【涼宮ハルヒ】谷川流 the20章【学校を出よう!】

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1名無しさん@ピンキー
谷川流スレッド設立に伴う所信表明

我がスレッドでは、谷川流作品のSSを広く募集しています。
過去にエロいSSを書いたことがある人
今現在、とても萌え萌えなSSを書いている人
遠からず、すばらしいSSを書く予定がある人
そういう人が居たら、このスレッドに書き込むと良いです。
たちどころにレスがつくでしょう。
ただし、他の作品のSSでは駄目です。
谷川流作品じゃないといけません。注意してください。

@前スレ
【涼宮ハルヒ】谷川流 the 19章【学校を出よう!】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1152106530/

@過去ログ
http://www9.atwiki.jp/eroparo/pages/210.html

@これまでに投下されたSSの保管場所
2chエロパロ板SS保管庫
http://sslibrary.gozaru.jp/

涼宮ハルヒのSS保管庫 予備
http://haluhi9000.h.fc2.com/

2名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 15:57:17 ID:Rp40nkna
Q批評とか感想とか書きたいんだけど?
A自由だが、叩きは幼馴染が照れ隠しで怒るように頼む。

Q煽られたんだけど?
Aそこは閉鎖空間です。 普通の人なら気にしません。

Q見たいキャラのSSが無いんだけど。
A無ければ自分で作ればいいのよ!

Q俺、文才無いんだけど…
A文才なんて関係ない。必要なのは妄想の力だけ… あとは思うままに書いて…

Q読んでたら苦手なジャンルだったんだけど…
Aあうう… 読み飛ばしてください。 作者さんも怪しいジャンルの場合は前もって宣言お願いしまぁす。

Q保管庫のどれがオススメ?
Aそれは自分できめるっさ! 良いも悪いも読まないと分からないにょろよ。

Q自分で作れないから手っ取り早く書いてくれ。
Aうん、それ無理。 職人さんにも色々あるのよ。

Q 投下したSSは基本的に保管庫に転載されるの?
A 拒否しない場合は基本的に収納される。 これは僕にとっても規定事項だ。


3名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 16:00:26 ID:QO3KXtt4
>>1 乙。スレタイ間違いとスレ重複コンボでもう何がなんだか………
4名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 16:01:56 ID:ZaRA6Xsn
こっちが本物だよな?
5名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 16:04:04 ID:Rp40nkna
真の19と新19ともうひとつの20全部に誘導つけたからここってことにしよう!
6名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 16:04:11 ID:QO3KXtt4
>>4 たぶん
7名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 16:05:54 ID:SLCg3o1H
ここれすか
8名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 16:08:11 ID:Rp40nkna
かづきって書いただけでこんなになるとは思わなかった
9名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 16:08:17 ID:ZaRA6Xsn
スレ一覧が谷川流だらけでスゴイことになってる………。初めて来るヤシは混乱しそーだな。
10名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 16:12:32 ID:Rp40nkna
他は放置してください。
11名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 16:22:11 ID:Jxg4lzia
もうちょっと落ち着いて立てろと
19で立ったって、次を21にすりゃいいだけの話なんだから
12名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 16:23:16 ID:aGRHzJjU
ここか

前スレ>>753-754
盛大に吹いた
GJ
13名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 16:26:00 ID:2FD/fykT
番号間違いしてるが宣言後立てたし
時間的にみても次スレ↓
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1152855286
こっちが先
上が終わったら、このスレが次々スレ
なお、このスレが終わった際に立てる番号は22章
14名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 16:27:13 ID:Rp40nkna
違いますよ、ここが本スレ
15名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 16:29:59 ID:Rp40nkna
時間的に考えるんだったら次次スレはもう一個の20になるし
リンクの集中しているここが本家
16名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 16:35:33 ID:2FD/fykT
次スレはここ↓
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1152855286
その次↓
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1152859611/
その次↓(このスレ)
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1152859770
です

なお、このスレが終わった際、立てるスレ番号は
「23章」
です
17名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 16:41:32 ID:JDLw8uM/
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1152859611/がここの前スレ
になる。テンプレで飛ぶのは真18です
18名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 16:48:50 ID:JDLw8uM/
じゃあここは22番スレッドだよ。しばし放置
19名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 16:56:12 ID:SLCg3o1H
誰か分かりやすくまとめてくらさい
20名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 16:59:08 ID:JDLw8uM/
ここは第22だからまだ書くな
21名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 16:59:14 ID:QO3KXtt4
ややこしいなぁ。ここが本スレで他は放置でいいだろ。次スレはその時になって決めよう。そのころには他のスレはdat落ちしてるかもだし。
22名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 17:02:42 ID:JDLw8uM/
俺もそう思ってたのにバカが出てきたんだよまったく
23名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 17:15:44 ID:ZSRmdeOG
職人が混乱するだろう
もうここでいいよ。他は放置
24名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 17:26:55 ID:U6g1DYJ/
ほら結局こうなったそうしよそうしよ
25名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 18:19:00 ID:TDO6aaUC
21や23や24もわかるが
やっぱり立てた順に使いたい人が多いようなので立てた順で。
以降書き込み停止。なんかむかついても我慢してください。
26名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 18:24:18 ID:QO3KXtt4
>>25 せっかく意見がまとまりかけたのにいきなり水差すな。またややこしくなる。
27名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 18:28:58 ID:ZaRA6Xsn
>>25
ハァ?よく見ろ。順番を主張してるヤシのほとんどがID一緒だろ。このスレに一本化が一番多いよ。そもそもそれが一番簡単だろ。
28名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 18:31:07 ID:STL0hd/l
37 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/14(金) 18:08:39 ID:OHaHpE23
つまんねー議論は前スレでやれ
まだ30KB残ってるんだから丁度いいだろ。
29名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 18:34:10 ID:kJmvOU39
たかがスレ番が違うだけで重複っておまいらアホすぎ
運営側が見たら失笑ものだろうな(まぁ他の板でもザラにあることだけど)
30名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 18:36:07 ID:kJmvOU39
>>27
>このスレに一本化が一番多いよ。
それだけ厨房が多いってことだよw
31名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 18:40:46 ID:TDO6aaUC
マナーにとらわれず状況に合わせて合理的に収拾つけようとする方が賢い
んじゃ・・・
32名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 18:44:04 ID:TDO6aaUC
とりあえず調停しようとして両方の荒らしになってっから
俺はもう書かないよ。
33名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 18:47:36 ID:sXuCqkcH
>>31
分かりやすいことは確かだが、住人やスレ、板や運営や鯖に迷惑をかける行為を合理的とは言わない。
むしろ歪みまくり。
34名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 18:51:39 ID:K7Ox13Ok
ID:Rp40nkna=ID:JDLw8uM/=ID:U6g1DYJ/=ID:MTAQXanP=ID:TDO6aaUC
35名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 19:00:10 ID:nJUMy1ic
>>33
迷惑で言うならこんな重複スレに書き込んでるお前も鯖の負担とかで迷惑なんだがな


俺もな
36名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 19:01:50 ID:ZSRmdeOG
もう別のスレ作れば? こことほか二つは捨てようよ
谷川流 the20(真)とかにすればわかりやすいだろ?
「ここが本家だ」って主張する奴もいるんだからそこら辺飲みこんでくれよ
37名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 19:12:31 ID:RJbEGedh
このスレにこだわる理由がわからん
埋蔵金でも埋まってるのか?

いずれにしろ、そんなにこのスレがいいなら、一緒に心中すれば?
38名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 19:27:23 ID:aGRHzJjU
>>36
これ以上重複スレ立てるとか言うなよ乱立荒らし


と釣られてみる
39名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 19:28:33 ID:DbPJBpFL
さすがに>>36は釣りだろw
40名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 21:11:16 ID:utRLgor3
てすと
41名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 21:29:39 ID:FulgNzEg
こんなんじゃ誰も投下しないだろ。
ハルヒスレ終わったな…
42名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 21:46:14 ID:7euCsjcN
43名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 21:49:55 ID:7euCsjcN
説明不足か、涼宮ハルヒのSMってスレ↑
SM色ゆるめだからよろしく
44名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 22:07:14 ID:DHmO/QxX
いいものでもほぼ叩かれる。それがハルヒスレ。
監督の注射を必要とする人が多い。それがハルヒスレ。
SM平和でええな
45名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 22:22:57 ID:hc13XNGP
SM板は過疎っててゆっくり進行だからね
46名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 22:26:17 ID:RJbEGedh
おまいら、そろそろ移動したら?
47名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 23:15:16 ID:YX179jlu
キョンはチャリ通学ハルヒはバス通学で憂鬱後って設定でコネタ

まったく何なのよ昨日の夢は・・・キョンが私とキスなんて百年早いっつうの
なんか授業ずっと集中できなかったし・・
私は朝からヘビーローテーションしてるあのシーンをまた回想しながらバスを待った。
あれ、やばい、定期ないじゃん。チっ。ぼんやりしてて落としちゃったのかな
もう交番まで歩いてかなきゃなんないじゃない!注意力が落ちてるわ。キョンのせいだまったく
私は坂道をとぼとぼと歩いた。チャリンチャリンとベル音が鳴る振り返るとアイツだった。
「ハルヒ、お前バスじゃなかったか?」
「いいでしょ、たまには歩き・・(もしかしてこれってキョンの家行けるチャンス?)
 っていうか私今夜家に帰れないなあ」
「どうした?サイフでも落としたのか?」
鈍いんだか鋭いんだかまったくバカキョン。でもいいわ。別に家行って何?って感じだもの
なんであんなこと思ったのかしら。自分で笑っちゃうわ。
「自転車乗ってくか?」
「えっ・・仕方ないな乗ってあげる。」
なんか夢ではキスまでしたのにおかしいな。なに私照れてんだろ。
あたしを乗せてもスイスイ進んでく。やっぱキョンも男なんだな。
自転車ってこんなに乗り心地いいもんだったかしら?暮れかけた空を見ながら思った。
48名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 23:35:19 ID:YX179jlu
消失中の長門さんでコネタ

あたしは白紙の入部届けを彼に突き出してみた。
ちょっとつっけんどんだったかもしれないけれど。
彼はちょっと驚いたようだった。無理もない。文芸部なんて・・・興味ないだろう
「あのこれって・・・」
「良かったら・・」あたしは頬を赤らめているのを悟られぬよううつむいて、声を搾り出した。
「考えておいて・・」
「ああ。てゆうか活動内容とかって?」
「えっ・・」考えてなかった。あたしずっと一人だったし。
「もしかして未定?」
「ええ」あたしは軽くうなづいた。
「じゃあ二人でゆっくり決めてきゃいいのかな?」
彼はあたしから視線をそらしたずねた。これって・・あたしの解釈正当だよね
「ええ」せいいいっぱいの笑みであたしは答えた。本当はずっと孤独だった。
放課後遠くから聞こえる級友の笑い声が忌々しかった。
意地になって毎日足を運んでたけど、本当は・・・この部屋にはつらい思いしかなかった。
それが二人だけの世界になった。二人だけの・・・もうあたしは一人じゃない。
この人といっしょに明日から、楽しくすごしていけるんだ。ちょっと涙ぐんでしまった目を
指摘されたので日差しの強さのせいとうそぶく
49名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 23:44:16 ID:c46yF0dw
>>47-48
GJだがとりあえず>>16に誘導
50名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 23:59:06 ID:YX179jlu
せっかく書いてやったのになんだよ。こっちに合わせろよもう、
あがってるほうだとフツウ思うだろうが。
51名無しさん@ピンキー:2006/07/15(土) 00:34:56 ID:iLsuUgJj
どこなんだかわかりゃしないね。
52名無しさん@ピンキー:2006/07/15(土) 02:54:54 ID:ubkcOsMf
53名無しさん@ピンキー:2006/07/15(土) 02:55:54 ID:Ff43g7RG
仕事終わって帰ってきたらなんですかこれは。
ごめん、なんか投下する気失せた。しばらく保管しとく。

>>47
コネタ乙。和んだよ。
54名無しさん@ピンキー:2006/07/15(土) 04:26:11 ID:SM6cZArd
>>47
小ネタってかB型H系ネタじゃねーか。
パクリネタならパクリネタって書けや。
55名無しさん@ピンキー:2006/07/15(土) 10:35:04 ID:lEf7jqRI
もうひとつのほうはあらしにあってるねw
56名無しさん@ピンキー:2006/07/21(金) 22:05:48 ID:HYWCSvYj
質問。
名前欄の〇〇-〇〇〇って何にょろ?
57名無しさん@ピンキー:2006/07/21(金) 22:21:13 ID:OJGsFM/n
○○スレの○○レス目ってことじゃまいか?
58名無しさん@ピンキー:2006/07/22(土) 19:07:42 ID:VTUqkCzx
>>56
精一杯の自己顕示だから生暖かくスルーしてあげるのさ。
「○○○○を書いた者ですが〜」と誰も聞いてないのに名乗ってからSS投下する人も同じだ。スルーだ。
正直たまりません。
59名無しさん@ピンキー:2006/07/22(土) 19:25:49 ID:YbGPW/IS
結構助かるよ、つまんない人飛ばしやすい
60名無しさん@ピンキー:2006/07/22(土) 19:29:19 ID:HhjGbTyi
あれは保管庫で同じ人の作品を一まとめに保存する為みたいだが。
61名無しさん@ピンキー:2006/07/22(土) 21:07:42 ID:VTUqkCzx
保管庫、そうやって作者別で並べられても逆に困るんだよな
ごっちゃごっちゃして見辛い真ん中くらいに唐突にリンクが追加されてたりするから見逃しまくり
62名無しさん@ピンキー:2006/07/22(土) 22:28:34 ID:ItbiGnKl
>>61
…っ、つべこべ言うんじゃないわよっ!
あ、あんたのために頑張っているわけじゃないんだからっ!!
63名無しさん@ピンキー:2006/07/23(日) 20:41:14 ID:Y5ONbtWL
>>61
幼なじm(ry
64名無しさん@ピンキー:2006/07/23(日) 23:59:37 ID:QY6iTbD0
一応もうひとつの谷川スレ20章に投下した>786は格納しない方向でお願いします。
設定とか間違っている部分はすまん。
65名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 00:00:10 ID:QY6iTbD0
ミスであげちまった
66名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 00:02:00 ID:kiMSv1pf
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1152859611/の最後の人です
SS投下してたら500KB行ってしまい次スレ(=ここ)あるの知らずに別に次スレ立ててしまいました
m(_ _)m
67名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 00:05:53 ID:kiMSv1pf
一応書いてしまってるので最後投下

━━━━━━

ちなみにその後ハルヒが「ウナギは塩をふったら掴み易くなる」というのを思い出し、試したらあっさり成功。
ハルヒの奴は鼻歌まで歌いだしすっかり料理を楽しんでいるご様子。

そしてハルヒ特製うな重の完成。流石は万能人間、鰻屋にも負けない出来栄えだ。

 「どうキョン、食べてみて」
 「んむんむ・・・ ・・・・・・美味い!! とてもイケるぞこれ!」
 「そう!良かったわ、これでこそ作り甲斐があるってものね」

そりゃあ捌かれるその時まで生きていた新鮮な国内産の鰻を使い、そして何よりもハルヒの腕前があってこそだ。
こんな美味いものが食えるなんて何て俺は幸せ者だ。涙がちょちょ切れる。

 「ごちそうさま」
 「ごちそうさま、それにしてもなんかのぼせて来たな」

 「そう? まあそりゃそうよね

  ・・・・・・媚薬入れたから、さっきのお返しよ」

その後俺がどうなったかは想像に難くないだろう。 ああやっぱハルヒ恐るべし。 ■

68名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 00:07:42 ID:DcE6azPa
69名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 00:24:25 ID:wiyw25PO
>>47 あらためてGJ!!
70名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 00:31:28 ID:E9LuVsCE
>67
これは良いバカプーですね。鰻playの属性を獲得したキョンに自立進化の可能性を見た。キワモノ
71名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 00:56:13 ID:E9LuVsCE
>47-48
小ネタの投下感謝。
72名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 01:21:38 ID:bz7iSiDa
次スレはこちらになります
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1153666362/
このスレが終わりそうなときは気付いた人が誘導を貼ってあげてください
73名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 02:25:31 ID:RQ3oKbHV
なんか止まってるので貼っとく。職人さんこれでも見て頑張ってくれ!!
http://www.youtube.com/watch?v=6LV1SdOyx9U&mode=related&search=
74名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 02:44:49 ID:/WgxPfr7
>>73
ちょっとカコイイ、かも。
75名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 03:37:00 ID:Nsu50pkF
前スレ>>805
面白かったよ。

展開が急ぎすぎ&構成にチョト無理ありとは思ったが、

>「あっちのあんたは死んじゃったもの…。そんなとこに居たくないわ。ここなら、あんたに会える。

この辺のセリフはよかった。


前スレ>>809
バカすぎてワロタ。
76名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 04:32:43 ID:hr7+QvEp
「長門有希の喪失」から始まる三部作を書いたのはFrom dusk till dawnの中の人だったのか
道理で
77名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 05:51:06 ID:jXV2zm/V
blog発見。これって吸血大殲の人だっけ?
78名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 05:57:05 ID:g5pECzqr
あやかしびとのがわかりやすい
79名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 06:42:31 ID:IRdcmytj
自分はROM厨っすけど
ここの職人様方の作品はどれも本当に楽しいっす。
シリアス、小ネタ、濡れ場、どれもまとめサイトなんかでも楽しいっす。
自分にも技巧があればいいんすけど…いつか精進して頑張ってみるっす。
職人様方!頑張って下さいっす!!
80名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 09:37:49 ID:E9LuVsCE
前スレ>805
構成が見事。複雑なのにストレス無く読めた。
伏線の繋げ方も巧い。
面白かった!
81名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 11:49:14 ID:rrsfhCX+
非エロを投下します
82涼宮ハルヒの切望:2006/07/24(月) 11:50:32 ID:rrsfhCX+
ちょうど今日でSOS団を結成して丸一年がたつ。
当然この後は有希の部屋でパーティーをする予定になってるんだけど、恒例のパトロールは欠かせない。
今日はなんか起きそうな予感がするのよ。あたしの勘は結構当たるんだから!


あーもうっ! どうしていつもこうなのかしら、何であんたはそんなにくじ運が悪いのよ。
せっかく桜が満開だっていうのにっ! あんたはあたしと一緒に居たくないのっ?
いっそのことそう言ってやろうかしら。どれだけ気が楽になるかわかったもんじゃないわ。
でもだめね、みんなの前だし。いつもそう、あと一歩が踏み出せないのよ。
もうムカつくったらありゃしないわ。


いつものファミレスで昼食をとってから午後の組み分け。
あたしとキョンがペアになったのは去年のあの一回だけだったっけ?

………はぁ、くじ運が悪いのはあたしも一緒よね。爪楊枝がやけに重く感じるのは気のせいかしら。
まったく、気の利かない爪楊枝ね。

「どうした、ハルヒ。ずっとここにいるつもりなら長門の部屋に行かないか?」

今の聞かれたっ!? 
……あっ、また睨んじゃった。ちょっと、そんな顔するんじゃないわよ。

「……うっさいわね、行くわ、行くわよ。あんたがおごりだかんね!」
はぁ、自己嫌悪。もう少し言い方ってもんがあるでしょ、ハルヒ。けどなんて言えばいいのかな。
この間、みくるちゃんっぽく言ってみたら、あいつの顔引きつってたし。
結局、あたしはこういう言い方しかできないのかな……。


たった1,2分だけど、その何倍も長く感じる。支払いをしてるときのあんたはいつも苦虫を噛んだ顔してる。
それもあたしのせいか……。本当は割り勘にしてあげたいけど、いまさらって気もするし、他のみんなになんて言えばいいのよ。
大体一人だけ特別扱いなんてできないじゃない。だってあたしはSOS団の団長なんだから。


ごちそうさま、ありがとう、ごめんという気持ちをこめて、
「じゃ、
腹ごしらえも済んだし、さっそく不思議探し午後の部を始めるわよーっ!!」
どう? この笑顔。
あたしの笑顔があんたにとってどれだけの価値があるかは分かんないけど、これが今のあたしに出来る精一杯。
おごってもらっといて暗い顔してんのも悪いしね。
83涼宮ハルヒの切望:2006/07/24(月) 11:51:32 ID:rrsfhCX+
「あたしたち今度はこっちに行くから、キョンたちはあっちね。4時になったらここに集合よ!」
それだけ言うとくるっと背を向け、さっさと歩き出す。早くこの場を離れたい。
あたし以外の誰かとキョンが楽しそうにしてる姿を想像する、たったそれだけであたしの胸は苦しくなる。
あたしのこんな姿をキョンだけには見られたくない。
手近な曲がり角に身を隠し、そっと後ろを伺うともうキョンはいなかった。どうやら気付かれなかったみたい。

「……有希、張り切っていきましょう!」

なんとなく大きな声が出したくなっただけ。それだけなんだから……。




キョンと歩きたかった道。キョンと見たかった桜。キョンと話したかった事。
そんなことを考えていた自分が虚しい。今私の目に映るすべてのものが色褪せて見える。
周りに目をやると、カップルや親子連れをところどころに見かける。そのどれもが今のあたしにとっては苦痛でしかない。
……なんで私はこんなとこに来ちゃったんだろ。そう呟いてみると無性に腹が立ってきた。

「この馬鹿キョン!!」

しまった! 
声と一緒に動いた足が、手近にあった桜の幹を蹴っていた。
場の空気を壊された怪訝そうな視線が、あたしに向かって邪魔だと言ってる。
これ以上ここにいることもできず、あたしは逃げ出した。


情けない。悔しい。寂しい。羨ましい。いろんな感情が溢れてきて、私はおもわず一本の桜の根元にしゃがみこんだ。

逢いたい! 逢いたい! 逢いたい! 
携帯を取り出しリダイヤルボタンに手をかける。……だめ、私はSOS団の団長なんだからこんな事でめげちゃだめ。          
でもっ…でも、せめて声を聞くだけなら……。
リダイヤルを押し、彼の声を聞き漏らすまいと、耳に携帯電話を押し当てる。

……ねぇキョン?…
…今何してるの?…
…どこに居るの?…
…私、寂しいんだよ?…


呼び出し音がもどかしい。早く出なさいよ。この馬鹿っ!
84涼宮ハルヒの切望:2006/07/24(月) 11:52:35 ID:rrsfhCX+
『どうした、ハルヒ。なんか見つかったのか?』
「キョン?」
『なんだよ?』         
「……っ、ばかキョン!!
まさかサボってんじゃないでしょうね! ちゃんと探してんの?」
(違う、あたしはこんなことを言いたいんじゃない)
『探してるって、そっちこそ収穫はあったのか?』
「あたしはあんたに聞いてんのよ! いい、ちゃんと探すのよ!」
(どうしてあたしはこんな事しか言えないの?)
『そんな怒鳴るな、十分聞こえてる。用件はそれだけか、じゃあ後でなっ』
(待って、ねぇ待って、切らないで)
『…………』
「……逢いたいよ、キョン」

もうだめだ、動けない。立つことすらできない。
桜が綺麗よ、……キョン。私は仰向けに寝転びそう呟いた。


……ヒ、おき…よ、ハル…。


あたしを呼ぶこの声は、
「キョン!!」
飛び起きて周りを見ても、キョンは居ない。変だわ、ねぇ有希? 今キョンの声しなかった?
黒曜石の瞳が、読んでいた本から私に視線が移る
「…………?」
もういいわ、聞こえなかったんでしょ。まあどうせ夢よ。それよりもいつの間に寝ちゃったのかしら。でもなんとなく気分が落ち着いたわ。
約束の時間にはまだ一時間以上はあるわね。有希、それまでここでのんびりしてましょ。
「わかった」
それだけいうと有希はまた本に目を落とし、つづいて私も腕を枕に寝転んだ。


有希の目はキョンを見ているときだけ三割ほど輝きが増すのよね。
一年以上も一緒にいればそれ位のことはお見通しよ。

有希はおそらくあたしの一番のライバルだわ。

みくるちゃんとキョンはなんてゆうか、親子みたいな感じがするのよ。
何よりキョンからはみくるちゃんをどうにかしようって気が感じられないのわ。
だからってイチャついてんのを見るのはやっぱり嫌ね。

でも有希とキョンは違う。二人でいるときの雰囲気はそう簡単に割って入れるようなもんじゃないもの。
お互い信頼しきってるって感じがする。
キョンはあたしのことをどれ位、信頼してくれてるのかな?

85涼宮ハルヒの切望:2006/07/24(月) 11:53:33 ID:rrsfhCX+
そんなことをぼんやり考えていると、桜並木を横切る見慣れた人影が目に入った。
あれは……キョンだわ。みくるちゃんや古泉くんはどうしたのかしら? 一人で向こうに歩いていく。

「キョン! ねぇ、キョンってば! こら! ばかキョン! こっち向け!」
変だわ、聞こえないはずは無いんだけど? キョンは今まで一度だってあたしを無視したことなんか無いんだから! 
そうよ、聞こえないだけだわ、きっと。
「有希、ちょっと行ってとっ捕まえてくるからここで待ってて」
そういうとあたしは小さくなってゆくキョンの背中を追いかけた。


待ちなさいよ、キョン。どこいくのよ? 

いくら走っても追いつけない。あたしを置いてどこ行くのよ!
んっ? あれは図書館だったかしら? 入っていくわ、これでやっと追いつける。
このあたしを無視した罰は重いんだからね、覚悟しときなさいキョン!
 
って、あれ!? あたしは図書館に入ったはずなんだけど……。ここは、どう見ても教室よね。あたしったらいつの間にか制服まで着てるし。
誰もいない教室、あそこにあるのはあたしとキョンの机。後ろを振り返っても廊下しかない。
……キョンはどこ。そうよ、キョンもここに入ったんだから、どこかにいるはずだわ。
とりあえず、キョンの行きそうな場所はあそこしかないわね。
部室へ行けばキョンがいる。いるわよね? 少し不安だわ……。


部室に行けばキョンがいる、そのことばかり考えていたから……、まさかこんなことになるとは、思いもしなかったわ。


ドアが開かない、というか開けてもらえない。
「ちょっと、古泉くん! どういう冗談なの。さっさと開けなさい」
「ですから、この部屋には今のあなたではお通しすることはできない、と申しているんです」
「キョン! みくるちゃん! 有希! いないの? ちょっと、聞いてる?」
もうっ、なんなのよ。「今のあなたでは」ってどういうこと? いつのあたしならいいのよ。
「それはあなたが一番ご存知のことかと思いますが?」
いいわよ、鍵はこっちにあるんだから。でもポケットをまさぐっても鍵は無かった。その代わりそこには一枚の布が収まっていた。

そういうことね……。
「これでどう! 正解ならさっさと開けなさい!」
 
86涼宮ハルヒの切望:2006/07/24(月) 11:54:28 ID:rrsfhCX+
ドアが開いた。
「おい、古泉! どういうつもりか、あたしに納得の行く説明をしなさい。場合によっては容赦しないわ」
「ふふっ、涼宮さん、あなたが言ったとおりです。冗談ですよ、冗談」

あたしは本気で怒ってんだけど、何で笑ってんのよ! それよりあんたも制服着てんのね。まあいいわ、キョンはどこよ?
このいたずらはどうせキョンの仕業でしょ。ロッカー? 机の下? もしかして窓の外にでもへばりついてんのかしら? 
いないわ、この部屋で隠れられる場所なんかそんなに無いはず……。ここには来てないのかしら? 

「ねぇ、古泉くん? キョン知らない? 教えてくれたら、いたずらの件は無かったことにしてあげるわ」
「さあ、どうでしょう? 知らないことも無いんですが……」
じゃ、さっさと言いなさい! 古泉くんに詰め寄ろうとした時、ふと後ろに人の気配がしたから、まさかキョン? と思って振り返ったけど、
「とりあえず、お茶でも飲みませんかぁ?」
「みくるちゃん!? どうしてここに?」

――!! 分かったわ、これってドッキリね? あんたたちがいるってことは、有希もキョンもやっぱりここにいるんでしょ。カメラはどこよ? あのお面があやしいわね。
……ふん、まあいいわ。このドッキリ、最後まで付き合ってあげる。お手並み拝見よ、キョン!
とりあえず気付いてない振りをしなくちゃいけないわ。
「それもそうね。いいわ、お茶を飲みましょう」

差し出された湯飲みには一見何の変哲も無い。おずおずと口に運んでみてもタバスコは入ってなかったし、爆発もしなかった。
いくら飲んでも、ただのお茶。なんなのよ、お茶はドッキリじゃないの?

「で? 有希とキョンはどこで何やってんのよ?」
どうせいるんでしょ? さっさと出て来なさい。
「どうして涼宮さんはキョン君ばかり気にするんですか」
「!?」

ちょっと、お茶を吹いちゃったじゃないのよ! この子は突然何言い出すんだか。そりゃ、気にするわよ。悪い? 仕方ないでしょ!

「ななっ、何言ってんのよ! そんなことないわよ、みくるちゃん」
「本当ですかぁ? みんな気付いてますよ、ねえ?」
「ええ、その通りです。涼宮さんが彼に抱く感情は皆が承知ですよ。彼だって気付いているかもしれません」

本当なの、古泉くん? あいつは全然そんな風には見えなかったけど……。

「だから、気になんかしてないって言ってるでしょ! あんたたちの目が節穴なのよ! あたしはSOS団の団長としてみんなに気を配っているわ! だから気にしてるのはキョンだけじゃないのよ!」
87涼宮ハルヒの切望:2006/07/24(月) 11:55:20 ID:rrsfhCX+
あーもうっ、ムカつくったらありゃしない! なんなのよ、二人してにやけ顔でこっち見るんじゃないわよ!
「ふふっ、そうですか。まあ、そういうことにしておきましょう。ですが……」
次は何を言う気よ。

「僕は彼のことが好きです」
「私もキョン君のことが好きです」

ちょ、ちょっと二人して何言ってんのよ!? 古泉くんあんたそっち系なの? みくるちゃんあんたも……って、あんたは女の子だからいいのか、……っていいわけないでしょ! 何? 何言ってんのよ! 困るわ、困るわよ! だって……、だってキョンは……。

「二人とも! よぉく聞きなさい! いい、SOS団では団内恋愛は禁止なのよ! そんなに恋愛がしたかったら他を探しなさい! で、見つかったらあたしん所に連れてきなさい、面接してあげるわ!」
 顔が熱い、ちょっとこれ以上はキツイわ。早くここから出ないと。
「「涼宮さん」」
何よ、二人して。あたしはもう行くんだから邪魔すんな!
「「あなたのときは誰が面接をするんですか?」」
 知らないわよ、馬鹿っ!




焦った、マジで焦ったわ。……よく考えてみればあれもドッキリね。みくるちゃんはまだしも、古泉くんがあんなこと言うはずないわ。
よくやるわね、キョン。あたしをここまで焦らせるとは。それよりもどういうつも・・・・・・りっ!?

「やっ、ハルにゃん」
びっくりしたわ、だっていきなり後ろから肩を叩かれたんだもん。足音もしなかったし。
「つ、鶴屋さん!?」

キョンは鶴屋さんまで巻き込んだのね。今度は何を仕掛けてくるのかしら?
「キョン君をお探しなのかなっ! こんなとこにはいないにょろ!」

部室を出た後、いろいろ回った。教室にだって戻ったし、職員室や食堂、トイレだって探したわ。
古泉くんが知ってそうだったけどまた部室に戻るのはなんか嫌、で、今鶴屋さんといるのは屋上。
普段は鍵がかかってるんだけど今日は何故か開いてたから、ここしかないって思ったんだけど……。

「知ってるのね! どこ? 教えて!」
「あははっ! ハルにゃんてばかわいいよっ! キョンはどこーってね!」
今あたしの顔は真っ赤ね。もうっ、なんなのよ、馬鹿キョン! これがあんたのドッキリなの? 
あんたは私に何がさせたいのよ? あたしの気持ちを知らずにやってるんならまだいい、けど知っててやってるなら少し凹む……。
あたしに恥かかせて楽しいの? 
88涼宮ハルヒの切望:2006/07/24(月) 11:56:26 ID:rrsfhCX+
「泣きそうなハルにゃんもいいねっ! おねぇさんてば悪人みたいにょろっ!」
泣きそうな顔になってたことを指摘され、慌てて顔を拭う。ねえ、鶴屋さん。知ってるんでしょ? お願い、教えて……。
「んーっ、どうしよっかなぁ? どうしよっ? ほんっとうに教えて欲しいのっ?」
教えて! あたしはキョンを探さなきゃ!

「そんなに逢いたいの?」

そう言った鶴屋さんは今まで見た事の無い表情をしていた。一瞬有希をフラッシュバックさせるほどの無表情。いや、違う。あの瞳だけには感情がある。あれは……。

「どうしてそんなに逢いたいの?」

「!?」
無表情の鶴屋さんは、ゆっくりとした足取りであたしに近づいてきた。
「どうしてって、……だって、それは……キョンが、……そうよ、キョンをとっ捕まえて何でこんなドッキリを仕掛けたのか問い詰めなくちゃいけないからよ!」

「それだけ?」

「そうよ……。それだけよっ!」
鶴屋さんはあたしの目を見つめて近寄ってくる。今二人の距離はお互いの吐息がかかる程近い。鶴屋さんの瞳に映る私が見える。

「本当に?」

「……本当よ」
あたしを見つめるこの瞳は全てを知っている。なんだかそんな気がする、だからどんなに嘘を言ってもきっと無駄だ。
でもそれを人に言ってしまう訳にはいかない。

「……いいわ、教えてあげる」
「……本当!? どこ? どこにいるの?」
「それはね…………」

告げられた場所は、近くて遠い、遠すぎる場所。




この部屋であたしたちは楽しい思い出を幾つも作った。クリスマスの時だってバレンタインの時だって……。女の子だけでパジャマパーティーだってした。
この後もここで一周年記念パーティーをするはずだった。
89涼宮ハルヒの切望:2006/07/24(月) 11:57:14 ID:rrsfhCX+
「キョン! いるのは分かってんのよ! さっさと出てきなさい! ちょっと、有希もいるんでしょ。開けなさいよ!」
チャイムもノックもしないでドアノブを回してるあたしは、まるで昼ドラに出てくるみじめな女みたいだ……。

ねぇ、キョン? もし有希の方がいいならそう言って? キョンが有希を選ぶならあたしは頑張って諦めるから……。けど何も言ってくれないなんて嫌! だから、お願い……。一言だけでいいからあなたの声を聞かせて……。

ドアにすがりつくようにしていたあたしを、押しのけるように開かれたドア。その向こうには冷ややかな目であたしを見下ろす有希がいた。

こんな目は今まで一度も見たことが無い。哀れみ、侮蔑、蔑むような目。やめてっ、やめてよ。そんな目であたしを見ないでっ!

「彼はあなたの所有物ではない。あなたもまた彼の所有物ではない」
冷淡な声があたしの胸に突き刺さる。
「何言ってんのよっ、キョンはあたしのものよ!」
「そう、彼はSOS団という組織に帰属する。そしてあなたの存在はSOS団の存在と同意義。つまりあなたと彼はSOS団の構成員としての関係にすぎない」
「違う! そんなこと無い! あたしとキョンはそんなんじゃないっ!」
「違わない。あなたと彼の関係はSOS団が存在していたからこそ生じたもの」
「……じゃ、あんたはどうだってのよ。あんただって、SOS団があったからキョンといられたんじゃないの?」
「…………」
「そうでしょ、あんたの方こそSOS団の仲間程度の関係なのよ!」

「そんなことないっ」

 思わず背筋が凍りついた。何があっても崩れなかった無表情が、今では怒りを露わにして、あたしを睨みつけていた。
「そんなことないっ! 確かに私と彼はSOS団という組織を起点とした関係を築いた。しかしそれは起点に過ぎない。現時点でのあたしは彼に帰属している。だからSOS団がなくなっても私はキョンと一緒にいることができる。
…………あたしはキョンが好き」

愕然とした。顔を上げてられない。がくりとうなだれた。それほどまでにあんたはキョンが好きなのね? 
あなたは変わった、それはキョンと一緒に居たから。キョンがあなたを変えてくれたんだわ。

でも、私は……。好きな人のために自分は変わっただろうか? その人に愛されるようにあたしは変われるだろうか……。

涙が溢れて、目の前がぼやける。この子には勝てないかもしれない。そう思って目の前の少女を見上げると、そこに立っていたのは長門有希ではなかった。


見間違いじゃない。確かにあれは……。あたしは制服を着て腕章をつけてるが、彼女は私服だ。真っ白なワンピースに丁寧にポニーテールなんかしてる。
90涼宮ハルヒの切望:2006/07/24(月) 11:58:13 ID:rrsfhCX+
呆然とするあたしを無視して、目の前のあたしは、
「で、あなたはどうなの? どうしたいの?」
「あたしも……、あたしだってキョンが好き」
あなたが変わったように、あたしも変わってみせる。

だって、あたしも涼宮ハルヒなんだから。
腕章をはずし、そっとポケットにしまう。これが無くたって私はだいじょうぶ。

そう決意したとき、辺りが眩しくなってきた。あまりに眩しくて目が開けられない。




次に目を開けたとき、あたしは宙に浮いていた。ゆったりゆったりと桜並木を進んでいる。
あれっ? あたしどうしちゃったんだろ? えっ、今の夢? それよりあたしはおんぶされてるのかな? この背中は……。
あたしにはすぐ分かった。毎日見てきた背中。間近で感じてきた匂い。それをあたしが間違うなんてありえないもん!
あたしはその背中に顔を押し付けた。ごめんね、キョン。涙と鼻水で服、汚しちゃうね。
胸がドキドキしてる。キョンに起きてるって事がばれちゃう。でも、ばれてもいいかもしれない……。

あたしは変わるって決めたんだ。
今なら少しだけ前に進める気がする。


ねぇ、キョン? 今から言うことは寝言だからね?
あたしはキョンにだけ聞こえるように呟いた。そしたらキョンもあたしにだけ聞こえるように、「寝言だな」って言ってくれた。
ありがと、キョン。じゃ、言うわ。今はまだちゃんと言えないけど、いつかきっと言うから……。

それまで待ってるのよ、ね? 約束よ! 破ったら死刑なんだから。


「キョン、大好き……」





「……やれやれ」

後日談になるが、あの日ハルヒは閉鎖空間に閉じこもっていたらしい。何で『らしい』なのか? 
それは俺が見た限りではハルヒは桜の下で寝てたようにしか見えなかったからだ。
91涼宮ハルヒの切望:2006/07/24(月) 11:59:00 ID:rrsfhCX+

市内を散策していると、突然長門から電話が来た。
長門に電話をすることはあっても、長門から電話が来るなんてただ事じゃない。その長門が電話をしてまで俺に伝えたかったこと。
それは「涼宮ハルヒが消えた」ことだった。
隣りで薄ら笑いを浮かべてたこいつまで、急にまじめな顔で「閉鎖空間が発生しました」とか言い出しやがった。
古泉はともかく長門がそんな冗談を言うとは微塵にも思わない俺は、これはやばいと思ってすぐさま駆けつけた。


が、そこに着いた時、俺は長門もついに冗談を言うようになったのかと、どこぞの親目線でしんみりしたもんだ。
そりゃ、目の前で寝てるハルヒを前にして「消えた」って言われたって冗談にしか聞こえないさ。

けど、朝比奈さんがかなり深刻そうにオロオロしてるのを見れば、だれだってこれは冗談じゃないと思うだろ、ふつう。
長門は「あなたが涼宮ハルヒを桜の下から連れ出せばいい」としか言わないから、とりあえず寝てるハルヒを背負って桜の下から連れ出した。
それで一応の問題は解決したらしいが、いくら声をかけてもハルヒはぜんぜん起きる気配がなかったもんで、
俺はとりあえずハルヒを背負ったまま長門の部屋へ向かうことにしたわけだ。

ハルヒはよほど嫌な夢を見てたらしく、ぽろぽろ涙を流してた。で、起きたかと思うと、いきなりあんな告白してきたもんだから、かなりまいった。

その後のパーティーは、さんざんだ。あんなドッキリを仕掛けられて手放しで楽しめるほど俺は大人じゃないし、かといって浮かれるほどガキでもない。
つまり、俺のテンションはハイにもダウナーにもならなかったわけだ。
当のハルヒはそんなことお構いなしでパーティーの盛り上げ役をやってたけどな。

まったく、なんなんだよ。


それだけならまだしも、それからのハルヒはやたら俺にまとわりついてくるようになった。そんなの前からだろ、なんて言うのは野暮ってもんだ。
ハルヒにどういうつもりだと聞くと、「あたしはSOS団の団長である前に、一人の女の子なのよ」だってさ。訳分からん。
で、今ハルヒはというと俺にむかって「はい、あーん」だってよ。谷口の視線が痛いぜ。
なあ、ハルヒ? さすがに人目が気になる。いやいや、人目の問題じゃない。
やめてくれとも言い出せず、俺は今葛藤に苛まれている。


なあハルヒ、俺はいつまで待てばいいんだ?
俺は、自分の視界の隅にひとつの選択肢が加わってるのを発見した。
控えめに点滅する『死刑』の二文字がやたらと目に悪い。




糸冬
92名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 12:00:18 ID:rrsfhCX+
アドバイスがあればお願いします。
93名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 12:08:23 ID:fO0sObmF
いいとは思うんだが
>>82-83ぐらいが少し分かりにくかった
どういう状態なのかがよく分からんかった
94名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 12:20:47 ID:UqaJgujl
>>92
状況説明口調がウザったくてリズムが悪い。
一人称で通す場合、どうしても説明口調になりやすいのだが
なるべく迂遠で間接的かつ多少的外れに説明するのが良いと思う。
95名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 13:37:38 ID:saLFnU/f
ここらで一つ長門モノを希望してみる。
96名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 14:03:10 ID:mg4fzeAb
>>92
なかなか良い作品と思いました。
ハルヒ視点で始まるのも、良い切り口。ただ、話しの流れのためとはいえ
やや、ハルヒのデレ具合がキツすぎた気もします。そのままエロ方向へ行く気かとw

>>85後半の、部室のドアを古泉が閉めてた理由が、いまいち理解できなかった。
泣き顔では部室に入るに値しない。ポケットの布で涙を拭いていつもの顔で入室しろ。
という事だったのか?(いや、別にハルヒは泣いてはいないな
いずれにしても、古泉が冗談の一言で片付けたのは惜しい気がする。

>86後半から、部室内での流れも、異様な雰囲気での表現が良かったです。
ただ、お茶を吹くのは、古泉&みくるが「キョンを好き」と、言った後の方が
動揺具合が面白いかと

>88の無表情の鶴屋さんは、雰囲気作りには良かったのですが
やばい、又は怖い雰囲気よりも、鶴屋さんのキャラから考えて違和感の方が強く、
できれば、別の人物を当てた方が良い気がしました。
長門のような無表情、という表現でなくて、真剣な表情になった事を別の表現で書ければ
違和感無く読めたかも

>89の長門のキレ具合は、会話の前に長門の目の(哀れみ、侮蔑〜)
前振りがあるのに、途中から表情まで変えたのは、もったいなかった。
できれば、目と雰囲気だけで表現に徹して欲しい。

ラストの終わり方は、なかなかニヤリとさせられました。
他の作品でも見たようなベタですが、ど真ん中ストライクです。

エピローグにあたる、キョン視点での回想も、まぁまぁ良い感じで読めました。
最後の2段落は、ハルヒのデレ要素を一切隠し、キョンがあの告白はマジで寝言?
と、首を捻る。何時もと変わらぬハルヒの笑顔。で終わるのも乙な感じかと

長文スマン、良い作品と思うと重箱のスミをつっつくタイプで…
自分の希望(我侭)が入った批評なので、余り気にしないで下さい。
GJでした。ありがとう
97名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 14:12:33 ID:iQ8dk5VD
GJ
9892:2006/07/24(月) 16:27:08 ID:rrsfhCX+
>>93,94,96
貴重なアドバイスありがとうございます。
精進したいと思います。


少しだけネタばらしすると、これは『lost my music』を聞きながら
『不思議の国のアリス』を読んでいたときに思いつきました。

99名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 17:08:02 ID:pWVrUz3K
>>98
>>89の長門の台詞、そこはかとなくハルヒと口調が混ざってないかい?
ハルヒの一人称が「あたし」で、長門は「私」だろ?
それと長門は「キョン」じゃなくて「彼」。
100名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 17:10:05 ID:6+egZT87
今、SSスレってここと、ハルヒを語れとシュールのSS、あたしのプリンだけ?
101名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 17:13:08 ID:x5KbiGCC
SMスレもあるよ
102名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 20:00:43 ID:dUEwP+P1
>>99
キョンとあえて言わせたのではないかと予測。
103名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 20:34:56 ID:q9eFcgyX
9レスくらい投下します。(非エロ・非SM)
104涼宮ハルヒの再会:2006/07/24(月) 20:36:01 ID:q9eFcgyX
「ここは一体何処なんだ…?」

 辺り一面がまるで霧に包まれているようで全く視界が効かない。いつぞやの閉鎖空
間のような灰色世界とはうって変わって、見渡す限りの真っ白な世界だ。

ここは一体……?

 ─────

「会うとみんな泣いちゃうだろうから…」

 と、こっそり俺だけに別れを告げて行ってしまってから、どれくらい経ったのだろう…。
歳をとると十年が一年のようなスピードで過ぎてしまったり、昨日のことが一年前の
ことのように遠く感じたりするもんさ。
 ハルヒよ、『別れ』っていうのはな、きちんと伝えないと、取り残された方はそこだけ
ポッカリと穴が空いてしまったような気がして、かえって寂しいものなのさ。でも、おま
えがそんなこと知らないはずもないだろうし、本当はやっぱり、おまえ自身が泣いちま
うのが怖かったんじゃないのか?


 そして今、俺がみんな───つまりSOS団員の面々───に最後のお別れ…
という立場になっている。

 まず最初に口を開いたのは古泉だった。腕を組んで伏し目がちではあるが、寂しさ
をこらえて無理に笑顔を作ろうとしているのが見え見えだ。
「以前にもお話ししましたが、こんな時だからこそあえて言わせて頂きますす。あれから
僕なりに色々考えましてね、実際のところ涼宮さんではなくて、“神”なる存在はやはり、
あなただったのでは?という結論に…、いえ、無理がありますね。気にしないで下さい」

105涼宮ハルヒの再会:2006/07/24(月) 20:37:08 ID:q9eFcgyX
 なんだそりゃ?どういう理屈だ?唐突にも程がある。それこそこんな時に言うことで
もないだろうが。
 古泉は右手を前に振り出しながら
「いや失礼。これで本当にお別れですね。すぐに…と言うわけにはいきませんが、恐ら
く僕もそう遠くない未来、そちらに行くことになるやもしれません。その時はまた宜しくし
てやってください」
 そして俺の手を握り
「すずみ…いえ、ハルヒさんとお幸せに」
 相変わらず友情吹いた口振りだが、こういうときは暑苦しく感じない。最後には耐えき
れず溢れ出す古泉の涙を見たとき、「ちょっとオマエのことを邪険にしすぎたかな。すま
ん古泉」と、心底思ったよ。

 顔をくしゃくしゃにしてボロボロ泣いているのはやっぱり、幾つになっても永遠のマイ・
スウィート・エンジェル朝比奈さんだ。しばらくぶりの再会だが、この朝比奈さんはいつ
の時代から来た朝比奈さんなだろう?
度々お会いしていた大人の朝比奈さんよりも幾分年上にも見えなくもない。
「ひっく、キョンくん、SOS団としてみんなで過ごした時期…すごく楽しかった。ひっく…
一生忘れられない思い出です。…もう会えなくなっちゃうんですね…ふぇーん…」
 更にしゃくりあげながら
「ひっく、奥さんに会えたらよろしく伝えてくださいね」
 こんなに朝比奈さんに別れを悲しんでもらえるなんて、俺は果報者です。このまま死
んでも良いくらいです。朝比奈さんの言葉、ハルヒにもちゃんと伝えます。たぶん。

「…………」 これは長門。無言なのは相変わらず。
 あれから何十年も経ち、その無表情の中にも随分と感情が表れるようになったな。普
通の人では気が付かないけれど、SOS団員なら気が付くほどに。そして長門の表情専
門家と自負している俺にはハッキリ解ったさ。
その沈黙の奥で、長門は号泣してくれている…と。
 長門には何度も助けてもらったよな。でも今回の別れは抗えない、いや、抗っちゃい
けないんだ。解ってくれるよな。
「…そう」
 別れ際、数ミリ頷いた長門の目から一縷の涙が見えたような気がしたのは俺の自惚れ
…じゃないよな?
106涼宮ハルヒの再会:2006/07/24(月) 20:39:11 ID:q9eFcgyX

 ─────

 右も左も区別が付かないような白い霧の中を当て所なく進んでいくと、視界の先だけ
まるでスポットライトが当たったかのように、ぼんやりとだが霧が晴れ、そこにはあぐら
をかいて座っている女の後ろ姿をとらえることが出来た。
 ハルマゲドンのように盛大に現れ、さんざん俺のことを困らせ、大学卒業後にはめで
たく(?)俺と結婚し、その後何十年間も俺の前に居座り続けたあの女だ。天国に行っても
忘れられない姿だね。見間違うわけないさ。

「遅いじゃない、キョン」
 振り向き様の一言めがこれだ。久し振りだってのに。
「待ちくたびれるところだったわよ!」
「こういう場合、あんまり待ち焦がれられてもゾッとしないね」
「ふふん、ここまで来てまだそんな減らず口が叩けるわけ?罰金払って貰ってもいいのよ」
 そう言うハルヒの口振りとは裏腹に、その笑顔はとても嬉しそうだった。

「待たせたな。まあ俺も向こうでは色々あったしな」
 隣に腰を下ろし
「どうだいハルヒ、ここの居心地は?面白いことはあったかい?」
 と訪ねると、少し考えたような素振りをしながら
「…まあまあね。悪くはないわ」
 こんな風に嘯くときのハルヒはそこそこ満足してる…ってときだ。平和すぎて退屈でもし
てるんじゃないかと心配したが、あながちそうでもなかっらしいな。

 改めて視線を前に向けると、その先は湖畔になっているのか、それとも海辺なのか、
水面が闇のように深いく、まるで宇宙の縁にでも座っているようにさえも感じる。

107涼宮ハルヒの再会:2006/07/24(月) 20:41:14 ID:q9eFcgyX
「みんながよろしく言ってたぞ」
「…懐かしいわね。みんなはまだ元気でやってるのかしら?」
 ああそれなりに元気だったさ。未だに気苦労が絶えない性格の古泉はだいぶ老けこん
じまってたけどな。まあ俺に比べれば幾分マシだとは思うがね。
「ふん、なによソレ?あんたは今までの人生が楽しくなかったとでも言いたいわけ?」
 怒ってるつもりらしいが、顔は楽しそうだな。おまえも歳をとって人間がまるくなったん
だろう。出会って間もない頃のツンツン顔と比べれば、対象にならない程に素直で優しい、
いい表情じゃないか。
「なに人の顔見てニヤニヤしてんのよっ?」
 俺の胸ぐらを掴み上げてくるところは相変わらずだがな…。
「で、どうなのよ?」

 今さら訊かれるまでもないさ。俺の答えはそう、高校一年のあの時から既に決まってる。

「楽しかったさ」

 蝶の羽ばたきのような穏やかで清々しい風が二人の頬を撫でる。相変わらず辺りは白
い霧に包まれたままだったが、お互いの顔がソフト・フォーカスで見えるような距離感が
心地いい。


 ─────俺はあの時の、ハルヒと別れを告る少し前の日の会話を思い出していた。

「なあハルヒ」
 ハルヒは黙ったまま顔だけ俺の方に向けた。
「今更だが… いや、今だからこそ言うが、長門と朝比奈さんと古泉の正体なんだけどな」
 と話し始めたとき、ハルヒは「フフッ」と小さく笑って静かに口を開いた。
「…宇宙人、未来人、超能力者、って言いたいんでしょ? わかってたわよそれくらい」

108涼宮ハルヒの再会:2006/07/24(月) 20:43:17 ID:q9eFcgyX
 意外…ではなかった。実のところ、もしかしたら気が付いていたんじゃないか…とは思っ
ていたから。
「で、どの辺りから気が付いてたんだ?」
「…実はね、最初から」
 なんだって!?
「── ってのは嘘だけどね…」
 そう言ってハルヒは一瞬悪戯っぽい顔をしたかと思うと、教室の窓から雲を眺めるよう
な懐かしい目線で話し始めた。

「確かに有希もみくるちゃんもちょっと変わってるな…とは最初から思ってたわ。絶妙なタ
イミングで転校してきた古泉くんなんて怪しすぎるし…」
 おまえが勝手に『怪しい』っていうレッテルを貼ったんだろが。
「でもね、いつだったがキョンが話してくれたでしょ? あの三人がそれぞれ宇宙人、未来
人、超能力者だってこと」
 ああ、あの世界が腓返りを起こしそうになった日のあとの……。
「でも、あの時は全く信じてなかったじゃないか?」
 俺が世界を人質に断腸の思いで打ち明けたってのに。

「そうね…、あの時は笑って悪かったって、…少しだけは思ってるわよ」
 少しだけかよ。まあ、こいつがこんなに素直に謝るなんてのも悪い気分じゃないな。

「でもね、一度言われるとやっぱり気になるじゃない?その後それとはなしに気にしながら
見ちゃうのは仕方ないでしょ?それで気が付いたのよ。
考えても見なさいよ。野球大会の時の連続ホームランとかどう考えたっておかしいでしょ?
アメフトを観に行ったときもそう。有希が何か呪文みたいなのを唱えると、あり得ないことが
起きたり、あり得るはずのことが起きなかったり…… ああ、このコは魔法使いかなにかな
んだわ…とか思っちゃうのも無理はないと思わない?
ううん、それ以外でも物凄い知識や、体格からは想像できない運動能力とか見ても解るわよ
普通じゃない…って」
「なんだよ、全部バレてたのか……」
「当たり前じゃないっ!あたしの洞察力をなめてもらっちゃ困るわね」
 フンッと鼻を鳴らすハルヒ。

109涼宮ハルヒの再会:2006/07/24(月) 20:45:16 ID:q9eFcgyX
「あとみくるちゃん…
みくるちゃんなんか何回も目撃したわよ。あり得ない場所に居る違うみくるちゃんをね!」
 ああ、やっぱりね……そうとう迂闊です朝比奈さん……。
「古泉くんはとうとう確証は得られなかったけどね。でもキョンが話してくれたキーワードに
当てはめると、この人は超能力者なんだろうな…てのは思ってた。そうなんでしょ?」
 ハルヒの洞察力がスゴイっていうのは前々からわかっていたけど、こうもあからさまになっ
ちまうと、なんかこっちが情けないような気もするね。

「そうかい、でもなんで気が付いてるってことをバラさなかったんだ?」
「うん、何となく…ね」
 少し寂しげに目を伏せながら続けた。
「だってみんなあたしにバレないように必死になってるみたいだったから、何となく突っ込
んじゃいけないところかな…って思って。
触れられたくない部分に触れられるのって誰でもイヤじゃない?その後関係がギクシャク
するのも気まずいし……下手したらあたしのところから去って行っちゃうような気もしたし」
 去っていく…てのはまずあり得ないだろうが、こういう気遣いの仕方は“らしい”かもな。
 ハルヒは天を見上げ、
「だったらこのまま一緒に遊んでた方が楽しいじゃない。せっかく宇宙人・未来人・超能力
者があたしの周りに現れたんだもの。
だから途中から『宇宙人・未来人・超能力者探し』はやめて、それからは不思議な事件探
しに切り替えたのよ」
 ああ、なんだろうねこれは?ホッとしたようなガッカリしたような… 果たして俺の今まで
の苦労は報われていたんだろうか。妙に納得したのは確かだが。

 その頃からか?古泉が『最近は閉鎖空間の発生率が減少している』とか言い始めてた
のは…。
110涼宮ハルヒの再会:2006/07/24(月) 20:47:23 ID:q9eFcgyX
 暫く感慨深げにしていたハルヒは突然俺の胸ぐらを掴んでを引き寄せ、まるでオヤツを
盗み食いした子供に問い糾すように
「ところでキョン、あんたはなんなのよ?」
「何がだよ?」
「有希もみくるちゃんも古泉くんもあんたには正体明かしてたんでしょ? うん、見てれば
判るわ。いつも四人でコソコソやってたものね。
実はね、そんなあんたたちを見てて、いつも羨ましく思ってたの。…いえ、それはいいの」
 どっちなんだ?
「たまたまあたしが目を付けた三人が宇宙人、未来人、超能力者なんて、『流石あたし』な
て思ってたけど、よく考えたら三人とも、あたしがキョンと知り合った後から現れたんだもん
ね。もしかしたらあの三人を集めてくれたのはキョンなんじゃないかしら…って思ったりもし
たのよ」
 断じてそれは無い。それこそまさしく濡れ衣だ。…と思う。

「答えなさいキョン… あんたはいったい何属性なの?」
 更に俺の襟元を掴んで引き寄せる。おまえは人に問い糾すときは一生それなのか。
「さあキョン、この際だから白状しちゃいなさい!」
 さて、なんなんだろうね?以前、古泉が俺のことを『神かも…』とか言ってたような気もす
るが、とてもじゃないが俺にそんな自覚も責任感も無いしな。
 とりあえずその手を離してくれ。このままじゃ話もできん。すぐ熱くなるところは歳をとって
も変わらんなまったく。
111涼宮ハルヒの再会:2006/07/24(月) 20:49:27 ID:q9eFcgyX
 時も時だし、全てをありのままに打ち明ける決心をした。あの時より更に詳しく。
三人の正体のこと、それぞれの目的のこと、そしてハルヒは『時空の歪み』であり『進化の
可能性』であり『神的存在』であるとされていたこと。ハルヒが何か問題を起こすと、その度
に俺がフォローに追われて七転八倒していたこと─────。

 そして最後に、「今まで話してやれなくてごめんな…」と。

 ハルヒは驚いたと言うよりは神妙な面持ちだった。これもまあ俺の予想した範囲内だな。
「ふーん、あたしって自分でもある程度解っていたつもりだったけど、それ以上に凄かったの
ね…確かにあの頃のあたしがそんな“能力”を持ってるって自覚してたら、それこそ勢いに
任せて世界を滅ばしちゃってたかもね。実際そんな夢も見たことあったし」
 いや、それは夢じゃなくてホントにヤバかったんだがな…。
「やっと俺の言うこと信じたのか?」
「ここまできてあんたが嘘を言うとは思えないし、振り返ってみれば十分信ずるに値するわ」

「あたしはね、てっきりあたしが言い出した我が儘をみんなが…特にキョン、あんたが中心
になって不思議な力で叶えてくれてるとばかり思ってたわ。猫型ロボットみたいにね。
……でも、全く正反対だったなんて……」

「どっちにしろ…迷惑かけてたことには違いないわね」
 伏し目がちに目を反らすように呟いた。日に二回もハルヒの口からこんな素直な言葉が出
てくるのは天然記念物の朱鷺並みに珍しい。脳内ハルヒ語録に永久保存しておく価値は有
りそうだな。
112涼宮ハルヒの再会:2006/07/24(月) 20:50:35 ID:q9eFcgyX


 ─────そして別れの当日

「それで、どうなんだ?」
 俺はハルヒの肩を抱き上げながら
「今までおまえはかなり突っ走ってきたけど、幸せだったか?」
「…もちろんよ。あたし以上の幸せ者なんて、あたしと結婚したあんたくらいよね…。
キョン、あんたはどうなの?」
「そりゃもちろん。俺以上の幸せ者なんて─────」
「ばか」

 プイッと横を向こうとしたハルヒの顔を押さえて、それから永い口吻けを交した。
別れのくちづけを……。

 幾許かの時が過ぎ、どちらからともなく唇を離し、
「…なあハルヒ、本当にもうやり残したことは無いのか?」
「そうねぇ…、あたしももう歳だし、ほどほどにしとかないとね」
 あれだけのことをやっておいて『ほどほど』とは、地獄の閻魔様様も呆れるだろうさ。
しかし、悲しみを隠せないでいる瞳に、いたたまれなくなっちまって、つい
「おまえなら、今だったらまだ─────」
 言おうとした俺の唇に静かに人差し指ををかざして、ハルヒは首を横に振った。
「ううん、キョンが最後にそうやって泣いてくれるだけで十分」
「ば、ばか!俺は別に泣いてなんか……」
 気が付くと俺の頬には既に幾筋もの雫が溢れていた。もちろんハルヒの頬にも。

「それにね、あたし思うんだ─────」
 ハルヒは大きく息を吸って、最後に精一杯の笑顔で


「あの世ってのも、面白そうじゃない!」





終わり。
113名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 20:51:31 ID:S/+U2hgt
終わり方が勿体無さすぎるうううううううううううううう
114名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 20:52:15 ID:ZmclHwe/
あの世の間際かよ!

乙。
115名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 20:55:13 ID:zu+ERPJ7

最初からオチが見え隠れしてたけど。
116名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 20:55:36 ID:/pfuX9XP
途中でいまわの際のことだとはわかったが、こいつらなら転生してもまた同じことを繰り返してそうな気はする。
永遠の冒険人生、悪くない。
117名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 21:00:25 ID:zNa79eTa
そっちに興味が向けば、成仏する気にもなるかも・・・
118名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 21:02:08 ID:E9LuVsCE
ラノベロワイヤルで早々に離脱した事を思いだした。
119名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 21:06:42 ID:Sx3O57TR
>>115
つか、冒頭から天国描写じゃね?
120名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 21:09:08 ID:xxSxPcyW
>>112
幻想的な世界を壊すようで悪いが…
最初が此岸、キョンが霧に入って彼岸、で最後になぜ此岸?と思った。
もしくは年老いた2人が富士の樹海に立ち入った???
121名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 21:09:44 ID:o468805B
涼宮ハルヒ冥界編へ続くんだな?
122名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 21:13:19 ID:/vrgTZ8R
ワンダリングシャドウの禁則事項が絡むともっと面白かったかな

まあ乙です。
123名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 21:20:29 ID:61qeR20K
>>112

GJ。でもジョンスミスの正体は、いつバラしたんだ?
124名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 21:23:37 ID:GYPIUoV/
>>120
>>107「少し前の日の会話を思い出していた」
125名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 21:25:47 ID:vURRNFF0
>>121
なにその幽遊白書…
126名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 21:29:35 ID:4JhTCNBf
>>123
それって長門用の切り札じゃなかったっけ?
127名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 21:33:02 ID:ExEzDsGb
中ぐらいのものを投下させていただきます。6,7レスほどです。
エロなしなので、ご注意ください。
128雨の日には、あなたと 1:2006/07/24(月) 21:35:30 ID:ExEzDsGb


 始めに、こんな気味の悪い手紙を出してしまったご無礼を、丁重にお詫び申し上げます。
 このような物は、おそらくあなたにとって迷惑以外の何者でもないでしょう。
 ですが、私にはどうしても、この手紙を書かずにはいられませんでした。
 どれほど愚かしい事かというのは、自分でも十分理解しています。
 それでも私は、あなたの事が、好きになってしまったのです。
                                                         』


「なあ、ハルヒ」
 晴れた日の休み時間。待ち望んでいた令状が出た警部補のような足取りで教室を出て行こうとするハルヒを呼び止めた。
「何よ」
「今週の日曜も、市内探索するんだよな」
 今日は金曜だから、日曜というのはつまる所明後日の事だ。
「はあ?」
 ハルヒは急に喋れなくなったオウムを見る目で俺を睨みつけてくる。
「何言ってんのよキョン。そんなの当たり前じゃない。ていうかむしろ常識の域よ」
 どんな業界の常識だよ。
「じゃあやっぱり、日曜は晴れてたほうがいいと思ってるか?」
「そりゃそうよ。曇りだと何となくスッキリしないし、雨なんて降ったらあんまり歩き回れないでしょ」
 そんな事もわかんないの、と腕を組んで馬鹿にしたように俺の事を見下していた。
 この調子じゃ、こいつに頼るのは無理そうだな。ため息をつく俺を見て、ハルヒは眉を僅かに動かした。
「何よ。何か用事でもあるわけ?」
 いや、特には。
「……じゃあ何でいきなりそんな事聞いてくんのよ」
 ハルヒはそれこそ尋問する刑事のような勢いで歩み寄り、俺のネクタイを掴み下ろす。顔が近えぞ刑事長。
「答えなさい」
 そんなぎらついた目を向けられても、本当に何も無いんだからしょうがないだろ。
 疑いがありありと浮かんだ目で睨みつけてくるハルヒに対して、俺は何故か言い訳じみてしまっている言葉を重ねつつ、どうしたもんかね、と足りない頭を悩ませていた。
129雨の日には、あなたと 2:2006/07/24(月) 21:36:42 ID:ExEzDsGb


 もちろん、付き合って欲しいなどという事は、少しばかりも考えてはおりません。
 あなたが何を一番大切にしているかという事は、きっと誰もが知っているでしょう。
 ただ、何もせずに捨て置くには、この思いは少しだけ重すぎて、私はそれを持て余していたのです。
 ですので、もし許されるなら、たった一つだけ、私の我侭な願いを聞いて欲しいのです。
                                                                』 


 間の抜けたような鐘の音が鳴り響く事数回、ようやくHRが終了したのを確認して、ドーピング後のベンジョンソンも真っ青の勢いで教室を飛び出した。
 後ろからハルヒの声が聞こえてきたが、無視しとく。悪いなハルヒ。お前より早く部室に行かなくてはならんのだ。
 途中で古泉のクラスに立ち寄った後、部室棟まで一気に駆け抜けた俺は、ノックの音もそこそこに部室の扉を開け放ち、
「長門」
 もはや描き上げられた絵の如く窓際の風景の一部と化している長門に声をかける。
「……なに」
 撫でるように黒い瞳を動かし、俺の顔を見つめてきた。
「明後日の天気を、聞きたいんだが」
 長門は少し首を傾げた後、
「他の時間軸の私とは同期していないので、絶対的な未来を知る事は不可能」
「ああ、そんなのは別にいいんだ。お前の予測を聞かせてくれ」
 少なくともテレビのニュースキャスターよりは確実性のある天気予報を聞かせてくれるはずだ。
「わかった。明後日は、快晴の確率が八十二パーセント、曇りの確率が十三パーセント、雨の確率が4パーセント、未確認隕石群が飛来する可能性がゼロコンマゼロゼロ……」
「待て。そこまででいいぞ長門」
 何だかあんまり聞きたくない言葉が混ざり始めていたような気がする。
 長門は、何か言いたげな目を向けてくる。その視線を受け流しながら、一応聞いてみる事にした。
「やっぱりさ、無理矢理天気を変えるってのは、まずいんだよな」
「……不可能ではない。しかし、以前も言った通り推奨はできない。将来的に多大な影響を及ぼす事象になりかねない」
 そりゃそうか。ハルヒのミラクルパワーにしても、力づくだしな。あいつを無理矢理焚きつけないで正解だったのかもしれん。
「何か、あったの」
 非常に珍しい事に、長門が自分から問いかけてきた。ボイスレコーダーを買ってこなかった自分の不手際に内心舌打ちしつつ、
「いや、別に何も無いぞ」
 正直にそう答えた。特に何にもありやしないってのは本当の事だ。
「ただ、さ」
 窓の外は、嫌味なくらい晴れ渡っていて、俺はそれが少しだけ腹立たしかった。
「たまには雨でも降らないかな、なんて思っただけだ」 
 長門は小さく「そう」と呟いただけだった。
130雨の日には、あなたと 3:2006/07/24(月) 21:37:53 ID:ExEzDsGb


 私の容姿は、あまり他人に自慢できるものではありません。
 昔から地味だと馬鹿にされてきた自分の姿に、コンプレックスさえ抱いています。
 そんな私は、友達と歩くときでさえ、他人の視線についつい怯えてしまうのです。
 ですから、異性の方と歩いた事など、一度もありはしませんでした。
                                                     』


 翌日。
 結局明日の予定は、「朝九時に駅前集合よ! 遅れたら罰金ね!」なんていう団長の言葉で決定してしまった。
 まあ、別にそれは全然構わないというか、構わなすぎてもう腐ったブドウのように発酵していたので今更文句などありはしない。だが、
「あぁー、キョンくーん、勝手にチャンネル変えないでよー」
 妹の手からリモコンを奪い取り、チャンネルを泥臭い昼ドラからニュースに変える。小学生が昼ドラなんか見てちゃいけません。 
 リモコンを奪い返そうとするうちに、いつの間にか俺にじゃれ付く事が目的となってしまった妹の相手をしていると、天気予報が流れ始めた。
 俺たちの住む市内には、見事な晴れマークがついている。くそ、少し横の市は傘マークなのに。
「あ! 明日も晴れだって。良かったねシャミー!」 
 シャミセンが迷惑そうに喉を鳴らした。俺も鳴らせるもんなら鳴らしてみたいもんだね。
「ちょっと輪ゴム取って来てくれ」
 そう妹に頼みつつ、テーブルの上に乗っているティッシュを何枚か取り出すと、丸めて包んでいく。
「キョンくん、何作ってるの?」
 妹は素直に輪ゴムの箱を持って俺の傍に戻ってくると、手の中を覗きこんできた。
「……てるてる坊主?」
 正解。商品は輪ゴムな。好きなだけ持っていくがいい。
「でも、明日は晴れだっていってるよ?」
 俺たちぐらいの年代になると、決まりきった事項を覆す事に快感を見出すようになってくるんだ。
 妹は首を横にぐらぐら揺らしながらてるてる坊主を見つめていたが、やがて笑顔になって「私も作るー」とか言い出した。
 気付けばティッシュの箱は空になっており、テーブルの上には様々な形のてるてる坊主が並んでいた。
 ちなみにその内の八割は、途中で調子に乗って作った力作のキリン型てるてる坊主の材料となっている。
 無くなったティッシュをスーパーまで買いに行かされる前に、自分の部屋の窓にそれらを吊るしていった。
 全部、逆さまにして。

131雨の日には、あなたと 4:2006/07/24(月) 21:39:25 ID:ExEzDsGb


 それでも、私は憧れてしまったのです。
 あなたと肩を並べて辿る、学校の坂道を。
 もうお気づきかと存じますが、願いというのは、他でもありません。
 あなたと一緒に、たった一度だけ、並んで歩きたいのです。  
                                           』



 まあ別にてるてる坊主なんて信じていたわけではないが、翌朝は雲一つ無い快晴だった。風はやたらと強かったのだが。
 やっぱりキリンがまずかったのだろうかと思いつつ、いつものように自転車を飛ばして駅前に着くと、いつものように既に皆揃っていた。
「はい、キョン」
 何だよその手は。
「財布出しなさい」
 いつもの事だ。
 
 最近自分の奢りで皆の腹を満たす事に快感すら覚えてきた俺は、このままで人生いいんだろうかという哲学的な危機感を抱いていた。
「そのぉ、いつもごめんね、キョンくん」
 気まずそうに目を伏せながら、朝比奈さんは言った。いえいえ、あなたのためなら財布の一つや二つ空になった所で何とも思いませんよ。
「お陰さまでいつも一食分経費が浮いてますからね。非常に助かります」
 キモいウィンクをしてくる古泉。お前は正座しろ。
 ハルヒは満面の笑みで千二百円のパフェを貪り、長門は黙々とハンバーグセットを小さい筈の胃の中に溶かし込んでいく。俺はその腹の辺りをこっそりとつついた。
「長門」
 ハルヒがパフェに夢中になっている今がチャンスだ。
「今日のクジ、操作してくれないか」
 長門はフォークを持ったままちらりと俺の方を見て、「誰と」と聞いてきた。
 俺がそれに答えると、少し考えるように瞬きを止めた後、かすかに頷く。


「長門さんにまで頼んで僕とペアを組んでくれるなんて、どういった風の吹き回しですか?」
 いつもより若干カジュアルな格好をした古泉と並んで、公園のベンチに座っている。正直全然嬉しくない。
「あなたが僕に心を開いてくれたのだとしたら非常に光栄なのですが、どうやらそうではないようですね」
 笑顔で自己完結させる古泉の方を見ずに、俺は空を見上げていた。
「雨、降らなかったな」
 古泉も、それに倣って顔を上に向ける。
「……そうですね」
「行かないのか」
「行けません。一方的なものとは言え、約束ですから」
 それが正しい事なのか、俺には判断できなかった。
「きっと、待ってると思うぞ」
「かもしれませんね」
 それ以上は、何も言えなかった。古泉も口を開こうとはしない。
 雨は、まだ降らなかった。
 
132雨の日には、あなたと 5:2006/07/24(月) 21:41:19 ID:ExEzDsGb


 ですが、私とあなたが並んで歩いたら、おそらくあなたまで不愉快な視線に晒される事でしょう。 
 なので、登校する時や放課後などの、人の多すぎる時間では、私にはあなたと歩く資格すら有りません。
 例え休日だとしても、道行く人の視線を想像するだけで、あなたに申し訳なくなってしまいます。
 そして、私はあなたにそんな目を向けさせてしまう私自身を、きっと恨んでしまうでしょう。
                                                                 』


「あーあ、結局今日も収穫なしだったわね」
 そう言うハルヒは、しかしどこか満足そうでもあった。そりゃまあ一日中遊んでればな。
「キョン君、何だか今日は元気無いですね。疲れちゃった?」
「いえいえ、そんな事無いですよ」
 朝比奈さんが俺を心配するかのように、袖をそっと握ってきた。いつもならそれだけで心身ともにベストコンディションなのだが、今日の俺にはぎこちなく笑い返すことしかできなかった。
 古泉の方を横目で見ると、いつもと変わらないにやけた面のまま、ハルヒと来週の予定について語り合っている。
 ムカつく。俺がこんな事を思うのはお門違いだという事は分かっていたが、それでも、そう思わずにはいられなかった。
「キョン君……?」
 朝比奈さんの戸惑うような声を聞いて、頭を振る。
 古泉だってそう悪い奴じゃない事ぐらい、とっくにわかってるさ。誰も悪くなんて無いことも。
 だから俺は、晴れたままで暗くなり始めた空を睨みつけた。気の利かない奴め。くやしかったら雨の一粒ぐらい降らしてみろよ。
 その時、朝比奈さんが摘んでいるのとは逆の袖を、誰かが引っ張った。
「隣町で、雨が降り始めた」
 長門は落ち着かせるような声色で俺に語りかける。
「今日は風が強い。多分、もうすぐ……」
 不意に、冷たさを感じた。手のひらに水滴が落ちているのが見えた。
「ん? 何よ。晴れてるってのに、どうして雨なんて……」
 ハルヒが声をあげる。古泉は笑顔を消し、少しだけ呆然としていた。
「古泉!」
 雨がアスファルトを叩く音が聞こえる。
「傘持ってるか!?」
 古泉は首を横に振る。
 それを見た俺は目の前のコンビニに飛び込むと、新品の傘を一つ買った。今更傘の一本奢るぐらい、安いもんだ。
「持ってけ」
 古泉に少し高目の黒い傘を押し付ける。
「いえ、しかし……」
「約束なんだろ」
 古泉は僅かに目を見開いたが、すぐにいつもの腹立たしい笑顔に戻ると、剣を授与された騎士のような仕草で傘を受け取った。
「あなたは、お人よしですね。本当に、心からそう思います」 
 余計な事を一言だけ言うと、雨の中を駆け出していく。
 霞んでいく後姿は、非常に悔しい事に、少しだけ嫉妬してしまうぐらい格好良かった。
133雨の日には、あなたと 6:2006/07/24(月) 21:43:55 ID:ExEzDsGb


 だから、明後日の日曜日。何時でも構いません。もしも雨が降ったなら、校門の前まで来てください。
 霧のような雨と、大きな傘が、私の容姿を隠してくれるでしょう。
 もちろん、来ていただかなくても一向に構いません。
 それでも私は、一つの結果を得た事できっと満足する事ができます。
 では、乱筆且つ乱文ではありますが、ここまでで失礼させて頂きます。


        あなたが気を使うといけないので、私の名前は書かない事にします。多大なるご無礼、どうかお許しください。
                                                                             』



134雨の日には、あなたと 7〈終〉:2006/07/24(月) 21:44:28 ID:ExEzDsGb

 俺の靴箱の中にそんな手紙が入っていたのは、金曜の朝の事だ。
 白くて小さな封筒は、朝比奈さんからにしては地味すぎたし、長門にしては遠まわし過ぎで、ハルヒに至ってはありえない。
 これはまさか、と思い微かに興奮していた俺は、そのままトイレの個室に入り中身を最後まで読んでしまった後で、封筒に小さな紙がクリップで留められているのに気付いた。



 この手紙を、あなたのお友達の古泉一樹君に渡して下さい。
 こんな事を頼むのがいかに失礼かという事は、百も承知です。
 ですが、古泉君の靴箱にこの手紙を入れる勇気が、どうしても私にはありませんでした。
 もし誰かに古泉君の靴箱に手紙を入れる私の姿が見られたりしたら、
 そしてもし私と同じような誰かが、この手紙を古泉君より先に見つけたら。
 万一にも、この手紙が古泉君の元に届かない事があれば、私の思いが無駄になってしまいます。
 それはとても怖くて哀しくて、辛いのです。
 その時、古泉君と親しくしているあなたの事に思い至りました。
 涼宮さんという恋人が既にいらっしゃるあなたなら、変な誤解も受けにくいのではないか、
 そして何よりあなたがとても信頼できる人だという事を、私はある人から聞いて知っていたのです。
 それらを踏まえた上で、このような失礼を働かせて頂いています。
 独りよがりな考えだという事も、理解しているつもりです。
 それでもどうか、この手紙を、あなたの手から、古泉君に渡してもらいたいのです。
 なにとぞ、よろしくお願いいたします。                               
                                                               』
 

 その下に、俺の名前が敬称をつけて書かれている。
 恋人という二文字に修正印を押したい気持ちが大いにあったのだが、それよりも、手紙の内容について考えなければならなかった。
 日曜が晴れだという事を知っていた俺は、手紙を見てしまった責任も手伝って、何とか雨を降らせられないもんかと頑張っていたわけだが、まあ結果的に、
「もう! 小泉君何で昨日急に帰っちゃったのよ!」
「本当に申し訳ありませんでした。急に用事ができてしまったもので」
 古泉は神妙そうな顔でハルヒの説教を受けていた。
 まあ、そういうわけで、隣街の雨が強風に煽られてこの辺まで飛ばされ、結果的に雨は降ったわけだ。
 窓の外は、昨日の雨を忘れたかのようにからからに晴れきっていた。なかなか気の利く奴だ。流石に今日も雨ってのはちょっとな。
「涼宮さんのお説教は、なかなか迫力がありますね。彼女に対して萎縮しないあなたの事を、少し尊敬しますよ」
 いつの間にか、向かいには古泉が腰掛けていた。
「そうそう。傘を返さなくてはなりませんね」
「別にいらん。こんな日に傘持って帰ったら変な目で見られるだろう」
「それもそうですね。では、部室に置いておきましょう。いざという時に使えばいいでしょうしね」
 古泉はいつものように落ち着いた笑顔で朝比奈さんの淹れたスーパーロイヤルグリーンティーを啜っている。
 部屋の隅には、わざわざ持ってきたのであろう、昨日の傘が立てかけられていた。
「……役に立ったか?」
「はい?」
「傘だよ。その、結構大きかっただろ」
 手紙には確か、大きな傘って書いてあったからな。
「……いえ、余り役には立ちませんでしたね」
 古泉は、心底愉快そうな顔でこちらを見ながら笑っている。
「彼女も一本、傘を持っていたものですから」
 俺は机の上に何となく相合傘を書くと、片方に古泉の名前を入れ、もう片方には、手紙にうっすらと消した跡が残っていた彼女の苗字を書き入れた。   




135名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 21:55:51 ID:y7uiAYH2
まさか…「R.A」?
136名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 21:57:31 ID:ZmclHwe/
>>135
それはそれでありだなw
137名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 22:01:33 ID:6+egZT87
元ネタあるのか知れんが、なかなかいいんでないかい。
138名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 22:01:39 ID:bbLgV2Rd
古泉の野郎、カッコ良過ぎるぜ
139名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 22:02:21 ID:PzrmyuAn
なんかはじめて見る感じのSSだな
140名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 22:05:20 ID:gcYN2lOd
不思議な雰囲気の話だったなー。しかしなかなか悪くない。
ところでR.Aって何。
141名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 22:07:29 ID:11yw/UGC
Ryouko Asakura じゃね?
142名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 22:13:51 ID:Vh+7dgdc
>>112
ああ、お盆が近づいてきてるなー
としみじみ思っちまった。
143名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 22:20:06 ID:ptzTjznz
オイラの読解力が足りないのかもしれないが
これは暗に誰かを示してるの?
144名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 22:22:10 ID:IpWA3TSb
ところどころで既出なんだろうが、この流れで森園生=S.Mと気付いてしまった!
145名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 22:40:51 ID:zu+ERPJ7
>>144
アッー!!
ってかSMwww
146名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 22:45:29 ID:g5Q3jDpQ
非ホモ古泉SSはすごい鉱脈だな
147名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 22:53:58 ID:mGH1bEvM
気合が入ったSSが多いよな、古泉物は。
148名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 22:59:02 ID:E9LuVsCE
>127
絶妙なアレンジに驚いた。古典をラノベに怪奇を青春に、作者の実力がうかがえる。
良い作品をありがとう
149名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 22:59:39 ID:X1lRBcOP
>>134
古泉好きの俺には最高だったぜ…
やっぱり、女子は誰か想定してあるのか気になるね。
150名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 23:07:54 ID:gcYN2lOd
元ネタは古典か。そっちも読んでみたいな。タイトルはなんだろ。
151名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 23:17:07 ID:Mfkocakc
>>99
あえて引っ張るほどのことでもないが遅レスしてみる。作者が意図して混ぜてるのは明らかだろ
152名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 23:27:40 ID:VVTOONhr
ここってやっぱ平均年齢高そうだなぁ…。
作品の平均点がやたら高いしw
153名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 23:29:02 ID:g6HIPPMG
取り合えずローカルルールで21歳以上とあるので、
そこら辺の深い詮索はしない方がお互いの為なんじゃないかと
154名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 23:37:02 ID:dNNicVNc
>>112
しまった…つくりかけで死蔵してるSSの一部を先にとられた…
ちくしょう、書き直してやる。少し待ってろ。
155名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 23:41:54 ID:qXBsS+7J
このスレほどデッドコピーが怖いスレも無い
でも明日仕事で、もう寝なきゃ… orz
156名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 23:47:57 ID:9qbkMUAj
バカネタ投下。
2、3レス借ります。
157『ティー・タイム』1:2006/07/24(月) 23:49:35 ID:9qbkMUAj
『ティー・タイム』

部室に朝比奈さんと二人きり、なんていう夢のような状況は、この学校の男子であれば誰もがうらやむシチュエーションであり、しかもこの愛らしい上級生が、完璧なメイド姿に身を包んで、俺にお茶を入れてくれるとくるのだからたまらない。
あのやかましいハルヒは掃除中のはずであるし、驚天動地のことではあるが、部室の初期設定に含まれるべき長門もまだ来ていない。まあ、俺はそのことに深く思いをめぐらすでもなく、真剣な表情でお茶を入れている朝比奈さんの横顔を眺めていた。
朝比奈さんは少し上気したような顔でお茶を注いでいる。もしかして、俺と二人で意識しているとかはないよな。
「キョンくぅん、お茶です。新しいのに挑戦してみましたぁ…味わって飲んでね。」
朝比奈さんがうやうやしく湯のみを持ってきてくださる。いやあ、すいませんね、朝比奈さん。
俺がお茶に口を付けようとしたそのときだ。
「おくれてごっめーん!!」
バーンと盛大にドアを開けて団長殿が入ってきた。くそ、いまいましい、こんな至福のときに。
「あー、喉渇いたっ。あ、キョン、それ頂戴!」
おいこらやめろ!俺の制止も聞かずにハルヒは湯のみを奪い取り、一口で飲み干した。この野郎、朝比奈さんが入れてくれたお茶を――あれ、朝比奈さん?固まってしまってどうしたんですか?そんなにショックだったんですか。
「プッハー!そうそう、みくるちゃん、お客さんよ。鶴屋さんが来てるわ。」
「やっほー、みくるっ!ちょっと来てくれるかなっ、クラスの出し物について相談だっ!!」
朝比奈さん、そう俺とハルヒを交互に見つめて震えないでください。クラスの用事なら仕方ありませんよ。いいな、ハルヒ。
「ま、しかたがないわ。鶴屋さん、一時みくるちゃんを貸しとくから、あとで返してね。いってらっしゃい、メイドのカッコのままでいいから。」
いや、よくないだろ。
「ふえぇ……でも……その……うぅ、……裏目にでましたぁ。」
怯えた目をした朝比奈さんは、メイド姿のままで鶴屋さんに連行されていった。
158『ティー・タイム』2:2006/07/24(月) 23:52:14 ID:9qbkMUAj
部室には俺とハルヒが残された。
やれやれ、こうなったら長門か古泉でも来ないものかな。ハルヒと部屋で二人きりという状態は、この学校の男子であれば誰もが全力を持って回避しようとするだろうシチュエーションだろう。
俺は何の気なしに、真剣にパソコンの画面に向かうハルヒの横顔を眺めた。ハルヒは少し上気したような顔でクリックをしている。
……ってあれ!?なんで上気してるんだよ、ハルヒ。おい、心なしか呼吸が荒いぞ、目がトロンとしているのはどういうことだ?
「キョン……なんか変……体が熱いよ……。」
おい、こっちくんな、なんなんだよ、なんで鍵をかけるんだ、ハルヒさん。
「んん……だまりなさいよ……もう……キョンのばか。わかってるくせに……。」
何をだ?ケインズ理論をか?俺は何も知らんぞ。
「あたしの、きもち。」
ハルヒが飛びついてきた。ハルヒの体が熱い。ギア・セカンドに入ってやがる。心臓の鼓動が伝わってくる。やばい、これはやばいぞ、落ち着くんだ。
「ま、まてハルヒ。俺が茶を入れてやるから、それ飲んで落ち着け。」
俺は大至急湯飲みを二つ用意し、急須からお茶を注いだ。心を鎮めてお茶をすする。ハルヒもぼーっとした顔でお茶を素直に飲んでいる。
しかし、やはり朝比奈さんが入れてくださるお茶のほうが7倍は旨いな。
ふうっ、と息を吐き出す。なんだか体が熱いな…。風呂上りみたいにほてってきた。ハルヒの方を見てみると――
すんげー美少女がそこにいた。
まあ、つまりハルヒのことだ。俺だって、ハルヒが美人だってことは承知してるさ。
だがな、俺の目の前にいるのは、ハルヒであってハルヒでない。ハルヒAAプラスというか、マジに谷口ランキングを大変動にさらしてしまうような美少女なわけだ。
こいつ、こんな可愛かったっけ?やばい、恋に落ちそうだ。くらくらする。
「ふぅ。」
ハルヒは甘い吐息をつき、目を軽く閉じて片手で胸元に風を送っている。やばい、可憐だ。
そんな美少女と二人っきりで部室にいるのか、俺は。しかも、ご丁寧にドアには鍵がかかっている。心臓の鼓動が速まる。どくどくとこめかみが鳴っている。
暑いのか、ハルヒ、俺も暑いな。俺はブレザーを脱ぎ、ネクタイを緩めた。ハルヒはそんな俺をじっと見つめる。赤く染まる頬と、切なく俺を見つめるハルヒの大きな二つの瞳。
「キョン…。」
ハルヒの声が俺の耳を通って脳みその大事な部分を直撃する。色っぽい、艶やかな声だな。名前を呼ばれただけなのに、すげえ興奮する。
ハルヒは鞄をごそごそと弄っていたが、そこからゴムを取り出して、あろうことか、ポ、ポニーテールにしてやがる。は、ハルヒ。それは……。
「好きなんでしょ?ポニー。だから――」
大好きです。正直、たまりません。
159『ティー・タイム』3:2006/07/24(月) 23:53:08 ID:9qbkMUAj
土俵際で驚異の粘りを見せていた俺の理性も、そこでこと切れた。さよなら、俺の理性。本能くん、こんにちは。俺はハルヒを床に押し倒していた。もどかしくハルヒの胸をまさぐる。ハルヒが潤んだ瞳でこっちを見る。
「だめ……。」
うん、それ無理。いまさら止まらない。俺の手は、別の生命体が寄生したみたいに勝手に動いている。
と、一瞬だけ、理性の光が差した。
やばい、ハルヒは嫌がってるのに。これじゃレイプだ。最低だ。外道だ、卑怯だ、畜生道だ。
「……さきにキスして。」
再び理性という名のヒューズが飛ぶが、直る予定はなさそうだ。直すつもりも無い。俺はハルヒと口付けする。お互いに唇を求め合い、離そうともしない。だんだん頭に血が集まる。うっ、やばい、窒息する。
「ぷはっ。」
ぜいぜいと息をしているのはハルヒも一緒だ。今だ、ここで言わなきゃならん。
「ハルヒ、大好きだ。おまえのことが世界で一番好きだ!」
「キョン……あたしも大好き、キョンが大好きっ!!愛してるわ!」
二人で愛してると言い合いながら服を脱がしあう。裸になった俺たちは、お互いの体を求め合った。
息子はとっくにきかんぼうだ。ハルヒのもすっかり受け入れ態勢が整っているようだった。
なまなましいので、以下は長門風に送ろう。

情報結合開始。
当該対象の接触を確認。
閉鎖空間に侵入開始。ブロックされた。
ブロックを突破。(――血が出てるぞ。――若干の出血、問題ない。)
閉鎖空間と通常空間の狭間で往復運動を始める。
閉鎖空間に射出された。
当該対象の再構成。(――立てるか?――大丈夫。)
情報の再結合開始。
以下、ほぼ同内容につき省略。
情報の再々結合開始。
以下、ほぼ同内容につき省略。

血液中の媚薬成分の消失を確認。
理性的思考能力の復元。


「あれ、あ、あたし……、な、なんでキョンなんかとっ!!」
「ああ…………やれやれ。」


おわり
160名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 23:59:04 ID:3gyPWMHv
長門風の描写ハゲワロスw
161名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 23:59:15 ID:9l9L4JW7
みくるがドジッ子系の悪役女の子みたいだw
162名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 00:00:50 ID:CjDHEV9H
何がしたかったんだろうねえ、彼女はw
163名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 00:01:19 ID:dNNicVNc
黒みくるんだめだこりゃw
164名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 00:06:11 ID:E9LuVsCE
久しぶりの黒みくる?
ツメが甘い。だが、そこがイイw
ほんとSOS団は油断ならねぇぜ!フッハァァー
165名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 00:12:31 ID:8W3KStC7
あぁ、肝心な部分が・・・
166名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 00:15:29 ID:AmWuNwud
肝心な部分をいかにはぐらかして笑わせてくれるかも楽しみのひとつだw
167名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 00:45:55 ID:tEe67RgD
今頃鶴屋さんはサンドバックだな…
168名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 00:51:00 ID:bQMzHizS
おバカなコネタを2スレほど。
初投下です。
169名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 00:51:45 ID:bQMzHizS
「くすくすっ。涼宮さん、こんなに感じちゃってすごいです〜。」
「み、みくるちゃん、もうやめてっ、、、あぅぅっっっ」
「キョン君になめなめして貰って、そんなに気持ちいいんですか〜?
じゃあ、もっと激しくして貰いましょうね。キョン君、お願いします〜♪」
「や、あうっっっっ、あああああぁぁぁああぁぁぁあっっっっ」

「うふふ、キョン君、涼宮さんたらもう限界みたいです。
ほら、あんなに腰をくねらせて早く入れせてほしいって言ってますよ♪」
「やぁっ、ち、ちがうのぉ、言ってな、、、あああっぁんっっっっ」
「ふぇぇ、キョン君ったらあんなに必死に吸いついちゃって…、涼宮さんは幸せですね♪」


「はあっっ、はぁ はぁ はぁ………」
「さあ、もう準備は充分みたいですね。ほら、見てください涼宮さん。
お待ちかねのキョン君のがほら、あ〜んなに大きいのが入ってきますよ〜」
「やぁ、、、キョン、こんなの… こんな風にするのなんて、やだ、、、お願い、、、やぁぁ」
「あらあら、涼宮さんもしかして初めてですかぁ?
だとしたらキョン君のは少しきついかもしれませんねぇ。でも涼宮さんならきっと大丈夫ですよ〜。
ほら、ずぶずぶ〜〜♪」
「あ゛あ゛っっ! やめ、、キョンっっ、いっっ たぁ、やぁ、ぃ…たいよぅぅぅ」
「うふふふ、おめでとうございます、涼宮さん。とうとうキョン君と結ばれましたね〜。
いかがですか? こうなることを夢に見てたんでしょう?
キョン君もとっても気持ちよさそうですよぉ♪」
「やあ゛っっ、あ゛! キョン、ハゲし、、、んぁあ゛もっとっ、、ゆっくり、、、」
「あらあら、キョン君ももう理性が飛んじゃったみたいですねぇ。
くすくす、あまり激しくすると涼宮さん壊れちゃいますよ〜」
170名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 00:52:26 ID:bQMzHizS
「ぅあ あ゛あ゛あ゛、、ふぁ、ぅあん、あぁっっ、キョンっっ、キョんんん、
んぐ、、ぷぁ、れろ、、ふぁ、、、キスっ、キスぅ、もっとぉ」
「うわぁ、涼宮さん、すごいですぅ〜。よっぽど嬉しかったんですねぇ。
初めてでもうこんなに感じるなんて。さすがですぅ〜」
「あ゛〜〜、キョン、キョンっ、スキっ、すきぃ〜。」
「――って、聞いてますかぁ? あの〜〜、え〜とえーと、キョン君? 涼宮さ〜ん?」
「ああぁん! もうだめぇっっっ、、キョンっ、キョ〜ンっ、、、」
「ふぇえええ、、あの〜、、え〜と、、、そうだ、わたしも仲間に…、、、」
「あっ、、あーーーーーーーーーーーっっっっっっ、、、
キョンっっっ、スキっ、すき〜〜〜〜〜ぃぃ!!!!!!!!」

「えええぇぇ、、、そんな、あのっ、終わりですか? おわっちゃいましたかぁ〜〜〜〜?」

………
……



「ぜぇーっっったいにダメよ!!!! みくるちゃんっ、
キョンは絶対に貸さないから!!!!」
「ふぇええ、そんなぁ、涼宮さん、ずるいですぅ。あたしも途中からご一緒させて貰うつもりだったのに〜〜。
キョン君だってわたしが調教したのにぃ〜〜〜〜」
「ダメ!!!! もうキョンはあたしのモノなんだから!!!!!!」
「ふみぃ、そんな〜〜〜、、、ちょっとだけ、時々でいいんですぅ〜。
 じゃ、じゃないと、またお仕置きしちゃいますよ〜〜〜〜」
「だ〜〜〜〜〜め!!!!!!!!!」
「そんな〜〜〜、、、、、」


おわり。
171名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 01:19:35 ID:FAFLMf8B
GJ!!
この頃みくるがサバトちゃんに思えてしょうがない
172名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 08:37:15 ID:FAFLMf8B
スレストしてるorz
みんなすまんかった
173名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 09:42:26 ID:wvDUnWL6
乙と言わせてもらおうか。







涼宮ハルヒの転換マダー?
174名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 11:58:57 ID:w8ak/OXI
ちょっとくらいスピードが鈍ってもらわんと、追いつくのも大変じゃよ。

>157
みくるちゃーん、そのお茶どこで買ってきたのー?
175名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 12:04:11 ID:fXpOsvhb
ハルヒとセックスしながら、
何故かみくるのことを思い出してしまい、イクときに
「朝比奈さんっ!」
と、叫んでしまうキョン

というのはどうだろう?
176名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 12:29:42 ID:lWDSm3dc
ドス黒いみくるも書きたくなってきたな。
177名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 12:39:36 ID:6j/ywx6d
>>172
気にするなよ。俺サバトちゃん好きなんだからさw
178名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 13:21:01 ID:Ct4gSi6+
>>176
どす黒い長門も書いて猛者と呼ばれてください。
179名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 13:26:02 ID:lWDSm3dc
『ティー・タイム』の続きということで投下。
2、3レス借ります。
180『ミルク・タイム』1:2006/07/25(火) 13:27:39 ID:lWDSm3dc
『ミルク・タイム』

今日はハルヒが風邪で休むという空前絶後の出来事が起き、本来なら部室に集まる用事も無いはずだが、なぜか習慣的に俺の脚は部室に向かう。
長門でも誘って図書館にでも行くか、それともハルヒの見舞いにでも行ってやろうかと思案しながら、俺はドアをノックする。
朝比奈さんの可愛らしい返事が聞こえるだろうと思っていたのだが、ひょいとドアを開けて顔を覗かせたのは古泉のにやけた面だった。
「どうした、古泉、ハルヒなら休みだぞ。」
「ええ、機関から連絡を受けてます。ちょっと僕は出かけることになりそうですね……涼宮さんがうなされているもので。
バイトが終わったら連絡を入れますので、後でお見舞いにでも行ってあげてくれませんか?」
そい言い残すと古泉は出て行った。忙しい奴だな、まあ、同情しないでもないが。
俺は部室に入る。長門はいつものように読書、朝比奈さんはにっこり笑って首を傾ける。
「こんにちはぁ、キョンくん。涼宮さん、お休みですかぁ、心配ですぅ…。」
いやいや、あいつは殺したって死にませんよ。風邪のウイルスなんて今頃恐怖と戦っているところでしょう。
「うふふ、そうですねぇ。」
心なしか、朝比奈さんの目が妖しく光ったようだ。朝比奈さん(大)のミステリアスな空気に近いような…。
朝比奈さんは長門の方を見やる。火花のようなものが、二人の視線がかち合う空間で飛んだような気がした。
「それじゃあ、キョンくん……。新しいお茶の葉を買おうかと思ってるんですけどぉ…一緒に―」
「無理。」
長門が朝比奈さんの言葉を断ち切った。
「彼は私と一緒に図書館に行く。その後、涼宮ハルヒの状況を確認するために涼宮ハルヒの家へと向かう。それが私がここにいる理由、彼がここにいる理由。」
二人はすごい目つきで睨みあう。あれ、変だな、俺の体が震えてきたぞ?
いやまあ、ハルヒの家に見舞いに行こうかとは考えたが……古泉に頼まれたことだしな。
「……キョンくんは、今来たばかりで疲れてます。今、お飲み物を入れますね、キョンくん。」
朝比奈さんは、得意のお茶で長門を引き離しにかかったようだ。長門はなすすべも無く動作を停止する。こればかりはな。俺はお茶を入れてくれる朝比奈さんの方を――
ってあれ!!
朝比奈さん、な、何で胸を露出させるんですかっ!?たわわな果実が二つむき出しですよ!
「いや、みないでぇ……。うふ、お茶じゃなくて、ミルクを入れますから……あたしの。」
出るんですか?何でですか?未来人だからですか?というか、俺がそれを飲むんですか?いいんですか?
朝比奈さんは意識が混濁する俺をよそに、乳首をこりこりと弄くりながら、コップに白濁する液体を注ぎはじめる。
「えいっ、えいっ。きゅぅん……あん…。」
やばい、鼻血でそうだ。俺の脳みそは一気に加熱されて、タンパク質が変質する寸前だ。
181『ミルク・タイム』2:2006/07/25(火) 13:28:22 ID:lWDSm3dc
「…まるでホルスタイン。」
長門の絶対零度の声に、俺は凍りついた。
恐る恐る長門の方を見ると、長門は液体ヘリウムのような目を朝比奈さんに向けている。再び火花が散る。

「………キョンくんはあたしのおっぱいが大好きなんですぅ。Mikuruフォルダに入れて毎日眺めているんだから。ぺちゃんこの長門さんには縁がない話ですけど…。」
げ、ばればれだったのか。つーか、怖いです、朝比奈さん。
「ぺちゃんこではない。これが観察行動に適したサイズであり――」
「キョンくぅん。」
朝比奈さんが長門の言葉を断ち切ってこっちを向いた。暴力的に胸が弾む。
言いかけた言葉を切られて長門は口をつぐむ。しかし、その目は…、うわ、切れてる。
「コップ持っててくれませんかぁ……お願い。」
俺は震える手でコップをささげ持つ。そこに朝比奈さんはミクルミルクを搾り始める。
俺の目の前でたわわな乳房が揺れ、揉みしだかれる。近い、近いです。生まれてきてよかった。
「ね、空いてるほうの手で、搾ってぇ。」
朝比奈さんは俺の左手を誘導する。俺は言われるままに朝比奈さんの乳首をつまみ、ぴゅる、と液体を押し出す。
「わぁ、上手ですぅ。んん、気持ちいい……。あん」
ああ、朝比奈さん、俺の息子も特濃の白い液体を分泌したがってます。
「うふ、後でね…。さ、出来ました。味わって飲んでね。」
朝比奈さんがミルクの入ったコップを差し出す。
と、いきなり長門がコップを奪った。おい、長門、どうするつもりだ!
「検査が必要。」
長門はおもむろにコップを飲み干す。朝比奈さんは怒りに震えて、うっすら涙さえ浮かべている。視線が長門を睨み殺しそうな勢いだ。
長門はコップを机にカタンと置いた。
そして、あろうことか、床に、ぺっ、とつばを吐いた。

「腐っている。」

俺は部室で震えていた。宇宙人と未来人は怒りを全身に漲らせて火花を散らしている。
誰でもいい。
ここから俺を連れ出してくれ。


おしまい
182名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 13:35:39 ID:Eqt2KZeH
うほっ 長門もそうとう黒くなってきているw
183名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 14:00:24 ID:iRsVK392
吹いたっwww
184名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 14:40:49 ID:HWgerEG6
二人ともすごい破壊力www
185名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 14:55:57 ID:2wVPG7Y4
二人とも殺意の波動に目覚めてるな
186名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 15:03:53 ID:557uSxFO
>>134
遅レスすまんが、良かった。本当にありそうな話で。
キョンなら友人のために奔走するだろうし、
古泉も手紙の差出人の思いを無駄にすることはないだろうしね。本当にGJ

>あなたがとても信頼できる人だという事を、私はある人から聞いて知っていたのです。
ある人って誰だろう?何となく長門?
187ジョン・スミス:2006/07/25(火) 15:13:51 ID:BG2zxExj
>>180
THE・修羅場
コワッ!
188名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 16:27:19 ID:q02/Z8Qc
>>「ぺちゃんこではない。これが観察行動に適したサイズであり――」
長門おっぱいか?w
というか牛乳ガチで吹いた。
189名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 16:49:16 ID:Noh4/4PY
読めたぜ、オチは長門牛ブッッッハー!!
良い意味で裏切られた。アンタ最高だ
190名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 16:57:13 ID:dTGHLDPE
みくるは変態だし長門は極悪…
サラッと続きとか言ってなんちゅーモン書きますかあなたは!wwwww

この2人が全力で喧嘩したらハルヒの改変以上の事態になりそうだな…
191名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 17:15:19 ID:vxVHANdk
修羅場ものって意外と書かれてないな。
「涼宮ハルヒの誤算」がちょっとそれっぽいけど。
192名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 17:19:58 ID:gS7ZFXGD
修羅場はその状況に持っていくまでは比較的難しくはないが、どうやってまとめるかが難しい。
最初にオチのビジョンを明確にしておかないと手詰まりになりやすいんだよな。
193名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 17:23:13 ID:Noh4/4PY
>150
亀でスマン。マジレスすると人間椅子(1925年)江戸川乱歩
ネタばらしスマソ
194名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 17:38:31 ID:HWgerEG6
>>193
あれか! あれがこんな爽やか話になるのか…。
いわれてみれば手紙パートがそうなんだな。マジすごいぜ。
195名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 17:56:25 ID:iAp9NgYx
>>192
というか、小説書くのに、どんなジャンルにしろ
オチも決まってないまま走り出す強者って居るの?
196名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 18:04:20 ID:HknyIw6J
>>195
ふいに脳裏に浮かぶインスピレーションと衝動の赴くままに
197名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 18:05:26 ID:ZNeWBRaB
初めてSS作ってみました。
ちょっと2レスほどお借りします。
198名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 18:06:05 ID:gS7ZFXGD
シチュエーションを閃いて書いてみたけど、それ以降の話が思い浮かばなかった
っていう空中分解パターンはエロパロスレでは時々見る。
見切り発車で自爆ってとこだな。
199長門有希の陰謀1:2006/07/25(火) 18:16:27 ID:ZNeWBRaB
長門有希の陰謀

涼宮ハルヒが、1時間ほど SOS団の活動に遅れるというので、今日は、少しはまったりできそうだな、と俺は意気揚々と文芸部室に向かった。
俺はノブをひねって、少し立て付けの悪くなったドアを開いた。
「きゃっ!」
 お約束だ。朝比奈さんは、まるでゆでたエビが赤くなるかのごとくに、玉子のように白かった肌の色を豹変させている。
あと何回、俺は朝比奈さん(小)の下着姿を見ることになるんですかね?朝比奈さん(大)。これも規定事項ですか?
謝罪の言葉とともに退出しようとすると、突然空間が歪んだ。ドアを開けようとするが開かない。いつか見たことがある変化だった。
 そう、あれは、俺の命を狙った、元クラスメートの朝倉凉子の作った空間にそっくりだ。ということは朝倉のような急進派に属する統合思念体の有機アンドロイドか。
いや、しかし、俺と朝比奈さんを閉じこめても、仕方ないだろう。俺は、朝比奈さんに命を狙われる覚えはない。そう言えば朝比奈さんがやけにおとなしい。
おかしい…。朝比奈さんが悲鳴の一つもあげていない。俺は思考を中断すると、下着姿のはずの朝比奈さんの方を振り向いた。
すると、彼女はとろんとした妖艶な瞳で、こっちを見つめている。
朝比奈さんは、緩やかな歩みで俺の体に接近すると、なまめかしい唇を俺の唇へと押しつけてくる。
俺は呆然として、朝比奈さんのするがままに任せていた。10秒間の思考停止した後に、少し思考力が回復してきた。
冷静になれ。朝比奈さんがいきなり、こんなことをするなんてあり得ない。まるで何者かに操られているみたいだ。
そこでハッとした。そうか、朝比奈さんの意志を、この空間を作った何者かが操っているんだ。
「朝比奈さん!目を覚ましてください!あなたは操られているんですよ」
 と言っているつもりだったが、今度は俺の口が動かない。いや、口だけじゃなく、体も思うように動かない。
「ねえ。キョン君。わたしとしましょう」
 するって何をですか?だが、もちろん声は出ない。
 朝比奈さんは、ブラジャーを外し去り、俺の体に馬乗りになって、俺の手を、彼女の白く、形のよい豊満な胸へと携えさせた。
すると俺の意志とは無関係に朝比奈さんの胸を包み込むように手が動き出した。俺の巧みな指の動きによって、
「あっ、あん、気持ちいいです。キョン君」
 と、彼女があえぎ始めた。
こんな事はいけないとわかっているのだが、俺の体が、手が脳みその出す命令を受け付けない。
すると、朝比奈さんは、すべての下着を脱ぎ捨て、今度は俺の服を剥ぎ取りにかかった。もちろん、俺は朝比奈さんの行為に抵抗することもできず、
トランクスまで脱がされてしまった。こんな状況ながら、俺は朝比奈さんの裸身の美しさに、目眩がするような感動を憶えていた。
朝比奈さんは俺の顔の上に跨って、股間を押しつけてきた。例によって、俺の指と舌がクリトリスと大陰唇を愛撫し始めた。
朝比奈さんは喘ぎながらも、俺のペニスを弄んだ後、口に含み、強烈な吸引力で頬をふくらませたり窄ませたりを繰り返している。
気持ちが高ぶったのか、朝比奈さんは、自らテーブルの上で仰向けになった。すると、急激に俺の感覚が元に戻ってきた。
自分の意志で体を動かせるようになったのだ。
 しかし、もはややめることはできなかった。彼女への気持ちの高まりが抑えきれない。
200長門有希の陰謀2:2006/07/25(火) 18:17:40 ID:ZNeWBRaB
俺は今度は自分の意志で、朝比奈さんの膣に、自分のペニスをあてがうと、そのままズブズブと差し込んだ。
すると、メリッと何かが裂けるような感触を感じ取った。
「いたっ。」
朝比奈さんは処女だった。結合部から、破瓜の血をこぼれさせていた。
俺は、朝比奈さんの初めてを奪った感動から、もう止まらなくなっていた。脇目もふらず、夢中で腰を動かしていた。
 すると、最初は痛がっていた朝比奈さんの口から、甘い声が聞こえ始めていた。
「あんっ、キョン君、キョン君。いいです!」
 そろそろ限界が近かった。
「朝比奈さん!出しますよ!」
「来て!わたしの中に!」
その声がトリガーだった。

ドピュッ、ドピュッ、ドピュルル

俺は、すべての精を、朝比奈さんの中に放っていた。


 事が終わるとともに、朝比奈さんも我にったようだ。顔を赤らめながら、
まだ俺とつながっている部分を、惚けたように見つめている。
俺は、朝比奈さんに声を掛けようとした。その時、空間がまた歪んだようだ。元に戻ったんだろうか?

ガタッとドアを開ける音がした。
「ごめーん。遅くなっ……ええっ?!」
──最悪の状況だ…。ハルヒが用事を終えて部室にやってきたのだ。しかも俺たちはまだつながったままで、
言い訳のしようもない。
「あんたち!なにやってんのよ!」
 とハルヒが怒鳴った瞬間、爆弾が爆発したよう強烈な閃光が起こった。と同時に周りが真っ白になった。
自分の体の感覚もない。
「涼宮ハルヒの能力は、あなたへの嫉妬心が最高潮に高まったときが、一番強く発揮される」
 俺の脳髄に直接響く声は──長門か。
「だから、あなたと朝比奈みくるを操って、涼宮ハルヒの嫉妬心を高めてもらった」
 こんな事をしてどうなるんだ?また閉鎖空間が発生するだけじゃないか?
「そうはならない。彼女が、その力を発現させる瞬間に、その力を利用して統合思念体の望む進化を達成させた」
 おまえはそれで満足なのか?
「そう、それが統合思念体の望んだこと」

 長門の最後のセリフがおれの脳を満たした後、俺の意識は消失した。

おしまい
201150:2006/07/25(火) 18:49:12 ID:JDwgpez9
>>193
おおっと、ありがとう。週末にでも図書館で探してみるわ。
202名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 19:01:41 ID:WcWjS8n3
すんません
キョンがSOS団の記憶を無くす話って
タイトル何でしたっけ?
203名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 19:27:31 ID:mE+Bg7Er
すいません、
少し質問したいんですが。
消失でキョンが退院して学校に来た日は24日でいいんですかね?
204名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 19:34:29 ID:JWnJHP/Y
>>203
ヒント「三日分の無断欠席は高くつくわよ」
205名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 19:43:14 ID:7zD/k8qW
>>203
退院した日は22日の午後若しくは23日の午前中と推測される
24日は終業式。よって退院後の登校は23日と24日のどちらかは不明

>>204「あと延滞料もね」
206名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 19:46:11 ID:4jyxkDJD
部活のみだったら22日の午後に学校に行ってる可能性もあるね
207名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 19:48:51 ID:mE+Bg7Er
みなさんどうもありがとう。
助かりました。
208名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 20:02:06 ID:4jyxkDJD
ところで、ここのスレの1レスあたりの文字数or行数制限って
どれくらいなんでしょうか?
209名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 20:04:16 ID:JDwgpez9
>>202
自分で探せ。
と言いたいところだが、久々に読もうかと思ったらホントにみつからんでやんの。
きーにーなーるーゥーーー
……わり、どこだっけ。誰か。
210名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 20:06:25 ID:q02/Z8Qc
>>209
同じく久々に読もうとしたら知り合いに貸しっぱなしで、あわてて買いに行った俺は何なんでしょう…
211名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 20:07:43 ID:TzM3DGHp
>>208
60行で4096byte以下。
212名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 20:13:48 ID:4jyxkDJD
>>211 ありがとうございます。

>>209 それって原作の話なの?
213名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 20:15:24 ID:q02/Z8Qc
むぅ、安価見間違え
ついでに>>202は前略)黒日
214名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 20:16:33 ID:wNz2GcC6
>>202
涼宮ハルヒの黒日だったと思う。違ったらスマン
215名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 20:19:09 ID:JDwgpez9
そうだ、それだった!
ありがとうよ、これでようやく期末の試験勉強に戻れる。
216名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 20:36:40 ID:BU7zFrRN
ええい、ポッキーSSはまだなのか!?
217名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 20:39:24 ID:E8jV864O
>>216
いつもリクエストありがとう。後ゴメン。
いつだったか口にした朝倉幽霊谷口ネタに浮気してる。
なんか凄い悪い気がして来た。ポッキー頑張るよ。
218名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 20:42:11 ID:JDwgpez9
なにげにいまだ古泉編を楽しみにしている俺が居る。
219名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 22:20:39 ID:GML6bhVV
俺も俺も
220名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 22:25:44 ID:1VTnTA8G
お、おれもボッキー楽しみにしてる
221名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 22:25:58 ID:q02/Z8Qc
続き物を途中で投下して続き書いてる間に2スレ消費してた。
憂鬱だ…
222名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 23:06:42 ID:WcWjS8n3
>>213 >>214 スパーサンクス

223名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 23:37:01 ID:ZU/6jV7z
>>221
何故完成してから投下しない?
224名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 23:42:29 ID:tEe67RgD
>>427
メキシコはテキサスとかがアングロサクソンの牙城になりそう。
カリフォルニアはリベラルだろうな。ゴールドラッシュで押し寄せるのはヒスパニックだし。
225224:2006/07/25(火) 23:43:00 ID:tEe67RgD
失礼、誤爆だ。
226名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 23:43:57 ID:HknyIw6J
壮絶な誤爆キタコレ
227名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 23:50:36 ID:md4k2v52
なんか今日は落ち着いてますな‥‥
228名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 23:53:59 ID:w+ZwD3Qm
>>223
早漏だから。

でも早漏だからと言って責めることはできない。遅漏よりは、いくらかましと言えるから。
そう、SS投下と言う文脈に限るならば。
229名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 23:58:08 ID:rjtLG/Y+
ケミカルフュージョンパワーアップの略
230名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 00:01:03 ID:AXuAuHrG
>>211
1レスで60行も投下できるんですか?
4096byteってファイル容量?それとも文字数(2048文字)?
231名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 00:09:00 ID:V2iYMlUe
>>228
早老の場合は直後責めを切に願う!
232名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 00:21:18 ID:vNlNduAU
>>230
控え室行って聞いてくれ
233名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 00:32:15 ID:Wvw7DOtx
>>230
半年ROMってろ
234名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 01:55:18 ID:1jJ+L9Pj
すっげえ遅レスで悪いんだけど、>>96のあまりに的外れな文句の数々に作者が可哀想になってしまった。
ここまで誤読できるのも凄い才能だ。
>>99も痛さ全開で読んでるこっちが赤面してしまった。

こういう酷すぎる批評垂れ流されてるときくらい、だれかフォローしてやれよ…。
235名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 02:03:53 ID:dAW5igCb
>>234
まあ、夏休みだしね。>>96はアレだ、感想を書く自分に酔ってるわけだし。
236名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 02:04:54 ID:tsvJ2Cm+
ああいうのは住人も作者もスルーしてるだろ
237名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 02:18:54 ID:W4AfJX6Q
>>234まずはキミがフォローしてあげなよ
238名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 02:24:52 ID:1jJ+L9Pj
>>237
今さっきまとめ読みしたものだからさ……。
酷い感想だなと思ってさぞ突っ込まれるだろうと読み進めても全然突っ込まれてないし、
フォローの無さにもビックリしちゃって。
ちょっと前に誰かが投下した後は別の作者は直ぐに投下するな、感想が貰えない、なんて言ってる馬鹿がいて
そこそこ論争になっていた時に「亀レスでもいいから言いたいことあったら言ってあげればいい」と作者さん達が言っていたので。

リアルタイムで見てたなら速攻で突っ込んでたんだが…。
239名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 02:31:08 ID:YvxAHYM8
じゃあ俺がするね
>>99そこは長門はもう一人のハルヒ。(ハルヒ(内)にしようか)になって自分に嘘を吐くハルヒにハルヒ(内)が本当の気持ちを諭している所だと思うんだ。
だから長門→ハルヒになることになんら違和感はない。と俺は思うんだ。
240名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 02:38:49 ID:xC5v5XzP
>>239
あぁ、やっちゃたよ…>>99みたいなのはスルーが基本だろ?
理解力が無い奴にそんな事言っても無駄なんだからさ、下手に構うとまたスレ荒れちゃう予感…
24115-705長門スキー:2006/07/26(水) 02:55:33 ID:a2cLNci7
久しぶりに投下しますよ。
長いのかいてるとついこの手の短いのを書きたくなっちゃう。
24215-705長門スキー:2006/07/26(水) 02:56:57 ID:a2cLNci7
『長門有希の「3分間レスが無かったら長門は俺の嫁」』←タイトル

-----------------------------------------------------------------------
 3分間レスが無かったら長門は俺の嫁

 自室でPCに向かってそれだけを打ち込むと、送信ボタンを押した。了承。

 書き込みがポストされる。

 俺は溜息をついた。
 どいつもこいつも勝手に長門のことをああだこうだ言っている。
 俺はすこし酔っていたせいか、無性に腹が立ってきた。
 クールビューティーだの萌えだの一言で片付けやがって。
 長門が美人だとかカワイイだとか、そういうのはどうでもいいんだよ。
 いや。たしかにAマイナーだのAだのそう言ってる香具師には
部分的には同感できるが、俺にとって長門が、宇宙人のつくったあのアンドロイドが
大切で好きでしょうがない理由はあの目の中にあるかすかな感情。よく見ないと
読み取れないような感情の萌芽みたいなのがどうしようもなく好きなのだ。
 俺を無条件で信頼してくれてる、俺も無条件で信頼できる、そういう関係。
 俺以外には築けないであろうそういう関係だからこそわかる、アイツの素の感情。
 それが好きな理由なわけで。

 と、そんなことを考えていると携帯が点滅している。
 ハルヒからメールが来ているらしい。
『キョンへ
 明日の不思議捜索、遅刻したら承知しないからね!遅れたら死刑100回!
あとケーキバイキング全員に奢る事!』
 死刑100回ってなんだそりゃ。
 こんなのは返信するまでも無いと思って、もう寝ようとベッドに向かった瞬間。

 そこに長門がいた。

「ありがとう」
「うわああああっ!?」

 おれは突然のことに驚いた。
 当たり前だ。夜中に自分の部屋で寛いでる時になんで長門が?なんでここに?
 ベッドの上に正座しているのはいつもの格好、つまり制服を着ている長門有希。

「な、な、な……長門?」
「あなたが嫁と言った」
「なんだって?」
「三分間、他人の書き込みが無ければ私はあなたの妻」
 さっきのスレのことか!?
「そう」
「いや、あれはお約束というか、なんて言うかその」
「……」
 目を大きく見開いている長門。そのブラックホールのような真っ黒い瞳が
俺をじっと見つめている。4mmほど首をかしげているのは疑問を表現しているのか?
「……」
「……」

 俺としてもまさか「冗談だった」とは言えない。言おうとはしたが、あの長門の
真摯で純真な目を見てそういうことが言えるヤツがいたらそいつは鬼畜だ。畜生だ。
人でなしだ。
 そう苦悩している俺の元に、長門は近づいてくる。あ、なんかヤバい。
なんかいい匂いがする。長門の目が俺を真っ直ぐ、十数センチの距離から見つめてくる。
「ま、まだ、結婚は早いっていうか――」
「私はすでに法律上結婚できる年齢」
24315-705長門スキー:2006/07/26(水) 02:57:20 ID:a2cLNci7
「お、俺はまだそういう年齢じゃないし」
「問題ない。法律婚は無理でも事実婚という方法がある」
「なんだそりゃ」
「事実婚。内縁の妻。
 私はあのスレッドに三分間の書き込み制限を掛けた。結果として三分の間誰の
レスポンスも書き込まれなかった。それゆえに私はあなたの妻」
 長門の瞳が数センチの距離から俺を覗き込む。
「私はあなたの妻だから、あなたは私を好きなようにすることができる」
「……」思わず唾を飲み込んだ。
「私はなにも拒まない。あなたの思うままにして欲しい」
 漆黒の瞳の中に俺の目が写っている。

 俺の心臓が身体の中で暴れだす。

 無表情で俺を見つめている長門の瞳が微妙に潤んでいる、ような気がする。
 真っ白い頬だって、なんか赤らんでいるように見えなくもない。
「気のせい」
 ……珍しく、長門は照れているみたいだ。

「あなたの好きに――」
 長門はそこまでしか言う事が出来ない。
 俺の唇が長門のそれを塞いでいるからだ。

 舌先で長門の唇の柔らかさを味わい、粘膜の味を確かめる。
 キスなんてしたことないのに、舌が勝手に動く。舐め、味わい、押し付け、こそぐ。

 数分か数十分か、判らないくらい長い長いキスのあとで、
俺は長門をベッドに押し倒した。額や耳にキスすると、長門は
その小さな身体をぴくっ、と震わせるのが可愛い。
「長門」
「……」
 小さく首を振る長門。
「もう長門ではない」
 なんだって?
「有希、と呼んで欲しい」

 俺の脳が理性を失ったのはそのときだったろうよ。










 まあそういうわけで、俺は翌日の不思議探索には見事に遅刻した。
 俺が一晩中なが……有希と何をしていたのかは書く気にはなれんし
誰にも教える気はないさ。

 妹が「キョンくん、ゆうべ夜中になにか騒いでたの?」
 みたいなことを訊いてきたり、母親が意味ありげな視線で見つめてたのも
気のせいだ!そうだと思いたい。


-----------------------------------------------------------------
肝心のえちしーんがないまま終わる。
お手軽でスマソ。
244名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 03:02:12 ID:pmsVw/lY
GJ !
深夜なのに声出して笑ってしまった

3分間レスが無かったら長門は俺の嫁
245名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 03:02:34 ID:fNZ67rDJ
あ、、、、間に合わなかった・・・orz
24615-705長門スキー:2006/07/26(水) 03:02:44 ID:a2cLNci7
>244
長門「わたしがさせない」
247名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 03:06:04 ID:CIv0UWNO
遅刻した上に同伴出勤・・・
248河童川流:2006/07/26(水) 03:23:49 ID:wZNyg8Hg
涼宮ハルヒの昔日

――――――――――――――――――――――――

再接合を試みようとする目蓋をどうにかこじ開けていると、ようやく視覚神経が可動し始めた。

滲む視界にはポニーテールの小さな頭。

頭の右片方にぶらさげたそれが勢いよくバウンドしている。

髪の先端に併せて俺の腹部に衝撃が走っているところから、加害者はコイツで確定だ。

「キョンくんキョンくん! 起きて! 朝だよ!!」

「…おまえなあ〜」

文句を言いかけて俺は口を噤む。

俺の腹の上に、まるでトロイ遺跡を発掘したかのような無邪気な笑顔が乗っていた。これを見ると、どうにも怒りが拡散しちまうのは仕方ない。

「んで、どーしたんだ、朝っぱらから…」

目を擦りながら俺は訊いた。久方ぶりの休日だ。別段早起きする予定はない。そもそも寝たのは明け方近くだ。

「うーんとね、ハルヒちゃんがね朝ご飯だから起こしてきて! って」

そう告げて、コクンと可愛らしく首を右に傾けると、ポニーテールの先端が肩につく。

「分かった、今いくよ…」

クシャッと頭を撫でてやると、たちまち小さな片ポニーは寝室を飛び出していった。

俺もゴロゴロとベッドから転がり落ちて、起きることにする。

そのプロセスで枕元の時計を見れば時刻は7時。うお、二時間半しか眠ってねえ。

かの皇帝ナポレオンだって3時間眠ってたというから凡人たる俺が眠くてしょうがないのは当たり前だ。

まだ温もりの残るベッドに未練が募ったが、ここで二度寝なんぞしようものならハルヒ御大将みずからご出馬なされるのは明々白々。

情け容赦のないフランス革命直前の税務官の如く布団を剥ぎ取り、ドイツを統一したプロイセンの首相のように俺に鉄拳を振り下ろしてくれることだろう。

仮に叛乱を起こしたとしても俺に勝ち目はない。無駄なことを諦めて、どうにかベッド脇に立ち上がる。

途端にぐらりと立ちくらみがした。身体も鉛の鎧を着ているみたいに重くて、疲れが抜けてないのがはっきり分かる。

アルプス越えを敢行したハンニバル軍だってこれほど疲弊してなかったんじゃないかと思ったね。

よろつきながら寝室を出て階段を下る。

249河童川流:2006/07/26(水) 03:27:34 ID:ff90/01z
カーテンどころか窓まで全開のダイニングキッチンは光に溢れ、容赦なく俺の瞳孔を縮小してくれた。

ハレーション現象を起こしていた流しの前あたりがようやく輪郭を伴って行く。滲み出るように視界に映った見慣れた後ろ髪が翻ってこちらを向いた。

「あ、おはよう、キョン!」

「ああ、おはよう…」

欠伸をしながら応じた俺は、既に食卓の上に用意されていた野菜ジュースを一口飲む。

じんわりと青臭い甘みに続いて、ようやく脳みそが回転を始めた。

「親父とおふくろは…?」

俺は続きのリビングを見る。キッチンの他に家に人の気配がさっぱりない。

「なにいってんのよ、二人とも昨日から旅行中でしょ?」

ハルヒの鼻歌交じりに、じゅうじゅうと油で何かを揚げている音と芳ばしい匂いが朝の空気に混じる。

「そうか、そうだったな…」

親父たちが数日前から町内会の旅行だなんだと支度してたのを思い出す。

俺は夕べ帰りが遅かったから気づかなかったわけだ……って、ハルヒよ、お前はさっきから何やってるんだ?

「はい、ごほーびよ。熱いから気をつけてねー」

ちっこいのに渡してるのは唐揚げかよ? 朝っぱらかちとヘビーすぎないかね、そのメニューは。
250河童川流:2006/07/26(水) 03:29:26 ID:ff90/01z
「アンタね、まだ寝ぼけてるわけ? 約束忘れたわけじゃないでしょうね!?」

エプロン姿で腰に手をあて菜箸片手に睨んでくるハルヒ。

約束? はて約束ってなんだっけ?

首を傾げ、コップのジュースを一口飲み、直後俺は顔にけばけばしいペイントをしたプロレスラーのようにそれを噴きだした。

「ハルヒ、ちょ、おまっ!!」

ゲホゲホとむせながら、俺は思わずハルヒを指さしてしまう。

「キョンくん、行儀わるいゾ!」

タオル片手にいってくるチビを無視して、今さらながらハルヒを凝視しちまったのも無理はない。

エプロンから伸びた長い手足は散々見慣れてはいたが、剥きだしの肩と胸元となれば朝日の中で拝むのはさすがに非道徳的だろう。

ん? という感じでペリカン唇のまま首を傾げるハルヒにあわせてエプロンが揺れ、チラリと脇腹が覗く。そこも目に眩しいくらいの素肌だった。

結論。

このバカ、朝っぱらから裸エプロンなんていう成人指定ぶっちぎりの雑誌や漫画にしかないシチュエーションを演じてるわけじゃないだろうな?

よりにもよって、ハルヒだけにその予想が否定できない。なにせビラを配るだけで恥も外聞も躊躇いもなくバニーガールの衣装に袖を通すヤツである。

俺がハルヒがこの奇矯に及んだ可能性と理由を模索してるうちに、当の本人はこちらの困惑に気づいたらしい。

「あ、この格好のこと?」

止める間もなくくるりとその場で一回転。

必然的に剥きだしの背中とお尻が俺の目前へと晒され―――それらの至極羞恥的な場所はセパレートの水着で覆われていた。

「…なによ? もしかしてアンタ、勘違いしてた?」

俺の茫然とも呆れともつかぬ表情から察したのだろう。イヒヒと笑うハルヒに俺は慌てて首を振る。

「あのな、水着にエプロンって組み合わせはどういう了見なんだ、おい」

「なによ、やっぱり裸にエプロンの方がいいんじゃない」

「じゃなくてな…」

呆れる俺にハルヒは冗談よ冗談と菜箸をプラプラさせて説明してくれた。

「今朝起きてね、どんな水着着ていこーかなーって色々試着したりしているうちに、朝ご飯の準備の時間になったわけ。
 だから、この格好の上にエプロンを着て料理してるって寸法よ。これにてQOD! 」

なるほど、ならば納得―――って、なにがQODだ、そもそもがなんで朝っぱらから水着を選ぶ必要があるんだ?

251河童川流:2006/07/26(水) 03:30:34 ID:ff90/01z
言いかけて、俺はすぐ隣で揺れる片ポニーに気づく。

「キョンくん、これ膨らませてー」

ちっこい手にはアニメキャラがプリントされた浮き輪。

ようやく俺は思い出した。そういえば、今度の休みにみんなで海に行こうっていったなあ…。

ならば朝っぱらから唐揚げなんてものをせっせとハルヒが揚げているのも納得がいく。

更によくよく見ればテーブルの片隅にでっかいバスケットあるではないか。お出かけ用スペシャルのその中には、既にサンドイッチやらおにぎりやらが格納されているに違いない。

「…膨らませるのはまだ早いよ。海水浴場に着いてからでいい」

「え〜」

頬を膨らませるチビすけを俺は抱え上げた。続いてその顔を覗き込む。

全く憎たらしいほどハルヒと同じ顔だ。唇を尖らす姿なんぞそっくりである。

今さら説明するわけでもないが、コイツが俺とハルヒの娘だ。前述した通りハルヒ似である。

自分でこういうのもあれだが、遺伝的にも明らかにハルヒの方が優性なのだろう。

あんな迷惑な遺伝子など希少性はともかく劣勢として淘汰されるべきだと思うが、ホルダー本人のバタイリティを鑑みる限り、まともに太刀打ちできる類ではなさそうだ。

現にまず外見で俺は敗北しているし。

ただ、性格も行動原理も準ずるかは今のところ判然としない。こちらの造作の方には大いに俺の遺伝子に奮闘していて貰いたいところだが、将来的にはどうなることやら。

まあ、丸々ハルヒのコピーなんてことは遺伝子学的にもあり得ないはず。

従って俺の心配も杞憂だろう。将来的に隔世遺伝って可能性も否定できないが、さすがに俺も子々孫々の世代までの責任は取れない。

未だペリカン顔のチビすけの脇をくすぐってやる。

「きゃはは、やめてよ、くすぐったいよ、キョンくん……!」

…俺のことをパパと呼んでくれたのは、まだ言葉もおぼつかないハイハイ歩きの頃だったな。

それがアウストラロピテクスのように二足歩行に移行した頃にはもうキョンで呼び名が定着していた。

周囲の環境もあるだろうが、誰よりも積極的に刷り込んだ犯人は記すまでもないだろう。

その主犯自体、自分のことをちゃん付けで呼ばせているあたり、どうにも差別を感じてしまうのは俺だけだろうか?

「いいじゃないのよ。あたしたちまだ若いんだし」

おまけにヌケヌケとそんなことを言う。
252河童川流:2006/07/26(水) 03:32:31 ID:wZNyg8Hg
…そうだな、ハルヒ。俺も高校に入っておまえと出会った上に超能力者に宇宙人に未来人と遊び倒した挙げ句、未成年のうちに結婚することになるとは夢にも思わなかったよ。

ようやく娘は小学校に上がるって頃だが、俺たちは確かにまだ若い。

正直、今の環境は嫌じゃない。むしろ気に入っている。

だけど、これがおまえが本当に望んだ未来なのか…?

『収束に伴う安定。僕らにとって、これ以上望むべきもない結末ですよ。…いやハレの席で失礼しました。とにかくおめでとうございます』

と古泉。

『残念だけど…………おめでとう』

長門はそれだけ。後は無言。そういやさすがに式場にまで本を持ってきてなかったな。

対して、感極まりまくりなのが朝比奈さんだった。

『ひぐっ、ほんじつは、おひがらも、ぐしっ、よく、キョンくん、おめでとぉ〜〜うえぇええんん〜』

折角めかし込んでいるのに泣きじゃくっていたのは、披露宴であられもない格好の出し物をハルヒから強要されていたのも関係あったと思う。 

三者三様で俺たちを祝福してくれた仲間たち。ついぞハルヒだけがその正体を知ることはなかったわけだが。

「ぼーっとしてないで、ちゃっちゃとご飯たべちゃってよ、キョン!」

気づけば、目前にハルヒの顔がある。

チビすけを抱えたまま、どういうわけか俺はハルヒの目を覗き込んでしまった。

「…何見てるのよ」

ハルヒが遠ざかる。追従するように腕の中のチビすけも逃げ出す。

チビすけのポニーの先端を捕まえ、ハルヒから視線を逸らした俺は、誤魔化すように言った。

「やっぱりポニーテールったら正調のヤツだろう。こんな偏ったのは邪道だ」

逃げだそうとする娘の頭を抱え込み、ゴムバンドを外して髪のまとめ直しを試みる。

「あー、だめだってば! この子にはそれが一番似合うの!」

「うわーん、ハルヒちゃん、キョンくんが苛める〜」

大小同じ顔の上目遣いでこっちを睨んできやがる。

降参という風に俺は両手を上げてハルヒを見た。
253河童川流:2006/07/26(水) 03:33:30 ID:wZNyg8Hg

「だったら、お前がポニーテールにしてくれよ」

俺の趣味を知ってるくせに、結婚してからハルヒのポニーテールを鑑賞できたのは賞味一年もない。

妊娠しているときこそ髪を伸ばしていたのだが、出産してすぐバッサリ切りやがった。

その後は頑ななまでにSOS団発足時の長さをキープしてくれている。

ポニーにするには中途半端な長さなのはいうまでもない。

「…そうね、そのうちにね」

なんとも歯切れの悪い返事だったが即座に二撃目が来た。

「そんなことより、さっさと着替えて準備しなさいよね!!  家を出るまで日が暮れちゃうわよ!?」

「へえへえ」

ヨタヨタとバスルームへ向かった俺は、やけどするようなシャワーを浴びた。

俺が車を運転するにせよ、ハルヒが運転するにせよ、悠長に寝かせてもらえるわけがない。

精々気合いを入れて起きてなくちゃな。

脱衣所に出て、髪を乾かし髭をあたる。

鏡に映る自分は、昔に比べたら成長したのだろう、間違いなく。

もちろんハルヒも変わったはず。あまりに一緒にいすぎると微々たる変化には気づきづらいとはいうがね。

それでも。

先ほど覗き込んだハルヒの瞳を思い出す。

アイツの瞳だけは、昔と変わっていなかった。

放課後、部室棟に集いバカばっかりやっていたころと同じ瞳。

あの頃が一番楽しかったのは間違いないだろう。

俺と一緒になった今になっても過ぎ去りし昔日と同じ瞳のままでいてくれているのなら。

今の生活も満更じゃないと多少自惚れてもいいだろう?


〜終わり
254名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 03:36:54 ID:ZbsqG2mQ
>243
ワロタ
長門、キョンの行動であれば2ちゃんねるの投稿内容に至るまで観察してるのかw
255名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 03:37:04 ID:1jJ+L9Pj
マジメな話さ、26過ぎてもポニテにしてる女性とかしてくれとか言う男ってちょっと痛いよな。
256名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 03:46:34 ID:iYHUg2vn
似合っていれば何歳だろうと関係ない
257名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 03:50:33 ID:UhNk2/KM
高校卒業ぐらいにできちゃった婚と想定してたから
まだ24ぐらいだと思ってたのも私だ。
258名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 03:52:14 ID:jBGJ/872
そもそも何で26なんだ?
まだ四捨五入したら20代前半かもしれないじゃないか。
まぁキョンの趣味もいい加減どうかと思うが。

頑張れキョン遺伝子!
259名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 03:59:16 ID:jBGJ/872
あっ、読み返してたらほんとに26だ。
何考えてんだろ?俺。
ついでに「QOD」って何だ?
最近の流行りか?どうでもいいけど。
260名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 04:05:55 ID:1jJ+L9Pj
>>259
「証明終了」ってこと。

261名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 04:07:34 ID:j+PKZkC+
>>260の補足
Q. E. D. はラテン語Quod Erat Demonstrandum(訳:かく示された)の略。
証明終わりの意として数学、哲学などで証明の末尾を示す。
262名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 04:07:35 ID:jBGJ/872
>>260
サンクス。
263名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 04:13:19 ID:uF3JhUNn
マジメな話さ、21過ぎてもフィクションとノンフィクションの区別が付かない奴ってちょっと痛いよな。
264名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 04:19:44 ID:j+PKZkC+
>>263
ちょっとじゃない、かなり痛い。
265名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 04:20:19 ID:j+PKZkC+
スマンageちまった
266lost my … 1/3:2006/07/26(水) 04:46:34 ID:XLUXRJY5
切っ掛けはほんの些細なことだったと思う。今もってその時の正確なやりとりを思い出せないほどだから、きっとそうなのだろう。
覚えているのはハルヒの朝比奈さんに対する態度に俺が文句をつけたのが始まりだったということ。
この時もいつかのように軽い口論になったこと。
それから一週間の間俺が部室に顔を出さなかったこと。


これで俺が今ここにいる理由は過不足なく説明できるだろう。
気分を悪くさせるような精彩に欠いた空間、閉鎖空間。場所は部室。仏頂面で腕組みしたハルヒ。
いつかの光景の再現だった。
勝手にサボって謝りもしない下っ端団員に腹をたてているのだろう。非難がましい目付きで睨め付ける。
俺は最初から謝るつもりはない。
この一週間古泉から頻りに関係改善を勧められたが、俺は「組織」の連中とは違ってハルヒを一人の人間として見ている。だからこそ無茶なことを言ったら止めるし、悪いことは悪いと分からせるべきだと思っている。
267lost my … 2/3:2006/07/26(水) 04:48:13 ID:XLUXRJY5
「久しぶりだな」
教室で目にするが、面と向かうことは無かったからこう言った。
「そうね。他に言うことはないの?」
「俺は謝らないぞ」
「…………」

遠くから何か大きな物が崩れる音が聞こえてくる。
ふぅ、と小さく息をついてハルヒが背を向ける。
「やっぱりそううまくはいかないものね」
そうわざとらしく呟く。体の奥に響くような破壊音が、さっきよりも大きく聞こえる。その音は確実にこの場所に近付いてくる。
「ハルヒ、早くしないと……」
「いいのよ」
ドオオォォォン……
「どうせ帰ってもキョンは許してくれないわ」
ドオオオォォォン……
ハルヒの肩越しに巨大な音の元凶が見えた。「きっとキョンはもう部室にも来ない」
「お前なに言って……」
破壊者がその巨大な腕を持ち上げる。
「だったらこのまま……」

校舎を打ち壊すその一撃が振るわれる直前に振り向いたハルヒの顔を、俺は確かに覚えている。
その先の記憶はない。
268lost my … 3/3:2006/07/26(水) 04:50:41 ID:XLUXRJY5
俺が目覚めたその時、すでに新しい世界が始まっていた。
次の日ハルヒは上機嫌で次の会議の予定を押し付けてきたし、長門、古泉、朝比奈さんの三人は俺に何の話も持ちかけてこなかった。

ハルヒの世界の創造に巻き込まれ、過去17年分の記憶を持たされて数時間前に普通の人間としてつくられたのか……

それともハルヒの俺と喧嘩した記憶だけが改竄され、三人は俺の対応に見切りをつけて、俺を部外者として扱っているのか……

なにが真実で、どれが俺にとって幸せなのかもわからないし、それを確かめる気すら起きない。いっそ俺の記憶も改竄してくれれば良かったのに。
俺は長門、古泉、朝比奈さんを加えて、ハルヒの巻き起こす常識的で人間的な、つまらない日常を、ハルヒと出会う前のように退屈にこなしている。


今になってようやくわかったこともある。改竄前の話だ。
ハルヒは終礼と同時にどこかへと姿を消す。
しかし俺が部室に訪れなくなった次の日からは、俺が教室を出て行くまで決して自分の席を動かなかった。
「あっ……」と何度か俺に話しかけようとしたハルヒの声を俺は聞こえない振りをした。
ハルヒはとっくに俺を許していたのだろう。
俺だけが一人意地を張っていたのだった。

世界の最後で見た涙に濡れたハルヒの顔が幾度となく思い出される。
人は神によって赦される。
では神は何者によって赦されるのか?
俺はその唯一の人間だったかもしれない。
今はそれを知る由もない。

俺は宇宙人も未来人も超能力者も……おそらく神さえもいない世界で今日も生きている。

(省略されませんでした。これを見た人はハルにゃんに優しくしてあげてください。それだけが私の願いです。前原K一)
269名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 05:03:45 ID:eMmmqoJ2
こういうのは、駄目だろう……
270名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 05:40:02 ID:BQYNPg5Y
>>266
いろんな意味でGJ!
271名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 05:43:51 ID:HxzSZwHC
>>266
ハルヒのご機嫌取りよりもまずキョンの教育を行うべきだと思ったよ。
272名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 05:56:02 ID:eMmmqoJ2
つーかなんかめちゃくちゃだなこれ。
キョンが謝る謝らないの話が、どうしてハルヒは許してした、に繋がるんだ?
273名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 06:20:59 ID:XLUXRJY5
キョンはハルヒの態度に腹を立てて口喧嘩したけど、ハルヒが謝ろうとしてることにも薄々気付いてた。
でも気付かない振りをして絶対に自分からは先に謝ろうとしなかった。これはハルヒの為にしている、という大義名文にしてたけど実際はただ意地を張り続けていただけ……というつもりで書きました
すいません。うざいと思ったらスルーしてくれて構いません
274名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 06:31:59 ID:pRHlojNs
>>273
いや良い感じだったと思うよ。
275名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 06:39:14 ID:q4XzXSoa
別にめちゃくちゃじゃないと思うし、良かったですよ。
276名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 06:39:15 ID:u1JD8B34
>>243
貴方のせいで、そろそろメディコが足りなくなってきたんだ
どうすれb
「あぁっ!ジャンルイがやられた」
277名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 06:40:26 ID:udC8piUP
>>273作者に作品解説させるほどアホなこともない。乙です。
俺はこういうのもアリだと思ったよ。
多分>>272は読解力(ry
278名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 07:05:18 ID:eMmmqoJ2
>>277
自分が理解できないからってなんでも読解力不足とレッテル貼って適当言わないでくれ。

・ハルヒは謝る気満々だった
・ハルヒはキョン「に」許して欲しかった
・キョンは自分から謝る気はなかった

で、これのどこをどんな角度で読解してら、ハルヒが許す立場になるわけ?
煽るくらいなんだから返されたらさらっと説明できるくらいの覚悟あるんだろ?
ただの言いっ放しだったら、あんただたのピエロだぜ。
279名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 07:07:22 ID:h7b4mW9g
Q批評とか感想とか書きたいんだけど?
A自由だが、叩きは幼馴染が照れ隠しで怒るように頼む。

Q煽られたんだけど?
Aそこは閉鎖空間です。 普通の人なら気にしません。
280名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 07:32:43 ID:q4XzXSoa
>>278
読解以前に、喧嘩して仲直りするんだったら、お互いを許し合う事は当然だと思いますよ。
だからどちらも許す立場であり、許される立場でもある。
ハルヒはキョンを許していたのに、キョンは意地を張ってハルヒを許す事ができなかった、という話だと思います。
横から申し訳ありません。気に障ったのなら、スルーして下さい。
281名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 07:48:05 ID:uCYtANiQ
スルーできずに議論続けてる奴がスルーしろって言うなよ
議論したいなら好きにやればいいし躊躇するんなら最初から黙ってなよ
282名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 08:57:17 ID:dkWTOONX
ハルヒがキョンを許してたってのは、
人を許すのが神(ハルヒ)で、
神(ハルヒ)を許すのがキョンという部分の前振りだからなあ…。ないほうが、話のスジはすっきりするんだが

なにはともあれ、GJ!
283名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 09:04:56 ID:l0WPFelF
>>278
読解云々よりも対人関係について実際触れて学ぶべき
284名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 10:10:40 ID:XLUXRJY5
蛇足ですが、これで終りなのでお付き合い願います。
以下、気に入らない方はスルー願います
285god knows? 1/3:2006/07/26(水) 10:12:41 ID:XLUXRJY5
「他に言うことはないの?」
「いや、別に……」
「……そう」
「……」
ハルヒが目を伏せてしまうのを見て、なんとなく目をそらしてしまう。後頭部を乱雑にかきむしり、思いきって心を決めて言葉をつむぐ。
「なんだ、その……この部室も久しぶりなんだよ」
「…………」
「なんだかんだ言ってここ、居心地いいし……さ。だからまた、そのうち来るかもしれないから」
「……うん」
「……それだけ」
あぁ、くそ……なんでこれだけのことなのにこんなに言いにくいんだよ。
ハルヒとまともに顔を合わせられる気がしなくて、頭を掻きながら背を向けた。
二人だけの部室、二人だけの世界が静寂に満ちる。文字通り全てが死んでいるかのようだった。
世界を動かすハルヒの声が響いた。
「キョン」
振り向いた俺の首は、ハルヒの手によって強引に引き寄せられ、気が付いた時には唇に押し付けられる柔らかな感触。
目を閉じた沈黙の時間が果てしなく永い。
再び世界に光が戻ったその時に俺が目にしたハルヒの顔を、俺は生涯忘れることはないだろう。
286god knows? 2/3:2006/07/26(水) 10:14:16 ID:XLUXRJY5
目覚めたのは我が家のベッドの上。また……なのか?
それにしてもあのハルヒはかなり……いや、今はそれどころじゃないんじゃないか?
一見して変わったところはないが、世界改竄が行われていない保証はない。
結局不安やら、それ以外のなんとも言えないなにかに悩まされ続け、一睡もできなかった。

眠い目を擦りながら教室に入るとすでにハルヒの姿が認められた。俺はなるべく平静を装っていつも通りに自分の席に付く。
しばらく背中で後ろの様子を伺っていると、ハルヒから声がかけられた。
「……今日はSOS団の重要な会議よ」
「……そうか」
「…………」
「…………」
「それとみくるちゃんの新衣装のお披露目もするわよ」
「……ほう」
「…………」
「そりゃあ……是非見に行かなきゃな」
287god knows? 3/3:2006/07/26(水) 10:16:01 ID:XLUXRJY5


かくして、俺は一週間振りに文芸部の部室を訪れたのだった。
古泉は「いやぁ、ほっとしましたよ」などとニヤついていてしゃくに触ったが、朝比奈さんが涙目で俺にすがってくださったから帳消しにしておいてやろう。
長門は相変わらず本を読みながら、俺とハルヒがその時「こっち」の空間から消えていたことを告げた。
遅れて現れた団長ことハルヒは、俺が今まで見た中でも5本の指に入るほどのハイテンションでの登場だった。

ちなみに、この日は「重要な会議」もなかったし、(残念なことに)朝比奈さんの新衣装のお披露目もなかったことを付け加えておこう。
まったくもって素直じゃないやつだ。俺も人のことを言える立場じゃないがな。
あの時、二人だけの世界にいた時くらい素直だったら可愛げもあるというものだ。
最後の瞬間、涙を流しながら満面の笑みを向けられたあの時、俺はハルヒのことを……
いや、なんでもない。今日も町内不思議探しだ。早く行かないと今度は罰金じゃ済まなそうだからな。

俺は宇宙人と未来人と超能力者と、気まぐれで、素直じゃなくて、わがままな我らが神様と共に、非常識で滑稽で馬鹿馬鹿しいような、満更でもない日常を今日も過ごしている。
288名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 10:18:26 ID:XLUXRJY5
以上です。
先の話の途中分岐版です
289キョンと変な女1:2006/07/26(水) 10:48:59 ID:CioAZyyV
キョンと変な女

 古泉の奴め、何であいつが俺の、中学時代の女友達のことまでことまで知っているんだ。と問うのも愚問か。
何せあいつは機関なんていう、工作組織だか、探偵事務所だかわからん組織の一員だからな。俺の過去ぐら
い知っていても不思議じゃねえ。あいつの前にはプラバシーなんかあったもんじゃないな。

 そういやあいつは、今どうしているんだろうな。年賀状では市立高校で元気にやっているようだが・・・。
それにしても、俺と付き合ってたなんてのは、馬鹿馬鹿しい戯言だが、国木田までが勘違いしていたのは、業腹だ。
まあ、仲は悪くなかったし、よくつるんで掛け合い漫才のような事をやってたからな。ああ、変な女というのも的確
な人物評だ。なんせあいつはハルヒとは違ったベクトルで、とんでもなくハイテンションで、ぶっとんだ女だったのだ。


──あれは俺が中三になってまもなくのことだった。俺はとうとう受験という、人生の中でも5本の指に数えられる
ような、苦難の一年を否応なく迎えてさせられていた。
 新学期が始まると、ただ隣の席だと言うことだけで、俺は彼女と知り合うことになった。最初は、なかなか機知
に富んだ会話をする奴ということで、すぐにうち解けるようになった。気も合ったのだろう。

 だが、仲がよくなるに従って、あいつが本来持つ、底知れないエネルギーを炸裂させるようになっていた。
 ある日のこと、彼女が教室に入ってくるやいないや、俺の席までやって来て──
「キョンくーん、キョン君キョン君キョン君キョン君キョン君。さて、わたしは何回キョン君と言ったでしょう?」
「知らねーよ。5回ぐらいじゃねーの?」
「ざんねーん。正解は7回でした。じゃあ不正解だから、ひろしくん人形は没収しまーす」
「そんなのはねーよ。つーか、いつのまにそんなの賭けてたんだよ?」
「さっきだよ。キョン君、そんなことを言ってたら、一流の回答者にはなれないよ。草野さんも草葉の陰で泣いてるぞ」
「一流の回答者なんかになりたかねーよ。その前に、草野さんを勝手に殺すな」
「大丈夫。キョン君。わたしが児玉さんに替わって、キョン君を一流の回答者に育ててみせるから」
「さっきと人が変わってるだろ。児玉さんて誰だよ」
「知らないのキョン君?あの有名な児玉さんを。あ、言っとくけど児玉源太郎じゃないよ」
 何で一女子中学生が明治の軍人を知ってるんだよ…。
 俺は突っ込むのにも疲れて、こめかみに人差し指を当てていた…。

 これはほんの一例に過ぎないが、いつもこんな風だから、二人は付き合ってるなんて噂が流れたんだろうか?確かに
しょっちゅう一緒にいたような記憶があるが…。だが、待てよ。そう言えば、ある時からあまり冗談も言ってこなくなったな。
290キョンと変な女2:2006/07/26(水) 10:49:40 ID:CioAZyyV
 あれは2月の初め頃か──たまたま俺は彼女と途中まで一緒に下校していた。俺にはいつもと変わらないように見えたが、
それでもいつもより、口数が少ないようなのような気もした。それでも彼女は口を開くと、いつもの調子で、
「キョン君。2月のイベントって何か知ってる?あっ、言っとくけど、建国記念日というのは、なしだからね!」
 ボケる前に先に言われてしまい、どうボケようか迷っていると、
「バレンタインデーって知ってるよね?」
 そりゃ、俺も男だからな。重要なイベントの一つとして認識しているが、と答えると、
「キョン君は今年もらえる当てはあるの?」
 と、彼女に問われた。どういう意図があって、こんな質問をしてくるのか俺にはわからなかった。いや、今になっても
わからないんだが…。
 俺はこう答えた。
「あてと言われてもな。妹と母親ぐらいからはもらえるだろうが、後は別にないな。もらえるもんなら誰から
でもいいけど、まあ、別に好きな女子がいるわけでもないし、俺を好きでいてくれる女子もいないだろうしな」
「じゃあ、キョン君。わたしが…」
「ああ、俺こっちだから。お前も急がないと電車が出ちまうぞ」
「そ…、そうねキョン君。じゃあまたね」
「ああ、またな」

 この日を境に、彼女が俺に話しかける頻度が徐々に少なくなったんだ。ああ、バレンタインデーには一応やけに装飾を施した
義理チョコをもらったがな。


「キョン。いつまで部室でぼうっとしてるの!ほら早く帰るわよ」
 ハルヒのその一声で、俺は我に返った。


終わりです
291名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 11:11:48 ID:8E1sTKep
これはひどいフラグクラッシャーですね><。
292名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 11:21:53 ID:wdbApBff
終わりかよ!?
前振りじゃねえのかyo!?
293名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 11:57:20 ID:udC8piUP
>>278
読解力云々で言いたかったのは、あくまでこの話はキョンの後悔が主題でハルヒが許す許さないの問題じゃないから前提がおかしいってこと。さらにキョンからみれば罪悪感を感じてるんだからハルヒが許すっていう表現は別におかしくないってこと。

こんなんでいいだろうか。作者の前で偉そうに講釈たれてスマンかった。

長文もスマン。短文だとどうしても語弊が生じるから許して
294名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 11:58:14 ID:a7cddQBU
>>290
ん?
中学時代のその変な女が転校して来て
キョンとすげー仲良くしだして
SOS団の女の子達が嫉妬に狂う「キョンと変な女3」が書き込まれてないぞ?
295名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 12:01:21 ID:LC0qTPKN
>>290
これで終わりなんて許しがたいことだわ
296名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 12:03:16 ID:u1JD8B34
似たようなフラグ潰しをした事がある奴は、俺以外にもいるはずだ
297名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 12:03:43 ID:rmAtpkOV
嫉妬に狂いつつ、思いを前に出せないかわいいハルヒが読みたいです。
298名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 12:17:04 ID:4d+8tpGj
>>294
実はそれを原作で待ってたりする
299名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 12:24:03 ID:SiEWrlvl
>288
作者の思慮と懐の深さに全米が泣いた!
個人的には「lost my …」の方が好き。「ひぐらし」知らなくても楽しめた。
300名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 12:30:08 ID:rtAl6nLX
ちょっとお借りします。
4レス。
301長門有希のろいつま1/4:2006/07/26(水) 12:30:46 ID:rtAl6nLX

やっつっつぁっぱり りっぱりらんらん
て(っ)きたり りんらん てぃちたんどぅら
りぺたびだんら るっぱてぃるぴらん
これかん こっかや きりがんぐ


憂鬱な梅雨の雨の下、俺の前のPCからは、陽気なポルカが流れている。
さっきからループさせているが、それでも面白い。

単調的な音楽に見えて、実は音程の変化、アカペラの合わせ方、意味は分からんが
…逆にそれだから良いのかもしれないが、非常にノリの良い歌詞。
ネットで爆発的に人気になり、それをバックグラウンドに作られた映像が
あっという間に世界中に広まったというのも分かる気がする。
さて…

* * *
最初にこれを見つけてきたのは当然ハルヒだ。
「ちょっと、これ面白いわよ!」
イヤホンを付けたハルヒは、なぜかネギをまわしているフラッシュを見ている。
正直、同じフレームを繰り返しているようにしか見えないフラッシュの何がそんなに面白いのだろうか。
「この面白さが分からないの?全く、だからキョンはキョンなのよ」
なにがだ。そんな某ガキ大将の様な自己言及によって悪口が成立するほどのものだろうか。
俺のアダ名というものは。だったらとっとと破棄したいものだが、朝比奈さんの「キョンく〜ん」
だけでも許せる気がするのでやはりそれは却下する。
「いい、スピーカーにつなぐからね」



俺は気が付いていたら、たっぷり3回位はループした。
ハルヒもタマには有益なものを見つけてくるものだ。
「ね、面白いでしょ!」
ああ、確かに今回は同意する。だが、これは面白いというより、どちらかといえば、
延々と続くループ感が良いという「中毒的な」物に属する気がするが。
「でね、あたしはこれを歌えるようになりたいの!」
そうか。ならば歌うが良い。去年の学芸会でお前の歌声ならお墨付きだ。
「何言ってるの?SOS団全員で歌うのよ!元の歌声は男二人、女二人何だから…
メインボーカルは当然私、裏に有希、男二人分は古泉くんとアンタで何とかしなさい。
みくるちゃんにはそれに合わせて踊ってもらいましょう!
ね、私たちで何とかなるわ!」
…おい。おれはアカペラ等やったことも無い。練習せよというのか。
そこからやらなければならないのか。
朝比奈さんの踊りについては、全く持って異論は無いが。
どうせなら、ついでにネギを回す鶴屋さんを加えたらいかがだろう。
「と、言うわけで、これの元歌のmp3は取って置いたから、その歌詞をとっとと書き取ること!」
…この何語とも分からん歌詞をどうやって書き取って、さらに歌えるようにせよというのだ。


…とりあえず、耳コピでメインフレーズだけは何とか冒頭のようにひらがなにした。
Windows media playerにスロー再生機能がついていることを教えてくれた、コンピ研部長その他。
感謝する。元のスピードでは書き取ることも不可能だった。
だが、裏にどういう歌詞が載っているのかまでは分からん。
幾つか書いてみたが、細かいところまでは把握し切れん。
まして音程までは正直無理だ。俺の音楽の成績は良くも悪くも無い、中間って所だ。
中流家庭であるウチが、幼い頃の俺にピアノの英才教育を施してくれたわけでもない。

んで、しかたなく俺は何度も聞きなおして居る所で最初に戻る。
* * *
302長門有希のろいつま2/4:2006/07/26(水) 12:31:29 ID:rtAl6nLX
「…」
うお、びっくりした。後ろに立つときは頼むから椅子から立ち上がる気配位見せてくれ。
「急に長門が来たから」などとは言いたくは無い。
「…?」
首を傾げる長門。意味不明なのだろうか。俺も正直ハルヒの命令とはいえ、自分が何をしているのか意味不明だ。
同士だな。
「あー、どうした?」
「…これ」
と、長門は歌が流れている画面を指差す。
なんだ、またカマドウマが出現するサインでも作ってしまったのだろうか。
いや、この歌自体はハルヒ外の産物だから、それは無いか。
しかしハルヒが歌うと何かを召還してしまうのかもしれないな。一応聞いておこう。
「何かあるのか?」
「…私も聞きたい」
ああ、そうか。俺はイヤホンで聞いていたんだったな。

そもそものハルヒもそうだが、何故パソコンから音を出さないのかというと、この部室のすぐ傍には演劇部がある。
そこの邪魔になる…かもしれないから、らしい。ハルヒによれば。その命令はコンピ研にも通達済みらしい。
ハルヒにそれだけの思いやりがあったとは意外だ。出来ればそれを内部、特に俺や朝比奈さんにも向けて欲しい。
まあ、ちょっと前に隣のコンピ研から女性の嬌声が唐突に聞こえ、思わず飲みかけていた天上の甘露、
朝比奈さんのお茶を吹いてしまったことが有ったため、その決定自体には文句は無い。

…あれ、ハルヒがそれを言い出したのはその直後だったか?

まあいい。というわけで俺は自分のイヤホンを、長門に渡した。
「…」
長門は無言でそれをつけると、再生を押した。

しかし、いくらイヤホンの長さが短いとはいえ一寸近すぎないか。
こんなに近寄られたらその、なんだ、困る。
長門の居る位置上、立ち上がることも出来ない。
「あててんのよ」とか言わないことを祈る。…いや、長門はそんな事は言わんか。

一周した所で長門はイヤホンを俺に返した。…体温が残っているな。
いや、俺にはそんな変態的趣味、属性はない!あれだ、耳の体温は他より高くてだな…
…って俺は誰に言い訳してるんだろうな、おい。

「把握した」
「何をだ?」
イヤホンを受け取った俺は、そのまま耳につけるのがためらわれたので、そのまま手に持っていた。
「この曲。再現可能」
おお、当然とはいえ流石だな。やはりあの超絶ギターや、あのハレ晴レダンスの振りを
一発で覚えきっただけのことは有る。
「…聞きたい?」
…聞きたいな。うん。長門の歌声はあんまり聞く機会が無い…と言うか、聞いたことがないからな。
「じゃあ」
303長門有希のろいつま3/4:2006/07/26(水) 12:32:10 ID:rtAl6nLX

♪Nuapurista kuulu se polokan tahti
jalakani pohjii kutkutti.…

あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
「長門が普通に歌うかと思っていたが、いつのまにか訳の分からん言葉の原曲を4人分で再現していた」
な…何を言ってるのか わからねーと思うが、おれも何をされたのかわからなかった…
頭がどうにかなりそうだった…

以下略。

「この言語はフィンランド語」
いや、そんなことを聞いているのではない。
まずだ。歌うなら、四人分歌うなど、どこぞやのアンプみたいなことをしないでくれ。
「…?」
ああ、もう首を傾げている。
「普通はだ、一人は一人のパートだけを歌う物なんだ。
ハルヒによれば…長門の担当は二人目の女性ボーカルだな。
そこだけを歌ってくれ」
「了解」

…えっとだな。私が聞きたいのは再現ではなく、長門、お前の声なんだ。
何故原曲からその女性ボーカル部分だけを抽出する。

「歌う、とはそう」
やや不服そうな…俺には分かる…無表情でそう返す。うん、やっぱりそこらへんは苦手分野なんだな。
ふーむ…長門には珍しく、今回は俺が教えてやれそうだ。よし。
「いいか、歌ってのは声に当人の思いが乗るもんなんだ。
だから、『お前の声』で歌えば良いと思うぜ。俺も聞いてみたい」
「…そう」


まあ、結論だけ言おう。どうせ、俺の表現力では歌の雰囲気等は、そのまま表現できないしな。
文章に音を載せられないのは残念だ。

結局その時俺は、サブだけではなく、その後でメインフレーズも歌ってもらった。
その歌を歌う、長門の声は、俺の贔屓が多分に入っているとはいえ、良い声だった。

ハルヒも選択を間違えることってあるんだな。
304長門有希のろいつま4/4:2006/07/26(水) 12:32:53 ID:rtAl6nLX
おまけ

「なあ、長門」
「何」
「さっきみたいに、耳コピでパートの分離、抽出ができるなら、それを書くことってできるか?」
「可能」
「じゃあそれをちょこちょこっと書いてくれないか?」
「…」
「…長門、率直に言って良いか」
「何」
「読めん。何語だこれ」
「フィンランド語と五線譜」
「…分かった。でもせめて歌詞は、カタカナかひらがなで頼む」
305名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 12:33:55 ID:rtAl6nLX
以上です。
ろいつま聞いてて反射的に長門に歌わせたくなった。
今は反省している。

参考↓
ttp://www.geocities.jp/ynus_ss/tyuru_clock.swf
306名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 12:42:54 ID:rtAl6nLX
しかも元のグループの構成を間違えた。
逝ってくるorz
307名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 12:48:27 ID:aKmsLjd8
>>305
>>303で思わず吹き出した。
無表情のまま4人分を再現?する長門絵を見たくなった。乙
308名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 12:49:56 ID:NQ2DS7+G
学芸会って?
309名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 13:01:37 ID:SiEWrlvl
歌う長門でお腹一杯。

一瞬「長門呪い妻」と思ったのは秘密だ。
310名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 13:04:58 ID:E7hEf94K
例のキョンの元カノ?が出てくるという話は考えたけど、
情報が少なすぎてどうやってもオリキャラにしかならない、
ってことで放り出した夏の日。

>>309
なぜ俺ガイル。
311名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 13:50:26 ID:sRUT8Gld
>>310
情報が少ないつうか皆無だもんな
312名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 14:28:50 ID:gVOpF9XW
俺は変な女より涼子ちゃんに復活してSOS団入って欲しいよ
313名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 14:36:44 ID:wdbApBff
>>302
   , ' ^ ̄`丶
   ', ト从Vv〉
   i(レ゚ Δ゚リ
    (つとノ
Q、急に長門が来たから
A、急や
314名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 14:38:39 ID:4EIWqqNm
5レス程投下してもよろしいでしょうか?
エロ無し文章雑のダメダメですが
315名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 14:41:36 ID:gVOpF9XW
どうぞどうぞ
316名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 14:41:42 ID:amasXd4b
どんとこい
317涼宮ハルヒの怪奇 1/5:2006/07/26(水) 14:43:16 ID:4EIWqqNm
それでは投下します



俺は絶句した

唐突すぎるだって?そりゃそうもなるさ
いつも通りにマイスウィートエンジェルの着替えと赤面を
やや期待しながらノックなしに部室のドアを開けた時

【週刊 影の噂! 隠された都市伝説】

という黒のオカルトチックな雑誌を手にしてるハルヒを見た
しかも顔を恒星のように輝かせながらとまで言えば、理由としては十分だろう

長門はいつもの読書人形のごとくそのまま鈍器として使えそうな分厚い本のページをめくっている
一方朝比奈さんは、ハルヒの斜め後ろで、ひぇっ とか ひゃっ とか可愛らしいお声をあげてらっしゃる

大丈夫ですよ、俺の見てきた映画やアニメじゃ美少女ヒロインは死なない設定です
だ、だめよ。どうせ皆殺されちゃうんだわ。とか言い出さない限り200%大丈夫でしょう

「たまには遠出もいいわね、倒産した大きな会社の地下とか潰れた病院とか
  そういう人の来ないところに不思議はダベってるのよ!」

そんな不良みたいなもんか、不思議ってのは


しかしながらコイツが期待しているものが、イメージ通りにポンポン現実に現れてきたら相当やばいかもしれん
町の下水道に巨大な白いワニとか、某ネズミランドの地下に巨大賭博場くらいなら、もう既にあるかもしれないな
だが人面犬や口裂け女といったものが町に蔓延るところを想像すると思わず鳥肌が立った
318涼宮ハルヒの怪奇 2/5:2006/07/26(水) 14:44:47 ID:4EIWqqNm
「ハルヒ、都市伝説ってもんはな、大抵が大袈裟に誇張した話や
   "もしかしたら"起こった"かもしれない" というデマが多いんだぞ」

「ちょっとキョン!被害者のほとんどはアンタみたいな話を馬鹿にした奴が多いのよ!
  ……ははぁん、信じていないから襲われないって逃げようとしたって無駄よ!相手はそんな容赦はしてくれないわよ!」


完璧に感染してやがる
こうなったら我らがノートン先生でも止められないだろうな

「ふん!まあアンタみたいな奴だったらわざわざベテランが出なくてもザコで十分でしょうけどね!」

是非その縦社会の構図を教えてもらいたいね


──とまあ、こんなやりとりが終わった後
後から来た古泉といつもの白星量産ゲームをしていた

───有希!アンタは大人しいんだからこういうのに絡まれやすいわよ!
ほら!これ読んでしっかり対策しときなさい!

そいつなら妖怪やらが一個師団で攻めてきても心配ないだろう、逆に殲滅しそうだ
こんな感じで今日も本を閉じる音を俺の耳がキャッチし、今日の俺の部活を終えたわけだ
319涼宮ハルヒの怪奇 3/5:2006/07/26(水) 14:46:54 ID:4EIWqqNm
俺の携帯が久々に真夜中に鳴ったのは、その夜だった
夜に携帯が鳴って吉報を伝えてきたのは俺の記憶にはない、ということは
あの3人の誰かが俺の顔が青くなるような事を言い出すんだろうと思っていたのだが

「非通知……?」

あの3人以外に真夜中に電話をかけてくるなどありえるんだろうか?
若干の嬉しさと不安を持ちながら俺は携帯を手にとった

「……たし……さん、今駅…るの!」


本日再び絶句した
寝ぼけていてよく聞こえていなかったが、俺の頭を覚醒させてくれたのは確かだ
クソッ!誰だよザコが来るって言ったのは!語りつくされた大御所じゃねえか!
防空壕から顔を出した瞬間タイガー戦車を見たような兵士の気分になりながらも

「……駅前ならまだ時間がある、長門なら」

そう思い当たり手にしている通信機で増援を呼ぼうとし──

「あたし……さん!今あな……後ろにいるの!」

タイガーがワープした
どう考えたって反則だろ!もっとジワジワ来るから恐怖を感じるもんじゃないのか!?
と、ここまで考えてようやく自分の置かれた立場に気づいた
相手はもはや伝説と化している"アレ"だ

ということは俺の背後に今立っているこの気配はまさしく───
320涼宮ハルヒの怪奇 4/5:2006/07/26(水) 14:49:09 ID:4EIWqqNm
「……」
「……」
「……長門、何やってんだ?」

読書人形ならぬフランス人形がそこにいた
ピンクづくめのフリフリのドレスを着た少女は
そのままドールショップに出荷できそうな可愛らしい外見だった

「……資料によるとこの姿は代表的な都市伝説である"メリーさん"と呼ばれる物の姿を模したもの」

それは分かる、けどそうじゃなくて何でお前がそれになってるんだ?

「……資料によると普通都市伝説によって起こる現象は普通一つ、複数が同時に起きることはない
  先刻の涼宮ハルヒの発言によって貴方に危険がふりかかると予想し、先に手を打っておいた」

確かに複数同時に起こったという話は聞かないな
さっきも言ったがコイツなら口裂け女が現れてもいつもの情報なんたらで美少女に変えてしまいそうだ
……ん?

「ちょっと待て、俺はもう寝るんだが。 もしかして一晩中一緒にいるのか?」

こくっ、と約5度くらいで肯定した
マジかっ

「大丈夫、あなたに迷惑はかけない」

いやそういう事じゃなくてやっぱり男女が同じ部屋で一晩を過ごすというのは色々問題あってだな……
と言いかけて余計空気をまずくしないために、俺は「そうか」とだけ言ってベットに潜り込んだ
321涼宮ハルヒの怪奇 5/5:2006/07/26(水) 14:51:07 ID:4EIWqqNm
2、3分が経過した


……ん?
なにやら背中に気配が

ぴとっ

「うおっ!?」

びっくりして振り返るといつの間にかベットに入り込み
両手を俺の背中に当てている長門の頭が見えた

「メリーさんというものは背後に現れる、と書いてあった
  よって常にあなたの背後にいれば大丈夫」

いやいやその前に俺の精神が大丈夫じゃなくなるぞ
背中に2つの温かみを感じているこの状況じゃ───

「……?」

……手が震えてる?
あの長門が?核をゼロ距離射程で発射されても瞼一つ動かさないコイツがか?

「……これは体温の変化に伴う肉体的なもの」

まだ何も言ってないぞ

「……消して緊張や恐怖によるものではない」

……そうか
いや、何も言わん。長門がそう言ってるならそうなんだろう
もう春だというのに長門だけ宇宙人特有の冷え性でも来たんだろ
うん、そういうことにしておこう




「ところで、いつ間まで俺の背後にいるんだ?」


「……人の噂も、七十五日」
322名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 14:52:27 ID:4EIWqqNm
5/5 消して×→決して○

お目汚しすみません
それでは
323名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 15:01:31 ID:KTB2d/JC
え、終わり?
廃墟に出かけていって事件が起きたりしないの?
324名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 15:05:40 ID:RYPM7eeE
……怖かったのか、長門
325名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 15:53:34 ID:Qjij7RWJ
……びびったのか、長門
326名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 16:14:50 ID:ZaYyHCpS
>町の下水道に巨大な白いワニとか
それなんて地価迷宮物件?
327名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 16:18:37 ID:3a33cPbY
>某ネズミランドの地下に巨大賭博場

ざわ・・・
   ざわ・・・
328名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 16:19:43 ID:abtC9hVK
>>327
カイジかw
329『再会』1:2006/07/26(水) 16:19:49 ID:dkWTOONX

「キョン、キョン、ビッグ・ニュースよ!」
俺がいつものように登校すると、ハルヒが目を輝かせて話しかけてきた。なんだ、一体?
「転校生よ、謎の転校生!こんな時期に転校なんて怪しさ全開だわっ。」
全く同意できんが、ここは話を合わせておこうか。
「ああ、まあな。もう学年が変わるって時期に転校してくるのは変わってるな。」
でしょ!?と、ハルヒは身をのりだす。
「しかも今度は女のコよ!有希のクラスに入ったらしいけど、かーなり可愛いみたいっ。男子の視線を釘付けだって!…これは是非ともSOS団に必要だわっ。」
やれやれ、やっぱり拉致ってくる気か。それにしても、そんな報告を、長門はどんな顔して言うのだろう。

『…男子視線の当該対象への集中を確認。』

こんな感じか。まあいい。せいぜいその美少女に迷惑がかからないことを祈るのみだ。
あるいは、長門か古泉のお仲間かもしれん。それならあいつらに任せておこう。
ま、結論から言えば、そのどちらでもなかったんだが、これが。

いつものように部室で朝比奈さんの煎れてくださったお茶をのみ、古泉と二人でダイヤモンド・ゲームをやる。

本来、三人でやりたいところだが、朝比奈さんはルールを知らないし、長門は読書中で邪魔する気にはならん。
ハルヒは例の転校生をとっつかまえに行った。やれやれ、会ったこともないが、その女の子には同情するね。
まてよ、そいつは普通の人間なのか?長門。「違う。」
げっ、宇宙人か?未来人か?超能力者か?
「どれでもない。…あえて言うなら…」
まさか…。
「異世界人に該当する。」


朝比奈さんが、「ひっ。」と声を上げ、古泉も驚いたように長門を見た。真剣な表情で長門に質問する。
「長門さん、それは、どういった類の存在なんですか。」
「……異世界から来た。今回のケースでは――」
長門がそこまで言いかけたとき、バターンとドアが開いて、ハルヒが入ってきた。
「みんな、紹介するわっ。こちらが期待の謎の転校生美少女よ!」
そう言って少女を部室に引っ張り込んだ。
なるほど、谷口ランキングならばAランク+はかたいな……
などと考えた直後、俺の思考はピタリと停止した。自分の口があんぐりあくのが分かる。

「あれ…、キョンくん?」

Aランク+の美少女は、確かにそう言った。
330名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 16:27:31 ID:dkWTOONX
とりあえず書いてみた。
キョンの「変な同級生」が転校してきたらこんな感じだろうか…。
続き書いたらまた投下する。
331名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 16:45:34 ID:j/DM2FNi
>>330
やべえ続きが気になる
だれかこれか>>290の続きを書いてくれ
332名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 16:58:03 ID:Qjij7RWJ
異世界人ってところでどうでもよくなった。
このパターンで面白かった話は読んだことがない。
333名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 17:04:15 ID:lfhoSTcW
>>332
幼馴染が照れ隠しで怒るように頼む。
334名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 17:09:57 ID:2xOL6y7z
異世界人?どうでもいいわよ。
このパターンで面白かった話なんて無かったじゃない。

こうか?違うかな?
335名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 17:12:37 ID:AG6HbHnb
オリキャラと間違えてないか?
336名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 17:14:29 ID:SPPga/Yn
だが嫉妬する話ならみてもいいきがす・・・
337名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 17:15:14 ID:a7cddQBU
>>330
そこからSOS団の3人が嫉妬に狂うわけですね
たまりませんな
338名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 17:47:32 ID:K1qY31C8
>>334-335
異世界人ネタ使う場合、「読者=異世界人」以外の手法でオリキャラ排除することは
できないんじゃないかと…って意味でok?
339名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 17:53:32 ID:kLSrIwRN
>337
長門とみくると古泉か
340名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 17:53:52 ID:E7hEf94K
変わり種だと、消失ハルヒを連れ帰ってしまったってやつがあったな。
341名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 17:55:20 ID:SPPga/Yn
こ、古泉か・・・
342名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 18:08:54 ID:XtLBCphy
>>335
なにを言っているんだオマエ?
343290:2006/07/26(水) 18:40:13 ID:CioAZyyV
>>289-290
の続きを書きましたんで投下します
まだ途中ですが、書けたらいずれさらに投下します。
344名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 18:42:08 ID:gEvAbk3+
支援
345キョンと変な女 その3:2006/07/26(水) 18:42:32 ID:CioAZyyV


「キョン。いつまで部室でぼうっとしてるの!ほら早く帰るわよ」
 ハルヒのその一声で、俺は我に返った。どうやら俺は、他の3人が帰ったのもにも気づかずに、惚けていたようだ。
 ハルヒの方はと見やると、すでに白のダウンジャケットを着込んでいた。帰る準備は万端だ。早くしないとハルヒ団長閣下
の怒号があがるだろうから、俺はいそいそと、ハンガーラックに掛けているダッフルコートを取りはずし、身につけた。

 下校途中、ハルヒは何かこちらを伺うような目をしている。俺が怪訝そうに見返すと、途端にあわてて、あさって
の方向に目をそらした。何だ、気持ち悪い。ハルヒらしくねえな。
「おい、ハルヒ。なんか聞きたいことでもあんのか?」
「別にないわよ!ただ、あんたが珍しく部室で考え込んでいたから、どうしたのかなって思っただけ!」
 
 別にないことないじゃねえか。それなら。つーか珍しくはよけいだ。俺だって考えることぐらいあるんだよ。
「へえ、初耳だわ。ひょっとして進級できたことでも考えてたの?それなら、あたしが家庭教師をしてあげたおかげだから、
あたしに感謝しなさい。なんなら感謝の品でもいいわよ。今なら絶賛受付中だからどんどん贈りなさい」
「そのことなら感謝しているが、考えてたことはそれじゃねえよ」
 成績の怪しかった俺は、団長の提案のもと、無料の家庭教師を受ける入れる羽目に・・・。もとい、ありがたくも教えを
受けることに。

 まあ、その成果が出たおかげか、華厳の滝のごとく落下し続けるだけだった俺の成績は、川を這い上がる鮭のように
上昇し、多少の余裕をもって進級できることになった。ついでにハルヒはなぜか俺の母親にはやけに愛想よく、また、
よそゆきの態度を取って、妙に仲良くなってしまった・・・。いや、それはいいんだが、
「じゃあ、何を考えてたの?」
 と、ハルヒが尋ねてきた。
 いや、実はな・・・と言いかけて、俺はためらった。国木田に俺の中学時代の彼女だと、勘違いされている女の事をハルヒに
言ってしまっていいものか・・・。

 いや・・・まずいな。──また余計な誤解を生みそうな予感を、ひしひしと感じる。
 ハルヒに誤解されたからって、どうだというんだ、と思うが・・・。よそう、深く考えるとよけいなことを考えてしまいそうだ。。
 俺は相手が女だとわからないように、あたりさわりなくハルヒに答えた。
「ふうん。あんたにそんな友達がいたなんてね。ところで今はどうしてるの?そいつ」
「ああ、どうやら市内の高校で元気にやっているみたいだ」
「そう。でも打てば響く漫才師ってのもおもしろそうね」
 おいおい、他人の友人を勝手に漫才師にしてくれるな。まあ、ベクトルは違うが、ある意味お前に近い存在かもな。
「ますますおもしろそうね」
 ハルヒは喜色を満面に湛えてそう答えた。


 後日、俺はハルヒにこんなことを言ってしまったことを、後悔することに・・・。


 3日後、早速効果が現れた。
 そう、国木田と中河いわく、通称『変な女』は、3学期も後残りわずかにもかかわらず、わが県立高校に転入してきた。
 どう考えてもおかしいだろう。引っ越しをしたわけでもないのに、市立高校から、わずか数キロ北上したにすぎない、
県立高校にやってくるなんて・・・。もちろん言うまでもなくハルヒの力だ。あいつの変態パワーが彼女を転校させたに違いない。
 後ろの席に座る女──ハルヒのことだが──が俺の背中を突っついた。
「ねえ、キョン。ひょっとしてあの子があんたの言ってた友達?」
 いつもの声音だが、少しトゲがある。
「ああ、どうやらそのようだな。しかし、こんな時期に転入してくるなんて珍しいな」
「そうよね。あんたの言い分じゃ、市内の高校だったわよね。どうしてこんな近いところへ転入してきたのかしら?」
 それはお前のやったことだろ。ハルヒ。そう言いたかったが、しかし言うわけにもいかない。
「ひょっとして、誰かを追いかけてきたんだったりしてねぇ」
自分がやったくせに勝手に誤解するな。
「まあいいわ。貴重なお笑い要員だし。後で、SOS団に連れて行きましょ」


続きます
346名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 18:46:57 ID:XtLBCphy
もう少しまとめて書いてから投稿しないか?
せっかく面白いのに台無しだ。もったいないよ。
347名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 18:48:00 ID:6hL7O0Lo
オリキャラでも異世界人でも変な女でもいいが、一レス投下で後は続きってパターンや、
続きですとか言って一レスだけ投下ってのは、まじカンベン
348名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 19:05:08 ID:SiEWrlvl
>312>332>336
つまり――
再結合した朝倉涼子の変装。目的は嫉妬による刺激。長門発言は協力中の為。
って事だったんだよ!
ΩΩΩ<ナンダッテー
349名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 19:26:43 ID:fLJzK0FI
なんか俺
『キョンと変な女』と『再会』がゴッチャになってきた
350名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 19:33:51 ID:K1qY31C8
>>349
よう、俺。
351290:2006/07/26(水) 19:36:40 ID:CioAZyyV
それはスマンかった。

じゃあ、完成してから再度1から投下していい?
スレを無駄に消費してすまんが
352名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 19:40:32 ID:6hL7O0Lo
>>351
普通に >345 の続きから投下すればいい
353名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 19:53:26 ID:oADXf9NR
原作の複線である「中学生の頃の女」を使ったSSは
彼女のキャラ設定が何一つ明らかになっていないからオリキャラ状態だよな
完全なオリキャラじゃないせいで余計に性質が悪く感じるのは俺だけか?
354名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 19:58:10 ID:suicI4ht
「中学生の頃の女」ネタで書く人はそんなに多くないからどうでもいい。
355名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 20:06:32 ID:dkWTOONX
『再会』の続きは、全部書いてから投下するわ。
混乱させたみたいですまんかった。
356名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 20:07:14 ID:E7hEf94K
作品内での描写が少ないキャラは多かれ少なかれ作者の想像が介入することになるし、
いちいち気にしていると二次創作は見ていられないと思うぞ。
357名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 20:15:57 ID:XtLBCphy
面白ければ気にしないけど、つまらないのが圧倒的だからな…。
358名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 20:23:17 ID:6hL7O0Lo
オリキャラって言えば、前スレに投下されたキョン爺さんの話はオリキャラ視点だったんだよな
あれは違和感なく読めた。ハルヒそっくりだったからかもしれないけど
359名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 20:27:01 ID:fLJzK0FI
あれはハルヒ心理をトレースしてるだけだでしょ。
変な女はトレース対象が居ないからね。
360ラピス:2006/07/26(水) 20:27:33 ID:xHO2lFBl
俺も書いてみるから見てくれ
初めてだけどw
361名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 20:27:48 ID:opPOTsg7
それならキョンの娘系もオリキャラだよな
数は多くなくて、大体キョン妹に似てる感じがする
362名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 20:28:51 ID:LOzCDL6H
批評ならともかく、一言二言文句だけ言うヤツらがウザイな。
363名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 20:31:03 ID:Z/dpYSDz
オリキャラと言ったら伊藤ですね!
364名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 20:45:50 ID:qd3Cza+V
>>360
頑張れ
365ラピス:2006/07/26(水) 20:54:18 ID:xHO2lFBl
最近の出来事を俺(キョン)の1人称で書いてみようと思う。ただこれは俺の独り言だから
わざわざアンチしないでくれ。たのむから。な?

原作読んだけど原作ちょい無視方向で

「キョンの失態」

俺は今なんでこのような状態なのか誰か説明してくれ。分かる人居たら俺と代わってくれ、
でもそんな人間いるはずがない。なぜなら俺は今ものすご〜っく危ない状況なのだ。俺に未
来が分かる能力があったらこんな事にはならなかったとつくづく思うな。うん。だが今なぜ
このような状態なのかを説明しよう。

今から3週間前の事だ。最近はSOS団の団長は落ち着いてきているらしい。うん、俺にと
っても長門、朝比奈さん、あとあのスイマリーな古泉も良いと思っているはずだ。でなけれ
ば俺が毎日くたくたになってしまうからだ。だがな最近団の活動というより団員自体がバラ
バラな気がするんだ。なぜって?
長門は最近学校に来ても文芸部(ああでもここは、SOS団の部屋か)に来ないんだ。でも
休み時間あって
「なんで最近こないんだ?みんな心配してるぞ?」
というと
「大丈夫。何も心配いらない」
と意味分からん事をいう、一体何なんだ?
朝比奈さんはというと、最近未来にちょくちょく帰ってるらしい・・・(本当に?)だから俺は
「朝比奈さん、未来で何かあったんですか?」
と聞くと
「えっと〜そのぉ〜禁則事項です♪」
としか答えません。まぁいつもの事か。
そしてあのホモじゃなくて古泉も最近例のバイトらしい。
「あなたが僕のことを心配してくれるなんてあるんですね。安心しましたよ」
と吐きけがしそうなことを言うので俺はスルーした。いや誰でもそんなこと言われたらスルーだスルー。
そして団長さんも
「今日は忙しいから私は帰るわーあとよろしくね♪キョン♪」
と何か面白いことがあるのだろうか俺には疲労と不安しか残らないんだが・・・実はこの時から俺は気づ
くべきだったんだと思う。まぁもう遅いだろうけどな。

では俺も帰ろうかな?いやいやでも俺は文芸部(SOS団部屋)の鍵当番を任されてそのうえ部活動(団
活動)をしないと存続危うい団なのでしょーもなーく下校時刻までなーんもない部屋に居ないといけない
。もし団が潰れたりしたらハルヒはどうなるんだ?たぶん世界が終わってるんだろうな。あぁ世界ってこ
んなもんなんだなって思うよ。まぁ気晴らしにPCでASAHINAファイルでも見るかな〜っとあーで
も毎日見ててもな〜俺頭可笑しいな。いや可笑しくないけどヒキコモリ属性と妄想属性が付きそうだ、そ
れだけは勘弁だけどな。
go*g*e    「朝比奈みくる」   検索結果0件
まぁこの時代の人間じゃないから当たり前か画像何て0件だった。
ん?そうえば*chとかで「チャット」というものが流行ってるらしいな、俺は良く知らんがクラスでも
話題になるから俺もやってみようかなと、こんなことを思わなければよかったとつくづく思う。いや話を
進めるか。そこで「ヌキヌキチャット」という男の俺にとっても人目を引くチャット部屋を発見してさっ
そく入ってみた(4/5人数)で俺で満員と言う訳か。まぁ〜誰だか分からないんだし大丈夫だよなと心で
言いつつ入室してみた。この時点で(5/5人数)
366名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 20:57:11 ID:oADXf9NR
割り込んですまんけどsageてちょ
367名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 21:05:46 ID:xUYF/ztL
あれ?おわり?
368名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 21:19:17 ID:moWCn+pa
>>365
チラシの裏にでも書いてろ!な?
AA(ry
369ラピス:2006/07/26(水) 21:22:22 ID:xHO2lFBl
まずはどう話せばいいんだ?
「"|,,-_-)ノィョゥ"」
「・・・誰?」
「あのぉ〜知り合いですか?」
「私は知らない・ω・)」
「私も知りませんが、あなたは誰ですか?」
ああこういうときは俺が高校生だと言った方がいいのだろうか?だがヌキヌキの時点で怪しまれる
な。
「ああ〜と俺は高校生だそちらは?」
まぁどうせわからんだろうからな
「へぇーでもあんた高校生なのにこの部屋に入るだなんて変体ね〜」
んなことお前にそっくり返してやるぜ
「オマエモナー(=゚ω゚)つ)゚∀゚)グァ」
ふん、この顔文字でいいか
「・・・いきなり何なのこのばかっ!こんなやつ見つけたらただじゃおかないからね!私おちる」
おい!いくらなんでも本当に喋ってるみたいな事いうな〜。流石チャットはリアルだな
「…」
「乙ですぅ〜」
「お疲れ様」
ん〜そうえば団だとこういう会話してたな〜
「ところで貴方はどこの高校の人ですか?(・∀・)ニヤニヤ」
きもちわりーうぇうぇ。何だこいつの最後の顔文字古泉を思い出すな・・・って何で俺があいつのことを思ってるんだ
まるでホモじゃないか。いやいや気を取り直せ俺、きた高なら何処の県にもありそうだしいいか
「え〜っときた高です」

「えっ!あなたもきた高なんですかぁ?私たちもですよ〜ヽ(´ー`)ノ」
えーとあのその言い方ですとそこに居る人きた高って事ですか?おなじ高校生だとは・・・
「…」
「そうでしたか、貴方もきた高でしたか。いやぁ〜奇遇ですね(・∀・)ニヤニヤ」
だからその顔文字やめろって!いやここで言うとまた気まずくなりもう来られなくなりそうだから
言うのは止めとこう
「おっと私はちょっと仕事ができてしまったようなのでこれでおちますね。」
「私も…」
「お疲れですぅ〜」
ん?何だこの2人は急に落ち始めたぞ。てことは今はこの人と1:1か!まだ4時になったばかりだ、部屋に鍵を掛けて
抜く用意をするか。学校でやってるとこ見られたらまずいからな
「えっとあなたは何年生ですか?」
「秘密です♪」
いや、別におなじ高校生でも1〜3年しかないんだから答えたっていいとおもうんだがまぁそんなこといいか
「あなたはオッパイでかいですか?」
書いちゃった俺!GJ!GJ!などと浮かれていると
「変態」
と書かれて消えた。どう考えても抜けません本当にありがとうございました。
俺の息子も寝たままだ、今日は帰るかな

いや、こんな表現可笑しいな。いつから変態になったんだ俺。誰か答えてくれ
誰も居ない部室で思った俺だった
370名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 21:22:43 ID:l0WPFelF
これから上手くなればいい
人間誰でも初めから一流なわけではない
日々研鑽を積むことを期待する



……文章のな
371名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 21:24:46 ID:bjsfbD/3
谷川は執筆中か…
372名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 21:33:37 ID:zkwe5e06
書きながら投下はやめろ
373名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 21:35:36 ID:FOlz2ufI
くだらないネタを投下させてもらいますよ
374名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 21:38:01 ID:bjsfbD/3
カマン
375名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 21:38:54 ID:FOlz2ufI
―気の毒! 少年Nの悲劇! あらすじ―

ハルヒの奴が他人の著作物によって笑っている。それは俺にとって結構衝撃的な光景だ。
涼宮ハルヒという人間はどうも『笑い』という行為を、他者を蹂躙する際に相手に見せ付ける示威行動だと勘違いしているきらいがあり、
けっして他人がものもした文章によって己が笑わせられるなどといったことは、源義経が大陸に渡って羊肉焼鍋の同名英雄になるのと同じぐらいにありえないはずであった。
ハルヒの手の中にあるのは我が部が世界に誇るマスコットキャラであるところの朝比奈さんのご友人、鶴屋女史によってこの臨時機関紙発行編集部にもたらされた原稿だ。
タイトルだけがチラリと見えたが『気の毒! 少年Nの悲劇』という小説らしい。
気になるね。
鶴屋さんの文才がどれほどのものなのかは俺にもわからないが、少なくとも俺の恋愛小説や、すでに種がわれちまってる古泉のミステリーよりは期待できるだろう。
いや、ハルヒの反応を見るかぎりじゃあ、数年後には現代文の教科書に採用されているだろうほどの傑作に違いない。
「なァおい、ハルヒ。『気の毒! 少年Nの悲劇』ってなんだよ一体」
「よーし。じゃあこのあたしが平凡高校生やってて頭カラッポになったキョンのために
詳しく教えてあげようじゃない」
おまえ…答えなんざどうでもいいから殴らせろ。
まぁ口には出さないがな。それこそが俺の頭がカラッポじゃないなによりの証拠ってもんだろ。
376ラピス:2006/07/26(水) 21:38:57 ID:xHO2lFBl
次の日ハルヒの機嫌がかな〜り悪かった。正直なんで悪いのかなど聞ける雰囲気じゃなかった。
古泉、何でハルヒの機嫌が悪いんだ?と聞くと
「原因は貴方じゃないと思いますが、心当たりはありますか?」
などと俺が聞いてるのにこいつは質問してきた、もちろん俺のせいならすぐ分かる。
「そうですか。でも貴方が涼宮さんを・・・あ、すいません私はこれで帰りますので」
え?何だ、急に帰り始めたぞ。また閉鎖空間とか世界崩壊か何かか?いやそうしたら
長門が動くはずだ・・・ってまだ来てなかったっけか?とりあえずPCの電源をつけて
見るか。え?なぜ俺が焦らないかって?それは今まで経験したしこれからもすることだ
ど〜せハルヒの事だテストの点数が少し悪いとかそんな事で気分を損ねてるんだろう。
そんなのいちいち気にしてたら俺は何もできないっての。まぁそんな事たまには忘れた
いぜ。と考えてるうちにPCを立ち上げマウスを操作させた。
そうだまた俺は例の「ヌキヌキチャット」に向かっているのだ。長門が来たら消せばわ
からないはず・・・いやたぶん大丈夫だろう。

「ヌキヌキチャット」(1/5人数)
おっ!今日も1人いたよ。あいかわらず暇なきた高生なことだ、いや俺も同じか。

→入室
 退室

「ども〜こんにちわ」
などと心から思わない事を書くと
「…」
とこいつは何を思ってるんだか知らないが三点リコーダーだ。無言キャラは長門だけだと俺は
決めてあるってのに、こいつはどんやつなんだ?
「あなたは、いつも無言なんですか?」
「そう…」
ぷっwじゃあ何書いても大丈夫だよなチャットなんだし。
「付き合ってくれ!」
「そう…」
と書いたのが見えたときに急に長門が入ってきた、やばいPCの電源を切って何食わぬ顔で見た。
あれ?顔が赤いぞ熱でもあるのか?
「現在冷却中。問題は・・・ない」
といつもより少し大きな声で言われたので少し驚いて
「今日は帰って休んだほうがいいぞ」
などと部室を出て一緒に長門のマンションへ向かったが、この判断が間違ったのか?いやもっと前
から間違っていたんだな俺。うん、たぶんそうなんだ。
377気の毒! 少年Nの悲劇 あらすじ:2006/07/26(水) 21:41:54 ID:FOlz2ufI

以下はハルヒ編集長による『気の毒! 少年Nの悲劇』のあらすじである。
やたらとエクスクラメーションマークが多いのには目を瞑っていただきたい。
ハルヒのテンションを文章化すればこうなるのは自明の理じゃないか。

「眼鏡の少年、ンダ太郎!!彼には夢がある!!
それはメガネサバイバルのチャンピオンになる事!!
メガネサバイバル!!それは!
未来人が眼鏡の少年と協力し合い行うスポーツである!!
眼鏡の少年を一方は事故死させ、もう一方はそれを阻止するという過酷な競技で
並の眼鏡少年はとても出場できないのだ!!
強靭な肉体と鋼鉄の精神が眼鏡少年には要求される。
そのため血を吐くような特訓が必要なのである!!」
「メガネサバイバルを夢見る眼鏡少年は多い!!
しかしほとんどの少年はそのレールから弾かれてしまう。
ンダ太郎には生まれつき強い事故回避能力などはなかった。
気のやさしいどこにでもいる少年であった!
しかし彼は未来人のうさぎのお姉さんとの約束があった」
『これから……何があっても車には気をつけて。
道を渡るときも、車に乗ったときも。
ううん、飛行機にも電車にも、それからお船にも……。
ケガしたり落ちたりぶつかったり……沈んだりもしないように、ずっと注意するの。
約束して欲しいの」
「ンダ太郎は決意した!!
お姉さんとの約束を果たす!!
それを胸に誓い、身体を鍛え、心を鍛え、成長した。
そしてついに!!
レギュラー、準レギュラー、ゲストキャラに新キャラと、シリーズ最大のキャラ数を誇る『涼宮ハルヒの陰謀』の舞台に立つ!!」
「その頃お姉さんは!!
二人に分裂したあげく、部活仲間と一緒に亀をいじっていた!!」
「………とまあ簡単なあらすじがこれよ!
どう!?先が読んでみたい?」
なんだその小説。超読みてェ
「原稿貸せよ、ハルヒ」
「ふふふ…どうしようかしら…」
378名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 21:42:33 ID:j+67Gy78
>>376 未成年の方は退場ねがいます。
379名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 21:46:23 ID:FOlz2ufI
あまりにも2作品の相性がよかったので、ノリだけで投下してしまった。
一応反省はしている。
380ラピス:2006/07/26(水) 21:47:10 ID:xHO2lFBl
さてとあ〜昨日は疲れたけど今日は日曜の恒例の不思議探検だ。え?昨日長門の家で何があったかって?
誤解されるかもしれないがただ送っただけです。本当です。目で長門を見たけど長門は目をそらした。な
ぜ?
「はぁ〜最近面白い事発見できないから今日こそ見つけるわよ!」
などと今日も疲れるんだろうな〜っと思いくじを引いたら、俺と長門、ハルヒと朝比奈さんと古泉のペア
ーになった。いやいつもの事か。昼にまた集まればいいんだな?じゃあ長門今日も図書館・・・って何処
行くんですか長門さん。そっちは繁華街ですよ。
「ついてきて」
などと俺を何処に連れて行こうと思ってるんだ?まさかホ○ル?まさかな、ははっ。
「・・・」
この沈黙は俺だ。そう、なぜかネットカフェに来ていたのだった。
「あの〜な〜長門、いつもは図書館だけど何で今日はここ何だ?」
などと聞くと
「それは貴方が望んだから」
などといわれた。いや俺はそんなの望まないぞ。
!?
俺は驚いた。そして言葉を失った

「なっ!!!」
381名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 21:54:18 ID:fLJzK0FI
>>380
とりあえずsageろ!
話はそれからだ
382名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 21:54:33 ID:enu4onxo
ラピスさんこれは拷問ですか?
383名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 21:56:39 ID:SPPga/Yn
メール欄にsage
って入れればおkだ
384ラピス:2006/07/26(水) 21:56:50 ID:xHO2lFBl
そうそれは*chを検索していたのだった。長門お前腐女だったのか?可笑しな物でも食べたのか?
「私は正常。」
いやいつもより喋ってるぞ長門さん
「そう…」
などと言っていると例のチャットのページが現れた。え?あのもしかして・・・その・・・長門・・
さ・・ん・・・・?(3/5人数)
「貴方がチャットしている事は分かっていた。ログを解読、分析、調べた。」
「じゃもしかして知っててチャットしてたのか?もしかして後の3人って・・・」
俺は恐る恐る画面を見ると画面には…の文字が出てきてたと思ったら
「(^A^)9キョン!このばかキョン!後で覚えてなさい!死刑よ死刑!」
「まさかキョン君だったなんて・・・信じられません・゚・(ノД`)・゚・」
「やはり貴方が犯人でしたか、いえ予想はしていましたが的中しましたね(・∀・)ニヤニヤ」
まずい、完全にまずいぞ俺!どうすればいいんだ?
「長門、まさかお前がハルヒ達に・・」
と聞いていたら長門は全てを分かるかのように
「涼宮ハルヒは、あのチャットに入った人を調べてといわれて調べただけ。それがあなただった」
何でかお赤くするんだ長門?え?俺がチャットしていった事まさか・・・
「そう…」
やばい!俺明日から学校行けないぞ。すごく気まずいぞ俺。
385名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 21:56:54 ID:fLJzK0FI
>>379
難しいところにチャレンジしてきましたね。
まずは乙です!
386名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 21:59:42 ID:yVeEyiJp
夏だなぁ……
387名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 22:06:49 ID:l0WPFelF
誰か投下してくれないかな…
388名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 22:08:58 ID:fLJzK0FI
その前にラピスは終わったのか?
389名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 22:09:44 ID:pmsVw/lY
>>384
そろそろコレ読んでみようぜ→「空気」
390ラピス:2006/07/26(水) 22:10:16 ID:xHO2lFBl
という訳です。大体は分かったか?いやそんなのんきに解説していた俺は馬鹿だったどう誤ればいいのか
考えてなかった。もう日曜から月曜の放課後ですよ。早いですね〜
「キョン!あんたなんであのチャットに入ったのよ!」
いや、たまたま入っちゃったらこうなったんですよ
「言い訳なんて聞きたくないわ!かえる!」
あ〜まずいまた夜は閉鎖空間だなこれは。古泉なんとか言っ・・
「僕は貴方に聞きましたよ?原因は貴方じゃないか?ってね(・∀・)ニヤニヤ」
いやチャットじゃないけどその顔文字は見えないはずだけど今は見えてる気がする。
あっ朝比奈さんは?過去に行ってもう一度なかった事にするなんて
「キョン君なんて最低!」
あっまってください!朝比奈さん運動音痴なのに今凄い速さで出て行きましたよ。
(・∀・)ニヤニヤ
すげ〜俺は殴りたい、いや心の中で殴ればいいか
ブフッ∵(´ε(○=(゚∀゚ )
「そんな場合じゃないですよ、 早く涼宮さんを止めないともう世界は崩壊しますよ」
などと俺の心の殴りを食らっても怯まずに言ってきた古泉を見てこれはやばいと思ったけどもう手遅れじゃ
・・・ないか?
「まだ大丈夫」
長門お前だけが頼(ry
「私と情報結合すれば私と貴方は助かる」
よし、するよで?何を結合?え 長門と俺??いやそれって
「交*」
いや言わなくていいけど、じゃあもうハルヒは世界を終わらせるのか?古泉早く閉鎖空間つぶしに行けって
何(・∀・)ニヤニヤしてるんだまた殴るぞ。おい長門頼むから何とかしてくれ

こうして世界は終わった。え?俺は死んだのかって?長門と俺は生きてるぜ。
まぁこんな終わり方でもいいけどな。みんなもチャットで変なこと言ったりしないようにな。書き込みもま
ともな書き込みをしろ。そうしないと人間関係と世界が終わるぞ。そうだ何でお前いるんだ?
(・∀・)ニヤニヤ


ー完ー
仝考えてもヘタレ小説です。すいません(・∀・)ニヤニヤ
391名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 22:11:30 ID:u1JD8B34
途中までで良かったら投下できるんだがねぇ
392名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 22:11:41 ID:a5w0KKsC
おまえら相変わらずだな
393名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 22:15:40 ID:pNrS10MD
sageろの指示も無視するような糞読んでも意味無い

速やかにあぼ〜ん
394名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 22:16:37 ID:62hd+vXZ
>ラピス

> 書き込みもま ともな書き込みをしろ。そうしないと人間関係と世界が終わるぞ。そうだ何でお前いるんだ?

そっくりそのままお前に返す
395名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 22:18:00 ID:oADXf9NR
釣られるなよ
黙ってNG
396名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 22:18:23 ID:bjsfbD/3
そこは閉鎖空間です。 普通の人なら気にしません。
397ラピス:2006/07/26(水) 22:21:28 ID:xHO2lFBl
まぁ下げるけどさ〜
最近ハルヒハルヒってハルヒ村の住人かよwwwwww
(^A^)9プギャー
大体非日常的というかお馬鹿な自己を他人の一人称から見た話しだろ?
NHK入ってろよwwwww
398名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 22:21:58 ID:xUYF/ztL
日本語でおk
399ラピス:2006/07/26(水) 22:26:06 ID:xHO2lFBl
  /.:.:.:.:.:.:.:.∧:.:ィi.:,、.:.ヽ←ラピス      
 /イ.:.:.:.:i|:/__,V'、|l_j:.:.:.l    
  lr:l:.:.l -ー   -、 レヘ!   いえいえそんなことないですよ
  l l:.|    |  |:l      
  `ーi;|    '  ,N    
    | `ー  ̄ , '       
  ,,rへ、_ ` 〔´__        
/l :ヽ、 ゙7'r'Yヽ、゙ー、     
: : |: : : ヽ/、;:;;;}イ: :ヽ: \    
.: :.>': : ヽ/::::| .l: :<: : ヽ

             -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
             / /" `ヽ ヽ  \ ←腐女
         //, '/     ヽハ  、 ヽ
         〃 {_{ノ    `ヽリ| l │ i|  
         レ!小l●    ● 从 |、i|   おお!よかったよ〜SS
          ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ│
        /⌒ヽ__|ヘ   ゝ._)   j /⌒i !
      \ /:::::| l>,、 __, イァ/  /│
.        /:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |
       `ヽ< | |  ヾ∨:::/ヾ:::彡' |
400名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 22:26:15 ID:/iUAPMNp
わろたw
401名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 22:28:26 ID:v7ITrA4E
荒れてきたな…

とりあえず
かもすか
402ラピス:2006/07/26(水) 22:31:27 ID:xHO2lFBl
すいません。特大のSS落とすのでそれで満足してください
403名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 22:37:45 ID:pfr8NI2N
いえ、結構ですのでお引き取りください。
404名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 22:40:06 ID:SPPga/Yn
大人の対応で。
405名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 22:43:16 ID:1gPU2IP6
そんなことせずにどうぞ消えてください。
夏休みを満喫しては如何ですか?
406名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 22:46:36 ID:pNrS10MD
定期的にあぼ〜んが挟まれてるが、なんでリアクションするの?

無視もできないのか、ここの住人
407名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 22:48:51 ID:M7Cgx7nz
ほんっっっっとに、このスレ定期的に似たようなことで荒れるな
誰かここらでこの流れを断ち切る長編投下してくれ
408名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 22:54:24 ID:4EIWqqNm
小ネタでも投下した方がいいのかな?アレの有無に関わらず
409ラピス:2006/07/26(水) 22:54:44 ID:xHO2lFBl
「どろっどろ〜でいきましょ」

な「待っていた。きて」
あ「え?でもそんな・・・3人でなんて・・・」
き「まぁそう言わずに、ね?」
あ「ん〜んわかりました・・」

な「私が作る」
き「いや一緒に作ろう」
あ「えぇ〜そんな長門さんとキョン君がそんななかだったなんて・・・えっえぐっミクルビー・・」
き「危ないですよ朝比奈さん、じゃあ3人でやりますか」
な「そう…」

あ「で、でも〜こんなのって不潔ですよ〜うぅ」
き「朝比奈さん、でもここまでやったら最後までやりましょうよ?」
あ「うん・・・、え?いゃー!キョン君何処触ってるの!やめてぇ!」
き「え?でもそうしたら自分で動けますか?」
な「ぶりっ子(ボソッ」
あ「うぅ・・ひっくっひっ、わかりました・・・お願いします、でも手つきなれてますね?」
き「ああ、以前妹とかハルヒとかとやったからな」
な・あ(えっ!そんなことあったんだ!今のうちに親しくなれば・・・)
あ「へ、へぇ〜、そうだったんですか〜、そ、そうだ〜長門さん」
な「何?」
あ「ちょっとキョン君の磨いてますぅ、大きくて私にはちょっと・・・?」
な「別にかまわない」
き「ああ、長門すまんないつも。じゃあ俺はたっぷりなかに出しますとしますよ」
あ「ぇえ!だめです!まだ早いですよ!」
き「でももういいと思うんだ」
あ「きゃー!そんなにいっぱい掛けるとあふれます〜」
き「大丈夫ですってティッシュもありますし、長門少しぐらいは大丈夫だよな?」
な「問題ない」
き「だそうだ」
あ「だからって、ひどすぎますよ〜入りきれなかったら・・」
き「俺と長門で処理しますから、いいよな?」
な「うん…」

き「じゃあ3人でい  こうか」
あ「あっ!あっ!暑いのがはいってくる〜でもそんなに口に絡まなくてさっぱりしてる・・不思議」
な「成分を全ていう?」
き「この際それはいいけど長門が言いたいなら・・・ちょっと恥ずかしいけどいっていいぞ」
な「貴方は言って欲しくないみたいだから私は言わない」
き「そうか、ありがとな長門、やっぱ口に含んでるときだしな」
き「あっ!そっそんな!そんなに口の中にはいりませんよぉ〜」
あ「そんなこといわずね?最初はきついかもしれませんが、意外といけますよ」
な「私はいつもこうしている」
あ「ひっ!わ、わかりましたょぉ〜」
き「でもな〜俺も最初は驚いたな〜、だって・・・」
な「言わないで」
き「ああ、分かったよ」

そして俺たちはもくもくと処理した。
な「すべてを処理しました」
あ「ごちそうさま〜」
き「おいしかったですねカレー」

朝比奈さんと長門を見ながらカレーを作ってから食べるのは乙なものだ
410名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 22:56:35 ID:SPPga/Yn
>>408
こい
411んじゃ "こねた" を:2006/07/26(水) 23:01:58 ID:4EIWqqNm
「んっ、んっ、 そうそうキョン、その調子よ……」

「ん……こ、このくらいか?」

少し手に力を入れて目の前のものをこねる

「あっ! ちょ、ちょっとキョン力入れすぎよ!」

「す、すまん。 こういうのは始めてだからな……」

「んっ……そうそう、手前から押すように、ね」

「ああ、分かって……ハルヒ、服に白いの付いたままだぞ」

「いいわよ、どうせあとで着替えるんだし」

「そうか…  そろそろ入れるか」

「ええ、たっぷり入れなさい!トロトロになるまでよ!」






「やぁやぁ掃除当番で少し遅れてしまい……
  おや?お二人方何をやってるんですか?」


「「何って……パン作りだ」よ」
412名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 23:07:54 ID:j+67Gy78
>>411 しつこい。
413名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 23:12:02 ID:4EIWqqNm
>>412 すみません……よかれと思ってやったのですが…
    やっぱりちゃんと書けるようになるまでROMっときます……
414名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 23:13:08 ID:yVeEyiJp
>409 と >411 が同レベルってとこに感動を禁じえない
415名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 23:13:19 ID:a2cLNci7
>>413
>>317-321は面白かった。
また書いておくれ。
416412:2006/07/26(水) 23:14:26 ID:j+67Gy78
アンカーミスです。正しくは >>409 。

首吊ってきます
417名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 23:14:38 ID:andhJ1HP
無視もできない大馬鹿住人の代表


       >>406



418名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 23:15:23 ID:rjhTYm1P
>>413
たまには筆が進まない日もあるさ。にんげんだもの。
次回作、待ってます。
419名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 23:21:27 ID:oADXf9NR
>>413
412のしつこいってのはたぶん
それ系の一発ネタのことだと思うぞ

今までの作者がお前と同じなら、この手のことは一発ネタだから言われてもしょうがないかな、とも思う
今までのものと別の人なら、ネタをそのまま拝借するのはあんまりよくないことだから止めておけ

そんな落ち込まなくていいぞ、批判レスもそういう人もいるんだなー程度に受け取っておけ
得る物があったなら次回に活かせばいいし、ないならスルーしちゃえばいいさ
420名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 23:24:00 ID:oADXf9NR
はいはい、チェックしわすれ
リロードしろ俺の馬鹿

>>416
アンカー訂正したのにすまん
421290:2006/07/26(水) 23:28:01 ID:CioAZyyV
一応の完成を見たので投下します。
422キョンと変な女 その4:2006/07/26(水) 23:29:25 ID:CioAZyyV
>>
423ラピス:2006/07/26(水) 23:31:43 ID:xHO2lFBl
いつから君はSS評論家になったんですか?(・∀・)ニヤニヤ
貴方にそんな資格はない…
この馬鹿住人!こんなことかいたら死刑よ!死刑(^A^)9
┐(´∀`)┌ヤレヤレ
SS書けないくせによく言うぜ、ならおめしれーの書けよw
童貞はチンポしっしゅして寝ろ
あ〜ハルヒ系は童貞やら自分ハルヒ命やらわけのわからんやつおおいな
これだから自己は世界を滅ぼすんだ

byゲボ戦記
424キョンと変な女 その4:2006/07/26(水) 23:31:57 ID:CioAZyyV
>>421ミスった

>>289-290
自己紹介がつつがなく終了し、彼女は俺を一瞥すると、担任の指示に従って、昨日、急遽このクラスに運び込まれた席
に腰掛けた。

 昼休みも含めてその日の休み時間には、彼女の机の周りを男子女子ともどもが群がり、俺たちと話をする暇もなかった。
しかし、しきりにこちらをちらちらと振り返っていた。俺たちは会話に参加することはできなかったが、彼女は中学時代の
明るさを振りまいているように見えた。
 しかし、彼女の視線がしきりに俺に向いていることが気に入らないのか、ハルヒは始終アヒル口をつくり、
不機嫌オーラを醸し出していた。

 やがて、すべての授業が滞りなく終了すると、ハルヒはすっくと立ち上がった。
「キョン、行くわよ」
 と言って有無を言わさず俺を引っ張り、彼女の席へと向かった。
「よう、久しぶりだな」
「ヤッホー、ひっさしぶり。キョン君」
 と、約1年ぶりに交わした挨拶もそこそこに、
「あなたもちょっと来て」
と憲兵隊よろしく、ハルヒに連行されてしまった。
「ええっ、ちょ、ちょっと、どこに行くの?」
 俺は、あきらめめてくれ、と彼女に目配せをするのがやっとだった。


 廊下には、まだ橙がかった陽が差し込んでいないようだった。俺はハルヒに引きずられながら、日が長くなりつつ
あるということをしみじみと感じていた。

 ハルヒは、SOS団兼文芸部部室のドアの前で立ち止まると、このドアに何か恨みでもあるのか、という勢いで開け放った。
「みんなー、待った?」
 なんでお前は、そんなに無駄なまでにエネルギーを撒き散らしているんだ、と独りごちた。しかし俺は、今日1日中感じ
続けていたオーラが、霧散したようで安心していた。
「みんな、喜びなさい。今日から我がSOS団に入団してくれる転校生ちゃんよ」
 なんだよ、転校生ちゃんて。ちゃんと名前で呼んでやれよ。
「あの転校生ちゃんって…?わたしにはちゃんと名前があるんだけど…。それに入団って、ここ文芸部じゃないの?」
「いいからいいから。まあ、気にしないで。あたしも気にしてないから」
 いや、お前は気にしろよ。って聞いてねえ。
「聞いて驚きなさい。実はこの娘、名うての漫才師なの。キョンとは中学時代に、漫才コンビを組んでいたんだって」
 誰が漫才師だ。その紹介は著しく間違っている。しかも俺が漫才の相方を務めたつもりはねえ。
「あらそう?じゃあどういう関係だったのかしら。ずいぶん仲がよかったそうだけど…?」
 その瞬間、部室の気温が下がった。俺の背筋に冷たいものが走る…。このために彼女を部室に連れてきたんじゃない
だろうな。このままじゃつるし上げを食いそうだ…。俺は身の危険を感じていた。

 誰か救いの神はいないかと、視線を他の3人に目を向けてみた。俺の心のオアシスであり、SOS団のマスコットでもある
メイド姿の朝比奈さんは、何かを抑えているようだった。しかし抑えきれないでいる感情が、ジト目で睨む、という表情
として表れていた。
 長門はいつもの無表情だが、あきらかに視線が冷たい。まるで瞬間冷凍されたマグロのようだ。しかも、かすかに
怒っているようにも見える。
 古泉はというと、奴のトレードマークであるイカサマスマイルを振りまいていた。しかし空気を読み取ってか、いつのまに
やらパイプイスを窓際に寄せて座っている。まるで空襲をさけて疎開している資産家のようだ。
 おい古泉、なんで窓際なんかに逃げてやがる、と俺が目配せすると。僕は中立を保ちますので存分にやり合ってください。
とでも言うかのように、微笑みながら、肩をすくめて両手の平を持ち上げた。
 ハルヒはハルヒで、引きつった笑みをこちらに向けている。俺はひどい既視感にさいなまれた。こんな状況で俺が無事で
あったためしがない。
 
 しかし、後ろで控えている彼女は、意外にもガタガタ震えるといったこともなく、むしろこの状況を楽しんでいるかの
ようだった。
 だが、俺はそんな気分になれるわけもなく、呻吟しつつ、
「ええとだな…」
 
425キョンと変な女 その5:2006/07/26(水) 23:33:12 ID:CioAZyyV
 と、答えに四苦八苦していた。
 すると彼女が突如口を開いた。
「涼宮さんだったっけ?そうよ、あなたが想像しているとおり、わたしとキョン君は中学時代付き合ってたんだ。
そうね、ラブラブだったといってもいいわ」
 零下10℃とも思えた部屋の温度が、彼女の発言と共に、一挙に沸点まで到達した。なんてことを言うんだ、この
女は!
「へえ、そーう。キョン、あんた、なんでこんなこと黙ってたの?団長に内緒にするなんて、許し難い暴挙だわ。
そうね、あんたには罰ゲームが必要だわ。あんたパンツ一丁で麓の女子校に忍び込んで、エウレーカーと叫びんで
校庭を一周してきなさい」
 そんな恥ずかしい補導歴を俺の過去として刻むつもりか。つうか、なんで自分の過去の恋愛模様を団長に話さなきゃ
ならんのだ。しかもまったくのデタラメときている。と、ハルヒを見るが、顔が笑っていない。引きつった笑みすら
忘れている。

──こりゃだめだ、ハルヒは頭に血が上りすぎて、自分が何を言ってるのかもわかっていないらしい。

 2人の女子団員は見るのも恐ろしい…。いや、見なくてもわかるさ。朝比奈さんの視線に込めた力はさらに強まった
ように感じられるし、長門に至っては、この前に生徒会室で見せたものに匹敵するほどに、あのすさまじいオーラを
噴出させていた。
 隅で傍観している古泉はどうでもいい。

 すると、この部屋を大混乱に陥れた張本人が、やおら口を開くと、
「なんちゃって!ごめん、ごめん。今の全部うそだから」
 あっさり撤回した。
「キョン君と仲がいいのは確かだけど、私たちのは強敵と書いて、心の友と読む。お前のものは俺のもの。俺のものは
俺のもの。欲しがりません勝つまでは、っていう関係だから、心配しなくても大丈夫だよ」
 どんな関係だよそれは…。ああ、いつものあいつだ。確かに変な女だ。だが、ハルヒを手玉に取るとは侮れん。
「そう、そうよね。あたしも甲斐性なしのキョンが、女の子と付き合うなんてあり得ないと思ってたわ」
 嘘をつけ、あんなに動揺してただろうが。
「でもあなた、なかなかユーモアのセンスがあるわね。さすがあたしが見込んだだけのことはあるわね」

 彼女は晴れて5人目の団員になった。

 しかし、俺は、ハルヒがあんなにうろたえた姿を、一生忘れることはないだろうな。

 
終わりです
426ラピス:2006/07/26(水) 23:35:10 ID:xHO2lFBl
>>419
私は貴方に従う許可を
427名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 23:38:03 ID:bkszICwh
>>425
GJ
個人的にはハルヒ達が嫉妬している様をもっと見たかったですが
428ラピス:2006/07/26(水) 23:39:10 ID:xHO2lFBl
何?>>425でGJ?
俺の方がいいだろ>>409だろ
じゃあ俺もパクリネタでも考えるかな
429名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 23:40:32 ID:SPPga/Yn
>>425
あっさりしてて、楽しめた続きは頭の中でやることにする・・・
430名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 23:42:43 ID:rjhTYm1P
>>425
谷口仕事し(ry
まるでキューバ危機のような状況。もうちょっとハルヒに妬いてほしかったかな。
続編に期待・・・して良いのかな?スケール的にはずいぶん話が膨らみそう。
431名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 23:43:29 ID:rjhTYm1P
>>430
s/谷口/谷川/;
吊ってくる
432名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 23:43:54 ID:sN+Dz0FQ
>>425
非常によかったです。また何か書いてってくださいね。
433名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 23:44:44 ID:uNeU74Gc
>>425
GJ笑えました。
上手いことまとめましたね
434名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 23:50:04 ID:jCs/bSNX
他人の書いた物を貶すような奴は評価されることすら値しない
自分の書いた物を受け入れて貰いたいならば他人の書いた物に難癖つけるのは止めたほうが良い
貶すにしても貶さないにしても厨が書いたような物は不評は貰えても好評は貰えないだろう

>>425
楽しく読ませて頂きました
出来るならもう少しだけ三人娘の嫉妬の描写を見たかった
435名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 23:52:03 ID:bjsfbD/3
>>425
こういうのいいねぇ。 個人的に長門と朝比奈さんに何かアクションがほしかったけど


さて、涼宮ハルヒの抹消の続き(前回19-627)書いてきたんだけど投下していいかな?
ってか間が開きすいて憶えてる人いるかな?
436名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 00:00:48 ID:rjhTYm1P
>>435
かもーん


19-627ってのが保管庫で探せなかったのですが、どこに保管されているのか
教えてください。
437名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 00:01:57 ID:4WyeRQOd
どうせ投下するんだからいちいちお伺いなんかたててないでさっさと落とせ。
438名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 00:04:02 ID:6heay/4E

>>436
正確には17-126 飛び飛びなんだな



『今日の夜10時にあの公園のベンチで待っててください』
改めて俺は手紙の丸っこい字を見た。 夕日が翳って朝比奈さんの字を強調していた。
ただ朝比奈さんは未来に帰ったはずだ。 時間の歪みも消えた以上、ここに来る理由が無い。 もしかして俺に会いに… そんな訳あるかっ。
「キョン君どうしたっさ?」
鶴屋さんにポンポンと肩をたたかれた。 そりゃアホみたいに口を開けっ放しでロッカーの前に立ってたら誰だって気になる。
「いや、何でもないですよ」
鶴屋さんに見つからないように手紙をブレザーの裏ポケットに隠した訳だが、
「ん、キョン君何を隠したんだいっ?」
残像でも出来そうな勢いで前に回りこんできた。 その目はブリリアントカットのダイヤモンドよりも輝いていた。
そのまま鶴屋さんはブレザーに手を伸ばし、内側をまさぐってきた。 朝倉、ニヤニヤしてないで止めてくれ。
「ちょ、ちょっと鶴屋さん、ダメですって…」
デジャヴを感じながら鶴屋さんの手を受け流していると、
「やあ、お待たせしました」
制服姿に着替えなおした古泉が戻ってきた。
「おや? 御2人でで何か楽しそうですね」
違う、早く鶴屋さんを止めてくれ。 って鶴屋さんどこに手を入れてるんですか。 そんな事されたら…
「あははっ、間違えたッさ。 そりゃっ」
笑顔200%で鶴屋さんが俺のブレザーから手紙を引っ張り出した。
「まったく、傍から見てたらバカップルね」
「そうですね」
朝倉(IN喜緑さん)と古泉が同時に肩をすくめた。 そう言うなら止めてくれ。
「ふんふん、なるほどーっ ほほぉ…」
1行の分を何回読み直してるんですか。
「これはみくるの字だねっ! いままでどこに行ってたにょろ?」
鶴屋さん、それは『禁則事項』ってやつですよ。 俺は指を口に当てて朝比奈さんの真似をして答えてみた。
「あははははっ! みくるに全然似てないよっ!」
お腹を抱えて笑うほど似て無かったですか。
「やっと彼女も出てきましたか。 ですが…」
「いつまで待たせる気なの?」
ふと見ると古泉と朝倉(IN喜緑さん)は靴を履き替え終わっていた。
439名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 00:04:33 ID:bjsfbD/3
俺たちはそのまま鶴屋さんの家に向かった。 道中の鶴屋さんがいつも以上にハイテンションなのは気のせいではあるまい。
「しかし、朝比奈みくるは何で戻ってこれたんでしょうか? いや、こちらに来たというのが正しいですね」
古泉話しかけてきた。
「分からん、時間軸の歪みも消えたと言ってたはずだしな」
そんな話をしているといつのまにか鶴屋さんの家の前まで来ていた。
「さぁ着いたよっ! さぁ入った入った!」
鶴屋さんは先に入り門の奥でこっちを手招きしてる。
「結構大きいのね」
門をくぐりながら朝倉(IN喜緑さん)は辺りを見渡していた。 そういやこいつ初めてだったな。 
そのまま俺たちは離れに通された。 前に朝比奈さんを預かってもらった時の離れである。
鶴屋さんは着替えてくるらしく俺たちを部屋に残し出て行った。 またあの十二単みたいな和服に着替えるのだろうか。 鶴屋さんも大変だな。
「しかし、僕たちの服はどうすればいいんでしょう…」
古泉が横目で朝倉(IN喜緑さん)を見た。 いざとなったら作ってもらう気か。
「お待たせっ! みんなの着替えももってきたからねっ! サイズが大きいのは我慢しておくれよっ!」
あの時と同じ和服姿の鶴屋さんが服を持ってきた。 これで不安は一つ解消された訳だ。
「これが古泉君の分で、これがキョン君のぶんだよっ! で、これがき…じゃなくて涼ぽんの服っさ!」
突然聞きなれないアダ名で呼ばれた朝倉(IN喜緑さん)は目をついたばかりの蛍光灯のように瞬きをしていた。
「り、涼ぽん?」
「仲良くするならアダ名からさっ。 もしかしてイヤだったかい?」
「いえ、別にいいんだけど…」
「じゃ涼ぽんで決まりさっ! あとご飯は今作ってるから少し待っててほしいにょろ」
そう言って鶴屋さんはまた出て行った。
「涼ぽん…か」
朝倉(IN喜緑さん)が耳元で囁くような声で呟いた。
「ん、どうした朝倉?」
「ううん、なんでもないわ」
少し照れくさそうな仕草で微笑を作った。 一瞬長門のような印象を感じたのは気のせいだろうか…
440名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 00:05:05 ID:6heay/4E
その後鶴屋さんに呼ばれて母屋の方で夕食を頂いた。 なんと鶴屋さんのお手製の焼きそばという事だ。。
食べてみるとこれがかなりおいしく、これならご飯が何膳でも… って邪道かこれは。
焼きそばをおいしく頂いた後あの離れに戻ろうとすると、鶴屋さんに呼び止められた。
「キョン君、ちょっちお話があるっさ! こっちに来てくれないかい?」
隣の部屋の襖から半身を出して手招きをする鶴屋さん。
「ここじゃ話せないことなんですか?」
「そうなんだよねっ、まぁこっちに来ておくれっ」
近づいた所で手を引っ張られて俺は暗い部屋に入った。
部屋は畳張りのようだが暗くて鶴屋さんも輪郭しか見えないほどだ。 こんなとこに連れてきて何をする気だ?
「で、こんなところで何のようですか?」
恐らく鶴屋さんがいるであろう方向に質問した。
いきなり襖が閉まり、
「キョン君っ、この後みくるに会いに行くんだよねっ」
部屋の真ん中辺りから声がした。 心なしか声のトーンが低いような…
「そうですが、どうかしましたか?」
よく目を凝らすと鶴屋さんの輪郭だけが確認できた。
「んっとねぇ… 行かないで欲しいんだけどダメにょろ?」
気のせいか、「行かないで」と聞こえたような…
「本気と書いてマジなんだよっ 」
少しづつ鶴屋さんが近づいてきた。 暗闇で表情は分からないが、いつもの笑顔ではないはずだ。 多分。
「すみません鶴屋さん。 俺は何が何でも行かないといけないんです」
もし朝比奈さん(大)ならば何か解決のヒントをもらえるはずだ。 そうすりゃあの前ににでもタイムスリップしてもらって改変しちまえばいい。
「キョン君がそんなに押し通すってことはハルにゃん絡みなんだねっ」
「まぁ、そうと言えばそうなんですが…」
朝比奈さんが入れたお茶を片手に古泉とオセロをし、隅のほうで長門が本を読んでいる。 そしてハルヒがまた無茶を持ってくる。 俺はそんな生活に戻りたい。
「それでも行って欲しくないんだよっ」
そう言われても困るんです。
「恋人同士なのにかい?」
…今なんて言いました?
「もっかい言うよ。 あたしたちは恋人同士じゃなかったのかい?」
思わず固まったね。 記憶が無かったんじゃなかったんですか?
「そんなの嘘に決まってるっさ。 今までは意識しないようにだけどさっ、もうダメっさ! 頭では分かってんだけど、キョン君を離したくないんだよっ」
心の奥底を鷲掴みしそうな声で言った。
「ハルにゃんじゃなくてあたしじゃダメなのかい?」
その言葉に一瞬時が止まったように感じた。
「いや… あの、それはですね…」
俺があたふたしてる間に鶴屋さんは俺の両肩を掴んだ。 その勢いで表情が見えないまま顔を一気に近づけてきた。
「どうなんだい?」
頭の中が鳴門海峡の渦潮のようにグルグルと回り、鶴屋さんとハルヒがなぜか交互に頭によぎり、最後にハルヒのアカンベーが頭に留まった。 何を今さら迷ってたんだ。
「すみません、やっぱり俺は行かないと…」
「そっか…」
しばらく沈黙が部屋を包み、鶴屋さんが急に抱きついてきた。 髪がサラリと揺れて甘い匂いが漂ってきた。
「少し… このままでいさせて欲しいっさ」
俺も自然と手を回していた。
どれくらいそうしていただろう。 薄暗い中抱き合う俺と鶴屋さん。
鶴屋さんが急に俺を突き放した。
「もう大丈夫っさ。 ありがとうキョン君っ!」
声はいつもの鶴屋さんに戻っていた。 そして薄暗くて表情が見えなかったが、縦に光る筋が一瞬だけ見えた。
441名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 00:05:47 ID:bjsfbD/3
鶴屋さんに「先に出てて欲しいにょろ」といわれたので部屋を出て、その足で公園に行くことにした。
見慣れた公園、ここは何かと宇宙人とか未来人とかと絡むな…
っと考えている開田に約束の場所に到着。 時間より早く来てしまった為、俺はベンチに座って時間が来るのを待った。
そして公園の時計が10時をさした。 その直後後ろの草むらがガサリと揺れた。
「よいしょっと…」
こけそうになりながら植木をまたいで出てきたのは朝比奈さん(小)だった。 気のせいか朝比奈さんの背が高くなってるような…
「久しぶりです。 あ、もしかして待ちましたか?」
待ってはいませんがそんなところから出てくるとは予想外でしたよ。 奥にシルバーの時を駆ける翼でも隠してるんですか?
「どうも安定しなくて…」
あなたのドジっぷりはよく知っていますのでそのくらいは想定内ですよ。
「で、朝比奈さん。 時間の歪みも消えたのにこの時代に何かあるんですか?」
朝比奈さんもベンチに座り、真剣な目でこちらを見た。
「実は言うと、命令無視して来ちゃいました」
はい? まさか朝比奈さんにそこまでの意思があるとは。 そこまでして何かしないといけないんですか?
「そういう事です」
朝比奈さんは真剣な顔を崩さず、
「もしかしたらまた強制帰還させられるかもしれないし、戻ったら絶対処罰されます。 でもこれだけはやっておきたかったの」
「何をですか?」
「あの始業式にもう一度時間遡行します」
俺は驚愕した。 まさか朝比奈さんが時空改変を試みるつもりとは…
「でもどうするんですか? このまま行っても改変に巻き込まれるだけですよ」
「あ… ふみぃぃ、そうでした…」
だが俺たちには朝倉がいる。 いくら制限があるとはいえ長門みたいにプログラムを仕込むくらいはできるだろう。
「え? 朝倉って誰ですか、その人?」
そういや朝比奈さんは知らんのか。
「まぁ、とりあえず鶴屋さんの家にきてください。 古泉もいるんでそこで話しますよ」
「え、鶴屋さんですか。 わかりましたぁ」
とりあえず俺は朝比奈さんを連れて鶴屋さんの家に戻ることになった。 後ろから朝比奈さんが野うさぎのように俺の後を追っている。
さぁ、待ってろよハルヒ、これで鍵はそろったぜ。 
そして長門、これがお前の本心なのかしっかりと問い詰めてやる。
442名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 00:07:31 ID:6heay/4E
とりあえずここまで
後ろの方がb妙 お目汚しスマソ
443名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 00:19:19 ID:6hpZLpdF
鶴屋さんの動かし方が上手いな…
どうやってもセリフからして上手く動かない俺は尊敬する。
444名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 00:22:44 ID:IWQGt2Yd
鶴屋さんがここまでキャラ立ってるSS見たのは初めてだ。
キョンに嫉妬の念を禁じえない。続き待ってます。
445名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 00:42:35 ID:EIehgDdh
ダメだ
危険を感じた気の早いオレの脳が走馬灯を見出している…!!

を使ってSSを作ろうと思い当たって挫折
44618-304:2006/07/27(木) 00:45:12 ID:ssByuiUe
この前、キョンと長門の夫婦ものを書いた者です。
結婚する前の話を希望されてたので、長門視点で初体験もの書いてみました。
では、長いですが投下します。
44718-304:2006/07/27(木) 00:47:49 ID:ssByuiUe
『恥ずかしがりや』

「なあ、長門よ」
「……何?」
「今日、その……お前の家に泊まりに行っても良いか?」
「……かまわない」
彼の顔が、少しばかり綻んだ。
「じゃ、じゃあ、今から荷物取ってくるから! 少し待っててくれ」
そう言い残し、全速力で家の中へ駆け込んでいく。
私が数えて、1分47秒後、彼は私の前へと戻ってきた。
「それじゃ、行くぞ」
向かう先は私の家なのに、嬉しそうな彼が先導を切った。
彼とつきあい始めて3ヶ月。これは、その記念デートの帰りのこと。
何となくだけど、彼が考えていることが判る気がする。
……そろそろそんな時期なのかもしれない、と覚悟を少し決めた。

44818-304:2006/07/27(木) 00:49:17 ID:ssByuiUe
「長門、やっぱ手伝おうか?」
「いい」
背後から、彼の視線を感じる。
私は気にせずに、包丁を動かす。
「いや、いきなり泊まりに来て、やっぱ悪いよ。俺が作る」
「ダメ」
「いいから」
彼が包丁に手を伸ばそうとするのを、回避する。
こういうときに料理を作るのは、女の方が一般的だと読んだ本に書いてあった。
それに、手料理は大抵、男の人は喜ぶらしい。
私は、彼に喜んでもらいたい。
だから、彼に作らせるわけにはいかない。
かれこれ3分ほど攻防を続けると、彼はようやく諦めてくれた。
「大人しく待ってて」
「わかったよ。ホント悪いな」
彼がすまなさそうな表情を見せた。
別に構わない。私がしたいと思っただけ。
……一つだけ願望を言うとすれば、おいしいと褒めてもらえると嬉しい。
44918-304:2006/07/27(木) 00:50:07 ID:ssByuiUe
「……長門って料理、出来たんだな」
私の料理を一口食べ、つぶやいた。
抗議の意味を込め、じっと睨んでみる。
瞬間、彼があわてた表情を見せる。
「あ、いや別にそんな意味じゃなかったんだ。なんというか、お前いつもレトルトだったから、
新鮮だな〜と思っただけであってだな、決して料理できないんじゃないかって心配していたわけでは……」
……彼はそのように私を見ていたらしい。少し悲しくなった。
それが僅かに表情に出てしまったのだろう。彼がさらにあわてる。
「な、長門、うん。俺が悪かった。だから、そんな顔しないでくれ。頼むから」
必死に謝る彼。だけど、やはり悲しい。
――エラー発生。思考パターンに異常を発見。
それに彼は黙々と食べるだけで、おいしいと言ってくれない。
口に合わなかったのだろうか? 作り方がまずかったのだろうか?
料理を作るのは初めてだったから……
「……おいしく、ない?」
我慢できずに、尋ねてみる。
「そんなことないぞ。旨い」
彼が答える。だけど、彼は優しいから嘘をついているかもしれない。
見つめてみる。こうすれば、彼は嘘をつけない。
けれど、彼の瞳は揺らぐことがなかった。
「いや、ホントに旨い。旨すぎて言葉にならん」
彼が笑って頭を撫でてくれた。 嘘ではない。よかった。
45018-304:2006/07/27(木) 00:51:08 ID:ssByuiUe
「……お風呂沸いた」
「そうか。俺は後で良いから、先入れ」
テレビを見ている彼がそう言ったので、私はお風呂に入ることにした。
いつも通り頭を洗い、体を洗い、顔を洗った。
お風呂につかってしばらくのんびりしたが、何かが思考の端に引っかかる。
――思考にノイズ発生。エラーにより、異常動作。
何となく、もう一度丁寧に体を洗ってしまった。
無駄な行動だと思う。だけど、引っかかりはとれた気がした。
何かのエラーかもしれない、今度チェックしておこう。
お風呂を出て、下着を取る。
一回、いつも使っているシンプルな白の下着を取り出したが……
――思考にノイズ発生。エラーにより、異常動作。
それを戻して、水色の縞模様の下着を着けることにする。
これは以前涼宮ハルヒが選んでくれた物だが、あまり使ったことがない。
何故、使おうと思ったかは不明。やはりチェックが必要かもしれない。

「お風呂あがった」
「っ! お、おお。そうか。じゃあ俺も入らせて貰うぞ」
彼があわてて何かを鞄に隠した。
そのまま逃げるように、お風呂へ。
何を隠したのだろう。気になる。
だけど、勝手に鞄を見るのは悪いと思うので、自制する。
彼がお風呂に入っている間、本を読もうと思い、ページを開く。
――エラー発生。思考にノイズを確認。
なぜだか、落ち着かない。
ページは同じところで止まったまま。文字を読んでも、頭に入っていかない。
そんなことを数十分ほど繰り返した後、物音が聞こえた。
彼がお風呂から上がったらしい。
――顔面の毛細血管の拡張を確認。表面温度が0.1度上昇。
心臓の鼓動が早くなったのが判る。私という個体は今、緊張状態にある。
何故だかは不明。
彼の足音が近づく。
45118-304:2006/07/27(木) 00:52:10 ID:ssByuiUe
「長門、風呂あがったぞ」
「……そう」
「あのさ……長門」
「……何?」
――顔面の表面温度の上昇を確認。心拍数上昇中。
「その、えーっとな、俺たちがつきあい始めて、3ヶ月経ったわけでな……」
「……」
「えっと、ようするにだ。そろそろそんな時期かな〜と俺的には思うわけでだな」
彼の顔が真っ赤になっていくのが見える。
私も顔が熱くなっていっているから、おそらく彼と同じようなのだろう。
「つまり、ぶっちゃけた話、その……しないか?」
「っ!」
予想はしていたけど、現実となるとやはり少々戸惑いを覚える。
黙ったままの私を見て、彼があわてたように付け加える。
「いや、お前が嫌なら良いんだ。俺の希望ってだけだし、無理にとは言わないから」
だけど、少しばかり声に残念そうな響きが混ざっていた。
私は、どうしたいのだろう?
思考をまとめる。だが、結果はすでに決まっていた。
「……別に」
「?」
「別に、構わない」
彼の目が見開かれる。驚いているようだ。
「長門? お前、どういうことだか判って……」
「判っている」
「いいのか? こういうことは気を遣わなくても良いんだぞ?」
「気など遣ってない。これは私の希望でもある」
嘘はついていない。これは本当の気持ち。
彼にじっと見つめられる。心拍数の上昇を確認。
「……じゃあ布団、敷くか」
赤い顔のままの彼に、私は首肯で応えた。

45218-304:2006/07/27(木) 00:53:25 ID:ssByuiUe
「ん……」
狭い和室、一組の布団、その上で彼と二人。
私のことを抱きしめ、何度も繰り返しキスをする。
皮膚感覚に伝わる、心地よい温もりと圧迫感。
キスは好き。とても温かい気持ちになる。
ただ唇を触れあわせているだけなのに、不思議。
「む……」
下唇を彼のに挟まれ、そっと吸われる。
心地よいと感じる。
その時、何かが唇をなぞるのを感じた。
刺激に驚き、目を開いてしまう。
彼曰く、キスをするときは目をつぶるのがマナーなのに。不覚だった。
しかし、目を開けたことで判ったことが一つ。
今、私の唇をなぞったのは、彼の舌のようだ。
ディープキス。知識としては知っていたが、体験するのは初めて。
――心拍数の上昇を確認。体温が0.3度上昇。
そして彼の舌が唇を通って、私の口腔へと進入した。
「ふむっ!?」
この瞬間の、複雑な感覚を私は言語で表せない。
熱く、柔らかい彼の舌が、私の口腔を動き回っていく刺激。
歯茎をなぞり、上顎をくすぐり、そして舌先が触れあったときの電流が走ったような気持ちよさ。
いつの間にか、私も夢中になって舌を絡め合っていた。
「ん……ふ、んっ……」
――思考能力の若干の低下を確認。
少し息苦しくなったところで、彼が唇を離した。
私たちの間に紡がれる、銀色の橋。
それが切れる前に、今度は私から彼に口付けた。
「ふぅ……んっ……」
舌を絡め、互いに吸い、奥へ奥へと歩み寄る。
その時、彼の手が私の胸をまさぐった。
「んっ」
予想外の刺激に、吐息が漏れた。
舌を絡める行為に夢中になっていて、彼の動きに気がつかなかった。不覚。
45318-304:2006/07/27(木) 00:54:03 ID:ssByuiUe
「長門……」
呂律だけで彼が呼び、私は返事を返す代わりに舌を吸う。
彼の手の動きは、撫で回すようなものから揉みしだくようなものへと変わっている。
服の上からでも、彼の手にすっぽり収まってしまう私の胸。
小さいことを今まで気にしたことはなかったが、何故か申し訳ないような気分になる。
「……ごめんなさい」
思わず、唇を離して謝ってしまった。
「ん? 何がだ? 何か俺、気になることしちまったか?」
不思議そうな顔をする彼。
「……貧相だから」
「?」
「胸、あまり大きくない……」
そう伝えると、彼は少し吹き出した。
ちょっとムッとしたので、目で抗議。
「はは、いや、悪い。俺そんなに気にしてなかったからさ、謝られたのが少しおかしくて」
「……でも」
「ホントだって。服の上からでも柔らかいし、大きさはどうでもいいんだ」
そう言いながら、服の裾から手を入れる。
ブラの下をかいくぐって、彼の手が直に胸に触れた。
「ぁっ……」
――エラー発生。異常動作を確認。
勝手に声が漏れてしまった。
一瞬閉じてしまった目を、恐る恐る開けて彼の表情を見る。
彼は嬉しそうな顔をしていた。
「なんだか俺の手にしっくりくる。ちょうど良いサイズだと思うぞ」
それに……と彼が笑いながら付け加える。
「感度が良いのが、また何とも言えないな」
――心拍数が急激に上昇。顔面毛細血管の急激な拡張を確認。
知っている。これは羞恥心というもの。
感じているのを彼に悟られて、恥ずかしいと思っている。
視線を合わせることが出来なくて、つい逸らしてしまう。
彼の小さな笑い声が、耳元をくすぐった。
45418-304:2006/07/27(木) 00:54:47 ID:ssByuiUe
「服、脱がせてもいいか?」
彼が問う。首肯を返す。
壊れ物を扱うように優しく、彼が服を引き上げていく。
脱がしやすいように、私は手を挙げた。
上下とも、下着一枚だけとなった時点で、彼は一旦手を止めた。
彼が息を飲むのを感じた。
「じゃあ、取るぞ……」
そう言われると、私まで緊張してしまう。
そして、彼はブラを外した。
じっと見つめられているのを感じる。
舐めるような視線に、触れられてもいないのに体が熱くなってしまう。
目を開けていることも辛くなり、自然と瞼が降りる。
本来、私は羞恥心とは無縁に近い存在であったはずなのに。
でも、今はこんなにも、彼に見られることを恥ずかしいと思っている。
「……ふ」
息が漏れる。
私の反応に満足したのか、彼が顔をそーっと胸に近づけてくる。
彼の荒くなった息が、こそばゆい。
ぴちゃ……
「んっ……!」
舌が触れた。ただそれだけで、私の体は制御を離れ、勝手に跳ね上がる。
ぴくん、とまるで小動物のように。
一方彼は、ミルクを舐める猫のように、一心不乱に私の胸を舐め続けている。
右手はもう片方の胸に置き、乳首を摘んだり、転がしたりしている。
「……っ……ふ、ぅ……っ……」
私は声を漏らさないよう、我慢することで精一杯だった。
何故?
何故、声を漏らさないようにしているのだろう?
自分自身、不思議に思う。
彼が私の胸を口に含み、吸い上げた。
「あっ!」
瞬間、こみ上げる羞恥心。
そう。
私自身の疑問の答えは、すぐそこに転がっている。
私はただ、声を聞かれるのが、たまらなく恥ずかしかった。
口を固く結ぶ。
唇を軽く噛みしめ、刺激をどうにかやり過ごそうとする。
それでも鼻が軽く、くぅくぅ鳴ってしまうのだけは誤魔化しようがなかった。
45518-304:2006/07/27(木) 00:55:23 ID:ssByuiUe
彼の右手がすぅっと私の体をなぞる。
下腹部の辺りを撫でさすり、さらに下へと――
その手が目指しているところを想い、そして初めて気がついた。
……濡れ、てる?
知識としては知っていたが、実際に体感するのは初めてだったので少々驚く。
そこへ向かっていく彼の手に、羞恥心と期待が高まる。
だが、彼の手はそこへ伸びず、太ももの外側へと逸れてしまった。
ほっと安心した気持ちと、残念に思う気持ちが相反する。
しかも一度意識してしまうと、その部分の感覚を否応なしに意識してしまう。
結果、疼きに見舞われもどかしく感じるのと、そう感じている自分への羞恥の狭間で私は悶えるしかない。
早く触れてほしい気持ちと、恥ずかしくてもうやめてほしい気持ち。
どちらが私の本心なのだろうか?
答えが出るよりも早く、彼の手が私のそこへと触れた。
――エラー発生。一時的に身体の制御不能。脳内メモリに小規模な被害を確認。
「きゃぅっ!」
焦らされた部分への、一撃。
体が硬直する。無意識にシーツをギュッと掴んでいた。
彼は堰を切ったように、下着の中へ手を伸ばし、直にそこへと触れた。
指でかき回され、声を堪えようとしても、所々で漏れ出てしまう。
「長門っ」
彼が私の唇を求めてくる。
舌が絡められ、私は彼の舌に翻弄されるしかできない。
「ふむっ……んぅ〜、んっ……」
粘着質な水音が、上からも下からも聞こえ、耳を塞ぎたくなるほどの淫靡さ。
しかし、それに溺れそうになっているのは、私であり、彼であった。
たっぷり吸いあった後、唇を離して彼は私に許しを請う。
「長門……もう、いいか?」
頷く。
その瞬間、最後の一枚は彼の手によって外された。
45618-304:2006/07/27(木) 00:56:15 ID:ssByuiUe
彼がカチャカチャとベルトを鳴らしている。
焦っているのか、なかなか外すことが出来ない。
そういえば今、気がついたが、全裸の私に対して、彼は一枚も脱いでいなかった。
少しばかり、狡い気がする。
ようやく外すことに成功し、ズボンとパンツを一気に下げる。
露出する彼の男性器。
ムッとするような、まだ若い雄の匂いが鼻につく。
しかし彼の匂いだと思えば、脳が溶けてしまいそうなほど良い匂いに感じた。
彼が投げっぱなしの荷物から、何かを取り出す。
「いや、避妊はしないとマズイだろ」
取り出したのは、紛れもない避妊具だった。
それを用意していたと言うことは、やはり最初からするつもりだったらしい。
「……えっち」
「うるさい。男なんてそんなもんだ」
袋から取り出し、つけようとしているが、慣れてないためかうまく装着できない。
一瞬、生理周期を変えて安全日にしようかとも考えたが、やめた。
彼は私がこういう力を使うことを望んではいないだろうし、せっかく私のことを考えて
避妊具をつけようとしてくれているんだから、好意に甘えておくべきだろう。
ようやく装着することが出来た彼は、私を押し倒し、照準を合わせる。
「じゃあ、行くぞ」
ぐっと力が込められ、彼のものが入ってくる感覚が伝わる。
徐々に、彼と一つに合わさっていく。
身が引き裂かれるような痛みを感じたが、痛覚を麻痺させる気にはなれなかった。
この痛みさえも、彼が私に与えてくれる大切なもののように思えたからだった。
そして、完全に一つになった。
張り詰めていた緊張が解ける。
細く、だが長い息を吐いた。
彼が私を強く抱きしめる。私もそれに応え、背中に手を回す。
わしゃわしゃと髪を撫でられ、くすぐったい。
45718-304:2006/07/27(木) 00:56:44 ID:ssByuiUe
目が熱い。頬を伝う一筋の水。
それを見つけた彼が、心配そうな声で聞く。
「やっぱり痛いのか? 大丈夫か?」
「……違う」
痛くて涙を流したわけではない。
ただ、幸福感がじんわりと染みてきて、私の中の雪を溶かしただけ。
それが涙となって溢れ出した。
そして、その奥から出てきた一つの言葉。
今、私を形作るものの中で、一番大切な言葉。
「あなたに伝えておきたい。齟齬が発生するかもしれない、でも聞いて」
「なんだ?」
「……だいすき」
頬の力を抜いて、緩ませる。
私はちゃんと、笑えただろうか?
ぎこちないかもしれない、それでも私は笑いたかった。
伝えたい。この笑顔と気持ちを、あなたに。
「俺もだ、大好きだ。長門」
彼も笑ってくれた。
軽く口づけをかわし、彼が言う。
「……動くぞ」
「いい」

45818-304:2006/07/27(木) 00:57:18 ID:ssByuiUe
彼のが膣壁を擦るたびに、ピリピリとした刺激が走る。
奥にコツンと当たれば、それこそ息が詰まってしまう。
圧迫感と、幸福感に胸が詰まる。
「くふぅ……」
思わず漏れてしまった、苦しげな吐息。
胸が詰まって苦しい。幸せすぎて苦しくなる。
――エラー発生。思考能力の大幅な低下を確認。
彼の胸にかじりつくようにして、ただ私は貫かれ続ける。
吐息が、声が、漏れてしまうのを抑えられない。
ぴくんと体は勝手に跳ね、もはや制御もままならない。
――エラー発生。異常動作を確認。
いつの間にか、私の腰も動き、彼を迎え入れるかのように。
――エラー発……もういい。
うるさい脳内のソフトを破棄する。
これはエラーなんかではない。
彼や、SOS団、その他にも私に関わったたくさんの人々。
その人たちから分け与えられてきた、エラーなんかじゃない、私の感情と呼べるもの。
私の大切な、構成要素。
情報統合思念体がエラーだと言っても構わない。
私にとっては、私と同じぐらい、大切なものだから。
思考を破棄する。
自分から能動的に、彼を求める。
単調に、機械的に、快楽を求め、私は動く。
体が言うことを聞かなくなったって、構わない。
それこそが、感情の成せるもの。
それを得たことこそが、私の自立進化。
「な……長門……俺、そろそろ……」
荒い息を吐き続け、彼が言う。
「ぁっ……んぅ……あっ、んくっ……」
甘い声を漏らすことしかできない私は、手を握ることで返事の代わりとした。
45918-304:2006/07/27(木) 00:58:10 ID:ssByuiUe
彼の動きが勢いを増す。
私の動きも、彼のリズムに合わさっていく。
言語も、思考も超えて、彼と通じ合っている。
私は彼を思い、彼もまた私を思っている。
取るに足らないことかもしれない、でもそれを嬉しいと私は感じる。
そう感じることの出来る、心を得ることが出来た。
それが私に舞い降りた、小さな奇跡。
「長門っ!!」
彼が一際大きな声を上げる。
一番奥へと、強くたたきつけられる。
瞬間、浮遊感にも似た感覚へと。
白い白い世界に、光が満ちていく。
それに手を伸ばしたとき、私は意識さえも手放した。



目を開けると、彼の笑顔がそこにあった。
意識がなくなっていたのを恥ずかしく感じ、目を逸らす。
「この恥ずかしがりやめ、こっち向けよ」
彼に頬を両手で挟まれ、無理矢理彼の顔の方を向かされる。
彼の瞳に映る、私の頬は真っ赤に染まっていた。
恥ずかしいのを承知で、じっと睨んで目で抗議。
効果はなかったらしい。……キスされた。
「あ〜! もう、可愛いやつめ!」
笑った彼は、もう一度私の唇を奪う。
……夜はまだ、長い。


(終わり)
460名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 01:02:19 ID://0XPbbk
長門可愛いな
461名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 01:05:24 ID:cuKEcUx3
GJ
長門かわいいよ長門
462名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 01:11:38 ID:1JBTPmFh
長門かわいいよ長門
風呂〜下着のくだりがなんかいいね。
463名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 01:22:15 ID:G2AlXcCG
かーいいよ長門可愛いよ

久しぶりにストレートなえっちものですな。
464名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 01:25:36 ID:9mzEcSp7
>>446-459
読後の感想を一言で表すと、

     _人.、._人__,.人.、._人_人.、._人_
   <´甘露じゃ、甘露が降ってきたぁ!>
    ⌒ v'⌒ヽr -、_ ,r '⌒ヽr -、_ ,r '⌒
// // ///:: <   _,ノ`' 、ヽ、_ ノ  ;;;ヽ  //
///// /::::   (y○')`ヽ) ( ´(y○')    ;;|  /
// //,|:::     ( ( /    ヽ) )+     ;| /
/ // |:::     +  ) )|~ ̄ ̄~.|( (       ;;;|// ////
/// :|::       ( (||||! i: |||! !| |) )      ;;;|// ///
////|::::    +   U | |||| !! !!||| :U   ;;; ;;;| ///
////|:::::       | |!!||l ll|| !! !!| |    ;;;;;;| ////
// / ヽ:::::       | ! || | ||!!|    ;;;;;;/// //
// // ゝ:::::::: :   | `ー----−' |__////

…この一語に尽きるわけで。
続編を待っていた甲斐がありました。
465名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 01:33:20 ID:c4K2/2A2
危うく死ぬところだったwwww
長門かわいいよ長門
466名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 01:51:20 ID:YJL7DU36
4レス程投下します(非エロ)
467キョンの喪失:2006/07/27(木) 01:52:40 ID:YJL7DU36
 気の遠くなるような三日間を過ごした俺は病院のベッドで目を覚ました。
一頻り心配してくれたSOS団の面々と色々話したりもしたし、とりあえず翌日の検査も
無事に終え、めでたく退院、帰宅することが出来た。
その頃はまだ俺も動転していたのだろう、何せあれだけのことがあった後だしな。
 しかし、翌朝学校へ向かう道すがら、俺の脳裏にはある疑問が湧き上がってきた。

 何か重要なことを忘れている気がする。

 いったい何だこの違和感は? 必死に思い出そうとして前頭葉のあたりに薄く光が灯り
始めるのだが、寿命を終えた蛍光灯が消えるように一瞬にして記憶の海馬奥深くに飲み
込まれてしまう…、そんな繰り返の後に、少しずつピントが合ってきた。今まで何故気付か
なかったのかも不思議なくらいだ。

 俺がどうしても思い出せないもの。それは……

「ようっキョン!」
 後ろからポンッと肩を叩いたのは谷口。
「もう平気なのか?」
 いつもの脳天気面とは違って、多少は心配してくれるような面持ちで話しかけてきた。
「ああ、もう何ともないさ。全く心配いらないそうだ」
 という俺の答えにホッとしたのか、普段通りの谷口顔に戻って
「しかしよ、何でもない階段から転げ落ちてそのまま病院送りなんて、つくづくオマエもドジ
だよな」
 ケケケ、と笑いながら再び俺の肩をポンポン叩いてきやがった。
 あれは別に俺のドジで転げ落ちたわけでもないし、実際そんな体験をした記憶もない
んだが、まあ、こいつに言えるわけでもないので、適当に話を合わせておくことにする。

 ところで、記憶が無いと言えばさっきまでの話なんだが、俺の記憶から溢れ落ちてしまっ
ている断片を、無駄なことと思いつつも訊いてみることにした。
「なあ谷口、ちょっと尋ねたいことがあるんだが─────」
「はあっ?」
 俺の疑問を投げかけた後の、谷口の素っ頓狂な声と、人を哀れむような視線が痛い。
ああ、やっぱり訊かない方が良かったかな……。
「キョン、俺が忘れるのはともかく、オマエがそれを覚えてねぇってのはマズイだろーよ。
もしかして記憶喪失なのか?検査結果に問題無かったってのは間違いなんじゃないか?
再検査してもらった方がいいんじゃないのか?」
 などと、本気で心配そうな目をしてきやがった。
468キョンの喪失:2006/07/27(木) 01:54:07 ID:YJL7DU36
 俺にとっちゃ病院の検査なんてどうでもよくて、あの長門が言ってくれた「大丈夫」の言
葉ですっかり安心していたが、いくら相手が谷口だろうとクエスチョン・マークを三つも入
れて問われると、些か心配になってくるのも否めない。
長門の情報操作も時々大雑把なところがあるしな……。

 教室に着いて、国木田も交えて話の続きをしたが、返ってくる反応は大差無いものだった。

「すっかり大丈夫みたいね」
 HR直前に教室に入ってきたハルヒが、満足気に席に着いて声をかけてきた。
「なあハルヒ、おまえがこんなこと覚えてるかどうかも疑問だが、俺にとっては大事なこと
なんだ」
 と前置きして、谷口達に訊いたのと同じことを尋ねてみた。
「さあ、どうだったかしらね。訊いたことがあるような気もするけど、覚えてないわね」
 おそらく北高に入学してからの八ヶ月、最も付き合いが深いであろうこいつでさえこんな
調子か。これじゃ他のクラスメイトに訊いても収穫が得られないのは火を見るより明らかだ
ろうな。
「そんなことは別にどうだっていいのよ!それより…」
 ハルヒは俺のネクタイを掴んで引き寄せると、悪戯っぽくニヤリと笑い
「クリパの出し物はちゃんと考えてるんでしょうね?全然ウケないものだったら追加で罰
ゲームもやらせてアゲルからね」
 どうでもいいってことはないだろ。俺にとっちゃ少なくとも、トナカイの被り物で演じなけりゃ
ならない芸よりは深刻な問題だぜ。

 そして授業中もずっと俺は落ち着かなかった。どうしても思い出せない記憶。単なる
ド忘れではなく、覚えていて当然、いや、絶対に忘れてはならないようなことが、そこだけ
スッポリと抜け落ちてしまってる気がしてたからだ。
 もしかして俺はまだ何らかの精神攻撃を受けているのだろうか…?それとも何かの理由
で、ハルヒが無意識に改変してしまった別世界に迷い込んでしまっているのか?

 そこはかとない不安が俺を押し潰しそうで、いたたまれなかった。

 ─────
469キョンの喪失:2006/07/27(木) 01:55:44 ID:YJL7DU36
 こういうときは長門に訊くに限る。

 昼休みのチャイムももどかしく、急いで文芸部室に向かった。今日の部室には“いつもの”
長門が居るはずだ。
 部室の前に立ち、ここはもう、いつもの…今までの世界なんだと、心に固く信じ、大きく深
呼吸してドアを開け
「長門、訊きたいことがある」
 見慣れた光景がそこにはあった。部室の隅で一冊で枕にも事足りるほどの分厚いハード・
カバーを読んでいた長門が静かに顔を上げる。

「こんなこと言うのもアレなんだが、例の三日間の情報操作には何も問題は無かったよな?」
 息を切らしながら問いかけた俺に、長門は無表情な漆黒の瞳で
「問題無い」
 とだけ答えた。そんな無表情ぶりに「ああ、ここはやっぱりいつもの世界なんだな」と少し
ホッとしつつ、俺は言葉を続けた。
「じゃあ、それ以前のことに関してはどうだ?何かが変わっちまったとか、俺の記憶が改竄
されたとか…」
 長門は一体何がおかしいのか理解できない…とでも言いたげな雰囲気で2ミリ程首を傾げ
「あなたはいつものあなた。心配するようなことは何も起きていない」

 いや、よく考えてみると、そもそも俺はいつ“その”記憶が無くなっちまったのかさえ思い出
せない。あの事件の前までは覚えていたのか、それともハルヒが初めて俺の前に現れたあ
たりで既に無くしちまっていたのか、あるいはそれ以前から……?
470キョンの喪失:2006/07/27(木) 01:57:28 ID:YJL7DU36
 一頻り捲し立てる俺の言葉を聞き終えると、長門もようやく何が言いたいのか理解できた
ようで、ハードカバーを閉じ、真摯な瞳でこちらへ向き直った。
「そうではない、…あなたにはもともとその記憶は無かった…と推測される」
「と言うことは、ハルヒがその必要性を感じていないから俺の記憶が無くなった…ってワケで
もないんだな?」
 いくらなんだってそれはデタラメすぎるってもんだ。横暴にも程があるしな。
「その件に関して涼宮ハルヒは影響していない…と推測される」
 いつもと違って長門の口調は今ひとつ自信無さ気だ。
「長門、おまえにしては珍しいな。どうして全部推測なんだ?」
「………」
 答えにくいことなのか、長門は少し躊躇したように間をおいて
「…それは、この世界より更に大きな存在の力が働いているから…と推測される」
 また推測か
「大きな力…? 古泉の居る『機関』や朝比奈さんの来た未来や、おまえが属する情報思念
体とやらよりも…なのか?」
 俺は俄に、足にまとわりつくような恐怖を感じていた。

「何者なんだそいつは?」

「………」
 長門は暫く黙ったままだった。俺に伝えて良いものかどうか考え込んでいるのか、或いは
情報思念体とやらと相談でもしているのか、無言で無感情なその目の中でブラック・ホール
のような瞳だけが微妙に揺れていた。

 やがて、長門は一言だけこう言った。

「…作者」



やれやれ、誰か俺の本名を教えてくれ。




終わり。
471名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 02:00:20 ID:RCxWoTKO
なるほど、上手い。
GJ!
472名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 02:19:33 ID:x5Dv2sYL
す、素晴らしいアイディアだな!www
473名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 02:20:19 ID:kCkOAllD
うむ、読ませる上に落ちがしっかりしてる!
素晴らしいwwwww
474名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 02:23:29 ID:/aKtsSzM
なるほど、全てに得心が行った。
お見事!
475名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 04:14:44 ID:ypqMyuI8
ごめん、ぶっちゃけ途中でオチ読めた
476名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 04:17:47 ID:7UdKmfMQ
みくるもの誰かよろしく
477名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 04:37:10 ID:mS3f4knv
>475
小児病か?無粋な奴め
478名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 04:41:22 ID:ypqMyuI8
正直な感想だよ
無粋でごめんね
479名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 05:23:28 ID:HhoNCh7X
>>446-459
長門かわいいよ長門(*´Д`)ハァハァ
久々にこのスレでおっきしちったいww
480名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 06:08:37 ID:Nm2ioGKt
>>459
正直、長門の名を借りた別キャラにしか見えなかった…スマン
>>470
失ったもの…ハルヒ?長門?違う…と引き込まれました。乙
481名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 07:30:29 ID:yMy03JOR
朝一で投下。
非エロです。8レス程度借ります。
482低速安全二人乗りーズ 1:2006/07/27(木) 07:31:49 ID:yMy03JOR

「キョンくーん」
 窓枠の形に切り取られた朝日を瞼の裏で受けながら、夢と現実との間で綱引きを続けていると、そんな声が聞こえてきた。
「朝だよー!」
 折角夢のほうが優勢だったのに、妹のでかい声で一気に現実に引き戻される。
「ねーねー、起きてよー」
 身体を揺すってくる。まるで電車に乗っているようだ。逆に気持ちいいぞ、妹よ。
「もー!」
 ごそごそと布団の上に登ってくる。いつもの事だ。
「起きてって、」
 身体が一瞬軽くなる。恐らくフライングボディープレスをかましてくるのだろう。いつもの事だ。
 ま、どうせこいつは軽いし、丁度いい寝起きのマッサージに……、
「ばー!」
「ごふぉ!」
 なりゃしねえよ! ってか重!
「痛えなおい! 一体何食ったら一日でそんな体重に……」
 布団をめくり上げ飛び起きた俺の目の前にいたのは、小さな妹ではなく、かつて通っていた中学の制服を着た見知らぬ少女だった。
「……何だ、まだ夢か」
 いかんな。こないだ谷口に借りた幼馴染系のエロ本の影響が如実に現れているあたり、俺の脳はゼロヨンコースと同じぐらい直線構造をしているらしい。
 とりあえず捲くれた布団を被り直し、いざ現実世界へと旅立たんとしていたのだが、
「もー、キョンくん! 早く、起きないと、お母さん、怒ってるよ!」
「ぶふぅ! わ、分かった! わかったから、俺の上で飛び跳ねるな!」
 肋骨が折れかねない勢いで飛び跳ねる少女を布団の上から下ろし、ベッドの上から転がり落ちた。
 少女は心配そうにそんな俺を見下ろしている。結構美少女っぽい。
 というか、やっぱり知らんぞこんな奴。
「……えーっと、どちら様ですか?」
 取り合えず尋ねてみると、少女は小鳥のような首を可愛らしく傾け、
「キョンくん、寝ぼけてるの? ……まあいっか。ほら、早く支度しないと遅刻しちゃうよ」
 とだけ言うと、廊下の先に消えていった。
 俺はといえば、あーこりゃどうせまたハルヒが何かしでかしやがったな、という悟りきったチベット僧並の潔さでそう結論付け、取り敢えず学校に行く支度を始めるのだった。

483低速安全二人乗りーズ 2:2006/07/27(木) 07:33:02 ID:yMy03JOR

 質素な朝飯を平らげ、洗面所で歯磨きをする頃になると、いい加減この少女の正体にも気付いていた。
 隣で親の仇を討つような勢いのまま歯を磨いている少女は、どうやら我が妹らしい。
 言われてみれば声がそのまんまだし、顔のパーツも割とそのまんまなのだが、何せ全体的な大きさが違いすぎる。
 三日あわざれば刮目して見よと言うが、昨日までちんちくりんもいいとこだった奴が一日でこんなに育つなんてお兄ちゃんビックリだ。
 これがハルヒと出会う前なら今頃俺は病院に行って精神安定剤をバケツでがぶ飲みしていただろうが、今更こんな事で薬に頼るほどやわな鍛え方をしちゃいない。
「……? どうしたのキョンくん。髪の毛、変かな?」
「い、いや。別に変じゃないと思うぞ」
 しかし俺も所詮は人の子。すっかりお年頃になってしまった妹に対して、ぶっちゃけどういう対応を取ればいいかさっぱりわからん。
 というか、こいつ今いくつなんだ?
「……お前、今中学何年だったっけ」  
「え? 三年生だよ?」
 訝しげな視線で俺を見ながらも、いつもより少し落ち着いた声で答える。
「俺って、今高校一年生だよな」
「……そうだけど。キョンくん、大丈夫?」
 本気で心配そうだった。
 実際全然大丈夫ではないのだが、ここは一刻も早く学校に行って、宇宙的もしくは未来的或いは超能力的な解決方法を探さねばならない。
「キョンくん」
 いつの間にか、妹の湿った手が頬に触れている。ハルヒと同じぐらい大きな黒い瞳が、心配げに揺れながら俺の顔を映していた。
「本当に、大丈夫?」
 何だこいつ。昨日まで若干心配なほどガキっぽかったのに、いつの間にやらすっかり大人っぽくなって、というか結構かわいい顔してるじゃ……
「とう!」
「ちょ、キョンくん!?」
 変なことを考えようとしていた自分の頭を脊椎反射で鏡に叩き付けた。妹は凄まじく引いているが、全くノープロブレムだ。
「ちょっと自分の顔に腹が立ってな。俺ぐらいの年齢になると良くある事なんだ。お前も気をつけるんだぞ」
「そ、そうなんだ……」
 これ以上考える事に危機感を感じた俺は、心配そうな視線を背中に受けながら、廊下を走り抜けて玄関を飛び出した。


484低速安全二人乗りーズ 3:2006/07/27(木) 07:34:53 ID:yMy03JOR

「ハルヒ!」
「な、何よ」
 教室に入るや否や息を荒げて肩に掴みかかる俺に、珍しく心底驚いているようだ。
「俺の妹と会ったことあるよな?」
「はあ? ……そりゃ、会った事あるけど」
「幾つぐらいだ?」
「いくつ?」
「妹の年だ。幾つぐらいだった?」
「……私達の一つ下でしょ? あんたが言ったんじゃないの」
 俺を見る目が、こっそり病院を抜け出してきた重病人を見る目になっている。
「ちょっとキョン。あんたゴミ箱の中に入ってたハンバーガーとか食ったんじゃないでしょうね?」 
 食うか。
 それはともかく、どうもここでは本当に妹は中三って事になってるみたいだ。別に期待していたわけではないが、やっぱり幻ではなかったらしい。
 飛行機程度なら離陸させる事が可能なぐらいの盛大なため息をつきながら、自分の椅子に座り込んだ。
 背中から「ちょっと! こらキョン!」とかやかましい声が聞こえてきたが、それに答える気力も出ず、机の上に崩れ落ちる。
 放課後は、部室直行だな……。

「長門!」
「わかってる」
 打てば響くとはこの事だ。いっそバッテリーでも組んで甲子園目指さないか?
「それはまた今度」
 そうだな。それより妹の事だ。長門は本を閉じて静かに声を紡ぎ始める。
「今日午前二時四十二分、涼宮ハルヒによる局地的な世界改変が行なわれた」
「俺の妹だな?」
「そう。事前に察知しバックアップを取った私と、元から改変に組み込まれていないあなた以外の記憶は全て塗り替えられている」
 という事は、朝比奈さんや古泉もちっこい妹の事は知らないのか。
「しかし、これは本質的な世界改変では無い」
「……どういう事だ?」
「あなた達で言う所の、夢のような物だと考えた方がいい。正しい軸にある世界は凍結され、保存されているため、いつでも戻る事が可能」
 それは朗報だ。いつでも戻れるんなら、今すぐにでも戻りたいもんだね。主に俺の精神的健康のために。
「ただし」
 長門はようやく灯った小さな火を吹き消すように、若干低い声色で続ける。
「あなたが、キーとなる何らかのアクションを取らなければならない」
 やっぱりな。そんな上手い話が無いってことぐらい分かってたさ。要するに、俺がいつもの通り東奔西走しないといけないわけだろ?
「そう」
 長門は朝露に耐えかねた葉の様に少しだけ頭を上下させると、再び本を開きなおす。
 俺は本日二度目の盛大なため息をつくと、窓に寄りかかって景色を眺めることにした。
 中学校は、どっちの方向だったかな。
「先日、涼宮ハルヒは帰宅途中に、あなたの妹と十分程度接触している。それが今回のトリガーになっているのは間違いない」
 たそがれていた俺の背中に、小さな声が掛けられる。
「鍵は、あなたの妹自身が握っていると思われる」
 まったく、あいつはハルヒに何を吹き込んだんだか。
 本日三度目にして最大のため息をついていると、それに答えるようなタイミングで囁きが響いた。
「がんばって」
 ちょっと楽しそうじゃないか、長門。
485低速安全二人乗りーズ 4:2006/07/27(木) 07:35:50 ID:yMy03JOR

「あれ? キョンくん、何やってるの?」
 久々に足を運んだ中学校の通学路。一人でお前を待っていた、とはさすがに言い辛い。
「昔の友達にちょっと用があってな。今帰りか?」
「うん」
「じゃあ、一緒に帰るか」
「うん。いいよー」
 笑った顔は小さい時のままだな。
 だけどいざ並んで歩くと、足取りも落ち着いていて、背丈も俺の胸くらいまではあるのがわかる。年相応、かもな。 
「お前さ」
「え?」
「か、彼氏とか、いるのか?」
 何でこんな娘の帰りが遅いのを心配する父親みたいな事聞いているのか自分でもさっぱりわからんが、何とか慣れない大きさの妹と会話しようとして出てきた言葉がこれだった。
「えー、そんなのいないよー」
 少し照れたようにしながら顔の前で手を振っている。正直その姿は朝比奈さん張りに可愛かったもので、俺は半ば本気で心配になっていた。
「本当か? 変な奴につきまとわれたりとかしてないだろうな?」
「もー、何言ってるのキョンくん。大丈夫だってば」
 そう言いながら、首を横に振っている。下ろしたままの髪が揺れて、いつも使っているシャンプーの匂いが鼻先を掠めた。
 こいつ、本当にあのちんちくりんか? ハルヒの奴が適当にでっちあげたんじゃないだろうな?
 疑わしく思うと同時に、本来の目的に気付いた。男の心配をしている場合ではないのだ。何とか元の大きさに縮めてやらんと、それこそ谷口のように変な男が寄ってくるかも知れん。
「お前、最近ハルヒに会ったか?」
「あー、うん。昨日駅の方で会った……ような気が、する、かな」
「その時、何話した?」
「え? えーっとねー……あれ? 何だったっけなー? うーんとね、忘れちゃったみたい」
 てへっ、と言いながら自分の頭を叩く。なかなか様になってるじゃないか。ポスト朝比奈さんも夢じゃないぞ。
 ……じゃなくて。どうやらそう簡単に答えを教えてはくれないらしいな。
「……何か最近不満に感じてる事とか、あるか?」
「不満? うーん、特に無いけど、強いて言えば最近キョンくんがあんまり遊んでくれない事かなー」
 冗談っぽく笑った顔が、小さな妹と重なった。やっぱり俺の妹で間違いないみたいだな。
 俺も苦笑でそれに答える。
「もう俺と遊ぶような歳でもないだろ? 何か他にないのか?」
「本当に何も無いってば! 大丈夫だよ、そんなに心配しないで」
 朗らかに笑う顔は、いつもの能天気な妹のものだったから、俺は「そうか」と呟く事しかできなかった。

486低速安全二人乗りーズ 5:2006/07/27(木) 07:36:58 ID:yMy03JOR

 家に帰って夕飯を食いながら、妹とずっと話していたのだが、結局鍵とやらの手がかりは全く掴めなかった。
「シャミー、おいでー」
 幸いな事に妹は俺のように捻くれることも無く素直に成長していたらしく、若干落ち着いた雰囲気になっているものの、基本的に小学生の時と大して変わってはいないようだ。
 実際の妹もこんな風に成長してくれれば、兄としては言う事無しなんだけどな。
 てな事を考えながら、とりあえず風呂に入って無駄に疲れた今日一日を洗い流そうとしていると、脱衣所から篭った声が聞こえてきた。
「キョンくーん、お風呂使ってるのー?」
「使ってる。もうちょっと待て。すぐ洗っちまうか、ら……」
 こちらの返答を待たずにいきなりドアが開き、シャミセンを抱えた妹が入ってきた。
 素っ裸で。
「おま、おま、ちょ、と」
「ごめんね。もうすぐ見たい番組始まっちゃうから、一緒に入らせて」
「いや、服、服を……」
「シャミも洗ってあげるー」
 妹はしゃがみこんで嫌がるシャミセンをスポンジのように泡立てている。
 俺は釣り上げられたのにクーラーボックスにさえ入れられず陸で息果てようとする魚のように必死で呼吸した後、慌てて背中を向けた。
 なかなか大きいじゃないか。朝比奈さんほどのホームラン級ではないものの、十分安打だぞ。……って、何を考えているんだ俺の脳。
 だってあのちっこい妹だぜ。しかも二親等だ。別に裸なんて見たところで何のことは無い。
 というか一回出ればいいじゃないか。そう。そうしよう。また後で入ればいいさ。よし、振り返るぞ。頑張れ俺。視界に入るものなんて所詮脳の刺激に過ぎないんだからな。
「キョンくん、ちょっと横にずれてー」
 そうだな。風呂から出るにはまず横にずれるのが基本だもんな。
「あー、ちょっと狭いねー」
 そうだな。二人で入るには、ちょっと狭いよな。
「……って、何でお前浴槽の中に入ってるんだ!」
「だって、もう身体洗っちゃったんだもん」
 ねー、と言いながら胸の前に抱いたシャミセンを撫でている。
 そう、胸。決して小さくない胸だ。むしろベストだ。しかも中三だ。まだまだこれからだぞ妹よ。下半身もまあまあ……
「せい!」
「ちょ、キョンくん!?」
 自ら浴槽に頭を打ち付けた。やっぱり妹はドン引きだし、シャミセンもネズミかと思ったら海苔かよみたいな目を俺に向けてきた。
「蚊がいたんだ。風呂場に蚊なんて最悪だぞ。全身刺されちまう。お前も気をつけろよ」
「う、うん……」
 これ以上ここにいるのはもう本当にまずい事になりそうだったので、一人と一匹の同情の視線を浴びながら、俺は浴槽を飛び出した。

487低速安全二人乗りーズ 6:2006/07/27(木) 07:38:01 ID:yMy03JOR

 結局もう一度風呂に入る気も起きず、部屋で天井を見上げていた。 
 あの無駄に成長してしまった小娘を、どうやったら元のちびっこいのに戻せるんだ?
 別に大きいのが悪いとは言わんが、成長するならもっと正しいプロセスを踏んで大きくなってもらわないと、こっちが逆に困っちまう。
 ハルヒは何か考えがあって妹を大きくしたのは間違いないし、俺の記憶がそのままだと言う事は、その理由に俺が関わっている事にも間違いないだろう。
 俺に、何をして欲しいんだろうか。
 しかし、いくら考えた所で、赤点ギリギリの頭では良策も浮かばなかった。
 ……よし、こんな時は寝るのが一番だよな。俺の埃を被った脳みそも、少し整理すれば人が住める程度にはなるだろ。
 大あくびをかましながらベッドに入ろうとした所で、かすかに扉を叩く音が聞こえてきた。
「キョンくん。起きてる?」
 ノックをするようになったのか。随分進歩したもんだ。
「起きてるぞ」
 少し間が空いて、ピンクのパジャマを着た妹が、神妙そうな面持ちで部屋の中に入ってきた。何かあったのだろうか。
「どうした? シャミセンでも逃げ出したのか?」
 あいつなら放っといてもその内帰ってくると思うぞ。そう言っても、妹は黙って首を振るだけだ。
「おい、大丈夫か? 具合でも悪いんじゃないか?」
 何だか心配になって傍によると、成長してもやっぱり小さな手で、俺の手を握り締めてくる。
「私、来年から高校生なんだ」
 つぼみの様にゆっくりと口を開いた。
「あ、ああ。そうだな」
「北高に入りたいな」
「そうか。俺でも入れたんだから、お前なら楽勝だろ」
「北高に入ったら、私もSOS団に入ってもいい?」
「いや、悪い事は言わん。それは止めといた方がいいぞ」
 プライベートなんて無いに等しいからな。四十六時中どこぞの万年晴れ頭団長に連れまわされるのは、妹でなくても同情する。
 しかし、軽い調子の俺の声を聞いて、妹は顔を俯けた。
「どうした? どっか痛いのか?」
 くそ、女の身体の事はよくわからん。何かの病気とかじゃないだろうな。
 どうすればいいかわからずに、とりあえず背中をさすってやっていると、
「私とは」
 漏らすような声が耳を打つ。
「私とは、もう遊びたくない?」 
「……何の話だ?」
「さっき、お風呂場でもすぐどっか行っちゃうし。昔は水かけっことかしてくれたのに」
 たしかにこいつが低学年の時ぐらいまでは、たまに一緒に入って遊んでやっていたが。
「いや、もうお前もそんな歳じゃないしさ、俺と一緒に風呂なんか入りたくないだろ?」
「最近、休みの日はいっつもいないし」
 ハルヒにしょっちゅう連れまわされてるからな。
「普通の日でも、疲れたとか言って、あんまり相手してくれないし」
 トラブル続きの毎日なんだよ。
「夏の旅行にも、連れてってくれなかったし」
 見所と言えば殺人事件ぐらいのもんだったけどな。
「SOS団にも、入っちゃダメだって言うし」 
 拗ねた様な顔も、やっぱり小さい時のままで、俺は少しだけ笑ってしまった。


488低速安全二人乗りーズ 7:2006/07/27(木) 07:39:03 ID:yMy03JOR

「あのな」
 そのまま妹の手を引いて、ベッドの上に座らせた。その隣に腰を下ろしながら、続ける。
「たしかに最近あんまり構ってやれなかったけど、別にお前と遊ぶのが嫌なわけじゃない」
 面倒だけど、やたらと懐いてくる妹だ。可愛くないわけが無いさ。遊んでやるぐらい、まあ、別に何てことない。
「でもな、いくら俺でも、いつでもお前と一緒に遊べるわけじゃないんだ」
 妹は拗ねたように口を尖らせたまま、顔を俯かせている。
「俺には、自分の友達がいるからな。わけが分からん奴らばっかりだが、まあ楽しいのには違いない連中だ」
「じゃあ、私も一緒に……」
「ダメだ」
 あんなマトモでない連中ばかりの集まりに妹を置いておけるか。危なっかしくてしょうがない。
 それにお前は、
「お前はな、自分の友達と一緒に、俺たちより楽しい事をして遊べばいいんだよ。そんでもって、俺より疲れて、俺が相手して欲しそうにしてても無視するぐらいで丁度いいんだ」
 乾ききっていない頭を、わしわしと撫でてやる。まだまだガキだな。
「でもな、どうしても暇な時とか、何となく退屈な時は、遠慮しないでバンバン言え。俺が嫌がったっても無理矢理にでも引っ張っていけばいいし、風呂にだって入ってきて構わん」
 ガキの裸なんて見たところで、何てことはないもんな。しかも二親等だし。
「別に無理して大きくならなくたって、俺もハルヒも朝比奈さんも長門も、古泉だって、いつでもお前と遊んでやるから」
 それだけ言うと、折りたたまれていたタオルを取り出して、頭をきちんと拭きなおしてやる。
 そうして油断させている隙に脇の下に手を入れて、思いっきりくすぐってやった。 
「……ぷっひゃははは! や、やめてよ、ぷふっ! きゃはははは!」
 止めてやらん。妙な事で拗ねたお前が悪いんだ。
 さっきまで俯いていた顔は、楽しそうな笑顔に変わっていた。
 やっぱりまだまだガキだな。

 妹は散々笑いまくり、今はベッドの上で丸まったまま寝息を立てている。
 部屋に運んでやろうとも思ったが、やっぱり止めだ。俺だって疲れてるしな。それに、そこまでしてやる義理も無い。
 あくびをしなおして、そのまま妹の横に潜り込むと、微かに温まった布団の中に身体を沈める。
 いつもとは少し違う匂いのする布団は、いつもより少し寝心地がいい気もする。

 瞼を閉じる直前、横から呟くような声が聞こえたが、それが夢なのか現実なのか、もう俺にはわからなかった。

489低速安全二人乗りーズ 8〈終〉:2006/07/27(木) 07:42:12 ID:yMy03JOR

 翌朝。
 昨日と同じような窓枠の形の朝日を浴びて、俺は目を覚ました。
 布団の中には、俺の他にもう一人、見慣れたちっこいのが丸まったまま寝息を立てている。
「ほら、朝だぞ。起きろ」
「……う……うー……ぁれ? キョンくん?」
 目をごしごし擦っている。あんまり擦ると結膜炎になるぞ。
「お前な、いつの間に入り込んできたんだよ」
「えー? えーっとねー……てへっ」
「ごまかすんじゃありません」
 とてもポスト朝比奈さんにはなれそうも無い妹をそのまま担ぎ上げると、一緒に下まで連れて行く。
「キョンくーん! おーろーしーてー、おろしてよー!」  
 妹の楽しそうな悲鳴を耳の傍で聞きながら、今日の朝飯は何かな、などと考えていた。

「ちょっとキョン、あんたそこに座りなさい」
「言われんでもそこは俺の席だ」
 朝一で暴走族も真っ青のガンつけを俺に披露してくれるハルヒの言葉に従って、自分の席に腰を下ろした。
「昨日、妹ちゃんに会ったわ」
「そうか」
「そうか、じゃないわよこの甲斐性無しが!」
 教室の空気が一瞬凍りつく。声がでかいぞハルヒ。
「妹ちゃんはこんな事を言っていたわ。『キョンくんね、最近遊んでくれないの。やっぱり小学生とじゃ、遊んでもつまんないのかなー?』ってね!」
 似すぎだぞ。声帯模写もできるのかお前。
「私は申し訳なくなって、こう言ったわ。『お兄ちゃんはね、私達と遊びすぎて、きっと疲れちゃってるのよ。ごめんなさいね。あなたがもうちょっと大きかったら、いつでも私達と一緒にお兄ちゃんで遊びまれるのにね』って」
 回想シーンの声が綺麗過ぎるぞ。あと微妙に格助詞が変わってる。
「そしたら、妹ちゃんなんて言ったと思う? 『早く大きくなりたいなー』だって。正直可愛すぎて抱きしめてあげたわよ」
 そりゃどうも。
 そこまで一息に言うと、ハルヒは心臓を射抜く勢いで俺に指を突きつけた。
「というわけで! 妹一人満足に可愛がれないあんたには、週末活動停止の刑よ! 今月一杯は休日を妹ちゃんのためだけに使いなさい!」
 それは願ってもない申し入れだ。財布の中身が軽くならずに済みそうだしな。だけど、
「お断りだ」
 ハルヒが石になれと言わんばかりに睨みつけてくる。今更そんな顔されたってビビりゃしないんだけどな。
「妹はな、俺と違って出来がいいんだ。馬鹿な兄貴がいなくたって、楽しい事ぐらい自分の力で見つけるんだよ」
 兄バカと言いたければ言うがいいさ。だけどハルヒは一瞬目を見開いた後、夏の太陽のように厚かましい笑顔でこう言っただけだった。
「負けてられないわね」
 まったく、小学生相手に対抗意識燃やせるんだから大した奴だ。
 ま、小学生一人のために世界を作り変えたりするやつだもんな。そのぐらい当然か。
「ありがとうな」
「ん? あんた今何か言った?」
 さあな、聞き間違いだろ。



「「いってきまーす」」

「お前も遊びに行くのか」
「うん!」
「どっちの方だ」
「あっちだよー」
 駅の方角を指差している。
「じゃあ、後ろに乗れ」
「あー、いけないんだー。二人乗りはダメなんだよー!」
「馬鹿もん。いいか、こんなのはな」
 指差しながら俺を非難する妹を片手でつまみあげて、無理矢理後ろの荷台に押し込み、ヘルメットを被せてやる。
「バレなきゃいいんだよ」
 少しだけ重いペダルを漕ぎながら、普段通らない裏道を通って、駅の方まで走って行く。
 シャツを掴む妹の手は、昔より少しだけ大きくなっていた。

490名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 07:50:39 ID:nHh45mBn
終わり方が素晴らしい。
491名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 08:14:29 ID:Q4u/A86P
乙です。なかなか素晴らしいですね。まとめかたもいい。
なんか触発されて、ミヨキチを題材に書いてみたくなりましたよ。
492名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 08:25:37 ID:09eq1WWO
良作の後に投下するのは気がひけるんだけど、書いちまったもんだから。
493ポンコツな頭:2006/07/27(木) 08:27:00 ID:09eq1WWO
世界で一番大切な言葉は?って質問されたら、あなたはなにを思い浮かべますか?
「平和」?
「愛」?
それとも「希望」?
きっとそんな立派なものが浮かぶんでしょうね。
でも、あたしのポンコツな頭はまったく別な言葉を思い浮かべるんです。

「キョンくん」

これがあたしの『世界で一番大切な言葉』なんです。

あたしが自分の頭をポンコツだな、って自覚したのは、最初に目を覚ましてからわりとすぐ後のことだったと思います。
あたしが目を覚ましたとき、目の前には華奢で小柄で無表情なお姉さんが立っていました。
あたしがなにか言う前に、そのお姉さんは「エマージェンシーモード、終了」と小声で呟いたかと思えば、すぐにスタスタと歩き去ってしまいました。
ぼーっとしていて声をかけそびれてしまったあたしは、その直後に自分がなにも覚えていないことに気付いて唖然としました。
自分がどこの誰で、どんな人と知り合い、どんな人生を歩んできたのか、なにも……
そう、あたしの頭はすっかりポンコツになっていたんです。
494ポンコツな頭:2006/07/27(木) 08:28:19 ID:09eq1WWO

後で他の人に聞いたところによると、あの無表情なお姉さんの名前は長門有希。
あたしの命の恩人らしいです。
どうもあたしはすっごい昔に、珪素構造生命体共生型情報生命素子、というものに寄生されて頭をぐちゃぐちゃに壊されてしまったそうなんです。
そのあたしを何回もの時間凍結処理と情報干渉処理をおこなって、なんとか活動できるところまで治してくれたのが長門さん。
お礼を言わないといけないんでしょうが、あたしはそれ以降この時間平面上で彼女に会うことはなかったので、その機会もなかったんです。
それに、素直に感謝することもできなかったんです。
だって、あたしの頭はポンコツになっていたから。
なにもないところで転ぶし、困ったことがあってもあうあう言うだけ……
そんなダメダメなあたしを、知らない世界にほっぽりださないでくださいよ。
誰もあたしのことを知らなくて、あたしも誰のことも知らない。
家族も、友達も、頼れる人は誰もいないんです。

周りの人はあたしにTPDDの構築を勧めてきました。
一度ぐちゃぐちゃに壊れてから長門さんに不完全に治してもらったあたしの頭は、どんな人よりもTPDDの構築に適しているんだそうです。
でも、そんなふうに褒められてもあたしの気分はちっとも晴れませんでした。
なんだか『おまえの頭は世界一ポンコツだ』って言われてるような気がしたんです。
そのうち、あたしにひとつの任務が与えられました。
時間断層の中心存在、涼宮ハルヒさんの監視だそうです。
STDデータの特殊分岐点が密集している時間平面に派遣できるのは性能が突出したあたしのTPDDだけ、というのがあたしが選考された理由です。
別にあたしが有能だから、というわけじゃないんです。
それはそうですよね。あたしの頭はポンコツなんですから……

そしてあたしはその時間平面で

ひとつの再会と

ひとつの出会いをするんです。
495ポンコツな頭:2006/07/27(木) 08:29:18 ID:09eq1WWO
再会したのは長門さんと。
驚きました。
純粋に出会ってしまったことにも、彼女が涼宮さんの関係者だったことにも。

そして出会ったのは「キョンくん」と。
これにも驚きました。
あたしの頭がポンコツになってから、最大の驚きでした。
覚えていたんです。
あたしのポンコツな頭が。
「キョンくん」って言葉を。
なにひとつ覚えていないあたしのポンコツな頭は、それでも彼の顔と「キョンくん」ってあだなだけは大事に持っていてくれたんです。
その言葉にはあたしが味わったことのない『家族の温もり』の香りがしました。
嬉しかった。
本当に嬉しかったんです。

でも、やっぱりあたしの頭はどこまでもポンコツでした。
そんなに大事な人なのに、そんなに大事な名前なのに、他のことはなにも覚えてないんです。
なんて滑稽なんでしょう。
よりにもよって彼が疎ましく思ってるあだなしか覚えてないだなんて……

でも

それでも、あたしは自分のポンコツな頭を褒めてあげたい。

どんなにぐちゃぐちゃに壊れても
どんなに穴だらけのポンコツでも
「キョンくん」って言葉だけは忘れたくなかったんだよね。
そして、ちゃんと残しておいてくれた。
だからあたしは自信を持ってあたしの頭にこう言います。

本当にありがとう……

あたしは今日も部室でお茶を淹れてます。
「はい、キョンくん。味わって飲んでくださいね」
彼があたしのお茶を幸せな気分で味わうのと同時に、あたしも自分が口にした「キョンくん」って言葉を心の中で反芻して幸せな気分を味わうんです。
彼にお茶を出していると、ときどき奇妙なイメージがあたしのポンコツな頭に湧いてきます。
小さなあたしが大きなキョンくんに甘えてるイメージ。
キョンくんは困ったような、面倒くさそうな顔をしながら、それでもあたしのわがままをきいてくれる、そんなイメージが……
だから、もしかしたら、あたしはずっと昔から、こんなふうにキョンくんにお茶を淹れてあげたかったのかもしれません。
いつもお疲れ様、ありがとうって。
それはポンコツな頭が感じているただの勘違いなのかもしれません。
でも、それでもいいんです。

もし、これが勘違いなのだとしたら

それはあたしのポンコツな頭が必死になって見せてくれている

世界で一番素敵な勘違いなんですから

496ポンコツな頭:2006/07/27(木) 08:30:24 ID:09eq1WWO
追伸そのいち

今日キョンくんがぼやいていました。
妹さんが「お兄ちゃん」って呼んでくれないものか、って。
なんだかあたしは妹さんがキョンくんのことを「お兄ちゃん」って呼ぶと、自分がとても恥ずかしい思いをすることになるような気がして、なにも言えませんでした。
ごめんなさい、キョンくん。

追伸そのに

あたしは今でも長門さんが苦手です。
命の恩人なわけで、とっても感謝してるんですけど、あたしがダメダメな原因が長門さんにあるような気がしてしまって、どうしても駄目なんです。
あの、えっと、もしかしてわざとじゃないですよね……
497ポンコツな頭:2006/07/27(木) 08:33:37 ID:09eq1WWO
すまん。STDデータじゃなくてSTCデータだった。
498名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 08:37:31 ID:IHVsnuec
>>497
あっさり風味だけど、目の付けどころが面白かった。
色々妄想させられました。

みくるポンコツって言いすぎw
499名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 08:48:55 ID:XDLSvpj0
みくる=キョン妹?
500名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 09:28:19 ID:/0G4Orre
キョンの名前が今日、妹の名前が未来
それを読み違えてみくる、という説もある
アニメ版で謎の1シーン(はさみ強奪)があったものの
真相はまだ谷川しか知らない状態
501名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 09:41:13 ID:vDdnK6vZ
みくるユルすぎw
もしかして「にゃう〜ん」の元祖とコンパチ?
声優同じなのかな。
502名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 09:46:09 ID:uBdLTQG+
>>499
少なくとも>>493-496はそういう設定だね。多分
503名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 10:35:09 ID:2+bE0bVP
>>489
> 打てば響くとはこの事だ。いっそバッテリーでも組んで甲子園目指さないか?
>「それはまた今度」

ワロタ
何気に漫才コンビかよ
504名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 10:48:00 ID:09eq1WWO
>>502
こんな話を書いといてなんだけど、個人的にはみくるとキョン妹が同一人物説には否定的だったりする。
あまりにもアニメで同一人物っぽく描写されてたもんで、こんな話を思いついちまったんだけど…
(OPの出現順とか、同様の仕草とか、そもそも似すぎている容姿とか)
あの仲良し兄妹の関係が崩れるのはいやなんで、本編では別の真相であってほしい。
505名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 10:55:05 ID:FV8u+Z1C
ふと思った
これだけハルヒが人気になってるんだから
そろそろコスプレ物のAVとか出てもいいよな
506名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 10:59:30 ID:IWQGt2Yd
>>505
ヤメレ。Faith/stay knightに限らず、そのテの商品の出来具合を忘れたか。
507名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 11:14:36 ID:niX7ZL99
>>505
いたい女が喘ぐだけ。
508名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 11:15:08 ID:ejef3PmZ
Faith/stay knightはネタとしては面白かったな。
509名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 11:29:17 ID:9sbDh0yA
そーいえばキョンの呼び方も同じだよな。
キョン君って呼ぶのは他のキャラにも居るから穿ち過ぎだろーが。
でも「お兄ちゃん」とか呼ばせるよなあ、普通は、とか思ってしまうと、
なんか引っかかるもんがないでもない。
510名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 11:29:18 ID:Q4u/A86P
朝比奈みるく、なんてAV女優が出てきそうだな。
511名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 11:36:06 ID:D4X5HxcJ
みくるじゃまんまだからみるくになりそうな悪寒
512名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 11:42:38 ID:IVUtr8SV
>>510
ってか実際そんな感じの名前の女優が昔いた気がする
513キョンの喪失:2006/07/27(木) 12:02:42 ID:AloL4aMl
>>493
面白かったです。
珪素構造生命体共生型情報生命素子の規制経路はもしかして
シャミからだったりして……と深読みしてしまった。
それにしてもみくる
ポンコツポンコツカワイソスw
514名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 12:16:20 ID:dWh9okmV
完結したので投下。
数レス借ります。
515『再会』1:2006/07/27(木) 12:18:30 ID:dWh9okmV


『再会』


「キョン、キョン、ビッグ・ニュースよ!」
俺がいつものように登校すると、ハルヒが目を輝かせて話しかけてきた。なんだ、一体?
「転校生よ、謎の転校生!こんな時期に転校なんて怪しさ全開だわっ。」
全く同意できんが、ここは話を合わせておこうか。
「ああ、まあな。もう学年が変わるって時期に転校してくるのは変わってるな。」
でしょ!?と、ハルヒは身をのりだす。
「しかも今度は女のコよ!有希のクラスに入ったらしいけど、かーなり可愛いみたいっ。男子の視線を釘付けだって!…これは是非ともSOS団に必要だわっ。」
やれやれ、やっぱり拉致ってくる気か。それにしても、そんな報告を、長門はどんな顔して言うのだろう。

『…男子視線の当該対象への集中を確認。』

こんな感じか。まあいい。せいぜいその美少女に迷惑がかからないことを祈るのみだ。
あるいは、長門か古泉のお仲間かもしれん。それならあいつらに任せておこう。
ま、結論から言えば、そのどちらでもなかったんだが、これが。

いつものように部室で朝比奈さんの煎れてくださったお茶をのみ、古泉と二人でダイヤモンド・ゲームをやる。
本来、三人でやりたいところだが、朝比奈さんはルールを知らないし、長門は読書中で邪魔する気にはならん。
ハルヒは例の転校生をとっつかまえに行った。やれやれ、会ったこともないが、その女の子には同情するね。
まてよ、そいつは普通の人間なのか?長門。
「違う。」
げっ、宇宙人か?未来人か?超能力者か?
「どれでもない。…あえて言うなら…」
まさか…。
「異世界人に該当する。」


朝比奈さんが、「ひっ。」と声を上げ、古泉も驚いたように長門を見た。真剣な表情で長門に質問する。
「長門さん、それは、どういった類の存在なんですか。」
「……異世界から来た。今回のケースでは――」
長門がそこまで言いかけたとき、バターンとドアが開いて、ハルヒが入ってきた。
「みんな、紹介するわっ。こちらが期待の謎の転校生美少女よ!」
そう言って少女を部室に引っ張り込んだ。
なるほど、谷口ランキングならばAランク+はかたいな……
などと考えた直後、俺の思考はピタリと停止した。自分の口があんぐりあくのが分かる。

「あれ…、キョンくんなの?」

Aランク+の美少女は、確かにそう言った。

516『再会』2:2006/07/27(木) 12:19:22 ID:dWh9okmV

「キョンくん、キョンくんでしょ?うわー、久しぶり!」

少女は俺に飛び付いてきた。
抱きつかれながらも、俺は言葉が出ない。そいつは俺が中学生だった頃の同級生だった。
国木田あたりが、「キョンは昔から変な女が…」と言っていた、まさにその変な女である。
まあ、こう言うのも何だが美少女だ。背は長門より少し高い。黒いショートカットにピンをとめて、片耳だけ出している。
さらっとした髪のしたで、よく笑う瞳。
――変わってない。中学の頃と。
だが。
何が起きた?異世界人?こいつが?
これもハルヒの仕業なのか?
「なんで…ここにいる?おまえは――」
「ちょっと、キョン。」
ハルヒの静かな声が俺の言葉を遮る。やばい、静かだが巨大な怒りを感じる。
この際、疑問は後回しだ。ハルヒ絡みなら何が起きても不思議じゃないんだ。後で長門に解説願おう。
俺は小声で少女の耳に囁く。
「落ち着け、離れろ。今、ここにいるみんなに紹介するから。」
ようやくそいつは離れ、俺は団員たちに向き直る――
うわ、こわっ!!
ハルヒは不気味な笑いを浮かべているが、口の端はヒクヒクと震えている。
朝比奈さんは――うわ、プルプル震えて赤くなっている。そんなに睨まないで下さい、俺だって戸惑っているんです。
長門はこっちと目を合わせようとしない。何もない空間に視線を集中させている。
要は、みんな怒っている。
古泉だけが、「修羅場ですね」とでもいいたげな笑みを浮かべてやがる。
「えーと、こちらは、俺の中学の時の同級生の、―――です。」
少女はペコンと頭を下げる。
「―――です。キョンくんとは中学でクラスが一緒でした!いきなり連れて来られてビックリしたけど、キョンくんがいて、もっと驚いちゃった。」
後で探そうと思ってたんだよ、と俺の方を見て付け加える。
部室に満ちた怒りのオーラが、また一段と濃度を上げる。
さて、この団員たちをどう紹介したものか。
「あー、こちら、涼宮ハルヒ。俺と同じクラスで、この…あー、集まりの団長をやっている。」
「こんにちはっ!」
「……どうも。」
ハルヒ、声が普段より低いぞ。笑顔がひきつってるぜ。
「こちらが上級生の朝比奈みくるさんだ。」
「よろしくお願いします。」
「…ええ。」
怖いです、朝比奈さん、怖いです。
「これが古泉。九組だ。」
「はじめまして!」
「いやあ、彼にこんなに可愛らしい友人がいたとはね。」
古泉っ!地獄の業火にガソリンを注ぐような真似するなっ。
「あ、あと、長門有希だ。確か、同じクラスだろ。」
「うん!隣の席で、いろいろ教えてもらった。よろしく、長門さんっ!」
「……。」
長門は無言で頷く。長門といろいろ話してたとは…。今頃、長門のクラスの連中は、ハルマゲドンに怯えていることだろう。
もっとも、この部室に世界の終わりが来そうだがな。

517『再会』3:2006/07/27(木) 12:20:10 ID:dWh9okmV

紹介したものの、誰も口をきかないために、部室の空気はその密度をぐっと増やしたようで、俺はプレッシャーで圧死寸前だった。
だらだら汗をかく俺を少女は不思議そうに見上げている。
沈黙を破ったのは古泉だった。かかってきた電話に少し応対すると、残念そうに肩をすくめる。
「ちょっと急用ができてしまいました。」
間違いなく閉鎖空間だな。世界が終りに近づいているのは確かだ。
「どうです、涼宮さん。今日は特に活動予定もありませんから、お開きということにしたら…。ではお先に。」
ハルヒがぎこちなく答える。
「そ、そうね。悪いわね、―――さん。せっかく来てくれたのに。」
少女はにこやかに言う。
「いえ、そんな。おかげでキョンくんに逢えたんですから。」
「……そう、それは良かった。……帰るから。」
ハルヒは俺に突き刺さるようなガンを飛ばすと、部室から足早に出て行った。
「私も帰ります。」
朝比奈さんも出ていこうとする――って、朝比奈さん、メイド服のままですが!
一瞬こっちを向いた朝比奈さんは、ちっ、と舌打ちをして出て行った。俺は呆然と見送る。
後には俺と、長門と、少女が残った。
そいつは少し哀しそうに俺を見上げる。
「……なんか、嫌われちゃったのかな、わたし。」
「気にすんな。」
おまえのせいじゃないさ。
俺のせいでもないと信じたいね。


その夜、ハルヒを除いたSOS団のメンバーは駅前のファミレスに集合した。

「閉鎖空間が断続的に発生しています。涼宮さんの心理状態は、そうとう混乱していますね。
また、機関に頼んで調査しました。―――という少女は、確かに戸籍上も実在しています。ですが――、……ここからは、あなたに説明してもらいましょう。」
俺は溜息をついた。
「あいつと俺は、中学で一緒のクラスだった。一年と二年の時にな。
だが、二年の夏に、あいつは引越ししてる。…北海道に。戸籍を調べたなら分かっただろ。」
「ええ。」
「そして、今日部室に来たあいつは、北海道にいるあいつとは、別人だ。恐らくな。」
「なぜ分かるんです?急に転校してくる可能性は、ゼロではない筈です。」
俺は、話すかどうか躊躇ったが、結局話した。
「……このことは、国木田は知らないし、殆ど知ってるやつはいない筈だ。
あいつは事故にあって、今は車椅子を使っている。急に治るようなもんじゃない。だからだ。」
俺は長門の方に向き直る。
「そろそろ教えてくれ。あいつは誰なんだ?どこからきた異世界人なんだ?」

「……あなたの、心の中の世界から。」

518『再会』4:2006/07/27(木) 12:20:54 ID:dWh9okmV

「涼宮ハルヒは、あなたと彼女について知り、彼女について情報を求めていた。
その願望が臨界に達した時、彼女は情報から再構成された。
ある意味、私と同じ情報活動体。その情報のリソースとなったのが、あなたの持つ記憶情報。
いわば、あなたの記憶の世界から彼女はやって来た。」
「……そんなことが出来るのか?」
長門は微かに頷く。
「情報と存在は密接に関係を持つ。私もまた、情報結合して存在しているに過ぎない。
その結合を解除すれば、私という存在は消滅する。そして……」
なんだ?
「彼女が消滅するのも、時間の問題。」

俺はしばらく黙っていたが、ようやく声を絞り出した。
「なぜだ?」
「情報のリソース不足。ひとつの存在があるためには、個人の記憶情報ではあまりに希薄。
彼女が存在していられるのは、涼宮ハルヒの能力によるもの。
だが」
長門は目を伏せた。
「涼宮ハルヒがこれ以上、彼女の存在を望むことはないと予測される。」
長門はそれきり口をつぐんだ。
「あいつは――消えるのか。」
ちくしょう、ハルヒが望んだから現れたのに、ハルヒが拒絶したら、あいつは消えなきゃならんのか。
そんな理不尽な話があるか。
くそっ。
俺は堪らずファミレスを飛び出した。
頼む。
どうか、まだ消えないでいてくれ。


ファミレスには団員たちが残された。
しばらく無言で向き合っていたが、やがて古泉が伝票を取った。
「僕が払っておきます。……残酷ですが、これでこの一件は片付きそうですね。」
長門は頷く。
「……彼女が消滅しても影響がないよう、情報操作を行う。」
お願いします、と古泉は頭を下げ、ふと朝比奈さんの方を見た。
「ところで、あなたが抱えていた本は何です?」
「えっ、あうぅ、これは…その…。」
長門が代わりに答えた。
「完全犯罪マニュアル第二巻…毒殺編。」
古泉はやれやれと首を振った。
「どうも、穏やかじゃありませんね。」
「ふえぇ、ごめんなさい、つい、われを忘れて……。」

519『再会』5:2006/07/27(木) 12:21:37 ID:dWh9okmV

飛び出したものの、あいつがどこにいるのかわからん。今日、一緒に帰っておけば良かった。
俺がなすすべもなく立ち尽くしていると、携帯が鳴った。
長門有希からだった。

『彼女の家の住所は、――町の―――。そこに一人で暮らしている。』
……ありがとよ、長門。
『逢いに行く?』
ああ。行かなきゃならん。
『……先程、話していないことがある。』
なんだ?
『彼女に関するあなたの記憶情報の容量は非常に大きかった。
普通なら、涼宮ハルヒの力をもってしても記憶からの存在の再構成は不可能。
だが、あなたと彼女は………。
それに少し、嫉妬した。』
……そうか。
『彼女とは、友人になれるような気がした。』
そうだな。あいつはそういうやつさ。
『行って、彼女の最後の時間を幸福なものにしてほしい。ただ――
たとえ、あなたには恋愛感情がなくても、北海道にいる彼女は、あなたに逢いたいはず。……そのことは忘れないで。』
わかってるさ。
ありがとな、長門。
『いい。』
切れた。
俺は、長門が教えてくれた住所に向かって走りだした。


「あっれー、キョンくん。どうしたの、こんな時間に?」
いや、おまえの顔が見たくなってな。
「アハハ、嬉しいこと言うじゃん。あがってあがって。」
俺は部屋に入る。
奇妙なほど、なにもない部屋だった。そう――長門の部屋に似ている。
「変だよね。ホント、変なことばっかり。
あたしは気が付いたらここに来てるし、
おかーさんもおとーさんも居ないし、部屋は空っぽだし。
さっきから、ずーっとボンヤリして時間を潰してた…。キョンくんが来るまで。」
ごめんね、やかんないから、お茶も出せなくて、とそいつは言う。
俺は上手くものが考えられない。何も言えない。
それにね、とそいつは続ける。
「足だってさ、いつ治ったの?って。車椅子はないしさ。あは。」
「足……治って嬉しいか?」
ちくしょう、なんて質問だ。自分の頭を吹き飛ばしたくなる。
「まーね…。でもね、一番嬉しかったのは、キョンくんとまた逢えたことだよ。
訳わかんなかったけど、学校に行くとき、これでキョンくんに逢えるんだ、ってずっと思ってたもの。」
「俺も……逢えて嬉しかった。本当に嬉しかった。」
嘘じゃない。

520『再会』6:2006/07/27(木) 12:22:31 ID:dWh9okmV

「…キョンくん、一度北海道まで来てくれたよね。」
ああ。
こいつは、北海道に旅行している途中、自動車事故に遭った。父親の飲酒運転が原因らしい。
こいつは足が動かなくなり、東京に戻ってくることもなかった。
世間体を気にしたのだろう。こいつの家族の住んでいたアパートは、夏休みのうちに引き払われ、こいつは北海道に転校していった。北海道に転校したことだけを、新学期に担任が告げた。
その年の冬、年賀状が来た。
その住所をたよりに、俺は北海道にまで逢いに行った。中三の夏のことだ。
車椅子のこいつは、やっぱり明るくて、よく笑った。二人でいろいろと話した。だが、こいつの両親は迷惑そうだった。
まあな。いきなり中学の同級生が尋ねてくるんだ。それも、自分たちが逃げ出した土地の。
そして、今年の夏は、俺は行かなかった。
それで全部だ。中学生のころは携帯をもってなかったし、家の電話にはかけられなかった。
手紙のやり取りだけ、二、三度続いて、ぱったりと途絶えていた。

俺は泣き出していた。
「ちょ、ちょっと、キョンくん!どうしたの?急に泣いたりして。」
そいつが俺の肩に手をかける。
言葉にならない。嗚咽だけが漏れる。
俺の大切な友達だったんだ。明るくて、少し変わってた。そして、ある日突然いなくなった。
「泣かないでよ……ね?ほら。そうだ、高校じゃ、可愛い友達が三人も出来てるじゃない!びっくりしたぞ。うん、長門さんなんていいんじゃないかな。まっすぐなコだね、彼女。」
「ああ。」
「あ、あと涼宮さん。あの人、キョンくんのことじっと見てたぞ。きっとキョンくんのことが好きなんだね。泣かしちゃだめだぜ。」
「うん。……おまえはどうなんだ、その――」
俺は、おずおずと言った。
そいつは、にっこりと笑った。
「キョンくんが大好きだ。わたしの大事な大事な、だーいじな友達!」
「俺も、おまえのことが――」
俺がそう言った時。
そいつは、ふわっと金色に輝くと、次の瞬間、空中に拡散した。光る粒となって。
情報の結合が外れ――
そいつは消えていった。
たぶん、俺の記憶の中に戻ったのだろう。
俺は床につっぷして、大声で泣いていた。ずっとずっと泣き続けた。


翌日、もう転校生の話は話題に上らなかった。長門の情報操作のおかげだろう、多分。
ハルヒもすっかり転校生のことは忘れている。
やれやれ。
「キョン、なんだか暗いじゃない、どしたの?」
なんでもない。
「ふーん…、まあいいわ!いまね、春休みの活動計画を考えてんのよ。あんたもアイデア出しなさいっ。」
アイデアならあるさ。
「へっ、なに?」
「北海道に行こう、SOS団みんなで。そこに俺の友達がいるから。お前にも長門にも会わせてやりたい。」
そう、そいつに逢いに行くために。
もう一度、本当の再会を果たすために。



おしまい
521名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 12:26:04 ID:dWh9okmV
以上です。
名前思いつかんかった。
誰か、良い名前を付けてあげてください。
522名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 12:29:15 ID:WgH9+FYF
>完全犯罪マニュアル第二巻…毒殺編
みくるちょっと待てw
523名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 12:37:41 ID:wOpBhEN6
>>521
名前を出す必要のない文体にすれば良かったのに…
と、チョット残念に思った。
524名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 13:10:12 ID:gc4kA5ub
彼女はもう死んでるんだ───

みたいな展開になると思ってたが違ったか
それ以外は大体予想通りの展開だった


・・・あ、別につまらないわけじゃないぞ
十分面白かったし
525名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 13:23:34 ID:09eq1WWO
>お前にも長門にも会わせてやりたい

みくるに会わせる度胸はないんだね。やっぱり。
526名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 13:24:31 ID:SVJP/ozC
>>525
北海道で完全犯罪が起きても困るしねえw
527名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 13:28:15 ID:E8OeLBDL
>>489
仲良きことは美しきかな
GJ
528名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 13:58:01 ID:6hpZLpdF
みくるちょwwwwおまwww

いや、やっぱりハッピーエンドだねえ。
529名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 14:07:37 ID:kCkOAllD
みくるの本性がwww
面白かった、GJ
530名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 14:14:44 ID:AvmOTD75
しかしみくるは黒くなる一方だなww
そろそろみくる擁護派の職人が立ち上がるんじゃないか?
俺には書けないが‥‥
531名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 14:51:48 ID:Zu4YYEKW
だって腹黒じゃないとつまんないじゃん>みくるSS
ホモ/ハイテンションに対抗、いや圧倒できる素晴らしい裏設定だぞ
532名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 15:16:31 ID:7ukr+8r7
>>482-489
GJ!
妹かわいいよ妹
533名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 15:26:33 ID:j1ovHMwI
そのうち黒みくるがデフォになって普通に原作準拠のみくるが白みくるとか言われそうだ。
すでに手遅れかもしれんがw
534名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 15:34:37 ID:dWh9okmV
みくるは扱いがむつかしい…
白だと空気だし、黒だとほかのキャラを喰ってしまう

俺が下手なだけかもしれんが
535名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 15:35:10 ID:k8oknSr0
>>425
GJ!
キョンの中学時代の変な女のイメージがポニテで脳内構成されてる俺。

>>425と同じような感じでSSを書いてた俺・・・・あぁ、手遅れorz
キョンの中学時代の彼女SSを別ネタで書いてくるノシ
536名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 15:41:30 ID:KdWDM90h
>>533
確かに手遅れかもw
黒みくる、ホモ古泉、マゾハルヒ。
長門は未だいろんな派閥が鬩ぎ合ってるぽいが・・・
537名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 15:44:21 ID:vDdnK6vZ
>521
名前なんて飾りで(ry
用が済んだらポイッて……無意識だから余計にタチが悪いよな
538名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 16:06:39 ID:eAgL9ZHK
>>521
いい感じでよろしいんだが、『東京』が気になった。
かみちゅみたいにはっきりと舞台設定してない以上、『俺の町』表記のほうがいいんでない?
539名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 16:12:01 ID:Q4u/A86P
一応、舞台は兵庫県西宮市です。
アニメの舞台になった場所がこのサイトにも紹介されてますし。

ttp://www.rinku.zaq.ne.jp/p_v/haruhi.html
540瑠璃石:2006/07/27(木) 16:25:34 ID:A4o13VWI
初めてでつまらないものですか投稿させていただきます

「リアルキョンの学生時代」
俺の周りは馬鹿が多い。特に学生時代はすごかった。
こういっちゃ何だが一般学生の年間馬鹿接触率の8倍ぐらいだったと思う。
そこで学生の頃の俺の一日を紹介させてくれ。
まずは朝、学校に行く。
同級生は「あろは」と言いつつ俺のチンコを揉みに来る。
ノーリアクションで席に着く。HRまで軽く寝る。
先生にフランスパンで叩かれ目覚める。
2時限目の休み時間、弁当を食おうと弁当を開ける。
半分食われている。いらつく。
隣のヤツのバッグにフランスパンがささっている。半分食う。
教室のストーブの上にスルメが乗っている。イカくせぇ。
昼休み、購買にジュースを買いに行く。
自販機の前にピクニックシートを敷いているヤツが居る。
シートの上を歩きジュースを買い、何もいわず立ち去る。
踊り場でコタツで麻雀をしているヤツがいる。ガラガラうるせぇ。
教室に戻る。ストーブの上にスルメが乗っている。早く食えよ。
午後の授業が始まる。後ろのヤツがヤニくせぇ。
隣のヤツが黒板を写している。筆ペンを使うな。馬鹿か。
机の中にフランスパンが入っていた。いじめか。何もいわず捨てる。
放課後。バッグを持って席を立ち、教室を出る。
ストーブの上のスルメが恨めしそうに俺を見ていた。
ロッカーに行くと隣の席のヤツがいた。クツが無いらしい。
見るとクツの代わりに上履きがたくさん入っている。何もいわず立ち去る。
こんな感じで俺の一日が終わっていく。
馬鹿ばっかりだ。どうでもいいけどね。

終です
541名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 16:31:53 ID:eAgL9ZHK
>>504
俺は、みくるはキョンの妹なんだけどトランクスのように別次元の妹と踏んでる。
未来人かつ異世界人の属性を持っていると考えればハルヒが異世界人を望まないというのも納得がいく。
だけど、ドラゴンボールにおけるのトランクスの時間理論ってハルヒでは使えない上に
ハルヒが望む異世界というのが剣と魔法のファンタジー世界なんだよなあ。

>>539
分かってる。
だが、それはあくまで『モデル』としての話であって
作中に表記がない以上は『俺の町』とぼやかしたり、
もしくはきっぱりと『兵庫』『西宮』とするだろうと言いたかっただけ。
ちょっとカタブツっぽい気もするけど、『東京』は無いんじゃない?って話。
542名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 16:38:31 ID:RCxWoTKO
>538
スマン、ミスった。
気をつけてたのに…迂濶。

>540
それ、540の学生時代ですか?
543名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 16:41:45 ID:zOu8YeFs
実力のある職人は意外にもコテは名乗らない。
だから保管庫なので探すときに中々見つからなくて苦労をさせられる。
実力のない厨職人は高確率でコテを名乗る。
そしてコテの仰々しさと実力は反比例すると言われている。
そんな職人の作品に限って、コテが目立って探す気はなくても保管庫で目に付いてしまう。
544名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 16:41:50 ID:RCxWoTKO
>538
スマン、ミスった。
気をつけてたのに…迂濶。
545543:2006/07/27(木) 16:43:18 ID:zOu8YeFs
誤爆
546名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 16:46:03 ID:Q4u/A86P
1つ完成したので、
投下します
547朝比奈みくるの暴走 1:2006/07/27(木) 16:47:51 ID:Q4u/A86P

 季節はすでに春となり、暖かくなりつつあった。俺たちを凍えさせていた冬の息遣いは、
他の月より数日少ない2月の終わりと共に、すでに消え去ったようだ。校庭の花壇に植わっ
ている草花は芽吹き、この高校の周辺にある梅の花は、ほとんど散ってしまっていたが、
それになりかわり、桜の花の蕾が、以前より確実にふくらみを増していた。 

 俺は、上機嫌だった。どうしてかと言うと、あとわずかな日数で春休みが始まるからだ。
 ただ惜しむらくは、その期間の短さだ。俺は春休みの延長申請をしたいぜ。なんならハルヒに
そう念じてもらおうか。
 しかし、去年の夏休みのようなことにでもなれば、やっかいだな。うんざりするほど
繰り返し過ごした、夏休み最後の2週間の大部分は、記憶に残ることはなかったとはいえ、
俺はもうあんな経験はごめんだぜ。

 文芸部部室のドアまでたどり着くと、俺はお約束な展開に遭遇するわけにもいかないので、
その防止策としてドアをノックした。
 返事はなかったが、俺はそのまま、ガチャリとドアを開いた。常日頃、ハルヒの乱暴な
扱いを受け続けているそのドアは、損害賠償請求訴訟をハルヒに起こすこともなく、けなげ
にもドアとしての役目を果たしている。ただし、以前より確実に立て付けが悪くなっている
ようだが。

 ドアを開けると、団長のハルヒ以下、全員がそろっていた。
「遅いわよ!キョン」
 のっけからハルヒの怒声を浴びることになった。なんでお前はそんなに不機嫌そうなんだ。
というのも、声だけでなく、ハルヒの不機嫌サインの一つであるアヒル口が、彼女の口元
に出現していたのだ。彼女のアヒル口は、ある限定条件下でのみ出現する。その限定条件とは
何か、は教えない。俺も深く考えないようにしたい。習うより慣れろの格言のごとく、俺の
実体験に基づいた経験則だ。
 そこで俺は、今日1日における己の行動を振り返ってみたが、ハルヒを不機嫌にさせるような
ことはしていないはずだ。

 部屋の中を見回すと、メイド姿の朝比奈さんが、俺に給仕をするため、かいがいしくお茶の用意をして
くれている。ただ、なんとなく表情が硬い。俺が目を合わせようとしても、すぐそらしてしまう。
 なんなんだ、いったい。と怪訝に思い、脳細胞から記憶を取り出そうとしても、俺には、
朝比奈さんに何かいけないことをしたというような、額縁に入れて、和室で飾るべき記念的な
経験を再生してくれるメモリの、持ち合わせはなかった。
 俺はポーカーフェイスを保ちながら、朝比奈さんがお盆に載せて、お茶を持ってきてくれたところで、
「朝比奈さん。いつもありがとうございます」
 感謝の気持ちを表しつつ、目を合わせようとしたが、
「い・・・、いえ!ど、どういたしまして」
 あわてて自分の席まで引き下がり、目を合わせようともしてくれない。

「ねえ、キョン。みくるちゃん、今日はずっとそんな感じなの。あんた、まさかみくるちゃんに
なにかしてないでしょうね?」
 ハルヒはアヒル口から、ちょっと崩した福笑い、あるいはひょっとこのような笑みへと表情を
変化させていた。
 まずい、第2段階に移行している・・・。
「するわけないだろ。まだなんにもしてねえよ」
「まだって何?これからするって事?」
「言葉尻を捕らえるな。それは言葉の綾って奴だ」
「綾でも何でもいいから、あんたの願望を聞かせてくれない?みくるちゃんとしたいの?それとも
したくないの?」
 すでに質問が見当違いな方向に変わっていた。おい、そんなこと言えるわけないだろ。
 するとハルヒは、まるで縮地法を使ったかのように、一瞬で俺の眼前まで迫ってきた。
「ねえ、教えなさい」
 まことに不本意ながら、ハルヒとやり合っていた。すると突然、朝比奈さんが立ち上がり、
ドアの方向に掛け出し、顔を覆いながら外へ出て行った。
 唖然とするSOS団の面々。長門も少し驚いているようだ。
 あっけにとられていたが、ハルヒは団長としての責任感からか、すぐさま朝比奈さんの後を追って
部室を出て行った。
 呆然として取り残される団員3名。
548朝比奈みくるの暴走 2:2006/07/27(木) 16:49:02 ID:Q4u/A86P
 なんとか落ち着きを取り戻した古泉が、こちらに向き直り、スマイルをかすかに歪ませながら、
「あなたも罪な人ですね」
 とぬかしやがった。・・・なんのことだ。
「本当におわかりにならないんですか?朝比奈さんはあなたに恋をしてしまったんですよ。
でも未来人としての義務感から、おおっぴらにあなたにアタックするわけにもいきません。
それなのにあなたは、涼宮さんと楽しそうにじゃれ合っていた。彼女は、それに耐えられ
なくなって、出て行ってしまったんですよ」
 訂正したい部分はあったが、俺は古泉にしゃべらせるがままにしていた。
「あなたは涼宮さんだけでなく、朝比奈さんまで虜にしてしまった。果報者ですよ」
 ぶん殴ってやろうかこいつ。だが、やめた。こいつを殴っても仕方ない。
 だが、朝比奈さんがそんな気持ちを抱えていたなんて、知らなかった。
 思えば、ハルヒが閉鎖空間を作り出して、現実世界と逆転させそうになったイベントを
経験して以後、朝比奈さんは、あきらかに俺との間に一線をひいた。それからは、俺との仲が、
これ以上親密になるとまずいと彼女が判断すると、身をひくようになった。

「朝比奈さんの心を救えるのは、あなたしかいません」 
 古泉は、恋愛もののドラマのような、くさいセリフを吐いた。
「朝比奈みくるの現在における精神は不安定。精神の再起動をさせる必要性を認める」
 長門も同調するように俺を促した。しかし、朝比奈さんはどこにいるんだ、長門。
「本来ならあなたが、探し回るべき。それが王道。でも今日は教える」
 なんだよ、王道って。長門、ギャグで言ってるんじゃないよな。それとも、お前はとうとう
図書室の本を読破し尽くして、最近はドラマの原作にまで手を出しているのか・・・。

 俺は、長門から朝比奈さんの居場所を教えてもらうと、ためらうことなく朝比奈さんの鞄に
制服一式と自分の鞄をつかみとり、学校の外へと駆けだした。目指すは朝比奈さんの自宅
マンションだ。待てよ、ということは朝比奈さんはメイド服姿で家に帰ったのか・・・。

 俺は、長門に教えられたとおりに朝比奈さんのマンションまでたどり着くと、ドアの前に立ち、
インターホンを押した。
「はい、どなたですか」
 沈んだ声が聞こえる。
「俺です。朝比奈さん、話があるんです。入れてもらえませんか?」
「え?キョン君?どうしてここに」
 あわてたような声に変わりつつも、
「どうぞ、入って」
 ドアを開けてくれた。
 おじゃまします。靴をそろえて脱ぐと、俺はおずおずと朝比奈さんの部屋に立ち入った。
「あ、お茶入れますね。」
 そう言って、朝比奈さんはキッチンに向かった。もちろん今はメイド服姿でなく、部屋着を着て
いらっしゃる。何を着ても似合い、かつかわいらしい。
 朝比奈さんが、お茶を持ってきてくれると、俺は制服と鞄を提示すると、丁重にお返しした。
「どうもありがとうございます。でもごめんなさいね、わざわざ持ってきてもらって。それと
途中で帰っちゃってごめんなさい」
 ええ、俺もびっくりしましたけど、それはいいんです。でもハルヒたちが心配してましたから
明日、あやまってやってください。それに俺も心配してますから。
「キョン君優しいね。でもキョン君がそんな風に優しくしてくれるから、わたし・・・、もうどうにも
ならなくて・・・。あなたへの思いが抑えきれないの」
──彼女の気持ちが、痛々しいほどに伝わってくる・・・。この思いを受け止められるかわからないが、
彼女を悲しませないようにしなくては・・・。

 この後俺は、呻吟しつつも言葉を紡ぎ出し、彼女を説得し、なおかつ精神を落ち着かせることに
成功した。

「そうですね。わたし、もう遠慮することはないですものね。これからはもうちょっと素直に
なってみることにします」
 おい、俺は何を言ったんだ?妙に積極的になっていらっしゃる。これはこれでまずいような・・・。
549朝比奈みくるの暴走 3:2006/07/27(木) 16:50:10 ID:Q4u/A86P
「じゃ、じゃあ朝比奈さん、おれはそろそろ・・・」
 妙な空気を感じ取り、辞去しようとすると、
「キョン君、今日は迷惑かけましたから、せめてものおわびに夕食を食べてってください」
 いや、でも悪いですから、と遠慮しようとするが、朝比奈さんも引かない。今日は押しが強いな。
それに朝比奈さんの手料理には、三つ星レストランよりも俺にとっては価値があるし・・・。まあ、
早い話がご馳走になることになったんだ。誘惑に負けて・・・。

──夕食は、朝比奈さん特製のカレーだった。もちろん長門のようなレトルトではなく、カレー粉を炒める
ところから始めるという本格派だ。
「どうぞ、食べてください」
 いやー、おいしいですね、このカレー。でも結構辛いですね。
「うん、辛い方が色々ごまかせるし」
 ん?何か今、不穏当な発言をなさったような。ま・・・、まあ気のせいだな。俺は食べることに夢中に
なっていたので、聞き間違えたんだろう、と断定した。
 俺は、おかわりまでして、テーブルに出されたものをすべて平らげた。食後のお茶をいただいて、
しばらくくつろいでいると、体に異変を感じた。何故だか体の奥から熱いものがわき出ていくような。
 時間がたつにつれて、体の火照りが止まらなくなった。
──その後、記憶が抜け落ちた・・・。
ただ、俺が正気を失う間際に、朝比奈さんが笑みを浮かべていたのが最後の記憶だった。

 朝日が差し込み、まぶたをこじ開ける。目が覚めると、俺は自分の部屋の布団にいた。
──ああ、夢か。そう、夢だよな。

 気にすることもなく、俺はいつものように登校した。


 途中、古泉が横を通り過ぎていったが、すれ違いざま

「昨夜はお楽しみでしたね」


終わり
550名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 17:10:13 ID:onG1a5TY
宿屋の亭主ゥゥ
551名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 17:12:34 ID:eAgL9ZHK
>>549
ちょ、妹の聖戦の系譜手伝ってたら黒みくるキター
みくる視点の観測状況を希望する。
552名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 17:27:05 ID:QB6RFxzd
どんどんみくるの薬使いが上手くなっている・・・!!
553名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 17:32:51 ID:VrPaA2yK
>>551
とりあえず妹うp汁!!
これは君にとっての規定事項だ
554名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 18:02:36 ID:Zu4YYEKW
給仕係というのは相手に毒を盛るのに非常に都合の良いポジションだ
常に萌えキャラを演じていれば怪しまれることはない…イヒヒ
55519-557:2006/07/27(木) 18:03:53 ID:UvcwZv1J
何ですか、この黒い流れは……
空気を読まずに、非黒のみくる物投下させていただきます。
4レス予定。本番等無し。勢いで書いた。ベタネタでひとつ。
556名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 18:04:32 ID:mAQaejRM
そろそろ学校分が不足してきたような気がする。
いや、前からだが。
557名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 18:05:23 ID:UvcwZv1J
SOS団の部室には、長門一人だけだった。
まあ、ノックの返事がない時点で分かり切ったことだったのだが。
「おう長門、今日も早いな」
あくびを堪えながら挨拶をする。
「…………」
長門は本から顔を上げると、二ミリほどアゴを引いた。おそらく頷きだろう。
そしてもはや用は済んだとばかりに、再び読書に戻る。
まあ俺も長門にそれ以上のリアクションを求めたわけじゃない。
一度、思いっきり長門を笑わせたりしてみたいが、それはまた別の機会の譲ろう。
それよりも俺は今、猛烈に睡眠を欲している。
幸いハルヒは用事で遅れて来るという。ならば今をおいて居眠りをする時は無いだろう。
席に着き、机の上に突っ伏す。
では、しばしのお別れを。


             『 朝比奈みくるの混乱 』



「……ん、」
衣擦れの音に意識が戻った。顔を上げると朝比奈さんの姿が見えた。

「ふえ?」
きょとん、と驚いた顔をすると、いっそう幼く見える。
本当にこの人は何歳なんだろうと思うが、何歳だろうが朝比奈さんは朝比奈さんなわけで。
ああ、目覚めに朝比奈さんの姿を見ることができるだなんて何て素晴らしいんだ。
毎朝彼女が起こしてくれたら、日々幸せに過ごせるに違いない。まったく完璧なメイドさんですよ。

ただ今日のメイドさんは、いつもと少しだけ様子が違う。
メイドのメイドたるは、いわゆるメイド服の有無に集約されるわけで。
メイド服がなければ、ただの優しく少しドジで可愛くて胸の大きい上級生ということになる。
そこには決してメイドという属性は付加されないわけだ。
私服のメイド喫茶などあったら、詐欺以外の何物でもない。
じゃあ、メイド服とはどこまでを指すのか。
エロ本などで、メイドさんもエッチの際は服を脱ぐ。
脱がないまま行為に及ぶ場合もあるが今回は除外する。
さて改めて問うがメイド服が無ければ、メイドさんではないのだろうか?
違う、そんなことはない。
やはりメイド服を脱いでもメイドさんはメイドさんだ。
じゃあ、メイドさんの本質はメイド服ではないのか?
いや待て、その前に再確認すべき点があるんじゃないか?
メイド服を脱ぐと言っても、全部を脱ぐわけじゃない(エロ本調べ)
大抵は頭のヒラヒラや靴下など、一部分を残している。
そう、メイド服とは部分的でもメイド服として認められるのだ。
メイド服を着ている以上、その人間はメイドさんとして認められる。
そして朝比奈さんは部分的ではあるがメイド服を着ている。
つまり朝比奈さんはメイドさんであり、いつも通りのSOS団の風景と変わりない。
変わらないのなら、いつも通り挨拶をすればいいだけだ。
どうも、こんにちは、朝比奈さん。

「え、あ、はい、こんにちはキョン君……」
俺につられて、ぴょこんと頭を下げる朝比奈さん。
そのまま停止し、顔がみるみる赤くなっていく。
正面からは見ていないが、耳が真っ赤になっているから、まず間違いないだろう。
558名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 18:06:32 ID:UvcwZv1J
俺もようやく意識がはっきりしてきた。
いや、意識自体は目を覚ましたときから、はっきりしていた。
ただ脳の状況処理能力系統が、入力情報過多で軒並みダウンしていただけだ。

ようやく復帰した処理系統に、視覚からの緊急伝令が入る。
『緊急事態、緊急事態!』
何事だ!
『敵戦力は強大、我が軍の被害甚大なり、繰り返す、敵戦力は強大、我が軍の被害甚大なり!』
ええい、敵戦力の総数を言わんか!
『敵影は一機! ブラウスのみ! 繰り返す、敵影は一機! ブラウスのみ、です!』
バカな! たった一機に、我が軍が翻弄されるだと!?
『視覚系統より、映像入ります』

脳内スクリーン一杯に映し出される朝比奈さんの姿。
着替え中だったのだろう、上は襟の大きなブラウス、そして下は……履いてない。

「うわあっ!?」
「ふえええええええっ!?」
同時に驚きの声を上げた。混乱していたのは向こうも一緒だったらしい。

朝比奈さんのことだ、寝ている俺を起こすのは悪いと思ったのか。
そのまま着替えだしたところ、運悪く俺が目を覚ました、といった所だろう。
俺が取るべき行動は、今すぐ謝って部屋から出て行くことだ。
しかし運動処理系統はエラーを伝えるばかりで、一向に動こうとしない。
視覚だけが映像を入信し続ける。

ブラウスに包まれた反則的な胸。
裾から伸びる、すらりとした二本の脚。
そしてブラウスの合わせ目から、見えそうで見えない危険地帯。
映像ジャックをされたかのように、そこから目を離せないでいる。

ごくり、と無意識に唾を飲んだ音で、我に返った。
あ、う、あ……と、とにかく謝らないと!
559名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 18:08:03 ID:UvcwZv1J
「ごめんなさいっ!」

教室に響く謝罪。
ただし、発信者は俺ではなく、対象は朝比奈さんじゃない。

「ご、ご、ごめんなさい長門さん! あたしそういうつもりじゃ!!」
どういうつもりか、何故か朝比奈さんは長門に謝っている。
理由も動機も不明。おそらく俺以上に混乱しているのだろう。
しかしそうだ、長門が居た。
こいつがいれば俺が間違って朝比奈さんに襲いかかるなんてような事態にはならない。
そう思うと少し安心できた。

「いい」
長門と言えば相変わらずの反応で……と思ったが、本を閉じると立ち上がった。
そのままこちらに向かってくるので、てっきり不埒な行いの罰で処分されるのかと思った。
しかし、長門はそのまま横を通り過ぎると、入り口へと向かう。
扉を開くと、振り返り一言

「……ごゆっくり」

ぱたん、と扉が閉まる。
それっきり、何とも言えない沈黙が部室を支配する。

勇気を出し、恐る恐る朝比奈さんの方を振り返って後悔する。
「ひゃうっ!」
朝比奈さんは当然、先程までの格好と同じだ。
ブラウス一枚という核爆弾級の破壊力。
顔は真っ赤で、目尻に涙まで浮かんでいる。
それは俺を興奮させるだけで逆効果でしかない。
まさか分かっていてやっているんじゃないだろうな、この人。
560名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 18:08:56 ID:UvcwZv1J
「キョ、キョン君、その、これは、その……その、」
わたわたと慌て出す朝比奈さん。
いや、とにかく早く服を着てください。

かく言う自分も、先程からずっと目が離せないでいる。
そうやって、おろおろと身体を振ると、裾から大事なトコが見えそうになったりならなかったりで……
「え……? きゃあっ!」
俺のイヤらしい視線に気付いたのか、朝比奈さんは裾を、ぐっと引っ張った。

……想像して欲しい。
ただでさえ、はち切れんばかりのボリュームを何とか収納していたブラウス。
それが下に勢いよく引っ張られたら、どういう事態を招くか。

はち切れた。

ぶちぶちん、と胸元のボタンが弾け飛び、二つの核弾頭が露わになる。
薄いピンク色の可愛いデザインの下着が視覚に飛び込む。
ぶるん、という擬音が聞こえたのは気のせいじゃない。

「きゃあっ!」
慌てて両腕で胸元を隠す。
その勢いで裾が捲り上がり、一瞬だが、上と揃いらしき薄ピンク色の布地が見えた。

……なんだこの三文小説的なシチュエーションは。



三文小説的なシチュエーションは、三文小説的に終わりを迎えた。
扉が開き現れたのはあいつで、三秒後に落雷が発生した。
……比喩でも何でもなく、本当に校舎のすぐ近くに雷が落ちた。
まさか青天の霹靂を実際に体験しようとは思わなかった。

もちろん、部室内に雷が落ちなかったというかと、そういうわけでもない。
ハルヒという名の雷を伴う暴風雨が、俺の首を締め上げ暴れ回った。
一番の被害者のはずの朝比奈さんは、あられもない姿のまま、必死にハルヒを宥めてくれた。


……オチ?
三文小説にそんな物はない。
たまには俺だって美味しいシチュエーションに恵まれたって良いじゃないか。
561名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 18:18:44 ID:VrPaA2yK
その後のことは推して知るべしというべきか・・・
かつてないほどの閉鎖空間はいとも簡単に、我々が「地球」と呼んでいる惑星を飲み込んだのだ。

〜fin〜
562名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 18:19:33 ID:NPansjY5
そういえばキョンとハルヒの娘(ハルヒ似)が出てくるSSは結構見たけど、
キョン似の息子or娘が出てくるSSは見たことないなぁ。
563名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 18:21:15 ID:evAu9bWR
>>561
えーと、、、
どのあたりが非黒のみくるなんでしょうか?wwww
564547:2006/07/27(木) 18:21:23 ID:Q4u/A86P
最後自分で書きながら、なんで古泉が知ってるんだよと突っ込んでしまった。
実は一番怖いのはみくるじゃなくて、ストーカー古泉なんじゃないかと・・・。
565名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 18:22:20 ID:YK373ats
みくるは素で黒なのかもなw
566名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 18:26:01 ID:DqHR6cMf
天然クロミクルw
567名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 18:38:26 ID:CBCAXJU6
ダーククロニクルとかけて

ダーク黒みくる ってどうよ
568名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 18:38:46 ID:QfT2hAFJ
いや、天然なだけだろ。
ハルヒに隠れてニヤリと笑ってたりしたら真っ黒だけどな。
569名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 18:40:27 ID:1JBTPmFh
天然の天然はいないってばっちゃが言ってた
570名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 18:58:36 ID:BCZOQxvu
>>569
お前のばっちゃは歳いくつだw
571名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 19:07:04 ID:VrPaA2yK
大人のみくるは男との駆け引きを覚えてそうな感じだったな・・・
572名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 19:14:22 ID:Ji8vtDVm
なんか最近、本気で天然なのか黒なのかわからなくなってきたよ…
573名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 19:26:06 ID:6heay/4E
黒い朝比奈さん(小)で朝比奈ミクロ…
スマン、『はりがね』のんでくる
574名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 19:29:10 ID:ITGhnQ+C
>>572
お前は1週間ほどこのスレを離れた方が良いかもな(悪い意味ではなく)w
でもって邪心を取り除いてみくるべきだw
575名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 19:43:53 ID:apTYTBMY
さあみんな、みくるという動詞の意味を一緒に考えようじゃないか。
みくる[動]
576名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 19:44:59 ID:adKzFQLN
みくるのポンコツっぷりが全て計算づくのものだったらと思うとゾクゾクする俺は変態ですか?
577名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 19:45:22 ID:Vb0aFsCz
mixiをすること
578名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 20:00:46 ID:Sh/wvrsv
557の丸ごと1レスがねちっこい一人語りになってるのに、地味に笑った。
ハードボイルドの人並みにくどくって、混乱の様子がよく分かるw
579名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 20:14:15 ID:HhoNCh7X
>>549
一番大事なシーンを…orz俺のwktkを返せ!
それが嫌ならミクル視点での夜の所業をうP汁!
580名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 20:47:11 ID:Ji8vtDVm
>>574
すまん、もう手遅れw
本編のみくるすら本気で計算ずくに見えるw
58119-557:2006/07/27(木) 21:00:10 ID:UvcwZv1J
>563
違う、>561を書いたのは俺じゃないんだ!
それに朝比奈さんは黒くないんだ。初々しいピンク色なんだ!
582名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 21:06:13 ID:lzf9BVtJ
なあ、黒みくるとか言って喜んでるやつらに聞きたいんだが、
お前ら原作嫌いだろ?
583名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 21:11:06 ID:Zu4YYEKW
は?
何で?
584名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 21:11:31 ID:fc2xvXpl
バカだなあ、原作が好きだから楽しめるんじゃないか。
585名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 21:21:29 ID:9zpwOHZG
でもほぼ全員原作を無視しまくってる
自分の都合のいいキャラに自分で設定しちゃえばいいのさ
586名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 21:25:54 ID:lzf9BVtJ
事実上のオリキャラを跳梁跋扈させて喜んでるだけじゃん
587名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 21:26:45 ID:ITGhnQ+C
原作からキャラが外れてしまうのは職人のキャラに対する愛があるからさ
588名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 21:29:30 ID:ejef3PmZ
黒みくるにかんしては「実は黒かったりして」というギャグを楽しんでるだけだろ
589名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 21:35:13 ID:vDdnK6vZ
>581
言われるまで気づかなかったよw
で、どこがコーラルピンクなのかkwsk
590名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 21:35:14 ID:lzf9BVtJ
ニ連続でageちまったすまん

>>588
それだけならいいんだけどさ。
>>531>>533>>536みたいな意見に反論の一つも上がらんようじゃ
最低テンプレ化する日も早いんじゃないかねぇと。
591名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 21:41:22 ID:MdybQN0K
将来の大人になった朝比奈さんは、ちょいと黒いから、じゃないのかね?
その片鱗を拡大再生産して黒みくるとして書いてるんなら原作準拠とも言える。
592名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 21:49:42 ID:6hpZLpdF
>>590
他の人もそうだろうけど、SSを書くときは最大限に原作を読み込んでいる。
理由は、そうしないと、読み手にちょっとしたことで、ものすごい違和感を与えるから。
俺の失敗例では、一人称を間違えた、二人称を間違えた、語尾の付け方を間違えたなど。
つい地の文が出てしまったんだ。
当然その後で突っ込まれたけどね。

だから原作に愛がないなんていわないで欲しい。
これでも原作にはかなり思い入れがあるほうなんだ。
593名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 21:51:27 ID:EUID6g9o
投下おk?
594名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 21:52:29 ID:g7qxB53C
ばっちこーーーーい!
595涼宮ハルヒの改竄:2006/07/27(木) 21:53:28 ID:EUID6g9o
じゃあいきます
あたしは中学に入学して他の奴らとは違う「特別」な人間になってやると改めて決心した。
「特別」な人間になる為に他の奴らが絶対やらない様な事を片っ端からやった。
そんな事をしている内に学校内でも特に浮いてる存在になっていた。
周りの奴らがあたしの事をどう思おうが噂しようがそんなのはまったく気にしなかった。
そんなあたしがイジメのターゲットになるのに時間は掛からなかった・・・



涼宮ハルヒの序章



まず上履きを隠された。
でも、そんな幼稚な遊びに付き合う気がなかったあたしは全く気にもしなかった。
そんな事を気にしてたら「特別」な人間になんて永久になれないと思ったからだ。

596涼宮ハルヒの序章:2006/07/27(木) 21:54:55 ID:EUID6g9o
どうやら、それが気に入らなかったみたいで翌日にはあたしの机に幼稚な中傷が彫刻されていた。
まったく、ノートが取り辛いったらありゃしないわね。
バカとかブスとか死ねとかってもうちょっとなんかなかったのかしら?
まぁ、こっち見て笑ってるアホ面見たらこの程度ねって納得できるんだけど。
その他にも教科書に落書きとか机の中に虫とかとにかく幼稚なイジメが続いた。
「イジメの教科書 初級編」ってのがあったら全部載ってそうなもんばっかね。
597涼宮ハルヒの序章:2006/07/27(木) 21:55:46 ID:EUID6g9o
1週間後には精神的なイジメから肉体的なイジメへと変わっていた。
「ちょっと面貸しなさいよ。」イジメグループのリーダーみたいのが胸倉掴みながら言ってきた。
「は?なんであたしがあんたたちみたいのに付き合わなきゃいけないの?」って言ったらお腹に膝蹴りをいれてきた。
不意打ちで動けなくなったあたしは腕を縄跳びで縛られて体育館裏まで連れて来られた。
放課後の体育館裏で集団リンチってあんたたち金○先生の再放送見過ぎなんじゃないの?
痣が見えない様に服の上ばっか狙ってきて姑息ったらありゃしないわね。
理由はクラスで一番格好いいらしい男子から告白されたかららしい。
ほんとバカバカしいったらありゃしないわ。
告白をOKした途端、自分の理想を押し付けてきてばっかりだったから昼休みに振ってやったわ。
・・・
どれ位時間が経っただろう?
体の感覚があまりない。
リーダーみたいのが満足したらしくもう蹴りはこなかった。
598涼宮ハルヒの序章:2006/07/27(木) 21:59:09 ID:EUID6g9o
リーダーみたいのが何かしゃべっているとグループの一人が鞄からデジタルカメラを取り出した。
そして動かなくなったあたしにいやらしい笑みを浮かべながらあたしの制服を脱がし出した。
「ちょっと!!何すんのよっ!?」
痛みで抵抗したくても出来ないあたしはされるがままに半裸にされ、何枚もその様を写真に撮られた。
あらかた写真を撮り終えると「明日が楽しみだわぁ」と笑いながら帰っていった。
599名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 21:59:15 ID:AP+40Ay7
sageろ
600名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 22:00:47 ID:vDdnK6vZ
そーゆーのはSMスレに投下してくれよ
601涼宮ハルヒの序章:2006/07/27(木) 22:05:28 ID:EUID6g9o
すまん。
でも最後まで読んで欲しい。
602名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 22:07:49 ID:g7qxB53C
>>601
こちらはただ読ませてもらっている立場だから
SS自体には何もいう気もないが…
ただ…sageるだけはした方がいいとおもうぞ。
603涼宮ハルヒの序章:2006/07/27(木) 22:08:35 ID:EUID6g9o
分かった
604名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 22:08:56 ID:XDcn5SBJ
つーか賛否両論ありそうなSSなら最初に断りを入れてくれ。
最後を上手くやってキレイに締めるための前フリでも
それ自体で不愉快に思うこともあるわけで。
605名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 22:09:18 ID:/iSHhNy7
いやいやsageようってばw
メル欄にsageって半角入力
606名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 22:09:32 ID:Sh/wvrsv
もう構わない方がいいようだ。
607涼宮ハルヒの序章:2006/07/27(木) 22:11:29 ID:EUID6g9o
入れ忘れた。
断りを入れなかったことは申し訳なく思っている。すいませんでした。
608名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 22:11:45 ID:YK373ats
どっかで見たキガス、SMじゃないぞこれ
609名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 22:11:50 ID:6heay/4E
「夏ね」
「夏ですねぇ」
「夏…」
みんな暴走してるな…
610名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 22:14:07 ID:jlbGHNoO
えーっと、落ち着いたら長編投下してもよろしいでしょうか?
エロ無し文章雑のダメダメですが
611名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 22:16:45 ID:/iSHhNy7
一つ思うんだが、「エロ無し文章雑のダメダメですが」とかそれ余計じゃないか?
そこまで言うなら投下するなよ、と突っ込まれた時、一体なんて返事をするつもりだ?
物書きなら必要以上の事は言わん方が良いかと。
612名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 22:17:29 ID:Li+MNJ8m
投下してもいい?なんて訊いてくるヤツのほとんどが駄作な法則。
613名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 22:18:00 ID:AP+40Ay7
そうだね、そんなに雑でダメダメだと分かっているなら、
もっと推敲して、いい作品になってから投下すればいい。
614名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 22:18:25 ID:jlbGHNoO
>>611 すみません……次から気をつけます
615名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 22:20:37 ID:jlbGHNoO
言い訳がましくて申し訳ないのですが投下させていただきます
616名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 22:21:17 ID:wN6DrW45
wkwktktk
617とけないゆき:2006/07/27(木) 22:22:15 ID:jlbGHNoO
「雪、か……」

目の前の景色を、消しゴムではなく白い絵の具のように真っ白にしてしまったものに、そう呟いた
もう12月の半ばだというのに、この身も心も冷えそうな公園で遊ぶ声が、遠くに聞こえる

「お前は、見てるのか? 長門……」

既にこの世にはいない……いや、俺だけの思い出の中の住人の名前をそう呟いた
そして天を仰ぎ、あの輝かしい高校生活を思い出した



高校2年の底冷えする寒い日のことだったな
明日にはSOS団2度目のクリスマスパーティーが行われようとしてる部室に
向かって俺は足を進めていた
618とけないゆき:2006/07/27(木) 22:23:11 ID:jlbGHNoO
2年生になってからは、ほとんど不思議現象は起きなかったな
たまに、古泉主催の推理イベントや、鶴屋さんが提供してくれる謎アイテムに
我らが団長が台風のように引っ張りまわすだけで、俺の身に危険を感じたような事はなかった
おかげで、出番がないことを残念がっていたのだろう。長門は少しだけ寂しそうだったように思える

それでも、ハルヒはいつも明るくて、楽しそうで、満足しているようだった
まるで、この日常が一番楽しいかのようにな

「涼宮さんの力は徐々に衰えています」

と、言ったのはどこのむかつくエスパーのセリフだったかな

「彼女は、たとえ不思議なことが起こらなくても、今の現状に満足しているのでしょう
  もちろん、あなたの努力のおかげですけどね」

ハルヒがただの高校生になってくれるなら、それでいい
あいつが神のように崇められるのは、俺としても嫌気が差すからな

「それは少なからず涼宮さんに対する気持ちと思ってよろしいですか?
  いやあ、僕としても彼女が貴方と一緒に穏やかな生活を送ってくれれば───

──それ以上を語るのにも嫌気が差した時、ちょうど俺の手はドアに軽くノックをしたところだった
619とけないゆき:2006/07/27(木) 22:24:24 ID:jlbGHNoO
……返事はない、ということは

ドアを開けて俺が見たものは、予想していた半分のものだった
部室の置物の役割を果たしている長門は、確かにそこにいた
読書人形ではなく、直立不動で俺を正面に見据えている姿だったがな
無論、これだけでも俺の質問理由になるはずだ

「長門? また何かあったのか?」

「……あと17秒」

17秒?何が?
声をかけても仕方なさそうなので、大人しく後ろを見ずにドアを閉め、時間の経過を待った


「……16時25分53秒、涼宮ハルヒの力の消滅を確認」


最初は、何を言ったのか分からなかった
620とけないゆき:2006/07/27(木) 22:25:50 ID:jlbGHNoO
……なくなった?あいつの変態パワーがか? やっと俺がアイツの一挙一動に悩まされることがなくなるのか?

「今の彼女に、情報改変をする力は残っていない」

──ということは、今のアイツは少し性格が変なだけのただの女子高生なのか
脳内の考察隊が頭を駆け巡り、ある1つの疑問と不安に辿り着いた

古泉は、元の高校生として生活していくだろう。 最初がそうだったように
朝比奈さんはどうなるか分からないが、朝比奈さん(大)の様子を見ると、未来は大丈夫だろう
だが……

「お前は……どうなるんだ? アイツを観察する必要がなくなったお前は……?」

俺に分かる程度に長門が表情を変えた

「……私の計算によると、11分5秒後に情報結合を解除される」

なっ!?
「なんだっ、て……?」

己の意思に反し、勝手に声が出ていた


「昨年の私のエラーで、情報統合思念体が私の処分を検討し続けていた
  そして涼宮ハルヒの力が失われた今、私を存在させておいても無意味
  ……これはもう、貴方達が関われるような問題ではない」


言い返す言葉もなかった
普段の俺なら、とっくに何か言い返しただろうな。あの病室の時のように
無論、これがハルヒや古泉の言葉ならすぐに怒声で言い返しているはずだ
それができなかったのは、単に驚いただけではない
長門の言葉と、その表情、その瞳が

これが、世界の真理である事を告げていた
621とけないゆき:2006/07/27(木) 22:28:05 ID:jlbGHNoO
「だったら! 何で、もっと早く言わなかったんだ! 
 そうすればお前の1年を、お前の好きなようにさせてやったのに!」

自分の頭の考えを、口に直結させて喋っていた

「言えば、貴方や他の人間に気を使わせてしまう
  そうなれば、貴方の人間関係にも少なからず影響を及ぼしてしまう」

……お前はそれで、よかったのか?

「……私はあの変化のない空間に居心地の良さを感じていた
    だから、それでよかった。 あれが一番だった」

淡々と話す長門の目には、少しの輝きが生まれていた
だが……

俺は長門に駆け寄り、掴むようにして両手を肩に置いた

「まだ、俺はお前に何もやれてない! 命を救ってもらった恩だって!
 幾度となく事件を解決してくれた借りもそうだ! 長門!」

少し我を忘れ、ハァハァと肩で呼吸する俺に向かって
優しく、どこか遠い声のように、こう言った

「もう、もらった……」

あの、改変された世界で見た微笑がそこにあった

「あなたからは、温かみと、やさしさと、愛しさと、

     ……思い出を、もらった」
622とけないゆき:2006/07/27(木) 22:29:36 ID:jlbGHNoO
……それで、それだけで本当にお前は十分なのか?
だって俺は、まだまだお前にしてやりたいことが、沢山あって───


「最後に」

少しの間を空けた後、わずかに空気を震わす程度の声でこう言った

「一つだけ、願望がある」

         
長門が俺にして欲しいこと?
そうか、まだハルヒの中にわずかでも力が残ってるかもしれん
それを刺激してやればきっと──

「そうじゃない」

顔をさらに微笑ませて

「目を、閉じてほしい……」

目……? 
時間遡行か? それとも空間移動か?
不安と期待を胸に、俺は固く目を閉じた
そして、俺を待っていたものは
623とけないゆき:2006/07/27(木) 22:30:54 ID:jlbGHNoO


「……!  なが、と…?」


僅かに湿った唇の感触と、やや顔を朱に染めた長門の顔だった

「……やっと、叶った……」

少し照れるように笑い、呟くようにそう言った

「もう、思い残すことは……何一つ、ない」



それがスイッチとなったかのように

長門の両足が、砂のように空間に消え始めた
624とけないゆき:2006/07/27(木) 22:32:40 ID:jlbGHNoO

砂時計の上部には、もう数えられるほどの砂粒しか残っていなかった
ひっくり返すことも、横にして止めることも、ましてや割ることもできない状況で
俺は、砂時計の傍観者になるしかなかった

ただ、叫ぶことしか


「長門!」

俺の叫び声に、少しだけ微笑みを崩した長門の目が俺を捕らえた

「消えないでくれ! 俺は、俺にはまだお前が───」

最後の方は、声にさえなってくれなかった

「……消滅するわけではない、情報統合思念体の一部となるだけ
    貴方のことを、見守っていられる。 だから……」

耳は、ちゃんと捕らえてくれた


───雪の日だけでも、私のことを思い出してほしい

625とけないゆき:2006/07/27(木) 22:34:05 ID:jlbGHNoO
ああ、忘れんさ。
たとえ、老いたり、事故に遭ったり、悪の組織に洗脳されても、記憶の奥底で南京錠をしておこう


いつの間にか、二人して笑っていた
見送られるものが笑っているのに、見送るものが泣いているのはいい気分じゃないからな


「……貴方のことが好きだった。 本当に、ありがとう。 そして──」


おそらく、俺が生涯忘れないような満面の笑みと共に


「───生まれ変わったら、また、図書館に」


砂時計の砂の、最後の一粒が落ちた
626とけないゆき:2006/07/27(木) 22:36:06 ID:jlbGHNoO


しばらくの間、長門が乗り移ったかのように、不動のまま立ち尽くしてた
ただ目の前のものを映していた俺の目は、視界の隅に見つけた白色に焦点を当てた

「……雪?」

いつの間にか、窓の外には、しんしんと雪が降っていた
今まで俺の目の前にいたような、真っ白で触ると消えてしまいそうな雪は
何かを慰めるように、包み込むように、世界を覆いつくしていた
そして──

「絶対に、忘れないさ……」

───笑いながら泣く事の難しさを、今日俺は初めて知った

627とけないゆき:2006/07/27(木) 22:38:06 ID:jlbGHNoO



「こらっ、キョン! せっかくの雪なんだからこっちきて遊びなさい!」

……震えながら雪合戦をするのは、体験したくないな

「あたしは大丈夫だけど、パパ寒がりだもん。仕方ないよママ」

今年10歳となった愛娘は、小学生パワーをフルに活用して雪玉作成に励んでらっしゃる

「全く!明日には古泉君とみくるちゃんを呼んでのSOS団クリスマスパーティーなんだから、これくらいでヘコたれてると当日にペラペラになるわよ!」

……ああ、分かってたとも、他の奴の記憶が操作されることくらい
  だけど、あいつは俺の記憶はちゃんと残しておいてくれた
  それで、十分なんだろう。不満はないさ


「さあ!第3ラウンド開始よ! 分かってると思うけどこの辺の雪がなくなったら終了よ!」
「うんっ!」

恒星が二つもありゃ、わざわざ手を使わなくともコロナで溶けるだろうに



でもな、ハルヒ。 
世界中の雪を全て溶かしたとしても、
俺の中の雪だけは溶かさないでくれよな
628とけないゆき:2006/07/27(木) 22:40:12 ID:jlbGHNoO
以上です お付き合いいただき真にありがとうございました
あと昨日の夜に励ましてくれた方々も、亀ながらありがとうございました
自信が持てるように頑張ります

629名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 22:41:00 ID:AP+40Ay7
630名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 22:41:12 ID:lbdUHjP5
GJ !
ちょっと泣きそうになった
631名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 22:41:18 ID:Li+MNJ8m
シチュエーションは悪くないと思うんだが、狙いすぎた感が否めない。
そして、作者が長編だと言う場合、そのほとんどが短編なんだよな。
632名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 22:42:00 ID:g7qxB53C
>>628
俺はこういうの好きだな。ちょっと…切なくなるが。
GJ!
633名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 22:42:30 ID:CBCAXJU6
うむ、ちょっちマンネリなネタではあるな。
初期のころには新鮮であっても、これだけSSが増えるとどうも似通った内容になりがちだ。

だから、描写はうまいけれど、内容は及第点?かな?

そろそろ斬新な、『その発想はなかった』ってレスが30個くらいつくのが欲しい俺。
634名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 22:42:34 ID:/iSHhNy7
GJ。素直な作りで良かったよ。
635名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 22:43:53 ID:jlbGHNoO
助言ありがとうございます
次からは念頭においておきます
636名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 22:44:50 ID:mu9eakBd
>>607
マルチやめれ
他所で投下したものを別のところで投下するなら前もって断るのが普通だろ?
って言うかしないのが普通
ましてやまとめサイトにのってるしな

VIPから出るな。とは言わないが
ここはVIPじゃないんだ、ここのルールが理解できるまではROMってくれ

>>628
昨日の人か、頑張れ
637名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 22:45:27 ID:kCkOAllD
面白かったです
長門好きな自分としては切なかったですが、GJ
638涼宮ハルヒの序章:2006/07/27(木) 22:46:30 ID:EUID6g9o
続き投下させてもらっていいでしょうか?
やっぱり最後まで読んでもらいたいです。
639名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 22:47:09 ID:X0eEj+8x
ネタはすごくいい。
雪に引っ掛けてるところとか最後の2行とか。
でもなんか
「感動モノ書いてるんですよ〜さあさあここで泣くでしょう?
 感動するでしょう? 超いい話でしょう!」
って感じがしちゃうんだよな〜。
なんでだろう。
640名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 22:48:16 ID:CBCAXJU6
さりげなく泣かせるってめちゃくちゃ難しいからな。
『泣かせる作品にしよう』って意気込みで書き始めた時点でアウトとすら思うよ。
641名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 22:49:41 ID:vDdnK6vZ
>628
書き手として保管庫を一通り読む事をすすめる。
娘の名前が雪だったら完璧にパクリだった。
642名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 22:49:49 ID:VrPaA2yK
なんか厨が多いなぁ・・・
気に食わないSSとか、レスがあったらスルーするだけでいいにゃん
643名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 22:52:44 ID:CBCAXJU6
質の悪いもんは読みたくないじゃないか。
批判されないからって自分はうまいと勘違いして投下しまくる厨が増えるのがイヤだから、
批判したっていいじゃない。
644名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 22:54:32 ID:rBBJenNh
いいネタでしっかり書けてはいるんだけど、二番煎じってのが最大の欠点だった。
これだけ多くの人が書いてるからネタかぶりはどうしようもないんだけど。

しかしまぁ、奇をてらいすぎて崩壊しない程度に斬新なアイディアを考えるのも大変な話ですね。
645名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 22:56:13 ID:jlbGHNoO
さりげなさ、ですか。 上辺だけじゃ駄目ってことか…
やっぱり上手い人は深いところで訴えかけるような何にかがあるんですね
そういう味を出せるように日々精進いたします

>>641  それは……大変申し訳ありません
    一度全て読み漁ってきます

ただの暴言ならスルーしますが、ちゃんと考えてくれているならしっかりと受け止めてます
646名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 22:58:58 ID:VrPaA2yK
ネガティブな批判じゃなくて、建設的な批判だったらいいと思う。
俺、ワイドショーとかのコメンテーターが嫌いなたちでねw
647名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 23:04:44 ID:vDdnK6vZ
>646
ゴメン、カッとしてやった。今は反省している。
書き手に対してはリスペクトしている。
648名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 23:11:36 ID:mu9eakBd
>>645
昨日もそうだけどお前人によく影響されるタイプじゃね?
向上心を持つことは大変いいことだが、なんでもかんでも指摘を受け入れればいいってもんじゃないぞ
正直言ってID:CBCAXJU6とかは高望みすぎると俺は思う
そんな神作品書ける作者ばかりなわけじゃないんだからさ
面白いものが読みたいその気持ちはわかるが、これが「読者に受ける面白くするための指摘」って思わないでくれよ
そうであるかもしれないし、そうじゃないかもしれないんだ

お前からは作品に対する自惚れとかが感じられないから、勘違いさんになることはないだろう
人の意見を取り入れるのも大事だが、自分が楽しんで書きたいことを書くことが大事なことを忘れないでくれよ

なんか先のありそうな人だから俺応援しちゃうぜ
649名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 23:12:22 ID:Li+MNJ8m
>>639
狙いすぎだと思われるSSは、人物の心情が書けているようでちゃんと書けてないのが多いと思う。
いわゆる感動のキーワードってヤツが、唐突に、かつ、単発的に出てくる感じ。
650名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 23:15:23 ID:Q4u/A86P
要望があったので書いてみました。
投下します。
651名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 23:15:43 ID:x5Dv2sYL
>>628
句点を使わないのは何かのこだわりなのか?
それとも、文の最後には句点を打つという基本的なルールを忘れてたのか?
普段レス書くときの調子で、SSでも句点を使ってないんだと推察するが、どうなんだろう。
申し訳ないが、この違和感のせいで読む気になれない。
小説の形にするなら、基本的なルールは守るようにしたほうがいいんじゃないかな。

……誰も突っ込む人がいないってことは、みんなあんまり気にしないのかね? 俺だけ?
652名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 23:17:08 ID:DeN3jMOn
>>694
そ れ だ !!
なんかいいのになんか感動できないと思っていたんだが、
今やっと分かった。
653みくるの暴走 みくるサイド1:2006/07/27(木) 23:17:12 ID:Q4u/A86P
みくるの暴走 みくるサイド

 わたしはどうしてもキョン君が欲しかった。未来の上司からはキョン君は涼宮さんと
結ばれることが既定事項だと言われていれてきたけど、そんなことはどうでもいいの。
 過去が変わったってかまわない。もう目的のためなら手段は選ばないわ。

 放課後、わたしは長門さんよりも早く、SOS団の部室で待っていた。なるべく気分を
沈みがちに、そして心の中は混乱の極みにあるよう演技するために、時間的な余裕が
欲しかったの。
 これまでもなるべく、沈んだ表情をしたり、キョン君の顔を意味ありげに見て、そし
てすぐそらす。なんていうことを繰り返してきたから、そろそろ頃合いかな。
 一番最初に入ってきたのは長門さん。この人が一番油断ならないわね。なるべく
感情を表に出さないようにしましょ。
 次に来たのは古泉君。この人も長門さんほどではないけど、気取られないようにしな
きゃ。
 わたしは恒例のお茶くみをしていた。でも、何かを抑えているような表情をして、
たまにお茶をこぼしてみる。
「大丈夫ですか?朝比奈さん。今日はもう帰った方がいいんじゃないですか?それに
涼宮さんや彼に会うと、よけいに耐えられないのでは?」
 仕掛けは順調そうね。
「いえ、大丈夫です。わたしも団員ですから。皆さんが来るまでは」
 弱々しくこう言うと、彼もそれ以上言えないようで、席に戻った。と同時にドアが
派手な音をあげる。涼宮さんの登場ね。
「みんなー、遅れてごっめーん」
 涼宮さんはツカツカと歩いて、自分の座席にどっかと座ったの。
 「みくるちゃん、お茶ちょうだい。あら、あなた今日も元気ないわね。どうしたの?
ここんとこ本当に変よ」
 こっちも上々ね。
「いえ、なんでもないんです。はい、お茶です」
 少しよろめくように、団長専用の机にお茶を置いた。
 最後はキョン君ね。足音が聞こえてきた。
 足音はドアの前で止まった後、ドアをガチャリと開けて入ってきたわ。
「遅いわよ!キョン」
 わたしが最近、彼に思わせぶりの視線を送っていたせいか、涼宮さんの機嫌とても
悪いみたい。
 この後、わたしの様子がおかしいことを涼宮さんはキョン君に詰問していて、それに
対して、キョン君も反論している。まるで痴話ゲンカみたいで、いい気分じゃなかった
けど、これはチャンスだわ。
 あとは、わたしが考えたシナリオ通り、メイド服のまま学校を飛び出した。
 ちょっと恥ずかしかったけど、キョン君以外の人には捕まるわけにはいかなかったから、
一所懸命に走って家に帰った。
 部屋に入ると、すぐに部屋着に着替えて、後は待つだけ。うまくいけば、キョン君が
古泉君に説得されて、追いかけてくれるはず。
 意外に彼は早かった。カバンと制服を届けに来てくれて、さらにはわたしを励まして、
元気づけてくれた。
 でもわたしが説得されたふりをして、これからは遠慮もしないし、素直になります、
と言うと、ちょっとあわてていた。
 でも今日のクライマックスはこれから。わたしは彼にご馳走することにした。
もちろん、あれの用意は整っている。
 あれとは、そう、この日のために手に入れておいた強力な媚薬。味に違和感を与えない
ように、スパイスを効かせたカレーを今日のメインにしたの。
 自分のお皿に、ご飯を盛りつけ、ルーをかけると、キョン君の分だけになった鍋に
素早く、十分すぎるくらいの薬を溶かし込んだの。そして彼の皿にご飯を盛りつけ、
ルーをかける。それをテーブルにおいて、いくつかの副菜をのせて、準備は終わり。
 キョン君はとてもおいしそうに食べてくれた。辛めにしたおかげで、なんの違和感
も感じなかったみたい。
654名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 23:18:18 ID:IVUtr8SV
>>651
俺も気になった。さすがに読む気を無くすとまでは思わないが。
655みくるの暴走 みくるサイド2:2006/07/27(木) 23:18:27 ID:Q4u/A86P
 楽しい食事が終わり、後片付けも終わって、わたしたちはテレビを見ながらくつろいで
いた。
 そろそろかしら。どうやら、薬が効き始めたのか、キョン君がちょっと苦しそうにして
いる。あと十分もすればいいかな。
 キョン君は体がほてって仕方ないみたい。わたしは笑みを浮かべて、その時を待って
いた。
──じゃあ、始まりね。わたしは、キョン君に近づくと、軽く抱きしめ、
「ねえ、キョン君。わたしとしましょ」
 と耳元になまめかしくささやいた。
 それが、トリガーだったみたい。彼はわたしをベッドまで運んで押し倒したの。
 キョン君は、完全に理性を失っていて、自分の服を脱ぎ捨てると、ちょっと乱暴に
わたしの服を剥ぎにかかっている。
 荒々しいキスをしながら、舌をもぐりこませてきた。そして、すべての粘液を
吸い尽くすかのように唇を吸っている。服はあらかた剥ぎ取られ、今はブラをはずしに
かかっている。
 わたしの胸を見ると、キョン君はさらに興奮して、むしゃぶりついてくる。
 そして、わたしの自慢の胸をもみしだきながら、乳首をなめ回している。
「あん、ああ」
あまりの巧みさに、声が漏れてしまった。彼の意外な一面を見てしまった。
 乳首を口に含ませながら、キョン君の手は、わたしの下腹部までさがっていた。
 そしてショーツを脱がし、テラテラと輝くわたしのあそこを見つめている。
 やおらあそこを広げると、クリトリスを愛撫し始めた。なおも片方の手は胸を
いじり続けている。
「キョン君、いいです。でもそろそろ」
 わたしの方は、すでに準備ができていた。
 キョン君は、うなずくと、そそり立ったペニスをわたしのあそこにあてがった。
 ズブズブ、ズブリ
 とうとうキョン君と結ばれたんだわ。わたしは嬉しさに打ち震えていた。
 でも獣と化したキョン君は、ただただ、一心不乱に腰を打ち付けている。
「キョン君気持ちいい!もっともっと」
 わたしの声も高くなる。
 パン、パン、パン、パン
 腰を打ち付ける音が室内に響き渡る。
 もう限界だった。
「キョン君!きて、きて。わたしの中に」
 ズピュル、ドプッ、ドプッ、ドピュリュリュ
 キョン君は、わたしの中にすべてを放っていた。

 薬の効果はてきめんで、このあと5回も結ばれることに・・・。

 すべてが終わり、キョン君を家まで連れて行き、こっそり彼の部屋の布団で寝かしつける。
 でも方法については『禁則事項』です。

 わたしは自室に帰ると、今日の反省会をしてみた。
 それにしてもキョン君や涼宮さんだけならともかく、古泉君はおろか、長門さんまで
だませるなんて、わたしの演技も捨てたもんじゃないわね。
 キョン君は徐々に薬を薄めながら慣らせば、籠絡するのも遠い話じゃないわね。彼と
はこのまま既成事実を積み重ねましょ。
 じゃあ、今度の敵は、彼の気を引こうとする涼宮さんにしましょうか。各個撃破という
やつね。
 もうキョン君は、ほぼ手中に収めてるから、涼宮さんにはその事実を知らせてみましょ。
 それで涼宮さんがどんな反応してくれるか楽しみだわ・・・。

 ある日の放課後、涼宮さんはわたしにバニーガールの衣装を無理矢理着せようとして
いたの。
「みくるちゃん。あなたまた胸が大きくなったんじゃない?本当にダイナマイトボディね」
「ええ、いつもキョン君にもんでもらってますから」
「えぇっ!?」

みくるサイド終わり
656652:2006/07/27(木) 23:19:50 ID:DeN3jMOn
>>694>>649の間違い
657名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 23:20:43 ID:rvWTpAWv
>493-497
「みくる=キョン妹」説はオレも荷担していなかったけど、
これなら悪くないかなぁ、とチョット思った。
現実なのか勘違いなのか判別できない、消えかけた記憶の
痕跡ってせつないね。
658名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 23:22:37 ID:IVUtr8SV
割り込みスマソ。

しかし朝比奈さん黒すぎじゃ…
659名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 23:24:34 ID:Q4u/A86P
書いてて収集つかなくなった。
反省はしている。
660名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 23:30:08 ID:x5Dv2sYL
ちょっとウザいことを言います。

句点云々と言った俺ですが、ついでにもう一つ前から気になってたことがあるので意見を聞かせて欲しい。
○○「〜〜」
という、台本形式のものをどう思う?

個人的な意見としては、この形式は手抜き、あるいは書き手としての「負け」だと思ってる。
言葉遣いや内容で誰のセリフなのかを伝えられないってことでしょ? つまりキャラの特徴を捉える努力をしていない。
会話文だけでは伝わらないと思うなら、地の文を書けばいいだけのこと。
それなのに書かないのは、手抜きか技量が大幅に足りないかのどちらかだと思う。

なので、こうした形式も、俺は最初から読むのを放棄してます。
何様のつもりだ、と思われるかもしれないけど、俺はこういうスタンス。でも、他の人の考えも聞いてみたい。


長々とうるさいこと書いてごめん。
661名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 23:33:09 ID:Q+eHBB83
気持ちはわかるが、スモークチーズでも食って落ち着け。
662名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 23:33:33 ID:6heay/4E
もう少し三十半ばの貴婦人が手作りパイの作り方を教えるように頼む
663名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 23:34:21 ID:llBbZet3
主「〜〜]
急「++++」
穏「@@@@」

この場合は難しいかもな
664名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 23:34:39 ID:DeN3jMOn
>>660
ウザイ。というかスレ違い。

そういう話はここじゃなくて、雑談スレとかでやるべきなんじゃないかな。
もし書き手なら、控え室に行くといい。
665名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 23:35:55 ID:XAMJKG0d
このスレで議論することかどうかすらも判断がつかない人間がなに言ってんだろう
666名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 23:37:19 ID:llBbZet3
俺は毎日2時間近くは読書してるけど別段ここのssに難癖つける気は起きないかな。
ここにはここの世界があるからな。
667名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 23:37:24 ID:IVUtr8SV
>>660
うん、ウザいな。ってか荒れそうな話題だなぁ、それ。
668ジョン・スミス:2006/07/27(木) 23:37:39 ID:uOEB+WxE
「涼宮ハルヒの序章」の 続きってまだなんですか?
669名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 23:39:00 ID:EIehgDdh
うわ、ウザ
670名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 23:39:15 ID:IVUtr8SV
>>668
だからコテを外せと何度言えばわk(ry
671名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 23:40:58 ID:2BWrHPZG
SSは小説じゃないからね。
台本形式も二次創作のひとつだし
セリフの前に名前があるほうがわかりやすいでしょ。
句点をつけないのもふわふわ感や輪郭がなくなって境界線が溶けていく感覚や
ポエムっぽさを出せる場合もあってケースバイケースだと思う。
672660:2006/07/27(木) 23:41:11 ID:x5Dv2sYL
ごめん、やっぱウザかったか。
書き手、読み手共に多そうなこのスレだから色々と考えが聞けるんじゃないかと思ってたんだ。申し訳ない。
空気悪くしちゃったみたいだから、しばらくROMに徹するよ。みんなごめん。


以後は俺の書き込みなんぞ無視して、いつも通りやってください。
673名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 23:41:52 ID:jq/P4+IO
>>660
気持ちは分るがそれで?っ手感じ。
台本形式で書くのは作者の勝手。読まないのはお前の勝手。
勿論俺はそれでも読む方。
つーか皆さん文句言い過ぎ。高望みし過ぎ。
批評ばっかりしてると、投下してくれる人も居なくなるよ。
ただでさえメジャーとは言えない分野で、2ch外で書いてる方もあまり居ないって言うのにさ。
確かに批評が書かれなければ、勘違いした馬鹿が駄作を大量に投下してくるかもしれない。
でもそれはそうなったときに叩き潰せば良いわけで、図に乗る前から批評しまくると投下してくれなくなるよ。
674660:2006/07/27(木) 23:42:38 ID:x5Dv2sYL
あ、俺の疑問提起に対して考えを聞かせてくれた人たち、ありがとうございました。
675名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 23:45:08 ID:KR/vOmtd
キャラ名「〜〜」とかは大抵思いつきの一発ネタなんだから、
嫌なら気にせずスルーすりゃいいんだよ。
676名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 23:49:05 ID:Li+MNJ8m
>>673
この程度の批評で投下を止めるなら、それはそれで良いんじゃないか?
ここに書かれる批評は、かなりやさしいと部類に入ると思うぞ。
677名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 23:59:25 ID:BpHoBqbw
確かに台本形式はどうかな?と思う事もあるよ、
でもそれには勝ちも負けも無いんじゃあないかな?
書き手さんは批判されれば次は頑張ろうと思う人もいるはずだしねぇ。
俺にも>>660さんにも作品の批判は出来るが文体の文句はつけれないと思うんだ。
ってゆうか読むのを放棄しているんだったらスルーでいいんじゃあないかな?
678名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 00:01:50 ID:ksxnJxFv
んだんだ。最近カメ虫多いよな
サッと拾ってサッと捨てたら匂い付かなくてオススメ
679名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 00:03:37 ID:XAMJKG0d
本人も逃げてスレ違いでさっさと終わらせりゃいい話題にいつまでも意見つける人間も迷惑度は変わらない
680名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 00:12:59 ID:iVJqFfF9
>>679
なんつーか、お前が迷惑だよ
681名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 00:13:23 ID:NgKgMRzn
脳内で動画に直せば問題ないのにね
682名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 00:13:39 ID:Zhxk2+oU
とりあえず落ち着こうよ。
683名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 00:14:10 ID:ksxnJxFv
スマソ誤爆
684名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 00:14:52 ID:Zhxk2+oU
スイマセン、ageちゃいました…。
685名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 00:21:50 ID:jDjzcMzV
さて…落ち着いて。次の作品の投下をまつかな。
wktkしながらな!!!
686瑠璃石:2006/07/28(金) 00:30:13 ID:374O+c4F
キョン君の中学時代

小学校を卒業したら普通は中学に進学?入学する。まぁそれは当たり前だ。
だが俺の中学は凄すぎた。いや今の高校の方が凄いのか?でも言葉で表せな
いぐらいすごかったので少しの文で表してみた。よかったら見てく
れというか読んでくれ。
俺の周りは馬鹿が多い。特に入学したときはすごかった。
こういっちゃ俺が頭がいいと思われがちだが勘違いしないでくれ。俺は普通
に馬鹿だ、これは高校でも言える事だ。入る前からすごい中学だと聞かされ
ていた俺は心の準備をしていたが、無駄のようだった。一般学生の年間馬鹿
接触率の8倍ぐらいだったと思う。あくまで思うだか少し間違ってるかもしれ
ないが凄い。だがこれは入学した時のほんのちょろくちだったんだ。 そこで
学生の頃の俺の一日を紹介させてくれ。

まずは朝、学校に行く。 うん、これは当たり前だ。この頃からも妹に起こさ
れていたんだけどな。それはまた違う話ってことでおいておくぞ。同級生は
「あろは」と言いつつ俺のチンコを揉みに来る。正直何度も登校拒否しかけ
た。普通の人ならそうだろうな。これで入学した時より1/5辞めていたという
事は後でわかったことだった。 俺はあんまり関わりたくないのでノーリアク
ションで席に着く。HRまで軽く寝る。毎日これに当たる。 先公にフランスパ
ンでなぜか叩かれ目覚める、この頃から先公が嫌いになったけどな。 2時限
目の休み時間、毎度早弁しようと弁当を食おうと弁当を開ける。 半分食われ
ていた。一体誰の仕業何だと思うが周りが周りで考える事も辞めた。いらつ
く。というかはらへったぞ。 隣のヤツのバッグにフランスパンがなぜかささ
っているので、犯人はいつもこいつか?と思い俺はそいつのフランスパンを
半分食う。いいざまだ。だが味がいまいちだと今でも覚えている。
冬の教室のストーブの上にスルメが乗っている。いつもの事だがイカくせぇ。
昼休み、俺は喉が渇き泣けなしの小遣いで購買にジュースを買いに行く。だ
が 自販機の前にピクニックシートを敷いているヤツが居る。なんだこいつと
思いも、シートの上を歩きジュースを買い、何もいわず立ち去った。こいつが
こんな所にいるのが悪いんだ。うん、そうだ。踊り場でコタツで麻雀をして
いるヤツがいる。ガラガラうるせぇ。 教室に戻る。ストーブの上にスルメが
まだ乗っている。早く食えよ。くせぇよ。

午後の授業が始まる。後ろのヤツがヤニくせぇ。こいつは中学から煙草なんて
物を吸っているのか怪しからん。まぁ注意する立場じゃないからここはスルー
だ。俺は学級委員長でもないしな。隣のヤツが黒板を写している。筆ペンを使
うな。馬鹿か。いや相当この中学が馬鹿何だ。なんだか俺も馬鹿だけどちょっ
とはマシかと自己満足していた。 机の中にフランスパンが入っていた。いじめ
か。何もいわず捨てる。捨てたらいつも隣のやつが拾って「おちたぞ」とか言
ってくる、犯人はまたこいつか。俺にはフランスパン属性なんてないはずだ。
放課後。バッグを持って席を立ち、教室を出る。俺は早くこの教室を出たいか
らな ストーブの上のスルメが恨めしそうに俺を見ていた。 ロッカーに行くと
隣の席のヤツがいた。クツが無いらしい。 見るとクツの代わりに上履きがた
くさん入っている。これもいじめなのか?何もいわず立ち去る。関わると俺の
靴までなくなりそうだからな。こんな感じで俺の一日が終わっていく。
馬鹿ばっかりだ。どうでもいいけどね。

「では貴方は、今の生活の方がまだ安心ですね」
と古泉がいつものスマイルを送ってきている。こいつは同情しているのか?
いや、こんなやつに同情されてもこまる。
「だが、今の生活も退屈しないだけマシだな」
と答えて古泉はいつもの笑いのまま俺を見ていた。

ー完ー
687名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 00:34:31 ID:P34LmJSp
そもそも、このスレに投下されてるSSに台本形式なんて無いわな。
明らかな一発ネタを除いて。

あちこちにマルチしてる荒らしじゃね?
688名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 00:34:42 ID:1XkR/06n
非エロなら今書き終えたばかりのやつがあるけど、投下OK?
689名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 00:35:13 ID:jDjzcMzV
是非!
690名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 00:36:19 ID:7oz6sF5M
マジで句点問題で15498回ループするつもりな住人たちに一言いいたい。

SSは句読点で読むもんじゃない。
という気がする
691さよなら、ジョン:2006/07/28(金) 00:41:24 ID:1XkR/06n
12月26日―

私は東中に向かっていた。
相変わらずずさんな警備ね。前と何にも変わって無いじゃない。
昔と同じ方法で学校に入って、グラウンドに向かう。
私が今日ここに来たのは、ある思いにけじめをつけるため。
そう、ジョンへの思いを―

あれ?グラウンドに誰かいるわ。こんな遅くにこんな所にいるなんて普通の人じゃないわね。もう少し近付いてみましょう。
あれは―キョン?
692さよなら、ジョン:2006/07/28(金) 00:42:40 ID:1XkR/06n
キョンがなんでここに?あいつの中学はここじゃないはず。
まあいいわ。後ろから声をかけてちょっと驚かせてみようかしら。
キョンに気付かれないようにそっと接近する私。
考え事をしてるみたいで、キョンは私に全く気が付かない。
そういえば、キョンのこんな表情はあまり見た事がないわ。いつもと違ってなんか新鮮。
こうして見ると、キョンってやっぱそれなりに顔は整ってるわね。いつも間抜けな顔しか見てないからわかりにくい―って何考えてるのよ私!
私は余計な考えを頭の外に追いやり、空を見上げているキョンに声をかけた。
693名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 00:43:02 ID:pwmaDE9x
>>686
古い
下らん
694さよなら、ジョン:2006/07/28(金) 00:43:57 ID:1XkR/06n
「キョン、あんたこんな所で何やってんの?」
「っと、驚かすな。というかなんでお前がここにいるんだ?」
「私?私は、その、暇だったからなんとなく来て見ただけよ。あんたは?ここに来る理由なんてないんじゃないの?」
「いや、あるんだよこれが。ここは俺にとって・・・大切な場所だ。ここでの出来事があったからこそ、今の俺がいるんだ」
695さよなら、ジョン:2006/07/28(金) 00:45:31 ID:1XkR/06n
「ハルヒ。俺が頭を打って意識不明の時にずっと付いていたそうだな。全く、学校はどうしたんだ?他の人に迷惑がかかるだろうが」
ぶっ倒れて入院したあんたには言われたくないわね。
「だけど―ありがとう」
・・・。今、あんたなんて言った?
「意識がない時、恐ろしい夢を見てな。それこそ今までの価値感や考え方が変わってしまうほどの。
その夢から帰って来て、お前の顔を 見たら安心出来たんだ」
「べ、別にお礼を言われるような事じゃないわ。団長が部下の心配をするのは当然でしょ!」
私は動揺していた。
まさかキョンにお礼を言われるとは思ってなかったのもあるけど、その時キョンが見せた顔が一番の原因。
文化祭の時のような、いや、それ以上の笑顔。
顔が真っ赤になりそうだったから、思わずプイとそらすしかなかった。
696さよなら、ジョン:2006/07/28(金) 00:46:46 ID:1XkR/06n
「そうだ。キョン、あんたちょっと手伝いなさい」
「まさか、またあの変な記号みたいのを書くとか言わないよな」
「そのまさかよ。でも、今度は前とは違うのにするわ!」
「やれやれ。見つかる前に終わらせるぞ」

ジョン。私はあなたに感謝してる。
あなたがいなかったら、私は退屈な日常を過ごしていると思う。
北高に入る事もなく、SOS団も出来なかった。
あなたがいたから、みくるちゃんと有希、古泉君に会えた。
今思うと、これが初恋だったのかもね。
でも、それは今日でお終い。何故なら―
697さよなら、ジョン:2006/07/28(金) 00:47:53 ID:1XkR/06n

「お、雪が降ってきたな」
「そうね。う〜、ちょっと寒い。ん、そうだ」
「お、おいハルヒ。腕にくっつくな。歩きにくいだろうが」
「別にくっつきたくてくっついてるわけじゃないわ。あんたでもカイロがわりにはなるでしょ。文句を言わない。
さ、このまま私の家に行くわよ」
「おい、お前何を考えてるんだ」
「あんたは夜中に女の子を一人で帰すの?それに、この私をエスコート出来るんだから感謝しなさい!」
「やれやれ、わかったわかった」

もっと好きな人が出来たから。
今はまだ素直になれないけれど、いつかきっと―

え、グラウンドに何を書いたかって?仕方ない、特別に教えてあげる。

さよなら―ジョン。
698名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 00:51:23 ID:1XkR/06n
終わりです。

朝の6時から仕事なのに何やってるんだろう俺。
699名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 00:52:32 ID:pwmaDE9x
>「まさか、またあの変な記号みたいのを書くとか言わないよな」


ここから広げるのかと思ったが違ったのか
700名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 00:59:08 ID:jDjzcMzV
確かに…。そこからキョンがジョンだったの?→一騒動を思い浮かべた。
なにはともあれ乙!
701名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 01:12:06 ID:KGSYfRwO
> 「そうだ。キョン、あんたちょっと手伝いなさい」
> 「まさか、またあの変な記号みたいのを書くとか言わないよな」
> 「そのまさかよ。でも、今度は前とは違うのにするわ!」

違和感。ハルヒは知ってるのか?
70213-150:2006/07/28(金) 01:12:16 ID:ree3mZLT
寝静まる頃に箸休め4レス投下
気に入らなかったらスルー。気に入ったらモニターの前でニヤニヤプリーズ。
703涼宮ハルヒの○天国9.txt:2006/07/28(金) 01:13:45 ID:ree3mZLT

 皆さんこんばんは。
 最近すっかりキャラが別人と評判の俺です。

 視界には、首から下に毛が存在しない完全フラットな裸体が2つ。
 俺の腕と胴にまたがって、つるつるぬるぬると前後に律動を繰り返しつつ、
 浴室特有のナチュラルエコーに彩られ、楽しそうにキャッキャウフフと…
 あ、そうですか。 たった5行で外道ランクがもう上がりますか。 そうですよね。

 …俺もそう思う。

 どうしてこの状況になったかを、サブタイコールを挟みつつ振り返ってみよう。



― 2nd イグニッション ―
『 次女 本家妹さん(10才)& 三女 朝倉涼子さん(9才)の場合 』



 麗しのMyエンジェルこと、現在五女の朝比奈さん(7才)
 SOS団実質スポンサーこと、現在長女の鶴屋さん(11才)
 この仲良し美少女2人組の甘酸っぱい初接吻を奪った外道兄こと、俺(16才)は、
 とめどなく押し寄せる罪悪感に押しつぶされそうになりながら、
 湯船で膝を抱えていたところ、なにやら脱衣所からキャイキャイと黄色い声が。

 おい、俺がまだ入って
「わぁい♪ お風っ呂〜」
「うふふ、おじゃましまぁ〜す」
 …ですよね〜。

 前も隠さず即乱入の妹's。
 待て、すぐ出るから、ちょっと待て。
 つーか妹朝倉! お前改竄されてないんだろ?! ちゃんと本家妹を止めろ!
「う〜ん。でも妹さん、あなたと久しぶりにお風呂に入れるって喜んでたし」
「シャンプーシャンプー♪」
 ああっコラそんなにいっぱい使っちゃ、すすぐの大変だぞ。
「あ、そうだね〜♪ てへ」
「…ね?」
 くう、ここで逃げ出したらイベント失敗でループするんだろうなあ…。
「わかってるじゃない。それと、私の事はちゃんと涼子って呼んで欲しいな〜」
 …正直判りたくもないし、ナチュラルにこなせるようにもなりたくないんだが。
704名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 01:14:07 ID:RmgNy56+
>>701
憂鬱の時点で谷口から聞いたことを知ってると解釈した
705涼宮ハルヒの○天国10.txt:2006/07/28(金) 01:14:31 ID:ree3mZLT

 浴室に妹朝倉もとい妹涼子の鼻歌と、本家妹の髪を洗う音が響く。
 なあ涼子よ。お前もしかして今日の為だけに長門に復活させられたのか?
「ううん、涼宮さんの力みたい。だから私自身の本当の力も抑えられてないし」

 な、なんだと!? まさかお前!俺の妹に…!

「ああ、安心していいわよ。以前みたいなやり方は得策じゃないって事、
 私も充分わかったしね。 ほらほら耳の後ろ、洗い残してるわよ〜?」
「んにゃぁ? どこ〜見えない〜」 
「あ、目を開けちゃダメよ。…ほら、ここのところ」
「きゃはは、なんかくすぐった〜い♪」
「は〜い、じっとしてて〜?」

 …お前結構この状況楽しんでないか?

「ええ、かなり楽しませてもらってるわよ? あなたが横目でちらちら私の身体を
 見てたりするのもなんだか新鮮だしね」
 ぐ…。いや、これはそういう邪な背徳的意味では無くだな。
 なんかお前の身体と本家妹の身体が、ほぼ同じに見えるんだが…気のせいか?
「私自身長門さんとほぼ同期に作られた存在で、それ以前の身体的データが
 存在しないから、妹さんのデータをコピーしていじらせてもらっちゃった」
 なるほどな。
「私には『創造者』と『同系列の個体』は存在しても、本当の意味での家族は存在
 しなかったから、こんな賑やかで穏やかな日常は凄く新鮮♪」
 長門がいるじゃないか。アイツはお前にとって…。
「そうね、長門さんは私にとって特別な存在…。でも彼女と私の関係は、家族とは
 ちょっと違うのよ。これはたぶん人間であるあなたには言葉で理解できないと思う
 けどね」
 そんなもんか…。

「キョンくんと涼子ちゃん、難しい話してる〜?」
「うふふ、ちょっと難しいかもね〜。はい、目を閉じて〜」
「ぅぷー」
 肩に届くくらいまでの髪の上を、シャワーによって泡が滑り落ちてゆく。

 しかしこの2人、どっちが年上の設定なんだかわからないな。
 …ああ『そういう設定』なのか。
706涼宮ハルヒの○天国11.txt:2006/07/28(金) 01:15:28 ID:ree3mZLT

「さて、頭の後は身体を洗いましょうか」
「はーい」
 じゃあ俺はのぼせないうちに出るとするひゃ にゃ、にゃんら…!?
 からだにちからがはいらにゃぃろ…! りょうひょにゃにをひた!?
「じゃあ今日は、特別に皆でいっぺんに身体を洗う方法をおしえちゃおうかな〜?」
「わー♪」

 それベタすぎりゅろ!

「まずキョン兄さんには横になってもらいま〜す」
「はい、ごろ〜ん♪」
 狭っ! 床冷っ! あと意外に腕力あるな本家!
「あ〜、ちょっと狭いわね。じゃあキョン兄さんの上に乗っちゃいましょう〜」
「わ〜い♪」
 ぎゃわー! 今までのしっとり会話をブチ壊すはだかんぼイベント!
 朝倉! お前本当にこんなんでいいのか!?
「安心して、この筋弛緩状態は陰茎にも適応されてるから」
 なんだ? どういうことだ!?
「勃起も射精もしないって事♪」
 ちょ、それ凄い地獄じゃないか! くそ!最初に気付くべきだった!
 お前『妖艶妹』キャラか!

 ぷにゅむ

 ぉふぅ、なにか柔らかい感触が胸の上に…。
 ああなるほど、本家妹の尻の感触か… て本家! 正面に向きなおるな!
 見えてる! まるみえ! sujiが! 甘栗が! 超至近距離で!
「では次にボディソープを身体にいっぱいつけましょうね〜」
「ん−と、…こう?」
「そうそう、でキョン兄さんの身体に自分の体をくっつけて擦っちゃいましょう♪
 これで2人いっぺんに身体を洗えるでしょう?」
「ほんとだ〜!」
 俺の身体の上をぬるんぬるんと縦横無尽にぺたんこな胸、恥丘、尻肉が行き来…。
 やべ、気持ちいい! なのに沸騰血液吸収帯に血液が回らない! 頭がクラクラする!
 まて! これは朝倉の罠だ! まちなさい本家妹! ち、乳首がくすぐったい!

 ぷにょむ

 ほふぅ、こんどは左手に直接何かやーらかいくて、ひだひだのついたものが…
 って、朝倉!?
「 涼 子 。私だけのけ者っていうのは酷いんじゃないかな? 兄 さ ん ♪」
 微妙にねばっこい卑猥な音を立てて、恥肉を俺の手のひらに擦りつけつつ、
 耳もとでささやきかける朝倉。 耳、耳はほんと弱いから!
「はぁ…はぁ…キョンく…ん、涼子ちゃん… なんかコレ…気持ちいいね…」
 うわ、息が荒いですよ本家妹さん!?
 そんなトロンとした目で見上げられても困る! 凄く!
「これは…ね? 大好きな男の人…だけにして良い洗い方なの…。 んっ…
 日々の感謝の…気持ちが、ハァ…ハァ…相手に一番伝わるのよ…?」
 嘘教えるな涼子! 俺おいてけぼりでヒートアップかよ!
「…感謝…の…?」
 いや、ものごっつい嘘だぞ本家!? 信じちゃ…


「…キョン…くん… いつもわ…がまま聞いてくれて…  …ありがと… 」

707涼宮ハルヒの○天国12.txt:2006/07/28(金) 01:16:18 ID:ree3mZLT

 油断した。
 超油断した。
 頬擦りしながらしおらしい事を言う妹に。
 いやいや、頭が朦朧としてたんだ。仕方ないさ。
 幼い身体をわななかせ、生まれて初めての絶頂に達した妹の顔先に、
 俺の唇が『たまたま』あっただけで。

 そうさ! 俺は妖艶妹、涼子の魔術によって体の自由を奪われてたんだ!
 これは事故だ!

「最後のほうは私もえっちに集中しちゃってて、身体の自由は戻ってたんだけどね」 






 また俺は…  妹の唇を…  しかも今度は本当にマジものの妹の唇を…






            舌まで入れて…



708涼宮ハルヒの○天国13.txt:2006/07/28(金) 01:17:10 ID:ree3mZLT

 マスターアップ直前のプログラマーのような足取りで
 ズリズリと階段をはい上がる。
 呼吸するたびに罪悪感が肺に溜まっていく。
 そして吐き出されるのはドス黒い後悔の念。



 失神した妹の顔を直視できなかった俺は、後始末を朝倉にまかせた。



 …すまん、本家妹よ…。
 元の世界に戻ったら、何でも言うこと聞いてやるからな…。
 今は、ダメな兄貴を許してくれ…。
 後生だ…。








「…ずいぶん長風呂だったじゃない、バカキョン」








 …すまん、本家妹よ…。

 俺はもう、生きて帰れないかもしれない…。

709名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 01:18:29 ID:ree3mZLT
コピペ失敗して1レス増えたが
気にしないで何事も無かったように進行
710名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 01:20:30 ID:lKE6WraX
ニヤニヤというかムクムクしました。
711名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 01:22:52 ID:veBffflu
だめよ、ムク。
712名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 01:23:18 ID:z6+8jqZe
俺の股のギアがローからオーバー・ザ・トップに入りますた
713名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 01:23:51 ID:gUGkDnC4
待ってました!
完全にエロゲ主人公w
正直、キョンは死んだ方がいいと思った。
714名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 01:25:24 ID:RmgNy56+
この持ち上がった息子をどうしてくれる
とにかくナイス
715名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 01:32:39 ID:vJUwnvJf
(・∀・) ニヤニヤ
716名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 01:39:45 ID:P/bgOozT
(`・∀・´)ムクムク
717名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 01:49:36 ID:wLHN7DOA
朝倉かわいいよ朝倉
718名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 01:58:28 ID:GoeqmvfX
あらゆるものが、やっぱりダメ(誉め言葉)だw
719名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 02:12:16 ID:KGSYfRwO
>>711
コナン?
720名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 02:12:24 ID:G6QbuV/P
むくむく
721名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 02:17:23 ID:fxlEC6u8
投下するときは誰メインの話かを最初に書いてくれ
722名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 02:17:58 ID:pwmaDE9x
それも楽しみの内と横槍
723名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 02:19:49 ID:vJUwnvJf
そうそう、嫌ならオチ読んでから読めばいいんだし。
ハルキョンしか興味がない俺はそうしてる。
724名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 02:31:41 ID:ksxnJxFv
女キョンみてみたい。
VIPにそんな感じのあったような気がするけど
725いくさがたな:2006/07/28(金) 02:36:29 ID:vVk1QVg9
「いくさがたな」
「………」

 それがある日の部室での俺と長門との会話だった。
 紛らわしいので一応言っておくと、謎の言葉を言ったのが長門で三点リーダで答えたのが俺だ。

 あー、もしもし長門さん。
 俺の記憶違いでなければ『長門にとって俺はどんな存在か』と尋ねたつもりだったんだが。
 長門は頷き、そしてもう一度告げてくる。

「いくさがたな」

 どうやら聞き間違いではないようだ。
 いくさ……がたな。俺の知る漢字を当てはめるなら『戦刀』ってあたりか?
 それにしても……戦刀とはまた大層な例えだ。
 俺からみれば長門の方こそ戦刀って感じなのだが。

「あなたがいるといないとでは、わたしのポテンシャルが変化する」
 どういうことだ。
「あなたはわたしにとって、魂のような存在」
 あぁ、なるほど。それで戦刀ね。
 日本刀は武士の魂と昔の人は言ったものだ。

「戦刀……か。聞いたこと無いが、良い言葉だな」
「当然。従来の日本語ではなく、わたしの言葉」
 長門の造語なのか。それはますます貴重な事だ。
 もう一度だけ言ってくれるか。折角だからお前の言葉で記憶できるようにさ。
 長門は二度ほど瞬きをすると小さく頷き、言葉を紡いだ。

「いくさがたな」
726いくさがたな:2006/07/28(金) 02:37:31 ID:vVk1QVg9
「へぇ、面白いね。『いくさがたな』って表現するなんて」
 あけて次の日の昼休み。
 相変わらず国木田と谷口と三人で昼を食べながら、俺は例の言葉について話題にしてみた。
 長門が俺に告げたという事実は伏せ、何かの本で読んだ事にしている。
「面白いか? 俺にはさっぱり意味がわからん。一歩違えば電波っぽいしな」
 谷口は相変わらずアホな受け答えしかしてこない。
 まぁ、確かに言葉だけじゃその真意まではわからないよな。

「ははっ、電波じゃないよ。この言葉は、とっても意味が深いんだ」
 何だか妙にベタホメだな、国木田。一体お前の何処にヒットしたんだ?
 背景を全く知らないはずなのに、何で意味が深いとかまでわかる?
「アレ? 良い言葉とかいってたくせに、キョンも気づいてなかった訳? 僕はてっきりキョンからのクイズだと思ってたのに」
 クイズだと? 一体どういうことだ。
「んーとね、自分で気づいた方が面白いと思うよ。確かアハ効果だっけ?」

 何だ何だ何だ? 国木田曰く「戦刀」には何か隠された意味があるって言うのか。
 俺と谷口は顔を見合わせ考える。
「全然わかんねぇ。飯の時間ぐらい頭休ませろ」
 しかし谷口がすぐに手を上げ降参すると、国木田はヒントだけといって教えてくれた。



「ヒントはね、逆再生だよ」


 そのヒントを聞いたとき、俺はなぜか朝倉の事を思い出していた。
 宇宙語なのか知らんが、長門も良く唱える謎の呪文を、朝倉が長門に対して唱えてきた姿を。

727名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 02:39:09 ID:XRrsXCrm
(・∀・)エロイナ
728名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 02:45:01 ID:SRRBPOr0
あーなるほど、ローマ字ね
729名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 02:45:14 ID:vVk1QVg9
思い切って初投稿、と思い短編を。
アニメでの朝倉の「好きなんでしょ」が宇宙語フォーマットなら?
のネタでした。
730名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 02:47:35 ID:vJUwnvJf
乙。いいねぇ、こういうの。
731名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 02:49:33 ID:zaw+GFuT
>>726
上手いなあ
732名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 02:49:50 ID:8UXicKnx
なるほど、正に小ネタって感じだ。いいね。
733名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 02:50:51 ID:L0Eckk7X
あなたがすき(/ω\)キャー
734名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 02:56:45 ID:tspSS+c4
「ANATAGASUKI」を逆から読めば「IKUSAGATANA」になることと長門はなんの関係もない
長門がそう言う必然性をもうちょっと考えてネタ作れ。
735名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 03:00:09 ID:CboofIgn
これは上手い!
かな入力派の俺には絶対思いつかないオチだ。
736名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 03:10:57 ID:Ry+/eboD
あなたがすきが全然わからんかった俺はアホ
737名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 03:13:35 ID:Uj4jsWYo
いくさがたな
なたがさくい
あなたがさくい
貴方が作為
738名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 03:17:50 ID:3vLFT9wz
ナタが裂く衣
739名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 03:19:01 ID:Uj4jsWYo
鉈が臭い
740名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 03:21:52 ID:YxIK88Pd
>>734
幼馴染が照れ隠しで怒るように頼む。


批評に見せかけた荒らしたがりが何人が紛れ込んでるなこのスレ。夏って事か
741名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 03:27:23 ID:tspSS+c4
自分が冷たい意見言ってることは自覚してるけどちゃんと真面目な感想言ったつもり。
安易に「荒らし」だの「夏厨」だのいう単語使う奴こそ火種撒いてるんじゃないの。
賛美以外は全部荒らし扱いか
742名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 03:36:03 ID:vVk1QVg9
>>741
んー、わかったっさね!
確かにコレだけじゃちょっと味気ない水煮だよねっ!
次はもうちょっとタネをネタぐらいにして書いてみるよっ!
743名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 03:41:50 ID:eCWHCwdm
>>742
まあ、小ネタだからね
これくらいアッサリでも別にいいんじゃない?
って思ったよ。俺はね。
744名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 03:50:53 ID:eFjWCLun
俺も同意。小ネタは小ネタ、気楽にやらんとね
745名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 05:07:33 ID:TgjUhEB1
長門とハレのちグゥのグゥが結構似てるってことに気がついた
746名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 05:23:47 ID:EVO2MCo+
DVD1巻発売記念・・・というわけでもないですが、拙作を投下します。8レス。
747ワン・センテニアル・ユキ1/8:2006/07/28(金) 05:24:22 ID:EVO2MCo+
そこは古い神話で、名誉ある死の後、その者たちがたどり着く場所として付けられた名前から、
『ヴァルハラ』と呼ばれていた。

ギリシャ神話のアスクレピオス以来、人間はさまざま医療を考え、それを実行した。
新たな薬が開発されるごとに難病は解決され、結核を始め、ありとあらゆる病気が治せるようになっていった。
また、手術技術の進歩により、本来なら致死とされるような外傷や腫瘍も、治すことが出来る様になっていった。

その人類が獲得していった医療技術、その終末点、それがナノマシンだった。
薬のように簡単に服用が可能で、かつ薬より的確に治療を行い、かつ継続的に働くことが出来る。
人類は、その到達点により、事実上、突然死以外の死因を喪失した。

急速な失血以外で、人類が外傷によって死ぬことはもはや無い。

あらゆる細胞より増殖速度が速い、ナノマシンがその機能を補填するから。

現存する、あるいは新たに誕生するありとあらゆる感染症にかかることも、もはや無い。

世界的な情報共有ネットワークを持つナノマシンは、史上生物が獲得できた中でも、
最高の学習能力を持つ免疫組織として機能したから。

だが、人間はいまだ不死には程遠い。
そう、たとえば万全の補修を施された、昔流のパーソナルコンピュータを考えて欲しい。
壊れた部品を即座に交換し、ウイルスを避け、OSを再インストールしていても…

いずれは「生理学的に」寿命を迎えることになる。
それは形を持つものの本質なのだ。

そんな世界。
「寿命を待つ人」のために、「ヴァルハラ」は作られた。
その性質を一言で言うと、「平穏」である。
近いうちにくる「寿命」をただ待つだけの、「病院」と呼ぶのも憚れるような施設…
そこに俺と、ハルヒは「住んで」いた。

「ねえ、あなた。今日が何の日か、わかる?」
外からは桜の花びらが舞い降りてくる。
俺は今朝もハルヒの部屋に向かう。
そこでハルヒはそう訊ねて来た。
「忘れるものか」
そう、忘れることは無い。
俺が、あいつのとんでもない発言を聞いた日。
冗談かと思ったが、あいつは完全に本気だった、その発言をした日。
「俺たちが、出会った日…だろ?」
「そう、正解」
もはやすっかり白くなってしまった…いや、常に黒くすることも出来るのだが、
ハルヒは「あえて」それをしようとはしない…ショートヘアを縦に揺らし、
そう答えた。
748ワン・センテニアル・ユキ2/8:2006/07/28(金) 05:24:57 ID:EVO2MCo+
「じゃあ、今日はSOS団創立一世紀の日、なんだな」
「あら」
すこし顔を傾けて、少し困った様な、怒った様な顔をしたハルヒは、俺のその意見に反対した。
「私たちがSOS団を立ち上げたのはもっと後よ。一世紀祝いも考えているのに。
あなた、ひょっとして、ボケたの?」
さあてね。俺としては、お前と出会ったその時に、既にSOS団は始まっていた。
そんな様な気がするだけだ。
「ふふ…そんな考え方も、アリかもね」
「ああ」
かぶりをふったハルヒは、そんな受け答えをした俺を、それでも強い意志を持った目で射竦める。
「でも、今日は、『出会った日記念日』よ。もう、やることも用意してあるんだから」

大体、こんな感じで日々は過ぎていく。
彼女は何かにつけ、記念日を定め、あるいは見つけ、俺は粛々と「団員その一」として、
その記念日のイベントをこなしていく。
これは、一世紀前からずっと変わらない事。

俺たちの寿命…というより、「生理学的耐久時間」はもはやそう長くは無いらしい。
医者の見立てでは、俺たちは二人そろって、今年中には決定的な「死」を迎えるそうだ。
せめてハルヒより、一日でも良いから長生きしてやりたい…まあそうは思うが、
こればっかりは世の中の決まりってやつだ。
その点については、ハルヒも、俺も、異論が無かった。

こうしている内に一月が過ぎ、ハルヒが言うところの、「本当の」SOS団の創立記念日が訪れた。
「ふふ、ねえ、あなた。今日が何の日か、わかる?」
いつものセリフ、だが何か今日はいつもより面白がっているような、
そんな雰囲気が感じられた。
「お前の言う、『SOS団立ち上げ記念日』だろ」
俺は、一月前に聞いたハルヒのセリフを思い出しながら、そう答えた。
「そう、正解。
…半分だけだけどね」
そういうと、ハルヒはドアのほうを指差した。
ドアの向こうから…こいつだけは忘れようとしても忘れられない「女性」が出てきた。

「…」

ああ、そうか。ハルヒの意図を、俺は一瞬で理解した。
そういえば、その「女性」…「長門有希」と出会ったのも、この日だったな。
「そう、今日は『私たちが初めて出会って一世紀記念日』」でもあるのよ」

もう一世紀が経つ。その間、長門は変わってきた。
いや、外見的意味だけでは無い。ああ、もちろん外見上も歳相応に変化している。
そこまで精密に長門を創造した情報統合思念体とやらの見事さに、正直感嘆するくらいだ。
が、俺が言うのは内面的なことだ。180度とまではいかなくとも、20度位は変わった気がする。
…まあ、無口なのは変わらないが。
749ワン・センテニアル・ユキ3/8:2006/07/28(金) 05:25:43 ID:EVO2MCo+
「それにしても、あなたは若くて良いわねえ。やっぱり、
子供を生まないと歳をとる速度が遅くなるってのは本当だったのね」
そうだろうか。お互い年相応だと思うのだが…まあ女の場合、幾つになっても、
僅かなシワの数の違いが気になるみたいだしな。
「…羨ましい?」
長門は少し首を傾げる。いつものやり取りが始まったようだ。
「まっさかあ!私は、あの子達、そして孫やひ孫達が生まれたこと、そのことを嬉しく思っているわ。
いいえ、誇りにしているといっても良いわね」
ハルヒは、胸を張って、そう答えた。
「そう」
そして長門の答えも決まっている。
「私は…子供を作らなかったけれど、世界中に私の『子供』達が居る。その孫たちも」

長門…いや、「長門博士」は、情報統合思念体による「ハルヒの観察」が終了、自立進化の方法を会得した後、
…まあハルヒのわがままやら俺の意思やらで、ごたごたした挙句、
「情報統合思念体の端末」としての立場から独立して、「一人の女性」になった。
その後は高校卒業した後アメリカの大学へ留学、さらに飛び級で一気に博士の学位を獲得した。

…まあ、あの長門を人間界に持ってくるのは、宇宙的な反則な気もするが、
あいつはコンピ研との一件からも分かるように、もともと単独でも相当出来るやつだったらしい。

あいつはその後、かつてあいつ自身が使いこなしていた、「ナノマシン」の開発に携わることになった。
それは…良いのか?とかつての俺が尋ねたところでは、
「これはこの惑星の正常な技術的進化内。私はその手助けをしているだけ」
と答えた。まあ…それならば、別に良いか、と俺も思った。
長門達のグループの研究者達が開発したナノマシンは、バージョンアップという世代交代を繰り返し、
冒頭に述べたように世界を一変させた。
いまも、現在進行中で、自己的に人類の福祉のために、自動的に情報をフィードバックし、
より高度なレベルへと最適化しつつある。
そういう意味では、「彼女の子供たち」という表現は非常に適切だ。

「ふふ」
「……」
そのやり取りの後、長門とハルヒは、ふたりで見つめあった。
長年連れ添った俺でも、時々何かわからないようなアイコンタクトをこの二人は取ることがある。
ただ分かるのは、二人が必ずその後に俺を見て、何か楽しそうな雰囲気をするって事ぐらいか。
やれやれ。

「さて、3人がそろったところで、一世紀記念イベントを行うわよ!
有希、キョン、こっちへきなさい」

と言うと、ベッドから立ち上がり、外の廊下に出た。
「昨日から少し、隣の部屋を借りておいたのよ…っとふふ、あとはお楽しみ」
そういうと、俺にこちらを見ないように言って、まず長門をその隣の部屋に入れた。
中を見た長門は、なんだか少し驚いていたような雰囲気が背後から伝わってくる。
750名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 05:26:06 ID:ACnC8+i9
>>741
批評家乙。
ただその冷たい意見とやらが、傍から見ててユカイなもんじゃないってのもわかっとけ。
まあ734だけなら分かるが、741で言ってることは大分厨臭いぞ、お前さん。
751ワン・センテニアル・ユキ4/8:2006/07/28(金) 05:26:35 ID:EVO2MCo+
そうしてドアを閉めると、ハルヒは、丁寧にもまだ後ろを見ていた俺の手をつかむと
すぐ横の階段を上っていって、俺のネクタイを…って今の俺の服装はローブだからその襟をだな。
まあ歳相応の力で掴んで、こういった。
『協力しなさい』

…なるほどな。本当は打ち合わせでもするべきなんだろうが、
何、さすがに一世紀も立てばあいつの考えることくらいは分かる。
つーか時々分かりすぎてイヤになるが、まあそれは置いておこう。
ここで俺が答えるセリフ、それは一世紀前から決まっている。

『何を協力するって?』
『私の新クラブ作りよ!』

…さて、もう分かっただろうか。ハルヒは、今日、この記念日に、あの日の再現をしたいらしい。
しっかし、よくもまあ一世紀も前のセリフを覚えているもんだ。
俺も覚えている所、相当なもんだろうが、あれほどインパクトがあれば正直忘れそうにない。
と、すると、次に行くところでは…

ハルヒは俺を引っ張って、さっきの隣の部屋のドアを、まあそれなりの力で開けた。
『これからこの部屋が、我々の部室よ!』
まあ、小道具までもがよくそろっている。ヴァルハラのスタッフの方々、すいません。
一応窓から見える景色だけは違うが、流石にそこまでは動かせないしな。
…本当に『あの時』のままだ。…懐かしい。

『で、この子が一年生の新入部員』
部屋の隅に読書少女が座って居るのまで同じだ。
いや、今は読書『老女』といったほうが良いんだろうな。
でも、まるで引退したご隠居が、縁側にでも座っているようで、無理なんてのは一つとしてないがな。
ご丁寧にメガネまで用意してある。
ま、その辺はハルヒの手配なんだろうな。

『変わっているといえば、変わっているわよねえ』
ご丁寧にもしっかりセリフは続く。
俺もきっちり突っ込みまで覚えているので、傍から見たら、俺たちのやっていることは相当自然な、
でも一方でそれを年寄りがやっている点だけは不自然な、よくわからんものに見えるんだろう。

そして、メガネをついと上げると、長門は…いや、このときは初対面なんだったな、
『文学少女』はこう言った。

『長門有希』
くくっ、こいつも分かってんだろうなあ。なんだか面白げだったのを俺は見逃さなかったぞ。
『長門さんとやら、コイツはこの部屋をなんだか…』
俺のセリフは続く。聞こえてるんだろうし、それは長門が本に目を戻しながらも、肩が少し上下してるので分かる。
『いい』
長門は楽だな、セリフ少ないし。
『いやあ、しかし、たぶんものすごく迷惑をかけるとおもうぞ』
考えてみれば、そのとき俺が考えていた以上に、その時から今に至るまで、長門には多大な迷惑をかけたな。
『別に』
『そのうち追い出されるかも知れんぞ』
まあそんなことは無かったんだが。むしろ離さなくて困ったことだろうな。
『どうぞ』
俺たちのセリフのやり取りを確認すると、満足げにハルヒは最後のセリフを言い放った。
『ま、そういうことだから!これから放課後、この部屋に集合ね!
絶対来なさいよ、こないと…死刑だから!』
ゼスチャーまであの日のままだ。こいつの記憶力には感心するね。
『分かったよ』
752ワン・センテニアル・ユキ5/8:2006/07/28(金) 05:27:22 ID:EVO2MCo+

「ふふっ、あーはっはっ」
また、懐かしい笑い声が出たなあ。
「だあーって、あんた達、打ち合わせもしてないのに、しっかり覚えているんですもの」
「まあな。っていうかそもそも打ち合わせなんて、俺たちには必要ないだろう。」
「そう」
俺の意見には長門も同意した。あ、もうメガネは取っても良いと思うぞ。

「ふふっ、そうね」
軽く頷いた。全員賛成により、満場一致の可決だな。
「さて、次は何をするんだ、『団長さん』」
「そうね…」

結局、ハルヒ的大イベントはこの一連のことだけだったみたいで、俺たちは久しぶりの再会を祝して、
簡単な、ヴァルハラで出来る範囲内で、賑々しくパーティを行った。

「明日は『SOS団命名一世紀記念日』をやるわよ!
本当は『朝比奈みくる入団一世紀記念』もやりたかったけど…
まあ、ね。」
少し残念そうな顔で、彼女は窓から外を見上げた。
彼女はもう、未来へと帰ってしまった。
ハルヒには…死んだ、ということにされている。

いまだTPDDなるものは発明されていない。
時間平面理論はあのハカセ君が主となったグループによって、最近学会発表されたらしいが、
それが実用面に応用されるのは、当分先のことで、いまだ理論的な仮説上のことらしい。
つまり、本来の時間でも、まだ朝比奈さんは生まれてすらいないんだろうな。
…俺もそれを思い、ハルヒの隣に立って、空を見上げた。
空は夕焼けからダークブルーへと変化していく。

長門は、椅子からゆっくりと腰を上げた。
「私は、そろそろ帰らないと」
ハルヒは実に残念そうな顔をした。
テーブルの上のパーティの後も、今はなにやら寂寞とした感じを出すオブジェとなっている。
「そう…」
ハルヒに続いて俺も、長門に向けて言葉を繋げた。
「…今日は、わざわざ来てくれてありがとうな」

多分、来年は無いだろうからな…

ハルヒは、長門の背中に、声をかけた。
「有希」
「なに」
長門は振り向きながら、聞き返す。
「…また、来てね」
「必ず」
少しの間もなく、長門はそう答えた。
753ワン・センテニアル・ユキ6/8:2006/07/28(金) 05:27:57 ID:EVO2MCo+

その日の夜。
俺は、自分の部屋に帰り、ゆっくりと寝ようとした。
いや、本当に寝ていたのかもしれない。


そこに、長門が現れた。

…なぜか、昔の姿で、北高の制服で。
いや、俺も時を巻き戻したかのように昔の姿をして、制服を着ていた。

「…来て」
まるで夢の中のような気分のまま、長門につれられて来た場所は、さっきまでセッティングしていた隣の部屋。
小道具もまだ片付けられていなく、昔のままのSOS団の部屋だった。
いや、さっきは窓から違いが分かったが、今は真っ暗だからうっかりするとその頃との違いが感じられない。

「あなたは」
長門はあのころの「いつもの場所」へ座ると、あのころの「いつもの場所」に座った俺に切り出した。
「明日の朝には生物学的な『死』を迎える」
…若い頃の俺ならその言葉に相当に取り乱すんだろうが、もう110も超えていると、そんな感慨も沸かないもんだ。
むしろ、俺は別の事が気になった。
「ハルヒは?」
「彼女も同様」
「そうか」
アイツなら俺よりもっと長生きするだろう、とかとも思っていたんだがな。
「ま、いいさ。俺たちは、もう十分生きた」
「彼女と同じことを言う」
少し可笑しそうに長門は言った。
「ハルヒにも会ったのか?」
「…」
後になったのを、光栄と思うべきか、残念と思うべきか、どっちなんだろうね。俺は言葉を続けた。
「ま、そういうわけだ。それに、データを残す気も無い。これはハルヒも同様だ」
「…そう」

冒頭では言い抜かしていたが、同様の技術的進歩により、人類は自分の人格やら記憶やらを、
外部記憶装置にアップロードすることで、「自分」を事実上の不可死の状況に置くこともできる様にも成った。
「生理学的には」寿命があると言ったのも、その為だ。
だが、その選択肢は、医者として、既にそれを実験していた「古泉」に会ったときに俺たちの間で否決された。

前にそいつとアクセスしたとき、そいつは相変わらずのややこしい言い回しでこう言った。
「僕は時々思うのです。『僕』の本質は、『僕』が肉体的に消滅した時点で消滅したのでは…と。」
デジタルでも肩をすくめる仕草、あいつらしいって言えばそうなんだがな。
「と、すると『今の僕』は正に『生ける屍』といったところですね。
いえ、『今の僕』も、存在しているだけで楽しいといえば楽しいです。ちょっとした、そう、情報統合思念体気分です。」
遂に俺たちも長門級に到達か。人類も中々やるもんだな。
「ですが、もし、『あの世』や『生まれ変わり』と言うものがあるとするのならば…
『僕』が行くのでしょうね。その時はよろしくお願いします。多分、そちらでもご縁があるでしょうから。」

…俺は、いやハルヒと俺はそのときに決めた。ヴァルハラへ向かうことを。
754ワン・センテニアル・ユキ7/8:2006/07/28(金) 05:28:45 ID:EVO2MCo+
「私の生理学的寿命は、予想によればこれからも10年以上続く。
…私だけ、取り残される」
…大丈夫さ。あの世で待ってる。何、10年位ならすぐさ。

「『あの世』は」
「うん?」
「私にもあるの?」
俺は驚いた。
確かに、昔にも「死んでから どうなることも分からずに 無用心にも 皆死んでく」と言う狂歌があったくらいだからな。
その上、死んだあとどうなるのか、こればっかりは現在の科学理論でも解明不可能だ。
その先を不安に思うのも無理は無い。
しかし、そんなに不安がるなら、幽霊騒ぎのときの情報統合思念体付きの頃の長門に、
きちんと聞いておけば良かったのかもな。

「大丈夫、俺たちは皆同じところに行くさ。まあ、朝比奈さんはもう少し遅れそうだけどな」
朝比奈さんはまだ生まれてすらいないだろうし、そうなると『あちら』へ行くのは相当先のことになるんだろう。
遅刻の罰金は朝比奈さんか。まあ、理由もあるし、俺が肩代わりしても良いかもな。

「違う」
「?何がだ」
「私だけは情報統合思念体によって作られた存在。生理学的寿命が尽きれば、
情報統合思念体に回収されない限り、私だけは消失する可能性がある。私はそれが怖い」
…そうか。コイツが、こんな表情をする理由は。

俺は、その言葉を聞くと、あの頃の姿をした長門…震えている…を椅子の上から抱きすくめていた。
ハルヒ、すまんな。ちょっとだけだ。だからドロップキックはしばらくの間勘弁して欲しい。
「大丈夫だ」
「でも」
「お前は人間だ。誰がなんと言おうと人間だ。お前以上に人間らしい人間がいるか?
かけがえの無い友達を作り、限りある大事な時間を友達と過ごし、そして死ぬ。
それを『人間らしい』と言わないなら何だ?」
「…」

「SOS団は皆、お前を待っている。だから、お前も、必ず」

長門の震えは止まり、彼女は俺の両腕から体を離した。
「…」
そうすると、高校時代の姿の俺に向かって、外見は高校時代のまま、でも表情だけは、
歳を経た長門の笑い方を返してきた。
俺は何かおかしなことを言ったか?至極真面目なことを言ったつもりなんだがな。
長門は首をほんの少しだけ振る素振りをした。
「あなたは」
手元の本で顔を隠すと、こう続けた。
「また彼女と同じことを言った」
そうか。…やっぱり夫婦になると、考え方まで似ちまうのか。
「最後だけ正直に言えば、彼女が、羨ましい」


「ありがとう」
どういたしまして。ああ、そうだ。まだしばらく『こっち』にいるなら、俺たちの子供たちのこと、頼むな。
「分かった」
「じゃあ」
「「また『次の場所』に」」

その言葉を、聞くと同時に紡いだ俺の意識は…急速に遠のいていった。
755ワン・センテニアル・ユキ8/8:2006/07/28(金) 05:29:21 ID:EVO2MCo+

* * *
「ご臨終です…二人とも」
「…そう」
「二人とも、おそらくあなたを待っていたのかもしれませんね。
あなたが来られた次の日にお亡くなりになられるなんて」
「…そう」

…私も。時が来たら、『必ず』行くから…心配しないで。待ってて。
* * *
756名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 06:41:36 ID:iGdksZeb
>>755
朝からしんみりしちまったよ…  読ませるね〜 乙
757名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 06:46:04 ID:CxU/NILF
久し振りにドッシリしたものを読みました。GJ
758名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 07:43:03 ID:ree3mZLT
みくるは死んだ事になってるから仕方ないとしても
ハルヒの中で古泉が重要視されてないところにも泣いた
759名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 07:44:03 ID:lAHCeVsK
起き抜けにはかなりへヴィな内容だった。
映像が脳内再生された。
GJ
760名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 08:07:00 ID:gUGkDnC4
アンドリューか……
映画のシーンと重なってセンチメンタルになった。GJ
761名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 08:15:19 ID:nIHd1L5P
>>708
勃起自体は血液によるもんだから弛緩したほうがよく起つらしいぜ
射精は知らんが。

>>758
古泉は既に電脳存在になっちゃってるからじゃないの?
扱いの軽さに切なくなったのには同意。
762名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 09:20:41 ID:S/jYBc0e
>>761
電脳存在と聞いたときにアビサル=ディジョンを思い浮かべた俺
763名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 09:44:51 ID:rf1SSzPh
>>762
何その長門がナイトレーベンに乗ってそうな世界
764名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 09:53:16 ID:aLuntdDf
>>762
俺は、電脳=少佐 しか思い浮かばん……
765名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 09:59:19 ID:aNBeI5L5
ハルヒの観察任務を終えた長門が、
「ネットは広大…」
と呟くとか。
766名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 10:03:08 ID:CsQCNzPi
>>763
長門はヅラなんかじゃないやいw
なにはともあれ乙
767名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 11:32:03 ID:htPL1XB8
>>747
GJ。しみじみやなぁ、、、

批評も、それについての批評も、幼馴染が照れ隠しで怒るように頼む。
768名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 11:42:46 ID:G6QbuV/P
>>734
長門vs朝倉戦で、朝倉の呪文を逆再生すると「キョン君の事好きなんでしょ?わかってるよ」
と言っている。


…必然性がなんとかって何が言いたいかよくわかんないのよっ!
もっと私がわかりやすいようにしなさいよね!ばかぁ!
769名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 11:54:59 ID:xTy/AP9z
その調子で呪文の解明を進めてくれ。
それはそれとして昔早送りチックな早口でおべんちゃら言って
精霊魔法使うって話があったのを思い出した。
770名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 12:08:03 ID:ACnC8+i9
ああ、アレか。精霊魔法ってのは精霊をおだてて使う魔法のことで、
他人に呪文を聞かれるのが恥ずかしいから超早口で喋ってるって奴だろう。

「キュルキュリキュララ
(ちょいとそこ行く風の精霊さん、立ち止まって美しい御姿をよく見せて頂けませんか、
 うーんそのラインがたまらない)」
↑空気の振動を止めて音を消す呪文

 ……しかしアニメ板の呪文、そーだったんだ。知らなかった。
771名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 12:18:14 ID:+MAc5LR0
>>755
凄いわ…ただただGJとしか言いようがない。
772名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 12:41:17 ID:ghLgr97M
>>769-770
コクーンワールドか、懐かしいな。

ちなみに長門の高速詠唱の部分は原作でもあったようにSQL命令文を逆再生しただけらしい。
カマドウマの時も同様とのこと。
773名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 13:16:35 ID:YxIK88Pd
>>741
いや、別にお前さんを指して言ってるわけじゃないんだがな。
そう見えたなら謝る
774名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 15:20:51 ID:6Q/XrgPD
みくるはもう、生まれる前から
あの世で待ってる人たちがいるのか…怖いな
いやGJ
775名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 16:25:38 ID:BlXf7vGI
北高の生徒会長が受けた『機関』からの見返りって、進学が有利になるの他に
どんなのがあるんだろうな?
北高の女子でハーレム作れるとかもアリかな。大番長みたいに。
776名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 16:32:01 ID:8yJgimpq
>>775
あっいたたたたたたーーー
777名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 16:45:28 ID:BlXf7vGI
>>776
何? もしかしてそういう題材のSSキシュツだったり?
778名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 16:49:05 ID:33RsFixi
>>777
痛さMAXなお前に嫉妬。
779名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 17:02:05 ID:BlXf7vGI
キョンと会長が手を組んで『機関』の権力を使い
1年5組の女子を次々と毒牙にかけていく話とか面白そうじゃないか?

ハルヒは『機関』の力ではどうにもならんから手は出せないが
阪中さんとか鈴木さん(キョンの前の席の女子)なら簡単に手込めにできそうだ。
780名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 17:02:44 ID:7rN/C32A
>>755
ただお見事としか言いようが無い。GJ。読んでてこんなセリフを思い出した。
「肉体は・・・もろくて弱い物だからな。だが、精神(こころ)は・・・永遠不滅だ!―科学はきさまらのように悪用するためだけのものじゃない!」
781名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 17:10:21 ID:L0Eckk7X
>>779

  (  ゚д゚) ( ゚д゚)
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/
  \/     /



  (  ゚д) (д゚ )
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/
  \/     /



  ( ゚д゚ ) ( ゚д゚ )
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/
  \/     /
782名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 17:21:52 ID:BlXf7vGI
>>755
遅くなったがGJ!!

>>781
こっち見(ry
何なんだよさっきから。俺は真面目に妄想してるのに
なんでそんな冷ややかな反応しか返ってこないんだよ!?
783名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 17:24:11 ID:f+0M9x3K
>>755
GJだ
ディクシー・フラットライン思い出したぜ
784名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 17:36:51 ID:4hkx0N7o
キョンが他の女の子に手を出した瞬間、世界崩壊だろ
785名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 17:49:57 ID:RUenKCYt
崩壊endでもいいさ。どーせ二次。
786名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 18:11:20 ID:exYY7dY1
>>782
ハッキリ言っていい?
きんもーっ☆
787:2006/07/28(金) 18:13:22 ID:aNBeI5L5


『200X年12月』


「キョン!ビッグ・ニュースよ。」
ハルヒが叫ぶ。またか、今度はなんだ?
「朝倉涼子よ!今朝、朝倉を見たのよっ!」
俺は凍りつく。なにを隠そう、俺が世界で一番恐れている名前だ。これは学校中を家捜しよっ!と意気込むハルヒの言葉も頭に入らない。
朝倉?どうなってる?
俺のするべき行動は一つだ。俺が世界で一番信頼しているやつのところに行かなくては。
俺は部室棟に向かった。昼休みなんで朝比奈さんはいないだろう。ドアを開ける。長門がいてくれますように。

俺は硬直した。
そこにいる長門は、いつもの長門ではなかった。
眼鏡をかけている。
しかも、俺の顔を見て、ほっとした様な表情を浮かべると同時に、少し顔が赤くなった。そして、おずおずと口を開いた。
「助けてほしい。捕まえられてしまう……。」
長門の改変した世界。
そこにいた内気な文芸部員が、何故ここにいる?

「どうしておまえが…この世界にいるんだ?」
そう質問しながらも、ただの文芸部員である長門ならば、こんなことを訊いてもわからないだろうな、と思った。案の定、長門は首を振る。
「分からない…でも、あなたのそばなら安心出来る…。」
「捕えられるってどういうことだ。朝倉にか?」
長門は、息を飲み込んだ。
「違う…。わたしが…わたしでなくなる。ほどけて、安定していられなくなる。」
そこで俺の方をじっと見つめる。
「あなたと二人きりでいたい。ずっと…」

急にしがみつかれて、俺は慌てた。一体どうなってるんだ。長門は俺の腕を掴んで震えている。
「……怖い。そばにいてほしい。」
うるんだ瞳で俺を見つめる。

と、ドアが開いた。入って来たのは朝比奈さんだ。長門がビクッと身を震わせる。
「キョンくん、大変です!涼宮さんが、朝倉涼子を見たって……ええっ、なんでキョンくんが二人いるの!?」
朝比奈さん、何を言っているんです?
古泉も入ってきた。
「先程、涼宮さんが……おや、涼宮さん、こちらにいつ来たんですか?」
古泉もだ。おかしくなったか?

長門は苦しそうにあえいでいる。
788名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 18:14:19 ID:BlXf7vGI
会長ならシッポをつかまれるようなヘマはしないと思う。
『機関』の連中は雪山で着るスキーウェアのサイズを調べるため
エージェントが学校に忍び込んだとかいってたし、
クラスの女子を尾行して弱みを握ることぐらいやってのけそうだ。
で、そのネタで脅迫して色々とやってしまう鬼畜キョン。

でも1年5組にまともに出番のある女子は阪中さんしかいないな。
鶴屋さんは設定上無理があるし、ENOZのメンバーならなんとかなるか。

>>786
妄想だから仕方ない
789名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 18:18:19 ID:G6QbuV/P
そんな妄想はチラシの裏に書けばいいじゃないの!このばかぁ!
恥ずかしいんだからやめなさいよね!
790:2006/07/28(金) 18:22:10 ID:aNBeI5L5
大丈夫か、長門――と言いかけて、俺はギョッとした。
なんだかその輪郭が曖昧になったようで、それは長門に見えたり、ふとハルヒに見えたり、俺の様にも見えたりした。
そして――

無表情な宇宙人、長門有希が部室に入ってきた。

やって来た長門は、俺にしがみついて震える長門をみると、超高速の呪文を唱える。
その瞬間――
俺の側にいた長門有希は忽然と消えた。

後には呆然とする朝比奈さんと古泉、震える俺が残された。

「あれは…何だったんだ、長門?」
「原始的な情報生命体。情報操作能力は微少。他者の精神状態に感化されて形態を変えていた。いわば、他者願望の具現。…情報改変を行い、消去した。」
「そうか……。」
そう長門に言いながらも、まだ、俺の手の震えは止まらなかった。

終わり
791名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 18:25:41 ID:G6QbuV/P
割り込みスマソ。
792名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 18:36:57 ID:J9INHuME
展開が急すぎて正直わけわかめだけどまあ
793名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 18:37:00 ID:BlXf7vGI
割り込みスマン。
794名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 18:53:40 ID:uYnMRszY
谷川SSばかり書いていると、無関係なSS書くときでも
文体がうっかり谷川調になってたりしない?
795名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 18:54:35 ID:4hkx0N7o
そういえば400超えてるんだな。
でっかいの投下したら、すぐオーバー。
796名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 18:55:19 ID:RtErOv62
食欲そそる前菜だけは食べられたが、その後黒服にケツ蹴り出された気分。
797名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 18:57:20 ID:B7lRSfPq
>>782
真面目にワロタ
798名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 18:58:56 ID:RmgNy56+
今度は次スレ立てないといけないか…
また乱立しなきゃいいけど…
799名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 19:01:57 ID:cebV1jPD
次スレはもうある。↓↓
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1153666362/l50
今度こそ重複スレ立てないでくれよ。
800名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 19:38:45 ID:ksxnJxFv
いつの間にか400なんだね
乱立したスレも次で最後かな?
801名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 20:18:03 ID:fxlEC6u8
                                                                        
                                                                        
                                                                                    
                                                                        
                                                                        
                                                                        
                                                                        
                                                                        
                                                                        
                                                                        
                                                                        
                                                                        
                                                                        
                                                                        
                                                                        
                                                                        
                                                                        
                                                                        
802名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 20:30:24 ID:fxlEC6u8
                                                                                    
                                                                        
                                                                        
                                                                        
                                                                        
                                                                        
                                                                        
                                                                        
                                                                        
                                                                        
                                                                        
                                                                        
                                                                        
                                                                        
                                                                        
                                                                        
                                                                        
                                                                        
                                                                        
803名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 20:36:14 ID:fL8XjuDO
意味不明なことするな
804名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 20:41:28 ID:zfk9tjc0
荒らすな
805名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 20:51:47 ID:OpAPE5CA
反応するな馬鹿
806名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 20:53:49 ID:Zdfzs7iw
807名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 20:54:46 ID:RmgNy56+
「夏ね」
「夏ですねぇ」
「夏…」
808名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 21:07:50 ID:mGWBX9tc
暑いし厨が湧くし嫌な季節だ…
809名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 21:13:21 ID:05waxkXs
ちょっと関係ないけど、きのうの日経の朝刊の
経済教室に情報爆発について載っていたのは既出?
810名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 21:22:56 ID:IJt4S0Lc
kwsk
811名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 21:38:57 ID:VkNze7j7
夏だなぁ厨も消えてくださいね
812名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 21:55:55 ID:G/KboJPr
>>809
本当に関係ないな。「情報爆発」への対応急げだっけ
813名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 22:08:51 ID:cP91bB+Y

もう少しでやおいで終わるところだった・・・
814名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 22:20:56 ID:BuibuGey
>787 >790
もう少し引っぱって、たとえば「原始的な情報生命体」が自身の意志で
しゃべる場面とか出すと、「被造物の哀しさ」とか表せた気がするな。

そんな知能のない、ただの形態模写モンスターのような気もするけど、
それならそれでもっと大きな事件を起こさせれば話が膨らんで良いかも。
何か、ポッと出てポッと消えたキャラだと、とりつく島もないというか…。
815名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 22:40:56 ID:fxlEC6u8

                                                                        
                                                                                    
                                                                        
                                                                        
                                                                        
                                                                                                           
                                                                                   
                                                                       
                                                                                   
                                                                        
                                                                                    
                                                                                    
                                                                        
                                                                                    
                                                                        
                                                                        
                                                                        
816名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 23:12:00 ID:P34LmJSp
残り85KB、どれ程の大作がだろうが二本や三本で使い切れるような量ではない。

今から埋め立てなんて荒らし以外の何者でもないぞ。
817名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 23:24:49 ID:fxlEC6u8
まだそんなにあまってたのか?
ごめん
818名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 23:32:46 ID:dkAzQyef
容量もわからないのに埋めようとするなよw
正直削除依頼出そうかと迷ってたところだったんだがw
819名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 23:37:12 ID:RtErOv62
投稿の比率低下から、容量とともにレス番も気になるかも
820名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 23:51:35 ID:cdjNummT
次スレ行ったらdat落ちとか表示されたんだが。ひょっとして俺だけ?
821名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 23:54:52 ID:RtErOv62
次スレ(>799)は生きてる。安心して
822名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 23:59:07 ID:dkAzQyef
俺も生きてるな
>>820だけっぽい
823名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 00:04:41 ID:zf7D0j7y
>>819
過去に900番台から30レス以上、バイト数にして50k以上を投下した作者もいたからな。
心配には及ばんだろう。
824名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 00:05:08 ID:dH0tkgPL
なんか時間を置いて再度アクセスしたら復活した。なんだったんだ………
825無題:2006/07/29(土) 00:41:53 ID:iPsnqvJt
珍しく、俺は部室で一人きりだった。長門に貸してもらった小説を読みながら他の団員が来るのをのんびりと待つ。しかし、なぜ長門が貸してくれる小説は、最近は恋愛小説ばかりなんだろう?めっきりSFが減った気がするな。
俺がそんなことを考えていると、どこからか、聞きなれた歌が聞こえてきた。

『みっみっみらくる みっくるんるん……』

……なんだ?どこからだ?
どうもそれは、掃除用具入れから聞こえてくるようなのだ。
おれは、何の気なしに扉を開いてみた。
「ふぁ〜い。」
ってあれ!なんで掃除用具入れから出てくるんですか、朝比奈さん!
「私は、この時代の朝比奈みくるではありません。あなととの間に、既成事実が出来てから一日後の朝比奈みくるです。」
はぁ!?なんですか、それ。
また歌が聞こえてきた。
呆然とする俺の前に、掃除用具入れから、再び朝比奈さんが現れた。
「私は、この時代の朝比奈みくるではありません。あなととの間に、既成事実が出来てから二日後の朝比奈みくるです。」
そこで、また歌が……繰り返しになるからやめよう。
とにかく、そんなやり取りが続いた挙句、俺の前に5人の朝比奈さんが並んでいた。
「「「「「キョンくん、これは既定事項なんです。私とキョンくんが結ばれるのは。」」」」」
五人同時に言わないでください、怖いです。
朝比奈さんは、一様に傷ついたような表情をして、いっせいに歌いだした。

『『『『『みっみっみらくる みっくるんるん………』』』』』

「やめてください!誰か来たらどうすんですか!」
俺は絶望的な気持ちで言った。
「それは」
「大丈夫」
「この時間には」
「だれも来ません」
「これは」
朝比奈さんは、いっせいに唱和して、
「「「「「既定事項です」」」」」
いや、中学校の卒業式じゃないんですから、順番に言うのもやめてください。
「私たちは」
「キョンくんのことが」
「大好きです」
「「「「「大好きです」」」」」
と、全員の唱和。
「ね、アレしましょう」
「ね、セックスしましょう」
「ね、Hしましょう」
「ね、SEXしましょう」
「ね、や ら な い か」
朝比奈さんは、俺の周りをぐるぐると回りながら、服を脱いでいく。……歌いながら。
『『『『『みっみっみらくる みっくるんるん………』』』』』
俺の思考力はそこで停止した。頭が変にならないほうがどうかしている。
五人とかわるがわる行為をすると、朝比奈さんたちは帰っていった。

なんだったんだ……。
俺が精力を使い果たしてぐったりと座っていると、部室に長門が入ってきた。
よお、長門―――
うわっ!
長門のあとから長門が来てその後から長門が…………
まさか……おまえ……俺と……
「そう」「そう」「そう」「そう」「そう」「そう」


おしまい。
826名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 00:54:15 ID:CMBP0cFs
シュールだw
827名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 00:57:49 ID:+mcfCgE6
いいね
828名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 00:59:57 ID:KqtrpyjL
アレの輪唱は脳みそにダメージがきそうだな。
829名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 01:00:41 ID:Lme9iCBM
うお、しょこたんキタ
830名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 01:01:13 ID:Lme9iCBM
誤爆
831名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 01:08:41 ID:0uZLE6jE
これが幻想ホラーというものではないか?
832名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 01:09:37 ID:7PbAUckg
だれがうまいこ(ry
833名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 01:21:07 ID:dvhDIrzO
くだらん!
とか思いながらも笑ってしまった自分が悔しい……

その後にハルヒ、そして古泉も来るかと思うと
チョイ萎えだw
834名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 01:29:35 ID:41Aa6nbe
よせ!古泉五人衆は、やめろっ!wwwww
835名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 01:35:29 ID:PjJ9nTXS
よく見ろ!!長門は6人だ!!!
836名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 01:45:30 ID:kYqBU3B/
ということは一人ずつ増えるのか・・・
ハルヒ7人、古泉8人・・・ガクブルだな
837名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 01:50:31 ID:7PbAUckg
そのノリで増やしていくと16人の朝倉とか21人の鶴屋さんとかでそうだな。
アメフトでもするのか? この人数は。
838名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 01:59:19 ID:XYjvq7Y5
鶴屋さんにはネギを回させたい

これ何て洗脳?
839名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 02:45:03 ID:9/nCBxz9
>>825
恐面白っ!!
840名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 04:16:31 ID:TcHNR+sP
スレの終わり間際の小ネタに結構期待してる。スゲー面白い奴もたまにあるから
841名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 05:19:48 ID:nypL7Z/a
>787 >790
なあこれの「原始的な情報生命体」ってのは
その人の好きな人に見えるって事なのか?
それともキョンに対してそういう行動をしてほしい人に見えるのか?
842名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 05:41:54 ID:1OTtb+LO
長門はどうやってタイムトラベルしたんだろう?と考えるオレは空気読めてないのかw
「「「「「」」」」」と「」「」「」「」「」「」の使い分けが見事だ。
843名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 05:58:02 ID:x5sznIPr
では小ネタを一つ投下



俺はそわそわしていたらしい。
らしいというのは、俺は普段通りに振る舞っていたつもりだったからだ。
そう指摘したのは古泉だったが、奴以外は気づいてはいないはずだ。

俺が舞い上がっている理由は、これからある場所へ行って、ある女性
とデートすることになっているからだ。

その女性とは、文化祭当日、朝比奈さんクラスの喫茶室で、俺たちに
焼きそばを給仕してくれた、朝比奈さんに負けず劣らず容姿端麗で、
かつグラマラスな女子生徒だ。

俺は、彼女から3日前に告白を受けた。愛の告白というやつである。
だが、俺は彼女のことはほとんど知らなかった。それに俺の脳内に
SOS団3人娘の映像が再生されるに至ってしまい、俺はぬるくも友達
からでいいですかと答えてしまった。

彼女はそれを承諾してくれた。多少残念そうではあったけれど…。
だが、すぐに気持ちを切り替えたようで、俺をデートに誘ってくれた。
場所は、いつもSOS団が待ち合わせに使用している、北口駅前の公園だ。
時間は今日、土曜日の午前10時だ。ああ、心配しなくとも、SOS団の
市内探索は、明日日曜日だから大丈夫だ。

俺は約束の場所へ急行すべく、準備を整えていた。
と、その時突然電話がかかってきた。しばらくすると、電話を受けた妹が呼びに来た。
相手はハルヒだった。
俺は言いようのない不安感を感じていた。子機を受け取って耳に当てると、
「キョン、SOS団の市内探索は今日に変更になったから。でも絶対来なさい。
来なかったらゆるさないわよ」

予感的中。さらに待ち合わせの時間を聞いて、俺は卒倒しそうになった。
顔面蒼白になり、背筋を冷たいものが流れ落ちる。

俺は、断頭台に連れて行かれる、死刑囚のような面持ちで、ママチャリを
発進させた。


終わり
844名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 06:24:02 ID:M0lmdTVV
>>844
ちょwwwwあの清楚な感じの人だよな?www
845名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 06:27:17 ID:PpskW3zD
終わるの?終わるのーっ?
そこから、あれやこれが始まるのにーーっ。
846名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 06:42:58 ID:+yGmLiGC
続かない小ネタです。



宇宙人、未来人、超能力者。

異世界人。
ああ、確かにハルヒはそんなことを言っていたな。
で、だ。長門。もう一回聞くぞ。
この三つ目のくせに右目に眼帯をした凛々しいお姉様は一体何人だ?
「この世の歩いていけない隣からやって来た異世界人。
 人間の呼称に直すなら、紅世の王」

そうか、変人属性な上に王様か。
そりゃあ確かに新要素だ。
「人間の認識する王とは齟齬がある。
 この場合、他者と比べ圧倒的な力を持つ強者という意味」
そうか、強くて頼れるお姉さんというわけか。
確かにSOS団にはロリっぽくて守ってあげたくなるようなお姉さんしかいなかったもんな。

でもこの人、失礼だけど悪役っぽくないか?
ほら、あの不穏な微笑みとか、正直あのオーラは朝倉涼子を彷彿とさせるんですが。
「安心せい。今は諸事情によりお主を襲ったりはせんよ。”逆理の裁者”の真名に賭けて、のう」
いや、その「ふふふっ」が怖いんですって。諸事情ってなんでしょう?
「大丈夫。諸事情により私たち団員が食べられることはない。」
いや、だから諸事情ってなんだ長門。しかも食べるって何をだ。

隣で谷口が凄いはしゃいでいる。
あのお姉さんに褒めてもらったのだとか。
そうか、良かったな谷口。
でも首にかかってる金色の鍵は外した方が良い気がするぞ。何となくな。
おわっ。国木田いたのか。
まあいいや。

ところで長門、
お前なんで今日はメイド服なんだ?
朝比奈さんのとは別モノだし、ブーツ履いてるし。
「意味はない」
そうか。
「そうであります」
・・・?なんか言葉遣いが変わった気がするが。
「気のせい」
まあいいや。
ところで俺の肩にかかっている黒コートは何だ?
「夜笠」
じゃあ俺が右手に握ってるこの物騒な大太刀は?
「贄殿遮那」
首にかかってるこのペンダントは?
「コキュートス」
・・・そうか
「そうであります」
「ふむ」

・・・最後のひとことは誰だ?
847名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 06:46:08 ID:+yGmLiGC
ごめんなさい(^^;)
ぶっちゃけ給仕服の長門を妄想したかっただけw
他所ネタ混じりでスミマセン

でもキョンの黒衣姿を妄想してみて意外と格好良かったりそうでもなかったり
848名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 06:57:54 ID:nypL7Z/a
>>843
小ネタとはいえオチが無いというか、続きそうというか
849優曇華の花:2006/07/29(土) 07:11:58 ID:CMBP0cFs
流行にのって小ネタ投下。



「ねぇ有希、いるー?」
 1時間目が終わってすぐに教室に現れたハルヒの姿に、長門のクラスメイトはぎょっとして視線をハルヒに集中させた。
「あ、いたいたーっ」
 窓の外にいる太陽に似た笑顔で、ずかずかと長門の席の前へと移動する。
 長門は開いた本からわずかに視線をあげて、ハルヒを見上げた。

「今日の活動なんだけど、あたしちょっと遅れるかもしれないから。それと、キョンが最近あんたのこと狙ってるかもしれないから、気をつけなさいよ。あんた大人しいんだから、ほいほい言いなりになっちゃダメ。イザとなったら蹴っ飛ばしていいから」
 長門はハルヒが満面の笑みで話した内容を、無表情に聞き、そして少しだけ頷いた。

「んじゃ、あたし行くわね」
 一方的に用件を告げてハルヒが去っていく。



 2時間目の休み時間になると、男子の間から歓声じみた驚きの声があがった。
「あのぅ……長門さん。ちょっといいですかぁ?」
 長門の教室を訪れた朝比奈みくるが、上目に長門を見る。興味なさそうに、読んでいた本から顔をあげる長門。
「涼宮さんが、今日は来れないから戸締りをよろしく、って伝えといてって……。それと、あたしも今日の放課後は鶴屋さんとお買い物に行くから……。あ、それとあの、その、キョンくんには気をつけるようにって涼宮さんが……。
 あたしにも。涼宮さんって、キョンくんのことになると細かいから、あの……」
 無表情のまま長門はみくるの話を聞いていた。なんの返答もない長門に、次第にみくるの顔が曇っていく。
「あの、それじゃまた」
 長門は話が終わったと判断したらしく、ふっと視線を本に落とした。
850名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 07:13:53 ID:CMBP0cFs

 3時間目の休み時間になると、女子の間から黄色い声があがり、男子から怨嗟の声じみた唸り声が響いた。
 長門の教室を訪れた古泉一樹は、長門の姿を確認するとにこやかに手を振った。無関心に本だけを読む長門の傍に寄る古泉。
「ちょっといいですか長門さん。ここではしにくい話なんですが……」
 朗らかな笑顔を浮かべながら、古泉が長門に話しかける。なんの返事も寄越さない長門に、古泉は苦笑し、そして話を切り出した。

「実は今日の放課後、ええと、あなたのお友達にあたる方々と我々が接触することになっていまして」
 古泉は一度そこで言葉を切ると、長門はようやく顔をあげた。
「おそらく、あなたと同じ派閥のお友達だと思うのですが、どのような意図で我々に接触を試みるのか、検討がつきますか?」
「……」
 興味なさそうに話を聞いていた長門が、再び本へ視線を落とした。
 その様子に、古泉がにやけていた笑みに苦味を加えて、軽く溜め息を吐いた。
「僕としては、ここ最近の涼宮さんの動向があまりに落ち着いていることについて、主流派である方々が何かしらの懸念のようなものを示していて、我々上層部と結束して何かしらよからぬことを企むのではないかと思っているのですが……。
 あなたは何か聞かされていますか?」
「……」
 ページをめくる音で、古泉の言葉を何処か遠い場所へ放り出す。

「やれやれ、教えてはもらえませんか……。さすがに立場というものがありますからね。ええ、わかっています」

 お友達によろしく、という言葉だけを残して、古泉は教室を出て行った。
 わざとらしく手を振っていたが、長門はそれに一瞥もくれなかった。




 昼休みになると、キョンが長門の教室を訪れた。クラスメイトの誰も気づかなかった。
 人の出入りが激しくなろうという、休みに入って直後のこと。
「よう長門。元気か?」
 本に落としていた視線を不意にあげ、キョンの顔を見つめる。
「今日はハルヒも朝比奈さんも古泉も来られないんだとよ」
「聞いている」
 教室がかすかにざわめいた。

「そうか、なら俺が来た意味もなかったか。どうする? 俺たちだけじゃどうしようもないしな、休みにするか?」
「わたしはいつものように行動するだけ」

 ざわめきは教室一杯に広がり、キョンに視線の槍が突きつけられていたが、当人はまったく気づくことなく、長門に話しを続けた。
「おいおい、本読んでるだけじゃつまらんだろ。せっかくだから、放課後どっか行こうぜ。本屋でも図書館でも連れてってやるぞ」
「……図書館に」
「ああ、じゃあ放課後部室で待っててくれ。後で行くから」
「……」
 軽く頷いたのを見て、キョンが小さく溜め息をつく。
「まったく、もうちょっと喋ったらどうなんだ。本ばっか読んでないでさ」
「……」
「まぁ、でもそのほうがらしいと言えばらしいかもしれんけど。じゃあな、また後で」
「……わかった」
 
 片手をあげて、キョンが教室を出て行く。長門はその背中をしばらくの間見つめた後、立ち上がる。
 キョンが出て行った出口とは反対側から廊下に出て行った。

 休み時間とは思えないほどに、教室は静まり返っている。誰も微動だにせず、瞬きさえ忘れ、何が起こったのか理解しようと努めていた。
 ほぼ同時に、皆が理解した瞬間。




と、ベタに終わる。
851名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 07:28:52 ID:NxhC24X6
長門は古泉のことが嫌いなのかな?
852名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 07:31:35 ID:OT8+oFOC
>>850
長門……
ツンデレ具合がハルヒより上だw
853名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 07:49:45 ID:bIR2E4R6
谷川SSで三人称とは珍しいですな。
ベタじゃないよ、上手いって。
854名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 08:01:54 ID:WlsUKI/r
>>846
なるほど、だからキョンがSOS団に(ry
855名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 08:03:17 ID:M0lmdTVV
>>545
「あー、用事があってだな、すまん、無理だ」
「用事って何よ」
「あー、まあ、家の用事だ」
「ふーん」
ハルヒが簡単に引き下がってくれたのは実にラッキーである。

待ち合わせ場所に行くと、ハルヒたちと彼女がいた。
俺はこっそり彼女に近づき、ハルヒに気づかれることなく、とりあえず、
どっかに避難しようと―――「キョン、あんた何やってんの?」

こうですか?わかりません!><
856名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 08:14:57 ID:jPA7U3mS
上手いなぁ……こーゆーのが書けたらいいのに。

あと、長門はタイムトラベルではなく、
コピーで増えたということで。
857名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 08:37:03 ID:O3L0VP5k
小ネタも、これだけ投下されると読みでがあるな。それぞれの作風が出て面白い。
858名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 08:50:27 ID:kwsqzyDE
>>849
GJ! この日このクラスでは
とんでもない規模の良いこと(悪いこと?)が起きたんだろうなww
859名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 09:40:02 ID:PpskW3zD
長門が返事したっ!って、クラスじゃ大事件なんだなw
キョンは不満げだが、長門はあれで破格に喋ってる訳だ。
860名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 09:41:30 ID:uQbEZpUS
べつにキョンは不満げじゃなくね?
長門に対してのああいうセリフはコミュニケーションの一環かと。
861名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 09:42:14 ID:PpskW3zD
そうね、不満げってのはチト言葉が過ぎたか。
8622レス古ネタ:2006/07/29(土) 09:55:13 ID:eYDXVETv

「おや、珍しいですね。あなた一人ですか」
「ああ。そうらしいな」
「長門さんはどうしたんですか?」
「知らん。ホームルームが長引いてるんじゃないか」
「じゃあ、涼宮さんはどうなさったんです?」
「それも知らん。気付いたらいなくなってやがった」
「まあ、落ち着きの無い方ですからね。ということは、朝比奈さんもまだいらっしゃってない、と」
「この華の無い部屋を見ればわかるだろ」
「いやはや、おっしゃるとおりですね。我々二人だけでは、いつも煌びやかなSOS団の部室も、ただの埃っぽい部屋にしかすぎません」
「ああ、まったくだ」
「あなたでなくても、ため息の一つぐらいつきたくもなりますよ。……ところで、僕にもお茶をいただけませんかね」
「そのぐらい自分で淹れろ」
「おや、相変わらず手厳しいですね。折角二人っきりなんですから、お互いの友好を深める意味でも一杯ぐらい」
「断る」
「……にべもなし、ですね」


「……三人とも遅いな」
「そうですね。どうします? 電話でもしてみましょうか」
「止めとけ、年頃の娘を持った過保護な親父じゃあるまいし。あいつらだっていい大人
「でしたらどうでしょう。暇つぶしがてらに、一つ賭けでもしてみませんか」
「……何のだ」
「そうですね……、次にこの部室の扉を開けるのは誰か、何てどうでしょう」
「言っておくが、俺には未来なんてもんは見えんぞ」
「わかっていますよ。今更あなたが凡人であることを疑っているわけではありません。単純に確率の話でも、というところです」
「……何を賭けるんだ」
「ジュース一本、なんていかがですか?」
「ま、妥当だな」
「それでは、乗るという事で」
「ああ、構わん」
「重畳です。……さて、始めに候補を挙げていきましょうか。まず考えられるのは、涼宮さん、長門さん、朝比奈さんの団員メンバーですね」
「というか、その三択で間違いないだろう」
「いえいえ、そうでもありませんよ。我々はここ一年で、ここの扉を叩いてきた色んな方々との関わりを持ってきた筈です」
「好むと好まざるに関わらず、だけどな」
「ええ、おっしゃるとおり。まあその中で学校にいる方、といえば大分限られてきますけどね」
「そうだな……鶴屋さんとか、阪中とか、あのペテン師生徒会長とか、コンピ研なんてのも有りかもな。隣だし」
「喜緑さん、なんていう線もあるかもしれませんが、大体そんな所でしょうね」
「……意外とわからんもんだな」
「ええ。ですが、僕はもう決まりましたよ」
「ほう。誰だ」
「割と大穴狙いで鶴屋さん、ですね」
「へえ、何でまた」
「なに、ただの勘ですよ……というのは嘘で、実は昨日廊下でお会いした時、近いうちにまた遊びに行くっさ、という旨を涼宮さんに伝えておくように言われたので」
「それなりに根拠はある、ってわけか」
「もっとも、それが今日と決まったわけではないですし、やっぱりただの勘といった方が正確かもしれませんね。あなたはどうです? 決まりましたか?」
「…………ああ、決まった」
「では、お聞かせ願いましょうか?」
「多分、ハルヒだろうな…………おい、古泉。何笑ってんだ」
「いえいえ、予想通りというか何というか、ついつい微笑ましくなってしまいまして。お気に触ったのでしたら申し訳ありません」
「別に俺はただ一番可能性の高そうな奴を冷静に計算してだな……お前な、ちょっと笑いすぎだぞ」
8632レス古ネタ:2006/07/29(土) 09:57:22 ID:eYDXVETv

「ったく」
「いやあ、失礼いたしました。こう見えても反省してますから、そう臍を曲げないで下さいよ」
「にやけ面のまま反省してるなんて言われても説得力が皆無だぞ。もう一度機関とやらに戻って訓練し直してきたらどうだ」
「これは手厳しいですね……ですが、実際どうなんですか?」
「…………何が」
「涼宮さんですよ。彼女も大分落ち着いてきたようですし、どうでしょう? この辺で一つ、あなたの方から告白でもしてより彼女の精神状態を」
「それ以上言えば長門に頼んでお前の口を水星あたりに移植させる」
「……では、止めておきましょう。長門さんは最近あなたの言う事を何でも聞きますからね。本当に実行されかねません」
「人の事を無垢な少女を誑かす下劣な詐欺師野郎みたいに言うな」
「ですが、事実ですよ。もっと言うなら、朝比奈さんもあなたの事を大変信頼しているように見受けられます。まったく、男の僕からしてみたら、あなたはいつ刺されてもおかしくないぐらい羨ましい人ですよ」
「…………」
「僕は立場上、あの二人とは微妙な関係と言わざるを得ませんからね。と言っても、もちろん個人的にはお二人とも大変好ましく思っていますよ。一度だけ、というあなたとの約束だって、守るつもりです」
「……当然だ」
「しかし、いくら好ましく思っていても、僕には彼女たちと腹を割って話すことなんてできませんからね。それは向こうも同じなんでしょうが」
「そんなもんかね」
「そんなもんです。ですから、あなたが羨ましい、というのは嘘偽り無い僕の本音だと思っていただいて構いませんよ」
「…………」
「口を滑らせついでにお話しておきますが、実は最近僕にも夢ができましてね。ああ、機関とかは関係ない、僕自身の夢ですよ」
「…………」
「いつかもし誰も何も隠さないでよくなった時が来たら、また五人揃って旅行にでも行ってみたい、何ていうちっぽけな夢なんですけどね。いやあ、我ながら小市民的な願いです」
「……古泉、お前」
「と、いうわけで、夢実現の第一歩としてあなたと涼宮さんに一刻も早くくっついてもらわないと困るわけです。ですからこの辺で一つ……」
「それ以上言ったら、朝比奈さんに頼んでお前をジュラ紀に置き去りにしてやる」
「まさに人類創生の父になれそうですね。その時代にイブがいるのかどうかが気がかりですが……おや、電話が鳴っていますよ」
「あ? ああ、本当だ。……もしもし。ああ、ハルヒか? お前今どこに……」
「…………」
「は? 何でまた……わかった! わかったから耳元で叫ぶな!」
「……やっぱり自分で淹れても、あんまり美味しい物ではありませんね」


「……はいはい、じゃあすぐ行くから。ああ。後でな。……ったく、あの万年天気予報不的中娘め」
「涼宮さんは、何と?」
「何やら新入生向けのオリエンテーションに乱入するつもりらしい。今すぐ体育館に来いとさ」
「さすが涼宮さんです。相変わらず大胆な事を考えますね」
「笑い事じゃないっての。後ろから小鳥がすすり泣くような声が聞こえてたんだぞ。どうせまた変な衣装を着てディズニーも真っ青の派手なパフォーマンスをやらかす気に違いないだろ」
「いつもの事じゃないですか」
「アホ。朝比奈さんの美しいお姿を入ってきたばっかのガキどもに無料で見せるなんて勿体無い事できるか! 何としても阻止するぞ、古泉」
「僕としましては、涼宮さんが良ければそれで良いんですけどね。ですがまあ、あなたの言う事も一理あります」
「いいから行くぞ。茶はそのまま置いときゃいいだろ」
「そうですね、では早速…………ああ、この場合賭けの方はどうなるんでしょうか。やはり無効ということで」
「いや」
「……?」
「一年に一回ぐらいは、俺が奢ってやるさ」
「……毎週奢ってもらっているような気もしますがね」
「やかましい」
「いやいや、冗談です。身に余る光栄だと思ってますよ。本当にね」
「……さっさと行くぞ」
「ええ、参りましょうか。皆さんきっと、お待ちかねでしょうしね」
 全くもって、身に余る光栄です。

864名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 10:18:59 ID:qCL3lKRm
会話の内容はなかなか面白いのに
会話だけ……っていう文体でスルーされてそうで勿体ないキガス
865名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 10:27:44 ID:x5sznIPr
>425の続編を書いてみたので投下します。
6レスほどになりそうだけど、大丈夫かな。
866続・キョンと変な女 1:2006/07/29(土) 10:30:10 ID:x5sznIPr
続・キョンと変な女

 俺の中学時代の友人であり、国木田や中河が言うところの『変な女』
 彼女のことを、何の因果か俺はハルヒに話してしまい──女だとはわからないように
気を配ったが──それに興味を持ったハルヒが、その力で彼女を転校させてしまった。
しかもハルヒは『変な女』をSOS団に入団させてしまった。まあ、その時に一騒動あった
のだが、それはもういいだろう。

 ハルヒが彼女に命名した愛称『転校生ちゃん』。彼女の入団時に勃発した騒動が
終息し、団長の解散宣言の後、俺は冷戦の終了に安堵した某国の国民のように、しば
し疲れを癒すべく、部室にとどまり、パイプイスに腰を掛けながら惚けていた。
 ハルヒはとっくに帰ってしまい、それにつられて、他の団員も三々五々下校した。
 彼女たちが部屋を出る直前に、それぞれ、俺にひと言ふた言囁いた。


「キョン君って結構もてるんですね。本当はあのかわいい彼女とつきあっていたり
したんじゃないんですか?」
 いや朝比奈さん、あいつは違うって言ってたじゃないですか。誤解ですよ。
 ふうんそうなんですか。などと言って、まるで信じてくれていないご様子。彼女の
ラブリーボイスも、今はサボテンをそのまま飲み込んでしまったかのように刺々しい。


「・・・・・・・・・・・・」
 沈黙が痛い。見た目は無表情であるし、大抵の人はそこに感情を見いだせないだろう。
 だが、長門観察歴ほぼ一年の俺にはわかる。彼女は、あきらかに不信の表情を俺に
向けている。そしてこれは、俺のうぬぼれかもしれないが、嫉妬に似た感情が仄見え
ていた。

「いやあ、なかなか興味深い見せ物でしたよ」
 窓際にさっさと疎開しちまった非国民のくせに、何を言いやがる。
「あんなに動揺する涼宮さんを、初めて見られましたし、それに、あなたの表情にも
楽しませてもらいましたね」
 今日、これまで、まったく口を開かなかった奴が、立て板に水を流すかのように
しゃべり続ける。
「そう、まるであなたは、浮気相手に自宅へ乗り込まれて、本妻との間で修羅場を
繰り広げられている横で、何もできずに、ただあたふたする、情けない亭主のようで
したよ」
 なんて的確なコメントだ、と思ったが即座に否定した。勝手な解説をしないでくれ。 

 だが、古泉はともかく、2人の女子団員に不信感をもたれるとはな。やれやれ、
またやっかいごとが一つ増えた気分だぜ。


 しばらく休むと、精神的疲労が少し癒えたので、俺は下校すべく校門へと向かった。
 校門までたどり着くと、転校初日で職員室に呼ばれていた彼女が待っていた。
「キョンくーん、ひっさしぶりー」
 いや、さっき会ったばかりだろ。ところで、今まで待っていたのか?
「うん、そうだよ。せっかくだから、一緒に帰ろうかと思って」 
 別に異存はないので、肩を並べて下校することにした。

 下校途上、俺は訊きたかったことを、そのまま彼女にぶつけてみた。
「おまえさ、なんでこんな時期にうちの高校に転入してきたんだ?」
 しかもこんなに近い距離をだ。
 だが、彼女はこんな質問を、俺から受けることを想定していたらしく、
「もちろんキョン君がこの高校に通ってるからだよ」
867続・キョンと変な女 2:2006/07/29(土) 10:31:44 ID:x5sznIPr
 しかし、きわどいことを言っている。
「うん?そのままの意味だよ。でも、本当は、誰かに呼ばれた感じがしたからかな」
 誰か?それは誰なんだ
「わかんない。何かあそこに行かなくちゃいけない、なんて思うようになったんだ。
だから、最初はキョン君に呼ばれたのかなと思ったの。だけど、涼宮さんに会って、
なにか運命的なものを感じたのよね。ひょっとして彼女かな」

 確かに、ハルヒの力で呼ばれたんだろうからな。その所感は間違いではない。
 しかし、運命的と言う言葉は、あまり同姓に使う言葉じゃないな。
「ところで、キョン君。あなた、涼宮さんと付き合ってんの?あんな可愛い子と。
まったく、にくいね、このっ」
 こいつの48の得意技の1つだ。話題をあさっての方向に転換させる。
 俺が牛乳でも飲んでいたら、道路一面を白銀の世界のように真っ白にするところ
だったぜ。それにしても、しれっと、そんな恐ろしいことを言うなんてな・・・。
 だが、彼女の表情は、茶化している言葉とは裏腹に、笑ってはいないように見えた。

 だから俺は、きっぱりと否定しておく。
「あん?何を言っているんだ?ハルヒとはそんなんじゃねえよ。勘違いもいいところだ」
 ・・・まったく、とんでもないことを言う奴だ、という表情で彼女を見やった。
「へえ、涼宮さんのこと、ハルヒって呼び捨てなんだ。ひゅーひゅー」
 お前は同級生をからかう、おませな小学生か。
「でも、わたしがキョン君と付き合ってた。って言ったときの涼宮さんの表情。あれは
脈ありだと思ったんだけどなー」

 何が脈だ。今まで、おれはさんざんハルヒに、脈を止められて、心肺停止状態に陥るよう
な苦行をこなしてきたんだ。つーかもうその話はいい。
 
 その後、しばらく無言で歩いていたが、駅までたどりつくと、彼女は電車通学なので、
そこで別れた。
 俺は預けてあったママチャリを運転しながら、下校中の彼女には、『変な女』といわれる
ほどの、いつもの溢れすぎて、校舎を満たし尽くすほどの元気が、なかった事に気づいた。
 明日になればあいつも元通りになるさ。
 俺は根拠もなくそう決めつけた。

 翌日、幸い俺の予想通り、彼女の調子はまさに絶好調だった。しかも昨日見せていた、
少し哀愁を漂わせたような表情は、一度も見せなかった。 

 昼休みに、めしも食い終わり、自分の席でくつろいでいると、彼女がやって来た。
「キョーン君。あそぼ!」
 遊び友達を誘いに来た、幼稚園児じゃあるまいし。なんだその呼びかけは。
「ねーねー。しりとりしよう。24時間耐久しりとり合戦INサウスダコタ」
「お前は一日中しりとりをして何がおもしろいんだ。それとどこがサウスダコタだ。
ここは日本の一地方都市だ」
「そうね、サウスダコタって言いにくいもんね。じゃあ、マドリードにしましよう」
「いや、そう言う問題じゃないだろ」
「じゃあ、わたしからいくよ『アームストロング砲』キョン君『う』だよ」
「もう始まってのかよ。ってなんだその物騒な単語は」
 しかし、俺は律儀にも、ええと、『う』か・・・、と、脳の奥深くで単語を検索していた。
「じゃあ、『うど』だ」
「それじゃあね、『ドーントレス』」
 待て、何でこいつの紡ぎ出す単語はこうも物騒で、かつ偏っているんだ。お前は本当に
女子高生か?

俺たちが、しりとりに興じていると
「ねえキョン。あたしも混ぜてくれない?」
 後ろを振り返ると、アヒル口をしたハルヒが、学食から戻って鎮座していた。
 俺と目が合うと、すぐにあらぬ方向へと逸らす。
868続・キョンと変な女 3:2006/07/29(土) 10:32:48 ID:x5sznIPr
 すると、動物的なカンで、この場にいてはまずいと感じた俺は、
「悪いな。もう昼休みも終わりだし、ちょっとトイレに行ってくるから」
 キョトンとした2人を置いて、そそくさと教室を抜け出した。

 用を足し終えて戻ってくると、教室の前では、谷口と国木田が談笑していた。
 俺の姿に気がつくと、
「キョン、よかったね。彼女が転校してきて」
「キョン、国木田の言うとおり、お前は本当に変な女が好きだったんだな。お前が涼宮と
つるんでいる理由もわかるってもんだぜ」
 だからそんなんじゃないっていってるだろ?
「お前は、見た目が美人で、中身が奇矯な女が好みなんだろ?そう考えりゃ、長門を押し
倒してたって不思議じゃないよな」
 そんな好みがあるか。勝手に決めるな。それにあれは濡れ衣だ。
 付き合いきれん、と、俺は早々に切り上げて、教室に戻った。

 放課後になり、俺はSOS団アジトに向かった。ああ、彼女は今日も職員室に呼ばれている。
 そしてハルヒは掃除当番だ。俺はしばしの開放感に喜びを抑えかねていた。
 だが、結局は時間つぶしをすることもなく、部室のドアを開けていた。まるで、寄り道を
せずに、会社から真っ直ぐに家に帰る、貧乏サラリーマンのような悲哀を感じていた。
 
 部室に居たのは古泉だけだった。奴は、あいかわらずのにやけた顔で俺の顔を見ると、
ククッと一笑いした。
 俺は自分の席に腰掛けると、古泉をねめつけ、
「なんだ、お前は何がおかしい」 
「いえ、すみません。実は昨日のことを思い出してしまいましてね」
 頼む、のっけから俺を、ブルーな気持ちにさせないでくれ。
「それは申し訳ありません。ただ、昨日の出来事を機関に報告したんですが、なかなか興味
深い現象だと、上が関心を持ったようでしてね…」
 なんだと。お前はあんな馬鹿馬鹿しいことを、機関の連中にしゃべっちまったのか。
「ええ、それで彼らは再認識しましたよ」
 何をだ

 古泉はほんの少しまじめな表情を見せて、
「あなたという存在の重要性です」
 何故だ。どうして俺なんだ。
「考えても見てください。涼宮さんにとって、あなたは重要なパートナーなんです。そ
のあなたが、他の女性と付き合っていたという事を知って──結局偽情報でしたが──、
涼宮さんは感情を大きく乱しました。その時、閉鎖空間は発生しませんでしたが、ほん
の短い時間に大きなエネルギーが観測されました。最悪、また以前のように、閉鎖空間
を作り出してしまって、この世界と変換してしまうということも否定できません。つまり、
あなたの行動次第で、この世界が再び、危機に瀕するかもしれないということなんです」

 俺がパートナーだというのが気に食わんが、それで、そんなことを聞かせて、俺にどう
しろと言うんだ。
「どうか、涼宮さんといつまでも幸せに過ごして…、いえ、なんでもありません」
 俺の形相に気づいて、途中で話を取り消しやがった。まったく、気に入らん。だが、古泉
はまだ話を続けるつもりらしい。
「ところで、最近の涼宮さんは、かなり安定してきていると、以前僕が話しましたね。そして、
どんどん力が弱まって、普通の女性になりつつあるとも」
 そういえばそんなことも言っていたな。だが、それがなんだ。
「ただ、ある条件の下では、彼女の力が以前のように、非常に大きくなることがあるんです」
 なんだかわからんが、聞いてはいけない気がした。
「端的に言ってしまうと、トリガーになるのは、あなたへの嫉妬心です。いいかえれば
ジェラシーです」
 英語に直しただけじゃねえか。だが、俺は、もうそこから先を聞く気はないぞ。
「そうですか。残念です。ただこれだけは言わせてください。涼宮さんの力を利用したい
と考えている存在がどこかにいるということ、そして、彼女の力を発現させるために一番
手っ取り早く、そして確実な方法は、あなたを籠絡する事だと言うことを…」

 古泉の話が終わったと同時に、部室のドアが開いた。
869続・キョンと変な女 4:2006/07/29(土) 10:34:17 ID:x5sznIPr
「キョンに古泉君。遅れてごっめーん」
 あな珍しや。ぞろぞろと朝比奈さんに長門までがともに入ってきた。だが、あいつはまだ
職員室か。
 朝比奈さんの着替えを廊下で待った後、メイド服姿の彼女からお茶の給仕を受けるという、
ようやく訪れるであろう、至福のひとときを、俺は待ち焦がれていた。
 ところが、朝比奈さんは、俺以外の3人にお茶を配り終えた後、さっさと席に座ってしまった。
 あの朝比奈さん…、俺のお茶は…。
「キョン君は自分で入れてください。それとも、あのかわいい彼女に入れてもらったらどう
ですか?」
 好感度が著しく低下してしまっているようだ。
 昨日のことがまだ尾を引いているらしく、俺とは目も合わせてくれない。俺は砂漠の
オアシスから追い出しを食らってしまった旅人のように、野垂れ死にする思いだ。
 仕方がないので、ポットの前に立つと、俺は自らの手で、急須からお茶を注いだ。自分の
席までそれを運び、ずずっと音を立てて、口に運んだ。朝比奈さんが入れるお茶とは、比べる
べくもない。

 落ち着かなかった俺は、妙なタイトルの本を黙読している長門の側まで近づいた。
「なあ、長門。何を読んでいるんだ?」
「…………………」
 普段より沈黙が長い。こちらもまだ機嫌が悪そうだ。話題を変えよう。
「ところで長門。俺が読めそうな本を1冊貸してくれないか?」
「……これ」
 受け取った本のタイトルは『中国拷問史』……背筋が寒くなったぜ。
 ……冗談だよな。ていうかお前はこんなのまで読破しているのか。そんな知識を仕入れて
どうするつもりだ。いや、考えない方が良さそうだ。
 本の借り受けを丁重にお断りし、俺はすごすごと自分の席に戻った。

 ハルヒはと言うと、パソコンとにらめっこをすることに忙しく、先ほどからのいざこざに
はまったく無反応だ。

 どうやら一段落ついたようで、ハルヒはやおらこちらに向き直り、
「キョン、転校生ちゃん遅いわね。なにしてんのかしらね」
 いいかげんその名前変えてやれよ。ちゃんと名前があるんだからさ。
「いいじゃない、『転校生ちゃん』、結構かわいらしい愛称だと思うわ。どう?古泉君」
「まことにいい愛称かと。ただ、元転校生の僕としては、多少むずかゆい気持ちはありますが」
 ハルヒの太鼓持ちである古泉の返答など、否定であろうはずもない。残念ながら彼女は、この
まま『転校生ちゃん』と呼ばれることになりそうだ。

 このまま彼女は、もう来ないのでではないか、と思ったその時ようやく担任から解放されて
部室にやってきた。
「遅くなっちゃってごめんなさーい」
 と、彼女が入ってくると、彼女の姿にSOS団の団長・団員がそろって驚いている。特に俺と
ハルヒの動揺が甚だしい。
 部屋に入ってきた彼女は、髪の毛を後ろで結んで、そのまま後ろに垂らしていた。

 そう、つまり彼女はポニーテールをしていたのだ。

 俺は、途中で閉まらなくなってしまった自動ドアのように、口を半開きにしたアホ面で、
彼女の姿を凝視し続けていた。
 俺のアホ面に気づいたハルヒは、アヒル口や引きつった笑みさえ浮かべる余裕もなく、
憤然として立ち上がった。
「こら!バカキョン!何アホ面下げてんのよ。みっともないからやめなさい!」
 ハルヒの憤怒を浮かべた形相は、まるで『不動明王』だった。どこぞの寺院に寄贈すれば、
喜んでくれるだろうか。
 他方、ハルヒと同じく、当初はムッとした表情を浮かべていた朝比奈さんだったが、団長の
形相に怯え、自分の席で縮こまって震えていた。
 古泉は苦笑を漏らしそうになるが、かろうじて笑みを保っている。
 長門は無表情だった。いや、俺にも感情を読まれないような、無表情顔を装っているという
ところか。
 
870続・キョンと変な女 5:2006/07/29(土) 10:35:26 ID:x5sznIPr
「ちょっと、転校生ちゃん!なんであんた、そんなかっこしてんのよ?」
「この髪型のこと?別にいいじゃない。ポニーにしたって」
「だから、どうしてって訊いているの!」
「だって。こうすれば、キョン君が喜んでくれるから」
 俺は盛大に飲んでいたお茶を噴いた。すまん、古泉。
 彼女は爆弾発言をしたあと、しれっとした顔で、自分のパイプイスを俺と接触してしまいそう
な近さまで寄せて、着座した。
 とうとう、ハルヒは臨界点に達したようで、
「今日はもう解散ね。あたし、帰る!キョン。あんた今日は罰として、始末書を書いてきなさい。
枚数は、広辞苑ぐらいの厚さでね。それから、学校のフェンスの網の目の数を全部数えて報告
しなさい!」
 『ふん!』と、ひと言残して、ハルヒは大股で部室を出て行った。他の団員も時間をおいて、
部室を出て行く。

 部室に居るのは、俺と彼女の2人だけになった。
「お前、なんであんな事言うんだよ。ハルヒを怒らせちまったじゃねえか!」
 それを、彼女は少し悲しそうな表情で見つめていた。
「そう、やっぱりだめか。ここでもあなたはそうなのね」
 だめ?なにがだ。
「ううん。あなたの表情を見ていて、わかったの。やっぱりこれ以上は無理だわ」
 意味のわからないことをつぶやく彼女。
「ごめんなさい、キョン君。実はわたし、この世界には居てはいけない人間なの」
 重ねて意味不明なことを言い出し、話を続ける彼女。
「でもこの世界であなたと出会って、短い間だったけど楽しかった。でもお別れね。
これからは涼宮さんと仲良くしてね。それと、ごめんなさいって、彼女にあやま
っておいて」
 そういい残し、彼女はドアの向こうへと出て行った。
 俺は、あわてて彼女の後を追い、ドアを開いたが、彼女はもういなかった。

 ここにいてもしょうがないので、下校しようと、俺が下駄箱までたどり着くと、
古泉が待っていた。

「今日は久しぶりに、閉鎖空間が発生してしまったので、手短に」
 と古泉は、コーヒーが入った紙コップを俺に手渡した。
「あなたに報告したいことがあります。実は我々の機関が、涼宮さんが言うところの
『転校生ちゃん』の調査を行ったんです。すると、驚くべき事に、彼女は今も市立高校に
在籍し、登校もしていたんです」
「どういう事だ?彼女は2人いたということか?じゃあ、この学校にいたのは誰だ。ひょっとして
長門のようなアンドロイドか、それともクローンか?」
「いえ、そのような存在なら長門さんが察知できないはずはありません。たとえ未来人だったとして
もです」

 じゃあなんだ、と言うところを古泉は遮って、
「ところで、彼女はどうしました?」
 そこで俺は彼女の言動や行動を、古泉にすべて伝えた。
「なるほど。ひょとしてそういうことですか。ええ、合点がいきました」
 どういうことだ。俺にもわかるように説明しろ。
「つまりですね。彼女は、紛れもなくあなたの知っている女生徒なんです。もちろん
アンドロイドでも、クローンでもありません」
 お前はさっき、彼女がもう1人いると言ったじゃないか。そっちが偽物か。
 古泉はかぶりを振り、
「いいえ、どちらも本物です。ただし、我々と過ごしたほうの彼女、──仮に『#』としましょうか。
──『#』は我々とは違う平行世界にいる人間。つまり異世界人だったのです」

 俺が無言でいると、古泉はさらに続けて、
「あなたは、以前世界の改変を修正しましたね。涼宮さんと僕があなたとは別の学校に
いる世界です。あなたはそれを修正しましたが、修正されずにそのまま存在し続ける
世界が、こことは別の平行世界のどれかにあるんです」
「また、この世界と同じような状況でありながら、少しづつ設定の違う世界も何処かに
あるんです。それが彼女です」
871続・キョンと変な女 6:2006/07/29(土) 10:36:28 ID:x5sznIPr
「どういうことだ。すると、彼女は何か目的があってこの高校にやってきたというのか?」
「今日僕が申し上げましたね。涼宮さんの力を利用しようと言う存在がいることを、そして
その力の発現には、あなたを籠絡することが一番確実だと。その役目が『#』です。『#』は
この世界にいる彼女と、ほとんど設定は変わりません。ただし一つ違うことは、涼宮さんの
力を利用しようとする存在、──仮に『X』としましょうか──その『X』に属する人間だという
ことです」
 
 頭がついていかねえ。まだ続くのか。
「その『X』が、この世界のものなのか、それとも別の世界の『X』が仕掛けたことなのかは
わかりません。ですが、『X』は、涼宮さんの願望を察知して『#』を異世界からこの学校に
送り込んだのです。あなたを籠絡させるために。おそらくこのまま続けていれば、『X』の
思い通りになってたんでしょうね。ただ、『X』は人選を誤りました。異世界の『#』はこの
世界の彼女と共通した感情を持っていたんです」
 それはと、古泉はためながら、
「あなたが好きだということです」
 まるで古泉自身に告白されたように感じて、俺の背筋に怖気が走った。
「『#』はあなたの涼宮さんへの態度を見て、悟ったんです。そしてこれ以上、あなたを
困らせたくない、と。籠絡するものとしては失格ですが…」
 何を悟ったかは訊くまい。
 …じゃあ、あいつはもう、
「そうですね。『X』によって、元の世界へ返されたのでしょう。──おっと、そろそろ
時間ですね。では僕はこの辺で」
 古泉は立ち去りかけたが、立ち止まり、
「そうそう、後始末に関しては、機関と、長門さんにお願いしておきますのでご安心を」

 俺はその日、なかなか寝付けなかった。

 翌日、普段通りに登校すると、ハルヒの機嫌はもう元に戻っていたようだった。
 担任が、『転校生ちゃん』が、元の高校に再転校して戻った事を報告すると、さすがに
ハルヒも驚いていたようだったが…。
 SOS団も以前の通りに活動をしている。ああ、それと、俺たちからの説明を聞いて、俺に
対する女子団員2人からの不信感も、解消したということを付け加えておく。


 俺は考えていた。一度この世界にいる彼女と再会してみようかと…。
 そしてまた馬鹿話をできればいいと。
872名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 10:36:59 ID:x5sznIPr
終わりです
873名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 10:53:43 ID:FeEUrnjU
>864
そうかい?オレ、けっこうこれ(>862-863)好きだなぁ。

古泉がたまにポロッと本音を漏らすシーンっていいな、
親愛の情であれ、怒りや嘆きであれ。
874名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 10:55:31 ID:S1V5V1Md
>>872
GJ!すごく良かったです
ところで>>872氏の「キョンと変な女」ネタのSSを書きたいのですが、
もし完成すれば投下していいでしょうか?
875名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 11:00:14 ID:x5sznIPr
>>874
遠慮なくどうぞ
876名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 11:07:13 ID:FeEUrnjU
>872
終盤で、一挙にSF風味になったのが凄いぜ!
877874:2006/07/29(土) 11:08:27 ID:S1V5V1Md
>>875
許可ありがとうございます。では完成次第投下しますね
878名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 12:02:19 ID:qf5Eja3q
>>862-863
ちょwwww古泉それほとんど死亡フラグ
879『ハードボイルド・ワンダーランド』1:2006/07/29(土) 12:59:03 ID:jPA7U3mS
「おい、てめーら動くんじゃねえぞ。ちょっとでも動けばこの女の頭を吹き飛ばすからな。」
ハイジャック犯の声に負けじと、ハルヒも声を張り上げる。
「キョン、あたしに構わず、コイツをぶっとばしなさぁいっ!」
人質が言うセリフかよ。まったくもってやれやれだ。
俺は座席からゆっくりと立ち上がった。


『ハードボイルド・ワンダーランド』


俺達SOS団は、春合宿の目的地をハルヒの鶴の一声で北海道に定めた。古泉はいつものように、「実は、北海道に親戚がおりまして…」と都合が良すぎることを言い、めでたく俺たちは飛行機に乗って北海道に出発したわけだ。
俺の同級生に逢いたいからな。ハルヒや長門に会わせてみたい。朝比奈さんとの対面はやめておこう……などと考えながら、俺は楽しく飛行機に乗っていたのさ。
俺たちの座席は横一列で長門、俺、古泉、通路を挟んで朝比奈さん、ハルヒだ。恒例の楊枝くじびきで決めたのだが、古泉が隣りとは頂けない。まあ、長門と隣りは嬉しいが。
ハルヒは無邪気に窓の外を見ている。朝比奈さんは、その横で座席に震えながらしがみついていた。そういえば、飛行機を見て、「これ、ほんとうに飛ぶんですかぁ?」なんて感想をもらしていたっけ…。
その朝比奈さんが、緊張したのか、トイレに立った時だった。
「この飛行機は俺がのっとった!」
男の声が響く。
は、ハイジャック!?
まじか、どうなってんだ?
俺がそちらに目を向けると、犯人とおぼしき男が朝比奈さんを捕まえて銃をつきつけている。
野郎、なんてことしやがる!!
立ち上がりかけた俺を、古泉が引き戻した。
「落ち着いてください。まずは、冷静になって対応を。」
小声で囁く古泉に、とりあえず確認する。
「おい、機関とやらのイタズラじゃないだろうな。」
「誓って違います。むしろ、真犯人は、涼宮さんと言っても過言ではないでしょう。彼女の頭には、飛行機=ハイジャックという等式があるようです。」
なんてふざけた等式だ。普通に考えて、機内に拳銃を持ち込めるかよ。
「まさに、涼宮さんですね。」
やれやれ、あいつは、ハードボイルドの主人公になって、犯人逮捕がしたくなったのか。
まったく、ハルヒのやろう…… 「待ちなさいっ!」
ほらきた。
「あたしが代わりに人質になるから、みくるちゃんを放しなさいよ!!」
ハァ!?
古泉が囁いた。
「……どうやら、主人公の交代のようですね。」
………勘弁してくれよ。

続く
880名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 13:05:51 ID:W/KBYg8A
せめてもうちょっと書いてから投下してくれ…。
881名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 13:13:09 ID:qejSuJGt
気長に待とうじゃないか
882名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 13:18:28 ID:FxkFdbKv
>>879
VIPじゃねえんだから1レス投下とか止めろや
883名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 13:24:06 ID:7PbAUckg
>>882
言いたいことは分かるが幼馴染(ry
884名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 13:29:10 ID:4i6osXsD
とりあえずwktkして待とうぜ
885『ハードボイルド・ワンダーランド』2:2006/07/29(土) 13:31:23 ID:jPA7U3mS
ハルヒは両手を上げて近づくと為されるままに手足を縛られた。
「みくるちゃん、トイレ行きたいんでしょ。」
「ふぇ、涼宮さん、ごめんなさぁい。」
朝比奈さんは泣きながらトイレに入っていく。
……おかしいな、出てこないぞ。中で震えてるのか?
「現在時空から消失した。」
うわ、にげやがった!
俺はあらためて長門の方を見る。
「長門、おまえの呪文でさくっと解決できないか?」
「涼宮ハルヒが望んでいるのは、あなたに助けてもらうヒロインの立場。あなたがやるのが最善。……ただ、協力する。」
長門は超高速で口を動かし始めた。

というわけで、冒頭に戻ってきたわけだ。信じているぜ、長門。
「なんだぁ、テメエ!殺すぞ。」
「やってみろ…きさまに出来るならな。」
ハッタリをかましながら俺は近づいて行く。やべぇ、怖い。足がガクガクする。
「ふざけやがって……しねぇ!」
弾丸が発射された瞬間、俺の右手が高速で動く。長門のホーミングモードだ。指が勝手に弾を掴んで止める。指は硬化されているので、ダメージはない。
「視線と銃口の角度から弾丸の軌道を予測した。……諦めろ。」
ブースターのダッシュで一気に間合いを詰め、加速された拳が相手の顎を撃ち抜く。
犯人は床に崩れ落ちる。
俺はハルヒの方を向き、縛られた手足をほどいてやった。
「キョン、キョン、凄いじゃない!かっこよかった!!」
ふっ、と笑って俺は言う。
「軽いもんさ。」
長門と古泉がなんとも痛いものを見るような目で俺を見ている。
いや、すこし成りきってみただけで――

機内放送が響いた。 『エンジントラブルが発生しました!』
ハルヒが自信満々で言った。
「大丈夫!キョンならなんとかしてくれるわ!」
俺の顔からみるみる血が引いて行く。俺は哀願するように長門を見た。長門の冷たい目。

「……頑張って」


おしまい
886名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 13:43:47 ID:O3L0VP5k
なんか、のび太とドラえもんみたいだなw
887名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 13:44:21 ID:7PbAUckg
埋めネタ完成、投下します。
どう見てもメタです。ほ(ry この後のハルヒがどうなることやら…
888名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 13:45:04 ID:7PbAUckg

「えーっと、小学生のころに… 違うな」
ある放課後、いつもの部室で俺はパソコンを前に思案していた。 何をかというと…
「おまたせー! ってキョン、あんた何やってんの? パソコンとにらめっこなんて気味が悪いわね」
ハルヒがドアを蹴って突撃してきた。 いい加減自動ドアにするように長門に提案するか。
「いや、また機関紙を作れと言われたらかなわんからな。 今のうちに作っておこうと思ってな」
といっても出だしをつまずいてるんだがな。 1人称で書くのも結構難しいもんだ。
「ふぅーん。 で、どういうジャンルにしようとしてるの? ラブコメ? 純愛?」
お前は何が何でも恋話を書かせたいみたいだな。 残念ながら少し不思議な学園物だ。
「学園物? まぁいいんじゃない。 あと出来上がったら必ずあたしに見せること。 いいわね」
そう言ってハルヒはいつもの団長席に座った。
中々出だしが決まらないうちにドアがまた開いた。
「……」
長門と、
「すみません、掃除当番が長引きまして…」
古泉の野郎と、
「す、すみませんー、進路指導で遅れましたぁ」
マイスウィートエンジェル朝比奈さんだ。 三人同時なんて珍しいな。
「三人同時なんて珍しいわね」
ハルヒも同じ感想のようだな。
とりあえず俺は朝比奈さんが着替えるであろうから部室の外に出ることにした。 さ、古泉出るぞ。
外に出てドアを閉めたところで俺は古泉に頼みごとをした。
「古泉、悪いんだが……………」
本当ならコイツに頼みごとなんてしたくないんだがな。 いかんせん他に話が無い。
「僕は別にかまいませんが、それを見て涼宮さんがどう反応するかですね」
長門によると俺経由の情報は信用しないらしいしな。 何とかなるだろう。
「そうですか。 まぁ僕には止める権利は無いですがね」
古泉は肩をすくめて笑った。 いつものニヤケじゃなく、始めて見るこいつの本当の笑顔だろう。
889名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 13:45:36 ID:7PbAUckg
「もういいわよー」
ハルヒの20キロ先からでも聞こえそうな声がし、俺たちは部室に入った。
例によって長門は定位置で古代楔文字のような文体の本を読んでいる。 考古学者にでもなる気か?
俺はさっきの席に戻り、のっけから詰まっている文章をにらみつけた。
そうしているうちに朝比奈さんが、
「はぁい、キョンくんどうぞ。 今日は番茶ですよ」
という具合にお茶を置いてくれた。
朝比奈さんはお盆を持って離れようとしたが、無論朝比奈さんにも言とかないといけないだろう。
「朝比奈さん、ちょっとお願いがあるんですが…」
「ふえっ、なななんですか?」
「ちょっと大きい声じゃ話せないんで、ちょっと耳を…」
朝比奈さんがやわらかそうな耳を近づけてきた。 甘噛みをしたい所だが、その衝動を抑えて朝比奈さんに例のお願いを伝えた。
「えぇ! ででででも、そんなことしたら… 」
「大丈夫です。 長門も俺からはバレないと言ってますし」
「ふみぃ… そうですか。 それなら…」
「こらー! キョン、みくるちゃんに何言ってんのよ!」
朝比奈さんのパニクりようから俺が怪しいことでも言ったと思ったんだろう。 ハルヒがアヒルのような口になっていた。
「ふえぇ、なんでもないですよぉ」
「そうなの? でも変な事言ってきたらあたしに言いなさい。 そん時はバニーを着せてグラウンドを逆立ちで10周させてやるから」
それは勘弁してもらいたいな。 と思ったところで長門がパタンと本を閉じ本日の活動終了。

俺は帰ろうとしている長門にあわてて声をかけた。
「長門、ちょっといいか?」
「なに」
当然長門にも言っておかないといけない事があった。 さっき古泉と朝比奈さんに言ったのと一緒なんだがな。
「少し話があるんだ。 少しここで待っててくれないか?」
「わかった」
長門がはっきりと分かるように頷いた。 その目はなぜか輝いているように見えた。
「有希、分かってるわね。 襲われそうになったら大声を出しなさいよ。 すぐにでもすっ飛んでくるから」
とハルヒが念を押して退室。 そこで俺は長門に歩み寄る。
「実は話というのはな…」
俺は今日3回目になるお願いを長門にも話した。
「そう……」
心なしか長門の視線が外れたように見えたが気のせいか。
「用件は分かった。 だけど危険」
へ? 前は俺からは大丈夫とかは言ってなかったか?
「状況は変わってきている。 今ではあなた経由の情報も信じてしまう可能性がある」
じゃあ止めとくか。 と言おうとした瞬間、
「でもあなたを信じる」
…長門さん、それはOKととってよろしいのでしょうか?
「そう」
長門が今度は数ミリ単位でクビを縦に振った。
サンキューな長門。 今度図書館でも行こう。
「分かった」
そう言って長門が退室。 何か怒ってるようにも見えるんだが、俺、何かまずい事言ったか?

とりあえず家に帰ったものの、俺の家にはパソコンなどという高価な代物はなく、記憶中枢からさまざまな思い出を巡らせることしか出来なかった。
890名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 13:46:42 ID:7PbAUckg
まぁ、次の日だ。
授業が終わり、おれは部室に走った。 別にハルヒに追われてるわけじゃなく、あれをすぐにでも書きたかった。 まぁ、忘れることは無いだろうがな。 というか忘れてたまるか。
ちなみに言うとハルヒは都合よく進路指導だ。 岡部よ、また粘ってくれよ。
部室に入ると、もうハルヒを除く3人が集まっていた。 とりあえず今は無視で文章を書き出した。
途中、朝比奈さんがお茶を持ってきてくれたが、飲む暇も無いくらいすんなりと書けた。

………
……
「よし、完成だ」
ふと時計を見ると、短針が4と5の間にあった。 この時間になってもハルヒは来ない。 流石に粘りすぎだろ。
なぜこんなに早く書き上げれたかというとだ、まぁ秘密だ。 まさか後ろの方はある程度書けてたとか言いたくも無いね。
「ほう、完成しましたか」
「見せて…」
「キョンくん、見せてくださいね」
三者三様に集まってきた。 まぁ、見せるつもりだったんだがな。
流石にプリントすると何十枚にもなりそうなのでパソコンの画面のまま読んでもらう事にした。

「ふえぇ、こんなこと書いちゃっていいんですかぁ?」
とは朝比奈さんの感想である。
「まぁ、一応フィクションとしてですからね、問題無いでしょう」
「ですがこれを涼宮さんに見せるのはちょっとまずい気もしますが。 この最後の場面なんてどうやってもバレますよ」
古泉が呆れた顔で肩をすくめた。 流石にまずいか。
せっかく苦心して書き上げたものをどうするべきか考えていると、長門がなにやら雑誌を持ってきた。 そんなものまで読んでるのか。
「その内容だと、これに出すのが懸命」
記述によると、結構有名どころの賞らしい。 まぁ、ダメ元で送ってみるのもアリか。
とりあえず名前はっと… これでいいか。
「キョン。 でもよかったんじゃないですかぁ?」
朝比奈さんが不思議そうに尋ねてきた。 そんな俺が出したと一発で分かる名前を使ってたまるか。
「まぁ、いいですが、この内容だとあなたが書いたと丸分かりですがね」
まぁ、どうせ落ちるに決まってる。 そう心配することもないだろう。
「とりあえず僕が出しておきましょう。 あなたが出すと涼宮さんに見つかりそうですからね」
と古泉が持ち出してきた。 そうしてもらえるとありがたいね。
ここで下校時刻になり解散。 結局ハルヒはこなかった。 後日聞くと、6時までグダグダと続いてたらしい。 流石に気の毒だな。

そして次の日である。
「ねぇ、キョン! 一昨日の小説は書けたの?」
ハルヒが真夏に咲くハイビスカスのような笑顔で話しかけてきた。
「あぁ、悪い。 結局ネタが思いつかなくてやめることにした」
とりあえず嘘を言っておく。
「ふぅーん、そうなの? まぁ、いいわ。 アンタに実体験以外でかけるとは思ってなかったしね」
まぁ確かにそうなんだがな。
「でも少し読んでみたかったかな。 だってSF学園物なんて面白そうじゃない」
お前が読んだら面白いどころじゃないんだがな。
そこで岡部が登場。 いつもの日常に戻るわけだ。

まぁあの小説もハルヒに読まれることは無いだろう。 俺よりも文才のある奴は賽の河原の小石ほどにゴロゴロいるだろうし、受賞したとしてもそうそう大きく取り上げられんだろう。
ん? どんな内容か知りたい? まぁ、最初の一文だけ教えてやる。

『サンタクロースをいつまで信じてたかなんてことはたわいもない世間話にもならないくらいのどうでもいいような話だが、それでも俺がいつまでサンタなどという想像上の赤服じーさんを信じてたかというとこれは確信を持って言えるが最初から信じてなどいなかった。』
891名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 13:50:36 ID:7PbAUckg
勢いで書いた。
少し反省はしている。
892名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 14:08:20 ID:TcHNR+sP
キョンは谷川だったんですね!!
893名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 14:15:03 ID:uQbEZpUS
会心の微妙作ですね!
894名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 14:15:13 ID:WVR9GZq7
同時に学校を出ようを出してるんだから時系列がおかしいんじゃね?
895名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 14:19:42 ID:0IHv6bFI
実際に谷川はまんまキョンなんだけどな、見た目も中身も。
896名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 14:38:51 ID:vxt4LKvE
>>895
額の大きさが違うにょろ。
897名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 15:00:13 ID:ImD6Dn22
>>895
つまりキョンはバイク乗りなんだな
898名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 15:11:00 ID:+yGmLiGC
>>862-863
そういやキョン古泉の友情話はよくあるけど
女性3人面子の井戸端ってないような
こういうお話好キッス
899名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 15:22:28 ID:vxt4LKvE
>>898
陰謀の裏話のSSってあったかな?
900名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 15:47:56 ID:V68hG751
>>899
女性陣がチョコを作る話なら保管庫にあった
901名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 15:53:39 ID:oipj7H4h
キョン妹系SSに弱い俺
兄姉のほのぼのとした関係っていいな
902名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 16:34:55 ID:x5sznIPr
埋め用に、修正した小ネタを再投下します

俺はそわそわしていたらしい。
らしいというのは、俺は普段通りに振る舞っていたつもりだったからだ。
そう指摘したのは古泉だったが、奴以外は気づいてはいないはずだ。
俺が舞い上がっている理由は、これからある場所へ行って、ある女性
とデートすることになっているからだ。

その女性とは、文化祭当日、朝比奈さんクラスの喫茶室で、俺たちに
焼きそばを給仕してくれた、朝比奈さんに負けず劣らず容姿端麗で、
かつグラマラスな女子生徒だ。

俺は、彼女から3日前に告白を受けた。愛の告白というやつである。
だが、俺は彼女のことはほとんど知らなかった。それに俺の脳内に
SOS団3人娘の映像が再生されるに至ってしまい、俺はぬるくも友達
からでいいですかと答えてしまった。

彼女はそれを承諾してくれた。多少残念そうではあったけれど…。
だが、すぐに気持ちを切り替えたようで、俺をデートに誘ってくれた。
場所は、いつもSOS団が待ち合わせに使用している、北口駅前の公園だ。
時間は今日、土曜日の午前10時だ。ああ、心配しなくとも、SOS団の
市内探索は、明日日曜日だから大丈夫だ。

俺は約束の場所へ急行すべく、準備を整えていた。
と、その時突然電話がかかってきた。しばらくすると、電話を受けた妹が呼びに来た。
相手はハルヒだった。
俺は言いようのない不安を感じていた。子機を受け取って耳に当てると、
「キョン、SOS団の市内探索は今日に変更になったから。でも絶対来なさい。
来なかったらゆるさないわよ」

予感的中。さらに待ち合わせの時間を聞いて、俺は卒倒しそうになった。
顔面蒼白になり、背筋を冷たいものが流れ落ちる。

俺は、断頭台に連れて行かれる、死刑囚のような面持ちで、ママチャリを
発進させた。

俺は競輪選手も真っ青の、猛烈な勢いでペダルを回転させている。
わずかでも早く到着したかったが、ハルヒの掛けてきた連絡が出発ギリギリ
だったため、絶望的だ。
そこで、はたと気づいた。
ハルヒは俺にだけギリギリに連絡したのではないかと。理由は考えたくもないが…。

俺の今の心境は、お化け屋敷で、お化けが出ないことを祈る、臆病な少年のようだった。

北口駅前のビル横の駐輪禁止区域に、チャリンコを止めて公園に急ぐ。
この光景を見たら、大抵の人間は羨望の目差しを向けるだろう。
美少年美少女が5人も公園に集結していた。男が1人に、女が4人である。
そう、残念ながら、デートの待ち合わせ相手である上級生と、俺を除いたSOS団全員が
鉢合わせしたしまったのである。だが、結構楽しそうに談笑している。
これは何とか切り抜けられそうか。
「キョ〜ン〜?」
「キョン君」
「キョンさん」
「………」
[フッ…」
前言撤回

「どういう事か説明してくれるかしら?事と次第によっちゃ、あんた生きて帰れないわよ」

故郷の父さん、母さん。先立つ不幸をお許しください。
903名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 16:36:40 ID:WVcxv9W1
GJ
904名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 16:43:45 ID:La8xs0Q7
きしょうてんけつの
きしょ…
あたりで終わってる感じだが……
905脱衣オセロ:2006/07/29(土) 16:44:03 ID:E3pbWiJv
 春の到来を感じさせながらも、未だに寒い寒いと思いストーブへの恋しさが忘れられない冬の終わり。
 相変わらず文芸部を不法占有しているSOS団の本日の活動方針は羽伸ばしだった。
 歯に衣被せず言うなら、いつもどおりのグタグタ状態である。
 ハルヒはネットサーフィンに飽きたのか猫とおにぎりを掛け合わせた全く新しい生命体を落書きし、
長門は一体どんなブームが到来したのか小学生用の教本「優しい理科」を先ほどから読みふけり、
朝比奈さんは先ほどハルヒに印刷してもらった何処かのサイトの美味しいお茶の淹れ方を実践している。
 そして、俺は古泉が棚から今日は何を持ち出してくるのかをのんびりと眺めていた。
 どうでもいいが、谷口レビューにおいて見た目的にはAランクの女生徒が三人もここにいるというのに、
どうして俺は年中微笑顔と面をつき合わせて勝負事なんてしてるんだろうね。

「何か賭けますか」
 オセロを選び出してきた古泉が、相変わらず人当たりの良い笑顔を浮かべつつ聞いてきた。
「悪いが金欠だ。何故か毎週毎週五人分の交際費が俺の財布から飛び立っていくんでな」
 全く持って謎だ。おいハルヒ、お前の好きな謎が転がってきたぞ。
「アンタがいつも集合に遅れるからでしょ。文句があるなら一番に来ればいいのよ」
 断言しよう。
 たとえ明日駅前集合と今この場で決定しそのまま解散したとする。
 俺が家に帰らずそのま駅前に向かったとして、それでも俺は一番最後になるのではないかと考えている。
 一体誰の陰謀だろうね、これは。

 そう言いながら軽く指先をほぐして暖める。
「おや、寒いのですか?」
「日が陰ると手先がちょっとな」
 だがストーブ一基にこの部屋全体の温暖化は流石に求めすぎだと思う。

「面白い事を思いつきました」
 こいつの思いつく内容はハルヒの次に問題があるという事をそろそろ自覚してもらいたいものだな。
「負けたら着ている物を一枚脱ぐ、というのはどうです?
 文字通り敗者は身包み剥がされていくという訳です」
 聞けよ人の話。さっきから寒いって言ってるのがわからないのか。
 あまりの古泉の提案に、俺の脳内情報統合思念体がサミットを開催する。

(わかってるわよねキョン! これはギャフンと言わせる決定的なチャンスなのよ!
 いつもスマイルポーカーフェイスな古泉くんの身包みを徹底的に剥ぎ取って、
 その顔に焦りと驚愕を浮かべさせるのよ!)
(イェッサー!)
 サミットだったはずがなぜか悪の幹部らしき連中の会話に変化していた。
 しかも悪のリーダーがハルヒだし。

「いいのか古泉。まさか俺に勝てるとでも思ってるのか?」
「勝負は常に時の運です。気まぐれな勝利の女神が微笑む者に、栄光はもたらされるのですよ」
「言ってろ。すぐに後悔させてやる」

 こうして俺と古泉の熱き脱衣オセロ勝負が開始された……のだがその前に。
 俺も思春期を生きる健全な男子である証拠として一言だけ言わせてくれ。

 谷口レビューにおいて見た目的にはAランクの女生徒が三人もここにいるというのに、
どうして俺は年中微笑顔と面をつき合わせて脱衣勝負事なんてしてるんだろうね。
906脱衣オセロ:2006/07/29(土) 16:46:28 ID:E3pbWiJv
 さて。あまりに不本意で言いたくないのだが、言わなきゃ始まりそうもないので結果を言おう。

「……てめぇ、やっぱり今までの腕はブラフだったって事か」
 ランニングを脱ぎ捨てついに上半身裸になる。下半身はズボンは無傷だが靴下は無し。
 そんな俺の状態とは対照的に、古泉はゲーム開始から何一つ姿が変化していない。
 盤面はといえば、俺の大敗をあざ笑うかのごとくほぼ古泉カラーで埋め尽くされていた。
 つまり、連戦連敗街道まっしぐらって事だ。応援してくれてる地元ファンのみんな、すまん。

「いえいえ、これは偶然です。どうやら今日の僕は運が良いみたいですね」
 そこまで言うとこちらに何やらアイコンタクトを飛ばしつつ、
「まさに勝利の女神が僕の勝利を望んだ結果、とでも言いましょうか」

 なるほど。勝利の女神が望んだ結果か。
 つまりあれだな、お前の言う勝利の女神って奴は
「ぎゃはははははっ! 何、キョン! 時期外れのストリーキングでも始めるつもりなの!」
とさっきから俺たちの対戦を見てげらげら笑ってるこいつの事だな?
 ったく何で古泉の勝利なんて願ってやがるんだ! くそいまいましい女神め!

「違う」
 珍しく俺たちのゲームに近づいてきた長門が短く答える。
 何度も言うようだが気配もなくいきなり背後から声をかけるのは心臓に悪いから止めてくれ。
 それで何が違うんだ?
「勝利の女神は古泉一樹の勝利を望んではいない」
 そう言いながら机を回り、古泉のそばへと歩いていく。
 どうした長門。古泉が不正でもしていたのを見つけたのか?
 しかし長門は古泉に何やら目配せをするのみ。手を掴んでズルを発表したりはしなかった。

「流石に緊張続きで少々疲れました」
 古泉は盤面を初期位置に戻し終えるとそっと立ち上がる。
そしていたずらを謝るかのような表情を浮かべて目配せをしてきた。
 やれやれ、ようやくこの屈辱も終わるかと思っていると。

「勝利の女神が望んでいるのは、あなたの敗北」

 開いた対戦席に長門がゆっくりと移動した。
 そして俺の前に着席し、ただじっと俺のことを見つめてくる。
 おい待て。まさか冗談だよな、長門?

 そんな俺の言葉も空しく、長門はオセロの駒を摘むと盤面に指した。
 って長門、もしかして俺の事を脱がすつもり満々なのか?

「わたしという個体もあなたには脱いでほしいと感じている」

 ぽつりと言葉を続け、ようやく長門は俺から目線を外した。
 何というか少し照れているような、そんな表情をミクロン単位で浮かべながら。
 ブルータス、お前もか。
907脱衣オセロ:2006/07/29(土) 16:49:30 ID:E3pbWiJv
 何の能力もない一般人が長門に対して頭脳戦で勝てる確率など、谷口がハーレムを築き上げる可能性よりも低い事は誰の目にも明らかであり、
俺はおそらく朝比奈さんが言うところの規定事項どおりの状態、つまりは盤面が一色で埋め尽くされたオセロ盤に対してありったけの怨念を送信している所だった。

 ムエタイ選手よろしくトランクス一丁の姿で。

「いいわよ有希! あと一枚よ!」
 何処から出したのかデジカメでパシャパシャ写真を取り捲るハルヒ。
 気づけばハルヒの腕章が団長から「ヌード写真家」に変わっていやがる。
 なんて縁起でもねぇ。
「勝てば終わりよ! やっちゃいなさい、有希!」

「終わり?」
 長門がちょこっと首をかしげて聞いてくる。
 ああどう見たって終わりだろ。
 次負けたら俺の理性と尊厳が脱がされちまうからな。
「そう」
 ……ん?
 さっきまでやる気満々だった長門のシルバーメタリックの瞳が、気づけばつや消しブラックにまで変化している。
 どうした長門。何かあったのか。
「ない」
 それだけ告げると、長門は準備完了したオセロ盤に駒を指した。

908脱衣オセロ:2006/07/29(土) 16:50:46 ID:E3pbWiJv
 悪い夢を見ているのだろうか。
 それともパンツ一丁で肌寒い部室にいたために、いつの間にやら燃え尽きる寸前のろうそく状態となってしまっていたのだろうか。
 唖然とする俺やギャラリーたちの目の前で、長門はセーラーを着たまま器用に手を動かし、
襟元から青と紺で色別けられたスポーツブラをするっと取り出した。
 別に猫型ロボットの真似事をしている訳ではない。
 つまりこれは、あれだ。ある意味において緊急事態だった。

 目の前の長門は間違い探し状態になっている。さて何が違うだろうか。
 その解答は長門の座席の横をみれば一目瞭然。
 今さっきブラが置かれた下にはカーディガン、靴下、リボンが置かれていた。

「くっ……しぶといわねぇ。
 女の子のブラを脱がせてまで狡く生き延びるなんて、キョン、男として最低だと思わないわけ!?」
 そう、俺の格好はは先ほどから変わっていない。パンツ一丁のリーチ状態のままだ。
 つまり最初の敗北以降、俺は長門に四連勝を決めた事になる。
 ……ありえねーだろ、これ。やっぱり寒さで夢でも見てるんだろうか。

「思考が読めない」
 長門が盤面を片付けながらぽつりとこぼす。
「あなたの打つ手は必ずしもベストではない。むしろわざと不安定にしている節がある」
「確かにトリッキーな打ち方ですね。先ほどなんて角をわざと放棄しましたし。どうしてです?」
 もちろんわざと盤面をかき混ぜる為だ。
 背水の陣なゲリラ戦でも仕掛けない限り、イカダで不沈戦艦なんかに勝てる訳がない。
「不安定な手はノイズを生む。それゆえ常に終盤まで流れが確定できなかった」
「なるほど。今後の参考にさせてもらいます」
 古泉は腕を組んで頷くと、さて、と接続詞を用いてから
「これ以上長門さんが負けた場合、どうにも倫理的に問題があるかと思います」
「問題ない」
 いやあるだろ。
「ない。まだ着衣は三つある」
 セーラーにスカートに下着だな。問題ありまくりだ。
「ない」
 相変わらずの微妙な変化だが、なぜか少し寂しそうな表情を浮かべて長門が珍しく食らい付く。
 ……もしかしてコイツ、純粋に遊びたがってるだけなのか?
 だから俺に負けて……。そんな事を思い描いていると
「ですが長門さん。彼と遊びたいと思っている人はあなたの他にもいるようですよ」
 やはり似たような意見を出して古泉が脇の人物へと視線を投げた。
 長門もあわせて視線を送ると、そこにはヌード写真家から「永世名人」に変化した永世名人が机に座っていた。
なんだか色々と間違っているが放っておこう。
 長門は実に瞬き三回分の時間をとる。そして
「わかった」
 それだけ言ってようやく席を空けると俺の斜め後ろ辺りの位置に椅子を持ち出し、
まるで日常を再開させるかのごとく本を開いて視線を落とした。

909脱衣オセロ:2006/07/29(土) 16:52:28 ID:E3pbWiJv
 さて諸君、色んな意味において本日のメインイベントだ。
 長門という難攻不落の砦が落ちた事で、ついに悪の親玉が動き始めるらしい。
「ぬっふっふっ……。どうやらあんたと決着をつける時がきたようね、キョン」
 パソコン前から机の上に移動していた赤コーナー選手は、わざとらしい笑いと共にゆらりと机の上に立ち上がった。

「っと朝比奈さん。すいませんがお茶をもらえますか。流石に寒くて」
「え、あ、はい、ただいま!」
 俺のこのあられもない姿に朝比奈さんは顔を真っ赤にしながらも、健気に返事をしてくれた。
「こらあっ無視すんなっ! アンタも少しは場を盛り上げなさいよ!」
 ぱたぱたと歩く朝比奈さんから視線を戻せば、仁王立ちでこちらに指を差し向けたハルヒが
百ワットの笑みに悪玉菌と熱血成分をふんだんに盛り込んだような表情を浮かべていた。
 どうでもいいがパンツ見えるぞ、おまえ。

「そんな安い動揺には乗らないわよ。
 わたしのパンツが見たいのならとことん勝負に勝つ事ね!
 まぁどう考えてもキョンの方が先にSOS団活動ページに醜態をさらす事になるでしょうけどね」
 ちょっと待て! 俺のこの姿を載せるつもりか!?
「あったりまえよ! みくるちゃんは問題あるけどアンタなら別にかまわないでしょ」
 持てる限りの権限を全て発動させてでも構わせてもらう。んなことさせるか。
 クソッ、こうなったら意地でも負けられねぇ。いいぜ。OK。やってやろうじゃねぇか。
 クリパのツイスター以来か? 久しぶりにお前とイカサマなしの真剣勝負をしてやろうじゃねぇか。

「こうなったら下克上だ。後でカーディガンにコートにマフラーを付けてから勝負すればよかったと涙を流して後悔しやがれ、ハルヒ!」
「吠える部下に厳しい教育を施すのも天下人の使命! アンタの下克上なんか軽く蹴散らしてあげるわよ! 覚悟しなさいっ!」

「はい、キョンくん。お茶です」
「あ、すいません朝比奈さん。こんな格好で」
「い、いえ、わたしの方こそ、いろいろ見せていただいちゃって」
 はっはっはっ。それならおあいこですね。

「だからわたしを無視するなーッ!」

910名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 16:54:14 ID:Lhu8WRWU
1000までいくかな?
911名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 16:55:50 ID:E3pbWiJv
とりあえず一旦停止で。
前回を反省しネタらしくと小ネタを書いてたはずだったんですが
気づいたらこんな事に。
912名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 16:56:52 ID:QCf0DLVl
お前、ちょ、これ、蛇の生殺しwww
913名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 16:57:47 ID:M0lmdTVV
>>911
ちょww俺達を殺す気かwww
914名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 17:00:27 ID:QdOeisV8
おっきしたままなのにwwwww
915名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 17:07:54 ID:go60Mtnf
そんな…ひどい!
916名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 17:10:25 ID:uQbEZpUS
ちょwwwかつてない展開にwktkしてたのにwww続きかいてくださいよwww
917名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 17:16:03 ID:go60Mtnf
わっふるわっふる
わっふるわっふる
918名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 17:43:50 ID:K2dONlpO
埋めだ何だの流れを気にせず長門モノを失礼します。
3レス予定。本番等無し。別タイトル案『キョンの自滅』
919名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 17:44:21 ID:l/y6DmdH
キョンのすっぽんぽんマダー?
920名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 17:44:49 ID:K2dONlpO
その日の不思議探索は、都合の良いことに早めの切り上げとなった。
ハルヒのことだ、特に理由もなく、ただの気紛れだろう。腹が減ったのかもしれん。
普段ならこのまま帰るのだが、宿題で図書館に用があったので寄っていくことにした。
ついでなので、長門も誘ってみる。

「……そう」
それは了承の合図でいいのか、長門?
以前に比べればマシになったとは言え、相変わらず表情の分かりにくい奴だ。


            『 長門有希の返答 』



俺の調べ物はすぐに終わった。
適当な本の該当箇所を写しただけだが、教師だってそれ以上は求めていないだろう。
そんなわけで本来ならもう帰っても良いのだが、そうもいかない事情がある。
事情とはもちろん、隣で一心に本を読み続けている長門の存在である。
ここぞとばかりに鈍器のように分厚い本のページを捲っている。
誘った手前、先に帰るのは気が引けるが、これは閉館まで動く気配は無さそうだ。
仕方なく、以前古泉に勧められたミステリーの短編集を読んで時間を潰すことにした。

…………、
……………………おおっ!?

切りの良いところまで読み終わり、ふと顔を上げると周りはシンとしていた。
もともと専門書の区画のため人も少なかったのだが、今は俺たちの他に誰もいない。
予想以上に小説に嵌っていたようで、まったく気が付かなかった。

もちろん隣を向くと、相変わらず本を読み続けている奴がいる。
文字を追う瞳とページを捲る手以外は、ほとんど動かない。
ここまで没頭できるのは少しばかり羨ましいと思う。

「お前、本当に本が好きだよな」
921名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 17:45:40 ID:K2dONlpO
ぽつりと呟いたのは無意識で、返事を期待したものじゃなかった。
そもそも長門は必要なこと以外は、ほとんど喋らないキャラだ。
必要を感じない場合は沈黙か、良くても「そう」「いい」程度だろう。
それどころか完全に黙殺されてもおかしくない。

しかし予想に反して、長門はページを捲りかけた手を止めると、こちらに顔を向けてきた。
書架に囲まれ薄暗い中で、長門の黒瞳が一層深い色を湛え、じっと見つめてくる。
静まりかえった館内で、時間までも止まったような錯覚を覚えた。

どれだけ時間が経っただろうか。
ゆっくりと長門が口を開いた。


「…………好き、」


────っっ!!

脳が弾け飛んだかと思った。
長門よ、……そりゃ反則だろ。

ばくばくと暴れ出した心臓を必死に宥め、冷静になろうと努める。
もちろん、長門の言った「好き」が読書のことを指しているのは分かっている。
しかし分かっていてなお、この破壊力。
理性回路がすべて焼き切れてしまったかと思った。

長門と言えば冷めたもので、再び読書に戻っている。
俺はとてもじゃないが読書など出来る状態ではなく、寝るふりをして机に突っ伏した。
……こうしていれば、赤い顔を見られなくて済むだろう。
922名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 17:46:42 ID:K2dONlpO
お決まりのBGMと閉館のアナウンスが流れてきた。
俺も何とか表面的には復活を果たし、長門に出ることを促す。
名残惜しげに読み途中の本を見る姿に、どうにかしてやりたいと思うがどうしようもない。
背表紙の貸し出し禁止マークに殺意を覚えたのは、後にも先にもこの時だけだろう。


長門を送り届けるため、自転車を押して夜道を歩く。
もちろん、こいつにボディーガードなど必要ないのは分かっているが気分の問題だ。

道中、まったく会話は無かった。
しかし不思議と居心地の悪さはない。
むしろ静かな時間が心地好いくらいだった。

やがて長門のマンションが見えてきた。
さすがに用もなく上がり込むつもりは無いのでお別れだ。
最後くらいは、少し会話をしたいと思う。

本、読み途中で残念だった。
「……いい」
まあ、幸い明日も休みだから、また行けば良いだろ。
「……そう」

相変わらず長門の言葉は少ないが、十分満足だった。
意味もなく苦笑が漏れた。

じゃあな、と別れの挨拶をする。
……返事を期待したものじゃなかった。
しかし自転車を漕ぎ出そうとした俺の背中に、長門から声が掛かった。


「──じゃあ……また明日」


振り返ると、既に長門はマンションの中へと消えていた。
自転車に跨ったままで思考は停止し、長い時間そのまま呆然としていた。

長門、……明日って何だよ。
ようやく石化が溶け、へなへなと自転車にしなだれ掛かる。
心臓がバクバクと脈打つ。頭がクラクラとする。
どうやら俺は、どうにかなっちまったようだ。

人通りの少ない夜道で良かった。……赤い顔を誰かに見られずに済むだろう。
923名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 17:51:33 ID:uQbEZpUS
しりきれえええええええとんぼおおおおおおおお
924名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 18:05:52 ID:/xWnFvFc
杉内、和田、新垣
みんな同級生?
925名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 18:06:53 ID:/xWnFvFc
わり
誤爆だ
926名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 18:07:19 ID:H4sjPQ2r
萌え死ぬ!!
927名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 18:14:20 ID:HAytHWU9
残り10KB
次スレ案内
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1153666362/
こちらになります
928名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 18:25:34 ID:3gy1LFXG
>>920の長門はいつも破壊力がでかい
929名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 18:27:40 ID:S1V5V1Md
>>927
誘導サンクス。次で重複スレが終わるんかな
930名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 19:34:14 ID:CSqokGTR
エノッズってゾーンのパロディ?
931名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 19:35:35 ID:CSqokGTR
  /:::::::::::::::ヽ
                   _/      ;;ヘ-、
                〈/:::::::::::::::::::::::::::;;V/
                  /l::::/:::::,'::::::::i:::;;l:;!:ハ       中はだめ
                 ~|::::l:::::/:::::::::l:::;;l;;i:!」 
                ヽ:{::::{:::::::::/;;;;/;;;:リ       後ろもだめ
                ,,.-ト{八::::/リj/V-..,
               (     `''     lヘ
                1.,   ノ ヘ,.   //
                {ヘ ^~      /;ノ
             ,-―-ゝヘ   :   ;{ノ..,___
            {   >-入     人-<  ヽ
       / ̄ ̄ ̄ヽ                / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ、
      /      \      ` ´      /  _,,..i'"':,      ヽ、
     /         ヽ      : !     /   |\`、: i'、      ヽ、
    /           `ー-一'^ー-一 '      \\`_',..-i       ヽ、
   /        __,,,...,,  ,...               \i _,,...-        ヽ、
  /        /:::::::::人.,,,.|::::"-、__                        ヽ、
 /        「||::::::/〜/:::::://┐:::::::ノ\ヽ                        ヽ、
/         ノy_/,ノ:::::::::/ ノ┴┴; |                           ヽ、
         /|ノ (\j ̄ ̄  //   ヘ ヽ、                           ヽ
         L..,, /~l    / /    | ゝ ノ     
           / ̄! ̄"'-="''へ_,,....ノ^ヘ_,,._ノ

932名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 19:36:11 ID:CSqokGTR
    __
                       , ' ´ ̄´     `丶、
                     /   rヘ=,,≠==、、  ` 、
                     〃l  ハl`ヽ       )   ヽ
                     リ l l ゝ      ,,,,从 l  l
                      (l∨ ⌒ヽ   ´   〃 }  l
                       l |   r ‐ - 、⌒ヽ/ l) │ めがっさ埋め〜
                        ,'| |   l   /   / /   |
                      ,'.| | \` ー '  _ / /    !
         _          , -| | - l ` ー < / /    |
 r―――-、-''、 ` ー--‐'' ̄`ー''´  |.│∠  /  / / ヽ   !
   ̄ { `   ヾ }           { | /≠ミ/  ,'  ,'    l  |
    ヾ____ノ ノ    ` ー-____.l | l   /  / /    │ │
        ` ー----‐‐ ̄   / / | l  /   ./ /    │  .l
                     / /  ! l , '   / / {    |  ヽ
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                   / /   / ̄ ` ーl   !ー− ヽ  |   ヽ
                / /  /三    i  ! }       }  ヽ ヽ
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933名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 19:37:13 ID:CSqokGTR
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____________                  ~"'ー、_
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934名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 19:38:20 ID:CSqokGTR
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     :. ,'./       i  ヽ:.   ヽ:.:.. ヽ.ヽ
      ,'/    / .ハ ヽ ヽ:.:.:.:. ヽ::.. ヽヽ :.
     :. |i .i i  .i /  ヽ ト 、 \、:.:.:. ',:.',:.:.lヽ}
       |i .i l  :N_, -弋 \弌弋ナ:}:.:}
    :. |i∧ ', :{ ,ィjモト \  イjミトイイV :.  
       .|  :メヽ.', `ozZ}      izN。ハ::{     
      :. |  :ヾ_! ゝ "゙゙    '  `゙ ハ.:', :.   な…
      |  :.:_イ .:.ヽ.   (二フ , イ :.:.:!:.ヽ    なんなんですか? 
   :.  / rィイ | :.:.ヽ: >r/`<ノ .:.::.}ヽ、\:.  19ってなんなんですか?
      / ∧l;l ! :.:.:.://{二 ̄ .} ..:..::リ  \.:\   なんで次スレ
 :.  / . /  ヽi .:.:.{ /(^`  |.:.:.:./     }: . ヽ.:.  20じゃないんですか?
   / /  }    ヽ:.ハ ヤ{    !.:./     |:.:. i ',
  ./ .,イ .:..}      /   l !   レ      l:.:.: .ハ ',
  { /| .:.:ハ     /    l  i   i     /:.:.:/ }:.}
  V | .:.:/:.: ',   /    iノ :i     !    /:.:i.:{  リ
    ヽ:.:{、.:.:.l       |  |     |.   /:.::∧|
     ヽ! )人      |  !        / \! :.
      "  ヽ    /  {      /    \ :.
       :.  \__/   \______/      ヽ
           /  、   b           ',
       :.     /   ヽ      /       ;
          /     \   /         !
           /       \!/         !


935名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 19:39:19 ID:CSqokGTR
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     :.  / _     ___   、\
       / /   i      \   \\ :.
     :. ,'./       i  ヽ:.   ヽ:.:.. ヽ.ヽ
      ,'/    / .ハ ヽ ヽ:.:.:.:. ヽ::.. ヽヽ :.
     :. |i .i i  .i /  ヽ ト 、 \、:.:.:. ',:.',:.:.lヽ}
       |i .i l  :N_, -弋 \弌弋ナ:}:.:}
    :. |i∧ ', :{ ,ィjモト \  イjミトイイV :.  
       .|  :メヽ.', `ozZ}      izN。ハ::{     
      :. |  :ヾ_! ゝ "゙゙    '  `゙ ハ.:', :.   な…
      |  :.:_イ .:.ヽ.   (二フ , イ :.:.:!:.ヽ    なんなんですか? 
   :.  / rィイ | :.:.ヽ: >r/`<ノ .:.::.}ヽ、\:.  なんなんですか?
      / ∧l;l ! :.:.:.://{二 ̄ .} ..:..::リ  \.:\   なんで次スレ
 :.  / . /  ヽi .:.:.{ /(^`  |.:.:.:./     }: . ヽ.:.  同じ番号なんですか?
   / /  }    ヽ:.ハ ヤ{    !.:./     |:.:. i ',
  ./ .,イ .:..}      /   l !   レ      l:.:.: .ハ ',
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  V | .:.:/:.: ',   /    iノ :i     !    /:.:i.:{  リ
    ヽ:.:{、.:.:.l       |  |     |.   /:.::∧|
     ヽ! )人      |  !        / \! :.
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936名無しさん@ピンキー
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