと、力ずくで折られた大きな木が倒れており血がベッタリついている事から、大木を振り回して蛇女をなぎ払ったと零は考えた。
 だが、彼の視線はすぐにサクラの大木とは別のところにいった。
「……なんだ、こいつは?」
「戦ってたら見つけたんよ。まだ子供や」
 零の目に映るもの、それはサクラや自分を不思議そうな表情で見つめる黒い長髪の女の子だった。
 少し小麦色で日焼けしたような肌に、サクラと同じく真紅の瞳、外見でいうと小学生くらいだと零は思う。
 そして何より彼が注目したのは、少女の腰から下が蛇のものだということだった。
「生き残りか……悪く思うなよお嬢ちゃん」
「??」
「ちょい待たんかい!!」
 直ぐに先ほど自分に襲い掛かった妖怪の仲間だと判断した零は、仕事に取り掛かろうとする。
 だが、蛇少女の前をサクラが両手を左右に広げ壁を作り零の動きを止めた。
「何だよ、どけ」
「待って言うてるやろ、まだ子供なんやで? 幼児虐待」
「虐待って……これが俺たちの仕事だろうが」
「だから、まだ子供……」
「今は子供でも、すぐにでかくなって人を襲うかもしれないんだ。そうなる前に……」
「だめ言うたらだめ! この子の親を殺したんはきっとウチらや。そー思たらウチは。それに、まだきっと善悪も知らんし、共存できるように教育すればええ!」
 二人の口調は徐々に強くなっていき、蛇少女を殺すか生かすかで討論し、しばらく見つめ合う。
 少し真剣な零をサクラは少し睨みながら僅かに涙を浮かべて見上げている。
 サクラは妙な所で優しかったりする、その結果危険な目にも遭ってきた。
 しかし彼女の言うことにも一理あったりする。
 サクラの言うとおり、彼女に守られている蛇少女は本当に子供なのだろう、サクラや零に襲い掛かる様子も無く不思議そうに見つめたまま。
 こういった仕事は割り切らないとやっていけないが、サクラの言葉を聞いて零の中にも僅かに罪悪感のような感情が生まれたが、腕は上がったままだった。
101暁狐:2007/05/14(月) 16:18:57 ID:1nbGsudg
「教育……できるのか? そいつら見た目は人間と同じだけど、知能は低いかも知れんのだぞ? あ、でもサクラもバカだし……」
「待たんかい! 最後の言葉は聞き捨てならん!!」
「言ったとおりだろうが、力技だけで術はまったくできないんだから。それを一言で言ったまでだ」
「うっさい! ウチだって術ぐらいできる! だいたい、バカ言う方がバカなんや! バカバカバーカ!!」
 腕を下ろし、腕を組みながら言った零の言葉に、獣耳を立たせて反応するサクラ。
 そして事実なのだまた腹が立ち、尻尾の毛を逆立てて零に怒鳴る。
 その時、サクラの後ろでずっと二人を見つめていた蛇少女の口がゆっくり開いた。
「あの、けんか、しちゃだめ……」
「「……え?」」
「けんかはぁ、よくない、です」
 ややゆっくりでのんびりだが、蛇少女はいつもの口喧嘩をしている零とサクラを止める。
 喋るのは、襲い掛かった蛇女たちも喋っていたので大して驚かなかったが、蛇少女が喧嘩を止めたということに二人は驚き、しばらく彼女を見つめる。
 喧嘩も治まり、まず冷静になった零がサクラに背中を向けた。
「……俺は教育なんてしないからな……」
「じゃあ!」
「まぁ、その子の親も、俺かサクラが死なせちまったみたいだし……仕方ないだろ」
「さっすが零!」
「でもどこで教育するんだよ?」
「あ……」
 どうやら零は蛇少女を生かすことにしたようだ。
 その事にサクラも笑顔になるが、零の言った言葉に言葉を失い獣耳を寝かせた。
「はぁ、仕方ない……面倒だが、家に連れて行くぞ。どっちみち、ここらにはこの子以外のラミアはいないだろうしな」
「ホンマにええの? 今日の零はなんか優しゅうて、ちょっと不気味やわ〜」
「……俺の気が変わらないうちに、さっさと宿に戻るぞ。俺は寝る」
「了解や!」
 零は微妙に喜べないサクラの台詞を聞きながらそのまま歩き出した。
 サクラはしゃがみ、蛇少女を抱きかかえようとした。
「……おかあさんはぁ?」
「い……っ! え、えと、それはなぁ……」
「……ふぅ、やれやれ」
 だが、蛇少女から来た致命的とも言える質問に、サクラは慌てふためき、零はメンドくさいと思いつつため息を吐いた。
 そして、蛇少女の質問に零が正直に答え、蛇少女は涙を浮かばせ、サクラもまた涙を浮かばせる。
 そんなサクラと零の言葉を聴き、蛇少女は彼らと共に暮らすことを自分で決めた。
 憎まれたり恨まれても仕方ないと思っていたサクラにとって、蛇少女の回答は嬉しいものだ。
 零はあえて蛇少女に聞いた、自分たちを恨んだり憎んだりしていないのかと。
 その問いに、蛇少女はお母さんも悪いことをしたのだから仕方がない、と答えた。
「お前は、サクラよりもしっかりしてるな」
「なんちゅーことを! いつも零のご飯、洗濯、掃除してるのはウチなんですけど!」
「使い魔なんだから当然だろう!」
「けんか、だめ……」
 再びサクラと零の口喧嘩が始まった。
 さっきまでの重い空気は完全に消え去り、少し涙目で二人の喧嘩を止めようとする蛇少女が可愛らしい。
「……まぁいい。とりあえず戻るぞ? もう日も暮れたし」
「せやな……よっと」
「あ……」
 あたりは既に夕方。暗くなると森の中は何も見えなくなる、零だけ。
 仕事も終わり、未成年だが早く帰って酒が飲みたい零は先に歩き出した。
 そしてサクラは蛇少女を抱きかかえ、下半身の蛇部分を隠すように上着を乗せた。
「………はむっ」
「ひゃっ! こ、こら! 耳かじるんやない! ちょッ、そこ敏感なんやッ、にゃあぁッ!!」
「じゃあ尻尾はどうなんだ?」
「やめんかい! 先に帰っとれ!!」
 サクラに抱きかかえられた瞬間、目の前でぴくぴくと動くサクラの獣耳を、蛇少女は小さな口で軽くかじった。
 獣耳は彼女にとっては敏感部分、それをかじられるサクラは頬を赤くして蛇少女を引き離す。
 そして蛇少女に便乗しようとした零を蹴り飛ばし、零は宿付近まで吹き飛ばされたそうな……
102暁狐:2007/05/14(月) 16:21:32 ID:1nbGsudg
―続―

蛇少女は脇役となりますので。
やっぱり関西弁って難しいorz
103名無しさん@ピンキー:2007/05/14(月) 16:59:38 ID:ZAYHBp6V
脳内で久川綾声で再生されてたw

関西弁は京都やら神戸やらが混ざってるな…
「〜起きなはれ」は
「早よ起き〜や〜」みたいな感じ。
火垂の墓なんかはいい感じの神戸弁だからオススメ!
104名無しさん@ピンキー:2007/05/14(月) 20:50:38 ID:Q2BurGc7
虎娘は脳内で植田佳奈声で再生された
ロリ蛇は……


とにかく何が言いたいかというとGJってことなんですよ!!
105名無しさん@ピンキー:2007/05/14(月) 23:40:12 ID:LQaL5Z00
今更だけど生産性氏の読んで抜いて泣いた俺


超GJでずっグスッ
106名無しさん@ピンキー:2007/05/15(火) 00:53:13 ID:3oPoP7gL
読み手、書き手に聞きたいんだけど、「擬人化した凶暴な♀動物が逆レイプする」なんて非常に限定されたシチュを好きになったきっかけはなに?
107名無しさん@ピンキー:2007/05/15(火) 01:06:25 ID:7jj7iOMH
俺の場合特にこれといったきっかけはないなぁ。
元々から好きだった要素が同時に!?って理由でここに来たくらいで。
上手いとこ伝わらんかもしれんけど大体そんな感じでここ見るようになった人は結構多いと思う。
108生産性の低い人:2007/05/15(火) 02:33:36 ID:rnt9/iQp
感想サンクスです。
このリクスー犬耳娘は今まででもトップレベルで難産だったので、GJ頂けてほっとしています。
ただ、何度も言っときますが、就活なんて夢も希望も(ry


まあそれはともかく。
就活中に書き溜めてた分を投下しますね。遅れて申し訳ない。
大量投下になりますが、まあ結果的に消費するレス数は変わらない、ということでご勘弁を。

1つ目、烏娘です。
だいぶ前のスレで話題に上ったとき、こっそり書き始めてました。今頃完成。
擬人化成分が少ないかな?という気がするので、妄想回路は事前にONにしといてください。
不良娘と気弱な少年です。
109生産性の低い人:2007/05/15(火) 02:34:45 ID:rnt9/iQp


 出会いは、ある民家の庭だった。

「おい、まだくちばしの黄色いガキに手ぇ出すたあ、『鈴木家の寅治』も堕ちたもんだなあ」
 がたいの良い虎猫の首に爪をかけ、烏の娘が啖呵を切る。
 この烏娘、ここいらで最近名前を知られるようになった御転婆娘で、名を美晴という。
まだ成鳥になって数年も経ってないが、やんちゃ盛りの若い猫どもと商店街の肉屋「いとうや」の廃棄肉をめぐって対等にやりあっている事で有名だ。
 しかし今回ばかりは分が悪い。
 相手の虎猫は“寅治の親分”。現在町内会長を務める鈴木家に古くから飼われている猫で、猫の間どころか、人間どもにも一目置かれている虎猫だ。
 その体格は堂々たるものだが、決してペットに甘い飼い主が贅沢なエサを与え過ぎた為にぶくぶくと太ってしまった類のものではない。それは長年に渡り流れの野良猫からこの地域を守り続けてきた実績が証明している。
 現に、あらゆる生き物の弱点とも言える首筋に爪をかけられているのに動揺する気配もない。
「中々に威勢の良いお嬢ちゃんだな」
 獲物にかけていた牙をはずし、穏やかだがどすの利いた声で答える寅治。
 圧倒的優位に立っているはずの美晴は一瞬気圧され、寅治はその隙に身を翻して美晴の爪から逃れた。
「まだまだ青いな。やんちゃ坊主のミケをのしたと聞いたから、どんなものかと思っていたが」
「けっ、あたいを見くびったら、痛い目見るよっ!」
 虚勢を張る美晴に、寅治は一つ鼻で笑って毛づくろいを始める。
 余裕綽々のその様子に激昂しそうになる美晴だが、寅治の視線に射抜かれて踏みとどまる。
「なあお嬢ちゃん。その坊主がわしの縄張りを荒らしてたのは見てたんだろう?」
 寅治は顎をしゃくって彼の獲物――まだあどけない顔つきの烏の少年を指し示す。
 彼はまだ恐怖の為に立ち上がれないでいた。
「コイツはまだガキだ」
「ガキだろうが年寄りだろうが、縄張りは縄張りだ。縄張りを侵す奴ぁ狩られても文句は言えんよ」
 理屈の正しさでは、勿論寅治に分がある。だが美晴も引く訳にはいかない。
「あたいからコイツにちゃんと説教しとく。だから今回は大目に見てやってくれよ」
「おやおや、腕っ節で敵わないからってお情けを貰おうってか? そいつぁ虫が良すぎねえか」
「……頼む」
 膝を屈し、両の手を地に付け深々と頭を下げ――土下座しながら、美晴は必死に頼み込んだ。
「ふん、まあ良いさね。そんな骨と羽ばっかりのガキなんざ、腹の足しにもならん」
 寅治は美晴に歩み寄り、彼女の顔を上げさせ――「これで、チャラにしようや」
 ひゅんっ、と空を切る音。
 美晴は不意に走った鋭い痛みに、頬を押さえる。指の間から紅い雫が垂れる。
「お嬢ちゃん、この坊主にどんな思い入れがあるのか知らないが」
 頬を押さえたまま、視線をそらせる美晴。とてもじゃないが――実は一目惚れです、なんて、言えたものじゃない
「まあ、御転婆も身の程をわきまえてするこった。若い女子があんまし傷跡を持つもんじゃねえ」
 寅治は悠々ときびすを返し、縁側の上でねっころがった。
 うずくまる美晴のもとに、九死に一生を得た少年がわたわたと歩み寄る。
「すす、すみません、僕なんかのために……。あの、大丈夫ですか?」
「バカ、とっととずらかるぞ」
 未だにパニック状態の少年を一喝する美晴。
 呆然とする少年を引っつかみ、引きずるように空へと羽ばたいた。
110生産性の低い人:2007/05/15(火) 02:35:54 ID:rnt9/iQp

 それから、2人の奇妙な共同生活が始まった。

 美晴が助けた少年――名を直人(なおと)というが、彼は都会で生き延びるすべを全く持っていなかった。
 郊外の水田地帯で縄張り争いに負け、公園もことごとく追い出され、腹をすかせて迷い込んだ先が寅治の縄張り(鈴木家の庭)だったらしい。
 まあ身体も性格も控えめな彼に縄張り争いは酷だろう。野生動物としてはいかがなものかと思うが。
 それも美晴の縄張りに居候し、美晴に都市部でのサバイバル術を教わることによって、どうにか日々を暮らしていけるようになった。


「いいか、この店は“コンビニ”といって、まだ食べれるものを大量に捨てる店だ」
「食べられるのに、捨てるんですか?」
「あたいにも良くわかんないけど、とにかく捨てまくる。で、それを」
「貰うんですか?」
「パクる」
「ぱ、パクるっ?!」
「そんなんでビビってどうすんだ」
「そんなんでって……人間にばれたら大変じゃないですか!」
「まあ色々とコツがあってだな、店と時間帯によってパクれる店員の場合があってだなあ。
……ああめんどくせえな。今から実地訓練だ実地訓練」
「今からっ?!」
「ほら、ついてきな。あたいがきっちり教えてやるよ」

「よーし、今日はレベル高いのいくぜ? 肉を捨ててる“いとうや”だ」
「うわぁ……猫がいっぱい」
「ここは競争率高いからな。何しろ肉だぜ? このあたりじゃ手に入るところはここくらいだ」
「そうなんですか?」
「ここを制したものは厳しい冬を制するとも言われてるんだ。冬を上手いこと越えれたら、春はまわりに一歩リードできるしな」
「一歩リード? 何にですか?」
「そりゃお前、アレだ、春はアレの季節だろ。巣作りとか大変だろ」
「アレ?」
「あたいにそんなの言わせんなっ。あたいだって女だぞ!」
「そそそんなこといわれても、いや、美晴さんはもちろん女の子らしいですけど、何を言ってるのかはさっぱり……」
「ちょと、お前……本気で行ってんのか? あたいが、おお、女の子らしいって」
「もちろん本気ですよ。美晴さんが獲物を捕らえたときの笑顔って、とっても凛々しいですけど、とびきり可愛いですよ」
「バカ、照れんじゃねえか……」
「照れることないですよ、美晴さんはとっても可愛いんですから。僕が保証します!
で、春のアレって何ですか?」
「そりゃ、あー……。じゃ、じゃあ、来年の春になったら、あああたいが実践で、教えてやろうか……?」
「それじゃあ、宜しくお願いしますね、美晴さん」
「そーかそーか、いや直前になってヤダとか駄目だかんなっ!?」
「美晴さんの実践はいつもためになりますもん、ヤダなんて言いませんよ」
「よし、じゃあ今日は“いとうや”攻略の実践といこーじゃないか!」
「ハイッ!」

 この凸凹コンビは、この街のちょっとした名物になった。
111生産性の低い人:2007/05/15(火) 02:37:29 ID:rnt9/iQp

 厳しい都会の冬を越え、日が長くなり、梅の香りがあたりにただよい、桜はまだかと人間どもがやきもきとしだす頃――


(ばっちりきまったぜ)
 ガラスを鏡代わりにして身だしなみを整えている美晴。
 この季節は、普段は細めでしなやかな体つきの美晴も、徐々に女性らしいふくらみを帯びてくる。
 春のアレ――つまり、繁殖の季節。
 美晴はもう一度ガラスで全身を眺めた。
 頬のキズは、結局痕になってしまった。しかし後悔はしていない。むしろ誇らしい。直人の命を救った傷なのだから。
 はやる気持ちを抑えながら、もう一度しっとりとした漆黒の羽を整える。繁殖期を迎えたとはいえ、もともと凹凸の少ない体つきの美晴は、性的な意味での武器はこの“烏の濡羽色”にふさわしい羽のみだ。
(よーし、今日こそは、春のアレを、じじ実践で、ナオトに、レクチャーすっぞ!)
 正直梅の花がまだ蕾の頃から辛抱たまらんかった美晴ではあるが、実はこういう方面はからっきしであった。
 既に彼女の兄弟姉妹達はつがいを見つけて宜しくやっていたのだが、彼女は未だつがいを作ったことがない。
 姉たちからは“オトコを落とす方法”と称して男女の駆け引きのイロハを教わっていたが、美晴はそんな大人の恋愛よりも、心底惚れた男と一生添い遂げるような純愛を貫こう、と心に決めていた。
 普段は野良猫だろうが飼い犬だろうが怖いもの知らずで喧嘩する彼女だが、色恋沙汰はからっきしの純情娘なのである。
 さあ縄張りに戻ろうか、と意気込んだ美晴の視界に、一組の烏のつがいが飛び込んできた。
 グラマラスで色気たっぷりの雌に、一回りも大きい雄が甲斐甲斐しくついてまわっている。
 振り返って自分の胸元を見る。手のひらにすっぽりおさまってしまう。
 ぶんぶんと首を振る美晴。
(大丈夫だ、ナオトはきっと大きくなくても大丈夫だ)
 希望的観測ではあるが、何とか平常心を取り戻す。
 頬をぺちぺちとたたいて気合を入れ、直人の待つ縄張りへと勇ましく羽ばたいた。
 ちなみに、直人が“春のアレ”の実践がどんなものか全くわかっていない、ということは、彼女の思考回路からは完全に除外されていた。
112生産性の低い人:2007/05/15(火) 02:38:18 ID:rnt9/iQp

「あ、お帰りなさい美晴さん」
「ああ、うん。ただいま」
「? どうしたんですか、顔赤いですよ」
「そんなことないよ、いつもこんなんだよ」
「……しゃべり方も変だし」
「そんなことないよ、いつもこんなんだよ……じゃなくて」
 気を取り直すため、わざとらしい咳払いをする美晴。
「ぅおっほん、げほっ! ごほっごほっ……」
 むせた。
「ちょっと、本当に大丈夫ですか? なんかいつもの美晴さんじゃないですよ?」
 背中をさすろうとする直人を押しとどめ、深呼吸をして気持ちを落ち着ける。
「あー、あれだ。ナオトは、あの約束を覚えているか?」
 首をかしげて思案する直人。その仕草に、今すぐにでも押し倒そうかという衝動に駆られる美晴だが、やっぱり初めては優しくしてもらいたい、という理性がその衝動を押しとどめた。いや、それって理性か?
「もうちょっと限定してもらわないと、どの約束だかわからないよ」
「確かにそうだな。ほら、春になったら、実践で教えてやる、って……」
「ああ、思い出しましたっ、春のアレ!」
 約束を忘れていなかった直人に安堵する美晴。
「で、結局何なんですか? 春のアレって」
「それはだな……」
 そこで言葉が切れる。これから迎えるであろう待ちわびた色事に、美晴は感情を抑えきれず直人の胸元に抱きついた。
 突然飛び込んできた美晴を支えきれず、美晴もろとも後に倒れこむ直人。
「ちょっ美晴さん!?」
「言っただろ、実践で教えてやるって」
 美晴は自らの唇で、直人の口を封じてやった。
 普段の自分では考えられない積極的な行動が、さらに彼女の思考を熱病がかったものにする。
「みはるさ、むぐっ」
 抗議しようとする直人の口に、強引に舌を差し入れる。
 その淫靡な水音が美晴を一層掻き立てる。
 薄めの唇、綺麗な歯並び、驚きで奥に縮こまっている舌。それらを自らの舌で十分に堪能してから唇を離し、直人の細い胸に手を這わせる美晴。
「あは。すげー、気持ちよかった」
「み、みはるさん……春のアレって、もしかして」
「もちろん――つがいになること、さ」
 直人の耳元で囁くその表情は、普段の御転婆な美晴とはかけ離れた――欲情した雌のものだった。
 そんな美晴の様子に、直人はなんともいえない恐怖心を感じ、
「――駄目です、美晴さん!」
 美晴を突き飛ばしてしまった。
113生産性の低い人:2007/05/15(火) 02:39:18 ID:rnt9/iQp

「ナオト……」
 尻餅をついて、呆然とする美晴。
 浮かれた思考に冷や水が浴びせられ、完全にフリーズする。まさか直人に拒否されることなど、彼女にとって想定外であった。
「駄目ですよ、美晴さん……」
 美晴を突き飛ばしたことを自分自身で驚きながら、直人は同じ言葉を繰り返した。
 両者とも暫く呆然としていたが、先に感情が動いたのは美晴だった。
「何が駄目なんだ、ナオト」
 ゆっくりと呟いたその言葉が、美晴の感情の堰を切った。
「何で駄目なんだ、ナオト! 約束したじゃないか、春になったら、実践するってっ!!」
「でも……まさか、つがいになることだなんて……想像もつかなかったから……」
「そうか、ナオトはあたいなんか抱きたくないんだ。そうだよな、こんなガサツで鶏がらみたいな女、誰が好き好んで」
「美晴さん、落ち着いて美晴さん」
「あたい一人で勝手に盛り上がって、莫迦みたいに盛っちまってさ。こんな……」
「美晴さんっ!」
 珍しく強い口調の直人に驚き、美晴は身体を震わせる。
「美晴さん、美晴さんにはもっとお似合いな人がいますよ。僕みたいな、ひょろひょろで、ケンカもからっきし駄目な男とつがいになっても、絶対後悔すると思います」
 美晴は唇を噛んで俯く。
 いままで求婚されたことがなかったわけではない。が、どうしてもその気になれなかった。ハンサムな男にも、力自慢な男にも、身体を許すなど想像もできなかった。
 しかし、美晴は初めて『この人の子どもを生みたい』と思ったのだ。直人と愛し合い、直人の子どもを生み、育てることができたら、どんなに幸せなことだろう、と。
 しかし直人は、それを否定した。自分の子どもを生めば後悔すると。美晴が思い描く幸せは決して手に入らないと。
「――わかった」
 美晴が絞り出すように言葉を紡ぐ。
「ナオトとは、つがいにならない」
「美晴さん……」
 安堵とも後悔ともつかない微妙な気分が直人の心に満ちる。
「美晴さん、寅治さんから助けてくれてありがとう。食べ物の探し方を教えてくれてありがとう。街での生き方を教えてくれてありがとう」
 美晴と決別すべく、立ち上がる直人。
「美晴さんへの恩は、一生忘れません。僕に、求愛してくれたことも。でも、これ以上迷惑をかけられないから」
 羽を広げ、はばたく。
「さよなら、美晴さん」
 美晴は直人の別れの言葉にも俯いたまま。涙がこぼれそうになるのを必死でこらえながら、直人は美晴の巣を飛び立った。
 が、すぐに墜落した。
 思いっきりぶつけてしまった鼻を押さえながら振り返る直人。美晴の手が、彼の足首をしっかと掴んでいた。
「み、美晴さ」
「ナオトとは、つがいにならない」
 美晴は顔を上げ、完全に座った眼差しで直人を睨みつける。
「つがいにはならない。でも、ナオトの子どもは生む。1人で生んで、1人で育ててやるっ!」
114生産性の低い人:2007/05/15(火) 02:40:13 ID:rnt9/iQp

 美晴は力任せに直人を引きずり寄せ、ひっくり返して仰向けにした。そして直人に抵抗する暇を与えず、彼の腹の上に跨った。
「美晴さっ、おちついて!」
「うるさいっ、うるさいうるさいっっ!」
 何とか美晴を宥めようとする直人だが、彼の問いかけは今の美晴にとって逆効果でしかなかった。
「うるさいっ! オマエなんか、さっさとおったててしゃせーしちまえば良いんだよっ!」
 直人の下腹部に手を伸ばす。直人ももがいて抵抗するが、ケンカ慣れした美晴には到底敵わない。
 必死の抵抗むなしく、直人は美晴に性器を掴まれてしまう。そして、怒りに我を忘れているとは思えないほど、美晴は優しく直人を撫で上げた。
「あっ――」
「おい、なんだよ。無理矢理やられてるのに、感じてるのかよ」
 今まで数々の相手を殴り飛ばしてきたとは思えない程ほっそりとした指にしごかれ、直人は否応無く勃起させられた。
「ここだけは一人前、ってか? いやらしい奴だ」
 なかなかに立派な直人の性器。巨根、とまではいかないが、十分な長さと太さ、しっかり張り出した雁首は、持ち主の少年が華奢なだけに結構な迫力だ。
(すげ、エロい形……)
 つい怒りを忘れ、直人のものを注視する。美晴は誘われるように向きを変え、それと向き合った。
 両手を添えてさする。揉むように刺激する。雁首のラインをなぞる。亀頭を包み込んでこね回す。直人はどの動作にも敏感に反応を返してくる。
(じゃ、じゃあコレ、くく口でやったら、どうなっちまうんだよ)
 以前に姉から聞いた、男を悦ばす方法。それへの好奇心に耐え切れず、口を寄せた。
 粘膜同士が、接触する。
「っっ!」
「んむっ!」
 快感が許容量を超え、直人は美晴の口の中で果てた。
115生産性の低い人:2007/05/15(火) 02:41:40 ID:rnt9/iQp

(なんだよコレ……すげぇ量。しかも真っ白)
 姉たちから聞いていたものとは様子の違う直人の精液に驚く美晴。あまりに濃すぎて喉を通らず、口から出して手のひらに溜めざるをえなかった。
(これが、精子。ナオトの精子。これでナオトの子どもを作れる……)
 むせ返る性臭に酔ったように、手のひらの精液をもてあそぶ。混ぜれば混ぜるほど糸を引き、美晴の指に絡みついていく。
(これを、あたいのココに入れれば、ナオトの子どもを作れる)
 白い粘液が絡んだ指を、自らの秘所に持っていく。
「ふぁあっ」
 普段の自慰とは格段の違い。ナオトの精子が自分のココに触れている、と考えるだけで気をやりそうになる。
「美晴さん……?」
 直人からは美晴の背中しか見えない。急に黙り込んだ彼女に不安げに問いかける。
「ふ、ふんっ。好きでもない女の口でイってんじゃねーよ」
 直人の声で我に帰り、再度体の向きを変えて彼に向き合う。
「ち、ちが」
「ちがわねーよ」
 美晴の言葉に反論したい直人だったが、彼女の様子に絶句してしまう。
 上気した頬に、トロンと潤んだ瞳。口元からは精液が僅かに垂れているし、何より彼女の控えめな陰毛に白く濁った液が絡み付いているのだ。
「ほら、やっぱりちがわねー」
 美晴の乱れた姿に、再び勃起させられてしまう直人。
「な、何なんだよコレ。もうこんな硬くなっちまったぞ」
 ついさっき射精したとは思えないほど力強く立ち上がる。直人からすれば、美晴にあられもない姿を散々見せられ、反応するなというほうが無理な話だ。
「よし、じゃ、じゃあ、入れるぞ?」
 腰を少し浮かべ、自らの割れ目を直人の先端にあてがう美晴。
「だめ、だめだよ美晴さん……」
 口ではそういうものの、全く抵抗できない。精液と唾液でてらてらと光る亀頭と、精液と愛液を垂らす割れ目。直人は腰を浮かさないよう力を入れるだけで精一杯だ。
 ゆっくりと、腰が沈められていく。
「つああぁぁ……」 「わ、わわっ!」
 美晴は今まで体験したことの無い特異な痛みに、直人は彼女の瑞々しい襞に包まれる信じられないほどの快感に、思わず声を漏らした。
 ぺた、と美晴の尻が直人の体に着く。
「ぜ、ぜんぶはいった……」
「みはるさん、みはるさん、みはるさん……」
 痛覚の波が引き、いつの間にか閉じていた瞳を開く美晴。うわずった声で美晴の名を繰り返す直人を心の底からの愛しいと感じた。
 が、それはもう許されないものだと悟る。今直人と繋がった幸せを享受するには、直人への愛を諦めなければいけない。
 なぜなら、同意の上での性交ではないのだから。
(それでも……)
 美晴は腰を揺すり始めた。痛みは既に過ぎ去った。結合部が卑猥な音をたて、直人が可愛らしい鳴き声をあげる。
(あたいはもう、引き返せないんだから……)
 始めはゆっくりと、徐々に速度を上げて。
(せめて、ナオトには気持ちよくなってほしい)
 もう届かない直人の唇を見つめながら、美晴は懸命に腰を振り続けた。
116生産性の低い人:2007/05/15(火) 02:44:50 ID:rnt9/iQp

「ん……」
 澱んだ思考を振り払いながら、美晴は体を起こした。行為の途中で気を失ってしまったらしい。
 美晴の巣には驚くほど濃厚な性の匂いが漂っていた。どれだけの間、直人との行為に耽っていたのか見当もつかないが、とにかく相当ヤったらしい、ということだけは美晴にも理解できた。
「うわ、……すげぇな、コレ」
 2人はいまだ騎上位で繋がったままだ。交わっている部分は文字通りぐちゃぐちゃ。いったい何度イかせ、何度イかされたのだろうか。
「美晴さん、目、覚めた?」
 急に声をかけられ、のけぞる美晴。倒れる前に直人が美晴の体を抱きしめる。
「……あぶないよ、美晴さん」
「わ、わりぃ……」
 交わした言葉はそれだけ。抱き合ったまま、2人の間に沈黙の幕が下りる。
「僕はね」
 先に沈黙を破ったのは直人だった。
「ずっとずっと、美晴さんに憧れてました。美晴さんが颯爽と現れて、僕を助けてくれたときから、ずうっと」
 ゆっくりと、言葉を選びながら、続ける。
「美晴さんは僕の憧れで、尊敬する人で、正義のヒロインで……大好きな、女の子なんです」
 美晴が肩を震わせる。
「だから、美晴さんに迫られた時に混乱してしまいました。普段の美晴さんからは想像できないほどエッチだったから。ごめんなさい」
 再び沈黙が降りる。
 こんどは、美晴がそれを破った。
「あたいは、ナオトが思ってるような女じゃねえよ。ケンカに負けてカッコ悪く逃げ出したことだって良くあるし、飯のために汚いことはいっぱいやってきた。それに……」
 そこで1つ深呼吸をし、続ける。
「あ、あたいは、とんでもなくエロいぞ? ナオトの寝床で、お、オナニーしたの、1度や2度じゃねえし、な」
 顔から火が出る思いで告白をし、直人の腕の中でさらに小さくなる。
「実は、僕もです」
 直人の言葉に驚いて顔を上げる。
「僕も、美晴さんをダシにオナニーしてました。ごめんなさい」
「な、なんだよ、お互いエロエロ同士か」
 2人顔を見合わせ、思わず笑い出す。
「あの、ついでに告白してしまいますけど、美晴さんが気を失っている間に……」
「間に、何だよ?」
「気持ち良さそうに気を失ってる美晴さんに、こう、ムラムラっと来てしまいまして……我慢できませんでした」
 直人の言いたいことがわからずキョトンとする美晴だが、しばらく考えてその意図するところに気付き、
「なっ、なんで起こさなかったんだよ!」
「ごご、ごめんなさい……って、そっちを怒るんですか?」
「あたいが寝てる間にナオト1人で気持ち良くなってたなんて、何か癪だ」
 顔を真っ赤にさせ、直人の華奢な胸に顔をうずめる。
「じゃあ、美晴さんが起きてる今なら、良いんですか?」
 美晴の艶やかな黒髪に指を通し、その香りを胸いっぱいに吸い込むだけで、直人は彼女に埋めたままの肉棒に硬さを取り戻す。
「……この、エロエロ魔人」
 そんな彼の様子を察し、美晴もすっかりその気になる。
「キス、してくれたら、良い」
 直人からの、やさしいキス。もう手に入らないと諦めたもの。
 美晴は、真剣に死んでも良いと思った。
117生産性の低い人:2007/05/15(火) 02:51:21 ID:rnt9/iQp

――その後の2人。

「おかーさん、おなかすいたーっ」
「ごはんごはんー!」
「ああもう、少しは静かにしろぉ! もうすぐナオトが帰ってくるっつってんだろ!」
「ヤダヤダヤダまてないよー!!」
「まてないのー、おなかすいたのー」
「ただいまー美晴さん」
「遅いっ」
「ごご、ごめんなさい」
「ごはんっ!!!!」
「おとーさん、ごはんー」
「はやくっはやくっはやくっ」
「みんな、ちょっと待って、順番、順番だからっ」
「くぉらっ、直人を困らせるな!」
『ごはんーっっ!!』

 そこには子宝に恵まれ、協力して子育てをする2人の姿が。
 めでたしめでたし。
118生産性の低い人:2007/05/15(火) 02:58:39 ID:rnt9/iQp
という訳で、烏でした。
幸せそうですね。この2人は万年新婚夫婦になりそうな予感がします。
ちょっと時期はずれなのは気にしないでやってください。


次。月子さんと倫太郎その3です。
基本的に1話完結なんですが、前作は申し訳ないですけどWiki参照でお願いします。
119生産性の低い人:2007/05/15(火) 02:59:47 ID:rnt9/iQp



「――どう、月子さん。つらくない?」
「大丈夫だ、もう少し強くしても……待っ、つぅっ!」
「ごめんっ、大丈夫?」
「き、きにするな……続けろ」
「でも」
「我が良いと言っている」
「じゃあ、なるたけ優しくやってみるから」
「任せた。――んっ、んく、んぁっ、くうぅ……」
「な、なかなか通らない」
「いっそのこと、ひとおもいにやってくれ……」
「無理だよ、月子さん、涙目になってるし」
「これ以上、倫の手を煩わせたくない……」
「月子さん……。じゃあ、いくよ?」
「ん。――ぁっ、くうっ、くぅぅん……」



「やっぱ無理だよ。この櫛も駄目だね」

 倫太郎は月子の毛皮を梳いていた櫛を抜き取り、絡まった抜け毛をゴミ箱に捨て、その櫛をプラスチックごみの袋に入れた。
120生産性の低い人:2007/05/15(火) 03:01:54 ID:rnt9/iQp

 換毛期、というものがある。漢字の意味するとおり、毛が生え変わる時期だ。
 柴犬などを飼ったことのある方はご存知だろうが、冬毛から夏毛に生え変わるときは、それはもう膨大な抜け毛が発生するのだ。
 しかも月子は狼である。より野生に近い分、過酷な自然を生き抜く為に彼女の冬毛は太い、硬い、多いの三拍子がそろっている。櫛を通そうにも、すぐに抜け毛が絡まってしまうのだ。
 倫太郎は月子の為に100均の櫛からペットショップで買い求めたものまで様々な種類を用意したが、彼女の毛皮はことごとくそれらを撥ね退けてしまった。
「すまない。それが最後なんだろう?」
 珍しく弱気な声で言いながら、座布団にころんと横になる月子。いつもは強気な眼差しも、今は少し涙を浮かべて不安げに揺れている。
「これだけは、駄目なのだ。こう、毛がぎゅうっって引っ張られると、どうにも我慢できなくて……」
 普段の勝気な性格はどこへやら、尻尾を丸めて小さくなっている月子に対し、倫太郎は「気にしてないよ」と笑いかけ、頭を撫でる。
「……でも、どうにかしないといけないよね」
 指にもっさりと絡みついた抜け毛をゴミ箱の上で払う。ゴミ箱の中は彼女の抜け毛でいっぱいだ。
「ていうか、これ、手で直接抜いちゃえば良いんじゃない?」
「ま、待て倫、はやまるな、ひゃんっ!」
 奇声を上げて飛びのく月子。
「……」
「……ごめんなさい」
 一層目を潤ませて恨みがましく睨む月子に、倫太郎は素直に謝った。換毛期といっても、すべての毛が抜けるわけではない。生きて毛根につながっている毛もあるのだ。
「……どうしたものか」
 月子の毛皮をわしわしと混ぜながら思案する倫太郎。抜け毛がどんどんと指に絡まり、一部がふわふわと漂う。こうしているだけでも抜け毛は取り除けるが、全部終わるまでに何時間かかるかわかったものではない。
「良いんだ、倫。我は街を離れる。山に籠るのも良いな。まあ毛が全部生え変わるまでの辛抱だ。我がいないからといって寂しがってはいけないぞ。我だって倫のご飯が食べられないのは我慢するから」
「なに気分出してるの、月子さん。まだ手が無いってわけでもないし」
「手があるのか?」
「……今んとこ、無い」
 半ばやけになりながら毛皮を混ぜる。倫太郎は実家でも犬を飼っていたが、田舎の屋外飼いだったので庭でブラッシングしてやるだけで良かったし、散歩の途中で多少毛が抜けても問題なかった。
 しかし街中ではそうもいかない。公共の場で抜け毛を撒き散らすのはマナー違反だ。
 気がつくと、手元に握りこぶし大の毛玉ができていた。ため息をつきながら、ゴミ箱に捨てる。
 倫太郎はふと、抜け毛に悩む友人のことを思い出した。
『頭洗うとよー、排水溝に抜け毛の塊が、マジ人間の頭ぐらいの大きさになってんじゃんねー。マジよマジ。思わず発毛クリニックに電話しちゃったじゃんねー。で、40万でどうにかなるって言われたけど、何回ローンぐらいが良いかやー』
「……倫、何が可笑しい」
 無意識のうちに笑みがこぼれていたらしく、月子に半眼で睨まれる倫太郎。
「いや、良い手があったよ」
 あいつには今度飯でもおごってやらないといけないかな、と内心付け加える。
「お風呂入ろう、月子さん」
121生産性の低い人:2007/05/15(火) 03:02:38 ID:rnt9/iQp

「なるほどー、こーゆーてが、あったなー」
 倫太郎に泡だらけにされながら、蕩けるような感嘆をもらす月子。
「はい月子さん、流すよー」
「んー」
 先ほどのナーバスな様子はどこへやら、月子は倫太郎に丁寧に体を洗われて至極満足な様子だ。
 泡とともに流れ、排水溝にたまった抜け毛をつまんで取り除く倫太郎。
「あと1回くらい洗わないといけないかな」
「我はかまわないぞー」
「大丈夫? のぼせてない?」
「我はかまわないぞー。あと10回くらいは大丈夫だー」
「や、そんなにはやらないよ?」
「我はかまわないぞー」
「大体セパレートといってもそんな広い風呂でもないんだから、狭いでしょうに」
「我はかまわないぞー」
 極楽気分の月子と会話することは諦め、倫太郎は作業を続けることにした。
 ボトルから出したシャンプーを泡立て、月子の体を丁寧に洗っていく。最初は排水溝が詰まるくらいの抜け毛が流れ出たが、3度も洗ったので流石に少なくなった。
 狭い風呂場に、毛皮の洗われる音。月子の鼻歌と、時々もれる「こーゆーてがあったなー」という独り言。
「月子さん、その歌は?」
 月子の鼻歌が気になった倫太郎は月子に尋ねてみた。
「母上が教えてくれた子守唄だ。ずいぶんと古い唄で、歌詞の意味はさっぱりわからない」
 やっと意識が現実に戻ってきたようだ。月子は子守唄をもう一度繰り返す。
「きれいな唄だね」
「我の一族は、皆これを聞きながら育ったものだ」
 そこで言葉を切り、振り向かずに続ける。
「倫は、我の身の上を全く問いたださないな」
 つとめて平静を装っているような、少し緊張した声。
 倫太郎は少し手を止め、うーんとうなって考える。
「――そうだっけ?」
「そうだっけ、って……」
 月子、絶句。
「我が言うのも何だが、倫はもう少し物事を注意深く考えたほうが良い」
「……なんかそれ、普段何にも考えてないみたいじゃん」
「時々、そうでないのかと疑う時がある」
 散々な言われようだが、倫太郎はさほど気にする様子もない。
「まあ、話してないんじゃなくて、話せないんでしょ? 話せるようになってから話してくれれば良いから」
 倫太郎とて全く気にしていなかった訳ではない。月子との出会いが特殊(倫太郎のバイクとの接触事故)だったとはいえ、傷だらけで疲労しきっていた月子の様子は尋常ではなかった。
 だからといって、無理に聞き出すこともはばかられる。なんとなくだが、月子が話さないことは訊ねないほうが良いことではないか、と感じられるのだ。
 だったら、月子さんが話すまで待とう――それが倫太郎の出した結論だ。
「――ふん」
 つまらなさそうに鼻を鳴らし、黙り込む月子。しかし尻尾がぱたぱたと揺れているのを見ると、倫太郎の言葉に照れているようだ。
「はい月子さん、流すから目つぶって」
 シャワーのお湯が月子の泡を流していく。
「……うん、もう抜け毛は全部洗い流せたみたいだね」
 排水溝にほとんど毛が溜まっていないのを確認した倫太郎は、月子を拭く為にタオルを取ろうと手を伸ばす。が、
「待て、次は倫の番だ」
122生産性の低い人:2007/05/15(火) 03:05:27 ID:rnt9/iQp

「へ、僕?! 僕はいいって」
 倫太郎は月子を洗うだけの予定だった。現に彼はTシャツにハーフパンツという格好だ。
 そんな消極的な倫太郎の様子を察した月子は、いつものように強硬手段に出る。
 ぶるぶるぶるぶる。
「ああ、すまない倫。いつもの癖で」
「……月子さん、絶対にわざとでしょ」
 月子が思い切り体を震わせたため、飛び散った水滴が倫太郎の服を水びたしにする。
「風邪を引く前に脱がなくてはそうだついでだから体も洗っていけ」
「月子さん何その棒読み、って、ちょっと狭いってば!」
 器用に倫太郎の後ろに回りこみ、人に姿を変える月子。
「そら脱げ倫。また破いてしまうぞ」
 安物の衣類とはいえ、そうしょっちゅう破かれてはかなわない。倫太郎はしぶしぶ月子に脱がされるままになる。
「ふふ、女と2人、浴室で裸になって。ナニをするつもりなんだか」
「うわ、自分で裸に剥いといてそんなこと言いますか」
 倫太郎の抗議はさらっと流し、ボトルからボディーソープを手のひらいっぱいに出す。
「ちょっと、そんないっぱい出さなくても……って、まさか」
「たくさん使わないと洗えないではないか」
 案の定、大量のボディーソープを泡立てて自らの体に塗りたくる。
「月子さっ、えっちなことはいけないとおもっ」
「逃がすか」
 慌てて立ち上がろうとする倫太郎、逃がすまいと掴みかかる月子。そう広くもない浴室なのであっという間に決着がつく。
 ぬるんっ。
「っ!」
「捕まえた」
 身体能力のずば抜けて優秀な月子にかなうはずがない。あっという間に抱きつかれ、月子の小ぶりだが弾力のある胸が倫太郎の背中に押し付けられる。
「こ、こら月子さん、やめなさいってば……」
「はてさて、本当に止めてほしいのかなー?」
 意地悪く問い返しながら、指を倫太郎の胸に這わす。
「こんなの、どこで、覚えて……」
「机の引き出し、一番下」
 表情が引きつる倫太郎。最近はとんと出番がなくて存在を忘れていたが、一番下の引き出しといったら成人指定の漫画本がしまってある場所だ。倫太郎の気づかないうちに月子に見つかっていたようだ。
「あまりに見つけやすいところに隠してあったから、気を利かせて違う場所に隠しておいた。感謝しろ」
 遠まわしに没収したことを伝える月子。そして、耳元に囁く。
「いろいろと勉強になったぞ。いろいろとな?」
 右手で胸の先端を責め、左手は内股を撫でさする。倫太郎の肉棒は既に立ち上がっているが、決して刺激しない。
 鈍い快感に腰がくだけそうになる倫太郎だが、壁に手をついてどうにか持ちこたえる。
「ほら、倫、我慢してもしょうがないだろ? いい加減あきらめろ」
 必死に抵抗する倫太郎を陥落させるべく、胸を愛撫していた右手を倫太郎のあごに当て自分のほうに振り向かせ、唇を重ねた。
「んぅっ!」
「んっ」
 ぬる、と舌を潜り込ませ、倫太郎のそれとこすり合わせる。舌から伝わるざらついた感触と断続的に生じる粘性の音が、否応なしに倫太郎の興奮を煽る。
 そんな倫太郎の様子を見て、月子は最後のダメ押しに出る。内股をやわやわと這っていた左手を、性器へと伸ばした。
「ふぁっ!」
 月子に支えられながら、ついに腰がくだけて座り込んでしまう倫太郎。
「ん、最初から大人しくしておけばよかったのだ」
 めろめろな様子の倫太郎を熱っぽい視線で見つめながらそう言い、今度は彼の正面へと移った。
123生産性の低い人:2007/05/15(火) 03:11:29 ID:rnt9/iQp

「よっと」
 倫太郎の膝の上に座り、思い切り抱きつく。彼は決して体格が良い訳ではないし、身長だって月子と大して変わらない。しかし、それでも月子はこうしている間、倫太郎に包み込まれているような感覚を覚えた。
「ま、まったく、月子さんはいつも強引なんだから」
「倫が奥手だから、ちょうど良い」
 そのまま自らの身体を倫太郎にすり合わせる。よく泡立ったボディーソープと、月子の人としての身体を縁取る毛皮が、倫太郎にやんわりとした快楽を伝える。
「どうだ、良いであろう。我にぴったりの手管だろ?」
「うぅ、反論できない……」
 人の姿でも残る毛皮が泡を含み、絶妙な感触を伝え、硬く尖った乳首が良いアクセントとなっている。
「我慢できないか」
 充血しきった肉棒に秘所をこすりつける。しかし挿入はしない。
 真綿で締め上げられるような快感に、倫太郎が音を上げる。
「つきこさ、もう……」
「イきそうか」
 少し腰を浮かせ、今度は亀頭にすりつける。
「あ、いきそ――」
「イっていいそ、倫」
 そこで月子は手を伸ばし、
「イけるものならな」
 肉棒の管を締め上げた。
「あっ――、くうっ!」
 戒めから逃れようと脈動する肉棒だが、月子は巧みにいなして射精を許さない。
「あは、倫、良い表情だ」
 やるせない感覚に苦悶する倫太郎を愛おしそうに見つめる月子。
「こ、これは……あんまりな仕打ち……」
「何を言う、倫」
 月子は意地の悪い笑みを浮かべ、腰をゆっくりと沈め始めた。
「これからが本番であろう」
 倫太郎は根元をせき止められたまま、月子の狭い膣内で締め上げられることとなった。
124生産性の低い人:2007/05/15(火) 03:14:21 ID:rnt9/iQp

「うあ、ああぁ……」
「んん、相変わらず硬いな」
 悶える倫太郎の姿ですっかり発情していたため、月子の中はすっかり準備できていた。
「む、むりむり、月子さん勘弁して」
 弾力に富む月子の襞が容赦なく倫太郎を責めあげる。しかし快楽のはけ口はせき止められたまま。
「何を言う、倫。いま放したら出てしまうではないか」
「いい加減出させてよっ」
「ならば我をイかせろ。話はそれからだ」
 倫太郎の懇願を冷たく突っぱね、上下運動を始める。
「いいぞ、いつもより雁首が張っている感じがするっ」
「……っ、……!」
 声を出す余裕さえなくなる倫太郎。
「んっ、はあぁ、良いぞ、この調子でがんばれ」
 必死に耐える倫太郎の様子を恍惚の表情で見つめながら、月子はどんどんテンポを上げていく。
「あぁ、また、でそうっ」
「だから、だめだと言っておろう」
 2度目の絶頂も、月子の手によって握りつぶされる。むなしく月子の中で跳ねるのみ。
「あと少しだ、もう少し我慢できんのか」
 さんざん我慢させてこの言葉。さすがの倫太郎も耐えられない。一刻も早く月子をいかせなければ、発狂してしまう。
 倫太郎、起死回生の反撃。月子の濡れそぼった尾をつかみ、その根元をぐりぐりとこね回した。
「きゃんっ! こら倫っ、そんなこと許可した覚えは――」
 月子の抗議は無視し、尻尾をしごくようにすりあげる。
「くうっ、わ、我が先にっ、イかされるとは――!!」
 一気に急激な快感が加えられ、否応なしに高みに押し上げられる月子。負けじと腰の回転を上げるが、それが裏目に出た。倫太郎により強く膣内を擦り上げられる。
「――っ!!」
 我慢が限界に達し、倫太郎より先にオルガスムスを迎えてしまう。
 月子が気をやったため、ようやく戒めを解かれた倫太郎は、溜まりに溜まった精液を月子の中に迸らせる。
 一瞬の静寂。
 その後、浴室の中は2人の吐息だけが響く。
 先に言葉を発したのは月子であった。
「り、りん、よくも我の弱点を……」
 ふるふると拳を震わせる月子。
「ま、まった月子さん、話せばわかるっ」
 聞く耳持たない月子は、若干硬さを失った肉棒を掴み、精液であふれた膣にもう一度それを押し込む。
「こんなにあの手この手で良くしてやってるのに、なにが不満なんだ」
 卑猥な音を立てて、ゆっくりと月子の中に沈んでいく。結合部から2人の体液が押し出される光景は、肉棒に硬さを取り戻させるのに十分な淫靡さだ。
 恐る恐る月子をうかがう倫太郎。彼女の目は完全に据わっていた。倫太郎への最大限の奉仕が倫太郎自身によって無碍にされた、と月子は受け止めたのだ。過激すぎた月子の愛情表現にも問題があったのだが。
「そんなにイきたいなら、すきなだけイってしまえ」
 両足を倫太郎の胴に回し、肉棒をより奥へといざなう。射精直後の敏感な亀頭を容赦なくこすられながら、(明日が休みでよかった……)とぼんやり考える倫太郎であった。
125生産性の低い人:2007/05/15(火) 03:15:12 ID:rnt9/iQp

「その、だな。我は少しでも倫に良くなってほしくてだな」
 長時間浴室で激しい運動をしたため、すっかりのぼせてしまった倫太郎。真っ赤な顔でベッドに横たわる彼に対し、月子は必死に言い訳を続ける。
「そもそも、倫は性交に関して我に遠慮しすぎなのだ。もっと乱暴に扱っても我は対応できるし、たまにはそういう趣向もやぶさかではないというか」
 うだうだと言葉をつなげる月子に、倫太郎は手を伸ばす。すでに狼の姿に戻っていた月子の頭を撫で付ける。冬毛とは違った、柔らかな感触。
「いつまでも月子さん任せじゃ駄目だ、とは思ってるよ。僕ももっと頑張らないと、ってね」
「倫……」
 優しく語り掛ける倫太郎を、潤んだ瞳で見つめ返す月子だが、
「ま、それはそれ、これはこれ。無茶しすぎた罰に、ダッヅ一週間抜きね」
「な゛っ――」
 急に素に戻った倫太郎に突き放される。流石に自覚があるため、月子は彼の決定に反対することもできない。
「しかた、が、ない。受け、入、れ、よう……」
 壊れた機械のような声を出し、ベッドに突っ伏す月子。耳を伏せて尻尾を丸める姿は哀愁漂うものがあるが、流石の倫太郎も今回は妥協する気は無い。
 が、
(僕も甘いかなあ)
 ベッドの端に寄り、開いたスペースをぽんぽんと叩いて月子を誘う。おずおずとベッドにあがって寄り添ってくる彼女を抱き枕に、倫太郎は睡魔に身を委ねていった。









「……なまごろしだ」
 さんざやっといて、まだ足りんのかい。
126生産性の低い人:2007/05/15(火) 03:18:32 ID:rnt9/iQp
以上です。ご清聴有難うございました。
全部出し切りました。すっきり。


こうやってみると、無意識のうちに似たような展開になってしまってますね。
ワンパターンにならないよう色々考えて見ます。

それじゃ、また何か書けたら来ます。 ノシ
127名無しさん@ピンキー:2007/05/15(火) 04:08:08 ID:DFcfq4hG
生産性の氏なんちゅうGJ!!
烏の話はお互いに獣人(鳥人?)というこのスレにはあまりないようなパターンで面白かったです!
倫太郎と月子さん!シリーズもの&食肉目の両属性が大好きな俺にはたまらん!
くどいようだが、もう一丁GJ!
128名無しさん@ピンキー:2007/05/15(火) 08:45:36 ID:3oPoP7gL
うわーい、なんというGJ!朝からいい物見れたよ〜。今日も一日頑張れそうだ。

鳥の話は「強くて勝ち気な娘」とその子に守られてる男の子という組み合わせが良かった。
なんとなくだけど任侠的な雰囲気があったな。

月子さんみたいなクーデレ(+淫乱猫)はたまらんですわい!


そして「生産性の低い人」というコテについて小一時間(ry
129名無しさん@ピンキー:2007/05/15(火) 11:17:19 ID:3oPoP7gL
猫じゃねえ…orz

寅治×ミケ(三毛猫=メス?)をぜひ…
130名無しさん@ピンキー:2007/05/15(火) 11:42:47 ID:YvjIbR2W
鳥と烏って漢字似てるね
131名無しさん@ピンキー:2007/05/15(火) 12:25:47 ID:N9IbBbmy
生産性の低い人乙&GJ!
ただ、唐巣の話は↓のスレ向きかも?
【獣人】亜人の少年少女の絡み5【獣化】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1167835685/
132131:2007/05/15(火) 12:26:51 ID:N9IbBbmy
×唐巣→○烏
133名無しさん@ピンキー:2007/05/15(火) 13:00:58 ID:3oPoP7gL
>>130
最後まで「鳥」だと思ってた俺。
134名無しさん@ピンキー:2007/05/15(火) 14:44:01 ID:YvjIbR2W
今朝登校途中に並木道通ってたら
太陽光が髪の毛で反射されたのか
やたらと一羽の鴉がちょっかいかけてきやがった

くゎーと鳴きながら果敢にトライしてくる訳ですよ
少しグッときた
135名無しさん@ピンキー:2007/05/15(火) 14:45:57 ID:hGiw7Zsz
烏ってよく見たらかわいいよね
136名無しさん@ピンキー:2007/05/15(火) 15:25:46 ID:3oPoP7gL
>>134
つ筆、紙、キーボード
137暁狐:2007/05/15(火) 16:43:53 ID:hGiw7Zsz
投下するけどいい?
138名無しさん@ピンキー:2007/05/15(火) 16:53:18 ID:HTa91hsQ
おーけいブラザー
139暁狐:2007/05/15(火) 16:58:31 ID:hGiw7Zsz
「んっ、んっ……ふぅ」
 仕事終わり及び風呂上りの酒というのは格別である、と零は昔言われた。
 あまり好きにはなれない獣女だったが、これだけは同感だと思い出に浸りながら二本目の缶ビールを飲み干した。
「あはははは♪ ……にゃははははは♪」
 ふとテレビの方を見ると、寝そべりながらお笑い番組を見て笑っているサクラの姿。
 その光景と同時に零は何かに気づいた。
「………おいサクラ」
「ん? どないしたん?」
「尻尾、咥えられてるぞ」
「え? にゃっ! こ、こらミア!!」
「……♪」
 零に指摘され、自分の尻尾を見たサクラは驚き起き上がった。
 サクラと零が助けた蛇少女が、サクラの白く長い尻尾の先を口に咥えて軽く噛んでいたのだ。
 ちなみにミアというのはサクラが付けた蛇少女の名前で、ラミアから取っている。
 そのミアは、森でサクラの獣耳をかじったように、何でも口に咥えてかじるという癖があるということをサクラ達は知った。
 その為、零はあまりミアに近寄ろうとはしない、手や足、服の裾等を既にかじられ済みだから。
 というより、ミア自身はあまり零には興味が無い様子で、むしろサクラの獣耳やゆらゆら揺れている尻尾に興味がある。
 そして今もつい咥えたくなって咥えたわけで、割と敏感な尻尾を軽く噛まれて何とも言えない感触が体に伝わり、サクラは尻尾をブンブン音を立てて左右に振るうがミアは一向に離れる気配が無かった。
「は、離さんかい! こ、こら、噛むんやな、ッにゃッ!! た、助けて零ぉ!」
「……面白いからほっとく」
「そ、そんにゃッ! は、な、れ、ろぉぉーー!」
「むー……」
 零から見れば、まるでサクラの尻尾が更に長くなったようである。
 慌てふためき、何とかミアを引き離そうと尻尾をプロペラのように回すサクラを面白そうに零はビール飲みながら見ている。
 ミアもまったく離す気がないので、虎と蛇の攻防はしばらく続いていた。
 そんな時、零は背後に何かの気配を感じ、静かに口を開いた。
「なんだ、二匹も来るなんて珍しいな。ヒナギク、スズラン」
「こんばんわ、零くん」
「夜分遅く失礼します」
 ゆっくりと後ろを向いた零の先には、二人の女が立っていた。
 零が彼女達を二匹と呼んだように、この二人は人間ではなくサクラと同じ使い魔。
 ちなみにサクラはミアとの攻防で二人には気づいていない。
「何しに来たんだ?」
「零さまの様子を見に行けとの、わたくし達の主様のご命令ですので」
 少し口調が強くなった零の問いを、静かに丁寧な口調で答えたのはスズラン。
 サクラと同じ真紅の瞳に、長い白銀の髪の後ろ髪を紐で縛っており、その頭には髪と同じ色の狐を思わせる狐耳と、正面からでも見える大きな尻尾。
 彼女は狐の使い魔。
「蛇女は壊滅したようだけど、後始末がまだだったわよ? 相変わらずだらしがないわね?」
「ほっとけ。俺はお前らの主様とは違って出来が悪いからな」
「あはは♪ そんなのとっくに知ってるわよ」
 そして笑顔で零に喧嘩売った子の名前はヒナギク。
 スズランと同じ主の使い魔で、スズランほどではないが背中の半ば程の薄いピンクの髪の毛と綺麗な緑の瞳。
 頭からは髪の毛と同じ色をした先が尖った犬耳に、尻からは狼を思わせるふさふさした尻尾が伸びている。
 彼女は狼の使い魔で、二匹とも純白の薄い和服を身にまとっていた。
140暁狐:2007/05/15(火) 16:59:16 ID:hGiw7Zsz
「まぁ、後始末はわたくし達がしておきますので。それより、聞きたいことがあるのですが?」
「あ?」
「その、サクラの尻尾とお馬鹿な事をしている蛇は一体……」
「もしかして生き残り? だめよ? ちゃんと全部始末しなきゃ」
「……こいつは……」
「あぁ〜〜!! ヒナギクにスズラン!! 何しに来よった!?」
 スズラン達がミアの存在に気づいた……むしろ最初から気づいていた。
 仕事の内容は蛇女の全滅、それはミアに対しても同じことであり、零は若干回答に困る。
 そんな時、ようやくミアを尻尾から離すことに成功したサクラがスズランとヒナギクの存在に気づくと、威嚇した猫のように尻尾を逆立てて大声を上げた。
「あら、こんばんわサクラ。相変わらずお馬鹿さんな顔ですね?」
「主が主なら、使い魔も使い魔ね」
「やんやて! もういっぺんゆーてみ!!」
 笑っている狐と狼、そして二匹を睨んでいる虎の目から稲妻が走る。
 彼女達は正直仲が良いとは言えない。それは零にも言えることだが。
 会う度にこうして喧嘩しているのだ。
「待て、こんなとこで喧嘩すんなお前ら。あの蛇はだな、俺の新しい使い魔だ」
 しばらくこの空間に沈黙が流れた。
 いずれ誰かが来るだろうと考えていたことを零は少し躊躇しつつ口にし、彼が何を言っているのか、一瞬スズラン達やサクラにも分からなかった。
 だが、まずスズランとヒナギクが理解し、お互いクスクス笑い始めた。
「ふふ……なるほど、新しい使い魔ですか」
「うん、いいんじゃない? 零くんにぴったりだと思うわ」
「……これで納得しただろ? 早く後始末でも何でもやりに行ってくれ」
 明らかに零を小馬鹿にしたような狐と狼の態度。
 零はいつもの事なので気にしないが、その態度に身を乗り出そうとしているサクラを止める。
 そして零が少し殺気を出し始めたので、スズランとヒナギクは笑みを浮かべながら獣の姿となって森の中へと消えていった。
「くうぅぅ〜〜!! 相変わらず腹立つで、あの二人!!」
「まぁ、俺は何言われようと別に気にしないがな。あいつより出来が悪いのは、本当のことだし」
 二人が消え、出て行った窓に塩を巻きつつサクラは顔を赤くし怒っていた。
 そんなサクラを宥め様と零がつぶやくと、塩を置きサクラは彼の顔を見つめた。
「ヒナギクとスズランのゆー事なんか気にすることあらへん! ……それに、その、ウチの中では……零がずっと一番なんやし……」
「有難いお言葉ありがとうございます。それと……サクラ?」
「え? な、なんや?」
 頬を赤らめ瞳を潤ませるサクラの言葉に、真剣な表情で彼女の両肩を掴んで見つめる零。
 じっと見つめられ一段と顔を赤くするサクラ。
 胸の高まりが高まり、サクラは自然と目を瞑って顎を出すようにする。
 それに答えるように、零の顔もサクラに近づいていき、唇が重なる寸前にまで到達した……その時だった。
「……また……尻尾咥えられてるぞ……?」
「へ……?」
「むー……」
 サクラは目を開け、そして気づいた。
 さっき離したはずのミアが、また尻尾の先を咥え込み軽く噛んでいることに。
 再びサクラとミアの戦いが始まり、サクラは尻尾を左右に動かしたり回したりしている。
 その二人を、やはり楽しそうに見ながら零は再びビールを手に取った。
「言っとくぞサクラ。俺の童貞こそお前に奪われたが、恋愛対象とかにはならんからそのつもりで……」
「そ、そんにゃ〜〜!!」
 人間と虎と蛇の夜は……この後も続いた……。
141暁狐:2007/05/15(火) 17:00:28 ID:hGiw7Zsz
「……これはどういうことだ?」
 深夜になり、旅館の人間もミアもすっかり眠ってしまった時間帯に、零の声が静かに聞こえた。
 仰向けになって寝ている零の両手両足、胴体は動かず、僅かに頭が動かせる状態になっている。
 それは、彼の上に乗っているサクラが術によるもので、ピンポイントな金縛りのようなもの。
 彼女によって、零が穿いていたズボンはトランクスごと脱がされていた。
「うるさい……だまっとれ……」
 ミアを起こさないように声量を抑えつつ、サクラは零の肉棒を握り上下に動かし、やがて口内へとゆっくり咥える。
 零は電気のような痺れを感じ、前の経験を生かし小声である術を唱えた。
「ん? なんか、ゆーた?」
「……なんでも」
 その声はサクラにも聞こえ、獣耳を動かし零に問うが、零は白を切る。
 彼が唱えたのは、何かを封じ込める術。
 そしてその術により、零は自らの射精を封じた。
 いわば根元を強く握られ絶頂しても精液が出ない状態となっている。
 そんな事など露知らず、サクラは肉棒を口でしごき刺激していく。
 射精は封じられたものの、快感はそのまま伝わるので零も身を震わせた。
「んムッ……んッ、んッ……ほっひいれ……」
「咥えたまんま、しゃべるなッ……!」
「ふふ……んはぁ、かわえーな……こういう時の零は……」
 肉棒から口を離し、手でゆっくりをしごきつつ、サクラは笑みを浮かべて零を見下ろす。
 真紅の瞳は光って見え、彼女は全裸だったのだが、零は気にすることなく苛立ち気に彼女を見つめていた。
「お前……何やってんだ?」
「見てわかるやろ? 零を襲ってんねん」
「だから……ッ……なんで?」
 しごかれる快感に言葉を軽く絶えながら、零はサクラに聞いた。
「わかるやろ、自分なら……」
「は?」
「もう話すのもおしまい。ウチが気持ちよくしたる……」
「ちょ……うくっ!」
 サクラの回答は自分でも分からないことだった。
 そして一方的に話を切り上げらたサクラは、再び零の肉棒を口に咥えた。
 頭を上下に動かしつつ亀頭から出る液を飲んでいく。
 それだけでも気持ち良いが、時折サクラの八重歯がこりこり当たり快感は増していた。
「んぶッ……なんや、随分としぶといやないか……んッ」
「ふ、前の俺と思うなよ」
 零は自信たっぷりに言っているが、もう一回ほどイッている。
 ただ結界によって射精が封じられているだけなのだが。
 それでも、そんな事知らないサクラは零の成長を嬉しく思いつつ、精液を出させるべく肉棒を舐めあげていく。
 舌の先で亀頭を刺激し、竿全体を舐め上げ、袋を手で優しく揉む。
 しかし、いくら刺激しても精液は一向に出てこない。
 その事に、サクラは困惑し始め、いっそう手や舌の動きを激しくしていった。
142暁狐:2007/05/15(火) 17:01:27 ID:hGiw7Zsz
「んんッ、んじゅッん、な、なんで? なんで何も出えへんの?」
「ッ……ッ……」
「なんで……なんで……?」
 零は時折身体を痙攣させる。
 その事から気持ちいいはずだと、サクラは思っている。
 だが何も出てこない、透明液は溢れ出るがそれだけである。
 次第に彼女の動きも止まっていき、最後には舌先で舐めているだけとなる。
 その時、零はサクラのある変化に気づいた。
「うっ……ひっく……」
 サクラが泣いている。
 ようやく暗闇に慣れた零の目に映る光景は、涙を流しながら肉棒を舐めているサクラの姿だった。
「ど、どうしたんだ?」
 普段サクラをおちょくっている零も、この異様な光景にさすがに焦った。
 身体は動かせないので、サクラを呼び続けても彼女はただ涙の雫を零の下腹部に落とすだけ。
 しばらく室内にはサクラが静かに泣く声だけが聞こえていたが、ようやくサクラの口が開いた。
「やっぱり、ウチじゃだめ?」
「は?」
「さっきゆーてた……ウチは恋愛対象ちゃうって……」
「……」
 寝る前に言った自分の言葉を思い出し、零は黙った。
 言い過ぎたかもしれん、そんなことを零は思った。
「ウチは、零が好きや。せやからずっと零と一緒におりたいから使い魔にもなった。望むんなら、どんな事でもしたると思ってた……」
「……」
「せやけど、零はウチをぜんぜん求めてくれへん、そーゆー対象にも見てくれへん……ウチじゃ、出しても、くれへん」
「それは……」
「ウチってそんな魅力ない? そら、胸はこんなやけど。はっきりしてほしいねん、ウチのこと、どんな風に思っとるか」
「……」
 真剣なサクラの表情を見るに、これはマジなんだと零は思った。
 そして黙ってしまった。
 こんな時、どう言えばいいか、彼には分からなかった。
「正直にゆーてええよ? 結果がどーでも、ウチはずっと零と一緒におる」
「……わかった、じゃあ正直に言う」
 迷っていた時、そんな零に気づいたサクラは泣きやみ優しげな口調で彼に伝える。
 その言葉に考えるのをやめ、零は素直に伝えることにした……その前に肉棒にかけた術を解いた。
「サクラ、もう一度咥えてみろ」
「え? うん……んむッ」
「うッ!」
 零の指示に従いサクラが肉棒を咥えた瞬間、溜まりに溜まったものが一気に噴出した。
「んんんッ!!」
 いきなりの射精に驚くサクラの表情が一瞬歪むが、すぐに嬉しそうに瞳を細め白濁液をすべて飲んでいく。
 数十秒続いた射精が終わり、サクラが肉棒から口を離すと精液やらが混ざった糸ができていた。
 しかし、今まで何をやっても出なかった精液がいきなり出たことにサクラは困惑の表情を浮かべていた。
「な、なんで、急に?」
「……えと、悪いな。封印の術で射精封じてた……」
「な、なんやとぉ!! こ、こ、このバカぁー!!」
 サクラの怒声が部屋に響き渡った。
 だがその刹那、冷静になったサクラは頬を赤らめながら嬉しそうに微笑んだ。
「でも……ちゃんとウチできもちよーなってたんや……よかったぁ」
 不意に見せたサクラの安堵の笑顔に、一瞬マジでドキッとする零。
 そんな零の肉棒はまだまだ硬くなっており、サクラは肉棒を片手で掴み零の上に跨いだ。
 これからサクラが何をするのか、零には分かっていたのだが、その時点ではもう遅い。
 亀頭がサクラの膣内に入り始め、一気に腰を下ろすとサクラは軽く絶頂し、深く咥えたまましばらく身体を震わせていた。
 そして零も、久々の膣内の感触に絶頂に耐えていた。
143暁狐:2007/05/15(火) 17:02:07 ID:hGiw7Zsz
「サクラ、いきなり、いれるなバカ」
「う、うる、さい……騙してた、罰や。う、うごくで……んんッ!」
 前かがみになり、サクラは腰を上下に動かし始める。
 一度射精し敏感になっている肉棒から強烈な刺激が零に伝わる。
 やがて零は快感に耐えながら、再び呪術を唱える。
 唱え終わった直後、零の身体は自由となり、腰を動かしサクラを突き上げた。
「ひゃあッ! な、なん、で?」
「お前の、術なんかで、動けなくなる俺じゃない」
 零が言うように、サクラは身体能力こそ優れているものの、術系はあまり得意ではない。
 その為、サクラが零の体を動けなくしていた術も難なく打ち消すことができていた。
 そうとは知らず、自分が攻めようとしていたサクラは急な零の攻めに驚きながらも、その快感に笑顔を見せた。
「はッああぁッ! き、きもちえ……んあッ、ぜ、ぜろは、どー?」
「まぁ、気持ちいかな」
「じゃあッ、もっと……くあッ!」
 サクラは上体を寝かし、零は彼女の脚を掴み腰の動きを速くさせる。
 やがて、二人の体位は騎乗位から正常位になっていた。
 すでに攻めの立場が逆転しているが、そんな事を気にすることはなく、サクラの脚が零の腰に絡みつき、両手を背中に回し彼を逃がさない。
 結合部からは肉棒が出し入れされる度に愛液が飛び散り、卑猥な水音を響かせていた。
「んあッ、ぜ、ぜろ? へ、返事を、きかせてくれへん?」
「ん? あぁ、そうだ、ったな」
 サクラは潤んだ瞳で先ほどの返事を求めた。
「そうだな、お前は力だけのバカだけど……恋愛対象にならないってのは、うそだ」
「ほ、ほんま、に?」
「あぁ、お前は、可愛い俺だけの使い魔だよ……」
「う、うれし……あぁッ!」
 自分で言って少し恥ずかしくなってしまったが、この際零は気にしない。
 やがて絶頂の予感が二人ほぼ同時に襲い、零は腰の動きを速くさせた。
「んッ、うち、あかん、あかん、もうイッ……ッッ!」
 そしてまず、サクラが絶頂を迎えた。
 それに続くように、零も絶頂し、彼女の膣内に精液を放った。
「――――ッ!」
 サクラは自らの絶頂と、膣内に注がれる精液の感触に言葉を失った。
 零は何度も体を痙攣させ、サクラの中に精を注いでいく。
 結合部からは収まりきれなかった精液が、一筋流れていた。
 やがて射精は治まり、肩で息をして繋がったまま二人は見つめ合った。
「零?」
「ん?」
「ウチのこと、好き?」
「………ちょっと考えさせてくれ」
「な、なんやそれ!!」
 サクラは当然、零も好きと返してくれると思っていたが、ある意味零らしい回答に声を上げた。
 無論零の方は冗談だが。
「あのぉ、なに、してるんですかぁ?」
 そして、二人の行為に目が覚めてしまい、終盤ずっと見ていたミアがようやく口を開いた。
 零は黙り、サクラは回答に困っていた、ミアはまだ子供だしね。
「みあも、やってもいいですかぁ?」
「な、なにゆーとんねんミア!」
「別にいいぞ? これも教育だし」
「やかましい! 零は黙っと、んあッ、これミア……そんなとこ、舐めたら、アカンて」
 三人の夜は、まだ終わりそうになかった。

144暁狐:2007/05/15(火) 17:03:20 ID:hGiw7Zsz
「あら、後片付けが終わったから報告しに来たけど……どうするスズラン?」
「ふふ、でしたらわたくし達も混ぜてもらいましょう? 近頃、主様も求めてくれませんでしたしね?」
「そうね、溜まり過ぎて人を襲うよりはマシね」
 そしてもう二匹、今宵の零の相手は増えそうである……

―終―
145暁狐:2007/05/15(火) 17:05:15 ID:hGiw7Zsz
はい、相変わらずの変文です。
つか、最後はレイプじゃないですねすみません

最近は、何故かメインの動物娘より脇役の動物娘に気合が入ってるような気がする……
146暁狐:2007/05/15(火) 17:15:41 ID:hGiw7Zsz
ごめん書き忘れました。
今、現在進行形で何かかいてますんで、今日中にまた来ると思います
147名無しさん@ピンキー:2007/05/15(火) 17:20:52 ID:HTa91hsQ
>>146
ファイト!!
148名無しさん@ピンキー:2007/05/15(火) 17:21:39 ID:HTa91hsQ
>>147
書き忘れた…
ファイト!!
そしてGJ!
149暁狐:2007/05/15(火) 18:03:20 ID:hGiw7Zsz
はい、できましたので投下します。

今日二度目は犬の双子です。あまり擬人化っぽくありませんが
150暁狐:2007/05/15(火) 18:04:00 ID:hGiw7Zsz
「春海くん〜、早く〜!」
「ま、待ってよひなちゃぁん!」
 朝のとある道に、二人の学生。
 息を切らしながら必死に走っている男子学生、名前は春海(はるみ)。
 その随分前を、少し苛立ち気味で待っている女の子、名前は日向(ひなた)。春海からはひなちゃんと呼ばれている。
 この二人、双子の兄妹であり、春海が兄、日向が妹。
 更に言えば、二人にはほかの学生には無い特徴がある。
 それは、頭に生えている犬耳と、尻から生えている尻尾……つまり二人は人間ではないのである。
「遅いよ春海くん!」
「やっと、おいつい、た……」
「もうすぐ遅刻だよ! また先生に怒られちゃうじゃない!」
「ご、ごめんね、ひなちゃん」
 この双子、顔はそっくりなのだが性格が正反対。
 大人しい兄に活発な妹、あまりに兄らしくない兄に、昔は呼んでいたが今は春海をお兄ちゃんとは呼ばない。
「ほ、ほら春海くん、押してあげるから、急いで急いで!」
「はわっ! ひ、ひなちゃっ、そんなに押したら、わわっ!」
 このままでは遅刻記録が二桁になってしまう恐れがある。
 それだけは避けたいので、日向は春海の背中に回り後ろから押し始めた。
 急に後ろから押されてこともあり、春海は勢いよくそのままコケてしまった。
「は、春海くん!? ちょ、大丈夫?
「う、うん……平気だよひなちゃん」
「ってきゃああ! 血、血ぃぃ!! 血が出てるじゃない!!」
「え? あ……ほん、と、だ……」
 おそらく打ち所が悪かったのだろう、起き上がって妹に笑顔を見せる春海の頭からは血が流れていた。
 日向は尻尾と犬耳を逆立て、更に春海が倒れてしまうものだから慌てふためく。
 しかしそこはしっかりした妹、すぐに冷静になり、兄を担いで学校の保健室へと走って行った。

151暁狐:2007/05/15(火) 18:04:59 ID:hGiw7Zsz
「あはは、ごめんねひなちゃん」
「ごめんじゃないよ、まったく……」
 保健室にて、おでこにバンドエイドを日向に張ってもらい、春海は椅子に座って苦笑している。
 血は出たものの傷口は小さなもので、昔からよく転んだりする兄のおかげでこういった治療には慣れている日向は、笑っている兄をジト目で見つめる。
 日向は、どうして双子なのにこうも違うんだろうと、本気で考えていた。
 その時、一現目を告げるチャイムが学校に鳴り響き、双子はがっくりと肩を下ろした。
「これで連続遅刻記録二桁達成……はぁ」
「ごめんね、僕のせいで」
「いいよもう。今日は日向も悪いんだし。それより春海くん? さっきから謝ってばっかり」
「え? あの、ごめん、なさい」
「むっ……」
 春海は再び苦笑し、その兄を日向は軽く睨んだ。
「春海くん……日向たち双子で同い年だけど、春海くんは兄なんだよ? ちょっとは威厳とか無いわけ?」
「あの、えと、もう少し、頑張るから……」
 何とも情けない回答だが、日向はそんな兄に期待してみることにした。
 そんな中、春海は自分のかばんを取った、とにかく授業に出なければならないから。
「ひなちゃん、とりあえず授業出たほうが……」
「いいよ、もう二時限目から出れば……あ」
 立ち上がろうとする春海を、何かを思いついた日向が再び椅子に座らせる。
 戸惑う春海。それもそうだろう、いきなり妹が自分の脚の間に潜り込み、ズボンのチャックを開け始めたのだから。
「あ、あのひなちゃん!? な、なにして……」
「春海くんが頑張るって言うから、日向も手伝ってあげるよ。春海くんを男にしてあげる」
 犬耳を動かし、尻尾も軽く振り、妖しげな笑みで春海を見上げる日向。
 戸惑いと恐れがあり、春海の犬耳は寝ている。
 ズボンから春海の肉棒が姿を現すと、日向は少し驚いた。
 双子ということもあり、春海は女顔なのだが、それに似合わない大きさの肉棒が出てきたのだ。
「へぇ、春海くんの大きいね」
「ひ、ひなちゃん、まずいよ、保険の先生が来ちゃったら」
「大丈夫よ、ちゃんと鍵閉めたから。それじゃあ、いくよ……」
「あぅっ!」
 肉棒の根元を掴み、日向はぴちゃぴちゃと音を立てて亀頭の先を舐め始めた。
 春海はその感触に体を震わせ、日向の舌は亀頭から徐々に肉棒全体へと移動していき、ついには咥え始めた。
 頭を上下に動かし肉棒をしごき、春海は抵抗できないまま妹に攻められていた。
「んんッ、んちゅッ、ここだけは、男の子なんだから春海くんは、んッ」
「ひ、ひなちゃん……も、やめよう、よぉ」
「だぁめ……ほら、ベッドに行こう?」
 幼い顔立ちだが妖艶な微笑で春海に言い、そのまま彼をベッドに誘導させる。
 そのまま春海をベッドの上に寝かせると、再び肉棒を咥え、自分もスカートの中に手を伸ばす。
 パンツを横にずらし、秘所を撫でていき、その快感に喘ぎながらも日向は肉棒を刺激していった。
「はんッ……ひもちいい? はるひふん?」
「うぅ、しゃべら、ないで、しげきが……」
「ふぅ……じゃあ、今度はこっちで気持ちよくなろっか? 日向も春海くんのを入れたい……」
 肉棒から口を離し、日向はすばやく春海の上に跨いだ。
 その意味に春海は気づくが、男のくせに力で日向に負けているので、退かせようにも退かせられなかった。
「ひなちゃん、だめ。僕達は……」
「そんなの関係ないよ? 日向は春海くんのこと好きだもの。それとも、春海くんは日向のこと嫌い?」
「そんなこと、ないけど……」
「じゃあいいよね? ん……んんッ」
 一方的に会話を終わらせ、日向は春海の肉棒を秘所にあてがい、挿入していく。
 はじめて感じる膣の感触に、春海は抵抗することなくベッドの上に寝て身をふるわせる。
 そして完全に根元まで入ると、日向は休むことなく前かがみで腰を上下に動かした。
152暁狐:2007/05/15(火) 18:08:01 ID:hGiw7Zsz
「んッ、んぁッ、はるみ、くんの、おっきいよぉ……ッ!」
「ひ、ひな、ちゃんッ!」
「ふあぁッ! は、春海くん、うまい……もっと、突いていいよ、ああぁッ!」
 春海も本能のまま下から日向を突き上げた。
 結合部からは卑猥な水音が流れ、ベッドはギシギシ鳴っている。
 やがて春海は絶頂の予感を覚え、更に腰の動きを激しくする。
 すると、喘いでいた日向の様子が少し変わったことに気づいた。
「ひああッ! き、きもちい、よ……もっと、んッ、して、おにいちゃん……ッ!」
「ッ!」
 日向は春海のことをお兄ちゃんと呼び始め、上体を寝かせて春海の唇に自分の唇を押し当てる。
 お互い舌を絡め合い唾液を交換し、日向もまた絶頂の予感を覚えた。
「んんッ、お兄ちゃんッ、ひなた、イッちゃうよっ!」
「ひ、なちゃん……僕も……だから、抜いて」
「いやぁっ! 中にちょうだいッ! おにいちゃんの、せーしッ! ああぁッ!」
「っく、も、だめッ!」
 そして、まず先に春海が絶頂し、日向の膣内に精液を注いだ。
 その感触に、日向も絶頂し膣内をよりきつく締め上げた。
 二匹の犬耳はぴくぴくと動き、日向の尻尾は嬉しそうに振られていた。
「あはッ♪ おにいちゃんの、あつい、よ……」
「ひなちゃん……」
 射精が終わり、二人は繋がったまま、しばらくじっとしていた。
 その時、一時限目終了を告げるチャイムが鳴り、廊下が騒がしくなってくる。
 その声に二匹は急いで制服を着なおし、ベッドに付着した精子をふき取ると、頬を赤くさせつつ何食わぬ顔で廊下へと出た。
「……どうだった?」
 そして教室へ向かう途中、日向は耳打ちで春海に保健室での感想を聞いた。
「うん、とてもよかってよ」
「でも、はじめてが日向でよかった? ちょっと無理やりだったかも」
「いや、むしろひなちゃんでよかった、かな?」
「春海くん……」
「あれ? ひなちゃん……お兄ちゃんは?」
「っ!」
 耳打ちで春海は日向の呼び方が元に戻ってしまったことを指摘する。
 その瞬間、廊下に鈍い音が響き渡った。日向がかばんで春海の頭を殴ったのだ。
「あ、あ、あれはっ、その、知らないわよ! 聞き違いよ、聞き違い!」
「あぅ、ご、ごめん、なさい……」
「また謝ってるし……そうよ、そんなんじゃお兄ちゃんなんて程遠いんだから」
 日向が頬を赤くしぶつぶつ言っている。
 その言葉は涙目の春海には聞こえなかった。
「まぁでも……さっきみたいに、春海くんが……っていやあああ! 血! また血が出てるぅぅ!!」
「??」
 そして日向がチラッと春海の顔を見た瞬間、廊下に日向の悲鳴が響き渡った。
 二人の授業は、まだ始まりそうにない。

終わり
153暁狐:2007/05/15(火) 18:10:41 ID:hGiw7Zsz
二回目ですが、擬人化っぽくないですね。
まだ書き途中のがいくつかありますので、完成したら投下します。
何か指摘するところとかあればよろしくお願いします
154名無しさん@ピンキー:2007/05/15(火) 22:17:36 ID:t1WRVWQn
蝶GJ
155SA:2007/05/15(火) 22:43:50 ID:rq4M7sgs
数々と神が現れる中、空気が読めない凡人が投下します。
今回はプロローグ的なものなので短めで……。
156SA:2007/05/15(火) 22:46:04 ID:rq4M7sgs
 春風が頬をくすぐる四月下旬。
 悠介のクラス2-A3に転校生がやってくる――


「はい、今日はみんなにビッグニュースがあります!」
 2-A3の担任の月野 美恵(つきの みえ)がこう切り出した。
「なんと!今日はこのクラスに転校生が来ます!しかも、二人!」
 ピースサインをバンと突き出しながら、美恵は言う。
 それを聞いた生徒達は、たちまちざわつき始めた。
「転校生って女の子かな、男の子かな!?」
「分かんないけど、私は女の子がいいなー」
「私もー」
 悠介が通っている白百合学園は元々は女子高だったため、女子の生徒数が圧倒的に多い。
 少し前に共学になったばかりなのだが、そう易々と男子が集まる筈も無く、全校で男子は一人(つまり、悠介のみ)しかいない。
 2-A3の場合は女子三十九人に対し、男子は悠介のみ。他のクラスは全員が女子だ。
 女子にとって転校生は女子が良いらしいが、悠介にとっては転校生は男子が良いらしい。
 普通、逆のような気もするが、この学校の男女の比を見ればそれも納得できるだろう。
 詰まる所、女子は新たな仲間が欲しいし、悠介は校内で初めての男子の友達が欲しいのだ。
「はい、みんな静かに。では、転校生のご入場!」
 ガラガラと教室の扉が開き、転校生が教室に入って来た。
 その瞬間、女子は歓声をあげ、悠介はがっくりと肩を落とした。
「では、二人とも簡単な自己紹介をお願いします」
 二人の転校生は黒板に自分の名前を書き始めた。
「琴間 蒼香(ことま そうか)……。宜しく……」
「琴間 朱美(ことま あけみ)です!あけみって呼んで下さいねぇ♪」
 蒼香と名乗った方は腰まで届きそうな長い蒼髪で物静かそうな少女。
 朱美と名乗った方は肩くらいまでの橙色の髪を両端で結わえ、蒼香とは反して活発そうな少女。
 二人ともかなりの美少女である。
「はい、みんな拍手!」
 女子の拍手喝采が教室に響き渡った。
「えっと、それで席は……」
 刹那、美恵と悠介の目がばっちりと合った。
(ぎくっ……)
「じゃあ、姫野君の両隣が空いてるから、そこに座ってもらおうかな」
 教室では三人一組の座席になっており、一人だけ余って座っていた悠介に白羽の矢が立ったというわけだ。
 すたすたと歩いてきた二人の転校生は美恵の言われた通り、悠介の両隣に座った。ちょうど、蒼香と朱美に挟まれる感じだ。
 席に座るや否や、すぐさま朱美は悠介に話し掛けた。
「姫野君だっけ?」
「は、はいっ……」
「これから宜しくねぇ♪」
「よ、宜しくお願いします……!」
 にっこりと微笑む朱美を見て悠介の顔はぼんっと赤くなった。
 何を隠そう、悠介は女性が大の苦手なのだ。
「じゃあ、姫野君には放課後、校内の案内をしてもらおうかな」
 そんな悠介に追い打ちをかけるように美恵は言った。
「わ、分かりました……」
 美恵が楽しんでやっている気がしなくもなかったが、担任の頼みを断れる筈も無く、悠介は渋々引き受けた。
「えへへ、案内よろしくねぇ♪」
(とほほ……)
 こうして悠介の過酷な一日が幕を開けたのだった。
157SA:2007/05/15(火) 22:47:31 ID:rq4M7sgs
 美しい夕日が校内の廊下をオレンジ色に彩り、まるで美術作品のような雰囲気を醸し出している。
 外からは陸上部やサッカー部が練習しており、部員(つまり女子)の掛け声が聞こえてくる。
 そんな中、悠介は蒼香と朱美に校内の案内をしていた。
「えっと、ここが職員室でここが事務室で……」
 案内をする悠介の後を二人がついて行く。
「で、ここが校長室だよ。こ、これで一通り終わったかな……」
「ふむふむ、大体覚えたかなぁ。案内ありがとねっ♪」
「た、大したことじゃないよ……!じゃ、じゃあ、僕はこれで!」
「あ、待って!」
 逃げるように去ろうとする悠介の腕を朱美ががしっと掴んだ。
「ひっ、ひぃ……!」
「そんなに怯えなくてもいいじゃない。どうせだから、一緒に帰ろうよ♪」
「ぼ、僕、急いでるんだっ……!」
 脱兎の如く悠介は逃げようとするが、予想以上の朱美の腕力にじたばたとするだけで終わる。
 その内、抵抗を諦めたのか悠介は大人しくなった。
「まぁまぁ、そう慌てないで。席、お隣さんなんだからさ♪」
「あぅあぅ……」
「それに、あたし達ゆっけのこといっぱい知りたいもんねー」
「ゆ、ゆっけ……?」
「うん。悠介だから、ゆっけだよー」
 そして、帰ろっか、と朱美は悠介を半ば引き摺りながら学校を後にした。
158SA:2007/05/15(火) 22:49:11 ID:rq4M7sgs
「琴間さん達の家は何処にあるの?僕の家より遠いのかな?」
「ここだよ」
「へぇ、ここかぁ……って、ここ僕の家だよ!?」
「うん。あたし達、家無いもん」
「い、家が無いってどういう……」
 いきなりの告白に狼狽する悠介。
 突然、家が無いなどと言われたら当然の反応だが。
「ちょっと訳ありでねー。まぁ、でも、ゆっけが家に置いてくれるみたいだし、平気だよ」
「言ってない、言ってない。僕はそんなこと一言も言ってないよ……!」
「じゃあ、おじゃましまーす♪」
「あっ、こらぁ……」
 問答無用と言わんばかりに朱美は悠介を押し退け、姫野宅に侵入した。蒼香も後に続く。
「おかえりなさーい……って、どなた?」
「た、ただいま……!」
「あら、悠介のお友達だったのね」
「お母様、初めまして。琴間 朱美といいます。こちらは姉の蒼香です」
「うふふ、いつも悠介がお世話になってます」
「んー、流石、悠介君のお母様。とてもお美しいっ!」
「やだぁ、朱美ちゃんったら。そんなこと言っても何も出ないわよ?」
 世間ではこういうものを建前と言うのだが、悠介は薄々感づいていた。
 これは、家に置いてもらうための朱美の作戦だということを。
 そして、今まさに。自分の母親がその作戦に引っ掛かりそうになっていることを。
「か、母さん、騙さ……ふがふが!」
 蒼香が邪魔するなと言わんばかりに後ろから悠介の口を押さえる。
 振り解こうとするが、朱美以上の蒼香の怪力にそれも虚しく徒労に終わる。
 ましてや、女性とはいえ相手は自分より背が高い。悠介の非力な抵抗でどうにかなるものではなかった。
「実は、お母様にお願いが……」
「あら、何かしら?」
「ふがふがふが!」
「実は、あたし達、家が無いんです。それで、不躾なお願いだとは分かっているのですが……」
「いいわよ」
「え?」
 まさに即答であった。
「家に置いてほしいって言うんでしょ?もちろん、大歓迎よー!」
「ふがふが、ぷはぁ!か、母さん、そんな簡単に……!」
 やっと蒼香から開放された悠介が自分の母親の裏切りに嘆きながらも抗議する。
「悠介、母さんがあなたを白百合学園に入学させた理由を忘れたの?」
「そ、それは……」
「あなたのその性癖を直してあげるためよ。蒼香ちゃんと朱美ちゃんが家に来れば、学校でも家でも鍛えられえるのよ!」
「で、でも、生活費とかが……!」
「一人も三人も大して変わらないわよ」
「すっごい変わると思うなぁ!」
「ということで、蒼香ちゃん朱美ちゃん、悠介を宜しくお願いします」
「……了解」
「任せて下さい!」
「あぅあぅ……」
 悠介の最後の抵抗も虚しく、蒼香と朱美は悠介の家に住むことになった。
 この先、どんな困難が、どんな破廉恥な未来が待っているのか誰にも予測出来ないだろう。
 少なくとも、悠介には。
159名無しさん@ピンキー:2007/05/15(火) 23:48:44 ID:3/QrUMkT
>>153
GJ!!……と言いたいが一言言わせてくれ


スズランとヒナギクの逆レは?

>>158
続くでいいのか?最後に、続くとか終わるとか添えたほうがわかりやすいと思う。
とにかく下半身だけ裸で待ってる
160暁狐:2007/05/16(水) 12:24:28 ID:PWYIKzX5
最近、犬やカラスを見るとつい妄想してまう俺はもうだめかもしれん……

つか、最近になって狐娘刹那を書いてないことに気づいたorz


ようするに、みんなGJ!!ってことなんだけど……
161名無しさん@ピンキー:2007/05/16(水) 12:48:27 ID:ckK7OVD2
全部読みきれてないけど気になるところがあったんで
>胸の高まりが高まり
これくどく感じるから、
胸が高まり
のほうがいいんじゃない?
162名無しさん@ピンキー:2007/05/16(水) 12:51:40 ID:4SZ1rruy
頭痛が痛い
163名無しさん@ピンキー:2007/05/16(水) 12:54:12 ID:XREc24mI
>>160そんなこと言ったら
うちにいる妙に仲の良い猫二匹(関係的には叔父と姪)をみて妄想してしまっている俺はもう駄目かもわからんね
164ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2007/05/16(水) 13:50:58 ID:msxjcdJD
蛇娘です。
165ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2007/05/16(水) 13:52:11 ID:msxjcdJD
<百歩蛇さん>

残業ですっかり遅くなってしまった。
おまけに雨まで降り出すし。
僕は、小雨をぱらつかせる暗い雲を恨めしげに見上げた。
この手の雲は意外にしぶとい、と昔、燕娘が教えてくれたことがある。
僕はため息をついて鞄の中から折り畳み傘を取り出した。
「んー。バスは……もう行っちまったか」
停留所には誰も並んでいない。
この時間帯ならまだ10分に一本は通るはずだ。
ベンチは濡れているので座れないのが難点だ。
そろそろこの辺りの停留所も屋根つきに変えてくれたっていいのに。
こういう時、喫煙者にはタバコといういい暇つぶしがあるが、
あいにく僕はタバコを吸わない。
代わりに缶コーヒーでも、と辺りを見渡して、僕はぎょっとした。
僕のすぐ後ろ、<学園>の敷地を区切る長くて高い塀の際に、女の人が立っていたからだ。
茶色縞の地味な和服姿。
僕がそこに人が居ると思わなかったのは、そのせいだったのだろうか。
「あ、あの……」
「……」
その女の人がちょっとふらふらしているように見えて僕は思わず声をかけた。
「具合が悪いんですか?」
「……いいえ。……草履ガ」
見ると、女の人の片足は草履が脱げて裸足だった。
それを地面につけないようにしてバランスを取っているので、ふらふらしているように見えたのだ。
「バスから降りた時に、鼻緒が切レて……」
きょろきょろと辺りを見渡すと、向こうの草むらに草履が落ちているのを見つけた。
166ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2007/05/16(水) 13:52:52 ID:msxjcdJD
「……こういうときは裸足で歩いてもいいんですよ」
「そうなのですカ。日本舞踊のセンセイに、そういうのはハシタナイと教わったのデ、
どウしようかと困っていまシた……」
ちょっと南方なまりの声は、日本人に良く似ているけど、
この人が異国の人だということを示していた。
街灯の光では分かりにくいけど、肌の色もちょっと小麦色だ。
だけど、顔立ちはとても和風、それも相当な美人だ。
獣人は美女が多いと言うけど、まったくその通りだ。
──街灯の光を反射する彼女の瞳を覗き込んだとき、
僕はこの女(ひと)が人間ではない事を理解していた。

K県Y市。僕の住む街は、<獣人特区>だ。
獣人と人間の若者が<共学>する市立学園を中心にして、
人と獣人が共生するモデルタウンとして作られた。
僕は生粋の人間だけど、もともとこの街に住んでいたから、
<特区>化された後も引っ越さずに暮らしている。
獣人を嫌う人間も多いけど、宇宙に飛び出して「進化の壁」にぶち当たった人間にとっては、
はるか昔に捨て去ったはずの「獣の因子」を持つ自分たちの亜種は、
大きな可能性を持つ存在だと思う。
宇宙開発が頓挫した世界政府は、世界中に隠れていた獣人を保護し、集結させ、
次世代の<超人類>が外宇宙への壁を打ち破ることを目指している。
<特区>と<学園>は、そのための大切なゆりかごだ。
……まあ、僕みたいな人間が獣人に甘いのは、きっと獣人の多くが女性だからだろう。
ヒトと獣の因子と言うのは、遺伝子レベルでは共存が難しく、
世代を超えてまでそれを伝えられるのは、根源的な生命力に勝る女性種がほとんどだ。
だから、この街のシンボルである<学園>は、
獣人女子生徒と人間男子生徒の二重の意味での<共学>なのだ。
僕は学園に通うことはなかったけど、街は獣人相手の商売に溢れかえっているし、
獣人自身もそれぞれが普通に仕事をしている。
女の人は学生には見えなかったから、そういう一人なのだろう。
167ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2007/05/16(水) 13:53:33 ID:msxjcdJD
「うん。これなら結び直せる」
まるで時代劇の一シーンだな、と苦笑しながら僕は草履の鼻緒を直し始めた。
「すみまセん」
女の人――<ひゃっぽだ>さんと名乗った──は頭を下げた。
「あ、足、そこのベンチの上に乗せて休んでください。すぐに終わりますから」
「はイ」
手先は器用なほうだ。
二分もかからず、僕は草履を元に戻した。
「はい、これ……」
とそれを渡そうとして、僕は息を飲んだ。
「……」
「……どうしましたカ?」
ひゃっぽださんが、首をかしげた。
ベンチに片足を寄せた異国の獣人は、
異文化交流の証しに身にまとっている和服の構造をよく理解していないらしい。
大きく裾を割って開いた足は、太もものほうまで露になり、
その奥の翳りまで、僕の目に飛び込んできた。
「……ぞ、ぞぞぞ草履……」
ようなく声を出すことに成功し、草履を差し出す。
「ありがとうございまシた」
小麦色の肌の女性は、にっこりと笑った。
ちらりとだが、しっかりと見てしまった女性器を思い出して僕は真っ赤になった。
「お礼ヲ……」
「いやいやいやいや、結構です!」
「でモ……」
ひゃっぽださんは、悲しそうにうつむいた。
「バス亭、いっぱいヒトがいたのに、誰も助けてくれませんデした。
それに、煙草の嫌なにおいがするヒトが多くて……。
いい匂いがする優しい人は、あナただけ……お礼をしたいです」
168ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2007/05/16(水) 13:54:15 ID:msxjcdJD
喫煙禁煙はともかく、バス停にいた人々が困っているひゃっぽださんを助けてくれなかったのは、
多分、彼女が「見えなかった」からだ。
獣人は、時として無意識気に隠形をしてしまう。
この間も<学園>でカメレオン娘が行方不明になって大騒ぎになったが、
教室の自分の机で昼寝を楽しんでいた、というオチがついてきた。
ひゃっぽださんも、因子を持つ獣にそうした本能があり、無意識にそう振舞っていたのだろう。
僕だって、偶然振り向かなかったら、絶対に気がつかなかった。
……そういえば、ひゃっぽださんは、どんな獣の獣人なのだろう。
地味な和服がどこまでも似合う美人の正体に、僕は少し興味を持ったけど、
さきほどのよからぬものを見てしまったやましさに、あわてて頭を振ってそれを打ち消した。
「だ、大丈夫です。もうバスも来ますから……」
「そうデすか……」
ひゃっぽださんはもう一度お礼を言って草履に足を通した。
「あっ……」
そのとたん、バランスを崩して僕のほうに倒れこむ。
「だ、大丈夫ですか?!」
あわててそれを抱きとめた僕は、彼女を支えた腕に鋭い痛みが走ったのに気が付いた。
「ア……」
ひゃっぽださんが、驚いたように僕の腕を見た。
「カ、噛んじゃいまシた……」
倒れた拍子に、歯でも当たったのだろう。
僕の手首の辺りがちょっと切れていた。
ほんの少し血がにじむ傷跡を見る異国の獣人娘の顔が、見るみるうちに強張る。
「大丈夫ですよ、こんなの……」
僕は笑いながら言いかけたが、ひゃっぽださんは、ふるふると首を振った。
「駄目でス。百歩歩いたら、あナた、死んじゃいます」
「え……?」
「私、南の島の<百歩蛇>の獣人でス。毒がすごク強いです……」
──ひゃっぽださんは、百歩蛇さん。
噛まれたら、百歩歩くうちに死ぬ、という猛毒蛇の獣人だった。
169ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2007/05/16(水) 13:54:56 ID:msxjcdJD
「……八十五、……八十六。……ここデす」
バス停のすぐ近くにある百歩蛇さんの下宿に解毒剤があると聞いて、
僕は顔面蒼白になりながら彼女についていった。
走り出したいけれど、そうしたら毒の巡りが早くなるし……。
バスに乗って病院に行っても多分間に合わない、と言われたときはどうしようかと思ったけど、
なんとか静かに百歩歩くうちに、道路を渡った向こうの路地にある彼女の家にたどり着いた。
「九十七、九十八……そこに寝てくダさい」
九十九歩目で手早く百歩蛇さんが敷いてくれた布団の上に倒れこんだ僕は、荒い息を吐いた。
「はイ。注射シます」
百歩蛇さんが、冷蔵庫から取り出した注射器を僕の腕に突き刺した。
「コれ、私の毒から作った解毒剤です。
私の毒は本物の百歩蛇より強いかラ、解毒剤も強力。すぐに毒、消えマす」
「ありがとう」
心なしか、気分が良くなった。
ため息をつくと、百歩蛇さんは、もう一本注射を打ってくれた。
血清とかそういうのは、何種類か打って効果を上げるものだと聞いたことがあるような、ないような。
「注射、上手いんですね」
「医者、やってマす。警察ノ、監察医ですけど」
……毒に関してはスペシャリストだもんなあ。
女医には見えない和服姿の美女を眺め、僕は苦笑しようとして、それができなかった。
「……?!」
身体が妙に熱い。
下半身のある一点が痛いくらいに強張るこの感触……。
男なら、よく知っている生理現象だ。
「どうシました?」
ガラス玉のような硬質な美しさを持つ瞳で覗き込む百歩蛇さんに、
僕は必死でなんでもない、と返事をしようとしたけど──。
「……発情、しまシたカ? 二本目の注射は、すごク強い媚薬と痺れ薬のブレンドです」
百歩蛇さんは、そう言って、にこやかに笑った。
170ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2007/05/16(水) 13:55:37 ID:msxjcdJD
「ど……うして……」
帯を緩めはじめた百歩蛇さんに、問いかける。
解毒剤同様、即効性なのだろう、身体はすでにしびれて動けなくなっていた。
「……あナた、とてモとても素敵です。優しくて、親切で、逞しくて。
私、あナたに発情しました。あナたと、結婚しタいです」
獣人は、本能が強い分、性欲がストレートだという。ついでに行動も。
「あナたも、私に発情しマした」
百歩蛇さんは、僕の盛り上がったズボンを眺めながら断言した。
「そ、それは今の注射のせいで……」
「その前に、バス亭で。私の足の付け根を見タ時……」
あそこを見てしまったのを、悟られていたんだ。
僕は恥ずかしさに真っ赤になった。
「私、嬉しいデす。蛇に本当は、足、ありません。
でも、あナたは私の足と足の付け根に発情してくれました。
バス停でも、他の人が見えない私を見つけてくレました。
人間の中でも、あナたは私のつがいになレるヒトです」
獣人は数が少なく、多くの人間は彼女たちに偏見を持っている。
人間を含めて繁殖相手を探すのは難しく、獣人の女性は血眼で自分のつがいを探すと言う。
そして、百歩蛇さんが偶然に見つけたその相手は──。
「つがいマす」
するりと茶縞の和服を脱ぎ捨てた百歩蛇さんは、
小麦色の裸身とこげ茶色の尻尾を僕の前にさらしながら宣言した。
するするとすべるように百歩蛇さんが僕の上にのしかかる。
「ちょ、ちょっと待っ……」
「待ちまセん」
百歩蛇さんは、僕の首筋にキスをしながら申し出を拒否した。
耳の後ろやあごの輪郭を、ちろちろとリズミカルに這っていくものがある。
百歩蛇さんの舌だ。
それは、人間のものよりもずっと細くて長くて器用だった。
171ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2007/05/16(水) 13:56:19 ID:msxjcdJD
「……すゴく欲情してますネ」
そして精密なセンサーでもある。
百歩蛇さんは、ぽったりと僕に密着した。
和服を着ていたときには気が付かなかったけど、南国育ちだけあって意外に豊かな胸が
僕のYシャツの上で弾力をもってつぶれる。
その感触に、僕の下半身は爆発せんばかりに膨張した。
「脱がしマす」
ベルトを緩めて、パンツごと一気に引き下ろされた。
「すごい、逞しイ」
うっとりしたような百歩蛇さんの声は、僕の両腿の間で聞こえた。
異国の美女に凝視されて、僕のモノは恥ずかしがるどころか、ますます膨張した。
「私の両手で握っテも、頭が出まス。すごク大きい。
私の故郷ノ、王様ヘビにも負けマせん」
ちろり、と細い舌が、僕の性器を這った。
人間では絶対に出来ない繊細な動きの口腔愛撫に、僕はしびれた身体をくねらせた。
「人間の男の人は、こうするとイい、と聞きました」
舌が離れると、ひんやりとした滑らかな何かが男根に巻きつく。
火照った肌に心地よいそれが、ちょっと強めに男根を締めつけながら上下に動く。
「うわあ!」
あまりの快感に僕は声をあげた。
「うふふ、私の尻尾、気に入リましたか?」
再び僕の顔に自分のそれを近づけながら、百歩蛇さんが微笑んだ。
「う、あ、だ、だめえっ、も、もう出るっ……!」
「出してください。あナたの毒液、見せて……」
百歩蛇さんの尻尾の先が優美な動きを見せると同時に、僕は宙へ精液を飛ばしていた。
「すごい……すごい……」
ビクンビクンと脈打つ男根が、白い汚液を噴き上げる姿に、
百歩蛇さんは欲情しきった声を上げた。
「身体に染みこんだ私の毒、全部こうシて抜いてあげます」
尻尾を優しく使いながら、百歩蛇さんはそうささやいた。
172ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2007/05/16(水) 13:57:00 ID:msxjcdJD
「熱いです。それに、家鴨の卵の白身より美味シい」
何度も尻尾で僕の男根を弄んだ百歩駄さんは、僕のお腹の上に落ちた精液を掬い取って口に運んだ。
どろどろした白い汁は、百歩蛇さんの大好物より彼女を興奮させる効果があったようだ。
舌なめずりをした百歩駄さんのガラスのような瞳が熱をおびて妖しく輝く。
「……今度はこコに……」
百歩蛇さんは、僕の上で体勢を整えると、女性器を自分の指で割った。
そのまま、僕の男根の先端をあてがう。
さきほど和服の合わせ目から覗いていた花園が、これ以上ないくらいに広げられて、
僕の視線と男性器のために捧げられていた。
「イきます。たくさん出してくださイね」
シンプルでストレートな表現で言いながら、百歩蛇さんは腰を静めた。
ずぶずぶ。
ひんやりとした柔らかくて湿った通路を、僕の先っぽが突き進んで行く。
そこは内部で何千、何万と言う蛇がくねっているような動きをみせて僕の性器に絡みついた。
「うわあ!!」
僕は打ち上げられた魚のように布団の上でびくびくと跳ねた。
ものすごい射精感が全身を襲う。
まるで身体全体が性器になって百歩蛇さんに飲みこまれていくようだった。
「イいですか? ……もっともっと良くシてあげます」
百歩蛇さんは妖しく微笑み、自分の尻尾の先端を唇に咥えた。
たっぷりと唾液をからませられた尻尾が、淫らな動きを見せて僕の身体の下のほうへ這う。
「ま、まさか……」
「人間の男の人、不思議です。お尻の奥にゼンリツセンという気持ちいいとコろがあります」
笑みを濃くした百歩蛇さんは、まさに魔性の極み。
ぞくりと背筋を這う快感は、まさしく、蛇。
百歩蛇さんの先端が僕を貫いたとき、彼女の膣を貫いている僕の先端も限界を迎え、
僕は、百歩蛇さんの子宮へ大量の精液を噴き出してしまった。
「もっと、たくさん、全部……私にそそいで……」
性器と尻尾でつながるだけでは飽き足らず、キスを求めながら百歩蛇さんがささやき、
僕は頷きながら次の射精を始めていた。
173ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2007/05/16(水) 13:58:27 ID:msxjcdJD
「――雨、上がりましタね」
「……最終の深夜バスがまだあるはずです」
百歩蛇さんの下宿を出たのは、それから四時間も経った後だった。
すべての体力を精液に変えて搾り出した身体はずうんと重い。
バス停まで歩く九十九歩の間に、僕たちは無言で問答をしていた。
もっとも問いかけるのは百歩蛇さんだけで、僕は答えを返せないでいた。
(また会えますカ)
(つがいになっテくれますカ)
(私にあナたの卵を産ませてくれますカ)
何百もの問いが、僕に突き刺さるのを感じ、そして僕は無言でいた。
結婚なんて、まだ考えられない。
ましてや、獣人となんて。
人を容易に殺せる毒蛇の娘との婚姻は、平凡なサラリーマンの手に余るものだった。
欲情と粘液にまみれた人外の性交に始まる濃密な関係にしたって、
告白とかメール交換とかから始まる普通の恋愛で育ってきた僕にとっては
異文化どころかすでに異世界、異次元だ。
姿は似ているけど、住む世界が全然違う二人。
それが人間と獣人なんだよ……。
174ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2007/05/16(水) 13:59:24 ID:msxjcdJD
バス停についた。
はるか向こうの坂に、深夜バスのライトが見えた。
「……それジャ……」
ぺこりと頭を下げた百歩蛇さんと遠くのバスの影を交互に見つめ、
──僕は、百歩駄さんを抱き寄せた。
「え……」
あごに指をかける。
ちょっと涙がにじんでいた瞳は、驚きに大きく見開かれている。
百歩駄さんが何か言う前に、僕はその唇を奪った。
舌先で、鋭い牙をなぞる。
舌先が傷ついた鈍い痛み──決意の証。
「……あ……」
「……また、毒もらっちゃったね。ここから九十九歩で毒を抜けるところ、ある?」
「……ありまス!!」
百歩蛇さんは、涙がにじんだ瞳のままでにっこりと微笑んだ。

バスは客が居ない停留所を通り過ぎ、二人は今来た道を引き返した。
今日は、朝帰り。
いや──。
これから奥さんになる女性のところに泊まるんだから、朝帰りではないかもしれない。

FIN
175名無しさん@ピンキー:2007/05/16(水) 17:48:26 ID:BkqTRqdu
神の皆さんGJ!
神の投下→他の神を呼ぶ→神の投下→他の神を呼ぶのループっすね。

やはり俺じゃ役不足だったようだぜ!
ここはまた明日あらためて出なおすとすっか!
凡人はクールに去るぜ
176名無しさん@ピンキー:2007/05/16(水) 19:56:43 ID:4iaZh/tC
>>158
だいぶ遅れたが新作GJ!
これはいい話になりそうダナー(`・ω・´)!!

ってか素晴らしい作品がいっぱい投下されてるとマジで幸せになります
職人の方々、本当にアリガトウ
177名無しさん@ピンキー:2007/05/16(水) 20:02:01 ID:0R6+GikP
そんな寂しい事言うなよ
そして蛇娘GJ
178名無しさん@ピンキー:2007/05/16(水) 21:57:41 ID:PWYIKzX5
>>161
確かに(汗)
以後気をつけます。指摘ありがとう!


最近は投下ラッシュでいい感じですね!
蛇GJ!


最後に今日見たことを話すぜ
とある友の家に子犬♂と子猫♀がいたんだ。
そいつらが目の前でじゃれ合い出したんだ。♀猫が♂犬の上に乗ってた……
妄想が止まらずどうにかなりそうだった…少しおっきした。
こんな俺は末期かもしれない。


何はともあれ近いうちにまた来ます
179名無しさん@ピンキー:2007/05/17(木) 07:06:39 ID:uv36Z6/T
まさかこのスレでゲーパロ専用氏の作品が嫁るとは思っていなかった…

喜びのGJ!
180名無しさん@ピンキー:2007/05/17(木) 16:02:24 ID:4Bc3rF9/
>>174
うおぉ!ナイスハッピーエンド!
どちらかというとシリアス系だな。シリアスでも萌えることはできるんだな。
GJです
181名無しさん@ピンキー:2007/05/18(金) 03:06:41 ID:HZYBWXqn
>>174
まさかこのスレで旦那を拝むとは思わなんだ。
ゲーパロ氏の作品は基本的にラブラブな作品が多いから大好きです。
GJでした!

>>175
日本語の間違いだ。
×役不足
○役者不足
だがそうとは思わん。
俺はお前さんを待っている!!
182名無しさん@ピンキー:2007/05/18(金) 04:39:34 ID:xpiw+1A4
役者不足も造語だけどナ
183名無しさん@ピンキー:2007/05/18(金) 07:24:49 ID:8WXM9g4n
普通に

力不足

でいいんじゃね?
184名無しさん@ピンキー:2007/05/18(金) 08:44:07 ID:3OFP2nXU
ジョジョネタの一部だから
間違えてて正解じゃないのか?

まあいいや、wktk!
185名無しさん@ピンキー:2007/05/18(金) 13:20:03 ID:ZATiuawM
ここってケモノ系のスレ?半獣半人系のスレ?それとも耳とか尻尾系のスレ?
186名無しさん@ピンキー:2007/05/18(金) 13:27:56 ID:HaVT7SzA
擬人化なので人型であればおk
187名無しさん@ピンキー:2007/05/18(金) 17:23:57 ID:a+LTJlu9
未完成SS完結マダー?
188名無しさん@ピンキー:2007/05/18(金) 17:55:27 ID:ofHuke2a
×俺じゃ
○俺じゃあ
個人的にはこっちを指摘したい
189名無しさん@ピンキー:2007/05/18(金) 19:53:04 ID:wGtpn37G
ご指摘ありがとうございました。

僕は投下をしたいんですが、かまいませんね!
190名無しさん@ピンキー:2007/05/18(金) 20:17:12 ID:MEJLyVly
確認しなくてよいから投下汁!
191名無しさん@ピンキー:2007/05/18(金) 22:21:23 ID:wGtpn37G

気がつくと、目の前に『親友』の顔があった。

『ズキューン』寸前まで密着して。

(うぐっう?落ち着け、落ち着いて素数を数えるんだ・・・)

『─Jは目覚めていた。』
(13・17・19・・・)

処女と奇妙に冒険

素数を数え落ち着いたJは、まず自分の周りの状況を把握する事に決めた。
まず、体が動くかどうか確かめてみた。


(・・・とりあえず薬は盛られてないようだ。)
Jは辺りを見渡したが、暗くてQ太郎以外見えやしない。
(とりあえずスタンド・アップするか)
膝をついてJは立ち上がった。


目の前には床があった。

Jはいつの間にかうつ伏せに倒れていた。
「!!………………………!」
もう一度Jは膝を突いて立ち上がった。


またもや目の前には床があった。
「………!?………………………」
(こ・・・これは・・・!?)
実にッ!実に奇怪だった!Jは立てない!
どのような仕掛けになっているのか立ってもいつの間にか膝をついている!
『無駄だ下等生物』

『カチリ』と音が鳴ったと思うと、部屋は明るくなっていた。
声のした方向へと振り向くと、柄無しのシャツを来た狐耳の少女がいた。

Jはなにかジョジョのネタがないが考えたが、諦めた。
『お前が寝ている間に酒を飲ませた。我ら一族秘伝のな・・・』

(・・・これも酒の影響か?奴の声がいかにも神々しく聞こえるぜ・・・)
そんな事を頭に浮かべつつもJは彼女の話を聞いていた。

『この酒を飲んで生きていられた者の命はとても美味なそうだ・・・。』

Jは、生きながら蛇に飲まれるカエルの気持ちを理解したと思った!
192名無しさん@ピンキー:2007/05/18(金) 22:42:49 ID:sLMacQVe
正直痛い
193名無しさん@ピンキー:2007/05/18(金) 22:54:46 ID:3OFP2nXU
全部投下し終えたらフルボッコすりゃおk
194名無しさん@ピンキー:2007/05/18(金) 22:57:49 ID:wGtpn37G
(素数だ!素数を数えるんだッ!)

Jは、生きるために必死に知恵を振り絞っていた!

(そこで問題だ!フラフラの状態でどうやって逃げるか?)

(3択─ひとつだけ答えなさい)
(答え@ハンサムの俺は突如は逃走のアイディアがひらめく)
(答えA仲間がきて助けてくれる)
(答えBかわせない。現実は非情である)

Jはこんなときでもジョジョネタを使うのである!
(う・・・うろたえるんじゃあないッ!ドイツ軍人はうろたえないッ!)
(・・・て俺ドイツ軍人じゃNEE!そしてこの世にアリーべェデルチかぁー!?)

それにしてもこの男、ノリノリである。

(理解不能!理解不能!理解不能!理解不能!)




少しずつ少女はこちらに近づいてきた。

Jはいともすんなりそれを受け入れた

恐怖はなかった。

後悔もなかった。

痛みもなかった。

(逆に考えるんだ。『死ぬ前に美人とできる』と考えるんだ)

一歩一歩確実に近づいてくる。

自分の『死』が近づいてくる。

Jが最後に『考えた』のは・・・そこまでだった。

195名無しさん@ピンキー:2007/05/18(金) 23:02:12 ID:wP6czRYL
鳥つけてくださいよ、うっとおしい。
196名無しさん@ピンキー:2007/05/19(土) 01:02:08 ID:WwqC40D2
 ┏⊃(天)⊂┓
 \( ^ω^)/ <シニェ〜
197突発くまさん:2007/05/19(土) 01:31:04 ID:YdaL8Y8A
いきなり思いつきで書いてしまった…クドリャフカもちゃんと書いてますんで何卒…!
198突発くまさん:2007/05/19(土) 01:32:09 ID:YdaL8Y8A
変わらない日常と変わらない空。天蓋に写し出される空はいつもと同じ色、同じ雲を浮かべて僕たちを見下ろしている。
指折り数えた夏休みまであと数時間。終業式を終えた僕の靴箱の中に一通の手紙が収められていた。

『ずっとあなたに憧れてました。放課後、教室で待ってます。白羽』


―――鳥児在天空飛翔―――


白羽は僕が二年生の時うちの高校に転入してきた鳥の女の子だけど、年齢は僕たちの二つ上だ。
休学して戦争に行ってたらしいけど詳しいことは知らないし、彼女も話さない。
彼女は時々遠く天蓋と都市の境目をぼーっと眺めている。
彼女のそういった仕草は背中の白い翼と相まってとても美しくて…ちょっとだけ外の世界を滅ぼした天使に近いだなんて思ってしまった。
短く切りそろえた黒髪に整った目鼻を見ればかなりかわいい。
手足の鉤爪は何度見ても痛そうだけど…背中の白い翼と手足の大きな鉤爪、お尻にちょこんと付いた尻尾の全てが好きだった。

「今日はファミレスで昼ご飯食べよっか。」
「私、はんばーぐ食べたい!後スパゲティも!」
車の音と蝉の喧騒と陽炎とで埋めつくされたような町で2人、余所行きの真っ白いワンピースに身を纏った白羽はとても嬉しそうだ。
199突発くまさん:2007/05/19(土) 01:33:34 ID:YdaL8Y8A
「…ごめん。僕が悪かった。お店をよく調べてなかったから…」
「気にしないで!私は全然平気だからっ!」
ブイサインをしてにっこりと微笑む白羽の姿は、やっぱり天使のようだった。

『Human Only』と書かれたバスが会社帰りのサラリーマン達を乗せて僕たちの横を通り過ぎて行き、僕はそれを見る度に悲しい気持ちになる。
どうして彼女は…

その言葉を僕は呑み込んで隣を歩く白羽の顔が見えないように空を仰ぐ。
きっと今の僕は“人間”の目つきになってるだろうから…。
と、ふいに頬を濡らす雨粒に僕は初めて空に黒雲が広がっていることに気付いた。
見る間に大降りになって僕も白羽も避難する前にずぶ濡れになってしまった。
走って走ってやっと辿り着いた神社の境内にどっしりと座り込む。
熱されたアスファルトが雨に打たれる独特の匂いと、
ぴたりと止んだ蝉時雨に代わって神社の屋根を叩く雨の音はいかにも夏の雨らしくて僕は少し笑ってしまう。
200突発くまさん:2007/05/19(土) 01:34:50 ID:YdaL8Y8A
濡れたワンピースの裾をしぼりながらため息をつく白羽。
「うわーびしょびしょだ。羽が濡れたら乾かすの大変なんだよ〜。」
「それだけ大きかったら乾かすの大変そうだね。タオル貸そうか?」
「うぅ…透けてるから恥ずかしいよぉ…」
赤い顔でタオルを受け取る様子は心底恥ずかしそうで、そういう表情もまた可愛かった。

「もー!ジロジロ見ちゃダメ!あっち向いてて!」
大人しく体ごと向きを変えると背中ごしに衣擦れの音がして少し戸惑ってしまう。
「ね、私の事好き?」
「うん、好きだよ」
「私も大好き…だから…だから…。」
「え?」
振り返った僕の目の前には羽を広げた裸身の白羽がいて、
何か言おうとした僕は彼女の唇に遮られて体を白い腕と翼で優しく抱かれた。
201突発くまさん:2007/05/19(土) 01:37:19 ID:YdaL8Y8A
「…んっ…ん」
「白羽…だめ…」
ゆっくりと一つになる感触を楽しむように腰を振る白羽の中はまるで別の生き物のように蠢いて僕の肉棒に刺激を与え続けている。
境内の床板がきしむ度に僕を快楽の波が襲い、体が彼女を求めるかのように動く。
白羽はただ吐息を漏らしながら僕の上で腰を降り続け…
やがてのけぞるように足の指先まで伸ばして絶頂に達して、僕も膣内の締め付けに耐え切れず全てを彼女の中に注ぎ込んだ…。

雨も上がった境内で僕は白羽といろいろな事を話した。お互いの夢を語り、キスをして、笑った。
―――私は、空を飛ぶんだ。
天蓋に映し出される人工の夕焼け空を見ながら白羽女は僕に教えてくれた。
夕焼け空とひぐらしの鳴き声と、嬉しそうに笑う彼女の羽は夕焼け空のようにきれいな紅に染まっていた。

その日の別れ際に白羽は一言
「あなたを好きになって良かった。」
といい、僕は
「君を好きになって良かった。」
と言った。
白羽とはそれから会っていないし、誰も彼女の事を知らなかった。
彼女はきっと天蓋の向こう、『空』に行ったんだと思う。

自由な空でその白い大きな翼を広げて飛んでいる白羽はとても嬉しそうで、
きっとそれは彼女にとって一番幸せな事なんだろう。

夏休みが明けても未だ空は夏を忘れられないように青い色のままで。
変わらない日常と変わらない空。天蓋に写し出される空はいつもと同じ色、同じ雲を浮かべて僕たちを見下ろしている。




『鳥児在天空飛翔』
202名無しさん@ピンキー:2007/05/19(土) 01:39:20 ID:JvMVN9SA
全俺が泣いた!
GJ!
203突発くまさん:2007/05/19(土) 01:39:51 ID:YdaL8Y8A
異常、鳥娘でした。うーん…ハッピーエンドじゃないなあ。
世界観や表現等分かりづらい所は多々あるかもしれませんが見逃して下さい。
204突発くまさん:2007/05/19(土) 01:41:06 ID:YdaL8Y8A
異常→以上

ちょっとSFで、不思議な世界を書きたかったので書いてみた。
205名無しさん@ピンキー:2007/05/19(土) 02:23:36 ID:YQ15xjzL
>>204
GJ!
ですが質問!
鳥児在天空飛翔 ← 中国語ですか?読み方がわからんとです。
206名無しさん@ピンキー:2007/05/19(土) 08:23:17 ID:YdaL8Y8A
>>205
鳥の児は飛翔し天空に在り
ちょうじ ざい てんくうひしょう
ニァオアーツァイティエンクンフェイシァン
207名無しさん@ピンキー:2007/05/19(土) 09:37:15 ID:3LExcDIH
>『Human Only』と書かれたバス
さりげなく種族差別が行なわれてる辺りが妙にリアルだな…。
二人が行ったファミレスにもこれが書かれていたってことでおk?

何気に伏線が多いな。
208名無しさん@ピンキー:2007/05/19(土) 12:00:43 ID:WrVUdgd0
>206
天空に在りて飛翔す
じゃないの?(いや、自信はないが)
209名無しさん@ピンキー:2007/05/19(土) 12:11:40 ID:YdaL8Y8A
>>208
漢語は自信ないけど…英語のように
「私は…する、〜のように」といった文章構成だった希ガス。
210名無しさん@ピンキー:2007/05/19(土) 19:58:32 ID:JuY2Ncry
絶好調である!!
211暁狐:2007/05/19(土) 20:05:23 ID:fO5GPUqN
わが世の春が来たー!!

どうも。↑の言葉は気にしないでください。
今日も投下しにきました。分割じゃないです
神が光臨するまでの前菜とでも思ってください。
212暁狐:2007/05/19(土) 20:06:30 ID:fO5GPUqN
 ある深夜のこと、普通の高校生、達也(たつや)は妙な女と妙な出会い方をした。
 
「おわっ! す、すんません」
 達也は陸橋の真ん中あたりで一人の女とぶつかった。
 少しよろめく達也に対し、女は尻餅をついてしまい、達也は慌てて女に手を差し伸べる。
 陸橋の上は深夜にもかかわらず明かりが僅かにしかなく暗い。
 だが見えないわけでもないし、空を見ながら歩いていた自分が悪いと思った為。
 まぁ、突き飛ばしたのが男だったら最悪ほっとくが、相手は女性だったということもある。
 しかし、女は俯いたまま達也の手を借りず、陸橋を支えにして立ち上がった。
「……こっちこそ、ごめん、なさい……」
 女は弱々しい声で達也に謝罪する。
 せっかく手を差し伸べたのに、と少しイラッとした達也だが、その謝罪にイライラ感も消え失せる。
 それに、暗いし相手は俯いているからよくわからなかったが、女はかなり美人だった。
 腰まである長髪、色は暗いが白ということがわかり、リクルートスーツを着ている。
 さらに周りには、達也の鞄や、女が持っていたものが落ちていた。
「あの、どうか、した?」
「あ、いや、何処か怪我とか……」
「大丈夫……少しお尻が痛いけど」
「す、すみません」
 達也が女に見惚れていると、その本人から話しかけられ、慌てて再び頭を下げて謝罪した。
 女は僅かに微笑み彼を許した、実際自分もボーっとしていたという事もあるからおあいこだと言って。
 そして二人は分かれた……はずだった。
「……あれ? 携帯が……」
 陸橋の階段を下り始めたとき、達也は制服のポケットに入れていた筈の携帯が無いことに気づく。
 きっとさっきぶつかった時に落としたんだろうと、達也は引き返す。
 そして目を開き驚愕する。
 さっきの女が、陸橋の手すりに掴まり身を乗り出している。
 明らかにダイブする気満々なその行動に、達也は全力で止めに走った。
「ちょっ! な、なにやってんですか!!」
 達也は女の身体を後ろから抱きつくように押さえて、そのまま勢いよく陸橋の上に女と共に倒れこんだ。
 その際、背中に痛みが走ったが気にせず女に怒鳴り込んだ。
「あ、あんた! 一体なにしてるんだよ!?」
「………」
 女は黙っていた。
 黙ったまま空をボーっと見ている。
 その反応に達也は先ほど以上の苛立ち感を覚え眉間に皺を寄せた。
 そんな達也の顔を女は見た後、ゆっくりと起き上がり内股で座る。
 その際、再び飛び降りようとしないように、達也は女の手首を強く握った。
「あの、痛い」
「痛いじゃないでしょう。また飛び降りたりしないようにだよ」
「………あたし……ふられちゃった……」
「え? ふられたって、だからって死のうなんて思ったのかよ?」
「死ぬ? くふふ……何言ってるの君」
213暁狐:2007/05/19(土) 20:07:54 ID:fO5GPUqN
 女は達也の顔を見ながら、小声で彼に言った。
 今日、女は彼氏にふられてしまい、その事を知り達也は驚きつつも女に言い返した。
 すると、女は可笑しそうに微笑み、その笑みに達也は若干苛立った。
 心配しているというのに笑われたから。
「そんな事で死ぬわけないじゃない。ただ、下に何か落ちなかったか見てただけだよ?」
「な……」
「大事な書類もあったんだけど落ちてなかったみたい。でも……あぁ、お尻が痛い痛い……」
「ご、ごめんなさい」
 微笑みながら腰周りを片手で摩る女に、達也は手の力を緩め頭を下げて謝った。
 第三者から見れば、誤解されそうな表情で陸橋の上に身を乗り出していた女も悪いとは思うが、達也自身はそうは思わなかった。
「どうしよっかなぁ……君、あたしの胸も触ったし」
「え、えぇ!?」
「気づかなかった? キョウセイワイセツで訴えてもいいんだよ?」
「ふ、ふかコウりョくだ!!」
 そういえば、女を止めようと陸橋から引き離した際に、なにやら柔らかい感触が伝わったことを思い出し、達也は顔を赤くする。
 暗いが至近距離から見れば赤くなったのはわかる、だから女は可笑しそうに笑い、達也は裏返った声で言い返すが、女はニヤニヤしていた。
「ふふ、冗談だよ。勘違いさせちゃったあたしも悪い……その代わり」
「そ、その代わり?」
「家まで送って」
 達也の顔をちらちらと窺うように見ながら女は言う。
 学生の身だが訴えられるのも嫌だし罪悪感もあるので、達也は渋々首を縦に振った。
「じ、じゃあ、俺の肩に……」
「おんぶがいい」
「……それは、さすがにちょっと……」
「……キョウセイワイセ……」
「わかったよ、おんぶな……」
 達也は立ち上がり、女に手を差し伸べる。
 しかし、女はそれを拒否、おんぶがいいと少し甘えた声で達也にお願い。
 最初こそ躊躇った達也……だが女がカタコトで言った一言に女に背を向けるようにしゃがみ込んだ。
「はい、どうぞ……」
「よろしくね。えっと、名前は?」
「達也、群雲達也」
「そう。あたしは、結衣 緋色っていうの。緋色でいいから、それじゃあお願いね、達也君」
 二人は名乗りあう。
 結衣 緋色(ゆい ひいろ)と名乗った女に群雲(むらくも)達也の名前を言う。
 彼女と自分の荷物を持ちながら緋色を背負い、達也はゆっくりと歩き出した。
 階段を下りるのにかなり手間取り、緋色の道案内の元、彼女の家へと向かっていた。
214暁狐:2007/05/19(土) 20:08:54 ID:fO5GPUqN
「あの道を右ね」
「へ、へい」
「………あたし、重い?」
「……重い、いたっ!」
 力はまぁまぁある方の達也は、ゆっくりと歩く。
 そんな彼の耳元に緋色は小声で訊ねると、達也は何の迷いも無く首を縦に振る。
 その瞬間、緋色は彼の頬を軽く抓った。
「うりうり……こういう時は、お世辞でも重くないって言うものよ?」
「き、肝に銘じておきまふ」
 抓った後は突付いたり息を吹きかけたり、達也が抵抗できないのをいいことに緋色は彼の頬で遊んでいる。
 外見は大人の女性という緋色だが、中身はまだ子供だと、達也は核心のようなものを覚えた。
 その瞬間、再び緋色は彼の頬を抓った。
「い、いだいんふけど」
「今、あたしの事子供だと思ったわよね?」
「うッ……そんなことないっすよ? ぜんぜん、おとなのじょせいっす、えぇ、そうですとも」
「言葉に感情がこもってないよ? あたし、昔からそう言われてるからわかるのよね」
 図星を疲れ、一瞬ひるむ達也だがすかさず反論。
 しかし感情が無い口調で言ったため、緋色に見抜かれてしまい、今度は耳を甘噛みされて彼の力が抜ける。
 一瞬達也がよろめいた。
 驚いた緋色は、また転ぶんで腰を痛めるのはごめんだから、達也いじりを止め、達也の歩きは正常に戻っていった。
「……あ、あと、どのくらい?」
「もう少しもう少し。ほら、ふぁいと!」
「へ、へい……しかし」
「?? どうした?」
「あ、いや、なんでもねっす、痛いっ!」
「気になるよ。言いなさい」
 月明かりと街灯と、辺りの家の電気の明かりだけが照らす道で、達也はふと気になった。
 それを緋色に聞かれ誤魔化すも、でこにデコピンを放った命令口調の緋色に観念した。
「その、何で緋色さ……緋色はふられたのかなって気になって」
 人がふられた原因など、相手に失礼なので聞くわけにもいかない。
 だから達也は聞くのを躊躇った。
「どうして、そんな事思ったのかな?」
「だって……緋色さ……緋色って、その、俺から見ればスンゲー美人だし。俺だったら、絶対ふったりなんかしないっつーか……」
「……そう」
 顔を赤らめ、照れながら達也は疑問に思ったことを言った。
 緋色は、達也がこれまで見た女性の中では、容姿、性格ともにダントツ一位の美人な女性。
 そんな彼女をふった奴がいるなど信じられず、その男に怒りも感じる。
 そして、達也の言葉を聴き、緋色は笑みを浮かべながら彼に深く密着した。
 背中に柔らかい感触に達也は戸惑い、緋色は再び彼の耳元で囁いた。
「あたしね? 本当はあの陸橋から飛び降りて死のうとしたんだよ?」
「へ?」
「でも、その前に達也君とぶつかって、君があたしに気づいて止めてくれたら、生きてみようかなぁって思っちゃったんだぁ」
「な、なんで?」
「だって……なんだか運命的というか……あの陸橋、殆ど人なんて通らないから」
 確かに彼女の言うとおり、あの陸橋は街から離れているということもあり、朝と夕方以外は殆ど人がいない。
 ましてや深夜など人など来ない。
 しかし、あの陸橋は達也の通り道……あそこから行けば、自分が暮らしているアパートにより早く帰れるからだ。
 本当は死のうとしていたという事実にも驚いたが、まさか自分が人一人の人生を左右していた、という事実に達也は驚き、そして携帯落としてよかったと安堵した。
215暁狐:2007/05/19(土) 20:10:30 ID:fO5GPUqN
「あ、ふられた理由がまだだったね」
「べ、別に、いいよ。い、言いたくないだろ?」
「いいの。実は、あたしって……あ、ここよ」
 緋色が何かを言いかけた、その時、彼女の言葉に合わせて達也の足が止まる。
 緋色の家に着いたのだ。
 そこは、達也が一人暮らしをしているボロアパートに匹敵するほどボロいアパートだった。
「ここの二階の一番奥の部屋があたしの部屋」
「はいよ」
 鉄製で所々錆付いた階段を上る。
 緋色に言われたとおり、達也は4つほどある扉の一番奥の部屋の前に到達する。扉には結衣と書かれた表札がある。
 達也から一旦降りた緋色から鍵を手渡されて鍵を開ける。
 ガチャリという音と共に扉は開き、達也の肩を借りて緋色は自宅に戻ってきた。
 その際、明るいところに出たので、彼女の瞳の色が真紅色だということがわかった。
「………ぼろ」
「ふう〜〜。何か言った?」
「い、いや、なんで、も……な……なっ!!」
 部屋の奥までいき、敷きっぱなしの布団の上に緋色を置き思わず出てしまった達也の一言。
 来るって言われている大地震に、ここは三秒ともたないだろうと思いつつ、達也は緋色の問いを笑って誤魔化す。
 だがその笑いも、すぐに驚きの表情に変わった。
 緋色がスーツをもう脱いで下着姿になっていた。
 速い、彼女を下ろして室内を見渡して一分も経っていないのに。
 緋色の綺麗な肌、そして白い下着に戸惑う。
 むしろ、会って数時間しか経ってない男の前で平然と服を脱いだ緋色に驚いた。
「達也ぁ、冷蔵庫からビール取って」
「ち、ちょちょっ! そ、その前に服、何か着て!」
 まぁ、この際いつの間にか呼び捨てになってるとか、パシリみたいな扱いになってるとかはほっといて、達也は顔を真っ赤にし緋色に背を向けた。
「え? あぁ、ごめんね。でも、服と言われても、今はみんな洗濯に出しちゃったし」
 達也の背中を見つつ、緋色は笑いながら言う。
 肩で息をする達也……この時彼は思った、もう家に着いたんだから俺も帰ろうと。
「あの、俺帰ってもいいか?」
「どうして?」
「どうしてって……いや、もう緋色の家に送ったわけだし……」
「明日は建校記念日で休みでしょ? それに夜も遅いし、今日は止まっていけばいいよ」
「え? なんで……あ、つか、それは……ほんとにまずいって」
 なぜ明日が自分が通っている高校の建校記念日なのを彼女が知っているのが疑問だった。
 しかし、そんな疑問はすぐに消え、達也は彼女の提案にすかさず反論する。
 確かにもう日にちが変わってしまっているが、さすがに一人暮らしと思われる女性の家に泊まるのはある意味やばい。
 ましてや相手はかなりの美人、ひょんな事で理性やらなんやらが壊れてしまうかもしれない恐れが彼にはあった。
「あの、俺も一応男やってますんで」
「大丈夫。達也なら襲われてもいいから♪」
「えっちなのはいけないと思います」
 緋色は達也の背中に擦り寄った。
 それと同時に、達也は前に進み彼女から逃れると、緋色は少し頬を膨らませる。
 そして徐に立ち上がり、冷蔵庫からビール缶を二本持ち、一本を達也に手渡す。
 無論、酒は飲めるが未成年なので達也は断ったが、その刹那無理やり緋色に正面を向かされた。
 ほんの数ミリという距離の先に緋色の顔があり、達也の胸の鼓動は高まった。
「今日は帰らないで。今日だけでいいから、お願い」
「……」
 潤んだ緋色の真紅の瞳、甘える子供のような口調。
 そんな彼女から逃れようと、達也はさらに後ろに下がるが緋色も一定の距離を保つ。
 そして達也の背中が壁に当たる、彼は追い詰められた。
216暁狐:2007/05/19(土) 20:11:39 ID:fO5GPUqN
「このまま帰ったら……あたし死ぬからね」
「わ、わかった、わかりました。まったくもう……」
 最後に出た緋色の一言に、達也は諦めてその場に座った。
 さっきまで死のうとしてたのは事実、緋色の一言も冗談に聞こえない。
 達也が観念したのを確認すると、緋色は笑顔を見せて彼から離れる。
 そしてお互いビールを開け、一気に一本目を飲み干した。
「ふぃ〜〜♪ あ、そうだ。まだふられた理由言ってなかったよ」
「い、いいって言っただろ……」
「いいのいいの。それに達也に見てもらいたいし」
「え? 見るって、何を?」
「ちょっと、見てて……んっ」
 二本目のビールを開け、すでに酔い初めて頬を赤くしている緋色は達也にお尻を向ける。
 そして、彼女が少し力を入れた瞬間、パンツを突き破り緋色から何かが生えてきた。
「な、な、に!?」
「ふう………どお? 達也」
 達也は今回最大の驚きに開いた口が閉じない。
 パンツはビリビリに破れてしまい、彼女からはフサフサした大きな尻尾が生えてきたのだ。
 すぐに緋色は正面を向くが、大きな尻尾は彼女の頭ほどまで伸びて正面からでも見えるほど大きく揺ら揺らと左右に揺れていた。
「まさか……獣人?」
「うん」
 思わず出てしまった彼の言葉のとおり、緋色は現在はあまり使われる事が無くなった”獣人”という種族。
 何十年か前に発見されて以来、現在は人間と共に共存している。
 だが、それはごく一部であり、まだまだ獣人というのは珍しくまた差別されているのが現実。
 達也自身も獣人と会うのはあまりなかった。
「それって、何の尻尾だ?」
「ん? 狐」
 狐にしてはいささか大きいんじゃ、という思いがよぎったが、達也は気にしなかった。
「これが、ふられた理由」
「え?」
「元カレ曰く、人間じゃないと交際できないんだって。思い切って尻尾見せたらそう言われたよ。何か、もうどうしようもないよね……」
「そう、なんだ」
 緋色の尻尾が下がり床に着く。
 彼女は笑うが、その表情は少し寂しそう。
 ただ尻尾があるだけでふられてしまい、それは自分ではどうしようもない現実にショックを受けたんだろう。
 緋色は瞳から涙を流し始めた、やはり未練があるのだろう。
 その涙を達也に見せないように、緋色は背中を向ける。
 しばらく沈黙が流れた。
 やがて、達也は黙ったままゆっくり緋色に近づいていく。
 そして垂れ下がっている彼女の尻尾に触れ、そして掴んだ。
「ひゃっ! ちょっと、達也?」
 敏感な部分である尻尾を握られ驚く緋色。それと同時に尻尾も上を向く。
 達也と正面を向くと、彼女の尻尾を握っていた達也の手は自然と離れた。
「ふぅん、やっぱ暖かい」
「達也? その、驚かないの?」
「最初は驚いたけど……もう慣れちゃった」
217暁狐:2007/05/19(土) 20:12:55 ID:fO5GPUqN
 緋色の目が丸くなる。
 彼女のこれまでの経験上、自分が獣人と知った人間は誰もが緋色から遠ざかる。
 教師も、仲がよい友人も、そして緋色をふった男も。
 だが、達也はそんな事気にすることが無く普通に接した。
 達也から見れば、尻尾があることには驚いたが、まぁただそれだけのことに過ぎない。
 尻尾があろうとなかろうと、獣人だろうと、緋色が綺麗なのは変わりないし、尻尾があるという理由だけでふった男は所詮そこまでの男だと考えた。
「まぁ、あれだよ。逆に可愛いっつーか……」
 照れながら達也が言った言葉に、緋色は微笑み、そして泣くのを止めた。
「可愛いなんて言ってくれたの、達也がはじめて」
「そ、そうなんだ。余程見る目がない奴と付き合ってきたんだな」
「なんか嬉しいなぁ……うん、今の一言でもう元カレのことなんて諦めた♪」
「そ、そいつはよかった……」
 どうやら緋色は色々とスッキリしたようだ。尻尾を音を立てて振り、達也に笑顔を見せる。
 その笑顔に達也は頬を赤くさせて視線を逸らすと、緋色は彼の頬を突付いたりしてからかった。
「ほら、今日は飲もう。ふられた記念!」
「それって記念?」
「いいのよ、もうあんなやつなんて。それに……あれって本当だったんだのね」
「あれって?」
「うん、あたしの友達が言ってた。あ、その子も獣人で犬耳ちゃんだから。確か、就職が決まった日に彼氏ができたんだって」
 緋色は友人から聞いた事を、上機嫌で達也に伝えた。
「そ、そうなんだ。………てか、俺って緋色の彼氏になってんの?」
「あ、まだ早いか。それに、さすがにまずいわね………ううん、気にしないで。じゃあ今日は就職決まった記念!!」
 何がまずいのか達也は少し気になる。まぁ、出会ってすぐだからだろうと思ってしまったのだが。
 その直後、緋色は達也に抱きつき、達也の思考は一瞬止まった。
 どうやら二本目を飲み終え酔ってしまったらしい。
 こうなっては本当にもう帰れないと、達也は覚悟を決めて二本目のビールを飲み干した。
「おお、達也って学生なのにいけるんだね」
「まぁな」
「じゃあ、今日は飲みましょう。丁度昨日、いっぱい買ってきたから」
「そ、そうっすね」
 そして、二人は三本目のビールで乾杯する。
 この後、どの位飲んだのか……翌朝目覚めた達也は覚えていなかった。
 ただ、状況を確認すると、上半身裸な自分と、その横で全裸で気持ちよさそうに寝息を立てている緋色がいた。
218暁狐:2007/05/19(土) 20:13:50 ID:fO5GPUqN
 建校記念日も終わり、達也は二日前の事を思い出そうとしていた。
 周りにはワイワイ騒ぐ同級生達。
「……くぅ……」
 ただ、あの夜のことはどうしても思い出すことができない。
 記憶を失うほど飲んでしまったらしく、達也はいまだ頭痛がし頭を押さえる。
 そんな中でも思い出せるのは、昨日の朝のこと。
 上半身裸、相手は全裸ということもあり、慌てて緋色を起こした時彼女が言った言葉が頭から離れない。
『う、ん……たつや………きのうは、どうだった?』
 いろんな仮説が立てられる。
 ただその中でも、やはり緋色とヤッちまったという仮説が有力となってしまっている。
 もともと相手は裸に近く理性が吹っ飛ぶ危険性があり、尚且つ記憶がなくなるまで酔っていたとなると……達也は両手で頭を抱えて唸り始めた。
「俺は………」
 確かに緋色は美人だったが、出会って間もない人と身体を交えるなんて……しかも達也は童貞だったし。
 無意識のうちに童貞を失っていたというショックも彼を襲っている。
 あの後、達也は平常心を装って、寝ぼけている緋色に一言交わし帰った。
 今頃緋色はどうしているだろう、最悪自殺?
 そう考えると怖くなってくる。連絡先もわからないので確かめようがないし、直接会いに行くのも勇気が足りない。
 そんな悩める達也を他所に、教室は静かになっていた。
「群雲君、HR始まってるよ?」
「え? あ、すみま……」
 教師に指摘され、達也は頭を上げる。
 その際に疑問がよぎった。
 担任は男のはず、けれでも注意した声は綺麗な声で明らかに女。
 しかも何処かで聞いたような声……何となく予感がした。
 そしてその達也の予感は、的中し彼は思わず立ち上がって驚いた。
「ひ、緋色!!」
「……結衣先生よ」
「せ、先生? あ、すみま、せん……」
 教壇に立っていた女性、それは紛れもなくさっきまで達也の脳裏を支配していた狐さん、緋色だった。
 しかし、一昨日までの彼女とは違い、キリッとし的確な指摘を達也に送る。
 周りの視線もあり、達也は緋色に頭を下げてその場に座った。
 そしてその視線は、さらに彼女の尻に向けられる。
 大きな尻尾が生えていた。そのことに、周りもざわめいている。
 そのざわめきを消すかのように、緋色は静かに口を開いた。
「皆さん静かに。今日からこのクラスの担任をさせていただきます、結衣緋色と言います。見てのとおり、私は獣人です」
 周りがさらにざわめき、達也は驚く。
 緋色と酒を交わしたとき、彼女は思い切って元カレに自分が獣人だと言ってふられたと言っていた。
 つまりは自分が獣人だと他人に知られたくない風なことをいっていたのだ。
 だが、たった今彼女は自ら自分の正体を生徒になる人達に言った、しかも堂々と。
「あいつ……」
「静かにしてください。私は獣人です。ですから、獣人に物事を教わりたくないという方は、今すぐこの教室から出てくれてもかまいません」
 教室が沈黙に支配される。
 緋色が言った言葉を簡単にすると、自分の授業を受けたくない人は出て行け、ということになる。
 達也は無論出て行く気はない。
 数分の沈黙が流れる……誰も教室から出て行く雰囲気はないことに達也は安心した。
「そんなの気にしねーって先生! 美人だから許す!」
「獣娘……だがそれがいい」
「それって何の尻尾ですか?」
「狐です」
「狐の尻尾………ハァハァ」
「せんせー、HR終わっちゃいますよ〜?」
「そうですね……では、HRを始めます」
 そしてその安心は緋色も感じていた。
 正直、何人かには拒絶されるものかと思っていたが、誰も出て行かず逆に歓迎してくれたのだから。
219暁狐:2007/05/19(土) 20:15:14 ID:fO5GPUqN


 夕方になり、達也は自分の部屋の天井を見ながら今日の緋色の事を思い出していた。
 初日ということか少しぎこちない緋色だったが、生徒に助けられてなんとか授業しているという雰囲気。
 おそらく、学校で見せたクールな彼女は仕事モードだったのだろう。
 その証拠に、達也の顔を、白いワイシャツとお尻部分に尻尾を通すための穴が開いているパンツを穿いた、その張本人が笑顔で覗き込んだ。
「なぁに? 考え事?」
「まぁ、そうな感じで」
 一応言うが、同じボロアパートでもここは達也が暮らしているアパートであり、緋色が暮らしているところから結構離れた場所にある。
 それなのに、なぜ彼女がいるのか……答えは単純で、達也の隣の部屋に引っ越してきたから。
 最初こそ驚愕した達也だが、三日かけてここまで同じ狐から驚かされると人間というのは慣れてしまうものだ。
 そして、彼女と飲んでいたときに、彼女が言った”さすがにまずい”という言葉がやっと理解できた。
 生徒と教師が恋仲になるのは、昔からのタブー。
 だが、すでに一晩一緒にいた挙句にヤッちまっていれば、お互いその意識はすでに薄れていた。
「達也? 今日のあたしの授業、どう?」
「初日だから、どうもないけど……よかったんじゃないかな」
「本当? 嬉しいな」
 達也は上体を起こすと、彼の膝の上に猫みたく緋色は寝て達也の顔を見上げながら訊ねた。
 やはり間近で見なくても緋色は綺麗で、つい見つめられると赤くなってしまい達也は視線を逸らす。
 すると、彼女に頬を抓られて無理やり正面を向かされる。
 このやり取りが結構続いており、答えなきゃ離してくれないので答えるしか選択肢はなかった。
 彼の回答を聞き、緋色は嬉しそうに起き上がって達也に抱きついた。
「あの、先生?」
「二人っきりのときは緋色でいいんだよ?」
「じ、じゃあ緋色……その、離れてくれないか? 胸が当たって」
「当たっているのではなくて、当ててるの……えい!」
 緋色はそのまま胸を達也に押し付けながら、彼を押し倒した。
 困惑する達也の上に跨ぎ、真紅の瞳を光らせて先ほどまでの笑顔とは違う妖しい微笑で彼を見下ろす。
 その視線を感じ取り、達也の身体はぶるっと震えた。
「あの、やめてもらえないでしょうか?」
「だめ。達也は、もうあたしのモノ。あたしも達也だけの狐だから……」
 彼の制服であるワイシャツのボタンを外しながら、緋色は小声で言う。
 すべて外し終え、達也の上半身を露出させると、緋色は身体を寝かせて彼に密着した。
「この前のように、あたしが攻めるわね……というより、攻めさせないから」
「俺、この前のこと覚えてないんですけど」
「そうなんだ」
 達也の言葉にも薄いリアクションで、緋色は彼と唇を重ねる。
 最初は軽いキスだったが、すぐに舌が入る深いものへと変わり達也は身体を硬直させた。
 お互い舌を絡み合うというよりも、緋色が一方的に舌を達也の口内に入れているのに近かった。
「んッ……たつや、舌きもちい?」
 達也は無言のまま俯いた。
 そして彼女の口内にも舌を入れた瞬間、唇は離れ頬を抓られる。
 どうやら本当に攻めさせない気でいるらしく、おそらく攻めた瞬間抓られ続けるのだと、眉間に皺を寄せながら達也は思った。
 そして再び唇を重ねられ、唾液を吸われる刺激に、股間がどんどん膨らんでいることがわかった。
「んちゅッ……あ、苦しそう……いま外に出してあげるから」
 硬くなった肉棒、その感触は緋色にも伝わっており、唇を離しズボンを脱がす。
 そしてパンツごと下にずらすと、そそり立った肉棒が姿を現した。
「相変わらず大きいね、素敵よ達也」
「そりゃ……どうもです」
「ふふふ……さて、この前は普通に口でしてあげたけど、今回は獣人にしかできないことしてあげるから」
「え? んッ!」
220暁狐:2007/05/19(土) 20:16:33 ID:fO5GPUqN
 肉棒を目の当たりにし、発情し肩で息をする緋色は少し前へ身体を進ませる。
 その直後、達也の身体が少し痙攣した。
 緋色の大きくフサフサした尻尾が、達也の肉棒を刺激していたのだ。
「んぅッ、くぁッ!」
「どお? しっぽ気持ちいい?」
 大人びた顔つきだが少女のような無邪気な声を出して、緋色は達也に問う。
 彼女の言うとおり気持ちよく、絶えず尻尾の攻めに快感を送られる。
 尻尾全体でしごくように動いたり、尻尾の先で亀頭を攻められたりと、大きい外見とは違い彼女の尻尾は動き回る。
 体毛が時折当たりチクリとするものの、それが逆に達也に快感を送っていた。
「ふふ、あたしの尻尾、もう達也のでぐっしょり……」
「うぅッ……も、出……るッ!」
 達也は身体を痙攣させ射精する。
 それと同時に、緋色の尻尾は亀頭の先を押さえるように動き、精液は宙を舞うことなく尻尾を汚していった。
 亀頭から出る透明液と精液により、彼女の尻尾は水に濡れたようにグショグショだった。
「たくさん、出たわね……んちゅッ、おいし……」
 尻尾に付着した白濁した液を指ですくい、緋色は精液を味わう。
 その光景に興奮し、達也の肉棒は再び硬くなり始めた。
 それを感じ取り、緋色の尻尾は再び動き肉棒を攻める。
 射精した後の敏感な肉棒を刺激され、すぐに限界までそそり立った肉棒を片手で掴み緋色はしごく。
 そして後ろに下がっていき、肉棒を片手に掴みパンツを横にずらして秘所にあてがった。
「あたし、もう濡れてるの。だから、入れるわね」
「ち、ちょっと、待っ……」
「だめ、待たない……んッ!」
 童貞喪失の際の記憶が達也にはないので、実質これが達也にとっては初体験となる。
 しかし心の準備がまだであり、緋色を止めようとするもその前に亀頭が彼女の膣内に入り始めていた。
 お互い挿入の感触に身を震わせ、緋色はゆっくりと根元まで入れていく。
 そして、肉棒が根元まで彼女の膣内に納まると、緋色は前かがみになり腰を動かし始めた。
「んッ! はぁッ……あぁッ、たつやぁ、きもちいッ!」
「うぅ……もっと、ペースをかんがえて……ぅんッ!」
「だめ、とまらないよぉ! い、いつでも、出していいか、ら……ひぁッ!」
 緋色の動きは最初から達也を追い詰めていた。
 数往復上下運動をした後、深く咥えこみ回転運動や前後運動をする緋色。
 何より、彼女の淫らな姿が達也の興奮を高め、そして腰を突き上げ始めた。
 その感覚に驚き、彼の頬を抓るも力が入らず、そのまま上体を彼に預けた。
「こ、こら、んあッ、せめるなって、ああッ、い、言ったじゃ、ない……っ!」
「ごめん、緋色、もう制御きかないッ」
 やがて達也は手を伸ばし、緋色の胸を揉みしだく。
 彼女の胸は達也が少し力を入れただけで形を変え、緋色は口から唾液を一筋流し身を震わせた。
「やッ、そんな、乳首ばっかり……ッ!」
「緋色、俺そろそろ、まずいッ、んだけど」
 やがて達也は射精感を覚え、腰の動きは激しくなる。
 肉棒が出し入れされるたびに結合部から卑猥な水音が流れる。
 そして緋色もまた絶頂を覚え、達也と唇を重ねた。
「んッ、たつやッ、なかに、ちょうだいッ……」
「わ、わかったよ……ううぅッ!」
 達也の低いうなり声と共に、緋色の膣内に大量の精液が注がれる。
 二度目とは思えないほどの量の精液の感触に、緋色も唇を離し絶頂した。
「んんんんん……ッ! で、てる……あは♪ あったかぁい……」
 緋色の表情は満足げで、達也の精液を受け止めた。
 結合部からは二人の液が混ざったものが一筋流れ、射精が終わると緋色は肉棒を引き抜く。
 しばらく、暗い部屋の中には二人の呼吸だけが聞こえていた。
221暁狐:2007/05/19(土) 20:17:15 ID:fO5GPUqN
「はぁ、はぁ、はぁ……ふぅ、さて達也」
「ん?」
「ご飯にする? それとも銭湯に行く? ね、どっちにする?」
「……えっと、銭湯にするかな」
「じゃあ早く行きましょう? ね? あなた」
「………へ?」
 そして緋色は起き上がると、達也の顔を覗き込んで訊ねた。
 だが、達也は彼女が言った”あなた”というフレーズが気になって仕方がない。
 まぁ、その答えは近いうちに知ることになるだろう。

 
 その証拠に数ヵ月後、緋色は産休で学校を休んだのでした。


222暁狐:2007/05/19(土) 20:19:30 ID:fO5GPUqN
犬とかでもよかった気がするけど……狐が好きだから狐にしました
223名無しさん@ピンキー:2007/05/19(土) 20:32:47 ID:kxwPFd5l
>>222
一番乗りGJ!
あんまりツッコミ入れるのは野暮だとわかってるけど、
緋色が達也の担任になった理由を適当にでっち上げて欲しかったかな。
まあその分エロかったから帳消しですが。

あと緋色が「任務完了」とか言い出さないかとヒヤヒヤしましたw
224名無しさん@ピンキー:2007/05/19(土) 21:04:08 ID:lGu/oQvI
ウオオォォ!!!!
GJ!!!!!!
225名無しさん@ピンキー:2007/05/19(土) 21:18:48 ID:lGu/oQvI
>>224
書き忘れた…
ツボった
GJ!!!!
226名無しさん@ピンキー:2007/05/19(土) 21:53:53 ID:Ip+uxyCY
Big Bossがおいでになった〜!!

@尻尾から挿入へ、という稀に見る流れ→→最高
Aハッピーエンド→→最高
Bってか俺も狐スキー(`・ω・´)b

毎度お疲れ様です、そしてGJ!!!
227226:2007/05/19(土) 22:03:16 ID:Ip+uxyCY
↑の者だが、書き込んでから気づいたんだけど、バッドエンドも無論ウェルカム。
228SA:2007/05/19(土) 22:16:08 ID:Vs2cyLSe
前回、続くと書くのを忘れていました;
お待たせ(したかは定かではない)しました、>>158の続きです。
229SA:2007/05/19(土) 22:18:14 ID:Vs2cyLSe
「ん……」
 目を覚ますと、そこは自分の部屋であった。
 悠介が小学校に上がる時、両親に買ってもらった勉強机。
 悠介が幼い頃に悪戯でつけた(その後は父親に大目玉を食らった)壁の大きな傷。
 全て見慣れているはずの光景なのに何故か違和感を感じる。
「あっ、やっと起きた!ゆっけってば、お寝坊さんだなぁ」
 そう、その違和感とは最近、自分の家に住み始めた謎の転校生、蒼香と朱美である。
 女性恐怖症(に近い)の悠介の部屋に母親以外の女性がいるのは前代未聞だ。
 そのことに本人も当然驚いて(困惑して)いるが、もっと驚いたのは、かなりの至近距離で女性と接することが出来るようになったことである。
 昔の悠介だったら、それこそ後ろに飛び退いて頭でもぶつけていただろう。
 これも白百合学園での鍛練(拷問)のお蔭なのだろうか。
「ふわぁ……」
 寝惚け眼を擦りながら、ゆっくりと上体を起こし、時計に目をやる。
 短針が指しているのは『十一』と『十二』の間、長針が指しているのは『六』ぴったり。
「えーっ!?もうお昼!?わわわわ、どうしよぉ……」
 口元に手をやり、心底困った様子の悠介に朱美が意地悪そうに言う。
「さぁ、ここでゆっけに問題です。今日は何曜日でしょう?」
「えっと、今日は……あ」
「何曜日?」
「に、日曜日……」
「大正解♪」
「び、びっくりした……」
 ふぅと胸を撫で下ろし、一安心する悠介。
「ゆっけは、お寝坊さんで慌てんぼさんなんだね。それにしてもさっきの困った時の顔、女の子みたいで可愛かったなぁ♪」
 自分の慌てふためいていた姿を思い出して悠介の頬は少し紅くなる。
「まぁ、でも、昨日のゆっけの方が可愛かったかなぁ?」
「昨日……?」
「あれれ、ゆっけってば覚えてないの?」
「?」
「あんなに女の子みたいに喘いでたのになぁ……」
 言いながら、ずいっとにじり寄る朱美。
 何となく場の雰囲気が怪しくなったことに気付いた悠介は無意識の内に後ずさる。
「ねぇ、ゆっけ。あたしに可愛い喘ぎ声を聞かせて……?」
「ちょっ、ちょっと待って……!」
 無言のまま、距離を縮めてくる朱美から逃げようと後退するが、やがて壁にぶつかり、逃げ場を失った。
 悠介は恐怖を感じ、ぎゅっと目を瞑った。
 そして、まさに唇が触れ合わんとした距離で朱美の動きがぴたりと止まった。
230SA:2007/05/19(土) 22:19:40 ID:Vs2cyLSe
「……朱美」
 凛とした声が静まり返った部屋に響く。
「あ、おねーちゃん」
「……」
 無言で朱美を見据える蒼香には何処と無く迫力というものが感じられる。
 それを見た朱美も流石にまずいと思ったのか、悠介から渋々離れた。
「ちぇっ、後少しだったのになぁ。命拾いしたね、ゆっけ♪」
 そんな台詞を吐きながら、朱美は部屋を出て行った。
 残っているのは顔を真っ赤にして今にも泣きそうになっている悠介とそれを黙視している蒼香のみ。
 やがて、蒼香は悠介の許に歩み寄り、自らの片手を彼の頬に当てた。
「……大丈夫か?」
「ぐすっ……」
 先程とは全く異なる蒼香の優しい声を聞いて、次第に涙腺が緩んでいくのを感じる。
 そして、一粒の涙がぽろりと悠介の頬を伝った。
「……泣くな」
「えぐっ……えぐっ」
 悠介の頬をゆっくりと流れ落ちていく一粒の涙を親指で拭い、少しでも心を落ち着かせようと頭を撫でてやる蒼香。
「……怖かったか?」
 その問いに悠介は無言で頷く。
「……私の妹が済まないことをしたな。朱美は悠介のような可愛い存在を見ると、つい悪戯をしたくなる性分があるのだ。
だが、根は心優しい娘だ。どうか嫌わないでやって欲しい」
「ぐすっ……はい」
「そうか、それは良かった。それと、朱美がおかしなことを言っていたようだが」
「おかしなこと……?」
「昨日の悠介は可愛かったなどと言っていただろう。だが、あれはハッタリだから気にするな。
そんなことを本当にしていたら、今頃は私の蹴りが炸裂しているからな」
「わ、分かりました……」
 蒼香が言う冗談に聞こえない冗談に何度も頷きながら悠介は答えた。
「しかし、悠介も中々やるな」
「?」
「朱美だけならまだしも、この私にも可愛いと思わせるとはな……」
「……!」
 泣き止んだ悠介の瞳にまた涙が浮かび始める。
「しまった、失言だったか。まぁ、褒め言葉として受け取ってくれ」
「そんなぁ……」
「ふふふ……。しかし、こうして悠介と喋るのは初めてだな。遅くなったが、これから宜しく頼む」
「あ、こちらこそ……」
 言い掛けて、悠介は開いたドアの隙間からじっと様子を伺っている朱美が見えた。
 僅か数センチの隙間から、じっと見ている様子は何処か不気味さを感じる。
 ましてや、あんなことがあった後の悠介にとっては尚更だろう。
「ひっ……!」
「ん、どうかしたか?……朱美、そんな所で何をしている?」
「おねーちゃんがあたしのゆっけに変なことしてないか見張ってたの♪」
「お前と一緒にするな。私は誰彼無しに手を出すような真似はしない。そんなことより、悠介に何か言うことがあるんじゃないのか?」
「ゆっけ、ごめんねぇ♪」
「そんな所からじゃなくて、もっと近くに寄って謝れ。反省の色が見えん」
 少し厳しくなった蒼香の言葉でふざけている場合ではないと悟ったのか、朱美はゆっくりと部屋に入る。
 そして、少しずつ悠介に歩み寄り、彼の目の前に座った。
 蒼香はその様子を腕組みして見ている。またふざければ、今度は手とか足が飛んできそうだ。
「ゆっけ、悪ふざけしてごめんね?許してくれる……?」
「ちょ、ちょっと驚いただけだから……。もう大丈夫だよ」
「じゃぁ、許してくれる……?」
「もちろん!」
 にっこりと微笑む悠介。それを見て安心したのか、不安そうだった朱美も笑顔に変わった。
「一件落着か。まずは一安心だな」
 その様子を見て満足そうにしながら蒼香は言った。
231SA:2007/05/19(土) 22:20:45 ID:Vs2cyLSe
 時間は正午。世間は昼時だ。
 悠介達も空腹を満たすために階下に降りた。
「あれ、母さんがいない……?」
 休日のこの時間帯はいつも昼食を作っているはずの母親が今日に限っていない。
 ふと、台所の上に目をやると、一枚の紙が置いてあるのに悠介は気付いた。
 それを手に取り、黙読し始める。


 みんなへ
 
 あなた達がこれを読んでいる時、お母さんはもう家にはいないでしょう。
 お母さんはお友達と三泊四日の旅行に行って来ます!
 お土産をたくさん買って帰って来るので、お留守番宜しくね。
 蒼香ちゃん、朱美ちゃん。お母さんがいない間、悠介のことと家事を宜しくお願いします。
 悠介、お母さんがいない間、蒼香ちゃんと朱美ちゃんと仲良くするのよ
 毎日が鍛練なんだから、しっかりと鍛えてもらいなさい!
 蒼香ちゃんも朱美ちゃんも遠慮せずにビシバシとズコバコと鍛えてあげてね。
 じゃあ、みんな頑張ってね♪
                                          』

「えーーーーーーーっ!?」
「どうしたの、ゆっけ?ん、何それ?」
 悠介の手から手紙を取り、朱美と蒼香も読み始める。
「ふぅん……お母様、旅行に行かれたのね」
「そのようだな。最後の辺りが少し引っ掛かるが、まぁ、頑張れということだろう」
 少なくとも三日間は自分と蒼香と朱美だけということを知り、たちまち顔面蒼白になる悠介。
 そんな悠介に反して朱美は妙に笑顔だ。
 蒼香はというと、至って冷静沈着。
「とりあえず、昼食だな。朱美、惚けてないで手伝え」
「はーい♪」
 現実を直視しきれない悠介は暫く硬直していたが、何とか許容の範囲まで持っていけたようだ。
(そ、蒼香さんがいるから、きっと大丈夫だ……!頑張れ、僕!)
 まぁ、そんな希望は後々に打ち砕かれることになるのだが。
 それを悠介が知る術も無いことは明白である。
232名無しさん@ピンキー:2007/05/19(土) 22:21:16 ID:JuY2Ncry
ヒイロ ユイ、キタコレwww
で改めてGJ!
次はギム・ギンガナムかな。
233SA:2007/05/19(土) 22:23:35 ID:Vs2cyLSe
まだ続きます。
散々待たせた挙げ句、完結しません;
エロへ持っていくところが中々決まらなくて……やっぱりエロは難しいです;
神々の偉大さが改めて分かりました……。
次回で一応、完結にしようと思います。
ハイスピードで頑張って書き上げます!
234名無しさん@ピンキー:2007/05/19(土) 22:36:16 ID:uUvqhNbq
超超超超超超(ry
GJGJGJGJGJGJ(ry

マジ最高っした!!

ていうか達也の名字にネタがあるのか小一時間考えてたww
なんかのネタなんかな?
235名無しさん@ピンキー:2007/05/19(土) 22:55:00 ID:CTh64wZE
>>222
結衣 緋色w
しかもラスト孕んじゃいましたか。
GJGJ!!

ところで複数の創造神様の世界が繋がりつつある?

>>233
ちょwズコバコとって…母親公認!?
完結編期待します!
236名無しさん@ピンキー:2007/05/20(日) 00:18:58 ID:dEG3boLc
>>235
複数の〜ってどういう意味だ?
237名無しさん@ピンキー:2007/05/20(日) 00:48:26 ID:246KY7e+
クマ様やBOSSの設定が似てきたって事でしょ。
言われてみると確かに似てるね。獣人が差別されてたりとか。
まるで同じ世界の話のようだよ。
238名無しさん@ピンキー:2007/05/20(日) 00:49:26 ID:meffuooS
>>236
>「うん、あたしの友達が言ってた。あ、その子も獣人で犬耳ちゃんだから。確か、就職が決まった日に彼氏ができたんだって」

これって世界が>>63-81と繋がってるってことですか?と思ってワクテカしたってこと
239名無しさん@ピンキー:2007/05/20(日) 01:16:20 ID:k2Be2Lsc
>>238
!!!
しまった、あの作品はBIGBOSSのじゃなくて生産性の人のだった!
>>238が言わなければ普通にスルーしてたぜ!
BIGBOSS!!納得のいく説明をっ!!

まぁぶっちゃけどっちでもいいが
いつぞやのくまさんみたいに侮辱した内容になってるわけでもないしなぁ
240名無しさん@ピンキー:2007/05/20(日) 01:45:13 ID:ecM7mJyQ
まぁ俺もどっちでもいいけど……
玲子さんと緋色先生が友達だったらというのを妄想して萌え悶えたのは、俺だけ!


>>233
いつまでも待っています…いつまでもあなたを……
241名無しさん@ピンキー:2007/05/20(日) 01:49:54 ID:G3tPIv3i
>>226に追加

Cすべて→最高

尻尾に攻められるのが大好きだあああ

GJ
242名無しさん@ピンキー:2007/05/20(日) 05:21:03 ID:dEG3boLc
なるほどそういうことか

ところで>>239
>いつぞやのくまさんみたいに侮辱した内容

ってなに?保管庫残ってる?
243名無しさん@ピンキー:2007/05/20(日) 09:28:22 ID:WpJr0Xy4
>>239
そこは深く突っ込まないほうが……
他人の作品とリンクさせるのは色々と大変、ってこと
相当神経質にやんないと厳しいツッコミがあるしね

そりゃ、他の職人さんに使ってもらうってのは純粋に嬉しい気持ちはあるだろうけどさ
自分のキャラが踏み台になってたりするのは勿論、
ちょっとした間違い(一人称とか)でも「あれ、あんまし俺の文章読んでない?」
ってなるし

ま、そこらへんの線引きは難しいけどね
244名無しさん@ピンキー:2007/05/20(日) 09:51:18 ID:WpJr0Xy4
↑の一行目だけど、

>>239じゃなくて、>>242です。念のため
245名無しさん@ピンキー:2007/05/20(日) 10:52:23 ID:dEG3boLc
>>243
荒れたってことか…(´・ω・`)
このスレは職人の合作とかリレーとかないのかな?
あったら面白いと思うんだが。
246名無しさん@ピンキー:2007/05/20(日) 10:54:50 ID:dEG3boLc
追記。
くまさんの書く話は『萌え』とは微妙に違うと思うのは気のせい?
そういう作風なのかもしれないけど。
247名無しさん@ピンキー:2007/05/20(日) 11:00:00 ID:t6epYo70
面白そうではあるが、内輪くさくなりすぎる気もするな。
248暁狐:2007/05/20(日) 13:56:50 ID:911BitFn
>>239
ここで空気を読まず答えますと、

>>63-81の世界と>>212-221の世界は勝手ながら繋げちゃいました。

以下、言い訳
脳内でストーリーを考えているときに、生産性の人やくまの人と似ちゃった事に気づきました。というより、生産性の人&くまの人の作品に影響されたのだと思います。
途中でストーリーを変えるわけにもいかず、どちらかの作品の世界と繋げてしまおう、と思ってしまったんです。ごめんなさい。
狐はイヌ科らしいので、犬の玲子さんと緋色を友達にしちゃおうと思って、直接は出さなかったけど書いた所存。ごめんなさい。
世界繋げるのは自分の作品内にしますので。

長い言い訳ですみません。ですが最後に一言、

書く人氏、リャン先生とウルとあの世界を使わせてください
249名無しさん@ピンキー:2007/05/20(日) 15:56:36 ID:lllHaN2V
最近、保管庫に更新の遅れが見られる気がするの漏れだけ?
250名無しさん@ピンキー:2007/05/20(日) 15:58:50 ID:k2Be2Lsc
>>248
納得
もとより『擬人化した〜』ってのは厳しい枠組みだからどこかでぶつかるのは仕方ないかも
しらんね。
BIGBOSSに口答えするのもあれですが、世界をかち合わせるときは存分に注意と
その作家に対する敬意をもって取り組んでください。お願いします。

追記
ウルキタ────────(゚∀゚)────────!!
251名無しさん@ピンキー:2007/05/20(日) 16:23:28 ID:A5Ug2/YS
グリリバ


ウホッ
252名無しさん@ピンキー:2007/05/20(日) 16:52:46 ID:b24v0w6Y
>>248
期待。
253ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2007/05/20(日) 17:37:52 ID:oRq6Jo6q
ワニ娘で行きます。
254ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2007/05/20(日) 17:38:51 ID:oRq6Jo6q
<鰐淵先輩>

「ちょっと、何これ? 私、ダイエットDr.ペッパーって言ったはずだけど?」
「あっ、す、すみません!」
間違えてチェリーコークを買ってきてしまった。
プールサイドに寝転んでいる獅子尾(ししお)先輩が、じろりと僕を睨んだ。
あ、これはヤバい。
僕の所属する<水辺でお昼寝倶楽部>の部員で、
二年生の獅子尾先輩は、ライオンの獣人。
非の打ち所のない金髪と美貌が、同じ女生徒からも人気の高い「お姉さま」だけど、
群れを作る動物の獣人らしく上下関係にうるさくて、肉食動物だからかものすごく怒りっぽいんだ。
「あー、これはわざと変なのを買って来たんじゃないでゲスかねー?
この子、獅子尾サマがダイエット中と言うことを知ってたはずでゲスよー」
妙な口調で言ったあと「にしし」と笑ったのは、獅子尾先輩の取り巻きで、
品性下劣を自認している新聞部との掛け持ちの一年生、灰斑恵那(はいぶち・えな)。
僕の同級生のハイエナ娘が余計な事を言わなければ、さらっとすんだ所だったのに、
獅子尾先輩は、恵那のことばを聞いて柳眉を逆立てた。
「何……、わざとなの?」
「そ、そ、そんなことありません」
慌ててもう一回頭を下げたけど、先輩は怒り出すと止まらない。
特に、自分への侮辱に対しての怒りはものすごい。
<学園>内での注意事項その16、にも
<ライオン獣人のプライドを傷つけることは避けましょう>とあるくらいだ。
普段は面倒見のいい先輩が瞳に殺気を宿らせて詰め寄ってくるのを、
ただの純血種人間でしかない僕は、金縛りにあったように見ているしかなかった。
獅子尾先輩が真っ赤な口を開け、白くて大きな牙をむき出しにして怒るのを目の前にして、
足がすくまない人間はいない、と思う。
空気さえびりびりと張り詰めた中で、
恵那がニヤニヤと笑いながらこっちを見ているのがちらっと見えた。
255ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2007/05/20(日) 17:39:36 ID:oRq6Jo6q
(あー)
人間、命の危機が迫ると、むしろ客観的になるらしい。
走馬灯を見ること0,1秒。
短かったけど、楽しかったな。お父さん、お母さん、先立つ不幸をお許しください、
とか思い始めたとき、
「なーに、ガチャガチャやってるんだい!?」
横合いから女の人の大きな声が割って入ってきた。
「……!」
獅子尾先輩がざっと跳び下がった。ネコ足立ちで身構える。
「バカ沢……あ、いえ、河馬沢(かばさわ)……」
恵那がつぶやきかけ、あわてて言い直した。
「「先輩」をつけな、このデコ介。
自慢じゃないが、あたしゃ、たしかにテストは毎回赤点補習のお馬鹿だから、「バカ沢」でもいいけど、
最上級生で、あんたらの先輩であることはちがいないんだから」
三年生で、クラブの役員でもある女生徒は、腕組をして二人を睨みつけた。
カバの獣人だけあって、体が大きい。
太目……いえいえ、恰幅がよい分、その仁王立ち姿はものすごい迫力だ。
ついでに腕組で盛り上がったおっぱいの迫力も、ものすごい。絶対150センチ超えてる。
──サバンナの<水辺のヒエラルキー>で最強といわれるのは、
実はライオンなどの肉食動物ではない。
体の大きなゾウやカバなのだ。
特にカバはユーモラスなイメージとは裏腹に、攻撃的でしかも執拗だと言う。
文科系(?)のぬるいクラブで下級生から慕われる、気風の良いこの女先輩が、
獣人の不良どもが最敬礼で挨拶する元ヤンだということと同じくらいに意外な話だけども。
その元ヤンの先輩に、獅子尾先輩は──ぎん、と目を怒らせて一歩前に出た。
「ひっこんでいていただけませんか、河馬沢先輩。
これは、一年生のしつけの問題で、貴女とは無関係です」
「ほお……。上等な口を叩くじゃないかい」
純粋種人間や、小型生物の獣人だったら、それだけで気絶しそうな視線を受けて、
河馬沢先輩が獰猛に笑った。
256ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2007/05/20(日) 17:42:46 ID:oRq6Jo6q
「あわわ」
僕は青くなった。
見れば、恵那も同じ表情になっている。
百獣の王と、水辺の覇者。
<学園>広しといえど、こんな<大物>同士がぶつかることなんか滅多にない。
それは、一介の純血種人間やハイエナ娘に止められるものではなかった。
獅子尾先輩が、耳をつんざく声で大きく吼(ほ)え、
河馬沢先輩が、どん、と地面を足で踏みしめる。
縦横五百メートルを誇る学園のシンボル、<大プール>。
プールというよりはすでに池や湖の範疇に入るその岸辺で突如始まってしまった果し合いは、
──ざぱあっ、という水音と
「……理由なく下級生を使い走りさせてはならない。
<水辺でお昼寝倶楽部>部員心得、第二十三条……」
その静かな声で唐突に終わりを告げた。
「……わにぶっちゃん……」
「鰐淵…先輩……」
自ら上がってきたのは、激しない声と物腰、
そしてスクール水着のお尻の部分からのぞく長くて太い鱗の尻尾が、
彼女が爬虫類の獣人だということを万人に認めさせる美女――鰐淵(わにぶち)先輩だった。
「パシリ、よくない」
水中メガネを外しながら鰐淵先輩はぼそり、とつぶやいた。
シンプルな正論に、獅子尾先輩がぐっとことばに詰まる。
「……」
「……」
爬虫類系獣人特有の、どこに焦点があっているのかわからない視線を受けて、
獅子尾先輩はとまどっているようだった。
そこに、唐突に、
「……おしおき」
鰐淵先輩は、獅子尾先輩の手首を掴んだ──どぼん。
ライオン獣人を道連れにプールに再び飛び込んだ。
257ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2007/05/20(日) 17:43:27 ID:oRq6Jo6q
「ぶるおっ! ごばっ! どぼっ!」
引き込まれた金髪の美貌が、これ以上ないという驚いた表情と盛大な泡を浮かべて、水中に消えていく。
「あちゃー。勝負あったね。ワニは不意打ち得意だからねえ。
じっと動かない、と思った瞬間にはもうガブリ、さ……」
河馬沢先輩が、腰に両手を当てて、愉快そうにわはは、と笑う。
150センチオーバーの爆乳がぶるんぶるん揺れるけど、僕はそれどころではなかった。
「ちょっ……浮かんできませんよ!」
「あー。<大プール>は最深部が20メートルあるからねえ。
ま、わにぶっちゃんも、そこまで深いところは苦手だから、
3メートルかそこらで獅子尾を押さえ込んでるだけだろうけど」
「さ、3メートルでも、息できませんよ!」
「そりゃそうさな。そうやって獲物を仕留めるんだもん」
河馬沢先輩は、もう一度、わはは、と笑った。
「そ、そんな、獅子尾先輩、死んじゃいますよ!?」
「うーん。ま、そろそろやね。ほら」
涼しい顔の元ヤン先輩が指で指した先に、鰐淵先輩が浮かび上がってきた。
肩に、獅子尾先輩を担いでいる。
「まー、ライオンだろうがトラだろうが、水辺でわにぶっちゃんに勝てる
獣人なんてそうはいないさね。おー、見事な土座衛門。……どれ」
河馬沢先輩は、プールサイドに横たえられた獅子尾先輩のおなかの上に手を当てて、
ちょっと体重を掛けた。うわ、重そ……い、いや、人命救助、人命救助。
「……けはっ、ごばっ!!」
激しい咳き込みと同時に、ライオンの獣人娘は口からぴゅーっと水を噴出した。
「そこのハイエナ女、後でこの子を保健室に連れてってやりな」
河馬沢先輩は恵那にそう命じた。
その横を鰐淵先輩はすっと通り過ぎた。
たった今、猛獣の獣人と生死をかけた(一方的だったけど)
戦いをしてきたとは思えないくらいに表情に乏しい。
だけど、そのぼうっとしているようにも見える顔は、びっくりするくらいに美しかった。
258ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2007/05/20(日) 17:44:08 ID:oRq6Jo6q
「……」
僕は、ありがとう、と言うのも忘れて、
呆けたように鰐獣人の女先輩が歩いて行くのを見送った。
鰐淵先輩はプールサイドにいくつも並んだパラソルの一つに向かって歩いて行き、
その下でごそごそやっていたが、やがて、黒縁の眼鏡をかけなおして戻ってきた。
「わあ……」
眼鏡をかけると、その静かでクールな美貌はいっそう際立つように思える。
「……獅子尾、か」
ぐったりした獅子娘を恵那が苦労しながら運んで行くのを見た鰐淵先輩は
ちょっと首をかしげてそうつぶやいた。
も、もしかして、相手を認識してなかったの?
「わにぶっちゃんは目が悪いからねー。鰐にはメガネが必須なのさ」
河馬沢先輩がわはは、と笑った。
今度は、150センチオーバーのおっぱいが揺れるさまが目に入った。
ちょっと嬉しい。
「……帰る」
水着の上からバスタオルを羽織った鰐淵先輩がぼそりと言った。
「お。じゃ、あたしも帰るかな」
河馬沢先輩がうーん、と伸びをしながら答える。
「あ、あのっ!……ありがとうございました!」
慌てて二人にお礼を言う。
「わはは、いいってこと。可愛い後輩のピンチくらい、いくらでも駆けつけたやるさね。
……まあ、獅子尾も可愛い後輩ちゃあ、可愛い後輩なんだけどね。
ま、明日、ちっとお灸据えて、その後はチョコパフェでも奢ってやって終わりにするさ」
河馬沢先輩は豪快に笑った。そして、鰐淵先輩は──。
「一緒に、帰る?」
……と僕の顔を覗き込みながら聞いた。
「あ、はい!」
反射的に返事をする。
それから、すごく近くに鰐淵先輩の顔があったことに気が付いて、僕はどぎまぎとした。
259ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2007/05/20(日) 17:44:51 ID:oRq6Jo6q
僕らの住む街は、獣人特区。
僕の通う学校──獣人と人間の若者が<共学>する市立学園を中心にして、
人と獣人が共生するモデルタウンとして作られた。
獣人を嫌う人間も多いけど、宇宙に飛び出して「進化の壁」にぶち当たった人間にとっては、
はるか昔に捨て去ったはずの「獣の因子」を持つ自分たちの亜種は、大きな可能性を持つ存在だと思う。
宇宙開発が頓挫した世界政府は、世界中に隠れていた獣人を保護し、集結させ、
次世代の<超人類>が外宇宙への壁を打ち破ることを目指している。
<特区>と<学園>は、そのための大切なゆりかごだ。


制服に着替えて(<水辺でお昼寝倶楽部>はプールサイドで活動するから、水着のことが多い)外に出る。
鰐淵先輩と河馬沢先輩は部室棟の前で待っていてくれた。
カバ獣人の女(ひと)はクラブ役員だから、何度か話したことはあるけど、
鰐獣人の女(ひと)と話すのはほとんど初めてだ。
「あの、今日は、本当にありがとうございました」
改めて二人にお礼を言う。
「いいってことさ。純血種はあたしらより腕力とか、弱いからね。
でも、それをいいことに、パシリだなんだって使うのはまちがってる」
……獅子尾先輩は、「力の弱い相手に」ではなくて「部活の後輩」にパシリをさせたつもりだと思う。
機嫌のいい時の獅子尾先輩は面倒見がよくて、僕も色々お世話になってたから、
まあちょっと嫌だなー、とか思いながらも1キロ離れた購買にジュースを買いに行ったんだ。
河馬沢先輩に言わせると、そういうのもよくないこと、らしいけど。
260ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2007/05/20(日) 17:45:38 ID:oRq6Jo6q
「……頭、なでて」
僕がそんなことを考えながら複雑な思いになった瞬間、ぼそっとした声が、
予想もしないことばを運んできた。
「え?」
僕は思わず左手のほうを見上げた。
鰐淵先輩は、僕より背が高い。
身体の大きな獣の獣人は、女の子でも身体が大きい。
僕のクラスメイトには身長196センチの象娘や225センチのキリン娘だっている。
今僕の右隣を歩いている河馬沢さんは、多分体重150キロ越え……いや、なんでもありません。
とにかく人間の男としてはちょっと小さい僕より、鰐淵先輩は10センチくらい背が高かった。
その先輩から、「頭をなでて」とは……、聞き間違いだっただろうか?
「……お礼なら、頭、なでてくれるのがいい」
今度は、はっきり聞こえた。
「わはは、こりゃ驚いた。あんた、わにぶっちゃんに気に入られたね」
河馬沢先輩は豪快に笑った。
「頭、なでるって……」
「……そこ、私の家。寄って」
裏門を出てちょっと歩くバス停の前で、鰐淵先輩は言い、僕は目を白黒させた。
261ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2007/05/20(日) 17:46:19 ID:oRq6Jo6q
バス停からすぐの路地にあるアパートの角部屋が鰐淵先輩の下宿だった。
「ここは、爬虫類系の獣人専用のアパートでね。全室東向きなんだ」
河馬沢先輩が説明してくれた通り、東側に大きな窓が付いている。
爬虫類系の獣人はこういうところに住まないととても寝起きが悪いらしい。
うっかり北部屋のアパートに入居してしまった蛙娘が、三週間連続遅刻の偉業を達成してから、
<学園>の学生課は、下宿先を細かくチェックしている。
「……なでて」
部屋に入るやいなや鰐淵先輩はそう言った。
床の上にぺったりと座った頭をこっちに突き出す。
並んで歩いていたときは、長身の相手に対してやりずらかったけど、これなら背が届く。
「で、でも、なんで……頭をなでるんですか……?」
「わにぶっちゃんは、頭、弱いから」
「え?」
横合いからかえってきた返事に、僕はびっくりして振り返った。
河馬沢先輩は、床の上で胡坐をかいて(先輩いわく、普通の椅子だと壊れるそうだ)、
ニヤニヤしながらこっちを眺めている。
「頭弱いって……」
どちらかというと、それは河馬沢先輩のほうだ。
なにしろ、カバ獣人のこの先輩は、テストの後一週間はクラブに出てこない。というか出てこられない。
全教科赤点補習。本名の「河馬沢」よりも、「バカ沢」のほうが通りがいいくらいだ。
それに比べて、鰐淵先輩はすごく頭がよくって、トップテンの常連のはずだった。
クラブの女の子たちがテスト前に色々教わってるのを見てるから間違いない。
「いま、何考えた?」
「いいえ、な、何も!」
バカ沢先輩、い、いや、違った、河馬沢先輩がじろりと睨み、僕はびくっと飛び上がった。
でも河馬沢先輩はくすっと笑って追求をやめて
(この辺が「同じ面倒見のいい先輩」でも、獅子尾先輩とちがうところだ)説明をしてくれた。
「まー、あたしゃバカという意味で頭弱いけどね。その娘は別の意味で頭弱いのさ」
262ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2007/05/20(日) 17:47:00 ID:oRq6Jo6q
「別の意味?」
「んー。ま、それはいいから、頭なでてやりな」
「あ、は、はい!」
河馬沢先輩との会話中も、鰐淵先輩はずっと頭をつき出したままだった。
無言でじっと固まっている姿を見て、慌てて僕はそっちに向き直る。
恐る恐る手を伸ばして、鰐淵先輩の頭に触れた。
長い黒髪は、ものすごくさらさらしていて、しかも艶がある。
爬虫類系の獣人は肌とか髪とかが綺麗だ、といわれるけどその通りだった。
「……これ、いい」
なではじめると、鰐淵先輩は、こくん、とうなずいて、また無言、無動作に戻った。
かわりに河馬沢先輩が話を続ける。
この恰幅のいい先輩がいないと、鰐淵先輩の行動を僕はまったく理解できない。
「鰐はさー、上あごを下げる力はめちゃくちゃ強いけど、上げる力は弱いんだって。
人間が頭抑えるだけで口を開けられなくなるくらいに」
「え?」
「だからかどうか知らないけど、鰐獣人って、頭が弱点というかなんつーか、
……性的に弱いんだな。いわゆる一つの、性感帯?」
「ええ!?」
頭をなでる手に、微妙な振動が伝わってくる。
鰐淵先輩が、身体を震わせているのだ。
これは、その……興奮している……の?
「もちろん、誰にだってそういうことさせるわけじゃない。
性的だろうがなんだろうが、肉体的弱点には変わらないからね。
わにぶっちゃんが、そんなこと言い出した相手ははじめて見るよ」
「そ、それってどういう意味……」
「だから、あんた、この娘に気に入られたんだよ。性的なパートナーとして」
あっさりと言い切った河馬沢先輩に、僕は自分の顎がかくん、と落ちるのを感じた。
263ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2007/05/20(日) 17:47:49 ID:oRq6Jo6q
「ちょ、ちょっと性的なパートナーって! 何それ!?」
「いやー、わにぶっちゃんは鰐獣人の娘の中でもとびきり<因子>の力が強いからね。
全く関心のないような感じで油断させておいて、決める時は電光石火。鰐の狩りそのものだわ」
うんうんとうなずく河馬沢先輩。
「な、なんなんですか、それえ!?」
「ワニと言うのは、クールに見えてなかなか一直線で、気に入ったら一気に勝負。
それも押して行くんじゃなくて、自分のホームグラウンドに引っ張りこむんだな。
獲物を水中に引きずり込んで仕留めるように、
男の子を速攻で自分の下宿に引きずり込んじゃうなんて、こりゃ乙女チックだねえ」
河馬沢先輩のうなずきは深くなった。。
「ちょ、何ですか、それって……」
無言、無動作のままなでられ続ける鰐淵先輩から視線を引き剥がそうとして、……僕はそれが出来なかった。
つややかな黒髪の手触りは気持ちよかったし、
うつむいた表情は見えないけれど、鰐淵先輩は、ものすごい美人だ。
触れていたい、さわっていたいという気持ちはたしかにある。
だけど、それ以上に、ライオン娘を一方的にのしてしまった猛獣の獣人、
という事実が、手を止めることの恐怖をかき立てる。
(この女(ひと)の意にそぐわないことをしてしまったら……)
「あ、あの……」
「何だい?」
「鰐淵先輩って、メガネカイマンとかそういうのの獣人の方ですか?」
体長2メートル、ペットとしても飼えるというメガネワニの名前を出して聞く。
先輩はメガネが似合う美人だ。
ひょっとして、そういう大人しい種類のワニの獣人かもしれない。
「うんにゃ、わにぶっちゃんは、母方の苗字が「入江」さんだよ」
「……それって……」
「おとなしいカイマンでも、普通のアリゲーターでもなくって、一番獰猛なクロコダイル。
その中でも<最大最強のワニ>イリエワニが、わにぶっちゃんの<獣因子>さね」
……ころころと笑う河馬沢先輩に、僕は体中の血がどこかに下がって行くのを感じた。
「んじゃ、邪魔者はそろそろお暇するわ。後は若いモノ同士でごゆっくり……」
河馬沢先輩は「にまっ」と笑うと、よっこらせと掛け声を上げて立ち上がった。
「ちょっ! 河馬沢先輩、鰐淵先輩と同い年! 僕とも二歳しか違わない!
とかそういう話じゃなくてっ!! ああっ! 待ってぇ!!」
僕の悲痛な叫び声を、閉じられた扉が跳ね返す。
僕は、頭をなでてあげている女の人がゆっくり身体を起こして行くのを感じ取った。
「……つがおう」
獅子尾先輩と遣り合っているときさえ焦点が合わなかった瞳は、いまや見開かれて爛々と光っている。
イリエワニ。
最大最強の爬虫類の獣人娘は、無力な人間の上にのしかかった。

                                   前編ここまで
264名無しさん@ピンキー:2007/05/20(日) 18:00:06 ID:V4/3PoTx
流石ゲーパロ氏、GJ過ぐるっ……!
後編、wktkで待ちます。下半身全裸で
265名無しさん@ピンキー:2007/05/20(日) 19:26:14 ID:b24v0w6Y
ゲーパロさんGJ。


人と鰐はどっちが『強い』んでしょうね。

266名無しさん@ピンキー:2007/05/20(日) 21:43:00 ID:U38M3YhI
>ワニ娘
読んでて、ネギまのアキラのような容姿を連想しました
267名無しさん@ピンキー:2007/05/21(月) 00:48:50 ID:+HKewCQh
俺も。
268名無しさん@ピンキー:2007/05/21(月) 01:35:12 ID:t1MYEJZx
河馬沢先輩>
嫁を思い出して吹いたw
269名無しさん@ピンキー:2007/05/21(月) 07:48:01 ID:mNGuRO5I
朝からビンビンでおさまりがつかなくなってしまった・・・・・・・orz
270名無しさん@ピンキー:2007/05/21(月) 08:25:31 ID:w+/Leo6U
逆に考えるんだ
「勃ったままでいいさ」
と考えるんだ。
271名無しさん@ピンキー:2007/05/21(月) 14:35:16 ID:t1MYEJZx
保管庫見て結構未完の作品が多いと思ったんだけど、他のスレもこんな感じ?
272名無しさん@ピンキー:2007/05/21(月) 17:29:09 ID:w+/Leo6U
そんな感じ
俺の通ってるスレでも両手の指くらいある
273名無しさん@ピンキー:2007/05/21(月) 17:49:46 ID:Omk+D2aG
>>271
未完だからいいんじゃあないか
274名無しさん@ピンキー:2007/05/21(月) 20:03:19 ID:xMwenEwz
一度投下したら完結させるべきとは思うが……
275名無しさん@ピンキー:2007/05/21(月) 20:43:57 ID:Omk+D2aG
神ならちゃんと完結させてくれますよ。
276名無しさん@ピンキー:2007/05/21(月) 21:10:18 ID:ze7vp472
≫268
言うたらアカンがな〜。
277名無しさん@ピンキー:2007/05/21(月) 23:16:25 ID:t1MYEJZx
続き書いてくれ〜せっかく面白いのに…
278名無しさん@ピンキー:2007/05/21(月) 23:20:28 ID:xMwenEwz
最近、♀の大型犬見るとドキドキする…
279名無しさん@ピンキー:2007/05/21(月) 23:21:46 ID:W672BqlB
>>278
それは恋です!
280名無しさん@ピンキー:2007/05/21(月) 23:35:29 ID:fWbJ2wVh
カバ娘とライオン娘との絡みもみたい
281名無しさん@ピンキー:2007/05/22(火) 00:14:33 ID:HTVVqAdY
職人の皆々様、私どもスレ住人はずっと待つからどんなに時間がかかってもいい、
続きを投下してくれ。

どの作品も「これ面白そうだな〜」とか「早く続き読みたいなあ」って思えるのばかりだしね。


クドリャフカや、竜の話や、潜水艦、山猫と挙げたらきりが無いけど…どれも楽しみなんだ。
282名無しさん@ピンキー:2007/05/22(火) 01:30:19 ID:W/Z/bFc5
こんな流れの中、前項編と分けて投下する俺、参上!

ごめんなさいファンタジーラノベ脳で前振り長くなった上、明日仕事でエッチ部分書けなかっただけです('A`)
明日必ずエッチ部分投下します('A`)
虎女(未亡人)と下宿人ショタベヒーモスです…
283名無しさん@ピンキー:2007/05/22(火) 01:33:06 ID:W/Z/bFc5
「ん……ふぁぁぁ…ぁ……」
朝の気持ち良い日差しが、カーテン越しに飛び込んで来て眼が覚めた。
こんなに気持ち良い目覚めは久しぶりかもしれないと、僕は思った。
僕の名前はモト。魔法都市『アデューカス』に、2年前から魔法を学びに来ている獣人だ。
何の獣人かは、まだ秘密だけど。
でも、パッと見て女の子みたいな外見の上、獣の『シルシ』が無いから、純血の人間に間違われる事も少なくない。

「モトー!朝だよ、起きなー!」
「あ、はーい!ありがとうございます、カトライアさーん!」
階下から大きな声で僕を呼ぶのは、虎獣人のカトライアさん。この街僕が辿り着いてから…
それこそ、身寄りが無いと言って良い僕を拾ってくれた上、
自分が経営してる酒場『タイガーテイル』に下宿させてくれた恩人だ。

なにせ右も左も解らない大都市の上、頼れる身の上も無かったから、彼女には本当に感謝してる。
それに……綺麗な金髪の髪、腕を覆う綺麗な黄色と黒の縞々の毛皮…なにより、飛び切りの美人で…
僕はこの人に拾われて、本当に幸運だったと、未だに思う。
とりあえず服を着替えて、軽快な足音と一緒に1階の酒場兼食道に下りて行った。
「今日の朝は、アンタの大好きなベーコンエッグと…」
「コーンスープにライ麦パン、ですよね?ありがとうございます!」
「さ、早く食べな?今日の1時間目、間に合わないぞ?」
「今日は大丈夫。授業は午後からだし…仕込み、手伝いますね?」
この街にある、一番大きな魔法学校『ガンエデン』に、僕は通っている…と言うより、カトライアさんに通わせて貰っている。
なんでも、夭折された旦那さんが軍のお偉いさんだったらしく、軍からの生活費の仕送りがかなりの額な上、
しかもカトライアさんが経営するこの酒場も『アデューカス』で十指に入る人気店だから、お金の点では何の不安も無かった。
僕はこの人にお世話になりっ放しで…卒業できたら、何かの形で恩返しが出来たらと、いつも思っていた。


この街は、1万年前に起こった『大崩壊』の後、生き残った人間や、人間に元々兵器として作り出された
獣人、人獣、魔獣が力を合わせて復興させた、初めての街だ。元々発達し過ぎた科学に加えて、
まだこの星に人間が跳梁跋扈していた時代に発見された、『魔法』をフルに活用したから、復興自体は簡単だった。
だけど、それからが大変だった。人間、獣人、人獣、魔獣…4つの種族の違いから、世界は2つに分かれかけた。
勿論、人間と獣の『シルシ』を持つ人達だ。此処で言う『シルシ』とは、呼んで字の如く『印』で、獣の姿を少しでも持つ人は、
3つの種族のうちどれかに分けられた。人間の部分が多い人は『獣人』、人間に近い、2足歩行の獣を『人獣』、
そして、完全に兵器として創られ、神話上の神獣をモチーフにした、人型、獣型両方に変化できる人達が『魔獣』…
一時期は戦争になりかけたけど、『ベヘモス』と呼ばれた獣の『シルシ』を持つ者が、全ての種族を凌駕した知性と暴力を
以ってして、4種族間を諌めた。以来、4種族間で、『ベヘモス』は伝説の存在となっている。

だけど、流石に1万年も経つとそんな存在もただの御伽噺になった上、それぞれの種族の誤解も氷解して、
少なくとも表面上は、4種族仲良くやっている。
勿論、僕が通う『ガンエデン』でも、人間、獣人、人獣、魔獣…4種族が訳隔てなく、立派な魔導士を目指して、勉学に励んでいる。
けど、やっぱりたまにはイザコザがある訳だし、善人も悪人もいる訳で…今日も、そんな事件が起きてしまった。
284名無しさん@ピンキー:2007/05/22(火) 01:42:16 ID:W/Z/bFc5

「ただいま…うわぁ。今日も大盛況だね……」
「よぉ、お帰りモト。今日も一杯やらせてもらってるぜ?カトライアさんの笑顔をツマミにな」
「あらやだよ…褒めたっておかず1品奢ってあげるくらいだからね?」
『ガンエデン』から帰ってくると、今日も『タイガーテイル』は多くの人間、獣人、人獣、魔獣で繁盛していた。
常連である、犀の人獣のおじさんが楽しそうに声をかけてきてくれた上、カトライアさんも楽しそうに切り返してる。
でも……僕は知っていた。カトライアさんが時折、亡くなった旦那さんの遺影を抱えて、一人泣いているのを……
それを知っているからこそ僕は、目の前の笑顔にいたたまれなくなって、小さく微笑み返すくらいしか出来なかった。
この人を支えてあげたい……この人を幸せにしたい。正直、僕のこの感情は、抱いちゃいけないものなんだろうけど…
その想いは日に日に強くなっているのが本音だった。
「ほら、何をボサッとしてんのさ。早く予習復習しちまいな?ご飯も作ったげるからさ♪」
「うわっ!う、うん…カトライアさん、手伝えること、無い?」
そんな事を考えていた所に、いきなり目の前にカトライアさんの顔が来たものだから、心臓が跳ね上がる思いだった。
「なーに素っ頓狂な声あげてんの。いいよ、板さん達も頑張ってくれてるし、だいじょーぶ♪ご飯出来たら呼んだげるから…」

その時、店の一番奥で、バイトに来てる犬獣人の女の子の悲鳴と、グラスが割れる音が聞こえた。
「いやっ…や、止めてくださいっ…」
女の子は尻尾を丸め後ずさろうとしてるのに…4人の蜥蜴の人獣、リザードマンは彼女を取り囲んでいる上、
その手を掴んで離そうとしなかった。正直、普通の人間なら吐き気を催すほど下卑た笑みを浮かべていた。
「いいじゃねぇかよぉ…俺達に酌くらいしてくれたってよぉ!」
「そうそう…ついでに犬獣人の獣くせぇワカメ酒と洒落込んでくれねーかぁ?」
リザードマン達はかなり酔っ払っている上、生来卑しい人間なのか益々嫌悪感を催す笑みを浮かべていた…
しかも差別主義者らしいのか、犬獣人の女の子を平気で罵っている。

「…カトライアさん、僕が魔法で……」
僕が今日習ってきたばかりの、風の呪文で吹き飛ばそうかとも思ったけれども、
カトライアさんはやんわりと僕を押し止め、牙を剥き、普通の種族なら縮こまる唸り声を上げながらリザードマン達に近づいた。
「あんた達…ウチはそういう店じゃないし、この子もただの雇われだよ?アタシの店は皆で、獣人も人獣も人間も魔獣も…
皆訳隔てなく、楽しく飲む店だ!迷惑掛けるなら代はいらないから出てっとくれ!」
カトライアさんは牙を剥き、いつもは仕舞っている爪をむき出しにして、リザードマン達に凄んで見せた。
しかし…このリザードマン達も、それなりに修羅場慣れしてるらしく、ものともしていなかった。
「ヘッ…なぁにが楽しく、だぁ?アンタみたいな偽善者……虫唾が走るねぇ?」
「そうそう…大方アンタも、そのスケベな身体で媚売って生きてきたんじゃねぇか?」
「俺なら一晩いくらつんででも買うねぇ…死んだ旦那ともそういう出会いだったのかぁ?」
…リザードマン達は、差別の標的をカトライアさんに変えたらしく、今度は彼女を罵ってきた。
その光景に、僕は血が出るほど拳を握り締めながらも、見ていることしか出来なかった。
「冗談じゃない…アタシの旦那は誇り高くて雄雄しい虎の人獣だ!あんた達みたいな下衆と一緒にするな!」
亡くなった旦那さんまで侮辱され、カトライアさんは我慢出来なくなったのかその爪と牙で圧してしまおうと、飛び掛るその瞬間…
「うるせぇよこの売女がっ!」
カトライアさんの態度がよほど気に食わなかったのか、
リザードマンの一人が不意打ち気味にその太い尻尾で、カトライアさんを叩き伏せた。
しかも、的確に急所を狙ってきたらしく、カトライアさんの頭からは、血が流れていた……
店は静まり返り、しかも最強クラスの虎の獣人が叩き伏せられた事で、誰も立ち上がろうとはしなかった。
僕は、その光景を見て……もう、我慢の限界だった。見てるなんて無理だ。
魔法でもなんでも使って、こいつ等を叩き出してしまおうと…そう思って魔導書を取り出した瞬間
「いいねぇ…誇り高い虎の女が、俺等に跪いてるよぉ?」
「どうせなら此処で輪姦しちまおうぜ?虎女の公開レイプと行くかぁ!」
そいつ等がこの世のどんな汚物より汚いものを取り出そうとした時、
店中が立ち上がり、リザードマンに襲いかかろうとした瞬間……
285名無しさん@ピンキー:2007/05/22(火) 01:45:31 ID:W/Z/bFc5

店の空気が一気に冷たくなり、殺気で充満し、店内の全員が動きを止めた。
…原因は、僕だ。なぜなら僕は決して唱えてはならない呪文を……自分の野生を、本能を、衝動を開放する言葉を口にしていた。

「……天よ怯えろ、海よ咽び泣け、地よ許しを乞え……我は三千世界の蹂躙者にして調停者…破壊者にして新生者…」
「モ……ト……?」
……カトライアさん、ごめん…この姿だけは、貴方に、見せたくなかったのに……
「全ての命よ、我が前に跪け。我こそは絶対者……『ベヘモス』」

……『タイガーテイル』店内が金色の光に包まれた。そして次の瞬間……そこに僕は「居なかった」。
其処に居たのは、金色の獣。文字通り金色の筋肉に覆われた重戦車以上の巨躯、紅い鬣、獲物を瞬時に噛み殺せる様に2列に並んだ牙…
顔は僕自身の顔を留めてる筈も無く、正に獣のソレで、鋭い爪と、リザードマンの尻尾など、まるで赤子の小指ほどしかない程
太く長く発達した尻尾と、その先には骨が進化した、鋭い剣が付いている。止めに、肩と頭から突き出した計4本の鋭く太い角。
「……驚いたか、小童ども……我が、我こそが…『ベヘモス』なり……」
そう。僕こそが『ベヘモス』だ。はるか昔、全ての種族を捻じ伏せた絶対者。
そして、僕の姿はあらゆる絵画や書物に正確に描かれているため、この姿を見て『ベヘモス』と解らない物は居なかった。
僕は、僕の愛する者を侮辱したリザードマン共に、爛々と輝く緑の瞳で睨み付けた。
「愚かなる…蜥蜴の小童共……我の…最も愛する者を…侮辱し、傷つけ、汚そうとした罪……」
僕がこの世のどんな音より禍々しくおぞましい声を発した瞬間、リザードマン達は店の玄関へ一目散に駆け出した。だが
「……汝等の…虫ケラ以下の命で…償うがよいっ……!」
無駄な事だった。生憎と、僕はこの巨体にも関わらずチーターの獣人、人獣より速い。
あっという間に4人の内2人の身体をこの丸太より太い腕で掴み、1人を鉄塊より重い脚で踏みつけ、
最後の1人を大蛇を束ねた様な尻尾で絡め取った。
勿論、殺すつもりで握り、踏み、締め上げているのだから、声など出るはずも無いが、それでも彼等は精一杯の命乞いをしてきた。
「かはっ……!す、すまねぇ……ベ、ベヘモスさんが居るなんて…知ってたら俺達だって、こんな事…」
「お、お願いですっ…見逃して、くださいぃっ…」
「死にたくねぇ……死にたくねぇよぉ……」
「母ちゃん助けてっ…母ちゃぁん……」
…無駄な事だ。どんな命乞いをされようとも、喩え大金を積まれようとも、僕はこいつ等を許すつもりは無かった。
ましてや、僕の一番愛してる人を傷つけ、汚そうとした罪は、どんな事をしても消えない。こいつ等の命なんかじゃ足りない。
だから、僕はゆっくりと腕に、脚に、尻尾に力を込め始めた。…死の絶望を、味あワセてヤる……
「……死ぬが、イイ……」
殺してやる…殺してヤる……こロシてやル……コロシてヤる…コロすころスコろスコロス……


もう少しで、リザードマン達がトマトの様につぶれる……僕は只でさえ醜い獣の顔を、歓喜で引き歪めた瞬間、背中に暖かい物を感じた。
冷たくなった心に、獣になった身体に、暖かさを、人間らしさを取り戻させてくれる、暖かいモノ……
「…アタシなら、大丈夫だから…もうおやめ、モト……」
「アタシは、そんなアンタ、見たくない……お願いだから、元のモトに戻っとくれ……」
・・・・・・カトライアさんだった。彼女の言葉が、心が、染み込んでくる……
そう感じた瞬間、僕は蜥蜴達を解放した。そして、いつも通りの声で彼等に告げた。
「……早く、僕の前から消えて下さい。そして…二度とこの店に近づかないで下さい…もし、この約束が守れなかった場合は…
今度こそ、貴方達を……殺しますから……」
静かに、出来るだけ冷静にゆっくりと言葉を紡ぎ上げると、リザードマン達は悲鳴を上げながら
一目散に駆け出して、夜の闇に消えて行った。
286名無しさん@ピンキー:2007/05/22(火) 01:47:43 ID:W/Z/bFc5
「……モト、ありがと……アタシのために、怒ってくれたんだね…?でも、やり過ぎだっ!」
カトライアさんはそう言うと、まだ『ベヘモス』の身体のままの僕を思いっきり引っ叩いた。
僕が驚きで眼をパチクリと瞬きさせていると、カトライアさんは拍手を打ちながらお客さん達に告げた。
「さぁさぁみんな?今日はもうお終いだよ…この子が店の床板踏み抜いた上、テーブルブッ壊しちまったからね。
悪いけど、また明日来ておくれ。明日はアタシから皆に1杯ずつ奢るからさ。」
そう言うと、お客さん達は僕に畏怖と、羨望と、感謝の視線を向けながら、三々五々散っていった…


……2人きりでお店を片付けた後、ちょっと遅い夕食になったけど…僕もカトライアさんも、一言も口を開かなかった。
この静寂に先に耐え切れなくなったのは…僕だった。
「その…驚かないんですね?僕が『ベヘモス』だったのに…」
「別に?」
「えっと…聞かないんですね?僕がどうして、『アデューカス』に来たのか、とか…」
「うん。」
「えーっと…その……なんで魔法を習いたいのか、とか……」
「アンタが勉強したいなら、それで良いよ…」
…本音を言うと、その辺りの突っ込みを心待ちにしていた僕は、なんだか拍子抜けしてしまった。
その肩に、ぽん…と優しく、カトライアさんの毛皮に覆われた、暖かい手が置かれる。
「…アンタが『ベヘモス』だろうと、モトはモトだよ…アタシには、それで充分。それより…」
カトライアさんは突然、僕の頬を掴み、視線を合わせた後に意地悪く微笑んだ。
「聞こえたよ?アンタがあのおっかな〜い声で…『我の最も愛する者』って言ってくれたの……♪」
「……え?うそ?そんな事言いました?」
僕はあくまで白を切り通す。そうしないと…この生活が、壊れそうだったから……
なにより…カトライアさんが愛したあの人に、悪い気がしたから……
「い・い・ま・し・た♪やだよ、この子ったら…何時の間に、アタシみたいなのに惚れちまったんだい…?」
意地悪な風でもなく、嫌味な風でもなく、ごく自然な疑問の視線を、カトライアさんは投げ掛けてきた。

「それは…カトライアさんが優しくて、綺麗で…僕の憧れだったって言うか…いつの間にか、支えてあげたくなったというか…」
僕の、真っ直ぐな心の声を、そのまま言葉に出した瞬間、あろう事かカトライアさんは大声で笑い出した。
「ぷっ…くくっ……あははははははっ……アタシが?優しくて綺麗?その上、支えてあげたいって…アンタ、結構オマセさんだねぇ?」
「し、失礼なっ!コレでも5千年は生きてるんですよっ?!」
あまりの笑いっぷりに、ちょっぴり腹立たしくなった僕は、顔を紅くして反論したが、この大人な虎獣人の前では無意味だった…
「何言ってんだい…そんな純血の人間の女の子みたいなナリで言われたって、誰が信じるもんかい…と言いたいけど。」
急に真剣な顔になったカトライアさんは、真っ直ぐな眼で僕を見つめてきた。綺麗な、真紅の瞳で。
「…あんな姿を見せられちゃ、信じるしかないよね……でも、ホントに『ベヘモス』様が、アタシなんかで良いのかい?」
「………カトライアさんだから…良いんです……」
…5千年以上生きてる『ベヘモス』らしくないと自覚しながら、真っ赤な顔で僕は告げた…
「……根負けしたよ…おいで、モト…アンタ、その様子だと、何千年も生きてる癖に、女を知らないね?」
「へっ?!」
この人が何を言い出したのか、直ぐには判断できずに、僕は物凄くマヌケな声を上げてしまった。
「アタシが教えてあげる……アンタなら、モトなら…良いよ……」
そう囁くと、カトライアさんはそのぽってりとした、でも綺麗な唇を、僕の唇に押し当ててきて…

287名無しさん@ピンキー:2007/05/22(火) 01:50:50 ID:W/Z/bFc5
うん正にラノベ脳丸出し( ´・ω・`)
とりあえずエロスは前述どおり、明日必ず投下しますので今日はおやすみなさい('A`)ノシ
288名無しさん@ピンキー:2007/05/22(火) 02:53:47 ID:HTVVqAdY
>>287
GJ
カトライアさんの気っ風がいい!なんかラピュタに出てくる親方の奥さんみたいだw

一つ気になったんだけど、獣人と人獣の違いが分かりにくいな…。

獣人:獣部分は耳や尻尾

人獣:獣が立って歩いている(顔付きは獣そのまま)

でおK?
289ラノベ脳('A`):2007/05/22(火) 07:28:09 ID:c4ThkQO3
おはようございます('A`)ノシ
>>288
それでおkです。説明不足モウシワケナイorz
獣人は犬耳猫耳等の萌え要素付与の人間、
人獣はジブリ映画に出て来そうな顔が獣の人間です。

カトライア姐さんもジブリに出て来る強い女性がヒントです(;´∀`)288サンオミゴト
今日の日付変更を目処に、姐さんとモトキュンのラブラブドロドログチャグチャエッチを投下出来たらと思います……
シゴトイッテクル('A`)ノシ
290名無しさん@ピンキー:2007/05/22(火) 07:48:43 ID:PWDwTAyZ
バーロー
それも私だ
291名無しさん@ピンキー:2007/05/22(火) 08:06:27 ID:5hVRD9lG
>>287
絶好調である!
292名無しさん@ピンキー:2007/05/22(火) 08:42:13 ID:XJMiAMw6
>>289
ラブラブドロドログチャグチャエッチwktkして待ってるぜ
293名無しさん@ピンキー:2007/05/22(火) 17:55:45 ID:k4In9tJQ
うむ、まさにラノベ。
だ が そ れ も い い 
今夜が楽しみだ。
294名無しさん@ピンキー:2007/05/22(火) 20:40:54 ID:Snc2Er7/
>>281
自分でもその楽しみを作ってみたいとは思わんかね?
我侭かもしれませんが貴方の作品も投下していただきたい。
>>283
GJ!
生物の心って・・・不思議なものですよね。
295名無しさん@ピンキー:2007/05/22(火) 23:10:35 ID:7dzMOhF6
ベヘモスと聞いて、バカでっかいアームスレイブ思い出したバカは俺だけでいい。

GJ!!
296名無しさん@ピンキー:2007/05/22(火) 23:16:01 ID:7q+NJAwI
ガンエデンと聞いて金髪の幼女を思いだした俺はお持ち帰りする
297ラノベ脳('A`) :2007/05/23(水) 00:08:18 ID:yParh3mI
こんばんは。続き投下するため俺、参上するのも私だ。
298ラノベ脳('A`):2007/05/23(水) 00:10:42 ID:yParh3mI
ちゅぷっ…くちゅっ……ちゅぷっ、ぢゅぢゅっ……
「んふぁ…モ、トぉ……」
「んむっ…カトライア、さんっ……」
部屋に響くのは、唾液と舌が絡み合ういやらしい音と、僕とカトライアさんの吐息だけ。
あれから数分しか経ってないのに、もう何十分も続けているような気がする、深い深いキス。
カトライアさんの瞳はすっかり蕩けきり、興奮してるのが良く解る。
「んふっ…これだけで発情しちゃって…ホント、女を知らないんだね、モトったら……」
ニコッ…と淫靡で綺麗な笑顔のまま、カトライアさんは僕を抱きかかえた。
「う、うわっ?!カ、カトライアさんっ!?」
「モト……アタシの部屋で、シよ…?」
「え……?」
カトライアさんの部屋……駄目。それだけは絶対に駄目。だって、カトライアさんの部屋には、あの人が…
思わず俯いた僕の表情から心情を読み取ったのか、カトライアさんはまるで、女神みたいな笑顔を浮かべた。
「大丈夫だよ……あの人なら、アンタを認めてくれるから……」
そう言うと、有無を言わさずカトライアさんの部屋に連れ込まれ…旦那さんの遺影の前に立ってしまった。
そして、カトライアさんは僕をベッドに下ろすと、そっと旦那さんの遺影を閉じた。

「アンタ……アタシ、見つけたよ。アンタに続いて…生涯かけて愛せる人が。だから…ちょっとだけ、眼を閉じてておくれ…?」
何かのまじないみたいに呟くと、カトライアさんは服を脱ぎながら、僕に近づいてきた。
……綺麗だった。それは比喩表現なんかじゃなく、本当に綺麗で…月光に照らされて光る金色の髪、
耳と腕を彩る、金色と漆黒の、縞模様の毛皮…そして、彫刻みたいにバランスの取れた、無駄の無い褐色の身体。
でも、出ている所はしっかりと、且つ大きく柔らかくて、桜色の乳首は、いやらしくしこりきってた……
「モト……アタシ、アンタだけのモノになるから…アンタも、アタシだけの『ベヘモス』様になっとくれ……」
熱に浮かされた、艶っぽい声色で囁くと、カトライアさんは僕に圧し掛かってきて、僕の服を脱がせ始めた。
「カ、カトライア、さんっ…」
「なんだい?服を脱がされるだけで…興奮しちまうかい?可愛いねぇ……」
淫蕩に蕩けた表情で舌なめずりしてくる彼女の顔は、まさに虎のソレで、まるで今から食べられてしまうような錯覚に陥った。
だけど、彼女が食べるのは僕の肉じゃなくて……これから行われる事に、僕は目眩がするほどの興奮を覚えてしまった。
「華奢だねぇ…ホントに女の子みたいで……これじゃ、『ベヘモス』様とは解らないよねぇ?」
意地悪く囁いた後、カトライアさんは…興奮で勃起しきった僕の乳首を口に含んできた。
「んぁっ!カ、カトライアさんっ…んやぁぁぁぁっ!」
「ふふっ♪ホントに女の子みたいな声で…可愛いよ、モトぉ……」
カトライアさんはそのまま、ミルクを強請る子猫みたいに僕の乳首に吸い付きながら、僕の男性を…ペニスを扱き始めた。

「んふっ…流石『ベヘモス』様だねぇ……こうしてズボンの上からでも、ぶっといのが解っちまうよぉ……」
カトライアさんは我慢出来なさそうに呟くと、僕のズボンと下着を脱がせて、天を衝きそうな僕の男根を取り出した。
「あぁ……こ、これが今から…アタシの、中に…」
カトライアさんが驚くのも、無理は無かった。だって…僕の男根は、それこそ子供の腕ほども有って、
血管が必要以上に浮き上がり、雁首のエラは硬く反りあがっていて…自慢じゃないけど、女性を悦ばせる為だけのモノだった。
おまけに、尿道口がパクパクと口を開けたり閉じたりするのに合わせて、透明な粘液が後から後から噴き出してくる…
299ラノベ脳('A`):2007/05/23(水) 00:15:45 ID:yParh3mI
カトライアさんは、僕の剛直を愛しそうに撫で回しながら、大きく口を開けて…亀頭に狙いを定めた。
「食べ応えのありそうなオチンチンだねぇ…モト…食べちゃうよ?」
「カ、カトライアさんっ…待っ……ひゃあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
僕の返事を待たずに、カトライアさんの口の中へ、僕のいやらしいペニスが飲み込まれていく。
カトライアさんの口の中は、熱くて、ヌルヌルして…暖かい舌が、僕の亀頭を捏ね回しながら扱いてくる。
こんなの…何千年と生きてきて、一度も味わったことが無かった。目の前が真っ白になりそうなくらい…気持ちいい。
「やっ、まって、カトライアさっ…僕、ぼくぅっ!」
僕はもう、『ベヘモス』としての威厳なんてそっちのけで、与えられる快楽に耐えるのに必死だった。
我慢汁がマグマみたいに溢れ出てきて、カトライアさんはソレを、喉を鳴らして飲み込んでた…
「んぢゅっ、ぢゅるぢゅっ…ぐぷっ!ぐぷっ…はぁ……全部、食べきれないよ…それに、モトのお汁美味しい…もっと飲んであげるよ……♪」
一度口を離したカトライアさんは、淫蕩に微笑んだ後、もう一度僕のペニスを咥え直した。
今度は、さっきより強い勢いで吸い上げながら、裏筋をメチャメチャに舐め回して、飲み込めない根元の部分を柔らかい指で扱いてくる。
カトライアさんのドロドロの涎がペニスに絡みついて…おまけに、淫靡な視線で僕を見つめてきた。
さっきより気持ちよすぎて…おまけに、いやらしい音も大きくなってて、僕はもう限界だった。
「か…かとらいあ、さ…ぼく、ぼくもうだめぇっ!でるっ…しろいの、しろいのでひゃああぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
ホントに女の子みたいな情けない声で叫ぶのと同時に、僕のペニスは射精し始めた。
頭がもう…真っ白になって、なにも考えられない。ペニスから来るキツすぎる快楽に、ただただ身を任せてた…
「んぶぅっ!んぢゅぢゅぢゅ〜っ…ごくっ、ごくっ…んぐ、んっ…んぷぁぁぁぁっ!」
射精が始まった瞬間から、カトライアさんは僕のペニスを思いっきり吸い上げて、残らず飲み干そうとしてた。
でも…あまりに多すぎる射精量に、カトライアさんはたまらず口を離してしまった。
僕の射精はまだ収まらなくて…白いのとばかり思ってた僕の精液は、黄色いゼリー状で、
自分自身、おぞましいと思える量と熱さで、容赦なくカトライアさんに襲い掛かっていった。
「あぁぁぁん……モト、熱いよ…アンタのザーメン、熱すぎて多すぎて…アタシ、顔中火傷しそうだよぉ……」
蕩けきった顔で、カトライアさんは顔にびっしりこびりついた僕の精液を指に絡めて、ピチャピチャ音を立てて舐め始めた。
その様子があんまりに綺麗で、いやらしくて……まるで性欲を司る女神様みたいで、僕はそれに魅入ってしまった…

「モト…美味しいよ、アンタのザーメン……アタシ、もっと…もっといやらしい気分になっちまう…なっちまうよぉぉ…!」
顔に付いた精液を飲みきると、カトライアさんは更に淫靡さを増して、僕にしなだれかかってきた。
「おかしいよ、モトぉ…アタシ、今までにこんな気持ちに…こんなにいやらしい気分になった事、ないっ……!」
「えーと…ごめんなさいカトライアさん……僕の精液ってどうも、女の人を必要以上に興奮させちゃうみたいで……」
恥ずかしい話だけど、僕が何千年も男女の交わりをしてないのは、コレが理由だった。
まだ今より子供の時―今も、この姿の時は子供そのものだけど―一度だけ、女性と交わる事があったけど…
僕の精液を飲み込んだ瞬間から、今のカトライアさんみたいになって…それが怖くて逃げ出したのが、一種のトラウマになってしまったんだ…
「そ…そういう事はっ…早く言っとくれよぉっ…!」
カトライアさんは、口の端から涎を溢すくらい興奮してて、乳首から母乳が噴出して…股間からは、まるで滝みたいに愛液が噴き出てた。
これも、僕の精液が引き起こしたんだと思うと、申し訳ない気持ちに…なる暇なんてなかった。
「も、我慢できないっ…モト、アンタを犯しちゃう…アンタの何千年も取ってきた童貞、アタシが奪っちゃうんだからぁっ…!」
そう言うと、カトライアさんは僕に馬乗りになって、股間の肉花弁を開いて見せ付けてきた。
ソコは充血しきって、真っ赤に染まってて…肉付きの良いビラビラの奥から、泡だって白くなった愛液が、ポタポタと垂れてた。
その光景を見ただけで、僕のペニスはもっともっと硬く大きくなって…自然に亀頭が、カトライアさんのラヴィアと触れ合ってた。
300ラノベ脳('A`):2007/05/23(水) 00:19:49 ID:yParh3mI
「あぁ…アタシの……こんなはしたないトコ見て、興奮してくれてるんだね…?嬉しいよ、モトぉ……」
すっかり発情した蕩け顔で舌なめずりしながら、カトライアさんは本当に嬉しそうに微笑んでくれた。
「うん…か、カトライアさん…僕、カトライアさんと、一つになりたい…」
「アタシもだよ、モト……このまま、一つになって…アンタの子供、アタシにおくれ…行くよ、モト……」
カトライアさんはとんでもない事を、至極あっさり僕に告げた。
「ま、待って、カトライアさん…僕、まだそんな覚悟……」
「ダメ。モトの覚悟は待ってやんないよ?丈夫な子を…産ませておくれよ……?」

カトライアさんがゆっくりと腰を下ろして…僕の目の前には、白濁で塗れた肉穴に、亀頭が埋まっていく卑猥すぎる光景が、
くっきり、はっきりと眼に飛び込んで来たけど…それに感激する事は出来なかった。
「んひゃううぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!カ、カトライア、しゃっ…しゅ、しゅごっ…んやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
カトライアさんのソコは、さっきの口より熱くて、まるでペニスが火傷しそう、なのに…
たっぷりとヌルヌルの愛液が絡み付いて、中の肉ビラが、僕のペニスに隙間無くしゃぶりつきながら締め上げてきて…
下半身全部が、カトライアさんの中に飲み込まれてる。そう錯覚するくらい気持ちよかった。
「んぐぅぅぅぅぅっ…モ、モトも凄いよぉっ…?ふ、太すぎて…全部、入らないかもっ…んあぁぁぁぁっ……!」
僕の胸板に手を置くと、カトライアさんは更に腰を深くしてきて…その内、僕とカトライアさんの腰が、ぴったりくっついてしまった。
根元まで、ヌルヌルの熱い肉穴にしゃぶられて…それだけでさっきの黄色い精液を吐き出してしまいそうだった。
「んふっ…♪モトの童貞、食べちゃったよ…?どうだい、気持ちいいかい……?」
玉のような汗を噴出しながら、カトライアさんは僕の顔を覗き込んできたけど、僕に応えられる余裕は無かった。
「あ……ひっ…ひゅごっ……んやぁぁぁ……」
僕は情けないけど、口から涎を垂らして、涙を流しながら、腰を小さく小刻みに振る事くらいしか出来なかった…
「ふふふっ…気持ちいいみたいだね?こうなっちまうと…『ベヘモス』も形無しだね…♪」
その言葉を発して、カトライアさんはゆっくりと腰を回転させ始めた。
ドロドロの媚肉が、僕の肉棒に纏わり付いて、彼女の腰が揺らめく度に「ぬちゃ、ぐぷっ」と、卑しい音が響いてきた。
たったそれだけで、僕はカトライアさんの中にあっけなく射精して…彼女の子宮に、黄色い塊を送りこんでた。
「ひゃあぁぁぁぁぁっ?!こ、こらっ…まだアタシが動き始めたばっかで、射精しちゃダ、メ…あつぅぅぅぅぅっ……♪」
僕の黄色い溶岩が、コレでもかって程噴き出して、カトライアさんの子宮を満タンにしていく。
繋がってる部分から、入りきらなかった精液がコプコプ音を立てて、泡立ちながら零れて来る。
思考が焼ききれるほどの気持ちよさに身を任せて、僕は精を吐き続けて…まるで釣れたばかりの魚みたいにのたうってた。
「んやっ……やぁ……カトライア、しゃ…しゅごいのぉ……!」
「このぉ…アタシをほっといてイっちまうなんて……モト、アンタはちょっと我慢を覚えなきゃいけないね?」
僕の耳元で囁いた刹那、彼女は身体の隙間に両手を差し入れて……僕の根元をキュッと締め上げてしまった。
「やぁっ?!カトライアさん、それダメぇっ!射精、できないっ……」
「そうさ…アタシがイくまで、イっちゃだめだよ、モト……」
301ラノベ脳('A`):2007/05/23(水) 00:22:33 ID:yParh3mI
カトライアさんは僕に反撃の隙なんか一分も与えず、そこから更に腰を上下左右に振り乱してくる。
さっきより彼女の膣肉が纏わり付いて来て、僕の脳はもう完全にショートしてしまった。
加えて、大きくなった水音と、交じり合う男女の匂い、降りかかるカトライアさんの母乳…
僕は触覚、聴覚、視覚、嗅覚、味覚、五感全部で、カトライアさんに責められ続けてしまった。
「あひぃっ!ひぃぃっ…んひぃぃぃぃっ!?しゅ、しゅごっ、しゅごしゅぎぃぃぃっ!」
「いいのかい、モトぉ…アタシのおまんこがっ…ううんっ、アタシがそんなに良いのかいっ?!」
「いのぉっ!カトライアしゃんしゅごいのぉっ!ぼくぅ…ぼくおかひく、おかひくなりゅうぅっ!」
もう女の子そのものの喘ぎ声で、僕は頭を振り乱してひたすら悶え続けた。
カトライアさんも、汗を、母乳を、愛液を飛び散らして、僕のペニスを貪ってる。
もう自分が伝説の獣であるとか、そんなの関係なかった。もう、この人に責めて貰う事しか考えられない……
「いいよっ…おかしくなっちまいなっ♪アタシも…アタシもおかしくなるっ、おかしくなるからぁぁぁぁっ!」
彼女も絶頂が近づいてるみたいで、今まで聞いた事も無い甘い声を漏らし始めた。
僕等はもう、マトモな言葉を紡ぐ事無く、ひたすら喘いで、悶えて、交わり続けて……そしてとうとう、終わりの時が来た。

「モトぉっ!アタシも…アタシもイくよぉぉぉっ!アンタのっ…アタシが一番大好きなモトの赤ちゃんっ…アタシに…アタシにちょうだいぃぃぃぃぃぃっ!!」
「ぼくもっ!ぼくもほしっ…カトライアひゃん、はらませりゅのおぉぉぉぉぉっ!!」
ラストスパートといった感じで、カトライアさんは今までより激しく腰を振り始めた。
僕もそれに合わせて、彼女の腰を掴んで、子宮ごと深く深く突き上げ始める。
「あおぉぉぉぉぉぉんっ♪アンタは責めちゃダメっ!ダメなのにぃっ…イくよっ!イくっ!イくイくイくうううぅぅぅぅぅぅぅっ!!」
カトライアさんは背中を仰け反らせて、母乳を、汗を、愛液を飛び散らせ吹き散らして、とうとう達した。
同時に僕のペニスを解放して、彼女の媚肉が強く、優しく、僕をしゃぶりあげて来て…僕も今日一番、濃い精液を吐き出し始めた。
「んきゃああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!ぼくもぉっ…ぼくもイくっ!イくのっ!イくっ…イっちゃあああああああぁぁぁっ♪」
子宮を満たして、繋がってる所から零れて、ベッドを真っ黄色にしてもまだ、僕の射精は収まらなかった。
僕等は抱きしめあって、永遠に思えるくらい長い間、絶頂を貪って…それと一緒に、お互いの想いを確かめ合ってた。
302ラノベ脳('A`):2007/05/23(水) 00:25:06 ID:yParh3mI
…僕の射精が収まると、カトライアさんは僕を抱きしめたままで意地悪い笑みを向けてきた。
「ふふっ…モトったら、ベッドじゃ女の子になるんだね?可愛かったよ…」
僕はもうこれ以上ないほどに、トマトも真っ青になって逃げ出す位赤くなってしまった。
そんな僕の頬に、彼女はそっとキスしてくれて…今度は、優しい微笑みを向けてきてくれた。
「…モトの赤ちゃん、出来たと思うかい?」
「……正直、経験が無いので解りません。でも、多分……」
カトライアさんは微笑んだまま、僕の手を自身の手に添えて…お腹を撫でた。
「そうだね…10ヵ月後が楽しみだよ…それと、さっきはああ言ったけど…2回目を始める前に、モトの身の上、聞かせてくれるかい?」
その言葉に、僕はゆっくりと頷いて、『アデューカス』に来た理由、魔法を習う理由を話し始めた。
僕が此処に来たのは…僕は4種族間の争いを諌めた後、長い眠りに入ったんだ。そして、2年前に目覚めて…
まずは、僕自身も復興に携わったこの街が、どうなっているかを自身の目で確かめるため…
そして、魔法を習い始めたのは、魔法自体を修めるためでなく、魔法学校『ガンエデン』が、
この街でもっとも4種族が分け隔てなく暮らしている場所だったから…
僕はこの力を、『大崩壊』以前に最初に兵器として創られた力を、壊すためじゃなくて誰かを守るために使いたかった。
みんなの争いを止めるために使いたかった。僕の理想は月並みだけど、皆が仲良く、隔てなく暮らせる世界が欲しかった…
それが実現しているか確かめるため、『ガンエデン』に入学したんだ…

「コレで、僕の身の上はお終いです…」
「そっか……強いんだね、モトは…アタシとは、大違いだよ…」
「え…?」
寂しげな顔で応え返したカトライアさんは、今度はお返しと彼女自身の事を離し始めた。

眠りから覚めたばかりで、力も巧く発揮できず、行き倒れた僕を拾ってくれた理由、だった。
ちょうど僕が『タイガーテイル』の前で行き倒れた時…それがちょうど、旦那さんの葬式が済んだ時だったらしい。
倒れた僕に、何故か亡くなったばかりの旦那さんの面影を感じた彼女は、そのまま僕を介抱してくれて…
それは、一人になってしまった寂しさを紛らわしたかった、彼女の言い訳。一人に、なりたくなかった。
「…だからアタシは、アンタを、モトを住まわせたんだ…一人で戦ったモトとは、違うんだ……」
「でも…だからこそ、今があるんですよ?」
僕は真っ直ぐな視線で、彼女を見つめた。
「月並みな言葉ですけど…運命だったんですよ、きっと…だからほら、僕もカトライアさんも…今はこんなに幸せ……」
一番大切な、一番大好きな人を、ぎゅ、と抱きしめる。お互いの暖かさを、幸せを、交換するみたいに。
「うん……ありがとね、モト……アンタに逢えて、良かったって、今は本当にそう思うよ?だから…」
カトライアさんの顔に、淫蕩なモノが戻ってくる。繋がりっぱなしだった僕のペニスは、彼女の媚肉に締め上げられた…
「ふぁぁああああっ?!」
「だから、さ…もっともっと…確かめ合おうよ。アタシ達の想いを、さ……♪」
303ラノベ脳('A`):2007/05/23(水) 00:27:15 ID:yParh3mI
そうして、夜が明け掛けるまで僕等は交じり合って…夕方まで泥のように眠った。
その夢の中で…僕は一人の、雄雄しい虎の人獣と出会った。それは…間違い無く、カトライアさんの旦那さんだった。
彼は僕に頭を下げて、一言こう告げた。
「『ベヘモス』殿…我が妻を、よろしくお願い申す……」
それだけ告げると、彼は光の中に消えて行った。僕は待って、と、何度も呼びかけたけど……
目覚めた時には、安らかに眠る愛しい人の寝顔が傍にあって…僕はその唇に、そっと口付けた。


それから、数年後――『ガンエデン』を、自慢じゃないけど主席卒業した僕は、『ベヘモス』という事も手伝って、
『アデューカス』から遠く離れた、国の魔法研究機関に誘われたけど…それは丁重にお断りして、今はすっかり…
小さな『タイガーテイル』のマスター兼、用心棒…というか、番犬ならぬ番『ベヘモス』だった。
「いやー…あの時は驚いたねぇ。まさかモト…マスターが『ベヘモス』ってだけじゃなくて、カトライアさんと祝言あげちまうもんなぁ…」
「そうそう!俺達の女神がぁ……」
僕はグラスを拭きながら、常連の人たちとお喋りしてた。何気ない、けど、大切なひと時。
「けど、あの人とモトなら確かにお似合いだろうな。なにせ『ベヘモス』とあのカトライアさん…」
「そりゃ、アタシと亭主が凶暴だって言いたいのかい?」
2階から大きな声が聞こえると、常連の犀の人獣さんが、申し訳なさそうな顔でカトライアさんを…妻を見つめてた。
それが可笑しくて、僕はついつい苦笑を漏らしてしまう。
「カトライア…寝てなくていいの?」
彼女は…マタニティドレスを着て、大きなお腹を抱えながら酒場に下りてきた。
「良いんだよ。子供達の世話も有るし…それに、店をアンタにだけ任せて寝てる訳にはいかないよ。」
そう告げた瞬間、階段からドタドタドタ…と大きな足音が3つ、駆け下りてきた。
「パパー、ママー!お腹空いたー!」
「パパ、パパ、今日のお夕飯なーにー?」
「ママー、赤ちゃんは大丈夫なのー?」
……店中があんぐりと大口を開けた。そう言えば…今回で4人目なの、言い忘れてたかも…
「モト…みんなこっち見てるけど、良いのかい?」
「うん…後でちゃんと説明しておかなくちゃ、ね。」
子供達をあやしながら、僕は満面の笑顔を店に…そして、愛しい妻に向けた。
…僕が手に入れたかったのは、勿論争いの無い世界だったけど…
本当に、本当に欲しかったのは、こんな小さいけど、満たされた幸せだったのかもしれない。

――Fin
304ラノベ脳('A`):2007/05/23(水) 00:30:18 ID:yParh3mI
以上で終了です。俺の厨二病な脳みそに俺自身が泣いた('A`)
とは言え、仕事行ってる間にGJを多く頂いて感無量です。
一応次回作の構想も有りますので、出来次第投下して良いよね?答えは聞いてない!

…ごめんなさいorz
ともあれまた投下できればと思います。
…今度こそみっちり逆レイプで。それではおやすみなさい('A`)ノシ
305名無しさん@ピンキー:2007/05/23(水) 00:33:53 ID:lPdItPXK
キタ―――(゜∀゜)――!!
GJ!!
次回作とかをどんどんどんどんd(ry 投下してくれ!!
もしブーイングがきても気にするな!!俺はお前の味方だ!!
306おとんなくまさん:2007/05/23(水) 01:23:13 ID:EDzYpOdu
>>304
1000年童貞乙w
なんというエロス…ラノベ脳氏は間違いなく年上好き。母乳プレイ最高!
旦那さんの死因を知りたかったな〜。
要はGJ

>>281
面目ない…今週中には終わらせます>クドリャフカ


嫁、というか彼女にSS(>>198-201)読まれて死にたくなった。
「えっちなのはともかく、ハッピーエンドにしてほしかったわ〜。」ってさ。
307名無しさん@ピンキー:2007/05/23(水) 01:36:10 ID:jSlxRt6N
>>304
なにこの厨二病
頭いってんじゃねぇのか?自粛しろよ




神GJ!!!!!!!!!!!!!!!あんた最高だっ!!
308ラノベ脳('A`):2007/05/23(水) 01:36:13 ID:NeCPgj2G
>>305-306
ありがとうございます……
だ が し か し

肝心要の獣表現をすっかり忘れてました………orzコレジャタダノSSジャン
俺のばか!ばか!まんk(ry
次回作でその辺りリベンジします('A`)
309名無しさん@ピンキー:2007/05/23(水) 11:36:36 ID:EDzYpOdu
虎ならにくきゅうで手コキとか…少し爪で傷をつけたりとか?

保管庫が更新されてたな。いつもご苦労様と思うのと同時にSSが大分充実してきたように感じた。

310SA:2007/05/23(水) 17:13:57 ID:71tXPFz8
ハイスピードとか言いながら、超ロースピードなSAの投下です;
>>231の続きですー
311SA:2007/05/23(水) 17:15:06 ID:71tXPFz8
 陽もすっかり落ち、無数の星が煌めく夜空の下、悠介達はバルコニーで夕食を食べていた。
「夜空の下で食べるご飯ってのも、また格別だねぇ♪」
「そうだな。飯も一層、美味く感じられる」
「もぐもぐ……ん、これすっごく美味しい!」
「へへへ、おねーちゃんの作る料理は絶品だからねぇ♪」
 テーブルの上に並べられた料理の中には朱美が作ったものもあるが、殆どは蒼香の作ったものだ。
 その見た目は素晴らしく、味も申し分ない。
「料理など容易いことだ」
 蒼香は腕を組みながら、当然だと言わんばかりに豪語した。
「もぐもぐ……ごくん。ごちそうさま!」
「ほえ?もういいの?」
「うん?僕いっぱい食べたよ」
「少食なのだな。少々、作り過ぎてしまったか」
「くすくす……。ほんっと、ゆっけってば女の子みたーい!」
「な、何でだよぅ……」
 悠介が紅くなった頬を膨らませながら言う。
「内気」
「女顔」
「少食」
「そして、ちびぃ♪」
 一つ一つの言葉が悠介の心に深々と突き刺さる。
「あぅあぅ……」
「きっと、お母様に似たんだねぇ♪あ、そういえば、ゆっけのお父様を見かけないけど?」
「父さんは……死んじゃったんだ」
 和んでいた雰囲気が一瞬にして気まずいものに変わった。
「ごめん……変なこと聞いちゃったね……」
「ううん、いいよ。……あのね、僕の父さんね、消防士だったんだ。
凄腕の消防士だったんだけど、前にあった大火事で取り残された子供を救ってその代わりに父さんは……」
 悠介は敢えてその先を言わなかった。
 否、蒼香がその先を言わせなかった。
「素晴らしい父親だな」
「うん。だから、僕は一つの小さな命を救った父さんをすごく誇りに思ってるよ。
そして、あの夜空の何処かで僕を、僕たちのことをずっと見守ってくれてると思うんだ!」
「じゃあ、一番綺麗な星がきっとお父様だね!」
「うんっ!琴間さん達の両親はどんな人なの?」
「あたし達のパパとママは……」
「食事も済んだことだ。朱美、片付けるぞ」
 まるで、話を強制的に中断させるかのように蒼香がぴしゃりと言い放つ。
「あ、うん」
 悠介は何か聞いてはいけないことを聞いてしまったような気がして少し後悔した。
 そして、朱美が妖しく微笑んでいたことが少し気に掛かったが、ただの勘違いだろうと思い、悠介も片付けの手伝いをすることにした。
 その様子を星達が、悠介の父親がじっと見守っていた。
 真実を知っているのは彼らだけなのか。或いは、彼らも知らないのか。
 全てを知っているのは本人だけなのかもしれない。
312SA:2007/05/23(水) 17:16:50 ID:71tXPFz8
「はぁっ……はぁっ……」
 熱く、荒く、激しい吐息が部屋中に木霊している。
「はぁっ……な、何これ……身体中が、熱い……」
 ベッドの上で激しく悶える一人の少女。いや、少年か。
 身体を丸くさせ、自らの胸を強く掴み、顔を左右に振り、双眸に涙を浮かべ、唇を噛み締めて。
「あぁっ……手足も、痺れて……」
 そして、手足の動きが段々と鈍くなり、とうとう指先が少し動く程度にまで陥る。
 その時、部屋のドアがガチャリと開いた。
「ゆっけぇ♪」
 朱美だ。
 やけに笑顔の朱美が悠介の部屋に入ってくる。
「やっ……入って、来ないで……見ないで……」
「ふふふふふふ……」
 カチャリ、とドアの鍵を掛け、妖しく笑いながらベッドに近付く。
 そして、悶えている悠介の上に四つん這いの格好で覆い被さる。
「すっかり出来上がっちゃったねぇ♪」
「ど、どういう、こと……?」
「ゆっけの料理にね、薬を盛っておいたの。強力な快感と痺れを伴う媚薬だよ。何の疑いもなく食べてくれて助かっちゃった♪」
「な、んで……」
「ふふふ。ねぇ、今のゆっけの身体ってどうなってると思う?」
「んっ……?」
「神経が剥き出し状態。簡単に言っちゃえば、全身が性感帯ってこと。こうやって軽く突くだけでも……」
 そう言いながら朱美が悠介の腹部を軽く突く。
 その瞬間、凄まじい快感が悠介の体内を駆け巡った。
「んぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「ね、凄いでしょ?」
「はぁっ……はぁっ……。お願い、やめ、て……」
「もう逃がさないからね。と言っても逃げられないと思うけど。くすくす……」
「いや、だよぉ……」
「さ、邪魔なものは全部脱ごうねぇ♪」
 朱美が悠介の服のボタンに手を掛け、それを一つずつゆっくりと外していく。
 全部、外し終えて、ゆっくりと脱がしていく。
 布と肌との僅か摩擦でさえ、悠介には快感に感じられた。
「あぁぁっ!!こ、こんなの、嫌だよぉ……」
「さ、次は下ね」
 朱美が悠介のズボンに手を掛けたその時。
「悠介?どうかしたのか?」
 悠介の喘ぎ声に気付いたのか、蒼香がドア越しに語りかける。
 そんな蒼香にも構わず、朱美はズボンと下着を一気に下ろした。
「んぁぁぁぁぁ!!」
「悠介!?おい、どうした悠介!?」
「ふふふふふふ……あははははは……」
「朱美!?お前、何をやっている!?ここを開けろ!」
「嫌だよぉ……折角、ゆっけと二人きりになれたんだからぁ……」
「朱美、ここを開けろ!」
 ドンドンと激しくドアを叩く音に一切の興味も示さず、ただただ悠介を見下ろす朱美。
 やがて、頬に手を当て、優しくその唇を奪った。
 最初は軽く、そして、少しずつ激しいものに変えていく。口内をなぞり、舌を絡ませ、唾液を吸い上げ送り込む。
 部屋の中にぴちゃぴちゃといういやらしい音が響き渡る。
 朱美の片手が腹部から胸部へと上がり、乳首の付近で止まる。そのまま、円を描くようになぞり、やがて乳首を軽く摘み上げた。
「んっ、むぐぐぐぅぅぅぅ!!」
 悠介の喘ぎ声は全て朱美の口内に吸収され、消えていく。
 それをいいことに、朱美は今度は両手で乳首を愛撫し始める。
 身体中の痺れにより逃げることさえも叶わない悠介は何も出来ず、ただその快感を受け止めるだけ。
 今まで味わったこともない快感に悠介は戸惑い、恐怖し、大粒の涙を流した。
「ん、ちゅっ、れろっ……ぷはぁっ」
「はぁっ……はぁっ……。もう、許して……」
「ふふふ、だぁめ♪」
 長いキスからやっと解放された悠介は必死で懇願するが、朱美は全く聞き入れる気もないようだ。
 と、その時。部屋のドアが勢いよく開き、蒼香が姿を現した。
313SA:2007/05/23(水) 17:18:52 ID:71tXPFz8
「悠介!大丈夫か!?朱美、お前……一体どうしたというのだ?」
「ゆっけを鍛えてあげてるんだよぉ?」
「限度というものがあるだろうが、この馬鹿者!悠介を壊す気か!?」
「そんなこと言って、本当はおねーちゃんだってしたいんでしょ?」
「何……!?」
 ずいと詰め寄る朱美。
「あれ、聞こえなかった?おねーちゃんだって、ゆっけのこと犯したいんでしょ?」
「ば、馬鹿を言うな……!」
「我慢しなくてもいいよぉ?ほら、この時期だしぃ?」
「わ、私は私情に流されて自分を見誤ることなどしない!」
「ふぅん、そう。じゃあ、そこで黙って見てて」
「だから、悠介を壊す気かと言っているのだ!」
「大丈夫、壊れないよ。大好きなもの壊すわけないもの。……あぁ、もう我慢の限界かもね」
「朱美、お前……!」
 そう言うや否や、何やら朱美の背後がもそもそと動き始める。
 そして、やがて、朱美の背中に大きな二枚の翼が現れた。
 悠介は人間に翼が生えたことにただただ驚くばかりである。
「……!?」
「ふふ、驚いたでしょ?あたし、人間じゃないんだ」
「ど、どういう……?」
「人間に化けることも出来るけど、本来のあたしの姿は鷹。鷹娘ってところかな?あぁ、ちなみに、おねーちゃんも人間じゃないからね」
「朱美、余計なことを……」
「おねーちゃんは鷲娘。鷹なんかよりずっと大きくて獰猛だよ。今はそんな風に見えないけどね」
「……最早、隠す意味も無いか」
 今度は蒼香の背中がもそもそと動き出す。
 そして、朱美と同じように背中に大きな二枚の翼が現れた。だが、朱美のものより一回り以上大きい。
「悠介、今まで隠していて済まなかった」
「あ、い、いえ……」
「そして、もう一つ謝らねばならぬことがある」
「……?」
 服を脱ぎ出す蒼香。
 悠介は何となく嫌な予感がした。
314SA:2007/05/23(水) 17:19:54 ID:71tXPFz8
「済まない。流石の私も、もう我慢の限界だ……」
「えっ、そ、蒼香さん……!?」
「あーあ、おねーちゃん目覚めちゃった。おねーちゃんはあたしと違って優しくないと思うから頑張ってね」
「そっ、そんな……!」
「済まない。いきなり入れるぞ」
「やっ、待っ……!」
 悠介の制止の言葉も聞かず、蒼香は悠介の上に跨り、ゆっくりと腰を下ろしていった。
「ひぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
 悠介が叫び声に近い喘ぎ声をあげる。
 そんなことはお構いなしに、蒼香は悠介の胸に手を当て、腰を激しく上下に振り始める。
 そして、それに加えて胸に置いてある手で乳首を愛撫する。
「やぁぁぁ!!乳首はだめぇぇぇ!!」
「んっ、あ、熱くて、いいぞ……悠介!」
「やっ、そ、蒼香さん、止めてぇ!」
「そんな、ことを言って、どんどん大きくなっていくぞ……んっ!」
「あーあ。結局、おねーちゃんに先越されちゃった。いいや、あたしも交ざろっと」
 朱美は自分の手の中指を咥え、唾液で濡らし始める。
 そして、十分に濡らし終わったそれを悠介の後ろの穴にあてがい、そのまま力を入れてずぶりと差し込んだ。
「ひぃぃぃぃぃぃん!!!」
「あっは……んっ、また、大きくなったぞ!」
 肉棒、乳首、肛門の三点攻めで悠介は有り得ないほどの快感を叩き込まれる。
「あはは、凄い締め付け。ゆっけのここ、あたしの指を凄い力で締め付けてるよぉ♪」
「ひぃん、あっ、はぁっ!ぬ、抜いてぇ!」
「え?もっとって?しょうがないなぁ♪」
「ち、違……!」
 朱美は差し込んだ指を前後に動かし始める。
「やぁっ、かはっ……!うぁぁぁ!!」
「あっ、んっ、そ、そろそろイクぞっ!」
 蒼香の背中の翼がバサバサと羽撃き始めた。
「はっ、あっ!ぼ、僕も、もぅっ……!」
「な、中に出せ!んぁぁっ!」
「だ、駄目ですぅ……!は、離れ……んぁぁっ!」
 中に出してはまずいと思い、射精を必死で堪える悠介。
 退かすということも考えたが、相手は自分よりもずっと長身の鷲娘。退かそうとしてもびくともしなかった。
 そんなことをしてる間にも、どんどんと高みへと登っていく二人。
 そして、蒼香が力強く腰を下ろした瞬間、悠介の我慢が限界に達し、そのまま蒼香の膣内に精液が吐き出されていった。
 同時に蒼香も最高潮まで登り詰め、大量の愛液が溢れ出ていった。
「はぁっ、はぁっ……中々、良かったぞ……」
「はぁっ……はぁっ……」
 暫く余韻に浸った後、蒼香はゆっくりと肉棒を引き抜く。
 二人分の体液がドロリと流れ落ちていった。
315SA:2007/05/23(水) 17:20:52 ID:71tXPFz8
「えへへ、今度はあたしの番だよぉ♪」
「も、もういやだよぉ……!」
 そう言いながら、今度は朱美が悠介の上に跨る。
 先程の悠介と蒼香の交わりを見てすっかり欲情してしまった朱美。既に挿入準備完了だ。
「えへへ、いくよぉ!」
 肉棒が朱美の膣内に入り、温かい肉の壁に歓迎される。
「んぁっ、は、入ったぁ♪」
「あぁぅ!んっ、ひぁっ……!」
 朱美はゆっくりと腰を上下に振り始める。
 間髪容れずに性交を行っている(正確には行わされている)悠介にとってその快感は一層強く感じられる。
「あんっ!ゆっけの熱くて、んっ、大きくて、気持ちいいよぉ!」
 朱美の腰を振るスピードが段々と速まっていく。
 それに合わせて、悠介を襲う快感も更に増し、二人は少しずつ高みへと登っていく。
 すると、それを見ていた蒼香が悠介の顔に跨った。
「私も気持ち良くしてくれ」
「ん、んぐっ!?」
 蒼香の秘所で口を塞がれる悠介。
 悠介はそれを拒むが、蒼香がぐいぐいと秘所を押し付けてくるので、従わざるを得ない。恐る恐る蒼香の秘所に舌を伸ばした。
 そして、少しずつ舌を動かしていく。
「んっ、いいぞ……。もっと速くだ……」
 悠介は言われた通り、舐めるスピードを速めていく。
「あっ!くっ、中々、上手いではないか……!」
 蒼香も自ら腰を前後左右に振り、快感を求める。
 蒼香の激しい動きに少々苦しむ悠介だが、止めるとどうなるか分かったもんじゃないので舐め続ける。
「んぁっ、んっ!乳首が寂しそう、だねぇ♪」
 朱美は背中の翼を悠介の胸部まで持っていき、さわさわと乳首を愛撫し始めた。
「んぐぅ!?んぐっ、んぐぐぐ!」
 くすぐるように乳首を愛撫する柔らかな羽毛。
 先程の蒼香のものとは、また違った快感が悠介を襲った。
「あんっ、あんっ!もう、だめぇ、イッちゃうよぉ!」
「んぐっ…んぐぅぅぅ!」
「ゆっけも、あんっ、イキそう?じゃあ、ゆっけも、一緒にぃ♪」
「んぐぅぅぅぅ!!」
「イクぅぅぅ♪」
 二回目とはいえ、まだまだ濃い精液が朱美の膣内を駆け巡っていった。
「あっ、くっ……私も、そろそろイクぞっ……んぁぁぁ!!」
 やや遅れて、蒼香も絶頂を迎えた。
「はぁっ……はぁっ……」
 三人の荒い吐息と夥しい程の体液の臭いが部屋中を満たす。
 そして、強烈な快感を与え続けられた悠介は疲れ果て、そのまま意識を手放した。
316名無しさん@ピンキー:2007/05/23(水) 17:25:47 ID:+5y3StcQ
支援
317SA:2007/05/23(水) 17:27:18 ID:71tXPFz8
 ちゅんちゅんちゅん……。
 快い小鳥達の囀りと心地好い日差しが朝を告げている。
「っけ……ゆっけ!」
「んん……」
「やっと起きた!今日、学校でしょ?早く起きないと遅刻しちゃうよ!」
「えっ、起きなきゃ……!あ、あれっ……?」
「どうしたの?」
「身体が動かないよぅ……!」
「あらら、昨日の薬の効き目がまだ残ってるんだね……」
 妖しく微笑む朱美。
「ほう、それは大変だ」
 何処からか蒼香もやって来て、ゆっくりと悠介に近付いていく。
(ま、まさか……)
「さ、ゆっけ。邪魔な服は脱ごうね……♪」
「今日は優しくしてやるからな」
「ひぃぃぃぃぃ!!!」
 この日、悠介がぐったりとし、蒼香と朱美がやけにツヤツヤとしていたのは言うまでもない。
 悠介の平和な日々はまだ遠そうである。


   Fin(?)
318SA:2007/05/23(水) 17:29:50 ID:71tXPFz8
完結しましたぁぁぁ!
一週間もかかってしまって本当に申し訳ないです;
次回作(投下していいなら)は書き上げてから、一気に投下しようと思います。
では、神々が降臨すると思うので自分は去りますっ(サッ
319名無しさん@ピンキー:2007/05/23(水) 18:04:08 ID:z9nRvVxo
なんだ、父親は消防士だったのか。
俺はてっきりドラゴンファッカーかと思ってたよ。
320名無しさん@ピンキー:2007/05/23(水) 19:03:55 ID:d7g+xiT9
虎馬、余計ひどくなりそうだな
321名無しさん@ピンキー:2007/05/23(水) 20:30:52 ID:TF4zuBRL
とりあえず飯は絶対に信頼出来る食材を使って自分で料理してその場で食うか
コンビニ食かになるだろうな
322ラノベ脳('A`):2007/05/24(木) 00:58:09 ID:HUK/iW38
>>318
GJ!そしてお疲れ様でした。悠介、哀れ……なような、羨ましいような。

そして昨日言っていた次回作を投下するために俺、参上!
一昨日同様仕事のおかげで、前半しか書き上げてないけどいいよね?答えは聞いt(ry

濡れ女さん×退魔士('A`)
323ラノベ脳('A`):2007/05/24(木) 01:00:39 ID:HUK/iW38
「は?濡れ女ぁ?」
友人の馬鹿げた言葉に、俺はつい素っ頓狂な声を上げてしまった。
俺の名前は鏡 恭司。一応はフツーの高校生なのだが……
家が『討魔士』なんて時代遅れ甚だしい職業をやっているため、
その跡取りである俺も、小さい頃からやれ妖怪の退治方法やら、やれ怨霊の成仏のさせ方やら…
訳の解らない、修行とは名ばかりの拷問を受けていたため、身体と腕っ節だけは人一倍…
いや、二倍も三倍も丈夫過ぎて、我ながら困っている。
そんな俺の出自を知っているオカルト部の友人が、俺に非常識すぎる相談を持ち掛けて来た。

「そうなんだよ恭司!この現代に妖怪濡れ女!しかも襲われてるのはウチの運動部のエースばかりだって…」
ああ良く知ってるとも。家柄が家柄だけに、妖怪なんて馬鹿らしいモノの知識は、
それこそ水木○げる御大も裸足で逃げ出すほど良く知っていた。
ちなみに濡れ女とは、上半身は美女、下半身は大蛇で、赤子を模したとてつもなく重いモノを持たせてくる妖怪だ。
おまけに妖力もハンパでなく、大妖怪としても名を連ねている。
「……で?濡れ女は確か、岩より重い赤ん坊を持たせて、人間を圧死させるはずだが…」
「ポイントはソコ。被害者は全員無事は無事なんだけど…」
「…歯に衣を着せた様な言い方してねぇで、さっさと言え。」
生憎だが、俺は確かに『討魔士』ではある。しかし妖怪やら怨霊悪霊やらの類は全く信じていない。
馬鹿馬鹿しい話が延々続きそうだったので、ぶっきらぼうに急かしてやった。
「せっかちだね、恭司。被害者は全員、土気色の顔してて…体力って言うか精気って言うか…それが殆ど無かったんだ。」
「……なんだと?」
それが本当に濡れ女ならおかしい。彼女はあくまで人間を圧死させたり、天変地異を引き起こす妖怪だ。
人間の精気を吸い取るなんて…少なくとも、クソ親父とバカ母から聞いた話の中では、聞いた事が無い。
「…お前、濡れ女だって言ったけどよ…本当に、濡れ女か?」
疑問に思った俺は、眉間に皺を寄せながら目の前のオカルトヲタクを睨め付けた。
「被害者の見た特徴は全て一致、最後に見たモノは上半身美女の下半身蛇。だけど詳しくは覚えてないってさ。」
「……へぇ。」
もし本当に妖怪なら面白い。興が乗った俺は、口の端を歪めて不敵に微笑んでやった。
「ま…あのバカ家族から仕込まれた技や力を試す、いい機会かもしれねぇな…場所は何処だ?」
324ラノベ脳('A`):2007/05/24(木) 01:03:16 ID:HUK/iW38
逢麻ヶ淵――俺の通う高校の直ぐ近くにある、バカでけぇ沼だ。昔からこの辺じゃ、何か得体の知れないモノを見たって人間が多

く、
バカ親父が仕事を取ろうと、必死でここいら辺で聞き込みしたり、三日三晩寝ずに見張ったりしてたが、収穫は無かった。
「さて、と……それじゃ鬼が出るか蛇が出るか…って、もし出たら蛇一択なんだけどな。」
俺は家から勝手に持ち出してきた、宝剣とやらを携えて淵の周りをうろついていた。
――その時、急に風が生温くなって…周り一帯から音が消えた。さっきから聞こえていた、運動部の奴等の掛け声や、
帰宅部連中の話し声、遠くで響いていた、往来を行き来する車の音…鳥の鳴き声すら聞こえやしない。
「……どうやら、お出ましみてぇだな……」
目の前の淵の中心から、円形に細波が立つ。それはドンドン激しくなって来やがって――
その中心から、ゆっくりと…黒髪の女が現れてきやがった。
「……ホントに蛇が出やがった、か……」
まさか、本当に出るとは思いも寄らなかった。そいつは間違いなく、クソ親父達から見せられた書物に描かれていた…濡れ女。
ただ…俺は思わず息を呑んだ。なぜなら……そいつが、この世にいるどんな美女だろうが、女優だろうがが、
束になっても叶いやしないほどの、絶世の美女だったからだ。
腰の辺りまで伸びた長くて、艶やかに光る黒髪…それは憂いを帯びた瞳、真っ直ぐ伸びた鼻筋、
スケベ黒子がアクセントについた、濡れた唇、そして、白磁のように白くて、絹よりキメの細かい肌…
それら全てを、より一層艶やか…いや、淫らに、且つ美しく際立たせていた。
おまけに、そこらのグラドルや巨乳を売りにしたAV女優が泣いて逃げ出すほどデカイ乳房が…なんと4つも付いてやがる。
天辺の桃色をした乳首からは、白い筋…多分、母乳が、幾筋も垂れて来ていて…下半身が蛇だって解ってても、俺の息子が反応し

やがる…

「っ……テ、テメエが、その…濡れ女、か…?」
そのスケベな…いや、淫靡な姿に見惚れてしまっていた俺は、首を左右に振って自分を取り戻し、目の前の妖女に声をかけた。
「……寂しいの…」
………は?おいおい、質問に質問で返すと0点だって、学校で教わらなかったのか、マヌケッ!
俺の質問を無視して、濡れ女は水の上を滑る様に…一気に俺の目の前に立った。
「…私、寂しいの……この淵で、何百年も、ずっと一人なの……」
「えーと……」
……目の前にすると、益々美人だ。おまけに、その声まで極上の弦楽器みたいに透き通ってて…俺は警戒心を削がれてしまった。
「だからね?最近……此処を通る男の子とつがおうとしたの…でも、皆ダメ。私に精を、吸い取られちゃうの…」
その瞬間、目の前の女が淫らに微笑んだ。ムスコはより反応しちまったが…それ以上にコイツはヤバい。
俺の本能が告げた瞬間、俺は左手に持っていた宝剣を抜いて、濡れ女の喉元に衝き付けようとした。が…
「…そんな危ないもの、しまって?私とつがおうよ…若くて、逞しい討魔士さぁん……」
コイツは第六感か、それともセブンセ○シズが発達してるのか、俺を人目で討魔士と見抜いた上…
鱗で黒光りする、蛇の下半身を器用に使って宝剣をヘシ折りやがった。
「んなっ……!!」
「此処は…もう、私の結界で包んでるの……だから、今は貴方と私の、2人きり…貴方のお名前、教えて?」
…どうやら俺は、何年も血の滲む体罰…いや、修行を受けたのに、コイツには敵わないらしい。
このままコイツとヤッちまうのも悪くない、か…降参した俺は、両手を上げながら自分の名前を告げた。
「恭司だよ……鏡、恭司。」
「恭司様…素敵な名前……さ、私とつがいましょう……」
濡れ女は、その白い手を俺の胸板に添えると、そっと唇同士を触れ合わせてきた。
325ラノベ脳('A`):2007/05/24(木) 01:05:38 ID:HUK/iW38
今回エロシーンが長くなりそうなので、後編は週末になるかもしれません('A`)
次は纏めて投下しないとダメっスよねぇ……本能のままに書いてたらダメだなorz
それでは、また週末(多分金曜)に後編行きます。おやすみなさいー('A`)ノシ
326名無しさん@ピンキー:2007/05/24(木) 01:31:41 ID:du+Xs4vU
>>318
俺の友達と名前、あだ名(そいつの妹から呼ばれている)まで全部同じでワラタw
と同時に読んでいく内に羨ましくなって凹んだ。
次回作も期待してるよ〜。

>>325
なんという速度…ってか複乳とはまたマニアックだなw
こないだの母乳プレイといい、ラノベ脳氏は何かおっぱいに譲れない信念でもあるのか?w
327名無しさん@ピンキー:2007/05/24(木) 02:31:40 ID:ChH/zQgN
>>317
何動物の擬人化?
328名無しさん@ピンキー:2007/05/24(木) 07:16:33 ID:6Zjcb0jU
妖怪と擬人化は、ちと違うのでは?
329名無しさん@ピンキー:2007/05/24(木) 07:21:05 ID:sDrPHtB4
>>328
蛇女だから蛇の擬人化とカウントされないかな?
擬人じゃないのかもしれんけど
330名無しさん@ピンキー:2007/05/24(木) 08:46:43 ID:Bs8tqDWe
妖狐は?九尾の狐とか
331名無しさん@ピンキー:2007/05/24(木) 09:20:20 ID:mPW2dC0e
ちょっとゴッドファーザーを見て首領と猫擬人の作品を思い浮かんだんだが文章力がなくてどうやって書いたらいいかわかりません
332名無しさん@ピンキー:2007/05/24(木) 09:21:43 ID:du+Xs4vU
獣ベースの妖怪ならなんでもおkだと思う。
妖怪がダメだったらドラゴン娘もアウトになるじゃないか(´・ω・`)
333名無しさん@ピンキー:2007/05/24(木) 09:58:38 ID:Bs8tqDWe
この前のベヘモスや四聖獣もだな


あと複乳ってのはどうも好きになれないよorz
334名無しさん@ピンキー:2007/05/24(木) 10:08:06 ID:aJSS5JKd
妖怪なら専用スレがあるだろ
335名無しさん@ピンキー:2007/05/24(木) 11:10:08 ID:mtoEm150
ここは逆レイープがメインだから、神がそれを守ってればおkじゃね?
336名無しさん@ピンキー:2007/05/24(木) 12:11:46 ID:pfz2jMUK
動物型の妖怪なら守備範囲内だろうが、それ以外はスレ違いだろ
337名無しさん@ピンキー:2007/05/24(木) 12:41:06 ID:du+Xs4vU
妖狐 猫娘 ドラゴン 龍 グリフォン(複数の動物が混ざったような容姿)
狼男(娘) ミノタウロス
はいいってことか?
338名無しさん@ピンキー:2007/05/24(木) 12:50:21 ID:xNHt+uii
そこら辺の線引きは微妙でしょう
やっぱり逆レイプに注目すべき
339名無しさん@ピンキー:2007/05/24(木) 14:49:41 ID:du+Xs4vU
>>338
そうだな。このスレが他の擬人化スレと違うのは「逆レイプ」にあるしね。
そう考えるとここまで条件の限定されたスレに人が集まってるってのがすごいと思う。

おまえらどんだけ逆レイプされたいんだよw
340名無しさん@ピンキー:2007/05/24(木) 15:08:03 ID:jHBnwvmX
>>339
そりゃまあ、男の浪漫ですから。
341名無しさん@ピンキー:2007/05/24(木) 17:03:09 ID:UUMfgv8s
男が男を襲うのはなんて言うんだろ?
342名無しさん@ピンキー:2007/05/24(木) 17:04:57 ID:du+Xs4vU
>>341
アッー

マジレスすれば性的暴行
343名無しさん@ピンキー:2007/05/24(木) 22:04:34 ID:ug5s1/be
>>341
マジレスすればくそみそテクニック
344名無しさん@ピンキー:2007/05/25(金) 00:48:29 ID:Xr4dFbEF
近頃は「ぬふぅ」って場合もあるらしいぜ?
345名無しさん@ピンキー:2007/05/25(金) 03:16:23 ID:PtsQU9YE
そーいえば、ここのスレ見てたら思い出したが、
鯉って雄がものすごく少なくて、泥鰌、鮒などの近縁の雄の精子でも受精して純血の鯉になるらしい。
しかも、鯉の産卵って集団で地面を掘り返しながら鮒等の雄を取り囲んでヤルのだそうだ。






このスレで集団逆レイプってあったっけ?
346名無しさん@ピンキー:2007/05/25(金) 05:55:12 ID:F1bHm6YF
蜂の話とか集団じゃね?
347名無しさん@ピンキー:2007/05/25(金) 07:24:06 ID:yeRdWCeh
あぁ、スズメ蜂とニホン蜜蜂×∞の逆レイプな

たしかバッドエンドだった気がする
348名無しさん@ピンキー:2007/05/25(金) 07:38:46 ID:M9rfYqpG
鰐渕先輩の続編まだー?
349名無しさん@ピンキー:2007/05/25(金) 15:54:08 ID:eifjzj/1
        刑務所            さらりいまん
----------------------------------------------------
労働時間  8時間厳守         大体10時間以上
----------------------------------------------------
始業時間  7時50分          8時30分〜9時
----------------------------------------------------
終業時間  16時30分         21時〜24時
----------------------------------------------------
通勤手段  徒歩数分          満員電車1時間
----------------------------------------------------
昼食     食う              食えない日がある
----------------------------------------------------
夕食     食う              食えない日がある
----------------------------------------------------
夕食後    テレビや読書など自由  仕事
----------------------------------------------------
残業     全くない           ない日がない
----------------------------------------------------
残業代    そもそも残業が無い    残業あっても無い場合がある
----------------------------------------------------
休憩     午前午後それぞれ15分  上司次第
----------------------------------------------------
土日祝    確実に休み         出勤する日もある
----------------------------------------------------
年数     刑罰に応じる        40年
----------------------------------------------------
350暁狐:2007/05/25(金) 17:43:54 ID:vVcj+gGH
勢いで書いたものを投下してみるテスト
351暁狐:2007/05/25(金) 17:45:49 ID:vVcj+gGH
「お前ら、これはどういうことだ?」
 真夜中のあるマンションの一室に、男の声が聞こえる。その横には全裸の少女。
 彼の名前は神崎和魔(しんざき かずま)。そして、いまカズマは身動きが取れずにいる。
 何故なら、それは彼が寝ているときに、知り合いの蛇のお姉さんから貰った痺れ薬を飲まされてしまった為。
 それは誰に飲まされたのか、カズマと共に暮らしている蝙蝠娘ヘルに飲まされたのだ。
 油断したとカズマは思った。ヘルは夜行性、昼夜逆転しているので夜のほうが元気がいい。
 そしてもう一人も、夜行性だった。
「私は、ヘルのお食事のお手伝いをしているだけです」
「そうそう、サンって優しいね?」
「まぁ、それほどでも」
「照れなくていい。その優しさは間違っている」
 ヘルに褒められ頬を赤くさせたもう一人の女の子。名前はサン。
 彼女もまた、ヘルと同様カズマと共に暮らしている白髪に、ヘルと同じく綺麗な緑の瞳の猫娘。
 彼女はヘルと違い丁寧な言葉遣いだが、結局行動パターンはヘルと殆ど同じなのでカズマは軽くため息を吐いた。
「ヘル、また飯か?」
「うん!」
 カズマの問いに、ヘルは元気よく答えた。
 彼女の言う食事とは、カズマの血液のことである。
 だが、直接吸ってはショックで死んでしまうことがあるため、毎回こうして何らかの刺激を与えそれに便乗する形で吸わなければならない。
 そしてその刺激とは、相手をイカせることがもっとも手っ取り早いのだ。
 現に今も、カズマのズボンは脱がされてしまい、二人の舌により刺激させらていた。
「んんッ……きもちい? カズマ」
「相変わらず大きいです、舐めるのが大変……」
 いつもなら拳骨か、彼の仕事道具の妖銃『シエル』を使いお仕置きというところだが、生憎身体が動かない。
 だが、快感だけは伝わり、カズマの呼吸は荒くなっていった。
「早く、出して、かずま……」
 ヘルは上目遣いでカズマを見つつ、亀頭を吸い上げる。
 サンはカズマの唇を奪い、一方的に舌を絡ませる。
 彼女達が何かをするたびに、ヘルの悪魔のような漆黒の翼や、サンの白く長い尻尾は嬉しそうに動き続けていた。
「んんッ、んちゅッ……カズマ、早くぅ……」
 ヘルの肉棒を刺激する舌使いが激しくなっていく。
 彼女は既に空腹で、早くカズマの血を吸いたいのだ。
 だが、素直に言えばいいものを、こんな形で食事を取ろうとしているヘルに抵抗し、カズマもぐっと堪えた。
 そしていつまで経ってもイカないカズマにヘルが苛立ってきた頃、サンが彼女を止めた。
「どうしたの?」
「ここは私に任せてください。ヘルはお食事の用意を」
 サンの言うとおり、ヘルは肉棒から口を離し、カズマの肩に顔を近づけた。
352暁狐:2007/05/25(金) 17:46:42 ID:vVcj+gGH
「お、お前ら、何する気だよこら」
「ふふ、すぐに出させてあげますから」
 優しげだったサンの笑みは妖艶なものへと変わり、彼女は肉棒を片手で握りながらカズマの上に跨ぐ。
 そして、ゆっくりと腰を下ろし、濡れている秘所に肉棒をあてがうと一気に挿入した。
「にゃッああぁッ! あ、熱ッ……」
 挿入した瞬間、カズマの我慢が切れそのまま射精してしまう。
 それと同時に、ヘルが彼の首元を吸血鬼のように噛み、そして血を吸い始めた。
「じゅるる……んくっ、じゅる」
「うッあぁッ」
 血を吸われている瞬間だけはカズマは好きになれない。
 痛い上に、力が抜けていくからだ。
 もっとも、今はサンが前かがみで腰を上下に動かしたことで、快感が送られて力が抜けるということもあるが。
「ひぁッ! あんッ、カズマさん、きもちい、ですッ」
 サンの上下運動は、やがて回転運動へと変わっていく。
 口から唾液を垂らし、丁寧な言葉遣いで上品さを感じさせていたサンは乱れる。
 ヘルに吸われている感触も感じ、サンが動いている間もカズマは射精し続けた。
 それはすべてサンが受け止めており、膣内に流れる精液の感触にサンは笑みを浮かべていた。
「ハァ〜♪ おいしかったぁ!」
 やがてヘルの食事が終わり、綺麗な付近で噛んだ後に滲んでいる血を吹きつつ、口の端から一筋流れる血を舌で舐め取る。
 その刹那、カズマは再びサンの中に射精する。
 その感触に、サンは身体を痙攣させて絶頂した。
「んんんんッ……あぁああぁぁッ!」
 彼女の声が部屋中に響いた。
 結合部からはびゅくびゅくと音がし、サンの膣内に収まりきれない精液が溢れ出て布団を汚す。
 やがて肉棒を深く咥え込み痙攣していたサンが、カズマから離れるとヘルとサンの舌が肉棒を刺激した。
「ぐぉっ!」
「んッ、せーしの味がする、これもおいしーなぁ」
「カズマさん、ヘルも私も久々なので、まだ終わりませんよ?」
「そーだよ、次はヘルの番なんだから」
 射精後の敏感な肉棒を刺激され、カズマは声を上げた。
 二人は妖しく微笑み、翼を羽ばたかせつつヘルがカズマの上に跨ぐ。
 血を吸われた刺激と、痺れ薬によりカズマは動けない。
 そんな彼に、蝙蝠娘と猫娘は休むことなく自分の性欲を満たしていった。

 なお、翌朝になり彼女は自分の武具、大鎌と大きなショーテルでカズマにお仕置きされたのは別の話。

―終―
353暁狐:2007/05/25(金) 17:47:37 ID:vVcj+gGH
短いのは気にしてはいけないです
354名無しさん@ピンキー:2007/05/25(金) 19:03:38 ID:Qg0O0qqb
>>352
GJ!よかったです!!

絵を付けるとこういう感じなのか・・・
ttp://ch1.artemisweb.jp/read1/takara004/5/575/img/31.jpg
355名無しさん@ピンキー:2007/05/25(金) 19:57:31 ID:mmzdbWI6
>>352
GJ

>>354
なんで俺が狐でしかも神様書いてるってわかったの?
356名無しさん@ピンキー:2007/05/25(金) 23:06:52 ID:Apex8f+N
本当に蝙蝠娘キター!GJです!
357名無しさん@ピンキー:2007/05/25(金) 23:12:20 ID:8oURYahI
>>352
GJ 。好きです。
358名無しさん@ピンキー:2007/05/25(金) 23:20:28 ID:blEnZtk9
>>353
もうちょっとH前後の部分の尺が欲しかったな…。
言葉巧みに一服盛る所とか、お仕置きの所とかな〜。
てっきりフェラしながら噛みつくんじゃないかと戦々恐々だったぜ orz
359名無しさん@ピンキー:2007/05/25(金) 23:28:36 ID:wS9W5W9P
>>353
この際、和魔はともかく

ヘルとサンに元ネタでもあるのかと思ってたら、大鎌とショーテルで何となく分かった気がするww
GJ!
360名無しさん@ピンキー:2007/05/25(金) 23:38:53 ID:3q9r1Bys
超絶GJ!何時も楽しみにしてます。

>>359で違和感に気付いたw
カズマはガンだったよな。てことは…
361ラノベ脳('A`):2007/05/25(金) 23:54:57 ID:hIzcADlP
えと…後半投下前に。私の駄文でなんだか議論を呼んでしまったようで…
後半で濡れ女から蛇神さまに変更いたしました。
これからは書く前に今までより構想を練る様自重します。

>>326
おっぱい星人な上、母乳フェチですが何か?w
今回もおっぱい&母乳プレイ盛りだくさんなので、苦手な方はスルー推奨('A`)

>>353
流石暁狐氏……短めでも面白くてエロい。GJ!
にしても、モデルがガンダm(ry
そうとうGW(黄金週間に非ず)に思い入れがあるのでしょうか?

それでは後半投下します('A`)ノシ
362ラノベ脳('A`):2007/05/25(金) 23:57:15 ID:hIzcADlP
その唇はとんでもなく柔らかくて、さっきまで沼の中に居たって言うのに、なぜか甘い味がして…
たった一度キスしただけなのに、俺の脳みそはもう蕩けかけていた。
「ん…恭司の唇、美味しいの……もっと…いやらしくなっちゃう……」
俺の唇から離れると、見ただけで射精しそうなほど、淫靡な笑顔を見せ付ける。
おかげで、俺のムスコは完全に勃起して、臨戦態勢に入っていた。
「あ……♪恭司のおちんぽ…硬い、よ……?」
目の前の蛇女は、俺の肉棒をズボンの上から擦ると、嬉しそうな顔を浮かべながらその蛇の下半身を、完全に水から出してきた。
黒光りする蛇の身体は、全長が…目測だが10m近く。その尻尾の部分が器用に蠢いて、俺の服を脱がせていく。
「まっ…待て!まだ、心の準備が…」
…恥ずかしながら、コイツとヤっちまおうと思った最大の理由…俺はこんなナリだが、童貞だ…
こんないやらしい女に誘われて、ヤリたくないとほざく童貞は、多分世界中探しても居ないだろう。
「嫌…早く、恭司とつがいたい……ほら、全部脱げた…凄い、筋肉……♪」
濡れ女は嬉しそうに…下半身を俺の全身に纏わり付かせ、更にその淫蕩な上半身を押し付けてきた。
「おぉうぅっ……!」
蛇の身体のはずなのに、鱗の隙間一つ一つから、何か暖かい粘液の様なモノが染み出してきて…
鱗の感触とあいまって、酷く気持ちいい。おかげで、情けない声を出しちまった…

「ねぇ…恭司、気持ち…いい…?」
「そりゃ…こんだけのコトされれば、気持ちいいってぇの……くっ…!」
「嬉しい…ね、もっともっと一つになろうよぉ……♪」
全身に纏わり付く蛇の身体と、俺の厚い胸板に押し付けられる、暖かい4つの水桃果…
そこから滲み出す体液の感触が、その快楽を何倍にも増幅させて、俺の脳を直接刺激してくる。
「っま…待て、一旦、離れろっ……」
「やぁだぁ……恭司の身体、気持ちいいもの…もっとくっつこう?」
濡れ女が、その柔らかい上半身を押し付け、滑る蛇の下半身を纏わり付かせた瞬間…
「うっ……うおおおおおぉぉぉっ?!?!」
情けない事に、俺の息子は白濁した粘液をたっぷり吐き出しやがった…
なのに、俺の肉棒は萎えるどころか、ますます硬さと太さを増して、鎌首をもたげた。
「うっ……うそ、だろ…?射精したばっか、なのにっ……!」
「利き始めた…?私のお汁ね、男の人をすっごく興奮させちゃうの…おまけに、絶倫にさせちゃうの…」
…被害者が精気を抜き取られたのは、コレが原因か…
こいつの淫気に中てられただけでなく、コイツを摂取しては射精し、またこの濡れ女の体液を、全身で摂取して…
地獄のローテーションを繰り返してるうちに、被害者が本来持っていた精気が根こそぎ吸い取られたようだ。
その上、肌からも染み込んで来るらしく、俺の愚息は射精したばかりなのに、さっきよりビンビンに勃起したままだ。
「今度は…直接、飲んで?もっともっと…気持ちよくなれるから……」
濡れ女は、俺の身体に纏わり付かせていた下半身を移動させ、俺の目の前にそのたわわな4つの爆乳を持ち出してくる。
滑る蛇の身体が心地よい上、目の前の4つの乳首は勃起しきり、白い蜜を噴出しつつあった。
顔に掛かって、口元に零れてきた母乳を、少しだけ舐め取ってみた。
「甘い…それに、美味い……美味すぎるっ……」
363ラノベ脳('A`):2007/05/25(金) 23:59:27 ID:hIzcADlP
…気が付くと俺は、夢中になって濡れ女の乳首に吸い付いて、赤ん坊みたいに母乳を飲み始めていた。
蜂蜜より…いや、この世のどんな甘露より甘くて美味い。そう断言出来る媚薬が、どんどん俺の体内に摂取されていく。
「んあぁぁぁぁぁぁ……♪きょうじぃ…きもちいいよぉ……もっと、もっとのんでぇ…?」
濡れ女は俺の頭を抱え込むと、その爆乳を俺の顔全体に押し付けて来た。
不思議と息苦しくなく、俺は母乳を飲むのに専念できた。どんなに飲んでも飽きやしねぇ…
「かぶっ!んむっ…じゅるるっ!ぢゅるるるるるっ!んぐっ…ん、ぐっ…ぢゅぶぶぶぶぶっ!」
「あぁぁぁぁぁっ♪いいよぉ…おっぱい、気持ちいい…のんで、のんでぇ……♪」
俺は言われるまでも無く、自分から進んで媚薬を飲み進める。しかしこの母乳…媚薬としては強力すぎた。
この母乳を飲んでいるだけで…射精が止まりゃしねぇ。おまけに、射精すればするほど、どんどん次の射精がしたくなる。
こうして運動部の連中は精を搾り取られたのか…納得はしても、本能は捻じ伏せられねぇ…俺はその内、猿みたいに腰を振り始めた。


「はぁぁぁぁぁ…恭司の精液、熱いよぉ…♪それに、美味しいぃ……量も多いし…倒れないのも、初めて…」
「おうぅっ…あ、あがぁぁぁっ……!」
コイツは俺の射精しっ放しの肉棒を、手の平で包み込んで、溜まった精液を啜り始めた。
そのスケベな水音と、咀嚼音で、俺の理性は完全に壊され、溶かされて…
しかも、鱗から染み出してくる粘液はその量を増して、俺の身体を肉棒に見立てて、ずちゅずちゅ音を立てて扱いてきた。
勿論、空いている3つの乳首からも母乳は止まらず、俺の身体は全身媚薬を塗り込められて行った。
全身に快楽を叩き込まれ、刷り込まれて……俺はもうマトモな思考が出来ていなかった……

「い…いれ、たい……おまえの、なかにっ……!」
完全に性欲の虜になった俺は、全身を蛇の身体に絡め取られながら、腰を卑しく揺らめかせてしまった。
「ああ…恭司、つがってくれるんだ…♪私と、恭司の赤ちゃん……作ろう?」
「孕ませでも妊娠でもさせてやるっ…だから、はやくっ…!」
俺は自分の言った事の重大さにも気付かず…早く目の前の妖女とセックスしたい一心で、濡れ女の肩を掴もうとしたが…
蠢く尻尾に阻まれたどころか、その器用に動く尻尾に操られるまま、地べたに仰向けにされた。全身に蛇が絡んだままで。
「あはっ……嬉しい…恭司の赤ちゃん、産めるんだ…恭司とつがえるんだ……私も、我慢、できない…」
濡れ女は、身体を少し浮かせると…ちょうど蛇と人の身体の境目―骨盤の辺り―を曝け出した。
境界線が曖昧ではあるが、女の肉穴が付いている場所は、もう蛇の身体だった。
しかし…その肉の隙間から、愛液をたっぷりこぼしているそこは、何故か画像で見た、普通の女の肉穴より卑猥だった。
「見て…?これから…恭司と、一つになるところ……恭司の赤ちゃん、産むところ…」
濡れ女はその牝穴に手を添えると、左右に思い切り広げた。
その瞬間、愛液の量は桁違いに増え……その牝肉は綺麗な桃色で、肉棒を飲み込みたそうに蠢いてた…
「今までの男の子……此処までで倒れてたの…でも、やっとつがえる…交尾、できる…もう一人じゃなくなる……」
心底嬉しそうに呟いた濡れ女は、俺の身体に圧し掛かってきて……母乳を吹き散らしながら、俺の胸板に手を置いた。
男を誘う為だけにある様な、卑猥な身体が目の前に来て…俺は蕩けた脳みそが、更に興奮するのを覚えた。
「あっ…あ……あぁ……」
「恭司…凄く発情してる……私を、孕ませたそうにしてる…私も、孕みたい…いく、ね…?」
手も添えず、器用に下半身の力と、肉穴の締め付けだけで俺の亀頭を下の口で飲み込むと…そのまま一気に腰を沈めてきた。
364ラノベ脳('A`):2007/05/26(土) 00:02:06 ID:hIzcADlP
「なっ…なんだこれっ……んぐぉぉおおおおおおぉっ!!」
「あぁぁぁぁぁ〜っ♪きょーじの…かたぁぁい……♪」
『ぬ゛ぷぢゅっ!』とスケベな音を立てて飲み込まれた俺は、濡れ女の体内に住む肉蛇達の大歓迎を受けた。
暖かい牝肉は、膣内に大量の肉襞を作り出していて…それが蛇の様に纏わり付いてきた。
しかも…まるで粘度の高いゼリーの中にでも突っ込んでいるような柔らかさが、きゅうきゅうと俺を締め上げて来る。
童貞がそんな中に入れれば…射精するのは当然。俺は意識が半ば混濁したまま、また大量に射精を開始していた…
「おごぉぉぉぉぉっ!で、でるぅぅぅぅぅっ……!!」
「ひゃあああああぁっ♪きょーじの…あつぅい……私、孕んでるぅぅ……♪」
嬉しそうな声で鳴いた濡れ女は、そのまま腰を振り、射精中の俺の肉棒を、更に苛め抜いてくる。
只でさえ敏感になっている上、肉ゼリーにしゃぶられ、扱かれ、纏わり付かれ…俺は射精を休めるどころか、
腰を振る事スラ出来ずに…だらしなく涎を垂らして、無理矢理与えられる快楽に溺れきっていた。
「でっ、でるぅぅぅぅっ!と、とまらねっ…んぐぁぁああああああっ!!」
「あぁぁぁぁぁんっ♪きょーじあついのっ♪きょーじのたねじるあつぅぅぅぅいっ♪」
濡れ女の腰の動きは、単調な上下運動だけではなかった。上下しながら腰を回転させ、強烈に俺のペニスをしゃぶり尽くしてくる。
同時に腰を大きく前後に振ると、肉の纏わりつきが強くなって…俺は睾丸の中身まで搾り取られそうだった。
「あ…きょーじ、ちょっとつらそう…私のお乳、あげるね?」
濡れ女はその言葉の直後……上半分の乳首を2つ纏めて俺の口に含ませてきた。
「んぼぉぉっ!ぢゅるるるっ!ぢゅりゅりゅりゅ〜っ!んぶっ!んぐんぐんぐぅっ!」
確かに射精の限界で…赤玉が出そうだった俺は、ここぞとばかりに濡れ女の乳首を口に含み、吸い上げて…
彼女の噴出す精力剤兼媚薬をひたすら飲みつくした。すると…当然、射精の勢いが更に増して、再び濃い精液を吐き出した。


「ひゃあああぁぁぁっ♪きょーじぃ…わたしにんしんしてるっ♪きょーじのあかちゃんうんじゃうぅぅっ♪」
…コレだけ出せば当然の結果だろ。俺ももう、目の前の妖女を孕ませる事しか、頭に無かった。
ひたすらに母乳を飲み、精力を強化して…また濡れ女の子宮に精を打ち込む。ある意味、完璧なサイクルだった。
今日ほど、淫魔やら夢魔対策として、精力増強の修行まで施された事を家族に感謝した事はなかった。
濡れ女は腰を卑猥に振り揺らめかせ、その度に淫らな水音が立ち込め、揺れる4つの乳房のうち上半分は俺の胃へ、
下半分は俺の腹に噴出し、その締まる肉穴が、益々俺を追い詰めてくる。射精し続けるのが当たり前…そう思ってしまうほどに。
そして……目の前の妖女も、達する時が来たようだ。
「きょーじっ♪きょーじぃっ♪わたしもっ…わたしもぉ…いくのっ、いくのおおぉぉぉぉぉぉっ♪」
嬉しそうな悲鳴を上げ、歓喜に満ちた表情で濡れ女も絶頂したようだ。
全身から淫汁を吹き散らし、媚肉は俺のペニスに一分の隙間も無く絡みつき、締め上げてきて…
「がっ……あぐ、ぐぅぅ……!」
俺は掠れた声を出しながらも、それに応えるように快楽の許容量を遥かに超えた射精を行っていった……
365ラノベ脳('A`):2007/05/26(土) 00:04:45 ID:hIzcADlP
「はぁ……はぁ……きょーじぃ……♪」
イき終った濡れ女は、俺に覆い被さり、甘える様に胸板を舐め回してくる。
這い回る舌の感触と、粘液でずぶ濡れの蛇の下半身、そして柔らかな上半身の感触…
それらが余りに心地よすぎて、俺は暫く陶酔しきっていた。
「きょーじ…ありがと……これで私、一人じゃない…恭司、好きぃ……」
「そいつは…どうも……」
俺は意識が混濁しきっていて…その言葉の意味も解らないまま、曖昧に返事をしたが…それが不味かった。
「恭司も……私のコト、好き……それじゃ、私のお家、行こう?」
濡れ女は蛇の身体を俺に巻きつかせたまま……事もあろうに俺を淵に引き擦り込もうとしやがった!
「ま、待て……今水ン中入ったら…間違いなく溺れる……」
「それじゃ…私が抱っこして行ってあげるね…?」
抱っこと言っても、クソ長い蛇の身体に俺の身体は持ち上げられ…そのまま濡れ女は、水上を移動していく。
その先に見えてきたのは……なんと鳥居、そしてその奥にある小さな社だった。
淵の最も奥に有る上、鬱蒼とした藪の中に見え隠れしているので、通学路に有ると言うのに気付けなかったようだ。

「アレが……お前の、家か……?」
「うん、そうだよ…あそこが私のお家。」
………待て。何で妖怪なんて不浄なモノが、神社に居を構えられる?
少なくとも、俺がクソ親父に聞いた話では妖怪は聖なるもの、清らかなモノを嫌う。神社になんか入られる筈が無い。
「お前……もしかして…濡れ女じゃ、ない……?」
「ん…?私、妖怪さんじゃないよ…私、昔にあそこに祀られた…蛇神なの。」
…………………誰だよ、コイツが濡れ女だって最初にいった奴…
まぁ、確かに容姿が似ているから、間違えてもおかしくは無いが…ああ、そうだ。あのオカルトヲタクだ…
あの野郎、帰ったらぶっ飛ばしてやる。最も…俺が生きて帰られたらの話だが。
「恭司…私が、恭司の赤ちゃん産むまで……アソコで、つがおう……♪」
……俺にとって、死刑宣告に等しい言葉が、心地よい声色と共に告げられてしまった……

366ラノベ脳('A`):2007/05/26(土) 00:06:56 ID:KwIMKsXa
…それから体内時計で約3ヶ月。蛇神が取ってきてくれる魚を料理して食っている時と、寝ているとき以外は、
ひたすらにセックス、セックス、セックス……とは言え、専ら俺が犯される形ではあったが。
途中からは俺も慣れて来て、蛇神の母乳で精力を補充しながらひたすらにその子宮に、濃い精液を注ぎ込んでいった。
蛇神の腹は日に日に大きくなっていったが、彼女はそれでも構う事無く、膣肉で俺のムスコをむしゃぶり続けた。
そして…………その小さな社に、大きな産声が響いた。
「産まれたよ……恭司の赤ちゃん……♪元気な、男の子……」
「あ…ああ……」
流石蛇神というか…まさかたった3ヶ月で赤ん坊を出産するとは思わなかった。
加えて高校生で一児の父親になるとは思わなかったし…その母親が神様とはもっと思わなかった。
でも…なんというか、自分の子供が出来たのは、複雑だが嬉しくもあった。
「恭司……私、2人目も欲しい……」
…蛇神はとんでもない事を言いながら、また俺の身体に巻きつこうとしたが、俺はそれをやんわり押し留めた。
「あー…その、悪い……俺も、そろそろ帰らないと…多分、学校も家も、俺が行方不明で大騒ぎしてるだろうし…」
「え………?」
…何か、悪い事を言っちまった気がする…俺も此処での生活に慣れたし、正直、この蛇神に愛着も湧いた…っつーか…
犯されているとは言え、身体を交えてるうちに、その……正直惚れた。それに、蛇神と人間のハーフとは言え、
自分の子供を置いていくのも……とは言え、俺も向こうでの生活がある。苦渋の決断でもあった。
ふと蛇神を見ると……泣いてた。目に大玉の涙を浮かべて、それをポロポロ溢していた。
「やだ…きょーじ、行っちゃやだぁ……私、また一人になっちゃうよぉ……」
「な、なに言ってんだ…ほれ、赤ちゃんも居るだろ?」
俺は蛇神の頭を撫でて、精一杯宥めようとしたが…
「いっちゃやだぁぁ!わたしときょーじとあかちゃんのさんにんでいっしょにいるぅ!」
…どうやらコイツは、俺の想像を超えた寂しさを…いや、孤独を味わってきたらしい。
俺の身体をぎゅっと抱きしめて、嗚咽を溢していた。
「…そんなに寂しいなら、どうして外の世界に来なかったんだよ?」
俺は至極当然の疑問をぶつけてみた。彼女ほどの力を持つ蛇神なら、外出など容易なはずだ。
「だって……怖いの…私、ここに祀られてから…外の世界、知らない…それに、昔、大きな戦があってから…街が変わって…
田んぼも、畑も…森も、全部灰色の塔や、眼が痛いお家が出来て…怖いの……」
…なるほど。彼女は此処に祀られて…外の事を殆ど知らずに育ってきた、いわば箱入り娘も同然。
それに終戦から60年とは言え、彼女にとってはそれも一瞬に等しい。
なによりこの、痴女な癖に大人しいこの性格……急激な変化が怖くて当たり前だ。

「……わーったよ、それじゃ…お前も赤ちゃんも、俺がずっと守ってやる…それじゃダメか?」
「え……?」
蛇神は意外そうな顔で、俺を見つめてきた。そして…俺は決定的な言葉を彼女に告げてやる。
「だからだ、その……お前も俺とお前の子供も、俺が死ぬまで一生守って面倒みてやるから!だから俺と一緒に来い!」
俺が顔を真っ赤にしながら叫ぶと……彼女は、また涙を溢して……しかし、ニッコリと可憐な笑顔を浮かべてくれた。
「………うんっ…きょーじ…私のこと…一生、守ってね…?」
蛇神は俺に抱きつくと、俺と一緒に鳥居をくぐった。
「そう言えば……3ヶ月もその、ヤッてたのに名前聞いてなかったな…名前は?」
「……名前?私、逢麻ノ宮水蛇ノ尊……」
「なげぇな……ま、神さんだからな…それじゃ、最後の一文字を取って、お前はミコトだ。んで、赤ちゃんは間の字を取って宮だ。」
うん、我ながら妙案。ミコトも、俺が付けた名前が嬉しいのか、何度か口の中で反芻している。
「ミコト…私、ミコト……赤ちゃんは、みや……解った。よろしくね、恭司……♪」
そして…俺は、いや、俺たち家族は、彼女が永い間済んでいた淵を離れ…一路俺の家に向かった。
367ラノベ脳('A`):2007/05/26(土) 00:12:31 ID:KwIMKsXa

…それから、外に出たのが深夜で幸いした。その上ミコトは気を利かせてくれて、下半身を人間に変えてくれたおかげで、
俺の人の目を盗んで俺は家まで辿り着いたが…
驚愕の事実が俺を待っていた。3ヶ月どころではなく、あの社に居たのはなんと半年。捜索願まで出されていた始末だ。
おまけに留年確定な上、蛇とは言え神サンと子を成して…しかも連れて帰ってきたモノだから、親父とお袋は卒倒しちまった。
まぁ…ちょっとした浦島太郎になっちまった上、高校生で嫁と子供まで作ってしまった訳だが…
まぁ、なんとかやっていけるだろう。俺には愛する奥さんと、愛する子供が出来ちまったんだから。
「……恭司、好き……♥」
「ああ、俺もだよ……」


――ハッピーエンド?

蛇だけに蛇足かも知れないが――一応、俺とミコトはその後正式に籍を入れ、
(なんでもあのクソ親父、そういう事も得意らしい。ホントに討魔士なのか…)俺はミコトに逢ったおかげで、親父の後を継いで討魔士をやっている。
お払いやらは勿論、意外とホンモノの妖怪相手の仕事も舞い込んでくる。親父はそういう所を俺に隠していたようだ。おかげで――
「いってらっしゃい、恭司……今日は、早く帰れるの?」
「ああ、今回も小物妖怪が相手だし…直ぐに済ませて帰ってくる。待っててくれよ?」
俺はミコトと、いってらっしゃいのキスを交わしてから仕事に行く。今日も早く帰って、子供達と奥さんの相手をしないと、な。

――やっぱりハッピーエンド。
368名無しさん@ピンキー:2007/05/26(土) 00:14:11 ID:OjcPHJSg
初一番乗りか?

激しくGJ!!
母乳プレイいいよ母乳プレイ
369ラノベ脳('A`):2007/05/26(土) 00:14:41 ID:KwIMKsXa
とりあえず俺の脳みそにバッドエンドの5文字はありません('A`)
そして相変わらず母乳&孕ませ大好きでごめんなさい('A`)
次は幼女に挑戦してみようかと思う……('A`)

それでは、また次回作が出来上がればお会いしましょう…していいよね?答えh(ry
('A`)ノシ
370名無しさん@ピンキー:2007/05/26(土) 00:18:42 ID:h5ofzORC
>>369
あーもーホントにもーGJGJGJGJG(ry

マジ最高に俺のティンポにクリーンヒットですよ
何回抜いたことやら
371名無しさん@ピンキー:2007/05/26(土) 00:19:41 ID:UusFQIUR
巨乳複乳母乳蛇神様…俺の好きな属性をよくもこれだけ集めやがったな!?
超級GoodJobなんだぜ!!
372名無しさん@ピンキー:2007/05/26(土) 00:55:45 ID:ZOGplZqn
清々しいくらいのハッピー&ラブラブエンドでよかった。
もっとセックスする!
373名無しさん@ピンキー:2007/05/26(土) 01:00:35 ID:ZOGplZqn
バッドエンドは五文字じゃないぞw

一回保管庫のバッド、ハッピーの比率を集計してみたいな。
374名無しさん@ピンキー:2007/05/26(土) 01:21:26 ID:TbNITJl0
上に加え、ハッピーエンド孕ませ…全てが俺の属性であるwww
GJ!!
375374:2007/05/26(土) 01:23:59 ID:TbNITJl0
↑の者だが>>371氏に対してです…
他の人のコメント多すぎて追いつけ無かった…orz
376名無しさん@ピンキー:2007/05/26(土) 01:43:56 ID:GhugorxN
ヘル…デスサイズヘル
サン…サンドロック
ギム…ギム・ギンガナム
でok?
377名無しさん@ピンキー:2007/05/26(土) 08:25:40 ID:nsPGF1d8
スパ厨ガノタまじうざい
378名無しさん@ピンキー:2007/05/26(土) 09:11:39 ID:QoB+IYlE
>>354
詳細希望
379名無しさん@ピンキー:2007/05/26(土) 09:27:27 ID:IGp4/28A
>>377
俺両方当てはまるぞ

つか思っても口にするなよ、スルーすりゃいいじゃん
380名無しさん@ピンキー:2007/05/26(土) 12:29:36 ID:nsPGF1d8
何で一々触るの?スルーすりゃいいじゃん
やっぱりスパ厨とかガノタはアホだな
381名無しさん@ピンキー:2007/05/26(土) 12:38:23 ID:0pYXGC20
自己主張厨テラウザス
382名無しさん@ピンキー:2007/05/26(土) 12:43:03 ID:ZOGplZqn
お前ら蛇神さまに毒とかその他諸々抜いてもらってこいw
383名無しさん@ピンキー:2007/05/26(土) 12:55:59 ID:6bYPw6fe
>>382
俺も行きたいw
384名無しさん@ピンキー:2007/05/26(土) 15:31:19 ID:NkwawKEU
むしろ皆その噂を聞いてこのスレに毒撒き散らしてるんじゃない?
385名無しさん@ピンキー:2007/05/26(土) 21:59:11 ID:ZOGplZqn
「ふふっ…なんとも活きのよい人間だ…」
そう言って蛇神さまは赤く割れた舌を>>377の肉棒に巻き付けて上下にしごきだす。
「じゅぷ…んん…っ」
「くっ、そんなに…激しく…」
人間の女性とは比較にならない刺激に>377は苦悶の表情を浮かべて我慢している。そんな彼を蛇神さまの目を細めて見上げると舌を放して一気に喉の奥までくわえこんだ。
「うあ………っ」
この上ない快楽の中、精液を吐き出しながらびくびくと痙攣する>>377
「んんっ…もっとちょうだい…♪」
だが蛇神さまがその程度で満足するハズもなく、淫猥に笑いながら口中で彼の肉棒に刺激を与え続けている。
更なる快楽の中で萎える事もできない>>377は全てを蛇神さまに委ね…果てなき搾取に身を任せるしかなかった。

「さて、あの者の邪気は全て私が喰らった。
そして待たせて悪かったな…お望み通り全て搾り取ってやろう。喧嘩両成敗、私の“巣”を荒らした罪は重いぞ?」

>>379「や、止めてくれ…」
>>380「そんな…俺は注意しただけ…」
>>381「無理やりなんて…」

「いただきまーす♪」



蛇神さまは怒ったら怖いみたいです…。
386名無しさん@ピンキー:2007/05/26(土) 22:33:55 ID:og56+XDY
>>385
俺のも勃ってしまったではないか。
よし、蛇神様にヌいてもらおうw
387名無しさん@ピンキー:2007/05/27(日) 00:20:21 ID:65jGCk2w
哺乳類がいいなぁ、と言ってみるテスト
388名無しさん@ピンキー:2007/05/27(日) 10:20:06 ID:Pmz/0ooi
狐がいいなぁ、と言ってみるテスト
389名無しさん@ピンキー:2007/05/27(日) 10:35:03 ID:B1XmPAna
白蛇様の続編がいいなあ、と言ってみるテスト
390名無しさん@ピンキー:2007/05/27(日) 10:38:47 ID:Qy2ONYOL
俺も蛇神さまにお願いしたいw
391名無しさん@ピンキー:2007/05/27(日) 13:37:24 ID:tcZgtIdn
>>388に同意してみるテスト
392名無しさん@ピンキー:2007/05/27(日) 16:24:05 ID:XdhBAB6f
>>391に続いてみるテスト
393名無しさん@ピンキー:2007/05/27(日) 19:46:05 ID:0v9+o4vd
テストが多いなぁ、と言ってみるテスト
394名無しさん@ピンキー:2007/05/27(日) 20:15:23 ID:65jGCk2w
テスト・・・・そうかわかったぞ!
ん・・・・?うわなにをするやめ


ラメェェェェェッッ!!!
395ラノベ脳('A`):2007/05/27(日) 20:34:53 ID:21xDwQEx
……蛇神さま大人気ですね('A`)
ミコトの続編でも作ってみようかな('A`)
396名無しさん@ピンキー:2007/05/27(日) 20:48:39 ID:aAMZoHQx
頼む
397名無しさん@ピンキー:2007/05/27(日) 21:02:10 ID:swMF5f0O
俺からも頼む
398名無しさん@ピンキー:2007/05/27(日) 21:12:10 ID:yvOKNWsO
そして俺からも
399名無しさん@ピンキー:2007/05/27(日) 22:24:17 ID:ferB+eYz
>>395
ぜしおながいします
400名無しさん@ピンキー:2007/05/27(日) 22:30:25 ID:43Y6WMGS
あとは頼んだ
401ラノベ脳('A`):2007/05/28(月) 00:11:53 ID:Uas9/qQC
>>396-400
おk。蛇神ミコトたんで構想思いついたからちょっくら書いてくる('A`)
投下時期はわかりませんが…いいよね?k(ry
多分3Pになりそうです…では('A`)ノシ
402名無しさん@ピンキー:2007/05/28(月) 00:13:50 ID:W1N5Xxms
【エロ教師】 教え子の女子小中学生6人や教え子の母複数人と性交しまくり、鬼畜先生に懲役7年求刑

・18歳未満の小中学校の教え子計6人にみだらな行為をしたとして、強姦(ごうかん)罪
 などに問われた群馬県太田市の元市立小中学音楽教師 岩井彰人(旧姓 吉田彰人)被告(31)の論告
 求刑公判が10日、前橋地裁(結城剛行裁判長)であり、検察側は懲役7年を求刑した。

 検察側は「被害に遭った教え子らは、好意を抱いていた教師から性欲のはけ口とされた」
 と指摘した。

 論告によると、岩井被告は昨年3月から11月にかけて、12−16歳の教え子に計24回、
 県内のホテルなどでみだらな行為をした。被害者には小学校教諭時代の教え子だった
 当時12歳の女児もいた。
 http://www.nikkansports.com/general/f-gn-tp0-20070510-196611.html
403名無しさん@ピンキー:2007/05/28(月) 00:23:27 ID:gBgrSync
3Pだとてめぇ!?

全裸で待ってるぞコノヤロゥ
404名無しさん@ピンキー:2007/05/28(月) 01:09:03 ID:k6fDDS7v
へへ・・・・・俺も混ぜろよ
405名無しさん@ピンキー:2007/05/28(月) 10:20:04 ID:Dr4Gbtse
とりあえず>>401が投下するまで投下は控えて俺も待つ!
406ラノベ脳('A`):2007/05/28(月) 10:35:45 ID:8/dmWyQn
>>405
いえ、是非先に投下して下さい('A`)
何分ダメリーマンでなかなか時間が取れないもので…
今度のはいつ書き上がるか判りませんorz
他の神々の投下をお待ちしてます('A`)
407名無しさん@ピンキー:2007/05/28(月) 14:57:21 ID:2c0KP/v9
この流れなら言える!
いろんな話の完結マダー?
408暁狐:2007/05/28(月) 16:39:46 ID:I+Gjd+xF
>>406待ちだと思いますが投下します
分割投下なのでご注意ください
409暁狐:2007/05/28(月) 16:41:07 ID:I+Gjd+xF
「はあ〜ぁ、メンドクセーなぁ」
 ある山奥でカズマは深い溜め息を吐いた。
 服装はいつもの適当な服、山登りに来たわけでもない。
 だけどいくら面倒でもカズマはここに来なければならない、何故なら仕事だから。
 今日も今日で妖怪退治。
 ここ最近はカズマもそのほかの人間もこんな感じであるが、カズマ自身除霊などは得意ではないので妖怪退治、化け物退治が丁度いい仕事なのだ。
 とは言っても、カズマもこのところ連日で本業の仕事をしているので、元から嫌だったのがますます嫌になりやる気も出ないでいた。
『これで何度目? そのメンドクセーって』
「うるせーよ」
 ゆっくりと欠伸しながら山を登っていくカズマに話しかける女の声。
 だが、彼の周辺には人などいない。
 話しかけられ、カズマは右手に持っていた銃に話しかけた。
 そう、彼に話しかけたのは人ではなく彼の仕事道具、赤い妖銃の『シエル』。
 シエルが話す度に、僅かにシエル自身が光る。
 傍から見たら銃に話しかけているやばい男に見えるカズマだが、ここは人が訪れない山の奥なのでカズマは遠慮なくシエルと話していた。
『大体、あんたからはやる気が見られないよ。もうちょっとやる気出したらどう?』
「だからうるせーって、面倒なもんは面倒なの」
『あっそ……まっ、死なない程度に頑張りな』
「へいへい」
 シエルがカズマの危険、もしくは強い力に反応し震えている。
 どうやら目的の妖怪は近いことに、カズマはもう一丁の青い妖銃『ガリュー』を左手に持った。
「今日も頼むぞガリュー」
『ちょっと、あたしには!?』
「まぁ、適当に使わせてもらうって」
『…………来た』
 明らかにシエルには適当なカズマに、今まで黙っていたガリューが彼らに話しかけた。
 その直後、数本の木々がなぎ倒されたと同時に、カズマたちの前にそれは現れた。
「………なんか、色っぽい妖怪だな」
 思わず出てしまったカズマの言葉。
 そのとおりと言うべきか、カズマ達の前に現れた妖怪は蛇の妖怪だ。
 上半身は黒髪の美しい人間の女、下半身は太く長い蛇の尻尾。
 折られた木を下半身で巻きつけ一瞬で砕くことから、巻きつかれたらまず骨をバラバラにされるだろう。
 さらに、妖怪の腕は人間のものだが肘から下が蛇の頭となっており、蛇女の大きさはカズマなどよりも遥かに高くでかい。
 だが、それよりも上半身は裸の女、露出した胸にカズマは少し目のやり場に困った。
「なるほどな……」
 そして依頼内容に納得した。
 六合から伝えられた依頼内容には、この山に入った若い男が行方不明となり白骨となって発見される。
 そして微笑みながらカズマを見る蛇女の目は発情したサン等に似ていることから、目の前の蛇女は性的な意味で襲っていたのだと確信にも似たものを得た。
『おいカズマ……まさかあの蛇に襲われたいなんて思ってないよね?』
「そ、そんなわけないだろう!」
 シエルに図星をつかれたカズマは声を裏返させ反論した。
 大きさを除けば、相手は美人のお姉さんだ、この際下半身や手が蛇とかはカズマは気にしない。
 ガリューは軽く溜め息を吐き、シエルは焦るカズマをいじっていた時、欲求が我慢できず蛇女はカズマに襲い掛かった。
 そしてカズマもガリューの銃口を蛇女に向けた……

410暁狐:2007/05/28(月) 16:41:48 ID:I+Gjd+xF
「あ゛ぁ〜つかれた〜〜!」
 仕事も無事終わり、山のふもとの旅館にある自分の部屋で布団を敷き眠っていた。
 激しい戦闘だった。
 相手はでかい上に強力な毒を持っており、カズマは珍しく苦戦した。
 それでもガリューの力を借りて無事退治に成功、蛇女は天后、天一により連行された。
 風呂も入り、ビールも飲み、録画していたアニメも見てカズマは今まさに眠ろうとするが、次の瞬間阻止された。
「カズマー! ごはーん!」
 部屋の襖を勢いよく開け、寝ているカズマに飛び込んだ蝙蝠娘ヘル。
 彼女のダイブに、かなりイラっときたカズマは、眠ったまま自分に擦り寄るヘルの頭に思いっきり拳骨を入れた。
「いだぁ……」
「サン、連れて行け」
「はい……いきますよヘル」
 カズマから少し距離を置き、頭を両手で押さえてヘルは蹲る。
 そして再度布団にもぐりこんだカズマは、後から入ってきたサンにヘルの連行を命ずる。
 サンはヘルの手を取って、半分引きずるように彼女をカズマから引き離し、その間ヘルは暴れていた。
「か、かずま〜、ごはん〜〜!!」
「今日はサンのを吸え」
「そうですよヘル。カズマさんはお疲れなのですから、今日は私のを」
 そしてサンの言葉が終わる前に彼女達はカズマの部屋から出て行った。
 ヘルも渋々了解し、そのまま自分の部屋に入っていった。
 ようやく静かになり、カズマもゆっくりと目を瞑った。
「……くちゅんっ!」
 最後に大き目のくしゃみをした後、カズマは深い眠りに入っていった……
411暁狐:2007/05/28(月) 16:42:35 ID:I+Gjd+xF
412名無しさん@ピンキー:2007/05/28(月) 16:51:03 ID:xF/KYH2O
リアルタイムGJ!!
続く……でいいのかな?
413ポン菓子製造機:2007/05/28(月) 20:00:28 ID:QimdurKy
乙です
414名無しさん@ピンキー:2007/05/29(火) 00:38:35 ID:J8WS3VCY
誰のエロになるんだ!?
415名無しさん@ピンキー:2007/05/29(火) 00:47:16 ID:d+MQewEP
俺のエロだ。
いや、むしろ俺がエロだ。
さあ、書け!俺様主体のエロパロを書くんだ!!
416名無しさん@ピンキー:2007/05/29(火) 05:44:07 ID:Qz2Mqo/7
わにぶっちゃんマダー?
417名無しさん@ピンキー:2007/05/29(火) 08:09:53 ID:UEJ7g3kC
濃いのマダー?
418名無しさん@ピンキー:2007/05/29(火) 10:26:43 ID:1ma3S5BC
鰐淵先輩マダー
419名無しさん@ピンキー:2007/05/29(火) 15:00:56 ID:BQ+0MLAa
http://www.cnn.co.jp/science/CNN200705260019.html
11歳少年が体重約477キロという「巨大イノシシ」を射止めた。
イノシシを約3時間にわたって追いこみ計8発撃ち込んだという。
少年はイノシシについて「怖かったけど、興奮もした」と振り返っている。

ソースと文面が違う?いってることに変わりはないだろ。
420名無しさん@ピンキー:2007/05/29(火) 16:14:37 ID:aXuEhqs0
>>367
被害に遭った人たちは夫婦にはならなかったんだな
精力的な問題
421名無しさん@ピンキー:2007/05/29(火) 22:04:38 ID:qXvfJch+
>>419
リアルモンスターハンターだ……
ガチでドスファンゴ並のバケモノイノシシじゃねえか。
422暁狐:2007/05/30(水) 00:52:45 ID:upKdNtt4
こっそりひっそり>>410の続き投下
注意:エロなし、中編
423暁狐:2007/05/30(水) 00:54:37 ID:upKdNtt4
「ここは」
気がつけば、カズマは見覚えのある場所に立っていた。
そこはカズマが高校生のころ通っていた高校の屋上で、空は快晴、雲一つ見えない。
なぜこんな所にいるかはカズマには分からないが、ただ分かることもいくつかある。
まず、これは夢だということ。
自分が泊まった旅館からはどんなに頑張っても、丸一日は掛かる距離があるし独特の空気というものがそう感じさせている。
そしてもう一つは、夢は夢でも誰かに操作させられている夢だということ。
簡単に言えば、カズマが見ていた夢を誰かが弄くってこの場所に彼を呼び出した。
ちなみに呼び出される前は、カズマは彼女達との出会った夢を見ていた。
そして、カズマを呼びだした者もその一人、いやその一体だった。
「……俺に何の用だ? シエル」
 先ほどから太陽が照らしているというのに、カズマには陽が当たらない。
 何故ならば大きな物体が太陽の光を遮っているから。
 そして、それにカズマは少し面倒臭そうに、屋上の入り口の上にいた赤い竜に話しかけた。
 その言葉と同時に、赤き竜は表情一つ変えず大きな翼を広げて羽ばたき、巨大な身体を宙に浮かせる。
 そして、竜の身体は赤く眩く光り、そのままカズマに近づいていく。
 光を直視できず目を瞑るカズマは、光が治まると目をゆっくりと開けた。
 彼の目の前には、竜の姿はなくその代わり腰まである赤い長髪の女が立っていた。
「なんだよ?」
 カズマは少し後退り、女もそれに合わせて距離を保つ。
 いや、少しずつカズマに近づいていく。
 黙ったまま、真紅の瞳でカズマの顔を覗くように見る女にカズマは顔を横に逸らした。
 女は美しい。その瞳を見続けていると吸い込まれそうな錯覚を覚える。
 ただ人間ではない。背中から生えている竜を思わせる大きな翼に尻から生えている長く鉄のように硬そうな尻尾。
 上腕、上腿から下は鉄の鎧のようなものになっており、手と足の指は刃物のように鋭い。
 長い横髪から見える尖った耳の上には、先が正面を向くように湾曲した太く赤い角。
 完全に人間ではない、ついでに首には首輪のようなものまである。
 だが、腕や脚以外は人間に似ている、胸も秘所もカズマから丸見えであった。
「じ、人型になるんなら、前隠せって言ってんだろが……」
「おや、やっぱり意識するんだ」
 視線を逸らしながら言うカズマに女は微笑みながら、鋭い指でカズマの頬に触れる。
 そして無理やり正面を向かせ、カズマの顔と目と鼻の先まで顔を近づけたこの女もシエル。
 彼女はシエルが人型になった姿。
これは元々彼女やガリューの能力であり、似たような存在の例に“魂剛”という妖刀がある。
 ただ、今となってはこういった夢という世界か、カズマに解放してもらうしかこの姿になることはないが。
「ち、近い、近いから」
「近づけてるの。ほら、もう少しで唇がくっ付いちゃうぞ?」
「だあ〜、バカやめろ。さっさと本題を言えっての!」
「これも本題、なんだけどねぇ……まぁいいか、まずは聞きたいことがある」
 シエルはカズマから少し距離を置いて、腕を組んでカズマを見下ろす。
 ちなみに銃の時はカズマが圧倒的に大きいが、竜、人型のシエルはカズマよりも背が高いので見下ろす形となる。
 自分の夢なのに、何故か体の自由が利かなくなり始めたのに疑問に思いながら、カズマはフェンスに背中を預けて頷いた。
424暁狐:2007/05/30(水) 00:55:23 ID:upKdNtt4
「カズマ、今日なんであたしを使わなかった?」
「はい?」
「何でガリューばかり使ったんだと聞いてる」
 シエルの表情を見るとかなりお怒りの様子。
 カズマは今日の仕事のことを思い出し、そして自分がガリューしか撃っていなかったことを思い出した。
 むしろ、一発一発の威力が高く連射性も低いシエルよりは、威力は落ちるが拡散、ホーミングするガリューの方が使いやすいし無駄な自然破壊をしなくて済むのが事実。
 カズマの妖銃は、特別な弾にシエルとガリューの力を使って撃つというもの。
 ガリューはまったく気にしないが、シエルは自分を撃たないのが嫌い、いや大嫌い。
本人曰く『何だか知らないけどすとれすが溜まる』
 よって、今のシエルはほぼ最高に機嫌が悪く、カズマを尋問するために夢を操作したのだ。
 カズマは正直にガリューの方が使い易いからと言うものの、そんな事でシエルが納得するはずもなかった。
「ほう、なるほどねぇ。いつだったか前にも言ったよね、あたしは絶対使えって。カズマの世界で言うヤクソクだ。ヤクソク破ったらどうなるんでしたっけ?」
「ごめん、覚えてない」
「ほう」
 正直に答えるカズマ、組んでいた腕を下ろしゆっくりと彼に近づくシエル。
 そしてシエルが一度指を鳴らす。
 すると、カズマは不意に身体の力が一気に抜け、その場に立っていられなくなりフェンスに凭れるように座る。
 更にシエルが軽く指を振るうと、カズマの身体は中を浮き入り口の壁に凭れ座らされた。
「ち、からが、シエル、おまえ、何かした、だろ?」
「あぁ、そうだ。どうせヤクソクも覚えてないだろうと思って、ちょいと弄った」
「はやく、もとに、もどせ……」
「いいのかな、そんな口きいて。どんなに優れていようが、竜に敵うと思うなよ人間」
 言葉も途切れ途切れになっているが、カズマは余裕なシエルを少し睨んで言う。
 だが彼女の言うとおり、人間が竜に敵うのは難しい。ただでさえ、今のカズマは身動きすら取れない。
 なので、どんなに言葉で言っても無駄な事。それはカズマにも分かってはいたが、何となく悔しいので言葉の抵抗を続けた。
「うるさいよ、悪いのはカズマでしょ? あたしとのヤクソク破ったんだから」
「ぅ……それは」
「前も言っただろ? ヤクソク破ったら、罰だって。なに、少し痛いだけ。男だったら我慢」
 翼を羽ばたかせ、シエルはカズマの至近距離に降りる。
 そしてカズマの言葉を無視しつつ、赤い瞳を楽しそうに少し細めて片腕を空に向かい上げる。
 今から彼女に何をされるか、カズマには分からないが彼女から恐怖のようなものを感じる。
 その直後、シエルは腕を振り下ろし、鋭い指でカズマの上半身の服を引き裂いた。


―続―
425暁狐:2007/05/30(水) 01:00:02 ID:upKdNtt4
投下してるときに気づいた……最初の方や所々、一行あけ忘れて地の文書いているorz

まぁ、あまり気にしないでください。
426名無しさん@ピンキー:2007/05/30(水) 01:06:24 ID:RBFzb32t
>>425
わかった気にしない
そしてGJ!!
痙攣しながら続き待ってる
427通りすがり:2007/05/30(水) 01:32:20 ID:+PgkAp17
現在虎のSSを執筆中の俺が通りますよ……

>>425
GJです!

BIGBOSS、差し出がましい様ですが
俺のSSに結衣先生を使わせてもらって宜しいでしょうか?
……とは言え脇キャラだけど(汗

駄目だったらオリキャラに代えますので、はい(滝汗
428暁狐:2007/05/30(水) 01:40:24 ID:upKdNtt4
>>427
いいですよ、つか使ってくださいお願いします
429通りすがり:2007/05/30(水) 03:32:31 ID:+PgkAp17
>>428
有難うございますBIGBOSS!

明日明後日くらいには完成すると思いますので期待せずに待ってくれると有難いです。
それと、かなり話が長いので見たくない人はNGにしておくと良いかもしれません(汗
430名無しさん@ピンキー:2007/05/30(水) 10:16:49 ID:sMl/1iHd
>>425
GJだがひとつだけ………ガリューは?
431名無しさん@ピンキー:2007/05/30(水) 16:48:37 ID:KiesJ+em
>>429
虎&長い話
↑この組み合わせで読みたくない作品なんかあるわけないと自負しております

ってか普通に期待してる!
432暁狐:2007/05/30(水) 17:38:30 ID:T9Ha8n+E
ID違うのは別のPCからだからで
ちょっと質問

分割投下と一括投下だと、どっちがいい? 今後の参考にする。


あと、まとめサイトの作品見たんだけど、ごめんなさい。
今まで俺が投下したの似たり寄ったりな内容ばかりだったorz
433名無しさん@ピンキー:2007/05/30(水) 19:25:49 ID:2QP3LuSo
>>432
個人的には前編後編の二回ぐらいが読みやすいかな
434名無しさん@ピンキー:2007/05/30(水) 19:44:38 ID:KiesJ+em
>>432
>>433に同意
435名無しさん@ピンキー:2007/05/30(水) 19:54:58 ID:JOQgw6wW
>>432
三回ぐらいを希望。
内容については元々かなり限定された条件で書かなければならないし、暁狐氏はたくさん投下してるから内容が似てくるのは仕方ないかと。
内容で言えば私もミリタリー・軍隊絡みの話ばかり書いているので…orz
436名無しさん@ピンキー:2007/05/30(水) 22:31:34 ID:hA+n8gUA
>>432
概ね>>433に同意。でもできれば一発でうわなにをするやめsgdf(゚Д゚)ウボァー
作品が似てくるのはその書き手の個性だと思われるです。別段気にするほどでもないかと
と、妄想回路が停止したまま復旧のメドが立たないヘタレがのたまわりました
437名無しさん@ピンキー:2007/05/31(木) 00:59:38 ID:BEBOpsI5
>>432
長さによって変わってくると思う。
短編なら一回
中編なら二回
長編なら三回
あたりがちょうどいいかも。
438通りすがり:2007/05/31(木) 02:18:00 ID:c+Brnh1U
虎のSSが完成したけど、気が付いたら計32KBの大作となってしまった……

長過ぎる……修正が必要だ……でも、修正のしようが無い……orz

>>431
期待に応えることが出来るのかと不安だが
やるしかないと覚悟完了している俺!

はい、期待しないでください……マジで……(滝汗

>>432-437
俺は一括投下をするのを自分のセオリーにしている。

とは言え今回は長すぎるので分割した方が良いのかなぁ……(汗
439名無しさん@ピンキー:2007/05/31(木) 02:29:12 ID:A3RZQBQr
>>438
どちらにせよまずは投下してみればいいんじゃないか?
440通りすがり:2007/05/31(木) 02:43:47 ID:c+Brnh1U
>>438
分かりました、それでは次のレスから投下します。
見たくない人はコテ名の「通りすがり」をNGにしてください
441通りすがり:2007/05/31(木) 02:45:42 ID:c+Brnh1U
「ハァ……今日も学校か……」

今日、起きてから3度目のため息をつきながら俺は自宅であるボロアパートのドアを閉める、
因みに鍵は掛けない、理由は泥棒が入ったって盗まれる物がない事と、鍵掛けるのが面倒だから。

俺の名は狭山光喜、高校生だ。去年から親元を離れ、
このボロアパート居を移した上でここから学校へ通っている。
と言っても、俺の実家はこのボロアパートから一駅分程しか離れていない、
ならば何故、わざわざ実家から通わずにボロアパートに引越して其処から通っているかと言うと
その理由は簡単、親に干渉されたく無いからだ。

どうやら元々から俺は孤独を愛する性質らしく、
幼少の頃から他人は元より親からすらも一歩距離を置いて過ごしていた。
そんな俺の事を親や親戚は変わった子だとか、
もう少し他人と係わり合いを持ちなさいとか言って居るようだが俺は全く気にせず聞き流している。

んで、そんな俺が何故ため息をつきつつ自宅を出るかと言うと、
学校に行くのが少し嫌になっている事が理由だ。

別に学校で虐められている訳ではない、
学校に居る時は自分の存在感をなるべく目立たせない事で
誰にも注目される事なく平和に”過ごしていた”からだ
無論、勉強が出来ないからと言う理由でもない、
自分でも言うのも何であるが頭は良い方だ、”程々に”であるが。
なら何故、俺は学校に行くのが嫌になるかなのだが……

「おはようっ、光喜!」

ば ち こ ん 

「……ぐぉっ!?………っっっ……」
自宅を出て、数分ぐらい歩いて俺の通う学校の校舎が見えてきた所で
おもむろに大きな声と共に後頭部に何かで叩かれた衝撃が走る。
その叩かれた衝撃と痛みの所為で俺は一瞬、その場で蹲りそうになるものの何とか気を取り直し、
叩かれ痛む頭を擦りながら俺は叩いてきた人物の方へ顔を向け

「虎姐……何時も言っているけど挨拶する時に人を叩かないでくれ……かなり痛いんだから」
「あ、スマンスマン。つい何時もの気分でやっちまった。けど軽くだから良いだろ?光喜?」
442通りすがり:2007/05/31(木) 02:47:23 ID:c+Brnh1U
通学中の俺をいきなり後ろから引っ叩いた上に
俺の不機嫌な目線に対してちっとも悪びれない彼女は 虎山 妙(こやま たえ)
190cmと女性にして大柄な体躯に短めな金髪、
そして滑らかな褐色の肌に加えて態度と同じくらい大きな乳房
見た目から勝気な性格が窺い知れる顔立ちのその頭には黒い獣耳が小刻みに動き、
後腰からは黄色と黒の縞模様の尻尾がゆらゆらと動いている、
そう、彼女は虎系の獣人であり、その特徴と虎山と言う名、
そして姉御肌な性格から同級生は親しみを込めて虎姐と呼んでいる。
……親しむ気のない俺もそう呼んでいるのは、虎姐の方が言い易いから呼んでいるだけだ。

そして、そんな虎姐と呼ばれる彼女こそ、俺が学校に行くのが嫌になる理由だった。

「あのねぇ……軽くとか言う以前の問題で、俺は人を叩かないでと言ったんだけど?
それに虎姐にとって軽く叩いたつもりでも、やられた方にとって堪った物じゃないんだから……」
「分かった分かった、次から気を付けるって、な?」
「その「次から」って言葉を今までに何度、俺に言ったんだっけ?……虎姐?」
「アッハッハッ、忘れた」

この無神経さと鬱陶しさである、俺が嫌になるのは。
如何言う訳か虎姐のこの快活さが良いと周り(特に女子)から評判なのだが、
俺にとっては只の無神経にしか見えない。

「……ハァ……もう良い、こんな所で無駄話して居る場合じゃない。遅刻したら先生が煩いぞ?」
「あー、そうだったそうだった。遅刻したらあの狐の女センコーがうるせ―からな、ヤバイヤバイ
んじゃ、あたしは先に行くぜ!遅れるんじゃないぞ、光喜!」

俺を叩いた事に対してちっとも悪びれない虎姐に、
4度目の溜息を付いた俺は不機嫌な視線を虎姐へぶつけつつ文句を言うが
そんな俺の不機嫌さなんぞ虎姐は全く意に介せず、さっさと校舎へと走り去っていった。

「……今日も静かに過ごせそうにないな……ハァ……」

黒と黄色の縞縞模様の尻尾をゆらゆらと動かしながら走り去って行く虎姐の後姿を見送り、
俺は五度目のため息を付きながら校舎へと歩き出した。
443通りすがり:2007/05/31(木) 02:49:20 ID:c+Brnh1U
先も言ったが俺は孤独を愛する性質である、それは学校であっても同じ事である。
俺は元来から人付き合いが苦手で、小学生の頃から一人で静かに過ごす事を好んでいた。
とは言え、俺は人嫌いと言う訳では無い、俺にはちゃんとした友人も居る、
ただ単に俺は一人で平穏に過ごすのが好きなだけなのだ。

その為、俺は今まで学校で授業を受けるときはなるべく目立たず真面目に授業を受け平穏に過ごし。
そして昼休みの時は必ず人気の無い場所で静かに自作の弁当を食べ、
残り時間は景色を眺め平穏に過ごしていた。
だが、半年前、虎山 妙こと、虎姐が転校してきてからその平穏は音を立てて盛大に崩れ去った。

如何言う訳か虎姐は毎日の様に俺にやたらと構って来るのだ、それも俺の否応無しにだ。
先ず、授業を受けて居る時、俺の隣に座っている虎姐はやたら俺にと話しかけてくる
例えばつまらない授業をしている教師に対する愚痴だとか、
「腹減ったー光喜ぃ、早く昼にならないかなぁ?」とかのくだらない事とか内容は様々。
そして偶に話し掛けてこなくなったと思って見てみると……

「ぐがぁぁぁぁぁぁ……んごぉぉぉぉぉぉぉぉ……」
「虎山さん”また”寝てるのね?……本当に困った物ね……」
「あ、結衣先生……はい、”また”ですよ……虎姐がこうなると昼休みか終礼のチャイムが鳴らない限り、
幾ら地震が起きようが宇宙人が攻めて来ようが絶対に起きませんよ……」
「ふぅ……じゃあ狭山君、何時もの通り後はお願いね?」
「はい、虎姐が起きたら今日の授業分を書いた俺のノートを見せておきますよ、先生……ハァ……」

と、こんな調子だ。担任の結衣先生でさえ寝ている虎姐を起こすのを既に諦め切っている始末だ。
んで、そうなると決まって彼女の隣の席に座っている俺がその後始末をやる事になるのだ。
おまけにいびきがかなり五月蝿いし……
最近、いびきを聞えない様にする為に俺は耳栓の着用まで考えている、
まあ、無駄だと思ってはいるが……
444通りすがり:2007/05/31(木) 02:50:57 ID:c+Brnh1U
それで授業が終わりやっと昼休みとなると……

「何時も思うのだが……虎姐はなんで俺と一緒の場所で弁当を食うのか分からないんだが……?」
「……んあ?ああ、そりゃあ光喜の弁当が絶品だからだな。
特にこの唐揚げ、味付けが絶妙で癖になるんだよなぁ」
「おいおい、俺の弁当が目的か!?って言うかさり気に唐揚げを盗るな!」
「良いひゃふぇふぁ?減るもんひゃねぇひ?(モグモグ)」←(訳 良いじゃねえか?減るもんじゃないし?)
「確実に唐揚げが減ってる!!つか物食いながら喋るな!食べカスがこっちに飛ぶ!!」
「ふっ、隙ありっ、御握りももらった!!、んっ!美味しっ!」
「だぁぁっ!だから俺の弁当盗るんじゃねぇぇっ!!」

と、昼休みもこんな調子だ。お陰で気の休まる暇が無い……
無論、学校からの帰り道も……

「やぁっと学校が終わったな、光喜。今日は何して遊ぶ?」
「真っ直ぐ家に帰って夕飯食って風呂入って宿題やって寝る」
「なんだよ、つまんねぇな。もう少し何かやる事あるだろ?例えば道場破りとか……」
「だから他にやる事は無いって!……つか、道場破りって何だよ!?
虎姐は学校の帰りに何時もそんな事やってんのか!?」
「んー?何時もじゃあないけど、偶にやるかな?……
にしても最近の空手道場の連中って手応えが無くてなぁ……」
「……聞いた俺が馬鹿だった……ハァ……」
「……しかもその道場の師範が、あたしのパンチ一発で沈むんだぜ?もう情けないったら……
って、光喜?何あたしの話を無視してさっさと先に行ってんだよー!?」
「もう知らん、俺は帰る……じゃあな、虎姐」

とまぁ、毎日がこんな調子なのだ。
この打ち砕かれた平穏を取り戻したい俺は以前、この事を他の同級生に相談したのだが
「羨ましすぎるぞ光喜!今すぐ俺とかわれ!」(男子A 談)
「俺の立場だったら、虎姐(*´д`)ハァハァなのに光喜はなんて勿体無い奴だ!」(男子B 談)
「おねえ様を独り占めしておいてその言い草……くやしぃっ!」(女子A 談)
「……憎しみで人を殺せるなら……私は貴方を憎みます」(女子B 談)
と、相談した同級生からは羨ましがられる上に何故か俺を責めてくる始末。
冗談じゃない、俺にとっては鬱陶しい事この上ないのだ。
445通りすがり:2007/05/31(木) 02:53:33 ID:c+Brnh1U
……しかし、ただ鬱陶しいだけであれば、俺は虎姐を無視をし続ければ済む話だ
だが、俺は何度か彼女に助けられているから無視する訳にも行かないのだ。

例えば、数ヶ月前につまらない事で俺が不良に絡まれた時、
呼んでも居ないのに何処からか虎姐がやってきて
俺に絡んでいた不良を倒し、助けてくれた事があった
そしてもう一つ、3週間前の事、
俺が昼休みに弁当を食べている何時もの場所が強面の上級生に占領され、
如何した物かと俺が困っていると虎姐がやってきて、一睨みで上級生を追い払ってくれた事もあった。

俺はそんな時、何時も虎姐へ礼を言うのだが、虎姐はそれに対し
「良いって、前に光喜がしてくれた事に比べればこれくらい」と返すのだ。

はて……?俺は虎姐に恩返しされる何かをしたのだろうか?
さっぱり分からない、そもそも虎姐が転校してくる前に俺と会ったのかも思い出せない
多分、虎姐は俺を誰かと勘違いしているのかもしれない

……本当はどうなのかは虎姐に聞かないと分からないが。
446通りすがり:2007/05/31(木) 02:55:56 ID:c+Brnh1U
キーンコーンカーンコーン……キーンコーンカーンコーン

(ふう、今日もまた何時もの1日が始まるのか……嫌になるなぁ……
せめて虎姐が俺の隣の席じゃなければ憂鬱さをもう少し感じないで居れるのだろうか?
いや、殆ど変わらないだろうな……何せ腐れ縁っぽいからな……この状態はまだ続きそうだ……)
学校の始鈴のチャイムを聞きながら、自分の席に座った俺は憂鬱な気分を感じていた
そして暫し考えた後、俺の隣、虎姐が居る方をちらりと見ると

「ぶぁっはっはっ、やっぱボー○ボおもしれー!アフロ最高ー!」
「……虎山さん?学校に漫画本は持ちこみ禁止ですよ?」
「げぇ!?結衣先生、何時の間にあたしの後ろに!?……出来るようになったな、ガン○ム!」
「虎山さん、冗談言って誤魔化したって無駄よ。この漫画本は没収、後で職員室に来なさい。良いわね?」
「ちっ……何時か見てろこの狐ババァ(ボソリ)」
「 何 か 言 っ た ! ?」
「ナンデモナイデース」

既に虎姐は漫画本を読んで馬鹿笑いをして早速、結衣先生に怒られていたりする。
結衣先生も大変だろう、まだ教師になって数年でこんな問題児を抱える事になるとは、
虎姐は喧嘩もしょっちゅうだからな、その後処理で頭も痛いだろうに……

まあ、授業の時以外でも毎日の様に振り回される俺の苦労に比べれば、先生のはまだまだなのだろうが……
さて、今日はどうなるのやら……また何時もの通りかな……?

と、軽く不安を感じながら俺は授業を受け始めた。

――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――

キーンコーンカーンコーン……キーンコーンカーンコーン

「じゃあな、光喜!また明日」
「……ああ、また明日…………は会わないと良いな(ボソリ)」
「……?光喜、何か言ったか?」
「え?……虎姐の気の所為だろ?……じゃあな」

学校から俺の住むアパート近くまで通学路が同じ道を通る虎姐と別れを告げて
ようやく一人になった俺はアパートへと帰る。

アパートに帰った後は自分で夕飯を作り、そして作った料理を食う
自画自賛ではあるが俺が作る料理は美味い方だ

風呂に入った後、テレビをぼんやりと見ながら俺は思っていた
(明日もまた、俺は何時もの通り虎姐に振り回されてしまうのだろうか……
なんか本当に腐れ縁の関係になっているよな……一体俺が何をしたのだろうか……?)
そう思っていると溜息がまた出てしまう。

(まあ良い、今は嫌な事は考えずさっさと寝て、明日に備えるとするか……)
と、考えつつ俺は布団に横になり眠りに落ちようとする。
しかし、この時、俺は自分の身体の小さな違和感に気付く事は無かったのだった……。
447通りすがり:2007/05/31(木) 02:58:33 ID:c+Brnh1U
《翌朝》

「うぅ……体がだるい、頭が痛い……」

朝、目が覚めた時に感じた身体の感覚は不快な物だった。
そう言えば寝る時に少し寒気がした気はあったが、まさかこうなるとは思っても居なかった。

「うぇ……38度5分……完璧風邪じゃねぇか……」

鉛の様に重い身体を布団から引きずり出し、何度か倒れそうになりながらも何とか体温計を探し出した後、
体温計を脇にはさみ自分の熱を測ってみたら予想通り、見事なまでな高熱を出している事が判明した。

やれやれ、この風邪になったのは何処かで風邪のウィルスを感染(うつ)されたのが原因だろうか?
それとも見たいテレビがあった為、風呂を中途半端に上がって湯冷めしてしまったのが原因だろうか?
まあ、原因がどっちであれ、この調子では今日は学校に行くのは無理そうだ。

「……はい、どうやら風邪を引いてしまったみたいで、今日は休んで家で寝ています……
はい……それでは……(ガチャン)……はぁ、これで今日は休み決定、と……寝るか……」

電話で俺が風邪を引いて休む事を学校へ連絡し、受話器を置いた後、
俺は重い身体を引きずって布団へと戻り横になる。
やれやれ、困った事になったな……まさかこう言う事になるとは……
……これから如何したものか……
448通りすがり:2007/05/31(木) 03:00:06 ID:c+Brnh1U
もし、他の奴がこんな状況になれば身近に居る親や家族が看病してくれたかもしれないが
生憎、俺は親元から離れて一人で住んでいるから看病してくれる者なぞ望める筈も無い。
かといって、風邪を引いたから看病してくれと親に助けを求めるのは俺のプライドが如何しても許さなかった。
実は言うと、俺は以前、親と大喧嘩して飛び出したまま仲直りもしていない状態なのだ。
俺が実家に居た中学3年の頃から何かと俺の行動に口出ししてくる親に対し、
俺は干渉されたくないと反発していた。
とは言え、親が息子の行動に干渉してくるのは親の愛情とも俺は取っており、ある程度は我慢していた
だが、高校に入って1ヶ月も経ったある日、俺は偶然にも自分の部屋に仕掛けられた盗聴機を発見してしまう
直ぐにその事を両親に問い詰めると両親はさも当然の様に、
いや、それ所か「息子の部屋に盗聴機を仕掛けて悪いのか?」などと言い放ったのだ。
無論、その余りにも身勝手な親の態度に俺は憤慨し、売り言葉に買い言葉と怒りが収まらないまま家を飛び出し。
着の身着のまま友人の親が大家をやっているアパートへと移り住み、
其処で学費と生活費を稼ぐ為にアルバイトをしながら学校へ通う生活を始めたのだ。
(ちなみに、俺の通っている学校はアルバイトを禁止していない、校則は余り厳しくないようだ)
俺がアパートに住み始めた最初の頃、両親は週に何度か俺に「帰って来い」などと言いに来ていたが、
半年も経つ頃になると俺を連れ戻す事を諦めたのか偶に手紙を送る程度になっていた。

今の所、俺はまだ実家に戻る気は無い、
恐らく向こうから謝ってこない限り、俺は顔を合わせようともしないだろう。
そして向こうもまた、俺が歩み寄らない限り態度を変える事は無いだろう。

……結局、これは両者の意地の張り合いでしかないのは俺自身、良く分かっている事なのだが……

しかし、この状況は参った。何せ風邪を治そうにも俺は風邪薬を家に置いていないのだ、
こんな状態になるとは全く予測してなかった俺は、買う金が勿体無いと風邪薬をケチってしまった上
風邪の時に食えるようなレトルトのお粥や、水分補給の為の清涼飲料水等も買わずに居たのだ。
今考えれば、何て考え無しだったのだろうかと後悔しても、最早後の祭なのだが……

布団に横になった後、俺はやる事も無く天井を眺め、
下手するとこのまま衰弱死かな?なんて不吉極まりない想像をしながら俺は眠りの闇に落ちていった……
449通りすがり:2007/05/31(木) 03:01:39 ID:c+Brnh1U
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

何時間か経ち、俺は何かの食い物の匂いで目が覚めた。
かすかに独特の匂いを感じる……これはお粥と言ったところか?

……はて?誰かお粥を作っているのだろうか?俺の部屋の隣の人が作っているのか?
いや、待て、隣の部屋に作っているにしてもここまで匂いは感じない、まるで俺の部屋で作っている……
更に待て、俺は一人暮しの上、俺の為に態々料理を作ってくれる様な親しい隣人などはいない筈だ。

……なら、誰が作っているんだ?

そう思いつつ、俺は恐る恐る台所でお粥を作っている何者かの方へと顔を向けた。
大きい、恐らく身長は190cmはあるだろうか?
一瞬、その身長の高さから男だと思ったのだが男にしては物腰に女性っぽい所を感じる。
だがしかしオカマではなさそうだが、なら一体何者?泥棒?

……と言うか、この後姿は何処かで見たような……?
ああ、そうだ、後姿の頭に獣耳と黒と黄色の縞縞模様の尻尾があるから……って、何?
……おいおい、まさかとは思うが

「……虎姐!?」
「あ、光喜、今起きたのか?………光喜、体の調子は如何だ?風邪だって聞いたけど……」
「あー、あんまし良くない……って言うか何で虎姐が俺の部屋にいるんだ!?」

俺が驚きの余り上げた声で、虎姐は俺が起きたのに気付いたらしく、鍋掴みで鍋を持った状態でこちらへ振り向く
見るとその姿は制服の上にエプロンを掛けた姿で、それが妙に似合っていたりする。

……と言うか、虎姐に合うサイズのエプロンがあったとは……意外だ。
450通りすがり:2007/05/31(木) 03:03:43 ID:c+Brnh1U
修正
×ああ、そうだ、後姿の頭に獣耳と黒と黄色の縞縞模様の尻尾があるから……って、何?

○ああ、そうだ、後姿の頭に獣耳と、腰に黒と黄色の縞縞模様の尻尾があるから……って、何?

――――――――――――――――――

「取り敢えず、光喜の為にお粥作ったんだけど……食うか?」
「ああ、済まんな、頂くよ……って、虎姐、この部屋のドアは鍵掛けているのに如何やって入ったんだよ!?」
「……う……い、いや、まあ、その……そんな事気にすんな、それよりお粥を食えって?な?」

俺の疑問に対して妙に言葉を濁す虎姐の後の方を見ると、ドアノブが無残な状態になった半開きのドアが見えた。
こいつ、間違い無く力任せにドアノブを捻って壊しやがったな……

「…………」
「あは、あはははは……ゴメン、ちょっと力入れたらボロって取れて……」

ドアの方を見た後、俺は無言で虎姐を睨むと、虎姐はあっさりとドアを壊した事を白状する。
……やっぱりか、やっぱりやりやがったのか、こやつは!
しかもボロとは言えちょっと力を入れた位でドアノブを壊すとは一体、どれ位のバカ力なのやら……

まあ良い、ドアの件で虎姐を責めるのは後にするとして……今の問題は虎姐の作ったお粥だ。
見た目はまともそうだが、今の虎姐の料理の腕が分からない以上、食うのは余りにも危険過ぎる、
下手すると俺の今の病状をより悪化させる可能性だってありうるのだ……さて、如何した物やら……

と、俺がお粥の方を見て色々と思案していると

「ま、まあ、とにかくこれを食えって!ほらっ!」
「……ふごっ!?っっっっっ!!!!」

無言で見るだけの俺に対し、ついに痺れを切らした虎姐がお粥をスプーンですくい、
無理やり俺の口に押し込んできた。

……しまった、安全なのかを判別する前にお粥を食わされてしまった!
仕方が無い、口に入れられてしまった以上は覚悟を決めてお粥を味わって見るとしよう……
幾ら不味かったとしても死ぬ事は無いだろうし……多分

最初こそは唐突に口に入れられた事と冷ましていないお粥自体の熱さの所為で味が分からなかったが
さほどお粥が熱くなかった事もあって徐々に舌が慣れ、味が分かってくる……そして

「…………あ、あれ?……美味い?」
「そ、そうか?良かったぁ……光喜に不味いと言われたらあたしは如何しようかと思ったよ」

意外だった、俺の予想の斜め上を行く位に意外だった。
程よい塩加減とかすかに効かせた梅干の酸味がいい按配で全く嫌な味がせず、
そして香り付けの紫蘇の風味が効いていて米の味を更に引き立たせている。
俺は虎姐の作った料理だからさぞ凄まじい代物かと思っていた、
だが、そんな考えを持った俺の方が馬鹿だった、このお粥は間違い無く美味かったのだから。
451通りすがり:2007/05/31(木) 03:05:21 ID:c+Brnh1U
「意外だな……虎姐にこんな才能があったなんて……(モグモグ)」
「悪かったな、あたしが料理上手くてよ……一応あたしも女やってんだぞ?
料理くらい勉強しててもおかしくないだろ」
「ああ、俺が悪かった。素直に虎姐の料理が美味いと思えたからな。
正直言って不味いかもと思ってたが、その考えをした俺が間違ってた様だ。
……で、それにしても何で虎姐が俺の家に?」

「あ、いやなぁ。教室で光喜の姿を見ないもんだから、結衣先生に聞いたら風邪で休んでると聞いてよ
光喜の事だ、多分一人で寝込んでいるんだろうなと思って心配になってな、
結衣先生に断わって授業を早抜けして、急いで光喜の家に来て見たら案の定、一人で寝こんたもんだから……
あ、それとドア壊して済まんな光喜、幾らチャイム鳴らしても出てこないもんだからドアを開けようとして……」

「いや、もう良いよ。虎姐の俺を、思う気持ちはわかったし、ドアの事はもう怒ってないよ。
……でも、虎姐、なんで俺なんかにここまでしてくれるんだ?
俺は別に虎姐に感謝されるような事は何もしてない筈だが……?」
「あれ?憶えていないのか光喜?…仕方が無いなぁ、あたしが教えてやるよ。
それはあたしが小学校に通っていた頃だ、光喜、お前も同じ小学校に通ってた筈だ、たしかOO第2小学校」
「あ、そう言えば俺も中学生の頃に引っ越す前はOO第2小学校だったな……で、それで」

「あたしはその頃、こんなもんだから周りから苛められててなぁ……」

虎姐はそう言いつつ自分の獣耳を指差す。
その時の虎姐の顔は何時もの勝気な表情が消え、その代わりに悲しげな物に変わっていた。

「………」
「あたしはその頃、何度か「死にたい」とまで考えてたんだよ……
けどよ、光喜と会ってからもう「死にたい」と思う事も無かったし、強くもなれた
だって、光喜が何時も泣いているあたしを励ましてくれたからな……」
452通りすがり:2007/05/31(木) 03:07:35 ID:c+Brnh1U
……思い出した、確かその頃、
俺は昼休みは何時も他の子と遊ばないで人気の無い校庭の隅に良く居てたんだっけ
そして其処には何時も泣いている獣耳の女の子が居たんだよな……
俺は気になってその獣耳の子になんで泣いているか聞いてみると
「あたしは獣人だから皆に苛められるんだ」って泣いて居たんだよな……

俺はそれが見ていられなくて、何度か
「獣人とか言って苛めるような奴は心が弱い奴だ、だから君の心を強くすれば勝てる筈だよ
それでもそいつらに負けそうな時は俺が味方になってやる、獣人とかそんなの俺には関係無い、
何かあっても俺が味方になってやるから大丈夫、大丈夫だよ?」
とか言ったんだっけ……今思うと凄く恥かしい事を言えたもんだ
んで、その後、俺がその獣耳の子の前面に立って苛めてた連中と大喧嘩して、
結局、先生に大目玉を食わされて……そして有耶無耶の内にその獣耳の子が引っ越す事になって……

「あたしはあの後、光喜の言う通り心と体を鍛えて、自分自身でいじめっ子に勝てるようになった。
その頃にはあたしも光喜も離れ離れになっちまったけどな……。
で、高校生になって親の都合でこの街に引っ越して、今の高校に通い始めた時
其処に光喜が居るのを見つけた、見間違え様が無かった、あの時から全く変わっていなかったからな。
何時も一人で居る事を好んで、そのくせ寂しがり屋で負けず嫌いで人情家で……あの時の光喜のままだった
あたしは強くなった自分を光喜に見てもらいたいと思った、そして光喜にお礼がしたいと思った、
だから何時も光喜に話しかけたり、光喜が不良に絡まれた時に助けたりしたんだ、
けど、ちょっとばかしやり過ぎっぽくなっちまったけど……其処はゴメンな……?」

「そうだったのか……。虎姐、俺こそ悪かった、虎姐があの時の子だったとは知らずに邪険に扱ってな……
俺が虎姐の事を憶えていたのなら、虎姐と仲良くしてたのに……馬鹿だな、俺は……」

「いや、あたしも馬鹿だよ……あたしが転校して来た時、直ぐに光喜へあたしの事を教えていれば
こんな面倒な事にならずに済んだんだから……」

「……って、事はお互いに馬鹿だな、馬鹿は馬鹿同士で今から仲良くすれば良いじゃないか」
「あっはっはっはっ、それは言えてる、今から仲良くしようか?馬鹿同士で」
「「はっはっはっはっはっはっ」」

暫くの間。俺と虎姐は本気で笑いあった
長い間、想いの行き違いがあったけどようやく二人はめぐり合えたのだ。
本当に長い間のすれ違いだった、けど、まだ先は長いのだ、だから其処から始めれば良いだけなのだから。

               ――――――――後編へ―――――――――
453通りすがり:2007/05/31(木) 03:09:11 ID:c+Brnh1U
と、前編はこんな所です

後編からエロスがありますのでお楽しみにしてくれるとありがたいです
454名無しさん@ピンキー:2007/05/31(木) 03:10:39 ID:rNVyT4TK
グッドジョブと言わざるを得ねぇですタイ。
455名無しさん@ピンキー:2007/05/31(木) 03:16:25 ID:Mj1/0TTd
お、おれも虎姐のお粥食べたい!
456名無しさん@ピンキー:2007/05/31(木) 04:40:06 ID:Mj1/0TTd
後編まだっすか?
457名無しさん@ピンキー:2007/05/31(木) 07:57:58 ID:pO2n8dDJ
>>455
21の髭が作った粥でよければ
458名無しさん@ピンキー:2007/05/31(木) 08:13:19 ID:YRGr+k1c
普段粗暴(?)だけど意外と家庭的な虎姐(;´д`)ハァハァ
459通りすがり:2007/05/31(木) 18:47:13 ID:c+Brnh1U
ええぃ、前編貼った所で力尽きるとは何て情けない!
と、言う訳で次のレスから>>441-452の後編です。
460通りすがり:2007/05/31(木) 18:48:13 ID:c+Brnh1U
ややあって……お粥の入った鍋の中身が空になった頃……

「ところで光喜、風邪薬とかもう飲んでいるのか?」
「……え?……あ、いや、風邪薬は家に無いんだよ……だから飲んでない」
「おいおい、風邪薬が無いってそれじゃあ治るもんも治らないじゃないか……?
ま、万が一、光喜がそう言うと思ってあたしが良い物持ってきたんだ」
「……良い物って何さ、虎姐?」
「ふっふっふ……ジャジャーン、 座  薬  !今からこれを使ってやるから安心しろ光喜?」
「( ゚д゚ )」

虎姐の質問から、風邪薬を飲んでいないと言う俺の返答に対し、
虎姐がニヤニヤと笑みを浮べながらカバンから取り出したのは独特の紡錘形をした小さな物体、
所謂、座薬と呼ばれる肛門から直腸に入れることで効果を発揮するタイプの薬だった。
俺はそれを見た瞬間、只、呆然とした表情を浮べるしか出来なかった。

……そ、それは確かに効果覿面だけど、幾ら何でも座薬は無いだろ!?
と言うか虎姐は俺のお尻にそれを!?………幾ら何でもそれは拙過ぎる!!

「……くっ……流石にそれは勘弁、つか断わる!」
「あっ!?コラッ、光喜、今更逃げるのか!!
「風邪を治す為に座薬で恥辱プレイをするくらいなら俺は逃げる!逃げ延びる!!」

俺は迷う事なくダッシュで逃亡を選択した。だが……

「待てって言ってるだろ!!」
 
ビュッ  
       スシャッ
                ズルズルズル……

「……っ!!なっ!?……服が!?……ズボンがっ!?」
「ありゃ…見事なまでに……まあ良いや、流石に半裸では逃げられんだろ、光喜ぃ?」

逃げようとする俺に対して、虎姐が振るった虎獣人の特有の鋭い爪の一撃は、
俺の体を全く傷付ける事無く、俺の着ている服とズボンだけを見事に切り裂く、
そして驚いて俺が立ち止まった拍子に切り裂かれた服やズボンが体からずり落ち、
俺はパンツ一丁の状態となってしまう。

「……ちっ……だがっ!!まだだ、まだ終わりはせんよ!!」
「逃がすかぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

ド シ ン ッ

「……ぐぇぇっ!?」

しかし、パンツ一丁になった状態でも諦めの悪い俺は何処かで聞いたような台詞を言いつつ逃亡を図る
何故、それでも逃亡を図ったかと言うと……その時の虎姐の目が、獲物を追う捕食者の目になっており、
それを見た俺は恐怖に駆られたからだ。

だが、生憎病人のふらついた逃げ足では、虎獣人の俊敏な動きから逃げられる筈も無く、
2〜3歩も歩かない内に虎姐のタックルを食らい、俺は虎姐ごと前のめりに転倒する。
その時の俺の様子はさながら、TVで見た獰猛な虎の体当たりを食らって倒れ伏した哀れな鹿の様に思えた。
461通りすがり:2007/05/31(木) 18:50:40 ID:c+Brnh1U
「さーて、もう逃がさんぞぉぉ?覚悟を決めるんだな光喜♪」
「ちょ、虎姐!お、俺の背中に胸が、胸があたって!?思いっきり押し付けられてる!?」

気が付けば俺の身体は四つん這いで、後から虎姐に覆い被さられる形になっており
その俺の背中に覆い被さった虎姐の大きな乳房がフニフニと押し付けられている状態となっていた。
虎姐はそれに気付いているのかいないのか分からないが楽しげに座薬を使う準備を始める、
そう、座薬を使うのに邪魔なパンツを脱がすと言う行動を……

「光喜、大人しくしろって、大人しくしないとパンツが破けちまうだろ?……せーのっ!!」
「うあぁっ!……あぁぁ……」
「…………光喜、何こんなとこをおっ立ててんだよ、ひょっとして今ので感じちまったのか?」
「………ううっ………ミナイデ………」

虎姐によってパンツを引き摺り下ろされて露出した俺の愚息は、
先程から押し付けられている虎姐の大きな乳房のフニフニとした心地よい感触と、
女性に尻を向けていると言う何とも言えない恥辱の所為もあって既に昂ぶった状態であった。

そんな俺の愚息をまじまじと見て、とても女性が言う物ではない台詞を言い放つ虎姐に対し、
俺はと言うと、今の状態と昂ぶった愚息を見られた事で恥かしさに顔を真っ赤にして震える事しか出来なかった。

「ま、まあ良いや。取り敢えずこれを一気にブチ込むから我慢しなよ―?光喜ー?」
「……チクショウ……やるならさっさとやってくれ……俺は覚悟決めたぞ……」

最早、虎姐は座薬の挿入準備を終え、後は座薬を俺の*に押し込むだけの状態。
俺は逃げ出そうにも虎姐の両腕が俺の腰をがっちりとホールドしている為、
只、くねくねと身を捩らせるしか出来なかった。状況は最悪だった、最早覚悟完了するしか他は無い

「………う………」
「…………?」

だが、俺が覚悟を決め、抵抗しなくなったにも関わらず
何時までたっても虎姐に動きが無く、代わりに妙なうめき声を上げるのみだった。
あれ?なんで今更になって動かないんだ……?一体如何したってんだ?
462通りすがり:2007/05/31(木) 18:51:54 ID:c+Brnh1U
「………………あ、やばい……」
「……?何がやばいんだよ、虎姐?やるならやるでさっさと……」
「……あたし、発情したみたい……」
「 は い ! ?」

虎姐が急に動きを止めたのが気になった俺は、何とか首を背中の虎姐の方に向けると。
虎姐の顔は褐色の肌色でも分かるくらい赤らめており
しかもその目も何処か潤んだ目になって俺の顔を見つめていた。
そして虎姐は俺の耳元まで滑る様に顔を近づけると、小さな声で自分が発情したと告げたのだ

発情?……って言うとたしか普通の人間以外の動物や獣人にも訪れる子作りの為の……
……ってちょい待て、虎姐は一体何を言い出してるんだ!?

「ちょ、虎姐!、一体何を性質の悪い冗談を言っているんだ!?幾ら何でも冗談キツいぞ!?」
「あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁっ!!これは冗談でもなんでも無く本気と書いてマジだ!!、
光喜!これはお前が悪いんだっ!!あたしに尻向けた状態で身体をくねらせて顔なんか赤らめやがって!!
これで発情しない雌なんて雌じゃねぇっ!!」
「うどわぁっ!?虎姐!一体何を!?」

虎姐はいきなり叫び出すと一気に俺を仰向けの状態にひっくり返し、
突然の行動に驚く俺が逃げる間も無く、仰向けになった俺の身体の上に虎姐が圧し掛かって来る。

「今、あたしはここで光喜とヤる!いいだろ光喜っ!?」
「待て待て待て!!虎姐、いきなりこれは無いだろ!?一応物事には順序って物があってんぐぅっ……!?」

顔を赤くし目を潤ませながら交尾を迫ってくる虎姐に対し、俺は必死に説得を試みるが、
言葉を言い切らぬ内に俺の口に押し付けられた虎姐の唇によって説得を中断されてしまう。

「んじゅっ……ちゅば……んんっ……ぷはぁっ……光喜……美味しい……」
「だ、だから……や、止めろって……虎姐……」

虎姐の不意討ちのような接吻に驚いて半開きになった俺の口内へ
虎姐の長く厚ぼったい舌が別の生き物の様にうねりながら侵入し、口内を舐り回す。
俺は何とか自分の舌を使い、口内で好き放題を行う虎姐の舌を追い出そうとするが、
逆に虎姐の舌に纏わり付かれてしまい、唾液を吸い出され始める。
数秒経って虎姐の唇が離れ、お互いの口と口の間に唾液の糸を作った頃には、
快感で俺の思考は薄れ始め、興奮した虎姐に対して俺は声で抵抗はするも
身体ではろくな抵抗も出来ない状態となっていた。
463通りすがり:2007/05/31(木) 18:52:55 ID:c+Brnh1U
「ああっ、暑いっ、この服邪魔だ!スカートも邪魔!ブラも邪魔!…つっ……パンツも邪魔!」
「うぉっ、俺に服を投げ……ぶっ!?…って下着も投げるなって!……下着っ!?……!!」

そして俺が快感の余韻から抜け出す間も無く、
俺の身体の上に乗っかったままの虎姐はエプロンごと着ていた制服を脱ぎ捨て、
更にパンツが尻尾に引っ掛かって苦戦しながらも下着も脱ぎ捨て、ついに生まれたままの姿となる。

俺は服を脱ぎ捨てた虎姐の姿を見て言葉を失った。
野性的とも言えるしなやかな筋肉を持ちながらも形の良い釣鐘形の大きな胸とくびれた腰付き、
そして形の良い安産型の臀部と女性らしさを全く失っておらず
その身体を覆うカフェオレのような褐色の肌が汗に濡れ、輝いていた。

俺は虎姐の生まれたままの姿を美しいと、素直にそう思ってしまった

「あたしはなあ、光喜と会えなくなってから何時も何時も発情する度に光喜の事を考えてここを弄ってた。
最初は痛かった、けど弄ってるとドンドン気持ち良くなって、調子に乗って弄ってて何故か血が出た時もあった
だけど、ここに男のそれを入れるのは光喜が初めてだ、あたしの初めてを光喜にやる!」
「虎姐……俺も初めてだけど……だけど……」

俺の上に跨った虎姐が、俺に対する告白と共に髪の色と同じ金色の毛に覆われた秘所を見せ付け、指で押し広げる
それは綺麗なピンク色で既にしどどに湿って受け入れ準備が完了した状態だった。
だが、初めての事に対して今だ決心の付かない俺は尚も断わろうとする、

「光喜、今更断わっても駄目、あたし自身もう自分を止められないから!!……んんっ!!」
「ま、待て………うぁっ!!」

だが、俺の最後の説得は既に発情し、興奮しきっている虎姐を止められる筈も無く
虎姐は少し腰を浮かし、早く入れろとばかりに蠢く秘所に俺の愚息を押し当て、狙いを定めると一気に腰を沈める。

「あぁっ、光喜っ!光喜ぃぃっ!!
「あ、熱い、虎姐の中がっ!熱いっ!!!」

虎姐の中に入った最初の感覚はまるで火傷するように熱いゼリーの様な物体の中に押し込められたかの様な感触だった。
そして次に訪れた感覚はまるで別の意思を持ったぬるぬるの生き物が俺の愚息を締め上げ、舐る感触だった。
無論、それは今まで女性経験なんぞ全く無かった俺にとって耐えられる物ではなく、
嬌声を上げる虎姐の秘所が俺の愚息の全てを飲み込み、愚息の先端が虎姐の奥へと当ると同時に、
スイッチが入った様に俺は虎姐の中へ大量の精を噴出していた。
464通りすがり:2007/05/31(木) 18:53:45 ID:c+Brnh1U
「ああぁ…一杯、いっぱいあたしの中に光喜のが出てる……」
「う、あ……ああ…………」

びゅるびゅると音が出ているのではないかと思うほどの射精感を感じながら虎姐は悦びに震え
俺はオナニーでは決して味わえない凄まじい快感で頭が真っ白になり、互いに身体がぴくぴくと痙攣する。

「あはぁ……はぁ……まだ……まだだ、まだ足りない!
もっと出せ、もっとあたしの中に出すんだ光喜!!」

だが、その快感が抜けきらない内に虎姐はもっと出せと腰を上下に振り始める
虎姐が腰を上下させるたびに大きな褐色の乳房がタユンタユンと揺れ、
結合部からはブジュブジュと淫猥な音が流れ、隙間から精液と愛液の混じった液が溢れ出す。

「うぁっ……こっ、コラッ……まてっ、待てっての……おぅ!?」

そんな虎姐に対して俺は言葉では抵抗する物の、
気が付けば俺も虎姐の動きに合わせ腰を突き上げてしまっている。

「あっ、うんっ!……くぅんっ!……ひゃん!」

最初こそぎこちない虎姐の腰の動きだったが、暫く経つと慣れて来たらしく徐々に動きに滑らかさが出てくる

「うっ、くっ!……うっ……つっ!」

その時となると俺は只、虎姐の動きに合わせるしか出来なかった

「光喜っ!…出せっ!あたしの中に出せぇ!!」

虎姐がそう叫ぶと同時に、腰をより一層激しく動かした後、一気に奥まで押し込み、
更にトドメと言わんばかりに膣壁でグニグニと俺の愚息を締め上げる。

「……うぁぁっ!!!!………ぁぁぁぁぁぁ………」

それによって昇り詰めさせられた俺は、虎姐の奥へ2度目とは思えないくらい大量の精を噴き出す。

「あぁぁぁ、光喜ぃ……いっぱい出てる、凄い……」
「っっっ……ぅ……ぁ……」
「でも……まだだよ、まだ足りないんだ、まだあたしは満足できない、だから光喜、もっと出せ!!」

虎姐は中へ精液がびゅくびゅくと噴き出される感覚に暫くの間、身体を震わせていたが
俺の射精が終わるや否や虎姐はまだ足りないとばかりに再び腰を振り出す。
465通りすがり:2007/05/31(木) 18:55:27 ID:c+Brnh1U
ちょ、ちょっとまて……じょ、冗談じゃない、これ以上は……危険だ!
只でさえ今の俺は風邪を引いて弱っているのだ、
そんな状態で虎姐に搾り尽くされたらマジで衰弱死してしまう!!
何とか……しなければ……このままじゃ……死んでしまう……

俺の意識が朦朧とする最中、
視界の隅に快感で上へそそり立った虎姐の腰の黒と黄色の縞縞模様の尻尾が入る。

これだ、これしかない……俺はイチかバチかの生死(精子?)を掛けた賭けに出た。

「くっ……このっ……」
「……っっっ!!!!ちょっ……光喜、おまっ……何処を掴んでっ!?」

俺は最後の力を振り絞って虎姐の尻尾を思いっきり掴み、更にニギニギと刺激を与える。
以前、俺は何かの動物番組で動物の尻尾には神経が集中しており、
触られた刺激をより感じやすいと聞いた事があった、
俺はそれに賭けた、虎姐の尻尾を掴み、強い刺激を与える事によってイかせてしまえば何とかなると。

「あっ…握るの止めっっ!!……イッちゃう!!尻尾で……イッちゃう!!!!」
「っ!!うぁっ……何コレっ!!」

だが、しかし、そんな俺の賭けは半分勝ってはいたが半分負けていた。
俺が思いっきり尻尾を握った事による虎姐への刺激は予想以上に大きく、
刺激によって俺の愚息を包んでいる膣壁が余計に複雑に、そして強烈に蠢きだしたのだ。
俺はそれに驚き大きく腰を突き上げ、そして………

「「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっ!!!!!!」」

二人同時に絶頂を迎え俺は凄まじい量の精を噴き出し、
虎姐は身体を大きく仰け反らせ愛液を撒き散らす。
絶頂して気絶した虎姐の大きな身体は力無く俺に覆い被さる様にもたれ掛かり、
同時に、虎姐の身体の下敷きになった俺もまた意識を闇へと手放していった……

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
466通りすがり:2007/05/31(木) 18:56:37 ID:c+Brnh1U
…………………。

どれくらい気を失っていたのだろうか?1時間?いや1日?もしかして1週間?
いや、ひょっとすると俺は既に衰弱死してあの世に旅立とうとしているのかもしれない。

「起きろ……起きろ……光喜……」

誰だろうか?さっきから俺を起こそうと身体を揺り動かしている
ああ、そうか……これはお迎えの天使なのだろう、って事は天国に行けr

「光喜!!起きろって言ってるだろぉっ!!」

ば ち こ ん 

「うどわぁっ!?何て乱暴な天使だっ!?」

何者かによって頬を思いっきり引っ叩かれ
俺はその衝撃と痛みに思わず飛び起き、訳の分からない台詞を言ってしまう。

「………って、あれ?虎姐?」
「うう……光喜ぃ……もう2度と起きないかと思ったよぉ……」

頬を擦りながら横を見ると涙目の虎姐がおり、俺と目が合うと同時に抱き着いてくる。

「えーっと、いったい何がどうなって?虎姐は何で俺が死んじゃったとか言ってるんだ?」
「うぅっ、あたしが目を覚ましたとき光喜はずうっと寝たまんまで全然起きなくて………
あたしはてっきり、あたしが激しかった所為で光喜がおかしくなったと思って……」
「…………そんなにヤバかったのか、俺…………」
「ゴメンよぅ、ゴメンよぅ、光喜ぃ?」

どうやら俺は一時本気で危ない状態だったようだ……ヤバカッタ……

そう自分は死んでいなかったと安心する俺に対し
虎姐は俺が起きた事による安堵と自分がやり過ぎた事の後悔で頭が一杯らしく
何時もの姉御肌は何処へやらと言う感じに、虎姐は俺の胸の中で泣きじゃくる。

「俺は大丈夫、大丈夫だから、だから泣くなって?泣くのは嬉しい時にだけ泣けばいいから……
だから何時もの強い心の虎姐を見せてくれ、な?」
「……ゴメン……そして有難う……」

俺は泣きじゃくる虎姐の頭と獣耳を優しく撫でて慰める。
虎姐は只、俺の胸へ抱き付きながら一言だけ謝り、そして感謝の言葉を述べた。



……ちなみに余談ではあるが、
この後、俺は虎姐によってしっかりと*へ座薬を挿入させられた事を付け加えておく

「アッ―――――!!」
467通りすがり:2007/05/31(木) 18:57:52 ID:c+Brnh1U
―――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――
数日後

「フゥ……今日も学校か……」

朝、俺は一息つきながら自宅であるボロアパートのドアを閉める、
因みに鍵は掛けない、理由は泥棒が入ったって盗まれる物がない事と、ドアが修理中だからだ。

俺の名は狭山光喜、高校生だ。去年から親元を離れ、
このボロアパートに居を移した上でここから学校へ通っている。
と言っても、俺の実家はこのボロアパートから一駅分程しか離れていない、
ならば何故、わざわざ実家から通わずにボロアパートに引越して其処から通っているかと言うと
その理由は簡単、親に干渉されたく無いからだ。

どうやら元々から俺は孤独を愛する性質らしく、
幼少の頃から他人は元より親からすらも一歩距離を置いて過ごしていた。
そんな俺の事を親や親戚は変わった子だとか、
もう少し他人と係わり合いを持ちなさいとか言って居るようだが俺は全く気にせず聞き流している。

昨日まで、俺は学校に行くのが嫌だった。
しかし、今日からは違う、今の俺は逆に学校へ行くのが愉しみに感じている。

別に勉強が出来て仕方ないだとか、女子にモテまくっていると言う訳ではない。
俺は勉強の方は程々にしか出来ないし、更に俺は目立たない方で女子に注目されてもいない。
なら何故、俺は学校に行くのが愉しみになるかなのだが…………

「おはよう、光喜!」
「おはよう、虎姐」

自宅を出て、数分ぐらい歩いて俺の通う学校の校舎が見えてきた所で
同級生の少女と合流し、お互いに挨拶を交わす。

そう、俺には彼女が出来た。名は虎山 妙、
周りの人や俺は彼女の事を親しみを込めて虎姐と呼んでいる。

今まで俺は虎姐を無神経で鬱陶しい人だと感じていたが、今日からは違う、
面倒見が良くて家庭的で大らかでスタイルも良くて……虎姐には良い所が一杯あると俺は気付いたのだ
そう、虎姐は俺にとってかけがえの無い人になったからだ。
そして、これからもそれは変わる事は無いだろう、そう、一生……

「それにしても光喜!もう元気になった様だなっ!!」

ば ち こ ん 

「あ べ し っ!?」
「あっ……やばっ……つい……すまねえ、光喜……」
「…………」

だが、虎姐のこの挨拶をする時に人を叩く癖だけは何とかしてほしい……
と、虎姐の一撃によってアスファルトに突っ伏しながら俺はそう思ったのだった。

           ――――――了―――――――
468通りすがり:2007/05/31(木) 18:59:16 ID:c+Brnh1U
終わりです、長々と失礼しました。

何か機会があれば何かの作品を書いて投下しようかと、ではでは。
469名無しさん@ピンキー:2007/05/31(木) 19:01:58 ID:0zxSnySF
GJ!!!
(精子?)って所で思わず吹いた
470名無しさん@ピンキー:2007/05/31(木) 23:06:48 ID:gTK8tyCn
GJ
471名無しさん@ピンキー:2007/05/31(木) 23:37:10 ID:F9D1NLBC
いやもうね、爆笑しちゃって抜くどころじゃなかったですよコンチクショウww
472名無しさん@ピンキー:2007/05/31(木) 23:38:21 ID:ixoTpW9C
GJ!
将に肉食獣な展開に萌えた!
473名無しさん@ピンキー:2007/05/31(木) 23:55:04 ID:YRGr+k1c
笑いとラブをこれでもかと折り込みやがって…
Good Jobだよっ!!
474名無しさん@ピンキー:2007/06/01(金) 01:37:50 ID:Z8fSTyTX
>生死(精子?) 誰が上手いこと(ry
GJ!!
475名無しさん@ピンキー:2007/06/01(金) 03:03:25 ID:rXOb9nTx
>アッ――――――――――!

盛大に吹かせていただきましたw
俺のコーラ返しやがれコノヤロウwwwww
476名無しさん@ピンキー:2007/06/01(金) 19:20:44 ID:5D5enM6u
>な・何をするだアッ――――――――――!

通りすがりさんGJ!
477名無しさん@ピンキー:2007/06/01(金) 22:48:23 ID:wCOrTgLd
通りすがりさん乙!


さて、くまさん生きてるー?
478名無しさん@ピンキー:2007/06/01(金) 22:52:02 ID:NLbqgoij
通りすがりさんGJ!!!

今までの『擬人化した〜』スレはリアルタイムで全部見てるが
BIGBOSS以上にGJレスついてね?
479名無しさん@ピンキー:2007/06/01(金) 23:53:27 ID:MDUHaFis
>>478
別に今に始まったことじゃないし、面白いからGJレス沢山ってことだと思う。
480名無しさん@ピンキー:2007/06/02(土) 00:09:52 ID:MElnsi2X
>>477
確かにくまさん全然こないね
俺はあの人の微妙な萌え加減が好きなんだが

過去スレ読んでて思ったけど、いろいろあったんだな…リアルでもこのスレでも。
481名無しさん@ピンキー:2007/06/02(土) 00:23:25 ID:9hYOBRoX
もう5スレ目なんだよな

初期からいる身としては
初代が立ったのがこの前のように感じる
482暁狐:2007/06/02(土) 00:46:37 ID:yqAqVtb5
亀ですが通りすがりさんGJ!!

一応竜の続き書いてますので、どうか最後まで投下させてください!
483名無しさん@ピンキー:2007/06/02(土) 07:30:04 ID:M6K1Vqb3
>>481
俺も同じだ
最初の狼っ娘がつい最近の事のように思えるよ

ていうかぶっちゃけ俺はここまで成長するとは思わなんだ
本当にお前らどんだけ逆レされたいんだww
484名無しさん@ピンキー:2007/06/02(土) 13:28:50 ID:FYOElKw3
>>483
AVは全部逆レものです><
485名無しさん@ピンキー:2007/06/02(土) 19:16:12 ID:yJJxwk8Z
そんなAVがあるのか・・・是が非でも見たいな
486名無しさん@ピンキー:2007/06/02(土) 20:56:21 ID:NBUMN3Oh
>>482
期待してますぜ!BIGBOSS!!
487通りすがり:2007/06/02(土) 23:03:38 ID:5RcgRzzX
>>469-478
何やら皆さんから別の意味で好評を頂いて嬉しいのやら何とやらな俺が来ましたよ、
んで、これから虎姐の後輩のライオン娘を出そうかと思案していたり……、
予定では光喜君がまたも襲われる予定です。

……はい、予定は未定です、期待せず待ってくれると有難いです(滝汗

>>482
お褒め頂き感謝の極み!
と、竜の続き、期待せず楽しみにしています、BIGBOSS!!

さて、これから話の流れを如何するべきか……(汗
488名無しさん@ピンキー:2007/06/03(日) 00:15:34 ID:SrlyJbFg
擬人化エロをかけばいいのさ!
489ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2007/06/03(日) 00:21:46 ID:zTQkyX4v
鰐娘の続きです。
腹筋フェチっぽくなりました。鼻血をなめるシーンがあります。
どちらも好みが分かれると思うので、上記の単語で危険を感じ取った方はスルーしてください。
490ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2007/06/03(日) 00:22:27 ID:zTQkyX4v
<鰐淵先輩> 下

「ちょ、ちょっと先輩……!!」
ゆっくりとのしかかってくる鰐淵先輩に、僕はパニック寸前だった。
怒られるとか、そういうのなら、まだ理解ができるけど、
女の子に言い寄られるのは初めての経験だ。
ましてや、それが──。
「セックス、しよう」
……そういうこととなれば、なおさらだ。
「お、落ち着きましょう、先輩。ぼ、僕ら、まだ学生ですよ?」
「私は、もう卵を産める」
鰐淵先輩の、眼鏡越しに見える瞳は真剣そのものだ。
先輩は、それから小首を傾げて、僕を見つめた。
「……まだ、精子、出ない?」
ストレートな物言いに、僕は仰け反ろうとして、
床に押し倒されていたので後頭部をフローリングにしたたかにぶつけた。
「で、出ますよ!」
言ってから、しまったと思った。
まだだ、と言えば、あるいは見逃してもらえたかもしれないのに。
だけど、なんとなくそれは男として情けない、という気持ちが働いたのだろうか、
僕は、反射的にそう答えてしまった。
「そう。嬉しい」
鰐淵先輩は、頷いて、僕に馬乗りにのしかかったまま、自分の制服に手をかけた。
「あわわ……」
体育の時に着替えるように、先輩の動きには躊躇がない。
夏服のセーラー服をするり、と脱いだところで、僕は思わず、
「だ、だめだよ、先輩っ!!」
と叫んでしまった。
491ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2007/06/03(日) 00:23:10 ID:zTQkyX4v
「……なぜ、だめ……?」
脱いだばかりの上を手に持ったまま、先輩は僕を見つめた。
感情をあまり表に出さない瞳に、心底意外そうな色が浮かんでいる。
「だって、そういうのは、大人になってから好きな人とするもので……」
しどろもどろになりながら僕は答えた。
「君も私も、もう子作りができる大人。それと私は――君が好き」
「……え?」
我ながら、間抜けな声を上げたことだと思う。
僕は、たっぷり一分は鰐淵先輩を見つめていたと思う。
「君が好き。一目見たときから、君との卵を産みたいと思った」
淡々と、求愛のことばを言い放った鰐の女獣人に、
僕はただ目を白黒とさせるのが精一杯だった。
「そ、そんな、だって今日はじめて話したばかりなのに……。
それに……僕は、獣人といっても女の子に脅されちゃう、情けない子なのに……」
鰐淵先輩は、そんな僕をもう一度見つめる。
「……腕力、筋力、戦闘力は、私の中では意味がない」
種としては最強生物のひとつである猛獣の<因子>を色濃く持ち、
十分すぎるほど強い女(ひと)には、確かにそれは決定的なものではないのかもしれない。
「その意味では、君は弱い。けれど、私は君を好きになった。
きっと、君も知らない、君の中の「何か」が私を誘(いざな)う。――君の卵を産めと」
先ほどまでとは別人と思うくらいに、鰐淵先輩は饒舌になった。
その熱っぽく潤んだ声と瞳に、僕は、いつか学校の授業で習ったことを思い出した。

遺伝子の螺旋は、強いもの同士が引き合うとは限らない。
一見、弱いと思えるものを内包することで、
<因子>はあらゆる可能性に対応できる多様性を保つ。
492ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2007/06/03(日) 00:24:32 ID:zTQkyX4v
ほんの少し昔のこと、純血種の人間は、自分たちの中に
地球上で最高の効率を持つ遺伝子を完成させていた。
だけど、それは、外宇宙への挑戦において逆に足かせになった。
虚空のかなたへ飛び出そうとした純血種は、みな病気になったり、発狂したりした。
遠い昔に捨て去ってしまった<効率が悪い遺伝子>こそ、
実は外宇宙での生活を支えるための強力なファクターだったのだ。
なんでもない、平凡で、単純な、<因子>。
それを再び呼び戻すために、人は、
獣人という、自分たちの、より原初的な亜種との交配を始めた。

──純血種の人間が薄れさせ、忘れてしまった幾つかの本能。
そのうちの一つは、生殖行為に直結した猛烈で、まっすぐな、この求愛行動。
<季節なくして恋をする>のは、人間の特徴だけど、
季節=繁殖期、つまり生殖活動から切り離された恋愛はただの娯楽へと堕ち、
ゲームのように駆け引きを楽しむその行為は、純血種の生殖欲と進化から活力を奪った。
でも、獣人種は、よりストレートでより熱い原初の感情を持ち続けていて、
それは、つがう相手を見つけた瞬間に爆発する。
今の鰐淵先輩のように。
いつもは焦点が合わないガラスのような瞳が、今は僕だけを見つめている。
僕は、ごくりと、唾を飲み込んだ。
頭の中は、色んなことが渦巻いて──すぐに真っ白に消えていった。
「……」
このまま見つめ合えば、何か言わなくちゃならない。
そして、何か言ったことばが決定的なものになってしまう、という確信に、
僕は美しい鰐獣人から必死で目をそらそうとした。
自分でも驚くほどの抗いの末、鰐淵先輩の視線を外す。
──それが間違いだった。
493ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2007/06/03(日) 00:25:14 ID:zTQkyX4v
鰐淵先輩の目から無理やり引き剥がした僕の視線は、自然と下のほうに落ちた。
スポーツブラ一つをつけただけの、先輩の半裸の上半身に。
学生らしい薄い水色のブラは、中側に詰め込まれた肉丘で大きく盛り上がっていた。
先輩はスレンダーだけどかなりな巨乳なことは、水着姿の時に見ているから知っている。
だけど、下着姿を見ると、改めて迫力だ。
そして、その下の白くて滑らかで、引き締まったお腹を見たとき、僕は……。
「……勃起した」
鰐淵先輩が、淡々と、だがどこか嬉しげにつぶやいた。
僕は、自分の意思に反してむくむくと大きくなってしまった「それ」を情けない思いで見つめた。
ズボン越しにもはっきりわかる自己主張の塊を、
僕の太ももの上に跨っている鰐淵先輩は、白い手で、そっとなで上げた。
「ひゃいっ!」
僕はびくん、と跳ねたけど、太ももを先輩にしっかりと押さえつけられている状態では、
上半身が反応しただけだった。
「君は……強い女が好みだ」
きっぱりと、鰐淵先輩は言い切った。
「あ、あう……」
僕は反論も出来ず口ごもった。
たしかに昔から僕が「いいなあ」とか思った女性は、
女子プロレスラーだったり女子アスリートだったりする。
いじめられたり、ののしられたりするのが好き、というほどマゾではないけど、
単純にそういう「強い」女の子と仲良くなりたいなあ、という気持ちはあった。
考えてみれば、獅子尾先輩とかのまわりにいたのも、そんな延長線上にあったのかもしれない。
パシリにされたり、強い口調で責め立てられたりすると悲しくなるけど、
気力と体力に満ち溢れた、颯爽とした獅子尾先輩を、間近で見ているのは好きだった。
そして、それは──。
「動物としての本能」
ライオンの獣人より、もっと強い女(ひと)はそう言い切って僕を見つめた。
「だから、私は、君のパートナーになれる」
僕の太ももの上の鰐淵先輩は、じりじりと身体を寄せてきた。
494ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2007/06/03(日) 00:25:57 ID:zTQkyX4v
「ちょ、ちょ、ちょ、待って、ダメだって……」
口から漏れることばは、我ながら説得力がなかった。
僕の目は、鰐淵先輩のお腹に釘付けだった。
<水辺でお昼寝倶楽部>と水泳部とを掛け持ちする先輩は、
すらっとしているけど、胸とかお尻とか、出るべきどころは大胆に出っ張った体型をしていて、
……そして腹筋はスイマーらしく引き締まっていた。
ボディビルダーのような不自然な大きさではない、アスリートの、自然でしなやかな筋肉。
その美しさは、僕を魅了した。
「君は、こういう身体が好き」
鰐淵先輩は、またごくりと唾を飲みこんだ僕を見つめながら言った。
「胸。尻。太もも、腕。それに腹筋。自然に鍛えた身体の女が好き」
「……」
「そんな女と交わりたい。――君はそう思っていた」
「……」
淡々とした声は、僕の心の奥底の、一晩原始的な本能を見透かしていた。
だから、僕は、鰐淵先輩が僕を見据えたまま、脱衣を再開しても、
抗議の声をあげることも、拒否の意思表示をすることもできなかった。
ブラジャーとショーツさえ脱ぎ捨て、全てを僕に晒した先輩が、
躊躇することなく、僕のズボンを脱がし始めても。
僕を裸に脱がし終え、鰐淵先輩は小さく笑った。
「さっきより、大きい」
むき出しにされた僕のおち×ちんは、
自分でも信じられないくらいにいきり立っている。
「私で大きくなった、ご褒美」
僕の上にゆっくりとその長身を重ねてきた先輩は、
その大きな胸乳を僕の顔に押しつけた。
むぎゅう。
滑らかな肌の下に張りのある肉の塊をぴちぴちに詰め込んだ双丘の谷間に、
僕の顔が埋めこまれる。
「!!!」
495ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2007/06/03(日) 00:26:39 ID:zTQkyX4v
ひいやりとした、どこまでもなめらかな肌と、男の体には絶対に備わらない
その弾力感を頬に受けて、僕の背中に電撃が走りぬける。
「えんひゃいっ!」
叫び声を上げて反射的に起き上がろうとした僕は、
余計に鰐淵先輩の胸の間に飛び込む形になった。
「……」
真っ白な肌にうずもれて何も見えなくなったけど、
鰐淵先輩が微笑む気配が伝わってきた。
鰐獣人の女(ひと)は、そのままゆっくりと裸の体をずらしていく。
まるで白いおなかをぺったりと地に付けながら砂浜を這っていくように。
形のいいおっぱいが僕の頭の上に移動していき、
かわりに、引き締まった腹筋が僕の顔をやさしくこする。
きれいに割れた、でも男のそれのようにごつごつはしていない、
不思議で複雑な曲線が、僕のほっぺたや鼻をなぶる。
それは、下腹のあたりで、もっとなめらかな阜(おか)にかわって、
「!!!」
その終着点は、刃でなぞったような綺麗な肉の谷間になっていた。
「これが、私の性器」
鰐淵先輩が、僕の頭の上でつぶやいた。
はじめてみる、女の人のそれは、飾り毛がなかった。
爬虫類系の獣人は、髪の毛や眉毛以外の毛がない人が多い。
鰐淵先輩のそこも、毛が生えていなかった。
おかげで、僕には、先輩のあそこが丸見えで……。
「純血種のメスと同じ……?」
答えは、盛大に吹き上げた鼻血だった。
僕は、女の子のあそこなんて生で見たことないけど、
目の前10センチにある、先輩の女性器は、DVDとかエロ画像とかで見る、
人間の女の人のそれとまったく変わらず、――ずっとずっと綺麗だった。
496ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2007/06/03(日) 00:28:29 ID:zTQkyX4v
「せ、せ、せせせ先輩っ!」
気がつけば、僕は、鰐淵先輩のあそこにむしゃぶりついていた。
唇と舌とがはじめて触れる異性の性器は、
かすかなプールの塩素の匂いと、若い牝の香りがした。
さえぎるものもない、白い肉の阜の中心に、
薄桃色をした複雑な峡谷が息づいている。
僕は、それを必死で舐めたて、ついばみ、にじみ出る蜜をすすりこんだ。
「……だめ、それ以上されたら、イってしまう」
鰐淵先輩が、僕の頭を抑えた。
片手と両膝で支えているからだが、小刻みに震えている。
「せ、先輩……?」
「私がイくより、君をイかせたい」
返事をする暇もなく、鰐淵先輩は体を下へとずらしはじめた。
僕の唾液と、にじみ出た愛液で濡れそぼったあそこが遠ざかり、
白いおなかと大きなおっぱいが通り過ぎ、
ぞくっとするような鰐淵先輩の美貌が、僕の目の前にきた。
「あ……」
鰐淵先輩が、自分の唇を、僕のそれに重ねる。
キス……されちゃった。
心臓が、破裂しそうな勢いで脈打つ。
「血……」
先輩は、舌を伸ばして、僕の唇とその上をなぞった。
「だめ、汚い……」
血を舐め取ろうとする先輩に、僕は抵抗しようとしたけど、無駄だった。
「君は、丸ごと、私のもの。この血も……」
ささやく声は小さかったけど、それは魔力を持つもののように、僕の動きを止めた。
497ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2007/06/03(日) 00:29:11 ID:zTQkyX4v
「この、おち×ちんも……」
爆発寸前のままでビクンビクンしているそこを、「きゅっ」と掴まれて、
僕は甘い悲鳴を上げた──だけど、それさえも、もう鰐淵先輩のもので、
その悲鳴は、キスでふさがれて、鰐淵先輩の唇の中に吸い込まれた。
「この、精子も、全部、私のものにする」
唾液の糸を引きながら唇を離した先輩は、
熱く張った陰嚢を優しく揉みしだきながら、宣言した。
淡々として、でも熱っぽい口調で発せられたことばは、
こちらの意思を確かめることすらしない傲慢さと、優しさに満ちていた。
この女(ひと)のものになる。
頭の先から、つま先まで、僕が全部。
この強くて美しい先輩のものに。
そう考えた瞬間、僕の股間から背骨を通って脳天まで白い稲妻が奔った。
「あっ、あっ、だめえっ!!」
射精を堪えられたのは、奇跡だ。
体中をがくがくと震わせて、びくびくと痙攣する性器の律動を堪える。
「あ……あっ……」
射精の誘惑を堪えるのは、気が狂いそうなほどの甘い拷問だった。
でも、僕は、刹那の中、それを本能的に堪えていた。
なぜなら、僕はもう、丸ごと鰐淵先輩のもので──。
「いい子。君が射精するのは、ここ」
一本の飾り毛もないなめらかな恥丘の中心、その真ん中の谷間を自分の指で割りながら、
僕の先端をそこにあてがい、鰐淵先輩が微笑む。
自分のものとなった男が、自分の身体の中以外での射精に懸命に耐えたことに。
じゅぷ、ずぷ、じゅぷ。
たっぷりと潤みきった膣でその男性器を包み込んだのは、そのご褒美だった。
「〜〜〜!!」
498ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2007/06/03(日) 00:29:52 ID:zTQkyX4v
僕は、フローリングの上で、自分でもわけがわからないくらいに身体を跳ねさせた。
あちこちを床にぶつけるけど、痛いとか、そういう感覚はなかった。
と言うよりも、鰐淵先輩の中に入っている僕のおち×ちん、
そこから伝わる快楽以外、僕の感覚はすべて失われていた。
「あああああっ!!」
僕は、白痴のように口から泡を吹きながら、僕の上にのしかかる美しい猛獣を見つめた。
僕を犯す、強くて強い獣人は、そんな僕を見て微笑を浮かべた。
「出して、いいよ」
「うあ……っ!」
「このお腹の中に、君の精子。全部」
僕を魅了したなめらかな腹筋を自分の手で撫でながら、鰐淵先輩はささやいた。
「うわあっ!!」
僕は、真っ白になってはじけた。
沸騰した血液が、全部精液に変わって流れ込んで行く──鰐淵先輩の中に。
どくんどくんと、いう音だけが、視界を白く奪われた僕の五感を刺激する。
「……!!」
「――!!」
僕よりずっと強くて健康な牝の中に、精子を、僕の遺伝子を送りこむ行為は、
僕の牡としての快楽と存在意義のすべてだった。
その狂おしい快感と充足感との中で、僕は、意識を失った。
その上に跨りながら、鰐獣人は激しく腰を振り続けた。
まだ射精を続けている僕の性器を、身体全部を、そして心と魂を貪るように。

──鰐は、獲物を丸ごと全部飲み込む生き物だ。
そして、僕は、強さも、弱さも、僕の何もかも含んだ遺伝子の全てを先輩に飲み込まれた。
499ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 :2007/06/03(日) 00:30:33 ID:zTQkyX4v
「――いやあ、まさか朝帰りとは思わなかったね、さすがに!
腹筋自慢の娘(こ)と、腹筋フェチの子だから、うまく行くとは思ったけど、
話をした初日に、とは恐れ入ったあ!!」
翌朝、鰐淵先輩を迎えにきた河馬沢先輩は、かんらからからと豪傑笑いした。
……なんで僕が腹筋フェチだと知っているんだろう。
昨日まで自分自身でさえよく知らなかった性癖だったのに……。
「……」
鰐淵先輩のアパートから出てきた僕は真っ赤になってうつむいた。
気がつけば、朝になっていて、僕の上には裸の鰐淵先輩が眠っていた。
不思議と重い、とは思わなかったけど、
床に転がっている携帯に留守電が何十件も入っていたのには焦った。
<学園>に通うために僕は独り暮らしをしているので、なんとかごまかしきったけど、
電話を一晩中放置していたので、あやうく両親が警察に捜査依頼をするところだった。
「しかし、わにぶっちゃんも、君もやるもんだねえ。
おばさんは、そこまでいっちゃうとは思わなかっただよ」
「……」
「――」
僕は、鰐淵先輩をちらりと盗み見た。
でも、先輩は、まっすぐ僕を見つめて、こくりと頷いた。
千や万のことばよりも饒舌な視線に、僕もこくりと頷き返した。
「なあに目と目で通じ合ってんだい、この新婚さんは?
……あたしゃ、おばさん、というところに突っ込んで欲しかったんだけど……」
河馬沢先輩は、そう言って睨んでから、自分でププッと噴き出した。
「ま、いいさ。帰りに、チョコパ、奢ってやるよ。
わにぶっちゃんはともかく、君は今晩にそなえてカロリーを補充しとかなきゃダメだろうしね。
あ、たんぱく質もか、うしし」
意味ありげに笑った河馬沢先輩は、ばあんと僕の背中を叩き、
僕はアスファルトの上をつんのめった。
「……そしたら、その後で、頭、なでて」
鰐淵先輩がぼそりとつぶやく。
そのことばの意味を理解して僕は、真っ赤になった。
──太陽が黄色い。
たぶん、明日もあさっても。これからずっと僕の見る朝日はこんな色だろう。
でも、それは、僕にとってぞくぞくするほど嬉しいことだった。


FIN
500名無しさん@ピンキー:2007/06/03(日) 00:35:39 ID:xYU2rrdU
>>499
リアルタイムGJイヤッホオオォォォォォォォ!!!
501名無しさん@ピンキー:2007/06/03(日) 00:35:56 ID:fnwR98aX
よし。リアルタイムGJ!!
情熱的なクールビューティー最高です!!
502名無しさん@ピンキー:2007/06/03(日) 00:37:54 ID:+FHg3EkX
セリフ少なめのキャラっていいなぁ

通りすがりだがGJ。
503通りすがり:2007/06/03(日) 01:49:44 ID:/EAs2AmB
>>499
GJです!
クールさの中に熱さを秘めた鰐淵さんにハァハァしました!

こうはしていられない、もっともっと精進していかなくては……
504名無しさん@ピンキー:2007/06/03(日) 02:35:33 ID:s73Ty5+F
いや、待ってたんですよ、かなり。

いきなり切り出されても面食らうでしょうけど。

そりゃあもう、「エアマスター」頭から読んでて17巻くらいになって、

>489 名前:ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 [sage] 投稿日:2007/06/03(日) 00:21:46 ID:zTQkyX4v
>鰐娘の続きです。
>腹筋フェチっぽくなりました。鼻血をなめるシーンがあります。
>どちらも好みが分かれると思うので、上記の単語で危険を感じ取った方はスルーしてください。

て見て、直感したんですよ。

 こ れ が 今 日 の メ イ ン デ ィ ッ シ ュ だ っ て 。

よく我慢した、俺。17巻から最終28巻読み切るまで。

で、読むわけさ。なぜか「エアマス」引き摺った状況で。



  も  う  脳  汁  出  ま  く  り



ゲーパロ専用さん、ゴチんなりました!
505名無しさん@ピンキー:2007/06/03(日) 08:45:09 ID:SrlyJbFg
俺も食べられたい(性的な意味で)
506名無しさん@ピンキー:2007/06/03(日) 10:10:53 ID:oPTVdHkS
久しぶりに着てみたら結構投下されてうれしいのなんのww
とりあえずゲーパロ氏GJ
マジでお世話になりましたw
507暁狐:2007/06/03(日) 17:36:31 ID:Iznmx5sR
>>424の続き投下します
508暁狐:2007/06/03(日) 17:37:11 ID:Iznmx5sR
「うわっ!」
 水音とカズマの悲鳴が森の中に響いた。
 カズマは川辺で遊んでいた時、不意に足を滑らせ尻から川に転んだ。
 服はずぶ濡れ、ズボンのみならずパンツも致命的だろう。
 こんなことが知れたらまた九尾達に叱られると予想し、カズマは涙目になった。
「ったく、仕方ないチビスケだね、ほら」
 そんな彼を呆れ顔で見ながら手を差し出す一人の女。
 彼女は人間ではない。尻尾や角、翼に彼女の両手両足がそう物語っている。
 だがカズマは怖がることなく、自然にその手をとり起き上がって岸に上がった。
「ほら、大丈夫? 服脱ぐ、風邪引いちゃうからね」
「だ、大丈夫だよ、すぐに帰って着替えれば」
「いいからあたしの言うとおりにしな、あんたに倒れられるとあたしが困るの。ほら、脱がせてあげる」
 女はその鋭く大きな手で濡れたカズマの服を掴む。
 だが、カズマが少し抵抗していることもあるが、何分力が強すぎるのでカズマの服はビリビリに破れてしまう。
 しばらく沈黙が続いた。女の額からは汗が一筋流れる。
 そして、風が吹き体が濡れているカズマは体を震わせくしゃみをした。
「うぅ……」
「ごめん、手加減って得意じゃなくてね。あ、ほら、あたしが家まで送ってってやる。ガリューも適当に帰ってくるだろうしさ」
「わっ! ちょっと……」
 女に抱きかかえられ、上半身裸のカズマは驚く。さらに顔も赤くなった。
 彼女の両手両足こそは、鉄のように硬いが胴体は人間そのものであり若干人間の体温より高い。
 とはいえ、薄い布のようなものは着ているが、やはりカズマも男の子なので綺麗な女に抱きかかえられると意識はしてしまう。
 翼を羽ばたかせ、カズマの家に向かう女は彼の心情など知る由もないが。
「少し寒い?」
「うん、大丈夫。シエルが暖かいから丁度いい」
「そう? ならもう少し早く飛ぶからね」
「お、落とさないでよ?」
 カズマの問いを無視しつつシエルは更にスピードを上げた。
 口は少し乱暴だが、カズマにとってシエルは優しいお姉さんだった……そう、彼が幼い頃までは。

509暁狐:2007/06/03(日) 17:38:05 ID:Iznmx5sR
 ぼーっと昔のことを思い出しながらカズマは空を見ていた。
 自分の夢の中で思い出に浸るというのも何だか可笑しな話だが。
「はぁ……」
 思わずため息が出てしまうカズマは、いつからシエルはこんな風になってしまったのだと、ゆっくり視線を下に下げた。
 彼の目には、カズマの体を舌で刺激する竜のお姉さんが映っていた。
「ん? どうした、またキス? 仕方ないね」
「……んぅっ」
 カズマは何も言っていないが、シエルは気にせず唇を重ねる。
 体の自由が利かないのだから、仮に逃れてもすぐに無理やり正面を向かされてしまう。
 というより、横を向けば頬や耳を刺激してくるため、カズマはどうしようもなく口内に入ってくるシエルの舌を受け入れるしかない。
「んッ、ふぅッ……一方的ってのも偶にはいいもんねぇ。ちょっとつまらないけど……」
 シエルは一度口を離し、囁くようにカズマに言うと再び唇を重ね舌を絡ませる。
 彼女の翼は左右に広がり、尻尾と絶えずゆらゆら動いており、爪というより刃のような指の先で起用にズボンを脱がしている。
 こうして見るとシエルの成長が少し伺えるが、カズマにとってはどうでもいい事。
 早く目が覚めろ俺! と、カズマは心の中で祈るばかりだ。
 やがて唇が離れ唾液の糸が作られたが、それも舐め取ってシエルは体をカズマの下半身に顔が来るよう移動し始める。
 すでにズボンは脱がされ、というより途中から面倒くさくなって上半身同様ズボンもパンツもボロボロで、そこからそそり立った彼の肉棒が姿を現していた。
 どうやらこれもシエルの仕業らしいとカズマは思う。おそらく体だけを動けなくし、送られる快感だけを残したのだろう。
 その予想は的中していた。シエルは丁度、左右に広がったカズマの両脚の間に体を来るようにし、ゆっくりと肉棒に顔を近づける。
 シエルが本当に優しく肉棒に触れると、カズマの体は痙攣し亀頭の先から透明な液が滲んでいた。
「ぅ……ぅく……」
 冷たいシエルの鉄のような手。
 時折指の先がチクリと当たるが、それも刺激になってカズマに快感を送る。
 両手で指を動かしながら、肉棒を目の当たりにしシエルの呼吸も荒くなり頬も赤くなっていた。
 その息遣いが伝わり、カズマの体は少し震えた。
「やっぱりっ、手でやるのはだめ、加減ムズカシーし」
 しばらく彼の肉棒を指で刺激していたシエルだったが、やはり少しでも力を入れてしまうとグロい事になってしまう。
 元より加減なんて苦手なシエルは、すぐに手で刺激するのをやめ慣れている口で責める事にした。
「んむッ……んんッ!」
「うぁッ!」
 いきなり根元まで咥えられた。生暖かい口内の感触が伝わり、カズマの呼吸は一瞬止まり息が深く吐き出される。
 そして休む暇のないストローク。唾液を溜め吸い上げる。
 口から離したと思ったら、今度は袋を、竿を、亀頭をと舌先で舐め上げていく。
 カズマは彼女の攻めに追い詰められていった。
「んぷッ、じゅるる……んッ」
「や、や、め……ッ」
「いまはらぁ? おろほらっはら、はまんしろ……」
「うっくッ……ッ!」
 更に肉棒を咥えたままシエルが喋るものだから、その刺激がカズマにとどめを刺した。
 頭を数往復上下に動かし、シエルが根元近くまで咥え込んだ時、彼女の口内に白濁液が放たれた。
 根元を押さえているわけでもないので、カズマが体を痙攣させると同時にシエルの口内で肉棒は暴れながら流し込んだ。
 喉に絡みつく濃い精液を味わい、そして喉を鳴らして飲んでいくシエル。
 すべて放出し終えると、カズマはぐったりとうなだれた。
「んッ、はあぁ……濃い、溜まってた?」
 肉棒から口を離したシエルの問いにも答える気はまったくないカズマはうなだれたまま。
 まぁ、答えなくても精液の濃さでシエルはわかってしまう、精液の濃さやらも彼女は全くいじっていないのだから。
 やがて下を向き始める肉棒。
 それを止めるように、シエルは次の攻めをすることにし、カズマに尻を向けるように反転した。
「見てなよ、すぐに立たせてやるから」
 自信満々でシエルは言うが、カズマは彼女が何をするのかわからない。
 だが次の瞬間、再びカズマは痙攣した。
510暁狐:2007/06/03(日) 17:39:09 ID:Iznmx5sR
「ぐっ、これ、は……っ!」
 シエルの尻尾がカズマの肉棒に巻きついている。
 竜というより悪魔といったほうが合っている、長くて細くて硬い尻尾が肉棒に巻きつき上下に動いている。
 肉棒にはシエルの唾液、カズマの精液が付着し、それ潤滑油として尻尾の動きをスムーズにさせていた。
 そして、広がった翼でカズマからはよく見えないが、僅かに見える横顔でカズマを見ているシエルはとても妖しく微笑んでいた。
「ほら、尻尾も中々でしょ?」
 尻尾の動きは徐々に早くなっていく。
 棘のような先で軽く突付かれるように刺激され、射精後ということもありカズマは肉棒を再び立たせるには十分すぎるほどの快感を送られていた。
 再び空を向く肉棒を確認し、シエルは尻尾の動きを止め肉棒を解放した。
「さて、そろそろいいかな。っとその前に……」
 正面を向き、シエルはカズマに体を預けるように身を寄せる。
 暖かい彼女の体、再び重ねられる唇。
 舌を絡ませられながら、カズマは感じていた、肉棒を尻尾で固定しシエルの秘所にあてがわれている。
 そう意識したときは遅かった。シエルは腰を下ろし、一気に肉棒を受け入れた。
「んんッ! ふぁッ……おおき、い……動くよ」
 カズマの首に両手を回し、彼に密着しながらシエルは腰を上下に動かす。
 尻尾は自由になり、腰を動かすと同時に翼も羽ばたき腰を動かすというよりも、上下に小刻みに飛んでいるという感じだった。
 カズマからは攻められないのだが、シエルは十分に気持ちいい。
 唾液を一筋、口の端から流し甘い声を上げ続けていた。
「んあッ、あんッ、きもちいッ……どお? かず、まは、きもち、いい?」
 カズマはただ頷くだけ。
 その答えが嬉しく、いっそう腰と翼使いを激しくするシエル。
 締め付ける膣内は、ただ締め付けるだけではなくウネウネと動きカズマに快感を送る。
 口や尻尾とはまた違う快感に、カズマの我慢は切れシエルが動いている最中に精液を流し込んだ。
「ひゃあッ! か、かずま、ちょっとは、我慢しなさいよ……あぁ、熱い、よッ!」
 早すぎる射精に、シエルは一瞬ムッとするものの動きをやめない。
 送られ続ける快感に、肉棒は膣内で硬さを保ったままだった。
 そして、再びシエルが数往復動き、カズマは彼女の中に精を放っていく。
 夢の中だからか、シエルがいじったのか、カズマにはわからないが射精が終わることも肉棒が小さくなることもなかった。
「あぁッ、んッ、もっと、だして……かずまぁ」
 シエルは既に快楽に支配され、潤んだ瞳でカズマを見つめながら甘えたような声を出す。
 それに答えるように、カズマは再び射精した。この繰り返しがカズマが目を覚ますまで永久的にループされる。
 そんな事は、今のカズマには知る由もなく、ただシエルに快感を送られ続けていた……

 翌朝、目が覚めたカズマは、次からはちゃんとシエルも使おうと心に誓ったらしい。
 激しいだる気と共に。


―終わる―
511暁狐:2007/06/03(日) 17:40:18 ID:Iznmx5sR
はい以上!
色々とすみませんでしたorz
512名無しさん@ピンキー:2007/06/03(日) 21:29:57 ID:O0TGJAZm
>>511
はいGJ!
色々とよく出来ました!('A`)b
一度BIG BOSSの作品のキャラが一堂に会する番外編とかが読みたいです。
男性陣は苦労話、女性陣は惚け話が絶えなさそうだw

>>504
今日はメインディッシュが二つもあったとは、流石に予想外だったな、同志よw

>>499
俺の鍛えに鍛えた経絡鬼孔を全て突くとは、さすがゲーパロ専用氏、俺たちに出来ない事を平然とやってのける!
そこにシビれる、あこがれるゥ!

そういえば動物奇想天外だかで観たけど、ワニは群の子どもを群で守るらしい。
子ワニが助けを求める声を吹き込んだテープレコーダーをワニの飼育スペースにぶら下げたら、群の大人たちが次々に現れ、子ワニたちを探し、挙げ句の果てにテープレコーダーに飛びかかったそうだ。
513名無しさん@ピンキー:2007/06/03(日) 22:12:57 ID:ByKUe8mi
>>499
先ず、
>引き締まった腹筋が僕の顔をやさしくこする。
>僕を魅了したなめらかな腹筋を自分の手で撫でながら、鰐淵先輩はささやいた。

ここら辺で最高に悶えた俺は人間失格だと自覚したwww

そして、その全責任はゲーパロ氏にある。
ったく…





うはっ!!
GJとしかいいようがない!
俺の中の新ジャンルを開拓してもらってmgd感謝!www
514学生くまさん:2007/06/04(月) 09:36:39 ID:BbY/gZ0/
まだ生きてます。
http://www21.atwiki.jp/brutalanimal/pages/153.html
の続きですが、長いのでスルー推奨。
515学生くまさん:2007/06/04(月) 09:37:44 ID:BbY/gZ0/
いつか見た青空にそびえ立つ白い巨塔…重力を振り切り、母なる地球を離れる天上の舟。
ロケットの先端に取り付けられた衛星はただ黙って空の先を見据えている。
ライカ教官以下クドリャフカを始めとする訓練生達もソビエト空軍の制服に身を包んで記念式典に参加していた。
俺は軍属とはいえ正規軍ではないから制服は持っていないし、式典などという堅苦しいのも性には合わない…
ってなわけでサボりつつ遠くから軍の将官や中央政府、党の高官と共に壇上に立っているダボダボの制服に“着られている”クドを笑いをこらえながら眺めていた。
「あちゃー…ありゃ見てられねーわ。ガッチガチじゃないか。おいおい歩き方が…あっ、ころんだ」

「うぅ…緊張したよぉ…こけちゃったし」
その日の晩、俺の部屋の机につっぷしてふてくされるクドと共に尻尾も耳も力無く倒されている。
壁に掛けた制服の胸には今日の式典で授与されたばかりの“宇宙飛行士”徽章、
肩には真新しい空軍大尉の階級章が輝いている。
「そう落ち込むな。すごいじゃないか、訓練生からいきなり大尉か…私なんて最初は地上軍二等兵からだったぞ?
それに宇宙飛行士徽章も授与されたのはお前が最初だ。訓練教官として誇りに思うよ。」
ウォッカを片手に赤い顔をした少佐はご機嫌な様子だ。

「あら、もうお酒だなんて…少佐は相変わらずですわね。
お酒より牛乳を飲まれた方が一部の部位のためにもよろしくてよ?」
ムーシカがいつもと変わらない調子で危なっかしい事を言いながら部屋に入ってきた。
そろそろこの2人が顔を出すだろうと思っていたが…
「クードー♪任官おめでとー!」
ドタドタと騒々しい音を立てながら両手いっぱいに酒を抱えたアルビナが部屋に飛び込んできて、クドに飛びついて頬ずりをしている。
「わふ〜、お姉ちゃん恥ずかしいよ〜!」
アルビナの胸に顔を埋めたまま苦しそうに笑うクドを見ながら、俺はどこか懐かしい気持ちでいっぱいになった。
「うりうり〜♪今日はクドのお祝いパーティーだよー!もうそろそろ来るはずだけど…。」

噂をすればなんとやらで、数十人もの人間がドカドカとなだれ込んでくる。
―――くおら!ワルガキはここかぁ!? ―――クドリャフカ、お前も立派になったなあ。―――僕、実は君のことが好きでした! ―――クドたんの制服ハァハァ。
―――きゃー♪クドちゃんかわいい! ―――クドちゃん、明日はがんばってね! ―――イルクーツクの妖精みたい… ―――お持ち帰りしたいな〜♪
エンジン技師から通信士、看護婦に果てはパイロットと、散々クドリャフカに煮え湯を飲まされた面々が口々に彼女にお祝いの言葉をかける。
「よひ…パーティーの準備はととのっらようらな?全軍パーティー会場に突撃ぃ〜!」
ろれつの回らないまま、片手にウォッカのビンを持った少佐が走っていった。
「やれやれ、いっちょ祝ってやるか!今日はお前が主役だクド!」
皆で歌って、騒いで、笑って…そして簡素ながら俺とクド、二人の式が行われた。
少佐曰くバレバレだったらしい。苦笑いする俺の隣ではクドが真っ赤な顔して腕を振り回して騒いでいた。


1957年11月2日1800時 スプートニク打ち上げ前夜
516学生くまさん:2007/06/04(月) 09:39:38 ID:BbY/gZ0/
夢…
私はモスクワの小さな裏通り、背中を丸めて独りぼっちで眠っていた。とても、とても長い間…。
他には誰もいない。両親も知らない。
心にはなにもなくて、私の世界には私以外いなくて、私は自分の心の中に閉じ込められていた。
ある日、一人の男の人が私に手を差し伸べこう言った。
「Как вас зовут?(名前は?)」
名前ってなんだろう?私には分からなかった。
その男の人はしばらく黙り込むと何かをひらめいたように明るい笑顔を向けて
「じゃあ、その巻き毛から名前を取って…Кудрявка(クドリャフカ)でどう?」
クドリャフカ…私はなにか嬉しくなって彼の手を取る。とても温かくて…優しい手だった。
深々と雪の降る夜、私は彼の家族になった。


翌朝、俺はどこからか聞こえる歌で目を覚ました。
「この大空に翼を広げ飛んで行きたいよ 悲しみのない自由な空へ翼はためかせ行きたい…」
それは子守唄のようにも、秘められた思いを綴る詩のようにも聞こえる歌だった。
「クド…それは?」
「博士おはよ…って、今は『あなた』だね。この歌は『翼をください』といって私たち人とは違う種族に古くから伝わる歌なの。
自由を願う歌…どんなに辛くても、どんなに困難でも、自分の持つ翼を信じて歌い続けるの。」
そういってクドは笑った。
有史以来、人の奴隷として扱われ、戦争の道具として戦い、幾度となく虐殺され、それでも種族の誇りを失わない彼らの歌。
嘆きと絶望を捨て、希望を信じるその歌はクドの心の叫びのようにも聞こえた。
「あなた。私、あなたの…そしてみんなの『翼』で空に行く。遥かな空に白い翼をはためかせて…。」
クドは俺にそっと唇を重ねて「愛してるます」と言い、俺も「愛してるよ」と言って抱きしめた。
それが俺に残る最後のクドの温もりと、地球で交わした最後の言葉だった。
517名無しさん@ピンキー:2007/06/04(月) 09:41:20 ID:1knnO1dd
ワクワク
518学生くまさん:2007/06/04(月) 09:41:52 ID:BbY/gZ0/
白い鳥が飛んでいる…長い尾を曳き、陽光に白い翼を輝かせ、天を目指して昇っていく。
雲ひとつない青空を飛んでいく翼を彼はずっと見送っていた。


スプートニク2号が衛星軌道に達した時、衛星からの通信で自力での大気圏再突入が不可能な事を飛行士から告げられた。
彼女は身動き一つとれない船内から懸命に報告を続け、地球の周回数は60回を超えた。
11月8日、彼女は「ベリヤ博士と二人きりで話をしたい。」と弱々しい声で言った。
管制室の全ての者がベリヤ博士を残して外へ行き、通信記録もオフにされた。
時間にして10分ほどだろうか…その間、彼女と博士が何を話したのかは誰にも分からない。

1957年11月8日金曜日18時37分、彼女は眠るように息を引き取った。
519学生くまさん:2007/06/04(月) 09:47:45 ID:BbY/gZ0/
誤字見つけた…orz
なんで俺はいつもいい所で誤字を…ちょっと瀬戸大橋で首吊ってくる。
もはやエロでもなんでもないのですが完結させたいので。
書きながら聞いた曲は当然のように「翼をください」
http://www.youtube.com/watch?v=juZbmfrBzrg

次はエピローグです。起承転結の結ですね。もう少しだけお目汚しご容赦下さい。
520名無しさん@ピンキー:2007/06/04(月) 09:59:22 ID:k8tu+zxs
あれ?目から汁が
521名無しさん@ピンキー:2007/06/04(月) 11:40:56 ID:YI+lWUPX
読んでたらなんか目からよだれがでた。
522名無しさん@ピンキー:2007/06/04(月) 11:47:00 ID:1XN0GYiC
目から水が出て止まらない俺がいる……
523名無しさん@ピンキー:2007/06/04(月) 12:06:30 ID:KGQpTHSt
>>512
GJありがとうございます!スルーされたらどうしようと思ってたけど、一人でも見てくれてるならまた書けそうです。
あと全員集合は無理です多分。殆ど同じ世界観で書いてるけど人数大杉るw

>>くまさん
おk、エピローグも期待してる。つか、その文章力羨ましい……


さて、迷惑でなければ次は猫あたりを書こうと思っていますので!
いいよね?答えは聞いてない
524名無しさん@ピンキー:2007/06/04(月) 12:56:47 ID:BbY/gZ0/
>>511
一体どうすればそんなにシチュが思いつくのかと小一時間(ry
いやはやすごいですな。エロ杉。
ふと思ったんですがどんな動物に尾コキされるのが一番気持ちいいのだろうか?


>>499
筋肉のエロさに激同。
自衛隊時代、風呂場で同期に「お前の上腕二等筋と腹筋と尻、エロいな。」と言われた記憶が…orz
河馬沢先輩は何度見ても嫁に見え(ry

>>468
エロとギャグの使い分けに嫉妬。
なんというか、おぼこい虎姐ハァハァ。

>>523
オールキャストで大乱交を希望…書くのは大変そうですけどw
525名無しさん@ピンキー:2007/06/04(月) 13:02:26 ID:k8tu+zxs
くまさん氏のクドリャフカのイメージってKeyのクドリャフカ?
526ポン:2007/06/04(月) 13:57:02 ID:x0kzBmZ8
くまさんGj!
なんか目から心の汗が止まりません

あと、無乳少佐殿をお借りしてもよろしいでしょうか
527名無しさん@ピンキー:2007/06/04(月) 14:04:43 ID:tvisPC30
遅レスだが

「鼻血をなめる描写があります」

の注意書きだけでおっきした
528名無しさん@ピンキー:2007/06/04(月) 14:44:41 ID:T1PQonI0
ああ やっぱり クドリャフカは 反則だ な
新井昭乃の「スプートニク」を聞きたくなった俺です。アルバムどこやったか……
529名無しさん@ピンキー:2007/06/04(月) 17:33:26 ID:GApiQ/5K
>>くまさん
あれ?おかしいな。目から汗が止まらない
二人きりの通信の際に博士とクドの二人で
翼をくださいを歌っていたと妄想したら目の汗の蛇口がぶっ壊れた

>>523
妄想を形にするのは大歓迎なんだぜ?
530名無しさん@ピンキー:2007/06/04(月) 18:04:07 ID:UrTeL02q
>>499
河馬沢先輩は俺の嫁に決定……
531名無しさん@ピンキー:2007/06/04(月) 18:10:34 ID:BJihUury
>>523
俺の中の大本命『ねこ』来る〜!!

BIGBOSSの実力は実証済みだから、焦らずゆっくりね
期待してる(`・ω・´)b
532学生くまさん:2007/06/04(月) 22:38:58 ID:BbY/gZ0/
>>514-519の続きです。これでおしまい!
533学生くまさん:2007/06/04(月) 22:39:46 ID:BbY/gZ0/
50年前、大気圏再突入が不可能と知った軍はこの計画に関わった者全てに緘口令を敷いた。
西側に与えたスプートニク・ショックは予想外に大きくこのまま事実を公表したのでは後に控えるボストーク計画にも支障をきたすとして、スプートニク2号は「ソビエトに輝く星」として世界に発表された。
そして年月は流れ、ソビエトにペレストロイカ(改革)とグラスノスチ(情報公開)の嵐が巻き起こった。
その最中公表された事実は「スプートニク2号はデータの収集には成功したものの、大気圏再突入は失敗した」というものだった。
その後、騒乱の中ソビエト連邦は解体。凍結されていたスプートニク計画が再開されるまでこの後10年余りを経る事になる。

「―――こちらスプートニク6号。obj固定完了、これより作業を開始する。」
衛星内の空気の逆流に気を付けながらスプートニク2号のハッチを開く。驚くことに、スプートニク2号の蓄電池はまだ生きていた。
僕が船内に入ると共に船内燈が淡い光をともした。海のように優しい青の光に包まれて、50年前と変わらない姿で"彼女"はいた。
彼女はぼろぼろの気密服を着て、唯一取り付けられた小さな丸窓を向いて座っていた。
透き通るような肌も、雪のように真っ白な髪、獣人の特徴である耳や尻尾も、全てが今にも動き出しそうなくらいに美しいままだった。
僕は彼女の手を取り、手袋を外して父から頼まれた指輪を彼女の薬指に通した。
父は彼女のことが好きだったのだろうか…昔のことを何も話さなかった父が亡くなった今となっては知る由も無かった。
「…よし。これでいけるはずだ。管制センター、作業完了。これより母船に戻る。」

大気圏再突入は7日後、モスクワの直上で消失する。彼女の長い長い任務もようやく終わるのだ。
そして地上に帰還するなり世界各国の報道機関によるインタビューが僕を待っていた。
スプートニク・ショックの真実は世界中が求める格好のネタなのだろうが適当にあしらっておく。
翌日、僕は大統領閣下から『第一級国家勲章』を授与され、壮大なパーティーに出席して数え切れないぐらいの人と握手をした。
第一級国家勲章はかのガガーリンを始め、"人間の"宇宙飛行士のみに授与されるものだった。
534学生くまさん:2007/06/04(月) 22:40:52 ID:BbY/gZ0/
スプートニク2号が再突入する日は朝からモスクワ市内はお祭り騒ぎだったけど、僕は何をするでもなく自分のアパートの窓から透き通った青空を眺めていた。
軋む床、壊れたシャワー、映りの悪いテレビ。これらは僕が父に拾われる前、父が"家族たち"と共に住んでいた時かららしい。
予定では1900時に再突入する。テレビを付けてもラジオを付けてもそのニュースで持ちきりだった。
夕闇の訪れと共に一番星が輝き、街は彼女の帰還を待っているかのように静まり返っていた。アルビナさんやムーシカさん、当時の訓練教官も今日は街に訪れているらしい。皆が彼女の帰りを待っていた。
時計を見ると1830を過ぎたころで、空は満天の星空に包まれていた。

「こち…クド…フカ」
なんだろう?途切れ途切れに声が聞こえる。
「こ…らスプ…トニク2号」
ラジオからも、テレビからも聞こえてくる声は段々と明瞭になってくる…。
「こちら…クドリャフカ…皆さま…聞こえますか?」
「私の…音声が流されているということは…この衛星が再突入軌道に入ったということでしょうか…きっと、そうなんですね」
これは…!?

「この音声は1957年11月8日金曜日に録った私の…最後の言葉です。そして私が愛する人に…送る言葉です。」

「アルビナお姉ちゃん、ムーシカお姉ちゃん。どうか悲しまないでください。私はお姉ちゃんたち…いえ、皆の思いを叶えることができたんだよ!
宇宙から見る星は宝石のようにピカピカと光ってきれいだよ。持って帰りたいぐらいにねっ♪お月様もほんとにきれい。
でもね、一番きれいなのはね…私たちの住む地球なんだよ!青くてまんまるで…お姉ちゃんたちにも見せてあげたいな〜…。
私、自分の住む星が一番きれいだなんて感動しちゃった。
私はこんなにきれいな世界を見れたんだもの。ちっとも怖くなんてないから大丈夫!お姉ちゃんたちも元気でねっ」

「ライカ教官、いつも怒らせてばかりでごめんなさい。ライカ教官は怒ると怖いけどいつも優しくて頼りになって…私の憧れの人でした。
お酒ばかり飲まないで少しは牛乳も飲まないとず〜っとおっぱい大きくならないよ?あと怒りっぽいと男の子から嫌われるよ〜。
私…立派な宇宙飛行士だったかな?私の翼はちゃんと飛べたよね?
…きっとライカ教官なら澄ました顔で『まだまだだな』って言うんだろうな〜。じゃあ、このメッセージが届くころには少しはおっぱいが大きくなる事を祈ってます。
ライカ教官…訓練、ありがとうございました。」

「ベリヤ博士…いえ、『あなた』。あなたを置いて先に逝く事を許してください。あなたと添い遂げる事は叶いませんが私は幸せでいっぱいです。
あの雪のモスクワで会って、家族というものを知って、私はたくさん愛されてきました。ほんとうに…ほんとうに、あなたの事は大好きです。
私の翼は見えましたか?あなたに見てもらえたならこれ以上うれしいことはありません。
私は白い、白い大きな翼で誰も知らない高みへと辿り着くことができました。
誰よりも遠くに行っても、あなたはその青く美しい星から笑顔を見せてほしい。私はたくさんの思い出と、あなたの笑顔があれば寂しくなんてないから。
だからいつまでも笑顔でいてね!」
535学生くまさん:2007/06/04(月) 22:42:10 ID:BbY/gZ0/
「そして…愛する私の子、ストレルカへ。あなたの顔を見る事も、腕に抱くことも、温もりを与えることもできなかったお母さんを許して。
あなたは驚くかもしれませんが…あなたのお父さんと、私の間に子供を成すには時間が足りませんでした。
しかし私の卵子があれば、いつか必ずあなたを誕生させることができると言ってました。
あの人の事ですから…きっとあなたはこの世に生を受けてるのでしょう。男の子か女の子か分からないけど、きっと元気な子なのだと思います。
もしかしたら結婚してるのかもしれないなあ…あなたに会えないのはとても残念です。
私はあなたに愛情を注ぐことはできないけど、あなたのお父さんがきっとたくさん愛してくれると思います。
私から送れるものは少ないけれど…あなたがずっと幸せでいられるように…子守唄を送ります。」

しばらく間を置いて流れてきたのは…子供のころよく父から聞かされた歌だった。


今 私の願いごとが
かなうならば 翼が欲しい
この背中に 鳥のように
白い翼 付けてください

この大空に 翼をひろげ
飛んで行きたいよ
悲しみの無い 自由な空へ
翼はためかせ 行きたい

この大空に 翼をひろげ
飛んで行きたいよ
悲しみの無い 自由な空へ
翼はためかせ 行きたい


ラジオから、テレビから、開け放った窓から子守唄は聞こえてくる。この星が歌ってるかのように…。
空を見上げると真っ赤な流れ星が一つ、ゆっくりと流れていた。
「ただいま…」
最後に母は安堵したかのように優しい声でそう告げた。


2007年11月10 19時00分
スプートニク2号 大気圏再突入 消滅
536学生くまさん:2007/06/04(月) 22:44:12 ID:BbY/gZ0/
その日、僕は夢を見た。僕はモスクワ市内で制服を着て、花束を抱えてどこかを目指し歩いていた。
空はとてもきれいな青で白い大きな鳥が空を飛んでいた。通りを歩く人たちは誰しもが嬉しそうで、みんな幸せな顔をしていた。
僕はふと教会の前で立ち止まる。ああそうか、結婚式を挙げてるんだ。
教会の階段を降りてくる新郎と純白のウエディングドレスを纏った新婦はとても嬉しそうに笑っている。
アルビナさんが、ムーシカさんが、ライカ教官が、ロケットに関わったみんなが二人の門出を笑顔で祝っている。
なんだか僕まで嬉しくなってしまってしまい、二人を祝った。
二人に花束を贈ると新婦は「ありがとー!」と言って受け取り、新郎は恥ずかしそうに笑った。
そうか、これは夢。ふたりの目指した夢…。

突然周りが真っ白な光に包まれて、僕が気づいたときは見渡す限りの草原になっていた。
僕の前には男の人と女の人が立っていて、彼女の腕には小さな赤ん坊が抱かれていた。
二人は僕に気付くと笑顔を向けた。その笑顔は僕もよく知っている顔で、赤ん坊が誰かも分かった。
「あれは…僕…。」
赤ん坊は母の腕の中で幼児ほどの大きさになり、母は草の上に降ろした。
僕の方へ歩を進める幼児は少年へ、少年は青年へと成長し…そして"僕の中"で僕になった。
「お母さん…お母さ〜ん!」
僕は母に駆け寄り、抱き締めた。母は何も言わずに僕の頭をそっと撫でてくれた。長い間、僕を撫でてくれた。
「お母さん…お母さん…ひっぐ…お母さん…」
泣きじゃくる僕を撫でる母の手は温かくて、僕は嬉しくて泣いた。

「お母さん、これ…」
僕は胸から外した『第一級国家勲章』を差し出す。本当にこれを授与されるべきの人に渡すべきだと思ったからだ。
母は黙って首を振り、代わりに僕の差し出した手の上に手を重ねる。その薬指には父と同じ結婚指輪が輝いていた。
その手が僕の手を握り締める。
勲章より大切なもの…
最初で最後の母の言葉。母はどこまでも優しくて、どこまでも幸せそうな笑顔で僕に言った。


「生まれてきてくれて、ありがとう」
537名無しさん@ピンキー:2007/06/04(月) 22:55:01 ID:1knnO1dd
リアル遭遇キタコレ
538名無しさん@ピンキー:2007/06/04(月) 22:59:28 ID:zvOroTNU
ええいっ!目から汗が止まらないじゃないか!
これをGJと言わないで何て言うんだチクショウ!
539学生くまさん:2007/06/04(月) 23:02:03 ID:BbY/gZ0/
その後、ストレルカはムーシカと結婚した。
ムーシカが老衰で亡くなる時も一緒に過ごし、彼も後を追うようにこの世を去った。
二人ともとても安らかに眠った。

アルビナ大佐はリャザン空挺学校に並立された宇宙軍宇宙飛行士訓練学校の教官を経た後、軍を除隊。人と人ならざる者の和平を説く。
後に建国される全ての人ならざる者の祖国「空」初代大統領に就任し、『建国の母』と言われる。
「翼をください」は国歌に制定される。

これは、初めて宇宙に飛び立った小さな犬の獣人の話である…。

ロシア連邦宇宙軍総司令官
アレイシア・ライカ大将
540学生くまさん:2007/06/04(月) 23:05:05 ID:BbY/gZ0/
これにて終了です。長くて重たい、少しも萌えない話でしたね…すみません。

>>526
どうぞどうぞ〜
541名無しさん@ピンキー:2007/06/04(月) 23:06:26 ID:Kq6fisJB
>>540
目から汁がとまらない…どうしてくれるんだチクショウッ!!
GGGGGGGGGGGGGGJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJ!!!!!!!!!!!!!!!
542名無しさん@ピンキー:2007/06/04(月) 23:10:27 ID:GApiQ/5K
あれ?おかしいな?目から汗が止まらないよ?
543名無しさん@ピンキー:2007/06/04(月) 23:13:22 ID:Pa6X97dz
>>540
まさか・・・エロパロ板で泣くとは思わなかった。

つまりはGJ!!!!!111!!!!!!
544名無しさん@ピンキー:2007/06/04(月) 23:20:53 ID:k8tu+zxs
これはやばいだろ常識的に考えて…ああそうさ泣いたさ。
ってかラストの『翼をください』は効いた
545名無しさん@ピンキー:2007/06/04(月) 23:39:44 ID:OPayynQU
くまさん、萌えじゃ無く感動をありがとう
あれ、目から水が・・・・
GJ!!!!!!!!!!
546名無しさん@ピンキー:2007/06/04(月) 23:46:50 ID:4viadpRR
なんか、股間以外(主に目)からも液体の出る話だった。
こんな気持ちはホタルの墓以来だよ。
547名無しさん@ピンキー:2007/06/05(火) 00:16:04 ID:x74e71en
>>519を聞きながら読んだらマジ泣きしたわけだが…(´・ω・`)b GJ

最後の最後、大将すげぇよ
548piston@先生:2007/06/05(火) 00:20:04 ID:kNRWKAsH
うーむ・・これは。凄すぎるJ・・くまさん。ほんとにありがとう
549名無しさん@ピンキー:2007/06/05(火) 01:01:02 ID:RKH7nnz/
>>540
泣いたよ…GJ
このスレにいてよかった
550名無しさん@ピンキー:2007/06/05(火) 02:22:08 ID:Yc4qoYa6
この余韻が消えないうちに
space dogという曲を聞いてきます…
551名無しさん@ピンキー:2007/06/05(火) 03:07:01 ID:CzZZxxj6
チクショウ!【翼をください】をあのタイミングで入れるのは反則だ!
涙腺が破れそうになってるところにあれじゃあ、決壊しちまうさ!
つまりはGJなんだけど、いつもと違うGJなんだ!何が言いたいか判らないんだぜ!!
552名無しさん@ピンキー:2007/06/05(火) 07:54:00 ID:xiss9+1q
畜生、目から心の汗が止まらないぜ!
くまさんGJ!
553名無しさん@ピンキー:2007/06/05(火) 12:43:49 ID:yl5L9Ufq
涙で画面がよく見えないよ
これじゃ投下したくてもできないじゃないか
554ポン:2007/06/05(火) 12:44:04 ID:w2BtH74W
くっそぉぉぉぉ!目から汁が止まらねえよ!
くまさん、どうしたらそんなに感動的な文が書けるんだ?
555名無しさん@ピンキー:2007/06/05(火) 15:47:55 ID:kfPTl61V
これは…涙…私悲しいの?…違う…この気持ちはナニ?
556名無しさん@ピンキー:2007/06/05(火) 16:08:15 ID:IC+SJgZH
完走乙!
やっぱりいい話は長さを感じさせないな
重たいし悲しい。なのにこの読後のからっとした爽快感はなんだろう
557名無しさん@ピンキー:2007/06/05(火) 16:27:46 ID:jCsE6B/v
言いたいことは他の皆が言ってくれたので、ただ一言だけで。
GJ!
558名無しさん@ピンキー:2007/06/05(火) 16:57:46 ID:LHl0QK7Y
(ry

こんなに人がいたとは。
559名無しさん@ピンキー:2007/06/05(火) 17:27:58 ID:x74e71en
くまさんには是非ともハッピーエンド編を書いてほしいです。
みんなホントはハッピーエンドも読みたいんだろ?
560暁狐:2007/06/05(火) 18:46:59 ID:+ACMAoHG
神が光臨した後で微妙に投下しづらい俺参上!
だが投下する。いいよね?答えは聞いてない。

注意:擬人化描写はまだありませんorz
   結構長くなりそうなので分割投下だけど釣られてみる?

>>くまさんGJ!!
貴方のSSに皆が泣いた!涙はこれでh(ry

あ、今回は猫
561暁狐:2007/06/05(火) 18:48:21 ID:+ACMAoHG
「おいレオン。次の町にはまだ着かんのか?」
「まだまだですよ」
「もう野宿は嫌だぞ私は。今日中に何とかしろ?」
「無茶言わないでくださいよ。最低でもあと一日はこの森に……痛いッ!」
「主に口答えとは、随分と偉くなったもんだなぁ」
「す、すみません」
 鬱蒼とした木々が日の光を遮る薄暗い森の奥深くに、一人の青年と一匹の猫がいた。
 猫にレオンと呼ばれた青年は、背中に旅道具と思わしき物を背負って重そうに揺ら揺らと危なっかしく歩いている。
 茶髪の短髪、顔は完全に女。しかもそこ等の女では敵わないであろう美人顔で、過去の記憶が断片的にしかない男。
 だが身に着けているものは白い鎧で、彼の胸を覆っている。
 肩や腕や脚には白い肩当て、腕当て、臑当ても身に着けておりその下は普通の服。
 そんなちょっとした騎士のような格好をしている彼の肩当ての上に乗っている一匹の白い猫。
 名前はブランシュネージュ。雌猫。
 その右が赤、左が青と両目の色が違うその猫は、レオンの頬を爪で引っ掻き、さらに根元から二本に分かれた尻尾で傷口を叩いている。
 その攻撃にレオンは怯み涙を溜めながらも歩き続けていた。
「ご、ごめんなさぁい!」
「ふん、まぁ許してやろう。ほら、またされなくなかったら急ぐんだぞ?」
「は、はい」
 傍から見たらひ弱そうだが人間の男が猫の言いなりになっているのは、少し妙な光景だろう。
 だが、二人の関係は明らかにレオンより猫のほうが上の立場であり、彼は立場上猫の下僕である。
 何故こんな関係なのか、理由は簡単で、ただ単にブランシュネージュの方が力が上。
 文明が滅び数百年経ったこの世界では力が物を言う。
 よって、ブランシュネージュより力関係では下のレオンは彼女の下僕というわけだ。
 まぁ、彼女の場合は少し特別なのだが。
「ぶ、ブラン様? す、少し休みませんか?」
「私は疲れていない、却下だ」
「う……はい」
 ただレオンや荷物の上に乗っているだけのブランシュネージュが疲れるわけもなく、レオンの提案は即答で却下された。
 ため息を吐き、薄気味悪い森の中をレオンは進んでいく。
 この森に入る前の村にてレオンは、この森には魔物がウジャウジャいると聞いておりかなりビビッている。
 武器なんてものは持っておらず、人間であるレオンが襲われればひとたまりもない。
 そして、そんな彼に近づく無数の気配をブランシュネージュは感じていた。
「おいレオン、いいことを教えてやろうか」
「な、何ですか?」
「後ろを見てみろ」
「え…………うわああっ!!!」
 不敵な笑みを浮かべているブランシュネージュに言われたとおり、レオンはゆっくりと背後を見る。
 そして驚き、尻餅をついてしまった。
562暁狐:2007/06/05(火) 18:49:36 ID:+ACMAoHG
「イタ、シロイネコ」
「シッポ、フタツ」
「メノイロチガウ、マチガイナイ」
「ブランシュ、ネージュ……」
「お、オーク!!」
 レオンにとって一番恐れていたことが起こってしまった。
 目の前には10体はいるであろう魔物の群れ。オークだ。
 レオンより何倍もある大きさ、赤い目を光らせレオンというよりブランシュネージュを見ている。
 オークが一歩前に進むとレオンは一歩後退り、彼の体の震えは止まらない。
 オークといえば、頭はかなり悪いが凶暴な魔物で有名であり、戦士へ兵士でもない限りは見たら逃げるのが当たり前……特に女は。
 更に、オークの群れはレオンを女だと判断し、明らかに興奮した表情で彼を見ていた。
「レオン、お前は私の下僕だ」
「え?」
「下僕なら主を守って見せろ」
「はい!!?!」
 残酷とも言えるブランシュネージュの言葉に、レオンは我が耳を疑った。
 確かに彼女のいう言葉も一理あるが、奇跡でも起きない限りはレオンにオークの群れの相手をするのは不可能。
 そしてレオンが声を上げたとき、オーク達は一斉に襲い掛かった。
 オーク達の目的は二つある。一つはレオン。
 そしてもう一つはブランシュネージュ。何故なら彼女はただの喋る猫ではないのだから。
「オオォォオオォォーー!!」
「うわああああーーー!!!!」
 地面を揺らし、辺りの木々が音を立てて揺れる。
 無数のオークが一斉に走り出せば、周りはちょっとした地震のようになる。
 オークの群れはレオン達に向かい雄叫びを上げながら突撃していき、レオンは全力で逃げた。
 先程までの疲れなんて忘れている、このままでは恐らくいろんな意味で襲われて殺されてしまうからだ。
 背負っている荷物の中から、林檎等の食料や色んな道具が落ちオークに踏み潰されるがレオンは気にせず森を進んでいく。
 必死に逃げるレオン。振り落とされそうになりレオンにしがみ付くブランシュネージュ。
 背後を見れば木々をなぎ倒しながら、物凄い形相のオーク。
 レオンは涙を流しながら走り続ける。
 だがその逃走も長くは続かなかった。
「わわっ!!」
 石に躓き、思いっきり顔から転ぶレオン。その前方に飛んでいくブランシュネージュ。
「いたた……」
「こ、こら、主を吹き飛ばすな」
「そ、そんなこと言ってる場合じゃ……」
 不機嫌気味にレオンに言うブランシュネージュの白い体毛には土がついてしまっている。
 だが、レオンにとっては正直そんな事構っていられない。追い詰められてしまった。
「ブラン、シュ、ネージュ……クウ」
「オンナ……ヤル」
 ジワリジワリとレオンに近づいていくオークの群れ。
 完全に女と思い込んでいるレオンを犯し、ブランシュネージュは食うつもり。
 恐怖で動くこともできないレオンは、涙を流しながら震えるだけ。
 しかし、そんなレオンの頭を踏み台にしブランシュネージュがオーク達の前に現れた。
「まったく、仕方のない下僕だな」
「ぶ、ブラン様!」
「目を瞑っていろ、すぐ終わる」
 震えているレオンに対し、彼女は至って冷静、余裕な口調。
 両手で頭を押さえていたレオンは、ブランシュネージュに言われたとおり目を瞑り蹲る。
 その刹那オーク達は我先にとブランシュネージュに襲い掛かった。
「ウオオオオォォオォォーー!!」
「寄るな雑魚ども。私を誰だと思っている」
563暁狐:2007/06/05(火) 18:50:56 ID:+ACMAoHG
 それは一瞬だった。
 目を瞑っているのにもかかわらずレオンは眩しいと感じ、周囲の温度が一気に上がり、オークの叫び声とともに爆発のような音が森中に響いた。
 オークがブランシュネージュに襲い掛かった瞬間、彼女の尻尾の先はオークに向き両目が光ると同時に小さな体全体が白く眩く光った。
 その光にオークは飲み込まれる。光が治まったころにはオークの姿はなく、オークだけが消滅していた。
「もういいぞ」
「う………あ、ありがとう、ございます」
「主に守られてどうする。情けないとは思わないのか女男」
「す、すみませ……」
 恐る恐る目を開けたレオンも、魔物が消えていることに驚かされる。
 何度この光景を見ただろうか、そして決まってブランシュネージュの説教が始まる。
 まぁ、彼女の言うことも一理はあるのだが、やはりちょっと無理がある。
 レオンは人間。ブランシュネージュのように魔女となった猫とはわけが違う。
 そして、ブランシュネージュの説教にしゅんとして謝ろうとしたレオンの背後にあった木が折られ、彼はそこから現れたオークに捕まってしまった。
「う、うわああぁぁ!!」
 情けない声を上げるレオン。手足をばたつかせて抵抗するも、オークにはまったく通じない。
「ぶ、ブランさまぁ〜〜!!」
「……」
 ブランシュネージュに助けを求めるレオンだが、その声を聞いても彼女は黙ったままだった。
「……お前は私の下僕なのだ。オークの一匹くらい倒して見せろ」
「そ、そんなぁぁーー!!」
 主から出た言葉に、レオンは絶望した。
 ついに見捨てられた、そう感じた直後レオンはオークの大きな手により地面に叩きつけられた。
「がっ!!」
 一瞬息が止まる。
 オークの手は彼の頭を押さえつけ、レオンは起き上がれなかった。
「オンナ、オンナ、ヤル!!」
「ひいぃぃ!!」
 更に、自らの性欲のままオークはレオンが穿いている衣服に手をかけようとする。
 このままではやばい、そんな事を思いながらもレオンは抵抗することすらできなかった。
 だが、オークが彼に触れる前に、小さな竜巻がオークを茂みの中に吹き飛ばす。
 地面は再び揺れ、ゆっくりと起き上がったレオンの傍にブランシュネージュは歩み寄った。
「あ、ありがとうございます、ブラン様」
「まぁ人間では少し無理があるようだ。だが私も、いちいち下僕を守っていられない、疲れるしな」
「え?」
「そこで……お前にこれをやろう」
 ブランシュネージュの尻尾が光り、その中から何かが出てきた。
 それを尻尾で渡され、レオンは困惑した。
 出てきたのは見たことのない物質だった。黒く十字架、どことなく剣のような形をしている。
 そして十字架の中央には、赤く妖しく光る丸い宝石があった。
「あの、これは何なのでしょうか?」
「それは魔装具(ガジェット)。私のコレクションの一つだ。それをお前にくれてやるのだ、有り難く思え?」
「は、はぁ……」
 有り難く思えと言われたも、ガジェットなど聞いたことのない物体を渡されたレオンの心情は微妙。
 以前ブランシュネージュは古代兵器から魔法兵器まで何でもコレクションしている、と本人が口にしていたのをレオンは思い出した。
564暁狐:2007/06/05(火) 18:51:41 ID:+ACMAoHG
「さぁ、それを使いオークを倒せ。あんな筋肉一撃で倒せるだろう」
「で、でも……」
「オオオオーー!!」
 更に倒せと言われても困ってしまうレオン。
 だがその直後、森の中から先程のオークの叫びが響き、木々をなぎ倒して近づいてくるのがわかる。
 使い方もわからない道具、渡した本人に聞こうとしても、既にブランシュネージュは木の上にいた。
「オンナッ!」
「あ、あの、ブラン様、これどうやって……」
「そんなものは、魔装具に聞け」
「え……わッ!!」
 オークは再びレオンの前に現れた。吹き飛ばされたのを根に持っており明らかに怒っている。
 レオンは木の上で眠っているブランシュネージュにガジェットの使い方を聞くと、彼女はただ一言レオンに言う。
 その言葉に困ったレオン。
 だがその直後、ガジェットは赤く眩く光りオークもその光りに目を瞑って怯んだ。
 赤い光は周囲を一瞬赤に染め、治まるとレオンの手には小さなガジェットの変わりに、黒い両刃の大剣がその手に握られていた。
 俯きながら黙っているレオンに、一瞬怯んだオークは再び叫びその大きな拳を振るった。
 だが、その腕はレオンに当たることなく、オークから分離し地面へと落ちた。
 その直後、オークは悲鳴を上げ赤い血を大量に噴出しながらその場へと倒れた。
「……ヘっ、筋肉野郎が、俺様を殴ろうなんざ十年はえーんだよ」
「なるほど、あれがあの魔装具か……」
 オークの腕はレオンにより斬られていた。
 レオンはオークの死体を見て、大剣を担いで笑っている。
 目つきは鋭くなり、髪の色も黒くなり、力も増し、まるで別人になったようなレオンを、ブランシュネージュは尻尾を揺らしながら眺めていた。
 そんな時、彼らの周囲から再び気配を感じ、レオンは笑いながらそれが出て来るのを見ていた。
 オークだ。仲間の叫びとブランシュネージュの気配、そしてレオンの笑いを聞き再び群れで彼らの前に現れた。
「なんだやんのか? いいぜ、久々に出てきたんだ、大暴れしてやるぜ!!」
 そして、レオンが大剣を前に出し構えた瞬間、オークの群れは一斉に彼に襲い掛かった。
565暁狐:2007/06/05(火) 18:52:56 ID:+ACMAoHG


「な、なに、これ……」
 気がつけば、自分はオークの死体の山の上にいた。
 木々はオークの血で赤く染まっており、自分も返り血らしき物を浴びていることがわかった。
 レオンはとりあえずその場から離れようとするが、腰が抜けてしまい四つんばいでオークの死体から離れる。
 困惑した。無理もない、ガジェットが赤く光った直後の記憶が殆ど無いのだから。
「どうした?」
「あ、ブラン様」
 木の陰に隠れているレオンの頭の上に、ブランシュネージュが木の上から着地する。
 レオンは困惑しながらブランシュネージュに色々と聞いた。ガジェットは何かとか色々。
 木の上で終始見ていたブランシュネージュは、レオンの質問攻めが終わると軽くため息を吐いた。
「ふぅ、まぁ、教えてやろう。なぁに簡単だ。その中にはある魂が宿っているんだよ」
「た、魂ですか?」
「あぁそうだ。そいつが光ってから記憶が無いのだろう? それはお前の体の中にその魂が入り込んだせいだ」
「ぼ、僕の中にですか?」
「そうだ。その魂がお前の代わりに、お前の体を使って戦っていた」
 俄かには信じられない。
 だが、オークの死体、記憶が無いこと、それにブランシュネージュが魔女と言うことがレオンを信じさせた。
「今後も、私ばかり頼らずにそいつを使え。なに、戦いになれば喜んで戦ってくれるさ」
「わかりました……」
「あと、それ以外は表に出すなよ?」
「は、はい……出し方分かりませんけど……」
『ちょっと待てそこの猫女!!』
「え!?」
 レオンの頭の上に乗り、尻尾で彼の頬を撫でながらブランシュネージュは命令する。
 それに彼は従った時、レオンが手に持っていたガジェットがその命令に反論した。
 と言うより、喋ったことにレオンは驚いた。
『てめぇ何勝手決めてやがんだ!!』
「勝手も何も、貴様は今からレオンの私物だ。下僕の物に意思があるのなら、それも私の下僕」
『だぁ〜れがてめーの下僕だぁ!!』
「下僕の物は私の物。それとも何か? また海のそこで眠っているか? 今から捨ててやってもいいのだ、魔装具はお前だけではないからなぁ」
『すみませんでしたぁ!!!』
 ガジェットの反論も、ブランシュネージュの一言により終わった。
 彼女の新しい下僕の誕生である。もっとも普段は何もできないので、レオンの苦労は変わらないが。
 ブランシュネージュの下僕として生きて長いレオン。だが今日改めて、この猫には敵わないと悟った。
「見ろレオン、あれは村ではないのか?」
「え……あ、本当ですね」
 そしてレオンは立ち上がり、血まみれの荷物を持つ。
 しばらく歩くと、森を抜けていた。オークに追われる際一気に抜けてしまったようで、レオンに疲労が襲った。
 思わずその場にしゃがみ込むレオンに、ブランシュネージュは猫耳と尻尾を動かしながら彼に言う。
 彼女の言うとおり、まだ少し距離はあるものの小さな村が見える。
 レオンは最後の力を振り絞り、再び歩き出した。
「野宿は免れそうだな。よくやったぞレオン」
「あ、ありがとうございます」
 手で撫でるように、ブランシュネージュは二本の尻尾でレオンの頭を撫でた。
 彼女にほめられ、レオンも笑顔を見せながら歩いていた。
『おい小僧! 宿に着いたら飯にしようぜ!』
「う、うん、そうだね」
「今日は肉の気分だ」
「わかりました」
 そして、小さな丘を超えブランシュネージュご一行は村を目指す。
 新しい下僕……仲間の魔装具を向かえ、レオンの両親を殺した者を見つける為の旅、そしてブランシュネージュの下僕としての旅は続く……

―続―
566 ◆NECOu2TzHg :2007/06/05(火) 21:19:40 ID:1NYQtQXg
神作品ラッシュの中投下します。
狐です。
正直同じ狐なら刹那ちゃんのほうが(ry
567 ◆NECOu2TzHg :2007/06/05(火) 21:21:29 ID:1NYQtQXg
「ですから性交しましょうよ、金太さぁ〜ん。」
「イヤです。」
再三の伊藤さんのお願いにもきっぱり断る。
「殿方の精なしではあたしは生きていけないんですよ。」
俺の目の前にいる伊藤さんは人間ではなく、狐の獣人である。
自称神様なんだが如何せん怪しく、物の怪や妖怪の類にしか見えない。
神通力や幽波紋でも見せてもらえれば信じられるが以前見せてと頼んだけどつっぱねられた。ますますうさんくさい。
「人間の精が栄養になるのはわかってます。でも昨日やったばかりでしょ?俺は毎日続けてできません。」
実は栄養を取るだけなら普通の食物でも問題ないけど、そこはあえて触れないであげる。
「減るもんじゃないでしょうに…。」
頬を膨らまして突っ込みどころ満載の不満を漏らす。
こう可愛い表情をされると許してしまいそうになる。
正直な話、俺は伊藤さんが好きだ。
可愛くて家事もきっちりこなせる。
伊藤さんと一緒に暮らせることが幸せなことだと思ってる。
ただ、この人は性欲が強すぎる。
エロい子は嫌いじゃないけど度が過ぎるのは良くない。
度が過ぎるというより常に狙っているという感じだ。
先日食事中に襲われかけたがさすがに俺もキレてぶっきらぼうに投げてからのついげきでさらにダメージは加速した。
それ以来食事中にそんな真似をすることはなかったけどそれ以外は油断ならない。
「とにかくダメなものはダメです。伊藤さんも我慢してください。」
とは言ったものの絶対納得してくれないだろうな、この人。
「わかりました。今日は諦めます。グスッ」
…意外だ。
半べそかいてるけどこうあっさり引き下がるとは思わなかった。
自称とはいえ神様、嘘をつくようなことを伊藤さんはしない。
この涙に騙されなければ今日は安心してよさそうだ。
568 ◆NECOu2TzHg :2007/06/05(火) 21:24:09 ID:1NYQtQXg
金太さんも人が悪いです。
もうちょっとこう、協力的になっていただいてもよろしいじゃないですか。
食物でも栄養がとれることを金太さんはご存知ないようですけどご馳走を知ってしまったらそれを求めるのは当然でしょう。
それに仮にも乙女を淫乱のような言い草ですし。
…間違っておりませんけど。
普段からあのような態度ですし、ここは少しお仕置きしないといけませんわね。

―――カチカチカチ
23:57。
男の寝顔に微笑む女が一人、否一匹。
すでに彼女の狩りは終わっていた。
『今日はしない』という約束を『忠実に』守っている。
24時になれば今日じゃない。
そんな子供の屁理屈みたいな考えだったが彼女にしてみれば大真面目だった。
23:59:47。
長い長い10秒。
今か今かと待ち焦がれる。
これまでに何度口の中に湧き出る唾を飲み込んだか分らない。
カチカチカチ―――。
569 ◆NECOu2TzHg :2007/06/05(火) 21:26:06 ID:1NYQtQXg
深夜、水っぽい感触と水音で目が覚めた。
体を起こして見ようとしても体が動かない。
金縛りってやつだろう。
ふと俺の顔を伊藤さんがのぞきこんだ。
俺は今、仰向けの状態だから伊藤さんは俺の上に乗っているということになる。
真夜中に俺の上で何やってんだこの人は。
「あっ、起こしちゃいました?」
元々そのつもりだったんですけどね、と付け足される。
「なんか金縛りかかちゃったみたいなんで起こしてもらえます?」
「いいんです、そのままで。あたしがかけたんですから。」
何を言っているのかわからない。
そもそも会話が成立してない気がする。
「金太さんが動かせるのは顔とココだけでしょうかね。」
そういって反り上がっている肉棒をさする。
やっと状況が理解できた。
ようするに俺は彼女に犯されていたんだ。
「『今日』はしないって約束だったでしょ。」
「12時過ぎたら『明日』なんですよ。」
伊藤さんは屁理屈をこねた後俺のものを咥える。
さっきと同じ感触と水音。
このまま為すすべなくイカされる思っていたが寸前で止め、俺の腹の上に座る。
「次のお前のセリフは『Hしましょう、伊藤さん』という。」
したり顔で予言をする。
もちろんそんなことを言うつもりはない。
伊藤さんはこちらから目を離さずゆっくり肉棒を扱く。
俺がイキそうになると手を止め射精することを許さない。
そして射精感が遠退いたのを見計らってまた扱く。
イキそうになると手を止め、萎え始めるとまた扱く。
地獄のような繰り返し。
気が狂いそうになる。
既におびただしい量の透明液が布団を汚している。
「Hしましょう、伊藤さん。」
それは約束された敗北だった。
570 ◆NECOu2TzHg :2007/06/05(火) 21:27:08 ID:1NYQtQXg
ズプリと一気に突き入れる。
それとともに勢い良く射精した。
長いこと寸止めを繰り返されていたため我慢できずすぐに吐き出した。
射精してもなお俺のものは萎えておらずそれを確認して伊藤さんは腰を動かし始める。
ぐちゅぐちゅといやらしい音をたて、出入りする。
体の自由は奪われ、それでいて欲情しきっている。
主導権は完全に伊藤さんが握っている。
むしろ俺は伊藤さんの思うがままに支配されていた。
俺の目には気持ちよさそうに喘ぐ伊藤さんしか映らない。
俺の耳には伊藤さんの喘ぎ声と肉と肉がぶつかりあう音しか聞こえない。
俺は伊藤さんから送られてくる快感しか感じない。
ふと俺のほうに体を倒す。
そのまま俺の唇を奪い、俺の口内を蹂躙する。
無理やり舌を絡ませたり、吸い付く。
その間も腰の動きは止めない。
抜くときは逃さないかのようにきつく締め、入れるときは包み込むかのようにゆるく。
それをじっくり味わうようにゆっくりとした動きでする。
「金太さん、もうイっちゃいそうですか?」
「はい。イかせてください。」
もう快楽に身を委ねることしかできない。
今考えられることは『イきたい』という願望を思い浮かべるだけ。
伊藤さんは今一度唇を重ね、俺に体重を預け抱きしめる。
抱き返せないのが少々癪だったが関係ない。
そして蠢く伊藤さんの膣内に導かれるままイった。
571 ◆NECOu2TzHg :2007/06/05(火) 21:28:05 ID:1NYQtQXg
「もう寝込みを襲うようなことはしないでくださいよ。」
流されたのは事実だけど襲ってきたのは向こうだ。
うん、俺きっと悪くない。
「そんなこと言って、金太さんいつもよりノリノリでしたよ。これからはこっ、むーむー。」
最後まで聞きたくないんで手で口を塞いでやる。
今度から襲われる覚悟をしないといけないな。
572 ◆NECOu2TzHg :2007/06/05(火) 21:34:02 ID:1NYQtQXg
以上です。
某商業誌のエロ漫画と設定がかぶってますが気にしないでください
573名無しさん@ピンキー:2007/06/05(火) 21:38:42 ID:bT2qYnHM
な、何をするだぁー!!
GJ!!
574名無しさん@ピンキー:2007/06/05(火) 22:06:09 ID:lLYHLAfk
>>565
命令口調の強いぬこキター&veryGJ!
でもこれは長くなりそうですな〜…ってか是非ともなって欲しいw

これでこのねこ様が情事の時にしおらしくなっ……ねーわ…(´・ω・`)

と、とにかく、続きを期待してる!!
575名無しさん@ピンキー:2007/06/05(火) 22:14:13 ID:JrdZqoDD
>>暁狐氏
GJ!ファンタジー要素満載でこれからの展開が楽しみです。

>>◆NECOu2TzHg氏
GJ!ひそかに盛り込まれたブロント様ワロタw
てか、このネタ解る人スレに何人いるのか…
576通りすがり:2007/06/05(火) 22:40:17 ID:6iHPPWqX
ども、鳥を付けた方が良いかな?と考えている通りすがりです。
今、虎姐と後輩のライオン娘の話で苦戦中です。如何しても話が長くなってしまうよ……orz

……にしても、気が付けばここの残り容量が33KBか……
そろそろ次スレを立てる方が良いのかなぁ?

>>くまさん
全く、人を泣かせやがる………いろいろな意味でGJです!
それと完走乙です!

>>BIGBOSS
猫&ファンタジー物キター GJ!
これからどうなるか、続きが楽しみです!

>>◆NECOu2TzHg
GJ!
短い中で物語を纏められる文章力に嫉妬。
577名無しさん@ピンキー:2007/06/05(火) 23:02:31 ID:Prwlin4i
>>524
おくればせながらGJ!
そして、貴様の嫁を俺によこせーーー!!
578名無しさん@ピンキー:2007/06/05(火) 23:59:38 ID:tLLfVfbA
>>540
泣いてるところを妹に見られたじゃないか…orz
べ、べつにあんたのせいじゃないんだからねっ!

http://www.youtube.com/watch?v=4Ut28zko1CU
これも合いそう。
579メサイア ◆wa5/w.bVtg :2007/06/06(水) 03:06:16 ID:0PKC3gcI
どうも皆さん始めまして。メサイアと申します。
こんな夜中にアレですが、投下させていただきます。
正直、ここの職人の皆様のような高クオリティになれるかどうか不安なのですが、どうか生暖かい目で見てやってください。
以下、注意点です。

・分割投下&今回投下分は短め&エロが入ってません。

・男性の皆様にとって「痛い」描写があります。

それでは投下いたします。あ、猫物です。
580メサイア ◆wa5/w.bVtg :2007/06/06(水) 03:10:56 ID:0PKC3gcI
突然だが質問させてくれ。みんな、猫は好きか?
俺はもちろん大好きだ。そりゃもう、住んでるアパートがペット禁止じゃなくなってくれればダッシュでその辺に捨てられてる野良猫の1匹でも拾って(貧乏学生の俺には買うなんてとてもとても)
何か可愛い名前をつけてやってミルクでもやりながら頭をナデナデして気持ち良さそうに鳴くのを心地よく聞いて、そんな事がしてみたいさ。
だが、そんな事は――少なくとも今ここに住んでる限りは――できない。
全く、いつになったらそんな幸せな暮らしができるんだか。
そんな事を考えながら1人淋しく床につく。
そんなマンネリ生活に突然トドメを刺されるなんざ、この真中慎太郎(まなか・しんたろう)の目をもってしても見抜けなんだわ!



「ちょっとー、慎、起きなさいよ!」
ああ、あげはの声が聞こえる。どうやら俺を起こしたいらしい。
だが今日は日曜だ。もう少し眠らしてくれよ……
「あ〜、後4時間、後4時間・・・」
「むー……そっちがその気なら実力行使でいくんだから!痛い目に合いたくなければとっとと起きなさい!」
「そんなこと聞ける状態じゃないですよーだ……12時になったら起こしてくれってかりんに頼んどいてくれ、お休み……」
581メサイア ◆wa5/w.bVtg :2007/06/06(水) 03:13:23 ID:0PKC3gcI
あーもー、うるさいうるさいうるさい。
こんなうるさい奴はほっといて、とっとと2度寝しよ(がつっ)


あれ なにか さむけが もしや あげはが おれの こかんに いちげき……


「…………のォOOOOOOOOOOO!!!!!!」
「ふふん、起きられた?あたしの言うことを聞かないからこうなるのよ、わかった?」
「がが、が……あ、ああ、充分、わか、った、ぜ……」
「そう、それでいいわ。下僕は主人の言うことをよく聞くものよ?聞かないのならお仕置きは当然よね……」
な、言わせて置けば好き勝手な事を。だが、ここで反論すれば、たぶん俺は2撃目を食らって再起不能になってしまう。
ここは素直に従っておくか……痛い痛い痛い痛い。
「分かった、いや分かりましたです。だから、どうか2撃目だけは勘弁してください」
「仕方ないわね……わかったわ。その代わり、今夜は1晩中付き合うのよ?途中で気絶なんかしたら、また痛い目にあわせるんだからねっ」
そういってあげはは俺の部屋を出て行った。ふー。まったく、嫌な目覚め方だぜ。

もちろん、モニターの前のみんなはとっくのとうに気付いてるだろうが、彼女―――あげはは人間じゃない。
少しくせの入ったセミロングの銀髪、蒼い瞳、そしてなによりその頭に生えている猫耳と尻の方でくねくね動いてる尻尾。彼女は、いわゆる「猫人間」って奴だ。
数週間前、俺は色々と会って子猫を3匹拾った。それで、部屋に連れ帰ってみたらいつの間にかこんな姿になってやがった。
かといって追い返すわけにもいかず、結局3匹とも住み着いてる。
ああ、黙ってれば本当に可愛いんだがなぁ。
まあいいや、今の俺にはかりんがいる。とりあえず、朝飯にでも食いにいくか。
何やかんやで、俺の慌ただしい1日が始まる―――
582メサイア ◆wa5/w.bVtg :2007/06/06(水) 03:15:36 ID:0PKC3gcI
今日はここまでです。
続きは来週くらいには投下できると思います。
以上、スレ汚し失礼致しました!
583学生くまさん:2007/06/06(水) 09:51:44 ID:nlZWlNsn
たくさんのレスありがとうございました。
クドリャフカは宇宙史を語る上でよく「悲劇」だとか「独り寂しく死んでいった」
などと言われまてます。
ですが私は彼女はいっぱい愛されて、皆の愛情と思い出を胸に安らかに眠ったのだと思いたいです。
拙い文ですが、少しでも彼女の幸福を書けたのなら幸いです。

また折を見て史実とは違う彼女たちを書いてみようと思います。

ちなみに今持ってるネタは上記以外に…

・水爆実験の動物
・龍の女の子(銭湯の神様)

前者はバッド確定かもしれない…orz
584名無しさん@ピンキー:2007/06/06(水) 11:55:31 ID:eJFOXpjj
>>583
龍の女の子で銭湯の神様・・・小竜姫様が頭に浮かんだw
585名無しさん@ピンキー:2007/06/06(水) 13:16:42 ID:nlZWlNsn
>>565
おk。レオンたんは自動的にブリジットに脳内変換されて萌えた。
しかしこれまた逆レイプしがいがありそうな(ry

>>572
伊藤さんひでぇw屁理屈じゃないかw
駄々をこねる伊藤さんかぁいいなあ。

>>582
>みんな、猫は好きか?

残りの二匹が気になる…あと何故か
「な なにをするきさまらー」が思い浮かんだw
586名無しさん@ピンキー:2007/06/06(水) 18:20:42 ID:2/oEMWDv
>>582
ええ・・・猫大好きですよ
だけど>>582
男に痛いものは反則ですね。
587名無しさん@ピンキー:2007/06/06(水) 18:54:10 ID:av8KSrSd
>>585
最近、ブリジットとロゼットが頭の中でゴチャゴチャなんだ。
ガンスリンガー・シスターで常に走り続けたのがロゼットで、YOYO使いでエロい腰つきと生足なのがブリジットだよな?
588名無しさん@ピンキー:2007/06/06(水) 19:39:29 ID:lI8pqWB0
>>587
ロゼットが姉キャラ。
ブリジットはショタキャラ。
589名無しさん@ピンキー:2007/06/06(水) 19:57:55 ID:5dQfN40v
まさかこのスレにブロント様を知ってる人間が居るとは

>>587
家庭用だと空中N設置ができなかったり3Pのボイスが敬意だったりするのがブリジットだよ
590名無しさん@ピンキー:2007/06/06(水) 23:25:06 ID:IaXmekFg
>>583
水爆実験>
ちょw どう見ても救いがねえよw
591名無しさん@ピンキー:2007/06/06(水) 23:44:27 ID:tFzWPDqz
>>583
悲しい話もいいが、やっぱりハッピーエンドがいいです!

>>585
最初、れおんと魔装具は良太郎とモモタロスのイメージだった、武器剣だし。
だが、お前のおかげでブリジットとモモタロスというカオスになった、どうしてくれるw

>>572
その理不尽……俺は許す!
眩い誓いGとJ!

>>582
暑いし全裸で全力で待ってる!
592通りすがり:2007/06/07(木) 01:48:48 ID:xoreMlsb
なんか色々と投下されて賑やかな時に俺、参上

>>581
金的嫌ぁぁぁぁぁっっっ!!!だけどGJですよ!
続きにwktk

>>583
水爆実験……如何考えても泣ける話になりそうです、ありが(ry
そして竜の神様も期待してる!

さて、ちょいと容量ギリギリだけど虎姐とライオン娘の話の前編を投下します
593通りすがり:2007/06/07(木) 01:50:09 ID:xoreMlsb
キーンコーンカーンコーン……キーンコーンカーンコーン……

「―――――はい、今日の授業はここまで。
皆さん、明日から暫く休みだけど、くれぐれも羽目を外したりしたら駄目よ?」

ガヤガヤガヤガヤ………

終鈴のチャイムと同時に担任の結衣先生が授業の終わりを告げ
生徒達は終わったとばかりに一斉に帰宅の準備を始める。

「んん〜っ、やっと授業が終わったか……。さて、明日から連休かぁ……俺は何しようかね?」

その最中、俺こと狭山 光喜(さやま こうき)は座りっぱなしだった身体をほぐす様に大きく背伸びをした後、
明日から続く連休の事に思いを馳せる。

そう、明日から創立記念日と祝日、そして週休2日も合わせて4連休も休みが続くのだ。
学校へと通っている学生にとって、春夏冬とGWの休み以外に纏まった休みと言うのは貴重な物で
既に帰宅の準備を終えた生徒の間で連休の間は何をするかの話で持ち切りであった。

ある奴は連休の間は研究に没頭するとか言っていたり、
そしてある奴は山で熊を相手に修行しに行くなどと言って友人に止められてたり、
またある奴は連休の間、ずうっと石を見続けると意味不明な事を言ったり……

まあ、上の三つの連休の過ごし方は何処か問題が有りまくるのは気の所為にしてほしいが、
大体は気の合った友人と旅行に行ったり、ゲーム三昧の連休を送ったり、部活に精を出したりなど
他の生徒はそれぞれ思い思いの連休プランを練って期待に胸を弾ませていた。

で、俺はと言うと……まだ何も決めていなかったりする、
友人と何処か旅行に行くにしても、俺の友人は既に他の人との先約が決まっていてNG、
かといって家でごろごろして過ごすにしても、折角の連休をただ寝て過ごすのは勿体無いと思いNG
じゃあ、ならば他に何するかと色々考えるが、こう言う時に限って中々良い案が思いつかなかったりする。

あれ?確か光喜はアルバイトしてなかったっけ?と思う人も居るかもしれないが
俺のバイト先の上司が気を利かせてくれたらしく、丁度学校の休みと重なる様にバイトも休みとなったのだ。
ま、そんな訳もあって、俺は明日から4日間は何にも予定がないと言う状態となってしまったのだ。
594通りすがり:2007/06/07(木) 01:51:34 ID:xoreMlsb
(ま、今すぐ予定を考えなくても良いか。別に今すぐ決めるべき事じゃないし、後でゆっくりと考えるとするか……)

暫く後、そうぼんやり考えつつ俺が席を立った矢先

ボ ョ ゥ ン !

「……おどぅわっ!?」

考えるのに気を取られ、前を見ていなかった俺の顔面に柔らかくて弾力のある二つの大きな物体がぶつかり、
その弾力で跳ね飛ばされた俺は思わず体勢を崩し教室の硬い床へ尻餅を突きそうになる、が

「―――っと、大丈夫か光喜?ぼおっとしてたら危ないぞ?」
「あ、虎姐、か……」

床にしりもちを突く寸前、誰かの手が俺の手を掴み体勢を立て直させる。
立ち上がりつつその手の方を見ると、俺の手を掴んだのは虎山 妙(こやま たえ)
俺の頭より頭一つ分大きな190cm以上の鍛えられた大きな体躯と、
カフェオレの様な滑らかな褐色の肌、野性的そのものに引き締まった臍周りと
筋肉質にも関わらず丸く安産型の臀部に余所見していた俺を軽く跳ね飛ばすくらい張りのある大きな乳房、
その大きな乳房と同じ位大らかで面倒見の良い姉御肌な性格、勝気ではあるが優しさを秘めた顔立ちに
短めの金髪の頭には黒い毛の獣耳がぴくぴくと小刻みに動き、
後腰からは黒と黄色の縞縞模様の尻尾がゆらゆらと動く、そんな虎獣人の特徴と虎山と言う名前、
そして姉御肌な性格から彼女の事を俺と周りの人は親しみを込めて「虎姐」と呼んでいる。
そして、そんな彼女こそ今の俺にとってはかけがえの無い人である。

「全く、ぶつかったのがあたしの胸だったから良かったけど、壁とかだったら大変な事になってたぜ?」
「ごめん虎姐……ちょっと考え事して余所見してたんだよ」
「いやいや、あたしも光喜と同じ様に考え事して余所見してたからお互い様だ、だから気にすんなって
……で、光喜はさっき何を考えてたんだ?」

自分の胸にぶつかった事を全く気にする事無く逆にぶつかった俺の心配をしてくる虎姐に、
俺は申し訳無く思い直ぐに謝るが、そんな俺の謝罪に対し虎姐は笑顔で返した後、
唐突に俺へと質問してくる。

「いや、何……明日からの連休を如何しようかなって考えてたんだ……」
「へぇ、てっきりあたしは光喜の事だから連休の間は独りで家で閉じ篭ってるかな?と思ったよ」
「おいおい、俺は引き篭もりかっての、酷い言い様だなぁ……俺は其処まで独りに拘ったりしないっての。
じゃあ、俺も聞くけど虎姐こそ、さっきは何考えてたんだ?」

虎姐の俺に対する酷い言い様に対して少し憮然とした表情を浮べつつ、今度は俺から虎姐へ質問を聞き返す。

「あ…いや、なぁ……ちょっと後輩の事で考え事してたんだよ……まあ、その考え事って言うのが
あたしは女子レスリング部をやっているんだが、そこに獅子沢って1年下の後輩が居てな、
今日、あたしはその後輩の獅子沢からある悩みの相談を持ち掛けられたんだ
でも、その悩みって奴があたしじゃあ解決出来る問題かと困っててな……あ、そうだ」
「へえ、虎姐は女子レスリングをやってるんだ……知らなかったな……
……で?それで、何だよ?『あ、そうだ』って?」

虎姐が「あ、そうだ」と言った時、俺は脳裏に言い知れぬ嫌な予感を感じた、
だが、俺がそれに気付いた時はもう既に遅かったのであるが……
595通りすがり:2007/06/07(木) 01:52:37 ID:xoreMlsb
「光喜、明日お前の家にさ、その後輩の獅子沢を連れてくるから少し手伝ってくれないか?」
「……おいおい、虎姐、幾ら何でも急過ぎやしないか?んで、俺は何を手伝えば良いんだよ……?」
「その後輩の悩みって奴が料理の事なんだけどな……かなり下手糞なんだよ、その事であたしへ相談をしてきてな?
でさ、光喜は料理が上手いだろ?だからその後輩に料理を教えてくれないかなって思ってさ」

ほら来た、俺は何となく予感はしていたんだ、虎姐はこう来るだろうな、と。
しかし、今更気付いた時点でもう既に聞いてしまった訳だし「そう、関係無いね」と逃げる訳にも行かないが……
ん?でも、虎姐も確か料理ができる筈だった様な……?

「いや、でも、そう言う虎姐も料理は出来るんだし、俺が教える必要はないんじゃないか?」
「……あー、それが……あたしは料理が出来る事は出来るんだけど他人に教えるのが苦手でさ………
光喜だったら、あたしが寝てて遅れた分の勉強を教えるの上手だったからさ、
ならば料理を教えるのも出来るかなと思ったんだけど……光喜が嫌なら、嫌で良いよ。あたしで何とかするし」

と、少し寂しげな表情を浮べて虎姐は言った。
……なるほど、そう言う理由か……だから虎姐は俺を頼った訳だな……。
仕方が無い、前に俺が風邪に罹った時の礼もあるし、俺も手伝ってやるか……。

「良いぞ、明日その後輩とやらを連れてきてくれ、俺がしっかりと料理のイロハを叩きこんでやるし」
「え!?光喜、良いのか!?すまねえっ!感謝するよ!!」

俺の了承の言葉に虎姐は目を輝かせ、俺の両手を痛い位にガッチリと掴み、上下にブンブンと振り手繰る。

「ああ、だけど前みたいな事は勘弁してくれよ?」
「前?……何だっけ?」
「………をいをい、虎姐は1週間前に俺が風邪に罹った時の事、忘れたのかよ……俺に座薬を使ったアレ」
「あ、ああ!それか、それの事だったら大丈夫だって………………………多分(ボソリ)」

喜ぶ虎姐に対し、俺は先に、前の「アッ―!」な事態が起きないように言葉で釘を刺しておく、
……言われるまで虎姐はその事をスッパリ忘れていた様だが……
しかも、言葉の最後に虎姐は小さく「多分」と付けた時点で思いっきし大丈夫とは思えません、ありがとうご(ry

ま、まあ、とは言え、前の時の様にはならんだろう。あれは不幸な偶然が重なった結果だし……うん。
……こうでも思わないと俺の精神が不安で押しつぶされそうだ……

「じゃあ、虎姐、明日の何時ぐらいに来るつもりだ?昼の二時位であれば準備できる筈だが……」
「あー、そうだなー……うん、だったら光喜の言う昼のニ時に来る事にするよ。
……あたしの頼みを聞いてくれて有難うな、光喜」
「礼は良いって、虎姐。前、風邪引いた時に食わせてもらった美味しいお粥の礼もあるし、俺はその礼を返すだけだ」
「はは、そう言われると逆に気になるじゃねえかぁ、光喜ぃ。
……それじゃあ、あたしはこれから部活に行くから、じゃあな、光喜!」
「ああ、また明日な、虎姐」

約束の時間を決めた後、俺と虎姐は互いに手を振り合い
俺はバイトに行くべく校門へ、そして虎姐は部室へと二手に別れ、教室を後にする。

「……にしても、虎姐が女子レスリング部をやっていたとはねぇ……?
道理で会っていない数年の間に筋肉質な身体になったなぁ?と思ったら、それをやっていた理由もある訳か。
昔の人は男子3日会わずば括目せよ、と良く言ったものだが、それは女子にも当てはまるんだなぁ……」

と、誰に向けるまでも無い独り言を呟きつつ、俺はバイト先へと急いだのであった。
596通りすがり:2007/06/07(木) 01:53:38 ID:xoreMlsb
《そして翌日》

「さて、食材はこんな物かな?………
後は虎姐とその後輩の獅子沢さんとやらが来るのを待つのみっと……」

安売りスーパーで大量に買い込んだ食材を目の前に、俺は一息を付く
なぜ食材を大量に買い込んだかと言うと、これから人に料理を教えるのだから
万が一の事を考えて食材は多めにあった方が良いだろうと言う俺の判断からである。
別に冷蔵庫の中身が寂しい所を女性に見られたくないと言う理由だからではない、
前に俺が風邪に罹った時、既に虎姐に冷蔵庫の中身を見られている筈だからな。

ま、それはさて置いて、時計を見ると既に二時に差掛ろうとしていた
丁度良い時間だな。良し、虎姐達が来るまでもうそろそろ、と言った所か……

《二時間後……》

……遅いなぁ……もう夕方の四時になろうとしているじゃないか……。
今一体、虎姐と獅子沢さんの二人は何をしているのだろうか?よもや約束の日時を忘れた訳無いだろうな?
虎姐の事だ、ひょっとすると何処かで道草を食っている可能性だってありうる
ったく……困った物だなぁ……

「おーい、光喜ーっ!居るかー!」
「っと、考えた矢先に来たか……遅いじゃないか虎姐、今まで何やってたんだよ?」
「あっはっはっは、ワリィワリィ、ちょいと”やる事”があって遅れちまったんだよ。光喜、鍵開いてるかー?」
「鍵は開いてる所か前に何処かの誰かさんが壊したままで修理してないっての。……ま、入るなら入って良いぞ」

噂すれば曹操の影ありと故事で良く言った物で、
来るか来ないか考えた矢先に来るとは話の流れ的に都合が良い様な……まあ、それは良いとして。

「んじゃ、失礼して……おい、アキラ、お前も入れ!」

ガチャリとドアが開き、タンクトップにスパッツとややラフな出で立ちの虎姐に続いて
誰かが俺の部屋に入ってくる、俺はその誰かの姿を見て少し驚いた

その虎姐に続いて入ってきた子は地味めな格好をした一見大人しげなショートボブの栗色の髪の少女で、
体型はと言うと虎姐の出ている所は出ているグラマーな体型と違って、言えばスレンダーな体型をしており
顔もまた、強気なタイプの美人の虎姐とは違うタイプの可愛らしい感じをさせる美人であった
そしてその頭には薄茶色の毛で覆われた獣耳が小刻みに動き、
後腰からは先っぽにふさふさの毛が付いた耳と同じ薄茶色の尻尾がゆらゆらと揺れており、
一目で彼女が獣人で、獅子沢と言う名前から恐らく彼女はライオン系の獣人だろうと言う事は分かった。
だが、俺が驚いたのは、獅子沢さんも獣人だったと言う事ではなく、その身長であった。

……でかい……

獅子沢さんの身長は虎姐程ではないにせよ、それでも180p程はあり、
日本人男子の平均身長の少し下あたりの165cmの俺から見れば見上げる程はあった。
身長が高いのは虎姐だけかと思ったら、獅子沢さんも大きいんだな……
597通りすがり:2007/06/07(木) 01:54:45 ID:xoreMlsb
「んじゃあ光喜、先ず先にこいつの紹介だが、こいつは……ぐぇ!?」
「虎山先輩の後輩、獅子沢 陽(ししさわ あきら)ですっ!年齢は十六歳の女です!今、彼氏は居ませんっ!!
狭山 光喜さん、先輩から貴方の事は伺っています!本日のお料理の御教授、宜しくお願い致しますっ!!」
「…………と、言う訳だ…………」

虎姐が紹介するよりも早く、
その少女もとい獅子沢さんが虎姐をドンと押し退けて元気良く笑顔から八重歯を覗かせながら自己紹介を始める。
……あ、押し退けられた虎姐の顔が引きつってら……

「……あ、ああ、宜しく……それと、俺の事は光喜と呼んで良いから……獅子沢さん……」
「私の事は獅子沢ではなくアキラと呼んでください!あ、どうせならちゃん付けでも良いです、光喜さんっ!!」
「いや、まあ、一応初対面だしなぁ……いきなり獅子沢さんの事をアキラちゃんと呼ぶ訳には行かないんだが……?」
「む〜……分かりました!今は獅子沢さんでも良いです
けど、いずれは光喜さんからアキラちゃんと呼ばれる様に私、努力して見せます!」
「……あ、あははは……ま、まあ、努力してくれ……獅子沢さん……」
「はい!努力して見せます!!」

ず、随分と元気な子だな……いや、むしろこれは元気過ぎると言うかなんと言うか……
付き合っていると元気さに振り回されて疲れるタイプって感じだなぁ……

「ま、まあ、アキラはこんな奴だ……あんまり気にするなよ、光喜……」
「う、うん……気にしないでおく……」

獅子沢さんの先輩である虎姐もそれは良く分かっているらしく
やや引きつり気味な笑顔を見せながら俺の肩に手を置いた。

「それにしても先輩の話より光喜さんは男前じゃないですか?
あー、光喜さんのような人と付き合っている先輩が羨ましいです!」
「アキラ、お前は光喜に料理を教えてもらいに来たんだろ。目的を忘れるなって?」
「あ!そうでした!忘れてた忘れてた……」
「……ま、取り敢えず玄関での立ち話も何だし、二人とも中に入って話をしようか……」

なにやら目的がズレ始めた獅子沢さんへ虎姐がツッコミを入れた後
俺は二人をアパートの中へと案内する……まあ、案内する程、広くは無いのだが……
598通りすがり:2007/06/07(木) 01:55:59 ID:xoreMlsb
「ここが俺の住むアパートの居間兼応接間兼寝室兼の俺の部屋だ」
「……あいっ変わらず寂しい部屋だなぁ、光喜、もう少し彩りってのが無いのかぁ?」
「うわぁ……男の人の部屋って大体散らかってるって聞きましたけど、光喜さんの部屋はその逆で寂しいですね?
それに何か地震が起きたら真っ先に壊れそうですし……」
「ああ、アキラもそう思うか?……光喜、悪い事言わないからさっさと引っ越した方が良いぞ?」

所々が崩れそうなやや草臥れた壁紙に、ちゃんと閉まらないのでガムテープで隙間を塞いだ窓、やや黒味がかった柱
箪笥一つテレビ一つとちゃぶ台、そして部屋の片隅にゴミ箱があるだけの俺の部屋を見て二人はそれぞれ感想を漏らす
つか、人の部屋見て寂しいとかボロイとか言うなっ!!気にしているんだから……orz

「あれ?この写真立て、なんで倒したまんまなんですか?……光喜さんと……誰でしょうか?」
「こら、アキラ!勝手に光喜の部屋の物を見るなって、失礼だろ?」
「あ、すみません先輩、それと光喜さん、勝手に部屋の物を見てしまってごめんなさい……」
「いや、良いよ……兄貴と俺が一緒に映ったつまらない写真だし、見られて困るような物じゃないから」

俺の部屋を見回していた獅子沢さんがテレビの上に置かれた前向きに倒された写真立てに気付気、手に取る
だが、直ぐに虎姐に注意されて元の位置に戻した後、獅子沢さんは俺と虎姐に謝る。
……ったく、嫌な事を思い出しちまうな……と、そんな事はさて置いて。

「まあ、そんな事やっているより、先ずは獅子沢さんの料理の腕を見たいんだが、良いかな?」
「え?あ、はい……えーっと……料理は何処でやるんです?」
「……普通、料理は台所でやるんだけど……?」
「あ、そうでしたね!私、緊張してド忘れしてました!」
「何か、先行き不安だなぁ、あたし……」
「虎姐、先行きに不安を感じるのは俺も同じだ……」

時折ボケる獅子沢さんに虎姐と俺が突っ込みつつ台所に移動し……

「じゃあ、早速獅子沢さん、先ずは獅子沢さんのやり方でカレーを作って見せてくれ。
俺はそれを見て、如何するか判断するから」

鍋やらボウルなどの様々な調理器具が並ぶ台所を指し示し、俺は獅子沢さんに料理を始めるように言うのだが、

「うわぁ……色んな調理器具が一杯ありますねぇ!光喜さんはプロの料理人ですか?先輩」
「ああ、光喜はこう見えて料理だけは煩いからなぁ。弁当を作るにしても態々朝の四時から下拵えを……」
「……無駄話してないでさっさと始めてくれ……」
「あ、すみません、今すぐ始めます!」

何やら台所を見て虎姐と無駄話を始めた獅子沢さんに、
俺は呆れつつツッコミをいれ、やっと調理を始めさせる。さて、どれくらいの腕なのやら……?
599通りすがり:2007/06/07(木) 01:57:29 ID:xoreMlsb
「それじゃあ、最初はお野菜を切るんですね!……いきます!」

ズコン ガコッ ズドン

「……なあ、虎姐、如何見ても野菜を包丁で切ると言うより野菜を包丁で割ってるんだが……?
しかもぶつ切りの上に皮も剥いてないし、おまけにまな板も一緒くたに叩き割ってる様に見えるんだが……?」
「そ、そうだな……光喜もそう見えるか……?」

「お野菜の後はお肉も切らなきゃ……あれ?切れにくい………う〜、もう面倒臭い!これの方が早いです!!」

ザシュッ ズバッズバッ 

「遂に包丁で切るのを止めて爪で引き裂き始めたが……」
「……言うな、光喜、それはあたしも分かってるから……」

「うん、材料を切った事だし、早速鍋で煮ます!」

ごろごろごろボチャボチャボチャ 

「おいおい、炒めずにいきなり水にいれて煮るのかよ……しかもまな板の破片が入ってる!?」
「……あは、あはははは……そ、そうだなぁ………」

「カレーの味付けはカレー粉をいれれば良いと聞きました。だからカレー粉を入れます!」

カパッ ドバァー

「……一気にカレー粉の缶の中身を全部入れてる………」
「…………」

600通りすがり:2007/06/07(木) 01:58:20 ID:xoreMlsb
《一時間後》

「出来ました―!」
「……………」
「……………」

獅子沢さんの元気の良い声の出来あがりの合図を聞く頃には、
俺も虎姐も只黙ってちゃぶ台の前に座っているしか出来なかった。
この時ほど、俺は死刑を受ける寸前の死刑囚の気持ちが理解できたと言っても良いだろう、
何せ、獅子沢さんが持って来た鍋の中身は、最早カレーとは言わずカレーに似た何かの物体だったからだ。

「さぁ!先輩も光喜さんもどうぞ!」
「\( 'A` )/ 」
「\(`^o^´)/」

それぞれの絶望の表情を浮べ、黙りこくっていた俺と虎姐の様子を気にかける事なく、
獅子沢さんはカレー?をそれぞれの前に置かれた皿によそわれた御飯の上に掛ける
因みに、ご飯もまた獅子沢さんが作った物で、既にご飯とは思えない七色に光る不定形な物体に仕上がっている。

「う、刺激臭が鼻に……あたし駄目だ、これ食えない……」
「いや、俺は試食してから全てを判断する、俺は奇跡を信じる!」
「こ、光喜!?だ、駄目だ、無茶するな!」
「……南無三!(ハクリッ)」

湯気と共に鼻を突く刺激臭を放つ目の前のカレーライス?に対して、
既に逃げ腰になっている虎姐を横目に、俺は勇気を振り絞ってカレーライス?をスプーンでひと掬いし口に運ぶ。
その時の俺は奇跡を信じていた、ひょっとすれば何かの偶然で美味しくなっているのではと言う奇跡を信じた。

そして次の瞬間、俺は奇跡と言う物はそうそう起きない物だと思い知った、

「―――――――――――――――」
「………光喜さん、私の作ったカレーは如何ですか?」
「……光喜?具合が悪かったら無理せず直ぐにあたしに言え……………って気絶してる!?」

後に虎姐から聞いた話によると、
俺はカレー?をスプーンで口に運び入れた体勢のまま、気絶していたそうだ。
そう言えばカレーを食べた後、急に何処かの川岸に居て、其処で死んだ筈の祖母と出会って話した様な気がしたが……
……いや、これはただの気の所為だろう……そうだと思いたい……
601通りすがり:2007/06/07(木) 01:59:44 ID:xoreMlsb
(数十分後)

「光喜ぃ?本当に大丈夫か?本当に身体の具合は悪くないのか?」
「あぁ……俺は何とか大丈夫っぽい……食べたのがほんの少しだけだったのが良かったようだ……」
「あぅ……すみません、光喜さん。まさか私の料理がここまで破壊力があるとは思いませんでしたぁ」
「……後悔しているより、先ずはやるべき事をやるんだ……毒物を2度と作らない為にな……」

俺は何とか気絶から立ち直り、カレー?もとい毒物を厳重に処分した後、
俺と虎姐と獅子沢さんの3人は再び台所へと立っていた。
そう、これから俺による獅子沢さんの料理特訓が始まるのだ。

「さて、獅子沢さん、これから俺が美味しいカレーの作り方と同時に料理のイロハを教えてやる!覚悟しろ!」
「え、えっと……光喜さん、なんか目が恐いですけど?……なんか目が据わっていると言うか何と言うか……」
「……気絶するほどマズい料理を食ったからな……料理に煩い光喜が恐くなるのも当然だとあたしは思うぞ……」

今の俺を鏡で見れば、さぞかし負のオーラで包まれている事が分かっただろう
それぐらい俺は怒っていた、それは獅子沢さんにではなく、
獅子沢さんに毒物を作らせ、食材を無駄にしてしまった俺の不甲斐なさに怒っていたのだ。
毒物へと変えられてしまった食材達の犠牲を無駄にしない、そしてもう、2度とこの様な事はさせない、
そう心に誓った俺は心を鬼に変える、

「さあっ、包丁を手に取れ、食材を並べろ!美味しい料理作りは正確さと素早さと味覚センスが命だ!!
そして無駄口を叩くな余所見するな泣くな逃げるな投げ出すなぁっっっ!!」
「ひッ、ひぇぇぇぇぇっ………」
「光喜、おたまをつき付けても緊張感が無いような……」

手の中でおたまをくるくると廻した後、ピシィッて感じに獅子沢さんにつき付け、
何処かの鬼軍曹の如く命令をする。さり気に虎姐がツッコミを入れているようだが俺は無視する。

そして、俺による厳しい料理特訓は幕を開けた……

「まず、材料を切る際だがジャガイモやニンジンは皮をしっかり剥く事、難しいならそれ用の道具もあるからな」
「え、えっと……こうやって切るんですか?」
「身と一緒に皮を削って如何する!そんなんじゃ皮を剥き終わる頃に無くなってしまうぞ!」
「ひ、ひぇぇぇぇぇぇ………」

「こらこらこら、また力任せに材料を切ろうとしてるな!?それじゃあ叩き割っているような物だ!
切る時は包丁を引く様にして切れば、肉を切る時も野菜を切る時も力はあんまり使わなくて済むんだ!」
「わ、分かりましたぁ………」

「材料を切り終わったら、先ずは鍋に入れた玉ねぎをバターで炒める事からはじめる!
そして玉ねぎはあめ色になるまで炒めるんだぞ?」
「こ、焦げちゃいましたぁ……」
「火が強すぎるんだ!中火で炒める材料の状態を見ながら炒めるんだ!
それであめ色になったらジャガイモとニンジンと肉も入れて炒める!こら、グズグズしてるとまた焦げるぞ!!」
「は、はいぃぃぃっ!」

「調味料を入れる時は決して思い込みで入れるな!!その料理に合った適正な調味料を適正な量で使う事が大事だ!!
コラッ、調味料のラベルを見ずに入れようとするな!料理が台無しになるぞ!!」
「ふ、ふぇぇぇぇぇぇ……」

「す、スパルタ教育だ……光喜が、鬼になってる……」

そんな最中、虎姐は鬼と化した俺による特訓の様子を見て、恐れ戦くしか出来なかった……
602通りすがり:2007/06/07(木) 02:00:32 ID:xoreMlsb
《そんなこんなで一時間後》

「良し、完成だ……」
「は、はい……ようやく出来ましたね……でも、本当に美味しいかどうかは……」
「ま、まあ、取り敢えず先ずは食べて見るか、前とは違って見た目も良いし刺激臭もしないから大丈夫だって、
それに色々やってて光喜もアキラも丁度腹も減ってると思うしよ、な?」
「そ、そうですね!私もお腹も空いて来た事です、不安がる前に食べてみましょう!」
「そうだな、俺も皆と同じく腹が減ってるし、食って見るか」

俺の料理特訓によって出来あがったカレーライスを前にして、
さっきの毒物を作ってしまった事からか、獅子沢さんは未だに不安になっていた
だが、虎姐の一言により不安がる前に先ずは食って見ようと言う事になった。

「い、頂きます!(パクリ)」
「それじゃあ……頂きます(パクリ)」
「いっただきまーす(パクリ)」


食事の前の礼をした後、皆一斉に目の前のカレーライスをスプーンで掬い、口に運ぶ

「…………おいしい!これが私の作ったカレー!?信じられない!」
「そりゃあそうだろう、ちゃんとした材料でちゃんとした作り方をやれば美味しくなるのは当前だ」
「ん〜…美味しっ!やっぱ料理に煩い光喜が手伝っただけあるなぁ(バクバクモグモグ)」

カレーの味は特訓の甲斐もあって取っても美味しい物に仕上っていた
獅子沢さん自身、今まで自分の料理が不味いと思ってたのか今食っているカレーの美味しさに驚きを隠せないでいる
それは虎姐の食いっぷりから見ても美味しい事は十分に分かる事であった

「光喜っ、あたしの分のお代わり頼む!」
「おいおい、虎姐、もう自分の分を食っちまったのか?……ったく、自分でやれっての……」

そして数分も経たない内に、カレーを綺麗に平らげた虎姐からお代わりのカレーライスを要求され
まだカレーを食っている最中の俺は渋々、席を離れて虎姐の分のカレーライスをよそい始める。

「……………」
「……………(サッ)」

その際、虎姐と獅子沢さんが互いに目配せをした後で、
虎姐が隠し持っていた何かを俺の分のカレーに入れていたとは、俺は全く気付く筈も無かった……
603通りすがり:2007/06/07(木) 02:01:54 ID:xoreMlsb
以上です、エロスのある後編は明後日くらいには投下できるかと思います
因みに3Pですのでお楽しみにしていただければ幸いかと(汗
604通りすがり:2007/06/07(木) 04:57:43 ID:xoreMlsb
ID変わっているかも知れないけど気にしないで……
新スレ立てようとしたけどリファラー何とかが変だとかで立てられなかった('A`)
立てられる人はお願いします
605ポン:2007/06/07(木) 08:05:09 ID:ud7GidPs
606名無しさん@ピンキー:2007/06/07(木) 09:25:00 ID:KzGB2hXt
>>605
ちょっとURL訂正
擬人化した狂暴な♀動物が逆レイプする【六匹目】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1181170963/
607名無しさん@ピンキー:2007/06/07(木) 15:27:22 ID:pGbzSFXa
さすがに粉ジュース作ろうとして毒物作ったりはしないかw
608名無しさん@ピンキー:2007/06/07(木) 18:49:58 ID:x6NLoQGA
ここって新スレ立つの早いのな。てっきりもう950くらい埋まったんかとオモタ
609名無しさん@ピンキー:2007/06/07(木) 18:54:37 ID:cqDxO556
つヒント 容量
610名無しさん@ピンキー:2007/06/07(木) 19:03:48 ID:h8LKgIbp
>>608

おみゃー、2chは初めてけ?
迂闊な事しゃべると恥書くに。
611名無しさん@ピンキー
>>610
まあそう虐めてやるな
専ブラによっては容量表示が出なかったりもするし