Part14
>27-30 コーマ×ネイミー (ダミアン◆.lt5gYzbQ.)
>43-47 >102-108 >166-182 >390-397 ティルテュのラブソング アゼル×ティルテュ (988%マシン◆ka5BrNUzcE)未完
>58-59 長篠の戦い ※キジ撃ち続編 (ダミアン◆.lt5gYzbQ.)
>68-72 エリシャ×リュナン (ド素人)未完
>73-76 レベッカ・その愛 ウォルト×スー (ダミアン◆.lt5gYzbQ.)
>83-91 -156 闇夜 ウーゼル×セーラ
>93-98 テティスお姉さんの悩み事 ユアン×アメリア (ダミアン◆.lt5gYzbQ.)
>110-114 119-125 外伝クレア&マチルダ捕獲陵辱SS
>160-163-189 外伝グレイ×クレアSS
>196-199 論語 パント&エルク&ルイーズ (ダミアン◆.lt5gYzbQ.)
>203-213 闇の蒼い花 セイン×ウルスラ
>224 アメリア突き ロス&ユアン&フランツ&デュッセル&ネイミー×アメリア (ダミアン◆.lt5gYzbQ.)
>225-226 >229-232 >234-241 243 外伝アルム×シルク2鬼畜SS
>247-250 >252-261 外伝セーバー×ジェニー契約SS
>266 外伝ジーク×ティータ・バレンタイン(エロ無し)
>273-284 Paradise Lost フィン×アルテナ ※フィン既婚 (壷アルテナの壷贈答用◆z3RbELqBu.)
>292-296 >302-307 王立恥丘防衛軍 クーガー×ターナ ゼト×エイリーク (ダミアン◆.lt5gYzbQ.)
>309-311 >313-315 >348 >350-355 外伝メイ陵辱SS
>319-342 紅の痕 ディーン×ソニア ※触手有り (むた◆rEtdWXJvJ6)
>360-365 個人授業Z ルイーズ×イグレーヌ (ダミアン◆.lt5gYzbQ.)
>383-384 レベッカ&赤ん坊ロイ (ダミアン◆.lt5gYzbQ.)
>403-407 >412-424 外伝アルム×セリカ強姦SS
>434-441 ルイーズ陵辱
>444-455 ヒーニアス×ヴァネッサ (髪解いた所見たいのぅ)
>461-471 ヨシュア×マリカ
>474 ウルスラ陵辱 (ダミアン◆.lt5gYzbQ.)
>485-499 ヘクトル×ファリナ
>521-531 ニルス×ニノ
>558 >564-566 >585-587 ジャファル×ニノ (ダミアン◆.lt5gYzbQ.)未完
Part15まとめ。
>20-32 >37-50 外伝クレーベ×マチルダ解放軍結成SS(外伝)
>66-73 >96-102 ロイ×ファED(外伝)
>154-164 >631-646 ティルテュのラブソング(988%マシン ◆ka5BrNUzcE)
>169-180 外伝マチルダ監禁残酷SS(外伝) 注:猟奇表現有
>182 シャナン×パティ(ダミアン ◆.lt5gYzbQ)
>219-228 外伝クレーベ×マチルダ2救出SS(外伝)
>229-233 >235-236 狼×鴉(ロイド×ウルスラ
>326-328 桃園の誓い ロード三人×ペガサス三姉妹(ダミアン ◆.lt5gYzbQ)
>379-383 車懸(くるまがかり)(ダミアン ◆.lt5gYzbQ)
>394-398 >514-517 >572-576 アイク×レテ(355) *未完
>541-543 ジャファル×ニノ(ダミアン ◆.lt5gYzbQ)→part14の続き
>547-566 運命の…… キルロイ×ワユ (むた ◆rEtdWXJvJ6)
>584 ズッコケ三人組U(ダミアン ◆.lt5gYzbQ)
>660-662 >664-667 暗黒マリア近親強姦殺伐鬼畜グロ(外伝)
>680-686 アイクの奇行 アイク×レテ(680)
>707-730 ハートフル クッキング オスカー×タニス (706 ◆ZKiCFm8B3o)
>744-761 サザ×ステラ (744)
>53-57 >247-275 >280-308 天邪鬼の誘い方 (ホームズ×カトリ)
16章まとめ
>10->26 外伝ミラ様が見てるSS百合(外伝)
>42->46 グレイル傭兵団 (ダミアン ◆.lt5gYzbQ.)
>54->62 外伝デューテ洗脳陵辱SS
>157 烈火ネタ(ダミアン ◆.lt5gYzbQ. )
>179->182 蒼炎ミストレイプネタ (◆ozOtJW9BFA)
>199->200 エトルリア王立魔法性玩具研究所レポート(◆ozOtJW9BFA)
>247->272 退屈なサッカーをしよう♪(988%マシン ◆ka5BrNUzcE)
>282->288 ルゥくんお風呂に入りましょ♪(外伝)
>292->308 死と変容(ダミアン ◆.lt5gYzbQ.)
>318->332 外伝シスターエムブレム(外伝)
>351->370 サザ×ステラ→ ボーレ分補給>378>379(前スレ744)
>386-401 外伝エスト海賊強姦SS(外伝 ◆9QlRx9nooI)
>406-409 >433->443 >453->464 はじめてのK? ネサラ×リアーネ (SLS)
>414-418 最重要依頼 リース×ティアンナ (ダミアン ◆.lt5gYzbQ.)
>496->514 外伝エスト盗賊調教SS前編(外伝 ◆9QlRx9nooI)
>526->529 聖戦親世代エロなし小ネタ(525)
>534 シノンさん(ダミアン ◆.lt5gYzbQ.)
>539 シノン小ネタ
>554-569 マルス×カチュア(554)
>585 神父様×?…
>588->591 >674->687 アレン×ティト(588)
>593-594 地獄のコンビネーション(ダミアン ◆.lt5gYzbQ.)
>598-636 傷跡 ハール×ジル(S・L・S ◆xTfHc.nBiE)
>693-700 外伝エスト盗賊調教SS中篇(外伝 ◆9QlRx9nooI)
>712-727 曇り空 ハール×シグルーン(707)
17章まとめ
>12 曇り空--エピローグ-- ハール×シグルーン 前スレ>712-727の続き(前スレ707)
>28 プラハ×イナ
>39-46 ケセルダ×セライナ(15章229)
>50-68 外伝エスト盗賊調教SS後篇(外伝 ◆9QlRx9nooI)
>71-72 フォルカさん(ダミアン ◆.lt5gYzbQ)
>79-83 >92-97 キルロイの懺悔室(前スレ588=Z-flag ◆4MIOkG8mvM)
>119-129 1日目夜 ロイ×イグレーヌ(119)
>138-139 エイリーク×ゼト(138)
>150-156 >159-161 女体化(?)セネリオ セネリオ受難(ダミアン ◆.lt5gYzbQ)
>167-176 砂漠に咲く花 アストール×イグレーヌ (162)
>206-216 封印ディーク×シャニー(外伝 ◆9QlRx9nooI )
>244-260 封印ディーク×シャニー発動編 >206-216の続き(外伝 ◆9QlRx9nooI )
>265-267 >356-360 プラハ×イナ(265)
>273-279 封印ディーク×シャニー完結編 >244-260の続き(外伝 ◆9QlRx9nooI )注:死姦
>299-308>310>313>316-322 2日目午前 ロイ×セシリア(119)
>331-334>475-477 百合V ワユ&モゥディ&イレース陵辱(ダミアン ◆.lt5gYzbQ)未完
>340-345 続シノンさん ヨファ×マーシャ(S・L・S ◆xTfHc.nBiE)
>364 封印ディーク×シャニー完結編ハッピーエンド >279続き(外伝 ◆9QlRx9nooI )注:死姦
>381-388 2日目昼休み (119)
>411-419 >429-438 封印ディーク×シャニー真完結編 >273-279異伝(外伝 ◆9QlRx9nooI )
>441 ナンナ陵辱(441)
>450-470 2日目午後 ミレディ輪姦(119)
>504 拠点にて エリンシア小ネタ(504)
>508-518 ボーレ×ミスト(507)
>583-597 2日目夕方 キャス×ロイ(119)
>618-619 本当は恐ろしい蒼炎の軌跡 ガトリー×イレース(ダミアン ◆.lt5gYzbQ)注:エロなし
>626 ルセア×セーラ(626)
>634-644 蒼炎:ツイハーク×イレース(625)
>654-656 2日目ごご (119)
>666-678 外伝パオラ&カチュア陵辱SS(外伝 ◆9QlRx9nooI )
>681-682 ヴァイダ姐さんの3分クッキング (ダミアン ◆.lt5gYzbQ)
>686 カアラさんの3分クッキング (ダミアン ◆.lt5gYzbQ)
18章まとめ
>9-12 ルイーズ奥様の3分クッキング(ダミアン ◆.lt5gYzbQ)
>31-36 オスカー×タニス >37 おまけ(30)
>41-43 プリシラの一年クッキング(ダミアン ◆.lt5gYzbQ)
>63-65 レイヴァンの3分クッキング(ダミアン ◆.lt5gYzbQ)
>71-78 続・オスカー×タニス(30)
>87-95 今日も元気に営業中<アベルの武器屋>(外伝 ◆9QlRx9nooI)
>101-102 レベッカちゃんの12時間クッキング(ダミアン ◆.lt5gYzbQ)
>112-124 2日目日没 ロイ×エキドナ (17章119)
>127-131 リン、フロリーナ、セーラの3分クッキング(ダミアン ◆.lt5gYzbQ)
>209-217 >220-224 >226-228 2日目夕食 (17章119)
>248-249 >277-280 ヨファの日記(ダミアン ◆.lt5gYzbQ)
>255-266 外伝パオラ&カチュア強姦未遂事件&百合未遂SS(外伝 ◆9QlRx9nooI)
>270-272 フォルデ×ヴァネッサ(270) 未完
>291-307 >309-310 >315-332 蜃気楼の影 希望の行方 アストール×イグレーヌ >334 おまけ(花泉の亜茶)
>367-369 >371-381 Mighty Blow ミーシャ陵辱(988%マシン ◆ka5BrNUzcE)
>395 エリンシア小ネタ(395)
>402-404 2日目ゆめ (17章119)
>434-442 >444-450 2日目夜 ロイ×ララム ロイ×イグレーヌ(17章119)
>461-467 >469-473 プラハの春(ダミアン ◆.lt5gYzbQ)
>495 馬鹿子世代 聖戦子世代小ネタ(495)
>504-507 2日目夢 一部ロイ×キャス (17章119)
>535-544 君主の資格 エリンシア陵辱(17章625)
>556-565 特別 アーサー×フィー(555)未完
どなたか19章のまとめをお願いします……
19章まとめ。
>12-28 3日目朝 ロイ×キャス(17章119)
>34-40 レテ日記 ハール×ジル(ダミアン ◆.lt5gYzbQ)
>46-53 特別 アーサー×フィー(18章555)
>58-60 某スレの悲劇 ラレンティア(58)
>71-74 封印&烈火オールキャラ(71)未完
>78-86 Open the ??? セリカ(988%マシン ◆ka5BrNUzcE)
>108-121 3日目攻城1 サウル×ドロシー(17章119)
>185-187 ダラハウさん ヨファ×ミスト(ダミアン ◆.lt5gYzbQ)
>216 小ネタ(216)
>235-237 3日目あさ(17章119)
>258-265 >272-279 カイン×セシル(外伝 ◆9QlRx9nooI)
>281-295 外伝ディーン×ジェニー強姦輪姦SS(外伝 ◆9QlRx9nooI)
>302-308 アーサー×ティニー(◆Z9Z6Kjg2yY )
>312-327 3日目攻城1 ロイ×エレン(17章119)
>340-346 アーサー×ティニー(◆Z9Z6Kjg2yY )
>359 BSクリア記念で書いてみました リース×ティアンナ(359)未完
>362-371 ミルラ&ラーチェル×ドズラ(353)
>374-378 マルス×リンダ(374)
>398-402 アレス×レイリア(◆Z9Z6Kjg2yY )
>407-416 外伝ギース×メイ強姦SS(外伝 ◆9QlRx9nooI)
>424-433 クロード×シルヴィア(ダミアン ◆.lt5gYzbQ)
>446-456 3日目攻城3 1/11 ロイ×ウェンディ(17章119)
>462-479 ルーテ×アスレイ ミルラ×サレフ(353)
多分あってると思いますが、間違ってたら訂正お願いします。
>>10 ありがとうございます、これほど速くまとめていただけるとは……
下から2番目は、
>446-456 3日目攻城3 1/11 ロイ×ウェンディ(17章119)
↓
>446-456 3日目攻城3 ロイ×ウェンディ(17章119)
の方がいいでしょうか?ともかく、ありがとうございました。
……あ。コピペでそのままやっちゃったよ……OTL
保守代わりに何か落とせれば良かったんですが。ではでは。
このスレで第二保管庫を作るとかな…
中の人が音沙汰なしではどうしようもないが
>>1乙
19章まとめ(訂正版)
>12-28 3日目朝 ロイ×キャス(17章119)
>34-40 レテ日記 ハール×ジル(ダミアン ◆.lt5gYzbQ)
>46-53 特別 アーサー×フィー(18章555)
>58-60 某スレの悲劇 ラレンティア(58)
>71-74 封印&烈火オールキャラ(71)未完
>78-86 Open the ??? セリカ(988%マシン ◆ka5BrNUzcE)
>108-121 3日目攻城1 サウル×ドロシー(17章119)
>185-187 ダラハウさん ヨファ×ミスト(ダミアン ◆.lt5gYzbQ)
>216 小ネタ(216)
>235-237 3日目あさ(17章119)
>258-265 >272-279 カイン×セシル(外伝 ◆9QlRx9nooI)
>281-295 外伝ディーン×ジェニー強姦輪姦SS(外伝 ◆9QlRx9nooI)
>302-308 アーサー×ティニー(◆Z9Z6Kjg2yY )
>312-327 3日目攻城2 ロイ×エレン(17章119)
>340-346 アーサー×ティニー(◆Z9Z6Kjg2yY )
>359 BSクリア記念で書いてみました リース×ティアンナ(359)未完
>362-371 ミルラ&ラーチェル×ドズラ(353)
>374-378 マルス×リンダ(374)
>398-402 アレス×レイリア(◆Z9Z6Kjg2yY )
>407-416 外伝ギース×メイ強姦SS(外伝 ◆9QlRx9nooI)
>424-433 クロード×シルヴィア(ダミアン ◆.lt5gYzbQ)
>446-456 3日目攻城3 ロイ×ウェンディ(17章119)
>462-479 ルーテ×アスレイ ミルラ×サレフ(353)
封印&烈火オールキャラ はコピペ改造ネタ。未完ではないとオモ。
保管庫やる気ナス
まじで倉庫の管理人さんどうしたんだろう?
更新できないのは仕方ないにしても、せめて近況を報告するなりしてほしい
管理できないなら出来ないって言って欲しいな
スレッドリンクも管理人同じだっけ?あっちも更新されてないけど
保管、新しいのにするならWikiがいいな
あれだと、うっかりミスを後で修正出来るし……
でも、悪意のある人が改ざんする可能性もあるし、手放しに
良いとはいえないんだけど……。
>>20 自分が愛用しているとあるWikiは広告連投荒らしに
あってコンテンツがいくつか失われたことがある。
その後有志の手である程度は復元できたけど、完全
には修復できてないからWikiはやめといたほうがいい。
取り敢えず、過去ログをそのまんま揚げとくだけでも違うと思う。
とりあえず保守っとく
ま、管理人は更新停滞の罪によって懲役1ヶ月
もちろん、労働は保管庫の更新
管理人には最低でも何らかの発言をしてほしい。
このままではいつまでたっても状況が進まない。
封印エリウッドおじさま×リリーナを投下します
リキア東部の領主フェレ周辺を治めるフェレ候エリウッドの嫡男ロイは、
次期領主となるために、リキア一の大都市オスティアへと留学していた。
しかし、病中の父エリウッドに突然の帰国を命じられる。
それは、エリウッドの親友オスティア候ヘクトルの名代として、
ヘクトルの愛娘リリーナが、フェレへと見舞いに向かった後であった。
そのすぐ後を追うかたちで、ロイは自分に従うフェレの忠臣たちと、
リリーナ帰路の護衛にと付けられたオスティア重騎士ボールスを従え、
海路、故郷のフェレを目指した。
そして物語は、ロイたちがフェレ領のすぐそばまで戻ったところから始まる……。
「お久しぶりです、エリウッドおじさま。お機嫌はいかがですか?」
「やあ、ようこそリリーナ」
静養中の寝室に、笑顔で入室すすリリーナを、エリウッドは精一杯の笑顔で出迎えた。ベッドの上で。
元より体の弱いエリウッド。ここ最近は病気ですっかり弱り、頬もすっかり痩せ落ちてしまっていた。
「すまないね。せっかく見舞いに来てくれたのに、こんな体で」
「いいえ。いいえ、おじさま」
さっとベッドに駆け寄り、リリーナはエリウッドの手を取る。痩せて、骨と皮だけになった手。
「わたしもお父様も、エリウッドおじさまのご回復を、心よりお祈りしています。
ですから、余計な気遣いはせず、お体を大事になさってください」
「ああ。ありがとう、リリーナ」
潤んだ瞳で見詰めるリリーナに、そっと目配せすると、エリウッドは握った手に両手を重ねる。安心させるように。
「それで。ヘクトルは元気かい」
「はい、とっても元気です。お父様ですから」
エリウッドとは逆に、筋肉隆々としたリリーナの父ヘクトル。
エリウッドとヘクトルは若い時、共に戦った戦友。それぞれ息子と娘が生まれたからも、家族ぐるみでお付き合いしていた。
「あ、あの。これ、つまらない物ですが」
おずおずと懐から何やら草を取り出すリリーナ。
「オスティアで取れた食べられる草です。よく火に通してお召し上がりください」
どうしましょう。本当につまらない物が出てきました。
「ああ。ありがとうリリーナ」
何事も無かったように、エリウッドは自然な笑顔で草を受け取る。
「ありがたく、頂くよ」
そして側近くの侍女に命じて、草を持たせ、
「すまないがリリーナと二人きりにしてくれないか」
草を受け取った侍女は、ペコリと頭を下げて、草を持って恭しく退室しました。
緑の髪の三つ編みの女性。エリウッドに若い時から仕え、ロイの乳母も務めたレベッカさん。
その良質な乳房は、今でもエリウッドの慰みになっています。
バタン
そしてレベッカが下がり、寝室に二人きりになると。
「エリウッドおじさま!」
待ち遠しいとばかり、リリーナがエリウッドに抱きついた。
そんなリリーナをエリウッドは優しく受け止めた。
それはリリーナがまだ子供の時の事。
ロイを連れてオスティアを訪れたエリウッドに、リリーナは瞳をキラキラさせながら言った。
「ねえねえ。エリウッドおじしゃまー」
「なんだいリリーナちゃん」
「あのね。子馬が生まれたの。いっしょに見に行ってください」
「ははは。ロイと一緒に行っておいで」
「やー。おじさまがいいのー」
リリーナは小さな手で、エリウッドをぐいぐいと引っ張る。
「仕方ないな。一緒に行こう」
「わーい」
小さなリリーナに引っ張られるようにエリウッドは馬小屋に。そんな仲良しの二人を、ヘクトルが疑惑の眼差しで見ていた。
「ほら。お馬さんの赤ちゃん」
リリーナが指差した先。生まれたばかりの仔馬が、母馬の側でぐったりと寝ている。
「ああ。かわいいね」
腰を屈め、リリーナと同じ目線で見やるエリウッド。と、リリーナが耳元で囁く。
「ねえ。おじさま。赤ちゃんはどこからくるの?」
唐突だが、当然の質問。エリウッドは苦笑しながら、正直に告げる。
「赤ちゃんはね。男のちんこを女のまんこに入れて、精子を出したら出来るんだよ」
「せーし?」
難しい言葉にリリーナはキョトンと首を傾げる。
「ははは。リリーナちゃんには難しかったかな」
よしよしと頭を撫でるエリウッド。リリーナはえへへと笑い、
「じゃあね。じゃあね。リリーナ、おじさまの赤ちゃん産むー」
「ははは」
子供らしい無邪気な発想に、エリウッドも無邪気に笑った。
「今はダメだよ。もっと大きくなって、結婚して夫婦にならないと」
「それじゃあ、リリーナがおじさまのおよめさんになるー」
「お嫁さん? ロイじゃなくて」
「ううん。ロイじゃなくて、おじさまがいい」
「そうか。リリーナちゃんは大きくなったら、おじさんのお嫁さんになってくれるのか」
頭をなでなでしつつ、エリウッドは遠い目をする。妻に先立たれ、一人寂しい身。
可愛いリリーナが大きくなったら、さぞや美人になるだろう。
「ようし。それじゃ、リリーナあ大きくなるまで待ってるから。早く大きくなるんだよ」
「うん! リリーナ早く大きくなるね」
手を握って、キラキラ輝く純真な瞳でおじさまを見上げるリリーナ。
この日から、二人の隠れた交際が始まった。
エリウッドがロイを連れてオスティアを訪れた時、逆にヘクトルがリリーナを連れてフェレを訪れた時。
エリウッドとリリーナは人目を忍んで、情愛を深めていった。
「エリウッドおじさま。リリーナ大きくなりました?」
「ああ。大きくなったね」
傍から見ると、他愛無い親子のような会話だが。
リリーナは日に日にエリウッドへの無垢な愛を育み、エリウッドもそれを拒もうとはしなかった。
そして今日。
父の名代でお見舞いに来たリリーナは、決心していた。全てを捧げる覚悟を。
「エリウッド……おじさま」
ベッドの上。エリウッドの胸に飛び込み、病気で痩せ細った貧弱な胸板にすがりつき、リリーナは熱い眼差しを向ける。
輝く艶かしい桃色の唇を差し出し、そっと目を閉じる。
エリウッドはごく自然に、その唇に己のそれを重ねた。
(あっ……)
口に生暖かい感触。リリーナの頬が朱に染まる。
もう何度目のキスだろう。初めてはいつだったか、もう覚えていない。
いつしか、当然のようにキスするようになっていた。
いつもはここまで。キス以上には進展しない。まだリリーナが子供だから。
でも今日は。
「おじさま」
口を離し、リリーナはじっと熱い眼差しでエリウッドを見上げる。
ロイと同じ赤い髪。痩せこけた顔。貧弱な体。
父ヘクトルとは何もかもが正反対。
「リリーナ」
エリウッドも涼やかな視線でリリーナを見下ろす。
長い黒髪の聡明で優しい少女。
親友の娘かと思うと、ヘクトルに申し訳ないと思う。
「おじさま……?」
腕に抱かれ、ふと不安を覚えるリリーナ。エリウッドは安心させるように頭を抱え、髪を手で梳く。
薄い胸に耳を当てると、弱々しい心臓の音が聞こえる。
ドクン……ドク、ン
今にも止まりそうな不安定で小さな心臓の鼓動。
聞いているだけで悲しい気持ちが胸の奥から湧き上がる。
母親が亡くなった時の切なさと悲しさがふと思い出された。
「おじさま」
覚悟。もう決めたはずなのに。
いざとなると躊躇してしまう自分がもどかしい。
「わたし…」
それ以上は言葉が続かない。だから行動で示した。気持ちを。
ベッドの上でやおら立ち上がり、スカートをたくし上げる。
はしたない、と自分でも思う。
「リリーナ……」
スカートの中に目を奪われ、ついでに心も奪われる。
リリーナはパンツを穿いていなかった。
薄い陰毛に覆われ割れ目がはっきりと見え。
輝くようなたて筋だった。
「おじさま……」
もう恥ずかしさに我慢できないように。リリーナは倒れ込み、再びエリウッドの腕の中へ。
腕の中で安らかにハァと息を吐くリリーナの瞳は、潤んで艶を帯びていた。
「わたし、もう子供じゃありません」
「いい、のか?」
「………」
無言でこっくり頷くリリーナ。
「分かった」
言うと、エリウッドはベッドに優しくリリーナを横たえ、その衣服に手をかける。
「あ」
ぎゅっと目をつぶるリリーナ。
一枚、また一枚と衣服が脱がされ、ひんやりした空気が肌に直接触れる。
その冷たさがリリーナの羞恥心を刺激して、白い肌を染めた。
そしてリリーナのスカートまで脱がされ、あとは黒い長靴下だけになり。
エリウッドはリリーナから離れ、何やらごそごそと衣擦れの音がする。
「リリーナ。目を開けてごらん」
言われるまま、目を開けるリリーナ。
そこに裸のエリウッドがいた。
痩せて骨と皮ばかりになった中年の男性。
その浮き上がった肋骨に、リリーナはうっとりと目を潤す。
「ああ。おじさま、素敵ですわ」
「リリーナも」
一方のエリウッドも、リリーナの鮮やかな肢体に心奪われた。
少女から女へと変化する丁度中間の少女の、幼さと成長を感じさせるほど良い肉付き。
上を向いた乳房は華奢で。これからを期待させる膨らみ。まさに蕾のよう。
「これがおじさまの……」
リリーナの視線が肋骨から下半身に移る。
「小さくて、素敵ですわ」
病気で長いこと使用してなかったエリウッドの男の印。そこもすっかり病んで小さく萎んでいた。
父ヘクトルの強大なペニスとは大違いで。リリーナの目にはは可愛いとさえ映る。
「寒いかい?」
呟き、エリウッドは少女の裸体に覆い被さる。息子と同じ年齢の少女に。
「きゃっ」
エリウッドの痩せた体に覆い被され、リリーナは身を固くした。だがそれも一瞬。
固く細い華奢な身体に包まれ、フッと安らぎを覚え、その背中に手を回す。
エリウッドもリリーナの背中に手を回し、キスして固まった。
ベッドの上で、痩せた男と美しい少女が裸で重なり、口を合わせ、動きを止めた。
互いの血潮、鼓動がはっきりと感じられる。
エリウッドの今にも死にそうな弱々しい鼓動。
リリーナの若々しい弾けるような鼓動。
重ねた口を下にずらし、エリウッドは首を舐める。
少女の白く清らかな首筋に、中年男性の舌が這い回る。
「あ、ああ……おじさま…」
舌で味わいちゅっと強く吸う。
「ああん」
首に赤い印を刻み込む。刻印のように。
そのままエリウッドはリリーナの胸まで顔を下ろす。
背中に回していた手で、そっと覆うと、小さな胸はプルンと揺れて、手の平に隠れた。
「……あんぅ」
ピク、と脈動するリリーナの胸。
胸を覆いながら、先端のピンクの尖りを手に平に感じて、撫で回す。
こね回され、小さな乳首のコリコリした感触がはっきりと伝わった。
「は、はあぁ…」
きゅっと眉を寄せ、切ない吐息を吐くリリーナ。無意識の内に太股が擦り合わされる。
「お、おじさま……」
「ああ。もっとだね」
ぎゅ、と力を込めて、柔らかな乳房を握りしめるち、リリーナの身体がビクンと震えた。
「んぅ!」
そうして強い刺激に震える少女に、さらに官能を高め、エリウッドのペニスがピクッと上を向いた。
だがまだ本調子には程遠い。
エリウッドは胸に顔を寄せると、チュッとピンクの乳首を口に含んで甘くすい立て、
「えっ? やぁん」
さらに手を股間にぴったりとあてがう。
エリウッドの生暖かい手に包まれ、それだけでリリーナの下半身はジュッと熱く潤んだ。
「あ……ああぁ」
吸われる度に胸に甘い衝撃が突き抜け、乳首はツンと口の中で立つ。そのプリプリした甘い乳首を、エリウッドは口いっぱいに頬張った。
「うう……ううぅん」
悩ましげな声を漏らす。もうはっきりと喘ぎ声だった。
そうして胸を責めつつ、股間に置いた手で、じっと割れ目を強く押す。
「はう!」
リリーナの黒い靴下に覆われた脚が、ビクッと上下し、緊張で力が篭もる。
エリウッドは手を離し、その代わり指を一本、割れ目に添って擦り付けた。
「ああっ!?」
リリーナの腰がむくっと浮かび上がる。緊張で。
エリウッドは胸から口を離すと、リリーナの下半身を観察しながら、指の腹でたて筋を擦り上げた。早く強く。
「ああっ! ふうぅん!」
指が割れ目を行き交いする度、リリーナの腰が浮かび上がり、そして落ちる。
リリーナの手がシーツを固く握り上げ、紅潮した顔を仰け反らせる。
「…あ、ああ……んぅ」
目に涙を浮かべ、リリーナは官能に身を任せつつあった。押し寄せる快感と反対に、恥じらいが薄らいでいく。
「お、おじさま……おじさまぁ!」
「可愛いよ。リリーナ」
すっ、とエリウッドは股間から指を離す。その指は、しっかりと濡れていた。女の液で。
その指に付いた液体を、エリウッドはぺろっと舐める。リリーナの目の前で。
「やあぁ」
もう羞恥心は無いつもりだったのに。何故か恥ずかしくなり、リリーナは泣きそうになる。
しょっぱい。
指に付いた愛液は苦かった。
目に溢れた涙を舌で吸い取ると、これまた酸っぱい。
「やん…」
そしていきなり股間に顔を突っ伏して、少女の可憐な秘所を直接舌にした。
「やー!」
股間に被さるエリウッドに、リリーナは背中を仰け反らせてしまう。
だがエリウッドは構わずに舌を伸ばして、少女の割れ目を味わった。
「ごほっ、ごほっ」
これから、という時にいきなり咳き込むおじさま。
「お、おじさま! 大丈夫ですか!?」
「ああ、大丈夫」
と言った口からは、血が流れていた。
そして胸の痛みを性欲で抑えこみ、リリーナの割れ目にしゃぶりつく。
「はうっ!?」
下半身からの衝撃と刺激に、少女の華奢な身体がベッドに舞う。
エリウッドの舌がねとりと、粘膜を分け入り、膣の入り口を舐め上げ、秘唇の上にある小さな豆まで責め立てる。
「はう! はう! はうっ!」
リリーナの腰がかくんと上がっては下がり、ゆらゆらと回転する。
(ああ。おじさまの舌があそこの中を)
ねっちょりと秘所を舐めまわす生の感触。頭が芯からボーと痺れてしまう。
「ああっ! おじさま! おじさまー!」
切ない声でエリウッドを求めるリリーナ。
父の親友に抱かれ、リリーナは絶頂へと昇りつけ、ゆさゆさ腰を揺さ振り続ける。
「おじさまあああああぁぁぁぁーっ!」
ピン、とリリーナの腰が限界まで上がり張り詰め、割れ目から勢い良く液がこぼれた。
その液をエリウッドは余す事無く飲み干す。
「はぁ、はぁ」
天まで昇るような快感に、呆けてベッドに沈み込むリリーナ。
そこに股間から顔を上げたエリウッドが接吻する。
口を合わせるだけでなく、舌を捻じ込む深いキス。
リリーナの愛液とエリウッドの血、そして二人の唾液が口の中で混ざり合う。くちゅくちゅ。
「ぷはー」
長いような短いようなキス。リリーナはまだボーとした頭で呆然としていた。
そのリリーナの脚を無造作に広げ、エリウッドが腰を進ませる。
「いくよ」
「え?」
それは一瞬の事だった。
エリウッドのモノがリリーナの処女を引き裂いて、侵入し、すぐさまプルッと何かを放つ。
チクン、とした鈍い痛み。そしてお腹にわずかに広がる温もり。
エリウッドはすぐさま挿入したモノを引き抜く。
「え? え?]
あまりの早業に、リリーナは何が何やら。
ただお腹の中に何かが入り、何かを出したのは分かった。
リリーナの股間からは、わずかな血と薄い白っぽい液が流れていた。
「あ、あの。おじさま?」
リリーナが訊こうとすると、
「ごほっ。ごほっ」
エリウッドはまたも咳き込んで血反吐を吐く。
どうやら、一瞬の性交でもかなりの負担だったようだ。
「お、おじさま! しっかりしてくださいおじさま!」
慌てて背中をさすってやるリリーナ。エリウッドは少し落ち着いたようで、
「ああ、すまない。もう大丈夫」
「そうですか。それは何より」
とりあえずホッと一安心。
「エリウッド様! 大変ですぞエリウッド様!」
と、そこにドアをガンガンと叩きつけ、家臣が呼ぶ声がする。
二人は顔を見合わせ−
すぐに大慌てで服を着る。
一瞬で身支度を済ませ、エリウッドが淡々と告げた。
「何用か」
「はっ。失礼します」
入ってきたのは、家臣の一人マリナスだった。
「エリウッド様、大変です!
ボルム山の「賊」どもがすぐそこまで……」
「そうか……
くっ。私がこのような体でなかったら好きにさせぬものを。ゴホッ。ゴホッ」
「おじさま……」
「リリーナ。お前はかくれていなさい。もうすぐ、ここは戦場になる」
「いえ、わたしも……。わたしも戦います!」「ばかをいってはいけない。
お前にもしものことがあったら、私はヘクトルに顔向けが出来ん」
「お父様に? で、ですが……」
「大丈夫だ。ロイも近くまで戻ってきているはず。
それまで持ちこたえれば、なんとかなるだろう。
マリナス! ロイたちの元に使者をやり、急を知らせろ!」
「は、は、はいっ」
ロイに使者を送り、エリウッドは懐かしのリガルブレイドを手に、賊を防ぐ為に城門へと向かう。
「おじさま。お気をつけて」
戦いに赴くエリウッドを、リリーナは祈りながら見送った。
それが、後にベルン動乱と呼ばれる大戦の中心的存在となる、ロイの始めての戦いだった。
そしてベルン動乱終了後。
ロイに、エリウッドは新しい母親を紹介する。
「紹介しようロイ、今日からお前の母親になるリリーナだ」
「よろしくねロイ。今日からわたしがママよ」
(おしまい)
小さくて素敵wwしかも早漏wwwww
萌えました。GJ!
GJ!まさかこう来るとは……でもおじさまという響きから何からwww
何かちょっと某野球選手を思い出してしまtt(ry
36 :
名無しさん@ピンキー:2005/11/24(木) 10:44:40 ID:25IiTUAs
グッジョブ!!
オジサマ、イイ!!
俺のプリンセスに何をしているエギウッド―――――ッ!!!!
っていうかGJ!
リリーナ物が欲しかった今日この頃。
外伝ギース×セリカ強姦SSを投下します。
セリカ強姦注意。黄色い電気ネズミ惨殺注意。
・外伝第三章セリカ軍編ギースの砦
ノーヴァ島からソフィア王国のミラ神殿を目指して旅立ったセリカ。
最初は修道院の仲間だけだった人員も、いつの間にか軍と呼ばれる程増えて。
今はミラ神殿に行くのを遠回りにして、砂漠の盗賊王国と交戦中。
剣士ディーンを退け、遂に盗賊の本拠地の砦まで目前に迫る。
だがその前に、女魔道士のメイが敵に浚われてしまう。
「お願いメイ。無事でいて」
勝気なメイが酷い目に遭っていないか、セリカはただ祈り、軍を進める。
その頃のメイ。挿入→膣内射精→放心の繰り返し。
一方、アカネイア大陸から妹エストを助けに来た、天馬騎士のパオラとカチュアも気が気でなかった。
「エスト。無事でいて」
「エストが無事でいますように」
あの明るく朗らかなエストが酷い目に遭っていないか、ただただ心配で。
その頃のエスト。挿入→膣内射精→妊娠→堕胎の繰り返し。
そして砦に待ち受ける盗賊王ギースも、セリカの到来を愉しみに待っていた。
そして、砂漠の東の地平に日が昇る早朝。
「全員、攻撃開始!」
セリカの号令の下、全員が盗賊の砦に突撃。セリカとしては、日が昇り気温が上がる前に、決着を付けるつもりだ。
「お願いみんな。死なないで」
沈痛な想いでセリカは祈る。誰にも死んでほしくないから。
さすがに最後の拠点だけあって、盗賊の抵抗は激しかった。
今までの敵とは、質も量も違う。
しかし実戦慣れしたセリカ軍も一歩も引かなかった。
傭兵のセーバー、ジェシー、カムイが前線を支え、後方から魔道士のボーイや弓兵のレオが援護する。
シスターのジェニーが傷付いた仲間を癒す。
アーマーナイトのバルボが敵の攻撃を防ぎ、村人アトラスが力任せに敵を粉砕する。
アトラスにとっては、浚われた弟達を助ける為の戦いでもあった。
そして圧倒的だったのが、空から攻めるパオラとカチュア。
バレンシアの生半可な天馬騎士とは比べ物にならないほど、洗練され鍛えられた二人の姉妹は、
的確に敵を追い詰めていった。
戦局は徐々にだがセリカ軍優勢に進んでいく。
「よし」
自軍の優勢を確信したセリカは、ただ一人砦の内部へと向かう。
敵将のギースを討ち、早々に戦闘を終わらせる為。
「ここから中に入れるわ」
セリカはたった一人で、砦の内部へと入って行ってしまう。
熱い外とは違い、ひんやりと冷たい砦の内部。
突き進むセリカの前に、行く手を阻むように盗賊が立ち塞がる。
「へへ。いい女じゃねえか」
「どきなさい!」
ひらっと華麗に舞い上がるセリカ。
神官特有の、飛び上がっての斬り下ろし攻撃。
宙に舞うセリカに目を奪われる内に、盗賊は袈裟斬りにされてしまう。
確かな手応えに、セリカは振り返る事なく進む。
セリカが通った後は、男達の死体がごろごろと転がっていくようになった。
そして、辿り着いたのは、やたら大きな扉。
「ここね」
ここにギースが居ると確信して、セリカは用心して扉を開けた。
ギイ、と扉が開くと同時、セリカは鼻を突く臭いに眉を寄せる。
「なに、この臭い?」
むっと目に見えるような、生っぽい臭気。
その臭いの元に気付き、セリカは目を見張った。
部屋の中央にある大きなベッド。そこに一人の少女が、白い液体に塗れ、倒れるように寝ていた。
犯され、精液まみれにされたメイの姿がそこにあった。
「いやあああああああっ!」
変わり果てたメイの姿に、セリカはただ悲鳴を上げる。
あの明るく輝いていた瞳は虚ろに濁り、視線は宙を彷徨い。投げ出された未成熟な裸体には、
これでもかとばかり白濁液が零れていた。
広げられた股間からは、大きく開いた穴から、血と精液が絶え間なく溢れ。
ぽかんと開いて横を向いた口からも、精液が漏れ出していた。
彼女の自慢のピンク髪のツインテールも白濁液に染められ、先端からポトポトと精液が零れ落ちる。
一晩中、嬲り者にされ、メチャクチャにされ壊れたメイの哀れな姿。
「メイ……メイ! ああ、そんな…」
呆然となりながらも、ふらふらと歩み寄るセリカ。
と、その前にベッドの陰から男が立ち塞がる。
体格の良い風格に、全身からみなぎるギラギラした野心。
手に剣を持ち、嫌らしくこちらを嘗め回す。
「あなたは…」
言いいながらセリカは直感した。
「あなたがギースね」
「ああ、そうだ」
あっさりと認め、ギースも言い返す。
「お前がセリカだな」
「そうよ」
負けじと睨み返すセリカ。
「ほう」
ギースは目を細めて、予想以上のセリカの美しさに感嘆していた。
ほっそりとしてそれでいて しっかりと肉付きのいい神官戦士の肢体。
ふわっとした赤い髪を長く伸ばし、その赤い瞳は炎のように強く輝き。
ミラの生まれ変わりとさえ言われた、美しい神官の乙女。決して穢してはならない神聖な存在。
だからこそ−汚してやりたい。
「どうして」
「ん?」
「どうして、こんな酷い事を」
目の前で不適に笑う盗賊王に、セリカは真っ直ぐな怒りをぶつけた。
「女の人を無理矢理辱めて。多くの人を奴隷にして。たくさんの人や村を襲って。
どうして、そんな酷い事が出来るんですか」
「ふん」
真っ直ぐで純真なセリカの赤い瞳。その瞳を、眩しく見詰め返し、ギースは言う。
「決まってるだろ。楽しいからさ」
「なん、ですって」
「特に、イイ女を無理矢理犯すのは最高だぜ」
歯を剥き出しにして、豪快に笑うギース。セリカも嫌悪感を隠さずに顔をしかめる。
「あなたという人は……愛の無い交わりが、そんなに幸せなのですか」
「ああ。幸せだね」
臆面も無くギースは言い放つ。
愛の無い交尾にも悦びを見い出す歪んだ人間の居る事に、セリカはただ唖然とさせられた。
−この男は、女をモノとしか思っていない。
もはや問答は無用とばかり、セリカは手にした聖なる剣をギースに向ける。
海の祠でドラゴンゾンビを倒して手に入れた、聖なる力を秘めた剣。
さらに神官のセリカには、剣だけでなく魔法の力もある。
剣、攻撃魔法、回復魔法。あらゆる戦局に対応できるのが、神官戦士の強み。
「ギース。あなたを斬ります」
淡々と宣言するセリカ。その赤い瞳は静かに怒りに燃えている。
「やれるもんならな」
こちらも剣を構えるギース。彼のクラスは魔戦士。速さと技に優れ、魔法への耐性も高い。
キッと二人の視線がぶつかる。
ギースの欲望に満ちたギラギラした瞳。
セリカの純粋な怒りを宿した赤い瞳。
先に動いたのはセリカ。
華麗に飛び上がり、神官特有の飛び降り斬り。赤い長髪も華麗に舞う。
「ほう」
上空から飛び込んでくるセリカに、ギースはつい見取れる。だが回避は怠らなかった。
剣の触れる寸前で身を捻って紙一重で避ける。
寸前で避けたのは、余裕の現われか。
「炎よ」
地に着いたセリカは、すかさず<ファイアー>を放つ。
手から放たれた魔法の炎が、ギースの体を討つ。
だがギースは平然と突っ込んできた。大したダメージは受けていないようだ。
鋭い踏み込みと斬撃。
間一髪で後方に飛んで、セリカはかろうじて避けた。いや、逃げただけ。セリカには、ギースの剣は見えなかった。
宙にセリカの赤い髪が数本舞う。斬られた髪もまた鮮やかだった。
「くうぅ」
わずか一瞬の攻防で、セリカは実力差を思い知らされて、歯を噛み締める。
ギースは強い、力も技も。
勝てないかもしれない。
でも。
これは負けてはならない戦い。
人の尊厳と誇りに掛けて。決して、勝たなくてはいけない。
そうでなければ、ここまでの道程が、人生が、信念が無になってしまう。
ちら、と横目でベッドで寝たままのメイを見やる。
犯され、無残にも穢されたメイ。
負けたら、自分もああなるのか。
いや。
ギースに、盗賊達に辱められた全ての女性の為にも、負けられない。
だから、勝つ!
「やあっ!」
再びセリカの身が宙に舞う。
先程よりも、速く高く鋭く。
今までで最高の斬り込み。
地で待ち受けるギースは、腰を落として、しっかりと剣を握り締める。
そしてセリカの上方からの剣に合わせて、ザクっと一回転。その勢いのまま、剣を打ち合わせた。
上からセリカ。下からギース。
「ぐ、うう」
瞬間、セリカの手に強い衝撃が伝わる。危うく剣を落としそうになるのを、グッと堪える。
だがそこにギースはさらに一歩踏み込んできた。
「きゃあっ!」
聖なる剣ごと吹き飛ばされるセリカ。ガツン、背中に固いものがぶつかる。
壁まで飛ばされたらしい。そしてズルズルと倒れ込む。
「ううぅ」
口端から血を流し、それでもセリカは立ち上がろうとする。
それよりもギースが早かった。
一呼吸でセリカに寄り、手にした剣を弾き飛ばす。セリカはもう剣を握る握力もなく、聖なる剣がカラカラと床を転がっていった。
「あ、ああ」
目に前に剣を突き付けられ、セリカは失望した。自分自身に。
決して、負けてはいけない戦い。その戦いに、自分は負けてしまった。
「ごめんね。みんな」
ギースが剣を振り上げたのを見て、セリカは最後のセリフを呟く。
ザン、と振り下ろされる輝く刃。
覚悟を決めたセリカだが、痛みは無かった。
ギースの剣は、正確に鎧の止め紐だけを切り落とす。
「え?」
がしゃん、と落ちる鎧。続いて、ギースはすかさず、セリカ身に纏う衣服のみを縦に切り裂く。
「きゃあっ!」
鎧を落とされ、衣服を切られ。露になった白い肌を両手で隠し、セリカは悟った。
ギースのギラギラ輝く野獣の瞳。この獣が何をするか。
「へへ。お前みたいなイイ女、そう間単に殺すかよ」
ベロッと、分厚い唇を舌なめずり。
「たっぷり、可愛がってやるぜ」
壁に追い込まれ、切られた衣服を抑えて座り込むセリカ。
今や彼女は勇ましい神官戦士ではなく、ケダモノに追い込まれた無垢で無力な少女。
「あ、あなたなんかの思い通りに!」
パシン!
叫ぶセリカの頬を、剣の平で打つ。
「ううぅ!?」
強い衝撃に、頭が真っ白になる。
そして横向きに倒れるセリカのお腹に、無常に蹴り。
「がはっ!」
お腹に重く大きい男の蹴りが叩き込まれ、セリカは身をくの字にして瞳を見開く。
さらに、お腹に蹴り蹴り蹴り。
「はああっううっ!!!」
内臓まで響くような衝撃に、セリカは床を転げ回って、痛みを訴える。
だがギースは美しいセリカが痛がる様を愉しむように、蹴りを叩き込んだ。
「きゃあっ!」
まるで球のように、いい様に蹴られるセリカ。お腹は赤く張り上がり、痛みで頭が朦朧となる。
「がはっ……ああっ」
ぱくぱくと開閉する口からヨダレと血がこぼれ、セリカは床にうつ伏せに倒れ込み、ヒクヒクと痙攣する。
それでも、セリカは泣かなかった。瞳から、まだ闘志は消えていない。
「ふむ」
セリカの髪を掴み上げ、ギースはじっとその目に見入る。魅入られる。
「イイ目だ」
そして、剣を握った手で、ガッと頬を強く殴る。
「があっ!」
固い物を握ったままの拳は威力増大。セリカは強かに飛ばされ、壁に顔を打ち付け、口からゴボッと血を流す。
「おおっと。まだだぜ」
倒れ込むセリカの髪を掴んだまま持ち上げ、ジッと見入るギース。
その赤い瞳は痛みで朦朧としているが、その奥にはまだ燃える闘志が在った。
「ようしよし。まだくたばるんじゃねえぞ」
諦めない不屈の闘志。だがそれが返ってギースの嗜虐心をそそる。
徹底的にいたぶって、心の底から打ちのめす。
そして女に屈辱を与えるには、もっとも手っ取り早い方法がある。
剣を持ったままセリカを抱え、ギースはベッドへ投げるように放り込む。
「きゃっ」
痛む体でベッドに倒れ込むセリカ。痛めつけられた体は痺れ、満足に動く事すら出来なかった。
「メイ……」
横を見れば、虚ろな瞳のメイと目が合う。
大きなベッドなので、三人が一緒に寝ても大丈夫。
「ごめんね。メイ」
助けられなくて。メイの空虚な瞳に、セリカは自分を責める。
そして、ギースはベッドの側に剣を置くと、やおらズボンとパンツを脱いで下半身を露出する。
「きゃっ」
ギースのそこは、すでにギンギンに脹らんでいた。醜悪な黒い肉棒が、ビンビンに天を向いてそそり立つ。
セリカを痛めつけてる間に、興奮したらしい。
「あ、ああ……」
さすがに何をされるか悟り、セリカは目の前が真っ暗になる。
負けてはならない戦いに敗北し。
憎んでいた盗賊に貞操を奪われる。
(ああ。アルム)
無意識のうちに、脳裏に幼馴染の少年が浮かぶ。
同じラムの村で育った幼馴染の男の子。ソフィア城で再会した時、彼は解放軍のリーダー、救国の英雄と呼ばれていた。
(ごめんね。アルム)
今度はアルムにも謝る。
アルムとの協力を断り、セリカは独自の道を歩んだ。それがアルムの為にもなると信じて。
だが結果は惨めな敗北。
道半ばにして、盗賊に敗れ、今まさに辱めを受けようとしている。
「どうした。すっかり大人しくなって」
セリカの上に覆い被さり、ギースは引き裂いた衣服を、さらに破いていく。
肌着まで奪い取られ、セリカの白い乳房がプルンと揺れた。
「いやっ」
咄嗟に隠そうとするが、両手は痺れて動かない。もう腕すら動かなかった。
「あ、あああ……」
動かない体に蒼くなるセリカ。形良く膨らんだ乳房は上を向き、白く輝いていた。
「良い胸だ。こっちは、と」
さらにギースは下半身を覆うスカートまで引き裂き、
「お前はパンツ穿いてるんだな」
白い清潔なパンツを、情感無く無造作に剥ぎ取る。
「い、いやーっ! アルム! アルム助けてー!」
遂に悲鳴を上げて泣き叫ぶセリカに、ギースは満足して顔を歪める。
「そうそう。イイ声で鳴いてくれよ」
そうして覗き込んだセリカの女陰は、ひっそりと陰毛が生えていた。髪と同じ赤い陰毛。
その奥の奇麗なたて筋の割れ目に、ギースはすっかり目を奪われる。
挿れたい。
オスの本能が、男の身体を突き動かしていた。
「いやっ! やー! アルム! アルムーっ!」
ベッドの上でギースに覆い被され、衣服を破かれ。
大事な部分を晒され、セリカは喉の奥から叫ぶ。大切な人に。
だがアルムはここには居ない。彼は今、解放軍を率い、水門の前で門が開くのをじっと待っている。
その頃のアルム。
「シルク。お茶入れて」
「はい。今日は良いお茶が入りました」
シスターのシルクと、呑気にお茶してました。
体の上から感じる男の圧迫感。顔に掛かる荒い息。その全てが嫌悪感を抱かせ、鳥肌が立つ。
「や、やめっ! やめなさい!」
尖るようなセリカの叱責の声。しかしギースもう聞いていなかった。
ひっそりと可憐に咲くセリカの花弁に、目も心も奪われる。
挿れたい。今すぐぶち込んで、たっぷり射精したい。膣の感触を味わいたい。
欲情で頭が真っ赤になる。
本来ならじっくりいたぶってから犯すつもりだったが。
性欲が芽生えたばかりの少年のように、今のギースは余裕が無かった。
欲情に突き動かされるまま、セリカの両脚を思いっきり広げる。
「いやー!」
大事な部分を晒され、遂にセリカの目の端に涙が浮かぶ。
犯される。穢される。憎い盗賊に。悪に。
「くうぅ」
身体を奪われる事よりも、セリカは悪に屈するのが悔しかった。
今まで正義のために戦って、最後は悪に犯される。そんな惨めな末路のために戦ってきたのではない。
犯されるために、今まで懸命に生きてきたわけではない。
だが、発情したオスの醜悪な凶器はもうそこまで迫っていた。
「い、いや…いやー! アルム! アルムー!!」
泣けど叫べど助けは来ず。
セリカの乾いたままの肉の割れ目に、凶悪な肉の槍が突き刺さる。
「ひいぃ!」
愛撫も何も無しの、いきなりの挿入。
乾いたままの秘所は、メリメリと音を立てるように、裂け、そして貫かれる。
「いやあああーーーーーーー!」
大きなベッドの上でセリカの美しい裸身が仰け反り−
その開かされた花弁に、男が無遠慮に割り込んでいく。
メリ、メリと肉を引き裂き、埋没していく肉の凶器。その度に、セリカの脳髄に凄まじい激痛が襲い掛かる。
「いたああああっ! いたー! いたーい!」
我慢しようと思っていた悲鳴が、とどまることを知らず室内に響いた。
「抜いて! 抜いて抜いて抜いて抜いてー!」
髪を振り乱し裂けんでも、一度突き刺さった肉棒は止まらない。
ズン! と力を込めて突かれ、とうとう膣に最奥まで埋まった。
「ああっ! やああああああーーーーーっ!!!」
清らかなる大地母神ミラに仕える神官セリカは今−
盗賊王ギースの腹の下で、無残にも泣き叫び、そして汚される。体も心も。
「ふうううぅぅぅぅぅ」
乾いたままの肉壷は、とても狭くキツキツで。
今まで味わったどの女よりも快感だった。
「最高だ! セリカ、お前は最高のメス奴隷だ!!」
ようやく、ようやく見つけた最高の名器に、ギースは我を忘れて興奮して、ただがむしゃらに腰を振る。振り回す。
エストも、メイも良かったが。今、感じているセリカの膣はどの女のものよりも快楽をもたらした。
名器−真っ白になる頭にそんな陳腐な言葉がよぎる。
「ひぎっ! ひぎいいいいぃぃぃぃっ!!!」
歯を食い縛って、激痛に耐えるセリカはもう泣くことしか出来なかった。
まだ濡れてもいない秘所に、野太いペニスが打ち付けられ、そして慣れる間もなく振り回される。
ギースの体に下でゆらゆらと揺られながら、セリカの目から濁流がこぼれていた。
「いやっ! やあっ! アルム! 助けてアルムー!」
泣き続けながら、顔を上げて叫ぶ。しかしその叫びに応える者はいない。
パン、パン、パン・
容赦なく回転運動が早まり、セリカの激痛もより激しく強くなっていく。
「いたい! いたいのーっ! おねがい、もうゆるしてーっ!」
あれほど憎んでいた盗賊に、ついに許しの声すら出てしまう。
だがギースは己の欲望を満たすことしか考えていなかった。
不意に、ギースの腰の回転が止まり、膣内の肉棒が大きく脈打つ。
「…!? いや、いやああーーーーーーーーっ!!!」
お腹に広がる、生暖かい液体。それが何を意味するか悟り、セリカは絶望に身体を震わせた。
ドクン、ドクン。射精は止まることを知らず、セリカの膣内に命の種を流し込む。
「やめてー! なかは、なかはダメええぇぇぇぇーーーーーっ!!!」
セリカの頬を熱い涙が伝い、ベッドを濡らしていった。
そして股間からは、白濁液が結合部の隙間から漏れ出ていた。人並みはずれた射精量。
「あ、あああ」
膣内に流し込まれる感触に、セリカは絶望の涙を流し続け、呆然と天井を見上げる。
いや、もう何も見ていなかった。
ただこの地獄が早く終わることだけを願う。
「ふぅぅぅぅ」
大きく息を吐き、ようやくギースの射精が止まった。
「最高だ。お前のナカは」
終わった。これでようやく解放される。心のどこかで安堵の声が漏れる。だが。
「もう一度だ」
膣に突き刺さったままの肉棒が早くも活力を取り戻し、精力的に腰が振り回される。
「え、ええっ!?」
終わった、とばかり思っていたセリカは気付かされた。まだ始まりに過ぎないと。
「さあ。まだまだだ。俺様が飽きるまでな」
止まらないピストン運動。セリカのお腹の中で、男の性器が肉壁をえぐって蹂躙し、ヒダをめくれさせる。
「ひいいっ! いやああっ! もうイヤアアあああああああぁぁぁぁっ!!!」
セリカの絶叫が空しく響き渡り−
その赤い瞳から炎が消え、虚ろになる。
気が付けば青い空。
「え?」
セリカは自分が立っている場所を、ぐるっと見渡した。
遥か高い石壁が張り巡らされ、その上には客席、だが人の姿は無い。
そう。ここはまるで、
「闘技場?」
首をひねって、自分の格好を見下ろす。
手には聖なる剣、体には鎧。ちゃんとした戦支度。
「あれ?」
確かギースに負けて、それで……。
そこまで思い出して、ぶるっと身震いした。
思い出したくない忌まわしい記憶。頭から消し去りたい。
「ぴっかー」
「ん?」
そこでセリカは気付いた。
前方になにかナマモノがいますよ。
「ぴっかちゅー」
それはセリカの膝までの大きさぐらいの黄色いネズミ。
「あら。可愛い」
丸い体に愛嬌のある大きな瞳が可愛らしい。
セリカが手を差し出そうとすると、
「ぴっかー!」
いきなり、黄色いネズミは体から電撃を放った!
「きゃっ!?」
電気に打たれ、びりっと痺れるセリカ。
黄色いネズミはただのネズミではありません。黄色い電気ネズミだったのです。
(セリカ。セリカ)
その時、セリカの脳裏に直接響く謎の声。女性の優しい声の。
(殺しなさい)
優しい声で、いきなり物騒なことを言いますよ?
「はい!」
しかしセリカはその声に疑いもせずに従い、黄色い電気ネズミに襲い掛かる!
「ぴっかー!」
再び、黄色い電気ネズミの電撃攻撃。さっきよりも大きい! 十万ボルトだ!
「はあっ!」
しかしセリカは電撃を避ける事無く、聖なる剣で受け止め、そのまま前進!
「ぴ、ぴかっ!?」
電気を受け止めた聖なる剣で、黄色い電気ネズミの大きな瞳を突き刺す!
「ぴっかー!」
目玉に電気を含んだ剣を刺され、黄色い電気ネズミは白目を飛び出させて絶叫。
すぐさまセリカは剣を引き抜き、次にお腹を縦に引き裂く。
「ぴかー!?」
切り裂かれたお腹からは、ボトッとピンク色の何かがこぼれる。どうやら内臓らしい。
ししてセリカはお腹の切り口目がけて<ファイアー>を放った。
「ぴかー!」
お腹を内側から焼かれ、黄色い電気ネズミはビクッビクッと激しく飛び跳ねた。
だがその動きも、徐々に小さくなる。
「………ぴか……ぴかっ…」
ピクピク震動し、やがて動かなくなる黄色い電気ネズミ。その姿を、セリカは最後まで冷たく見下ろしていた。
そして、世界に光が満ちる。
「よくやりました。セリカ」
殺風景な闘技場に、突如光が光臨する。
暖かく優しい光。
その中心には女性の姿。
セリカにはそれが誰かすぐに分かった。
地面に膝を付き、恭しく頭を下げる。
「今のあなたなら大丈夫。
さあ。お行きなさい」
「はい!」
堂々と胸を張って宣言し、セリカは帰って行く。
戦いの待つ現実へと。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「へへ。どうしたオイ」
セリカの瞳から反応が消え、反応が無くなると、ギースは秘所から肉棒を引き抜いて、
今度は口に突っ込む。
下の穴を奪うよりも、口で奉仕させた方が精神的な満足感は強い、この女を屈服させたという気持ちが強くするのだ。
「おお〜。口の中もなかなか」
暖かいセリカの口に大いに満足するギース。秘唇に挿入するのと変わらない快感は、男の象徴を刺激してやまない。
「………!」
と、セリカの瞳に、唐突に光が、炎が宿る。
セリカ再起動!
「!」
剣呑な気配に、ギースは咄嗟に肉棒を引き抜いた。
ガチッ、とセリカの歯が噛み合わさる音がはっきり聞こえる。
もう少し、後一瞬でも遅かったら、間違いなく噛み切られていた。
「てめえ」
冷や汗を掻きながら、ギースはベッドの脇に置いた剣を手に取る。まだ痛めつけが足りなかったらしい。
「ふふふ」
余裕の笑みを浮かべ、セリカはベッドの上に立ち上がる。
もう体の痛みは無い。陵辱の痛みも。むしろ以前よりも体は軽かった。
裸のまま、股間から精液を滴らせながら、セリカは指を突きつけて告げた。
「あなたを殺します」
「はっ。そんな格好で何言って」
口では余裕を出しながら、ギースは内心戸惑っていた。
セリカの気配、依然とは比べ物にならないほど「強く」なっている。
(くそっ。なんだってんだ)
さっきまで犯していた相手、無惨に泣き叫んでいた女。その女に舐められてたまるかと、ギースは斬りかかっていった。
その撃斬を、セリカは高く跳躍してかわす。
高く、高く。まるで背中に翼が生え、空を舞うように高く飛ぶ。
「なにっ!?」
「<エンジェル>」
そして空中からの魔法攻撃。聖なる魔力が天使の形になって、ギースを討つ。
今までよりも、はるかに巨大な天使様が。
「なにいいぃぃぃぃーっ!」
馬鹿でっかい<エンジェル>の出現に、ギースは叫びながら、吹き飛ばされていた。
魔戦士ギースの魔法防御を遥かに超える威力。
「まだだっ!」
それでもギースは立ち上がる。犯した女に負けられるわけがない。
「可哀想な人」
床に落ちていた聖なる剣を拾い上げ、セリカは哀れみの声を掛ける。
「あん?」
「愛を知らず、ただ奪うだけ。可哀想な人」
「うるせー!」
説教を聞いてる暇は無いと、ギースは速攻で斬りかかる。
「私が愛を教えてあげます」
ギースの剣を一ドット避けで紙一重でかわし、セリカの剣がさくっと下半身の棒を切り落とす。
「ぎゃあああああっ!」
それはギースのちんこ。
大事なものを切られ、絶叫するギースに、セリカはさらに淡々と告げる。
「お受けなさい。愛を」
聖なる剣が、ギースの目玉を抉り取る。
「ぎゃあああああああああっ!!!」
「これが愛です」
さらにお腹を切り裂き、内臓を捻り出します。
「うぎゃああああああっ!!!」
「あらあら。キレイな臓物ですこと」
そして、ギースに向けて、セリカ様はさらに剣を振り下ろす。
大地母神ミラ様「以下、音声のみでお楽しみください♪」
<どさ………!><びしょっ!><ちょっ、ぴちょっ……!>
「ぎゃああっ! あ、脚がー! 腕がー!」
「ふふふ。まだまだ愛はこれからよ」
「やめろー! もうやめてくれー!」
<ぺごちゅぶッ!!><びぎゅううっ!><ぱぎゅ……!!>
「ぎゃああああっ! 目が、鼻が、耳が、口がー!!!」
「あらあら。ずいぶん、お顔がすっきりしました」
「や、やめろ。もうやめて、お願いだからやめてー」
「愛はこれからです」
<ぐちょっ><ぐちゅうう!><ずりゅうぅん……!>
「殺せー! もう殺してくれー!」
「あーあー。聞こえなーい」
<ぐちゅうう><ぐちゅぐちゅ><ずりゅずりゅー>
「へー。人間の頭の中ってこうなってるんだー。おもしろーい」
「殺せ……。もう死なせてくれー!」
<ずどぅるるる><ぎゅーぐるるる><ぷっつん。ずにゅー>
「………………」
「あれ? もう動かない。おーい」
「………………」
へんじがない。ただのしかばねのようだ。
『ごめんなさい。お客様にはたいへんお見苦しい表現があり、ご迷惑をおかけしております』
こうして盗賊王ギースは倒され、殺され、ただの肉塊になり。
砂漠の盗賊王国は終焉を迎えた。
そしてメイ、エスト、多くの人が解放される。
(おしまい)
きもちわるい
個人的には惨殺GJ
ただ電気ネズミ惨殺注意より、グロ描写注意にしたほうが良かったんではと…。
スマブラで散々苦汁をなめているだけに黄色電気鼠斬殺はいいんですが、
過度のグロ描写は普通にひける。 ギャグタッチにしてもキモいものはキモい。
陵辱ものとしてはGJなだけに残念
いや……セリカ陵辱という重さとバランスをとる上で、やむを得なかったのではないかと。
食ってたラーメンが食えなくなった どうしてくれるんだ・・・
セリカ可哀想だけど興奮しちゃいました。
また外伝で書いて欲しいです。
陵辱場面は鬼畜さ十分で良かったと思う。
ただ電気鼠惨殺を入れる意図はどこにあったのだろうかと考えてみる。
>>53 それだと別にギースだけでいいじゃないか
何故わざわざ鼠を殺す必要があるんだよ
>貧弱中年エリウッド×リリーナ
萌 え た 。
組み合わせ自体が萌えだし。
出す事すら過酷だろうに出しちゃうんだ…
血反吐とか吐きながらもチューしてる二人に愛を感じた。
しかも直後に戦ってる襟スゴス
やっぱりツッコミどころ満載な外伝氏だが最近はラブものも面白いです
エロファンタジーというものの定義について問われてる気がする
電気鼠とかちょっと悪寒がするんで読まなかったけどw
レスありがとうございます。
黄色い電気ネズミを殺したのは、闘技場で経験値を稼いでセリカ様がレベルアップするためです。
1レベル上がったぐらいじゃ、ギースには一人じゃ勝てませんが。
病弱エリウッドは、やっぱりリリーナの上で腹上死でしょう。
では。
60 :
名無しさん@ピンキー:2005/11/27(日) 10:55:26 ID:jqGAECo3
泣き叫ぶユミナをとことんまで犯したい
紋章で支援会話があったらなあ、と思う今日この頃。
>61
妄想するのが楽しいんだと思ふ
セクハラ(1)
「リース公子、お待ちください。」
ウォルケンス国王との穏やかならぬ会見を終え、城を下るリースに、一人の貴婦人が声をかけてきた。
「あなたは・・・確か、神官長の・・・」
リースが返事をすると、彼女はさっそくリースの前に立ち、挨拶した。
「クエスクリアと申します。」
「私に何かご用でしょうか?」
「お礼を申し上げたかったのです。公子はご存じないかもしれませんが、シスターイゼルナはわたくしの娘です。」
先の戦いで、リースは一人のシスターを救出した。青い髪の綺麗な美少女。彼女の名は、イゼルナと言った。
「シスターイゼルナが神官長の・・・・・・」
リースは少々驚いた面持ちでクエスクリアを見た。なるほど、確かにクエスクリアも美人ではあるが、イゼルナとはあまり似ていない。
この二人が親子だとは、思いもしなかった。(実際は、義理の母娘)
「いろいろとお世話をおかけしたようですね。あの子は外見に見合わず、強情なところがありますから、リース様も手を焼かれたでしょう?」
半ば申し訳なさそうな表情のクエスクリアとは対照的に、穏やかな表情でリースは彼女を見た。
「いいえ、シスターのおかげで、多くの兵士が救われました。感謝するのは私のほうです。」
その言葉に、クエスクリアはあらたまってリースをじっと見据えた。
「それが本当ならば、リース様にお願いがございます。イゼルナをシノン騎士団付きのシスターにしていただけませんか?」
「えっ・・・?」
リースは驚いた。それほど、彼女の願いが意外なものだったからだ。
「驚かれるのも無理はありません。しかし、いずれはあの子も戦場に出て、兵士たちの看護をせねばなりません。それがヴェリア教団に
仕える者の義務だからです。」
「・・・・・・。」
リースはじっとクエスクリアを見つめている。彼女はさらに言葉を続けた。
「親の身勝手と軽蔑されるかもしれませんが、男ばかりの軍隊に娘を遣るのは不安なものです。特にウォルケンス王と共に
やってきた傭兵部隊などは、規律など無きに等しく、すでに何人ものシスターが災難に見舞われています。」
その言葉に、リースは怪訝な表情をした。クエスクリアはさらに言葉を続ける。
「従軍シスターの役目は、傷ついた兵士に治癒を施すこと。危険は十分に承知しております。しかし、秩序のない軍隊では、シスターに敬意を払わず、
その尊厳すら踏みにじるのです・・・・・・。」
セクハラ(2)
「尊厳すら踏みにじる・・・・・・」
「国王陛下にも、何度も苦情を申し上げておりますが、本気で取り上げようとはなさいません。」
「尊厳・・・・・・」
「イゼルナも城に戻ってきた以上、いずれかの部隊に赴かなければなりません。リース様、わたくしの心の内をお察しください・・・・・・。」
彼女の懇願に、リースはようやく口を開いた。
「すみませんクエスクリア様。おっしゃることの意味がよくわからないのですが・・・・・・」
「はい?」
クエスクリアはきょとんとした表情で、リースを見た。そして、リースは言葉を続けた。
「尊厳を踏みにじられるとは、いったいどういうことなのでしょう?」
「・・・・・・。ですから、秩序のない軍隊では、シスターに敬意を払わず、その人格さえも否定するような振る舞いを・・・・・・」
「申し訳ありません。意味が全然わかりません。」
「・・・ええっと・・・どの辺が、わかりませんか?」
「ですから、尊厳を踏みにじる行いというところが・・・」
「・・・・・・。」
クエスクリアは押し黙ってしまった。そこへ、リースの言葉が続く。
「もう少し具体的に、お願いします。」
「・・・・・・わかりました。シスターが女性というのは、わかりますね?」
「はい。」
「で、部隊の兵士が男というのも、わかりますね?」
「はい。」
「では、その二人が秩序もなく近づくと、どうなるでしょう?」
「どうなるのですか?」
「・・・・・・まさか、わざと言っているのでは?」
「まさか。で、どうなるのです?」
クエスクリアは信じられないという目つきでリースを見た。ここまで説明しても、まだわからないとは・・・・・・
「ですから、秩序のない男と女が近づけば、いかがわしい行いを・・・・・・」
「いかがわしい行いというのは、何でしょう?」
「・・・・・・。」
セクハラ(3)
「申し訳ありませんクエスクリア様。ですが、その内容がわからないことには、シスターイゼルナをお預かりするわけには・・・」
「・・・・・・ええっと・・・・・・ですから、いろいろと淫らな行為を・・・」
「淫らな行為ですか?」
リースは不思議そうに首をひねった。
「それって、どういう行為なのでしょう?」
「・・・・・・もしかして、嫌がらせですか?」
「まさか。で、どんな行為なのですか?」
「・・・・・・ですから、破廉恥な振る舞いを・・・・・・」
「破廉恥な振る舞い?」
「まだわかりませんか?」
「はい。できれば、もう少し具体的に・・・・・・」
「・・・・・・。」
「お願いします。」
クエスクリアは呆れた表情でリースを見ている。まさか、この男は、本当に何も知らないのだろうか?
だとすれば、一体誰が、どのような教育を彼に施したのだろうか?
彼女は何とか言葉を探して、極力わかりやすいように言った。
「要するに、エッチな行為です。」
「エッチ?何ですか、それ?」
「これでもわからないと?」
「すみません。全然イメージがわかないもので・・・・・・。できれば、もう少し具体的にお願いします。」
「・・・・・・。リース様・・・・・・。」
クエスクリアは改めてリースを見た。彼は、心底、不思議そうな顔をしている。
「ええと、つまりですね、己の欲のために、シスターが嫌がるようなことを強要するとか・・・」
「例えば?」
「・・・・・・。」
クエスクリアは少し赤い顔をした。
セクハラ(4)
「まず、嫌がるシスターの服を脱がせて、彼女たちの胸を揉み、吸い・・・」
「赤ん坊みたいですね。」
「そして、彼女たちに恥ずかしい言葉をかけます。『ぐへへへへ。乳首をこんなに勃起させちゃって、本当は感じてるんだろう?いやらしい女だな。』とか、
『シスターとは名ばかりで、その正体は淫乱な痴女だな』とか・・・」
「・・・・・・。」
「で、その後に、嫌がるシスターの股間を指でなで、『おい、この女、もうこんなに濡れてるぜ!こいつはとんでもねえエロ女だな!』とか言うわけです。」
「それで?」
「で、『おいエロ女!お前、本当は男のちんちん好きなんだろ?ほら、しゃぶらせてやるよ!』と言って、嫌がるシスターの口の中に、男の股間に付いている
モノをねじ込み・・・・・・」
「それは・・・確かに嫌かもしれませんね。私も、男のモノを口に入れるなど、嫌ですから。」
「でしょう。それで、『どうした?お前も、本当は舐めてほしいんだろ?』とか言って、男は嫌がるシスターの股を大きく開いて、その中央のワレメに
舌をねじ込み・・・・・・考えただけでも、ぞっとします・・・。」
「そうですか?私は、結構好きですけど。」
「・・・・・・。」
「さあ、続きをどうぞ。」
「そして、『ほうら、お前、そろそろこれが欲しくなってきただろ?ようし、それじゃ、お言葉に甘えて、挿れてやるよ』とか言って、
嫌がるシスターの股間に、男の股間のモノを無理矢理ねじ込み・・・・・・」
「・・・・・・。」
「そして、痛い痛いと泣き叫ぶシスターのことなど気にもせず、ひたすら腰を振って、股間のモノをスライドさせ・・・・・・
最終的には、潮を噴かされ、最悪の場合には、妊娠させられてしまうことも・・・・・・」
「ちょっと待ってください!それって、本当に、嫌がっているのですか?」
「もちろんです。一人の母親として、娘をそのような軍隊に預けるのは嫌です。でも、リース様率いるシノン騎士団ならば・・・」
「何だか、シスターの皆さんも、楽しそうですけど・・・・・・。」
リースの言葉に、クエスクリアは怒ったように顔を真っ赤にした。
「と・に・か・くっ!リース様、イゼルナのことは、お願いしましたわよっ!」
「わかりました。我々にも、願ってもないことです。彼女のことは、我々にお任せください。では。」
そしてクエスクリアは、娘のイゼルナをリースに託し、その場を立ち去った・・・・・・。
「あ・・・床が、濡れてる・・・・・・」
おしまい
ミルラをダンボール箱in
ツマンネ
ダミアン氏GJ!!
無知なリース公子ワロスww
GJ!
リース鈍感すぎw
もう手取り足取り教えて、言葉責めから膣内射精まで実践させて、妊娠まで体験させるしか……!
イゼルナさんもろとも。
>>49 In this Craziness,Uncertainy
ギースの形をセリカはどこかに残せるだろうか
それにしても<ぷっつん。ずにゅー>って、どっかで聞いたような擬音だなオイw
封印ロイ×乳母レベッカを投下します。
戦争は常に過酷だ。
人と人が命を奪い合い、殺し合うのだから、当然だ。
一瞬の油断も出来ない戦場ではストレスも溜まり易い。
それでも一兵士はまだいい。
己の命だけを心配すればいいのだから。
だが指揮官はそうもいかない。
己の采配一つで多くの命が失われる。
いや、例え采配ミスが無くとも、思いもつかぬ不運で死ぬ場合もある。
指揮官の肩には、兵士全員の命が掛かっているのだ。
そして今やエトルリア軍と呼ばれる連合軍の指揮官は、まだ少年と呼んでいい年齢のロイだった。
リキア地方の諸侯フェレ家の嫡男ロイ。
当初はフェレ家の家臣がほとんどだった軍も、やがてリキア同盟軍と呼ばれるようになり、
今は大国エトルリアの中核を為すようにさえなっている。
将兵の出身は、リキア、エトルリアの他に、サカ、イリア、西方三島、そして敵国であるはずのベルンにまで及び、
国を越えた連合軍という赴きがあった。
だが仲間が増えるに連れ、ロイの責任も重くなる。
そして、そんなロイを支え慰める一人の女性の存在がった。
戦いは遂にベルン本国まで攻め込む段階まで進み。
日夜、主だったもので会議が開かれる。
ロイは皆の意見を聞きながら、着々と進行の準備を進め。
日が暮れ遅くなってから、くたくたに疲れた体で自分の寝床まで戻っていった。
「おかえりなさい。ロイさま」
部屋で待っていたのは、緑の髪を三つ編みにした女性。
その女性の豊かな胸に、ロイはいきなり顔を埋める。
「ただいま〜」
「もう。ロイ様ったら」
胸に顔を埋める少年を、レベッカは優しく抱きしめる。
ロイの父の代からフェレ家に仕えるレベッカ。
彼女はロイの乳母として赤ん坊の頃から面倒を見てきた。母親を早くに亡くしたロイにとって、育ての母ともいえる女性である。
そして彼女の息子ウォルトは、ロイにとっては乳兄弟であり友人でもある。
母子揃って弓兵として、戦場でもフェレ家に仕えていた。
「レベッカ〜」
「はいはい」
胸で甘えるロイを、レベッカは優しく癒す。指揮官の重荷に耐えるロイを癒すのが、今の彼女の役割だった。
「ほらロイ様。お食事が出来てますよ」
「うん」
胸から顔を上げ、子供のようにうなずくロイ。いや、子供そのもの。
テーブルの上では、大きなナマモノが丸焼きでお皿に乗っている。
「わーい。今日のご飯は?」
「うふふ。ロイ様のお好きな、黄色い電気ネズミですよ」
「わーい」
すぐさま黄色い電気ネズミの丸焼きに飛びつくロイ。
レベッカは昔から狩りも料理も得意でした。
むしゃむしゃ
黄色い電気ネズミのまん丸のお腹に、ロイは大きく口を開けて噛り付く。
その食べる光景を見ているだけで、レベッカは幸せだった。
自分の愛しい人が、手料理を美味しそうに食べてくれる。それ以上の喜びがあろうか。
黄色い電気ネズミを狩るのは大変だ。
体から電撃を発する上に、電光石火の素早い動き。真正面からでは、矢を当てるのも難しい。
だからレベッカは、笑顔で黄色い電気ネズミに近づいた。
「あらあら。かわいいネズミさんですねー」
にっこり笑ってリンゴを差し出すレベッカに、黄色い電気ネズミも、
「ぴっか〜」と笑顔で近づいてくる。
そこを素早く弓矢で射止める。
一瞬で弓を構えて射られた矢は、狙い通りに黄色い電気ネズミの大きな目に命中。
「ぴ、ぴかー!」
大きな目に矢が深々と刺さり、白目が白汁となってこぼれ落ちる。
そこへすかさず第二射。もう片目にも矢が深く刺さり、脳味噌まで貫く。
「ぴ、ぴか……ぴか、ちゅ……」
ぴく、ぴく、と痙攣する黄色い電気ネズミを、レベッカは冷たく見下ろし、持ち帰った。
そしてお料理。
黄色い電気ネズミを料理する時は、まずほっぺたの電気袋を取り除く。そうしないと、電気で舌が痺れるから。
そして釜に入れて丸焼き。
こんがり焼けた黄色い電気ネズミはとっても美味。豊潤な味わいでそれでいてくどくなくまろやか。
ぱくぱく
ロイは物凄い勢いで、黄色い電気ネズミを平らげてしまいました。
「ごちそうさまー」
「うふふ。お粗末様でした」
手料理を美味しく食べてもらって、幸せいっぱい愛情いっぱいなレベッカ。
「レベッカの手料理。とっても美味しかったよ」
「はい。ありがとうございます」
彼女は、こう言ってもらうのは何よりの幸せ。
ロイも、レベッカの手料理が何よりも好きだった。
そして食欲が満たされたら、次は決まっている。
「レベッカ〜。おっぱ〜い」
「はいはい」
ベッドの上で手足をじたばたさせるロイに、レベッカは笑顔で乳房をさらけ出す。
ぷるんと弾む豊満な乳房。リキア一とエリウッドもヘクトルも褒めた乳房。
赤ん坊の頃から吸ってきたきた胸に、ロイはすかさずしゃぶりつく。
「あん。ロイ様ったら」
年を取っても、可憐にピンクに輝く乳首。それをロイは口に含んで、ちゅうちゅうとしゃぶる。赤ん坊の頃のように。
「あん」
乳首をしゃぶられ、ぴくっと痙攣するレベッカ。
息子と同じ年齢の少年に胸を吸われても恥じらいはない。赤ん坊の頃から吸わせてきたから。
ちゅう、ちゅう、と乳首を吸い、さらに舌で転がす。
さすがにもう母乳は出ないが、その張りと味わいに変わりはない。
「あ、んんぅ」
ロイの舌が乳首を転がし、乳輪を舐め回す度に、レベッカの体が小さく痙攣し、甘い喘ぎが漏れる。
さらにもう片方の胸も、手で揉みしだいた。
「ロ、ロイさまぁ……ああんぅ」
赤ん坊の頃には無かった愛撫に、レベッカは眉をきゅっと寄せて官能の色を浮かべる。
いつからだろう。
ロイが胸を吸うだけでなく、愛撫を覚えたのは。
「は、はぁ、ああ…」
程なく、ロイの口と手の中で、レベッカの乳首をぷっくりと立ち上がり、勃起する。
その感触を確認し、ロイは口を離して、尖った乳首を鼻で突付いた。
「ほら。レベッカの胸。もうこんなになってる」
「は、はい…」
潤んだ瞳、頬を染めているレベッカ。
そのレベッカをそっとベッドに寝かしつけ、ロイさ彼女の緑の三つ編みを指でなぞる。
「あ、ロイ様…」
何か言おうとする口を、ロイは己の口で塞ぐ。
生臭いキス。さっき食べた黄色い電気ネズミの肉の臭い。
レベッカはそっと目を閉じ、ロイに身を委ねる。
ロイは口を重ねたまま、レベッカに覆い被さると、彼女を優しく抱きしめた。
母のように愛してくれた女性。母のように育ててくれた女性。
でも。母ではない。
今は男と女。
ロイの口が下に動き、首を強く吸う。
「んんぅ」
レベッカの首に、赤い口の痕が付く。愛し合った痕跡のように。
そしてロイは乳母のスカートの中に手を入れ、パンツに手をかける。
染みの付いたパンツを脱がすと、その中もジンワリと濡れていた。
緑の陰毛で覆われたレベッカの秘唇。うっすらと開き、液を滴らせ、今や遅しとロイを待ち構えている。
「ロイ様」
パンツを脱がされると、レベッカは自ら脚を開いた。
ぱっくりと中心の割れ目が広がっていく。
「レベッカ」
ロイも名を呼び、己の男根をズボンから取り出した。
ビクン、と天を向く少年ちんこ。
少年特有のまだ未成熟な小振りの少年ちんこ。
可憐でほっそりとしたしなやかな少年ちんこ。
「ふふ。かわいい」
ついレベッカはそんな感想を漏らす。
ロイはなるべく平静を装って、レベッカの使い込まれた秘所に照準を定めた。
だが上手く定まらない。ロイの少年ちんこは、毛で覆われぱっくり割れた秘所の前で飛び回ってしまう。
「ロイ様。落ち着いて」
レベッカはそんな少年ちんこを優しくつつむと、己の入り口へと誘導する。笑顔で。
「う、うん」
先端に女の入り口を感じ、ロイは勢いをつけて腰を前に進めた。
「えい」
すっぽりと、少年ちんこがレベッカの中に入り込みます。
根元まですっぽりと入り、レベッカの膣肉に包まれ、そして締め付けられる。
「はぁ、ううぅ」
官能的な表情で、ロイはがむしゃらに腰を振る。振り回す。
「ふふ。ロイ様ったら」
膣内で暴れ回るロイを、レベッカは優しく受け止め、そして愛で包む。
「うー!」
いきなり、ロイが激しく腰を突き出し、そして果てた。
ぷりゅ、と膣内に熱いほとばしりが爆発する。
「はああ、あああうううんんっ!」
まだ早い気もするが、レベッカの体もピクンと緊張して、ロイの射精を受け止める。
「はぁはぁ」
挿れてすぐの射精を済ませると、ロイは少年ちんこを抜き、そのままレベッカの胸に抱きついて目を閉じた。
「ロイ様?」
見下ろすと、ロイはすうすうと安らかな寝息を立てている。
「お疲れなのですね」
ちゅっ、と赤い髪にお休みのキス。
こうして寝ている顔は、エリウッドの若い頃そっくりだった。
「お休みなさい」
そしてロイは、乳母に抱かれ安らかな眠りに就く。
ロイの疲れを癒し、安らかな眠りをもたらす。それが乳母レベッカの軍内部での仕事だった。
そして、また新しい朝。
「おはようございます。ロイ様」
先に起きていたレベッカが笑顔で、おはようの挨拶。
「おはよう」
「あら。ここをこんなにして」
と、レベッカは朝立ちするするロイの少年ちんこを、ぱくっと口にくわえる。
「はう」
レベッカの暖かい口に中。それだけでロイは達する。
「きゃっ」
いきなり放たれる白い精液。それをレベッカ口の中でしっかりと受け止め、飲み干す。
「ふふ。朝からお元気で何より」
「うん。僕、元気」
それから顔を洗って着替えして朝食。
「行ってらっしゃいませ」
「行ってきます」
今日も軍議に出掛けるロイを、レベッカは笑顔で送り届ける。
それからお洗濯。
ロイの脱ぎ散らかしたパンツを手に取り、じっと見詰め−
いきなり鼻につけて臭いをかぐ。
ロイの精液の臭いの染み付いたパンツ。その臭いを嗅いだだけで、イイ気持ち、イイ感じ。
「ぷっはー」
パンツの臭いを嗅ぐだけで、うっとりしちゃいます。
そしてベルン動乱終了後。
ウォルトに、レベッカは新しい父親を紹介する。
「紹介するわウォルト、今日からあなたの父親になるロイ様よ」
「よろしくなウォルト。今日から僕がパパだ」
(おしまい)
なんか矛盾してるけどGJ!!
>ダミアン氏
何かノリノリで台詞まで付けちゃったクエスクリア萌え
けどこの後リースが興味本位で何かしそうでハゲヤバス
…この場合一番ヤバいのはディアンの心労かも…
>外伝氏
朝からぱっくりにワロス
っていうか
>>75とか開き直り過ぎw
外伝セリカ誕生リプリカ強姦SSを投下します。
リプリカ強姦注意
988%マシン氏 の Open the ??? セリカ と同じ状況の話で恐縮ですが。
・外伝第三章セリカ軍編ギースの砦戦後。
やっとの事で、盗賊王ギースをぶち殺して、砂漠の盗賊王国を滅ぼしたセリカ軍。
生き残った盗賊は皆殺しにして、捕らえられていた人々を解放していきます。
ギースを倒したセリカは、地下の牢屋へと向かいます。
そこには一人の女性が待っていました。
怖い目つきに、長い紫の髪。深いスリットの入った魔道服は、胸が大きく膨らんでいます。
簡単に言うと、「悪の幹部のお姐さん」といった感じの女性。鞭を持って、「おーほほほ」と高笑いが似合いそう。
その怖いお姐さんがセリカに言いました。
「あんたかい。セリカというのは」
「はい。あなたは?」
「私はソニア。ギースの部下だった女さ」
「そうですか。でも、ギースは私達がやっつけました」
「何、ギースをやったのかい」
さして驚くでもなく、ソニアは呟く。
「まあ、あれだけ悪さをすれば、いずれ報いが来るだろうよ」
どうやら、ソニアはギースの悪行に嫌気がさしていたようです。
「それでソニアさん。これからどうするつもりですか?」
「うむ……。まあ、お前達には借りが出来たからね」
「では、私達の力になってください」
「分かった、力を貸してやるよ」
ソニアが仲間になった!!
魔女から魔道士になって、仲間に加わったソニアさん。セリカ軍では貴重な胸の大きな女性です。
そして牢屋から次々と奴隷が解放されていく。
だが女性の奴隷は、過酷な陵辱にすっかり精神が壊れている者もいた。
アカネイア大陸の天馬騎士エストも、その一人である。
「エスト! エスト!!」
「ああ、エスト!」
牢屋を探し回って、パオラとカチュアはようやくエストを見つけました。
浚われた妹のエストを助けに、はるばるアカネイア大陸からやって来たパオラとカチュア。
でも、やっとのことで助けたエストは、精液にまみれ虚ろな瞳をしていました。
全身から精液のイカ臭い匂いが立ち昇り、髪の毛まで白く染めています。
ぱっくり開いた股間からは、今も精液が止まる事無く溢れ、ぽかんと開いた口からも同じようにこぼれる精液。
虚ろな瞳で、何やらぶつぶつ呟いています。
「ぶつぶつ」
そしてお腹には、大きな幾つもの傷跡。
犯されて妊娠する度に、堕胎した傷跡。
そのエストの変わり果てた姿に、パオラもカチュアもさめざめと泣きました。
「ああ、エスト。ごめんねエスト」
「エスト。エスト」
放心したエストを抱きしめ、三姉妹は遂に再会しました。
でもそれは、穢され尽くした末妹との悲しい再会でもありました。
それでも二人の姉は嬉しいのでした。
エストが生きていてくれて。
「エスト。早くアベルの元に帰りましょうね」とパオラ。
「エスト。また、三人で空を飛びましょうね」とカチュア。
放心して心を閉ざしたエストに、それでも姉達は優しく語り掛けます。
だって、大好きな妹ですから。
そんな三姉妹の再会を、複雑な表情で見ている人がいました。
仲間になったばかりのソニアさんです。
(姉妹、か)
ふと彼女自身の姉マーラとヘステ姉さんを思い出します。
優しかった二人の姉。でも父親のジュダによってドーマ神への生け贄に捧げられた姉。
そんな父の元から逃げ出すように飛び出し、いつしか砂漠の盗賊王国に雇われるようになったが。
やはり悪に徹することなど出来なかった。
そのギースも、もういない。砂漠の盗賊王国は滅んだ。
剣士ディーンも死んだ。
これからは、あの娘に賭けてみよう。
ソニアは女神に愛された赤い髪の娘−セリカを見て思う。
さようなら昨日までの私。
そのセリカに助けてもらったシスターが礼を言います。
「ありがとう。私はミラ神殿に仕える者」
どうやらミラ教団のシスターのようです。今までずっと盗賊に捕まっていた彼女も、ひどい目にあったのでしょう。
でもセリカよりもずっと年上、中年のその女性は気丈に振舞っています。
「あなた達のおかげで、やっと帰ることができます」
そこまで言って、シスターは動きを止めました。
「…………!」
そしてセリカの顔をじっと見つめます。
「待って……、まさかあなたは!?」
「?? どうしたのですか。私が何か……」
何やら衝撃を受けたシスターに、セリカは困惑。
「ごめんなさい」
シスターはぺこりと謝ります。そして遠い過去に思いを馳せる。
「あなたがあんまりリプリカ様に似ていたものだから」
「リプリカ!?」
今度はセリカが驚く番だった。それは育ての親のマイセンが、セリカに聞かせてくれた名前。
「それは私のお母様の名前です」
「で、ではやはりあなたはアンテーゼ王女様!!」
人違いではないと分かり、シスターは感慨に涙をする。
「ああ良かった!! 御無事だったのですね」
「あなたは私の母をご存知なの!?」
相手の様子に、セリカも気付いた。この人は母を知っている。
「お願いです。母の事を聞かせて下さい」
「はい……。リプリカ様は、元は私達と同じミラ神殿のシスターでした」
そしてシスターは話し始める。
「ところがリプリカ様の美しさに惹かれた国王が、無理矢理妃にしてしまったの」
秘められたセリカ誕生の秘密を。
・シスターの独白。
それは、ミラ神殿に、当時のソフィア国王リマ四世が訪問した時から始まります。
国王が御出でになるというので、私達ミラ神殿のシスターは総出でお迎えしました。
「ようこそ。ミラ神殿へ」
恭しく出迎える私達を、リマ四世はつまらなさそうに見ていました。
ところが、です。
その目に、リプリカ様のお姿が映ると、ぽかんと口を開けてしまいました。
「お、おお…」
そう。リプリカ様のお美しさに人目で心を奪われたのです。
ええ。リプリカ様はとてもお美しい方でした。
アンテーゼ様と同じ輝くような赤い髪。その御顔は女神ミラ様のように神々しく。
美しいだけでなく、とても聡明で優しい御方でしたわ。
私達シスターは全員がリプリカ様に寵愛を注ぎ、またリプリカ様も私達に愛をくださいました。
え、どういう愛ですかって?
ミラ神殿は神に仕える乙女の園です。
乙女と乙女の愛は、それは美しいものでした。
アンテーゼ様も、ぜひ私と愛を………。(セリカ、剣に手をかける)
はい、余計な事は言わずに先に進みます。
リマ四世がいらっしゃった夜。
リマ四世は御自分の部屋に、リプリカ様をお呼びしました。
はい、殿方の部屋に、しかも夜にシスターをお呼びするなど、礼儀知らずも良い所ですわ。
ですが、国王の命に逆らうわけにもいかず。
リプリカ様は、リマ四世の寝室へと出向きます。
「国王陛下。お召しにより参りました」
ちょこんと挨拶して、入室するリプリカ様。
ああ、なんていじらしい。
「うむ、よく参った」
リマ四世はベッドに腰掛けながら仰いました。まあ、なんて行儀知らずなんでしょう。
「はい。それでどのような御用でしょうか」
「余の夜伽をせい」
短直に言い放つリマ四世に、リプリカ様は「は?」と怪訝な御顔をされました。
当然でしょう。ずっとミラ神殿の乙女の園で暮らしてきたリプリカ様に、夜伽など理解できるはずがありません。
え、アンテーゼ様も「夜伽」が何か分からない?
それは、これからの話を聞けば自ずと御分かりになります。
「そうか。夜伽も知らぬか。まあよい」
リマ四世は、手でくいくいとリプリカ様を招き寄せます。
「近うよれ」
「はい」
言われるまま、ベッドのリマ四世に歩み寄るリプリカ様。
なんて無防備なんでしょう。駄目。そこに行っちゃ駄目ですぅ。
「ふふふ。可愛い奴じゃのう」
リマ四世は近づいたリプリカ様を、あっという間に抱き寄せ、ベッドに押し倒します。
「きゃっ」
「いい手触りだのう」
リプリカ様の赤い髪を、蛇のようにリマ四世の手が撫でます。
離しなさい! 今すぐその手を離しなさい!!
ああ、失礼。つい興奮してしまいました。
「おぬし。名は?」
「は、はい。リプリカと申します」
ベッドに押し倒されながら、リプリカ様は律儀にお答えします。
もう。教えなくたっていいのに。
「そうか。リプリカか」
リマ四世の忌まわしい顔が、リプリカ様に近づいていきます。
「では、お前は今日から余の妃じゃ」
「え? それはどういう」
リプリカ様が、理解できずに聞き返した時でした。
リマ四世の口が、リプリカ様の御美しい唇を塞ぎます。
「!!?」
カッと目を見開いて驚くリプリカ様。
ああ、なんということでしょう。
私でさえ、口へのキスは一日に五回ぐらいしかしてもらわないのに!
そのまま腐れ王様は、口を合わせたままクチュクチュと音を立てます。きっと舌を捻じ込んでいるのでしょう。
なんて汚らわしい。リプリカ様、そいつの舌を噛み切ってやりなさい!
「ふうぅー」
すっかり満足しきった表情で、リマ四世は口を離します。唇を白い唾液が糸になって結んでいますよ。
「ううぅ」
ああ、御可愛そうに。リプリカ様は顔を真っ赤にして泣き腫らしています。
「リプリカ。今日からおぬしは余のものじゃ」
一方的に宣言すると、リマ四世はリプリカ様の純白の修道服に手をかけます。
「ああ、お戯れを。そんな」
嫌がるリプリカ様を楽しげに見下ろしながら、リマ四世はビリリと修道服を引き裂きます!
「きゃー!」
リプリカ様の白い肌が晒され、リマ四世は目を奪われました。
「ほう。下着を穿いてこぬとは用意がいいではないか」
そう。リプリカ様は下着もパンツも穿いていらず、大事な場所が剥き出しでした。
リマ四世は誤解してますが、大地母神ミラ様に仕えるシスターが、常に下着を着用しないのは普通の事です。
大地に生きる者が、より自然に生きる為に下着は邪魔なのです。
え、アンテーゼ様は下着を穿いてらっしゃる?
それはいけません。私が脱がして差し上げます……。(セリカ、剣を抜く)
ごほん。話を先に進めましょう。
そうそう。リプリカ様が修道服を引き裂かれた所からですね。ハァハァ。
「お、お戯れはおやめください」
ぷるんと揺れるおっぱいを隠し、リプリカ様は涙目で訴えます。
「私はミラ女神に仕えるシスター。このような淫らな行いは」
「よいではないか、よいではないか」
けれど、リプリカ様の怯えは、ケダモノを悦ばせるだけでした。
「ほうれ。よい胸ではないか」
力ずくで手をどかせると、リプリカ様の胸がまた一層大きく揺れます。ぷるるん。
ええ。リプリカ様の乳房は、それはそれは形も良くてふくよかで大きくて。
その触り心地も、ふかふかでやわやわで、えへへ、もうたまりませんでしたよ。
おっぱい! おっぱい!
ああ、でも。
その美しいおっぱいに、リマ四世の汚らわしい手が触れますよ。
「ううむ。これは見事な乳房」
ええ、そうでしょうとも、そうでしょうとも。
でもその手を離しなさい! なんて汚らわしい!
「うう、いやぁ」
けれど、リマ四世はいやらしくねちっこくリプリカ様の豊かなおっぱいを、揉みしだき、指を食い込ませます。
「いや。いやぁ」
イヤイヤと首を振り、涙を流すリプリカ様。ああ、御可愛そうに。
上から強弱を付けて、リマ四世はおっぱいを好き勝手に弄びます。
もう、リプリカ様のおっぱいを揉んでいいのは、私達シスターだけなのに! きー!
「ああ……いや、いやです。もう、もうお許しください」
涙声のリプリカ様の哀願も聞き届けられません。
リマ四世はおっぱいを揉むだけだなく、その頂点の桃色の乳首まで指で摘みます。
「はあぁ!?」
思わず切ない声を上げるリプリカ様。その乳首はすでに、ぷっくりと尖っておりました。
ふふふ、リプリカ様、なんだかんだでお感じになってらっしゃるわ。ハァハァ。
そして尖った乳首を激しく指でこね回されて愛撫されると、リプリカ様は美しい眉をきゅっと寄せて、身悶えます。
「ああ、ふあぁ………。はあぁ。やあ」
その喘ぎ悶える御姿に何を勘違いしたのでしょう。
「どうしたリプリカ。感じているのか」
なにを言ってるのでしょう、この下劣な男は。リプリカ様が、てめえなんぞの下手糞な愛撫で感じるもんか。
リプリカ様を開発したのは、私達だっての。かー、ぺっ。
でも調子になったリマ四世は止まりません。
御自分のズボンとパンツを脱いで、汚らわしいちんこを出します。
汚い陰毛に覆われた矮小で醜いちんこ。ああ、嫌だ嫌だ。見たくもありません。
「いやー!」
当然、リプリカ様はそんな汚い物体見るのも初めてです。
しかしそんな汚いちんこを、あろうことかリマ四世は、リプリカ様のお顔にと寄せるのです!
こらー! やめなさーい! 今すぐやめるのでーす!
「いーやーあー!」
その可愛い薔薇のようなほっぺたに、汚らわしいちんこを押し付けられて、リプリカ様をぎゅっと目を閉じます。
「ほうれほれ。これが今からおぬしの中に入るのだぞ」
ああ、なんということでしょう。
リプリカ様が、私達の大事なシスターが、男に穢されるなんて!
でも、私達は無力。相手は国王ですから。仕方ないじゃねーかよ!
そして遂にその時が訪れました。
リマ四世はリプリカ様の股を広げて、可愛いまんこを開かせます。
可憐なピンク色の、リプリカ様のたて筋まんこ。そのまんこはすでにしっとりと濡れていました。
ああ、リプリカ様の愛液、とっても甘くて美味しいでしたわ。
アンテーゼ様のまんこも、さぞや美味しいのでしょうね。ぜひ味合わせてほしいですわ……。(セリカ、抜いた剣を構える)
さ、話を続けましょう。挿入からでしたね。ハァハァ。
「ぎゃあああああっ!!!」
瞬間、断末魔のような悲鳴が上がります。
濡れていたとはいえ、リプリカ様は初めて。無理もありません。
けれどリマ四世は構う事無く、ぐいぐいと汚らわしいちんこを、まんこへと押し込んでいきます。
もう、なんてデリカシーのない。どうして、もう少し優しく出来ないのでしょう。
これだから、殿方はがさつで乱暴で嫌ですわ、ねえ、アンテーゼ様。
「やあああっー! いやあああーーーーー!!!」
御可愛そうに。泣き叫び、激しく悶えるリプリカ様のまんこからは血が流れていました。破瓜の血でしょうか。
「そうら! そうら!」
リマ四世は目に狂気の色を浮かべ、凶器のようなちんこを突き刺し、腰を振り回します。
あ、今の洒落分かりました? 狂気と凶器をかけたんですのよ。はい、ごめんなさい。つまらないですね。
「いやあああーーーー! やめて、やめてください!」
そして、リマ四世はリプリカ様と結合したまま腰を振り回し−
「いやあああああっぁぁぁぁぁぁーーーーーっ!!!」
膣へと射精したのです。
「駄目えええええーーーーーーーーーーーっ!!!!」
リマ四世の腰がビクンと動きを止め−
「わあああああああああああーーーーーーーーーーっ!!!」
リプリカ様の膣内で、熱い精子が流し込まれます。
そしてこの時の強引な交尾により、一人の女児が誕生しました。
それがアンテーゼ様。貴女です。
・シスターの独白終了。
「そんな、そんな」
話を聞き終えたセリカは、その場にぺたんとへたれこむ。
まさか、母がそのような悲惨な目に遭ったとは。そして、自分がおぞましい強姦の末に産まれた子だとは。
不意に、セリカは自分が忌まわしい存在のように思え、ぞっと身震いする。
どうして、育ての親のマイセンや、ノーヴァ島のノーマ司祭が母のことをあまり教えてくれなかったのか、分かる気がした。
でも。
ひとつ気になって、セリカはシスターに訊いた。
「あの。ちょっといいですか」
「はい。なんでしょう」
「あなたはその様子をどこで見ていたんですか?」
シスターの話はとても詳しくて。間近で見ていたとしか思えない。
「はい。すぐお側で見ておりました」
「最初から?」
「はい。最初から最後まで。リプリカ様のすぐお側におりました」
つまり、あの話のリプリカのすぐ側には、このシスターがいたわけである。
そして、ずっと黙って見ていたのだ。
「ばばあ……」
「なんです?」
「いいえ、なんにも」
殺気のこもった笑顔のセリカ(本名アンテーゼ)に、シスターは続きを聞かせる。
「それから、リマ四世はリプリカ様を王宮へと連れて行き、妃にしました」
もちろん、このシスターも一緒に。
「王宮での暮らしは彼女にとって辛いものだったのでしょう」
重い病にかかられて、あなたが生まれるとすぐに亡くなってしまわれた」
でも、亡くなる間際まであなたの事を気にして涙されていたの」
「ああ……お母様」
明かされる母の過去に、セリカはただ泣くしかない。
「アンテーゼ様、そんなに泣かないで……」
泣くセリカをシスターが慰めます。。
「そして、リマ四世は亡くなったリプリカ様の死体をさらに犯したのです」
「ちょっと待ったー!」
さらに話を続けようとするシスターを、セリカは即座に止めます。
「なんですか、その死体をって」
「はい。ですから、死体に淫乱な行為をするのです。死姦とか屍姦とかいうやつです」
「聞きたくありません。そんな話」
「えー。腐ってゆくリプリカ様の死体を、リマ四世が狂いながら犯すんですよ」
「あーあー。聞こえなーい」
耳を塞いで拒絶するセリカに、シスターも死姦を話すのは諦めました。ちっ。
そして唐突に話題を変える。
「あなたにお渡しする物があります」
言うと、いきなり修道服の裾を上げるシスター。
「うっ」
セリカは思わず身を引きました。
シスターはパンツ穿いていません。つまり秘所が丸見え。
そして「ふん!」と気合を入れると、何かがその割れ目から飛び出します。
「このサークレットは、リプリカ様があなたのために残された物」
お尻から出たサークレットを、シスターは拾って差し出します。
「ソフィア王家の王女であることを示す宝冠です」
差し出されたサークレットには、胃液やらいろんな液体で濡れていました。
「あなたが大人になれば渡すようにとお預かりしていました」
「それはいいんですけど。どうしてお尻から?」
「はい。盗賊に取られないように、お腹の中に隠していました」
盗賊に捕まっていたシスター。確かに、こんな高価なサークレットを持っていたら、すぐに取り上げられるだろう。
そして、シスターが何かを隠せる場所は体内しかなかったのです。
「どうかアンテーゼ様、このお母様の形見を髪に付けて」
髪に付けろと言われても。セリカは悩む。
お腹に隠されていたサークレット。胃液やいろんな液にまみれています。
「あなたはソフィア王家の唯一人の王女なのです」
強くサークレットを押し付けるシスター。
「どうかあなたの力でソフィアの人々を救ってあげて下さい」
その言葉でセリカは覚悟を決めた。王家の人間として生きる覚悟。
そしてもっと別の覚悟。
決心して、サークレットを受け取り−
セリカはサークレットを付けた!!
セリカは「神官」から「プリンセス」にクラスチェンジした!
セリカがサークレットを髪に付けたのを確認して、シスターはハラハラと涙する。
「私はミラ神殿に帰ります」
そしていきなり背中を向ける。
「どうか王女様、お気を付けて」
逃げるように、その場を後にするシスター。
プリンセス・セリカから、凄まじい闘気が放出していたから。
母の悲惨な境遇を聞かされ、王女になったセリカ。これからは、王族としての責任も生じる。
その頃のエスト。
「心を開きなさい」
「開きなさい」
パオラとカチュアが、閉じたエストの心を開かせようとしますが、末の妹はぶつぶつ呟くばかり。
「ぶつぶつ」
三姉妹が揃わないと、トライアングル・アタックも完成しません。
その様子を、セリカはどこか悟りきった表情で見ていました。
とりあえずは、エストの心を開かないといけません。パオラさんとカチュアさんと一緒に。
仲間になったばかりの魔女ソニアさんとも、親睦を深めないといけません。
ノーヴァ島の修道院から一緒のメイとジェニーとも、女の子同士の付き合いがあります。
プリンセスは大変です。
(おしまい)
リアルタイムで遭遇してもーた…
何か最近ペースはえー
ここは黄色電気鼠にキビしいインターネッツですね。
とりあえず漏れもスマブラでロイやマルス使って電気鼠を狩ってくる
だれか外伝氏と黄色い電気鼠の軋轢について説明してくれw
電気鼠☆が弱かったことに怒ってるのだろうか。
いやだなあ、軋轢なんかある訳ないじゃないですか。
外伝氏のはただのツンデレですよ。
ラムちゃんの電撃とか、ドクロちゃんの撲殺とか、
隣の赤ちゃんの体のアザとかと一緒ですよ。
((((((;゚Д゚))))))ガクガクブルブル
95 :
名無しさん@ピンキー:2005/12/02(金) 00:14:00 ID:+74/ZD2V
竜石も持たずにアカネイア兵に突っ込んでいって
陵辱されるチキたん・・・
スマブラシリーズは任天堂公式の電気鼠狩りが出来るゲーム
俺もちょっくら狩ってこようか
聖戦のアーサー×イシュタルを投下します。
監禁陵辱の要素を含みますのでそれらが苦手な方や、こんな変なカプなんか見てられないという方はスルー推奨で。
前スレのアサティニとは多分関係ないです。
あと、前スレのアレス×レイリアにレス下さった方々、ありがとうございます。半月ぐらい放置してしまってごめんなさい。
―――――冷たい。
重いまぶた。白く濁った視界が徐々に焦点を取り戻していく。
背中や手や足には何か金属のようなものが触れている。辺りを見回せば、そこは石室だった。
まるで牢獄の檻の様に細長い明かり取りの窓から窺うに、どうやら2階か、高くても3階程度の高さにあるらしい。
今の正確な時間は分からないが、まだ日が落ちるまでにはかなり時間がありそうに感じられた。
身体は壁に密着して座らされている。
妙な体勢で固まっている両の手首を動かそうとするが、ほんの少し動いただけでちゃらり、という音に止められた。
どうやら鎖に繋がった手枷でこの石室の壁に拘束されてしまったようだ。
「………お目覚めはいかがかな?イシュタル公女」
突然横で声がし、反射的にそちらに顔を向ける。どこか聞き覚えのある呟き。
一人の男が壁にもたれかかって床に座りながら明後日の方向を眺めていた。
割とこじんまりした部屋の中は生活感が無く、横転した木の台のようなものや細い紐のようなものが、ガラクタのように床の隅にごろごろ固めて転がされていた。
自分と同じ、フリージの象徴。独特の輝きを放つその銀髪は、陰に隠れていても尚煌いて目を射ってくる。
おもむろに腰を上げ、男はこちらへ歩いてくる。正面から向かい合えば窓から日光が浴びせられ、その表情をあらわにする。
「あなたは………アーサーっ………!」
「言われなくても自分の名前ぐらい知っているよ」
かすかに憤りを滲ませた声と、まるで無感動な言葉。対照的な2つの響きが、わずか2〜3歩の間で入り混じる。
そう、確かわたしはこの男と―――――
「何がそんなに不服なのさ」
自分が全く関係ないかのようにいけしゃあしゃあと言ってのけるアーサーに思わず手が出そうになる。
けれど、上から降りて手枷に結ばれた鎖が、また虚しく音を立てただけだった。
「あなたはっ……わたしの…わたしの覚悟を知っていて生かしたと言うの?」
「これ、何だか知ってるか?」
自分の問いもわたしの問いも無視し、アーサーはゆっくりと芝居がかった動きで腰の剣を抜く。
「スリープの剣って言ってな、不思議な代物だよ。剣としちゃ本当になまくらで役立たずだが、どっこいこれで軽くでも殴られた相手には―――――」
「―――剣がスリープの魔法を仕掛ける」
「ご名答」
用が済んだとばかりに剣を鞘に収めると腰から外す。二人とも魔道の使い手の軍服のまま、
今日戦場で一対一で対峙する直前と殆どそのままなのに、表情は違っていた。
「最初から……お前と本気で命の遣り取りなんてするつもりは無かった。
お前が最期の戦いの覚悟を持って目の前に立っていようが、俺はそんな都合知らないからな」
「……どういうつもりなの、あなたは」
まさかこの期に及んで肉親の情に訴えかけるつもりだろうか。
思考が導いた、自分が甘く見られたというその宣告が無性に腹立しかった。目の前に佇む男、
わたしを殺したいほど恨みあるいは妬んでいてもおかしくない人間が、どうして今この時、ここまで淡々と振舞えるのだろう。
ぐいと視線を刺すようにアーサーの虹彩に向ける。アーサーもまた無言で見つめ返す。
しばしの間、石室を沈黙が覆った。それでも瞳は精巧な細工物のように微動だにしない。
何を思ったか、アーサーは床に膝を突いてわたしの耳に手を伸ばす。戦人にしては華奢なその手はそのまま頬へ、首へ、肩へと滑っていく。
答えを得るまではどんな反応も返してなるものかと、思わず強張りそうになった身体を固めた。
「まあ、都合の良い思い込みだけ胸の中に抱えてあの世に逝かれるのが我慢ならないだけだ」
ふざけたような語調なのに、声音はいきなり打って変わって、冷たく鋭くなっていた。
「……時に、ここが何処なのか、思い出せるか?」
言われてわたしは部屋をアーサー越しに暫く睨んでいた。
その光景が脳裏のある記憶に行き着いた時、思わず意識が揺らぐような戦慄が背筋を駆け抜けた。
牢獄にしては少々明る過ぎて、床にも壁にも生々しさを感じさせる痕跡は見えない。
どうやらかなりの間使われずに放置されていたようだ。普通牢獄は地下にあるもの。
暗さは人間の心を削ぎ、もしもの時閉鎖して囚人を閉じ込めるのも容易で、拷問を行っても耳障りになりにくい。
考えれば考えるほどこの石室は牢獄のようでいて、まったく牢獄らしくなかった。
「フリージ城の牢獄の入り口の隠し階段を上がったところにある。
……ここはその昔秘密裏に作られて此の方、たったひとりの人間を幽閉するのにしか使われなかった」
肩にかけた手はいつの間にか首の後ろに回され、耳元で声が奇妙に優しく囁く。
「そう、お前の母親が俺の母さんを散々責め立て、辱め………ついには嬲り殺しにした部屋さ」
一瞬気を失ったかのように動かなくなったイシュタルの口唇に、俺はくちびるを押し付け舌を捻じ込ませる。
呆然としていて抵抗を忘れていたのは、ほんの少しの間だけだったが。
歯列をくすぐり、舌を捉えて口内を犯していく。首をこっちに引き寄せ無理矢理上を向かせた。
いくら息苦しそうにもがいても手には枷、背中に壁、足に床ではたかが知れている。
おそらくは両親や兄の仇とも思われているだろう(実際そうだった)相手に向かって、まるで恋人同士のように唾液を送り込む。
くぐもった水音や声が空気を震わせた。やがてそれに耐え切れなくなり、一際苦しそうな声を漏らしてとうとう嚥下したのを見て取った俺は、一旦くちびるを離した。
「見えるか、お前の為に部屋の隅っこにどかした道具が。三角木馬、皮の鞭、下まで燃やし尽くされた蝋燭に張り形に……
……あはは、まだまだガラクタはいっぱいあるね。一体何をやってたんだか」
きっと筆舌に尽くしがたいだろう所業。屠るまでは何にも表せないほどの怒りと恨みを孕んでいた。
けれど不思議なことに今では他人事のように嗤ってみせることが出来た。悟ってしまったからかも知れない。
ただ肉体を傷付けるだけならいくらでも出来た。手段には事欠かない。でも、それでは俺の望みは果たされない。
母さんは辱められ殺された挙句生ける屍にされて弄ばれた。どうして埋め合わせることが出来るだろうか?
ならば、自分の母親の嗜虐的な行為を何一つ止められなかった―――――その心の奥に封印された罪悪感を呼び起こして、お前の全てを食らってくれよう。
ふと、首に回していた腕に何か硬く冷たいものが当たっているのに気付いた。水色の宝石をあしらったイヤリング。
半ば気まぐれでそれを指で弄び始めると、イシュタルの表情がさっと変わった。
「ふふ………どうした。このぐらい、フリージの公女様ならいくらでも手に入っただろうに。
それとも、何か大事なものだったりするのかな。……なあイシュタル」
「それは……違う…違うわ」
「そう」
再びイシュタルと目が合った。藍色の虹彩には俺の顔が少し歪んで映っている。
「なら、別にどうなっても構わないだろうね」
「一体何を―――」
刹那、まるで身体全体から絞り出すような呻き声が聞こえた。俺がそれを外してしまったからだ。
少々手荒に扱ったせいか、白い肌に生まれた傷から血が出ている。その鮮やかな紅を耳朶ごと口に含んだ。
ざらついた舌の上で転がした、かすかに塩辛く、鉄に少しだけ似た血の味に思わず酔わされそうになる。
「いやぁっ…返して!それは……ユリウス様の」
「泣かせる話だな、それは本当に」
囁きかけながら俺は、そのまま抱き寄せたイシュタルの身体の震えを感じていた。
「たかが雲の上の皇子の気まぐれな戯れに、そこまで義理立てするなんて」
「あなたに……あなたに何が分かると言うのよっ……!」
イシュタルは懸命に身体を捩じらせて俺の束縛を少しでも逃れようとする。
「そう言うけどね、イシュタル」
だが何も変わりはしない。再び腕を絡めて、俺は言葉の刃を突き刺していく。
「ならばお前には、一体何が分かっていたのさ。
お前が本気の時でも、あいつはいつだって遊びだった。ミレトスでお前が解放軍と死闘を演じた時も、あいつにとってはただの遊びだった。
お前がいくら子供狩りを制止しても、あいつは一度だってまともに聞き入れはしなかった。
お前が負けて追い詰められた時に割り込んだのもただの暇潰しだろ。じゃなかったらお前が捕らわれることなんか無かった。
……どうせ、今頃マンフロイの爺やとバーハラで屍を並べて茶でも飲んでるんじゃないか?」
「違うっ……わたしは………わたしはっ…………!」
「―――こんなものだったんだよ、あいつにとってのお前は」
イシュタルから外した片方のイヤリングが、やけに軽い甲高い音を響かせて、石の床の上で砕け散った。
粉々になった破片が一瞬宙に舞って、明かり取りの窓から陽光を浴びて煌いた。
その音が鼓膜を打った瞬間、わたしの視界は色を失った。……今まで頑なに直視するのを拒んできた現実が、
こじ開けられた穴から奔流のように流れ込んでくる。察するのに、時間はかからなかった。
どんなに想いを寄せても、返って来る事は無い。拒絶さえも。けれどそれを認めれば、わたしは生きる場所を失うから。
幼い頃から皇太子妃として育てられていたわたしには、失うわけにはいかなかった。
敢えて悪行を捨て置いてまでしがみ付いてきた、わたしの場所。
罪を重ねて積もり積もったわたしの想いは、最早誰も拾ってはくれない。うち捨てられ、屍のように晒されるだけ。
転落は久しく感じることの無かったカタルシスのようにわたしを貫き、揺るがせていく。
「全ては徒労……お前は、願いも、想いも、望みも、何ひとつとして叶わなかった」
意識が底の方からぐらついて朦朧とする。ただ腕が絡まって、鎖が鳴って、目の前に映る瞳だけ何かに光って見えた。
あちこちにぞわぞわとした感覚が広がって染み込んで行く。首の後ろから肩から背中から痺れて、杯から零れた水のように止まらない。
やがてそれは砕けて、喉が暴れだし勝手に声を撒き散らす。仄温かい陶酔が全て包んでいく。
「ははっ……お前は、親と兄の仇に責められて感じてるのか?………おかしいだろ……なぁ…」
激しくも時に繊細な旋律は徐々にわたしを支配していく。理性が崩れていくその中で、それに覆われていたもの、
ずっと小さい頃に見つけた、大きくなるにつれて目を背け意識から締め出した空虚が見え隠れする。
親からはまるで権力の手駒の様に扱われ、わたしが神の力を宿したばかりに遠ざかってしまった兄。
わたしはただ、孤高が辛かった。淋しかった。それを埋めようとして、仮面の道化を演じていた。
「狂ってる……狂ってるんだよこの家は!」
血を吐かんばかりの叫びが耳を叩く。幾筋にも輝く銀色が舞い躍って、ただその目には、目には―――――
「……どうしてあなたは泣いているの…?」
「俺が………俺が泣いているって…?」
喘ぎに混じって突然放たれた、あまりにも醒めた声音の呟きに俺は凍りつく。
何気無しに自分の頬に手をやれば、いつの間にかそれは零れて流れ出していた。
顔をずらした拍子にイシュタルと視線がぶつかった。けれど、その瞳は手をつけるまでとは別の存在のようで。
視線で縫い止められた様に俺の思考は停止する。
“どうしてあなたは―――――”
「―――黙れよ」
もう幾度も重ねたくちづけでイシュタルの声を遮る。考えたくなかった、ましてそれを悟られるなんて、耐えられない。
「もういい、考えられなくしてやるよ……」
イシュタル自身が忌避した記憶をこじ開けて晒さなければ、お前に触れることも出来ないと俺が諦めてしまったことを。
どうせ近づけないのなら、堕ちてしまえばいい。どうせ手に入らないのなら、壊れてしまえばいい。
「ひぁあっ…!…ああっ!!」
他の全てを忘れさせてしまえばいい。
「ずっと……これからずっと……」
復讐も、理性も全て、弾き飛ばされてどこかへ沈んでいった。
「ん……あっ…ああっ……」
出来の悪い唄のように切れ切れの喘ぎ、鎖骨から少しずつ口で責める位置を下げていく。
背中で回した手もその曲線を指で触れるか触れないか、ゆっくりと撫で上げる。
若々しい張りに満ちた白桃は、けれども既に少女の域を踏み越えつつあった。
まるで隙を窺う忍びのようにゆるやかに白い肌に顔を埋めて、濡らしたせいでてらてらと妖しく光る身体の温もりを貪る。
「んっ………ふ…くっ……」
いくら逃れようと足掻いても、肌にはその感触から、耳には明らかに淫らなものを感じさせる水音からは逃れようも無い。
少しずつ満ち満ちていく劣情は間断無しに責め手を駆り立てた。責め続けることで俺自身まで悦楽の渦の奥に踏み込んでいく。
俺を殺そうとまでしたイシュタルがいまや手の内で良い様に善がり泣く、それだけで恍惚としてしまいそうだ。
「まだまだ………こんなもので終わるか」
もう呼吸は乱れて欲情の色を隠し切れなくなっている。神経が無意識に研ぎ澄まされて、今なら自分は何だってやってのけてしまいそうな気分だ。
「痛みの責め苦より激しく……お前の記憶の何よりも深く俺を刻み込んでやる……たとえ………たとえ死んでしまっても忘れられないようにな…」
縋り付いて素肌を合わせる。服など半分脱げかけてとうにその役目を為していない。
腕の中で跳ねる肢体は、柔らかさと質量だけでそれの至上を伝えてくる。
身体を少し離しくびれから細腰へ舌を這わせ、指は下腹部をなぞりながら、軽く力を入れて恥丘に埋めていく。
「…ひぁっ……」
深いスリットの下から手を差し入れ、既に濡れそぼち微かに芳香さえ漂わせる秘所を下着越しに軽く撫でる。
緩急を利かせて責める度にびくん、と身体を揺するイシュタル。
「いやらしいのな……こんなに濡らしてしまって」
床に伏せるような体勢でその潤いに顔を近づける。普段なら口に出さないような卑猥な言葉さえ堰を切ったように溢れて行く。
眩暈を起こしそうなほど蠱惑的な香りが脳髄まで染み渡る。愛液を吸って既に透けてしまっている下着を手で慎重に引き下ろし、
髪の色と同じ銀色の繁みから舌を埋めていく。
「う…く…んっ、あぁっ…!」
肝心なところは後に回し、舌は秘裂の浅い場所に唾液を塗り込む。片方の手は感触を頼りに身体を進み、少し強く双丘を揉みしだく。
「本当はいいんだろうに、あまり無理するものじゃないぞ」
空いている方の手の指を秘芯に伸ばし強く弄ぶ。その度にイシュタルの身体は啼いて弾ける。
豊かな丘の頂は痛々しいぐらいに立っていた。わざと秘所に大袈裟な水音を立てて吸い付き啜り上げ、中に舌を挿し入れて踊らせる。
間隔の短くなってきた嬌声、数瞬、イシュタルは全身を引き攣らせて荒い息のままくず折れた。気付けば俺の顔も愛液にまみれている。
顔を上げてイシュタルの表情を見てみた。瞳は潤み涙は零れ落ち、その焦点はどこか遠くを見ていた。
身体を再び近づけ、枷に繋がれて不自由な肢体の腰を抱え上げる。自分のすっかり猛りきった剛直を出して狙いを定めた。
同時にイシュタルの耳元で俺の絶え絶えの息に混じって、くちびるの間から微かな囁きが漏れていた。
「恨みたければ恨め……憎みたければ憎め……嗤いたければ嗤えばいい……」
遺恨も、憎悪も、嘲笑も、絶望さえも。
「お前の、全てが欲しい」
津波のように寄せては返しわたしを呑み込んで行く感覚は、より強いアーサーの怒張の衝撃を受けてさらに勢いづいた。
腰は勝手に満たされることを求め動いている。さながら大海で嵐に遭った小船のように、
次から次へと襲い来る快楽の波に揉まれて、その掌で転がされながら喘ぐのは、もう止まらない。
揃いの銀髪はもう汗と涙と唾液とで妖しく濡れて光を乱反射していた。
本能に従順にわたしの身体はアーサーを受け入れていく。今まで味わうどころか想像だにしなかった絶頂、
突き上げられるたびに意識が飛びそうになって、もう自分の意思は身体のどこにも届かない。
思考の残滓も綿糸のように簡単に焼き切れて、内奥は律動と融合していった。
ただ、きっと彼も知らぬ間に流れ続けわたしに滴り落ちるその涙が、静かに、しかし激情を纏って叩きつけてくる。
限界が近くなって、奔放に動き回った怒張の熱いほどの律動をわたしの中は捉えて絞めつけた。
浅ましくも全てに忠実な欲求は今の今弾けて、混濁したわたしの虚を埋めていく。
喘ぎ続けた喉はとうとう声を絞り出すのを止めてしまった。
だから、その刹那、あなたに聞こえたか、届いたか分からない言葉がひとつある。
アーサー、あなたが、泣くのは―――――
(おしまい)
あぼーん
106 :
名無しさん@ピンキー:2005/12/02(金) 18:08:38 ID:++zPEgwA
デューラケを希望します
全然無いから。
どなたか
レックス×フュリーをお願いします…!お願いします!
>>108 ええい、108の煩悩の固まりめが!
とっとと消えうせよ
「あの娘、可愛かったな・・・・・・」
俺はその夜、一人で部屋の中に設えてあるベッドの上に寝転がって今日あった出来事を思い返していました。
昼間の行軍で、初めて一緒になった、可愛い女の子。
「プリシラ、か・・・・・・」
可憐で華奢な体つきで、思わず俺が身体を張って庇いたくなるような、それでいて芯は強そうな、不思議な女の子。
お高く振舞っているわけでもないのに、気高く、どこか気安く触れるのを躊躇わせるような・・・・・・
俺にとっては、まさしく『高嶺の花』といった存在の女の子。
俺は気づいていませんでした。ベッドに入ってからずっと、彼女のことばかり考えてしまっている・・・・・・
知らずのうちに、俺は自分の股間を弄っていました。あ〜、彼女とヤリてえ!
でも、何と言うか、嫌がる彼女を無理矢理・・・ってのは、どうも・・・ねぇ。
お高く留まっている女を、貶めて隷属させるなんてのも世の中にはあるらしいけれども、それをプリシラでやってしまうと、
彼女のナチュラルな気高さという魅力までも壊してしまいそうで・・・・・・。
やっぱり俺の理想としては、彼女の方から、俺のことを好きになってくれるような・・・そんな関係になりたい。
そんなことを考えていたら、俺のムスコはすっかり元気になってしまいました。
『ギィさん、好きです・・・・・・♥』『ギィさん・・・あなたの子供、産んでもいいですか・・・?』
やべぇ!彼女が言うはずもないような台詞を思い浮かべるだけで、もう出そうだ!
俺は辺りを見回しました。ですが、拭く紙や布は、一枚もありません。
シーツに付けたりすると、あとでマシューに見つかって言いふらされるかもしれない。そしたら、プリシラの姫にも
嫌われちまうかも・・・・・・
皮を思いっきり伸ばして、その中に溜めようにも、俺のムスコはもう完全に剥けているので、それはできません。
俺はムスコの尿道口をおもいっきり押さえて外に飛び出ました。そのまま、一刻も早くトイレへ!
で、俺は部屋を出て、廊下の突き当りを曲がったそのとき・・・・・・
たまたまこっちに向かっていたプリシラ姫と、出会い頭に衝突してしまいました。
ぶつかった瞬間、俺の手は尿道口から外れて、生臭い白濁が一気に飛び出ました。
「あ・・・・・・」
気づいたときには、彼女の顔は、俺の白濁で濡れていました。
尻餅を突いて呆然とする彼女に、俺は慌てて釈明しました。
「あの、そ、それは、うちの部族に伝わる、『馬乳酒』って酒で、その・・・ほら・・・な?」
必死で言い訳しましたが、どう見ても精子です。
本当にありがとうございました。
ダミアン氏w
ギィプリは大嫌いなんだが、ダミアン氏のは好きだなー。
>>110 ♪かわかわ皮〜 ころもを つけたら 被るなの〜
>>110 このアホ!(ほめ言葉)
家族の前で見てて吹いちまったじゃねーか!
フォローが大変だったぞコンチクショーめ!
117 :
名無しさん@ピンキー:2005/12/04(日) 15:05:48 ID:lBHf3Q7k
>>110 テラワロスwwwwwwwwwww
ガ板のどう見ても(ryスレ以上のクオリティwwww
ここってレズ系とかダメなん?
今ふと気になった。
>「あの、そ、それは、うちの部族に伝わる、『馬乳酒』って酒で、その・・・ほら・・・な?」
秀逸wwwwww
>>118 保管庫にもレズはあるんだからOKじゃないか?
フロリーナ×リン キボン
ラナ×ユリア きぼん
ラーチェル×エイリークorミスト×ジル キボン
希望ばかりだな…
じゃ、オレも
ラドネイみたいに気の強い男嫌いの女が強引にy(ry
ターナ×エイリークかミーシャ×カリンきぼん
暇あったら自分が書きたいな・・・・
キラーボウで馬撃ち堕とした後のフィオーラを
山賊達で取り囲んで
泣き叫びながら必死で抵抗するのを
力でねじ伏せてボロボロになるまで犯してやりたい。
やっぱ犯るならペガサスナイトだの。
まあ、穢れを知らぬ坊ちゃんとラブラブや、ありえないカプを見せられるくらいなら
兵士や山賊に輪姦されたほうがリアリティがある品
>126
それフュリーでやりたい。
最後は達磨状態で出産ショーin見世物小屋とか。
いいですねえミーシャ×カリン。どっちからいくか微妙に迷いますが。
個人的には直接の上下関係が無いのが少し惜しいです。
外伝の修道院といい、天馬騎士団といい、二次元の女の園には百合が付物ってのはFEで植えつけられたんだよな……
130 :
名無しさん@ピンキー:2005/12/06(火) 03:51:21 ID:G7ponts8
ガクガクブルブル
ageちゃって申し訳ありません。
その上誤爆です。
吊って参ります……
「おいてめえら、この姉ちゃんの膣内に一人ずつ射精しろ!
見事こいつを孕ませた奴にみんなが1万ゴールドずつ支払う。どうだ?」
「おお、面白そうっすねえ」
「でも、全員で射精したら誰が孕ませたなんて分かりっこないんじゃねえですか?」
「ばっか、今は占い屋って便利なもんがあるじゃねえか。そいつに生まれたガキを見せれば誰が親父か一発だぜ」
「なるほど」
「孕ませたら30万ゴールドか。よし、俺はやるぜ」
「俺も俺も」
下卑た笑いを浮かべながら、山賊たちは次々に放心するフュリーに群がっていく。
「はうっ!あぁっ、あぅうっ…」
生暖かい精液が子宮の中に流れ込んでくるのを感じながら、「王子、レヴィン様」とうわごとのように繰り返すフュリー。
フュリーは満足だった。自分が囮になることで、愛する主君が襲い来る山賊の群れから逃れることができたのだから。
悔いがあるとすれば、その彼に純潔を捧げられなかったことだろう。
いつの間にか彼女のお腹はパンパンになり、入りきらなくなった白濁液が股間から止めどなく零れていた。
「これじゃもう妊娠してるみたいだな、ぎゃはは」
「なぁ〜、やっぱり一発じゃ満足できねえよ」
「何だと?まぁ俺もちょっと物足りないところだったからな…よし、一人三発までいいことにしてやろう」
だが女に飢えた山賊たちが三発で満足するはずもなく、シグルド達に救出される四日後まで
フュリーは休む間もなく犯され続けた。
そして、そうやってフュリーが山賊達をひきつけている間、彼女の愛するレヴィンは
近くの砦まで逃げのび、そこで一休みしていたシルヴィアとティルテュと、3Pを繰り広げていた…。
>128を見てむしゃくしゃして書いた。今は反省している。
133 :
128:2005/12/06(火) 11:18:34 ID:r4DnyKQj
(*´Д`)
GJ!
デューラケないの?
>>132 GJ!強姦は別に無問題、でも輪姦は苦手だった。けれど、こうやって形になってると
しっかり読んでしまう自分が居る(ノД`)占い屋のじいさんある意味最強ww
>>132 占い屋「この子の父親はアーダン、母親はフュリーじゃな」
フュリー「!!!」
ちょww混ざってたのか?
ジュウキシ、ジュウキシダヨシムラ
紋章ユミナ王女陵辱を投下します。
ユミナ王女陵辱注意。
アカネイア王国に反旗を翻し、反逆者と呼ばれたグルニア王国のユミナ王女とユベロ王子。
しかしその反乱も、マルス王子率いるアリティア軍が鎮圧。
ロレンス将軍が壮絶な最後を遂げた後、マルス王子の制止を拒絶したランス将軍に連れ去られてしまう。
そして………
「け、ケダモノォ!」
目に涙を浮かべて睨みつけるユミナ王女を、ランスは愉快そうに見下ろす。
両手を後ろ手に縛られ、ベッドに横たわるユミナ王女。
まだ幼さを残した可愛らしい容姿に、年甲斐もなく淫らな妄想が溢れ出る。
その欲情を隠そうともしない、鼻息荒い老人に、ユミナは毅然と言葉を叩きつける。
「けだもの! 近寄らないで、このケダモノォ!」
「ふふふ。連れ去ってきてよかったわい」
しかしその言葉は、かえってラングを悦ばせるだけだった。
涙目の小娘から「けだもの」。なかなかにそそる。
「かわいいのぉ」
ラングはじっくりとユミナ王女を鑑賞する。ねめまわすような嫌らしい視線で。
短く切ったゆるやかにウェーブかかった輝く金色の髪。
いかにも気の強そうな高貴な幼い美貌。
真っ白な修道服に包まれた身体はいかにも貧弱で、まだ年端もいかない少女であることを示している。
そして、ユミナ王女はシスター。神に仕える清らかな聖なる乙女。
ハーディン皇帝からは、「高貴なシスター」を連れてくるように命じられていた。
グルニア王女でシスターのユミナは、その条件にぴったりである。
だが、ラングはその命令にあえて背いた。己の欲望を優先させて。
ハァハァと荒い息を吐いて、ベッドの上のユミナ王女に迫る。
「さ、さあ。ユミナ王女。わしと、イイことしような。ハァハァ」
「いやっ! くるな、けだもの!」
クソ怪しい鼻息荒いじじいに、ユミナは精一杯反抗する。
だが両手を縛られていては、どうしようもない。
ラングはユミナ王女に上から覆い被さり、ゆっくりとその華奢な肢体を抱きしめた。
「やああーーーーっ!」
絹を裂くような悲鳴。耳元で乙女の悲鳴を心地よく聞きながら、ラングは少女の金髪を撫で撫でし、逆に耳元で囁く。
「ユベロといったな。王子がどうなってもいいのかな?」
「ひっ!?」
弟の名を出され、ユミナ王女はびくっと身震いした。
「ユ、ユベロをどうする気!?」
「別に。どうもしない」
ラングはユミナの顎をぐっと掴み、
「お前が大人しくしてればな」
「………!」
ぐっと歯を食い縛り、ユミナは目の前で発情中の老人を睨みつける。
でも。
ここには誰も助けてくれる人はいない。
ロレンス将軍は死んだ。そしてオグマも助けにきてくれない。
「わかった、わ」
目から涙を流し、ユミナはぽつりと漏らす。
「私は好きにしなさい。でも、ユベロには手を出さないで」
あくまでも王女の誇りと尊厳は崩さない、ユミナの強気な口調。
その高貴な精神が、ラングをさらに興奮させる。
この高貴な王女を、穢し、壊したい衝動に駆られるのだ。
「王女の仰せのままに」
そして、ラングの口がユミナの口をふさぐ。
「んー!」
突然のキスに、ユミナはさらに涙をこぼす。
白い髭に覆われたラングの口。髭がちくちくと痛くて気持ち悪い。
だがそれよりも。
初めてのキスを奪われたという事実。
(はじめて……だったのに)
また熱い涙。
ユミナとて年頃の少女だ。恋に憧れる気持ちもある。
だがそんな乙女らしい感傷を、ラングは獣欲で踏みにじる。
唇を重ねるだけでなく、舌まで入れてくる。
「んー!?」
口いっぱいに広がるねっとりした他人の舌のおぞましい感触に、ユミナは頭を振って逃れようとする。
だが頭をがっしりと掴まれ、逃げることもできない。そのまま男の舌は、乙女の口の中を蹂躙し、弄んでいく。
「……んふっ」
舌と舌が絡み合い、歯をなぞっていく。
口の中で行われるおぞましい行為に、ユミナは鳥肌を立てていた。
「ふー」
短いが、しかしユミナにとっては永劫とも思えた屈辱の初キス。
ようやくランスが口を離すと、二人を唾液が糸になって結ぶ。
「さすが王女。見事な唇でしたぞ」
ぺっ
軽口を叩くラングに、ユミナは口に溜まった唾を掛けてやった。
「この、けだもの! けだもの、けだもの、ケダモノーっ!!」
ほっぺたにかかる唾に、ラングはやれやれと苦笑をもらす。
「おやおや。ユベロ王子をどうなってもいいのですか?」
「うっ」と押し黙るユミナ。
「まあ、いいでしょう。その代わり」
ラングはやおら立ち上がると、腰の紐を緩め、
「わしのこれを口で慰めてもらおう」
と、己の分身をズボンから取り出す。
「ひいぃっ!?」
その醜悪な男根に、ユミナは顔を恐怖に歪ませ、視線をずらす。目をつむる。
「い、いやっ! そんな汚らわしいモノ、イヤイヤイヤイヤー!」
突然、男のモノを着せられ、本気で怖がるユミナにラングはやれやれと苦笑する。
どんなに強気でも、所詮は小娘。だがそこがまた可愛らしい。
「ほーれほれ。これを口の中でしてもらおうか」
柔らかなほっぺにつんつんと、男根を突き付ける。
「いやっ! いやったらイヤ! ケダモノっ!」
男根を直にほっぺに触れられ、ユミナは嫌々と首を振る。涙が飛び散り、短い金髪がゆらゆらと揺れた。
「仕方ないのぉ」
強情なユミナに、ラングはとっとと先に進むことにした。
「では、下の口で相手してもらおう」
「え?」
ラングの手が修道服に掛かり、
ビリリリリ
縦に一気に引き裂いた!
「イヤー!」
カッと目を開け、ユミナは叫ぶ。
その悲鳴を心地よい堪能しながら、ラングは一気に服を脱がしていった。
引き裂いた修道服を引き剥がし、下着も脱がすと、パンツまで奪って大事にふところに仕舞い込む。
そうして、まだ幼い少女の幼い裸体が露になった。
「イ、イヤ……見ないで、見ないでぇー」
恥ずかしげにベッドの上で転がるが、両手を縛られていては隠すことも出来ない。
「ほうほう」
そしてラングは幼い裸体をじっくりとねぶるように視姦していく。
まだほんの少し盛り上がっただけの小さな乳房。先端のピンクの乳首は鮮やかに輝いている。
ほっそりした腕に細い脚。ちょっと力を込めれば折れてしまいそうな小枝のような印象を受ける。
そして、まだ陰毛も生えていない割れ目。
「いやっ。見ないで」
両脚をきゅっと閉じて隠そうとするが、そうしても一本のたて筋が強調されるだけだった。
まだどんな異物も受け入れたことのない幼い性器は、固く閉じたまま。
「やだ、やだやだー」
イヤらしい視線に耐えかねたように、ユミナは肌を紅くして涙する。
彼女はまだ気付いていなかった。
自分の幼い体躯が、どれだけ男を興奮させるか。
その幼い恥じらいの仕草が、男の欲情を誘うだけだと。
「ハァハァ」
荒い鼻息。我慢できずとばかり、ラングは鎧姿のまま股間だけを晒してユミナに抱きつく。
「いたっ!」
固い鎧に柔らかな素肌を包まれ、ユミナは金属の痛さと冷たさに抗議の悲鳴を上げる。
だがラングは構わずに、鎧の上からユミナを抱きしめた。
「いたい! いたああぁぁぁーっ!」
「そうか。痛いか」
当然の事を呟き、ラングはまだ淡い膨らみにしゃぶりつく。
小さな乳首にキスすると、ユミナは「あっ」と声を出して呻いた。
さらに口に乳首を含めて、ちゅくちゅくと舐めまわいて涎まみれにしてうある。
「あっ、んっ。やだ、もう」
初めて、ユミナが快感に身悶える、だがそれも一瞬。
ラングの指が、もう片方の乳首をぎゅうぅとつねる。
「ひいいいいぃぃぃぃーーーーーっ!」
ほんのちょっとの快楽と、全身を駆ける激痛。
「いたーい。やだっ! やめてーっ!」
だがラングは聞く耳持たず、舐めていた乳首も歯で噛む。甘噛みなどではなく、噛み切るような強さ。
「ぎゃあああああっ!!!」
身を仰け反らせ、ユミナは天に向かって叫ぶ。見開かれた瞳は涙で溢れ、乳首が引き千切られるような痛みに、恐怖で頭がいっぱいになった。
「やっ! ちぎれる! ちぎれちゃうーっ!」
もしラングがその気だったら、本当に乳首は千切れていただろう。だがそこまでする気はないらしく、すぐに口と手を離してやった。
「はぁはぁ」
胸が痛みから解放され、ホッと一息つくユミナ。
だがその刹那−
幼い乳房から離れたラングは、今度は幼い股間へと顔を埋め、舌を伸ばす。
「アーっ!」
もっとも敏感な部分を直接触れられ、ユミナの幼い肉体がビクンと震動する。
その震えをこちらも直に感じ、ラングが筋にそって舐め上げた。
「あっ。やだ」
感じちゃダメと頭では理解しつつも、体は勝手に反応してしまう。
もっとも汚い所を舐められているというのに、体がむず痒くなり、脚がせわしなく動いてしまう。
「ハァハァ……やだ、ふぁ、はぁっ……」
幼いが切ない喘ぎ。
秘所をしゃぶられ舐められる度に、ユミンは喘ぎ悶え、愉悦が沸き起こる。
そして身体の奥から沸き起こる愛液を、ラングは嬉しそうにすすった。
「アアーッ!」
股間に顔を埋めるラングに快感を与えられ、ユミナは泣きながら喘いだ。
「ふふ。やはり生娘の汁はうまいのぉ」
ユミナの愛液をすすり、満足しきったラングはようやく顔を上げる。
「こ、このケダモノぉ」
と言うユミナ王女の声は、もう涙でよれよれだった。
「どうれ。次はわしが楽しむ番だ」
「えっ!?」
ラングはユミナの小さな体を背後から抱えると、あぐらをかいたお己の上に持ってくる。
そのユミナの割れ目の下では、ラングの男根が隆々と天を向いていた。
いわゆる後面座位。
「さあ。ユミナ。大人になる時間だ」
「い、いやっ。いやっ。イヤアアアアァァァーーーーっ!」
さすがに何をされるか悟ったユミナが、持ち上げられた姿勢のまま、最後の悲鳴を叫ぶ。
「そうら!」
一気にユミナを降ろすラング。その小さな幼い女体に、醜悪な男の欲望が、下から貫いていく!
「ケダモノオオオォォォーーーーー!!!」
ユミナの絶叫が、空しく響き渡る。
そして貫かれた処女肉からは、鮮血が溢れていた。
「やだあああぁぁぁーーーーっ! うわあああっーー!」
ケモノじみた雄たけびを漏らすユミナ、ラングはゆらゆらと背後から揺さぶり、前に手を回して、華奢な乳房を揉み、乳首を指に挟。
「いやっ! いやーっ! もうヤメテ! ゆるして、ゆるしてーっ!!」
気の強い王女の泣き叫ぶ姿に、ラングはそれだけで興奮した。
ユミナ王女の膣肉はあまりに狭く、固く、幼い。肉棒はほとんど挿入できず
浅く挿入されるだけだった。
それでも、ラングは大いに満足し、ユミナは痛みに泣き叫ぶ。
「いたい! いたいのおぉーっ! だれか、だれ助けてーっ!」
とうとう助けを求めるユミナ。もう王女としての尊厳は粉々に打ち砕かれていた。
「そうら。受け取れ!」
「イヤアアアァァァァァーッ!」
そして膣に濃い精液が怒涛の如く放たれ−
ユミナは絶望に身を染めながら、気を失った。
「いや……いやぁ」
気を失いながらも、尚も泣き言を呟くユミナをベッドに放り出し、ラングは大きく息を吐いた。
さすがに年だ。連続の射精は無理がある。
「今日はここまでだ」
涙でベッドに染みを作るユミナに、ラングは残酷に言い放つ。
「また明日から、楽しみにしておれ」
それだけ言い放つと、ラングは身支度を整えて部屋を出た。
「うう」
後には泣きながら眠るユミナのみが残される。
それからしばらくして。
「ユミナ。ユミナ」
声に目覚めると、そこには見慣れた顔があった。
「オグマ!?」
ユミナとユベロを助けに来たオグマだった。
「遅くなったな。助けに来た」
「わーん。オグマー」
泣きながら、ユミナはオグマの胸に抱きつく。全裸で。
「よしよし。もう大丈夫だ」
言いながら、ユミナの金髪を撫でてやるオグマ。
「オグマ。オグマー」
助けに来てくれたオグマに、ユミナは泣きながらなおも抱きつく。
だがユミナは気付いていなかった。
自分の裸体を見つめるオグマの目が、ラングと同じ「ケダモノ」の目だと。
(おしまい)
>>139 GJ!やっぱり外伝氏の陵辱モノは容赦無しですな。
………やっぱりオグマ隊長はロr(ry
>泣きながら、ユミナはオグマの胸に抱きつく。全裸で。
なんとなくワロタw
GJ!
GJです!
最後一行でちょっとゾクっときた。
いや、笑うところなのか?w
誰も槍将軍に突っ込まないのか
149 :
名無しさん@ピンキー:2005/12/09(金) 00:10:11 ID:0vrDuxTH
突っ込まないというより突っ込みたくない
むしろ突っ込まれたい
>>139-144紋章ユミナ王女陵辱の続きで、
紋章オグマ×ユミナ王女を投下します。
ごく普通の和姦だと思います。
ラング将軍の手からユミナ王女とユベロ王子を救出して、逃避行を図るオグマ。
本当はラングの首を取りたかったが、足手まといを二人も抱えては逃げるだけで精一杯。
マルス王子のアリティア軍との合流を目指して、見つからないようにこそこそてくてくと歩く。
こそこそてくてく
「ねえユミナ。大丈夫」
今にも泣きそうな蒼い顔でとぼとぼ歩く双子の姉を、ユベロが気遣う。
ラングの下から逃げ出して以来、ユミナはずっと元気が無かった。
気の強いユミナの元気の無い姿に、ユベロも心配になる。
「大丈夫……なんでもないわよ」
ユミナの答えはいつもこうだ。
まさか言えるはずがない。
ラングに襲われ、強姦され陵辱され処女を奪われたなど。
助けてくれたオグマにも、この事はユベロには秘密にしてと頼んでいる。
二人だけの秘密。
ユミナの辛い過去に、オグマも胸を痛めていた。
もう少し早く助けていれば。
だがそれ以上に。
あの時見た、ユミナの裸体が頭を離れない。
まだ幼さを残した成長が始まったばかりの少女の華奢な裸。
あの裸をしゃぶり、「けだものぉ」と、なじられたい……。
オグマはぶんぶんと妄想を振り払い、前に進む。
今は、ロレンス将軍から託された双子を守るのが役目。それは男と男の約束。
やがて、日も暮れる頃、小屋が目に留まった。
「もうすぐ日も暮れる。今日は小屋に泊まろう」
オグマの提案に、くたくたの双子が断るはずもなく。
その日は、おんぼろの小屋で一夜を過ごすことにした。
よっぽど疲れたのだろう。
なけなしの乾パンを食べると、ユベロはすぐにすやすやと寝息を立てて眠る。
その隣では、ユミナが膝を抱えて座っていた。目に涙を浮かべて。
「ユミナ」
オグマがそっと声をかけると、ユミナは慌てて金髪の頭を振って、涙を拭う。
「やだ。私ったら」
懸命に涙を拭き取るユミナ。だが後から後から目から水が溢れる。
「いいんだぞ」
優しく声をかけ−
「泣いても」
オグマは、そっとユミナの頭を胸に包む。
鎧越しに感じる、オグマの逞しくて暖かい胸板。
汗臭い男の匂い。
その全てが、ユミナの緊張の糸を切る。
「わああぁぁぁぁーーーん」
オグマの胸の中で泣くユミナは、ただの女の子で。
「よしよし」
オグマは、そんなユミナを優しく撫でてやる。
「えぐ。えぐ」
ユミナは泣いた。今まで堪えていた分も。
やがてオグマの胸は、少女の涙でいっぱいになり。
オグマはどうにかして、悲しみを慰める方法を考える。
だが何が出来る?
力尽くで犯され、処女を奪われた少女に。
シーダ王女だったらどうするだろうか?
そう思って、ふと以前のシーダの説得の言葉を思い出す。
『その剣で私を好きにしてください』
いや、こっちじゃない。
『あなたは愛を信じますか?』
なんだか抹消されたセリフのような気もするが。
愛、という言葉を口にするのは恥ずかしいが、仕方ない。
「な、なあユミナ」
泣き疲れ、胸にうずくまるユミナに、オグマは精一杯の優しい声音で語りかける。
「愛を、信じるか?」
「はぁ?」
突然の言葉に、ユミナはきょとんと固まり、そして「ぺっ」と露骨に笑う。
「どうしたのオグマ。何か悪い物でも食べら?」
「いや、そうじゃなくて」
顔を上げたユミナに目を合わせ、オグマは真っ直ぐに言い放つ。
「俺が、愛を教えてやるよ」
「あい?」
ユミナは可愛らしく首を傾げ−
「きゃー」
やおら顔を紅くして、オグマの胸をばんばん叩く。
「お、おい」
困惑するオグマに、ユミナは涙を拭き取り、以前の強気な笑顔で言った。
「本当に?」
オグマから一端離れ、下を向き、ちょっと照れくさそうに手を絡める。
「本当に、私を愛してくれる?」
「ああ。本当だ」
オグマの目には、強気な娘が恥じらう姿はとても眩しくて。
「分かったわ」
ユミナは、にこりと微笑む。
「私を、あげる」
そして二人は、寝ているユベロを放置して、小屋を出る。
いくらなんでも、狭い小屋の中では声が聞こえる。
外に出ると、一面の星空が広がっていた。
「わー。奇麗!」
そう言うユミナこそ、オグマには奇麗に見えた。
満天の星空をバックに、静かに微笑む金髪に美少女。
その少女がニッと笑い、両手を挙げる。
「脱がして」
ユミナの白い修道服。以前のはラングに破かれ、今は予備の二枚目。
その白い修道服を脱がしてやると、幼く白い裸体が目に飛び込んだ。
さすがに奪われた下着まで取り戻す余裕はなく。
ユミナは今までずっとノーパンだった。
目を丸くして驚くオグマに、ユミナは「うふふ」と笑う。
「ねえ。驚いた?」
「ああ。驚いた」
ユミナの美しさに。
星空の微かな光に照らされる、ユミナの幼い裸体。
触れれば折れてしまいそうな小枝のような細い手足。
小さな乳房はまだ淡く膨らんだだけで、股間には陰毛も生えていない。
その割れ目は、ラングに貫かれたのが嘘のようなピンクのたて筋だった。
オグマは自らも鎧を脱いで、さらに服も脱ぐ。
その様子を、ユミナは恥じらいもせず見ていた。
やがてオグマがパンツを脱いで、その巨大なイチモツを晒しても、眉をぴくっと動かすだけだった。
「驚かないんだな」
「お、驚いてるわよ」
確かに声は震えている。だが視線は剛毛に覆われた男根から離れない。
「気になるか?」
言うとオグマはユミナの手を取り、己の分身へと導いた。
「あっ」
暖かくて脈打つ男の象徴。それに生で触れて、その気色悪さにユミナは鳥肌が立った。
「や、やだ」
慌てて手を引っ込めて、オグマをメッと睨み上げる。
「もう。このケダモノ」
そしてほっぺにキス。左頬の十字傷に。
古傷にキスされ、オグマはそっと目を細める。
感極まって、ユミナの細い裸体を抱きしめた。
「きゃっ」
生臭い男に覆われ、ユミナは身を固くした。それも一瞬。
自らもオグマに抱きつき、身を委ねる。
何もしなくても。
こして肌と肌を触れ合わせるだけで、体が熱くなり、昂ぶり、鼓動が早くなる。
ドクン ドクン
「オグマの心臓。すごくドキドキいってる」
「ユミナも」
抱き合い二人は笑い−
そっと唇を重ねる。
唇を軽く重ねただけの浅いキス。
立ったままオグマはユミナの背中に回り、背後から抱きしめる。
「あっ」と無意識にユミナを声を漏らす。
背後からのオグマの手が、ユミナの小さな胸を包み、もう片方は股間へと伸びる。
微妙な場所を愛撫され、ユミナはくすぐったさに身を揺らした。
でも拒絶はしない。安心しきって、オグマの手に身を委ねる。
オグマの手が小さな胸をゆっくりと撫で回す。
「あ……んぅ…。け、ケダモノぉ…」
それでも、ケダモノ呼ばわりするユミナに、オグマは苦笑して愛撫を続ける。
股間に伸びた手が、脚に付け根に割り込み、ピンクのたて筋をなぞる。
「ひゃっ!?」
ぽく、と爪先立ちになるユミナ。
オグマはそのまま丹念に、割れ目を指でほぐし、指圧していく。
「あ……やぁ……」
背筋を伸ばして、小刻みに震えるユミナの幼い裸体。
オグマは背後から顔を寄せ、金髪の香りを嗅ぎ、ユミナの鼓動を直に感じる。
「はぁ……あん、ふぁ…」
割れ目をなぞる手に、じゅっと液が漏れる。
白い肌が紅潮し、いつしか脚がガクガクと震え、もう立っているだけで精一杯のようで。
オグマは愛撫していた手を離し、背後からユミナの身体を支えると、そのまま持ち上げる。
そして自らは地面に座ると、己の腰の上にユミナの股間を持ってきた。
すでに、オグマの分身は隆々と勃起している。そしてユミナの秘唇はテカテカと濡れていた。
「えっ!?」
背後から持ち上げられ、下から男根を突き出され、ユミナは身震いした。
それはラングに処女を奪われた時と同じ、背面座位。
でも不思議と恐怖はない。
「いいか?」
だから、訊ねられて、こう言った。
「うん。いいよ」
こくっと頷くユミナ。
オグマはゆっくり、ゆっくりとユミナの腰を落とす。
「ひゃあっ……ふああっ」
男根の先端が、ユミナの入り口に触れ、肉壁をゆっくりと広げ、そして入っていく。
「ああ……はいっていく…はいってくよぉ」
ユミナはしっかりと感じていた。己のお腹に入る巨大な異物を。
そしてオグマも、先端でユミナの暖かい膣内を感じていた。
「うっ。ユミナ」
そのままずるっと、オグマの男根は幼いユミナの膣へと埋没していく。それでも半分も入っていない。
「はああぁん……!」
お腹に突き刺さる衝撃に、オグマの上で大きく震えるユミナ。
でも痛みは感じない。ただ熱い衝動が、胸の奥から湧き上がる。涙が自然に溢れる。
「ひゃあっ……あんっ……け、けだものぉ……」
甘い喘ぎ声で、けだものと口走ってしまう。涙目で。
「け、けだもの。けだものけだものけだもの」
そのオグマの上で、ユミナは背筋を伸ばして、お腹の中の肉棒をいっぱいに感じる。
「けだものーっ!」
勝手に飛び跳ねるユミナに、オグマの男根も強い刺激を受けていた。
幼い膣が、きゅうぅとオグマを締め上げる。
「くっ。出すぞ」
「けだもの! けだものーっ!!」
ズン、とお腹に強い衝撃が伝わり、ドクンと熱い精液が放射される。
「あ、アアア。アー! け、けだ、ケダモノー!!!」
ユミナの幼い膣を、濃い精液がいっぱいに満たし、溢れた精液が結合部から漏れていた。
「は、ハァハァ」
長い長い射精を終え、オグマは己の上にユミナを横たえる。
ユミナは紅い恍惚の表情で、オグマの胸板に頬を寄せた。
そして、手はオグマの腰に伸びる。
射精したばかりのオグマの分身。だが今も勃起したまま。
「オグマのここ。まだ立ってる」
「そうだな」
「わ、私なら大丈夫だよ」
ユミナは目を合わせ、強く言う。
「オグマが満足するまで……」
「いや。今日はここまでだ」
健気に言うユミナの金髪を、オグマは優しく撫で、
「これ以上は、ユミナがもっと大人になってからな」
「うん……」
寂しげに言いながらも、ユミナはオグマの胸にしがみついて甘えていた。
「私。早く大人になるね」
そして二人は口を重ねてキス。
星空が、屈強な傭兵と幼い王女を見守っていた。
それからもオグマとユミナとユベロの逃避行は続く。
ホルム海岸で賊に襲われるが、仮面の騎士シリウスの助けもあり、遂にマルス軍と合流。
これまでの軋轢を捨て、ユミナとユベロもマルス軍に加わる事になった。
そしてその後、アリティアから脱出してきたシーダ王女が仲間になる。
「シーダ王女! ご無事で何よりです」
無事だったシーダ王女に、オグマは心底安心した。
タリス王国のシーダ王女。
オグマにとっては、命の恩人であり、全てを賭けて守るべき主君。
そのオグマのシーダ王女への忠誠ぶりを、ユミナはじーと見つめていた。
じー
そして二人っきりになって、オグマに直接訊いた。
「ねえオグマ。私とシーダ王女、どっちが大切?」
ユミナの真摯な問いに、オグマも正直に答える。
「シーダ王女」
(おしまい)
涙目の小娘から「けだもの」。
外伝氏、最終行ひどいですw
※申し訳ありませんが、ちょっとお借りしますわよ。
それより数分前。セーラはオスティア城内の一室で、
式典に着ていくための衣装に着替えている真っ最中である。
その手伝いを頼まれたのは、キアランの騎士であるフロリーナなのであった。
「ちょっ・・・フロリーナ、きついわよ!? や、やだ・・・やめて!!」
「ご、ごめんなさい! で、でも、コルセットって、このぐらいしないとダメなんです・・・」
客人の一人として呼ばれた自分が、なんでこんなことをしなければならないのか。
そんなことを考えながらコルセットの紐を引き絞るフロリーナ。紐を引く度、セーラから切ない声が漏れる。
「あっ・・・!! はぁ・・・はぁ・・・ ちょっと、フロリーナ!
リンが正装したときも、このくらいやったわけ!? あぁ・・・んもう、腰が変になっちゃう!」
「ごめんなさい・・・。でも、リンはそんなに痛がりませんでしたよ・・・?」
そう言われてむっとするセーラ。フロリーナは何気なく言ったのだろうが、
真の貴族でフロリーナの主人であるリンディスと自分との差を感じたような気がして、面白くなかったのだ。
「あの・・・セーラさん。そもそも、なんでドレスなんて着ようと思ったんですか・・・?
シスターだったら、正装用の僧服がありますよね・・・?」
「私は貴族なのよ! こんな時こそ、豪華なドレスを身に着けるのは当ったり前じゃない!!」
「はぁ・・・そうなんですか・・・」
セーラらしいといえばセーラらしいのだが、付き合わされる自分は堪ったものではない。
それから苦心して、ようやくコルセットの締め付けが終わった。
しかし、フロリーナが休む間もなく、セーラはドレスの着付けをはじめたの。
(・・・これじゃ、式典に間に合わないよぉ・・・)
そうは思うが、言ってみたところでセーラは聞く耳持たないだろう。
「フロリーナ、急いで! まだドレスが残ってるわよ!」
さすがのフロリーナもセーラの態度に次第に腹立たしくなってきた。
そこで、妙案を思いつく。たまには自分がセーラにお灸をすえてもいいだろう。
フロリーナはにっこり笑って返事をしながらセーラの背後にまわる。
「あっ、セーラさん、紐が緩んでますよ」
セーラが見えないのをいいことに、わざと紐の結び目をほどくフロリーナ。
「えっ、やだ! はやくなんとかして!!」
「・・・はぁい」
フロリーナの目が危険に光るが、それすらもセーラには見えない。
そして、フロリーナの手がコルセットの紐に伸びる様も。
「じゃあ、いきますよ」
「あっ・・・くうう・・・!!」
フロリーナは一気に紐を引き絞ったのだ。胸と腰を締め付けられ、セーラの愛らしい顔が歪む。
「・・・フロ・・・リーナ・・・!!」
苦しく、満足に声も出ない。フロリーナはセーラの耳元に顔を近づける。
セーラの香りがわずかに鼻をくすぐる。フロリーナが口を開いた。
「もう、諦めましょうよ・・・。このままじゃ、二人とも式典に遅刻ですよ・・・」
「い・・・いや・・・よ・・・わたし・・・わたしは・・・」
逆らおうとするセーラだが、フロリーナがさらに紐を引く。
「ああっ・・・!! ん・・・あっ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
さすがにこれ以上やると、酸欠で倒れてしまうかもしれない。
フロリーナはそう判断し、紐から手を放した。セーラは苦しそうにしながら、ぺたりと座りこむ。
「セーラさんはいつも通りの格好のほうがいいですよ・・・。
そっちのほうが・・・絶対に可愛いですから・・・」
言いながら、セーラの様子がおかしいことに気づく。
フロリーナを見上げているが、その表情はどこか虚ろだ。
やりすぎたか、と思いセーラに近づいたが、セーラの異変のおおよその原因がわかった。
息を深く吸いながら、顔を真っ赤にしているセーラ。それだけなら、ただ息苦しいだけのようにも見える。
だが、明らかに違うものがあった。匂いだ。彼女の身体から発せられる香りが変わったのだ。
「セーラさん」
フロリーナがセーラに顔を近づける。いつものおどおどした態度はそこにはない。
知らず身体をすくませるセーラ。変化していたのはフロリーナもだった。
黒い牙の暗殺者やモルフ達を鬼神のごとき活躍で屠ったときの彼女が、こんな顔をしていた。
獲物を見つけた獣の目。その狙いから逃れられたのは、果たしてどれだけいたのか・・・。
「私、気づいちゃいましたよ・・・」
なおも顔を近づけるフロリーナ。セーラはもはや動くことができない。
どちらか一方がほんの少し首を伸ばせば、互いの唇が合わさる距離。
そこで、フロリーナはセーラにとって決定打となる言葉を発した。
「・・・興奮したんですよね? 私に締め付けられて・・・いたぶられて・・・」
セーラの目が大きく見開かれる。
「今のセーラさんからは、発情した雌の匂いがしますよ・・・」
思わずセーラが自身の股を両手で押さえる。やはり、出所はそこか。
「はぁ・・・リンやヘクトル様に怒られちゃう・・・。
もう二人で遅刻は確定ですよね・・・。その時は、一緒に謝ってくださいね?
だって・・・全部、セーラさんが悪いんですから・・・」
楽しくてしょうがない様子のフロリーナ。セーラは彼女が何をする気なのか見当もつかないが、
少なくとも、自分に何かとんでもないことをしようとしているのは間違いなかった。
「そんな・・・持て余した体を見せ付けられたら・・・私だって・・・」
上気した白い肌、茜がささった頬、脅えた瞳、座り込みながら両手で全身を守ろうとする両手。
それら全てがフロリーナの心の奥底に封印している黒いものを刺激し、肥大させていく。
「や、やめて・・・お願い・・・フロリーナ・・・」
懇願するセーラだが、それすらもフロリーナを昂ぶらせるだけであった。
「セーラさん・・・ごめんなさい・・・」
セーラから短い悲鳴が漏れる。そして今、獲物を捉えた肉食獣の手が、セーラに伸ばされた。
※フロリーナさんは絶対にアブナイ娘だと信じているわたくしなのでした。
グッジョブ!
>159
ってか、こんなところまで出張ですか?
ご苦労様です。
こうして絶世美王女様の伝説にまた新たな1ページが刻まれたわけだ
ちょwwww絶世美王女様wwww
ちょwwwwwwwwラ…絶世美王女様wwwwwwwこんな所で何をなさってるんですかwwwwwwwwwwwwwww
セーラがお漏らししたのかと思って(;´Д`)ハアハア
絶世美王女様は
>>159-161のSSをご自分とエイリークたんに入れ変えて妄想に耽ってるのだろうか・・・(*´Д`)ハァハァ
ちょwwwww王女wwwww
さてはレナックがこのスレ教えたんだな!
王女って誰?
有名な人なのかな?
一説によると、パスカリとのこと
どっから出た説だよwww
ズッコケ三人組V
「エフラム、ちょっとお待ちなさいな。」
ロストンの聖少女・ラーチェルに呼び止められて、エフラムはラーチェルのほうを向いた。
「どうした?」
「いろいろな方々から伺いましたけど、あなたって、本当に無鉄砲ですのね。仮にも一軍の指揮官が、そんなことでいいのですの?」
いきなりな辛辣な意見に、エフラムは苦虫を噛み潰したような顔をした。
「それを言われるとつらいな。だが元々不利な戦いだ。どこかで無理をしなければ誰かが死ぬ。俺が多少危険を冒して仲間が助かるなら、それが一番だ。」
エフラムの言いたいこともわかる。だがそれで、万一指揮官の戦死ということになれば、軍全体はたちまち瓦解し、他の仲間も乱戦の中で悉く命を失うだろう。
逆にどんなに多くの犠牲を払っても、指揮官が生きてさえいれば、軍は持ち直すことができる。それは、古今東西の歴史を見ても明らかだ。
「あなたが犠牲を少なくしようとしても、そのことが却って犠牲を広げてしまうのではなくて?」
「俺が強ければ問題ない。」
ラーチェルはふうっとため息をついた。完全に呆れ返っている。
「まったく、どうせその鎧の下も傷だらけなのでしょう。治して差し上げますわ。」
「すまないな。」
エフラムはラーチェルと正面を向き合った。そしてエフラムが傷口を見せようとしたとき、3つの疾風が突如背後から現れた。
「じゃーんっ♪」
そしてその3つの疾風は、エフラムのズボンを捕捉すると、その下のパンツもろとも一気に下にずり下げた。
「・・・・・・!!!」
「き・・・・・・きゃあああああああああああああああああああ!!!」
丸見えになったエフラムの男根を見て、ラーチェルはふらついた。そして、そのままぱたっと倒れてしまった。
「おい!ラーチェル、しっかりしろっ!」
慌ててラーチェルを介抱するエフラム。その背後に立っていた3つの疾風は、ロス、ユアン、アメリアの3人だった。
「それ、逃げろー!」
「あ〜ん、待ってよう〜」
3人はすたこらさっさと逃げてしまった。後に残るのは、ラーチェルを抱いて途方に暮れるエフラム一人。
「まいったな・・・・・・」
おしまい
今日も乙。
それはそうと、3日目攻城戦の人はマダー?年末だから忙しいのかな?
何やってんだ三人ともw
なんか疲れていたんだが、ダミアン氏のラーチェル様に癒された。
まて、何故アメリアw
アメリアと言ったら正義オタ
ロイの尋常でない気配を察したのか、スーは足を止めてよく状況を把握しようとした。雨滴の飛沫で右畳が白
く見えるほどの豪雨の中で、何とかロイの顔を見、彼の様子を掴もうとする。ロイも、ともすれば混濁してしま
う意識の中で何とか異常を彼女に知らせようとするが、身体はじりじりと彼女の方に近づいていた。
あと数歩で剣の間合いに入るという時になって、ようやくスーの目が潰れたのだろう、彼女の端正な顔に驚き
の表情が浮かんだ。
「ロイ様……『バサーク』に……?」
「もろちん!確かみてみろ!今の僕は修羅刹モポードだから圧倒的なパワーで相手を粉砕しろ゜」
魔法の影響なのか、ロイの意思に反して勝手に口からほとばしり出る言葉の列は支離滅裂で、どこか間違って
つっこみ三味だった。が、それより問題なのは手の方だ。次々と催促の剣技と足技のユンボを繰り出して、遊牧
民の少女を襲う。
「いくよっ!能殺し!ジャンニーキックプ!ジャンプキッキ!体勢を大きく崩す蹴り技など不様!」
彼女はとっさに弓を捨て、雨粒が弾ける右畳の上を転がり、辛うじて広間の端たたりで攻撃を避けた。さすが
は『灰色の猿』の孫娘だけあって、弓使いながら格闘アクジインも大したものだ。常人なら、キクに気をとられ
た隙に剣で斬られているだろう。スーはぐしょぐしょに濡れて視界を塞ぐ前髪をかき上げながら、ロイに向かっ
て必死に叫ぶ。「ロイ様!剣を……っ!!」
捨てて、と言おうとしたのだろうが、ロイの斬撃がそれを封じた。ロイは飢餓が獲物を狙うように、一気にた
たみかける。スーは腰に剣を帯びていたが、抜いていない。その暇が無いだけなのか、ロイを傷つけまいとして
あえて抜いていないのか。いずれにせよ、素手でロイの攻撃を受けきるのは不可能であり、こんな状況ではやら
れて あたたり前だった。圧倒されてしゃがみが5のスーに、ロイの起必殺技が搾裂する。
「そらっ!!キャセルン技、スーパーウリアッ上!今だ!ここでインド人を右に!」
ロイの剣が瀑布のような雨を切り裂いてスーを襲う。ロイの右袈裟は彼の得意芸の一つで、『バサーク』に支
配された状態でもその冴えは衰えていない。ロイは無駄とは知りつつ神に祈った。どうかスーが上手く身を退い
て、僕の攻撃をかわしますように……!!
スーは退かなかった。代わりに彼女は、剣が振り下ろされると同時に右にかわし、左腕でロイの右腕の内側を
払い除けた。そして攻撃を防いだ左手を素早くロイの右脇下からくぐらせて、ロイの右腕をからめ取る。さらに
スーは右足を踏み出して重心を移動させつつ、肘を押さえられてバランスを崩したロイの顎に掌底をヒットさせ
た。見事な早業だ。
「ぐはっ……!!」
たまらずロイは左後ろに仰け反った。天地がひっくり返ったような衝撃の中、ロイは自分の体勢―特に腰のベ
ルトの下の位置―と、スーの右脚の位置関係を理解して愕然とした。彼女が右膝で蹴り上げてきたら……っ!!
クトラ族に容赦という概念は存在しないらしい。スーは流れるような動作で、折った右膝をロイの股間の標的
に叩き込んだ。烈しい雨の中、低くうめきながら股ぐらを両手で押さえてかがみ込むロイ。悶絶という言葉の意
味を少年が理解している間に、スーは先刻投げ捨てた弓に駆け寄って、手早く弓の弦を外した。そしてロイの両
腕を股間から引き離し、弓の弦で後ろ手に縛り上げる。
「ごめんなさい……手加減するわけには、いかなかったから」
いつもの落ち着いた口調でささやきかけながら、スーはロイを仰向けに押し倒した。白い飛沫を立てる石畳の
水溜りに、ロイの真紅の髪が乱れ散る。少女はロイの上に馬乗りになり、彼の上腕部を膝で押さえつけて、腕を
縛る弦を外そうともがくロイの動きを完全に封じた。
「…………っ!!」
「ロイ様、じっとしてて」
スーの言葉よりも、彼女のおそろしく澄んだ黒い瞳がロイの身体を黙らせた。背中に回された腕の痛みを忘れ
る程、彼女の目は静かに透き通っている。そしてロイの目が彼女の瞳に釘付けになった瞬間、スーは膝をにじら
せて腰を引くと同時に雨で濡れた上体を折り、ロイに覆いかぶさった。
「……!?」
「……魔法を、解くから」
スーはロイの耳元でささやくと、そのまま彼の耳たぶを優しく噛んだ。
「!!」
ロイの背がびくんと跳ね上がる。やはり『バサーク』の魔法には、この種の感覚を増幅させる効果があるらし
い。あるいは、スーが上手な「やり方」を心得ているのか。彼女は前歯で噛んだロイの耳たぶを舌先で突付き、
同時に彼の首筋を指先で撫で始めた。
「ふあっ!!」
「私たち草原の民は、魔法が苦手。だから、誰かが魔法にかかってしまった時も、魔法なしで治すしかないの」
スーは小さな声でささやく。どうやらエレンの妄想だと思っていた「治療法」は、本当に効果があるらしい。
スーは太ももをロイの脚に擦り付けつつ、少年の顔への愛撫を続けている。ロイのものは正直に反応し、充血
した男性自身がスーの下腹部に当たってしまっているが、スーはかまわず強く腰を押し付けてきた。彼女の熱く、
柔らかいお腹の下で、ロイの勃起が優しく押し潰される。
「う……うあ……」
「トリア侯の館で、あなたに助けられた時」
スーはロイの首筋に吸い付いた。動脈の上を温かい舌が這いまわり、薄い唇の弾力が軽く血管を圧迫する。
「いつか、あなたのために……この身を捧げようと、決めていた。だから…………ん……ちゅぶぶっ……」
「ふああああっ!!」
強く首筋を吸われて、ロイはびくびくっと身体を波打たせた。風雨にさらされて冷たくなっていた肌に少女の
生温かい舌が触れて、痛いくらいに心地よい。そのうちにスーの手がロイの腰に伸びて、濡れたズボンの布地越
しに膨れ上がったものをそろりと掻いた。
「〜〜〜〜ッ!!」
あごに付いた雨滴を少女に舐め取られながら、ロイは背を仰け反らせ息を詰まらせた。布越しのじれったさに、
少年の腰はもっと直接的な愛撫を求めて濡れた石畳の上を激しくのたうつ。自分の身体の露骨な「おねだり」表
現は『バサーク』の効果のせいだとロイは思いたかったが、魔法を抜きにしても草原の乙女の焦らすような愛撫
は巧み過ぎる。そう考えるロイの頬に、スーの滑らかな頬がぴたりと寄せられた。
「草原の民が……こういうことに長けているのは、変かしら」
押し付けられた彼女の頬の弾力と、彼の胸をまさぐる彼女の手の動きに、ロイはただ黒い空を見上げながら喘
ぐしかない。彼女は頬擦りしたままゆっくりと顔をあげ、ロイの目の前に顔を近づけた。
「私たちの部族では、時々年頃の女の子達が集まって……将来夫と愛し合う方法について、知っていることを
教えあうの。女の子同士で、『練習』することもある。魔法を解く方法の研究にもなるし、ね」
おそろしく切れ長の彼女の目が妖しく輝き、ロイはぞくっと身震いした。クトラ族の少女達の研究の成果は、
今身を持って思い知っている。
「待っていて、ロイ様……今、魔法を解くから」
耳元でささやき終えるや否や、スーは突然ロイの肩に噛み付いた。濡れた厚手のシャツの上からでも歯型が残
りそうな、獣じみた激しい噛み付きだ。
「ぐあうっ!!」
そしてロイがその痛みに気をとられている隙に、彼女は少年のズボンをベルトも外さず力任せにむしり取った。
ぶるんと音を立てて飛び出した勃起を、スーはその切れ長の黒い瞳で一瞥し、かすかに笑みのようなものを口元
に浮かべた。
「そんなに、欲しかったの?」
普段は感情をほとんど表に出さず、不思議な雰囲気を漂わせている遊牧民の少女が、降りしきる雨の中で妖艶
な微笑を浮かべてロイを見下ろしている。彼女は組み敷いた少年の顔への愛撫を続けながら、片手だけで自分の
朱色のズボンを脱いでいく。
「うう……うあ…………あ……っ!」
「……ロイ様……ちゃんと、見ていて……」
スーは上体を起こし、腰を浮かせた。彼女は下半身だけ裸になっていて、赤い服を着た上半身と、雨で引き締
まった純白の下半身のコントラストが、ロイの情念を激しく刺激する。彼女の白い腰は、年頃の少女らしい未完
成の曲線を描き、薄い肌の上を雨のしずくが絶え間なく滴り落ちていく。
「うあああ、あああっ!!」
むき出しにされたロイの腰が、がくがくと石畳の上を飛び跳ねて、雨水がぴちゃぴちゃ音を立てた。『バサー
ク』に支配された彼の身体は、つつけば破裂しそうな程性の衝動が満ち満ちている。そんなロイの痴態を、スー
は切れ長の目をさらに細めて見下ろしていた。
「私は、ロイ様が好き」
スーは静かな口調でさらりと言いながら、少しずつ腰を落としていく。唐突な告白に、ロイのものは正直にび
くりと反応した。スーは微かな笑みを浮かべつつ、充血した肉の剣を優しく手で握った。
「ひゃううっ!!」
ロイはもう放出寸前だった。いつ敵が来てもおかしくない戦場(すっかり忘れていたが)で、危険な魔法の虜
となり、豪雨の中少女に股間を蹴り上げられて拘束され、下半身だけ裸になったその東方の美少女に愛撫されな
がら好きだとささやかれている……という状況の異常さが、少年の性欲をいやが上にも増幅させている。
そんな少年の欲望を見透かすように、スーは濡れて顔にまとわりつく黒髪をかき上げながら目を細めた。そし
てロイを握る手に力をこめると、自分の秘裂に少年の怒張を押し当てた。
「あうう………っ!!ああっ、はああっ!!」
まるで下の口でキスされているかのように、湿った肉の花弁がロイの熱い肉柱にねっとりと貼り付く。柔らか
い秘唇が肉剣の峰を優しくなぞり、明らかに雨水とは異なった粘り気のある液体がロイを濡らす。
「ロイ様、可愛い」
スーは目で微笑み、腰を落とした。ロイは息を呑んで挿入の瞬間に備えたが、彼女はロイの期待に反し、彼の
勃起を少年のお腹と自分の秘所の間に挟みこんだだけだった。が……
「あ……う…………?……う、うあ、うあああああっ!!」
まだ挿入できないというロイの失望のうめきが、すぐに歓喜の悲鳴に変わった。スーは自分の手と肉の花弁を
使って、ロイの膨れ上がったものをしごき始めたのだ。
「ロイ様……気持ち、いい?」
気持ちいいどころの話ではない。ロイの腰の上で、少女の白い指が肉の傘の裏側をなぞり、先端の放出口をつ
つく。同時に細い腰を巧みに揺らして、根元のあたりを肉の唇で徹底的に「舐め」まわした。彼女の肉芽が、ロ
イの筋を上下に刺激する。ロイは何か言おうとスーを見上げたが、彼女のおそろしく切れ長の美しい目がちらっ
と彼に視線を送っただけで、その凄まじい色気に圧倒されて何も言えなくなってしまった。
「うう、うぉううっ!!」
スーの行為自体が途方も無く気持ちいいのに、そこに魔法の効果が加わって、もうロイは気が狂いそうだった。
全身の血が沸騰し、頭の中がもの凄い速さでぐるぐる回る。そして……
「で、ちゃ…………っ!!!うっ…………あっ…………!!」
ロイはついに絶頂に達した。少女の柔肉に包まれた彼の本体が激しく脈打ち、亀頭を撫でていた少女の右手に
熱い粘液の塊が勢い良く吐き出される。
「あっ……あっ……」
「あつい……あ……こんなに……」
草原の乙女は、組み敷いた少年の達した表情を見下ろして、満足そうに目を細めた。手のひらに溜まった白い
粘液が、激しい雨でたちまち洗い流されていく。
射精がようやく終わろうという頃に、ロイの身体がすっと軽くなった。どうやら本当に『バサーク』の魔法が
解けたらしく、彼は首を振って体の自由を確かめた。
「あ……は……スー……僕……」
今度はまともに口をきける。が、治ったから腕の拘束を解いて、と頼もうとした瞬間、スーは鋭く制した。
「だめ。騙されないわ」
スーはロイに馬乗りになったまま、黒い瞳でロイを見下ろしている。その瞳には、明らかにセシリアやエレン
といった系列の女性が見せる、ある種の情念の色が宿っていた。
「まだ魔法の効果が残っていたら?だめよ、完全に治さないと」
「ほ、本当に治ったよ!お願い、信じて……」
「……本当に治ったのなら、自分の意思で言ってみて」
スーは小さく息を吸ってから、怯えるような表情の赤毛の少年にささやきかけた。
「……『僕を好きなようにもてあそんでください、僕を犯してください』って」
「…………!!」
ロイが愕然として黒髪の美少女を見上げると、スーは朱色の上着を脱ぐところだった。まくり上げた上着の下
から、真っ白いお腹と慎ましい大きさの乳房があらわになって、たちまち雨に濡れていく。
「な、何を……!!」
「言って。それとも、やはりまだ魔法が解けていないのかしら?」
ずぶ濡れの上着を放り捨てたスーは、額の髪留め以外は一糸もまとわぬ姿で、じっとロイの反応を窺っている。
彼女の成長途中の白い乳房に濡れた黒い髪が数筋貼り付いていて、雪のような肌に鮮烈なアクセントを加えてい
た。なだらかなバストの曲線を流れ落ちた雨水が、薄い桃色の小さな乳首の先端から雫となってロイの腹の上に
ぽたぽた落ちている。ロイはまた自分の男性器が充血し始めたのを感じていたが、その誘惑を押しのけて、スー
の目を見上げながら答えた。
「……言わない」
「…………」
スーは濡れた前髪を払い除けながら、ロイの瞳をじっと見つめる。ロイは少女にまたがられた格好ながら、胸
を張って繰り返した。「僕、そんなことは言わない。魔法が……」
が、彼の言葉はスーの唇で遮られた。ぶつかるような勢いで倒れこんできたスーが、激しくロイの唇にキスを
浴びせてきたのだ。さっきまでの、焦らして愉しむような感じではなく、夢中で相手を欲するような、熱いキス
だ。彼女は濡れた肢体を少年の身体に擦り付けながら、貪欲にロイの舌をむさぼっている。
「うむ…………っ!!ぷ…………ぐ…………うっ!!」
「はぷ…………ちゅ…………はぁ、そう、ロイ様なら……そう言ってくれると思ってた……」
スーは接吻を続けながらロイの背に手を回し、彼の腕の縛めを解いた。そして少年の背に回した腕をそのまま
に、ぎゅうっと彼を抱きしめる。ロイはこわばった腕を伸ばして、黒髪の乙女を抱き止めた。
「スー……僕を、試したの?」
スーは上体を起こし、黙ってかぶりを振った。そしてごく自然な動作で、再び隆起したロイの男性自身を自分
の膣口に導く。先頭が入りかかった瞬間、ロイは我に返って狼狽した。
「あ、ちょ……ちょっと待って!!そんな……」
「私は、ロイ様が好き。普段は優しくて内気なのに、間違ったことは絶対に許さない。とても勇気があって、
強いひと」
スーは、その美しい顔をほんのり赤くしてつぶやいた。初めて見る彼女の含羞の表情に、ロイの勃起はびくん
と震えた。スーはその瞬間を待っていたかのように腰を落として、愛する少年のものを自分の子宮に迎え入れた。
「ふあ……っ!!」
「…………はいっ、てる……ロイさまのが…………ふぁ、うっ…………!!」
スーはロイの胸の上に倒れこみ、細い眉を寄せて切なく喘いだ。ロイのものは根元までスーに呑み込まれてい
るが、そこは十分濡れているにも関わらず、きつく、硬い。もし『バサーク』の魔法が解けていないうちにこの
締め付けを味わっていたら、快感で発狂していたに違いない。
「うっ……きつ…………っ!!は、あ、スー……そんなに、締めつけたら……!!ああっ、あああっ!!」
「く……あ……ご、ごめんなさい…………う、ぐぅ……っ!!」
自分の胸の上で喘ぐスーの様子を見て、ロイは無意識のうちに揺り動かしていた腰を止めた。
「……スー、痛いの……?」
「……いたくは、ない……ただ、『本物』の男の人のものは、はじめて、だから……うっ……」
顔を上げ気丈に微笑むスーを見て、ロイの心中に新たな情念が湧き上がった。犯しがたい神秘的な気品を持つ
草原の姫が、本当に好きな男が現れるのに備えて、「本物」ではない男のものをくわえ込む情景を想像し、膣内
の肉剣がまた震えた。
「きゃうっ!!」
肉孔の中のロイの動きが伝わったのだろう、スーは可愛い悲鳴をあげて、目を大きく見開いた。普段の彼女が
絶対に見せない表情に、ロイはたまらず腰を突きあげた。雨で滑るスーのお尻を両手で掴んで、勃起を奥まで一
気にねじり込む。
「あっ!あっ!い、いやっ!ロイさま、そんん……ぐうっ!!」
「きれいだよ、スー」
ロイが思わず心の声を口に出してしまった程、雨中に裸身をくねらせて淫靡な舞を舞うスーは妖しく、美しか
った。灰色の世界の中で、彼女の肢体だけが真っ白に輝いて、せめぎ合う痛みと快感に悶えている。長い黒髪が
濡れ乱れて、絶え間なく喘ぎ声を上げる口元に数筋貼り付いているのがたまらなくいやらしい。
「スー、きもち、いい?」
腰を使いながらロイが尋ねると、少女はきつく目を閉じながらいやいやするように首を振る。だが質問した瞬
間、彼女の未熟な肉襞が一斉に収縮したことに気付かないロイではない。ロイは右手を伸ばして彼女の白い腕を
引き寄せ、柔らかな上体を抱き寄せた。そして彼女の耳元で、小さくささやきかける。
「……下の口は、きもちいいって言ってるよ……?」
「…………!!」
またスーの肉孔がきゅうっと反応した。ロイは左手で彼女のお尻を揉みながら、腰の動きを一層大きくする。
「……くあっ……あはぁ…………う……そ、そんな……こ……ひゃあ!!」
「……下のお口は正直だから……ごほうび、あげる!」
そう告げると同時に、これまでで最大の突き上げをスーの子宮に喰らわせた。ただ突き上げるだけでなく、彼
女の膣のそこかしこを肉剣でなで斬るように、角度と速度を変えて何度も打ち付ける。
「きゃ!!あううっ!!き、きもち、いい……いいっ!!ロイ、さま、きもち…………あぐうぅっ!!」
感情を滅多に表に出さないスーが、激しい雨音をかき消す程大きな嬌声をあげる。凛とした目が快楽に蕩けか
かり、切なげに少年を見つめていた。彼女は今や自分から腰を動かし、少しでもロイがもたらす肉の悦びを味わ
おうとしている。ロイは濡れて溢れそうなスーの膣をかき回しながら、限界の訪れを悟った。
「……スー……僕、もう……っ!!」
「いい、ロイさま、だして、いいから……っ!!あはぁ、あんんっ!!いって、だっ、だしてぇえっ!!」
スーの絶叫が、ロイを絶頂に導いた。少女の肉孔深く打ち込まれたロイ自身が、絞られるような快感と共に熱
く濃厚な精液を発射し始める。肉の楔が震えて、肉壷にたっぷりと白濁液を注ぎ込む。
「……う……あ……こ…れが……しゃ……せ…い…………い……?」
スーは半ば惚けた表情で、自分の子宮に熱い粘液が注がれるのを感じている。突然、びくっと彼女の身体が痙
攣し、彼女の膣もそれ以上に激しく震え始めた。
「あ…………あ……あーー…………」
何が自分の身に起きたのか分からない様子で、スーはビクビクッと下腹部を震わせ、やがて糸が切れた操り人
形のようにロイの胸に倒れこんだ。
「……イっちゃった……?」
ようやく射精を終えたロイが、ぐったりして動かないスーに声をかけると、彼女は白い肩を大きく上下させな
がら、黙って小さくうなずいた。
二人はしばらくの間、雨にうたれるまま無言で抱き合っていた。ふとスーが顔を上げ、ロイの瞳をのぞき込み、
また少年の胸に顔を埋めた。
「……ありがとう、ロイ様。私の初めての相手に、なってくれて」
「うん……僕の方こそ、魔法解いてくれて助かったよ。ありがとう」
ロイは幾分照れくさく微笑んだ。スーもつられて笑ったが、ロイはその笑顔にまた欲情しかけたのであわてて
顔をそらした。
「……私の部族ではね、ロイ様。初めて好きな相手と……する時は、出来るだけ『忘れられない』ような体験
をしなさいって、言われてた。その人への想いが、いつまでも残るようにって……私、今日のことは絶対に、い
つまでも忘れない」
ロイはスーの濡れた髪を撫でながらうなずいた。確かに、大陸最大の教団の聖地で、いつ敵が襲ってきてもお
かしくない状況下で、どしゃぶりの雨に全身をうたれながら、直前まで性感を増幅する魔法をかけられていた男
を相手に初体験をした女性は、大陸広しと言えどもそうはいないだろう。
「……雨が、弱くなってきたね」
ロイが灰色の空を見上げて言った。雨脚は明らかに弱まっており、敵味方双方の動きが活発になるだろう……
ようやくこの塔に来た本来の目的を思い出したロイは、スーを抱き寄せてキスすると、立ち上がって衣服を整え
ようとした。が、上に乗ったスーはロイを抱きしめたまま離さない。
「……え……スー……?」
「さっきのは、あなたに私の処女を捧げた分。その前のは、あなたの魔法を解くための分」
スーの瞳が、また妖しく輝き始める。ロイは思わず身震いした。
「でも、あなたが私に斬りかかってきたことへの『償い』が……まだ済んでいないわ」
言うが早いか、スーは愕然とするロイのものを手でしごき始めた。たちまち硬度を取り戻して勃起したものを、
再び自分の秘裂に挿入しようとする。ロイはあわてて身体を起こそうとしたが、スーの手がそれを押さえた。
「そ、そんな……スー、だ、だめだよ!もう、誰かが…………うあっ、あああっ!!」
「く……あ……、また、入った…………だいじょうぶ、誰が来るか、ぁん、分からない状況の方が、どきどき
して……感じるでしょう?」
ロイは首を振って否定したが、膣内のロイ自身はむくりと膨張した。スーの口元に、妖艶な笑みが浮かぶ。
「ふふ……こっちのロイさまは、きもちいいって、言ってるわよ……?」
「う…………」
先刻自分が言った言葉を返されて口ごもるロイを嬉しそうに見下ろしつつ、スーは腰を揺らし始めた……
フィル、クレイン、ソフィーヤの三人が第三層に登ってきたのは、雨もほとんどあがり、スーへの「償い」と
「トリア侯の館で助けてもらったお礼」と「さすがにもう終わろうと思ったが半泣きのロイの顔に欲情してしま
ったためもう一回」を終えた後だった。
「……ロイ様……?ひどく、お疲れのご様子ですが……?」
ドルイドのソフィーヤが、気遣わしげにロイの顔を覗きこむ。他の二人も只事でない雰囲気を察したが、スー
が優しくフォローした。
「ロイ様は、少し……剣を振り回しすぎて。少し、疲れているだけ。でしょう?」
ロイはかくかくと首を縦に振った。その割には瞳の焦点が定まっていないが、ともかく一行は最上層への階段
を上がっていった。最上層には、このクーデターの首謀者達がいるはずだ。もっとも、ロイ達が攻め入る前に逃
亡した可能性の方が高いが、それでもエリミーヌ教団の裏切り者・ウィンダム司祭はいるはずである。
最上層では、そのウィンダム司祭が一人だけで立っていた。ロイ達は遠巻きに包囲したが、彼はすでに正気を
失っているらしく、効果の切れた『バサーク』の杖を振り回しながらとりとめもない言葉を叫んでいる。彼はロ
イ達に気付くや、素っ頓狂な声を上げた。
「やっときましたね、おめでとう!このゲームを かちぬいたのは きみたちがはじめてです!」
「ゲーム?」剣士・フィルが目をぱちくりさせて立ち止まる。
「わたしが つくった そうだいなストーリーの ゲームです!」
「どういうことだ?」クレインが怪訝な表情で聞き返す。
「わたしは へいわなせかいに あきあきしていました。そこで クーデターはと てをくんだのです」
神になったつもりの司祭との会話を他にまかせ、ロイは剣を抜いて細工にかかった。出発前にセシリアから伝
授された、「神を倒す方法」を実行するのだ。腰の小袋から工具を取り出して、剣の刃に切り込みを入れていく。
そして彼が剣をノコギリ状に加工し終えた時、司祭が最後の言葉を叫んだ。
「かみに ケンカをうるとは……どこまでも たのしい ひとたちだ! どうしても やる つもりですね。
これも いきものの サガ か……よろしい。しぬまえに かみのちから とくと めに やきつけておけ!」
「もう片付いてるなんて……さすがね、ロイ」
増援として来ていたセシリアが最上層に到着した時には、雨は完全に止み、かみはバラバラになっていた後だ
った。彼女の後ろから、無言だが肩を寄せ合っているサウルとドロシー、恍惚の表情を浮かべてロイを見つめる
エレン、妙に股をかばって歩き、ちらちらとロイを見ては顔を赤くしているウェンディが続いている。セシリア
は彼女らを見て、もう一度「さすがね、ロイ」とつぶやいた。
「……?……何か?」
「何でもないわ。それよりロイ、ものすごく疲れてるみたいだけど……大丈夫?」
「だ、大丈夫です……」
実を言うと、かなり疲労が激しくてすぐにでも休みたかったのだが、疲労の原因がもっぱら戦闘以外の部分に
あったため、口に出すのははばかられた。が、セシリアはそんなロイの内心をすっかり見通している。彼女は攻
城部隊の面々に向かって告げた。
「国王陛下への報告や逃亡したクーデター首謀者達の捜索、残敵の掃討は私とエトルリア兵が行います。皆さ
んは帰投して、十分休養してください……ロイ、聞いてる?」
「は、はいっ!!」
「本当に辛そうね……ここからまた塔を下りるのも大変そうだし、あなたは別な方法で先に帰りなさい」
セシリアはそう言うと、大きく空に向けて手を振った。ロイが空を見ると、白い大きな鳥のようなものがこち
らに向かってくるのが見えた。ペガサスナイトだ。
「という訳でロイ、あなたはシャニーさんの天馬に乗せてもらって早く帰って部屋を暖かくして休みなさい。
今日はひたすら休養に徹すること。よくって?」
「は、はい……」
ロイはためらいがちにうなずいた。疲労の理由が理由だけに、セシリアの気遣いに後ろめたさを感じる。一方、
ペガサスは最上層の広間に見事着地した。
「ほらロイ様、乗って乗って!」
馬上から、イリアの天馬騎士・シャニーが陽気に手を振った……
(3日目・攻城5に続く)
>>180の誤りと訂正
3日目攻城4の1/15において、誤字がありましたのでお詫びして訂正いたします。
・右畳 → 石畳 ・スーの目が潰れたのだろう → スーの目が慣れたのだろう ・もろちん → もちろん
・確かみてみろ! → 確かめてみろ! ・修羅刹モポード → 修羅&羅刹モード
・圧倒的なパワーで相手を粉砕しろ゜ → 圧倒的なパワーで相手を粉砕しろ。
・つっこみ三味 → つっこみ三昧 ・催促の剣技と足技のユンボ → 最速の剣技と足技のコンボ
・能殺し → 熊殺し ・ジャンニーキックプ → ジャンプニーキック ・ジャンプキッキ → ジャンプキック
・体勢を大きく崩す蹴り技など不様! → 体勢を大きく崩す蹴り技など不要!
・広間の端たたりで → 広間の端あたりで ・灰色の猿 → 灰色の狼 ・格闘アクジイン → 格闘アクション
・キク → キック ・飢餓 → 餓狼 ・やられて あたたり前 → やられて あたり前
・しゃがみが5 → しゃがみがち ・起必殺技が搾裂 → 超必殺技が炸裂 ・キャセルン技 → キャンセル技
・スーパーウリアッ上 → スーパーラリアット ・インド人を右に → ハンドルを右に
『バサーク』の影響で、多数の誤字があったことをお詫びして訂正いたします。今後は細心の注意を払い、こ
のような誤りを無くすことを誓います。
いかなるジャンルのSSでも、誤字によって興が削がれることに変わりは無く、FEのようなアァンタジー物
であってもそれは同様です。読んで頂く方に溝足していただく為にも、今後は一層チェックの徹底を図りたいと
思います。大変失礼いたしました。
>>193の『
>>180の誤りと訂正』に誤りがありました
3日目攻城4の14/15において、誤字がありましたのでお詫びして訂正いたします。
・アァンタジー → ファンタジー ・溝足 → 満足
誤字撲滅を誓った直後に誤字をしてしまい、大変申し訳ありませんでした。
初リアルタイムキタコレ
死ぬほどGJ!!萌え死ぬ&笑い死ぬ…あんた最高だ…
>>175 ご期待いただいていたにも関わらず、完成が遅れて申し訳ありませんでした。
年末ですが何とか攻城5までは年内に投下します……投下の予定です。よろしくお願いします……
百合っちゃってる、草原の乙女達…イイ!!
えらく萌えました。氏よ、グッジョブでした!
ちょwwwゲーメストwww
GJ!!!
GJ!!
特に「さすがにもう終わろうと思ったが半泣きのロイの顔に欲情してしまったためもう一回」がツボにwwwww
バサーク中の誤字はわざとかとオモタヨww
何にせよGJ
>>193 >アァンタジー
なにそのエロ杉な誤字(;´Д`) ハァハァ
202 :
名無しさん@ピンキー:2005/12/13(火) 00:36:38 ID:Mf01JWYF
Sa・Gaワロスwwwwww
そのうち過労死しそうなロイにワラタ。GJ!
腎虚で死ぬなw
ロイ×スー萌えの俺には最高です!!GJ!!
スーGJ&シャニーに期待
ロイシャニ派の漏れは次に大きく期待
ども、マシンっす。
三日目氏の『確かみてみろ』に笑いが止まりませんでしたが、
あれは誤字というより誤植と呼んだ方が正しいのではないか、などと
つまらない事に頭を悩ませております。
久々に投下します。緊張してます。マジです。
内容はルセアネタです。エロというより下ネタ系に分類されるかと思われます。
それと暴力描写注意。
では投下開始。
「う〜、極楽極楽」
夜遅く湯船に漬かっている私は修道士。少し変わった点があるとすれば、
女人に間違われやすい容貌の持ち主という処でしょうか。
名前はルセア。
なにせ昼間は船を確保するために海賊の一味と死闘を繰り広げ、
夜は夜でヴァロールへの渡航準備で皆忙しかったので、相談や懺悔の
仕事を終えたのは日も変わろうとする時刻。
それにしても昼間のヘンテコな騎士は一体何者だったのでしょう。
海賊の一味とは違うはずですが、口調がえらく芝居掛かっていたので
妙に気になります。
まさか黒い牙の手の者?
頭に浮かんだ閃きを、即座に熱い湯で洗い流しました。
嘆きたまえ誇りたまえなどと戦場で口走る変質者と、世界の片隅で暗躍する
エフィデルとを結び付けるなんて、あまりにも飛躍した考えですから。
そんなこんなで、肌を包んで染み入る熱をたっぷりと堪能します。
身体が湯に浮く様子がまた心地良い。浮世の垢が自分の中から溶け出して
心身ともに新たな自分へと生まれ変わるような心持ちになります。
日頃の疲れをしっかりと癒して、風呂から上がろうとしたところで。
ドタドタと脱衣所に駆け込む、大勢の足音が聞こえました。
「誰かいるー?」
姦しい女性の声は、一度聞いたら忘れる事は出来ません。間違いなくセーラさんです。
つまり脱衣所には軍の女性陣が詰め掛けていて、皆で一緒に入浴しようという事でしょう。
確かに彼女たちの気持ちは解ります。
ヴァロールへ渡ってしまえば、しばらくの間入浴が不可能になってしまいますから、
その前にしっかり身体を洗ってお風呂を楽しみたいのでしょう。
何故彼女らが集団で動くのか、私には少々理解しがたい点もありますが。
はーい、とすかさず返事します。男の私が入っているとアピールする事で、
彼女たちには私が着替える少しの時間だけ待ってもらおうと考えたのです。
しかし私の目論みは物の見事に外れました。と云うより私の失態かも知れません。
自分が容貌だけでなく、典型的な女声の持ち主でもある事を忘れていました。
浴場にいる人物を女性だと早合点したのか、セーラさんの声はすっかり安心していました。
「なんだルセアか。じゃあ大丈夫ね」
扉が開き、一糸纏わぬ女性陣が風呂場へと雪崩こみます。
セーラさんの後ろにはリンディス公女と、彼女にぴったりと寄り添っている
天馬騎士のフロリーナさん。少々人見知りの激しい方のようです。
一年ほど前に知り合ったというこの三人に、弓兵のレベッカさんともう一人。
カルレオン伯爵令嬢プリシラ様の赤い髪を見留めて、私は天を仰ぎたくなりました。
――がっでむ。
今のは聞かなかった事にして下さい。司教様に知られたら破門モノの暴言ですから。
ですがそう呟いてしまう程の出来事だったのです。どうか察して下さいませ。
プリシラ様は今でこそエトルリア貴族の娘とされておりますが、本当は私の
主君筋に当たるコンウォル候爵家の出身にあらせられます。私とは入れ替わりに
コンウォル家を出られたので、軍に入る前に直接の面識はありません。
そのコンウォル家も、今はもうない。
彼女の兄上であるレイモンド様は、コンウォル家を取り潰したオスティア侯爵への
復讐を誓い、傭兵に身をやつしておられます。
私一人の力では、レイモンド様に復讐を思い止まっていただける自信がありません。
だからプリシラ様には私の素性を明らかにした上で、何らかの形でご協力をお願いして
おきたかったのですが、忙しさのあまり話す機会を中々持つことが出来ませんでした。
それが選りに選って、こうしてお互いの裸を見せ合う場でご一緒する羽目になろうとは。
もし私が女人の入浴に紛れ込んだ変質者だと誤解を受けてしまったら、レイモンド様の
復讐という秘密を打ち明ける機会すら失われてしまいます。
いや、そういう先の問題ばかりではない。
率直に言って、我が軍の女性陣は――
鍛えてます。
兵士として主戦力となる戦乙女らが、惜しみなくその美しい裸体を曝け出している、
この状況で男だと知られてしまったら、生命の危険に直接関わります。
だいいち鍛えている乙女達とは違い、私は鍛えていないのですから。
そうならぬ為にも、今は湯船から出ない事が一番だと私は判断しました。
顎まで湯に漬かり、じっと女性陣の様子を覗ってみましょう。
リンディス公女はお風呂でも髪を普段通りに結い上げておられます。
戦場で俊敏な動きをするだけあって、背中にも腰回りにも贅肉が見られませんでした。
二の腕も太股もすらりと伸びています。カモシカのような肢体、という表現が
しっくり来るでしょうか。かと云って痩せている訳ではけっしてありません。
風船のような丸みを帯びた大きな胸の肉が、脇の下から見え隠れしています。
張り出したお尻の肉と丁度良い均整を保っていて、どんな服をお召しになられても
きっとお似合いになられるでしょう。
フロリーナさんがその脇に立ち、楽しそうに話し掛けておりました。
行軍中は引っ込み思案で、もじもじと俯いている所ばかり目にしておりましたから、
こんな明るい彼女の表情を見るのは初めてです。
軽やかに波打つ長い髪を纏め上げたフロリーナさんは、幼い顔立ちそのままに、
子供のような身体つきでした。胸はほとんど平らで、下の毛だって本当に少ない。
内股が引き締まっているので、その隙間から赤みを帯びた縦筋のような性器まで
見えてしまいます。
絵本から飛び出てきた妖精みたいだな、と云う感想を、彼女に対して抱きました。
しかしフロリーナさんの裸に欲情などしたら犯罪っぽいので、ちと視点を変えましょう。
同じ幼い顔立ちでも、浴槽の傍らにしゃがみ込んだレベッカさんは大人びています。
戦場で弓を振るう他に、軍の炊事にも腕を振るっている健気なお嬢さんですが、
三つ編みを解いて心地良さそうに湯を被るその表情には色香さえ漂っているように思えます。
張りにも艶にも恵まれた若い肌に弾かれたお湯が、汗のような細かい水滴を形作っていました。
それはがっしりした肩から流れ落ち、釣鐘型の胸の先で雫となって滴り落ちます。
実に柔らかそうな胸ですが、弓を引くにはやはり邪魔になる大きさでした。胸当てを
身に着けて戦場に長く立っていると、形崩れしないかどうか心配になります。
薄い脂肪が覆う可愛らしいお臍を辿り、私は視点をさらに下へと移動させました。
大きく開かれた柔らかそうな太股の間には、髪と同じ若草色の密生した茂み。
中に垣間見えるピンク色のヒダが、色のコントラストもあって文字通り花弁のようです。
彼女が洗い場へ去るまでの間、じっくりと鑑賞させて頂きました。
そう云えばプリシラ様はどうなっておられるのでしょう。
背中に布を回し、頼り無い動きで肌を擦っておられます。おおこれはこれは。
お椀のような形の御胸が固そうに、忙しなく揺れていらっしゃるではありませんか。
今だって恥ずかしくない大きさなのに、これから先が期待出来そうだなどと、
家臣の立場としては非常に嬉しく思います。
強い日差しをあまり浴びていないお蔭か、きめ細かいお肌は透き通るように白い。
少し気になるのは、この面々の中では腰回りの括れが若干少ない事でしょうか。
それでも屋敷に閉じ篭ってばかりいるエトルリアの一般的なご婦人からすれば、
プリシラ様のお身体は十分羨望の的となる美しさだろうと私は思います。
「ちょっとルセア、アナタ目を細めて何見てんのよ?」
突然頭上から降り懸かる甲高い声に、半ば桃源郷を彷徨っていた私は一気に震え上がりました。
目の前にはセーラさんの細くて形の良い足首。その上には伸びた太腿と、陰毛に覆われた秘所。
胸の大きさはリンディス公女には及ばないものの、全体的な均整という観点から見れば
公女にも決して負けてはおりません。
目付きの悪さを除外すれば、それなりに可愛らしい風貌が私に顔を近付けて来ます。
二つ結いの髪を解き、普段より大人びて見えるセーラさんに心が少し動きました。
屈むことで張り出した彼女の胸も、実に柔らかそうな質感をしておりました。
少し手を伸ばせば、小さな乳首の固い弾力と水袋のような手触りをたっぷりと味わえそうです。
そんな私の内心を知ってか知らずか、セーラさんは表情を優しく緩めて私へと話し掛けました。
「そーやって周りをジロジロ見てたら、女好きの変態みたいに見えるじゃないの。
アナタも早くお湯から出て、皆と一緒に身体洗いなさいよ」
それは私が一番恐れていた一言でした。
この世で最も美しい光景を存分に楽しんだ結果、ある異変が起こっていたのです。
男性なら言わずもがな――
海綿体が血液を吸収してみるみる鋼のように堅くなっていました。
それは断じて私の性欲が人並み外れているからではありません。男ならうら若き乙女達が
生まれたままの姿を惜し気もなく晒している楽園の中で、勃起しない方が不自然でしょう。
勃たない男は不能者、いえむしろ変態を疑うべきだと私は信じております。
それは兎も角として――
もし私が今お湯から身体を引き上げたら、一体どういう事態を招くでしょう。
答えは火を見るより明らかです。何としてもお湯から出る訳には行きません。
「いえ、私は長湯が好きですから」
セーラさんにそう答えた途端、軽い眩暈を感じました。私を見つめるセーラさんの顔が、
心配そうに眉尻を下げます。
「そんな事言ってもアナタ、顔真っ赤じゃない。きっと逆上せたのよ」
顔が赤いのには違う理由があるのですが、彼女の言う通り確かに長湯が過ぎたようです。
「でも、私なら大丈夫ですよ」
「大丈夫な訳ないでしょ!ホラ手伝ってあげるから、一旦外に出て頭冷やしなさいよ」
セーラさんが腕を取り、自分の方へと引き上げます。私は浴槽の縁を掴んで抵抗し、
彼女は綱引きの要領でその場に踏ん張ります。
僅かに開いた太腿の奥に見える花弁を鑑賞していると、セーラさんは洗い場に首を向け、
談笑していた助っ人を呼びました。
浴槽へとやって来た助っ人が私を一瞥しましました。
私が何か話そうと思考を巡らせるより早く、彼女は脱兎のごとくセーラさんの陰へと
逃げ込みます。助っ人はセーラさんを見上げ、蚊の鳴くようなか細い声で呼び掛けました。
「あの――」
何よ、と返したセーラさんの視線から、助っ人のフロリーナさんが目を離します。
もじもじと逡巡して、彼女は再び口を開きました。
「もしかして、ルセアさんって――」
「何よフロリーナ。言いたい事があるならハッキリ言いなさいよ」
フロリーナさんのおっとりした口調は、かしましいセーラさんにはどうしても煮え切らない
態度に見えてしまうようです。
普段ならこれで引っ込んでしまうフロリーナさんですが、今日のこの場に限って、
もじもじ躊躇いながらも何とか食い下がりました。
「『男』なんじゃ――」
心臓を射抜かれたような気持ちになります。思わず頭まで水面下に隠れてしまいました。
有難い事に――それとも有難くない事にと言い直すべきでしょうか。セーラさんが否定します。
「何言ってるのよフロリーナ。こんなキレイな顔した男の人がいる訳ないじゃない」
「え――でも」
怯えた瞳でチラチラと私の姿を窺い、再びもじもじと目を伏せます。男嫌いの本能が、
彼女の心中で警鐘を鳴らしているのでしょうか。
何も知らないセーラさんが、さらに私へと追い討ちを掛けます。
「ルセアも早くお湯から上がりなさいよ。出れば女だってフロリーナも分かってくれるじゃない。
ほらフロリーナも手伝って。早くしないとルセアが逆上せて死んじゃうから」
セーラさんの言葉が、私の覚悟を固めます。これ以上湯の中にいるのも限界だと。
それに脱衣所に辿り着くまでの僅かな時間だけ、男だと知られなければ大丈夫です。
素早く浴室を出る。それまでの時間稼ぎくらいにはなるかと――
私は内股で立ち上がり、股間の痛みを隠して正面の女性二人に呼び掛けます。
「私は――女ですよ?」
賢明なる皆様には、私が何をしたのかお判りの事だと思います。
自分で言うのも変な話ですが、私は元々女性だと間違われやすい容姿をしております。
そんな私の性別を見分けようとすれば、彼女らは一体どこに目を付けるでしょうか。
恐らく股間の根っこでしょう。私ならそこを見ます。
逆に考えると、根っこさえ見られなければ問題は発生しません。だから私は股間に
根っこを挟んで隠し、女性に囲まれたこの場を凌ごうと考えたのでした。
それにしても勃起した固い根っこを無理矢理腿の間に押し込めたものですから、
股間が痛くて仕方がありません。しかし、
少しでも油断すれば、私の根っこは太腿の間から飛び出してその雄姿を惜し気もなく
穢れなき乙女達の前に顕してしまうことでしょう。
持って三十秒。股間に根っこを挟み続けねばならないので、走るなんて不可能です。
出来るだけ早く場を辞そうとする私を、セーラさんが呼び止めます。
「ルセアってさ――」
「はい?」
私はにっこりとセーラさんに応じました。まだ男だと知られていないはず――
「胸、全然無いのね」
見破られたのか――全身の筋肉が股間とは独立に強張りました。
笑顔が引き攣っていないか心配です。けれどもセーラさんが次に話し掛けた相手は、
私ではありませんでした。自分の背後に隠れたフロリーナを振り返って慰めます。
「良かったじゃないフロリーナ。アナタより胸のない娘がこの軍にいてさ」
フロリーナさんは浮かない面持ちのまま、力なくセーラさんに頷きました。
男のシンボルが股間にないと証明したにも関わらず、私が女性だと信じらないようです。
恐るべきは男嫌いな彼女の本能です。長い時間彼女を誤魔化す事は出来ません。
残り二十秒――立ち去ろうとした所で、セーラさんは私を呼び止めました。
「何でそんなに屈んでるの?それに何で内股?」
答えにくい質問です。それにいつまでも遊んでいる暇は、私にありません。
残り十五秒――その間に私は、セーラさんに納得して貰えそうな回答を用意しました。
「少しお風呂に中ったようです。軽く頭を冷やして来ますので、それでは――」
そそくさと二人を後にして、私は中腰のまま膝から下の動きだけで脱衣所に向かいました。
途端に背後で、フロリーナさんの一オクターブ高い悲鳴が上がりました。
身体を洗っていたリンディス公女とレベッカさん、それにプリシラ様まで、浴室に居た
全員が一斉に私へと注目します。
フロリーナさんは蒼褪めた顔で震えながら、振り返った私を指差して叫びました。
「何か、何か内臓みたいなのが――お尻から出てる!」
えっ、と私は自分の尻を見ようと上半身を捻ります。
その拍子に、下半身へ込めた力が抜けて――
湯に濡れた内股の肌を、熱く固い棒状の物体が滑り――
あと十秒持ち堪える筈だった私の根っこが、予測を裏切り跳ね橋のように反り返り、
臍の上をぱちん、と叩く音が浴室に反響します。
乙女達は私の根っこを見つめ、しばらくして口々に漏らしました。
「――シンボル?」
「――シンボル?」
「――男のシンボル?」
それだけ云って後はだんまり。言葉を失ってしまったようです。私はと云うと、
取り返しの付かない事態を前に内心で激しく動揺しておりました。
まったくシンボルちゃん様々です。決して根っこの大きさを自慢したい訳ではありません。
己のシンボルの大きさが普通とは違うと言いたかっただけです。
かつてコンウォル家が健在だった頃にレイモンド様と比べ合った事がありますが、
レイモンド様は私の物を目にするや烈火の如くお怒りになりました。
曰く、そんな大きさは反則だとの事です。普通は肘から先までの大きさではないと。
それ以来レイモンド様は、小用を足す時には私を避けておられます。その後修道院に
入ってからも――いやこの話は後に回しましょう。
事態は既にシンボルの大きさという問題を通り過ぎていますから。
よりにもよって乙女達の前でシンボルを晒してしまうとは、正に一生の不覚でした。
赤黒い肉の表面には太い血管がこれでもかと云うほど浮き上がり、陸に上がった
魚のように勢い良くビクビクと脈打っております。
猛々しい鬼のようなシンボルを目の当たりにすれば、ショックを受けるのも無理はない。
彼女達の不安を取り除き、かつ私が変態ではないと理解して貰えそうな一言を云わねば。
頭の中の蔵書を捲り、弁解と形勢逆転を同時に果たす言葉を必死に探します。
「えっと――」
私が口を開き、乙女達は引き寄せられるように私へと視線を向けます。
けれども彼女達に意識があったのかどうか。皆虚ろな顔をしておりました。
――師匠、何か一言!
極限状態に置かれた自分自身を、必死に叱咤激励します。
辛うじて口を飛び出たのは、自分でも想定外のとんでもない言葉でした。
「私の愛馬は凶暴です――」
場の空気が重苦しく凍り付きます。乙女達は私のシンボルを唖然と見つめたまま、
一言も喋らずその場に立ち尽くしました。
私は自分の言葉に驚いて我を失っていたのですが、彼女達の反応を読み取って、
取り返しの付かない事を言ってしまったのだ、とようやく理解します。
気まずい立場を誤魔化そうと、私はシンボルを馬に見立てて騎乗のポーズを取り、
手綱を引く真似をしながら腰を前後させてみました。
ヒヒーン、と馬の嘶きを再現します。
けれども乙女達は笑いもしません。
風呂から立ち昇る湯気でさえ止まっております。乙女達は私の股間を凝視したまま、
ぴくりとも動きません。リンディス公女もプリシラ様も、セーラさんもレベッカさんも、
真っ先に叫び声を上げると思われたフロリーナさんですら固まって微動だにしません。
彼女達を安心させよう、という私の目論みは見事に外れました。けれども結果的には、
私が逃げるのに絶好の好機が巡って来たという考え方も出来ます。
私はこの隙に浴場を辞そうと決意しました。
しかし回れ右を試みた所で、足が思うように動かないという事に気付きました。
いえ筋肉だけの話ではありません。息も出来ないし汗も掻かない。
なのに窒息するような気が、不思議と起きませんでした。
本当に時間が止まってしまったのでしょうか。そんな中――
誰も居ない筈の湯船から突然水音が聞こえ、細かい粒まで空中に静止した湯気の中で、
一人だけ立ち上がって自由に動く人影が現れました。
人影が徐々に近付くに連れ、色彩と輪郭が鮮明さを増して行きます。
腰まで届く真っ直ぐな髪の持ち主は、この軍では私の他に一人ぐらいしかおりません。
その事実に思い至った時、頭の中の人物図鑑と湯の中を歩く人物とが完全に一致しました。
踊り子のニニアンさんです。脱衣所からやって来た面々の中にはいなかったはずなのに、
いつの間に入浴していたのでしょうか。
普段の儚げな印象といい、この奇妙な状況といい、実に神秘的な女性です。
それに均整の良く取れた、美しい身体の持ち主でもあります。
円錐形の柔らかそうな胸、つんと上を向いたその先端、贅肉の少ない縊れた腰、
リンディス公女並に美しく伸びた脚と、その間の細くて縮れの少ない茂み。
ニニアンさんはそれらを一切隠す事なく、浴槽の縁を跨ぎました。
そのままこちらに向かって歩いて来ます。
歩を進める度に髪の先から、お湯がピチャピチャと床に滴り落ちます。
まるで禊を済ませた巫女そのものです。あまりにも神々しくて目が離せない。
惜し気もなく裸体を晒しているのにも関わらず、ニニアンさんからは乙女らしい
恥じらいの断片も感じられませんでした。
かといって魅惑的な肉体を誇示する訳でもありません。そういう世俗的な問題を、
ニニアンさんの姿は遥かに超越していました。この方がいつから浴槽の中に居たのか、
私の抱いていた疑問ですら、彼女の前ではトゥリビアルに過ぎません。
切り揃った前髪の下に見える赤い瞳が、真っ直ぐに私の視線を射抜き返しています。
私の咎を責め立てているのでしょうか。咄嗟に出た私の言葉に気分を害したのでしょうか。
この方の考えている事が読めません。本当に人間なのだろうか、という不安が頭を過ぎります。
全くの無表情を保ったまま、ついにニニアンさんは互いの息が掛かる距離まで近付きました。
彼女の真っ赤な瑞々しい唇が小さく動き、静かに言葉を紡ぎます。
「聖職者の身でありながら、罪に溺れし業の魂――」
擦れ違い様に私の耳へと唇を近付け、ニニアンさんは語尾を上げて囁きました。
――イッペン、死ンデミル?
それは止まった時を解き放ち、地獄の扉を開かせる魔法の言葉でした。
ニニアンさんが忽然と消え失せ、黄色い声が次々と起こり、乙女達が一斉に私を襲います。
最前列はレベッカさんとリンディス公女でした。リンディス公女が身の丈を悠に越える
驚異的な跳躍を見せ、レベッカさんは獲物に襲い掛かるネコのように姿勢を低くして床を駆け、
突撃しつつ弓を引く構えから、右ストレートを私の鳩尾に深々と突き刺しました。
呼吸が止まり、胃液が逆流するかと思いました。弓を引く構えから続け様に拳を喰らいます。
二、三、四、――
五発目を撃つかと思いきや、レベッカさんは構えを保ったまま後方に飛び退きます。
ほっとしたのも束の間、上空から気合いの入ったリンディス公女の声が聞こえます。
――乙女の踵落とし!!
見上げればリンディス公女の脹脛、太股、お尻。まばらな陰毛に覆われた性器周辺の
ご様子を、私は不遜にも瞼に焼き付けて生涯の宝にしようと目論みました。
それが悪い結果を招いたのでしょう。眉間に乙女の踵落としを受けて頭がフラ付きます。
着地したリンディス公女の乳房が上下に大きくぶるんと揺れる有様が見えました。
間を置かず顎に硬い衝撃。天を仰ぎ、背にしたはずの脱衣所への入り口が逆さまに見えます。
私の身体は弓なりになって宙を舞い、受けたダメージも生々しい後頭部から着地しました。
セーラさんが私の上に跨ります。球に近い形をしたセーラさんのお尻を、脈打つ根っこが
鞭打つように軽く叩きます。とても美味しい状況とも云えます。
馬乗りの態勢から振り下ろされる鉄拳さえなければ。
何の躊躇いもなく、セーラさんは私の鼻っ柱に拳を叩き込みました。
顔の中央に電気が走るような痛みを覚え、目の中に星が飛びます。
生温かく鉄っぽい塩味が鼻腔を満たした後喉へと流れ込み、私は鼻血をだらだらと流しながら
激しく咳き込んで血飛沫を撒き散らします。
今ので記憶を喪くしたよ、と呟いたところで、セーラさんの耳に届くことはありません。
ショック療法とでも云わんばかりに、折れた鼻めがけて鉄拳がもう一発。また一発。
同時に下半身にも、ハンマーで鎧ごと叩き潰されたような鈍い痛みが走りました。
フロリーナさんです。
私の両足を持ち上げて大きく開脚させ、無防備な私の睾丸をゲシゲシ踏み付けています。
虫も殺せぬ顔をしていながら、フロリーナさんの攻撃はえげつない物でした。
せめてもの救いは、フロリーナさんが私の睾丸を踏み付けようとして足を持ち上げる度に、
赤みを帯びた縦筋がぱっくりと割れ、中から未発達なヒダが姿を現してくれる事でしょうか。
呑気に鑑賞している場合ではありません。このままでは私の生殖能力が失われてしまう。
私は堪らずセーラさんを跳ね飛ばし、フロリーナさんから逃れて脱衣所へ走ります。
目の前を白い布が横切ったかと思うと、それが喉元へと絡み付いて強く締め上げます。
首ががくんと後ろに折れます。吐き気と咳が同時に襲ってきたような息苦しさを覚え、
立っていられなくなって口から血の混じった泡を溢し膝を突けば、真正面にプリシラ様のお顔。
頬を真っ赤に上気させ、鍛え抜いた鬼の形相で私を睨みつけて――
乙女のビンタ、ビンタ、ビンタ、ビンタ、ビンタ、ビンタ、ビンタ、ビンタ、
ビンタ、ビンタ、ビンタ、ビンタ、ビンタ、ビンタ、――
平手打ちを受ける間に鼓膜が破れ、何も聞こえなくなってしまいました。
身体の痛みを殆ど感じ取れません。痛みが許容量を越えてしまったのです。
目は霞み声は遠くなり、頭の中でキーンと高い音が鳴り続けます。
修道院で先輩の部屋に深夜呼ばれた時の記憶が蘇ります。舌舐め擦りをする先輩の前で、
言われるままに根っこを見せたところ――
激怒した彼に『ボクが注文した大きさと違う』と詰られてしこたま打たれました。
あの時は窓から見える北の夜空に、一際明るく輝く星があったように覚えております。
美しい星だったのに、私は何故か死を予感して心の芯まで凍り付きました。
どうやら今度は仰向けに寝かされたようです。乙女達が喚きながら私を殴り続けますが、
私には全てが遠い過去の出来事であるかのように感じられました。
ゆっくりと瞼が下りる中、私は屋根に覆われて見えない星空に想いを巡らせます。
きっと今夜もあの時の星が、美しく輝いている事でしょう。私には確信出来ました。
なぜなら死に相通じる狂気が、美しい乙女達を支配していますから。
私が次に目覚めを迎えるのは、果たして何時の事になるやら。
この狂気と不安に揺れる中。
一人ひとりの恨みを、私はどこまで受けるのだろうか。
この狂気の中、生命を削られ。
ヒトの原形を、私はどこまで守れるだろうか――
<<終>>
以上で終わりです。
ついでに一言だけ喋らせて下さい。
個人的な見解ですが、『股間にチンコを挟んで「女!」』というのは究極の下ネタではないでしょうか。
人類の半分が出来るという簡易性、言葉や文化を越えて理解できるシンプルなネタ、
クレヨンしんちゃんからバッファロー・ビルまで幅広い年齢層に渡る男達が行なっている事、
生々しいリピドーが伝わって来ることから、私は強くそう思いました。
全然SSと関係ないですね。それでは。
地獄少女wwwwww
___ _, -‐" :::::::::::::
./:::::::::::: ヽ ,r'" .:::::::::::::: ヽ::::::::
. !::::::::l!::」Ll|_ :l とりあえず / ,-:::::::::::::::::::::::::::::::
.,!:::(|:::|lラ` ィァl::|! 壊れ気味のマシンは | /::::::::::::::::::::::::::::::::::::
,|: ::::::_!l _ / j:| 地獄ヘ流シマス ', .::_ノ:::::::::::::::::::::::::::::
,,!::::,|/||>‐' |'' ! ::::::_、:::::::::::::::::::::::
〃: !-‐`トヾ,l,/ ! | ', :::/、 ! ::::::::::::::::::::
.,-'〃:/::::::::,--ヽλ ,' /、/ !.l,|:::::::::::::::::::
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 ̄``l'~レー-ヘ :::::::::::::::::::::::::::::::| ,/ | . |:ノl:::
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. l::::::::::::::::::::| У:::::::::,! ! . __________./ :::::::::::::::::::::
. |::::::::::::::::::::{`::"::::: :::::::::`ー-} ./" :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
ゾイドもな
ソフィーヤの地獄少女も見てみたい
224 :
名無しさん@ピンキー:2005/12/15(木) 14:13:42 ID:kmfppB7g
シルヴィアとティルテュと、3Pを繰り広げていた…。
これをみたい
女体化(?)ルセアGJ!
ダミアン氏のとは違った面白さがあってイイ!
ん…その、本気でルセアに同情してしまった。
この上不能になってしまったら誰にも男として見られないじゃないか(ノД`)
そ れ で こ そ ルセアちゃんだ。
真面目で重厚な作風のマシン氏の久しぶりの投下キタ!!!
…と思ったら、どうしたんだというんだ。
いやでもこれはこれで、なかなか…。
イケナイ部分を見てしまった感じがして萌える。
ルセアGJ! ワロタwwwwww
230 :
名無しさん@ピンキー:2005/12/16(金) 13:09:03 ID:XJy9Oc5+
仮に、生き延びたとしても今度は、エリウッドとヘクトルが
ルセアをボコボコにするでしょう。
231 :
名無しさん@ピンキー:2005/12/16(金) 15:59:58 ID:AoZIor9F
ここら辺でセリラクキボン
ここら辺でセラリンキボン
ここら辺でセネリアキボン
ここら辺でクリスに集団セクハラキボン
ここらで「剣の特訓」と言ってラクチェにセクハラするシャナンキボン
なにそのユアン
むしろセリスにセクハラしてパティにセクハラされるシャナンキボン
いまさら聖魔にハマったので誰か書いて
ネタでクレクレやっちゃうから
こうやって真性を呼び寄せちゃうんだよ。
>>232-238 反 省 汁
はいはいわろすわろす
言ってみただけなんでご心配なく
最近めっきりレスが減ったね
みんな忙しいんだよ年末で
244 :
名無しさん@ピンキー:2005/12/21(水) 00:58:29 ID:P29QpxBo
保守
「今日は本当に、楽しかったな・・・・・・」
私はその夜、一日の仕事を終えて疲れた身体を休めるべく、ベッドの上に寝転がっていました。
「ギィさん、かあ・・・・・・」
エトルリアの貴族の姫として、いつもは広い屋敷の奥で厳重な警備の元、退屈な生活をさせられている私。
このリキア軍に参加したのは、実の兄を始めとする家族の消息を確かめるためということもありましたけれど、
それ以上に、あの退屈な生活から逃れて、外の世界でいろいろなものに触れ、そしていろいろなことを知りたいということもあったのかもしれません。
そして私はついに、パント様と連絡を取り、無事に屋敷を脱出することに成功いたしました。
そしてパント様は、エルクという護衛まで付けてくださりました。
そして故あってリキア軍に参加・・・・・・そこでは、新鮮な驚きの連続でした。
何よりも、同年代の男の人たちとの触れ合い・・・屋敷の生活では、そのようなことは絶対に許されませんでした・・・が何よりも
楽しくて、つい時間を忘れて話し込んだりしてしまいました。
そんな中、今日一緒に行動したギィさん・・・・・・。
彼の部族では、部族全員同じパオ(いわゆる家です)で暮らし、皆が一つの家族である・・・・・・
そんな彼のことが羨ましくて、私は何度も彼の話に聞き入ってしまいました。
思えば、まだ幼い頃、実の家族と別れて、エトルリアのカルレオン公爵家に養子に出された私。
養父も養母も優しく接してくださったけど、私の心の奥底には、どこかなじめないものがありました。
本当は、実の両親、そしてレイモンド兄様と一緒に暮らしたい・・・・・・
そんな私だから、ギィさんの家族の話を聞いたときは、思わず涙が出そうになりました。
「お、おい!大丈夫か!?俺、何か傷つくようなこと言ったか?」
思わず私のことを心配してくださっているギィさんを見て、私は一瞬恥じました。
「い、いいえ、そういうわけではないのです・・・・・・。」
「そうか。でも、何かあったら俺に言えよ。力になるからさ。・・・まあ、役に立てるかどうかはわかんねえけど・・・」
家族愛に飢えていた私にとって、彼の言葉は、非常に頼もしい・・・
いつしか、私の心は、彼のことでいっぱいになる・・・
そうだわっ!彼のために、クッキーでも焼いて持っていってあげようかしら!
私は早速クッキーを焼くために、部屋を出ました。
このお城の調理室になら、材料は揃っているでしょう。途中、マーカス様に出会って、使用の許可も頂きました。
そして私はクッキーを焼きました。おいしく焼けたわ、うん♥
そして私は焼いたクッキーを持ってギィさんのお部屋に向かう途中・・・・・・
曲がり角で、そのお目当てのギィさんと、ぶつかってしまいました。
「きゃあ!」
思わず私は尻餅を突いてしまいました。彼も思わずよろよろとよろけます。
そして私の目の前に、赤黒く丸い物体が見えたそのとき、生温かい液体が、勢いよく私の顔に降りかかりました。
「あ・・・・・・」
私はその降りかかった液体を手で掬ってみました。それは、白く濁った粘液。イカのような匂い・・・
「あの、そ、それは、うちの部族に伝わる、『馬乳酒』って酒で、その・・・ほら・・・な?」
ギィさんは必死で言い訳していましたが、どう見ても精子です。
本当にありがとうございました。
ギィ頑張れ超頑張れ
warota
248 :
名無しさん@ピンキー:2005/12/21(水) 23:20:40 ID:Bx5/ELwW
ユニ×ゼノ見てぇ
どうもマシンっす。クリスマスネタ投下させて頂きます。
・舞台は聖戦子世代、9章半ば辺りです。
・長いのが苦手な方はスルーお願いします。
クリスマスネタが主眼です。では投下開始――
落城寸前だったレンスターに颯爽と駆け付けた彼を、私は長い間ずっと捜していた。
私の従兄弟であり、今は滅亡したノディオン王家の獅子王が後胤アレス王子。
眠たくないよ、と駄々を捏ねた幼い私に対し、母はいつも子守唄のように御伽噺のように
獅子王の勇姿を何度も繰り返し語ってくれたものだった。
一薙ぎで百の敵を屠る魔剣ミストルティン。身の丈程もある黒騎士ヘズルの神器を、
獅子王はまるで己が分身のように軽々と片手で扱ったと聞かされている。神器を持ち
黒い甲冑に身を固めて馬を駆る獅子王の姿を前に、敵も味方も皆が恐れを為した物だと。
「あの人は誰よりも強い騎士だったわ」
そう語る母の顔は誇らしげでもあり、また同時にどこか物悲しさを隠せないでいた。
幼い私に母の心の機微を知る術などあろう筈もなく、私は無邪気にも母に問う。
「お父様よりも強かったの?」
「そうね」
母はいつも迷いの片鱗すら見せずに即答した。そして小さく微笑んだ。
「あのシグルド公子も、キュアン王子も、ミストルティンを持ったあの人と向き合って、
手も足も全く出なかったのよ」
悲運の叛徒シグルド公子に、レンスターのキュアン王子。聖戦士の血を引く
彼らですら圧倒した黒騎士は、その生涯に措いて敗北を知らなかったという。
「じゃ、どうしておじ様は死んじゃったの?」
「騎士として主君への忠義に殉じたのよ。あの人には騎士の生き方しかなかった。
とても不器用な人だったけれど、あの人こそ騎士の中の騎士よ」
「お父様よりも?」
私の問いが深みを増すに連れ、母の瞳に浮かぶ憂いは徐々に色合いを濃くしてゆく。
彼女の心が伝染して、元々の原因が自分自身であったにも関わらず私は泣きべそをかく。
異性を意識する年齢になって初めて、母の悲しみの正体が朧気に見えてきた。
彼女は獅子王を兄としてではなく、異性として好きになってしまったのだろう。
実際獅子王は類まれなる美貌の持ち主であったそうだから、王侯貴族の集いでは
彼に声を掛ける貴婦人の数も両手両足の指に収まらぬ数に上ったのだ、と聞く。
その度に母はやきもきして、貴婦人に取り囲まれた獅子王を踊りへと強引に
誘い出したのだと笑いながら語ってくれた。
けれどもその時獅子王は既に妃を得ていたし、彼女との間に子供も授かっていた。。
殆ど政略結婚のようにレンスターから嫁いできた伯母様と、王族の義務として授かった子供。
少女だった母の目にはそう映ったのだろうがしかし、忙しい中でも彼らと仲睦まじい時間を
過ごす獅子王の楽しげな瞳を前にして、終に自分の一途な想いを諦めざるを得なかった。
その後獅子王が主君の命によって散華し、残された家族はレンスターへと移り住む事になった。
けれどレンスターとて安住の地ではなくなり、獅子王の遺族は離散の憂き目に遭う。
立て続けにノディオン王家を襲った不幸の中、伯母様は病に倒れた。彼女と獅子王の遺児
アレス王子が以後どのような命運を辿ったのか、風の噂にも聞く事はなかった。
リーフ王子が苦難の末奪回したレンスターの再落城をも覚悟した、あの時までは――
初めて見たアレス王子――否黒騎士の戦い振りは、母から伝え聞いた獅子王のそれを
遥かに凌駕する力強さだった。
黒い甲冑に身を包み、数十からなる重装歩兵の部隊に怯むことなく黒馬で単騎突撃し、
黒い大剣を迷い無く一振りして敵を絶命に至らしめる。
あっと云う間に敵兵をただの肉塊に変えた黒騎士の戦い振りに、私は戦慄を覚えた。
けれどもそれは仲間たちに蔓延した恐怖とは意を異にしていた。
単純で、しかしそれが故に美しい太刀筋に心を奪われてしまったのだ。そして確信した。
あの黒い剣こそは神器ミストルティン。ならば彼こそ獅子王の血を受け継ぐアレス王子だと。
傷病兵の治療も忘れ、私は黒騎士の戦う姿をもっと目に焼き付けたいと前線に躍り出た。
矢が降ろうが魔法を浴びせられようが、黒騎士はそれを避けようともせず一身に受ける。
甲冑の表面が焦げ、矢が継ぎ目から黒騎士の肉体に突き刺さる。黒騎士は微動だにしない。
攻める側にとって、これほど不気味に映る敵もいるまい。狂ったように詠唱を続ける
魔道士たちを兜の下から睨み付け、剣を高く掲げ落ち着いた動作で黒馬の手綱を引く。
魔剣天翔――ゆるやかな軌道を描いて人馬が飛び、魔道士の群れに着地した。
一刀の下に両断された肉塊が、互いに逆回転しながら空に舞う。
見た事もない程勇ましい戦いを目の当たりにして、私は胸騒ぎを抑えられなかった
恐らく自分の中に眠っていた、獅子王と祖を同じくする血が共鳴したのだろう。
獅子王の戦いを目にした母も、矢張り抑え難い興奮を覚えたらしい。ならば私と
母とでは、一体何がどう違っていると云うのだろうか。
戦い終わって初めて、私は黒騎士の顔を目にした。彫刻のような造形に金の髪、
伝え聞く獅子王の容貌と全く同じだった。
長く傭兵の仕事で身を立てていたと彼から聞いたが、それでも高貴の色は隠せない。
今は所在不明の母から預かった手紙を黒騎士に渡し、軽い動悸と頬の熱とを意識しながら、
私は気高い容貌をした自分の従兄に思い切って声を掛けてみた――
「情けないわね。女一人取られた位で何てザマよ」
踊り子のリーンはルテキア城下にある酒場のテーブルに座ったまま、対面に突っ伏して泣く
栗毛の少年を一喝して暖かい葡萄酒を一口含んだ。
飲み下すと身体の芯が温まる。冬至前後の数日は一年で最も日が短くそして寒い時期でもある。
大陸一冬が厳しいのはシレジアであるが、このトラキアも風の冷たさでは北の大地に負けず劣らずと
云える。大陸最高峰を頂く土地であり、そのため全体的に標高が高い所為だろう。
だいいちリーンが身に纏っているのは肌着と紛う程に露出の多い衣装であり、一杯飲まないと
活動する気には到底なれなかった。
それに酒が入れば普段は聞き出せぬ色恋話、略してコイバナも余す所なく話して貰える。
店の中には二人の他に、頭の禿げ上がった店主が一人。煉瓦造りの外観とは対照的に、
広い内観はトラキア桧を使った中々贅沢な仕上がりだ。交易都市であるターラやミレトスに
近いだけあって、この街が南トラキアでも屈指の豊かな都市である事を暗に物語っているようだ。
秘密のコイバナを聞き出すにはもってこいの場所だろう。けれども――
顔を上げずに啜り泣く少年を見ていると、リーン自身己の判断を誤ったとしか思えない。
栗毛の王子様は、酒を飲むには少し若すぎたか。
ひいふうみい、とリーンは王子の周りに置かれた空の杯や酒瓶を目で数えて呆れ返る。
葡萄酒三本、蒸留酒五杯半。リーフは酒席の経験も豊富なリーンが止めるのも聞かず、
立て続けにそれらを煽った挙句前のめりに昏倒したのだ。
リーンが溜息混じりに栗毛の旋毛を眺めていると、少年の涙に濡れた声が愚痴を漏らした。
「やっぱり――やっぱりリーンさんも、ナンナがアレスに取られたって――すんすん」
「あー取られてない取られてない。だから王子様が泣くなってリーフ」
栗毛の髪を鷲掴みにして、リーンはよしよしと乱暴にリーフの頭を撫でた。
投げやりな態度で慰められたリーフが、顔も上げず恨めしそうに呟く。
「――取られたのか取られてないのか、一体どっちなんですか」
「うるさいわね。リーフこそ飲むか泣くか絡むかのどれか一つにしなさいよ」
「どれも嫌ですよ。大体僕はナンナの事で貴女に相談しに来たんじゃないですか」
「そうだんです」
「冗談は止めて下さい。寒いし全然面白くない」
ごちん、と音を立ててリーフの額が卓に叩き付けられた。何するんですか、と顔を上げた
リーフの目付きを、リーンはさも煩わしそうに横目で軽く流した。
「こっちこそ思春期の恋愛相談みたいな事やってる暇なんてないのよ。私の本職知ってる?」
踊り子でしょう、とリーフは座る姿勢を直して拗ねたように云う。
そう踊り子、とリーンは身を卓に乗り出して相槌を打った。
「若者の悩みを聞くのは仕事じゃないの。こうやって君の話を聞いてもお金貰える訳じゃないし」
「リーンさん美人だけど結構がめついんですね。まあいいですよ、幾ら払えばいいんです?」
リーフは云って据わりの悪い目付きで下から睨む。リーンは泰然とした態度を崩さない。
この程度の絡み酒ならまだ可愛い方だ。タチの悪い親爺に身体を強請られる訳でもなし。
「そういう問題じゃない。誰か他に相談できる人は居ないの、友達とか?」
「そうですね、そりゃ友達ぐらい居ますよ。けどこういう話が出来る人は――」
「なら占い屋の爺さんとか居るじゃない。あの爺さんへの相談料、私の飲み代よりは安いわよ」
「あの人裏でお金貰って、僕たちの秘密とか他所に流しちゃうじゃないですか」
好々爺然とした占い屋の顔を、リーンは頭の中で思い描いた。確かにあれは食えない老人だ。
「フィンとかアウグスト司祭なんかどうなの?」
リーフは押し黙り、ぶんぶんと首を振って否定した。石部金吉と破戒坊主という組み合わせなど、
恋愛の相談役としては自分だって選ばないだろうな、とリーンは己の挙げた選択肢を反省した。
他に誰かいないのか、と彼女は温い葡萄酒を啜りつつ頭の中の名簿を捲る。
長い栗色の髪をした背の高い美人の姿が、程なく彼女の瞼に浮かんだ。
「じゃアルテナ王女は?姉弟なんでしょ?」
「姉はまだこの軍に入って日が浅いし、何か悩んでいるみたいなんです。心配掛けられません」
「だから私の所に来た、と?」
顔を涙その他で濡らしたまま、リーフは黙って小さく頷く。リーンの手を取り、縋るような
眼差しを彼女の真正面に近付けて大声で叫んだ。
「もうリーンさんしか頼る人は居ないんです!僕はどうしたらいいんですか?」
飛来する細かな唾液と耳鳴りに顔を顰めながらも、リーンは諭すよう静かに云った。
「取り敢えず落ち着いてもう一回最初から話してくれる?半分泣きながら喋っても解らないわ。
それから鼓膜破れるから、顔を離してもっと静かにね。普通に話せば十分聞こえるんだから。
あと女の子に唾を飛ばすな汚らしい――」
運ばれてきた熱い葡萄酒をちびちびと含み、少年の話に間が生じれば相槌を打つ。そうやって
リーンが時間を潰す間に、苦悩する少年の話は終わっていた。
手持ち無沙汰のあまり三杯目を店主に注文してから、卓に肘を突いて項垂れたリーフを前に、
彼から聞き出した話を手短に纏めてみる。
「――で、レンスター防衛戦の辺りからナンナ王女の様子がおかしくなってると。
何があったのか訊いても話してくれず、不審に思っている所にアレスと一緒にいる彼女を
見てしまったと。つまりはそういう事ね」
リーフは伏目がちに大人しく頷いて、店主に蒸留酒を注文した。それを素早く取り消した
リーンを、彼は恨めしそうに睨み上げる。
「何するんですか。酒場でお酒頼むのは普通の事でしょう?」
「アナタそりゃ飲み過ぎよ。お酒の力頼ったって、何の解決にもならないでしょうに」
「けど飲まなきゃやってられないですよ!アレスといる時のナンナは、生き生きしていて――
あんな顔僕の前で見せた事ないんですよ。本当に生き甲斐を見つけたような顔で――」
ちょっと聞いてるんですか、とリーフは卓に拳を打ち付けながら怒鳴る。
聞いてるわよ、とリーンは投げ遣りに答えた。
「ナンナ王女が生き甲斐を見つけたんなら、それで良いじゃない」
リーフは力なく俯く。わなわなと拳を震わせる彼の喉から呻くような声が漏れた。
「それだけなら、の話ですよ。けど二人揃って部屋から出て来た所を目撃してしまったら――
しかもよく見たらナンナ、腕に包帯を巻いていたんですよ。あと膝とか首の周りにも」
「何があったのか訊いてみたら?」
「『アレスと二人っきりで何してたんだ?』なんて訊けますか?!大体リーンさんだって、
アレスが何してたのか気にならないはずないのに、何落ち着いているんですか!」
椅子を蹴飛ばして立ち上がったリーフに対し、リーンはあくまで動かない。
「今はアナタが私の相談に乗ってるの?私がアナタの相談に乗ってあげてるんでしょう?」
視線でリーフの瞳を真っ直ぐ射抜き、落ち着いた声で一喝。リーフが歴戦の勇士であるのなら、
リーンもまた酒の上での修羅場を潜り抜けてきた猛者である。この踊り子が発する凄みは、
酔った少年が酒の勢いに任せて捻じ伏せられる代物では到底なかった。
済みませんと小声で謝り、リーフは席に戻って話を続ける。
「――怪我の事だけはナンナに訊ねました。けど彼女、『これは私の問題ですから』って。
散々苦労してレンスターを奪回して、レイドリックも倒して姉上とも再会できたのに――
リーンさん、どう思います?」
そこまで云ってリーフは中腰で身を乗り出し、リーンに顔を近付ける。リーンは彼から
顔を背けつつ、椅子に深く腰掛け直してから問い返した。
「どう思う、って何がどうだと言いたいのアナタは?」
「リーンさんもやっぱり、弱い男よりは強い男の方がいいんですか?」
真剣な表情の少年から投げ掛けられた問いに、リーンは暫し天を仰いでから答えた。
「敢えて答えるならそうかな。他に比べる物が何もなければの話だけど」
「――やっぱりそうなんだ」
リーフは全身を小刻みに震わせ、倒れるように椅子へと座り込んだ。肘宛てから両手を
だらりと垂らし、夢も希望も失った蒼白な顔で口走る。
「やっぱりアレスが僕より強いから、ナンナはアレスの事が好きになってしまったんだ――」
そうだよね、と自らに強く言い聞かせるようにリーフは呟いた。
「僕だって今まで必死に頑張って来たよ。けどアレスは僕みたいな普通の人間と違って、聖戦士
ヘズルの神器を扱える特別な人間だから。そうだよセリスだって聖剣ティルフィングを扱える。
友達だけど強さは全然違う。二人と比べたら僕だけが普通の人間じゃないか――」
ハハハ、とリーフの唇から漏れる乾いた笑いが、やがて湿っぽい泣き声へと移り変わってゆく。
リーンにとっては聞いていて腹立たしい事この上ない意見だった。自分だったら絶対に勝てない
トラバントですら撃破しておいて、今更特別な人間も何もあった物ではない。
卓に覆い被さったリーフを冷ややかに見下ろして杯の葡萄酒を飲み干す。
杯を卓上に戻し、リーンは突き放した冷たい口調で一言云った。
「情けないわね。女一人取られた位で何てザマよ」
すんすんというくぐもった啜り泣きが、栗毛の下からリーンの耳に届く。
「やっぱり――やっぱりリーンさんも、ナンナがアレスに取られたって――言うんですね」
リーンは立ち上がりリーフの元に歩み寄って、栗毛の髪を鷲掴みにする。よしよしと
掻き毟るように頭を撫で、投げ遣りな口調で慰めの言葉を吐いた。
「あー取られてない取られてない。だから王子様が泣くなって」
「――取られたのか取られてないのか、一体どっちだって言いたいんですか」
「うるさいわね。アナタこそ飲むか泣くか絡むかのどれか一つにしなさいよ」
「どれも嫌ですよ。大体僕はナンナの事で貴女に相談しに来たんじゃないですか」
「そうだんです」
「冗談は止めて下さい。寒いし全然面白くない」
ごちん、と音を立ててリーフの額が卓に叩き付けられた。何するんですか、と顔を上げた
リーフの表情を、リーンはさも煩わしそうに横目で眺める。
「こっちこそ思春期の恋愛相談みたいな事やってる暇なんてないのよ。私の本職知ってる?」
踊り子でしょう、とリーフは髪を掴まれたまま拗ねたように云う。
そう踊り子、とリーンは答えて少年を椅子の上に突き放す。がたん、と椅子が音を立てる。
リーンは少年を斜めに見下ろして軽く鼻息を吐き、私は踊り子なのよと繰り返した。
「若者の悩みを聞くのは仕事じゃないの。こうやってアナタの話を聞いてもお金貰えないし」
「だけどこういう問題じゃ、リーンさんしか頼る人は居ないんです!お願いですリーンさん、
僕はどうしたらいいんですか?」
問い掛けてリーフは卓の上に突っ伏した。どうやら酒が回りすぎたようだ。
もう一度最初から話をしてみろ、という言葉を、リーンは発する寸前に喉の奥へと飲み込んだ。
話の流れが先程から繰り返しになっている。線形であるはずの時間軸が千切れて捻じ曲がり、
構成されたループの先端に囚われてしまったような不安が持ち上がる。
店の奥へと目を遣れば、身の丈ほどもある時計の文字盤の長針がかちりと時を刻む。
だがこの店に入った時間を覚えていない。もしかしたら
彼女の視線が所在無さげに店内を泳ぐ。
椅子――
卓――
酒瓶の棚――
木製のそれらが織り成す年輪と板の目とが複雑に入り組んで見える。どちらが歪んでいるのだろう。
酔いが回ったのかと目を擦る。
けれども時間軸も空間も捻じ曲がった世界にあって、それは大した効果を発揮しなかった。
平衡感覚を直接揺さ振られるような眩暈と吐き気に襲われる。顔を縦に引き伸ばされた店主に、
水を持って来てくれるよう頼んだ。
木戸の軋む音が聞こえ、意識が暗闇に閉ざされた入り口へと向けられる。
黒い外套の襟を立てた背の高い金髪の男と、同じく金髪を羽で飾った少女が歩み寄って来る。
男が自分の姿を見つけて、露骨に嫌な顔をする。
彼らと自分とを結ぶ直線を見出して、何故か胸を撫で下ろしたい程の安堵を覚えた。
「丁度いい処に来てくれたわねアレス。待ってたのよ」
柔らかい声でリーンが告げた名前に、リーフの肩がぴくりと反応した。卓上から身を跳ね起こして
振り返ってみれば、相談もまともに取り合わなかった踊り子が背の高い金髪の男と向かい合っていた。
その中性的に整った容貌に気障っぽさを覚える。だがリーフのささくれ立った気分を掻き乱したのは
男の顔立ちより寧ろ、そんな男の傍らに寄り添って立つ少女の目だった。
透き通った宝玉のような青い瞳はキラキラと輝いて活気に満ちている。ずっと一緒に居たナンナだから、
リーフには彼女がどんな思いを抱いているか手に取るように判った。
昂揚、憧れ――リーフの前では久しく見せなかった感情だ。幼馴染である自分に向ける事はないだろう。
それを黒騎士の前では隠そうともしない。美しいとまで思うその表情を自分では引き出せない事に、
堪らない寂しさを感じた。手首や膝上に巻かれた包帯の事について話さない事も、彼の機嫌を損ねた。
――黒騎士はナンナにとって自分よりも心惹かれる対象なのだ
そう考えると胸が張り裂けんばかりに痛む。視線に気付いたナンナが声を掛けようと一歩踏み出す。
「リーフ様、こんな所にいらっしゃったのですか?」
少年は答えない。さらに踏み出したナンナの瞳から興奮の色が褪めるのを見て取ると、
遂にリーフは目を合わせる事に耐え切れなくなって、ぷいと目を逸らした。
「リーフの奴えらくご機嫌斜めのようだが、一体どうしたんだ?」
背負った大剣を壁の木目に立て掛け、外套を脱ぎながらアレスが問う。仏頂面をしながらも、
それがさも当然といった動作でリーンに外套を手渡す。
受け取った外套を自分の座っていた椅子の背に掛け、リーンはリーフの隣に移動して座り直した。
「今日の興行がハネたすぐ後にやって来てね、リーンさんの恋愛相談室って訳――お水ありがと」
コップを持って来た店主に、リーンはすぐさま椅子二つと新たな温葡萄酒を注文した。
ナンナはリーフの下家に、アレスはナンナの下家に腰を下ろす。四人が着いた卓がもし四角の
羅紗張りであったのならば、そのまま骨牌の光景だと説明しても通用するだろう。正直な話
リーフの姿は、骨牌中に眠り病の発作を起こした博徒のそれに見えなくもなかった。
ここが弱肉強食の鉄火場であれば、身包み剥がれて裸で道路脇の溝に放置されている所である。
閑話休題――
卓に運ばれた温葡萄酒をリーンに勧められ、ナンナは杯を手にして訊いた。
「恋愛相談って仰ったんですね」
「そうよ。それで酔っ払ってクダ巻いて、さっきから同じ事繰り返し言ってるの」
ナンナは黙って杯に目を落とし、リーンは両手に持ったコップを持て余すように傾け揺らした。
注文したはいいが、悪酔いの治まった今となっては無用の水だ。かといって返すのも無粋に思われる。
アレスが杯から上る甘酸っぱい香りに顔を顰めて云う。
「俺はもっと強い奴が飲みたかったんだが」
「胃が荒れるからダメ。それに外寒いし、これ飲んだら暖まるわよ」
にべもなく自分の希望を拒否され、アレスは不承不承杯を口に運ぶ。そんな二人の遣り取りに
恐る恐る割って入ったナンナの目は、酒精にやられたのか赤く腫れていた。
「まさかリーフ様、私以外に好きな人が出来た、だなんて――」
「先に心変わりしたのは君だろ?」
皆が寝ていたとばかり思っていたリーフが、不貞腐れた上目遣いでナンナを睨んだ。
当惑したナンナの表情が、時間の経過と共に怒りと悲しみで歪んでゆく。
「何でそんな事仰るんですか?」
リーフは答えない。ナンナがもう一度呼び掛けるまで、誰も一言も発しなかった。
「どうしてそんな悲しい顔をなさるんですか?」
ナンナの声が裏返ったが、悲痛な彼女の問いにリーフは答えない。堪らず立ち上がろうとした
ナンナを、対面のリーンがまあまあと穏やかな態度で制した。
「お互いに言いたい事もあるだろうけど、ここは我慢しようよ。ねえリーフ王子?」
リーンが下家の酔っ払いを優しげな笑顔で見下ろす。
次に彼女が取った行動を目の当たりにして、アレスもナンナも唖然と口を開けた。
「酔っ払いは黙らっしゃい」
頭から水を被ったまま固まったリーフを、リーンは腹から出た堅い声で圧した。
空になったコップをだん、と勢い良く卓に叩き付け、対面へと素早く身を乗り出す。
ひっ、と身を竦めたリーフの頭上から、リーンは店中に響き渡る怒鳴り声を落とした。
「アナタが何ウジウジ悩んでようと勝手だけどね、目の前の女の子泣かすなんて最低よ!
そんな態度でよくも恋の悩みだとかヌケヌケと言い出せるわね!」
あのリーンさん、と恐る恐る声を掛けたナンナを一寸待てと抑え、リーフへと向き直す。
素早く烈女の表情に戻ったリーンの非難は続く。
「何が特別な人間よ!何が心変わりよ!アナタの態度が全部間違ってるんじゃない!
自分が間違ってるのを認めずに、全部周りの人の所為にして愚痴ってクダ巻いて、
そんな男が女に好かれる訳ないじゃない!私さっき強い弱いって言ったけど、
戦う力の問題じゃない!心があまりにも弱過ぎるのよ、甘えてんのよ!」
少し言い過ぎではないか、と恐る恐る尋ねたアレスはリーンの一睨みで引き下がった。
たかが踊り子に気合いで負けたのだから、黒騎士の二つ名もこれでは形無しである。
リーンの激しい叱責は続く。リーフが耳を塞げば、その手を強引に取り払って耳元で怒鳴る。
「ちょっと何涙ぐんでいるのよ、図星だから泣いてるの?そんなの小さい子供と一緒よ!
アナタ幾つなの?そんならアナタ半分は大人なんでしょう?!なら泣かずに私の話を聴け――」
「とまあ、彼の心には今まさにジェラシーストームが吹き荒れているって訳」
打ち拉がれたリーフを尻目に、リーンは麦酒を勢い良く飲み干した。怒鳴って痛め付けた喉を
潤すには葡萄酒よりも効果的だし、何より酒精も然程高くはない。
「お前時々表現が明後日の方向に飛ぶよな。何だよジェラシーストームって」
アレスの指摘もどこ吹く風、といった面持ちでリーンは肉桂の匂いに軽く酔う。
「嫉妬、ですか……」
ナンナの漏らした呟きに、リーンは意味が通じれば良いのよとアレスの脇腹を肘で突付いた。
「ナンナ王女がアレスと仲良くしてる姿を見て、恋人同士なんじゃないかと勘違いしたのよ。
そうよね、リーフ王子?」
凶悪な笑顔を向けたリーンに、リーフは素直に頷いた。嫉妬を覚えたのは事実であるし、
例え一方的な説明であっても、踊り子の気迫を前に反論する気力はとうに失われている。
「――そうだったんですか」
ナンナが注いだ安堵の眼差しから、リーフはぷいん、と顔を背けた。リーンが軽く肩を落とす。
「一度きちんと説明した方がいいんじゃない?王子がアナタの怪我も心配してたわよ。
何か危ない事でもやってるんじゃないかってさ」
怪我、という単語に反応したかのようにリーフが飛び起きる。嫉妬という憑き物の落ちた、
純粋に幼馴染を心配する彼の表情を目にして、ナンナは自分の方が救われたような気がした。
杯の中身を軽く揺らし、ナンナは液面に生じた波紋を見つめながら云う。
「リーフ様にご心配をお掛けしたくなくて黙っていたんですけど、どうやら私の考えも
少し間違っていたようですね」
ナンナは冷めた葡萄酒を一口含んで、杯を卓に置く。場の注目が集まった所で彼女は口を開いた。
「ではお話します。アレスには剣の稽古を付けて貰ってたの」
「剣の稽古?!」
素っ頓狂な声を上げたのはリーフだった。対面のアレスがさも不思議そうに訊く。
「何をそんなに驚いている?お前だって剣の稽古ぐらい毎日してるだろうに」
「だけど、それなら僕に言えば相手になったのに。確かに最近忙しいけど、ナンナの稽古ぐらい
時間を遣り繰りすれば僕だって見てあげられるのに」
それがな、とアレスは切り出して息を吐く。
「この場合お前では駄目なんだそうだ。俺の技が気に入ったと言うんだから」
技が、とリーフは繰り返して尋ねる。
そうだ技だ、とアレスは唇だけを動かして返答した。
「黒騎士ヘズルに連なる血脈が、俺の戦い方を見て騒いだんだと」
アレスの言葉にナンナは頷いて云った。
「私、アレスと出会うまでの戦い方に限界を感じていたんです」
限界、と繰り返す形で訊いたのは無論リーフだった。そうです、とナンナは頷く。
「私はラケシス母様の娘だし、剣だってそれなりに使えます。鍛えたら戦士として前線に
立てるはずなのに、周りの皆は護身術程度の剣しか教えてくれないし」
みんな気を遣ってくれてるんだろうけど、とナンナは侘しそうに溜息を吐いた。
「只でさえ戦力では帝国に負けてるから、少しでも前線に立てる戦士が欲しい所でしょう?
だから怪我人を治療する合間を縫って自分で修行してたんですけど、独学じゃ無理だったから」
「だったら尚更僕に頼めば良かったのに」
疑問を表情に浮かべたリーフの問いに対し、ナンナは目を伏せて静かに首を振った。
「多分反対されるだろうと思ってましたから。そんな時に出会ったのが、ミストルティンを手に
獅子奮迅の活躍を見せたアレスだったんです」
矢が降ろうが魔法を浴びせられようが、黒騎士はそれを避けようともせず一身に受ける。
甲冑の表面が焦げ、矢が継ぎ目から黒騎士の肉体に突き刺さる。黒騎士は微動だにしない。
攻める側にとって、これほど不気味に映る敵もいるまい。狂ったように詠唱を続ける
魔道士たちを兜の下から睨み付け、剣を高く掲げ落ち着いた動作で黒馬の手綱を引く。
魔剣天翔――人馬がゆるやかな軌道を描いて飛び、魔道士の群れに着地した。
一刀の下に両断された肉塊が、互いに逆回転しながら空に舞う。
見た事もない程勇ましい戦いを目の当たりにして、私は胸騒ぎを抑えられなかった
恐らく自分の中に眠っていた、獅子王と祖を同じくする血が共鳴したのだろう。
獅子王の戦いを目にした母も、矢張り抑え難い興奮を覚えたらしい。ならば私と
母とでは、一体何がどう違っていると云うのだろうか。
何も違う所はない。自分に流れる黒騎士ヘズルの血が、私に戦えと強く命じる。
――黒い騎士と同じように敵を見据えろ。同じように剣を振れ。
自分にはそれが出来ると確信した。誰に倣うよりもこの騎士に倣えばいい。
「――アレスの戦い方って、それまで見た事もないシンプルな物だったんです。守りとか受けとか
考えずにただ剣を振るだけの剣技が、あんなに力強い者に見えた事は以前にはありませんでした。
見蕩れると同時に、これだ、と霊感を受たんです。リーフ様やマリータとは違う、私に合った
スタイルがこれなんだって、母様から受け継いだ血が教えてくれたような気がしたんです」
ふんふんと鼻息を荒げてナンナは熱く語る。頬を赤らめた彼女の顔は、まるで恋する乙女のそれだ。
それだという感想を抱いたリーフに、アレスが蒸留酒の入った杯を手に語りかけた。
「そんな訳で剣の指南役を頼まれたんだが、ナンナの奴えらい気合いの入れようでな。
打ち込まれて膝擦り剥いて肘打って、身体中傷や痣だらけになっても泣き言一つ漏らさない」
「だって私強くなりたかったんだもの。ラケシス母様のような強い騎士になって、みんなの力に――」
ナンナはそこで一旦言葉を区切り俯いた。もじもじと含羞んだ彼女の横顔をリーフが覗き込む。
「――何よりリーフ様のお力になりたいって、思っていたから」
稽古のやり甲斐があったぜ、とアレスは杯の縁に口付けて喉を鳴らした。
「何せお姫様を実戦で使える戦士に鍛え上げる必要があったからな。当然稽古も荒っぽい物になる。
だから毎日のように手当てが必要だった。秘密の特訓だから怪我の治療も秘密という訳だ」
辛い液体が胃の腑へと染み込む感覚に、アレスの表情が至福に染まる。リーンが相槌を打った。
「健気な話じゃない。ってちょっとアレス、アンタいつの間にそんなの頼んでるのよ!」
アレスの杯を見咎めたリーンに、アレスは別にいいだろうと返す。
「厳しい稽古が終わって、自分へのささやかな御褒美のつもりなんだよ」
「だからって無茶飲みするんじゃない!ああおじさん水持って来て。コップじゃない桶で」
水浴びは御免だ、とばかりにそそくさと杯を置いたアレスの隣で、ナンナは頬を赤らめたまま
もじもじとリーフに呼び掛けた。
「あのリーフ様、お願いがあるんです」
なんだい、とリーフはすっかり晴れ上がった気分そのままの口調で気軽に応じる。
彼女に対して誤解していた事を謝ろうか、それとも改めてベルドを追い払った時の想いを
打ち明けようか――
様々な想いがリーフの頭の中で交錯する。僅かに躊躇ってから、意を決したようにナンナが提案した。
「この場で私の剣を見て頂けますか?」
えっと驚いてリーフは彼女の顔を見つめた。稽古場でなら兎も角、客が自分たちしかいないとは云え、
酒場で剣を振るうなんて冗談だろう、と思ったのだ。
彼の期待は呆気なく裏切られた。有無を言わさぬ真剣な表情で、ナンナはリーフを真っ直ぐ見据えた。
「私がどれだけ強くなったのか、あなた自身が確かめて――」
リーフの背後で、したり顔のアレスが彼女の背後で頷いた。
ナンナが両手で構えたのは、実戦にも使われる本物の鉄の剣だった。
柄の汚れ具合から、相当使い込まれているようだと素人目にも明らかである。しかも刀身は
綺麗に磨き上げられていて、リーフの喉元に向けられた刃先から鋭い金属光沢まで発している。
演武である以上は模造品だろう、などと漠然と考えていたリーフは、これだけで肝を冷やした。
慌てふためいた様子で両手を広げて幼馴染の少女に問う。
「ちょっとナンナ、何考えてるんだ?」
云ってリーフは息を呑む。どうやら自分の認識が間違っていたようだ、と漸く気付く。
そこに立っていたのは、恋愛相談と聞いてリーフの心変わりに狼狽えたナンナではなかった。
確かに纏っている物は甲冑ではなく、高価そうな丈の短いドレスではある。しかし天井に届くほど
高々と剣を掲げ、射竦めんばかりの鋭い眼光を放つ彼女の姿を喩えるとしたら。
純然たる女戦士――それも違う。防御も何も考えない独特の構えを取っているナンナが放つのは、
黒い炎のような凄まじい気迫だった。
彼女の背後に、頭二つ分背丈の高い騎士の姿が見える。黒い甲冑で覆われて、隙一つ見せない。
――黒騎士ヘズル?!
まさかと云う思いで卓に視点を移してみれば、アレスが悠然と足を組んで様子を見守っている。
ナンナに視点を戻すと、黒騎士は彼女の背後からリーフを睨み下ろした。
重苦しい空気が頭上から全身を圧す。体重が突然二十倍になったような衝撃を膝に感じ、
リーフは立っているのがやっとという有様だった。けれども今ナンナから視線を離したら、
解放感のあまり今度は逆さまの重力を受けて、宇宙の果てまで飛んで行くかも知れない。
そんな思いから、リーフはナンナから目が離せなかった。腹から響く気合いの入った声で、
ナンナが酒に腑抜けた王子を叱咤する。
「リーフ様こそ何やってるんですか。私の剣を見ると仰ったのはリーフ様ですよ?」
ああ、とリーフは曖昧に答えながら、しかし動揺を隠し切れない。リーンは若干事の成り行きを
心配しているようだ。
「あれで大丈夫なの?」
大丈夫だろ、とアレスは事も無げに即答する。
なら安心ね、とリーンは呆気なく納得した。
「私剣の事は全然分かんないけど、アレスの意見の良し悪しは判るのよ。だから信じてるわ」
どういう理由で、とアレスは問う。問いながら蒸留酒の杯に未練がましい視線をちらほら送る。
リーンは彼と杯との間に割って入り、瞳を見据えてきっぱり云った。
「アレスは剣の専門家だもん。剣の事、だけは、一流だからね」
『だけは』と強調したリーンの物言いに、アレスはさも鬱陶しそうに、ああそうか、と頷いた。
水入りの桶を運んできた店主が、店を傷付けないでくれとリーンに耳打ちする。
「分かったわおじさん。そういう訳だから、ゼッタイ大丈夫だよ」
そんなぁ、とリーフは情けない声を上げる。予想外の迫力を備えたナンナの気を前に、
竜騎士ダインの末裔トラバントでさえ倒した戦士の肝っ玉はまるで窺えない。
「ミストルティン持ちのアレスなら兎も角、僕はそんな特別な力なんて持ってないし!」
特別な力か、アレスは少年の言葉に口元を歪めた。皮肉のつもりだったのか自嘲だったのか、
リーフにはそれだけでアレスの内面を推し量る事は叶わない。
「特別なのはミストルティンだ、俺じゃない。だいいち稽古の時は俺だって神器を使わんぞ」
「だからって、受け損じたら死んじゃうだろ?」
「だが特別な力は要らん。仮にナンナがミストルティンを使える人間であったとしても、
今振るおうとしているのは飽くまで普通の鉄の剣に過ぎないのだからな」
自信満々なアレスの物言いに、リーフは反論を諦めてがっくりと肩を落とす。
ナンナはそんな彼の姿をあくまで冷静に目で捉え、自分に言い聞かせるように呟いた。
「一の太刀を疑わず、素早い足捌きで駆け寄って――」
拝むようように自分を見上げたリーフに向けて、ナンナは毛筋程の躊躇いも見せずに踏み込んだ。
避けようにも、足が恐怖に硬直してリーフは動けない。例え動けた所で、不意を突かれた上に
足捌きも早いナンナの突撃を躱せたかどうか。
ナンナの姿が残像を描いて迫り、鉄の剣が大きく振り下ろされる。
――ちぃぇえすとぉぉぉおおおぅぅぅううう!!!
刃の放つ金属光沢が、ナンナの奇妙で甲高い掛け声に合わせて。
ぶんばっ、と大きな円弧を描き。
固い金属の衝突音が耳を突き、リーフは自分の鼻先三寸で飛び散った火花に戦慄した。
何と言う太刀筋だろう。最初の構えには防御の概念など欠落しているし、その一方
いざ受けてみれば踏み込みも速く、女の剣とは思えぬ程に重たい一撃だった。
あと紙切れ一枚分、ナンナの踏み込みが深かったら――
光の剣を抜く速度が、瞬きする間ほど僅かに遅れていたら――
しかし彼がナンナの剣撃を受け止められたのには、技量による部分は然程多くない。
偶然逆手に剣を抜いた事、握った部分が柄の両端だった事、鉄の剣を受けた部分が
鍔際だった為、梃子の要領で数倍の力を発揮出来た事が大きかった。
結局の処運が良かったのだ。今列挙したどの要素が欠けていても、鼻を真っ二つに
切り裂かれていただろう。
不運に見舞われた自分の姿を想像して、奥歯の根ががたがたと小刻みに鳴った。
衝撃で痺れた手首には、受けた剣を支えるだけの力は残っていなかった。
徐々に押し戻された光の剣の刃が、前髪の毛筋を二本ほどはらりと切り落とす。
交差する二本の刃に区切られた視界に、ナンナの整った容貌が映っていた。
とはいえ眼光の鋭さは消えていない。
「一刀の下に倒すんです。リーフ様」
何でございましょう――リーフはあらぬ敬語口調で返事する。声が恐怖に裏返っていた。
「受け止められちゃったけど、私以前よりも強くなりましたよね?」
気圧されたリーフがこくりと頷いた。
「前線でご一緒しても宜しいかしら?」
こくりと頷く。たちまちナンナの身体から黒騎士ヘズルを連想させる殺気が消え、
後に残ったのは天使のような満面の笑みを浮かべる少女だった。
「よかったぁ。これで私、もっとリーフ様のお役に立てますね」
にこやかな様子でナンナは鉄の剣を元の鞘へ収める。それとほぼ同時に、リーフがへなへなと
膝を突いてその場にへたり込む。
慌てて駆け寄ったナンナの手を借りて起き上がりつつ、リーフは彼女の横顔に囁く。
「ナンナの剣で腕が痺れるなんて想像してなかったから吃驚しちゃった。足だってまだ震えてるし」
ホントに大丈夫ですか、とナンナはリーフの脇を抱えて訊く。
大丈夫だよ、と彼女を見つめて力無く苦笑した所で、リーフは不意に言葉を失った。
――どうしたんですかリーフ様
そうやって自分を見つめるナンナの優しい眼差しは、幼い頃からずっと変わらないと
思い込んでいた。この眼差しを守りたいと思っていた。
けれども剣の腕もその力も、自分の知らない間にずっと強くなっていた。それもこれも、
全部自分の力になりたいが故の成長だと彼女はにっこり云う。
その姿は頼もしさを増していて、何よりとても美しい。
何でそんなナンナに対して、心変わりをしたのだろうと酷い言葉を投げかけてしまったのだろう。
謝る言葉は幾らでも思い付いた。あらん限りの語彙を使ってペコペコと頭を下げたけれど、
――止めて下さい
寂しそうに顔を伏せたナンナの言葉に黙るしか無かった。私たちはそうやって他人行儀に
謝る仲ではない、と泣きそうな顔でナンナに言われる。
どうすればいいのか――必死に考えたけれど、言葉はもう使い果たしている。
店の時計がこちこちと時を刻む。沈黙を破ったのはナンナだった。
――私にとってはリーフ様が特別な人間です
きっぱりと迷いなくそう云ってのけた。それは自分に取っても同じ事だった。
今宵ほど血迷い狼狽した覚えは僕の記憶に存在しない。他ならぬナンナの事だからであろう。
ならば何を迷う事があろうか。腹を括ってナンナを見据えると立場が逆転した。
落ち着きを無くし、目を泳がせるナンナに向かって、僕だってと切り出す。
吸い寄せられるようにナンナの顔が近付く。遠くから自分を励ます声が聞こえた。
――走れ少年!
ナンナが小さく頷いて瞼を閉じる。目を瞑れば鮮明さを増した励ます声が、自分の背中を押した。
――何も考えずに走れ!
ナンナの太刀筋に目を白黒させていた同じ少年とは思えぬ程、リーフは彼女の肩を固く抱いた。
ナンナは彼の首に手を回して抱き返す。二人の距離が徐々に縮まる。
柔らかい滑り気を互いの唇で味わい、その感触と相手の匂いに酔い痴れた二人の背後で、
リーンが手を打ち鳴らした。拍手かと思いきや、手拍子を取っているように聞こえる。
近付いてみれば、彼女が何やら囃子を口ずさんでいるのが判っただろう。リーン同様
少年少女を見守っていたアレスが、彼女の声に耳を傾けて注意深く内容を聴き取った。
「♪くーちびる、くーちびる――」
眉間に軽く指を宛ててアレスは肩を落とした。確かに思春期に特有の真っ直ぐな恋愛の場面は
見ている方が気恥ずかしい位だったが、柄にも無く彼なりに感動さえ覚えていたのだ。
それをこの踊り子は全て台無しにしてくれた。そんな思いを込めて彼女をじろりと冷たく睨む。
視線を感じ取るや、リーンは彼にゴメンと謝って黙り込んだ。
「何を野次ってるんだお前って奴は」
「悪かったわよ、でもどうせあの子たち聞こえてないし。聞こえてたらとっくに離れてるわよ」
確かにリーンが言う通り、リーフとナンナは固く抱き合ったまま身動き一つ見せない。
それに、と含み笑いを浮かべてリーンは続けた。
「アンタ照れ屋だから、こういう直球な場面は苦手なんでしょ?」
内面を見透かされていた事に軽く腹を立て、アレスは卓上に置かれた杯の中身を一気に煽る。
あーっとリーンの甲高い声が上がり、二人だけの世界に浸り切っていた少年少女が我に返った。
ばしゃりと威勢の良い水音が耳に届くと同時に抱擁を解き、仲良く揃って同時に卓を振り返る。
金髪の男が憮然と卓に肘を置いて椅子に座っていた。正に文字通り、水も滴る良い男である。
その隣に座る踊り子が、空になった桶を手にしたまま取り繕うように笑ってみせた。
「ゴメンね。この馬鹿私が止めるのも聞かずに強いお酒飲んだから」
「だからってこのクソ寒い時期に水ブッ掛ける馬鹿が何処の世界に居るって言うんだよ、え?!」
二人の遣り取りを前に、ナンナがクスクスと口元を押さえて笑った。
「仲が宜しいんですね。何だか羨ましいわ」
何が羨ましいモンか、とアレスは卓を拳で叩きながら叫んだ。
「コイツが居たら好きな酒だって飲めない!何かあったら二言目には健康健康!お前はお袋か何かか?」
泣き言の領域にまで達しているアレスの訴えを前に、リーンの表情は微塵も動かなかった。
「そーやって心配してくれる人がいる間が華よ。私が居なかったらアレスってたちまち身体壊して
死んじゃうわよ。ミストルティン無しのアンタって、自分で言うほど生活力あるようには思えないし」
アレスはぐっと声を呑んだ。確かに彼の前半生はリーンの指摘する通り、彼自身というよりは
ミストルティンに喰わせて貰ったと云えなくもない。神器無くして、果たしてアレスが今日まで
生き延びて来られたかどうか――
そんな風に内省してしまったら、口喧嘩では負けてしまう。反省点は反省点として、今は
リーンの口八丁に丸め込まれない事が先決である。
第一自分は水を浴びせられた被害者なのだ、と思い直してアレスは口撃を再開した。
「大きなお世話だ!大体心配とか言うなら冷水なんか浴びせるなよ!風邪引いたらどうするんだ!」
リーンはあくまでも淡々と彼の怒鳴り声を受け流した。
「子供かアンタは。大丈夫よ、馬鹿は風邪なんか引かないから」
「馬鹿はお前だ、って――」
ナンナに釣られてリーフまで腹を抱えているのに気付き、アレスはふんと鼻を鳴らした。
これ以上言い争って少年少女の失笑を買うのも馬鹿馬鹿しく思えてしまう。
頃合だろう、とナンナはリーフに目を送った。リーフが頷くのを見て取って、リーンに告げる。
「では私たちもそろそろ退散しますね。お二人の邪魔をしては申し訳ありませんから」
まあまあ、と踊り子はその場を後にすべく背を向けた二人を呼び止める。
「確かにお子様には夜遅いかも知れないけどさ、そのまま外出たら風邪引くわよ。
髪の毛だって乾き切ってない――」
言い切るより早く、リーフがくしゃん、と激しく頭を上下させた。ナンナが慌てて店主を呼ぶ。
店主は飲み物を作っていた手を止めて、乾いた布をカウンターの下から探し出して来た。
これで髪を拭いて下さい、とナンナから差し出された布で、リーフが乱暴に自分の頭を擦る。
「ナンナ王女も身体十分に乾かした方がいいわよ。何せ水も滴るいい男と――」
云われてナンナはリーフと抱擁を交わした時間を思い出す。顔を真っ赤にしてこくりと頷いた。
「それに今日は特別な日だしね。何の日だかアナタ達分かる?」
何の日だろうと云わんばかりに、リーフが布の下から顔を覗かせた。羞恥心よりも先に
アイコンタクトを取ってしまうのは幼馴染の弊害かも知れない、などという冷静な自己分析は、
一途で直情的な性格のナンナに相応しい物に在らじ。
考えるよりも早く、ナンナはリーフの思考を読み取る。あっ、とナンナは短く叫んだ。
「――聖夜、ですね?」
そう聖夜――リーンは少女の答えに頷く。
「礼拝の時間は終わっちゃったけどさ、飲みながらお祈りってのも洒落てるじゃない?」
まだ飲むんですか、と呆れ顔でリーフが問うた。自分が散々飲み倒した事実は忘れているらしい。
リーンはその話題について敢えて触れず、涼しげに答えた。
「さっきの水浴びでお酒抜けちゃったでしょ。飲み直しよ」
「あれだけ飲んだのに?」
「愉しいお酒なら何杯飲んでも構わないの。泪酒はダメだけどね」
俺はいつも愉しく飲んでるぞ、とアレスが振り返って恨み言のように呟いた。
「なのに飲んじゃいけないってか?お前ばっかりズルくないか?」
幾多の敵を震え上がらせた黒騎士の、余りにも情けない姿にリーンは苦笑した。
「普段ならダメって言うトコロだけど、今夜は特別。お祝いしないといけないし」
何の祝いなんですか、とリーフとナンナが同時に訊ねた。声が揃った事に顔を見合わせ、
踊り子の意図する処をそれとなく察して、恥ずかしそうに床へと目を落とす。
世間擦れしたリーンにも振り返ったアレスにも、そんな彼らが初々しい。
リーンが少年少女に、改めて卓に着くよう促す。リーフは着席前に、アレスへと布を手渡す。
仲良く並んで座る少年少女の間に飲み物を置いた店主に、アレスの蒸留酒の替わりを頼む。
てきぱきと場を取り仕切るリーンの表情は、何を思い付いたのか実に浮かれて愉しそうだ。
東西南北四人で囲む四角い卓を飾るのは、賽や絵札やチップに非ず簡単な料理。
乾し肉やチーズといった、どちらかと云えば酒の宛てと呼んだ方が正確だろう。
「ったく、飲んでいいんなら最初から水ブッ掛けすなよな」
濡れた金髪を布で拭いながらぼやいていたアレスは、続いて運ばれてきた葡萄酒と蒸留酒の大瓶に、
おっと喜色を浮かべてたちまち機嫌を直す。
本職の聖職者が見たらさぞや嘆き悲しむであろう、聖夜を祝うには少々罰当たりな形式の礼拝である。
そんな光景の中、リーンは着席した一同にニコニコと笑みを浮かべて云った。
「さー今夜はお姐さんが驕っちゃうから」
二人で飲んでいた間には想像も出来なかった気前の良い台詞に、リーフが疑問を口にした。
「本当にご馳走になっていいんですか?何だか後が怖いなあ、後で割り勘とか云わないで下さいね」
「王子様とも在ろう者がセコい事云うわね。そんなんでナンナを幸せに出来ると思ってるの?」
善処します、と踊り子に頭を下げるリーフの姿に、ナンナが再び口を押さえて笑う。
そんな彼女の姿を目に留め、リーンは悪戯っぽく微笑みながら呼びかけた。
「アナタもヘズルの末裔だって聞いてるけど、ミストルティンについてこんな話知ってる?」
どんな話ですか、とナンナは素直に応じた。正直な話ヘズルが残したという書物以外に、
彼女はミストルティンに纏わる話など聞いた事がない。
ヘズルの剣技を学ぼうとする身にとって、どんな些細な事でも知りたい。
リーンが何を言い出すのか、ナンナはそれを一言も聞き漏らすまいと身構える。
語ろうとするリーンの表情も、これ以上はない程に真剣そのものだ。
うん、と固い表情で頷いて、リーンはきっぱりと告げた。
「聖なる夜にミストルティンの下でキスをした女の子は、生涯幸せになれるのよ」
知ってた、とリーンが語尾を上げて問うと、ナンナがかぁ、と顔を赤らめた。
そんなの初耳だぞとアレスが踊り子に耳打ちする。
「今決めたのよ。それにアンタがお酒を飲むんだから、それなりの理由が必要でしょ?」
僕たちはアレスの酒の肴ですか、とリーフが溜息を吐き、ナンナは顔を上げようともしない。
アレスまで呆れ顔である。そんな三人を前に、ナンナは自分の杯を持って立ち上がる。
「いいじゃない別に。私ナンナ王女の事応援してあげたいから、こんな話を考えたんだよ。
大体ね、女の子が幸せになるのって戦争に勝つより大変な事なんだから」
そうなのか、とアレスが間抜け顔で訊く。
彼の質問に答えるように、ナンナが俯いたまま小さく頷くのをリーンは見て取った。
隣席のリーフでさえ気付かない彼女の答えに、リーンの胸が自然と熱くなる。
少女には幸せになるのよ、と心の中でエールを送り、少年には幸せにするのよ、と叱咤の視線。
少々頼りない王子様だけれども、彼のこれからの成長に期待しようじゃありませんか。
何と云ってもまだまだ少年なのだし。
一方で大人のアレスはと云えば、大っぴらに酒が飲めると云うだけで実に嬉しそうだ。
「これだけは言えるぜ。俺の幸せはこの手の中にある」
そう云ってアレスは泣き出しそうな顔で杯を見つめた。
そんな黒騎士アレスの様子に小さく微笑み、リーンは各人を見回して杯を持つよう促した。
「それじゃあ聖夜のお祝いと行くわよ。二人に、幸あれ――」
――乾杯
<<終劇>>
うおエロ忘れちまったスマン…
とにかく皆様、心安らかなるクリスマスをお過ごし下さい。それでは
リアルタイムで超乙。
GJ!! ナンナ可愛いよナンナ。
乙!
こんな元気なリーンを読んだのは初めてだw
リーン姉さんがええですのうww
GJ
なんかリーフとナンナの話読んだのすげえ久しぶりで嬉しいw
冒頭で主人公はデルムッドかと期待した。
マシン氏御免なさい。
GJ&乙です!
リーフとナンナ、そしてアレスとリーンの4人が上手い具合に絡んで、
読んでて私も嬉しくなってしまいました。
「クスクスクスクス・・・・・オモシロイことを言う
挑まれた雌に背を向けて震えることを情事と呼ぶなど
生物史始まって以来のことだろうぜ」
「伝えることがある。キサマが女と戯れる日々に・・・
もの知らぬ浅はかな者供があれこれと世話を焼きたがるだろう
毒にも薬にもならぬ駄菓子の如き助言
いらぬ世話をッッッ」
「一切聞く耳を持つなッ」
「禁欲の果てにたどりつく境地などタカが知れたものッッ
強くなりたくば喰らえ!!!」
「朝も昼も夜もなく喰らえッッ
食前食後にその肉を喰らえッッ
飽くまで喰らえッッ
飽き果てるまで喰らえッッ
喰らって喰らって喰らい尽くせッッ」
「プリシラ・・・・自己を高めろ雌として
飽き果てるまで喰らわせつつも
『足りぬ』雌であれ!!!」
「喰らい尽くせぬ女であれ」
「祝福するぜ二人とも」
少々改変したが、ギィとプリシラが同じ部屋で寝ているが、何もしないところへ
レイヴァンがやってきたと仮定したとき
上記のような会話が行われると思う
バキワラタwww
そしてギィは、フロリーナのペガサスより、ラスの馬より早く走るし、
やってきたプリシラに「遅かったな」
服を一瞬で着替えるし、下着を破く。
『触れてる場所は肩や腕なのに・・・座りこんでしまいたくなるような―――
今のうちに―――しっかり触れておかなければ・・・こっちがヤラれるッッ 立っていられなくなるッッまるで闘いッッ』
『こんなことで・・・・・・ッッ』
『こんなことで・・・・・・ッッ』
セックスが始まったら
どうなってしまうんだ?!!
人体を合理的に破壊することだけに集中した十と幾歳・・・
一切の性情報を持たぬ15歳
情報を持たぬ故に本能的・・・ッ
本能的故に純粋ッ
純粋故に・・・
的確かった
『ドロドロ!!!欲しい』
快感を
ダメージ
与える!!!
交わり・・・
幾度も交わり・・・
幾度も 幾度も・・・
幾度目か
幾晩目か
見失う頃・・・・
277 :
名無しさん@ピンキー:2005/12/24(土) 18:59:19 ID:vlyWm5/6
ナンナかわいい…たまりません。
ニノちゃんの一年クッキング(前)
うわあ・・・あの戦いからもう何年もたつのに、あたしのお料理教室に、こんなにたくさんの仲間たちが来てくれたんだ・・・うれしいな、えへへ♥
それじゃあ、始めるよ!本日は、あたしのお料理教室にようこそ!今日は、あたしが精魂込めて作ったお料理を皆に披露するから、
がんばって覚えていってね♪
今回のお料理は『ソーセージ』だよ!
・材料・・・大好きな男の人 一人
それではまず、大好きな男の人と、正面を向き合います。今回は、ジャファルでいくね♪
ジャファル:・・・・・・。
そしたら男の人のズボンのジッパーを降ろして、男の人の・・・そ、その・・・お、おちんちんを・・・恥ずかしいなあ・・・
え、えーっと、おちんちんをなでなでします。
ジャファル:ニ、ニノ・・・・・・(ハァハァ、ハァハァ・・・・・・)
そしたら、えーっと、あ、あたしの股間も・・・ジャファル、なでてくれる?
ジャファル:わ、わかった・・・・・・(なでなで、なでなで・・・・・・)
あ、ああん・・・ジャファル・・・ああ・・・んん・・・そ、そしたら、あたしの股間と、ジャ、ジャファルの、その、お、おちんちんを
ピッタリとくっつけます・・・・・・♥
ジャファル:!!!・・・・・・くっ・・・す・・・すご・・・いい・・・
あっ・・・ジャファルが・・・入ってきてるよう・・・ああ・・・あああん・・・
ジャファル:ニ・・・ニノ・・・き・・・気持ちいいか・・・・・・?
ああっ!ジャ、ジャファルが・・・あああ!いい!いいよう!す、すごい・・・中で・・・暴れてるよう・・・ああああん!!!
ジャファル:うう・・・くく・・・も、もう出そう・・・・・・!!!
ああっ!ジャファル!出して!いっぱい!あたしの中に!!!
ジャファル:うっ!!!(どぴゅ!どぴゅ!どぴゅ!)
あ・・・ジャファルが・・・たくさん・・・入ってきてる・・・
ジャファル:ニノ・・・・・・愛してる・・・・・・
あん・・・あたしも・・・・・・それでは皆さん。これでソーセージの仕込みは終わりました。
一年後をお楽しみね♪
ニノちゃんの一年クッキング(後)
そして一年後・・・・・・
はい!それでは皆さん、去年仕込んだソーセージ、ようやく出来上がったので、どうぞご覧下さい!
ルゥ:ほぎゃーほぎゃー♪
レイ:ばぶーきゃっきゃ♪
はいっ!これで、『双生児』の出来上がり!二人とも、男の子なんだ♪
あっ!そこのお姉さんたち、可愛いからって、まだ食べちゃダメだよっ!まだ赤ちゃんなんだからっ!
おしまい
クリスマスに何書いてんだ俺・・・・・・orz
ワロタwソーセージだからチンポを言うのかと思ったらそういうオチか
もうダミアン氏大好きだ!w
>あっ!そこのお姉さんたち、可愛いからって、まだ食べちゃダメだよっ!まだ赤ちゃんなんだからっ!
ここだけ見て、カニバリズムネタに繋がるのかと思った俺は死んでいいと思う。
ダミアン氏GJ。
笑った。
ここからルゥ+レイ×ニノになるかと思った。
ダミアンさん最高〜
またジャファニノ書いて欲しいです〜
286 :
353:2005/12/26(月) 14:24:48 ID:kHNuV3hm
前スレ353ですが、流れを切ってミルラ×ドズラの続きを投下させていただきます。
ロリ苦手な方はスルーでお願いします…。
*今日も今日とて、エフラム軍は魔物討伐の旅を続けつつ、世界中を回っていました。
そんなある日のことです。
この日、エフラム軍はポカラの里に身を寄せていました。
287 :
353:2005/12/26(月) 14:25:36 ID:kHNuV3hm
視界の全てを白い湯気が覆っていた。
硫黄の香りが空気の中にほんのりと漂い、時折ちゃぷちゃぷと水がはねるような音が響く。
温泉。
この静かな里に相応しい、如何にも効能がありそうな、天然の温泉だった。
そんな温泉を包む湯気の帳の中に、人影らしきものが見えた。
先ほどから聞こえる水音の主はこの人だろう。湯気の中では年齢も性別もはっきりしない。
と、ふと吹いた冷たい風が、湯気のヴェールをそっとずらして、影の正体を露わにした。
「い〜い湯〜だ〜の〜。ガハハハ!」
温泉に胸の辺りまで浸かり、ドズラは気分よく温泉を楽しんでいた。
久々にのんびりとした日だった。
ここまでの道中魔物にでくわすことも無く、ラーチェル様はいつも通りの元気一杯天真爛漫なラーチェル様。
里の景色は何度見ても見事なもので、料理は質素ではあるが実に美味。言うことが無い。その上温泉とは。
「ふ〜い。まったく生き返るわい」
ぺしゃり。タオルが翻り、いい音を立ててドズラの肩に張り付く。
「しかし、こんな大きな温泉をわし一人で独り占めというのは、嬉しいがちと皆に悪い気がするわい」
顔をつるりと手で一撫でし、ドズラは微笑を浮かべて天を仰いだ。
ドズラにこの温泉に入るよう勧めたのはラーチェルだった。
ラーチェルが言うには、ミルラの好意だと言う。
ミルラは『竜人様』とポカラの里で崇められている存在だ。
当然何かにつけて優遇されている。この専用の温泉もその一つなのだという。
色々あってラーチェルと中のいいミルラは、折角里に来たのだからということで、
『ラーチェルと愉快な下僕達』に温泉を堪能してもらおうと思ったわけだった。
一番風呂を頂くのは少し気が引けたが、ラーチェルに『いつも頑張っていてくれるのだから』とお風呂セットに、更に愛用のアヒルまで渡されては、断るという選択肢など無い。
ちなみに『下僕達』のメンバー、レナックは他の兵たちと酒でも飲みに出かけたらしい。里の地酒は確かに絶品だ、一晩かけて飲み明かすのも悪くは無かった。
そういうわけで、ドズラはこうして温泉につかっているわけだった。
288 :
353:2005/12/26(月) 14:26:58 ID:kHNuV3hm
ドズラの目に写る、今にも落ちてきそうなほどの、満点の星空。
「今日はいい日じゃわい」
ひとりでにそう呟いていた。
と、ガラガラと温泉の入口の木戸が引かれる音が聞こえた。
さてはレナックだろうと思い、ドズラは気にもしない。それよりも、この見事な星空に見惚れていたかった。
だから、入ってきた人影が、レナックにしてはやけに小さく、それ以前にどうみても男の体型では無いことには、その人影がドズラのすぐ隣の水面に足を入れるまで気が付かなかった。
「…ム?」
視線を隣の人影へと向けると、どう見てもレナックではない。小さく細い体の線は、少女のそれだ。
白い肌が目に鮮やかに焼きつく。その瞬間、ドズラはあまりの驚きに叫んでいた。
「ムオオオオオーッ!? お、おぬしはっ!?」
ドズラと目が合ったその少女は、ドズラの声に驚いた様子でぱちぱちと目を瞬かせた。
「…あの…どうしたのですか? ドズラさん…」
ミルラは、ドズラがどうしてこんなに驚いているのだろうという顔をしていた。
胸元から膝上までを白いタオルが隠してはいるものの、それ以外にミルラの肌を守るものは何一つ無い。
なのにミルラはまったく気にしている風に見えなかった。
「な、何故おぬしがここに? ム!? そ、そうか。小半刻と経っていないつもりじゃったが……思いの他長風呂をしてしまったようじゃわい。
すぐあがるからの。待たせてすまんのう」
一人納得してお湯から上がろうとするドズラを、ミルラが止める。
「いいえ…違いますよ。お風呂の順番が待ちきれなくて入ってきたわけではありません…。ドズラさんの、お背中を流してさしあげようと思いまして…」
「な、何と!?」
「ご迷惑ですか…?」
ドズラは困りきった顔で、がしがしと髭を扱いた。
「ム、ムム…」
「…私は、いつもドズラさんに守って頂いています…。私は…ドズラさんにお礼をしてあげたいです…駄目ですか…?」
「…ム。…ムッ! 何をいうんじゃ娘よ! 駄目なわけがないわい! ガハハ!」
ほんの一瞬迷ったが、ドズラは人の好意を無下に断れる男ではなかった。それに背中を流してくれるというのは確かにありがたいことではある。
ミルラとの関係について思うことはあるが、今そのことを持ち出すことは無いだろう。
「わしからお願いしたいくらいじゃ! わしの背中を流してくれるか?」
「はい…」
ミルラは微笑みを浮かべて、小さく何度もこくこくと首を縦に振った。
289 :
353:2005/12/26(月) 14:28:03 ID:kHNuV3hm
「それでは…どうぞあちらの椅子に座ってください…」
ミルラがそっと指を指した方向には、身体を洗うためらしきスペースが用意されているようだった。
木や竹、石材を組み合わせて、ちょうど小さな滝のように上から落ちてくるお湯を、シャワーのように使用しているらしい。
ドズラは腰にタオルを巻き、シャワーの前へとやってきた。
「ドズラさん、どうぞこちらに座ってください」
ミルラが木の椅子を、天然石のタイルの上に置く。
「ム! では遠慮なく座らせてもらおう、ガハハ!」
「はい…」
ドズラが椅子に腰掛けると、ミルラは石鹸を手にしてその背中に回った。
「それでは…お背中をお流しします…」
「ガハハ! 頼む!」
「行きますね…」
――ふにゅっ。
「ムオオッーー!? な、なんじゃー!?」
ドズラは驚いて思わず叫んでいた。背中に感じた感触は、想像していた『タオルで擦る』という感触とはかけ離れていた。
タオルの感触に比べて、遥かに柔らかく、重みがあって、ほぼ背中全体に当たる、濡れた暖かい感触。
「…? どうかしましたか?」
ミルラは、ドズラの背中に、たっぷりと肌の上で石鹸を泡立てた上で身体を擦り付けていたのだった。
「な、なにをー! 何をしとるんじゃー!?」
「は、はい…え…ええと…ドズラさんのお背中を、お流ししています…」
ミルラは何故わざわざそんなことを聞くのかというような表情をしていた。
ドズラの驚きとは裏腹に、ミルラはいつもの無表情な顔で、規則正しく肌と肌をすり合わせる。
「まて! ま、待つんじゃ! ムオゥウッ!??」
「んしょ…んしょ…ドズラさんの背中…ごつごつしてます…あ…」
鍛え抜かれた筋肉で隆々としたドズラの背中は、くっきりと筋肉の束が浮き出ている。
ごりごりとした筋肉の凹凸に、ミルラは小さな胸を押しつぶすように擦り付けては、くちゅ、くちゅっと白い泡を生み出していた。
肌と肌が擦り合わされるたびに、ミルラはまだ足しかお湯につけていないというのに、頬をのぼせたように赤く染めていく。
桜色の乳首は先端をくっきりと尖らせていき、こりこりとした弾力が、皮膚の中で一番触覚が鈍いといわれる背中の肌にも、はっきりと伝わってきた。
290 :
353:2005/12/26(月) 14:29:24 ID:kHNuV3hm
「ま、待て、待つんじゃ! こ、こんなことをしてはいかん! やめるんじゃ!」
「…ドズラさん…私に背中を流されるのは、そんなに嫌ですか…?」
「ムムム!?」
「…本当に、お嫌なら…やめます…」
ひどく悲しそうな色をミルラの声に感じ取り、慌ててドズラは言い訳をする。
「い、いや違うのじゃ! わしは何もいやというわけでは…」
「でも本当にお嫌そうな声をしていました…」
「ち、違う! いやではない! いやでは無いが…ムオオ!」
「…嬉しいです…よかった…ドズラさんに嫌われてしまったかと思いました…。私、頑張ってドズラさんの背中を綺麗にしますね…」
「ムオオオオオー!?」
微笑を浮かべると、ミルラは張り切って、更に激しく自分の肌をドズラのそれへと擦り付ける。
男のそれとはまるで違う、柔らかくすべすべとした感触。
「ムオッ!? ムオオッ!?」
「あの…ドズラさん…このままだと少し動き辛いので…掴まらせてくださいね」
ミルラはドズラの首にそっと腕を回し、更にしっかりと肌を密着させた。くちゅぅ、と押し出された泡が、聞こえるか聞こえないかの音を立てて弾ける。
全身の肌をフルに使って、ドズラの背中全部を一気に擦り尽くした。
「…はぁ…っ…」
とろんと蕩けそうな目をして、ミルラはどこか名残惜しそうに、ドズラの背中から身体を離した。
「ドズラさん、綺麗になりましたよ…ふふ…つるつるです……」
ミルラは満足そうな顔をしていた。もう一度タオルを巻きなおし、肌を隠す。
「…ハァッ、ハァッ、ハァッ…そ、そうか…ウ、ウム、ありがとう」
深呼吸して息を整えつつ、ドズラは何でも無いような顔をして礼を言った。ことさらにしかめ面を作り、平静を装って。
だが安心したと思ったのもつかの間、すぐにその顔は驚愕に歪む。
「では…続けて、他のところも綺麗にしますね…」
「ムオオオオオオオッ!? い、いかん! それは…ムオオオオオ!!」
ドズラの腕をそっと持ち上げると、ミルラは抱き枕の要領で身体をしがみ付かせ、そのまま身体を上下する感覚で擦り始めた。
ドズラの手首から下は、太股の間に挟むようにして擦り立てる。タオルが程よく石鹸に空気を送り込み、みるみる泡が立ち始めた。
「ムオオ! む、娘よっ! いかん! その洗い方はいかーん! いや今までもいかんが余計にいかん!」
「…? どうして、いけないのですか…?」
「ど、どうしてってそれはのう…それは…ムムム…」
どう説明したものか判断に迷うドズラを見て、ミルラは何か納得したように一つ頷いた。
「あの…やっぱりお嫌でしたか…?」
「い、嫌と言うわけでは…」
ドズラは咄嗟にもっともらしい言い訳の出てくる男ではなかった。ミルラの顔がぱっと明るくなる。
「よかった…私…頑張ります…」
「ムオオわしの馬鹿者ー! ム、ムワアァッ!」
291 :
353:2005/12/26(月) 14:30:11 ID:kHNuV3hm
白い肌をくねらせて、ミルラは蔦のようにドズラの腕に絡みつく。
身じろぎするたびに、ミルラの口からか細く甘い声が漏れて、ドズラの耳をくすぐった。
(い、いかん…)
ドズラは下を向いて、難しいこと、例えばノールの魔法の講義を思い出しては、意識をミルラから逸らそうとする。だがそれは余りにも儚い努力だった。
何を考えようとも、頭の中は既にミルラの肌の感触で一杯だ。
くちゅくちゅと鳴る濡れた音、ミルラの可愛らしい喘ぎ声が、耳を占領して離れない。
息を整えようと深呼吸すれば、少女の甘い匂いが鼻の中に流れ込んでくる。
「ドズラさん、痒いところはありませんか…?」
「…ム!? ム、ムゥ。な、無い」
「そうですか、痒いところがあったら言ってくださいね。…あっ…?」
不意に、ミルラの動きが止まった。
「ム? どうかしたのか…ムッ?」
ミルラの視線が、ある一箇所でぴたりと止まって動かなくなっていた。
視線の先を目で追ってみれば、そこにあるのはドズラの股間を隠すタオルに張られた、大きなテント。
「ムオオオッ!? い、いかん! 娘よ、み、見てはいかんぞ!」
慌てて手で股間を隠そうとした瞬間、ミルラは流れるようにするりとドズラの足の間に身体を割り込ませていた。
「ムゥッ!? な、なにを!?」
「ドズラさん…あの…」
ミルラは恥じらいの色を表情に浮かべながら、おずおずとためらいながら言葉を続けた。
「…私で…気持ちよくなってくれたんですね…」
恥じらいと喜びの入り混じった、小さな声。
「…嬉しいです…」
野原に咲く花のような、控えめな、けれど心から嬉しそうな微笑。
「…もっと…気持ちよくなってくださいね…」
ミルラはドズラの身体に抱きつくと、体重をかけて押し倒した。
「ムオオオッ!?」
咄嗟のことだったのと、動揺しきっていたこともあり、ドズラはなすすべも無く泡と温水で濡れた床の上に押し倒された。
「んっ…ふぁっ…」
倒れた時の衝撃が、ドズラの股間のテントから、ミルラの何も隠すものが無い股間へとぴったりと密着して伝わる。
「ドズラさんの…とくっ、とくって…脈打っています…」
感触を確かめるように腰をくいくいと小さく動かしながら、ミルラは呟いた。
肢の間に、タオルに包まれたそれを挟み、そっと身動ぎする。タオル越しでも、ミルラの吸い付くような肌の感触がドズラに伝わってくる。
「ムオオオオーッ!? だ、駄目じゃっ! 駄目! 動くの禁止じゃ!」
「……だめ……ですか……?」
ドズラはほんの一瞬だけ言葉を詰まらせ……すぐに「ウム」と頷いた。
「駄目じゃ。これは、その、いかん。よくないことじゃ」
「……いけないこと……なのですか……?」
悲しげなミルラの目を、ドズラはじっと見つめ返す。
292 :
353:2005/12/26(月) 14:31:17 ID:kHNuV3hm
「……ウム。……これはとても大事なことじゃ……その場の雰囲気や、感情に流されて、することでは無い……
それに、おぬしは、こういうことをするのにはまだ幼い……そして何よりも、わしは……おぬしを傷付けたくは無いのだ」
「……ドズラさん……」
「……ム……わかってくれぃ、娘よ……」
「……はい」
ミルラは少しだけ微笑んで、そっとドズラの胸に手を付いた。ドズラも、小さな微笑を浮かべた。
そのままミルラは軽く体重をかけ、離れようとし……
「ふあっ……」
だが果たせず、腕から力が抜けて、かくんとドズラの胸に飛び込むように倒れる。
「ムッ!? ど、どうした……?」
「……あ……ごめんなさい……んっ、……ふぅっ……今……どきますから……んぅっ」
ミルラの頬が、熱を帯びて赤色に染まり、形のよい眉が苦悶にも似た形に歪む。だがその声は何故か甘い。
「ど、どうしたのじゃ……?」
「はい……じ……実は……くぅんっ……! ……感じてしまって……」
「か、感じて? ム?」
「はい……」
ミルラは小さく頷くと、身体に巻いたタオルを、そっと肌蹴た。
「ムオーッ!? い、いかん娘よ! は、早く隠すんじゃ!」
「でも……こうしないと……見れませんから……」
「み、見? 何を見せようというんじゃ」
「……私の……足の間……です……」
「な、なんとー!? い、いや、それは幾らなんでも……」
「……見てください……」
「い、いかん! いかんいか……ん……ん? ンムオ?」
顔に手を当てつつ、指の間からミルラを見ていたドズラは、『それ』に気がついた。
ミルラの太股に食い込む、黒のベルト。そこに挟まれた、ペン軸を半分に切った程度の太さと大きさの器具。
金属の光沢をもったその器具からは、細い紐のようなものが伸びていて、しかもその紐は、ミルラの……文字通り『中』にまで伸びていた。
耳に届く、小さな『ブゥゥゥン……』という振動音。それが先日、ルーテから友情(?)の証として受け取ったローターであることを、ドズラは知らない。
「そ、それはなんじゃ? そういえばさっきから、妙な音が聞こえてくるが……どうも、おぬしの体から聞こえてくるような……」
ミルラの顔に、艶を帯びた微笑が浮かんだ。
「これは……ルーター……という道具なのだそうです……」
「る、るーたー?」
「はい……こうして……お腹の中に入れて……気持ちよくするんです……」
ミルラはぺたりとお尻をタイルの上につけると、足をMの字に開いて、ドズラによく見えるようにした。
小さな花弁の中から伸びる白いコードが邪魔になり、よくは見えないが……そこはもう、汗か、それとも別の液体のせいか、すっかり潤んでいるようだった。
「ム……ウ……」
「……こうして……あらかじめ……ちゃんとほぐして、慣らしておきなさいって……教えてもらいました……。……男の人と……愛し合う、前に……」
「そ、そうか……。……ム? ……そ、その……愛し合う相手というのは……その……もしや、わ、わしのことか?」
ミルラはたっぷり一分ほどもじっとドズラを見つめた後、はにかみながらおずおずと首を縦に振った。
293 :
353:2005/12/26(月) 14:32:41 ID:kHNuV3hm
「――! いっ、いかん! いかんいかんいかーん!」
「…どうしてですか…?」
「じゃ、じゃから…おぬしはまだ子供じゃ!」
「…はい。ですから…大丈夫なように、こうして、事前に慣らして置きました…」
にこっ、とミルラが微笑を浮かべる。ドズラは頭を抱えて唸った。
「ムムムム…そ、そういうことではないのじゃ!」
「では…どういうことなのですか…?」
「じゃ、じゃから…つまり…。そ、そうじゃ! いいか娘よ、こういうことは、一番好きで大事な男とするものじゃ!
わかるか? こういうことは、一時の感情に流されて、軽々しくすることでは無いのじゃ! もっと真剣に…相手を選んでじゃな…」
「真剣ですよ」
するりと、まるでレイピアの切先が固いアーマーナイトの装甲を貫くかのような言葉だった。
「真剣ですよ、ドズラさん……」
ドズラは声を失い、ただじっとミルラを見つめた。ミルラはドズラの瞳の奥を覗き込むようにしながら、恐る恐る、口を開いて続けた。
「…ドズラさんは…よく、ユアンさんと…お話をしていましたね…」
「ユアン? ム、あの小さなぼうずのことかの? 確かにちょくちょく話をするが…」
「…ユアンさんが…色んなお話をして…それをドズラさんは…にこにこしながら、うんうん頷いて…ずっとお話を聞いていて…
その時のドズラさんは…何だか、優しい顔をしていました…」
「ムムム…? そうだったかの?」
「はい…。お話を聞いて…ドズラさんは、確か…こんな風に答えました…。
『子供の話を聞き、また子供に話してやるのは、本来、大人の務めじゃ。
まぁ、悲しいかな、中には忙しくて相手ができん不びんな者もいるようだがの。
そこにくるとほら、それ。わしはラーチェル様のお付きじゃが、難しいことはよくわからん。
だから出番が少ない。ゆえにヒマ人なんじゃ。いつでも話をしようじゃないか』――
…ドズラさんは、そういっていました…」
「ム…確かにそんなことを言ったが…それがどうかしたかのう?」
「…ドズラさんは…とっても優しい顔をしていました…
ユアンさんの目はきらきらしていて…何だか…ドズラさんとユアンさんが話しているところだけ…不思議に穏やかな色に見えて…
私は…あの、優しいドズラさんの瞳が…とても好きです…」
「…ム…ム…」
ひどく照れた顔をして、ドズラは髭を手櫛で扱いた。
「わ、わしは何も…ただ、当たり前のことじゃろう? 子供が話すことをちゃんと聞いてやるのは、大人であれば当たり前のことじゃ」
「でも…私は…そんなドズラさんが…とても素敵だと思いました」
ミルラが小さな手をドズラの頬に当てる。髭だらけの頬を、愛しそうに撫で回す。
「ドズラさん…私は…ドズラさんのことが好きです…」
ミルラはそっと目を閉じると、ドズラの唇と自分の唇を重ね合わせた。
大きく目を見開いてドズラは硬直した。だが、拒絶したりはしなかった。
三十秒ほど悩んでから、ミルラの背中に、触れるか触れないか程度の強さで腕を回して抱きしめた。
294 :
353:2005/12/26(月) 14:33:55 ID:kHNuV3hm
「――っ。ぷあっ…はあ…はあ…息をするのを忘れていました…」
唇を放すなり、ミルラは大きく息を吸い込んだ。ドズラの胸に額を当てて、ゆっくりと深呼吸をする。
「…駄目ですね…ちゃんと練習してきたのに…いざとなると、なかなか上手くいかないものですね…」
一体どうやって『練習』をしてきたのかかなり気になったが、それを考えている暇は無かった。
「今度は、ちゃんとやりますね…んっ…」
ミルラが、息を整えるなりすぐに唇を重ねてきたからだ。今度は唇が触れ合うだけのそれではない。
小さな舌が、ドズラの唇をこじ開けるようにして口の中に入ってくる。
一瞬躊躇ったドズラの前歯を、舌先で優しく叩き、ミルラはドズラの中に訪問してきた。
「ふあ…っ…あっ…ふぅ…んっ…。…ちゅっ…ちゅ…」
さらさらの唾液が、可愛い舌と一緒に控えめに口の中へと流れ込んでくる。ドズラは抵抗無くそれを飲み干した。
小さな舌がドズラのそれを求めて、口の中を動き回る。応えて、ドズラは舌を伸ばした。触れ合うなりすぐさまに小さな舌が絡み付いてくる。
ぬるっとした感触が、ひどく心地よい。ミルラの性格同様、大胆ではあってもどこかに遠慮したような拙さがあって、そこがまた逆にスパイスとなって快感を増す。
「ちゅっ…ぷっ……こく、くっ……くぷっ…ちゅぷっ……ぺちゃ、ちゅるっ…んっ、ふ?」
ドズラの分厚い胸板に置かれたミルラの手が、偶然乳首を探り当てた瞬間、ドズラが低く呻いた。それを見たミルラが、まるで悪戯でも思いついたかのような微笑を浮かべた。
「ふぁ…ふぅ……ふふ……ぺろっ…」
「ムオオッ!?」
唇を一旦離すと、ミルラはドズラの胸に舌を這わせた。たまらず声をあげるドズラの反応に気をよくしたのか、ますます大胆にミルラの舌が動く。
乳首を唇で探り当て、甘噛みした時のドズラの反応は見ものですらあった。
「……ドズラさん、可愛いです」
反論しようにも、正直快感でそれどころではない。その上ドズラの気持ちとは裏腹に、ミルラの方はただ素直にドズラの反応を喜んでいるのだから、止めようとする気力も萎えてきていた。
ミルラが跨って、さっきから腰を小さくくねらせ擦り付けているドズラの太股は、溢れる愛蜜でふやけ出している。
微かに伝わってくる、ぶうん……という小さな振動と、擦り付けるたびにミルラの口から漏れる甘い声に、ドズラの理性は白旗寸前だった。
「……ドズラさん」
「ハァ…ハァ…ム、ムッ!? な、なんじゃ…?」
「…もうそろそろ…その…」
顔を赤らめながら、ミルラが紡いだ次の言葉に、ついにドズラの理性は陥落した。
「…さっき言った…『ルーター』を…抜いて欲しいのですが…。…だって…抜かないと…その…お腹の中で、つっかえてしまうと思いますから…」
ドズラの反応が無いので、ミルラは首を傾げた。無言でうつむいているドズラに不思議そうに話しかける。
「あの、ドズラさん…? 私…何か変なことを言ったのでしょうか…?」
「変にきまっとるわあああ!!」
「きゃっ…!?」
ドズラはミルラの太股を鷲掴みにすると、くるんとひっくり返して仰向けの蛙のような体勢にした。
295 :
353:2005/12/26(月) 14:35:06 ID:kHNuV3hm
蜜でとろとろのクレヴァスから伸びるコードを、がしっと掴んで、低く押し殺したような声でドズラが訊く。
「…ぬ、くぞっ」
「はい…」
こくんとミルラが頷いた瞬間、ドズラの手が動いた。
「きゃふっ…!」
コードを引っ張るにつれ、丸く、小さな振動を続ける物体が、ミルラのクレヴァスを割って、卵を産むかのようにゆっくりと出てくる。
潤みきった膣粘膜が、つるつるとした素材のバイブレーターにようにぴったりと絡みつき、なかなか離してくれない。
「ム……ムオオオッ!」
ドズラが吼えた。半分ほど球体が中から出たところで、一気に腕を引いた。
「きゃあああんっ!!」
ミルラが可愛らしい悲鳴を上げた瞬間、ちゅぽんっという音と共に、ローターが抜けた。
そしてそれと同時に――
――ぷしゃぁぁ……――
「ムアッ?」
透明な液体が、ミルラのクレヴァスから溢れ出して、ドズラの顔に浴びせられていた。
「はぁ…はぁ…。ご、ごめんなさい…私…お漏らしなんて…」
ミルラの目に涙が浮かぶ。謝る間も、放水は止まらない。止められるものでもない。膀胱の中身をすっかり出し切って、ようやく止まった。
「…ごめんなさい…ごめんなさいドズラさん…私…とんでもないことを…っ!?」
ドズラはミルラが言い終わるのを待たずに、さまざまな液体で濡れたクレヴァスに口を付けていた。
「あっ、あっ! ド、ドズラさん…!」
髭だらけの口元が、ミルラの言うところの『ちくちく』とした感触で幼い秘裂を攻め立てる。
「ああっ! あああっ! くんっ! きゃんっ! ドズラさんっ…!」
クリトリスを守る包皮を舌先で優しく剥いてやるとミルラが、びくん! 大きく跳ねた。
僅かに尿管に残っていた液体がぷしゅぅと吹き出したのを、唇を付けて躊躇いも無く啜り取る。
しとどに溢れる愛蜜を、音を立てて飲み込んでは、更なる蜜を求めて、奥へと入れた舌で中を掻いた。
「ふああっ! きゃふっ! ああっ! ひっ、ひああっ!」
ドズラの頭を掴みながら、ミルラが髪を振り乱す。
「ドズラさんっ! ドズラさんっ! 私、私、変になっちゃいますっ…! あっ…あああっ!」
がくがくと仰け反りながら、ミルラは絶頂に達した。全身から力が抜け、虚脱した手足が人形のそれのようにタイルの上に広がった。
「…あ…ドズラさん…」
ミルラが目を開けると、ドズラの勃起した股間が目に入った。
「ふぅ…ふぅ…」
興奮しきった顔をして、ドズラは自分の手でごしごしと分身を扱いていた。もう我慢も限界に近いのだろう。勃起には青筋が浮き出て、先端の亀裂から透明な液体が溢れていた。
「はぁ…はぁ…ドズラさん…はぁ…やっぱり大きいです…。…入るかな…」
呟くと、ミルラは太股を開き、小さいながらも充血しきってぽってりとしたクレヴァスを、指で拡げた。
「…どうぞ…来て下さい…ドズラさん」
その言葉が耳に届いた瞬間、ドズラはミルラに圧し掛かっていた。狂戦士は本能に従うまま、膨れ上がった肉棒をミルラの秘裂へと押し当てた。
296 :
353:2005/12/26(月) 14:36:07 ID:kHNuV3hm
「――ああああっ!」
ミルラの悲鳴が耳を揺さぶったが、もう止められなかった。
血液ではちきれそうな亀頭が、ミルラの媚肉をこじ開けて、入るだけ奥まで一気に突き進んでいく。背中の神経を、雷のような快感がびりびりと痺れさせる。
ドズラはかつて無いほどに興奮していた。甲高い悲鳴すらも、興奮のスパイスだ。
みっしりと肉棒を締め付ける膣壁がたまらなく心地いい。今にも暴発寸前になりながら、ドズラは腰を動かし始めた。
「ああああっ! やっ、ドズラさんっ! ああっ! ドズラさぁん!」
ミルラは苦痛に涙を零しながら、ドズラにしっかりとしがみ付いた。四肢をドズラに絡めて、思いっきり力を込めて。その感触すらも心地よい。
声には苦痛の中に、明らかに甘いものが混ざっていた。慣らしていたのには、ちゃんと効果があったらしい。
「あんっ! あんっ! あんっ! あんっ!」
ドズラの動きに合わせて、リズムよくミルラの喉から嬌声が漏れる。
「ムゥッ、ムオオッ……クッ、グゥウウッ!」
獣の唸り声のように呻きながら、ドズラは肉棒を幼い肢体へと撃ち込み続ける。
そのたびにぱちゅんっ、ぱちゅんっと肌と肌が打ち合う音が響き渡り、ドズラを酔わせた。
すっぽりと腕におさまる程度の大きさの、まるで自分の子供のような幼い体に……それも父のように自分を慕ってくれる娘に、
こんな真似をしているという猛烈な背徳感がドズラを責めるが、むしろその背徳感すらも、今のドズラにとっては快感の一つとなっている。
ミルラの中はひどく狭苦しいが、それでいて中は大人のそれと同じく襞と蜜で絡み付いてくる。女性器というのは、男から精を搾り出すためのものだと再確認する。
動かなくても、ただじっとしているだけで達してしまいそうなほど、ミルラの中は気持ちがいい。
動くとそれがさらに増大する。突き入れる時は押しつぶされはしないかと心配し、引き抜く時は雁首から亀頭が取れてしまうような錯覚すら覚えた。
「ムゥゥッ…ンムアアアッ!」
「ドズラさん…ドズラさん…」
何度も何度も、ミルラはドズラの名前を呼んだ。
名前を呼ばれるたびに湧き上がる、罪悪感と表裏一体の、この娘を征服している……という悦び。
無垢な少女を、自分のものにして汚しているという、暗い悦びだ。
本当に頭がおかしくなりそうだった――いや、とっくにおかしくなっていた。
こんなことをしているのが何よりの証明ではないか。ドズラは自嘲した。
「あんっ! あんっ!! ど、ドズラさん…! き、気持ち…いいですか…?」
ミルラは溢れる涙と共に、大きな目をじっとドズラへと向けた。
「ウ、ウム」
「よかった…」
そういうミルラの顔は、本当にほっとしたというような穏やかな微笑を浮かべていた。
あなたが気持ちよくなってくれて、嬉しい。そう笑っているのだった。
もう限界だった。みりみりとはちきれる寸前まで膨れ上がった肉の槍を、ドズラは狂ったようにミルラの中へ打ち込んだ。
「ああっ! あああっ! ドズラさん! ドズラさん! 好きですっ! ドズラさんっ!」
「わしも…好きじゃ! ミルラっ!」
その言葉を聞いた瞬間、ミルラの体が、電流でも流したように震えた。体はひとりでに仰け反って、ドズラの肉棒を押しつぶさんばかりに締め上げていた。
「あっ! あっ! あああああぁーーっ!」
ミルラの喉から叫び声があがる。ぎゅっと閉じられた目からはぽろぽろと涙が零れ、ドズラの背中に回された指の爪は、分厚い皮膚を引っ掻き傷でいっぱいにしていた。
それとほぼ同時に、ドズラも絶頂に達していた。
「ムウウッ! ムオオオオッ!」
297 :
353:2005/12/26(月) 14:37:12 ID:kHNuV3hm
唸り声を上げながら、ドズラはミルラの最奥まで突き入れた己の分身から、驚くほどの量の精が吹き出しているのを感じていた。
まるで小水でもしているような、若い頃でもとても無理な量が、自分の意思とは関係なく、ミルラの中へと注ぎ込まれていく。
このまま、何もかも搾り出されて、干からびた乾物にでもなるのか。そう冗談でなく思った。そして、それでもいいとも思った。
「オッ。オッ、オオッ、ムオオッ…! オ、オオ…」
射精はしばらくして、止まった。まるで、何十分も射精し続けていたようだが、恐らく一分にも満たない時間のことだったろう。
ドズラはしばらくぼうっとしたまま立ち尽くしていたが、ミルラがたまたま身じろぎした時に生じた膣のうねりで、はっと意識を取り戻した。
すぐさま肉棒を引き抜いた。抜く間も、破瓜の血混じりの大量の精はミルラとの隙間からどろどろと溢れた。白濁した細い橋をかけながら、肉棒を抜き終わった瞬間、ドズラはへなへなとベッドの上に倒れこんだ。
「あ…ドズラさん重たいです…」
ドズラの下敷きになったミルラが小さな声で抗議をする。何とか転がって仰向けになって、ミルラの上から移動する。大の字に伸ばした腕を、枕にしてミルラがドズラに引っ付く。
なんだか満足そうに、ミルラは自分のお腹を撫で回した。華を散らしたばかりのクレヴァスからは、未だどろどろと白濁液が溢れ続けている。
「ドズラさんのせいえき…私のお腹の中に、いっぱい出ていますね…じわあって…私のお腹の中で広がっていくのがわかりました…」
ミルラはにっこりと笑った。
「ドズラさんの赤ちゃん…出来たかも知れませんね…」
「ムウッ!?」
「もし赤ちゃんが出来ていたら…ちゃんと産めるでしょうか…。私の体は…小さいから…それに…私は『竜』なのですし…」
不安の色が表情に浮かんだ瞬間、ドズラの腕は無意識にミルラを抱きしめていた。
「あ…っ…」
「心配はいらぬぞ…もしそうなった時は…わしが…必ず何とかしてやろう。おぬしを守ってみせよう。天地神命に誓って」
「ドズラさん……」
「…ミルラよ……」
二人は見つめあい、そして極自然に、唇を重ね――
「素晴らしいですわー!!!!!」
――ようとして、ドズラはぎょっと目を剥いた。
298 :
353:2005/12/26(月) 14:38:29 ID:kHNuV3hm
「ラ…ラ…ラーチェル様!?!?」
「これぞ 愛 ですわ! ラブラブですわ〜!」
ドズラの驚きなど意に介さず、ラーチェルはバスタオル一枚の姿で、つかつかとミルラとドズラの元へ小走りに駆け寄った。そしてミルラの手を取り、微笑んだ。
「やりましたわね! ミルラ!」
「はい…私…頑張りました…ラーチェル…」
「作戦大成功ですわ〜! 遅くまで作戦を練った甲斐がありましたわ〜〜!!」
「はい…ラーチェルやみなさんのおかげです…」
何が起こっているのかよくわからないが、どうやらラーチェルが一枚噛んでいることだけはドズラにもわかった。
「あ、あの…ラーチェル様…一体何が…」
「さて…では、早速続きをするとしましょうか」
「はい…」
ドズラの疑問をざっくりと断ち切って、ミルラとラーチェルは頷きあう。ラーチェルは目をドズラへと向けて、にっこり笑うと…すっと膝を曲げた。
「ムオオオーーッッ!?」
ラーチェルの細い手が、まだ色んな体液まみれでぐしょぐしょな、ドズラの股間へと伸びた。達したばかりで敏感な亀頭を、手の平を使ってくりくりと撫で回す。
「ハゥオオッ!? ラ、ラーチェル様!? お、おやめくだされ…ムワアアアッ!?」
「はぷ…ちゅる…」
同じようにしゃがんだミルラが、ドズラの背後から、だらんと力なく垂れる精嚢を口に吸い込んだ。くいくいと唇で咥えて引っ張り、舌で中身を弄ぶ。
「な、なっ、なっ、何をしておられるのですじゃー!? ミ、ミルラよ、おぬしもやめ…ムワアッ!?」
「ちゅっ、っちゅっ…んふ…だって、こうした方が早く大きくなるでしょう?」
ラーチェルが穏やかな微笑を浮かべ、鈴口を舌先で穿り返す。
「な、何故に!?」
「ふふ…だって…これからわたくしの相手もしてもらうのですもの…」
一瞬心臓が止まっていたかも知れない。十数秒かかってようやく脳が言葉の意味を咀嚼し終わった瞬間、ドズラは絶叫した。
「ムオオオオオオオオッ!? い、今なんとォオオオオ!?!?」
「もう、ドズラ…レディに何度もこんな恥ずかしいことを言わせるのは、紳士の行いではありませんわよ?」
困ったような顔をして、ラーチェルは深々と口にドズラの分身を咥え込んだ。激しい吸い込みに、肉棒は再びはちきれんばかりに張り詰めていった。
「その髭で、わたくしをこういうことに目覚めさせた責任…とって頂きますわ♪」
「ドズラさん…頑張ってくださいね…」
「――ムオオオオオオオ――」
小さな山間の里に、獣の泣き声にも似た絶叫が木霊した。
おしまい。
299 :
353:2005/12/26(月) 14:40:24 ID:kHNuV3hm
むしゃくしゃして書いた。はっちゃけきれず描写がぬるい。今は反省している。
書いてる内に、ゾンビムルヴァに竜姦されるミルラとかドズラ×ユアンとかアメリア×ロス&フランツ&ユアンの見習い’sとかラーチェル様のエロエロ世直しとか、
性に目覚めちゃったミルラが体の疼きに突き動かされるままロストン宮殿内で色んな相手と(ryとかその他色々思いついたけど、とりあえずここまでで。
どうみてもチラシの裏です。本当にありがとうございました。
ワロス、よくこんなカップリング考えられるなwwwwwwwww
GJーーーー!!
このシリーズ大好きだ
>ドズラ×ユアン
あんたどさくさに紛れて何言ってるんだw
ミルラGJ! かわい〜〜〜〜
>ゾンビムルヴァに竜姦されるミルラ
詳しく
ドズラおじさんが好きなので嬉しい。それで
>ラーチェル様のエロエロ世直し
気になって仕方が無いですが
305 :
名無しさん@ピンキー:2005/12/27(火) 23:13:01 ID:mAECWAyM
流れを切るようで悪いが、完成次第ヴァルター×セライナ
(もしかしたらケセルダ・グレンとか乱入)を投下してもいいんでしょうか?
306 :
305:2005/12/27(火) 23:25:50 ID:mAECWAyM
ageてスマソ・・・OTL
いいよ
投下前に宣言するなんて剛毅なお方ですね。
309 :
305:2005/12/28(水) 02:12:26 ID:kQfNmT4S
思ったより早く完成したので投下します。
※過去は全て想像ですのでご注意を。
ちなみに勝手な想像ですが本編のセライナが24歳・ヴァルターが26歳という設定になってます。
優しい瞳で私を見て
グラド帝国の将軍・【蛍石】のセライナと呼ばれる美しい女性が、1つの寒村に訪れた。
彼女が生まれ、帝国の騎士として戦いたいと志した場所である。
今回は任務で来ていたが、懐かしみ、ついつい散歩してしまう。
15年ほど前、私は村を出て帝都に仕えたいと願った。
そして、魔道を学んだ。
当時帝国将軍だったデュッセル将軍、将軍候補だったグレンには本当によくしてもらった。
毎日修行に手伝ってもらったり、話し相手になってもらったりと、
1人で村を出て心細かった彼女はとても嬉しかった。
そんな日々が続いたある日、庭を散歩してた所不思議な少年に出会った。
髪は長く伸びていて、ところどころくるんとカールしている。
暗い雰囲気をまとっていて、かつ優しい瞳を持つ少年。
セライナは彼に見とれ、数秒間彼を見つめていた。
彼はそんなセライナに気が付き、声をかけて来た。
「初めまして、私はセライナって言います・・・」
「君がセライナ? 僕はヴァルター、よろしくね。」
「う、うん・・・ヴァルターさんは・・・将軍候補って聞いたけど・・・」
「ヴァルターでいいよ。 ・・・うん、一応候補みたいだけどね。
セライナは魔法が使えるんだよね?」
「うん、まだ少ししか使えないけど・・・」
「すごいね。騎士を志すなら槍か剣を取るけど、セライナは理の魔法なんだね。
グラドは闇魔法使いの多い国でもあるから、理を選ぶって珍しいよ。」
グレン、クーガー兄弟とも仲がよかった彼を含め、毎日楽しく過ごしていたが、
その平穏も消えてしまうというのは、誰もが知る由もなかった。
この出会いの8年後あたりに、ヴァルター・グレンが将軍となった。
グレンの弟のクーガーと共に、彼らの昇進の祝いの会もした。
「グレン、ヴァルター、おめでとう。」
「ありがとう、セライナ。ヴァルター、頑張ろうな!」
「あぁ。」
そして次の日、早速任務が入る。
内容は近くの村の山賊の討伐だった、
デュッセルとヴァルター、それと部下としてセライナも同行する。
クーガーはグレンと別の仕事に向かっていた。
村に着き、山賊討伐が始まった。
デュッセルの剣捌き、ヴァルターの槍捌きに見とれていたが、
自分も働かないと、とふと思ったセライナは2人から離れ、山賊の討伐を始めた。
山賊の討伐が終わった頃にセライナはヴァルターの元へ行こうと駆けつけた。
だが、ヴァルターの様子がおかしいのだ。
セライナの見える範囲には山賊はいないのに、彼は槍を振り回していた。
そして、グラドの兵が逃げて来ていた。
セライナは状況が理解出来ないまま、そこに立ち尽くしていた。
そして彼は、セライナにまで槍を向けた。
セライナは突然の事に避けることも出来ず、ただヴァルターを見つめていた。
彼の目は赤く、だがいつもより暗く輝いていた。
後一歩、危機一髪の所でデュッセルが助けに来た。
「セライナ、早く逃げよ。私の責任だ。」
「でも将軍、何故ヴァルターは・・・!!」
「いいから逃げよ・・・さ・・・早く!」
「・・・はい・・・ ・・・」
セライナは帝都まで走って行き、帝都に着いたのは夜の6時ぐらいだった。
デュッセル将軍が無事なのか、ヴァルターはどうしたのかと不安で溜まらない。
そんな彼女の耳に「ヴァルターを捕らえた!」という声が聞こえた。
セライナは自らの耳を疑い、真相を確かめようとデュッセルの元に訪れた。
「将軍!ヴァルターはあの後、どうなったのですか!?」
「・・・セライナ・・・彼は・・・
私の一族に代々伝わる・・・魔性の槍を手に取ってしまった・・・
手にした者は狂気に憚られ、人々を襲うようになってしまうという槍だ。
私の失態だ・・・ ・・・セライナ、彼は処刑されるかもしれない・・・
責めるなら・・・私を・・・」
「将軍・・・ いいえ、ヴァルターも・・・将軍も・・・悪くはな・・・っ!」
「デュッセル将軍! ヴァルターを帝都から追放するという決断になりました!」
「グレン・・・それは本当・・・なの・・・?」
「セライナ、君もいたのか・・・ あぁ、残念だが本当の事だ・・・」
「う・・・っ な・・・んで・・・?何で・・・ヴァル・・・っ」
「・・・グレン、セライナを部屋まで連れて行け。」
「はい・・・」
「セライナ、落ち着いたか・・・?」
「うん・・・ありがとう・・・
・・・グレン・・・ヴァルターは・・・もう・・・
あの優しい瞳で・・・ ・・・私達を見てくれない・・・んだね・・・」
初めて話したとき、優しい瞳の持ち主だと思った。
だが先ほどのあの瞳はそれとは逆で、恐ろしい瞳の色だった。
「あぁ・・・そうだな・・・」
翌日、皇帝ヴィガルドからセライナが帝国将軍に昇格という連絡があった。
だがセライナも素直に喜べず、周りの者も素直には喜べなかった。
祝いの席でヴィガルドは
「もう彼は別人だ。もう彼は存在しない。だから忘れるがいい・・・」
とセライナに言った。
セライナは、下を向きながら小さく頷いた。
そして、今に至るのだ。
村を見ていると、1つ1つ昨日の事かの様に思い出される。
ヴァルターの優しい瞳、あの優しさが失われた日。
どれだけ悲しみ、泣いたのだろう。
任務を終え、そう思いながら帝都へ戻っていった。
今は帝都にヴァルターがいる。
同時にアーヴ・ケセルダという怪しい者まで将軍となり、今では帝国六将軍と呼ばれている。
グレンとクーガーはヴァルターを敵と見ている。
デュッセルもきっとそうなのだろう。だけど、私は・・・?
「彼を・・・敵とは見れない・・・」
周囲に聞こえないくらいの音量で呟いた。
「あ、セライナ!ちょっといい?」
「何ですか、リオン皇子?」
「あのね、これをヴァルターに届けてくれないかな?
今日の会議の資料なんだけど・・・」
「了解しました。」
「・・・ヴァルター、入るぞ。
今日の会議の資料だ。リオン皇子より預かった。
・・・それじゃあ、私は戻るぞ。」
「・・・待て・・・」
「何だ・・・?」
「こっちに来い、セライナよ?」
ヴァルターはベッドの上から人を見下すかのように冷たい目でセライナを見つめる。
セライナは不思議とは思う物の、ただ話があるだけかと思っていたので彼の指示通り、彼の所へ行く。
「・・・用があるなら出来るだけ早急にた・・・!?ヴァルター・・・? なにを・・・っ」
ヴァルターはセライナの唇に自らの唇を押し付け、彼女を押し倒した。
セライナは突然の事に戸惑っていたが、押し倒されてすべてを理解した。
彼女が全てを理解するまでの間にヴァルターはセライナの服を脱がせようとしていた。
彼女の傷跡だらけの肌・・・だが美しい肌が徐々に見えてくる。
ヴァルターは彼女の両手首を押さえつけ、そして首筋に唇をそっと落とす。
「ヴァルター・・・んっ やめ・・・ろ・・・!!」
彼女が抵抗すればするほど、腕を押さえる力が強くなる。
「セライナよ?気持ちいいのだろう?」
「違う・・・断じて、そんなことは・・・ないっ!」
ヴァルターの手が、セライナの小さいとも大きいとも言えない胸にたどり着く。
そして尖っている先端を下で舐め回す。
「ふふ・・・顔が赤いぞ、セライナ?」
「・・・っ お前がそんな事をするからだっ!」
「素直になればよいものの・・・」
そう言うとヴァルターはその先端を軽く噛む。
セライナはそっぽを向き、声を必死に抑えて背中を弓なりにしていた。
そんなセライナをもっと乱れさせたい、と思ったヴァルターは、彼女の下半身も肌蹴させていく。
今まで快感に耐えてきたセライナ。
薄い布しかまもる物がなくなり、不安な表情を浮かべている。
が、ヴァルターは容赦なく布を剥がし、まもられていた秘所を指でつんつんと触る。
セライナの両腕が開放されたが、彼女は抵抗どころではなくなっていた。
「ヴァルター・・・っ!」
「やっと素直になったな、セライナよ?」
「んっ・・・」
セライナが小さく反応した後に、ヴァルターは彼女の一番敏感な部分に舌で触れた。
胸の小さな先端を舐めただけでもあれだけの反応をしめした彼女。
一番敏感な部分に触れられたのだ。
ヴァルターは反応を楽しみながら、そこを弄りまわした。
「っ! ひゃん・・・だ・・・ダメ・・だ・・・
ヴァル・・・たぁ・・・そこは・・!!」
抵抗の言葉を見せた彼女だが、可愛らしく弱弱しい声しか出ず、
それが更にヴァルターの欲をそそった。
「指、入れるぞ?」
「えっ、あっ・・・ ひっ!!」
指が浅く入っただけなのに、彼女は辛そうな顔をヴァルターに向ける。
「・・・もしかして・・・初めてなのか、セライナよ?」
「う・・・んっ・・・っ!」
「今まで触れられたことのない場所・・・か・・・
汚すこともなくまもって来たこの場所が、私の手によって汚されるのだぞ?」
「・・・ふぁっ・・・ ヴァルター・・・なら・・・ い・・・」
「ん?聞こえないぞ?」
「・・・ヴァルターになら・・・かまわ・・・ない・・・」
「!? 何故だ?」
「私が・・・初めて・・・好きになった人だか・・・ら・・・
狂気に走っても・・・ヴァルターはヴァル・・・ターっ、だから・・・っ!」
「・・・そうか、賢明な判断だな?じゃあ、もっと深く入れるぞ?」
「う・・・っ! ひゃぁぁんっ!いっ・・・痛・・・」
出し入れを繰り返すうちにセライナの表情が徐々に苦痛から晴れつつあるが、
それでも辛いのか、でもヴァルターに見せまいと横を向いている。
「苦しいか、セライナよ? もっと苦しめ!」
そう言うと指の数を2本に増やし、奥まで深く突いた。
「ん・・・んあぁぁぁぁ・・・っ!」
その瞬間に彼女の中が締まり、背中は弓なりになり、ぐったりと果てた。
ヴァルターは彼女が疲れている間に自らの分身を取り出し、軽く擦っておいた。
セライナが苦しまないように、と彼の配慮なのかは分からないが・・・
「セライナ、これを舐めろ?」
ヴァルターが自らの分身を彼女の前に出し、そう命令する。
セライナは抵抗の色を一つも見せず、口の中に含む。
「! そうだ・・・なかなか上手じゃないか・・・」
「ん・・・ふぅ・・・ほうふぁ?」
「無理に話さなくて・・・いいぞ?」
「ふぅん・・・」
「・・・そろそろ・・・出るぞ・・・?」
「ふぁ・・・はむ・・・ むぅ・・・ ふぁっ!」
ヴァルターのソレはセライナの口の中で果てた。
数分とたたない間にふたたびソレは復活した。
段々と普段の表情に戻ってきて落ち着いていたセライナは驚き、分身から目を逸らすようにした。
「セライナ、まだだぞ?」
「!?」
「フィナーレがまだだ、ん?」
「・・・フィ・・・っ!」
「さぁ、セライナよ? 私の上に乗れ?」
「・・・ ・・・これでっ・・・?」
「?」
「分かった・・・乗る・・・っ!」
「コレを入れるぞ? ・・・・行くぞっ!」
「っ!・・・あぁ・・・」
セライナの中にヴァルターの分身が入った瞬間、セライナは痛さのあまり涙を流した。
ヴァルターの分身は普通より少し大きい大きさであるために、初めてのセライナには辛かった。
辛さと痛さに泣き叫び続ける彼女をヴァルターは自らに寄せ、抱きしめた。
「・・・ヴァっ・・・ルター?」
「セライナ・・・大丈夫だ・・・」
セライナは普段と比べて優しいヴァルター・・・過去の彼みたいなヴァルターの行動と言葉に驚いた。
瞳も昔見たく優しい色になっていて、セライナを見つめている。
「・・・セライナ、動くぞ・・・」
「う・・・うんっ・・・」
「セライナ・・・お前も、動け・・・」
「え・・・っ!!」
腰を小さく動かすヴァルター。セライナはもう彼を喜ばせたい一心しかなかったため、
タイミングを合わせてほんの小さく、腰を上下に動かした。
「・・・そうだっ!うまい・・・な・・・」
「あぁんっ! そ・・・こっ! かっ・・・」
段々とヴァルターの腰の動きが大きくなってきている。自分も・・・と思い、上下に大きく動かし始めた。
「ヴァル・・・タぁ・・・ ・・・す・・・」
「・・・ん・・・っ?」
「好き・・・っ!」
「!? ・・・出すぞ?」
「あ・・・あぁ・・・」
セライナは会議の時間に間に合わないと思い、急いで身支度をして部屋から出て行こうとした。
だが、ヴァルターの一言で足が止まる。
「私が好き、とか本当かね、セライナよ?」
「・・・そんな事、言っていないっ! ・・・じゃあ・・・な・・・」
ドアが閉まった後にヴァルターが呟く。
「・・・アレをネタにすれば、いつでも襲えるな・・・?
今度ケセルダと2人でヤるってのもいいな・・・?
・・・グレンも、入れてやろうか・・・ククッ・・・!!
ははははははははははっ!」
口元に怪しい笑みを溢すヴァルター。
その時、セライナは嫌な予感を感じていた・・・
終わり。
後書き
エロにいたるまでが長ったらしくてすいません。
エロが苦手なので下手ですいません。
改善点があれば言ってください・・・
あと何か勝手な設定ばっかり入ってる上に、矛盾点があるかもしれません。
リオンの口調とか、セライナやヴァルターの性格が崩れてきてますね・・・
とにかく読んでくださった方々、ありがとうございました。
投下乙。
気になった点を少し。
*会話と会話の間に描写を入れるともっと読みやすいかも。
会話が連なりすぎて誰がどの発言をしているのか判りにくい。
*〜してる って文体は、〜している の方がいい。
所々で文体が話し言葉になっていて、SSを読んでる気分になれない。
内容自体はとても面白いのに勿体無いなあと思う。
その辺気をつけるだけでぐっと読みやすくなるはず。
偉そうにつらつらスマソ。
乙、ヴァルターの以前の姿を描いてるのが個人的にかなり新鮮だった。
セライナに関しても気丈なキャラがああなるってのはオーソドックスな萌えるポイントだと思う。
どうも、ダミアンです。
ドリフのDVDを見てて思いついたネタを投下します。
少年少女合唱隊(1)
年も暮れようとしているある日、ここナルヴィアの街の外れにある、この大きな教会に、ナルヴィアの市民が大勢集まっていた。
彼らは皆、ナルヴィアの危機を救おうとはるばるやってきたシノン騎士団を見るために集まっていた。
その祭壇の後ろに設置されている大きな舞台。人々は皆、その大きな舞台に注目している。
「一体、何が始まるんだろう?」
夥しい市民でごった返す内部。寒いのか、所々から吐息の白い湯気が沸き立っている。
やがて、教会のオルガンが鳴り響き、荘厳な賛美歌が奏でられると、舞台の上に、続々とシノン騎士団のメンバーが上がり始めた。皆、教会の合唱隊の白い衣装を着ている。
そして、数列に並び終えると、一人の初老の紳士が前に進み出た。彼の名はウォード。今日は牧師の格好をしていた。
「おお、今日はたくさんのお客様がご来場下さってますな。オイーッス!!!」
その牧師姿の紳士は手を上にかざして号令すると、客の方に向かって叫ぶ。すると、客もその牧師姿のウォードに向かって一斉に叫んだ。
「オイーッス!!!」
「声が小さいな。オイーッス!!!」
「オイーッス!!!」
「さて、本日はこのシノン騎士団の舞台にお越しいただき、まことにありがとうございます。今夜は、楽しいステージをお楽しみください!」
そしてウォードは居並ぶ騎士団の面々に向かって叫んだ。
「レディ〜ス!エ〜ンド、ジェントルメン!ディス、イズ、早口言葉!!!」
突然、激しい音楽が流れ出すと、メンバーたちは手拍子で一斉に踊りだす。
でれっでれっ、でれっでれっ、でれっででれでれでっでーん!
そして、ウォードはすぐさまメンバーの一人を指名した。
「シロック!」
ウォードの指名に、シロックは前に進んで舞台の中央に立った。
でれっでれっ、でれっでれっ、でれっででれでれでっでーん!
そして、音楽に合わせて大声で叫んだ。
「生尺 生イク 生クリス! 生イク 生尺 生クリス!!!」
シロックの叫びにメンバーの中の女性の一人が怒ったように顔を真っ赤にした。それはもちろんクリスである。
そして音楽は続き・・・再びシロックの早口言葉が炸裂する。
でれっでれっ、でれっでれっ、でれっででれでれでっでーん!
でれっでれっ、でれっでれっ、でれっででれでれでっでーん!
少年少女合唱隊(2)
「クリスイクイク イククリス クリトリスコスリ イククリス!!!」
クリスの頭から一気に蒸気が噴き出そうになる。しかし、ウォードが目配せすると、クリスは唇を噛みしめて我慢した。
でれっでれっ、でれっでれっ、でれっででれでれでっでーん!
でれっでれっ、でれっでれっ、でれっででれでれでっでーん!
「クリクリクリクリクリトリス クリクリクリクリクリスイク!」
でれっでれっ、でれっでれっ、でれっででれでれでっでーん!
でれっでれっ、でれっでれっ、でれっででれでれでっでーん!
「クリスクリトリス クリトリス クリトリスクリス イククリス!」
でっでっでけででーん!
ここで一旦曲が終わり、打楽器のリズムだけが奏でられる。そこでウォードは次のメンバーを指名した。
「リース様!」
そして次にリースが前に出た。
でれっでれっ、でれっでれっ、でれっででれでれでっでーん!
でれっでれっ、でれっでれっ、でれっででれでれでっでーん!
「生尺 生イク 生クリス! 生イク 生尺 生クリス!!!」
このあと、アデル、レオンと続いて、最後にエルバートの番が来た。この間クリスは終始顔を真っ赤にして俯いていた。それは、実の父親であるウォードに対する怒り。
本当なら、今すぐにでも掴みかかりたい。しかし、この前、ウォードに釘を刺されていた。
「ちゃんとやらないと減給だぞ!」
そしてエルバートの出番が始まった。
「生尺 生イク 生クリス! 生イク 生尺 生クリス!!!」
「クリスイクイク イククリス クリトリスコスリ イククリス!!!」
「クリスクリトリス クリトリス クリトリスクリス イククリス!」
そして最後、エルバートの言葉だけは、皆と違った。
「なかなかイカない クリスがイッた イクのはクリスの 勝手でしょ!」
でっでっでけででーん!でででん!
少年少女合唱隊(3)
ようやく曲が全部終わり、会場は拍手喝采に包まれた。そのとき、騎士団の前に、全裸のクリス人形が姿を現した。
するとエルバートは一歩前に出て、指揮者のような素振りをする。
「3、ハイ!ク〜リ〜ス〜♪なぜイクの〜♪クリスの勝手でしょ〜♪」
そしてエルバートは客席に向かって一礼した。
「どうもありがとうございました。」
そのエルバートの礼に、ウォードは拍手で返した。
「ほんとにどうもありがとう!それでは、今日はここまで!」
そして騎士団の皆が礼をしようとすると、クリスが前に進み出た。
「お待ちなさい!」
「どうしたクリス!」
一応は驚く素振りを見せるウォード。だが実は打ち合わせ済みなのである。
「皆さん、礼のあれが、まだですわよねえ?」
もちろん、お客さんが知ってるわけはない。そしてウォードが叫んだ。
「クリス!やめなさい!あれは・・・」
本当はクリスもやりたくない。しかし、ウォードの目が「やれ!」と命令している。
そしてクリスは合唱隊の衣装を脱ぎ捨てた。その下は、いつもの鎧姿であった。そして、クリスは手拍子で歌いだした。
「3、ハイ!東ナルヴィ〜ア〜♪指先ゃ〜おま○こ〜♪クリスイクところ ま○こが熱い〜♪東ナルヴィア四丁目♪」
そして全員で最後の節を唱和する。
「東ナルヴィア四丁目♪」
そしてクリスは鎧を脱ぎ捨て、今度はワンピース姿になった。
「さあ次は、三丁目行って見ましょうか。(本当は嫌だけど・・・)」
「おやめなさい!恥ずかしいでしょ!」
相変わらず口ではそう言ってても、目では「やれ!」と命令するウォード。
「東ナルヴィア三丁目〜♪ちょいとちょっくらちょいとちょいと来てね♪一度はおいでよ三丁目♪」
「一度はおいでよ三丁目♪」
「さあ、次はいよいよ一丁目、いってみましょうか♪(もう嫌・・・・・・)」
そしてクリスはワンピースを脱ぎ捨て、レオタード姿になった。すると、観客から一斉に歓声が上がる。
少年少女合唱隊(4)
それもそのはず、クリスの着ているレオタードは、胸の乳首の部分と、股間の部分だけ穴が開いていて、そこから大事な部分が丸見えになっているのだ。
「もうおやめなさい!やめろー!」
ウォードがそう叫ぶと、クリスはきっとウォードを睨んだ。
(あんたがやれって言ったんでしょーがっ!!!)
そしてクリスは観客に向かって叫んだ。
「ワーオ!東ナルヴィア一丁目!ワーオ!イッチョメイッチョメ!ワーオ!イッチョメイッチョメ!ワーオ!
ヒ!ガ!シ!ナルヴィアイッチョメ!ワーオ!!!」
そこにウォードが突っ込みを入れた。
「もうやめなさい!今日はここまで、礼!」
おしまい
正直、スマンカッタ
GJ!
でも、ちょっとだけよ〜♪
326 :
千葉犬:2005/12/31(土) 14:46:08 ID:nJD3s6oV
皆さん、お久しぶりです。千葉犬です。
前の投下から一年以上建ってしまった為、ドロップアウトしたと思われた方も
いらっしゃったかもしれません。リアルな仕事の方が夏から昨日まで持続的に
忙しさが続いていたもので、創作スピードが遅くに遅くなっていたのです。
と、言い訳はこの辺にして、作品投下したいと思います。
今回は、以前頭の中で出来上がっていたと言っていた聖魔物です。
では、投下します。
カモーン
328 :
二人だけの道:2005/12/31(土) 14:50:46 ID:nJD3s6oV
マギ・ヴァル大陸全土を巻き込んだ戦いが終わり、その戦乱を終結させたルネスの双子の王子と王女。そして、その二人と共に戦い、
苦難を共にした多くの仲間達。
彼等は、それぞれの思う場所へと帰り、ある者は傷付いた国を立て直す為に奮闘し、ある者は自分の腕を高める為に旅に出、ある者
は戦乱の中で育まれた恋人との生活を始め、またある者は人知れず、歴史の表舞台から姿を消して行った……
そして、ルネス王国騎士であるフォルデ・フランツ兄弟も、他の多くの仲間達と同じく、自分達の国の復興をせんが為、エフラム達
と共に奮闘していた。
そんな中、一人だけ、彼等とは異なる人がいた。
戦場で敵として出会い、それから共に戦った少女。皆からは『戦場の花』と呼ばれ、純粋で真っ直ぐな性格が親しまれたアメリアで
あった。
彼女はグラド出身であり、本来であればグラドに戻り、デュッセル将軍達と一緒に、グラド復興に着く筈であった。
何故、彼女がいると言うと、フランツに、一緒に来て欲しいと誘われ、それに応じたからであった。また二人は、互いに競い合い、
助け合い、そして認め合うライバルでもあった。
戦いの中、新人兵士からソシアルナイトへ。そしてパラディンへと昇格した彼女は、フランツと並ぶ若輩層のエースに成長していた。
そして今、二人は共に互いを意識しながら腕を磨きつつ、復興作業を日々行なっていた。
329 :
二人だけの道:2005/12/31(土) 14:55:18 ID:nJD3s6oV
そんな日々が半年程続いたある日である。グラドを大地震、大津波という天災が襲い、甚大な被害が起きたという話がルネス王国に
もたらされたのは。
王位に就いていた新国王エフラムは、その報告を聞くや、すぐさまグラドに救援の部隊を向かわせる案を実行に移した。
その頃、国内は未だ戦乱の傷が深く残ったままではあった。他の国の事に構っている余裕等無い状態である。
しかし、それでもエフラムは、救援の部隊を派遣した。
その理由は、今は亡きグラド帝国リオン皇子の願いであった、グラドの民を守るという純粋な思いを汲んだからに他ならなかった。
聖石の――魔王の力を使ってでも、迫り来る天災からグラドの民を、大切な民を守りたい――
リオン皇子の悲しいまでの強い願い。エフラムは、その時が来たら、必ずグラドに力を貸そう……そう強く決心をしていたのだった。
そして、その報告を受けた二日後。グラド救援の任を受けた部隊が、王都から出発した。
人数はおよそ三十人。その部隊の中には、エフラムにとって二大忠臣と呼ばれているフォルデとカイルの姿があった。
そして、フォルデの弟であるフランツに、元グラド兵士のアメリアの姿も共にあった。
本来なら、士官はフォルデとカイルの二人だけの筈であったのだが、フランツ、アメリア二人の強い志願があって、彼等も共にこう
しているのであった。
グラドに向かう最中、カイルはフランツに何故志願したのかと尋ねた。
フランツは、次の様に答えた。
「ルネスには、エフラム様やエイリーク様、それにゼト将軍がいます。他にも戦いの中、共に戦った方も国内にいます。何かあっても
どうにか乗り越えれると思うんです。
でも、グラドにはデュッセル将軍やクーガーさん、ノールさん等がいますけれども、他の国の様に、国王やその国の代表者等がいな
い状態です。きっとグラドの人達は、心の拠り所が無い中、この災害にあったんです。そんな人達には一人でも多くの助けが必要じゃ
ないか?そう思うと、今自分がすべき事は一体何なのか……そして考えた結果、僕は救援部隊に志願する事にしたんです」
いかにも真面目で優しい性格の彼らしい返答であった。今回の任務では、彼がもっともグラドの人達の力になれるのではないかと
カイルは感じていた。
もう一方のアメリアには敢えて尋ねたりはしなかった。彼女が志願した理由は聞くまでもなく分かっていたからだ。
彼女にとってグラドは生まれ故郷だ。その故郷に天災という一大事が起きたのだ。祖国の為、苦しむ同胞の力になりたいという想い、
かつて自分達が祖国ルネスをグラド帝国に占領されたと知った時、君主エフラム、その妹君であるエイリーク、亡きファード王の重臣
ゼト、自分と同じ家臣のフォルデ・フランツ兄弟と共に、必ず祖国を取り戻すと誓ったあの時の想いと形は違えども同じであった。
330 :
二人だけの道:2005/12/31(土) 14:57:59 ID:nJD3s6oV
グラドに向かう最短距離のルートを通る為、ジャハナ王国を通って行く途中、ジャハナで水や食料の補給を行っている時、偶然にも
かつて共に戦ったジスト率いる傭兵団(と言っても三人だけだが)と再会した。その時アメリアは、戦乱の最中に仲良くなったユア
ンが、彼等の所にいなかったので、彼は何処かと訪ねた。
ユアンの姉であるテティスが言うには、ユアンの師匠であるサレフと共にポカラの里へと行ったのだという。
自分達は、これからグラドに救援の為向かう事を彼等に告げると、ジストは自分達も一緒に行こうと言ってきた。
理由を聞くと、今現在、自分達は、この国の王となったヨシュアに傭兵として雇われていて、先日自分達に、グラドに向かい、災害
に会った人達の力になってきて欲しいという命令を受け、今日グラドに向かおうとしていたのだという。
そんな時、偶然ルネス騎士団の一行が、自分達と同じ目的でグラドに向かっていると解ったので、こうして頼んだのだと言った。
別段断る理由は無かったので、カイルは彼等と共に向かう事にした。この頃には、ルネス一行のリーダーは、カイルになっていた。
理由は、面倒で頭を使う様な固い事は任せたと、フォルデがカイルにそう言ったのが原因であった。
もっとも、その代わりフォルデはそう言った事以外の事柄のリーダーにさせられたのだが。
そして、ジスト達以外にも、カイルたちと一緒に行きたいと申し出る人がいた。
今ではこの国の王妃となった、ナターシャであった。彼女もアメリアと同じくグラド出身である。共に行く理由もアメリアと同じで
あった。
ちなみに妻のナターシャが自身の故郷に行く事について、夫のヨシュアは、一生懸命頑張って来いと、笑って了承したという。その
代わり、戻って来たら、色々としてもらうとも言っていたそうだ。
色々とは一体何なのだろうかとアメリアは思ったが、敢えて聞かない事にした。これはヨシュアとナターシャ二人の問題だ。自分は
立入ってはいけない、そう思った。
こうして同じ目的の仲間が増えた一行は、補給を済ませるとすぐに出発した。
331 :
二人だけの道:2005/12/31(土) 15:01:22 ID:nJD3s6oV
ルネスを発って十日目。彼等はグラド領内に入った。入った直後は天災の大きさがまだ見えなかったが、グラド城が視界に入る頃に
は、その天災の規模がどれ程のものだったのか一目で解った。
国の象徴とも言える城が、まるで芋虫に食い千切られた葉っぱの様に、無残な姿になっていた。
いや、城だけではない。城下の都、その周りにある木々は破壊され、風景も以前見た時とは全く変わってしまっていた。
カイルは、すぐさま全員に帝都に向かい救援作業を開始すると伝えた。
その声を聞いたアメリアは、真っ先に帝都へと馬を走らせた。それを見たフランツは、慌ててその後を追った……
帝都に着いた時、フランツは改めて被害の大きさを思い知らされた。
しかし、それに圧倒されている訳にはいかない。彼はすぐに行動を開始した。
その場にいたグラド兵に声を掛け、事情を説明すると、フランツは彼等と共に瓦礫の撤去を始めた。
そうしている内に、他の皆もそれぞれ救助活動を始めていた。
瓦礫を片付け始めて二刻(約一時間)程経った頃であろうか。瓦礫の下から人の姿が見えたのは。
急いで瓦礫をどけ、埋まっていた人を引きずり出した。そしてフランツは、生きているかどうか確認してみた。
脈は止まっていた。既に死んでいた。
フランツは、死んだ人の顔を見た。
目を見開き、恐怖に驚いていた。恐らく、大きな地震の中、突然瓦礫がこの人を襲ったのだろう。逃げる事も出来ず、何も分からな
いまま押し潰され……
決して自分のせいではないと解っていても、胸に言い様の無い痛みをフランツは感じていた。そっと利き手で骸となった人の目蓋を
閉じると、グラド兵の一人と一緒に遺体を近くの留置所に運んだ。
332 :
二人だけの道:2005/12/31(土) 15:04:49 ID:nJD3s6oV
留置所には多くの遺体が並んでいた。
大人。子供。老人。そして中には産まれて間もない赤ん坊の姿もあった。そしてその遺体に母親らしき女性が、動かなくなった赤ん
坊を抱き、声を上げて泣いていた。
そんな女性の側に、ナターシャの姿があった。彼女は一つ一つの遺体に祈りを捧げていた。そして、先程フランツが運んできた遺体に
も祈りを捧げた。
ナターシャが祈りを終えた時、フランツは彼女に声を掛けた。
「…ナターシャさん」
「フランツさん。どうなさったのですか?」
「いえ、どうという事は無いのですけれども……何だか、やりきれない気持ちになってきます。
こうして、多くの人が死んで行くのに、自分はこの人達に何も出来ない……」
そう言うフランツに、ナターシャは彼の手をそっと握り、言った。
「そんな事はありません。フランツさん達がこうして亡くなった方の遺体を見つけ、ここに運んで頂けるお陰で、私はこの方達に祈
りを捧げる事が出来るのです……そう、魂が無事、神の身許へと行ける様……
ですから、そう自分を意味も無く責めないで下さい。フランツさん、もしそれでも御自分を責められるのでしたら、私も責めて下さい」
「えっ?ナターシャさんを……?」
ナターシャはこくりと頷いた。
「私は、今回の天災が起きた時、ヨシュア様の傍にいました。この方達と同じグラドの民であるのに、私は被害の及ばない所にいた
んです。知らなかったとは言え、私はこの方達の苦しみを分かってあげられなかった、分かち合えなかった……ですから、私を――」
その言葉の先を、フランツは制した。
「…分かりました。ナターシャさんの言う通り、意味も無く自分を責めるのは止めます。ですから、ナターシャさんも自分を責めるの
は止めて下さい」
その言葉にナターシャは、静かに微笑を返した。
「それではフランツさん、私は仕事に戻ります。フランツさんも早く戻られた方が良いのではないでしょうか?」
「…そうですね」
そう言うと、フランツはナターシャの手を握り、有難う御座いますと感謝の言葉を言うと、留置所を後にした……
333 :
二人だけの道:2005/12/31(土) 15:07:58 ID:nJD3s6oV
その日から瞬く間に一週間が過ぎ去った。その間にフレリア、ロストンからも救援の任を受けた人達が続々とやって来ていた。
半年前の戦乱は、決して互いの国の交流を隔てる出来事ではなかった。それぞれの国の代表者、代弁者とも言える立場の人間が自分
達と共にいた為、逆にこの戦乱で、互いの国の内情を知り、互いに手を取り合い協力していこうと言う気が生まれていたのだ。
それを証拠に、この二国からの派遣されて来たメンバーを見ると、フレリアの方では天馬騎士団長のシレーネに、彼女の妹のヴァネッ
サ。神官のモルダに、他四十名の天馬騎士が。
ロストンの方では、ラーチェル、ドズラ、レナックの三人に、神官と重騎士で編成された人が約七十名と、これだけでも十分な程に
分かる。
また彼等とは、グラドも交え、互いの役割を決め、能率良く作業を行なえる様にした。
主な役割としては、フレリアは天馬騎士が多いので、グラドの竜騎士と協力して、人や物資の運搬を。
ロストンは神官が多いので、怪我をした人達の治療に、亡くなった人への供養の祈り。
重騎士である人達は、ほぼ全員体格が良いので、瓦礫の撤去や天馬騎士や竜騎士では作業し辛い場所での運搬作業等を。
ルネスとジストの傭兵団は、それぞれその場での上記二国の作業のサポートを主に臨機応変な行動をとる様に決めた。
その様に決めてから約三週間。グラドの帝都は三週間前と比べて大分瓦礫等片付き、ここに住んでいる人々も落ち着きを取り戻して
きていた。
丁度この頃、カルチノ共和国の方から救援部隊が到着していた。
他の国とは違って、主に鳶職(とびしょく)を職にしている者が約二・三百人という類を見ない規模であった。
もっとも、この様な人数は、本当は派遣する予定ではなかったのだと、カルチノの救援部隊の責任者は語っていた。
なんでも、フレリアのヒーニアス王子からの要請であったのだという。
幸いヒーニアス王子の読みは正しかった。カルチノから運んできた木材や石材を使って、鳶職の方々が早速、建築作業を開始し始めた。
この頃、グラドは冬に入ろうかとする時期であった為、家を失くし寒さに身を震わすグラドの人達にとって、まさに天からの助けで
あった。
この時には、グラド兵達だけでも帝都の治安を守れる程に落ち着いてきていた為、各々の国の救援部隊は、次の被災地であるタイゼ
ル港へと向かった……
334 :
二人だけの道:2005/12/31(土) 15:10:48 ID:nJD3s6oV
帝都を発って一週間。彼等はタイゼル港に到着した。
一目で見て分かる程、タイゼル港の被害は大きく、帝都以上のものであった。
まず建物の八割が倒壊していた。帝都では地震だけだったのに対し、タイゼル港は、地震と、それによって引き起こされた津波によ
る被害も加わり、これ程の被害となった。
死者の数に関しては、これもまた帝都以上のものとなっていて、帝都では死者・行方不明者合わせて約五千人に対し、タイゼル港で
の死者・行方不明者は、約一万二千人にも上っていた。
しかもそれの殆どは、地震による建物の倒壊に巻き込まれる等してではなく、津波によってそうなってしまったという。
ここでは既に、フレリア王国の第二救援部隊が自分達よりも先にグラド兵達と共に救援活動を行なっていた為、ある程度は進んでいた。
それでも未だ完全には程遠いものであった。すぐさまそれぞれの国の救援部隊の面々は帝都でやった時と同じ様に役割を決め、作業
を始めた。
その日の夕方。フランツとアメリアは、その日の作業を終え、近くの宿舎となっている建物の中で一緒に夕食を取っていた。
宿舎の中には、救援部隊の面々以外にも、被災者の姿も多く、かなり入込んでいる状態である。
二人は夕食を食べ終えると、被災者の世話をしている神官達の手伝いを始めた。
帝都にいた時に同じ事をして分かった事だが、こうする事で被災者一人一人の状態や個人情報が分かり、それに対しての対応をとる
事も出来る為、二人は必ず夕食の後その様にしていた。その際、武具は身に付けない事を心掛けていた。
何故なら、鎧を着ていない方が、相手が不必要に身構える事がなかったからである。鎧を着ていると、相手が騎士、軍人であると意
識してしまうのか、どうしても遠慮がちになってしまう。ルネスではこの様な事はないのだが、グラドの場合、民の多くは自分達よ
りも軍人の方が身分は上だという考えが浸透している。その為、なるべく二人は救援活動の時以外は、武具を身に付けないでおく事
にした。
もっとも、それでも護身用として、お互い腰に着けてある携帯用の小さな鞄にナイフを一つ入れてはいたが。
そして二人は、眠りに就くまで神官達の手伝いを続けた……
335 :
二人だけの道:2005/12/31(土) 15:14:08 ID:nJD3s6oV
そうして瞬く間に、タイゼル港での活動が半月過ぎて行った。
そして、もうすぐ三週間目に入ろうとした日、アメリアにとって懐かしい人物にフランツは出会った。
現在、主無きグラド帝国を支えている一人、黒曜石の異名を持つ六将軍唯一の生存者デュッセル将軍であった。
デュッセルは、今回の天災による被害の調査の為、各地を駆け巡っていた。帝都を出発点として、東側の海岸線から順に辿って来て、
今日タイゼルに到着したのだった。
思い掛けない人物と再会する事が出来たフランツは、早速アメリアを呼びに行った。彼女とデュッセル将軍との関係は、当時の仲間
達の間では有名であった。
それは決して疚(やま)しいものではなく、他人から見れば、まるで親子の様な師弟、もしくは上司と部下の関係であった。
フランツの話を聞いたアメリアは、すぐにデュッセル将軍の元へと走った。
この時、幸運にも時刻は夕暮れで、その日二人の仕事は終わろうとしていた時であった。
もしデュッセル将軍が夕暮れではなく、日の上がっている時に来ていたら、恐らく軽い挨拶をするだけで終わり、仕事を続けていた
に違いない。
「デュッセル将軍!!」
少し興奮した声で自分の名前を呼ぶ方に顔を向けるデュッセル。視界の先にある人物を確認したデュッセルは、自然と笑みを浮かべ
ていた。
自分の目の前に到着した時のアメリアは、肩で大きく息をしていた。どうやら全速力で走って来た様だ。
そんな彼女の隣には、先程再会したフランツが寄り添う様にいた。アメリアを気遣ってか、背中を擦っている。
「はあ、はあ、はあ…お、お久しぶりです、デュッセル将軍!!」
「久しぶりだな、アメリア。かれこれ早半年振りか。
しかし、なんだな。儂に会う為に、全速力で走ってこなくても良かったであろう。別段儂は逃げも隠れもせんぞ」
「だ、だって、はあ、はあ……久しぶりにデュッセル将軍と会えるって、フランツから聞いて、いてもたってもいられなくて……」
まだ肩で息をしながら話すアメリアの言葉を受け、苦笑いを浮かべながらも、彼女に慕われている事にデュッセルは少し嬉しかった。
336 :
二人だけの道:2005/12/31(土) 15:17:16 ID:nJD3s6oV
それから三人は、宿舎で食事を取り、ここ数カ月の間互いにあった事を語り合った。初めはアメリアが喋っていたが、その内デュッ
セルが話の語り手になっていた。
ちなみにフランツはというと、二人がまるで親子の様な会話をしていた為か、静かに聞き手に回っていた。
語り合ってどれ程経ったであろうか。三人の所にフォルデとヴァネッサがやって来た。二人共武具は脱いで身軽な服装に身を包んで
いた。
「お久しぶりです、デュッセル将軍」
「お主は確か、エフラムの臣下の…フォルデだったか。久しぶりだな。そしてそちらのフレリアの騎士も、魔王との戦い以来か。今
日は懐かしい面々に会う日だな」
「他にもシレーネ隊長に神官のモルダ様。彼と同じルネス騎士のカイルさん、傭兵のジストさん達に、ロストンのラーチェル様達も
いらっしゃっています」
「ほお、かつて共に戦った者達がそんなに来ているのか。グラドの為に、力を貸してくれている事に、本当に感謝している。有難う」
フォルデ達の前で深々と頭を下げるデュッセル。それを見たヴァネッサは慌てて止めて下さいとデュッセルに言った。周りにはグラ
ドの民が居る。この状況を見られてしまうのはあまり良くないと感じたからである。
彼女の考えが理解出来たのか、デュッセルは一言すまんとヴァネッサに言った。
「――しかし、エフラム、ヒーニアス王子共々、なかなか思い切った事をするものだな」
それからフォルデとヴァネッサを加え、今までの事を話し合い、それから導き出された結論が、今デュッセルの言った言葉であった。
エムラムは、自分のもっとも信頼している忠臣であるフォルデとカイル率いる派遣部隊。
ヒーニアスは、天馬騎士団の派遣に、カルチノへグラドへの援助要請。
二人共、今回グラドの天災の報告を聞いてすぐに決断したのだとデュッセルは感じていた。
「ヒーニアス王子はともかく、エフラム様は決断するのがとにかく早いですからね、今回の事も報告を受けたその場ですぐに決断し
ましたよ」
「確かに、あやつは良くも悪くも決断力は他の国の代表としての身分にいる者の中では一番であろう。
もっとも、まだまだ血気盛んな歳頃であろう。つい自分の言っている事が正しいのだと考えてしまうかも知れん。そんな時は、お前
達臣下が、あやつを上手く良い方向へと向かう様に、進むべき道を作ってやるのだ。無論、そちらのフレリアの騎士も、自分の仕える
者の為に、彼等と同じ様にな」
その言葉に、皆頷き返事を返す。
337 :
二人だけの道:2005/12/31(土) 15:21:14 ID:nJD3s6oV
「そういえば、デュッセル将軍は、いつここを発たれるのですか?」
「うむ、本来であれば、明後日にする予定であったのだが、先程までの話で大凡(おおよそ)
の事は解ったのでな、明日の早朝にでも発
つつもりだ」
ヴァネッサの問いに、デュッセルはそう答えた。
「つまり、そのままぐるっと、グラドの北側を回って行くって事ですよね?」
「うむ、そのつもりだが?」
するとフォルデは、少し考え始めた。横にいるヴァネッサは、どうしたのかという目で見ている。
すると、フォルデは一人頷くと、デュッセルに一つの提案を話した。
「デュッセル将軍。もしよければ、騎士団(うち)のフランツとアメリアを連れて行って貰えませんか?」
『えっ!?』
と、綺麗に驚きの声をハミングする名を挙げられた二人。それとはお構い無しにフォルデの話は続く。
「二人がデュッセル将軍と行動すれば、次に何処が自分達の活動しなければならない場所は何処なのかが分かる様になるでしょう?」
「それならば、フレリアの天馬騎士が一人いれば済むのではないか?」
「まあ、確かにそうですけれども、今天馬騎士は、何処でも欲しい人材ですからね。デュッセル将軍の御供に回す余裕は無いでしょ
う。ついでに、グラドの竜騎士にも同じ事が言えませんか?」
「むう……」
「更に付け加えれば、二人共、デュッセル将軍と同じ騎馬です。天馬・竜騎士以外で行動をスムーズに行かせるなら、同じ騎馬しか
ないでしょう?
それに、二人は騎士団の若輩(ルーキー)のエースですからね。将軍の足を引っ張る様な事はしないでしょう」
「…しかし、どうやってお前達と連絡を取るのだ?それが出来なければ意味が無い」
尤もな事を言うデュッセル。
が、それを考えていないフォルデではなかった。
「その点でしたら、俺達の仲間同士で使っている伝写鳩を使います。当然今回の任務に当たって、数羽連れて来ています。二人に持
たせるのは、俺やカイルを含む数名にしか遣って来ない鳩を持たせます。無論、こちらからその鳩を飛ばしても、ちゃんと二人の元
に遣って来る奴ですから。
と、まあ俺の考えはこんな所です。勿論、デュッセル将軍が迷惑でしたら結構ですし、二人が同行を嫌だという場合は、他の仲間か
ら選びますし……どうです?」
そう言われたデュッセルは、暫し考え込んだ。
そして二・三分程経ったであろうか。閉じていた口が開いた。
「……フランツ、アメリア。もし、嫌でなければ、明日から儂に同行して貰えないだろうか?」
アメリアは隣のフランツの方を見た。いつもの温和そうな顔ではなく、任務を果たさんとする、引き締まった騎士の顔をしていた。
「分かりました。僕で宜しければ」
その声は、迷いの無いものであった。言い終わると、フランツは視線をアメリアに向けた。
先程から自分の方を見ていたアメリアの視線と交差する。その目を見て、アメリアは決心した。
338 :
二人だけの道:2005/12/31(土) 15:25:04 ID:nJD3s6oV
「はい!是非、御供させて下さい!!」
その返事を聞いたデュッセルは、一瞬顔を綻(ほころ)ばせたが、すぐに元の表情に戻した。
「では二人共。明日の早朝、日が昇り次第ここを出発する。今夜はここまでにして、早く就寝に就くのだ」
二人共、「はい」と返事を返すや、自分達の寝る部屋へと向かった。
「…さて、すまないが、儂もそろそろ寝ようと思う。お前達も部屋に戻り、休むといい」
そう言われ、フォルデは近くにある時計を見た。既に十時を回っていた。
「そうですね。明日から二人欠けた状態で働かなきゃなりませんからね。お言葉通り部屋に戻って寝ますよ」
その返事を聞いたデュッセルは、その場を立ち、自分の用意された部屋へと去って行った。
二人だけになった時、今まで口を開かなかったヴァネッサが口を開いた。
「フォルデ。一体どう言うつもり何です?一人ならまだしも、二人もデュッセル将軍に預けるなんて……」
「君は納得してないみたいだね」
「当たり前です。どちらか一人で充分なはずです……納得のいく返答を聞かせて下さい」
フォルデは、一度深く深呼吸をするとヴァネッサの問いの返答を返し始めた。
「一人じゃなくて二人にしたのは、あの二人だからさ」
「?答えになっていません!!」
「おいおい、そんなにムキな顔をしちゃあ、折角の美人が…って、ムキな顔でも美人だよな、君って」
「真面目に応えて下さい!!」
「ふう、分かった。じゃあもっと解り易く教えてやるよ。
フランツとアメリアの二人にしたのは、先ずフランツの方だが、あいつはまだまだ伸びる素質を持っている。武術だけじゃなく、そ
れ以外の分野でもね。デュッセル将軍と一緒に行動すれば、武術以外の部分が、必ず伸びるはずなんだ。今回の任務じゃあ武器
を使う様な事はほとんど起きないだろうし、どちらかと言えば、情報収集や被害調査がメインだ。今回の事で、そう言った部分が伸
びて貰いたい、という兄馬鹿にも感じられるかもしれないけれど、そういう期待を掛けて、デュッセル将軍の任務に同行させたいと
言ったんだ。
アメリアの方は、単刀直入にいえば、ほとんどフランツと同じ理由だ……けれども、他にも理由があるとすれば、デュッセル将軍と
一緒にいた方が、彼女、嬉しいんだろうなと思ってね」
「嬉しい?」
「ああ。君は知らなかったと思うけど、彼女、半年前の戦争の時、デュッセル将軍に武術の指導を受けていたんだ。二ヶ月位前だっ
たかな?フランツが、彼女、デュッセル将軍の事を父親見たいに慕っているんだって言っていたと、食事の時に聞かされた事があっ
てね……彼女、父親がいないらしい。それで、今回彼女もフランツと一緒に同行させる様にと言ったんだ……納得してくれたかい?」
それを聞いたヴァネッサは、コクリと頷いた。
「でも、他のルネスの皆――特にカイルさんにはこの事を言ってはいるのですか?」
「いや、さっきあの場で思い付いた事だったからな。知る由もないね」
「なっ、咄嗟の思い付きだったの!?」
「さてと、明日に供えて寝るとしますか」
「ちょ、ちょっとフォルデ!」
背中から聞こえてくるヴァネッサの声を聞きながら、二人を選んだもう一つの理由を話すのを忘れていた事にフォルデは気付いたが、
まあいいかと思い、自分の塒(ねぐら)へと向かった……
339 :
二人だけの道:2005/12/31(土) 15:30:39 ID:nJD3s6oV
次の日の早朝。朝日が東の空から地上を照らし出そうとしている頃、フランツとアメリアは、デュッセルと共に、タイゼルの教会前
にいた。
神への祈りを先程済ませ、デュッセルはこれからの進路を、これから共に行動する事になった二人に説明している所である。
「この地図に記されている名の全てが、グラドに点在している市町村だ。名前を赤いインクで囲まれているのは、既に儂が調査を終え
ている場所だ。帝都からタイゼルに掛けての南側は地図を見れば既に終えているであろう。残りの北側を今日から三人で行う事になる。
三人になる事で、任務が楽になると言う訳ではないが、能率は上がるだろう。その為、一つ一つの場所に掛かる時間が減って、調査
したその日に、次の目的地に向かう様な事も出てくるはずだ。かえって辛い目に遭うかも知れんが、二人共重々覚悟しておく事だぞ」
二人は「はい」と一緒に返事をした。
「うむ。では、これから出発するぞ。二人共、自分の馬に乗るのだ」
そう言われ、二人は自分の相棒と言える馬に乗ると、一足先に発ったデュッセルの後を追う様に、アメリア、フランツの順番にタイゼルか
ら離れて行った……
グラド北側に位置する国土には、小中規模の町村が数多く点在していた。その数約百にも上る。
それに対し、南側に位置する国土には、約四十程しか点在していなかった。理由としては、グラド北側の国土は、平地・高地での環境
と土の性質が、農業と非常に相性が良く、昔から歴代の王達の手により、民に北側の大地を開墾して来たのである。その為、北側は
非常に農業が盛んで、過去の王達が行って来たものも含めて、農家が点在する町村が数多く出来てしまったのである。
タイゼルを発ち、早くも一週間が過ぎようとしている黄昏時。とある農村の廃家にフランツとアメリアはいた。
先程調査を終え、もうすぐ日が暮れる為、今夜はこの村に泊まる事にしたのだ。
村の村長は、自分の家に泊まっていっては如何でしょうかと三人に尋ねた時、デュッセル将軍だけ泊まる様にしてもらい、二人は何
処か空家か何かありませんかと聞いて、今ここにいる。
廃家とは言え、埃が多い以外は特に問題は無かった。せいぜい暖を取る為の薪が無かった位である。
近くの林から、薪になりそうな木の枝を集められるだけ集め、暖炉に薪を入れ、火付け石で火を入れた。暖炉から溢れ出る火の明か
りが、家の中を照らす。
340 :
二人だけの道:2005/12/31(土) 15:32:15 ID:nJD3s6oV
もうその頃には陽は完全に落ち、空一面には星々が光り輝いていた。アメリアは、窓からその星空を一人眺めていた。
「アメリア、御飯出来たよ」
台所の方から晩御飯を持ってフランツがやって来た。手に持っている鍋からは美味しそうな匂いが、鼻と空腹の身体を刺激する。
「冷めない内に食べよう」
うんと頷き、二人は晩御飯を食べ始めた。
それから食べ終わり、食器を近くの川から汲んできた水で洗い、今二人は、ここ一週間の感想を話し合っていた。
今までに十一の村を訪問したが、どの村も今回の天災の被害はさほど大きくなく、いくつかの古い家屋が一部崩れ落ちたといった被
害が殆どであった。地震の揺れも、いつもよりは強いといった具合だった様で、首都グラドやタイゼル等を襲ったほどの揺れはなかっ
た様である。
ちなみに、南側の方では、地震の揺れは想像を絶する程のものであったと、デュッセル将軍に言われていた。
恐らくは、地震の中心は南側にあって、そこから離れている北側は被害が小さかったのだと、この一週間の事を思い出す内にフラン
ツはそう結論を出していた。
フランツは、ふと自分の懐中時計に目を向けてみた。早いものでもう十時を回っていた。そろそろ寝ないと、明日の任務に支障が出
る恐れがある為、二人は寝る事にした。
が、その時、一つの問題が浮上した。
その廃家には、ベッドが一つしかなかったのである。当然、毛布等は自分達の分をちゃんと用意して今回の任務に当たっている。
しかし、ここ一週間でグラドは急に寒くなって来ていて、毛布一枚ではさすがに辛くなってきていた。(ちなみに、ベッドで寝るの
と、床や地面で寝るのとでは温かさが全然違う)かといって、他に何か良い方法等浮かびはしない。仕方が無いので、フランツは今
回も床で寝る事に決めた。前にもこういった事があった時、アメリアにベッドで寝てもいいよと言われた事があったが、その時も今
回の様にフランツは床で毛布に包まって寝た。フランツには、彼女を床で寝させ、自分はベッドで寝るという事に、何故か抵抗があっ
た。アメリアが女の子である為だからだと、フランツはそう思ってはいる。
早速、床で寝ようと準備をした時、横からアメリアに声を掛けられた。
「ねえ、フランツ。今日も床で寝るの?」
「うん、そうだけど?」
「…寒くない?もし寒かったらさ、その……」
その先の言葉を聞く前に、フランツは返事を返した。
「いいよ。僕に遠慮なんかしなくて。それに、もう慣れたしね」
そう言いながら、既に毛布を自分の背に羽織り、寝る体勢に入ろうとしている。
そしてお休みと言おうとした時、毛布を引っ張られる感触がした。何だろうとアメリアの方に顔を向けてみた。
すると、アメリアは少し恥かしそうな顔をしながら言った。
「…フランツ。その、もし、もし良かったら……一緒に、ベッドで寝てもらってもいい?」
341 :
二人だけの道:2005/12/31(土) 15:37:08 ID:nJD3s6oV
――ベッドで二人一緒に寝る――
それを聞いたフランツは、一瞬、頭の中が真っ白になった。
「……い、今何て言ったのかな?」
「だから、一緒にベッドで寝ようって言ったの。だって、ベッドで一人眠るよりも、二人で眠った方が寒くないはずだよ」
「……でも、僕でいいの?」
「嫌だったら、こんな事頼まないよ……駄目、かな……?」
その時のアメリアの表情を見て、フランツはどうするか本気で悩んでしまった。
結局、アメリアの頼みを受ける事となった。ベッドは一人用であった為、互いに身体を密着する様にしなくてはならなかった為、余
計フランツは悩み――否、頭の中が暴走し始めた。
(こ、この状況って……つまり……で、でも、もしかしたらただ寒いからこうして一緒に……
けど、もしもそうじゃなくて……だ、駄目だっ!何変な事を考えているんだっ!!落ち着け!落ち着くんだ!!)
そうは思っても、一度膨れ上がった煩悩や緊張は、そう簡単には納まりそうにはない。勝手に心臓の鼓動の速さが強く早くなって行く。
そんな時、フランツは背中に温かい感触を感じた。(この時フランツは、アメリアに背を向ける様に横になっていた)心臓の音が更に
強くなる。
思わずフランツはアメリアの方に顔を向けてみた。
すると、彼女は目を閉じ、すぅーすぅーと規律良い寝息をたてながら眠っていた。先程の感触は、どうやら彼女が寝返りで手をぶつ
けただけの様だ。そうだと分かった瞬間、先程までの高ぶりが、急激に収まっていった。
薄闇の中、フランツはアメリアの寝顔をじっと見つめていた。
「……こうして見ると、アメリアはやっぱり可愛いな……」
いつからだろうか。彼女の事が気になり始めたのは。
グラド帝国との戦いが始まり、エフラム軍に参加し、リグバルド要塞での戦いの中で、フランツとアメリアは出会った。最初は敵同
士としてであったが、フランツの説得によって、アメリアはエフラム軍に投降、共に戦う様になった。
それから二人は、お互いをライバルとして、戦いながらも腕を磨き合った。
時には一緒に稽古をし。
時には秘密のトレーニングをし。
時にはお互いの事を語り合ったりした。
そうしている内に、二人は着実に実力を積み重ねて行き、ついには二人共パラディンに昇格した。
そしてそれは、ルネス騎士団としては、前代未聞の事であった。かつてこれ程までに早くパラディンへと昇格した騎士はいなかった
からである。
戦場という特殊な環境の中で、フランツとアメリアは、他の者達以上に自分達の才能を開花させた結果、そうなったのであった。
尤も、フランツは自分では強くなったのだという自覚は余り無かった。ただただ必死になって頑張った、それだけなのだ。
しかし、それでもアメリアと出会ってからは、出会う前よりも、一日一日の積み重ねの訓練は一層頑張れる様になった。
342 :
二人だけの道:2005/12/31(土) 15:38:33 ID:nJD3s6oV
そして、グラド城攻略戦の前夜、フランツはアメリアと一緒に模擬戦を行っていた。その時、フランツは剣を、アメリアは槍を手に
し、互いに馬から下りて打ち合っていた。
本来騎士は馬上での戦いを主にしているが、ルネスでは落馬並び、乗馬を失った時の為の訓練も行なっていた。
二人の戦い方を比較すると、フランツは二・三撃程撃っては距離を置き、頃合になったら再び打ち込むというヒット&ウェイを得意
としていた。
アメリアの方は、相手の急所の位置を重点に攻め、槍のリーチの長さを生かした槍の切先がギリギリ届く範囲での戦いをよく使っ
ていた。
これまでにも何回と模擬戦をして来た為、相手の手の内はお互い解っていた。そのせいか、二人共次々と新しい戦法を考え、戦いのレ
パートリーを増やしていた。
その時の模擬戦は、フランツの勝利で終わった。今までの通算成績では十勝八敗、頭一つ勝ち越していた。
数値の上ではフランツの方が勝ってはいるが、戦いの上達振りはアメリアの方が勝っていた。つい数週間前に戦い方を覚えたばかり
だというのに、今では一年間騎士としての訓練を受けて来たフランツとそう大差ない位の実力になっていた。その事を、アメリアは
全く気付いていない。
フランツは、それに気付いていた。だから余計、彼女には負けない様に精進していた。
その時の訓練を終えた二人は、お互い鎧を脱ぎ、身軽な格好で火照った身体を夜風に当てて涼んでいた。
その時フランツは、以前から思っていた事をアメリアに尋ねてみた。どうして兵士になったのかと。
その時、フランツは知った。彼女が兵士になった理由を。そして、天涯孤独の身になってしまった事も。
そんな彼女の告白に、フランツも自分の事を語った。両親は既にいない事、母親の事を覚えていない事、そして、亡くなった両親の
分まで自分が生きて、幸せになってやるのだと思っている事を。
そしてその時、二人は互いに守り合おうと誓った。
フランツは、アメリアを守る剣に。
アメリアは、フランツを守る盾に。
そして、それから幾日か過ぎてからだ。フランツは、アメリアの事をライバルから、一人の女性として意識し始めたのは。それ以前
から、一番身近な仲間として意識はしていた。しかし、それ以上のものではなかった。
アメリアに自分の気持ちを伝えたいとも思った。けれども、戦いの中、それはかえって彼女に対して迷惑になるのではと感じ、思い
止まった。そして、戦いが終わった今も、そう思い続け、伝えられないままズルズルと今の関係を続けている。
それでも、フランツはアメリアと一緒にいるだけで嬉しかった。きっと、まだ告白するのは早いのだと、今ではそう考える様になっ
ている。
――本当の意味で、立派な騎士になって、それから彼女に告白しよう――そうフランツは思っている。
343 :
二人だけの道:2005/12/31(土) 15:40:40 ID:nJD3s6oV
そんな事を考えている時だった。アメリアの顔が急に悲しみを帯びた表情になったのは。そして、口からか細い嗚咽が聞こえると同
時に、閉じられた目蓋(まぶた)から涙が流れ出てきていた。
――アメリア?――彼女の名を呼ぼうとした時、彼女の口が開いた。
「……さい……ごめんなさい、お母さん…ごめんなさい……」
この時解った。アメリアは今、夢の中で母親を失った時の光景を見ているのだ。そして、何も出来なかった事を悔やみ、失った母親
に謝罪しているのだ。たとえ、謝罪の言葉が母親に届かなくても。
(……アメリア……)
彼女は、今までも一人こうして夢の中で母親と出会う度、ごめんなさいと謝ってきたのであろうか?
そう思う内に、フランツは無意識に左手でアメリアの手を握り締め、右手で彼女の顔を自分の胸の中に抱き締めていた。
この様な事をして、どうなる訳でもなかった。しかし、せずにはいられなかった。
今までに無く、アメリアの事が愛おしく感じていた。
(…せめて、今だけは――今夜だけは、こうしていよう……少しでも、彼女の悲しみを和らげられる様に…分かち合える様に……)
遠くから、野生動物の鳴き声が聞こえてくる中、フランツは切ない気持ちを抱えたまま眠りに就いた……
次の日の朝、フランツはアメリアよりも先に起き、朝食を作り、出発の仕度をした。準備が整った頃、アメリアが起きて、二人は朝食を取った。
使った食器は近くの川で洗う事にした。アメリアが着替えをし、出発の準備をしなくてはならなかったからだ。流石に着替えをして
いる場所で食器を洗う訳にはいかなかった。
もう冬の季節が遣って来る時季、川の水は冷たかった。
洗い終わった頃、アメリアが廃家から出て来た。準備は整った様だ。食器を道具袋に入れると、デュッセル将軍との待ち合わせの場
所に行こうとアメリアに言った。アメリアはうんと答えると、先に前へと進んだ。
すると、如何したのか、彼女はくるりとフランツのいる後ろへと身体を向けた。
何だろう?そうフランツが思った時、彼女の口が開いた。
「フランツ。昨夜は、手を握ってくれて……抱き締めてくれて、ありがとう……」
ニコッと笑顔でそう言うと、再び前へと向かって行った。
フランツはしばらくその場で立ち尽くしていたが、ハッと気が付くと、慌てて彼女の後を追った……
344 :
千葉犬:2005/12/31(土) 15:44:40 ID:nJD3s6oV
とりあえず、ここまでにして、今から会社に行って、商品の棚卸ししてきます。
続きは会社から戻って来てから出来るだけ早く投下しますので、どうかそれまで
コタツにでもあたって待っていてください。
では、行ってきます。
345 :
千葉犬:2005/12/31(土) 19:04:55 ID:lARYHr0G
続き投下します。
346 :
二人だけの道:2005/12/31(土) 19:06:44 ID:lARYHr0G
それから四週間が経ち、デュッセル達は丁度グラド、ルネス、ジャハナの国境付近の村に近付いていた。もうすぐ日が暮れる時刻な
為、今晩はその村に泊まり、次の日に調査を行なうとフランツとアメリアはデュッセルから聞かされていた。
そして、その村に三人は到着した。着いた頃には既に陽は西の彼方へ沈み込み、夜空には三日月がその姿を現していた。
三人は、この村の村長の家に向かい、事情を説明した。村長は、すぐに宿となる家を見つけて来ますと言い、近くにいた息子夫婦と
共に外へと向かっていった。村長の妻が人数分のホットミルクを差し出し、家の者が戻って来る間、ゆっくりしていって下さいと言
い、夕飯の準備をする為、台所へと向かった。
村長達が戻って来る間、三人は村長の孫の相手をして時間を潰した。次々に色々な話をして欲しいと言ってくる幼女に、デュッセル
は自分の若い頃の話や、大陸に伝わる古の伝承、古い時代に作られたおとぎ話など、様々な事を話している姿を見て、フランツはデュッ
セル将軍の意外な一面を見た気がした。
程なくして、村長達が戻って来て、今晩の宿泊場所を知らされた。どうやら今晩、自分達はこの村の小さな教会に泊まる事になる様だ。
丁度奥から晩御飯を手に持った村長の妻がやって来て、三人は今晩の食事を御馳走になった。山羊の乳を使ったポークシチューは、
作った本人の腕が良かったのか、とても美味しかった。
食事を終えた三人は御馳走さまと言い、自分達の塒となる教会へと向かう為、村長の家を後にした。
教会に向かう途中、デュッセルはある事を思い出し、二人に先に教会に行っていて欲しいと言った。
如何してなのかとフランツは聞いてみると、デュッセルは、とある人物に会わなければならないのだと言った。
「数年前、グラドの辺境の警備に回っていた時に、山賊の集団に出交わした。その山賊達を制した時、彼等に捕らえられていた一人
の女性を儂達は救出した。
実は、その女性はさらわれたショックで、かなり心を乱しており、過去の自分の様々な記憶を忘れてしまっていたのだ。身体も弱かっ
たらしく、衰弱した状態だった。
儂は、彼女を不憫に思い、穏やかなこの村に移住させ、療養させていたのだ」
「つまり、その女性に会いに行く、と言う訳なんですね?」
「うむ。最近はだいぶ良くはなってきているのだが、それでも、な……」
その話を聞いたアメリアは、デュッセル将軍はやはり素晴らしい方なのだと改めて実感した。そして同時に、母親を失ったあの日の
事を思い出さずにはいられなかった。胸の奥から、辛い痛みが甦ってくる。
「…理由は解りました。それでは僕達は先に教会に行っています。行こう、アメリア……アメリア?」
フランツの横にいたアメリアは、一歩前に進むと、口を開いた。
「…デュッセル将軍。あたしも、一緒に行ってもいいですか?」
「?何故だ?いや、別段構わんのだが……」
アメリアは、顔を俯(うつむ)けて、黙ってしまった。
それを見たフランツは、彼女の思っている事――伝えたい事が解った。
――もしかしたら、自分のお母さんなのかもしれない――彼女はそう思っているのだ。それをデュッセル将軍に伝えたくても、母親
を失ったあの時の痛みを思い出し、言葉が出ないのだと……
そうだと解ると、フランツは沈黙を破る為、アメリアの助け舟となる言葉を話し出した。
「デュッセル将軍、彼女を連れて行ってあげて下さい。教会の方々には僕から事情を説明しておきますから」
「それならば、儂も別段断る理由も無いが……いいのか?」
「はい」
フランツの返事にデュッセルは、解ったと、了承の返事を返した。
アメリアは、フランツの方を向いた。
フランツは何も言わず、ただ静かに頷いただけであった。
「では行ってくる。アメリア、行くぞ」
「は、はい!」
デュッセルの後を追おうとしたアメリアは、一度フランツの方に顔を向け、一言言った。
「フランツ……ありがとう」
そしてすぐさまデュッセルの後を追った。その後ろ姿を、フランツは一人見送っていた。そして、二人が月明かりの中で見えなくな
ると、フランツは一人教会へと向かった……
347 :
二人だけの道:2005/12/31(土) 19:08:23 ID:lARYHr0G
教会に着き、そこの神官の夫婦に事情を説明したフランツは、用意された部屋に行き、荷物を置くと、礼拝堂へ向かい、そこで二人
が来るのをじっと待っていた。
そしてしばらくすると、デュッセルが教会に到着した。アメリアの姿が無かった為、フランツは彼女の事を聞いてみた。
すると、意外な事実がデュッセルの口から伝えられた。
「実は、儂が助けた女性――名をミリアーナというのだが、彼女とアメリアは、血の繋がった親子だったのだ」
それを聞いたフランツは、こういった偶然があるのかと驚くと同時に、アメリアがこれで独りぼっちではなくなった事に、無意識の
内に神へ感謝の祈りを行なっていた。
「アメリアが、デュッセル将軍と共に教会(ここ)に来ていないという事は――」
「うむ。今夜は、ミリアーナの側にいさせる事にした……折角こうして再会出来たのだからな」
その言葉に、フランツは頷いた。今夜は母親と一緒にいさせた方が絶対にいい。
そしてその晩は、男二人で同じ部屋で寝る事になった。来客用の部屋が一つしかなく、申し訳ないと神官夫婦に言われたが、別段自
分達は構わないと返答した。
そして二人は、明日からの事に付いて話し合い出した。そう、アメリアの処遇についてである。
が、二人共、話し合う前から既にお互い考えている事は同じであった。
――アメリアは母親の側に残し、自分達二人で任務を遂行する――これであった。
騎士として、任務の途中に除隊させる等と、何を考えているのだと、他人に言われるかも知れない。しかし、それでも二人はそうす
る事に決めた。例え何を言われようと、再び会えた親子をまた離れ離れにするよりは絶対にいい。
そして、もし彼女が望むのであれば、これを期に除隊させ、親子水要らずで暮らせる様にさせたいと、フランツはデュッセルに語っ
た。その際の事情はキッチリと、遠くタイゼルにいるフォルデ達に、伝写鳩を使って伝えるつもりである。
その考えに、デュッセルも同意した。明日からの事を全て整理し終わった二人は、互いに用意されたベッドへと入り、明日からの事
を考えて眠りに就いた。
(……そう、これで良いんだ……これで……)
眠る直前、二週間前、アメリアにありがとうと言われた時に見たあの笑顔が脳裏に甦った。そして、次々と彼女と出会ってからの事が
走馬灯の様に頭の中を駆け巡った。
(…アメリア……)
嬉しい筈なのに、心から喜んでいる筈なのに、何故か一抹の寂しさを感じたまま、フランツは眠りに就いた……
348 :
二人だけの道:2005/12/31(土) 19:09:33 ID:lARYHr0G
次の日の朝。朝食を取り終えた二人は、調査をする為、教会を後にし、村長の家へと向かった。自分達の馬を預けていたからである。
村長の家の前まで来ると、いつの間にか自分達の馬が既に出発出来る様に準備されていた。
どういう事だろう?そうフランツが思った時、村長の家の中からアメリアが出て来た。
「デュッセル将軍、フランツ、おはようございます」
その元気な挨拶に、二人共目を丸くした。少し遅れて、二人は挨拶を返した。
「それじゃあ将軍。調査はいつもの様にするんですか?」
「う、うむ、そのつもりだ……いや、今回はフランツと一緒に行なってくれ。この村はそれ程広くはない。四刻(約二時間)もあれ
ば全ての家を回れるだろう。その間、儂は今までの調査結果を一度まとめてみようと思う。すまんが、頼まれてはくれないか?」
「はい!解りました!!それじゃあ行ってきます。行こう、フランツ」
そう言い、アメリアは自分の馬にまたがると、緩やかな坂道を下って行った。慌ててフランツも馬に乗ると、彼女の後を追った。
その後ろ姿を見届けると、デュッセルは村長の家へと入って行った。
「――と、ありがとうございます。それでは我々はこれで」
最後の民家の人にそう言い、フランツは外で待っているアメリアの元へと向かった。
二人で一緒に行動しての調査ではあったが、デュッセルの言う通り、広くない村であった為、思ったよりも早く終わった。
調査の間、ずっと休まずにいたので、少し休憩しようと二人は帰り道の途中にあった大きな木の下で腰を下ろし、身体を木にもたれ
させた。
しばらく二人は何も言わず休んでいたが、フランツが口を開いた。
「アメリア。昨夜、教会でデュッセル将軍から聞かされたよ……良かったね。お母さんと再会する事が出来て……」
「…うん」
そういうアメリアの表情は、微笑ながらも嬉しさに満ち溢れていた。それを見たフランツは、やはり昨夜思った事を彼女にしてあげ
るのが一番良いのだと感じた。
349 :
二人だけの道:2005/12/31(土) 19:11:22 ID:lARYHr0G
「…それで、アメリア。君に、言っておきたい事がある」
「…どうしたの?急に改まって」
一度深く深呼吸をし、気持ちを落ち着かせてからフランツは口を開こうとした。しかし、伝えなければならないという気持ちと、言
いたくないという気持ちが、一瞬フランツの口を塞いだ。だが、それでもこの事を伝えるのは自分の役目だと自分に言い聞かせ、
フランツは彼女に話した。
「……デュッセル将軍の所に戻ったら、君はこの村に残って欲しいんだ」
「……え?」
「これからは、僕とデュッセル将軍二人で任務を遂行する……これは、デュッセル将軍の命令でもあるんだ…だから……」
「……それって、つまり……」
そういうアメリアの瞳から、涙が溢れてきた。
「嫌だよ!なんで!?なんであたしだけ!?あたしじゃ二人の足手まといかもしれない。でも、でも……」
そんなアメリアに、フランツは慌てて彼女の肩を掴んだ。
「な、泣かないで!君は足手まといだからじゃないんだ」
「じゃあ何で!?」
「…君は、母親の側にいてやって欲しいんだ。君が側にいれば、きっと以前の様な暮らしに戻れる様になるって、デュッセル将軍が
言っていた。だから……」
そう言われたアメリアは、先程までの気持ちの乱れが無くなり、涙も収まった。
「…あたし、早とちりしちゃった…ごめん、取り乱しちゃって……でも、本当にそうなの?」
「そうだよ」
するとアメリアは、きっぱりとフランツに言った。
「あたし、ここには残らない。二人と一緒に、今まで通り任務を続ける」
「え!?」
驚いているフランツをよそに、アメリアは言葉を続けた。
「あたしは、今はルネスの騎士だもの。デュッセル将軍の命令に従う義務は無いよ?それに、やるべき事を途中で止めて、お母さ
んの所に行ったら、お母さん、きっとこう言うと思う。『騎士になったのに、どうして任務を途中で止めたの』って。そして、きっとそ
んなあたしを凄く怒ると思う。
デュッセル将軍の気持ち、本当は凄く嬉しいの。でも、あたし、今回の任務は最後までやり遂げたいの。騎士として、グラドの人間
の一人として」
そういうアメリアの姿は、もう半人前の頃の彼女ではなく、立派な騎士のそれであった。その姿を見て、フランツは言い様のない感
動を感じていた。
「……でも、本当はお母さんの側にいたいんだよね?」
「うん、本当はね……でも、これでもう二度と会えなくなったわけじゃないし、それに、ルネスが落ち着いたらきっと会いにいける
様になるよ、きっと。だから…ね」
「そうか……それなら、そろそろデュッセル将軍の所に戻ろう。一日も早く僕達の任務を終えて、お母さんと一緒に暮らせる様にし
よう」
「うん」
そして二人は立ち上がり、自分の馬に跨(またが)り、デュッセル将軍の待つ村長の家へと向かった。
350 :
二人だけの道:2005/12/31(土) 19:12:48 ID:lARYHr0G
それから十日が過ぎ、訪れる市町村が残り一桁になり、もうすぐこの任務が終わりへと近付いてきていた。
そしてその日、訪れた村は、山奥にある辺境の村と言われる、シルバという名の村であった。
入った時、フランツが感じた事は、山々の中にあるというのに、日差しも良く、空気が非常に澄んでいる事だった。
「さて、早速調査に入るが、今回は二手に分かれて調査をしよう。アメリア、フランツと一緒に調査してくれ」
「はい!」
その返事を受けたデュッセルは、颯爽とその場から去って行った。
「フランツ、早く行こう。この村、家の数は少ないけど、とにかく広いからぐずぐずしてると日が暮れちゃうよ?」
そう言われ、フランツは懐中時計を取り出し、今の時刻を確認してみた。まだ午後の一時あたりと言った所だ。
そんなに急がなくても大丈夫じゃないか、そう言おうとしたら、アメリアは既に前の方へと馬を走らせていた。慌ててフランツはそ
の後を追った。
アメリアの言う通りだった。点在する家々は少ないものの、とにかく広かった。隣家が五十から百マイル離れているのがまるで当た
り前の様に。
そして、各民家を訪れて行く内に、この村がアメリアが生まれ育った村だった事が分かった。道理で次々と民家のある場所に行く付
く訳である。
そうしている内に、次の民家に寄った時、その家の中年の夫婦に少し休んでいきなさいと言われ、二人はその言葉に甘えた。
そして、その夫婦とアメリアは、昔からの知り合いで、彼女が赤ん坊の頃からの付き合いだと、夫の方がそう言った。
そして、夫婦との会話から、アメリアの過去が色々と分かった。
母親と一緒に住んでいた頃、夫婦の家の倉の中に住み着いていた狸(たぬき)を一日中観察していた事や、村の子供達数人で、近く
の洞窟に探検に行って、真っ先に怖くなって戻って来たせいで、弱虫扱いされていじめられた事。
川で魚釣りをしていた時に誤って川に落ちて、溺れ死ぬ所を近くにいた大人に助けられた事に、母親がいなくなってから、グラドの
兵士になる為に村を出て行くまでの間、村に住んでいた老魔道士に引き取られ、面倒を見てもらった事等、止めどなく夫婦の口から
アメリアの情報が放たれていた。
アメリアは、夫婦に老魔道士の事を聞いてみた。
すると、本人は、アメリアが村を後にした三月後、発作を起こして亡くなってしまったと聞かされ、アメリアの表情は悲しみに沈んだ。
今回、自分の村に訪れたら、自分が騎士になった事を。そして、自分に様々な事を教え、育ててくれたお礼を是非伝えたかった事を、
その場の三人に言葉を漏らした。フランツは夫婦に、その人のお墓は何処にあるのかと聞いてみた。
墓は、その老魔道士の自宅のすぐ側の大きな樹木の下にあると聞かされると、フランツはアメリアにそこに行こうと言った。アメリ
アは頷くと、腰を上げ、夫婦に差し出されたお茶のお礼を言うと、フランツと共に墓のある樹木へと向かった。
351 :
二人だけの道:2005/12/31(土) 19:15:49 ID:lARYHr0G
老魔道士の墓のある樹木は、村の外れの村のほぼ全体を見渡せる高台の所にあった。その近くには、家主を無くした空き家がある。
アメリアは墓の前に来ると、もはや物言わぬ恩人に対し、両脚を地面に付け、両手を握り黙祷(もくとう)を捧(ささ)げた。フランツはそ
の姿を見守っていた。
すると、アメリアの口から言葉が紡ぎ出された。
「……あの日、お母さんがいなくなって、一人ぼっちになってしまったあたしに、本当に沢山の事を、思い出を与えてくれたの……
文字の読み書き、薬草の作り方、山菜の見分け方……色んな事をあたしに教えてくれた……
グラドの兵士になる為に、村を出て行く時、旅の路銀を用意してくれたのも、この人だった……フランツ。あたしね、グラドの為に
兵士になったけれど、心の中では、他人のあたしに沢山の事をしてくれたこの人の厚意を無駄にしたくないって気持ちもあったの……
だから今度、生まれ故郷のこの村に戻って来たら、騎士になった事を伝えようと思ってた…感謝の気持ちを伝えたかった。なのに……」
そう言い終わった後、アメリアの肩が小さく震えた。そんなアメリアにフランツは、何も言わず彼女の肩を抱いてやった。フランツの厚
意を受けたアメリアは、フランツの手に自分の手を当て、声無く涙を流し続けた……
どれ程泣いていただろうか。アメリアは立ち上がると、任務に戻ろうと言い、二人は任務を再会し、高台から馬を走らせた。
もう既に、冬の季節になってしまっているせいか、日が暮れるのが驚く程早くなっている。まだ四時を回ったばかりだと言うのに、西
の空は夕暮れに、東の空には星々が輝き始めていた。
二人は、村の長老の家へと向かっていた。調査が終わったら、その町村の代表者の家を合流地点にしていた事が多く、自然とそれが
当たり前の様になっていた為、今回もそうしていた。
着いて見ると、今まで通りデュッセル将軍が待っていた。馬から下り、調査の結果を二人は報告した。
それから、今晩はこの村に泊まっていく事にすると言われ、三人とも長老の家で泊まる事にしていた。
それを聞いたアメリアは、自分が暮らしていた家があるので、そちらに泊まりたいとデュッセルに言った。そこでデュッセルとアメ
リアは、長老にその事を頼んでみた所、何の問題もないと、快く応じてくれた。
それから長老の家で夕飯をご馳走になってから、アメリアは荷物を整理し、今夜の宿泊場所へと向かおうとした時、デュッセルから、
フランツも一緒に連れて行くように言われた。
如何してなのかと聞いてみると、最近この村では狼に人や家畜が襲われた事があったらしく、一人で夜道を歩かせるのは危ないから
だと言った。
狼が群れを成す事は知っていたので、アメリアは、デュッセルのいう事に素直に従う事にした。
フランツの方はというと、既に準備は出来ていて、いつでも出られる状態だった。
そして二人は、長老の家を出て、新月の夜の中へと歩いていった。
二人がいなくなった後、デュッセルは長老に差し出された葡萄酒を口に入れた。
「どうですかな、村で作った葡萄酒のお味は?」
「うむ、思ったよりも甘みがあって美味い。今晩は温かく眠れそうだ」
それを聞いた長老は、満足そうな笑みを浮かべると、デュッセルの向かい側にある椅子に腰掛けた。
「……あの子がここを出て行ってからもう二年にもなりますが……立派に成長しましたなあ……」
「若い者の中では、唯一人、騎士になりましたからな。尤(もっと)も、今はグラドではなく、隣のルネスの騎士ではありますが」
「例え国が違えども、あの子は立派に騎士となったのですから、あの子の事を良く知っている私としては、大変嬉しく思います」
その言葉に、デュッセルは嬉しそうに笑みを浮かべた。
もう一杯いかがかと、長老に言われ、デュッセルは喜んで先程の葡萄酒を頂いた。
352 :
二人だけの道:2005/12/31(土) 19:17:30 ID:lARYHr0G
冬の底冷えする夜の中、二人は携帯用のランプの灯りを頼りに、目的の場所へと向かっていた。
「…それにしても、今晩は随分と冷えるね……もしかしたら、明日雪が降るかも」
「そうかも知れないね。早く目的の所まで着かないと。アメリア、後どれ位なんだい?」
少し辺りを見渡してから、アメリアはあと十分くらい歩けば着くとフランツに言った。
「それじゃあ少し急がないかい?さすがにこうも寒いと本当に辛いからさ」
「そうだね。あたしも足が凄く冷えて辛いから、走ろう」
そう言いアメリアは、フランツのランプを持っていない、空いている方の手を握ると、目的地を目指し、走り始めた。フランツは、
アメリアの手の温もりを感じながら、一緒に走った。
走ってほどなくして、目的の場所に二人は到着した。二人は直ぐに家の中へと入った。
中に入るや、アメリアはランプの火を使い、暖炉に火を入れた。パチッと音をたてながら薪は燃え、部屋を明るく照らし出した。
その間、フランツは自分の毛布を取り出し、いつでも寝られる状態にしていた。
アメリアが自分の毛布を取り出した頃には、部屋全体がほのかに温かくなっていた。
その時になって、フランツは気が付いた。この家にはベッドが無い事に。
「ねえ、アメリア。この家にはベッドが無いみたいだけれど……」
「うん、無いよ。だって…あたしがここを出て行く時に、壊してしまったから……」
その言葉に、どうしてと聞こうとしたのを、フランツは思い止まった。恐らくは、母親をさらわれた時、そのベッドの下に隠れてい
たのだ。
そしてそれは、その時の自分の中の後悔を思い出す物であったのだろう。だから、処分したのだと、フランツはそう考えた。
仕方が無いので、今夜は暖炉の前で眠る事にした。今回も、前にした様に二人一緒に眠る事になった。勿論、フランツは最初断った
が、少しでも寒さを和らげたいと言うアメリアの主張を結局通してしまったのだ。
フランツの毛布を床に敷き、アメリアの毛布に二人は包まりながら、暖炉の前で肩を並べて、目の前の暖炉の明かりに目を向けていた。
すると、アメリアの腕がフランツの腕に絡み、そして身を任せる様にアメリアは、フランツの身体に身をもたれ掛けた。
「…疲れたのかい?」
優しい声色でのフランツの言葉に、頭を軽く振る事で返事を返すアメリア。
「違うの……安心するの。こうやって隣に誰かがいてくれて、凄く安心するんだ……
ねえ、フランツ……フランツには、好きな人っている?」
「好きな人……兄さんやゼト将軍、カイルさんにフレリアのギリアム殿。それに――」
すると、隣にいるアメリアは、アハハと笑い出した。
「フランツ。あたしが聞きたいのは、好きな女性はいないのかっていう事……いるの?それともいないの?」
「……いるよ」
「誰なの?」
するとフランツは、考える様に目を閉じ、少しの時間口を閉ざした。そして、目を開けると、フランツは話し始めた。
353 :
二人だけの道:2005/12/31(土) 19:19:14 ID:lARYHr0G
「明るくて、元気で、前向きで、他の人よりも人一倍努力して……それでいて、僕に沢山の幸せをくれた人…かな」
「…そう、なんだ」
その言葉を聞いたアメリアは、自分が落ち込んでいる事に気が付いた。
口には出さなかったが、アメリアは、フランツは自分の事を好きだと、今まで信じていた。信じきっていた。だから、今先程聞いた事
柄の答えは、きっと自分の名を読んでくれると思っていた。
しかし、実際はそうではなかった。フランツには、そういう人が既にいたのだ。そう、自分ではなく、他の誰かが……
そんなアメリアに、フランツは話し掛けた。
「アメリア。君には、好きな男性はいるのかい?」
すると、自分の腕を絡めていた彼女の腕に力が入った。そして、彼女の身体が、小さく震えていた。
「……アメリア?」
そう呼んでも、彼女は何も答えてはくれず、しばらく無言のままの状態が続いた。しかし、やがてアメリアの方から言葉が綴られた。
「……き、なの。フランツ、あたしが好きな人は、フランツなの……」
涙声で、喉から搾り出すかの様な声で、アメリアがそう言ったのをフランツはハッキリと聞いた。
「たとえ、君に好きな人がいても、あたし、フランツの事を諦められないよ……だって、初めて…初めてだったんだもん……一緒に
いて、心から安心出来た、ずっと一緒にいたいって思ったのは……嫌、だよ…もう、独りは…嫌…だよ……っ!」
フランツの腕にしがみつく様な形で、アメリアはそう言い、うっうっと泣き出した。
そんな彼女に、フランツは空いているもう一方の腕を彼女の背に回し、アメリアを自分の胸の中に引き入れた。
「……アメリア。顔を上げてくれないかい?」
そう言われ、アメリアは泣きじゃくりながらもフランツの顔を見る為顔を上げた。
次の瞬間、アメリアの泣き声はピタッと止まった。フランツの顔が自分の顔に近付いたかと思った時には、既に互いの唇が重なり合っ
ていた。
どれ程の時間が経った後だろうか。フランツの方からゆっくりと顔を離したのは。
一方アメリアの方は、突然の出来事に、頭の中が真っ白になっていた。まだ驚きに目を見開いている。
「アメリア。僕が好きな女性……それは君だよ、アメリア」
「……え?…今、何て…言ったの……?」
「僕が本当に好きな――僕に沢山の幸せをくれた人……それは、アメリア、君なんだ」
「で、でも、さっき――」
その先を言おうとした時、アメリアはハッとした。そう、フランツは、既にあの時に好きなのは自分なのだと言っていたのだ。それ
を自分は勘違いをしてしまったのだ。
そうだと解ると、先程までの泣き顔は何処へやら、顔を真っ赤にして俯いてしまった。
「……ごめん。また早とちりしちゃった……」
「前にも、同じ様な事があったね」
「うぅ〜……」
そんなアメリアを、フランツは嬉しそうな顔で、力一杯抱きしめた。
「ちょ、ちょっとフランツ。苦しいよ」
「ごめん。でも、嬉しいんだ。君が、僕の事を好きだって言ってくれて」
「…あたしだって、嬉しいよ。フランツにそう思われていたって分かって」
そう言い終わると、二人はお互いの顔を見た。
フランツは、目が真っ赤になっているアメリアの嬉しそうな顔を。
アメリアは、この時にしか見られない、フランツの満面の笑みを浮かべた顔を。
そして二人は、どちらからともなく顔を近づけ、互いの唇を重ねた……
354 :
二人だけの道:2005/12/31(土) 19:21:04 ID:lARYHr0G
それから夜も更け、今二人は密着する様に横になっていた。フランツは、近くにあった丸い置物に布を巻いて、それを枕代わりにし
ていた。
アメリアは、フランツに腕枕をしてもらっていたので、必要なかった。
あれから二人は、互いに取り留めの無い話に華を咲かせていた。そして、それが無くなると、お互い何も言わず、寒さを和らげる為
なのか、それとも、相手の温もりを少しでも味わいたいのか、こうしてくっついている。
不思議だな――そうフランツは感じていた。ただこうしているだけなのに、今までに無い位心が満たされている。そしてそれは、ア
メリアも同じであろう。
全く根拠もないが、しかし確実にそうだと確信していた。
そう思っていると、アメリアが口を開いた。
「……フランツ」
「…何だい?」
「あたし…凄く幸せだよ…」
そう言いながら、フランツの身体にアメリアは抱き付いた。
「ちょ、ちょっとアメリア――」
「…?どうしたの?」
「その……あまり強く抱き着かれると、その…あの……」
「??」
アメリアは、どうしたんだろうと不思議に思っていると、自分の足の部分に何やら固い感触の物が当たるのを感じた。
何だろうと思い、その当たった物に手を当ててみた。
「ア、アメリア!?そ、そこは――」
触った瞬間、ビクッと動き、更に硬くなっていくのをアメリアは感じた。更に触り続けてみる。
「?なんだろ、これ?」
撫でたり、握ってみたり、色々としてみる。すると、ますますそれは硬くなり、同時に熱を帯びていった。
「だ、駄目だって!!」
そう言い、フランツは、自分のあれに触れているアメリアの手を掴み、そこから離した。
「ど、どうしたの!?いきなり大きな声上げて」
驚いたアメリアはそう声を掛けた。するとフランツは、いかにも恥かしそうな顔で、今触っていた物が何なのか、アメリアに告げた。
その際、あれについては、当たり障りの無い様な、フォルデやジスト等の大人の男性陣から見れば、まだまだ子供だなあと言われそ
うな表現で教えた。
自分が触っていた物が何であったか解ったアメリアは、顔を真っ赤にして、「ごめんなさい!!」と謝った。
「一体なんなのかなって思って、つい……ほ、本当にごめん!!」
「そこまで謝らなくてもいいよ……それに…好きな子にこうやって一緒に抱き合っていたら、ここがこうなってしまうのは、寧ろ当
たり前なんだから…さ」
「…何で?」
「何でって言われても……その、何て言うか……」
こんな時、兄がいてくれればとフランツは思ったが、寧ろいたらいたで、余計ややこしくなるのではとも感じた。
仕方が無い――そう思い、フランツは何故こうなってしまったか、アメリアに説明する事にした。
355 :
二人だけの道:2005/12/31(土) 19:23:45 ID:lARYHr0G
他の男達と違って、フランツは自制力が非常に強いとは言っても、思春期の真っ最中である。好きな女の子と一緒にいれば、性的欲
求が心身共に現れるのは、寧ろ当然であった。前に一緒に眠った時も、持てるだけの自制力で何とかしていたし、そうでなくても、
時折そういう妄想を思い浮かべたりもしていた。
尤も、フランツにとっては、そう言った事を考えるのは変な事だと自分に言い聞かせ、無理なのにも関わらず、ここでも自制力を働
かせていた。
しかし、両思いになった今、恥かしいながらも、一言で説明した。
「……抱きたい。君を」
それを聞いたアメリアは、目をキョトンとしていた。どうやら意味が伝わっていない様だ。
「抱きたいって、今こうして抱いて――」
「いや、そうじゃなくて……その…あの……んん……」
素直に性行為等と言えばいいものを、それをうまく言えない所が、彼らしいといえば彼らしい。
先程よりも顔を赤くしながら、フランツは言葉を続けた。
「……君の体を、もっと抱きしめたい…触りたい……そして……」
そこまで言うと、フランツはアメリアの身体を強く引き寄せると、彼女の唇にまるで吸い付く様なキスをした。
そのいきなりの出来事に、アメリアは少し驚いた。
そしてキスが終わると、フランツは右手をアメリアの上着の中へと潜り込ませ、彼女の胸に触れた。
「フ、フランツ?」
「…ごめん…もう、我慢出来ないんだ」
言い終わると、フランツは再び彼女の唇を塞いだ。そして右手は彼女の胸を揉み始めた。
「んっんんんっ!」
口を塞がれたアメリアが悶え始めた。何かを言いたいのか、それとも感じて発したのかは判らない。
しかし、次第にアメリアの表情は、徐々に緩んできていた。
フランツは唇を離し、彼女を見た。目はとろんとして、頬が赤くなっていた。
「はあ、はあ、はあ、はあ……」
互いに肩で息をする。フランツは興奮のあまりに。アメリアは快感のあまりに。
そうしている間、揉んでいる右手を休ませていた事に気が付いたフランツは、再び動かそうとした時、アメリアの左手が布地越しに
フランツの右手の上に乗せられた。
「……フランツ…もう少し、優しく…して……あんまり強くされると…少し、痛いから……」
356 :
二人だけの道:2005/12/31(土) 19:24:56 ID:lARYHr0G
そう言い終ると、アメリアはフランツの右手を自分の胸に掴ませながら仰向けになった。
「…フランツ……その…あたし、こういうの…初めてだから、どうすればいいか、分からないから……その…お願いね……」
フランツは、その言葉から、彼女はリードして貰いたいのだと、興奮した状態の頭でも理解した。
アメリアの上に覆いかぶさる様な形に身体をもって行くと、両手でアメリアの胸を揉み始めた。彼女の胸はそれ程大きくは無かった
が、弾力があり、揉み応えがあった。揉みながら、フランツはアメリアの反応を見た。
「ん……あ、あっ……んんっ…ん、ああ……」
か細いながらも、アメリアは喘ぎ声を上げている。
それを見たフランツは、アメリアの左胸の乳首を指で弄ってみた。
「んんっ!」
胸を揉んでいた時よりも高い声をアメリアは上げた。どうやら胸は揉まれるよりも、乳首を弄った方が彼女は感じる様だ。
左の方はそのまま指で弄りながら、右の方は揉んでいた手を離し、彼女の上着を捲り上げ、自分の顔を近付けると、乳首に口を付け、チュパチュ
パと音を立てて吸い始めた。
吸いながらも、時折口の中で舌を使って、乳首を刺激する様に舐め回した。
「あっああっ!んん、んあああっ!」
先程とは違って、高い声でアメリアは喘いだ。その声を聞いたフランツは、いったん行為を中断し、アメリアに声を掛けた。
「…気持ちいい?」
「はあ、はあ、はあ……うん」
全身で大きく喘ぎながら、アメリアは返事を返した。その返事を聞くとフランツは、自分の身体をアメリアの右手がある方に身体を
動かすと、左腕をアメリアの頭の後ろに回し、掌を彼女の左肩に張り付け、腕枕をする様な体勢にした。そして、喘ぎながら息をす
るその唇を再び塞ぐと、空いている右手を彼女の下半身へと動かす。
そして、彼女の下半身に付けられている下着の中へとその手をモゾモゾと侵入させた。その際、彼女の口の中で、何かを発する様な
くぐもった声が発せられていたが、無視した。
そして右手が、下着の中で目的の場所を見つけた感触をフランツに伝える。フランツは、辿り着いたその右手の人差し指で、その目
的地である彼女の秘所を軽くなぞる様に刺激を与えてみた。
357 :
二人だけの道:2005/12/31(土) 19:28:32 ID:lARYHr0G
すると、口の中でアメリアが、「んんっ」と言うかの様な声を上げる。声の高さからして、強く感じているみたいではない様だ。フラ
ンツは更にその周辺をまさぐってみた。すると、指の先端が、何か丸みのある小さいものに触れる感触を伝えた。すかさずそれを指
先で擦り付ける様に刺激を与えてみる。
「んんんっ!!」
先程とは違い、甲高い声を塞がった口の中でアメリアは発した。その声にフランツは、そこを重点に攻めてみた。
「んんっ!んんんんんっ!!」
そこに刺激を与える度、アメリアは高い声を上げる。それが彼女の感じる場所なのだと解ると、指のスピードを徐々に速めていった。
「んんんんっ!!ああああああああっ!!」
感じるあまりか、アメリアは繋がっていた唇を離し、フランツの上着にしがみ付きながら、甲高い喘ぎ声を上げた。その声にフランツ
は言い様のない興奮が、己の内から沸きあがってくるのを感じ、更にスピードを上げた。
「やっ!ダメッ!!ああああああああああああっ!!」
その言葉を言い終えた瞬間、アメリアの身体が一瞬ビクッと痙攣すると、そのままフランツの腕の中でぐったりとなってしまった。
目を閉じ、はあ、はあ、と身体全体で息をしているにもかかわらず、その声はあまりにも弱弱しいものであった。
そんなアメリアを見て、フランツは先程の興奮が急速に冷えていき、心配になって声をかけた。
「アメリア、大丈夫かい?」
「はあ、はあ…はあ、はあ……大丈夫……心配、しなくても…いいよ……」
その言葉を言い終わると、再び目を閉じ、呼吸を整える為か、先程と同じ状態になる。フランツは、アメリアが落ち着くのを待った。
そして、幾分か落ち着いてきたのを確認すると、口を開いた。
「…気持ちよかった?」
そう聞くと、アメリアは目を逸らし、顔を赤くしながら、「うん」と言った。そんな彼女を見て、フランツは肩に手を回していた左手
で彼女を自分の方に引き寄せると、胸の中に抱き締めた。
どれ程そうしていただろう。フランツは、そのまま彼女を抱き締めながら、呟く様に言った。
「……アメリア…続き、してもいいかな?」
「…うん。いいよ……」
その言葉に、アメリアは、同じく呟く様に返事を返した。
それから二人は互いに着ていた服を脱ぎ、生まれたままの姿になった。フランツは、アメリアを仰向けに寝かせ、自分の分身を彼女
の秘所にいつでも挿入(い)れられる体勢になっている。
寒さの為か、それともこれからする行為の為か、アメリアの身体は硬く強張っていた。
「アメリア……いいかい?」
「……う、うん……」
そう返事をするものの、やはり怖いのだろう。顔は不安そうな表情をしている。
そんなアメリアに、フランツは顔を寄せ、キスをすると、言った。
「…アメリア。君が嫌だって言ったら、その時は止めるから…だから、身体の力を抜いて……そう、それでいいよ。それじゃあ、い
くよ……」
右手は彼女の左手と繋がったまま、フランツは左手で自分の分身をアメリアの秘所に宛(あて)がうと、ゆっくりと彼女の膣内へと突
き入れた。
358 :
二人だけの道:2005/12/31(土) 19:32:25 ID:lARYHr0G
突き入れた瞬間、自分の右手と握り合っているアメリアの左手が、強く握り返してきた。同時に、彼女の膣内がぎゅっと自分の分身
をきつく締め付けてくる。
「……痛い?もし嫌だったら……」
その言葉に、アメリアは顔を横に振った。
「……我慢するから…続けて、お願い……」
フランツは、うんと頷く代わりにキスをすると、再びアメリアの膣内の奥へと分身を突き入れた。進むにつれ、アメリアの口から、
苦痛を押し殺した声が漏れる。そんなアメリアの苦痛を早く終わらせて上げようと、フランツは思い切って、腰を入れて分身を一気
に奥へと突き入れた。
「んああああああっ!!」
突き入れた瞬間、アメリアの口から絶叫の声が放たれた。同時に握っていた手の爪が、フランツの手に食い込み、そこから血が流れ
ていた。
その痛みに、フランツは一瞬顔を歪ませたが、すぐに元に戻ると、両目から涙を流しているアメリアの顔を見た。
「アメリア……頑張ったね…」
そう言い、彼女の口にそっと唇を重ねる。
「…動くよ?」
「…うん」
その返事を聞くと、フランツはまだきつい彼女の膣内の中をゆっくりと動き始めた。
動く度、アメリアの握る力が強くなってきて、声を押し殺しながらずっと痛みに耐えている彼女のことを考えて、激しい動きは決し
てしなかった。性行為の快感に溺れやすい思春期の少年としては、驚く程に相手の事を思いながら動いていた。
時折唇や乳首にキスをしたり、吸い付いたりしながら、少しでも痛みを紛らわす様に務めながら、腰を前後に動かし続けるフランツ。
すると、苦痛に耐える表情をしていた彼女の顔が、徐々に和らいでいき、口からは小さいながらも、痛みを感じていた時とは違う声
色を発してきていた。
その声を聞いて、アメリアが感じてきているのが分かったフランツは、少し早く動いてみた。すると、先程とは違って、はっきりと
快楽を感じている喘ぎ声をアメリアは発した。
「アメリア…もう少し、早く動いてもいいかい?」
「あっ、んっ、い、いい、よ…ああっ!」
了承の返事を受けたフランツは、先程よりも早く動き始めた。動く度に、分身に痺れる様な快感が襲い掛かる。それが自分の理性を
吹き飛ばさない様にしっかりと自制力を働かせながら、自分の行為を受け止めてくれている彼女の顔を見た。
瞼に涙を溜めながらも、アメリアは、フランツが自分の顔を見ているのが分かると、喘ぎながらも嬉しそうな微笑を浮かべた。
その表情を見た瞬間、フランツの理性は一気に吹き飛んだ。彼女の唇に荒々しく吸い付くと、腰の動きを一気に激しくした。家全体
に、結合している部分を打ち付ける音が響き渡る。
「アメリア、アメリアッ!!」
「あああっ!フランツ、んんああああっ!!」
お互いに抱き合い、本能のまま感じあう。
フランツは腰を動かす度に。
アメリアはフランツの分身を突き入れられる度に。
「フ、フランツッ!!あ、あたし、あたし…あああんっ!!」
「んくっ!!アメリア、僕、もう…ッ!!」
分身に与えられていた快感が、既に爆発寸前にまで達していた。その溜まった物を開放する場所を、この時フランツは考える事は出
来なかった。
一気に解放する為、彼女の秘所が壊れるかと思える位に激しく分身を打ち付ける。
「ふ、ああああっ!!フランツ、あたし、あたしっ!もう……ッ!あっ、あああ、ああああああああああああああっ!!」
アメリアの身体が力強くビクッと動き、痙攣した。
「アメリアアアアアアアッ!!」
彼女の名前を力強く叫ぶと、フランツは溜まった欲望を、彼女の体内へと解き放った。ドクンドクンッと最後の一滴まで絞り出すと、
全身の力が一気に抜け、フランツはアメリアの上に覆い被る様に倒れた。アメリアもまた、全身の力が抜け、フランツの首に巻き付い
ていた片方の手を床に倒しながら、力無い呼吸をしていた。
やがて二人共余韻から醒め、そのままの姿で毛布に包まっていた。アメリアは、フランツに腕枕をしてもらいながら、彼の胸に手を
添え、非常に安らかな表情で眠りに付いていた。そんな彼女をフランツはしばらく見つめていたが、やがて自分でも分からない内に、
意識はまどろみの中へと沈んで行った……
359 :
二人だけの道:2005/12/31(土) 19:34:33 ID:lARYHr0G
次の日の朝。二人は目を覚ますと、すぐに着替えをし、外に出てみた。
すると、辺り一面すべて雪化粧に覆われていた。その光景は言葉に言い表せないものであった。
しばらくその光景に二人は魅入っていたが、やがてそれも解け、家の中へと戻り、持って来た荷物を持つと、二人はデュッセル将軍
の待つ長老の家へと足を動かした……
それからしばらくして三人は帝都に到着し、今回の任務は無事終了し、フランツはアメリアと一緒に、皆が待つ場所へと向かった。
そして、皆が待っている目的地へと到着すると、二人はカイルとフォルデに今までの調査結果を伝えると共に、二人にこれまでの事
を説明してもらった。
それが終わると、二人は再びルネスの皆と共に救援作業に取り掛かった。
そんな二人を、フォルデはニヤニヤした表情で見守っていた。
「…フォルデ。何をそんな表情しているんです?」
先程から気になっていたヴァネッサが声をかけた。フォルデは、そのまま表情を変えず、ヴァネッサに声を返した。
「いや何、自分の思っていた通りに事が進んだみたいなんでね、それで思わず、な」
「……?」
「んん〜もうすぐ俺にも妹が出来るのか……さてと、俺も仕事に取り掛かるとしますか」
「??」
不思議がっているヴァネッサをよそに、フォルデは自分の担当している所へと向かって行った。
ヴァネッサが、フォルデが言っていた事の意味を理解するのは、もうしばらく先の事であった……
360 :
二人だけの道:2005/12/31(土) 19:38:16 ID:lARYHr0G
それからしばらく月日が経ち、フランツとアメリアは、その日の作業を終え、近くの木の下で腰を下ろしていた。他の皆は、自分達
の寝所のテントへ向かっていて、辺りにはほとんど人がいない状態であった。
お互い何も話さず、黙って木にもたれ掛かっていたが、フランツがアメリアに声を掛けた。
「アメリア。ちょっといいかい?」
「何、フランツ?」
するとフランツは、自分の小物入れの鞄の中から、一つの櫛(くし)を取り出した。
「アメリア、これを受け取ってくれないかな」
「…いいけど、いいの?何か随分綺麗な物だけど…」
そう言いながらも、アメリアはその櫛を手渡されると、試しに軽く髪を引いてみた。普段自分が使っている櫛と比べて、スッと滑ら
かに引けた。
「何か、いつも使ってるのと違って、引き心地がいいって言うのかな……でもいいの?こんないい櫛、あたしにあげるって」
「…君だからあげるんだよ、アメリア」
そう言い、フランツはその櫛がどの様な物なのかを説明した。そして、説明し終わると、アメリアは戸惑いの声を上げた。
「そ、そんな大切な物、受け取れないよ!!」
「でも、さっきはいいって言っていたけど?」
「そ、それは…だって、まさかこの櫛が、フランツのお母さんの形見だ何て知らなかったからだよ……」
「…アメリア。だからだよ。僕にとって大切な物だから、君に受け取って欲しいんだ……」
「………」
「駄目かい?」
「……分かった。それじゃあ受け取っておく……大事に使うね」
そう言い、フランツの顔に顔を近づけると、一瞬触れる程度の口付けをした。
「…お礼だよ」
そう言いニコッと嬉しい笑みを浮かべた。つられてフランツも笑みを返した。
「それじゃあ、もう一つ、受け取ってもらえないかな?」
「何?」
するとフランツは、アメリアの手に自分の手を握ると言った。
「…この任務が終わって、ルネスに帰ったら、僕の家で一緒に暮らそう…そして、幸せになろうよ。僕達、二人だけの道を一緒に歩
んで行こう」
「…え?それって、つまり……」
その言葉に、フランツは笑顔で頷いた。
「……結婚、しよう」
361 :
千葉犬:2005/12/31(土) 19:41:53 ID:lARYHr0G
これで以上です。それでは、次の職人様のお早い到来を願いつつ、終わりとします。
それでは皆さん、来年は良いお年を。千葉犬でした。
よし、グッジョブ!!
初プレイでフランツとアメリアを支援Aにした漏れにとって最高のSSだ!
この二人の初々しさが出てて萌えますた。
なごんだお。
さわやかな気持ちで新年を迎えられそうな話だったよ。
GJ!
聖魔で一番好きな支援だった
長編マジGJ!!
この二人の話はすごい和む
GJ!ついでにフォルデ兄さんもGJ!
…最初、タイトルを読んでなかったせいでうっかりナターシャ嬢の浮気か?と身構えてしまった事をここに懺悔致します……
GJ
初々しくて純情で…GJ!!
聖魔で一番好きだから余計だ!!
ヨファ×ミスト希望っと。
そういやピンクとか緑とかオレンジ色の髪の毛の人間は
陰毛までもその色なのか?
逆に陰毛だけ色が違ったら不自然じゃね?
……まあ、現実に地毛が緑やピンクの人間の陰毛なんて見たことないから何とも言えんが。
その場合他の毛も髪や陰毛と同じ色になる。ワキ毛とかもw
リアルでは金髪外人の陰毛は何色なの?
教えて洋モノ好きな人。
>>373 ほとんどない位でパイパンといっても過言ではないが
ちょろと生えている人もいる
金髪大全集で検索シル
>>373 ぼくの夏休みで『外人と風呂に入った。金色なのは髪の毛だけじゃなかった』って日記に書いてたから、多分そう
ズッコケ三人組W
エフラムは呆然としていた。
今、彼の膝元には、ラーチェルが気を失って寝ている。先ほどの3つの疾風が彼のズボンを下ろしたときに飛び出た男根を、ラーチェルはもろに見てしまい、気絶した。
エフラムはズボンを直していなかった。そのまま膝の上にラーチェルを横たえているので、ラーチェルの身体が、ドレスの上からであるが、エフラムの男根に直に当たっている。
正真正銘、女のぬくもりである。いつしか、エフラムは、その男根を大きくさせていた。
「いっひっひっひ。エフラム、やっちゃえよ!」
突然、彼の頭上に小さな黒い羽根を生やした、顔は彼にそっくりな悪魔が現れた。そしてその悪魔は、彼の頭上をぐるぐる回りながら囁く。
「おいおい、いい女と二人きりなんだぜ。どうせばれねえだろ。今なら二人の護衛もいないんだ。やるなら今だぜ!」
しかし、悪魔が現れた反対側に、今度は白い羽根の、やはり顔はエフラムの天使が現れて、エフラムに囁いた。
「だめだよエフラム!君は正義の味方じゃないか!そんな女の子の意思を無視してやっちゃうなんて、ダメだよっ!!!」
エフラムの頭上で、今、天使と悪魔が言い争っている。そんな彼には、急激に接近する3つの影に気づく暇もなかった。
その3つの影の一つが持っているのは、ハンマーだった。そして・・・・・・
カキーン!!!
「あ〜〜れ〜〜〜・・・・・・」
白い天使はハンマーの一振りに、遥か彼方へと飛んでいった。
「それ、逃げろ〜♪」
「あ〜ん、待ってよう〜♪」
その3つの影は、ロス、ユアン、アメリアの三人だった。後に残されたのは、頭上で悪魔が囁いているエフラムと、気を失っているラーチェル。
悪魔の導きにより、エフラムは、ラーチェルのスカートをめくった。
ごくり。
おしまい
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
377 :
名無しさん@ピンキー:2006/01/03(火) 01:16:20 ID:HsCx390y
ちょwwwwwwwwwwwwwロスwwwwwwwwwwwwwwお前いつからそんな技をwwwwwwww
それはともかくあけおめことよろ
悪魔エフラムが瞬時に思い浮かべられたのに、天使エフラムが上手く想像出来ないのは私だけだろうか。
ええぃ!続きはまだか!
マンスター地下牢獄に市民を助けに来たが、
見張りのソルジャーに負けてしまうマチュアとラーラ。
ラーラはその場で閉じ込められている市民に役立たず呼ばわりされながらリンカーン。
マチュアは格闘場で市民の自由を賭けて闘わされるが、負けて結局公開リンカーン。
「なんだかさわがしいな」と、いつまでも呑気なフェルグス御一行。キボン。
3日目攻城の人の続き見たい・・・
3日目攻城の人のロイ×ニイメ見たい…
383 :
名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 01:58:34 ID:Uzhohdce
ロイ×ソフィーヤがみたい
384 :
名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 02:17:35 ID:sVj5AKRR
ロイ×シャニーがみたい
ロイ×ファ
386 :
名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 10:39:43 ID:UehHXwmA
ロイ×フィルでしょう。
アチラの方もお手合わせ願うとかW
って、この話だと伯父上×フィルでもイケるな…
387 :
名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 11:21:42 ID:wxvl/dEa
ロイのSS出すな!!死ぬぞ!!!!!
ロイって普通にモテるキャラだよな。
誰とでも絡ませられる
>>387 確かにw干乾びるな。
セシリアとかだけでも大変そうなのに・・・
ロイ・・・
マルス×チキ
以外とありそうでない・・・。
ロリは駄目でつかそうでつかorz
391 :
390:2006/01/04(水) 22:44:06 ID:E8YVna2Z
漢字間違えた・・・orz
天馬の背に乗って空を飛ぶのは作戦上慣れていたが、それでもできるなら避けたいとロイは思っていた。たと
え乗り手が美少女であっても、である。ロイを後ろに乗せたシャニーのペガサスは、『聖女の塔』の最上層を飛
び立つと、地表すれすれまでほぼ垂直に落下してロイの心臓を凍りつかせた。さらにそこから急角度で巡航高度
に上昇したときは、彼は自分の胃袋を吐き出しそうになった。
すっかり無口になって、怯えた子供のようにシャニーの背にすがりつくロイだったが、当のシャニーは陽気そ
のもので、雨上がりの空の下を爽快に(彼女にとっては)飛んでいる。
と、前方に塔から逃げ出したとおぼしきクーデター派の残党の兵士が数人走っているのが見えた。ロイが何か
言う前にシャニーは手綱を操って急降下し、彼らの上を旋回して手槍を投げつける。彼女は手槍を投擲するたび
に、可愛らしい声で叫んだ。
「ゲッサム!ゲッサム!イエス!イエス!ヒャハー!いいぞベイベー!!」イリアの方言だろうか。
「逃げる奴はみーんなクーデター兵!逃げない奴はよく訓練されたクーデター兵よ!」
シャニーは首だけ振り返ってロイに説明した。直前に投げた手槍が見事にクーデター派残党の重騎士にヒット
し、その重騎士が泥の中に倒れ伏して動かなくなるのを見下ろしながら、ロイはそっとつぶやいた。
「よく(分厚い甲冑をまとった)アーマーナイトを(手槍だけで)倒せるね……」
兵士達をあっという間に一掃した天馬騎士の少女は、笑いながら背後の「客」のつぶやきに答える。
「カンタンですよ、動きが鈍いから!ホント戦場は地獄よねー!」
まったくだと身震いするロイにかまわず、シャニーは馬首をめぐらせて城へ向かう。もういっそ空を飛ばない
で地上を駆けて欲しいと思うロイだったが、天馬騎士は容赦なく手綱を引いて高度を上げ、むしろさっきまでよ
りも高い高度で飛び始めた。ロイは目をしっかり閉じて、ますます強くシャニーの身体にしがみつく。
と、背後の少年の怯えを察したのか沈黙が苦手なのか、シャニーは顔だけ振り返ってロイに話しかけた。
「そう言えばロイ様、ファリナ様とはお知り合いだったんですよねー?」
唐突に話を振られて一瞬戸惑うロイだったが、確かに何か話していた方が気が紛れる。彼はその人名をすぐに
思い出した。
「え?ああ、リリーナのお母様だね。何度かお会いしたけど……」
「ファリナ様って、あたしたちイリア天馬騎士のあこがれの人なんですよ!ロイ様、『ファリナショック』っ
て知ってます?」
「ええっと……本当は『1件1000G』で傭兵の契約をするべきところを、間違って『1000件1G』の
指値注文が通っちゃって傭兵斡旋取引所が大騒ぎになったっていう……」
「全然違うよー」
「戦争の影響でファリナ様の価格が高騰、大陸のファリナスタンドには長蛇の列が出来て紙の買い占めとか」
「ふざけてるの?」
「ごめん、知らない」
ロイが正直に告げると、シャニーはうなずいて説明を始めた。
「あのね、昔イリアでは『天馬騎士は軽いほうが有利』って言われてて、天馬騎士を目指す女の子たちはみん
な少しでも痩せようとしてたんだって。少しでも軽く、少しでも細くってね。乗り手が軽ければそれだけペガサ
スの負担が減って機動力が増すから、戦闘が有利になるって理屈だけど……」
それはロイにも理解できる。ロイが知っている神話でも、空を駆ける乙女達は皆細身だ。説得担当の王女、ど
う見ても悪党面の城主に騙されて主人公達を容赦なく攻撃する王子付きの天馬騎士、乗っているペガサスの名前
にクレームがつかなかったのか心配な少女、仲間にするのに貴重な杖を一回消費しなければならず、しかもそれ
に見合うだけの能力値があるとは思えず毎回C−130要員にしているがツンデレ系の外見だから許せるお姉さ
ん、天馬は翼ではなく脚で飛ぶという衝撃の理論をあっさり肯定したティターニア、ラスト4話でようやく無駄
飯食いから戦闘員になってさぞ使えるのだろうと期待したらシリーズ史上屈指の貧弱な能力値に度肝を抜かれた
「空飛ぶ杖使い」の王女、巨大掲示板の攻略スレに「父と会話すると敵に寝返る」との情報があったので補欠に
していたら実際は寝返る要件を満たす方が難しかった赤毛の少女……どれも体型とは関係無い上に違うのが混じ
っている気がするが、確かに皆太ってはいない。もっとも、神話で活躍する女性は皆そんな気がするが。
「でもこれがちょっと行き過ぎちゃってさ、体重減らそうとなんにも食べないでいていたら剣も持てなくなっ
た子とか出ちゃって。そんな時現れたのが、ファリナ様だったのよ」
「もちろんファリナ様だって太ってるわけじゃないけど、おっぱいぼーんのウェストキュッのおしりがどかー
んってすごい身体してるから、天馬騎士には向いてないって言われてたみたい。ところが実際は、『凄腕のファ
リナ』なんて呼ばれる位の、イリア始まって以来最高の天馬騎士として活躍したの。その秘密を分析したら……」
そこまで言うと、シャニーは一度言葉を切ってペガサスのコントロールに集中した。ロイがふと前を見ると、
もうアクレイアの城壁が迫ってきている。シャニーはペガサスの手綱を操って滑空降下の体勢を取らせると、振
り返って続きを話し出した。
「まずおっきなおしりは、不安定な姿勢を余儀なくされる空中戦においても安定した攻撃プラットホームにな
るんだって。で、勢い良く張り出したおっぱいは、身に着けた胸甲に角度を与えて、正面からの攻撃を上手く反
らすと同時に胸甲の厚みを増す効果があるの。良好な『ひだんけいし』ってやつ?」
ロイはその単語が、築城学の講義で学んだ『避弾経始』のことだと気付くのにしばらくかかった。飛び道具に
よる攻撃への防御法として考案された概念だったが、まさかそういう発展を遂げているとは夢想だにしなかった。
「まあそういうワケで、ファリナ様の活躍はイリアの天馬騎士のあり方をがらっと変えちゃったのよ。これが
『ファリナショック』ね。だから今のイリアの天馬騎士たちは、みんなおっきなおっぱいとかお尻にあこがれて、
いろいろ試してるんだよ。ヤギや牛のミルク一気飲みとか怪しげな薬買ってみるとか自分でおっぱい揉むとか女
の子同士で揉み合うとか」
ロイはどうも話の内容が年頃の少年少女にはふさわしくない方向に向かいつつある気がしたが、「詳しく」な
どと促す訳にもいかず、黙ってシャニーの身体にしがみつき続けた。シャニーはかすかにため息をつくと、今ま
でとは微妙に違う口調でロイに言った。
「……いろいろそういうこと試してると、ウソかホントかわかんないウワサがでてくるのよねー。ペガサスの
後ろに男の人を乗せた時におっぱい触られると、神経が刺激されてすごく胸がおっきくなる、とか」
ロイはそこまで説明されて初めて、シャニーに抱きついている自分の腕が彼女の胸のふくらみに当たっている
ことに気付いた。
「ああっ!!ご、ごめん!!」
あわてて手を離そうとしたが、そんなことをすれば地面に真っ逆さまということに気付いてかろうじて墜死は
まぬがれた。身長差の関係上難しいが、なるべく少女の腹部に腕がくるようにはしたものの、そこから居館に着
くまで、シャニーはうつむいて無言のままだった。気まずい沈黙の中、ペガサスの翼の音までも遠慮がちに響く。
ロイは何とか言葉を捜したが、下手な言い訳は余計に気まずくなると思い直して口をつぐんだ。
と、ペガサスの高度が急に下がった。ロイがはっと我に返ると、二人を乗せたペガサスはもう居館の敷地内に
入り、さっきまでの雨で濡れている広場の芝生の上に着陸しようとしていた。雲の間から陽光が差し始める中、
ペガサスは無人の広場に静かに着地する。エトルリア側も、クーデター派の鎮圧がこれほど速く終了し、指揮官
がさっさと戻ってくるとは思っていなかったのだろう、出迎えの人影は無い。ロイは地面に足をつけて、ほっと
安堵のため息を漏らした。
「じゃ、あたしはこの子を厩舎に入れてくるから」
シャニーがロイから目をそらしたまま告げ、手綱を引いてペガサス用に割り当てられた厩舎に向かおうとした。
ロイはあわててその後を追う。何とか「不幸な事故」を謝っておかねばならない……が、先に口を開いたのはシ
ャニーの方だった。
「ねえ、ロイ様……ちょっと、時間ある?」
「え?」ロイは厩舎の大きな戸口を開けてやりながら、彼女の方を向いた。少女は自分用に割り当てられた馬
房にペガサスをつなぎ、さり気なく厩舎の中に人影が無いのを確認してから、ロイに向かってにっこり微笑んだ。
「あたしと、えっちしない?」
この少女の言動には驚き戸惑うことが多いが、この勧誘はその最たるものだった。ロイは自分の耳がおかしく
なっていないことを確認し、あらためて彼女の言葉の意味を理解しようとしていたが、今の少女の言葉はどう解
釈しても「やらないか」という誘いとしか受け取れない。
「そ、そんな……何を……」
「だってロイ様ったら、ペガサスの上であんなに強くあたしのこと抱きしめてさあ……えへへ。しかも腕、お
っぱいに当たってたし。なんか硬いものもおしりに当たってたよー?」
ここ数日、女性の背後から胸を揉む行為に慣れ切っていたとは言え、自分はどこまで節操が無いのかと絶望す
るロイだったが、そんな彼の手をシャニーの白く細い手が優しく引き寄せた。
「あっ…………!!」
「ね、だめ?」
シャニーはロイの手を掴んだまま、馬房のそばに積まれている干草の上に倒れこむ。手を掴まれているロイは、
少女の上に覆いかぶさる形になった。シャニーはいたずらっぽく笑うと、さらに少年の身体を引き寄せ、強く抱
きしめる。戸惑うロイの耳元に、シャニーは明るい声でささやいた。
「最近、イリアの女の子の間ではね……『早くえっちすると巨乳になれる』って言われてるんだ。だからあた
しも、イリアにいる時に……しちゃったんだけど」
少女はいったん少年の身体を離すと、手早く背中に手を回して胸甲の止め紐を解いた。
「あんまり気持ちよくなかったし、おっぱいもおっきくならないから、なんだかなーって思ってたの。せめて
お姉ちゃんたちくらいにはおっきくならなきゃって思ってるのに」
そう言って、シャニーは胸甲を外した胸を突き出した。雨に濡れた上着が、程よく盛り上がっている。
「ほらね?ちっちゃいでしょー?」
シャニーの口調は陽気で、少年をからかうような感じでさえある。だが彼女の青い瞳を見たロイは、彼女がそ
れなりに胸の大きさで悩んでいるのを悟った。
「……そ、そんなに小さくないと思うよ。君の年頃なら……他の女の子と比べても……」
さっきまでさんざん愛撫してたスーの胸より大きいし、ウェンディとは比較にさえならない。ララムは例外だ。
君のも十分大きい部類に入るし、何より形が素晴らしい……とロイは思ったが、まさかそう言って慰める訳にも
いかない。不器用に口ごもるロイを見て、シャニーはにっこり微笑んだ。
「ありがと、ロイ様。でもね、あたし……好きな人に揉んでもらうと、おっきくなる気がするんだ……」
そう言うと、天馬騎士の少女はロイの手を取って、自分の胸に押し当てた。
「あっ…………」
「……もっと……さわってよ……」
ロイは手を引っ込めようとするが、シャニーは彼の手を捕らえて離さない。上目遣いでロイを見上げながら、
自分の胸をまさぐらせ、指先で硬くなった乳首のあたりを撫でさせる。ロイは思わず手に力をこめてしまったが、
少女の発達中の胸はふにょっと柔らかく、力をこめると中心の弾力で跳ね返される感じだった。
「あん……そう……ロイ様の、好きなように……していいよ」
シャニーは甘えるような声で言うと、目を閉じて口を突き出した。ロイは身体を折って、せがまれるままに少
女の桃色の唇にキスをする。ここまでしてしまった以上中途半端は良くないと思ったロイは、シャニーの唇の間
に舌を差し入れて彼女の舌と絡み合わせようとしたが、途端に少女はきゃっと小さく悲鳴をあげて口を離した。
「ご、ごめん!……驚かせちゃった?」
「……う、うん……これが、大人のキスってやつなんだよね……」
シャニーは指先を唾液で湿った口に当て、たった今感じた衝撃の余韻に呆然としている。異性との経験はある
のに、大人のキスの経験は無いのだろうかとロイは疑問に思ったが、そんなロイの内心を察したのか、シャニー
は顔をあげて目を細めながら告げた。「へへへ……今の、あたしの初めてのキスだから」
「えっ……?」思わず硬直するロイ。
「あーっ!今『やってるくせにキスはしてないのかよ』とか思ってるでしょ!?」
「う、ま、まあ……いや、そんなこと……」
ほぼ正確に内心を読まれて言葉に窮するロイを楽しげに眺めつつ、シャニーは上着を勢い良く脱ぎ捨てた。真
っ白い肌が、形良く整ったバストが、ロイの目の前にさらされる。少しだけ恥ずかしそうに微笑みながら、シャ
ニーは再びロイを抱き寄せた。
「ま、そう思うのはしょうがないけどねー。でもさ、やっぱりキスくらいは好きな人としたいし。……ロイ様
が初めての相手で、うれしいな」
「…………」
ロイは、文字通り目の前にある少女の青い瞳が、わずかに潤んでいるのに気付いた。それほど自分と口づけを
交わせたことがうれしかったのか……ロイは思わずシャニーをきつく抱き締めた。シャニーも小さな吐息と共に、
ロイの背に手を回して強く抱き締め返す。
「ロイ様って、カッコイイし、やさしいし、あたしみたいな傭兵にも普通に接してくれるし……好き。大好き」
お互いの身体の温かさを確かめ合うように、二人は干草の山の上で抱きしめ合う。ロイは少女の唇を何度もつ
いばみながら、腰のベルトを緩めた。シャニーは初めはぎこちなく少年の接吻を受け止めていたが、ぬめる舌が
絡み合ってもたらされる妖しい快感に酔いはじめると、やがて積極的に自分の方から舌を差し入れるようになっ
ていた。
「…………ちゅちゅっ……むぐぅ…………ちゅぱっ…………ぷあ……ロイ様ぁ……」
シャニーはとろんとした目でロイを見上げながら、そっと彼の背に回された手を下ろしていき、彼のズボンを
ずり下げた。生乾きの服から、ロイの勃起がうれしそうに解放される。
「うあ……もう、こんなにおっきくなってる…………」
シャニーはロイの顔と勃起を交互に眺めて、うれしさと恥ずかしさが入り混じった表情を浮かべた。ロイも少
女の視線を受けてこそばゆい感じがしたが、下腹部のロイは見られてなおいきり立っている。
「えへへ……あたしでコーフンしてくれてるのかな、このコ?」
ロイの顔が赤くなるのを見上げて笑いながら、シャニーは干草の上で身体をずり下げ、自分の腹の上にロイを
またがらせる格好をとった。ロイは何をするのかと見下ろしたが、すぐに少女の意図を理解した。彼女は自分の
胸で、男のものを挟もうとしているのだ……が、少女の成長途上の胸では「包み込む」のはもちろん、「挟み込
む」のもままならない。
「いよっと…………むっ………………うーん、やっぱりダメかぁ……」
シャニーは何とか白い双丘に柔肉と脂肪を寄せ集めて、大好きな少年の身体の一部を「もてなそう」とするが、
上手く行かない。それでも、少女の滑らかな肌と柔らかい乳房の感触はロイの本体を喜ばせ、シャニーが乳房を
寄せるたびにびくん、びくんと跳ね上がった。
「も、もう大丈夫だよ……ありがとう、シャニー……」
自分の本体の動きがあまりにも正直過ぎることに赤面するロイは、律儀に謝意を示してから腰をずらし、同時
にシャニーの胸の隆起のふもとに指を一本添えて、つつっと丸い曲線をなぞった。
「きゃん!…………ぁ……ん……ロイ様ったら、上手…………ん…………」
胸が感じるのか、シャニーは茶目っ気たっぷりな青い瞳に恍惚の色を浮かべてロイを見上げた。ロイは指先で
少女の胸を愛撫しながら、ツンと勃った乳首を舌先でつつき、音を立てて吸う。そしてさり気なく空いている左
手を少女の腰に回して、天馬騎士特有の短いスカートと下着を一息に引き下ろした。
「きゃっ!あっ…………も……いきなり……きゃぅうっ!!」
シャニーは一瞬びくっと背をそらせて甘い嬌声をあげたが、それが胸への愛撫によるものなのか、それとも男
の手が荒っぽく太ももを割って未熟な花弁に触れたことによるものなのか、ロイには判断がつきかねた。彼はそ
のまま左手の指で少女の秘裂をなぞり、もう十分湿り気を帯びていることを確認すると、少女の胸の愛撫を左手
に任せ、右手の人差し指を少女の熱い肉の唇の間に割り込ませた。
「…………っ!!!……ぁぁ…………ああ、そっ……こぉお…………っ!!」
シャニーはかん高い悲鳴をあげて、ロイの首にしがみついた。熱く湿った吐息がロイの耳にかかり、ロイは思
わず右手に力をこめる。そのせいで「入り口」を探っていた彼の指の先端が、ちゅぷりと小さな音を立てて「侵
入」してしまった。
「きゃ!?……はあぅっ……!!いや、いやぁ…………っ!!」
異物の侵入に、シャニーは首を振って抵抗する。ロイはあわてて濡れた指の先端を引き抜いた。
「ご、ごめん!……痛かった……?」
ロイが気遣わしげに謝ると、シャニーはすねたように口元を突き出し、ちょっと恥ずかしそうに目を伏せた。
「ま、ね……でもさ、ほら、指じゃなくて……ちゃんと、その……本物で、さ……」
「…………え?指じゃなくって?何を、どうして欲しいの……?」
「…………!!」
シャニーは、わざと意地悪く詳細の説明を求めるロイを抱き寄せると、えいっと干草の上で転がった。二人の
位置が逆転し、あおむけのロイにシャニーがまたがる格好になった。
「もう!!ロイ様のえっち!!」
天馬騎士の少女は、笑いながらロイの胸をぽかぽか叩くと、太ももで少年の腰を強く挟み込み、天を向いて喘
いでいる少年の本体をぎゅっと掴んだ。
「あ、くっ…………っ!!」
「こうして欲しいの!!ほら、挿れるからね……!!」
シャニーは右手の指で自分の花弁を開き、充血して小刻みに震えるロイの本体の先端を自分の膣穴に導いた。
彼女の下半身は子供そのものと言っていい位未成熟だったが、純白の太ももの付け根に咲いたピンク色の花びら
は、ロイを呑み込もうとヒクヒク蠢いている。そのあまりにいやらしい光景に目を奪われているロイを見下ろし
ながら、シャニーはゆっくりと腰を沈めていった。
「あっ…………」
「ほ……ら……ぁ……はいっ……たよ…………くぅ」
シャニーは少し苦しげに呻きつつも、ロイのものを根元まで肉孔にねじりこんだ。彼女の膣はきつく、まるで
温かく濡れた手で握り締められているような快感をロイにもたらす。
「うあ…………ぁうう…………」
「え、へへ……っ……どう……きもち、いい…………?」
膣に呑み込んだ「異物」がなじんできたシャニーは陽気に笑うと、喘ぐロイをいとおしそうに見下ろしながら
ぎこちなく腰を使い出した。ロイの胸に手をつき、太ももで彼の腰を締めながら、ゆっくりと腰を上下に動かす。
「あ……いっ…………ああっ…………!!」
「いい……?ねぇ……いい……?」
シャニーは腰を縦に往復させるたびに、少年の反応をうかがう。ロイが夢中でうなずくと、シャニーはうれし
そうに微笑んで、腰の動きを速く大きくしていく。少女が腰を落とすと、短く切り整えられた青い髪が揺れ、白
い胸の隆起が小さく弾み、二人の結合部から男女の分泌液があふれ出す。
「えへへ、あたしも……きもち、いいな…………ん……んんっ…………」
ロイの本体をむさぼりつつ、シャニーはうれしそうに喘いでいる。腰を揺らしながら指先でロイの胸を撫でさ
すり、少年の乳首をつまみ上げ、ロイが短い呻きをあげると満足そうに目を細めた。
「あ…ああ……ん!!ロイ様の、びくん、びくんって……いってるよぅ…………」
事実、少女の肉襞と愛液に包まれたロイの男性自身は、シャニーの腰の動きにあわせて激しく脈動している。
シャニーの方も、陽気な喘ぎ声が徐々に甘く、とろけるようなかすれ声に変わり始めていた。
「…………は…ん……んっ……んっ…………くふっ…………」
北国の乙女は、恍惚と困惑の表情を浮かべている。あまり気持ちよくなかった初めての性交とは異なり、この
愛する赤毛の少年との交わりは、誘った自分でも驚くほどの快感をもたらしている……彼女はもっと気持ちよく
なりたい、同年代の少女達の言う「イク」快感を味わいたいと、幼さの残る腰を貪欲に動かした。
「……あぅ……い…………きもち…いいぃ……っ!!い…いきたい……よぅ…………ん、んん…………」
痺れるような甘い感覚の中、このままでは一方的に達してしまうと感じたロイは、何とかシャニーのほっそり
した腰に手を回して、ズンと大きく腰を突き上げた。湿った恥ずかしい音とともに、少女の秘蜜があふれてロイ
の太ももを濡らす。
「ひゃぁうっ!?」
ロイの「奇襲」に、シャニーは可愛い悲鳴を上げた。ロイはその愛らしい声に勢いを得て、猛然と少女の子宮
を突き上げ始めた。背の干草が乾いた音を立てると対照的に、二人の結合部は沼地のような淫音を立てるが、そ
んな音をかき消す嬌声がシャニーの口からほとばしり出る。
「ああぁ、あっ、あぅんん!!きゃっ、やっ、やああっ、うあっ……はぁっ………いああああ!!」
狭い膣穴を烈しくかき回され、たまらずロイの胸に倒れるシャニー。ロイは自分の胸の上で身体をくねらせて
喘ぐシャニーを抱きしめると、腰の動きを「大きな上下運動」から「小さく前後に揺り動かす」ように切り替え
た。まだ経験の浅い少女をいたわるつもりだったのだが、シャニーには逆の効果をもたらした。
「……は…ぁ……え……?……あ…ああっ……あっ、や、だ、だめ、だめええええええぇぇ〜〜〜〜ッ!!!」
厩舎につながれたペガサス達が一斉に騒ぎ出した程の凄まじい絶叫だった。シャニーはぶるぶるとロイの胸の
上で痙攣し、白い肢体をのたうたせて歓喜の悲鳴をあげ続ける。ロイは呆然としたが、すぐにこれは「攻撃地点」
を変えたせいだと理解して、両手で悶える少女のお尻を掴んだ。
「はああ、あああ!!だっ、やめ、ああああっ、いやぁっ!!うああああああっ!!」
「……もっと、気持ちよくしてあげるね……」
ロイはシャニーの耳元でささやくと、彼女のヒップを掴む手に力をこめて少女の尻肉を握り潰す。同時にその
手を前後に動かして、彼女の膣を嬲り始めた。彼女の性器の「天井」付近にある一点を、肉の剣で何度も容赦な
く斬り付ける。
「いやぁぁぁぁぁだぁぁぁぁあ!!!ゆるし……あっ!!いやぁ、お、おかしく、なっちゃ…………っ!!」
シャニーは何かを拒絶するように、激しく首を振る。青い短い髪が乱れて、ロイの口元にかかった。ロイは少
女の肉孔の壮絶な締め付けと痙攣に、もう二人とも限界が近いことを悟って、少女の小さなヒップをますます強
く、激しくずり動かす。シャニーは口の端からだらしなくよだれを垂らしながら、泣くように悲鳴をあげ続けて
いたが、そのトーンと切なさはどんどんあがっていく。
「も、もう、だぁ、めえええ!!……は、あ、こわい、こわいよぅ…………なんか……うぅ…………!!!」
大きく愛くるしい彼女の青い目から、ぽろぽろと大粒の涙がこぼれ落ちて、ロイの胸元に滴り落ちる。その涙
が苦痛によるものでないことは、ロイの本体を縊り殺す勢いで締め付けている膣の粘膜の動きが物語っていた。
ロイは首を曲げて彼女の額にキスの雨を浴びせながら、彼女の子宮に最後の突き上げを食らわせた。
「おうう、うふうぁあああーーーーーっ!!!………………ひっ…………は………………」
シャニーはぎくんぎくんと悶えながら限界まで背を反らせ、厩舎全体を震わせる叫びをあげて、ぐにゃりと力
なくロイの胸の上に倒れ伏した。同時にロイも、少女のぐちょぐちょの肉壷の中に熱い精液を浴びせかける。痛
い程勃起した肉の管が、どろりと濃厚な粘液を際限なく吐き出し続けた。ロイは両手を少女の汗ばんだ背に回し、
射精が終わるまで強く抱きしめ続けた……
「…………ぐすっ…………ううっ…………ぐずっ…………」
ロイが長い射精を終えた後も、シャニーはロイの胸の上でぐったりとうつぶせになって泣き続けている。ロイ
は呼吸を整えながら、どう声をかけたものか迷っていたが、結局黙って少女の青い髪を撫でることにした。シャ
ニーはそれで少し落ち着いたのか、少年の胸に顔を埋めたまま、小さくつぶやいた。
「…………ふう……ゴメンね、ロイ様……泣いちゃったりして」
「……大丈夫?僕こそ、ごめん……」
「違う、違うの、ロイ様!」
シャニーは伏せていた顔を上げ、ロイを見つめた。大きな青い瞳が、怖いほど澄んでいる。
「あたしね、男の人とこういうことするのが……こんなに気持ちいいなんて、全然思ってなかった……なんか
ね、しびれるって言うか、せつないって言うか……とにかく、すごかった。気持ちよかったの!」
「う、うん…………」
「やっぱりこういうことって、好きな人とやるべきなんだよね!!……あーあ、あたしってバカだな……どう
してロイ様のために『初めて』をとっとかなかったんだろ……」
僕も初めてじゃないから大丈夫、と言う代わりに、ロイは身体を起こしてシャニーにキスした。
「…………あ…………ん…………」
「………ん……でも、気持ちよく、なれたんだよね?僕も、シャニーと…できて、すごく気持ちよかったよ」
ロイの告白に、シャニーはまた泣き出した。ロイへの想いではちきれそうな胸を少年の腹に、涙で濡れた顔を
少年の胸に押し付けて、小さな嗚咽をもらす。
「な、泣かないで……」
ロイはあわてて言葉を捜すが、シャニーは彼の胸に顔をこすりつけていやいやと首を振る。
「だって……だって…………」
「シャニーは、笑ってなきゃ……ね?いつもみたいに、笑ってよ……」
ロイの狼狽ぶりがよほど可笑しかったのか、シャニーは泣いたまま顔を上げた。
「じゃ、笑うね。笑ったら……もう一回……して?」
その愛らしい笑顔に、少女の膣内でおとなしくなっていたロイの本体はどきんと屹立した。シャニーはびくっ
と驚いて目を見開き、それが何を意味するか理解して、心の底から笑った。
「ぷっ…………はっ…………あははははは!!」
「い、いや、これは…………その…………」
しどろもどろに弁解しようとするロイの唇を、シャニーの唇が塞いだ。
「……ん……ちゅ…………ふはっ!!じゃ、たーっくさん笑ってあげるから、いっっぱい、してね!!」
シャニーは春に咲く大輪の花のような笑顔を浮かべながら、再び腰を揺らし始めた……
「きもちい〜〜い!!ちょ〜〜きもちい〜〜い!!」
度重なるキスと乳房への愛撫に疲れ果てたロイの口から、うわ言めいた呻きが漏れる。結局あれから騎乗位で
1回、後背位で1回、正常位で1回、一向に少女の笑顔が途絶える気配が無くこれ以上は生命活動に支障を来た
す恐れがあるのでいい加減少女の気を失わせるべく最後の力を振り絞っての渾身の騎乗位で1回……シャニーは
今、厩舎の干草の上で幸せそうに情交の余韻に浸っている。そろそろクーデター派鎮圧部隊も戻ってくる頃だが、
ペガサスの厩舎と普通の馬の厩舎は別になっているので、戻ってきたセシリアやスーが恍惚の境にある全裸の少
女に絶句することはないはずだ。
「キスする前と後に『好き』って言いなさいー」
ロイは交合の合間にシャニーに聞いた「イリア天馬騎士愛の心得」をつぶやきながら、ふらふらと居館への小
道をよろめき歩いていた。空はだいぶ晴れてきて、南の雲間からは太陽がのぞき始めている。
「好きだよぉー、ロイ様……ウチに来てお姉ちゃんをファッ(rしていいよー」
妙に太陽が黄色く見えるなと思いながら、ロイは南棟にたどり着いた。ロイ様ご一行のうち、セシリアやクレ
インといった「エトルリア組」に割り当てられたブロックだ。
「………………?」
虚空をさまよっていたロイの意識が、急に引き戻された。南棟の1階のどこかから、呻き声が聞こえた気がし
たのだ。男の呻き声なら特にロイの気を引くことはなかっただろうが、明らかに女性の声だった。ロイはついと
壁に寄り、足音を殺して各部屋の窓をそっとのぞいていく。
(あっ…………!!)
ある部屋の窓をのぞいた瞬間、ロイは思わず叫びそうになった。その部屋には女性が二人いて、うめき声はそ
の部屋の女性の一方が発したものだったが、部屋の中の光景はロイを凍りつかせた。
「くっ、ううっ…………!!」
「まあ、いやらしいですこと……このカラダで、クレイン兄さまをたぶらかしたのかしら?」
部屋の主であるリグレ公の娘・クラリーネが、ベッドの上で縛られた天馬騎士・ティトの全裸の身体をいたぶ
っていたのだ……
(3日目昼に続く)
>>381様、投下が遅くなり申し訳ありませんでした。
>>384様、お気に召していただけましたでしょうか?
>>383様、
>>386様 一応予定はあります。いつになるかは不明ですが……
>>385様、少々きついですが検討はしてみます。あまり期待なさらぬようお願いします。
>>382様、無茶言わないで下さい……
3日目攻城の人GJ!!
といいながら最初の神話の中の人たちがわからないんですが・・・
識者の方解説希望
エロシャニーGJ!百合SMをワクテカしながら松!
>説得担当の王女
⇒暗黒竜or紋章
>どう見ても悪党面の城主に騙されて主人公達を容赦なく攻撃する王子付きの天馬騎士
⇒聖戦
>乗っているペガサスの名前にクレームがつかなかったのか心配な少女
>仲間にするのに貴重な杖を一回消費しなければならず、しかもそれに見合うだけの能力値があるとは思えず
>毎回C−130要員にしているがツンデレ系の外見だから許せるお姉さん
⇒どちらもトラ7
>天馬は翼ではなく脚で飛ぶという衝撃の理論をあっさり肯定したティターニア
⇒聖魔
>ラスト4話でようやく無駄飯食いから戦闘員になってさぞ使えるのだろうと期待したらシリーズ史上屈指の
>貧弱な能力値に度肝を抜かれた「空飛ぶ杖使い」の王女、
⇒蒼炎
>巨大掲示板の攻略スレに「父と会話すると敵に寝返る」との情報があったので補欠に
>していたら実際は寝返る要件を満たす方が難しかった赤毛の少女
⇒ベルサガ?
ちなみに名前にクレームが付きそうなペガサスは、実は名前の消えてしまう奇病に罹っているのです。
いずれララァ・スン専用MAならぬ、カリン専用ペガサスになってしまうのです。
つーかネタ解析させないで下さい、寒いからw
超々GJ!!!
GJ!毎度エロもさることながらネタに笑わせていただいてます。
…それにしても、フルメタは予想出来なかったなぁ…
>巨大掲示板の攻略スレに「父と会話すると敵に寝返る」との情報があったので補欠に
>していたら実際は寝返る要件を満たす方が難しかった赤毛の少女
ジルのことだと思われ。だって「神話で活躍する女性」だし。
> >巨大掲示板の攻略スレに「父と会話すると敵に寝返る」との情報があったので補欠に
> >していたら実際は寝返る要件を満たす方が難しかった赤毛の少女
これは蒼炎のジルじゃないかね
でもドラゴンナイトだしな…
>>407 説得担当の王女…シーダ(暗黒竜)
どうみても〜…フュリー(聖戦)
乗っている〜…カリン(トラキア、馬の名前がエルメス)
仲間にするのに〜…ミーシャ(トラキア)
天馬は〜…ヴァネッサ(聖魔、優秀な人の話を肯定)
ラスト4話…エリンシア(蒼炎)
2ch〜…ジル(蒼炎)
たぶんこれであってるはず
そこで
>どれも体型とは関係無い上に違うのが混じ っている気がするが
ってことなんじゃないかね
>「きもちい〜〜い!!ちょ〜〜きもちい〜〜い!!」
ワロスwww北島かよww
そろそろひからびるぞロイwまだ昼なのに一日に何回やってんだよ。
個人的にはイドゥンに封印の剣を突き立てるまで耐えきってほしいんだが
417 :
名無しさん@ピンキー:2006/01/05(木) 00:50:30 ID:1JDYr7CS
剣を突き立てた後はイドゥンの感情を取り戻すため、ロイが獅子奮迅しちゃうんだよW
GJ 天馬騎士ネタ笑った。
ニイメに行くまで頑張れロイ超頑張れ。
そんなの! やってみなくちゃわからない!
GJ ネタだらけだなwどこぞのアニメみたいだ。
間違いなくロイは脱水症状を起こしてるな。
どうでもいいが傭兵雇うのに1件1000Gは安いんじゃないか?
ついにチンコが分身から本体に昇格したのかw
ドルカスは2000で雇われてたような…
聖魔ではビンクス傭兵団(記憶が正しければ)が部隊全体で5000Gで雇われてたと思う。エイリーク編の九話だったか?死に際に5000Gは安すぎるとかほざいてた希ガス。
烈火とかでも同じようなネタなかったっけ?
ファリナの2万が破格らしいからなあ。
ファリナは個人雇用2000のところを2万にふっかけただけじゃなかったか?
三日目の人はガ板住民か…。
正直次のネタは何かなぁ、と思う今日この頃。
最後は「全ロイとヤった女キャラ入場!」とかやったら笑ってまうわ。
32人かよ!みたいな。
神GJ!!
次は3Pか・・・楽しみだww
超GJ
聖戦の系譜やりなおしてブリギット×ミディールにハァハァ…
誰だよ、ミディールって
遅くなったけど3日目の神GJ!
ところどころネタで笑わせられ、しかもエロは濃厚で秀逸ってマジで神
番外編でいいからヘクトル×ファリナをキボンしてみる
×ブリギット
○ブリギッド
あらゆるスレで高確率で間違われてるな
>431
元ネタの方もdで終わるつづりとtで終わるつづりがあるからな。
一々指摘しなきゃならん程の間違いじゃない希ガス。
元ネタはあくまでも元ネタでしかない
やっぱり間違えているには違いない
多分あまり間違いには関係ないだろうが、ティアサガだとブリギットなんだよな。
というか両方一発変換ってことは、俺も結構間違ってたのかOTL
カキコからもそれ書いている人の性格って伝わってくるもんだなー。
>>404辺りを見て何となく
このシャニーたんは陥没乳首では無いかと余計な思いを巡らせた。
レビィンとかけっこう見かける
女でも陥没乳首なんてあんの?
うちの母ちゃんが陥没してる
ズッコケ三人組X
エフラムはゆっくりとラーチェルの身体に手を伸ばした。
彼女の元々短いスカート。その下からちらりと見える白いショーツ・・・・・・その下は・・・・・・
エフラムにとっては、未知の領域。全ての、自分も決して例外ではない、人間が生まれてくる、女の園。
エフラムはそおっと、ショーツの中央を横にずらした。そのわずかな布に隠された、全ての女が持つ、人間の故郷。
エフラムは目を瞠った。彼が初めて目にする、正真正銘、女のおまんこである。
こんなにも生々しく、見ているだけで何だか異常な気分にさせられる・・・ただし、それは決して不快ではない。むしろ、快楽。
双子の妹のエイリークでさえ見せたことのない女の園を、今、ラーチェルが魅せていた。
エフラムはそっと指で触れてみた。生々しいうねり、そこは時折熱く火照り、淫らな蜜を垂らしていた。
エフラムの頭上で、悪魔が囁く。
「挿れちゃえよ〜」
エフラムはじっとラーチェルの園を見つめると、やがて深々と一礼した。
「いただきます。」
そして、エフラムの亀頭とラーチェルの園がピタリとくっついたそのとき・・・・・・
ラーチェルの身体がビクン!と、反応した。
「きゃあ!エ、エフラム!何をなさいますの!?や、やめなさい!!!」
気が付いた彼女。しかし、もうエフラムの欲情は、治まらないところまできていた。
「誰かー!!!助けてー!!!」
ラーチェルの悲鳴が辺りに響く。それに反応するかのように、3つの人影が姿を現した。例によって、ロス、ユアン、アメリアの3人である。
「助けてくださいまし!私!エフラムに手篭めに・・・」
ラーチェルがそう言いかけたそのとき、アメリアが無言で自分のミニスカートの下のパンツを脱ぎ、それを丸めて、叫ぶラーチェルの口に押し込んだ。
「!!!」
そして、彼女の右腕と右足をロスが、そして左腕と左足をユアンがそれぞれ押さえ、アメリアはしゃがんでラーチェルの頭を押さえた。
そして3人は一斉にエフラムに向かって叫んだ。
「エフラム様、やっちゃえ〜♪」
おしまい
どなたか第19章のログ持ってる方いませんか?
>>437 レビィンはEBのユグドラルアンソロジーだかの誤植を
面白がって2ちゃんで使う奴が何人かいて広まっていった。
ブリギッドやシグルドが素で濁点を間違われるのとはちょっと違う。
中には「ヴィ」が出せないってやつもいるかも知れんがな。
446 :
名無しさん@ピンキー:2006/01/15(日) 14:06:50 ID:p5szskd6
あげ
447 :
名無しさん@ピンキー:2006/01/15(日) 15:09:06 ID:lb1Eh6h4
つーか作品のレベル低くねぇ?
何を今さら
>>447 ではあなたの超一流の作品とやらを読ませていただこうかw
もっとも、あなたの作品はどうせパクリだろうがね、パスカリ君www
普通に面白いの多いと思うけど。
まぁ、エロエロな作品は少ないかもしれんが。
陵辱分が足りない
>>451 狂おしく同意したい。
FEといえば捕虜陵ry
ベルウィックサーガの女キャラが捕縛されたときの台詞を見るとやはり・・・(*´д`*)ハァハァ
>452
何で陵辱多いんだろうなぁとずっと思ってたよ。
……という事は本来、如何に無事で済ませるかというゲームな訳か……
そりゃあヤリマンではつまらないだろうな
陵辱、特に名無し相手や輪姦だとFEという素材を使う必要性が薄くなるんだよね
陵辱といえばレニー。
レニーといえば陵辱。
本編で拷問シーンの描写がされてたのだけはガチ。
そういやパブロフも画面上で鞭らしきものを持ってたっけ
キャラクターがFEであることに意味がある。
俺の萌えキャラクターが名前も知らない山賊やらにあんな事やこんな事を
それが陵辱輪姦クオリティ
下手な純愛ものよりも、名無しの兵士に輪姦されるほうがよっぽどリアリティーがあるもんな
くやしい…
抵抗できない…
こんな奴に…
ビクッ ビクッ
山賊になってフィオーラを犯し尽くしたい。
Pナイトは輪姦が似合う。
フュリーとエリンシアは山賊輪姦がガチ
ペガサス串刺し、輪姦妊娠堕胎させ、
ペガサスのチンポ切り取り突っ込んで栓して芸術的にフィニッシュ。
同時進行で意中の男が別の女とやりまくってたり
斬られた男の首がコロコロ転がってくるとなお良し
場所はやっぱり泣き叫んでも助けが来ない人里離れた山林だよね。
それか、山賊のアジトで大勢の男達に取り囲まれながら。
465 :
名無しさん@ピンキー:2006/01/17(火) 17:26:43 ID:7aIeUprT
あげ
聖戦の子供世代の某踊り子なんかは犯されたとしか思えないし
ぶるぶる
ザ・フューリー ハード
い、いやっ!誰か・・・たすけて・・・
やっ!んむっ
くっ・・・、はぁっ、はぁっ!
あっ!だめ!
あぁっ!いや・・・、いやああぁっ!
>>470 学校に遅刻しそうだから早く家を出たいのに
母親にパンを無理矢理食わされてる女生徒って感じがする。
それはそれでいいな
>>473 うん、同じく笑ったww
>>466 んーと、封印より前は持ってないけどなんとなく分かる。
封印からそういうのがありそうな人って思いつく限りだと、
キャスとかセライナ(幼少時:身売りがうんぬん)かな・・・
他いるかなぁ・・・うーん・・・
いや、加賀の作品はもっと露骨な暗示をしてくるぞ。
それにしても作品こないなー、この流れのせいか?
加賀を輪姦
ラドネイが「男の人かそばにいるだけで気持ち悪くなる」とか言ってたのがなんかなまなましかった
ラクチェが言ってたヤられた友達ってのがラドネイなんだろw
Pナイトには山賊が似合うが
ソードファイターには下級兵士が似合うな
まんまゲーム中でやられやすい相手だな
蒼炎がいい
シスターは何だろうな。やはり山賊か海賊か。
シスターは牢屋で名もないソルジャーにヤられるのがぴったり。
賊だとレナ、マリーシア、エーディン、サフィ、エンテ、レネあたり
兵士だとマリア、ユミナ、サラ、リベカ、レティーナ、エレン、ナターシャあたりが思い浮かぶ
ただ、ニーナやエリスやネイファやカトリがじじい共にネチネチいたぶられるのが好みかな
ゼフィールは童貞
そういえばサラは葉っぱの愛人ってのが定説のようだけど
その根拠って、エピローグのリーフの元で幸せに〜ってやつ?
俺はクリアしても何とも思わなかったんだが。
クリムゾンの聖魔の傷跡をノベライズしようか?
('ο`;)
葉っぱ
リーフ
葉ぱ
リフ
ネットで見れる
これでじゅうぶんだろ
ひぎっ! \ ビクビクッ /媚 潜入捜査
はぁはぁ\ ビクッ! / 薬
くやしいっ・・・!! \ ぶるぶるっ /
\ /電撃
ん あああああっ!!! \∧∧∧∧/ 抵抗できない・・・!
ん < ク > 痴
ん こんな奴に・・・ < 予 リ > 漢
んんん―――!! < ム > 撮影
─────────< 感 ゾ >──────────
完全攻略 < ン > ド
ダ < !!! の > もみもみ ク
ン 総 /∨∨∨∨\ ン
シ 集 / FIGHT \ グチュッグチュッ ド
ン 編 /ハ pure \ ク
グ / | 極 \ レ ン
クイーン / ド 堕 \ロレロ
何度見ても笑いがこみ上げてくるよ。
ダンシングクイーンって何よ
ニーナ絡みのエロ妄想が止まりません。
ニーナ×ガーネフとかニーナ×ボアとかニーナ×一般兵士とか。
あくまでニーナは攻めなのか
そらハーディンも泣き腫らして目ぇ真っ赤んなるわな
>>495 ガーネフもボアももったいない。
ニーナみたいなモンはカミュとかいう普通の男で十分
ニーナはグラディウスで自慰
ニーナよりもニーメキボン
ここのスレ最後に読んでから寝たら
終章でアシュナードがエリンシアの処女を奪ったすぐ後にアイクと無理やり繋げて
「さて、どちらの子種が勝つか楽しみだなガウェインの息子よ」つってる夢を見た
影響受けやすいな
>>486 なんかのイベントで関係者がそれらしいことを言った
ってのを聞いたことがあるが真偽の程は俺はしらん。
504 :
名無しさん@ピンキー:2006/01/26(木) 00:45:41 ID:SAdHsp3J
亀レス亀反応で申し訳ないですが、18〜19スレ目の
「特別」の小説は、一番読みたかった形のアーサー×フィーの小説でした。
ごちそうさまでした。
サラは信用の置ける村に前髪ドリルと一緒に匿ってもらって
たまにリーフがお忍びで会いに行くという妄想
ドリルは教団内部の暴露本かいたりしてたから
結構活動的だったのでは?
なんかそう書くとリアルだな<教団内部の暴露本
結構売れそうだ。
ちょっと読んでみたい。
*音声は変えてあります。
職人さん来ないな・・・・・・
正直、残り容量が微妙なので投下しづらいと思ってる奴がここにいる…
自分長文癖が物凄いので…
短い小話が書けるようになりたいよママン
つ「隣の芝は青い」
残り容量が微妙なので、とりあえず現段階のまとめを。
20章まとめ
>27-33 封印エリウッドおじさま×リリーナ(外伝 ◆9QlRx9nooI)
>39-49 外伝ギース×セリカ強姦SS(外伝 ◆9QlRx9nooI)
>63-66 セクハラ(ダミアン ◆.lt5gYzbQ.)
>74-77 封印ロイ×乳母レベッカ(外伝 ◆9QlRx9nooI)
>81-88 外伝セリカ誕生リプリカ強姦SS(外伝 ◆9QlRx9nooI)
>98-104 聖戦アーサー×イシュタル(◆Z9Z6Kjg2yY)
>110 ギィ小ネタ(ダミアン ◆.lt5gYzbQ.)
>132 フュリー陵辱(132)
>140-144 紋章ユミナ王女陵辱(外伝 ◆9QlRx9nooI)
>152-157 紋章オグマ×ユミナ王女(外伝 ◆9QlRx9nooI)
>159-161 フロリーナ×セーラ(通りすがりの絶世美王女 ◆.En.xWsnXw)
>174 ズッコケ三人組V(ダミアン ◆.lt5gYzbQ.)
>180-194 3日目攻城4 ロイ×スー(180)
>210-218 天国と地獄の跳ね橋 ルセアネタ(988%マシン ◆ka5BrNUzcE)
>245 プリシラ小ネタ(ダミアン ◆.lt5gYzbQ.)
>250-264 きがかり消去〜KISSING UNDER THE MISTLETIN (988%マシン ◆ka5BrNUzcE)
>278-279 ニノちゃんの一年クッキング(ダミアン ◆.lt5gYzbQ.)
>287-298 ミルラ×ドズラ(前スレ353)
>309-317 優しい瞳で私を見て ヴァルター×セライナ(305)
>321-324 少年少女合唱隊(ダミアン ◆.lt5gYzbQ.)
>328-343 >346-360 二人だけの道 フランツ×アメリア(千葉犬)
>376 ズッコケ三人組W(ダミアン ◆.lt5gYzbQ.)
>392-405 3日目攻城5 ロイ×シャニー(180)
>440 ズッコケ三人組X(ダミアン ◆.lt5gYzbQ.)
訂正・補完がありましたらよろしくお願いします。
超乙
___
/ ヽ\
│ │
へ- ─ヾ │
─ ─ ∂ \
| し 丶 √ │││
| ト-=ヽ │ ││
\ / │ │
/ ゝ── /ノ 丿
( \__ / /│
わたしは じしょう うらないし
しごとはできませんが
あやしいじゅもんがつかえます
よろしければ
いっしょにすんでください
少し早いですが、長編SS投下促進のため新スレ立ててきますね
「あ、あの、わし・・・・・・どうなってしまうんじゃろか?」
びくびくと脅えるマリナス。彼は今、飛竜の鞍に仰向けにくくり付けられていた。
両腕は、手首を後ろ手に縛られて、飛竜の首筋にしっかりと固定されている。
同様に、両脚も同じように縛られて、鞍から落ちないようにしっかりと固定されていた。
そして・・・・・・
「さあアンブリエル。準備はいいかい?」
その飛竜の主人が姿を見せると、飛竜はけたたましく鳴いた。その獰猛な鳴き声に、マリナスはさらに脅えた。
「ど、どうか、命だけは!命だけはあ!!!」
思わず命乞いをするマリナスを、飛竜の主人・ヴァイダは睨みつけて、そして笑った。
「さあね。死にたくなかったら、まあ、がんばるこった。」
「ヴァ、ヴァヴァヴァヴァイダ様あ〜!」
「情けない声を出すんじゃないよ!あんたそれでも男かい!」
そう言うとヴァイダはマリナスの下腹部をぐいっと掴んでおもいっきり引っ張った。すると、彼のズボンがビリビリに破けて、
恥ずかしい部分が剥き出しになる。
「ほお、なかなか立派なもん持ってるじゃないか。さあ、立ててごらん。」
ヴァイダは素早く飛竜の背に飛び乗り、鞍の鐙に両足を掛けた。すると、マリナスのちょうど真上にヴァイダの股間が来る。
「ヴァ、ヴァイダ様・・・・・・」
彼女のスリットの隙間から見える股間・・・そこには、一片の布地もない。しかも、マリナスの頭の位置からは、はっきりと見える。
当然、マリナスの海綿体は急激に充血し、その陰茎は真上に向けて持ち上がる。
「ほお・・・、あたしのここで大きくなるのかい。悪い気はしないねえ。」
ヴァイダはやや嬉しそうな顔をすると、マリナスのその男根の上に腰を掛けていく・・・・・・
「う・・・んふ・・・いいじゃないか・・・なかなか・・・」
ヴァイダの股間がマリナスのモノを根元まで咥え込むと、ヴァイダはすぐさま飛竜に命令する。
「さあアンブリエル!飛び上がるんだ!」
咆哮一声。飛竜が羽ばたき、今までいた場所が次第に下の方に遠ざかってゆく・・・・・・
そして、高度8,000mほど行った場所・・・・・・
「ふっふっふ。それじゃあ、始めるかねえ♪」
「ヴァ、ヴァイダ様、一体何を・・・?」
「決まってるじゃないか。さあ、アンブリエル、急降下だ!」
ヴァイダの号令と共に、アンブリエルはその大きな翼を小さく折りたたみ始めた。そしてアンブリエルの頭部が真下を向いたそのとき・・・
「ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいぃぃいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!」
おしまい
(゚∀゚)「シゲンでーす」
(^ヮ^)「カトリです」
(`Д´)「イストバルでござ」
::。゚+:。 。:*゚。::
(゚∀゚)=◯)`Д´(◯=(^ヮ^)
埋め。
特にオチはない。
ども、マシンっす。
埋め立て代わりに聖戦のアサユリ投下します。
怪匠・石井聰亙の映画に影響されている恐れがありますので、
原作汚しの予感を覚えられた方は充分ご注意下さい。
本作品で用いられる度量衡の単位は、SI単位系に揃えてあります。
FE世界にそぐわないと思われる方はご注意下さい。
では投下開始。
盗み食い、他愛も無い悪戯、友達への苛め――
幼い彼がそんな悪行に走った末に受けるお仕置きと云えば、いつも雷だった。
笑顔を絶やさぬ優しい母親が恐ろしい雷神へと豹変し、彼を見下ろして仁王立ち。
雷神トールの末裔だった母親の雷撃は、もはや幼子に浴びせる代物ではなかった。
八万ボルトにも及ぶ強力な電撃。筋肉の硬直に伴う激痛と、肌を灼く痺れ。
生命の危険を本能的に感じながら、彼は涙と洟を垂れ流しながら必死で謝る。
「ごめんなさいもうしませんだから許して――」
母は雷撃を止めると、普段と変わらぬ優しい笑顔で彼を抱き締めたものだった。
やがて父が死に、母と妹と共に幸せな日々は彼から去った。
天涯孤独な身の上となっても、彼の身体は母の思い出をしっかりと記憶している。
激しい怒りや興奮を感じると電撃が抑えられない。子供の頃頻繁に浴び続けた
八万ボルトの電撃が、血筋と相まって彼を放電体質へと導いたのだろう。
誰もが恐れて避けた彼の体質は、しかしセリス皇子の解放軍にあって重宝された。
リボーのダナン王、イード砂漠のクトゥーゾフ――
そして従兄弟であるメルゲンのイシュトー王子――
解放軍の命運を分ける主要な戦いにおいて、彼はいつも最前線にその身を置いていた。
母と別れて後の人生はただのおまけに過ぎない。彼に取っては惜しくもない命だった。
思う存分戦い、本能の侭に八万ボルトの電撃を解放し、
そしていずれは戦場に死ぬ。
なんともシンプルな生き様ではないか、と彼は思っていた。
アルスターから解放軍を討つべく駆け付けた、一人の魔法少女と出会うまでは。
フリージ特有の豊かな銀髪を、赤いリボンでツインテールに結い上げた小柄な少女。
彼女が首から下げていたペンダントは、間違いなく彼と揃いの品。
しかし彼女が肉親であると本当に実感したのは、雷撃魔法を浴びた後だった。
筋肉の硬直に伴う激痛と痺れ。肌から背筋を通って脳髄まで灼ける感覚は、
正しく彼の記憶に生き続ける、八万ボルトの雷撃魔法だった。
「ティニー?ティニーか?!」
「……兄さま?!」
八万ボルトの人間同士は、彼らが家族であったと直ちに理解する。
敵味方の立場よりも家族愛の方が大切。アナキン=スカイウォーカーだってそうだ。
アナキンはパドメの為に暗黒面に堕ち、ルークの為にジェダイへと戻ったのだから。
閑話休題。
八万ボルトの兄妹は戦場のど真ん中でひしと抱き合い、涙を流して再会を喜ぶ。
彼らの周囲は血飛沫や肉片や断末魔が飛び交う、阿鼻叫喚の地獄絵図と化している。
しかし兄妹を邪魔する者は誰一人いなかった。
なぜなら感情の高まった二人が放つ八万ボルトの電撃が、不用意に近づく者全てを
黒焦げの消炭へと変えてしまっていたから。
もう一人ではない。二度と捨て鉢な戦い方はしないし、自分勝手な行動は取らない。
自分が死んだら悲しむであろう妹が、これからは彼の傍にいてくれるからだ。
そう、彼こそは――
――電気と感応し!!
――妹と心を通わせる!!
――少年!!
ア ー サ ー ! !
ついにアルスターから帝国の勢力を駆逐した解放軍。激しい戦いで負傷した兵も数多い。
ある者は背中に大量の矢を浴びせられ、ある者は鎧の上からヘヴィランスで胸を貫かれ、
またある者は斧で腕を盾ごと切り落とされ、病院代わりに接収されたアルスター城下の
大きな屋敷の中でうんうん呻いていた。
夏の暑い盛りともなれば、手当ての不十分な傷口が化膿して独特の臭いを放つ。
高熱が出て、それが怪我人の体力をさらに奪う。マナのような普通のシスターでは、
例え夜を徹してライブの杖を振るった所で彼ら全員を救うのは難しい。
しかし彼女は違った。
魔力が高いおかげか適正があるのか、扱い辛いはずのリライブの杖を振り回して、
♪ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ〜
ただのたんぱく質の塊と化しかけた重篤な怪我人でさえ、たちどころに治してしまうのだ。
それは治療と云うよりも、修理と呼んだ方が適切な表現だった。彼女は傷病兵の苦痛を
和らげるとか彼らを励ますといった情感の、まったく伴わない修理を淡々と捏なしてゆく。
にも関わらず、怪我人は彼女を神のように崇めて感謝する。
「ありがたやありがたや――」
何か得体の知れない、けれども神々しい聖光が、彼女の背から差しているように見えたからだ。
今日もまた一人、五体を引き裂かれた傷病兵が完癒して、足取りも軽く屋敷を去ってゆく。
彼女がその背を目で追ってゆくと、兵の行く手に聳え立つのはアルスターの大きな城。
コノートに逃れたフリージ軍が、レンスター再奪還を目指して進軍を準備していると聞く。
解放軍としてはそれを撃退し、勢いを付けてコノートまで攻め落としたい所だ。
怪我を治したこの兵も所属する部隊へと戻り、そして戦いの舞台へと戻るのだろう。
再び彼を治す事になるのだろうか。
そうなったら――
戦死よりは喜ばしいが、無事に戻るよりは悲しいだろうな、と彼女は思う。
何かが突然彼女の心に触れた。
普段のおっとりした目付きから、不安に満ちた険しい表情へと変化を遂げた彼女は、
息せき切って城へと駆け出す。
番兵への挨拶もそこそこに門を潜り、鎧や戦闘服に身を包んだ仲間に目もくれず、
彼女は最上階に設けられた城主の執務室へと駆け込む。
「……セリス、気をつけなさい」
「セリス?」
解放軍の盟主であるセリス皇子は、聞き慣れた声による聞き慣れない口調を耳にして
闖入者を確かめる。普段の彼女ならば、自分の事を「セリス様」と呼ぶはずではないか。
いったい彼女に何が起こったのだろう。
セリスは出撃命令の書類から目を離し、よくよく彼女を観察してみた。
変わっているのは口調だけではない。
表情から物腰まで、まるで人格が入れ替わってしまったように見える。
彼女はうつろな目でセリスの視線を捉え、なおも彼に注意を促す。
「……イシュタルは恐ろしい敵……戦ってはなりません」
確かにセリスとしては、雷神の異名を持つフリージの姫君とは戦いたくない。
彼女の言葉はセリスも同意する所ではあったが、しかしもしイシュタルの方から解放軍に
戦いを仕掛けてきたらどう対処するのか。軍を束ねる指揮官としてセリスは彼女に問う。
彼女はセリスの言葉など耳に入らぬように、ただ同じ言葉を繰り返した。
「……イシュタルは恐ろしい敵……戦ってはなりません」
「……イシュタルは恐ろしい敵……戦ってはなりません」
「……イシュタルは恐ろしい敵……戦ってはなりません」
――電波だ。紛う事なき怪電波そのものだ。
それがセリス皇子の、彼女に対する正直な感想だった。
そう、彼女こそは――
――兵士を修理し!!
――怪電波をキャッチする!!
――謎の少女!!
ユ リ ア ! !
そんなこんなでコノートから出て来たファバルは街道側に、イシュタルは上手いこと
森に誘導して足を止めつつ十二ターン目をやり過ごす。
トールハンマーを持たないブルーム王など、合体を阻止された勇者特急隊ほども怖くない。
あっという間にコノートは陥落、解放軍は勢い付いて南へと軍を進める。
そして押さえたのはトラキア半島最大の都市マンスター。
「トラキアの臍」と呼ばれた交通の要所たるこの街が舞台となる。
ユリアは魔力において、また魔術において、解放軍のどの面々よりも優れていた。
治療の杖のみならず、数多の魔道書を簡単に使いこなす。それどころか先読みにも
その能力を遺憾なく発揮し、占い屋の真似事まで始めたのだ。
これが解放軍に参加した女の子の間で、よく当たると評判になった。しかも無料。
占い屋の爺様は飲んだ暮れの日々。たまたま酒場に寄ったアーサーにも愚痴をこぼす。
「商売上がったりだから、こうやって酒飲んで暮らすしかないんだよ」
爺様は卓上の花瓶に手を伸ばし、真紅の花に触れようとする。
茎の棘が指先に刺さり痛い、と爺様は顔を顰めた。
「結構優雅な暮らしじゃねえか。引退して『酒と薔薇の日々』だなんて実に洒落てるよな」
くくく、と忍び笑いを漏らしたアーサーを、爺様は不愉快だとばかりに睨み付けた。
「冗談じゃないぞ若僧。あの小娘は儂みたいな玄人の常識を超えた占いをしやがるんだ」
アーサーは明後日の方向を見ながら聞き流した。自称玄人にロクな奴はいないのが常識だ。
「あの小娘、今までどこで何してたか知らないが、ありゃちょっと神掛かってるぞ。
信じられないなら一度見て来い。とんでもない事がきっと起こるはずだ」
「別にいいよ。俺占いには興味ないし」
爺様は立ち上がり、アーサーの胸倉をぐいと掴んだ。見て来い、と威圧しながら繰り返す。
アーサーはその剣幕に思わず頷いた。
頷いてはみたものの、爺様との約束を守る理由などアーサーには全くない。
ユリアの占い屋を覗いてみるにせよ、他の用事を片付けるついでで充分だろう。
ぶらぶらと城下の市街地を探索しながら、アーサーは首に懸けたペンダントを弄ってみる。
可愛い妹と揃いの品だ。今頃は昼食を終えて、友達と仲良く話し込んでいる所だろうか。
解放軍の女の子は親切で気さくな人間が多い。ティニーも周囲の明るい空気に感化されたのか、
引っ込み思案だったのが最近ではよく笑うようになった。
それはアーサーにとっても喜ばしい事ではある。ただし――
妹が自分の事を頼らなくなってしまうのは、矢張り寂しいものだ。
少しぐらいは自分に甘えてくれてもいいのに、とアーサーは思う。
新作の雷魔法でも出ていないかと本屋に足を踏み入れるが、目当ての品は棚から姿を消していた。
一つだけ残っていた電撃魔法の表紙には、『Sold out』の無情な貼り紙。
「何で売り切れなんだ?」
店主の胸倉を左手で掴み、八万ボルトを纏った右手をグーパンチに握る。
危険ですので良い子は絶対にアーサーの真似をしないで下さい。食らったら死にますから。
死にたくはないので、店主は実に正直な態度で怒り狂う客の質問に応じた。
「昨日女の子がふらっとやって来て、ありったけの雷系魔法を買い込んで行ったんですよ」
アーサーの剣幕に、店主が恐れ戦きながら答える。そりゃ八万ボルト食らったら普通死ぬってば。
「どんな子だ?髪の毛は銀色だったか?」
ティニーが買ったのならば文句もない。元々雷魔法の得意な妹に買ってやろうと思っていたからだ。
けれども店主の答えは彼の希望的観測と少し違っていた。
死への恐怖が強過ぎたのか、店主は言わずとも良い事までべらべらとバカ正直に話してしまう。
「ええはいそうです。長い髪の毛を真っ直ぐに下ろした、優等生みたいな大人しい女の子でしたよ。
高価そうな衣装を身に着けていたけど、あれってやっぱり巫女さんの装束なのかな――」
――ユリアだ。
黒焦げになった本屋の店主を捨て置いて、アーサーは一目散に城へと駆け出した。
城の正門から玉座へと真っ直ぐに伸びた回廊の一部はサロンになっており、そこに解放軍の
女の子連中が押し寄せていた。皆ユリアの無料占いがお目当てだった。
占い屋さんの社会的な機能とは、率直に言ってお悩み相談室である。女の子の側にとっても、
相談相手が同性だからこそ打ち明けられるという、本職の爺様にはないメリットがあった。
二股、三角関係、不倫――
そういう女の子のドロドロした恋愛感情に対して、ユリアは淡々と的確なアドバイスを送る。
シャナンを巡っていがみ合っていたラクチェとパティが、相談を終えて仲良くその場を後にする。
ティニーの順番が訪れた。
ユリアと向かい合って、しかし彼女は何も話せない。元々極度の引っ込み思案で口下手なのだ。
「あ、あの――」
それだけ言ってもじもじと俯くツインテールの少女。引っ込み思案だけど毒舌メールは打たないよ。
いつまで経っても口を利く気配を見せないティニーの態度に対し、行列の後ろに並ぶ女の子たちの
表情が苛立ちを増してゆく。それらを一通り見渡してユリアが尋ねた。
「貴女の悩み、私が読みましょうか?」
「は、はい――」
ユリアの提案に、ティニーはこくこくと頷いた。ユリアは深く息を吸い瞑目する。
再び瞼を開き、ユリアは読めましたよ、とばかりに声を張り上げた。
「私はっ、 貧 乳 で困ってます!!」
女の子ばかりで占有されたサロンの空気が凍り付く。
互いに囁き合う声がざわざわとサロンの天井に反響する。
――そりゃペッタンコだしね。
――詰め物してるけど、バレてないと思ってたのかな。
――しっ、そんな事言っちゃダメだよ。ティニーがカワイソウでしょ。
空間に渦巻く同情と哀れみの感情を一心に浴びて、ティニーがめそめそと泣き出す。
誰も彼女を慰めようとはしない。不用意に近付けば、彼女の体表を覆うように展開した
八万ボルトの電撃で黒焦げにされるからだった。
そこに突如迷い込んだ銀髪の少年。
ティニーが彼の存在に気付き、兄さまと泣き叫び青白い雷を撒き散らしながら駆け寄る。
自分の胸に顔を埋めた妹の頭を掻き抱く。ティニーの悲しみはアーサーの悲しみでもある。
取り囲むように距離を置いた女の子たちの先に、妹を泣かせた張本人が立っていた。
使えもしない雷魔法を買い占めて、その上大事な妹まで泣かせて、それでいて平然としている。
――許せない。
八万ボルトの血流パルスが、アーサーの内在している様々な感情を叩き起こす。
それらは干渉して強め合い弱め合い、雑多な感情はノイズと共に平方根の速度で自由誘導減衰し、
やがて一つの純粋な感情が明瞭なシグナルの形で増幅してゆく。
アーサーが八万ボルトの怒りをもって睨み付け、ユリアは彼の視線に対してにこりと会釈する。
その途端に感情が閾値を超え、アーサーは獅子のように咆哮した。
電気と感応し、妹と心を通わせる少年。
兵士を修理し、怪電波をキャッチする謎の少女。
決して出会ってはならない危険な二人が、ついにこの瞬間邂逅を果たしてしまった!!
――何で!!
――俺を!!
――怒らせた!!
強引に手を取って自分の部屋に連れ込んだユリアに、アーサーは怒りも露に問いかける。
けれどもユリアはあくまで冷静な態度を崩さない。落ち着いた口調で答える。
――怒った
――貴方に
――逢いたかった
ユリアはそれが為に、使えない雷魔法を買い占めてティニーを泣かせたという。
全く理由になっていないではないか!
けれども怒りとは理屈ではない。どんな小賢しい理屈を捏ね造り上げ聞かせた処で、
アーサーの怒りを収めることは不可能な仕事だった。
「うおおおおおおおおおおおぉっ!!」
全身に青い雷精を走らせ、アーサーはユリアめがけて突進する。
体当たりが決まり、ユリアはアーサーもろとも寝台へと亜音速で吹き飛ばされる。
敷布が波打ち、ユリアの華奢な身体が八万ボルトを帯びたまま仰向けに横たえられた。
妹を泣かせ自分を怒らせた憎い憎い相手ではあるが、ユリアもやはり年頃の女の子。
彼女に圧し掛かれば鼻腔を擽る甘い匂い。懲らしめてやろうと、アーサーは唇を強引に奪う。
いやいやと首を振って抵抗するユリアの身体を、アーサーは乱暴な手付きで弄った。
少女らしい肉付きが、高価そうな薄地の衣越しに柔らかく暖かくアーサーの掌を押し返す。
ユリアの肌を直に触れたくなって、アーサーは彼女の衣装を乱暴に引き剥がす。
八万ボルトの電気を帯びた手で襟元を両に引き裂くと、
お椀形状をしたユリアの乳房がぷるんと揺れながら姿を現した。
アーサーが掌に包み込むと、それは誂えたようにすっぽりと収まった。
ぎゅうと鷲掴みにした胸の先端に、アーサーは食らい付く。食らい付いて吸い上げる。
もう片方の乳房に吸い付き、舌先で乳首を舐め転がしながらユリアの衣服をさらに裂く。
露になってゆく。
贅肉のほとんどない腹部。綺麗に窪んだ臍。括れの少ない子供のような腰周り。
雷精を帯びた青白いユリアの肌は、掌を這わせればさらりと乾いていた。
けれどもアーサーが唇で触れれば、しっとりと彼女のほうから吸い付いて来る。
駄々を捏ねるようなユリアの抵抗が徐々に止んで、アーサーの為すが侭になってゆく。
そして――
ふっくらとした尻を撫で回していると、ユリアが両の脚を無意識の内に開いてくれた。
逆三角形をした縮れの少ないユリアの陰毛は、毛質の細さと銀色とが相まって実際より薄く見える。
その下に秘められた彼女の陰部は桜色に染まり、中心からはみ出ている赤みを帯びた肉厚の陰唇が、
濡れそぼってアーサーを誘惑するようにひくひくと蠢いていた。
軽く触れただけで、指先にねっとりとした粘液が絡み付く。前儀の必要さえ無さそうだ。
アーサーは八万ボルトの起電圧で大きく反り返った自分自身を取り出し、ユリアをうつ伏せに
寝転がすと、色白で丸い尻を掴み強引に中へと割り入った。
「ふふ、ふふふふふ」
アーサーの侵入を易々と許したはずのユリアが、不意に勝ち誇った笑い声を上げた。
陵辱の動きをぴたりと止め、アーサーは彼女の様子を確かめる。
長くて真っ直ぐな髪を耳の後ろへと掻き上げながら、ユリアはゆっくりとアーサーを振り返った。
「怒った貴方に抱かれて、八万ボルトで逝かせてもらおうと思ったんだけど――」
妖艶で不敵な笑みを向けて言う。
「――がっかりだわ」
その言葉にアーサーは云い知れぬ戦慄を味わった。
考えてみれば、ユリアはずっと八万ボルトの電気を受け続けている。
押し倒されてから身体の中にアーサーを迎え入れた今まで、ずっと。
そして彼女は膣内に八万ボルトの電撃を流され、それでも平然としているのだ。
ユリアは自分の尻をアーサーの下腹へとゆっくり打ち付けながら口を開いた。
「貴方は子供の頃のお仕置きで八万ボルトの電撃を放てるようになったみたいだけど――」
アーサーは答えなかった。にゅるにゅると蠕動を始めた膣の動きに翻弄されて奥歯を噛み締める。
「私が得意なのは、実は杖よりも光魔法だったのよ。子供の頃の記憶が殆どないのだけれど、
それでも眩しくて身体が融けそうな強い光だけは覚えているの。それも――」
――光量子一個当たり二千万電子ボルトよ
「二千万電子ボルトだって?!」
驚愕の事実に、アーサーはそれだけで射精しそうになった。ぐっと堪える彼にユリアは云う。
「そうよ。貴方の電撃の更に二百五十倍にもなるの。想像できるかしら?」
アーサーの二百五十倍にも及ぶエネルギーを常に帯びていたからこそ、ユリアは八万ボルトの
電撃を浴びていながら何も感じないかのように振舞えたのである。
ただし、今は違う意味で感じていた。
二人の結合部がくちゃくちゃと淫猥な音を立てる度に、ユリアは甲高い嬉声を上げる。
内部へと飲み込まれるような感覚に、アーサーは堪らず顔を顰めてユリアの背に覆い被さった。
アーサーの腕がだらりと下がる。一方のユリアは余裕綽々といった様子で円を描くように腰を振る。
内部に入り込んだ熱い肉を、その形状を確めるように無数の襞で撫で上げる。
「八万ボルトの貴方が、二千万電子ボルトの私に勝てる訳なかったようね。
レスターやデルムッドと同じように、貴方も骨抜きにしてあげるわ」
んっとユリアが軽く力み、アーサーの身体がそれに合わせて軽く痙攣した。
朦朧とする意識の中、アーサーはユリアが巨大化したような錯覚に陥った。
体積比で二百五十倍。二百五十の三乗根はおよそ六.三。
普段の身長を百五十センチ強と仮定すれば、身長約九メートルの巨大ユリアである。
丸みを帯びた尻の肉がまるで丘陵のように聳え立ち、その谷間の割れ目から顔を出した
自分の身長の半分ほどもある割れ目に挿入している。
ひくひくと動く彼女の陰唇が、その周囲に生えたまばらな銀の陰毛と合わさって、
まるでキングコングの映画に出て来る巨大なイソギンチャクか何かのように見えなくもない。
当然の事ながら膣内も二百五十倍。ただしサイズではなくアーサーを締め付ける強さが。
千切れそうになるアーサーの一物を、ユリアの膣が容赦なく捩じ上げる。捩じ上げて彼女は叫ぶ。
トゥイスト・アンド・シャウト。
彼女がとても愉しそうに見えるだろう。
ユリアから逆流するような痺れに耐えながら、アーサーは状況を打破する方策を必死で考える。
陵辱するつもりが、逆にいいように弄ばれてしまっている。
――どうすればいいのか
このまま良いように射精してしまってはユリアの思う壺である。それだけは避けたかった。
けれども核兵器並みの威力を持ったユリアに対し、電撃しか持たぬ身でどう対抗すればいいのか。
射精感が首筋まで辿り着いた。頭頂部まで到達すれば射精してしまう。
妹を苛めた彼女を絶頂に導く事なく――
――どうすれば、いいのだろうか
呆気なく果ててしまう、と思ったその瞬間――
アーサーの脳内に閃きが走った。しかも八万ボルトでは到底説明の付かない輝きを持った光だ。
その光に導かれるまま、彼は千切れそうな締め付けに抗って猛烈な勢いで抽送を再開した。
「ふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんっ!!」
その回転速度、実に一秒当たり二百五十六回!!
コムネット世界のタイムスケールで動き出した胎内に、ユリアは途惑いを隠し切れなかった。
最早ユリアはアヤナミのごとく巨大化したヒロインではなかった。
華奢な身体つきをした普通の女の子に戻ったユリアが、長い銀髪を振り乱してアーサーに問う。
「な、何なの?!何なの一体?!」
賢明な諸君には既に理解して頂けたはずなので、今更説明も蛇足とは思われるが――
ユリアに聞かせる為だけにアーサーは叫んだ。
「八万かける二百五十六は二千四十八万、これで二千四十八万ボルトだああああああっ!!」
たった一.五ボルトの電池ですら、数多く直列に繋いで電流を流せば鉄をも溶かす事すら可能となる。
それと同じ原理によって二百五十六倍の力を得たアーサーが、ユリアの力を僅かに上回った。
ジョイント・ドラゴン・ファイアー。いやファイアーじゃなくてサンダーが正しい。
「やぁあ、――しび、れる――、こんなの、はじめて――」
下腹部に生まれた熱電流が、アーサーから逆流してユリアの脳髄を灼く。
ぐいと背中を仰け反らせも、敷布をぎゅっと掴んでもその痺れは一向に止まらない。
今までユリアが肌を重ねたどの男とも、アーサーは違っていた。
膣内がアーサーの電気によって興奮状態へと励起される感覚に、ユリアは子供のように泣き叫ぶ。
それでもアーサーは反撃の手を止めなかった。
崩れ落ちたユリアの手を取り、自分へと引き寄せながらさらに深くユリアの内部に侵入する。
二千万電子ボルトと二千四十八万ボルトとの激突により生じた凄まじいエネルギーが、
太陽光にも勝る青白く眩い光となって、互いに交わい絶頂を目指す少年少女の身体を包んでゆく!
「あ、ああ、おくに――奥にあたる――やだぁあああああああぁっ!!」
「ぬぅおおおおおおおおおおおぉっ!!」
ユリアの肩ががくりと敷布に落ちる。アーサー自身もほぼ同時に限界を迎えつつあった。
青白いチェレンコフ光が消失すると共に、アーサーはユリアの膣がふっと弛んだのを感じ取った。
ユリアのしなやかな背中にもたれ掛かり、絹糸のように細くて手触りの良い銀の髪に顔を埋める。
その僅かな軋みだけで、二人の交わっていた寝台の脚がポキリと折れた。
通常の二百五十六倍にもなる往復運動と、合計四千四十八万(ボルト?それとも電子ボルト?)
にもなるエネルギーの激突を受け続けたのだから、当然の結果と云えるだろう。
むしろこんな危険な情事によくぞ持ち堪えた物だと、筆者は寝台に対して賞賛の言葉を惜しまない。
着地の衝撃と同時にアーサーは遠慮なくユリアの中に熱い塊をどくどくと放つ。
荒く熱い呼吸をしながら、アーサーはユリアの撫肩を指先でつんと突付く。
それだけで達してしまったのか、ユリアの内部がきゅうと優しくアーサーを抱き締めた。
中に注ぎ込まれたアーサーの精を、一滴たりとも溢すまいとするかのように。
呼吸が収まるに連れ、局部で繋がったままの二人へと心地よい睡魔が訪れた。
翌朝――
アーサーが目覚めた時には、傍らで眠っていたはずのユリアは既に姿を消していた。
寝起きの頭で回想すれば、彼女と交わった事そのものが幻であるかのように思われる。
けれども――
乱れて皺の寄った敷布、腰の近くに残されたまだ性の匂いを放つ湿った染み、
それから自分の隣に残るもう一人分の温もりは現実のそれに間違いない。
壊れた寝台から見て部屋の対角線上に鏡があった。アーサーは鏡面に何気なく目を遣る。
大きく紅で書かれた文字を、アーサーは声に出さずに読み上げる。
――妹さんを泣かせてしまった事、本当にごめんなさい。
――こんな私で宜しければ、また愛して下さいませ。
――貴方のユリアより〜
「『ルージュの伝言』って奴だな――」
例えユリアが妹を泣かせた性悪女だとしても、アーサーは彼女への敵意を不思議と感じなかった。
自分の欲望と共に彼女の中へと悪意を吸い取られてしまったのだろう。だがそれでいい。
抱いた相手が洒落の分かる女だと知って、アーサーは彼女との間に生まれた関係が誇らしくなった。
満足の笑みと共に敷布を跳ね除け、半身を起こそうと彼が試みた途端――
腰を襲った通常の二百五十六倍もの痛みに耐え切れず、
アーサーが上げた通常の二百五十六倍にも相当する悲鳴によって。
マンスターの街に地響きがした、と思って戴きたい。
<<終劇>>
書けたら書きます。
お読み頂き有難う御座いました。ではまた。
あと36KBか…
GJ!何とか今週を生き抜く活力を頂きました(´∇`*)
スレ埋めがてら、烈火モノをひとつ。プリシラ×ルセアです。
36kbには到底足りませんがOTL
その日は、季節外れの大雨だった。
数日前まで乾いていた空が、今や鈍色の雲に覆われて、降りしきる雨が街道を激しく叩いていた。
その音以外に、難攻不落と謳われたオスティア城の回廊を響く音は無い。
あるいは、長く広いその床を歩く人影の足音ぐらいは、誰かの耳に入っていたかもしれないが。
陰鬱な昼下がりだった。
脇目をふることも無く、それでいて急ぐ様子も無い。
淡々と歩みを進めるは、全てが無骨さに内包されたこの城にはおよそ似合わない少女の姿。
ただ外見は可憐でも、昨夜秘密裏に侵入してきた暗殺者集団相手に理魔法で渡り合った戦乙女でもある。
オスティアの城の中のいつも誰かに見られているような空気が、プリシラは好きではない。
ような、と言っても見られているのは事実である。通路の要所には、監視の目が光っていた。
オスティアが主力とする重騎士、けれどもその堅牢さだけでは難攻不落とはいえない。
重騎士は鎧のせいで移動に時間がかかってしまう。そのままでは相手に機先を制されてしまうので、侯爵家お抱えの密偵達も警備に当たっていた。
もっとも今は特別――昨夜の黒い牙の残党の襲撃により死者まで出してしまっており、警戒のレベルも最大のものであった。
(自意識過剰……だとは思うけれど)
理屈では分かっていても、背筋に感じる圧迫感のようなものは消えないままだった。
かつてプリシラのコンウォル家が、オスティアを盟主とするリキア同盟によって取り潰し、一家離散に追い込まれたことを知る者は少ない。
プリシラ自身は最早そのことを恨みに思ってなどいないが、彼女の内心を知る者は更に少なく、ましてオスティアの人間が知る由も無い。
そんな背景が、些細な気配さえ煩わしくさせていた。
幾度も戦場を乗り越え鋭敏になった感覚は、絶え間無い雨音の中でもわずかな変化を拾うことが出来る。
いちいち取り留めの無い考えをしながらも、歩みは変わらず回廊を進んでいった。
勝手知ったる――というわけではないが、城の構造は大まかに把握している。
プリシラの目的地は決して秘密の部屋などではなく、むしろ城内の人間なら誰でも知っているような場所であった。
いつもは騎士達が訓練を積むのであろう修練場も、同僚の死を悼むように静まり返っていた。
ひたすら広いその床を横目に、プリシラは歩き続けた。もうその場所は近い。
視界の先に入ったステンドグラスは、特に豪奢ということもない平凡な造りだった。
それを包む重々しい白亜が、オスティアの質素剛健を主張しているようにも見える。
磨きぬかれた木の扉に手を掛ける。一瞬辺りを窺い、細く扉を開けて中に踏み込んだ。
そこはオスティア城に併設された、エリミーヌ教の教会だった。プリシラも伯爵令嬢の嗜みとしてその教えを受けたことがある。
奥の広がった空間には、大きな石を切り崩し彫ったのだろう聖女の像と、それに向き合って軽くうな垂れているような後姿。
聖職者の法衣、流れるような金髪、プリシラはおもむろにその名を呼んだ。
「――――ルセアさん」
「プリシラ様」
不意の呼び声にやや慌てて振り向き、ルセアは主君に歩み寄った。
「少し……待たせてしまったようですね」
「い、いえ、とんでもありません」
ルセアがここに呼ばれたのは、昨夜の暗殺者達の襲撃による負傷者の治療が一段落した頃だった。
“ルセアさん、今日……少し時間はあるでしょうか?”
“わたしですか……ええ、これから、亡くなった方の弔いをしなければなりませんので、その後ならば”
ルセアもプリシラも治療の杖は使えるが、弔いに参加するのはルセアを始めとする聖職者のみ。
その準備に追われる彼らに代わって、プリシラなどの聖職者以外の杖使いは弔いの直前まで治療にあたっていた。
“構わないです。弔いが終わりましたら、後ほど私が教会に参ります”
半ば一方的な待ち合わせの約束。ちょっとした用事なら、彼女個人に護衛として仕える魔道士の少年に言えばいいものを……と思いつつも、
ルセアはそういったことには慣れていたし、主君の意向をいちいち詮索する従者でもなかった。
彼も最初は、あまりプリシラに好印象は持ってはいなかった。
彼がコンプレックスとしている、男でありながら女性的な容姿や物腰を、事あるごとに揶揄してくる彼女の態度に内心では辟易していたものだ。
もっとも、今ではそれも少なくなり、逆に彼女に感謝するところも大きくなった。
プリシラは彼の主君の妹、今となってはただ一人の、近しい絆を持つ血族。ゆえにレイヴァン――レイモンドにためらいなく直言出来る。
ルセアにはたとえ心で思っていたとしても出来ない真似であった。
彼にも主君と生まれてから人生の殆どを主従として生きて来た自負がある。が、それも主が正道に帰れるのなら些細なことだった。
「それで……何かわたしに御命でも……」
「何か用が無ければ、私はあなたに会ってはいけないのですか?」
「そんなことはありません。……しかし、その」
「別に用が無いというわけでもありませんが」
言いよどむルセアの声をプリシラは遮る。二人の間に沈黙が降り、ただ雨音が広い教会に染み渡った。
ルセアは余程のことがない限り、主君から一歩引いた態度は崩さない。
それが孤児院より拾われてから叩き込まれた彼の従者像だから。そのことに、特に不満も無かった。ややあってプリシラが言葉を継ぐ。
「確かに、私のような人間が、こんな人気の無い所で男性と二人きりで会うなどという行動は、軽率と言われてもおかしくないでしょうね」
「でしたら――――」
「けれど、私はあなたを信頼しています。それにあなたは臣下であると同時に聖職者で、ここは教会。何か、おかしいですか?」
歌うようなプリシラの声は、嫌味なぐらい楽しげだった。
「わたしが僭越でした」
「許します。……間違っていることでは、ありませんから」
主従二人の間は、足の一歩分離れたまま硬直している。
翡翠色の虹彩に目を向けても、ルセアには彼女の真意は読み取れなかった。
「それに、あなたのそういったところは……嫌いではありませんよ」
プリシラはまた、静かに微笑んだ。
(一体、何故わたしは呼ばれたのだろう……)
口にこそ出さなかったが、ルセアはますます疑問を深める。
それでも同じ質問を繰り返すのは賢明ではなく、彼女の顔から察するしかないのだが、その微笑に思わず目を奪われる。
そこはかとない、優雅さ。内から滲み出るそれを感じる度に、彼女との育ちの違いを思い出させる。
いたいけな少女の風を残しながら、仕草や表情の端々に見え隠れする艶やかさが、奥床しさと相俟って……
……今までどれだけの男性が釘付けにされたか、容易には想像しかねた。
ルセアには以前、エトルリアの貴族と勘違いされたことがあったが、彼女の纏う空気が本来のそれならば、自分にそんなものは無いと彼は思っていた。
それに淡い色のくちびる、白い頬にあるかないかの紅さ、そして――――ルセア自身は良識を十分に持っていたので不躾に目線を下げることはしなかったが――――
女性らしい形を描き始めている肢体を意識する度に、やはり女性とは彼女のような存在であって、
自分は誰が何と言おうとそうはなり得ないという、安堵にも似た感慨を抱くのだった。
「ルセアさん」
半ば自分の思考の中に沈みかけたルセアの意識は、ただの一言で湿っぽい教会の中に引き戻された。
またも不意を突かれたが、今度は返事すらまともに返せなかった。
「何か……考え事でもしていたのですか?」
「いっ、いえ……そのようなことは……」
その瞳に正面から見据えられ、おまけに図星まで突かれて、彼は思わず口ごもった。
プリシラはそのまま目線を外さず、彼もまたそれに応じた。そうしないわけにはいかなかった。
ここで目を反らしては、己が不実をむざと晒してしまうようなものだ。
再び、プリシラが口を開く。
「懺悔を――」
「プリシラ様?」
「懺悔を……聞いてくれますか?」
彼女の顔から、微笑みは消えていた。
ようやく、ルセアはプリシラの態度に合点がいった。
あの唐突な言葉も彼女なりに思いつめていたのだろう――それを察せなかったことを、彼は臣として恥じていた。
戦乙女となってから、暗殺者相手とはいえ人を殺め続けた……そのことが彼女の心に暗い影を落としていても、何ら不思議ではない。
ルセア自身もかつて同じ悩みを抱えたことがあった。
畏れ多いという気持ちもあったが、ひとりの聖職者として、それに共に向き合うのを放棄する理由にはなるべくもない。
「……分かりました……それでは、エリミーヌ様の、御許へ参りましょう」
彼はそれが早合点だったということに気付いていなかった。
(最初は、あまりにも綺麗だからだと思っていた)
彼はプリシラに背を向けて、プリシラが教会へ足を踏み入れたときとは逆の方向に、コロネードを歩いていく。
(そう……それもただ綺麗なだけじゃない……よもや男性が持つとは考えもしなかった存在――)
その背中の後に、プリシラも続いていく。
足音は絨毯に飲み込まれていて、相変わらずの静けさが場を埋めていた。
弔いの儀式の時も今と同じくらい静かだったのだろうかと、瑣末なことさえ浮かび上がった。
(けれども、それを強く意識したのも最初だけだった)
両手を組み、固く目を閉じて祈りを捧げる聖女の石像。醸しだされる神聖さは、まるで波紋一つ無い水面のよう。
それに向かって一歩一歩足を進めるごとに、感情もまた深いところから湧き出てくる。
(私はかつて、誰よりも兄様のそばにいた。兄様の姿は、仮初めの家族の中でも決して色褪せず、却って月の光でも浴びているように輝いて見えて)
金色の髪は、わずかばかり揺れてついに歩みを止めた。
(幾千の昼夜に私と兄様が隔てられている間、あの頃の兄様の面影を守っていたのが、他ならぬあなたの存在であることを、私はどうしても否定出来ず)
かすかに吐息が漏れ出る音が聞こえる。やがてゆっくりとプリシラに向かい合ったルセアは、粛々として神々しささえ感じさせた。
(――――ゆえに、あなたが妬ましかった)
閉じられたルセアの秀眉を見つめながらプリシラは声を出さずに語りかける。
心の奥底に燻っていたものが、陽炎のように立ち昇っていく。
(そして……)
“――――いいえ! 今日こそ言わせていただきます!!レイモンドさまは、復讐などを考える方ではありません!”
(華奢で折れそうな外見に宿った、清らかで侵し難くさえある凄烈さに)
“いやです! もういやです!!どうして、変わったふりをなさるのですか!?
それを教えてくださるまで、わたしはここを動きません!!私のことが気に障るなら、このまま放っておいてくださればいい!”
(私は誰にも抱いたことの無い――――憧憬を禁じ得ない)
音を立てずにプリシラは踏み込む。ルセアとの距離は、もう半歩ほどしかない。
(そんな自分を目の当たりにして、やっと、私は気付いた)
「神よ、御前での無礼をお許しください……」
その声が消えるか消えないかのうちに、プリシラはルセアにくちづけをしていた。
「……っ……!……ふ……っ……」
ルセアは咄嗟に自分に身に何が起きたか理解出来なかった。
思考が凍り付いて、全く用を為さない。反応らしい反応が返せない間にプリシラはルセアの首に手を回し、そのまま足払いをかけた。
たまらずルセアはバランスを崩し、床の上に倒れる。
「言葉にするだけなら、本当に簡単なことなんですけれど」
プリシラの手がたどたどしいながらもルセアの法衣にかかる。
やっとプリシラの意図を感じ取ったルセアも、相手が相手なだけに無理矢理引き離すのをためらってしまう。
「やっ、やめて下さい……プリシラ様っ」
「どうしてですか?」
あまりに不思議そうな顔で即答され、思わず返事に窮する。そこに濡れた瞳で見つめられると、縛り付けられたような錯覚まで覚えた。
その中に、危ういほどの揺らめきを見つけてしまったからかもしれない。
「私はあなたを信頼しています……そして」
いつの間にかあらわにされたルセアの上半身に縋りついて、呟く。
「それ以上に、あなたを愛してしまった」
>マシン氏
埋め立て乙!!
毎度ながらGJです。大変笑わせていただきました。
そして肝心なところの描写はエロい…(;´Д`)
また気が向いたら宜しく。お待ちしてますよ!
歯痒かった。
従者、聖職者という立場でしか自分を見てくれないルセアが、歯痒かった。
だから、彼女は従者の、聖職者の顔を容赦無く剥ぎ取っていく。そうして初めて、彼に触れられると思ったから。
拒絶されようと構わなかった。
(あなたが私に……本心を言ったことが、一度でもあって……?)
プリシラの手がルセアの下半身に滑り降り、彼の男根に愛しげにくちびるを這わせ、そのまま有無を言わさず咥え込んだ。
(……プ……リ……シラ様っ……)
男根への無造作な刺激が、戻りかけたルセアの思考能力を吹き払っていく。
元来自分から積極的に女性に声をかけることをしない彼は、色街で(容姿ゆえに)悪戯をされた程度の経験しかなかった。
しかしここは妓楼ではなく、目の前の女も娼婦などではない。
まだ拙いながらも嬉々として、舌をくちびるを頬を使って愛撫するプリシラ。
当人の意思とは無関係に反応してしまう男根。背筋を走る震え。既に失われかけていた理性。
「プリシラ様……お止め下さっ……んくっ……」
血が通いだした男根からは、もう透明な液体が滲み出し、それを自分の唾液と混ぜ合わせるように口内を蠢かせる。
そこから解放すると、こんどは鈴口に舌を沿わせ、いつしか両の手も茎に伸びて攻めに加わっていた。
「私に、こうされるのは、嫌ですか?」
倒れてから半分上体を起こしていたルセアを、プリシラは軽く見上げた。
今まで見たことも無い、想像だにしなかった、愉悦に歪んだかんばせ。
「もっとも、この有様では聞くまでもないでしょうが」
しごき上げる速さが増して、一層激しくなった刺激に翻弄されてしまう。
プリシラにこんな仕打ちを受けるなど、ルセアは露ほども思っていなかった。
愛しているという言葉も、今のこの状況も、自分の感覚を疑っても疑い切れないぐらいだった。
けれど現に彼女は頬を紅潮させ、目を潤ませながら、じゅぷじゅぷと淫猥な音を響かせて一心にルセアを攻め立てている。
限界が、近かった。
(まさか……口の中に出すなんて……それは――――)
その考えが及んだ瞬間、最後の気力と腕力とを振り絞って、ルセアは男根からプリシラを引き離した。
「は……ぁ……はぁっ……」
「ん……ふ……ふふ……口では……物足りないのでしょう」
「そ……そういうことでは」
否定する声に力は無い。それ程プリシラの痴態は圧倒的だった。
欲情していないといえば嘘になる、むしろ欲情という方が無理な話。
今朝に死者に祈りを捧げた神聖なる教会――そこで淫らな行為に耽る罪悪感も、今では背徳の快楽となって衝動を形作るだけ。
座り込んでいたルセアに、プリシラが再び迫る。
「ルセア……いきますよ……あなたを、下さい」
既に濡れそぼっていた女陰を、男根に宛がう。それだけで眩暈のしそうな感覚が身体を流れる。
一瞬のためらいの後、プリシラはルセアを受け入れていった。
「ひぅ……う……く……」
痛み、思わず顰められた秀眉、くぐもった水音が静かな教会に溶けていく。
涙を流しながら、それでも止まらない。抑えきれない。
強引で激しい律動が二人を貫く。
身を裂かれる痛みさえ求めるまで彼の存在を欲していた。
狂おしい。
もっと欲しい。
何があろうと、忘れられないぐらいに、強く……
その姿は淫蕩でありながら、聖女よりも、神聖であった。
けれどそれを見た者は、後にも先にも、ただひとりしかいない。
「っはぁっ、くぁっ、んんっ……!」
極彩色の瑪瑙が目交いで弾ける。内奥から入り口へ行き来するたびに食らい付く柔肉が全てを押し流す。
考えることが、酷く億劫になっていた。女は男を求め、いつしか男も本能に取り憑かれそれに応じていた。
肌と肌が織り成す鈍い響きが、末期の叫びのような声が、絡み合う二人をあまねく包み込んでいった。
壊れた操り人形の演舞は、やがて終幕を迎える。
「ひ、あぁっ……はぁぁうあぁぁっ!!」
「くっ……うくぅっ、プリシラ様っ……!」
男は絶頂へ上り詰め果てる。同時に仕手の糸が切れて、女はくず折れた。
くちびるの形だけに、紡ぎかけた言葉を残したまま。
子供のような寝息を立てる主の寝顔を、ルセアはただ眺めていた。
未だ湿っぽい空気が漂う教会の中にあっても、これ以上無いくらいに晴れやかだった。
心に溜まっていた澱みも何もかも全て、絶頂に置いてきたのだろうか。
つられたのか、不意にルセアにも微笑が込み上げて来た。
(今は……あなたに全てをぶつけられることしか出来ない……けれど、それであなたが――――)
行為の後の虚脱感は安らかで、切なかった。
それを知るのは、彼らを見下ろす、聖女の像だけだった。
(おしまい)
>◆Z9Z6Kjg2yY氏
GJ!!!
リロり忘れてすみません。ぶった切ってしまったorz
こんな積極的でエロいプリシラ様を見たのは初めてです。
全体的に流れが切なくてよかったです。
988%マシン氏
GJ! 八万ボルト笑った。
ぴぴるぴるぴるぴぴるぴー♪
Z9Z6Kjg2yY氏
GJ! ルセア受けイイ!
ほしゅ
むしろ、次スレがあるんだから埋めるべきなんじゃないか?
外伝がやってくれたよ・・・・・・
何をですか。単なる偶然ですよ。
メディウスは爬虫類だから、哺乳類の処女は気にしないと思うのですがどうでしょう。
竜族が爬虫類っていう描写はどこにもないような気がするんだが。
意外と哺乳類かもしれんぞ。
氷竜みたいに寒冷地もOKなんだから哺乳類だろ
ニニアンとかおっぱいもあるしな
実は両生類
竜相手でも人間相手でもオケなのであながち間違いでもないな、それは。
554 :
名無しさん@ピンキー:2006/02/15(水) 16:51:49 ID:cXraqb76
おっぱいから母乳出すチキたんとファ
ハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァ
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よし。竜の姿のまま交わればいいんだな。
大変だな人間側。
♪セリス様スイッチ、行っきまっすよぉ〜〜お
ラナ 「セリス様スイッチ『な』」
セリス「ラナ……ラナぁっ!僕、もう……」
ラナ 「私も……セリス様、セリス様を……私の、なかに……ああっ!!」
セリス「……くっ!……はぁはぁ」
ラナ 「ああ……セリス様、どくどく言ってる……」
『な』……中出し
ラナ 「セリス様スイッチ『に』」
ラナ 「はぁ……はぁはぁ、今日も一杯愛して下さいましたね」
セリス「そりゃラナが可愛かったから」
ラナ 「いやだわセリス様!」
セリス「いてててて、いくら照れ隠しだからって頭叩かないでくれよ!ところで……」
ラナ 「はい、何ですか?」
セリス「大事な話があるから僕を呼び出したんだろ?一体何があったんだい?
って何だかとっても嬉しそうに見えるんだけど、このままの体勢で話す事なの?」
ラナ 「あのねセリス様。私、実はね……」
『に』……妊娠
ラナ 「セリス様スイッチ『ぬ』」
セリス「そうか!ラナも遂におめでたか!」
ラナ 「あわわ……あんまり大きな声で言わないで下さいよもう、恥ずかしいなぁ」
セリス「だって喜ばしい事じゃないか!ラナだって嬉しいんだろ?」
ラナ 「そりゃあ……セリス様の赤ちゃんだから、ってちょっとセリス様何するんですか!」
セリス「そんな事可愛い事言われたら、またしたくなっちゃうじゃないか!」
ラナ 「やん……セリス様がまた私の中で大きくなってる……はぁはぁ、動かないで」
セリス「ああもうラナ可愛いよラナ!」
ラナ 「ダメよセリス様、赤ちゃんが流れちゃう!……あんっ!」
セリス「大丈夫だよラナ。ちょっと赤ちゃんにご挨拶するだけだから。そら、そらそら……」
ラナ 「や……あ、あ、来る、来ちゃう、セリス様、……ああぁぁあっ!」
セリス「僕も……はぁはぁ」
ラナ 「やだっ、まだセリス様固くなったまんまよ。もう一回このままするの?」
セリス「うん(きっぱり)」
ラナ 「もうっ、セリス様ったら!」
『ぬ』……抜かずの三発
ラナ 「セリス様スイッチ『ね』」
ユリア「セリス様――
私は一目会った時から、貴方との間に運命を感じてしまいました。
貴方とは世界中の誰よりも互いを深く理解し、愛し合い、強く結ばれる運命なのだと。
あの頃の貴方も、私と同じ気持ちでいたのだと信じておりました。信じていたからこそ、
私は貴方に云われるままこの身体と純潔とを捧げたのです。
何も知らず、男女の営みには当然付き物であるはずの痛みと不安に怯えていた私の涙を、
貴方は優しく拭って下さいましたね。
身体の中から湧き上がる未知の感覚に心細く思っていた私は、それだけで嬉しくなりました。
頼もしく逞しい貴方に抱かれ、意識が飛び退くような絶頂の経験を味わって初めて、
私は自分の中に眠る悦びを知るに至ったのです。
運命を共にする殿方と身も心も一つになる事。それが女の悦びであると私に知らしめたのは、
セリス様、貴方に他なりません。
けれどもセリス様――
貴方にとっての私は、運命を共にする相手ではなかったのでしょうか。
ただ御自分の中に眠るもう一人の貴方を曝け出し、慰める道具に過ぎなかったのでしょうか。
違うと私は信じたく思います。けれども夜の貴方と出会わなくなって久しいこの頃になると、
それも只の妄執に過ぎないのではないかという考えが頭を過ぎるようになってしまいました。
以前の貴方なら、思い過ごしだと軽く笑って、不安がる私に口付けて愛撫して下さいました。
それだけで私は癒された気分になったものです。
けれども。
貴方はその優しい言葉を、私以外の女にも掛けているのですね。
そして私にしたのと同じ事を――いいえもっと狂おしく激しく他の女に求めるのですね。
毎晩のように彼女を抱く貴方の事を、私がどんな思いで物陰から息を潜めて眺めているのか、
貴方には解ろう筈もありません。
理解しようというお気持ちすら、今となっては消滅したと考えてよろしいのでしょうか。
恐らくはそうですね。何故って、もしその片鱗でも御心の片隅に残っていらっしゃるのなら、
好色なセリス様は今すぐ私の寝所へと忍び込んでいらっしゃるでしょうに。
ええその通りですとも。セリス様は比類なき好色の殿方です。
そしてセリス様が好色である事実を知り、セリス様のお気持ちに応えて差し上げられるのは、
この世界に私一人だけなのです。
本当です。セリス様に御奉仕する彼女の技を見ていれば解ります。
そんな稚拙な舌使いしか出来ない癖に、セリス様の強張りを我が物のように咥え込まないで。
押し倒されて喘ぐ位しか出来ない癖に、当たり前のようにセリス様の胤を受け止めないで。
セリス様への気持ちでは私に遠く及ばない癖に、セリス様の御子を宿さないで。
私の方がセリス様を愛しているのに。私の方がよりセリス様を悦ばせて差し上げられるのに。
セリス様、本当に私よりも彼女の方が宜しいのですか?
彼女との夜の営み、本当にご満足されていらっしゃるのですか?
その女がいなくなれば、もう一度私の事を愛して下さいますか?
セリス様――
セリス様セリスさま――
セリスさまセリスさまセリスさまセリスさまセリスさまセリスさまセリスさまセリスさま――」
『ね』……寝取られ
ラナ 「セリス様スイッチ『の』」
ラナ 「どうしたのユリア、こんな朝早くから私を呼び出して。私まだ眠いのに、いやその(あたふた)
とにかく、朝からそんなこの世の終わりみたいな顔してちゃダメよ。怪我人が心配するでしょ。
何か悩みがあるのなら相談に乗るわよ。苦しみとか悩みとか一人で抱えるぐらいだったら、
イヤな気持ちを正直に打ち明けた方がいいわ。遠慮しないで、私たちずっと友達でしょ?!
……仕方ないわね、言い方を変えよう。貴女がそんな泣きそうな顔をしてると、私も辛いの。
貴女が笑ってくれたら私も嬉しいの。だからお願いユリア、頼むから笑ってちょうだい。
ユリアが笑顔になってくれるのなら、私命懸けで何だってするつもりよ……
って何笑ってるのユリア?確かに私笑って欲しいって言ったわよ、でもそんな笑顔じゃない!
今の貴女の顔、ちょっと禍々し過ぎるわよ!何か変な事でも考えてるんじゃないでしょうね?
それにユリア、あなたその手に何持ってるの?!って危ないからこっち来ないで!
何考えてるのよユリア、貴女正気じゃないわ!そんな事したらセリス様だって悲しむわよ!
ちょっとユリア刃を私に向けないで、ギザギザを首筋に宛てないで!お願いだから……」
ユリア「……死んじゃえ」
『の』……鋸
セリス「大変よくできました、……ってそれどころじゃない!!衛生兵、衛生兵――っ!!」
おしまい
こえーっ!
だがそこがいい
(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
いいなぁ黒ユリア(´∇`*)最後微妙に手遅れっぽいのが何ともw
こんなとこまでスクイズの魔の手が……
何か出会った頃は愛し合ってたのに急速に冷めていくのがなぁ>セリユリ
ユリアは暗黒面でも萌える(;´Д`)
564 :
名無しさん@ピンキー:2006/02/17(金) 00:49:39 ID:od66JtAe
シグルド×アイラをだれかぁ
埋め。これで埋まったかな?
wウェーハッハッハッハ
生め、梅、産め、膿め、宇目、ウメ、倦め、熟め、績め、熟め、楳、埋め。
今度こそ埋まったな。