【涼宮ハルヒ】谷川流 the 19章【学校を出よう!】
Q批評とか感想とか書きたいんだけど?
A自由だが、叩きは幼馴染が照れ隠しで怒るように頼む。
Q煽られたんだけど?
Aそこは閉鎖空間です。 普通の人なら気にしません。
Q見たいキャラのSSが無いんだけど。
A無ければ自分で作ればいいのよ!
Q俺、文才無いんだけど…
A文才なんて関係ない。必要なのは妄想の力だけ… あとは思うままに書いて…
Q読んでたら苦手なジャンルだったんだけど…
Aあうう… 読み飛ばしてください。 作者さんも怪しいジャンルの場合は前もって宣言お願いしまぁす。
Q保管庫のどれがオススメ?
Aそれは自分できめるっさ! 良いも悪いも読まないと分からないにょろよ。
Q自分で作れないから手っ取り早く書いてくれ。
Aうん、それ無理。 職人さんにも色々あるのよ。
Q 投下したSSは基本的に保管庫に転載されるの?
A 拒否しない場合は基本的に収納される。 これは僕にとっても規定事項だ。
6 :
フルメタ×SOS:2006/07/09(日) 21:12:56 ID:sYwqBrhS
長門一人に負担を掛けすぎている。いつのまにかあいつに頼る癖が付いてしまった。
しかも最近では俺以外の連中も長門を当てにしまくっている。
このままではまたあいつは世界を改変してしまうかもしれない。
その日、俺は緊張しながら部室に向かった。
何か長門をねぎらう言葉をかけてやろう、と昨日の夜に決めたのだ。
ドアを開けると案の定長門がいた。
いつもと変わらずに分厚い本を読んでいる。
後ろ手にドアを閉め、その場でしばし俺は長門を見つめた。
俺の視線に気付いた長門が尋ねた。
「どうしたの?」
俺は心拍数が上がっていることを気取られないように努力し、こう言った。
「長門。少しお前にお礼が言いたいんだが」
長門は少し首をかしげた。
俺は一気に気持ちを伝えた。
「有希、いつもすまない。お前は凄いヤツだ、お前は俺にとってただの仲間なだけじゃない。それも、もっと大切な人なんだと思う。な、何かあったら必ず力になる、それだけは覚えて…。すっすまん! 忘れてくれ! だ、だが本心だ!じゃあな!」
俺は恥ずかしさのあまり部室を飛び出してしまった。明日からどんな顔して接すればいいのやら・・・
彼は顔を真っ赤にして出て行ってしまった。私の顔を真っ赤になっている。
私は彼の言葉に舞い上がってしまった。
「有希・・・有希だって!どうしよう〜!大切なぁ〜そんなそんな〜!」
体全体で喜びを表現しているところを古泉一樹に目撃されたことはこの際置いておこう。
早漏乙。スレ立て早いよ。残り20k切ったくらいでもいいじゃねーの?
8 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 21:54:05 ID:rEycrzqz
上げてもたスマソ
もう小ネタばっかりはやだよ…
今は落ち着いてますな。
とりあえずハルヒエロ作ってみたけど、投下OK?
本編で5スレほどもらいますぜ。
保管庫の方、まいど乙であります。
16-116であります。
16 :
金曜夜1/5:2006/07/09(日) 23:25:31 ID:uk7CPgkw
「あ…ひぁ…………あ、ああ………ちょ…待って…」
待たないさ。
こんなに可愛いお前はめったに見れないからな。
言いながら打ち付ける速度をあげる。
部屋の中は水っぽい粘着質な音と腰と腰がぶつかりあう音、そしてハルヒの嬌声が響いている。
オレの鼻息荒い息遣いもあるにはあるが、それは気にしないでいただきたい。
あの、涼宮ハルヒがオレの下で女の声をあげているんだぜ?理性がなくなりかけるのもしょうがないと思うね。
さて、のっけからのろけですまんが、ここはハルヒの部屋で今オレはハルヒをバックから生で犯している。もう1時間は動きっぱなしだ。
二人の関係で言えば「愛している」なんだろうが、いつもの仕打ちの逆襲も兼ねているので犯している、だ。
オレとハルヒがこんな関係になってからは、ごくたまに金曜の夜はこいつの家で一緒に寝ることになった。
こいつの家にはいつも両親がいないし、ここで寝れば土曜の市内不思議探訪でオレがビリになることもないからである。ハルヒと一緒に行くからな。
だが、市内不思議探訪の奢りは変わらなかった。駅近くで後から来なさいって何だよ、ソレ…
今から1年前のオレのとこに時間遡行してこの真実を伝えても絶対に信じなかっただろうね。ひとりでハルヒを想像したことは何度もあるのにな。
2年になって、諸々のSOS団に関わる事件が終わってからすぐだ。オレたちが付き合いだしたのは。
いやはや、あれは面倒だった。思い出すだけでよく乗り切ったものだと感心する。
ま、過ぎたことはどうでもいいさ。長門も朝比奈さんも古泉もいつも通りだし、今オレの下でハルヒが悶えている。それだけで十分だ。
腰まで届くハルヒの黒髪が揺れる。あー…ポニーにしてもらうんだった。
上半身だけ制服&黒のニーソックスってのもなかなかそそるな〜。ってオレは何オヤジ化してるんだろうね?
胸もオレが揉んでるせいかだいぶ大きくなってきた。……このぶんだともうすぐ朝比奈さんに追いつくかもしれん。
やっぱやわらけー。
17 :
金曜夜2/5:2006/07/09(日) 23:26:04 ID:uk7CPgkw
「…む、胸は弱いか…あぁ!……」
はい、乳首ロックオン。
「〜〜こ、この…バカキョン!……あ…後で覚えて…おきな……さい!…」
ふふん。お前が敏感すぎるってのはもうバレバレだ。
ベッドの上では彼我の戦力差は逆転するのをまだ理解してないようだな、ハルヒさんよ?
「…ま、待って!…そ、そこは……」
「…さ〜て、どうしようかな〜?」
…やべーな。この弱気のハルヒはいつ見ても可愛すぎる。だから当然、ハルヒの最大の弱点を責める。
「ああぁああぁぁぁぁああぁ!!!」
うわ。予想通りだけどすごい反応だな。愛液の量と締め付けがとんでもねー。今動いたら暴発しそうだ…
オレも制服脱いだほうがいいかな?…ってもうハルヒの愛液でズボン濡れちまってるし、またこっそり洗濯だな。
しかしクリトリスはそっと触ったほうがよかったか。感じすぎだし、締め付けも無駄に名器過ぎるよ、おまえは。
「なあハルヒ。ベッドの上ではどうなんだっけ?」
「………」
ぷいっと横を向かれる。
顔真っ赤だぜ、ハルヒよ。あんまり反抗的だとまた思いっきりいくぞ?
「わ、わかったわよ!」
ハルヒは真っ赤な顔だけこちらへ向けて
「…キョ、キョンの好きなようにしていいわよ!」
それだけ言うとシーツに顔を埋めてしまった。
………あぶなかった。理性、よくがんばった。
ベッドの上ではオレの好きなようにしていいって初めての時に「うっかり」言い出したのはこいつだ。
長門になびきそうになったオレを繋ぎとめるためとはいえ、よくそこまでするよ。処女の女が言うセリフじゃないぜ?
…そういや長門や朝比奈さんとも現在進行形で関係を持っていることは知られてないよな?
あっちにはきちんと理由があるし、純粋な恋愛感情からのハルヒとの行為とは違うんだけど、知られたら死刑は確実だな。
18 :
金曜夜3/5:2006/07/09(日) 23:26:35 ID:uk7CPgkw
さて、理性が必死にがんばってくれたし、オレのためにここまでしてくれているハルヒは純粋に愛しい。
ゆるやかに腰の動きを再開する。
「……あ…」
うれしそうな声出しやがって。ったく。
犯しているつもりが、いつのまにか愛しているになっちまいやがった。
ハルヒよ、いつもはなんだかんだお前にグチったりしてるが、オレが本当に好きなのはお前だけだ。
体使ったりしなくてもオレはお前にベタぼれだってこと、いいかげん気づいてくれよ?
古泉がお前と喋ってるのを見るだけでヤツに対してムカが入るし、お前の口から谷口や国木田の単語が出るのも気に入らないんだぜ?
お前が男は知らないって知った時、オレは心から喜んだんだぜ?ガキみたいだけどさ、好きな女の初めての男になれて最高にうれしかったのさ。
長門や朝比奈さんを抱いたときより、お前を抱いたときが一番感動したんだ…ってこれは絶対内緒にしておこう。
そんな思いを腰の前後運動に変えてゆっくりハルヒに伝えていく。言葉にするのは恥ずかしいが、行為で示すなら問題ないだろ。な?
たぶん気づくことはない(長門と朝比奈さんのことは気づくなよー)と思うが、幸せそうな顔してるハルヒを見てるとそんなのどうでもよくなってくるな。
「キョン」
顔を埋めながらハルヒが問い掛ける。…顔が見たいな。
なんだ?
「…顔が見たい」
奇遇だな、オレもだよ。
ゆっくりと繋がったままハルヒを仰向けにしてやる。回転がちょっと気持ちいい。
こうしてみると、ハルヒはやっぱりきれいだ。
やや幼い顔立ちながら十二分に美人だし、染めてないさらさらの黒髪。スタイルも抜群だしな。
上気した頬や長く散らばった黒髪はなんとも言えない妙な気分になるね。って今はその妙なことをしてる最中だが。
「これでいいか?」
「…うん」
はにかんだ笑顔のハルヒはベッドの中でしか見れない、オレだけに見せるハルヒだ。
今のオレが一番好きな笑顔だ。団員限定の笑顔も好きだが、この笑顔はオレ限定だ。誰
ミスった。
誰 以降ね。
誰にも見せたくないね。
ゆっくりとハルヒの背中に手を回し、抱きしめる。
背や胸、髪も伸びたがハルヒはハルヒだ。入学式の自己紹介以降ずっと惚れていたオレのハルヒだ。
長門が暴走した世界では一度失ってしまったが、これは取り戻したオレのハルヒだ。オレだけのハルヒだ。
二度と離したくない。いや、離さない。連中に誘拐されたり、命を狙われたりする事態にはもうさせるものか!
「…ン…キョン……ちょっと痛い」
ああ、悪い。
腕の中でハルヒはうれしそうに、ちょっと怒った顔をする。
目が合う。
思わず笑みがもれていた。
ハルヒもやわらかく微笑んでくる。
本当、いい笑顔だよ。それはな、見るもの全てを恋に落とす笑顔なんだぜ?朝比奈さんに決して負けてない。
だけど、それを中学時代に見せないでくれてよかった。
絶対ほかの男どもが放っておかなかっただろうからな。谷口あたりなんか特にしつこそうだ。
20 :
金曜夜4/5:2006/07/09(日) 23:28:24 ID:uk7CPgkw
「その笑顔さ」
微妙にハルヒから視線をずらす。見えるのはクローゼットだ。
「うん?」
ハルヒは優しい目でオレの目を覗き込んでくる。
視線をさらにずらす。ハルヒがいつも使っているであろう姿見に困った顔した北高生徒2年生が映っていた。
クローゼットにはこいつが買ったコスプレ衣装が入ってるんだっけか。
「……えーと、だな…」
こいつはバニー以外ほとんど着ないんだが、何が入ってるんだ?
「…なによ?言いたいことははっきり言いなさいよ」
「あ、ああ…お前のその笑顔だけどさ…」
深呼吸。クソ、口滑ったな。あんまり本心は語りたくないんだが。
「……今お前がしてるような笑顔は、オレ以外には見せないでくれ…」
ハルヒの目をじっと見詰める。
くっそ、めちゃくちゃ恥ずかしいぞ!
「………」
ハルヒも恥ずかしがってるじゃないか!見る見る頬が赤くなってきてる。
見詰め合って30秒もたってきた頃、ハルヒは真っ赤な顔でコクンとうなずいた。
…だめだ、耐えれない。ハルヒの中にいたオレが一回り大きくなった気もする。
そのままハルヒに覆い被さって口を塞ぐ。
目は開けない。頬が紅潮してるのが自分でもわかる。
今ハルヒの目を見ると色々と余計な照れ隠しを言いそうだ。
止まっていた腰をがむしゃらに動かす。照れ隠しだってのはわかってるさ、ちくしょうめ!
ただうれしかった。
ハルヒを力いっぱい抱きしめながら、全力で愛する。他に何も考えたくないね。
限界はすぐに訪れた。
愛しさと気持ちよさであまりにもあっけなかった。
安全日でよかったよ。今ハルヒから抜けって言われてもできそうになかったからな。
確かな安全日はないって話だが、こいつが安全っていうからには安全なんだろう。
長門や機関の分析によると、世界をまるごと変革する力はもうほとんどないらしいが、それでもゼロにはなってないらしいしな。
いつかオレの子供を産んでもらう日も来るんだろうが、それは高校生活の今ではないし好都合ってものさ。
ハルヒは荒い呼吸を繰り返している。
体が小さく痙攣してるのがちょっとおもしろいが、そこでイタズラすると怒るからなぁ。
さてと、後始末して着替えて寝るとするか。
明日は市内不思議探訪と名を借りたSOS団の集まり兼デートだからな。
ティッシュを箱ごと取り寄せ、ハルヒの股間を拭いてやる。
うわぁ…オレ、出しすぎ。
思わず鏡の中のオレと目線を合わせて苦笑い。
後始末してる間ずっとハルヒは茫然自失だった。敏感すぎるのも大変だ。気を失わなくなっただけでも慣れたってことか?
さて、これで終わりだろう。
ハルヒの服や靴下を脱がして、オレも制服脱いで寝るか。
宇宙人や未来人や超能力者とは無縁になりかけているこの世界だが、こんな世界も悪くないよな。
明日も会うなりニヤケ面の古泉やら真っ赤な顔の朝比奈さんやら何か言いたげな長門がいるんだろう。
まー、いい。午後はなぜか常にハルヒと二人っきりなんだから、午前中だけの辛抱だ。
さて、寝るか。
あ、そういやあのクローゼット、何入ってるんだっけ?
…気づかなければあんなことにはならなかったんだろうなぁ。
以上っす。
ないんだったら自分で作ればいいのよ!
とは言うが、エロなんて初めてでよくわからん。
感想くれたらヘコんだり、喜んだりします。
>>22 よくぞやってくれた
そしてクローゼットには何が…
>>23 skelton in the closet(誰にでも秘密がある)
じゃ今から忍び込んで確認してくる
>>24 skeletonだったorz 知ったかぶりは駄目ですね
しかしキョンは死刑に値するな
>>22 GJ
お熱いのはいいんだが、朝比奈さんと長門とも関係持ってるなんて・・・
そんなヤリチンキョンは天罰が降りるといい
そこで修羅場ですよ。
キョンがなんか・・・うーむ。
ついでにこんな成語もあった
'come out of the closet'つまり古泉がクロ−ゼットから飛び出してきて
キョンに天罰を、と
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>>25]::::。::::::::::::::::: ゜.:::::::::::
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... ..:(急 )ゝ (主 )ゝ(穏 )ゝ無茶しやがって… ...
.... i⌒ / i⌒ / i⌒ / .. ..... ................... ..
.. 三 | 三 | 三 | ... ............. ........... .
... ∪ ∪ ∪ ∪ ∪ ∪............. ............. .. .....
三三 三三 三三
三三 三三 三三
>>24 そういう事か
てっきり中に鶴屋さんがいて、
「こらキョンくん、おいたはだめにょろよ」
とかいって飛び出してくるのかと…
何言ってんだろ俺…
>29
キョンがらしくないのは感じたが、まあやってるときにあまりにいつも通りなのもなんだしいいんじゃないかと。
ついでにいえばエロゲは大概そうだ>せっくるシーンは別人
34 :
22:2006/07/10(月) 00:10:44 ID:5km9tk8E
感想サンクス。
キョンむずい。
本心を隠すのがキョンのいいとこなのに、本心出すと誰かわからなくなるな…
精進が足らぬ…orz
すまん。なんかクローゼットで盛り上がってるなw
特に変なのは入ってないぞ?
一応続き考えてあって、クローゼットの中で発見した衣装を着せて…
って展開なんだが。
書く?
wktkして待ってる。
今日は無理なので明日以降を期待してくれ。
では寝る。
>>34クローゼットの中にメイド服、バニー衣装、ナース服、巫女衣装があれば、
あたしの体に着せなさい!とハルヒがいってます
一ミリたりともエロはないが、書いてみたものを葬り去るのは忍びないため、なんとなく。
エロ希望の人は読み飛ばすが吉。
夜の街を自転車で走る、というのはそれなりに気持ちがいい。
もちろん、それが無口な――だけでないことはよく知っているつもりだが、便宜上
ここはそうさせてくれ。すまんな、長門――宇宙人製有機アンドロイドからの意味深な
呼び出しでもなく、ほんのちょっとばかりおっちょこちょいな――こちらも先に同じく。
すみません、朝比奈さん――未来人からの時間旅行のお誘いでもなければ、ましてや
うさんくさいまでに爽やかな――これは謝らないからな、古泉――超能力者からの
聞きたくもない種明かしの裏話でもない、という条件付きだが。
条件が多すぎるって? あいにく、そのどれもがありえない話じゃない立場にいる
人間にしてみれば、これくらいの予防線は引かせておいてもらいたいところだ。ああ、
もちろんハルヒからの呼び出しなんぞは論外だからな。絶対確実にロクなことじゃない。
ともあれ、だ。
数え上げれば切りがない、そんな事件の種とは一切無関係に、俺は自転車を走らせて
いる。七月七日の晩に、だ。
七月七日といえば、俺としてはいろいろと思うところ満載な日ではあるのだが、
世間的には当然ながら七夕であり、SOS団的にも第一義としてはそれだ。去年同様、
ハルヒが学校の裏から調達してきた見事な竹が部室に陣取り、発行日時がえらく先の
願いごとを書いてぶら下げる、という思えば珍しくそれなりに常識的な行事である。
常識的な行事の方が珍しい点については、この際問わないことにする。なんとなれば、
即ちそれは涼宮ハルヒの人間性を問うのと同義であり、そんなことをすれば結果は
目に見えているからだ。勝てない勝負はするもんじゃない。
「あんたってば全然成長しないのね。少しは夢のある願いを書きなさいよ!」
お前こそほとんど変わってないだろう、と言いたくなるような願いを書いたハルヒに
ダメ出しを受けつつ、めげずに俺は『庭付き一戸建て』の願いを押し通した。
悪いがこれは譲れないね。家の中でまでやかましいのに追いかけられるのは敵わない
からな、逃げ場所が必要ってもんだ……と、それはどうでもいい。だいたい、成長する
もしないも、こんなところで判断されるのは非常に困る。そもそも古泉と朝比奈さんは
一言一句去年と同じ気がするんだが。
「あの二人はいいのよ」
どうして俺はダメなんだ。
「もうちょっとしっかりしてくれないと困るのよ!」
だからどうしてお前が困る。ああ分かった睨むな、来年はもっと違ったこと考えて
おいてやるよ。
「その言葉、忘れるんじゃないわよ! まったく、有希を見習いなさい」
言われて見やった長門の短冊に書かれていたのは、『自律行動』という意味深と
いえば意味深な単語。成長したと言うんだろうか、こういう場合。
「それじゃ、みんなちゃんと願いも書けたし、今日はこれで解散ね!」
日が傾いた頃、そんな宣言を残し、意気揚々とハルヒは引き上げていった。去年
見せたあのメランコリックな空気はかけらも感じられず、俺は逆に不安になったり
もしたのだが、
「この一年、いろいろありましたからね。涼宮さんにとっても、四年前のあの日だけが
特別なわけではない、そう思えるようになったんでしょう。心配要りませんよ」
帰り際の古泉にそんなことを言われて、そういうものかと思うことにした。そう、
なにも一から十まであいつの悩みごとを俺たちが引き受ける必要はない。いざとなれば
走り回りもするが、大概のことならハルヒだって自分の面倒くらいは自分でみられるはずだ。
その『大概のこと』の枠をいささかはみ出した出来事が多いのは……まあ仕方ない。
「私も失礼しますね」
次に席を立ったのは朝比奈さんだ。お疲れさまでしたと頭を下げた俺の手元に、
『今年は私からのお願いはありませんから』
そんな短冊を滑り込ませて出ていった。最近、こういうところで芸が細かくなってきた
気がする。あの朝比奈さん(大)に少しずつ近づいている、ということだろうか。俺と
しては、朝比奈さん(小)は朝比奈さん(小)のままでいてほしいのだが。
「長門、そろそろ帰ろうぜ」
いつまでも益体もないことばかり考えていても仕方がない、部室の本来の主である
ところの長門に声をかけ、俺も腰を上げる。合鍵という名の自分専用鍵をいつのまにか
こしらえていたハルヒと違い、ここのマスターキーを管理しているのは文芸部員の
長門になるので、先に帰れとは言えない。別に俺が先に帰る分には問題はないのだが、
どうもこいつを一人置いていく気がしない。このまま明日までページを繰り続けるんじゃ
ないか、そんな不安を笑えるというやつはどうぞ笑ってくれ。俺はあまり笑えない。
――と。
「朝倉涼子は」
「何?」
不意に飛び出したその言葉に、思わず聞き返してしまった。朝倉?
「彼女はとても優秀だった」
そう言った長門の視線は、夕焼けに染まる空を通り越して彼方に向けられている
ように見えた。
「急進派としての彼女の考えは容認出来ない。しかし、自分自身で考えて行動する、
その判断は極めて妥当。そして、それを実行するのは非常に困難」
どこか饒舌に語る長門。その姿を見て、ああそうかと思う。
朝倉のあの一件、俺からすれば出来ればもう二度と遭遇したくない類の出来事でしか
なかったが、長門から見ればまた違ったように見えていたんだろう。
自律行動。
長門の願い。
「私も、そうありたいと思う」
「そうか」
なれるさ、無責任に答えてやりたくなったが、結局俺はそう言った。言葉にする
必要がないことってのも、ときにはある。そうだよな?
と、まあそんなこんなが昼間の出来事だ。概ね普通の七夕だと言ってもいいんじゃ
ないかと思える。
……が、七夕といえばやはり忘れてはいけない出来事がある。だから俺は一人
自転車を走らせている、というわけだ。行き先はもちろん、東中だ。
ここで誓って言っておく。
別にハルヒが心配だとかそういう話ではない。ただ単に、あいつが今年もそこに
現れるかどうか、それを確かめたいだけだ。当然、また妙なことでもしでかしそうな
気配があれば、適当な理由をでっち上げて全力で阻止するが、そうでなければ声を
かけるつもりもない。見つかる前にとっとと逃げ帰る予定だ。大体、声をかけて
何の話をする? 自分がジョン・スミスだと名乗ってみるか? バカバカしい、そんな
ことをした日には、それこそ何が起きるか分かったもんじゃ――
「ん?」
そこで、思いがけない人の姿が目に入り、俺は自転車のブレーキを握りしめていた。
小さな公園の中、街灯の下できこきことブランコを小さく揺らしているのは。
「おや、キョンくん。奇遇だねっ」
苦笑……じゃない、どこか疲れた笑顔で鶴屋さんが片手を上げた。
「ん、ちょっとばかし考えごとっさね」
どうしたんですかという俺の言葉に、鶴屋さんはそう答えた。
ちなみに、先のあまりに彼女らしくない笑顔を見た時点で、俺の中での優先順位は
鶴屋さんが第一位だ。ハルヒの方が気にならないと言ったら嘘になるが、そっちは
何かあったとしても、古泉辺りがそれこそ『飛んで』来てくれるに違いないからな。
「キョンくんこそどうかしたのかい? なんだか急いでたみたいだけど」
大したことじゃありませんよ。ただの食後の腹ごなしです。
「そっか。でも引き留めちゃったみたいで悪かったねっ!」
そんなことありませんよ、その返事を最後に会話が途切れた。鶴屋さんと会話が
続かないなんて、それだけで前代未聞の事件じゃないだろうか。かといって、必要
以上に踏み込まない、がスタンスの彼女に対して、果たして俺はどうするべきなのか。
嫌な沈黙が流れる。それが数秒だったのか、それとも数分だったのか。
「うちの方でさ、ちょいといろいろ、ね」
静寂を破ったのは、鶴屋さんの呟きだった。いろいろ、という言葉の説明はない。
ただそれだけを口にして、彼女はやがて空を見上げた。
「七夕、か。あの星に願ったら、願いは叶うっかね。キョンくんはどう思うさ」
さあ、どう答えるべきか。
正直迷った。鶴屋さんの家の事情、そんなものこれっぽっちも知りやしない。俺が
知ってる鶴屋さん情報といえば、ばかでっかい屋敷に住んでいること、古泉経由の
本当か嘘か分からないその肩書き、その程度だ。
その程度しか知らない俺が、答えていいのか。
迷った。
迷って。
「叶いますよ。鶴屋さんの願いですから」
そう答えた。
少なくとも、俺の知ってる鶴屋さんは――何も聞かずに朝比奈さんをかくまって
くれる人で、とんでもなくバイタリティにあふれた人で、それでもっていつだって
笑顔を絶やさない素晴らしい人なのだ。夜の公園で一人、溜息ついてブランコこいでる
人では断じてない。
すべては俺の思いこみかもしれない。本当の鶴屋さんは、夜の公園で一人、溜息
ついてブランコこいでる人なのかもしれない。だが、俺はそんな鶴屋さんは知らない。
だから、俺は俺がそうあってほしいと思う鶴屋さんに対して告げる。
「ハルヒのやつに言わせれば、願いが叶うのに十六年だかかかるみたいですけどね、
鶴屋さんが願うんなら今すぐにだって叶いますよ。ええ、きっと」
なんの根拠もなく、勢いのまま言った俺は。
「だから元気出してください。何かうまいもんでも食いに行きましょう。おごりますよ」
最後にそう締めくくった。我ながら訳が分からない。出来るなら朝比奈さんにでも
頼んで、もうちょっとうまくやり直せるよう過去の自分に説教したい気分だ。
が。
「……っく、くくっ、は、ははっ、あはははっ!」
ぽかんとした顔――これもレアだ。お見せできないのが非常に悔やまれる――を
していた鶴屋さんが、やがて腹を抱えて笑い出した。
「いや、うん、やっぱりキョンくんはキョンくんだねっ! 悪い意味じゃないよっ!」
涙目になるまで笑い転げてから、ありがとっ、と鶴屋さんは握手を求めてきた。
「でもさっ、あそこで抱きしめたりしないのがキョンくんだよねっ!」
そういうことを言わないでください。
やけに力強い握手に、ぶんぶんと腕を振り回されながら答える。そんな大それた
ことして、鶴屋さんに嫌われたら困りますから。
「そっかい? あたしだってそうされたらけっこう嬉しいかもにょろよっ?」
冗談ですよね。
「さあどっかなっ? ああ、でもキョンくんってばもてもてだからねっ、そこに
割り込むのはあたしもちょっと怖いかなっ!」
もてもて? 誰にですか。
「んー、例えばさ、宇宙人とか未来人とか超能力者とかっ」
思いっきり脱力したくなる答だった。
あのですね、宇宙人だの未来人だの超能力者だのがいたとしても、そんな身近に
ごろごろしてるものじゃないですよ、普通。
「うんっ、普通はそうだねっ!」
いや、笑顔で返されると……ああ、もう百歩譲ってそういうことがあったとしても
ですよ、超能力者に好かれてるのだけは勘弁してください。
「どうしてにょろ?」
どうしてもです。まあ、超能力者の親玉になら全然構わないですが。
「親玉?」
いえ、こっちの話です。それよりほら、行きま……
「うん? どしたいっ?」
……すみません。財布なんて持ってきてないんでした。
情けないにもほどがあるその一言に、再び笑い出す鶴屋さん。涙さえ流して笑うその姿に、
俺までつられておかしくなってくる。
「気持ちだけありがたく受け取っておくっさねっ! ホントありがとっ、キョンくん!」
二人して笑い続け、しまいには呼吸まで苦しくなってきて思わず空を仰げば、何光年
だかの距離を飛び越えて、天の川がうっすら見える。彦星と織姫はどの辺になるんだっけか、
ちゃんと調べておけばよかったぜ。願いたい時に限って、まったく、やれやれだ。
代わりに明日、部室でこっそり短冊を追加しておこうと思う。
『笑顔でいてくれますように』
誰がともいつとも書くつもりはない。なるべく超特急で叶えてほしい願いだからな、
余計なことなんて書かないのさ。だから頼むぜ、神様でも宇宙人でも未来人でも超能力者
でもいい、庭付き一戸建てなんざくれてやる、この願いだけは、必ず――
ちゃんちゃん、と。
需要のなさそうなエロ抜きでした。
おあとがよろしいようで……
悪くないと思うぞ。
長門が多いんだけど、個人的には
キョンとハルヒ、キョンと鶴屋さん
のが読みたいんです。誰か書いてくれ
乙です
1レス目に――(ダッシュ)が多すぎる。
時間軸上で見て間を持たせるとか、関係代名詞的に説明するとか、
その箇所を強調する効果とかがあるが、やりすぎると何処を見て良いのかわからなくなる。
最初の長門に二回使うのはギリギリ我慢できるけど、朝比奈さんと古泉にも乱発したので、
鬱陶しくて仕方ない。その部分で嫌になって読むのをやめた。
その後がどれほどの良作であっても、冒頭にキズがあると終わりなのでもったいない。
序盤は気をつけて欲しい。
何を偉そうに
読み手は義務で読んでる訳じゃないんだから偉そうで構わんのさ
書き手は(ry
「あっちぃなぁ〜…」
思わず声に出てしまった。
それは、暑い夏の午後だった。
いつも通り、俺は部室でパソコンを弄くっていた。
ハルヒはいない。どこかへ探索に出かけている。
朝比奈さんもいない、何か用事らしい。ちなみに用事の内容は禁則事項らしい。
古泉は(以下略
そんなわけで部室には俺と長門の二人きり。
長門はずっと無言で本を読んでいる。俺もずっと無言でパソコンを弄っていた。
でも、あまりの暑さに声が出てしまったわけだ。
ひょっとしたら、ハルヒはエアコンを仕入れにいったんじゃなかろうか…
そんな風に考えてしまうなんて、俺も随分と感化されたもんだ。
「暑いの?」
不意に声がした。
声がした方を向くと、長門が本を膝の上に置いて、こっちを見ている。
なんだ、聞えてたのか。
「ん…あぁ、ちょっとな…」
「摂氏32度」
「は?」
「現在の気温」
「あぁ…そう…」
なんなんだ…一体…どう答えればいいんだ?
「解決方法は?」
長門は小首を傾げたようなポーズをとる。
解決方法ねぇ…
「じゃぁ、何か飲み物を…」
「理解した」
そういうと長門はスッと立ち上がり、部室の奥の方へ行った。
お、何か飲み物持ってきてくれるのか?
パシらせちゃったみたいで悪いなぁ…
などと考えているうちに、長門がパタパタと戻ってきた。
「ハイ」
そして、コップに並々と注がれた飲み物を俺の前に差し出す。
「ありがと。これ、お茶?」
見た感じ、お茶だ。朝比奈さんがいつもくれるやつ。
「お茶…多分…」
「多分ってなんだ?自分で持ってきたんじゃないのか?」
「いつも私がもらってるモノに近付けてみた」
じゃぁ、お茶だな。緑茶。こいつも朝比奈さんに淹れてもらってるし。
ともかくも、俺は長門が淹れてくれたものをグイッと一飲みにした。
何だかんだ言って、喉は渇いていたのだ。
うん、紛う事なきお茶だ。
ただ…
「なんか、生温いな…」
それが正直な感想だった。
やっぱり夏には、もっとこう、キューっと冷えたお茶が飲みたい。
「そう、どうしたらいい?」
お、なんだ、もっかい淹れてくれるのか?
「そうだな…氷を入れてみればいいと思うぞ」
「氷…単純に水が固体化したもの…」
「そうそう、単純な氷でいいぞ、冷蔵庫の一番上にあるだろ」
「氷…挿入…」
「…挿入っていうと、何かやだな…どうせなら『投入』で」
「じゃぁ、投入してくる」
そう言って、また、長門はパタパタと奥へ引っ込んでいった。
「あっ…んっ…」
しばらくして、奥の方から変な声が聞こえた。
なんだ?なんだ?
また、しばらくして長門が出てきた。
手にはさっきのコップを持っていて、また新たなお茶が注がれている。
「あれ?」
俺は怪訝に思った。
あれだけ言ったのに、氷が入っていない。
「ハイ」
しかし、長門はお構いなしといった感じで俺にコップを手渡した。
「おい、氷の投入は…って…」
冷たい
氷が入っていないのに、そのコップはさっきより冷たく感じた。
また、グイッと一飲みにしてみる。
冷えてる。爽やかな感じ。
「大丈夫、元の方に投入したから」
「元の方?」
…っと、あぁ、なるほど、ポットか何かの中にお茶があって、その中に氷を入れたのか。
と、俺はそう理解し、納得いった。
が、その後の長門の行動が俺の理解を遥かに超えた。
「元の方、ここ…」
長門は何を思ったか、俺の目の前でスカートの前面を捲り上げた。
「な、何を!!」
などと、俺は驚きつつも、長門の股間から目が離せなかった。
これもにんげんのサガか……
しかもパンツはいてないし、こいつ。
「な、何いい!!」
その光景はさらに俺を驚愕させた。
長門の股間から、ポタポタと液体が滴っている。
テラテラと部屋の光を鈍く反射するその部分は、とても卑猥な形をしていた。
こんな部分まで精巧にできてるんだ。
ど、どういうことだ。なんでこんなエロマンガみたいなシチュエーションが。
いきなり股間が濡れてるなんて現実にはありえないとか思っていたが、よく考えたらこいつは現実を超越している。
いや、何だかよくわからなくなってきた。
「氷、投入した」
そう言って、長門は自分の股間を手のひらで覆う。
すると、その手のひらの上に、ポロリを氷の粒が落ちてきた。
「ちょっと待て、長門。元の方って…」
「ここ…」
「ここ…ってことは…まさか…」
な なんか悪い予感がしてきたのう。
「おかわり?」
そう言って、長門は半分固まっている俺の手からコップを取り上げると。
そのコップを自分の股間にあてがった。
そして、
「んっ…」
一瞬、眉を顰めたかと思うと、勢い良くコップの中に放出し始めた。
「えええええぇぇええええ!!!」
俺は思わず思いっきり叫んでいた。
知らずの内とはいえ、俺はとんでもない扉を開けてしまったようだ。
「な、長門!!お前、それって…」
それの内容を聞くことも恐ろしかった。
今現在、目の前で起きていることから導き出されるこの何分間かの俺の行動の真相は、とても受け入れられるものではない。
「? 大丈夫、ちゃんと、私がいつも飲んでるモノの味に合成してるから」
ご、合成って……ん?…あれ?
「じゃぁ、それって…」
「お茶」
「お茶?」
落ち着け…俺…そうだ、こいつは実はアンドロイド。
体内で飲み物が合成できても不思議ではない。
いやもういいから、そう考えろ、俺!!
「そうかぁ〜お茶かぁ〜ふぅ…びっくりした」
いいから、この件はこれで決着!な!
「ハイ」
長門は今、目の前で注いだお茶?を俺に渡してくる。
待てよ。
ちょっと安心した俺は、この状況を楽しもうと考えた。
「あ〜…長門。俺すごく喉乾いてるからさ、もう、直に飲んじゃいたいな」
「直に?」
「そう、そこから…」
俺は目の前で露にされている長門の股間を指差して言った。
良く考えたら凄すぎる光景だ。
でも、滅多にできない光景だ。
貴重な経験をしている気になってきた。
「大量に飲む?」
「大量ってほどじゃないけど、たくさん欲しいな」
「ちょっと補給する」
そう言って、長門は俺に渡しそびれたコップに口をつけた。
そして、一気に飲み干していく。
やっぱり補給はそっちからするんだ……
「準備完了」
そう言うと、長門はスカートを両手で捲り上げた。
「そ、そうか、じゃぁ…」
俺はそう言って長門の前にしゃがみこむと、長門の太腿に手を掛けた。
その瞬間、長門の太腿がピクリと震える。
うわ、凄く悪いことしてる気分になってきた。
いや、落ち着け、俺はただ、お茶を飲もうとしてるだけなん…
「な!!あんた達何してんのよぉーーーー!!」
部屋中に響き渡る声。
俺の身体が反射的に飛び上がる。
恐る恐る声のした方を向くと。
ハルヒがいた。
人生オワタ\(^o^)/
>>44 言い方はともかく、内容にはまぁ同意できるんだが
>>46 そういう言い方をしてしまうと
逆に、書き手も義務で書いてるわけじゃないから
44の好みに合わせる必要は全くないな
と言えるわけだが
読み手も義務じゃない、書き手も義務じゃない
読み手が手厳しく言おうと、義務じゃないから構わない
書き手がニーズを無視しようが、読みにくい文を書こうが、義務じゃないから構わない
となる
故に、お前のその指摘は何の意味もない
と、お前自身が言っている
>48
GJ!!
ありきたりだけど
俺の好きなネタだ
すばらしくバカな話だw
>52
そうだよ。書き手も読み手のいう事をいちいち聞く必要などない。
過剰反応してたらおかしくなるのがオチだ。
それ故、作者は自らの判断でもってそれがノイズなのか、
耳を傾けるべき意見なのかを取捨選択していかなければならない。
で、38が漏れのいう事を理解しないようであれば、次回作もスルーしてくだけだよ。それだけのこと。
どこまでも偉そうだね
厳しい事を言う事自体は構わんが、感想が同じ場に直接書き込まれるような場所では
それがその場の環境にどういった影響を与えるかとかにも気を使った方がいいと思うよ。
書き手か
>58,60
2chだし。
別に、内容読まずにGJとだけレスをつけても構わないんだが。
その方が嬉しい?
>59
どこらへんが?
テンプレでも作るか?
Q批評とか感想とか書きたいんだけど?
A自由だが、叩きは幼馴染が照れ隠しで怒るように頼む。
Q煽られたんだけど?
Aそこは閉鎖空間です。 普通の人なら気にしません。
ID:61wLN+msは人の言ってることを理解する努力をすべき。
結局、書き手は好きなように書くんだし、読み手は好きに読む。それでいいじゃん。
気に入らないSSは読まなかったことにすればいいし、
気に入らない感想は読まなかったことにすればいい。
>>62 2chっつってもネトヲチ板とかとはまた違うしなあ。
まあ正確に言うと2chでもないし。
どちらにせよ創作活動を行うのが主目的である板である以上、それにふさわしい態度と言うものがある。
>>62 誉めるか批判するか、どちらか二つに一つだと思ってる辺り。
>別に、内容読まずにGJとだけレスをつけても構わないんだが。
>その方が嬉しい?
とかね。
偉そうに、とは言い方のことだと思うんだが。
と言うか空気嫁
おまえらもうNGIDに汁…
こういう手合いは自分が正しいのが前提になってるから言っても無駄
>>48-51 そして世界は滅亡するわけですね。
嫌な理由だなあ。
GJ
2chエロパロ板SS保管庫ってHP丸ごとゲット系のソフト使えない?
いくらやってもTOPページが保存されるだけで個別の小説ページが保存されない。
>>41 あなただけに限らんが、レスしなくても読んでる人は何人もいるから
うまくスルーすりゃいいよ。
気のせいかもしれんが鶴屋さんへの愛を感じた。よかった。
>>48 最高。これはワロス。ほんとオワタな。
こういう作品がが個人的にスレのスパイスとなる。
レスは書き手のモチベーションを高める要素の1つ。従ってテンプレにあるような
批評、感想ができない人に住民が反応するのは自然な流れ。
ただこれがいつも良くない方向に行ってしまう。
俺も職人が一人消えるか消えないかと危惧することがある。
書き手マンセーは嫌だが、大人じゃないのはもっと嫌だね
まあ実は「お前の態度が気に入らない」というのは理解してるつもりなんだが。
「態度が尊大だから意見を採用しない」かどうかは全て作者次第であって、
周囲が過剰反応しておいて何を今更ではある。
>67
で、ここにふさわしい態度とやらの模範解答があれば教えてくれ。参考にするからさ
>68
そんなに偉そうだったかい。偉い偉くないが内容に関わるとは思っていなかったが。
要は、書き手も読み手も謙虚に。
どちらもスレを構成するために必要な要素であり、互いに対等であるのだ
という事を理解しておく事だろう。
くだらん議論しないでスルーな。
偉く偉くないは内容に関わるがな。
だからマナーというものがあるのじゃ。
>>74 模範回答なんて無い。
それは各々が考えて選択するしかない。
自分にそれが出来ないと判断したなら書き込まずROMに徹する、というのも選択の一つ。
批評されたことでモチベーションが下がる書き手なら、去ってもらって構わないと思う。
俺も何本か投下したけど、GJだけの反応より、それなりに批評があると嬉しいよ。
ちゃんと読んでくれたんだなって思うし。
ま、意味不明な感想は読まなかったことにするだけなんだけど。
>>73 > 書き手マンセーは嫌だが、大人じゃないのはもっと嫌だね
これには同意。
>>74 安心しろ、偉そうには見えない。
偉ぶってるように見えるだけだ。
実にカッコ悪い。
ていうか、子供だねアンタ。
忠告にいちいちレスつけてるあたり必死さを感じる。
そんなに自分を正当化したい?
2ちゃんねるだから好き勝手していい、などと
考えてる当たり更に子供だ。
最近5-409見なくなった。戻ってきなされ。
ID:61wLN+msが理解力の無い割りに利己的で自己の価値観を絶対視する子供なのはもう解ったからとっととNGに汁
>>78 に同意。
いくら語っても平行線になる議論は、空しいっすよ。
まぁ、その人の語り口ってのは、その人の人格の一部みたいなもんだから、
他人から変えろと言われても、なかなか難しいよね。
自分が言われても不快でない言い方なら、良いんじゃないかな?
と、私は思うんですけどね。
ちょ、お前等いい加減黙れよ。
一体、いつまで毎回同じことで議論する気だよ?
この空気がどれだけ投下しにくいか解ってるのか?
自分も何度か投下してるけど、こっちは純粋に作品を楽しんでもらいたいんだ。
なのに、こんなどうでもいい議論で投下にしくい空気を作られちゃたまったもんじゃない。
朝から仕事なのに夜更かしして書いてくれてる人もいるかもしれないんだ。
感情的に書いて大人げないが、ここ最近の流れを見ていて嫌になった。
お前等なんてハルヒのうんこでも喰ってろ!
>84
そんなナイーブなアナタが大好きです。
せめておしっこにしてくれ。むしろ大歓迎だ。
>86はキョン
この悪い流れを断ち切るために、
職人さん、投下お願いします!
むしろ私は
>>48の長門ジュースきぼんw
もちろん、直飲みで!!!
91 :
前スレ608:2006/07/10(月) 02:51:19 ID:V8oZo9fO
埋コネタを書いたのにもう埋まってたので、こっちにこっそり投下します。
92 :
いもうとさん:2006/07/10(月) 02:51:59 ID:V8oZo9fO
「ふんふふーん」
「……おい」
「なぁにー、キョンくん」
「何でお前がここにいるんだ」
「わかんなーい」
「……学校はどうした」
「おやすみー」
「何で」
「うーんとね、暑いから」
「……そうか」
「うん!」
「……おい」
「なーにー」
「人の顔で遊ぶのはやめなさい」
「てへっ」
「てへっ、じゃなくて」
「今日の晩御飯なにかなー」
「話題を逸らさない」
「……うー、ごめんなさーい」
「わかればよろしい」
「ごぅえんあはーい」
「自分の顔で遊ぶのもやめなさい」
「ねぇねぇキョンくん」
「何だ」
「こないだね、シャミにそっくりな子猫見つけたの」
「そうか」
「シャミの子供なのかなー?」
「かもな」
「……」
「……」
「ねぇねぇキョンくん」
「何だ」
「子供ってどうやってでき」
「コウノトリだ」
「えー、違うよー。こないだ学校で」
「コウノトリだ」
「だって先生が」
「コウノトリだ」
「……」
「コウノトリだぞ」
93 :
18-236:2006/07/10(月) 03:04:30 ID:P9yjyUas
長門ネタを考えるより。ハルヒ×キョンが書きやすいのが困りものですが…。
新スレッド、おめでとうございます。
ザッピングさせるかどうかはとりあえず考慮の範囲外ですが、衝動的に書いた
SS一本、投下させてもらってかまいませんでしょうか?
めぐり合わせの悪い日というのは、いつだって唐突にやってくるものである。
曰く。たまたま目覚ましのアラームが故障していて遅刻するかどうかの瀬戸際を飛び越した時間
に目が覚めたこと。
あまりにやばい時間になっていたため、朝メシを完全に食いっぱぐれた事。
さらにはかばんの中に弁当の包みを入れ忘れた事。その他にもあるぞ、3限目の授業が体育で、
しかもよりにもよって持久走をやる羽目になったこと。
と、まぁ運命の神様とか言うのが本当に実在するのなら、逡巡なしにその後頭部を勢い良く張り
倒してやりたくなるような事件が頻発した結果。
4限終了のチャイムを聞いたあと、俺の体力気力ゲージは完璧かつ徹底的なまでにエンプティ
ゾーンのラインを割り込んだところまで低下しきっていたわけだ。俺がいったい何をした?
谷口と国木田がいつもの調子で机をこっちに寄せてくるが、動く気力も湧いてきやしねぇ。まるで
死に瀕したオットセイみたいに机にあごを乗せ、全身の力を弛緩させて倒れたまま無為に時間を
すごそうとする。
「ほほぉー。キョンよぉ・・・運が悪かったなおい?」
「ほんとだよね、まるで良くあるコントみたいな受難っぷりかも」
うるせぇ。今話しかけんな。今は激しすぎる空腹感をどーやってごまかして今日一日を過ごすか
ない知恵を絞りつつ思索してるとこなんだ。つか、いい匂いさせるんじゃない。谷口、その鮭の切身
を美味そうに口にするとこを今の俺に見せるな。
国木田よ、俺とお前は同期の親友だろ?後生だからそのコロッケをこっちにまわせ。何も口にしな
いままだと、ほぼ完璧かつ徹底的に俺のスタミナは完全枯渇する。・・・って無視かよ。この野郎。
「まぁ、キョンは普段この程度の受難なんか打ち消して余りあるほどの幸運を甘受してるわけだし
たまには空腹でへばるのもわるくないんじゃない?」
にこやかな笑顔で非情な宣告をするのはやめろ国木田。谷口もしたり顔で同意するんじゃない。
こいつらの友情がこんなモンだなんて思いもしなかった。俺はもう悲しくて涙が出そうだぜこんちく
しょう。
どうぞどうぞ
もうかくなる上は仕方がない。補給を受けられないのであればせめて体力の消耗を避けねばガス
欠での討ち死にを避けることができなくなる。昼休みは寝て過ごす。SOS団での活動も、今日だけは
冬眠よろしくぱったり崩れ折れて休息モードですごさせてもらおう。緊急避難だ。やむを得まい。
俺がこういう苦境にあるときに、われらが団長殿はどうしてるのかというと・・・。ハルヒは基本的に
学食の愛用者だ。だからアイツは4時限目が終わるとすったか駆け足で学食へと急行する。故に今
この苦境にある俺に救援物資を差し入れてくれるような奇跡はまったくもって、完全無欠なまでに期
待できそうにない。
今の俺なら、ハルヒがなんで学食の愛好家になってるのかの事情も理解できる―――さすがにあ
の家政婦がやっつけで片付けて作る飯を食う気にはなれなかったのかもしれないしな―――から、
まぁその辺に文句をつけるつもりもないのだが・・・ハルヒよ。俺は今日ほどお前が弁当派でなかったことを悔やんだことはないぞ。
何気に時間割に視線を向ける・・・ああ、家庭科の授業もないんだっけか。奇跡の差し入れも期待
できんということか。おお神よ、怒りと悲しみに駆られるままに一発殴らせてもらっていいですか?
というわけで、まさに生き地獄の体裁をとっていた昼休みの時間が無事終了した後の5限目。現国
の授業も耳にとどかねぇ・・・のは空腹に理由があるわけではないのだが。それにしても律儀に鳴く
な、腹の虫。今日一日くらいだまって冬眠しろ。俺だって好きで断食してるわけじゃねぇんだからよ。
と、俺がそんな愚にもつかない戯言を脳内で展開しつつ芋虫よろしく机に伏してたとこに真後から
唐突な不意打ちがやってきたのは、いつものことである。シャーペンの芯くらいしまってからつつけ
ハルヒ。ちくちくしてちと痛いから、ほんとに。
「えらくバテまくってない?ホント。まさか風邪がぶり返したとかいうんじゃないでしょうね?」
ハルヒの声色に、なんというか・・・心配のようなものが浮かんでいるのは気のせいだと思う。まぁ
返事しないのもなんなので、先生が板書に集中してる隙を見計らって返事でもするかね。
「いろいろあってメシを食いっぱぐれてるんだ。腹がへって気力が沸かんだけで、風邪がどうこうと
かとは無関係だ」
「はぁ?アンタ学食とか使わなかったの?」
「金をおろし損ねてたんだ。財布の中身に小銭しかないんで食うに食えなかったんだよ」
・・・そのなんだ。馬鹿を見るような視線を俺の背中に照射するのは勘弁しろ、ハルヒ。ただでさえ
もう体力気力その他は枯渇寸前の状態なんだ。このままその視線を浴び続けると消耗の果てに見事干からびてこてっと倒れて朽ち果てるかもしれん。
かくて、いつもより長いというか長すぎる時間が経過した果てにつつがなく本日の授業、無事終
了。掃除当番にあたってなくて助かった・・・SOS団の部室に行けばお茶請けの菓子モノとかがある
かも知れない。飢えをしのぐための緊急避難だ。もし発見したらありがたく独占賞味させていただこ
う。
俺がのたくた旧館に続く渡り廊下を歩いて、やっとの思いでたどり着いたSOS団の部室のドアには
・・・こんな妙ちきな張り紙が掲示されていた。
『本日、男子団員は部室内で最低1時間以上の待機を命じる。無断で帰ったら死刑だから。団長』
・・・ハルヒよ、お前は鬼かと叫びたいぞ。俺は。
ドアをあけ、部室内に転がり込んでいつもの席に腰を下ろす。いつも窓際を占拠して読書にふける
長門の姿も、SOS団専属の天使兼妖精兼お茶酌みメイドの朝比奈さんも、当然かの暴虐団長殿も
部室内にいやしない。そこに微苦笑を浮かべつつ席についてるのは、イカサマスマイル野郎ただ一
人である。
「これはこれは・・・見事な衰弱ぶりですね」
「うるせぇ。俺だって好きでばてきってる訳じゃねぇぞ」
古泉の野郎に返事を返してから、俺は机につっぷして全身を弛緩させる。もうまじめに体力がな
い。ここは部室内で最低限の体力温存に勤めるしか、俺が生きて家に帰る方法はないなとか考え
てたところ・・・。
「・・・団長命令よ!キョン!古泉君!いますぐこのドアを開けなさいっ!」
遠慮呵責なしの超大声が、なんの容赦もなしに俺の耳に飛びこんでくる。・・・ってまて。よく考えろ
?常日頃のハルヒはこの古い部室のドアを遠慮なく叩き壊しかねない勢いで押し開けるのが普通
であって、断じて他人にドアの開閉を命じる人間ではない。
んで・・・さらにだ。
ドアの向こうからなにやら香ばしい匂いが漂ってくるのは、いったいどうなっているのかね?
・・・結論から言おう。ドアの向こうにいたのは我がSOS団の誇る女性団員の連合軍であった。それ
だけではないぜ?
その連合軍はそれぞれが、手に大きなトレイをもっていて・・・。そのトレイの上にのっかってるのは
パーティの席で食うには充分すぎるほどのBLTサンドとかクッキーとかクラブハウスサンドとか・・・
ああ畜生。よく焼けた鶏肉からただよう匂いが遠慮なく腹の虫を活性化させやがるじゃないか。
「これはこれは・・・またお茶会で供されるには豪勢なものばかりですね。涼宮さん」
「まぁね?今日はSOS団の今後の活動指針を決定するために、食事会を兼ねたディスカッションに
することにしたのよ。ちょっと量が多くなってるけど、有希がよくたべるでしょうしあたしも食べるし、
ついでに・・・心底飢えてるどっかの馬鹿もいるしね?」
・・・どっかの馬鹿ってのは俺のことか、ハルヒ。
というか、なんだな。どうこうと余計な言葉をつかってごまかしを言う気力もないから、俺は今から
妄言を吐く。妄言だからすっきり忘れろ、俺も吐いたら即忘却のかなたに妄言を流すから。
「心底、助かる・・・。ありがたく味わって食わせてもらうぜ?」
きょとんとした後、一拍の間をおいて・・・眩い真夏の灼熱の太陽張りの笑顔になる団長殿の姿
が、えらく楽しそうに見えたのは俺だけじゃないよな?
「ったりまえじゃない!どっかの馬鹿の作る手抜き粥より美味しいってことは保障するわ!」
「・・・わたしはあまり自信がないんですけど、お口に合えばいいかなーって」
「栄養、量、味に問題なし・・・食べて」
長門、朝比奈さん。・・・あと、ついでじゃなくて。まぁなんだ・・・ハルヒ。
今日の朝からの不運の連続も、ここで全部埋め合わせになると思えたのは俺だけじゃないよな?
俺は心のそこから三人に感謝をしつつ、ハルヒの顔を見ながら・・・古泉の手を軽くけん制のため
に払ったりして、クラブハウスサンドの皿を独占することにする。
どんな顔をしてこいつを作ってたのかを俺は知ることができない。だが・・・ハルヒの満足そうな笑
顔を眺めつつ、よく焼けた鶏肉を味わうのは悪くないさ。そう、悪くない。
まぁ、あまりに欲をだしすぎて晩飯の事をすかっと忘れ、オフクロからニヤニヤ笑いまじりに冷やか
される羽目になったりするのは・・・予想外だったけどな?
以上です。今回は看病がどうこうではなく、キョンがへばってるとこをハルヒが
フォローする展開に仕立ててみました。
えろーす成分が皆無なのは仕様です。サイドHを作るかどうかは、反応をみて決め
たいと思っとります・・・ご意見、ご感想おまちしてます!
>>84 良いこと言ってんなぁ、と思ってたのにコレかwww
>>100 お陰さまで腹が減りました。
クラブハウスサンドを所望したい
>>100 夜食を食べたくなってしまったじゃないかw
サイドH、反応次第というのであれば是非是非。
>>100 おお!前作とつながっているのね。
GJ。
>>100 眠れなくて決勝を見てる場合じゃなくなった。
GJだ!
貴殿のエロ描写は純粋に楽しみだ。
ぜひ我々を悶えさせてくれ。
今日は、古泉は例のバイトで、朝比奈さんもなにやら用事があり、
珍しくハルヒまでもが家の用事とかで、SOS団の活動は休みとなった。
授業が終わるとSOS団の部室に行く、という実にワンパターンで変わり映えのしない、
ケージの中のハムスターの如く同じ所をグルグル回る生活をしていた俺としては、
この予想外に振って湧いた、ヒマな放課後ってやつをどう処理してやろうかと、
ちょっとばかり頭を悩ませていた。
谷口たちは、HRが終わると同時にさっさと帰っちまったし、一人でゲーセンってのも
なんだか空しい。 かといって、このまま真っ直ぐ家に帰って、小学生の妹の相手を
するいうのもシャクな話だ。
とはいえ、することもないのに学校に残っていると、いつぞやの教室の死闘が思い出
されるので、いやなトラウマが発生する前に、とっとと退散する事にした。
大半の教科書はロッカーと机の中に隠蔽されているため、極端に軽いカバンを持って、
下駄箱で外靴に履き替えていると、鶴屋さんに声を掛けられた。
「いよっ!キョンくんも今帰りかいっ?!」
「ええ。鶴屋さんもですか?」
「そうっさ!みくるは先に帰っちゃったし、一人で帰るのも寂しいから、一緒に帰るにょろ!」
「え?たしか帰る方向が違いますよ」
「いいっさ!途中まで、一緒に帰るっさ!」
「俺は、別にかまいませんけど」
思いもかけず、鶴屋さんと一緒に帰ることになってしまった。
もちろん、嫌である筈がない。 俺的ランキング上位の美人先輩のお誘いである。
これで文句など言ったら、マホメットを侮辱した英国人以上の罰がアッラーから
与えられるだろう。 別にイスラム教徒じゃないけどな。
それと、今回、鶴屋さんと二人きりで帰るという、めったにない機会に、以前から
チャンスがあればお願いしようと思っていたこと実行しようと思っていた。
「どうだい最近は!元気に仲良くやってるかい?!」
「ええ、おかげさまで。大事なくやってますよ」
「それはよかったっさ! みくるはシッカリやってるかなっ?!」
「朝比奈さんは頑張ってますよ。おかげでどれだけ安らいでいるか・・・」
「あはは!みくるはカワイイからねっ! だからっておいたしちゃ駄目にょろよっ!」
「ははは。解ってますよ」
夕日に染まる坂を、そんな風に話しながら降りていく姿は、傍から見たら
どう見えるんだろうね? 恋人同士・・・なんて妄想しちゃ、鶴屋さんに失礼だな。
まぁ、せいぜい仲の良い先輩後輩ってとこだろう。 って、そのまんまだな。
ふと目をやると、鶴屋さんの姿も茜色に染まり、長い豊かな髪が光に透けて
輝いているようにも見えた。
その姿を見て、俺は、地下数千メートルに投棄された使用済み核燃料のように
心の奥にしまいこんでいた悲願を達成するべく、鶴屋さんにお願いしてみることにした。
「あー。鶴屋さん、ものは相談ですが・・・」
「なにかなっ?!」
「ちょっとだけポニーテールにしてみませんか?」
「ポニーにょろか?」
「駄目でしょうか・・・?」
「別にいいにょろよ! ちょびーっと待つっさ!」
そういうと、鶴屋さんはポケットからゴムひもを取り出し、豊かな黒髪を器用にまとめ、
有馬記念に出場するサラブレットも真っ青の、それはそれは見事なポニーテールに
して見せてくれた。 入学早々に、俺の後ろの席の誰かさんが見せてくれたポニーに
勝るとも劣らない見事な逸品だ。
あ、ちなみに、こないだ見たアレはポニーとは言えない。ポニーテール評論家の俺が
言うのだから間違いない。 そんな評論家がいるかどうかは別として。
「これでいいかなっ?!」
「感動ものですよ、鶴屋さん。 眼福眼福・・・」
「おっ? キョンくん、めがっさ気にいったにょろ?」
「勿論です。 それだけでご飯三杯はいけます」
「あははははっ! キョンくんは面白いねっ!」
世にも見事なポニーを拝んで喜んでいる俺を見て、当の鶴屋さんも、ご満悦のご様子。
途中で帰リ道の都合で分かれるまで、俺は鶴屋さんのポニーテールに賞賛と賛美の声
をかけ続けた。それはもう、見事すぎるほどのポニーっぷりだったからな。
やはりポニーは長く豊かな黒髪に限る。勿論、金髪や栗毛も捨て難いが、その髪の量と
結ぶ位置が・・・って、本気で語り始めると、エンサイクロペディアギャラクティカ全300巻
くらいの量になるので、以下略と言う事で割愛させていただく。
至高のポニー美人との別れを惜しみつつ、帰途についた俺は、途中、ハルヒ好みの
トンデモ事件や不可思議物体に遭遇する事もなく、無事に我が家に辿り着いた。
家に帰った途端、妹がシャミセンを抱えて抱きついてきたが、いつもなら煩いっとばかりに
放り出すところを、ゴキゲンタイフーンの勢いで、なんどかグルグル回してやった。
きゃぁきゃぁ言って喜ぶ妹の頭に目をやると、サイドに結んだポニーのなりそこないが
目に入り、急に空しくなり、そのまま放り出してしまった。
「キョンくん、ひどーい」といいながら、居間へと退散していく妹の背中を、やさしく見送って
俺は、自室のベッドの上で、鶴屋さんのポニー姿を脳内の第二胃袋で反芻していた。
う〜ん、スバラシイ・・・ 今夜のオカズはご馳走だ。
翌朝、俺はめずらしい事に、清々しい気分で早起きし、妹のダイビング目覚ましを華麗に
スルーすると、ちゃっちゃと朝飯を食い、いつもより早めに登校する事となった。
昨日のポニー鶴屋さんパワーのおかげかもしれん。 今度、鶴屋さんに会ったときに、
御礼を言っておくことにしよう。
教室に入ると、誰もいない教室に、ひとりポツンと、ハルヒの姿があった。
どういうわけか、また例のチョンマゲ風ポニーモドキにしている。
むぅ、そんな中途半端なポニーは、昨日の至高の逸品究極の鶴屋さんポニーを見た
俺には、ポニーを侮辱しているとしか思えん。
それで、ついイランことを言ってしまった。
「ハルヒよ。そりゃポニーとは言わんだろ」
放課後、憔悴しきった古泉からは、遠まわしの嫌味と愚痴を延々と言われ続け、
朝比奈さんからはジト〜っとした目で睨まれたうえに、偶然(ですよね)お茶を引っ掛けられ、
長門からは冥王星の液体ヘリウムよりも冷たい視線をいただいた。
ハルヒはHR終了と同時に、「今日は休む!」と一方的に活動休止宣言を叩きつけられた
俺は、いまは空席である団長様のお席に座らせていただき、所在無くネットサーフィンなど
いたしておる次第なのだが・・・。 なんともはや居心地が悪い。
さて、帰る言い訳をどうしようか、と悩んでいると、SOS団アジトもとい文芸部部室のドアが
ノックされるとほぼ同時に勢いよく開け放たれ、ひとりの元気少女が飛び込んできた。
「やあっ!キョンくん!今日も一緒に帰らないかいっ?!」
ああ、今日もめがっさ素晴らしいポニーです!鶴屋さん!
以上、ちょっとヘンな【キョンx鶴屋さん】でした。
ポニー萌えというキーワードだけで、勢いのみで書いた。
反省は・・・ちょっとだけしてるw
>>109 続かないのかよ!
この後、鶴屋さんとハルヒのドロドロが待ってると思ってたのにw
ところで、何で古泉はその日の放課後なのに憔悴してるんだ?
午前中に閉鎖空間で働いて放課後SOS団?
ポニー鶴屋さんですか。……たまらんですな。
書き損ねてた。
>>109 先生!反省する必要なんてないと思います!
なぁ、皆もそう思うだろ!?
鶴屋のポニーはすげえ長そうだな。
泥沼をキョン視点で書くのはむずいそうだしおわってもいいと思う。
あれだ、アニメの野球の時してたはず
アニメだと平安人って思うくらい長いよね
だれもいないから冗談をいいます。
〜ガンツパロ〜
黒球ガンツ=赤球
ガンツ内の男=古泉
巨乳岸本=朝比奈さん「あのぅ、わたしをかってもらえませんかぁ?」
加藤勝=ハルヒ「わたしは誰も死なせたくないのよ!」
くろの=キョン「キョン0点。巨乳見てチンコたちすぎ」
こいつらをたおしにいってくだちい
長門星人 特徴 暗い、強い。好きなもの 本 くちぐせ ・・・・
朝倉星人 特徴 明るい、強い。好きなもの くちぐせ うんそれ無理。
〜B型H系パロ〜
山田=ハルヒ「今年こそキョンの童貞を頂くわよ!」
宮野=みくる「ふえ〜ん。ごめんなさぃ、ケーキこがしちゃいましたぁ。」
竹下=長門「・・・」冷静突っ込みキャラ
金城=朝倉「涼宮さんの彼氏を一ヶ月以内に奪ってその反応を見る。」
小須田=キョン
小須田姉=妹「ねえキョン君、ハルヒちゃんとはどこまでいったの?」
小ネタウザス
前スレ>754
ハリネズミの長門ワロスw
鶴屋さん鶴屋さん鶴屋さん鶴屋さん鶴屋さん鶴屋さん鶴屋さん鶴屋さん
はぁ・・・鬱鶴屋さんのいいネタは無いものか。
夏祭りの話
ハルヒ「キョン!遅いわよ!」
古泉はフッと笑いやがった。
まぁいつもの事だな。
キョン「悪い悪い、どうせ罰金だろ?」
ハルヒ「今日は祭りなんだし固いルールは一時抹消よ」
はて・・・・どういう風の吹き回しだろう?
まぁそんなことはいい
助かった・・・・
キョン「ふぅ〜」
ハルヒ「じゃあみんな集まったしグループ分けしましょ。」
と言うと爪楊枝を取り出した。
俺たちは順次に楊枝を取る。
俺は印無し。朝比奈さんは印あり。古泉、長門も印ありだった。
と言う事はハルヒは印なしか・・・。
耳元で古泉が囁いた。
古泉(これも涼宮さんが望んだのです。不機嫌にならないよう
お願いしますね)
スマイル野郎の都合で命令を聞かなくては
ならないと考えると楽しい祭りにはなりそうに無いな・・・。
ハルヒは俺の事をお構いなしに荷物運びとして
雑用してやがる。
ハルヒ「次は金魚すくいしましょ!」
お前は小学生か?
と思いつつ不機嫌にさせるわけにはいかないよな・・・。
ハルヒ「やった!金魚GETよ!」
キョン「そりゃすごいね・・・」
はぁお世辞の言葉も見つからん
ハルヒ「何?その顔。何か不満なの?」
やはり勘がいいな
だが正直に言うわけにもいかんしな
キョン「別に・・・不満なんてないよ・・。」
ハルヒ「本当かしら?やりたいことあるなら言ってよね」
おや?俺がやりたいことを言えばやらせてくれるのか?
なら話は別だ
キョン「じゃあやきそばでも食わないか?」
ハルヒ「・・・・・本当にそれだけ?」
俺が他に望んでいたとしても
叶う可能性は0に近いからな
キョン「やりたいことなんて他にないよ」
ハルヒ「正直に言いなさい」
鋭いな
でもうそをついた方が普通にいいだろう
キョン「本当になにもねぇって」
ハルヒ「ふふん、あたしにはあんたのやりたいことくらい
わかるわよ。」
こいつに心を読む力なんてあったっけ?
キョン「言ってみろ」
ハルヒ「あたしに言わせないでよ。
若い男と女が二人でやることは決まってるわ」
・・・・なにを言っているんだ?
勘違いしてないだろうな?
キョン「・・・・・・」
ハルヒ「ちょっと来なさい」
と言って人気の無い祭り開催所から少し離れた場所にある
大木の陰に連れて来られた
キョン「お前・・・・・何考えてるんだ?」
ハルヒ「あらあら、まだ素直じゃないのね。あそこは素直よ」
ハルヒが俺の股間を指差した
・・・・いつのまにか勃起していた・・・
ハルヒ「あんたってやっぱり変体だったのね」
勘違いしてるお前に言われたくないな
キョン「誤解だ、祭りに戻ろう」
ハルヒ「・・・・・・・・」
その電話が鳴った
古泉だった
古泉(緊急事態発生です。急激に閉鎖空間が
広まり始めました。そちらで何かあったんですか?)
キョン(・・・・性交しろと言ってきやがった・・・」
古泉(・・・いずれにせよ
このままでは世界が飲み込まれます。
自分のプライドを守るか世界を守るかです)
といって電話を切りやがった
VIPにも貼ってたな
ハルヒ「・・・誰から?」
ここで古泉の名を出したら
問い詰められるな
身内ということにしておこう
キョン「妹だよ、それより何怒ってんだ」
ハルヒ「・・・・・怒ってなんかないわよ」
もう仕方ない
キョン「なぁ・・・・」
ハルヒ「・・・何よ」
キョン「性交したいのかどうなのかをハッキリさせて
くれ」
俺がそういうとハルヒは耳元まで赤くなった
照れてるハルヒも可愛いもんだな
ハルヒ「・・・・・女性に普通そんな事聞く?」
キョン「・・・お前がしたいなら俺は・・・・いいぞ」
ハルヒは顔が真っ赤になっている
ハルヒ「・・・・・・」
このままでは始まらないなと感じた俺は
強引だがハルヒが望んでいることを自覚して
押し倒した
ハルヒ「!?ちょっと強引すぎない??」
キョン「今更恥ずかしがるなよ」
ハルヒ「・・・///」
俺は問答無用にハルヒのパンツを脱がした
キョン「お前のここ、かなり濡れてるじゃねぇか」
ハルヒ「そういうあんたはあそこ大きくしてるじゃないの」
俺はハルヒの秘所に指を二本入れてかき混ぜてみた
ハルヒ「ぁ!・・ん・・ぁあん・・はぁはぁ・・・」
快楽で横がる顔も可愛いな
キョン「もう最初から準備いいみたいだな・・・」
ハルヒ「はぁはぁ・・・焦れったいわね・・・早く・・」
俺はベルトを外した
キョン「・・・・ハルヒ入れるぞ・・」
ハルヒ「早く・・・しなさい・・はぁはぁ」
さっそく入れる俺
これが初体験になってしまうのは
喜ぶべきか悲しむべきか悩んでた
が奥まで達した瞬間快感で理性が吹っ飛ぶかと思った
キョン「うっ・・・・」
ハルヒ「ぁぁぁぁあん・・・はぁ・・・はぁ」
キョン「ハルヒ・・・気持ちいぞ・・はぁはぁ」
息が荒くなるハルヒと俺
ハルヒ「ぃ・・ィクゥゥゥ・・」
俺もこんな快感は初めてだったので
すぐにイキそうだった
キョン「俺もイクぅぅぅぅ・・・」
ドク・・・・ドク・・・・
ハルヒ「はぁはぁ・・・・誰が・・中に出して・・・
良い・・って・・言った・・のよ・・?」
俺は我に返った
まずいな
子供できないことを祈るしかないのか・・・
もしだがハルヒが俺と結婚したいのなら
子供が出来ることを望む可能性が高いな
キョン「スマン・・・・・お前のあそこが気持ちよすぎるんだ」
ハルヒ「・・・・責任は絶対取ってよ・・・」
電話が鳴った・・・
古泉からで閉鎖空間は急に無くなったと・・・
そして次の日
学校で俺は思った
俺はハルヒに一目惚れしてんだ・・と。
ハルヒがまた望むなら結婚しようと決意した・・・
fin
>>126 VIPにはられていたというのは、この「夏祭りの話」のこと?
もしそうなら、VIP用に保管庫があるから、これはこっちの保管庫に収録する必要は無いね。
胸を掻き毟りたくなるようなSSばかりだな
いじめる系が秀逸!
136 :
18-236:2006/07/10(月) 20:11:15 ID:CAMnz9uY
買nルヒネタのえろーす成分多いSSが増えてますかっ!
非えろーすで申し訳がないのですが…さぷらいず・ぱーてぃ サイドHの
序盤部分が仕上がりました。
えろーくない上にちょろんと読みづらいかもですが、よければ感想など
お願いいたしまするー。
めぐり合わせのいい日てのは、いつでも不意にやってくるものだとあたしは思う。
曰く。風邪が回復して以来こっち、最近は気分が妙に落ち着いていて気力がどんどん沸いてくるとか。
今朝は普段よりすっきり度30パーセント増しで、いつもの時間の2時間近く前に目がさめたこと。目醒
めてすぐに思い出すのは…味覚の上ではともかく、妙においしかったあの手抜き粥とどっかの馬鹿の照れ
笑い。
通学時間までの余裕、盛大に余ってるわよね。
これはほんとに唐突な思い付きだった。あの馬鹿キョンの鈍い味覚にずどーんと極上の美味を味あわせ
たら、あいつもきっと料理のなんたるかに気がつくかもしれないし。
ついでに、ほんっとについでのついでのおまけ程度に言うのなら。
あたしは借りを作りっぱなしで物事をスルーできるほど、薄情なオンナではないの!…ってあたし誰に
こんな事いってるんだろう?ばっかみたい。自分で自分の心の声にツッコミを入れてから、とりあえず軽
くシャワーで汗を流して服を着替えて…っと。
思い立ったが吉日よ!鶏肉に味を染み込ませたり下ごしらえを済ませるには充分な時間だし、どーせ妙
に頭もすっきりしてるからだらだら時間過ごすのも馬鹿らしいし、暇つぶしには丁度いいわ。
さてどーしたものかしら。別にお弁当の体裁にしても問題はない…筈なんだけど。
あの馬鹿の事だからあたしから弁当を受け取ったりしたら、周囲から面白くない詮議の目線の洗礼を受けて
困惑すること請け合いだし、あいつ家から弁当作ってもらって持ってきてるわけだし。
第一、どんな顔して教室にいるキョンに弁当を渡したらいいのよ!?
…だめだ棄却拒否却下。なんだか知らないけどその光景を脳内で展開した瞬間に顔から火が吹き上がるか
と思うほど真っ赤になったわ。あとで水で顔あらって冷やさないとマズいわね、これ。
んで、次に考えたのは…SOS団全体での今後の活動方針を検討する目的の食事会兼任ミーティング。
これならいいかも!?この方法なら部外者に機密…ってほどじゃないだけど。やっぱこういうものは秘して
こその花よね。余計なとこに見せ付けるものじゃないわけだし。第三者に機密が漏洩したらあたしが恥ずかし
…くはないんだけどなんかヤだし。
でも、団内集会ってんなら話は別よ!みくるちゃんも有希も古泉君もほいほい機密を漏洩するタイプじゃな
いし、別にキョンだけを特別視するってわけじゃないわけだしお礼兼任での勝手にやる芸当だから気に病まさ
せるのも気の毒だしっ!
とり腿肉を…すこし多めにしとこっかな。早めに登校して冷蔵庫に入れて保管しとけば調理も楽だし。
クラブハウスサンドに使うなら本来は塩・こしょうだけでそぎ切りにして両面焼くだけでもOKなんだけど、時
間を有効利用してみようかな?
軽く下味をつけるために、甘辛くなるように調合したタレを用意して、そのなかに鶏肉を浸して味を軽く
染み込ませる。あまりここできつく味をつけると調理の際にくどい味付けになるのよね、注意しないと。
仕上げに使うソースもここで作っておこうかな?学校で作ってもいいけど、あまった朝の時間を有効活用
しとかないともったいないしね。
…朝の登校までの間のひとりの時間が、こんなに楽しかったのってホント久しぶりかも?
タッパーに下味をつけた材料類を入れて、学校の家庭科室の備品にはないだろうって各種材料もついでに
レジャー用の保冷ボックスに収めて準備完了。ちょこっと重い気がするけど…なんか、普段より足取りが軽
かったのは気のせいよね?うんうん。
学校に行くというよりはまるで行楽にでも行くかのような大荷物になったけど、登校時間にはまだまだ余
裕で1時間以上余裕があるわ。さぁ行くわよ!放課後、あの味覚の鈍い馬鹿にこの『超調理師』お手製のサン
ドイッチを味あわせてやるんだから!
なんだかとっても爽快な気分で、常より重い荷物をもってるのに軽快なステップで。
あたしは一路、学校へと向かっていた。
さすがに普段より破格の速さで登校したんだもの、この大荷物を見咎める奴は誰もいないわね?手早く靴
を履き替えて…一路、向かうは我がSOS団部室へ!
我がSOS団の部室には、こうしたレクリエーションの機会の為に用意した冷凍スペースなしの冷蔵庫が用意
されてるの。下味を付け出してからの時間を軽く逆算したら…放課後、調理始めたら丁度いい味が肉に染みて
る計算ね。ぐっじょぶ!さすがあたし!
我ながら完璧な手順に満足を覚えつつ、てきぱきと食材を冷蔵庫にしまっていく。クラブハウスサンドの他
にもBLTサンド用のと、ちょっと多目のバターとか小麦粉とかのクッキー用の材料もそっと納める。うん、元々
からっぽだった冷蔵庫があっという間に満タンになったわ。調理はあたし一人でやってもいいけど…まぁアレ
ね、今回はSOS団の集会だし。
有希にもみくるちゃんにも、それぞれ一品ずつお願いしちゃおう。あたしはそう決めて部室を後にした。
早く来ないかな、今日の放課後が楽しみかも。
連投支援
…書いている最中におなかがすいたのは内緒の内緒でおねがいします(笑)
とりあえず、後編はもうしばらくおまちくださいー。今回はサイドH側が
長文になりそうな予感です…構文力、あげないとOrz
スカって三十路だったのか<マリちゃでの会話より
ところで、やりたかのせいで忘れられてるっぽいけど斑駒は次何時頃動くんだろう?
悪い、誤爆だ。
本文は(ry
今更で悪いんだけど、前スレのラストの埋めで出てきたBADEND風味、ってやつがよくわからん
夢オチってことか?
誰か解説キボン
そういうことでしょ。夢オチって評価悪いじゃん。
執筆中に空腹感じて食事済ませてきましたが…サイドH、完成しましたー。
サイドKより少しながくなっていますし、えろーす成分皆無なのであらかじめ
ご了承くださいなー。
さて、ここからちょっと気合入れないといけないわね!まずあたしは荷物を部室に納めたその足で、即座に
職員室に飛び込んで家庭科室の放課後使用許可の申請を済ませた。申請といっても今日の放課後、ここがあい
てるのは百も承知だからっぱぱと済ませられるわ。
んでもって即座に携帯電話。みくるちゃんと有希に今日の昼休み、いったん食堂に寄るように伝言済ませて
ハイOK!さ、あとは時間がたつのを待つのみね!
と思いつつ、妙に軽快な足取りであたしは教室へと向かっていた。
顔、ニヤけてなけりゃいいんだけど。
んでもって、あたしは意識して普段どおりに学校での授業を受けていた。どーして時計の針ってのはこう凝
視してると決まったかのように動くのが遅くなるのかしら?故障でもしてるんじゃない?とは思っても時間の
たつ速度が変わったりはしないのよね、あーあ。
ってなことを考えつつ漫然と授業を受けてたんだけど…あたしはなんか妙な違和感に気がついた。
違和感の源は、まちがいなく目の前の席に座ってる猫背気味のへたばりモードに入ったどっかの馬鹿の背中。
なんというか、普段と比べてえらくへたばってるような気がするのよね…覇気がないというか、なんというか
見ててちょこっと調子が狂うかな?
まさか3限の持久走程度で音を上げてへたばってるなんて馬鹿な事言い出さないわよね?傍で見てるとまるで
しおしおの青菜とか、気が抜けた風船みたいに見えるんだけど…まさか、風邪ぶりかえしたりしてないわよね?
ほんの少しくらい気にはなるけど…とりあえずは放課後の相談の方が最優先!あたしは4時限目の終業チャイ
ムを聞くやいなや、最大戦速で学食へと直行していた。
なにせこの昼休みは忙しいの!みくるちゃんと有希に事情を説明して、放課後にそれぞれに1品ずつ調理を頼
むわけなんだから!
…へたばりムード全開のキョンの背中が、気にならないっていえば嘘になるけどね。
学食でたらふく食べるには、昼休みの利用者ラッシュが一区切りついてからというのが鉄則なんだけど。今
回は学食で食べるのはあくまで二次的な目的であるので、手早く大盛りカツカレーと月見ソバをトレイに載せ
て指定席である食堂の東の角のテーブルを占拠する。
ソバをダシまで完食してカツカレーの山を過半数切り崩したとこで、「おまたせしました〜ぁ」という良く
耳に残るふわふわした声が耳に届いた。やっと来たわね?視線をそっちに向けると控えめに見てあたしから
ふたつ以上年下にしか見えない上級生、みくるちゃんが「ぽてぽてぽて」とこっちにむかって歩いてくる所だ
った。…ホント、みくるちゃんがあたしより年上ってのだけは到底信じられないわね。謎よ、謎。
満面にお日様笑顔を浮かべて手をぶんぶん振りながらこっちにやってくるみくるちゃんの傍にいるのは、我
がSOS団が誇るオールラウンドプレイヤーにしてとても貴重な無口キャラ、有希。みくるちゃんと対照的に
ほんの少しだけ首を前に傾けてからこっちにすたすたと歩いてくる。ホントどっちが年上なのかしら?
そんな他愛のない感想を脳の片隅にぺいっと押しのけ、あたしは二人にむかって大きく手を振って見せた。
ふたりはそれぞれの足取りであたしの前までやってくる。さて、手早く用件を伝えないと…と思った矢先。
「話がある。…彼は今現在かなりの勢いで衰弱しはじめている」
白皙の表情をゆるがせることもなく、おもむろに有希がそういう話を切り出した。…彼ってのは、この場合
もう間違いなくキョンの事ね?衰弱?有希の発言を脳内で反芻してると…しなびた青菜みたいにへたばってる
あの馬鹿の背中が脳内スクリーンに再投影された。
「偶然教室前を通り過ぎたときに違和感を感じて、すこし顔色などを観察してみた。即座に流行性感冒を発
症させることはないと思うが、衰弱してるのは確か」
SOS団の誇るしっかり娘の有希の発言なら、もう間違いはないわね…まさか、風邪がぶり返したとかじゃ
ないでしょうね?あの大馬鹿キョンっ!
ま…まぁいいわ。どんな衰弱でも美味しい物いっぱい食べて休ませれば回復も早くなるってぇものよ!あた
しはそう割り切って、有希とみくるちゃんを手招きした。できるなら、この計画は機密にしたかったから。
SOS団ティーパーティ兼任の食事会の料理作成。この提案をあげたとき、ふたりとも物凄い乗り気であた
しの提案に賛同してくれた。んで、ここでついでに誰が何を作るのかを協議する。
クラブハウスサンドはあたしが作ると断固主張した。食材に下味をつけたのがあたしだから、仕上げを他人
にまかせると味付けがごっちゃになっちゃいかねないから。というのが理由ね。理由。
んで、その他にあたしが用意した材料は、ベーコンレタストマトサンドとバタークッキー用のもの。両方と
もあまり手をかけずに完成するように朝のうちに下ごしらえだけは済ませてある。この二品をみくるちゃんと
有希のふたりで相談して、どっちがどれを作るかを決めてもらうわけね?
「…サンドイッチ」
そしたら意外や意外!声は小さいけど、あの有希が!はっきりと自分の意思でBLTサンドを作るって主張
したのよ!みくるちゃんもサンドイッチにしたがってたみたいだけど…有希との無言のにらめっこに根負けし
て、クッキー作成を担当することになった。
さってさて、これで役者はそろったわ!早く来い来い放課後さん!
ミーティングを手早く済ませ、放課後になったら速攻で家庭科室を占拠するとの旨をふたりに伝達した後、
あたしは最大戦速でSOS団部室に取って返した。うっかりした古泉君やあの大馬鹿が、SOS団がお休み
だと勘違いしてかえったりしたら大事だから、手早く掲示用のメッセージを作成してドアの前にはっつける。
『本日、男子団員は部室内で最低1時間以上の待機を命じる。無断で帰ったら死刑だから。団長』
これでよし!さぁ、あとは放課後の決戦あるのみよ!あたしは心の中で意気をあげ拳を天に突き上げてから
すったか教室に取って返した。
放課後がここまで楽しみなのも、かなーり久しぶりかも?
さてさて…あたしはできるだけ平常心を保つようにして即座に教室にとって返した。あと2時間分の授業が
終われば決戦開始ね!などと思いながら現国の授業の板書を眺めていたんだけど…。
やっぱり気になるわよね。有希のあの発言とか。
目の前で死に掛けた芋虫みたいにくってり伏してぴくりともしない、この馬鹿の背中とかが。
あたしの視線に気がつかないなんて上等じゃない。だったら視線だけじゃないわ、意地でもこっちに振り向
かせてやるわよ!うりゃ!HB0.3ミリのシャーペン芯あたっく!ノビ切ったキョンの背中につんつんつんと軽
く三回ほどの攻撃を加えたところで、身じろぎひとつしなかったキョンがやっとのことで振り返った。
…うーん、なんというか。有希のいうとおりね。覇気もへったくれもないだらけっぷり。もしかしてホント
に風邪がぶり返したとかじゃないんでしょうね?さすがに気になって、あたしはキョンに声をかけた。
「えらくバテまくってない?ホント。まさか風邪がぶり返したとかいうんじゃないでしょうね?」
その声を聞いたキョンが、ほんの少しだけ沈黙してからこっちにかるく顔を向けて小声を返してくる。
「いろいろあってメシを食いっぱぐれてるんだ。腹がへって気力が沸かんだけで、風邪がどうこうと
かとは無関係だ」
「はぁ?アンタ学食とか使わなかったの?」
「金をおろし損ねてたんだ。財布の中身に小銭しかないんで食うに食えなかったんだよ」
はぁ!?その予想外の返事を聞いたとき。あたしは思わず力が抜けてずっこける所だったわよ。普段家から
お弁当を持ち込んで食べてるキョンが、不運続きで朝からなにも食べてない…なんてね?
種明かしをするのは簡単だけど、そんなんじゃ面白くも何ともないわ!とりあえず、視線にエネルギーを込
めて送ってあげるから、それを受けてもう少し気合で踏ん張りなさいっ!
かくして、いつもより長く感じられた時間が経過して本日の授業、無事終了!掃除当番に当たってなくて助
かったわ。終業の合図を待たずに超高速で旧館に突貫、即座に冷蔵庫の中身の材料をクーラーボックスに移し
て家庭科室に移動開始。
家庭科室前には、みくるちゃんの到着の前の段階ですでに有希が待機してたわ。
「…彼の様子は?」
「ああ、キョンのやつ今日は運が悪くて、朝からなにも食べられなかったんだって。有希が見たときが空腹
の限界ってとこだったみたいよ?」
その言葉で有希も納得したみたい。挙動の節に隠れてた不安感が薄れていくのがはっきりわかるしね。んじゃ
みくるちゃんがやってきたら、あの欠食児童の腹の虫の活動をとっとと休めるために腕を振るうわよっ!
二人して決意を固めたところで、向こうのほうから「ぽてぽてぽて」とみくるちゃんがやってくるのが見て
取れたわ。さ、SOS団三人娘のクッキングバトル、気合入れていくわよっ。
普段よりも強い意思を瞳に宿した有希が、あたしの声にはっきりわかる程度に頷いて、あたしたちは急ぎで
家庭科室で最後の仕上げを開始した。もうすこし、おなかを空かせてまってなさい、キョン!
あらかじめ手間のかかる部分を家で済ませてきてたので、調理自体は存外スムーズにいったのは僥倖だったわ。
有希がいつもとちがって、ものすごく熱心にBLTサンドの調理に取り組んでたり、みくるちゃんがクッキーを
焼くときに「くっきーさんの歌」とかいうヘンチキリンな自作の鼻歌を披露してて思わず笑っちゃったりしたけ
ど、それを含めても充分及第点な速さで調理完了。
あたしたちは両手に大きなトレイをもって、その上にそれぞれの作品を載せて、一路SOS団の部室を目指す
ことにした。キョン、飢え死にしてなけりゃいいんだけど…。
んで、旧館にはいって部室前に来たのはいいんだけど…しまった!あたしも有希もみくるちゃんも見事両手が
ふさがってるじゃないの!やむを得ないわね、これは。一息大きく息を吸い込んでから、あたしは声を張り上げ
た。
「・・・団長命令よ!キョン!古泉君!いますぐこのドアを開けなさいっ!」
ドアを開けてあたしたちを出迎えたのは小泉君だった。馬鹿キョンは…あーやっぱり精魂尽き果てて自分の席
で蓑虫よろしく伸びてたみたいね?こっちをみてる顔に浮かんでるのは間違いなく期待の輝きね?よしよし、も
う少しくらいその殊勝な態度でまってなさい。
うぅぅ、ホントにお腹の空いてくるSSだよぅ。
ハルヒの一人称だと、こんなにデレっぱなしなんだねぇ〜。
読んでて、ついついこちらも頬が弛むね。
「これはこれは・・・またお茶会で供されるには豪勢なものばかりですね。涼宮さん」
「まぁね?今日はSOS団の今後の活動指針を決定するために、食事会を兼ねたディスカッションに
することにしたのよ。ちょっと量が多くなってるけど、有希がよくたべるでしょうしあたしも食べるし、
ついでに・・・心底飢えてるどっかの馬鹿もいるしね?」
といいながら、あたしはその「どっかの馬鹿」に目線を流す。あ、向こうも自覚くらいしてるみたいね?視線
があうのが少し気恥ずかしいので、あたしは自作したクラブハウスサンドの大皿に視線を落とす。そしたら…。
「心底、助かる・・・。ありがたく味わって食わせてもらうぜ?」
あたしは一瞬、何を言われたのかわからなくなったわ。キョンの発言を頭で理解したとき。
もう、なんというか。今までの苦労とかそーいうのが、軒並みまとめて吹っ飛んだわ。たぶん今、あたし笑えて
るんだるなと思うわ。うん、こういうの。悪くないわ!
「ったりまえじゃない!どっかの馬鹿の作る手抜き粥より美味しいってことは保障するわ!」
「・・・わたしはあまり自信がないんですけど、お口に合えばいいかなーって」
「栄養、量、味に問題なし・・・食べて」
あたしに続いて、みくるちゃんと有希も言葉を紡ぐ。クッキーセットはみくるちゃん作。BLTサンドは有希の
作品で、あたしの作品はこのクラブハウスサンド。あいつ、どの皿に手を伸ばすのかしら…?
と、おもったら。あいつはあたしの目を見た上で…あたしの作ったクラブハウスサンドの皿に逡巡なしに手を
伸ばしたの!あぁもう、古泉君の手を左手でけん制して必死にサンドを味わってる…ってその勢いだと喉に詰ま
るわよ?まったくもう。
予想外のアクシデントもいくつかあったけど、あたしは今。自分でも不思議なくらい満足できてるんだと思う。
とりあえず、目の前であたしの作ったサンドイッチの皿を独占してるキョンの幸せそうな食べっぷりを見て。
こういうの、悪くないな…とかおもったのは、多分、一生のナイショ。
以上でサイドH完成です!サイドHというので「えっち」なのかと思う人も
多いようなのですが…サイド・ハルヒの意味です。申し訳ないOrz
えろーす成分についてはなかなか困難を極めてますので、自身もってお勧め
できる内容が完成したら張り張りしたいと思ってます。
ご意見、ご感想、次のネタのリクエストなどをおまちしておりますー。
ハルヒのモノローグ部分に、「?」マークが妙に多いのが目に付いた。
けど、変かなと思ったのはそのくらいで後はにやにやしながら楽しんでたよ。
あー、本筋とはちょっと離れるけど、珍しく自己主張してサンドウィッチを選んだ長門に密かに萌えた。
キョンのことだから、しかもキョンが腹を空かしてるから、クッキーよりサンドウィッチってことなんだろうと考えて勝手に満足。
後半の投下が始まってたのに割り込んじまった、すまんすまん。
GJすぎて腹の虫がキュルキュルです。
ごはん食べてくゆー。
ハルヒの乙女回路が全開で萌えた。団長さん脳内ではこんなデレだったのね。
しかしまあ、ドアの開閉の描写とかその辺キチンと考えてあるのにゃただただ脱帽。
GJ
サンドイッチを食いたくなって作ったwww
ツンデレハルヒのデレSIDE作品、ごちそうさまw
最初から最後まで、ハルヒっぽい文章でまとめるのは難しいのに
違和感なく最後まで読めました。
SIDE:Hということは、当然SIDE:Kもあるんですよね?
wktkでお待ちしております。
と思ったら、↑にあったんですね・・・。
短慮で申し訳ない・・・。orz
SIDE:Kも読ませていただきます〜。
>161
きみきみ、>93あたりへ巻き戻すと幸せになれるぞ?
つまり、キョンが飯を喰いっぱぐれてたのもハルヒの思いつきの所為なのか?
なんて迷惑な…w
キョンも、後でそれに気付いて愕然としてるなきっとw
前スレ
>>175の続きもって来ました〜
相変わらずエロ分が無いですが、感想をもらえれば幸いです
3
その日も、あの夢のことが頭に引っかかっていた。
くそっ、涼宮ハルヒ、長門有希、朝比奈みくる、古泉一樹、全部聞いたことも無い。 古泉総理なら知ってるんだが…
昼休みにでもとりあえず名簿でも見てみるか。 一人くらいはウチの学校だろう。
そして教室についたわけだが、谷口がうらやましそうな顔でこちらを見ている。
「キョン… お前だけは友達だと思ってたんだがな…」
「何のことやら…」
「知ってるぞ、三年の鶴屋さんと付き合うそうじゃないか…」
…なんでそういう色恋話だけは伝達が早いんだ? と言うより鶴屋さんから誰経由で谷口まで伝わったんだ?
「知らん、だがチェーンメールで8人同時に来れば誰だって信じるさ」
谷口はシャーペンを指でまわしながら国木田に視線を送る。 お前も送ったのか?
「でも、キョンがあの鶴屋さんと付き合うとはねぇ…」
あの? 首をかしげた俺に国木田が補足説明をよこした。
「知らないの? 三年の中でも結構人気なんだよ。 付き合うのは大変そうだけど」
たしかに常時あのテンションでいられると神経が耐えれない人が出てくるな。
「だけど僕にも3人もメールが来たって事は、ほとんど全校生徒が知ってるって事だね。 おめでとうキョン」
これはお前のメールの来なさにツッコむ所なのか、それとも「おめでとう」にツッコむ所なのか?
国木田の言うとおり、どうもみんなに知られてるようである。 授業中に視線を感じる。 こらそこっ、聞こえるように陰口を言うな。
後で谷口にメールの内容を見せてもらったが、幸いにも俺はキョンという間抜けなアダ名で書かれていた。
これがもし本名でもかかれてたら全校生徒から視姦プレーを受けることになってたろう。 そうなったら本気で引きこもるぞ。
クラスの中の好奇の目に耐えられなくなった俺は、昼休みという時間を利用して逃げ出した。
とりあえず名簿を見に行くか。 あの夢の件も気になる。
名簿をみて古泉一樹については意外にあっさり見つかった。 特進クラスの九組だった。 俺とは縁の無いクラスだな。
他の三人については、名簿にすら載ってなかった。 ほかの学校か?
とりあえず古泉とかいうのに会いに行ってみるか。
九組の教室行ってみて、古泉を呼び出してみた。 意外にあっさり会えた。 入れ違いとかもあると思ってたんだが…
「古泉は僕ですが…」
なんとまぁ、張り付いたようなスマイルでご登場だ。 キャラ作りってやつか?
「なぁ古泉、俺とお前は面識はあるか?」
まぁ、同じ学年だし、呼び捨てでいいか。 というか呼び捨てたい。
「いえ、ないはずですが…」
古泉が疑問符を浮かべて首をかしげている。 たしかに俺がそう聞かれてもそういう反応をするしかないな。
「そうか、それだけだ。 すまないな、呼び出して。」
用件を済まし、教室に帰ろうとしたんだが、
(彼は超能力者…)
まただ。 俺はまたつられるように、古泉に聞いた。
「なぁ、お前は超能力者とかじゃないよな?」
「いえ、僕は普通一般の人間ですが…」
古泉は馬鹿にしたように肩をすくめた。 何かその態度むかつくな…
(情報プロテクト解除 情報構成拡大処理開始…)
「痛っ」
また頭が痛み出した。 何か脳からひねりだされるような、そんな感じだ。
「大丈夫ですか?」
どうやら古泉は俺を頭が痛い人(いろんな意味でだ)と認識したようだ。 何か悲しいな。
結局古泉と会って頭が痛くなっただけだ。 何なんだよこの頭痛。 とりあえず風邪ではないことは確かだ。
とりあえず俺は教室に戻って授業の準備を始める。 谷口、いい加減機嫌を直せ。
そして午後の授業も残り10分というところで、また頭痛がした。 今度は小規模だがな… そして頭の中でまた声がした。
(脳領域における必要情報構成完了。 記憶情報を再構成する)
何かが変わった気がする。 ん? この声は… 朝倉!?
(そうよ、やっと気づいてくれたわね)
そうだ、俺はあの時記憶を消されて…
「そうだ、ハルヒだ!ハルヒはどこだ!?」
俺は会議で自信のある企画を発表するサラリーマンのように立ち上がった。 何で忘れてたんだよ、俺!
「なぁ、キョン。 何か興奮中のところ悪いが、とりあえず落ち着いてくれ」
谷口、これが落ち着いてられるか! 長門はどこだ? 朝比奈さんは未来へ帰ったのか? 古泉は… まだいたな。
「今はまだ授業中だぞ」
クラスの全員の視線が集っているのに気づいた。 我に帰った俺は、あたりを見渡して座ることにした。
(で、朝倉。 なぜお前の声が聞こえるんだ?)
(刺した時にナノマシンを注入しておいたの。 それを媒介にあなたの構成情報の一部を使わせてもらってるのよ)
脇腹が痛み出してきた。 これはトラウマになりつつあるぞ。
(じゃあ何で今まで)
(今までは長門さんがいたからなの。 下手に干渉して結合解除になったら元も子もないでしょ。 今は長門さんの直接介入が無いから、こうやってアプローチをかけることが出来たのよ)
(まさか昨日からの頭痛はお前のせいか?)
(そう、長門さんのかけた情報制御は強力よ。 あなたがキーワードを言った瞬間に再度情報操作をかけて絶対に思い出せないようにしてた。 情報操作に回るスキを狙ってこっちの情報拡大していくしかなかったの)
そこでチャイムがなり朝倉との脳内話に夢中になっていた俺は、礼中に一人だけ座ったままという失態をさらしてしまった。
全員が帰った後、教室で再度朝倉と(脳内でだがな)話し合うことにした。バレたらいけないので寝てるフリをしながらだ。
(まずお前も情報なんとかの一員じゃなかったのか?)
(私は情報結合を解除された後、情報統合思念体からは切り離されてたの。 今回のことは私は関係ないわ。 まぁ、分離されてたおかげで情報統合思念体の影響もなかったんだけどね)
(それを証明できるのか? はっきり言って俺はお前を信用して無いんだぞ)
(できないわね。 でも今の状況は今の状況は私にとって好ましくないわ)
(利害の一致ってやつか? そのわりによく殺そうとしてたじゃないか)
(あれはちょっとした手違いよ)
(人の生死を手違いで片付けられるのはちょっとな…)
(まぁ、いいじゃない。 それに今のあなたは私以外頼れないんじゃない?)
図星だ。 古泉は記憶を消されてるし、今回は長門の緊急脱出プログラムもなさそうだ。 きっかけは長門だし。
(かといって私もあの時ほど色々出来る訳じゃないけどね。 情報統合思念体からは分離されてるからあまり大規模な情報変換は無理なの)
(とりあえず今の状況をお前の分かる範囲でいい、教えてくれ)
まずはそれが知りたかった。 一体この世界はどうなってるんだ?
(とりあえず涼宮ハルヒ、およびSOS団に関与した人間はすべて記憶操作されてるわ。 朝比奈みくるに関しては、この時代にはいないようね。)
やっぱりあの時に帰されてしまったのか。 もう会うことはないのか?
(古泉一樹はさっきも見たとおり、ただの一般人になってるわ)
(古泉はどうでもいい。 長門とハルヒはどこなんだ?)
(涼宮ハルヒと長門さんに関しては消息不明ね。 捉えることが出来ないっていうのが正しいと思う)
(そうか…)
(だからこそ私がこうやってあなたに接触できたんだけどね)
(俺に何ができるんだ? 俺自体には何も不思議属性はないんだぞ?)
(私が可能な限り手伝うわ。 とにかくまずは協力者を集めないと…)
(どうやって集めるんだ? まさか正直に打ち明けるわけにも行くまい)
(それについては考えがあるわ。 今鉛筆なんかもってる?)
鉛筆は無いが、シャーペンならある。 俺は鞄の中から筆箱を出して、シャーペンを取り出した。
(そのまま机に置いて)
言われるままにシャーペンを机に置くと、どんどん宙に上がっていった。 そしてそれは渦を巻いていき、見覚えのある形になった。
(短針銃よ。 針に情報復元プログラムを付着させてるわ)
12月と同じか。 またこれを使うことになるとは…
(でも針は3本しか無いから慎重に使って)
「遅いぞキョン君。 ずぅーーーーーっと待ってたんだからねっ」
その声に顔を上げると、鶴屋さんの100ジゴワットの笑顔が輝いていた。 いつもより明るいのは昨日の件があるからか。
「すみません少し寝てました」
という事にしておく。
「うん、素直でよろしいっ!」
ふと鶴屋さんの視点が俺の右手に向かう。 あ、短針銃…
「キョンくん、一体それは何だい? おいたはダメにょろよー!」
「いや、あの… これはですね…」
言い切る前に鶴屋さんが短針銃を取ろうとしてた。
「これはダメですよ。 大事なものなんです」
「私より大事なものかいっ? そんなもの無いと思ってたんだけどねぇー!」
ニヤニヤしながら鶴屋さんが手を伸ばしてくる。 ものすごく髪が当たるんですが…
「ちょっと、本当に、あ…」
音も無く短針銃が発射された。 と同じダイミングで鶴屋さんが倒れた。
「鶴屋さん!?」
幸いにもどこにも当たらずにすんだ。 これで傷でもつけたらファンの人に袋叩きにされるぞ。
(どうやら無事情報修正プログラムが起動したようね)
朝倉の声が聞こえる。 どういう事だ?
(安全にプログラムを起動させる為に睡眠状態に移行させたの。 起きたままだと固有情報に悪影響があるの)
(記憶が修正されたらこの世界の記憶はどうなるんだ?)
(安心して、それは残るわ。 告白の記憶もね)
コイツ、そこまで見てたのか…
(それより前からずっと見てたわよ。 夏休みのことも、文化祭のことも。)
ストーカーか? 下手するとアレまで見られてるかもな。
171 :
【長い夜】:2006/07/10(月) 22:49:13 ID:NyzZ97Zm
私は、物。
命じられるまま、対象物を観察しつづけるだけの監視装置。
印刷された文字情報を取り込み続けるだけの情報端末。
人の形をした、ただの道具。
その筈なのに、なぜ、ひとりで居ると意識してしまうのだろう。
なぜ、寂しいと感じるのだろう。
私は、ただのモノなのに。
楽しいという感情を知ってしまったからだろうか。
触れ合う事を知ってしまったからだろうか。
私を優しく気遣う人を知ってしまったから?
あの人の胸に抱かれる温もりを知ってしまったから?
わからない・・・。
私より上位に存在する巨大な情報の海に問い掛けても答は見つからない。
上手く言語化できない感情が心に湧きあがるとき、私はいつもこうする。
あの人がいる方向に眼を向けて、あの人のことを考える。
遠距離探査をすれば、実時間でのあの人の行動を把握する事が出来る。
でも、私はそうしない。
あの人のことを考え、あの人がどうしているのかを想像する。
それだけで、私の心は温かさに満たされる。
あの人は、いま何をしているのだろう?
いっときでも、私のことを考えてくれるだろうか?
まだ、夜明けは遠い、窓の外の暗闇を見つめる。
暗闇の中に灯る明かりは、あの人の家ではないけれど。
私の心の中では、あの人の姿を映している。
また、明日になれば、あの人に会えるだろう。
それまでは、心の中のあの人を見つめていよう。
心の中のあの人は、いつでも優しいまなざしを送ってくれるから。
それからおよそ10分くらいが経ち、鶴屋さんが目を覚ました。
「あれっ? 何でこんなところで寝てるんだろうねっ」
気付いたと思ったらいきなり起き上がった。 いつもアクティブでアグレッシブな人だ。
「たしかキョンくんと何か取り合いになってーっ」
俺の机を見るが、流石にもう短針銃は隠した。
「気のせいじゃないですか? ところで何か異常は無いですか?」
「特に何もないにょろよ。まるで寝てたみたいだよっ」
まぁ、実際寝てたみたいなもんですが…
「もっと他に… 昨日の事とか憶えてますか?」
何よりもそれが気になった。 もし朝倉の言うとおりなら、あの告白も覚えてるはずだ。
「お、キョンくんめがっさ鋭いねっ。 それが昨日と一昨日のことを全く覚えてないんだよっ。 何かあったのかい?」
「いえ、別に何も無かったですよ。」
とりあえず忘れてるのなら無理して思い出してもらうことも無い。
「そういえばこんな時間だけどSOS団はいいのかいっ? みくるも待ってるよっ」
「えっと実はですね…」
これまでの事を言いかけて俺の口は止まった。 はたしてこの人に言ってもいいのだろうか? 色々と知ってそうだが…
「ここは夢の中なんですよ」
我ながら苦しい言い訳だ。 流石に鶴屋さんどころか妹も騙せないだろう。
鶴屋さんは少し考えたような表情になって、
「ほっほーっ、夢なのかい? その割に感覚があるにょろよ?」
通じた… のか?
「感覚がある夢なんですよ」
こうなりゃヤケだ。 このまま押し通してやる。
「そんな夢もあるんだねぇ…」
「それを承知で聞いてください」
俺は鶴屋さんにハルヒや長門、朝比奈さんや古泉の事を話した。 そして今回起きている事(脳内の朝倉も含めて)を話した。
「なるほどっ。 よーく分かったさっ」
普通の人なら精神科のドアをノックしそうな話を鶴屋さんはすんなり受け入れてくれた。 やっぱかなり知ってたな。
「で、これからどうするんだい?」
もっともな質問である。 俺もそれが知りたい。
「ちょっと待っててください。 聞いてみます」
俺は脳の中にたむろしてる
(おい、朝倉。 これからどうすりゃいいんだ?)
(私にも分からないわ あとは野となれ山となれね)
(そうか…)
朝倉との脳内会話を終えた俺は、
「とりあえず帰ってもいいみたいですよ」
「分かったさっ。 じゃあまた明日ここで集まろうっ。 それじゃねっ」
そう言って鶴屋さんは加速装置でもついてたかのような速度で教室を出た。 速えぇ…
「あとそれとっ」
いきなり鶴屋さんが引き戸から顔を出した。
「やっぱなんでもないっさ! じゃねっ」
鶴屋さんの足音が遠ざかっていった。 何だったんだ?
鶴屋さんが教室から離れたのを確認しつつ俺は再度朝倉に問いただした。
(記憶が消えてるじゃねぇか)
(おかしいわね、あのプログラムにそこまでの力はない筈なんだけどなぁ)
(でも実際消えてるみたいだぞ。 それは紛れも無い事実だ)
(まぁいいわ、早く帰りましょう。 ここにいても何もないでしょうし…)
朝倉の声しか聞こえないが、姿が見えていたらきっと古泉のような顔で肩をすくめてるに違いない。
とりあえず家に帰った俺はつつがなく一日を終えた。
昨日みたいに朝倉が夢の中に出てくるという事も無いようだ。 そうする必要が無いからな。
さて、明日はどうするか。 味方になってくれそうな奴は…
目をつぶった俺のまぶたの裏には、長門が映り、朝比奈さんが映り、ハルヒが映って消えていった…
orz
いいとこで割り込んでしまった。
申し訳ない。
とりあえずここまで
過去ログ見ながら続き書いてきます
谷川せんせええええええっ!!!
wktk
七夕の夜からとある七夕の夜にかけて、俺が時を駆ける旅人と化した、あの
日からわずか数日の事である。
ハルヒのメランコリーは日を追うごとに深くなり、本日遂に、その眉間に
深い皺が刻まれるに至り、俺の午前中は地獄と化した。
ハルヒの奴、きっちり200秒感覚で溜息をつきやがる。こんなの数える俺も
俺だとは思うが、周囲の人間が驚くくらいデカい溜息をつくハルヒもハルヒだ。
「なぁ一体どうしたんだ」
「別に」
このやり取りも、昼までに三度繰返した。俺は弁当を抱えると、谷口と
国木田にすまんちょいと、と言って教室を出た。
振り返るとハルヒは、逆光の中で黒々と、席に座ったまま、窓の外を眺めて
いた。
「……という訳でだ」
長門よ、お前は何か知らないか。こないだ絡みにしちゃ、憂鬱の度合いが
深すぎる気がするのだが。
「特に異常は検知されていない」
マジか。信じて良いんだな。なぁ古泉。出てこいよ。
「おや、訊きたいのは僕の方だったのですが」
半端にマジな顔をしたニヤケ面が、部室に入ってくる。
「また涼宮さんにデリカシーにかける発言をされたんじゃないのですか?
思い出してみてください」
俺にはとんと覚えが無いのだが、っておい、俺にどういう疑いをかけて
やがる、そもそもの前提からしておかしいぞ。ハルヒがデリカシーなぞ
気に掛けるものか。
そんな訳で収穫無しに教室に戻ってみると、ハルヒは出掛けにみた姿勢
そのままだった。
国木田に聞く。
「うん、ずっとあのまま。一体どうしたんだろうねぇ」
さあな。多分変なモノでも食ったんだろ。
俺のその答えは半分合っていたらしい。
放課後、帰ると言い残してざっさと席を立ったハルヒの後ろ姿を眺めると、
さて今日はどうしようかと教室を出たところで、見たくも無い顔と出くわした。
「納豆が、消えたそうです」
偽丸太風の屋外テーブルの向かいで、古泉はこんな事を抜かした。
「正確には、納豆菌が、らしいのですが」
さっき、昼休みのうちに、日本中の納豆工場の中の納豆菌が、全滅した
のだそうだ。
「機関の上層部は大混乱ですよ」
でも、と古泉は言い置いて続ける。
「僕にとってはどうでも良いコトですね」
そうか、お前は関西人だったか。ああ、俺にとってもどうでもいい話だな。
しかしだ、何故納豆なんだ。
「おや、ご存知無かったのですか?」
今日7月10日は、全国的に、納豆の日、らしい。
「知るか」
>>177 うはwwww納豆を無理やり親に食わされたのか?
ハルヒ、それは是非頼む。俺も関西人で、納豆が嫌いなんだ。
179 :
ケータイから失礼:2006/07/10(月) 23:17:42 ID:N5F8DVGV
パソコンじゃんってつっこみはなしでお願いします
本人かと聞かれると証拠の提示のしようがないのですが
まあ本人です
ってことで「涼宮ハルヒの冒険」続きをどうぞ
とりあえず宿屋の一室を借りた。
何が悲しくて野郎と二人きりなんだ。
これが朝比奈さんとなら天国なんだが、、、いや天国おも凌駕できるぜ。
まあ現実を受け入れよう。
んで話ってのは何だ。
「あなたは自分の職業を把握していますか?」
俺は高校一年生だが?
「この世界での職業です。」
んな事考えてる暇ねーよ。
「ではあなたは特に自覚もなくあの大剣を振り回しているんですか?」
何が言いたい。
「失礼ですがあなたの筋力であの剣を振り回すのは不可能です。」
んなことは俺が一番良くわかってんだよ。
悲しいこと言わすな。
んで何が言いたいんだ?
「この世界は『あのゲーム』にとても忠実に出来ているんですよ。」
このチート満載のでたらめ世界がか?
「では種明かしをしましょう。」
ああこいつはどこでも解説役なんだな。
「答えは簡単です。
あのゲームはコンピ研が改造した物なんですよ。」
つまりハルヒ式チートと思われていた物はコンピ研の物だと言いたい訳か?
「ええ長門さん調べですから間違いないでしょう。」
じゃあいきなり話が飛んだのは何だ?
「これは憶測になりますが
涼宮さんはあのゲームを持ち帰り自宅で遊ぼうとした。
しかし彼女のセーブデータは消えていた。
かわりにあったコンピ研のデータを間違って読み込んだのでしょう。
そのデータが話の飛んだ地点なのです。」
つまりハルヒの勘違いで俺は大いに混乱したという訳か。
古泉と長門はこうなることを予想していて『あのゲーム』のことを前もって調べておいたんだそうだ。(もっとも調べたのは長門だが。)
だから二人は全く動じなかった。
朝比奈さんが何かあるごとにびくびくするのはいつものことだろ。
何かすげー損した気分だ。
「さて職業の話に戻りますよ。」
ああ好きにしろ。
「あなたは『重剣士』涼宮さんが『格闘家』朝比奈さんが『僧侶』長門さんが『魔道士』そして僕が『弓使い』となっています。」
考えたこともなかったが確かに戦い方を思い出すとそんな感じだ。
「この職業のうち『僧侶』『魔道士』『弓使い』がそれぞれ回復 攻撃 補助の魔法が使えます。」
だからどうした。
「僕らのことに涼宮さんはどこかで気づいているのかもしれません。」
おいおい大丈夫なのか?
「恐らく問題ないでしょう。では本題に入ります。」
どうでもいいのかよ。
続く
>>170 今時の若い人にジゴワットは通じるのだろうか…
しかし、アレは名作だ。ちょうど今日1〜3を見てたが、何度見ても面白い。
それはともかく、続き楽しみにしてます。
ジゴワットってバック・トゥ・ザ・フューチャー?
とにかく続き期待
映画で一番好きな作品だな。
消失を読むと、何故か2を思い出すね。
自分もジゴワットと三色の燃料をネタとして使いたかった・・・
キョン妹と鶴屋さん好きな俺は非常に楽しめた作品が多かった!
谷口かよ。
>>178 納豆が消えると困るなぁ。
俺も関西人だが、好物だぞ?
>>177 >今日7月10日は、全国的に、納豆の日、らしい。
「おっくれてるうーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
からり、とっ。
いやこれは条件反射で……
納豆、美味いのになあ。俺も関西人だけど。ハルヒがもしもパン嫌いになったら
小麦およびイースト菌が大打撃を受けて世界は滅亡するかも知れんな。
おまいら想像力豊かだなw
関東なのに納豆が食べれない俺はどうしたら・・・
関西に引っ越せばいいと思うよ。
じつは関西でも納豆フツーに売ってるのな。
大丈夫だ。
納豆なんぞ食えなくても人は生きて行ける。
俺は死ぬ。
197 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/11(火) 01:39:54 ID:PLJnxxKF
age
納豆は単体でも、トッピング入れても美味い。
卵は当然として、ネギもいいしキムチとか入れてもいい。
俺は長門に口移しで納豆食べさせてもらいたいとか思っている
二人の口の間に糸が引かれて
ここはいつから納豆を語るスレになったんですかw
私も好きだけどね。
東北人だし。
(納豆嫌いな東北人もいるけど)
かもすぞ
どのスーパーでも納豆の特売やってたんで笑った
801に7-695進出してるぽ
たぶん本人だ
納豆は粘りの少ない黒豆しか食えね
204 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/11(火) 03:22:23 ID:Mx9+UIwh
九州人は普通に納豆食ってたな
やけに誇張する関西だけ変なんだよ
粒がでかいのが好き
正直、納豆が無くなったら死にはしないが、
食欲がかなり落ちそう。
大好きなんです。納豆が…
納豆にわさびふりかけ、これ最強
ハルヒって処女?
……小粒納豆大好き
知らないのかー納豆にー、ネギを刻むと美味いんだ〜♪
納豆の話題だけに皆さん粘ってますね。
だれが、上手いことを(ry
関西仕様の納豆は、あまり匂わないよ。
納豆本体より納豆のタレが好きだ
おまえらほんと納豆好きだなwwwその中で207のさりげなさに吹いた
答えはいつも私の胸に〜だぜ
ごめん誤爆。vipじゃないのねorz
納豆の日の給食って必ず納豆だったよな………もう11日なわけなんだがorz
ハルヒとキョンのカップリングが何よりも好き。
次点で鶴屋さん×キョン。
それと同じくらい、古泉×女性陣の絡みが好き。(うほっ、は勘弁)
納豆は毎日一個〜二個は食べます。ウマー
クッキーってなにさ、調べるか。
あまりにも納豆が糸を引くので
こんなのが出来ました。
「俺は、な…と……好きだ」
――!? 今、長門が好きって聞こえたんだけど? ちょっと、キョン。どういうつもり。
あたしの前でそんな話するなんて。いいわ、もう少し黙って聞いててあげる!
パソコンに夢中で聞こえてないフリをしてあげるから、続けなさい。
「おや、奇遇ですね。実は僕も大好きなんですよ」
えっ!? ねぇ、冗談でしょ。いきなり三角関係? 我がSOS団ではそういうイベントはお断りなのよ、古泉くん。
「お前もか。それは意外だ」
キョン!? あんたは何でそんなに嬉しそうな顔してんのよ。ライバル出現よ! それなりのリアクションがあるでしょ。
「苦手という人も多いようですが、あの魅力が分からないなんて。僕は理解できませんね」
「ああ、確かに。ところでお前は何を入れる?」
いっ挿れる!? いつの間にあんたらはそんな関係になったのよ!
「僕はそのままかけますね」
かっかける!? ……有希、あなたをそんな子に育てた覚えはないわ。
「おい、古泉。質問に答えてないぞ。お前まさか……、アレを入れるのか?」
「ふふっ、ばれてしまったようですね。
そうです、あなたにしてみれば許せない行為かもしれませんが、これは僕の趣味なので……。口出しはしないでくださいよ」
ちょっと、アレって何よ? 何なのよ? そんなにやばいモノなの?
「……私は古泉一樹に賛同する」
有希、あんたは古泉くんを選ぶのね。『アレ』はそんなにイイの?
「長門、お前もか。俺は信じてたのに……」
キョン……、あんたはそんなに有希が好きだったの? 俯いてるけど悔しそうな顔をしてるのがあたしには分かる。
大丈夫よ、キョン。あたしはいつでもあんたの味方よ。
「そうだ、ハルヒ! お前は……って顔、赤いぞ?」
心の準備ってものがあるでしょ。
「はぁ? なんだそりゃ。まあいい。で、お前はどっちだ?」
来た!! これはチャンスよ。今なら邪魔者はいないわ!
「そんなの………………キョンに決まってるじゃない。このバカっ!」
言った! 言っちゃった!! うわー、恥ずかしい。
「??? ……ほっほらな。いくらハルヒだってそれはないってよ」
キョン、あんた何言ってんの? 『ある』から言ったのよ。
「遅れてすいませんでしたぁ」
「あぁ、朝比奈さん、いいところに来てくれました。ちょっと聞いてくださいよ。古泉と長門が……」
事の次第を説明するキョンとそれを聞いて目を白黒させるみくるちゃん。で、耳まで真っ赤のあたし。
でも次の瞬間、ほぼ全員が阿鼻叫喚した。楳図かずおを思い出すわ。
「マヨネーズも砂糖もありえませんよぉ。納豆にはイチゴジャムです」
……違うでしょ、みくるちゃん。納豆にはお酢。これ常識よ!
えっ? キョン、やれやれって何よ。
(終)
ベタにそのまま行くかと思ったら、そっちか!
俺はベタな納豆が好きです。
ついに納豆SSがwワロタwww
「なあ古泉」
「なんでしょう」
「ここ一年。ハルヒやら朝比奈さんやら長門やらと三者三様の魅力を持つ女性とであった。でもさ、なんかちがうんだよ」
「違う・・・とは?」
「三人だけじゃなくて朝倉や鶴屋さん、森さんに黄緑さんといろんな女性とであってさ。俺、わかったんだよ」
「俺がすきなのは、古泉。お前なんだよ」
「・・・えっと」
「古泉、俺と男同士の世界にいかないか? いや行こう!」
「正気ですか?」
「当たり前だ!」
「今の貴方は正気ではありません、早く正気に戻ってください、僕はノーマルです」
「大丈夫、痛いのは最初だけだから!」
「こっちこないでください」
「古泉ーーーーー」
「ギャァァーーーーーーー」
勢いでやってしまった、後悔はしていない。
>>224 これは…ありそうでなかったパターンだな
浣腸ものを投下してみる
読みたくない人はNGワード 緊急脱出プログラム2 を設定よろ
緊急脱出プログラム2
我々SOS団は危機に陥り、俺たちは重大な決断を迫れていた。
どうして、こんな事になっかと言うのを一言で現すと、例によってハルヒが退屈し出したからだ。
ハルヒの退屈の虫が騒ぎ始めたのを察知した古泉が、何かイベントを考えないと拙いってんで、
例によって鶴屋家の協力で別荘を借り、隕石が落下したという山に探査(ハイキング)と相成った
ところ、あんなことやそんなことがあって、現在山中に忽然と姿を現した館に軟禁状態にあると
いう、二番煎じもいいところの超ベタ々な展開となっている訳である。
今回違うのは、長門が「館そのもの」に関する事項以外は正常だと言うこと。
軽食の用意を口実に、朝比奈さんに頼んでハルヒを厨房に追いやり色々やった結果、我々が
持ち込んだ物は勿論、家具などこの館に元々あった物でも長門の情報操作によりその存在を
変化させることが出来た。
ドリル、ハンマーによるドアの破壊、ガラス切りによる窓ガラスの切断は尽く失敗し、阪大の
激光よりも強力なレーザーも作ってみたが、カーボンナノチューブ程の穴すら開けることが
出来なかった。
ハルヒが食事の用意が出来た旨告げに来た。
ダイニングに入ると、サンドイッチとサラダが我々を待っていた。
「ここのキッチン凄いのよ、道具も食材も何でもそろってて、何作ろうか迷っちゃう位」
おい古泉、俺が脇腹をつつくと
「わかってますよ、涼宮さんに限らず扉を開けた瞬間に『その時欲しいもの』がそこにあるの
でしょう」
食事の後片づけが済んだ俺たちは取り敢えず適当に決めた客室に引き上げた。
ノックの音がした、開いている旨告げると、古泉が顔を出し
「5分後にエントランスに来てください、但し涼宮さんに気取られない様に」
4分後にエントランスに行くと、既にハルヒを除く全員が集合していて俺が最後だった。
「キョン君、罰金です」
朝比奈さん、こんな時によくそんなボケが出ますね。
「それはさておき、我々が置かれている状態はですね……」
様々な状況証拠から、長門の宇宙人パワー自体はそのままで、俺たちを館に留め置くこと
のみに超常的力が働いていることから、情報統合思念体絡みではなく、タイプは違うものの
ハルヒの作り出した閉鎖空間の一種であろうと結論付けた。
まあ、結論付けたところで何も変わりはしないのだが……
ところで、ハルヒは何でこんな空間を作り出したんだ?
退屈の虫によるストレスなら、古泉には悪いが例の閉鎖空間を創り出してお終いだろ?
「簡単に言ってくれますね、あれでも結構命がけなんですよ」
>>227 「もしかして涼宮さん、便秘なのかもしれません」
朝比奈さん、快食快○と顔に書いてあるハルヒが便秘とは思えませんが
「確かに涼宮さんの食事の量はいつもより少なかったですね」
ハルヒに限らず、こんなところに軟禁状態に置かれたら、食も細ると思うが
「それは違いますね、涼宮さんなら、こういう場合『食べられるときに食べて体力を温存すべきよ』
といって、普段の倍食べるでしょう」
確かに、前回ハルヒは俺たちより多く喰ってたな
「涼宮ハルヒが腹部に手をやる回数が、普段の1.7320508倍に増加している、妊娠の兆候は
検知していない、便秘を気にしていると推測される」
「これで納得がいきました、涼宮さん自身による緊急脱出プログラムと思われるものが用意され
ています、あれです」
指さす方向を見たとき俺は思わずこめかみを押さえた、一呼吸置いて頭を上げたがそれは、
消えることなく存在していた。
そこには、「浣腸」の山がそびえていた。
浣腸で「ええ糞出して、エクソダス(脱出)」か……
問題は、誰がハルヒに浣腸するかだな
全員が同じ方向を向いた、俺も釣られて見たが誰もいない、どうしたんだ
頭を元に戻すと、射抜く様な鋭い視線が痛かった。
「キョン君、こんな時によくそんなボケが出ますね」
「涼宮ハルヒはすべてを委ねられる相手としてあなたを望んでいる」
『すべてを委ねる』なんて、大げさな…
便秘を解消するためだけの浣腸なら自分でやれば済むことで、俺の出番は無いよ。
「イチジクって慣れないと、なかなかうまくその…お尻の穴に入らないんです、それに入れて
からも、5分とか我慢しなきゃいけないですけど、実際にはそんなに我慢出来無くって、お薬だけ
出てしまうこと多いんです」
「自分一人では出来ないから誰かに頼まざるを得ない、しかし頼んだ相手はともかく他人には
絶対知られたくない…まあ当然ですね」
潜在的に望んでいる事だとして、面と向かって『浣腸させろ』と言って『はいお願いします』と
承知するとは思えんが
「涼宮さんの説得は私がします」
朝比奈さん、お申し出は嬉しいのですが、どうやって説得するのですか?
「私も便秘症なので、そこから話をしていけば、きっと納得してくれると思います」
古泉と長門を見やると、古泉は相変わらずのインチキスマイルで肩を竦め、長門は
無言だった。
わかりました、ハルヒをお願いします。
>>228 ハルヒの部屋に向かった朝比奈さんを見送りながら古泉が
「涼宮さんの方は朝比奈さんにお願いするとして、我々は準備に取り掛かりましょうか」
イチジクをぷちっとするだけだろ、準備って何をするんだ?
「涼宮ハルヒに用いる浣腸はイチジクと呼ばれている軽便浣腸では不足であると判断する」
「彼女自身、イチジクで用が済むとは考えていないから、あれが用意されているのです」
古泉の視線の先には、スタンドに吊り下げられたエネマシリンジとワゴンがあった。
ワゴンの上には、蒸留水・グリセリンにワセリンといった薬品の他、ガラス製浣腸器が乗せられて
いた。
俺たちは、何故かバスルームが他の三倍ぐらいあるツインを見つけると、先ほどの機材を運び
込んだ。
ノックの音がしてうつむき加減で少々顔色も良くない朝比奈さんが入ってきた。
朝比奈さんは、きりっと覚悟を決めた顔を上げると
「涼宮さんは条件付きで承知してくれました」
「朝比奈さん、条件とはなんでしょうか?」
「キョン君がしてくれるのと、あっのー私も一緒に…」
俺がやるのは腹を括っているから構いませんが、どうして朝比奈さんまで浣腸しなければ
ならないのですか?
「私が最初に便秘症だと言ったことと、やっぱり一人では恥ずかしいからだと思います」
俺が毒づきながらドアに向かおうとすると、進路を妨害する様に長門が立ちはだかる。
「涼宮さんは朝比奈さんと一緒であることにより、純粋な医療行為にしたいのですよ」
古泉の弁を受けて、長門は三点リーダーと共に僅かに頷いた。
「長門さん、涼宮さんを呼んできてもらえますか?」
音もなく移動しドアを開け出て行った。
古泉、今回おまえはどんな役割だ?
「今回僕に与えられた役割はこれです」
古泉が出してきたのは、池上製の肩載型HDカムコーダーであった。
「ひぇー、そっそんなー」
朝比奈さんは口をパクパクさせて卒倒寸前である
「おまえなー正気か? 、第一そんなものどこから出した」
「いつでも使える状態でこの部屋にありました、おそらく涼宮さんの意志だと思います」
あいつはなにを考えているんだ、たとえハルヒの意志だとしてもそいつは無しだ!
「まっ、あなたならそういうと思っていましたよ、ダイニングに良いワインとチーズが
ありましたから、それを楽しむことにします」
一応未成年だから自重しろよ。
「わかっていますよ、それにしても単に裸身を見せるだけでなく、肛門と性器を晒しあまつさえ
排泄するところを、見られても構わないと……あなたは幸せですね」
うるさい! 人の気も知らないで! とっと行け!
古泉が出て行ったのを見計らった様に、長門がハルヒを連れてきた。
「キョン、おなかが張ってつらいの、だから…」
最後まですっとぼけて「おねがいします、ご主人様」とか言わせることも出来たのであろうが、
後の始末に困るのが目に見えているので、わかっている旨を告げ、長門に一旦外に出るので
二人の準備を手伝う様頼んだ。
>>229 廊下に出てドアの横の壁にもたれる。
「何もしない内からずいぶん疲れた顔してますね」
当たり前だ、世界を救うのに事欠いて「浣腸」とは驚きを通り越して情けないの一言だ
差し出されたトレイからチーズとグラスを取る、酒というものをほとんど飲んだことのない俺にも
良いものだとわかる。
ドアが開き長門が顔を出す。
トレイにグラスを戻すと、古泉に頑張れるだけ頑張ってみるわと告げ部屋に入った。
長門よ二人の準備をしてくれとは言ったが、何故おまえがバスローブを着ている、
「この空間に囚われてからエラーの発生が急増しその蓄積が危険なレベルに達しようとしている」
本当か?
「あなたに対し嘘を言う必要はない」
それはそうだが、俺の顔を見ようとせず、頬が赤い様に見えるのは気のせいにしておこう
長門の先導でバスルームに入ると、ハルヒと朝比奈さんが、全裸に剥かれ各々手と足をバーに
拘束され俯せになっていた、恥ずかしさを堪えるためか二人とも口をへの字に結び無言で
あった。
「暴れると危険、安全に配慮した結果」
「……」
意を決し口を開こうとした矢先
「本当は、あなたへのサービス」
長門は俺だけに聞こえる様小さな声で言った。
ここで抗議してもややこしくなるだけと腹を括り、ありがとうよと肩を叩いた。
長門はバスローブを落とすとその裸身をハルヒの隣に横たえた。
スタンドに吊された二つのエネマシリンジには、それぞれ「朝比奈みくる様」「涼宮ハルヒ様」と
名前が入っており、既に薬液が満たされていた。
ワゴンの上にあったメモを手に取る、その下にはガラス製浣腸器は何故か5本も用意されて
おり「長門有希」のタグが付いていた。
メモには、薬液は量と濃度が調整してあり、ハルヒに間違えて上級者の朝比奈さん用の
薬液を用いると危険と記してあった。
朝比奈さんが便秘症で浣腸を使用していることは知っているが、上級者という呼称は
どうかと思うぞ、それに「危険」てどういう意味だ?
長門に問いただしたかったが、ハルヒのいる前ではさすがにそれは憚られたので、
さっさと浣腸することにする。
ワセリンを指に採り、朝比奈さんの肛門をマッサージする。
「あっ、あっー」
ワセリンをつぎ足し更にマッサージを続けると、声が艶やかになってくる。
肛門が柔らかくほぐれてきた頃合いを見て、「朝比奈みくる様」のタグが付いたノズルを
差し込む、バルーン付きで膨らませると抜けなくなる構造である、確かに上級者
向けであるな。
何故俺がそんなことを知っているのかと言うと、谷口・国木田ペアから色々廻ってくる
からだ。
その手の趣味はないと固辞したが、どうしてもと言うので見たら肝心の部分はほとんど
なく、延々器具とその使用手順の解説というAVとしては、どうかと思う様な奴が
廻ってきたのが、つい先日のことである。
まさか、それもハルヒの非常識パワーの一環か?
ノズルをセットし引っ張っても抜けないことを確認すると、タイマーのスタートボタンを
押しピンチコックを緩めた後、再度タグを確認しハルヒに移る。
>>230 同じようにワセリンを指に採り肛門のマッサージをするが、「初心者」の為かなかなか
ほぐれてこない。
「うっ、い、いたいー」
力を入れるからだ、力を抜け
ワセリンをつぎ足すこと数回、ようやく指が一本楽に出し入れ出来る頃、痛みを訴え
ない様になった。
ハルヒの方は普通のノズルである、差し込んでピンチコックを緩めると薬液が流れ出す。
その間、ハルヒは恥ずかしさで真っ赤な顔をして俺を睨んでいた。
睨むならこんな事させるなよ、心の中で呟やいた。
そんな顔するな、苦しいのを少し我慢すればすっきりだから…
おっといけない、タイマーのスタートボタンを押すのを忘れていた。
長門に取り掛かろうしてワゴンを見た。
下の段に、空になった容器が置いてあるのに気付きその一つを手に取った。
「涼宮ハルヒ様」と書かれたグリセリンの瓶であった、隣には同じ量の蒸留水。
基本通り50%濃度の薬液を用いているらしい。
「長門」と書かれた容器も数本あり組み合わせからハルヒ同様50%濃度らしい。
「朝比奈みくる様」と書かれた容器も見てみた、どこから手に入れたか知らんが確かに
「危険」だな……『ドナン(Donan)』と書かれた容器を元に戻した。
「キョン、おなか痛い、トイレに行かせて!」
薬注を開始してから一分ほどでハルヒが訴えてきた。
駄目だ、最低でも後四分は我慢しなきゃ、今出してしまうと倍の量を入れないといけ
なくなる。
何の根拠もないAVの台詞そのままを言ったが、ハルヒは納得したのか口はアヒルの
ままだったが黙り込んだ。
少々遅くなったが、長門の番である。
肛門をマッサージし、ガラス製浣腸器で一本また一本と浣腸していく。
否応なく目に入るのは長門の女陰部である、そこが段々と潤ってきているのに気付いた。
五本目が終わって二人が己の便意との闘いで廻りの音が聞こえていない様子に魔が
差した俺は、指の平で長門の突起を刺激していた。
少しの刺激で突起は固くしこり、俺の指の平に大変心地よい刺激を与えてくれた。
長門が振り向き小さな声で言った。
「それは後で、今は意識がそれて『危険』」
はいはい、おいたは駄目よと、長門の後を退いた途端ハルヒのタイマーが鳴った。
>>231 タイマーをリセットするとハルヒの前に廻った。
よく我慢したな偉いぞ、もう出して良いぞ、うん、どうしたハルヒ
「出ないのよー おなかは痛くってしょうがないのにお尻の力が抜けないのよ!」
ただひたすら締めることだけに、力を注いでいたため麻痺してハルヒの肛門は開くこと
を拒否してしまったのだ。
どうしたものか? ついこう言うとき頼れる長門を見てしまう。
相変わらず無表情ながらも僅かにひそめる眉で便意に耐えているのがわかる。
その顔見ていると、先ほどの長門の言葉がよみがえる、確か「今は意識がそれて『危険』」
と言ったはず、そうか! 別の種類でもっと強い刺激を与えれば括約筋が緩むかもしれない。
ハルヒの下腹に手をやって小さな突起を探し胸も一緒に刺激する。
「キョン! なにすんのよ、やめなさいってば……、あっあっー」
全身を震わせると、噴出物が弧を描いた床を打った、同時にアクメに達した。
シャワーで身体と床を洗い流すが、時折思い出した様に排泄物が押し出されてくる。
再びマッサージを行う、今度は良くほぐれていて、二本の指が難なく飲み込んでいく。
ワゴンから、「涼宮ハルヒ様」のタグが付いている洗腸用アヌス栓を取り上げると、
ワセリンを塗り注意深く挿入しバルーンを膨らませると抜けないのを確認する。
シャワーヘッドを外したホースを洗腸用アヌス栓から伸びるチューブに取り付けられた、
減圧弁が内蔵された変換ソケットにつなぐ、微温湯を注入すると開口部から時折固形物が
混じる茶色い色の液体が流れ出すが、やがて透明になりハルヒの直腸内は空っぽになった。
半分意識のないハルヒだが、肛門への刺激を快感に感じている様で女陰部から白濁した
液体が太腿を伝っている。
猛烈に自己主張している愚息には悪いが、「純粋な医療行為」に背くと冗談でなく
この世の終わりが来る。
長門の所に戻り先ほどの感触の続きを楽しむ、全身が強張りいよいよと言うとき、朝比奈さんのタイマーがアップしたため仕方なくその場を離れる。
何故か長門の顔が残念そうに見えた。
バルーンから空気を抜くと朝比奈さんの肛門はあっさり決壊する。
洗腸にはハルヒに用いた様なアヌス栓は使わず直接ホースを挿入すると隙間から水が
溢れ出る。(「よい子は真似をしてはいけませんよ」って誰に言っているだ俺は……)
ちゃんと穴を締めて!
「キョン君、駄目です、力入んないです〜」
パーン、白く丸く柔らかいお尻に手形が浮き上がってくる、ほら締まるじゃないですか
「キョン君、いた〜い、酷いです〜」
その割に声が嬉しそうなのは何故でしょう?
おなかが臨月の妊婦の様に膨らむまで注水、その後最後の一滴までひり出せるのを
数回繰り返すと汚れは全くなくなった。
その間に長門の肛門は決壊し噴出物は長門の情報結合の解除により無に帰していた。
俺を見る長門の目が恨めしそうだった、俺なんかしたか?
拘束を解れた女性陣がシャワーを浴び着替える間に、ダイニングにいた古泉に手伝わせ
器具を片付けた。
エントランスに集合しハルヒがドアに手を掛けるとあっさり開いた。
すっきりしたハルヒを先頭に疲れ気味の俺たちが鶴屋さんの別荘に戻ると、出発してからほんの
小一時間しか経っていなかった。
>>232 週が開けて、みんな所用のため先に帰ってしまった部室に長門と二人きりになった。
なあー長門
「何? 」
おまえは本当にすっきりしたのか?
本を閉じ、上目遣いで俺を見る
「来て」
おまえのマンションか?
僅かに頷く
その後、俺と長門は臭い仲になった。
糸冬
終わりだよ
なんか無駄に長いくせにエロが無い様な気がするが、今後の課題と言うことでご容赦を
昼ごはん噴いたwwwww
236 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/11(火) 12:56:26 ID:HPsVfNH4
☆★☆★☆★☆★☆★涼宮ハルヒの憤慨を1位にしよう運動☆★☆★☆★☆★☆★
只今ライトノベル板で『2chライトノベル大賞2006上半期』開催中です。
ハルヒスレの力で涼宮ハルヒ最新作『涼宮ハルヒの憤慨』を1位にしましょう!!
(今までの最高は『涼宮ハルヒの消失』の7位。他は全てTOP10外)
◆◇投票方法◇◆
↓のスレに必ず感想を添えて<<涼宮ハルヒの憤慨>>と書き込んでください。
(1人1票まで)
2chライトノベル大賞 2006上半期
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/magazin/1152198375/ ◆◇投票用テンプレ◇◆
−−ここから−−
○<<涼宮ハルヒの憤慨>> 【著:谷川流/絵:いとうのいぢ/レ:スニーカー文庫】
[ここに感想を書いてください(必須)]
※メンドクサイ人は上の方の感想を、幾つか選んでコピペを繋ぎ合せて下さい。
−−ここまで−−
◆◇注意事項◇◆
『涼宮ハルヒの憤慨』以外への投票は期間外のため全て無効。
<< >>でタイトルを囲まないと無効。
次の場合集計人の判断により無効とされる場合があり。
・一言だけの露骨に短い感想
・明らかにコピペと思われるもの、他作品への中傷
ですからメンドクサイ人は上の方の感想を、幾つか選んでコピペを繋ぎ合せて下さい。
アンチの勢いが強く苦戦してます><
このレスのコピペを他板や他スレにコピペするのも含めてご協力よろしくお願いします。
オリコンランキングの時もそうだけど、
馬鹿はランキング一位にしよう運動が好きだな
>>236 俺にとってのナンバー1であれば
それでいい
それだけでいい
他人が何を好きだろうが知ったことか
こんな活動してそれで一位になったとして嬉しいんだろうか
>>218 ある意味このスレ一番のネ申。
流れから即興で笑えるSSをこさえられる才能に感動した、GJ!!
241 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/11(火) 13:59:21 ID:K+aW0h3x
さあ!今日は最萌トーナメントに
御大将自らが出陣よ!!
そう、SOS団団長にして「涼宮ハルヒの憂鬱」の象徴である涼宮ハルヒことこのアタシ!!
中途半端は嫌いなの。予選で最高票数叩き出すわよ!!
さあ、付いてきなさい!!!!
, ----‐ 二二ニ 丶 、
/ / _, ----ミァ、 \
/ / /‐'´ ヾコ
/ rー- / l j 、ヽ ヽ ヽヽ\ r‐、
,' ヾ /7 ,' l .ハ`トム、\ X. |く l | )
,' /L| | lレ ,ィ≠ミヽ ` ' .ムヽ } |ヽ! / |_____
.! , //| l | | ` ト:::リ ヒ:}l !丿 }ヽ\ , ' ´ _ノ
|│ // | l | | `''" , ´| | |/ | | V ,, --、___ / --イ
|│ V | | | | r― ‐, } .| | V! _, -‐''´ / /// ‐‐イ
| .l Ll ! | ヽ _ / , ´| |│|ヽ ! , -─‐'"´ l | | { ,ノ
| ! i ! ! ト 、 /| | ! ハl ヾ _ / │ ! | ヽ ,----‐'´
| ハ ! | .! i .|ゝ  ̄/¨ , ┴ 、リ_ニ--, -' / ヽヾ丶ノ
レ' | l ! ハ ノリ >≠==- 、 / / ´ フ ̄
| /レ レ / / ´ _, -‐ '⌒
レ' | 〃/| _, -'"´
│ || | | ---=≠------─'''´
/ .|| ! ヽ , -‐'ヾ ̄
| 〃 | ヽ /l \ \
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1152550755/l50 (上記のスレで投票中 PCなら二時間以内でコード取得、携帯なら即時発行、締切りは今日の23:00:59まで)
>>218 納豆は酢で炒めると臭みがなくなる、とかどうでもいいこと言ってみる
なになにを1位にするっていう変な活動があるらしいけど、作品の紹介程度にとどめて欲しいもんだわ。
やるなとはもちろん言わないけど、少々鬱陶しく感じるも事実。
が、ハルヒスキーな私は上のAAでテンション上がった( ゜∀゜)
ここで流れをブッチするSS投下ですよー。
前のSSとセットでお読みください。(ぇ
なんでかなー。あたしってば物扱いされてるのよねー
ハルにゃん見張っとけー!とかで、ずーっと待機とかさ。
暇つぶしっていったら、本読むくらいだしさ。PSPくらいヨコセっての。
せっかく女の子の姿してるんだから、もうちょっと扱い良くしてくれてもよくない?
ひとり寂しくワンルームマンションで暮らすなんて、チョー流行んないよね。
イマドキの女子高生なら、好きなオトコノコと同棲とか!キャーwwwwww
そりゃねー。生まれたばっかりの頃なら、どうでもよかったわよ。
ひとりで居るのがあたりまえだし、寂しいなんて思いもしなかったわ。
食っちゃ寝して、ゴロゴロしてれば日々過ぎていったしね。
でもさ、ハルにゃんたちと遊んでみたら、どーよ?
もう、毎日が面白いったら!
そりゃときどきウザー!とか思うこともあるけど、みんなで騒ぐのは楽しいし!
それに・・・愛しのキョンくんが優しくしてくれるし!!!キャーwwwww言っちゃったーwwww
あの日、涼子ちゃんとケンカしちゃったあとに、ロマンティック抱き上げてくれたしーwwww
でもねー。 キョンくん、誰にでも優しいしなー。 チョッピリ不満なのよね。
ときどき情報統括思念体の上の方からチョッカイかけてくるけど、適当に相手して無視w
オトメの恋愛を理解できるほどのデリカシーがないんだよね!あのオッサン達は!
(まぁ、思念体には性別ないけど、イメージ的にオッサンだよねー)
あ、なんかムラムラしてきちゃったwwww あらいやだハシタナイw なんちゃってw
う〜〜んと、キョンくんの家って、たしかコッチだよねー。
おっと。つい覗き見したくなっちゃうけど、ダメダメ。 オトメはそんなことしないの。
こないだ、お風呂入ってるところ覗いちゃったけど、不可抗力ってことで、ナイショにしてねw
いま、キョンくんなにしてんのかなー。
まさかハルにゃんと電話で話したりしてないよねー? だったらユキ傷ついちゃう・・・。
ベッドであたしのこと思い出して、ハァハァしてないかなーwwww うはwwwwモエスwww
おっと。よだれが。。。
あ〜あ、もっとキョンくんの家が近かったらな〜。
いっそのことこの部屋に住んでたらな〜。
ダメダメ・・・またよだれでちゃったwwwww
はやく明日になんないかなー。
そしたら、また愛しのキョンくんに会えるし!
それまで、わたしの脳内キョンくん専用フォルダにある436テラバイト超のデータから
厳選した「らぶりーキョンくん(はぁと)」ファイルを再生してハァハァしとこっとwwwww
・・・空間情報操作して時間操作しちゃおっかな〜。駄目だよね〜。ヤッパ・・・
436テラバイトってwwwwスパコン並かよっwwww
ユッキーの記憶領域って、やっぱり情報統合思念体と共有なのかね?
独立した記憶域もあるとは思うけど、上位のアクセスは拒めないとか?
というわけで、脳内ネタバンクにひとつネタが発生w
なんか書いてみよう。
>>171 ↑ 前のSS
>>244 このユキを送ったのは情報統合思念体じゃなくて、
長門スレの連中が統合された思念体っぽいな。
>>236 自分の好きなものが1位になったらうれしいけど……。
傍観者として応援してるよ。
>>240 そこまで言っていただけるとは思ってなかった。
とてもうれしいです。
妄想統合思念体乙
妄想フレアを観測しにきたんだな。
何もないところから妄想を生み出す住人達を。
あーまたか、非常に申し訳ないけど、このセリフ言うの何回目なんだろうね。
「申し訳ありません、僕には好きな人がいるんです」
あーそんな顔しないでよ、本当に悪いと思ってるんだから。
「だから、ごめんなさい」
いつもどうり、
全くいつもどうりに告白を断る訳だよ。
しかし告白って奴はキツいね、
する方もキツいし、される方もキツい、断るのなら尚更だ。
だが彼女は勇気を振り絞って俺に思いを伝えたんだ、
なら俺だって正直に断るしかないだろ?
俺も彼女に告白出来る物ならしたいよ…
全く羨ましいもんだ、
俺は卑屈になるしかないのかね。
それもこれもあの野郎のせいだ、実に忌々しい、
俺があいつに対する文句を箇条書きにしたら一体何ページになるもんだかわからんよ?
…しかしまぁ結構いい奴だし好感も持てる、親友になりたいとかも思うしね。
うわっ俺キモ、こんな素晴らしい昼下がりに何考えてるんだ俺は。
いかんいかん気を引き締めなければ、
こんな時こそ部室だ、部室に行って天使の降臨を目にしなければ発狂してしまう。
ついでに飯も食わんとな。
あくまでついでだがね。
「ハハハ」
誰に聞かせる訳でもない笑いが出たね。
あー狂ってるわ俺、ゲヘヘ。
なにわともあれ部室にに来ましたよー。
トイレで髪型とスマイルはチェック済み、準備は万全。
今の俺を止めるのはカーンでも不可能だ、間違いない。
エンジェルさんエンジェルさんエンジェルさんと脳内で再生しながらノックを抉り込むように打ち込む。
打ち込む。
よし、第一関門クリア。
残りの選択肢はたった二つ、
しかしとても重い二つだ。
heven or hell
ええぃままよ!
誰も居ないね…
兵士諸君任務御苦労さようなら。
萎えたね、
うん、わりと。
飯食うか…
254 :
18-236:2006/07/11(火) 17:58:09 ID:TIkGt4i9
なんかスレの流れる速度が速い!?先の感想文などを頂きましてありがとうございました。
えろーす成分の練習になればと思い、一本ほど妄想から生まれた文章をつらつらと
載せたいと思います。ここから発展していけばえろーぃ文章もいつかはできるのかと
思っちゃいますけど…いつもどおり、Hサイドを書くかどうかは反応しだいです(汗)
やたら綺麗な月明かりが、カーテン越しに暗闇を照らしてる。俺は月夜の中、自分の部屋ではないどこかの部屋で
やたら広い白いシーツを基調にした寝台の上に横たわっていて。
俺の腕の中には…やわらかく、熱く、力を入れすぎると壊れちまうんじゃないかと思うほどのオンナノコの身体が
すっぽり収まっている。肌と肌の触れ合う部分が灼熱伴ってるんじゃないかと思うほど熱く思える。
心臓なんぞとっくの昔に臨界オーバー寸前の超高速ツービートを遠慮仮借なくドンドコ刻みまくってる。息もまと
もにできやしない。
俺の顎の下、俺の胸に顔を預けてるそいつの髪から、ほんのり柑橘系の甘い香りが漂ってるのがはっきりわかる。
まるで極上の絹のような艶やかな髪。普段は風をはらんでひらめくリボンをあしらったカチューシャをつけてるその
黒髪も、なんだかこうしてみると…やばい、すごく可愛い。
と、俺がそこで完全に硬直してると…俺の胸に顔を埋めてたそいつの視線が、俺のそれにまっすぐに向けられた。
その目に映るのは常日頃の鬱憤と憂鬱でも、炎天下の太陽でも、どっか遠方の銀河団でもなく、ただ純粋な愛おし
さと、綺羅星のような控えめな視線。潤む瞳で俺を見上げるな。反則だろうがその視線は。
視線そらさないとまずい!これ以上はいくら俺が聖人君子のような精神力があろうが超越した抑制力もってようが
もう、完全に押さえが利かなくなる!
そもそも、やや大柄すぎるぶかぶかのピンク基調のパジャマだけで胸を押さえるブラをしていないってのが倫理的に
大問題だ。ふくよかというか、柔らかく暖かい胸の感触が俺の心臓に更なる過負荷を掛けまくってる。このままだと
もう何刻もしない内に心機能破裂でポックリ逝くか…必死に抑えまくった倫理と理性の箍が木っ端に砕けて涅槃の向こ
うに四散して、後の事は…正直、どうなるか俺にも俺がわかりゃしない。誰か如何にかしてくれ。
脳内のどっかがいつかの朝比奈さんと掃除道具入れのなかで抱き合ったときに比べ当社比200パー以上のいろんな何か
を遠慮なくどっぱどっぱと放出してる。頼む、頼むからもう少し身体を離せ。このままだと制御不能に陥ったアレの感
触をお前にモロに伝える事になりかねん…っ!
と、俺の声にならぬ嘆願は。
生憎、よりにもよってこの状況を築き上げた当の張本人の行動のおかげで木っ端微塵に打ち砕かちまう結果になった。
「キョン…キョン……っ!」
熱に浮かされたように掠れた声で俺を呼ぶソイツ。首筋から這い上がる吐息が熱くて甘い。やべぇ、目線がそらせない
じゃねぇか。まるで首がメデューサの呪いにでも掛かったみたいに動きゃしない。視線もそらせない…つか、俺が。
俺が、そらしたくないのか?
ハルヒの顔が近寄ってくる。きちんととめていない大柄のパジャマだから、その気になれば鎖骨とかその向こうの豊か
な双丘とかもはっきり見える。畜生、月明かり程度の照明でなんでここまではっきり見えるんだ。うっすら赤くなってる
傷ひとつないその肌が、まるっきり芸術品みたいじゃねぇかよ。
形のいい唇が、月明かりを照り返して怪しく輝いてるのがはっきり見える。常日頃の暴虐団長殿とはどうやってもイメ
ージが合致しないほど…ああもう、クソ。可愛い、可愛すぎだって認めてやる!
「キョン…っ!」
ハルヒの顔が近寄ってくる…もう駄目だ、こりゃ俺の心肺木っ端になるな。理性の箍はもはや白蟻に徹底的に食い荒ら
されて風化の果てに、今にも崩れそうな砂上楼閣状態だ。
俺の顔に、ハルヒの顔が近づく…あと、5センチ。あと、3センチ。あと…。
と、俺が生涯最大級の衝動と苦境に耐えかねて。冷静かつ正気のときに自己批判をするとギネス記録更新間違いなしの
速度で妄想の拳銃の銃口を咥えて引き金を弾倉ゼロになるまで引き続けかねないような事に及ぶ直前に。
俺は遠慮仮借なく腹部に叩き込まれた、推定体重40キロ前後の人間のフライングニーアタックによる衝撃で悶絶して
目を覚まし、きっちり数分間苦痛とかその他いろいろな理由で悶絶して自室の寝台の上を転がりまわる羽目になった。
妹よ、兄をあの世界から呼び戻したその功績は称えてやらんでもないが、その全身全霊の威力を伴う一発を無邪気に俺
に叩き込むのは如何にかしろ。下手を踏むと俺は妄想の世界から現世経由で冥界へと直行したかもしれん。
さてさて、我が無邪気なる妹君が俺の足元で丸くなってた毛玉モードになっていた小型の肉食獣を嬉しげに抱えあげて
立ち去ってから数分後、俺はようやく現状を把握することができた。
朝だ。そりゃもうどっかのアホな妄想なんか欠片一片も写しゃしないほど完全無欠の真っ青な青空が、部屋の向こうに
広がってる。開いた窓の向こうから流れる風からは爽快きわまる春の気配がはっきり伝わり、冬の間省エネモードで核融
合を行ってたお日様のやつが、にこやかに機嫌よくエネルギーを掃射してきやがる。
ついでに言えば、もう間違いなくここは俺の家だ。白を基調にした広すぎる寝台もない。妙にできのいいレース地のカ
ーテンも掛かってないし…寝台の横にどっかのお天気極楽大暴走娘が寝てたりすることもありゃしない。
つまりあれか。あの光景は…。
頼む妹よ、シャミセンを連行する前に如何にかして拳銃を一丁もしくは頑丈なロープをここに運んでくれ。俺は今から
あまりの自分のアホさ加減とわかり易さに辟易してこの世界から音速でグッバイさせてもらうから。
…まぁ、日本は銃社会じゃないし、妹はそんな兄の心理の機微に無縁なんだから無理なんだけどな。畜生。またフロイ
ト先生が聞いたら腹膜炎で悶死しかねないわかりやすい夢を見ちまうなんてどうなってやがるんだ。
今日は日曜で、もう嫌になるほどに晴天で。などと散逸した思考を纏めつつ何気に時計に目をやると…朝の9時少し過
ぎか。畜生、今日は学校休みじゃねぇか…とおもった矢先の出来事である。
いつの間にか寝台の下のスペースに転がり落ちてた携帯が、大音量で聞き覚えのある着信音声をがなり立てた。ぎょっ
として慌ててそいつを取り上げ、送信相手を確認すると…ああ、畜生やっぱりだ。そこに映ってるのは俺が記憶喪失にな
るか死ぬかしない限り忘れやしないどっかの団長殿のお名前である。
脳裏に一瞬よぎったあの妄想を、音速を超える速度で遥か彼方へ叩き出す。だから静まれ心臓。ツービートを刻むギグ
の時間はもう遥か過去の話だ。今はバラードを聞きたいから落ち着け。声が上ずっちゃいないか軽く発音してみる。OK、
今の俺は冷静だ。ビークール。ビークール。などとアホな戯言を脳内にて展開するだけの余裕もある。
自己批判にかかった時間はおそらく10秒以内だ。俺は息を軽く吸い込んでから携帯を耳に当てる途中で通話キーをおし
こんで…鼓膜を遠慮なくぶっこわす怪音波じみたでかさの団長殿の怒声の洗礼をモロにくらっちまった。うぉ、まだ耳が
キンキンいってやがるぜこの野郎。
「ったく!アンタなに呑気に惰眠なんか貪ってるのよ!ダラダラしないでシャキンとしなさいっ!我がSOS団は学外で
も休日でもフルタイムで活動するってわかってないのかしらアンタはっ!」
…しまった。すっかり忘れてた。SOS団のミーティングの時間が朝比奈さんの都合により(時間がどうこう言う事情で
はないぜ?鶴屋さんとの待ち合わせ関係だそうだ)活動時間を1時間近く前倒しになってたんだ。午後の活動には古泉も
長門もそれぞれに理由があって参加不能なので、いつもの喫茶店で今後の活動方針を相談して解散予定になってるんだ
が、集合時間が朝の9時半ってのは早すぎだろ。ハルヒ。
「まだ公式の集合時間までは30分以上あるけど、それでも既にアンタ以外は全員集まってるのよ?タルみすぎ、気合を
きちんとこめなおしなさいっ!」
畜生、否定できる要素がねぇ。とりあえず電話口ですぐに行くとの返事を返し、慌てて着替えを済ませてから階段を
ほぼ二段とばしで転げ降りるように駆け下りて、オフクロと妹には「出かけてくる」とだけ伝言残して猛ダッシュ。
我が愛車たるママチャリよ。すまんが酷使に耐えてくれ。この集会が終わったらきちんと後輪の空気を再装填してや
るからさ。
さてさて。我がSOS団が学内非公認団体として活動を始めてからもうそろそろ結構な時間が経つわけだが、我が団長殿
の団活への意気は今を持って猛烈にさかん極まるものであり、創立当初からの不文律である『日曜祝日及び試験休み中
も活動を原則継続する』というポリシーもまったくもって改まっていない。
まぁさすがにハルヒの奴も結構いろいろな事態を体験し、それなりに精神的な成長を遂げたらしく。最近ではこういう
風に各団員の都合の関係でフルタイムの活動が無理な場合には、集合時間を1時間程度切り上げた簡易集会をもって活動
の代替にするという配慮を見せる程度にまでなっている。やっぱり、SOS団の立ち上げはハルヒにとってかなりいい結果
を与えたと言わざるを得ないだろう。…1年程前の俺によくやったと心からの賛辞を捧げてもいいかなと思える程度にな。
あのどこかの妄想大暴走な夢とは別の理由によってパンキッシュなツービートを刻みまくり出した心肺の奴に呪いを捧
げたくなるのを必死に我慢し、俺は全力を超える全力でいつもの喫茶店まで疾走した。春の気配が濃厚な大気を切り裂き
全力をもって走ってりゃ、自然に汗の奴が吹き上がってくるのはやむを得ないね。畜生め。
結局、俺がいつもの集合場所にたどり着いたのはどうしようもない遅刻の時間…ぶっちゃけ9時50分過ぎである。もう
こりゃ言い訳のしようも無いなと覚悟を決めて集合場所に向かってみると、だ。
集合場所に佇んでたのは、なんともはや…やや長くはなったがポニーにはまだ足りてない髪を風に躍らせ、リボンあし
らった黄色のカチューシャに生命力の塊よろしく沸々とした何かを堪えるかのように石畳をパンプスの爪先でリズミカル
にノックする団長殿の姿だけだった。オイ、残りの連中はいったいどーなったんだ?
「やっと来たわねまったく…古泉君も有希も急ぎで用事を片付けたいっていってたし、鶴屋さんまたせちゃ気の毒だし
…仕方ないからアンタが来る前にちゃちゃちゃっとミーティング済ませちゃったわ」
つまり何か。俺が心臓破りの超疾走をみせた努力は全部無駄ってことか?ハルヒの言葉を理解した瞬間に疲れの奴が一
気にどっかと吹き上がって膝がかっくり折れそうに…なるのを意思の力で支えてやる。んな所でみっとっもない場面見せ
てやるもんか。この野郎。
と、そうするとだ。
ハルヒの奴がその顔に苦笑じみたものを浮かべたあと、肩に下げてたポーチからすっとハンカチを取り出して、俺に
向かってそっと差し出してきたじゃないか。こりゃ夢か?俺は今白昼夢でも見てやがるのか?
「汗まみれで横歩かれると、あたしの方がものすごく気分的にヤなのよ。いいからとっとと汗拭きなさい。あ、そうそ
う。ハンカチはきちんと洗濯してアイロン掛けしてから返すこと。そうじゃないと返却受付しないから」
…あ、なんだ。白昼夢じゃねぇ。この言い草は間違いなくハルヒだ。いつもどおりの軽い憎まれ口に、瞳に宿ったその
太陽真っ青の無茶な輝きも、間違いなくいつもの団長殿の姿だ。そんな当然の事に安堵しつつ、俺は噴き出す汗を遠慮な
くハルヒのハンカチで拭ってやる。
ハルヒのハンカチから、なんか柑橘系の甘いにおいがしたのは、多分俺の錯覚さ。
「ほらほらとっとと行くわよ?この所のアンタの気の弛みが学業に対しての不安要素を生む温床になってるのはもうま
ちがいないんだから、この機会にあたしが超教官としてそのあたりを叩き直してあげるわ。覚悟しなさい!」
そのせりふを聞くうちに、俺は自然と笑みが浮かんでくるのを堪えられなくなった。
いつかは俺たちも変わるんだろう。いつかはあの夢の世界をホントにしちまうのかも知れないし、あまり考えたくはな
いんだが…いつか、別離のときが来るのかもしれない。
でもまぁ、とりあえずは俺は今。満足してて安心してるんだ。
俺の前を軽快なステップで、ウサギよろしく跳ね回るハルヒの姿を見て。その後ろをついて歩くことのできる自分を見て。
もう暫くは、このままでもいいかと思ったのは俺だけかい?
以上です。序盤の夢のシーンをもう少し艶っぽくすればえろーくなるかとは
思うのですが…今はこれが精一杯Orz
ご意見ご感想ないし、サイドH書いていいかどうかのご判断は皆さんにお任せとさせて
いただきます。ああ、ハルヒ×キョンでねちっこくえろーすが書ける構文力がほすぃOrz
エロが作風に合わないと思う。
>>260は好きなようにやればいいんじゃないか。
普通に面白いしね。
>>260 キョンがハンカチをおかずにするんじゃね?w
ところで最近小ネタが増えたな
まとめ見づらくなるから1レスくらいのやつはスレの最後にもってってほしいな
小ネタ増えたね。本家は知らないが、予備の方は
5行程度のも保管してるのなw
文章の折り返しをもうちょっと早めに、かつ文節にあわせてもらえると
もっと読みやすくなる。
個人的な設定のせいなんで申し訳ないが、折り返しの部分がたった3文字長くて
余分な改行がくっ付いてしまう。
単語の途中で改行になってたりするから、この板で張るのであれば、
一行が若干短くなっても単語・文節にあわせて改行した方が読みやすいかも。
目安は
>>1 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/09(日) 20:40:45 ID:cQnmN6r6
の八割程度が良いかな。
>>260 どうしてもエロが書きたい、と言うんでもなければ無理に手を出す必要もないさ。
間接的な描写もいいスパイスになるってもんだ。
>>260 相変わらず上手いですね。
谷 川 仕 事 し ろ w
内容は別にして、今回はなんとなく読みにくかったような気がス
と思ったら、
>>265さんと同じ感じでした。
書き方もですけど、見せ方も難しいですね。
投稿すると、ノートパッドと見え方変わりますし。
おーい、谷川仕事しろ。何こんなとこで油売ってるんだ、お前の担当泣いてるぞw
しかしまあ、これはエロも極上になりそうな予感。
純愛モノもすんごく萌えるけど。プラトニック最高。
やっぱりキャラの動かし方が似てるのが大きい。
続編期待してる。
>>260 イイヨイイヨー
話をぶった切るがENOZのSSってまだ投下されてないよな?
昨日本スレであげられたENOZキャプ画像見てたら読みたくなってきた。
SSとは関係ないけど、
ENOZってやっぱり実在のZONEがモデルなのかな?
どっかのブログにもあったけど、似てるよねイメージ的に。
似てるというか似せてる(パロディ)かと
ハルヒのSS SSは初で勝手がよく分からん。
書いている途中なんだけど、これで今かいてある文の3分の一。
つまらんかったら是非言ってくれ。破棄するから。
進級
春だ。不安と期待が同棲する、俺にとっては四季の中で二番目に好きな季節だな。
去年の春は実に初々しいものだった。ハイキングコースのような通学路にはほとほとうんざりさせられていたが、
高校生にクラスチェンジした事もあって俺の精神は大幅にレベルアップしたはずだ。
高校に行って青春ライフを満喫できるのだろうと、実に愚かで稚拙な思想を抱いていた。
当時の俺に言ってやりたい、甘いぞ、俺よ。
そして期待という言葉は不可避な存在によって去年の同じ頃に脳内辞書から抹消されている。
アイツが100万ドルのスマイルを振りまく度に、俺の脳内の毛細血管が切れてるんじゃないかと疑うほどの頭痛を覚えるものだった。
・・・・・まあ、今となっては慣れたがね。
そう、ハルヒ。涼宮ハルヒ。
アイツは俺の高校生活から「普通」を奪って「疲労」や「眩暈」をどさどさと置いていきやがった。
力の使い方が分からない―古泉流呼称で言うところの―神様だからな。今まで散々自分の好き勝手やってSOS団、
専ら俺と朝比奈さんに不安と恐怖と脱力を、飽和状態になった今でも混入させ続ける。
俺は自身を中庸な高校生だと信じている。そんな状況に置かれて楽しいはずがない。
だが、現実はどうだ?
実際のところ楽しいじゃないか。そうだ、特殊ではあるがこんな非日常的な毎日が続けばいいと思っているほどだ。
・・・断っておくが俺はMではない。
春休みが明けて汗ばむ陽気の中、歩きなれたハイキングコース兼通学路をひたすら登っていた。
太陽さんよ、熱核融合もほどほどにしてくれよ。
「よっ、キョン」
中身がスッカスカで軽い声が鼓膜を震わす。
「お前、春休みも涼宮のいいようにされたんだってな」
くそ、嫌なことを思い出させるんじゃない。春休みの半分がSOS団絡みだなんて。
「しっかしよ、キョン。乗り気じゃない素振りだが、お前結局楽しいんだろ?
素直に涼宮にハイハイ付いていけばいいんだよ。いっそのことくっついt」
俺は神をも恐れぬ態度でもの言う谷口の口を塞いでやった。それ以上は許さん。
だが、楽しかったのは認めるよ。
誰かに刺されることもなく、灰色空間に迷うこともなく、はたまた時間旅行もなかったからな。
内容自体はそれはもう、高校生らしいのかは判断しかねるが、
少なくとも異常では無かったのは中庸な俺が保障する。
谷口との会話を流し、目を閉じて春休みの出来事をふと思い出す。
もう本当嫌になってきたけどスマイルをかかさない古泉 一樹だよ。
キョン吉は最近長門と仲がいいようで、今日もぜっこうの閉鎖空間日和だ。
もしかしてキョン吉は全部わかっていて、それでいて俺を殺すために同じことを繰り返しているんじゃないだろうな?
そうだとしたら死を覚悟して涼宮にすべてをチクッテやる。
なんで俺がいつもにましてキョン吉に対して毒を吐きまくっているのかというとついさっき閉鎖空間で戦ってきたばかりだからだ。
今回の閉鎖空間は本当に久々のもので俺は、いや俺達は油断しまくっていた。
何度も言ってきたがキョン吉の行動しだいで世界は滅ぶ。
今日の閉鎖空間はキョン吉のこんな行動が引き金だった。
「なあ、長門」
「何?」
SOS団部室、みんな集まり何事も無く平和なひと時。こんな時間が永遠に続けばいい。キョン吉もきっと同じことを考えているはずだ。
ああ、平和。すばらしきかな平和! 俺達はこの平和をかみ締めて生きていくのだ。それだけで幸せさ・・・そうだろう?
「今日の夕飯、なにかリクエストはないか?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?
あの・・・キョンさん? 今あなた長門さんになんていいました?
涼宮=硬直
朝比奈=硬直
俺=死を覚悟した
「・・・・・・特に・・・」
「そうか、リクエストがあるほうがお袋も作りやすいって言ってたからさ」
なんでこの状況で俺は冷静なんだろう? 死ねば楽なのに・・・
「ねえ、キョン」
淡々と。ただ淡々と言葉が出てくる。
「どうして有希がキョンのお母さんに晩御飯のリクエストを聞かれているの」
疑問系なのだが?マークだってついていないぐらい淡々と語る。俺も聞きたい。
「ああ、この前長門が家にきてな。そのときお袋が長門を引き止めてさ、長門も一緒に夕飯を食ったんだが」
「・・・へぇ」
「・・・そうなんですかぁ」
こえぇぇ、こえぇぇぇよ上の二人。
「その時にお袋が長門を気に入っちまってな、何かあるたびに長門を夕飯に呼ぶようになっちまってな」
長門がそのとおりだって感じでうなずいた。
「で、今日も長門が夕飯を食べに来るひだからさ。なにかリクエストは無いかなーって」
「ふぅん」
この状況を、俺はどうすればいい。どうすればいいのか教えてくれぇ!!
「なんだったらハルヒもくるか?」
長門はキョン吉を見つめる。瞳の色は、怒り。
「お袋が大量につくるからな、一人増えるぐらいなら余裕だろ」
「あら? そう。お邪魔なんじゃないの?」
「そんなこと無いぞ。あ、よかったら朝比奈さんきますか?」
「そうですねぇ・・・」
長門が、その瞳の色を変えた。おそらくあれは、落胆。
長門もあきらめたらしいな、キョン吉はそういう人間なんだってことに。
「古泉もきたきゃきても良いぞ」
行くよ、どうせ涼宮もいくだろうし。
「そうね、どうせだからSOS団みんなでいきましょ! 有紀もいいわよね」
「・・・? いや長門は最初からくる予定なんだが」
そういうことじゃねぇのさ。いい加減気づいてやれ。
長門はあきらめたように小さくうなずいた。
いらねぇとは思うが、一応『機関』には報告しとくか。
終業式の午後はいつもの市内パトロール。3月半ば頃から花見にも行ったな。
朝比奈さんと桜―満開だったのは言うまでも無い―の組み合わせが癒し効果を3倍以上に引き上げていた。
そして古泉主催の推理ゲーム。今回は幸運なことに俺の頭にも理解できる内容だった。
ハルヒと鶴屋さんが簡単過ぎだと不満を言うのも無理ないか。
長門の家にも何度か遊びに行ったな。何も無い部屋だから皆で飾ろうって話になったんだ。
確かにあいつの部屋は少々味気ない。
古泉のコネなのか、タンスやTVといった家具を運び込んだ。で、朝比奈さんが手作りのヌイグルミを配備する。
ハルヒが私服をいろいろ選んでやり俺の諭吉が姿を消した。まあ、長門の為なら我が身を削るさ。
あの時長門も「いいの?」と言いたげな慈悲の目をしていたから「お前のためだ」と伝達したかどうか分からないような目で返しておいた。
長門がお礼に俺だけに弁当を作ってきてくれたのは内緒だ。
いろいろ回想しているうちにハイキングも終わり校門をくぐり校内の掲示板に向かった。
おそらくこれが本日の最重要事項だ。そこには雲霞のごとく黒山ができている。
そう、クラス割の発表だ。俺は自分の受験番号を確認する受験生のような気分で掲示板に足を向けた。
向けた。が、足は真逆を向いた。
「キョン!あたしたちまた同じクラスよ!」
なんでもいいが、俺が脳震盪を起こさないように振り向かせる方法を検討してくれ。
「でね!有希も同じクラスなの!古泉君はコースが違うから同じにならなかったのが残念ね!」
あのー、涼宮さん?俺の話はそんなに価値の無いものでしょうか?
「うっさいわね!あんたの分も見てきてあげたんだからね。感謝しなさいよ!」
隣で口をあけたまま呆然とする谷口を招き猫程度にしか考えていないのか、一切見向きもしない。
で?俺は何組だって?
「3組よ。ほら、始業式始まるから体育館に行くわよ!」
そう言い放って問答無用で俺の右腕を掴んでずかずか引っ張っていく。
谷口が俺を哀れそうに見ているのが分かった。あとで殴らせろ。
誘拐される子供たちはこんな気持ちになるのか、と世界の誘拐被害者たちに同情の念を覚えているうちに式場に着いた。
俺は式典類はすべて寝ることにしているんだ。すまん、校長。
必死に見つけた時事ネタで生徒の心を動かす算段だろうが俺には通用しないぜ。
そう思いつつ俺は眠りについた。
キョン吉の家で食事、特にここで報告することは無い。
問題はそのあと、
「お邪魔しましたー」
挨拶を済まして家に帰る、キョン吉も一緒に来る。
キョン吉のお袋さんはとてもおおらかな人でいきなり三人増えたのにもかかわらず喜んで食事を出してくれた。
で、帰り道。駅前までついたところで解散。
俺は電車に乗って帰る。涼宮・朝比奈もそうらしい。で長門はマンションに帰りキョン吉も・・・?
なぜ長門さんについて行きますかー?
「ああ、夕飯食った後はいつも長門の家で勉強を教えてもらってんだ」
保健体育ですか?
「・・・」
うなずく長門。いやもちろん保健体育のところじゃくて勉強のところね。
「長門のおかげでこの前のテストも・・・」
長門の家であったことや、長門さんのお菓子がけっこうおいしいだとか、語り始めた。
「ふぅん」
この後は、「じゃあSOS団でキョンに勉強を教えるわよ」となるところだが。
「じゃあなハルヒ。結構たのしかっぜ」
お別れの言葉を言われてわ仕方があるまい。
キョン吉と長門の後ろ姿を見つめる俺達。
長門がキョン吉の手を握った。遠くてよく見えなかったがこっちを一瞬見た気がする。
長門が表情豊かならここでニヤリと笑ったであろう・・・
その瞬間、閉鎖空間が発生した。
キョン吉・・・うらむぜ。
>>272 まだ評価できるほど話は進展してないけど、いい感じだと思う。
続きをぜひ。
野猿?っておもたよ
281 :
ケータイから失礼:2006/07/11(火) 20:08:24 ID:q/mvCE+K
「どうでもいいと言えばどうでもいいですね。」
お前疲れてないか。
「代われるなら代わってよ。
涼宮さんのご機嫌を伺いながらするゲームってのも疲れるし、悪い夢でもみたのか閉鎖空間作っちゃうしそろそろヤバイんだよね実際。」
おーいキャラおかしいぞ。
そう言うと古泉は「やべっ」て顔をしたあといつものニヤケ面に戻った。
いやー実にいい顔だったぞ。
「本題に入ってもいいですか?」
古泉の顔はニヤケ面だが雰囲気が笑ってない。
かなりのプレッシャーを感じる。
俺の無言をどう受け取ったのか古泉は話を続けた。
「それぞれの担当するキャラクター設定のことです。」
一応確認した方がいいだろう。
黙って古泉の話を聞くことにした。
不定期に続く
だからさ、ある程度書き溜めてから投下しようよ
283 :
18-236:2006/07/11(火) 20:17:55 ID:TIkGt4i9
ハルヒ×キョンSSが増えてきてうれすぃ悲鳴の一方、うまい人も増えてるので
作品拝見させてもらいつついい刺激をもらってる最中です。
>269様
ENOZのSS…ですか。そーいやまったく見かけませんよね。とりあえずサイドHは
書いても良さそうな雰囲気なので、それが終わったあとに考えて見ますです。
主役級になるかどうかはサテオキ。でよければOrz
>進級 の作者様
おお、いい感じです!読ませてもらってる最中ずんどこ妄想がふくr(ダマレ)
ハルヒ×キョンネタ同士、がんばりましょうっ!
>ビークール関係
元ネタは「禁則事項ですっ!」ってことで(笑)各自の判断にお任せします。
ではでは、近日中にドリーミング・ドリーマー サイドHを上げられるように執筆
やってきます。
改行関係の配慮不測で不快な思いをさせた皆様に、心から謝罪いたします。申し訳
ありませんです。今後は気を配りますのでご容赦の程をOrz
>>252続き
いや待てよ。
誰も居ない
↓
今は俺だけ
↓
残り時間五分
↓
誰も来ない
=
ユキタンの椅子の匂いを嗅いでもいい。
「ハッ!?」
馬鹿か俺は、そんな事出来るわけないだろ。
俺はこれでも紳士なんだ。
さらにはesperでもある、
erまで付いてるんだぜ、すごいだろ。
そんな俺が思春期真っ直中の変態小学生みたいな真似出来るわけ…
あるよね。
キョン君、こんな俺でも友達でいてね。
涼宮さん、申し訳ありません、貴女の団を汚してしまいます。
朝比奈さん、五歩くらい間違ったら貴女が被害者だったのかもしれません。
最後にお母さん…生まれて来てごめん。
「…俺田舎に帰ったら結婚しようと思うんだ」
一応死亡フラグも立てて置こう。
うん、これで一安心だ。
では!
「いただきます」
バリバリムシャムシャバリバリムシャムシャ
(あくまでイメージ音声です、実際の状況とは大きく異なる可能性があります)
「はあ、はあ、そろそろテイスティングの時間です」
テイスティングをしたら達してしまうんじゃないかと考えている刹那、
その音程の幅の無い
美しい
ただ美しい
御声が聞こえた。
「何をしている?」
>>283 いや、別にここで謝罪しなくてはなら無いようなレベルの落度じゃないよ。
改行以外文句のつけよう無い出来の代物でしたし。
終わった、終わっちゃったよ。
死んで詫びるしかない…か。
死ぬ前に聞いておこう。
「いつから居たのですか?」
「ユキタンしゅきなのー良い匂いがしゅるのー…から」
もうだめだ。
「貴方は何者?」
は?
何を言っているんだこの御方は?
正直に言うとしよう、この後引っ越しか自殺だしね。
ついでに告白もしてやる。
「古泉一樹ですが」
「貴方は偽者と思われる」
澄み切った御声で天使が口を開いた。
よし!
この展開ならまだフォロー可能だ、考えるんだ一樹よ。
「なぜ解ったのですか?」
偽りを御許し下さい天使よ。
「古泉一樹にしては有り得ない行動が多すぎる」
さすがユキタン見てる所は見てらっしゃる。
「…それに」
はいはい。
「彼は超高確率で同性愛者だ」
投下していいかい?
投下するのはつまらないものだけど。
鶴屋「みっくる〜!最近入ったところで何してるのかなっ?」
みくる「え〜っと・・・いろんな格好させられたり・・・したくないのに・・・」
鶴屋「じゃあ、なんでやめないのかなっ?」
みくる「え〜っと・・・」
鶴屋「好きな子でもいるのかなっ?」
みくる「え〜っと・・・それは・・・それは・・・禁則事項です・・・」
鶴屋「禁則事項?なにそれ?ぶわぁっははははははっはっはっはっはははっはっははははは!!それ!!おかしすぎ!!!!!」
鶴屋「今日も例の未来人から何の情報も得ることはできなかった。想像以上にガードは固い。引き続き情報の引き出しを試みる。報告終わり。」
鶴屋「野球大会だと?」
古泉「はい、涼宮さんの提案で今度の日曜日に。」
鶴屋「あの同好会もどきと接触するチャンスだな。」
古泉「参加するおつもりですか?」
鶴屋「そうとも。あの未来人を言い包めて参加する。」
鶴屋「みっくる〜。今度の日曜空いてる〜?」
みくる「えっと・・・ごめんなさい。」
鶴屋「なんか予定あるのかなっ?」
みくる「野球大会・・・あるから・・・」
鶴屋「もしかして、試合に参加するの?すっごいっさ!タッチだよ!みくる!私も参加させてよ!」
みくる「え?」
鶴屋「じゃあ、こんどの日曜日ねぇ〜!!」
鶴屋「○月○日日曜日に野球大会を通じSOS団なる組織に接触する予定。対象SとKの監視任務補佐に入ります。報告終わり。」
投下っていうほどのもんじゃなかったよね。投下終わり
消失長門×キョンの図書館バイブプレイ考えてた
けど書かない
進学 続き
・・・どれくらい寝たかな。式典が終わりかけみたいだから30分弱か。
ふー。頭もスッキリしたぜ。
「えー、この場で何か連絡したいものは?」と司会がしぶしぶ聞く。
俺はふと隣に目をやりザザーと血の気が引いて脳が現実逃避をしようとしているのが分かった。
ハルヒがいねえ!
もしやと思い恐る恐る前に向き直すとマイクの高さを調節するハルヒの姿が。
頼むぜ。ハルヒ。進級早々問題は起こすなよ?
「聞いてください。身の回りに不思議現象が起きている、あるいはこれから起きるという人、
宇宙人や未来人や超能力者はSOS団に来なさい。以上。」
俺は頬をつねった。夢であって欲しかった。
そら見ろ、2,3年生はお前のことを知っているからいいが新入生はどうしていいか分からない顔してるぞ。
「以上。解散」
空気を読んでか司会がやむを得ず式を終わらせた。
俺はハルヒに何も尋ねることはしなかった。
そんなものにはもうとっくに慣れてるし、何より俺も面白いことは歓迎するつもりだ。
ハルヒほど積極的ではないが。
俺は足早に2年3組の教室に駆け込んだ。
掲示された机列表を見て俺はやっぱりか、という感じがした。
俺の後ろにはハルヒが。もういいさ。これからも絶対にこの組み合わせなのだろう。
そしてもうひとつ気になることを確かめた。
長門は廊下側先頭か。俺の席とは離れてるな。
「何?有希が気になるの?」
少し不機嫌そうに俺の顔を覗き込む。
返答を考えていると教室に谷口が入ってきた。
この上ない笑顔で。
やめろ気持ち悪い。
「何だよキョン、つれないな。俺はな、喜びに打ち震えてるんだぜ。」
何だ。ものは試しだ。言ってみろ。
「あの長門有希と同じクラスになったんだぜ。俺的美的ランクAマイナーだが総合ランクではAA+だ。
狙ってみよ「こらぁ!」な」
ハルヒの声が割って入った。
「有希にちょっかい出す奴はあたしが許さないんだから!覚悟しなさいよ!」
俺はさっきの恨みを思い出し、喚き散らすハルヒに便乗して谷口を軽く叩いた。
やめろ谷口。お前があの長門に好かれるはずないだろ。
293 :
18-236:2006/07/11(火) 21:08:20 ID:TIkGt4i9
ちょろんと趣向が変わっちゃいましたが。再萌の投票用キーを待ってる内に
なんと、これで完成じゃないかなという程度の文章ができちゃいました(汗)
厳密な意味での完全なリンクではないのですけど…ドリーミング・ドリーマー
・サイドH完成ですっ!…えろーすも避けて通れないので、がんがったつもりですが
判断は皆さんにお任せということで!
やたら綺麗な月明かりが、あたしの部屋のレースのカーテン越しに部屋の中の暗闇を照
らしてた。あたしは月夜の中、自分の部屋の寝台の上に居て。
あたしは今、とんでもない状況に居たりした。
もう心臓なんかとっくの昔に臨界を超えてパンキッシュに大暴走中。あまりの事に息が
つまって目の前まっかっか。んでもって…確かに感じるのは、あたしを迎え入れるように
両の腕を使って。
あたしを抱きとめた姿勢のまま、ただ静かに受け止め続けてくれてるキョンの姿。
いつも着てる寝巻き姿のままだから、パジャマの布地の向こう側には生まれたままの素
肌しかなくて、キョンの奴も緋色のタンクトップだけで。
触れ合う肌から伝わる熱さだけで、どうにかなっちゃいそう。頭の中グルグルで考えな
んか全く働かない。アレ?なんであたしキョンと二人きりなんだっけ?
でも…別にキョンに変なところを触られたりもしてないし、第一当の相手が真っ赤にな
って硬直しっぱなしなんだからどうこうなるって訳じゃないんだけど…。
ダメ。ただ肌が触れ合ってるって事実だけで頭ん中真っ白になりそう。胸の先とか、普
段と違って充血しきってるんだけど…恥ずかしい以前に、もっと触れたい。かも。
顔を上げたらダメ。目を見たらダメ。そしたらもう…絶対にこのまま流されちゃう。
でも…多分。今、これは夢の中だから…それにこんなに綺麗な月明かりの下なんだから。
流されても、流されたとしても。イイよね?きっと大丈夫、だよね?
もう衝動が堪えられない。もっと触れたい。触れてほしい。キスして。もっと。一杯。
あなたが、ほしい。
「キョン…キョン……っ!」
視線、ついに合わせちゃった。それだけなのに、ただそれだけなのに。全身をまるで
稲妻みたいな「波」が貫いたみたいに身体が跳ねそうになって。それを懸命に堪えてみ
る。もう少し、顔を近寄せたい。
月明かりの中で見たキョンの顔は、普段の仏頂面じゃなくって。とても柔らかくて暖か
くて…ダメ。もう考えることなんか。無理。
「キョン…っ!」
あたしは、キョンの顔に近づく…あと、5センチ。あと、3センチ。あと…。
と、あたしが生涯最大級の衝動に耐えかねて。冷静になったあとで自己批判したらもう
前代未聞な大醜態をさらしてパニックモードに突入する事に及ぶ直前に。
あたしは耳朶を容赦なく吹き飛ばす勢いで耳元で鳴り響く、目覚まし時計のベルの音に
心臓を軽く止めるほどに狼狽して、思わず勢いあまってベッドから転げ落ちて腰をしたた
かにフローリングに打ち据えた…っつー…かなり、モロにぶつけたかも?
あまりの激痛に耐えかねて暫くの間蹲ってじっとしてから約数分後、あたしはやっとの
事で現状を把握することができたの。
早朝、まだ太陽なんか欠片一片も昇ってない朝4時過ぎ。ご年配のおじーさんですらま
だ惰眠を貪っててもおかしくない時間。んでもって、ここはあたしの部屋。つい最近あた
しが大醜態をさらす要因になった風邪なんかとっくの昔に治ってて。
当然、ここにはあたししか居ない。
つまり何?あの光景は…。
状況把握と同時に顔面の奥底からトンでもないエネルギー量の熱塊が瞬時に吹き上がり
目の前がまっかっか。泡を食って立ち上がろうとして足元ふら付いて小指を寝台の角に
引っ掛けて痛いの何の!もう軽く世界が終わったかもって位の大パニック!
んで、小指の痛みから復帰するまでの間足を押さえてベッドの上で丸くなってるうちに
あたしはひとつ、ああ、やっぱりかなとおもうある一つの事実を思い知った。
あたしは昔から、特別な何かになりたかった。
親父も母さんも、「ハルヒはしっかりしてるから大丈夫」って言ってて。
自分がもっと特別になれば、二人とも「よくやったねハルヒ」って言ってこっちを見て
くれるんじゃないかと思ってた。
それが無理だと思ったとき。今度は「あたしは他人と違うから大丈夫」だって思う事に
した。そんな事を考えてる矢先に七夕の出会いがあって。
あたしはSOS団団長になって。
「あたしのままでいてもいい」空間を見つけて。あたしをあたしと、等身大の涼宮ハル
ヒだって認めてくれる人ができた。
この場にはあたししか居ない。だからもう、普段絶対に口に出さないある言葉をここで
心の中にて話しちゃうわね?
あたしは。いつの間にか。ホントのホントの本当に。
キョンの奴が居ないと、ダメだって思うようになったのかもしれない。
これは絶対に内緒話。あたしの中だけでの秘密のはなし。
さてさて、寝汗とか流して身体に活を入れてがんばろう!今日はみくるちゃんの都合と
有希や古泉君の午後からの用事に合わせて臨時集会で締める日なんだから、びしっと気合
いれてがんばらないとダメね!
シャワーで汗とかを流して、綺麗な身体になってから。そだ、ちょっとだけの思いつき。
297 :
ケータイから失礼:2006/07/11(火) 21:13:49 ID:q/mvCE+K
>282様
話は完成しているんですが
ノートに書いたものをデータにするのはどうも苦手でミスが多く
不快な思いをさせたことをここにお詫びさせていただきます。
すいませんでした。
進学 続き
「なんだとキョン。この俺的笑いセンスAAAの谷口様を捕まえてどういう了見だ」
そんなランク付けもしていたのか、谷口よ。しかも自分がAAAとは甚だしく痛いぞ。
「うーむ、俺は結構いけそうな気がするんだがな」
言った通りさ。お前なんか長門は見向きもしない。過去に「面白い人」と言ったのは伏せておこう。
「あらキョン。随分有希のことを分かったような口ぶりだけど?」
どうやら谷口への砲台を俺に向けたようだ。俺はだな、ただ長門がだな・・・
「ふ〜ん、ま、あんたが誰を好きになってもあたしには関係ないんだしね。
でも有希を襲ったりでもしたら死刑だから!」
ハルヒは怒ったような笑ったような表現が難しい表情で言い放ち自分の席へずかずか歩いていった。
後姿を見る限り、やはり怒り成分が若干多そうだ。
「おわっ!」
谷口が奇声を挙げる。俺はその突然の声に怯むことなく原因を探った。
「・・・・・・」
そこには長門。長門。長門・・・・・・
長門!
頼むから忍者みたいに気配を消すのは辞めてくれ。俺の心臓が細動を起こしたらどうしてくれるんだ。
「・・・ごめんなさい」
長門フェイスのスペシャリストと言っても過言ではない俺には分かった。その顔には僅かに悲が現れていた。
ブラックパールのような瞳が俺を捕捉する。
いや、謝られても。すまん、俺が気づかなかったのがいかんのだ。
と、次の瞬間谷口がヘッドロックをかけるように俺を抱え小声で話す。
「おいキョン。どういうことだ。お前が長門有希を襲ったことがあるのはもはや既成事実だが、
長門有希が謝罪するなんて前代未聞だ。お前いったいどんな裏技使ったんだ!」
まて、あれは長門の貧血という話で決着をつけたつもりだ。いまさら蒸し返すんじゃない。
「なんにせよだ。長門有希がお前と親しいのは分かっている。チクショー。羨ましいぜ。
俺も涼宮と愉快な仲間たちの一員になれば仲良くなれるのか」
誰かこのバカを止めろ。
「無理だよ谷口。長門さんはキョンととっても仲が良いんだよ。ね、キョン」
国木田、お前も同じクラスなのか。って!さらりととんでもないことを抜かすな。
「でもさ、長門さんと二人で図書館行ってるんでしょ?」
あれはだな、SOS団の活動らしきものの所以でだな、
「じゃーやっぱり入るしかないのか」
駄目だ。このバカを何とかしてくれ。ハルヒ、この際お前でもいい。
「あんたなんかに用はないわ」とか何とか言ってやってくれ。
そう思ってハルヒに救いの眼差しを向けたが目が合うと腕組をしてプイと横を向く。
こうなったら長門、お前が何かフォローをしてくれ。
長門は困惑する俺の表情をどう読んだのか
「・・・彼は私を図書館へ導き私はそれに従う。彼の意思。私の意思」
そういって席へ歩いていった。おおい!余計に俺の仕事が増えてるぞ!
だが、振り向きざまの長門の顔はどこか楽しそうだった。読み取れたのは俺だけのはずだ。
幸か不幸か、新担任は岡部だった。教室に入り、着席を促す。
今はじめて教師に感謝しようと思う。サンクスハンドボールバカ。
もしアイツが汗まみれで集合場所に駆け寄ることがあったなら。いつのも香水をそっと
含ませたハンカチを貸してやろう。
あたし自身があいつの傍に居ることは、今はまだまだ無理だけど。
せめて、あたしの痕跡一つくらい。あいつの身体に残しちゃおう。ほんの小さなイタズ
ラ心。
さぁ、今日も見事なまでにユカイなまでのハレ晴レモード!臨時集会、がんばろう!
あたしは自分に活を入れなおして、シャワールームをあとにした。
今日の午後になったなら、久しぶりに。ほんと一年近くの久しぶりに。あいつと一緒に
不思議を探そう。軽口応酬しあいながら、スキップ踏んで街を歩こう。
スキップ踏むのにちょうどいい、空色のパンプス履いて行こう。
あたしの大好きな香水を染み込ませた、乾いたハンカチも忘れずに。
今日一日が、とってもいい日になることをあたしは絶対疑わない。アンタはどうか、知
らないけどね?
職人さんたち、SS混ざりすぎですよ……。
しまった!はさんでしまいましたOrz
キョンのように妄想の拳銃と頑丈なロープでこの世から去ってお詫びを(ぁ)
失敬しました!以上でサイドHは完成としますー。
なにせ時系列がキョンサイドとリンクしていない(キョン遅刻、ハルヒ無遅刻)
ので、いつもの小技が使えなかったのですよ、これが(苦笑)
進学 続き
岡部が春休みの私事やら新年の抱負やらを語っているとき俺はずっと長門のほうを見ていた。
そういえば長門の授業風景は見たことがないな。まあ万能宇宙人だからな。
高校生レベルの問題で分からないことなんてないはずだよな。
今度から分からないところは長門に聞きに行くことにしよう。国木田よりも的確な回答を得られる可能性が高いからな。
いろいろ考えていると前から紙が回ってきた。なんだ?
恐る恐る確認をする。おわ!テストだ。そうだった。長期休暇明けにはテストがあるんだった。
うちが進学校気取りなもんだから当然しわ寄せは生徒に来る。
校長の焦燥感を味わいつつしぶしぶテスト用紙を後ろに回すとハルヒが
「なに?あんたまさかテスト勉強してこなかったの?は〜、バッカねえ。
赤点とったら放課後居残りよ!あたしがみっちり鍛えてあげるんだから。」
崖から飛び降りなければ殺すぞと銃を向けられている状況だった。
俺の経験からしてこの手のテストのセーフラインはおそらく40点だ。
俺は細心の注意を払って問題を眺めた。
・・・・まずいぞ。どう考えても俺の解答は30点がやっとだ。空欄が多すぎる。
はあ。もう諦めよう。後ろのうるさいのも既にお休みだしな。寝る。
終了のチャイムが終わり、俺の30点テストが回収されていく。
不合格者が出て舌打ちをする恨めしい教師と至上の笑みで「教官」と書かれた腕章を装備したハルヒの姿が浮かぶ。
この日はテストをやって放課だった。掃除当番とやらが対ハルヒファイアーウォールになってくれているので、
その僅かな時間でも天使を拝みに部室へ急ぐ。
しかし去年までとは一味違うぞ。部室へ向かう俺の隣には長門がいる。
いつも先にいて百科事典のような本を読んでいる長門だが、
同じクラスということもあって一緒に向かうことにした。
「なあ長門。今朝は何で谷口にあんなこと言ったんだ?」
こいつとの沈黙は安堵感があるので普段は破ることはないが、ちょっと気になった。
「・・・あんなこと?」
いつもの無表情で返答する。
「そう、俺がお前を図書館に誘っているみたいに言ったじゃないか」
「・・・嫌?」
うぐ。俺は言葉を詰まらせる。こんなに悲しそうな長門を見ると正直胸がドキッとする。
いや、すまん、お前が嫌いなわけはないんだ。むしろ頼もしい存在だ。
ただ谷口に理解させるのは至難の業だと思ってな。
「彼の知能指数は126。あなたの話は十分に理解することができる。」
・・・いや、そういうことでは、って谷口が126だと!何てこった。
俺と張り合うほどのあほだと思っていたんだが。ち、ちなみに俺は・・・
「あなたの知能指数は「待ってくれ」7」
俺は怖くなった。俺が谷口以下なんてことになったら明日から何を心の支えに生きていけばいいんだ。
だが下一桁の「7」だけは聞こえた。谷口以下とは思いたくないので127だったと勝手に補完する。
再び静寂に包まれ部室のある旧館へと進む。
303 :
ケータイから失礼:2006/07/11(火) 21:28:50 ID:q/mvCE+K
お詫びのカキコで妨害なんて、、、
すいませんでした
正直サイドHはいらないと思うんだ
サイドKのみで終わらせておいたほうが綺麗
読むだけの分際で辛口ですまん
>>301 毎度マンセーレス貰って正直調子に乗ってないか・・・
割り込んじゃったら一度止めろよ
投下前に新着チェックもしてやれ
前も一度、異常に投下の遅い速度で他職人の投下ストップしてたよな・・・
作品の質よりお前の人間の質が301のレスで俺的にごみ化
不快になるレスしてごめんな
もうレスしないようにNGしたいから
次から投下のときの名前欄を18-236に統一できないか?
進学 続き
部室に着いた。
ノックをすればエンジェリックヴォイスが俺のハートを直撃する。
「はぁ〜い」
ガチャリとノブを回しドアを開く。ああ、これだよこれ。一日の中でも至福のひと時。
大天使ミカエル様もビックリのパーフェクトエンジェル(メイド仕様)がここにいる。
朝比奈さんは慣れた手つきでお茶を沸かしてくださる。
感謝しますよ朝比奈さん。あなたがいなければ今頃俺の心は崩壊しているでしょう。
久しぶりのパイプ椅子に腰掛け淹れてもらったお茶を楽しみようやく落ち着いた俺はしばらく空けていた部室を見回した。
「何も変わってないな」と思わず声に出す。
だが、その時いつもの位置で既に読書を開始していた長門は2ミリほど首を横に振った。
「・・・変わった」
本の女神がその唇を動かす。
「あなたは変わった。朝比奈みくるも。涼宮ハルヒも。古泉一樹も。わ「お待たせー!」も」
暴走特急のようにドアをバンと開けるハルヒ。
あまりの勢いにエンジェルが腰を抜かしている。
「あれ?古泉君はまだなの?」
アイツは理系だからテストが一つ二つ多いんだろうよ。
「ふ〜ん。まあいいわ。それよりキョン。
あんた今日のテストはどうせ駄目だったんでしょ?」
極上の笑みで問いかける。朝比奈さんと長門の視線が少々痛い。
「全く。キョンはSOS団としての自覚はないの?」
果たして知らぬ間に団員にされていた俺にいったいどんな自覚を要求するのだろうか。
「いい?これからSOS団は勉強週間にするわ!一週間後に外部模試があるでしょ?
あたしたちも二年生になったんだし勉学を疎かにしても百害あって一理なしってもんよ。」
すまんなハルヒ。俺は『勉強やテストといった言葉を聞くと脳が緊急停止する症候群』なんだ。
ついでに、「一利」な。
「うっさいわね!いいことキョン!あんたはこれから一週間みっちり勉強するの。
それでその模試で見事満点を取って口煩い教師どもを黙らせるのよ。」
おいおいマジか!?朝鮮半島を平和的に統一するぐらい難しいぞ。
どうせなら見込みのある長門や古泉にしたらどうだ?俺より可能性があるぞ。
必死に対象を変更させようと試みるが
「有希や古泉君はいいのよ。二人とも、特に有希はすっごい優秀なんだから。
それよりもあんたよ。」
ハルヒは演説中の大統領のような威厳で
「いい?集団で行動するときは必ず足を引っ張る奴がいるのよ。
あんたが成績不振で活動に影響が出たらどうするのよ!」
昨年度の期末テスト前にも似た様なこと言われた気がするのだが。
「とにかく!今日からみっちりあたしが見てあげるんだから。感謝しなさいよ!」
ガチャりとドアが開き0円スマイルの古泉が
「おやおや、なかなか面白いことになっていますね。廊下まで声が響いていましたよ」
パイプ椅子に腰掛けて続ける。
「ということは一週間僕のチェスの相手が不在になってしまいますね。ふむ。どうしたものか」
人差し指で前髪をさらっと掻いて胡散臭い笑みを浮かべる。
救いを請うため長門に目をやる。読書マシーンに何を期待したのか。
俺は間抜けな顔を正してこの事態の回避を諦めた。
連投規制?
>>307 ここでやめるって書かないとスレ止まるぜ
>>301 誰かのテツ踏まないようにと思って本文以外のレスが調子乗ってる
って言ってきたつもりだったが・・・
>>306 いや、どちらが原因かと問えばID:VoTBy7XGの方でしょ。
一度割り込みして
>>275で謝ってるけど、また別の職人さんに割り込みしてるし。
3数時間もかけてまだ投下しきれてないし、一次投下停止の断りもなし。
被害を受けてるのは他の職人さんたち。
272 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/11(火) 18:53:06 ID:VoTBy7XG
↓
307 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/11(火) 22:02:05 ID:VoTBy7XG
>>301は責められるべきではないよ。
311 :
進学アホ作者:2006/07/11(火) 22:18:05 ID:VoTBy7XG
この流れで言うのは忍びないんだが、
実はまだ途中なんだorz
完結していないのを投稿する時点でマナー違反。本当に申し訳ない。
まじでごめんなさい。
しかもSSとは呼べないほど長くなりそうな。
身勝手ですが、ここの住人の方の意見を参考にしたいです。
・完成するまで投稿自粛
・マナー違反だから消えろ
・作りながら区切って投稿
・面白くないからどっかいけ など
312 :
310:2006/07/11(火) 22:20:06 ID:/jDroH88
> 一度割り込みして
>>275で謝ってるけど、
ここでは割り込みされた方だったね、ごめん。
>>311 多少空気読みつつ区切って投稿
とにかく、楽しみにしてるからまた頼むよ
書きながら投下はスレストにもなるし、本人もあとから見返して痛い目に遭う。
なるべく全部、ないし区切りのいいところまで書いてまとめて投下を推奨。
あと、書き込む直前にリロードして他のSSが投下されてないかチェックしてから
投下した方がいいね。
ブッキングはどっちの作者にとっても好ましくない状況だから。
>>310 たしかに、ID:VoTBy7XG にも問題はあるが、
>292 2006/07/11(火) 21:07:38 ID:VoTBy7XG
>293 2006/07/11(火) 21:08:20 ID:TIkGt4i9
>294 2006/07/11(火) 21:09:38 ID:TIkGt4i9
って感じだから、ID:TIkGt4i9 も考えたほうがいい。
>>311 一気に書き上げるのに時間がかかるのであれば
区切りが良いところまで書き溜めて投下するのがいいと思う。
作品はいいので続けて欲しい。
317 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/11(火) 22:26:57 ID:PP6DOpS9
>>311 作りながら区切って投稿
>>301 毎回思うんだが、ハルヒサイドいらなくないか?
あとちょっと自己主張が強すぎるぞ
そんなにピリピリしなくても1レスごとにアンカーつければ読みやすくなるだろ
319 :
進学アホ作者:2006/07/11(火) 22:28:05 ID:VoTBy7XG
>>313-314 意見感謝。
残念ながら今日と明日は書く時間がなさそうなので
木曜以降に307くらいのを一日1個乃至2個ほど投下することにします。
んじゃ、次は俺が投下するぞー
誰か遅筆の上手い言い訳を教えてください
321 :
進学アホ作者:2006/07/11(火) 22:30:32 ID:VoTBy7XG
見てくれよ。俺のレスの遅さを。
頭の回転がいささか遅いんだ。申し訳ない住民の方。
鉄板本命正念場、お次は朝比奈さんである。今日ほどSOS団に入った、もとい入れられた事を
感謝した日は無い。怪我の功名かはたまた棚から牡丹餅か、何にせよくじに悪戯を仕掛けた長門にも
今は感謝感激だ。こんな役得があるのなら日々のハルヒ式暴君暴挙暴走数多にだってお釣りが来るね。
そのハルヒは現在0ケルビンなのに融点も沸点も遥かに超えた謎の殺人光線を目から放っているのだが、
残念ながら俺は眼前に居る朝比奈さんの視殺・愛のみくるビームによって骨の髄まで溶かされている。
だから知らない、感じない。例え長門が似たような視線を俺に送っているような気がしてもだ。
っていうか長門、お前本読んでるんじゃなかったのか。そして古泉の視線は意図的に無視させてもらう。
「あー…うー……」
そんな事は露も知らぬ殺人天使朝比奈さんは、まず聴覚から俺を攻めて来た。小動物のような鳴き声、
いや泣き声で脳を揺さぶってくれる。既に視覚は自壊を始めていたので、これでもう五感の内
二つが早くも陥落した事になる。このままでは理性という名の城が崩落するのは時間の問題だ。
崩落したら崩落したで俺は背水の陣であり、今度は神風の如く特攻しなければならない。胸に。
ところで、実は朝比奈さんの身長は長門よりも小さい。年上なのでてっきり大きいかと
思っていたのだが、やはりロリ担当はロリだった。というか正直ロリ担当の座は長門に譲られつつある。
しかしベスト・オブ・ナイスバディの座は今だ健在だ。ハルヒのお眼鏡は中々に高い。ちなみに
その身長の分の栄養はどこに消えたのかというとそれはセクハラなので考えないようにしておく。
して、閑話休題。身長の話に戻るが、例によって身長差を解決すべく俺は椅子に座る事になる。
しかしそれだとやっぱり遅かれ早かれ首が痛くなって来るのは知っての通りだ。では、どうするか?
まぁ簡単な消去法だ。立って出来ないなら二人とも座れば良い、となる。
座高なら身長ほどの差は出ない。という訳で、俺は朝比奈さんと向かい合って座っているのであった。
「けど…ちょっと遠いですね、これ」
とは朝比奈さん。そう、これが中々曲者だった。椅子を挟み、膝を挟むと意外と距離がある。
ポッキーゲームをやるにはかなり前のめりにならなければならず、これでは本末転倒だ。
「……」
どうする。いや解決策は既に思い当たっているんだが、それを実行するのは少々憚れる。
何が憚れるかっていうとそれは相手が朝比奈さんでありこれから俺がやろうとしているのは
本校のホモを除く男子いや全国のホモを除く男性の過半数を敵に回すような事であり
大体そんな事をやってしまえばまたどこぞの変態補正がかかった団長殿の手によって閉鎖空間が
生み出されるかも知れんしそうなると俺はまた例のアレをするハメになる訳だしそうでなくとも
ご機嫌取りの為に心身及び財布を全身全霊で磨耗せざるを得ない状況になりかねなくそして
いつの間にか朝比奈さんよりハルヒを気にしてる自分に気付き、気付かない為に全力で誤魔化した。
「よっこらせっと」
朝比奈さんが座る椅子の背もたれを持ち、俺の方に引き寄せる。
当然膝がぶつかるので俺は足を少し開き、丁度抱き込むように…もとい、包み込むように…ああいや、
とにかく取り合えず近くに引き寄せた。「ふゃいっ!?」という可愛らしい悲鳴がいつもより
近くで聞こえて来る。ふと、花の香りがした。香水だ。これにはクラっと来た。
ついに三つ目の感覚・嗅覚までを朝比奈さんに占領された俺である。敗戦必死だ。しかし先ほどまでの、
何故か、意味の分からない、妙な葛藤も全てそいつが持って行ってくれたので感謝も半分ぐらいある。
「キョキョキョ、キョン君!? 駄目ですよ、そんなの!」
あーいいんです、朝比奈さん。そんな事よりほら、ちゃっちゃと始めちゃいましょう?
「い、いいんですか? ホントにいいんですか? じゃあ、あの、お願いします…」
ハイもう喜んで。
「え、ぇた、食べ、食べてください…」
――――――――――たっぷり10秒は停止した。なのに心臓だけがどんどん加速している。
その一言にどれほどの破壊力があったのか、果たして朝比奈さんは知らないだろう。
五感も遠慮も俺の気持ちも易々軽々と飛び越えて、直接俺の理性に致命傷を与えて来た。
俺はもう余計な動きは一切出来ない。少しでも無駄を作れば、その隙間から色んな欲求が首をねじ込んで
朝比奈さんへ向けて飛び出して行きそうだった。天国に拷問があるならきっとこんな感じに違いないね。
最早場違いにすら思えるポッキーを咥えて、朝比奈さんは目を瞑って俺を待っている。
震える瞼が、唇が、まるでキスを求めているような錯覚を覚えた。ポッキーが、見えない。
肩に、手を、置く。それは酷く間違った事なのに、朝比奈さんはすんなりとそれを受け入れた。
背中が震えた。視界は揺れるどころか殴られ続けているように定まらない。俺はどこで何をしている?
ここで、部室で、朝比奈さんと――そうだ。ゲームだ。焼け爛れて崩れかけた理性を必死で掻き集める。
それを沸騰寸前の血で塗り固めて、無理やりにでも脳に押し付ける。それでようやく、俺は噛み付けた。
「んっ」
小さく朝比奈さんが声を漏らす。三半規管はとっくに役目を放棄していた。チョコの味が、する。
朝比奈さんと同じものを食べている。時間と距離と味覚を共有している。これは真剣にヤバい。
視覚は朝比奈さんの顔を、聴覚は朝比奈さんの吐息を、嗅覚は朝比奈さんの香りを、
触覚は朝比奈さんの肩を。味覚も半分やられた。後数cm唇を前に出せば、残りの半分が堕ちる。
そしてあろう事か、朝比奈さんは自ら唇を前へ進ませる。
落ち着け。これはゲームだ。これはルールだ。ポッキーを食べなきゃ成立しないんだ。
そう、俺が噛み付いたら次は朝比奈さんの番であり、つまり今度は朝比奈さんが噛み付いて来る。
だがそれは朝比奈さんの都合であり、俺の都合で言うならこれは進軍行為と言っても過言ではない。
更に性質が悪い事に、敗戦を知って尚俺もまた進軍しなければならないと来た。将棋の名人と
今日始めて駒の動きを知った少年が指し合うようなものだ。負ける事を大前提とし、勝負は進む。
あるいは死刑の為に絞首台へ向かって階段を登る受刑者は、こんな気持ちなんだろうか。
サクサクと減っていくポッキーが、そのまま俺の寿命を表す。残り役2cm、絶体絶命にも程がある。
いや、これは絶対絶命だ。絶対に絶命するから絶対絶命だ。それを拒否しようとも思わない俺もヤバい。
この一触即発な内心とはおよそかけ離れた状態で、ポッキーは何のストレスもなく減っていく。
それが当たり前のように俺と朝比奈さんの唇は近づいていく。朝比奈さんの、息が、顔に、かかって、
「――」
目が、合った。視界なんてまるで機能していない筈なのに、吸い付くように朝比奈さんの瞳を捕らえた。
羞恥に耐え、いっぱいに涙を溜め、顔を真っ赤に染めた朝比奈さんを見て、今度こそ――俺は参った。
参ったといえば最初から参っていたのだが、トドメだった。死体に鞭打つと言っても良い。
衝動的にゲームだという事も部室だという事もハルヒが居るという事も忘れてそれが何を意味するのか
それをやった後俺はどうするつもりなのか何故ハルヒの事が脳裏を掠めたのか考える事もせずにそして
パキンと、乾いた音がした。
それは熱の塊と化した俺の脳に奇妙なほど良く響き、しかしそれが目の前の、
俺と朝比奈さんとの間のポッキーから生まれた音だと気付くのは暫く時間がかかった。
「…もう……無理です……」
そう朝比奈さんは呟いて、俺の肩に顔を預けた。まるで情事の余韻のような荒い息をつき、
肩を震わせている。それでようやく、朝比奈さんが羞恥に耐え切れなり、自分からポッキーを折った
という事を理解した。咥えた中途半端なポッキーを飲み込む事も忘れて、俺は間抜けにも硬直していた。
落ち着いたのは30分経ってからだった。堪忍袋の緒が切れたハルヒに詰め寄られ、
長門のこれまでにない、寒さを超え痛みすら感じる強烈な視線を一身に浴び、小声で古泉に
「閉鎖空間発生寸前です。一刻を争います。お願いですから大至急どうにかしてください」
と懇願された。爽やか超能力者の顔は、青かった。初めて見る表情だ。
ああ、どうやら俺の所為らしい。いや、らしいじゃなくて俺の所為だ。
衝動的に俺は、最低の中の最低のそのまた最低な事をやろうとしていたのだ。自己嫌悪で死にたくなる。
だって朝比奈さんだし、という言い訳はしない。したくない。そんな安っぽい言葉で
これ以上朝比奈さんを汚したくない。これは俺の責任であり、俺がケジメをつけなきゃならん。
「ハルヒ」
「……何よ」
「始めるぞ、ゲーム」
ケジメをつけなきゃ、ならん。
ここまで。尺の都合上古泉編が消えたw
後々オマケで出来たらなーとか思ってる。
っていうか浮気したい。他のネタが浮かんでは書け書けと俺にせがんで来る。
えーと、16-674の続き?
>>326 焦らしプレイ乙
やっぱりキョンは素直じゃないな
>>327 今保管庫で番号確認して来た。そう。
題名入れりゃ良かったな…
>>320 アイデアを練りながら書いているから遅い
流れがおかしいので書き直してたら遅くなった
単に書くのが遅い
お好きなのを
ってポッキー続きktkr
古泉編も欲しいところだけど文句などいえるわけが無い
という俺も長編放置して小ネタに逃げてたりする
喜緑さんの口調とかがきまらない。 特徴思いつかないよ…
あと一言
一瞬新規かと
おっ、ポッキーキテル!
>>作者 乙!
18-236の人、このままだと某氏みたいな扱いされちゃうぞ。
投下して静かに去るのがオススメだ。レスの長い書き手は疎まれやすい。
気をつけたほうがいい。マジで。
>>301 俺はあなたの作品好きですよ。レスしすぎると疎まれてしまいやすいので、それだけは気をつけてくださいね。
また面白いネタ思いついたらぜひ書き込んでください。楽しみにしてます。
ただ、サイドHが蛇足気味かもしれないというのは、確かに思います。これは二つの意味においてです。
一つは、読者から妄想する楽しみを奪うものであること。
「この時ハルヒはどんな風に思ってるんだろう」と一人ニヤニヤするのも一つの楽しみ方なんじゃないかと思うんですが、サイドHを書かれるとそれが作者さんの書いた内容で固定されちゃうわけですよ。
もう一つは(こっちの方が大きいのですが)、デレ状態のハルヒを書くのが、あなたほどの力量を持ってしてもなかなか困難であるということです。
というより、なまじっか文才がおありであるためかえって「原作との乖離」を読者に強く意識させてしまうのか、ハルヒっぽくないという意見がちょくちょく出てますよね。
色々書きましたが、あなた自身が自分の作品を振り返ってみて、「やはりこのスタイルでいこう」と再度思えるのならばそれでいいんじゃないかと思います。
結局のところ、自分は一読み手に過ぎませんし。
長文失礼しました。
>>315 確かに。
ID:TIkGt4i9も反省すべき点があるね。
>>306の発言内容が少々度を越してると個人的に思ったので、
彼のSSを楽しみにしてる一人として味方になってあげたかった、すまん。
要するにSS投下するときはまとめて投下しろってこったな
>>334 その、よく考えもせず、とりあえず面白いからこの人に味方する的な思考が
彼を調子に乗らせる原因だと思うんだが・・・
>>310ときて
>>312だからな
まぁいいや、わかってる人はちゃんとそのことについては言ってるし
水戸在住で納豆大好きな俺が来ましたよっと
信者はきめえなあまったく
とりあえず納豆でも食おうか
ネギがないから食べられない
>>310 自分はこういうハルヒも好きだな。雨の日キョンとの帰り道、用意した傘1本を
ソッポ向きながら差し出したあのシーンに通ずる物があって。
次作も待ってるよ。
>341
無ければ自分で作ればいいのよ!
ポッキーの人にwktk
ここはクレクレ側の声が大きいインターネッツですね
確かに妙にがんばってるのが一人いるねぇ
何で俺が仕事から帰ってくる時間になるといつも荒れてるんだ
そうは言うが、両者気持ち良くこのスレを使うには読者側が言及することもありだと思う。
誹謗中傷って感じの書き方じゃないしさ。
>>301の人は創作意欲あるようだし、そういう人には意見言う方がよかったりもするかもしれないし。
それはそうなんだが
>>306とか一言も二言も多いのが問題だな。
かなり誹謗中傷も含まれてると思うが・・
↓
>>306
どうしてお前ら定期的に荒れてるんだ
最近のこのスレの流れが
朝投下スクナス
↓
昼過ぎポツポツと投下
↓
夜に大量投下、叩きや言いすぎにより荒れる
↓
何で俺が帰ってきた時間に荒れるんだ?
↓
投下減少 そのまま朝へ
のローテになってないか?
何言ってんだろ俺… またSS書いてくる
別に荒れてないだろ?
今日は何の日かwikipediaで調べてきた。
今日は何の日
・ 源頼朝が征夷大将軍に就任鎌倉幕府が成立(1192年)
・ 中国で国民党と共産党が全面内戦開始(1946年)
・ 北海道南西沖地震(1993年)
鎌倉についてマターリと語ろうか。
二番目と三番目は、確かに無い選択だよな
>>355 スレ違い、つか、ここでそんなネタ振りはやめてくれ
ハルヒに飽きてきた
たまには別の作品が読みたい
301信者による306叩き。
谷川のハルヒ以外のヤツでおすすめなのは何?
別に大して荒れてもいないのに
>>348 ほぼ毎日のようにこれを言うこいつは確信犯だろ
みんなそんな言葉に釣られて過敏になるなよ
スルーだスルー
流れが止まっているときこそが投下のときだ
こういう痛い妄想世界を繋げようと適当に痛い、痛い設定を考えたのは俺です。
フヒヒヒヒヒ!
>360
学校
365 :
360:2006/07/12(水) 01:36:23 ID:bIfWT1cO
某所で即興で作ったSS投下、お目汚し失礼。
ある日の昼下がり、部室でハルヒの奴がいきなり聞いてきた。
どうせいつものくだらない話かと思ったが、今日の奴はいつもより輪をかけて突拍子もない話だ。
「ねぇ、キョン、キョンってさ、童貞?」
花も恥らう乙女とは微塵にも思ってないが、こうも乙女が裸足て逃げ出すような
ことを言う女子高生ってどうだ??
「……こ、答えなさいよ。キョンはエッチしたことあるの!?」
真面目な顔して言うことかと思ったが、いつに無く真剣な気がする、
実際きれいな体なんだし、事実だけを端的に言う。
「ない」
「ふーん……」
……反応はそれだけか??こちらが恥ずかしいだろ。
「じゃあさ、この椅子に座りなさいよ」
……いつものことだが、まったく何がしたいのかわからん。
「……」
また真剣な顔で見つめて…にらみつけてきやがる。
座ればいいんだろ座れば。
「とりあえず目隠しするわよ」
おい、何をする気だ?
「痛くはないわよ、黙ってなさい」
電気椅子に座らさせられた死刑囚の気持ちが今ならよくわかるかもしれん。
「んっしょ……確かここに?」
おい、人の大切なところを何触ってやがる。
「うわ……グロ……」
勝手に出しやがって何言ってやがる。
「包茎って奴じゃないのね。ちょっとはマシかな?」
死刑囚の方がまだマシかもしれん、なんだこの状況は?
生き恥をおめおめ晒そうとは男子一生の不覚。
「ごちゃごちゃうるさいわよ、いいから私に任せなさい」
何を…?
「ん、あむ……い、意外に大きいのかな?なんか上手く口に含めないじゃない…
ちょっと!キョン、もっと小さく出来ないの?」
なめんな、どこの世界にそんな芸当が出来る奴がいる。
「うー、はむ、ちゅ、くちゅ…アゴが疲れるわね、フェラチオって奴も、ンン…うん」
ぎこちないし、たまに歯があたって痛いんだが、それでも10数年きれいな体を保っていた俺には刺激が強すぎる。
「ん…?にが…何この汁。ちょっとキョン、何出してるのよ、嫌がらせ?」
ガマン汁って奴だ、漢の神秘だ。知らないのか?
「し、知らないわよ、そんなもんはじめてみたんだし……」
??ハルヒ?おまえ
「私に任せなさいって言ってるでしょ?」
いや、もしかしてはじ……
「次いくわよ!」
俺の言葉を強制的にさえぎったかと思うと、いきなりハルヒがガバッと立ち上がる。
いや、目隠しされてるからそういう気配がするだけなんだが。
「入るのかな?これ……うんしょ…ここをこうあわせて…」
なんか俺のものに熱いものが押し付けられているんですけど??
「場所はあってるよね??ここをこのまま腰を落とせばいいのかな……」
おい、ハルヒ、無理するな。
「う……押し広がって…い、痛いかも…いた、いた…痛いわね、バカッ!」
俺のものの周りがじわじわの何かに包まれている感触がするのだが、なぜ殴られてるんだ、俺?
「うう、本当に小さくならないの??これ?」
無理だあきらめろ。
「この、キョンのくせに…これぐらい!!」
おい、本当に無理するな…と言おうとした瞬間、腰の辺りまでハルヒの体が降りてきた。
当然俺のものは全てすっぽりとハルヒに被われた。
目隠しのせいでよくわからんのだが、ハルヒは一言も発さず(せず?)俺の体にすがりついている。
「つっ…血が出てるし…痛いわね、馬鹿キョン!」
何で俺が悪者にされてるんだ、おい。
「次は動けばいいんだけど…ゆっくりと動けば痛くないのかしら…?」
なんかぎこちなくハルヒが動いている感触が伝わってくる。
「ん…は…ゆっくりとなら……大丈夫みたいかな?」
く、なんか今度は俺がヤバイ。
「んー…は、は、はぁ…なんかだんだん慣れてきたかも?どう?キョン??」
さすがスポーツ万能なだけあって呑み込みが早い。
「はぁ……これもスポーツなの?」
しらん。
「ん、ん、ん、けっこうよくなってきたかも……かき混ぜるような感じで…ん♪」
おい、ハルヒ、飛ばしすぎ。
「んあ、キョン♪どう?キョン、気持ちいい?」
良すぎる
「ぁん♪そ、そう。私も、私もよくなってきたかも……」
ハルヒ、そろそろ本気でヤバイ。
「んー♪あん、キョン♪キョン♪」
聞いてねぇし。
「奥まで、奥まで届いて……気持ちよすぎ…」
どうなってもしらねぇぞ、おい。
「届いてるよぉ…キョンのが奥まで、貫かれてる♪」
くっ……!!
「んは…な、何??何か出てる、私の奥で熱いのが、いっぱい…」
いきなり膣内出しだよ……
「何かコポコポ泡だったのが出てるし…ちょっと、キョン、なんなのよ、これ?」
精液、子種、スペルマ、ザーメン、あと何があったけな。
「赤ちゃんが出来ちゃうの??」
その可能性は否定しない。
「……な、な、な、な、何やってるのよ、ばか!!責任取なさいよ!!」
……被害者は俺だぞ?
「今回、先に性交渉の意思があり、レイプをしたのは涼宮ハルヒの方。
だが、女性が男性をレイプした場合の立件は非常に難しく、
社会的立場や、暴力による強制力で行ったことを客観的に証明できなければ、罪に問うのは難しい」
そんな事言ってもだな…
「「え…?」」
ちょっとハルヒ、目隠しをとれ。
「ちょっと、何で長門か部室にいるのよ!!」
「ずーっと前からいましたですぅ……」
「うぇ?!いつから??」
「『ねぇ、キョン、キョンってさ、童貞?』と言ったところから」
「全部かよ!」
いいから目隠し外せって、おい。
「外さなくてもいい」
あのー?長門さん??
「らうんどつーふぁいと」
「ちょ、長門、何しようとしてるのよ!!」
「大丈夫、さっきも言ったように罪に問うのは難しい」
「キョンは私のよ!!」
おーい、誰か外してくれ。
「次は私もいいですかぁ??」
「却下よ!!!」
「前戯の必要なし、直接挿入する」
「やめなさい!」
喜んでいい状況なのか…?これ??
目隠しの端から夕日の光を感じながら、SOS団の非日常的日常は今日も過ぎていく……
「それでは僕は後ろの穴でも……」
「帰れーーーー!!!!」
おしまい
未成年は来るなよ
エロいらないって奴見るたび、頃したくなる
21才からでしょ?
>>368-369 なかなか上手だと思います。句読点や三点リーダーの使い方も。
ただ、原作ではハルヒが長門を呼ぶ時は
「有希」と名前を呼び捨てにするので、やや違和感がありますね。
>>370 谷川と同年代にもなるとエロに飽きて
プラトニックや萌えが欲しくなるのですよw
直接的な表現ではなく、仕草一つ一つから感じ取れるようになれたらいい大人。
>>369 キョンが抵抗しなかったのは不自然。
あとはよかった。
377 :
1:2006/07/12(水) 02:25:17 ID:yUEpuGtN
お邪魔します。エロなしですが、暇つぶしにでも。
キョンの様子がおかしい。
何がおかしいってとにかくおかしい。顔がおかしいのは言うまでもないけど、そういうのじゃないのよ。
なんか上の空っていうか、ボーッとしているというかなんというか……。
そんな様子でおかしいのは、朝からだった。朝のホームルーム前にどーでもいいような話をふっかけて来てたくせに、
今日に限っては「放課後に用事があるから部活休む」のたった一言だけ!
冗談じゃないわ。アリエナわよ。何それつまんない。
……いやいや、ツマンナイのは話がそれだけだから、ってわけじゃないのよ。本当よ。本当だってば!
とにかく、我がSOS団は年中無休24時間ニコニコ営業なの。そんな「休む」とか言われて「はい、そうですか」なんて言うあたしじゃないのよ!
なのにバカキョン、あたしの言葉なんて右から左みたいな顔で聞き流してさ。
あったまに来たからぶん殴ってやっても、何も言わずに白い目で人のこと見て……結局、その日はろくに会話もしてくれなくて……ああ、もうイラつく!
放課後、キョンは授業終了の鐘とともにカバンを持って出て行っちゃった。
これはもう、由々しき事態だわ。こんな暴挙を見逃していたら他の団員に示しがつかないってもんよ!
SOS団よりも優先させる用事ってのがなんなのか、しっかり確かめるのも団長たるあたしの務め。この超探偵、涼宮ハルヒさまに隠し事なんてさせやしないわ!
でもアイツ、自転車通学よね。追いつけるかしら……って思ってたけど、幸いなことに電車に乗り込んでくれた。家に帰らずそのままどっか行くみたい。
あやしい。とことんあやしい。限りなくあやしい。
一両隣の車両に乗り込んで、絶えず監視を続けているけど、どこまで行くつもりかしら。
ヤバイわね、財布の中身が……って、もう! なんであたしがあのバカのせいで無駄に出費しなきゃならないのよ!? だいたいお金出すのはキョンの役目じゃないのさ。
あたしがそうやって財布の中身を心配していると、キョンが電車を降りた。
場所は……国際線の空港? なんだってこんなところに……。
キョンが飛行機に興味があるとはとても思えないし、ここで誰かと待ち合わせ? まさかねぇ、そんなこと……。
あったのね……。
378 :
2:2006/07/12(水) 02:27:00 ID:yUEpuGtN
あたしやキョンより、年上の女性だった。髪が長くて清楚な感じで。みくるちゃんとも違うタイプの美人っていうのかな。そんな人。
彼女なのかな?
でもキョンにそんな甲斐性があるとは思えないし……でも、なんの関係もありませんって雰囲気でもないし……って、チケットっぽいの渡して、
ままままさか駆け落ちとかしようってんじゃないでしょうね!?
じょーだんじゃないわ。あんたはSOS団にとって、なくてはならない雑用兼お財布兼下僕なのよ!
あんたがいなくなったら毎週の喫茶店代はどーすんのよ!
それに……それにそうよ、団長たるあたしに一言の断りもなくいなくなるなんて、そんなの許せるわけないじゃない!
「このバカァァァァッ!」
気がつけば、あたしは手近にあったものを投げていた。
6人掛けの椅子だった気がするけど、そんなんどーだっていいのよ。とにもかくにもあのバカ面が気に入らない!
そもそもあたしが投げたものを寸前で回避する根性が、ますます気に入らない!
もうね、正直に白状するわ。そのときのあたしはよっぽど頭に血が上ってたんでしょうね。
飛び出したあたしを見てキョンが何か言ってた気がするけど、まったく聞こえなかった。
「何が『用事があるから〜』よ! あんたあたしに黙ってどこ行くつもりだったの!? SOS団はどうするのよ!
あんたがいなくなったらね、古泉くんは一人寂しくTRPGやるようになっちゃうかもしれないし、みくるちゃんだってお茶の淹れ甲斐がなくなっちゃうだろうし、
有希だってあんたみたいな朴念仁でもいればいたで安心してるっぽいのに!
あんたはまがりなりにもSOS団の正規メンバーなのよ! あたしが許さない限り、どこにも行っちゃダメなのよ!
だいたい、あんたがね、あんたがいなくなったら……いなく……」
一気に言葉をまくしたてたら、ホントにね、なんでなのかまったくわかんないけど、そのときのあたしは何故かボロボロ泣いてた。
なんでだろ。
なんでこんなことで泣いてるのかさっぱりだけど、とにかくあたしは泣いてた。もう言いたいことは山のようにあったんだけど、言葉が続かなかった。
379 :
3:2006/07/12(水) 02:28:15 ID:yUEpuGtN
そしたらキョンのヤツ、表情を二転、三転させたあとに「やれやれ」って言いたそうに肩をすくめて、あたしの頭に手をおいた。
「……この人は、オレの従姉だ」
「…………え?」
キョンに馬乗りになってボロボロに泣きながら罵声を浴びせているあたしを見て、目を丸くしている美人さんを指さしながらの言葉に、あたしは言葉を失った。
あたしらしくない、見事な失態だったと思うわ。ちゃんと話を聞けば、どーってことはないコトだったのよ。
キョンの従姉が結婚して海外に移住するから、その見送りに来てたってだけ。
旦那さんは先に行ってて、飛行機の搭乗手続きがわからないとかで駆けつけたみたい。
時間的にも、学校が終わってすぐ向かわないと間に合わないから……ってことだったんだけどさ。
「だったら最初からいいなさいよ」
成り行きでキョンと一緒に従姉さんを見送り終わったあと、あたしはもっともな意見をキョンにぶつけた。
そしたらなによ、人を障害競走の障害物を見る馬のような目で見ないでよね。
「言っても言わなくても来るんだったら、椅子を投げつけられる危険を除いておけばよかったよ。
おまえな、あんなもの直撃してたら普通は死んでるぞ!?」
「うるさいわね! ちゃんと理由を言わなかったアンタが悪いのよ! だいたい、なんでハッキリ言わなかったのよ?」
そう問いかけると、またも白い目で見られた。
コイツ、ホントに学習しないわね。ネクタイ引っ張って頭突きの二〜三発くらいお見舞いしてようやく口を開いた。
380 :
4:2006/07/12(水) 02:29:13 ID:yUEpuGtN
「は……初恋の人だったんだよ。だからその……なんだ、つまりそういうことでだ、せめて見送りくらいは一人でゆっくりしたかったんだ」
「……へぇ、それであんt」
「つーか、さっきのは一体なんだ!? いきなりボロボロ泣き出しやがって」
あたしの言葉を遮って、あたしが思い出したくもないようなことを言い出した。
「オレはおまえと違って、世間の目を気にする繊細かつ純真な心の持ち主なんだ。やめてくれよまったく、オレがどっかに行くとでも思ったのか?」
「うっ、うっさいわね! あたしはただ、団長としてみんなの意見を代弁しただけ! ちょっと熱が籠もっただけなの!」
「へぇ」
……なによ、なによもう! その勝ち誇った顔は! あームカツク。ほんっとムカツクムカツク! バカキョンのくせに!
「前にもどっかで言った気がするけど、古泉くんもみくるちゃんも有希も、それにあんたも、大切な団員なの!
あたしの許可なく勝手にどっか行くのなんて絶対許さないんだからね! 今度こんな真似してみなさい、死刑よ!」
そうよ、キョンもあたしが一番最初に目をつけたSOS団の団員一号で雑用係で大事なお財布なの。いなくなったら困るんだから。
なのにこのバカ、ニヤニヤしちゃってさ。
「わかったよ、少なくとも帰りの電車の中くらいまでなら付き合ってやるよ」
「ふん!」
散々人をバカにして……電車の中くらいですって!? じょーだんじゃないわ!
これから一生コキ使ってやるんだから、覚悟しときなさい!
〆
一生………
モエス
久しぶりに萌え殺されそうな作品が来たね
383 :
長門有希 −観察者−:2006/07/12(水) 03:18:51 ID:car2vXvL
長門有希が最も恐れる事……
それは自分の「知性」が消失することであった
キョンと文芸部室で出会ってからは……
その後の事はなんでも全て覚えている……
学校の机の変なラクガキだとか
布団の毛布やゴミのにおい
扉の開閉の音や トイレの音……
キョンたちが世間話をしているのを聞き……
みんなが笑いあっていた事…
全て記憶している……
だが文芸部室以前のことは……
ただ命令に従い……
自分の意思もほとんど無いまま
「涼宮ハルヒ」を観察する……
それしか「記憶」にない……
そうやって3年間も生活したはずなのに……
ある記憶はただそれだけだ……
機械のような記憶―――
生きるという事はきっと「思い出」を作る事なのだ…
長門有希はそう悟っていた―――
それを失うこと…それだけが怖い
キョンが涼宮ハルヒや他のSOS団メンバーのために行動しているのは……
きっといい「思い出」が彼の中にあるためなのだ
それが人間のエネルギーなのだ
「思い出」が細胞に勇気を与えてくれるのは間違いない
SOS団に入る前の長門有希にはなかった感覚だ
今はある!
それが「知性」なのだ!
長門有希はそう悟っていた
…orz なんか、スイマセン
誤爆…
誰か長門のキャラソンでSS書いてくれ
なんかいか試してみたがどうやら俺には文才がない見たいだorz
記憶を本にして窓辺で読みたいなんていいフレーズだと思ったんだけどな
388 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/12(水) 04:34:31 ID:XhIU4XOX
書いてみたいがキャラソン売ってないから無理
ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。
早朝に投下。
保管庫の方、いつもお早いお仕事乙です。
16-116です。
エロなし。キョンの過去を懐かしむモノ。いや、後悔か?
題名は「同窓会(全員参加)」
ちょろんっとお付き合いくださいませ。
北高1年5組同窓会のお知らせ。
それが届いたのは七夕も終わった7月のある暑い日のことだった。
いつもどおりに残業でクタクタになってから帰宅したオレは、オレ宛の郵便物の中から一枚の葉書を見つけた。
「北高か…」
なんともなつかしい。
妹が卒業して以来行ってないな。
まして俺自身の高校生活なんてのはもう10年以上も昔のことだ。
当時はあのハイキングコースと見まがう坂道を3年間も通学していた。
今の体力の落ちた俺では無理だろうな。
そんなことよりも皆はどうしているのか?
部屋の電気をつけながら、今ではすっかり音信不通になってしまった級友たちの顔を思い浮かべる。
谷口や国木田とはたまに呑みに行く間柄なので特に感慨はないが、他のメンツはいったいどうしているのかは全く想像がつかん。
もう30近い。結婚したり、子供ができたやつらもいるんだろう。
ネクタイを外し、背広をハンガーに掛けながら俺もまた彼女でも見つけないとな。と自嘲する。
この10年、特に何もなかったな。
恋人が何回かできたが、1年と長続きした覚えはない。
だいたい3ヶ月もすれば別れていたっけ。
それに、この10年に限らず北高での3年間で特に不思議なことがあったわけでもない。
子供の頃に憧れたマンガ的、特撮的、アニメ的な不思議なことなんて何ひとつありはしなかった。
クラスにとんでもない美人がいたわけでもない。学校のアイドルのような美少女の存在も、
とんでもなく金持ちのお嬢様がいたわけでもなかったさ。
唯一、同じクラスの阪中がお嬢様だったってだけだ。
それも俺とは最後まで何の関係もなかったが。
話したこともなかったな。
いたって普通の3年間だったさ。
同窓会当日までは特に何事もなく仕事だけの毎日が続いた。
上司に怒られたり、あちこち営業に飛び回ったり、いつも通りだ。
そして今日は同窓会当日。
残業で少し遅れてしまった。
「おーーい、キョン。こっちだ、こっち!」
会場となっている居酒屋の前で谷口と国木田が待っていた。
谷口は既にネクタイを鉢巻代わりだ。酔うには早すぎるぞ。
国木田は高級そうなスーツをきっちり着こなしている。まだ信じられんな。お前が青年実業家なんてさ。
「おまえらは相変わらずだな」
「へ。お前だって相変わらずのマヌケ面じゃねーか」
マヌケ面とまでは言ってねーぞ。
それにお前だけには言われたくないね。
見詰め合って互いに吹き出す。
いつも通りの時節の挨拶とでも言うべき谷口とのやり取りだ。
国木田はそんな俺らを見て
「さ、こんなとこにいてもしょうがないし、中に入ろう。僕らで最後だよ」
と、さっさと中に入ってしまった。
俺らも行くか。
「だな」
1年5組28名は担任の岡部も含めた29名で同窓会はスタートした。
一人の欠席者もいない。いいことだ。
ビールで乾杯。これはどこの飲み会でも変わらない。
28人か。こんな普通の居酒屋では結構大変なんじゃないかと思ったが、今日は俺たちの貸切なんだそうだ。
…28人。
なんとなくクラスの人数に不審を覚えたが、元よりこの人数だったはずだ。
30人だったんじゃないか?
そんな気もするが、谷口や国木田、岡部に聞いてもこの人数であっているという。
転入してきたヤツも転校していったヤツもいないのは俺も覚えている。
気のせい…だったのか?
「阪中、あんた何人目〜?」
女性陣からは彼氏のグチ、誰々が結婚した、子供を産んだ、育児が大変だのと色んな話題が飛び交っている。
今は阪中の大きくなったお腹を見て女性陣が盛り上がっている。
もうみんな30近いしな。
…頼むから誰々が狙い目とかの話題はやめろ。
女たちで結婚してない連中は今日いいのを狙うつもりなんだろうな。
国木田あたり狙い目だぞ?独身の社長だしな。
って、やっぱり囲まれてる。
男連中は仕事のグチと親ばかになった連中の子供自慢だ。
娘がかわいいのはいいが、いつか他の男に取られるんだぞ?
無口な読書少女も愛らしい上級生も、やかましくも絶世の美少女だっていつかは…
…そんなのいたか?
さっきから何かおかしいな?
クラスの人数に不審を覚えたり、会ったはずのない女を思い浮かべたり(顔はどうしても思い出せなかったが)
それに、そのいもしない女たちを思い浮かべると目頭がヤバいことになる。
…なんだろう。さっきからずっと違和感がある。
世界がまるごと変わった中に取り残されたようなこの不快感。
覚えがあるような気もするのは気のせいか?
だが、何が違うのかはわからない。
何よりみんな大人になっちまった。俺だってだいぶ変わった自覚はある。
谷口は相変わらずバカだったが、国木田は社長になったせいか社交性や人当たりが高校時代より格段によくなった。
…女のスルーの仕方もうまいな。
岡部はどうだ?
ハンドボールの後進の育成に忙しいとか今だにハンドボールバカだ。
10年経ってもそれかよ。年考えろ。それと、さっさと結婚しろ。
阪中はあの家同様にほんとに良家の奥様って感じだ。
…………
ふと気が付く。あの家同様?
行ったことないだろ。場所も知らん。それになんで阪中を思い浮かべた?
女性陣が盛り上がっていたからか?それはないだろう。
いつもやかましくしゃべっていたのは……そんな女いたか?
ウチのクラスの女たちはもの静かな感じのが大半だ。
それに特に接点はないはずだ。俺の記憶では話したこともないはずだ。
………
なんで、阪中がお嬢様だって知っていた?
……
そういえば、犬飼っていた…よな?
…
脳裏に浮かんだのは二つの文字だ。
JJ
なんだ?JJって?
犬の名前はこれではなかったはずだ。たしか、る。ルで始まっていたはず。
JJ、ル。
………
ジャン=ジャック・ルソー?
なぜフランスの哲学者が思い浮かぶんだ?
JJ、ルソー…
そうだ、それだ。ルソーだ。
アイツがルソーって名前を聞いてJ・Jとか自前のニックネームを付けたんだ。
アイツ?アイツって誰だ…?
それになぜ俺が阪中の飼い犬の名前を知っている?
考えてみても結局何も思い出せなかった。
頃合を見計らって阪中と話してみたが、ルソーのことを知っている俺をなんで知っているの?と不思議がっていた。
説明できないでいると徐々に対応がクラスメイトから不審者になってきたが。
そりゃ話したこともないヤツから
もう死んでしまった昔のペットのコトをあれこれ詮索されれば警戒もする。
それにあんなに溺愛していたんだ。ルソーが死んだときのショックは…
…まただ。
なぜ、溺愛していたって知っている?
ルソーのことをなぜ知っている?
そのとき俺はひとりじゃなかったはずだ。
それに、なぜこんなにも気にかかる?
それも阪中個人のことではなく、ルソーを知っていたということに。
酒にも酔えず、同窓会は終了した。
同窓会は俺以外のメンツはとても楽しかったようだった。
2次会がどうとか谷口が言っていたが、そんな気分にはなれなかった。
途中からずっとルソーを知ったあたりのことを考えていた。
あれは1年の終わりごろ、3月の話のはずだ。
学校帰りに制服姿の誰かと一緒に電車に乗った記憶がある。
巫女衣装を間近で見た気がする。
うちの飼い猫を連れて行った記憶もある。
だが、その頃の記憶は球技大会以降は谷口と連日で遊び歩いた記憶がある。
次の週に国木田に一週間付きっきりで勉強を見てもらった記憶がある。
さらに翌週、ミヨキチと久々に映画を見に行った帰りに告白された淡い想い出もある。
それから春休みまでずっと彼女が妹に会う口実で遊びに来ていたことも思い出せる。
全て日付指定で鮮明に思い出せることだ。シャミセンを外に連れ出した記憶はない。
結果から言うと。阪中とルソーの話はどこにも入ることはない。
それから春休みに入るからだ。
それにその期間に電車に乗った記憶はない。巫女装束なんてもってのほかだ。
谷口たち2次会参加組の誘いを断って家に帰る途中、俺はありもしない記憶をずっとほじくり返していた。
誰かの笑顔があった筈だが、それはありえない記憶だ。
だが、何故か忘れてはいけないものだとも思えた。忘れていたのにか…
…バカバカしい。それはありえない記憶だ。
だけど、この何か大切なモノを失ったような感覚を知っている気がするのは何故だろう…
「ただいま」
玄関のドアを開ける頃には俺はそれをありもしない白昼夢であり、
美しくなった阪中を取り逃がした妄執であると片付けることにした。
「あ、キョンくん、おかえり〜」
深夜とも呼べる時間だったが、今ではずいぶんと美しくなった妹が出迎えてくれた。
いい加減、お兄ちゃんと呼んでもらえないものだろうか。
二十歳過ぎてお兄ちゃんと言うのもどうかとは思うけどな。
「同窓会どうだった?」
水の入ったコップを手渡しながら聞いてくる。
楽しかったぞ。ほとんどが父親、母親になっていてびっくりしたけどな。
妹はニヘラと笑って(この笑顔だけは小学生の頃から変わらない、とても愛らしい笑顔だ)
「キョンくんはいつ結婚するの〜?」
にっこりと含み笑いで聞いてきやがった。
笑顔は身内びいきを抜いても極上だ。何人の男がこの笑顔にだまされたことか。
彼女いないんだ。そもそもする相手がいないだろ。
そんなことよりお前はどうなんだ。浮いた話を全然聞かないのは兄として多少は心配になるぞ。
「あたしはいいんだもん。それよりミヨちゃんはどうするの〜?」
何がいいのやら…ニヤニヤしてた理由はこれか。
俺はコップの水を飲み干し
「あいつとは終わった。何度も言ったはずだぞ」
それだけ言って俺は空のコップを押し付けて自分の部屋へと向かい、階段を上っていく。
「ミヨちゃんまだ本気だよー!あ、他に鶴屋って知らない女の人から郵便…」
妹が後ろで何やら言っているが、気にするものか。
疲れた。
本当、なんなんだろうな。この感覚は。
あるはずのない記憶に登場する彼ら、彼女らの顔は思い出せない。
だが、思い出そうとするとなぜか無性に泣きたくなってくる。
同窓会の席で泣くわけにはいかなかったから2次会はキャンセルしたが、俺はこんなに涙脆かったかね?
電気もつけずにベッドに横になる。
?
なにかが体の下にある。
なんだろうと思ってソレを取り上げてみると、黄色いリボンのついたボロボロのカチューシャだった。
ところどころに血のような染みがある。
見覚えがある。
夕焼けの北高の一室が一瞬見えた気がした。俺の他に4人の男女がいた気がした。
(…知っている。こいつらは俺のなにより大切だった…)
なんでもない放課後の一幕だった気もする。
(そう、SOS団だ…長門と古泉と朝比奈さんと、ハルヒだ…)
俺をあだ名で呼ぶ元気な少女の声が聞こえた気がした。
(…ハルヒ。涼宮ハルヒ。俺の……)
何か、とても大切な何かを瞬間的に思い出した気がするが、それらはすぐに霧散して消えていった。
忘れてはいけないものだったように思える。
何よりも大切なものだった気もする。
カチューシャから目が離せない。
思い浮かぶのは高校2年の七夕の夜だ。だが、その日に特に思い出なんてない。ゲームして寝ただけだ。
(…みんなが消えた日だ)
ふいに視界が滲んできた。
(…その光景を俺は見たはずだ)
涙が一筋、零れ落ちた。
(…何もできなかった)
涙は止まらない。
(…ハルヒたちと過ごした、全ての記憶が、消えていく…)
あとはもう号泣だった。
理由なんてわからない。
悲しみ以外の感情がその時の俺にはなかった。
俺はその日一晩ただ、泣き続けた。
いもしない誰かに、何か大切なことを忘れたことを謝りながら、
翌朝まで、ただ、泣き続けた。
(もう何も、思い出せない…)
以上っす。
まぁ、また感想なりくれるとありがたいッス。
ってか、やっぱし俺にはキョンムズイな。
単に力量がないだけなんだけど…orz
エロもがんばらねば…
えっ? 続かないの?!
ムチャクチャ気になるんだが……
ちょっとSS書いてみようかと思うんだけど、書く上での注意点って何かあるかな?
いつも読んでるだけで特に指摘も何もできない俺だから、先によくある悪い例とか教えて貰えると助かる。
自分の持ってるラノベとか見ればいいよ。
ヘンな議論になりそうでこれはやだな。
なんとも気になる……
ドゥナッタンディスカー!!
かなり稚拙な駄文で未完なんだけど試しに投下していいかな?
で、駄目なところを指摘とかしてくれるとありがたい。駄目なところ多すぎて指摘するのも疲れると思うけど。
どうぞ
4年前の7月7日
若い男と女が突然尋ねてきた。同期した結果彼らは観察対象に近しい人物といことがわかる。
しばらくして彼らの異時間同意体が尋ねてきた。
…どうでもいいが私は朝比奈みくるという個体に酷く嫌われているようである。任務に支障がでないように早急に処置を施す必要があると判断。
三年後の5月×日
昼休み、観察対象が部室に尋ねてくる。規定事項。
放課後、彼と観察対象が部室に現れる。とりあえず自己紹介
「長門有希」
久しぶりに言葉を発したので上手く言えるか心配したが杞憂だったようだ。
5月×日
観察対象が朝比奈みくるを連れてくる。
結局この日は会話すらできなかった。
5月×日
彼と朝比奈みくるがオセロゲームをしている。
ミッションスタート。ゲームを通して朝比奈みくると親睦を深める。
…………失敗。彼女は終止脅えていた。
観察対象が古泉一樹を連れてくる。
7月×日
あれから色々あったが朝比奈みくるとの関係は未だに膠着状態。彼と古泉一樹、涼宮ハルヒとは少しは仲良くなれたと思う。
10月×日
喜緑恵美里の依頼によりコンピュータ研の部長氏を探索することになる。
発端は観察対象によるもの。この程度の事なら単身で解決できるが未だに彼らと馴染め無い私が情報統合思念体にこの件を提案、穏健派の喜緑恵美里を介してSOS団で行動することに。共同作業を通して仲間意識の目覚めを施す。
今度こそ…………失敗。結局ろくな会話すらできなかった。
後日放課後、彼がじっと見つめてきた。なんだろう?
11月×日
観察対象から小規模の情報爆発を感知。彼らを守る為に朝比奈みくるに襲いかかる。朝比奈みくると溝が深まるのを感じた。原因不明のエラー発生。胸の辺りが冷たい…
11月×日
観察対象に頼まれギターを引く事に。後日観察対象に誉められる。胸の中心が暖かかくなるのを感じた。エラー発生
11月×日
コンピュータ研と勝負することに。
5月×日に彼と朝比奈みくるがマウスで遊んでいたのを思い出し私もマウスをクルクル回してみた。朝比奈みくるは無反応。彼は何故か呆れていた。何か間違えたのだろうか?
「言っとくけどイカサマは禁止だからな」
何故彼がこのようなことを言うのか理解出来ないが肯首する。きっと理由があるはずだから…
決戦当日
みんなとの特訓の成果を試す時がきた―――どうやらコンピュータ研はイカサマ行為を行なっているようだ、何故か頭の奥が熱くなるのを感じる。彼がイカサマ行為を禁止した理由が分かった。みんなと一緒に頑張った時間を足蹴にされた気分、許せない。エラー発生。
私は与えられた状態を元に条件を対等にする修正プログラムを組む―――「許可を」
「よし、やっちまえ」
エンターキーを押す。彼の言葉で原因不明のエラーは解消された。
結果私達は勝利した。みんなが誉めてくれた。胸の中心が暖かなるのを感じた。またエラーが発生、何故?
その後コンピュータ研に遊びに行くことを彼に勧められる。
彼が勧めるのだからそれはきっと私にとって必要なもののはず、でも仕事はおろそかに出来ない、だから――「たまになら」
以上山無しオチ無し意味も無しです。結構ラノベ読んでるのに全然上手く書けないorz
割り込んでないよね?ビクビク
谷川先生にこんな悲しいラストはやめてくれよ〜という気持ちで書きました。
ついでにクラス人数はアニメ版参考にしました。
「涼宮ハルヒのクラスメイト」のサイト管理者様、参考にさせてもらいましたので、ここで感謝を。
一応この後、鶴屋さんからの郵便物(遺書)にオーパーツやら長門のメガネやら、TPDDに近い端末やらが入っていて、
シャミセンの珪素生命覚醒やらで記憶を全部取り戻して過去に戻ってハルヒたちを助けにいく
ジャンプマンガ的な「ジョン・スミスの憤慨」が待ってます。
たとえ創作でもハルヒは好きな作品なんで、バッドエンドは個人的にイヤだから蛇足でもそんなネタを考えました。
でも、そんな冒険活劇は書けないよ…
一応出発までのは書いてあるんだけど、ひたすらキョンが怒っている長文でした…
>>406 いや、悪くないんでないかな?
業務記録の日記みたいだ。
個人的にはエンドレスエイトでの心情があればもっとよかったかもと思うが。
あそこはエラーが溜まる一番の原因になったような気もするし。
さらにサムデイや消失前夜まであればよかったかもw
>>406 すごい良かったんだがその分だけ、
ミステリックサインの時期間違えてるのが惜しいよ。
たまたま、最近何人かの文で目についたんで。
・
○思い通り(おもいどおり)
・
×思い道理(おもいどうり)
これも間違ってる人をよく見る。
○気づく
×気ずく
>>407-408 凄い叩かれると思ってたから優しい反応に戸惑ってる…(つд`゚)
エンドレスエイトは書いたけどハイテンションユッキーになりそうだからやめて消失かサムディンを最後に持ってこようと思ったけどオチが浮かばなかったから断念しました。
ミステリックは10月だっけ?中間テストがいつぐらいにやるか思い出せない。
>>320 ポッキーの続き…というより朝比奈さんSSktkr!!
とても楽しませていただきました。
>>388 売ってないの? 今度名古屋のアニメイトに買いに行くつもりだったけど
行くだけ無駄かorz
妄想が止まらなくて他の事が手につかなくて書いたんだけど、
字数を見たら5000字弱。
しかも保管庫とネタがかぶってる上にエロく無い気がする。
でも貼る。私は謝らない。
415 :
1:2006/07/12(水) 11:41:32 ID:lZ+71hqb
運命なんてものはシャーペンの先についてる消しゴム程度にしか信じてないが、
世の中には巡り合わせってものがあるんだろう。
たまたま俺や長門は掃除当番だったし、古泉は特別補講の説明会とやらに出ていた。
いい気味だ。朝比奈さんについては学年が違うので何とも言えん。ともかく、
その瞬間にすっかりSOS団室になってしまった文芸部室に居たのはハルヒだけ、
あるいはハルヒとその玩具になっているであろう朝比奈さんだけであった訳だ。
もちろんたまにはそんな日もあるだろうし、すこーし経てば結局のところ全員が
団長様のところに馳せ参ずるのだし、取り立てて問題になるような状況ではなかった。
と、この時の俺は思っていた、というより何にも考えていなかった。もしタイムスリップが
出来るなら、思いつく限りの警告をこの時の俺にしてやりたい。せめて心の準備だけでも。
416 :
2:2006/07/12(水) 11:42:58 ID:lZ+71hqb
「キョン! 大事件よ。これはSOS団始まって以来、いえ人類史上でも稀に見る事件よ!」
団員限定だった全開スマイルで、我らが団長こと涼宮ハルヒは教室に舞い戻ってきた。
いや確かに出し惜しみはもったいないぜと思った記憶はあるんだが、安売りのしすぎも
もったいないと思うぞ?
「念のために確認しておくけど、あんた私との間に子供なんかいないわよね?」
いねぇよ。阪中も顔を赤らめてこっち見んな。
「私もそう思ったわ。つまりこれで決定的ね」
「だから何がだ。前にも言ったが文脈ははっきりさせてくれ。せめて主語は言ってくれ」
「未来人よ、未来人。私とキョンの娘を名乗る子が部室にいたのよ」
よかったな、ハルヒ。とうとう念願かなって未来人とご対面か。羨ましいなおい。
だから頼むから可哀想な目でこっちを見ないでくれ。大体だな、何でそいつが俺とハルヒの
娘だってわかるんだ。部屋にそのような方がいらっしゃった場合、決して敷居は跨がせずに
丁重にお帰りいただくのが筋ってもんだろうが。
…などと説得をしながらも、ああこいつはもしかしたら本当に生まれてもいない我が子と
対面しなきゃならないかもしれないんだなぁと考えだしていた。つまり2週間ほどの春休みは
これと言ったイベントも無いままに終了したし、平穏な日常の繰り返しを意図してかは知らんが
許さないのがハルヒの特徴なのだ。マンネリ化しつつある市内探索の再考を進言すべきだったか。
ハルヒが部室からはなれてる間に逃げててくれないかとまだ見ぬ娘かもしれない少女に願っていると、
「その点抜かりは無いわ。ちゃーんとみくるちゃんに見張ってもらってるから」
という本当に心強い言葉が返ってきた。
見張りに朝比奈さんでは問題外じゃないか、というのもこの場合プラスに働くのだし、万一未来的
プロブレムである場合それは朝比奈さんの管轄ではないか。
俺とハルヒの娘を名乗った謎の少女には、残念だが是非とも部室から居なくなっていて頂きたい。
もし本当に娘なら、そのうち会えるのを楽しみにしてるからさ。
417 :
3:2006/07/12(水) 11:44:43 ID:lZ+71hqb
はい、という訳で文芸部室到着。部屋の中には「はわわわわわ」と口で言ってるんじゃないかと
疑いたくなる状態の朝比奈みくるさんと、まあハルヒに良く似た娘さんが案の定いらっしゃった。
泣きそうになっている朝比奈さんは天使もかくやというほどにかわいらしくてよろしいのですが、
出来ればこの状況をなんとかしておいて頂きたかった。つまり、ハルヒそっくりのお嬢さんが
開口一番で「やっぱり昔もキョン君は間抜け面してるのね」とか言う可能性は排除しておいて欲しかった。
「ほらほらみくるちゃん、どうしてお客様にお茶をお出ししてないのよ。過去の人間が客人を
もてなさないと思われたらこの時代の名折れよ」
何時から見張りの業務にお茶汲みが加わったのだろうという俺の疑問は当然脇に置かれ、ハルヒによる
自称未来人の尋問が執り行われた。朝比奈さんはお茶を持ってきてくれた時に
「あの子を送り返すために申請はしたんですけどやっぱり拒否されちゃってぇ……」
と気の毒になるほどへこんでいらっしゃったが、それでもお茶の味に陰りが見えないのは流石と
いうか何というか。というか3年生がこんな所にいて大丈夫なんですか。
……それとお嬢さん、音を立てずに部室に入ってきた長門に対していきなり「有希ちゃん
って、私よりちっちゃかったのね」とのたまうのはやめて頂けませんか。
「……そう」
ノーリアクションかよ。
418 :
4:2006/07/12(水) 11:46:18 ID:lZ+71hqb
彼女が闖入して良かったといえる事は、「いやぁ、遅れてすみません」と見かけ爽やかに部屋に入ってきた
古泉が泡食った顔でどこかに電話している姿を見れた事だろうか。いやぁいい気味だ。
万能文化人型宇宙人端末もミステリマニアの解説要員超能力者も、第一発見者が他でもない
ハルヒ自身である以上ごまかしようがないらしく、どうやら世界はこのまま未来人を受け入れる方向で
進んでいくらしかった。もともとこいつが知らないだけで未来人はけっこう居たんだからいいんじゃないか。
投げやりになっていた俺の横で着々と尋問は進んでいたが、その子の名前すら聞き出せなかった。
「禁則事項」だそうだ。ただしどうやら俺とハルヒの娘であるという主張を譲る気はないらしく、
初めてキスしたのは夢の中だろうなどと暴露し始めた。今すぐ拳銃を探し出してお前が生まれる前に
俺の頭に風穴をあけるぞこの野郎。親殺しのパラドックスだ、どうだ。
「落ち着いてください。だいたい、夢の中はカウントされないんじゃないんですか?」
なんでだろうな、古泉。俺にはお前が地雷を踏んでいるような気がしてならないんだがな。
「古泉君も昔は頭が回ってなかったのね。あれは夢だけど夢じゃなかったのよ」
俺たちの娘であろう子供がハルヒのしゃべり方―つまり主語をいっさい省く形―を受け継いでい
て助かった。「夢だけど夢じゃなかった」て。ハルヒも赤い顔で考え込んでるんじゃねぇよ。
涼宮ハルヒが自分の能力に気づく事も無く、俺たちの娘はさんざん引っ掻き回してこの時代を後にした
―のだと思う。一瞬の隙をついて、SOS団室の扉をばたーんと開けて、ご丁寧にばたーんと閉めた。
「ごめんみんな、時間切れなの。あっちで会えるのを楽しみにしてるわ」などと言いながら。
慌てて後を追ったハルヒとその後を追った俺が見たのは無人の廊下だった。
未来に帰ったのでないなら、きっと生身で音速くらい超えられたんだろうな。
419 :
5:2006/07/12(水) 11:48:23 ID:lZ+71hqb
しばらく唇を前に突き出して渋い顔をしていたハルヒは、本日の解散を宣言した。未来人が次に訪れそうな
場所を考えてくるのが宿題だ。
「ああキョン、あんたは残って。用があるから」
というハルヒの顔は見えなかったが、きっと帰ったら死刑なんだろうな。俺としては宇宙人や未来人や
超能力者と善後策を考えなきゃならん気がするんだが。
3人が帰った後の部室は、どこか寂しげに見えた。それはハルヒがカーテンを閉めたからというのも
理由の一つなんだろう。いつもは夕日で暖められている部屋も、今は蛍光灯で冷たく照らされるだけだ。
…なんて詩的な事を考えていたら、ハルヒが鍵を掛けた。
何で、かか鍵を閉めるんですか?
俺の疑問は当然のように置いていかれたまま、ハルヒはセーラー服を脱ぎだしやがった。
「ほらキョン、何してるの。さっさとあんたも脱ぎなさいよ。……こっちだって恥ずかしいんだから」
よーし落ち着け、状況を見渡すんだ。鍵のかかった部屋で、客観的に見れば可愛らしい少女と二人きり。
主観的に見ると可愛いとか可愛くないとかそういう問題じゃなくなってくるんだが、とりあえずそれは
脇に置く。でだ。さらにその娘は服を脱ぎだしてる。ああ夢だな。思春期によくある夢だな。
夢じゃないなら完全に詰んでるじゃないか。
などと考えているうちにハルヒはすっかり脱ぎ終わっており、俺の選択肢から「鍵を開けて脱出する」
が消える。万一見られたらどうすりゃいい。停学か退学か。考えるのも恐ろしい。「状況に流される」は
間違いなくバッドエンド確定だし、俺に残されたのは「なんとか説得する」だけだ。裸のハルヒ相手に。
無理だろ、それ。
420 :
6:2006/07/12(水) 11:49:50 ID:lZ+71hqb
「頼むハルヒ、せめてこれから何を何のために何故やろうとしてるのか、俺にわかるように言ってくれ」
「決まってるでしょ! 子供を作るのよ……その、あ、あんたと、あたしで。」
顔を赤らめて俯いていうハルヒは、らしくなくてそりゃあもう可愛いと思ったんだが、出来れば
高校生としての身の丈にあったシチュエーションで見たかった。台詞も相応のものが良かった。
「どうして」
「いいキョン。あの子は私たちの娘で、それが未来から来たって事はあの子が生まれないと未来人が
この時間に来れないじゃない。あの子が早く生まれれば生まれるほど、時間旅行の実現が早まるのよ」
お前が早まるな。それと俺が上の空の間に間合いを詰めるな。
「それとも、あたしとじゃ嫌なの?」
俺の視線はハルヒの体を見ないように上の方を向いている訳で、必然的に潤んだ瞳やら紅潮している
頬やら形のいい耳やら桜色の鎖骨やらといったものが視界を占める事になる。だからだろう、ハルヒの
声が寂しげに響いたような気がしたのは。気のせいだ気のせい。
ともかく、その一瞬の間のおかげでロジックはできた。とりあえず首筋にハルヒが顔を埋めたり、その
唇が首と耳の辺りを行ったり来たりしているのは気のせいじゃないのだと思うが、俺としては回路が焼き
切れる前に急ごしらえの理論でハルヒを説き伏せなきゃならん。
話をするためにハルヒの肩をつかみ、腕を精一杯のばす。ああもう柔らかいな畜生。いつぞやの制服越し
とは段違いの触り心地で一瞬このまま抱きしめちまおうかという考えもよぎったが、俺並びにハルヒ、
そしてその子供の未来のためには本能に負けるわけにいかなかった。
「いいかハルヒ。高校生の身分で子供を産んだとしてだ。ちゃんと育てられるか? 無理だろ。食わせられる
ほど金は稼げないだろうし、社会の風当たりってやつもある」
「だから何だっていうの? 私はそれでもかまわないわ」
「お前だけじゃない。その、娘も苦労する事になるんだぞ。子供の未来まで親の都合でどうにかしていいのか。
エゴだろそれは」
ハルヒは目を落として、「でも」などと呟いていた。全くらしくない。
後になって思い返してみるに、俺の回路はとうに焼き切れていたとしか考えられない。じゃなきゃあんな
今すぐに日本海の崖に飛び降りたくなるようなことは言わないはずだ、と思いたい。とにかくその時の俺は、
「如何に現状を突破するか」という一点だけを考えていた。未来の俺に宿題を残す事になろうとも。
「いつかちゃんとお前とか食わせられるようになったら、そんときは子供だろうがなんだろうが手伝ってやる。
だから今は服を着ろ。で、帰ろう。もう下校時刻だ」
この時点で俺の言いくるめは弾切れだったが、ハルヒは納得してくれたようだった。心変わりが早いなおい。
「服着るから」
どうぞどうぞ。是非とも着てください。俺は後ろを向いているから。
「…服を着るって言ってるんだけど」
さっさと着たらいい。
「出てけ!」
パイプ椅子やらが飛んでくる前に、俺は文芸部室を飛び出した。ハルヒがドアの死角に居る事を確認して
からだ。というか何だ。今まで裸だったというのに服を着るのを見られるのが嫌だと申したか。わからん。
421 :
7:2006/07/12(水) 11:51:20 ID:lZ+71hqb
ハイキングコースを下りながらぼんやりとしていると、横手に居たハルヒが手を握ってきた。
その、いつものように手首を握りしめるのではなくて、手のひらと手のひらで。
いくら古い人間と言われてもいい。高校生の恋愛はこんなもので十分なのさ。
「ところでキョン、さっき言った事絶対に忘れんじゃないわよ」
俺としては一刻も早く忘れたいが、きっと忘れたら死刑なんだろうな。そんなに乱発したら死刑も
抑止力無くならないか。
「もし忘れたら―」
ハルヒは握っていた手を離し、3歩ほど前に飛び跳ねて振り返った。
「もし忘れたら、どんな手を使っても思い出させてやるんだから!」
*
ここまでです。お粗末様でした。
7になって突然キョンがハルヒに対する恋愛感情を素直に肯定してて(「高校生の恋愛は
こんなもので十分なのさ」)、若干違和感はあった。6までは「どう言いくるめるか」
ということに専心してるのに、その心変わりの瞬間が描かれていない。
それとも、キョン自身気づかないうちに肯定してたという演出なんだろうか?
それ以外は全てGJ。いきなり子作り始めようとするハルヒに笑ったw
そしてキョンのテンパり具合の描写が素晴らしかった。またなんか思いついたら投下してね〜。
>404-405
朝比奈さんと仲良くなりたい長門が新鮮だ。良
>>422 ヒント:キョンデレ
モノローグがキョンの全ての心情を解説しているとは限らない。
それが谷川クオリティ。
>>412 サンクス。ちゃんと投下できるよう頑張ります。
>>413 多分アニメイトなら売ってるんじゃない?
晴れハレとかとちがってあんま売れてなみたいだし
それでもキャラソンでこれだけ売れれば十分だと思うがな
>>421 エロに進まなかったのにこだわりを感じた。それゆえにか、キョンが非常に「らしい」
と思えたし、ハルヒも必要以上にデレデレせず、読み進めるのが楽しかった。
ただ、確かに
>>422の言うことも最もかなとも思う。ハルヒに対しての恋愛感情を
自覚しているが、もしかすると
>>424の言うように想像を促すようにされたのかも
しれませんね。個人的には、わざとすっとぼけたモノローグで締めても良かったかな
とも思います。そこからキョンが自覚するのはまた続きということで。
(これであなたの作品を私はまた読めるわけです)
428 :
427:2006/07/12(水) 15:32:14 ID:95QIQc/R
最も→尤もですorz
糞スレ乙
>>426 嘘つくなよ!! 今行ったら売ってなかったぞ!
まじでウザい氏ね
そんなことで怒るなよwwwww
Amazonでも使えばいいじゃん
読売の夕刊に...。
2chエロパロ板SS保管庫の管理人さんへ、
12-901様: 『涼宮ハルヒの思付』 01 がデッドリンクです。
434 :
433:2006/07/12(水) 16:10:36 ID:YQMiVAHd
と、今は普通に見れた…
スマン。
谷川流、初めて見た。イチロー凡退ショボーン。
王道はもちろん好きですが、同じくらいマイナーが好きです。
ハルヒ>朝倉=鶴屋さん>喜緑さん>その他
肉体的なエロスより、心の繋がりで悶えます。
絡みはキョンでも古泉でも谷口でも国木田でも岡部でも、鬼畜・グロとかじゃなければなんでも読みたい。
書き手の皆さん、保管庫の管理人さん、お疲れ様です。
感想書きたいのですが、どこかに感想スレッドがあると聞きました。
そちらに書き込もうと思うのですが、どなたかどこにあるか知りませんか。
>>432 俺は東京新聞だから分からん。
何があったかkwsk
初投下させてもらいます。
まとめて投下するつもりですが、途切れたら連投規制とかだと思うんでよろしくお願いします。
三月。
珍しくも意気消沈するハルヒを見た幽霊騒動も無事解決。
かと思えば、一日していつもの笑顔に戻った団長様に夜な夜な心霊スポット撮影ツアーに振り回され
大丈夫だとは思っていたが本物の心霊写真が撮れていないことにホッと胸を撫で下ろしたり
まあ、高校一年の最後もしんみりする間もなくいつもの調子であっという間に過ぎ去っていったのだった。
そして春休み。つかの間の休息時間なのだが特にする事も無く
隣でアホみたいにシャミとじゃれ合う妹ももう小六になるなのかと嘆きながら
ぼーっと春の選抜野球を見ていた。
センバツと言えば新二年生もチームの中心になるわけであり
同い歳なのに、することもなく寝そべっている俺とはえらい違いだな、なんて感じながら
もう高校二年、そろそろ進路や将来について考えなきゃならんのか・・・
などとたまには真面目なことを考えていると決まって誰かに邪魔されるものなのだ。
誰か、っていうのは俺の場合ほとんど一人に限定されるんだがな。
いつも通り突然の電話を受け、いつも通り仕度をして、いつも通りチャリで駅前に向かうわけである。
そしていつも通り待ち合わせは俺が最後のようだ、やれやれ・・・
季節は春、さらに今日はかなり暖かいのでハルヒも朝比奈さんも夏に近い恰好だ。
もちろん長門は制服であり、出会って一年近く経つが変わらないなと思うと少し笑いがこみあげた。
もっとも、中身は一年前のそれとは全然まったく違うんだろうがな。
突然の呼び出しに何をしようというのかと恐れを抱いていたが、定例の不思議探しだという。
「今日は時間が中途半端だからクジ引きは一回にしましょう」
急に集まったため喫茶店の時計はもう十一時を回っており
傍若無人のハルヒにしてはまあ妥当な判断である。
クジ引きが一回ということはこれから再集合の四時まで同じクジの相手と一緒なわけで
我らが朝比奈さんと一日デートなんて甘い想像をしながらクジを引いた。
一年前、朝比奈さんの告白を聞いた桜並木の道を歩く。
期待通り隣には一年前も一緒に歩いた、大学受験生より高校受験生に見えそうな可憐なキューピー・・・
ではなく、こんな小春日和にも地味な制服姿の読書少女でも無ければ
黄色のカチューシャが春の色に映えて不覚にもいつもよりキレイに見えてしまった我らが団長でも無く
必要が無ければ今回は全く触れないでおこうと思っていた
「おや、難しい顔して何考えてるんですか?」
一見すれば春らしい爽やかスマイルを振りまくニヤケ面であった。
こともあろうか、古泉と二人きりなるとはな。
せっかく朝比奈さんと心置きなくデート出来るチャンスだったのに、なんて考えていると
「僕と二人きりじゃご不満ですか?残念ですよ、僕はご一緒出来て嬉しいのに」
ちっとも残念そうに見えない笑いを見せていやがる、まったく不愉快だ。
「おっと僕に当たらないで下さいよ。今日の組み合わせは作為的なもののようですからね」
・・・
「・・・どういうことだ?ハルヒが願ったからこの組み合わせになったってのか?」
「おそらくそうでしょう。と言っても、今回は涼宮さん特有の力ではなくただのイカサマのようですよ」
またハルヒの奴が何か企んでるのかもしれないが、まあ異常事態とかでは無いようだな。
「そういうことです、機関からの報告も何もありませんしね。
せっかくですから男同士の休日を楽しもうじゃありませんか、お腹も空いてきましたし。
美味しいランチがある店を知ってるんですよ」
朝比奈さんとのデートを期待してしまっていた分、俺は少し不機嫌だった。
けどまあ、たまには良いかと思いながら古泉のオススメの店へと向かうことにしたんだ。
結果から言うと、ランチはものすごく美味かった。
値段も、サラダにライス付きステーキに食後のコーヒー(お替り自由)とケーキもついて千円と格安だった。
一見すれば雑誌に三ツ星レストランとかででも出てきそうな、高級な雰囲気のお店だったのにだ。
久々にこいつに感謝したかな。
「喜んでもらえたようで光栄です。このお店、ランチセットだけはものすごく安いんですよ。
ディナーの方は高校生にはとても手を出せる値段じゃないんですけどね」
古泉は二杯目になる食後のコーヒーを、いらつく位優雅に飲んでいる。様になるから本当にたちが悪い。
「しかもランチが安いことはまだほとんど知られてないんですよ。
普通ならどんどんお客さんが入れ替わるところですが、こうしてゆったり食後のコーヒーを楽しめるわけです。
ですが、直にランチのことは広まってしまうでしょうね。最近ちらほらOLさん達の姿などが目に付きます。
彼女達の口コミと言うものの伝達の早さは
インターネットがこれだけ普及した現在でも目を見張るものがあります。
ランチが混むようになったら、このお店も来づらくなってしまいますよね。
とはいっても僕はそんなには困らないんですよ。
美味しくて穴場のランチのお店を探すのは僕の趣味の一つなんです。
ランチというのも歴史があってすごく趣深いものなんですよ、というのもですね・・・」
三杯目のコーヒーのお替りを飲みながらどこで知ったのかというような事を延々と喋っている。
こいつは勝手に喋るから楽と言えば楽だな、なんて今更思いながら俺はデザートのチョコケーキを頬張っていた。
ステーキも美味かったがケーキもかなりのもので、甘党ではない俺でも何個も食えそうだ。
・・・思えばこいつといるのも慣れたもので、男の中じゃあ一緒にいることが一番多いのも多分こいつだろう。
SOS団の活動のせいで、休みの日に谷口や国木田と会うなんてこともほとんど無いからな。
「キョンよぉ、変態部の活動もいいがたまには街に出て都会の女の子と触れ合っとかないと後々後悔するぜ。
なにせ若さ溢れる高校生活は短いんだからな」
ふとどうでも良い谷口の言葉を思い出した。当の谷口の触れ合いなんかはたかが知れている、ほんの少し気の毒だ。
思えばSOS団に入ってなかったら俺はどうなってたんだろうな。
振り返ってみるとこの一年、部活動・週末・夏休み・文化祭・クリスマス・初詣・バレンタインデー・・・などなど
高校生として楽しんでおきたいポイントを、傍から見れば完全な美少女軍団であろう三人と
悔しいが傍から見れば同じように完全な美青年一人
いたって平凡な一高校生の自分を含めた計五人(最近は鶴屋さんなんかもよく入るが)でほぼ網羅しているのだ。
特に三人の美少女というのは、高校生としては見逃せないところであろう。
もし入ってなかったらどうだったか・・・学校終わりは谷口と国木田とゲーセンやらカラオケに行き時間を潰し
休日は谷口のナンパに一応付き合い、マニュアル通りにいかないことに気付かない奴の愚痴を国木田と聞いて過ごす
または、家でダラダラしていると寄って来る妹の遊びに付き合わされて、そのまま晩御飯で休日は終わり
・・・なんてとこだろう。そう思うと俺はかなり恵まれてるのかもしれないな。
もっともその分、恵まれてる分に比例しても足りないくらいの苦労や困難がつきまとうのを忘れてはいけないけどな。
とかなんとか普段はあんまり考えない思い出だとか「もし〜だったら」なんてことが頭に浮かぶのも
高校生活一年目が終わって俺も少ししんみりしているということなのかね。
不思議なもんで
十六年間で一番ものを考えて色々やった一年間だったが十六年間で一番早く過ぎた一年間のようにも感じた。
「おやおや、僕の話を全然聞いてくれていないと思ったら随分と遠い目をしていらっしゃいますね。
あなたも進級に当たって一年間を振り返って、楽しい分早い一年間だったな〜なんて思っているんでしょうか」
いつもながらこいつの洞察力みたいなものの的中率は嫌味以外のなんでもない。
隠してるだけでテレパシーの能力なんかも持ってるんじゃないだろうかね、気持ちが悪い。
「そんな言い方はないですよ。あくまで推察が僕の趣味なんですから」
わざとらしくおどけてみせてる、人の心の推察が趣味っていうのが気持ち悪いのだ。
「ふふ、その通りですよね。少し自粛したいところですよ」
まったくだね、期待はしていないが。
「ふふ。ははは、グスグス、ぷりぷり。おっと下品な笑いを見せてしまいました、失礼失礼。
話を戻しますと、この節目に一年を振り返るということですか。
春は前の一年を思い出し、また一年頑張ろうと思う季節ですもんね。
僕にとってもこの一年は特別なものでして、色々考えるトコロがありますよ。
本当に色んなことがあった一年でした」
そう言って古泉は四杯目になるコーヒーのお替りを飲んでいる、ミルクも入れずによくそんなに飲めるものだ。
なんだかまた長い話になりそうだな、やれやれ・・・と思ったが今日の俺はその話を聞こうかなんて思った。
春の穏やかさが俺の心まで穏やかにするもんなのかね。
この一年を通して、長門の無表情からあいつの感情や意思を汲み取ることが出来るようになってきた俺だが
同じように、いつもほとんど変わらない気味の悪い笑顔からも奴の感情を感じれるようになっているようだ。
色々考えるトコロがあると言った古泉の顔からは、なんだかいつもの笑顔とは違うものを感じたのさ。
そんなのがわかっても嬉しくないんだが、まあ時計はまだ一時を回ったところだしな。
集合の四時までの時間潰しには丁度良いはずだよ。
「僕が機関に入ったのが今から四年程前です。
当初はもちろん戸惑いましてね、ミステリーやSFは昔から好みでしたけど
実際自分が当事者になるというのは困りものですよ」
一年間に起きた出来事の感想なんかを喋り終わった後
古泉は五杯目のコーヒーをすすりなながらそんなことを話し始めた。
その気持ちは俺も理解できるかな、俺もいきなり異常の渦中に放り込まれたわけだからな。
「そうでしょうね、けれどあなたは異常に接することに関する才のようなものがあったんだと思いますよ。
能力が目覚めた頃の僕はそれこそ気が狂いそうですしたからね。
それに比べてあなたは落ち着いていたように感じられます」
言われてみるとそうだな。
三人の異常な話を聞いて朝倉に殺されそうになっても、自然とその異常を拒絶しようとは思わなかった。
「ふふ。
能力が目覚めてからの3年間は大変でした。突然黒塗りの高級車が来たかと思えば、お前は超能力者になったんだ
というようなことをいきなり言われましたからね。何故か自分でも自覚していたのが余計恐ろしかったです。
話を聞いた直後にいきなり閉鎖空間で最初の神人と対峙したんですよ。
そのことも自分で場所や時間がわかるので恐ろしいものでした。
異様な巨人に対して自分が何をすればいいのかもわかる。
もしかしたら、自分は何者かに操られていていいように操作されているんじゃないかなんて感じましたよ。
これは今でも時々思うことですね、なにしろ確認のしようがありませんから」
少しだけ古泉に同情した、考えてみるとこいつは俺が中学で呑気に過ごしていた頃から苦労していたんだよな。
それもこれもハルヒによるものなのだ、少しは当人にも反省してもらいたいところだね。
「あなたにそんなことを思ってもらえるなんて、苦労した甲斐があったと言えますね」
こいつはいつも良いところで余計なことを言うな、こっちの心を見透かして狙ってやってることなのかね。
なんて思っていると、古泉は少し遠い目をしながら続けた。
「今でこそ、そんなことは微塵にも思わないんですが
中学生時代涼宮さんの不機嫌に振り回されていた僕は彼女自身に恨みを持つこともありました。
当の本人には自分の一挙一動にこんなに苦労している人達がいるとは気付き様がないんですからね。
僕も遊びたい盛りの年齢でしたけど、年中大忙しのアルバイトでそれどころではありませんでした。
その頃は閉鎖空間以外の機関の仕事なんかも毎日のようにありましたからね。
僕の家は一般的な水準で言えば裕福な方でお金に心配することはほとんど無かったんですよ。
それなのにいつもアルバイトがあるから、と友達の誘いを断っていましたからね。
周りから見れば嘘を付いてまで断っていると見えたはずです、付き合いが悪いと思われたでしょうね。
突然ぱたりと誘われなくなりました。
涼宮さんのストレス発散である閉鎖空間での出来事が
気が付いたら僕自身の日常のストレス発散になっていたのは驚きですよ」
確かにな。よく知りもしない女の感情に自分の日常が振り回されれば俺でも発狂しそうだ。
「でもそうはならなかったんですよね。 最初はただのワガママに思えていた涼宮さんの感情だったんですが
何度も閉鎖空間に赴き彼女の気持ちに触れるにつれて、同情や共感のような感情が芽生えるようになりました。
その純粋さ故に感情が揺れているんだということを知ってしまうと。
僕以外の能力者が今でも嫌々を見せずに活動出来るのはこれが大きいでしょうね」
まあ、俺も憂鬱な顔をしたハルヒには思うところがあったからな。年中あれを見せられたらそう思うのかね。
「おっと、とは言え僕が彼女に恋している、なんてことは無いのでご安心を」
・・・
「それでもまだ中学生の僕には辛いものがありました、心を許せる友人がいなかったんですよ。
さっきも言ったとおり、学校の友人とは薄い壁のようなものがありました。
機関に属してから表面的な関係を築くのは得意になっていましたけど
能力や周りで起こることについて学校の友人に話したりするわけにもいかないですからね。
機関にもずっと年上が圧倒的に多い中にも同世代の男女がいるんですが
なにしろ組織の性質上、完全に信用し合うことは難しいんです。
今でもある程度確かな信頼が置けるのはあなたも会った新川さん等数人といったところでしょうか」
こんなことをこいつの口から聞くのは珍しい、こいつも柄にもなくしんみり昔を思い出してるのか。
「ふふ、そうなんですよ。
なにしろその三年間は今言ったようにまともな友人もなく閉鎖空間や機関の雑務をこなして過ごしてきました。
自分で言うのもなんですが、まだまだ子どもの中学生には大変すぎたはずですよ。
だからこそですね、この一年間の出来事は僕にとっても特別なものだったんです。
今までは間接的に見ていた涼宮さんをいきなりすぐ近くで観測する任務を任されたこと
その彼女に転校直後に声をかけられユニークな部活に入れられたこと
閉鎖空間での活動より大変かもしれない、けれど有意義な雑務に日々遣わされるようになったこと
そして、能力を持ってからはじめてまともな友人が出来たこと」
そう言って古泉は俺の目を見てきた、男同士でもこんなに真面目に見られると恥ずかしくなる。
「あなたにはそう思ってもらえないのが少し残念なのですが
涼宮さんや長門さん、朝比奈さんが思っているであろうものと同じくらい
僕はあなたに出会えたことにとても感謝しているんですよ。
涼宮さんが神である、というのは機関の中で有力な説ですが
僕としてはSOS団のメンバー全員に変化を与えて実質的な中心にいると言えるあなたが
もしかしたら神というものに最も近いのではないか、と思う時があります。
もちろんこれは冗談八割くらいの仮説ですけどね」
二割は本気で思っているのだろうか、まさか今度は俺を神様に仕立ててくるとはな。
「まあ今の話は照れ隠しのようなものですから。
他意のない友人として、僕はあなたに感謝しているんです。
もちろん最初は観測対象である涼宮さんが興味を抱いたということであなたに近づいたわけで
機関の命令次第ではあなたに危害を加えることもあったでしょうね。
もちろん今の僕はそんなことしませんよ?ふふ。
そう思わなくなったのは、あなたの涼宮さんに対する真摯な態度が影響してると思います。
彼女は一般的な目線から見て奇人だということを差し引いても、十二分に魅力的な人と言えます。
当初我々は、あなたはこの状況と涼宮さんの気持ちを利用してすぐ彼女に近づく、と予見していました。
砕けて言えば体を求めるはずだと思っていたんですよ。
あなたが健全な高校男児ということを考えればそれが普通ですし、
それで涼宮さんの観察が簡易になるなら仕方のないことだと僕も思っていました。
ところが、あなたの涼宮さんに対する態度はこの一年を通してすごく紳士的でした。
あまりにも紳士的なのでモヤモヤする時がありましたよ、五月や秋の映画撮影の時なんかは特に。
時には、早くくっついて僕たちを楽にしてくれ、とまで思ったり。
けれどその不器用さに、かえって僕は興味を抱かざる負えませんでした。
その態度が遠回りにでしたが涼宮さんの内面の変化をももたらしていましたしね。
気が付いたら僕もあなたの魅力に惹かれていましたよ、そして自然と多くを語る自分に気付いた。
自分が極度の話好きと気付いたのは最近なんですが、こうも色々と話せるのもあなたくらいです。
もちろんSOS団の美しい女性人の面々と過ごすのも年頃の高校生である僕には嬉しかったんですが
それ以上に、かけがえのない友人を得たというのは他に変えられないことです」
こうもストレートに感謝の言葉を述べられると、何とも言い返せないものだ。
顔は良いこいつにこんな風に話されたら大抵の女の子はコロっと落ちちゃうんじゃないかと思ったよ。
「というような感じで、それまでの三年が苦労ばかりだった分もあってかこの一年は実に有意義でした。
人生というものは長い目で見るとプラスマイナスゼロになるなんて話を聞きますが
この四年間の中にそういったものを垣間見ましたよ。
正直、これから先僕たちにどんなことが起こるのかはわからず不安な気持ちもありますが
今この楽しい時間があるということを実感しながら、楽観的に高校二年目を迎えたいと思いますよ。
それに、きっとこの先も楽しいことが沢山あるんでしょうからね」
そう言って古泉はいつものような微笑を見せた。
なんだかんだ言ってこいつもこの笑顔が似会うな、なんて恥ずかしいことを思っちまったよ。
「おっと、しんみりしていたら少し余計なことまで話してしまっていましたね。
十分話させてもらいましたし、思い出話はこの辺で終わりとしましょうか」
そう言って古泉は七杯目になるコーヒーを飲み干した。さすがに七杯もお替りはマナー違反じゃないのかね。
色んな意味でらしくないこいつを見た気がするよ。
「僕らしくというのも曖昧なものですよ。
本当の自分の姿、というのは周りはもちろん本人にもわかりかねることですから」
にやけながらそう語る古泉は少なくとも俺の思ういつもの古泉の姿だった。
話が一応終わったところで、タイミングを図ったように我らが団長からの電話が鳴った。
「四時まで少し残ってるけどもう良いでしょう。早急に駅前広場に来てちょうだい!」
とだけ告げて電話は切れた、ハルヒが丁寧な電話をかけれるようになるまでにはまだ時間がかかるのかね。
すっかり忘れていたが女三人組でイカサマまでして何をしていたんだろうな。
「さて、なんでしょうね。僕も詳しい概要まではわかりません。
ですが、今日も一応イベントデーですからね。」
俺にそういう趣味が無かったから触れられることが無かったが、今日は嘘つきの日、四月一日。
すなわちエイプリルフールなのである。
駅前広場でこの一年間の出来事が全部嘘だった、なんて聞かされたら俺でも心の底から驚愕することだろう。
「なるほど、そういったドッキリ企画をするよう涼宮さんに勧めるべきだったかもしれませんね」
全く趣味の悪い男だ、胡散臭いことばかりのこいつの場合一年中がエイプリルフールみたいなもんだな。
「とは言っても、涼宮さんがそこまでのことをするとは思えませんよ。
エイプリルフールという日は嘘が許される日と言われますが
これはあくまで小さい嘘、常識の範囲でのものが許されるんだと僕は思っています。
常識的な面を持つ涼宮さんが大々的な嘘やドッキリをするとは思えません。
ということで、特に進言もしなかったんですよ」
じゃあハルヒは一体何をしようってんだろうな。
「・・・まあここで考えててもわからんな、とりあえず行くとするか」
「そうですね。おっと今日は僕が奢らせてもらいますよ、いつものお返しです」
今日の古泉はいつもに増してよく喋っていた、ゲームや漫画じゃ死亡フラグが立つところじゃないか。
「おっと、それでは困りますね。重々気をつけて精進させてもらいます」
そう言って何故かウインクしていた。
そんなやりとりをしながら駅前広場に着いたのだが
「呼び出しといて、あいつらどこにいやがるんだ?」
ハルヒ達の姿は無かった。アクシデントに慣れきった俺の脳はあの三人がさらわれでもしたのか
なんて考え始めていたが杞憂だったようである。
「丁度今涼宮さんからメールがきましたよ。
”交番のおまわりさんの元へ向かいなさい、そしたら自然と道は開かれるわ!”だそうです」
もう帰れると思ったのにまた変なゲームに付き合わなきゃならんのか。
駅前集合で今日は解散となることを予想していた俺はこう言わないわけにはいかなかった。
「やれやれ」
448 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/12(水) 17:24:19 ID:nw0sobkm
交番に向かい、おまわりさんに声をかけたところすぐに一枚のメモ用紙を渡された。
「活発そうな女の子がいきなり飛び込んできたと思ったら
『爽やかそうな男と冴えない男の二人組が尋ねてきたらこれを渡してちょうだい』
とだけ言ってこれを置いて、こっちが言い返す間もなく飛び出して行ってしまったんだよ。
交番は遊び場所じゃないんだから、こういうことされると困るよ」
なんで俺がおまわりさんに怒られてるんだろうな、まったく。
十分位いろいろ聞かれ、一応謝罪して交番を出た。
「古泉、そのメモにはまたなぞなぞでも書いてあるのか?」
「そうですね・・・どうやら僕には解けないもののようです、あなたにお任せします」
古泉がわからないことが俺にわかるわけが無いと思って見たのだが
メモを見てすぐに一人の男に電話をかけた。
メモには”キョン、あんたがアホと聞いて最初に浮かぶ奴に連絡をとりなさい”と書いてあった。
「おお、キョンか。さっきいきなり涼宮のやつから電話がかかってきてな
あいつ『キョンから電話が着たらこう伝えなさい』
って用件だけ言ってすぐ切りやがったよ、面は良くても中身が伴わない女はダメだな」
アホの谷口、お前の理想の女性像について聞いてるヒマはないんだ、ハルヒの伝言を教えてくれ。
「なんだよなんだよ、お前ら急に電話してきたかと思えば俺はただの伝言係ですか。まあいいや。
えーっと”駅前の花屋でバラを購入せよ、ここで重要なのはバラ、これがあなたへのヒントの限界”だとよ」
なんだか感情がこもってないような、それでもクセがあるような独特な言い回しだ。
谷口に言ったのはハルヒだろうが、誰がその台詞を考えたのか丸わかりだな。
古泉が一輪のバラを買うと、店員さんが一枚のメモをくれた。
「活発そうな女の子がいきなり飛び込んできたと思ったら
『爽やかそうな男と冴えない男の二人組がブツブツ言いながらバラを買ってたらこれを渡してちょうだい』
とだけ言ってこれを置いて、こっちが言い返す間もなく飛び出していっちゃったわ。
あなた達高校生?なんだかよくわからないけど、楽しそうで羨ましいわ〜」
前半がおまわりさんの言ったことと同じだったんで、また謝らなきゃならないのかと思ったよ。
しかしこの女の店員さんは話好きのようで、結果的にはおまわりさんよりも長く色々と聞かれた。
また古泉が調子良く返答するもんだから店員さんも嬉しそうでな
店長らしき人に怒られるまで、ずっと今時の高校生の恋愛事情なんかを聞いていたよ。
「思いの外時間がかかってしまいました、さあ急いで次の場所へ向かいましょう。
僕一人でお邪魔するのははじめてですね」
半分は話を切らないお前のせいだがな。
メモには可愛らしく”キョン君のお家のキッチンに行ってみて下さい、お疲れ様です”
と、おそらく朝比奈さんのものであろう字で書かれていた。
我が家に帰ってもまた出なきゃならないのがわかっているのが口惜しい。
「お帰りキョンく〜ん、古泉君こんにちわ〜!
あのね、さっきハルにゃん達が来てね、『キッチンに連れて行って』って言ってね
わたしが連れてったんだよ〜!」
どうも喋り方が小六になる女の子のそれとは思えない、俺の教育が悪かったのかもしれない。
これからは厳しく教育せねばならんな。
「あなたの教育論にもとても興味がありますが、今はキッチンへ。
話の続きは是非今度聞かせて下さい」
古泉、お前にそんなことを言われるとは、いつもと立場が逆だ。ちくしょうが。
母親が出かけて誰もいないキッチンに着くと、またメモが置かれていた。
”ここで終点です、今までの経過を思い出した上で示される場所に来てなのね”
特に見覚えの無い字で書かれていた、語尾に少しだけ違和感を感じるが。
それよりも、だ。ん〜このメモに書かれている意味が俺にはわからなかった。
経過・・・交番のおっさん、谷口の愚痴、花屋のお姉さん、成長しない妹・・・なにも思い浮かばん。
大晦日の推理大会でもダメだったように、俺には推理の類の才能が無いようだ。
「では僕の出番ですね」
古泉に任せることにしよう、楽しそうだしな。
「長門さんのヒントも含めると、交番、アホの谷口さん、薔薇、キッチンがキーワードのようです。
僕はこの状況に似た推理漫画でのトリックを知っています。
おそらく、キーワードをアルファベットにかえて頭文字を順番に並べる、といったところでしょう」
こう簡単に言われると思いつかなかった俺にも簡単だったように思えてしまうから推理ってのは不思議だ。
交番、アホ、薔薇、キッチン・・・P、A、R、K
「park、か」
「そうです、色んな意味がある言葉ではありますがおそらくは公園でしょう。
僕たちの共通認識での公園というと、あそこになりますかね」
予想通り帰宅してすぐまた外へ出ることとなった。
行き先は、俺個人としては去年何度も足を運んだ公園だ。
公園に着く、もう七時近いので遊んでいる子どももおらずまったく人はいなかった。
中を見回してみるとベンチの上にわざとらしく一つの箱が置いてある。
まあここまできて迷うもことなく、箱を開けてみたんだが
「なんだこれは?」
俺は軽くキレそうになった
”なにも無いわ、無駄足ご苦労さんバカキョン”なんて書いた紙が入っていたのだ。
怒りの矛先を古泉に向けようか考えていたところ
ガサッ
朝比奈さん(大)が出てきた茂みから人が出てきたんで、俺は今までの経験から身構えてしまった。
同時にフラッシュが光った。
出てきたのは会うのが今日二度目になるハルヒ、長門、朝比奈さんと、何故か阪中だった。
「安心しなさい、その箱の中身は嘘よ。
今日はエイプリルフールだったからね、ちょっとしたドッキリ。
箱の中見た時と私たちが出てきた時のキョンの顔ったらおっかしかったわ〜、撮らせてもらったわよ」
疲れと怒りと驚きが混じった俺の顔とは大違いに、桜満開という感じでハルヒが笑っていた。
昼に古泉が言ってたことが当たったな、ハルヒのエイプリルフールの嘘はまあ許せるものだった。
すぐにネタバレされたんで怒りもどっかに行っちまったよ。
「だが、結局このゲームはなんだったんだ?」
俺が誰でもごく当り前に思うであろう疑問について聞くと、長門以外の三人が笑っていた。
「キョン、あんたは今日はおまけなのよ。ふっふっふ〜」
ハルヒが周りに目配せし、そしてクラッカーの音が鳴り響いた。
「ハッピーバースデー!古泉君!」
そこには笑顔の少女三人と、少しいつもと違う無表情をした長門とまだ状況がつかめない俺と
いつものわざとらしい驚きと違い本当に驚いたような顔をしている古泉がいた。
まったく知らなかったが、今日は古泉の誕生日だったらしいのだ。
もうご飯時ということで、古泉の誕生祝いも兼ねてファミレスで食事することになった。
プレゼントとしてSOS団からは何冊かのトリック大全集みたいな本や推理ものの本が
『有効活用してこれからも面白いトリックを考えてちょうだい』という団長からのお言葉付きで渡された。
阪中からはどこかの高級ブランドのものであろう、洒落た感じのブレスレットが渡された。
古泉は笑いながらそれらを受け取っていた。
いつもより自然な笑顔に感じたよ。
「今朝阪中ちゃんから、『古泉君が今日誕生日らしい』って電話が来たのよ。
団員の誕生日はしっかり祝わなきゃいけないからね、とりあえず集合することにしたの」
だから今朝は中途半端な時間に呼び出されたというわけか。
「そう、実は今日のくじ引きはイカサマを使わせてもらったわ。別れてすぐ阪中ちゃんとも合流してね。
それで再集合までに大急ぎで何をするかを考えたのよ、時間がないからちょっと簡素になっちゃったの。
前日に教えてもらえればもっと綿密に古泉君が好きそうな推理ゲームを考えられたんだけどね〜」
この短時間でこういうことを考えれるだけですごいと思うがな。
「と言っても実は、アイディアを出したのは有希なのよ。
トリックもみくるちゃんがプレゼントに選んだ本に書いてあったものを使わせてもらったしね。
私達四人が力を合わせて見事成功したわけ!それに比べて今日のキョンはこれよ」
にやけながらフルーツケーキに盛られている、おそらく洋ナシであろうものをフォークで差している。
余談だが、今日は団長が珍しく奢ると言い出した。こういう日のこいつは気前が良いんだな。
お祝いのケーキも付けていいわよ、なんて言って本当に嬉しそうだった。
今日の笑い顔はほんの少しだけみんなを見守るお姉さんのようにも見える朝比奈さん
いつもとほとんど変わらないがいつもより美味しそうにケーキを食べているように見える長門
古泉と話しながらたまに目が合うと顔を赤くしてうつむいている阪中
何故かハルヒにダメ出しされてる俺も、今日は嫌な気もせずにそれを聞いていた。
古泉の長話を聞き、女性陣のゲームに振り回される一日ではあったが、まあ
俺自身も含めみんな楽しそうだから良いか。
「今日は楽しかったわ〜、きっとみんなも楽しかったはずよ!
やっぱり何かしてみることが人生を楽しむ一番の秘訣ね、改めて実感したわ。
ということで、早速明日から学校が始まるまでの一週間は休みナシでSOS団の活動よ!
そう言えばお花見もしなくちゃいけないじゃない、新学期に向けた準備も必要だし。
みくるちゃん!勉強は夜やりなさい、受験生でも部活が最優先事項よ。
古泉君!今からでも間に合うわ、さっきの本活用してまた推理ツアーの予定立ててちょうだい。
有希!あなたの部屋の模様替えもするわよ、春らしくしないとね。
阪中ちゃん!あなたにも時々手伝ってもらうから気をぬかないでね。
キョン!三月中十分休んだはずでしょ、あんたはどうせ暇なんだから言い訳なんかさせないわよ!」
今日最高の笑顔を浮かべたハルヒの宣言を最後に、今日はお開きということになった。
楽しそうな面々を見て春の陽気のように穏やかになっていた俺の心だったが
今日の疲れを取る間もなく明日の朝からまた忙しくなると知り
さすがに「やれやれ・・・」とつぶやくしかなかった。
「不覚にも、自分自身の誕生日をすっかり忘れていましたよ」
夜道は危ないと阪中を送った後二人になった帰り道、夜空を見ながら古泉は嘲笑している。
「涼宮さん対策として一年の中のイベントになりそうな日は余す所なくチェックしていました。
それで今日がエイプリルフールとまでもわかっていて、自分の誕生日が思いつかないとは
新学期に向けて僕もまだまだ気を引き締めないとならないようですね」
この嘘付きの誕生日がエイプリルフールだなんて、それこそ嘘のような話だ。
「ある意味光栄な言葉ですよ、ありがたく頂戴します」
なんて言って笑っている。
「ですが、仕方無い理由があるんですよ。
三年間誕生日をまったく祝われることなく過ごしていましたからね。
自分でもほとんどどうでもよく思っていましたし」
俺の場合嫌でも母親や妹が誕生会をするからな、感謝しとかなきゃならん。
「それでも今日のことで、今までのことも全部良い思い出に出来てしまいましたよ。
無感動な誕生日が三回続いた分、今年の誕生日は本当に楽しませてもらいましたからね。
忘れていた分公園では本当に驚きましたし、実感した時嬉しかったですよ。
こういった驚きや喜びがあるからこそ、沢山の苦労があっても今の生活はやめられませんよ」
こいつはポジティブな野郎だなと思った、この時はそれが嫌な感じはしなかったね。
「そう言えば、結局俺は何もやれなかったな。何しろ誕生日だなんて知らなかったから、スマン」
こいつのことだからまた何か余計なことを言うのかと思っていたのだが
「なにを言ってるんですか。後付けではありますが今日は色々聞いてもらいました。
あの時間はあなたからのプレゼントのようなものです。
それにその時言ったじゃないですか、あなたとの出会い自体がかけがえのないものなんですよ」
さすがにクサい、勘弁してくれ。なんかやってもいいから。
「ふふ、それでは部室で遊ぶゲームの一つでもお願いしましょうかね。
今年もゲームに興じる時間も多くあるでしょうから」
そうだな・・・前向きに考えとくよ。
別れる間際、今日のことを思い出してふと思った。
普段から真意のわからないことを言う古泉だ、
エイプリルフールという日を生かさないわけがないと思う。
それに、俺はランチ後の古泉の話を聞いていて・・・まあどこもかしこも真実味が欠けると言えばそうだが
その中でも異様に違和感を感じた部分がひとつあったのだ。
「なあ古泉、お前今日嘘ついただろ?」
古泉は少し不意をつかれたような様子だった。
「・・・ほう、どうしてそう思うんですか?」
「なんとなくだが、そのとき感情がこもってない気がした」
古泉は少し考え、自嘲気味な微笑みを浮かべた後背を向けた。
春の風が後ろ姿の古泉の髪を揺らしていた。
「なあ、どうなんだ?」
そして少し間のあった後、古泉は振り返り人差し指を唇に持っていってこう言った。
「ふふ、禁則事項です」
以上です、長くなってすみません。
古泉中心の話が書きたかったため、キョン×古泉の友情を軸に書いてみました。
ヤマなし、オチなし、エロなし、さらに長い文ですが読んでもらえれば幸いです。
>>453 古泉とキョンの動きが実に面白かった、そして誤って割り込んでしまって悪かったorz
>異様に違和感を感じた部分がひとつ
あれはわざとだったのか。一本取られたw
長いのにサラッと読めてしまったな。実にいい。
>>453 最初はキョン×古泉を警戒して読み始めたけど、面白かった。
古泉の長話も退屈じゃなく読めたよ。GJでした。
古泉が実に古泉らしいと思った。
文章もくどさが全くなくてとても読みやすい。
>>453 個人的には、ここ数スレでもトップクラスの出来。
古泉の雰囲気がよく出てるし、キョンについても、古泉に対する普段の態度との違いが
わざとらしすぎず、自然な程度に表現されているのがポイント高い。
違和感の部分はあそこなんだろうな、と思いつつ。いいもの読ませてもらった。
ふむ、他の職人さんを見てると自分に自信がなくなってくるな。
特にキョンの長々としたモノローグとかが…
モブキャラに光をください。
>>453 非常に面白かった。古泉好きの俺にとっては実に嬉しい。でも、
>その中でも異様に違和感を感じた部分がひとつあったのだ。
これってどこのこと?すまん。こうゆうのはあえて明かさんのがセオリーなんだろうが、
どうしてもわからない。住人の皆さん教えてくれ。
どこだー。馬鹿な私にも教えて><
不自然な部分が分からない………。
候補は思いついたけど前後にそれらしい描写がないし……。
B○○t○d○yの話かな?
>465,466
「作者も親切な人ですね。手がかりをちゃんと書いてくれるとは。どんな鈍い
読者でも、 ・・・ くらいでピンと来ますよ」
投下するぜ
>468
流石古泉、誰も言わなかったことを平然と言ってのける…。
「ようやく終わったわね!これでSOS団の人気もうなぎのぼりね!」
その日俺たちは、ようやく「涼宮ハルヒの憂鬱」最終話の収録を終え、
劇中でも使われた例の喫茶店で打ち上げをしていた。
「たいへんだったけど意外と楽しかったですよねぇ。ふぇ〜。」
朝比奈さんがやっと肩の荷がおりた、と言わんばかりに気の抜けた声で言った。
ちなみにこのお方はどうしても俺に実年齢を教えてくれないらしい。
絶対年下だよな…。
「ええ。まさか僕もここまで人気が出るとは思いませんでした。一重に涼宮さんのおかげです。」
古泉がハルヒを調子付かせるような事を言う。
基本的に役柄と本当のキャラはほぼ同じだが、こいつは劇中でも現実でも本性が知れないやつだ
鶴屋さんは「古泉君ってホモっぽいよねっ。キョンくん、気をつけたほうがいいよ!」ととんでもない事を言っていたが、
孤島の時の俺を見る目は尋常じゃなかったように思える。
あんなに見つめるなんて台本には書いてなかったぞ。
「……」
長門は無言だ。しかしこいつの無口は劇中だけかと思ってたけど普段もそうらしい。
まさか部屋まであの通りなのではないかと思えてくる。
「ハレ晴レユカイ」のレコーディングの時の長門の歌いっぷりには驚愕したが。
別の日に撮ったハルヒダンス(巷じゃそう呼ばれてるらしい)の時も、
長門があんなに機敏に動くとは思わなかった。
「さあ、じゃんじゃん食べなさい!ホントはビールかけとかやりたかったけど一応未成年だしね、あたしたち」
ちなみにここにいない鶴屋さんや朝倉や国木田、谷口、新川さん、朝比奈さん(大)
などなどの面々は都合がつかず、別の日に改めて一緒に打ち上げる予定なのだ。
朝倉と鶴屋さんは劇中で絡まない分と仲がよく、新川さんと朝比奈さん(大)も
大人の付き合いをしてるみたいだ。森さんは女子大生らしい。
「いやーほんと、詰合の売上も上々だし、順風満帆ね!」
ハルヒが嬉々として語っている。しかしこれで終わりと思うと少し寂しい気もするな。
「キョン。あんたなに世迷言いってるわけ?」
俺は一瞬頭の上に?を浮かべ、次のハルヒの発言にまた忙しい日々を送る事になるのである。
「二期よ、二期!言ってなかったっけ?あ、あとみくるちゃんと有希のキャラソンも発売予定だから。
レコーディングはもう済ませたわ。古泉君、台本もってきた?」
「もちろん。どうぞ、みなさん」
古泉は何処からか台本を取り出し、俺たちに配った。どうやら知らなかったのは俺だけらしい。
しかもキャラソンだって?そんなものまでつくってたのか。
「二期は有希、あなたが主役の話をベースにやるわよ。あ、安心して。みくるちゃんの話もちゃんとあるから。
あと出演者にもオファーをかけてあるわ。阪中ちゃんとか」
新キャラも加えてますます加速するハルヒ大監督の勢いを止めるものはないらしい。
とりあえず今は―――――。
長門のキャラクターソングを聴いてみたいね。
>>465 >>466 可能性A:古泉の考えそうな事
可能性B:原作でのあの時の古泉の事を考えると…
可能性C:他の人の発言参照
とか。色々深読み出来る。
>>453GJ。
473 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/12(水) 22:43:56 ID:gD/mX8i9
こんなことして一位とって嬉しいのかね
わけがわからん
ファンを装ったアンチのイメージダウン工作だからスルー汁
>>462 ただの気分転換でしょ。元々男の人も多かったしね。
477 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/12(水) 23:15:09 ID:hevzWN+0
黒みくるがパシられたキョンを傘持って(?)迎えにいくみたいな
黒いけど純愛みたいなSSあったっけ?
>>477 保管庫に似たようなのはあったと思うが。
10-347様: 『rain after rain』
これだね
さんくす
>ある春休みの一日
・・・これだ!
心があったかくなる、こういう話が読みたかったんです。
作者さん、ほんとにありがとう。
気が向いたら、今後もぜひお願いします。
ちょっとネタが思い浮かんだから投下。
16-116です。
保管庫の方、いつも乙です。
題名は「谷口の告白」
エロなし。ジャンルはギャグ…かなぁ?
本編に4レス。あとがきに1レスいただきます。
では投下。
中学時代
2年
7月某日
相手・涼宮ハルヒ
電話にて
涼宮「はい。涼宮です」
谷口「谷口と申しますが、ハルヒさんは…」
涼宮「私よ。…何の用?」
谷口「(深呼吸)…おい、涼宮、オレと付き合ってくれ」
涼宮「別にいいわよ。で、何するの?」
谷口「セッ…っと、映画でも見に行かないか?今流行りの超能力ものやってるじゃんか」
涼宮「で、いつ?」
谷口「明後日。日曜だし、どうだ?」
涼宮「いいわよ、別に。ところで、超能力者っていると思う?」
谷口「あ?そんなのいるわけねーじゃん。テレビのは全部トリックさ。んなの信じてるバカがいたら見てみたいね」
ガチャン(電話を切られる)
谷口「…あれ?もしもーし?…切られた?」
谷口リダイヤル。
涼宮「…はい。涼宮です」
谷口「谷口だ。おい!?いきなり切んなよ!」
涼宮「ねえ、谷口。超能力者はいないのよね」
谷口「ったりめーだろ。あんなのがその辺にいる世界なんてオレはごめんだね」
涼宮「付き合うのはなしよ」
谷口「…あ?いきなり何なんだそれは?わけわからん」
涼宮「私、普通の人間に興味はないの。ましてや心から否定する人なんて願い下げよ」
谷口「…ハァ?…なんだそりゃ?…ギャグか?」
涼宮「普通の人間の相手をしてる暇はないの!」
ガチャン(また電話を切られる)
谷口「…わけわからん…」
備考:涼宮ハルヒに振られた最短記録1分5秒を更新。
後にこのことを知られた級友たちにはメンツを維持するために1時間とうそぶく。
だがバレる。5分に訂正。
2年
12月某日
相手・涼宮ハルヒ
電話にて
涼宮「はい。涼宮です」
谷口「…涼宮か?谷口だ」
涼宮「…何の用?」
谷口「付き合ってくれ」
涼宮「………いいわよ。で、何するの?」
谷口「セックス!(やべ、本音が)」
涼宮「…あんたたち、あたしをどういう目で見ているわけ?(どいつもこいつも人を売春婦みたいに!!)」
谷口「え?頭のおかしい尻軽ヤリマン女(ピュアな心を持ったとっても可愛い純真無垢な女の子。あ、間違った)」
ガチャン
備考:振られ最短記録15秒。自分で更新する。だが、これを公表することはなかった。幻の記録である。
3年時
相手・各学年の可愛いと評判の女子(涼宮ハルヒ以外)
特筆すべき事項もなく、全て玉砕。
高校時代
1年
4月某日
相手・長門有希
放課後の文芸部室
谷口「初めて見たときから気になっていた。好きだ、長門さん。オレt」
長門「嫌」
谷口「付き合っt」
長門「嫌(……当該情報の情報連結の解除を申請する)」
谷口「…………うわぁぁぁぁん!」
長門「(……当該情報の逃亡を確認。申請中止)」
5月某日
相手・朝倉涼子
放課後の1年5組教室
谷口「あ、朝倉さん!好きだ!オレと付き合っ」
朝倉「ごめん、それ無理」
谷口「…ぐ、キミのためなら死ねる!それほど好きなんだ!」
朝倉「じゃあ死んで」
谷口「ストレート!うわぁぁぁぁん!」
6月某日
相手・新任の若い英語教師
放課後の校舎裏
谷口「先生! I love you!」
先生「Go to the hell. 」
谷口「…?なんて意味ですか?」
先生「ごめんなさいって言ったの」
谷口「岡部よりカッコイイのにー!うわぁぁぁぁん!」
岡部「谷口、ちょっと職員室に来なさい」
谷口「げ……」
7月某日(夢の中)
相手・ショートカットの背中美人
二人だけの廊下
谷口「そこのショートカットのキミィ!オレと夏休みに甘いアバンチュールをどうだい!?」
古泉「(振り向く)…ひょっとして僕に言ってますか?」
谷口「…………(硬直中)」
古泉「いいですよ。なんでしたら今すぐにでもそちらの保健室で……フフフ」
谷口「ギャァァァァーーーー!!」
8月某日
相手・ショートカットの童顔の愛らしい娘
街角でナンパ
谷口 「ねーねー、か〜のじょ〜。オレと一緒に…」
国木田「…谷口、それは何の冗談かな?本気でやめて欲しいな」
谷口 「………(硬直中)」
国木田「それにそんなやり方じゃ女の子はついてこないよ?」
谷口 「………(硬直中)」
国木田「それじゃ、がんばってね」
国木田の去っていく方向に可愛い女の子。二人合流して楽しそうに歩いていく。
谷口 「裏切り者ー!うわぁぁぁぁん!」
9月某日
相手・大人びた可愛い女の子
放課後にナンパ
谷口「ね…」
吉村(ダッシュで逃げる)
谷口「まだ、何もしてねーじゃんかー!」
後日キョンの家
妹 「不審者が出たんだってー」
キョン「…最近物騒だな…お前も注意するんだぞ。知らない人には絶対ついていっちゃダメだぞ」
妹 「知っている人は〜?」
キョン「ハルヒたちなら別にいいが、谷口だけは絶対ダメだ。わかったな?」
妹 「あの変な顔の人〜?」
キョン「そうだ。あのスケベ面の男だ。ああいうのには近づいちゃダメだぞ?」
妹 「は〜い」
10月某日
相手・軽音楽部3年生
中庭
谷口「文化祭のライブ最高でした!付き合ってください!(見てないけど)」
榎本「…………(無視)」
谷口「…え、と。あの曲よかったですね!…恋のミクル伝説!」
榎本「……年下には興味ないの」
谷口「うわぁぁぁぁん!」
11月某日
相手・清楚な2年生
生徒会室
谷口「その清楚なふいんきにメロメロです!好きです!付き合っt」
喜緑「ごめんなさい」
谷口「ふ、フワフワの髪が素敵ですね!」
喜緑「…ごめんなさい」
谷口「せ、生徒会長よりオレのほうがカッコイイでしょ!?」
会長「生徒会室でナンパとはいい度胸だな、1年」
谷口「し、失礼しましたー!」
喜緑「(情報連結の解除を…逃げられました)」
12月某日
相手・学園のアイドル朝比奈みくる
谷口 「ず、ずっと好きでした!オレと付き合ってください!」
みくる「ご、ごめんなさい。私、誰とも付き合うわけにはいかないの…」
谷口 「…そ、そうですか。…ハ…ハハハ」
みくる「これからもキョンくんのお友達でいてあげて下さいね。えっと…国木田くん」
谷口 「うわぁぁぁぁん!」
1月某日
相手・天才肌のお嬢様
屋上
谷口「鶴屋さん!好きです!!オレと付き合ってください!」
鶴屋「なっはっは!おもしろい冗談だね〜。キョンくんの友達くん」
谷口「いえ、あの、冗談ではなく…」
鶴屋「みくるに先月告白したの知ってるだよ〜?その辺どうにょろ〜?」
谷口「やっぱりオレとでは釣り合いませんね。ごめんなさい、さようなら!」
鶴屋「…逃がすと思うかい…?」
谷口「ド、ドアが……開かない!?なんで!?」
鶴屋「さ〜て、みくるにおいたする悪い子におしおきの時間にょろ〜」
谷口「ギャァァァァーーー!!折れる折れる折れます〜!!!」
2月某日
相手・かっこいいOL
街角でナンパ
谷口「そこのカッコイィおねぇさ〜ん。オレと一緒にぃ、あそばな〜い?」
森 「いえ、結構です(尾行の邪魔ですね)」
谷口「そんなこと言わずにさ〜、ちょっとだけ。お茶だけでいいから!ね?」
森 「……新川。10分以内に」
新川「は。承知しました」
谷口「あれ?このゴツイおじ様はどこから?え?どこに行くの?」
新川「…なかなかいい体をしてますな、少年」
谷口「え?あれ?…なんで顔赤いんですか?あれ?そっちビルの陰で…ちょ、ま、まさか」
新川「…すぐ済みます」
谷口「7月の夢はこれの予知夢だったのかーー!助けムガーーー!!」
森 「…対象の尾行を継続します」
3月某日
相手・クラスメイト
放課後の教室
谷口「…阪中、好きだ!この1年ずっと見てきた!もうこの気持ちを抑えられない!付き合ってくれ!!」
阪中「え…?あ、あの…いきなりそんなこと言われても…」
谷口「大丈夫だ!ずっと大事にする!オレは本気でお前が好きなんだ!」
阪中「え?で、でも、お兄ちゃんとお父さんが…」
涼宮「うりゃあっ!」
谷口「げふをっ」
涼宮「純情な阪中さんまで毒牙にかけようなんて、あんたとうとうそこまで落ちたの、谷口」
阪中「す、涼宮さん…」
涼宮「さ、行きましょ。こんなのと付き合ったら傷物のボロボロにされて捨てられるのがオチよ」
阪中「う、うん。ごめんね、谷口くん」
谷口「…………(気絶中)」
2年へ続く。
以上ッス。
4/4だったのに2/5とか間違えた…
谷口…ダメだ、お前は。
いや、アグレッシブさは評価出来るけどな。
dデモ女ばかりに声をかける才能は長けてるんだなw
これまでに見た事ない意欲作w
チャック谷口に続く、フラレ谷口シリーズの時代が来る?
谷口「キョン・・・実は俺・・・」
キョン「だが断るッ!」
谷口「まだ何も言ってないのに!ウワァァァァン!モウコネーヨー!」
みたいな?
変な女が好き、とか他人を間違っても揶揄できんなw
感想感謝。
谷口は遊びで動かすと何気に動かしやすいなぁっと。
しかし毎月告白させなくてもよかったかもしれん。
ちょっとクドくなったのには反省。
そういや、クリスマス以降の本物の彼女のこと忘れてた…
でも谷口は裏がありそうなキャラでもあるんだよなー。
中学からハルヒをマークしてるし、
朝倉VS長門の直後に姿を現したり、
なんか不審なところがある。
だが、谷口だぞ・・・
谷口「長門さんと朝倉の声、放課後の教室……ハァハァハァハァ辛抱たまr」
何度読み直しても
>>453のしかけた「異様な違和感」に確信が持てない俺。
5回くらい読んだところで、なんとなく目星はつけたんだが……。
なんか、さらっとわかった人も多いみたいでちょいと悔しいわ。
原作本の『涼宮ハルヒの消失』を読むべし
>>496 「阪中さんがハルヒに〜」
と古泉の「禁則事項です」でおそらくは・・・
お二方、ヒントどうも。どうやら俺の考えてたところで正しかったようだ。
ありがと。
言われるまで忘れてたけど、そう言えば『消失』の古泉って(以下禁則事項)
ようするに古泉は『禁則事項』が『禁則事項』でそれが『禁則事項』なんだよ。
俺もさっき気付いた。
投下させていただきます。
6レスほどです。
エロなしです。ご注意のほどを。
ここは何処だろう。
「やっほー!」
ドアが吹っ飛んだ、じゃなくて凄い勢いで開いた。大きな音が響いて、僕は思わず耳を塞ぐ。
現れたのは、見た事のない女の人だった。目を見開いて僕の方を見ている。何となく怖い。
「……あんた、だれ?」
そっちこそ。
「ちょっと有希、誰よこの子」
「……親戚」
後ろを振り向くと、窓際の椅子に別の女の人が座っていた。僕はとても驚いた。今まで全く気付かなかったからだ。
「親戚って、有希の?」
「そう」
怖い女の人が顔を近づけてきた。果物のような甘い匂いがする。僕は少し気恥ずかしくなって目を逸らした。
「何か、見たことあるような気がするんだけど……」
「気のせい」
怖い女の人が僕の顔を凝視してくる。思わず一歩後ろに下がった。女の人も一歩前に出る。下がる、出る、下がる、出る。
とうとう壁際まで追い詰められた。死ぬのかもしれない。
しかし、怖い女の人は怯える僕を見てにっこり笑うと、思っていたよりもずっと柔らかな右手で僕の左手を握り締めた。
「私は涼宮ハルヒよ。あんたの名前は?」
自己紹介。僕も自分の名前を言わなくてはならない。
「僕は」
――ノイズ 修正 可決
「わかんない」
「……珍しい名前ね」
「事情がある。深く聞かないで欲しい」
いつの間にか窓際の女の人が横に立っていた。
「そう……まあ、名前なんてどうでもいいわ。仲良くしましょ」
涼宮ハルヒは僕の手をぶんぶん振り回す。
そのまましばらく玩具みたいにされていると、今度はゆっくりとドアが開いた。
「あ、お二人ともこんにちは」
現れたのは、絵本の中から出てきたような天使だった。僕は何となく涼宮ハルヒの背中に隠れる。
「あれ? その子、誰ですか?」
「有希の親戚らしいわよ」
「え? な、長門さんの、親戚……ですか?」
「そう」
天使は窓際の女の人、多分長門有希という名前なんだろう、とにかくその人にじっと見つめられている。
「親戚」
「ひぅ、そ、そうなんですかぁ!」
何故だか天使は怯えている様子だった。
天使は、みくるちゃんという名前らしかった。
「わぁー、かわいいですねー」
みくるちゃんはそっと僕を抱き上げる。涼宮ハルヒとはまた違った、お菓子のように甘い匂いがする。
「おいくつなんですか?」
「五歳程度」
僕のかわりに長門有希が答えた。その間僕といえば、お母さんより大きな胸元に抱きしめられて何だか幸せな時間を過ごしていた。
そんなヒマラヤの難峰ギャチュンカンも真っ青の大層なものを押し付けられると俺の約一部分が全身麻酔に打ち勝つほどのアドレナリンを
――ノイズ 修正 可決
そういえば、お母さんは今どうしているのだろうか。僕は何となく不安になった。
「あれ、もう皆さんお揃いでしたか。遅くなってしまって申し訳ありません……おや?」
今度はカッコいい男の人が入ってきた。僕も大人になればあんな風になるのだろうか。
それからまたさっきと似たようなやりとりが繰り返され、古泉くんと呼ばれているその男の人は何だか複雑そうな笑顔で僕を見ながら、「災難ですね」とこっそり呟いた。
「そう言えばキョンがまだ来てないわね。何やってんのかしら、暇人のくせに」
キョン。何かの動物だろうか。以前見た怪獣図鑑に似たような名前が載っていた気もする。
「彼はもう帰宅した」
長門有希が、読んでいる本から顔を上げずに言う。
「急用ができたので先に帰らせてもらう、という伝言を頼まれた」
キョンは帰ったらしい。残念だ。見てみたかったのに。
「何ですって! あいつ、団長に無断で欠勤なんていい根性してるわ。週末の活動費はキョンの奢りで決定ね」
キョンはお金持ちらしい。カネゴンのような奴なのかもしれない。
その後、僕はみくるちゃんの膝に座りながら、古泉くんと一緒にカードゲームをして遊んだ。
「おや、負けてしまいましたね。あなたから白星を勝ち取る絶好のチャンスだと思ったんですが」
残念です、という古泉くんの声はちっとも残念そうに聞こえなかった。
「そろそろ帰ろうかしら」
僕の顔を散々弄んでいた涼宮ハルヒは、そう言って僕を床に下ろした。
「あんた、なかなか見所があるわよ。もうちょっと大きくなったらSOS団の団員にしてあげるから、また遊びにいらっしゃい」
SOS団が何かはよくわからないが、涼宮ハルヒと遊ぶのはとても楽しかったので、僕は頷くことにした。
それを見て満足そうな顔をした涼宮ハルヒは、来た時と同じようにドアを吹っ飛ばして帰った。少し寂しかった。
「それでは僕も失礼させていただきます」
古泉くんも席を立つ。
「また明日、お会いしましょう」
僕に向かって笑顔でそう言うと、テレビドラマの俳優みたいな動作で扉を閉めた。
「じゃ、じゃあ私も着替えようかな」
みくるちゃんは、ずっと本を読み続ける長門有希の方を、ちらちら見ている。
「な、長門さん。今日はまだか、帰らないんですか?」
どうやらみくるちゃんは長門有希の事が怖いらしい。
長門有希は本を閉じると、僕の方を見て言った。
「どうする?」
どうしよう。外はもう薄暗い。そろそろ家に帰らないと怒られるんじゃないだろうか。
いや。僕は思い出した。今家に帰っても、僕を心配してくれる人はいないんだ。
「帰りたくない」
「……そう」
長門有希は立ち上がる。
「なら、私の家に」
僕は頷いて、差し出された長門有希の手を取った。
最後に頭を撫でてくれたみくるちゃんと別れて、僕は長門有希の家に来ていた。
相変わらず大きなマンション
――ノイズ 修正 可決
初めて見るような大きな建物に、僕は少しだけわくわくしていた。
長門有希はそんな僕の手を引いて自分の部屋の中まで案内すると、どこかへ行ってしまった。
何にも無い部屋だ。僕は田舎の使われなくなった納屋を思い出していた。
その内いい匂いがし始め、僕が鼻を鳴らしていると、長門有希が大きな皿に大盛りのカレーライスを乗せてやってきた。
「夕飯」
カレーは好きだが、こんな量のカレーは見たことが無い。お父さんでもこんなには食べないだろう。
これはカレーとは別の名前を考えた方がいいのではないだろうか。例えばフジマウンテンとか、等と考えていたら、長門有希が少し寂しそうな感じのする目で僕を見ているのに気付いた。
僕は慌ててスプーンを掴みカレーっぽい山を切り崩すと、がむしゃらに口に運び始めた。
長門有希はそんな僕をじっと見てから、自分の山を切り崩し始める。
結局僕は二合目で口から茶色い何かを噴出しながら脱落し、残りは全て長門有希が食べてくれた。僕は長門有希のことを尊敬し始めていた。
「汚れている」
指差された口元を手でこすると、茶色いものがべったりとくっついていた。
ティッシュを探そうとする僕を、長門有希はいきなり抱え上げる。そのまま僕はお風呂に連れて行かれた。
「脱いで」
人の家のお風呂を使うのは少し気が引けたのだが、無表情で僕を見つめる長門有希に促され、僕はいそいそと服を脱ぎはじめた。
そして、僕が最後の一枚を脱ぎ捨て振り向くと、何故か長門有希も脱ぎ始めていた。
僕は混乱した。文字通り雪の様な白い肌が眩しい。いやそうじゃなくて見るな俺! いかんぞいかん。けしからん。こういう時はどうするんだっけ、たしか般若心経を
――ノイズ 修正 可決
長門有希は身体にタオルを巻くと、そのまま僕の身体をお湯で流し、一緒に湯船の中に入った。
お母さん以外の女の人とお風呂に入るのは初めてだったので、僕は少し緊張していた。
お母さん。お母さんは、大丈夫だろうか。拗ねる僕を見て、少し寂しそうに笑っていたお母さんの顔を思い出した。
「帰りたい?」
目の前には長門有希の顔がある。黒くて綺麗な瞳の中に、小さな僕が霞んで見えた。
帰りたい? 帰りたいのだろうか。今帰っても、誰も僕の相手をしてくれる人はいないのに。
「もうすぐ妹が生まれるんだって」
お父さんもお母さんも嬉しそうにしている。勿論僕だって嬉しい。でも、少し寂しかった。
「お母さんが入院してるから、家に帰っても誰もいないんだ」
「そう」
寂しかった? そう、寂しかった。でもそれよりも、もっと何か……
「あなたは」
長門有希が、僕の頬を撫でてくれた。
「いつも、正直ではない」
そう。それでもやっぱり、妹が生まれるのは楽しみで、いつもそわそわしながら急いで家に帰っていたんだ。
そうだ。妹だ。
妹は、いつ生まれるんだったっけ。ひょっとしたら今日だったかもしれない。
生まれる。どうするんだっけ? たしか電話が鳴って、タクシーで病院に……
「僕、帰らないと!」
――ノイズ 修正 ダメだ、病院に行かないと 否決
――再修正 ああ、うるさいなもう 否決
――再修正 俺は帰らないといけないんだよ! 否決
「長門!タクシー呼んでくれ!」
それだけ叫ぶと、俺の意識は暗転した。
目を開くと、無表情な顔をしながらも残念そうな目を俺に向けてくる長門が見えた。
「おい、長門」
「なに」
「確かに俺は、子供の頃に戻れたらなー、なんて事を言ったよ。それは認める」
「そう」
「そんでもって、できればテストなんてこの世に存在する事すら知らないぐらいの頃ならベストだね、なんて事も言った。これも認める」
「そう」
「さらに、妹が生まれる前ぐらいなら、きっと俺の身体は何者にも縛られず自由の空を飛び回っていた筈だ、とも言った。間違いない」
「正確には、大鷲のような気高さと共に汚れ無き翼をはためかせ秩序の鎖を引きちぎり自由の空を飛び回っていた」
「そう、それだ。でもな、だからって、本当に俺を子供に戻すなんて事はしなくても良かったんじゃないか?」
長門は首を傾けている。こいつ、わざとじゃないだろうな。
そう、俺は確かに今回のテストの成績が宗教戦争当時のハイデルベルク並に壊滅的だったため、放課後の部室で現実逃避がてら長門に自分のちょっとしたファンシーな夢を聞かせていたんだ。
そして俺が「はは、何てな」などと言いながら告白してはみたもののこれは無いなよし冗談って事にしよう、みたいな曖昧な笑顔を窓際に向けると長門の姿はもうそこには無かった。
何故ならその頃には既に俺の腕に噛み付いていたからだ。
そんなわけで、俺はなんとびっくり五歳児に逆戻り。一昔前の漫画でもこれだけ無茶な展開のある話は少ないぞ。
「というか、お前所々無理矢理俺の心に介入してただろ」
長門はしらっとした目をしている。成長したなぁ長門。
視線を少し下に下げると、透けたタオル越しにうっすらと桜色に染まった白い肌が見える。
タオルを押し上げる二つの丘は、俺の妹より少しあるぐらいか。そこはまだまだだなぁ長門。
「……って、うおわぁ! お前殆ど裸じゃないか! 俺なんて全裸だし! な、長門! 目瞑っとくから早く上がってくれ!」
でないと色々な意味で大変な事が起きてしまいそうな気がするぞ!
長門の気配が脱衣所から消えるまで、俺は般若心経を唱えながら顔をお湯の中に突っ込んでいた。色即是空である。
何故か脱衣所には俺の制服が丁寧に畳まれており、俺はそれを着込むと、寝巻きに着替えて置物のように座っている長門の向かいに腰を下ろした。
「風呂貸してくれて、ありがとうな」
「いい」
「夕飯も食わせてもらって」
「構わない」
「あと、俺の頼みを聞いてくれて」
何となくこいつの方が楽しんでたような節もあるけど、もともと俺が言い出した事だしな。感謝するのが筋ってもんだろ。
しかし長門、本当に何でもありだな。
今度ハルヒでも小さくしてもらって、何とかあいつの青信号が三つ揃った直行馬鹿に一つぐらい黄色を塗りたくってみるか。
出されたお茶を飲みながらそんなことを考えていると、もう外の暗闇も深まっている事に気付いた。
「じゃあ、そろそろ帰るな」
俺は腰を上げる。
「そう」
長門も立ち上がって、俺を玄関まで見送ってくれる。
「じゃあ、長門」
これまた何故か用意してある俺の靴を履きながら、俺は振り向いた。
「また明日な」
長門は頷いてゆっくりとドアを閉める。俺以外誰もいない廊下に、しばらく音が木霊していた。
さて、長門の家を出た俺にできることといえば、せいぜい自分の家に帰るぐらいのもんなんだが、正直かなり帰りづらい。
結構遅くなっちまったし、晩飯も食えそうに無いしな。
成績表見られたらまた怒られるだろうな。下手したら塾という名の牢獄に入れられるかもしれん。
いや、待てよ。俺の放課後及び休日は既にSOS団に支配されているんだったな。
団員である俺が塾なんてもので活動に参加できないと知れば、ハルヒがまた台風並に大暴れして有耶無耶にしてくれるに違いない。
珍しくあの爆弾娘の導火線に自らマッチを近づけたくなってきたぞ。我ながら現金な男だぜ。
でもそう責めないでくれ。多分いつもどおり俺が一番近くで爆風を浴びる事になるんだからな。
そんな事をつらつらと考えながらも、俺の足は自然と家の方に向かっていた。
まあ、子供の頃にだってそれなりに悩みはあったわけだし、今さらテストの成績で怒られるぐらい慣れたもんさ。
妹だって生まれてみればどうだ。泣くわ喚くわ遊んでくれとせがむは、寂しがる暇なんてあったもんじゃない。
右手にぶら下げた洋菓子店の名前入りの箱に気を使いながら、俺はゆっくりと夜道を歩く。
あいつ、晩飯食いすぎてなきゃいいけどな。
>507
ちょっとナニコレ!?
ちびキョンと長門一緒に風呂!?
ウラヤマシス
いやそもそもお姉さんぶる長門に心臓を貫かれた。GJ杉。
誰かちびキョンのAAを。
>>507 (・∀・)イイヨーイイヨー
感情を取得しつつある長門が良い味出してますな。
あと、タイトルから全然展開が予想できなかったのもスゴイw
てゆーか、なにげにアスタリスクごっこを
長門がしているのも谷川作品絡みで面白いですねw
>>430 パソコンか? パソコンなら俺の知ってる着うたサイトに3gpがあるから場所教えようか?
ただITunesじゃないと再生できないし 音もあんまりよくないからあまり推奨できないがな
ここはまるで「通称ハルヒ学校」だなw
投下してくれる人、皆さんいつもありがとうございます。
楽しませてもらってますんで、これからも頑張って下さいw
YesEnter
>>507 介入にワロタw
しかししれっとした長門の目か…
萌ゑる。
未成年に乗っ取られた
糞スレ乙
ふと思い立って妹に首輪を付けさせた。
流石に気になるらしくしばらくいじくっていたが、取れないことに納得するとこちらをじっと見て無言で取るように要求してきた。
見つめるだけでは効果がないと悟ったらしく体をこすりつけて誘惑してくる。
うむむ、確かに小さく柔らかい体を堪能するのには邪魔に感じないでもない・・・。
が、しかし、無骨な首輪とか弱い肉体のアクセントは捨てがたい。何よりこの『所有感』が独占欲をくすぐって止まない。
ここでは言葉を喋ることを禁止しているので表情と仕草でなんとかしてもらおうとする姿がじつにたまらんね。
なおも体をくねらせて誘惑する姿に我慢できず、ぎゅうっとだきしめる。逆効果を悟ったのか今更に暴れて逃げようとするが
体重も力も差がありすぎる。難なく押さえ込んで体中を愛撫する。
やがてくてーっと体から力が抜け、俺の指に合わせて鳴き声がし出す。さてそろそろ・・・。
バタン!
「シャミー、首輪を付けたとこ写真に撮るよ〜」
急に入ってきた妹によってシャミセンは連れて行かれてしまった。
まあそのうち逃げ出してくるだろう。
誰もいないみたいみたいなのでこっそり初投下します。
エロ無し5レスほど、タイトルは「みくるJ消失」予定です。
どうなるか分かりませんが最後まで投下できるようがんばります。
523 :
みくるJ消失:2006/07/13(木) 11:32:38 ID:9SRVA3gE
その時は、事の重大性にまったく気づいていなかった。
でも、誰が朝比奈さんを責められるってんだ?
少なくとも俺が朝比奈さんに向ける顔は、笑顔しか持ち合わせていないね。
可能性は残っていたしな。
事情により部活を早退し……、帰り道。
俺は記憶に残っている朝日奈さんを思い出す。
恥ずかしそうに、上目遣いでにっこり微笑む朝日奈さん。
瞳にうっすら涙を浮かべ、ぎこちなく微笑む朝日奈さん。
その朝比奈さんを失ってしまったんだ。
ぼんやり歩いてたんだろうな、声を掛けられるまでまったく気がつかなかった。
「乗っていかれませんか?」
そこには、にやけハンサム野郎がいた。
何で一番会いたくない奴が現れるのかね。俺が無言でいると、
古泉は悪徳訪問販売員のように、爽やかな笑顔で言った。
「決して損はさせませんよ」
結局、車で送ってもらう事にした。
気分転換になるかなと思ったが、甘かったようだ。
「忘れたらいかがですか? 済んでしまったことを悔んでも何も変わりませんよ」
毎度の事ながら、こいつはどこまで知ってるんだ?
まあ、組織とやらの力を使えば何でも調べられるのかもな。
「僕の知っている事は、過去に存在した朝比奈さんの事くらいですね」
相変わらずのにやけ顔で、ずばり核心を突きやがった。
一度部室を、盗聴バスターズに調べてもらったほうがいいのかもしれんな。
ふと気づいて訊いてみる。
「何でこんな時間にここにいるんだ?」
「涼宮さんは急用とやらで、あなたが早退されてから30分ほどで帰られました。
そういうわけで、早々に解散する事になったのですよ」
524 :
みくるJ消失:2006/07/13(木) 11:34:27 ID:9SRVA3gE
明日の事を考えると気が重くなる。
まあ、それすらも今はどうでもいいけどな。
安易に長門に頼りたくないし、するつもりもない。
いくらなんでも、今回の事は相談できんしな。
「仕方有りませんね。こういった事はしたくないんですが、しょうがないでしょう。
あなたが落ち込んでいると、涼宮さんの機嫌がさらに悪化しそうですからね」
そう言って、古泉は小さなキーホルダーを差し出した。
一瞬それが何だか分からなかったが、よく見て気がついた。それってまさか、
「おっと、いまあなたが考えたような物では有りませんよ。
あなたの気を紛らわせるものが、……失礼、冗談です。
明日の昼休みにでも使ってみてください」
何かの罠か貸しでもつくろうというのか、とりあえず受け取っておこう。
家に着き、車から降りようとした俺に古泉が声を掛けてきた。
「それは差し上げます。特に貸しに思ってもらわなくてもけっこうですよ。
たいした物ではありませんしね。ただ、涼宮さんにはくれぐれも御内密に」
いつぞやのように、黒塗りのタクシーは音もなく走り去って行った。
少しは期待してやるか。
あ、自転車置いてきちまったじゃないか。
翌日。
朝一からハルヒがなにやら騒いでいるようだが、まるで話が頭に入ってこない。
「ちょっとあんた聞いてんの?」
不機嫌光線が俺の背中に突き刺さるのを感じる。
「ああ」
何とか声を絞り出して、後は黙り込む。
いつもと変わらぬハルヒだ。こいつは何も知らない。
「あんな事ぐらい、どうってことないでしょ?」
さすがに振り向いたね。俺が落ち込んでるのがまったく分かってないらしい。
「な、な、なによ。文句でもあるっていうの!」
俺の顔をみて、めずらしく戸惑ったような声で言った。
ため息を吐く。そうだな、こいつにとって朝比奈さんは過去の事だ。
もう綺麗さっぱり忘れていることだろう。教えてやる事もできない。
分かりやすくため息を吐き、朝比奈さんの事を思った。
そう、まだ可能性は残ってるんだ……
525 :
みくるJ消失:2006/07/13(木) 11:36:02 ID:9SRVA3gE
昼休みだ。弁当食うのももどかしいので、部室で食うことにする。
めずらしく長門がいないことに、思わずほっとしてしまった。
長門なら全部知っていても不思議じゃないけどな。
パソコンを起動し、ポケットから昨日のキーホルダーを取り出す。
せっかくだからこれを使ってみるかね。溺れる者は藁をもつかむってやつだ。
それはUSBメモリーで、1つのソフトが入っいた。空き容量もたっぷりある。
始めは意味が分からなかったが、マニュアルを見て納得する。
そうだったのか……
俺はいくつかの操作をし、その履歴を消した。
思わず声が出たね、俺みたいな経験した人なら分かってくれるだろう。
「お帰り、朝比奈さん」
午後の俺は幸せ気分でいっぱいだった。、マイ スウィート エンジェルは偉大なのさ。
で、放課後。俺はスキップランランな気分で部室に向かった。
部室のドアをノックする
「はぁい」
いつもの舌足らずな声がかえってきた。
ドアを開けると、すべての人に幸せを呼ぶ天使、朝比奈さんがいらっしゃる。
かばんを机に放り投げていつもの席に座ると、ぱたぱたと朝比奈さんが近づいてきて
「あの、昨日は本当にごめんなさい。あたし本当にドジで……」
うつむきながら謝ってきた。
「どうでした?昨日涼宮さんが電話したけどつながらないって言ってましたけど。
あの、壊れちゃったなら弁償させてください」
俺は力の限り首を振った。いえいえ、朝比奈さんはまったく悪くないです。
確かに何も無いのに躓いて、携帯をお茶漬けにしてしまいましたが、
むしろお茶がかかったくらいで壊れる方が悪いのです。
あの携帯も朝比奈さんのいれてくれたお茶を飲めて、本望だった事でしょう。
朝比奈さんには、お茶の葉を買ってきていただいているし、気を使う必要はないんです。
「そうですか。でもお金の事は遠慮なく言ってくださいね。あ、お茶いれますね」
朝比奈さんはすこし迷ったみたいだが、薬缶にむかった。和むね。
526 :
みくるJ消失:2006/07/13(木) 11:37:30 ID:9SRVA3gE
朝比奈さんは、最初からいた長門と古泉を含め4人にお茶をいれる。
いつも以上に慎重に運んでいる朝比奈さんがかわいそうになって
昨日買った携帯を披露する事にする。
「これ昨日買った携帯電話なんですがね、完全防水仕様です。
だからどんなにお茶を掛けても大丈夫ですよ」
朝比奈さんはちょっと拗ねたような声で、
「あたしそこまでドジじゃありません」
と言い、冗談だと気がついたのだろう。にっこりと微笑んだ。
俺が、朝比奈さんを称える歌を熱唱しようと口を開きかけた瞬間、
「おまたせ」
騒音を撒き散らしながら乱入して来たのは、まあ説明するまでもないが涼宮ハルヒだ。
いいかげんドアが外れるんじゃないかと心配になってくる。
言っておくが日曜大工なんてやったことないからな。
「あ、それ新しく買った携帯ね。ちょっと見せなさい」
神速の動きで俺から携帯を取り上る。
その能力でどこかの国から、弾道ミサイルも取り上げてくれないものかね。
取り上げたら迷わず発射するような気もするが。
「なるほど、防水仕様になってるのね」
ハルヒはいやな感じでにっこり微笑んだ。頭の中で空襲警報発令のサイレンが鳴り響く。
「実験してみましょう」
一応確認の為聞いてみる。
「何のだ?」
「防水性能よ!」
まあいいけどな。新型だから、たぶん大丈夫だろう。
「じゃあキョンはこれ持ってね。昨日はどこのポケットにいれてたの?
再現実験してみましょう」
なんと言うか、まるで鈍器で頭を殴られたような激しい頭痛がした。
携帯じゃなく俺の防水実験でもするつもりか?
「携帯なんだから携帯して無いと意味ないでしょ、そんなことも分からないの?
あたしが見本を見せてあげるから、次はみくるちゃんね」
あうあう言ってる朝比奈さんかの手から盆をひったくって急須をかかげ、
俺の名前入り湯飲みにどばどばとお茶を注ぎ始めた。デジャブってやつだな。
あまりの馬鹿馬鹿しさに固まっていると、思わぬやつから助けがきた。
「涼宮さん、こんなところでお茶を掛けたら後片付けが大変ですよ」
古泉である。不覚にも感謝してしまった。
527 :
みくるJ消失:2006/07/13(木) 11:38:51 ID:9SRVA3gE
「防水実験なら中庭で行ったらどうでしょうか。確か散水用のホースもありますし
後片付けの心配もいりませんしね」
何だと……ああ神様、先ほどの感謝の気持ちを返してください。
そして古泉に難関辛苦を与えたまえ。
「さすが古泉君ね、ナイスアイデアだわ。また勲章をあげないとね」
「おそれいります」
憎しみの光線を送りつけると、古泉はこっそり俺にウインクしてきやがった。
助けを求めて長門の方を見ると……
丁度、長門が掃除用具入れからバケツを取り出すところだった。
あの、長門さん……なぜにあなたまでノリノリなのでしょうか?
ハルヒの万力のような手に引きずられながら思う。
データ復元ソフトによって、俺の朝比奈さんは生き返った。
携帯にデータ転送は終わってるし、USBメモリーにバックアップも済んでる。
ジャージは教室に置いてあるから、いざとなれば着替えればいいか。
水浴びする年齢でもない気がするが、概ねこの世は平和だ。
[寒]
528 :
みくるJ消失:2006/07/13(木) 11:39:45 ID:9SRVA3gE
以上終了です。
2週間ほどまえに初めて書いたものがこれです。
感想、アドバイスいただければ幸いです。
それによって、手持ちの2本を投下するか破棄するか決めます。
1本はエロ無し8レスほど。
1本は多少エロあり(みくる大×キョン)23レスほどです。
メモ帳で書き、ブラウザはIE使用してます。よろしくお願いします。
>>528 なんだか話がつかめないけど
キョンの携帯をみくるが壊しただけって話でいいの?
>>528 投下したいなら投下すればいい。破棄したいなら破棄すればいい。
仮にも21以上なら、自分で決められるだろ?
MIKURUフォルダが消えちゃったって話?
でもそれだと携帯が壊れた事と意味が繋がらないな・・・
すみません、わかりません。
何より誤字をなんとかしてほしい。
せめて読み返すくらいのことをしないと。
>521
うまい!!
さりげなく仕込まれた言葉の綾にセンスを感じた。
つーか、不覚にも萌えた俺の心にあやまれw
>>529>>531 おそらく、
1.MUKURUフォルダーを携帯のメモリーに転送して消した
2.朝比奈さんが知ってか知らすしてかキョンにお茶をぶっかけた時に携帯が壊れた
3.気を利かした古泉がファイナルデータ入りUSBメモリーを渡した
4.キョンはそれを使いPCのMIKURUフォルダーを復活
だと思うが
改めて携帯若しくはUSBメモリーに転送または移動したか否かは不明
>>534 アンカーは>>を用いてくれると非常に有り難いのですが・・・
次のようなSSはありませんか?
・憂鬱で、ハルヒが夢からさめて、ポニーでキョンに会うまでのハルヒ視点
・憂鬱で、キョンからキスされずに創造されてしまったハルヒ世界
いえ、ぼんやりとネタを考えているんですけど、ネタがかぶってしまうと悲しいので。
今日ってどうやらオカルト記念日らしいんだけど、知ってた?
これ聞いたハルヒはどうするんだろう。
>>528 強制はできないけどせっかく書いたんなら投下してみれば?
アドバイスはもらえると思うよ。
で、それを次に生かせばいい。
俺もわかりづらいって思った。偉そうな口調でごめん。
>>536 前者は小ネタではあったが、本格的なSSとしてはなかった。
後者はない。
539 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/13(木) 13:02:28 ID:3GOd0G6J
>>536 どこで見たかは忘れたが、キョンからキスされずにキョンが神人に踏み潰されて、キョンが死んでハルヒが狂うという鬱SSなら読んだことがある。
被ってても人によって書き方が違うから誰も文句は言わないよ。
憂鬱の朝倉ネタなんて何回使われたか…
と携帯から言ってみるテスト
>>536 SSとして書いたことはないが、頭の中で考えた事は幾度となくある。
543 :
進級 続き:2006/07/13(木) 14:08:34 ID:Olg9diEk
え〜っと、まだ完結していませんが、この間の続きを投下しますね。
ktkr
545 :
進級 続き:2006/07/13(木) 14:11:34 ID:Olg9diEk
さて、ハルヒに関して俺は予言者になれるかもしれない。
至上の笑みで「教官」と書かれた腕章を装備するハルヒが仁王立ちしている。
かく言う俺も部室に軟禁されている状況で、まさか携帯電話までも没収されるとは思わなかった。
黒鉛の無駄なんじゃないかと思うほどシャープペンを走らせた。
ハルヒ曰く、俺は数学と英語が苦手という受験生からしたら致命的な特性を備えているらしい。
人並みに大学へ進学したいと考えてはいるので、これを機に得意にしてやろうと思った。
「ちっがーう!」
「全然ダメー!」
「計算が遅―い!」
飛び交うハルヒの罵倒にHPを削られつつ俺は果敢に問題に向かった。
気がつくと、もう他の三人の姿はなく、時計の短針も6時を指していた。
なあ、今日はもうこのぐらいにしておかないか?
「そうね。無理しすぎて明日できなくなるようじゃ困るもんね。じゃあキョン。先に帰ってて。あたしは部室閉めてから帰るから。」
俺は教官の帰宅許可を得て家路に着いた。
「おかえりなさいキョン君」
初日からえらい目にあったな。妹を受け流しつつとっとと晩飯を済ませて部屋に逃げ込んだ。
もう妹と対談するほど気力が残っていないんだ。すまん、妹よ。
ベッドで横になり携帯を探る。
ぬかった!ハルヒに没収されたままだった。
だがまあいい。あいにく俺の携帯のメモリーには世間で言うところの「彼女」に相当する人物は登録されていないからな。
って何で俺がそんなこと気にせにゃならんのだ。そもそも一晩ぐらい無くても困らん。
疲れに任せて眠りに就いた。
・・・む、朝か。妹の肘が俺の腹を直撃しているのが分かる。
「キョン君おはよー」
昨日は何かとてつもなくうれしい夢を見た気がするのだが、思いだせん。
俺は妹を出し抜き朝の支度を済ませ家を出た。
546 :
進級 続き:2006/07/13(木) 14:13:28 ID:Olg9diEk
意外なことに玄関を出て視界に入ったのは0円スマイルだった。
「おはようございます」
とってつけたようないつもの笑顔の古泉だ。
「昨日の件でお話しがあります」
なぜに野郎と一緒に登校せにゃならんのかという疑問は放置しておいた。
昨日の件って、俺の悲惨な一週間のことか?
「その通りです。つくづくあなたも面白い人ですね。
こうも簡単に涼宮さんに興味を持たせるとは。おかげで今彼女の心は安定しています。閉鎖空間も昨日は一度しか確認しませんでした」
そうかいそうかい、ハルヒは俺を缶詰にするのがそんなに楽しいかい。
「涼宮さんは、あなたに模試で満点を取って欲しいと仰いました。
仮に涼宮さんがそう願えば、確実にあなたは満点を取るでしょう。手段は別としてね」
俺は長門の顔を思い浮かべた。
「ですが、彼女はあなたが実際に満点を取ることなど望んでいないのですよ」
どうしてそんなことが分かる。安物の精神分析医め。
「理由は実にシンプルです。昨日の涼宮さんの様子を見れば分かりますよ。
彼女はあなたを指南している間、非常に楽しそうにしていましたからね」
回りくどい奴だ。さっさと用件を言え。
「相変わらずですね。いいですか?
涼宮さんはあなたに勉強を教えることをこの上なく楽しんでいます。
そして彼女の精神は良い状態で安定しています。
僕、以っては機関としてはこの一週間は平穏が続いてくれると考えています。
ですが、それを維持するにはあなたの協力が必要不可欠です」
で、何だって?
「要はあなたがこの一週間、不満を爆発させずに涼宮さんの指南を受けていて欲しいのです」
そんなことか。てっきチープな哲学話を聞かされると思ったんだが。
「そうですか。失礼ながらあなたは勉強が少々不得意のようですし、
前回よりも目標がきついのでいずれ降参してしまうのではと思ったのですが」
あまり俺を見くびるなよ。確かに勉強は眩暈がするほど嫌いだが、
ハルヒに無理やりどうこうされるのにはもう慣れた。
今更釘を刺しにくるほどのことでもないだろうが。
「それを聞いて安心しました」
では、また放課後、と言いつつ古泉芝居くさい笑みを漏らしては黒タクシーに乗った。
俺も乗せていけ、というか機関のタクシーは緊急時だけじゃないのか。
突っ込みも虚しく空を切り、俺はハイキングコースを登っていった。
547 :
進級 続き:2006/07/13(木) 14:14:42 ID:Olg9diEk
教室に入った俺は意外な光景を目にした。
ハルヒが机に突っ伏して寝息を立てている。珍しい。
何があったのかと尋ねたい気もするが、こいつの寝顔もなかなか悪くない。
不覚にも俺が心を奪われていると背後から抑揚のない声が聞こえた。
「・・・これ」
振り返ると長門がいる。
そして手には俺の携帯。
何で長門が返却するのか気になるが
ありがとな、といいつつハルヒが寝ている事情を聞いてみた。
「・・・・・・」
用は済んだと言わんばかりの顔をして自分の席へ戻っていく。
なんだハルヒ。また長門を口止めしているのか?
おもむろに携帯をチェックする。
着信履歴にはハルヒと長門が一回ずつ。
昨日の夜何があったのか気になるところだが、俺は聞かないことにする。
―放課後、部室
今日は全員揃っている。
昨日の様なことが無いように携帯だけは死守することにした。
そして一人チェスをしている古泉を無視して俺はハルヒの極上スマイルを見た。
はい、と差し出されたのは相当数のA4だ。
これは何だ、と聞く前に
「これ今日中に全部やりなさい!」
ハルヒの無慈悲な声が俺の心臓に少なからず悪影響を与えているのが分かる。
冷静に枚数を数えると、30枚はくだらない。
中身は英語と数学だ。どこかの予備校からパクってきたのか?
「いいからやりなさい。あ、でもやるだけじゃ駄目よ。
ちゃんと一問一問しっかり理解するのよ」
悪夢だ。ペンを放り出してやめだ、やめ。と言いたかったが、今朝古泉に大口叩いたばかりだ。
そしてギブアップですか?と言わんばかりの笑顔を振りまく古泉と目が合った。
これでは男が廃ると思い渋々取り掛かった
それに朝比奈さんも天使の眼差しでエールを送ってくださるからな。
548 :
進級 続き:2006/07/13(木) 14:17:03 ID:Olg9diEk
・・・なんだこれは。問題数は多くないくせに俺の頭では一枚終えるのに10分かかるぞ。
10×30=300 単純計算で5時間だ。
幸いにも今日は午前で授業が終わっているので日が沈む前には帰宅できそうだなのだが、
古泉のにやけ面が妙に腹立たしい。
まるでこうなることを分かっていたような顔をしやがる。
エンジェリックメイド朝比奈さんのお茶で体力を回復させつつあくせくと問題を解いていった。
「結構かかったわね。あたしならこんなの2時間もあれば楽勝よ」
無茶言うな。
気づくと他の部員は既に帰っていた。またか。
俺が背筋を伸ばして関節を鳴らしていると
「でもまああんたにしては頑張ったほうだと思うわ。また明日もこの調子でやるわよ」
あのー涼宮さん?
明日は午後も授業がありますので今日のようなことを行いますと確実に夜になってしまいますが?
「何?いいじゃない別に。何か不都合でもあるの?」
俺は再び諦めた。俺がハルヒを動かすなど到底無理な話だ。
だが、ハルヒが俺を操るのは児戯に等しいようだ。
意志薄弱な俺、頑張れ。
―翌日
なんとまあ授業が良く分かるではないか。
教師が今まで暗号化して授業をしていたのかと疑うほど内容が良く分かる。
あの30枚も伊達ではなかった、ということか。
いやいや、ハルヒの変態的な力で俺が賢くなったのかもしれん。
俺の変貌振りを見た谷口の抜けた顔は実に面白かった。
だが俺を部分的優等生に仕立て上げた当の本人は終始眠りこけている。
お礼は部室に行ってからにでもしよう。
起こさぬハルヒに祟り無しだ。
余談だが、長門の授業風景を観察してみた。
あいつらしいと言えばそうなんだが、
先頭に居るにも拘らず机には鉛筆一本出していない。唯一出ているのは文庫本。
文庫本を読みながらも教師の問いに即答する。
えーっと長門さん、もうちょっと普通の高校生を装ってくれませんか?
複雑な積分を暗算でやってのけるなど数学教師の能力をもはるかに凌駕しているぞ。
549 :
進級 続き:2006/07/13(木) 14:19:55 ID:Olg9diEk
一応確定しているのはここまで。
今いろんなアイディアを練っていまして、
どうまとめるか思索中です。
土曜日にまた投下したいと思います。
原作では長門の成績ってどうなん?
>>521 言葉を喋ることを禁止しているとか上手いな。
まったく嘘は言ってないしw
>>528 読者に意見を求めるのは推奨されない行為。
それに対するレスにより、次の作品が投下されにくくなる。
ただ、私という個体はあなたに投下して欲しいと思っている。
>>535 ブラウザ乙
>>521 「妹に(言ってシャミセンに)首輪をつけさせた」か(W
初投稿失礼します。
消失の長門IF物で、本番無し。8レス予定。無駄に長くてスイマセン。
「すまない、長門。これは返すよ」
ちゃっかりと記入済みの入部届を差し出す。
元の世界に戻れない場合の保険として、居場所をキープしようとしていた魂胆が自分事ながら浅ましい。
そんな後ろめたさのせいか、俯く長門に何も声を掛けられない。
入力待ちのカーソルが点滅を続けている。
無機質な表示がそのまま長門の平坦声で再生される。
選択は一度切り。長門がそう言うのなら、本当にやり直しはきかないのだろう。
Ready? _
……O.K.さ、もちろん。
指を伸ばし、エンターキーを押し込んだ。
『 長門有紀の否決 』
かちり、とキータイプの音がした。
同時に立ち眩みと吐き気が襲い、耳鳴りと浮遊感の中、虹色にブラックアウトする視界の端に何かを見た。
ぐるんぐるんとシェイクされて、上下感覚も時間感覚も失い、はっと気が付くと、俺は元の世界に戻っていた。
……なんていうSF的な異常現象は、ミジンコの目玉を繋ぐ視神経ほどにも襲ってこない。
身構えていた俺を嘲笑うかのように、何も変わらない『文芸部』の部室。
「えーと」
はてさて、これはいったいどうしたことだい、長門さん。
消えてしまったディスプレイの向こう側に問い掛ける。もちろん返事など無い。
状況を整理するよりも先に、猛烈な気恥ずかしさが込み上げる。
目の前にミサイル発射口があったら、喜んでダイブする。誰か俺を埋めてくれ。
朝比奈さんは、どうしていいか分からないというように、狼狽えている。
古泉を見ると、困りました、というように笑っている。
お決まりの肩をすくめるポーズは、こちらの世界でも健在だ。
振り返ると髪の長いポニーテールのハルヒが、怒りを込めた瞳で睨んでいる。
……ただし、その哀れな対象は俺ではない。
「ちょっとあなた、何してるのよ!」
ハルヒの視線を追い、それまで意図的に目を逸らしていた方を向いた。
「……そっか。こっちのお前は、自分の意志で行動が出来るんだな」
不思議と心は落ち着いていた。ただし、どこか嬉しく、どこか寂しい。
子供が自分の手を離れてしまった親鳥の心境なのかも知れない。
そこには怯えて今にも泣き出しそうな長門の姿があった。
こんな表情の長門は初めて見るはずなのに、何故か見慣れている気がする。
もしかして、あの無表情の裏で、長門はいつでも泣いていたんじゃないか?
「……ごめん、なさい」
震える声で謝罪をする長門。
胸の前で握り合わせた両手には、引き抜かれたパソコンの電源ケーブルが握られていた。
状況が飲み込めていない朝比奈さんに頭を下げ、帰っていただく。
心配したハルヒだったが、意外にもすんなりと引き下がった。ただし、明日もまた来ると言う。
古泉もハルヒの従者のごとく部室を後にした。
そしてガランとした文芸部の部室に、俺と長門だけが残った。
今までにも何度かあったシチュエーションだが、本を読んでいない長門というのは扱いに困る。
何を喋れば良いか分からないが、待っていても長門から喋ってくれるようには思えない。
こういう時、『あちら』の長門は無表情にじっと俺を見つめてくるのだが、『こちら』はそうではない。
視線を合わせないまま、時間だけが過ぎていく。
「ごめんなさい」
ようやく顔を上げた長門も、すぐにまた俯いてしまった。
しかし、その一瞬の表情は見過ごさなかった。
こちらの長門も基本的に無表情だが、比較的振れ幅は広い。
だからはっきりと捕らえることが出来た。
長門の表情、それは怯えだ。
「あー、謝るのは俺の方だ。悪かった」
そりゃ突然、部外者を引き連れて押し掛けたりしたら、警戒するのも当然だ。
挙げ句、パソコンが自分の名を語って謎の動作を始めたら、無理矢理にでも停めたくなる気持ちも分かる。
いわば被害者だ。長門を責めたりするのは間違っている。
「違う」
長門が視線を向けてくる。
その表情が理解できない物に対する怯えではなく、怒られることに対する怯えであることに気付く。
「全部は分からない。けど、あなたがこの世界の人じゃないことは分かってた」
「さっきのが、あなたにとって元の世界に戻る唯一の手段だということも分かっていた」
……じゃあ、何で邪魔をしたんだ?
「そうしないと、あなたが消えてしまうから」
そう言う長門こそ、今にも消えてしまいそうだった。
「ここに居て欲しかった……あなたが、好きだから」
聞き返しそうになった。
もちろん聞き取れていたし、全ての単語の意味も理解していた。
それに言われる前から薄々とは言わずに気が付いていた。
しかし、理解しないように自分に言い聞かせていた。
戸惑う俺に、長門は容赦なく追い打ちを掛けてきた。
「あなたが好き」
くらり、と来たね。
ど真ん中の直球を見逃すバッターの気持ちが初めて理解できた。打ち返すなんて無理だ。
思わず抱きしめようかと思った。
それ程に目の前の長門のことを可愛いと思った。
「……ん、」
胸元から聞こえる、長門の甘えたような声。
じんわりと体温が伝わってきて、実際に長門を抱きしめていることに気が付いた。
驚いた。
長門の華奢な身体が、すっぽりと俺の腕に収まっている。
それがなぜか、とんでもない奇跡のように思えた。
「って、や、悪い!」
慌てて飛び退こうとするが、シ胸元に伸ばされた指に気が付き留まった。
シャツを掴む指は弱々しい物で、簡単に振り解けてしまう。
しかし、これを振り払える人間がいたら是非ともお目に掛かりたい。問答無用で殴ってやる。
何でこいつは昨日の夕飯の時と言い、こんな不安そうな顔をして人を繋ぎ止めるのだろう。
まるでこの世界に突然放り出されて戸惑う迷子のようだ。
俺の知る長門は、間違ってもこんな表情をしない。
あいつはある意味完璧で、他人に頼るような奴じゃない。
……本当にそうだろうか?
長門だって、誰かに頼りたいと思うことがあったんじゃないか?
俺が勝手にそうだと決めつけていたせいで、長門は独りで悩むこともあったんじゃないか?
突然、意味も理由もなく、すとん、と全てが腑に落ちた。
この世界を創り出したのは長門で、その原因は俺にある。
科学者が聞いたら怒り出しそうな根拠無き確信は、俺の中で絶対の真理となって根を下ろした。
すぐ目の前に立つ弱々しい少女は、俺に見せなかった長門の内面のひとつだ。
何も分からないが、すべてが納得できた気がした。
もしかしたら俺の思考も、この不思議な世界の改変に巻き込まれてしまったのかもしれない。
そんな漠然とした不安から逃れるために長門を抱きしめた。
長門も素直に俺の胸に頭を預けてきた。
服越しに長門の体温が伝わってくる。
そうすることで、この世界も紛れもない現実であると安心できた。
俺はこっちの長門……つまりお前との記憶を共有していない。
お前にとって大切な図書館の出来事とやらも、まったく覚えがない。
「いい」
俺は別の世界から来た人間で、この世界のことを知らない。
俺はSOS団の団員で、俺の知る長門は情報思念体に作られたヒューマノイド・インターフェースだ。
お前の友達の朝倉もお前と同じアンドロイドで、俺を殺そうとしたところを、お前によって返り討ちにあった。
朝倉に話したら頭を疑われたね。この世界じゃ俺は電波を受信している可哀想な人間だ。
「いい」
俺は単に、俺の知る長門とのギャップに萌えているだけかもしれない。
無表情なお前が色々と感情を出すから、そのギャップにやられているだけだ。
熱病みたいな物で、こんなもの慣れてしまえばすぐに冷めるだろうよ。
「……わたしはあなたが知ってる長門有紀を知らない」
長門の細い両手の指が、俺の頬を挟んで下に向ける。
「あなたがその長門有紀を通してわたしを見るのも仕方がない」
長門の瞳を至近距離の正面から見つめる。
「今はそれでいい。でも、これからはわたしを見て」
黒く濡れた瞳が、力強く輝く。
「わたしはあなたが好き」
表情をあまり出していない。
それでも、こちらの長門の顔は分かりやすい。
「わたしはあなたが好き」
力強く真っ直ぐに告げられる愛。
「わたしは、あなたが好き」
三度だ。いや、前のを含めて五回。
これだけ熱烈に「好き」と言われて何も返せない男はチキンもいいところだ。
そういう意味で、俺はチキンにも満たないヒヨコちゃんだったね。
返そうとしたさ。持てる限りの語彙を駆使して気持ちを返そうとしたね。
しかし俺の口は言葉を発する前に、しっかりと塞がれてしまった。
何にって、野暮なことを訊くな。
以前に夢の中で経験した妄想なんかと比較した自分が嫌になる。
ただ、それに比べると長門の唇は若干薄く、体温も低いように感じた。
しかし、そんなことは大した問題ではない。
控えめで大人しそうな外見からは想像も出来ない、積極的なキス。
押し付けられた唇は、味蕾を介さずに甘さを感じた。
単に身体の一部を接触させているだけとは思えない快感。
五秒、十秒、と交わりが続く。
心臓が馬鹿になったみたいに警鐘を鳴らして、脳みそはヒューズどころか基盤から吹っ飛んだ。
唇に感じる圧力が、ふと弱まった。
終わる、と思うよりも早く長門の後頭部を押さえ、自分から唇を押し付けていた。
長門の目が見開かれる。
それまでの自分が、作法を破り目を開けたままだったことに気が付いた。
気が付かなかったのも仕方がない。
全神経は唇にだけ回していて、視覚情報は疎かになっていた。
なんて勿体ないんだ、俺。
真っ赤になった長門の顔は、それだけで完全に致死量オーバーだ。
長門の腕が背中に回された。
眼鏡のフレームが顔に当たる。
やっぱり眼鏡はない方がいい、などと畜生なことを考える。
「……ん、……ぅ、ん、」
長門が苦しそうに呻く。
実際、苦しいんだろう。しかし構う余裕など無い。
むしろ逆効果だ。長門よ、その可愛さは反則だ。
ぐっと一層強く押し付けてから、唇を離す。
長門の口が、酸素を求めて喘ぐ。
「……長門、」
呼びかけると、長門はとろんとした瞳で俺を見上げてきた。
「長門、好きだ」
長門が息を吸い込んだのが分かる。
大きく見開いた瞳から、つうと涙が一筋こぼれ落ちた。
ようやく告白が出来た。
想いを伝えた途端に、長門に対する愛おしさが怒濤となり押し掛ける。
再び唇を押し付けた。
「──んぅ、」
長門が驚きにくぐもった声を上げるが無視する。
唇の間を舌でなぞると、悩ましい声を上げた。
二度、三度と舌を押し付けると、薄く唇が開いた。
割れ目に無理矢理に舌をねじ込む。
すっと抵抗が弱まり、逆に舌が絡められた。
もう二人とも完全に馬鹿になって求め合った。
「……は、……あ、んむ、……ふ、……、」
酸素が足りていないというのに、求め合うことに必死で呼吸が後回し。
回した腕は一層強くなり、このまま一つになってしまうのではないかと錯覚させられる。
その錯覚に縋りたかった。
お互いに、その場の勢いや雰囲気に流されたことを理解している。
だけどこの快感は、手放すには魅力的すぎて、覚めて欲しくない。
「……好き、」
荒い呼吸の合間の、もはや何度目か分からない告白。
気が付けば、お互い泣き顔だった。
長門が入部届に書いた俺の名前を呼ぶ。
「……好き」
「俺もだ長門。好きだ。……大好きだ」
つい数日前までのSOS団で過ごした日々を思い出す。
はちゃめちゃで混沌とした、右へ左へ振り回される日々。
それに比べて、この世界は素晴らしいじゃないか。
宇宙人も未来人も超能力者もいなければ、その原因となる謎の人物もいない。
そして誰も失ってはいない。
ハルヒは別の高校になってしまったが、あの様子ならばちょくちょく顔を出すだろう。
その横には、むかつく笑顔の顔の古泉が、常に付き添っているはずだ。
朝比奈さんだって、今後の対応次第では友達になれるかもしれない。
いや、ハルヒが放っておかないはずだ。
再びメイド服姿を見る日も、そう遠くないだろう。
そして長門がいる。
わけの分からない宇宙意志か何かとはまったく関係がない、ただの高校生。
表情に乏しいが、表現が苦手なだけで、常識的な感情を持ち合わせている。
一人暮らしで、友達も少なそうだが、同じ建物には彼女を心配してくれる級友もいる。
本を読むのが好きで、自分でも部室のパソコンで話を書いたりする。
何の特殊な能力もない。
俺のことを好きだと言ってくれる、長門有紀という少女。
「……ごめんなさい」
なぜ謝るのか分からない。だから俺は笑った。
「……ごめん」
なぜ謝るのか分からない。
誰に謝ったのか分からない。
だから俺は笑った。
涙で濡れた頬を擦り合わせるように、最後にもう一度、優しいキスをした。
以上です。
そして投稿直後に、有希をことごとく誤変換していることに気が付く俺。orz
お目汚し失礼しました。
誤字は、谷川先生でもやるからあまり凹まない。
>521
すっかり騙されたw
GJ!
SOS団を文芸部に集めることが元の世界へ戻るフラグだとしたら、
文芸部の入部届けを偽長門に渡すのが消失世界に残るフラグだよな
消失世界に残る、か
意外と有りそうでなかったネタだな。GJ!
>528です。
>>535さん解説ありがとうございます。そんな感じです。
分かりにくく書いたつもりですが、理解できない物のなってたみたいですね。
>>555という訳で破棄します。失礼しました。
>>521 文章表現において単語ひとつを省略する事で発生する齟齬を巧みに利用し、
上手くまとめられた秀作。途中まで騙されて萌え死に掛けた人は手を上げて!w
>>528 はっきり言って、何が書きたかったのか不明。第三者の説明が無ければ不明のまま。
正直言って、作品としては失敗の部類にはいるかと・・・。(偉そうで申し訳ないが本心)
作品として投下するかどうかは、その人の判断だと思いますが、あまりにも長い作品は、
最初に数レス分投下してみて、反応を見てからにしては如何かと。
読みたくない人はNG指定すると思いますしね。
>進級の人
作を重ねるごとに読みやすくなっているように思えます。
パロ作品にありがちなデジャヴを感じる部分もありますが、
今後の展開に期待します。
>>566 こういう扱いは、消失長門を扱ったSSでは、見た事がない気がします。
最初から最後までスッキリとまとまっていて、読みやすい。
ひとつ個人的な注文を言わせて貰えば、途中のハルヒ達の反応や描写を
もう少し書いてくれていたら、この続きが読みたくなったかもしれません。
作品としては完結していて、続きを書く気はないのかもしれませんが(笑)
批評家気取りほど萎えるもんなないなオイ
>>571 投下は自分の判断で
住民に判断を仰ぐ必要はないよ
>>573 萎えてしまった貴方に…
つ【ハルヒのエロ同人誌】
www
『長門有希の否決』の続編を期待している俺ガイル
同じく長髪ハルヒと消失長門との修羅場キボン
>>573 萎える気持ちはわからんでもないけどさ、わざわざ書き込む必要もないんじゃない?
単なる悪口ならともかく、建設的な批評は書き手にとっても有益だと思うんだけど。どうだろう。
>>528 やっとみくるSSキター!!!
gjです!
>>571 どうかみくるスキーな俺の為にうpを…
建設的ねえ…
一貫して真面目な批評は良いと思うが
>途中まで騙されて萌え死に掛けた人は手を上げて!w
こんなこと書いてるからねw
まぁ書いた本人もだます気満々だったろうし。
こういう感想は有り難いと思うのは俺だけ?
>>584 いやあ、そういう感想自体は非常に良いの思うのよ。
けど最初に萌え死ぬって書いた後真面目な批評されると…
場合によりけりだろうね
TPOだよ
>>572はレスを分けた方が良かった。感想は歓迎。
つまり空気嫁に集約される訳だが
野球の話や孤島の話で書いたSSってある?
あったとは思うが、覚えてない。
そんだけ数が少ないのかも。
591 :
みにえろ:2006/07/13(木) 20:23:18 ID:LPaHFDMn
夜。俺はハルヒと抱き合っていた。
後ろからハルヒを貫いたまま、首を傾けて柔らかな唇をむさぼる。
先ほどから絡ませ続けている舌は、もはやどちらが自分の物なのかわからないほど溶け合っていた。
「んっ……」
たまに混じる鼻にかかった声は、どこまでも淫らだ。
閉じていた目を開けると、どこかぼんやりとした視界の中に、鼻で荒い呼吸を繰り返すハルヒの顔。
肩にかかる髪の毛は汗で張り付き、頬にも幾筋もの黒い線を走らせている。たまに開く目は、俺と同じように濡れていた。
普段は決して見せないような、どこか呆としたハルヒの表情を見ていると、何もかもが裏返っていくのを感じる。
内が外に、神経が皮膚を貫き、本音が建前に取って代わり、本能が理性を駆逐する。思考すらままならなかった。
この態勢だってそうだ。俺がハルヒを組み敷き、ハルヒはどこか媚びる様な目でそんな俺を見る。普段とはまるで逆の構図。
倒錯だ。しかしそれ自体が快感でもあった。
「んぅっ…はぁっ、はっ、んっ」
俺が腰を動かすと、ようやくハルヒが唇を離した。代わりに浅く喘ぐような声を聞かせてくれる。
腰の動きもどこまでも浅く、緩やかに。終わらせてしまうのはもったいないからな。
「キョンっ……キョンっ……」
しかし、俺の動きに合わせてうわ言のように俺の名前を呼ぶハルヒを見ていると、唯でさえ緩んでいる頭のねじが取り返しのつかないことになりそうだ。というか既になっていた。
「ハルヒ……かわいいぞ」
俺は普通なら死んでも言わないような事を呟きながら、ハルヒの形のいい耳に舌を這わせる。
「ちょっ、キョン! 耳はダメだって……ひぅっ」
こいつは意外と耳が弱い。ハルヒの背筋が落ち着かなく揺さぶられる。膣の中も僅かに律動し、俺を刺激してきた。
「んっ、ちょっと、はぁ……くぅっ」
いよいよ理性がはじけたのか、腰が無意識に動き出した。今のままでは足りない。喉が粘ついている。
俺は一度ハルヒから身体を離し、挿入していた自身を引き抜くと、ハルヒの身体を仰向けにして再び貫く。
「ぁん! あんたいきなり、ぃんっ」
今度は強く激しく、動き、弄り、捻りまわす。唇は反射的に、動きに合わせて踊る乳房にむしゃぶりついていた。
尖った先端を巧妙に避けながら、なるべく焦らす様に周辺を嘗め回す。右手も同様に乳房を弄ぶ。
「ちょ、ちょっとキョン、もうちょっとゆっくり……」
俺は遊ばせていた左手を、何か言おうとするハルヒの口の中にねじ込んだ。生温い舌を指に絡ませる。
荒い呼吸の音と、腰がぶつかり合う音だけが狭い部屋に響く。
やがて限界が訪れた。唯でさえ極限まで薄くなっていた理性が、いよいよ崩壊の一途を辿りだす。
俺は左手を引き抜くと、代わりに自分の舌をハルヒの口に侵入させる。
舌を動かす間も、くぐもった声で俺の名前を呼ぼうとするハルヒがたまらなく愛しい。
「好きだ、ハルヒ」
俺が正直にそう言って空いた手で淫核をぎこちなく擦ってやると、ハルヒは俺の首に手を回してきた。
一層激しく律動する膣内。互いの背筋が弓のように張り詰め、視界が白く染まる。
「ハルヒ、もう……」
「いいわよ、キョン、そのままで……」
出して、と甘く囁く声に脳をやられ、俺はハルヒの中に散々貯め込んだものを注ぎ込んだ。
「……夢、か」
そうだよな。どうして俺があんな暴走特急娘とあんな事やこんな事をしなくてはならないんだ。
大体俺は別にあんな奴の事どうも思っていないというか迷惑にしか思ってないもんな。
夢の中で好きだの何だの言ってたのもなんというか青少年の健全な妄想がレール外れの暴走を起こしただけの性質の悪い事故……
「……何よキョン、もう朝なの?」
首を括るためのロープを探さなくてはならないな、と思った。
こういうエロは堪らないな。
夢オチに見せかけて振り戻すのもまたいいw
やっときたよ…
小ネタでもエロなら許す
エロしか認めないってどっちが未成年なんだか
お子様に用はない
エロはあった方がいい。
しかし必ずあるべきという訳ではない。
これでいいだろ。
枯れ気味のオサーンを未成年扱いするスレはここですか?
笑った、泣いた、おっきした。
エロかろうがエロくなかろうが
面白ければいいキガス・・・
>>591 GJにゃ!
攻めに回れば強く、受けに回ればベタ弱。萌え。
保険で2〜3行行為をしたって書いとけば大丈夫
602 :
557:2006/07/13(木) 22:17:12 ID:L2HT2ANO
読んでくださった方々、ありがとうございます。
感想を下さった方々、大変嬉しかったです。ありがとうございます。
失礼して、
>>558-565の続きを投下させていただきます。
エロ議論の空気を読まず、本番並びにそれに類する物一切なし。
前作から数ヶ月後の話。9レス予定。
「つい先程、あなたは死にました」
さて、あなたというのは二人称で、基本的に目の前にいる人間を指す。
と言うことは、この場合、あなたというのは俺のことである。
ここで『俺とは誰か』というアイデンティティー問題について論じるつもりはない。
とにかく、あなたと呼ばれているのは俺で、その俺は死んでしまったらしい。
何を馬鹿な、と笑い飛ばすことは出来ない。
目の前の男が手品師ならば良かったが、あいにく俺が知る限りそんな器用な真似は出来ない。
何の前触れもなく、突然俺たちの目の前に現れた手際は、瞬間移動としか言い表せない。
男の名前を古泉という。
『こちら』の世界にいるハルヒにベタ惚れな古泉ではなく、『あちら』の機関に所属する古泉だ。
ということは、こいつの言葉に嘘はない。
久々に会う古泉は、キャラに合わない至って真面目な顔だった。
『 長門有希の憧憬 』
「『こちら』のあなたが死にました。同時に、今までにない規模の閉鎖空間が出現しました」
なるほど。そっちにも俺はいたんだな。で、死んでしまったと。
「そうです。今までいわゆる脳死状態が続いていましたが、先程、心停止を起こし息を引き取りました」
意外と冷静ですね、などと言うが当然だ。
実感なんてまるで無い。
死んだと言われても、そうですか、と納得するしかないだろう。
脇にいた有希が近付いてきて、俺の袖をそっと握った。
腕が震えている。
怖がる必要は無い、と言おうとして止めた。
何てことはない。震えているのは有希ではなく俺の腕だった。
自覚はなかったが俺は動揺していたらしい。
俺たちの様子を見て、古泉が現れてから初めての笑みを浮かべた。
ああ、何とでも言え。
俺からも言わせてもらうが、お前もそんな顔をしている方がお似合いだ。
「それはどうも」
悠々と演技たっぷりに頭を下げる。変わってない。
>>566 遅レスだが、かなりよかった。
なんだかホロリとしてしまったじゃないか。
とにかく、このまま消失長門との純愛続き希望。
「それで俺はどうなる? 死ぬのか?」
俺を掴む有希の手が、ぎゅっと強くなる。
「いえ、こちらの世界のあなたと、今ここに居るあなたは、同一ですが別の存在です。影響はありませんよ」
双子みたいな物ですよ、と付け加えるが、その喩えには疑問符が付く。
「先程申し上げたとおり、閉鎖空間が発生しました。それも急激に勢いで拡大中です」
「ハルヒの仕業か?」
「もちろんです」
閉鎖空間は、ハルヒの心理状態により発生する。
俺の死とハルヒの心理状態など関係ない……などとは言えない。
有希と付き合うようになって、『あちら』にいたころのハルヒの行動が、色々と分かるようになっていた。
口には出さず、心の中でハルヒに謝る。
「機関はまったくの無力です。世界が改変されるのは確実です……あるいは、世界は滅びるかもしれません」
記憶にある灰色の世界と、青く光る巨人を思い出す。
「あなたが死んだ世界に涼宮さんは絶望し、価値を見失った。だから世界は捨てられようとしています」
灰色に塗りつぶされていく世界を幻視する。
「われわれに、それを止める手立てはありません」
やれやれ、とお決まりのジェスチャーを行う。
僅かに口元が引きつっている気がするのは、俺の気のせいだろう。
「……それで、お前はその忙しいときに、わざわざ何しに来たんだ?」
まさかこの世界に逃げてきたわけではないだろう。
「ええ、大事な用がありまして」
そう言うと古泉は、それまで以上に、にっこりと笑った。
「一発殴らせてください」
答える間もなくストレートが左の頬を襲った。見かけによらず力がある。思わずよろめく。
「すいません、僕も人の子なので、理性と感情の折り合い付けが難しいのです」
古泉は悪びれもせず、笑顔のままで、しれっと言い放った。
何か言おうとする有希を片手で制して、古泉に向き合う。
「ひとつだけ訊かせてくれ」
痛む頬を押さえたくなるのをプライド頼りに必死に我慢して、自称『限定的』超能力者に問い掛ける。
「どうやってお前は、こっちに来れたんだ?」
「長門さんのお陰ですよ」
その質問を予測していたように、素早い回答。
無意識に確信していた答えが返ってきた。
古泉は、ちらりと有希を見る。
びく、と有希が警戒するのが伝わる。
怖くない、と伝えるために、頭を軽くぽんぽんと叩いてやった。
何となく、終わりが近いことを感じた。
「僕は個人的に、あなたのことが大好きでした。もちろん、友人としてですよ?」
別の意味だったら問答無用で殴り飛ばしている。
まあ、友情という意味では……言われて悪い気はしない。
「ありがとうございます」
「もっと色々と言いたいこともあったのですが……すいません、忘れてしまいました」
嘘吐け。お前がそんなタマか。
「長門さん、僕の友人をよろしくお願いいたします。彼は、とても良い人です」
「……知ってる」
やや怯えながらも、芯のある強い声。
古泉は一瞬、驚きに目を見開いた後、これはこれはと肩をすくめた。
その姿を見ていたら、なぜか目頭が熱くなった。
「それではさようなら、キョン君。最期に話ができて良かったです」
こちらの僕によろしく。
そう言うと唐突に電波障害にあった映像のように、乱れて消えた。
最後まで笑顔のまま。
こんな状態に至っても、こいつの真意だけは分からないままであった。
自分の死を告げられるという貴重な体験に対する感動は冷め切っていない。
だが妙な確信の元、俺は旧式のパソコンへと向かった。
席に着くと同時に、ピコンと間抜けな音を立てパソコンが起動した。
OSは起動せず黒画面のまま、入力待ちカーソルだけが点滅をしている。
いつまで経っても、それ以上の変化は現れない。
埒があかなかったので、こちらから話し掛ける。
『久しぶり』
やや間があって、
YUKI.N> ごめんなさい。 _
何が、と返そうと思ったが、あえて流すことにした。
おそらくだが、あまり時間は無いだろう。
貴重な時間を不毛なやりとりで消費したくはない。
『もう会えないと思っていたから、驚いた』
間、
YUKI.N> そちらの世界には、もはや私を阻む力の持ち主はいない。 _
YUKI.N> だから、手間と時間さえ掛ければ対処プログラムの作成は十分可能。 _
『じゃあ、今まで何で放置していた?』
再び間、
YUKI.N> あなたが望んだ結果を優先した。 _
無意識に有希に目をやる。
有希は少し離れた位置から、哀しそうな顔でこちらを見ていた。
なんでそんな顔をするんだ。お前は笑っていてくれ。
『そうだな。これは俺が望んだ結果だ。すまない、迷惑を掛けた』
間が開く。
YUKI.N> いい。それに迷惑じゃない。 _
カーソルの点滅がスライドする。
YUKI.N> それに、これはわたしが望んだ結果でもある。 _
『お前が?』
長い間があって、
YUKI.N> わたしは”長門有希”とは同期不能。彼女と記憶や感情を共有することはできない。 _
間、
YUKI.N> でも、あなたと一緒になれて、わたしは嬉しいと感じている。 _
また間があった。
最初は伝えるのを躊躇っているのかと思っていたが、言い知れぬ不安が襲ってきた。
『大丈夫なのか、長門』
YUKI.N> 大丈夫、あなたには迷惑を掛けない。わたしに任せて。 _
不安は確信に変わり、怒りに変わった。
そうじゃない、俺が心配しているのは……
お前のことだ、と打つよりも先に、、
YUKI.N> 長門有希を好きになってくれて、ありがとう。 _
涙が溢れた。
すとん、と胸から何かが落ちた。
ディスプレイの向こう側で、無表情の長門の顔が、ほんのわずかだけ緩んだ気がした。
また間が開いた後、誰もが知る有名SFタイトルのパロディが表示された。
YUKI.N> may android dream of electric sheep? _
ぶつん、と唐突にディスプレイが真っ暗になった。
同時に本体から煙と異臭が漏れ出す。
どうやら骨董品のパソコンに、とうとう寿命が来たらしい。
その壊れたパソコンが、『長門』に重なって見えて、俺は泣いた。
正直な話、俺は『長門』には恋愛感情を抱いていない。
でも、あいつは俺の大切な『仲間』だった。
長門だけじゃない。古泉も、朝比奈さんも、ハルヒも……
みんな、俺の大切なSOS団の仲間だった。
涙は乾いていなかったが、気持ちは徐々に落ち着いてきていた。
我ながら薄情だと思う。
哀しかったが……いや、哀しかったから、彼女に触れたかった。
有希はディスプレイが見えない所に立っていた。
「……わたしが見てはいけない」
声は小さいが、強い口調で言う。
「わたしは彼女を知らないけど、わたしは彼女の邪魔してはいけない」
そう言って、煙を上げるパソコンを向く。
細く上がっていた煙は、対処をする必要もなく、自然に消えていった。
そしてプラスチックの燃える嫌な臭いだけが残った。
「有希……何でお前も泣いてるんだ?」
「……ごめんなさい」
有希は泣いていた。
相変わらず表情の動きは小さいが、それは号泣だった。
「わたしには泣く権利なんて無いのに……でも、何故だか分からないけど、すごく哀しいの」
ごめんなさい、と謝る。
ごめんなさい、ごめんなさい、と泣きながら誰かに向かって謝り続ける。
そんな有希を、俺はそっと抱き締めた。
「ごめんなさい……ごめんなさい、長門さん。……ごめんなさい、ごめんなさい、」
腕の中でも、有希はもう一人の自分に向かって謝り続けた。
有希の体温を感じたら、なぜか再び哀しみが湧いてきた。
俺も再び泣いた。
泣きながら、みんなに謝った。
謝っていたのに、いつの間にか別の言葉に変わっていた。
その言葉こそ、SOS団には相応しい気がした。
……ありがとう、ありがとう、ありがとう、
あれから数週間が経った。
我ながら本当に薄情だと思う。
俺は何事もなかったかのように日常に戻っていた。
教室で国木田や谷口と馬鹿をして、度が過ぎると朝倉さんに怒られて。
ちゃっかりテスト勉強などもしたし、合間には当然、有希と遊んだりもした。
そんなこんなで試験週間も終わり、久々に部室に顔を出すことになった。
今日はハルヒと古泉が部室に遊びに来る。
朝比奈さんも鶴屋さんと一緒に顔を出してくれると言う。
残念ながら、いまだにメイド服にはなっていない。今度こっそりハルヒに進言しよう。
有希は掃除で遅くなると言うので、独りで先に行くことにした。
鍵を開け中に入ると、一瞬だけ……懐かしい風景が見えた気がした。
もちろんそんなのは幻でしかなく、瞬きをすると、もはや見慣れた文芸部の部室が戻ってきた。
そう、ここはSOS団の部屋ではなく、文芸部の部室だ。
あれから、だいぶ物も増えた。
あまり顔を出さないが、部員も数人増えた。
今月末には機関誌の締め切りも控えている。
外部への委託原稿の回収、編集作業、そして何より自分自身の原稿の推敲が残っている。
あとハルヒの無茶のせいで、今更になって数ページの不足が発覚している。
どう対処するかが、目下の悩みの種だ。
忙しくて、過去にしがみついては居られない。
少し寂しいが、それが現実である。
鞄を置こうとして、机の上の見覚えのないフロッピーに気が付いた。
ラベルも何も無い真っ黒な外観。妙に無機質な印象を与える。
有希の席だが、あいつの忘れ物だろうか。
好奇心に負けた。
部費で新たに購入した激安パソコンに電源を入れ、OSの起動後にディスクを差し込む。
フォルダを開くと、中にはテキスト形式のファイルが四つ入っていた。
『無題1.txt』『無題2.txt』『無題3.txt』『無題4.txt』
首をひねりつつ番号に従い順に開いていく。中身はどれも短編の小説だった。
幻想的な語り口の、幽霊を自称する『私』の話。
何かを暗喩させる表現が多く、ひどく難解である。
ただし、この世界で俺にだけは、何となくではあるが理解ができた。
当たり前の自然現象を奇跡と呼び、それを自分の名前にした不思議な少女。
四番目のテキストは、それまでと比べ分かりやすい内容だった。
『私』は自らの意志で、二人の『私』に分離する。
初め二人は同一に語られるが、徐々に別の人物として描かれるようになる。
物語の最後。
降りしきる雪の中、『私』は棺桶の中へと入って行き、長い眠りにつく。
そこで『私』は、もう一人の『私』の夢を見て、そっと笑う。
テキストはそこで終わる。
フォルダの名前は『原稿』となっていた。
作者の名前は書かれていない。
まあ、書く必要など無い。誰の作品なのかはすぐに分かった。
いつも部室で本を読んでいたあいつは、正真正銘、文芸部の部員だ。
困ったときはいつだって、黙って助けてくれる、そんな奴だった。
涙は出なかった。
これで本当に最後だと分かったが、なぜか笑いたい気分だった。
腹の底から、何かムズムズした物が込み上げてきた。
「ありがとう!」
叫んだ。
手加減なしの音量が、部屋の中で反響する。
外の連中は驚いただろうが知ったことじゃない。
果たして俺の声は、あいつに届いただろうか。
──さて、取り敢えず話はこれで終わる。
この不思議で恥ずかしく独りよがりで意味不明な出来事は、もちろんフィクションである。
もし事実だと信じたあなたには、『サンタクロースはいない』ということを教えたいと思う。
サンタだけではない。驚くべきことに、宇宙人も未来人も超能力者もいないのだ。
何てつまらない世の中なのだろう、と絶望するのはまだ早い。
世の中には、そんな不思議に頼らなくても、ユカイなことが山のように溢れている。
学園生活でユカイを見つけられないという方がいたら、是非とも文芸部のドアを叩いて欲しい。
部員その他含め一堂、心から歓迎すると共に、ユカイな日々を約束しよう。
※編集長注
再三注意したとおり、機関誌を勧誘ポスターと混同しないように。
読者の皆様、文芸部をよろしくお願いします。興味のある方は、是非とも部室までお越し下さい。
(文芸部 XX年度 新入生歓迎臨時特別号より 名称等に一部生原稿を使用)
>>612 とりあえず乙。
夢オチなみのすごいオチだww
けどよかったです。またかいてくださいね
>>612 割り込んですまなかったorz
今回のもなかなかよかった。
難解な無題1〜3から続きを作ってしまうあたり、すごい。
うーん、何だろう、このモヤッとした気持ちは。
とっても不思議、摩訶不思議。
ともかく乙。
>>612 よんでて、ハルヒスキーな自分はorz
って感じだったが、最後のオチGJ
あれ?長門がハルヒ変態パワーごっそり使ったんじゃ(ry
とか考えてた時期がありました
>>612 何か読んでてめがっさめた。 そして今書いてるSSを見てその出来の差に愕然とする。
スマン、言ってみたかっただけなんだ。
620 :
ケータイから失礼:2006/07/13(木) 23:18:02 ID:S39BUgiM
パソコンじゃんって(以下略)
「まず言っておくとあなたの担当する『重剣士』がこの物語の主人公です。」
流石に驚いた。
大抵主人公あたりはハルヒか俺以外の団員がかっさらっていくと思っていたのに。
ましてやこの世界の作り主はハルヒだ。
まさか俺が主人公だとは思わなかったね。
ハルヒが主人公じゃないのか?
「あなたの担当する『重剣士』をヒーローとすると、涼宮さんが担当する『格闘家』はヒロインとなります。」
ハルヒがヒロイン?
凄まじいミスキャストに俺はさらに驚く、ここは朝比奈さんがヒロインだろう。
朝比奈さんのためならたとえ火の中水の中でさらに未来にだっていけるね。
そう、君のためなら死ねる。
「涼宮さんが願ったからあなたが主人公なんです。」
またそれかよ。
「あなたは選ばれたんです。」
悪徳商法みたいだな。
「涼宮さんがどこまでゲームを進めたのか僕には分かりませんが、この宿屋でパーティー全員で泊まるとイベントが発生します。
イベント内容は魔王との戦い前になかなか寝付けない『重剣士』が仲間一人の元を訪ねる。
と言うもなのですが、ここで大きくストーリーが分岐します。
エンディングにも関わる重要な部分ですよ。」
よし、じゃあ朝比奈さんとのラブエンドを作り上げてやるぜ。
「それは無理です。」
ホワイ?なぜ?誰かの陰謀か?
「陰謀かはおいといて朝比奈さんと長門さんが担当する職業はそれぞれ男性のものですから友情はあっても恋いは無いでしょう。」
朝比奈さんと長門が男役でまさかお前の担当する『ハンター』は女だって言うんじゃないだろうな。
「残念ながらそうなんです。ですので可能なら夜中目が覚めても僕の元へは来ないでください。僕にそういう趣味はありません。」
俺にもねーよ。
安心しろ死んでもいかねえ。
「あ、『格闘家』は女性ですよ。」
へーそいつは明日使えない無駄知識だな。
621 :
ケータイから失礼:2006/07/13(木) 23:18:32 ID:S39BUgiM
「そしてこれは推測なのですが、この物語を涼宮さんは『自分の夢』と考えています。」
だから魔法やらを気にせず使えるし気にする必要もない。
これはハルヒの夢だから。
俺的には楽で良いんだが?
「涼宮さんの夢ですから僕たちが知っているのは変でしょう?」
つまりハルヒは夢としてこのことを覚えていて、俺達はこのことを忘れちまうのか?
「ええ恐らく。」
何にせよ楽で良いな。
すると古泉は急に深刻ぶった顔になって。
「この世界はゲームが主体になっているとはいえ涼宮さんの作った世界です。彼女が納得するまで出られませんからそのつもりでお願いします。」
んなことは分かっている。
どういう意味だ?
「神人が暴れなければ僕としてはどのエンディングでも良いのですが」
だからどういう意味だ?
「では、お話はこれで終わりです。
ほかに何かありましたら今のうちにお願いします。」
急に終わりやがった。
俺の質問はスルーか?
「それに関しての答えは自分で出してください。僕が答えを提示するのはフェアじゃありませんから。」
じゃあそうするよ。
こいつに聞くのも何かむかつくしな。
622 :
ケータイから失礼:2006/07/13(木) 23:20:08 ID:S39BUgiM
「でしたらここからは自由行動にしましょう。」
そうするか。
異空間の物だが外の空気が恋しくなってきた。
さらに言うと疲れた。
「あ、最後に一つ。」
何だ?
「このゲームには宿屋の時点で十八禁のストーリー分岐もありますので、、、」
じゃあな。
俺はそういって去った。
とりあえず健全にゲームを終わらせたいもんだね。
さーて、どうしたもんかな。
さて、考え事をしていると時間ってやつはダッシュで駆け抜けていく。
もう夕方だ。
宿屋に入る。
ここでも歓迎されたのは言うまでもないか。
「さあ明日は決戦の時よ。明日に備えてしっかり休みなさい。」
「ああそろそろ休ませてもらうよ。じゃあまた明日ここで。」
朝比奈さんが爽やかにかつクールにあり得ない発言をする。
そういえば朝比奈さんの担当キャラは『男』なんだよな。
「僕もつかれたから休もうかな。キョン、びびって逃げんなよ?」
長門も『男』なんだな、、、
なんだそのやんちゃ少年な台詞は、、、
イベントってのは恐ろしい物だな。
朝比奈さんをクールにして長門をやんちゃに出来るんだからさ。
ある意味魔王よりタチが悪い。
せっかくなら朝比奈さんが戦闘中呪文を噛んで唱えられなくなるのを何とかして欲しかったが。
なんて考えてると長門がすれ違い際に
「花瓶に気をつけて。」
と言ったのが気になるが気にしていても始まらない。
今はわかんねーけどそのうち分かるんだろうよ。
じゃあ俺も抜けるぞハルヒ。
「ちゃんと休みなさいよ?あんた最近無理してるっぽいから。」
どきっとしたなんて死んでもいわねえからな。
こんなハルヒも悪くないかな?とは思ったが、、、
ハルヒは顔を真っ赤にして続ける。
「勘違いしないでよ?あんたがいないとあたっ、、、みんなが困るんだから。」
「ああ、ちゃんと休ませてもらうよ。」
これはイベントの物なんだろうか?
それとも、、、ハハハっまさかね。
>>612 オチの上手さに唸った。
正直冒頭の方流し読みしてたんでもっかい読み直す。許して。
624 :
ケータイから失礼:2006/07/13(木) 23:22:40 ID:S39BUgiM
ベットに潜り込んで考える。
さて、そろそろ決めねばならない。
『どのエンディングを望むか』を、、、
長門や朝比奈さんとの友情物語も悪くはない。
しかしそういうわけにもいかない。
古泉は無条件で却下。
となるとハルヒが消去法で残るわけで、、、
「本当にそうか?」
俺は俺に問いかける。
「別に友情エンドでも良いじゃないか?」
まぁそうなんだがハルヒが許してくれるかが、、、えーと、、、そのー、、、
「いい加減にしろよ俺?お前は気づいてるんだろ?怖がって逃げてるだけじゃねえか!」
聞かれた俺は無言のままだ。
何も言い返せないね。
そうさ、俺は逃げてきた。
この日々を俺は失いたくなかった。
「そろそろ覚悟を決めたらどうだ?消去法じゃねえだろ。お前は、、、」
目が覚めた。
ゲームの中から出られた訳じゃないが。
どうやら俺の一人尋問会は夢の産物だったようだ。
さて、この話を終わらせるには俺が何らかのアクションを起こさなければならないわけで、俺は何をするかもう決めている。
俺の眠り姫を叩き起こしに逝くんだよ。
逝くは変換ミスじゃないぜ。
覚悟を決めた今の『俺』は目が覚めると消えちまうんだからな。
でも俺はハルヒを起こす。
迷いなんか無い。
ようやく見つけた本当の気持ちに嘘をつくことの方が俺には耐えられないんでね。
俺は今の俺の気持ちをぶつけるだけだ。
続く
>>624 GJ!と言いたいところだが、まずはsageよう。話はそれからだ。
ちょっとキョンが痛いコになっちゃってる
>>612 のオチの何が凄いかがいまいちわからん
落とし方は上手だと思うけど…
改編後の世界の文芸部会誌を書いてるんでしょ?実体験をもとに
>>628 受け取り方によっては公式の小説は
全部文芸部員が想像で書いたものなんですよ
とも取れるオチなんじゃない?
631 :
1:2006/07/14(金) 00:22:06 ID:KI/gS8pQ
お邪魔します。艶っぽいシーンはありませんが、
寝る前の暇つぶしにでもなれば幸いです。
人間は本能よりも思考を優先させて行動する動物だと、オレは思う。
例えば、こう……なんだ、性欲でムラムラしているときに目の前に好みの女がいたとしても、
普通の思考回路を持ってるヤツなら襲いかかったりはしないだろ? そんなことができるのは外道な畜生野郎くらいだ。
逆を言えば、だ。そう思うのは、人間っていうのはそれだけ理性というもんを優先させ、考えて行動する生き物なんじゃなかろうか。
無論、オレもそうだ。可能な限り考えて常日頃から行動している。SOS団に所属している以上、少なくともオレくらいは、知性ある常識人としてそうしなきゃならない。
だがな、魔が差すときが誰にでもあるんだ。そうじゃなくても、ついつい何も考えずに行動することってのは、誰にだってあるはずだ。
そのときのオレがそうだったんだろうな。だから今、オレは自分の行動範囲にはない図書館でボーッとしているんだろう。
そうだな、順を追って説明しようか。事の起こりは、ちょっとした偶然だったわけだ。
その日は何の予定もなく、ぽっかり時間が空いた休日だった。
毎度のように起こるハルヒの呼び出しも、谷口や国木田と遊ぶ予定も、家の言いつけとかも何もない、ただただ暇をもてあます一日。
ハルヒ的に言えば「平凡すぎてつまらない」一日だったわけだ。オレにとってはかけがえのない平穏な一日なんだが、
この日ばかりはハルヒに同意しちまってもいいか、と思えるくらい暇だった。
それで家の中でゴロゴロしていれば飽きも来るってもんさ。
コンビニで雑誌の立ち読みとか、どうせだったらビデオでも借りてこようかと家を出たオレは、そこで珍しい相手と遭遇した。
「よう、長門」
相も変わらず制服のまま、傍目に見れば夢遊病のような足取りで歩く長門と遭遇した。オレの声に気づいたのか、立ち止まってこちらに目を向ける。
睨むだけでその場にブラックホールでも作り出しそうな視線や、注意深く観察していなければ気づかないようなミクロン単位の会釈も相変わらずだ。
苦笑しか浮かばないね。
「何やってんだ?」
感情の機微がまったくない対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド(さすがに覚えた)は、オレの問いかけに言葉ではなく、指さしで答えた。
その方向には市立図書館がある。
そういえば、ずいぶん昔のことのように感じられるが、いつぞやハルヒと一緒に閉じこめられた閉鎖空間で「また図書館に」とかなんとか言われたことがあったな。
「一緒に行ってもいいか?」
そんなことを思い出したせいだろうか、オレは気がついたらそんなことを言っていた。
目の前にボールが飛んできたら目をつぶる、ってくらい無条件反射並に口から出たセリフだったわけだ。
632 :
2:2006/07/14(金) 00:22:36 ID:KI/gS8pQ
そんなわけで、オレは今、図書館に長門と一緒にいる。実は申し出たあとに「やっぱ邪魔になるから遠慮するわ」と言ったにもかかわらず、長門の無感情な瞳はオレを貫き通し、
自分から言い出したことだから断りの言葉を重ねることもできず、今に至るというわけだ。
空いているソファを見つけて腰を落ち着けたオレは、これからどうするべきか脳内シミュレーションを繰り返した。
時計を見ると、15時を過ぎたころ。今日は祝日で図書館は17時まで開いている。長門のことだから、時間ぎりぎりまでここで粘るつもりだろう。
おまけに今日はSOS団の不思議探索パトロールの暇つぶし出来ているわけでもなく、家から呼び出される用事も思い浮かばず、途中で抜け出せる可能性はゼロに等しい。
「どーすっか……ぅおっ!」
あれこれ考えていたら、目の前に無言のまま長門が立っていた。つーか長門さん、あなた足音どころか気配もないんだから、黙って立つのはいい加減やめてもらえませんかね……。
「な、なんだ?」
「こっち」
長門にとっては宝の山に等しい図書館の中で本を持たずに佇んでいるなんて、天変地異の前触れかと思うのは正常な反応だろう。
いったいどんな亜空間へと引き込まれるのかと戦々恐々していると、数歩進んで足を止めた長門は、オレに目を向けて「きて」と再び口を開いた。
ただ、呼びに来ただけらしい。
前々から思っていたんだがな、長門はあれだ、情報統合思念体とかってのに作られた、人間とコミュニケーションを取るためのアンドロイドなんだろ?
にもかかわらず、コミュニケーションを取るのに苦労するのはどういうわけなんだろうね。
それはともかく。
無言で本の渓谷を突き進む長門のあとを、カルガモの雛みたいに後ろをついて行くと、不意に立ち止まって本棚の一番上を指さした。
長門が指さす先を注意深く見てみると、ロシア語らしき文字でタイトルが書かれた本を指さしているようだ。
ああ、なるほど。確かに長門の身長じゃ届かないよな。
「これでいいのか?」
指定された本を手に取ると、長門は油が切れてうまく動かないゼンマイ人形のように微かに頷いた。
本を手渡せば、どうせ長門のことだ。まるで世界樹のように地に根を生やし、荒行に挑む修行僧のように飲まず食わずで動かなくなるのは必然だ。
渡した本の分厚さから考えて、閉館までは放置しておいて問題ないだろう。
ソファに戻って再び腰を下ろす。最近の図書館には週刊誌の類もあるようで、それを一冊手にとって戻ったが、あまり興味をそそられる内容でもなかった。
暇だ。
暇すぎる。
こうも暇だと、もう寝るしかない。
さんざん寝倒したオレだが、図書館の空気には催眠ガスでも混入されているんじゃないかって思うくらい、不意に眠気がやってきた。
いったいどこで意識が途切れたんだろうね。
気がつけば、オレは肘掛けにもたれるようにして眠っていた。
633 :
3:2006/07/14(金) 00:23:28 ID:KI/gS8pQ
いつぞや過去に出向いた時に朝比奈さんをおんぶした重さ……真綿が触れてるような重さと言うべきか、そんな圧力を感じてオレは目を覚ました。
覚醒したての脳味噌は現状を正確に認識してないが、右半身にかかる圧力は夢か現実かわからない気分だった。
「……んが?」
どうやらその圧力は夢じゃないらしい。もっとも、この状況が現実だという保障もない。下手をすれば、オレはまだ眠り続けているのかもしれない。
だが、規則正しくページをめくる音は現実に耳に届くものと思って間違いないだろう。
「……何をやってるんだ、長門」
「読書」
ああ、そうだな。確かに本を読む行為は読書と言うな。だがこれはまた、どういうことなんだ。これまでの長門の態度から考えれば、まったくもってありえん。
またエラーが発生して時空改変でも行ったかと思うほどだ。
「なんでオレに寄りかかって本を読んでいるんだ?」
「まくら」
「…………」
いかんいかん。オレのほうが長門化しそうだ。
そんな考えが顔に表れていたのか、気がつけば長門は陶器で作ったような瞳でじーっとオレを睨み付けていた。
ああ、そこにいるのは昨日部室で会った長門本人に間違いはなさそうだ。時空改変は行われていないだろう。
根拠はない。根拠はないが、オレを睨む長門の視線がどこかしら責めてるように見えるのも、まったく根拠のないオレの思いこみだろう。
……そういうことにしといてくれ。
そうこうしていると、いや実際は身動き一つ取れなかったんだが、長門はゆるゆると本に視線を戻して体を起こし、パタンと閉じた。
それと同時に、館内に閉館時間を告げるアナウンスが流れた。
634 :
4:2006/07/14(金) 00:24:27 ID:KI/gS8pQ
やれやれ、これで約束は果たしたか……と思えば、外で長門がどこを見るわけでもなく突っ立っていた。
いつもは用事が済めばさっさと帰るもんなんだが、これはオレを待っていた……と解釈していいんだよな?
「……今日は楽しかったか?」
コクリと頷く。
そうか、それはよかった。本当に楽しんでいたのかどうかはオレにはさっぱりだがな。
しかしまぁ……楽しんだなら、もうちょいこう、分かりやすい反応が欲しいところだ。
どうせこいつのことだ、何を言っても「そう」とか単語ひとつ口にして、合気道の達人に殴りかかる幼稚園児のごとくオレの言葉をもスルーするんだろ。
分かってる。分かっているんだよ、そんなこと。
それでも人間、無駄な努力をしてみたくなる生き物なんだよ。理性よりも欲望が勝ることだってある。
冒頭での発言と食い違ってるだろ、ってツッコミはなしだ。人道に反しないレベルでの暴走なら問題ないだろ?
だから、ものは試しに言ってみただけなんだ。
「楽しかったなら、もうちょい笑ってみたりしてもいいんじゃないか?」
「……」
……口にして、すぐに後悔した。後悔っていうか、敗北感かな。
ストレートフラッシュが確定している相手に、自分の手札も見ずに自棄で「レートを引き上げようぜ!」って言ってる気分だ。
「…………」
あ〜……その、なんだ。ええっと、そりゃ、まぁ……あまりにもあんまりじゃないか。
オレにもいろいろ心の準備ってのがあるんだ。
すたすたと歩き去る長門の後ろ姿を見つめながら、オレは深く息を吐き出した。呼吸するのも忘れるっつー話だ。
そりゃ確かに、ポーカーにはストレートフラッシュに勝てる役が、649,740分の1の確立で作り出せるわけだが──
ええい、そんなことはどうでもいいんだ。オレがするべきことは、今のシーンを脳内で鮮明に永久保存しておくことだ。
あんな長門の顔を見れば、誰だってそう思うはずさ。
〆
>>634 乙。これのおかげでぐっすり眠れそうだ。
636 :
6-101:2006/07/14(金) 01:54:53 ID:y6GH8i/x
番外・冬 【winter alone】
日本は島ごと凍り付いててしまったのではないかというくらいに冷えきった朝だった。
こんなに寒いのも通学路の地獄坂を芝刈機のように震えながら上っているのも、それは今が冬だからである。
一ヶ月ちょい前にあった入学して二回目になる文化祭がやたら暑かったと思えば、十二月になった途端に急激な寒波が到来し、今までの温暖は一体どこへやら、ど忘れを思い出したかのような冷え込みだ。
秋はもう、滑稽な掛け声と共に両手の人指し指を突き出す某お笑い芸人の如く消え失せてしまったのか、母なる大地よ。
いつぞやに起った地球の歳差運動の微妙なズレが、この事態に繋がったのではないか、そもそも歳差運動とは何だっけと思案していると、
「よっ、キョン」
誰にとってとは言わないが二酸化炭素並の存在でしかない、軽薄な男が俺の肩を叩いた。
立ち止まるのもおっくうなので歩を進めながら振り返る。
「よう、たにぐ……」
谷口の顔を見て多少なり驚いた。いつもの自分では二枚目だと思っているであろう、下品なニヤケ面ではない。
「もうすぐ冬休みだな」
いきなり何だ。
というかその狙っていたクラスメイトの可愛い子が野郎と腕を組んで歩いているのを、街を歩いていて遠巻きに偶然見つけてしまったような遠い目はやめろ。
真っ直ぐ俺を見ろ。いや、やっぱりやめろ。
「もう二年も終りだろ。次は三年だぜ」
まあそうなるな。これ以上単位を落とさないことが必須条件だが。
「やっぱ受験生だろ。そうなると遊ぶに遊べないな」
てっきり谷口は就職かと思っていたが、やはりいくらアホの谷口でも日本の経済状況は把握しているらしい。
「今の内に思いきり遊んでおくべきだぜ。遊べる内に、な」
そんな何処かのハイカラ女…フランクだったか?…が言い出しそうなことを真顔で言うな。
というかお前はいつも心から遊んでいるだろう。国木田の腕を引いて街に繰り出していた昨日のお前は影武者か。
とはいえ、俺も真剣に進路を考えねばなるまい。漠然と進学はしたいと考えてはいるのだが。
まあ、なんとかなるだろう。
俺は根拠もなく確信し、意味もなく顔を上げてみる。
今にも白い結晶が舞い降りてきそうな、それでも澄んでいる冬の空が広がっていた。
あらかじめ言っておく。
この時の俺はこのまま月日が流れ、何食わぬ顔で三年間の高校生活を終えると思っていた。
だがまさかその締め括りになる、卒業式の後で、衝撃の事実を知ろうとはな。
俺の知らないうちに、膨大で、絶大な物語はもう始まっていたのだ。
637 :
6-101:2006/07/14(金) 01:55:37 ID:y6GH8i/x
その日は何事もなく、普段通り順調に終わった。
授業はやたらファンシーな夢を見ている間に終わり、放課後のSOS団の活動も、相変わらず何がしたいのか分からない。
「もう今年も終わりですねえ」
右手で白のポーンをもてあそびつつ、オブラードよりも薄い笑みを浮かべた古泉が言った。
「気が早いだろ」
俺は肩をすくめながら自陣のルークを前進させ、敵陣最後尾にある同じものを奪う。
三年になるのは随分先の話だし、今年もまだ後半月以上ある。何処かのアホみたいなことを言うな。
「いえ、間もなく涼宮さんが焦り始める頃合かと思いまして」
何か不手際が起こる前に、心の準備をしていて損はありませんよ、と続けながら白のキングを逃がした。
まあな。だがあいつの行動は、たとえ明日エイリアンが攻めてきても大丈夫なような万全な準備をしていても、結局無駄になるのは分かりきっているだろう。
やれやれ、今度は何をしてがすつもりなんだ。
逃げた王様を追い掛けクイーンでチェックをかける。王様はさらに逃げた。
「あいつも、もう大人だ」
ここで伏兵のナイトを進撃。チェックメイトだ。
「時に身を任すことくらい分かってもいい頃だ」
詰みを宣言した古泉が優雅に肩をすくめ、勝敗表の俺の名前が書かれている欄に○を書き込んだ。また増えたな。
どんなに暴れようが今年は終わり、新たな年がやって来る。そして来年度には俺たちは晴れて最高学年となるわけだ。
朝比奈さんはもはや普段着になりつつあるメイド衣装で電気ストーブに手をかざしている。このお方はどうするのだろうか。
まさか卒業と同時に未来へ帰る、なんてシュールなオチはないよな。そんなの絶対認めんぞ。
文化祭も終わって三年生は完全な受験モード、そろそろ学校に来る生徒もまばらになるだろう。
そんな中、律儀にも毎日部室に来られるこのお方は、一体いつ勉学にいそしんでおられるのだろう。
長テーブルの片隅で、ダンベルがわりになりそうな本を読んでいる長門に、チラリと目をやる。
こいつも、どうするのだろうか。こいつに行けない大学などこの世に存在しないことは間違いない。ただそれは学力的な問題であり、
北高を卒業してもハルヒの観測は、長門の言う自律行動が続くのか、ってことだ。
チェスでは敵わないと踏んだのか、ニヤけつつ魚雷戦ゲームの箱を開けている不定期エスパーも、いつか力がなくなる日がくるのだろうか。
そして俺も、いつかはこのオモシロ集団と別れなければならない日が、くるのだろうか。
638 :
6-101:2006/07/14(金) 01:56:19 ID:y6GH8i/x
やがて長門が本を閉じ、それを合図に俺たちは帰りの支度を始めた。
何故か団長様は現れず、古泉の思案も杞憂に終わり、古泉はそろそろ何か新しいゲームを持って来ましょうか、と嬉しそうに部室を後にし、
キュートでメイドな朝比奈さんとの別れを惜しみつつ、俺も後に続いた。
俺の腕に羽毛のようなやんわりとした力が加わったのは、下駄箱まで来たところだ。
「………」
長門が、俺の袖を指で掴んでいる。相変わらずの無表情で。少し怖い。
あー…ええと、長門さん。あなたは何をしていらっしゃるのでしょうか。
「きて」
はい?
「一緒に」
それだけ言うと、音もなく玄関から出ていってしまう。
俺は来てと言えばついてくもんだと確信を持っているようだ。まあ、行くに決まってるが。
追い掛けてって隣に並ぶのもおっくうなので、俺は長門の小柄な背中を見て歩くことにした。
さて、今度はどんな厄介ごとに巻き込まれるんだろうね。
朝の晴天は何処へやら、頭上には灰色雲が広がり、太陽を覆っている。
坂道を下りながら、俺はなんとなく今までのことを振り返っていた。
この二年間を通し、俺の高校生活から普通という言葉は完全に消え去っていた。
物理的法則も、世界の一般常識も、ことごとく無下にしてしまう暴走女。それを取り巻く、やや個性的すぎる面々。
そこに一般人であり、凡人である俺が参加したところで、普通の高校生活が送れるだろうか。無理に決まっている。
だが、俺は選んだんだ。途中何度も選択肢はあった。俺はこっち側の人間に、自ら望んでなったのだ。
どうしてなんて聞くなよ。二年間もSOS団にいてみろ。訳の分からない団体だろうが愛着が沸く。そして、その面子にもな。
それにしても、長門は俺を何処へ連れていこうというんだろう。
半端なシャギーの入った後頭部を眺めながら、俺もまた事務的に足を淡々と動かしていた。
語りかける言葉はあまりないし、俺を誘った理由は訊かないほうがいいような気がした。
延々歩き続けてようやく長門が立ち止まったのは、例のマンションだ。もう何十回と訪れた、高級マンション。
予想はついていたが、今度は俺にどうしろというんだ。
639 :
6-101:2006/07/14(金) 01:56:58 ID:y6GH8i/x
長門は玄関のキーロックに暗証番号を打ち込んで施錠を解除し、そのまま後ろを振り返ることなくロビーに脚を進めた。
エレベーター内でも無言で、七階の八号室のドアに鍵を差し込み、開けて俺を招き入れるのも素振りだけで通した。
何かがおかしい。
殺風景な部屋は相変わらずだが、言いようのない違和感を感じる。
俺があぐらをかいて座ったところで、急須と湯飲みを持った長門がキッチンから出てきた。
そういや最初に来たときもこうだったな。長門の入れるお茶を無意味に何杯も飲んで、それから宇宙的一人語りを聞いたのだ。
長門はコタツを挟んで正面に正座し、無言のままお茶を入れる。
差し向かいで黙々と茶を飲み、俺が一杯飲み終えて湯飲みを置いたところで、ようやく長門が切り出した。
「消失した」
何がだ?
「涼宮ハルヒの情報操作能力」
やはりあいつがらみで俺をよんだんだな…それよりも、ハルヒの力が消えた?それは一体どういうことだ。
「涼宮ハルヒには周りを自分の都合のいいように操作する力がある」
それは知っている。ハルヒが電波なことを考えちまったから、宇宙人だの未来人だのとお知り合いになるハメになったんだからな。
「本日午前四時三十二分、涼宮ハルヒの完全な力の消失を確認」
それに伴って古泉一樹の能力も弱まりつつあり、朝比奈みくるの任務もなくなったらしい。
「原因は不明。だがこれで自律進化の糸口は消えた。この結果に情報統合思想体は失望している」
そんなお前の親玉のことなんかはどうだっていい。問題は、少なくとも俺にとって、そこじゃない。
「SOS団はどうなるんだ」
ハルヒが望んだから長門や朝比奈さん、古泉というトンデモ連中が集まったのだ。
今の話を聞いたかぎり、もうハルヒのそばにいる必要は失われたかのように聞こえた。
ハルヒによって集められた団体は、ハルヒの力の喪失と同時に消滅しちまうんじゃないだろうな。
どうなんだ、長門。
「あなたの考えは、正しい」
間一髪入れずに答えられた。今のはもう少し間を入れるべきところだぜ。某クイズ番組の司会者を見習ってくれ。
640 :
6-101:2006/07/14(金) 01:58:14 ID:y6GH8i/x
「それで、お前は」
「情報統合思想体は涼宮ハルヒにはもう観察対象としての価値がないと判断した」
それは…ということは、まさか……
「よって、」
聞きたくない。長門、やめろ。やめてくれ。
俺はとっさに身を乗り出し、右手を伸ばしていた。
「情報連結をか…ぅ」
何かを言おうとしていた長門の口が、動きを止める。何故なら俺の手によって塞がれているからだ。
掌にかすかな吐息を感じた。暖かい。
「言わなくていい」
俺はそう言って手を離した。長門の温もりが遠ざかる。
お前の言いたいことは俺には全部、分かっちまうんだ。
見ると、長門は律儀にも沈黙を守っている。何故こいつは俺の言うことは聞くんだろうな。
「……もう、喋っていいぞ」
「そう」
長門は気を取り直したかのように口を開いた。
「わたしには、また任務が残されている」
何だそれは。観察だけが任務じゃなかったのか。
俺は思い出す。今よりも何もない長門の部屋。敷かれた布団。三年間もの、空白の時間。そして、一枚の栞―――
わたしは、ここにいる。
「わたしの自律行動が続くうちの、最後の任務。わたしは―――」
次の長門の一言で、
全世界が停止したかと思われた。
「わたしは、あなたの記憶を消す」
641 :
6-101:2006/07/14(金) 02:00:17 ID:y6GH8i/x
「それは…どういう……」
何故だ。ハルヒの力が消えた。奴はもう普通の女子高生だ。ただちょっと頭が、なんだ、ちょっとだけ人とは違うだけで。
朝比奈さんもあの人は未来から来たことを除けば、何の力もない、普通の人間だ。ハルヒが原因とされる時間の歪みがなくなれば、未来へ帰るのだろうか。
古泉。あいつも普通の人間になるんだよな。機関とやらも解散するしかないだろう。さぞ面食らうだろうぜ、神が突如消え失せるんだからな。
とにかく、特殊能力は抜きにしても、みんな大事な仲間だ。普段はこっぱずかしくて言えないが、今なら言えるさ。
俺は、好きだ。SOS団のみんなが、たまらなく好きなんだ。
何故、俺が記憶を失わなければならないんだ。
「あなたは、多くを知りすぎた」
まるで文章を読むかのように、長門は淡々と言葉を紡ぐ。
「時空改変を試行する。あなたは涼宮ハルヒも、朝比奈みくるも、古泉一樹とも何の接触もなく、高校卒業を果たす」
「…………」
俺は、発するべき言葉を探し得ることができずにいた。
それはつまり、もう会えないということか?ハルヒや、朝比奈さんや、古泉に?
いやそれよりも、改変後の世界ではみんな赤の他人か。そして互いにSOS団であるときの記憶はない。
「そんな……」
俺はどうすることもできずにうなだれた。何か、何かいい方法はないのか。
「改変後の世界であなただけが記憶を継承するのは、あなたに相当の負担を掛ける」
精神的にも、肉体的にも有機体が耐えうる保証はないと情報ナントカ体は示唆していて、それは長門自身の願いでもあるそうだ。
長門自身の手で、俺の記憶を消したいと。言わば俺の記憶を消すという任務は、長門の最後の願望だったのだ。
「分かったよ、長門」
何処ぞの知らないオッサンよりも、お前に記憶を消されるのが一番いい。
情報ナンタラ体に実体は存在しないらしいが、なんとなく分かる。尊大な態度のオッサンに決まってる。
それにやるなら、スパッとやってくれよな。おっと、スパッといってもナイフはもう勘弁してくれ。
「最後に」
ん?
「一つ、お願いがある」
おお、いいぜ。
お前には足を向けて寝られないほど世話になったからな。何でも、言ってくれ。
「わたしを、抱いてほしい」
642 :
6-101:2006/07/14(金) 02:01:00 ID:y6GH8i/x
しばらくの間、沈黙の妖精が殺風景な部屋をひらひらと飛び回った。
さて、先週に返された期末考査の結果だが、あれはどうしたものかなあ。
って、逃避したい過去を持ち出さねばならないほど、今の俺は混乱しているのか。
長門よ、何と言った。
「わたしを、抱いてほしい」
いや、そっくり二度言わなくてもいいし、何ならもう一回…って、俺は何を考えているんだろうね。
「………いや?」
いや、そういう問題じゃなくてだな。
「わたしという個体は、あなたを望んでいる。…最後に、わたしと……」
長門が言い終わることはなかった。
今度は手じゃないぜ。
俺は長門との間合いを瞬時に詰め、長門の口を唇で塞いだ。目には目を。
「長門……」
長門は何も言わない。また沈黙を守ろうとしているのだろうか。
俺はさらに唇を強く押し付ける。こうすることで、納得のいかない内心を抑えるかのように。
「…いいんだな」
俺も男だ。しがない雑用係をやらされ、こき使われてはいるが、ちゃんとした男なのだ。
もう、止まれる保証は、何処にもない。
長門は微かに、だが、はっきりと頷いた。
俺たちは互いの唇をむさぼるように求め合い、唾液を交じり合わせながら床に身を任せた。
長門の動きはやはりというか、ぎこちない。俺も舌なんか使ったことないから、ただ一心に、長門を求めて動かせるだけだ。
やや乱暴になってしまうのを抑えつつ、セーラー服を脱がせてゆく。
当然のことながら、長門は抵抗しない。その瞳は、真っ直ぐ俺に向けられている。
……やりにくい。
「あの…なんだ、長門。そうじっと見られても困るんだが」
643 :
6-101:2006/07/14(金) 02:02:43 ID:y6GH8i/x
「わかった」
長門はそう言うと、頭を百八十度ぐるん…なんてことはないが、かくん、と人形のように横に倒した。
その動作がたまらなく愛おしく、俺は長門の膨らみに手をやる。
双丘を包むように撫でると、長門がびくっと震えた…気がした。
大きくはなく、俺の手にすっぽりと収まってしまうほどだが、その柔らかな弾力が何とも言えない。
長門の唇がわずかに動く。耳をすまさないと分からないほどの、わずかな吐息。
セーラー服の下は予想通りというか、長門によく似合う、白いシンプルなデザインのブラだった。
空いた手でホックを外そうとするが悲しきかな童貞よ。うまくいかず、両手を回してなんとか外す。
微かな二つの膨らみ。長門の雪のような白い肌に、桜色の頂点。どんな裸体の名画も敵わないような、そんな美しさだった。
俺は突起に、そっと口を付ける。心の中で、長門の名前を何度も読んだ。
スカートを外し、ショーツをずらして指を差し込んでゆく。そこは、確かに濡れていた。
長門は、女の子なんだ。人間の、女の子なのに。
行き場のない俺の悲しみや苦しみは小さな嗚咽となって俺の口から漏れた。
長門は、子供を作ることだってちゃんとできる。機械じゃない。幽霊でもない。人間なんだ。
無邪気に笑う長門の子供と、今より少し大人になった長門が、手を繋いでいる光景が俺の頭の中で浮かんで……消えた。
「長門」
呼び掛けると、長門がこちらに向き直った。わずか頬が朱に染まっている。
入れるぞ。
長門が頷くのを見て、俺は、シャツを脱ぎ捨て、ズボンのベルトに手をやった。
もう俺のものは臨戦態勢に入っている。対し、長門のも、俺を受け入れる準備は滞っている。
「長門………」
俺は長門のか細い足の間に腰を進めていく。
ちゅくっという音と共に、俺の先端が、長門の入り口に触れた。
割れ目にそって動かす。液が交じり合い、ぬるぬるとした感触が伝わってくる。これだけで気持いい。
俺は意味もなく深呼吸。下の長門に目をやると、虚ろな目をしている。
「…長門」
何度目だが分からないが、俺はまたもや名前を読んだ。長門が瞬きをする。
「いくぞ」
俺は挿入した。長門の中へと。
644 :
6-101:2006/07/14(金) 02:03:24 ID:y6GH8i/x
先端がようやく入ったところで、激しい抵抗を感じる。
長門の狭い入り口を押し広げながら、俺は奥へと進んでいく。
「長門……」
痛みはあるのか分からないが、処女のようだった。一応、念入りに腰を進めてゆく。
と、突然全ての抵抗が解かれたかのように、俺のは長門の最奥に達した。
俺と長門は、一つになったのだ。
俺は身体を倒して、長門を抱き締めた。肌と肌が直接触れ合うことで、俺の感度はさらに高まる。
「動いてもいいか?」
俺の問掛けに、長門は何のことだか分からないようだった。だが何かを思い立ったのか、小さく頷いた。
腰を長門に打ち付ける。激しすぎるくらいに。接合部から溶けてしまうような快感が全身を駆け巡る。
長門の息遣いがはっきりと聞こえる。
俺は長門を強く抱き締めながら、名前を呼び続けた。
「長門…長門…ながとっ」
長門は何も言わず、ただ真っ直ぐな瞳で、俺の激しさに耐えている。
「ながとっ…俺、もう……」
早すぎるような気もするが、長門の中から伝わってくる快感を直にして、今にも果ててしまいそうだ。
俺は動きを一層早めながら、長門を見る。長門は……それでもやっぱり、俺を見てくれていた。
長門は、受け入れてくれる。俺を、真っ直ぐな気持ちで受け止めてくれる。
気持ちいいはずなのに、嬉しいはずなのに、何故か、俺の頬を涙が伝った。
そして俺は、
長門の中の空白に、長く長く生を放った。
決してやどることのない、俺と長門の「未来」。
決して生を得ることはない、二人の迷い子。
俺と長門が世界の終りにした、最後のセックス―――
それは、冬の孤独だった。
645 :
6-101:2006/07/14(金) 02:04:33 ID:y6GH8i/x
「もうすぐ消えるんだな」
行為の後も、俺たちは衣服を身に付けず、冷たいフローリングに背を預けて抱き合っていた。
無器用な二人の慰めあいのような行為――それは恋の一部であり、全てであり、そして最後のようだった。
明日からは全く別の高校生活が始まる。宇宙人も未来人も超能力者もいなければ、あいつもいない生活。
俺は普通の、日本全国何処にでもいる、ありふれた存在になっちまう。
――なんで俺は今、たまらなく寂しいんだろう。俺は普通を望んでいたんじゃないのか?
「SOS団はどうなるんだ」
の太い、俺の声。
「あるべき形になる」
か細い、長門の声。
どういうことか、俺にはまだ分からない。だが、長門が言うんならそうなるだろう。間違いない。
新しい世界で、俺は上手くやっていけるだろうか。SOS団の喪失は、俺にとってどれくらいデカいんだろう。
まあいいさ。そんなの、行けば分かることだ。居場所がないなら、自分で作ればいいしな。
「そろそろか?」
長門は、黙って頷いた。そして、顔を伏せてしまう。出発の時が来た。
「じゃあな、長門」
もし、向こうの世界で、長門の自律行動がまだ続いていたら。
長門の小さな口が高速で動き、何やらぶつぶつ聞こえるが、俺は構わずに顔を近付ける。
「また会おう、長門」
………卒業式の後で。
長門と俺の唇が触れ合ったとたん――
世界は、光に包まれていった。
薄れゆく意識の中、ああ、長門は長門だった、と何故か俺は安堵した。
646 :
6-101:2006/07/14(金) 02:06:21 ID:y6GH8i/x
俺はいつもの地獄の坂道を上っている。地球をアイスピックでつついたら、ちょうど良い感じにカチ割れそうな朝だ。むしろ率先してカチ割りたいほどである。
遥か高みにある坂のてっぺんがひたすら恨めしい。
我が学び屋を山の上に建てた奴の気がしれないね。何を考えてるんだ。いじめか。
そんなことを考えながら上を見上げていると、白い結晶がハラリと落ちてきた。
俺は思わず掌を差し出し、それを受ける。
「あ」。まるで陳腐なドラマの最終回だ。
「雪か」
その小さな冬の奇蹟は舞い降りた俺の掌で俺の暖かさを知り――
消えた。
そして容赦なく山風が吹きつける中、
俺は微かに、だがはっきりと誰かの声を聞いた。
――また図書館に
(終)
647 :
6-101:2006/07/14(金) 02:08:30 ID:y6GH8i/x
長々と申し訳ありません。
保管庫【卒業式の後で】の番外編みたいな感じです。
読んでくださった方、ありがとうございました。
どうもキョンが長門を有希と呼ぶのは想像に難い
>長門の中の空白に、長く長く生を放った。
>決してやどることのない、俺と長門の「未来」。
>決して生を得ることはない、二人の迷い子。
最終兵器な彼女の漫画を思い出した。良かったです。
>>647 畜生!
なんでこんな夜中に俺を泣かせるんだよ!
どいつもこいつも!
GJだったぜチクショウ!
次はハピーエンドなヤツを頼むぜチクショウ!!
泣ける
651 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 02:49:42 ID:yJCXCy18
死ね
652 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 02:50:34 ID:yJCXCy18
死ね
>647のようなシチュエーションに遭っても、
長門がキョンの存在と築き上げた記憶を守るために
造物主たる情報統合思念体に反旗を翻す
…という展開もまたありじゃないかなと思ってみたり。
>>654 ソレダ!!!!
てゆーか654さんソレで書いてー
とまあそんな感動的なSSを前にしていささかアレな文で恐縮なわけだが。
-----------------------------------------------------------------
『長門有希との入浴』
なんで俺はこうしているのだろう?
「入浴は健康維持のために不可欠」
いやそれは確かにそうなんだが。
「正しい入浴法でないと健康維持に支障を来たす恐れがある」
それも一理ある。
「身体を清潔に保つ事で疾病を防ぐという効果がある」
まあ、そりゃそうだな。
「しかし一人では洗えない部分もある」
あるか?
「ある」
長門がそう言うんならあるんだろ。
そんなわけで、俺は全裸で長門のマンションの広いバスルームにいるわけだ。
隣にはバスタオルを身体に巻いただけの長門。
おっきしそう。てゆーか、もうしてる。
俺だって棒ッきれでもなんでもないわけで。若くて健康な男子なら、
長門みたいな可愛い女の子と一緒に浴室で全裸でいたらこうなるさ!
まあ自己弁護はさておき。
長門の指が俺の頭皮をこしゅこしゅと擦り上げていく。
ていうか、理髪店のおっちゃんより上手いぞ長門。
どこでこんなテクを覚えた?
「最適な方法をトライ&エラーで導き出しただけ」
そうか。
「そう」
「ところで長門」
「なに」
「さっきから、お前のバスタオルが落ちてるような気がするのだが」
「みえるの?」
「いや、泡で見えないけど、お前の身体の感触からなんとなくそんな気がするのだ」
「……気のせい」
いや、これはどう考えてもおっぱいだろ。お前の。
だって乳首の感触がするから。
「気のせい」
そうか。
「てゆーか、シャンプーの泡は流してくれんのか?」
「頭皮の油脂分を剥離するのにはしばらく泡があったほうが適切」
「そうなのか」
「そう」
「お前が裸を見られたくないからじゃないわけだな」
「……」
「……」
「私はあなたに全裸を見られるのはイヤではない」
う。鼻血ちょっとでそう。
突然、長門の感触が身体の前でした。
てゆーか、ボ、ボディ洗い?
なんでそんな単語を知っているのだ俺。
いやともかく、長門の身体、とくに薄いながらもしっかりと女の子している胸が
俺の身体の前の部分、胸とか腹に押し当てられてる、ってゆーかボディシャンプーの
泡が泡が泡が。
ぬるっと。
ぬるっ、て!
いかんいかんいかん、立つな、激しく立つんじゃない俺! 息子よ、落ち着くのだ!
ダメだよ父ちゃん!長門のうっすらとBカップあるかないかのおっぱいが泡泡で
滑りながら父ちゃんの身体を擦ってなぞって押し当ててるんだヨ!
立たないほうがおかしいって! 問題あるって!
そうか、息子よ。じゃあしょうがないな。
なんて一人芝居をしているうちに、長門の身体の感触がだんだん下腹部に……
てゆーかチンコ。パっと立ちまくったチンコに……
あっ
だ、だめ、ダメだっ、な、ながとっ!!?!?!!?
------------------------------
果てたまま終わる。落ちてない。
長門のボディ洗いを書きたくて書いた
長門と一緒に風呂に入れればそれでよかった。
今は反省している。
長門にはシャンプーハットをかぶらせて欲しかった
ちょっと遅いけど
>>612 凄く味のあるオチだね。
フィクションですよと強調はしているけど実は…ってやつね。
読んで良かった。
>>634 これは いい とても
キョンの独白がメガオモシロスw
ブラックホールを作り出しそうな視線とかどんなんだよと
なんか原作の最終回は情報統合思念体は長門に自立進化の可能性を見出だしそうじゃない?
感情がない長門が感情をもった事は進化に違いないんだし
それで地球に残るか宇宙に帰るかは分からんけど
けどキョンが進化の鍵になってるような気もするから地球に残るよと思う
まぁ消される事はないと思う
ハルヒの口癖って「全然」なのか?
結構使ってるね
「キョン」だと思うな
死刑じゃないの?
死刑とマッガーレ
キョン限定で罰金も
みくるいじめ
はるひ「みくるちゃん今日はチャイナ服よ!」
みくる「ふえ〜んいやですぅ」
かづき「やれやれまた始まりましたか」
ながと「・・・ぶりっ子」
きょん「いい加減すきこのんでやってるって俺でも分かるわけだが・・・」
はるひ「みくるちゃん、そういうの別に可愛くないわよ。」
みくる「きゃあ!」
かづき「またお茶をこぼしたんですか・・迷惑な人だ」
みくる「すいません、私ドジで・・」
ながと「・・・故意にやってる」
きょん「何を参考にしてるか知らないが、ちょっとドジっ子の演技ベタすぎじゃないか?」
はるひ「たりらりら〜ん見てんじゃない?」
かづき??
えっ古泉一樹でいんでしょ?
「かづき〜!かづき〜!」
真っ先に死に掛けの爺が浮かんだ
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かづきって???
誰なん?
一樹(いつき)w
,r'"´ `ヽ
/ `、
/^丶、 ゙、
,イ, `''ー- 、 /ヽ
/::::イ , -ー-、`丶、 ,ィニニ'ー-、 /.:.:::l
.i::::::::i ,r'"´ ̄`` ,. Y.:.:,ィ⌒ ヽ,ィ i:::::::|
|:::::::| '゙ ,ィ( Oソノ! (.:.:Y(人)Y/j |::::::|
j:::::::| -‐'"´ ヽにUソイ::ノ<l /ヽ
/,r 、jト、 ,イ, 、__,、ヽ  ̄`) `>个 !
i ⌒ヽ、 /.:.:::::::.:.:.: ヽ ,イ ) /
゙、 J! `, ,/ `、 /:::レ'/
\j! i / 、_ .:.::::::::.:..: _ ) i l /
`i ! | , -─- 、 | i
ヽ l l ,/
`ト、 , ィ´
|:::.ヽ、 , ィ´::::|
|:::::::.:.:.``ー─ ''゙:::::::::::::|
あと60KBしかないんだからAAで無駄に容量使わないほうがいいぞ。
もう埋めちゃおうぜ!
, ' ´ ̄´ `丶、 / rヘ=,,≠==、、 ` 、
〃l ハl`ヽ ) ヽ
リ l l ゝ ,,,,从 l l
(l∨ ⌒ヽ ´ 〃 } l
l | r ‐ - 、⌒ヽ/ l) │ かづき〜www
,'| | l / / / |
,'.| | \` ー ' _ / / !
_ , -| | - l ` ー < / / |
r―――-、-''、 ` ー--‐'' ̄`ー''´ |.│∠ / / / ヽ !
 ̄ { ` ヾ } { | /≠ミ/ ,' ,' l |
ヾ____ノ ノ ` ー-____.l | l / / / │ │
` ー----‐‐ ̄ / / | l / ./ / │ .l
/ / ! l , ' / / { | ヽ
/ / | l_ . // ! /| | ヽ
/ / / ̄ ` ーl !ー− ヽ | ヽ
/ / /三 i ! } } ヽ ヽ
/ , ' /ーrォrォ - | |/ l ヽ ヽ
/ l / | |│| │ !ー┬〜' ´ ヽ ヽ ヽ
/ │ / | .│| .| ! ! l | ヽ ヽ ヽ \
/ | ,' l | | | | | l│ ヽ ヽ ヽ. \
/ !/ !. | | │| l ! ! ヽ ヽ ヽ \
/ / / `' `' ! .l ゝ ヽ ヽ \ \
古泉く、カヅキ君を
あなたのおもりじょうりにはさまさせせんっ!
あたしが守ってみせまーしゅ!
あまりにもハルヒとキョンのイチャイチャを見せ付けられるので
長門の切なさが炸裂してキョンに無言電話がかかってくる展開キボン
●「かづきじゃありません、いつきです。どうかお忘れなく。」
__,, -‐'" \_
____________ ~"'ー、_
::::::::::::::::::::::::::::::::/ l | | ∧ヽ、_ ~"'ー、_
:::::::::::::::::::::::::::::::|./l ∧ ヘ ̄|~"T.ト、\__ ~
"'‐、::::::::::::::::::::::|.lヽ | l\ l/i ̄ヘ l ヽ lヽ`イ ̄lヘ,Tト-、_
~''-、:::::::::::::::` ヘl ` |ヽpノl ` `` pノl /ヘ! ∧ T-、_ _,,,, -―‐'"
~''ー―''"~'| | l __ ̄ ,  ̄〃l /| ヽl  ̄
ヽlヽ_>'::::ヽ __ ‐'!:::''<レ
く"~:::::::::::::|、_ ' _//:::::::::::::::~>
ヽ:::::::::::::::ヽ!、T'ー-‐"|/l'/:::::::::::::::::/
ヽ:::::::::::::::∀ ト/::::::::::::::/ …かづき…。
__> -、_\ /_/::::::::ヒ'_
/::::::::::::~"::::|:::::::::`l-‐r'":::::|:::-':::::::::::::'-、
/ :::::::::::::::::::~"フ"/Tヘヘ''"~:::::::::::::::::: ヽ
/ / `ト 、', ヽ
\ / / -ト y i l\
l ハ l / ● l }-、 ! \
l/i yi ● , ⊂⊃ l ,!/. \ かずきーーー!
― レvl⊃ r´`´ヽ l }´/ ヽ \
i 、 ヽ、_,ノ j ト ~、 ヽ
. r- ,_ 」 ヽ , ____,. イll lヽ=_____
. l、 ~'''TTト、 ハ,ヽ l===l l l //- .,
ヽ、 .l l l ', ', \ヽ l ̄l l l //
`ー.l_l_l__', ',__ \yV/レ 〈ー'ヽ
まだあわてるじかんじゃない
AA埋めは勘弁してくれ、埋めるならSSで頼む。
というか、スレ容量の1/10を埋めようとするなよ。
「ず」じゃなくて「づ」なのがポイントだなw
__,,/ _, ----`ヽ :.
:. / _ ___ 、\
/ / i \ \\ :.
:. ,'./ i ヽ:. ヽ:.:.. ヽ.ヽ
,'/ / .ハ ヽ ヽ:.:.:.:. ヽ::.. ヽヽ :.
:. |i .i i .i / ヽ ト 、 \、:.:.:. ',:.',:.:.lヽ}
|i .i l :N_, -弋 \弌弋ナ:}:.:}
:. |i∧ ', :{ ,ィjモト \ イjミトイイV :. な…
.| :メヽ.', `ozZ} izN。ハ::{ なんなんですか?
:. | :ヾ_! ゝ "゙゙ ' `゙ ハ.:', :. ここ、どこですか?
| :.:_イ .:.ヽ. (二フ , イ :.:.:!:.ヽ なんでかづき?
:. / rィイ | :.:.ヽ: >r/`<ノ .:.::.}ヽ、\:.
/ ∧l;l ! :.:.:.://{二 ̄ .} ..:..::リ//ハ.:\
:. / .{. ',ヾ、ヽi .:.:.{ /(^` |.:.:.:.//: : :.}: . ヽ.:.
/ / ) ヽ ヾ、ヽ:.ハ ヤ{ ∧/.-‐'": : |:.:. i ',
./ .,イ .:..} : :\ヾレ'ハ ∧__ノノハヾ、 : : : l:.:.: .ハ ',
{ /| .:.:ハ : : :i Y {ヾ`Yヽニン'ノ}: : } : : : :/:.:.:/ }:.}
V | .:.:/:.:|_,ィ' ̄ ヽ三{ `ー-ノ : イ : : :/:.:i.:{ リ
ヽ:.:{、.:.V : : ヘ : : {: : :/:.::∧|
ヽ! )人 : : :人 : : : / \! :.
" ヽ : : : : :/イ{ :.ノ: : : :.\ :.
:. \__///: :\______/: : : : : : : ヽ
/ //: : :|;|: : : : : : i: : : __: : : : ',
:. / 、 {;{ |;| . : i/. : : : : : :|
/ `Y;{. . . .|;|. : : : /i: : : : : : : : :l
690 :
685:2006/07/14(金) 13:04:42 ID:4ctgPKRp
素で間違えた…。お詫びになにかSS考えてくる。
今考えているのは、ハルヒ以外のSOS団員が消失するという話だ。
ハルヒだけがいなくて、他の4人は文芸部員という話。
そんなのいらないです。
是非とも読みたいです
あのおじいちゃんはだれなの?
>>690 ハルヒ以外が消失して、ハルヒだけがいない。
じゃあ誰が居るんだ?
AAで埋めてる奴死ねよ
697 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 13:59:12 ID:DHV5866L
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::: ',.:::', ,.゙'゙:::::::;::.,,‐:;;;''::.,゙'::、.::;;::.l . ヽ':::::::..'' :::' ::::::::::::::::::::;;;;:.!.::::::!
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698 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 14:00:00 ID:DHV5866L
rー- .._ __
| `丶、‐┐ ,. ‐''"´ !
,ノ `ヽ.「`Y / ',
/ ,. ‐''ニニ''‐、_} } | _,.. -──-、_」
ヽ 〈  ̄ /l ̄`ヽ、 /
ハ 〉 _/、__八フ ヘフヽ {
` V_,. ‐''/  ̄、 ⌒ \__ノ
/:.:! j i.::::゙,
i:.:.:| _,, ,、--、 !:;;;;|
|;;;;j ,r''"二ヽ r'⌒ヽ !;;;!
かづうぅぅぅぅぅぅぅ ,ヘ;;i! ,,_r ・,ン.:! {〈・_,>、,, jヘi!ぅきぃぃぃぃぃぃぃぃ
〈 j>j、 "´, イ `ヽ ,':::〉!
`ゝ.`, ノ、__,入 j::rソ
`゙i / ,r===ュ, `, '.:〔_
}! ! i.:::::::::::.:! ;! .!::::j::`` ー----─r- 、
, イ.:ト、 ゙===='′ ,イ!:::::!::.:.:.:. ゙, `ヽ
_ノ /j.:::!:トヽ、 ´ ̄` ,ノ´ ,リ::::.:!:::.:.. i. \
,.r'´ /.::!:::::::| `ヽ`"""´ /ノ.:.:.:.:.::!:.:. | !
/ .:|.:.:.:::ト、 リ / !:. ! |
/ l , へ\! /'7ヽ |: j |
/ l/^ヾ:::ト、! j! l 〉、 | | . |
,/ i .::| i| j! | / `ー'′ ! j! !
j! .:.:.:i:.:.:| ヽ| /,ノイ / ljレイ |
/ト、 .:.:.::::::l:.::| `y'/ r─---イ=='゙ リr゙'/ ,j!
699 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 14:00:50 ID:DHV5866L
,.- ‐── ‐- 、
,r'´ `ヽ
,イ 〔∵〕 jト、
/:.:! j i.::::゙,
i:.:.:| _,, ,、--、 !:;;;;|
|;;;;j ,r''"二ヽ r'⌒ヽ !;;;! キョンめ!ワシからかづきを奪いに来たかあああああああ!!!!!!!
,ヘ;;i! ,,_r ○,ン.:! {〈●,>、,, jヘi!
〈 j>j、 "´, イ `ヽ ,':::〉!
`ゝ.`, ノ、__,入 j::rソ
`゙\ / ,r===ュ, `: / \
_,、 __/ー-+-+、ヽ__\ノ|i K、
./λノ\,人-,、/^ヾ,,ヽ,ヽ,.,---`' ヾ,/`,
/ / ̄\フ、> 'i |\/ヾ,)) |===i ("iソ
<`レ’ i'V ノ | ,,|>-"' ヽーソ | il`i
i",|-, ヽニヽ_.|/^il"~`》_,-" <`ー"ヽ、
`i"-P _/ ̄,]|`=,)ー+ー' `-, ,Y )
ヾイゝ_ '"┴-<|iヾソ レレ'
∠ニO)ー` />i |L
<)_ヘ_(^ヽ
ヽ| ~`
700 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 14:01:54 ID:DHV5866L
,,,./ ,./ `''-,,
: ,/:;: ! ./ \
/;::::::./ : _, ,,,,,,、 ヽ
,,,,l゙::::,ノ゛.r'゙二;;___: ::`‐ }
,i'゙ン'' |l/゛-‐ <,/゙.lぞ、 .__、 / │
! .`::::.i〔 : --`-`-: ...- :゙ヽ. ../ │
}..l;: ! .ヽ / ,.ィ;;ニi、 :、'、 / ,,ix'|
ヽ.l" : ./ _..-'''Z_, .′ : .l\.ll'゙li〕 ! ,i'";:;::/
i′./ ,i‐″ ::::ゝ-┐,i ヽ `'''゙,,、,/;::: /
l゙ .′./ ヽii- 、 ´.i _i二./
l、 .′ .,゙'-ミヽ、 } ,..、/''゙゙゙L|
/ ヽ, `';:゙'''.li,,,,./ ././:::::::::У
,r'"'''ー l,゙,;::::::ヽ . / / .,i'゙'二ニー'゛
__x─ ̄ / ' ´ ll :.:.:.ヽ ´ / `
\ j __i \ :.:.:.` ―― ̄ー )―'´
かぁづぅきぃぃぃぃぃぃぃぃー
AAで埋めてるやつ死ねよ
と俺も煽ってみるww
このおじいちゃんはマジで誰なの!?
705 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 14:12:53 ID:RJbEGedh
どうやって?手がかりないし
やっべ嵐に反応した?
ごめん、煽っちゃったw
こりゃ職人呆れるわ
とりあえず次スレの用意を早急に
俺は建てられん
/ _, ----`ヽ :.
:. / _ ___ 、\
/ / i \ \\ :.
:. ,'./ i ヽ:. ヽ:.:.. ヽ.ヽ
,'/ / .ハ ヽ ヽ:.:.:.:. ヽ::.. ヽヽ :.
:. |i .i i .i / ヽ ト 、 \、:.:.:. ',:.',:.:.lヽ}
|i .i l :N_, -弋 \弌弋ナ:}:.:}
:. |i∧ ', :{ ,ィjモト \ イjミトイイV :.
.| :メヽ.', `ozZ} izN。ハ::{
:. | :ヾ_! ゝ "゙゙ ' `゙ ハ.:', :. な…
| :.:_イ .:.ヽ. (二フ , イ :.:.:!:.ヽ なんなんですか?
:. / rィイ | :.:.ヽ: >r/`<ノ .:.::.}ヽ、\:. かづきって誰ですか?
/ ∧l;l ! :.:.:.://{二 ̄ .} ..:..::リ \.:\ なんであたし
:. / . / ヽi .:.:.{ /(^` |.:.:.:./ }: . ヽ.:. 裸になってるんですか?
/ / } ヽ:.ハ ヤ{ !.:./ |:.:. i ',
./ .,イ .:..} / l ! レ l:.:.: .ハ ',
{ /| .:.:ハ / l i i /:.:.:/ }:.}
V | .:.:/:.: ', / iノ :i ! /:.:i.:{ リ
ヽ:.:{、.:.:.l | | |. /:.::∧|
ヽ! )人 | ! / \! :.
" ヽ / { / \ :.
:. \__/ \______/ ヽ
/ 、 b ',
:. / ヽ / ;
/ \ / !
/ \!/ !
じゃあ立てるよ
/ _, ----`ヽ :.
:. / _ ___ 、\
/ / i \ \\ :.
:. ,'./ i ヽ:. ヽ:.:.. ヽ.ヽ
,'/ / .ハ ヽ ヽ:.:.:.:. ヽ::.. ヽヽ :.
:. |i .i i .i / ヽ ト 、 \、:.:.:. ',:.',:.:.lヽ}
|i .i l :N_, -弋 \弌弋ナ:}:.:}
:. |i∧ ', :{ ,ィjモト \ イjミトイイV :.
.| :メヽ.', `ozZ} izN。ハ::{
:. | :ヾ_! ゝ "゙゙ ' `゙ ハ.:', :. な…
| :.:_イ .:.ヽ. (二フ , イ :.:.:!:.ヽ なんなんですか?
:. / rィイ | :.:.ヽ: >r/`<ノ .:.::.}ヽ、\:. かづきって誰ですか?
/ ∧l;l ! :.:.:.://{二 ̄ .} ..:..::リ \.:\ なんでおじいちゃん
:. / . / ヽi .:.:.{ /(^` |.:.:.:./ }: . ヽ.:. になってるんですか?
/ / } ヽ:.ハ ヤ{ !.:./ |:.:. i ',
./ .,イ .:..} / l ! レ l:.:.: .ハ ',
{ /| .:.:ハ / l i i /:.:.:/ }:.}
V | .:.:/:.: ', / iノ :i ! /:.:i.:{ リ
ヽ:.:{、.:.:.l | | |. /:.::∧|
ヽ! )人 | ! / \! :.
" ヽ / { / \ :.
:. \__/ \______/ ヽ
/ 、 b ',
:. / ヽ / ;
/ \ / !
/ \!/ !
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____________ ~"'ー、_
::::::::::::::::::::::::::::::::/ l | | ∧ヽ、_ ~"'ー、_
:::::::::::::::::::::::::::::::|./l ∧ ヘ ̄|~"T.ト、\__ ~
"'‐、::::::::::::::::::::::|.lヽ | l\ l/i ̄ヘ l ヽ lヽ`イ ̄lヘ,Tト-、_
~''-、:::::::::::::::` ヘl ` |ヽpノl ` `` pノl /ヘ! ∧ T-、_ _,,,, -―‐'"
~''ー―''"~'| | l __ ̄ ,  ̄〃l /| ヽl  ̄
ヽlヽ_>'::::ヽ __ ‐'!:::''<レ
く"~:::::::::::::|、_ ' _//:::::::::::::::~>
ヽ:::::::::::::::ヽ!、T'ー-‐"|/l'/:::::::::::::::::/
ヽ:::::::::::::::∀ ト/::::::::::::::/ …梅…。
__> -、_\ /_/::::::::ヒ'_
/::::::::::::~"::::|:::::::::`l-‐r'":::::|:::-':::::::::::::'-、
/ :::::::::::::::::::~"フ"/Tヘヘ''"~:::::::::::::::::: ヽ
715 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 14:39:34 ID:UcYv6dVa
/ _, ----`ヽ :.
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:. ,'./ i ヽ:. ヽ:.:.. ヽ.ヽ
,'/ / .ハ ヽ ヽ:.:.:.:. ヽ::.. ヽヽ :.
:. |i .i i .i / ヽ ト 、 \、:.:.:. ',:.',:.:.lヽ}
|i .i l :N_, -弋 \弌弋ナ:}:.:}
:. |i∧ ', :{ ,ィjモト \ イjミトイイV :.
.| :メヽ.', `ozZ} izN。ハ::{
:. | :ヾ_! ゝ "゙゙ ' `゙ ハ.:', :. な…
| :.:_イ .:.ヽ. (二フ , イ :.:.:!:.ヽ なんなんですか?
:. / rィイ | :.:.ヽ: >r/`<ノ .:.::.}ヽ、\:. 19ってなんなんですか?
/ ∧l;l ! :.:.:.://{二 ̄ .} ..:..::リ \.:\ なんで次スレ
:. / . / ヽi .:.:.{ /(^` |.:.:.:./ }: . ヽ.:. 19になってるんですか?
/ / } ヽ:.ハ ヤ{ !.:./ |:.:. i ',
./ .,イ .:..} / l ! レ l:.:.: .ハ ',
{ /| .:.:ハ / l i i /:.:.:/ }:.}
V | .:.:/:.: ', / iノ :i ! /:.:i.:{ リ
ヽ:.:{、.:.:.l | | |. /:.::∧|
ヽ! )人 | ! / \! :.
" ヽ / { / \ :.
:. \__/ \______/ ヽ
/ 、 b ',
:. / ヽ / ;
/ \ / !
/ \!/ !
なんか重複スレが立ってる
/ _, ----`ヽ :.
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:. ,'./ i ヽ:. ヽ:.:.. ヽ.ヽ
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| :.:_イ .:.ヽ. (二フ , イ :.:.:!:.ヽ なんなんですか?
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/ ∧l;l ! :.:.:.://{二 ̄ .} ..:..::リ \.:\ なんで次スレ
:. / . / ヽi .:.:.{ /(^` |.:.:.:./ }: . ヽ.:. 20じゃないんですか?
/ / } ヽ:.ハ ヤ{ !.:./ |:.:. i ',
./ .,イ .:..} / l ! レ l:.:.: .ハ ',
{ /| .:.:ハ / l i i /:.:.:/ }:.}
V | .:.:/:.: ', / iノ :i ! /:.:i.:{ リ
ヽ:.:{、.:.:.l | | |. /:.::∧|
ヽ! )人 | ! / \! :.
" ヽ / { / \ :.
:. \__/ \______/ ヽ
/ 、 b ',
:. / ヽ / ;
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/ \!/ !
そろそろAAやめような
高校生が期末試験終わった?
誘導ヨロ
/ _ ___ 、\
/ / i \ \\ :.
:. ,'./ i ヽ:. ヽ:.:.. ヽ.ヽ
,'/ / .ハ ヽ ヽ:.:.:.:. ヽ::.. ヽヽ :.
:. |i .i i .i / ヽ ト 、 \、:.:.:. ',:.',:.:.lヽ}
|i .i l :N_, -弋 \弌弋ナ:}:.:}
:. |i∧ ', :{ ,ィjモト \ イjミトイイV :.
.| :メヽ.', `ozZ} izN。ハ::{
:. | :ヾ_! ゝ "゙゙ ' `゙ ハ.:', :. な…
| :.:_イ .:.ヽ. (二フ , イ :.:.:!:.ヽ おじいちゃんなんですか?
:. / rィイ | :.:.ヽ: >r/`<ノ .:.::.}ヽ、\:. かづきてなんなんですか?
/ ∧l;l ! :.:.:.://{二 ̄ .} ..:..::リ \.:\ なんで次スレ
:. / . / ヽi .:.:.{ /(^` |.:.:.:./ }: . ヽ.:. 20じゃないんですか?
/ / } ヽ:.ハ ヤ{ !.:./ |:.:. i ',
./ .,イ .:..} / l ! レ l:.:.: .ハ ',
{ /| .:.:ハ / l i i /:.:.:/ }:.}
V | .:.:/:.: ', / iノ :i ! /:.:i.:{ リ
ヽ:.:{、.:.:.l | | |. /:.::∧|
ヽ! )人 | ! / \! :.
" ヽ / { / \ :.
:. \__/ \______/ ヽ
/ 、 b ',
:. / ヽ / ;
/ \ / !
/ \!/ !
死ねよ
AAで埋めるな
726 :
◆UwBaspGdJ6 :2006/07/14(金) 15:11:42 ID:Et84BNtD
てす
次スレ立てた人も誘導つけた人も埋めてるし
あとどんくらい?
埋まったの?
多分、後34KB
AAで埋めるとまたあぼーんされて面倒なことになるぞ。
なんか次スレのスレ番号がオカシイ
混乱しそうなので次スレ立て直しておいた
立て直さんでもいいのに
20章って名前のスレが二つあるけど誘導してあるほう以外は放置して
そういう混乱するこというな。
>>738 お前が宣言せずに立て直すからこうなるんだ、ぼけ
743 :
誘導:2006/07/14(金) 16:32:01 ID:2FD/fykT
744 :
誘導:2006/07/14(金) 16:35:24 ID:JDLw8uM/
19にはすでに誘導レスがはられています。20−2が本スレになります
注意:重複荒らしに反応しないでください
消費の早いスレなので時間順に使っても問題なく使えます
消費順は
>>741,743を参照してください
>>747 他重複スレでも誘導補助ありがとう
2行目にはあまり突っ込みたくないんだけど
君が根っからの悪い奴じゃないみたいだから言うね
>>712のスレ立て宣言が最初、立った順番でも712が立てたのが最初
2番目にたったのが宣言なしに立てられた重複スレッド
君が立てたのが3番目だけど、混乱を避けようとしてやってくれたのはわかる
ただレス番号違いくらいは次で修正すればいい話だから
次からは今みたいになっても乱立せずに冷静に誘導してやってくれ
>>749 >マナーとして俺はなっていない
それが全てだよw
混乱してしまうけど立った順番通り使うのがルールだろ
便宜的に取り計らってやったのに歯向かうなよ。
あの段階でそのままにしておけばすんなり一本化できたのに。
あとから順番どおり使うのがルールとか言い始めたから混乱しちゃう子が20にでてきたんよ
つーかこの程度で混乱すんなよ
頭弱すぎwww
まあでも20スレも落ち着いてるようだし順番どうりでいいかもね。
俺が20スレにもう一回警告かいてそれで終いにすればいいね
とりあえず、ころころID変わってるからまとめとくよ
ID:Rp40nkna=ID:JDLw8uM/=ID:U6g1DYJ/=ID:MTAQXanP
が今のところレスから確定ね
で、ヒントにこれも置いとく
8 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/14(金) 16:08:11 ID:Rp40nkna
かづきって書いただけでこんなになるとは思わなかった
もうわかるな?
合言葉はスルー みんなよろしく
>>751 君誰?
議論したいならID変えないで下さい。
>>752 ハゲドウ
単純に時間順に使えばいいだけなのにね。
まあスレ番号で違和感があって気持ち悪いのは分かるけど、大したことでもない。
756 :
755:2006/07/14(金) 18:19:13 ID:H0Nhv6ma
>>754 おkd
ここ以外ではスルーしとく。
もしここに埋めネタが投下されるならここでも完全に黙る。
スレ番を間違っただけで放置するとか別スレ立てるとか
サーバーに負担かけるだけだっつーの
放置したところでどうなるわけでもないし
かづきって書いただけでってコネタの作者って意味なんだけど?!
確かにそんなトコしか見所のないコネタでしたよ〜だ。
だからって変なトコで盛り上がりすぎだっつーの
一応俺が悪いのかなっていろいろやってあげたのに何?
なんか変な流れだけど投下します
ある漫画のパロというかパクリというかなんというかを思いついたので書いた
たぶんコメディ
タイトルは『キョンとドッキリ大作戦』
「急に進路指導中止なんてなー」
放課後、俺はSOS団の部室に向かいながら誰ともなしにつぶやく。周りから見たら怪しいやつに見えるかもしれないな。
実は今日、進路指導なんていう正直くだらんミニイベントがあるはずだったのだが、先生の方になにやら急用ができたらしく中止になったのだ。
一応ハルヒには今日は遅れると言ったのだが、ハルヒのことだ、「そんなの知ったこっちゃないわ!」とか言って何か罰を俺に与えるに違いない。
ホント、理不尽な団長さんだよな……
そんなことを考えている間に部室前に到着した。古泉が廊下にいないということは、中で朝比奈さんが着替えをしていることはおそらくないのだろう。
まあ念には念をだ、ノックはしておこう。
そう思い、ノックをしようとした瞬間、
「会議よ」
といういつになく真剣なハルヒの声が部室から聞こえた。
不意をつかれてあげた手が止まってしまった。
……なんだ? 会議? 今日そんなものがあるなんて俺は聞いてないぞ。まぁ今までに前もって聞いていたことがあったかどうか怪しいもんだが。
なんか入るタイミングを逸してしまったような気がする。しかしどんな会議をするのかも正直少し気になる。
……よし、ここは気づかれないようにドアを少しだけ開けて様子を伺おう。そこ、変態とか言うな。
中にはハルヒ、長門、朝比奈さん、ついでに古泉がテーブルを囲んで座っていた。
「これは綿密なる計算と繰り返しの実験が必要よ。キョンが進路指導から帰ってくるまでにすべてを完璧にしなくちゃならない」
「そうですね、急ぎましょう」
ん? なんだ? 実験? 俺が帰ってくるまでに? どういうことだ?
次々と浮かんでくる疑問をよそにハルヒは続ける。
「それじゃあまず、キョンが部屋に入ったら頭上に鉄球を落とすわ」
……………………はい?
「これを入り口に吊るしておくわ」
今気づいたが、ハルヒの足元には鎖付きの鉄球が置かれてあった。直径50pくらい。うん、こんなん喰らったら軽く死ねるね。
「タイミングが命ですね」
古泉、殴るぞ。
「でもキョンはこのくらいはよけるわね」
「そうでしょうね」
無茶言うな。
「この作戦はキョンがよけてからが本番よ! キョンが鉄球をかわして前方に飛んだその位置に落とし穴を掘ってあるわ!」
……………………
「しかし大丈夫ですか? 後ろか横に飛んだりしませんでしょうか?」
「鉄球をいつ、どういう角度で落とすかよね。よし、キョンが戸を閉めてから落としましょう!」
「……横から振り子のように落とせば逃げ場は前しかなくなる」
長門……
「なるほどね、さっすが有希! よし、さっそくワイヤーの調節ね。みくるちゃん、そっちもって」
「あ、は、はい!」
朝比奈さんまで……
「そしてキョンが落とし穴に落ちたら、爆竹と電流を同時にぶちかますわ」
「す、すごい仕掛けですね〜」
「ふふ〜ん、密かに一カ月がかりで作ったのよ!」
「さすが、涼宮さんですね」
……………………
「そしてびっくりしているキョンの上にはなにかの紐があって、引っ張ると大量のみくるちゃんコスプレ写真がくす玉から出てくるの!
これが『びっくりさせられたけどみくるちゃんコスプレ写真いっぱいで±0のドッキリ作戦』よ!」
…………………………………………
「そそそそんな写真いつのまに撮ったんですかぁ!」
「そんなこと気にしないの! じゃあ早速リハいくわよ!」
「わかりました」
「ぅぅぅ……は、はぁい……」
「…………(コク)」
……とりあえずここから離れるとするか……
ズドン!! バリバリバリバリ!!!!!!
パンパンパンパンパーン!!!!!! ドン!!!!
バキバキッ!!!! ドゴッ!! バリバリバリ!!!!
「きゃあ!」
「うわっ!」
「大丈夫!? 古泉くん、みくるちゃん!」
「はいっ」
「な、なんとかぁ〜」
「……」
「みんな、頑張るのよ、頑張りましょう……そうすればもうすぐキョンの驚く顔が見られるのよ……」
最後にそんなやり取りが聞こえた。やばい、こいつら、マジでマジだ――
それなんて清村くんと杉小路くんと?
一時間後――
ああ……結局戻ってきてしまった……
俺は再び部室前に立っていた。本当はあのまま家に帰ろうとも思ったのだが、そうしたらそうしたで後で更なる地獄が待っているかもしれないと考えたからだ。
覚悟を決めるんだ俺! ただし死ぬ覚悟じゃない! 生き抜く覚悟をだ!
深呼吸をして俺はドアをノックした。
「はぁい」
甘ったるいエンジェルヴォイスが聞こえる。しかし俺は知っている。そこは天国ではなく、地獄であるということを――
最後にもう一度深呼吸をしてドアを開けた。
そこにはわざとらしいほどの笑顔をした(実際わざとなのだろう)ハルヒ、いつもの嫌な微笑を携えた古泉、顔の引きつった笑いをしている朝比奈さん、そして無表情の長門がいた。
全員どことなくぼろぼろのように見えるのは見間違いではないはずだ。
「ずいぶん遅かったわね」
平然とそんなことを言うハルヒ。
「ああ、悪い……」
そう返事をし
俺は
ドアを
閉めた
刹那、かつて感じたこともないようなプレッシャーが俺の右から迫ってきた!
いや、俺はこの感覚を知っている。これは朝倉に殺されかけたときと似――なんて回想してる場合じゃねえ!
「ぅぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
今まで出したことのないような雄叫びをあげながら、俺はとにかく前にジャンプした。
それこそ立ち幅跳びの世界選手権があったら六位入賞はできるくらいの勢いで。
『ブゥーン』と重い風が、俺が一瞬前までいた場所を通ったのが感じられた。マジ危ねぇ……
そして無事に俺は着地をした。何の変哲もない床へ。
……あ、あれ?
どうやら落とし穴が掘られた床を跳び越したらしい。
そぉっと目の前に座っている四人の顔を見る。
ハルヒ、古泉、朝比奈さんは口をあんぐりと開けていた。信じられないようなものを見る目で……古泉のこんな顔はレアだな。ちなみに長門はやっぱり無表情。
いや! そんなことよりもどうする! この空気! 俺にはどうすることも……
否! 答えなんぞ最初からわかっている! やるしかないんだ!
「う、う、うわあすべったァアア!!!!」
言うが早いか、俺は後ろに向かって飛んでいた。そう、落とし穴に向かって!
ズドォン!!!!
今度こそ俺は落とし穴にはまっていた。さらば、我が人生!
「うわあーーしびれるーー!!!! 爆…ばく…ば…あ、あれ?」
電流が走り、骨が透けて見える体になるかと思いきや、何も起こらなかった。
しかし俺の足元にはちゃんとそれっぽい装置が置かれている。
つまり、これは
不発――――――
「…………あ……こ、これなんだ?」
完全に固まっている三人(+一人)を一瞥して、目の前に垂れていた紐を引っ張る。すると上にあったくす玉が割れ、中から二十枚はある朝比奈さんのコスプレ写真が出てきた。
「うわー! 朝比奈さんの写真がいっぱいだー! こりゃびっくりしたけど嬉しいから±0だー! うわはははは、は、は……は…………」
「……………………」
「……………………」
「……………………」
「……………………ユニーク」
ど完
元ネタ知らないとなんだこりゃって感じかもしれない……
まあいいや
増えたな
ID:Rp40nkna=ID:JDLw8uM/=ID:U6g1DYJ/=ID:MTAQXanP=ID:TDO6aaUC
か
あのノリは小説じゃ伝わらんて。
まぁ、埋めネタ乙。
スレが終末じゃなければきっと叩いてた。
>>767 うんごめん。元ネタしらないからなんだこりゃ状態
けど、流れを変えようとしたあなたは勇者
乙です
スレ埋めにきました。3レスいただきます
[2章]
暑い。全身の汗腺がフル稼働を始める。
何故なら今は初夏で俺は冬服を着ているから、当たり前だと言われれば何も言い返すことが出来ずに
ただ黙ることしか出来ない。
ブレザーは脱ぐことができるが、冬ズボンだけは当然のことながら脱ぐことが出来ず、汗で裏地が
ぴったりと密着する。毎度の事ながらこればっかりは慣れないね。
余談だが、この時間に来る際古泉は目隠しをしていた。本人いわく「そこまでしなくても決して目を
開けませんよ」と抵抗したのだが、すったもんだの末朝比奈さんの「ごめんなさい。強制コード
なんです」というお言葉に肩を落としつつも従った。やはり薄目で見るつもりだったのか。
さて、俺たちが今どこに居るのかというと……東中学校、ハルヒと谷口の母校の屋上に居る。下を
見下ろせばもちろんハルヒの地上絵(といっても描いたのは俺だが)が、あるわけで……しみじみ
思うね。
ああ、またこの時間に来ちまったんだなぁと。
「これ」
長門が銀色の小さな塊を差し出してきた。手の平に隠れるサイズの拳銃みたいなものだ。俺にこれを
使えってことか?
「情報統合思念体とのリンクを切断するプログラム」
それだけを告げ、朝比奈さんの手を引いて屋上出口へと歩き出した。「ひゃぁっ!?」と可愛い疑問形の
悲鳴を上げつつ引きずられていく。
ああ、可愛らしいなぁと和みながらそのお姿を見送っていたわけだが、眼福に浸っている場合ではない。
我に返り慌てて呼び止めた。
「おい待てって長門。どこ行くんだ?」
ぴたりと静止し、振り返った。
「あななたちはここでジョン・スミスを阻止する。私たちはあなたの保全に向かう」
「俺の保全?」
「ジョン・スミスがあなたに取って代わる場合、あなたが北高に入られては不都合。過激派はあなたに
対する情報操作を行うと思われる」
なるほど。俺が北高に来られたら困るのはわかる。兄弟でもないのに同じ顔が二つあったら誰だって
疑問に思うだろうしな。でもどんな情報操作を受けるんだ?整形か?
「学力レベルを下方修正すると思われる。程度としては北高に入学出来ないレベル」
すまん。現状ですら遠まわしに予備校を薦められるくらいのきわどい学力なんだ。それをさらに
引き下げられると……そうなった時の母親の態度を想像するだけで血の気が引く。おまけにあの谷口よりも
下のレベルになる現実を想像するだけで……すまん、首吊りたくなってきた。テルテル坊主になって何もかも忘れ去りたい。
「えぇと、キョン君の頭を悪くするってことですね?」
ごめんなさい朝比奈さん。長門とともに是非とも俺のなけなしの学力を守ってやってくださいませんか。
その後、長門は思い出したかの様にこれから現れるジョン・スミスのことを俺と古泉に伝え、朝比奈さ
んと連れ立って屋上を後にした。
長門の説明によると、ジョン・スミスは過激派が神人を解析して作った、長門とは異なるタイプの端末
だとか、その都合上閉鎖空間を発生させてその中から出現するとか、長門にしては珍しく饒舌だったが
……まあ、俺が理解できるはずもない。
なんたって俺は一発っきりの弾丸を必中させなければいけないという、背後に人を立たせてはいけない
人もしくは赤いコートの平和主義者みたいな芸当をしなくてはならない訳だ。
古泉が理解しているならそれでいい。今は狙撃のことだけを考えさせてくれ。
忌々しい閉鎖空間が発生するまでの待機時間。俺は銀色の銃を睨みつつ狙撃のシミュレートをしてみた
わけだが、当然のことながら俺に狙撃の経験などない。強いて言うなら縁日の射的を数回経験したこと
くらいだが、それで何か景品を獲得した記憶など何処を探しても見つかりはしなかった。動かない標的
にすら当てられないこの腕前で一体、動く敵をどう狙えばいいというのか。
具体的なイメージが湧かないまま時間だけが過ぎて行き、まあ、なるようにしかならないさとポケット
に銃を押し込んだ。
手持ち無沙汰になりふと古泉の方に目を向ると、奴もそれに気付いたらしく微笑を投げかけてくる。
……やめろ気持ち悪い。この状況の何が楽しいんだ?
「あなたは慣れているでしょうけど、僕にとっては初めてのことでしたからね」
「何がだ」
「時間移動ですよ。まさか僕が当事者になれるとは思っていませんでした」
「ああ、お前はタイムトラベラー志願者の気があったな」
「半ば諦めていたんですけどね。しかしあれは衝撃的でした。不謹慎ながら、朝比奈さんとこの状況を
作り出してくれた長門さんの敵には心から感謝したいですね」
そう笑顔で話す古泉は興奮冷めやらぬようだった。まあこんな状況ながら夢が叶ったんだ。こいつの力
が必要になるまではこの余韻に浸らせてやってもいいだろう。
「後は、時間移動する瞬間を目撃できれば思い残すことはないんですけどね……」
心配するな。帰りもきちんと目隠しをするよう、朝比奈さんには申し添えしておくさ。
「さて、僕たちも出番のようです」
今までの幸福そうなニヤケ面から真剣なニヤケ面へと表情をメタモルフォーゼさせ、古泉がこちらへと
近づき手を差し出してきた。
「つかまって、目を閉じてください。すぐに終わりますから」
わかってるよ。お前とちがって他人の秘密を暴こうなんてしないさ。
そう言いつつ古泉の手を握り目をつむる。しかし、朝比奈さんの時も緊張するが、お前の時も緊張する
な。
誓って言うが、朝比奈さんの時は俺の青少年の心がドキドキし、こいつの時は「他人が見たら誤解する
んじゃないだろうか」とビクビクする訳だ。誤解なきようお願いしたい。
「では、行きます」
と、古泉が進むのに従い俺も足を動かす。数歩進んだところでストップ。手を離し目を開けてみると、
何度か踏み入れたことのある灰色世界が迎えてくれた。ずいぶん久しぶりのことなのに、ちっとも懐か
しくないのはどういったことだろうね。
しかし、そんな非常識空間に思いを馳せるよりも先にやらなくてはならないことがある。
「敵は?」
閉鎖空間内に現れるはずのジョン・スミスは屋上には確認できなかった。ということは、ここではない
何処かに奴は居るということだ。
「どうやら、アレがそうらしいですね」
古泉にが校庭へと視線を下ろしているのを見て俺もその方向を向いた。
ハルヒ絵の中央付近に青い光が集まっているのを確認し、俺たちは階段を駆け下り校庭へと躍り出て、
それを目撃した。
「な……」
「おやおや、やはりですか」
わかっていたけど、それを見てやはり驚いた。だってそうだろ?そこには俺と瓜二つ、服装まで全く同
じ奴がいたんだから。
ただ、俺が銃をポケットに入れているように、奴も武器をしっかりと右手に携えていた。
ジョン・スミスは、何処かで見たようなナイフを握り、めんどくさそうな目をして立っていた。またナ
イフか。朝倉といいこいつといい本当にナイフが好きな奴らばっかなんだな、長門の親玉の親戚は。
>>773 GJ 続きを激しく所望する
>>767 俺は元ネタ知らなくても楽しめたよ
住民の中には一部厳しい奴もいるが、感性なんか人それぞれだしな
次の投下をwktkしてる
なにはともあれGJ
GJ!!
778 :
18-352:2006/07/14(金) 19:31:35 ID:7rrRgapN
お粗末な埋めネタを。超即興なのでまとまってないのは正直スマンカッタ。
『重複世界』
真っ赤な布に直進する闘牛も真っ青の勢いで文芸部の部室に飛び込み、ドアを閉めてその場にへたり込む。
まったく、どうなってやがる……。
髪をくしゃくしゃになるまでいじっていると、荒くなっていた息もすっかり落ち着き、
こんなときでも文芸部室で本を読んでいるのが逆に有難い万能宇宙人に事の次第を話すことにした。
だが……困った。何から切り出したらいいかわからない。
「長門、大変だ」
数少ないボキャブラリーから簡潔に今の状況を示す言葉を探す。長門に説明するためというよりは、自分を落ち着かせる行為に近い。
そして一足先にクールダウンした俺の口は台詞を紡ぎだす。
「世界が重複してる」
本当に突然のことだった。何が原因だったのか、今をもってしてもわからない。
しかしそれでも、最終的に「そうか、ここはパラレルワールドなんだ」という結論に達した俺の頭脳に拍手だ。
何より混乱したのは、どこの世界に行っても何も変わっていないということだった。
だってそうだろ? SFにおけるパラレルワールドとは、間違い探しのような微妙な違いがあってこそのはずだ。
そして混乱のタネがもう一つ。同じく全ての世界に共通していることは「まともに進行しない」ことだった。
どの世界においても俺は同じシチュエーションを繰り返し、同じ日付のまま別の世界へと飛ぶ。翌日が来ることは決してなかった。
長門は黙って俺の話を聞いている。いや、聞いているだけだった。
今になっても何かを始めようとする気配はない。
こうして手を拱いているということは、大して慌てなくてもいい問題なんだろうか。
「何か、俺たちにできることはないのか」
「全ての決定権は涼宮ハルヒにある」
またハルヒか。まあ、予想はしていたがな。
「涼宮ハルヒに気に入られた世界のみ、時間の進行が許される」
なら、他の世界はどうなる? 同じ日を延々とループした挙句に消えちまうのか?
初めて体験した「異世界」で出会った、俺の袖を引っ張った儚い文学少女の記憶がフラッシュバックする。
「わからない」
長門の口からだけは、最も聞きたくなかった言葉だった。
「一つの世界が選ばるのと同時に姿を消すか、来るべきときまで存続して新たに主導権を握るか、わたしには判断しかねる」
ハルヒが決定するとは、どういう意味だ。
「涼宮ハルヒの存在が最初に確定した世界が、現行する中での真の世界となる」
お前は……俺たちはどうすればいい。
「わたしは彼女の意思に追従するのみ。恐らく、あなたも、SOS団も。その他の住人も」
……やれやれ。
「心配はいらない。どの世界が選ばれようとも、わたしたちは何も変わらない」
それだけだな、救いと言えるのは。
それに、と長門は続ける。
「どこに行っても、わたしは皆といられればそれでいい」
目眩がしたね。できれば皆ではなく。俺を指名してくれればなお良かったが。
「……してほしい?」
妄言だ。流してくれ。
長門はいつもより長く三点リーダを生成したのち、「そう」と言って読書に戻った。
やれやれ。
正直に言おう。俺も長門と同意見だ。
場所が変わっても、ハルヒやSOS団、アホの谷口や国木田、それにあんたらスレの住人と一緒にいられるならそれに越したことはない。
そのうち、ここの扉を開いてあの迷惑我侭トンデモ女が騒ぎ出すだろう。
それがどの世界なのか、引いては、俺が今いる世界と同じ場所なのか、それは誰にもわからないがな。
まあ、ハズレでも気長に待つさ。
ハルヒが来なくても、いずれあんたらが動かしてくれるんだろう?
荒れに乗じてメタ全開のネタを書くのも、人によっては敬遠されるんじゃね?
埋めネタ。面白くもなんともないんでアレだが、まあ、埋めってことで、3レス。
その日、部室にいたのは俺と長門だけだった。
ハルヒは用事があるとか言って、さっさと帰ってしまったし、朝比奈さんは部室に顔を出した後、
迎えに来た鶴屋さんと一緒に帰宅した。たぶん、一緒に何かの買い物にでも行くんだろう。
もうすぐ夏だしな。古泉はバイトらしい。大方、例の機関とやらの用事に違いない。
ハルヒ絡みでなければ良いのだが。
長門は窓際でパイプ椅子に座り、例によって分厚いハードカバーに視線を落としている。
静かな部室の中に、一定の間隔でページを捲る微かな音が流れる。
俺は、何となくそんな長門の様子を視界の隅に捉えつつ、その向こうに見える窓を眺めていた。
窓を濡らす水滴。土砂降りって程ではないが、結構な勢いで雨が降っている。
気だるい気分で、俺は長テーブルに向い、頬杖をつきながら思わずため息を漏らした。
季節は梅雨だ。雨が降って当たり前の季節だ。梅雨に雨が降らないと、水不足やらで作況指数が
悪化し、その結果、農作物高騰やらで、母親の機嫌はバブル崩壊後の株価のように低迷することは
間違いない。それは、バタフライ効果のごとく俺のサイフの中身に影響を与えるだろう。
母親が、やりくりの最終手段の四つ手前くらいで、俺と妹の小遣いをターゲットにすることは
高確率で予測できるからな。だから、雨が降ることには何ら文句はないし、
よって、雨が降っていること自体に文句を言うつもりもない。
しかし、これだけは言わせてくれ。なぜ今なのかと。
雨粒が窓を叩く音が大きくなったようだ。湿った空気が身体に纏わりつくような気がする。
この鬱陶しさは何とかならないものかね。俺は、湿度が高いと気が滅入ってくるんだ。
いや、気が滅入っている最大の理由は湿度ではない。そんなことは解っているさ。
そう、実際の問題は、傘がないことだ。傘がない。何十年前の曲だ、それは。
歌ってたのは、アンドレ・カンドレだっけ?
さて、どうしたものか。結局、濡れ鼠になるのを覚悟するしかないのか。
できれば、あまり濡れずに家まで辿りつきたい。
びしょ濡れになるのは気持ちが悪いし、風邪引くをかもしれない。
それに、雨の中を走るのは危険だ。雨の中で傘を差さずに踊るのはもっと危険だ。
別に俺は、自由とはどういうことか、なんて崇高なことを考えているわけじゃないんだからな。
校舎内に置き傘がないか探そうとも思ったが、誰のものか解らないものを勝手に借りるのは
まずいだろうと思ってやめた。後々気まずい思いをするのは御免蒙りたい。
国木田や谷口は、もう帰っただろうし、そうなると、俺の知っている、俺が頼れる人間は、
ここにいる長門だけってことになる。いや、長門は人間じゃないんだけどな。
長門に頼んでみるか。そう思いながら、俺は、寡黙な読書少女の横顔に視線を向けた。
黙々と読書に励む文芸部員。その横顔を見ているうちに、こんなことで長門を頼りにするのは
人として間違っているんじゃないだろうか、そんな思いが湧いてくる。
長門は、ネコ型ロボットなんかじゃないんだ。こんなことで長門に頼むなんてどうかしてる。
ここは、天は自ら助けるものを助くの精神で、危険の少ない、できるだけ濡れずにすむ帰宅方法を
考えることにしよう。
どうしたら最小限の被害で家に帰れるかをうだうだと考えていた俺の脳ミソに、ある考えが浮かんだ。
よく考えてみると、雨の中、歩いても走っても、結局、同じ距離を移動するわけだから、
濡れる量は一緒なんじゃなかろうか。なら、危険を冒して走って帰るよりも、
歩いて帰った方がいいのではないだろうか。
そう思った俺は、あまり考えずに、その疑問を口に出していた。
「やっぱり雨の中、傘を差さずに移動する場合、走ったほうが濡れないんだろうか」
何を訊いているんだ俺は。そんなことは当然じゃないか。すまん、長門、聞き流してくれ。
実際、傘持ってない状態で、いきなり雨に降られれば、みんな走るし、俺も走る。
理屈は知らん。でも、当たり前のことだろ?
そうさ、当たり前だ。あたり前田のクラッカー。これも古いな。
現実逃避気味に、どうやったら悪事に手を染めずに数十億の借金を二十年で返済することが可能に
なるのか、という高尚な問題に囚われそうになる思考を、どうやって出来るだけ濡れずに家まで
帰るかと言う当初の問題に引き戻しつつ、何気なく顔を上げた俺の視線は、長門の穏やかなとも
思える視線と絡み合った。
長門の唇がゆっくりと開く。
「水滴が静止しているものと仮定する」
いや、それは、別に答えを期待してたわけじゃないんだが……。
というか、走ったほうが濡れないと思うのは、当たり前だろ?
なぜかと訊かれてもちゃんとは答えられないが、たぶん、早く着くからだ。
「その中を移動する場合、濡れるのは身体の進行方向のみ」
続けるのか、長門よ。まあ、暇だから付き合うさ。そもそも俺が訊いたことだしな。
で、濡れる部分か。たしかに、雨粒が全て空中で静止しているとするとそうなるな。
降ってこないのだから、身体の上は濡れないわけだ。
「その場合、濡れる量は、進行方向に向いている身体の表面積に比例する。時間は関係ない」
そうだな。雨粒が静止しているなかを進んだとき、受ける雨粒の量は、痩せてる人は
少ないだろうし、太った人は多い。うん、それは解る。
なんだか物理の授業を聞いてるような気もするが。
「時間が関係ないのだから、それは、移動速度とは関係しない」
え? そうか。走っても歩いても、同じ距離なら、確かに俺が受ける雨粒の量は同じだ。
同じ表面積なんだから。と言うことは、走っても歩いても濡れる量は一緒ってことか?
「現段階の前提は、水滴が静止していること。実際には、水滴は降り続けている。
降り続ける水滴によって濡れる量は、水滴を受ける部分の表面積と、経過時間に比例する」
そりゃそうだ。雨の中に十秒いるときと、十分いるときでは、濡れる量は明らかに違う。
と言うことは、つまり、走った場合と歩いた場合では、身体の表面に受ける雨粒の量に違いは
ないけど、雨粒の中を移動している時間が長いほど、より頭が濡れるってことだな。
「そう」
じゃあ、やっぱり走ったほうが濡れる量は少ないのか。なるほど。
と言うことは、今までわけも解らず、雨が降ってきたら本能的に走ってたけど、
それは、理に適った行動だったわけだな。ほほぉ、よくしたものじゃないか。
あれか、昔からの言い伝えは、実は、理に適っているとか言うアレだな。少し違う気もするが。
でも、少しばかり感動したぜ。
……で、だから何だというんだ。
理屈が解ったからと言って、目の前の問題は何一つ解決してないわけだ。
さて、どうしたもんか。
走って帰ろうが歩いて帰ろうが、雨に濡れることは規定事項だ。どちらの方法が、より濡れずに
済むかなんてことの理由を知ったところで、濡れて気持ち悪い思いをすることには違いはない。
「はあ……」
俺は、ため息を吐いて、テーブルに突っ伏した。
パタンと言う本を閉じる音がして、長門が動く気配を感じた。
長門は傘持ってきたのかな。そう思いながら、いや、こいつのことだから、傘がなくても
濡れたりしないで家に帰れるだろう、なんてことを考えていると、後ろから肩を突付かれた。
「え?」
そう言いながら振り向くと、そこに長門が立っている。
ぼんやりと立っている長門は、帰らないのか、そう訊いているようだった。
「俺、傘持ってなくてさ。もう少し小降りになるまでここにいるよ」
そう言った俺の目の前に、長門が折り畳み傘を差し出してきた。
意味が解らずに、差し出された傘に見入ってしまう俺。
「貸してくれるのか? お前はどうするんだ?」
「一緒に」
「なんだって?」
「わたしの家まで一緒に来れば、ビニール傘がある」
なるほど。相合傘で長門の家まで行って、後は、長門の家にあるビニール傘を借りて帰れば
いいってことか。そうだな、そうするか。
「助かるよ、長門。ありがとな」
「いい。それに、先程の話で気になることもある」
「なんだ?」
「濡れる量は、時間経過と反復回数に比例し、到達点において最大となる」
「…………」
「濡れることは気持ちの悪いことばかりではない。それを確認したい」
……それは一体、何の話でしょうか?
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