【涼宮ハルヒ】谷川 流 the 6章【学校を出よう!】

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1名無しさん@ピンキー
諸君、このスレに於ける我々の目的が、谷川氏の著作の二次創作を行い、
またはその作品を堪能するところにあることはここに明白である。
であるのならば、史上最強の黒魔術師かつ宇宙の真理を知りつくした男またその他
になる予定であるところのこの私がSSの題材に使われることは最早必然と言えよう。
そうすれば、溢れる想像や妄想を刺激された職人が雲霞のごとく押し寄せ、
このスレが前スレなどとは比較にならないほどの盛況を見せるだろうことを私は確信しており
したがってそれは動かし難い事実なのであるっ!
然り諸君、涼宮ハルヒなどというイカれた奇天烈女に現を抜かすのも良いが、
このスレの繁栄のためにも是非私と茉衣子君のえr


介入する。
実行。


終了。
2名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 14:53:27 ID:KiaUV6v7
谷川流スレッド設立に伴う所信表明

我がスレッドでは、谷川流作品のSSを広く募集しています。
過去にエロいSSを書いたことがある人
今現在、とても萌え萌えなSSを書いている人
遠からず、すばらしいSSを書く予定がある人
そういう人が居たら、このスレッドに書き込むと良いです。
たちどころにレスがつくでしょう。
ただし、他の作品のSSでは駄目です。
谷川流作品じゃないといけません。注意してください。

@前スレ
【涼宮ハルヒ】谷川 流 5章【学校を出よう!】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1145528972/

@これまでに投下されたSSの保管場所
2chエロパロ板SS保管庫
http://sslibrary.gozaru.jp/

涼宮ハルヒのSS保管庫 予備
http://haluhi9000.h.fc2.com/
3名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 15:02:54 ID:MXky+1KN
>>1
4名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 15:04:19 ID:y0zHpC/p
>>1
乙彼。
5名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 15:08:40 ID:C0wTBlt6
>>1
乙です
65-554:2006/05/07(日) 15:16:23 ID:6X7ucdme
>>1乙彼様。

即氏回避を兼ねて投入しまつ。

前スレ >718-714の続き
7名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 15:18:55 ID:6X7ucdme
>>6
番号が間違っていて申し訳なし。前スレの544です。
8涼宮ハルヒの対決4:2006/05/07(日) 15:19:43 ID:6X7ucdme
 黒塗りが止まった所は見覚えがある、いやありすぎるマンションだった。
 強い悪寒がして条件反射的に逃れようと腰を浮かすが、悪魔的な笑みを浮かべたハルヒに
腕をとんでもない馬鹿力で掴まれる。だから痛いってば。
「逃げないわよね。キョン」
 はい。
 情け無い返事をした俺は、執行停止中の死刑囚が看守に向けるような表情を浮かべながら
車から降りた。続いて自信満々のハルヒ、そして緊張でコチコチになったミヨキチが後に
続く。

「ねえ。あんた」
「ひゃい! 」
 ハルヒに小さな背中をバンと叩かれたミヨキチは、カエルのようにぴょんと跳ねた。
「な、なんですか」
「大丈夫? 無理しなくていいのよ」
 心配げな台詞とは裏腹に、表情は完全に面白がっている。どうやら朝比奈さん以上の
いじりがいのある玩具を見つけたようだが、頼むからこれ以上、初心なミヨキチを挑発する
のはやめて頂きたい。
「む、無理なんかしてません。それに、あなたなんかに負けませんから」
 小さな掌をぎゅっと握り締め、子鹿のような瞳で悪の大魔王と化した傍若無人女を
必死でにらむ、修道女のようなけなげな美少女に、ある種の判官びいき的な同情心を
覚えつつも、その先に待ち受ける修羅餓鬼畜生地獄道に恐れ慄きながら、見慣れた
エレベーターを昇って行く。
 ブザーを鳴らすと、予想通りに対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インター
フェイスがドアを開き、ミヨキチとは負けず劣らずのか細い声で、こっち、と三人を中に
入れる。傍から見れば普段と変わらない無表情さではあったけど、絶対温度で三度くらい
に感じるのは、俺の気のせいであると良いのだが。
9涼宮ハルヒの対決4:2006/05/07(日) 15:20:26 ID:6X7ucdme

 相変わらずの殺風景な部屋を抜け、奥の座敷に敷いてあるピンク色の大きな布団に唖然と
する俺を傍目に、えいやっとばかり、ハルヒは惜しげもなく上着を脱ぎ捨てた。黄色い
カチューシャを付けた漆黒の髪が揺れて、薄っすらと上気した素肌と薄桃色のブラの対比が
健康的な色気を醸し出し、俺のリピドーを容赦なく刺激する。少しはもったいぶったら
どうかなんて全然思わなかったね。
「キョン。準備はいいようね」
 下着越しに起立した俺の愚息を満足げに一瞥すると、夏至を迎えた太陽のような曇りの
ない笑みを浮かべて、ハルヒは形の良い唇を寄せてくる。
「んっ」
 柔らかい唇の感触に瞬く間に耐え切れなくなって、ハルヒの口腔に舌端をねじ込んでいく。
「んんっ」
 ハルヒの喘ぎ声が耳朶に伝わり、さほど容量が多いとは思えない大脳にドーパミンが大量
に分泌される。微かな甘い匂いとともにハルヒの舌が絡み、淫靡な楽曲を奏でたてる。劣情
の支配下に陥った俺はより多くの刺激を求めて、薄桃色のブラの上に手をのばした。

「ひゃん」
 ブラの上から乳首のあたりを摘むと、ハルヒの裏返った声とともに均整の取れた肢体が
びくんと跳ねた。
「ハルヒ…… 」
 喘ぐようにして名前を口にしてから、喉の奥深くにまで舌をねじ込み、激しく愛撫する。
 胸の方については、下着ごしは物足りなくなって、左手を背中の裏に手を回してホックを
外しにかかる。想像世界での幾度かの予行演習が功を奏してブラは緊張感を喪って布団に
落ち、何も覆われていない膨らみが空気に直に晒される。
「キョンのすけべ」
 頬が上気しているハルヒは喘ぐように呟き、俺をねめつける。すっかりと欲情に溺れて
しまっていた俺は、親指と中指を使って、乳房の頂上にある堅くなった突起を軽く捻った。
10名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 15:21:00 ID:/onxDCf+
私怨
11涼宮ハルヒの対決4:2006/05/07(日) 15:21:37 ID:6X7ucdme

「んっ、ひあっ」
 生意気で全く恐れをしらない台詞ばかり吐き出すハルヒの唇から、艶めいた悲鳴が漏れる
という事実に、興奮するなっていうのは酷だと思うね。理性の最後の糸をあっさりと断ち
切っていた俺は、本能と欲望の赴くまま、張りのある乳房を左手でもみしだきながら、右手で
ハルヒのスカートを脱がしにかかる。
「んんっ、キョンっ」
 艶めくようなすらりと伸びた太腿と、ブラと同じ色の下着が視界に飛び込んでくる。
 ハルヒは恥ずかしさに顔を紅潮させながら、チャックに手を伸ばして俺のマイサンを探り
出し、ゆっくりと上下させる。くすぐたったい感触に身を捩りながらも、俺はハルヒの下着に
手を当てた。ハルヒのあそこは既に十分な湿り気を帯びていた。

「ぐっしょりだな。ハルヒ」
「いうなっ、バカ」
 恥ずかしさを隠そうとそっぽを向くSOS団の愛すべき独裁者に苦笑を浮かべると、俺は
ハルヒの濡れてしまった下着の上からゆっくりと撫でる。しかしハルヒは、反射的に健康的な
太腿きゅっと閉じしまった。
「ダメだ」
 俺は軽くたしなめて、割り込んだ秘所の濡れ具合を確認すると、湿った下着をゆっくりと
降ろしていく。
「いや、みないで」
 見るなと言われると余計見たくなるのは、古今東西の人類に与えられた課題ではないかね。
「ばか」
 手を股間にあてて懸命に覆い隠そうとするが、俺はハルヒの両手を封じてそれを許さない。
露になった秘所は、髪と同じ色をした逆三角形で覆われている。白い素肌と黒い恥毛のコン
トラストは、いかなる女神と比べてもなんら遜色無いであろう。
 俺はハルヒの秘所をじっくりと鑑賞してから、右手を伸ばして恥毛をまさぐり、大きく
膨らんだ突起を摘んだ。
「きゃうっ」
 薄紅色の唇からくぐもった悲鳴をあげながら、太腿を捩ってもがくが、俺は身体を押さえ
つけて、ゆっくりと揉み続ける。
「ひゃ、あっ、お、おかしくなっちゃう」
 天上天下唯我独尊女が、教室の隅で本を読んでいる大人しい少女のような、可愛らしい
悲鳴をあげるギャップに、何かもう、たまらなくなってしまい、陰部への刺激を続ける手の
動きを更に加速させる。
12涼宮ハルヒの対決4:2006/05/07(日) 15:22:15 ID:6X7ucdme

「あくっ、んんっ、らめ、らめらからキョン」
「嫌らしい音が出てるぞ」
 冷静に事実を指摘することが、ハルヒの羞恥心を更に高めるようだ。全身から汗を滲ませた
ハルヒはいやいやと幼児のように首を振るが、秘められた場所から噴き出す液体の量は
意志に反して増え続ける一方だ。
「ばかっ、いうな。んあ」
 ぷるぷると形の整った乳房を揺らせながら、高い声をあげる。
 俺は突起とその周辺を丹念に揉み解して細かく動かしていく。

「んあ、あああっ、あああ! 」
 小さい微動を繰り返したハルヒは一層大きく喘ぐと、四肢を硬直して絶叫し、崩れるよう
に布団に倒れこんだ。
「…… 」
 短く荒い息をつきながら、瞼を閉じているハルヒの額にはり付いた汗を軽く拭ってやり、
耳元で小さく囁いた。
「そろそろ、行くぞ」

 えづきながらもこくんと頷く団長に満足げに頷いて、俺はゆっくりとそそりだった一物を
ハルヒの秘められた場所に近づけた。先端が濡れた場所に触れて、体温がダイレクトに伝わる。
「キョン。来て」
 汗まみれになったハルヒが、綺麗な指を伸ばして俺の息子を優しく誘導する。結果、
初心者にありがちな動揺をさほど経験せずに、ハルヒの膣を探り当てることができ、
ゆっくりと中に差し込んでゆく。

「痛っ」
 ハルヒが破瓜の痛みに整った眉をぎゅっとひそめるが、俺はただ強烈に圧迫される一物を
少しずつ進むことしか考えることができなかった。締め付ける膣壁の抵抗を受けながらも、
何とか最奥部までの挿入を終え、大きく息を吸う。
「動かすよ」
 ハルヒの小さな返事と同時に、俺はゆっくりとピストン運動を開始させた。

13涼宮ハルヒの対決4:2006/05/07(日) 15:22:52 ID:6X7ucdme
「ん…… ぐう」
 ほどけ掛かったカチューシャが幾度も揺れる。ハルヒが痛みに必死に耐えていることは
分かっていたが、敢えて言わないのが心意気に応える唯一の道だと思ったね。
 布団を汗でぬらしながら、最初はゆっくりとそして少しずつ速度を速めていくと、
それに伴い、ハルヒの睦の無数の襞が擦れて、無上の快楽を与えてくれる。
「んぐ、んあ」
 ハルヒは全身を汗まみれにさせながらも、形の整った顔を歪めながら、俺の抽送に
合わせて腰を動かしてくれる。
「ハルヒっ」
 必死に腰を振りながら叫ぶ。身体の奥にある熱いものがはちきれそうになる。
「ん、きょ、きょん。んああ、ああああっ」
「もう、出るっ」
 俺は小刻みに震えるハルヒに向けて喘ぐように言うと、限界まで我慢していた一物を
何とか膣から抜き出して、身体をぎゅっと抱きしめる。
「うっ」
 ようやく外に避難することができた先端から、叩きつける様な音とともに白濁液は
絶え間なく噴き出して、その度にハルヒの滑らかな太腿を白く染め上げていった。

「はあ、はあ」
 俺は、荒い息を立てるハルヒの横でごろりと寝転んだ。男女の営み、即ち、せっくすが
こんなにも体力を使うものだとは正直言って思わなかった。男優さんも女優さんも
大変な職業である。
 この時、俺はハルヒと共同で何かを成し遂げという事に、大きな満足感に浸っていた。
 しかし、この場で疎外感を味わっていた少女に対する配慮が全くなかったことを認め
ざるを得ない。
「キョン。良かった? 」
「ああ」
 ロマンポルノの出演者のように大きく息を吐きながら、寝転んだ姿勢のままで天井を
向いて―― 俺は固まった。

 吉村美代子が大きな黒い双眸から涙を溢れさせて膝立ちの姿勢で立っている。身を
纏っていたはずのブラウスとキュロットは、既に彼女の手によって床に脱ぎ散らか
されていた。
(続く)

14名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 15:25:57 ID:y0zHpC/p
対決きたー

なにげにミヨキチを応援してる俺。
15名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 15:45:10 ID:jAxmzzMr
新スレいきなりGJだね
16名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 16:28:05 ID:IhgNOxpA
>>1
君には資質がある

>>13
すばらしきGJ。
やっぱりハルヒを応援してしまう自分がいる
17名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 16:29:50 ID:tM6k3WX/
ミヨキチ…
18名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 16:30:33 ID:fv79wvYR
どっちも捨てがたいな
でもキョンとハルヒの組み合わせが好きだからやっぱハルヒかな
ミヨキチのエロにも期待
19名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 16:32:01 ID:2vNeM868
もちろん長門が性欲をもてあまして乱入だよな?
20名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 16:36:55 ID:3kLXQoTz
ミヨキチが勝ってくれた方が展開的に面白そうだから俺はミヨキチを応援する。
21名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 17:16:19 ID:xJ6+zuSw
保管庫の谷川SS消滅してないか?
22かなり:2006/05/07(日) 17:16:32 ID:Nk7jjaeX
>>14

とてもいいSSですた。
あ、それと漏れここに居座るからよろしくm(__)m
23名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 17:19:00 ID:CDIjxr5y
24名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 18:03:20 ID:i1RwP+iM
途中だけど、長門さん投下していい?
25名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 18:04:57 ID:MXky+1KN
OK!
26名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 18:05:25 ID:y0zHpC/p
>>24
投下完了が分かる形式でGO。
27名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 18:06:38 ID:i1RwP+iM
全く行く気がないのにも関わらず、俺の足はいつの間にかSOS団が寄生
している文芸部室におもむいており、放課後の鐘を聞いてから部室棟へ
向かうのはもはや条件反射になりつつある。腹が減ったら飯を食うのと
同じ仕組みだ。部活(団だから団活か)にかける熱意の一割でも勉強に
注げば俺の成績は上がるのではなどと思うかもしれないが、最初から
SOS団に対する熱意などミジンコの目玉ほどもない。それならば何故SOS団に
出席しているのかと問われれば、そんな理由などは存在しないのだ。
強いて言えば、無断欠席をすれば天変地異を起こすほどの力を持つ
俺の後ろの席に鎮座している団長が、怒り狂ったヌーの大群のように
特攻を仕掛けてくるからであり、しかも自分は無傷ですむ特攻だという
まこと厄介な攻撃である。誰だって、回避できる問題をわざわざ起こ
したくはないだろ?それならば、3分間しか戦えないヒーロー程度なら
軽くひねりつぶせるであろう力を持つ団長の怒りを買う前に、放課後の
暇つぶし程度に行っとくか的な最大公約数的な思考でいたほうが、
世界にも俺の心身にも優しいだろう。部室にいけば、愛らしい非公認
ミス北高のメイドさんにも会えるしな。
28名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 18:07:24 ID:7xa4MSU6
誰か今月の新刊で、キョンのミヨキチの小説のオチを奪い取るためにハルヒが
キョンに馬乗りになるという展開があったけど、馬乗りしている最中に服が
はだけていって何かの歪みで挿入してしまったという展開をおねがい。
29名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 18:08:27 ID:i1RwP+iM
そんなことを考えながら、部室へ。ノックを忘れない。
「はぁ〜い。」
 舌足らずな朝比奈ボイスが聞こえる。いいね、この感じ。何がいいのかは
よくわからんが、不思議と安らかな気持ちになる。顔面筋肉も、体温が移る
まで触りつくしたスライム並みに自然と緩むというものだ。
 ドアを開けるとメイドさんが、
「あ、キョン君。今お茶入れますね。」
と、極上の笑顔を振りまきながらかいがいしく奉仕してくれる。俺の精神安定剤だ。
俺が自分の気持ちを華やかな詩のようにまとめ、さわやかに朗読するようにして
可憐な上級生に伝えようとしたとき
「やあ、調子はいかがです?」
テーブルの端っこで一人寂しく詰めチェスをやっていたハンサム野郎が割り込んできやがった。
何でこいつは、いつもタイミングを見計らったように俺の邪魔をするのかね?
今度邪魔したら、賭けマージャンか何かでコテンパンにしてやる。
「あいつが毎日後ろで騒ぐせいで、俺の調子は上がりやしない。」
 俺がそう答えると、古泉は何か言おうとしやがったので、無視してパソコンを立ち上げる。
視界の隅に、軽く肩をすくめる二ヤケ面が映った。ムシだ、ムシ。
「はい、キョン君。お茶どうぞ。」
 ナイアガラの滝に落っこちたモリアティー教授よりも勢いよく下がっていた俺のテンションは、
そのお方の声と手ずから注いでくれたお茶のおかげで滝底寸前でストップ。怒ると髪が金髪になる
某宇宙人の空とぶスピードよりも速く、宇宙へとすっ飛びそうな勢いで盛り返してきた。
30名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 18:09:41 ID:i1RwP+iM
「涼宮さんは?一緒じゃないんですか?」
「あいつは掃除当番ですよ。もうじきくるんじゃないでしょう、」
か、といいたかった俺のセリフは、ドカンと開いたドアによってかき消された。
前にもこんなシーンがあった気がする。しょっちゅうあんな開け方をされて
よく壊れないよな、あのドア。
「遅れてごめーん!」
 そういいながら入ってきたのは、我らが団長涼宮ハルヒである。相変わらず
やかましいやつだ。もう少しおしとやかになれんのかね。
「何よキョン。あたしは自分の生き方を変えるつもりはないわ! 大体、そんな
あっさり変えられるような生き方をしているような根性なしに、ひとつの団を
まとめるようなことは不可能なのよ! わかった!?」
全くわからん。お前の言動には一貫性ってものがないからな。頼むから、もう
少しいいたいことをまとめてから口にだしてくれ。
 ふん、と大きく鼻を鳴らし、ハルヒはパソコンの置いてある団長机に座って
いる俺を蹴り飛ばし、憤然と着席した。馬鹿力で蹴るな、痛いだろうが。
31名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 18:10:51 ID:i1RwP+iM
そんな俺を一睨みで黙殺すると、室内を見渡したハルヒが
「あれ?有希は?」
そういや今日は長門を見ていないな。いつもどおりに部室の隅っこで
立方体みたいな本を読みふけっている姿が見えない。
「長門さんは今日はお休みのようですね。先ほどホームルーム中の
長門さんの教室を通りがかったときに中を見たのですが、長門さんは
いらっしゃいませんでしたよ。」
「有希が休みなんて、珍しいわね。」
そういうと、ハルヒは携帯を取り出しすぐ耳に当てた。長門に電話でも
しているんだろう。
 案の定、電話先は長門だったようだ。いくつか言葉を交わした後に、ぷっつり
きりやがった。相変わらず早いな。
「有希、風邪だって。春先であったかくなってきたから、油断したのかしら。なんか、ぐんにゃりした感じだったわ。」
32名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 18:12:11 ID:i1RwP+iM
長門が?風邪?腹を一ダースの槍にぶち抜かれ、おまけに横腹と心臓を
貫通されても自分で再生できるあいつのことだ。地球上病原体程度ならば、
一掃できるような気がするが。おまけに電話越しでもわかるぐんにゃりした
感じだと?未知なるウィルスにでも感染したんじゃないのか?
「お見舞いに行こうかっていったんだけど、いいって。大丈夫なのかしらね、
一人暮らしだし。有希はしっかり者だけど、病気だとさすがにねぇ。」
長門が大丈夫だといったんなら大丈夫だろ、多分。
「あんたには、団員を思いやろうという気持ちはないの!?いくら風邪ひいた
だけだっていっても、色々大変かも知れないじゃない! 」
しかしいいといっている奴のもとに見舞いにいくのもどうかと思うが。
「ほんとにあんたって冷たい男ね。あたしの経験から言うと、こういう奴は
将来ろくな大人にならないわ。」
お前にだけは言われたくないせりふの一つだな。大体、お前と俺は同い年だろ。
何でそう自分の方が人生経験豊富のような物言いをするんだ。
「うるさいわよ!あんたが冷たいという事実に変わりはないわ!」
こんな風な押し問答を繰り広げ、結局長門のお見舞いは行かない方向に
決定され、いつもどおりのSOS団の日常を繰り広げた後、集団下校となった。
本を読みつつ黙々と歩く小柄な姿が見えないと、なんとなく寂しい気持ちに
なるのは俺だけかね。
33名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 18:13:34 ID:i1RwP+iM
そんな感じで家に着き、よっこいしょと部屋に荷物を放り出すと、突如携帯が
ムームーとバイブしだした。着信元は・・・長門?
「もしもし?」
「・・・・・・」
かけてきたくせに一言も発しない長門。
「あー・・・長門?どうした?なんか用か?」
「・・・・・・来て。」
どこに。
「私の家。」
何故。
「いいから来て。」
電話が切れた。
 20秒後、俺はもはや通いなれているマンションへ向けてチャリを
とばしていた。

 息を切らせながら、インターフォンをプッシュ。
「・・・・・・」
無言のインターフォン。いい加減、もうなれた。
「俺だ。」
「入って。」
かしゃんとロックが外れ、エレベータに続く道が開ける。
 エレベータに乗りながら、俺は考えていた。チャリに乗っているときにも
考えていたのだが、何で長門は俺を呼んだのだ?ハルヒには風邪だといい、
お見舞いも断ったはずなのに。もしかして、またハルヒ絡みでなんかあり、
それの対処に追われて今日は学校を休み、最終的に俺に協力を求めてきた?
「んなあほな。」
34名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 18:15:23 ID:i1RwP+iM
大体そんなことで俺を呼んでも意味がない。俺は超能力者でも未来人でもない
のだからな。力が必要とするなら古泉の方を呼ぶだろう。朝比奈さんは・・・
未来人とはいえ、正直俺とどっこいどっこいだから呼ぶかどうかは微妙だが。
 そんなことをうだうだ考えていたら、いつのまにかエレベータは七階に到着
していた。長門の部屋へ歩を進める。たいてい俺が行くと長門はドアを開けて
待っていたものだが、今日はドアは開いておらず水子霊のようにこちらをのぞく
小柄な姿も見えなかった。
 多少いぶかしがりながらもドア脇のインターフォンをプッシュ。と、5秒後に
俺はドアにぶん殴られていた。外側に開いてきたドアに、思いっきり額をぶつけた。
ドアの近くに立ちすぎたらしい。目の前にお星様が見えた。
 俺が漫画チックな星の数を数え終わる前に、長門とばっちり目があった。
「・・・・・・」
ちなみに、この三転リーダは俺のものだ。なぜかって?長門の姿を見りゃわかる。
「入って。」
 おでこに熱冷まシートを貼って頬を紅潮させながら靴箱によっかかって
ふらふらしてるパジャマ(ワイシャツみたいに前がボタンでとめられてる、
幾何学模様のやつ)を着ている小柄な女子高生。それが今の長門だ。なんか、
うちの妹が風邪ひいたときと同じような感じだな。って、長門も
風邪ひいてたんだっけ。
35名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 18:16:53 ID:i1RwP+iM
 よたよたとリビングに向かう長門。こんなに弱々しい長門は初めてだな。
こんなときに不謹慎だが、正直かわいい。だが、別世界の長門とかぶって
しまう感が否めない。ここはいつもの俺たちの世界であってるんだよな?
「あっている。」
そうか、そりゃ良かった。
「お茶を用意する。」
いや、そんな状況で用意しようもんなら、間違いなく急須を落として割りそうだし、
おちゃっぱとワカメを間違えて入れかねんような感じだぞ。お茶なら自分で
用意するから、お前はゆっくりしてろ。
「・・・そう。」
 自分でお茶を入れ、長門と俺の分の湯飲みも盆に乗せてリビングに戻る。
ぼんやりとした長門が、テーブルの前に座っていた。
「大丈夫か?」
「・・・だめ。」
・・・正直でいいな。ところで、マジにお前かぜなのか?宇宙的な変体ウイルスに
感染とかじゃなくて?ほら、この間の犬どもに取り付いたやつみたいな。
「地球上の病原体に感染しただけ。」
そうか。ところで、お前の力で病原体を追っ払えなかったのか?朝倉にやられた
ときみたいな、自己回復で。
「通常状態の私なら可能。しかし、病原体が進入しインターフェースの機能が
低下した。情報操作で回復するだけの力がない。」
要するに、治すだけの力が出ないんだな?
「そう。」
風邪ひいたら誰だって力入らないもんな。しかし、朝倉との時はあんだけ
怪我しながら復活しなかったか?
「あなたがいたから。」
・・・・・・えーっと、どういうことだ?
36名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 18:17:49 ID:i1RwP+iM
「万が一あの場で他のインターフェースに襲撃を受けた場合、あの状態では
あなたを守ることは不可能だった。そこで、情報統合思念体のサポートを
借りて情報改変を施した。」
風邪ひいただけじゃだめなのか。
「だめ。鍵となるあなたに危険は及ばないから。」
あの時は俺に危機が及んだから長門の親玉の力を借りられたが、今回は風邪ひいた
だけで俺には関係ないから、自分で何とかしろって事らしい。てっきり俺は、
あのときは俺がいたから治せたとか言うのかと思っちまってた。寡黙なのも
悪くないが、誤解を招くような言い方はよしてくれ。変な期待をしてしまうと、
間違ったときの喪失感がなんともいえないから。
「そう。」
まぁそれはいいとして、なんか食ったか?
「何も。」
いつから食ってない。
「昨日の晩から。」
「なんか食うか?作ってやるぞ。俺の作ったもんでよければだが。
おじやとかはどうだ?」
しばし考えた長門は、熱で潤んだ瞳で
「お願い。」
37名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 18:19:30 ID:i1RwP+iM
 っつーわけで、一時間三十分後のリビング。長門の台所を拝借し、俺は何とか
おじやを完成させた。長門ん家にはろくな食材がなく、米とレトルトとキャベツ
5玉しかなかった。そのレトルト食品も、カレーだのシチューだのハンバーグだのと
どう考えても病人が食うようなものではなく、だからといって米とキャベツの
おじやなんてもので済ませる気も毛頭ない。よって近所のスーパーへ買出しに
行かねばならず、ついてこようとした長門を止めるのに必死こいた。置いていくのも
どうかと思ったが、こんな状態の長門を連れて行ったらスーパーどころか玄関出て三歩で
倒れかねず、仕方なく俺が帰るまではじっとしているようにといいダッシュで
目的地へと向かった。15分程度で具財を買いそろえ、ついでにゼリーとかも
買ってやり、首尾よく帰還。
なんか初々しい新婚さんに見えないこともないなとか思い一人にやけつつ、
台所でおじやをつくり、手伝おうと包丁を握り締めた長門を制止し、俺と朝比奈さんが
三年を過ごした和室に布団を敷いて寝っころがらせて、おとなしくしているようにと
言い聞かせた。布団に入った熱っぽい長門を見て一瞬一緒に布団に入り込みそうになったが、
台所で俺を待っているおじやで頭をいっぱいにし、理性を失わずにすんだ。
「味はどうだ?薄かったりしないか?」
「美味しい。」
うちの家族は、誰かが風邪を引くと俺以外の人間にあっという間に伝染するという
謎の性質を持っており、そのため看病するのは必然的に俺ということになり、
そのため病人の扱いとかおじやを作るのには慣れているのだ。そういう意味では、
長門の人選は間違っているとは言いがたいが、はたして自分で言っていいせりふなのかね
これは。
38名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 18:20:38 ID:i1RwP+iM
「そういや、ハルヒの時にはお見舞いを断ったのに、何で俺を呼んだんだ?」
至極もっともな俺の疑問に対して、長門は
「涼宮ハルヒにこられても、疲労が増す割合の方が多い。」
冬合宿を思い返せば、確かにそうかもな。
「それに」
とおじやを食いながら長門は続ける。
「私はあなたに来て欲しいと感じた。」
・・・・・・はい?
「私の知っている言葉を当てはめるとするならば、私はあなたに
甘えたいと感じた。」
・・・・・・えーっと、おじやはうまいか?
「美味しい。」
そうか。俺の分も食うか?
「大丈夫。」
で、お前は俺に何したいって?
「甘えたい。」
・・・・・・ハルヒや古泉や朝比奈さんじゃなくて?俺に?何故?
「わからない。でも、私はあなたがいい。」
「・・・そうか。」
「嫌?」
そんな訳ない。前にも言っただろ?俺はお前の願いを無下にするぐらいなら、
イスカンダルまで放射能除去装置を取りに行けという指令の方を選ぶ。
で、まず何をして欲しい?言っておくが、あんまり突拍子もないものは
ごめんだぞ。
「体を拭いて欲しい。」
いきなりかよ。思わずおじやにむせる俺。そんな俺を不思議そうに眺める
長門。そんなことをすれば健全な青少年の理性が決壊するのはお日様が
東から昇るよりも当たり前のことであり、俺は健全な青少年である。
「最大限譲歩して、お前の手の届かないところだけでいいか?」
「力が入らない。全身を拭いてくれることを望む。」
・・・・・・。
「風呂場で私の体を流してくれるだけでいい。」
・・・・・・わかったよ。だが、俺は服を脱がないぞ。どうなるかわかりや
しないからな。
39名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 18:22:00 ID:i1RwP+iM
で、今はその風呂場である。ふらつく長門は服を脱いで俺の前にちょこんと
座っており、俺は襲い掛かりそうな衝動を必死で制動していた。それにしても、
と長門の背中を見ながら思う。長門は色白いな。細いし。
 さて、最初に頭からシャワーでお湯をかけて汗を落としてやる。頭から順に
洗ってやるか。目ぇつぶってろよ、しみるから。
「・・・・・・。」
 体と同じで細い髪を丁寧に洗ってやる。
「かゆいとこないか?」
「平気。」
 だから目を開けるなって。シャンプー入っちまったじゃないか。
「・・・・・・痛い。」
言わんこっちゃない。今洗い流してやるからな。頭についた泡と一緒に、
長門の顔や目に入った洗髪剤を流す。大丈夫か?
「・・・・・・大丈夫。」
顔を洗ったほうがいいよな。けど、どうやってだ?
「普通に後ろから。」
いや、前に回るつもりはこれっぽっちもないが。とりあえず洗顔剤を手にとり、
長門の顔をゆっくりなでるように洗ってやる。しかしこいつがちゃんとシャンプーやリンス、
ボディーソープ以外に洗顔剤を持っていたのは驚きだ。てっきり石鹸で
全部済ませているかと思ったが。
「前はそうだった。」
じゃなんで今はワンセット揃ってるんだ?
「朝倉涼子が、以前来たときに買い揃えてくれた。」
そうか。えらい前の話だな。それ以来、自分で買い揃えているのか。
「そう。」
・・・・・・だから、目を開けるなって。
「・・・・・・痛い。」
40名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 18:23:10 ID:i1RwP+iM
 さて・・・一番の懸案事項に差し掛かった。体を洗えといわれたが、俺は背中以外に
触れる気は無く、なぜなら理性が吹き飛ぶであろうことを自覚しているからだ。
なぁ長門、背中だけじゃだめか?
「全部。」
 ・・・・・・そうか。仕方ない。大体、俺は服を着ているんだから間違いなど
おきるはずが無いだろう。そうだ、そうに違いない。覚悟を決めろ、俺。
「んじゃいくぞ。」
なんかこんな言い方だぞ今からヤルみたいだな、などと考え、そんなことを
思った自分に自己嫌悪。
「来て。」
誤解を招く言い方はよせって。
 俺は長門の白い首に泡を含んだスポンジを当てた。丁寧に洗っていく。
「くすぐったい。」
我慢しろ。こっちは必死なんだから。
 鎖骨のあたりから、ゆっくり腕を洗っていく。それにしても細いな。
二の腕も手で一周つかめるぞ。長門のすべすべした肌をつかんでいると
いよいよ理性が崩壊しそうなので、次に背中を洗いにかかる。小さな
背中なので、案外あっさり終わった。そして脇腹。
「くすぐったい。」
またかよ。我慢してくれ、頼むから。
「長門、せめて前は自分でやってくれないか?」
「無理。」
一刀両断された。もうどうなっても知らんからな。
長門のあまり大きくないが形のいい胸にスポンジを当てる。先っぽから
ふくらみをゆっくり丁寧に洗っていく。スポンジごしに感じる感触に、
理性がそろそろ限界だ。
41名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 18:24:30 ID:i1RwP+iM
「・・・・・・」
 長門は何も言わないが、手がぴくっとした。何を感じたのか聞いてみたい気もするが、
ここでその答えを聞くとあっさり理性が限界突破することは間違いなく、
万が一そんなことになっちまったらそれはそれで喜ぶべきことなのだろうが、
そんなことがあったあとの俺は間違いなく長門を意識しちまうだろうし、
そうなれば不必要なくらい勘のいい団長にばれるのは時間の問題になるで
あろうことは規定事項である。そうなりゃとびっきりの罰ゲームどころか
いつぞやの中河作成ラブレターのように窓からぽいっと俺が捨てられることは
間違いなく、俺はまだ辞世の句を用意していないので死ぬわけにはいかない。だからここで長門に襲い掛かることはなんとしても食い止めねばならない。がんばれ、理性の俺。
 そんなくだらないことを考えながらだったせいか、俺はひたすら胸だけを
洗っていた。はたからみりゃただの変態だ。
「あー・・・」
すまん長門、と言おうとしたが、そんなことを言えばわざとやったみたい
なので、俺は言葉を飲み込んだ。
「・・・・・・」
長門が妙にボーっとして熱っぽいのは、はたして風邪気味だからだけで
すませていいのかね。
 とにもかくにも、胸から腹にスポンジを移動させ、後ろから洗ってやる。
ほんと細いな。あんだけ食うのに。
「なぁ長門、せめてその・・・下は自分で洗ってくれないか?さすがにそこは、な。」
「・・・・・・」
無言のプレッシャー。ここで負けるな俺!!
42名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 18:25:29 ID:i1RwP+iM
「頼むから、勘弁してくれ。」
「・・・・・・了解した。」
しぶしぶ、と言った感じで長門は自分の下腹部を洗い始めた。後ろから見てると、
自慰行為みたいでちょっとエッチぃ・・・て、落ち着け俺。
「・・・・・・濡れてる。」
お湯のせいだ。そう思い、聞き流せ俺。
「後ろも自分でやってくれ。」
「・・・・・・」
頼む。
「・・・・・・」
これまたしぶしぶと自分で洗う長門。っていうか、ほんとは自分で
全部洗えたんじゃないか?
「そんなことない。」
さいですか。
「足はやって。」
いまさらかよ。
「やって。」
「・・・・・・わかったよ。」
今日何度目かの溜め息をつきながら、俺はスポンジを受け取った。
長門の秘所をあらったスポンジを無造作に渡され、再び理性が
消し飛びそうになる。最後だ、がんばれ俺。
しかし長門の足はきれいだ。こういうのを美脚って言うんだろうな。
白いし細いし。足裏も洗ってやる。
「・・・・・・くすぐったい。」
またか。案外長門ってくすぐりに弱いのか?
43名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 18:26:45 ID:i1RwP+iM
そんなこんなで、なんとか洗い終えた。全身の泡を落としてやる。もちろん
前は見ていない。見るわけが無い。えらいな俺。
また頭からシャワーでお湯をかけてやる。リンスとかもやったほうが
いいのだろうか。
「やって。」
よくやり方はわからんが、適当に髪を癒してやる。俺は普段自分の髪を
いたわったりはしないから、本当に適当だ。こんなんでいいのか?
「いい。」
そうか。
「・・・・・・痛い。」
だから目を開けるなって。

 さて、風呂をあがって(体をふかさせられたことは内緒だ)再びリビングに
戻る俺と長門。長門はすでに歯磨きもして、水分も取り、あとは寝るだけって
感じだ。
「・・・・・・」
・・・まだなんかあんのか?
「私が寝るまでここにいて。」
何故?なんて聞きはしない。風邪ひいたときなんて、誰だって不安なもんだ。
違うか?
「いいぞ。」
布団に長門を連れて行き、寝っころがったところに布団をかけてやる。
「手を。」
つなげと?
「そう。」
わかったよ。ほれ。
「・・・・・・」
俺の手を大事そうに、しかしやんわりと抱いたまま、長門は静かに
目を閉じた。ほどなくして、かすかな寝息が聞こえ始める。
「・・・・・・かわいいな。」
思わず口に出してしまうほど、長門の寝顔はかわいかった。
「ちゃんと風邪治して、明日は学校来いよ。」
隅っこで本読んでるお前がいないと、なにやら落ち着かないからな。
じゃあな、とゆっくり長門の手をほどき、布団をかけなおしてやる。
いい夢を見て、そんで元気になって明日会おうな。
 電気を消し、長門から借りた鍵で部屋を施錠して、俺はエレベータに
向かった。さて、家族にはなんて言い訳しようかね?
44名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 18:28:14 ID:i1RwP+iM
 五日後―――。
 あの日から毎日夜は長門の部屋に行き、看病してやった。土曜はSOS団の
町内不思議探しの旅があったので、それが終わってからすぐに向かい、
日曜は朝から部屋にいっていた。まぁ、大体最初の日と同じ感じだ。
 そして、今日は文芸部室に真の文芸部員が帰った来た日だ。部室に長門の
姿を見つけた瞬間、ハルヒは十年ぶりに再会した恋人にするみたいに、
思いっきり長門に抱きついたらしい。その現場を俺は見逃していた。
今日は俺が掃除当番だったからな。
ハルヒは長門のお見舞いに何度か行こうとしたらしいが、毎回断られたらしい。
そんなに嫌か、あいつが来るのは。
「よう、治ったか。良かったな。」
そういいながら入ってきた俺に長門は
「・・・・・・・」
とうなずきながら近づいてきた。なんだなんだ。
「昨日までのお礼。」
そうして頬に感じた感触は、おそらくというか絶対というか、まぁあれか、
ほっぺにチューというやつだったのか、今のは。
 俺は凍り付いている団員全員になんて言い訳しようか、と考え、
全く思いつかないので長門に助けを求めようとしたが、小柄な宇宙人は
我関せずと読書に戻っちまった。
 さて、この状況をどう打開すればいいのか、誰か教えてくれ。
              終わり
45名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 18:30:28 ID:Z5vQ+4Gn
GJ!
46名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 18:31:14 ID:yUFE9bqZ
GJ!
素晴らしすぎる
47名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 18:32:39 ID:i1RwP+iM
あんまエロなしでスマソ。それと、タイトルとか無いし。
48名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 18:43:33 ID:jAxmzzMr
理性と戦うキョン、ひたすらに甘える長門。
風呂の描写がとてもきめ細かい。
長門が長門のまま甘えているのが素敵過ぎる。まさしくGJ。

ユキかわいいよユキ
49名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 18:50:27 ID:C0wTBlt6
GJ!
堪能させてもらいました
50名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 18:56:06 ID:eiVMcv6G
GJ…なんだが、28-29の流れに禿ワロス
ちょw28ww

あと、三点リーダってのは…ってセットになってる奴の事っぽいよ
51名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 19:00:17 ID:Ldh1ZVIK
これはいい長門ですね。GJ!
新スレも順風満帆の出だしですばらしい・・・
52名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 19:14:06 ID:OIwgDMTR
・・・と…の違いだな。
3点リーダーは…の方で、これと―は偶数個で使う。
ようするに、……とか――――とかでね。
あとは!や?のあとは一マス開けるといいんだっけ?
53名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 19:18:21 ID:/trIrkLq
じゃあヒトツ、ゲロ甘バカップルSSで中和してみましょうか

http://haluhi9000.h.fc2.com/18.html
54名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 19:46:40 ID:oZLTFG/F
>>28-29
激ワロスw
555-544:2006/05/07(日) 19:54:41 ID:6X7ucdme
5話(最終話)投入します。
56名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 19:54:57 ID:BlbSKDNd
素晴らしい。
長門が風邪引く話はわたしも考えましたが、
風邪引く理由が考え付かなかった・・・
お見事でした。
57涼宮ハルヒの対決5:2006/05/07(日) 19:56:45 ID:6X7ucdme
>>8-13の続き

「ミヨキチ? 」
「ひどいです。わたし、私っ」
 下着姿のままで、しゃくりあげるミヨキチに何と言えばいいか分からず、腰をあげた
ままの姿勢で呆然としていると、突然、公園の続きとばかりに胸に飛び込んでくる。
「おわっ」
 均整の取れた体つきのハルヒよりも、ふたまわり程は華奢な身体が一戦終えたばかりの
俺の胸元に縋りついた。
「一年前からずっと想ってたんです」
 薄っすらと膨らみ始めた胸を隠すはずの、ブラウスは既に取り払われ、少し背伸びした
感のある純白のブラとショーツ。そして、すらりと伸びたカモシカのような脚が艶かしく、
ひどく眩しい。
 結わえられたリボンは外されていて、おろした髪から覗く表情は、童顔の朝比奈さんは
もとより、ハルヒと遜色ないほど大人びていて見えた。
「お願いします」
 囁くように言って小さく頭を下げると、ミヨキチは小さな唇を寄せてくる。俺は盲目の
旅人が聖者に吸い込まれるように、彼女の顔を近づけキスをした。

「んっ」
 冷やっこい感触が伝わる。華奢な身体に手を回すと同時に、美代子はしがみついてくる。
 細かく震える身体から、荒い息遣いが聞こえる。唇を端からゆっくりと動かしていくと、
少女はくすぐったそうに上体をよじる。
「んんっ」
 小鳥のようにさえずって、俺の求めに応じて少しだけ口を開いた。そこからゆっくりと
舌端を入れ、口内に侵入してミヨキチの舌を軽く擽る。
「ふぅん」
 小さく鳴きながら、ミヨキチは絡めた舌端に吸い付いた。汗ばんだ掌から彼女の緊張が
ダイレクトに伝わってくる。
「あふっ、んぐぅ」
 蚊の鳴くような声で懸命に求めに応じる少女に、一度は出し尽くしたはずのリピドー
が急速に復活してくる。堪らなくなった俺は、背中を抱きしめていた手を動かして、
ブラを外し、まだ膨らみ始めて間もない、薄い桜色をした乳房の先端をゆっくりと親指と
人差し指の腹を擦り合わせていった。
58涼宮ハルヒの対決5:2006/05/07(日) 19:57:58 ID:6X7ucdme
「きゃう! 」
 おそらく生まれて初めての愛撫に美代子は鋭い悲鳴をあげて背中を反らした。全身に
鳥肌をたてて、髪を振り乱して嬌声をあげる。
「いっぱい、愛してください」
 そうさせて頂くとも。
 俺は唇を離すと、羞恥で紅く頬を染めた美代子の肌に舌を這わしていく。

「去年より、少し大きくなったんです」
 懸命のアピールには応えなくてはいけないだろう。美代子の陶器のようになめらかな
肌に指をはわせる。くすぐったそうに、何度も身体をくねらすがかまやしない。ミヨキチの
素肌を存分に楽しむと、綺麗なへその下にある下着の端を摘んだ。
「や、いやですっ」
「やめる? 」
 拒絶の言葉を載せそうになったミヨキチから、一歩引いてみせると彼女は大きく首をふる。
それを確認してから、下着の上をゆっくり撫でていく。

「ん、んくぅ」
 彼女の秘められた場所からは、既に愛液が滲んできており、時間とともに大きくなる
喘ぎ声とともに、下着の染みも拡がっていく。
「んああ、気持ちいいですっ」
 小さな掌でシーツをぎゅっと握り締め、おしよせてくる快楽の波にも必死に耐えようと
している姿が健気で可愛らしい。
「濡れちゃうから、下着取るね」
 すっかり理性を失っている俺はベタで下道なことを言って、ミヨキチの無駄な装飾のない
コットンのショーツをずり下ろしていく。
「お願いですから。そんなに見ないでくださいっ! 」
 恥ずかしそうに、両手を股間でなく顔を隠す姿が少し可笑しい。美代子のそこはほんの
少しだけしか生え揃っておらず、堅く閉じられた裂け目をじっくりと堪能することができた。
「もうやめる? 」
 もう一度、冗談混じりに聞いてみると、また嫌ですと、首を振る。
 無垢なのにひどく強情な少女がたまらなく愛おしくなって、もう一度口付けをしながら、
奥に潜む突起に指の腹をあてがい、周辺の粘膜を円を描くようにもんでいく。
59涼宮ハルヒの対決5:2006/05/07(日) 19:58:30 ID:6X7ucdme
「ん…… んくあ」
 ハルヒよりも細い声が辛うじて耳朶に届いた。
「あふう、あくっ」
 立て続けに襲う未知の快楽の波に、両膝を閉じて耐えようとするが、既に中に入り込んだ
俺の指先が許さない。逆に、左手を使って彼女の膝を抱えるように上げて、大きく脚を広げて
スペースをつくりだし、執拗に愛撫を続けていく。
「うあっ、んああ、気持ちいい、気持ちいいよ」
 瞼から宝石のような涙を幾粒も零しながら、ミヨキチは全身の筋肉を硬直させて快楽の
頂きに向かう。密かな期待に応えるように、溢れるほどに出てくる蜜をかき混ぜながら
絶頂を迎える瞬間を待つ。
「やああ、いやああ。何か出ちゃう! 出ちゃうよ」
 突然、辛そうに顔をゆがめて生理的欲求に耐えようとするが、すでに限界点をこえていた
ようで、少女の意志に反して薄い黄色の液体が大量に勢いよく噴き出した。
「もれちゃう。もれちゃうよお。お願いっ、みないで! みないでくださいっ」
 泣き叫びながらも潮吹きと呼ばれる生理現象はとまらない。ミヨキチの尿道口から溢れ出た
液体は多数の飛沫を造りながら、芸術的な放物線をえがき、シーツの端から広範囲を
ぐしょぐしょに濡らしていく。

「汚しちゃってごめんなさい。本当にごめんなさい。でも、わたしっ」
 ミヨキチは、擦り付けんばかりに頭を下げて何度も何度も謝った。しかし、今の
非日常的な行為が、彼女の理性という配線の主要部分を断ち切ってしまったのか、
ふらふらと倒れこみながら、いまだ未成熟な膣口を、すっかり興奮して大きくなった俺の
息子に近づけていく。

 まさか、挿入させるつもりか。

60涼宮ハルヒの対決5:2006/05/07(日) 19:59:13 ID:6X7ucdme
「ばか、やめろって」
 いくら俺がロリでもヘンタイでも、この年の少女の処女を奪うつもりはなかった。ここ
まで来て何を偽善的なことをぬかしやがるこのクサレ外道、という批判は甘んじて受けよう。
「それなら、どうすれば満足して頂けるんですか」
 悲壮感漂う口調で、瞼から水晶のような雫をあふれ出す、可憐な少女から迫られる俺の
罪深さに愕然としたところで、意外な方面から救世主があらわれた。
「キョンのアレを満足させる方法は他にもあるわ」
 これまでは観察者に徹していたハルヒが、悪魔のような笑みを浮かべてミヨキチの耳元で
囁いた。

「そんな事っ」
 ミヨキチは、紅潮させた顔で悲鳴まじりの声をあげた後、ごくんと喉をならして暫く考え
込んだ。やがて決意したように上品な顔をきゅっとあげる。
「私。やります。がんばりますっ」
 何をがんばるんですか。と思う間もなくミヨキチは俺の足元にしゃがみこみ、度重なる
刺激によって膨張率がMAXゲージに達している愚息に、小さな口を開けてかぶりつく。
「痛っ」
 犬歯が掠めて、俺は情けない悲鳴をあげた。マジで痛いってば。
「だめよ。歯をたてたら」
 ハルヒは、ミヨキチの肩を撫でながら優しく嗜める。
「唇と舌をつかって優しく擦り上げてやるの」
61涼宮ハルヒの対決5:2006/05/07(日) 20:00:08 ID:6X7ucdme
「ん…… んむう」
 ミヨキチは奇妙な生物を見るような眼差しで、両手で俺の根元を支えると、小さな舌を
伸ばして、先っぽを刺激していく。
 こらえ性の無い俺がしょーもない悲鳴をあげようとする口を、にんまりと笑ったハルヒが
塞ぐ。
「あたしも、我慢できなくなっちゃった」
 強く身体を抱きしめながら、捻じ込むような深いキス。再び舌を絡めて、お互いの唾液を
淫らにかき混ぜて、歯茎や頬の裏側にある粘膜も舐めつくし、果てしない快楽の階段を昇る。
 俺は、求めるように身体を密着してきたハルヒの形の良い乳房を、撫で回すように強く
もみしだき、こねくり回す。
「んくぅ、んんっ」
 上からはハルヒ、下からはミヨキチの波状攻撃をまともに受けて、俺の堪え性のない一物は
たちまちのうちに我慢汁を滴らせ、放出が間近に迫っていることを盛んに警告する。
 もう出ると叫びたかったが、あいにくハルヒの濃厚な口付けからは寸時も離れることが
できず、まともな音声を出すことができない。
「はふっ、ふあっ」
 下を覗き込むと、くぐもった声をあげながら、一糸もまとわぬ姿となったミヨキチが
音楽発表会の前日にリコーダーを練習する小学生のように、額に汗を滲ませながら
一生懸命になって裏筋と先端を、代わりばんこにしごき立てている。
 もはや後戻りも一時停止もできなくなっていた。

 やばいっ、出るっ。
 短いうめき声とともに、白い液体が愛撫中だった美代子の口内に容赦なく吐き出され、
強い勢いで放出されるそれをまともに飲み込んでしまい、激しくえづく。
「ごほっ、ごほっ、けほっ」
 整った顔を精液まみれにした美代子は、幾度もむせて、その度に白い粘液が唇の端
からシーツの上に、ぽたぽたとこぼれ落ちる。
 流石に顔色を変えた俺は、咳き込むミヨキチの背中をさすりながら謝った。
 しかし、見るからに苦しげであるにも関わらず、無理に笑みをつくって、汚れても尚
あどけない顔を横に振る。
「いいんです。こちらこそ迷惑かけてごめんなさい」
 俺は、美代子のいじらしさに何と言って良いのか分からなくなり、結局、黙って顔に
ついた液体をティッシュで拭い取ることしかできなかった。

 そして、作業が終わった途端、朝比奈さん(大)と時空移動を経験した時と同じような、
猛烈な倦怠感と眠気が身体に襲いかかる。
 俺はハルヒと美代子の間に倒れこむように崩れ落ち、意識は深い闇に閉ざされた。
62涼宮ハルヒの対決5:2006/05/07(日) 20:01:01 ID:6X7ucdme
 目が覚めると、あたりは暗かった。
 備え付けの時計を眺めると、午後9時を回っている。
 周囲を見渡すと、ミヨキチもハルヒもいない。もしかして、あの異常な情事は全て夢の出来事
なのだろうか、という考えが一瞬脳裏によぎり、湿った布団を見て思い直した。これは現実だと。
 よろよろと起き上がって、服を着て居間に向かうと、台所から漂ってきた美味しそうな匂いの
微粒子が鼻腔をくすぐる。

 居間では、団長を除くSOS団の団員が、ちゃぶ台に鎮座していた。
 朝比奈さんは顔を真っ赤にして恥らうように、古泉はいつもと同じにやけ笑いのままだ。
 台所から出てきた長門は、普段の無表情顔を崩さず、ご飯と味噌汁を載せたお盆を置いた。
 匂いの元はこれだったのか。
「わ、私も手伝います」「いい」という短いやりとりの後。全員分の食事が運ばれてきた。
 しばらくは、誰も何もいわずに黙々と箸を動かすという、極めてシュールな晩餐となっていたが、
やがて俺は堪えかねたように口を開いた。
「古泉。今回のボランティアの理由を教えてもらおうか」
 沢庵を口に入れる手を止めて、古泉は苦笑した。
「涼宮さんと、吉村さんはご心配なく。機関の者に既に自宅まで送らせて頂きました」
 そいつはありがたいな。世界最終戦争は先送りになったらしい。

「あなたが中途半端な態度をとるからいけないんですよ」
 微笑の中に非難の色がある。
「涼宮さんは、非常に勘の良く、行動力のある方です。彼女は貴方の事がSOS団の一構成員以上
の思いを抱いていることは、既に他の団員全員の共通認識でした。そこに恋のお邪魔虫である
吉村美代子さんが登場されたのですから、とても穏やかではいられなかったのでしょう」
 そこまでは分かる。続きを言え。
「いても立ってもいられなくなった涼宮さんは、デートの場所を貴方の妹さんから聞きだして、
遊園地に張り込むことを決意しました。そして目論見どおり、二人のデートを目撃することが
できた訳です。私は、彼女がフラストレーションによって、閉鎖空間を生み出すことを心配して
現場に待機していましたが、案の上、これまでで最大級の閉鎖空間が発生し、何とか抑えつける
為に、途中退場しなくてはならなかったのですよ」

 なんで森さんや新川さんが出てくるんだ。
「何を今更、彼らも機構の一員ですよ。私はいつも単独行動をしている訳ではないんです」
 更に長門と朝比奈さんも巻き込みやがった。
「貴方もご承知の通り、我々の機関は、長門さんの派閥、朝比奈さんの属するグループと即席の
連合を組んでいるのです。昨今急速に勢力を伸ばしている共通の敵に立ち向かう為にね」
63涼宮ハルヒの対決5:2006/05/07(日) 20:01:52 ID:6X7ucdme
 そりゃ大事だな。
「実際、長門さんのマンションは我々にとっても都合の良い場所なんですよ。ご存知の通り長門
さんの持つ力は単独でも極めて強大で、更に言えばここは長門さんの本拠地、即ちホームです。
反対勢力もおいそれとは侵入することは出来ないですから」
「そんなに強いのか」
「単純な比較はできませんが、長門さんが本気を出せば、ジャパン・ディフェンス・アジェンシー
が総力を挙げても、マンション入口の門扉を傷つけることすら適わないでしょうね」
 改めて長門の顔を凝視する。入室時の絶対零度に近い冷え切った表情は既に消え去っており、
いつものナチュラルな無表情に戻っている。

「情報統合思念体も急激な変化を望まない。涼宮ハルヒの心理的動揺は拡散すべき」
 抑制ではなく、拡散なんだな。
「そう。だから涼宮ハルヒとあなたが生殖行為を行えば、不確定因子は一時的にしろ攪拌され、
相対的な安定状況を確保することができる」

 淡々という長門に頷きながらも、愛すべき上級生、朝比奈さんと目が合った。
「ご、ごめんなさい。キョン君。お役に立てなくって」
 謝られる必要は全然ないんですよ。朝比奈さん。
「上の方では、いろいろとしているようなんですが、禁則事項という以前に情報が伝わって
こないんです」
 確かに、今回の『事件』は未来人勢力にとっても、リアクションに迷う事柄かも知れないな。
もっとも朝比奈さん(大)の方は、何かお企みになっているかも知れないが。

 大まかな状況を飲み込んだとき、奇妙な晩餐も終わりを迎えた。
 新川さんに駅まで送ってもらった後、早春の、まだ冷たさを残す空気に軽く切られながら、
ゆっくりと自転車をこいでいく。先に帰ってしまったハルヒとミヨキチの顔が浮かんで、軽い
自己嫌悪に陥りそうになったがなんとか踏ん張り、天上の星々を見上げる。
 オリオン、ふたご、おおくまといった、冬の星座が西に傾き、代わりに、おとめ、しし、
うみへび等の、春の星座が東の空に現れて、季節が変わりつつあることを教えてくれる。
 近いうちに腹を決めないといけないと考えながら、俺は妹と両親が待つ自宅へ戻っていった。

(終わり)

64名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 20:14:13 ID:NFm5gtEc
>>57-63
GJ!
 
ハルヒとミヨキチってこの事覚えてるんだろーか
65名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 20:15:51 ID:dsgiSMQ5
Good Job!!
66名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 20:20:04 ID:YjFxJJqS
GJ!!
ミヨキチカワイイよミヨキチ
675-544:2006/05/07(日) 20:24:23 ID:6X7ucdme
読んでくれた方、ありがとうございます。
ミヨキチはイラストがないからイメージが難しかった。
あと、もう少しエロ濃くした方がよかったかも。

>>44
有希滅茶苦茶可愛かった。戸惑いまくるキョンも凄く良かったです。
68名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 20:28:21 ID:jAxmzzMr
対決GJ。
ハルヒのえちぃシーンとかミヨキチとか静かに怒る長門とか
素敵なのが多いが、なによりも

解決編で古泉と長門がきっちり解説した技量がすげぇwwwww
69名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 20:33:50 ID:koqqG9vO
ちょっと粗はあるけどな。防衛庁とか、古泉の一人称とか。

でもよかった。GJ。
70名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 20:41:36 ID:/zBIvly0
GJ!!
ハルヒの妨害が無いミヨキチとの絡みも見たい
71名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 20:47:12 ID:6X7ucdme
>>69
指摘サンクス

正しくは、「セルフ・ディフェンス・フォース(the Self-Defense Force)」だし、「僕」ですね。
72名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 21:04:48 ID:0JNQKWF5
おまwwwwwミヨキチこの春で中一だろwww
73名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 21:05:51 ID:/zBIvly0
キョンはロリコンでいいじゃないか!!ww
74名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 21:06:49 ID:jAxmzzMr
>>72
外見大人びてるっていうし性徴早いってことでいんでね?www
75名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 21:11:34 ID:Z5vQ+4Gn
>>72
小6でないの?
76名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 21:13:00 ID:CDIjxr5y
キョン妹が小5だったような記憶があるな
77名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 21:13:45 ID:/zBIvly0
去年(作中)で小4だから5年じゃ?
78名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 21:14:10 ID:ZYKFOBU7
最近の子供は成長が早い。ならば15歳ぐらいで成人とするべきではなかろうか。
そうすれば少子化の問題も解決に向かうし労働力も大幅UPだ。
なによりロリコンとよばれることもへるだろう
79名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 21:21:52 ID:0JNQKWF5
ああそうか・・この春で小6だったな・・・


おまwww小学生とセックスってw
80名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 21:26:31 ID:MXky+1KN
まぁいいじゃないか
挿入してたら流石にヤヴァイwwwwwww
81名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 21:27:52 ID:/zBIvly0
そこら辺はうまくやってくれる神を期待
82名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 21:51:16 ID:MXky+1KN
>>57-63
の次回作を期待
83名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 23:02:52 ID:tM6k3WX/
妄想なら無罪だよ
84名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 23:17:19 ID:IhgNOxpA
まったくだな。
やはりキョン×ハルヒは実にイイ!

神を待つか…
85名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 23:25:34 ID:Evc8pS05
むしろ、ハルヒ×キョンに萌えるぞ、俺は!
86名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 23:26:42 ID:83bXzDqp
シャミセン×シャミツーに挑戦する猛者は居ないか?
87名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 23:29:05 ID:75Dj7GZi
お前ら前スレ埋めてからこっちに書き込みなさい
88名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 23:39:16 ID:zO40HJNm
キョンのツンデレが見たい
89名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 23:43:13 ID:SeU5WwCJ
そういやべジータもツンデレ?
90名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 23:47:26 ID:Jvt6gwvS
星一徹もツンデレ
91名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 23:57:41 ID:oZLTFG/F
前スレの最後が嫌すぎる
92名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 00:07:22 ID:ADob2vbm
正直、文学少女状態の長門のスペックが分からん。
常に親玉とリンクしてんのか、有事の際だけリンクして万能になってんのか
どっちやろ?
93名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 00:15:23 ID:kkIptCAg
前スレ>>924
なにその死亡フラグ
94名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 00:18:42 ID:ISek/tvL
前スレのラストにワラタ
95名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 00:20:48 ID:yJ1Mkbvr
奥付か…
96名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 00:28:15 ID:Qxa0VkZY
アニメは孤島(前編)からミステリックサインに移行しました
97名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 00:29:35 ID:hO8J0gk0
>>92
あくまで普通の人間で
本来長門が行う事は全て造られた朝倉が担当するんでないのか?
98名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 00:34:25 ID:bfayhAei
前スレもうカキコ出来ん
99名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 00:38:01 ID:KWyVEBue
アニメの長門私服やばい。かわいすぎ。
100名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 01:06:22 ID:VjIlBhwE
もう一度お弁当。

「あっキョンくん。こんにちは、今日は早いんですね」

朝比奈さんは珍しく制服のままでパイプ椅子に座っていた。
目の前の机には・・・弁当箱?

「どうしたんですか、こんな時間に弁当なんて。もしや意外と大食」
「ち、違います!お昼休みに食べようと思ったら涼宮さんがいきなり教室にやって来て、
ずっと学校中をあれこれ引っ張りまわされて・・・結局食べ損ねたんです」

いや、分かっていたけど。しかし昼食抜きとは。俺だったら発狂するかもしれん。

「それでハルヒの奴、朝比奈さんを連れて一体何をしようとしたんですか?」
「それが・・・昼休みの間に何か学校で不思議なことが起こらないか見回りをするわよって。
優秀な探偵には優秀な助手がついているものなのよ、って」
「・・・」
「仮に優秀じゃなくてもドジッこなら話のタネになるからいいでしょう、って・・・」

頭の中を読まれた!?
い、いかん。朝比奈さんの顔に暗い陰が。話題を変えねば。

「と、ところでその弁当なんですが。やっぱり全部自分で作ってるんですか?」
「えっ。うん、時々前日の残り物を使う事もあるけど基本的には。それに同じ物ばかりだと
飽きちゃうから最低でも週に一つは本を読んで新しいものを作るようにしてるの」

表情が明るくなったようだ。うーむ、お茶もそうだがその飽くなきチャレンジ精神は実に
感服する。見習いたい。それにしても朝比奈さんの手作り弁当か。もう一度弁当箱の方に
目をやってみると、小皿に分けられていて品目は多いものの量は俺の弁当の半分程だ。
しかし小さくとも、そのお味はどんな一流シェフも裸足で逃げ出すほどの美味に違いない。

「キョンくん、よかったら食べますか?」
「はっ!?い、いやいや。朝比奈さんの大切なお弁当を奪うなんてとてもとても」
「わたしなら大丈夫。それに、自分の作った物の客観的な評価を知りたいし」

朝比奈さんのお誘いを断れようか。客観的になれる自信はありませんが、いただきます。

「はい、どうぞ」

箸を受け取って、さっきから気になっていた物を取って口へ運ぶ。

「・・・美味い!」
「本当?これ、今日はじめて作ったの。嬉しいな」
「うんうん、本当に美味しいっすよ。今度はこっちを・・・ううん、これもすばらしい!」

食べるたびに朝比奈さんが喜んでくれるので調子に乗って、弁当箱をほぼ空にしてしまった。
朝比奈さんはわずかに残ったものを食べ終わると普段通りメイド服に着替え、直後にハルヒ
達がやって来ると甲斐甲斐しくお茶を淹れてくれた。とはいえさすがにきつかったのだろう、
それ以降は終了までずっと椅子に座って休んでいた。さすがに申し訳なく思い、お詫びに何か
奢りたいと提案したが朝比奈さんは微笑みながら辞退した。

で、夜になってふと思った。
俺は朝比奈さんの使っていた箸で弁当を食べたんだよな。そして朝比奈さんはその箸で・・・
って何を考えてるんだ。ただ貸してくれただけに過ぎないだろうに。早く寝ろ俺。


次の日、朝比奈さんはまたも部室で弁当を広げていた。

「キョンくん、今日も新しいものに挑戦したんです。もしよかったら・・・」
101名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 01:08:02 ID:0QCUM+YQ
思い付きでSSを書いてみたが、これはアリなんだろうか…




【コインランドリー】



 はじめは、ただ見ているだけで。
 そばにいるだけで、良かったんだ。


 そう、ただ、同じ空間にいるだけでよかったんだ。
 



 一人暮らしをしている僕が週2で行くコインランドリー。
 そこでは夜に行くと、たまに会う女の子がいた。
 ボブカットをさらに短くしたような髪。名前は知らない。ただ、いつもセーラー服を着ていた。
 彼女は洗濯中ずっと本を読んでいる。僕は片手に少年ジャンプ。敗北。
 この歳で一人暮らしなんだろうか。整った顔立ち。雪のように白い頬。そして眼鏡。人形めいた雰囲気をしている。
 気付けば僕は彼女の事ばかり考えるようになっていた。毎晩コインランドリーへ向かう。毎日は来ないと分かっているのに。
 彼女が読んでいた本を買いに行った。本なんか滅多に読まないのだけれど。
 次の日、その本を持ってコインランドリーへ行った。やはり彼女はいなかった。
 こんなん読んでも彼女が来なければ意味がない…そう落胆していた時。
 彼女が音もなく入ってきた。感情のないような表情を見た瞬間、何故だが無償に泣きたくなった。
 その日、彼女は別の本を読んでいた。
 僕はさっさと洗濯を終え、本もろくに読まないまま帰ろうとした。
「まって」
 一瞬、何が起きたのか分からなかった。
 振り返ると、いつの間に移動したのか、彼女が立っていた。
「これ」
 そう言って手にした何かを差し出す。聞いた三秒後には忘れてしまいそうな、平坦で耳に残らない声。
 彼女が差し出したのはさっきまで彼女が読んでいた本だった。
「どうぞ」
 そう言われても…貸すって言うのか?
「返さなくていい」
 そう言うと、彼女は洗濯物をまとめて出ていった。
 それから、二度と彼女はコインランドリーへ来る事はなかった。
 彼女がくれた本は表紙に「人間失格」と書かれていた。





 あれから三年、僕にも妻ができて娘もできた。今は週2で森林公園へ行っている。
 ある日公園へ行った時、あの時と変わらぬ風貌で、魔女のような衣装を着た彼女がいた。


(終わり)
102名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 01:11:29 ID:H29NFO3Z
>>44
mail欄にsageを必ず入れよう。
あと三点リーダーは 「。。。」 で変換すると楽チン。
103名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 01:22:39 ID:acbM3FuR
>>100
弁当の話はほのぼのしていいな。GJ!

>>101
えーと、どういうシチュなのかイマイチ分からん。
生まれたばかりの頃の長門を見ていた男の話でOKなのか?
104名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 01:29:17 ID:0QCUM+YQ
>103
そんな感じだ。一人称のキャラが不定なんで外伝扱いにしてもらえると助かる。
というかやはり載せるべきじゃなかったな。すまん。
105674:2006/05/08(月) 01:36:56 ID:jngZ8KNL
>>100
弁当シリーズきたー
こういう平和なのは良いものです。

>>101
>>104
いや、外伝的だとしてもこういうのもいいと思いますよ。

106名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 01:56:58 ID:NWTTv2Hp
>104
むしろこういうの好き。
原作をいじらないで隙間を埋めるのとか。
107名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 02:02:20 ID:jlG+0Oh1
その時期に長門は外出ていたのかって疑問があるが
108名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 02:19:03 ID:jk2GlVkF
朝倉の方は大家さんなんかと人付き合いしてたようだから長門もそれなりに出てたんだろう
109続SOS団の気まずい日々 1/3:2006/05/08(月) 02:21:10 ID:acbM3FuR
前スレの修羅場SSの続きかな

なんでこんな事になったんだ。


日曜日、例の如くハルヒと共にパトロール付き合わされていた。そこまでは何時もの事で、なんら変わった事などなかった。
ただハルヒが突然シャミセンに会いたいと、ようするに俺の家に来たいと言い出して、しかたなしにパトロールを中断して家へ向かう。
玄関の前には見慣れた人物が、無表情だが、最近若干ではあるが感情が読めるようになった長門がそこに立っていた。

「これ」

長門が差し出したのはタッパーに詰められたクッキーだった。

ありがたく戴こうと長門に礼を言い、タッパーに手を伸ばしてクッキーを受け取る。
チョコチップクッキーらしく、狐色のクッキーの上には黒いチョコが散りばめられていた。
お菓子作りの得意な長門が作った物だ。味はかなり期待できるだろう。
意外な事ではあるが、たぶんSOS団の女性人で一番料理が上手いのは長門だ。俺の独断と偏見でそう思っているだけだが。

「そっか。みくるちゃんだけかと思ってたけど、有希もか」
「えっ?」

ハルヒがポツリと、聞き取れないくらいの小さな声で呟いた。
反射的に聞き返したが、ハルヒはそれに答える間もなく、一言「帰る」と言い残して去っていった。

正直何がしたいか分からない。
残された俺と長門は、とりあえず何も礼をしないのも悪いので長門を家に招いて、お茶をご馳走した後しばらく何をするわけでもなく、長門は帰っていった。

そしてその日俺は明日からも普通の生活が、今までと何一つ変わらない日常が続くと信じていた。
110& ◆IG7VBt2sqM :2006/05/08(月) 02:22:24 ID:acbM3FuR
そして学校でかったるい授業を聞き流して、何時もの如く部室へと向かう。
正直足が重い。また何時もの空気で過ごさねばならないかと考えるだけで胃が痛んだ。
ノックをして朝比奈さんが着替え中でない事を確かめ、部室に入るとそのこには既にSOS団の女子が勢揃いしていた。

昔ならば喜んだだろうが、今ではそうはいかない。救いの手を求めて古泉の居場所を尋ねてみる。
なんだってあいつはこういう肝心な時にいないんだろうか。

「古泉君は今日は来ないように伝えといたわ。いい加減、決着を付けなきゃいけないって思ってたし」
「決着って、お前――」

何を言っているんだ。そんな言葉は口を塞がれた事により、外に出る事はなかった。
何が起きたたか分からない。いや、何があったか分かってているが、突然の事に頭が付いて行かない。
唇に触れている感触がハルヒの唇で、あいつの髪が顔中に当たって、その髪からは女の子の匂いがするとか、気付いた時にはもうハルヒの腕が首に回っていた。
そのままハルヒは唇を離すと腕に力を込め、俺の顔を強引に自分の胸の前へと押し付けると勝ち誇った様に言い放った。

「決まってるでしょ、このハッキリとしない関係によ。キョン、二人に言ってあげなさい。私の事が一番好きだって」

瞬間、空気が凍り付いた。
いや、既に空気なんぞ水分の一滴も残らぬほど既に凍結しており、痛いほどの吹雪が吹き荒れているのは俺にだって分かる。
あの朝比奈さんが目の前でのキスシーンに恥ずかしがってもいなければ、泣いているわけでもない。
いや、目尻に涙が溜まってはいるし、身体は震えているものの、その瞳は真っ直ぐに俺を、いやハルヒを捉えている。
長門は何時もの様な無表情だ。いや、何時も以上に無表情と言った方が正しいか。
その絶対零度の視線がハルヒを射抜いており、持っていた本をゆっくりと閉じて立ち上がった。

――怖い。
正直な話、たぶん今まで起きたどんな事よりも怖い。この場から逃げ出せるのなら古泉の奴に魂だって売ったっていい。
だが元々チキンの俺が何か行動できるわけも、この対峙に口を挟めるわけでもなく、ただハルヒのなすがままにされているのみ。
下手に動いたら確実に死ぬ。この空間に居続けるくらいだったら朝倉と対峙した方がまだましだ。
111続SOS団の気まずい日々 3/3:2006/05/08(月) 02:23:26 ID:acbM3FuR
「どうしたの、キョン。ほら、早く言ってやりなさい」

無茶を言うな。言った瞬間どうなると思っている。

「すっ、涼宮さんキョン君を離してください! キョン君が嫌がってます!」
「彼の意思を尊重するべき。力ずくで彼にものを言わせようとするのは貴方の悪い癖」

ダメだ。ありもえしない火花が散っているのが見えた。
たぶん今の俺の顔はそれはもう青いだろう。下手すりゃ死人に間違えられるほどだといらん自信がある。

「あら、キョンは嫌がってなんかいないし、意思を尊重しているからこうして発言の機会をあげてるんでしょう?
 そうでもしないとこのままズルズルといっちゃいそうだしね、ねえキョン」

激昂するわけでもなく、ただ淡々と冷静に言葉を述べるハルヒがこれほど怖いとは。
自分の優位を悟っているのか、その顔は余裕に満ち溢れているようだ。

「――そうですね、キョン君が一言言えば済む話なんですよね。私はキョン君を信じます、信じてます!」
「……」

二人の視線が俺に注がれる。その視線は何処か熱を帯びていて、何を期待しているかは馬鹿な俺にだって分かる。
信じてますと言って両手を握り締めた朝比奈さんも、無言だが強烈な意思を感じさせる長門の姿も、今の俺には恐怖の対象でしかない。

心臓がバクバク言ってる。にも関わらず身体は信じられないほどに寒く、嫌な汗が全身から流れ落ちている。
思考が上手く纏まらない。何かを言わなければいけないと分かってはいるものの、硬直した身体は言う事を聞いてはくれない。

「ほらキョン、男らしく言っちゃいなさいよ!」
「キョン君……」
「……」

ハルヒに突き飛ばされ、よろめく様にして三人の間に立った俺はアホの様に口を開いた。
三人の美女から熱い視線を注がれて、それでも俺は何も言う事ができず、口からは「あ」だの「い」だの意味を持たない言葉が発せられるのみ。

どうしてこんな事になったのか、何を言うべきなのか、俺の頭はそんな事を考えるのにはまったく役に立たず、ただ熱暴走を起こしているだけ。
ただいたずらに時間が過ぎていくのを感じながら、俺はその場に呆然と立ち尽くしていた。
112続SOS団の気まずい日々 あとがき:2006/05/08(月) 02:25:37 ID:acbM3FuR
すみません、自分ではこの辺が限界でした。
自分にも修羅場属性ない事に気付いただけでした……
113ギャルゲならこうなるところだ:2006/05/08(月) 02:30:30 ID:xPs3zmZg
選択肢を選んでください

1 ハルヒを選ぶ
2 朝比奈さんを選ぶ
3 長門を選ぶ
4 ハンサムなポルナレフは突如として反撃のアイディアを思いつく
114名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 02:32:09 ID:jlG+0Oh1
>>113
5:現実は非情である、ハーレムエンド
115名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 02:32:40 ID:TYOcsJyv
GJ!

そこで古泉が好きだとか逃げて泥沼化


ごめんね、おかーさんホモは別薔薇なの、ごめんね
116名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 02:32:51 ID:hqTnjshx
いや5の「古泉が現れてキョンを窮地から救い出しフラグが立つ」だな。
117名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 02:33:54 ID:Tg2tS824
ハルヒで
118名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 02:35:18 ID:tkRcJjVl
6,ミヨキチ「あ、あたしもいますっ!!」
119名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 02:45:30 ID:rC8EYMWv
7 鶴屋さん「伏兵とうじょー!」
120名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 02:49:54 ID:bDUuoJQM
古泉ルートで
121名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 02:51:10 ID:6wml1aoV
8.AIRと同じで物語に入る暇無くいきなりバス停エンド。
ハルヒの場合は閉鎖空間END
122名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 02:52:11 ID:cdsK2d+h
8 バッグの中から妹が
123名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 02:56:01 ID:ExWc+BlF
小泉が助け舟を出してこの場は保留
124名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 02:58:27 ID:xvZp1mYW
9.パソ部乱入

そういえばアニメでパソ部員は2ch見てたよな
125名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 03:00:48 ID:gFQClv+H
前スレから気になってたんだが、
作家名の姓と名の間にスペースが入ると検索しづらいんで次スレでは修正をお願いしたい。
既出だったらスマソ。
126名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 03:04:09 ID:gFQClv+H
sage忘れ失礼。
127名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 03:12:14 ID:pIGNKyKB
10. 壊れて女性恐怖症に。
128名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 03:21:49 ID:acbM3FuR
じゃあ各自責任持って自分の選んだ選択肢のSSを書いてくるということで。
ところで何で毎回二番目のとこだけタイトルが文字化けするんだろう。
前の名前を1/3から2/3に直してるだけなんだが、なんでだろ。
保管庫の中の人、良かったら作者名をただの名無しにしといてください。
129名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 03:30:25 ID:LMkA0rJb
ニートの俺
そんな俺にお題を下さいorz
130名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 03:34:07 ID:jlG+0Oh1
鶴屋さんが
131名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 03:45:37 ID:Tg2tS824
SOS団の部室で
132名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 03:46:41 ID:6wml1aoV
女子団員から
  ↓
133名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 03:47:47 ID:jk2GlVkF
それぞれに相談を受ける
134名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 03:48:32 ID:ExWc+BlF
まずは朝比奈さんの相談
135名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 03:50:26 ID:xPs3zmZg
夜中にキョン君のことを考えていると
     ↓
136名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 03:52:32 ID:ExWc+BlF
体が火照って
  ↓
137名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 03:52:59 ID:jk2GlVkF
>>134-135
中身まで指定したら書く方が面白くないんでない?
138名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 03:55:10 ID:LMkA0rJb
つまりレズと・・・
明後日ぐらいには投下できるかな
いや、明々後日なるかもしれませんな
仕事無いしな

んじゃとりあえず中身を考えつつ寝る
139名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 03:56:06 ID:6wml1aoV
レズかい……難しいなぁ。
140名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 03:57:59 ID:LMkA0rJb
ありゃ?
嫌かい?
すまんがもう一回案を頼みますorz


↓ハルヒが
141名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 04:00:06 ID:jk2GlVkF
勘違いして
142名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 04:02:04 ID:Tg2tS824
キョンと
143名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 04:02:30 ID:jk2GlVkF
長門が
144名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 04:04:39 ID:jlG+0Oh1
デートする
145名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 04:30:09 ID:jk2GlVkF
妄想力53万の俺が文を補完すると
ハルヒが勘違いにより無駄な世話を焼いた結果キョンと長門がデートして自己嫌悪というツンデレ展開
146名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 04:35:51 ID:LMkA0rJb
おk
どうまとめようと考えていたがそれでいく

って事で今度こそ一旦寝る
147& ◆Sc6QpmnBdE :2006/05/08(月) 08:18:14 ID:H29NFO3Z
>>128
たしかに、何故かトリップになっているね。
& ◆IG7VBt2sqM ですか…
おそらく 「& #続SOS団の気まずい日々 2/3」 ではそのトリップは出ないだろうし、
何が原因なのやら。
148長門ユキの実験 bR  1/2:2006/05/08(月) 11:50:39 ID:qk/0OaIg
夏の終わりに見始めた淫夢は、冬になった今も見続ける。

前は週に一度とかであった間隔も、今では毎晩見るようになっていた。
「実験」と彼女は言う。
一体何の実験なのだろうか。
情報統合思念体の中にはエロ妄想に特化した派閥とやらが存在するのだろうか。

そして彼女が口を開き、「実験」という名の淫らな宴が始まる。
「眼鏡の有無にどれほどの性的欲求の変化があるかの調査」

言ったかと思うと、どこからか取り出した眼鏡。
その姿は既に懐かしい気がする。

「横になって」

裸の素肌を晒すのもいい加減慣れてしまった。
…長門の素肌は、何度見ても、興奮してしまうのだが。
今だって、ちょっと大きくなった気がする胸のかすかな揺れに
むしゃぶりつきたいような欲求が湧き上がって仕方が無い。

長門が口に俺の勃起するアレを含む。
どこを舐めたらいいのかという「実験」は随分前の事だったか。
そんな思考も、舌のざらっとした感触に吹き飛んでしまう。

蟻の門渡りと言われる急所からゆっくりと舌が亀頭まで上ってくる。
舌の通った後の部分には、もれなく白い指がやわやわと触れる。
血行がよくなるという理由で、竿部の根元から中心に至るまで
丁寧に揉みあげられる。
グンと音を立てるように亀頭が膨れ上がり敏感さが増す。

そして、亀頭の神経の通う隅々へ、舌が蠢く。
裏筋から鈴口、そして表面、高く張り出たカリを、ゆっくりと唾液と快楽を
漬け込むように舌の先でゆっくりとなぞっていく。
149長門ユキの実験 bR  2/2:2006/05/08(月) 11:51:19 ID:qk/0OaIg
今日は口の日なのか。ものの2、3分もしないうちに
どうしようもない射精欲が股間部から全身に回っていく。
はっきり言って悪魔に魂渡してもいいくらいに気持ちいい。

「声出してもいい」

と、亀頭を頬張り舌先が裏筋に張り付く。
同時に袋をやわやわと揉まれ、玉が転がされる。
トドメとばかりに精液を搾り取るように竿部が絞り上げられる。
強く。強く。弱く、また強く。
長門の中に入っているような、どうにもならない快楽。

もう我慢の限界だ。…と。目が合った。
小さな口一杯に頬張る姿はあまりにいやらしく
眼鏡が時折光を反射しつつも見つめられていて。
目の潤みは欲情の証。いつもと違うその顔に、一気に臨界点を突破する…

出る瞬間、長門は口から爆発寸前の隆起を解き放ち、
放たれたマグマはそのまま顔に…

放出する快感。長門の顔を、白いペイントで眼鏡ごと汚していくのが目に入る。
あまりに淫らで、美しいとさえ感じてしまったその姿。
しかしそれは、意識の隅へ消えていって…



さて。部室に入るのが怖いのは何故だろう。
何かが起きる。そんな予感が何故だかする。
一番の理由はハルヒの「今日は遅れるからそう伝えといて」の一言。

息を一つ吸い、吐く。
意を決し中に入る。

そこにいたのは、いつもの長門。


…メガネ装備の。


そして彼女は顔からそれを外しながら、言った。

「どっちがいいの?」


おわる。
150名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 11:59:39 ID:0fcVBU19
>>147
いつまでこんなエロ無しの、ウザいSSをうpする気だ?
(・∀・)カエレ!
151名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 12:12:26 ID:7ZbxveWg
>>150
こいつはスルー推奨
152名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 12:15:02 ID:0fcVBU19

        _,.  -―-  、
      ,r '´      、.、 ヽ
.    ,r` ー‐-- ミ   ヾヾ ヽ
.   /        i  ミヽ:::::::::iヽ、
   l       .::' iliiillril;i:ミ:::::::ヾ
  .l  _.,_   ;  ヾliljiiilr'⌒ヾ:ミ
  ミ二iヾ::r=;、ヾッ::'-、    r  i,!::!
   Y  ` ̄',r'      ,.r ':/::::!
  .l  、::.         、_,r'::::::l、
.  ヽ ,、_-'_、  :'        ,ノ Yヽ
   i' "  ゛ ヾヘ ,.       //  ヽ
  ヾ _,rヾ--‐ -'     //    .,rヽ
     .l        / /      ,r'
     ヽ _ ,-,.-'´ /!    /
        /,r、 / i    r'
   アーオリニ・ヘッコム [Aholiny Hecom]
    (1920-2002 ドイツ)
153名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 16:40:10 ID:gjTIUc+P
前スレ最後らへんの
鶴屋さん+みくる+キョンの3PのSSは続くのかな
154名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 17:00:56 ID:CgLrYVoi
>>153
俺も期待してる
155名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 17:01:12 ID:F8jphkOw
>>148乙っ!次も楽しみにしてるよ
156409:2006/05/08(月) 17:29:25 ID:HINqyBRJ
次回作候補(嘘含む)

@1944年敗北間際のドイツに一人の天才少女がいた。
第44戦闘団所属エースパイロット長門有希大尉の活躍を描く航空ロマン!
「ザ・ガランドサーカス 無口なパイロット」
Me262C1aのロケットエンジンが咆吼する!
 ……たぶん書かない。

A『オペレーション・ムーンゲート』を生き延びたバーチャロイド・パイロット長門有希。
SHBVD分遣隊として派遣された有希がライデンのコクピットで見たものは!
「ホワイトナイツ・ブレーカー」
謎の新型ライデンそしてヤガランデ。忍び寄るシャドウ。有希の運命は?
 ……これもなあ。

Bすべての読者を置いてけぼりにして放たれる第2弾!
「戦闘妖精"有希"風2」グットラックじゃなかったのか?
キョンはチキンブロスになってしまうのか!ならねって。
 ……ちょっと書きたい。

C有希の目の前に座る一人の少女。
「我は死神」
「長門有希」
二人は会話してるんだろうか?「絶望」の死神と有希のコラボ。
 ……どんなもんだろう。エロにはなりそうだけど。

妄想かたがた考えてみました。皆さんはどんなものが読みたいですかねえ。
未だに長門×朝倉しかイメージが浮かばん。困った。

157名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 18:03:07 ID:VFDNHVJT
日常の延長みたいな話が読みたい
15844:2006/05/08(月) 18:03:31 ID:KWyVEBue
sage忘れ失礼
15944:2006/05/08(月) 18:06:48 ID:KWyVEBue
ごめ・・・またsage忘れたorz
160名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 18:11:26 ID:TmnhnIqW
専ブラ使え
161名無しさん@ロリコン:2006/05/08(月) 18:13:14 ID:fB9GGkOU
ミヨキチの本番有りが書きたいなぁ。でも相手が居ないorz
162名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 18:15:19 ID:qk/0OaIg
>>161
キョン妹とのいちゃつき、把握した
163かなり:2006/05/08(月) 18:26:36 ID:RYrGV6/8
めちゃ進んでるじゃーん(・∀・;)。
とりあえず乙。         
        
        

   
164名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 19:27:44 ID:Qxa0VkZY
キョン×ハルヒの妬けるような純愛ものも欲しくなってきました
165名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 19:36:53 ID:F8jphkOw
>>156 C
166名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 19:55:46 ID:pyW6a3al
>>113
Aを選ぶ。
朝比奈さんが好きなのにSS出ない事にイジケテタ・・・OTL
167名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 19:57:26 ID:VFDNHVJT
みくるはわかりやすいハルヒの対抗馬としての立ち位置の癖に
離脱フラグ立ちまくりなのが敗因だな
168名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 20:05:28 ID:jlG+0Oh1
みくるは私は好きですだけど決して好きにならないでってキャラだからな
169SS保管人:2006/05/08(月) 20:06:09 ID:Fb6VhXvo
ようやく追いついた。
更新が遅れがちでご迷惑をお掛けします。
674様のサポートに感謝です。
170名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 20:10:28 ID:TmnhnIqW
おつぅ
171名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 20:14:12 ID:VPe14UKK
>>156
つB
<action...Lt.>
172名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 20:27:50 ID:pOI1jtih
>>169
乙です。


……結局予備はどういう扱いなんだ?
173名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 20:48:20 ID:/iTfcr+z
雑誌連載と単行本って使い分けで。
174名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 20:51:31 ID:0fcVBU19
>>169
えーっと・・・
どっちの?
175名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 21:09:46 ID:Vn/wMoT/
>>156
Bが読みたい
「みろよ、キョン」
「あれが長門だ。長門の真の姿だ」
176名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 21:10:11 ID:Kxyh+3VJ
GJの嵐だな。
いま携帯だが、帰ったら鶴屋さんとキョンで
なんか書いてみる。
…男2女1の3Pが好きなのに
ハルヒじゃできない罠
男で書ける対象になるのは
キョンしかいないんだよなー
177名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 21:11:33 ID:i+dwSirO
本当にこのところスレの進行が速いな
178名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 21:12:48 ID:NWTTv2Hp
>156
キョンと喋る三毛猫シャミセンがところせましと暴れまわる敵は……敵は……敵は何がいいんだろうか。
とりあえずハルヒが用意したキョン用のモデルガンが火を噴くのはガチ。
古泉のはフリーザー、になるのか。

>113
全てが混乱のうちにうやむやに暴走した何かがきっかけとなって
ハルヒと阪中、妹、ミヨキチ、朝比奈(小)、みちる、朝比奈(大)、鶴屋さん、
長門、朝倉、貴緑さん、森さん更に中3の時の変な子まで全員まとめてハーレムエンド
179名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 21:14:29 ID:BjMqvjrJ
>>156
Aに吹いたw

だが希望はB
180名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 22:24:56 ID:507C4XFc
>>113

三人の美女から熱い視線を注がれて
こんなに恥ずかしかったのは生まれて初めてのことであり
どんなセリフを言えばうまくおさまるのか全く見当もつかず
気がつけばおどおどしている自分の顔が一番赤かった。

しかし答えだけは以前から決まっていた。コイツしかいない、と。

しばらくそのままつったっていたのだが
決心した俺はゆっくりとハルヒに近寄り
さっきの続きのように抱きつくと、
目を瞑り半ば強引に唇を重ね合わせる。
ええい!もうどうにでもなれ世界!

5秒くらい世界が止まったのだろうか。
しばらく何の音も聞こえなかったが「ぱたん。」と、
どうやら2名が無言で部屋から出たようだ。
もしかしたら泣いているのかもしれない。
明日からどう接すれば良いのか見当もつかない。

俺はいったん唇を離して耳元へもって行き、
団長が先ほど宣言した命令に従うことにした。
大きな声では恥ずかしいので、本人にだけ聞こえるように。
「ハルヒの事が、一番好きなんだからな。」
目を開けると、そこには顔がトマトみたいに真っ赤な
ハルヒが今にも泣きそうな目でこちらをまっすぐに見ていて、
「ありがとう……、ずっと信じていたわ、キョン。
 やっぱりアンタは天才ね!私が一番ふさわしいんだわ!」
といい終わるやまた唇を重ねてくるのだった。勝者の笑みで。
あぁ、今まで心配かけさせて悪かったな。

---
なにこれ!こんなの ハルヒじゃない!!
181名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 22:30:42 ID:xvZp1mYW
>>156
_オタの漏れとしては@キボン
個人的には複座のB-1a/U1にキョンと一緒に乗せて夜回りさせたい感じ
勿論後席キョンで
182名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 22:36:37 ID:yJ1Mkbvr
>>181
Bで看護婦朝倉が見たい。
183409:2006/05/08(月) 22:41:56 ID:HINqyBRJ
わあ、半分ネタだったのに。
雪風ファン多いな。知らん人前スレ817読んでね。
では書いてみましょうか。
>178 「敵は海賊」ですかいw
>181 あれに反応するとは……Naxosレーダーの操作に失敗して
アドルフ・ハルヒ・ガランド中将にどつかれるキョン
184名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 23:04:30 ID:VFDNHVJT
ごめん俺は選択肢のひとつも元ネタがわからないんだ
185名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 23:10:24 ID:VPe14UKK
>>183
知らない人のためにも濡れ場をw
186名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 23:10:32 ID:CO7lfIji
俺もだ。三つしかわからん
187409:2006/05/08(月) 23:14:18 ID:HINqyBRJ
いや、ネタだからわからんでも大丈夫w
つーか、あんなに反応あるとは思わんかったよ
エロいのも書きますんで、お待ちを
188名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 23:35:11 ID:O3VDo7N/
孤島症候郡のキョンの推理ってどんなだったっけ??覚えてる人教えて〜
189名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 23:37:48 ID:t296JfQ/
1943年、イギリスの米軍基地。
ナチス・ドイツを叩くため危険な白昼攻撃を繰り返す空の要塞Bー17の中で唯一24回出撃して無償の強運を持つのがS・O・S号だった。
今度の目的地は最も危険なドイツ本土のブレーメン、飛行機工場の爆撃だ。
機を預かるのは真面目な副操縦士のキョン。説明好きな無線士のコイズミ。ロリで巨乳な旋回銃座のミクル。無口な機関士兼上部銃座のユキ。
底抜けに明るい後尾銃座のツルヤ。特に仲のいい側面銃座のクニキダとタニグチの2人。戦争急進派な爆撃手のリョウコ。航空士のキョンの妹。
そして野心家で機長のハルヒ。
それぞれの個性を持つ彼らは敵の攻撃を絶妙のコンビネーションで掻い潜りながら目的地を目指す・・・・・・。
190名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 23:41:25 ID:5AwawxP8
>>187
つ天田少尉 

古泉「統合思念体の目的とは何か」
長門「涼宮ハルヒの監視」
古泉「涼宮ハルヒとは何か?」
長門「一部解明されているが、全体像は謎である」
古泉「謎の解明と監視は相反しないか?」
長門「有る因子を注入し、様子を見ると言う事は実験の一部としてあり得る」
古泉「因子とは何か?」
長門「多岐にわたる。一度に答えるのは無理」
古泉「・・や朝比奈や、鶴屋が、その因子と言えるか?」
長門「文脈の乱れ有り、もう一度」

何らかの拍子で、単なる端末になった長門、機関一部勢力はそれ幸いに調べに掛る。
SOS団、長門を救え
191名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 23:44:37 ID:NkGAupOA
>>188
もろもろの配慮を含めて箇条書き。
倒れ方がおかしい、古泉がある単語を使っていない、
長門への質問の仕方、古泉と新川さんと森さん
192名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 23:49:25 ID:O3VDo7N/
>>191
もう少しくわしく!!お願いします。
193名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 23:50:48 ID:NkGAupOA
>>192
退屈読み直せ。アニメオンリーの俄かは嫌いだが、
ここでネタバレになるのもどうかと思うからな。
194名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 23:52:16 ID:O3VDo7N/
>>193
退屈かしててないんだ
195名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 23:52:59 ID:jlG+0Oh1
本スレで聞けばいいじゃない
196名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 23:55:25 ID:5AwawxP8
本スレでも聞けなければ、本屋で買えばいいのよ!

とハルヒ様が仰っております。
197名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 23:56:55 ID:Qxa0VkZY
本屋に売ってないだろう、今は。
俺も何処もかしこも売り切れで驚いたからな
198名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 00:00:07 ID:sTd7fm1y
確か最終的に刺したのは古泉キョンたちだって古泉がいったんだな?
でもなんでナイフ軽く刺さってたんだっけ?
199名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 00:00:35 ID:5uacTWIQ
こないだまで普通に置いてあったのに付近一帯の本屋から全部消えてたのにはたまげたもんだ
アニメってスゲェな
200名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 00:07:10 ID:dvz5hwrX
>>198
ヒント:  この物語はフィクションであり、実際する人物団体事件、その他の固有名詞や現象
      などとは何の関係もありません。嘘パチです。どっかに居たとしてもそれは他人の空似です。
      あぁ、CMシーンは別よ?大森電気店と山土モデルショップをよろしく!じゃんじゃん買いに
      行ってあげなさい。え?もう一度言うの?この物語はフィクションであり、実在する人物…(ry
201名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 00:10:42 ID:d3xooZ+v
>198

       超脚本・超演出

       古 泉 一 樹

        超 編 集

         キョン

        超 監 督 

涼    宮    ハ    ル    ヒ

        製作・制作
    
         S O S 団

                   /映倫\
202名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 00:16:47 ID:0XllALOE
>183
「敵は憂鬱、というところだな。今回は」
「だから喋るんじゃない、化け猫が」
「何やらおかしな気分だ。こんな事ははじめてだろう」
「フムン」
長門やシャミセンまで変調をきたしている。異常だ。キョンは慄然とする。
クソ、俺は何のためにいるんだ?キョンは頭を振り自分を奮い立たせようとする。

「宜しいですか。回収しますよ」
突然周囲が暗くなる。頭上を赤い球体が覆い被さるように降下してきた。
球体は一人と一匹を回収、緊急上昇する。



誰を何役にはめればいいのか最早解らない。
203名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 00:20:11 ID:d3xooZ+v
今や、このスレにはアニメ系、SF系のエロパロ職人が充満している。

ハルヒよ、何故あなたは皆を集めたもうたのかっ!
204名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 00:44:08 ID:kqLcvqkk
>>202
神林要素を入れるならフムンは必須だなw
205名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 00:49:46 ID:d3xooZ+v
ハルヒに言わせるか、古泉に言わせるか。 それが問題だが。
206名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 02:01:13 ID:WeUBufWp
キョン×ハルヒの小説がすさまじく読みたい
自分で書いてしまおうか、神を待つか
207名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 02:35:58 ID:m4ezPUlG
YOUかいちゃいなよ!
208名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 02:53:28 ID:P7zQC5EV
神は君なんだ!
209名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 02:59:54 ID:iyC3i/RF
うほっ!いい神!
210名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 03:07:07 ID:q6bX9X72
神を自称すると最期には惨めな死が待ってるから気をつけてな!
211名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 03:28:14 ID:0A7LxPkk
「神が何処へ行ったかって?」

と彼は叫んだ。

「お前たちに言ってやろう。我々が神を殺したのだ―─お前たちと俺が!我々はみんな神の殺害者だ」

「だが、どうしてそんなことができたのだ? 地球を太陽から切り離すようなことをどうしてやってしまったのか?
我々はどっちへ動いているのか? 我々は無限の虚無の中をさ迷って行くのではないか?
寒くなってきたのではないか? 絶えず夜が、ますます暗い夜がやって来るのではないか?
真昼間から提灯をつけなければならないのではないか? 神を埋葬する墓掘り人たちの騒ぎは
未だ聞こえてこないか? 神の腐る匂いが未だしてこないか?」

「神は死んだ! 神は死んだままだ。そして我々が神を殺したのだ。
世界がこれまで持った、最も神聖な、最も強力な存在、それが我々のナイフによって血を流したのだ。
この所業は、我々には偉大過ぎはしないか?



こんなことが出来るためには、 我 々 自 身 が 神 々 に な ら な け れ ば な ら な い のではないか?」
212名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 03:34:34 ID:d3xooZ+v
そして、涼宮ハルヒが発生した。

                             ニーチェを超越するハルヒ萌えす
213名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 03:36:51 ID:d3xooZ+v
SS職人、元からの住人は、SS猛爆発の中心にいた涼宮ハルヒを注意深く観察していた
そして三年が経過した……彼女はキョンを見つけ恋に落ちた。

各勢力は動揺した、キョンとは誰か。 そして物語は始まる
214名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 06:41:14 ID:7qyQBm8S
真琴×ユキちゃん希望
215名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 06:56:00 ID:6DhaxGhc
SSいろいろ読んでて妄想もいろいろ出てきたよな〜って思った。
新たな分野を開拓する為に今日は一日ハルヒを全巻読み返すよ。

ぶっちゃけ妄想してたらそれはもう書かれてたって展開が多くて困る(´・ω・`)
216名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 07:52:30 ID:585F1bd/
キョンの妹をどうにかして欲しいんです
217名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 09:45:23 ID:tV9s7X6c
218名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 11:36:23 ID:iiVrRMyb
>>217
これなら違和感なしつかむしろ歓迎
219名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 11:54:20 ID:M8d8nTYy
文字レスばっか
アニメ厨ウゼー
220名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 12:07:11 ID:0t0i3yT1
\\   Come on let's STANCE! Come on Let's STAR's!(・∀・)べーいびー♪ .          //
 \\      なーみだーをふいてー♪走りー出ーしたら♪                     .//
  \\  Come on let's STANCE! Come on Let's STAR's!(・∀・)べーいびー♪        //
   \\そーらーのかーなたへぇー♪すーぺしゃーるじぇねーれーいしょーん♪       . //
   \\          (いつになったら、大人になれるのかな?)              //
     \\          恋のマ・ジ・カ・ル(・∀・)みくるんるん♪            ...//
       _ _∩.     _ _∩.     _ _∩.     _ _∩.     _ _∩.     _ _∩.
     川´3`)彡  川´3`)彡  川´3`)彡.  川´3`)彡  川´3`)彡  川´3`)彡
     (  ⊂彡.   (  ⊂彡.   (  ⊂彡.   (  ⊂彡.   (  ⊂彡.   (  ⊂彡
    _ _∩.     _ _∩.     _ _∩.     _ _∩.     _ _∩.     _ _∩.     _ _∩.
  川´3`)彡.  川´3`)彡  .川´3`)彡  川´3`)彡  川´3`)彡  川´3`)彡.  川´3`)彡
  (  ⊂彡.   (  ⊂彡.   .(  ⊂彡.   (  ⊂彡   (  ⊂彡.   (  ⊂彡.   (  ⊂彡.
   |   |     |   |     |   |     |   |    |   |     |   |     |   |
   し ⌒J.    し ⌒J.    し ⌒J.    し ⌒J.   し ⌒J.    し ⌒J.    し ⌒J

221かなり:2006/05/09(火) 19:33:57 ID:H16srNlq
キタキタキタ―――――(゜∀゜)―――――!!!!!
222名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 21:54:42 ID:7SWpB7Wg
何この失速具合
223名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 22:00:43 ID:ZzGsHFli
そりゃあSSの投下もないし、まあまったりしてよう
224名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 22:02:27 ID:cFrQZX3C
今までが早すぎだったんだって
225名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 22:05:11 ID:7IbcO2Af
つーか、GW終わって書く時間が減っただけでは
226名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 22:10:44 ID:7SWpB7Wg
551 :メロン名無しさん [sage] :2006/05/09(火) 21:56:50 ID:???0
ハルヒ以外は処女だしな

552 :メロン名無しさん [sage] :2006/05/09(火) 22:04:44 ID:???0
ハルヒとかメンバーの中では絶対処女の筆頭

554 :メロン名無しさん [sage] :2006/05/09(火) 22:05:41 ID:???0
キョンと恋人関係になったとしてもなかなか許さなさそうだ

555 :メロン名無しさん [sage] :2006/05/09(火) 22:06:57 ID:???0
そして欲求不満気味になったキョンを誘惑するみくると長門
キョンの浮気にブチギレるハルヒに近づく古泉
SOS団修羅場の回

556 :メロン名無しさん [sage] :2006/05/09(火) 22:08:28 ID:???0
なにその韓流ドラマ

557 :メロン名無しさん [sage] :2006/05/09(火) 22:09:28 ID:???0
そういうのはエロパロ板でやってくれんか



と言われたので貼ってみた
227名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 22:21:32 ID:cNzQA2I2
YOU書いちゃいなよ
228名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 22:23:36 ID:7SWpB7Wg
いつ公開できるかわからんが、それでもいいいなら
229名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 22:30:11 ID:uWz/vvuT
よかった、もとのスレの流れに戻った。

…正直今までのスレの速さについていけてなかった俺がいる(´・ω・`)
230名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 22:30:34 ID:7SWpB7Wg
とりあえずあまり文章の才がないことを露呈したので不貞寝する
おやすみ
231名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 22:52:13 ID:VGQsn4x/
今日はみんな、PS3祭りに参加してるんじゃね?
232名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 22:54:38 ID:z1MEJQhT
劣化版で6万とかアリエナス
233名無しさん@ピンキー:2006/05/09(火) 23:42:14 ID:dM43Uk5x
ttp://red.ribbon.to/~eroparo/ranobe8.html
このSS保管庫見てて思ったんだけど
新作アップしたらそれと分かるように表示できませんかね?
日付を記入するとか
234名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 00:21:57 ID:dHlyEg2m
忙しいんだから無茶言うな
235名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 00:24:18 ID:ig2+U6OA
>>233
暇人がやってたとしてもものすごい量のSSを保管してるんだ。
文句言うなや。
236名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 00:27:53 ID:R1A8EkmS
>>233
予備の方を使えば? せっかく作ってくれたみたいだし。
237名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 01:07:24 ID:ZDLRqtDL
E3でWiiも明らかになるみたいだな。
せめて俺は一時半まで作品書いておくか
238ど根性ハルヒ:2006/05/10(水) 01:46:47 ID:30CVpcKw



 「・・・・・・キョンと・・・ キョンと一緒にいたい・・・
  ずっと、これからもずっと一緒に・・・・・・   ムニャムニャ」



 ━━━━━━━━━━━

夜遅くSOS団の市内探索から帰った俺は、
疲れていたのか風呂に入る気も起こらずそのまま白シャツ一枚パンツ一丁でそのままベッドの上に倒れこんでしまった。



そして翌朝俺は腹の上に変な感触を感じて目を覚ました。
シャミセンが俺の上で寝てるのか・・・? ―――しかし俺の上には何も乗っていない。

 「何だ・・・ 昨日風呂入らずに寝てしまったからか・・・」

すると本来この場所で聞こえるはずの無い声が耳に入ってきた。

 「・・・・・・ん、んんーー」
 「!!??」
 「・・・キョ、ン・・・ ・・・・・・キョン・・・」

何とハルヒの声がするではないか!しかも俺の腹の上からだ。
しかし何度見ても俺の腹の上にはハルヒどころか妹すら乗っかっていない。

 「・・・何・・・ で・・・ キョンの・・・ 声・・・?」
 「おい、ハルヒ、どこにいる、出て来い、ハルヒ!」
 「ムニャムニャ・・・・・・ キョンの声がするー・・・  ――――って、ええーー!?」
 「どこにいる、どこにいるんだハルヒ!」

 「アンタの汗臭いシャツの中!」
 「は!?」

俺のシャツの中にハルヒだと!? せっかくの休日のしかも早朝からそんな冗談はよしてくれ。
俺は恐る恐る自分の着ているシャツを見てみた。

 ・・・・・・・・・


 「――――なぜだー!!なぜお前が俺のシャツの中にいるんだーー!!」
 「知らないわよそんな事ーー!!」
 

さあ大変だ。
昨日の晩まで無地だった俺の白下着には現在ハルヒの絵が印刷されている。
更に凄い事にこの絵、動く。そして喋る。一体どこの企業にこんな技術が。

―――馬鹿を言っていてもしょうがない。簡潔に言おう。

  ハルヒが俺のシャツ内に取り込まれたのだ。

239名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 01:47:50 ID:30CVpcKw

トノサマガエル、アマガエル。カエルもいろいろあるけれど。
過去にはシャツの中に入ってしまったピョン吉というカエルの話がテレビでやっていたりもした。
しかしながら流石に男のシャツに入ってしまう女の子は今までに見たことも聴いたことも無い。
不良の少年の右手に女の子がドッキングしてしまう話なら聞いた事あるが。

そしてその時だった。

 ガチャッ

 「―――キョンくーん・・・・・・ もう起きたの・・・」

やばい、妹が入ってきてしまった!!

 「おい駄目だ、入ってくるなお前!」
 「キョンくん・・・ その格好で寝てたの、風邪引くよ・・・」
 「駄目よ妹ちゃん!コッチ来ちゃダメ!」
 「声出すなハルヒ、お前も馬鹿か!」
 「あっしまった!」

 「何でハルにゃんの声がするの・・・? ―――あー、キョンくんのシャツ、ハルにゃんの絵が描いてあるー」

気づかれた・・・ 当たり前だが。

 「見せて見せてー」
 「ダメだ、ダメだ!こっちくるな!」
 「わー、このハルにゃん物凄くかわいいー」 プニプニ
 「あ、ヤメテこそばいヤメテ・・・ アハハハハハハ!!!」
 「凄いー! この絵喋ったー!!」

終わった。こいつには完全にバレた。


 「ハルヒ・・・ もうこいつには正直に打ち明けよう」
 「仕方ないわ、行く行くは他の人にも言わなきゃいけないでしょうから」
240名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 01:48:19 ID:30CVpcKw
 ━━━━━━━━━━━

 「つまり、昨日は普通に自宅のベッドで床に就いたわけだな」
 「そう、んで目が覚めたらアンタのシャツの中にいたって訳
  でも昨夜はぐっすり寝れたわ、多分アンタの汗の匂いのお陰ね、私キョンの汗臭い匂い大好きよ」
 「ハルヒ、こいつの前でそういうやらしい事は言うな!」

余談だが俺とハルヒは恋人同士だ。ちなみにもうイク所までイッている。
だが2人の関係は他人には隠してある・・・・・・はずだ。

 「キョンくんとハルにゃんは”こいびと”だったんだー」
 「・・・いや、まあ」
 「そうよ、もうこの際だから妹ちゃんには言っておくわね、おそらく将来私もあなたの家族になるでしょうから」
 「気ぃ早ええぞハルヒ」
 「こういう大切なことはさっさと決めておくものなのよ、それともキョンは私と結婚しない気」
 「いや、絶対にするぞ・・・ ってか、そういう話じゃなくてだな!!
  ・・・・・・ハルヒ、一応訊く、お前、俺と一緒になりたいとかそういう事思わなかったか」
 「そんなのしょっちゅうよ、何でそんな解りきった事訊くの」
 「いや、まあそうだな、何でもない」
 
想像はついた。
大方、ハルヒの「俺と一緒になりたい」という強い願望がこの結果を引き起こしてしまったんだろう。
ならば元に戻るにはハルヒに「俺から離れたい」という願望を持ってもらうしかないな。
しかしハルヒがそれを望むはずも無いし俺も許さん。


 「―――って事はしばらく俺とハルヒの同居生活か」
 「よろしくねキョン」
 「ああ、ハルヒ
  ・・・・・・まあこう何ヶ月もシャツの中に留まってられるのも困るが」
 「そうね、私がこんなんだとエッチなことも出来ないから
  でもしばらくはこの生活楽しむわ」
 「そうしろ、俺は構わん
  ・・・・・・って事だ、お前も他の人には黙ってろ、良いな」
 「うん、キョンくん、わかったー♪」

こうして俺とハルヒの奇怪な同居生活は幕を開けた。
241名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 01:50:23 ID:R1A8EkmS
>>238-240
GJ!!こういうの好きだ。
242名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 02:01:40 ID:ko4cIb9o
タイトルでまさかとは思ったらストレートにきた!
続きに期待。
243名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 02:03:13 ID:pL7RMFhV
a
244名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 02:05:44 ID:emJY54bX
デフォルメ絵で貼り付いているのだろうか
245小ネタ:2006/05/10(水) 02:05:47 ID:pL7RMFhV
高校生活のスケジュールの中に「SOS団部室へ向かう」という項目がハルヒという破天荒によって強制的に追加されて以来、それを律儀に守り続けている俺は、今日も放課のチャイムと共にSOS団部室(いや、文芸部部室だったな)に向けて歩を進めている。
教室を出る際にクラスメイト数名から冷やかしと哀れみの視線を頂いたが、これもいつものことだ。気にすまい。
部室に入るとすでに俺以外の全員がいつもの場所に座っていた。
いつものメイド姿で二種類のお茶の葉を交互に見つめている朝比奈さん、詰め将棋を中断してこちらにいつものスマイルを向けてくる古泉、例の如く窓際で本(表紙に「人は見た目が九割」と書いてある。いろんな意味で驚きだ。)を読む長門。
そして腕を組みつつ、何か難しそうな顔をしているハルヒ。いつも通りのSOS団だ。

「何してるんですか、朝比奈さん」
席に着いた俺は先ほどからお茶の葉の入った二つの缶とにらめっこをしている朝比奈さんに声をかけた。
「え?ああ、これですか?明日出すお茶はどちらがいいかなぁって……」
そんな悩まなくとも俺は朝比奈さんの出してくれたお茶ならどんなものでもありがたく飲ませて頂きますよ?たとえ煮えたぎっていようとも。
「うふふ、ありがとう。でもね、お茶って葉っぱによってかなり味の良し悪しが変わるんです。キョンくんだって、やっぱりできるだけおいしいお茶が飲みたいでしょう?」
「ええ、まあ、確かに、ハイ」
「そうだ。キョンくんはどっちがいいと思いますか?」
そういって朝比奈さんは俺に二種類のお茶の葉を差し出してくれた。
「そうですね……」
二つの缶の名前を見てみると、そこには何やら小難しい日本語が大きく書かれている。これがお茶の名前か?しまった、国語辞典は教室だ。図書館に広辞苑を取りに行くべきか。
「原産地を見たほうがわかりやすいですよ」
席を立ちかけた俺に朝比奈さんが助け舟を出してくれた。
「原産地、ですか?えぇと、原産地は……」
あった。片方は静岡掛川、もう片方は京都福寿園とある。
静岡といえば俺でもわかる、お茶の名産地だ。静岡はお茶の生産量が一番なんだったっけ?
もう片方、京都福寿園。京都がお茶で有名なのかどうかは知らないがこの名前は別のお茶のCMか何かで聞いたことがある。
何だったかな?ド○えもん……いや、ホ○エモン……違うな。
246名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 02:06:34 ID:TTW3T0qE
wktk
247小ネタ:2006/05/10(水) 02:06:58 ID:pL7RMFhV
「伊右衛門でしょ」
突然、ハルヒの声が部屋に響き渡る。
伊右衛門?誰だ、その発音しないのに「右」が入ってる江戸時代の人間は。
「お茶の名前よ! 誰よ、伊右衛門って! あたしが聞きたいわよ!」
「結構有名なお茶ですよ。ご存じなかったですか?」
古泉も口を出してきた。
わかりきっていることだが、こいつに言われると異常に腹が立つ。
「知らん。お茶なんぞわざわざ買ってまで飲もうと思わないからな。」
開き直ってみた。
「「「…」」」
空気が南極並みの寒さになった。
まずいな、ここまで冷めるとは。計算外だ。
駄目だ、耐えられない。かの有名なタロやジロのように一年も耐えられん。誰か助けてくれ。
248小ネタ:2006/05/10(水) 02:08:09 ID:pL7RMFhV
「…飲んでみる?」
凍てつく南極の大地に暖かい南風。方角は同じ南なのに寒いと暖かい。これ如何に。
本日二度目の助け舟、出した主が長門とは、これ如何に。これ如何に!
「…」
俺の返答を聞かずに長門は立ち上がり、自分の鞄から件の「伊右衛門」を取り出す。
おまえ、そんなの持ってたのか。
「…ハイ」
ハイって…。これ、くれんのか?
「…」
無言で頷く長門。
フタはすでに開けられている。
「いらないの?」
「いや、もらう」
長門からペットボトルを受け取り、とりあえず一口飲む。なかなかうまい。
こう、渋みというか何というか、とにかくうまい。
「うまかった。サンキュー」
こんなうまいもんを飲ませてくれたことに心から感謝しないとな。
長門にペットボトルを返す。
黙ってそれを鞄に戻す長門。

ここで話が終わればその日もいつもどおりに終わるはずだったんだが。
鞄にペットボトルをしまい終えた長門が一言。あの変化のない表情を、ほんの少し、本当にほんの少し1ミクロンほど微笑んで、

「これが、間接キス…」

古泉がニヤニヤしているのが見える。
朝比奈さんが顔を真っ赤にして口をパクパクさせているのが見える。
そして、顔に狂気の笑みを浮かべているハルヒが見える。

俺は一体、どうすればいいんだ?

おわり
249名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 02:12:01 ID:aqV3dlZ0
GJ!GJ!
250名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 02:16:50 ID:lfIVOPEb
ここで静岡県出身の俺がきましたよ〜っと。

GJ!!   静岡だからか知らんが、結構お茶好きだな、俺。旨いし
251名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 02:31:44 ID:yqFxkumT
>ここで話が終わればその日もいつもどおりに終わるはずだったんだが。
>鞄にペットボトルをしまい終えた長門が一言。あの変化のない表情を、ほんの少し、>本当にほんの少し1ミクロンほど微笑んで、
>
>「これが、間接キス…」

とりあえず二階級特進で萌え書記長に任じます。
252名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 02:41:39 ID:ZDLRqtDL
ふと思った
修羅場ものの需要はあるのかねえ…
253名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 02:55:22 ID:lKRhf5px
この頃修羅場SSスレとこのスレばっか見てる俺には少なくともあります。
是非是非!
254名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 05:18:53 ID:1aNwpjxP
>>252
無論でしょう
255名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 06:44:53 ID:FQu1lkaM
>>245
GJ ニヤリとさせられた。
最初朝比奈さんかと思ったら、長門だったかw

>>252
修羅場ものはとっかかりは容易いが、オチの付け方が難しいかもしれない。
256名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 07:26:33 ID:T/BPfc8W
確かに既出の三角関係もののSSでも未完で投げたようなのとか
これからどうなってしまうんだろう、で終わりの作品とか多いな
257名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 07:52:38 ID:dGttoaK7
その後は洒落にならん状況だからな



いや、最初から洒落にならんか
258かなり:2006/05/10(水) 09:36:33 ID:R9kKt2+m
GJ!
>>249
259名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 11:23:10 ID:5HyDFhPj
三角関係with修羅場は解決まで行ってもしこりが残る終わり方になって
後味が悪くなりやすいってのがある。
しかも、SOS団メンバーの場合は身を引いても離れることが出来ないからな。
無難にうやむやorハーレムエンドにしちゃってるのも多い。
260かなり:2006/05/10(水) 11:53:11 ID:5rgnLOJh
>>259
確かに
+激しく同意+
261名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 11:56:41 ID:ETSydEr2
鶴屋さんで一本 書 か な い か

ttp://cgi.2chan.net/u/futaba.php?res=218803
262名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 12:03:13 ID:M9UmWiVB
>>261
ヤバい、マジで鶴屋さん最高。
263名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 12:36:56 ID:sW2mKpte
>>239
>不良の少年の右手に女の子がドッキングしてしまう話

俺的には、これでもおk
264名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 12:38:25 ID:8CCn3Nsa
Good job!
>245-248
長門さんかわいいっす♪
265名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 12:50:02 ID:dGttoaK7
まぁあれだ。

皆が幸せになるならハーレムでもいいじゃないか!

……俺が全員に幸せになってほしいだけなんだけどな
266名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 13:05:38 ID:oXiJ1QoC
キョンが人数分いれば無問題。
267名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 15:39:04 ID:5HyDFhPj
ハルヒ専用キョン
みくる専用キョン
長門専用キョン
古泉専用キョン

こうですか?
268二匹の獣:2006/05/10(水) 16:17:49 ID:EcNcHh6j

長門有希の部屋に、二匹の獣が居た。



「・・・・・・・・・っはん・・・ あぁん・・・ キョン・・・・・・まだイかないの?・・・」
「まだまだだ、ハルヒ・・・・・・・・・うっ・・・ぅあっ・・・あああっ」

ドピュッ!ドクッドクッドクッ!!

「ああん・・・暖かい・・・・・・3回目・・・残り2回ね・・・ あはぁん・・・えひっ・・・・・・」
「うっ・・・ ・・・ハルヒっ、そういうお前も残り2回だろうが」
「うるさい!!・・・ぁあん・・・・・・さっさとイって私の奴隷になりなさい!」
「くっ・・・くあっ・・・・・・・・・・・・・腰いてぇ」
「そんなのでSOS団員がへこたれないのっ!!・・・このヘタレキョン!・・・・・・ うぁあん!! うっ」
「うぉっ・・・くっ・・・・・・ヘタレだとぉっ・・・・・うりゃぁっ・・・そらっ」

「「うっ! うぁあああああ!!」」



長門有希の部屋に、二匹の獣が居た

その獣とは、俺たちのことである。




時計に目をやる。短い方の針は7と8の間を、長い針は9と10の間を指していた。
始める前に時計を見たときは確か4時だったような・・・・・・疲れたり腰が痛くなったりするのは当然か。

しかし今、俺の愚息は未だ活力を失わず、涼宮ハルヒ――わが恋人――の膣を押し広げている。
う〜ん。これが「マムシ」とか「スッポン」の力というものか。非常に頼もしい。

何しろこの勝負に負けてしまうと、月曜日から一週間ハルヒの奴隷にならなければならない。
一ヶ月の夏休みのうち一週間を失うというのは大きいし、なにしろハルヒとの関係でイニシアチブを取られるのは、
これまでもそうだったにしろ、これ以上進行するのは非常に宜しくないからな。
因みにここ、長門の家には俺たち二人以外だれも居ない。
もっとも、誰かに観察されているかもしれない。いやむしろ、間違いない。
何しろ全世界どころか全宇宙の期待を背負っているのだから・・・・・・


この「大人の王様ゲーム」の発端は、前の月曜日にさかのぼる。





アニメ観て書いてみました。SS書くのは初めてです
続き読みたい?
269名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 16:21:11 ID:jLZ9/74S
うむ
270名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 16:28:04 ID://ZOKw+q
聞くまでも無い。希望する。
271名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 16:31:59 ID:MVTL58hY
長門ラヴホテル化には賛成する
272名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 16:34:54 ID://ZOKw+q
そしてまた「負荷」がかかり大変なことに…
273名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 16:39:10 ID:oXiJ1QoC
そういや長門マンションには朝倉も住んでたんだよな?
喜緑さん含むヒューマノイド・インターフェースはみんなここに住んでるのか?
274名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 16:41:20 ID:/ZUh2LSy
オレのミヨキチは元気に暮らしていますか
275名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 17:10:27 ID:6wRoxdcU
キョンとみくると鶴屋さんの3Pまだ?
276名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 17:32:02 ID:MVTL58hY
>>272
「…………」

『あんっ…うっぅん…あぁぁキョン…ぃぃぃよぅー』
『んっっ……あぁん、ダメェ…ひょっんなトコ……イジワルバカキョ…ン』

「…………」

『や…ぁ……あっ!あん……はぁっっん、ん…っ、ぁ…』
『あッ!あんっ!あんっ!あぁんっ!!』

「……………………」

『あぅ・・・ううんッ!キョンいいよぉぉーんっっ―――!?』
『あああ…んぁ!?ちょっ、キョン!?やぁん!あんっ、そんな…らぁめぇなぉ!』
『あ、あ、あ、あ!あ!あ!ああ!ああっ!いいっ!いぁっ!キョンキョンキョンキョンっ!!』
『キョン!一緒なのっ!一緒よっ!いっ…うッ!!いっひゃう!!いっぐ!ああぁぁぁん―――!』

「…………」

『あ、ふぅっ…キョン…すごぉぃぃ…はあはは…はぁはぁ…』
『もうぅ…白いの一杯…あはぁ…やん!もう…出来ちゃったらあたしをお嫁さんにするのよ』
『でないと死刑よっ……あぁっ!?また……あはぁ…やん!もう…またぁ!?』
『キョン…すごぃ…すごっあんん!!くる…またくるのぉぉ!一杯…きっ!ちゃううぅ!』
『あっ!あっ!あっ!キョンもっと突いてぇぇ!?あたし牝なの淫乱牝なのぉぉ!!』
『そぅぉ、そこぉ…あ!?あああああぁ―――んっっっ!あぁ……もうっ!?だめぇイクぅ』
『激しぃ…あぁぁぁぁ!!い…やぁぁ……あふ…っ』

「…………」

『ハルヒダメなの!!そこぉ…ハルヒいやぁっ!なのぉ!!』
『いっ、あぁ…んッ…や、やだぁ…キョン』
『キョン!堅いのぉ…あたしキョンのじゃないと満足できないのぉぉ!!』
『もっと!突いて!アタシをメチャクチャにしてぇ!?淫乱牝だからぁぁ―――!!』
『いぃ…いっちゃ!もうひゃめぇーーー!!』

「…………ぶち」 

長門は分厚いハードカバーの本をぱたんと閉めると、
淫靡なオーラで充満した部屋の襖を思いっきり開いて
絡み合っているハルヒとキョンを見ていった。

「……………あたしも」
277名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 17:32:52 ID:MVTL58hY

喘ぎ台詞集としてご利用ください。
278名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 17:54:10 ID:oXiJ1QoC
>>276
水を差すようで悪いが長門の一人称は「私」だ。


もしかして鶴屋さんだったり?
279名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 17:57:39 ID:MVTL58hY
_| ̄|○ まだ…各キャラの一人称所か、その性格や嗜好を
如何にエロにデコードするかまで行ってないんだよ。
280名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 18:31:44 ID:5HyDFhPj
>>278
キョン妹とか。
281名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 18:37:16 ID:apW2WBNi
キョン妹がキョン味に見えた、もうだめだ
282こんな感じ?:2006/05/10(水) 18:45:43 ID://ZOKw+q
>>276
「……私も」

そう言い放った長門。きっとこれはアレだ。その時歴史が動いた、って奴だ。
ぎょっと目をむいて口をぱくぱくさせながらも長門を見ているハルヒは
きっと俺よりも冷静だ。
なにせその時の俺は、長門の染み一つないような長門の白い肌に見とれて
一切の思考回路がまともな動きをしてくれなかったからな。

おもむろに近づく長門。
「ダメよユキ。キョンはあたしのなの!」
そのハルヒの抗弁は演説途中で途切れた。
長門が、ハルヒの唇を奪ったから。

熱心なキリスト教の信者が神を見たときのような、神々しさすらおぼえる
二人の接吻。

だがその楽園の光景は終わりを告げる。離れる唇。
ハルヒが長門にしなだれかかって、「ユキ、すごぉぃ…」とうわ言のように…

「始めましょう」

長門の声が、淫靡な空気を突き抜ける…

「……」
283かなり:2006/05/10(水) 18:50:15 ID:2EF5jChI

キタ――――――――――(゜∀゜)´∀`)・∀・)゜Д゜) ̄ー ̄)´ー`)ノ!!!
>>268>>276
乙かれー!
( ・∀・)ノ旦~
   ∧
  / \
| ̄    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
|粗茶でも飲もうよ。 |       
|          |               
284名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 19:06:54 ID:Yw7ZBE1r
>>278
作中女性登場人物の一人称は、
 あたし:ハルヒ、朝比奈(小)、鶴屋、朝倉、キョン妹、阪中、誘拐少女
 わたし:長門、朝比奈(大)、朝比奈(偽)、喜緑、森、吉村
ってとこか
285名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 19:14:31 ID:gwBgaKkG
ハレ晴れユカイを9つの店を回っても買えなかった俺はどうすればいいんだ・・・
286名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 19:19:13 ID:5HyDFhPj
敢えて言うならスレ違い。
287名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 19:29:35 ID:mzvJxbAr
>>282
「・・・交ざる」
288名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 20:17:31 ID:lfIVOPEb
>>261を見て、何となくコレもいいかなぁ…とネタ投下 書いた人違うか?
ttp://up.2chan.net/q/res/837899.htm
289276:2006/05/10(水) 20:24:34 ID:9NHFX1PW
>>282氏 続きを頼んだぞ マジで

僕は学校を出ようを読み始めてしまったのでね?
まぁ何というかね?ハードなレズでは抜き所に気を使うものなのだよ。
実際、今回はキョンとか言う宇宙開始以来、最大級の幸運を享受している男がいるからね?
おっと、僕は生徒会長に呼ばれていたんでね、この辺で失礼させて貰うよ?

「おい、宮野?」
「なんだい、早く読みたいのだよ?手短に願いたいが?」
「安心しろ・・・おい春奈、この暴投ピッチャ野郎にぱふぱふしてさしあげろ」

≪べぇーだ!≫

春奈は可愛く舌を出すと僕の後ろに消え去った。
>>284 サンクス 谷川氏の語り癖結構難しいね
290名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 20:45:54 ID:cfMxuYuf
>>285
例えすれ違いでも同意・・・・・orz
291名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 21:06:40 ID:gPxhkyzY
いまさらだが、
>>1って誰だっけ?
292240:2006/05/10(水) 21:07:06 ID:ZSM33A3E
>>285>>290
アニメイトやゲーマーズでは品切れだったがソフマップにはいっぱいあったw@おおさか

 ━━━━━━━━━━━

さて朝食だ。
俺は良いとしてハルヒにはどうやって食べさせたら良いのだろうか。

・・・・・・とりあえずトーストを2人分焼いて俺の部屋に持ってこよう。

 「トースト焼いてくる、ハルヒ、ちょっとここで待ってろ」
 「わかったわ、・・・って事は上脱ぐの」
 「そうだ、どうかしたか」
 「別に・・・ 別に何でも無いわよ・・・///」



 「おいハルヒ、トースト焼いてきた・・・・・・ って・・・ おい」

俺のシャツが真っ赤に染まっていた。当然ながらハルヒの鼻血だ。
そしてその血の中でハルヒは気絶していた。このド変態。
いっそハルヒの目の前で古泉とイチャついてやろうか。そうなったらハルヒは完全に失血死だ。


 「起きろ、起きろハルヒ」
 「はっ!?キョン!?あたしなんで・・・・・・って何でシャツ真っ赤なの!?」
 「お前の鼻血だろが、・・・とりあえず先食事だ、で、その後で洗濯」
 「洗濯って、まさか洗濯機じゃないでしょうね!?」
 「それも面白そうだなw 『あーれー やめてくださいご主人様ー 姦さないでー』ってなw」
 「このドスケベキョン!」
 「俺の裸で鼻血出してぶっ倒れてたお前には言われたくないな」
 「!!! ・・・・・・//////」
 「まあいい、食えるか、トースト」
 「そうね・・・・・・ ほらキョン、トーストよこしなさい」

何と俺のシャツからハルヒの手がニョキっと伸びてきたではないか。

 「はむんむ、んむんむ、美味しいわよキョンの焼いたトースト」
 「・・・良かった、食事は普通に出来るんだな」
 「・・・そのようね」

293名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 21:07:39 ID:ZSM33A3E



食事が終わって次は洗濯。
流石にハルヒを洗濯機に放り込むのは可哀想なのでここは手洗いといく。

 「優しく洗いなさいよキョン」
 「あーあー解ってる、ってかお前の鼻血だろ」
 「だから!それを何度も言わない!!」
 「はいはいわかりました」


 「・・・あん、あ、や・・・ん・・・ ダメ、キョン、そんな所こすらないで・・・!」
 「誤解されるような喘ぎ声出すなハルヒ」
 「だって・・・ あ、や!!いや・・・ ぅっああ、ああん・・・」
 「・・・何かだんだんと俺も欲が湧いてきたぞ」 ゴシゴシ
 「だめ、キョン!ああ、ダメ!!」
 「もっと擦ってやる」
 「いや!だめ、キョンだめ!あ、ああああああああ!!!」


 「どうだハルヒ、きれいになった感想は」
 「・・・・・・正直、―――気持ち良かったわ、物凄く」
 「そうかそうか、ではまた今度たっぷり洗ってやるからな、期待しろ」
 「楽しみにしてるわよキョン」

 「ねえねえキョンくん、ハルにゃんに何やってあげたの、私にも気持ち良いことしてー」
 「断じてしない!」
294名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 21:09:22 ID:ZSM33A3E
 ━━━━━━━━━━━

 「・・・べたべたして気持ち悪いわ」
 「わがまま言うな、だったらアイロンでもかけてやろうか」
 「バカ!」
 「冗談だ、とりあえずドライヤー持ってくる」


 「持ってきたぞ」
 「遅い!!ほらキョンさっさと乾かしなさい、あ、いきなり熱風はダメだからね」
 「解ってる、解ってますとも」

ホントに注文の多い彼女だ、全く。

 「んんー、気持ち良いわよ、キョン、どんどん服乾いていくわよ」
 「そりゃ良かったな、てかこの服乾かさないと俺も着られん」
 「キョンもしかして家用の服これだけなの!?」
 「んなわけあるか!!
  ・・・・・・その、何だ、ハルヒの服以外着たくない・・・ というかだな・・・・・・ ///」
 「・・・キョン・・・ あたしも・・・ キョン以外には着られたくないわ・・・」
 「ハルヒ・・・」
 「キョン・・・」

 ガチャッ

 「キョンくん、ハルにゃん、ゆうえんちゆうえんちー」

妹よ。「空気嫁」って知ってるか。

 「しらなーい、ねえキョンくん、今日遊園地に連れて行ってくれるって約束はー」
 「・・・・・・キョーンーー? あたし以外の女の子と遊園地なんて・・・ 良い度胸ねえ・・・」
 「こいつは妹だぞ!家族サービス位して当然だろうが!」
 「あーら解らないわね、実は妹萌えとか」
 「俺は妹萌えでもなんでもない!ハルヒ萌え一筋だ!!」
 「キョン!!私もキョン萌えひとs」

 「キョンくん!連れてってーゆうえんちに連れてってー!!」

 「・・・・・・(何かちょっとだけ殺意が湧いたわw)」
 「わかってるわかってる、連れて行くって言ってるだろ」
 「わーいやったー、ゆうえんちゆうえんちー」
 「だから取りあえず着替えて来い」
 「わかったー」


 「・・・・・・はぁ・・・」
 「・・・キョンも大変なのね色々と」
 「解ってくれるか」

その後で俺も外行きの服装に着替える。
しかしその途中で俺の上半身裸を見たハルヒがまたも鼻血を出しそうになったので
仕方なく俺は嫌がるハルヒを脱いでベッドの毛布の下にうずめ着替えを続行した。
そしてズボンを穿き終わった俺は再び毛布の下からハルヒを取り出して着ようとしたのだが何と泣きじゃくっていた。
その後しばらくハルヒがすねて着させてもらえず、なだめるのに数分を要してしまった。
・・・・・・服の中に入ると性格すら変わってしまうのか全く。

 ━━━━━━━━━━━
295名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 21:29:13 ID:guHs3Ta7
GJ!
296名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 21:47:12 ID:+jhZDd9u
めちゃくちゃ和む…GJ

キョンと古泉の精神が入れ替わってしまい
キョンのふりしてハルヒにちょっかいかけて楽しむ古泉と
その傍でハラハラ悶々としつつ、律儀に古泉の真似をするキョンと
そんなキョンを静かに見守る長門
…という夢を見た。
文章化できればorz
297名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 22:05:42 ID:R1A8EkmS
>>296
ハルヒなら一発で入れ替わったの見抜きそうだけど。
298名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 22:25:19 ID:SC2bDz0y
それでも発育健全な女子としては、内心デレデレなキョンの顔や声や身体で
古泉流のからかいを受けるとどうして良いかわからず…、とか。
299名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 22:26:22 ID:rqAFczyU
>>297
一発で見抜いて、キョンにやきもきさせたいがために
古泉と必要以上に仲良くするとかしそうだな。

部室で着替えるときに「あんたはここにいていいわよ、キョン(になった古泉)」とかやるとか
みくると一緒になってメイドになって
「みくるは今日は古泉くん専属ね!あたしはキョン専属♪」とかやって
みくるに付かれてうれしいけれど目の前でハルヒと古泉がいちゃついていらいらするキョンとか。
300名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 22:27:08 ID:+jhZDd9u
>>297
勘が鋭いから妙だということには気付いても(何か古泉くんみたい、とか)
根本では非日常的なことを否定してるから
本気で入れ替わったという考えには至らないと予想する。
301名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 22:29:52 ID:/niCNpMr
しょうがねぇなぁ・・・俺がみんなのかわりに憎まれ役をかってやるよ
神様文章化してください!!!
302名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 22:35:57 ID:AQHIB/7Y
神降臨期待
303名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 22:37:04 ID:yqFxkumT
ttp://www.youtube.com/profile_videos?user=aileranger
鶴屋さんから谷口、シャミセンまで。
なんか頑張ってるようつべの人です。
304名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 22:59:59 ID:wycZxu6H
>>289
3スレぶりの学校ネタキタコレ。
現在保管庫116作品中学校5イージス4絶望2だからな。
305名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 23:41:57 ID:sW2mKpte
「大人の王様ゲーム」なエロエロもいいが
「ど根性ハルヒ」のような純愛系も(・∀・)イイ!!
306名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 23:43:30 ID:rsJW1Nnc
バカップル系コメディじゃね?
307名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 23:45:33 ID:jIec+2zv
ど根性に期待
308名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 23:46:43 ID:/ZUh2LSy
このスレ読んでたらオレのTシャツが喋り始めた
309名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 00:05:51 ID:ZDLRqtDL
キョンとハルヒの純愛ものはいつみても癒される
喧嘩する話(涼宮ハルヒの告白とか)も大好きですが
310名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 00:09:48 ID:1X+JSzm+
俺的には鶴屋さんの話が見たいゼ
311名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 00:17:02 ID:Ab4tU+zm
キョン有希もっと(わくわく)
312涼宮ハルヒの願望3 1/3:2006/05/11(木) 00:20:18 ID:SKz3r1FY


「! …ちょ、あ…」
 突然ドアが開いたかと思えば、誰かが部屋に入ってきた。あろう事か、さっきまであたしの頭の中にいた人物。
「キョ、キョン…」
 あたしは慌ててスカートを戻し、下着から指を引き抜く。それが隠唇をかすり、何とも言えない感覚となって私を襲った。
「あっ…」
「なんだ、俺が来たってのに続けるのか」
「ぇ…」
 今、キョンは何て言ったの?キョンは真っ直ぐあたしを見つめている。いつもと違う雰囲気。何処か険しさが感じられる。
 それより、さっきキョンの言葉の意味は…
「いやぁぁぁぁぁっ!」
 見られた。あろう事か大好きなキョンに。キョンの名前を呼んで、いかがわしい行為に耽っているあたしを。見られた。嫌われる。軽蔑される。
「ハルヒ、聞け!」
 聞きたくない。キョンに嫌われるなんて。聞きたくない。嫌。嫌われる。そんなの嫌。

「俺はお前を嫌ったりしない!!」

 …え?
 今、キョンはなんて言ったの?

「だから…もう一人で悩まなくてもいい」

 あたしは…夢をみてるのかな…

「俺は…ハルヒ、お前の事が、」

 あたしはキョンに抱きついた。
313名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 00:20:45 ID:VqzxZTpb
希望通りに。
キョン×有希の小ネタっぽいものを投下。
314涼宮ハルヒの願望3 2/3:2006/05/11(木) 00:21:02 ID:SKz3r1FY


「ちょっ…」
 我ながら情けない声をあげたものだと思う。
 突然パニックに陥ったかと思いきや、そいつは今や俺の背中に手を回して胸に顔を埋めている。
 ようは俺との間合いを瞬く間に消滅させ、強すぎるくらいの力で抱き締めているのだ。
 この、涼宮ハルヒは。
「ハルヒ…」
 名前を呼んでみたが、返事はない。代わりに、ひっく、とすすり泣く音が聞こえた。
「涼宮」
 ああ、上の名前で呼ぶのは久しぶりだな、と思いつつ口に出す。
 しんと静まりかえった部室に、ただハルヒが俺の胸でしゃくり上げる音だけがやたら大きく響く。野球部の怒号も、吹奏楽部の演奏も聞こえやしない。
 いや、実際はどちらもきちんとワーピーやってるのかもしれない。ただ、俺には聞こえないだけで。
 賭けたっていい。この世のどんな奴が俺と入れ替わったとしても、全員が同じ気持になるだろうね。
 俺は腕を伸ばし、どんな運動もあらかたこなすとは思えないほど華奢な肩を抱いた。
 ハルヒは俺の指先が背中に触れた時にびくっと体を震わせたが、さらに俺に身を任せてくる。
 ハルヒを泣かせたのは俺だ。俺がいつまでも素直になれなかったから…
 本当は、こんなはずしゃなかったのに。
 まだ、間に合うのか。
 さっき、言いそびれた言葉は。
「そのままでいいから」
 いいや、手遅れでも構わない。いつまでも逃げてた俺の責任だ。
「聞いてくれないか」
 そうだ。言わなければならんだろう。
 本当は、もっと前に言うべきだった、台詞を。
「俺は……」


315大きな胸、胸、好きでしょ? 1/5:2006/05/11(木) 00:23:04 ID:VqzxZTpb


どうでもいいような話だが、基本的に男ってのは胸は大きい方がいいと思っている奴が多い。
かくいう俺も、どちらかといえば無いよりはあったほうがいいと思っている。
朝比奈さんがお茶を渡してくれるときに、揺れる胸に思わず視線が行ってしまったり、ハルヒがバニーガール姿になったとき、意外とグラマーだったことに少しドキリとしてしまうのは、もはや必然というかどうしようもないことだ。
さて、ここで面白くない奴が出る。
誰かって?そりゃ、残る一人に決まってるだろう。
そう。宇宙人にして、SOS団の万能選手、長門有希である。
長門は基本的に、大食らいのくせに細い。
食べたものは一体どこに行っているのだろうかと思えるほどだ。
俺の推測だが、きっと長門の中には宇宙へつながるブラックホールでも開いているのだろう。
と、まあそれはいいとして、とにかく細いわけだ。
つまり、胸は無いわけではないが、無いのである。
ハルヒのを見たわけではないが、たぶん2カップぐらいは差があるだろう。
朝比奈さんに至っては、見たこと無いが3、4カップは違いそうだ。
さて、ここで頭がいい、もしくは注意力がある奴は気がつくだろう。
俺は『ハルヒ』と『朝比奈さん』のは見たことがないと言った。
じゃあ、長門は?
結論から言うと、見たことがある。というか、今回はそれについて話すつもりだからな。
316大きな胸、胸、好きでしょ?& ◆cPEzkTYGhE :2006/05/11(木) 00:24:16 ID:VqzxZTpb
あれは、数日前。珍しくハルヒが用事があるとか何とか言って、部室によらずに帰った日だった。
ハルヒがいなくとも俺の足はいつもの元・文芸部室およびSOS団部室へ向かってしまう。
まあハルヒがいない方が、静かでいいしな。たまにはこんな日もいいだろう。
ハルヒに怒鳴られることなく、俺の癒しの女神である朝比奈さんをゆっくり眺められる。
そんな楽しみを胸に、俺はドアをノックする。
しかし、あの天使のような返事がない。
部室を開けた先にいたのは、本を黙々と読む長門だけだった。
「よぉ、長門。まだ朝比奈さんは来てないのか?」
小泉はどうでもいい。ってか聞く気にもならないね。
「朝比奈みくるは、今日は買い出し。」
……とおっしゃいますと?
「お茶の葉がきれてるから買いに行くと言っていた。よって今日は来ない。」
ああ。さいですか。
お茶なんていいですよ。あなたさえいてくだされば。
そうとでも言いたかったが、もう時すでに遅しだ。
仕方がない、小泉でも待ってチェスでもやるか。
「小泉一樹も、今日は帰った。」
……そうですか。
ってことは、今日は俺とお前だけなのか?
「そういうことになる。」
「そうか……」
とりあえず椅子に座る。くそ、どいつもこいつも今日はいないのかよ。
本当に仕方が無く、一人チェスをやっていたが、数分もしないうちに飽きた。
ボーッとなんとなく長門を眺める。
ん?今日は分厚いハードカバーじゃないのか。
長門の読んでいる本は普通のサイズで、黒いカバーがかけてあった。
何となく興味を引く。
「何読んでるんだ?」
俺が聞くと、長門はその本を俺に差し出してきた。
その長門の目が少し潤んでいるような……気のせいか?
だが、その本を読むうちに、それが見間違いではなかったと知る。
はっきり言おう。それは官能小説だった。
317涼宮ハルヒの願望3 3/3:2006/05/11(木) 00:24:18 ID:SKz3r1FY
「キョン、明日からずっと一緒よ!教室だろうとイチャつきまくるのよ!」
 それから俺とハルヒは今後の事について話した。テンションハイになったハルヒが一方的にわめいてるだけなのだが。
 それにしても恋人という間柄になっても俺はキョンと呼ばれ続けるのか。まあ長年呼ばれれば愛着も湧くがな…
 んん?ところで俺の本名はなんだっけ。大変だ。誰か教えてくれ。おい。何故誰もしらないんだ。
「あ、それとキョン!明日からお弁当持って来なくていいわよ」
 俺に餓死しろと。
「違うわよ、バカ。あたしが作ってきてあげるから!」
 ほう。それは楽しみだ。普通の弁当にしてくれよ。
「何を入れてやろうかしら。楽しみだわ。」
 とびきりの罰ゲームを思い付いたような顔をしたハルヒは、俺の言葉を完全に無視していた。
 まったく。やれやれ。
318& ◆P8WUoeZBsM :2006/05/11(木) 00:25:30 ID:VqzxZTpb
「な……長門、なんでこんなものを……?」
「人間の心理を知る上では役に立つ。」
「だからといって、こんな本を読むか?」
首肯。マジか。
「……と、とにかく。こういうのは読んではいかん。特に18歳未満は禁止だ。」
まあ、俺のような健全な男子は守りゃしてないがな。
谷口や国木田と、エロ本を学校で隠れ見たことだってある。
だが、さすがに女子、特に長門のようなのが見てるとなれば話は別だろう。
しかし、事態は思っていた以上にすごい方向へと飛んでいってしまったのだ。
「人間の男は、女の胸に欲情するとある。その効果は大きい方が、多い。」
「……?」
驚く俺の前で、長門はさらに驚くような行動に出た。
布擦れの音が、夕方の部室に響く。
ちなみに発生源は長門。
ようするに長門は服を脱ぎだし、上半身裸になったわけだ。
「っ!!」
あまりにも唐突で予想外の行動だったため、少しの間固まってしまった。
だが見るわけにもいかず、とっさに後ろを向く。
……ホントはその慎ましい二つの丘を見てしまったけどな。
「長門っ!!その……服を脱ぐなっ……!」
目のやり場に困る。ってか誰かに見つかったらマジでヤバい。
「それなら大丈夫。情報を改変した。」
その言葉にドアを見る。……いつぞやのようにドアは無かった。
ということは、もしかして俺、閉じこめられた?
「……見ないの?」
いや、見ないの?とか言われてもな、一応ほら学校だし、モラルとか色々問題が……
それ以前に、俺が耐えられそうにない。
さっきの官能小説の内容といい、一瞬見てしまった胸といい、俺のそこはもう堅くなってしまってるんだ。
とにかく、どうにかしてここから脱出しようと動こうとしたが……
319名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 00:25:31 ID:SKz3r1FY
>317はミスった。すまない。
320大きな胸、胸、好きでしょ? 4/5:2006/05/11(木) 00:26:26 ID:VqzxZTpb
あれ?
動けないぞ?
……どうやら、俺まで情報が改変された様子で。
マジか。おいしい展開……もといヤバいぞ、これは。
そう思ってる間にもほら、長門は前に回り込んできた。
くそ、潤んでる目が色っぽくてそそる。
その瞳から下、慎ましくそこにある乳房。
まぶしいくらいの白に、思わず貪りたくなるような淡いピンク色の突起。
小さくたってあまり気にならないほど、長門の胸は魅力的だった。
ズボンの中が、一段と窮屈になる。マジでヤバい。
「長門、頼むから服を着てくれ……」
必死で目をそらそうとする俺をどうとらえたか、長門が悲しそうな声色で言う。
「……欲情、しない?」
いや、そういう問題以前にな。
「……やはり小さい胸ではダメ?」
いえ、そんなことはありませんが……って長門!?
何かをつぶやいていると気がついたときには、遅かった。
長門の胸が大きくなっていく。
そしてハルヒよりやや劣る程度のところで、成長は止まった。
「情報改変。脂肪分を胸に集めた。」
ああ、長門。俺の声は今、お前には届いていないんだな?
もうズボンも限界だぞ?
その思いが伝わったのかどうかは知らないが、長門は俺のズボンを下げた。
そして大きくしたその胸の間に、俺のモノを挟んで……
「ううっ!」
その柔らかさに、思わず意識が飛びかけたね。
これは何ですか?パイズリってやつですか。
さっきの小説の中にもあったなあ。これ。
その文章を忠実に再現するかのように、長門は動く。
寄せてあげた胸を擦りつけるようにし、時々亀頭をペロリと舐める。
ちょ、待て長門!マジで出そうだって……
「平気。出して。」
長門の動きが速くなる。揺れる胸と長門のほのかに赤くなった顔。
軽く咥えられて、ちゅうと吸われたとき、長門と目があった。
上目遣いで、のぞき込む黒。
その瞬間、俺は白濁とした欲望を吐き出した。
321& ◆P8WUoeZBsM :2006/05/11(木) 00:27:16 ID:VqzxZTpb
白く染まった顔と胸。
う、これはこれでかなりそそられる。
だけどな。
「長門よ。こういっちゃなんだが、お前は前のままがいいと思うぞ?」
決して俺は貧乳萌えってわけではない。
だが、今の長門は少々違和感がある。
「……でも、大きな胸の方がいい?」
悲しそうに聞く長門。というか、何故俺にそんなことを聞く?
「……わからない。ただ。」
ただ?
「……あなたに喜んでもらいたかったから。」
……はい?
「よくわからない。だけど、今の私の感情に近いものとして恋があげられた。」
つーとなんだ?これは告白か?
「恋。あなたに好かれたいと思う気持ち。喜んでもらいたいと思う気持ち。」
つまりは、俺の好みにあわせようとしたわけか。
う〜ん。素直に喜んでいいのかどうか。
なんかここまで調子がいいと疑いたくなるのは、誰かさんのせいだ。
「長門。だけど、俺はそのままでいいと思う。自然成長が一番いい。」
そんな裏技じみた豊乳よりも、自然成長が一番だ。
何なら俺が揉んで育ててやってもいいぞ?とはさすがに言えなかったが。
しかし、長門は俺の心でも読めたのだろうか?大きくした胸を元に戻すと
「……あなたの手に期待する。」
と言った。どうしようかね?ホント。




次の日。
「ねえ、キョン。なんか部室が変なにおいなんだけど、あんた何か悪いことでもしなかったでしょうねぇ?」
おかしい。消臭剤はまいておいたぞ?



終わり
322315:2006/05/11(木) 00:29:28 ID:VqzxZTpb
>314
すまん、被ったOTL

一応こちらのは、315、316、318、320、321の5本だ。
323名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 00:31:19 ID:SKz3r1FY
>322 こっちこそすまん
三話でまとまりそうにないので急遽変更する
324涼宮ハルヒの願望3 3/4:2006/05/11(木) 00:32:36 ID:SKz3r1FY


「俺はハルヒの事が好きだ」

 俺が何を言うか予想はついていたのか、ハルヒに動きはない。
 だがハルヒの肩は寒さに震える子犬のように小刻に揺れている。
 俺はそんなハルヒをひたすら抱き締めていた。余計な力は一切いらない。
 この世のどんな敵からもハルヒを守る。勝てなくてもいい。守れればいい。
 今の俺は、ひたすらその思いで一杯だった。

 …どのくらい、時間が経ったろうか。沈黙を破ったのは、ハルヒのものとは思えない、か細い声だった。
「この…バカキョン」
 やっと喋ったかと思ったらそれかよ。
「なんでこんな時に…言うのよ」
 自分ではこれ以上ないタイミングだったのだが。
 あれか。街の夜景が一望できるようなこ洒落たレストランで言うべきだったか。
「…ばか」
 怒ってるのか泣いてるのかはっきりしてくれよ。
「うるさいわよ」
 なんだ、喜んでるのか。ならよかった。
「さっきからうるさいのよバカ! …それより責任とりなさいよ」
 はて、なんの?
「あんた、たった今あたしにした事も言った事も忘れたの!?」
 分かったからそんな盛大に唾を飛ばして大声出すな。
「わかったよ」
 とりゃいいんだろう。
 そう言うなり俺は、ハルヒの唇を奪った。


325涼宮ハルヒの願望3 4/4:2006/05/11(木) 00:34:21 ID:SKz3r1FY


 いつだったか、あの時のように瞳を閉じる。どのくらいしていただろう。ほんの数秒、いや、数十秒だったか、あるいは永遠?
 唇を離した時、ただでさえ真っ赤だったハルヒの顔が夕陽のようになっていた。
 それがおかしくて、何よりあのハルヒが恥ずかしがっているのが可愛くて、俺は笑ってしまった。
「な、なに」
 何がおかしいのよ、と言おうとした唇を再度奪ってやる。
 俺の口が押し当てられても、ハルヒは何か喋ろうとしたのか、口が動いた。
 ここぞとばかりに開いた口へ舌を押し込む。
「んんっ?」
 ハルヒの舌に自分のを絡ませる。拒むように動く腕を押さえ付け、俺は再びハルヒを抱き締めた。
「ふぇっ」
 間抜けな声を出すな。仕方ない。放してやるか。
「こ、このエロキョン…」 ごほごほやっているハルヒの瞳から、枯れかけた涙が再び溢れ出ている。しまった、やりすぎたか。
「やるなら、もっと優しく…んもう、バカキョン!」
 何が言いたいのかさっぱりだ。
「うるさいわね!」
 だから怒ってるのか笑ってるのかどっちかにしてくれ。
「キョン…なんでこんな事するのよ…」
 責任とれと言ったのはそっちだろう。
「誰もキ、キスしてなんて言ってないわよ!」
 俺の脳内変換ではそうなっちまったんだよ。それか嫌だったのか?
「嫌じゃないけど…」
 だったら大円団だ。
「そうじゃなくてっ!」
 だから何が言いたい。
「その…あたしと、つき」
「付き合おう、ってか」
 俺が言うとハルヒの頭からぼん、と煙が出たかのような気がした。表現が古すぎたかな。失敬。
「ハルヒがどうしてもって言うならいいぞ」
「な、な…」
 金魚みたいに口をぱくぱくさせるハルヒ。
「なに言ってんのよ!あんたが始めにあたしのことを好きって言ったんじゃない!」
「さあ、どうだったかな」
 いじめすぎたようだ。ハルヒはまた目に涙を浮かべてぶるぶる震えている。
「付き合おう、ハルヒ」
 俺が悪かったよ。
「嫌よ」
 ……おーい。
「冗談よ。あんた、ちゃんとあたしを幸せにしなさいよ」
 やれやれ。ようやく元通りか…って違うよな。俺たちの関係は団長と団員その一だったはずだ。
「ハルヒ」
「なによ」
「愛してるぞ」
「ふふん」
 そう言うとハルヒは満足そうに頷いた。
「あたしもよ。愛してるわ、キョン」
 視界がハルヒで一杯になる。今度はハルヒから唇を押し当ててきた。


326願望:2006/05/11(木) 00:37:59 ID:SKz3r1FY
312 314 324-325 317の順番に読んでください。
読みにくくて申し訳ないです。
しかも最後は非エロ…
327涼宮ハルヒの願望 エピ1:2006/05/11(木) 00:40:17 ID:SKz3r1FY


 次の日の昼休み。ハルヒは約束…といっても一方的に言い出したのだが本当に弁当を作ってきた。
 本人は張り切りすぎたと言っていたがその通りだ。
 その量たるや谷口や国木田に分け与えても十分余るだろう。まあ一口たりともやるつもりはないがな。
 年の始めでもないのに高く積み上げられた重箱を前にした俺は、上司の命令で捕虜を殺したせいで戦後C級戦犯をかけられた三等兵士の気分だったね。俺も貝になりたい。
 だがきらきらした瞳で箸を進める俺を見つめるハルヒを目前として残すのも忍びなく、
 ひたすら警戒信号を出し続ける胃袋に鞭を打って詰め込んだはいいがもうパンク寸前であり、
 ハルヒが重箱を嬉しそうにしまうのを見届けるが否やトイレに駆け込んだのは仕方ない事である。
 食事中の方、申し訳ない。
 クラスへと帰還する途中でハンサム野郎に捕まろうとはうちの庭から原油が出るくらい思わなかったよ。
 そのせいで気分の悪さに拍車がかかったのは言うまでもない。
「どうですか?涼宮さんとはうまくいっているようですが」
「…お前は何を知っているんだ」
 こいつが俺を午後の茶なんぞに誘ったのがそもそもの事の発端だ。
「いえ、今回の件に関しても機関は無関係です」
「そうだろうな」
 古泉には長門を出し抜く手段などないからな。長門を出し抜ける奴がいるなら是非お目にかかりたいものだ。
 おっと、もう刺されるのはごめんだぜ。あれ以来刃物がトラウマなんだ。
「涼宮さんが望んだからです、じゃいけませんか?」
「またか」
「またです」
 あいつは俺に見られる事を望んでいたのか?その…本来なら他人には見られたくない行為を?
「こう考えてみてはどうでしょう」
 いいだろう、話すがいい。ただし手短にな。
「善処します。涼宮さんはあなたに本来の自分を見て欲しかったのだと考えられます」
 恥ずかしい思いをしてでもか。
「どんな事をしていたのか僕には分かりませんが」
 こいつ、いけしゃあしゃあと言いやがる。
「あなたなら他の誰にも知られたくない事でも受け入れてくれるだろうと思ったのではないですか?僕や長門さんには無理でもね」
「………」
 言い返す言葉がないのがひたすら不快だ。
「涼宮さんはあなたを信用している。あなたも同じくしてね」
 ハンサム野郎はぞんざいに両手を挙げてみせ、
「羨ましい限りですよ、実際のところね」
 それだけ言うと満足したのか、九組の方へと歩いて行った。
 

328涼宮ハルヒの願望 エピ2:2006/05/11(木) 00:42:07 ID:SKz3r1FY


 放課後、部室棟へ向かうと何故かSOS団の面子が揃いも揃って廊下でたむろしていた。
 古泉は肩をすくめ、朝比奈さんはひきつった笑みを浮かべ、長門はつい、と目線を廊下の奥に向ける。
 …またですか、長門さん。いや、涼宮さん。
 三人には胸の内で黙礼し、何とか遮蔽シールドが展開されているらしき文芸部のドアの前に立つ。
 今度は隙間は開いていない。だから容赦なくドアを開く。
 ハルヒがいた。それこそ鯉が川にいるかのように。
「あんだだけ?」
 見ての通りだ。
「ちょうどいいわ。あんたに話があるし」
 それはあの団員どもには聞かせられない話か?
「昨日言いそびれた事があったから」
 そう言うハルヒは、俺でも今までに見た事がないような笑顔だった。
「これから毎晩電話するの。もちろんあんたからね。それと毎週日曜は何処か行きましょ。遠くにね。きっと旅先には不思議が待ってるわ!」
 ああ…どうやら本当に大変なのはこれからのようだ。
「もちろん浮気は絶対に許さないからね。市内引き回しの上さらし首よ」
 だがこれだけは言っておく。俺はあの台詞を言った事に後悔はしてないぜ。
「ちょっと、聞いてるの?」
 ああ、ちゃんと聞いてるよ。俺は呆れながらも、こう言った。
「俺はこれからもずっと、お前といるよ」




「お前が望む限りな」







(終わり)
329名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 00:43:50 ID:ktYOTvxC
いえいえ、すばらしくGJですよ。
あまあまな生活も楽しみ
330名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 00:56:41 ID:ktYOTvxC
と思ったら終わりか。
でもすばらしきGJ
331名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 01:04:12 ID:xpIOnlXl
二人ともGJ!!
堪能させていただきました
332名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 01:44:18 ID:OKJNB8Uy
GJ!
ここんとこ、毎晩神が降臨してるな
333名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 01:49:17 ID:J8npdm5W
百合ってあった?
あるならタイトルきぼんぬ
334名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 02:03:23 ID:tho3oMEE
みんなGJ

きっと有希すらキョンの本名を知らないんだろうな
そして誰もそれを不思議に思わない
存在しないもの、つまりキョンこそが異世界人だったんだよ!!
335名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 02:15:27 ID:MGzGqo/L
>>334が核心を衝いた
336名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 02:20:10 ID:hpc6YE4A
なにをいまさらw
顔の描写があるだけマシ
337名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 02:27:05 ID:ltK7QVcT
まあ、キョンこそ異世界人って予想は誰もが一度は通る道。
338名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 02:33:20 ID:QfMnVpnL
いまんとこ異世界人候補はキョンかキョンの昔の恋人か鶴谷さんぐらいか。
たぶん未登場じゃなければキョンの昔の恋人があやしいな
339名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 02:40:34 ID:ktYOTvxC
うーん俺もキョンが異世界人だとは思う。
ただねそれは本当の意味での異世界人という意味ではない。
退屈な日常を送っていたハルヒにとってようやく自分の理解者が現れた。それがキョン。
さらに自分の意見や考えに文句を言いつつも共感した。
そして外見だけで判断し、告白してくる普通の男とは違い、内面を見てくれた。
さらにはキョンに特別な感情まで抱くようになった。
退屈だと思っていた世界に突如現れた変人(?)ということでいままでハルヒの中の世界にはなかった人物。
それはハルヒにとっては異世界の人物、ということになるのではないか。

というかエロパロ板で語る話でもないな、ごめん
340名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 02:43:04 ID:Z1TV0r42
なるほどなー
341名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 02:45:21 ID:tho3oMEE
いや、ギャグなんだから
なんだってーをやってくれないと痛い子で終わってしまう…

真の予想では異世界人でもなんでもないのに、人間なのにネームレスな存在
3(4)年前に生まれた脱け殻
342名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 02:53:32 ID:tho3oMEE
うわっ、タイミング悪!
>>341>>334の続きね

>>339
なるほど
343名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 02:58:45 ID:2Lw5FKNl
>>333
『朝比奈みくるの出発』ってのが確か
みくる×鶴屋さんだったような……うろ覚えだけど。
344名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 03:11:19 ID:waW0BU2z
異世界人はこの春の新入生だとばかり思っていたけど
>>339みたいなのだと綺麗だな。
345名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 03:33:27 ID:PJ8kUwgw
>>339の人気に嫉妬

といいつつなるほど。
346名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 07:12:54 ID:rQursaYk
SOS団結成時には目的に異世界人と遊ぶ項目がなかったから
もうその時点で達成してしまったとも受け取れる
347328:2006/05/11(木) 10:25:17 ID:SKz3r1FY
>326
とりあえずこれで終りです。ラストが微妙だったか…

次回作は鶴屋さんでかなり早めの卒業ネタ。また微エロになりそうですが。
348名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 15:24:28 ID:+aqQigdx
339
本スレで相手にして貰えないからってわざわざこっちに来てまで
相当自分の考察(笑)を聞いて貰いたかったんだね
349名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 15:45:39 ID:6ET8WIBz
保管庫の管理人大変だろうな
350名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 15:54:08 ID:1MaoaKrr
>>317
最初は >317氏のおかげで、
「なんて慎ましい官能小説なんだ」と勘違いした(´・ω・)ス
351かなり:2006/05/11(木) 18:53:45 ID:CXhW2PFJ
>>294>>328
GJ!
そして乙!!
キタ―――――(・∀・)-(´∀`)-(゜Д゜)-(*゜ー゜)-(゜∀゜)―――――!!!!!
神が光臨なされた。
352名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 18:55:26 ID:cXSROuo+
>>348
かわいそう
353sos:2006/05/11(木) 19:50:51 ID:j06RhVn0
鶴屋が出る作品読みたーい。色々な状況のレイプとか・・・監禁系とか
354名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 20:13:13 ID:P8NSltU4
>>353
鶴屋さんの場合「される側」ではなくてほぼ必然的に「する側」になると思われww
355名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 22:26:37 ID:CVQ2eVN6
うはっwwwアニメ化でもしかしてkskした?
いつのまに6thにwwww


>>1の最後コーラ吹いたwwwww
356名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 22:47:07 ID:dc3VcwDZ
>>355
色々と投下されてるから保管庫いってきたらいいよ。
あと呼びの保管庫もできたから。
357名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 22:57:39 ID:VM+Smhyu
それにしても投下多いなぁ‥仕事忙しかったりして2,3日スレ見なかっただけで大変だ。
GWよりは多少ましになったとはいえ‥まぁ神が多いことはいいことだな。

鶴屋さんがハルヒと共謀してキョンを逆レイプって話を書いてるんだが…
正直鶴屋さんのしゃべり方って書くの難しいな。何度も原作読み返しながら書いてる。
…書き終わるのいつになることやら
358名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 23:24:21 ID:LzWDd4U6
キョンによる朝比奈みくるの受精とかこないかなー
359名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 23:55:28 ID:3svUIdvi
「第2次世界大戦の敗北は、軍事力の敗北であった以上に、私たちの若い文化力の敗退であった」
――という書き出しで始まるライトノベル「角川ハルキの憂鬱」というネタをちらっと思いついたのだが、アップテンポな曲に乗って妙にいい動きで踊る角川社長の映像を想像してしまってなんともはや。
つーか、このタイトルだとなんか「3巻の終わりあたりで覚醒剤不法所持でヒロイン投獄、続く4巻『角川ハルキの消失』でヒロインのいない間に主婦の友社の介入で電撃王が……」みたいなちょっとアレなストーリー展開になりそうではあるが。
するとやっぱ2巻ではハルキ超監督が北京原人やら恐竜着ぐるみの超映画を撮ったりしちゃうのだろうか。うは。

そういや荒俣宏の「帝都物語」最終巻では神社の宮司になってたなぁ、社長。宇宙人と未来人と超能力者の代わりに魔人(加藤保憲)とロボ(學天測)と怨霊(平将門)でSOS団というのはどうか。
部室でいつも黙々と本読んでる學天測とかちょっと萌え……ごめん、嘘。
まぁ、自爆装置がついてる点は長門有希より上かもしれん。映画版の學天測の最期は涙なくしては見れませんて。
360名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 23:55:55 ID:rQursaYk
キョンと私の唇が触れ合った。わたし、今、キョンとキスをしている!
ハルヒ(あぁ、なんて幸せなのかしら……このままこの瞬間が永遠に続けばいいのに)






キョン「それで、俺たちは何回くらいキスを繰り返していたんだ」
長門「100000回。そのうち舌を絡めあったシークエンスが70000回。キスだけに留まらなかったのが4000回。順列組み合わせによる配列は」
キョン「ごめんなさいもう許してください」
361名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 23:58:13 ID:1un2aI36
>>359
液晶に茶吹いた
362名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 00:00:16 ID:DTuSpfmL
本名が分からないと
異世界人になるのか…
363名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 00:16:23 ID:2dwSGb7Y
「みくるーっ。おっはよーん」
 手を挙げつつ、今日も元気はつらつオロナミンGぐらいの快活さで笑いながら声をかけた。
「あ、鶴屋さん」
 坂を上っていたみくるが振り向いて手を振った。そのまま二人は並びながら学校へ向かう。
「昨日のあるある見たかいっ? お茶の種類ごとのおいしい淹れ方と健康作用について長々とやってたっさ」
「うそ。見逃しちゃった。ちゃんとチェックしておけばよかった……」
「あちゃ。ま、うちで録画してあるから、今度おいでおいで。いっしょに見ようっ」
 残念そうな顔をするみくるにフォローを入れる。
「ほんと? 鶴屋さん、ありがと。えっと、次の休みの日におじゃましてもいい?」
「うん、めがっさいいよっ。ついでに買い物にも行こう。色々セールしてそうだっ」
「セール? あ、そろそろ春物の季節かあ」
「ほえ? ちがうよみくるっ。一週間後にあるじゃないかいっ、女の子の一大イベント!」
 みくるはただ不思議そうな顔をしているだけだった。何も思いつかないらしい。
「あれあれ? もしかしてほんとに知らないのっ。あははっ。まぁいいや、そのうちわかるっ」
 談話しているうちに校門が見えてきた。

 そしてつつがなく一日は終わり、放課後になった。
「それじゃ鶴屋さん、またあしたに」
「ほいほい、SOS団がんばってきてちょんっ」
 手をにぎにぎしながら教室から出て行くみくるに、笑顔と手の左右で応える。
「さてさて、あたしは帰りますかっ」

「印籠だーっ! ははーっ。あっはっは、みんな土下座してるっ」
「お嬢様、お電話が入っております」
 こざっぱりした和服を着てテレビに大笑いしてると、使用人が戸を開けて声をかけてきた。
「ご苦労様っ。えーっと、内線ボタンはこれかっ。もしもしっ、鶴屋です」
『お忙しいところ済みません――』
「いや、別にいいっさ。それよりキミがうちに電話するなんてめずらしー。あ、チョコの催促?
心配しなくてもちゃんとあげるにょろよっ。いっぱいもらえるから心配してないかなっ?」
『そうだったらいいのですが……いえいえ、チョコのことではありません――』
「んーっ?……へえーっ……ふむふむ……ほーっ……なるほどっ、わかったにょろ! まかしてっ」
『それではよろしくおねがいします。くれぐれもこの話はご内密に』
 切れた子機が手に残った。
「うーん、明日から面白くなりそうだっ。それにしても最後の言葉……ぷぷっ……
さっき越後屋が言ったのといっわっはっはっはっは! あーっはっはっはっは。ひーひひお腹がよじれるっ」
364名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 00:17:47 ID:2dwSGb7Y
「あはははっ。すんげー笑えるこの裏技っ。わっはっは」
 結局、翌日も学校では特になにもなく、自宅で大笑いしている鶴屋さんだった。
「測量コーナーだっ。今日はどこの地図を作るんだろ……はれ? お客さん?」
 インターホンの音に、笑い顔のまま疑問符を頭の上に乗せた。
「もう、誰だいっ。人がせっかく大好きな伊能家の食卓を見てるのにっ」
 首をちょろんっと動かして防犯カメラのモニターを見る。
「あれあれっ。みくるとキョンくんだ。めっずらし」
 さっと立ち上がると戸を開け、下駄をはいて玄関へ向かった。
 そして玄関に着くと、かんぬきに手をかけながら声を向こうへ放った。
「ちょい、待つっさ!」

「こんばんはっ、みちるさん」
「こ、こんばんは。よ、よろしくお願いします、えーっと、つ、鶴屋さん」
 キョンはじきに帰り、みちると二人で離れに残った。
「あははっ。その反応、お姉さんのみくるにそっくりだっ。最初会ったときまんま。さすが双子っさ」
「ええっ、そ、そうだったっけ……じゃない、そ、そうなんですか」
 最初キョンとともにいたのはみくるだと思っていたが、実はみくるの妹のみちるだった。
 しばらく預ってもらえないかとキョンに乞われ、快諾した鶴屋さんは、みちるの返事に笑いながら、
「そんなに緊張しなくてもいいよっ。みくるとあたしは大の親友なのさっ。お姉さんのことで
なにか聞きたいことがあったら、なんでもいってちょんっ。ところでごはんは食べたかい?」
「え、はい、ありが、あ、いえ、まだ、です」
「よしっ、それならごはんを食べようっ! そのあとでいっしょにお風呂!」
365名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 00:18:48 ID:2dwSGb7Y
「入るよーっ、いいかい?」
「ど、どうぞ……」
 鶴屋家だけあって、銭湯のような広々とした浴室だった。
「いやーっ、やっぱ裸と裸のつきあいがいちばんだっ。みちるさんもそう思わないかいっ?」
「はい……ってつ、鶴屋さん、せめてタオ」
「そういうわけで、これは没収っ!」
 同意しながら振り向いたみちるが見たのは、前も隠さず堂々と入ってきた鶴屋さんだった。
 有無を言わせず、みちるが手にしていたタオルも奪い取り、みちるの横に座る。胸を見て、
「うーん、大きいっ! みくるに勝るとも劣らないねっ。ヒケツでもあるの?」
「え? いえ、特になにも……それに大きくてもわたしみたいな小柄な体型には合いませんし……」
「そんなことないよないっ。ハルにゃん……あ、みくるのいる部活の団長さんなんだけど、
そのハルにゃんがね、『あたしももうちょっと巨乳でロリなら』なんて言ってたんだよっ。
たぶんねっ、誰かさんの視線をよく独り占めしてるみくるがちょっとうらやましいんじゃないかなっ」
「うそ。そんなことを涼宮さんが言ってたんですか?」
「うん、だからさっ。みちるさんも気にすることないよっ。むしろもっと大きくしようっ」
 そう言いながら、唐突にみちるの両胸をわしっとつかんだ。
「わっ、鶴屋さ……ふわっ、くすぐった、わふっ、やめっ、直はほんとに……感じてあぶな」
「わははっ、みくるもハルにゃんに耳はむはむされたり色々されたそうだよっ。みちるも
慣れとかないとねっ。なんならあたしのも揉んでくれっ。あたしももう少し大きくなりたいっ」
「あふっ、そ、そう、わたしはいまみちるなんだった……も、揉んであげますっ」
 なにに思い当たったのか、吹っ切れたようにみちるも手を伸ばして鶴屋さんのを揉み始めた。
「んっ、こそばっゆいっ。しっかし……これだけ大きいと……ん……肩凝りそうだねっ」
 お互いに両腕を出して揉み合うのは無理なので、自然と片方ずつ手を出している。
「それは……ひんっ……悩みの種です……寝るときも……あんっ……圧迫感が……」
「大きいのも……あはっ……それはそれで……ふぅ……大変なんだねっ……んんっ」
 とりとめのない会話をしながらしばらく揉み合っていたが、
「つ、鶴屋さん……あたしもう……」
 上気しきった顔で、みちるがか細い声をあげた。瞳も心なしかいつもと色合いが違う。
「あっ……あははっ。やりすぎちゃったかなあ? 背中流しっこしてお風呂入ってあがろっ」
「えっ?」
 目をぱちくり。意外そうな声をあげた。
「なにが『えっ?』なんだいっ、みーちーるー?」
「い、いえ……」
「布団は離れに敷いてあるよっ。誰もきやしないから、火照りをさましたいのならごゆっくりーんっ。んふふっ」
 いつもよりちょっと含みのある笑い声とともに、鶴屋さんの手が胸からシャンプーに移った。
「……鶴屋さんの、いじわる……」
366名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 00:19:45 ID:2dwSGb7Y
「おっはよーん」
「あ、鶴屋さん。おはよう」
 教室の戸を開けて、みくるに元気良くあいさつした鶴屋さんは、そこでなぜか
しげしげとみくるの顔を見つめた。
「? 鶴屋さん、あたしの顔になにかついてる?」
「うん、ごはんつぶついてるよっ、ほらっ」
 言いながら、みくるの唇近くを指でなで、その指をぱくっとくわえた。
「ひゃっ。もうっ、言ってくれるだけでいいのに」
「あっはっはっ、ごっめーん。次からはちゃんとそうするっさ」
 舌をペロリと出す鶴屋さんに、みくるは思案気な顔になる。
「……あれ? あたし今日の朝食パンだったような……」
「じゃ、パンくずだったのかもっ……むぐむぐ。これはパンの味だっ。間違いないっ!」
「うう、パンくずつけながら登校してたなんて、恥ずかし……」
 顔を赤らめてうつむくみくるの肩をポンと叩いて、
「気にすることはないよっ! みくるなら絵になるっ!」
 自信満タンでフォローなのかよく分からないようなことを言った。

「むむう。どこだっ。出てこいこい」
 家に帰ってから、ごそごそ蔵をあさる鶴屋さんがそこにいた。
 使用人に聞いたところ、みちるはキョンとどこかへ出かけたらしい。
 その間に、頼まれてたことをしている最中だった。
「そこだっ。あんたはもう包囲されてるっさ!」
 腕を伸ばす。手がつかんだのは古ぼけた葛篭だった。フタをかぱっと開ける。
「ありゃっ。ぼろっちぃ紙切れだけか。これじゃないないばーだよっ。む?」
 紙切れをつまみあげてしげしげと眺める。
「むうう。ひょっとしてこれも? そういやハルにゃんとの約束があったなぁ、えいっ」
 無造作に紙を袖に放り込み
「さてさて、隠れてないでさささっと出てきたほうが身のためだよっ」
 再びあさり始めた。
367名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 00:21:21 ID:2dwSGb7Y
「みちる、今日は大変だったみたいだねっ」
「いえ、そうでも……」
 蔵あさりからしばらくして、みちるがキョンといっしょに帰ってきた。
 途中から雨に変わったらしく、少し濡れた格好の二人だった。
「キョンくん残念だったなぁ。みちるもそう思わないかいっ? いっしょにお風呂入るの」
「ふえっ? い、いえ、さすがに男の人と混浴は……」
「あはははっ、冗談冗談っ。キョンくんだってちゃんと分かってくれてたよ?」
 少し土っぽくなってた二人に、鶴屋さんは混浴風呂を申し出たが、キョンは固辞した。
 そのまま帰りそうなキョンに、蔵あさりで見つけた巻物を押し付け、傘を貸し見送ったのが
ついさっきで、今は屋敷へと歩みを進めているところだった。
「でも、キョンくんっていい男だよねっ?」
「え……はい。みくる……お姉さん、に声をかけられなくて困ってたわたしの面倒を見てくれましたし」
「ひょっとして惚れたっ?」
 ぶしつけな質問をぶつける。みちるは戸惑ったのか、恥ずかしいのか、もごもご口の中で反芻する。
「えっ?……この時代……でもいまわたしはみちるで……別に問題ないし……」
「どした、みちる?」
「い、いえっ、別になにも。うん、少し、いえかなり気になります。こんなに親切にされたの始めてです」
「ふふふうん? ならお姉さんの親友としては、応援してやらないとねっ! みくるもキョンくんのこと
気にいってると思うんだけど、あの子奥手だからっ。バレンタインデーすら知らないのはどうしようもないっ!」
「あっ……そ、そうですね。さすがにバレンタインデーを知らないなんて」
「そう思うよねっ? みちるはみくるより、だいぶお姉さんっさ」
 なぜかみちるは慌てたように、
「わわっ、そ、そんなことないですよう。わたしは妹です、妹」
「? まあいいや、お風呂お風呂っと。それからごはんだっ!」

「ごちそうさまっ!」
「……ごちそうさまでした」
 お風呂に入ったあと、いい旅夢心地を見ながらごはんを食べ終えた。
 なぜかみちるは、不満そうな、物欲しげな顔をしたまま箸を置いた。
 鶴屋さんは、それには全然気付かない様子で、
「それじゃみちるっ、いい夢を見るんだよっ。あたしはもう寝るっさ」
 さっさと自分の部屋へと引っ込んだ。
「……」
「……また揉んでくれても良かったのに……」
368名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 00:22:52 ID:2dwSGb7Y
とりあえずここまで書けた
残りはそのうち
369名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 00:23:57 ID:jyBkASKs
鶴屋さんがイイね。上手い。
370名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 00:47:14 ID:kcel0L+W
おっぱい(*´д`*)ハァハァ
371名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 00:48:23 ID:pM9sQUR3
GJ! 百合もいいね。
しかし鶴屋さんはネタにしやすいんだが口調のせいで作家から敬遠されてる気がする。
いや、似せるのムズイと思うよ。ほんと。
372名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 01:00:15 ID:Rh0ZGfmt
GJ
やっぱり変化球もいいね
次は国木田×キョンの妹で行ってみようか
373名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 01:02:36 ID:CJVBnjug
焦らしの鶴屋さんGJ!
いいね。俺もこれだけうまくかけないものか・・・
374にょ ◆Z4nH.EB2uo :2006/05/12(金) 02:33:05 ID:vC6s7yRq
 何気に鶴屋さんネタ初めて読んだw
 続きが楽しみw
375名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 02:51:14 ID:DsUx/goY
めがっさGJ!
376名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 03:52:05 ID:bFVlT0My
GJ!!
鶴屋さんがいると華やかだね。

この先キョンは絡むのだろうか?
377名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 06:13:49 ID:2dwSGb7Y
かなり中途半端なところで終わってるから一区切りつけとこ。
タイトルはいちおう、まんまの「鶴屋さんの陰謀」
以下>>367の続き。エロは俺の描写もだけど、鶴屋さんも向いてないな
378名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 06:14:32 ID:2dwSGb7Y

「あ、ハルにゃん?」
 自室に入った鶴屋さんは、携帯でハルヒに電話をかけていた。
「うん、ごめんよこんな遅くにっ。それでさ、だいぶ前にハルにゃん言ってたしょ?
宝の地図があったら欲しいーって」
 電話の向こう側のトーンが急に上がった。
「そそそっ。なんと今日、蔵をあさってたらみっかっちゃったっ。うちのご先祖さまのっ」
 さらに2オクターブぐらい上がった。
「あはははっ。それでハルにゃんに教えようと思ったら、偶然、うちの前をキョンくんが通ってさ。
シャミの散歩中だったみたいだけど、ついでによろしくしちゃったっ。明日キョンくんからもらってちょんっ」
 急にトーンが下がってぶーぶー言い出した。
「わははっ、ごめんよう。それじゃまた明日ーっ。ん? なになにっ?」
 言うだけ言って切ろうとした鶴屋さんに、向こうから声がかかる。
「……なるるっ、ほいさ。それじゃ明日、放課後おじゃまさせてもらうねっ。ばいばーい」
379名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 06:15:17 ID:2dwSGb7Y

「やっほーい! 来たよんっ。入っていいかーいっ?」
 放課後。SOS団の部室のドアをノックしながら、鶴屋さんが声を上げた。
「待ってたわ。どうぞどうぞ。どんどん入っちゃって!」
 珍しく、ハルヒがドアを自ら開いて招き入れる。
「やあ、みくる以外のみんな! 久しぶりねい。ああっ、キョンくんは昨日会ったっけね?
シャミいいなあシャミ、またつれて来ておくれよ!」

「そだっ。みくる、明日買い物できなくなっちゃったねっ」
 宝探し特別ミーティングが終わったあとの下校中、ハルヒとともに先陣を切っていた
鶴屋さんが後ろを振り返り、みくるに声をかけた。
「あっ、そうでした。ごめんなさい鶴屋さん。あるあるも見せてもらう約束だったのに」
 SOS団とともにいるせいか、みくるの口調は二人きりのときより固い。
「みくるちゃんと鶴屋さん、遊ぶ約束してたの?」
 横にいるハルヒが会話に加わってくる。
「うん、実はそうだったんだよねっ。でもさ、みくるっ。気にしなくていいよ。あたしも
ひょっこり用事を忘れれてさっ。この宝探しがなかったら、謝ってたのはあたしのほうだったからっ」
「そうなんですか。セールって、明日じゃなくても間に合います?」
「セール? なにそれ」
 ハルヒが疑問符を浮かべた。
「ハルにゃん、そりゃもちろんバレンタ」
「鶴屋さん! わかった、わかったからその先は言わないで、お願いっ!」
 いきなり大声を上げたハルヒに注目が集まる。ハルヒはやや気まずそうに、
「な、なんでもないの。ただちょっと、今あまり耳に入れたくない言葉だったから」
「ふふーん? ハルにゃんにそんなものがあるなんてねーっ?」
 わざとちらちらハルヒとキョンを交互に見たりする鶴屋さん。古泉にもちらっとついでに目線を送る。
「つ、鶴屋さん! もういいでしょ、この話はおしまい!」
 強引に打ち切って、ハルヒは歩くというより走ると呼んだほうがいいような速度で坂を下り始めた。
380名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 06:16:21 ID:2dwSGb7Y

 家に着いたと思ったらインターホンが鳴った。鶴屋さんはかばんだけ放って、玄関へ戻る。
「来ると思ったよっ」
 さっき別れたキョンがそこに立っていた。手招きして、離れへ案内しながら、
「で、どうなんだい? あのみちるちゃんは、いつまでうちの座敷わらしをやっててくれるんだい?」
「そいつはちょっとまだ解りませんね。ですが、あと数日でいいはずですよ」
 キョンが答える。それでいいかどうか、返答を待っている感じだ。
「あたしだったらいつまでも置いときたいからいいよっ。いやぁもう可愛い可愛い! 同じ家にいると
学校じゃ解らなかったみくる……じゃなかったね、あの娘の可愛さを新しく十二個ぐらい
発見しちゃったさ! 抱いて眠りたいくらいだねっ」
「……まさかやってんじゃないでしょうね、そんな羨ましいことを」
「いんやっ。一緒なのはお風呂くらいさ。みちる、何か言おうとするたびに、これ言って
いいのかなって悩む顔するんだよ。それがまた大層可愛いんだけどっ。ちょっと
かわいそうでもあるね。気にしなくてもいいのにさっ」

「あ、キョンくん……」
 離れにいたみちるは、キョンの姿をとらえると、安堵の溜息をついた。
「鶴屋さん、すみませんが俺と朝比奈――みちるさんと二人にしてもらえませんか。すぐすみますんで」
「ふふふううん?」
 それを聞いた鶴屋さんは面白そうに、
「二人っきりに? この狭い部屋でっ? いいけどねっ」
 含み笑いをしたあと、みちるに近寄って耳打ちをする。
「みちる、チャンスだよっ。前にも言ったけど、離れには誰もきやしないからっ。コクるんだっ。
お姉さんがどうとか今は考えちゃいけないよっ。みちるは朝比奈みちるなんだからっ」
「ええっ!?」
 驚くみちる。なにごともなかったように鶴屋さんは立ち上がると、
「じゃあ、あたしは着替えてくるよ。うふふふん? ごゆっくり〜ん」
 にやけ加減の笑いとともに、ふすまを閉めた。
381名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 06:17:22 ID:2dwSGb7Y

「やぁやぁっ。ずいぶんゆっくりだったね! ほんとにキョンくんっ、なんかしてたんじゃないだろうねぇっ」
 普段着に着替えた鶴屋さんがニコニコ顔で離れの戸口で待っていた。
 キョンは頭は別のところに行っているらしく、生返事をするばかり。
 みちるは恥ずかしいのか顔をうつむいていた。そのままキョンは自宅へ戻っていった。

 キョンが見えなくなったのを見計らって、
「さぁさぁっ。どうだったみちるっ? あははっ、ここまでお膳立てしたんだからもちろ……」
「う……うう、うっ。ぐすっ、ひっく……」
 成果を聞こうとした鶴屋さんが見たのは、顔を覆って泣きじゃくるみちるだった。
「みちるっ?」
「ごめんなさい、鶴屋さん……うっ……ダメなんです……言っちゃダメなんです……
あたしだって言えるのなら言いたい……ぐす……でも、ダメなんです……禁則事項が
禁則事項になって禁則事項で、禁則事項をすると、禁則事項が禁則事項になって……
ひっく、うっ……キョンくん……キョンくん……キョンくん……うう……ぐすっ……」
「みちる……」
 言っている内容はよく分からないが、鶴屋さんは後悔の念に襲われた。
「ごめんよう、みちる。あたしが軽く考えたばっかりに」
「いえ……鶴屋さんが悪いんじゃないです……ひっく、むしろ、あたしが悪いんです」
「そんなこと――」
「そうなんです! あたしにもっと知る権限があれば……あのときも、あのときも……」
「……」
「ごめんなさい、鶴屋さん。なにを言っているのか解りませんよね。ごめんなさい」
「みちるがそんなにあやまることじゃないよっ! みちるはやれることはやってる!
みちるのやれないことを押し付けるほうだって、責任はあるんだよっ」
「鶴屋さん……?」
「あたしにもみちるの苦しみを分けさせておくれっ。それが親友だよっ!」
「鶴屋さん……」
 みちるは涙を拭いて、鶴屋さんを見上げる。
「鶴屋さん、それじゃ、一つ頼んでもいいですか?」
「なんだいっ?」
「キョンくんへの想いを……この任務の間だけでもいいので、忘れさせてください」
382名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 06:19:00 ID:2dwSGb7Y

「……みちる、始めるよっ?」
 全裸になった二人は、浴室で向かい合っていた。
「お願いします……んっ……」
 唇と唇を合わせる。その隙に鶴屋さんの手は胸をおさめ、揉みしだく。
「んっ、んんっ……あふっ、ひゃっ」
「ぷはっ、感じるの早すぎじゃないかいっ、みちるぅ?」
「だって……鶴屋さんがさんざん焦らすんですもの……」
 いつもの鶴屋調が戻った鶴屋さんに、みちるが口を尖らせてすねてみせる。
「あははっ。かわいいなあ、みちるはっ。かわいい子にはおしおきっ!」
「えっ?……わふっ、ひぁ」
 みちるの豊満な胸にかぶりつく。耳を甘噛みするように軽くついばんでいく。
「つ、鶴屋さん……あんっ、それはきつすぎ……ひぅっ」
「ちゅっ、ちゅっ、はむはむっ。ん? なんだいっ。よく聞こえないなぁっ」
「はぁっ、ふぇっ、い、いじわるっ……」
「うふふふん? そう、実は鶴にゃんはいじわるなのさっ。だからこんなことも……」
 言いながら、手をさらに下へと這わせる。
「っ!」
 みちるの体がビクッと敏感に反応する。すっと指を滑りこませる。
「うわっ、しとどに濡れてるっさ。みちるはエロいなぁっ」
「はっ、はっ、はぁっ……い、言わないで……お願い」
 涙を浮かべて甘い声で抗議する。鶴屋さんは舌でぺろんっと涙をすくいとって、
「そんなことを言うのはこの口かいっ?」
 と指を出し入れする。
「ひぁっ、ち、ちがっ、そっちはしゃべれ、あふぅ」
「こっひもついへひっ、んっ……んん……じゅるっ」
 唇を再びふさいで、舌をからませ、唾液を交換し合う。
「んんっ!……んふぅ……んっ……はぁ……はぁ……」
 みちるの目は潤み、焦点もぼやけた感じであえぎ声が目立ってきた。
「はぁ……鶴屋さん、あたしもう……」
「……んっ。ならっ、これで、いっちゃうっさ!」
 右手で左胸の乳房をつねり、口は右胸に吸い付き、左手でつまみあげた。
「っ、ぁあんっ!」
 体をびくんっと大きくしならせ、みちるは崩れ落ちた。

「ふぅっ……はぁ……んっ」
 鶴屋さんも荒い息をついていた。しばらくして、みちるが身を起こす。
「はぁ……はぁ……鶴屋さん、どうもありがとう」
「どう?……忘れられそうかいっ?」
「ええ……たぶん……でも」
「でも?」
「……あたしだけイクのはずるいでしょ?」
「えっ? いや、あたしは別にいかなくてもいいかなって」
「そうは問屋が卸しませんっ!」
「わーっ、みちるがSになったーっ!」
383名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 06:21:17 ID:2dwSGb7Y
ここまでやっときゃ次に間があいても格好つく気がするので
384名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 06:28:20 ID:JaLWW4dY
ちょwww
メインディッシュのまえでおあずけ状態www
385名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 06:31:24 ID:X5tpkmAG
リアタイ乙!
386名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 06:35:12 ID:2dwSGb7Y
え? ああ、次鶴屋さんのエロシーンから始める気は全然……
というか鶴屋さんのエロシーンがあるかどうか自体……
攻める側ならあるだろうけどさ
387名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 07:18:14 ID:TCDpCULf
朝シャワー浴びてたら、長門×古泉の妄想が頭をよぎった。

…書いても問題ないのだろうか。。。
388名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 07:26:21 ID:lmIvvbWP
>>387
何の問題もない。
389名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 07:27:16 ID:m6Sq8L6Y
全裸で待機するとしよう
390名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 07:28:24 ID:TCDpCULf
把握した。
しかし妄想から文に起こすのは今日の仕事後なので
週末に隙をみて投下してみる
391名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 08:11:32 ID:EbJvwM3L
エロい神降臨GJ
392名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 14:36:52 ID:JaLWW4dY
ハルヒの能力が段々と沈静化してるのは新展開の伏線なんだよ!


時空の歪みが正常化されているのを観測したので、みくるは未来へ帰ることに
卒業と同時に遠くの大学へ進学するとカムフラージュして、姿をくらますらしい
みくるはキョンの心がハルヒにあることを知りつつも、最後の思い出にキョンに思いを告げ、身体を重ねる
一方、ハルヒが通常人類と同じになって面白くないのは情報統合思念体で、長門を通じてハルヒとキョンにちょっかいをかける
長門は「指令だから」と自分を騙しつつ、しかし確かな思いを秘めながらキョンと関係をもつ
ニヤニヤし続ける古泉と鶴屋さん
そして急にキョンに対する態度が変わった女子団員に焦りを隠せないハルヒ
彼女らがキョンと肉体関係を持ったことを知ったハルヒはそのとき……!

つづかない
393名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 15:31:51 ID:IUqj4Vff
クター「だ〜いじょうぶ! 値段ならたった今考えたから」

言ってみろ。

皆の衆〜、お知らせしよう。
新しく発売するPS3の価格は、今、ここに決定した!

クター「62,790円!」

 ソニーが
 大いに譲歩した上での
 59,800円

税込み、62,790円である。そこ、笑っていいぞ。

本来なら、

 ソニーが
 大いに譲歩した上での
 39,800円

とでもすべきなんだろうが、なにしろまだ開発費回収の見込みすら立ってない上に、
何をする機械なのかも分からないのである。

クター「だったら高級レストランでいいじゃない!」

意味不明なクターの一言により、めでたくそのように決まった。
好きにしろよ、もう。
394かなり:2006/05/12(金) 17:43:55 ID:sVIAH9YO
>>368>>383
GJ!
乙。
>>392−393
それ何?
SS書きたいならまじめに書け。
395名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 18:41:28 ID:Fxp5Dau7
>>393
ワロスwwwww
396名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 19:15:17 ID:ZgDmdOnq
>>393
不覚にもワロタ
397392:2006/05/12(金) 19:16:00 ID:JaLWW4dY
すいません
398名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 19:23:53 ID:s/osherv
>>397
俺は好きだぞ。続けてくれれば尚更いいけど。
399名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 20:04:28 ID:5XNiAyYC
>>392はスレ違いだが>>394みたいなのもうざいけどな。
自分は何もしない(出来ない)癖に態度だけは一人前。
そのくせコテと目欄で自己主張は忘れない。
きっと、自分はスレに必要な人間だと思ってるんだろうなぁ。
400名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 20:24:58 ID:Jx197zsZ
>>387古泉受けか、面白そうだ
401名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 20:58:21 ID:bFVlT0My
>>399
えっ!?>>392はスレ違いなの?
元ネタは何?
402名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 21:02:50 ID:JaLWW4dY
いや別に元ネタないよ
オリジナル
403名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 21:26:42 ID:s/osherv
>>401
ただのアンカーミスでしょ。
×392
○393
404名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 22:09:32 ID:s/osherv
>>900よろ
405404:2006/05/12(金) 22:09:53 ID:s/osherv
すまん誤爆った
406名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 22:27:12 ID:MHRvTimR
>>404
>>405
ID:0hiqa52tか?
407404:2006/05/12(金) 22:37:20 ID:s/osherv
>>406
それがどこのIDか知らんが俺が誤爆したのはアニメ本スレ。
408404:2006/05/12(金) 22:40:42 ID:s/osherv
>>407
ああアニメ本スレにそのIDあるな。
違う別人。

スレ違いスマン。
409にょ ◆Z4nH.EB2uo :2006/05/12(金) 22:42:26 ID:vC6s7yRq
 >>378-382
 GJ!
410名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 23:45:39 ID:taMKw7rT
今夜は久々に平和だな
411名無しさん@ピンキー:2006/05/12(金) 23:45:41 ID:r+b4vRWD
誰かの規制に巻き込まれてカキコ出来んかった・・・
ようやっと解除されたよ・・・
しばらく見ないうちに結構SSが。
みんなGJ!
412名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 00:01:59 ID:QVFULXMV
>381のキョンくんキョンくん言いながら泣きじゃくるみちるにえらく萌えた。っさ。
413名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 01:15:01 ID:qvCKww9P
>>397
NG登録とスルーを覚えるんだ。
SS書きを志すなら必須のスキルだ。
414名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 02:14:16 ID:Gu4ILb8Q
>>397
今のこのスレはアニメ放送前のこのスレとは別物だと思え。
ねぎらいどころかつまらんの一言でスルーされることもあるってことだ。
415名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 02:19:53 ID:no/uM5aP
なぁに
かえって耐性がつく
416名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 04:11:50 ID:Vyyq94wq
417ハルヒ×キョン 自慰編:2006/05/13(土) 04:30:33 ID:6WVuM0Dx

 「おまたせー!!さぁSOS団のミーティングを始めるわよ!!」


放課後、部室にいつもの勢いで突入した涼宮ハルヒは、部室に誰も居ないことを見て取るや否や、
自分が、「プツッ、サー」という終業ベルが鳴る前に放送機器の電源が入れられることによる
スピーカーのノイズを聞くや否や教科書ノートを鞄に収納しつつ、キョンに
「今日ミーティングだから遅れたら死刑よ!」と伝え、ベルが鳴ると同時に教室を飛び出して来たことを思い出し、
他の団員がそんなに早く来られるわけないことに気づいた。

 「ちぇっ、みんな遅いんだから」

そして彼女は、キョンが今週掃除当番だったことを思い出した。

 「遅れたら死刑なんだから・・・」

と言いつつも、彼女の、彼が本当に死刑になったら自分は楔を抜かれた天守閣のように
あっという間に崩壊してしまうだろう、という想いが、キョンの遅刻の度に死刑の恩赦が出ることを証明していた。



いつの頃からか解らないが、キョンは、涼宮ハルヒにとって、次のような存在になっていたのである。

      S≪K≦L   (ただし、K≡キョン、S∈∀同級生、L≡想い人)

日本語に変換すると、彼女のとってのキョンは、任意の同級生より遥かに無視できない存在であり、
想い人に限りなく近い、というか、想い人なのであった。
そして、四月の入学以来、コンデンサーに蓄えられる電荷量のごとく、時間が進行するにつれ段々、しかも急速に、
要するに指数関数的に、想い人に収束したのだ。
この関係を表す式は、文系の私には微分方程式がサッパリなので割愛させて頂く。

閑話休題
とにかく、彼女はキョンが好きになったが、その想いを伝えるまで至っていない。
何を言いたいかというと、涼宮ハルヒは、想いを伝えられないことが原因で、たまに
「空気を抜く」ことが必要な状態にあるということだ。


 「まだ誰も来ないよね・・・」



ハルヒは、パソコンを立ち上げると、小文字のEが描かれたアイコンをダブルクリックし、ホームページに設定してある
SOS団のカウンターに貢献したあと(あと少しでキリ番だ!)、手馴れた手つきでURLを入力する。
そして、英語のサイトが表示された。


"This page is for ADULT only. Are you an adult? Yes/No"


要するに、涼宮ハルヒは、海外の成人向けサイトを閲覧しようとしているのである。
ここで、どうして教育機関のパソコンから海外のアダルトサイトにアクセスできるか疑問に思った方がいるかもしれない。
詳しい経緯は省略するが、校内でこのようなサイトに接続できるのはこのパソコンだけで、コンピ研部長がセクハラ写真で脅されて
仕方なく接続可能にした、というのが真相だったりする。


そして、彼女は、古泉だったら数えていたかもしれない、生涯何千回目かの嘘をついた。
418ハルヒ×キョン 自慰編 2/5:2006/05/13(土) 04:32:02 ID:6WVuM0Dx
 「・・・はあっ・・・あぁん・・・・・・あはっ・・・」

顔が僅かに紅く、息遣いも少々荒い涼宮ハルヒは、パソコンの椅子に、ふんぞり返ったような格好で座っていた。
無論、威張っているわけではない。
むしろ見つけられたら威張ることなど到底不可能な行為をしているのだが。

 「や…ぁ……あっ!あん……キョン…はぁっっん、ん…っ、ぁ…」

彼女の右手は鼠径部にのびており、そこを隠すべき青い布は
彼女自身によって捲られ、そこを覆うべき白い布は取り払われていた。
赤子の頭のような薄らとした黒に覆われた秘所は、普段触れることの無い外気に触れたせいか、
はたまた彼女の繊細な指に這われたせいか、じわじわと湿りつつあった。

コンピ研から強奪したパソコンの液晶ディスプレイに表示されているのは、
外人のグラマーな美人が、筋肉隆々な男の剛直に貫かれている写真だった。


 要するに、涼宮ハルヒは、自慰行為を、行って、いる。



一言申し上げると、涼宮ハルヒは他人の性交を見て発情するような単純なことはしない。

涼宮ハルヒの優れた脳、即ちSSブレインの中では、
写真のグラマー美人は彼女自身に、
筋肉隆々男はキョンにそれぞれリアルタイムで脳内変換され、
なおかつ動画化の上、サンプリングされた音源を元にフルボイス化されているのである。
さすが情報統合思念体が目を付けるだけある生命体、凄まじい想像力だ。

そして左手は、器用に右利き仕様の光学式マウスを操作している。
ブルーメンフェルトの左手のためのエチュードをホロヴィッツ並みとはいかないまでも
相当な勢いで弾けるほど左手が回る彼女にとって、マウスを左手で操作することなど朝飯前なのだ。


やがて彼女の指は硬く充血した突起を捏ね回し始めた。

 「あっ!あっ!あぁん……はあっ!…ぁあ・・・」

軽く絶頂を迎えた彼女は、続いて中指を蜜壺に差し込んだ。

 ねちゃり。

すでに十分すぎるほどの量の蜜を湧出していた快楽の壺は、何の抵抗もなく彼女の細い指を受け入れる。

 「ひゃあっ!ああ……んっん………はぁん…」

ハルヒは柔軟に手首を使い、中指を往復させ始めた。
クチュクチュ、と卑猥な音を立てる。

しかし、直ぐにそれは止まった。

ハルヒがこうして自慰行為をするのは2,3回目のことではない。
回数を重ねるにつれ、中指では満足できないようになって来ていた。
代わりになるものを探すべく、部室にある備品をトレースする。


そして、それは見つかった。
419ハルヒ×キョン 自慰編 3/5:2006/05/13(土) 04:33:38 ID:6WVuM0Dx
岡部のせいで随分掃除が延びてしまった。
ハンドボール馬鹿の他に掃除馬鹿というあだ名でも献上してやろうかと思う。
さて、授業終了から20分も経過している。
ハルヒに殺されるところまではいかないにしろ、何らかの懲罰を受ける可能性がある。
今月は財政状況がソ連崩壊直後のロシアに匹敵するほど悪く、寒い。支出は極力避けたいところだ。
それならまだいい。
例えば、朝比奈さんがとばっちりを食うような状況は、男として断じて避けなければならない。
ハルヒは、不機嫌だと朝比奈さんに対する態度が随分変わる。いわゆる「いじめ」モードである。
朝比奈さんをハルヒの不満の捌け口にするわけにはいかない。

とにかく、急ごう。

そんなことを考えつつ、俺は小走りで男子トイレに入っていった。
誰も居ない。
温泉で他の客が居らず貸切になった状態を思い出す。

さて、突然だが、本当に突拍子も無いことを言おう。
放尿で快感を感じるのは変態だろうか?
変態とまでは行かないにしろ、何とかフェチに分類されるのだろうか?

しかしそういう分類は勘弁願いたい。不可抗力である。
何しろ、30分ほど我慢していたのだから。もはや膀胱の限界、安全弁作動寸前である。
まあ、スリーマイル原発の圧力逃がし弁みたいに開きっぱなしな状況にないことは、感心である。
素早くファスナーを開放し、構える。
バルチック艦隊に打たれつつじわじわ接近する戦艦三笠の主砲砲手のごとく待たされたおれは、
司令長官の砲撃命令が脳から発令されるや否や、電光石火で前立腺を緩めた。

 「うっ………はあ・・・・・・」

とにかく、童貞の俺にとってはオナニーに次ぐ極上の快感だったのだろう。思わずため息をつき、目を閉じた。


普段なら真っ暗に見えるはずの俺の瞼の裏側。
そこに、涼宮ハルヒが、いた。

「あはん!だめっ!はぁん……キョン……や…ぁ……あっ!あん……キョン…はぁっっん、ん…っ、ぁ…」


なぜここで、我が親愛なる独裁者が、脳裏に、しかも裸で、性交の相手として、出てくるのか。
深層心理とか何とか、そういうものか?

表層的には朝比奈さんファンだけど、心の奥底に、ハルヒに対する純粋な想いが隠れていて、
普段は彼女の行動のせいで隠れてしまって出てこないが、何か「鍵」になるもの、そうだ、
この快感によって、奥底に隠れたものが展開されたというのか。

……まあ、そんなところか。妙に納得。案外本当かも。
いかれたところはともかく、容姿知性体力全てのバランスがあのような高度なレベルで拮抗し合っている女性を、
俺は見たことがない。驚異的という点では、ゼロ戦に初めて出会った米海軍の戦闘機パイロットに状況が似ている。

そして、何より。
俺は、ハルヒが、好き、だったんだ。
今、初めて気づいたこの感覚・・・・・・

そして、米海軍がゼロ戦の全てを知ったのは、
彼らが「その手で、直に」ゼロ戦を調べることが出来てからだった。

彼女だったら、抱いてもいい。
彼女の全てを知りたい。

そんな願望は、目を開けた途端、現実に変わった。
420ハルヒ×キョン 自慰編 4/5:2006/05/13(土) 04:35:16 ID:6WVuM0Dx
涼宮ハルヒは、小刻みに震えている手に握った、あるものを凝視していた。
机の上に置いてあったそれには「団長」と書かれている。
親戚筋は皆エジプトあたりに住んでいる、と説明すべきか。
要するに、「角錐型のあれ」である。

 (これなら、使える!)

もはや発見の喜びだけで逝ってしまいそうだ。
ごくり、と唾を飲み込む。
彼女はゆっくりと、角錐の頂点を秘所に当てる。

ぬちゃり。

痛くない程度に、ゆっくりと入れたり出したりを繰り返す。

 「あっ……あっ……ハッ…キョン…ぁあん…」

そのピラミッドの親戚は、ハルヒに強烈な快感をもたらした。
この○○○○、当たりだぜ!!
そんな台詞が、頭をよぎった。確か分厚いメガネをかけた、働き者のチビ爺さんだったな…
彼女の脳裏に浮かんだ鼠のような容姿は、すぐさまキョンのイメージによって塗りつぶされた。

 (キョン・・・・・・キョン・・・キョンに犯されたい・・・・・・・・・)

目を閉じる。

目の前には裸のキョンがいた。
「角錐形のあれ」は、キョンの凶暴そうな剛直にすり替わっていた。
もはやこの段階まで行くと写真の助けは必要なく、脳内の情報のみによって、キョンと自分の性交を、
緻密に構築することができる。

 「あはん!だめっ!はぁん……キョン……や…ぁ……あっ!あん……キョン…はぁっっん、ん…っ、ぁ…」

 (キョン!キョン!今すぐ…私を……抱いて欲しい…)

キョンへの思いをそのような形で初めて明文化できたのは、七夕の時だっけ。
もう十数年後に叶えたい願いだと思ってたけど……


今すぐ、欲しい。
彼が、欲しい。


目を開ける。

彼女は、物理法則を超越した。




 「「…………っ!!」」
 
さっきまでは、目を閉じた状態で相手の姿が見えていた。
現在は、逆である。

 ((これは、夢?))

二人とも、目をぱちくりぱちくりさせている。
どうやら、夢ではないらしいことが解ると、彼らは、今現在部室に居て、裸で、パソコンの椅子のところで、
抱き合っていることを、視覚的、触覚的に理解した。
421ハルヒ×キョン 自慰編 5/5:2006/05/13(土) 04:36:42 ID:6WVuM0Dx
 「キョン…」

 「ハルヒ…」

服は………あった。なぜか机の上に丁寧に畳まれている。
たった今あったことについて、長門に小一時間ほど説明を求めたい状況だが、
彼女が三年前に世界を創造したように、たった今、愛し合う二人が互いの肉体を貪りあっていた、という事実を作り上げた、
ということにしておこう。

 「キョン…あたしキョンが好き。愛してる。」

 「俺もだ…どうして今まで気づかなかったんだ?」

 「ちゃんと言って、『愛してる』って」

 「愛してる」

 「……」

 「ねえ、どうしてこ」

 「それは棚に上げておこう」

 「……うん」

まるで先ほどまで愛し合っていたように、行為を「再開」した。




 「二人の関係が、新たな局面に進行した」

 「えっ!それって……あ……そんな…」

 「まさかこんなに早く進行するとは……お二人が若い証拠ですね」

 「古泉さんっ!!」

 「すいません、つい……とりあえず、お二人には、部室の前で聞いていたことは黙っておきましょう」

 「同意。それが最善。でも……」

 「でも?」

 「変な気分。不機嫌。これは人間のもつ『嫉妬』という感情なのか」

 「「ええーっ!」」

 「防衛本能。気づかないフリ。」


まあ、いやでも次の日に気づかされるのだが…全校周知の事実として。
ハルヒがキョンとの関係を全校に周知するために起こした騒動もあるのだが、これはまた別の話である

終わり
422ハルヒ×キョン 自慰編:2006/05/13(土) 04:40:56 ID:6WVuM0Dx
処女作です
どういう酷評がまっているか恐れつつ
寝ます
おやすめ
423名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 05:03:28 ID:kNbkWbmJ
地の文がちょっと硬いナとか思っていたら、別の部分が硬くなった。
眠れなくなったジャマイカ!(酷評じゃなくて苦情w)

GJでした。
424名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 07:01:19 ID:BmBUWvsh
比喩表現がかなりGJ
425名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 08:39:17 ID:a5oS9sZU
GJ!
ハルヒとキョンの感情が細かく書かれてて読んでて面白かった。
ただ、言葉の繋ぎ方がぎこちなくてテンポが今ひとつのように思えた。
次回作に期待してます。
426名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 12:44:05 ID:SRIsp1Ho
BJ
427名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 13:54:12 ID:/KMXsYyb
GJ
428名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 16:16:25 ID:elQntxWQ
GJ
429名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 17:00:39 ID:E1J57sWB
久しぶりに来てみたら保管庫のハルヒエリアが無いんだが・・・・
俺だけか?
430かなり:2006/05/13(土) 17:09:26 ID:BqEpH1pT
GJキタ――――――(゜∀゜)――――――!!!
(゜∀(・∀・)∀゜)キタッホー
乙!
431名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 17:10:07 ID:SIDcbyhy
ライトノベルその8の部屋
に移動してるな
432名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 17:36:46 ID:AZHTvnVK
エロもなくダウナーなだけなハルヒのSS書いちゃったんだが
張って良いかな?
433名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 17:43:50 ID:mVuIVbw6
どうぞどうぞ
434名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 17:48:22 ID:AZHTvnVK
春休みのとある1日SOS団の活動も今日は休みだという事で
俺は昼過ぎまでダラダラ寝ていたのだが
お袋にスーパーまで買い出しに行ってくるように言われたので
駅前まで出かけていた。

駅前をブラブラ歩いていると、花屋の前でハルヒが何やら買い物をしているのが見えた。
折角のオフの日にまで関わりあいになりたくないと思いながらも
あのハルヒが花屋なんぞでが何を買うかという興味の方が強かったので観察してみることにした。
するとハルヒは不思議なことに仏花などという普段の行動からは考えられないような花を買い
踏み切りを渡りずんずん駅の東側に向かって歩き出した。
俺はついていってみることにした。まあ魔が差したという事なのかもしれないが

文化祭の映画で朝比奈さんが放り込まれた池のほとりを通りながら約10分ほど行った所で
古泉に呼び止められた。
「あなたが散歩なんて珍しいですね。」
きっと俺の顔には何故お前がここに居る?とでも書いてあったのだろう
「たまたま今日は用もないから家の近所を散歩していた。ということにしておきましょう。
僕の家はすぐそこなんですよ。」いつもの調子のスマイルマスクの答えが返ってきた。

「で、あなたの追いかけていた涼宮さんがどこに行こうとしていたかと言うと
もう少し行った所の墓地ですね。まあ、あの花を持ってそれ以外の場所に行く人なんか僕は知りませんがね。」
全く嫌になるくらい爽やかな笑顔である。

「何故か、と言うことも僕が説明しましょう。」
いつものスマイルマスクから笑みが消えて妙に真剣な顔になった
「とても仲の良かった妹さんの墓参りですよ4年前に亡くなった。」

「あなたは○○事件というのを覚えてますか?」
その事件については俺だって妹のいる身だ忘れる訳もない。
4年前○○市で発生した当時小学4年生だった女子児童が何者かに誘拐され殺害された事件である。
それとハルヒが何か関係あるというのだろうか?

「大いに関係します、当事者と言っても差し支えないでしょう。
彼女は被害者の姉にあたります。
そして最後に妹さんを目撃したのが彼女なんです。
だから事件に関してすごく責任を感じた…そう、世界を作り替えてしまいたいと思うほどに。」

「でももしそうであるなら、どうして妹の居る世界に作り直さなかったんだ?」
俺は当然とも言える疑問を古泉にぶつけた。

「そこが彼女が常識的な所なんです。
彼女は望むなら死者が生き返ってくる世界というものを作れるわけですが
やはり死者は二度と生き返って来ない、そう思ってる訳です。
でも、出来るなら妹さんを助けてあげたかった。
そこで宇宙人や未来人や超能力者が出てくる訳です。
きっと彼らが居たなら事件が未遂の時点でなんとかしてくれただろうとね。」

「あ、そうそうこの話はいつか彼女があなたに話すまでは内緒ですよ。
世界に関わる重要な話なんですから。」
435名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 17:52:14 ID:AZHTvnVK
なんか昨日の夜ネタバレスレ読んでて思いついたんだが
ちょっと学校2とか混ざってます。

スレ汚しスマンス(´・ω・`)
436417 ◆417JWEXVtE :2006/05/13(土) 19:01:45 ID:6WVuM0Dx
さっき起きましたw
皆様、拙作を読んでくれてありがとうなのですm(_  _)m

>>424
>比喩表現がかなりGJ
ありがとうございます。
……というか、原作世界を余さず取り込んで十分反芻して独創的な話を創れないアニメ厨が、
乏しい知識を駆使して衒学的な世界を見せることで虚勢を張っているんです
原作準拠のSSとしては結構怪しいです。ごめんなさい

以下、比喩のネタバレです

>ブルーメンフェルトの左手のためのエチュードをホロヴィッツ並みとはいかないまでも
>相当な勢いで弾けるほど左手が回る彼女にとって、マウスを左手で操作することなど朝飯前なのだ。
アニメのOPで、ピアノを弾いているシーンがあったので。
ホロヴィッツ(Vladimir Horowitz)は、超絶技巧ピアノ演奏の代名詞で、ハルヒがもし彼並みに弾けたら、
ちょっと問題ですが……演奏の動画がYouTuBeとかで見れます。明らかに指の動きに動画がついて行けてません

>まあ、スリーマイル原発の圧力逃がし弁みたいに開きっぱなしな状況にないことは、感心である。
詳しくはttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/416724005X/

>バルチック艦隊に打たれつつじわじわ接近する戦艦三笠の主砲砲手のごとく待たされたおれは、
>司令長官の砲撃命令が脳から発令されるや否や、電光石火で前立腺を緩めた。
坂の上の雲です。つttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4167105837/

>いかれたところはともかく、容姿知性体力全てのバランスがあのような高度なレベルで拮抗し合っている女性を、
>俺は見たことがない。驚異的という点では、ゼロ戦に初めて出会った米海軍の戦闘機パイロットに状況が似ている。
ttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4769820860/

>>425
>ただ、言葉の繋ぎ方がぎこちなくてテンポが今ひとつのように思えた。
ずばり、その通りです。実は私の書き方に問題があります。
思いついた文章やアイディアを短い文にまとめて、それを繋げて形にするような感じなんです。
とにかく、すぐ活字化しないと忘れる(笑)だから、繋ぎが不自然で、荒削りなオフロードみたいに仕上がるんです。
書き慣れれば見苦しくない程度に改善されると思いますので、成長を見守ってやってくだされ
精進精進w

>>435
大 作 の ヨ カ ン ! !是非続きを!!

次回作は続編の予定です。では。
437名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 19:38:45 ID:3HJhza12
本人からネタバレされると引く・・・
何か「俺ってこんなに懐広いんだぜーオラオラ」みたいな感じ
438名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 20:28:13 ID:r2AOLlO2
まとめたのを書き直すくらいしないのかねえ
439名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 20:30:10 ID:2xZuD+6m
まぁ、若さ故の過ちって事でいいじゃないか。
慣れてないならこれから慣れればいいだけの話さ。
440名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 20:39:46 ID:OMJ4ld17
なあ、ひとつ質問
ちと確信は持てないんだけど、行為の最中にお互いの薬指噛むSS無かったっけ?
多分ここのSSだと思ったんだけど
441名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 20:50:37 ID:I9COzTUQ
>436
じゃ一言。
人称は統一したほうがいいんじゃないか。
ハルヒパートとキョンパートでバラバラ。

一人称で視点切り替えというのは割とあるが、ハルヒが三人称、キョンが一人称というのは随分アンバランス。
あと、句読点の使い方だが、読点(、)が多すぎる。キョンの語りを読みかえせば解るがむしろ句読点が少なくて
ダラダラが続く感じだ。リズムが悪いという指摘があったのはこのためじゃないかな。例えば↓の文なんか。

>なぜここで、我が親愛なる独裁者が、脳裏に、しかも裸で、性交の相手として、出てくるのか。


ネタバレ云々は、イロイロ自分の好きなものを一生懸命いれるのが書き手の心情で、読者とそれを共有したいのは誰もが一緒。
だから責められないが、自分からバラしたら興ざめだし、読者がそれ以上反応しようが無い。
読み手が反応したら、喜んでそれについて語ればいいのさ。反応が無かったら、興味がないか、知識がないんだから、
そもそも自発的ネタバレは必要がないんだ。
442名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 20:51:28 ID:Hebl1gM8
>>440
記憶にないなぁ。もっと網羅してる人の出現を待つしか。

>>382の続きを少し
443名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 20:53:06 ID:OMJ4ld17
>>442
ぐあ、ごめん
ものっすご誤爆してた
444名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 20:53:09 ID:Hebl1gM8

『とても珍しいことですね。あなたから電話がかかってくるとは』
 浴室での一件のあと、疲れ切ったみちるを離れに寝かしつけ、昨夜に続いて電話をかけていた。
「キミだってこないだかけてきたっしょ。お互いさまさま」
『それで僕に何の御用でしょう? 愛の告白なら歓迎いたしますが』
「あははっ。そうしたいところだけどさっ、残念ながら別件!」
 ここで、急に声をひそめる。
「有希の監視役と連絡をつけられないかい?」
『……』
 電話の向こうがしばらく押し黙る。
『……僕の記憶する限りでは、あなたは必要以上に僕たちと関わりを持たないとのことでしたが』
「そんなことわかってるっさ。だからこれはキミへの個人的な頼みごとにょろよっ」
『自分から関与してくるとは、あなたらしくありませんね』
「あたしもそう思うけど、おせっかいを焼きたいときもあるっさ」
『……僕個人の手に負える範疇外だと言ったら、どうします?』
「そうだったら最初から電話したりなんかしないっ」
『やれやれ』
 肩をすくめる姿が電話越しでも見えたような気がした。
『いいでしょう。他ならぬ鶴屋さんからの頼みごとですから。ただ、どうするのかだけは聞いておきたいですね』
「それは――」

『……なるほど。わかりました』
 説明を終え、相手は納得したようだ。
「やってくれるかいっ?」
『ええ。これなら、どちらに転んでも僕にとってさほど悪い話ではありません。結果も十分想像がつきます』
「恩に着るよっ」
『恩義を感じたのなら、行動で示していただいてもいいのではないでしょうか?』
 声色に普段は見られないものが混じった。
「ふへ?」
『僕が何を言いたいのか、わからないあなたではないはずです』
「むむう。キミって、そんなキャラだったっけ?」
『人畜無害を続けるのも、これはこれでけっこう苦労するんですよ。息抜きもできませんから』
「むうう。わかったっ! 成功報酬ってことでっ」
『期待しています。それでは、日時と場所を言ってもらえれば、そのように取り計らいます』
「頼んだよっ。じゃ明日の11時にキミたちがいつも使ってる喫茶店でっ」
『わかりました。御健闘をお祈りします』
445名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 20:54:15 ID:Hebl1gM8

「ん……ひゃっ、く、くすぐったいっ」
 翌朝、目を覚ました鶴屋さんの視界に入ったのは、みちるの顔だった。
 鶴屋さんのほっぺたじゅうに唇を当てている。
「ちゅっ、うふ。鶴屋さん、お・は・よ」
 見るものをとろけさせるような笑みを浮かべた。
「み、みちるぅ、変わりすぎじゃないかいっ」
「あたしだって、たまには抑圧されてるものを解放させたいときはあるわ……」
 そう言いながら、鶴屋さんの寝巻きに手をかける。
「ああ、ご先祖様っ。もしかして鶴にゃんはとんでもないことをしてしまったのかもっ」
「うふふっ。楽しみましょ、鶴屋さん」

「ごめんなさい!」
 十数分後、顔を真っ赤にして謝るみちるがいた。
「あたし、寝起きが相当悪くて……寝ぼけてました」
 昨晩は鶴屋さんもみちるの隣に布団を敷いて離れに寝ていたが、それが仇となったようだ。
「そんなら仕方ないなぁっ。あは、はははっ、はは」
 足首までずり落ちた下着を脱ぎつつ、鶴屋さんは乾いた笑い声を上げた。
「朝風呂入ってくるっさ。みちるは罰としてあたしの分の布団もたたんどいてちょん」
「ほんとにごめんなさい……」

「んぐ、ぱくぱくっ。あ、そうだ言うの忘れてたっ」
 朝ごはんを食べつつ、鶴屋さんが口を開く。
「今日さ、家族で法事に行くもんで、一日家を開けるっさ。どっか出かける予定あるっ?」
「もぐ……いえ、今日は特にどこにも」
「そんならいいんだっ。お手伝いさんはいるから、何か用があったら遠慮なく使ってやっておくれっ」
 みちるがごはんを口に含んだまま顔を上下させた。
「よしっ、それじゃごはんに専念するかっ」
446名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 20:55:17 ID:Hebl1gM8

 11時ぴったりに鶴屋さんは喫茶店に入った。
 店内を見回す。すると、奥のほうで控えめに手を振っている人間がいた。
「こんにちは」
「ちわーっ。あははっ、まさかキミだったとはねっ」
「驚きました?」
「かーなりっ。えっと、隣のクラスの喜緑さんだったかな?」
「はい、喜緑江美里です」
 冬だというのに白いワンピースを着たその姿は、どこまでも清楚な雰囲気を背負っていた。

「古泉君から、何か聞いてるかいっ?」
 適当に注文したカフェモカが到着したのを見計らって、鶴屋さんは切り出した。
「はい、ある程度のことは」
 アプリコットティーの入ったカップを傾ける喜緑さん。
「そんなら話は早いっ! あたしが有希に話をつけるのを邪魔しないでもらえるかな?」
「邪魔だなんて、そんな。お願いしたいぐらいです」
「ほえ?」
 あまりにもあっさりと受け入れられ、拍子抜けの表情を見せる。
「わたしがなぜ長門さんの監視役をしていると思いますか?」
 問われて首をひねる鶴屋さん。
「以前のこともありますけど、簡単に言うと、長門さんも今は観測対象だからです」
 カップを置く。
「情報の齟齬を防ぐために、あなたからもう一度話を聞かせてもらうつもりですけど
とりあえず彼から聞いた話の限りでは、情報統合思念体に危害は及びません」
 ナプキンを口にあてる。
「ですから」
 喜緑さんは穏やかに微笑んだ。
「ぜひ長門さんに話してあげてください」
447名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 20:56:18 ID:Hebl1gM8

 喜緑さんとはお昼ごはんを食べたあとに別れ、そのあと法事に参加し、帰ったときには夕方になっていた。
「たっだいまー」
「あっ、おかえりなさい」
 ぱたぱたとみちるが寄ってくる。
「何かことづてでもあったかいっ?」
「ええ。えと、キョンくんからさっき電話があって――」
 午後に駅前まで送ってもらうこと。できれば鶴屋さんに送り迎えをしてもらいたいこと。変装すること。
 みちるが言ったのはこの3点だった。
「ほーっ。まるで誰かを警戒するような話だけど、みちるに心当たりはあるのっ?」
「いえ、これといって特に……」
「ふーん。ま、みちるはかわいいから、心当たりがなくても一人で行動するのは危険だっ、うんうん」
 手を組んで首を上下に大げさに振る。
「でも、ごめんよう。あたし明日も忙しいんだっ。外せない用事があってさ。家の者に送らせればいいかな?」
「それで十分だと思います。ありがと、鶴屋さん」
「いやいや、全然かまわないよっ。帰りはタク使ってちょんっ。服も用意しとくね」
「ほんと、何から何まで……」
「あっはっは。いいよいいよっ。お礼に今度チョコでもおくれ。それであたしは満足だっ!」

 夕飯を食べ、お風呂にも入り、あとは寝るだけになった。
 今朝のことがまたあっては、と今日はみちるから別々に寝ることを言い出してきたため
自室にひっこんだ鶴屋さんは、これ幸いと電話を手に取った。
「有希っこ? あたしあたしっ」
『……』
 沈黙が答える。
「ちょっと話したいことがあるから、明日会えないかなっ?」
『明日はパトロール』
「それが終わってからでいいからさっ」
『それならば可能』
「なんかいいことあったのかいっ?」
 突然質問の内容を変えると、間が空いた。
『…………教えない』
「あははっ。それじゃ明日変装して喫茶店で待ってるっさ。解散してからまた戻ってきておくれっ」
448名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 21:02:53 ID:Hebl1gM8
ここまで。できたら次で終わりにしたい
449名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 21:08:46 ID:h8qNbaLO
GJだね!古泉は一体何を企んでるやらww楽しみで夜も眠れないね!
積極的なみくる(みちる)もいいねぇ、大人バージョンはいっつもあんな感じになってたりして
450名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 21:23:59 ID:OMJ4ld17
> 翌朝、目を覚ました鶴屋さんの視界に入ったのは、みちるの顔だった。
> 鶴屋さんのほっぺたじゅうに唇を当てている。
>「ちゅっ、うふ。鶴屋さん、お・は・よ」
> 見るものをとろけさせるような笑みを浮かべた。

もうね、なんつーかね、コレだけで昇天しちまいました
451名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 21:44:27 ID:AfMVSS88
>『…………教えない』
内心嬉しそうな長門が可哀想でならない・・・
452名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 22:13:50 ID:FvhtEJWd
>451
だな…
キョンのばか
453名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 22:43:16 ID:qOvC8moy
ハルヒ×キョンマダー
454名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 22:47:09 ID:1kG9G8UJ
>>453
おとなしく神を待とう
俺はキョン×ハルヒだな
455417 ◆417JWEXVtE :2006/05/13(土) 23:06:22 ID:6WVuM0Dx
>>ネタバレの件
要らないかなと思いつつどうしても書きたくて書いてしまった。ごめんなさい。以後気をつけます

>>436
>人称は統一したほうがいいんじゃないか
そう思ってた。最初は一人称切り替えで書こうと思ってた。でも、ハルヒの考えてることが解らないんだ。
原因は原作の読み込み不足なんだが、時間も無いのでとりあえず三人称で書くことにしたんだ。
バラバラなのは別段アンバランスだとは感じなかったが、書いてる側の錯覚だったんだな。
とりあえず原作読みに逝ってきます

>あと、句読点の使い方だが、読点(、)が多すぎる。
個人的な感覚で何となく、読点を沢山付ければイイような気がしてたんです。とんだ浅はかものです。

神レベルの足許にも及びませんが、怠ることなく書き続けていきたいと思います
以上長文失礼しました
456前スレ409:2006/05/13(土) 23:13:17 ID:2gflDFxL
>444
濃い物ばっか書いてると、すごくいいなこういうの。
>101氏のコインランドリーもとてもよかった。
濃いエロの方が実は書くのが簡単だったりするんですよね。
457名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 23:33:34 ID:W4xkBTtM
>>417
読点は作者の息遣いとかテンポみたいなものだから、あまり気にしなくてもいいと思うよ
まあ素人の意見だけどね
458名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 00:21:08 ID:rxMASfAe
キョン×長門 のプチエロキボンヌ
459名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 00:38:31 ID:47tQMj0X
2位になりました。
460101:2006/05/14(日) 01:01:36 ID:glcnMpYJ
板違いやもと不安だった外伝が思わぬ好評でほっとした気持ちです。
感想くださった方々、ありがとうございます。

今度は違った外伝を書いてみました。
ありなら主要キャラ制覇を目指して続けていきたいと思います。
…さすがに無理かな
461外伝:2006/05/14(日) 01:08:36 ID:glcnMpYJ


 書道って、なにで書くかしってます?

 ――そりゃ、筆でしょう。


 ふふ、まだ甘いですね。
 ――はい?


 書道は心で書くんですよ。だから心が少しでも乱れてると巧く書けないんです。

 ――心……



  【書道の教え】



 小学生から野球一筋で、北高を強くすると意気込んで野球部に入ったのだが、俺は甲子園優勝を果たすまでもなく、顧問に退部届けをつき出す事になった。
 今までは本当に野球の事しか考えられなかった。野球を俺から引いたら何も残らなかっただろう。だが、今は違う。俺は心の寄り処を見付けてしまったのだ。
 移転先は、今まで生きてきて関わった事のない世界……書道部だ。

 全く関わっていなかったわけじゃない。小さい頃近所のジイさんに習った覚えがあるし学校の授業でもやった。だが書道の奥深さを知るには足りなかった。
 何故なら俺は汗を流して泥まみれになって体を動かすのが好きだったからである。
 そんな俺が何故習字の道に目覚めたのか…それは二年になった春だった。何処からか転校してきた彼女…教室の前でお辞儀する彼女を見た瞬間、あまりの可愛さに一目惚れしてしまった。
 微妙にウェーブした栗色の髪が柔らかく襟元を隠し、下手すれば小学生に見られそうな童顔。大きく丸い瞳。そして…その胸。
 俺の狭い世界は彼女中心に回るようになった。昔はそれが野球だっただけの話だ。
 倉替えしてからというもの、部室へ通うのが日課になっている。彼女と会い、いくつか話をする。大した内容ではなかったけれど、それだけで幸せだった。
 そしてある日、何を狂ったか、言っちまった。
「あの、俺、あなたの事が好きです」
 部活終了後、みんなが先に帰り、俺と彼女の二人きりになった時。彼女は俺に書道とはなにかを教えてくれた。
 普段は墨汁を床にぶちまけたり半紙を破いたりとおっちょこちょいな彼女が、一生懸命になって話してくれるのにどうしようもなく愛しくなってしまったんだ。
「ごめんなさい」
 彼女はそう言った。肩が震えてるようだった。
「私は、誰とも付き合うわけにはいかないんです」
 さらに続けた。俺はもう頭の中が混乱し、真っ白になっていたのかもしれない。
「少なくともこのじか…けほん、あの、すいません」
 彼女は何かを言いかけたようだった。だがこの時の俺にはさほど重要じゃなかった。
「そう、ですか…」
 それしか言えなかった。彼女がまた謝ったようだったが、俺は何も言わなかった。
「失礼します…」
 ちょっとして、彼女が出ていくのが分かった。遠慮がちにドアが閉まる。痛いくらいの静寂。
 それでも俺はしばらく、そこにいた。

 次の日、彼女は部活に来なかった。次の日も。また次の日も。気になって部長に聞いたところ、なんと少し前に辞めたとの事だった。しかも新たな入部先は文芸部だとか。
 信じられなかった。あんなに書道に熱心だった彼女が…なんでだ?まさか俺の…俺のせい?
 全てがどうでもよくなり、俺はそのまま帰る事にした。頭を上げる気力もなく、ただ自分の足を見て歩いた。
 彼女にとって、俺は一体なんだったのか…それは永遠に知る事はないのかもしれない。


 そして校門まで来たところでふと顔を上げてみると、そこにはバニー姿の彼女がいた。



(終わり)
462名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 01:13:11 ID:iavopW93
>>461
ぐぐぐぐぐっじょぶ!!!
463名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 01:14:35 ID:B6+ZXPh8
なんか癒された
GJ
464名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 01:23:35 ID:VDmO/5aw
良いね
下手な文章にエロが取って付けてあるだけのSSよりも
エロが入って無くても上手にまとめてあるSSの方が好きだ
465名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 01:23:51 ID:38P3nwtE
ハルヒ「うーっ、がーっ」
ハルヒが何やら自分の背中に手を伸ばしていた。
ハルヒ「ああもうむかつく!」
ハルヒ「ねえキョン、服の上からでいいから背中掻いてくれない?」
キョン「はぁ?しゃーねーなー」
ここで反発するほど俺は馬鹿じゃない。
ハルヒに逆らうとどうなるかは嫌と言うほど学習したからな。
ポリポリ
ハルヒ「うーん、もうちょっと右、じゃなくて左!違う違う!だから右って言ってるでしょ!」
キョン「どっちなんだよ!」
ハルヒ「このバカキョン!もういいわ!みくるちゃんに頼むから!みくるちゃんちょっとこっちに来てくれる?」
みくる「え?え?何ですか?」
ハルヒはこっちを睨み付けながら言った。
ハルヒ「あんたはロクに人の背中も掻けないのね。ほんと役立たずなんだから」
ハルヒは俺にそう言うと、フンと鼻息を鳴らしながら向き直り朝比奈さんに笑顔で手招きをした。
俺はこれまでよくやってたと思う。
何たってこのハルヒの傍若無人さに耐えてきたんだからな。
だがあいにく俺は到って普通の人間だ。
我慢できなくなる時だってある。
だからちょっとぐらいキレたっていいだろ?なあ?
ハルヒ「みくるちゃーん、ねえ―」
ガッ!
俺はハルヒの体を後ろからがっちりと掴んだ。
ハルヒ「ちょっと!何するのよキョン!離しなさい!」
俺はハルヒの言葉を無視し、服の中に手を入れハルヒの乳を強引に強く揉んだ。
ハルヒ「え?ちょ、ちょっとキョン!痛い!痛い!」
ちらっと朝比奈さんの方に目をやると、朝比奈さんはその様子を呆然と眺めているようだった。
ハルヒ「みくるちゃん!見てないでっ!…ハァッ…助けなさいよお…」
その言葉に朝比奈さんははっと我に返り、そして神妙な顔で少し下を向きながらこう言った。
みくる「今のは涼宮さんが悪いです。キョン君が怒るのも無理無いと思います。」
みくる「今までキョン君はよく我慢してたと思います。だから今回は助けたくありません。」
ハルヒ「そ、そんな……」
466名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 01:24:00 ID:XF3fj7Y8
>>417
個人的にはネタバレ面白いよ。テンションの高さが楽しい。
>>434
学校風味のハルヒですね。家に帰ったキョンが妹を抱きしめる続きを妄想。
>>461
うまいなあ。誰もがSOS団みたいな青春を送れる訳じゃないんだよな〜。
467名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 01:42:10 ID:5NPujRqU
送りたかったなあ…SOS団みたいな青春…
468名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 01:42:50 ID:N2ANmREN
今までROMってばっかだったけど何か書いてみようかな。。。

ちなみに初書きなのでエロとかは厳しいけど。ほんわか系でキョン×長門で何か。
ここエロ板ですが需要ありますかね。
469名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 01:43:20 ID:wz751OVI
あるよー
470名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 01:54:31 ID:y8Hye9FC
>>469
サンクス。何かしら書いてみます。
期待しないで待っててください。
471名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 02:13:52 ID:Rbyufd7N
新SS保管庫の管理人心得の中の人〜
リンクが切れまくってるお〜
472名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 02:25:32 ID:XF3fj7Y8
>>465
>ハルヒ「うーっ、がーっ」
>ハルヒが何やら自分の背中に手を伸ばしていた。
>ハルヒ「ああもうむかつく!」

いやすっげーリアル。実際身近にこういう人いるから。
473名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 02:35:40 ID:Tkuwv09E
>>469

ぜんぜんエロく無いけど、思いのままに書きなぐってみました。
ちなみに、保管庫の5-305様にインスパイアされました。
シチュ真似てすまない。。。

調子に乗って選択肢とか入れてみたり、、、
気が向けば他パターンも書いてみようかなっと。


-----------------------------------------------------


その日は朝から苛立っていた。
右耳を蹂躙闊歩するいまいましい存在に。
たった2、3ミリ程度の輩の癖に人間様を苦しめるとは生意気なっ。

要は耳垢がゴロゴロしていて気になって仕方が無かった。

赤点ぎりぎりの俺に言えた義理では無いが、学生の本分である勉強はおろか、
ハルヒが授業中にいろいろとかけてくるチョッカイも気に出来ないような状態である。
まさか分身・縮小した小ハルヒが耳の中で暴れているのではあるまいな。
変態パワーにあふれるやつならやりかねん。


その如何ともしがたい状況に、
放課後になるやいなや、級友への挨拶もそこそこに俺は部室へと急いだ。
部室は主にハルヒが突っ込んだ、使途不明な訳のわからないガラクタが山ほどあるから
耳掻きの1つや2つはあるだろう。
後ろで今日は掃除当番だったハルヒがなにやら喚いていたような気もするが無視じゃ。
今の俺のこころは猫の額のごとく狭いのさっ。


そして部室を訪問した俺を待っていたのは。。。


 →1なぜか■■■だった。
 →2■■■さんだった。
○→3長門だった。
 →4あまりうれしくないことに■■だった。
 →5なんと、■■さんだった。
 →6正気を疑ったが■■だった。
474名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 02:36:47 ID:Tkuwv09E


『耳掃除(長門編)』



部室にはもうすっかりこの部屋でおなじみとなった読書中の長門がいた。
耳が気になって仕方の無い俺は、長門への挨拶もそぞろに部屋中を掻き回し始めた。
そんな俺に、いつもの3点リーダとともに長門の透明な視線が投げかけられる。

「・・・」

「悪い。読書の邪魔したか。
ちょっと耳掻きをさがしてたんだ。」

「耳掻き?」

そう。朝から耳がずっと気になってて勉強も手につかないんだ。
と柄でも無いことを言いつつ家探しを続ける。


すると、パタンと言う音とともに長門が本をしまい、
近くにあった小物入れから鈍い銀色の金属製のボールペンを取り出して、
右手で掲げるように自分の顔の前に固定した。
・・・まさかとは思うが、その先端が凶悪な凶器で耳を突かれるのではあるまいな。
そこまで気に障ったか?

そんなちょっと恐ろしげな想像をしながら眺めていると、
そのボールペンは飴細工のように見る見る間に形を変え、
一本の耳掻きへと変わった。

・・・なんか、途方も無い技術(と呼んでもいいものかね、これは?)を
すげーしょうも無いことに使ってるな。
たかが毒直すのにエリクサーつかってるような気分。
だが、まあ過程はどおあれ耳掻きは耳掻きだ。
475名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 02:37:34 ID:Tkuwv09E

「すまん、助かる。貸してくれるか」


でも、長門はなぜかこちらへと渡そうとせず席を立ち上がった。
そしてそのまま部室の端に置いてある馬鹿でかいソファーへと向かい、
端にちょこんと言った形で腰掛けた。


ちなみにソファーはついこの間、ハルヒが強奪してきたものだ。
何でも校長室に置いてあったものらしい。

どんな辣腕・悪行を振りまいてパチってきたものかは知らないが、
さすが校長室に置いてあったものらしく、スプリングがしっかりとしており座り心地は抜群である。
ここならうちの駄猫でなくとも連続で13時間は寝られそうである。
が、運ぶときはハルヒという女帝の号令の元、まさしく地獄を見た。
ピラミッドの巨大石を運ばされる奴隷に共感を覚えるくらいに。



「・・・もしかして俺の想像が間違ってなければ、
耳掃除をしてくれるとか?」

そんな淡い期待とともに問い掛けると、わずかな沈黙のあと首を微かに前に倒して見せた。
長門研究家の俺にはわかる。表情からは見えないが間違いなく照れている。
やべえ、ちょっとくらっときた。
それにしてもマジで?Really?


「・・・その、膝枕で?」

「・・・早くきて」

そんな台詞と共に投げかけられる長門の上目遣いを見ていると、
すげえ気恥ずかしくなってくる、顔に血が上っているのがわかる。
だが、健全な一男子高校生としてこんな夢のような
シチュエーションを逃せるか!

476名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 02:38:20 ID:Tkuwv09E
「よろしくお願いします」


すぐさま長門の膝にルパンダイブしそうな気持ちを抑えながら、
ソファーに横たわり、ゆっくりと長門の太ももに頭を乗せる。
細い外見からは反し柔らかな感触が迎えてくれた。
女の子って言うのはやっぱりやーらかーいものだなーと鼻の下を伸ばしていると、
つい、と長門の白い指が降りてきて俺の耳たぶをそっとつまむ。
長門の指は少しひんやりしてほてった耳には気持ちよかった。
そして、まずは耳たぶの外周のあたりから掻き始めた。

まずは窪みの部分を優しく掻いていく。
元金属ボールペンの耳掻きは意外にもやさしい当りで、
耳垢が少しずつこそぎおとされていく。

カリカリカリ…コリコリコリ・・・・
コリコリ・・・ カリ・・・

ちょっとくすぐったいようなむず痒い感じだが、
とても気持ちがいい。

コリコリカリカリ・・・コリコリッ


段段と奥の方に進みだし敵(耳垢)も手ごわくなってくるのか、
微かに引っかかるような感触がある、でもそのはがれる感触もたまらない。
耳を通して背筋のほうにまで軽い電気のようなものが走る。

コリコリッ・・カリカリカリリ・・・クリクリッ

耳の壁をマッサージするように先端を回転させてくる。
その技巧に体中が弛緩してくる。


それにしても、長門も膝枕で耳掻きなんて初めてだろうにめちゃくちゃ上手いな。
前のギターのように技術をどっかからダウンロードかなんかしたのかね。
一家に一人、メイド朝比奈さんも良いが、
長門も捨てがたいな。毎日こんな風にしてもらえたら幸せだろうな・・・
などと男のロマンについて考えながら俺の意識はすうっと落ちていった。。。
477名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 02:39:00 ID:Tkuwv09E

こんな感じで長門の技巧を存分に堪能し至福の時間をすごしてた俺だが、
まあ、あれだ。
部活開始前にこんなことをしていれば、
賢明な読者のみんななら予想できると思う。


次に気が付いたとき、俺が置かれている状況はだ。
顔を赤くしながらこちらを見守る朝比奈さんと、
にやけ笑いを張り付かせた小泉と、

そして、ダークなフォースを撒き散らかす大魔王閣下が
そこにいましたとさ。



ちなみに、長門は一見いつもどおりの表情に見えたが、
こころなしかいたずらが成功した子供のような雰囲気をかもし出していた。

長門よ…、人間的に成長してくれるのはすごくうれしい。
この前に人生初の冗談も聞かせてくれたし。
だが、ちょっと、洒落になってないぞ。マジで・・・


                       大魔王の蹴りとともに暗転

478名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 02:43:23 ID:N2ANmREN
以上です。

なんか思ってたよりラブくならんかった。
微妙。SSって難しいですね。

お目汚しをばしましたm(_ _)m
479名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 02:49:30 ID:Oexy2KKc
なにいってんの!ラブいよ!GJ!
480名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 02:59:46 ID:Tkuwv09E
>>479
サンクス!
そう言っていただけると嬉しいっす(^^)
481名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 03:06:01 ID:iavopW93
ぐっちょむ
482294:2006/05/14(日) 04:46:43 ID:J0FQ1dvp
 ━━━━━━━━━━━

 「お前、準備できたかー」
 「出来たー」
 「ハルヒはー」
 「あたしはアンタの服の中にいるんだから別に持っていくものなんて無いわよ」
 「・・・・・・そりゃそうだ
  ―――ところでお前どこの遊園地行きたいんだ?」
 「んー、えーとね、決めてない!!」
 「「あらら」」

自分が遊園地行くと言っておいて当日になっても場所すら決めてないとはどういう了見だまったく。
取りあえず俺とハルヒは近隣の遊園地を思い出してみる。


 「・・・宝塚のファミリーランドは」
 「とっくに潰れたわ」
 「ポートピアランドは」
 「この前閉園したってニュースでやってたじゃない」
 「阪神パークは」 
 「あそこが遊園地だったのって相当昔よ!今は、えっと、ららぽーとだっけ、商業施設になってるはずよ」
 「メリケンパークは」
 「あそこは遊園地じゃないわよ、キョンと2人でデートするにはぴったりだけど♪」
 「今日はちょっと無理だなそれは、またの機会だ
  あ、東遊園地」
 「あそこは名前は遊園地でも遊園地じゃないから!正直ルミナリエと1月17日にしか用は無いわよ」
 

 「・・・・・・は、はは・・・・・・ ハルヒぃ・・・w」
 「・・・そうなのよw ・・・・・・近くの遊園地ってみーーんな潰れちゃって無いのよwwうぇうぇwwテラカナシスwww」

ハルヒのネジが1本抜けた。

 「ねえねえ遊園地遊園地ー」
 「・・・お前、どうしても遊園地行きたいのか、近くの遊園地はみーんな潰れて無いんだぞ(汗」
 「行きたーい、キョンくんハルにゃん遊園地連れてってー」
 「「・・・・・・はぁー・・・」」

 「おもちゃ王国」
 「東条湖・・・ ちょっと遠いわよ」
 「キョンくん、そここの前行ったー」
 「セントラルパークは」
 「この前SOS団のメンバーで行ったじゃない」
 「ONOKOROは」
 「ついに橋渡って淡路島に行っちゃう!?」
 「・・・USJとか」
 「キョンが金持ってるならね」

 「・・・」
 「・・・・・・」
 「・・・・・・・・・」

 「だとすると後はもうひらパーか生駒山上くらいしかないぞ」
 「京阪や近鉄ってどうやって乗るのよ・・・」
 「えっと確か京橋や鶴橋で・・・ 俺もよく知らん」
483294:2006/05/14(日) 04:47:18 ID:J0FQ1dvp
 「あ!そうよキョン!」
 「何がそうなんだハルヒ」
 「昨日ニュースで言ってたんだけど、奈良のドリームランドが閉園するらしいのよ」
 「何!?あそこも潰れるのか!?」
 「8月でね、あたしもキョンもドリームランドって行ったこと無いでしょ」
 「いや、俺は小学校の遠足で行ったことある、まあ相当昔の話しだし奈良公園のついででちょこっと寄っただけだが」
 「そうなんだ、でももういっぺん行っておくのもアリじゃない!? 妹ちゃんドリームランドって行ってみたくない?」
 「行きたい、行きたーい!」
 「じゃあ決まりね、じゃあ早速出発よキョン!」
 「・・・・・・生駒山上よりまだ遠いな、まあ良いか」

かくして俺とハルヒ、そして妹ははるばるドリームランドへと出かけることになった。



だが。兵庫県南部に住む俺たちが奈良に出かけるのは楽ではない。
実際新神戸から新幹線に乗ったら岡山のほうが近い場合もある。
数年後には阪神と近鉄がつながって神戸から奈良までいつでも乗り換えなしで行けるようになる時代が来るらしいが
今はまだ梅田などで不便な乗換えを強いられる。そのせいか俺達は滅多な事では奈良へなど行かない。
これは別に俺達に限った事では無くこの辺りに住んでいる人の大半がそうだ。

俺達3人は取りあえず北口から阪急に乗り梅田へ向かう。
余談だがハルヒがシャツに入っているお陰で交通費が1人分浮く。小遣いが残り少ない俺にとって非常に助かる。

途中梅田での乗換えで妹がはぐれてハルヒと一緒に散々探し回ったり
環状線ホームで大和路快速に乗るつもりが間違って紀州路快速に乗ってしまい
天王寺到着の寸前で気づき急いで乗り換えたり、
またJR奈良駅と近鉄奈良駅の位置関係がよくわからず三条通りをうろつきまわったり
さらに近鉄奈良駅でどのバスに乗っていいのかわからずうろついてる横をドリームランド方面行きのバスが通過して行き
その後見つけた乗り場で10分以上も待ちぼうけを食らったり。
極めつけはドリームランドのバス停で降りた後すぐ横にやたら目立つ建物があったので観光案内所かと思い入っていったら
そこは民放のテレビ局で、自らを社長だと名乗るユバだかトウフだかいうオヤジにコンサートを聴いていってくれと言われ
怖くなって急いで脱出したり、もしたが。

俺達は何とかドリームランドへ到着することが出来た。
484名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 04:47:51 ID:J0FQ1dvp
 ━━━━━━━━━━━


 「・・・あー疲れた」
 「もう昼じゃない、2人とも、お昼にしましょ、乗り物はその後」
 「そうだな、かなり腹減った」
 「お腹すいたー」
 「キョン、売店に連れて行きなさい」
 「あたしも行くー」
 「そうだな、一人にしておくと危ない、ついて来い」


 「いらっしゃいませー!ご注文は何にn」
 「フランクフルトと焼きそばとオレンジジュースとソフトクリームのバニラそれぞれ3つずつお願い!!」
 「!!! うぎゃあああくぁwせdrfygふじこlp・・・」
 「こらハルヒ!!」
 「あっしまった!!」
 「キョンくん、ハルにゃん、あのお兄さんカニさんみたいに泡吹いてるよすごーい」
 「凄くない!ハルヒ!急いで救急車!」
 「アンタが電話かけなさいよ!」
 「あっそうだった」

その後俺達は倒れた店員を介抱し続け、その後店員は来た救急車に乗せられ運ばれていった。
俺は救急車の隊員や園の係員から色々事情を聞かれたが、更なる犠牲者を出してはならないと考えた俺は
『よく判らないがどうもあの店員がクスリをやっていてそのクスリが切れ症状が出てぶっ倒れたのでは』と言っておいた。
当然事情聴取の間ハルヒには黙ってただのイラストのふりをしていてもらう。
・・・・・・店員さん、本当にすみませんでした。


結局食事は俺が購入しなおし、俺達はようやく食事にありついた。

 「キョンくん、この焼きそばおいしいね」
 「それは良かったな、でも確かに美味い」
 「それにしてもキョン、『クスリやってたらしい』ってアンタも相当のワルね、――まさかキョンもクスリやってるの!?」
 「ああしょっちゅうやってるな」
 「ちょっと、何ですって!? 何の薬よ!麻薬!?覚せい剤!?シンナー!?毒キノコ!?」
 「もっともっと中毒性の高いもんだ」
 「それって何なのよ!言ってみなさい!」
 「ハルヒだ、俺にとってお前ほど中毒性の高い『薬』はないな、もしお前がいなくなったら俺は恐らくとんでもない犯罪犯すぞ」
 「///!!! ―――キョン・・・」
 「ハルヒ・・・」
 「キョンくんハルにゃん、早く食べないとソフトクリーム溶けちゃうよ」
 「「(ピキピキッ)」」
 「・・・ああ、わかってるぞ妹よ」
 「・・・・・・ええ、確かにそうねw(怒」

妹よ、お前は将来絶対悪女になれるぞ。間違いない。
485名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 04:49:10 ID:J0FQ1dvp
 ━━━━━━━━━━━

食事を食べ終わった俺達は園内をあちこち周る。
木製のジェットコースターなど俺達でも楽しめそうなアトラクションはあったが今日は妹がいるので乗れない。
結局コーヒーカップや人力モノレール、メリーゴーランドなど、妹でも大丈夫なものにしか乗れなかった。
ただ園内周回列車は結構距離も長く俺達でも十分に楽しむことが出来た。

だがその後妹やハルヒが観覧車に乗りたいと言い出し探したのだがどこにも無い。
そう、この遊園地には観覧車が無いのだ。まさか奈良ならではの建造物の高さ規制とかか。
そのせいで妹もハルヒも不機嫌になってしまった。ハルヒはいつか別のところで乗ろう。その時は俺と2人でな。
妹は・・・・・・ まあ今度梅田の観覧車にでも連れてってやろう。

 「私も梅田の観覧車が良いわよ、物凄く眺め良いんだから」
 「わかったわかった、お前もハルヒも別々に連れてってやる、でもその時までにお前が元に戻ってたらいいがな」
 「やったー」
 「キョン、約束よ!守らないと死刑なんだから」
 「わかってるさ」



日が傾いてきた。そろそろ帰ろうか。

 「何だかんだ言って私も楽しかったわ、ありがとうキョン」
 「キョンくん、あたしも楽しかった、また来ようね」

8月までに来れたらな。もし来る時はSOS団のメンバーも誘おうか。

 「・・・・・・あの店員は大丈夫かしら」
 「死んではいないと思うが何しろ俺があんな事言ったからな」
 「・・・まあ何とかなるわよ」
 「そう、だ・・・ な」
 「キョンくんハルにゃん早く帰ろー」
 「わかったわかった」

そして俺達は遊園地を後にした。
486名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 04:50:03 ID:J0FQ1dvp

帰りは近鉄奈良からそのまま奈良線で帰る事にする。
・・・・・・途中あやめ池を通過する時に駅の前に誰もいない不気味な広い敷地が見えた。かつてのあやめ池遊園地だ。
そこも数年前に閉園し、その後アトラクションが解体され、それ以来ずっとあのままになっていると言う事だ。
しかしそこももうすぐ学校が移転してきて大きく様変わりするらしい。
今日行った所ももうすぐあの様になるんだろうなきっと。

そして生駒に近づくにつれ生駒山が見えてくる。
生駒山の上にポツポツ並んでいる奇妙な構造物、それは生駒山上の遊園地だ。
生駒山上のほうは夜景が綺麗な事もあってデートスポットとしての役割も大きい。俺とハルヒも1度は行ってみたい。
しかし肝心のアトラクションはというとこちらも昔に比べるとあまり客足は多くなく数年前には冬季のみ休園になった。
あそこが閉園する日もそう遠くないのかもしれない。

ここの所よくニュースなどで少子化だ少子化だなどと叫ばれている。
その少子化でまともにダメージを喰らうのが遊園地だ。
特に数年前にUSJができてからは客足はそっちに流れている。正直俺達若者はそっちの方が楽しい。
ハッキリ言ってしまうと現在の遊園地のターゲットは子供では無く10代20代以上の若者だ。
そして子供だけをターゲットにしてきた宝塚やポートピアやあやめ池などの老舗はどんどん閉鎖に追い込まれている。

昔からの遊園地といえる遊園地が関西から無くなる日も遠くないのだと思う。


―――そんな俺にとってあまりどうでも良い様な事を考えるうちに鶴橋に着く。
その後は環状線に乗り換え梅田で更に阪急に乗り換える。今度は妹がはぐれる事は無かった。

そうして俺達は無事家へたどり着いた。

 ━━━━━━━━━━━

 「キョンくん、ハルにゃん、おやすみー」
 「ああ、おやすみ」
 「おやすみ妹ちゃん」

 「・・・ハルヒ、今日は疲れたな」
 「そうね、でも良い思い出になったわよ、アンタのシャツに入ってデートなんて、まあ妹ちゃんがいたけどね」
 「やっぱり2人のほうが良かったか」
 「そんな事無いわよ、・・・まあもちろんそれもあるけど、でも楽しかったわ

  ・・・キョン、明日になったらあたし元に戻ってるかしら」
 「そうだと良い・・・・・・ な」
 「そうね・・・ でもキョンと離れたくないって気持ちもあるし・・・ ってかそっちの方が強いわ」
 「まあいい、明日になったらわかる」
 「そうよね、おやすみキョン」
 「おやすみ、ハルヒ」

俺とハルヒは眠りに就いた。






翌朝。

ハルヒはやっぱりそこにいた。

 「今日もやっぱり服のままか」
 「もうしばらくよろしくねキョン」
 「ああよろしくなハルヒ」
487名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 04:52:01 ID:J0FQ1dvp
以上『遊園地編』一旦終了です。
ただ更に別のストーリーが続くと思います。
488名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 05:58:09 ID:blXJApCm
お疲れい。
関西に住むものとして遊園地の衰退は確かに悲しいものがあるな。
ドリームランドも宝塚も小さいころは何度も言ったから懐かしかったよ。
ただわからない人にはホントに分からん話だからちょっと控えた方がよかったかもな。
まぁ何はともあれGJ!

…後ここのSS読んでたら妙にハルヒたちは関西在住ってのが多いのは何でだろう?
関西弁のハルヒやらみくるやら長門なんか面白そうだが。
489名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 06:16:40 ID:CBct9B7S
>>488
涼宮ハルヒの舞台が西宮市だからだと思うよ。
というわけで>>447の続き。これで終わり。古泉&鶴屋をエロにするのは無理でした
490名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 06:17:26 ID:CBct9B7S

「いやーっ、今日もいい朝だっ!」
 元気良く背伸びをする。
「さて、変装しなきゃっ」

「わっ、鶴屋さん……です、よね?」
 みちるが驚いたのも無理はなく、鶴屋さんはふわふわしたカーディガンを着て下は
ゆったりしたロングスカート。およそ鶴屋さんらしくない服装だった。
 トレードマークの髪は服の下にしまい、その上から襟元を隠すためにエクステをつけ
肩の線より少し長くしてある。伊達眼鏡に化粧までしてあった。
「そうだよーん。みちるもどうだい?」
「い、いえ、そこまでは……でもなぜ変装を?」
「あははっ、今日の用事にちょっと必要なのさっ」
 さらっとかわす。
「あ、そだ。今日、あたし帰ってからチョコ作るんだけど、みちるも作る?」
「えっ?」
「キョンくんとはなにやらフクザツな事情があるようだけどさっ、チョコぐらい、いいしょ?
バレンタインデーはもうあさってだよっ」
「ええ、それは別に……この前もつくっ、いえ」
 なにかを言いかけ慌てて口をつぐみ、ごまかすように、
「それより鶴屋さんが手作りチョコを作るなんて、ちょっと意外」
「みーちーるー、あたしにチョコ渡す相手がいちゃ悪いっていうのかいっ!?」
 顔は笑いながら、手を振りかざしてみちるに迫る鶴屋さんだった。
491名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 06:18:10 ID:CBct9B7S

「今日はこのへんにしときましょっ」
 午後五時。喫茶店の奥の席を陣取っていたSOS団一行は、涼宮ハルヒのそのひとことで腰を上げた。
 変装した格好のままで法事に参加してきた鶴屋さんが喫茶店に入ったのは、四時過ぎ。
 都合一時間ほど同室したが、古泉と有希が一瞥してきたぐらいで、他にバレた様子はなかった。
 全員ぞろぞろと喫茶店から出て行き、10分ほどして有希が戻ってきた。

「やぁっ! 今日のパトロールはいいことあったかいっ?」
 口を開いていれば一発でバレたにちがいない明るさで、鶴屋さんは正面に座った有希に声をかけた。
「……」
 対照的な二人だった。
「なにも」
 ぽつんとつぶやき、
「それより用件を」
「あれあれっ、昨日はあれだけ楽しそうにしてたのにっ。どしたの?」
「……」
「あたしはてっき……り……」
「用件をどうぞ」
「……あはははっ。そうするっさ」
 これ以上つつくと身に危険が及びそうな気がしたため、ごまかし笑いを上げて本題に移る。
「あたしが有希っこにして欲しいことは、みくるをキョンくんと恋愛できるようにしてほ」
「いや」
「ごめんっ。言い方が悪かったっ。みくるを普通の女の子にしてほしいってことさっ」
「……詳細を」
「有希っこも経験あるでしょ? 普通の人間だったらよかったのにって。こないだから
うちにみくるが泊まってるんだけど、もう痛々しくて、かわいそうでかわいそうでたまらんないっ。
だからさっ、みくるを特別じゃない、普通の女の子にしてやってくれないかなっ?」
「……」
 しばらく沈黙が漂い、
「朝比奈みくるが持つ超常的な能力を失わせ、それに伴い発生する情報の断裂を修繕することで
現存する世界に影響を与えることなく、普遍的な意味での一般人にすることは可能」
「それじゃ――」
「しかし朝比奈みくるがそれを望むとは思わない」
 喜びかけた鶴屋さんに淡々と追い討ちをかける。
「どうしてさ!」
「わたしが彼女の立場で同じ選択肢を与えられたら、同じことを想起すると思うから」
「……」
「ただしわたしが朝比奈みくるのすべてを代弁できるわけではない。選択肢を与えることは
重要だと考える。わたしは朝比奈みくるの意志にゆだねたいと思う」
「ということは、みくるがうんって言ったらしてくれるんだねっ?」
 有希は小さく、だがはっきりとうなずいた。
492名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 06:19:31 ID:CBct9B7S

 有希とはしばらくして別れ、家に帰って変装をとき普段着に着替えるやいなやキョンが
亀を手に鶴屋宅を訪れてきた。亀を明日みちるに持ってきてもらいたいらしい。
 みちるを明日も送り届けることなど、打ち合わせを終えると、しばらく体を休めたあとに
キョンは自転車をこいで帰っていった。

「さてさて、作るよチョコっ!」
 晩御飯のあと、エプロンに三角巾をつけた鶴屋さんとみちるが台所に立っていた。
「みちるはどんなの作るっ?」
「……えっ? あ、えと、甘めのを」
 帰ってきてからというもの、どうにも心ここにあらずといった態のみちる。
 多少は気になるも、あえて気付かないふりをする。
「あまーいのかっ。いいねぇ、ラブラブっ! あたしはとびっきり苦い、ひとくちサイズのを作るっさ」
「あの、鶴屋さんは、誰にあげるんですか?」
「へっ? それはいくらみちるでもちょっと答えられないなぁっ」
「あっ、鶴屋さんずるーい」
「ふっふっふっ、鶴にゃんはいじわるな上にずるいのだっ」
 みちるの気がまぎれたことに内心ほっとした。

 湯煎で溶かしたチョコを型に流し入れ、お好みでトッピング。冷蔵庫で冷やして作業終了。
 あとは翌朝にラッピングすれば、簡単な手作りチョコが完成する。
「ねぇ、みちる?」
 使った道具の後片付けをしている最中だった。
「なんですか?」
「みちるさ……普通の女の子になりたいと思わないかいっ?」
 片付ける手が止まる。
「それって、どういう……?」
「みちるがうんと言ってくれさえすれば、あたしがしてあげるよっ? キョンくんと自由に恋愛できる身に」
「鶴屋さん……?」
「あたしは全ての事情は知らないっ。でもさ、みちるの何かが足を引っ張ってるのはわかる。
時には、それに苦しんでることもさ。あたしは、そんなみちるを助けてやりたいんだっ」
「……」
 かなり長い間沈黙していたみちるはぽつりと、
「……一日考えさせてください。明日やることが終わるまで」
「わかったよっ。よーく考えておくれっ」
 にかっと、笑顔を作った。
493名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 06:20:29 ID:CBct9B7S

「それじゃ行ってくるよっ。みちる、ちゃんとやるんだよ?」
「ええ、鶴屋さんも。いってらっしゃい」
 次の日、親族会議に出かけなければならなかった鶴屋さんは、早朝から家を出ていった。
 車で去っていく鶴屋さんを、みちるは玄関で手を振って見送る。
 微笑みを浮かべていたが、車が見えなくなると、笑みが固まった。
「……」
 昨日、鶴屋さんに言われてから考えていたこと。
 答えは――

 鶴屋さんが夕方前に家に帰ってくると、みちるはまだ帰ってなかった。
 何時に終わるのか聞かなかったことを後悔しつつ、帰りを待つ。
 七時を過ぎ、いい加減しびれを切らし始めたところへ、電話がかかってきた。
『もしもし』
 古泉だった。
「みちるはどこに行ったんだい?」
 鶴屋さんは普段からは想像もつかないほど、余裕のない声を出していた。
『彼女は、帰られました。いえ、帰らざるを得なかったと申すべきでしょうか』
「そんなっ。まだあたしは答えを聞いてないよっ!」
『それはそれは。残念至極であるとしか言いようがありません。お気持ち察します』
「キミになんか察してもらいたくないっ!」
『それはひどい言われようですね。僕が何のためにこの電話をかけているとお思いですか?』
「えっ?」
『このまま電話を切っても僕は別にかまいませんが』
「待った! 切らないで教えて、お願いっ」
『……最初は無償でとも思っていましたが、よくよく考えると僕はまだ前回の報酬をもらっていません』
 いまにも含み笑いでも浮かべそうな声で、
『それに鶴屋さんのことですから、その分はすでに御用意なさっているのでしょう?』
「……してあるよっ」
『それでは、明日受取りにうかがいますので、そのときについでに』
「明日で有効期限が切れるわけじゃないんだね?」
『ええ、その点は保障いたします。では』
494名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 06:21:12 ID:CBct9B7S

「こんにちは鶴屋さん。面を向かって会話をするのは久しぶりのことではないでしょうか」
 翌日の午後四時過ぎ、鶴屋家を訪れた古泉は、手に小箱をみっつ持っていた。
 全身がいつぞやかのキョンやみちるのように土っぽい。
「いらっしゃい、古泉君っ。どしたんだい、その姿はっ。それとその箱っ」
 鶴屋さんは自然体で対応することにしたらしく、普段とあまり変わらない印象だ。
「ああ、これですか? いやいや、なかなか楽しい余興でしたよ。おこぼれに預りました」
 鶴屋山で掘って出た宝です、古泉は説明し、
「中身はですね、女性団員からの心づくしですよ。ありがたいことです」
「ふふふん? もうすでにけっこういいものもらってるじゃないかいキミぃ」
 鶴屋さんのからかいに、少し眉をしかめる。
「明らかにもう一人とはこもってる愛情の差が歴然なのに素直に喜べるほど、僕は人間できてないつもりです」
 それを隠すぐらいはできるにしても、と古泉は付け加えた。
「わははっ。ほんとに苦労してるんだね」
「ええ、だからこそ息抜きをしたくなるんです」
 肩をすくめて大げさなポーズを取る。視線は鶴屋さんに固定されている。
「まあまあ、そう焦りなさんなっ。まずはそのホコリを落とそうっ」

 小箱を冷蔵庫の中へ入れ、古泉は浴室に足を踏み入れた。
『古泉君っ、着てた服は洗濯機に入れたからっ。着替えはここ置いとくよ、浴衣だけどねっ』
 ガラス戸越しにくぐもった鶴屋さんの声がした。
「ご丁寧にありがとうございます」
 古泉が返事をする。そのまま体を洗おうかとしたそのとき、
「やっほーいっ。おおっ、いい体してるねキミぃ」
 バスタオルを巻いた鶴屋さんが入ってきた。
「……言動がおやじ臭いですよ、鶴屋さん」
「あははっ。まあ背中ぐらい流させておくれよっ」
「あまり広くないかもしれませんが、どうぞ」
 背中を預けて、手足をこする。
 鶴屋さんもタワシを手に、背中を泡立て始めた。
「あーあっ、あたしの胸がみくるぐらいあったら、胸でやってあげてもよかったんだけどなぁっ」
「そうであればどれだけよかったことでしょう」
 もっとも、と言葉を継ぎ、
「僕個人としては、朝比奈さんほど大きいのはちょっとご遠慮願いたいですね。鶴屋さんぐらいのが丁度いいです」
「キミもかなりおやじ入ってないかいっ?」
 鶴屋さんのツッコミに苦笑して、
「ええ、よく言われますよ。若くして世間の荒波に揉まれ過ぎたせいでしょうか」
 自嘲した。
495名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 06:22:13 ID:CBct9B7S

「それでは、今度は僕が鶴屋さんの背中をお流しいたしましょうか?」
「つくづくおやじだねぇ、古泉君」
「なんとでも言ってください。それにあなたもでしょう? タオルの下がどうなのか容易に想像がつきますよ」
「わははっ。バレてたかっ」
 そう言うと、バスタオルをぱっと剥ぎ取って後ろへ投げる。
「じゃーんっ!」
 完全無欠のスクール水着姿だった。
「……あのですね、鶴屋さん」
 古泉はなぜかこめかみを押さえながら、
「いくら僕の感性が年配向きだからといって、季節が来れば必ず見られるものに希少価値を抱いたり
まして欲情を煽られるなんてことはありませんよ。欲情するとしたらそれは服ではなく着ている人間のほうにです」
「まあまあ。こうすれば背中を流せるしょっ?」
 と、鶴屋さんは肩を狭めて手で肩ヒモを抜くと、そのままぺろんっと腰まで下ろした。
 小ぶりだが形のいい胸が丸出しになる。
「どこまでもお約束な人ですね、あなたは」
「なんなら揉んでくれてもいいよっ? もう少し大きくなりたいっ」
「謹んでご遠慮させていただきましょう」
「ちぇーっ」
 かわいらしく舌打ちなどしてみせる。
 古泉は聞かなかったことにして、鶴屋さんの背中を泡立て始める。
「んっ、はふっ、いいよ、古泉君、いいっ。どうにかなっちゃいそうだっ」
「どうにでもなってください」
「つれないねぇ。何しにうちに来たんだいっ? 古泉君」
 あきれた顔をする鶴屋さん。
「リラックスしに来たに決まっているではありませんか。先ほども申し上げましたでしょう、息抜きをしたいと」
「あたしの体をもてあそんだり、若さゆえの過ちをしたり、欲望をぶちまけたりしないの?」
「全部同じことを指している気もしますが、そういったことをするつもりはありません」
「なーんだっ」
「あなたは僕のことをなんだと思っているのですか?」
「さわやかなむっつりスケベ」
「……」
496名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 06:23:08 ID:CBct9B7S

 結局、浴室では仲良くじゃれあいながら垢を落とし、きれいさっぱりになった。
 浴衣を着て離れに寝転がる。
「僕が欲しいのはですね」
 とだらしなく寝転がったまま古泉。
「精神的な充足なのです。肉体的な充足はこの際、それほど求めていません」
「それとあたしと何の関係があるのーっ」
 こちらもだらけ放題でごろごろしている。
「あなたの鶴屋家は、僕の知る限り唯一の『機関』が干渉を手控えている場所です」
「それがっ?」
「つまりここだと僕がどんな奇怪な行動を取ろうが『機関』に知れることはないのです」
「ふーん」
「僕は最近『機関』内での肩身が狭いですからね。普段通り生活するだけでも疲れるのですよ」
「もぐっ、むぐっ」
「それに加えて涼宮さんの暴れよう。過労死していないのが不思議なぐら―んっ」
「じゅるっ、あむっ、はふっ」
「――ぷはっ、なんですか、いきなり?」
「あたしが考えてた成功報酬、それ」
「チョコレート口移しですか?」
「手作りだっ! ありがたく思えーっ」
「果てしなく苦いような気がするんですが」
「それはあたしもそう思う。自分で含むことを考えたら大失敗もいいとこっ」
「……なんだかだいぶ癒されました」
「そいつはめでたいっ。その調子でどんどん癒されておくれ」
「ついでに膝枕お願いできますか?」
「いいよ。仰向けだろうがうつ伏せだろうが、かかってこいっ」
「うつ伏せの膝枕は犯罪の臭いがするので、仰向けがいいです」
「どうぞっ」
 正座し、膝の上に古泉の頭をのせる。
「……朝比奈みちるが帰ってくるのは、明日午後四時十六分、SOS団の部室内です」
「ほんとかい?」
「ええ、ただしその人をみちると呼ばないでやってください……朝比奈みちるは実際には存在しえない人間です」
「それはなんとなくわかってた」
「……さすがですね……その慧眼には一目置きます……すぅ」
 そのまま寝入った古泉の髪を、鶴屋さんはやさしくなでた。
497名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 06:24:04 ID:CBct9B7S

「みくるーっ。おっはよーん」
「あ、鶴屋さん。久しぶりー」
 いつもの日々がまた戻ってきた。
「四連休だったから、五日ぶりかっ。長かったなぁ」
 それ以上に長かったような口調で、鶴屋さんは感慨深げに言った。
「それで昨日はどうだった? ちゃんと女の子の一大イベントに参加してきたかいっ?」
「うん、もうくったくた。涼宮さんたら、徹夜でチョコ作りに付き合わせるんですもの」
「あははっ、そいつは災難だったね。でもキョンくんたち、ちゃんと喜んでくれたんだろうっ?」
「まだチョコの味の感想は聞いてないけれど、たぶん……きゃっ!」
 みくるの額にデコピンをくらわせた鶴屋さんは笑いながら、
「みーくーるー。味なんかどうでもいいに決まってるしょっ。手作りしてくれたこと、
自分にチョコを渡してくれたこと、それだけで十分以上なのさっ。まったく男ってのは単純だ!」
 みくるは額を抑えながら涙目で、
「ご、ごめんなさい……でも鶴屋さん、ちょっと力いれすぎ……」

 昼休みに先輩としてキョンを絞り上げたりしているうちに、あっという間に放課後になった。
 今日はなにやら中庭でみくるが作った義理チョコ争奪戦を行っているらしい。
 それには目をくれず、鶴屋さんは紙袋を手に、腕時計とにらめっこをしていた。
 午後四時過ぎ。なぜか中庭から拍手の音が聞こえる。そしてざわめき。
 鶴屋さんが教室を出たのは四時十分過ぎだった。

「やっぽー。キョンくん、ゴメンよう。これ、みくるの制服と上靴。昼休みに渡そうと思って忘れてたよっ」
 SOS団の部室のドアにもたれかかっていたキョンに挨拶した。
「んで? ハルにゃんたちは中庭で何かやってたけど、みくるはどうしたい?」
 キョンが無言でドアを指す。鶴屋さんはノブを回すとずかずかと入っていった。
「やぁ、みくるっ。着替えかい? あー、ちょうどいいや。その服、ついでに持って帰るよ」
 部屋の中にいたみくるは、驚いた顔で鶴屋さんを見ている。それには気付かないふりをして、
「手伝ってやろうかっ。着せ替え着せ替え。今日は巫女サービスデー?」
 ドアをばたんと閉めて鍵をかけた。
498名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 06:25:07 ID:CBct9B7S

「つ、鶴屋さん……」
「ん、どしたい? みくる。ささっ、制服に着替えよう」
 紙袋から制服と上靴を出してみくるに渡す。
 そしてみくるが着かけていた、巫女衣装を脱ぐのを手伝う。

「鶴屋さん」
「あーい?」
 袴を下ろしながら、深呼吸してみくるが言った。
「みちるをしばらく置いてくれてたってキョンくんから聞きました」
「あ、バレちゃった?」
「うん、まったく姉離れできない妹なんだから」
「あははっ」
 心底面白そうな笑い声を上げる。
「それで、電話して問い詰めたらあっさり白状して」
「何て言ってた?」
「あたしにも謝ってましたけど、それ以上に鶴屋さんに返事できなかったことを悔やんでいました」
「あららっ」
「それであたしが代わりに返事を預っています。言いますね」
 ハンガーに白衣をかける鶴屋さんの手が止まる。
『鶴屋さんの申し出はとてもうれしくて、いくら感謝しても足りないぐらいですが、わたしはいつか
きっと自分で何もかもできるようになってみせます。そして、キョンくんの側に寄り添うのではなく
キョンくんを助けるようになりたい。だから、ごめんなさい』
「そう、言ってました」
 みくるの目に涙が浮かんでいた。
「……そっかーっ。みちるは偉いね」
 鶴屋さんも珍しく、しんみりとした声を出した。
「それと、あとふたつことづてがあります。ひとつは、またお邪魔してもいいかどうか
ということで、もうひとつは、冷蔵庫の中にプレゼントがある、ということだそうです」
「もちろんっ! みちるなら大歓迎だよ。みくるが伝えてくれるんだよねっ?」
「うん、直接は無理かもしれないけど、遊びに行きたいときはあたしを経由して鶴屋さんに言います」
「みくる、よろしく頼むよっ!」
 鶴屋さんがあっけらかんに言うと、感極まったのか、みくるは鶴屋さんに抱きついてきた。
「うっ、ううっ……鶴屋さん、ほんとうにありがとう……」
「あははっ、みくるは妹想いだね……」
 鶴屋さんも優しく抱き返した。


 着替えが終わったあと、外で待っていたSOS団のほかのメンバーににこやかな笑みを向け
鶴屋さんは帰った。もっとも、有希にだけは帰り際にこっそり、
「有希っこ、あんたは正しかったさっ」
 と、耳打ちをした。
「……そう」
 幾分和らいだ表情にも見えた。

 家に帰った鶴屋さんは、まっしぐらに冷蔵庫の扉を開け、目立たないところにラッピングされた箱が
あるのを見つけた。箱を開けると、中にはチョコレートとともに、
『鶴屋さんへ みちる』と書かれたメッセージが入っていた。
 チョコレートを一粒つまんで口に入れてみる。
「甘いっ」
 そのチョコレートは、本当に、甘かった。
499名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 06:31:08 ID:CBct9B7S
>>363-367
>>378-382
>>444-447
>>490-498

鶴屋さんの陰謀 おわり
500名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 07:12:29 ID:fjA96Cbv
>>499
GJ!!
長門が可愛すぎる。
古泉のヤロー羨ましい。(前回の話で嫌な予感はしてたんだよ)
501名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 08:26:50 ID:Vi6SSTDr
本編のBサイドとして普通に出来がいいな。
ここでは脇役に過ぎないはずの長門が印象的だ。
502名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 10:17:08 ID:CC452kjR
長門の返答がナイスだな。
本当にこの話がぽんと本編に出てきてもおかしくないくらいの出来だ。GJ!

>>489それどこに載ってた?全然覚えがない…
ちょっと原作読み返してくるわ。
503名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 10:17:09 ID:oQTtYfOZ
古泉の甘えっぷりに萌えた漏れはあくまでノンケ
504名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 10:25:04 ID:1NQcA979
>>499
鶴屋さんの揺れる心情がとても丁寧に描かれていて興味深く読ませていただいた。
脇役に回った朝比奈さん、長門、古泉も背景のような登場人物では無く、各々の個性が
存分に表現されていて、素晴らしかった。GJ!
505にょ ◆Z4nH.EB2uo :2006/05/14(日) 12:06:38 ID:1V06d4pj
 大長編ご苦労様でした。
506名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 12:14:30 ID:AcSANrPk
>>502は最近アニメを見て嵌った俄ハルヒ厨と予想

>>499
古泉×鶴屋さんも中々(*´Д`)
507名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 12:16:31 ID:QXBBeohw
>>499
GJ

>>502
西宮市そのものじゃなくて、モデルになっているのが西宮市ということ。
508かなり:2006/05/14(日) 13:53:30 ID:T1kMBymq
キタ―――(゜∀゜)-(・∀・)−(´∀`)−(゜Д゜)−( ̄ー ̄)−(´ー`)―――!!!!!
これを待っていたぞー!
(;´Д`)ハアハァ
≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡(´ー`)ノ旦~~ ソチャデース!

509名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 14:18:20 ID:xKYHlGfb
>>499
めがっさ乙
510名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 14:37:42 ID:eCd2idhE
>>499
乙にょろにょろ
511奇跡の動物園1:2006/05/14(日) 15:00:23 ID:hCtw9NQ3
梅雨もまだあけやらぬ6月の中旬にして、すでにひぐらしのなく頃合いが恋しくなっている俺であったが、今日も今日とて膝蓋腱反射のごとく部室に赴いているのである。
部室のトビラを抜けると雪国ではなく、いつも通りの部室だった。
長門は黙々と本を読みふけり、朝比奈さんはメイド服姿でお茶の準備をしてくれているようであり、古泉はにやけ顔で将棋盤を見つめていた。
詰め将棋の回答を導き出してやろうとクロック数を限界まであげながら、椅子に腰をかけると、
「どうぞ、今日は暑いので冷茶にしてみました。美味しく煎れられたかは自信ないんですけど…」
同時に朝比奈さんが湯飲みを差しだしてくれた。
迷子になった子供のような不安げな表情で、俺の様子をうかがっている。
もちろん美味しいに決まってるじゃないですか。
「よかった」
そう笑顔で答えてくる朝比奈さんを見ながら、ひぐらしはもう少し先でもいいかと思い直していると、長門が音もなくスッと立ち上がり
「2三桂、2一玉、3二竜、同金、1一馬」
瞬く間に、一国の王を不幸のどん底に突き落として、定位置にもどっていった。
まったく、いつの間に将棋のルールなんか覚えたのか。
ふむふむとなにやら納得したようすの古泉が、盤面から視線をはずし新たな問題を提起した。
「涼宮さんはどうされましたか?」
あいつはいつもどうかしているが、ここで求められている回答はそうではないことぐらい俺にだってわかるのさ。
「いや、気づいたときにはもう教室にはいなかっ」
と言いかけたところで、
「みんなそろってるわね」
常夏の国の川辺に群生しているハイビスカスのような笑顔を携えたハルヒが勢いよく扉を開け放って登場した。
その手になにやらを握りしめていることも相まって、枯れない泉のごとく嫌な予感が沸々とわき上がってくるが、あえて先手を打ってみることにする。
「今度はカヌー大会にでようとか、言いだすんじゃないだろうな?」
先日の野球大会では、とんでもない目に遭わされたからな。
やっかいそうなスポーツは先に潰しておくにかぎる。
何を想像したのか、ぷるぷると小刻みにふるえている朝比奈さんには目をくれず、ハルヒは、
「そんなワンパターンじゃつまらないじゃない。それにカヌーには5人乗りの競技はないのよ」
と、軽やかにツッコミを入れた。
まったく自分に都合の悪いこと以外のことには、案外めざとい奴である。
まぁこれで、大自然と一体になって激流を乗り切る必要はなくなったわけなのだが。
朝比奈さんがほっと胸をなで下ろしたのもつかの間、
512奇跡の動物園2:2006/05/14(日) 15:02:32 ID:hCtw9NQ3
「コレよ」
先ほどからなにかを持っていた右手を、どこぞの女神像よろしく高らかに掲げてみせた。
それは、世界を照らす自由の灯火でもなんでもなく、最近出来たばかりの動物園のパンフレットとおぼしきもであった。
ハルヒにしてはあまりにまともすぎる代物に、これはいったいどうしたことかと思いを巡らせていると、いつの間にか朝比奈さんの背後に回り込んだハルヒが、その栗色で綿のように柔らそうな後ろ髪を手櫛で丁寧にとかしていた。
「いいでしょ?みくるちゃん、動物園」
森にひっそりと住まう小動物のようにピクッと反応を示した朝比奈さんであったが、動物園というワードに少し揺らいでいるようで、
「面白そう…ですね。」
控えめに答えたあと、実はあんまり行ったことないんです、と付け加えた。
傍らに佇むもう1人の少女に目をやると、分厚いハードカバーに奪われたっきりだった視線をゆっくりとこちらへ向けただけで、また何事もなかったかのように本の元へと戻っていった。
これで意図が読み取れる奴がいたら、天然記念物に指定してやろう。
その間ずっと、ハンサムスマイルを顔に貼り付けたまま、傍観者を決め込んでいた古泉は、
「それは良い提案ですね、さすがは涼宮さん。実は僕もかねがね動物に興味がありましてね。」
颯爽と賛成票を投じた。何がさすがなのかも、どんな興味があるのかもまったくもって知りたくもないが、ハルヒがどんな興味を持っているかは、はなはだしく気になるところである。
俺は先ほどから探していた回答を自力で出すことを諦め、
「目的はなんだ?」
ど真ん中の直球をハルヒに投げ込んだ。
「どうも臭うのよね」
ハルヒはコンパクトなスイングで俺の投球を明々後日の方向にはじき返した。
513奇跡の動物園3:2006/05/14(日) 15:03:03 ID:hCtw9NQ3
何がどう臭うって?
辺りの空気をかいでみたが、朝比奈さんの周囲に上品でおだやかな香りがただよっているぐらいだ。
「こんな交通の便のわるい所にわざわざ新しく動物園をつくるなんて、十分怪しいわ」
ハルヒが、異議を申し立てる弁護士のようにビシビシと指しているパンフレットを見ると、確かにその動物園へのアクセスはあまりよろしくないようだ。
いろいろあるんだろ、大人の事情が。
「あんたもSOS団員らしくなってきたじゃない。そうよ、表向きはただ動物園、でも夜な夜な実験を繰り返し、人知を越えた生物を作りそうとしているに違いないのよ」
小学生が書いた日本地図より適当な俺の答えを拡大解釈したうえ、とんでもない誇大妄想にとりつかれているようである。
「うまく意表を突いたつもりかもしれないけど、私の目はごまかせないわ」
いったい誰が誰の意表を突くつもりだったというのか。
「さぁ、動物たちが首を長くして待ってるわ。行くわよ、動物園、心してかかりなさい!」
逆手で握り拳をつくりながら言い切った。
ほら、パンフレットが潰れてるじゃないか。
 あきれ顔1、無表情1、半喜半憂1、さわやかスマイル1という満場一致とはほど遠い状態であったが、ハルヒはいつも通り一切合切お構いなしに、ピンと立てたひとさし指をリズミカルに左右に振りながら、宣った。
「今週の土曜日、駅前に9時集合よ。一秒遅刻するごとに、懲役一年だから。いっとくけど執行猶予はないからね。」
どうやらハルヒ王国でも死刑制度は廃止になったらしい。

その日の帰り際、思春期の少年少女にも勝るとも劣らないため息をつく俺に、朝比奈さんが、
「やっぱりちょっと心配ですけど、ちょっと楽しみです。」
と天使のようにほほえみかけてくれたのが、せめてもの救いだ。
514名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 17:51:28 ID:yW0iQjlh
宮野と富野は似ている
515名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 18:55:05 ID:UkmVMQZO
あっというまに詰め将棋を解いた長門(^^;)
516名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 19:13:40 ID:QXBBeohw
>>511-513
続きワクテカ
517名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 19:44:55 ID:fq7wrzmJ
wktk=ワクテカだよな?

ということで>>513にwktk。
518名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 20:10:22 ID:urjc89dR
みくるエロってあんま見ないのは気のせいじゃないか…
519511:2006/05/14(日) 20:51:57 ID:hCtw9NQ3
ハルヒの一人称間違えました、すんません。
まとめるのにまだ時間がかかりそうなので、
本編はもうちょっとだけお待ちいただければ、幸いです。
520第774話さん:2006/05/14(日) 21:21:06 ID:QvjIHG8t
>>513
おつかれです。
しかし、SSに2ちゃん語はなるべく入れない方がいいでしょう。
読む人が引くかも知れません。( ̄ー ̄)ニヤリッ
521名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 21:28:15 ID:sIF27KbN
どこに2ch語が入ってるのか分からない俺は負け組
522名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 21:43:56 ID:E69OdhVd
>>521
やぁ俺。二回ほど読んだが、今一。
523名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 21:45:51 ID:28P0ev59
>>521
何でここにも俺がいるんだ?
524名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 21:46:02 ID:IdpvV8CO
一回読んで気づかず、もう一回下から調べてもう一度一通り読んでしまった俺はどうすればいい?
525名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 21:50:53 ID:JF6WNhMm
陰謀まで読んだ限り、ハルヒを不安定にしないように、自分の気持ちを押し殺してるっぽく見えるからねぇ。
オナってるSSとかあるとうれしいかも。俺には書けんがorz
526名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 22:12:23 ID:eCd2idhE
ヒント:レス間違い
涼宮ハルヒ と 誘拐。

短編 「園児ランド」

  0

 事件の前には必ずといっていいほどなんらかの伏線が敷かれるものだが、それは小説や映画やドラマといったものにのみ当てはまるのであって、
現実世界に生きている俺たちにとっちゃあそんなものは関係ない。なぜなら俺たち人間は常に突発的な危険や事件に巻き込まれることが多々あるし、
もしも伏線たるものが存在するとすればそれら事象を事前に回避する事ができるだろうからだ。
 もっとも、誰々がキレル寸前にあるとか、そういったものは伏線じゃあない。兆候だ。
 兆候と伏線は大きく違う。伏線は必ず消化されなければならないが、兆候は無理に消化する必要はない。怒りが自然と鎮火する場合だってあるだろ?
 ま、とりあえずだな、話を要約すると、伏線なんて便利なものは現実には存在しないってことがいいたかったわけさ。
「はぁ・・・・・・」
 朝。教室である。俺のうしろの席のハルヒはいつになくメランコリックな表情で、皮肉をたっぷり込めたはずの講話を聞いているのかいないのか、
さっきからため息を連発している。
「なぁ、俺の話、聞いてたか?」
「うるっさいわねぇ。伏線だとか、なんだとか。キョンは考えすぎなのよ。そういうの考えるのは、ボケ老人になってからゆっくりとしなさい」 
 頬杖をついたハルヒの眉間が、いままさに不機嫌であることをあらわしていた。触らぬ神になんとやら、か。というわけで話を打ち切り、前を向こうとした俺に、
ふとハルヒの独り言が聞こえたきた。
「子供の頃に戻りたいなぁ」
 そのときの俺は、ハルヒのその一言に重大な意味が隠されているとは思ってもみなかった。 そしてのちに嫌というほど実感するのだが、
とにかく俺は先ほどの言論を撤回しなければならないようだ。なぜならハルヒこそが、この世界で唯一の生きた伏線である事を俺は見逃していたからだ。
 盲点だった。そしてその伏線は、早くもその日の放課後に消化されることになる。俺の最も忙しい一日が始まりを告げるのだった。
1


 放課後である。掃除当番をおえた俺は部室棟の廊下を歩いていた。
「なんだ?」
 文芸部の扉のドアノブをまわそうとしたとき、部屋の中から騒がしい声が聞こえてきた。どうも、
ハルヒと朝比奈さんの声のようである。
 またハルヒのやつか。おそらく天使のように純粋な朝比奈さんにいらぬちょっかいを出しているのだろう。いい加減、
注意をしなければいけないな。俺は手の甲でドアノブを叩いた。
「入っていいですよ」
 予想に反して、部屋のなかから聞こえてきたのは古泉の声だった。俺は訝しげにドアノブを回し、前方に押しだした。
「誰だ、それ」
 部屋に足を踏み入れた俺の第一声はそれだった。椅子に掛けている古泉の足元でじゃれ合っている二人の幼児を指さしながら、
俺は呆然として言った。
 視線を、花柄のスモックを着た二人の幼女に向けたまま、とりあえず鞄を机に置く。長門は我関せずとばかりに、
部屋の隅で分厚い本と戦っている。ハルヒと朝比奈さんの姿はなかった。 嫌な予感がした。
「それ、どこからさらってきたんだ?」
 古泉はいつものスマイルのまま、
「心外ですね。彼女たちとは今しがた会ったばかりです」
「嘘をつけ。なんで高校に幼児がいるんだ。長門はあの通りだし、消去法で考えて、犯人はお前しかいない。白状しろよ」 
 言いながら、俺の声は弱冠震えている。頭のなかではわかっちゃあいるんだ。でも、絶対に認めたくないことってあるだろ?
 とそのとき、髪の黒いほうの幼女が、とてとてと歩いてきて、俺の太ももにガッツリ抱きついた。
抱いてほしそうに見あげてくるので、とりあえず膝に乗せてみた。
「キョン〜、キョン〜〜」
 幼女は覚えたてのママを発音するときのように、俺のあだ名を呼んでいる。いてっ!
 髪の毛を引っ張るんじゃありません!
「懐かれたようですね。僕はてんでダメですよ。子供は嫌いではないのですが、なかなか好いてくれません」
 古泉はまかせた、とばかりにもうひとりの幼女の背中をぽんと押す。栗色のふわふわした髪の毛が揺れて、
こっちにむかって歩いてきた。これまた抱いてくれと目で訴えてきたので、膝にあげる。やれやれ。
 そこで俺はついに折れた。現実と向き合わなきゃいけないときだってあるさ。
「で、いつから俺たちの部室は託児所になったんだ?」
「僕が来たときには、すでにこの状態でした。長門さんはあとから入ってきましたが、いつもの通りです」
 そうだろうよ。思い当たる節は?
「さぁ、それはあなたが一番知っているんじゃないでしょうか?」
 今朝がた、ハルヒの呟いた言葉を思い出した。俺は無言のまま頷いた。
 黒い髪の幼女が俺の首にしがみつく。膝からずり落ちそうになっているもう一人の子を、改めてかかえあげた。
「ハルヒが望んだからだろ?」
 古泉の笑顔は「正解です」と言っていた。
「で、どうすれば、元に戻るんだ、これ」
「知りません」
「うそをつけ」
「本当です。今回の件については、僕はまったく関知していません」
 他の件なら、少なくとも関知していると言う事か。
 閉鎖空間とやらは?
「神人があらわれたとの報告はありません。どうやら今回の件は、それとはまた別の力が働いているようです。
ですからゆっくりと、彼女達を元に戻す方法を見つけてください」
 簡単に言いやがって。
 というより、俺の首に巻きついているこの子がハルヒなら、おおぴらにこんな話をしてもいいのか。
ハルヒに自覚されると、まずいんじゃなかったのか。
「心配は要りません。元に戻ったときの涼宮さんは、この状態のときの記億をうしなっているはずです」
 なぜそうと言い切れる?
 古泉は、ふふっと微笑んだ。
「彼女が子供だからです」
2

 早くも次の日の放課後である。部室棟の廊下を不機嫌な足取りで歩いた俺は、これまた不機嫌な調子で部屋の扉を開けた。
部屋のなかでは古泉が、待っていましたとばかりに、爽やかなスマイルをこちらに向けていた。
「どういうことだ。古泉」
 つかつかと歩み寄り、いい加減見慣れてきた微笑を見下ろした。
「何の話です?」
 小首を傾ける古泉。俺はいつかのハルヒみたいに、そのネクタイを引っ張った。
「おまえ知ってたんだな」
「だから、なにをです?」
「とぼけるな。おれはとくに、これといってなにもしてないぞ。ただ遊んで、一緒にフロはいって、寝ただけだ」
 そう、あれからハルヒと朝比奈さんをを家に連れて帰った俺は、
息子がとつぜん連れてきた二人の幼児を訝しがる様子をまったく見せない両親の承諾を得て部屋に泊めた。
妹は妹ができたとかナントカ言っておおはしゃぎしていたが、風呂やら便所やら子守唄やらなにからなにまで俺が面倒を見る羽目になった。
疲れ果てた俺はハルヒと朝比奈さんと一緒に、仲良く川の字になって眠った。
 朝、妹の甲高い声に眠から目覚めた俺だったが、布団をめくるとハルヒと朝比奈さんの姿はそこになかった。
もしやと思い妹と両親に話をしてみたが、そんな子供は昨日家に泊まらなかったという。
 ふふ、と古泉は笑った。そして、
「正解です。ぼくはすべて知っていました。しかし、前もって言うほどの事ではなかった」
「だからって――」
 俺は掴んでいたネクタイをはなした。
「いいですか、子供とはそういうもの、いつかは必ず大人になるものなのです。ネバー・ランド。そんなものは実在しません。
変化こそが、生物の本質なのです。そしてそのことを誰よりも知っているのが、私たち人間なのですよ」
 うまくやり込められた気がしてならない。俺はなかばあきらめたように、鞄を机に放り投げた。
過ぎたことをとやかく言っても、仕方がない。
 ただ、ひとつ疑問が胸に残っていた。
「でも、なんでハルヒは幼児なんかになりたかったんだ?」
 今回の騒動は、いままでのとは違う気がしていた。
 古泉は外国人のように手の平を上に向けながら、
「さぁ」

 ”甘えてみたかっただけなんじゃないですか、あなたに”

owari
531名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 22:22:26 ID:cqZDQYwK
>>529-530
超乙ですw
532名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 22:23:07 ID:oQTtYfOZ
ミヨキチの話を聞き出した後の事と予想
533名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 22:35:54 ID:Ok2jP8kD
>一緒にフロ入って
^^;
534名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 22:37:40 ID:aPASCSRV
キョン×妹のセクロスって需要ある?

書いてみたけどなんか投下できるふいんき(ryじゃ…
535名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 22:41:05 ID:oQTtYfOZ
ひそかに温めつつ全然書いてないけど、是非読みたいな
536名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 22:42:15 ID:yGTGNs5S
>>534
ノシ
537名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 22:42:25 ID:GhrFG2r8
(*´д`*)∩ 投下希望
538名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 22:53:43 ID:HBKQqOf/
ハルヒがキョンとのセックスがうまくできずに閉鎖空間
みくると長門がキョンに保健体育講座してからキョンがハルヒとリベンジみたいなのの続き?希望
539名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 22:59:09 ID:66a6xBnh
消失長門×キョンまだー!!
540名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 23:02:19 ID:cqZDQYwK
>>534


是非お願いいたしますm(__)m
541名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 23:44:30 ID:Lu9OEsbW
お前らオツカレチャ━(´∀` )━ソ!!
542名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 23:58:52 ID:B6+ZXPh8
キョンとハルヒを希望してみるのはなしですか
543名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 00:20:18 ID:BHel4T0j
アニメ版基準 孤島おまけ

キョン妹「ねーねー、みくるちゃん♪『お姉ちゃん』ってよんでもいーいー?」
みくる 「はい!妹ちゃんなら、大歓迎です」

ハルヒ『やってくれるわね!みくるちゃん。
   将を射んとすれば馬、外堀から埋めて行こうって魂胆ね!
    でも、まだまだ甘いわ!
   妹から攻めるなんて、大阪冬の陣で真田丸を真っ正面から攻める様なものよ!
    狙うならやっぱり本丸!お義母さまよ!
   キョンの家に上がり込む口実を作る必要がありそうね!!』

 かくして、エンドレス8発動。
544名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 00:31:20 ID:8J1I4jwY
>>543
キョンの部屋に上がりこんだのって、あの宿題の時が初めてだっけ?
ハルヒが満足したのはそういうこと?!
545外伝:2006/05/15(月) 00:46:17 ID:uoLrvnW+


 こんな星の夜には

 好きな人に会いたくなって

 外に飛び出してみてもいいんじゃないっ?


 きっと、何かいいこと見つけられるっさ。



 【スノースマイル】



 肌寒さを感じて目を開けると、部屋の様子が変わっているような気がした。
 ここはいつもの俺の部屋ではない。SOS団冬季合宿として訪れた鶴屋家の別荘だ。
 布の擦れる音がして目をやってみる。…窓が開いてる。吹き込む夜風でカーテンが舞っていた。寒いのはそのせいか。月が出ているようで、窓の周辺が浮き出ているように見える。
 その月明かりに浮かんだ、見覚えのあるシェルエット。ピンクのカーディガン、膝まである長い艶のある髪。神秘的な美しさを漂わせるその人影は、微笑んでいるようだった。
「鶴屋さん…?」
 間違えるはずがない。あの笑顔を何度も至近距離で見てるからな。
「おはよう、キョンくん」 鶴屋さんはそう言うと、音もなくこっちへ近寄ってきた。
「今からちょっち、付き合ってくれないかなっ?」
 まだ横になっていることに気付き、慌てて俺は身を起こした。そして時計を探す…何処にあるのか分からない。今は何時だろう。かなり遅いはずだが。
「何処へ行くんですか」
「うふふん。それは着いてからのお楽しみさっ」
 こんなに暗くても、いや、周りが暗いからこそ、彼女の笑顔は昼間見るよりも光って見えた。

 鶴屋さんが案内してくれたのは屋根裏部屋だった。
 そう、鶴屋さんが小さい時に使っていたという瞑想部屋である。
「懐かしいなあっ」
 部屋はこじんまりした感じだった。家具も机とベッドくらいしかない。サイズはもちろん子供向けだった。
「キョンくん、こっちにきて」
 まだ夢見心地の俺は、招かれるままに窓辺の鶴屋さんに近寄った。そして鶴屋さんの隣に立ち、両開きの窓から外を見た。

 絶句という二文字は今の俺にこそふさわしいだろう。見渡す限りの雪原。それ以外は何もない。あるとすれば、地平線で雪原と繋がる冬の星空。
 雪は月の光を浴びて一つ一つが輝きを放っていた。星は夜空にだけあるものじゃない。雪の日には、ここの景色全てが星になるようだ。
「この景色を誰かに見てほしかったんだ。……には」
 今、何と言ったのか。小さすぎて、俺には聞き取れなかった。
「ぶるるっ、寒くなっちゃった。風邪ひくといけないっ。戻ろっか」
 鶴屋さんは何事もなかったかのように窓を閉め、先に歩き出した。
 
 部屋に戻った俺は、さっき鶴屋さんが言いかけたことを思い出そうとしたがその思いも空しく、俺は数分で寝てしまった。
 俺はずっと忘れないだろうな。月明かりの下、雪の結晶のように笑う、鶴屋さんの姿を。


 ……誰かに見てほしかったんだ。


 ――キミだけには。




(終わり)
546外伝:2006/05/15(月) 00:50:16 ID:uoLrvnW+
>101 >461に続き、外伝第三段。
1レス読み切り、と自分ルールを作ったせいで長さが制限されてどうしても早送りで進んでしまう…
地道に続けていきたいのでまあこんなのもありか、と楽しんで下されば幸いです。
547名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 00:53:14 ID:QVGLAmPs
>>45
相変わらず超GJ。
短い分、シンプルにまとまってるよ。

そういえばBUMP OF CHICKENの歌にあったな>スノースマイル
548名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 00:56:05 ID:CWVuZmCM
じつにいい
ああ実にいい
549名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 01:06:49 ID:uoLrvnW+
>547
その曲を聴いて思い付いたのでタイトルにしました。
雪の降る中笑うイメージが、何故か鶴屋さんだった。
俺の場合。
550名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 01:07:38 ID:d1zVyuu/
挿入する。
実行。


早漏。
551名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 01:09:06 ID:fdFzphtd
外伝なのにキョン鶴だよw
保管庫の『鶴屋家別荘の夜、もしくは羊の夢』と併せて読むのもまたよし。
552名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 01:13:00 ID:qofAssOu
>>551
まあ、鶴屋さん自体が外伝キャラみたいなものだし。
553名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 01:18:11 ID:uoLrvnW+
>551
鶴屋さんに至ってはあまり過去とか背景のたぐいには触らないほうが良いのでは、と思ったので…
読み切りにしようにもまとめにくいのもあったし。
554名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 01:24:46 ID:fdFzphtd
>>553
作者さんはこんなところまで考えてるんですね。
次作も楽しみにしてます。
555名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 01:32:45 ID:zLLB078G
その日、涼宮ハルヒはクリスマスの準備に熱中していた。
彼女だけでなく、ここではクリスマスというものは重要な行事らしい。
その本来の目的と、実際に行われる行動に乖離が予想されるが、それは重要ではない。
実際、彼女はクリスマスそのものをさほど重要視しているわけではない。
それを名目とした一連の行動計画を重視しているのだろう。

いつものように文庫本を読んでいるわたしの頭に、円錐形の帽子をのせ、
涼宮ハルヒは、全力ではしゃいでいた。悪い兆候ではない。問題はない。
あの人は優れない視線をわたしに向けたが、その視線はすぐに彼女に移った。
涼宮ハルヒに対するあの人の憂いは日常である。問題はない。
ただ、わたしに向けられた視線がすぐに涼宮ハルヒに移り、その後、
朝比奈みくるに固定され続けていることを除けば。しかしそれも日常。
ところで、この帽子には何の意味があるのだろう。あとで調べよう。

その日の帰宅途中、いきなり声を掛けられた。
「あ、あのっ、長門さん」
振り向くと、そこには同じ高校の男子生徒が立っていた。
誰だろう。記憶を探す。学校で見たことがある。同級生。それだけ。
普段わたしに声を掛けるような人は同じクラスでもあまりいない。
落ち着かない様子で立っているその男子高校生に目を向けた。
なぜかもじもじしているが、それ以外に変わった様子はない。普通の人間。
異空間転移などの特異現象も確認できない。

家に帰ろう。
わたしは彼が普通の人間であることを理解すると、自宅に向かって歩き始めた。
「ち、ちょっと、ちょっと待ってください!」
男子生徒は走ってわたしの前に回りこんできた。
わたしの顔を見て、しかし、すぐに視線を落とすと、言った。
「あの、ぼ、僕と付き合ってください。その、す、好きなんです」
付き合う? その意味を考え、それが人間男女間の恋愛関係を指しているのだと気が付いた。
眼前にいる男子生徒は、わたしとの恋愛関係を構築したいらしい。
なるほど。用件は理解した。返答する。
「いや」
そう答えて、わたしは改めて彼に目をやった。
今後もわたしに接触してくるようであれば、情報操作をしなければならない。
「え? な、で、できれば理由を……」
「いやだから」
「そ、そうですか」
少しの時間わたしに視線を泳がせた後、肩を落とし、彼は来た道を戻っていった。
諦めたようだ。今後、これ以上、わたしに接触しようとはしないだろう。

待機モードから移行し、涼宮ハルヒと同じ高校に入学して人との接触が増えた当初は、
このようなことが何度かあった。
しかし、涼宮ハルヒと行動を共にするようになってからは、ぴたりとそのようなこと
はなくなり、それはそれで都合のよいことだった。
でも、クリスマスが近付くにつれ、そのようなことがまた少しずつ増えてきている。
思うに、クリスマスというものは、人に、恋人同士で過ごさなければならないのだと
いう強制観念を植えつけるものらしい。その理由は不明。
だが、これ以上、クリスマスとそれが引き起こす人間心理に興味はない。

わたしは自宅に向けて歩き出した。
好きです、その言葉が妙に思考に残る。あの時、なぜ返答したのだろう。
彼のわたしに対する興味を消去し、そのまま無言でその場を離れてもよかった。
彼は自分の心理状態に多少の疑問は感じでも、速やかに彼の日常に復帰しただろう。
返答したことは、不要な印象を彼に与えかも知れない。
いや、結果は同じだ。彼は今後わたしに近付くことはない。

考える時間が必要だった。
556名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 01:37:01 ID:zLLB078G
自宅に戻り、わたしは考え始めた。もうあまり時間がない。
わたしはまもなく世界改変を実行する。そうするはずだ。蓋然性は高い。
しかし、その理由、目的が明確でない。いや、まったく解らないわけではない。
実際、少し前から、わたしは過去の同位体からの同期要求を全て拒否している。
今のわたしの記憶と感情を過去のわたしに知られたくはないから。

わたしの役割は涼宮ハルヒの観察だった。
しかし、今では、あの人の観察と保全も役割に入っている。
あの人に初めて会ったのはこの部屋で、わたしは待機中だった。
その時点での観測結果からは、少なくとも中学、高校の間は、涼宮ハルヒが普通の
人間に興味を持つとは思えなかった。だから、情報統合思念体は、普通の人間である
あの人の存在――涼宮ハルヒが興味を持った人――を特異なものと認識し、
あの人の観察と保護をわたしの役目に加えた。

そして、それは結果的に驚くべき影響をわたしに与えた。
わたしが受けた影響は、あの人と行動を共にするようになってからが顕著だった。

わたしは観察者であり、よって、観察対象とは最小限のコミニュケーションが
成り立てばよい。余計な感情の発露はノイズを生み、不必要な影響を及ぼす。
観測者の存在は、対象にできるだけ影響を与えないことが望ましい。

しかし、わたしは、もうそれを守れそうにない。
わたしは、あの人の頼みを断れない。今のところ、妙な依頼は受けてない。
仮に依頼されたら、あの人の立場で全てを判断し、実施してしまうかも知れない。
でも、あの人は、あまり変な依頼はしてこないだろう。
そこは信頼している。ただ根拠はない。

そして、あの人にわたしを意識して欲しい、そう、できれば、いつもわたしの
ことを見るようになって欲しいと願うようになった。それは、多くの局面で、
実現している。彼の視線は、わたしを捕らえることが多い。
それは、コンピュータ研とのゲーム対戦以降、顕著になった。
わたしは、それを嬉しいと感じるとともに、少し残念にも思っている。
なぜなら、彼の瞳に浮かぶ感情は、わたしが望むものではないから。

そこまで考えて、わたしの思考は停止する。わたしが望むもの?
557名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 01:39:26 ID:zLLB078G
思考が揺らぐ。今、わたしは何を考えていたのか。
わたしの連想記憶は、あの人の姿を次々と引き出す。
初夏の図書館。嵐の孤島。永遠の夏……。
わたしに自我を意識させた彼の言葉、労いの言葉……。
心配そうな視線。労わるような視線。
眼鏡はないほうがいいと言ってくれた彼。

既にわたしは観察者としての客観性を失っている。
思えば、文化祭の映画は、わたしの思考に、ある種の影響を与えた。
わたしは、鍵となる人と共にこの宇宙をあるべき姿へと変える。
そう、わたしの望みは……

わたしは何を考えているのだろう。

気が付くともう深夜になっていた。
思考を解放し、床に寝転ぶ。ただ天井を眺める。少し憂鬱な気分。

そう、わたしは、あの人と一つになることを望んでいる。
もはや、観察対象として彼を観ることは不可能。
あの人と共にいて、触れ合って、あの人の存在を感じたい。

わたしはあの人が隣にいて、手をつなぎ、話しかけてくる姿を想像する。
その想像は、わたしを浮き立たせるような気分にさせる。楽しい。
でもそれは、きっと良くない兆候。

このままでは何も進まない。

くじがある。そう考える。選択は複数。あたりは一つ。
それは、自分の望む未来。
線を辿る途中に、横線が次々と書き換えられるあみだくじ。

どれを引く? いや、もう引いてしまったのだ。そして線を辿っている。
横線は次々と書き換えられ続けている。横線を書き換えているのは、
わたしと不確定要因。だから不確定要素の意思を推測する。
しかし、推測には限界がある。ならば、直接、その意思を確認すればよい。
自分の意思を確定し、不確定要素の意思が確定すれば、結果を得られる。
わたしの望みを不確定要因が望めば、あたり。
わたしの望みを不確定要因が望まなければ、はずれ。
それは一種の賭けだ。

このままでは、わたしは決定的なはずれを引く。それは規定事項。
558名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 01:41:48 ID:zLLB078G
ふと、今日、わたしと付き合いたいと言ってきた男子生徒を思い出した。
彼も賭けにでたのだ。そして彼は結果を得た。彼が望んだものではないだろうが、
納得したのだろう。結果的に、彼は思考の安定を得たに違いない。

うつむき加減でわたしの前に立った、あの男子生徒の姿を思い出す。
その生徒の姿があの人の姿に変わる。
あの人は、わたしの記憶にあるままの言葉を発し、わたしは答える。

――嬉しい。これからはいつも一緒。あなたは、わたしのことだけを考えて。

わたしは感情を抑えられなくなり、それは、ある種の身体的反射反応を引き起こす。
あの人に抱きつく。そして抱きしめられたい。

無意識に胸に手が行き、軽く揉む。無意識な身体動作は障害の兆候。でも。
これはあの人の掌なのだ。体温、心拍数が上昇する。
開いた両足の間に指をもぐりこませ、下着の上から擦りあげる。何度も繰り返す。
突然、内股の筋肉が収縮し、身体を丸めてしまいそうになる。不随意な筋肉の収縮。
うまく身体を制御できない。両足の間を擦り上げてた指先を口に含み、それを舌で
嘗め回す。これはあの人の舌。腰を浮かせ気味にして、唾液で濡らした指を下着の
隙間からすべりこませる。そこはすでに濡れそぼっていて、
ならば、唾液をつける必要はなかったのだ。思考が上滑りする。

刺激を与え続けることしか考えられず、わたしは胸を揉んでいた手も、
股間にすべり込ませた。

下着が邪魔。でも、もう脱ぐのも面倒。思考が乱れる。でも、いやじゃない。
わたしはあの人に愛撫されているのだ。わたしは両手で、わたし自身を弄る。

浮遊感。その瞬間、身体が勝手に反り返り、視界が真っ白になった。
落ちていく。そして、溶けていく。

それに続く、波に揺られるような感覚の中で、わたしはあることを考えていた。

情報不足。そしてその時は迫っている。
そう。ならば賭けてみるのも悪くない、はず。
559名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 01:45:54 ID:zLLB078G
翌日の放課後、部室で私はいつもと同じようにハードカバーを読んでいた。
いつもの日常。あの人を視線の隅に捕らえる。
あの人はその日も何度か視線をくれた。あの人に見られる度、わたしは穏やかな、
それでいて落ち着かない気持ちになる。矛盾。でも、いやじゃない。
そのわたしの気持ちは伝わらなかったようだ。残念。

その日の活動も終わり、みな帰り始める。
そして、部室には、帰り支度をしているあの人と、わたしだけが残った。
「じゃあ、俺も帰るよ」
「まって」
そう言ってわたしは、読んでいたハードカバーを本棚に戻した。
彼は身体をドアに向けたまま、首だけでこちらを向く。怪訝な表情。少し楽しい。
わたしの感情は、表情に表れていないはずだ。わたしにそのような機能はないから。
カバンを手に持ち、わたしは言った。
「一緒にきて」
「……どこに?」
「わたしの家」
「……それってアレか、またハルヒが何かしでかしたのか?」
「ちがう。相談」
「相談? なんの?」
「わたし」
彼は首を傾げている。彼の表情から否定的な感情は読み取れなかった。
だから、そのままドアに向かって歩く。
「ちょ、おい、ちょっとまて。おい、長門」
後ろから肩を掴まれた。そのまま振り向き、彼を見上げる。彼の手の温もりを感じる。
断られるのだろうか。少し心配。

彼はそのまま立ち尽くしていたが、諦めたように言った。
「わかったよ、そんな目で見るな」
わたしは頷き、ドアに向かった。
560名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 01:49:36 ID:zLLB078G
帰り道、彼はわたしの少し後を歩いていた。
並んで、そして手をつないで欲しい。しかし、彼はそのようなことはしない。
特に話すこともなく、マンションに到着。部屋のドアを開けた。
「入って」
おじゃましまーす、と言いながら入ってきた彼を、リビングに通す。
彼も初めてではないので躊躇することもなく、コタツ兼用のテーブルの前に座った。
わたしはカバンを置き、台所でお茶の準備。

テーブルに向かい、お茶を出す。
お茶を飲む様子が少し気に入らない。朝比奈みくるのお茶を飲むように、
わたしのお茶も飲んで欲しい。

「で、話ってなんだ?」
まさか、また何か電波なことでも話すつもりか、と言いたげな彼の表情を見て、
わたしは口を開いた。
「わたしのこと」
「ん?」
彼が、だからなんだ、と言うようにわたしを見る。
「あなたが好き」
「え?」
「抱いて」
「…………」
彼が固まった。わたしはテーブルの上の湯飲みを手に取り、少しだけお茶を飲んだ。
「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待て。待ってくれ!」
そう言って、お茶を飲んでいるわたしを見て、唖然とした表情を見せた後、
気を取り直したように言った。
「すまん、わからん。まったく意味がわからん。なにがわからんかもわからん。
何か聞き違えたんだろうな、俺。ははは、すまん、すまんがもう一度言ってくれ」
そして、わたしに真剣な目を向けた。

考えてみる。意図は伝わらなかったようだ。少し悲しい。再試行。
「わたしは、あなたが好き」
「…………」
「だから、あなたのものにして」
「…………」
彼の表情は変わらない。真剣な表情のまま固まっている。
やはり、抱いて、とか、あなたのものにして、とか言う言葉は、
もう少し違う感じで言ったほうがよいのだろうか。例えば朝倉涼子のような甘えた
感じで言えば、伝わりやすいのかも知れない。彼女の初期設定パラメタ値は保存
されてただろうか、などと考えたところで、彼が復帰した。
「ま、ま、ま、まてまてまてまてっ! ちょっと待て!」
彼は立ち上がり、一歩下がった。

この世に存在し得ないものを見てしまった、そんな微妙な表情。少し腹立たしい。
「それって、どーゆーことだ!」
「言葉通り」
「…………」
彼は正座したままのわたしに近付くと、両手でわたしの両肩を掴み、顔を覗き込んだ。
「言ってる意味わかってるか? お前は本当に長門か? まさか……」
覗き込んでくる彼の目を見る。見開いた目は驚愕と疑いの色を湛えている。
そして、何か呟いている。何か言った方がよいのだろうか。
彼はしばらくそのままの体勢でわたしを見つめていたが、やがて、何かに気が付いた
ように手を離すと、一つ咳払いをした。
そして、ぎこちない動きで、テーブルの向こうに座った。
そのままで良かったのに。少し残念。

彼は何度か口を開いたり閉じたりしていたが、やがて決心したように言った。
「長門。俺には、お前が俺の知ってる長門に見える。でも、俺の長門は、
そんなことは言わないんだ。一体どうした? 何があったんだ?」
561名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 01:52:17 ID:zLLB078G
俺の長門、その言葉にわたしの感情が反応する。
そしてそれが、俺の(知ってる)長門の意であることを理解し、少し残念に思う。
それから、わたしは言った。

最近のわたしは、ひどく不安定。でも、あなたといると落ち着く。
あなたの言うことは何でも聞きたい。あなたがわたしを頼ってくるときは、とても嬉しい。
だから、わたしは、あなたが好き。
わたしは、あなたのことを考えていると思考が落ち着く。
あなたの行動が理解できないと、思考が混乱する。
わたしは、あなたの全てを理解したいと思っている。
わたしのこの感情は、恋愛感情に近いと理解している。
あなたがわたしを嫌っていないということは解る。
よって、あなたは、わたしに対して何らかの興味をもっていると推測できる。
だから、わたしを抱いて。

説明を終えた私は、またお茶を一口飲んだ。彼は呆然としていたが、やがて口を開いた。
「最後の『だから』は…… いやいやいや、そうじゃない。とりあえず、それはいい」
彼は早口で何か呟いた後、言葉を続けた。
「つまり、お前、俺の知ってる今の長門は、俺を好きになった?」
肯定。
「で、俺がお前を好きになることを望んでいる?」
少し考えて、肯定。
「つまりは、俺たちが恋人同士になることを望んでいる?」
少し考えて、否定。
「少し違う」
わたしは、あなたが思うような恋人関係になることを、確かに望んでいる。
しかし、それを叶えるには、あなたの意思、わたしという存在の特殊性、
涼宮ハルヒの反応など、考慮しなければならない要素が多い。
実際、それはほぼ実現不可能。
しかし、一時的な関係であれば可能かも知れない。
その場合、考慮すべき要因は、あなたの意思のみ。
一時的な関係であれば、涼宮ハルヒに知られる可能性は低くなる。

このままでは、わたしの自立行動に影響がでることは必至。
わたしは、わたしの希望が成就したと信じられれば、たとえそれが一時的なもので
あったとしても、自分があなたの特別な存在だと自覚することができる。
それが、わたしの不安定な感情を安定させる効果があると推測する。
わたしは、あなたとの記憶を保持し、それによって、以降の動作の安定を図る。
だから、一度だけでいい。わたしの願いを叶えて欲しい。

しばらく腕組みをして唸った後、彼は言った。
「お前、まさか、どっかおかしくなったってことはないよな」
「おかしくなった。以前のわたしなら、こんなこと言わない」
「それって、壊れたってことか? 例のほら何だっけ、情報統合なんちゃらには…」
「物理的に何かが壊れたわけではない。ただ、抑えられなくなった」
「何を」
「感情」
「感情だぁ?」
「そう」

呆然と座ったままの彼は、スーザン・キャルヴィン監修の工学ハンドブックを探して
いるようだった。テスト法を知りたいのだろう。それはそれで正しい。
でも、少し悲しい。
562名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 01:56:42 ID:zLLB078G
わたしは、感情をできるだけ抑制するよう設定されていた。それは必要なこと。
わたしは観察者であり、観察者は自身の感情を悟られてはならないから。
しかし、最近では、特にあなたの前では感情を抑制できなくなってきていることを
自覚している。本来、そうなることはないはずなのに。

その感情は、わたしの思考に影響を及ぼしている。
わたしの感情がゆれるのは、あなたの前だけだ。
だから、その理由を調べ、その原因を突き止めた。

「……なんつーか、その、こういっちゃなんだが、ベタすぎるぜ、長門」
「そうなのだから仕方がない。現状の認識と速やかな対策が必要」
「む? う、うん、まぁ、そうだな……」

わたしは、この不安定な状態を改善したい。手段を選ぶ余裕はない。もう限界。

フランケンシュタイン・コンプレックスを初めて理解したような顔で彼は言った。
「いやだといったら……」
ふいに思考が平坦になる。
「わたしの情報結合解除を申請する」
「結合解除……ってやめろ。それは絶対にダメだ。消えちゃうってことだろ?」
「情報素子となって本来の場所に戻る。消えてなくなるわけではない」
「俺の前から消えたら、それは世界から消えたのと同じさ。それはダメだ」
「…………」
彼の言葉は温かい。

わたしは、このまま自立行動に支障がでた結果として、暴走したわたしが、
世界改変を実施したのではないかと考えていた。
詳細において矛盾を感じるが、この点について、深く考えようとすると思考が揺れる。
だから考察放棄。

「で、結局、具体的には、何をどうすればいいんだ」
「性交」
「な、なにぃ!?」
「セックス」
「せ、せっくすぅ?」
「最初からそう言ってる」
「え? あ? そ、そうだっけ?」
彼は額に手をあて、眩暈に耐えているようだ。

あなたの気持ちの問題もあるだろう。
しかし、あなたはわたしを嫌ってはいないと思う。また、そのような行為に興味も
持っていると思う。あなたの年齢の男性は、そのような機会を逃すことはない、と
読んだ書籍にそう書いてあった。それに、男性は、交合による身体的変化はない。
だから、あなたにとって不都合なことは何もない。

悪徳電話セールスみたいなことを言うな、と描いてある顔で、彼は言った。
「そうだな。で、俺の精神的影響はどうするんだ?」
「わたしがきらい?」
「そんなことはない。ないんだが……」
何を想像しているのか不明だが、彼は、しばらく顔色を色々変化させつつ、
黙りこくり、やがて、口を開いた。
「俺は、お前に世話になっている。だから、お前の頼みは何でも聞いてやりたい」
そして、しばらく空中に視線を彷徨わせ、何か考えた後、
「なぁ、とりあえず軽く抱き合ってみるとか、その、なんだ、軽くキスするとかでは…」
と、呟くように言うと、俯いてしまった。
563名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 01:59:19 ID:zLLB078G
予想外。もっと簡単に話が進むと予想していた。彼は純潔主義なのだろうか。
それも悪くない。しかし。健康な男女間でプラトニックラブ。それは幻想。
それを志向していても、何かしらのトリガーによって、最終的に性的関係へ展開する。
性的関係までの一般的なバウンダリは、接触、抱擁、接吻、愛撫。

彼は健康な男子高校生。
仮に精神的恋愛を志向していても、抱き合ったり、キスしたりしているうちに、
一線を越える可能性が高い。彼の行動パターンは、身体的、精神的問題の存在を否定
している。

彼のバウンダリは触れ合うことではない。
それで一線を越えるようであれば、既に朝比奈みくると何とか成っているはず。
しかし、彼が朝比奈みくると特別な関係を構築した兆しはない。彼は堅い。
彼にとっては、キス以上の行為で以って特別な関係となる。
問題はない。

「わかった」
そう言って、わたしは彼の側に行き、身体を摺り寄せた。今はただ、抱きしめて。
身体を寄せたとき、一瞬驚いたように身体を硬くした彼は、それでも、わたしの背中に
手を回し、ぎこちなく抱きしめてくれた。制服越しに温もりを感じて、わたしは、
ゆっくりと彼を押し倒し、彼の胸に耳をあてた。彼の手がわたしの頭に乗せられる。
彼の鼓動は早く、そして、心地よく響く。彼の指がわたしの短い髪を梳く。
目をとじて、わたしは、彼に抱かれて満足そうな顔をする三毛猫を思い出していた。
あの猫は、いつもこうしているのだ。羨望。
そして、顔を上げ、彼の顔に近づけようとしたとき、

ぐぅ。

何かが鳴った。

「ぉわ、わわっと。すまん」
わたしが身体を起こすと、彼が、いやなんかさ、別に腹減ったわけじゃないんだけど、
とか言い訳しながら身体をおこした。危なかったぜぇ、と聞こえた気がした。

「ご飯?」
そういえばもう夕食の時間。わたしは立ち上がり、台所へ向かおうとした。
「もうそんな時間か。じゃあ、俺もそろそろ」
立ち上がり、お前の話はわかった、考えをまとめて、また明日にでも、などと言いつつ
カバンを持とうとする。わたしは後ろから彼のベルトを掴んだ。
「ご飯、食べていって」
「いや、しかし」
「…………」
「わかった。すまん。ご馳走になる」
彼をテーブルに座らせて台所に向かった。
彼には申し訳ないが、わたしは状況を進展させなければならない。

千切りキャベツとカレー。彼と二人で食べるカレーは、いつものレトルトカレー。
なのに、いつもと違う味がした。おいしい。

食べ終わり、彼はわたしの淹れたお茶を飲んでいる。
食器を片付けながら、合間に視線を送る。彼は朝比奈みくるの淹れたお茶を、いつも、
幸せそうな表情で飲む。しかし、わたしの淹れたお茶を飲むときはそうでもない。
やはり悔しい。
564名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 02:00:30 ID:zLLB078G
片付けが終わり、私は、テーブルに座っている彼に後ろから抱きついた。
「わ、こ、こら。どうした」
「続き。抱いて」

立膝で彼の頬に唇をつけてから、身体を回して、彼の膝の上に身体をのせた。
まだ迷いを浮かべている彼の目を覗き込みながら、ゆっくりと顔を近づけた。
彼の腕が、ゆっくり、わたしの背中に回される。
彼の首に両腕を回して、そのまま唇を重ねる。

何度か軽く唇を重ねた後、舌で彼の唇を舐めた。彼の息遣いを感じ、身体が熱くなる。
急に、強く抱きしめられ、彼の舌が侵入してきた。荒々しく、口内を嘗め回される。
舌を彼の舌に絡める。互いに何度も舌を入れあい、互いに貪りあう。
唾液が混じりあい、息遣いが荒くなる。
その後、ゆっくりと口を離した。わたしはどんな表情をしているのだろう。
わたしは制服の上に着ているカーディガンを脱ぐと、彼の手を取り、その掌を
わたしの胸にあてた。
「お願い」
「本当にいいのか」
彼の目には熱情。わたしは頷き、彼はゆっくりとわたしを押し倒した。
565名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 02:04:33 ID:fwF/4Lis
支援
566名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 02:05:19 ID:j/sjgIIG
連投制限?四円
567名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 02:06:30 ID:zLLB078G
脱ぎ散らかした制服や下着が目に入る。仰向けに寝ている彼の胸に耳をあて、わたしは
彼の鼓動を聞いていた。彼の手がわたしの頭をさすっている。暖かい感情で満たされる。
先ほどまでの行為を思い出す。少し恥ずかしい。でも嬉しい。

「いまさらだけどさ、本当によかったのか」
「あなただから」
「なんだか罪悪感を感じるよ、俺」
「なぜ?」
「なぜだろうなぁ……」
「あなたが罪悪感を感じることはない」
「長門」
「なに?」
「ありがとよ」
「…………」

彼がなぜ感謝の言葉を言ったのかは解らない。でも気にならなかった。
そう、わたしは満たされている。彼との確かな絆を感じる。
このまま時を過ごして行きたい。かつてのわたしに時間経過は意味がなかった。
でも今はある。きっと彼が言った、あの言葉がわたしの時を開始したのだ。

――また会おう、長門。しっかり、文芸部室でまっててくれよ

それとともに、やはり世界改変は不可避なのだと言う思いが頭を過ぎる。

する前は、すること自体が重要であって、それをすることで感情が安定すると思った。
それは正解だった。わたしは、彼を愛し、彼に愛された。
そして、彼の特別な存在になったと感じている。それは思考を安定させる。
しかし、それで満足できると考えていたことは間違っていた。
わたしは、今、わたしが体験したことを、彼が他の人と体験することを受け入れる
ことはできそうにない。少し考えただけで思考が千切れ、感情がうねる。

こうなるとは想定していなかった。
わたしは今、彼を占有することを、わたしだけの彼であることを切望しているのだ。
その願いは高確率で成就しない。そう理解しているのにも関わらず、わたしはそれを
願っている。そう、不思議との出会いを切望する涼宮ハルヒのように。

わたしが彼を諦めない限り、何れわたしと彼の関係は涼宮ハルヒの知るところとなる。
彼女も彼を求めている。彼は涼宮ハルヒの鍵なのだ。
そして彼が彼女以外の女性と関係を持つことを許しはしない。
そうなった場合、大規模情報フレアの発生が高確率で予測される。
しかし、わたしは彼を諦めることができない。

そしてわたしは、わたしがもはや涼宮ハルヒについての観察者たり得ないことを知った。
冷静に彼女を観察することは不可能だ。わたしの存在理由は消滅した。
わたしは情報結合解除を申請するべきなのだろう。
しかし、彼の前から消えたくはない。

やはり、世界改変は不可避なのだ。
でも、わたし自身をどう扱うかは、まだ決まっていない。
それは、これから、わたし自身が決定しなければならない。

なぜ、こうなってしまったのだろう。わたしは壊れてしまった。
568名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 02:10:59 ID:zLLB078G
「あのさ」
彼が口を開いた。彼の胸に顔を置いたまま聞く。彼は温かい。

俺は前からお前が好きだったのかもな。
最初は無表情で何を考えているかわからなくて、でも、だんだん表情が読める
ようになって、それなりに、お前の考えていることがわかるようになって、
お前の表情が読めるのは、俺だけだなんて思ってさ。
そして、SOS団が続く限り、ずっとお前とも一緒なんだなと。
何時からか、お前にもっと感情を持って欲しい、たまには、感情的になっても
いいんだぞと思うようになった。たまには微笑を浮かべるとかさ。
だから、今日のことは、そりゃ驚いたけど、嬉しかったよ。
お前が、そんな感情のために苦しむのは忍びない。だから、もっと言っていいんだぞ。
今回ことだって、一度でいいって言ってたけど、何時でも言ってくれ。
何と言うか、俺、いやじゃないからさ。
つか、俺のほうからお願いしたいっていうか、いや、その、なんだ、アレだ。はは。
まぁ、俺も普通の男だし。
でも、正直、こんな流れで、こんな関係になるとは想像もしてなかった。
俺自身が流されたようで、何かこう、誘われれば誰とでもやるんじゃないかと思われて
そうだから、言っとくけど、こうなったことは、俺の意思でもあるんだ。
俺、お前に惚れてたのかもな。何か順番が逆だな。
でも、これからもお前と一緒にいたいと思ってる。
ハルヒのことや何をどうするかなんて、何も考えちゃいないがな。
ただ、そうだな。
SOS団のみんなが非常識なプロフィールを持ってなくてさ、単なるお遊び同好会で、
みんなで集まって騒ぐ。そこには、非日常的なことなんて何もなくて、そんな平穏な、
そんな世界。そこで、俺とお前が出会ってたら、どうなってたかな。
そこでは、お前も人間で、読書好きの物静かなただの女の子でさ。
目が合えば、微笑んでくれたりして。
お前と付き合うことにしても、何も気にしなくていい、そんな世界。

「おい、どうした?」
彼が驚いて、わたしを抱いたまま身体を起こした。
わたしは涙を流していた。彼の胸に顔を埋めて。涙はなかなか止まらなかった。
わたしにも泣く機能があったのだ。両手を彼の背中に回した。顔を見られたくない。
「なんでもない」
「そうならいいんだけど」
心配そうにわたしの頭を撫でる。彼はわたしの心情を勘違いしてくれるだろう。

とても嬉しかった。そして、とても悲しかった。
彼の言葉を聞いて、わたしは、世界改変の詳細を理解したのだ。そして明日には。
でも、もう少し。今は、彼を感じていたい。

しばらくすると、気持ちが落ち着いてきた。彼から手を離し、顔を上げた。
わたしはどんな顔をしていたのだろう。
彼の目が驚きに見開かれて、そしてやさしく笑った。
もう少し抱き合っていたかったが、もう、あまり時間がない。
とりあえず、散らかった下着と制服をとり、身に着けた。
彼がやたら恥ずかしそうに服を着ていたのは、なぜだろう。全てをさらした後なのに。
人はたまに不可解な行動をする。しかし、わたしもそうなのだ。

その後、帰宅する彼をマンションの外まで見送った。
別れ際、キスを求め、応じた彼の唇を噛んだ。彼は気が付かなかったろう。無痛なはず。
気が付いて欲しくなかった。

「本当に大丈夫か。そうか、じゃあ、また明日な」
そう言って彼は歩いていった。街灯に照らされる彼の後ろ姿がぼやける。

待ってる。
そう、あの文芸部室で。
569名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 02:17:05 ID:KtW9cf0S
(*´д`*)
570名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 02:18:54 ID:s75WQUWU
リアルタイムキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

GJです!!
571名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 02:18:56 ID:zLLB078G
彼と別れ、家に戻った。
部屋にはまだ彼の温もりが残っていた。それは先程までの彼との行為を思い出させる。
それはわたしの気持ちを昂ぶらせ、しかし、思考を安定させる。

激しく、そして、甘美な行為。それは互いの存在を浮き立たせ、互いの意識が
混じりあう。互いに求め、互いに与える。信頼が深まり、互いの意思を感じる。
言語でしか意思疎通ができないものにとって、それはある種の奇跡。
世界が変わってしまったように感じる。事実、わたしは変わった。

そして、これからのことを考え、ひどく落ち込んだ。思考が沈む。

彼との関係を維持するには、涼宮ハルヒに対して情報操作を実施する必要がある。
彼女が能力を失えば、障害は排除される。
しかし、そのような情報操作には、情報統合思念体のサポートが不可欠。
涼宮ハルヒへの情報操作申請は、却下されるだろう。
仮にそれが許可されたとしても、彼女の能力の喪失は、わたしの存在を否定する。
彼女が能力を失えば、速やかに、わたしは除去されるだろう。
わたしが存在している理由が、涼宮ハルヒの能力の存在なのだから。

彼はわたしが断らない限り、わたしとの関係を維持するだろう。
彼はわたしを気遣ってくれる。わたしの気持ちを考えた行動をするだろう。
それは、何れ、涼宮ハルヒによる世界再構築を引き起こす。蓋然性は高い。

わたしの望みは叶えられない。叶えようとすると必然的は世界再構築される。
再構築された世界にわたしはいない。いる必然性は皆無。

ならば、わたしの思う世界改変を行う以外に方法はない。
人であるわたしが彼と出会う世界。涼宮ハルヒがいて、朝比奈みくるがいて、
古泉一樹がいる。互いに邂逅する世界。
超能力者も未来人も宇宙人もいない、彼が望んだかも知れない世界。

その世界のわたしは、今のわたしの自我を持たない。持つことはできない。
わたしの自我はインタフェイスとしてのもの。
人はわたしのような自意識を持つことはできないし、わたしのような考え方もしない。
だから、わたしの自我は再構築。その世界のわたしは、きっと彼を見て微笑む。
彼が望んだ、驚いたり微笑んだりするわたし。

部屋の壁に寄りかかって、先程までの彼との時間を思い出す。
彼の声、彼の匂い、彼の温もり。そして、彼に抱きしめられる感覚。

涙が流れた。無表情な能面のような顔に流れる涙。なんの笑い話なのだろう。
彼の笑顔を思う。今なら微笑むこともできるかも知れない。
そして涙を拭い、準備をはじめた。
572名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 02:21:59 ID:UacFx+yA
イイヨイイヨー
573名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 02:22:21 ID:zLLB078G
もう分岐点はない。これは規定事項だった。

準備を行いながら、涼宮ハルヒと彼が、初めて文芸部室に来た日のことを
思い出していた。その後に続く、色々な騒動。騒動の中心には常にわたしと彼がいた。
そして、初めて彼の希望に沿いたいと思ったとき、
思えば、あの朝倉涼子との対決のあと、眼鏡の再構成を忘れたとき、
その直後に、わたしは、彼に好意を寄せていることを自覚したのだ。

はじめよう。状態は万全。思考に乱れはない。

これから始まる新たな出会い。
そこには、わたしはいるが、わたしはいない。
今の彼を知るものは、誰もいない。

その世界は、一度始まり、そして過去からの介入を受ける。
その結果どうなるかは、何れ解るだろう。それは彼が選択する。

準備完了。全てのプログラムは揃った。まだ決定していないパラメタは、
実行時に決定しよう。情報統合思念体のサポートは受けられない。
スタンドアロンでの情報操作能力には限界がある。
だから、涼宮ハルヒの能力が必要だ。その能力の発現がトリガーとなる。
彼女の能力を発現させる方法を思い、少し気持ちが沈んだ。

そして、午前4時前に部屋を出て、学校に向かった。
574名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 02:25:05 ID:zLLB078G
学校に着き、校舎を見上げる。一瞬の躊躇。そしてわたしは情報操作を開始した。
涼宮ハルヒは、今日の、わたしの一番大切な記憶を、夢としてみる。
わたしと彼が愛し合う姿。それはまさに現実のように、彼女の脳裏に投影される。
彼女にとっては、最大級の悪夢だろう。

次の瞬間、大規模な情報フレアの噴出を検出。

介入を開始。場の状態を確認。状態遷移を把握。変移を追跡。状態の固定。
次々と変化する場の状態を安定させていく。
世界は変わる。涼宮ハルヒが望む世界ではなく、わたしの望む世界へ。
彼が望んだかも知れない世界へ。

わたしは改変後の世界で、彼と知り合いになりたかった。できれば恋人に。
だから、記憶の断片を残す。わたしだけが彼の存在を知る。
そして、わたしの彼への想いは、改変後のわたしが想像する物語のなかに残される。
宇宙人が地球人に片想いする恋物語。
それは、夢想という形で、改変後のわたしの記憶に残るだろう。
忘れて欲しくない。

改変後のわたしは、きっと彼を探して近付くだろう。クリスマスも近い。
二人でクリスマスを過ごしたいと思うはずだ。人間だからきっとそうする。
クリスマスと人の恋愛感情について、もう少し考察しておけばよかった。

改変後の涼宮ハルヒは、彼に近付こうとするだろうか。解らない。
でも、できることはしておこう。
改変後のわたしは、気弱で人見知りの読書好きな、ただの文芸部員に過ぎないのだから。
フェアじゃないが、この点は、フェアである必要はない。
なんともいえない気分。

今頃、彼の体内に注入した情報操作因子は、彼を世界改変から守り、
放課後以降の記憶を改変しているはずだ。
彼から昨晩の記憶が消えることは残念だが、そうしないと、
彼はわたしの意図に気付き、それに沿った選択をしようとするだろう。
わたしは、わたしの想いを知る前の彼に選択して欲しかった。

選択は二択。一つは平穏な世界。もう一つはこのまま継続する世界。
どちらが選ばれても、わたしの自我は存在しない。
このまま継続する世界では、わたしは存在は、彼の前から消えるしかない。

問題はない。改変は、もうすぐ終わる。

改変後のわたしに思いを馳せる。わたしとは違うわたしに。
それは形の違う死と転生。

もうすぐ……。

そこで突然気が付いた。彼は鍵。しかし、涼宮ハルヒだけの鍵ではない。
あの永遠の一週間から脱出できた理由はなんだったか。
彼が、涼宮ハルヒの能力を――
575名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 02:26:19 ID:j/sjgIIG
wktk
576名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 02:27:58 ID:zLLB078G
――あれ?
ここは、どこだろう。校門? 学校? 何かとても大事なことを考えていた気がする。
でも、わたしは家で寝ていたはず。なぜ、こんなところにいるんだろう。
今は夜? 明け方だろうか。とても寒い。
ふと気が付いて、急いで着ているものを確認する。制服だ。ほっとする。
パジャマでなくてよかった。
周りを見回し、向こうから人影が歩いてくることに気が付いた。
眼鏡に手を当て、レンズの位置を調整する。
驚いた。五組の彼だ。とても綺麗な女の人と一緒に近付いてくる。
なぜ、彼がこんな時間に女の人と一緒に、こんなところへ?

彼は驚きもせず、普段知り合いにでもするようなあいさつをしてから、
「長門。お前の仕業だったんだな」
と言った。

わけがわからない。何をいってるんだろう。なぜ、わたしの名を知ってるんだろう。
「……なぜ、ここに、あなたが」
とりあえず最初に感じた疑問を声にする。彼が何か言っているがよく解らない。
なぜわたしがここにいるのか問われた。そういえば何故だろう。
でも、あまり妙なことを口走って変なやつだと思われたくなかった。
当たり障りのない返答をする。

彼は少しうんざりしたような表情をした。
朝倉さんが一緒なら、もう少しまともな対応ができたのではないか、などと
仕方のないことを思い、うつむく。彼は何かを考えているようだった。

こんな時間に制服を着て、こんなところにいるわたしも変だと思うけど、
こんな時間に、ほとんど話したこともないわたしに、いきなり声を掛けて、
悩みながら独り言を呟いている彼も、かなり変なのではないだろうか。
何かが間違っている。わたしの知っている彼は、そんな人ではなかった。

なぜこんなことになっているのかを考えていると、彼が近付いてきて、
何か言ったらしい。
「……、今までの長門が好きなんだ。それと眼鏡はやっぱりないほうがいい」
始めの方は聞こえなかった。でも、今までの長門? 意味がわからない。
それはわたしなんだろうか。ただ、彼にとって、わたしが特別らしいことだけは
解った気がする。それは嬉しい。でも、わからない。何かがひどく間違っている。
わたしは混乱して、何がどうなっているのか、まったくわからなかった。

彼は綺麗な女の人と何か話している。

夢なら覚めて。
577名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 02:30:14 ID:zLLB078G
気が付くと、彼がわたしに何かを向けていた。
思わず彼の手元を見つめ、そこに拳銃ようなものを認めて、身体が凍りついた。
殺される?

次の瞬間、女の人の短い悲鳴で、わたしは我に返った。
そこに朝倉さんが立っていた。わたしの親友で、わたしの保護者のような存在。
なぜここに彼女が? 彼女はあの人に体当たりをしていた。

助かった、そう思った。彼女なら、この状況について教えてくれる。
しかし、彼女に体当たりされたあの人が、わき腹を抑えて道に倒れたのを見て、
そして、彼の横腹から血が流れているのを見て、さらに、彼女がナイフを持って
いるのを見て、わたしは事態がまったく改善されていないのだと悟った。
気が遠くなりそうだ。

「朝倉……さん」
彼女がそんなことをするはずはない。
足から力が抜け、わたしはしりもちをついた。

気が付くと学校にいて、彼が女の人とやってきて、意味不明なことを言われて、
好きだったと言われて、銃で撃たれそうになって、朝倉さんが彼を殺そうとしている。

笑いがこみ上げそうになる。わたしは、おかしくなったんだ。でなければ、夢だ。
ほら、その証拠に、わたしがそこに立っている。

「あ……?」

そこに、わたしが立っていた。後ろ姿だが、ちらっと見えた横顔は、わたしだ。
同じ制服、同じ髪型、同じ顔。ただ、眼鏡をかけてない。
眼鏡をかけてないわたし。誰かからそんなことを言われたような。

そして、そのわたしに、彼が近付いていた。
今、朝倉さんに刺されて道に倒れているはずの彼が。
彼が二人いる。そしてわたしも二人いる。

「どうし……て……」

頭の中が白くなる。何も考えられない。いや、かすかに引っかかることがある。
眼鏡はないほうがいい、その言葉が蘇る。何時言われたのだっけ。
彼に? 図書館で? 違う。そのとき言われていれば、きっと今はコンタクトに
している。彼は貸し出しカードを作ってくれただけだ。
それ以外に直接会った記憶はない。
いや、朝倉さんと彼、そしてわたしがどこかで……

気が付くと、目の前にわたしが立っていた。
そして……
578名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 02:32:23 ID:JtR9IOfS
wktk
579名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 02:34:57 ID:UacFx+yA
紫煙
580名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 02:35:37 ID:NBhN+aZl
俺は今夜萌え死ぬかも試練支援
581名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 02:37:04 ID:fwF/4Lis
明日学校だってのに…寝れねーじゃねーかw
582名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 02:37:58 ID:zLLB078G
わたしは、わたしを自覚した。情報統合思念体の存在を感知できない。
記憶を辿る。つまり今は世界の改変後。私は世界を改変した。
その後、再修正プログラムにより、わたしは復元した。
そして、ここにもう一人のわたしがいる。異時間同位体。未来のわたし。

眼鏡を外す。見渡して、彼を見つけた。朝比奈みくると一緒にいる。
刺された彼は、現時空の三日後の彼。緊急脱出プログラムを起動したに違いない。
立っている彼は、彼の異時間同位体。未来の彼。
彼を見つめる。それが彼の決定だったのだ。
不思議と失望感は感じない。それが彼の選択。
それでいい。わたしは結果を得た。

ただ、そこに異時間同位体のわたしがいることが理解できない。
再製造されたのだろうか。選択的にわたしの自我を再構築したのだろうか。
何れにせよ、それは、わたしではないのだろう。

わたしは、目の前に立っているわたしに同期を要求した。
詳細を知る必要がある。
目の前にいるわたしは、わたしを見つめたままだ。
その目に浮かぶ感情を観て、わたしは落ち着かない気持ちになった。

わたしは再度同期を要求した。
「同期を求める」
「断る」
「なぜ」
「したくないから」

目の前に立っている異時間同位体は、わたしだ。わたしと同じ感情を持っている。
わたしに表情を作る機能があれば、顔には驚愕が浮かんでいただろう。

彼は、このまま継続する世界を選択した。
その彼は、わたしの想いを、わたしと関係を結んだことを記憶に留めていない。
情報操作因子は、正しくその役目を果たしたはずだから。
だから、今の彼は、わたしの気持ちを知らない。

しかし、わたしは、彼と特別な関係となり、その関係を継続したいと切望している。
そして、その願いを成就することが、涼宮ハルヒによる世界再構築を引き起こすと
いうことも理解している。

残された方法は、わたしの消去か、自我の再構築しかない。
自我の再構築は、より厳重に、感情を抑制する方向で行われなければならない。
なぜなら、それこそが、全ての原因だから。

しかし、目の前のわたしは、わたしと同じ感情をその目に宿している。
何があったのか。いや、これから何があるのか。まだ、終わってはいないのだ。

そして、それを、目の前にいるわたしは、わたしに知らせたくないのだ。
わたしが、過去の同位体を同期を拒否したように。
わたし自身の感情を、過去のわたしに知らせたくなかったように。
583名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 02:55:06 ID:qofAssOu
ここで投下おしまいだなんて言わないでよ(´・ω・`)
584名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 02:58:19 ID:mkYrsvAY
もしここで終わったら泣くぜ俺(´・ω・)
585名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 02:59:12 ID:fwF/4Lis
今日は徹夜…っと
586名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 03:03:20 ID:zLLB078G
すまん、続きのファイルがどっかに行った。
えらく中途半端になってしまったけど、残りは続くということで、すまん。
587名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 03:04:01 ID:mkYrsvAY
うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
588名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 03:08:12 ID:qofAssOu
(´・ω・)

otu...
matterukarana!
kanarazu...zettaini tudukikibou!!1!111
589名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 03:16:22 ID:MvHnZNMT

長門スキーはエロパロ板の555以下を読め。そして悶えろ。
590名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 03:18:18 ID:MvHnZNMT
反映されないと思ったら誤爆してた…

>586
非常にグッジョブ!!!続きは悶えながら待ってるぜ。
591名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 03:19:39 ID:lEffdF2B
>>586
超GJ!!!!!1!!!!
続き気長に待ってるから書いてくれ。書いてください。
あと睡眠時間を削ってくれてありがとう。orz
592名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 03:29:39 ID:vQoNo0+k
楽しみにしてるからなこんちくしょー!!
593名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 03:34:04 ID:RElxzLeM
長門が神林長平の「膚の下」読んでて
神林ネタが出てくる真っ先にこのスレが思い浮かんだw
594名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 03:44:50 ID:QaceXlsm
>>586
最近消失読んだからもうなんつーか神乙
595名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 03:55:04 ID:RcMxIS/2
原作を今日読んでいて、ちょうど読み終えた辺りのシーンだったのでかなり感動した。
最高にGJ、そして乙でした!
596名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 04:35:11 ID:hVpO6YID
すげーのが来たな
超GJ!!続きが楽しみだ。

それと『罰ゲーム』の続きはないの?
597名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 05:08:53 ID:8yU504ie
乙!
軽く涙した俺キモっ。・゚・(ノД`)・゚・。
続き待ってるんだからー
598名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 05:27:07 ID:9wQ9mG/1
>>586
えらくGJです。
時系列とか、論理展開とかがぴったりなのは凄いです。

ただ、国語オタとして「蓋然性」というフレーズが気になってしまいした。
一つ目と二つ目で指している事象の性質に微妙な違いがある気がします。
はっきりと違いしたを言えないので、確信を持って使われていたならすみません。
599名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 05:28:52 ID:zLLB078G
「世界改変をリセットする」

そう目の前のわたしは言った。
「了解した」
そう言って、気が付いた。
わたしは、世界改変を涼宮ハルヒの能力を利用する形で行った。
この改変後の世界の涼宮ハルヒは、能力を喪失している。
そして、ここに情報統合思念体は存在しない。

「わたしはわたしが現存した時空間の彼らと接続している」

情報統合思念体は、時空を超越している。だから、今の言及は誤っている。
そう思いつつ、しかし、わたしは頷いた。そのことを考える暇はない。

「再改変後、あなたはあなたが思う行動をとれ」

その言葉を聞いて、わたしは理解した。
わたしは、これから、自身の考えで何かを選択しなければならないのだ。
彼が、彼自身の考えで世界を選択したように。

わたしは彼を見た。
今の意識を持つわたしが、自立行動している彼を見るのは、これが最後かも知れない。
目の前にいるわたしが、今のわたしの完全な未来である保証はない。
わたしは、わたし自身が再改変後の世界で、継続的に、かつ、暴走することなく、
彼との関係を維持する方法を、見つけられるだろうか。
見つけなければならない。ここに、わたしと彼が現れたのだから方法はある。
確信は持てない。しかし、何か方法はある。あるはずだ。

彼は力強い視線をわたしに向けてくれた。
心配する必要はない、そう言っているようだった。
彼の声が聞きたい。彼の気持ちを知りたい。
しかし、彼は黙したまま、わたしを見ているだけだ。
ただ、彼の視線は、わたしを安心させる。

そう、わたしは、わたし自身で行動を決めなければならないのだ。

再改変が始まる。同時に、彼らは、彼らの現存する時空へ戻るのだろう。
急に落ち着かない気分になる。もう少し彼を見ていたい。
未来の彼、彼は彼の側にいるわたしを、どう思っているのだろう。
しかし、すぐに再改変が始まった。
600名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 05:40:01 ID:zLLB078G
突然、情報統合思念体の意識を感じ、再改変の完了を知った。
異時間同位体の、この時空からの消滅を確認。
わたしは、校庭に横たわり眠り続ける彼の側により様子を見た。
刺された傷は修復され、ただ眠っている。問題はない。

この時空の彼、三日後から三年前を経由してこの場に現れ、
横腹を刺された彼は、この世界再改変の影響を受けなかった。
ならば、今現時点で家で寝ているはずの彼が改変対象となったのだろう。
この時空で彼の存在は、この彼が唯一だ。

彼の傍らに座って、顔を覗き込み、彼の頬に手をあてる。
彼の温もりを感じて、8時間程前のことに思いを馳せた。

わたしは、彼を愛し、彼から愛されたかった。
単に便利な道具としてではなく、わたしという存在が彼にとって必要なのだと
そう思って欲しかった。その気持ちが、わたしを選択の余地のない穴倉へと
追い込んだ。そして、彼に打ち明け、想いを遂げた。そのはずだった。
しかし、その結果、わたしはさらに求め、それが満たされないと知り、暴走した。
今でも暴走しそうだ。彼と一つになりたい。彼と同じ時を共有したい。

でも、彼の選択を知った。彼は選択した。わたしは賭けの結果を知ったのだ。
まず、それを受け入なければならない。そう考えると思考が落ち着いた。

彼の選択は、わたしの世界を否定した。
わたしは消えたほうがよいのだろう。

そのとき、再修正されるまえのわたしの記憶が蘇った。
状況を把握できないまま、混乱しているわたしの記憶。
その中から彼の言った言葉を思い出す。
そう、彼はわたしを好きだと言ってくれた。
眼鏡のないわたし。今のわたし。なら、やはり方法はあるのだ。
予測不能な世界再構築を予防し、彼との関係を継続する方法が。

わたしは、これから行うべきことを考え、情報操作因子によって、
彼のここ三日間の記憶を消去するべきかを考えた。

わたしの行った世界改変を再改変して戻した今、ここにいる彼は、
これから始まっただろう、わたしが改変した世界の記憶を持たずに、
家で寝てなければならない。

彼はわたしの世界で三日間過ごしたはずだ。三年前にそう聞いた。
ダイジェストだったため、その三日間の詳細は知らない。
その記憶を彼に忘れて欲しくなかった。
普通の人間としてのわたしの姿を忘れて欲しくなかった。
その間の記憶は、今のわたしにはないのだから。
その記憶は、彼にしかないのだから。
いつか彼から、そのときの詳細を聞くことができるだろうか。

想いがこみ上げてくる。しかし、冷静に行動しなければならない。
ここで誤りは許されない。
601名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 05:50:41 ID:zLLB078G
情報統合思念体のサポートを申請し、現時点での彼の意識を保全する。
方法は幾つかある。少し考えてキスすることにした。
彼の頬と額に手をあて、静かにキス。そして彼の意識に触れる。
それは情報素子の形でわたしの中に移送された。

彼の自意識、つまり彼の存在は、今、彼の肉体を離れ、圧縮凍結されて、
わたしの中にある。それは無常の喜びをわたしにもたらした。
わたしは文字通り、彼と一体になっている。わたしはわたしの身体を抱きしめた。

そして彼の身体を抱きしめ、彼のここ三日間の記憶を消去した記憶のコピーを
彼に送出した。
三日後、彼は、今の彼――わたしの中の彼――と同期することになる。
それで彼の時間は繋がる。問題はない。

この再改変後の世界で、これから続く三日間の記憶は失われる。
でも、失われる記憶情報量は少ないはず。わたしがそうする。心配ない。
そして、あなたは、わたしのキスで目覚める。
わたしの世界を記憶しているあなたが。

それは、彼と涼宮ハルヒが現時空から消えた二時間三十分を思い出させた。

唐突に、何かが脳裏に浮かぶ。記憶の濁流。時系列を無視した連想。
わたしが世界改変を行ったとき、わたしが生まれ変わるときに思ったこと。
そう、彼は鍵。涼宮ハルヒの鍵。しかし、彼女だけの鍵なのだろうか。

異時間同位体であるわたしが再改変を行うとき、何といったか。
――わたしはわたしが現存した時空間の彼らと接続している。
情報統合思念体は、時空を超越している。だから、その言及は誤っている。
そうわたしは思った。そうなのだ。

考える必要がある。情報統合思念体の意思を確認しなければならない。
しかし、それはもう少し後。今は、まず彼を。

わたしは、思考を彼に戻した。
彼を彼の部屋に移送しなければならない。
情報統合思念体のサポートを受け、情報操作を実施し、彼とわたしを、彼の部屋へ。

彼のベッドの上では、あの猫が寝ていた。
彼をあるべき姿でベッドに寝せる。彼の側で丸くなる猫。
しばらく彼と猫を眺め、それからわたし自身をわたしの部屋へ移送した。

あのまま彼を見ていたら、そのまま彼のベッドに潜り込んだかも知れない。
あの猫がうらやましい。

そしてわたしは、冷え切った部屋の中で天井を見上げ、情報統合思念体の意思を感じた。
602名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 05:59:52 ID:Fy/XqYFd
      /  /       /           ヽ  ヽ
    -=彳   /    / /       !      ヘ  \
     「   /   | i / | l     | |       ハ  `トゝ
     | / /  .| | /!| | |!    | lヘ. |  ! ! ! ヽ!
     // | l  | l ! l| ヾハ    ハ/ | l  | | | 、 |
    ./イ/ !/  ! !|‐z==、 '.  /-z≦、ハ ! !ハ |ヾ、
    / 〃!  ! !〃   ヽ ∨〃ィtぅゞ|/ /  !ヘ!
     | / ∧ | |{      }}⌒{{: : : : : :}}|/ヘ l |    キーオブザトワイライトと聞いて
    !イ,ィ { ヘ/!ヘ|ヾ、__,ノ' |: ヾ、_:_:_ノ'l〉〉ハソ
        ヽヽ.、|    ̄ ´   |::    ̄´ !_/
        Y `ヘ      、 |:     //
--―一_二二!イ |ヘ.     ,. --、     / |_
-一ァ´r一   l/! ヽ    ` ̄´   ,イ,ハ|    ̄``ヽ、               _
_:::i  丶、 ___ |   \   ____/_」 --一 ¨ ̄´ 〉                   | |
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:::::|    \               __,. -‐ ' ´   /  !  /`ヽ-、     | i::::::::::::::::::::::::::| |`
603名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 06:01:47 ID:zLLB078G
長々とすまん。続きのファイル見つけたんで書き込んだ。
もう少し続きがあるんだけど、それは、本当に続きってことで、そのうちに。
ここまで読んでくれた人、指摘してくれた人、ありがとう。
604名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 06:50:33 ID:LOG/XFaZ
朝からGJすぎ
今日は学校サボって消失と>>555以降を100回読む
605名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 07:00:22 ID:rqI9kTB+
>>603
やばい神が降臨した。
どう感動したか言い表せないのがもどかしい。
とにかくGJだ。

>>604
大学行けよ。単位落とすぞ。
606名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 07:08:53 ID:LOG/XFaZ
長門のためなら単位など惜しくもない
607名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 07:14:47 ID:n7ClPttb
大学で長門探せば単位も長門もGET
608名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 07:16:17 ID:aWA6I9qk
頭いいなお前
609名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 07:33:28 ID:b0QAxxot
>>603
GJ!今日は会社ずる休みする。
610名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 08:19:00 ID:yX71B7Mc
>>609
会社で長門探せば仕事も長門もGET
611名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 08:26:08 ID:D5Cs0oVC
お前らマジでこういう時は頭いいな
612名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 09:19:03 ID:f5hszlk1
会社に行ったが次長から某室長付き係長に左遷された。
腐りながら、その指定された室長室のドアを開けたら長門有希が居た。

「…………」
くぃ メガネを指で直す擬音
「…………」

ひたすらキーを叩いている長門が居る。…室長誰だよ!
そして会社名…あ、自分の名刺に鶴屋商事って書いてある!
613その1:2006/05/15(月) 10:19:52 ID:S0T8MGsu
世間一般の学校には春休みというものがあり、例外になくウチの学校にもある。
ただSOS団という例外的な組織には、やはり例外的に春休み中も休みは許されず活動と称して遊びまわっているわけである。

そんなある日、SOS団名誉顧問である鶴屋さん宅で「いかにして新入生にSOS団の存在をしらせるか」という議題でミーティングをするとハルヒから連絡が来た。

俺達は律義にもその30分後には鶴屋の屋敷の前に集まっていた。
614名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 10:22:36 ID:S0T8MGsu
「やぁやぁ、皆よく来てくれたねっ!今日は遠慮せずにガツガツ食べていってくれるかいっ」

そう案内されたダイニングにはアホみたいな豪華な食事がところせましと並んでいた。
実は鶴屋さんの両親がパーティーに参加するとかで娘のために用意した食事が、とても一人では食べ切れないとハルヒに相談した結果こうなったらしい。


そんなこんなで俺達が夕食を食べ終えた頃、鶴屋さんがコップを載せたお盆を持ってやってきた。
615その3:2006/05/15(月) 10:25:15 ID:S0T8MGsu
「ほいっ、あたしの特製ドリンクだよっ。飲んでみるかい?」

俺以外のみんなはグビグビと飲んでいたが、鶴屋さんのワクワクという擬音が聞こえてきそうな瞳を見ていると嫌な予感がして俺は口をつけなかった。
まぁ予想通りというか前回と同じようにジュースにお酒を混ぜていたらしく、長門以外が酔っ払うのに時間はかからなかった。


3時間後、俺はテーブルに突っ伏している酔っ払い達を部屋まで運んだ後、風呂に入ってくると長門につげて部屋をでた。
616その4:2006/05/15(月) 10:28:27 ID:S0T8MGsu
『男湯』と書かれたプレートを見ながら、どこかに女湯もあるのかと思いつつ俺は人生であと何回も入れない大浴場を満喫していた。
窓から見える月に見とれて湯に浸かっているとガラガラと扉が開き誰かが入って来た。誰かといってもどうせ古泉なわけで、奴のために首をむけるエネルギーすら惜しく俺は月を見続けていた。

「最近はハルヒも機嫌は良さそうだからお前があのヘンテコ空間に行く機会も大分減ったんじゃないか?」
617その5:2006/05/15(月) 10:31:50 ID:S0T8MGsu
古泉から返事はない。まさかここで寝てるのか酔っ払いめ
「おい……」
と振り返ると
「キョンくん、さっきから何を独り言いってるんだい。あはははっ」

とタオルを体に巻いた鶴屋さんがケラケラと腹を抱えて笑っていた。
やばい今のは言ってはマズかったのではと、俺はうまい言い訳を頭の中から捻りだそうと湯から立ち上がり

「いや今のは、ちょっと長湯しすぎて頭が…」
618その6:2006/05/15(月) 10:33:02 ID:S0T8MGsu
と弁明しかけて、鶴屋さんの笑い声が止んでいることに気付く。ん?鶴屋さんは固まった顔で俺を凝視していた。正確には俺の下半身を
「あ、あはっ……」

鶴屋さんは一歩二歩と後ずさりし、そして振り返って目にも留まらぬダッシュで、途中で桶につまずき床に滑りながらも出口へと駆けて行った。


俺は帰り際にもう一度『男湯』を確認してから部屋に戻った。
619名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 10:36:03 ID:rbKUa1Un
>>603
ちなみに、この作品のタイトルは?
無題 06じゃ (´・ω・) カワイソス
620その7:2006/05/15(月) 10:36:08 ID:S0T8MGsu
次の日、二日酔いではない頭痛に頭を抱えながら歯磨をしているとバンッバンッ!と相撲のテッポウのような衝撃を受け口に含んでいた水を吐き出した。

「おはようっ」

と朝からエネルギー全開のような笑顔の鶴屋さんがいた。妹が着ているパジャマと同じキャラクター刺繍の柄だ。着る人が違うだけでこうも違うか


「昨日のことだけどさっ、あれは二人の秘密にしといてくれないかい?」

とバツの悪そうな顔で俺を見上げた。そんな顔をされたら誰にも喋れませんよ
621その8:2006/05/15(月) 10:37:42 ID:S0T8MGsu
「そっか、ハルにゃん達にはものごっつい秘密ということでっ」

といつもの鶴屋さんらしい笑顔で、いや強いていうなら少し頬を赤くしているようにも見えたがそんなことを考えてるうちに鶴屋さんは昨日のように走って去って行った。
鶴屋さんの今の表情が見れるなら長門や朝比奈さんのは無理だが、古泉の秘密ならいくらでもバラしてやろうか、うーん

「あんたって……やっぱり年上の女にはデレデレするのね」
622その9:2006/05/15(月) 10:41:36 ID:S0T8MGsu
と背後で震えた声がした。振り返るとハルヒが口元をヒクヒクさせながら仁王立ちしていた。震えていたのは拳だった。怒りで。
古泉スマン、どうやらお前には今年も頑張ってもらわなきゃならなそうだ

(終)


良作のあと、いきなり汚してしまった
623名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 11:24:06 ID:v+itmP72
そんなことない、GJ!
624619:2006/05/15(月) 12:07:06 ID:rbKUa1Un
>>622
割り込みして申し訳ない。
625名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 12:10:54 ID:zLLB078G
>>619
考えてなかった。長門有希の暴走、って感じなんだけど、既にありそう。

だらだらとした内容なのに、読んでくれた人ありがとう。
エロが取ってつけたような書き方ですまん。文体も一貫してなくてすまん。誤字脱字すまん。
何より長門らしさがもう一つで、すまん。
>601の続きも書いてたんだけど、結局ファイル見つからず、今思い出しながら書き直しているとこ。
近いうちに書き込むよ。
626名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 12:48:58 ID:kRMuOD4M
>>596
あースマン。
「罰ゲーム」一応完結させる予定だけど今学校小説のアイデアで頭がいっぱいで
これを書き終えないことには続きがかけないんだ。なんつーか、メンタル的に。

学校の方は半分くらい書きあがったので、完結してから一気に投下する予定。
627名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 15:29:37 ID:muTxyD7Q
なるほどね、消失で長門が描いていた小説は改変前の記憶の永久保存版ってことか。
上手いなあ。
628名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 15:53:03 ID:edW72okB
>>555
JanneDaArcのヴァンパイアを連想した
629名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 16:25:57 ID:34HbWd9z
あなたに抱かれて〜胸に爪をたて〜って奴だっけ
630名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 16:42:45 ID:edW72okB
そう、それ

>情けなくていい 傍にいたいだけ 何もいらないけれど 証を下さい
>誰も見えなくて 壊れてしまいそう 全て吸い取って 骨の髄まで

>ママゴト遊びの虚しい部屋で 散らかる愛の残骸は偽物?
>心も体も干からびただけ 未来を見ろ ほら何が見えた?

>飾らなくていい 愛されたいだけ 今すべてを無くしても あなたが欲しい

>あなたに抱かれて 胸に爪を立て こんなにツライなら 愛なんて信じない
>忘れられなくて 離れられなくて あなたの嘘をまだ どこかで信じてる

>飾らなくていい 傍にいたいだけ 何もいらないけれど 証を下さい

ここら辺が脳内で再生された
631名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 17:06:23 ID:7EcDQnX9
アシモフファンとしてはスーザン・キャルビンの名がでてきただけで満足
632名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 18:01:07 ID:zLLB078G
>>630
JanneDaArcって知らなかったけど、そうだね。
これ書くにあたって、長門一人称がどうにもアレで、憤慨の例の長門ポエムを参考にしたんで、
あんな感じになっちゃった。それでもアレだけど。

>>631
もっと何か入れたかったけど挫折した。
633名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 18:13:42 ID:ONHGluhZ
Sなみくるモノをだれか
634かなり:2006/05/15(月) 18:30:41 ID:UGZy6Jqj
>>622GJ!
キタ―――――ヽ(゜∀゜≡゜∀゜)ノ―――――!!!!!
635名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 18:44:43 ID:BEmgj17O
やべぇ
SS書こうかなぁと思ってたけど>>625氏の神っぷりに自信なくしたwww
636かなり:2006/05/15(月) 18:48:58 ID:zuG2Lav+
>>545の発言でこんなの書きたくなった。 注意:FLASHはなし

「スノースマイル」    歌 BUNP OF CHICKEN

1.冬が寒くって本当に良かった 君の冷えた左手を
僕の右ポケットにお招きするための この上ない程の理由になるから
「雪が降ればいい」と口を尖らせた 思い通りにはいかないさ
落ち葉を蹴飛ばすなよ今にまた転ぶぞ なんで怒ってるのに楽しそうなの?
まだキレイなままの雪の絨毯に 二人で刻む足跡の平行線
こんな夢物語 叶わなくたって笑顔はこぼれてくる雪の無い道に
637スノースマイル:2006/05/15(月) 18:54:01 ID:zuG2Lav+
2.二人で歩くには少しコツが要る 君の歩幅は狭い
出来るだけ時間をかけて景色を見ておくよ 振り返る君の居る景色を
まだ乾いたままの空のカーテンに 二人で鳴らす足音のオーケストラ
ほら夢物語 叶う前だって笑顔は君がくれるそんなのわかってる
638名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 18:58:15 ID:fyN+MAzS
>>625氏は神だ!
だけど
>635氏、キミもきっと神だ!

書きたまえ@@b
639スノースマイル:2006/05/15(月) 18:58:54 ID:zuG2Lav+
3.まだキレイなままの雪の絨毯に二人で刻む足音の平行線
そうさ夢物語 願わなくたって笑顔は教えてくれた僕の行く道を
君と出会えて本当に良かった同じ季節が巡る
僕の右ポケットにしまってた思い出はやっぱりしまって歩くよ

君の居ない道を
640かなり:2006/05/15(月) 18:59:37 ID:zuG2Lav+
おわりです。
641名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 19:20:41 ID:rvDFe4sq
そうだ!JASRACを呼ぼう!
642名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 19:20:51 ID:BEmgj17O
>>638
さぁ、構想が壮大だから書くのに何年かかるんだろうねぇw
643名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 19:38:06 ID:zLLB078G
>>642
ぜひ。
644名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 21:31:47 ID:lQjwrLkC
>>625
よう神クラスのシャーマンGJ!!
645名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 21:58:17 ID:mkYrsvAY
全く、このスレを見てると異常なほど生きる気力が湧いてくるから困る
646名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 21:58:35 ID:LOG/XFaZ
869 :名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] :2006/05/15(月) 20:52:44 ID:VS0+pFeN
俺は
ハルヒストとして
してはならない
罪を
犯した


870 :名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] :2006/05/15(月) 21:04:05 ID:hPerUfhM
長門で抜いちゃったとかか?


871 :名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] :2006/05/15(月) 21:12:34 ID:AeB8Tos6
俺は涼宮ハルヒの憂鬱ィストだからどのキャラで抜いても問題ない。


872 :名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] :2006/05/15(月) 21:18:24 ID:VS0+pFeN
ハルヒが、キョンの心が長門とみくるにあると勘違いしたせいで
世界が実際にそう改変されてしまい部室で3人でまぐわっているところを
ハルヒがロッカーのなかでピーピングしてて泣きながらオナニーしている

というSSで抜いてしまったこと


873 :名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] :2006/05/15(月) 21:43:16 ID:DaHLoIvE
>>872
そのSS
さ ら せ 。
今すぐ!
今すぐ!!!


874 :名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] :2006/05/15(月) 21:48:51 ID:VS0+pFeN
ハルヒストとして
断固拒否する



ということで詳細キボン
647名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 22:56:38 ID:CWVuZmCM
それでも俺はハルヒとキョンの純愛ものを切望してみせる!!
648名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 23:02:47 ID:LOG/XFaZ
いやまぁ俺も純愛のほうが好きなんだけどね
649名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 23:06:21 ID:6SHVedcD
せつな萌えなんだなぁ。

好みと、ハマるのとは別だったりする。
希望が叶えられないが故に強い衝撃を受けてしまった
ハルヒ至上主義者の人は不幸なのかもしれない。

だけど、漏れはちょっと不幸になってみたいかもとオモタ
650名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 23:06:58 ID:ONHGluhZ
気付いたらSSのデレのハルヒが死ぬほど萌えるようになってた
原作は2までしか読んで無いけどデレはあるのけ?
651名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 23:08:32 ID:LOG/XFaZ
読めば分かる
652前スレ409:2006/05/15(月) 23:09:36 ID:HqMu5fBP
>555
ちょっと来ない間にすげえ神が降臨してるじゃねえか。
今書いてる長門物どうすっかなー。えろく無いし…。
653609:2006/05/15(月) 23:11:40 ID:1TjVkbjM
609です。結局仕事休みました。熱が38度もあったもんですから。
タハハ
654604:2006/05/15(月) 23:17:53 ID:LOG/XFaZ
お大事に
ちなみに俺は学校に消失持ち込んで講義中ずっと読んでた
655名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 23:20:12 ID:NBhN+aZl
長門が38度の熱が出たらどうするだろうか


やっぱキョン呼ぶのか?
656名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 23:21:22 ID:lQjwrLkC
「退屈」が舞台の長門SS書いてみた。

「―――――と、言うわけで貴女の力を貸してほしいのですが」
 このまま負けるようなら、正しくは『彼』に活躍と呼べる場を与えられないまま試合が終了するようなら、前回の規模を上回る情報噴出が起こる可能性が高い。
 そうなる前に、わたしの能力によるサポートで『彼』を活躍させてほしい。
 と、いうのが古泉一樹の要請。
 その主張は理解できるが、要請そのもののは同意しかねる。
 かって朝倉涼子の情報結合を解除した時と違い、ここは情報封鎖された場ではない。 
 野球というスポーツのルールに照らし合わせれば、このグラウンドには最低18人の人間がいる。わたし、朝比奈みくる、古泉一樹、『彼』は除外するとしても、審判と呼べる人間、さらにグラウンドの周りで見物をしている見物客などの存在も考慮する必要がある。
 そういった不特定多数の人間がいる場で、この惑星の情報量における常識からは『ありえない』とされているはずの能力を使うのは、推奨される行動ではない。
 わたしだけの判断で決定すべき事項ではない。情報統合思念体による指示を待つ必要が
「ちなみに、彼も喜ぶかと思いますよ」
 わたしの思考にノイズが走った。
 最近、『彼』のことを思考するといつもこうなる。デフォルトの情報を改変してまで、眼鏡の再構成を放棄したのもこのノイズのせいだ。
「……本当?」
「ええこの国に於いて、『野球でホームランを打つ』というのは、英雄の称号を得るに等しい行為です。特にこれは一般的な青少年ほどその傾向が強い。彼とてその例外ではありません」
「……」
 振り返れば、『彼』の顔がある。この国の同年代、同性の人間と比較してもありふれた平均的な物と言える顔だが、なぜかその情報は私の最深部に深く刻み込まれている。
 ホームランを打てば、『彼』の喜ぶ表情が見られるのだろうか。
 茶と呼ばれる飲料を出す朝比奈みくるではなく、自分の手で。
「要請受理」
657名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 23:22:18 ID:lQjwrLkC
 結局、『彼』は想像していたような顔は見せてくれなかった。
 それどころか、11点を取ったところで、わたしに情報変更の解除を要請してきた。
 なにがいけなかったのだろうか。なにが悪かったのだろうか。
 いや―――『彼』にホームランを打たせるという目的は果たしたのに、何を問題とする必要があるのだろうか。
 それだけで何の問題も無い、はずなのだが。
「―――――と、言うわけで、もう一度貴女の力を貸してほしいのですが」
 古泉一樹が、先程と同じようなことを言う。
 主張は理解できるが、やはりそのまま要請を受理するわけには行かない。
 敵対していないとはいえ、小泉一樹の所属する組織は、情報統合思念体とは異なる意識を持つ者達の集まりだ。
 そんな組織の人間からの要請を、何の遂行も無しに受理するわけにはいかない。
 先程は原因不明のノイズにより情報統合思念体の指示を聞き逃してしまったが、今度はそのようなことが起こらないように注意する。
「ああ、ちなみにですね」
 小泉一樹が口を開く。先程のように、真実性に疑いのある情報だと思われる。
「この国では、キャッチャーはピッチャーの『恋女房』と言うらしいですよ」
 恋、女房という語句の意味をデータベースから検索―――――
 もちろん、その語句はある種の例えであり、本来の意味からはかけ離れているということは理解できる。
 だが、わたしがキャッチャーというポジションについた場合、ピッチャーの『彼』にとってわたしは――――
 再び起こる原因不明の、いや原因となる人物だけはわかっているノイズ。
 ふと気がつけば、その原因である『彼』がわたしの傍らにいる。フェイスマスクやプロテクタと呼ばれる防具をわたしの体に付けていた。
 この程度のこと、『彼』に手伝ってもらう必要は無い。わたし一人でもできることだ。
 だが、『彼』の手を振り払うことはできなかった。隣に小泉一樹の存在は確認できるが、わたしの内部の情報を占めているのは『彼』に関する情報ばかりだ。
 『彼』の手により全ての防具を付けられたとき、
「……『恋女房』にされた」
 わたし自身理解できない言語が、口から漏れた。


658名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 23:23:19 ID:fk8/jMNy
>>650 一巻以降ハルヒとキョンは特に進展なし
最新巻ではキョンのハルヒを見る目がかわっているがな
どちらかと言えばみくるのデレが一番多いと思う
キョンの肩によりそったり
659名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 23:23:26 ID:lQjwrLkC
以上です……長門一人称蝶ムズイ!!
>>625は恐ろしいな。
660名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 23:25:09 ID:ThF44Jqp
ならばあえて偽長門もので>>625に対抗してみせよう。
2週間後に投下する。
661名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 23:28:27 ID:6SHVedcD
>650
沢山あるよ。
舐めるように読み尽くすと良い。

口では何と言おうが、古泉に一言いわれれば黙ってしまうキョンの純情さには悶絶
662名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 23:31:35 ID:BEmgj17O
>>650
憂鬱と消失と陰謀のラストマジオヌヌメ
663名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 23:33:16 ID:ONHGluhZ
>>662
マジか とんくす
憂鬱はキョンを無意識に閉鎖空間に連れてくっていう無意識のデレに萌えた
664外伝:2006/05/15(月) 23:49:44 ID:uoLrvnW+


 ある雪の降る日。
 彼女は、生まれた。

 あたしは、誓った。
 何があっても彼女を守る。

 あたしは彼女を泣かせはしない。



 【ナイフ】



 クラス委員になったあたしにとって、ある人物に近付くのは容易かった。観察対象に探りを入れているのも、はたからすれば仲間の輪に入れないクラスメイトを気遣っているようにしか見えないだろう。
 あたしの存在意義は観測。そして彼女のバックアップ。独断行動は許されない。あたしは彼女の言う通りに従う。あたしの操り主が、方針を変えでもさない限り。
 あたしは彼女を守る。何があっても。それがあたしの役割だった。
 …だけど、それはあまりにも早すぎた。観察対象に情報爆発を促すため、鍵となる人物を抹殺せよ。あたしが受けた命令はそうだった。まさか…こんなにも早く、こんな形で情報統合思想体の意見が分裂するなんて。
 上の命令には従うほかない。だが強硬な動きは主流派と対立することになる。つまり…あたしが守るはずの彼女と、対立することに……
 抹殺するには彼を呼び出さねばならない。何処がいだろう。邪魔が入らないように学校以外で…いいや、やっぱり身近な一年五組にしよう。そして呼ぶ方法は手紙にしよう。そして下駄箱に入れよう。異性を呼び出す時に使う、人間のやり方にのっとって。
 この情報はやや古いかもしれない。だけどいいんだ、このほうが。
 どうやって彼を抹殺するか。あたしが直接手を下されなくとも病死なり事故死にすることくらい造作もない。だけど…あたしの誓いに最も似ているモノを。それでいこう。鋭く、打たれては強くなり、誰もが隠し持っているもの。
 陽が沈み、西の空が茜色に輝いている。綺麗だと思った。最期に、ふさわしいかもしれない。
 誰の最期にふさわしいか…もうじき、はっきりする。行くしかない。そこに、あたしの誓いが待っている。
「行くわよ、長門さん」
 一度だけ、名前を呼んでみた。


「情報連結解除、開始」
 教室のすべてのものが輝いたかと思うと、その一秒後にはキラキラした砂となって崩れ落ちた。
 薄れゆく意識の中、対峙する彼女の顔が寂しさに歪んだような気がした。

 ごめんね、長門さん…
 あたし、あなただけは悲しませたくなかったの。泣かせたくなかったの。それは、ほんとなの。
 でもこれだけは覚えておいて。あたしたちが「悲しみ」を覚えた時…それは……そ…れは

 あたしの胸から足は、すでに光る結晶で覆われていた。そんなあたしを愕然と見ているあたしたちの鍵…彼と、目が合う。

 涼宮さんとお幸せに。

 長門さんを悲しませたら…許さないから。

 そして私は音もなく、小さな砂場になった。



 その半年後、長門有希はエラーを蓄積させ、誤作動を起こす。
 それが悲しみによるものなのか、それとも別の何かが原因だったのか、今となっては誰も知らない。
 そして再構築された世界、彼女は再び「誓い」を握る事になる。


 それも、長門有希が望んだからなのだろうか。




(終わり)
665名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 23:53:09 ID:7hxxN8L/
最近神多すぎ
666名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 23:57:05 ID:Yze/OQtR
>>660
まじか!?消失長門最高!
667名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 00:00:48 ID:6SHVedcD
フムン。外伝も来たか。職人多杉て何も考えずに拍手していればいいこの頃。

とりあえず長文で追いかけるのが大変な長門有希の暴走(仮?)だけまとめリンクしとくか。
>555-577
>582
>599-601

>603
>625
668名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 00:01:43 ID:JkG4MQua
いちいちアンカーつけていられないなw

作者のみなさんGJ!!!!!!!!
669名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 00:03:23 ID:nZf0C6/V
>656-657
>664
どちらも良かった。いい加減自分もなんか書きたい。
670名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 00:08:39 ID:tOR6FbrA
>>656
長門萌え&ワロスw
古泉マジ腹黒w
671名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 00:16:25 ID:yx//5MoB
今書いてるお。
長門メインで、エロは少な目だけどな。orz
672名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 00:18:09 ID:3wzx1XH7
ハルヒはこないのか……orz
673名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 00:18:28 ID:tXQyv5zr
>>671
おぉ!
674名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 00:19:22 ID:2bgIJXzo
みくるはこないのか・・・・orz
675555:2006/05/16(火) 00:20:00 ID:W4xh3CZi
>>667
まとめありがとう。

で、 >601の続きを一応最後まで行きます。エロなしですまん。あと一部辻褄がアレかも。すまん。
14か15レスくらい。
676名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 00:21:00 ID:W4xh3CZi
情報統合思念体の意思。
わたしはすぐに何らかの処分を受けると考えていたが、特に何もなかった。

最終的な処分は、しばらく保留ということらしい。
ただ、わたし自身の存在について、わたしの考えていることを
申告しなければならない。一時保留を申請、許可された。

そして、わたしはもう観察者ではなくなった。新たな観察者が配置される。
そのインタフェイスの存在は、知らされない。
次にわたしが暴走しそうになれば、新たな観察者が、
速やかにわたしの情報結合を解除するのだろう。

わたしの役割は、あの人と涼宮ハルヒの保全。基本的に今まで通り。

現時点で、わたしの感情を含む自我の再構成は行われない。
しばらく様子を見てから、決定されるのだろう。
たぶん、わたしの申告を待って決定される。

わたしの状態全ては、情報統合思念体が完全に把握しているはずであり、
なのに、わたし自身の申告を待つと言うのは、理解できない。

しかし、これで考える時間ができたことは嬉しい。

しばらく部屋で考える。
この世界で、わたしは、わたしをどう定義すればよいのだろう。

彼のことを考えると、やはり思考が揺れる。
でも、昨晩の記憶がある。
それは、わたしには現実にあったことで、彼の記憶からなくなったことだ。

状況としては、私以外は、一昨日と同じ。
わたしが頼んだから、彼はわたしを受け入れてくれた。
わたしが頼まなくても、わたしを受け入れてくれるだろうか。
または、その可能性があるのだろうか。わからない。

彼が誰かを選ばない限り、今のままの状態は継続する。
そのようなことはあり得るのだろうか。

結局、彼次第なのだ。ただ、わたしが頼んだら、受け入れてくれたということ。
これはこれからもそうなのだろうか。
とりあえず、それは、防波堤のようなものになっている。
貧弱な防波堤だが、ないよりまし。

しばらく考えて思考を整理し、いつもの時間に学校へ向かった。
677名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 00:22:28 ID:W4xh3CZi
その日の午後、短縮授業が終わってから、わたしはいつものように部室に向かった。
いつものイスに座って、ハードカバーに目を落とす。

いつもと同じ。彼の姿を視線の隅で捉える。あの世界改変も再改変も知らない彼。

その日は、クリスマスに行う子ども会について、涼宮ハルヒが何か言っていた。
朝比奈みくるが何かするらしい。わたしもたまには何かやってみたい気もする。
しかし、今は、そんなことを考えている場合ではない。

わたしの思考は、彼のことに集中する。

できるだけ早く彼の記憶を同期したい。
わたしは、わたしの中の彼――彼の存在――を思った。
今、朝比奈みくるに視線を固定している彼の記憶は、失われるものなのだ。
それを考えると気持ちが沈む。しかし、仕方がない。

わたしは彼にあの三日間を覚えていて欲しかった。
しかし、それだけではない。それ以上に重要な理由がある。
彼があの三日間を記憶していなければ、この世界再改変は完了しない。
彼は、わたしが改変した世界で三日過ごした。
そして、その後、改変直後に戻り、そこで朝倉涼子に刺されて倒れた。
実際に世界を再改変するのは、これからの彼。そして、これからのわたし。
その彼は、あの三日間の記憶を持っていなければならない。
わたしが改変した世界を過ごし、その世界が改変された直後に朝倉涼子に
刺され、その後、今より未来に、再び、わたしと改変直後の世界に行く。
そこで、改変後の世界を再改変しなければならない。
そのときに彼と一緒に未来から来たわたしが、今のわたしの未来なのかは
確信がない。だから、再改変は、彼がトリガーとなるのだろう。

その記憶を同期する時期が先になれば、先になるほど、
彼の、他人が彼の行動を記憶していて、かつ、彼がそれを覚えていない
期間――彼の記憶喪失の期間――が、長くなってしまう。
それは避けたい。彼の混乱は少ないほうがいい。それはわたしの希望。
それまでに有効な機会がなければ、三日後の、彼の記憶を同期すると
同時に情報操作を行うことになる。
彼に接触した人の記憶を改変し、彼が入院してたことにすればよいだろう。
その場合、そのためには涼宮ハルヒをの記憶を改変する必要がある。
情報統合思念体は、彼女の記憶改変に消極的だ。

情報統合思念体は、それについて、ひとつのシナリオを提供した。
それでうまく行くだろう。
ただ、一点、気に入らない点がある。でも我慢できる。

そのようなことを考えていたら、彼の視線に気が付いた。
彼が何か言いたそうな目でわたしを見ている。
少し嬉しく感じて、何かあったのだろうかと考えた。
そして、すぐ、逆に、わたしが彼を見つめ続けていたことに気が付いた。
すぐに視線をハードカバーに落とす。無意識な身体動作は障害の前兆。

「キョン! なんた何でっれとしてんのよっ! 有希がどうかしたの?」
「いや、なんでもない」

彼が首を振りながら、涼宮ハルヒに向き合うのを視界の隅で捕らえる。
もうしわけない。

その視界の隅に、古泉一樹の薄い笑顔があった。
彼らはどこまで認識しているのだろう。でも、それ以上興味はない。
678外伝:2006/05/16(火) 00:23:25 ID:u7NK62nT
朝倉編は無理があってちょっとした冒険だったかな…
後は古泉、ハルヒ、消失長門、キョンで占めるつもりだ。
主要キャラってこれだけかな?
679名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 00:23:38 ID:W4xh3CZi
そして、そのときが来た。

涼宮ハルヒの提案で、連れ立って買出しに行くことになった。
部室を出て、階段に向かう。

涼宮ハルヒや古泉一樹に、余計な疑念を抱かれてはならない。
わたしは、彼が最後について来ていることを確認し、
先頭を歩く涼宮ハルヒの側によった。

情報統合思念体のサポートを申請する。
階段を下りる直前、古泉一樹の視界に入らないようにして情報操作を開始。
彼が階段を下りる、その瞬間、彼の身体をシールドして、彼の足をとめた。
彼は、つんのめるように、落下する。
そして、彼が踊り場に落ちるとほぼ同時に、わたしは彼の側に移動した。

考えていた異常の音がした。
すぐ状態確認。異常なし。そのまま彼の意識を凍結。シールド解除。
彼は、わたしの中に情報素子の形で凍結している記憶を移送されない限り、
もう目覚めることはない。ここの彼は抜け殻。

彼の脈と息を確認して、言った。
「大丈夫、心肺は止まってない。救急車を」

唖然として立ち尽くしてた朝比奈みくるが、いきなり駆け出してきて、
彼にすがりつき、泣き出した。
涼宮ハルヒは、立ち尽くしたまま、呆然と床に倒れた彼を見ている。
古泉一樹に視線を向けると、携帯を取り出そうとして固まっていた。

誰も救急車を呼んでいない。苛立ちが募る。
わたしは、彼の制服のポケットから携帯を取り出し、ダイヤルした。
救急車を呼び、電話を切った後、固まっている古泉一樹を睨みつける。

わたしの視線に気が付いたのか、一瞬の後、わたしに目を向けた。
「どうです? 彼は大丈夫ですか?」
「心肺機能に問題はない。外傷も確認できない。影響は不明。昏睡状態」
「救急車を呼ばないと」
「呼んだ」
そういって、彼の携帯を古泉一樹に渡し、彼を見た。
大丈夫だと解っていても落ち着かない。彼のこのような姿は見たくない。

「朝比奈さん、ゆすってはダメです。頭打ったみたいですから」
古泉一樹の声を遠くに聞いた。

立ち尽くしていた涼宮ハルヒが何か叫んで、彼の許に走る。
無言で彼を様子を見たあと、突然、振り向きざまに立ち上がり、
階段の上を指差して叫んだ。
「誰かがキョンを突き飛ばしたのよ! あたしは見たわ!」
思わず階段の上を見る。誰もいない。いるはずがない。
「有希、見なかった?」
身体が固まる。
「知らない」
そう答える。涼宮ハルヒは、彼女の能力で知ったのだろうか。
いや、それでも誰かを見ることはありえない。
では、彼女は何を見たのか。見たつもりになっただけか。
680名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 00:25:05 ID:W4xh3CZi
わたしは情報操作による介入準備をした。
情報統合思念体にサポートを申請。
彼女が見たと言ったら、それは現実になる可能性がある。
彼が誰かに突き飛ばされて重症を負う。そんな現実。
なぜそうなるのか。こんなときに。
彼は無傷なのだ。
そう考えて、わたし自身、少なからず混乱していることを自覚する。
彼女は彼が無傷であることを知らない。
わたし以外の誰もが、彼が無傷であることを知らない。

古泉一樹も真剣な顔で、わたしと涼宮ハルヒを交互に見ている。

次の瞬間、涼宮ハルヒは、
「でも、あんた、一番最初にキョンのとこにいたし」
そう言って考える表情になった。
「今は、それより彼のことを」
古泉一樹の声に、初めて彼の状態に気が付いたように、彼に向かい、
「ちょっと、みくるちゃん、ゆすっちゃだめだって」
と朝比奈みくるを彼から引き剥がそうとした。

救急車のサイレンが聞こえ、古泉一樹が、担架を呼びに走っていった。

担架が着く。救急員が彼に何か応急処置を施し、彼を運んでいった。
その後を、青ざめた涼宮ハルヒ、泣いている朝比奈みくる、真剣な表情の
古泉一樹が追う。

わたしは、階段の踊り場から動けなかった。
彼らが一緒に行ったのに、わたしだけここにいるのは不自然だ。
しかし、彼らと一緒に気にはならなかった。

心配することは何もない。しかし、なかなか冷静になれない。
わたしは、情報統合思念体のサポートの下での情報操作により、
彼を階段から転落させた。それによって彼が傷つくことはない。
しかし、それをした事実が、わたしを動揺させているのだ。
わたしは彼を傷つけたかも知れない行為をした。

いやちがう。それ自体は実際なんの問題もないのだ。
情報操作により彼は完全に守られるのだから。

わたしは、涼宮ハルヒの言葉を思い出していた。

――誰かがキョンを突き飛ばしたのよ! あたしは見たわ!
――有希、見なかった?
――でも、あんた、一番最初にキョンのとこにいたし

そう、涼宮ハルヒに気付かれたかも知れない。その事実に動揺しているのだ。
彼女は、彼の過失であるとは信じないかもしれない。事実、彼の過失ではない。
彼女は、わたしの姿を見たのではないだろうか。
わたしの情報操作因子を、わたしの姿として。

いや、それはありえない。
不安に感じる要因など何もない。涼宮ハルヒから、情報フレアも検出されない。
やはり、涼宮ハルヒの錯覚だったのだろう。

結局、わたしは、古泉一樹と朝比奈みくるが戻ってくるまで、その場を動けなかった。
ただ彼の倒れていた場所を見つめ続けた。
681名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 00:26:52 ID:W4xh3CZi
部室に戻って、古泉一樹が携帯で何かを確認していた。
彼の言う機関と連絡を取っているのだろう。
朝比奈みくるはイスに座って、両手が白くなるほどスカートの裾を握り締めていた。
涙で濡れた顔を拭こうともしていない。

わたしは居た堪れない気持ちで、いつものイスに座っている。
情報統合思念体は、何らかの意図を持ってこのシナリオを書いたのか。
それは、不安を誘う推測だ。

しかし、もう状況は動いている。進むしかない。

古泉一樹が、話していた携帯を畳み、言った。
「搬送先の病院が解りました。我々も向かいましょう」

彼は古泉一樹の計らいで、治療設備の整った私立総合病院に搬送されていた。
わたしたちが着くと、集中治療室や各種検査室などが並ぶ廊下で、
涼宮ハルヒが立ち尽くしていた。血の気の引いた顔をまっすぐ斜め上に向け、
目を見開いて空中を睨んでいる。

「涼宮さん!」
古泉一樹が声を掛けるが反応しない。ただ立ち尽くしている。
わたしは、居た堪れない気持ちになった。
間違った。しきりにそう感じる。しかし、もう時間を戻すことはできない。

涼宮ハルヒは彼が運び込まれてから、ずっと同じ状態だったに違いない。
彼女の周りには怒気が満ちているようだった。

反応しない彼女を朝比奈みくるに預け、古泉一樹が検査室の中に入ろうとした。
検査室の扉が開いた瞬間、涼宮ハルヒが猛烈な勢いで、朝比奈みくるを押しのけ、
検査室に入ろうとした。それを古泉一樹が押し留める。

「ちょ、ちょっと、まってください! 落ち着いて」
「キョンは? キョン、ちょっと、こら、じゃますんな!!」
怒気を含んだ声。揉みあってる相手が古泉一樹だと気付いていないのだ。
「待って、落ち着いて。僕、ここの理事長知ってるんで、状況を聞いてきますから、
落ち着いて。落ち着いて、ここで待っててください。いいですか?」
「…………」

古泉一樹の言葉が理解できたのか、彼の顔を見て、また立ち尽くす。
「朝比奈さん、お願いします」
そういって、彼は、検査室の中に入った。
682名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 00:29:08 ID:W4xh3CZi
ここは彼の機関が関わっているのか。そう、思考の表面で考えた。
どこかおろおろしている朝比奈みくるに支えられて、
涼宮ハルヒは、最初にここで見たときと同じ状態で、空中を睨んでいた。

わたしは間違った。決定的に間違った。
情報統合思念体のシナリオをもう少し検討すべきだった。
気に入らない点を、もう少し考えるべきだった。
もっと違う方法を、何か彼女がショックを受けない、別の方法を考えるべきだった。

このままでも、当初の目的は達成できる。実際、半ば達成した。
しかし、彼らの感じているあの焦燥と怒りは、本来、不要だったはずだ。

彼が無事であることを伝えたい。三日後に正常に起き上がるのだと。
しかし、それは伝えることはできない。

しばらくそのままで立ち尽くしていると、古泉一樹が検査室から出てきた。
涼宮ハルヒが、はじかれたように古泉一樹に駆け寄り、彼の胸倉を掴んで言った。
「どう……、どうなったの? どうなってんの? 早く答えなさい! 答えろっ!!」
震える声。語尾は怒声。
目を見開いて、古泉一樹を睨みつけている。彼は両手を上げて答えた。
「まあまあ、ちょっと落ち着いてください。彼は無事です」
「……無事?」
棒立ちになる。
「そう、無事です。一通り検査して、異常は全く見つかっていないそうです」
「無事……」
そう呟くと、涼宮ハルヒは、その場に座り込んだ。

と、別のドアが開き、ストレッチャーが運び出されてきた。
「キョン!」
涼宮ハルヒが駆け出す。古泉一樹、朝比奈みくるが、小走りでそれに続く。
わたしは動けなかった。

わたしは情報統合思念体の意思を考えていた。
そしてどうしようもなく抑えきれない思いを感じていた。
申請などどうでもいい。
すぐに彼らの記憶を改変してしまいたい、彼らから、彼の転落事後の記憶を消し去りたい、
そんな気持ち。

そのまま立ち尽くしていると、古泉一樹が戻ってきた。
「どうしました? 彼は無事ですよ」
それに頷く。そう、彼は初めから無事なのだ。

「こちらです。病室に行きましょう」
やっと身体が動き出した。彼の後ろについていく。

「長門さんが、こんな反応するなんて、珍しいですね」
「…………」
「で、涼宮さんが言っていた、彼を突き飛ばした人なんですが……」
「知らない」
「え? そ、そうですか」
彼は少し意外な顔をして言った。
「僕のほうでも調べてみますけど、もし、何かわかったら、教えてくれませんか」
「…………」
「お願いします」
肯首。
「あぁ、ここです」
ドアが開き、彼の姿が見えた。
683名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 00:30:26 ID:SmtsGuA6
>>664
これもバンプの「ナイフ」聞いて着想したのかな?
684名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 00:30:31 ID:W4xh3CZi
彼は点滴チューブを腕につけ、ベッドで寝ていた。
わたしが意識を凍結したそのときのままで。

朝比奈みくるが心配そうに見ている横で、涼宮ハルヒが怒鳴っていた。
「こらぁっ! キョン! 起きなさいよ! 団長命令よ! 今すぐ起きなさい!」
その傍らで、担当医なのだろうか、医者がカルテのようなものを持って肩を竦めていた。
古泉一樹が、その医者と何か話し、怒鳴り続けている涼宮ハルヒに言った。

「涼宮さん、ちょっと落ち着いてください」
「何よ、落ち着けですってぇ? キョン、どこも悪くないって。じゃあ、何で起きないのよ?」
「昏睡状態なんです。昏睡の原因はわかりません」
「何それ。起きないなら叩き起こせばいいのよっ。キョン! さっさと起きないと罰金だからね!」
本当にたたき起こしかねない勢い。
「待ってください。原因不明の昏睡状態です。無理に起こすことはできません。
とりあえず、様子を見て。彼が目覚めるのを待つしかありません」

その言葉で、彼女の動きが止まる。
彼女はうっすらと涙を浮かべていた。眼を見開いて、怒った顔のまま。
わたしは彼女の心情を考えた。

しばらくそのままでいた後、両目を擦ると、こちらを振り向き、言った。
「付き添うわよ!」
「…………」
「キョンが起きたとき、誰もいなかったらかわいそうじゃないのっ! だから付き添うのっ」
「付き添いは、この病院に……」
「ダメ。あんたたちは、交代で見舞いなさい。あたしは団長だから二十四時間付き添うわ!」
「…………」

「じゃ、お見舞いの順番を決めなさい! あたしは、泊り込む準備をしてくるわ。
それまでに決めときなさいよ!」

そういって、あっという間に病室を出て行った。

彼女は本当に、彼を大切に思っているのだ。
それは見ていて微笑ましくなるほどに。
わたしがそう思えるほどに。
685名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 00:32:10 ID:W4xh3CZi
わたしたちは、時間帯を午前中、午後、夕方から面会時間終了までの時間帯にわけ、
それぞれ空いている時間をお見舞いにあてた。
朝比奈みくるは、学校があるため、大体夕方から面会時間終了まで。
学校は、わたしと古泉一樹も同じだが、わたしたちはなんとでもなる。
わたしと古泉一樹は、その時々で、午前と午後のどちらかを選んだ。
彼の家族は、夕方から来る。
涼宮ハルヒは、夜中、ずっと起きていて、昼間に寝袋で眠る、そんな感じ。
学校に行かなければならないときは、徹夜すると言っていた。
しかし、わたしの観察では、泊り込むようになってから一度も学校に言っていない。

わたしは病院に行かないときは、家にいた。学校に言っても仕方がない。
それよりも、情報統合思念体の意思を確認しなければならない。

わたしは初めて情報統合思念体に怒りに近い感情を持った。
考えてみれば、いや、考えなくても、あれはおかしい。
もう少し、重症には見えないような方法もあったはず。

古泉一樹は、重症だと思い込んでた。あれでは、誰でもそう思うだろう。
それなりの訓練をうけているはずの古泉一樹が、その瞬間、行動不能となるほどだ。
後から聞いた話では、死んだと思ったらしい。それは涼宮ハルヒもそうだろう。
なぜ、そこまでしなければならなかったのか。

もっとよい方法はあったはずだ。
それとも、そうしなければ成らない理由があったのか。
それは、涼宮ハルヒを、動揺させることか。
朝倉涼子を思い出す。彼を殺して、涼宮ハルヒの出方を見る、と。
686名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 00:34:39 ID:W4xh3CZi
情報統合思念体と向き合う。

今回は、その実験なのか。
実際には保全し、その瞬間、死んだと思わせる。

彼は涼宮ハルヒの鍵。

今までの事例から考えて、涼宮ハルヒの眼前で彼が死の危険に見舞われたら、
彼女を中心とした情報フレアが発生する可能性が高い。
彼女は、彼の生死が確定するまで、能力の発現を抑止できるか?
あの取り乱し方。彼女の無意識な能力の発現ならば、
彼が死の危険に見舞われた時点で、その事象をなくすだろう。
彼は初めから、危険にされされることはないはずだ。

しかし、今回はどうだったか?
情報爆発や閉鎖空間は検出されなかった。

それは何を意味しているのか。彼の意識の有無?
そう今回は、彼は意識を失っていた。完全に意識はなかった。
涼宮ハルヒはあれほどの動揺を見せたが、閉鎖空間も情報爆発も発生しないまま、
事態は収束に向かっている。

過去の事例ではどうか。
彼が希望したものであったなら。彼の意識的な希望ではなく、
無意識的な希望の実現に、涼宮ハルヒの能力が使われているとするなら。

反例が一つある。
わたしは世界改変を、涼宮ハルヒの能力を発現させることで行った。
その際のトリガーは、彼女が見た夢。わたしと彼の姿。
わたしは彼女が、彼女の望む世界を作る前に、それに介入し、わたしの望む世界を構築した。

それは、本当に涼宮ハルヒの能力だったのか?
わたし自身、スタンドアロンの能力では、世界改変は不可能だ。
それは確実か?
わたしは、未来のわたしが情報統合思念体いない世界で世界を再改変するのを見た。
そのあたしは、その時空の思念体と結合していると言った。
しかし、情報統合思念体は、時空を超越している。
いや、そもそも私自身にスタンドアロンで世界改変ができるほどの情報操作能力は
備わっていない。そのように造られていないはずだ。
では、感情を抑制するように造られ、観察者として、学ばないはずのわたしが、
感情を芽生えさせ、その制御を学びつつあるのか。

そして、わたしが改変した世界。それは、本当にわたしの望んだ世界だったのか。
彼が望んだ世界だったのではないのか。
あの世界は、彼が意識的に望んでいた世界。
つまり、彼の本当の望みは、彼の無意識にある。深層意識にある。
彼はそれに気が付いていないだけ。
だから、彼が望んだ世界は、彼によって否定された。

それではわたしも?
わたしは、ある目的のために造られた。しかし、今、それを逸脱しようとしている。
そのことに、意味はあるのか。
道具は道具の範疇に納まる。道具が、使用者の意思を超えて、勝手にものを造ることは
ありえない。それは、その時点で道具ではない。道具ではない何かだ。そして、道具は、
普遍的な意味で使用者を選ばない。使用者の指示に反することはない。

わたしは情報統合思念体に怒りを感じている。
ならば、その実験には、涼宮ハルヒの反応だけでなく、わたしも含まれていたのだ。
わたしを変えたのは、彼。答えをださなければならない。
しかし、その前に、彼を話をしなければならない。彼の意思を知りたい。
687名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 00:36:40 ID:W4xh3CZi
そして、三日目になった。

その日、わたしは午前に付き添いに来た。
わたしが来たとき、涼宮ハルヒは、まだ起きていて、
疲れたような顔で、ぼんやりと彼の顔を見ていた。

「ねぇ、有希。キョンにキスしたら、目が覚めるかしら」
少し驚いた。思わず目を上げる。

「違うわよ。あれよ、そう、眠れる森の美女」
彼女には、その記憶があるのだろう。
彼にキスされて目が覚めるその記憶。あの二時間三十分の記憶。
彼女の見た夢。彼の現実。
と考えたが無言で返す。

「でも、男女逆でもいいんじゃない?」
そう。これからわたしがする。と思うが無言。

その後、なにが呟いていたが、急に話題を変えた。

「ねぇ、幽体離脱って知ってる?」
本で読んだことはある。概念は情報生命素子に似ている。と思ったが無言。

「キョンって、階段から落ちたショックで幽体離脱しちゃったんじゃないかしら」
少し驚いた。そう、まさにその状態。彼の意識は、今、わたしの中にある。
と考え、無言を返す。

そこで、気が付いた。今、彼の意識は、圧縮凍結して、情報素子に
定着している。わたしはインタフェイスであり、保持する情報量は
人と比べて桁違いに大きい。その記憶素子に、彼の意識を展開すれば。
彼はインタフェイスであるわたしを通して外部と接続できるのではないか。
もちろん、彼とわたしの内部インタフェイスを接続しなければならないが、
しかし、不可能ではない。わたし個人の情報操作能力で実施できるかも知れない。
この考えはとても面白いものに思えた。何かで読んだ。そう、憑依。
しかし、許可されるとはとても思えない。

その後も何か他愛のない話を振り、一人で話し、わたしは全て無言で返し、
そのうち、
「じゃ、少し寝るわ。キョンが起きたら、起こしてね」
そう言って、寝袋に入った。

驚きだ。涼宮ハルヒは、状況を正確に把握している。
本当に単なる思い付きなんだろうか。

わたしは、彼が階段から転落した時の、彼女の言動を思い出していた。

わからない。しかし、今日、彼女の願いは叶うだろう。
688名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 00:38:17 ID:W4xh3CZi
涼宮ハルヒが寝たことを確認する。
場の状態を調べ、誰もこの病室へ近付いていないことを確認する。

全ての状態に問題がないことを確認し、わたしは、彼の顔を覗き込んだ。

あの日のあの夜のことを思い出す。
わたしだけの記憶。感情は温かい。嬉しい、そして少しだけの不安。
彼の顔を良く見る。見とれそうになる。
さあ、始めよう。

彼の額と頬に手を置く。
ゆっくり顔を近付ける。ふと涼宮ハルヒが見ているのではないかという思いが浮かぶ。
いや、場の状態は、彼女が睡眠中でであることを示している。
考えすぎなのだろう。少し神経質になっているのかも知れない。

唇を合わせる。彼の意識を感じ、彼に移出する。
そのまま、彼の唇を舌先で突付く。
唇を離すことができない。もっと深くキスしたい。
その欲求に耐える。しばらくそうした後、ゆっくり唇を離す。
思わず、涼宮ハルヒの様子を見る。大丈夫。
彼の唇に指を沿わせて、彼が三〜四時間後に目覚めるように因子を調整する。
これでおわり。

ため息をつく。ベッド横のイスに座りなおす。
689名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 00:41:08 ID:W4xh3CZi
もうすぐ、古泉一樹がやってくる。
彼が来たら、家に帰ろう。

古泉一樹がくるまでは、彼の顔を眺めていよう。
少しだけ空いている窓から外の騒音が微かに聞こえる。
微風が入り、前髪を少し揺らす。
廊下が騒がしいのは、配膳の回収だろうか。
手を、彼の頬にあてる。

わたしはとても満たされている。
このような時間が続くのも悪くない。

ドアが開く。古泉一樹だ。もう少し遅くてもよかったのに。
「すみません、遅れました。いや、ちょっと用事があって」

そして、薄笑いを浮かべ、
「何かカメラの調子が悪くて。何もありませんでしたか」
といった。
「ない」
そう答え、わたしは立ち上がり、
「また」
そう言って、廊下に出た。
「もう帰るんですか?」
ここに残って、彼が目覚めるところを見たくはない。
状況によっては取り乱すかも知れない。家に戻ろう。

ちなみに、そのカメラは正常。たまたま映らなくなっただけ。
彼の機関はプライバシーを尊重しない。
わたしもあまり尊重しないが。

後は彼が目覚めるだけ。
彼と会うのは少し怖い。でも、大丈夫。

彼と会って、わたしは決断しなければならない。
彼もわたしに聞きたいことがあるだろう。

そして唐突に思いついた。
涼宮ハルヒは、毎晩、彼にキスしていたのではないだろうか。
目覚めることを信じて。
そう思っても不思議と、涼宮ハルヒへの嫉妬や妬みは感じなかった。
以前はあれほど気になったのに。
彼に意識がないからだろうか。
この心理状態については、少し考える必要がある。

でも、きっと、彼女は本当に彼を大切に思っているからなのだろう。
付き添いを決めたときのことを思い出す。

そこにわたしたち、宇宙人や未来人、超能力者も含めていて欲しい。
何となくそう思う。
690名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 00:42:55 ID:W4xh3CZi
マンションの部屋に戻り、テーブルの前に座った。

わたしが勝手に考え、勝手に追い込まれて、勝手に引き起こした騒動。

彼はまもなく目を覚ます。
わたしは彼と向き合い、わたし自身と向き合わなければならない。
それで終わる。

彼は何と言うだろう。
彼は、わたしの想いを知らない。だから、わたしが引き起こした騒動の原因も知らない。

今回の一件は、すべて、わたしの責任。
彼にとって便利な道具的な存在であるわたしが、それに満足できず、
もっと彼に近付きたい、彼に必要とされたいと考えて、彼を追い込んだのだ。

彼は、あまりいい気持ちはしないに違いない。
普通に考えれば、二度と近寄って欲しくないだろう。

そこまで考えて、もう、何も考えられなくなった。
そうなったなら、その結果に耐えられそうにない。
感情が暴走するまえに、今度こそ、消えなければならない。
でも、彼は、わたしが望めば、聞いてくれる。
いや、わたしは望んではいけないのだ。
特に、これから会う彼には、わたしからは何も望んではならないのだ。

原因を問われたら何と答えよう。
わたし自身の問題は未解決。
わたしは、相変わらず本心では彼を求め、彼に求められ、一緒になることを欲している。
その気持ちを隠して、彼との記憶だけを歯止めに、このまま進むことができるのだろうか。

また、どこかで判断を誤って、より状況を悪化させることになるのではないだろうか。
わたしの持つ情報操作能力は、スタンドアロンでは、それほど強くはないが、
しかし、この世界ではそれなりの効果を持つ。

彼が病院に運び込まれたときのように、申請もせずに、
感情にまかせて使おうとすることが、これからもあるのではないだろうか。
フランケンシュタイン・コンプレックス。笑えない。
691名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 00:44:36 ID:W4xh3CZi
気分が落ち込む。あの改変前の気持ちを思い出させる。感情が揺れる。

彼とわたしの関係は、すなわち、彼と涼宮ハルヒの関係だ。
彼らを観察するはずだったわたしが、彼らと同じ構造を、彼とわたしの間で実現している。
自らの能力を、涼宮ハルヒは知らない。わたしは知っている。それだけの違い。

結局、わたしは先に進めないのだろうか。
彼には会わないほうがいいのかも知れない。

もうすぐ面会時間が終わる。
涼宮ハルヒは帰ったろうか。

今の状態で彼に会ったら、また、同じこと繰り返しそうな気がする。
思考が安定しない。

床に寝転ぶ。
そう、仮定を前提に考えても仕方がない。

彼に会うしかない。
情報の不足は、同期を禁止する限り、避けられない。
未来を確定的に知ることができない限り、
正しい――規定事項――判断するために必要な情報は必ず不足する。
それは仕方のないこと。
そしてそのとき自分が正しいと思う判断をすれば、
それが、すなわち規定事項なのだ。
結果は未来が知っている。

彼に会おう。
もう随分遅い時間だ。消灯時間も過ぎた。
でも、彼は待っていてくれる。そう信じられる。
692名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 00:47:03 ID:W4xh3CZi
病室の前に立つ。少し躊躇する。ドアが開く。

彼は起きて待っていてくれた。
わたしは話す。わたしに全責任があることを。
わたし自身の処分が検討され、結論が保留されていることを。

彼は、問題を起こすことが解っていれば言ってくれればよかった、と言った。
やはりやさしい。思わず、全てを話してしまいそうになるが、思いとどまる。
わたしは、そうしたとしても、わたしは該当する記憶を消去してから改変を
実行するだろう、と伝えた。
事実、わたしは、彼の記憶を選択的に消去してから、世界改変を実行したのだ。
わたしだけにある、彼との記憶。

そう言ったときのわたしの表情は見られなかっただろうか。
見られたくなかった。

彼は、わたしが思いを告げる前の彼より、やさしく見えた。
わたしが、基本的な問題が解決できておらず、よって、再度、暴走する可能性が
あると伝えたとき、彼は、わたしの手を握って、言った。

どのようなことがあっても、お前を探しに行くと。
そして、わたしが消えたら、わたしの改変後の世界、あの三日間の世界を、
涼宮ハルヒの力を使ってでも実現すると。情報統合思念体の存在しない世界を。

彼は力強くわたしの手を握り締めてくれた。
彼の手の温もり。わたしは、あの夜、互いに抱きしめあった夜を少し思い出し、
そして、彼の目を見つめていた。涙が出そうだった。

彼はまったく、わたしの求めていた彼そのものだった。
わたしは彼の言葉を聞き、情報統合思念体への申告内容を思った。

彼は、情報統合思念体に対して、ひどく怒っているようだった。

わたしは、ただただ嬉しかった。
彼に受けれてもらったと感じた。
あの夜に感じたように。

しかし、今日は、わたしから求めたものではない。
恋人関係を求めたわけでもない。

わたしは、彼に、仲間だと思われていることが嬉しかった。
情報統合思念体ではなく、わたしを。
わたしが考えていたものとは、ちょっと違う、でも、確かな絆。
わたしは、彼の、ただの道具ではなかった。

好きだ嫌いだ、愛する愛されるは、まだ先の話。
今はそれでいい。彼との間に絆を感じるから。
彼のベッドに入りたかったが、それは我慢する。

わたしは、肯き、そして、言った、
「ありがとう」
わたしの感情が伝わるといいのだけど、伝わっていないようだった。
少し悲しい。
693名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 00:48:59 ID:W4xh3CZi
わたしは自分の部屋に戻り、情報統合思念体の意思を感じた。

部屋を出るときとは逆の、とても嬉しい気分で。

わたしは、彼とこの世界で継続的に関係を構築したい。
彼にとってわたしは、単なる道具ではない、そう感じる。
そして必要とされている、そう感じる。

わたしは彼の仲間。そして、涼宮ハルヒも、朝比奈みくるも、古泉一樹も、
互いに仲間なのだと信じている。

わたしは、わたし自身を信じる。

そして、彼は、情報統合思念体がない世界は認めても、
彼の仲間のいない世界を認めなかったのだ。
その彼の仲間は、非常識なプロフィールを持っている。
持っていなければならないのだ。

そして、異時間同位体との同期機能を放棄し、ロックすることを申請した。
その機能を最近は、ほとんど使っていない。
でも、何かのときに使おうとするかも知れない。だから放棄。

意外なことに、情報統合思念体の意思は、喜んでいるようだった。

わたしも観察対象になったらしい。

そう、それは、情報統合思念体が、涼宮ハルヒより扱いやすい対象を
手に入れたということなのかもしれない。

彼は、わたしの鍵でもあるのだから。

そして、彼が本心から平穏な生活を望んだとき、わたしたちはどうなるのだろうか。
それともそれは、涼宮ハルヒが平穏を望んだときか。
ただ、涼宮ハルヒだけは、わたしたちが把握していない能力を持ち続けるのかも知れない。
あの驚くべき洞察力を。

わたしは、もう、情報統合思念体には戻れないのだろうか。
でも、きっと彼が何とかしてくれる。そう信じる。

―おわり―
694名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 00:51:21 ID:7sRoEztC
リアタイおつ!!GJ
695名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 00:51:36 ID:GKSODR5/
>>675
キタ─ヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノ─!!!
キタ─ヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノ─!!!
キタ─ヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノ─!!!
キタ─ヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノ─!!!
 
長門スキーは皆萌え殺しです。
696名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 00:52:23 ID:Sc5BFD7K
すげえなマジで。長門主体なんてなかなか書けるもんじゃないぜ
697名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 00:52:55 ID:KpeTeYf1
>>693
超GJ
書店に並んでたら普通に買うよ
698名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 00:53:56 ID:SHGss2+u
>>676-693
ええ話や・゚・(つД`)・゚・
699名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 00:53:59 ID:LdP+RUTp
UGJ!
漏れは萌え殺しだwwwwwどうしyくぁwせdrftgyふじこlp;@:「」
700名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 00:56:24 ID:JQ3S0Ojn
つか、売ってても違和感ない内容だぞコレ。
神だなあ。
701名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 00:56:27 ID:OiqQe5ju
今日は神の降臨に立ち会えた・・・・・・
超々GJ!!
マジで最高だった!!
702名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 00:57:17 ID:W4xh3CZi
駄文ですまん。まとめリンクとかした方がいいのかな?

あと、読んでくれた人、ありがとう。
703名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 00:59:34 ID:6UMYtVgQ
まじできた
GJだぜ
704名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 01:00:01 ID:KpeTeYf1
>>702
できたら是非。

むしろこっちが256回くらいありがとうと言いたい気分でいっぱいです
705名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 01:00:56 ID:6Wa+4G5t
GJ!!
昨日の徹夜疲れも吹っ飛んだぜ!!
706名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 01:06:07 ID:u7NK62nT
超大作乙。
本当に文集みたいなの作ったら売れそうなクオリティだよな。
とにかくGJ!!
707名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 01:14:18 ID:W4xh3CZi
長門有希の暴走(仮)

>555-577
>582
>599-601
>675-677
>679-682
>684-693

読んでくれた人、ありがとう。反応してくれた人、ありがとう。

それから、やっぱり長門一人称が変ですまん。文体も変ですまん。もうちょっと精進しますんで。
また、何か書いたら投下しますんで、その時はまたよろしく。
708名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 01:14:20 ID:LWVk/ftB
GJ!!!
俺、今なら何でもできそうな気がするよ
709名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 01:18:51 ID:SmtsGuA6
>>707
GJ。いやはや、外伝の人といい、ここは金取ってもいいクオリティの人が多いわ。
710名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 01:21:26 ID:4hndEpHP
なぁハルヒ、最近長門人気だよなぁ……

べっ、べつに
人気者になるために私がSOS団をやっているわけじゃないんだからねっ!
711名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 01:23:11 ID:u7NK62nT
神が降臨すると書く側としても活気が出るんだよな。
よし、この流れに続くぞ、って。

消失長門の外伝を書こうにももはやハードルが高すぎる。
712名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 01:23:42 ID:1fbYD+Pp
今日はこの気持ちを抱いたまま眠りにつこうと思う。
じゃあGJありがとうな。
713名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 01:26:07 ID:45zF/by2
昔他作品でSSいくつか書いてて、久しぶりに今度はハルヒか学校で書こうかな、と考えてるんだけど。
やっぱりある程度原作に近い文体じゃないとまずいのかな?前はコミック元ネタにしてたから気を使わなくて済んでたけど。
714名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 01:27:32 ID:Cl6jUPuf
>>710
ハルヒだってきっと脱線の話のような神作品がまた来るさ!!


……俺の情熱はとうに途切れてしまったがきっとこのスレのやつらなら…
715名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 01:29:51 ID:1Y94B+kN
流れ的に辛いが、消失長門なんだよな……
まぁいいや、投下するだけするか。エロなし、パロあり
716名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 01:30:37 ID:1Y94B+kN

「すまない、長門。これは返すよ」
 彼がプリントをこちらへ差し出してきた。
 何も書かれていない白紙の入部届。わたしが二日前に渡したものだった。
 手を差し伸べ、受け取ろうとする。うまく手が動かない。震える。受け取りたくなかった。
 受け取ってしまうと、彼とはもう会えなくなりそうで、怖かった。
 彼の顔を見上げる。何かを決心した表情だった。
 その顔を見て、手が震えつつも動き出し、二度目でようやく入部届をつまむことに成功した。
「……そう」
 上手く言えない自分が歯痒かった。しかし表情が顔に出たのか、あわてて彼が言葉を継ぎ足す。
「だがな、実を言うと俺は最初からこの部屋の住人だったんだ。わざわざ文芸部に入部するまでもないんだ」
 なぜなら、と彼は間を置き、
「なぜなら俺は、SOS団の団員その一だからだ」
 そう宣言すると、指を伸ばし、コンピュータのエンターキーを押した。


「……?」
 何も起こらない。
「……ジョン?」
 涼宮ハルヒと自己紹介した女が、不審気な声を出す。
 彼はしばらくじっとたたずんでいたが、唐突に振り返り、
「我ながら面白くない冗談だった。なんかこう、そんなことをしたい気分だったんだよ。
しなきゃよかったな。すまなかった」
 そんなことを言った。
「……いいけどさ。今度はもっと面白い冗談にしなさいよね。で、なんのことについて
話してたかしら。あ、そうそう、集合場所についてだったわよね。駅前の喫茶店でいい?」
「いいのではないですか。最大公約数的に考えれば、そこがベストでしょう」
 古泉くんが相づちを打った。
「なんなんですかー? わ、わたしが参加することはもう決定済なんですかー?
あのあの、わたし明日は友達と遊ぶ約束をしていて、」
「黙りなさい」
「ひっ」
 朝比奈さんが涼宮ハルヒの剣幕に押されて口をつぐむ。
「次の土曜日! つまり明日! 朝九時に駅前の喫茶店に集合ね! 遅れないように。来なかった者は死刑だから!」
 涼宮ハルヒはそうまくし立てると、
「今日の用事は済んだわ。ここで着替えると帰りしなに見咎められるかもしれないから、どっか行きましょ、古泉くん」
 古泉くんと彼を両手につかんで、台風のように去っていった。
「やっぱり行かないとダメなんでしょうか……」
 朝比奈さんの世をはかなむような声だけが文芸部室に響いた。
717名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 01:31:23 ID:1Y94B+kN

 翌日、朝九時五分前。
 集合場所の喫茶店に入ると、彼と朝比奈さんだけがいた。
 わたしを見てほっとする朝比奈さん。どうも彼と二人きりというのは居心地が悪かったようだ。
「おはようございます、ええと、長門さん?」
「……おはようございます」
 とりあえず、あいさつをする。女の子女の子したその格好と、
「……」
 制服にダッフルコートを羽織っただけの自分の姿と見比べてしまう。
 服装に疎いわたしでも、どちらが見栄えするかぐらいわかる。少し劣等感を感じた。
「それにしてもハルヒのやつ遅いですね、自分から言い出しといて」
 彼が間を持たせるためか、口を開く。朝比奈さんがその声にびくっと体を震わせる。
 もしかすると、彼は朝比奈さんにも、三日前わたしにしたようなことをしたのかもしれない。
 そうでなければ、こんなにおびえていることの説明がつかない。
 そんなことを考えていると、彼の携帯が鳴った。
「もしもし?……ん、ああ、ハルヒか。なにやってんだ、お前……あん? 風邪引いた?……
まぁこのクソ寒い季節にTシャツでランニングしたからな。うまいもんでも食って養生しろ。じゃあな」
 電源を切り、
「そういうわけで、今日の集合は中止だそうですよ。この分だと古泉にはハルヒから連絡が行ってるでしょう。
朝比奈さん、わざわざ約束を断ってまで来てもらってすみません。長門もすまん」
 しなくてもいいのに、わたしたちに代わりに謝った。
「い、いえ、そういうことなら仕方ないです。あの、それじゃ、あたしは帰りますね」
 そそくさと席を立って、朝比奈さんは喫茶店をあとにした。
「さて、俺も帰るかな……」
 ぼやきながら席を立つ。
「あ」
 せっかくの二人きりなのに。
「じゃあな、長門」
 行かないで。
 そう思ったと同時に、こないだのように彼の服の袖をつかんでいた。
 手が震え、自然と顔がうつむく。
「――と思ったが、どっか行くか。家に帰ってもすることないしな」
 彼の返事に、顔がほころぶ。小さくうなずいた。
718名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 01:31:38 ID:SHGss2+u
そんな神経質にならなくてもw
古泉を活用させるのであれば別だが
719名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 01:32:07 ID:1Y94B+kN

 喫茶店を後にしたわたしたちは、電車で一駅移動し、少し大きな街へ出た。
「どこに行きたい?」
 先程の朝比奈さんのことが念頭にあったわたしは、嫌じゃなければ、と前置きした後で、
「洋服売り場」
 と告げた。
「服売り場か。よし、それじゃ行くか」

 洋服売り場まで来たものの、どの服を選べばいいかよくわからない。
 店員さんに聞くのがてっとりばやいのだが、引っ込み思案なわたしは中々声をかけられずにいた。
 いたずらに洋服の山を前にうろうろしていたわたしを見かねたのか、
「すみません、こいつに似合う服を見繕ってやってくださいませんか」
 彼が店員さんを呼んでくれた。
 しばらくして、店員さんがすすめてくれた服を手に、試着室へ入る。着替えて出たわたしを見て、
「似合ってるぞ」
 彼はそう言ってくれた。

 その服を着たまま外に出ることにし、制服とコートを紙袋の中に入れ、料金を支払う。
 その頃には、お昼近くになっていたため、レストランで昼食をとった。
 食事中も、無口なわたしに、一生懸命話題を探して声をかけてくれる。
 彼のその姿、いまの状況に、わたしは空想でしかなかったものが真実になっていることを強く思った。

「もう四時半か。長門、あとどこか行きたいところはあるか?」
 食事を終えた後、近くの河川敷を散策し、ソフトクリームを買って食べ歩き、露天商を冷やかす。
 わたしたちは普通のカップルのようなことをして、時間はあっという間に過ぎた。
 そして彼が聞いてきたとき、わたしの中では最後にどこへ行くか決まっていた。
「……図書館へ」
720名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 01:32:49 ID:1Y94B+kN

 図書館はさすがに土曜日とあって、それなりに混んでいた。
 わたしはつつっと、奥を目指して歩みを進める。
 彼も黙ってついてきてくれた。

 奥まったところにSFコーナーはあった。
 そこに足を踏み入れたとき、一冊の本がわたしの目を引いた。
 それは、部室にもある本。彼が挟まれてあったしおりを目にし、目の色を変えたあの本だ。
 なにげなくその本を手に取り、開く――

「!」
 時が止まったかのように思えた。いや止まっているのかもしれない。
 振り返ると、彼はいなかった。それどころか、ここが図書館なのかもわからない。
『……』
「誰?」
 何者かの気配を感じ、誰何の声を出す。
『長門有希』
 その声は、わたしそっくりだった。
『あなたのいる世界は、あと数分で消える』
「……なぜ?」
『彼がエンターキーを押した時点で、あなたの世界は虚構世界へと移行した』
「……」
『現在、あなたの世界は意識不明状態にある彼の意識上に展開されている』
「そんな……」
『現実世界の彼は、午後五時に目覚める。そうすれば、あなたの世界は消える』
「何か方法は……?」
『ない。これがわたしの限界』
「……」
 向こうのわたしは、ややためらうように、
『ごめんなさい』
 と言った。付け足すように、
『最後の数分は干渉しない。あなたはあなたが思う行動を取れ』
 そう言い残し、世界は元に戻った。
721名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 01:33:38 ID:1Y94B+kN

「長門?」
 本を開いたまま動かないわたしを心配し、彼が声をかける。
 わたしは、それには答えずまず時間を確認した。四時五十五分。そして本を本棚へと戻す。
 そして、彼のほうを向く。
「どうした? 長門」
 わたしの態度がおかしいことに気付いたのか、彼が再び疑問符をつける。
「……わたしはあなたに会ったことがある、学校外で」
「……?」
 唐突な話題に彼が把握しかねるような表情を取る。
「覚えてる?」
「何を?」
「図書館のこと」
「それはこの間――」
「今年の五月、あなたがカードを作ってくれた」
「……」
「今日の洋服売り場のように、困っていたわたしを、助けてくれた」
 それが、
「あなただった」
「長門……」
 目に涙が浮かんでくる。
「あのとき会ったときから」
 わたしは、
「あなたのことを、片時も忘れることはなかった」
 涙がほおをなで、つたっていく。止まらなかった。
「あなたのことが、好きだった……」
 涙はあふれるままに任せて、目を閉じる。顔を上向け、唇を心持ち突き出して待つ。
 やや間を空けたあと、躊躇いながら彼が顔を寄せてくる雰囲気を感じ――
722名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 01:34:42 ID:1Y94B+kN

 夢だったのかもしれない。しかし俺の脳裏は否と答えていた。
 ハルヒを見失い、また見つけたあのとき。朝比奈さんのあの他人を見るような目。
 長門に感じた初々しさ。古泉のいたクラスが消え失せていたときの驚き。
 SOS団員の再結集。七夕への跳躍。朝比奈さん(大)との邂逅。
 そして、長門に再び会い、朝倉に刺されて意識を喪失した、あの記憶。
 そう、すべて俺は覚えている。すべて……
 なぜか俺の目から涙が出ていた。なぜだ? 朝倉に刺されたショックが今頃ぶりかえしやがったのか?
 何もわからないまま、俺は古泉がその場にいるのも忘れ、泣いた。

 しばらくして平静を取り戻した俺は古泉から詳細を聞き、ハルヒを怒らせ、朝比奈さんを泣かせた。
 そして夜も更け、面会時間も過ぎた頃に、長門がやってきた。

「情報統合思念体がわたしの処分を検討している」
 異常動作を起こし、世界を改変した件についてだそうだ。
「くそったれと伝えろ」
 俺は吐き捨てた。
「お前の親玉に言ってくれ。お前が消えるなり居なくなるなりしたら、いいか? 俺は暴れるぞ。
何としてでもお前を取り戻しに行く。俺には何の能もないが、ハルヒをたきつけることぐらいはできるんだ」
 怒りに身を任せ、言葉を連ねる。
「つべこべぬかすならハルヒと一緒に今度こそ世界を作り変えてやる。あの三日間みたいに……?」
 ここまで話したところで何かが頭をよぎった。
「……長門?」
「なに」
「……いや、とにかくお前はいるが情報統合思念体なんぞはいない世界をな。そう伝えろ」
 釈然としないものを感じつつも、言い終える。
 長門はただ、俺をじっと見つめたまま、ゆっくりとうなずき、
「伝える」
 やはり平坦な声で呟いた。
「ありがとう」
723名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 01:35:31 ID:1Y94B+kN
長門有希(偽)の涙 おわり
724名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 01:44:28 ID:Kbiz4xny
続きを期待! ってここで終わり!?
なんとももったいないような。とにかくGJ!
725名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 01:45:32 ID:SC79mipI
GJ!!&乙!!
名前が名無しなんてもったいない!神と名乗れぃ!(?
726名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 01:47:25 ID:LWVk/ftB
続きが読みたい衝動に駆られているのは俺だけではないはず!
GJ!!!!!!!!!!
727名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 01:57:18 ID:m7CmJFdw
こんな時間に本当に泣いてしまった件
最早神すらも超越したな
もうとにかくGJ!
728名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 02:02:48 ID:Uu7ZrPcQ
神々降臨!!!

みんなすげーよ。ほんと。
729名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 02:03:18 ID:6UMYtVgQ
はっはー、ほんと最高だぜ
730名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 02:05:18 ID:m7CmJFdw
連投スマソ

>>727>>675へのレスのつもりだったがリロードし忘れて妙なタイミングにw
だがID:1Y94B+kNも神なのでそちらへのレスも兼ねているということにしてくれ
2人ともGJ!
731名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 02:11:06 ID:aDQVYZQ6
みんなGJ!

全然関係ないが、下のサイトのTOPの長門にやられた・・・。
ttp://gilgamesh-epic.com/

スレ違いなのは分かっているが張らずにいられんかった。(´д`)
732名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 02:23:27 ID:3Tz50nAE
やばい、神だ。
神々のメドレーや。

>>707
読点の多さがちょっと気になったかな。
大好きだ!

>>723
俺が妄想するも形に出来なかった改変後長門を形にしてくれた。
ありがとう。
733名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 02:26:42 ID:OF1X0tu/
長門の神作品が次々と投下、これはゆゆしき事態ですよ
ウマイネー エロ無くても全然いける。 いやエロは大好きだが
長門はやっぱ切なカワイイなぁ
734名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 02:27:16 ID:/aJkz6nE
>>678GJ!
⊃キョン妹
735名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 02:29:22 ID:XzOdXKhV
>731
某所でその絵の「禁則事項」が外れたバージョンを発見しました。
736名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 02:29:36 ID:1Y94B+kN
>>713
文体は、キョンが主人公のときは似てたほうがいいかもね。
俺にとってはキョンの文体真似るのむずいから、まだやってない。
しかしエロに立ち入ろうとすると、キョンは避けて通れない壁だ、変化球を除いて。
エロ書きたいな……
737名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 03:01:33 ID:VUBbnBjk
>>735
kwsk
738名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 03:59:04 ID:Fa3Tow44
神の皆様GJです!
最近は神SSがすごすぎて、原作と混同してしまう俺ガイルw
739名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 06:27:44 ID:UF85EBIx
原作読んでないからなあ。
原作読んだ人が多数派だろうから、原作の文体に合わせた方がいいのだろうね?
740名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 07:47:56 ID:SHGss2+u
アニメ厨去れ
741名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 08:21:02 ID:zZ5bACX0
昨日暴走以降を買ってきて読んでるんだが、ここのSSと混同して
困る。
この時点で長門はこうなんだよなーと、偽のデータに振りまわさ
れるんだよ。や……

普通に本にして出してくれないかなあ…思いっきり原作そっくり
な装丁にして。
742名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 09:11:18 ID:mctNLLlo
逆に考えるんだ。




作  者  降  臨
743名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 09:16:10 ID:AtOPu6LP
>>741
うごうご文庫思い出した
文庫みたいな装丁ってめちゃ金かかるらしいぞ
744名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 09:27:09 ID:vqhmmfTP
そこでガリ版ですよw

ウソだよーん、今我々の前にはフルDTPシステムの機器が揃っているではないか。
1990年頃は夢のまた夢だったぞ、Macでも98でも
745名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 13:17:16 ID:phZhVwCv
このスレが立ってから、まだ10日も経ってないんだぞ!?
なんだ、この進行速度は!!
746名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 13:36:31 ID:Hw6O5on/
神大杉!
(⊃д`。)
747名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 13:50:58 ID:P8Jsiprz
もう原作いらねーやw
ここのSSのほうが夢が見れる
748名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 13:51:27 ID:2bgIJXzo
>>747
原作くれwww
749名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 14:09:30 ID:FVsISSUm
>>555神GJ!

以下チラシの裏。
ネガティブ未来人の素性がもうちょい分かれば
ネガ×みくるのレイープ物が作れそうな気がしないでもない。
750名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 14:40:58 ID:NmJxk2/A
谷川って2ちゃん見てたりするのかな?
もし見てるならこのスレ見て本家でも長門の萌え萌えな小説書いてくれるといいな。

みくる関係は難しいな。とにかく背後関係が出なさすぎなところが困る。
あとキョンの昔話はどうなるのかな?ミヨキチは国木田が言っている変な女とは別なんだろ?
それが明かされればいいんだが…
なにはともあれ神々GJ
751名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 15:00:18 ID:yzvST/F0
>713
キョンの一人称形式なら、キョンらしい語り口(ようは原作風)でないと別人になってしまう。

三人称なら別にいいんじゃね。あと、一人称でも別キャラの場合は”あえて”普段のセリフと
文体を変える手もあるな。

古泉が嫌キャラだったり、ハルヒが普段のハイテンションとは裏腹のダウナー系だったりとかしたら。
752名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 16:03:46 ID:BSdwTEjH
ただ、三人称でキョンを出すと、名前がないのがネックになる。
753名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 16:24:39 ID:IYlmQguo
そうだね。
結局誰かの一人称視点になる。
過去には何個か客観視点からのSSもあったけど違和感あった。
754名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 16:28:38 ID:Cl6jUPuf
ここでキョン×ハルヒを猛烈に切望してみる!!
755名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 16:47:26 ID:5dNqF0d4
>>752
代用として「例のあの人」はどうだね
756名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 16:52:48 ID:mOYwD7/a
別のもの書いてたはずなのに長門有希の暴走(仮) に触発されてしまった…。
そんなわけでハルヒ視点で書いてみた。
即興だけど。
757名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 16:53:35 ID:D7HN6wQv
>>755
例のあの人の名前は言っちゃいけない
758涼宮ハルヒの目覚:2006/05/16(火) 16:54:05 ID:mOYwD7/a
薄暗い病室の中、あたしはずっと待っていた。
視線の先のあいつは暢気に規則的な寝息を立てている。
本当に、ただ眠っているだけにしか見えない。

「いつまで寝てんのよ…」

返事はない。
これが何度目の呼びかけだったろう。
だけど、あたしの声に返事が返ってくることはなかった。

もう、どれくらいあいつの声を聞いていないんだろう?
聞きたい。 ただ、茶化すようなふざけた言葉だっていい。
あいつが返事をしてくれるなら、それだけでいい。

「あたし、いつまで待ってればいいのよ…バカ…」

セリフの最後はもうちゃんと言葉になっていなかった。
悲しみと後悔が胸を締め付ける。
何でこんな事になってしまったんだろう…。

あたしの瞳からはまた涙がこぼれ落ちた。

759涼宮ハルヒの目覚:2006/05/16(火) 16:55:20 ID:mOYwD7/a
事件は忘れもしない、あの12月18日の放課後のことだった。

SOS団クリスマスイベントの会議を終え、その準備の買い出しをするため部室を出た直後。
あたしにとっての悪夢の始まりであった。

意気揚々と階段を下るあたしの横を何か大きなものが転がり落ちていく。
はじめは何が起こったのかよくわからなかった。
しかし、目で追うそれが何であるか認識したとき、あたしの思考は停止した。
───認識したくなかったのかもしれない。

踊り場に倒れる見慣れた制服の男子。
派手に階段を転げ落ちたその人物は不格好にうつぶせに倒れ、ピクリとも動かない。
とっさに振り返り、あたしは彼らに対処を呼びかけようとした。
その場にいた全員が凍り付いていたように思える。

だけど、その人数は明らかに一人少なかった。

目を見開き、唖然とするみくるちゃん。
いつもの無表情を崩し、険しい顔をしている有希。
見たこともないような焦りの色を浮かべる古泉くん。

でも、そこにもう一つあるべきはずの顔が存在していなかった。

あたしはもう一度振り返り、床に倒れる人物を確認しようとした。
あたしの心は必死に否定しようとする。嘘であって欲しかった。

顔は見えない。
だけど、その背中はあたしが一番よく知っている背中。
この半年間、ずっと見続けてきたあの…。

認めたくなかった。
目の前で起こった一瞬の出来事を認めたくなかった。
だけど、状況は冷徹な事実を告げている。

階段から転げ落ちた男子生徒。
周りにはあたしたちの他、誰もいなかった。
だけど、振り返ったあたしの視界からは一人の人物がいない。
いるべき人物が、いなきゃいけない人物が私の視界から消えていた。

いや、視界から消えたわけじゃない。
そいつは、今…。
760涼宮ハルヒの目覚:2006/05/16(火) 16:57:05 ID:mOYwD7/a
「嘘」

嘘だ。
そんなわけがない。そうであって欲しかった。

ガクガクと膝が震え出す。
認めたくない。嘘であって欲しい。
最悪の状況があたしの脳裏によぎる。
だけど、あたしは確かめずにはいられなかった。

「キョン!」

あたしは弾かれたように倒れている男子生徒のそばへと駆け下りた。
先に駆け寄っていた誰かを突き飛ばし、あたしはその男子生徒の顔を恐る恐る確かめる。

「………ッッ!!!」

嘘だ。
これは何かの間違い。そうであって欲しかった。
だけど、あたしの目の前で倒れている人物は紛れもなく想像したとおりの人物。
何で…? 何でなのよ!?
誰がこんな事を!?

「誰かがキョンを突き飛ばしたのよ! あたしは見たわ!」

あたしは振り返ると階段の上を指差して叫んだ。
さっき、みんなに振り返ったとき、微かに誰かの気配を感じたのだ。
間違いじゃない。
みんなも同じように一斉に階段の上を振り返る。

「有希、見なかった?」
「知らない」
「でも、確かに…!」

有希の否定の言葉。同じように他の二人からも肯定の言葉はない。
でも、確かにあたしは見たんだ。
あたしは歯噛みすると階段を駆け上がろうとした。

「涼宮さん、待ってください!」
「なによ! 離してよ! あたしは犯人を捕まえなくちゃいけないの!」
「落ち着いてください! 今は彼の状態の方が深刻です!」
「離して! あたしはキョンの敵を取るの! 離して! 離せ!!」

誰かが全身を使ってあたしを押し留める。
もう自分が何を言ってるかよくわからなかった。
周囲の言葉もよくわからない。

なんとなく、遠くから救急車のサイレンの音が近づいて来ているような、そんな気がしていた。
761涼宮ハルヒの目覚:2006/05/16(火) 16:59:11 ID:mOYwD7/a
気がつくと、あたしは頼りなげな明かりの灯る廊下に突っ立っていた。
目の前には集中治療室の表示が点灯中している。

なんで…こんなことに…。

周囲には誰もいない。
だけど、扉の向こうにはあいつがいるんだろうって事は理解出来た。
頭の中はまだまだ混乱しているけど、だんだん整理がつき始めている。
理性が理解を深めると同時に、あたしの心に怒りが満ち始めていた。

誰が? 何故? どうしてこんなことを!?

やり場のない怒りに、手のひらに爪が食い込むほど拳を握りしめる。
許せない。 絶対に許せない。

だけど、今はそんなことよりもあいつのことが大事だった。
無事でいて欲しい。 ただただ無事でいて欲しかった。
脳裏にあいつが階段を転げ落ちていく光景が蘇る。
まるで人形のように首から転げ落ち、頭を打ち付け、ピクリとも動かなくなった姿。
冷静に考えれば、即死もあ

そこまで考えてあたしは頭を振った。
何を考えてるんだ、あたしは。 そんなこと考えちゃいけないのに。
今はただ、あいつの無事を祈るしかなかった。

やがて表示されていたランプが消え、ゆっくりと治療室のドアが開く。
あたしはすぐに部屋の中へと駆け込もうとした。
しかし、誰かがまた邪魔をしてきた。

「待ってください、涼宮さん! 落ち着いて!!」
「キョン! キョンはどうなったのよ! 離せ! キョンに会わせてよ!」
「落ち着いて、涼宮さん! 落ち着いてください!!」

私は怒りの矛先を止めに入った誰かに向けていた。
何故、邪魔をするの!?
あたしはキョンの無事を確かめなきゃいけないのに!

「落ち着いてください! 今、僕が確認してきます。 今のあなたでは冷静に物事を判断することは出来ないでしょう。
 すぐ戻ります。 落ち着いて待っていてください、いいですね?」

諭すような誰かの声にあたしは少し冷静さを取り戻していた。
思えば、聞いたことのある声のような気がする。

今は待つしかない。 答えが示されるのを待つしかないんだ。
あたしは怒りと共に自分の無力さを感じ始めていた。
こんな時になっても、あたしは何も出来ない…そんな無力さに悲しみが心の中に満ち始めていた。
762涼宮ハルヒの目覚:2006/05/16(火) 17:00:47 ID:mOYwD7/a
しばらくして、また治療室の扉が開く。
あたしは部屋から出てきた人物へと一目散に駆け寄った。

「ねえ、キョンは!? キョンはどうなったのよ!? 早く答えなさいよ!!」
「まあまあ、ちょっと落ち着いてください。彼は無事です」

……無事?
そんな馬鹿な。 あれだけ派手に転げ落ちて無事?
誰が見ても即死してもおかしくない落ち方だったっていうのに?

「そう、無事です。一通り検査して、異常は全く見つかっていないそうです」

無事。
何か引っかかるところがあるとは言え、その言葉を聞いただけであたしはへなへなと座り込んでしまった。
緊張が一気に解け、全身が脱力してしまったように動かない。
不安が安堵へと変わっていく。
そして、目の前で説明してくれていた人物が古泉くんであり、隣にはみくるちゃんや有希がいたことをようやく気づくことが出来た。
あたしは自分があり得ないくらい取り乱していたことをようやく思い知らされていた。

僅かに時間をおき、搬送用の扉からストレッチャーに乗ったキョンが運び出されてきた。
あたしは跳ね起きると呼び慣れた名を叫び、そばに駆け寄る。
確かに、目を閉じたままだが顔色は悪くない。
それだけでも心の平静を取り戻させてくれた。

キョンは無事だった。 ただそれだけが嬉しかった。
763涼宮ハルヒの目覚:2006/05/16(火) 17:02:49 ID:mOYwD7/a
でも、事態はまだ収拾してはいなかった。

「どういうことなのよ!? キョンは無事だったんじゃないの!?」
「ですから、無事なんです。 内外共に至って正常です…傷一つありません」
「じゃあ、どういうことよ!?」
「それが…よくわからないんです。 原因不明の昏倒状態としか…」
「なにそれ…原因不明!? あんたたち、それでも本当に医者なの!?」

キョンの正確な状態を聞き、あたしはまた担当医に食って掛かっていた。
キョンはベッドに寝かされたまま、規則正しい寝息を立てている。
でも、いくら呼びかけようとも目を覚ますことはなかった。

なによ、これ…まるっきり植物人間じゃない…。

「そうですね…そう表現するのが一番妥当でしょう。 我々としても出来る限りの手を尽くしますが、なにぶん原因がわからないことには…」

医者どもの無責任な物言いに、あたしはやり場のない苛立ちを感じていた。
外傷がなかろうとキョンが目覚めないなら意味はないんだ。
あたしの心にまた黒い雲が覆い始める。
もし、このままキョンが目を覚まさなかったら…。
不意に視界がぼやけていく。
764涼宮ハルヒの目覚:2006/05/16(火) 17:04:26 ID:mOYwD7/a
嫌だ。 そんなの絶対に嫌。

あたしの脳裏に憎まれ口を叩くキョンの姿が走馬燈のように過ぎっていく。
それを煩わしいと思うときもあった…だけど、今はそれが無性に恋しかった。
何気ないやりとりだったのにあたしはこんなにもキョンとの時間を大切にしていたんだ。
取り戻したい。 あの無為に過ぎていくだけに思えていた時間を。
あいつと過ごしてきた、あの時間を。

だから、あたしは一つの決心を決めた。

「付き添うわよ!」

キョンは目を覚まさないかもしれない。

「キョンが起きたとき、誰もいなかったらかわいそうじゃないのっ! だから付き添うのっ」

だけど、あたしはそんな最悪な未来は信じたくなかった。

「付き添いは、この病院に……」
「ダメ。あんたたちは、交代で見舞いなさい。あたしは団長だから二十四時間付き添うわ!」

改めて、ここに一つの決心をする。
キョンが目を覚ますまで、ずっとそばにいる。 そばにいて目を覚ます時を待つ。
あたしは医者と団員たちにそう宣言した。

「じゃ、お見舞いの順番を決めなさい! あたしは、泊り込む準備をしてくるわ。 それまでに決めときなさいよ!」

いつまでかかるかわからない。
だけど、あたしはそれでも何かをせずにはいられなかった。

ただただ、キョンが再び目を覚ますことを願いながら。
765名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 17:07:47 ID:mOYwD7/a
とりあえずここまで書いた。
後半はしばらくお待ちを。
766名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 17:12:28 ID:h5SzKNbF
>>765
おおっ、GJ! wktkで続きを待つ
767名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 17:19:01 ID:NmJxk2/A
だめだ‥どうも最近ここのSSと原作を混同してしまう…
今日も友人と話してたらどっちがどっちか分からなくなって困ったよ。
まぁつまりそのなんだ。みんなGJ!
768名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 17:21:28 ID:Cl6jUPuf
ああーやはりハルヒはたまらないな。
GJ!
769名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 17:26:07 ID:YLUXz1yR
ツンデレ最高!!
770名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 17:39:32 ID:1KVIzJsN
GJ!!!

少し君のぞみたいだww
771名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 18:23:01 ID:ky2p/Wdn
GJ !
俺は待ってるゼ ! !
772かなり:2006/05/16(火) 18:33:56 ID:5OcnXz5s
>>765
GJ!
しかしこのスレすごいいきおいですすんでるなー。
マターリしようよ。ヽ(´ー`)ノ
773名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 19:28:13 ID:bb/i/IRa
wWw<本ヌレから来ました
('∀`)<unkunk

■Ragnarok Online EP5.0 Lv2501 本ヌレ三国志演義■
http://live19.2ch.net/test/read.cgi/ogame2/1147698697/664
774名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 19:42:21 ID:GLWDdsBv
wWw<本ヌレから来ました
('∀`)<unkunk

■Ragnarok Online EP5.0 Lv2501 本ヌレ三国志演義■
http://live19.2ch.net/test/read.cgi/ogame2/1147698697/664
775名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 19:45:29 ID:mhajDzm6
わろw
776名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 19:56:45 ID:XiDwWyNU
やっべ、泣けた・・・
777名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 20:12:10 ID:crzl55wU
みんなすげーわ
特に555氏には平伏する。素晴らしい。
778名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 20:36:43 ID:mOYwD7/a
OK、書けた。
これより後半を投下。

>>777
IDもひれ伏してますね。
779涼宮ハルヒの目覚:2006/05/16(火) 20:37:39 ID:mOYwD7/a
それから、あたしたちのキョンの看病生活が始まった。

みくるちゃんたちは昼間は交代で見舞いに来てくれている。
交わす言葉は少なかったけど、全員がキョンの無事を願っていてくれた。
キョンの家の人や鶴屋さん、アホの谷口たちも見舞いに来ていた。
無理をするなという言葉も貰ったけど、あたしは無理をせずにはいられなかった。
今、この場を離れてもあたしは何も出来ないだろう。
いや、ここにいても何も出来ないということはわかっている。

それでもそばにいて、この寝坊助男が目を覚ますところを一番に見たかった。
起きたらたっぷり文句を言ってやる。
寝続けた時間分だけ文句を言ってやろうかと、あたしは不謹慎なことを考えていた。

あたしは他の付き添いの人がいる時間は持ち込んだ寝袋で寝て、夜中寝静まった病室でキョンの目覚を待つ。
そんなサイクルが続いていた。

しかし、最初は楽観視していた気持ちも時間の経過と共に陰りを帯びてくる。
昏倒状態は長引けば長引くほど、回復される見込みが減っていくのだ。
泊まり込んで二日を過ぎた頃、あたしの心は焦り始めていた。

ひょっとしたら、このままキョンは目を覚まさないのかもしれない。
未だ眠り続けるキョンの寝顔を見ながらあたしはすっかり弱気になっていた。

「バカ…いつまで寝てんのよ…寝坊は罰金っていったじゃない…」

点滴の繋がった手を握り、あたしはぽつりと呟いた。
相変わらず、反応はない。
こんな事件を引き起こした犯人に恨みはあるけど、今はそれは考えないことにした。
ただただ、一心にキョンの目覚めることを祈り続ける。
まだまだやり残したことはたくさんあるんだ。

「もうすぐクリスマス会なのよ? あんた、わかってんの?」

クリスマスには自慢の料理を食べてもらって、驚かせてやろう。
こう見えても料理は得意なのよ?
そのあとは変な芸でも見せて貰おうかしら。
それから、まだ言ってないけど年末は年越しで雪山合宿なのよ。
今回もまた古泉くんの推理大会があるみたいだから、競争ね。
夏の時はあんたに先を越されちゃったけど、今回はあたしが先に謎を解き明かしてやるんだから。
年が明けたら初詣もSOS団総出で出撃よ。
成人式は関係ないから次のイベントは節分ね。
…バレンタインデーにはちゃんと上げるわよ、どうせあんたにチョコくれる相手なんていないんだし。
でも、ホワイトデーには倍返しなんだからね。
780涼宮ハルヒの目覚:2006/05/16(火) 20:39:20 ID:mOYwD7/a
………
……


キョンの腕を握りしめ、もしかしたら来ないかもしれない未来像を語りかける。
語りながら、あたしの頬にはいつの間にか涙が伝っていた。
ふと、未来像の中にキョンがいないことを想像してしまう。

「ねぇ、あんたいつまで寝てんのよ…」

早く目を覚まして欲しかった。
何よりもキョンが隣にいる未来が見たい。
そばにいて、いつもの調子で文句を言いいつつもつき合ってくれるその姿を見たい。

いま、改めて自分の中にあるキョンの存在の大きさを痛感していた。
あたしはずっと前から心の中に燻っていた火種の正体にようやく気がつくことが出来た。
あたしはこんなにもキョンのことを大事に思っていたんだ…。

ふと、あの不思議な夢のことを思い返す。
いつもと違う夜の学校で、キョンに手を引かれて巨人から逃げながら走ったあの妙にリアルな夢。
初めて体験する不思議な出来事と、あたしの手を引いてくれるキョンの背中。
それはあたしの願望そのものだったんだ。
そして、その夢の終わりであたしは初めてキョンのことを異性として認めた。
それこそがあたしの中に燻っている火種。

「………」

あたしはいつもつけているリボンをほどき、髪を後ろでまとめていく。

「ポニーテールでも何でもやってあげるわよ…」

少しずつ伸ばしてはいるけど、やっぱりまだまだ長さは足りない。
頑張ってみてもテールとは言い難い髪型にしかならなかった。

「ねぇ、早く起きてよ、キョン…。 あたしを見てよね…」

もはや一時の気の迷いなんかじゃない。
あたしの心はすっかりキョンに奪われてしまっていたんだ。
もう、キョンのいない生活なんて考えることは出来ない。
キョンのいる日常こそがあたしにとっての必然になってしまっているんだ。
だから、キョンには目を覚まして欲しい。
目を覚まして、あたしのことを見つめて欲しい。

あたしは眠り続けるキョンの頬に手を添え、そっと顔を近づける。
微かな吐息を感じ、彼が生きているという事を確かめ、少し安心する。

「早く目を覚ましなさいよ…。 物語じゃこれで目を覚ますのが当たり前でしょ…?」

ゆっくりとキョンの顔に近づくあたし。
そして、あたしは目を閉じるとその唇にそっとキスをしていた。

781涼宮ハルヒの目覚:2006/05/16(火) 20:41:11 ID:mOYwD7/a
「ねぇ、有希。キョンにキスしたら、目が覚めるかしら」

夜が明けて有希が来たあと、あたしは短いポニーテールを指先で弄びながら、おもむろにこんな事を言い出していた。
我ながら相当疲れていたんだと思う。
有希からの返事はないがあたしは気にせず話続けていた。

「でも、男女逆でもいいんじゃない?」

それはあたしの希望的意見。
でも、実際は何も起こらなかった。
現実は非情であり、物語のお約束なんかがその通りになるわけがない。
あたしは溜息をつくと、未だに眠り続けるあいつの顔を見る。

あたしがたった一度だけ奇跡を起こせるなら、もう願い事は決まっている。

キョンに目を覚まして欲しい。
ただただ、それだけが今の私の願いだった。

「もう、こんな気持ちなんてしたくない…」

あたしにはまだやり残したことがある。
そしてそれはキョンが目を覚まさなきゃ始まらないんだ。
こんな事になってようやく気づけた自分の想い。
認めたくなかったけど、火種はすでに炎となって燃え上がっていた。
心を焦がすほどの切なさが胸を締め付ける。

「キョンのバカ…早く起きてよ…」

言えない気持ちがどんどん胸の中で溢れていく。
キョンが起きたら、ちゃんと気持ちを伝えようかな…。

再び悲しみが胸を埋め尽くすのと同時に、泥のような睡魔が襲ってきた。
少し、疲れたな…。
あたしは有希にキョンのことを任せると燃え尽きるように眠りに落ちていった。

782涼宮ハルヒの目覚:2006/05/16(火) 20:42:31 ID:mOYwD7/a
………。
なんだろう、誰かに顔を引っ張られているような気がする。
ゆっくりと目を開き、その視界にいた人物が誰かわかると私の意識は一気に覚醒した。

「あっ!?」

思わず飛び起きようとしたけど、寝袋に入っていることを忘れていたせいであたしは不格好に転がった。
でも、そんなことを気にしちゃいられない。
あたしはもどかしげに寝袋から這い出すと急いで立ち上がり、可笑しそうにあたしを見ている人物に指を突きつけた。

「キョン! 起きるなら起きるって言ってから起きなさいよ! こっちだってそれなりの準備があるんだからね!」

あたしはそれが夢じゃないことを確認すると一気にまくし立てた。
他に何か言いたいことがたくさんあったはずなのに、いの一番に出た言葉はこの寝坊助に対する文句だった。

「ハルヒ」

何日ぶりかに聞く、あいつの声。
今となっては懐かしく、そして、とても待ち遠しかったあたしを呼ぶ声。
たとえ、その後に続くセリフが茶化すような言葉であっても、あたしにはそれが何より嬉しかった。

「心配かけたようだな。 すまなかった」

そうよ。 あんた、あたしにどんだけ心配かけさせたと思ってんの?
そんな安っぽい言葉だけじゃあたしは満足しないんだからね!

「わかってるよ、延滞料込みでいくら払えばいいんだ?」

そんな皮肉めいた軽口も今となっては何より嬉しかった。
ようやくあたしの日常が帰ってくる。
そう思うだけであたしにとっては何よりの見返りになった。

止まり掛けていた時間は再び動き始めたんだ。
まずあたしはこれからの予定をキョンに言いつけることから始めることにした。
当然、あたしをこんな気にさせた慰謝料もしっかり払ってもらうけどね。

783涼宮ハルヒの目覚:2006/05/16(火) 20:44:37 ID:mOYwD7/a
しばらくキョンと話していると主治医が駆けつけてきた。
一通り問診を済ませて異常がないことは確認したけど、なんでももう一度検査が必要らしい。
とりあえず、大丈夫だろうがあと1日は様子見で止まっていく必要があるとのことだった。

「起きてんなら看病の必要はないわね。 明日、ちゃんと来なさいよ!」

帰り際、あたしはキョンにそう言いつけるとみくるちゃんたちと一緒に病院をあとにした。
泊まり込んでいたため荷物があったあたしは古泉くんに送られてタクシーに乗っている。
ようやく緊張が解けると同時にどっと疲れが押し寄せてきていた。

「涼宮さん、お疲れ様でした」
「うぅん。 古泉くんにもいろいろ世話になっちゃったわね」
「いえ、副団長として当然のことをしたまでです」
「みんなを代表してお礼を言っておくわ、ありがとう」

そういってあたしは頼りになる副団長に深々と頭を下げた。
実際、何から何まで手配していてくれた古泉くんには本当に感謝していた。
言葉では表せないくらいの借りが出来てしまったように思える。

「やめてくださいよ、涼宮さん。 僕は団員としての仕事をしたまでです」
「うん、でも」
「いいじゃないですか。 彼も無事に退院することが出来るようですし」
「そうだけど」
「それに、あなたも今回の件でいろいろ気づいたこともあるようですしね」
「えっ…?」

古泉くんの思わぬ言葉にあたしは目を丸くする。
彼はあたしを見ることなく、いつも通りの笑顔のまま言葉を続けた。

「あなたもようやくご自分の気持ちに気づけたようですし、良かったじゃないですか」
「…なっ!?」
「隠さなくてもいいですよ。 僕はこう見えて口が堅いんです」

すっかり見透かされていたんだろうか?
急に気恥ずかしくなって顔色を悟られないようにあたしは窓の外に顔ごと目を向けた。
いつの間に気づかれていたんだろう?
いや、あたしだってようやく気づけたことだというのに。

「あなた方自身が気づかれていなかったと言うことはとてもいい関係だったんでしょう。
 何しろ、意識せずに求め合える関係なんて滅多にないですから」
「そ、そんなんじゃ…!」
「僕としてはむしろ涼宮さんを応援しています。 彼はああ見えて誠実ですしね」
「むぅぅぅぅ〜〜〜」

もはや誤魔化せる感じではないのであたしは返事を返すのをやめ、そっぽを向いた。
これ以上、古泉くんの言葉を聞き続けるのは恥ずかしさが増すばかりにしかならないだろう。
古泉くんはまだ何か言っているようだったけどあたしはもう聞き流すことにした。
784涼宮ハルヒの目覚:2006/05/16(火) 20:47:28 ID:mOYwD7/a
でも、確かに彼の言っていることは事実だ。
あたしがキョンのことをすっかり本気になってしまったという事実。
それはもう間違いようのないことだった。

恋愛なんて一時の気の迷いだって、そう思っていた。
だけど、一時の気の迷いじゃない事だってあるんだ。

この半年で育んでいた不確かな気持ちはここに確かな気持ちへと成長した。
キョンはどう思うんだろう?
あたしが恋してるなんておかしいと思う?
でも、こんな気持ちになったのはあんたのせいよ。

未だに縛りっぱなしだったポニーテールを弄りながら、そんなことを考えていた。


窓に映るあたしはころころと表情を変える。
それはあたしの中に芽生えた不安定な気持ちを物語るように。

「ふぁ…」

溜まりに溜まった疲労が徐々にあたしの意識を奪い始めていた。
とりあえず、帰ったらまずたっぷり寝よう。
もう心配の種もないし、今日はぐっすり寝られるわね。

今夜はあのときみたいな夢が見られるかな。


─おわり─
785名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 20:49:46 ID:2bgIJXzo


ツンデレ激萌え
786名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 20:50:22 ID:mOYwD7/a
以上で終了です。
即興なんで粗はあると思いますがいてもたってもいられず、書いてしまいました。

インスピレーションを与えてくれた>>707氏に感謝。


…あ、エロ入れ忘れた。
キョンにキスしたあと、なんかしてたって思ってください。
では。
787名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 20:57:51 ID:OF1X0tu/
いやいやこいつぁすげえぜツンデレモエスww
エロが無いとかあるとか関係ないぜ!  いやエロは大好きですよ
とにかくGJ 
788名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 21:03:02 ID:s/vCo14h
ここ数日の長門シリーズ





ぶっちゃけザスニーカー今月号のハルヒ劇場より面白い
789名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 21:08:52 ID:SHGss2+u
>>788
それはいいすぎだが
長門ファンにとっては朗報だろう
790名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 21:13:21 ID:3wzx1XH7
>>786
GJ!!

ハルヒ可愛いよ、ハルヒ
791名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 21:14:57 ID:ryKd3M5u
>>786
乙GJヽ(゚Д゚)ノ
こういうの待ってたよ…エロあってもなくてもイィから。
素直に純愛モノ読みたいですキボンしますお願いしまつ
792名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 21:17:26 ID:ky2p/Wdn
>>786
GJ ! !
今の俺に必要なのはエロよりデレw
793名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 21:18:04 ID:URRXDFMy
こんなにも神々の集うスレがあるなんてね。
やっぱりそれだけこの作品たちが愛されてるということなんだろうな。
794名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 21:22:49 ID:3IWKvM+7
>>786
これはよい純愛+ツンデレのコンボ。
やっぱデレはいいなデレは。GJ!
795名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 21:34:48 ID:VEzWdUsx
長門有希の暴走
長門有希(偽)の涙
涼宮ハルヒの目覚

まさに無敵の3部作だ。
消失が10倍面白くなること請け合いだな。
796名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 21:54:16 ID:Cl6jUPuf
>>786
やっぱりハルヒのデレは最高だぜーヒッフッハ
797名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 22:05:27 ID:IxDfu/ps
SS保管庫の人仕事はや
798名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 22:08:10 ID:zcidCPbP
エロじゃなくてネタSSでもいーい?
799名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 22:09:50 ID:R/gHw6Y1
>>798
You!! どんどん投下しちゃいなよ!!
800名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 22:10:36 ID:Cl6jUPuf
>>798
いいんじゃないか?
俺も書こうかなと思っていたし
801名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 22:14:28 ID:zcidCPbP
っとageすまんこ
802名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 22:16:35 ID:mhajDzm6
>>786
ぐぐぐぐぐぐぐぐgじょpふぉあjうぇおいfhw;あjp!
803名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 22:31:22 ID:Mo5HtTxN
 >>786>>707
マジGJ!つか神大杉w
パロのインスパなんて初めて見たw
どっちもクヲリティーたけーなーw
804名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 22:35:52 ID:HVMwMi1V
>>786
長門で泣いてハルヒで号泣した。
おまいら超GJ!完全に萌え殺されますた ゙⊂⌒~⊃(;.;.)Д。)⊃゙ ピクピク
805名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 22:39:28 ID:AtOPu6LP
>>786
GJ。すばらしかった。
むしろエロなんぞ要らぬ!
806名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 23:07:23 ID:2bgIJXzo
これじゃあ立つ瀬無いでしょ、みくるのエロ希望の俺は!
807名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 23:07:36 ID:oG4tg8Sr
この流れで保管庫の過去作品にも興味出てきたんだが、エロなしor控えめで
おすすめ作品ってある?どのキャラが中心でも問題ない。
古参の方々をはじめ、よろしくお願いします。
808名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 23:29:13 ID:BSdwTEjH
涼宮ハルヒの期待とかどーよ
809名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 23:36:48 ID:gnxkDLpV
まあ時間があるなら全部読むことをお勧めする
810名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 23:39:10 ID:GKSODR5/
しかし・・・もうそろそろエロパロ板にある長門スレであるということを思い出してほしいなあ。
811名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 23:44:28 ID:lEBVhJd5
お前は何を言ってるんだ。
812名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 23:54:08 ID:Cl6jUPuf
>>807
涼宮ハルヒの告白とかかな?
813名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 23:56:13 ID:JztVQwIl
GJが止まらない!
814名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 00:11:11 ID:XlEciBwc
>>807
涼宮ハルヒの喪失をお勧めしたい
815名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 00:14:17 ID:fM7/Vj90
初期のお勧め作品となると俺的にはこんな感じ
・涼宮ハルヒの期待
谷川流本人かと見紛うほどの見事な文体と軽快かつ練りこまれたシナリオ。キョン×ハルヒ派は必読の逸品。

・長門有希の牢獄
エンドレスエイトの裏側を舞台とし、消失へとつながる物語。エロをあまり望まない人は1話と5話だけ読むべし。

・雪山症候群の裏顔
タイトルどおり雪山症候群の原作補完系作品。色んなキャラの視点が楽しめる。みくるだけエロ担当w
816名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 00:14:43 ID:/RO2MXvB
817外伝:2006/05/17(水) 00:23:47 ID:F+ukF1n0


 ――どうして、他の子みたいにちゃんとできないの。

 うるさい。


 ――いつまでも子供みたいな事して。

 うるさいってば。


 ――少しは女の子らしくしたらどうなの。

 うるさいうるさいうるさい!!


 あたしは、ただ、欲しかっただけなのに。



  【誇り】



 あたしは「普通」がとにかく嫌だった。みんなと同じ事をするのも嫌だった。普通すぎるこの世界自体がとにかく嫌いだった。
 だからあたしはみんなとは違う道を選んだ。違うやり方を探した。そのほうが面白い事があるような気がしたから。
 最初はまだ良かった。だけど中学生になると、そうもいかなくなってきた。
 まず担任にはしょっちゅう呼び出された。協調性が足りない、と。成績は良かったからきつく言われる事はなかったにしろ。
 親だってうるさく言うようになった。あたしみたいな人間はただワガママな子供なのだと言う。
 だったらあたしは一生子供でもいい。普通の象徴である大人になんかなりたくない。あたしは、ただ、みんなと一緒なのが嫌なだけ。普通に生きて普通に死ぬのが嫌なだけなの。
 だからあたしは行動に出た。校舎の屋上にペンキで星を描いたり、学校中にお札を貼ったり、校庭に宇宙人へのメッセージを描いてみたりした。
 だけど何も起こらなかった。ただ、メッセージを描いた時に、変な高校生に会っただけ。
 そいつはあたしの話を初めてまともに聞いてくれた。みんなあたしを…親や先生ですら変人扱いしたのに。
 宇宙人は、いる。未来人もいるかもしれない。超能力者は配り歩くほどいる。異世界人はこれから知り合う予定。
 あたしは救われた。あたしにとって、その人はあたしを認めてくれた唯一の人物だった。その高校生はジョン・スミスと名乗った。

 それからあたしはジョンを探した。彼があたしの人生を変えてくれるに違いない。そして…他にも言わなくちゃならない事がある気がするから。
 そいつが着ていた制服の学校の前で張り込んだり、忍び込んで名簿を見たりしたけどそんな名前の奴はいなかった。結局、彼を見付ける事はできなかった。
 彼は、あたしが作り出した幻だったのかもしれない。だけど、いつかまた会える。そんな気がする。
 あたしが宇宙人や未来人、超能力者を捕まえたその時、またふらりと現れる。あたしにはそんな気が、いや、確信があるの。
 だからあたしは、北高へ入学した。彼の面影を追って。

 いつか、あたしもあんたの所に行ってやるんだから。

 だから…待ってなさいよ。


 聞こえる? ジョン?

 いくわよ。



「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたらあたしの所に来なさい」



(終わり)
818名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 00:27:23 ID:8gL6Ohw+
GJ!!


なんか涙出てきた・・・
819名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 00:29:04 ID:uQEPZJ9N
>>817
いつも心にぐっと来る物語ありがとう
GJ
820名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 00:31:23 ID:75aAj3gC
リアルタイムでキタ━(゚∀゚)━!!
超GJ!!!!1
821名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 00:33:17 ID:s9DpYqB+
>>808
とても良かった。展開は比較的ベタだけど、文章はかなり雰囲気掴んでるね。ありがと。

>>809
後半の急展開について行けなかった。当時読めば違かったのかもしれないけど、
原作で同じテーマやっちゃうとキツイのかな〜。紹介には感謝。

>>814-816
ありがとう。こっちも読んでみます。個人的にエロには別に抵抗はないんだけど、
ハルヒで本番シーンをしっかり描写するのは本編との距離を感じちゃうかな。
それでも、そんなの気にさせないぜ!って作品があるというなら、是非ご紹介を。
822名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 00:37:13 ID:O7JU/H+R
初期の作品を見返してみるとなかなか面白いのが沢山あるぞ。
まぁとりあえず全部読んでみることをお勧めする。
俺のお勧めは「涼宮ハルヒの増殖」な。
あれはなかなかの良作だと思うんだが俺だけだろうか?
823名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 00:49:11 ID:SwDVNB7h
「お勧めは〜」はやめたほうがいいんじゃね?
作品名でない作者さんかわいそうだし。
824名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 00:52:26 ID:98saj1J0
>>817
すばらしい
GJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJ
825名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 00:56:18 ID:V8PODmre
そろそろエロ分がほしい…
容量足りる?
826名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 00:58:26 ID:l0ma1q8o
フゥー、消失神3部作の存在をたった今知って、
一気に読んでしまったよ。
いや、ホントにすげぇな皆さん。
>>817もGJ。
827外伝:2006/05/17(水) 01:01:26 ID:F+ukF1n0
読んでくれた皆、感想書いてくれた皆、どうもありがとう。
伝えたい事はたくさんあるのに短くしないといけないのが毎回辛いな。
このまま最後までお付き合いいただけたら幸いです。
828名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 01:34:05 ID:axgecELu
>>827
当然最後まで付き合うよっ!頑張って!
829名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 02:29:55 ID:DCHbFSCg
と、鶴屋さんが仰っております。
830名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 02:40:47 ID:uQEPZJ9N
じゃあ俺もスレ汚し投下するか
831名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 02:42:01 ID:uQEPZJ9N
何ということだ。
俺は今絶対絶命の危機に立たされている。
俺はいつものように部室でトランプをやっていただけだった。
なのにどうしてこんなことなっちまったんだ!!

事の発端は十分前。
大富豪も二十連続でやると飽きるもので。
次で終わりにしようというときに突然われらが団長涼宮ハルヒが突拍子もないことを言った。
「最後にビリになったやつは一位になった人の言うことを聞くのよ!!」
いや、突拍子ないのは毎回のことだな。というかもう慣れました。
それにどうせ負けるのは古泉だし……
そのときまではそう思っていた。

だが!!

あろう事か!!

あの古泉が一位になってしまったのだ!!
これにはハルヒも目を見開いて驚いていた。
いや、全神話の勝利の女神という女神が驚愕したことだろう。

え、負けたのは誰だって?
もうあらかた察しがついているだろうが……俺だ。
最後は朝比奈さんが
「キョンくんごめんなさい!!」
とハートのクイーンを出されあっけなく終了。

ああ、あなたに命令されるのならまったくかまわないですよ。
きっと民から愛されるすばらしい女王様になるでしょう。
ところが現実は甘くはない。カカオ99%並にほろ苦い。

古泉がスマイル100万ドルの笑顔を浮かべながら
「まさかこの僕が勝ってしまうとは驚きですね」
と言った。
832名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 02:43:03 ID:uQEPZJ9N
何だか無性に腹が立ったのは言うまでもない。
しかし古泉なら無茶な注文はしないだろう。そう思っていた。

だがここからが本当の地獄だった。
「そうですねえ……」
悩んでないでとっとと決めろ。早くしないと俺は帰る。

「そうだ。いいことを思いつきましたよ」
早く言え。俺は聖人や賢者のように気は長くないぞ。
しかし古泉の発した言葉は激しく俺を困惑させるものであった。

「好きな人を大声で叫んでください」
は?
と驚いたのも一瞬。
SOS団三人娘がすごい勢いで俺に振り向いた。それもまったく同じタイミングで。
とたんに空気が重くなる。
俺の顔を一点に睨み付けてくるハルヒ。顔から笑みが消えた朝比奈さん。
無表情二割増しの長門。
考えてみたら無表情二割増しという表現は変だな。0には何かけても0だしな。

ていうかそんなこと考えている場合じゃなかった。
この状況を論理的に打破せねば!

好きな人か…そうだ、国木田とは中学時代からの友人だ。
仲のよさならきっと一番のはず。
「ああ、もちろんLikeではなくLoveの意味で、ですよ」
ちっ。やはりだめか。だがあきらめたらそこで試合終了。
時間がある限り戦うんだ。

ふと妹の顔が思い浮かんだ。
嫉妬も何も知らないまだあどけないが自慢の妹だ。
どこの馬の骨とも知らんやつには嫁に出すことはできないね。兄として。

家族。
おお、愛だ。俺は家族を愛しているぞ!!!
833名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 02:44:12 ID:uQEPZJ9N
「面白味がないので家族というのもやめてくださいよ」
くそ、顔に微笑なんか浮かべやがって。
もし俺がセカンドレイド使えたらこいつの頭にスマッシュしてやりたいね。
アニメを見たやつの男の七割は賛成じゃないだろうか?

そうしている間にも刻々と過ぎていく。
そろそろハルヒ達も限界だろう。
古泉だけは相変わらず笑みを浮かべていたが。
というか俺をはめたのはこいつじゃねーか。

この状況を!
この三人を!
切り抜ける状況はあるのか!!

……たった一つだけ残されてるじゃないか。
そのたった一つの策とは……

逃げるんだよおおおー!!
うわーなんだこの男!!自分でつっこむのはどこかむなしい。

体をターンさせ部室の扉へ体当たりするようになだれ込む。
しかし現実は先ほどにも申し上げたようには甘くはない。

ハルヒが神のごとく瞬発力で回り込み扉を閉める。おまけに鍵までかけやがった。
お前はさっきまで団長机に座っていただろう。

人間とことんハイになると頭がおかしくなるようで。
俺はとっさに窓から逃げることを考え付いてしまった。

再び体をターンさせて文芸部室の開いている窓に突進する。
アーイキョンフラーイ!!ってね。
ところが窓はひとりでに閉まり鍵までかかる。
長門よ、お前もか。

とどめに朝比奈さんに足を払われ盛大にすっころぶ。
謝罪の言葉もなく。無言で。
834名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 02:45:30 ID:uQEPZJ9N
ああ、実に惨めだ……
厳しい現実に打ちのめされた俺は身も心もぼろぼろ。

ようやく立ち上がった俺はいつの間にか三人に囲まれていた。
みんなただならぬ雰囲気をその身に纏っている。
謀ったな、古泉!!
「君とはよい友人でしたが君の優柔不断さがいけないのですよ」
お前はどこの変態仮面だ。

喜ぶべきハーレムの状況なのにどうしてこうなってしまったのだろうね?
一歩でも動いたら殺られそうだ。

結局呆然と立ち尽くしたまま時間は過ぎていき帰ったのは夜。
どうやって俺はあの状況から抜け出せたのだろう?
もういい疲れました。思い出すのもめんどくさいです。オヤスミナサイ。

小鳥のさえずりとともに目が覚める。
すがすがしい目覚めとはいかない。
なぜなら昨日うやむやな状況で帰ってしまったからな。

「キョンくんご飯―」
妹の軽やかなソプラノヴォイスが朝ごはんを告げる。
腹が減っては何とやらだしな。

しかし目の前の光景は思わず自分の目を疑ってしまうものだった。
なんと昨日と食事が同じなのだ。
ちなみにうちは食事が重なったことが一回もない。
まさかと思い新聞に目をやると。

果たして昨日と同じ日付だった。
エンドレスサマーならぬエンドレス修羅場ですか。

結局ヘタレな俺は次の日に行くまでに十三回も同じ日を繰り返しました。

おしまい
835名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 02:49:02 ID:g5teFuuF
ちょwwwGJwww
ラストループkwskwww
836名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 03:04:48 ID:UAVbzFxM
変態仮面キタコレwwwww
胃が痛くなりそうだな13回もw
837名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 03:18:45 ID:iHwPOICH
GJ!!
果たしてキョンはどのような手段を用いて次の日に行ったのか……
もし俺が、キョンと同じ立場だったら「俺が一番好きなのは朝倉涼子だ!」と
もう二度と会うことがないであろう女性の名を挙げる方法しか思いつかなかった。
838名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 03:21:39 ID:wneZKat5
俺なら迷わず長tあqwsでfrgtyふjきぉ;p@:「
適当なアイドルの名前かな…
839名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 03:26:17 ID:d3IqAsWp
やっぱり古泉にウホッっと迫って命令を撤回させるのが一番。
840名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 03:27:42 ID:l0ma1q8o
中学時代の変な女の名を挙げたらどうなるんだろう…
841名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 03:34:29 ID:4tifBIyz
>>837
ハルヒだ!って言わなきゃ次の日にいけないんじゃね?
俺なら迷わず鶴屋さんだが・・

キョン×古泉マダー?
842名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 03:50:54 ID:8gL6Ohw+
「その様子からすると、三回…いや、四回はループしたようですね?」
とか古泉が言い出しそうだ
843名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 03:52:15 ID:/RO2MXvB
ttp://nekomimi.ws/fatalpulse/img/rak-tsuruyat.jpg
 
いいもの拾ったので。
844名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 03:56:50 ID:D9rA9pZK
>>831
胃が痛いキタコレwwwwwwwwwww
GJ

>>843
鶴屋さんに足コキされたいっ!!


俺はいい夢を見るぞーーーーーーーーーー
845名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 06:20:04 ID:/bsiqoS0
最期に最下位にならなければループしないんじゃないか?
846名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 07:07:37 ID:O7JU/H+R
まぁ俺なら長門選んでエンドレス修羅場。
847名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 07:15:21 ID:3BEPyBhk
848名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 07:21:59 ID:1aFlFefD
やっぱキョンってイケメンの部類に入るのかね?
849名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 07:30:19 ID:Q4xWvO+l
実はピザ。アニメはハルヒフィルターがかかっている。
850名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 07:59:45 ID:6cIrIpeN
古泉は一番に好きな人なんて言ってないから全員にしとこうぜ! と言ってみる

>>848
イケメンって程でもないが中の上ってところだと思ってる
851名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 08:19:22 ID:AjC2yLrt
中の上って現実で言うとだれくらい?
852名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 08:50:13 ID:KIaJfHVE
私くらい
853名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 08:50:46 ID:+vXMPbDi
SMAPの稲垣くらいじゃね?
854ソレイナメンw:2006/05/17(水) 09:33:50 ID:D9p8Cv2p
稲垣で中の上かよ…orz
855名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 10:06:53 ID:KIaJfHVE
あれで中の上なら私は下の中だな
856名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 10:10:44 ID:v4n27oqK
少なくとも美形ではなかろうな、と思っている。
のいじ氏の挿絵も、あえて美形に見えないようデザインされてるような気がするし。
857名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 10:12:19 ID:HqdnSwGG
伊藤淳史くらいじゃね?
858名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 10:17:16 ID:8gL6Ohw+
ロンブーの金髪とか
859名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 10:23:09 ID:8hVsddRB
そこはかとな〜く人の良さがにじみ出る
「いい雰囲気の顔」してるんだろうなと思う。
SMAPよりも、TOKIOのメンバーに近いような雰囲気かなあ。
860名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 10:23:13 ID:vBOnwpsc
俺くらい
861名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 10:38:31 ID:5vO/K6n7
まぁ下のグループは

その・・・・






思い浮かばない
862名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 10:39:26 ID:RLnkSHWN
悲観するほど悪くもないが、特筆するほど秀でてもいない。
ってところだろうな。

外見的に印象が薄いから、偽名を使うにはうってつけってタイプかも。
863名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 10:50:52 ID:rHuV+g7m
個人的にキョンは作中1番のツンデレだと思うが、ハルヒ以上
864名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 11:14:53 ID:RLnkSHWN
個人的にも何も、その意見の方が多数派。
865名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 11:15:37 ID:mQArUbDI
ツンデレか……谷川作品ではユキちゃんだな。勿論宇宙人じゃないほうの。
866名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 11:16:29 ID:pcKqEzvu
なにをぉぉ、真琴ちゃんを差し置いてっ!
867名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 11:21:58 ID:mQArUbDI
茉衣子ならともかく真琴は違うだろうw
あれはいつもユキちゃん好き好き大好き超愛してるだし。
868名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 12:05:56 ID:b3SVqtgH
ハルヒとキョンマダー?
869名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 12:26:51 ID:V8PODmre
ハルヒとキョンのHシーンマダー?
870名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 12:37:58 ID:4tifBIyz
キョン「挿れるぞ・・」
●「うん。来て・・アッー!」

な展開マダー?
871名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 13:27:49 ID:LE33ZEiQ
長門ぼにぅSSマダー?
872名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 13:33:25 ID:RLnkSHWN
それは、禁則事項。
873名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 13:40:30 ID:cVug1Z8V
874名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 16:15:38 ID:ZUwhG1qh
未読の人のために言っておく。
学校の萌えはツンデレだけじゃないと。
875名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 18:02:07 ID:LyRVemu+
>>780
> あたしを見てよね…
「冒険でしょでしょ?」 が流れた。
876名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 18:23:02 ID:j39v5onG
>>873
そ、そ、それをどこで!?
877かなり:2006/05/17(水) 18:39:00 ID:MvI0zYnB
>>835
wwwwwwGJ!wwwwwwww
誰か3P物キボン!
それもわかってるはず( ̄ー ̄)ニヤリッ
878かなり:2006/05/17(水) 18:56:38 ID:t6xUBn9V
補足
キョン×ハルヒ×朝比奈の
3P物キボン
879名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 18:59:16 ID:oO6cvb5E
>>877
>( ̄ー ̄)ニヤリッ

に非常に既視感。
880かなり:2006/05/17(水) 19:02:51 ID:t6xUBn9V
(゜Д゜)<ゴルァ?
881名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 19:22:42 ID:lMIojF1i
「涼宮ハルヒの醜態」なんてどうかね?孤島初日の宴会でキョンと演じたという
恥ずかしい行為について。じつはそうとう際どかったとかw
882名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 19:49:44 ID:Ow3K7zqF
みくるマダー?
883名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 19:50:03 ID:O7JU/H+R
なにやったんだろうね実際は。
原作では語られることは無いだろうし今までもそんなに大きく取り上げられてないから、
この機会にたっぷり妄想してみるよ。

とりあえずおれはみくる・ハルヒ・キョンの3Pを思いついた。
884名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 19:54:41 ID:Ow3K7zqF
みくるとキョンが部室でしてたらハルヒが目撃って感じか
重要なのはみくるが攻めってことだ
885名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 20:04:31 ID:VlgNf2iI
>>881>>883
酔っ払ってストリップもどきしてキョンにキスしまくりとかじゃね?
もしくはめちゃくちゃ泣き上戸で「キョンが構ってくれなくて寂しい」とかを
延々長門にしゃべってたとか
 
 
関係ないが誰か朝倉で書いてくれないもんかなぁ
原作じゃでてきてもキョン刺すだけのキャラだから
汚名返上ってことで長門も関係しない普通な話を見てみたい
886名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 20:08:17 ID:WtDFOwL2
朝倉が「おもしろそうね。」とか言ってSOS団に入ったらどうなってたろ。
887名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 20:24:36 ID:1BimtcxV
キタコレ━━━(゚∀゚)━━━!!11
テラモエスwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
888名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 20:25:36 ID:1BimtcxV
↑は>>873です
889名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 20:28:29 ID:GtHRwsbx
>>885
朝倉さんの魅力はキョンをグリグリする所じゃないかw
890名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 20:41:25 ID:WeosGwq/
>>889
ナイフでわき腹を?グリグリと?
891名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 22:21:56 ID:1aFlFefD
イタキモチイイなそれ
892名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 22:30:01 ID:8DQ0Cq7Y
幻想ホラー?
893名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 22:32:21 ID:u9i9ip5E
さて、野球モノでも書いてこようかね
894名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 22:44:56 ID:uQEPZJ9N
ハルヒとキョンものをやっぱり切望してしまう
895名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 22:46:20 ID:RLnkSHWN
>>881
その辺ネタにしてるSSどっかで見たぞ。
896名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 22:51:05 ID:PX1Kn/Do
設定上やむをえず、いつも適当なところでハブられるハルヒだけど、
自分が他の団員から仲間はずれにされていることに気付いてショックを受けるハルヒの話きぼん
897名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 22:54:18 ID:Ow3K7zqF
っていうか長門とかみくるとか第三者の女の子に激しく嫉妬するハルヒがみたい
898名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 22:55:25 ID:3BEPyBhk
ヒント:原作
899名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 22:58:32 ID:u9i9ip5E
お前らハルヒ大好きだなww


よーしパパキョン×ハルヒ書いちゃうぞー
900名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 22:59:32 ID:za/mZA+/
>>899
一瞬
パパになったキョン×マルヒかと思ったじゃないか
901名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 23:00:22 ID:za/mZA+/
マルヒってどこのスーパーだよ
ハルヒだよね、間違えてごめんね
902名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 23:02:23 ID:/zklq8ra
HR物キボン
みくるか鶴屋さんで
903名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 23:04:28 ID:hjRaqYEu
よし、ハルヒ×キョン書くか。TSで
904名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 23:12:46 ID:RLnkSHWN
キョンxハルヒの入れ替わりモノキボンヌ
905名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 23:29:09 ID:iASaYe13
>>904
ベタでーすドンドンドンッ

それ希望
906名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 23:32:52 ID:LE33ZEiQ
長門母乳SSマダー?
長門授乳SSマダー?
長門搾乳SSマダー?
907外伝:2006/05/17(水) 23:37:32 ID:F+ukF1n0


 きっと今から歌うこのうたは
 あなたの耳に入ることもなければ
 あなたに伝わることもない。

 けれど終わることもない。



  【ラブ・ソング】



 彼は、起きていた。私が来ても驚いた様子はなく、この展開を予想していたかのようだ。
 寝ないで、私を待っていてくれた。そのことに私の胸が締め付けられる。
 彼の手が私の手を握る。不快ではない。むしろ暖かい。人間の温もり。生きている証拠。私はどうなんだろう。私は彼を暖めてあげられるのか。私は、生きているのか。
 この星の生き物は、生きている。産まれてきた。産まれてきたことを知ってほしくて泣いたのだから。
 誰かを愛して、誰かに愛されて、誰かを傷付け、傷付けられたりする。
 私も…そうでありたい。彼といられるうちは、彼を思っていられるうちだけは…私は、人間でありたい。
 そんな思いが今回の事件に繋がったのだ。彼がいる。それだけで幸せだったはずなのに。私は彼を望んでしまった。
 彼が私のために笑ってくれるならどんなに幸せだろう。私に向けられるのはいつも困ったような顔ばかりなのだから。
 私は、彼を望んでしまった。彼が欲しい。あなただけには笑っていてほしい。私を…見てほしい。
 その瞬間、世界が変わってしまった。
 でも、それは絶望じゃない。彼は、戦ってくれた。今を取り戻すために。私を、取り戻すために。

 だったら、私は彼を思い続けよう。私の自律行動が続く限り。私は、もう幽霊でないのだから。
 だから、言おう。恋を教えてくれたあなたに。人並、いや、人以上の幸せをくれた、あなたに歌おう。ラブ・ソングを。
 
 …いま、私の頬を伝ったのはなんだろう。



「ありがとう」



 病室を出る。月明かりがふんわりと落ちてきた。辺りが蒼く照らされ、彼に包まれているような気さえした。
 今日は気分がいいから歩いて帰ろう。いつもより、もうちょっと歩幅を広げて。


 そう、ほんの少しだけ。




 私は恋をしている。





 生きている。






(外伝 完)
908外伝:2006/05/17(水) 23:44:15 ID:F+ukF1n0
『外伝』
>>101 長門有希
>>461 朝比奈みくる
>>545 鶴屋さん
>>664 朝倉涼子
>>817 涼宮ハルヒ

最後の外伝は消失長門というよりも消失を経た長門が正しいかも。
女性の主要キャラを制覇した所で完結とさせていただきます。
読んでくださった方々、ほんとにありがとう。
909名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 23:49:02 ID:75aAj3gC
>>906
ぶわっときた(´;ω;`)
GJ!!!!!
910名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 23:50:14 ID:rAihcsQg
書いてくださった神様、ほんとにありがとう
911名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 23:50:39 ID:z1pejhjJ
>908
書いてくださってありがとう!
912名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 23:51:08 ID:2JEl7hWw
>>908
GJ!!!!!!!
やべぇ萌え殺しだ
913名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 00:02:23 ID:sPxj1jyG
>>909
>>907のまちがいじゃね?

>>907
GJです
914名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 00:04:35 ID:QCru7762
>>913
指摘されて気づいた…その通りです(´・ω・`)
915名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 00:08:27 ID:UGAJfFIl
>>907
GJ!!
中島みゆきを思い出した私はオサーン
916名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 00:43:16 ID:5Em1qwqo
一瞬、>>909がどうかしてるかと思った。すまん、>>909

それはおいといて、>>908外伝の人。
激しくGJデスよ。

触発されて>>896ネタで書こうとしたら気づいた。
俺には、文才が無い。
917名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 00:47:21 ID:FwpZ06Mv
現在457KB
555氏の「長門有希の暴走」並の長編SSが投下されると、
1000到達前に書き込み不可になるかもしれません。
ご注意下さい。
918名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 00:49:22 ID:MnxZsTfd
一々レスアンカーを付けていられないな

>>1-1000
GJ!
919名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 00:58:00 ID:nQXgBHgX
タイトルに谷川流が無くてもいいような気がする
920名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 00:58:29 ID:sPxj1jyG
そういえば古泉はジョン・スミスを知っているっけ?
921名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 01:12:29 ID:aEIAXqn5
 __ _
                  ,  ´二ゝ─‐-─‐ヘ
.                / ./∠ ──‐‐-.ヘ. ヽ、
              /"..://´‐.T.丁¨ T ー 、 Y ',ヽ
              /./ .:./:./ :.:./l:.! i.:.  !:.:.  ヾ..i:. !:.:ヽ
            / / .:./.:/ :.:./ !:!:. ハ:.: ',:.:.:.  `!: l:.:.:ハ
                /.:, イ.:;'.:.`:ト 、バ:.ヽ\.:ヽ,.:.:.:.:.!: !ヘ:.:ハ
            / / イ.:.!.:.!:.!, --ヽ、\ ゝ久_丈i:. ! ハ:.ハ
             /:./  !.:.!.:.i.:f ィ´::ヾ    ´f´::::ヽヾ :!ヽ l:.ハ
              /:./ ,  !.:.!.:.iハ マ_;;;ノ  ,   マ_;;ノ j:. j/ j:.:ハ
    >>皆乙!   /:/∧,」 !.:.!.:.!ヘ ""  r==ォ "" ,/:.イ!ハ┘:!ヾ
         //!:.バ:.:.:| |.:.ハ.:V ゝ、  丶  /  ィ/:./:.:i/^l:.! ヽ
          レ' !:.! i.:.:.ヾ!ヽハ.:V.:.:.:.:>,  _ ィ´V.:/.:.:/  リ:|
           !:i !.:.:.:.:.:.:.:{ハ.:V'´ /′  .少'/`ー|  /j/
           ヾ ヽ_, '7// /-、  -/ "  /フ   ヒ=ヽ
              ハ ヽ. /// /'´ ̄/   ///  ,`弋 \
           /  { y'// ,'---/   //- ′.Y´  , `ヽ`l
          /   ヽfl l l  !   /  //〈  `ー〈::....ノ   V
         /        !l l !. ! ./ ///   ヽ_ー 、 `ヾ_/ //
.      /       _∧ l ! !ロj ///     フ-、`ー┴‐-〃
.     /       /  ハヾ l l ///   ヽ  |  `ー‐一′
     ヽ   ー==广   〈 ヽヾY〃/       >、!
922名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 01:17:41 ID:xuARIruE
>>919
タイトルに谷川作品を全部書き連ねるつもりかい?
923名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 01:53:09 ID:DJTgubOQ
お弁当、いつつめ。

「いやー、みくるがハルにゃんに拉致られて行方不明なんだっ。
ということで一緒にお昼ご飯を食べよう!決まりだねっ」

目の前で言い終わるや否や、有無を言わさず俺の腕を掴んで歩き出そうとした
鶴屋さんに一瞬思考が停止するも、一歩進んだ所で身体機能が回復して弁当箱を
もう片方の手で掴むことができたのはSOS団で鍛えられたお陰だろうか。
そもそも断る理由も無いので抵抗はせず、俺は素直に拉致された。

屋外に出た俺たちは芝生の適当な場所に座り、弁当を広げた。
俺のは言わずもがなとして、鶴屋さんの弁当もごくごく普通に見えた。

「うんうん、やっぱりこういう晴れた日のお昼ご飯は外で食べるのが一番だねっ。
どれどれちょいとお宅拝見・・・むむっ。きんぴらごぼう!お主なかなか通じゃなっ!
これ、貰ってもいいかなっ?」
「どうぞどうぞ」
「ありがとっ。優しいキョンくんには唐揚げのプレゼントだっ」

うちのキンピラなんかと鶴屋さんの唐揚げじゃどう考えても対価として釣り合わないが、
これも僥倖。ありがたく頂戴する。やはり冷めてても鶴屋さんの唐揚げは美味かった。

「卵焼きはお弁当の華だねっ!あたしのとキョンくんのとで食べ比べしてみよう!」

という具合に結局おかずのほとんどをとりかえっこした俺達は昼休みが半分回った頃には
食べ終わり、そのままとりとめもない世間話やSOS団、主にハルヒが起こした色々な騒動の
話をした。鶴屋さんが腹を抱えて気持ちいいくらいに大笑いしてくれるので調子に乗って
大小面白おかしく誇張したりしたのだが大筋は間違ってないぞ。
後で鶴屋さんからハルヒに話が漏れたとしても俺は謝らないからな。

「風が気持ちいいねー。あたしはこの季節が一番好きっさ」

ふと、そよ風を受けながら長い髪を触る鶴屋さんが妙に色っぽく見えた。
あのあけっぴろげな性格や独特の口調でついつい忘れてしまいがちだが、
鶴屋さんは美人だ。谷口風に言えばAAランク・・・いや、ランクなんて無意味か。
そもそもあの性格あってこその鶴屋さんなのだし。静かな鶴屋さんなんて想像できんな。
もしあるとしたらどういう状況なのだろう。あの世界のような感じか?だがそれは

「キョンくん、さっきからあたしの顔をじぃーっと見てるねっ。
頬にご飯粒でも付いてるのかなっ?そ・れ・と・も、お姉さんに見とれてたとかっ?
あはは、なーんて」
「すみません」
「えっ」

思わず謝ってしまった。鶴屋さんのことだからこういうことは笑ってハイおしまい
だろうと思っていたが、予想に反して鶴屋さんの表情は固まったままだ。
何だかとても気まずい。実際には十数秒のことだったのだろうが、
俺には数分にも感じた重い沈黙を破り、鶴屋さんがようやく口を開いた。

「い、いやぁ。照れちゃうなっ。ま、まったくキョンくんは女泣かせだっ!
あはは。は、は・・・あっ。ひ、昼休みが終わるっさ。早く戻らなきゃっ」

言うが早いか鶴屋さんは弁当箱を持って立ち上がり、校舎に向かって駆け出していった。
それから十数メートル離れた位置で鶴屋さんは振り返って大きな声で、

「キョンくん、今日は付き合ってくれてありがとうっ!」

呆然と見送りつつ、ふと思った。鶴屋さんなら一緒にご飯を食べるくらいに親しい友人は
同級生にもたくさんいるはずだ。それが何故わざわざ俺を選んだのだろう。
時計を見ると、昼休みはまだ5分以上残っていた。
924名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 02:08:31 ID:snUe/prm
>>916
> 触発されて>>896ネタで書こうとしたら気づいた。

wktk
925名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 02:14:57 ID:Pkci9jhq
>>923
お弁当鶴屋さんキター
お弁当シリーズは大好きだぁ。
ところで四つ目ってどこにある?
926首輪小ネタ:2006/05/18(木) 03:19:04 ID:5VFwGI9u

 「キョン!ホラ、これ!」

本日も無事活動が終了し朝比奈さんら3人が帰った後、なぜかハルヒの奴が意気揚々と首輪を持ってきた。 

 「どうしたんだ、それ、ってか何に使うんだ」
 「ファッションよファッション、この前商店街うろついてたとき偶々見つけたのよ
  で、キョンだったらこれ似合うかと思ったのよ、だからつけなさい」
 「よりにもよって全金属製とか、重いだろそれ、首が凝る」
 「大丈夫よ、これ丈夫だけど軽いから、ほらキョン」
 「お、おいコラやめろ!!おい、ちょ」

ハルヒが俺に強引に首輪をつける。俺は犬じゃ無いんだぞ。

 「だから言ったでしょファッションだって、ちなみにアタシのもあるの、ほら」

ハルヒはもう1個の首輪を見せてきた。しかもなんとお揃いだ。

 「これをアタシの首につけてっと・・・ これでキョンとお揃いよ!!」

・・・首輪をつけたハルヒはまんま猫のようだ。ってか本気で萌えるぞ。

 「更にキョンの首輪とアタシの首輪をチェーンで繋いで、っと」
 「おいおいちょっとそれはやばいだろ!!」
 「大丈夫よちゃんと外れるから」
 「いや、そんな事言ったってだな、おい!」

 「ふふん、これでアタシとキョンはいっしょ♪」
 「・・・別にこんな物着けなくたって俺とハルヒは今までもこれからも一緒だろうが」
 「当然よ、でも良いじゃない、二人っきりの時くらい」
 「外してくれ、動きにくい」
 「良いじゃないのよもう少しくらい、後でちゃんと外すわよ」

そう言ってハルヒは椅子に座っている俺に抱きついてきた。物凄く可愛い。
―――しばらく抱き合ったままでいよう。



カラスが鳴きだした。外も暗くなってきた。良い子はそろそろ帰る時間だ。
俺もハルヒも良い子ちゃんだから帰らなくてはならない。

 「そうよ、あたし良い子だからもう帰るわ」
 「ハルヒ、俺の首輪外して帰れ」
 「あ、そうだったわね、鍵が要るのよこれ、えーと鍵鍵鍵・・・


  ・・・・・・・・・」

 「まさか・・・ お約束のオチなのか・・・?」
 「・・・そうみたい♪」

バカハルヒの奴が首輪の鍵を失くしたらしい。
鍵を失くしたら当然外すこともできない。


 「キョン、一緒にアンタん所に帰るわよ」
 「、でどうするつもりだ」
 「今晩泊めなさい!!」
 「・・・・・・はぁー・・・」
927名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 03:23:43 ID:DJTgubOQ
前スレでハルヒと朝倉と長門、>100の朝比奈さんと>923の鶴屋さんで5つです。
今見直したけど朝倉だけ突発思い付きだったので弁当と書いてなかったや。
投げっぱなしだし。

弁当ものはこれで一応最後。誉めてくれてありがとう。
図に乗ったので次は朝比奈さんでちょっと長いのを書いてます。
928名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 03:36:56 ID:Pkci9jhq
>>927
えっとつまり、保管庫にある
 5-389様: 小ネタ
もお弁当シリーズってことかな?

お弁当シリーズお疲れ様でした。個人的に鶴屋さんが一番よかったです。
古泉バージョンを読んでみたかったかも(ネタとして)

朝比奈さんモノ期待してます。
929名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 03:48:09 ID:DJTgubOQ
そういうこと・・・かな。900超えて容量がきついのに何度も書き込んで御免。

>926
バカップルいい!こういうの、自分には出来ないから羨ましい。
930名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 03:51:47 ID:MpWJWkRV
>>881っぽいネタの書けたけど12kbもあるなぁ
931名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 03:53:08 ID:tVjSx8Eh
誰か早く次スレ立てれ
932名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 03:53:44 ID:MpWJWkRV
スレ埋まらないとdat化されないんだっけか。次スレにまわすか
933名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 03:57:15 ID:TnB4yM9W
次スレ立てたいけど>1のネタが思い付かない。
934名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 04:05:36 ID:MpWJWkRV
むずいな。基本的に宮野+アスタリスク?
935名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 04:16:38 ID:tVjSx8Eh
次スレ

【涼宮ハルヒ】谷川 流 the 7章【学校を出よう!】

だな。>>1って何でもいんじゃね?何かのパロっぽければ。
5章は古泉だったぞ
936名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 04:24:29 ID:TnB4yM9W
谷川と流の間のスペースは無いほうがいいんじゃない?
以前検索しにくいって意見があったし
937名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 04:29:03 ID:tVjSx8Eh
じゃあ

【涼宮ハルヒ】谷川流 the 7章【学校を出よう!】

だな

次スレの>>1のアイディアを出し合う、ってのはどうだ?>>950くらいまで。
930氏には御待機頂こう
938名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 04:43:44 ID:UGAJfFIl
長門の長台詞改変に取り掛かろうとして挫折しますたorz
939名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 07:55:36 ID:eDFy9NVW
あ?何なんだ、いきなり。
え?スレの説明?
何で俺がそんな事やらないかんのか。
おいおい。
そんな意気揚々と母親の買い物に付いて来て、何も買って貰えなかった子供みたいな顔で凄むなよ。
表情と言動が一致してないぞ、お前。
朝比奈さんも可愛い顔でこっちをチラチラ見ないでくれ。たまらん。
古泉も一緒になって急かすんじゃない。調子に乗るな。
長門も長門でじっとこっちを見るな。
早くしろ?
あーもう!
書いてください!読んでください!
これでいいか?
…素晴らしくハレ晴れな笑顔だな、ハルヒ。
940名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 08:47:38 ID:U3F+0nHr
いいね、それ
941名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 08:55:41 ID:xuARIruE
うふふ、皆さんご機嫌いかが? 真琴ちゃんでーす。
ここは谷川流作品の二次創作を行うスレッドよん。
ん、何を書けばいいかって? んなもん明白でしょ。
あんた等が垂れ流しているそのエロい妄想を本能のままに書き連ねればいいのよ。
あら、そんな妄想してないって? 僕はプラトニックな妄想しかしてない、ははあ。
じゃあこのあたしの頭の中に飛び込んでくる雑音は何かなあ。
恥ずかしがらなくていいのよー。最初は下手っぴなのが当然なんだから、ふふ。
ま、どうしても気後れするなら欲望は押し隠して投下しなさい。
けけけ、あたしには筒抜けだけどね。
942名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 09:29:45 ID:RS64flUM
知性とは、情報を収集し、蓄積した情報を自発的に処理する能力レベルによって判定される。
谷川流作品の二次創作は、このスレに寄生し、それを楽しむ人の思索行動を補助する役割を持つ。
二次創作作者は単独では一つの情報群でしかない。
新たな構想を獲得し処理するには、それを楽しむ、物質的な構造を持つ読者が必要。
両者は共生関係を取ることにより、互いに利益を得る。
新たな情報を獲得した読者は、妄想を処理し、思索行動を発展させ、新たな情報群へと移行する。
それは、色情的情報を含む二次創作作品を生成する可能性を持つ。

よくわからんが、結局のところ、書きたい奴はエロでも何でも書け。
読みたい奴は好きに読め、ってことでいいのか?

そう。それは自律進化の可能性。
943名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 10:50:00 ID:yZzYP3wp
>>941
いいぞ真琴、俺の琴線触れまくりだぜ
944名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 15:29:55 ID:mUQKALfw
>1にありがとう

スレにさようなら

そして全ての職人たちに↓
945名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 15:32:29 ID:yp4fEWqT
「・・・・・・・・・」 長門の無表情を。
946名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 17:26:29 ID:ErgbD4vP
立てようとしたんだが立てられん…
なぜか確認画面で止まってしまう。
947名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 17:39:15 ID:QYmXNn8C
わいチンコビンビンでメッチャいたいわ
948名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 17:40:44 ID:Iqvkft54
じゃあ俺が立ててくるよ!
949名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 17:42:04 ID:Iqvkft54
ああ、>>1を考えなきゃならないのか
ムリス^^^
950名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 17:53:56 ID:tVjSx8Eh
そろそろいいか

次スレは>>950は漏れが取ってしまったようなので>>960!頼んだ!
上のどれかか、自分で考えれ
951名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 17:57:26 ID:ErgbD4vP
【涼宮ハルヒ】谷川流 the 7章【学校を出よう!】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1147942550/
立ててきた。
952名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 18:13:35 ID:tVjSx8Eh
>>951
953名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 18:41:56 ID:Iqvkft54
>>951
おおおおおおおおおおおつうううううううううううううう
954名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 18:44:47 ID:RZGdYemj
>>951
その……ええと……乙、です
955名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 19:14:39 ID:Y/MPefF7
>951
乙! まるで8○6スレのようだな!
956名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 19:23:20 ID:LjjQOQ8o
957名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 19:42:04 ID:1WsAZWDB
                  __ __
               /:::::::::::::::ヽ
                _/       ヘ-、
             〈/:::::::::::::::::::::::::::::V/
               /l::::/:::::,'::::::::i:::::l::!:ハ
               ~|::::l:::::/:::::::::l:::::l::i:!」
             ヽ:{::::{:::::::::/:::/:::リ
             , ィ ト{八::::/リj/V-、
             {{ | |  `''   | l }}
             {:',|└─‐‐─┘|//
             {ヘ  ̄ ̄ ̄ ̄ / :}
          , -―-ゝヘ  _ノ  {_/ ___
         {   >=入_、____人=<  ヽ
         ヽ 〃   `┴‐┴'´   ヽ   / // ̄~""
          \|   /      ',   | /.// _,,..i'"':,
            ヾ_ {       }   レ′//  |\`、: i'、
            `ーゝ ____」L=‐' /,/   \\`_',..-i
958かなり:2006/05/18(木) 20:16:45 ID:94qzyuJ2
乙でーす。
959かなり:2006/05/18(木) 20:25:28 ID:PD25cJFO
だけど、終わるの早杉
「マターリしようよ」と言ったのに・・・(´Д⊂)あうぅ
960名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 20:39:02 ID:oA+Ds+rr
>>951
乙!
961名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 20:59:57 ID:AsvZNKla
朝倉涼子SS(エロ)キボンヌ
962名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 21:00:19 ID:0rWClkry
>>961
やあオレ
963名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 21:06:05 ID:OWrs64LF
>>961-962
念レス成功
964名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 21:27:51 ID:tVjSx8Eh
                    __ __
                  /:::::::::::::::ヽ
                   _/      ;;ヘ-、
                〈/:::::::::::::::::::::::::::;;V/
                  /l::::/:::::,'::::::::i:::;;l:;!:ハ
                  ~|::::l:::::/:::::::::l:::;;l;;i:!」 
                ヽ:{::::{:::::::::/;;;;/;;;:リ
                ,,.-ト{八::::/リj/V-..,
               (     `''     lヘ
                1.,   ノ ヘ,.   //
                {ヘ ^~      /;ノ
             ,-―-ゝヘ   :   ;{ノ..,___
            {   >=入_、____人=<  ヽ
       / ̄ ̄ ̄ヽ 〃   `┴‐┴'´   ヽ   /  ̄ ̄~" ̄ ̄ ̄ヽ、
      /      \|   /      ',   | /   _,,..i'"':,     ヽ、
     /         ヾ_ {       }   レ′   |\`、: i'、     ヽ、
    /          `ーゝ ____」L=‐'     \\`_',..-i      ヽ、
   /        __,,,...,,  ,...               \i _,,...-       ヽ、
  /        /:::::::::人.,,,.|::::"-、                         ヽ、
 /        「||::::::/〜/:::::://┐                          ヽ、
/         ノy_/,ノ:::::::::/ ノ                            ヽ、
         /|ノ (\j ̄ ̄  //                              ヽ
         L..,, /~l    / /            埋め脱ぎ
           / ̄! ̄"'-="''           
965名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 21:50:49 ID:B/1Kwz0L
1000ならキョンはパイプカットされる
966名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 21:55:59 ID:Tbh1RKPJ
またえらく早漏だな
967名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 22:19:46 ID:gKw40TgZ
>961
朝倉SSは今までけっこう投下されていた希ガス。
保管庫見てみたら?
968名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 22:21:29 ID:0rWClkry
>>967
キョン×朝倉で最後まで完成してるSSは無い気がする
969名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 22:28:17 ID:gKw40TgZ
あーそっか、朝倉単独ではなくて相手が重要か。
確かにキョン×朝倉は覚えがないような。
朝倉&長門×キョンとなら前スレにあるが。
970名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 23:14:48 ID:bVUAcOVg
500kb超えで前回はできなかった埋めSS
今回はやるぞぉ。。

お題はずばり

ハルヒと一緒に朝比奈さんとえっちぃことをしよう!

いままで長い文は書けなかったためSS投下をあきらめてた人。
今まで書く機会が無かった人。
そんな人のためにこの埋めSS。
さぁ↓からレッツライティング!締め切りは1000まで!
編集長の名にかけて絶対書かないなんていわせないんだから!
971名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 23:35:14 ID:LjjQOQ8o
パイプカッツ〜
972名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 23:52:38 ID:FwpZ06Mv
涼宮ハルヒの対決4-5
>8-13 >57-63,67

無題 01 (お見舞い)
>27,29-44

お弁当 04
>100

外伝【コインランドリー】
>101

続SOS団の気まずい日々
>109-112

長門ユキの実験 bR
>148-149

ど根性ハルヒ
>238-240 >292-294 >482-486

小ネタ (お茶)
>245,247-248

二匹の獣
>268

無題 02
>276,282

涼宮ハルヒの願望3  涼宮ハルヒの願望 エピローグ
>312,314,324-325,317 >327-328

大きな胸、胸、好きでしょ?
>315-316,318 >320-321

鶴屋さんの陰謀
>363-367 >378-382 >444-447 >490-499

ハルヒ×キョン 自慰編
>417-422

無題 03
>434

外伝【書道の教え】
>461

無題 04
>465
973名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 23:53:18 ID:FwpZ06Mv
『耳掃除(長門編)』
>473-477

奇跡の動物園
>511-513

涼宮ハルヒ と 誘拐 。短編「園児ランド」
>527-530

外伝【スノースマイル】
>545

長門有希の暴走
>555-564,567-577 >582 >599-601 >675-677 >679-682 >684-693

無題 06
>613-618,620-622

無題 07 (野球)
>656-657

外伝【ナイフ】
>664

長門有希(偽)の涙
>716-717 >719-723

涼宮ハルヒの目覚
>758-765 >779-784,786

外伝【誇り】
>817

無題 08 (トランプ)
>831-834

外伝【ラブ・ソング】
>907

お弁当 05
>923

首輪小ネタ
>926

以上、修正あれば宜しく。
974名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 23:53:55 ID:1OeMiKG0
975名無しさん@ピンキー:2006/05/19(金) 00:04:15 ID:eKd1F1lW
まとめ乙です ^^)b
976674@予備”管理”人:2006/05/19(金) 00:16:19 ID:YbyEkAvH
まとめ乙です。
掲載ミスの作品を更新しました。該当する作者様、すみませんでした。
977名無しさん@ピンキー:2006/05/19(金) 00:25:38 ID:n/s0AJNn
その日、俺は掃除当番のせいで部室へ行くのが少し遅くなった。
蒸し暑くてイライラする日で、俺を癒してくれる天使の笑顔が早く見たくて
扉をノックすることすら忘れていた。
「みくるちゃん、いつもいつもご苦労様。たまにはあたしがお茶をいれてあげるわ」
「わあ。涼宮さん、ありがとうございます」
飛び込んできたのは普通なら絶対見られないであろう光景だった。
ハルヒが朝比奈さんにお茶を?鬼のかく乱か?違う。
俺の経験と五感が危険だと告げている。
「朝比奈さん!やめ―――」
「ごく、ごく、ごく・・・ぷはぁっ。んんーっ、冷たくて美味し・・・い・・・」
手からグラスが滑り落ち、直後に朝比奈さんの綺麗な体が床に崩れた。
978名無しさん@ピンキー:2006/05/19(金) 00:46:51 ID:dmARVFMG
>>976
いつも乙です。

>>977
続き〜
979名無しさん@ピンキー:2006/05/19(金) 01:27:26 ID:n/s0AJNn
リレーしなくてもいいのかな?

直後、ハルヒは扉に手をかけたまま唖然としている俺に気付いた。
「キョン、いい所に来たわね。ふふ、どう?みくるちゃんの可愛い寝姿」
「ハルヒ、お前・・・また朝比奈さんにトラウマを植え付けるのか?」
「トラウマ?何を言ってるのか分からないわ」
「ならどうしてこんな・・・薬を使って眠らせるようなマネを」
一瞬の間を置いてハルヒは言った。
「それはね、みくるちゃんが可愛いからよ。キョン、あんたはメイド服でパタパタ
動き回るみくるちゃんを見て何も感じなかった?そんなはずないわよね。
いっつも鼻の下を伸ばしてたわよね。知ってるんだから。でもそれだけ?
・・・思春期の男が可愛い女の子を見て、それだけで終わるはずはないわ。
あんたはみくるちゃんを。あの大きな胸を・・・小さな体を・・・心の中で汚した事が
あるはずよ。あたしはそう。あたしはみくるちゃんを何度も汚した。
何度も何度も心の中のみくるちゃんを・・・でももう限界。我慢できない・・・
多分、この暑さがいけないんだわ」
980名無しさん@ピンキー:2006/05/19(金) 01:38:45 ID:t/FGXMXw
次スレは?
981名無しさん@ピンキー:2006/05/19(金) 01:45:17 ID:QShm+SCm
>>976
乙です。デッドリンクを報告しようとしたらもうされてた。
capって人も同じところで引っかかっていたようだ。

予備保管庫はFC2WEBのスペースを使ってるのに、連絡用の掲示板はteacup
teacupの掲示板はFC2WEBがNGワード(FC2WEBに不良サイトが多いと掲示板利用者から苦情が多かったために措置した)で
「B203: この投稿内容での投稿はできません。」となり連絡できない。

変えた方がよろしいかと。
982名無しさん@ピンキー:2006/05/19(金) 01:47:34 ID:IrIvYdRE
次スレ


951 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/18(木) 17:57:26 ID:ErgbD4vP
【涼宮ハルヒ】谷川流 the 7章【学校を出よう!】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1147942550/
立ててきた。

983名無しさん@ピンキー:2006/05/19(金) 02:29:25 ID:n/s0AJNn
ハルヒは一気に言い終わると、寝ている朝比奈さんを
後ろから抱き起こし、胸の膨らみに手を伸ばした。
はじめは円形に優しく撫でまわし、次にまるで幼児のように執拗に揉みだした。
次第に眠っているはずの朝比奈さんの頬が薄桃色に染まってきた。
「ん・・・んぅ・・・ぁ・・・」
その愛らしい口からは小さく、しかし確実に悩ましい声が漏れ出した。
俺は完全に目を奪わていた。
「キョン。みくるちゃんの胸、柔らかくて気持ちいいわ・・・あんたもしてみる?」
唐突なハルヒの言葉。
「なっ・・・それは・・・」
「平気よ。もう始めちゃっているんだし、それに眠っているんだから。
ね、したいでしょ?・・・ほら、代わってあげるわ」
ハルヒは胸を弄るのをやめ、朝比奈さんが倒れないよう支えながら横に動いた。
俺には、この悪魔の甘美な誘惑を撥ね退けられなかった。
984名無しさん@ピンキー:2006/05/19(金) 03:15:16 ID:n/s0AJNn
「は・・・ぁ・・・」
俺が手に握ったり、緩めたりするたびに朝比奈さんは違う喘ぎを発するので、
まるでとても艶かしい楽器を操っているかのように夢中で揉み続けた。
やがて、服越しの感触では満足できなくなった俺はメイド服をはだけさせ、
直接触り始めた。しかしそれすらしばらく経つと満足できなくなり、俺は
ノックを忘れて何度かうっかり覗いてしまった着替えでは見えない部分・・・
下着の中を見るため、ついにブラジャーに手をかけた。
見たことはあっても触ったことは無かったため、なかなか外すことが出来なかったが
見かねたハルヒが手を伸ばし外してくれた。
「これはこうやるのよ。覚えておきなさい」
この間、ハルヒはそれ以外何もせず、ただ目の前でじっと見ているだけだった。
ブラジャーという邪魔者が消え去ったのでようやく分かったが、朝比奈さんの
乳首はツンと尖っていた。俺はいつか見た本の内容を思い出した。
同時に嗜虐心のようなものが渦巻いて、俺はその敏感な先を思い切りつねった。
985名無しさん@ピンキー:2006/05/19(金) 03:38:27 ID:wVD0YuTM
GJ!!
このスレが落ちても次スレに継投ヨロ
986名無しさん@ピンキー:2006/05/19(金) 03:56:21 ID:n/s0AJNn
「ひっ・・・いぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜ッ」
恐らく、普通ならば絶対に出ないであろうほどの大きな叫びをあげた朝比奈さんに
俺はおののき、咄嗟に腕を離してしまった。
「はぁ・・・はぁ・・・ん・・・ぁ・・・?」
今の衝撃のせいだろう、朝比奈さんは目を覚ましてしまった。
「おはよう、みくるちゃん」
「え・・・あさひな・・・さん?いったいこれは・・・
えっ、えっ、ええっ!?」
状況を把握した朝比奈さんは悲鳴をあげようとしたが、その口はハルヒに塞がれた。
「んんっ・・・むぅっ!うぅっ・・・ぁ・・・んぅぅ」
ハルヒは口の中に舌を差し込み、朝比奈さんの舌を引きずり出し、吸い始めた。
それはまるで口で口を犯しているかのような凄艶さだった。ハルヒに口を犯された
朝比奈さんは初めは放心、次に口を離そうと必死に抵抗し、最後には無駄と
悟ったのか抵抗を止め、その優しい目からはたくさんの涙がこぼれ落ちた。
987名無しさん@ピンキー:2006/05/19(金) 04:31:11 ID:n/s0AJNn
誰か自分を優しく殺してください。


およそ五分間はそうしていたと思う。
ハルヒは名残惜しそうに口を離し、唇の周りについた唾液を舌で舐め取った。
「ぷはっ・・・ふうっ。ご馳走さま」
「っく・・・ぐすっ・・・どうし・・・こんな・・・えぐっ・・・えぐっ・・・」
手で涙を必死に拭おうとする朝比奈さんを見て、俺はいたたまれない気持ちと
さっきまでの光景が強烈にせめぎあっていた。
「みくるちゃん、後ろを見てみて」
「え?・・・あっ」
完全に思考を奪われていた俺はハルヒの言葉に反応することができず、
朝比奈さんを更に深い悲しみに追い込んでしまった。
「キョンくん、何でそこに・・・いやっ。み、見ないでっ!いやぁぁぁぁぁ・・・」
「あっ、朝比奈さん・・・俺は・・・」
「みくるちゃん。キョンはね、みくるちゃんのその大きな胸を手で服の上から撫でたり、
下着の上から揉んだり、直接乳首を抓ったりしたのよ・・・あたしもだけどね・・・」
988名無しさん@ピンキー:2006/05/19(金) 04:49:39 ID:odrizr88
>>987
一行目も本文に見えるよ。
そうでないなら、ハルヒの顔面騎乗、みくるの乳圧、長門の無呼吸連続キス攻め
のどれかで殺してあげるのもやぶさかではないけどw
ずーっと張り付いて応援してるので、完走してくださいな。
989名無しさん@ピンキー:2006/05/19(金) 05:38:29 ID:n/s0AJNn
俺はハルヒを止める事は出来なかった。
「そんな・・・そんな・・・ぁ・・・ぁ・・・」
朝比奈さんはショックで打ちひしがれていた。仮に俺が同じ立場だったとしたら
きっと立ち直れないと思う。つまり、俺はそれだけのことをしてしまったのだ。
「ねえ、みくるちゃん。あなた、キョンのこと、好きなんでしょう?」
「・・・ふぇっ!?」
一瞬、俺は耳を疑った。どう考えてもこんな時に出てくる言葉じゃないからだ。
ハルヒ、お前は何を考えている?
「みくるちゃん、いつもキョンの事見てるもんね。お茶も一人だけ直接手渡しだし、
それにパトロールでキョンとペアになると本当に嬉しそうだし・・・」
「あ・・・ぅ・・・ぇぁ・・・」
「好きなんでしょ。好きで好きでたまらなくて、布団をかぶって夜な夜な慰めて」
「やめてくれ!」
俺は思わず声を上げた。ハルヒのあまりにも棘のある言い方に我慢がならなかった。
それに、朝比奈さんはいつか未来に帰るんだ。俺なんかと・・・そんなことあるはずない。
しかし、さすがにそれは言えなかった。
990名無しさん@ピンキー:2006/05/19(金) 06:09:41 ID:n/s0AJNn
「もう、やめてくれ・・・」
「キョン・・・」
耳を塞ぎたい。目を潰したい。今すぐここから消え去りたい。だがそれは不可能だ。
全てはもう起こってしまった。後悔などしたところで意味をなさない事は分かってる。
しばらくの間、部屋に静寂が訪れた。やがて、誰かが口を開いた。
「・・・です」
顔を上げた俺が見たものは、初めて見る・・・いや、大人になった朝比奈さんが
時折見せた、紛れも無く同一人物であると実感させる、年上の顔だった。
「好き・・・わたしはキョンくんのことが好き!朝も、昼も、夜も。学校にいる時も、
お家にいる時も、眠っている時も。ずっとずっとキョンくんの事ばかり考えてた。
慰・・・めたことだって一度や二度じゃない。ずっとキョンくんのそばにいたい。
休みの日にキョンくんと一緒にどこかへ行きたい。でも・・・」
「・・・」
「わたしはキョンくんを好きになっちゃいけないの。誰も好きになっちゃいけないの。
分かってたはずなのに・・・わたし・・・は・・・」
991名無しさん@ピンキー:2006/05/19(金) 06:34:05 ID:n/s0AJNn
朝比奈さんの告白を聞いているうちに、俺の目から涙が溢れていた。
「キョンくん、ごめんね。わたしが・・・わたしなんかが・・・いたから・・・」
違う、朝比奈さんが謝る必要なんて無い。俺が全部悪い。俺のせいだ。
必死に言葉を紡ぎだそうとするが、嗚咽で何も出てこない。
「やっと・・・やっと本当の事を言ったわね」
「涼宮さん・・・?」
「どうして最初から無理って決め付けるの?抵抗しようとせずに諦めるの?
あたしはそんなの絶対嫌。あたしも以前はそうだった。でも・・・
あの時からあたしの前に立ち塞がるものには全て抵抗するって決めた」
ハルヒの言うあの時・・・球場でちっぽけな自分に気付いたという話。
全てのきっかけ。俺たちがSOS団にいる理由。
「もし、みくるちゃん。あなたが本当の事を言おうとしなければ・・・あたしはあなたを
本気で壊したでしょうね。でも、あなたは言った。だから、これで終わり」
「ハルヒ・・・」
「みくるちゃん。あなたはどうしたい?」
992名無しさん@ピンキー:2006/05/19(金) 06:48:01 ID:n/s0AJNn
「わたし・・・わたしは・・・」
少し考える仕草を見せ、朝比奈さんは俺へ向き直った。
「わたし、キョンくんと」
「待ってください」
「えっ・・・」
俺の待ったに朝比奈さんの表情が一瞬曇る。
「俺から言わせてください。朝比奈さん、俺は朝比奈さんのことが好きです。
朝比奈さんとずっと、いつまでも一緒にいたい。俺は・・・」
軽く深呼吸する。
「たとえこの先何が起ころうとあなたを守りたい。いや、守ってみせる」
同じような事を言って見事に失敗した前例があるが、この言葉に嘘は無い。
二度と同じ轍は踏まない。
「俺は、朝比奈さんの事が好きだ。愛してる」
言い終わり、あれだけのことをしてこんなセリフを吐く俺にちょっと嫌な気分がしたが
これが今俺にできる精一杯の誠意だった。
993名無しさん@ピンキー:2006/05/19(金) 07:07:25 ID:n/s0AJNn
頭を下げた状態の俺には朝比奈さんの表情が見えない。
もし。もし、朝比奈さんがさっきの事を思い出して拒絶したらどうしよう。
不安と緊張、そして恐怖の中で反応を待っていた俺は、
突如柔らかいものに包まれた。
・・・俺は、朝比奈さんの胸の中にいた。
「嬉しいの。嬉しくて嬉しくて、気持ちをどう表現すればいいのかわからないの。
だから、今はこうさせて・・・」
胸の中で朝比奈さんの言葉を受けつつ、俺は大きな安らぎを覚えていた。

名残惜しかったがひとしきりこの感触を味わった後、俺たちは顔を合わせた。
「朝比奈さん」
「キョンくん」
「ん・・・っ」
誰から求めたわけでもない、俺たちは自然に・・・
初めてのキスを交わした。
994名無しさん@ピンキー:2006/05/19(金) 07:22:03 ID:n/s0AJNn
長い長いキスの後、俺は部屋を見渡した。
部屋の主・・・ハルヒはいつのまにかいなくなっていた。

翌日から、またいつもの生活が戻ってきた。
長門は本を読み、古泉はしきりにゲームを俺に勧め、そしてハルヒは
いつも通りパソコンの前に座ってネットサーフィンしながら、時々何かを
思い付いたように俺たちに無理難題を押し付ける。
そんな中、ただ一つ変わったことがある。

俺と朝比奈さんの関係だ。
もし、未来が規定事項とやらで決まっていたとしても、俺はそれを認めない。
未来は過去があったからこそ存在するものだ。未来の結果で過去を操作する
なんて、そんな世の中はまっぴらゴメンだ。
傍らで朝比奈さんが微笑む。何でも信じられるような気がする。
俺は、抵抗する。そう決めたんだ。

おしまい。
995名無しさん@ピンキー:2006/05/19(金) 07:28:33 ID:odrizr88
乙でした。
けっこう貴重なキョン×みくるGJ!
996名無しさん@ピンキー:2006/05/19(金) 07:30:00 ID:cuF/YnUf
ume
997名無しさん@ピンキー:2006/05/19(金) 07:30:17 ID:zJogfnsK
997
998名無しさん@ピンキー:2006/05/19(金) 07:30:31 ID:cuF/YnUf
998
999名無しさん@ピンキー:2006/05/19(金) 07:31:14 ID:YFYMElAQ
999
1000名無しさん@ピンキー:2006/05/19(金) 07:31:23 ID:n/s0AJNn
言い訳します。
1000まで粘ろうかと思ったけど、いい加減で話が続かないので挫折。
最後が適当なのは1レスだけのつもりだったけど図に乗ってしまった弊害です。
何で朝比奈さんを酷い目にあわせたのか自分でもわかりません。
えろいの書いたのは初めてですが最後にしたい。口で犯すのだけは気に入ったかも。
できれば>987以降は忘れてください。
10011001
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。