2 :
1:2005/06/18(土) 03:19:45 ID:Jpry9GRk
他になんかすることあるかな…。
万一に備えて、前スレ641以降をtxtにコピペ保存しておきます。
4 :
1:2005/06/18(土) 03:47:24 ID:Jpry9GRk
あ、忘れてた!
ブックマーク変更してなかった…。
>1
乙
>>1乙。
前スレはけっこう大作が来てたからな。
こっちのスレも新作が来るまで落ちないようにしないと・・・。
即死回避ネタ。
田中天がシナリオ書いてるエロゲ「六ツ星きらり」でTRPGネタが来たので貼っておく。
本スレに書くネタじゃないと思うし。
■トーキョーN◎VA風
東雲智樹:カブキ◎ フェイト● カブト
星見すばる:タタラ● マネキン◎ トーキー
天河輝夜:アヤカシ カリスマ◎ ハイランダー●
茜空:マネキン◎ レッガー マヤカシ●
日野慧:タタラ● クグツ◎ カブトワリ
ほくと:アヤカシ カブキ=カブキ◎●
■ナイトウィザード風
東雲智樹:勇者
星見すばる:忍者
天河輝夜:大いなる者/吸血鬼
茜空:陰陽師
日野慧:魔剣使い(弓)
ほくと:夢使い
ゲームをフルでやってない俺には、これであってるのかわからんが、
雰囲気は思いっきり伝わるぞ。
とりあえず
>>1乙。
容量オーバーはSS多かった証明ですな。
前スレは良作そろいで嬉しかったです。職人さん方、またよろしくお願いしますね。
あ。あと、数字板誘導、入れたほうが良いのかね?
即死回避ー。1乙。
日付が変わったんで,即死回避〜〜!
>>11 「間に合いませんっ!!」 ってことはないかw
1乙〜。
14 :
くれは陵辱の人:2005/06/19(日) 11:52:11 ID:DN918TUu
1乙!
今、くれは陵辱の柊側を書いてます。
だけど、キーボードが1回壊れて、なんか遅れ気味ですんで保守代わりに書いた分だけでも。
なんかエロくないですが、それはくれはとの時に持ち越しと言う事で。
とりあえず、前スレへの感想。
前
>>441 あかりーん!一体何をされるのやら
裸エプロンで料理を作ってそれをみんなで食べるとか。(みんなして倒れろと言うとるのか?)
15 :
くれは陵辱外伝(柊も犯される版):2005/06/19(日) 11:53:00 ID:DN918TUu
豪華なベッドの上で柊は目を覚ました。
「お、ようやくお目覚めかいな?少年?」
そう言ったのは金髪に皮肉そうな目をした人物であった。
男性とも女性とも見れるその姿に柊は警戒を最大限まであげる。
「だれだ?」
精気の無いだが威圧感のある声が柊の口から響く。
「カミーユ=カムイン、こう見えても魔王だ」
「そうかい」
そうは、言いながらも柊は警戒を弱めない。
「ああ、安心したまえ、今日は戦いに来たんじゃない」
そう言ってカムインは柊を縛っている鎖を解きながら用件を言う。
だが柊は感覚を総動員して、警戒している。
「やれやれ、疑り深いなあ」
そう言ってカムインは少し首をかしげる。
「星の巫女……赤羽くれはのことで少しね」
柊の目が鋭く光り始める。
「くれはがどうかしたのか?」
声は静かになってるが、そこに染み出しているプラーナは尋常ではない
「そう怖い声をするなって。彼女は今ベルの所にいるのさそして、少し大変な目にあっている」
そう言ってカムインは懐から何かを取り出す。それはくれはの写真だった。
柊はその写真に魅入られるように見る。
何時もの巫女服は完全に脱がされ、逆さ吊りの姿で]字に壁に貼り付けられたくれはの姿だった。
「彼女を助けたいだろ?このまま彼女が消えても良いのかい?」
そう言ってカムインは柊の頬を撫でる。
「……何故この事を俺に知らせた?」
「一番の理由は『このままルーの策略が上手くいくと面白くないから』かな?」
そう言ってカムインは肩をすくめて笑う。
「それには君がここから脱出しないといけない。だがこういうのは自力脱出は難しいからね」
「それで手伝おうってのか?」
苦笑して柊が力なく笑う。
16 :
くれは陵辱外伝(柊も犯される版):2005/06/19(日) 11:54:23 ID:DN918TUu
「ああ、そうさ。だが、ここでロハで君を出したら、徹底的にルーに怪しまれるだろうからね」
そう言ってカムインは服に手をつける。
「きみの肉体で少し遊ばせてもらうよ」
「まてまてまてぇ!」
小学生の姿のまま突っ込みを入れるがカムインは気にする事無く柊の服を剥ぎ取る。
「プラーナの量は少ないようだが……まあ疲れてるんだろ?」
「そりゃそうだ!いやそーじゃなくて!」
「体、疲れてるんだろ?そんな体じゃ彼女を助けるなんて夢のまた夢さ」
そう言って、カムインは柊をやわらかなベッドの上に押し倒す。
「ベルも彼女をすぐどうこうする訳じゃない。まずは鋭気を養うんだ。安心しろ僕を信じろ」
そう言われては仕方ない。柊は半ば諦めながら目をつぶった。
カムインは柊の耳たぶを軽く噛み、そのまま耳の穴にチロリと舌を入れる。
耳の奥深くまで舐められるようなその感触に柊はぞくりとするが、表面上はそのまま平静を装う。
「肉付きもプラーナ集積も悪くない。本当に長い間戦ってきたんだね」
耳から首筋に舌を移しながら、カムインはそっと柊の腹をこする。
「こんな良い彼氏がいるんだ。赤羽くれはは幸せ者だよ」
そう言って、カムインは柊の股間の物を触る。
「可愛い代物だなあ」
「可愛くて悪かったなあ!」
そう突っ込まれてカムインはゆっくりと柊を見る。
「君は、自分がおかれてる限界を『辛い』『苦しい』と思っている。そのせいで自分がどれほど強いのか理解できないでいる」
そう言ってカムインは柊の腕を掴んでしっかりと揉む。
「戦いを面白がる必要は無い。戦いで得られたものを喜ぶ事は悪いとは思えないがどうなんだい?」
「でも、戦ってなくなっちまったものもある」
そう言って、柊は昔を振り返る。
17 :
くれは陵辱外伝(柊も犯される版):2005/06/19(日) 11:55:57 ID:DN918TUu
「なるほど、でも守れたもののもあるんじゃないか?」
そう言ってカムインは柊の唇に手を当てる。
「それとも、このままルーの僕になって彼女を助けないでいるのかい」
「んなわけねえだろう!」
柊の声が爆発する。
「ごめんごめん、しかし良い体だねえ……ルーがほれ込むのもわからないでもないさ」
体中を撫で回し、カムインは柊の体を蝕む。
「だけど、君はくれはを助けたいんだろう?だったらルーに捕まってないで、逃げ出すと良い」
やがて、満足したのか、カムインは柊からそっと離れる。
「服と……君の魔剣だ」
そう言って、カムインは服と剣を投げてよこす。
「ありがとな」
「礼にはおよばないさ。こちらとしても、ルーの策が上手くいくのは好ましくないのでね」
そう言って、カムインは柊を出口に押し出す。
「それに、ここから逃げれば、必ず追ってが来るさ。ここでじっとしてれば安全は保障できるよ」
「だからってくれはを見捨てて良いわけがねえ」
そう言って、柊は早足で神殿の中を駆けて行った。
「……そういえば、僕がベルの策に協力しているって言ったかな?」
カムインは、さも今思い出したかのように言って、クスクスと笑いながら寝室から姿を消した。
ところで、
カミーユ=’カイムン’
じゃないか?
>前スレ644
GJですよ〜。
ただ、個人的には探し物はキーホルダーみたいに四つん這いにならなくても
見つけられる大きい物ではなく、コンタクトレンズのように小さい物の方がよ
かったかと。それだと、たまたま妙な(恥ずかしい)ポーズをとってしまった
ときに、「動かないでください、貴方の足元にレンズが!」「はわっ!?」と
いうプレイに発展を(←そこまで妄想せんでも)
スレの流れが滞ってますな。何があったのでしょう。と思ってたらこんな制
限もあったんですねぇ。初めて知った。
とりあえず新しいスレが立って慶賀の至り。>1さん乙です。
というわけでここぞとばかりにドカドカ投下。ご笑覧あれ〜。
◇“鋼の戦士”ד混沌の監視者”
故郷が滅ぼされたとき、無様にも俺は死に損なった。
仲間を護るため、力を求めて受けたバイオブースト手術。それが俺に強靭な
生命力を与え、その結果、死ぬべきときに死に損なった。
地球ドミニオン。それが、最終的に俺の辿り着いた場所。何を思ってこんな
異世界まで流れてきたのか、俺には確たる記憶がない。いや、恐らく何も考え
ていなかったのだろう。あの頃の俺は、ただ生きているというだけの屍に過ぎ
なかったのだから。
そこは痩せた山肌にしがみつくかのような集落。
汚くて、貧しくて、明日の命も知れなくて。
どこにも行き場が、否、逃げ場がないゆえに。仕方なくそこで暮らしている
者達。
死にたくないから、生きている者達。
なんて、くだらない。まるで、俺のようだ。
こんなくだらないもの。壊れてしまえばいい。
・・・・・壊してしまえばいい・・・・・!
「君の拳は、破壊の拳だ」
俺の考えを読み取りでもしたのか? 『そいつ』は、俺にそう言った。
「私は告げる。君の拳が、何を破壊し得るかを」
何の気配も感じなかった。本当に唐突に現れたのだ。
木漏れ日の匂いがすると思った。それでいて月光が降り注ぐようだと。
風に翻る、藍紫の衣。
歌うように言を継ぐ、女の形をしたモノ。
「昼と夜との調和が乱されようとしている。今、この世界に滅びの物語をもた
らすわけにはいかない。君の拳が全てを破壊するなら、悲嘆の未来を破壊する
のも君の拳と知れ」
「お前は・・・?」
「私が何者であるかは、何の意味もない」
『そいつ』は、優雅なしぐさで、スッと俺に手を差し伸べた。
「異界より降り来たりし者よ。君の出番だ」
魅入られるように俺は、その導きの手を取り、・・・・・
−−−
そこは水の中に似ていた。
淀んだ汚い水の中。
工業廃水、家庭排水、農業排水に汚染され、疾うに埋め立てられた池。最早
あるはずのない場所、水神の末裔のドミニオン。
異形化した半魚人達の巣、蒼と黒の混じる暗い水底に、ユラリと立ち昇る血
煙。
「ああ。痛いな」
ボロボロに打ちのめされた青年が、しかし、それでも立ち上がった。
「これがお前達の苦しみなのか。これがお前達の憎しみなのか。・・・けど」
足下から吹き上がる鮮烈な光。
「今、生きてある者の幸せを! 既に滅びたお前達が打ち壊すことだけは許さ
ない!」
それは正義のヒーローの、怒りと悲しみの光。
人面魚、としか形容しようのない魚型の化け物どもが、ざっと数百、四方八
方から彼に殺到。全方位を囲繞する攻撃に、青年の避ける場所はない。人面魚
の口が自らの身体の半分を裂く程に開き、何列にも及ぶ鋭くも小刻みな歯が彼
の身体に襲いかかる。噴水で遊んでいた子供達を、釣り堀で休日を楽しんでい
た親子連れを、骨も残さず砕いて食った食人魚どものいびつな牙。
「聖霊の《加護》の下、かの者に《祝福》あれかし」
柔らかな声が青年を包み、祈りの聖句が青年に力を与える。奇跡が起こり、
敵の包囲網、その僅かな隙を突いて彼は危機を脱した。そして。
「変身!」
《戦闘形態》。輝く炎の如き力強いアームドスーツが青年の全身を覆う。そ
う、彼こそが“鋼の戦士”ジャスティス・メタル。彼こそが力なき人のための
牙、涙を流す人のための拳。
「《瞬間武装》! インパクト・ナックル!」
右手に宿る正義の一撃。
「メタル・ブレイクッ!」
何も知らない者が目にしたならば、彼の拳は人面魚に当たらなかった、とし
か思えないだろう。
だが、彼が撃ち付けたのは空間そのもの。存在場所自体を砕かれて、何十匹
もの化け物どもが微塵に爆散していく。
人面魚の厚い層が一気に薄くなった。その向こう、肩が外れたようにダラン
と伸びる腕を持つ巨大な異形の半魚人。仲間であるはずの人面魚を何匹も巻き
添えにして、その不気味な腕を“鋼の戦士”に向けて振り上げる。
「君に約束された物語は、ただ、静かなる滅び」
涼しげな声が一陣の風のように。
「甘んじて受け入れよとは言わないが、それでも今は、《彼の出番だ》」
再び右手に宿る正義の一撃。《共生型》、それは彼の熱き血潮に流れる先代
の執行者“鋼の王者”の遺志。
「インパクト・ナックル! クリティカル・ブレイクッ!」
その名に負いし致命の殴打が半魚人に撃ち下ろされる。耳を聾せんばかりの
悲鳴。まるで巨竜の断末魔。
ザッ、と足場を固めたジャスティス・メタルは油断なく敵を睥睨し、それか
ら後ろを見返って、グッと親指を立てた。
「有り難う、アンジェさん。サンキュー、レン」
“守護天使”が微笑みをたたえて頷き、“混沌の監視者”が揃えた2本の指
をピッと振ってみせる。
“鋼の戦士”は決意を込めて宣言する、
「この戦い、あと一撃で決める。俺は彼らを、これ以上長く苦しませたくはな
い」
「わかりました。わたくしが道を拓きます」
アンジェが両手を組んで祈りを捧げる。主よ。かの者を護りたまえ。
《シャイニングレイ》。《神罰》の威を伴って天から降り注ぐ一条の光が、
《天の光》に拡大されて、半魚人ども全てを捉える。《勝利への賛歌》。《万
色の魔術》。逃れるすべなき天使の制裁。
蒸発、としか言い様のない、一瞬の全滅。半魚人の盾となるべきモノは全て
消失した。
「今です、ハガネさん!」
「うおおおお!」
雄叫びとともに敵へと駆け寄り、《必殺技》を起動する。
「インパクト・ナックル! マックス・ブレイクッ!」
《無限の法則》が半魚人の胸板に飲み込まれていく。砕け散る骨。潰れ、千
切れる肉。だが、まだ足りない。力が足りない!
「ナ、ゼ・・・・・?」
半魚人の、『声』なのか? それは人間の王子に恋心を抱いた人魚の娘の歌
声のように、甘く、切なく、そして、悲しく。
「ドウシテ、ワタシヲ、コロスノ?」
どうして私を殺すの?
「ワタシガ、アナタタチニ、ナニヲ、シタノ?」
私が貴方達に何をしたの?
「タダ、コノバショヲ、マモリタカッタ、ダケナノニ」
ただこの場所を守りたかっただけなのに。
かつては美しかった池を汚したのは。
かつては大地を潤していた池を埋め立てたのは。
・・・・・人間達。
彼らの復讐は、だから、正当な・・・・・。
「違う、俺は・・・」
鋼の鎧の背中に半魚人の長い手が伸びる。彼を掴み、握り潰さんとする手。
「いけません、ハガネさん!」
迷う拳が、悲痛な叫びにハッとなる。
「今、生きてある者の幸せを打ち壊すことだけは許さないと! 貴方は言った
ではありませんか!」
「底なし沼に足を取られた正義は、ただ沈むより他ない・・・翼ある救いの手
が差し伸べられぬ限り」
《遠くからの声援》。“混沌の監視者”の導きにより、“守護天使”の繊手
が“鋼の戦士”に差し伸べられた。
「わたくしの力を、どうか!」
《万色の魔術》!
“鋼の戦士”が拳を再び握り締め。
「済まない、水の精霊。こんなになるまで救えなくて、今日まで救うのが遅れ
て、本当に、済まない! マックス・ブレイク、リアームッ!」
インパクト・ナックルが、半魚人の巨大な肉体を全て打ち砕いた。
−−−
いつの頃からか存在する歴史の監視者。伝説の中から現れ、伝説へと消えて
いく、そんな幻のような存在。
それは、世界の守護者。人に仇なす者が現れれば、それを人知れず滅ぼすこ
とを目的とした狩人。世界が内包する免疫抗体。不可思議な事件の発生と同時
に現れ、解決と同時に姿を消す者。そして次の事件が発生するまで、いずこと
も知れぬ場所で休眠状態に陥る。
歴史の監視者は、いわば断続的な存在。同じ魔物でも、例えば飲んで食って
寝て子を産んで、といった生物的な生態を有し、事件が発生する前から生きて
いて、解決した後も生き続ける、人狼のような連続的な存在とは根本的に異な
るのだ。そして歴史の監視者は、なすべきこととその対象以外には、自分にす
ら興味をいだかない。
そんな彼女が、常に俺の側に在るようになったのは。さて、最近のことだっ
たか、随分前のことだったか。
「何をしているのだ?」
「俺の死後も存続する、極小規模なドミニオンを創っているのだ」
振り向きもせずに俺は答えた。何十年、何百年、いや、何千年先かは知らな
いが、いつか俺の志を受け継ぐ者が現れたとき、俺の持てる力をそっくりその
者に託せるように。
地球ドミニオンの住人・人間の造った建造物。その建物の、存在し得ない扉
を介して、このドミニオンに入ることができる。それは、俺の力に感応する者
だけが見つけることのできる扉。俺の力を受け継ぎうる者だけが、このドミニ
オンに入ることができる。
「ここに置かれた俺の死骸に触れたとき、その男は、・・・ひょっとしたら女
かも知れんが、」
「男だよ」
歴史の監視者が口を挟む。
「君によく似た、熱くひたむきな目をした若者だ」
「それもお前の予言か?」
「いいや。私の願望さ」
くすくすと笑って。
戯れ言を聞き流したフリをして、俺は先を続ける。
「そいつは選択を得るだろう。俺の遺志を継ぎ、自らが破壊の拳を得るか。俺
の遺志を拒否し、破壊の拳を永遠に消滅させるか」
「力なき人のために。涙を流す人のために。彼はきっと、戦うことを選ぶ」
「そうだろうか」
「そうに決まっている。君が鋼の王者と呼ばれたように、彼はきっと、鋼の戦
士と呼ばれる。見えない悪をも懲らし、失われた笑顔を取り戻す、すがしくも
強い男になる」
ああ。そんな未来が、いつか訪れるといい。
罪とエゴに満ちたこの世界に、戦いの火種は消えることがないのだから。
「俺の命は後1年も保たない。お前の目にも、それは見えているのだろう?」
「・・・視えている」
彼女は憐れむように言う。
「だが、それはこれからも戦い続ければの話だ。今日限り戦いを忘れ、どこか
遠くで静養すれば、1年、十年、百年といわず、千年でも万年でも生きられる
だろうに」
「それは俺には死んでいるのと変わらんよ」
故郷を護れなかった間抜けな戦士は、懲りもせず異境の地を護って戦い続け
ている。己の正義を貫くために、そして、・・・一人の女のために。
「この戦いで君は力の大半を使い果たした。もう、充分だ。充分すぎるほど、
君は戦ったではないか」
「だが、お前は明日も戦うのだろう?」
「当然だ。それが私の使命であり、存在意義なのだから」
「だとすれば、これが俺の使命であり、存在意義なのだ」
「・・・この世界は、君が護るべき世界ではない」
「俺が護るべき世界だ。お前が、そう導いたのではないか?」
俺は彼女に目を向ける。藍紫の瞳が揺れている。長いまつげが伏せられて。
「私は、あのとき、どうすればよかったのだろう」
「この世界を護るため、お前は強い力を欲した。俺は生きる目的と、戦士たる
べき正しき道、更にはよき死に場所までも得た。ギブ・アンド・テイク。むし
ろ俺の方が得をしている」
「君を・・・・・死なせたくは、ない」
俺はドキリとした。伝説の住人、生きた凶兆、不幸の運び手、あるいは死神
とも呼ばれるべき彼女が、誰かを死なせたくないなぞと口にするとは。
「今日明日死ぬというわけでもいないのに、そんな不吉なことをばかり・・・
おっと、お前はその不吉を届けるのが商売だったな、『死そのもの』よ」
おどけたつもりだった、そんな悲しい顔をさせたかったわけじゃない。いつ
ものように、どこか超然として、それでいてどこか楽しげな、あの顔を見せて
欲しかった、ただそれだけだったのに。
「そうだな。私は『知っている』。未来に連なる道を幾つ提示しようとも、君
が選ぶ道はたったの一つきりだ。知っていて、私は・・・それでも君に選択さ
せる。君の死に連なる道を。私は、そういう存在だから」
それは、溜息のような台詞だった。
俺は少し不安になる。伝説の住人は自分を生み出した物語に忠実なものだ。
その物語から外れるということは、それは即ち自身の消滅、【真の死】を意味
する。自分という存在に嫌気がさす、・・・伝説の住人にとって、それは文字
通りの自殺行為なのだ。
「そんなに気に病むのなら、一つ約束をせんか」
「約束?」
「俺を死地に追いやる代わりに、責任をもって、俺の死骸をこのドミニオンに
運ぶと」
「ああ。それは私の役目だ。私は歴史の監視者。この世界を、数多の死を、見
届ける者なのだから」
君の死も、きっと見届けることだろう。彼女の最後の呟きは、何故か、泣き
声のようにも聞こえた。
−−−
ドミネーターが失われて、ドミニオンは崩壊していく。
「無力だな。俺は」
片膝を立てて蹲り、“鋼の戦士”は深い深い息をつく。【かりそめの姿】に
戻り、・・・否、人間出身のハガネにしてみれば、【魔の姿】こそがかりそめ
の。
「時々、自分が本当に正しいのか、わからなくなってくる」
「貴方の正義は間違ってはいません。わたくしは、そう思います」
アンジェの励ましを受けて、ハガネは辛そうに笑った。
「アンジェさん。天使から見ると人間なんてものは、護るべき価値も、救うべ
き価値も、導くべき価値も、ないんでしょうね」
ほんのわずかアンジェは逡巡し、そして、模範解答をする。
「そんなことはありません。善き者も悪しき者も、人も魔も。生きとし生ける
者、全ては聖なる存在なのですから」
「あの半魚人は。人面魚達は。聖なる存在ではないんですか?」
この問いに関し、アンジェに迷いはない。
「奈落に冒されし、邪悪なるものです。滅ぼすほかは、なかったのです」
「そうですね。・・・そう、ですね」
その返答は、まるで自分に言い聞かせるかのようで。
青年は一挙動で立ち上がった。後援者に向けて、深々と頭を下げる。
「済みませんでした、なんか変なこと愚痴って」
「そんな・・・」
それで貴方の心が癒されるのなら。どんな言葉でも受け止めますものを。
ハガネは更に感謝を述べる。
「また助けてもらって、ありがとうごさいました」
「いえ、これも神の思し召しなればこそ」
二人の会話には割り込まず、そのくせ「ここのこと教えたのは私なのにー」
とか独りごちて、“混沌の監視者”はあっちの方で小石を蹴っ飛ばしている。
「レン」
ハガネはタッとそちらへ小走り、振り返ったレンと、図ったようにパァンと
手と手を打ち合わせる。
「ったく、待たせやがって。助けに来るならもっと早く来いよっ」
打って変わって砕けた口調。ニヤリと笑い合って、
「私が演じた役割は、君の物語に望まれたもの。来るのが遅いというのなら、
もっと早く私の助力を求めることだ」
「何ィ?」
「具体的には声を大にして『レン様どうかお助けを〜』と」
「調子に乗るな、3歳児」
「3歳児ゆーなっ」
肩を抱き合って勝利を喜ぶ。救えなかったものはあったが、護りたかった街
は、護りたかった人々は、無事に護ることができたのだから。
元は普通の人間で、今は亡き執行者“鋼の王者”の遺志を継ぎ3年前に覚醒
した“鋼の戦士”と、世界律の必然により、3年前に自動的に発生した“混沌
の監視者”とは、いわば同期生だ。その気易い仲はまるで幼馴染みか兄弟のよ
うで、“守護天使”はちょっとだけ羨ましく感じる。
「綺麗だな」
水面にあたる位置を見上げて“混沌の監視者”が言う。同じく見上げる“鋼
の戦士”。
“守護天使”アンジェの目には、濁った暗い色しか映らない。
「水の思い出が流れている。長い長い年月、この場が記憶してきた思い出。た
とえこの場は霧散して、形を失くしたとしても。全てが消え果てるわけではな
い」
「何だお前。それで慰めてるつもりか?」
「無論、そのつもりだ」
「ったく、お前の言うことはいっつもワケわかんないんだよ」
「それは君の頭が悪いせいであって、私の責任ではない」
「頭が悪い奴にもわかるように喋れないお前の方こそ頭が悪いんだ。つまり、
お前の責任だ」
まるきり小学3年生程度の会話だ。思わず笑ってしまいながら、
「二人とも、早くここを出ましょう」
翼を広げてアンジェが促す。
「わかりました、アンジェさん。でも、もう少しだけ」
半魚人が倒れた辺りに目をやり、ハガネは言った。
「・・・さよなら、水の精霊」
ドミニオン全体に感覚を向けて、レンが言った。
「・・・今度こそ本当に、さよなら」
降りた天使が上空へ舞い上がり、執行者が水面の外へと大きくジャンプし、
伝説の住人は空間跳躍、フッと姿を消した。
滅びたドミニオンが、地球ドミニオンに吸収されて・・・・・痕跡も、残ら
なかった。
−−−
付き合いの長さに比して、身体を重ねた回数は少ない。そんな暇がなかった
ということもあるが、何より彼女に妙な引け目があったからだ。
子供ができるわけでもないのに、と。
地球ドミニオンにとって異質の存在である俺は、地球ドミニオンの住人との
間に子をなすことはできない。精々、俺の持つ力と相性のいい地球ドミニオン
の住人に、死後、俺の力を託すことができるだけだ。
一方、彼女は伝説の住人。まして彼女は死の概念神。歴史の監視者が子をな
すという伝説が存在しない以上、また、彼女自身が死そのものである以上、彼
女が子をなすことはありえない。何らかの理由で彼女が死んだとき・・・否、
消滅したとき、もしも世界がそれを必要としていれば、世界に刻み付けられて
いる伝説や概念を核に、新たな歴史の監視者が世界のどこかで発生する。だが
その監視者は、彼女とは何の関係もない。
何度身体を重ねたところで、そして心をも重ねたところで、俺達の間に新し
い命が誕生する可能性は皆無なのだ。
「こうは考えられんか?」
穴を穿ったようなだけ、中途半端に空間が確保されただけのドミニオンの中
で、俺は彼女を抱き寄せながら言う。
「あのとき、お前と出会わなかったならば、俺は自分の力を後世に残そうとは
考えもしなかったろう」
彼女は不思議そうに俺を見る。
「だから、いつか俺の力を継ぐ者が現れたら、それが俺達二人の子供である、
と」
「それは・・・随分と強引な考え方だ」
「駄目か? いい考えだと思ったんだが」
「ああ」
彼女は俺の耳に囁く。
「随分と強引で、・・・素敵な考え方だ」
今日の彼女は、珍しく俺の誘いを全く拒否しなかった。いつもは散々渋った
挙句、仕方なさげに俺に抱かれるというのに。それどころか、むしろ積極的に
俺の愛撫に応えてくれる。俺達の子供、という言葉が効いたのだろうか。
俺は彼女を俺の上に乗せる。彼女の中に俺自身が呑まれる。二人で分け合う
二人の熱さ。対面で抱き合い、存分に繰り返すキス。
俺は彼女の身体を揺する。彼女の腰に手を添えて、上下に、前後に、そして
左右に。
「ん・・・くっ、んんっ!」
執拗に俺に擦りつけられて、声を上げそうになるのを懸命にこらえる彼女の
表情がたまらなく色っぽい。
「相変わらず意地っ張りだな。たまには声を出してみるがいい。俺を感じて、
喘いでみるがいい」
彼女は必死で首を横に振る。
「身体の方はこんなに正直だというのにな。気づいてるか? 俺はもうお前を
動かしていない、動いているのは・・・お前だけだ」
「そ、そんなこと、していな・・・ああっ!」
台詞の途中で唐突に突き上げてやると、さしもの彼女も大声を上げた。
「いい声だ。もっと聞かせてくれ。素直に」
少し拗ねたような顔で、彼女は俺のことを睨んで。
それから、あからさまに自分から動き始めた。先程のように、俺に揺すられ
るリズムに乗って惰性の如く動いているのではなく。自ら求めて、動き始めた。
「あっ・・・あ、あは・・・あ、んっ」
冗談だろう? 俺達二人の子供、の一言がこんなにもお前を俺に傾けるなん
て。こんなことならもっと早く思いつくのだった。
「凄い、な・・・こんな・・・ああ、気持ちいいよ、お前・・・」
彼女の痴態に酔わされて、俺の声も最早喘ぎだ。
「そんなにして、俺のこと、イかせる気か・・・?」
「違・・・っ、止まらな・・・!」
「構わん、イかせてくれ。お前が、俺を、イかせてくれ・・・っ」
やがて愛おしくも淫らな歓喜の声とともに仰け反る彼女を捕らえて、俺は彼
女に深く口づける。柔らかな彼女の中に俺のものをたっぷりと放出する間中、
俺は息をすることも許さない勢いで彼女の唇を貪り続けた。
−−−
中央公園、ジョギングコース。
朝靄の中。日の光は薄く。目覚め始めた緑の匂い。そっと吹き寄せる風。
「おはよう。今日は私の方が早かったな」
「おはよう。1分も違ってないだろう?」
ほぼ毎日、ハガネとレンは早朝に一っ走りする。
南東側の入口付近で待ち合わせて、念入りに身体をほぐして、スタート。
1週目はレンのペースで。ハガネにとっては早足で歩くぐらいの気分。一方
のレンはかなり真剣だ。
レンの密かなコンプレックスは、この街の有名どころの半魔の中で最も敏捷
性に欠けること。無論、人間とは比べものにならないし、戦いに支障が出るほ
どではないが、もう少し、何とかならないものかと。
ちょっとだけ、スピードを上げてみよう。次なるレベルへの挑戦だ。新たな
る一歩を踏み出して、
「わ!」
足首をひねって、ばったり。
「うわ、またマンガチックに転んだなぁ」
「・・・放っといてくれ」
ズレた眼鏡を上げ、ハガネが笑いながら差し出す手を取り起き上がる。
「空間跳躍なんかで楽してるからだ、いつも」
「あれだって結構コツが要るのだぞ? 歩いたり走ったりなんかより、うんと
難しいのだからな?」
「だったら普通に歩いたり走ったりして移動しろよ」
「だって仕様がないではないか」
「何がしょうがない?」
「空間跳躍の方が見映えがいいのだから」
伝説の住人的見解。
「・・・なるほどな。さて、もう少しでゴールだ、最後はここからダッシュ!」
2週目以降は、ハガネがレンを背負って走る。もともと、ハガネのトレーニ
ングにレンがつきあっているのだから。
「おはようございま〜す」
「あ、おはようございます」
同じくジョギング中の人、犬のお散歩中の人、常連さん達、新顔の人、通り
すがりに挨拶をしたり返したりしながら。
「おはようございます。いつも凄いですねぇ」
マイペースで走っている初老の夫婦が話しかけてくる。彼らのスピードより
も、レンを背負うハガネの方が早いのだが、折角なので速度を落とす。
「いやあ、トレーニングですから」
レン以外にも、ハガネは相当量のウェイトを身に着けている。ジャージの下
に巻いていても、見ていて何となくわかるぐらいだ。
「ごきょうだいですか?」
問われて二人、ちょっと顔を見合わせ、
「「どちらが上に見えます?」」
勢い込んで同時放送。
幾分気圧されたご夫婦、ちょっとだけ迷って、
「ええと、お兄さんと妹さんですか?」
「ええ、まあ、そんなもんです」
自慢げに答える『兄』。如何にも悔しそうな『妹』。
「じゃ、お先に」
その夫婦から十分に離れて、
「ほーら、やっぱり俺の方が年上に見える。これで通算・・・何連勝目だっけ
か? もう数え切れないぐらい俺の方が勝ってるぞ?」
「私の方が先に生まれたのにっ」
「半魔としては、な。それまでのタメが違うよタメが」
「・・・ズルいぞハガネ・・・」
「何がズルいんだ。それに、双子なら先に生まれた方が弟妹だ、そう考えれば
辻褄も合うだろう?」
「私達は双子なのか?」
「別に双子でいいんじゃないか?」
レンは少し考えて、頷いた。
「ん、わかった。私の方が先に生まれたけど、双子なので妹だ」
「では今後、俺のことはお兄さまと呼ぶように」
ハガネのほっぺたは、調子に乗って悪かったと謝るまで、横方向に引っ張り
続けられた。
「お〜ぅい、レン、ハガネ〜」
背中にレンを座らせてハガネが腕立て伏せをしていると、公園の垣根の外側
から、二人に声が掛かった。レンがハガネの背中から飛び降り、そちらへ両手
を大きく振る。ハガネも即座に立ち上がった。
「父さん!」
「師匠!」
その【かりそめの姿】は史料編纂課の刑事。“法の番犬”ロウ。百三歳の人
狼。レンの養父にして、ハガネの師匠。
執行者となって何度目かの事件で【真の死】の危機に陥り、あわやの事態を
寸前でロウに救われたハガネは、そのときかの人狼の戦いぶりに惚れ、以来、
師匠と呼んで慕っている。そしてレンは、少なくともアンノウンマンが聞いて
いる可能性がある場所では、ロウを「父さん」と呼ぶのだ。
「今お帰りですか」
「まあな」
脱いだ背広を肩に引っかけた格好で生あくびを噛み殺す姿は、ちょっと体格
がいいだけの、普通の男にしか見えない。その正体が、巨大武装を片手で振り
回す牙持つものであるなぞと、誰が看破できようか。
「父さんは昨日は残業で、死霊課に泊まり込んだのだ」
「そりゃお疲れさまです」
「そっちこそ、毎朝ご苦労なこっちゃのう。まだ何かやるんかい?」
「いえ、いつでも終われますよ」
「んじゃ朝飯でも食いに行くか。どこぞの朝定食か何か」
「父さんの朝御飯の方がいい!」
「何言っちょる。今から帰って、それから用意しとったら、腹減ってハガネが
死ぬじゃろ」
「いえ、俺もできれば師匠の料理が食べたいです」
ロウの手料理の美味さには定評がある。実はこの弟子、家庭料理の弟子でも
あって、人狼と伝説の住人と執行者とが、狭いアパートの一つ飯台を囲んで自
分達の手料理に舌鼓を打つことが稀ではない。微笑ましい話だ。が、よく考え
ると凄いメンバー構成だ。
「御飯はちゃんと炊いてあるから。いいでしょう?」
途端にハガネがわざとらしく驚く、
「へえ、お前が飯を炊いたのか。まさか洗剤で米を洗っちゃいないだろうな」
「失礼な。お米はちゃんと研いだのだ」
「ほう」
「砥石で」
「なにー!?」
「冗談だ」
「・・・やれやれ」
下手な漫才もどきのやりとりに失笑してから、ロウは二人の肩を叩いた。
「わかった、家で食おう。そんかし、手伝えよ?」
「「はいっ」」
魂の双子みたいに、二人の声が揃った。
−−−
玉座、というにはあまりにも簡素な、それは椅子だった。王者とまで呼ばれ
た者が最期に座る場所としては、質素に過ぎるだろうか。
あまりにも殺風景だと彼女が言ったので、お座なりに碑文なんぞも遺してみ
たが、俺の故郷の文字を読めるものなど、この地球ドミニオンにはいるまい。
それに、読めないでいてくれる方がありがたい。書いた自分でも恥ずかしくな
るような、お定まりの文言なぞ。
彼女に肩を支えられ、俺は玉座に座った。
この戦い。戦士の最期を飾るに相応しい大きな戦いだった。そして、故郷を
護れなかった男には勿体ないほどいい戦いだった。
「ありがとう」
「何?」
彼女が小首を傾げて俺を見下ろす。その顔が悲しげでも寂しげでもなくて、
俺は少し安心し、少し残念に思う。
「約束を、守ってくれた。俺を、このドミニオンに運ぶと」
「ああ。それは私だけの役目だ。果たさぬわけがあるまい?」
その微笑みは、喜びだろうか。
「俺の死と同時に、このドミニオンは完全に閉じられる。次に開くのは、俺の
力を継ぎ得る者が訪れたときだけだ。さあ、行ってくれ。お前まで、この中に
閉じ込められてしまわぬように」
彼女はゆっくりと首を横に振った。
俺は慌てた。時間がないのだ。
「歴史の監視者よ。世界がお前を待っているのだ、早く行け!」
俺の目の前にかざされる、彼女の手。
・・・透けて見えていた。向こうの景色が。
「お前・・・!?」
「君のいない世界に、もう、興味はない」
歴史の監視者は世界律の守護者。世界に興味を失えば、存在意義を失う。存
在意義とは、存在そのもの。自分を生み出した『物語』に背いて、伝説の住人
は存続し得ない。待っているのは、問答無用の【真の死】だ。
「馬鹿な! 何故だ!?」
「そんなことは知らない。わかっているのは、今、私がとても幸福だというこ
と」
自分の胸に、消えかけた両手を当てて。
「君の死は、私の死だ。ゆえに私は君の死を見届け、君は私の死を見届ける。
・・・なんて幸せなことなのだろう」
俺の願いは、彼女の死などではなかった。けれど。
彼女の顔を見て、どうしてそれが言えようか。
むしろ誇りに思う。愛する女に、これほど想われている自分を。
心の底から、誇りに思う。
彼女が歌うように告げる、
「このドミニオンの扉が次に開かれたとき、世界律に呼応し、君と私の物語を
核として、世界のどこかで新たな監視者が生まれるだろう。その者は、やがて
君の力を継ぐ者と出逢い、手を携えて戦うだろう」
「それもお前の願望か?」
「いいや。私の予言さ」
くすくすと笑って。
有り得ない。不吉の先触れ、死をもたらす者。最悪の結末の予言者が、最高
の未来を予言するなぞ。
いや、有り得るかも知れない。ただ一人の男のために世界の全てを手放した
歴史の監視者ならば。光り輝く祝福の未来を、予知するのかも知れない。
それに、俺が信じないはずがあろうか。彼女の、心からの言葉を。
「そうか。俺達の子供は、一人ではないのだな」
「そうだ。私達の子供は、双子の子供達だ」
もう、何も必要ない。言葉も、笑顔も、口づけも。
「ありがとう。・・・お休み」
俺が言ったか、彼女が言ったか、二人で言ったのか。それすらも、もう。
−−−
「っ!」
衝撃、痛苦も声にならない。地下通路、壁に叩きつけられて、“混沌の監視
者”レンは半ばそこに埋まった。一度は死の淵に囚われた命を、魔獣化によっ
て強引に蘇生させる。
次の一撃を間一髪で避けて、横っ跳び、距離を取って、体勢を立て直す。
怒りのあまりに堕ちた鬼、修羅。闘争と破壊に生きるモノ。
修羅の打撃力は激烈だ、次にダメージを受けたら確実にレンは【真の死】に
陥る。一方、眼前の修羅は、与えたダメージをものともせずに、今いる場所を
も打ち砕かんと咆哮を上げている。天井にヒビが入って、土が、小石が降って
くる。壁が剥がれ落ち、地に亀裂が走る。
「まだ生きているのかぁ、“混沌の監視者”ぁ!?」
「死ねるものか・・・君を、止めるまでは」
はあっと苦しい息を吐く。
何故、彼が奈落に染まることを望んだか。知っているからこそ、殺さなけれ
ばならないと。
歴史の監視者の、それは使命であり、意志であり、慈悲であった。
「止めるだと!? この俺を止めるだとぅ!?」
怒号の裏の、涙が聞こえる。
「止めてみろ、監視者。この俺を止めてみろ、レン」
修羅の拳が振り上げられた。
「誰かこの俺を、止めろぉぉぉぉ!」
残された力に可能な選択は2つ、《伝説の証明》でその威力を殺すか、さも
なくば、《裁きの光》で。
この一撃を凌いでも、次に彼を殺す手だてがないなら。
せめて、相討ちに。
「遅いわ!」
《聖撃》、レンが魔力を導く前に、修羅が放つは《因果の間隙》、《律の破
壊者》、電光石火の迫撃!
岩の如き拳が、肉をつぶし、骨を砕く感触。そして。
“法の番犬”、養父ロウに庇われたかとレンは錯覚した。が、そんなことは
有り得ない。かの人狼は別の場所で、暴走した自動人形と死闘を繰り広げてい
るはずなのだ。
「ならば俺が。お前を、止める」
自ら流した血にまみれながらも、真っ直ぐに修羅を見据えたのは、熱くひた
むきな目をした若者。
「変身。・・・ハイパー・モードッ!」
《戦闘形態》。鋼の鎧。魔獣化により、すがしくも強い金色に輝いて。
「俺の拳が! お前を止めるッ!」
レンは自身の驚きを振り払い、金色の戦士に声を掛けた。
「頼む、あの修羅を、あの鬼を。どうか止めてやってくれ」
伝説を紡ぐ力が、今、自分を護ったばかりの半魔に再び好機を与える。《彼
の出番だ》。
「インパクト・ナックル!」
右手に宿る正義の一撃。誓いを果たすは《必殺技》。思いを込めたる《百万
馬力》。魔気の解放、《無限の法則》。
「ハイパー・マックス・ブレイクッ!」
修羅の厚い胸板を抉る、脅威の破壊力。一点に加えられた力が、瞬時にして
全身に伝播。魂も消え果てんばかりの絶叫。
「俺の望みは闘いだぁ、俺の望みは破壊だぁ、俺は、俺は闘いを、全ての破壊
を望んでいるのだぁ!」
「・・・哀しい声だな」
「ああ。悲しい声だ」
自分の台詞に和した者、それでようやく気付いたかのように、金の鎧の青年
がそちらを振り返る。
「お前が師匠の言っていた、“混沌の監視者”レンか」
「君が父の言っていた、“鋼の戦士”ハガネか」
頷き合う。噂には聞いていた、信頼に足る相手だと。
それ以上に、いや、そんなことよりなお。
何故だろう。初めて会う、だのに知っている。懐かしいほど、互いの心を。
遺された、それは遥かなる過去の絆。
未来に連なる、祝福の絆だ。
「来るぞ!」
「応!」
修羅の蹴り。避けられたものではない。“鋼の戦士”は両の腕を交差させて
受け止め、耐える、鎧の力で。《真理のe》。
「次の一撃で、物語は終わる。君がこの悲劇を結末に、導け」
《遠くからの声援》が呼び覚ます、《無限の法則》。
「終わらせてやるよ、修羅。それがお前の本当の望みだ」
インパクト・ナックル、再起動。
「ハイパー・マックス・ブレイクッ!」
「お休み、修羅。もう、眠るがいい。・・・安らかに」
《裁きの光》。それは断罪ではなく、許しの。
破壊の拳に込められた最強の力。相手を思いやる心、愛が。
「そうか。俺はもう、休んでもいいのだな。眠っても、いいのだな。全てを、
忘れて」
修羅の荒んだ心を、救った。
「済まない。いや、・・・ありがとう」
笑顔、だったかも知れない。塵と化す直前に、彼が浮かべた表情は。
・・・ふら、と後ろへ倒れ、壁に当たってようやく立っている“混沌の監視
者”。“鋼の戦士”が側に寄り、
「大丈夫か、・・・レン?」
「少し、疲れただけだ・・・ハガネ」
名前を呼び合うのが、なんだか気恥ずかしいような。
ボロッ、ドサッ! と天井が落ちてきた。
「ここも崩れるな。出よう」
レンを横抱きにし、ハガネが走る。
「こんなことをしなくとも、私一人ならすぐに外に」
「空間跳躍ってやつか? そんなに疲れていて、できるのか?」
「それは・・・」
「だったら、俺がお前を担いで走った方が早い」
走り去る後ろで、通路が埋まっていく。
出口。光の中に飛び出して。
眩しいほど、朝の街並み。
抱いていたレンをハガネはそっと下ろした。足下がふらつくようなので、背
中の辺りを支えてやる。
魔獣化を解除。レンは【かりそめの姿】に「なり」、ハガネは【かりそめの
姿】に「戻る」。人間としての姿で、お互いを見つめて。
「初めまして、レン」
「初めまして、ハガネ」
両手で握手をして。
嬉しさ。照れくささ。懐かしさ。全てが混じった、笑顔。
記憶にない思い出が。知らない約束が。二人を結びつけた。
「くぉの野郎、俺の娘に何しちょるかぁーっ!」
バッ! と一瞬でレンを奪う腕、ガッ! と一撃でハガネを吹っ飛ばす脚。
娘と弟子を案じて加勢に来た父親兼師匠が、何を勘違いしたのか怒り心頭の
御様子。
「ごっ、誤解です師匠、俺は何も!」
「じゃかましい! 何が『俺は何も』じゃ!」
レンは目をぱちくりさせて、ロウの袖を引っ張る。
「ロウ、どうして怒っているのだ? ハガネは私を助けてくれたのだぞ?」
「助けたからちゅーてベタベタしてええちゅう理由にはならん!」
「え〜? 折角、初めて出逢えた『きょうだい』なのに、ベタベタしてはいけ
ないのか?」
不満そうな娘に、父は毒気を抜かれる。
「はあ? 『きょうだい』だぁ?」
「『きょうだい』だ。ねえ?」
レンがハガネに同意を求める。
「『きょうだい』だ。なあ?」
ハガネがレンに同意を求める。
ロウは、自分では落ち着いていると思っている口調で言った、
「あー、ちょっと待て、お前さんら。魔物出身の伝説の住人と? 人間出身の
執行者が? 『きょうだい』?」
「うん。私の方が少し先に生まれたから、私の方がお姉さんなのだ」
「おいおい、それには異議ありだ。俺は21歳、お前は1歳。だから俺の方が
お兄さんだ」
初対面で、何故そこまでわかるのか。
「じゃから何で『きょうだい』なんじゃと訊いちょるんじゃろうが」
レンとハガネはきょとんとした顔を見合わせて。
「「何でだろう?」」
・・・二人同時に、悩んだ。
「OK。わかった。俺が悪かった。飯にしよう」
唐突に話を変えるロウ。
「腹が減っちょるけん、わけのわからんことを言うんじゃ。話は飯の後でじっ
くりと聞かせてもらう」
−−−
子供達よ。破壊の拳を固めよ。邪悪を滅ぼすために。正義を貫くために。
子供達よ。先触れの歌を歌え。悲劇の昨日に死を。今日に希望の物語を。
俺達が夢見た未来で。
お前達の信じる明日を拓け。
・・・・・おしまい。
以上、>前スレ544を読んで思いついたお話でした。
“鋼の戦士(先代)”ד混沌の監視者(先代)”。
絶対に誰も予測していないカップリング。いえー。
タイトル見て「あれ?」と思った人。やーい引っかかった引っかかった。
本編2話目の時点で、ハガネとレンとが半魔3年目の同期生で兄弟みたいに
仲がいい、という設定はあったのですが、本当に兄弟にしてしまったのは>544
のせい。はっはー。
◇遥かなる父と母へ・・・
「なあハガネ」
「何だレン?」
「監視者は、王者とイチャイチャするのがあまり好きではなかったのか?」
「さーて、それはどうだろうな。まあ少なくともこの二人に関しては、イヤよ
イヤよも何とやら、だろ」
「あ、わかった。イヤって言うのを無理矢理するプレイとかされるプレイとか
なんだ」
「・・・色々教わってるんだな、師匠に・・・」
「でも、その辺の呼吸がわかっていなかった最初の1回目なんかは、ちょっと
大変だったのではないかな? どういう感じだったのだろう?」
「うーん、これは俺の予想というか、願望でしかないが、多分、お互いに憎か
らず想い合っているのがわかった上で、こう、折りを見て、だと思うぞ?」
「ふーん、『折りを見て』なんだ。『隙を見て』かと思った」
「てーいツッコミ・インパクトナックル、メタル・ブレイクぅ〜」
―――
「なあハガネ」
「何だレン?」
「王者は監視者に死んで欲しくなかったのに、監視者は王者と共に死ぬことを
選んだのだな。それ以前に、監視者は王者に死んで欲しくなかったのに、王者
は監視者と共に戦うために、命を縮める選択を自ら為したのだな」
「そうだな」
「これは絆なのか? エゴなのか?」
「・・・・・難しいな。絆とも言えるし、エゴとも言える。俺にはそうとしか
答えられないよ。お前はどう思うんだ?」
「わからないから、ハガネに訊いたのだ」
「そりゃそーだ。でもまあ、二人の場合は、最終的にその想いがお互いの方を
向いていたわけだから、絆だと思っていていいんじゃないか?」
「そうか。
今まさに閉じられんとする二人きりのドミニオンの中で、最期に確かめ合う
お互いの絆、か」
「ああ」
「これが今生の別れであるわけだし、王者には破壊の拳があるし」
「あ、ああ?」
「ここは一発、破壊の拳でフィスト・ファックなど」
「えーいツッコミ・インパクトナックル、クリティカル・ブレイクぅ〜」
―――
「なあハガネ」
「何だレン?」
「王者がやっていたような、『俺を感じて喘いでみるがいい』とか『動いてい
るのはお前だけだ』とかいうのは、言葉責めというのだろう?」
「そうだな」
「王者は、言葉責めをするが好きだったのか?」
「さてな。まあ、監視者は声を出すのも恥ずかしがるような人だったみたいだ
から、責め甲斐はあったんじゃないかな」
「『お前は豚だ!』とか『この雌犬め!』とか言って?」
「確かに責める言葉ではあるが、少なくとも王者と監視者との間でそれは言葉
責めとして成立しないだろう」
「あ、わかった。『王者様とお呼び!』だ」
「プレイ内容がビミョーに違ってきてるぞ。てかそれ王者のキャラじゃないし」
「じゃあ具体的にどういうのが言葉責めなんだ?」
「じゃあ具体的に、って言われてもなぁ」
「そうだな、正義バカでドーテーでカワカムリのハガネに、そーゆーのを訊い
た私が間違いだったよ。後でロウに教わるとしよう」
「せ、正義バカはともかく、後の二つはお前に言われる筋合いはないっ!」
「誰になら言われる筋合いがあるのだ? アンジェか?」
「いい加減にその口を閉じろ! おしおきインパクトナックル、マックス・ブ
レイク!」
「ぜ、全力攻撃っ!? ならばこちらも最終防御! 人狼バリア〜!」
「ハガネ! 弟子の分際で俺の娘に手ェ上げるたぁええ度胸じゃのう! そこ
直れ! 叩っ殺しちゃる!」
「こ、子供のケンカに親が出てくるのは卑怯じゃないんですか師匠!?」
「問答無用じゃ!」
「っぎゃー!」
「・・・・・世界の記憶の中に眠る鋼の王者、歴史の監視者。私達兄妹は元気
で仲良くやっています。安心してください」
「「済まん、全く安心できん」」
「「うわっ、化けて出たー!」」
・・・・・おしまい。
以上、本編4話目の自己パロディなお話でした。
52 :
くれは陵辱の人:2005/06/19(日) 22:06:11 ID:DN918TUu
>>18 ロンギヌスで確認……カイムンですな。
だが私は謝ら(ry
>>BBNT
>「砥石で」
笑いました。いや一個一個米を研ぐ姿を思い浮かべてみたら……
長い文章書けるってそれだけで尊敬できます。
・・・・・・レンたんはいるだけでなごむなあ。
NOVAのレイ×シエラって、どこかにありませんか?
何か言おうとして、口を閉じた。喉の奥がからからに渇いている。
彼も同じなのだろう。幾度も唇を舐めて湿していた。耐えかねて視線を落とす。
ひどく恥ずかしい事を言ったのは判っている。穴があったら入りたい気持ちだった。それでも手を離す事はできなくて、
その温度が更に私をかき乱す。
「…」
彼が、何か呟いた。え、と思った時には、膝立ちになった彼に抱きすくめられている。
「その…本当に、俺でいいのか?」
怖いくらい真剣な声だった。同じように真剣な目をしているのだろうと思った。
腕の中から彼を見上げる。腕を緩めて、私達は互いの瞳を覗き込む。
抱擁の外側から、私は彼の頬をそっと両手で包んだ。目を閉じて顔を寄せる。今度は、私からのキス。
「――あなたが、いいんです」
触れ合わせた唇を離して告げると、彼はひどくはにかんだ顔をした。
「支部長は、男を甘く見てると思う」
腰を引かれた。一瞬そり気味になった上体にあわせるように彼の体が被さって、私はゆっくり床に押し倒される。
頭の下にはいつの間にか彼の腕。ぶつけないように気を使ってくれたのだろう。
「俺、もう理性なくなるよ?」
距離が近すぎて、気恥ずかしさから思わず私は顔を逸らす。彼はその耳元に囁くと、戯れのように耳たぶを甘く噛んだ。
「ゃ…んっ」
予想しないところへの予想しない行為に、私は悲鳴めいた声を上げる。熱い息がかかる。ぞくぞくと体が震えた。ざらり、
と耳の後ろを舌が這う。かあっと頭の奥まで熱くなる。羞恥と、期待とで。
そこで不意に私は気付いた。彼の方は治療の際に、傷の消毒も兼ねて私が体を拭いている。でも私自身は帰ってから、シ
ャワーすら浴びてない。着替えの時に少しコロンを使ったくらいで、肌は汗をかいたままだし、髪だって。
そんな事で、彼に嫌われたくなかった。
「あ…待って」
先の言葉とは裏腹に、彼は行為を中断して私の顔をそっと覗く。体を綺麗にしたいという私の訴えを、ダメ、の一言で彼
は一蹴した。
「理性、なくなるって言ったよ」
彼の手が、私の両手首を捉えて床に押し付ける。
強く握られている訳ではないのに、ぴくりとも動かない。まるで筋力が違うのだ。
「もう一秒だって、離れていたくない」
彼の顔が私の首筋に寄って、また舌の感触が喉を這う。
「んっ」
「――支部長の味がする」
決して獰猛ではない彼の笑みが、一瞬肉食獣めいて映る。どきりと動悸が高鳴った。たべられてしまいたい。
「お願い。なら、ひとつだけ」
激しい運動の後でもないのに、呼吸が荒い。上手く喋れない。
「何?」
「ここじゃ嫌です。…隣が寝室だから、あの、ベッドで…」
両腕が解放された。と思うや、背中と膝下に腕が差し込まれる。すいと体が浮き上がる。
「え、きゃっ!?」
狼狽する間もあらばこそ。私は横抱きに抱え上げられていた。
「だ、ダメです! 降ろしてっ」
「じゃあ、ここでしようか?」
じたばたと暴れると、すかさず意地悪を降ってきた。優しげな顔なのに、やはり獣の印象。すっかり捕まってしまったの
だと思った。
「…」
諦めて私は彼に運ばれるがままになる。その間脳裏に浮かべていたのは、全国高校生女子の身長と体重の平均値。私は標
準値を若干下回る方であった筈だけれど、でもせめてもう少し、ダイエットの努力をしておけばよかったと悔いる。
寝室の電気はついていない。けれど狭いから、彼がベッドの位置を見誤る事はなかった。
「支部長」
「ん…」
私を壊れ物のようにそっと寝かせて、そして、三度目のくちづけ。
でも、ただ重ねるだけだった二度目までとは違った。私の唇を割って、彼の舌が侵入してくる。知識だけはあったから、
私も舌先でそれに応えた。呼吸と唾液が溶け合う。交じり合う。不器用だった互いの舌が、お互いを求めるうちにだんだん
と慣れてくる。
ちゅ、くちゅ。
ふたりの息遣いと、淫らめいた音だけがやけに大きく聞こえる。頭に霞がかかったようにぼうっとなる。
どれくらいそうしていただろう。
「はぁっ…」
どちらがついたとも知れない陶酔の吐息。魔法だ、と思った。これは魔法のキスだ。
それだけで、私を虜にする。
くちづけを終えて、俺たちはまた見つめあった。いつもは冷たいくらいに理知的な彼女の瞳が、濡れたようにとろんと蕩け
ている。
すっかり脱力して横たわる体。ふわりとシーツに広がる長い髪。横になったまま身動きした所為か、スカートが捲れて白い
腿が露になっている事に、おそらく彼女は気付いていない。
その何もかもが、どきりとするほど艶っぽかった。
過呼吸になりそうだった。もう彼女しか見えない。
欲望のまま胸元のボタンに手をかけるようとした瞬間、びくりと彼女が身を起こした。怯えた表情と仕草。交差させた腕で
胸を覆い、それからはっとした顔をした。
「あ…」
「――」
唇を噛む。俺は気が回らなすぎる。伸ばしかけて止めた手を、拳に変えて強く握る。さっき彼女は男に襲われかけたばかり
で、こうした行為に恐怖がない筈もないのに。
「やめようか?」
問いながら、卑怯だな、と思った。ひどく偽善めいた行為だ。俺は彼女が頷かない事を願っている。
そして願い通りに、彼女は慌てたようにと首を振った。ぎゅっと俺の袖を掴む。
「…大丈夫です。大丈夫ですから」
小さく告げる声に、悔いが身を焼いた。俺は堪らず彼女を抱き締める。その強さに若干驚いたような気配。けれどやがてお
ずおずと、俺の背中にも腕が回った。
「俺の脚がもっと速かったら」
前髪をかき上げて、額にくちづける。
「俺の手がもっと遠くまで届いたら」
囁きながら、閉じたまぶたの上に。
「ちゃんと守れたのに。怖がらせたりしなかったのに」
最後に、唇へ。小さく吐いた息とともに、彼女の体から力が抜ける。
それを確認して、俺はまた彼女をベッドに押し倒した。覆いかぶさるような格好で抱き締める。肘で自重を支えはするけれ
ど、ひょっとしたら重いかもしれない。そうと判ってはいても、離れたくなかった。
「…」
目で問うと頬を染め、こくりと彼女は頷いた。
ゆっくりと時間をかけて、ひとつめのボタンを外す。
今度は怯えさせないようにと思った事もある。右手片一方での作業だからという事もある。けれど時間がかかったのはそれ
だけじゃない。緊張で指が上手く動かないのだ。もどかしい速度。彼女の華奢な鎖骨のラインが露になる。
ふたつめ。下着が目に触れる。恥じらって彼女が顔を横に背けた。
みっつめ。部屋は暗いままで、差し込むのはカーテン越しの星明かりとも町明かりともつかないかすかな光。白磁の双丘が
その微光の下に姿を現す。
ぞくりとするほど綺麗だった。そして官能的だった。俺はそこで上体を起こす。寝台に座り込むような格好になる。
「ん…っ」
下着越しに胸に触れると、彼女の肌が羞恥から身を捩った。どうにでも形を変えそうな、やわらかな触感。
その感触を楽しみつつも俺の指は仕事をこなして、全部を外し終える。前を大きく開いて、今度は両てのひらで胸を包み込
む。わずかに荒くなる彼女の呼吸。これをどう脱がせばいいのか判らなくて、俺は半ば強引に、その下へ手を滑り込ませた。
ふくらみの上へずらすようにすると、桜色の頂点が外気に晒される。
鎖骨のくぼみに舌を這わせる。力加減が知れなくて、やわやわと彼女の胸を揉みしだく。
ちゃんと気持ちいいのだろうか? 未経験の領域でまるで判断が効かない。
「…支部長、その、どう?」
訊ねると、彼女は閉じていたまぶたを細く開ける。
「よく判りませんけど、あの、でも…続けて、欲しいです」
言い終えて目を伏せる仕草がいとおしくて、俺はまた唇を求める。慣れてきた動きで舌を絡ませ、彼女の口腔を犯していく。
くちづけを終えると、不意に下から俺の襟元に手が伸びた。
指が俺の首筋を愛おしむように撫でて、それからひとつ、俺のシャツのボタンも外れる。
「…私だけ恥ずかしいのは、ずるいです」
そのはにかんだような微笑みは、反則だと思った。
>>1 スレ立て乙。遅いけれども。容量の事はすっかり失念していたですよ。
とまれまたぞろ遅くなりました。風邪を引き込んでおりました。げほげほ。
無論書き慣れないシーンで迷走してたってのもある。
そんな都合で、感想とか返信とかはまた明日。
◇まんじゅうのきずな
「ん、どうしたレン? 何をヘコんでいるんだ?」
「ああ、ハガネ・・・ちょっと、ショックなことがあって・・・」
「何があった? 話してみろよ、少しは気が楽になるかも知れないぜ?」
「実は、
>>53に『いるだけでなごむなあ』と言われてしまったのだ」
「・・・・・? それで何でヘコむんだ? 褒められているんじゃないか、む
しろ喜べよ」
「私は不吉の都市伝説、死の概念神。それがなごまれてどうする。恐ろしいと
か怖いとか、忌避されてこそ存在価値があるのに」
「別に構わないだろう? 世界は広いんだし、なごみ系の不吉の都市伝説やら
癒し系の死の概念神やらが一人ぐらいいても」
「不吉だの死だのがなごみ系とか癒し系って時点で既にアイデンティティが崩
壊しているとは思わないか」
「気にするな、歩く凶兆のお前が正義の味方である俺と兄妹って時点で根本的
に何かが間違っているんだ。いっそ発想を転換してみたらどうだ?」
「発想の転換?」
「これからは、皆様に愛される『不幸の運び手』を目指す」
「不運を届けに行った先で『やぁよく来てくれたね』と歓迎されるような?」
「そうそう」
「それは人としてどうなんだ」
「いや人じゃないし」
「じゃあ半魔としてどうなんだ。そうやって逃げに走るよりは本分を貫くべき
ではないのか。ハガネだって、一生懸命正義の味方しているのに誰からも悪魔
の手先扱いされるのはイヤだろう?」
「なるほど。んじゃ、とりあえず形から入ってみるか」
「形から?」
「恐ろしいもの、怖いものと言えば・・・怪獣!」
「怪獣!」
「お前も好きだろ?」
「うんっ」
「実はここに怪獣さんの顔出し着ぐるみがある。例によってユメコの発案でア
ンジェさんが資金を出してコスプレショップに作らせたヤツなんだが」
「これを私が着るのか?」
「そうだ」
「普通の着ぐるみではなくて、顔出し着ぐるみなのは何故なのだ?」
「顔が出ていないと、怪獣のカッコした“混沌の監視者”なのか単なる怪獣な
のかわからないだろう?」
「ああ、そうか」
「じゃ、これに着替えてくれ」
「んしょ、んしょ」
「着たという証拠をアンジェさんとユメコに見せるために、写真を2〜3枚。
はい、ポーズ」
「こ、こうか?」
「・・・うん、よく撮れてる。さ、その姿で人々に不吉を振りまいてこい」
「うんっ。行ってきまーす。・・・・・さて、最初は誰がいいかな? やっぱ
り女の人の方が怖がってくれるかな? よーし、あの女の人達にしよう。
がおー、“混沌の監視者”だぞー」
「「「きゃーっ!」」」
「やったー、怖がってくれたー!」
「「「可愛い〜っ!」」」
「ええええっ!? 何で喜ばれているのだ!?
あのう、もしもし?
せめて、黒猫が目の前を横切ったぐらいには不気味だなーと思わないか?」
「「「えー? あたし達ネコって好きだしー?」」」
「そ、そうか、お邪魔した。
・・・女の人はダメだ、今度はあそこにいる男の人達にしよう。
がおー、“混沌の監視者”だぞー」
「「「うおおっ、萌え〜っ!」」」
「ええええっ!? 何でまた喜ばれているのだ!?
あのう、もしもし?
せめて、烏が鳴き喚いたぐらいにはゾッとするなーと思わないか?」
「「「烏が鳴いたぐらい、別に気にもならねーじゃん」」」
「そ、そうか、お邪魔した。
・・・とにかく大人の人はダメだ、あそこにいる子供達にしよう。
がおー、“混沌の監視者”だぞー」
「「「かいじゅーさんだー、きゃっきゃっ」」」
「えーん、やっぱり喜ばれてるよう。
あのう、もしもし?
せめて、朝蜘蛛を見かけたぐらいにはヤだなーと思わないか?」
「「「蜘蛛さんはねー、害虫を食べてくれるんだよー」」」
「そ、そうか、お邪魔した。
・・・うええ〜ん、どーすればいいのだーっ」
「およっ? レンじゃないか、こんなところで何を泣いていやがる?」
「ああ、ヤイバ。実は、かくかくしかじか」
「そーかそーか、そーゆーことで悩んでるのか。
だったらその着ぐるみを脱いだ方が怖いと思うぞ?」
「えー、そうなのかー? んしょ、んしょ、脱いだぞヤイバ、怖いか?」
「ああ、怖い怖い。そのタンクトップと短パンも脱いだらもっと怖いなぁ」
「下着だけの方が怖いのか。んしょ、んしょ、脱いだぞヤイバ、怖いか?」
「おおう、怖い怖い怖い。そのまんま、俺のほっぺにちゅーなんぞしてくれた
ら、もっと怖いんだがなあ」
「そうか、えいっ」
「うひゃ〜、怖い怖い、さいっこーに怖いっ。んじゃ次は、俺のズボンとパン
ツを脱がせてだな、そこから出て来たモノにちゅーしてくれたらもう、卒倒す
るほど恐ろしいぜ」
「わかった、ええと、まずはベルトを外して、・・・あ、ヤイバ」
「ん、何だ?」
「君の不吉が背後に来ている」
「え?」
「・・・・・ヤイバよ」
「げげーい、ロウ〜!? 何でこんなところにー!?」
「俺の娘に何をさせていやがる」
「いやその、レンがな、なんか、怖がって欲しいっていうから」
「そうか・・・・・」
「わ、わかってくれたか」
「ならばお前さんが【真の死】の恐怖を味わえぃ!」
「うぎゃー! 死ぬっ、マジ死ぬ、やめろっ、ぎょええええええええ!」
「・・・死んだかな? ヤイバ? ヤーイバ? ん、死んだか。
あー、今日もいい不幸を届けた! 明日も頑張ろうっと!」
・・・・・おしまい。
以上、
>>53を読んで考えたお話でした。
>>55 うわーっうわーっうわーっうわーっなんかなんかなんかなんか!
こっぱずかしーっ!!!!!
あまりのこっぱずかしさに旦那を殴りにいきましたよ! ええ! ぽかす
かと! きゃー!
GJGJGJGJ! ぐっじょ〜〜〜〜〜ぶ!
あ、風邪の方、おだいじに(←あからさまについで)
65 :
前スレ520:2005/06/20(月) 21:04:35 ID:rS3Unfqu
えーと、思いつくまま書き始めてみたわけなんですが。
エロパロって難しいのね……
すぐに萌えパロか燃えパロになってしまう……orz
66 :
全スレ441:2005/06/20(月) 21:04:50 ID:qd9OECSU
容量制限かぁ……
変なタイミングで書き込んでしまったみたいですね。申し訳ない
>>54 保管庫に拙作がございます。よろしければどうぞ。
>>55 鼻血吹くかとおもた。
>>まんじゅうの絆
いやほらレンたんを練炭と書けば、あっという間になごみ系の死の使いに
ならない? ああそう。
忙しくてしばらく来れず…一気読みしたら燃えと萌えで死にそうだ…がふっ
〜□○0
〓■●_
>15-17
カイムン、もっと色々行き着くとこまでやってくれると思ったのに…この高まった期待をどこへ向ければいいのカッ(涙目でクワッと目を見開いて)
…で、柊のこの先の受難を楽しみにさせていただきますね(笑)
>王者とか監視者とか双子とか
王者カコイイ…けどえちぃですね…言葉責め大好きです(w
そしてロウの親ばかっぷりが見事。…いっそ将来狙ってるよりも心底ただの親ばかだった方が個人的に好みだったですw
あと、ヤイバ。自業自得っぷりに萌え(笑)
>切り札と瞳
…砂糖吐きながら萌え尽きそうです…“切り札”のセリフじゃないですが反則ですw
そのおかげで侵食率がスゴイことに…戻ってこれなかったら責任とって下さいね?(違)
69 :
55:2005/06/21(火) 04:43:55 ID:xuKfDO4p
こそりとSS感想投下。間が空いてるのは気にしない。
改行多すぎで分割せざる得ない感じなのも気にしない。
>前592
タイトルに違わぬいびりっぷり。そして柊は見事な誘導されっぷり。
ルー計画とベル計画はそれぞれどんなのなのかが気になるところです。
というかこのふたり、完全に魔王やら世界の守護者やらの玩具だな、と思う今日この頃。
>前605
アク禁関連はご愁傷様でした。ハヌ/ソラSSは俺も読んでみたいなと思ったり。
ただやられるだけの悪役ってのは趣味的に好きではないのだけれど、彼は長さとの兼ね合いもあったりで、背景も心理も描
写のないまま故人と相成りましたから。そこをどなたかがそこを保管してくださるというのなら、これほど嬉しい事もなか
ったりです。そもそも俺、ひとのSS読むの大好きだしな。
侵蝕率。では万一の時は責任を取って、「大丈夫だ。俺が殺してやる」(棒読み)
70 :
55:2005/06/21(火) 04:44:31 ID:xuKfDO4p
>前608
ああもうこのダメお姉さんめー!?(←褒め言葉)
相変わらず大勢のキャラクターを出しつつそれぞれの色を失わせないのはさすが。失わせないどころかキャラ立ちしている
辺りは脱帽。でも姉さん、ジェラシーには気付いてあげようよ。自分の事には疎すぎだ。
そして男どもは本当に駄目だなぁ。判ってないというかなんというか。ダメだねホント、てんでダメ。
【馬鹿は自分を棚上げした】
>前644
ここに灯がいるのは、間違いなくアンゼロット様の仕込みだと判断するわけですが。さて一体どういう経緯で引っ張り出さ
れてきたのだろう。っつーかこの後どう絡んでプールへ移行するのだろう。ところでカラむって開いて書くといやらしく思
いませんか。俺だけですか。そうですか。
>>20 ひっかかったよこんちくしょう。そして思わぬ理由でドメスティックバイオレンスが!?
役目を果たせなかったものと、役目を果たすしかないものと。遠く去ってしまったものと、損なわれずに受け継がれたものと。
そういうのは実はツボだったりする。危ないところだった。「それは私だけの役目だ」が気に入り台詞でした。
でもその後の外伝で余韻台無し。インパクトナックルでつっこむな。そして人狼でバリアを張るな。そして化けて出るな。
もう大笑いでござんしたさ。
あと外伝4。レン、詰めが甘い。そこでユメコを召喚してこそだ。
正直マルチレスがウザい。
正直↑がウザい。
>>70 >そこでユメコを召喚して
ユメコならヤイバと二人でレンを(あるいはヤイバとレンとを同時に)蹂躙
するに決まっているのですが、それだとレンに不幸(?)が降りかかったこと
になります。もたらす者がもたらされてどーするのかとw
え、ユメコがレンと一緒にヤイバを蹂躙するのでは?(まて
>>68 すいません、カイムンのネタは色々考えてたのですが、ここでいろいろやっちゃうとベルの話が薄くなるのでばっさり削除しました。
続きです。まだ柊は出てきません。
ベルの城。そこでベルはカミーユ=カイムンからの連絡を受けていた。
「その様子だと上手くいったようね」
「ああ、ベル。上手くいったさ。根は結構単純な奴だからね。今彼女を助けに向かってる」
そういってカイムンはゆっくりと振り向く。
ルー=サイファーの策としてはこうだ。まず柊蓮司を捕まえてエミュレーターに近いものとする。
そして彼の目の前で彼のよりどころである赤羽くれはを惨殺し、そのまま柊蓮司の心を破壊し、完全にエミュレーターに近い存在にしてしまう。
それがルーの描いた策であった。
「でも、その前に私がくれはを捕まえておけば、そう簡単に彼を操れないわね」
「そして、追いかけた先は、君の住処と言うわけか。まったくもって恐れ入るよ」
そう言ってカイムンはベルに質問する。
「で、彼をどうするつもりなんだい?」
「私の配下か恋人か……とにかく私なりの方法でこっちの陣営につけるから」
「へー、恋人ねえ……」
「あら、ウィザードもエミュレーターも、同じ月衣を纏った者同士話せばわかってくれると思うわ」
そう言ってベルがクスクスと笑う。
「面白そうだな。上手くいったら何かおごってくれ
それじゃあ、僕はこれで失礼する」
興味深深だが、それをおくびに出さず、カイムンは連絡を切った。
「ううう……」
後ろから呻き声が聞こえ、ベルは優雅に立ち上がると、声をかける。
「あら、お目覚め?赤羽くれは?」
「はわ?はわっ?」
「うふふ、まだ状況がわかってないのね」
そう言ってベルはくれはの体をそっと触る。
「私が……小さくなってるの?」
「そう、小学生の時のあなた。助けに来る彼は近くのお姉さんに恋をしてしまい、幼馴染の事を忘れてしまうのです」
そっと、くれはの耳に予言めいた声が響く。
「柊が……私の事を忘れるって事?」
「そう」
「そんな事無いよ……」
小さな声でそう断言する。いつも戻ってきてくれた幼馴染それが今奪われようとしている。
「トリックは簡単。この部屋の前の部屋にある罠が仕掛けてあるの」
「………」
「常に発動してるから回避も防御する事も不可能」
「…………」
「簡単に言えば……強い媚薬ね。吸い込んだ後、最初に見た人間に強力な性的快感を覚えてしまう……」
「………」
「効果時間は解毒をしない限り永遠。もっとも薬だから『解毒』って変だけどね」
そう言ってクスクスと笑ってベルはくれはを見る。
「わかるでしょう?その結果がどんなものになるか」
「はぅっ!」
その未来を想像して、くれはの瞳は恐怖で濁り始める。
「彼が来るまで少し遊びましょうか」
ゆっくりとくれはに近づき、下あごを掴みそのままキスをする。
「ふぅっ!」
威嚇するような声を上げてくれははベルを振りほどこうとするが、さすがに小学生の体ではそれもできない。
「彼とはキスしたの?それともまだ一緒にいるだけ?」
そう言ってベルは清楚とも妖艶とも思える笑みを浮かべる。
心を見透かしたかのような台詞にくれはの顔は赤くなる。
「彼が来たわよ。貴方を助けに」
そう言ってベルがくすりと笑った。
===
すみません、ここまでです。
>>75 配下とか恋人とか、魔王仲間にもとうとうカミングアウトですか。
なんかくれはいじめ、作戦というよりも私怨じゃないですかベル様。
失礼に聞こえたらあれだけれど、何かどんどん上手くなってる印象がある。
続きを楽しみにしております。
着衣せずに街を歩けと言われたら、誰だって難色を示すだろう。衣服は第二の皮膚のようなもので、生まれた時からこれに
慣れ親しんでいる私達は、他者に素肌を晒す事に抵抗を覚える。
でも一番恋しい相手と、一番親しい行為をする時。それは邪魔ものでしかありえない。
もう幾度目か判らないくらいのキスと優しい指に愛されて、私は生まれたままの姿になっていた。
「あ、あ……っ」
最初はくすぐったいだけに思えた感触が、今は電流のような刺激に変わっている。ぞくぞくとするものが背中を走る。
肌にかかる彼の呼吸が。私の輪郭をなぞる指が。甘美なわななきを塗りつける舌が。
私の体にどんどんと熱を蓄積させていく。恥ずかしいのに、やめて欲しくない。
意識がぼんやりと霞む。頭が上手く働かない。並列思考、高密度思考を能くするノイマンの私にとって、それは本来とても
不安な状況のはずなのだけれど、不思議と恐れはなかった。
腕を伸ばす。彼の頬を包むようにする。キスが欲しかった。
「…ん」
私の甘えを即座に了解して、彼の腕が私を抱き締める。下唇を味わうようにしてから、私達は濃厚なくちづけを交わす。
人肌の安心感というものは確かにあると思う。素肌と素肌が触れ合って、そこからぬくもりが私に伝わってくる。同時に彼
の気持ちまでもが届いてくるよう。
幼子のように私は彼に縋る。彼の強い腕が私を抱き締める。
この腕が私を守ってくれた。このひとが、私を守ってくれる。
官能的な抱擁の中で、私はひどく幸福だった。彼も同じように感じてくれているだろうか。この陶酔を共有しているのなら
ば、これほど嬉しい事はないと思った。
舌を絡めあいながら、彼の指が私の秘裂をなぞる。掘り当てた一番敏感な部分を指腹で転がす。
「んん、ふぁ…は…っ」
強すぎる刺激に、あられもない嬌声が漏れてしまう。口を吸われたままだから声を隠す事もできない。
ひょっとして。私は絶え間なく与えられる快感に翻弄されながら考える。
先刻あの男に投与されたエフェクトが、まだ残留しているのだろうか。それでこんなにはしたなくなってしまうのだろうか。
違うと思った。彼だからだ。
彼に愛されているから、私はこんなになってしまうのだ。
「あっ、あっ、や…ぁ…」
自分のものとは思えない甘い喘ぎが高くなる。彼の指が動くたび、粘着質な水音が聞こえた。唇が離れる。唾液がつうと長
く糸を引いて、切れた。位置を変えた彼の手が膝にかかる。
「だ、ダメです!」
経験はなくても一渡りの知識はある。何をされそうになったのか悟って、私はぴたりと足を閉じた。
「どうして?」
「…だって、そんな事…」
彼はその、私の女性の部分を愛撫しようとしたのだ。舌で。必然的に全部見られてしまう事になるわけで、こんな行為に及
んでおきながらかもしれないけれど、それはどうしようもなく恥ずかしかった。
言いよどむ私に、彼がまた優しく笑った。あの、どこか獣の印象の笑顔で。私の背筋を、昏い悦びめいた何かが震わせる。
「きゃ!?」
閉じた膝を、彼は押し上げるようにした。そして付け根に近い部分にくちづける。
「力、抜いて?」
「ダメですってば…あっ」
熱い舌が、合わせた私の内腿を這った。膝の辺りまで舐め上げると、下に戻ってもう一度。
「んっ、だ、めぇ…っ、ダメで…ふぁ、ん…っ」
また呼吸が荒くなってしまう。ぶるぶると両足が震える。力が抜けていく。幾度も幾度も念入りに、執拗に繰り返されて、
閉じた足が押し開かれた。
「や、やだ、いやです…っ!」
私の足は、間に彼の頭を挟み込むような格好で押さえ込まれてしまっている。せめてもの抵抗に両腕を突っ張って彼の頭を
遠ざけようとしたけれど、まるで無駄だった。
「綺麗だよ」
ちゅ。音を立てて、くちづけられた。
「あうっ、くうぅっ!」
熱い感触が、浅く潜り込んでくる。先よりもずっと淫らな音が響く。
「だ…めぇ…っ、こんなの…恥ずかし…ああっ」
敏感な粘膜を刺激されて、制止の声すら甘く蕩ける。
「あっ…あ、あ、ぅん、はぁっ」
襞を舐められ、零れる蜜を啜られ、過敏なくらいの芽を責められ続けて、私は腰をくねらせる。殆ど無意識に、秘所を彼に
押し付けるような動きをしていた。
どこかへ運び去られそうになる意識を繋ぎとめようと、力を失っていた手がぎゅっとシーツを握り締める。快楽と羞恥で焼
き切れてしまいそうだった。
「や、わた…し、もう……あ、あっ、あああぁっ!」
頭の中が真っ白になる。くうっと体が弓なりに反り返った。それから糸でも切れたかのようにぐったり全身を脱力させ、荒
い息のまま私は余韻に身を任せる。
「…」
どれくらいそうしていたのだろう。彼が額にかかった私の髪を掻きあげた。少し心配そうに覗き込む。
「――ひどいです。ダメって言ったのに…」
甘えた抗議を行うと、彼は困ったような顔をした。
「ごめん。あんまり可愛いかったから、つい」
行為の名残りだけでなく、顔が赤くなったのが判る。二の句がつげなくて他所を向くと、彼の下腹が視界に入った。そこに
は硬く屹立した男性の象徴。
――私で、興奮しているんだ。
なら、許してあげてもいいように思えた。
「――ひどいです。ダメって言ったのに…」
拗ねたような眼差しで、彼女が俺を責める。
でもその声も見上げる瞳も。達した後の残り香を色濃く宿したままで、余計に気分をかきたてられてしまう。
「ごめん。あんまり可愛いかったから、つい」
平素からはまるで想像できないような反応をするから、ついいじめてしまいたくなる。
そう素直なところを白状すると、元々赤い顔をさらに紅潮させて、目を伏せて視線を逸らした。
…それが悪いんだってば。
「きゃ、んっ…」
指先で女の子の部分を撫で上げると、彼女はびくりと体を震わせた。花びらからはとろとろと蜜が零れて、シーツに染みを
作っている。
ぷっくりと充血した花芯を責め続ける。甘い切ない喘ぎ。透き通るようなソプラノが、明らかな官能を漂わせて部屋に響く。
すっかり力の抜けた四肢を投げ出し、彼女は俺にされるがままになっている。
「すごい、いやらしい顔してるよ」
「やっ、いやです…見ない、で…あっ」
顔を隠そうとする腕を押さえ込み、涙ぐんだように潤むその瞳を見つめながら囁く。
「支部長」
俺のモノは、とうに痛いくらい硬くなっていた。
「――いい?」
言葉の意味の理解と逡巡の数秒の後、彼女はこくんと頷く。
「でも…私初めてですから…あの、優しく…」
頭が沸騰するかと思った。そりゃ俺も健全な男子だから、その手のものを見たり読んだりした事はある。ただ台詞として聞
くのと、実際に言われるのとでは、破壊力が段違いだ。
「…ああ。俺も、経験があるわけじゃないけど、努力する」
一瞬見栄を張ろうという考えが頭を過ったけれど、大人しく俺も自分の不慣れを白状する。
逆にそれが彼女の緊張を解いたようだった。くすりと笑って、
「じゃあ、よろしくお願いしますね」
唇を重ねるだけのキスをして、俺は俺自身を彼女の秘裂にあてがう。先端が彼女の果密に塗れていく。それだけで達してし
まいそうに興奮した。
「…」
俺の焦りを察したのか、そろそろと彼女の手が伸びた。俺の手にそっと重なる。
「…あの、もう少し下です…」
「ど、どうも」
「あ…いえ」
ものすごく間抜けな会話を交わした気がした。顔から火が出そうだ。
「…んっ!」
案内に従って、俺が内側に侵入する。小さく苦しげな声を彼女が漏らす。
熱い。そしてきつい。まるで手で握り締められているみたいだった。沸き上がる快感を受け止めながら、腰を進める。
「っ…! は…っ!!」
めりめりと抵抗を貫いていく感触。彼女の体が強張った。手を口元に当てて、苦鳴を押さえ込もうとする。
「あ…大丈夫?」
こくこくと頷いてみせるけれど、とてもそうは見えない。薄明かりにも顔は蒼白のようだし、涙はぽろぽろと頬を伝って零
れていた。まだ先端だけとはいえ、余程に痛むのだろう。
俺は身動きしたい衝動を必死に堪えた。
「痛いんだろ? なら…」
早く浅い呼吸を繰り返しながら、彼女は首を振る。
「少し、少しだけ…待って下さい。ズルをしますから」
言いながら、俺の手をそっと握った。俺の右手に彼女の左手。彼女の右手に俺の左手。指を絡めて、きゅっと握る。
ふぅ、と彼女が息をついた。その動きで刺激されて、ぞくりと快感が走る。
「痛みだけ、ある程度抑えました。これで多分…大丈夫です」
告げられて俺は思い至る。ソラリス。それは自在の薬効を精製するシンドロームだ。
「だから、今度は私で…私で、あなたが気持ちよくなってください」
本当に、理性の糸が切れた気がした。応えもせずに、俺はゆっくりと深いところへ進み始める。
「あ、あっ、あっ…こんな、奥…ま、で…ぇ」
ぎゅっと繋いだままの手が握り締められた。苦痛だけではない声で、彼女が眉をよせる。
彼女の中に全部を納めて、今度はゆっくりと戻り始める。
「ふ、ああ…ん、く、ぅ…っ」
ある程度、と言っていた。痛覚を抑えたのはある程度だと。痛覚を遮断してしまえば、きっと他の感覚まで弱まるから。それ
でそういう対応をしたのだろう。
だから出来るだけ痛まないように、時間をかけてゆるゆると動く。入り口まで戻ったら、また少しずつ、奥へ奥へと。
数度そんな抽送繰り返すうち、彼女の細い腰が微妙なくねりを示し始めた。
「ふうっ…ううん、あっ…ああっ」
まるで俺の動きにあわせるように、白くやわらかな体がうねる。
彼女を守っていきたいと思う心と、思う様蹂躙して壊してしまいたいと思う心。ふたつが同じ強さで渦を巻く。
いつの間にか、動くペースが速くなっていた。腰をうちつける音と、結合部からの水音。ふたりぶんの甘い吐息。全てが俺た
ちを高みへと押し上げていく。
「ああっ、あっ、だめぇ、もう、もうっ、…わ、たし…んんっ」
汗の玉を浮かべた彼女の肌が薄桃に染まる。華奢な肢体がくうと仰け反った。声にならない声。ただでさえ狭隘な通路がぎゅ
っと収縮する。もう昂ぶり切っていた俺はその締め付けに耐えられず、彼女に続くようにして欲望を吐き出して果てた。
ふと、目が醒めた。隣には人の気配。彼の温度。
互いに素裸なのを見て取って寝起きの頭は一瞬パニックを起こしかけたけれど、記憶が蘇ってくるにつれて少しだけ平静にな
る。でも、鼓動は早いままだ。彼との行為を思いだして、頬が熱くなる。
時計は見えないけれど、世界はまだ夜の気配で包まれていた。
少しだけほっとする。まだこのままで、ふたりきりでいられるから。
昨日から今日にかけて、本当に色んな事があった。
自分の気持ちに気付かされたり、思わぬ襲撃を受けたり、嫌われていると思っていたひとと、本当は両想いだったり。
疲弊し切った体はまだ睡眠を求めていて、私のまぶたはまたとろとろと落ち始める。本当はこのままずっと、寝顔を見つめた
ままでいたかったのだけれど。
彼の目を覚まさないように、そっと顔を寄せる。
――おやすみなさい。いい夢を。
頬にそっとくちづける。
――できたら、私の夢を。
目を覚ますと、見知らぬ天井だった。見知らぬ部屋。見知らぬベッドの上。
寝台の脇には、俺の衣服がきちんと畳んで置いてあった。
「…」
ビデオの早回しのように、昨夜の出来事が脳裏を駆ける。この部屋に彼女はいない。
「おはようございます」
着衣して部屋を出ると、彼女がちょこんと頭を下げた。
「え、あ、ああ、うん、おはよう」
丁度身支度を整えていたところのようだった。ふと時計を見れば時刻は11時。制服だけれど、これから登校するつもりなの
だろうか。応対しながら、俺はいたたまれなくなる。彼女の挙措はまるで平静で、昨日の事がまるで嘘のようだ。
「あの」
「あのさ」
同時に切り出して、俺達は何故か赤面した。
「お先にどうぞ」
「いや、支部長こそ先に」
それなら、と彼女は言いにくそうに咳払い。
「その、お願いがひとつあります」
「うん」
「…ふたりだけの時に、『支部長』はやめてもらえませんか?」
どうも他所他所しい気持ちがします、と消え入りそうな声が付け加える。
「判った。じゃあ俺からもお願い、いいかな」
「はい」
「し…あ、えーと、君は大抵忙しそうだし、今日はどう考えても学校は遅刻。だから」
支部長、と言いかけて止めて、けれどいきなり名前は呼べなくて、逡巡の挙句俺は卑怯な方向に落ち着く。直後普通に名字を
呼べばいいだけだと気付いたが、まあ後の祭りだ。
ひとつ深呼吸して、先を続ける。順番は逆になってしまったかもしれない。でも。
「だから、デートに行こう」
かすかに頬を赤らめる。それからはにかみがちに頷いて、彼女はにっこり、満面の笑みを浮かべてくれた。
ふふ、連投規正待ちの間に面白そうなスレ探して覗いてたら、思いっ切り誤爆こいたぜ。
とまれ大苦戦。「風呂に入るのは簡単なのに、それを文章にするのは難しい」と言ったのは誰だったか。
次でエンディング。それでこの話はひとまずお終いと相成ります。
んじゃまた、続きが出来たら。
キタコレ
「そこの精霊使い! 危ないぞ、離れてろ!」
初めて彼女を見かけたのは、ウィンカスターへの移動中、小さな、といって
も村一つ分は丸ごと入るだろう大きさの、まるで暗黒の淵のような奈落のほと
りを通ったときだった。
後姿だけでも一目で風の精霊使いとわかる金属質の髪、透明な翼翅。火や水
の精霊とはまだ契約していないようだった。
パンツァーのリアクター内で、俺のシャードがかすかに振動する。なんだ、
こいつもクエスターなのか。初対面のクエスターに巡り逢うのは久しぶりだっ
たので、俺は少しだけ嬉しくなった。
俺はエクスカリバーのメンバーとして、“青の”導師シェルリィの下、奈落
のモノを狩るのが生業だ。精霊使いは奈落を不倶戴天の敵とする者。だから俺
は、商売柄、比較的多数の精霊使いを見知っている。無論、奈落を前にした精
霊使いがどんな反応をするのかも熟知しているつもりだ。
ふ、と精霊使いが動く。くそ、やっぱりか。
「その奈落は、お前一人にどうにかできる代物じゃない! 無茶をするな!」
風の精霊は奈落に反応して迎撃する自動的な存在だ、そして風の精霊使いも
また。だが、ここまで巨大化し、しかも固定化してしまっている奈落に、たっ
た一人の精霊使いがちまちま攻撃したところで、相手はビクともしないどころ
か、下手すれば精霊使いの方が奈落に囚われかねない。精霊使いが奈落に攻撃
を開始する、と思い、俺はパンツァーを急加速、スピードを上げて精霊使いと
奈落との間に割って入った。
精霊使いは、しかし、どうやら俺の声に振り向こうとしていただけらしく、
「そんなことは、わかっている」
ポツリと言って、俺に背を向け、とぼとぼ、と形容したくなるような足取り
でその場を去っていった。
俺は、それ以上彼女に声を掛けることができなかった。勿論、他に声を掛け
るような用事もない、ということもあったが。
精霊は、契約者に力を与える代わりに契約者の心を、そして身体を、根こそ
ぎ喰らい取っていく。例えば風の精霊使いは泣かない。白銀めいた肌が、涙に
濡れることはない。
それなのに彼女の表情は、泣いていないのが不思議なくらい、悔しげで、悲
しげで。
見ている俺の方が切なくなったほどだったから。
―――
俺は元々、帝国軍のパンツァー乗りだった。
ある日、どういうわけだか知らないが目の前に落ちてきたシャードを、俺は
反射的に拾った。その足で、いにしえの神の声に導かれるまま、後先考えずに
帝国軍を脱走した。昔の仲間に追われているときに、たまたまエクスカリバー
のヴァルキリーに助けられ、彼女(?)の紹介で“青の”シェルリィに師事す
ることになった。まあ、エクスカリバー所属のパンツァーリッターとしては、
極々平凡な出自である。
「“月の魔女”グナーデが、また何かよからぬことを企んでおるようじゃ」
今夜も、通信コインのホログラフィが導師の命を伝え、更に、目的地の位置
を記した地図を浮かび上がらせる。
「何を起こそうとしているのかはまだわからぬ。その点もふくめて、おぬしに
調査を頼みたい」
「了解」
「シャードの導きがあらんことを」
通信終了。ただの金貨に変わってしまった通信コインを指で弾き上げ、俺は
到着したばかりのウィンカスターの宿を、翌朝に引き払うことになった。
3日ばかり荒野を疾走。やれやれ、あの奈落の淵にいた頃に連絡をもらえれ
ば、1日で着けたものを。
村はずれに人間大のご立派な道祖神様が隆々と勃っている、もとい建ってい
る、そこは、どうやら廃村だった。帝国軍を恐れてか、それとも何か別の理由
があったのか、それは俺にはわからなかったが、誰もいなくなってまだ数ヶ月
も経っていない、というような寂れ方。
村の特産品はヒマワリだったようだ。今や夏本番。広大なヒマワリ畑が見事
な真っ黄色に咲き誇っている。畑に沿って走っているだけでうきうきわくわく
してくる。これでもかと言いたげに、天高く突き上げる生命力。
その一郭が、ガサガサガサッと動いた。と、同時に振動を始める俺のシャー
ド。敵でない、と予めわかるのは有りがたい。が、こんなところにクエスター
だと?
林立するヒマワリを大きく掻き分けて、
「だぁっしゅつぅ〜♪」
脱出、と歌うように言いつつ、冒険ごっこをしている子供みたいに楽しげな
にこにこ笑顔で、ぴょーん、と一跳び、飛び出してきたのは。
「「あ」」
目と目が合い、声が揃った。
白銀の頬がカァッと赤くなる。
「あのっ、今のは、そのっ」
俺は、多分ボーゼンしたとアホ面下げて、彼女を眺めているだけのはずだ。
そんな俺に何を言い訳しているのやら、ばたばた両手を振り、何とかごまかそ
うとして。
こほん、と一つ、咳払い。
何事もなかったかのように、
「こんにちは」
と頭を下げ、
「ではさようなら」
すたすたすたすたすたっ! と鬼のような早足で歩み去っていく。
「ぷ・・・ぶわははははははは!」
俺は腹を抱えて大笑いした。その声が届いたか、彼女はピタリと一瞬止まっ
て、即座にダッと駆け出していく。
そんなに恥ずかしいか。そーだろうな、そりゃあ恥ずかしいだろう。見た目
からして、彼女の年齢は俺と同じか、少し上くらいのはずだ。そんな大人が、
誰もいないと思い込んで童心に帰りまくって、それを見知らぬ男にばっちり目
撃された日にゃあ。
俺はパンツァーを噴かして、彼女の後を追った。当然、あっという間に追い
ついた。走っても無駄と思ったか、それとも単に疲れたか、彼女は歩きに切り
換える。その歩調に合わせて俺は伴走した。
「なぁ、こないだも会ったよな、憶えているか?」
「・・・何の御用でしょう?」
顔をそむけて訊いてくる。声が硬い。そりゃそーだ。
俺は、何と答えようか少し迷ってから、
「グナーデって女を知っているか?」
「“月の魔女”?」
精霊使いがこちらを向いた。その顔は真面目で、むしろ深刻だった。
「あの悪魔が、今度は何を?」
「それを調べるのが俺の使命さ」
プレートメイルの胸元、剣をかたどった紋章を指す。エクスカリバーの証。
「意味はわかるな?」
奈落を倒すべく、お前さんとは共闘できる。
「そうね」
精霊使いは、少し考え込むような、何かに耳を傾けるような仕草をして、
「精霊があなたはイイ感じだって、言ってるわ」
「そりゃあ嬉しいねぇ」
精霊使いの側にいる精霊達に気に入られりゃ、精霊使いとお友達になるのは
簡単だ。逆に、精霊使いの側にいる精霊達に気に入られなければ、精霊使いは
絶対こちらに気を許さない。精々、必要最低限の会話を交わす程度だ。それで
何度イライラさせられたことか。
「この村に、何か変わったことはないか?」
「あったわ」
過去形?
「でも、ほとんど消滅させたから。後は、再発しないかどうか、1週間ほど様
子を見て、終わり」
どういうことか、具体的に聞いた。聞く前に、涼しげな木陰に移動した。
彼女は、奈落の気配を察知した精霊に導かれて、この村に来たという。果た
して村には奈落の門が幾つか開いていたらしい。ただし、自然発生的な極小規
模な代物で、精霊使いの力をもってすれば、朝飯前に閉じられる程度だったと
いう。
グナーデは、様々な手段を用いて奈落の門を開かせようとする者だが、不思
議なことに、一旦完全に閉鎖されてしまった奈落の門を再びこじ開けようとし
た事例は報告されていない。この村の奈落が既に滅ぼされたというのなら、グ
ナーデの出る幕はない。移動に3日も掛かったせいで、俺は出遅れたのだ。ま
あ、喜ばしいことではある。
だからといって、子供の遣いじゃあるまいし、このままのこのこ帰るわけに
もいくまい。確たる報告内容がなければ、師匠に顔向け出来ないじゃないか。
「んじゃ、その再発防止の1週間に俺も付き合わせてもらう、ってことでいい
か?」
「別に、わたし一人で十分な仕事よ? そんなことより、グナーデを追い掛け
なくていいの?」
「ここで何かを企んでいるらしい、っていう情報だったんだ」
「じゃあ、あれはグナーデが開いた門だったのかしら。そんな感じはしなかっ
たけれど」
考えていても答えは出ない。今は、目の前の奈落を確実につぶしていくだけ
である。
「・・・・・ところで、」
彼女がちろり〜っと上目遣い気味に俺を見て、
「さっきのことは忘れてね?」
お願いっ、といった口調。俺は意地悪して、
「ん〜? 何のことかなぁ〜?」
「誰にも言わないでねっ、ねっ?」
そんな頼み込むほどのものか? 面白いので更に追撃、
「さ〜て、どうしようかなぁ〜?」
彼女の目が剣呑に細まり、その片腕がスイッと上がる、
「・・・精霊の力を借りて、今、必殺の、口・封・じ」
細い手にバリバリバリッと走る稲妻。おいおい、それはないだろう!?
「待て! 落ち着け! 話せばわかるっ!」
「問答無用!」
急速回避! 俺は自分の真横を擦過する“雷の疾走”に心底肝を冷やした。
ジャッ! 蛇の悲鳴みたいに耳障りな音がして、俺の斜め後ろ、空間に開い
た黒い“傷口”が焼け焦げ、消えた。
・・・奈落。いつの間に、こんな近くに?
「大丈夫よ。この村に開いていた奈落は、これで最後だから」
にっこりと彼女、頼もしい笑顔。
俺は天を見上げて大きく息を吐いた。
−−−
「なんでそんなに嫌がるんだよ?」
空家の一つを宿にして、彼女が保存食を適当に調理、夕食にする。ヒマワリ
の種をおつまみに、どうせならエールが欲しいところだが、生憎と持ち合わせ
がなく、水を飲みながらの会話である。
「だって。なんか、精霊使いって、いつも無表情にしてないとメチャメチャ意
外がられるんだもん」
ぷう、と膨れて子供みたいに。
「精霊使いのくせに笑ったりするのか、って馬鹿にされるの。悪かったわね、
とか、放っといてよ、とか、いちいちそれに応じるの、もう面倒なんだもん」
「確かに馬鹿にするこたぁないよな」
「でしょー?」
得たりとばかりに彼女が頷く。
風の精霊使いは泣かない。火の精霊使いは恐れない。水の精霊使いは笑わな
い。だが、それらの精霊と契約していなければ、例えば彼女は、楽しければ笑
うに違いないし、何かを恐れもするだろう。
「それにね。他の・・・特に水の精霊使いに変な顔をされるのよ。何をそんな
にはしゃいでいるのか、この世に奈落は蔓延しているというのに、って」
確かに、俺が会ったことのある精霊使いの中でも、彼女は喜怒哀楽、もとい、
喜怒楽の起伏が特に激しいようだ。
「だけど。嬉しかったんだもん」
彼女の声が小さくなる。
「ヒマワリがいっぱいで。嬉しかったんだもん・・・・・」
うつむいて。コップの中に話し掛けるように。
「ヒマワリが好きなのか?」
彼女は暫く黙っていたが、ややあって、ポツリポツリと語り始めた。
「このあいだの、あの、奈落ね」
「うん?」
「あそこにはね、広い広いヒマワリ畑があったの」
村一つ分は丸ごと入るだろう大きさの奈落。
「一面のヒマワリの中で、みんなが笑っていたんだよ」
あそこが、まさか彼女の。
「今じゃもう、誰も信じてくれないだろうけど。本当に、本当に綺麗だったん
だよ」
彼女は泣いていなかった。
当たり前だ。彼女は風の精霊使い。決して泣かない対奈落の戦士。
「はー! 今日もあっついねー! 水でも被ってきますか!」
唐突に話を変えて、元気よく立ち上がる。
「井戸は裏手だぞ?」
「うん、知ってる」
覗かないでね、とか定番の釘を差される前に、冗談口を叩いておく。
「覗きに行ってもいいか?」
バカね、などという台詞を予想していたら、
「いいよ?」
意外に物わかりのいい台詞。
その指先にバチッと火花。
・・・チッ、洒落のわからねー奴だ。それだけは勘弁してください。
俺はパンツァーの点検を一通りしてから、濡れた髪を拭く彼女と交替で、井
戸まで水浴びに行った。ちなみにタオルは、この家の住人が残していった物を
借用している。
「覗きに来てもいいぞ?」
「誰が行くもんですか」
あっかんべー。本当に、くるくると表情が変わる。可愛いなぁ。
井戸水の水温は温からず冷たすぎもせず、ちょうどよかった。空には半月、
暗からず明るすぎず、なかなか気持ちがよい。
旅塵を流して、気分もさっぱり。
すぐには服を着る気になれず、とりあえずタオルを腰に巻いて井戸に座り、
意味もなく月を眺める。
グナーデ。あの“三面の魔女”は、今は少女の姿をしているはずだ。
バン! と家の裏口が勢いよく開け放たれて、更に勢い良く彼女が飛び出し
てきた。
「どうしたっ!?」
立ち上がる俺、ランスを引き寄せパンツァーを《コーリング》。鎧どころか
パンツも穿いちゃあいないが、そんなことを構ってはいられない。
「・・・・・!」
俺の前まで走ってきた彼女は大恐慌の様相で、言葉も何も形にならず、暫く
じたばた、家の中を指さすのが精一杯。怯えている? しかし何故?
「何があった!? 敵なのか!?」
俺に肩を掴まれて、彼女は悲鳴を上げる。
「蜘蛛とゴキブリがいっぺんに出たぁ!!!」
ズッこけた。
「あのなー」
「だっ・・・だって、足が、足が8本で、触角が、触角がながーくて、新種の
虫さんかなーって見に行ったら、く、蜘蛛が、蜘蛛がゴキブリの上に乗って、
ゴキブリがカサカサって、そしたら蜘蛛も一緒にっ!」
ああ。ゴキブリを捕獲中のアシダカグモを見たのか。ありゃあ確かに、虫嫌
いの女の子にはキツい光景かも知れない。
「蜘蛛とかゴキブリが嫌いなのか?」
「嫌いじゃないの、怖いのぉ〜」
情けな〜い顔。俺は溜息をついた。
「そんなんで、蜘蛛やゴキブリのクリーチャーやフリークスが出たらどうする
つもりだ?」
彼女いきなり素に戻り、
「あ、それ平気。ノルンのハンターからヘルプの依頼を受けて、何度かしばき
たおしに行ったこともあるし」
「何じゃそりゃ」
「だけど普通の蜘蛛とかゴキブリとかは怖いのー! ちっちゃいのとか、1匹
ずつならまだ我慢できるけど、おっきいのが、しかも両方なんて絶対無理ー!
お願いだから何とかしてー! ああでも蜘蛛さんはゴキブリ食べてくれるか
ら殺しちゃダメー!」
はいはい、お嬢様の仰せのままに。
俺は捕食中の蜘蛛を適当な端切れに包んで、家の外へ放り出してやった。
「も、もういない? もう大丈夫?」
「ああ、もう大丈夫」
おそるおそる部屋に戻ってくる精霊使い。こわごわ辺りを見回して、敵影の
無きを確認。
「よかったー」
ホッと胸を撫で下ろす。
それからにっこり、お日様かヒマワリみたいな顔で、俺に笑いかけた。
あ。ヤベ。クラッと来た。
「どうもありがとう。本当に助かっ、・・・たわ」
改めて俺に目をやり、語尾でちょっと焦ってクルリと後ろを向く彼女。何か
と思ったら、俺の格好を見て気を使ったらしい。腰に巻いたタオル一丁。
「それじゃ、お休みなさい」
背中越し、手を振って寝室へ。
俺は額に手を当てる。熱は出ていない、が、発熱した気分だった。
馬鹿なこと考えてんじゃねぇ、まだ仕事中だ。必死に自分に言い聞かせる。
くそ、ダメだ。
こんな何にもない村で。平穏無事な世界で。何が仕事だ、こン畜生め。
・・・・・済んません師匠。あんたの弟子は未熟者です。
出逢ったばかりの彼女に、どうしようもなく惚れました。
−−−
あまりにも長いので、前・中・後編にしました。
ちなみにえっちぃシーンは中編に。
刮目しないで普通に待て! 待たれてなくとも投稿するがな!
思えば長いコテハンだな。約めようか、「いつふた」ぐらいに。どこぞの街
の死霊課なみのネーミングセンスで。
>>78 早朝投稿なされているようなので、最近は出勤前にこのスレをチェックする
ようになってしまいました。
そして一読感想文〜。
>「…あの、もう少し下です…」
身に憶えがある・・・と照れ。
>――できたら、私の夢を。
かわいらしい独占欲に、萌え。
なんかもうふわふわした幸せ気分で一日お仕事しましたよ〜。GJ!
でもって二読目以降感想文〜。
切り札ー! いきなり生で中出しするなー! いくら相手がソラリスのオー
ヴァード(膣内で殺精子剤を生成するなり女性ホルモンの分泌を調整するなり
すれば経済的かつ簡易に完璧な避妊が可能)とはいえ安易に過ぎるぞー!
他にも色々思うところはあったけど、自分の性生活と引き比べて自爆しそう
なので心の中にだけしまっておくことに。
とまれ、いいお話をありがとうございました。
かわいいキャラ書くのうまいなあ。
羨ましい。
いつもふたなりの人に見えた件について。
忍者乙。
と、ようやく書き終わりました。
まずは感想を
>不確定な切り札×水晶の瞳
ほのぼのしてて良い感じです。
>アルシャード
ゴキブリは小さいから怖いんです。人間大なら怖くないです。
では続きを。
$$$
柊はベルの居城をゆっくりと進んでいた。
罠とかは仕掛けられていなさそうだ。
「……まってろよ、くれは」
幼馴染の名前が自然と出てきて、そのまま柊は城の中を歩いている。
「だいたい、こっちの方角だな」
そう言って柊は城の中心部に向かって歩き出した。
むっとするような部屋。何か罠がないかと思ったが特に見当たらない。
「待ってろよ、くれは」
そう言って柊はドアを開けて中を確認した。
「遅かったわね、柊蓮司」
そう言ってベルが柊を迎える。
「くれは………」
そう言って柊がそっと歩き出す。
「星の巫女ならあそこで倒れてるわ」
暗い影の中、ボロボロの巫女服を着た少女が倒れていた。
「それよりも、私と一緒に楽しい事しましょう?」
そう言ってベルが柊に寄りかかってくるが、柊はそれを気にせずくれはのほうに歩み寄る。
「………あら?」
「くれは……くれは……」
うわごとのように呟いてから倒れているくれはを起こす。
「はわぅ?」
寝ぼけ眼で柊を見つめるくれは。
「柊?」
突如としてくれはに口づけをする柊。
「むぅぅっ!」
舌を絡めさらに奥深く捻りこむように口づけをする。
(何?柊一体どうしたって言うの?)
混乱した頭の中で恐怖が増えてくる。
「なるほどね、最初から貴方しか見えてなかったってことね」
ベルが納得したかのように言う。
(ああ、そうか)
この部屋に入ったとき、自分を最初に探してくれたのだ。だからベルより先にくれはに気がつき、
くれはを犯そうとしてるのだ。
「柊……見られてるよぉ」
羞恥の為、顔を真っ赤にしながらくれはは言う。
「あら、私は別に問題ないわよ」
そう言ってベルがクスクスと笑う。
「それとも、彼とは付き合いたくないの?それだったら…」
そう言ってベルが柊の首に手を回す
「…私が奪っても良いのかしら?」
「駄目ッ!」
即答。そんなことをしたら柊は一生自分の隣に戻ってこなくなる。それだけは嫌だ。
「だったら、彼のすることに付き合ってあげたら?それが嫌だったら……」
またも腕を回そうとする。彼を占有しようとするように。
「私が奪うから」
そう言ってベルがくれはの顔に詰め寄る。
「それで良いかしら?」
「良くない!」
「だったら、このまま奪っちゃおうかしら」
そう言ってベルがゆっくりとくれはから柊を離そうとする。
詭弁ではあるが、くれはにそれが気づく余裕は無い。
「わ、わかったわよ」
くれはの台詞にしてやったりの顔でベルはゆっくりと手を柊から離す。
「くれは」
首筋に唐突にキスをされる。
「はわわ〜〜」
まるで血を吸おうとする吸血鬼のように柊は貪欲にくれはの首筋を舐めていく。
「うふふ、おませさん」
そう言って、ベルが二人の様子を見ながらにこりと笑う。
柊はくれはの巫女服に手をかけると、そのまま無理矢理こじ開けるようにはばたかせ、そのままくれはの胸の間を舐め始める。
「柊っ!」
叱責するような声も気にせず柊はくれはの胸を舐めながら巫女服をそっと脱がし続ける。
一言でも拒否するような言葉を発すればベルは容赦なく柊を奪うだろう。
力で抵抗する術も無くくれはは柊になされるまま服を脱がされる。
手の指先から背中の硬いところまでの全てを舐められ、這わされ、くれはの体がどんどん熱くなる。
「はうっ」
只なされるままにくれはの体は跳ね上がり捻じ曲がり、床に這わされる。
ぴちょりと柊がくれはの秘所に口付けをした。
「あああっ!」
恐怖か悦楽のため叫んだくれはを無視して柊はさらに秘所に舌をねじりこむ。
愛液をすすり、飲み込みなおもくれはの体を弄ぶ。
(怖い!)
くれははそう思って柊の顔を直視できない。だが柊が自分を襲っている事実を信じたくない。
だが、そうは思っても、体の中から来る熱さだけは止められない。
(なんで?なんで犯されてるのに………)
涙が出た。怖いからではなく、涙が出た。
柊はくれはの袴を完全に脱がせると、そのまま足を舐め始める。
「柊っ柊っ!!」
(駄目っ駄目っ!)
声と心が両極端の叫び声を上げる。心では拒否しているが、本当は止めて欲しい。
足の指先が温かい物に包まれた。
「ハウッ!」
指と指の間に温かい感触が差し込まれ、そのままぬるぬるとした感触が動き出す。
「あああああっ」
火照りのせいで汗が全身を包み、くれはの体を濡らす。
「柊っ柊っ!!」
何時も隣にいてくれた友達。それが自分の体を獣のように犯している。
「ああああっ!」
目に浮かぶは悲しみの涙。口から流れるは恐怖の悲鳴。流れる汗は絶望。
「はうわー」
柊はくれはを抱きしめると、そのまま秘所へと自らの息子を強引に押し込む。
「柊っ!」
思わぬ異物にくれはは恐怖しそのまま幼馴染の名前を叫ぶ。
(止めて!)
その言葉は口に出たかわからずくれはは暗い闇へと落ちていった。
真っ赤な月が空中に浮かび、一人の剣士を怪しく照らす。
「……ごめん、柊」
「……」
夢と現実が近くなり始めている。もしかするとすぐにでも起きるかもしれない世界。
目の前の少年に意思は無く、只目の前の存在を切り捨てるだけの存在。
「赤羽…くれは」
その言葉に涙する。
「殺す」
次の瞬間、柊の体が爆発的に加速し、かつて仲間だったウィザード達に襲い掛かった。
「はわ?」
目を覚ましたのは、天文部の部室だった。
「お目覚め?」
ベルがそう言って、くれはの頬を撫でる。体が大きい。何時の間にか戻ったようだ。
「柊は?」
「あそこでお待ちかね、泣いてたけど、彼の愛撫そんなに気持ちよかったかしら?」
違う、自分は怖がっているのだ。柊を柊が自分を傷つける事を。
柊も元の大きさに戻っている。体力だって比べ物にならないだろう。
足は折りたたまれて、太ももと二の足が黒いリボンで結ばれている。体は生まれたままの姿で平らな胸がまぶしい。
腕は後ろで縛られている。動かそうとすると後頭部が引っ張られるように痛い。
「女の髪には霊力が宿るとあるけど……まさか自分の髪で縛られるなんて思ってなかったでしょう?」
ベルがそう言って笑う。
「さて、続きを始めましょう」
もう、駄目。そっとよってくる柊を見てくれはは絶望する。
自分にはもう耐える事しかできない。だが、心はもはやぼろぼろで、耐える事ができるだろか?
やめてと言えばこの陵辱劇は終わるだろう。
そして柊はこの世界からいなくなる。そして……永遠に『ナイトウィザード』柊蓮司は消え去るのだ。
耐えなくてはいけない。柊の為にも、自分の為にも。
柊はくれはの後ろに回りこむと耳の裏側を舐め始める。
悦楽に身悶えるくれは。両の耳は唾液まみれになりくれはは身を硬くする。
「くれは」
柊の声がした。体中の血が沸騰を始める。
「気持ち良いか?」
心臓が太鼓のようになり始める。
「……うん……」
そうだ、怖がる必要は無いんだ。相手は柊なんだ。ただ媚薬に酔ってるだけなんだ。
そう思うと、一気に体中の力が抜けた。
後ろから強く抱きしめられ、乳首をそっと撫でる感触がする。
首筋へのキスが温かい。縛られていてもいい。柊がこれで戻ってくるなら。
首筋から下あごを通って口同士が接触する。
互いに貪るように舌を絡めあう。
秘所と塔がぶつかる感触。一瞬の抵抗はあるものの、くれはは柊をすんなりと受け入れる。
「柊……」
恍惚とした表情でくれはが柊を見る。
「くれは」
彼の言葉が温かい。恐怖という箍が外れた今、くれははそっと柊のほほに唇を合わせる。
カシャ、唐突にそんな音がした。
「ベル!何写真を撮ってるの?」
「彼が貴方をどろどろに犯す様子を撮ってるの」
本当ならすぐにでもカメラを叩き落したいが、体を捕まれてはそれも出来ない。
「さて、何処まで耐えれるかしら?」
「柊と一緒だもん。いくらでも耐えれるよ!」
そう言ってくれはは宣言する。
「だったら、しばらくここで写真を撮っているから」
柊はベルに気がつく事無くくれはを犯し続ける。
そっと繋がってる棒を引き抜く。
「はう」
寂しそうな表情でくれはは柊を見る。カシャ。
首筋へのキス。目をつぶるくれは。カシャ。
唐突にお尻に違和感を覚える。
「柊、そこは汚いよぉ」
涙目に哀願をするくれは。カシャ。
強く、塔を押し込まれ体中に快楽が走り、そのまま快楽の表情で叫ぶくれは。カシャ。
「蓮司!蓮司!」
快楽と恐怖で赤くなったくれはは恥も外聞も無く幼馴染の名前を呼ぶ。カシャ。
二人はそのまま闇の中へと落ちていった。
「完全に私の負けね」
そう言ってベルは、写真をそっと机の上に置く。
「柊蓮司。この世界を守る意味が見当たらなくなったら私のところに来なさい、
何時だって歓迎してあげるわ」
ベルはそう言って、霧のように消えていった。
エピローグ
柊は天文部の部室でくれはと対峙していた。
自分がどんな事をしたのか理解している。
「見て欲しいの」
くれはがそう言って自分の服に手をかける。
「うっ」
罪の意識から顔を青くする柊。
「って、じゃーん新作の水着だよ」
その姿が眩しすぎて。顔を赤らめる。
「む」
「む?」
「胸が小さい」
「かー!」
お互い、恥かしいのか。それともしてしまった後悔なのか。
二人がお互いを『恋人』と完全に言えるようになるのはまだまだ先のようだ。
\\\\\
ここまでです。つたない文章を失礼しました。
>>71 遅いレスだが、機がなかったもので。
物を書き上げるのには結構な力が入り用だと、俺は実体験で知っている。だから投稿された作品には、きちんとレスをいれたいと思
っている。これも体験で、感想が返ってくると励みになるし本当に嬉しいと知っているから。
しかしながら俺は毎日このスレに来ているわけではないので、作品が一辺に上がっていたりすると、どうしても複数へのレスになっ
てしまう。
今後そういうのには次ののように、「感想書き(マルチレス)」と名前を入れておくから、悪いがNG登録するなりなんなりで自衛
しておいてもらえないだろうか。
耳血と聞くと、西原理恵子さんの絵が瞬時に脳裏に浮かびます。
感想とか言い訳レスとか。
>アルシャード前編
>>104に全く同意。上手いよなー。かわいいよなー。
ところでパンツァーリッター。泣かないのと泣けないのとは違う。その欠落に気付かないですむようにしてやるのが、惚れたからに
は責務だ。頼んだぜ。別の方向にも色々と頼んだぜ。
続きを垂涎して待つ次第。
>>103 つ「いつも中の人」。死霊課には負けてられない。
切り札怒られてるー!? ぶっちゃけゴムとか後始末とかその他諸々は、ファンタジーで済ませようと考えた末に決めました。読ん
でいる最中に現実に立ち返らせないように、敢えてそういう描写でいこうと。
そして心の中にしまわれた思うところの詳細が気になって仕方ない俺。
セクハラじゃない。知的好奇心さ。
>くれは陵辱外伝(柊も犯される版)
せ、先生。エピローグになっちゃってますが、これでお終いですか!?
前スレで「最後は…」って仰ってませんでしたか。斯く言う俺はベル派閥。
でもやっぱりラストは幸福な結末が良いよな。柊の余計な一言まで含めて。
いつの間にか、彼の事を考えている。
真っ直ぐな瞳と照れた時の微笑、それからキスの仕草。そういった些細だけれど、私を幸福にしてしまう色々を。
いけない。私は我に返る。上への報告書の途中で、すっかり手が止まってしまっていた。
今日はきちんと定時で上がれるように、手早く仕上げなければならないのに。
でも。
数行の文言を追加したところで、私はまた手を止める。
私は、彼のどこが好きなのだろう。私を陽だまりのような気持ちにさせてくれる部分はいくつもある。
でもその中で、どこが一番好きなのだろう。
「…」
しばらく考えて、困った事に全部だと思った。
はっと気付いて壁を見る。13時20分。時計の針ばかりが進んでいる。またひとりで呆けてしまった。
ダメだダメだ。軽く頭を振って、横道に逸れがちな思考をまとめようとする。そこへ、
「――あれ?」
ノックもなしにドアが開いて、書類を片手にした女子事務員が頓狂な声を上げた。私を見て随分と不審そうな顔をしている。
「どうしまし…」
「しぶちょー、今日デートですよね? なんでまだここに居るんです? っていうか日曜なのに何出勤してるです?」
た、というよりも早く、そんな言葉が投げかけられた。彼女は新卒でここに入ったから、他の職員よりも私と歳が近くて、若
干心安い関係にある。
「なんの話ですか?」
…どうして知られているのだろう? らしくもなく洒落てみた所為だろうか。虚栄としか感じなかったから、今まであまり服
飾に気を使いはしなかったのだけれど。やはりその、好きなひとから可愛いと思われたい。
そんな内面を押し隠して、にっこりと上品に、私は小首を傾げてみせる。
「あ、やっぱりデートなんですね? もー、すぐそういう無理するんだから。じゃ、これは皆で済ませちゃいます。明日サイン
だけお願いしますね」
「…あの」
「はい?」
「どうして、判りました?」
彼女はきょとんとした顔をしてから、悪意なく吹き出した。
「ばればれですよ。ふたりともこないだからすごくいい雰囲気ですし、今日は“切り札”君、大分前から支部の前うろうろしてま
すもん」
現時刻から計算したって数十分は早い。ちゃんと14時に待ち合わせと伝えたのに、もう。でも、それをひどく嬉しく思ってし
まう自分がいるのは否めない。
「忠犬ハチ公みたいですよね。いいなー、わたしもあんなカレシ欲しいなー」
顔の火照りは誤魔化しようもない。どこかに隠れてしまいたい気分だった。
「だから今日はもう上がられたらどうですか?」
「え? でもまだこれが…」
「いいからいいから」
言いながら彼女は私を追い立てるようにする。
「後はこの報告書だけですね? じゃ、これもやっておきますから、早く早く。きちんと身支度して綺麗にして、男なんて手玉に
とってやらないと」
「いけません。公私混同をする訳にはいきませんから」
ふむ、と嘆息してから、彼女は大げさな感じでがしっと私の肩を掴んだ。
「いいですか。わたし前はしぶちょーの事、近付きがたい子だなーって思ってたんですよ。頭良さそうで、悪く言えば冷たそうで」
ちくりと胸が痛んだ。それは対人交渉上で、私の欠点だとよく知っている。けれど簡単に変えられるものでもなかったから。
「でも最近は違います。皆見てて解ってきましたし、今の方が全然いいです。大丈夫です。前みたいに無理しなくても。皆で手伝い
ますから。独りで背負い込んだりしないで、どーんと任せちゃってください」
軽い口調と気楽な態度だけれど、彼女はちゃんと私よりも年上だった。見栄と体裁を気にするばかりの私のような小娘よりも、当
然ずっと大人だった。気遣いが嬉しくて、少しだけ視界が滲む。
「もっと周りを頼っていいんだよ。君の事、皆好きだから」
「――はい」
まばたきしてから深く感謝を込めて頷くと、彼女はにんまりと笑って見せた。
「では、すみませんが今日はよろしくお願いします」
「らじゃー!」
びしっと敬礼してから、
「あ、しぶちょー」
「なんでしょう?」
「似合ってますよ、その服。ばっちり」
気が付けば、彼女の事を思っている。
はにかんで俯く仕草や涼やかな声、そして時折見せる屈託のない笑顔。俺を魅了してやまない様々を。
だがいくらなんでも、街中でにやついていたでは怪しいにも程があった。支部の前で人波を眺めつつ、俺は表情を努めて引き締め
ながら、まだそれほど多くないふたりの思い出を反芻する。
映画を見に行こうという誘いに、業務を片付けてからなら、という彼女らしい返答があったのは一昨日のこと。本当は待ち合わせ
まで随分時間があるのだが、家にいてもうろうろと動物園の白熊のように落ち着かないのは判っている。
どこかで時間を潰しながら支部に迎えに行こうと思いつつ、ついつい真っ直ぐここへ来てしまった。
彼女を待っているのは楽しい。人待ちという行為で、ここまで浮き立っているのは初めてかもしれない。
電話で時刻を確認する。俺が着いてから十分ほどが経過して、時間まであと数十分。
と、支部のドアが、足早な彼女を吐き出した。
さらりと風に流れる髪。モデル誌から抜け出てきたような洒落た出で立ち。声をかけるのが躊躇われるくらいに綺麗で、俺は一瞬
見蕩れてしまう。
辺りを見回す事もなく、その一瞬で俺を視認した彼女が駆け寄ってくる。
「早すぎます」
「のんびり待ってるつもりだった」
まさか居るのに気付かれるとは思わなかった。ここは支部長室からは見えないと思ったのだけれど。
「事務の方が教えてくれました。外で恋人が待っている、と」
言いながら、『恋人』の部分で彼女は若干頬を赤くする。俺も彼女もそういうフレーズにどうも不慣れだ。
ふたりの付き合いの事はあまりオープンにしないように。そういうふうに取り決めたにも関わらず、いつの間にか俺たちの事は殆
ど支部全体に知られてしまっている。正直、どこからどう漏れたのかさっぱり判らない。
「ごめん。支部長が…」
そっと細くて白い人さし指が唇を塞いだ。俺を見つめる、拗ねたような上目遣い。
「ふたりだけの時に、『支部長』は禁止です」
「ごめん」
もう一回俺が詫びて、それからふたりで微笑みあった。
元々余裕のある待ち合わせ時刻だったから、更に余裕が出来てしまった事になる。
ぶらぶらと散策でもして時間を潰そうと決めて、どちらからともなくぎこちなく、握手の形で手を繋ぐ。
「子供の頃に見ていた夢って、ありますか?」
他愛ない話をするうちに出た問いがそれだった。俺は少し考える。
「そうだな。小さい頃になりたかったのは、スプリンターかな。俺が世界記録を更新してやるって思ってた」
実際走るのは好きだった。素養もそれなりにあったとは思う。
「でも、これじゃあ駄目だよな。なんだか卑怯な気がする」
レネゲイドウィルス。シンドロームに発症したこの体は、極めて優れた身体能力を有してはいるけれど。好きだっただけに、この
能力で世界を目指そうとは思えなかった。
「…」
はっと気付くと、彼女はまるで自責するような瞳をしていた。
レネゲイドにも俺の発症にも、一片の責任だって持たないというのに。
未だに彼女は、自分を非日常の側だと思い込んでいるのだ。だから俺はそれを笑顔に変えるつもりで続ける。
「ああ、でもそうか。UGNに頑張ってもらえばいいのか。世界が真実を受け入れてくれて、オーヴァードが普通に歩き回れるよう
になったら、オーヴァードだけの競技会とかあるかもしれないしな。あれ、待てよ。それだとハヌマーンに勝つのは難しいか?」
俺たちだって、この世界の住人なのだと。当然のように、日常の一部なのだと。
ちらりと様子を窺うと、彼女は今度は驚いたような顔をしていた。そんなにおかしな事言っただろうか。
「そうですよね。本来UGNはそういう組織なんですよね。なのに隠蔽や裏工作にばかり長けてしまって、まるでそんな明るい方向
に発想が行きませんでした」
勿論UGNだのオーヴァードだのはあまり大きな声では話せない。話せないから、身を寄せて内緒話のような格好になる。面映ゆ
い様な、くすぐったいような距離。
「私もできるだけ協力したいと思います、その夢に」
「ああ、ありがとう」
――今出来る事が確かにある。なのにそれを放り出して、また後悔を重ねたいなんて思う奴はいねぇよ。
これが俺の“今出来る事”なら。いつかそんな未来に届くなら。励む事はきっと間違いじゃないと思えた。
何より彼女が笑ってくれるなら。それだけで俺は前に進めると思った。
「それで?」
「え?」
「だから、子供の頃の夢。俺にだけ訊いといて、そっちだけだんまりはないだろ?」
「えぇっ!?」
どうしてそんなに動揺するのだろう。よっぽど叶え難い夢だったのだろうか。
「恩返しに、俺もそれに協力するからさ」
「きょ、協力と言われても。確かに私ひとりでは無理ですけど…」
ここまでひた隠されると却って気になるのが人情だ。
「なんか、是非にも聞きたいな」
「い、言えませんっ」
「それ、ずるいぜ? 俺だってちゃんと白状したのに」
じっと彼女の目を覗き込む。しばしの見詰め合った後、とうとう根負けした彼女が白状した。
「…めさんです」
蚊の鳴く様な声。けれど口に出した途端、かぁっと真っ赤になった。
「ごめん、もう一回。聞こえなくってさ」
俺が耳を近づけると、彼女はどうとでもなれ、というふうにぎゅっと目を瞑る。
「――お嫁さん、です」
「…」
「…」
「わ、笑うなりなんなりしてください! 昔の話なんですから!」
「あ、いや、悪い、俺、その、メチャクチャ妄想してた。協力するって言った手前、なんていうか…」
「もうっ」
火照った顔で彼女がそっぽを向く。拗ねてしまっただろうか。
確かめるようにぎゅっと手を握ると、そっと、けれどしっかり握り返してくれた。
彼女の歩調にあわせて、俺はゆっくりと歩く。ふたり押し黙ったまま、肩のくっつく距離になる。
見上げれば、わずかの曇りもなく晴れた空。
このまま、どこまでも歩いていけたらと思った。
この手を、いつまでも離さずにいたいと思った。
これにて不確定な切り札×水晶の瞳は終幕にございます。
思いの他に長くなってしまった物語にお付き合いくださった方々に、心よりの感謝を。
誠にありがとうございました。楽しんでいただけましたならば幸いです。
んじゃまた、何か出来上がったら。
やべwwwwwwwwwwwwwwwテラモエスwwwwwwwww
萌えころされる。
支部長――――――――色々と最高だ。
>>118 ぐはぁっ…ぼたぼたぼたぼたぼた(鼻血
グ…っジョブ(爽やかな笑顔で死亡
鼻から砂糖吹いた。
耳から蜂蜜溶いたホットミルクでた。
汗が水飴になりました。
>切り札と水晶
初えっちの初々しさに萌えました。
事務員さんに萌えました。
デートの1時間くらい前からうろうろしてる切り札くんに萌えつきかけました。
「――お嫁さん、です」でトドメを刺されてノックアウト。口から血反吐の変わりにシロップ吐きましたが。
でもって侵食率――197%。
(自律判定(ルビ:評価)二倍振り。10点10点10点10点10点10点10点10点10点10点!!(ぉぃ))
ぷしゅ〜〜〜(帰ってこれた音)…大満足です。何スレにも渡っての力作投下、お疲れ様でした。
また、次の作品をお待ちしておりますw
>くれは凌辱
岸部露伴殴る丈助ばりにベルが目に入らない柊に拍手を。
>アルシャ
…童心に返る精霊使いさん…虫に脅える精霊使いさん…なんっっって可愛いんですかーーーv
パンツァー君でなくても惚れますよ、ええ。
なんていうか、どの作品も…読んでて久々にルルブとか引っ張り出して来かけました。
この世界で冒険したいぃ…って。(アルシャは持ってませんが…。プレイ回数少ないし(汗))
最高でした。超GJ!文章がいいよなぁ…
そしてこれから切り札君が間に合わないバッドエンドバージョンを投下してもらえるんだよな!?
ふっ…俺はいつまでも待つぜ!
【鼻血ティッシュで無駄にかっこつけつつ】
スレ移行したのに気付きませんでしたorz
そのうえ、仕事やプライベートが忙しすぎてなかなか書いている暇がありませんでした。
忘れている方も多いとは思いますが、一応続きを投下します
前編はまとめスレで見てください
〜梓自宅〜21:00
現場から逃げ帰るように、UGNから貸し与えられたアパートの自室に入る。
無機質な部屋・・・。パイプベットと机、そして生活に必要な最低限の物が、有るだけの部屋。
何故か火照る身体を冷やすために衣服を脱ぎ、シャワーを浴びる。
どうして自分があのような行動をとってしまったのかがわからなかった。
「礼くらい・・・言えば良かった」
冷水を浴びながら、ぽつりと呟く
そうだ、彼は私を助けてくれたのだ。いくらオーヴァードとはいえ、頭部に攻撃を喰らえば無事ではいられない。
「礼も言わないような女だと思われただろうか?」
133 :
梓×和樹:2005/06/28(火) 23:03:52 ID:1jaR2cnM
水を浴び冷静になってきた頭で考える・・・そしてまた理解不能な不安感が襲ってくる。
こんな不安感を感じたのは、自分がオーヴァードになってからは初めての経験だ。
シャワーを止め、お湯を張った湯船にはいる。
「・・・嫌われただろうな・・・」
ぽつりと呟く・・・。その瞬間、自分の発言に驚いてしまった。
「嫌われると・・・どうなるというのだ。別にあいつのことなど・・・・」
そこで思い出すのは、抱き寄せられた時の香り、そして以外に逞しかった胸の感触と、間近で見た彼の顔。
頬が熱くなる。何故自分が彼を意識するのかが解らない。
「嫌い・・・ではないが・・・それでも・・・」
もう一人の私が呟く。
『何故、認めないのか?』
私が何を認めて無いと言うんだ。
『目をそらしている、その言葉に』
目を逸らしてなどいない・・・筈だ
『ならば、解るだろう。私は彼のことを意識している・・・つまり』
好き・・・なのか?
134 :
梓×和樹:2005/06/28(火) 23:10:36 ID:1jaR2cnM
「馬鹿な、そんなわけが・・・」
しかし、自覚してしまった。そしてそれならばこの現象に理解が出来る。いや理解ではない納得できる。
「私は・・・彼に恋心をいだいているのか」
自覚した瞬間、ふらりと意識が飛びそうになる。
「は、い、いけない湯当たりか!?」
ザバッ
湯船からゆっくりと這い出し、脱衣所に向かう。
用意してあったゆったりとした寝間着を着て、をタオルで丹念に拭き乾かす。
「何も考えるな・・・あの考えは嘘だ・・・、私がそんなこと・・・」
否定しようとするが、それがうまくいかない
「それに、好きだったからと言って・・・どうなるというのだ」
彼には私など眼中にないだろう。彼の思考は妹を取り戻すことに占められているだろう。
「それに、私のような『可愛げの無い女』など・・・」
135 :
梓×和樹:2005/06/28(火) 23:12:42 ID:1jaR2cnM
誰が言ったかは覚えてはいない、だがその『可愛げの無い』と言われたことは私の心に昔から突き刺さっていた。
すっかり、タオルも髪の水分を吸って重くなったので、髪を櫛で溶かし梳かしはじめる。「それに、私より、真希の方が・・・」
真希が彼に好意を寄せていることは、薄々感づいている。
それが更に私を不安にさせるのだ。
この想いが親友を裏切っている行為なのではないかと・・・。
〜〜〜〜
今日はこんな所で。続きは近日中に・・・書けると良いな(をい
2ヶ月も放って置いて本当にすまなかった
ぐは(鼻血
ツンデレ梓キター!?GJですよ!
わくわくしながら続き待ってますよ!
137 :
札×瞳・蛇足:2005/06/29(水) 19:41:45 ID:yGRVBjfM
ひとつ息を吐いて、彼は肩の力を抜いた。今まで刀剣の姿をしていたものを元の姿へと還す。大口を開けていたマンホールに、
かちりと蓋がはまり込む。
そして落ち着いた仕草で路地裏を見渡した。
そこここに切り伏せられたジャームが転がる。どれも既に息はない。何れも傷はただ一太刀で、それが彼の力量を窺わせた。
狭い空間で数に物を言わせて押し包む。大方そんな戦闘指針であったのだろう。だがエグザイルシンドロームの発症者を相手取
る折、それは愚策に過ぎたのだ。
「やれやれ。降りかかる火の粉であろうと依頼であろうと…」
命を奪うのは心が痛むな。
最後の一言は口には出さない。死者からすればとんだ皮肉だろうし、彼にしてみてもあまり好みではない弱音であるから。
死体へと歩み寄ると傍らへ屈み込み、彼は錬成を開始。亡骸を砂に変えて隠蔽処理していく。
彼――“錆びついた刃”の本業は探偵である。それが汚い仕事であると認識しつつ、本業とかけ離れた別の汚れ仕事に従事する
自分に苦笑を禁じえない。違和感を覚えなくなったら終わりだろうとも思う。
最後のひとりを消し去ると、探偵は懐から携帯電話を取り出して記憶の番号を押し始めた。彼は電話に情報を登録しない。また、
いかなる着信履歴も発信履歴も残さない。
「仕事は終わりだ」
数度のコールで相手が出る。“錆びついた刃”は単刀直入に告げた。
「出張ご苦労。だが、安く引き受けてくれたな?」
声の主は“完全なる使徒”。こことは別の街のUGNの支部を統括する男だった。
138 :
札×瞳・蛇足:2005/06/29(水) 19:42:13 ID:yGRVBjfM
今回の依頼主であり、そして内容は奇妙だった。彼の管轄外である街のジャームを、そこのUGN支部にも秘密裏に排除せよ。
端的に述べるならそんなシナリオだった。
最初は“完全なる使徒”の管轄から逃亡したジャームの後始末かとも思ったが、すぐに違うと判断した。そういったミスの処理
には、率先して自分が赴くのがこの男だ。デスクワークのみならず、ラインオフィサーとしても有能だと聞いていた。
「“水晶の瞳”。天才の噂くらいは嫌でも聞く。少し興味があった。それに“不確定な切り札”には、縁があった」
「ほう?」
興味深そうに返る相槌。まさか歳の離れた違う街のオーヴァード同士に関わりがあるとは思わなかったのだろう。
「本人に、ではないがな。UGNの知己が、彼とチームを組んでいた。可愛げのないガキだとよく褒めていたよ。…もう、死んだ
男だがね」
追悼めいた一瞬の間。そして、“錆ついた刃”は独白のように続けた。
「大人は、何の為にいると思う?」
それは答えを必要としない問いだった。そう承知して、“完全なる使徒”は沈黙で先を促す。
「決まってる。子供を守る為さ。そういう事だ」
「だから格安で引き受けたと? ロマンチストなんだな、意外と」
「そうでなければ、探偵なんぞ続けちゃいないさ」
“完全なる使徒”は小さく笑った。
「――記憶しておくよ」
そんな思考は自分にはない。だが。
――1日くらい、あの娘たちにお休みがあったっていいと思わない?
いつか寝物語に交わした会話。今回の依頼には、かの薔薇のそんな呟きが根底にあるとは自覚していた。
139 :
札×瞳・蛇足:2005/06/29(水) 19:42:41 ID:yGRVBjfM
オーヴァードというだけで、余計な荷物を負いがちになる。特に支部長ともなれば尚更だ。いざ事が起これば何もかも振り捨て
て対処に当たらねばならない。そういう責任を背負っている。
そんな彼らに、せめて1日の完全な休日を。些かの曲折の後に結ばれた恋人たちに、穏やかな時間を。
依頼の意図はただ単純にそれだった。思考を辿って、彼は自嘲する。
子供達に科せ過ぎた重荷を、せめて一時取り払おうという偽善だ。
「人は変わるものだ。意固地にさえならなければ」
電話向こうからの見透かしたような言葉に、“完全なる使徒”はいつもの平淡さで応じる。
「残念ながら、私には遅すぎる忠告だ。ギャランティーはいつもの口座に」
事務的な素っ気無さで電話は切れる。“錆びついた刃”は肩を竦めてから発信履歴を削除。ワーディングを解除する。
刻限は既に遅い。快晴の休日は終わり、夕暮れは夜へと変じていた。
思い返して、口の端に微笑を浮かべる。眼裏に、ぎこちなく手を繋ぐ少年少女の姿があった。
死んだ知己が気にかけていた少年を、仕事ついでに一目見ておこうと思ったのだ。そして一目で十分だった。年若いふたりの恋
情は傍目にも判りやすくて、ひどく微笑ましかった。きっとふたりとも良い人物だろうと、それだけで断じる事ができた。
幸せになるといい。そうなれなかった幾つもの命の為にも。
胸中に呟き、そして思考を切り替える。仕事は終えた。これからはアフターサービスの時間だ。
あの男、もう一人の支部長の予定はそれとなく調べてある。あの理屈ずくめで頑なな男にも、休み時間くらいはあってもいいだ
ろう。あの女――“紫紺の華”の為にも。
彼は気付いているのだろうか。関係を持つ複数の相手の中で、彼女に一番時間と心とを裂いている事に。
拠り所は必要だ。どんな大人にだって。そう探偵は思う。帽子を目深にかぶり直した。
歩き出す。喧騒止まざる人造の夜へと。
こつこつと靴音が路地から遠ざかり、やがて消えた。
よく考えたら感想じゃない時もあるので、「(マルチレス)」に変更。もう見えてないならそれでいいけれども。
上は前432、完全なる使徒×紫紺の華の方に捧ぐ。それからキャラと決め台詞を勝手にお借りした事をお詫びします。
いくつか言い忘れがあったのでまた沸きました。ところで各所から色々排出されてますが、甘いのは嫌いですか、皆の衆。
>>131 俺の濡れ場描写能力の程度を知った後でも、まだ先の需要はあるだろうか。あると言うなら書いてみようと思う。
…と書き込もうとやって来たらば、もう既に待つぜと書かれていた。ストーリーラインは仕上げたので、これから取り組んでみ
る。しかしながら今週もGM2回とかそんな感じなので、ちょっと仕上がり遅いかも。すまん。
>梓×和樹
自覚して意識して不自然にぎこちなくなる。そういうのが好きなだけに、この後が楽しみです。
罪悪感とか真希の心情とか、どう展開していくのかしらん。
あと一言。可愛げがないんじゃない。それを言った阿呆に見る目がないだけだ。
>保管庫のひと
いつもお疲れ様ですとありがとうございますしか言えませんけれども。
DXルール、少なくとも俺は待ってますよー。首を長くして。是非とも参考にさせていただきたく。
しかし俺がこれを書く動機になったのは、白き閃光の話なのだけれども。
あれの続きはもう来ないのだろうか。学園物っぽい雰囲気がとても好きなのだがなぁ。
141 :
いつも中の人:2005/06/29(水) 22:16:34 ID:i3yystWR
うあ〜なんかいっぱいSSがあるぅ〜
でも今日は投下だけ〜感想はまた後日〜
あたしも神に一歩でも近づきたく〜
丁度↑に神がいる〜やっほー元気か〜い
それからの毎日、彼女はヒマワリ畑を散歩して、遊んでいるだけのようにも
見えた。家々を回って残された物を集めて、俺達が泊まっている家を住み良く
整えたり。村に残され野生化していたニワトリを捕まえてタマゴを採ったり。
が、実際彼女は傍目ほどのんびりしていない。全ての精霊使い達が常にそう
であるように、精霊達の声に耳を傾け、僅かにでも奈落の気配あらば、即座に
駆けつける臨戦体勢。片時たりとも武器と鎧を手放さない。
俺は俺で、自分なりに村中を捜査していた。確かに奈落の気配はなし。この
村での事件は、完全に終わったと見ていいようだ。
終わってしまったら。俺と彼女とに接点はなくなる。
「なあ、お前さんもエクスカリバーに来ないか? 精霊使いで、しかもクエス
ターともなれば、大歓迎されるぜ?」
彼女は興味なさげに両腕を広げてみせるのみ。
「この村の仕事が済んだら、次はどこにいくんだ?」
「知らないわ。精霊達が決めることよ」
そうだろうな。それが精霊使いってもんだ。
ああ。今日も暑い。嫌になるほど太陽が眩しい。
パンツァーで適当に村を一周し、ふと見ると、道祖神の前に彼女が立ってい
た。おいおい、乙女がマジマジ見るモンじゃねーぞ。その形、何を意味してい
るのか知らないのか? 近づいていって、パンツァーから降り、彼女の横手で
声を掛ける。
「どうした?」
「ん、変な石碑だなーと思って」
彼女の視線を追い、俺も道祖神様を見やった。
「ああ、この地方じゃあ珍しいからな。道祖神っつって、ヤシマの方から流れ
てきた土地神様を祭ってるんだ」
「ふぅん、ヤシマ生まれの神様なんだ」
デウス・エクス・マキナ信仰が広まって以来、こういう身近な神様は排斥さ
れる一方にある。辺境の地ゆえに、まだこうやって信仰されているのだろう。
排斥の急先鋒にあった元・帝国軍人の俺だからこそ、いにしえの神々の名残が
嬉しい。
「村の境に立って、外敵から村を護る神様さ。他に、五穀豊穣、家内安全、夫
婦円満、男女和合に商売繁盛、子宝子授、その他もろもろ」
「何でもありなのね。すごい神様」
「そりゃすごいさ。ほら、よく見りゃ、何の形をしているか、大体わかるだろ
う?」
俺に言われて彼女は再び道祖神を上から下へ、下から上へ・・・・・。
気付いたらしい。真っ赤になって、俺を怒る。
「へ、ヘンなこと言わないでよ、ばかっ!」
「変なもんか。個体維持、子孫繁栄のための、大事なブツだろ」
しれっと言ってやると、ぶーっと膨れた。ったく、可愛いなぁ。
「村人がいなくなった後も、ちゃーんと村を護ってるんだ。こんないい神様、
ちょっといないぜ」
「何がー」
「お前さんという精霊使いを呼び寄せて、村を侵す奈落を退治させた」
彼女は意外そうに目を丸くし、それからクスッと笑った。
「素敵な考え方ね」
うあっ、やめてくれ。お前が笑うたび、いちいち惚れ直すのは大変なんだ。
彼女の笑顔から目を逸らすのは勿体なかったが、なんかロクでもないことを
口走るかも知れないので、俺は道祖神様に手を合わせて目を閉じた。
「まんまんちゃん、あん」
「何それ? 呪文?」
「お祈り。ヤシマの神様に祈るときは、大概このお祈りでいいらしいぜ」
ヤシマ出身のサムライに聞いたのだから、間違いはない。
彼女も俺の真似をした。
「マンマンチャンアン。二度と奈落の扉が開きませんように、ミッドガルドを
お護りください」
それは命あるもの全ての祈りだ。
「今日で1週間。明日、俺はウィンカスターへ出発するが、ついでにお前さん
もウィンカスターまで送ろうか?」
そうすれば、あと3日は一緒にいられるから。
「明日、精霊達がいいって言ったら、お願いするわ」
いいも悪いも精霊次第。精霊使いはつらい商売。
だが、それをつらいと思う心は、多分もう彼女の中にはない。
「それで、だ。話は変わるが、」
おい。何を言おうとしている、俺?
俺の中の極一部が焦りに焦るのも構わず、俺の中の残り全部が、彼女の瞳を
しっかり見据えて、真剣そのものの、真摯な声で、
「今夜、俺はお前さんを抱きたい」
馬鹿野郎! さっき、何のために俺は! そんなこといきなり言ったら、ド
ン引きされること請け合いだろーが!
いやもう、言っちまったモンは仕方がない。折しも道祖神様の目の前だ。神
様、御利益を! 頼む!
「そう言ったら、お前さん、嫌か?」
彼女は赤面、困ったような、拗ねたような。
少なくとも拒絶や嫌悪ではない。
「どうしてそんなこと言うの?」
「お前さんの笑顔に惚れた」
言ってて歯が浮かないか、俺? だがそれは、偽らざる俺の本音でもある。
「・・・・・考えさせて」
そう言って彼女は、村の中心部の方へ小走りに。
俺は全身脱力。パンツァーにもたれてようやく立っている状況。
OK。フラれはしなかった。とりあえず、今は。
「ありがとよ、神様」
まんまんちゃん、あん。俺は道祖神に感謝した。
−−−
夕食は、ひっじょーに気まずかった。
彼女から俺に話しかけることはなく、俺としても話しかけるネタはなく。こ
こまで味のしない飯を食うことになるのなら、夕食後に言えばよかった。あ、
そしたら彼女に考える時間を与えないことになるのか? うーん。
悪い返事じゃない、とは思う。希望的観測かも知れないが、もしも断るつも
りなら、こうやって一緒に飯を食いはしないだろうし。
明日には引き払うこの家を、彼女はきちんと片づけ、掃除までしていた。そ
の関係もあって、今日は俺が先に水浴びをすることになった。
一応、こう、いつもより念入りに洗っておく。
山の端に、満月。
断られても、狼男にゃなるなよ、俺。
他にやることもなかったので、自分の寝室で、寝台に横になった。このシー
ツは、家々から掻き集めた布を彼女が手際よく縫い合わせたものだ。お袋さん
の躾がよかったのだろう。今日の玉子料理も美味かった。家庭的な子だ。いい
嫁さんに・・・・・。
なれたはずだったのに。故郷が奈落に飲まれさえしなければ、きっと、精霊
達にも出逢わずに済んだのだろうに。
うとうとしていたので、危うくノックの音を聞き逃すところだった。一挙動
で跳ね起きて、一足飛びに扉の前へ、そして、そんな動作をおくびにも出さず
に、普通にドアを開ける。
彼女が、立っていた。
濡れた髪の下に、道祖神の前で見せたのと同じ、困ったような、拗ねたよう
な、頬を赤く染めた顔があった。
「あの・・・」
言葉を探すように、彼女が逡巡している。だけど俺はもう、たった一つの彼
女の答えを十分に予期している。
今夜に限って、彼女は。
剣も鎧もない、普通の服。
「せ、精霊達が、あなたなら構わないんじゃないか、って言うから・・・」
友と呼ばせてくれ、精霊さん達。話が早くて実に助かる。
「うん?」
俺は彼女に続きを促す。それだけじゃわからないなーって顔で。
「さっきの話、お・・・」
一旦言葉を切って。決意を込めて。
「お請け、します」
よっしゃー! と心の中で快哉を叫ぶよりも早く、俺は彼女の唇を奪ってい
た。
いや待て。ちょっと待て。突っ走るな俺。落ち着け!
彼女の唇は温かく、そして、・・・柔らかかった。普通の女の子と、同じよ
うに。
風の精霊による色彩侵食は金属系。異形は皮膚の金属化や翅翼。
精霊使いの翼は、意外に弾力があって、彼女の背中に回した俺の腕で、一時
的にぺたんと潰すことができた。
考えてみれば当然だ。完全に金属そのものに変化してしまったら、口も開か
ないだろうし、翅は眠るときにも邪魔になろう。あくまで生体の特徴を有した
ままでの金属化なのだ。なるほど、一つ勉強になった。尤も、個人差やレベル
差があるのかも知れないが。
寝室の窓は全開。この暑いのに閉めてなんかいられない。どうせ村には他に
誰もいないのだ。覗いているのは真ん丸いお月さまだけ。
ベッドに二人並んで腰掛ける。彼女の方は随分と緊張しているらしく、どこ
とかおどおどした風でもある。
さてと。
「この服、どうやって脱ぐんだ?」
「え、別に、普通にホックとボタンを外して、袖を抜いて・・・」
「よくわからんなー。壊したり破いたりするとマズいから、お前さんが脱いで
みせてくれよ」
う、と少し後ずさる精霊使い。
「あなたって色々イジワルね」
「この先は優しくするさ」
よくゆーぜ、俺。百戦錬磨みたいな顔をして。
素人を抱くのなんて、これが初めてだろうがよ。
「あっち向いてっ」
「はいはい」
ご要望に応えて身体の向きを斜めに変える。衣擦れの音。高まる期待。
「もー! わたし何でこんなことしてるのー!?」
何やら自分を疑問視してますが。見てみると、わお、期待以上。上着どころ
か下着まですっかり取り去った格好。肝心な部分は自分の腕で隠しているが、
それもまたよしである。
「わたしおかしいー! 絶対におかしいー!」
「何がおかしい?」
彼女の腕を取って、そっと身体から解く。ぷにっと膨らんだ美味しそうな胸
は、色彩侵食に遭っても、先端部分は幾らか濃いめの色をしている。
「だってこんなこと、こんなことわたし、普通はしないのにー!」
「じゃあ、『俺が特別』なんだ」
一応、ギャグのつもりではあったのだが。
彼女はマトモに受け取った。
「こ、この1週間、精霊達が、あなたのことを噂して」
へえ?
「今日だって、ヘンなことばっかり・・・っ」
「ヘンなことって、どんなこと?」
彼女がぎゅっと口をつぐむ。茹でられたみたいに真っ赤になって。わずかに
震えて。
「あ・・・あなたに精霊の声が聞こえないってこと、神々に感謝するわっ」
なんだ、教えてくれないのか。そりゃ残念だ。
もう一度、唇に口づけを。それから胸のあちこちにキスの雨を。
先端を唇できゅっと挟むと、面白いぐらいびくんと反応した。
俺は顔を上げて彼女に尋ねる、
「なあ。それってさ。俺は自惚れてもいいってことか?」
キスの余韻に痺れているのか、彼女はどこかぼんやりしている。
「な、に?」
「お前さんも、」
これは言っていいことか? 止めた方がいいのか?
迷う暇もなく、俺は言葉を紡ぎ出していた。
「俺に惚れてくれてる、って」
ふっと彼女の身体から力が抜けた。
目から鱗が落ちた、といった感じ。
「そんなこと。思いたくもないわ」
うわ。言うんじゃなかった。
「わたし、自分がそんな惚れっぽい女だなんて認めたくないもの」
そうだろうな。そんなもんだ。
「だけど。精霊達が言うのだから、」
夏空のように晴れやかな、笑顔。
この顔が、俺の心を鷲掴みにする。
「わたしはあなたに『惚れてる』んだわ」
精霊、GJ! 俺は彼女の身体を押し倒して、本格的に攻め始めた。
結論から言うと、彼女は処女ではなかった。少々残念だが、好都合でもあっ
た。初めてさんのお相手を無事に務めるほどの自信はないし、彼女を気遣って
入れずに済ませるには、俺はもう猛り狂いすぎていたから。
俺の真下で、少し痛そうな顔をする彼女に、心の中でゴメンと謝って。そこ
だけがまだ生身の肉体であるかのような彼女の門にくさびを打ち込む。うわあ
あっと何かが盛り上がってきて、イキそうになるのを懸命に堪える。
荒く吐き出すお互いの息が混じる。俺の苦しさと、彼女の苦しさは、多分、
全く違うものだ。
気を紛らわせるためにも、少しばかり会話をしてみる。
「変なこと訊くけどさ。男は俺で、何人目?」
・・・よりにもよって。もっとマシなネタはないのか。
彼女は困った顔で、でも真面目に答える、
「3人、目」
「その中じゃあ、やっぱ俺が一番だろ?」
「うん、一番、痛くない」
マジかよ。そいつら、どれだけ下手だったんだ? それとも彼女が不慣れな
だけなのか?
「悪い、俺もそんな上手いってわけじゃないから、痛くするかも知れん」
彼女はますます困った顔で、
「優しくして?」
ああ、もう、こンちくしょーめ。可愛すぎるぞお前は。
「動いていいか?」
「お任せします」
任された。
彼女を抱え直し、俺は動いた。水の音。結構濡れてる。彼女の中のヒダが俺
にこすれて、イヤらしくからみついて。
それでも彼女はぎゅっと目を瞑り、唇をかみしめている。
「痛いのか?」
「う、わ、わかんないっ」
必死の声だ。でも、痛いかどうかわからない、って?
「どんな感じがする? 言ってみ?」
「どんな、って、・・・おなかの中、内側から、押されてる、感じ・・・っ」
圧迫感。痛みってわけじゃない。だけど、以前の体験からして彼女は痛みに
対する恐怖がある。そんなところか。
おお。俺、なんでこんなに冷静に分析してるんだ? 割と余裕があるじゃな
いか。
俺は動くのをやめた。
「・・・終わり?」
あからさまにホッとしている彼女に、いいや、まだまだこれから、と応えて
怯えさせておいて。
「怖いんだったら、俺にしがみついてろよ」
彼女の両腕を、俺の背中に回す。その体勢で、自分でもしつこいと思うぐら
いキスを繰り返して。唇に。頬に。額に。首筋に。鎖骨に。胸の膨らみに。胸
の、尖端に。
「は・・・ぁ」
とろけそうな彼女の吐息。
「あのね、わたしは大丈夫だから」
俺を安心させるように、小さく微笑んで。
「思い切り、動いてくれてもいいよ?」
俺の方こそ、彼女を安心させなければならないのに。
「いっぱい、気を遣ってくれて。・・・ありがとう」
そんな・・・そんな可愛い誘惑を、お前は!
俺はキレた。満月の狼男。がむしゃらに動く。俺の背中に彼女の爪が立つ。
痛いものか、彼女の痛みに比べれば。
途中、一度だけ彼女に気を配ったが。
彼女は、誇らしげに俺を見上げていた。
完全な笑顔じゃない。むしろ痛みに耐えて苦しそうな。だけど。
こんなに胸に迫る、強烈に愛おしい笑顔。
畜生。何回俺に惚れ直させたら気が済むんだよぉ!?
最高の悔しさを味わいながら、俺は彼女の中で激しくイッて、果てた。
−−−
残りは後編。一番長い。ここまで来たらば皿まで喰らいたまえ。
刮目しないで普通に待て! 待たれてなくとも投稿するがな!
ふう、萌え殺されるかとおもた。
あれ?俺のからだ透けてない?
SW漫画版のへっぽこ冒険隊はエロ妄想の宝庫ですね
持ってないんだが、どんな感じ? 事と次第によっては買ってくる。
マウナ裸率約80%
な、内容。
「あんた鬼か!?逆算10歳のイリーナさんを手篭めに!?」とツッコマれるヒース兄さんの姿
な内容
エキューナとノリーナの破壊力がメテオな内容。
イリーナ →ヒロイン化
ヒース →性転換
マウナ →エロ担当
エキュー →触手
バス →地味
SW漫画版が欲しくなった件について。
だがソードワールドについては小鳩亭の方で語った方がいいのじゃあるまいか。
こっちではDXオリジンについて語るべきじゃないだろうか。
いいだしっぺの法則? 近所の本屋にないんだよ、オリジン。orz
オリジンは、PCもNPCもヒロインが責めって言うか主人公が
受けキャラだからなあ。
シルクスパイダーは縛って責めが身上だし。
椿は彩花さんとのレズだろうと。
もしくは獣かn・・・・・;y=ー( ゚д゚)・∵. ターン
話の流れをぶった切って、今回のスターレジェントのサポートページ、
ローラ=オリジナル×ダン×ローラツーで恐ろしい事になりそうだ……。
>>オリジン
支部長が未来テクで椿にあんなことやk
;y=ー( ゚д゚)・∵. ターン
オリジンでは……こんな妄想はどうだろう。
隼人が七緒に自分の正体を伝えていた場合だ。
その場合で、更に暴走七緒が勝利していた場合。
暴走した七緒がタイム&アゲインでやりたい放題ですよ?
更に隼人と椿の仲を勘違いして嫉妬爆発で、
絶対なる支配者として椿を貶めまくり、苛めまくり。
しかも、隼人までレルムに組み込まれてそれが自然だと思ってる。
外のUGNとしても、餌に食いついている間はレルムが広がらないから隔離続行で救援無し。
きっと時間までループして延々と続くんですよ。
肉の記憶に煽られて応理を押し倒すヒカルとか
保管庫の管理人さん、更新お疲れ様でした〜
素早い対応・まめな更新、ほんとうに頭が下がります…
日曜近辺に投下できたらよいな、と思うこの頃。
とまれ話題のオリジンを探しに行こうと決めた。ああくそ、名前ばかりちらつかされて気になるぜ。
さてそれでは滅法遅ればせだけれども、SSの感想など。
>アルシャード中編
>>155ばりに離脱する勢いで。相変わらず精霊使いのおねーさんのかわいらしい事。
どこまで本当に精霊が言っていて、どこまでが照れ隠しなのかとかツッコんでみたい気分です。
しかしパンツァーリッターと精霊で彼女を取り合うような形に落ち着くのかと思っていたら、精霊さん方はパンツァーリッター
の味方だったのか。さすが風来坊。
でもお前、手慣れたふりして話題ふりとかめっちゃ駄目じゃん!? ストレートにも程があります。こっちはこっちにも萌えま
した。
後編、皿どころかテーブルまでも喰らう勢いでお待ちしております。
171 :
いつも中の人:2005/07/06(水) 20:27:52 ID:yUyVzGvD
>106
思えば天羅の過去スレから忍者さんを追いかけてここに辿り着いたわたくし。
まさか自分が書く立場になろうとは夢にも。
>115
陵辱系は苦手なのですが、エピローグに萌えました。
>117
>心の中にしまわれた思うところの詳細
場合によってはSSに反映されることもあろうかと思いますので、まだ気に
なるようでしたら気長に探してみてください。ちなみにあたしゃ体験談をよく
織り交ぜてます。最近ではアルシャードの前編中編に。ふふ。
>118
>しばらく考えて、困った事に全部だと思った。
あーもー困るのはこっちの方だよぅ〜。朝っぱらから端末の前でじたばたし
ちゃったぃ。
今回の瞳ちゃんの一番の萌えツボ。
>“切り札”君、大分前から支部の前うろうろ
ゴメン、ストーキング中かと思ったw
>俺、その、メチャクチャ妄想してた
今回の切り札くんの一番の萌えツボ。
長丁場お疲れ様でした。
BBNT余話続編もお待ちしております。
172 :
いつも中の人:2005/07/06(水) 20:29:27 ID:yUyVzGvD
>132
元ネタがわからないのでアレなのですが、
>この想いが親友を裏切っている行為なのではないかと・・・。
だったら親友もろとも押し倒しちゃえばいいじゃんと思ってしまった私は侵
食率がイッちゃってますかそうですか。
>137
“錆びついた刃”渋いですね。そーいやうちにも約一名、探偵なオーヴァー
ドがいたなぁ。爪の垢でも煎じて飲めと言っておいてやろう。
>155
世界に興味がなくなった監視者の人かと思いましたw
>163-168
オリジン売ってないようぉぅぉぅ。羨ましいようぉぅぉぅ。
>保管庫の中の人
お疲れ様です。いつもありがとうございます。これからもよろしくお願いい
たします。頑張って書きますんで。<いいのか仕事を増やして。
満月は天空高く。
後始末を終え、きちんと服を着て、トイレの後で寝室に戻ってみると、彼女
は窓辺に立っていた。
腰にレイピアを穿いて。愛用のレザーアーマーを身に着けて。月影に照らし
出される白銀の乙女。惚れ惚れするほど絵になる。
先程まで俺の腕の中で全身を上気させていたとは思えないほど、沈着で、冷
徹な瞳。・・・って、えっ? 何かあったのか?
俺の方を振り向きもせず、彼女は言った。
「鎧を着て」
それは奈落と戦う戦士の声。
「・・・・・来るわ」
ざわっと髪が波打つ。敵を感じて騒ぐ風。
俺も思考を瞬時に切り替える。仕事の時間だ。
パンツァーの後ろに彼女を乗せて、俺は真夜中の村を疾駆した。
「どっちだ?」
「このまま真っ直ぐ。村外れの辺り」
月明かりの中に、道祖神様が見えてきた。
そこへ、天使のように、否、堕天使の如く、天から降臨する女型の人影。漆
黒のマントを羽織った美女の姿。力と知恵とに秀でた完全形態。
奈落の使徒。“月の魔女”。“三面の魔女”。グナーデ。
道祖神の脇に立ち、嫣然と微笑みを浮かべ。
「・・・寒気がする」
舌打ちして精霊使いが呟く。俺も同感だ、ましてお前の笑顔を見た後では。
“月の魔女”は、苔むした道祖神の表面を片手で撫でながら、
「クエスター。また、無駄な努力をしに来たのですね」
「無駄かどうかは、お前が一番よく知っているはずだ、グナーデ!」
「雷の、疾走!」
挨拶抜き。走行中の俺のパンツァーから飛び降り、バッと翼翅を広げて、精
霊使いが先手を取った。雷撃が空気を震撼させつつ黒き魔女に向けて殺到!
薄闇色の鎧に、直撃した。グナーデを庇った騎士。そいつは倒れて塵と化し
たが、更に何体もの騎士どもが、グナーデを守るように俺達の前に立ちはだか
る。
精霊使いが驚愕する、
「レイスナイト!?」
「違う。そいつらも奈落の使徒だが、レイスナイトの劣化版ってとこだ」
「なるほど、レッサーナイトね」
そりゃいい呼称だ。
グナーデに近づくには、まずレッサーナイトどもを全滅させる必要がある。
俺と彼女はタイミングを合わせてレッサーナイトの群に突っ込んだ。
レッサーナイトは、一体一体のタフさもさながら、剣の腕前も一流だ。かて
て加えて多勢に無勢、俺と彼女は常に劣勢、苦戦を強いられた。あまつさえ、
こいつらを倒しても後にグナーデが控えていることを考えれば、全力を出して
もいられない。
レッサーナイトに護衛され、その間、“月の魔女”はおぞましくも不可解な
行動をとっていた。
薔薇飾りのチョーカーに黒マント一丁、という変態的な姿で、それがまるで
逞しい男根であるかのように、道祖神の苔むした表面を舐めしゃぶり、両の乳
房で挟んで擦り。
苔は枯れ果て、粉と化して散った。剥き出しになった道祖神の岩肌に、ナメ
クジの大群が這ったかのようなぬめりが塗りたくられていく。
なんてことしやがる。この罰当たりめ。しかもその道祖神様は、俺と彼女の
縁結びの神様だってーのに。
彼女は眼前のレッサーナイトにレイピアの一閃でとどめ。その直後。
倒されたレッサーナイトの後ろから不意を打つように、アウトレイジめいた
大剣が彼女の胴を横薙ぎにした。背骨を叩き折る、重い一撃。
吹っ飛ばされた、彼女の身体が猫より俊敏に一回転して大地に立つ。致命傷
を物ともしない、この現象は。
彼女の全身から光が噴き上がった。力強く、それでいて目を灼かない光。風
の精霊達が、彼女から力を得て半ば物質化し、俺の視界にすらはっきり映る。
奈落との戦いに狂喜乱舞する、美しくも恐ろしき精霊どもの群。
それは、言うなれば神懸かり。クエスターの危機に際し、シャードがクエス
ターの生命力そのものを引き出す、《ブレイク》と呼ばれる現象。クエスター
の能力を最大限まで高める、背水の陣、諸刃の刃。体力で俺に劣る彼女は、要
するに、敵にそこまで追い詰められたのだ。最早あとはない。
《ランナバウト》! 彼女を斬り伏せたレッサーナイトを含む一群を、俺の
パンツァーが轢き潰し、ランスが次々と貫き殺した。最後の1体に雷撃が襲い
かかって、欠片も残さず闇へと還した。
と、同時に。精霊使いを包んでいた光が消えた。ふらっとよろけた彼女を、
間一髪で俺が支える。
「大丈夫か!?」
「な・・・何故・・・・・?」
俺の問いには応えず、荒い息を懸命に整えながら彼女が誰にともなく問う。
「《ブレイク》が・・・どうして?」
《ブレイク》現象は、戦闘終了と同時に自動的に終息する。つまり、シャー
ドは戦いが終わったと見なしたわけだ。
馬鹿な、そこにグナーデという、明白な敵がいるというのに!?
一方、“月の魔女”は。
それは、吐き気を催す光景だった。実際、精霊使いは口元に手を当て、一瞬
だけだが、戦うべき奈落の使徒から顔を背けさえした。
グナーデは大きく股を開いた姿勢で、道祖神の頭頂部に自分の股間を押しつ
けていたのだ。道祖神は、成人男性ぐらいの大きさがある。一番太い部分は、
俺の胴回りぐらいあるだろう。それを。
「ああん、ああん、あはああんっ」
自分の指で自分の穴をいっぱいに広げて、生々しい嬌声を上げて、グナーデ
は腰を振っている。何をしようとしているのかは明々白々だったが、幾ら何で
も入るわけがない。世の中には物理的な限界ってものがあるのだ、奴がどれほ
どのガバマンか知らんが、股ぐらの関節を外したって、無理なものは無理だ。
「神様に何てことを!」
彼女の怒りは俺の怒りでもあった。“雷の疾走”がグナーデを捕捉!
精霊達の攻撃は、しかし、跳ね返しもされなかった。
ふいに。本当に不意に、消え去ったのだ。
彼女も、そして俺も呆然となった。彼我の力量差がありすぎる。先程シャー
ドが《ブレイク》を解除した理由、それは戦いが終わったからではない。
恐らく、奴と戦うには早すぎると判断したためだ。
「あああああっ!」
絶頂じみた叫び。ぐぐぅっ、と、グナーデの淫口に道祖神様がくわえ込まれ
ていく。そしてズルズルとカリの部分が飲み込まれ、胴の半分が飲み込まれ、
やがて全部が。
なんてこった。どういう仕組みになっている?
「貴様のマンコは奈落の穴か!?」
俺は反射的に怒鳴っていたが、無論、グナーデは意にも介さない。
「・・・神様・・・」
ぺたん、と精霊使いが座り込んだ。有り得べからざる光景を前に、平凡な少
女のようになって。
「ウフフフフ、なかなか美味しい封印でしたわ」
道祖神が祭られていた台の上、マント以外は全裸といって差し支えのない女
が仁王立ちでコロコロと哄笑を上げる。足ぐらい閉じろ、恥じらいってもんが
ないのか。それともンなぶっといモンを詰め込んで、閉じようにも閉じられな
いか?
どうでもいい。ただ一撃、一撃でいいから、奴にブチくれてならにゃあ気が
済まない。
パンツァーが“魔女”に突進。ランスの尖端がグナーデの白い腹に届く。
気が付いたとき、精霊使いがベソをかく寸前みたいな顔をして俺を揺さぶっ
ていた。俺は“魔女”がいた場所から数十メートルは離れた地面に、相棒と共
に無様に転がっていた。
「大丈夫?」
「ああ、何とか・・・生きちゃ、いる」
後頭部をさすりながら俺は立ち上がって。
「“魔女”は?」
精霊使いは首を横に振った。見渡す限り、グナーデの姿は、もう、ない。
「グナーデは、道祖神のことを封印と言っていたな? あれは一体」
俺の疑問に対し、回答は即座に与えられた。
ドォン! 大地が飛び跳ねたかの如き衝撃。俺は再び地に伏せり、彼女は咄
嗟に宙へと退避。
村の中心部から、倒立円錐状に噴き上がる奈落。その高さは天まで達して、
今度は逆に、雨のように村へと降り注いでくる。
あの道祖神は、本当の意味で、この村を守護していたのだ。圧倒的なまでに
強大な奈落を、ずっと封印してきたのだ。
奈落の門。グナーデの手により、今ここに開かれた!
「くっ!」
切れるほど唇をかみしめて、彼女が村の中心部へと翔ける。俺もパンツァー
を起こして彼女の後を追う。追いつき、彼女の手を取って俺の後ろに乗せる。
しかし、中心部へ向かうまでもなかった。奈落は急激に拡大。ぶっちゃけ、
俺と彼女の周囲だけが、シャードのゾーンに護られて、どうにか無事でいる程
度。俺達が移動すれば、そこだけは奈落が追いやられる。だが、俺達が去った
場所は、虚しく奈落に呑まれる。
この奈落。成長が早すぎる。規模がでかすぎる。師匠、こういうとき俺は、
どう戦えばいいんだ!?
「・・・・・!」
息を呑む気配。そこは、一面のヒマワリ畑があった場所。闇より暗い闇に、
あの生命力旺盛な植物達が、すっかり呑み込まれた後。
「ヒマワリが」
絶望の呟き。
「・・・ヒマワリが・・・」
ヒマワリ畑に象徴される、家族、故郷、幸せだった時代。
それら全ての奈落による消失。深い深い、彼女のトラウマ。
俺はパンツァーを停めて、精霊使いの細い肩を掴んだ。
「おい! しっかりしろ! 気を確かに持て!」
「ママ。パパ。お姉ちゃ・・・・・」
夢遊病者のように、俺のパンツァーから降りて。
俺の手を離れて、ふらふらと歩み出し。
ヒマワリ畑だった場所に、だっこをねだる幼女みたいに手を伸ばして。
叶えられずに。
「いやぁぁぁぁぁぁぁ!」
《ブレイク》したかと思った。だが、これは違う。
彼女の周囲で吹き荒れるのは、シャードの光ではない。金属的な鋭い輝き。
風の精霊どもだ。嵐もかくやの暴風に、俺は視界を奪われ、身体の動きを制限
されて、彼女に近づくことはもとより、その姿を見ることすらままならない。
「精霊よ! 精霊達よ! 契約を! 新たなる契約を! 炎の精霊! 氷の精
霊! 我と我が身と我が心、全てを喰らってその威を顕現せよ!」
俺にも見えた。彼女に殺到する赤と黒の渦、青と白の波。彼女を包み、喰ら
わんとして。
故郷喪失の再来。深すぎた絶望が彼女を駆り立てた。憎悪に任せて精霊達を
呼んだのだ。戦う力を、奈落を滅ぼすためだけの力を得るために、自分を生贄
に捧げたのだ。
どうやって動いたのか、実は俺も記憶にない。シャードの導きか、あるいは
道祖神様の最後の加護だろう。“炎の吐息”、“氷の抱擁”、“雷の疾走”、
荒れ狂う精霊達の力を全身に受けて、それでも何とか生き延び、彼女を抱きか
かえることで精霊達から彼女を庇った。
儀式は中断、契約は失効。炎の精霊達と氷の精霊達とがどこへともなく消え
去り、風の精霊達も少しは大人しくなった。
パン! と俺の頬が弾けた。
「邪魔をしないで!」
「そうはいくかよ」
ひりつくほど頬が痛む。悲鳴を上げる彼女の心のように。
「別の精霊と契約したら、またお前さんが喰われるだろーが」
「それが何なの!? それで奈落が滅びるのよ!?」
「お前さんはもう、風の精霊に涙を引き渡したろう。この上まだ、お前さんの
恐怖を、お前さんの笑顔を、精霊どもに引き渡すつもりか?」
「そうよ! それ『だけ』でいいのよ! それだけで、奈落を滅ぼす力が手に
入るのよ! 何故邪魔をするの!」
「頼むから、もっと自分を大切にしてくれ!」
俺の懇願に、彼女は狂ったように言葉を連ねる、
「大切なものなんて、もうどこにもないわ。わたしの家もヒマワリ畑も。全て
奈落に呑まれてしまった。ママもパパもお姉ちゃんも、村のみんなだって、涙
を、恐怖を、笑顔を、命さえも奈落に奪われてしまった。わたしだけが恐れを
抱いて、わたしだけが笑える。わたし以外に、誰が炎の精霊に恐怖を引き渡せ
るの? 誰が氷の精霊に笑顔を引き渡せるの? わたしが、わたしだけにしか
できないことなのよ!?」
「そんなことを、亡くなったお前さんの家族が望んでいるのか!?」
「わたしだけが! 生き残ったのよ!」
耳をつんざく絶叫。
そうか。そうなのか。罪悪感、それが彼女を奈落と戦わせるものの正体なの
か。全滅した村で唯一人生き延びた、その最悪の幸運が、彼女には重すぎる十
字架だったのか。
ああ。俺は“青の”導師シェルリィじゃない。師匠のように、彼女を救える
言葉を持ってはいない。不肖の弟子。無力な男だ。けど。
「お前の笑顔は、何かを恐れる心は。俺にとっては、大切なものなんだ」
万感の想いを込めて、俺は彼女の唇に、自分の唇を重ねた。
涙の味がした。彼女は風の精霊使い、決して涙を流さないのに。それとも、
俺が泣いているのだろうか。
彼女のレイピアに填められているシャードが、微かに震えるのを感じた。
憑き物が落ちたみたいに呆然としている彼女の頬を両掌で挟み、俺は彼女を
安心させるように笑ってみせた。
「俺に抱かれてくれた身体を。俺を受け入れてくれた心を。精霊なんぞに喰わ
せてたまるかよ」
彼女の笑顔が俺の心を掴んだように、俺の笑顔も彼女の心に届いてくれると
いい。
彼女から離れて、俺はパンツァーに跨り、ランスを手に握る。
「もう、十分だ。お前の敵は俺が倒そう、この槍にかけて」
シャードの導きに任せて、いざ、奈落の門の中へ!
「YeeeeeeeYHAAAAAAAA」
雄叫びを上げてアクセルを全開、最大加速で瞬時に最高速度を叩き出す。
ふと、気配を感じて振り向くと、俺のパンツァーの後ろに懸命に掴まって、
精霊使いがそこにいた。
「お前・・・!?」
驚き、慌てて俺は両手放してパンツァーを操縦、彼女に腕を伸ばして横抱き
に抱きかかえた。
「フフ、精霊達はあなたが気に入ったみたい」
夜明けの風のように爽やかな笑顔で。
「どこまでもあなたについていけって言ってるわ」
畜生。俺は三国一幸せなパンツァーリッターだ。最高のパンツァー、最高の
ランス、そして最高の!
「応、どこまでも連れてってやるさ」
「アスガルドまでも?」
「アスガルドまでも!」
勇躍。パンツァーが奈落の門をくぐり抜ける。
奈落がシャードのゾーンさえも侵し始めた。時間がない、早く門を閉じなけ
れば。
「我らを敵の下へ導け! 俊敏なる神の力を鋼鉄の騎馬に与えて!」
パンツァーのリアクター内で、俺のシャードが嬉しげに震える。
「いにしえの神、その名は《ヘルモード》!」
存在しない道を突っ切り、あるはずのない空間、奈落の中心部へ到着。
まるで俺達の出現を待っていたかのようにムクリと身を起こした、それは、
敢えて喩えるならナーガに似ていた。人頭蛇身の魔獣。だが、それでいてどん
なクリーチャーにも似ていなかった。奈落の怪物。フリークス。あれが、奈落
の門の中心核!
ふわりと俺のパンツァーから離れて、精霊使いが飛翔する。
「うなれ疾風! とどろけ雷光! 奈落を滅ぼすその威を示せ!」
懐かしき人々の仇を。精霊使いの切なる願いが絶望の奈落を引き裂く。
「いにしえの神、その名は《ニョルド》!」
真空の刃、雷の鎚、炎の渦、氷の波、シャードの加護が解放されて、精霊達
が奈落の力を迎撃、殲滅、更に封印する!
彼女を背にして、俺のパンツァーが疾駆。ナーガの人頭が吐く火とも水とも
つかない破壊のブレスを受けて、俺と彼女が一気に《ブレイク》。更に蛇身の
薙ぎ払いが俺の身体をパンツァーごと捉える。まずい、こいつは耐えきれない!
助かる道は《ヘルモード》の加護を得ることのみ、だがそれではたとえ勝っ
たとしても、この空間から逃れるすべはない。とはいえここで俺が倒れたら、
彼女一人で奈落と戦うことになる。せめて彼女は・・・!
時間的にはほんの一瞬のこと。そのとき俺は彼女を振り向き、そして、彼女
が頷くのを見た。ああ、そうだな。わかっているさ。
「我を敵の下より遠ざけよ! 俊敏なる神の力を鋼鉄の騎馬に与えて! いに
しえの神、その名は《ヘルモード》!」
蛇身の薙ぎ払いが空を切る。俺のパンツァーはナーガ自身の身体を走って、
奴の頭部に肉薄する。
《チャージ》による《猛攻》。《戦士の手》が握るランスは、ナーガの頭部
に深々と突き刺さる。
「勇猛なる戦神の力をもって敵を粉砕せよ! いにしえの神、その名は《トー
ル》!」
俺の誓いがシャードの加護を引き出す。
「春を告げる雷神の力をもって我が戦友を支援せよ! いにしえの神、その名
は《トール》!」
彼女の祈りがシャードの加護を倍加する。
神々の武器が悪しきモノどもを討ち滅ぼした神話の世界の再現。
全ての色を含んだ無色透明な輝きが、闇色をした奈落のナーガを完膚無きま
でに叩き潰した。
・・・・・地面なのか空中なのか、それすらもわからない場所に、俺と俺の
パンツァーとがあった。彼女が涼風のように近づいてきて、未だ戦いの興奮が
治まらない俺の身体をそっと抱き締めた。
「これで・・・終わったのか?」
「核が消滅したから、これ以上奈落は拡がらないわ。後は、今あるこの奈落を
消滅させるだけよ」
「そうか」
それは、奈落の中にある俺達自身の消滅をも意味する。だが、それでも。
俺は彼女に口付けた。最期に思い切り、貪るように深く。彼女もまた、俺の
想いに応えてくれた。
彼女が俺に微笑み掛ける。俺も彼女に笑顔を返す。
「絶望の物語を灼き尽くし、奈落の門を閉じよ」
彼女の片手がスッと差し上げられる。俺はその手に自分の手を重ねる。
「いにしえの神、その名は《ニョルド》」
ついに俺達のシャードのゾーンが奈落の闇に侵され尽くして。
風、炎、氷。精霊達が、俺達を含む全ての奈落を嬉々として灼き滅ぼしてい
く。
それは、俺達にとっては、祝福ともいえる光景だった。
目を開けたら、そこはアスガルド。彼女と二人、幸いの理想郷。
そんな、とりとめもない夢を見ながら。
−−−
白い鳩が俺の頭上を旋回する。腕を差し出すと、鳩は優しく俺に止まった。
鳩の胸に輝くのは、剣の紋章の入ったコイン。それを首から外してやると、鳩
は青空高く羽ばたいていった。
夜を待ち、十六夜の月明かりにコインを透かすと、コインの発する光が懐か
しき導師の姿を形成した。
「ご苦労であった・・・・・」
苦労しました。
繰り言は置いておいて、俺は簡潔に事の次第を報告した。
「そうであったか・・・・・」
“青の”導師シェルリィは感慨深げに頷いて。
「しかし、奈落はまだ全ての門を閉じたわけではない・・・・・」
映像は、師匠の姿に代わって、帝国の空中戦艦に。初めて見る型だ。
「この空中戦艦に具備されているリアクターが、奈落の扉を開きつつあるよう
じゃ・・・・・」
間髪入れずに次の任務ですか、師匠。ねぎらいの言葉もそこそこに?
以前までの俺なら、苦笑の一つも浮かべていただろう。だが、今の俺には奈
落と戦う任務を引き受けること自体が有り難かった。
「シャードの導きのあらんことを・・・・・」
空中戦艦が寄港している位置を示して、映像はそこで途切れた。後に残るの
は、いつもの通り、1枚のコイン。
・・・・・目を開けたら、そこはミッドガルド。俺一人、辛い現実世界。
戦い終えた翌朝、ヒマワリ畑は奇跡のように無事で、見事な真っ黄色に咲き
誇っていた。これでもかと言いたげに、天高く突き上げる生命力。彼女が護っ
た、太陽の花。
“月の魔女”に奪われた道祖神様も、表面の苔こそ剥げ落ちていたが、元の
場所に鎮座ましましていた。用済みと見て、グナーデが吐き出したのだろう。
もう、奈落を封印する必要はない。普通の道祖神として、この村を護っていく
に違いない。まんまんちゃん、あん、である。
俺達が1週間を過ごしたこの家とも、明日の朝でお別れだ。いつでも出発で
きるように中身がきちんとまとめられて、ぽつんと取り残されていた、彼女の
鞄を俺の荷物にまとめる。
ランスは無事。プレートメイルも。パンツァーは、リアクターが少々グズっ
ていたが、丁寧に整備してやると機嫌を治した。
唯一の欠点。それは、彼女がいないこと。
神の御業かシャードの加護か、俺は生きてこの世界に戻った。手を取り合っ
ていたはずの彼女の姿は、しかし、俺の隣にはなかった。この村のどこを探し
ても、村の周囲まで捜索の範囲を広げても、彼女の手がかり一つ、見つからな
かった。
膝から力が抜けるほどの喪失感。だが、そんな俺に語りかけるように、俺の
シャードはリアクターの内側から力強い光を放っていたのだった。
そうだ、俺が生きてこの世界に戻ったのだ。彼女も絶対に、生きてこの世界
に戻っている。精霊使いの彼女に再び巡り逢いたければ、奈落と戦い続ければ
いい。そこに、必ず彼女も現れる。
彼女の笑顔を胸に抱きながら、今宵、俺は身体を休めて眠る。
明日からまた、アスガルドを求めて旅立つために。
もう一度、彼女に逢うために。
189 :
アルシャード:2005/07/06(水) 20:44:24 ID:yUyVzGvD
・・・・・おしまい。
以上、アルシャードで1本書こうと思って考えたお話でした。
「ねぇねぇ」
「あ〜?」
「長いね」
「ああ」
「しかもハッピーエンドじゃないし」
「そうか?」
「そうだよぉ。何で精霊使いだけ戻って来ないのぉ?」
「いや、ラストシーンは精霊使いがヒマワリ畑で幸せそうに笑っているところ
を書くはずだったのだが、パンツァーリッターが『俺一人、辛い現実世界』と
言うから、ああ、いないんだな、と」
「いないんだな、って・・・勘弁してよぉ〜」
「てゆーか今回のエロシーン。パンツァーリッターは精霊使いに中出ししてる
んだと思うのだが」
「あ〜。ミッドガルドにはゴムとかなさそうだしねぇ」
「とすると、一つ、疑問が残るのだ」
「え? ああ、精霊使いが妊娠してやしないか、とか?」
「うんにゃ。
バトルの間、精霊使いは後漏れの始末をどーしていたんだろう、とか」
「さいってーだー!」
正道且ついい話じゃないですか。GJ!
萌えたよ、真っ白に。
192 :
マルチレス:2005/07/07(木) 10:58:45 ID:iHQMTBKJ
>>アルシャード
やっぱり、王道は純愛ですねー
>>切り札×瞳
お嫁さんですかー。切り札君もう逃げられませんなー
とか自分で書きつつ、今回はベル×柊×くれはで陵辱です。
一応ラストはハッピー目指してますがー。
193 :
柊陵辱:2005/07/07(木) 10:59:23 ID:iHQMTBKJ
目覚めるとそこは異空間だった。
「っていきなりなんだよーーーーーっ!」
突っ込みを入れてから柊蓮司は周りを見渡す。
暗い空間、闇色の空、仕方なく月衣から魔剣を取り出し、警戒をして歩き出す。
回りに一つしかないドアを開けると、そこには巫女服の少女がいた。
「くれはっ!」
駆け寄っていったのも当然、彼女は両手両足をX字に結び付けられ、口にはボールを噛まされ
虚ろな目で寝ていたのだから。
「遅かったわね柊蓮司」
前の方から声が聞こえる。
「ベール=ゼファー!くれはに何をした!」
「少し魔法をかけたの」
そう言ってベルは柊にクスリと笑う。
「精神を封印する魔法……彼女は永遠に眠り続けるの」
「呪文解除するには……」
そう言って柊がベルに魔剣を向ける。
「私を殺しても、呪文は解除されないわ」
「なにっ!」
「…呪文を解除する方法は二つに一つ、彼に優しく犯されるか」
そう言ってベルは部屋の隅っこの謎の物体X(触手がたくさん)を指差す。
「貴方が彼女を徹底的に犯すかね」
ベルは柊を指差し怪しげな笑みを浮かべる。
194 :
柊陵辱:2005/07/07(木) 11:01:37 ID:iHQMTBKJ
「徹底的にって…何考えてるんだ!」
「さあ?私には貴方の考えてる事なんてわからないわ」
くすくすとベルが笑う。
「さあ、どうする?このまま『星の巫女』を見捨てる?『彼』が優しく犯されるのを見る?
それとも……あなたが徹底的に犯すのかしら?」
ベルがそっと柊の首に腕を回す。
「どれも嫌なら全てを忘れて、私達と同じエミュレーターになりなさい」
「それだけはやだ」
柊はそう断言してベルを跳ね除ける。
「だったら、どれを選ぶというの?」
柊はくれはも元に歩いていき、そっとくれはの耳元で呟く。
「くれは、ごめんな」
そう言って柊はくれはの頬にキスをした。
人形のようなくれはに柊は抱きつくと、くれはの首筋に柊は噛み付いた。
荒々しく噛み付いた跡は赤く跡が残る。
「うふふ、徹底的に犯すことにしたのね」
ベルはそう言ってくれはの両手両足を縛り付けている鎖をほどく。
「彼女に嫌われても良いの?」
「……この世界からいなくなるより……ずっと良いさ」
「女の嫉妬は怖いものよ」
ベルはそう言うと、くれはの首筋をそっと撫でる。
195 :
柊陵辱:2005/07/07(木) 11:03:06 ID:iHQMTBKJ
「そう決心したのなら、徹底的に犯しなさい。彼女を本当にとりもどしたかったら」
ベルの手で脱がされ始める巫女服。くれはの目はまだ水晶のように透明だ。
「………」
柊は無言のままくれはのまだ成長していない胸を貪り始める。
まるで肉を貪る狼のようにくれはの体を舐め、噛み付き、貪っていく。
「ふふふ……興奮してるようね」
ベルはそう言って、柊の張り裂けそうな股間のジッパーを下ろして柊の息子を取り出す。
「なにしやがるんだ!」
「あら、徹底的に犯すんでしょう?だったら出しておいた方が楽じゃない」
そう言ってクスクスと笑う。
「それとも何?彼女を犯すのにためらいがあるのかしら?」
柊の体がぴたりと止まる。
「図星のようね」
ベルが柊の頬を撫でる。
「でもね、あなたがいくら優しくしても彼女は起きないわよ」
そう言ってベルが柊にキスをして、柊の口の中に舌を押し込む。
「!!!!」
ベルの舌が柊の口内を舐め始める。
ゾクゾクとした感触が柊の体内を駆け巡る。
それだけではない、ベルは柊の分身をそっと撫で回し、そこからも快楽を与えていく。
「くふぅ……」
異常なまでも快楽に柊の分身がどんどんと大きくなってくる。
そっと唇を離すと、ベルは真っ赤になった柊の顔をみて妖艶に笑む。
「なっ何しやがるんだ!」
「あら、ベッドの上で男と女がすることって一つしかないわよ」
「!!!」
「それとも、星の巫女とだけ楽しむつもりだったのかしら」
そう言ってベルがくれはの頬をぷにぷにと押す。
なにか嵌められた感じを受けて柊の顔が赤面する。
「一人で楽しむのは許さないわよ、柊蓮司」
妖艶ながらも清楚な声でそう宣言し、ベルはくれはのほっぺにキスをした。
ボッキアゲ
197 :
鬼畜柊:2005/07/09(土) 11:37:59 ID:7AOpwTom
タイトル間違えてました。
===
「楽しんでなんかいねえ!」
「楽しまないと、色々と疲れるだけよ」
そう言いながら、ベルは強引にくれはの巫女服をはばたけさせると、そのままくれはの胸を撫で回す。
「それとも永遠に彼女が目覚めなくても良いの?」
「それは……」
一瞬の迷い、それにつけこみベルがさらに言う。
「彼女を心ゆくまで犯しなさい、柊蓮司。それが星の巫女を助ける手段なのよ」
そう言ってベルはそっと柊の頬を撫でる。
「それとも何?彼に任せても良いと思ってるのかしら?」
何時の間にか、ベルとくれはが柊の上に乗っかっている。彼とはあの白い物体X(仮称)の事を言うらしい。
「…………」
無言で柊はくれはを抱き寄せる。
「少し手伝ってあげるわ」
ベルはそう宣言すると、自らの月衣に手を入れる。
「なんだ?」
取り出したのは怪しげな黒い丸薬。それをそっと自らの唇に押し込む。
「受け取りなさい。柊蓮司」
強引な口づけをして、ベルは柊に黒い丸薬を飲ませようとする。
必死になって抵抗する柊にベルは妖艶な視線を送りながら、舌を絡ませて丸薬を柊に飲ませようとする。
柊はそれに必死になって抵抗し、ベルの舌を跳ね除けようとする。
すっとベルが柊の首筋を撫でた。
198 :
鬼畜柊:2005/07/09(土) 11:39:18 ID:7AOpwTom
「ぐはぁ」
そんな声と共に柊の喉に丸薬が入っていく。
「さあ、柊蓮司。思う存分犯しなさい。彼女も、私も」
ベルはそう言って、くれはの巫女服に手をかけ、そのまま柊の前で脱がし始める。
柊は、まるで肉に群がる獣のようにくれはの首筋に噛み付いた。
赤く染まるくれはの首。さらにまるで貪るかのように首筋に噛み付き朱色にそまる部分を増やしていく。
首筋を一通り噛み終わると、柊は平らなくれはの胸を舐め始める。
ベルはそっと柊の股間に指をあてると、柊の物をかるく弄び始めた。
「なにを……」
「あらあら、顔を赤く染めちゃって……もっとどうどうとしなさい」
そう言ってベルは柊の物をもて遊びながら、笑う。
勢い良く柊の塔が爆発し、くれはの袴を汚す。
出てきたものをベルは指ですくいとり、自らの口へと持っていく。
「おいしいわ、とっても」
柊の塔はなおも隆々としており、まだまだなにかの弾みで爆発をしそうな雰囲気だ。
「うふふ、好きなだけ欲望を開放しなさい。なんなら私を犯しても良いのよ」
柊はその言葉を聞いた後、くれはのほほにキスをする。
ブチリという音と共に、くれはの口を拘束しているギャグがはずれ、そのまま柊はくれはの口にキスをする。
舌を強引に押し込み、何もかもを自分の物にしようと犯すが、くれはは何も反応しなさい。
やがて諦めたのか柊はそっと唇を離すとくれはの指先を口に含むと、その一本一本を舐め始め、
掌にキスをして、腕に噛み付く。
くれはの露出している肌が、赤く染まっていく。
「私の方にもいいかしら?」
そう言ってベルが滑らかな指先を柊の前に持っていく。柊はそっと手の甲にキスをして、またくれはの方へと向き直る。
「………」
ベルたんちょっと不満気味。
199 :
鬼畜柊:2005/07/09(土) 11:40:40 ID:7AOpwTom
そっと、くれはの袴を脱がすと、柊はくれはの秘所へと塔をあて、無理矢理押し込む。
流れ出る破瓜の血。ベルはそこへ舌をあてると、繋がっている部分を舐め始める。
その感覚に柊の塔が爆発、くれはの膣内に迸る。
流れ出る血に混じって、柊の精液を舐めベルは欲情したネコのようにそのぶぶんをそっと舐め始める。
怪しい感覚に、柊の精が何度も爆発して、くれはの体内を犯す。
その合間にも柊はくれはの体を噛み付き、舐め、吸い寄せ赤く染めていく。
そっと、ベルが柊とくれはの繋がっている部分を外す。
「ふふふ……まだまだ元気じゃない」
そう言って、ベルは柊の股間の物を口に含むと、ちろちろと舐め始める。
ドロドロとしたものが流れ出て、ベルの口内を犯す。ベルはそれを全て飲み干そうとするが、量が多く口からはみ出てしまう。
「うっ……」
吐き出しそうになるのを押さえてからベルは、くれはの秘所をそっと舐める。
「はわっ?柊?」
驚愕の声。くれはがようやく起きたのだ。
「ようやく、起きたのかしら?」
「ベルもなんでいるの?」
「私だって、貴方と同じように恋人同士の逢瀬を楽しみたいのよ」
そう言ってベルは柊の後ろから抱きつく。
「それに、まだ陵辱劇は終わらないわよ」
そういうや否やベルはくれはの腕を掴む。
くれはは押し返そうとするが力が出ない。
「まだ、目覚めたばっかりよ、しばらく彼に犯されないと、また眠り続けるの」
ベルはそう言ってクスクスと笑う。
「止めてって言っても良いのよ。永遠に眠り続けたいなら」
「嫌っ!そしたらもう柊と会えなくなるんでしょう」
「ええ」
「だったら、素直に犯されなさい」
ベルはそう言って、くれはの秘所を撫で回す。
「あら、さっき目覚めたばっかりなのに、もうこんなにドロドロになってるわ
彼に抱かれてそんなに気持ち良い?」
「うっうぅ……」
肯定もできず否定も出来ず涙を浮かべてくれはが泣く。柊はそっとその涙を舐めるようにくれはの目にキスをした。
エロい。萌える。むしろベルに。
相変わらず21禁(要はシモネタ)ではあるけどエロはないなぁ……
ともあれ投下。
203 :
強化人間劇場:2005/07/10(日) 02:14:35 ID:5QsMK2OA
「では各自、先日提案した『可愛い女の子になって人気もブリブリ上昇大作戦』の実行成果を発表する」
輝明学園秋葉原校、朱く陽が差し込む放課後の教室。
黒板を背に立つ、小柄な少女――天緒・真白のボソボソと、しかし強い意志の感じられる声。
それを受けるのは、赤い髪の少女と腕にバンダナを巻いた少女。
「うおーーーーっ! この縄を解きやがれーーーーーー!! 迅速に! 早急に!!」
ロープでぐるぐる巻きにされた柊が叫ぶ。
「なお自動ツッコミ機を用意しておいた。活動報告に問題があった場合、ツッコミが入る」
「なんだそりゃ! 俺がそんな都合よくだな」
「……お前は、そういうキャラだ。自分自身に逆らうのはあまり意味が、ない」
真白は視線を前に戻すと、さあ、と報告を促した。
ここより柊のセリフは《》で囲みます。
204 :
強化人間劇場:2005/07/10(日) 02:15:03 ID:5QsMK2OA
「私は……これだ」
バンダナの少女――姫ヶ崎・優美が机の上に置いたのは、数冊の書籍。
「少女マンガだ。かわいい女というのは大抵このような本に集約されていると聞いたから、
これを元に普段の態度の改善などを行なっている」
《ああ、そういえばザーフィを落とすんだっけか》
つ【彼氏彼女の事情】
《……いやそれはダメだろう》
つ【ロッカーの花子さん】
《おいおいおいおいおい》
つ【B.B.Joker】
《おいおいおいおいコラコラコラコラ》
「生物が好き」
「そうか」
真白は頷き、
「私は安藤が好きだ」
《人気とりのためのキャラ変え作戦じゃねーのかよっ!?》
「さて次は私だ」
真白は懐から小さな包みを取り出した。包みを開けると……中にはピンク色の親指大のカプセル。
《って、おーーーい》
「……自己開発している。感じやすいのがかわいいオンナ、らしい」
《違う気がするが! でも確かにそーかもしれん気がっ!》
205 :
強化人間劇場:2005/07/10(日) 02:15:47 ID:5QsMK2OA
「次は私」
最後は緋室・灯。鞄から取り出したものは――
《下着?》
黒いレザー製のパンツだった。ただし、外側と内側に向けて、男性器を模した張り型がついている。
《いやいやいやいやそれはなんつーかえええええええ》
「命にはすごい人気」
《個人的に!? つうかファンからの受けを意識してるんじゃねーのかよ!》
「昔、ホモだったから」
《聞いてねぇしっ!!》
「私も快感を得る」
《そーかもしれんがっ!》
「……試して、みる?」
「……試して、みよう、か」
「そうね、試してみようかしら」
《え? なんだお前らちょっと待て何で俺のベルトを外しあqwせdrftgyふじこlp》
どっとはらい。
>>171 ネタのつもりのコテを二度使われて焦る俺。何か責任問題に発展しそうだ!?
俺は百戦錬磨のひとじゃないので、ではこそこそ参考にさせていただきますぜ。何を、とは訊くな。
>アルシャード後編
嫌な予感がしたんだー!
>>186で以降で精霊使いの描写がばっさりなかったからさー!
くそう。苦手なんだよこういう話。もう寸秒で泣くぞ。
太陽めいた娘と月の魔女。太陽の花は守られたのだから、彼女もきっと居るだろう。
当初のラストシーンに、ヒマワリ畑で幸福に笑う精霊使いに、パンツァーリッターはきっと再会できるものだと信じてる。そこ
が最後に辿り着くべき彼の理想郷のはずだから。そこまで展開してもらえると俺も大変幸せだけれど、そいつは我が侭が過ぎる
ってもんだろうとも思う。
ああ、なんかアルシャード話も書きたくなってきやがったぜ。でも俺ルールブック持ってねぇや。なんてこった。
っつーか人様の影響をすぐ受けすぎだ。だって面白かったんだもん。
良い作品をありがとうございました。
>鬼畜柊
第一声がツッコミなのは、流石というべきかなんというべきか。愛されてるな、柊。
>>198のラスト2行が私的にツボった。
もうベルが柊に構って欲しいから、あれこれ画策するようにしか見えません。
>強化人間劇場
おお、久々の本伝だ。
少女漫画にもがしがしツッコめる柊が素敵。俺は殆ど判らない。無念。勿体無い事した気分だ。
今回の柊の柊が下がったのは、えーと…えーと…。(←オチが思いつかないままフェイドアウト)
DXオリジン読了。うわ、面白ぇ。っつーかシナリオがいいなぁ。今度こういうのを書いてみよう。
ところで犬の名前の由来「私が椿だから」って台詞で、「じゃあ柊でもいいじゃん」と思ったのは俺だけですか。
そんなこんなで、以下不確定な切り札×水晶の瞳のバッドエンドバージョンをお送りします。
フィクションではありますが、強姦等に拒絶のある方は不快を覚える可能性があります。ご注意ください。
後編はさり気なくエロなし。
>>131に満足してもらえるかどうかはこっちにかかっている。期待に届かなかったらごめんな。
承前
「それじゃ、そろそろ本番にしよう」
男の手が離れた。えんえんと体を弄び続けていた振動も止まる。ようやく解放された安堵で私は体の力を抜きかけ、
「まずは裸を拝ませてもらおうか」
続く言葉でびくりと目を見開いた。抵抗しようにも完全に馬乗りになられている。上半身の、腕だけの力では到底敵うはずも
なかった。
「いや! いやぁっ!!」
どれだけ暴れようと、男はびくとも動かない。逆に楽しげに笑った。
「そうだよ。もっと暴れてくれ。誰か助けてって叫んでくれよ」
人さし指が伸びてきた。背ける顎の先端に、ぴたりと添えられる。
「どうにもならないって思い知った時の顔。それがたまらないんだ」
「ふ…っ…くっ…」
つうっと触れるか触れないかの位置で喉へ、鎖骨へと指が滑る。嫌悪感。そしてそれを押しのけてしまいそうな甘美な感覚。
指がぴたりと胸元で止まった。
「っ!?」
男の指が私の服に触れると、そこから蒸気のようなものが立ち上った。接触点から着衣が融解していく。
「ゆっくりだ。ゆっくり剥いてやるな。どう足掻いても無駄だって頭に染み込むように、ゆっくり裸にしてやる」
男がのしかかってくる。指は胸の谷間を通過して、へそにまで届こうとしていた。
「――っ」
私は唇を噛み締める。けれど、叫びはしなかった。それは現れるはずのない助けと知っていたから。
“不確定な切り札”。それだけしか私は彼を呼ぶ名を持たなくて。その名は彼が守ると言った日常を意味するものではなかった。
半ば以上の諦念から目を閉じる。眼裏に風景が浮かんだ。
放課後の校舎裏。恋を告げられたのだろう、彼の姿。こんな状況だというのに、その回想はずきりと鋭く私を抉る。
「どうした?」
まるで抵抗を諦めたかに見える私の挙措に、けれど疑問ではなく嘲りで男が声をかけてくる。
近づけられた顔めがけて、私は思い切り唾を吐きかけた。悔しいけれど、それはただの唾液だった。本当ならばソラリスの能力
で毒液なりなんなりを精製したかった。けれど意志力を総動員しても、男の薬物に侵されたこの身はオーヴァードとしての力を発
揮できなかったのだ。
「…」
ゆっくりと、男が頬を拭う。そして、楽しげにくつくつと笑った。
両手首がひとまとめに掴まれる。抗う間もなく、粘着性の高い物質が手錠のように私を拘束固定する。罪人の枷。それはそう呼
称される、捕縛系のエフェクトだった。到底力で引き剥がせるものではない。
更に頭上方向の路面へと私の手を押し付けると、男は路面と手首とを接着した。これで私の抵抗は、すっかり封じられてしまっ
た形になる。
「あんたに、自分の立場ってもんを判らせてやるよ」
エフェクトすら用いず、力任せで下着が無理矢理に裂かれた。男の体が位置を変える。
「嫌…いやぁっ!」
必死に抗ずる足が割られた。私の意志とは関わりなく蜜に塗れてしまったそこが、遠慮のない視線に晒される。
「なんだかんだ言っても、こんなになってるぜ? あぁ?」
嘲弄の言葉に顔を背けた。次に私の耳に届いたのは金具の音。それが何を意味するのかを悟って身を捩るが、今更どうにもなら
ない。どうにかなるはずもない。
「や…やめて…やめてください!」
懇願を一顧だにせず、男は男性器を私に押し当てる。男のものが無遠慮に侵入を開始しようとしている。
「――いや…いやです、助けて。誰か、誰かっ!」
犯される。その恐怖に、私は身も世なく泣き叫んだ。だが答えはなかった。ある筈もなかった。
と、先端が浅く潜り込んだ状態で男の動きが止まった。
「初物か。ますますついてるな」
それは慈悲ではなく、一層の恐れを煽る為のものだった。ぐいと無理矢理に、私の狭隘な門が突き破られた。灼けた杭を突き立
てられたような痛み。体の内側から生じる圧迫感。なんの遠慮も会釈もなく、それは私の深奥部まで達する。
「――っ!!」
激痛に声も出ない。ただぼろぼろと涙が零れた。
征服を確信したように、男は動きを止めて私を見下ろしている。そこで実感した。私は、穢されてしまったのだ。
その理解に達したのを見抜いたように、男は再度動き出した。
ゆっくりと体内のものを自覚させるようにとば口まで引き抜いて、それからまた一息に一番深いところまでを貫く。
「いた、痛い……いたい…やめ、てぇ…っ…動かな…」
かすれる声で訴える。すると抽送が止まった。わずかな希望で見上げた視線は、その表情で潰えた。蹂躙の愉悦を浮かべた顔。
「いい声だ」
すっかり抵抗力を失ってしまった私の顎を掴んで、男がにやりと嘲笑う。
「もっと鳴いてくれ」
容赦なく腰を使い始める。私の中が攪拌される。
「いや、ぁ…ん…っ……や…だぁ…っ…入って…こない……でぇっ」
何よりおぞましいのは、私の体がこの感覚を受け入れようとしている事だった。破瓜の激痛はだんだんと薄れつつある。襞を擦ら
れ深く突かれる快楽は私の肢体を蝕んで、痛みすら快楽へとすり変えていく。
先に仕込まれたエフェクトの所為だ。原因はそうと判っていても堪えられなかった。心が張り裂けそうだった。強姦されて、それ
で性的な高みに押しやられてしまうなんて。
「よくなってきたんだろ? えぇ?」
体の中に熱が蓄積していく。喘ぎに変わっていきそうなそれを、必死で私は押し止めて首を振る。
「その強情が、いつまで持つか楽しみだな」
膝裏に手が押し当てられた。ぐいと私の体を折り曲げるようにして、男は深く、更に深く私の奥へと侵入してくる。
「ひ、あっ!?」
思わず悲鳴を上げた。体の奥で冷たい感覚。私を貫く男の器官から、何かが染み出している。
「染みてくるとたまんねぇらしいぜ?」
くつくつと、あの嫌な忍び笑い。けれどそれどころではなかった。おそらくはソラリスの能力で作り出された液体が、満遍なく私
の中に吐き出されていく。体の内側から毒していく。冷たいと感じたのも一瞬。痒みにも似た疼きが、私の体の中に生じる。
「あ…ん…ああっ…何…を…? 私、ヘ…ンに…」
熱い。身をくねらせる。意識せず、しかし私の体は本能に基づいて男を求めた。
打ち込まれたものがずるりと動いた。
「っ!? んっ…くうぅぅっ!」
それだけで、目の前が真っ白になる。ぐうっと体が反るのが判った。男の精を搾り取るように、淫らに女性器が収縮する。
引き出されたものが、また深々と胎内を抉る。戻りかけた意識がまた高くさらわれていく。
大波に翻弄される木の葉のようだった。男の一突きごとに私は否応もなく頂に押し上げられ、理性の抑止を剥ぎ取られていった。
「いや…いや、いやぁっ!」
首を振って叫んでみても、もう拒絶には聞こえなかった。それは官能にすすり泣く声にしかならなかった。一度知ってしまった肉
の悦びに体は抗えない。
「てめぇから腰を使い出しやがったな」
胸を乱暴に押し揉まれた。痛いほどにきつく、固く尖った先端をつままれる。嫌悪すべきはずなのに、私はそんな愛撫にすら反応
してして声を上げた。
舌を噛んでしまいたかったけれど、無駄だと判っていた。レネゲイドウィルスは私の胸中などお構いなしに、致命傷を癒すだろう。
もうどこをどうされているのかも判らなかった。
口を吸われた。歯茎を舐め回され、唾液を流し込まれる。体中を汚し抜かれたと思った。
全身が快楽に蕩けきってしまったようだった。もう、どうでもいいとも思った。
「こんな…こんなのって…あう…あっ、ああっ」
流されるままの私の耳に、ぼそりと囁きが届いた。
「ワーディング、解いてやろうか」
何を言われたのか判らなかった。ぼうっとした目で見返すと、男は私に染み込む様にゆっくりと告げる。
「お前のこの格好さ、皆に見せてやろうぜ」
「――っ!」
夜の公園と言っても、人通りが皆無ではない。こんな暴挙が成り立つのは、男のワーディングが一般人を遠ざけているからだ。
けれどこの状態でそれを解かれたら。
今の私が、自分のワーディングを展開できるかどうか保証はなかった。
「締まりがよくなったぜ? 見られるトコ想像して興奮したのか?」
「ち、ちが…う、んっああっ…もうっ」
男の動きが激しさを増した。擦り上げ、捏ね回し、深く浅く、私の中を思うままに翻弄する。
「そろそろ行くぜ」
先端部が子宮の入り口までもを突き上げる。根元まで潜り込んだ男の器官から、熱くたぎる粘液が吐き出される。私の奥まで汚し
て犯して穢していく。
男の絶頂と同時に、私も一際高い波にさらわれた。体が痙攣するのが判った。壊れてしまう。
「大抵の女はオレが満足する前にお釈迦になっちまうからな。まだまだこれから頑張ってくれよ、なあ、支部長さんよ」
嘲笑の混じった言葉を聞きながら、私の意識は暗黒に落ちた。
「っ!!」
長い悦楽の余韻から我に返ると、殆ど全裸の私を彼が見下ろしていた。
彼。“不確定な切り札”。私の――。
「み、見ないで! 見ないでください!」
薬で惑わされた私の意識は、本来不自然として認知すべき男の消失も、彼の出現も、まるで認識しなかった。
持続時間が経過したのか、幸い腕の拘束は消失していた。身を丸めるようにして、私は彼の視線から少しでも裸身を隠そうとする。
けれど、絶望が胸を押し潰す。この身にある陵辱の痕跡は明らかで、彼の目を誤魔化すのは不可能だった。他の誰よりも、彼には
知られたくなかったのに。
「失望したよ」
「…え?」
私に一層の絶望を味あわせる、深い軽蔑の眼差し。
「支部長、男なら誰でもいいんだな。誰でもいいんだろ?」
「ちが、違いま――」
「へぇ? じゃあ、誰ならいいんだ?」
必死の否定を遮ったのは、言葉ではなく彼の表情だった。私が一度も見た事のない、欲情した顔だった。
路面に腰を落としたままの私の前に、彼が片膝をつく。
「俺がいいんだろ?」
そんな様を見たくなくて逸らした顎が、ぐいと掴まれた。
「知ってるぜ。支部長、俺に惚れてるんだろ」
驚きを示す暇もなく、強引に唇を重ねられる。
「俺が抱いて、綺麗にしてやるよ」
胸をわしづかみにされた。ただ彼が楽しむ為だけの、愛撫とも呼べない乱暴な愛撫。
「…そ、そんなの…」
「嫌ならいい。お前はそういう女だって思うだけだから。男なら誰でもよくて、他の男にさんざん突っ込まれて、そのままでいたい
汚れた女だと思うだけだから」
胸に突き刺さる言葉を吐いて、彼が私を突き放した。立ち上がって背を向ける。
「や、いや、行かないで!」
その足に私は縋った。冷静な判断なんて出来よう筈もなかった。
「なんでもします。だから、嫌いにならないで。お願い」
最初に強要されたのは口での奉仕だった。それから前戯もほどほどに貫かれた。
まだ襲撃者のエフェクトの影響下にあった私は、それでも快楽に喘いだ。
正面から刺し貫かれ、這わされて後ろから侵入された。舗装と肌が擦れていくつもの擦過傷が出来たけれど、彼が望むのだからと
我慢した。
幾度も私の中に、彼は精を注ぎ込んだ。彼の欲望にはまるで果てがないかのようだった。
どれくらい時間が経ったのかも判らない。胡坐をかいた彼に抱きつく座るような格好で、私は犯されていた。快楽の大波がもうそ
こまで来ている。彼の体に足を絡めて、命じられるがままに腰を動かしながら、私はくちづけをねだる。律動が速度を増す。彼も限
界が近いのだと判った。
「好きです。ずっと、大好きでした」
官能の炎に忘我へと身を焼かれながら、そっと彼に思いの丈を囁く。
でも。
ああ――でも、何故だろう。恋しい相手に抱かれているはずなのに。
私の目から涙はとめどなく溢れて、彼の姿はぼんやりと遠く霞んだ。
214 :
いつも中の人:2005/07/10(日) 09:29:20 ID:KgYFRJyu
いつも中(出し)の人、だったらかなり困ると思った。意味はないけど。
ところでね、うちの旦那ね。今朝方4時まで仕事してたらしいんですよ。
でね。起こしたんだけどまた寝ちゃったんですよ。端末の真後ろで。
>205
>「命にはすごい人気」
ぶーっ! とか笑っちゃって、よく起きなかったなぁ、うちの旦那w
自動ツッコミ機に物理的にツッコむ強化人間さんたちに萌えv
ムリヤリ系のお話2編に挟まれてるせいか、このお話を読んで、はー和むー
とか思ってしまった私は既に感覚が麻痺してますよー。よく考えたらこの話の
柊だってムリヤリされてますのにねぇ。
>193
せ、せめて謎の物体Xくんが暴走してベルに襲い掛かって、彼女が介在しな
い状態で柊がくれはに、という状況にまかりませんかね!?
>208
乙としか(T_T)。
◇正義と悪(GF誌9thVol.04掲載シナリオ)
天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ!
悪のあるところに正義あり。
絶望に沈む人間を救う正義の使徒。
人はそれをヒーローと呼ぶ。
「お願……彼を……止めて……。暁を、止めて……」
傷つき、疲れ果てても、それが未来につながると信じて戦うヒーロー。
だが、運命はヒーローから最愛の人を奪い取った。
「魔物との戦いで力を消耗していた響木にそれを防ぐ力はなかった。そして、
蓉子は響木をかばって……」
最愛の人を殺したのは、守るべき存在だった人間。
その時、正義は死んだ。
愛を失ったヒーローの復讐。
それはやがて、人と魔の存在をかけた戦いへと発展していく。
「そうか、お前はあのときの。今は正義のヒーローか、甲斐のない道を選んだ
ものだな。・・・失せろ。蓉子に免じて、今日のところは見逃してやる」
「昔は正義の味方だったって、今は沢山の人にいっぱい迷惑をかけてる悪い人
なんでしょう? 悪い人なら、やっつけなくちゃ!」
「いつまで躊躇うつもりだ? 感謝と憧憬とが君の目を曇らせている。それは
彼への絆ではなく、君自身に向けられたエゴだということに気付くべきだ」
「奴は俺の日常を壊した。だから俺は奴を倒す。俺が戦う理由はそれだけだ、
奴が戦う理由なんて、そんなもの、俺には関係ない」
「散々世話ンなったおやっさんでさえ、ただ人間ってだけで十把一絡げに殺そ
うってンだ。正義だの悪だの言うなら、あいつぁ間違いなく悪じゃねぇのかっ」
「友を亡くしたことは悲しい。だけどそれ以上に、友が愛したその人が破滅の
道を選んだ、そのことがとても哀しいのです」
「俺ぁ戦いに出るが、お前さんは自分で心を決めよし。どっちに転ぼうが、俺
がお前さんの味方であることにゃあ変わらんけんの」
「我は我の敵と戦う。和主は和主の敵と戦うがよい。為すべき正義を疑う、己
自身の心と。その戦いに負けたとき、和主の正義は死するであろう」
「あなたに正義の志があるのなら、どうか助けてください。このままではご主
人様の、皆様の命が危ないのです」
「だいじょーぶ、泣くのは後からでもできるんだから。勝って、生きて戻って
おいで? ヤケ酒にぐらい、幾らでもつきあってあげるわ」
「俺はあんたに、いや、あんた達に救われた。だから今度は、俺が『あんた達
二人』を救う。絶望の底から、今、解放してやるよ。・・・変身ッ!」
汝、己の正義を貫かん。
・・・・・おしまい。
以上、今週の土曜日、8ヶ月ぶりにTRPGするんだよー! できればこの
シナリオやりたいなー! という喜びと期待のお話でした。
推奨キャラじゃない奴も混じってますが、気にしない方向で。エロなしです
が、見なかったフリで誤魔化す心積もりで。エロありのバージョンも途中まで
書いたのですが、あまりシナリオに踏み込みすぎるもの何なので没りました。
ちなみに台詞を喋っているのは、上の1つが蓉子。真ん中の1つがおやっさ
ん。これらはシナリオ台詞。
下の11個がオリジナルで、順に、暁、マホ、レン、マコト、ヤイバ、アン
ジェ、ロウ、リュウ、ドリィ、ユメコ、ハガネです。ご参考までに。
キャハハハハ、キャーハハハハハハハ!
耳障りな哄笑が廃ビルの壁に反射する。狭い廊下を自在に飛び回る、穢れた
女妖鳥。ビースト/スピリット。ハーピー。
身体が羽毛に覆われ、腕が鱗に包まれて、胴が縮んで、足が翼に。愛らしい
少女のような【かりそめの姿】から醜い【魔の姿】に変わる過程は不可解にも
無気味なものだった。アンノウンマンなら失禁していたかも知れない。
「メタル・ブレイクッ!」
何度目かのインパクトナックルが、しかし、虚しく空を切った。
「ムダよ、ムダムダ。あたいは風さ。風を捉える拳は無いね!」
人の姿であった頃はピンク色のマニキュアで飾られていた鋭い鉤爪が、鋼の
鎧をざっくりと斬り裂く。
「くっ!」
執行者“鋼の戦士”ハガネ。スピードを身上とする魔物に苦戦の呈だ。
「ただ追い詰めたところで、魔風は捉えきれない。私はそう言ったはずだよ、
ジャスティス・メタル?」
くすくす笑いを含んだ声。歴史の監視者と称される伝説の住人、藍紫の衣の
“混沌の監視者”レン。壁にもたれて、腕を組んだなり。戦いに参加しようと
する態度ではない。それでもハガネは一気に活気づいた。
「レン! 来てくれたのか!」
「直情径行も大概にしてくれないか。追いつくのに随分と難渋させられた」
「なんだい、正義のヒーローに加えて監視者殿もお出ましかい?」
“混沌の監視者”が微苦笑を浮かべ、ハーピーがゲタゲタと笑う。
「残念! あたいは主様に光撃防御のまじないを受けてる、あんたの力なんか
これっぽっちも効きゃあしないよ!」
「やれやれ、騙されているとも知らずに」
「何だって!?」
「それに、今は私の出番ではない。この流れなら“鋼の戦士”の鉄拳が素早き
君を捉える方が『美しい』」
伝説の住人的見解。
“鋼の戦士”は“混沌の監視者”に神託を請う。
「俺はどうすればいい!?」
「己の信念を貫け。正義の拳は風より疾いと」
《神格:概念》。不吉なる神の祝福。それは即ち、敵に授けられる不運。
「わかった!」
「バカバカバ〜カ〜、そんなモンでこのあたいを殴れるものなら」
「メタル・ブレイク!」
ゴッ、と鈍い音がして、一撃の下に女妖鳥は行き止まりの壁に激突した。
図ったようにパァン! と互いの手と手を打ち合わせるハガネとレン。
「さて、選択の時間だ」
床に倒れ伏して動けないハーピーに、ゆっくりと、“混沌の監視者”が近づ
く。彼女は世界律の守護者、昼と夜との調和を保つ者。この世界に滅びの物語
をもたらさんとするモノには、決して容赦をしない。
「今すぐ我らにとどめをさされるか? それとも君が知っている限りのことを
喋って、命長らえるか?」
どこからともなく巨大な薬箱を取り出し、唐突に子供じみた口調で、
「ちなみに後者の場合、今なら傷の手当て付きの一大キャンペーン中〜」
「なあ。いつも思うんだが、お前、そんなモンどこに持ち歩いてるんだ?」
ハガネのツッコミに、レンは小さな女の子みたいにきょとんとして見返し。
「どこに、って?」
伝説の住人はノリ重視だ。細かいことは気にしない。てゆーか、そんなこと
を気にするという感覚自体がない。執行者は自分のこめかみを指で押さえて首
を横に振った。
「・・・ゴメン、俺が悪かった。続けてくれ」
ちぐはぐな会話に呆れることもせず、悔しさと苦しさの混じった表情で、女
妖鳥が伝説の住人と執行者とを睨みあげた。
「さっさと殺せぇ! こうなっちまった以上、どうせあたいは主様に殺される
んだぁ!」
「奴はこの俺が倒すッ」
固い決意の拳が、ぐっと握り締められる。
「お前はここから逃げればいい。自分の故郷に帰ればいいんだ」
「嘘だ! 主様に勝てるわけがない、あたいは殺される、殺されるぅ!」
必死の形相で悲鳴を上げる。
「どこに逃げたって、主様のまじないが、あたいの居場所を主様に報せる!」
レンが肩をすくめてみせた。
「奴にそんな器用な真似ができるなら、我らに敗れた君を遠隔操作で殺すぐら
いはしそうなものだ」
「だって・・・主様のまじない・・・」
「一度でも君がその恩恵を、不都合を、体感したことがあるのか? 奴のドミ
ニオンの外で」
ハーピーは、ふと黙り込んだ。
ハガネが床に膝をつき、ハーピーを抱き起こして、真摯な瞳で彼女の目を見
詰めた。
「大丈夫だ。俺達を、信じてくれ」
「・・・あたいの妹達も、助けてくれるかい? 2人いるんだ、主様の側に」
「勿論だ」
力強く頷くハガネに、女妖鳥は縋るように話を続けた。
「主様は、このビルのてっぺんにいるよ。貯水槽の割れ目からドミニオンの中
に入るんだ、合言葉は・・・」
―――
「どうやら俺達の出番はねぇみたいじゃのう」
「そのようですね」
廊下の奥の光景を眺めやり、二人の半魔が微笑んだ。
人狼“法の番犬”ロウ。降りた天使“守護天使”アンジェ。既に【魔の姿】
のハガネやレンとは異なり、彼らは【かりそめの姿】のままだ。
「いいコンビですね、ハガネとレンは」
「そりゃそうじゃ、あいつらぁ自称『実の兄妹』じゃけん」
「なんですか、その、自称『実の兄妹』って?」
ロウの台詞にアンジェが当然の疑問を返す。人間出身の執行者と、魔物出身
の伝説の住人とが『実の兄妹』だなんて、聞いたことがない。
「義兄妹の契りを交わした、ということではないのですか?」
「違うらしいぜ。初対面から『きょうだい』じゃと言うちょった。どっちが上
かは、まあ、二人で協議して決めたらしいがの」
「はあ。どういうことなんでしょうね?」
「さーて。俺は知らん。本人達自身、理由は知らんと言うちょったから、問い
質しても無駄じゃろ」
『実の兄妹』は向こうの方で、
「はいハガネ、ウェットティッシュ」
「ん? 何に使うんだこんなもん?」
「まずは血と泥を落とさないと、薬も塗れないだろう?」
「それもそうだな、んじゃ、この辺から拭いていくか」
「いやーん、おっぱい触らないでぇ〜」
「・・・悪かった。レン、俺が支えてるから、こいつを拭いてやってくれ」
なんだかドタバタしているようだ。
「俺達はこっちの方で、見張り番でもしちょるかの」
「そうですね」
廊下の奥の喧騒が聞こえる範囲。そこへ通じる道を全て見渡せる場所。絶好
の位置で、機関銃を肩に担いだロウとアンジェとが、向かい合う壁をそれぞれ
背にして立った。
「何かあったんか?」
「え?」
「最近、お前さんが丸うなった」
突然の話題に、アンジェが小首をかしげる。
「丸くなった? 何のことでしょう?」
「上手くは言えんが、前まではお前さん、ハガネを見るとき、遠慮っちゅうか
我慢っちゅうか、何か隠しちょるっちゅうか、1歩も2歩も引いたとこがあっ
たんじゃが、ここ暫くは、そういうこともない感じがするんでの」
アンジェは曖昧に返す、
「そうでしょうか」
「さっきも、『ハガネ』と呼び捨てちょった。俺の知っちょる限り、呼び捨て
でいいっちゅうてハガネが何度言うても、ずっと『ハガネさん』呼びしちょっ
たお前さんがな。俺やレンのことは、頼めばすぐに呼び捨てにしたくせにの」
アンジェは自分の右手を胸元に当てた。その手の甲を、左手でそっと擦る。
「そういえば、初めて逢ったとき、『レンちゃん』って呼んで、あの子に叱ら
れました」
「子供扱いするなっちゅうての。まあ、そういうとこが子供なんじゃが」
そうやって一旦話題を変えてから、アンジェはゆっくりと言葉を紡いだ。
「もう少し、自分の気持ちに正直になってもいいかな、・・・と。そう思える
出来事があったんです」
思い出をなぞるかのように、自分の手の甲を口元に当てる。
肩に担いだ機関銃の位置をちょいと動かしてロウは、煽るように言った。
「そりゃ重畳じゃ。そのまんまとっととハガネとくっついてくれや。なろうこ
となら今すぐに」
「あら、随分と積極的に応援してくださるんですね?」
「万が一にも、娘を懸けて弟子と殴り合う羽目には陥りとうないんでの」
「なるほど、そういうことですか」
“鋼の戦士”は“法の番犬”に師事している。戦いに関して、それから意外
にも料理に関して。面倒見のいいロウは、ハガネのことを歳の離れた弟のよう
に可愛がっている。そのことは、“守護天使”も知るところだ。
丸くなったのは貴方もそうでしょう、とアンジェは思う。レンと暮らし始め
るまでは、それこそ文字通りの一匹狼で、精々、魔剣持ちの吸血鬼“宵闇の探
偵”ヤイバと組むことがある程度だったのに。もしもあの頃にロウがハガネと
出会っていたら、「師匠」なぞと呼ばれただけでもウザがって、張り倒すぐら
いのことはしていたに違いない。
「それと、」
含みを持たせた接続詞のあと、ロウは言った。
「レンを懸けてお前さんと殴り合う羽目にも、陥りとうないんで、の」
暫く前に、ロウがレンに教えた「イチャイチャなこと」を、図らずもレンが
アンジェに「教えた」。それ以来、アンジェのレンを見る目がすこーしばかり
変わっていることを、流石は愛娘ぞっこんラブの養父、気付いたようだ。
「んま、何のことでしょう?」
わざとらしいどんぐりまなこで狼男を見返す天使。
「おうおう、トボケよるわい」
芝居くさい半眼で天使を睨む狼男。
アンジェは人の好さそうな声音で言った。
「わたくしはただ、レンのお母さんになりたいなーと思っているだけですよ?」
「お母さん、じゃと?」
「あの子は、今は貴方に何でも話をしているのでしょうけれど、これから成長
するにつれて、男親には相談しづらいことも出てくるのではありませんか?」
「うっ」
「そんなとき、わたくしが、お母さんの代わりになれたらいいなー、と」
ロウは絶句し、暫し眼を白黒させてから、
「それは・・・・・ま、まあ、そういうこともあるようになったら、お前さん
を頼るようレンに言うかも知れんが」
「ちゃ〜んす」
「何が『ちゃ〜んす』じゃこらっ」
ロウのツッコミに、アンジェはころころと笑った。
「そのうち大岡裁きよろしく、レンの両手を両側から引っ張り合うことになる
かも知れませんわね」
その頃のハガネとレン。
「痛い痛い痛い、しみる〜!」
「消毒をしているのだから仕方がないのだ、我慢してくれ」
「イヤだーっ! 痛いーっ!」
「なあレン、痛み止めにバファリンを飲ませてやればいいんじゃないか?」
「バファリンか、えーと」
「ばかぁ! そんなの効かないよーっ!」
「そうなのか? 速く効くってコマーシャルでやってるのにな?」
「あんたら、痛み止めも飲んだことないのっ!?」
「なにしろ我々は健康優良児なのだ。てゆーか君は飲んだことがあるのか?」
「か、かなりつらいんで、毎月お世話に・・・って、関係ないだろ!?」
「でもほら、バファリンは半分が優しさでできてるんだし」
「その優しさは、痛み止め成分の副作用に対する胃薬のことだー!」
「へえ、よく知ってるなぁ」
「うん、すごいすごい。拍手拍手」
「あんたらが知らなさすぎなんだー!」
そりゃもう大騒ぎである。
天使と狼男の会話は微妙な緊張感を保って静かに続く。
「レンは俺の娘じゃ、誰にもやらんし、どこにも行かせん」
「娘と仰るわりには、色々と余計なことも教えておられるようですけど?」
「何じゃ、手舐めのことか?」
「てな・・・」
直截な表現にちょっと頬を赤らめるアンジェに対し、ロウはいけしゃあしゃ
あと、
「一説に、『父親にとって娘は永遠の恋人』という。恋人にエロいことの一つ
や二つ、手ほどきしたところで何の問題もねぇじゃろ」
アンジェは深く深く溜息をついた。処置なし、といったように。
「やはり貴方は、最初からそういう目的でレンを引き取ったんですか」
「・・・・・さあて、どうじゃったかのう」
質問の形の確認に対し、狼男は、懐かしいような、苦しいような、思い出の
景色を眺める眼で。
「忘れたわい。3年も前の話じゃ。今は娘で恋人で家族で・・・レンは奈落に
惹かれる俺の心をこの世にとどめるよすがじゃ。それで充分じゃろ」
そこで会話は一旦途切れ、・・・ややあって、アンジェは更に言を継いだ。
「だけど、それ以上にあの子は『世界が産んだ、世界の子供』です。・・・そ
うでしょう、ロウ?」
降りた天使に見詰められて、人狼は肩から機関銃を下ろした。ガチャン、と
耳障りな音が床に響く。
「貴方の側にいても・・・どんなに貴方の近くにいても。貴方の名を呼び、貴
方に笑いかけているときでさえ、あの子の目は貴方だけを見てはいない。貴方
を通して、どこか遠くを、世界の全てを、ずっと見ている」
ロウは応えない。黙ってアンジェを見詰め返している。
「ハガネも同じです。わたくしが、いえ、たとえ誰が目の前にいようと、彼の
瞳が映しているのは果てしない夢、あるいは未来。もしも今、わたくしがこの
想いを打ち明けたなら、彼はきっと受け入れてくれるでしょう。けれどもそれ
は『わたくし』ではない。『彼を求めるわたくし』ではないんです」
不明瞭な物言いに、しかしロウは頷いた。どこか、重い感じで。
「ああ。わかる気がする」
「その意味では、ハガネとレンは確かに兄妹ですね。彼らが駆けてゆく道は、
彼らが目指している場所は、違うようでいて、全く同じなのですから」
「そうかも知れん」
「16歳になったら。あの子に対して、貴方がそういう線引きをしている理由
もそれでしょう? 今でも十分にあの子は貴方を愛しているけれど、それは貴
方の求めている愛ではない。だから、16という数字に、本当は意味なんかな
くて、ただ、もう少しだけ、自分のことを、・・・『世界の一部である自分』
ではなく、『一人の男である自分』を見てくれるようになったら、と」
先に視線を外したのはロウの方だった。
「天使っちゅうのは、小賢しい理屈をひねくりまわすのが好きじゃの」
「理屈ではありませんよ。これは、感情。天使ではない、魔物でもない、わた
くしの、人としての感情です」
アンジェも視線をロウから外す。そして、ここからは直接見ることができな
い、誰かの背中に視線を投げかけた。
「16年といわず、わたくしは待ちますよ。ほんの少しでもいい、彼がわたく
しの方を、振り向いてくれるまで」
そこへからかいの声が届く、
「先に他の誰かに盗られたりしての?」
「そのときは、」
再びアンジェがロウに目を向けた。晴れやかな、いっそ大胆不敵な笑顔で。
「戦ってでも」
ロウもアンジェに目を向けて、同志を見つけた喜びのこもる、やはり不敵な
笑顔で。
「天使が、恋の争奪戦をか?」
「天使にそれが許されぬのなら、わたくしはこの翼を引きちぎります」
壁に機関銃を凭せ掛けて、ロウはアンジェの前に寄った。片手を壁に突き、
その壁と自分の身体とでアンジェを挟むようにしながら、
「済まん。ちーっとばかし、お前さんを襲いとうなった」
顔を近づけ、唇に唇を重ねる。軽く触れただけで、すぐに離して。
「・・・逃げんのか?」
「少しは自分の気持ちに正直になる、と言ったでしょう?」
二人の間に交わされる、共犯者の笑み。
「わたくしも、今はそういう気分なんです」
「そうかい」
再び重ねられる唇。今度は強く。しっかりと。
それは大切な誰かを見守る者同士の口づけ。愛情深さのあまりに相手から距
離をおいてしまう者同士の口づけ。あるいは同病相憐れむ口づけ。
一方、その『大切な誰か』ども。
「うわーん、お願いだから羽根は切らないでぇぇぇ」
「えー? でも、ここら辺ばっつんばっつん切っていかないと、包帯が巻けな
いよ?」
「ばっつんばっつんはイヤぁぁぁ」
「俺に任せろレン、何とかやってみる」
「そんなこと言って、この間みたいにグルグルの包帯ダルマにする気か?」
「グルグルの包帯ダルマでもいいから、羽根だけは切らないでぇぇぇ」
大騒ぎも佳境のようだ。
官能を刺激するライト・キスのリフレイン。強弱、緩急、見事なほど交錯。
「こんなところ、あの子達に見られたら・・・ちょっとは妬いてくれるでしょ
うか?」
「嫉妬なんて上等な感情、あいつらぁまだ持ち合わせちょらんよ。ほんに単純
にできちょるんじゃけん」
「まあ、ひどい」
遠慮呵責のない言葉を生み出す狼男の唇を、お黙りとばかりに天使の唇が覆
う。吐息の漏れる口元、小さく開いた歯先の間をスルリと通り抜けて、男の舌
先を誘うように擦る女の舌先。
その快感と驚きに、一瞬だけ硬直して。
ロウは片手でアンジェの腰を抱き、残る片手で髪を撫でるように頭の後ろを
支えた。アンジェは両腕でロウの首に抱きつく。
絡み合う舌と舌。深く。交わされる口づけ。長く。
とろりと甘いシロップみたいに、口元を唾液が伝うまで。
熱く上気したアンジェの頬。潤んだ瞳に、余裕たっぷりのロウが映る。
「・・・ロウ、あんまり、本気を出さないで・・・」
「本気なんぞ出しちょらんよ」
「嘘」
「お前さんが弱いだけじゃ。そもそも、降りた天使が舌技で人狼に勝てるわけ
なかろ?」
「そういう、ことを、この間、あの子の手に?」
乱れる呼気の中から押し出される質問にあっさりと答えて、
「こないだどころか、最近はしょっちゅう」
「しょっちゅう!?」
アンジェの声が裏返った。
「しょうがないじゃろ、あれの方から『お手々して〜』なんぞとせがんできよ
るんじゃから」
しょうがない、なぞと口にしつつ、なんとも嬉しそうに相好を崩して。
「ちみーっと掌を舐めてやっただけでもう真っ赤になって、そりゃあ可愛いん
じゃ。『もっとがいいぃ』とかねだられると、手ェ以外にまで舌が伸びそうに
なるのを我慢するのが俺としても大・・・変・・・・・」
筆舌に尽くし難いアンジェの形相に、ロウの語尾がかすれて消えた。
「あれっ? ロウとアンジェだ」
「アンジェさん、師匠! 来てくれてたんですか!」
コロコロの包帯ダルマを背負ってハガネとレンが出て来たとき、何故か天使
はプンプン怒っており、狼男は涙目で脳天のたんこぶを撫でさすっていた。
「大丈夫かロウ? 何があったのだ?」
レンに心配されて、ロウは慌てて両手を振ってみせる、
「何でもない何でもない、で、敵の居場所は掴めたんかい?」
「ええ、でもその前に、こいつを安全な場所まで連れていきます」
ハガネが背中のハーピーを見せた。ロウとアンジェの視線を受けて、女妖鳥
は警戒心丸出しでぷいとそっぽを向き、それからキーキー声でハガネに頼む。
「あたいも連れてって!」
「え? でもあんたは・・・」
「あたいが妹達を説得する! もうやめようって、もう家に帰ろうって!」
少し考えて、レンと目と目で頷きあい、ハガネがロウとアンジェを等分に見
渡した。
「師匠、アンジェさん。こいつを連れていっても構いませんか?」
「事情がわからんけん、俺ぁ何ともよう言わんのう」
ロウが複雑な表情をし、アンジェも困った顔をする。
「その傷では、彼女を危険にさらすだけではないかと思うのですが」
「ならば私が護る。もしもその分、戦力が不足するというなら、」
小さく一歩前に踏み出してレンが言い、ハガネがその言葉の後を継いだ。
「俺が倍頑張ってその穴を埋める」
「「家族の絆は、大事だ」」
魂の双子のように、二人の声が揃った。
「・・・んじゃ、行くか」
ロウが肩に機関銃を背負って、相談はまとまった。
先頭にハーピーを連れたハガネが立ち、次にレン、アンジェ、しんがりをロ
ウが務める。階段を上がって屋上、壊れた貯水槽から立ち昇る魔気。まるで、
『主様』とやらの怒りのオーラのように。
「綺麗は汚い、汚いは綺麗。さあ飛んでいこう霧の中」
合言葉を唱えてハガネが貯水槽の割れ目へジャンプ、突入する。アンジェは
【魔の姿】をとり、翼を広げて、レンはロウが抱きかかえて、夫々ドミニオン
の入口へ飛び込んだ。
五里霧中の空間。落下とも浮遊ともつかない移動の果てに。
キーィィィィ!
2羽の女妖鳥が殺気立ち、降下、攻撃しようとした。ハガネの背中から降り
たハーピー、レンに庇われて、妹達に鳥の鳴き声を上げる。ハッと退く女妖鳥
達。姉には攻撃できない、と、振り向き、『主様』の意向を伺うが。
「使えない奴らだな。・・・もう、要らない」
瞬間、霧が野太い氷柱となって彼女らを貫く。断末魔の絶叫。モズのはやに
えのように、空間に固定される女妖鳥達。だらだらと流れ出す血。
悲鳴を上げ、無理して駆け寄ろうとするハーピーをレンが抑える。
「大丈夫、まだ【かりそめの死】を迎えただけだ」
ハガネが力強く請け負う、
「すぐに助け出す。奴を倒して」
「僕を倒す。僕を倒すだって? 何のために?」
それは少年のように見えた。古ぼけた、だが大きな玉座にちょこんと座る、
小学校低学年くらいの男の子。だがそれは【かりそめの姿】、その正体は。
「ああ、もう、御託はええんじゃ」
飄々とロウが、片手で軽々と重機関銃を振り回して。
「戦う理由があり、戦う者が揃った。それで十分じゃろ」
“守護天使”が優しく少年を諭す。
「悔い改めなさい、そして祈りなさい。貴方が散らせた幾多の命のために」
皇帝の威厳をもって少年が告げる。
「僕は、世界の意志の代行者。世界は、キミ達の存在を望まない」
「君の言う世界とは、このドミニオンのことでしかない」
監視者の権威をもって伝説の住人が告げる。
「私は世界律の守護者。地球ドミニオンは、君の存続を望まない」
「たとえ世界がそう望んでも、俺の正義はお前を許さない!」
霧を振り払い、ハガネが拳を突きつけた。
「うるさい、うるさいうるさい、うるさぁぁいっ!」
少年の声に応じて《自然侵蝕》、霧が固形化して半魔達の動きを封じ、《カ
テゴリー:ウォーター》《自然の申し子》《精霊の息吹》、強大な氷雪の力に
よる《許されし芽》、即ち小さな水滴が、しかし巨大な氷柱と化して、無数に
降り注ぐ《魔法の国よ》。重ねた罪の重さで魔気を発動させて。その圧倒的な
破壊力。
「みんな死んじゃえぇ!」
「誰一人死なせるかよ」
《獣の盾》。その身一つで全てを受け止めるロウ。【かりそめの死】をよし
とせず、魔獣化、人狼の本性と、全力の魔気をあらわにし、受けた痛みと苦し
みを、そのまま敵に返す《復讐の爪》。霧の水滴、その全てを破砕するほどの
咆哮。『主様』と呼ばれた少年に向けて繰り出される豪腕。
ぐちゃり、潰れる少年の肉体。直後魔獣化、《超魔の命》。正体を見せた氷
雪の妖魔、そこへ肉迫する“鋼の戦士”、インパクトナックル起動。
「主よ、かの者に敵を戒めるための力を与えたまえ」
「力で他者に強いる者は、より強い力に強いられる。それが世界の理だ」
天使の祈り、《神罰》。神の御言葉、《神格:概念》。導きを受けて、振り
下ろされる拳。
「喰らえ、クリティカル・ブレイクッ!」
・・・・・おしまい。
以上、ロウ×アンジェなお話でした。この組み合わせを予想した人、誰かい
ました? いないでしょう、ザマーミロ(←何がだ)
尤も、話の本質はアンジェ×ハガネ、ロウ×レンですがね。
あと、“西風の語り部”が出てくるお話は没りました。万が一、楽しみにし
ている人がいたらゴメンなさい。いや、完成はしたんですが、読み返している
うちに面白くなくなってきたから・・・・・。
>>206 判った!柊のズボンが下がった!(目をキラキラさせながら)
>235
それだっ!?
>208
ああ、何というか、見たいけど見たくないといいますか…。
乙。
239 :
131:2005/07/10(日) 17:19:13 ID:SzUxt525
>208
超バーッドエーンドッ!看板に偽り無し!
うぅ、すまねぇ瞳ちゃん俺が願ったばっかりに…
【バカは自意識過剰】
乙ですっ!
個人的には切り札君は呆然と立ちつくす位のライトな方がよかったとか言ってしまう俺はすごいわがまま。
あぁでも敵さんすごいえろーいGJでした
恋人の前で犯される女の子、というシチュに少し萌えてしまう自分は危険人物かもしれないと思う今日この頃
>131
>少し萌えてしまう自分は危険人物かもしれないと思う今日この頃
そんな君にこの言葉を送ろう
曇りガラス越しの女性「懺悔なさい、この馬鹿ペ○スッ!」
>131
NTRスキー乙
242 :
131:2005/07/11(月) 00:54:27 ID:/AnaaPdU
NTRってなんだか分からなくてぐぐってみた。
241サンクス!いいもん教えてもらったーやふー(小躍り)
なんか131の生き様を素敵だと思った。見習おう。
>BBNT特別編
つまりアレですね! 久々にTRPGをやって、その内容をこのスレに還元してくださると!
戯れ言はとまれ、ぜひ楽しんできてくだされー。
>BBNT第五話
予想外のトコでベタベタされたっ!?
格好いいんだかダメなんだか判らないハガネとレンがいかすぜ。そして、
>絡み合う舌と舌。深く。交わされる口づけ。長く。
エロとかそういうの以前に、ここのリズムが好き。ものすごく好き。
…ハーピーにも、そういうのあるんだなぁ…。
>>235 それか! なんかおいしいとこ総取りされたような気がしなくもない。
しかし激しく笑った。
――明日、学校で。
俺はなんの心配もなくそう思っていた。明日学校に行けば、彼女に会える、と。
けれどその日、彼女は欠席だった。担任は病欠と言っていたが、違うだろうと思った。おそらく支部で何かがあったのだ。
俺にも呼び出しがかかるかと待機していたけれど、その日は何事もなく過ぎた。
そしてその翌日も、彼女は席は空いたままだった。
「あ、ちょっと」
支部に顔を出した俺を呼び止めたのは、一番歳の若い事務の女性だった。少しだけ年上の面倒見のいいお姉さんといった感じの
ひとで、支部長とも屈託なく話しているのを幾度か見かけた事がある。
そうしてロビーの片隅で、俺は支部長が入院している事を知らされた。一昨日の夜、帰途で襲撃を受けたのだと。ワーディング
に気付いたUGNエージェントが急行し、犠牲を出しつつも彼女を救出したのだと。
それは俺の家の近くで起きた事件だった。もしもあの夜、外出していたなら必ず気付けたはずの事件だった。
「命までは取られなかったけど、でも――解るよね」
我が事のように悔しげに、今にも泣き出しそうに、彼女はそう言う。
「一応検査って形で入院してるけど、体よりも精神的なショックの方が大きいと思う。だからさ、君、お見舞いに行ってあげて。
会えないかもしれないけど、でも行ってあげて」
数秒して言外の意味を理解して、俺は切りつけられたような心持ちになり、そして目の前の女性に対して憤りを覚えた。少なく
とも異性の俺に、軽々しく告げるべき事柄じゃないだろうと。
そんな俺の思いを見透かしたように、
「君にだから言ってるんだよ」
強い瞳だった。為すべきと思い定めた事を知っている目だった。それは心底から、痛いくらいに誰かを案じている証と見えた。
「――なんで、俺に?」
問い返すと、彼女はため息めいた息を吐く。涙滴が一筋頬を伝った。
「君、あの子の事好きでしょ?」
「…はい」
「うん。だろうって思ってた。…だからこういうの、フェアじゃないんだろうけど」
そこで言葉を切ってわずかに逡巡する。目元を拭ってから、またじっと俺に視線を据えた。
「自分でも気付いてなかったかもしれないけど、あの子もね、多分…ううん、きっと、君の事好きだったから」
「…」
応える言葉なんて、あろうはずもなかった。
「だからだよ。余計なお世話だけどね。君についていてあげて欲しいんだ。何があったって君が変わらないで身を案じてくれてた
って事、きっとあの子の支えになると思うから」
ああ、やっぱり。
そう思った。彼女は支部長を心底から案じてくれている。俺がふたりを友達だと思ったのは間違いじゃない。
だから俺は恥じて俯く。一瞬でもこのひとを疑った事を深く悔いる。
「…ひょっとしてあの子の事、嫌いになった?」
それをどう誤解したのか、心配そうに彼女が俺を覗き込む。
「いいえ、そんな事ありません。絶対に」
首を振って断言すると、彼女はほっとしたように微笑んだ。
「ありがとう」
「お礼を言うのは、俺の方です」
教えてもらった道筋を病院へと歩みながら、自分を責めた。拳を強く握り締める。
あの日。あの夜。つまらない体裁なんて気にせずに、支部に向かっていたら。
ひょっとしたら。万に一つの可能性かもしれないけれど、彼女を助けられたかもしれないのだ。
冷め切って、時に冷酷なようにすら見えたけれど、それは虚勢と立場からの殻なのだと解っていた。
オーヴァードとしての能力と、支部長としての責任と。そのふたつを負って、それでも何一つ表に出さずに微笑んでいた。
それは俺なんかよりもずっと大変で、ずっと苦しい事の多い生き方だろうと思った。
なのに。
呟かずにいられない。
なのに、どうして。
どうして、彼女なのか。どうして彼女ばかりに辛い目が降りかかるのか。
ふと指の間の、くすぐったいような感触に気付く。何気なく目を落とすと、俺の手は血塗れだった。気づかぬ間に、爪が食い込
むほど強く拳を握っていたらしい。痛みは、まるで感じなかった。
「待っていた」
男がドアを閉め、警戒の欠片もない動作で部屋の椅子に腰を下ろす。そのタイミングで俺は声をかけた。
場所は支部の監視下にあるホテル。その一室に俺は身を潜めて、男の帰りを単身待っていた。ホテル側とは既にUGNが話をつ
けているから、待ち伏せには何の問題もなかった。
支部長が襲撃を受けてから、UGNが襲撃者の行方を突き止めるまでに数日。
この潜伏先が割り出された時、俺は真っ先にこの殲滅任務に志願した。誰も、何も言わなかった。
「お前が支部長を襲った。それに間違いはないな?」
「…UGNの犬か」
振り向いた男を過る一瞬の驚愕。その間に俺はドアまでの通路を体で塞ぐ。ここは12階。オーヴァードといえどおいそれと飛
び降りられる高さではないし、外にはUGNの部隊が隠密裏に展開している。男は、襲撃者は、正しく袋のネズミだった。
「答えろ」
余裕めいた仕草を崩さない奴に、俺が詰め寄る。
「ん? ああ、お前が“不確定な切り札”か」
「答えろッ」
声を荒げた俺に、奴は嘲りめいてくつくつと喉の奥で笑った。
「そうだよ。たっぷり堪能させてもらった。いい味だったぜ。…なんだお前、あの女に惚れてでもいたのか?」
レポートの通りだ。けれどそれでも、目の前が怒りで赤く染まった気がした。
「いやいや“不確定な切り札”くん。良かったな。両想いだ。あの女もお前の名前を呼んでたぜ。何度も繰り返してよ。オレをお前
だと信じ込んで、自分から腰を振りながらな」
奴は更に饒舌に語る。だがその目が油断なく隙を窺っているのを、俺は見逃さない。
「想われてるよなぁ。羨ましいぜ。『ずっと大好きでした』なんて言ってたからよ。今入院中だって? 堕胎でもしてんのか?」
「黙れ」
レネゲイドがざわめき始める。戦いへの衝動が沸き上がる。
だがそれ以上に俺個人の抱く純粋な殺意が、俺の心にどす黒く渦を巻く。
「どうもここはバレちまったらしいしな。まずお前ぶっ殺して、行きがけの駄賃でまた犯しに行ってやるよ」
もう、問答は無用だと思った。これ以上は戦術も詐術も無視して、純粋に抑えが効かなくなりそうだった。
俺は右腕を床と平行に伸ばす。獣化はせずに、腕だけを獣の爪牙へと変える。
「彼女には――もう指一本だって触れさせない」
「口だけは大層だ」
目は一度も逸らさなかったのに、ふっとその姿が掻き消えた。ハヌマーン生来の俊敏性にソラリスの肉体強化を加えた超高速移動。
俺は腕を交差させる形で、頭と首とをガードする。腹部に、重い衝撃。鈍い痛み。
「てめぇみたいなガキが、オレに敵うとでも思ってたのかよ? あぁ?」
四つ指揃えた奴の貫手が、第二間接の辺りまで俺の腹に潜り込んでいた。
「…ってた」
「――あ?」
けれどこれは想定通り。そう、知っていた。
「お前がそういう奴だって事は、知っていたよ」
見舞いには日参したものの、結局俺は彼女に会えないままでいた。けれど代わりに、彼女の手による襲撃者の報告を受け取ってい
た。
性格、シンドローム、行動と思考の癖、そして得意とするエフェクト。そこにはそれら全てが述されていた。
これ以上の被害を出さない為に。ただその為に、思い返すのも嫌な記憶を辿って彼女が記してくれたものだった。
だから。
「お前の性格は判ってた。最初に急所を狙わないだろうって事も。こうなるのは想像の内だった」
腹筋に力を込める。灼けるような痛みが走ったが、無視した。
「何を言ってやがる…?」
怯えと恐れ。そういった反応を予期していた男に生じる、かすかな動揺。
「理解できないか?」
喉をせり上がってきた血を無理矢理に飲み下して、俺は笑って見せた。
「捉まえた、って言ってるんだよ」
腹に突き込まれた腕を捕らえる。鮮血が絡む指を引き抜いて、そのままキュマイラの強力で捻りあげる。
「がぁっ!?」
ごきり、と嫌な音がした。男の肘がおかしな方向に歪曲する。
単純膂力でキュマイラに勝るシンドロームはない。そのピュアブリードである俺と、敏捷性が売り物のハヌマーンとの差は歴然だ
った。そう、一度捕らえてしまえば。勝負は俺にとって圧倒的に有利だった。
もう一方、折れていない腕で暴れるのを冷たく捌いて、俺はそちらの肘も掌握する。極め技に対して男の体が緊張する。心中で嘲
笑う。そんな面倒はしない。ただ満身の力を込めて、
「っっッッ!?」
握り潰す。声にならない悲鳴が上がった。砕けた骨が俺の手のひらにも突き刺さるが、その痛みもやはり無視した。
「くそ、くそが! 調子に乗るんじゃ…ねぇっ!」
裏返りかけた声で男が叫ぶ。同時に、衝撃波が放たれた。びくりと俺の体が痙攣する。特に腹部の傷に“波”を集中させてきたの
だろう。頭の芯までも突き刺すような激痛が走る。咳き込んで俺は血を吐き――そして、それだけだった。
こんなものじゃないと思った。彼女の受けた痛みは、こんなものじゃない。
この程度、ただの悪足掻きだ。
「――ひっ」
奴の喉を鷲づかみにする。腕一本で高く抱え上げて、そして床に叩きつける。声にならない苦鳴が上がる。手には柔らかなものを
押し潰した感触があった。技術でもなんでもなかった。ただ理不尽なまでの腕力による暴力。
男の潰れた喉から、ひゅうひゅうと悪い笛が鳴るような音がする。
見下ろすうちに、その姿がゆらりと歪んだ。
「…」
それは、彼女の姿だった。いつもの制服。艶やかな髪。
理知的な、ともすれば冷たくすら見えるほど澄んだ瞳が、助けを求めるように俺を見上げていた。
けれど。
けれど俺は、これも知っていた。
幻覚物質と声の模倣、正常な判断力を奪う事による“なりすまし”。その影響下に置かれれば、奴の姿が、言葉が。心の中の大切
な誰かのものとしてしか認識できなくなる。
支部長がこの奴の技に誰を見たのか、それは知らない。自惚れるなら、或いは俺の姿であったのかもしれなかった。
ただ確かなのは、奴のこの力に、彼女が手酷く傷つけられたという事。
だからこの擬態は、俺の怒りを一層かき立てただけだった。
「悪いけど」
支部長の粗悪な模倣。その足首に踵を乗せる。全身の力を込めて踏み砕いた。ばね仕掛けのように体がのたうったが、俺が体重を
乗せたままだから、ピン止めされたように動けない。
ぐにゃりと像が歪んで、幻は奴の姿に戻る。正確に述すなら、俺に影響していた幻覚物質が効果を失ったのだろう。
ただ唖然とした表情で、男は俺を見上げた。
「すぐ楽にしてやるつもりはない」
オーヴァードの生命力。そしてソラリスの治癒能力に加えて、“波”の利用による代謝促進。
それが、こいつの不幸だ。
大人しくなった頃合を見計らって膝を踏みつけ、もう一度。
「…や、やめ…もう、やめてくれ…」
逆の足首を踏みつけると、再生しきっていない喉で奴は必死に懇願した。俺は静かに微笑む。
「誰も、言わなかったのか?」
わずかの躊躇しなかった。甲高く上がる悲鳴。
「これまで誰も、お前にそう言わなかったのか?」
これは彼女の為じゃない。こんな事で彼女が喜ぶはずもない。彼女の傷が癒えるはずもない。
「どうした? 足掻けよ」
これはただの復讐だった。ただ俺の為だけの、醜い復讐だった。
「許しを請えよ」
異形化した右腕。だがそれだけでなく、今の俺は化け物のようだろうと思った。
「逃がしてなんてやらないから。許してなんてやらないから」
男の後頭部を掴んで、膝をついた俺の肩の辺りまで持ち上げる。そして容赦のない力で床に打ち付ける。ゴッ、と鈍い音がした。
「お前は彼女に悪意をぶつけた」
再び引き起こす。額が割れていた。だが、なんの情も沸かなかった。
「だから、あるんだろ?」
叩きつける。再び、鈍い音。
「同じ量の悪意を返される覚悟くらい、あるんだろう?」
同じ動作を幾度繰り返しただろう。いつしか男は肉の塊に変じていた。ぼんやりと脱力した目で部屋を眺める。酷い有様だった。
ふらりと立ち上がる。両の手は血に塗られていた。
「…っ!」
行き場のない憤りで、俺は壁を殴りつける。
これでどうなるわけでもない。どうなるわけでもなかった。けれど、何かせずにいられなかった。
何か出来るのか。俺に、何が出来るのか。咆哮する。自分の血と返り血とに塗れたまま、俺は声を上げて泣いた。
この身の痛みからではなく、彼女を想って。
というわけで、後編をお送りしました。
>>131が楽しんでくれれば当初の目的は達した事になる。
他にも楽しんでくれた方がいたなら、それこそ望外の喜びって奴さ。
前編は水晶の瞳の一人称。一元視点の語り手が騙されてると見抜きようがない訳で、まあそういうだまくらかしだったり。ふふふ。
一応212の5行目で、ちょろっとだけ不自然に言及しているでござんすよ。
組み合わせイメージは抗いがたき言葉+錯覚の香り+竹馬の友+エンジェルヴォイス+七色の声くらいで。実は正規エフェクトだ
と姿形は誤魔化せなかったりするんだけどなっ。逃げとしてはあれだ、エグザイル複製体。また適当な事を。
んじゃまた、何か出来上がったら。
>>250 否、まだだ!まだ支部長さんがジャーム化して切り札を犯す展開が…【馬鹿は後ろから爪で切り裂かれた】
文字通り瞳ちゃんが切り札君を「食べ」に来たらどうしよう((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
これで、わたしとあなたは、ひとつになるんだ、よ?
ってか?((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
むしろ切り札君が瞳ちゃんを「食べに」いくのでは、いや「共食い」もありか
思考が随分向こう側にいった阿呆の戯言
255 :
131:2005/07/11(月) 23:05:29 ID:/AnaaPdU
ぐっっじょおおおおぶ!
俺の求めていた展開だ!最高あんた最高!ふぅ、すっかり騙されちまったぜ…
あぁしかし…やはり文章がイイなぁ。にじみ出てくるなんかこう…あれだ。色気っつの?
怒る切り札君にも色気を感じてしまうぜ。
また俺を萌えさせてくれ!待ってるぜ!
【書きかけの駄SSを隠しながら】
256 :
131:2005/07/11(月) 23:06:49 ID:/AnaaPdU
おぉう…あげちまったぜスマン
>>256 いや、許さん。罰としてその背後に隠したSSを早急に完成させてうp汁。
258 :
131:2005/07/12(火) 01:00:27 ID:XFu6KDd/
刺激されて書いたは良いが、文才無いのを再認識しただけだよ…
上手くいったら投下したいが、その時は温かく迎えてくれー
そろそろ名無しに戻るべさ
259 :
(マルチレス):2005/07/12(火) 10:53:28 ID:kMLLh3uw
異常に話が肥大化してる。
ここまで書く気なかったのに。
>>205 強化人間劇場
……やっぱ柊は突っ込みを入れられる運命なのか。
>>バットエンド
暗いですなあ……今回こっちも暗め形の陵辱なんで、参考になります。
>>BBNT
アンジェの恋の行方はいかに!
それでは本編続きです。とりあえずベルたん一旦退場で。
260 :
鬼畜柊:2005/07/12(火) 10:54:51 ID:kMLLh3uw
ベルはそっとくれはの股間を優雅に撫で回し、くれはが身悶えるのを見る。
「うっあぁぁっ」
強く捻りこまれた柊の舌のせいでまともな声をだせず、くれははうめき声を上げながら、柊を見る。
濁った目がこちらを見ている。欲望にまみれた黒い瞳。
そっと胸を撫でられるだけで、体中が熱くなる。
「ひぃらぎぃ……」
もはや、体中の力が無くなる様な感じでそううめいて、くれはは目をつむって体を強張らせる。
秘所に何かが当てられる。ずんずんと体を貫き始める『それ』を何か知った時、くれははあらん限りの力で柊を押しのけようとした。
「やへてぇよぉ〜ひぃらきぃ〜」
呻いて、なんとか拒否の意向を示す。ぽたぽたと涙がベッドの上に流れ落ちる。
だが柊は止まる事無く、くれはの中を再び犯そうと力をこめてくれはを押し付ける。
「嫌がる女の子を無理矢理犯すなんて駄目よ」
そう言って、ベルが柊のほっぺたにキスをする。
「べぇベル?」
謎の行動にくれはは、疑問を抱きつつ、助かったと言った表情を見せる。
だが、次の行動はくれはを絶望のどん底へ突き落とすに十分な一言だった。
くれはと柊の間に入り込むと、柊の吐息を背中に受けながら、そっと柊を体育座りさせる。
「何?何をするの?」
「あなたは彼に犯されたくないんでしょう?だったら私が犯されようって言うの」
そう言って、柊の隆々と立った一物をそっと自分のスカートに隠すベル。
「うんっ……」
妖艶なうめき声を上げ、ベルの顔が恍惚の表情に包まれる。
「今、彼と繋がってるわ」
クチャリと淫靡な音を立てて、ベルのスカートが濡れ始める。
「柊っ止めて!止めてよぉ!」
「自分が犯されてるわけじゃないのに、何故止める必要があるの?」
そう言ってベルが、そっと腰を揺り動かし始める。
261 :
鬼畜柊:2005/07/12(火) 10:56:44 ID:kMLLh3uw
「柊変だよっ!なんで私の前でベルとしてるの!!」
「あなたが、彼を拒否したからよ」
ベルが、くれはの秘所を撫でる。くれはの顔が青く染まる。
「せっかく、彼が貴方を助けようとしたのに、それを拒否したんだもの私がとって何か変なのかしら?」
顔を紅潮させベルが柊にすりよる。
「少し、媚薬を使ったけど、彼に犯されるのを拒否したのは貴方でしょう?」
ベルの指摘に言葉がつまるくれは。
「だったら、私がするのを止める理由はあるのかしら?」
「はうっ」
みごとなまでの論法に反撃の手段を失うくれは。
だが、まだベルと柊が繋がってるとは信じられなかった。いや信じたくなかった。
恐怖心が鎌首をもたげてくる。まるで全てを奪われるようなその感触。
「私と彼が繋がってるところ見たい?」
ベルがそう聞いてくる。顔が動かない、見なければいけないような、見てはいけないようなそんな感触。
くれはが答える前にベルは自らのスカートのすそを掴みそっと上に上げる。
隆々と立つ柊の塔は妖艶に濡れているベルの秘所を貫いていた。
「気持ち良いかしら?」
「……ああ」
その言葉に、くれはの恐怖心が一気に崩れ落ちた。
「グスッ嫌だよぉ……止めてよぉ………こっちを見てよぉ」
涙だけではない、鼻水まで垂らして泣きじゃくるくれは。
全てを奪われた感覚、漆黒の荒野で一人迷っている感覚がくれはを支配する。
「て、言ってるけど、どうするつもり?柊蓮司?」
ベルはそう言って、柊にこれ見よがしに腕を絡み付ける。
「見るだけじゃつまんないな」
「えっ?」
涙を止めて、くれはは柊を見る。
「さっきは寸止めされたから、今度は貴方を犯したいって」
ベルがそっとくれはの胸を撫でる。
262 :
鬼畜柊:2005/07/12(火) 10:57:31 ID:kMLLh3uw
「嫌なら嫌で良いのよ」
「……わかった」
涙と鼻水まみれの顔でくれはは、ほっとした表情でそう言う。
「じゃあ、しばらく楽しんでらっしゃい、私はちょっと準備があるから」
秘所から柊の塔を抜き、ベルがそっと呟いて、部屋から出て行く。
「ひいら……」
ベルが出て行った瞬間、くれはの上に柊がのしかかる。
目から出た涙を、鼻水を啜るように柊はくれはの顔にキスをする。
「はうわっ」
口に出たのは驚愕の声。どろどろの鼻水を啜りこみ、くれはの全てを支配しようと、くれはの耳に舌を合わせる。
「おいしいぜ、くれは」
まるで海から上げられた魚のように口をパクパクさせるしかないくれは。
耳の穴から入ってくる吐息と言霊がくれはの心をどろどろに溶かしていく。
柊は一通りくれはの顔を嘗め回すとそっと唇をくれはのほっそりとした太股にキスをする。
「こんなに濡れて……そんなに俺にキスされたのが気持ちよかったか?」「はぅっ」
秘所を柊に見られ、興奮するくれは。柊がそっとくれはの秘所に吐息をかける。
「蓮司ぃ!」
それだけで体が紅潮を始める。トロトロとした愛液がくれはの秘密の庭を濡らし始める。
柊はくれはの片足の裏をキスしながらそっと持ち上げていく。
完全に足を抱えられる形でくれはの秘所に柊の楔が打ち込まれる。
痛みに叫び声をあげるくれは。なおも深く柊の物はくれはの中で進入を続けている。
不意に、足の裏を舐められ、くれはの体が一瞬浮く。その瞬間だった。柊の物が完全に奥まで入りきったのは。
「くれはの中とっても暖けえ。まるで温泉に入ってるみてえだ」
「れんじぃ……」
263 :
鬼畜柊:2005/07/12(火) 10:58:29 ID:kMLLh3uw
見られてる、感じられている、嬉しそうな柊の顔を見てくれはが恥かしそうに顔を赤らめる。
柊の物は、くれはの心と体を貫いていた。もう逃げることはできない。逃げようとさえ思えない。
くれはは快楽の渦に飲み込まれていた。
後ろから、まるで手押し車のように繋がって犯されたかと思えば、真正面から抱き合いお互いの舌を絡めあう。
「うぅん!」
くれはの肩を噛まれ、その痕が赤く残る。そっと柊が体を動かしてくれはを上に持ってくる。
「好きに動いてみな」
くれはの上半身を持ち上げ柊が突き放すように言う。
そっと腰を揺らす。それだけで背徳感が体をもたげ、快楽がくれはを支配する。
「くれはのここぐちゃぐちゃに濡れてる」
そう言って、柊が自らの陰茎が刺さっているくれはの割れ目の端をそっとなでる。
「はうっ!」
顔を赤らめて、自らと柊が繋がっているところを直視してしまう。
そこは、とっても淫らで、汚くて……それでもくれははそこから目が離せなくなってしまう。
不意に腰が突き上げられた。柊の塔がさらにくれはを貫く。涙がこぼれ落ちた。
嬉しさのあまり、声が出ない。
「気持ち良さそうだな」
そう言って柊がくれはの体をそっとなぞる。なごり惜しそうに自らの塔を抜く。
「柊……」
寂しそうに呟いた瞬間だった。突如として、体が引き寄せられた。
「今度はこっちで気持ちよくしてもらおうか」
唇をそっとなでられ、わけがわからずくれはは目を閉じる。そっと目を開けたときには柊の塔が目の前にあった。
「うん……でも……」
「なんだ?嫌か?だったら、おれもくれはのここを舐めようか?」
そう言って、柊がくれはの股間をそっとなぞった。
264 :
いつも中の人:2005/07/12(火) 21:50:46 ID:Zm9knprJ
暗いお話が2連続ですか、しくしく・・・。
こういうときには自分が率先して明るいお話を!
というのがセオリーなのでしょうが、今日のわたくしは天邪鬼なので、この
ようなお話を投下。
これが、あたしの望んだ世界?
おかしいわね。
こんなはずじゃなかったんだけど。
−−−
雪が、降っている。
ひとひら、またひとひら。絶え間なく。
なのに決して積もらない。
ここは新宿。幸福の新宿。
茫漠たる闇のみが満ちた虚空の中に浮かぶ、小さな街のかけら。
「マスミ、マス、ミ・・・っ!」
「ほら、焦らないの。ここに、そう・・・そのまま、入れて?」
「ああっ、あああああっ・・・・・!」
私立鳴沢学園、屋上。私は貯水槽の上に座り、眼下のセックスをぼんやりと
眺めている。別に好きでやっているわけではなく、必要でも、義務ですらない
が、他にすることも、できることもないから。
大きく脚を広げてコンクリートの上に横臥するマスミの中に、マコトのモノ
が侵入する。ゾクゾクする性の快楽。本能を呼び覚ます熱。甘く絡みつく蜜。
否応なく私にも伝わってくる。
やれやれ。
マコトが動き始める。自分本位の性運動。目の前の、女という名の肉体に、
欲望の塊を叩きつける。長くは保たず、果てる。遠慮も呵責もない中出し。
・・・っく。
私は自分自身を抱いて耐える。今の私はマコトに半ば同調しているから、気
を抜くとまともに『喰らって』、『持っていかれる』のだ。
暫くその体勢のままビクンビクンと震えていたマコトは、やがてマスミの中
から抜け出て、後始末もせず、その場にゴロンと転がった。まだ荒い息を吐い
ている女に背を向けて、眠る。私も眠い。が、我慢できないほどではない。
マスミがマコトにふわりとタオルケットを掛けてやった。どうせ風邪を引き
もすまいが、下半身丸だしというのは、流石にみっともないと思ったからだろ
う。少なくともここには、私というギャラリーもいるのだ。
「マスミ。下着の替えと、ウェットティッシュをくれないか」
貯水槽の上から声を掛けると、マスミは無言で片手を翻した。いつものよう
に、目の前にパンツが1枚と携帯用のウェットティッシュが落ちてくる。受け
取って、その場でズボンを脱いだ。下からマスミがこちらを見上げているが、
気にしない。遮蔽を取ったところで、意味がないからだ。
マスミはこのドミニオン、“幸福の新宿”のドミネーター。この世界で起き
ていることは、全て把握している。隠せることなど何もない。
脱いだ下着はベトベトに汚れていて気持ちが悪かった。濡れた股間をウェッ
トティッシュで拭き清める。ぬるぬると薄汚い感触。汚れ物は、その辺にポイ
と投げ捨てる。いつものように、どこへともなく消える。新しい物を身に着け
て、ズボンを穿いてベルトを絞めて。
「あんたも大変だね」
自分の衣服を整えながら、マスミが私に話しかける。やや涸れたようにハス
キーで耳ざわりのよい声。煙草の煙が絡んだ、降りた天使の美声。
「この子のセックスに付き合わされちゃってさ」
この子、というのはマコトのことだ。異能者、“真魔の血脈”。
私は応えた、
「大変というか。有り体に言って、不愉快だ」
「そうかい?」
「セックスというのが、こんなにくだらないものだとは思わなかった」
「そうかい」
肩をすくめて。
「まあ弁解はできないね。セックスなんて、つまんないもんさ。夢見る処女に
はちょ〜っとキツい現実だろーけどね。世の中、そんなもんよ」
ヤっている間は無我夢中だからいい、が、コトが済んだあと、何もかも投げ
出したくなるような疲労感と虚脱感とに悩まされる。俺はいったい何をやって
いるんだろう、またこんな馬鹿なことをしてしまった、そんな後悔だけが頭の
中に残り、胸の内を占める。心に巣くう自己嫌悪が苦しくて、その苦しみから
逃れるために、今日もマコトはマスミを、否、マスミの肉体を求め、溺れ、そ
して自己嫌悪に陥りながら眠る。愚かな無限ループだ。
「要するに、相手の肉体を道具に使ったマスターベーション。二人でやる一人
エッチ。言わば二人エッチよね」
「・・・聞いていた話と違う・・・」
「どんな話を聞いてた?」
「楽しくて、気持ちよくて、幸せなのがセックスってものよ、とユメコが言っ
ていた。セックスは、心のつながりを支えてくれる。目に見えない想いを、形
にしてくれるものだ、とヤイバが言っていた。それから、・・・」
「ああ。いい友達に恵まれてるねぇ、あんた」
「そうか?」
ユメコとヤイバのことを褒められて嬉しくなる。夢蝕みの“月夜の夢魔”、
吸血鬼の“宵闇の探偵”。私は彼らが大好きだ。監視しているだけでも楽しい
が、一緒にいるともっと楽しい。
地球ドミニオンには、そんな人達がいっぱいいる。降りた天使“守護天使”
アンジェ。魔女“きらめきの魔法使い”マホ。竜“誇り高き龍”リュウ。自動
人形“無垢なる人形”ドリィ。執行者、私の兄“鋼の戦士”ハガネ。
人狼、私の養父、“法の番犬”、ロウ。
会いたい。声が聞きたい。せめてメールでも、手紙でも何でもいい、ここに
いるよって、コミュニケーションが欲しい。
メタルレッドの携帯電話機、ディスプレイの日付表示は狂っており、電話を
掛けても通じない。出したメールは戻ってくる。手紙は・・・誰が配達してく
れるというのだ?
時間感覚の薄いこの世界で、一ヶ月までは数えた。そのあとはもう、数える
気にもなれなかった。随分長いことここにいる、それだけはわかるけれども。
「帰りたい・・・・・」
何度目、何十度目、何百度目の呟きだろう。
「叶えてあげたいけどねぇ、その願い」
眼鏡の向こうでマスミが苦笑する。
「だけど、あたしはこの世界の中しか支配していないのよ」
雪が、降っている。
ひとひら、またひとひら。絶え間なく。
なのに決して積もらない。
ここは新宿。幸福の新宿。
茫漠たる闇のみが満ちた虚空の中に浮かぶ、小さな街のかけら。
−−−
私が生まれる何年か前に、千年に一度の守護者交代劇が執り行われた。マス
ミは、自分もその事件に関わったのだ、と私に話してくれた。
降りた天使。【魔の名】はラジエル。【かりそめの名】は只野マスミ。かつ
ては本物の新宿に住まうシスターだったという。
ああ、だから今でもそんな衣服を身に着けているのか。てっきりコスプレだ
と思っていた、と言ったら、気を悪くしたふうもなく、マスミは言った。
「コスプレ、と言えなくもないわね。祈りも信仰もないシスターなんて」
あたしは神に裏切られた、あたしにとっての神は、もういない。恨み言めい
た独り言に被せて私は言った、
「天使狩りの吸血神父、というのもいるぞ? 神父服を着ていたが、あれもコ
スプレなのか?」
アンジェが狙われて、ハガネが激怒して、双方の誤解を解くのに私とロウが
とても苦労した。
「天使を狩るから、祈りも信仰もないとはいえないわね。そもそも神という概
念が・・・って。天使狩りの吸血神父? 名前はわかる?」
「【かりそめの名】は揚羽切人。【魔の名】はワイワセル・ワーテルロー。そ
う名乗っていた」
「ああ。神父。元気でやってるんだ」
懐かしそうに。
「じゃあさ、イワンって自動人形は知らない? ロシア系のヤクザで、【かり
そめの名】はイワン・カラシニコフ、【魔の名】は赤い原子力」
「死霊課の手配書で見たことがある」
「あはは、まだ捕まってないんだ、やるねー」
おなかをかかえてケラケラ笑う。
ひとしきり笑って、溜息をつく。
「・・・・・なんか。もう。何千年も前のことみたいに思えるよ」
新たな守護者は、共に守護者交代劇を乗り越えた仲間に、新たな世界律の追
加を求めたという。4人のうち、二人は世界律の追加を望まず、一人は自らが
守護者に寄り添う道を選んだ。
「それでね、言ったのよ。あたしは、人と魔物の共存する世界がいい、って。
そうしたら何としたこと。あたしは悪魔にされちゃったの。人と魔物の共存す
るドミニオン、そのドミネーターにね」
自嘲げに、煙草をくゆらせる。
肥大化しきった強大なエゴのゆえでなく、守護者の力によって、半魔の身、
半魔の心のまま、一つ世界を支配するドミネーター。悪魔の如き罪と人として
の愛が、よくぞ調和を保って存在していられるものだ。たとえ不安定の安定だ
としても、驚愕に値する。
「こんなはずじゃ、なかったんだけど」
異能者と普通の人間の姉妹が、隣の花屋で開く酢豚パーティ。妹の方は、本
当は無垢なる者だったのだ、とマスミが教えてくれた。人と魔物とが共存する
世界で、『無垢』を保つ意味はないから、だから彼女は普通の人間という『設
定』。
近所の教会の神父は吸血鬼。夜な夜な人の血をすする牙の生えた口で、神の
愛と信仰の尊さを説く。可愛らしい自動人形がヤクザににらみをきかせ、増殖
体の代打ちが雀荘で勝ったの負けたの騒いでいる。鳴沢学園を囲む高い高い塀
もない。人も魔も半魔も、机を並べて共に学び、友情を育んでいる。
誰しもが、何一つ恐れることなく、平和に幸せに暮らしている世界。
「あんたはどう思う? この世界」
「感動に満ちあふれた、素晴らしいお芝居のようだ。役者の演技、物語の推移、
演出、効果、小道具から舞台装置まで。どれをとっても一級品の出来映えだ。
非の打ち所がない」
私は正直に答える。
「だけど私は、観劇したいとも、その上演に関わりたいとも思わない」
ここは古いアパートの形をしたドミニオンの最奥部、ボトム。マコトは畳の
上に寝かされ、私はその近くの座布団の上にいる。この世界では、私はマコト
から離れることができないから。
私は歴史の監視者。歴史の監視者は世界律の守護者。世界から、地球ドミニ
オンから切り離されれば、存続することはできない。逆に言えば、私は完全に
地球ドミニオンから切り離されているのではないということ。エゴを力に、絆
を辿って、空間跳躍、帰れるはずなのだ。元の世界、私の世界、私が愛する世
界、私を愛する世界へ。
・・・何故、跳べないのだろう。
「それはマコトがあんたを必要としているからよ」
マスミがゆるゆると首を横に振る。
「自分からこの世界を望んでおいて、元の世界にもまだ色気を残しているって
わけ。あんたはマコトの心の拠り所、スピリチュアル・アンカーね」
「どういうことだ?」
「戻るときの手がかり足がかりってこと。この新宿と地球との間には、向こう
からこちらへ来るだけの扉しかないから。普通の方法では帰れないのよ」
「そういう世界律なのか?」
「そう。あたしの他にも魔物と人の共存を望む者が現れたら、あるいは魔物と
人との乖離に耐えられない者が現れたら、彼らもこのドミニオンに来ることが
できるように、未羽・・・守護者が設定した世界律」
「何故、一方通行なのだ?」
「一旦、この世界の『優しさ』を知ったら。もう、元の世界で生きてはいけな
いからよ。・・・この街を望むような者に、あの世界は厳しすぎる」
「この世界は『親切』だ。だけど、優しくはない。地球ドミニオンは『何もし
ない』。何もしないから、優しいのだ」
「だからあんたは、この街には住めないのよ」
私が反論したのに、マスミは何故か嬉しそうだった。
「マコトが帰る気になったら、あんたは再び跳べるようになる。そしてあんた
が空間跳躍すれば、少しの間だけ、この新宿と地球とを結ぶ通路が生まれる。
そこを通って、マコトも帰ることができる」
「私はマコト専用の道しるべ、いや、除雪車のようなものか」
「そういうこと。そのためにマコトは、この世界に来るときにあんたを道連れ
にしたの。無論、意識的にやったことではないけどね」
「そうか」
私は頷いた。
「友達に頼りにされるのは、嬉しいことだ」
マスミが目を丸くした。
「あんたって・・・」
「ん? 何だ?」
マスミは、何だか照れくさそうな笑顔で、何でもない、と言った。
マコトが目を覚ました。のろのろと起きあがり、壁に凭れて座るマスミの身
体にずるずると這い上がる。
「もう、また?」
慈愛に満ちて、マスミはマコトの頭を撫でる。マコトは、もはや慣れた手つ
きでマスミの衣服をはだけて、両の乳房にむしゃぶりついた。
がふ、がふ、と獣めいた息づかい。噛み付くような、ただただ舐め回すだけ
の愛撫。マコトに同調して、私の口の中も唾液でいっぱいになる。飲み下すの
が気持ち悪い。
セックスぐらい何度でも見たことがある。ユメコのもヤイバのも、リュウの
も、ロウのだって。みんな楽しそうで、幸せそうで、気持ちよさそうで、羨ま
しかった。早く16歳になって、私もやってみたいと思っていた。
実際に感じるセックスは、そんなものではなかった。楽しそう、幸せそう、
気持ちよさそう、という客観的な観察結果は、楽しくて、幸せで、気持ちがよ
いという主観にはなり得なかった。
「お手々」はとても楽しくて、幸せで、気持ちがよかったんだけどな。ロウ
に教えてもらった「イチャイチャなこと」。手にキスしたり、舐めたり。する
のもされるのも、とても楽しくて、幸せで、気持ちがよかった。
でも。
挿れてしまえばこんなものか。
マスミを四つん這いにさせて、マコトが必死で腰を打ち付けている。
なあ、マコト。
何故、そのようなことばかりを繰り返すのだ?
尋ねようにも、残念ながら、私の声はマコトには届かない。姿も見えていな
い。触れようにも触れられない。マコトにとって、今の私は無に等しい存在。
見ているだけ。聞いているだけ。幽霊のような、と形容すべき存在。
−−−
「・・・今でも夢に見るんだ」
「どんな?」
裸のまま、マスミはマコトに膝枕をしている。マコトはマスミの胸を見上げ
るようにして、ボソボソと話している。
「夢ならよかった。ただの・・・悪夢なら」
夢蝕みを侍らせた吸血鬼。自動人形を従えた竜。天使を伴った執行者。伝説
の住人を連れた人狼。
化物に殺されたはずの後輩が、凄まじい魔気とともに立ち上がる。
『センパイ・・・ごめんなさい』
悲しそうな顔で、魔女が言う。
『あたし、センパイのこと、守ってあげられなかった』
『君に示される選択肢は3つ』
伝説の住人が歌う。
『一つ、闇の深淵を呑み込み、魔物と化す道。
二つ、光の下で人の身のまま、今ここで死ぬ道。
三つ。光と闇、人と魔との端境で、真昼の夜に生きる道』
『知らないでいて欲しかった、世界の、こんな真実なんて。でも』
『バケモノぉ!』
幼馴染みの悲鳴に全身を打ちのめされる。彼女が真っ直ぐに見つめているの
は、魔女や吸血鬼どもではなく。
他ならぬ、自分。
魔女よりもなお凄まじい魔気を立ち昇らせている、鉛色の肌の自分。
『違う、俺はバケモノなんかじゃ・・・』
『それでも、あたしはセンパイに生きていて欲しい』
『魔か、人か、それとも半魔か。選ぶのは君だ。・・・さあ』
伝説の住人の声に重なって、小鳥の鳴き声が聞こえる。夜明けが空を明るく
する。だが、それは何と遠いのだろう。昨日までは当たり前だった光景が、ま
るで別世界のように。
『センパイ。・・・行こう? 半魔として、頑張って生きよう?』
魔女が差し伸べる手を、思い切り振り払って。
『俺は、俺は人間だ。人間なんだぁっ!』
マコトの回想に私が出てきてちょっと面映ゆかった。
「マホは・・・あいつは、強いんだ。俺なんかと違って」
「マホ?」
「俺の後輩で・・・魔女で」
大切な思い出みたいに話す。
「『ご町内の平和を乱す、悪い魔物は許さない!』とか、お前TVの観過ぎ、
みたいな台詞を吐いてさ。魔物と、戦ってさ。まあ、あいつは魔法少女ってい
うレジェンドだから、台詞が芝居がかるのはしょーがないんだろうけど」
違うだろう、マコト。マホは思い出じゃないだろう。君の隣で、君と共に、
それでいてちゃんと自分の力で歩いていく、君の絆だろう。
どうしてそんな、遠い存在みたいな言い方をするのだ?
「俺の幼馴染みは、あのあとわかってくれた。俺があいつをノウンマンにして
しまったけど、多少無理っぽい笑顔だったけど、笑って、ありがとうって言っ
てくれた。助けてくれて、ありがとうって」
ああ。そんなこともあった。
「だけど、最初の事件でマホが魔物の手から助けた親友は、・・・そのとき、
魔物に対する恐怖から、マホを包丁で刺し殺したらしい。マホは【かりそめの
死】を選んで、もう少しで親友にとどめをさされるところだったらしい」
ちなみにそのときマホを救い出したのは私だ。
「人を救って、人に裏切られて、つらい思いを味わっているのはあいつの方が
よほどなのに、それでもあいつは逃げないで、自分自身の魔に向き合って、制
御して、それを誰かのために使っている。俺は、ただ、自分の日常が侵された
ときに、仕方なく力を振るうだけで・・・魔物の力を使うマホの方がよっぽど
人間らしくて、魔物の力を使いたくない俺の方が、よっぽど魔物に近い」
マコトが言いたいのは、マホは絆のために力を使い、自分はエゴによって力
を振るう、ということだろう。私には、大差あるとは思えないのだが。
「興味本位からとはいえ闇を覗き込んだのは、誰に押しつけられたわけでもな
い俺自身の選択、俺自身の責任。こんなはずじゃなかった、とは思っているけ
れど、もう闇雲に逃げたってどうにもならないんだってことぐらい、わかって
いる。・・・・だけど」
「恐いの?」
「ああ。恐い」
見栄も張らない。
「恐いんだ、戦うたびに、魔物の力を振るうたびに、魂が削られていく感触、
俺の中の何かが・・・『人間性』が削られていく感触」
奈落に近づく感触。
「いつか俺は人でなくなる、それが恐い、それが恐いんだ・・・・・!」
マスミの肌に抱きついて、舌を這わせて。半ば無理矢理両足を広げさせて、
ベロベロを舐め回し、唾液で湿らせたそこに、まだ充分に勃っていないそれを
突っ込む。溺れる、一時の肉欲に。溺れて忘れる、その恐怖。そしてまた陥る
自己嫌悪、思い出す恐怖、更に溺れる肉欲。まるで永久機関のように。
半魔でいること、それは決して易しいことではない。光と闇、人と魔、中庸
を保つことは難しい。心はどちらか一方に惹かれていく。一旦半魔となった以
上、人に惹かれすぎれば自身を拒絶して命を絶つしかなく、魔に惹かれすぎれ
ば魔物と化すか、異形に堕ちるか、奈落に還るか。
「だからエゴを持ち、絆を結ぶのではないか、マコト」
聞こえないのがわかっていて、私はマコトに声を掛けた。
「罪という名の力で自分を守り、愛という名の力で他者を守り、エゴで魔とし
ての自分を、絆で人としての自分を保つ。それが半魔の証であり、誇りではな
いか」
魔物の力を解放するとき、その快感に酔いしれる。そのたび自分が磨り減っ
ていく、その痛みや恐怖すらもまた強烈な快感になる。
だけど。
例えば戦いが。非日常の物語が。済んで、終わって、ふと周りを見渡して。
守られた日常。護られた人々。果たせた誓い。貫いた信念。
それが再び魂に活力を与える。失った自分自身が甦る感触、人間性が回復し
ていく感触、奈落へと急激に下りゆく坂道を逆に辿って、登りつめた先で、人
の心を取り戻す感触。
あの救われるような安堵の気分こそ、半魔の本懐だと私は思う。
「マコト。恐いんだったら、いつまでもここにいればいいのよ」
親切な台詞。優しくない台詞。
「ここは平和で、人も魔も関係ない。誰かのために自分が戦うことも、誰かを
戦わせることもない。安心して、ずっとここにいればいい」
エゴに満ちた台詞。そう、ここはエゴによって生まれたドミニオン。
そのエゴゆえに、地球ドミニオンから切り離されたシスター天使の支配する
世界。
「そしたら恐くないでしょ? もう、恐くないでしょう?」
マコトはがむしゃらに動く。
「ここにいれば・・・もう・・・・・恐く・・・・・・・・・・」
マコト。だったら何故、私を道連れにしたのだ。
たとえ逃げても、一度は逃げても。
今度こそ向き直り、立ち向かうためではないのか。
マコト。
それが本当に君の望んだ結末なのか?
−−−
今日はここまで。おやすみなさい。
なんて爛れた高校生だ!
いつも そばに いるよ
* * *
数ヶ月前。UGN支部の長を務めていた彼女は、帰途にFHの襲撃を受けた。
たまたま駆けつけたUGNイリーガルによって救い出されるも、手酷い傷を受けた彼女の心は、それ以後自分の殻に閉じ籠もった
ままだった。ジャーム化の恐れもあり、体よく言うならば『関連施設に入院する』形となっていた。
「いなくなってたんです。いつの間にか。意識なんてずっとないままだったのに」
そうして彼女は彷徨う。ただひとつの想いで。
その戦略眼と戦局分析能力。超高密度の情報能力に拠って、彼女はこう呼ばれていた。“水晶の瞳”、と。
「嫌われてしまったから。でも、それでも」
育まれてしまった感情。ひとり決めに思い込んでしまった答えの果て、生まれた衝動は飢餓。
「ひとつになってしまえば、私の傍からいなくなってしまう事はないでしょう?」
足下に転がる死体は、少しだけ面影が似ていた。彼と。
「そうすれば、あのひとはずっと私と一緒。それこそ――」
口元を彩る紅。血に滴るは涙か、鮮血か。
やがて彼女の欲するものは知れる。即ち、“不確定な切り札”。
食べる。その行為は、古くから最高位の自己同一化である。相手の何もかもを取り込んで、己とひとつとする。
「…ただ、構わないようにも思う」
ふたりの間には、淡い感情があった。まだ恋とも呼べないほどの。
彼は天秤。心に惑い多きが故に確固たる力は備えず、心揺れるが故に決して希望を捨てられない。故に、不確定。
「彼女がそんなに望むなら。望まれてるなら。俺は――」
柳が雪に折れぬように。それは弱さであると同時に強さである。
「元に戻せるかもしれない、って言ったら?」
差し出された希望。レネゲイドを研究する者は数多い。だが彼女に勝る者はまずいない。
「幸運にも、というべきかしらね。この数ヶ月で、あの子のデータなら揃っているの」
それでも確率は高くなかった。ジャームを殺さずに生け捕るという困難は果てしなかった。
「助言をひとつ。ふたりをできるだけ接触させない事。侵蝕と衝動がない交ぜになって、どうなるか予想もつかないわ」
“紫紺の華”。彼女は艶やかな禁断の果実を実らせる。
「悪いけどね、焼き払うよ」
苦悩の果てに出されたのは、けれどUGNという一組織の回答に過ぎない。
「あたしはこの街が好き。誰かひとりの為に皆を踏み躙ろうっていうなら、あたしはそいつを許さない」
守るものがあるものは強い。その言葉を誰よりも体現するのが彼女だった。
――“気高き守護者”。
「…恨んでくれていい」
守る為に切り捨てる。吐き捨てたのは、苦渋の言葉。
「相手は無辜を害するもの。ならば、為すべきは決まっている」
徒手空拳。心に燃える誇り以外は何ひとつ持たずに彼は立つ。
「だが会いたいという望みは誰のものだ。それは本当に衝動に突き動かされてのものなのか」
いつものくたびれた革靴によれたコート。帽子を目深に押し下げて、夜にひとり、彼は呟く。
「人を想うという心は、それこそ人のものではないのか」
“錆ついた刃”。それは自ら錆びた刃である。誰も傷つけぬように。
「作戦行動は停止だ。あれは悉くを見抜いてつけこんでくる。味方の数が増えれば増えるほど、心の死角もまた増える」
“完全なる使徒”は見切りをつける。いくら抗レネゲイド装備の部隊を運用しても、彼女には届かない。
「誘い出して、少数精鋭で仕留める。幸い、餌になるものは判っているからね」
自ら銃を手に取り、しかし完全をうたわれる彼にも欠点はある。理解の及ばないものがある。
「恋? 恋情ゆえの行動だと? まさか。それは感傷だよ。肉体が、ただ妄念に引き摺られているだけだ」
ジャームとは即ち、単一の欲動に突き動かされる存在である。もう決して後戻りできない存在である。
幾多の死の果て。停止した世界の中心で、ふたりは出会う。
「私と――」
そっと微笑んで、彼女は彼に手を伸ばす。
「一緒になってください」
伸べかけた彼の手が、中途で止まった。
「ごめん」
ゆっくりと、腕が凶器へと変じていく。獣のそれへと変じていく。
好きでした。言い出せなかったけれど、ずっと。
大好きです。今だって。
だから。
――あなたの手で、終わらせて。
獣が走る。咆哮は、まるで現実の理不尽に泣き喚くようだった。
彼女は目を閉じる。まるで恋人を迎えるかのように手を広げて。
そして。
「俺が…俺が君を殺せるわけ、ないじゃないか」
DX2nd “死がふたりを分かつまで”
それはいびつで不器用で、けれど確かな恋のうた。
>>251-254の流れで出た「水晶の瞳ジャーム化」「食べにくる」のキーワードを見た途端、脳内にこんなプロットが。
また無駄に長いし。やるだけやっておいてなんだが、書かないぞ。言っておくけど。
>>234 前回書き忘れ。
“西風の語り部”は第一印象からして動かしずらそうなキャラだなー、だったので、実は楽しみにしてました。無念。
>>131 勝手に駄とか決め付けないで、仕上げて上げてみようぜ。話はそれからだ。
っつーか俺は君の作品をすげぇ楽しみにしている。あと俺の書き物、気に入ってくれてありがとな。
>鬼畜柊
なんかエロくさくなってきたーっ!
ベルがなんの準備をしにいったのか、気になってなりません。
>BBNT本編6話目前編
ミレニアムリプレイの方々とは懐かしい。ってかシスターが物憂く退廃的に艶っぽい。
やっぱ悩める半魔ってのは王道だなと再確認しました。
NTは半魔が正体を打ち明けるジレンマとかの色が薄れてて、その辺りが俺はとても残念。
こちらもBBNT余話を書きながら、続きをお待ちしております。
>まとめサイトの方
ダブルクロスエロルール、出来上がってるのにようやく気付きました。くそう。
これより拝読して参ります。あ、それから司×椿も楽しみにしてますからー。
司×柊に見えた件について
286 :
鬼畜柊:2005/07/14(木) 22:31:10 ID:GMMERsNq
「はぁん!」
くれははベッドの上で叫び声を上げる。だがその声に恐怖や悲しみは無い。
あるのは只快楽のみ。上半身の巫女服は半ば脱ぎかけで、股間からはだらしなく愛液が流れ続けてて。
それを柊が啜る音にくれはもまた顔を赤らめる。
「くれはのここ、もうぐちゃぐちゃだぜ。そんなに舐められて気持ち良いのか?」
「……はう」
答える術を知らずくれは。お腹の中に入ってくる舌の感触が気持ち悪い。
「くれはも俺のを舐めてみろよ」
「うっ……うん」
そっと柊のものを直視する。くれはの愛液で濡れたそれをそっと口に含もうとして、躊躇する。
それはあまりにグロテスクで。自分が舐めて柊が喜んでくれるかわからなくて。
「はぅん……」
柊が嬉々としてくれはの秘所を舐めている。
「早く舐めろよ」
足を持ち上げられて。くれはは柊の物を恐る恐る口に含む。
「あひゅい」
そう呟く。もはやそうとしか言いようが無い。
体は汗と精液でまみれて。心はもう柊を奪われたくないという恐怖に包まれて。
くれはは柊の言う事を聞くしかなかった。
「気持ちいいぜ……こっちも気持ちよくさせてやるからな」
そう言うと、柊はくれはの愛液を舌にまぶすと、そっと菊門の方へと持っていく。
「ひゃうん!」
異常な感覚にくれはは叫び声を上げ、体を震わす。
「良い匂いがするぜ」
「そんなぁ」
ぽろぽろと涙を流しながら、くれはは顔を最高潮まで赤らめる。
お尻で良い匂いがするなんて言われても恥かしいだけだ。
287 :
鬼畜柊:2005/07/14(木) 22:32:20 ID:GMMERsNq
唐突に柊の物が爆発し、くれはの顔を白い粘液が包む。
「苦いよぉ〜〜」
そう言いながら、粘液を手にとって、口に含む。柊のだから気にならないと思ったが、逆に口の中で広がっていく。
「はうっ!」
お尻に噛みつかれくれはは叫び声を上げる。
それを意にかいせずお尻の穴に柊の舌が入ってくる。
「ひぅん!変だよっ!変になっちゃうよっ!私……私……」
恥じらいをかなぐり捨てて叫ぶくれは。不浄のものを見られて舐められて……それでもくれはは柊から離れられなくて。
お尻から背中をそっと舐められ、くれはの体温は最高潮まで達する。
どろどろに溶かされた心では体をもう支えられなくて。柊のキスが私の髪を梳かして。
「あうぅっ!」
お尻の穴に入っていく異常な感触。柊の塔がくれはの中に無理矢理入ってくる。
「んんんっ!」
抵抗しようとするが、解かされた体はもう力が無くて、溶かされた心はもう支えられなくて、柊の舌はくれはの髪を梳かして。
「ああああああああっ!」
精液のほとばしりを菊門に受け、くれはの絶頂は止まる事無く股間から黄色い液体を垂れ流して柊の全てを受け入れた。
目を覚ました時、柊は涙を浮かべて寝ているくれはを見て、驚愕した。
自分がくれはを犯してしまった事。くれはの前でベルと繋がった事……。
「くれは……」
「お目覚めかしら?柊蓮司」
「ベル!」
甘い匂いにつられて柊がそちらを見る。
黒い膝上のソックス、黒いパンティ、胸を隠す黒いコルセット、黒い絹の手袋の上に、
何時ものポンチョをつけたベルがそっと柊の顔を近づけた。
「うふふ、彼女とした事はどうだったかしら?そのようすだといろいろとやったみたいね」
288 :
鬼畜柊:2005/07/14(木) 22:33:32 ID:GMMERsNq
「………」
「無理矢理幼馴染を犯して、その上にここまでやっちゃうんだから……すごい性欲ね」
ベルはそう言って柊の頬を撫でる。蜂蜜のような甘い匂いが柊の鼻をくすぐる。
「彼女になんと言って謝るつもりなのかしら?」
そう言ってベルが柊の顔を自分の胸に近づける。
「怖いんだったら、私の元に来なさい、レベルも下げないし、幾らでも相手してあげるから」
甘い香りのするベルは、清楚で魅力的で純粋で……それでいて妖艶で蠱惑的で。
「良い匂いがするでしょ」
ベルが柊の前に指を差し出す。
「蜂蜜をまぶしておいたから」
まるで、「御自由にお舐め」と言う様に、ベルは柊の前に手を差し伸べる。
「こっちへ来なさい。柊蓮司エミュレーターの世界へ」
まるで騎士任命する女王のように差し出されたベルの手。完全な非日常への入り口。
「俺は………」
くれはを完全に犯してしまった罪の意識。目の前で泣かせたくれはへの罪悪感。
「さあ、気にする事はないわ、こちらへいらっしゃい」
柊は目に光り無くベルの腕を掴もうとした。
ふと、まだ着ていた学生服が後ろから引っ張られる。
そっと後ろを振り向くとくれはが服の後ろを掴んでいた。
「行かないで……柊……」
精液と愛液で巫女服を汚され、それでもくれはは柊を止めた。
「柊がエミュレーターになったら……私……私……」
次の台詞は出てこなかった。それほどくれはにとって柊は大きな存在だったのだ。
柊はそっとベルの手を取り、横へと弾いた。
「俺は……くれはに謝らなきゃいけない。その為には……『日常』に戻るしか無いんだ」
「……そう……」
残念そうにベルが言う。うつむいていた柊には見えなかったが、頬を大きく膨らませて。
おもちゃが手に入らなかった子供のようにベルは柊を見る。
「もし『日常』があなたを追い出したら何時でも言いなさい。私の胸の中で泣かせてあげるから」
そう言って、ベルの姿は消えていった。
289 :
鬼畜柊:2005/07/14(木) 22:36:26 ID:GMMERsNq
そっとくれはが柊を後ろから抱きしめた。
「くれは……」
「痛かったんだから……柊の苦かったし」
「……ごめん」
「ん……許すから」
そう言ってくれはは柊の体に擦り寄る。
「しばらくはこのままでいさせて」
「わかった」
柊はそう言って、くれはの腕をそっと抱きしめた。
柊はまだ気づかない。自分が婚姻という人生の罠に落ちかけている事に。
END
これで終わりです。今回はかなり暗い話です。
次回は何とか明るめにしようと思ってます。
◇しあわせになるために
「あの子は3度も奪われたんだ。今度はあの子が奪う番だとしても、おかしく
はないだろう?」
それは俺の売り言葉に対する、“牙”の買い言葉。本気ではない、けれど嘘
でもない。
わかってはいた、俺達の対立は深まる一方で、歩み寄る余地などないのだ、
と。
・・・かつて、悲劇は起きた。
“水晶の瞳”。元・UGN支部長。支部からの帰宅途中にFHエージェント
の襲撃を受け、運良く救出されはしたものの、心に手酷い傷を負った彼女は、
やがてジャーム化した。
何人もの少年を『食った』挙句に文字通り『食い殺す』化物。
UGNは彼女の『処分』を決定した。高度な戦略眼と戦局分析能力、超高密
度の情報能力を有する彼女を『処分』するために、UGNの正規/イリーガル
を問わず精鋭のエージェントが投入された。
“紫紺の華”。“気高き守護者”。“錆ついた刃”。“完全なる使徒”。そ
して。
“不確定な切り札”。
結論から言えば、“瞳”は死なずに済んだ。・・・命は。
心は死んだ。記憶の全てを失った。
二度と思い出さないように。UGNの手によって、更に記憶を『処理』され
て、彼女は普通の人間として、遠くの町で暮らすことになった。
会えば彼女がまた『狂う』。その可能性がないとはいえなかったから、彼女
の居場所は、関係者には極秘とされた。当然、“切り札”にも。
実らなかった恋。行き場をなくした想い。護れなかった、心。
全ての重責を抱えて、それでも彼は大人になり。
神のいたずら。
再会してしまった。彼は、偶然、“瞳”に。
悪魔の慈悲。
再び、否、ただの平凡な娘として、白紙の状態から“瞳”は“切り札”に恋
をし、告白した。
人の選択。
“切り札”は、彼女の恋を、想いを、心を受け止めた。
今度こそ、と。
それが新たな悲劇の幕開けとなる。
「話は、そう単純なことではないんだ」
“刃”からの電話。異なる街を活動拠点とする、探偵同士のつながり。
「高校生だった頃、というから、もう5〜6年前になるのか? 当時、“切り
札”のことが好きで、想いを告げたはいいが、『他に好きな子がいるから』と
フラれた少女がいた」
その『好きな子』が“瞳”であることは、俺達には言わずもがなだ。
「彼女の兄は、ジャーム化していたときに“瞳”が『食い殺した』少年の一人
だ。妹の目の前で、“瞳”は兄を『食い殺した』そうだ」
“瞳”は、“切り札”に面影の似た少年をのみ襲ったらしいが、だとすれば
その妹が“切り札”に恋をしたのは、・・・いや、やめよう。下衆の勘繰りと
いうものだ。
「高校を卒業して、たまたま同じ大学に入って、付き合うとまではいかないま
でも、彼女と“切り札”とは親密な仲ではあったらしい。今度こそ、と思った
矢先、惚れた男が自分の兄を殺した女と付き合い始めた。・・・・・理由とし
ては、充分すぎるほどだ」
彼女が、最早別人のように明るくなっている今の“瞳”を見て、暗い衝動に
突き動かされていた殺人者の“瞳”と同一人物だと断定した、その陰にFHが
見え隠れしている。
「お前に押し付ける形になって、済まないが・・・“孤独な魂”。あの二人の
ことを、頼まれてはくれないか」
「気に病むな。困ったときはお互い様だ」
多くを語らず、俺達は電話を終えた。それが先週のことだ。
「あの子は3度も奪われたんだ」
支部のロビーで“誇り高き牙”が言った。あの子は奪われた、大切な者を、
3度も、“瞳”に。
「今度はあの子が奪う番だとしても、おかしくはないだろう?」
怒りと悲しみ、憎しみのあまり、彼女に潜伏していたレネゲイドウィルスが
活性化した。少女は新たなオーヴァードとなった。“瞳”に対する復讐を胸に
誓って。
“牙”は少女の従兄だ。幼い頃から親しかった少女に肩入れするのは至極当
然のことである。亡くした戦友という過去を持つ俺が、“瞳”と“切り札”に
対する“刃”の悔恨に共感して彼らに親しみを覚えるように。
「記憶を無くしたから。オーヴァード事件ゆえ法的には不問に付されたから。
だからといって、罪が消え失せるわけじゃない。“瞳”は連続殺人犯だ。あの
子の兄貴を、俺達の従弟を殺したジャームだ。反省も、後悔も、償うことすら
せず、自分ひとりのうのうと幸せを掴もうなんて。許せるものか!」
「お前は彼女に“瞳”を殺させる気なのか? 彼女が“瞳”を殺すのを、看過
するつもりなのか?」
「まさか。それだけは全力で阻止するさ、だが・・・」
壊れてしまえばいい、と“牙”は言う。あの二人の関係が、壊れてしまえば
いい。過去を突きつけられて、全ての罪を思い出して。自分が殺した少年の遺
族を踏み台にしてまで、“瞳”は幸せを掴めまい、と。
その意味では、“牙”は“瞳”を評価している。自分が殺した少年の遺族を
踏み台にして、それでも幸せになれる厚顔無恥な者だとは思っていない。
「あの子は3度も奪われたんだ。今度はあの子が“瞳”の幸せを奪う。そのぐ
らい、許されるべきじゃないか」
「そして“切り札”の幸せをも奪うのか? それで彼女の気が済むのか? 彼
女が、幸せになれるのか?」
「少なくとも今より不幸にはなるまいさ。それに、今の“瞳”の幸せは、多く
の犠牲の上に成り立つ『あってはならない』幸せだ。壊れたところで、正常な
状態に戻るだけ。何も問題はない。むしろ、贖罪の機会を与えられて、“瞳”
にとってもありがたいことなんじゃないか? “切り札”は、その贖罪をこそ
支えてやるべきだ。“瞳”が大事だというのなら、な」
偽悪の台詞。“牙”も苦悩していないわけではない、だから俺に対してこん
なにも饒舌になる。
「それが『あるべき』幸せか、『あってはならない』幸せか。そんなことを、
誰が断じることができる? 俺は、今そこにある幸せを守る。それだけだ」
過去を封じて、“瞳”には今の『無垢』なまま、幸せであって欲しい。それ
が“切り札”の願いであり、“刃”の望みであり、俺の選択だ。
そうかい、と“牙”は睨む。サングラスの向こうから、真っ直ぐに俺を。偽
善者を見るような蔑みの目線で。
「決裂だな。おっさん」
“牙”は俺に背を向け、・・・最後に少しだけ振り向いて。
「“氷”は、何も気づいちゃないだろうな?」
「ああ。そんな素振りは全く見えない」
“牙”が安堵の吐息をつくのが見えた。
「あいつめ、結婚して幸せボケが加速したか? ったく・・・」
“氷の戦士”。“牙”の双子の姉、俺の妻。
彼女にだけは知られたくない、こんな事件、こんな悲劇。
ぱちんと軽い音がして、俺の両頬が両掌に挟まれた。
「また余所事考えてますー」
「あ、ああ・・・済まない」
俺は我に返る。そう長いこと回想していたわけではないはずだ、幾らなんで
も、こんなときに。
新居の寝所。俺の下で“氷”が拗ねたように俺の顔を見上げている。
「お仕事の悩みですかー?」
「いや、別に」
「嘘つきー」
女は聡い。彼女は特に。・・・異様に鈍い一点を除いて。
「わかってるんですからねー。“魂”さんが、眉の間にしわを寄せて上の空に
なっているときは、絶対にお仕事の悩みですー」
両腕を俺の首に絡めて、引き寄せて、口づける。自分から舌を挿し入れてき
て、俺の中を蹂躙する。まるで嘘を罰するかのように。なんて甘い罰。
初めて抱いた夜は、触れただけで真っ赤っ赤のガチガチになって、どうしよ
うもなかったのに。今ではこんなに積極的だ。あまつさえ、
「ちゃんと見ててくださいー」
こんな我儘までも言う。俺に深く貫かれた腰を、誘うように艶かしく揺らし
ながら。
「ちゃんと、あたしのこと見ててくださいー」
あのな。俺に抱かれる直前に、弟の家(同じマンションの隣の部屋!)へ晩
飯のおかずを差入れに行くような奴に、俺に抱かれている最中に、弟がちゃん
と晩飯を食ったかどうか気にしているような奴に、俺に抱かれた直後に、弟か
らのごちそうさまメールをチェックして、あまつさえ、内線(“牙”の家に親
機が、我が家に子機がある)を掛けて翌朝の朝食で食べたい物を訊くような奴
に、そんな台詞を吐く資格があるのか。
外出着に着替えるときは必ず隣家へ行くし(弟にコーディネイトしてもらわ
ないと不安で仕方ないらしい)、俺の帰りが遅いときは、必ず隣家で待ってい
るし(たとえ弟が留守でもだ。元は自分が住んでいた家だから、落ち着くのだ
ろうけど)、夫婦喧嘩をして、泣いたり怒ったりしながら家出する先も必ず隣
家だし(ある意味心配がなくてよいとも言えるが、あとで義弟に嫌味を言われ
る俺の身にもなってくれ)。
この姉弟のブラコン/シスコンぶりは筋金入りで、自分達の姉弟愛が常軌を
逸していることに全く気づいていない。それどころかこれが普通だとさえ思っ
ている。要するに、こちらが慣れる以外に手はないのだが、それこそ、ちゃん
と俺のことを見ていてくれと言いたい。
勿論、彼女が少し変わっていることは百も承知の上で付き合い、プロポーズ
もして、今に至るわけだが。・・・やれやれ。惚れた弱みとはよく言ったもの
だ。
「悪かった」
言いたいことは全部腹の中に収めて、ただ苦笑一つを返し、俺は改めて彼女
を強く抱いた。
余計な考えを追い出して、“氷”だけに集中する。嬉しげに俺を見上げて、
彼女は俺の愛撫に応える。やがて彼女はうっとりした表情で、俺の動きに翻弄
されるかのように喘ぐ。
痛みで挿入すら強行に拒んだ頃、挿入しただけでもう限界だった頃、動くと
暴れてまで嫌がった頃、動いた後は翌日まで痛みを訴えていた頃、・・・そう
いった段階を経て、彼女が徐々に開発されていくのが手に取るようにわかる。
今はまだその境地まで達していないが、このまま順調にいけば、中でイってく
れるようになる日も遠くないだろう。俺としては嬉しい限りだ。
が、半面、不安にもなる。四十を過ぎた俺に、12歳も年下で女盛りもまだ
まだこれからの彼女を満足させ続けられるのか、と。
「あ〜、何かえっちなこと悩んでるでしょー?」
読心能力でもあるのか、お前は。そんなに目ざといくせに、どうしてお前と
“牙”との『仲の良さ』に対する俺の気持ちだけはわかってくれない?
「そろそろ、イくぞ」
「はいー。いっぱい、あたしで気持ちよくなってくださいー」
幸せそうな彼女の微笑に俺の汗が降りかかる。彼女の汗と混じって、涙のよ
うに落ちていく。嬉し涙だ、と思う。あれは、俺達二人の。
―――
シャワーを浴びて戻ってみると、先に風呂から出た“氷”は俺のと揃いのパ
ジャマ姿で、電話の子機をクレイドルに置いたところだった。・・・また弟と
話をしていたのか、もう夜中の1時だというのに。全く。
「さー、寝ましょー寝ましょー」
掛け布団をめくって、俺の寝場所をぽんぽんと叩く。汗でよれたシーツもカ
バー類も全部新しく替えられていた。こういうちょっとした気遣いは嬉しい。
俺が“氷”の隣に横になると、彼女はえへへーと相好を崩して、俺の腕に頬
擦りをした。
「どうした?」
「気を遣ってくれてありがとうございますー」
「何のことだ?」
「先週ぐらいから“魂”さん、“牙”くんと二人でコソコソしてたじゃないで
すかー。何かと思って、ちょっと調べてみたんですよー」
心臓が跳ね上がる。
情報収集を専らとする“氷”が『ちょっと調べ』ようと思えば、俺や“牙”
如きが隠せることなぞ無きに等しい。
「だけど、そういうことはあたしにも相談して欲しかったですー。“牙”くん
だけじゃなくてー」
別に俺は“牙”に相談したわけでなく、互いが同じ事件を追っていると、た
またま知り合っただけなのだが。
「身内が関わっているからこそ、助けてあげたいじゃないですかー。そりゃあ
つらい結果に終わるかも知れませんけど、知らないうちにつらい結果に終わる
ぐらいなら、自分で失敗した方がマシですよー。最善の結果を求めて最大限の
努力をして、それでダメなら誰も恨めませんからねー」
誰も恨めない、という方が得てしてつらいものだ。自分を責めながら生きて
いくつらさを、俺は身にしみて理解している。それが思い出に変わるまでは、
砕けた心と空っぽの胸を抱えて、幾たびの昼と夜とを乗り越えていかなければ
ならないのだから。
それでも他人に責任を押し付けるよりは、自分で抱えたいと“氷”は言って
いる。俺や“牙”の気遣いをわかって、その上で。
「“瞳”ちゃんの暗示を解くキーワードは、さっき“華”さんから入手しまし
た。UGNの記憶処理を解除するだけですからー、それでちゃんと記憶が戻る
かどうかは保証の限りではないそうですけど、きっかけには充分なり得るそう
ですー」
「何!? お前も“瞳”の過去を暴き出そうというのか!?」
語気強い俺の声にきょとんとなって“氷”は小首を傾げた。
「暴き出す、って。周りの都合で奪った記憶を、彼女に返すだけですよー?」
「それが再び“瞳”を狂わせるかも知れないのだぞ?」
「“瞳”ちゃんはあたしの従妹に殺意を持たれるほど恨まれているわけでしょ
う? “瞳”ちゃんの立場からすれば、わけもわからず恨まれるよりは、わけ
がわかった上で恨まれた方がいいと思いますー」
「だからお前の従妹と“瞳”とを絶対に会わせないように、俺や“切り札”が
彼女を護っているんだ」
「エゴですよー、それはー」
いつものことだが、春先に金木犀が咲いたような、ほわほわと間抜けな喋り
方だ。どうにも頭がよさそうには聞こえない。
それなのに、その台詞の一つ一つが俺の肺腑を抉る。
「カワイソーな女の子を護ってあげたいっていう、一方的な保護欲ですよー。
“瞳”ちゃんは人間であって、お花じゃないんですからー、いつまでも温室に
入れておけるほど弱くも甘くもありませんー。それを過保護に過保護に温室に
閉じ込めておけば、それこそちょっとした隙間風で枯れるような子になっちゃ
いますよー。“魂”さんも、“切り札”くんも、“瞳”ちゃんの一生を全て背
負うつもりでいるんですかー? 背負えると思っているなら傲慢の極みだし、
実際に背負えば重さに潰れて共倒れになって終わりですー」
人が背負える人生の重さは一人分がやっと。それでも時には苦しいから、だ
から互いに支え合うのではないかと“氷”は言う。
肩代わりではなく、支え合うのだ、と。
「“瞳”ちゃんには“切り札”くんという想い合える人がいて、“切り札”く
んは“瞳”ちゃんに幸せになって欲しいと願っている。“瞳”ちゃんの幸せが
“切り札”くんの幸せである以上、“瞳”ちゃんは歯を食いしばって、たとえ
石にかじりついてでも、死にものぐるいで幸せになりますよ、過去も罪も何も
かも、きちんと見詰めて、乗り越えて」
同じく“瞳”に過去を思い出させようとしている“牙”とは違い、“氷”に
は“瞳”達の幸せを壊す気はない。
「それが、二人で生きるということでしょう?」
双子の姉弟の考え方の違いは、俺と結婚しているかどうかの差だ、というの
は幾らなんでも自惚れが過ぎるだろう。それでも俺は胸がいっぱいになって、
思わず知らず、“氷”を抱きしめていた。
「だからあたしは、“瞳”ちゃんに記憶を返してあげたいと思うんですよー」
罪を認めた上で、恨みを甘受した上で、幸せになることを“瞳”に強いる。
“氷”の選択は、俺や“切り札”の選択や“牙”の選択よりも余程凶悪で。
希望に満ちている。
「・・・それでも俺は、封印された“瞳”の記憶を甦らせることには反対だ」
「それでいいんですよー。正しい答えなんて本当はどこにもなくて、幸せにな
ろうとする全ての選択が正しくて間違っている答えなんですー。一度に幸せに
なれる人は限られているけれど、皆が幸せに向かって努力していけば、いつか
皆が幸せになれますよー」
幸せ同士、幸せになるための努力同士が相反するが故の悲劇を知っていて、
そのくせまだ楽観的でいられるお前を、心の底から愛しく思う。
「あたしの従妹については大丈夫、あの子は“瞳”ちゃんだけお姫様扱いされ
てるからって拗ねてるだけですよー。“瞳”ちゃんはお姫様じゃない、あの子
と『同じ』なんだ、ってわかったら、きっと“瞳”ちゃんのこと、嫌いにはな
れませんよー」
そりゃ勿論、許しはしないでしょうけどね、と付け加えて。
「もう寝ましょー。明日からもまた、皆で頑張るんですからー」
彼女と“瞳”を中心に、“切り札”、“牙”、“氷”、そして俺の思いが交
錯する。FHの陰謀も、UGNの思惑も複雑に入り乱れて。
「目指すは最大多数の最大幸福ですー」
結果は、近日中に出るだろう。
最大多数の最大幸福。
願わくば、そんな未来を。
・・・・・おしまい。
以上、あいかーらずの神っぷり〜、いいお話が読めて幸せ〜、こっちも筆が
進む〜、というお話でした。
“魂”ד氷”の続きー。書く気なんざさらさらなかったのだけど>281が気
になって気になって、ついー。>281にエロ分が少ないから、僭越ながら補充の
意味も込めてー。“西風の語り部”話を没にしたお詫びと言ったら許してもら
えるかなぁ。
結局前スレ>439の目論見どおりクロスオーバーにしてしまったぁ。DX2の
ルルブ持ってないから無印で書くしかなかったんだよぅ。なんか罠にはまった
気分ー。でもいい気分ー。
でも本当はギャグにしたかったんだけどなぁ。どっかその辺に“切り札”く
んを立たせておいて、“瞳”ちゃんが「わーい“切り札”くんだー食べちゃう
ぞー」って来たら、“守護者”ちゃん(よくしらんけど女の子だよね?)が、
「えいっ」って紐を引っ張って、そしたらつっかい棒が倒れて、上からでっか
い竹カゴがぱたん、と。
「はにゃー」と閉じ込められる“瞳”ちゃん。喜ぶ“使徒”さん、「やあ、
上手く生け捕ったぞ」。訝る“刃”さん、「ところで“切り札”は?」。
3人「「「あ。いっしょに竹カゴの中だ」」」。
悲鳴を上げる“華”さん、「『ふたりをできるだけ接触させないこと』って
言ったでしょー!?」。もうドタバタ。みたいな。
DX2さえ持っていればなぁ。ちくしょう〜。
302 :
いつも中の人:2005/07/14(木) 23:10:26 ID:yjYh54p2
>289
>「しばらくはこのままでいさせて」
に萌え。
>自分が婚姻という人生の罠に落ちかけている事に。
に「よっしゃ〜!」って感じで。
婚姻は人生の罠なんかじゃないです。
甘い罠です。
ハマると抜けられません〜。
もうね〜、3時間でも3日間でもノロケるよ〜って感じで。
以上、既婚者は語る。
オッス!オラ131
名無しで投下するつもりだったんだが投下する段になって急に怖じ気づいちまったい
というのも、書いたのが無限のファンタジアの公式サイトで連載されてるWebリプレイので
さ。
どーもSNEとかFEARとかと違って自社の人間が書いてる訳じゃないっぽいんだよな。
これってOKなのか?意見求む
2chにルールなど存在しない
305 :
131:2005/07/15(金) 08:12:57 ID:jPGaOkto
>304
おお!なんて頼もしい言葉だ!
なんか書いてるらしい所が個人サイトっぽかったんだが、スタッフとかいるらしいし違うのかな。問題ないか。
問題は推敲がまだ終わってないって事だー
文才の無さは根性でカバーした(つもり)だぜ!
と自分を追い込んでみる。
卓上ってことはオセロの白石が黒石×2に輪姦されるとかもアリですか?
汝の為したい様に成すがよい
>>306 卓上ゲーとオセロは板が違うからなあとマジレス
【分類特殊杉】
ま、でも
>>307でいいんじゃね?
>306
書けよ。
>>309 分類違うんなら書けそうにないです、ごめんなさい
分類が同じなら書けたのか…
地下スレ住人、恐るべし。
312 :
131:2005/07/15(金) 17:31:54 ID:jPGaOkto
無限のファンタジア公式サイトで連載されているWebリプレイ『悠久のパストラル』のエロパロ投下するぜっ
果たして需要があるのか激しく疑問だが勢いで書いた。反省はしていない。
町の裏路地。小柄な医術師の少女が地に伏せる男達にびしっと指を突きつけ声を張り上げた。
「私たちエンドレスピース旅団は無益な殺生はしません。改心しなさい!」
今まさに、最強を目指す5人組の冒険者集団、エンドレスピース旅団が弱者を苦しめる悪党をぶちのめした所であった。
「さーすがエッちゃん、良いこと言うです〜♪」
ドリアッドの翔剣士ナーシサスが団長・エレナを賞賛しながら笑顔を振りまく。死人が出なかったことが嬉しいらしい。
「姫の慈悲に感謝するのだな」
冷たい目で見下ろしながら言うのはエルフの忍び・サクヤ。どちらかといえば始末してしまいたいらしい。なぜか王族でもないのに姫と呼び、主君と仰ぐ団長に忠誠を誓っているがエレナの言葉に従ってダガーを鞘にしまう様は不承不承といった風だ。
「ま、団長は世界を平和にするために最強を目指してるんだ。お前らみたいなのは道の小石みたいなもんだ!これに懲りたら団長の言うとおり改心するんだな!」
重騎士のペンタゴンが鼻高々で倒れた悪党達を縛り上げている。
「なぜお前が偉そうに言う」
「団長を自慢したいからだ!」
サクヤの冷静なツッコミを受け流してさらに鼻高々になるペンタゴン。片思い中のエレナに送る視線はラブビームだが、当の団長本人には伝わっているんだか伝わっていないんだか。哀れだ。
そんな様子をぼーっと眺める青年。狐のしっぽのストライダーの紋章使い、ギンジロウが刀のように腰に差した杖をいじりつつ腹をさすった。
「弱い奴らと戦っても気分良くないだよ。それよりオラ腹減ったぞ」
「そうね、事件は一段落したし、いったん宿屋に戻ろっか」
ギンに応えてエレナが全員の顔を見回した。全員異存はないようで、ナーシサスが諸手を挙げて喜んでいる。
そんな一同の元に届く倒れた男の悔しそうな呟き。
「く…あんな、胸も無いような小娘に…」
全員の動きが、一瞬止まった。
313 :
131:2005/07/15(金) 17:35:20 ID:jPGaOkto
「…今、なんて言いました?」
エレナが猛る龍を背負って振り向く。顔は笑顔だが、目は笑っていない。拳に黒い炎がともった。こと己の(小さな)胸のことになると見境が無くなるのが彼女の欠点だった。
「エ、エッちゃん!落ち着いて〜!」
「この野郎!団長の強さと胸が小さい事なんて関係ないじゃないか!」
慌てて止めようとするナーシサスと、悪党に気を吐くペンタゴンだったが…ペンタゴンが言い終わると同時に。
「誰の胸が小さいですかッ!」
「ぐはぁっ!?」
怒号と共にエレナの放った黒炎がペンタゴンを直撃した。吹っ飛んでいくペンタゴンをやり過ごしながら女性2人がため息をつく。
「一言多いんだ、愚か者が…」
「あ〜あ…ペンちゃんってば…」
ぷすぷすと煙を上げているペンタゴンに誰も同情してはくれない。とりあえず、団長に暴言を吐いた悪党はサクヤが蹴り一発で沈ませた。
胸を押さえてエレナは涙をにじませた。
「姫、心配いりません。姫はこれから大きくなるのです」
懸命に慰めるサクヤ。
「でもでもぅ…」
まさしく小さな事を心配しているエレナにギンはからからと笑った。
「そんなに気になるならオラが大きくしてやるだか?」
ギンは場を和ませるつもりで言った冗談だったのだが。
「ギンちゃん!それはセクハラ発言です〜!」
「姫に向かってなんて不埒な!」
「冗談でも許さないぞギン!うらやましすぎるだろうが!!」
「ぎゃー!?」
エレナを除く3人の壮絶なツッコミコンビネーションが決まり、ギンは路地裏に沈んだのだった。
「いたたたた…みんな遠慮ねーだなぁ…」
その日の夜、宿屋に借りた一室で、ギンは腹やら頭やら痛む箇所をさすりながら今日の事件を反芻する。
「まぁ、これもみんなの愛情表現だで。もてる男はツライだなぁ」
そう呟いてへらりと笑う。
ギンジロウには、出会った女性がみんな自分に惚れていると勘違いする困った癖があった。女は二の次と思っているので誰彼構わず手は出すことはないが、例に漏れず旅団の女性陣がみな自分に惚れていると思っている。実際はそんなことは無いのだが。
「ん?」
控えめなノックの音で、ギンジロウの思索は中断された。
「誰だ?」
「あの、エレナです」
「団長?こんな時間に何のようだべか」
扉を開けると、そこには一人で立つ団長の姿が。なにやら決意をにじませた顔で、ギンジロウを見上げている。
「…どうしたんだぁ?」
「あの、実は相談が…」
「そうかぁ、オラで力になれるならガンバルだよ」
椅子を勧めて、自分はベッドに腰掛けた。各々一人部屋を借りているのでここには二人だけだ。
「んで?相談って?」
「えーと、あのですね…」
もぞもぞと所在なげに体を動かして歯切れが悪い。
「誰にも言わねーから安心するだよ」
ほっとしたらしく少し安心したような顔を見せ、エレナはようやく話し始めた。
「今日、言ってたことなんだけど」
「今日?」
「その、気になるならギンが何とかしてくれるって」
「オラが?」
話が見えずに繰り返して…首をひねった。
なんのことだ?オラよくわかんねぇけど」
「だから!胸を大きくする方法ですっ!!」
彼女は顔を真っ赤にして叫び、慌ててクチを押さえる。ギンはようやく合点がいってぽんと手を叩いた。小声になってぽつぽつと話し始めるエレナの言葉に耳を傾ける。
「サクヤに相談したら筋トレの方法を教えてくれたけど、それ以外は、姫は知らなくていいって教えてくれなかったし、ナーはご飯たくさん食べればって言うだけだし…もちろん2人のアドバイスは聞くけど、それ以外にも方法があるなら試したいの」
その目は真面目そのもので、ギンの言ったことが淫らな冗談だとは微塵も思っていないようだ。
ギンはエレナに相談された2人の事を思った。
サクヤもナーシサスも、まさかエレナの性知識が皆無とは思っていなかっただろう。狼狽して誤魔化しただろうことは想像に難くない。まして、男にそれを頼みに来るとは予想もしていなかったのではないだろうか。
だから努めて明るく諭すことにした。まさか本当にエレナに手を出して、エレナに惚れているペンタゴンや自分を好いてくれている(とギンが思いこんでいる)ナーシサスやサクヤを裏切るわけにはいかない。
「別に気にすることはねーだよー?エレナはまだちっちぇんだし」
明るく笑うギンはそこまで言って、エレナの放った衝撃波を食らって吹っ飛ばされた。ベッドの上で吹っ飛ばされたのは不幸中の幸いか。布団が衝撃を和らげてくれた。
「な、なぁにすっだぁ!?」
「恥を忍んで大きくする相談してるのにちっちゃいなんて言うなんてひどいです!」
大きな目に涙をためてエレナがさらに攻撃態勢に入るのを見て、ギンは慌てた。
「な、泣かねぇでくれって。違うだよ。小さいのは背の話だぁ」
「あ、そうだったんですか?」
「そうだぁ。だから気にしないでもそのうち大きくなるでよ」
「でも、私はもう16歳です…もしこのままだったらって不安で…サクヤみたいに大きくなくて良いんです。人並みで」
しゅんとなり、小さな手がぎゅっとスカートを握った。不安げに視線を落とす。華奢な体は確かに成長の保証をしてはいなさそうだった。
「そうだっただか…でもなぁ」
刺激を与えれば胸は大きくなる。女性ホルモンが分泌されれば女性は美しくなる。
ギンの師匠である遊び人のキンさんが、かつてそんなことを言っていたような。
しかしそれをエレナに言っていいものか。この様子では、サクヤやナーシサスも言えなかった事だろうに。
思案しながら、知らず胸を凝視していることに気づき、はたと顔を上げるとエレナと目があった。エレナは顔を赤らめ、困ったような不安そうな表情のままギンをみつめる。
「お願い、ギン。私、何でもするから…」
か細い声。いつもとは違う弱々しげな潤んだ瞳。そんな彼女を見てギンは愕然とした。
(オラとしたことが!オラは今、女性に恥をかかせてしまっているだ!こうしちゃいられねぇ)
がっしとエレナの肩をつかみ、驚いて顔を上げるエレナをまっすぐ見つめる。
「団長の気持ちはよぉくわかっただ。オラに全部任せるだよ」
エレナがコーチ!とでも言いそうな様子でぱぁっと顔を輝かせた。
そんなエレナが目に入っているのかいないのか。惚れてくれてる女の子に恥をかかせちゃ男が廃る、と思考があさってに飛んでいってしまっているギンは心中で決意をしていた。
(忍んでオラに助けを求めてきたのに答えないわけにはいかねーだ!モテる男はツライだぁ)
とはいえ、一応付け加える。
「団長、今日だけだで?」
「えぇ。あまりギンに迷惑を掛けるわけにもいかないものね。覚えて自分で出来れば良いんだけど」
(オラのことを考えて身を引いてくれるだか…団長、いじらしいだぁ。オラにゃあ思い出を上げるしかできねぇけどよ、勘弁してくれな、団長)
ギンはベッドに深く腰掛け、手招きをした。
自分の足の間にエレナを座らせ、後ろから抱きしめるような格好で腕を回した。
彼女がびくりと震えたのを感じて、耳元で言い聞かせる。
「心配いらねぇだ。オラの事信じて任せるだよ」
こくんとうなずいたのを確認し、服の上から胸に手を寄せた。こういう行為に不慣れなエレナを驚かさないように柔らかに触れる。
「な、何?」
「胸のマッサージだぁ。ほらほら、リラックスして」
手のひらで包んで少しずつほぐすように動かしていく。
(確かに、コンプレックスを抱いても仕方なさそうだぁなぁ。ま、オラは気にしねぇけどな)
控えめだからこそ、胸の柔らかさを手のひらが敏感に感じる。
「や、ギン…くすぐったい」
「我慢するだよ」
体をひねって逃げようとするエレナを押さえて、シャツの合わせ目に手を入れる。
「え!?」
「布に遮られてると効果は薄いだよ?刺激は強いほうがいいだ」
「じゃ、じゃあ我慢する…」
きゅっと口を引き結んで、手はギンの袖口を握りしめる。その様子を後ろから見下ろしてギンは微笑んだ。
一つずつボタンをはずし、胸を露わにしていく。白い肌が空気にさらされていくと、エレナは恥ずかしそうに身じろぎした。
「大丈夫、オラからは見えねぇから」
そのかわり、滑らかな瑞々しい肌に手をはわせる。下着の紐を解き、肩から落として、胸に直に触れた。
頂の小さなつぼみには触れないようにして手のひらで包む。全体を包んでから、ゆっくりと波を思わせるような動きで刺激していった。大きく、小さく。奥底まで刺激するようにゆっくりと。しばし繰り返していると。
「ギン、これって本当に効くの?」
「あぁ。効果覿面ってやつだぁよ。他にも綺麗になる方法はいくらでもあるだぁ」
大風呂敷を広げてしまうギン。
「…そう、なんだ」
エレナの声が、微かにうわずった。変化をギンは見逃さない。やわやわと胸を揉みながら、自己主張し始めた胸のつぼみに触れる。
「…あっ!?」
びくりと大きく震え、同時に声が漏れた。戸惑ったような声ではあったが、今までにない響きの声。
「い、今の…なに?」
「今のってこれの事だか?」
指先でつまんで乳首を転がす。
「や、やぁっ!?ギン、やめて…っ」
背中をのけぞらせて訴えるがギンは動きを止めない。耳元でささやく。
「こういう刺激が、女らしい体を作っていくだ。団長も経験しておいて損はないだよ」
「そう、なの?…っ、でも…っ」
指先でこねられ、柔らかく揉まれ。初めての感覚は強すぎて訳が分からなくなってしまう。イヤイヤをするように首を振って、繋ぎ止めるようにギンの服の袖をつかんで、この感覚が通り過ぎるまでの我慢だと思って耐えた。
だが、感覚は弱まる事はなく。ギンが指を動かすたび、びくんと体が勝手に動き、今まで出したことのない声が勝手に飛び出してくる。
「あっ、ヤダ…っギン、聞かないで、私の声、聞かないで…」
知識は無くても、いつもの自分でないことはよく分かる。そんな自分を見られるのはとても恥ずかしいことだった。
「大丈夫だぁ。声が出るのは普通の事だでよ。それに、団長の声は可愛いだよ」
「あぁっ」
強く触れられ、一際高い声が漏れた。
固い印象だった胸が、触れる毎にその存在を柔らかに伝えてくる。触れることで女性らしい胸に成長しているのか、それともギンの指先が微細な感覚を伝えてくるほどに集中しているのか分からない。
だが、ギンはいつしか没頭していた。未熟なエレナの体に女性らしい部分を見つけることに悦びを感じているのは間違いない。
「ん…ギンっ…あっ」
全体を両手で揉まれて手のひらで乳首を転がされるだけで漏れる声。最初とは全く違う声。
荒い吐息と染まった頬。だが、まだ。もっと。
突然刺激がやんでエレナは荒い息をつきながら、ぼうっとギンを振り返った。
「ギン…?」
「団長。団長がもっと大人の女性になれるように、オラ協力するだ」
大まじめな顔で言うギンに、エレナは微笑んで答えた。
「ギン…ありがとう」
「礼はいらねぇ。これからすることは、大人になるためのステップアップってやつだぁ。だから団長、オラに身を委ねるだよ」
エレナは答える変わりに体重を預けてきた。ギンは後ろからエレナのスカートをたくし上げた。白い太ももが露わになる。
エレナも麻痺してしまっているのか、ギンのされるがまま。太ももに手を這わせ上半身へと近づけていく。スカートを完全にたくし上げ、下着が露わになった。
「ふぁ…あっ!やだ、そこはぁっ」
下着に触れられてさすがにエレナは声を上げた。
「大丈夫」
安心させるように耳元で優しくささやく。耳に息が吹き掛かるだけでエレナは高い声をだしてしまう。その隙に、ギンの指がそこに触れた。
くちゅ…
淫らな感覚が下着越しに伝わってくる。
「あぁ…ん…」
すすり泣くような切ない声で鳴きながらエレナはギンの腕に頭を押しつけた。
そこは男を受け入れられそうなほどに濡れていた。ギンが指を動かす度に、ぐちゅぐちゅと卑猥な音を立てる。
「団長…気持ちよかっただか?…もっと気持ちよくしてやるだよ」
「あ、…き、もち…?」
ギンが下着に手を滑り込ませ、ぬかるんだそこまで指を進めた。
「あっ、ギン…っ!?」
指で蜜をすくい上げて一番敏感な芽に、触れた。
「あああぁっ!?」
エレナが仰け反って声を上げた。
「や、やぁ…んんんっ」
声を抑えようとするがギンの指が前後に動き出すとそれも効かなくなってくる。
「あっ、あぁっ…あぁん…んっ、はぁ…っっ」
動きに合わせてびくびくと体を震わせ、快感に喘ぐ。そこに触れているギンには、奥からさらに熱い蜜が出てきていることが分かる。それをさらにすくい上げて…
「あ、あぁっ、ギン、私…わたし…っ」
ギンの指がエレナを高みに導いていた。エレナの限界が近いことを感じて、指の動きが激しくなる。逃がすまいとするように、執拗に。
「や、いやぁっ、あ、ああんっ…あっ、ああああぁあっっ」
顎が上向く。ギンの目に映る朱に染まり汗ばんだ頬。眉が瞳は固く閉じて、口は快感を伝えて声にならない声を上げている。ギンの腕を強く掴んで体を張りつめさせ――
「おっと」
糸が切れるように脱力して倒れ込むエレナの体をギンの腕が支えた。
「あうぅ…」
快感の余韻さめやらないようで、肩で呼吸をするエレナが微かに喘ぎ声を上げた。
絶頂に上り詰め、そして快感が去るまで。ギンはその一部始終を見てしまった。
(団長…色っぽいだぁ…。子供だなんて嘘だぁ)
心臓の動悸が止まらない。見たい。彼女の、もっと淫らな様を。
321 :
131:2005/07/15(金) 17:59:24 ID:jPGaOkto
ごめんこの後のテキスト消しちったorz
あともう少しなんだけど…書いたら投下するが来週になるかも。
あー俺のバカバカバカ
Undoだ! Undoをかけるんだ!!!(゚ロ゚ロ゚ロ゚
いいとこでなにするだ!
元に戻すボタンは無いのか!
ファイル消したんなら「復元」かなんかで復元汁!
GJだから早く!
【馬鹿は興奮して見境がつかない】
パソ故障から2週間、やっと復帰……
おおおう、色々話がすすんでるなぁ!
とりあえず大雑把に見て……
おおおおおう! 無×2のダブクロのクロスオーバーが進んでるっ!
ぐっじょぶです、グっじょブでございます(T^T)
欲を言えば、ハッピーエンドバージョンで絡んで欲しかった気もしますが、
こっちの方が話に深みあるなぁ。
しかしこの場合、両方に存在してるっぽい切り札君はどーなるんですかね?
性格は違うっぽいから、同じコードネームの別人?
それとも、どっちかの切り札君が成長して不確定じゃなくなったからその
コードネーム卒業してもう一方が受け継いだ形になったとか?!
膨らむ膨らむ、妄想がエグザイルシンドロームのように!
パルヴィーン「《枕事》で攻撃します。」
ターリア「……カウンター。」
サフィーア「アルカナ!補助!」
そんなフレーズが浮かんだ眠れぬ夏の夜。
>>326 つまりあれか?
ターリヤ+アルカノル×パルヴィーン?
逃げてパルヴィーン
パルヴィーン逃げて
サフィーアは外から見てる方がしっくりくるんだよな
パルヴィーンが一瞬パルパティーンに見えた……_| ̄|○
無限のパゥワアァァァァァァ!!
331 :
131:2005/07/17(日) 00:43:43 ID:zDYtSAjc
泊まりでセッション&飲み会から帰宅。
…完成テキストのファイル発見!!!他のフォルダに保存してたー!
投下の合間にファイル整理してたときに誤って消してしまったのかと思ったんだが…
というわけで続きを投下。
>>322=323、待たせたな!【歯を光らせてごまかす】
>>324 わざとじゃないよう
「団長…大丈夫か?」
「う、うん…」
返事をして体を起こすが大丈夫そうではない。
潤んだ瞳。熱い吐息。うっすらと汗ばみ上気した肌。体にまとわりつく服が淫靡な雰囲気を醸し出している。
「…団長」
エレナが顔を上げ、自分を呼ぶギンを見た。
「もう少し頑張れるだか?」
その意味を悟ってエレナは頬を赤らめた。
「また、するの?さっきの…」
戸惑いと期待がない交ぜになったような表情。
(まいっちまうだ。そんな顔されたらオラ困るでよ。すまねぇなぁ、ペンタゴン)
内心で謝りながら手を差し出す。
「んだよ。やればやるほど効果があるだ」
この行為を望んでいるのか、それともそれほどまでに胸にコンプレックスがあるのか。エレナはギンの手を取った。
ギンがその手を引いてエレナをベッドの上に上がらせ、自分の前に膝立ちにさせた。ちょうどギンの頭がエレナの胸
の辺り。エレナを見上げるような恰好だ。
「…どうするの?」
「こうするだよ」
スカートの中に手を入れ手探りで下着を引き下ろす。これにはエレナは狼狽して抵抗した。
「ギン!?や、やめ…っ」
「大丈夫。オラからは見えねぇから」
「そんなこと言ったってぇ…」
先程まであられもない姿を見せていながら、羞恥に身を染めて泣きそうな顔になっている。
ギンは優しく微笑んで。首筋に手を伸ばした。
「心配いらねぇだよ。何も考えねぇでいいから。オラに全部任せりゃいいだ」
肩へと手を滑らせ、辛うじて体を隠しているシャツを肩からするりと落とした。そして体のラインを確かめるように
、肩から腕、腰へと手を滑らせていく。
エレナが甘く喘いで、目を閉じてその感覚に身をゆだねている様を見ながら胸へと手を動かす。豊かとは言えない未
発達な乳房が、早鐘のような鼓動を掌に伝えてきた。
ささやかな乳房の先端にある蕾。それを口に含んで舌で転がすと、エレナの華奢な肩が震えた。
「はぅっ…やぁ…」
「団長は感じやすいだな」
「あっ…んう…な、何…?」
「んにゃ、こっちの話だで…」
言葉を聞き取ることも出来なくなっているらしいエレナに適当に言って、離した唇を再び胸に寄せる。
「あぁあっ」
不審に思う余裕も暇も無く、ギンの愛撫に高い声を上げてしまうエレナ。
「ちょっと失礼するだよ」
ギンが再びスカートに手を入れた。股間の芽のさらに奥。触れるだけで淫靡な水音がするほど熱く濡れたそこに指を
進めた。エレナの奥へと向かってゆっくりと。
「―っ」
声もなくエレナの体がビクっと大きく震えた。ギンの肩を掴む手に力がこもり、ぎゅっと堅く目をつぶる。
体は反射的に誰も触れたことがない場所に初めて入ってくる侵入者を拒んでいた。何をされるか分かっていないよう
だからそれも当然だろう。
(初めてってのは痛いらしいからなぁ。無理ねぇだ)
「力を抜いて、リラックスするだ。あんまり力んじゃ駄目だぁ」
空いている左手で腰を優しく撫でながらアドバイスすると、エレナはうっすらと目を開け、こくんと頷いた。
長く息を吐いて肩の力を抜く。それを確認してから指を推し進めていく。もともと太股を濡らすほどだったから抵抗
は全くない。
「んん…ぅ」
ギンの指をギュッと包む柔らかいエレナの内壁。指がとろけそうなほどに、熱い。
頭までとろけそうで、このまま蹂躙したくなってしまう。
「…痛っ」
エレナの声でギンは我に返った。指を、随分と奥まで進めてしまったらしい。おそらくは彼女の処女の証まで。慌て
て引き抜いて、苦しげに眉根を寄せたエレナを見上げた。
「大丈夫だか?団長」
「ん…平気…」
指を抜いたからもう痛みは引いたようで、大きく息をつきながら返事をした。
(でも、これ以上は無理だか…団長、ちっちぇもんなぁ…胸じゃなくて体がだけどな)
心の中でも言い訳をして。
(ここでやめるだか?んでもなぁ…)
くちゅ。
指先についた彼女の密を感じて、先程の感覚が鮮明に思い出されてまた鼓動が早くなる。
「ギン…?」
黙り込んだギンを、エレナがのぞきこんでくる。匂い立つような彼女の全てが官能的に見えて。考えるより先に、言
葉が口をついて出た。
「団長…ちょっと痛いかもしれねぇけど、我慢してくれるだか?」
「…」
先程の痛みの事だと分かったのだろう。エレナの目にほんの少しの怯えが写り、彼女は沈黙した。
だが、逡巡はしばしの事だった。
「…うん…がんばる…」
頷いた彼女の目に映っているのは情欲だと、ギンは思った。
まずは慣らすことが先決。指先を再び濡れたそこに進入させていく。まず、いけるところまで。
「あうぅ…」
とりあえず、指一本をゆっくりと根本近くまで…
(ん?)
気付いてエレナを見上げる。苦しげに眉を寄せ、呼吸が細く早くなっている。
本当に痛みに耐えてくれていることに気付いて第二関節辺りまで指を後退させた。
「悪かっただ、団長。無理しないでいいだよ」
「…ううん、平気よ、ギン」
エレナはそう応えて微笑む。
(団長…なんていじらしいだ…)
愛しさがこみ上げてくるギンだった。
(気持ちよくしてやらねぇと)
使命感に駆られて中に入れた指で肉壁を撫でる。
「はぅ…っ」
エレナが体勢を維持できなくなって、ギンの首にすがりついた。ギンの耳にエレナが熱い息と甘い喘ぎ声がダイレク
トに届く体勢。
即座に入れる指が二本に増えた。締め付けてくるそこに二本の指は窮屈だったが、その分エレナの中を感じることが
出来る。
「あっ…ギンっ、や、ああぁっ」
じゅぷ、と音を立てて二本の指が奥へと進む。狭い穴を押し広げていく。
「ん、あぅっ…あぁっあっ」
動くごとに苦しげに喘ぐエレナ。指が半ばほどまで進入したところでギンは動きを止めた。
「慣れるまで、少しだけこうしてるだ」
「あぅ…」
返事なのか喘ぎ声なのかギンには判別がつかなかったが、慣らすのは必要だ。動かないようにして静かに待った。
お互いの耳に届くのは吐息。体はお互いの鼓動と熱を。言葉が無くてもそれらは雄弁にお互いの様子を伝えた。
エレナの呼吸が整ってきた頃。ギンは指先に肉がうねるような感覚を覚えてエレナを見た。
するとぼぅっとギンを見つめるエレナと目が合った。
「団長?」
「な、なんでもない」
耳まで真っ赤にして顔を逸らす。
「?」
指を包む肉が、また動いた。合点がいって、ギンがエレナの耳元でささやいた。
「もう、大丈夫だか?」
こくこくと頷くエレナ。
「じゃあ…」
「はあぅっ」
ぐちゅり、という音と同時にエレナが高い声を上げた。エレナの中をゆっくりと撫でていく。
「う、あぁ、あっ」
指を動かすたびにくちゅくちゅと音が響く。
エレナの声には大分慣れたのか苦痛の響きはない。そのかわり、熱を帯びたような吐息。
動かすたびにビクビクと体が震え、ギンの首に回した腕に力がこもった。
「あ、ふあぁ…あっ」
ゆっくりと、傷つけないように。音をさせながら抜き差ししていく。内側を優しく撫で、入り口を刺激し、抉られる刺激に慣れさせていく。
「んぅ…あ、ギンッ」
「…ん?なんだ?」
呼吸が荒くなっているのを自覚しながらも、自分を律して聞き返す。
「や…私、なんか変…っ、もっと…」
切なそうな、上擦った声。
「え?」
「もっと、してぇ…」
理性の糸が切れた気がした。
「んっ、ふあぁっ、あああぁ」
ぐちゅぐちゅと乱暴とすら思えるほどにかき回すとエレナは仰け反って喘いだ。
その様はまるで待っていたかのようで。指先にからみつく内壁と溢れる蜜が熱くて。止められそうになかった。
「ああぁっ、あぁん、ギン、ギン…っ」
狂おしく名を呼ぶエレナを片手で抱きしめ、ギンは思うさま蹂躙した。手のひらが蜜で濡れ、泡だっても、まだ足りないというように。
エレナが自分の名を呼ぶから。
濡れた親指で一番敏感な芽をこねる。
エレナは声も出ず、ただ息を詰めて、空気を求めて喘ぐ。
快感だと認識しているのかは分からない。それでも、ギンと同じように体が動くのを止められない。
「や、ギンっ、わたし、また…なんか変なのがまた…っ」
がくがくと震えながら泣きそうな声で訴えた。
「団長、それはイクってやつだぁ」
「んあ、はぁ、ああぁっ…ガマン、でき、ないっ」
「ガマンしなくていいだ…イっちゃっていいだよ、団長…」
ギンの指の動きが激しさを増した。腰の辺りがガクガクと震え、鳴いてるかのような高い喘ぎ声を小刻みにあげる。
「ああああぁぁっ、私、イっ、…ギン、ギン―――ッ」
首にすがりついた腕に力がこもって、エレナの体が張りつめる。
「―――――っっ」
声もなく、止まない刺激を受けて先程よりもずっと高いところへ昇り詰めていった。
「団長!?」
エレナがくたり、とギンの腕の中で崩れた。
「だ、大丈夫だか!?……って…気ぃ失ってる…」
(やっぱ団長には早かっただか!?オラがやりすぎただか!?いや、でもしかし…)
ひとしきりおろおろしてから、ため息をついて腕の中のエレナをベッドに寝かせた。
「…しょーがねぇだな。寝てるコを抱くわけにいかねぇしな」
苦笑して、エレナを見下ろす。さっきまであんなに乱れていたとは思えないあどけない顔。
「ペンタゴンのこともあるし、オラにはナッちゃんもいるし」
そして最後に付け加える。
「今日だけの約束だったしな」
下半身の熱い猛りを自分で静めなければならない事を思うと空しいが。
「…おやすみだぁ、団長」
額に口づけをして。
盛大にため息を吐いたのだった。
次の日の朝。朝食のために旅団の仲間達が食堂に集合した時のこと。
ギンはペンタゴンとたわいない話をしながら、昨日は勢いに任せなくて良かったと心底思っていた。
そこへ昨晩の様子は微塵もなく身支度したエレナが降りてきた。
あいさつもそこそこに笑顔のエレナがみんなを見回して言った。
「ねぇみんな!今日の私、どっか違うと思わない??」
ギンはあの後、目を覚まさないエレナをおかずにしてとりあえず抜いて、サクヤに見つからないようにビクビクしながらエレナを部屋に送り届けていた。
(まさか昨日のことじゃねぇべか)
冷や汗を垂らしながら、とりあえず静観していると。
「どっか変わったか?」
「もーペンちゃんってば駄目ですよ〜?女の子の変化はめざとく見つけないと。髪型変えたんですよね〜?」
その直後、二人はエレナの衝撃波で吹っ飛ばされた。
「なーぜー!?」
「エッちゃんひどいです〜」
その様子でピンと来たのか、サクヤが応える。
「姫、もしかして、昨日お教えしたエクササイズを試されたんですか?」
「え?」
まさか言うんじゃないだろうか。口止めしてないし、普通のことだとか言ってしまったし。
内心青くなっているギンを尻目にサクヤが続けた。
「あれは毎日続けることによって効果が出るものです。一日ではあまり変化は出ません」
「毎日?」
小首をかしげるエレナ。
「えぇ。ですからがんばりましょう、姫」
「…うん」
詳しく語ることはなかったが、サクヤに返事をした後、エレナはギンに視線を投げかけた。それはただの微笑みのようにも見えたが。
ギンは椅子の背もたれに体重をかけて天井を仰いだ。
もし今晩来られたら、耐えられるのだろうか、と思いながら。
340 :
131:2005/07/17(日) 02:04:42 ID:zDYtSAjc
とりあえず終了。待たせてゴメンorz
公式リプレイの(多分)推奨カップリングを完全にハズしているところがなんか俺って感じだ。
あとちょっととか言って結構長かったな。
最後がなんか短いのも挿入まで行かなかったのも、ひとえに俺の勇気の無さ…
エネルギーいるなぁ、エロって…
もっといいのを書けるようにがんばってみよう
>>131 立ち上がれなくなったじゃないか、ガッコの端末だというのにどうしてくれる。
GJ!!
342 :
131:2005/07/17(日) 23:15:08 ID:zDYtSAjc
あー、今になって色々誤字&挿入し損ねた文章を発見…まぁ致し方なし。
礼を言うのを忘れてたなーと思って再度書き込み。
背中押してくれた
>>284、萌だけじゃなくて勇気をくれてありがとう
>>322,323,324
実はレス見たの帰宅してからだったからあれなんだが、意気消沈してた俺はすごく励まされたよ…
結果的に見つかったのはお前らのおかげだー!絶対見ないフォルダに保存しちゃってたから。
後半、期待に添えてたらいいんだが。
あと
>>257もありがとうなw
GJしてくれた>341、初めてのエロパロでそう言ってもらえるなんてすげぇ嬉しいよ。
でも学校でここ見るのはどーなんだw
じゃ、今度こそ名無しに戻るよ。またなんか投下するかもだけど。
GJだ。
ところで挿入し損ねるってエロいな。
(前に)挿入し損ねて(後ろに)
ハァハァ
>あー、今になって色々誤字&(前に)挿入し損ねた(ので後ろに挿入した)文章を発見…まぁ致し方なし。
こうですか!? わかりません!?
別冊の不幸のありか読んだ……
ネタは浮かんだけど、ほとんど純愛ネタ……
陵辱ネタを書いても柊×くれはである以上、最後はハッピー(あるいは柊不幸)のエンドになってしまう。
完全鬼畜ならくれはを完全にほったらかしにして目の前でズッコンバッコンやることなんだろうが、
それは柊のイメージと会わない気がする。
まあ完全に固まったら純愛ネタで書いてみるか。
>別冊の不幸のありか
もう少し詳しく
>>347 きくたけまた参りに掲載された、みかき作柊の不幸漫画。
ヒロイン勢はくれは、ベル、アンゼロットと、正体が明らかになったロンギヌスのフード娘。
>347
一言で言うと、女子中学生×柊?
>不幸のありか
ベルが、自分で創造したエミュレイターに反逆される場面があったから、
そこらへんで一本とか。
>不幸のありか
女子中学生が助けられた礼&迷惑かけた詫に柊の家に押しかけて裸エプロンというネタは思いついた。
問題はこれを巧く文章化できるかだ
352 :
いつも中の人:2005/07/21(木) 22:16:03 ID:9BMvuXYj
>283
>それはいびつで不器用で、けれど確かな恋のうた。
ここがいっとー好き。リズムが好き。
でもって「歌」でも「詩」でもなく「うた」ってところがめっさ好き。
>312
可愛くてえっちなお話GJです。
予備知識なしで一読し、その後、元ネタを見てから再読したもので、違った
キャラクターイメージで2度楽しめました。
次回作も期待しております。
◇ウェディング・ベル
「ウィザードのねーちゃん、結婚式、行かないのかい?」
「行かねーよ」
ふーっと煙を吐いて、あたし。指の先、灰が落ちる。風に吹き千切られる紫
煙。無いよりマシの不味い紙巻き。吸い飽きて、その辺で揉み消す。
「化けの皮ハガレたなぁ」
「今更ネコ被ったってしょーがねーだろ」
「まあそうだね」
クックと喉で笑いつつ、ヴァグランツのガキがあたしの隣に座る。宿屋の屋
根の上。遠くから流れてくる祝福の鐘の音。お日様もにこにこ。ああ。腹立た
しい。
「最初っからそーやって化けの皮はがしてりゃ、サムライのおっちゃんだって
もうちょっとねーちゃんのこと見てくれたんじゃないかい?」
「あのジャーヘッドのババアの方がよっぽど『被ってる』じゃねーか。あたし
はアカデミーの人間として普通の言葉遣いと態度とをとってただけだ。文句を
言われる筋合いはねぇ」
「でもサムライのおっちゃんはジャーヘッドのおばちゃんを選んだ。そりゃあ
ジャーヘッドのおばちゃんは、姿形は隠してたけど。心までは隠してなかった
もんな。ウィザードのねーちゃんとは正反対だ」
ああ。そうだな。あんたの言う通り。
あの人は、今でもあたしのことを『アカデミー出身の秀才ウィザード』とし
てしか見ていない。金髪碧眼、このムカつくほどお麗しい見た目の印象通り、
どこかのお嬢様だと信じ込んでいる。本当は、あのクソくだらねー親から生ま
れた馬の骨にも劣るアバズレだ、なんて、夢にも思っちゃいないのだ。
あたしが、細心の注意を払って、そのことに気付かせなかったから。
もしもあたしがあの人に。あたしは、スラムの夜鷹とそのヒモ(ぶっちゃけ
実の両親)に銀貨3枚で売られた元・娼婦だと言ったら。10歳で客を取らさ
れて、2人目の客が師匠だったと打ち明けたら。アカデミーに連れて行かれ、
カラダを授業料に魔法を習ったのだと話したら。
ヴァグランツのガキの言うとおり、あの人は、もう少しあたしの方を見てく
れただろうか。・・・・・フッ。まさか。
「あんたこそ、式に出ないのかい?」
ヴァグランツのガキは肩をすくめてみせ、
「おいら、ああいう幸せ絶頂ムードって苦手なんだ。なんか素直に喜べないっ
ていうか、ホントはああなんだぜ後でこうなんだぜとかって、不幸探しに重箱
の隅つつきしちゃってさ」
「あー。わかるよーな気がする」
「でもおいらは式が始まる前にちゃーんと『おめでとう』って言ってきたもん
ね、礼は失してないよ。なーんにも言わずに逃げてきたウィザードのねーちゃ
んと違ってさ」
「あたしなんかが言わなくたって、どーせ聞き飽きるほど聞かされてるって」
「そうじゃないだろ? ねーちゃんが言いたいのは『おめでとう』だけじゃな
いからだろ?」
そういえば、このヴァグランツのガキ。あたしのネコかぶりをあっと言う間
に見抜いたっけ。あのときはギョッとしたけど、別にそれをバラされることも
なかったし。逆に、あたしの本性を知ってる奴が身近にいてくれるっていうの
は、それなりに気が楽だ。特に、今日みたいな日は。
「あのジャーヘッド、結婚式にもアレ着てんのかねぇ?」
「気になるなら見にいけばー?」
「別に。どーだっていい」
町を奈落の魔物から救った英雄4人、そのうちの2人が夫婦になると聞いて、
町の人々がご親切にもささやかな結婚式を挙げてくれることになった。それが
今日。この鐘の音の流れてくる先で、あの人とジャーヘッドの女が永遠の愛の
誓いを立てる。ヤシマの民と砂漠の民。上手くやっていけんのか?
それこそ、どーだっていいことだ。
ニヤニヤ笑いながらヴァグランツのガキが言う、
「おいらでよければ慰めてやるぜねーちゃん? これでもナントカ公爵夫人の
愛人やってたことがあるんだ。大人のオンナをヒーヒー言わせてたんだぜ?
腰が砕けるまでさー」
「あー。あんたみたいなオンナ顔の美少年ならねー。有閑マダムも囲うだろう
さ。ブツがどうでも、テクがどうでも」
「ひっでーなー。何なら試してみるかい? ・・・ここで、さ」
耳元で、低く、囁くように。
あたしの気を紛らわせようと冗談を言っているのだ、とわかった。
だから、わざと本気に受け取って、あたしはヴァグランツのガキを抱き寄せ
た。線の細い頤に指を添えてやり、軽い挨拶のキス。それを繰り返す。
「ね、ねーちゃん、ちょっと、ちょっと待ってっ」
ヴァグランツのガキが、屋根から落ちない程度にバタバタ暴れるが。
「黙ってな」
徐々に深い欲情のキスへ。
「やめよう、よ。人が、人が見てる」
「見せてやれば?」
なんてね。どうせ、みんな結婚式を見に行ってるだろうさ。幸せな町が幸せ
な2人に夢と希望とを描いて。機械神による支配。帝国による蹂躙。奈落の侵
攻。絶望に満ちたミッドガルドで、せめて今日だけは、と誰しもが現実に目を
瞑る刹那のカーニバル。
「ここで試してみるかい、なんて、誘ったのは自分だろ?」
「冗談、だったんだよぅ」
あ・・・は、とヴァグランツのガキが甘い吐息をつく。
この程度で、随分と頬が上気している。ひょっとして、マダムの囲われとい
うのも作り話だったのだろうか。
舌を絡める。ヴァグランツの唾液を吸い上げる。ヴァグランツの口の中に、
あたしの唾液を塗りつけていく。
暫くして唇を離すと、ヴァグランツのガキは、なんだかとろとろの顔をして
いた。潤んだ瞳が、もっともっとと誘っている。年下とするのは、実は初めて
なので、ちょっと新鮮な感じがした。
股間に手を当てて、すっと撫で上げてやる。
「あ・・・ダメ・・・」
反射的に足を閉じて、それが逆にあたしの手を挟む格好になる。体温が熱く
上がって・・・って、あれ? 勃ってない?
「へえ? あたしとじゃ感じないっていうの?」
「そんな・・・違・・・」
ふるふると首を横に振る。
「ねーちゃんにキスしてもらえて・・・・・嬉しい。でも、こんなとこじゃヤ
だぁ・・・・・」
うむ、前半はいい台詞だ。が、後半は却下する。
耳たぶを甘噛み。耳殻に舌を這わせて。耳の穴にそっと挿し入れて。
びくん、と反応。もうイヤぁ、と呟く。その割にはほとんど抵抗しない。む
しろ喜んでいる。・・・でも、勃ってない、よな?
ズボンのベルトを外そうとすると、ギュッと身体を縮めて、させまいとする
態度。
「あんた、ひょっとして」
笑い事になるように、可能性の低い方を言葉にした。
「女の子?」
・・・・・小さく、頷かれてしまった。がちょーん。
年下で、しかも女の子か。弱ったな、女の子って、どうやってすればいいん
だ? いや、するのはいいけど終わらせるのは・・・。
待てあたし。なんか主旨がズレてる。
「知らなかった。あんたも化けの皮を被ったたんだ」
「ごめん、ねーちゃん。おいら、ずっと男のカッコで旅してたから、どうして
も、言い出せなくて」
心底申し訳なさそうに。
「別に責めちゃいないよ。よくある話さ」
「おいらが女の子じゃ・・・ねーちゃんは、嫌?」
嫌かと訊かれてもなぁ。
「おいら、おいらね、本当は、ねーちゃんのことが」
最後までは言わせなかった。口封じ、文字通りに唇で唇を塞いで。
立ち上がる。
「ねーちゃん!?」
追いすがるような悲痛な声。違うって。
「ちょいと結婚式に行って来る」
「え?」
「終わらしてくるわ。ちゃんと。自分の気持ちにケジメをつけてくる。あんた
のことは、まあ、それから追々考える」
ヴァグランツの女の子は、じっとあたしのことを見上げて。
「うん。おいら、ここで待ってる」
ケインに填め込まれたシャードが静かに光っている。しつこいほど繰り返さ
れた導きの言葉、アスガルドへ至れ。うるさいんだよ、お前は。そんなとこ、
そう簡単に辿り着けるか。今はとりあえず、明日のあたしに辿り着くんだ。い
つまでも、今日のあたしじゃいられないんだから。
梯子を降りて、地面に着く。ふ、と屋根の上を見上げると、ヴァグランツが
あたしを見下ろして。可愛らしく笑って、小さく手を振った。
あたしは手を上げてそれに応え、それから、鐘の音の流れてくる方へと走り
出した。
教会の前で。あの人はあたしを見つけて無邪気に微笑んでみせるだろう。そ
したらこんなふうに言うんだ。
「おめでとう。・・・くたばっちまえ」
・・・・・おしまい。
以上、アルシャードで思いついたから書いたお話でした。2本分思いついた
のに、書いたら1本になっちゃったよぅ。
ffが発売されないうちに、というわけで今回の投下。これで手持ちのAL
Sは全部ハケた。
若い子は元ネタ知らんかも。
>353
GodJob!!
…イカした話だぜ!
……ちなみにジャーヘッドの中身が女性だと聞いた瞬間、ホリ・マスヨなんて単語が頭をよぎったのは秘密だ!!
…オチはよかったな…続編は百合×百合ですかな?
>>353 うむ、良き作品である。
>「おめでとう。・・・くたばっちまえ」
しかし懐かしいなおい。 一体何十年前だ。 アーメンソーメンヒヤソーメン。
>353
ブラヴォー。色んな意味でイメージがガラガラ崩れたが、萌えた。
しかし、よくこんなに立て続けに良ネタが出るなァ、羨ましい。
酒に酔った勢いで書いてるので、続きを書けるか不明。
「…………」
フェネシアに向かっているティエル一向は山道を強行軍で歩いていた。
「ティエル姫」
そう言ってヒュウガはパセリの上に載っているティエルに声をかける。
「顔色が悪いようですが大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫です」
そう言って、ティエルは微笑を浮かべる。
だが、ティエルの調子は良いとは言えなかった。
(邪を滅ぼせ……それこそが汝の使命)
弓から響いてくる声が確実にティエルを蝕んでいたから。
夕暮れ時、小さな村にたどり着いたティエル達は、そこで休息を取る事にした。
酒場で他愛の無い話をしてると、一組の男女が話しかけてきた。
「美しいお嬢さんがたと会話できて嬉しいです」
そう言ったのは、『四』『影』と書かれた鎧を着た一人の男だった。
「……アイラ、きちんと仕事をする」
黒髪女性がそう言ってアイラといった戦士を引っ張っていった。
「変な人たちですねー、姫様ああいうときはきっぱり断るのが礼儀です……姫様?」
顔が青い、唇が紫に染まっている。
(あの魔法使いの仲間、違う。でも一緒に、見間違いかもしれない……)
混乱、錯綜、威圧……
(あの戦士は沈黙は金だと言ってたと思う……違う……)
「ティエル姫!」
ヒュウガの声を聞きながら、ティエルはさらに混乱してくる。
(あああっ……ヒュウガさん……大丈夫……滅せよ)
弓の思考が流れ込んでくる。背中にかけていたラプンツェルの弓に手をかけようとする。
「姫さん!」「姫様!」
さすがに危険を悟ったのか、ヒュウガがティエルを止めようとする。
ズガキッ!怪音を立てて、もつれあうように倒れこむ。
「……ヒュウガさん……」
「……ティエル姫」
ふらふらと立ちながらティエルがヒュウガを虚ろに近い表情で見た。
「……後で、一人で私の部屋に来ていただけますか?」
そう言ってティエルは寝室へと歩いていった。
ふらふらとティエルはベッドに倒れこむ。
シアとも相談したかったが、どうしても一人で決めたかった。
ファラウスにさらわれて、只泣くしかなくて、みなに迷惑をかけたあの時。
なにもしなくて、何も出来なくて、動けなかった。
ヒュウガが羨ましい。逃げることも戦う事も全て自分の判断でしたヒュウガが。
「ティエル姫、よろしいでしょうか?」
そう言ってドアの外からヒュウガの声が響く。
「どうぞ」
入ってきたヒュウガと向き合いながら、ティエルは自らの衝動を抑えようと必死になる。
「ティエル姫」
そう切り出したのはヒュウガだった。
「あの……二人だけの時はティエルとだけ呼んでいただけないでしょうか」
「あっ、はいティエル」
「…自分が怖いと思ったことはありますか?」
問い詰めると言うよりも意見を聞くような口調でティエルがそう聞く。
ティエルも不安なのだ。自分がどこまで戦えるのか、ヒュウガを殺さねばという衝動をどこまで、押さえられるか。
「あります。でも……逆にわくわくしてる自分がいるのに気がついて……それが少し情けないです」
「……そう、ですか」
気恥ずかしい二人。そっと顔を見つめあう。
「隣、良いですか?」
寄り添うようにヒュウガの隣に座るティエル。
体がとっても温かくて、心臓の音が子守唄(ティエルは聞いた事が無いが)のように気持ちよくて。
泣いた、わけもわからずティエルは泣いた。
あのファラウスにさらわれた後から泣いたことが無い。
でも…ティエルは泣いた。共に戦った一人の少年。その存在にティエルは涙した。
そっと目を覚ました時、ティエルはベッドに寝かされていた。
シアは隣のベッドでぐうぐう寝ている。
机の上に手紙が置いてあって、そこには「ティエルへ おやすみ ヒュウガ」とだけ書いてあった。
「ヒュウガさん……」
そう言って、そっとベッドで眠りにつこうとする。心臓が高鳴って眠れない。
体をすぼめて、じっとする。それだけでは眠れない。
彼の言った言葉の意味を反芻する。
『……僕がね……みんなの敵に回る事があったら……君の弓で僕を射てくれ。迷わなくていいよ』
それはすなわち『自分を殺してくれ』という意味。あの時はすぐに返事をしてしまったが……。
本当にそれは自分の意思だったのか。本当はあの弓の意思なのではないか。ティエルはそう考えていた。
旅を続けていってラグネシアにたどりついた一行、補給と休息をかねて『八つの白き翼亭』で休む事になった。
ティエルは前日の件でヒュウガの顔を見ることが出来なかった。
彼に弓を向けてしまった自分、彼を殺そうとした自分。
「ティエル……」
唐突に後ろから声が聞こえてきた。ヒュウガの声だ。グリューナの姫君とわからないように、姫はつけないようにしている。
「はっ、話しかけないで下さい!」
完全な拒絶。自分のしたことへの罪悪感みよってティエルは声を張り上げた。
「……ごめん」
そう言ってヒュウガが謝罪の声を言った。ティエルが驚愕した。
ヒュウガの謝罪はなおも続く。自分が本当に魔王の魂だという事。
あれをみて、心の奥では歓喜の心が出てきている事。
「……サシャを助けるまでは戻らないって決めたんだ」
ティエルはヒュウガの顔をじっと見た。嘘偽りない瞳。
「ヒュウガさん……私も謝らないといけません」
そう言って、ティエルもヒュウガに語りだした。自分がヒュウガを殺そうとしたこと。
たとえ弓の意思だったとしても、ヒュウガを殺そうとしたのには変わりが無い。
「その程度のこと…どうでもいいよ」
ヒュウガは笑ったが、ティエルは引き下がらなかった。
「どうでも良くありません!もしかしたら……ヒュウガさんを殺してたかもしれないのに……
…私は…どう償いをすれば良いのか……」
そっとヒュウガがティエルの唇を奪う。
「償いは、これだけでいいよ」
そう言って、ヒュウガはティエルの唇を離す。
気を使ってくれたのだ。自分を殺そうとしてティエルに対して。
「……それだけで、十分ですか?」
そう言ってティエルはヒュウガの服の裾を掴んだ。
宿屋の部屋を4つ借りてそのうちの一つで二人は生まれたままの姿になりそっと身を寄せあう。
「ティエル……」
暖かな体をその身で味わいながらヒュウガはそっとティエルの少し大きめの胸をその手におさめる。
「……」
顔を赤らめてティエルはヒュウガに軽い口付けをする。
「良い香りがするよティエルの髪の毛」
そっとヒュウガがティエルの髪の毛を嗅ぐ。
「ヒュウガさん……」
体の線をなぞり、しっかりと筋肉がついたその体を堪能する。
「約束は……守りますから」
生まれた姿のまま、ティエルはそうヒュウガに言った。
ただ、お互いを抱き合い、愛の言葉をかけあうだけの関係……
何時かそれ以上の関係にティエルは思っていた。
朝、起きて朝食をとる。その時ティエルにウェイトレスが話しかけてきた。
「昨日は、おさかんでしたね」
その眼鏡をかけたウェイトレスはそう言って、ティエルが赤くなったのを見て笑った。
「決断というのはですね、最終的には自分でしないといけないんです」
なぜか、その言葉がティエルにはやさしく感じた。
「トリッシュー注文が入ってるよー」
「あっはーい」
そう言ってその天使の羽をつけたウェイトレスは飛ぶように次のテーブルへと向かった。
「決断は……自分で……」
ティエルはその言葉をかみしめて、弓を握った。
END
……きちんとしたプロットって重要ですよね。
>353-359
ミッドガルドin二宮ひかるってカンジでヨイ。リスペクト。
ところで
ニルヴァーナネタが出たことって、ないよな。
リーザがガウェインの筆卸しをする話か?
じゃあ先日ニルヴァーナを二冊手に入れた俺が挑戦してみるわ。
>>369 おお、ガンガレー。
しかし、外見年齢●3歳の筆降ろしか。なんかこう、流石にイケナイ感じがバリバリだ。エロパロ版で何を今更だが。
……実は前のアクシーダーとか相手に経験アリか?
どうも。ぬいぐるみなんだか魔道アイテムなんだかよく判らないあたしッスよー。
名前は無いです。好きなものは御主人。キライなものは本体ッス。
いやもうぶっちゃけ悪魔の蠅なんですがね、あたしは特別製でしてこのよーに自我があるのですよ。
なんでも本体――創造主が弱ってて意識を分割できないんだそーで、代わりに簡単な知性を適当に作ってこの身体に入れたんスね。
それがあたしというわけで。簡易知性なのでちょっとおバカなのですがー。
本体がアクセスしてきたが最後、体の統制権は一瞬の内に掌握されてしまうのッス。
いわば見てない間、この身体の番をしてろってことね。うあ最悪。しゃべれないのでウサも言えないッスわ。
まあそんなことは知らないッス。今日のお仕事はご主人がガッコ言ってる間のお留守番ッスよ。
<<ガチャ>>
「ただいまー……っても誰もいないか。あー、珍しく平和に一日が終わったぜ」
あ。御主人が帰ってきたッスー。
わーいごしゅじーん。ごしゅじーん。
「おう」
ぽふ。
あー、やっぱしここが一番落ち着くッスー。
初めのうちは叩き落されもしたけれど最近は大丈夫ッスよー。
もてもて。
「ほら、あんまし動くな。えーと、晩飯はカレーにでもすっかなー」
御主人が料理を始めたようッス。
指とか切ってはいけないのでリビングに移るです。んー、語尾が安定しないッスー。
まあ安作りのあたしなので仕方が無いッス。
あ、できたみたいですね。あたしは物を食べないので見てるだけッス。
「おお、特売のアサリはこれで正解だな。たまにシーフドってのもいいな、うん」
今日のお料理は自分採点高評価みたいッスねー。
あ、幸せそうな顔してるですねー。うんうん、この瞬間はあたしだけのものッスよー。
ふふふー。
「お、食わず嫌いが始まる」
あんですと?
今日はミルコが戦う日なのでチャンネル変えるッス。ぽちっとな。
「あ、てめこの」
ポチ。ひえ石橋がアップになったッス。この顔キライ。
ぽち。うあ角田がアップ。てことはもう試合が始まるッスね? わくわく。
ポチ。あああ御主人なんてことするですか薬丸なんてハナマルでイヤほど見てるッスー。
ぽち。ポチ。ぽち。ポチ。
ふう。どうやらあたしの勝ちのようッスー。いけー。いけー。
上段回し蹴りッスー。卍ッスー。
……? ……卍ぃッ!?
ええええええええええ……って御主人が不貞寝しはじめたようッスね。
ういうい、あたしも布団に入るッスよー。
こうしてきょうもいちにちが過ぎていくッス。うあーしあわせ。
……あ本体がオナニーはじめやがったッス!?
ひゃうー。ひゃうー。
うあーん。
至福の時間がー。時間がー。こんなことでー。
うあー。うあー。
んー。
ごろごろ。
ではおあとがよろしくないようで
御主人=柊
本体=ベル
ということでひとつ。
覚えてない人のが多いかな。
もっと汁エロを書きたいものじゃのう。
降りて来い妄想の神様。
アルシャffのワールド紹介漫画のヒロインの表情が一々エロい件について
>375
エロパロ的に詳しく
>>376 ・ロリ気味なおにゃのこ
・常に顔を赤らめ、涙目&荒い息遣い
・絵師は佐々木あかね
破壊力抜群。
>>376 こんな感じで。
p144
ハンターの少年と初夜を共にした翌朝。
衣服を身に纏ったものの、これから彼にどういう顔で向き合えば分からずとまどい、
上気する少女の頬。そんな彼女に、少年は背を向け、荒野に両手を広げて言う。
「そういう時は、さ 深呼吸するんだ」
「するとわかるんだ 世界(いま)がここに在って、僕らはいつもその一部なんだって」
p150
積層都市の地下通路。オヤジ系剣士とハンターの少年と共に歩く少女の足取りは
重く、顔は赤く、息遣いは荒い。「大丈夫?」と少女の肩を支える少年。
彼女の胸元に光る『それ』は1個で積層都市を支えるとともに――彼女の官能を
何倍にも鋭敏にして止まない“オモチャ”であることを誰も知らない。
p172
(服は着たままで)いちどイった後、ハンターの少年にお姫様だっこで
抱かれる少女。その胸の丸いシャードが、正八面体へと変化する。
それは、彼女が子供から女になった証であった――。
「この力は新しい世界の力」
「混沌の中に開かれる新たな意思の光!!」
「欠片(シャード)はその契機に過ぎないんですよ」
なお、p174ではすべてを覗き見していたシェルリィと、お赤飯を炊くために
舞台装置を撤収するナガセ・ミナ、パトリック・ウォン及びGM社AV撮影班
の面々が確認できる。
「はいはい。じゃあ後始末のご会計いってみましょーか」
台風一過、やらなそうなアルシャードffを衝動買いしてしまいそうな昨今、皆様如何お過ごしでしょうか。
以下、遅い感想であれですけれども。
>鬼畜柊
お気に入りを手に入れ損ねて頬膨らます魔王が好きです。
相変わらずベルの挙動の方へ目が行く俺は相当に駄目なひとですか。むしろひととして駄目ですか。
ご結婚の予感を漂わせつつ次回明るめって事はベタベタですか。ベタベタですね!?
>DXクロスオーバー
絡んでもらえるならちゃんと書けばよかったー、と悔いてみたり。そしてお詫び等は一切お気になさらずにください。こちらが返
せるのは感想くらいですし、書き手の決断に勝るものはないと考えます。閑話休題。
あのふたりの続きが読めたのは大変に嬉しく。男どもは女性陣に敵いませんな。最大多数の幸福ってのはムツカシイけれども、理
想を投げ捨てたらいかんとも思った。そしてコミカル版。滅法読んでみたかったです。ちくしょう。あ、ご想像通り気高き守護者
は女性ですよ。婦人警官。
そして気に入りと言ってもらえた一文。あれこれ捻ったのを好きと言ってもらえるととても嬉しい。サンクス。
>無限のファンタジア
投下を催促しておきながら、感想遅くなってすまない。俺最低。とまれ文才がないとか謙遜もいいとこだぜブラザー。
ちなみに俺も読んでから本家リプレイを見に行ったクチです。ああ、ギンってこんなキャラなのか。っつーかペンタ立場ねぇっ!?
あれだよな、またの作を楽しみにしてるって言っていいんだよな? 次を心待ちにしてるぜ。
そしてやっぱエロ書くのって力が要るよな。というかそういうシーンを書いているとだんだんこっ恥ずかしくなってきて、キーボ
ードの前から遁走しそうになるのは俺だけですか。
>ウェディング・ベル
一言、言ってもいいかな。くたばっちまえ、ラーメン。
いやただの食い物の愚痴ですよ。俺は若い子なんで、何の事だか解りませんから。解りませんから!
毎度ながらキャラクターの味付けが上手いな、と。蓮っ葉なウィザードの姉さんが素敵。
っつーか中身は女性だったのかジャーヘッド。あれと恋を語らうとはやるなサムライ。
だがしかし、6話の後編はどうなったんだ! と慟哭してみる。
>ヒュウガ×ティエル
ぐ、S=Fだっけか。実は微妙に元が解らなかったり。無念。
だがエロパロなのに肝心が薄いのはどうなんだとか言うと自分の首を絞める事にしかならないのでやめておこうと思いました。
>強化人間劇場外伝
リモートコントロールかと思ったら、自我まであったのかベルぐるみ。
なんかそのうち本体にしばかれそうな同居生活っぷりだ。
色々あって気力と集中力を欠いてしんなりしてました。
滅法遅いながら、6-545のBBNTの続きなぞ投下いたしやす。
物語の終幕になるけれど、ちゃんとエロに繋げる努力はしてますよっ。実を結ぶかどうかは別。
少女には姉がいる。奇禍に行き遭ったのは、その姉とふたり買い物に出た折の事。
空想の、物語の、銀幕の中だけの存在だと思い込んでいた吸血鬼。彼女たちはそれに襲われた。
姉は妹を庇って捕まり、なんとかその場は逃げのびた彼女も眷族に追われ、追い詰められ、そして出会ったのがふたりだった。
即ち、鋼の戦士と混沌の監視者と。人外の存在を圧倒的な力で蹴散らして、彼らは少女を助け出し――時は今に至る。
うらさびれた医院の病室で、襲われるまでの経緯を途切れ途切れに語り終え、少女はひとつ息をついた。歳の頃なら12、3。
ならば身の上に起きた事態、世界の夜の側を覗き込んでしまった衝撃はひとしおだろう。魔法医の手当てだって受け終えたばかり
だ。
だが関係なかった。その縋るような眼差しを見れば判った。世界の真実よりも、彼女が案じているのは姉の安否だったと。
「よし、判った」
だから、鋼の戦士の第一声はそれだった。掌に拳を打ちつけ立ち上がる。悲しい事の真逆。それこそが正義だと彼は決めていた。
「ま、待って下さい!」
少女が慌てて服の裾を掴まなければ、次の一歩で走り出していただろう。
「どこに行くんですか」
「性悪吸血鬼のところだ」
恐る恐る問う少女に、彼は当然の風情で応えた。
「あれは通称をレンフィールドという。貴族気取りの不死族連中が好んで使う下っ端で、つまりお前の姉さんはその主の所にいる
のはまず間違いがない。乗り込んで、助け出してくる」
「だから待って! 滅茶苦茶です! ひとりでなんて無理です!」
彼は強いのだろう。自分を助け出してくれたのは、間違いなく彼なのだから。それにこういった事に詳しくもあるのだろう。世
界の夜の側の説明を、一渡りとはいえしてくれたのもまた彼であったから。
それでも、あの人数にただひとりで太刀打ち出来るとは思えなかった。
「大丈夫だ」
「大丈夫じゃないです!」
普通は逆だ。本来なら、そこで渋る相手に無理な助力を請うのが少女の役どころだ。だというのにこの男は、打算も何も関係な
しに飛び出して行こうとしている。まだ少女が「助けて」とすら言う前に。
そんな人の好い相手を、どうして案じられずにいれようか。
「だからっ、そうじゃなくて!」
「病室で騒ぐんじゃないよ、正義かぶれのひよっこが」
押し問答はその一喝で停止した。現れたのは鶴のように痩せた老婆。高田馬場の魔法医のひとり。真正にして純血の魔術師。
彼女は老いていた。だが衰えてはいなかった。背筋は真っ直ぐに伸び、齢はただ知識のみを深め、重ねた年輪は全て凛とした品
位としてその身に残るようだった。
若輩ふたりを黙らせたのは、正しく年季の違いという奴だろう。
「騒いでたのはオレじゃな…」
「近頃の男は言い訳までするのかい? 恥を知りな」
憮然としつつも殊勝に黙る鋼の戦士の鼻先に、一枚の紙が突きつけられる。目を落とせばそれは地図。達筆で書き込まれたこの
街の図面は、とあるホテルを示して朱筆が入れられていた。
「どうせまた行き先も判らずに駆け出そうとしてたんだろう? そこだろうさ。居るのは小娘の不死者だと聞いてる。海外産だろ
うねぇ」
「婆さんにかかっちゃ皆小娘だろうよ。とまれありがとよ、恩に着る」
受け取って頭を下げる鋼の戦士。ふん、と鼻を鳴らして魔女は応える。
「その分は治療費に上乗せだよ」
「払える程度にしといてくれ」
「アンタの財布の具合の心配までしてたら、私ゃ首を縊らなきゃならなくなるよ」
口を挟めない勢いのやり取りへ、そこでようやく少女が割って入った。
「あ、あのっ。お金ならあたしが…」
持ち合わせは小遣い銭程度しかない。それでも恩に対して何かしなければと思ったのだった。
だが言うや、老婆は大仰に肩を竦めて天を仰いだ。
「やれやれ、骨折り損だね。大体この正義馬鹿が絡んだ時点で、私に儲けはないと決まったようなものさね」
それから腰に手を当てて、じっと少女を見た。表情は相変わらず不機嫌めいたままだったけれど、その目はひどく優しい色をし
ていた。
「アンタみたいな子供から金なり魂なりをいただいたとあっちゃ、私の名が廃る。今回はツケって事にしておいてやるさ」
「ありがとうございますっ」
勢いよく頭を下げると、魔女は不機嫌そうにまた鼻を鳴らした。
「さて、話はついたな」
今度こそ、と言わんばかりに彼が呟く。そして少女を見た。
「お前はここに居ればいい。安全だ。物言いと顔は怖いがいい婆さんだ。腕も確かだ。これで金に厳しくなけりゃ天国行きに間違
いはない」
「利息を取られたいのかい? 鴉が鳴く度に一割だよ」
「やめてくれ。そもそもここの屋根の鴉、婆さんの使い魔じゃないか」
慌てて食って掛かる青年と、不機嫌めいた表情の老婆と。そんな祖母と孫めいたふたりを交互に眺め、救い出されてから初めて
少女は口元を少し緩める。けれどやはり、看過はできなかった。
「でも駄目ですよ。ひとりだなんて…」
もう一度青年の服を掴みなおす。期待の籠もった眼差しを、老婆は冷たくあしらった。
「私は御免だよ。この歳になると荒事はきつくてね。ついでに言っておくけれど、アンタがついて行くってのもなしだ。足手まと
いにしかならないよ」
「……」
無力感で彼女の瞳が泣き出しそうに揺れた。鋼の戦士は頭を掻く。この他人の情に疎い男は、この期に及んでようやく自分が心
配されていると気付いたのだ。
「大丈夫だ」
少し考えてから、最前と同じ言葉で彼は少女の頭を撫でた。思わず笑み返したくなるような笑顔で。そして言う。
「正義は、必ず勝つんだ」
「…」
「まあ、安心おし」
彼が駆けて去った方角を不安そうに見つめる少女へ、魔女が穏やかに告げた。
「あの男は死神と交際があるんだ。許されるまで、殺されたって死ねやしないよ」
けれど憂いの色は払拭されない。魔女の言葉は、少女にはただの比喩としてしか聞こえない。
老婆はまたひとつ鼻を鳴らした。
「それで?」
「…え?」
「それでお前はどうするんだい、と訊いているのさ」
鷲のように鋭い視線が少女を射抜いた。
試されているのだと思った。否。試す価値があるのかどうかを、まず値踏みされているのだと判った。
「あの馬鹿に頼り切って、自分は何もしないつもりかい? 安穏と結果を待っているつもりかい?」
「――」
ついさっき、ついて行ったら足手まといだと言い切ったのはこの老婆だった。けれど今、魔女は少女に行動を求めていた。
「アンタはあの馬鹿に助けてくれとは言わなかった。あの正義かぶれが勝手に走り出した。それだけと言えばそれだけの話だよ」
魔女の視線が一瞬鋼の戦士を追った。そして続ける。
「何が出来るか考えな。あれはよく知りもしないアンタの為に戦う。それはあれの手前勝手だけれど、でもアンタの為だ。だから
考えな。自分の弱さに浸るよりも、今の自分の手札で何が出来るかを考えな。私ゃ縋って頼って守られてるだけの女は大嫌いだよ」
少女はまだ子供だった。大人になりかける途中だった。だから庇護を受けるのはある意味当然だった。父に守られ、母に守られ、
姉に守られ、世界に守られてきた。
けれど夜の側では、歳も性別も、人間であるかどうかさえも大した問題ではなかった。当然を当然としない世界だった。そこで
は容易く命が懸かる故、ただ守られる側にすら責任が生じるのだった。
彼女は当惑する。自分に何が出来るのか。何をすべきなのか。今まで一度だって、そんな事を考えた事はなかった。考えようと
もしなかった。それは平和に、幸福に生きてきた証しとも言えた。
戸惑う少女に魔女は笑う。
「いい女ってのはおよそ男を奔走させるもんだけどね。人間の価値ってのは、他人を動かした後自分がどうするかで決まるのさ」
新宿駅、プラットホーム。
誰もいない。当然だ。電車は来ないのだから。
どこへも繋がっていない線路だけが、ただ、左右へとずっと延びている。
マコトは両肘を自分の脚の上に置いて、ベンチに座っている。
「・・・レン。いるんだろ?」
驚いた。
「どこにいる? 姿を見せろよ」
君の隣だ、マコト。
「出てこないのか? 出てこれないのか?」
だから君の真横だというのに。どうして君には私のことが見えも聞こえもし
ないのだろう、マスミにはちゃんと見えて聞こえているのに。
尤も、このドミニオンの住人にとっては、私は存在しない存在だ。地球ドミ
ニオンからこのドミニオンへ逃げ出し、そのくせこのドミニオンの住人になる
決心もつきかねて私をここへの道連れにした、どっちつかずのマコトだからこ
そ、気配だけは感じ取った、ということなのだろう。
「俺はどうすればいいと思う?」
それは私の決めることではないし、決められるものでもない。
「俺は帰った方がいいのか? 残った方がいいのか?」
どちらであれ、私は君の選択を尊重する。帰るというなら、そのために私は
跳ぼう。残るというなら、それもよい。私は・・・恐らく今度こそ地球ドミニ
オンから完全に切り離されて、消滅することだろうが。
私は伝説の住人、歴史の監視者。友誼に殉ずるのもまた、使命のうちだ。
多分ね。
「俺は帰りたいんだろうか。それとも残りたいんだろうか」
この街に、四季はない。いつでも雪が降っている。寒くも暑くもない真冬。
昼でもない。夜でもない。空は暗くも明るくもない。
魔物と人間が共存する世界。
とても精巧な、フェイクの街。
「なあ、レン・・・」
マコトの言葉に応えられない今の自分が、私には歯がゆくて仕方がなかった。
だけど、それでよかったのかも知れない。
やがてマコトは立ち上がり、私の予想よりもしっかりした足取りで駅の外へ
出た。
雑踏。賑わい。まるでクリスマスシーズンみたいにうきうきした街。
マコトは空を見上げた。
ひとひらの、雪。
差し出したマコトの掌の上に、落ちて、溶けて、消えた。
ぽつりとマコトが口にする。それは最強の呪文。
大切な人の、名前。
−−−
マスミのアパート。悪魔のボトム。
ちゃぶ台の前に座ってお茶を飲んでいたマスミに、マコトは深々とお辞儀を
した。
幸福の新宿、街中を、隅々まで歩き回って。
色んな人を見て。何人かの人と話して。
戻ってきてすぐ、そうしたのだった。
「お世話になりました」
マスミは、意外だ、という顔をした。
「帰るのかい?」
「・・・・・はい」
暫く逡巡してから、マコトは答えた。
「帰ります」
「この世界は、気に入らない?」
「いえ、とても居心地がいいです。安心できます。・・・何も、恐れなくてい
い。いい世界だと思います」
「あの世界は、あんたに何もしてくれない」
「はい」
「それでも帰るのかい? あの世界で半魔として生きる決心がついた?」
「・・・いいえ。俺は、自分が人間だと思っています。・・・人間だと思いた
い。魔物だなんて、認めたくない」
「じゃあ、どうして。本当は、帰りたくないんじゃないのかい?」
「そうかも知れません。でも」
マコトは頭を上げた。
「もう一度、顔を見たい奴がいて・・・この街には、そいつがいないから」
恥ずかしげに、頬を掻いた。
「俺はそいつに、会いたいから」
「そうかい」
マスミが、小さく笑った。寂しそうに。
住人となるはずのマコトを、ここで強く引き留めもせずに帰すのは、マスミ
が完全な悪魔ではないからだ、と私は思う。エゴと罪だけではなく、絆と愛を
知っている半魔だからこそ、本当に『優しい』のだ、と。
「それで? 帰り方はわかるのかい?」
「俺の側に、もう一人いませんか? 伝説の住人、“混沌の監視者”。レンっ
て奴が」
「おや。気付いていたんだ」
「・・・何となく。そいつが、何とかしてくれる気がします」
その通りだ。君が帰る気にさえなれば、私はここから向こうへ跳べる。この
幸福な新宿ドミニオンから、我らの生まれた地球ドミニオンへ。
我らが住むべき世界へ、君を先導できる。
「悪いな、レン。巻き添えにしちまって。その上、ここから帰らせてくれって
お前に頼むなんて、虫がよすぎるよな」
いやいや、これも貴重な経験。それなりに楽しませてはもらった。
で、マコト。
どーでもいいが、私はこっちだ。そっちには誰もいないぞ。
「でも、済まん、レン、もう暫く待っててくれ」
え?
「それで、あの・・・マスミ、さん」
「何?」
・・・あれ。なんだろう。ドキドキする。
「最後にもう一度だけ、お願いします」
マスミはちょっと頭を振って、
「おいで」
マコトに向かって両腕を広げた。
まだセックスするのか。飽きない連中。・・・でも。
どうして、こんなにドキドキするのだろう?
マコトがドキドキしているから? しかし何故? あんなにも繰り返してき
た行為ではないか、始める前からこんな、息苦しいような激しい動悸なんて、
今までなかったことなのに。
「あ、いや、先に布団を。あっちの押入ですか?」
「そうだけど?」
マコトはちゃぶ台を除けて、敷き布団を敷いてシーツを掛け、それからマス
ミを呼んで、そこにぺたんと座ってもらった。
いつもなら、畳の上だろうがどこだろうが、解き放たれた野獣みたいに飛び
かかっていくのに、マコトはそっと、いや、恐る恐るマスミに近づき、たどた
どしく口づけをする。
唇だけが触れ合うライト・キス。甘い吐息に煙草の臭い。
やがて、お邪魔します、と言わんばかりの気遣わしさで少し舌を入れて、歯
を割り、相手の舌をつついて、絡め合い、徐々に唾液を交わすように。頭の中
が痺れていく。煙草の味が苦くて、理性が繋ぎ止められる。
煙でかすれた声がする、
「どうしたの? 今日は・・・違うね?」
マコトは答えない。
マスミの衣服を脱がせていく。上半身を剥き出しにしたら、マコトも上着を
脱いだ。下半身も脱がせて、マコトもズボンと下着を脱いだ。
壁に凭れて立っている私の前で、マコトとマスミはお互い全裸で、布団の上
で向き合って。
マコトはマスミの胸に触れた。両掌で包んで、しっかりと揉む。
「どう、ですか?」
「ん、ちょっとキツいよ」
「こんな感じですか」
「ああ・・・いい感じ」
マスミがフッと笑んで、その顔に誘われるように、マコトは胸の尖端に唇を
寄せた。右を含んで、舐めて、転がして・・・。
「あ・・・あっ、あっ」
マスミが声を上げている。気持ちよさそう。幸せそう。
それから左。ゆっくり含んで、転がして、舐めて、その間、右の方は指で。
ちゅ、ぺちゃ、と音がする。マコトがマスミの肉体を愛撫する音。
違う。
マコトがマスミを愛撫する音だ。
ドキドキする。息が苦しい。だけど『したい』。もっとしたい。もっと感じ
て欲しい、もっと気持ちよくなって欲しい、もっと聞かせて、声を聞かせて、
もっと俺を感じて・・・っ!
マコトが胸から顔を上げ、マスミの両膝を左右に広げた。マスミはバランス
をとるために両手を後ろにつける。
濡れ光るそこを、マコトは食い入るように見つめた。
「こんなに、感じてくれたんですね」
「こら。あんまり、見ないの」
ちょっと怒ったように。
「嬉しいです、俺」
マコトは誇らしげに言って、もう一度マスミにキスを。今度はいきなり深く
挿し入れて。
右手をマスミ自身に添え、最初は秘裂に沿って掠るように指を動かし、やが
て襞を割って徐々に中を探っていく。ときどき指先をマスミの蜜に浸して、ぬ
るぬるにして、その指先で、ついに一番敏感な部分に触れる。
「んぁっ!」
マコトに口を吸われたまま、マスミが声を上げる。マスミさんの声が俺の口
の中にこもる。たまらない響きだ。ゾクゾクする。
「気持ち、いいですか。マスミさん」
耳元で囁く。低く。甘噛みしながら。
「すご・・・マコト、あんた、こんなっ」
ハスキーボイスが震えている。眼鏡の向こうで瞳がとろんとしている。
「メチャメチャいやらしい顔してますよ?」
勝ち誇ったように。
やっぱり思った通りだ。こうした方が、俺も気持ちいい。マスミさんにも気
持ちよくなって欲しいって、そう考えただけで、俺までこんなに気持ちよくな
る。
入り口をさすっているうちに、俺の指がマスミさんの中に吸い込まれる。い
や、実際には俺が入れたんだけど、そういう感じ。
熱い。柔らかい。痛くないようにと祈りながら、強めに動かしてみた。ぐ、
ぐちゅ、ぐちゅ、奥の方からどんどん溢れてくる。
「ああっ、ああん、いいっ、そこっ、もっとぉ!」
あられもない声、俺の手でよがる声、嬉しい、もっと、もっと聞かせて!
いけない、これはマコトの思考だ、油断していたわけでもないのに、いつの
間に私の思考と混じった? いや、そんなことより、気をしっかり持たないと。
入り口付近、のの字を書くように。
「ちが、もっと」
「どこがいいです? ここですか?」
奥へぐいっと突き込む。
「そこぉ、奥ぅ」
「でも、指じゃあこれ以上は無理ですよ」
「いやぁ、もっと、もっと奥ぅ」
ねだる、甘える。
「入れた方が、いいですか?」
何を、とは言わずもがな。
「うん。入れてぇ」
こくんと頷く。少女のように。
「その前に、ゴム、ありますか?」
「そんなの、着けなくていいからぁ」
「いえ、そういうわけにはいきませんから」
マスミに頼んでコンドームを出してもらって、ちょっと戸惑いながら自分で
着けて。マスミが焦れったそうにそれを見つめて。
マコトが体勢を変える。マスミの脚を抱えて、それに応じてマスミも自分の
腰を突き出す。
「お願い、早くぅ」
マスミ自ら、マコトのそれに手を添えて導く。
「ここに、ね? ね?」
マコトはゆっくり前に進んだ。
「ああっ、あああああっ・・・・・!」
喘ぎをあげたのは、マスミよりもマコトの方がよほど。
俺が彼女の中に入っていくのに、彼女が俺の中に入ってくる感じ。熱く濡れ
て柔らかく絡みついて、そのくせぎゅーっと締め付けてくる。
つながったまま、俺はマスミさんを抱き締める。こんなに細くて華奢な身体
だったのか。初めて知って、感動する。
キスを交わす。甘い陶酔。煙草の味すら、今は愛おしい。
・・・ダメだ。『喰らった』。『持っていかれる』・・・!
「動いて、いいですよね?」
「いい、いいよ、好きなだけ、動いて?」
マコトが腰を動かし始める。マスミさんは奥がいいって言っていたから、一
旦引いて、ゆっくりと、
「だめ、もっと、もっとぉ」
ぐっと押し込む。
「そう、そうよぉ!」
誘惑に抗しきれずに俺は、どんどん激しく動き出す。
ずるずると私はその場に崩れ落ちた。もう、立っていられない。ああっ、気
持ちいい、気持ちいい、これは、マスミさん、俺、今、すごい幸せで、セック
スって、こんな・・・っ!
セックスってのはね、要するに、二人が楽しむことよ。それだけクリアして
れば、挿れようが挿れまいが触れようが触れ合うまいが、どうだっていいの。
ホントはね。どこで話したのだったか、ユメコの言葉が耳に甦る。
愛がなくとも女は抱けるがのう。情がなけりゃあ女を抱いたとは言えねぇよ。
誰に言ったのだったか、ロウの台詞が聞こえてくる。
マスミさん。ありがとうございました。俺、あなたのおかげで、もう逃げる
のは止めようと思えるようになりました。立ち向かえるかどうかわからない、
向き直れるかどうかすら、ましてや克てる自信なんて全くないけれど、もう、
ただ逃げることだけはやめよう、と。
あなたが俺の、やり場のない思いを全部受け止めてくれたおかげで。
気持ちよくなってくれていますか。幸せになってくれていますか。
俺と、楽しんでくれていますか。
マスミさん。
「ああっ、イく、イくぅ!」
「マスミさん!」
俺は放つ。精一杯。俺の想いを、彼女の中で。
−−−
中央公園。噴水前。日はとっぷりと落ちて暗く、辺りに人影はなく。
木の上から眺める眼下の『舞台』。とぼとぼと歩く制服姿の少女の前に、一
人の少年が姿を現す情景。
気配に気付いて少女は顔を上げる。“きらめきの魔法使い”マホ。目の前に
は、長らく(携帯電話機の日付からして、こちらでは20日間)行方不明だっ
た“真魔の血脈”マコト。
「マコト、センパイ・・・?」
マホは不安そうに、まるで、これも夢なのかも、と疑うように、
「マコトセンパイ?」
「ああ。俺」
上手く言葉を選べなくて、はにかんだように、
「ええと・・・ただいま」
「マコトセンパイ!」
その手から鞄が落ちる。ダッと駆け寄る。感動の再会。抱きつく。
かと思いきや。
「ばかぁっ!」
パァン!
頬がはじける高い音。
ものすごい形相でマホが怒鳴る。
「どこ行ってたんですか! みんな、みんな心配して、あっちこっち探して、
センパイのお父さんやお母さんだって、あ、あたしだって・・・!」
「ゴメン・・・あ、いや、ゴメンなんて言葉で許されるとは思ってないけど、
本当に、ゴメン」
頬がひりひりする、ような気がする。マコトとの同調は切れているはずなの
に、私まで痛い。そのくらい、景気のいい平手打ちだった。
嗚呼。私もロウにひっぱたかれるのだろうか。私は悪くないのにー。
「ばか、ばか、ばかぁっ!」
マホの握り拳、顔も胸も関係無しにマコトを叩く手が、段々弱くなる。
ぼろぼろと涙がこぼれ落ちてくる。
「マコトセンパイの、ばかぁ・・・っ」
ついには声を上げてわあわあ泣かれて、どうしていいかわからずマコトがオ
ロオロする。きょろきょろしているのは私を捜しているのだとわかった。助け
てくれ、と言いたげに。
生憎だな、マコト。それは私が登場すべき物語ではない。自分で何とかした
まえ。
空間跳躍。私はその場を去った。
−−−
この街で一番高いビルの上。避雷針の上に片足を乗せて、いつものように私
は立つ。
色。音。匂い。肌触り。味。予感。
世界が私におかえりと言ってくれている。包まれている。安心する。ここが
私の住むべき世界。私が生きる、私の世界。私が護るべき世界だ。
街という名の交響曲を全身に楽しみながら、私は携帯電話機を取り出し、片
手でメールを打つ。同報送信、マコトとマホ以外に。サブジェクトは『ただい
ま』、本文は『マコトを無事に連れて帰った』。
即座に着メロ、これはロウからの。通話ボタンを押して、
『どこじゃ、レン!?』
開口一番。
『どこにおる、すぐ迎えに行っちゃる!』
ロウがいるのは・・・瑞垣神社の前か。あそこなら人目もないし、跳躍条件
も合う。
「レン? 答えよし、レン!」
「父さん」
目の前で、携帯電話機越しに懸命に話しかけてくるロウを呼ぶ。
ロウが私を見つけて。
・・・・・殺されるかと思った。人狼の怪力で、力一杯抱き締めないで欲し
い。【かりそめの死】寸前で、やっと解放された。上手く息ができない。頭が
くらくらする。胸の辺りがズキズキする。肋骨にヒビが入ったかも知れない。
「レン? 大丈夫か?」
「あー。さっきまれは、らいじょーぶ、らった」
マホの平手打ちの方が、被ダメージ量からしてまだマシだ。羨ましいぞ、マ
コト。
着メロ、今度はハガネからの。
「はひー?」
『レン!? どうした、大丈夫なのか!?』
「マコトなららいじょーぶ、さっきマホといっしょに」
『お前は!?』
「父さんといっしょにいるよぉ〜」
へろへろへろ〜。自分でもちょっと情けない。
『・・・なんか疲れてるみたいだからもう切るけど、近いうちにちゃんとわけ
を話せよ?』
うん、まあ、話せる範囲で。
『明日のトレーニングは休んでいいからな? じゃ、おやすみ』
ぴ、と切れる。直後、次はユメコから。電話の向こうにはヤイバもいた。そ
のあと、アンジェから掛かってきて、次いでドリィから掛かってきた。ドリィ
の後ろにはリュウ。マホには、明日にでも会いに行こう。もしもマコトとケン
カしてたりしたら、事情を話してあげないと。・・・マコトが困らない程度に。
私が電話をしている間、ロウは私の肩に片手を置いて、もう片方の手で、私
の頭をずっと撫でてくれていた。大きくて、厚くて、硬い掌。温かい掌。マホ
みたいに怒ることなく、ロウの表情は、とても優しかった。
ロウに買ってもらったメタルレッドの携帯電話機をパタンと閉じて、
「ただいま」
両手を差し出して抱っこをねだると、
「おかえり」
今度は、そっと抱き寄せてくれた。
ここが世界で一番、世界の外も含めて一番、私の好きな場所。ロウの腕の中
から見る世界が、世界で一番綺麗だ。・・・あれ、なんか表現がおかしい?
まあいいか。
「帰ろう、父さん」
「ああ。帰ろう」
家まで200mほどの道のり。手をつないで、のんびり歩く。
「父さん」
「何じゃ」
「事情は訊かないのか?」
「今日は、の」
「そうか」
ありがたく、その心遣いに甘えておく。流石に私も疲れている、マコトとの
約束を守りつつ、ロウが納得いくよう、しかも嘘をつかずに説明することがで
きるほど、頭を働かせる自信はない。
『今回のことは、いつか必ず、俺から皆に話す。だからレンは、何も話さない
でいてくれないか』
『いつか、ということは、すぐに、ではないのだろう? では私はこの二十日
間、どこで何をしていたことにすればいい?』
『・・・そう、だな。話さないわけにはいかない、な』
『ただし、話すとしても最低限、君のプライバシーに関わることは避けておく。
それなら構わないのではないか?』
『ありがとう、レン。・・・お前、いい奴だな』
『その「いい奴」から君へ、不吉の予言だ。・・・今夜は、痛いぞ?』
『ああ。帰ったら親父にブン殴られるぐらい、覚悟してるさ』
真っ先にマホから痛みがプレゼントされたが。
痛むのはきっと、頬よりも心だろうと思う。皆からこんなにも心配されてい
たという実感に、私の心が、嬉しさと申し訳なさとを感じているのと同じで。
頑張れ、マコト。私も頑張る。具体的に何を頑張るのかはよくわからないけ
れど、頑張るから、頑張れ。
そんなことを考えながら角を曲がると、アパートの門が見えた。
ふと、マスミのアパートを思い出した。優しい悪魔の小さなボトム。
「父さん」
「何じゃ」
「セックスって気持ちいいな」
ゴッ。
目測を誤ったのか、ロウが盛大に門柱にぶつかった。大丈夫かな門柱、壊れ
ていないかな? 壊れたら弁償するのがきっと大変だ。
「なっ、な、レン!? お前さん、まさか・・・!?」
ああ、16歳になるのが待ち遠しい。
楽しくて、気持ちがよくて、幸せで。
いつか誰かと。きっとロウと。
−−−
これが、あたしの望んだ世界。
こんなはずじゃなかったんだけど。
でも、これがあたしの望んだ世界だ、と、胸を張ってそう言えるように。
あたしは。
・・・・・おしまい。
以上、マコト×マスミなお話でした。
裏テーマは勿論マコト×マホとロウ×レンです。
402 :
いつもの人:2005/07/28(木) 23:26:31 ID:IYw7eFjD
中が抜けた中が。
って、後編催促されてるー!?
いや、本当は前編の次に投下するはずだったんですよ。その次にALSの順
で。ff発売の前にALSをハキたかったから。
予定が狂ったのは全て>281のせいです。>281が>290なんかを思いつかせたか
ら悪いのです。
と責任転嫁してみる。
お待たせして申し訳ない。取り急ぎ投下しました。
以下、ちょっとずつですけども感想などを。
>363
ヒュウガ×ティエル嬉しいー! GJ!
エロシチュに髪の毛は盲点でした。いつか自分も考えてみようと思い。
元ネタがわかるトコだけ楽しみましたがそれでもティエルの心情がいいなぁ
と。決断は自分で。結末は知っているのに、頑張れとか応援しちゃいます。
>371
はえこちゃん萌え〜。
【馬鹿は勝手な名前を付けた!】
もてもて動くとこが萌え〜。かわいい〜かわいすぎる〜前に出てきたときは
そうでもなかったのに〜。今回いきなりツボを突かれた感じです〜。
>378
ffは持ってない(生憎購入予定も無く)のでアレなのですが、一連の解説
を読んで「地下スレ恐るべし」と戦慄しました。
妄想^H^H想像の翼はアスガルドまでも羽ばたかん。
>379
悔いる暇があるなら改めて書けばいいですよー。と“氷”口調で言ってみる。
>380
そりゃお前さんの書くエロシーンがこっぱずかしいからじゃ。とロウ口調で
言ってみる。
だがそれがいい。
>382
平日は毎朝毎晩、週末は数時間毎に、スレを覗いた甲斐あってようやく、嗚
呼ようやく…………(感涙中。しばらくお待ちください)。
てか監視者いねぇし!?
でも魔法医のばーちゃんかわいいから我慢する。このばーちゃんなら「烏銭」
をマジで「いつなんどきでも烏が鳴くたび利子が増える」の意にしそうだw
というわけで続き! 続き! 続き! プリーズ! ファイト!
あ、いや、フェニックスで精神ダメージ打ち消し! これで元気になってく
ださい! そして早く続きを〜。
【馬鹿はそろそろ人間性が危うい】
アルシャリプ出てたから買って読み直してたが
シンマラを名乗った上で、レヴァンテインの主として柊を指定したって事はあれか、正妻だと言いたいのか彼女はw
…本人がいないのを良い事に、
ミッドガルドで戸籍がこっそり入れられてたりして…
くれは「ちょ、ちょっと!?七瀬蓮司ってどーゆことよ!?」
七瀬晶「もう、籍はいれてあるの…(ぽ)」
柊蓮司「つーか婿養子かよ!?」
ふと思ったんだが。
キサラが柊を召喚するって、考えてみればもの凄いことだよな?
もちろんキサラが(念のためメル欄)だったから他のサモナーよりは有利だったと
しても、それだけでダイレクトに柊蓮司を掴まえることができるだろうか?
つまり! 実はキサラは(メル欄)だけじゃなく柊のしs(下駄箱から伸びてきた手に掴まれて暗黒空間に引きずりこまれる)
406 :
名無しさん@ピンキー:2005/07/29(金) 22:51:46 ID:W4trfJWm
>>405 それは既出ネタだろ?
本スレで散々言われたことだ。
本スレ? きくたけスレだかALSスレだか忘れた…。
そして晶の娘であるヴィオも柊の娘。
そして親子丼。
流れを無視してくれは×柊を書いてみる。
柊の家のベッドの上。裸になった上に両手を縄で縛られた柊が倒れていた。
その上にはくれはが裸で柊の足の上に座っていた。
くれはは自分を犯したかわりに、今度は自分が柊を犯すと言ったのだ。
「…怖かったんだから、あの時の柊」
これは嘘ではない。彼と永遠に会えなくなる事、彼が浮気をして自分の事を忘れてしまう事が怖かった。
「だから、これは仕返し」
そう言ってくれはは柊の息子を手に取る。
「……思ってたよりも小さい……」
そう言ってくれはは柊の息子を撫で始める。
少しずつ大きくなっていく柊の物、それを触ってるうちに自分の中で何かが変化を始めている。
「ねえ、柊…これ私の中に入れて欲しくない?」
そう言ってくれはが柊の股間の物を指で思いっきり弾く。
「!!!!」
声にならない叫びが柊の口から出て、くれはを睨む。
「あはは……ごめん柊……で入れて欲しいのかな」
本当は自分から入れたい。だが柊に痴女と思われたくない。だから柊に入れてと言って欲しい。
「ああ、頼む」
柊も自分のことを理解してくれたのか、本当に頼むかのように言う。
なえている塔をそっと舌で舐めてから、くれはは柊の塔を再び立たせる。
「う……ん」
そう言ってくれははそっと柊の腰に座るように棒の上に乗る。
「はうっわっ!」
「どうした?くれは?」
慌てた拍子に腰がさらに落ちる。柊の物が後ろに刺さり始めていた。
熱い感触が柊に合わせて動く。両手を使って慌てて体を持ち上げる。
「違う所に刺さっちゃった……」
顔を赤らめて言うくれは。柊も顔を赤らめる。
「こんどはきちんと見ながらしたらどうだ?」
「うっ……うん」
そう言って、今度はくれはは柊と自分の物を見ながら腰を落とし始める。
とろとろと愛液が流れ始めているクレパスに、きちんと立っている塔が刺さる。
「はう……」
その瞬間はあまりにもグロテスクで、くれはは目を背けそうになるが、背けるとまたお尻に刺さりそうで。
ずぶずぶと柊の物を飲み込む下の口から得る快楽はとても大きくて。
痛みと快楽が混ざり合い、目から涙がこぼれた。
途中まで入れ、ゆっくりと自分の体を上下に動かす。
「くれは……」
「気持ち良い?」
「ああ、腕が動くんだったらこのまま抱きしめたいさ」
そう言って柊が頭の上で縛られた両腕を見せる。
「駄目だから、今日は私が抱きしめるんだから」
そう言ってさらに腰を下げる。柊の物がどんどんと大きくなってきている。
「はうっ……」
腰や足に力が入らない。自分のクレパスは完全に柊の塔を飲み込んでいる。
塔はますます大きくなってくれはの秘密の花園を荒らす。
なんとか柊の物を抜こうとするが、大きくなった塔はくれはを柊をしっかりとつないでいて、
くれはは罠にはまった動物のように逃れようとするが、
それはあまりにも甘美な罠で、動けば動くほどくれはの快楽はさらに増していく。
「ん……」
やがて、逃れるのを諦めたくれははそっと柊に抱きつく。
「柊……実はね」
「なんだ……」
「母さんが柊と婚姻してもいいって」
「……は?」
思わず聞き返す。ウィザード同士の結婚は次の世代のウィザードを残しやすいため奨励されていること、
相手は色々と考えたが、血が濃くなるのを防ぐため外のウィザードとの婚姻が良いこと。
「くれはは……俺でいいのか?」
「蓮司じゃなきゃいや」
そう言って強く抱きしめる。自分の物にしたいから。彼の物にされたいから。
「ここまでしたんだもん。最後まで責任とってくれるよね」
「……わあったよ」
苦笑いして柊はそっとくれはにキスをした。
それはとても甘い甘いキスだった。
〜とりあえずFin
乙カレ&GJ
柊×ポーリィモノを書こうと妄想
あれ?ポーリィは貧乳だっけ?
意外とナイスバディだっけ?
小柄なぶん各部のサイズは小さいけど、縮尺から見るとそこそこのヴァディだったかと。
トランジスタグラマー?
少なくともくれは以jy(メティオスォーム
柊サーガヒロインズは
くれは、アンゼロ、ベルは貧乳(イラストによっては巨乳だったりするけど)でAカップくらい
晶、キサラ、ヴァイオレットは巨乳でEくらいか
ポーリィはそこそこ胸あるし、Dくらいでは
さてガーネットはどうだろう?
そういやポーリィのエロは初めてだっけ
PCから書き込めなかった(>_<)
流石に携帯から書くのはつらいな
でもポリ助の喘ぎ声は「にょ〜」な罠
ふ、「にゃふぅ」で萌えられる我々には大した障害ではない!>「にょ〜」
せ、せめて「にゃ〜」にしてくれ
どうれ、しからば一手。
「ひーらぎ、や、優しくして欲しいにょ〜……」
「にょ!? や、そんなとこ――うぁっ、んにゃぁっ!?」
「ふゃっ、あっ、にゃっ、んんっ! ……んんんん〜〜〜〜〜〜!!」
「ひ、ひど……にょ。優しくしてって言ったのに……にょ」
ああ、なんだ全く問題ない、問題ないじゃないか。
ならば私は強化(ry外伝でこのテーマを取り扱おうじゃないか。
……これから夜勤だが。
ああ、全く問題ないな。
「にょ〜」と言われると、エロ的にはお漏らしキャラになりそうだけどな。
ポリCV=まきいづみ(エンコア/ギアのサラサ)声ならそれでも十分OKだが。
>>415 フレイスの挿絵を見る限りポーリィと同程度にはありそう。
おとなしい方がでかく、活発なのがそれより小さいのがきh(ry
キサラみたいに活発(?)で巨乳なキャラもいるけどな…
そういやリューナもそこそこ乳あったよな?
多分
ヴァイオレット>キサラ>リューナ>晶>ポーリィ=ガーネット>ベル(黒皇子版)≧くれは>アンゼロット
かと。
俺は
ヴァイオレット>キサラ>リューナ>黒ベル≧晶=ガーネット>ポリ>ユーリエ>アンゼロット≒ベル>くれは
で、番外的に ↑燈華(キサラ〜リューナ間)
にゃふうはなんとも
俺のイメージは
ヴィオ>キサラ>リューナ≧晶>ガーネット≧ポリ≧ベル(黒)>アンゼ>ベル>くれは≧ユーリエ
で、にゃふうはイメージとしてはベル(黒)とアンゼの間あたりだが、ネコミミ先生の絵だと晶とガーネットの間っぽい気がする。
それはそーと
○ヴィオレット
×ヴァイオレット
429 :
名無しさん@ピンキー:2005/08/03(水) 07:17:02 ID:i55gBXs2
■攻×受を見分けるコツ
キャラクターを2名用意して漫才コンビを組ませたとイマジン。
ツッコミに回る側が受け。
あるいはボケに回る方が誘い受け。
430 :
DX2の場合:2005/08/03(水) 07:57:12 ID:zCxVk4kD
するってーと上月さんちは司が受けで永斗が誘い受けかい。
誰が攻めるんだい? 霧谷か?
「あるいは」っつってんのに、両方適用すんなよw
どっちを適用するかの判断基準がないと、
全然見分けられないように思うのは気のせいか?w
つまるところ「ボケに回る方が主導権を取る側」で、
「ツッコミに回る方が主導権を取られる側」ってこっちゃないかな。
>>433 攻めと受けは見分けられてないよ、それw
惑い攻めと引き倒し受けだと主導権は受けに120%だしな。
ポーリィ×柊ですか……。待ってます。
胸は…体が小さい分大きく見えるのでは。
>>366のシーンを少し増強してみました。エロくないですが、そのあたりは御勘弁を。
===
宿屋の部屋を4つ借りてそのうちの一つで二人は生まれたままの姿になりそっと身を寄せあう。
「ティエル……」
暖かな体をその身で味わいながらヒュウガはそっとティエルの少し大きめの胸をその手におさめる。
ティエルはピクリと体を震わせたが何も無かったかのようにヒュウガに軽い口付けをする。
そっとヒュウガはティエルのツンと立っている乳首をそっと指で挟む。
「ヒュウガさん……あの……」
心臓が高鳴る中、ティエルは口ごもって下になっているヒュウガに何か言おうとする。
ヒュウガはそれを察したのか、ティエルの胸から手を離すと、そっと背中に手を回し、抱きしめる。
二人の心臓が二重奏を奏で、二人の耳の中で響く。お互いにまったく反対なのに。戦うべき相手なのに。
魔王の心を持つ少年と、天使の力を持つ少女と。
それでも相手が愛おしくて。それでも近くにいたことが忘れられなくて。
「良い香りがするよティエルの髪の毛」
そっとヒュウガがティエルの短く手入れされた毛に顔をつけ頬の後ろにキスをする。
「ヒュウガさん……」
火照った体を動かし、ヒュウガの体を腰からそっと撫でていく。その体はしっかりと引き締まっていて。
「約束は……守りますから」
口ではそう言っていても……心の中ではそれを拒否している。共に戦った仲間を。ついていく事を決めた仲間を。
自らの手で殺すなど出来なかった。
「ヒュウガさん……」
そう言ってティエルはヒュウガの首筋に噛み付くようにキスをする。
「………また何時か……こんな事ができたら……」
生まれた姿のまま、ティエルはそうヒュウガに言う。
「ティエル?」
その言葉に答えずティエルは涙を流して抱きつく。言葉を交わした仲間を。
無口だった自分が喋った言葉を。してしまった約束の重さを感じて。
ヒュウガがティエルの体を強く引き寄せた。二重奏がさらに早くなり月の光はさらに妖しく二人を照らす。
胸と胸がぶつかり合い、お互いの鼓動を伝え合う。
闇の心を持つ少年と光の力を持つ少女。それは否応無しに二人の間を切り裂いていて。
ただ、お互いを抱き合い、愛の言葉をかけあうだけの関係……
何時かそれ以上の関係にティエルは思っていた。
そっと、眼鏡をかけた女性がそれを見ていたのを二人は知らない。
だけど、本当に大切なのは、二人がした約束で。運命なんて彼等がした事を先になぞってるだけかもしれない。
「ヒュウガさん……約束は守りますから……約束してください……無事に帰れたら……
また……一緒に話をしましょう……」
口ごもりながらそう言ってティエルはヒュウガをしっかりと見つめる。月光に濡れる彼女は美しくて、儚くて
「わかった、約束する」
その約束が果たされないとわかっていても、ヒュウガはそう答えただろう。
目の前の彼女を安心させるために。そうとわかっていてもティエルは嬉しかった。
共に話せることの出来る仲間の存在に。だから今は、彼と一緒に………
===
大体こんな感じです。
ちなみに『八つの白き翼亭』も『眼鏡をかけたウェイトレス』もオフィシャルです。
そのあたりのことがわかると『決着は自分の手で』と言うのがもっと深い意味を持ったりします。
ではでは〜。
「どうぞ」
流暢な日本語だったが、それを口にしたのは異国の風貌の少女だった。蜂蜜の髪。白皙の肌。瞳は湖水の如く澄んで深い。人
形のような、という形容がよく似合う愛らしさ。
けれど外見とは裏腹に、この少女が人ではないものを操る化け物だと、娘は既に知っていた。自分たちを姉妹を襲って、そし
て自分を虜とした張本人だと判っていた。好意など抱けよう筈もない。
不承不承ながらも娘は促されて椅子に腰掛け、寝台に座る少女と相対する。
「ねぇ、教えて。どうして守ったの?」
そこは豪奢な一室だった。間取りは広く採光は良く、眺望は素晴らしいに違いなかった。よくは判らなかったが、家具も調度
も絨毯も、悉く高価なものに違いないのだろう。だがくつろげるはずもなかった。娘はは複数人に身柄を拘束されて、この一室
に連れてこられたのだから。
「…」
問いには答えず、娘は黙って目の前の少女を睨み返す。
このホテルも異常だった。両腕を掴まれて引き摺られるように辿り着いたロビーには、客も従業員も居た。だというのに娘が
いくら騒いでも暴れても、まるでそこにいないかのように、見えていないかのように、全員が彼女と一団を無視したのだ。
加えて床や天井、部屋の隅など、普段意識しないそこここに、白く霞がかかるように見える時がある。まるで建物全体が霧に
包み込まれているようなた印象だった。ひどく非現実的で、真っ当な世界から遠く隔たっているような感触だけが強くある。。
「あなただけ、逃げる事だってできたでしょう? 妹…妹よね? あの子を逃がす為に自分を犠牲にするなんて、理由がなくちゃ
できない行為だと思うの。ねぇ、どうして?」
敵意と不審を剥き出しにした娘の視線に、不死者はため息をついた。
「話にならないみたい。じゃあ少し教えてあげるから聴いて。わたしね、本当はあなたに少しの興味もないの」
馬鹿にした話だった。突然身柄を拉致しておいて、その行為の首魁が口にする台詞ではなかった。
「ふざけないで! ならなんであたしは…」
「こうして派手に動くとね、大抵その街の魔物がやってくるの」
爆ぜたように上げかけた声は、静かな言葉に遮られた。その裏にわだかまる暗い感情に、娘は刹那圧倒される。息を呑む。
「あなたはその為の餌。だから事が済んだら、あなたを離してあげてもいいの。少しは気楽になれたかしら?」
立て続く非常識存在と言動に、娘は混乱していた。けれど混乱のその最中で、ひとつだけほっとした事がある。少女は「あな
た」と言った。「あなたたち」ではなく。ならば 妹は無事なのだ。捕らえられてはいないのだ。それだけで微かに笑みすら浮
かべられた。
「安心したみたいね」
娘の微笑をどうとらえたのか。魔少女はそう言って、また問いを繰り返す。
「なら答えてもらえるかしら。どうしてあなたは、妹の為に犠牲になったの?」
「…だからよ」
「え?」
「当然だからよ」
負けん気が、娘の中で頭をもたげた。それは物静かというよりも引っ込み思案で大人しい妹の為に培われた性格だった。
「妹を、家族を守るのに理由なんて要らない。だってそうして当然じゃない。化け物には判らないだろうけど!」
きっ、と少女の目を見返す。その短い髪がひどく似合う、炎のような表情だった。
視線を受けた不死者は、逆に氷のようだった。冷たく暗い、深い海の底の色をそのまま押しこごめた様な。
「…当然、ね」
ゆらりと、彼女は腰掛けていたベッドから立ち上がる。
「あなたはわたしを化け物だと思っているのでしょう。その事に間違いはないわ。でもね、わたしにも親が居たわ。家族が居た
の。ずっと…ずっと昔の事だけれど」
まるで体重を感じさせない動きで。陽炎のように彼女は娘の傍らへやってくる。
「でもわたしたちの暮らしていた家に、ある日街のひとたちが押しかけてきたわ。お前たちの娘は化け物だ、殺さないと禍いが
起こると口々に言って。とうさまとかあさまはわたしを逃がしてくれた。でも代わりに魔物狩りは、ふたりの心臓へ杭を打ち込
んだのよ」
そっと娘の頬に両手を添える。恋人同士の睦言の距離で、瞳を覗くように彼女は囁く。
「――ふたりとも、人間だったのに。ただの人間だったのにね」
昼と夜とは隔たるように見えて近い。どこか遠い祖先において、魔物と血が混じっている人間はそう珍しくはないのだ。だか
ら時折、そういう事がある。先祖がえり。交わった血が濃くなって、魔性を立ち返らせる子が生まれる事がある。
少女は、そうした稀な例だったのだろう。
黄昏の子。黎明の子。そして大概にしてその子らは、忌むべき子と呼ばれる。
「街のひとびとにわたしが魔物だって触れ回ったのは、わたしの姉だったわ」
すっと顔を離して、どうでもいい付け足しのようにそう告げる。
けれど娘は動けない。全身が石に変わったかのようだった。声が出ない。指一本動かせない。話の内容よりも何よりも、目の
前の少女の内側で踊る昏い炎に、体は呪縛されていた。
「探し当てた時には、もう狂っていたけれど」
そうして、沈黙が落ちた。数秒だろうか。数十秒だったろうか。それは気も触れそうに恐ろしいしじまだった。
「そんな、そんなの、」
喉の奥から、娘は必死に声を絞り出す。少女は微笑んだ。
「そうね。“そんなもの”、あなたの知った事ではないわよね。でも判ったでしょう? 世界に当然なんてないの」
不死者の娘は目を細める。その瞳が色彩を変えた。湖水から、血を思わせる紅へと。娘の手が卓上へ伸びる。握ったのはルー
ムサービスに供されるナイフ。食事用だが、鋭い。
「え、な、なに!?」
だがそれは娘の意思でない。不死者の凶眼が娘の五体を縛り、その行動を意のままにしていた。
己の手が、思考とは無関係に刃先を翻して己へと向ける。冷たい恐怖に、喉の奥で息が凍る。見つめる他ない娘の視界で、刃
物が鈍く光を反射する。
「どうしてあなたにこんな事を話したかも教えてあげる。それはね、この国の言葉で言ところの『冥土の土産』よ」
じわり、じわりと。刃先が喉笛へと近付く。その鈍重な動きは、しかし娘の抵抗の成果ではない。恐怖と絶望とを煽り立てる
為に。その為の残酷な意図で、わざと少女がそうしているのだ。
「ちょ…なにこれ、嘘…っ! やだ、止まら…ない…っ」
蒼白の頬に、涙が一筋零れた。ひたり。切っ先が皮膚に触れる。頑是無い子供のように首を横に振り続ける。それだけが娘に
許された自由だった。
「や…いや…ぁっ」
「死体に少しわたしの血を分けるとね。思い通りに動く人形になるの。あなたがさっき会った連中みたいに」
不死者は娘の怯えに満足めいた笑みを浮かべる。けれどそれは、どこか無理に拵えた不器用な仮面のようにも見えた。
「あなたの手で、あなたの妹を殺してあげる。あなたの妹にも、当然なんてないって教えてあげるの」
告げた瞬間。恐怖に崩れかけていた娘の瞳に、何か強いものが閃いた。今の今まで己の死に怯えていた様子は微塵なくも消え
て、ただ理不尽なるものへの怒りだけが残って在るようだった。
「――ばいばい」
その目に一歩少女は退きかけて、踏み止まって終わりを告げる。娘が次に口を開くその前に、永遠に黙らせてしまいたかった。
呪力を込めた視線に応じ、娘の腕が弾みをつけて一息に動く。
光が走ったのは、少女の意識が娘だけに集中したその瞬間だった。
高く澄んだ音で、ナイフが宙に舞った。緊張の果てに達したのか、糸が切れたように娘の体は床へくずおれる。
「それを看過すれば、ボクはひどく罵られそうなのでね」
女が居た。純粋純朴な童女のようにも見えた。齢を重ねて倦み疲れた老女のようにも見えた。世界と心の真実を知り尽くした
悪魔のようにも見えた。全てを見て尚信念を輝かせ続けられる天使のようにも見えた。それはひどくアンバランスで、ひどくち
ぐはぐな印象の女だった。
「誰? …いいえ、見た顔ね」
ゆっくりと思案するように少女は問う。ここは実世界と重なるように存在する、彼女の“王国”だった。少女の許可なくして
は何人たりとも立ち入れず、何人も感知できない。そういう造作のはずだった。
だが女は確かにそこに居て、娘を庇い立てするかのように背に隠していた。
「でも、何者なの?」
不思議と安堵したように見える面持ちで、不死者の娘は首を傾げる。女は返す。幾度も繰り返してきた答えを。
「ボクが何者かは何の意味もない」
「…“混沌の監視者”…? 嘘、ホントに居たの…?」
声はへたり込んだ娘のものだった。呆然と床から女を見上げている。
監視者は微妙な面持ちだった。定番の流れを作り損ねた不機嫌と、伝説としての自分を知っている者がいるという上機嫌とが
入り混じっている。
「そう。あなたが。噂だけは聞いた事があるわ」
ふたりを交互に見比べて、少女はゆっくりと頷いた。そしてもうひとつ問いを重ねる。
「ねぇ、教えて? あなたはどうして、その娘を守ったの? いみじくも“監視者”と名乗るなら、流れには手を出さずに傍観
するべきではないの?」
「『物語が幸福なものであって何故いけない? 世の中不愉快な事ばかりじゃないか』」
剽窃した言葉を朗々と女は告げる。大仰で、芝居めいた仕草。けれどその瞳だけは真摯だった。
「ルノアール? 意外と夢見がちなのね」
「夢がなければ、伝説とて生き残れはしないからね。問いを返そうか。君こそ、何故?」
「退屈凌ぎ。昔お世話になった、同族の船乗りが言っていたわ。永遠の時間とは、即ちお酒を薄める氷のようなものだ、って」
少女が赤い唇をぺろりと舐めた。
「足りないの。刺激が。生きているという実感が。だから」
ゆらりと世界が揺れた。錯覚ではなく部屋の間取りが変わった。監視者と不死者の間に、大きな距離が開く。ただの一室は、
まるで催し物用のホールのようなサイズにまで拡大していた。
「こうして人間に手を出すとね、必ずあななたちみたいなひとがやってくるの。そうしてわたしの無聊を慰めてくれるわ」
「…なるほど」
周囲を見回し、監視者はため息めいた言葉を紡ぐ。
「気がついたみたいね? わたしは好まないの。勝手な侵入者も、薄汚い覗き屋も」
少女の“王国”は、固く門戸を閉ざして牢獄へと変化していた。
どこにでも現れ、そしてどこにもいない。監視者の基盤にして基本たる“跳躍”能力を封じられた形になる。背中の娘を抱え
て逃げる、というのは、どうにも叶わぬ行動のようだった。
そしてあちこちを漂う霧が、人の形に凝っていく。白く集った“王国”の構成要素が形を変えて、少女のしもべに成り代わる。
形勢は明らかに多勢に無勢だった。
けれど監視者は、娘が弾かれたナイフを手早く拾ったのを認識していた。理不尽に抗うつもりなのだ。徹底抗戦するつもりな
のだ、彼女は。
「とても楽しみ。あなたの血は、命は、魂は。どんなふうに燃え尽きるのかしら? どんな味がするのかしら?」
「やれやれ」
女は大仰に肩を竦めた。けれど、口元をかすめるのは微笑。
「ついていないようだね」
「随分と今更な台詞ね?」
余裕の色濃い少女の言葉を、監視者は言下に否定する。
「ついていないのはボクではないよ。君達こそさ」
言い置いて瞳を閉じる。再び見開かれたその視線は、まるで睥睨するかのようだった。遥か高次から見下ろすかのようだった。
神懸かり。だが、少女にそれは判らない。
「――私に会ったな」
突き出すように差し向けたてのひら。そこに光が生まれる。清冽な、しかし峻烈で冷徹な光が。
次の瞬間。輝きを増したその光は、意志なき者の群れを葦のように薙ぎ払っていた。
ひとまずここまで。
もの凄くありがたい事に、続きを読みたいと言ってくださってる方がいる。にも関わらず、なかなか仕上がらないへたれっぷりよ。
時間がないんじゃなくて、きっと気力と努力が足りない。しゃんとしろよ、俺。
>BBNT本編6話目・後編
待ってました! 前回書き忘れたのですが。自分は何もしてないのに、シンクロして出来上がっちゃうのはひどくいやらしいと思
うのです。この助平。(←褒めたつもり)
そうか、ふふ、最強の呪文か。
>>395-396の流れがものすごく気に入りです。あっという間にレンに連絡が入りまくるのも。絆っ
てのはきっとこういうのを言う。いい仲間に囲まれてるよな。っつーか門柱より先に親父の心配をしてやれと。気持ちはわからな
くもないけれども。
>>402 そうしてだんだん抜けていって、果たして最後に何が残るのか。
ふむふむ、順番が狂ったのはそういう理由だったのか。>281は悪い奴だな、全く。
で、>281からのDX適当プロットですが。あのふたりはハッピーエンドの段階で、もうそっとしておいてやりたいと思っているの
です。ま、書き手の我がままだけれども。
…エロシーン書きが恥ずかしいは俺だけだったのか。っつーかそんなに俺が書いたのは恥ずかしかったのか。でもお前さんの過保
護っぷりよりマシだい、と口調のひとにツッコんでみる。
>くれは×柊
自分で乗っかっておいて、よくなって動けなくなるってのは想像すると相当に、こう。
世界ごと、仕事ごとに女を作ってるとはいえ、柊が最後に帰るのはやっぱくれはんトコなのだろうか。
>ヒュウガ×ティエル
つまりあれだな、俺にリプレイだけでも買ってきやがれって事だな!? オフィシャル理解してきやがれって事だな!? このふ
たりがどうなるのか気になるじゃねぇかよ! という訳でリプレイを探しに行ってみようかとも思う今日この頃。
んじゃ、多分また来週。
ガウェイン・グラストヘイムは熟睡しきっていた。
それもそのはず。つい昨日まで、夜な夜な夢の中で招集かけられまくっていたのである。
正確に言えば「継承者を求めていたレガシーが、夢の形を取ってアクシーダーであるガウェインに
呼びかけていた」ということだが。
たかが夢と侮ってはいけない。本来夢というのは覚醒時に取得した短期記憶の整理時間である。
これを毎晩毎晩邪魔されまくっていたガウェインに安眠などあろうはずもなかった。
だがしかし、その安眠妨害もついに終局を迎えた。
今日、諸々のすったもんだの上にとうとうそのレガシーを継承したのだ。
そうなってしまえば、レガシーとしても安眠妨害電波を出す理由はないわけで。双方万々歳である。
そして、その妨害終了初日の夜。激戦の疲れもあったガウェインは、その辺の廃墟にテキトーに
ベッドを作って熟睡していたのである。
だから、気付かなかった。
かちゃかちゃ、じ〜〜〜〜
「ん?」
聞き慣れない物音に熟睡していた意識がぼんやり覚める。気のせいか少し涼しいような気がする。
ずるずるもぞもぞ
「んん?」
なんかもぞもぞ身体に触れているような気がする。てか、ズボンがずり落ちていくような気がする。
うわ、いがいとおっきー。かわがちょっとあまりぎみだけど。
「んんん?」
両脚の間、ってゆうか股の間に誰かいるような気がする。
ま、いいや。がうぇいんのだもんね。いただきまーす。
「・・・・・・って、ちょっとまてーーーーい!?」
実はあまりはっきり状況を理解してはいなかったが嫌な予感を憶えて腹筋で上体を跳ね起こす。
熟睡していた為気付かなかったが、ズボンは下ろされ両腕は胸の前で縛られている。
そしてその真正面に見えたのは、自分のむき出しの股間の前で大口を開けている少女だった。
「何をしている、リーザ!!」
「え?これからする所だけど?」
あっけらかんと、笑う。
年の頃は●3歳ほど、長い髪に白いワンピースの黙っていれば美少女、動けば快活な少女、
口を開けば「萌え」と「イタイ」を分ける紙一重を突破した少女が、ガウェインの15cm砲の前で
四つんばいになっていた。
少女とはいったが、実のところは違う。名前はリーザ。ガウェインの継承したレガシー「GL−01」の
インターフェース用疑似物質化ホログラムである。
分かりやすく言うと、ウィンドウズの製品使った時に出てくるイルカの凄い版、みたいなもんである。
「え〜、もうちょっといい表現ないの?」
やかましい。
「ええい、誰と話してるんだ、誰と!」
「あ、ううん、コッチの話。とゆーわけで、続きを」
「だから待てといっとるだろーが!」
「え?なんで?」
本気で分からないと言った顔できょとんとガウェインの顔を見上げる。
「なんでもなにも!何するつもりだお前は!」
そう問われてリーザは少し考え込む。一秒の後にこう答えた。
「スキンシップ?」
「明らかにそれを越えとるだろーが!?」
すかさず反駁されて今度は先ほどより少し長く考え、そして元気よく答えた。
「逆レイプだ!」
「その通りだが満面の笑みを浮かべて言う言葉かあああああああああああっ!?」
「まーまー、落ち着いて。別に取って喰おうって訳じゃないし」
「現に今取って喰おうとしとるだろーがっ!」
「いーでしょ、初めてって訳でもないのに」
何気なくお気楽に放たれたその言葉に、ガウェインがぴたりと止まる。
沈黙の帳の下、27歳男性と●3歳女子がサングラス越しに見つめ合った。
が、その静寂はすぐにガウェインのほうから破られた。
「初めてでなければいいってもんでもないだろう!」
「遅いし」
「ええい、俺が初めてだろうが何だろうがお前の知ったことではないっ!」
「で、結局初めてなの?」
「うっ・・・・・・」
そこで答えに詰まること自体答えたようなものだが、しかしガウェインは自ら言うことはしなかった。
「えへへ〜〜」
ゆるみきった笑顔でリーザがガウェインの15cm砲に息がかかる距離まで近づく。
「な、何がおかしい!!」
羞恥に顔を染めガウェインががなり立てる。が、リーザは落ち着いた風情で囁いた。
「んーん、おかしくないよ。ただ、嬉しいなって思って」
「何がだっ!」
「ガウェインの初めてになれるのは嬉しいなあって」
「お、お前は〜〜〜〜っ」
幼い子供が口にするようにたやすく思慕の情を告げるリーザに、ガウェインの方が羞恥に悶える。
その隙にリーザが15cm砲を手に取った。
「うおっ!」
「わ、ちょっと大きくなったね。やっぱり敏感」
ゆるゆるとみなぎっていく15cm砲を手のひらで暖めるように包み、ゆっくりと皮を剥いていく。
通常時に半分ほど露出していた尖端が全て外気に晒される。
手のひらの暖かさと外気の冷たさが、さらなるエネルギーをチャージしていく。
「臭いキツイね。ちゃんと洗ってないからちんかすべったりだよ。病気になっちゃうよ?」
「こ、荒野に風呂何かあるかっ!」
「じゃあ、これから毎日あたしがきれいにしてあげるね」
宣言すると同時に、15cm砲に舌を這わせ始めた。尖端の銃口からゆっくりとコンペンセイター
との接続部を一回りして丹念に煤を舐め落していく。
「ぬわっ!そ、そんな汚い・・・・・・」
「汚くてもいーもん。それよりひもひよふなひ?」
尖端を銜え込みながら喋ったせいで不明瞭な発音だったが、それでもガウェインには通じた。
もしかすると言葉ではないもので伝わったのかもしれないが。
「くっ・・・・・・いいぞ、リーザ」
「んふふ〜」
褒められたことに気をよくしたのか、行為に熱が入ってくる。
銃口を唇と舌で、銃身を右手で、袋状の弾倉を左手で愛撫する。
「う、ぐうう、が・・・・・・」
献身的とも言えるその奉仕に決壊寸前になりながらもガウェインはのけぞって耐えようとする。
本来ならば発射をこらえる理由などガウェインにはないのだが、意地か矜持か他の何かか。
ともかくも、ガウェインの中の何かが今にも落ちようとする撃鉄を抑えさせていた。
目をつぶり歯を食いしばり悦楽を堪え忍ぶ。
その快楽が、急に消失した。
「う・・・あ?」
急な変化に意識が追いつけない。混乱する意識の中で目を開けたガウェインの目の前に
見えたのは今まで見たことのないものだった。
視界一面が白かった。
陶磁器のように白く、滑らかだった。
その中心、つまり目の前の部分が縦長に丸くふくらんでおり、それを二つに割るかのように
切れ込みが上から下へ走っていた。
よく見るとその切れ込みの下の終点付近には産毛のようなものが生えている様に見える。
「ね、ガウェイン・・・・・・」
一瞬、リーザの声と分からなかった。それほどまでにその声は今まで聴いたものと違っていた。
声に熱がこもっていた。声に微かな恥じらいが混ざっていた。声が、濡れていた。
「あたしも、きもちよくして・・・・・・?」
目の前の「それ」がリーザの女性器だと理性が認識した瞬間、15cm砲は暴発していた。
「きゃあっ!?」
銃口から吐き出される白い弾丸が、覆い被さる形になっていたリーザの顔面や胸部に着弾した。
「うあっ、あっ、あっ・・・・・・」
放出の快感にガウェインの口から喘ぎ声が漏れ出る。忘我の淵にいる彼に、その自覚はないようだったが。
「ガウェイン、はやーい。それとも、そんなにあたしに萌えたの?」
態勢をまた入れ替えて、ガウェインの上に馬乗りになりながらリーザがからかうように問いかける。
頬に垂れた粘液を指で掬って、見せつけるようにゆっくりと口に運ぶ。
幼い容姿と妖艶な仕草があいまって、この上ない冒涜的な魅力を放っていた。
「だ、だれがお前のよーな偽萌えキャラに欲情するかっ!!単純に溜まっていただけだっ!!」
妖しいその魅力にあてられつつも、最後の主導権だけは渡してなるものかとガウェインの
足りな目の自制心が口を動かす。
「えーっ!なんで萌えキャラって認めてくれないのー!?」
「やかましいっ!俺にロリ属性はない!!」
自分でもかなり怪しいとは思ったが、とりあえずそれだけは認めるわけにはいかない。
それを自分で認めたら、もおなんつうかギフトよりも大切なものを失う気がしたのだ。
が、それを聞いたリーザはどうやら勘違いしたようだった。
「ん〜〜。なら、ロリ以外の属性があればガウェイン的に萌えキャラってこと?」
「は?・・・・・・いやまあそういうことに・・・・・・なるのか?」
「なら大丈夫!ゼノンからもらったケルブレムの萌えコスチュームアーカイブアカウントで
ガウェイン的に萌えるコスプレをダウソすればオッケーだし!」
「いやちょっと待て」
いつもらったんだとか、先生何でそんなもん持ってるんですかとか、なんで2ch語なんだとか
色々突っ込みどころが多すぎてどこから突っ込んでいいものか迷ったのがいけなかったのかもしれない。
リーザが淡い光の粒子に包まれたかと思うと一瞬にしてその姿を変えていた。
「じゃーん!これどう?」
ピンクを基調としたツーピースの制服。スカート丈は短く、その奥が見えそうで見えない。
右手には注射器、左手にはバインダーを持っている。
頭には制服とおそろいのピンクの帽子、といっても頭を覆うものではなく判別の為のものっぽいが。
服はかなりぴったりと作られているらしく、リーザのスレンダーな身体を強調していた。
「ナース服!もー定番だよね!」
「・・・・・・」
「とゆーわけで、患者さんの腫れた部分を触診しますよぉ・・・・・・って、ちょっとお!」
唐突に上がった声にめんどくさそうにガウェインが応じる。
「なんだ?」
「なんでおっきくなってないの!?」
リーザがセーフティのかかった15cm砲を手にとってくってかかる。しかし、ガウェインは何処までも冷静だった。
「そりゃ、出したばっかだからだろ」
「そうじゃなくて!このナース服に萌えないの!?」
「ああ。全然萌えない」
「くっ!」
にべもなく叩っ切られてはじめてリーザが狼狽する。その気配を感じ取り、主導権を取り戻すべく
ガウェインは挑発しはじめた。
「あ〜、ダメだな。外見をいくら変えた所で中身が萌えないんだから仕方ない。まあ、お前の萌え
力(もえぢから)などそんなものだということだ」
「ううっ。たまたま働くお姉さん系が弱点属性じゃないかもしれないじゃない」
「ほほう?それなら試してみるか?」
「言ったな〜。じゃあ、萌え死んでも知らないんだからねー!・・・・・・ちょいやー!」
そういうなり、リーザは胸の前でなにやら複雑な形に手を組むと気合い一声、煙と共に姿を変えた。
ぼうん。
その音と共にガウェインの上でリーザの服が変わる。
地味な紺色。肌にぴったり貼り付く生地のワンピースの水着だった。薄い胸のあたりには白い布で
名札がつけられており、其処には黒い太文字で「6−3 りーざ」と書かれていた。
「なっ?そんなもので俺が・・・・・・」
「あ、ちょっと大きくなった」
「なあぁにいいいいいいぃぃぃいいいいいいいっ!?」
リーザの手の中で少し仰角を増やした15cm砲を見て自分でも信じられずガウェインが吼える。
「うそだーっ!出鱈目だーっ!これはGMの陰謀だーっ!俺のビックマグナムにルビムントが取り憑いたんだーっ!!」
グラサン越しにも分かるぐらいの半泣きでガウェインが首を横に振って弁明する。というか、自己暗示をかける。
その様子を、と言うよりも15cm砲の様子を見てちょっと引き気味にリーザがうなる。
「ガウェインってやっぱり純粋ロリ・・・・・・」
「違うーっ!!これはハレルヤプログラムの陰謀だーっ!!俺はロリじゃなーいっ!!?」
だだっ子のように叫ぶガウェインに、それでもリーザは攻撃の手を休めないようだった。
「んじゃあ、このままオプションつけてみるね。リーザ・フラーッシュ!!」
首の謎チョーカーに触れて叫ぶと同時、光の粒子が背中に集まり、物質を形成する。
リーザの背中に出来たそれは赤い色をしており、材質はおそらく皮革。四角い「それ」から
皮のスリングが二本伸びており、それにそれぞれ両肩を通して背中に背負うようになっている。
箱状の本体の底面には金具が付いており、そこで開閉できるような仕組みらしい・・・・・・。
ばいん
「ばいん?」
突如聞こえた謎の擬音。それの発生源に目をやったガウェインは驚愕した。
其処に存在していたのは真上に向けられた15cm砲ではなかった。
臍にまでくっつきそうなほど堂々とした200mm滑空砲だった。
「ぬぅわにぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!?」
有り得ない、というか認めたくない事態に思わず絶叫する。
それを勝機とみたリーザは即座に畳み掛けた。
「今日、学校行く時から着ていったら下着忘れちゃったの・・・・・・。おにいちゃん」
「だっ、だっ、だだだだ誰がおにいちゃんかっ!?」
下手なスクラッチのようなろれつで、それでもガウェインが何とか答える。動揺は隠しきれなかったようだが。
「だからね、リーザ、ぬれぬれのまま帰ってきちゃった」
リーザが覆い被さるように、つまり『紺色のぴったりした服』が滑空砲に接触する形でガウェインの首に縋り付く。
「そしたらね、りーざのおまたへんなかんじがするの・・・・・・」
舌っ足らずな声で耳元に囁きながら、リーザは接触した部分が摩擦されるようにゆるゆると動く。
「おにいちゃん、なんとかしてぇ?」
甘えた声、とろけた声。ココロノカベヲトカスコトバ
ぶちん、と縛っていた縄と何かが切れた。
「え?」
しっかりと縛っておいたはずのロープが力任せに引きちぎられ、勢いのままガウェインはリーザを押し倒す。
野獣のような荒い息。眼はグラサンに隠されわからないが、突き刺すような視線だけは鋭く感じた。
「ちょ、ちょっと・・・・・・」
「うがあっ!!」
「ひゃああああっ!?」
ガウェインはおもむろにリーザの胸元に両手を入れ、強引に左右に開くように引き裂く。
紺色が引き裂かれて現れた白い肌に、勢いよくしゃぶりつく。
「ひあっ!んっんっ、やう、きゃふっ!だ、だめえっ!!」
愛撫と言うよりも、嬲り尽くし姦し尽くすための蹂躙行為。技術も愛情もなく、ただひたすら心の闇を
吐き出し叩きつけむさぼり食う。
その獣のような愛撫に晒されたリーザの身体は、最初のうちは暴力的な行為を拒絶すべく抵抗して
いたが、元より興奮していた身体はすぐに快感を感じ始めた。
「んあああっ!あふっ!いいのっ、いいのっ!おっぱい、いいのっ。感じちゃうよぉおおお!!」
リーザの嬌声が上がっても、ガウェインは答えない。
否、答える余裕がない。
はじめて触る女の肌に飢餓感にも似た愛欲を感じ、それにせき立てられるままにリーザを味わう。
やがてその手が、股間へと伸びた。
「ひぐっ!」
前戯もなしにいきなり中指が根本まで突き立てられた。だが既に大量に吐き出されていた
ガングリースのおかげで円滑な前後動作が可能だと確認できた。
(スクー○水着・・・・・・!○年生!小○校!イチジクのタルト!○年生!・・・・・・通学路の道!
○年生!おにいちゃん!プール!ランドセル!朝顔!○年生!おにいちゃん!秘密の放課後!!)
ダメな天国へ行く為の秘密の13の言葉を脳内で叫びつつ、ガウェインは滑空砲をリーザの演習場
入り口に擦りつける。だが、内圧の高まりすぎた銃身の照準が不安定なのか、銃口が入り口周辺に
ぶつかるだけでなかなか、演習場に入ることが出来ない。
「ひにっ!ガ、ガウェイン・・・・・・じらしちゃ、やだよ〜!」
ガウェインとても早急に演習に入りたいのだが、焦れば焦るほどうまくいかない。狙いをはずれた
銃身が入り口付近の赤い警報機にぶつかるたびに双方に甚大な被害が出る。
「クリ、クリちゃ・・・ん、こすれ・・・てぇっ!!」
だが、数打てば当たるとの故事通り、ついに演習場への入場が成功した。
「んんんあああああああああっ!!ガウェインの、ガウェインの、おっきいよおおぉぉぉぉぉおおっ!」
「ぐあああぁっ!!?」
まるで実戦さながらの激しい攻防に悲鳴と怒号じみた叫びが放たれた。リーザ側が包囲するように
仕掛けたトラップはガウェイン機甲師団を取り囲み、主力正面に招き入れるように働く。
迂闊な突撃を仕掛けてしまったガウェインだが、その主砲の射程と火力に任せた強引な突撃で
力ずくの正面突破を図った。
「おま、え。そんなに動・・・締めるなっ!!!腰がっ・・・・・・とまらんっ!!」
「だってえ!だってえ!奥までおくまできてるのおっ!!」
トラップの存在に怯むという計算で布陣していたリーザは無謀とも言える突撃に、多少泡を食った。
しかし、元より狙いは主力の一斉攻撃での決着。すぐさま布陣を整え直すとガウェインに小細工
無しの突撃を仕掛けた。
「うあ、あ・・・・・・。っ・・・・・・すごいぞっ!こんな熱くて、つぶつぶでざらざらなのかっ!」
「はあ、はぁ・・・・・・。ガウェインで、ガウェインでいっぱいだよう・・・・・・」
それは戦場の非日常空間が呼び起こす熱狂なのか。それとも、死にいくもののうわごとか。
ともかくも、全力且つ全速の消耗戦に両軍とも既に全兵力の3分の2を損耗していた。
そして、互いの指揮車両が黙止距離に入り、互いの残存火砲の全ての照準を受ける。
「うああっ!リーザ、リーザ!」
「ああっ!好きだよっ。ガウェインすきだよっ!!」
そして、号令と共に放たれた一斉射撃が全てを終わらせた。
例え演習だろうと、一戦終わらせれば後始末がある。そして、それは大概後悔と共にやってくる。
「はあああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
深い深いため息をつきながら、ガウェインは頭を抱えた。
「どしたの?疲れた?」
胸元に縋り付いてお気楽に聞いてくるリーザを押しのける元気すら沸いてこない。
「だってお前、コレじゃあ俺がまるで真性ロリコンみたいじゃないか・・・・・・」
確かに●3歳ぐらいの少女にここまでのことをすれば、とゆーか、スクー○水着で我を忘れるあたり
弁護しようがない。犯罪者予備軍のど変態である。
だが、リーザにはそんなことはどうでもいいらしく、胸板の上に乗りながら甘えるように言う。
「ん、私に萌えたっていう解釈じゃだめ?」
「いいわけないだろ。コレは何かの間違い・・・・・・」
言いかけたガウェインの言葉が止まる。目の前のリーザが上体を起こし、その服を変えていく。
「じゃ、別ので試してみる?」
白くて柔らかい素材のシャツと、紺色で目の粗い生地のパンツ。そして、額には表地が赤く裏地が
白いリボンが巻いてある・・・・・・。
200mm滑空砲に次弾が装填された。
******秋葉原・某事務所******
○はまー「これを次の『秘密』として載せたいんですけども、いいですか?」
き○たけ「ころすぞ」
つうわけで、言い出しっぺが「リーザがガウェインの筆卸し」をイケナイ感じに書いてみたさー。
各用語の分からない人は自分でググろうね!お兄さんとの約束だ!
爆笑しながらもオレの8インチリボルバーが納まらないのでなんとかしてください…ハァハァ
まさに一戦交えてる表現にワロタ GJ!!
GJ
…てか、
>ケルブレムの萌えコスチュームアーカイブ
って、ちょっと待てバーラトのインターネッツ
そして、オチにワロタ
…しいて言うなら、その後
(き○たけ、○はまーをしこたま殴る)って記述があったら完璧だったんだが…
これはまた完顔阿骨打クオリティなニルですね
464 :
いつも中の人:2005/08/06(土) 23:16:10 ID:z3RmX+/R
中は忘れず。せっかく付けてもらったコテなのだから。
本日は投下のみ。感想は後日。
GM疲れです。燃え尽きました。
BBNT公式シナリオ『正義と悪』。熱すぎる・・・!
◇Milliard Words
「何を歌っているのだ?」
完全武装状態で片膝をつき、崖の端から眼下の海を眺めていた俺は、ほんの
一瞬前には誰もいなかったはずの斜め上から声を掛けられた。いつものことだ、
最早この程度で驚きはしない。俺は彼女を振り仰ぎ、答える。
「俺は歌ってなどいない」
敵の出現を待つ間、少しばかり、子供の頃のことを思い出していた。戦士に
なる、俺がこの手で故郷を守り抜いてみせる、そう誓った頃のこと。懐かしい
街、懐かしい人々、懐かしい、歌。初めての恋、憧れの人の面影を胸に、そっ
と呟いた恋歌。
その旋律と歌詞。意外と憶えているものだ、と自分自身に驚いていた。しか
し、声には出していなかったはずだ。
彼女は藍紫の衣を風になびかせ、同じ色の瞳をゆっくりと瞬かせた。
「君ではないのか? では、誰が歌っていたのだろう?」
「歌など、俺には聞こえなかったが、」
この界隈に、俺達以外に人はいない。いや、厳密には誰一人いないと言うべ
きだろう。俺達は『ヒト』ではないのだから。同類には、俺は鋼の王者という
通り名で、彼女は歴史の監視者という一種の種族名で呼ばれている。
「お前が聴いたのならば、聞こえていたのかも知れないな。お前は俺に見えな
いものを視、聞こえないものを聴く」
彼女は納得がいかない様子で水平線の辺りへと視線をなげ、俺は再び海面へ
と視線を落とした。
この世界の海は、俺の故郷の海とよく似ている。最早記憶の中にしかない、
青い青い海原、白い波頭、潮騒。
守れなかった、ゆえに滅びた、俺の故郷。
「美しい旋律だった。確か、このような」
ラ、ラ、と歌声が聞こえた。彼女の歌声、その旋律はまさしく件の恋歌の。
俺は彼女の歌に耳を傾ける。鼓動が高まる。地球ドミニオン、この遠い遠い異
境の地で、まさか故郷の歌を他者の口から聞けるとは。それに何故、彼女がこ
の歌を知っている?
一通り歌い終えて、彼女は言った。
「とても君に近しい歌声だった。だから君が歌っているのだと思ったのだが」
「それは、俺がガキの頃、故郷の街で流行っていた歌だ」
動揺を隠して俺は言った。
「どこで聞き憶えた?」
「・・・ほら、今、聴こえている」
俺は耳を澄ませた。神経の大半を聴覚に集中して、しかし、歌なぞ全く聞こ
えなかった。
彼女は軽く眼を閉じ、その歌に聴き惚れている様子だ。
「十億の言葉を費やしても、君への想いは語り尽くせない。訳すとするなら、
そんなところか」
「歌詞までわかるのか?」
「私の知らない言葉だ。君の世界の言葉なのだろう。でも、意味だけは何とな
く・・・あ」
残念そうに呟く。聴こえなくなった、是非とも憶えたかったのに、と。
「陳腐な歌さ、憶える価値などない」
そっけなく言い放ってやると、彼女は小首を傾げた。
「しかし、君の好きな歌なのだろう?」
彼女は時々、まるで俺の心を読んだかのようなことを口走る。初めて逢った
ときもそうだった。
そして彼女は更に時々、とんでもないことをさらりと言う。優しい微笑みす
ら浮かべて。
「君の好きな歌なら、君のために歌いたい。君への想いの全てを込めて」
鋼の鎧、鋼鉄の面貌に表情はない。無くて僥倖だ、俺は今、身も世もないほ
ど赤面しているに違いないから。全く、聞くだけで恥ずかしくなるような台詞
を、よくも素面で口にできるものだ。これだから伝説の住人というやつは。
「歌ならいつでも歌っているではないか。不幸の歌、悲劇の歌、最悪の未来の
歌を」
自分でもぶっきらぼうだと思う物言い。彼女は小さく苦笑いして、ふ、と表
情を変える。どこか超然として、それでいてどこか楽しげな。
「来るぞ」
海面に不自然な泡が、急速に量を増して。波間を貫き、鎌首をもたげる海蛇
状の怪物。奈落に冒され堕ちた竜、毒竜。この世界の調和を乱す異形。この界
隈を誰一人いない状態になさしめた、端的に言って、邪悪な存在。それが見る
間に2体、3体と次々に姿を現した。
「聞いていたよりも大きいな。それに、1体ではなかったのか」
「怖じ気づいたか?」
「馬鹿言え」
吼え猛る竜の声。音波による物理的な衝撃が、空間全体を打ちのめす。
「持久戦は不利。初手をとっての急戦が吉、か?」
「吉凶を占えというのか? この私に?」
俺の問いかけに対して、不吉の象徴が先触れの歌を歌う。
「なべて戦いは最大の凶事。死にして破壊にして喪失にして破滅。だからこそ
命の懸け甲斐を求めて、人は戦いに意味を見出すのだよ。それは例えば生きる
ため、それは例えば奪うため、それは例えば」
「正義のためだ」
俺は立ち上がる。軽く地を蹴り、急降下、一直線に飛びかかる、敵へと。
俺は真っ直ぐ前だけを見、ひたすら前へと進めばいい。俺はこの世界を守っ
て戦う、それだけ、ただ、それだけ。
無謀? そんな言葉は俺には無縁だ、俺の背中は彼女が守ってくれている。
歴史の監視者と呼ばれる伝説、死という名を与えられた概念の神、不運をもた
らす者にして、俺の最高の『幸運』。
インパクトナックル起動。魔気の解放、《無限の法則》。
「マックス・ブレイク!」
−−−
毒竜どもの【真の死】を確認してのち、俺は海底へと身を翻した。
真昼の光が真っ直ぐに射し込む、白い砂地の上に海藻を身に纏う大型船が一
隻。難破船、潮に流されてこんな浅瀬にまで漂着したか。
甲板に大きな縦穴。彼女が俺を庇って毒竜に叩き落とされた跡だろう。潜水
続行、下へ下へと辿っていくと、船底、瓦礫の山から白い女の片手だけが突き
出し、・・・見る間に、透き通って消えた。歴史の監視者の、【真の死】。
防ぎきれないダメージを、命を盾にして食い止める戦術。己の【真の死】す
らリソースとして、確実な勝利を手にすることを選ぶ彼女。今までにも何度か
繰り返されたことだ。それに、俺と彼女の能力が逆ならば、俺も同じことをす
るだろう。
だが、決して慣れることはできない。俺には彼女を救う手だてがあると理性
ではわかっていても、感情がついていかない。悔しさが募る、俺にもっと力が
あれば、あの毒竜どもを一撃で倒せていれば、と。
俺は【魔の姿】、いわゆる変異を頭部だけ解除。次いで胸部装甲を開放。人
としての姿を有する胸板に右手を突っ込んで、血潮が吹き出す中、肋骨を何本
かへし折り、肺腑を傷つけながら、心臓の横、俺のもう一つの心臓ともいうべ
き器官を抉り出す。故郷では心珠と呼ばれていた、俺という個体の生命維持に
大きく関わる器官。
《もうひとつの命》。心珠を核に、俺自身の生命力を贄に捧げてありとあら
ゆる『死』を無効にする能力。下手を打てば俺が代わりに死ぬことになるが、
俺はバイオブーストを施術されており、この程度のダメージで死に至ることは
ない。暫く休めば回復もする。俺は胸部装甲を閉じ、彼女の復活を待った。
糸がほどけるように心珠が溶け去り、その跡に、細かな泡が女の形に集まっ
た。羽化した蝉が色づくような自然さで藍紫色の衣をまとい、まっさらな伝説
の住人がゆっくりと瞼を上げた。
「毒竜の群は・・・全て奈落へ還ったか」
周囲の気配を分析して彼女が言う。戦いの終わりを確認し、それから俺に、
「助けてくれて有り難う。・・・お疲れさま」
と晴れやかに笑いかけた。行き会う者に不吉をもたらす死神でありながら、
俺が生き残ったのがそんなに嬉しいか。
俺は何の前触れもなく瞬時に襲いかかり、油断しきった彼女の身体を抱い
て、唇を奪った。あまりのことに硬直したか、反応はないが、抵抗もない。
俺も、また彼女も、特段に害意ある障害がない限り、この世界の海で溺れる
ことはない。会話すら普通に行える。とはいえ通常は陸の上で暮らしているた
め、よもや海中でこのような行為に及ぶとは予想外だったのだろう。
たっぷり十数秒を経てから、彼女はようやく我に返った。俺と自分との間に
可能な限り両腕を突っ張って、
「何をするかっ!」
柳眉を逆立て怒鳴る彼女に、俺は笑う。にんまりと。
「何を怒っているのだ? 毒竜どもは倒れ、護るべき世界は護られた。周囲の
被害は最小限。俺達は無事。何の問題もない」
「大問題だ、今の」
「今の?」
続きを促す。彼女が言葉に詰まる。思い出して、照れているらしい。口元を
指先で押さえて、視線を逸らした。耳にするだに歯の浮くような台詞は何の抵
抗もなく口にするくせ、たかだかキスの一つで恥じらうのはどういうことなの
やら。
俺は彼女に顔を近づけた。低く囁きかける、
「どうした、反芻しているのか? 今の、感触を」
カッとなってこちらを向いた、彼女の腰と背中を抱いたなりでもう一度口づ
けた。彼女はじたばたと暴れるが、魔としての俺の力は腕力を主とするのだ、
魔力を主とする彼女が抗しきれるはずもない。
彼女の長衣は前あきだ、左右の布を正中線でぴたりと合わせて、宝石めいた
ボタンに装飾も兼ねた幾何学的な留め金が掛けてある。華奢な作りに見えて、
戦闘中には確実に着用者を守る、いわゆるマジックローブ。【魔の姿】となっ
た彼女の、第二の皮膚のようなもの。
そういえば、一度目は構造がわからずに留め金を壊してしまい、随分と怒ら
れた憶えがある。が、今はもうコツを掴んでしまったので、指先一つでちょい
ちょいと外していける。
何をされているのか彼女が理解した頃、俺は上半身分の留め金を外し終えて
おり、逃れようと彼女が身体を引いた勢いを借りて、長衣の胸元をはだけた。
完全に逃げ切られる前に再び抱き寄せ、彼女の胸を包む下着の上から少しきつ
めに歯を立てる。目標過たず、最も感じる部分に。ビクン、と激しい反応が俺
の腕に伝わる。彼女が受けたのは痛みか、それとも。
「・・・っ!」
不自然な体勢から、俺のことを一生懸命に殴る両手。性急すぎるか? なら
ば少々手加減してやろうか。
彼女から手を離さないようにしながら、抱き締める腕を一旦解放し、すぐに
背中側から抱き締める。俺の腕と彼女の胴体との間で彼女の両腕が挟まれるよ
うなかたち。もがいたところで何の役にも立たない状態。歴史の監視者の十八
番、空間跳躍は、他人に身体のどこかを掴まれていては不可能であることを俺
は知っている。絶対に逃がさない。
「放せ!」
「お断りだ」
全身鎧の小手部分のみ変異を解除、彼女の下顎、骨と喉との間、柔らかな皮
膚の部分に、くすぐるようにして指先を這わせていく。仰け反った頭が俺の肩
の上に来る、すかさずその耳を甘く噛む。
「王者、ふざけるのもいい加減にしろっ」
海水を振動させて伝わる声。俺の愛戯に反応していることを悟られまいと、
平静な口調を取り繕おうとしているのがよくわかる。
「ふざけてなどいない。いつだって俺は真剣だ」
彼女の体の線に両手の指先を沿わせて、長衣の上から、下着の上から、ある
いは素肌に直接に。描く、撫でる、震わせる。
「いつだって俺は、お前に真剣だ。少なくとも、お前が俺に真剣でいてくれて
いるのと同じくらいには」
「その態度がふざけていると、くっ、言っているのだっ」
「ああ、今のところ、感じたか?」
「馬鹿も休み休み言えー!」
語尾が絶叫めいている。台詞の内容、単語通りの意味とは裏腹に、なんて素
直な口調。
長衣の留め金を下半身分も全部取り外す。
「地上ならバランスを取るのが難しい体位も水中なら思いのままだ、いっそこ
のまま、思いつく限りのことをヤってみるか?」
「くだらないことに同意を求めるな!」
「それは同意を得ずともヤってよい、という了承だな?」
「どう曲解すればそういう理解になるのだ、馬鹿者!」
心底身の危険を感じたらしい、彼女は全力で俺の束縛から脱した、が、俺と
て黙って見逃しはしない、握手をするように片手だけは繋ぎ止める。残る片手
で彼女は外された留め金を順にとめていき、残る片手で俺はとめられた留め金
を片端から外していく。どちらのスピードが速いかは言わずもがなだ。邪魔す
る俺を振り払おうとする彼女、させまいとする俺、逃げる、追う、回り込む、
引っ張る、上へ、下へ、まるで自在なダンス。完全に留め金を掛けきらない彼
女の長衣が熱帯魚の尾びれのように青い水中を彩る。
俺は喉元でクックと笑う。
「楽しいな」
「楽しくないっ!」
水中の戯れは、暫し続いた。
−−−
風に雲がゆったりと流れて、日の光が射したり陰ったり。天気は上々。暑い
夏。
波がひたひたと打ち寄せる平らな岩場に揚げてやると、彼女はくたりとその
場に座り込んだ。
「つ・・・疲れた・・・・・っ」
「珍しいな、お前が弱音を吐くとは」
「誰のせいだっ」
焦る指先で服の留め金を掛け直しながら、俺のことをギリッと睨みつける。
悪いが、お前、そんな恋情いっぱいの瞳で睨まれたところで、俺はちっとも
恐くないんだ。
「次は何をして欲しい?」
「次も何も、して欲しいなんて頼んだ憶えは」
最後まで言い終わらせず、俺は本日3度目、彼女の唇を奪っていた。
何度交わしても飽きない、足りない、お前との口づけ。一日中でもこうして
いたいのに、無粋な魔物どもが世界中で暴れるものだから、俺と彼女は一所で
落ち着くことすらままならない。今回は、難敵を倒して得た暫しの平穏。戦士
にも休息は必要だ、身体の疲れは食って寝れば回復するが、心はそうはいかな
いのだから。
身を縮めることで抵抗する彼女の、髪を、背中を、掌で撫でてやりながら、
「さっきまで俺はお前に触れていなかったぞ、何故空間跳躍をしなかった?」
「そ、それは、跳躍条件が合わなかったからだっ」
「嘘をつくのはよくないな、予言を専らとする者は言葉を大切にせねば」
「別にっ、嘘をついてなどいないっ」
「ほう、では真実を語ったというわけでもないのだな?」
「っく〜っ、ああ言えばこう言うっ!」
どう言い返してくれようかと歯噛みしている顔が可愛い。
『物語』の間はあんなにも凛々しく、世界の全てを過去も未来も見通すかの
ような全能感に満ちあふれているのに、『物語』が終わってしまうと、彼女は
子供のようにもなる。意地っ張りで負けず嫌いで好奇心が強くて独善的で自分
勝手で、丁度、今がそうであるように、軽くからかってやっただけですぐムキ
になる。かつて、『物語』の開幕と同時に現れ、閉幕と共に姿を消して休眠し
ていたのは、まさか、このギャップを隠すためか?
しかしながら、最近の彼女は常に俺の側にある。可哀相に、この俺に惚れた
せいで。
尤も、それでこそ、ここまで惚れさせるのに苦労したこの俺が報われるとい
うものだ。彼女の導きで戦いに赴き、無事に生き残った男の最長記録を未だに
更新し続けている俺の苦労が。何もそれだけのために戦っているわけではない
が、それも求めたところで文句を言われる筋合いはない。
いつだったか、「普通なら3度目までに死ぬのに」と、惚れ直すぐらいのマ
ヌケ面で唖然としていた彼女の姿を思い出す。その気持ちもわからないではな
いほど、歩く凶兆、死そのものたる彼女の持ち込む『物語』は危険なものばか
りだった。今では、さも生き残って当然のような顔をして、とんでもない『物
語』を運んでくる。信頼されているというか、何というか。
「・・・あ」
彼女がピクンと顔を上げる。まさか、また魔物の気配を察知したのか、と俺
は身構え、彼女の様子から、即座にその考えを否定する。案の定、彼女は小さ
く、あの歌だ、と呟いた。
今度は、俺にも聞こえてきた。彼女に触れているせいだろうか。試しに彼女
を抱きかかえ直して俺との接触面積を大きく取ると、歌声もはっきりと伝わっ
てきた。まるで、彼女の身体を通して俺の身体に響いてくるかのように。
先程彼女は、『とても君に近しい歌声だった』と言った。だから俺が歌って
いるのだと勘違いした、と。しかし俺にはその歌声は彼女の歌声のように聞こ
えた。尤も、彼女の声にしては舌足らずというか、幼い感じもしたが。
歌に聴き入っているためか、完全に俺に抱き寄せられているというのに彼女
は抵抗もしなかった。それどころか軽く目を閉じ、俺が自分の胸に彼女の頭を
凭れさせるようにしてやると、安らいだように身体を預けてきさえした。
おいおい、虎視眈々とお前を狙っている男の前で、それはあまりに無防備な
のではないか?
試しにこっそり衣服を脱がせていって、・・・下着のみというあられもない
姿にされてもまだ気付かないとはどういう了見だ。全くもってけしからん。
歌は何度か繰り返されて、終わった。
「待っ・・・!」
不意に彼女がガバと跳ね、何かを追い求めるように手を伸ばし、
「違う。存在していないのか?」
わけのわからない独り言。傍目には、浅い夢に寝惚けただけのように見える
が、恐らく彼女は思惟を遠くに飛ばすかたちで何かを視ていたのだろう。なる
ほど、だから裸に剥かれる寸前になっても気が付かないわけだ。
「って、わあ!?」
やっと気付いた。
「私の服!」
俺は片手首の返しだけで、水を吸って重たい長衣を俺の身長の倍はありそう
な岩の上へ投げ上げた。俺に抱き寄せられている彼女には、当然、取りに行け
ない。羽衣を奪われた天女。怒りが言葉にもならず、口をぱくぱくさせて岩の
頂きを指さす彼女に、しれっとした顔を向ける。
「怒ると胃を悪くするぞ」
「悪くなったら君のせいだっ」
「胃が悪くなると飯が食えなくなる」
「それがどうしたっ」
「飯が食えなくなると腹が減る」
「だからそれがどうしたと言っているっ」
「腹が減ると怒りっぽくなる」
「そして怒ると胃を悪くすると言いたいのだろう、いい加減にしろー!」
叫ぶだけ叫んでぜえはあ息をしている彼女の肩をポンと叩いて、
「落ち着け」
流石に殴られた。左顎を下から上へ抉るように。狙い所は悪くないが、俺に
してみればこの程度の拳骨、痒くもない。むしろ、彼女の方がダメージを受け
て、痛そうに手を振っている。
「全く、いつもいつもいつもいつも君は!」
「いつもいつもというわけでもないだろう、こんなにのんびりした時間がとれ
るのは久しぶりなんだ」
「だったらゆっくり休んだらどうなのだっ、こんな馬鹿なことばかりしていな
いでっ」
「なに、休日にぐうたらしているのは逆に身体に悪い。軽く運動をするぐらい
が丁度いいのだ。というわけで、しよう」
「何を」
「ナニを」
理解が彼女の頭に至るまで、1、2、3、4、5秒でボフッと真っ赤になっ
た。
「そ、それは、そーゆーことはっ」
「俺も脱いでからの話だな」
装甲全解除。鎧下一枚の姿で。
「違ーっ! そーゆーことはっ、ちゃんとした人間の、いや半魔でも魔物でも
いいが、恋人とか夫婦とかがすることであってっ」
「俺達は恋人同士だろう?」
あっ、畜生。思い切り頭を横に振りやがった。
その頭をガッと捕らえて俺に向けさせる、
「数えるほどとはいえ、何度か身体の逢瀬を重ねた俺を、恋人でないとは言わ
せんぞ?」
「それとこれとは話が別でっ」
「ほほう、するとお前は恋人でもない男に身体を開くような女だと自ら吐露す
るわけだな?」
「だっ、だからっ、それはそれ、これはこれでっ」
「まだ気にしているのか? 子供ができるわけでもないのに、と」
本当は顔ごと背けたかったのだろう、が、頭を押さえられている彼女は、視
線だけを俺から背けた。
彼女の額に俺の額を当てて、俺は語りかける。
「子供を作るためだけに、身体を重ねるわけではないだろう? 心を重ねるた
めにすることでもあるだろう?」
「そういう・・・言い訳めいたことは、嫌いだ」
「何が言い訳だ」
俺にはどうしてもわからない。疑う余地もないほど俺に惚れているくせに、
何にこだわって、俺に抱かれることを拒むのか。・・・いや、本気で拒んでい
るわけではないな。疑う余地もないほど俺に惚れているくせに、何にこだわっ
て、素直に俺に抱かれようとしないのか。
まあいい。どうせやることは同じだ。唇で、舌で、掌で、指先で。肌のあち
こちにじわじわと優しく触れてやれば、ほら、もう息が乱れ始める。口先一つ
で抗おうと、どだい無理な話なのだ。全身性感帯みたいなお前は、ちょっとし
たスキンシップですぐにスイッチが入るのだから。これでよく俺に抱かれるま
で処女だったものだ。世界の奇跡だな。
あるいは、と俺は埒もなく考える。彼女は、俺という異世界からの来訪者を
体よくこの世界に繋ぎ止め、敵と戦わせるためのエサなのではないか、と。
だとしたら随分と上等なエサだ。誰が用意したか知らんが、よくぞここまで
俺の好みに合わせてくれた。故郷を失い、戦士としての誇りも地に堕ち、自暴
自棄から全てを破壊しようとまでしていた男に対し、こんな上物を惜しげもな
く与えるとは、実に気前のいい世界である。
「さて、選択の時間だ」
彼女の真似をして芝居がかったように、俺は両腕を広げてみせる。最早彼女
を捕らえる枷はないのに、彼女は逃げもしない。退きさえも。
「今この場で無理矢理俺に犯されたいか? 今この場で優しく俺に犯されたい
か?」
「そ、・・・そんな無茶苦茶なっ」
「何を言う、いつもお前がやっていることではないか。甘んじて殺されるか、
戦って死ぬか。『そんな無茶苦茶』な選択を他者に強いるお前が、俺の示した
選択肢を非難する資格があるのか?」
「私は選択を強いているわけではない、ただ、物語を導いているだけだ」
「だとしたら、俺もただ導いているだけだ」
彼女の小さな頤に指を当てて、しっかりと目線を絡み合わせて。
「俺とお前の恋物語をな」
俺の熱情に浮かされたように、とろんと頬を染め、彼女は俺を見つめる。伝
説の住人、殊に彼女は『物語の必然』に弱い。有無を言わさぬ調子で強引に事
を進められると、なんとなく納得したような気分になって、あっさり流されて
しまう。そんなお前が大好きだ。
「さあ選べ。今この場で無理矢理俺に犯されたいか? 今この場で優しく俺に
犯されたいか?」
俺の台詞にいざなわれ、彼女が小声で答えを紡ぐ。仕方なく、といった口調
で、その実、期待に満ちあふれて。
「や・・・優しく・・・」
俺は再び選択肢を繰り返す、やや強い語調で。
「今、この場で、無理矢理俺に犯されたいか? それとも今、この場で、優し
く俺に犯されたいか?」
暗示にかけられたように、彼女がゆるゆると答える。
「今、この場で、優しく・・・君に犯されたい・・・」
上出来だ。俺は微笑み、お望み通りに優しく彼女を抱き寄せた。
−−−
長いので前後編に分けました。後編はまたそのうちに。お休みなさい。
か…
かわいすぎる…
なにをどーすればこんなに萌えるのか。
なにこのツンデレ、ふざ(ry
【馬鹿は鼻血を垂らしながらハァハァしている】
はぁはぁ えろすえろす
さて前に宣言したポリ×柊ものです。
自分的にはちょっと挑戦的な試みしてみました。
あと都合により前後編に。
あと何よ上のツンデレ。好きって気持ちが高まって、シてくれることを懇願するシチュ?
はははフザけんなよ。この俺のストライクゾーンを突きまくって悶死させるつもりだね?
ま、それはともかく。↓GOです。
site of 強化人間ズ
輝明学園武蔵野校、放課後。紅く西日が差す教室に3人の少女の姿があった。
「……それでは第65回姫ヶ崎によるザーフィ陥落作戦会ぎ……」
と、天緒・真白が言いかけたときだった。
真白と緋室・灯の持つ0-phoneに同時に着信があったのは。
「……小規模だが異界の扉が開いた」
「座標は柊・蓮司の自宅内。優美」
名前を呼ばれた姫ヶ崎・優美は一つ頷き、
「全自動ツッコミ装置の監視装置を起動する」
黒板が反転し大型スクリーンが現れ、柊宅の各室内が大写しになる。
と、リビングを写すウィンドウに見慣れぬ物体があった。
「……後頭部、だな」
「紫」
「ディングレイのときの勇者か」
確認し、灯が0-phoneに向かって告げる。
「目標を確認。友好勢力ポーリィ=フェノール。
ルーンマスター系のクラスではないため常識に対する干渉度極小。
害は無いと思われますが監視を続行します」
絶滅社からOKのサインを受けると、ピ、と通話を切る。
「私たちが監視を?」
「会議よりは、おもしろそう」
「……興味は、ある」
3人は思い思いの机に着席。柊宅の監視を始めた。
site of ポーリィ=フェノール
扉をくぐって、光を抜けて――
気がついたらもうここに着いていた。
テレビ。電灯。ゲーム機。あとなんかいろいろ。
ディングレイ騒ぎでこの世界に来た、あの時以来だ。
「えへ……懐かしい、かな? 柊どこだろ?」
「テメェとりあえず俺の頭から降りろ……」
ポーリィが出現した位置は柊の真上だった。
「あ、いたにょー。柊ー」
「だから降りろって!」
叫ぶ柊。よ、と床の上に降り立つ。
「おひさー」
「ああ、まあそうだけどよ。……っと」
柊の0-phoneが鳴った。前のときにはナイトメアと連絡を取っていた機械だ。
「アンゼロットか。ああ、いるいるここに――」
2、3分話し込んで柊が電話を切った。最後に少しだけ会話の端が聞き取れた。
《――では貴方に全てをお任せします》
柊は、ああ、と言っていた。恐らく、次元を越えてきた自分の事に関する会話だろうということは推測できた。
それを柊が引き受けてくれたことも。ああ、やっぱり彼はこういう男だ。
安心して任せられる。
「で? なんだってまた地球に?」
「あ、うんそれはね……」
思わず口籠もってしまう。でも。
……大丈夫。彼になら言える。こんなことでも頼める。
ううん、こんなことだからこそ。
「あ、あたしの、しょ、処女を貰ってください!」
site of 名も無きぬいぐるみ
うわー。ご主人が腰抜かした。いきなり思い切った娘ッスねー。
襲い受けの本体といい勝負ッスー。
「な、なななななな」
何を、と言いたいんスかね。うんうん。
「あ、あのね、ワケがあって!」
何やら説明が始まったッス。
なるほど、異世界の機神を動かして戦わなければならないと。
で、魔法的に作られた有機的なコクピットでもう穴という穴に触手というかプラグが差し込まれてしまうと。
触手なんかに初めてをあげるのは嫌、と。
あー、けなげッスねー。ご主人に処女膜捧げるために次元を超えて来たんスねー。うあー。うあー。
ご主人モテモテッスねー。わおー。
なんでそんな嫌な操縦方法なのか気になるッスけどそこはエロパロなので。
「ザーフィのおっちゃんじゃアレだし、他の男の人なんて絶ーーーっ対ヤ。
でね、あの、柊ならね、信頼できるなって……思ったから」
うー。顔真っ赤で涙ためて言ってるー。ひあー。ひあー。
話がまとまりそうなのであたしは退室するッスよー。びーん。
と、リビングを出て玄関前ッスー。ドアを閉めたらあたしの手じゃもうあかないッスー。
なにせぬいぐるみッスからー。……あれ?
か、体のコントロールが効かないッス!? ああ、本体がシンクロしてきたんスね。
あっけなく体を明け渡してしまうあたし。抵抗ジャッジができないこの身を呪うッスー。
《あ、開けなさい! このドアを!》
や、ノブがつかめないので無理ッス。本体が何度かチャレンジしてるけどそれはムダッス。
《なら――! ヴォイド……》
ああなんか魔法を使おうとしてるっスね。ぷすぷす。
ん。あたしの指先――指はないですけど――から煙が出てるッス。
この体はハウスルールで人化した魔器扱いなので全てのジャッジは自動失敗ッスよ本体ー。
《魔法がダメだったら! 直接行けばいいのよ!》
だからムダッスってばー。むー。むー。
あんまり乱暴に体使わないで欲しいッスー。
《おおおおおおおぅぅぅぎぃぃ! 断固相殺け――》
本体に操られるままあたしの体が宙に舞ったッス。
そこへ何故かエリィ=コルドンのマントが被さってきたッス。
《な!? 何よコレ!?》
ずん、と鈍い衝撃。みぞおちの辺りにドアノブが突き刺さってるっスー。
嗚呼、南斗聖拳最終奥義を以ってしてもルールと自動失敗の壁は厚かったッス。
ていうか大ファンブルッスねこれは。ご主人の邪魔はさせないッスよー。
「ひ、柊……あ、あのね、や、優しくして欲しいにょ」
あ、衣擦れの音ッスよー。始まったみたいッスー。
「はわっ」
ここらでカメラお返しするッスー。どぞー。
あ、その前にこのドアノブ誰か抜いて抜いてー。
site of レッツゴー三匹
「……脱がせ始めた」
「え、男が脱がせるもの……なの?」
「そう。よく見ておく必要がある。姫ヶ崎さん」
「え、ええ」
「……ああやって、髪を撫でて安心させる。夜ノ森が、よくやる」
「お、男の常套手段?」
「……多分」
「ちょ、ちょっとあの子、ズボンのジッパー口に咥えて降ろしはじめたわよ!?」
「私、命にしたことがある」
「私も、だ」
「そ、それはど、どういう……」
「男の興奮を、煽る」
「すごく、卑猥だもの」
元ロンギヌスリーダー、姫ヶ崎・優美は咽を鳴らして唾を飲み込んだ。
「こ、効果……あるの?」
2人が同時に答えた。
「「てきめん」」
強化人間劇場外伝・ポリフェノールはチョコの味 でした。
後編、
強化人間劇場外伝・電子レンジは***
です。***はまだ決まってねぇ。どうしよう
>強化人間劇場外伝
一番萌えるのがぬいぐるみな件について。
NWのジャッジは何だかんだで結構容赦無いからなぁ。頑張れ御主人ー。
そして異世界の機神って、まさか原作版ですか。【何の】
GJでござる、GJでござる!
GJ、異世界の機神ワロス。
そりゃ、ポーリィも柊の所に来るって物さ。
・断固相殺拳
・マント
・みぞおちにブスリ
ベルの自爆っぷりがVSラオウ時の南斗水鳥拳レイな件について。
つうか南斗聖拳最終奥義ってwwww
491 :
sage:2005/08/09(火) 19:39:39 ID:KoV40aXa
GJ!G…
機械新、穴という穴に…?
それっ【触手に襲われ地下に連れ去られる】
ぐお!久方ぶりの書き込みだったので、間違えた!
すんまそん。orz
しかし、柊、ほんとにプライバシーの権利ないのな。
意味もなく一文字増やしてみたり。
そして本日は感想投下日。
読み直して色々発見。その中からとりあえず二つ。
前々スレ>489 柊×パール=クール
切り札くん×瞳ちゃんの人が書かれたんですよね? あの二人のういういし
いえっちシーンとはまた違った趣のあるえろさであると思います。これ書いて
てもこっぱずかしかったんですかね。
それはそれとして、面白いなぁ、こういうシチュエーション。ある意味陵辱
なのに全くそう見えないところが素晴らしい。
前スレ>436 “完全なる使徒”ד紫紺の華”
うあー、この話、読み込んだつもりだったのに読み落としがあったよう〜。
ここでもえろシチュに髪の毛が効果的に使われている〜。
ところで「髪の毛を自在に操り、武器そのものと化す」って読んで怪子ちゃ
んを連想したわたくし。“紫紺の華”さんのイメージが狂う前に『DXクロス
オーバー』が書けたのは不幸中の幸いでした。
でもって新規分。
>408
>「違う所に刺さっちゃった……」
「いくらなんでもンなわけあるかーっ!w」とツッコミ入れたくなるほどの
ドジっ子くれはですな! あと、後ろに入れたやつをそのまんま前に入れるの
は真剣にマズいですぜお嬢さん!
>436
わーい、ヒュウガ×ティエルが補足されてるー。
で、この眼鏡のウェイトレスと二人の行為を見守っている眼鏡の女性は別人
とみてよろしいか。後者はシアと推察いたしますが前者は存じませぬ〜。
てか覗いてんなよシアw
まあ、高貴なお人は使用人に対する羞恥心が薄いそうなので、シアに見られ
る程度ならティエルは平気かも知れませんが、ヒュウガが知ったら役に立たな
くなったかも。うあー、シリアス台無しーw
>438
萌え転がってバタフライ。カッコよすぎますこちらの監視者。
こーゆー話を書きたいなー。書けないなー。悔し〜。でも負けない(何に)。
そして誘拐されたお姉ちゃん頑張れ。
さて鋼の戦士は何の躊躇もなくこの小娘吸血鬼を殴るのか否か。登場時の台
詞はやはりカラーページのアレなのか。だとすれば監視者やお姉ちゃんはかな
りのピンチに陥る必要が! そしてギリギリ間に合った彼に向けて“ボク”が
嬉しそうに「……遅いっ」とか!
あと妹さんの活躍が気になります。何をしてくれるのかなぁ。銀の十字架を
持っていくとか? 無事を信じて美味しい御飯を作って待ってるってのもいい
なぁ。
だがしかし、鋼の戦士に妹さん(12、3歳)が『カラダでお礼を』という
のがエロパロ的には正道か。いっそお姉ちゃん込みで姉妹丼! ついでに監視
者も含めて4P戦! 大丈夫、鋼の戦士は体力基本値が12ある!
>442
悔いているなら書けばよく。そうでないなら書く義務はなく。
そっとしておきたいお話に余計なことを言って申し訳なく。
とまれ(←最近このフレーズが口癖^H^H筆癖で)お互い、身の丈に合わせて
心の赴くままに。はい。
あと蛇足ながら恥ずかしいというのは否定的な意味ではありませんのです。
読んだ直後に旦那にべたべた甘えたくなる感覚、と表現すれば近いような気が
します。実際甘えに行ってます。ええ、出勤直前でも容赦なく。
>443
元ネタ知らないのに、元ネタ知らないのにっ。
徹頭徹尾大爆笑で、もう苦し〜って感じです。
なにこの超★高性能Officeのイルカの凄い版w
結局ガウェインは安眠妨害されたわけですね。
コスプレダウンロードってところでメガテン覚醒編がやりたくなりました。
>481
いや〜っ! はえこちゃん! はえこちゃんかわいすぎ!
そのままもう暫くドアノブに突き刺さってじたばたしていて〜お願い〜。
>「……それでは第65回姫ヶ崎によるザーフィ陥落作戦会ぎ……」
65回も会議して、まだ落とせてないんかい! とまずツッコミ。
>「全自動ツッコミ装置の監視装置を起動する」
全自動ツッコミ装置の挙動にツッコミを入れるための設備と見ましたが、ン
なモン学校に設置すんなよと。
>穴という穴に触手というかプラグが差し込まれてしまう
……鼻の穴にも?
>レッツゴー三匹
あさっての方向へレッツゴーしている三匹に乾杯。
てか一番笑ったんがここって辺り、こう、時代とか年齢とか感じつつ。
>「「てきめん」」
いつか旦那にやってみようと思った。そんな夏の日の朝。
>>486 【電子レンジでトロトロに】
【電子レンジは壊れ気味】
【電子レンジが熱暴走】
【電子レンジは人気家電】
こんなとこでどうスか。
場違いかもしれませぬが、某所の橙華SSに出ていた柊の必殺技『ミズガルズオルム』。
あれって、公式なんでしょうか?名前からしてあたしゃてっきり、スルトの剣で『魔器開放(相当)』の演出に使われたのかと思ってたんですが、違うみたいなので。
感想書いた時、聞いておけばよかった。orz
しかし、噂以上にキサラの胸はエロいですね。
巨乳属性は持ち合わせてなかったけど、彼女の乳には抗い難い。ハアハア…。
公式じゃないよー
499 :
書いた張本人:2005/08/11(木) 07:00:34 ID:fmdtpWej
公式じゃないです。
ついでに言えばカニアーマーハンターモードも。
ところでアレだ。
晶は結局、スルトに孕まされたわけか?
>>501 主の姿に人化した柊の魔剣に孕まs(ry
>501
「関わり深い者の血の連ねる」、だと召還理由として弱い気がするから「関わりの深い、その(柊の)血を連ねる者」
と読んだ
実は何年後かに、柊か彼の子孫あたりが再びALSの世界に行くのかなとか妄想
>>498,
>>499 答え、ありがとうございます〜。
そうか…。公式じゃないのか。残念。あれ程柊にあった技って無いと思うのになぁ。
ワイバーンもミズガルズオルムも爬虫類で洒落も効いているのに。(おい)
キサラは、巨乳かつ美乳。ある意味最強ですな。(w
>502
むしろ晶の魔剣が男性型なのではないかと。青いし。
…‥あと3本か4本色違いの魔剣がある可能性も無いではないが。
合計7本あって、それを受け継ぐものは星の巫女たるくれはの
守護神となるのだ!
耐え切れたのは柊だけで、他のは途中脱落してる気もする。
こんな感じか?
真紅のワイヴァーン
蒼穹のツェンロン
翡翠のヤマタノオロチ
白銀のナーガ
漆黒のティアマット
紫紺のケツァルコアトル
黄金???
>>506 つまり魔剣に輪か(以下略)。
>>508 蒼穹はファフナーじゃ(版権に引っかかります)。
久々に「裏切りのワイヴァーン」という二つ名を思い出した。
彼は走る。空は飛べない。瞬間移動もできない。だから急ぐのならば走る他にないのだ。
二輪四輪の類があれば利便なのだろうが、如何せん正義の味方と実生活の二足の草鞋では懐具合の関係上、そこまで手が回
らない。世知辛いが駐車場も車検も、とにかく金がかかるのだ。
そこで他人に頼ろうとしない辺りが彼の性格であり、馬鹿と呼ばれる所以である。
彼は走る。自分の体がどこまで使えるのか、彼はそれを知悉している。辿り着けば待ち受けるのは大抵が荒事で、疲労困憊
していては意味がない。だがまず、間に合わなければ始まらない。
だから日々、彼は鍛錬に励んでいる。それだからこそ自分の身体能力を把握している。スタミナ、回復力、ウォームアップ
を兼ねつつ最速の時間で。そういうふうに走れるように努力している。
手の届く範囲は狭い。だからといってそれを言い訳にして、何もしないのは怠慢だと彼は思っている。この世界に奇跡も運
命もありはしないのだと。ただ努力した者とそうでない者の結果が転がるばかりだと。そう、彼は思っている。
故に彼は走るのだ。
走りながら彼は考える。妹を庇った姉の事。その安否を案じ続ける妹の事。
オレがもっと強ければ。早ければ。その場で彼女を姉を助けて、心労など抱かせはしなかったのに。
人ごみを駆け抜けながら、ぎりりと歯を食いしばる。その疾駆は誰の動きを妨げもしない。それは魔物としての身体能力だ
けでなく、日々の修練の賜物である。
拳を握る。
自問する。この身は何の為にある? この力は何の為にある?
自答する。この身は弱きを助く為に。この力は涙を止める為に。
この問答を繰り返すたび、いつも思い出す記憶がある。それは心の深いところに突き刺さった棘だ。
昔、彼がまだ幼い頃。家族で犬を飼っていた。仔犬は彼によく懐いていた。どこへ行くにも一緒だった。いつもまるで兄弟の
ように走り回っていた。
けれどある日、父の都合で引っ越しが決まった。その先では犬は飼えないのだと言われた。
受話器を置いて、感情を殺した顔で父は振り向いた。
「どこも引き取るのは無理だそうだ。可哀相だが、仕方ない」
ひどく悪い予感がした。抱えた犬は、腕の中で縋るように彼を見ていた。
父は痛ましげに仔犬を抱き上げ、大股に部屋を出て行った。きゅうん、と切なげに鼻を慣らしたのが、その仔を見た最後にな
った。彼に縋る黒い瞳。それを見つめ返しながら、彼には何も出来なかった。
否。何もしなかったのだ。全幅の信頼を寄せる眼差しに応えなかったのだ。出来なかったのではないと、応えられなかったの
ではないと、そう彼はそう信じている。
古人曰く、義を見て為さざるは勇なきなりである。
だからあの時足りなかったのは、齢でも背丈でも経済力でもない。勇気だ。
彼は走る。二度と同じ過ちは繰り返さない。
しかしでは正義、正しい義とは何かと問われれば、実のところ彼にもよくは判らない。ただそれは悲しい事の正反対であると、
頑なにそう信じている。
戦況は膠着していた。膠着とは即ち、決着のひとつ前の段階である。要素のひとつひとつがある一瞬で劇的に流れを変え、敗
者と勝者を振り分ける。だから形勢が決まった時はもう遅いのだ。本来はこの膠着状態のうちに新たな手を打つべきなのである。
しかしながら監視者に、奇手も奇策もありはしなかった。
敵手の手駒は無尽蔵のようで、一向に数が減ったようには見えない。背なの娘も勇気はあるようだけれど、如何せん力が伴わ
ない。加えて、混沌の監視者の魔力は無から有を生み出すものではない。その光の一撃ごとに、女は魂を削っている。これ以上
の長丁場となれば奈落落ちは避けられない。
「…大丈夫?」
疲労の色を見て取ったのか、そっと娘が囁く。ぎゅっとナイフを握り締めたようだった。
「どこまでどうできるか判んないけど、でも私だってやるよ」
声が、膝が、肩が震えていた。けれど、心は揺れていないようだった。
「よく判らないけど、あなた私を助けに来てくれたんでしょ? なら、私だって助ける。当然だよ」
女は思う。人間はいいものだと。
監視者が見てきた幾つもの死。その瀬戸際でひとは本性を見せる。それはひどく醜くて愚かで、そして崇高で美しい。だから、
自分はこの世界を好くのだろうと。女はそう思っている。
「大丈夫だ。ありがたい申し出だけれど、君にまで番は回らない」
そっと微笑んだ。娘の心根を思って。
「安心するといい。私には知り合いがひとりいてね。彼はどうしようもなく馬鹿だから、君を救いに来るだろう。必ず」
そして、彼を想って。
だからそれは、辛辣めいた言いの割りにひどく楽しそうな雰囲気だった。信頼し切ったような表情だった。
娘はきょとんとして、それから考える。
こんな状況下だけれど。ひょっとして今、惚気られたのだろうか?
「――チェックメイト、とでも言っておこうかしら」
数瞬の平和な沈黙を破ったのは、少女だった。冷たい瞳でふたりを見据える。
「手詰まりに見えるわ、あなたたち」
それから彼女は、ふんわりと笑った。
「こんな提案はどうかしら。お互い殺しあいなさい。生き残った方を助けてあげる。ふたりとも死んでしまうより、どちらかが生
き残った方がいいと思わない?」
「馬鹿じゃないの」
娘は一瞬も監視者を見なかった。
「上手くいえないけど、でも。私あんたは馬鹿だと思う」
「…だ、そうだよ?」
くつくつと意地の悪い笑みで、女は少女を見やる。不死者の娘は、少し鼻白んだようだった。
「なるほど、確かに投了の場面だ。ルール通りならば私の負けだろう。だが」
間を持たせて言葉を切る。空いた手でそっと娘の頭を撫でた。
「これから、盤面自体が引っ繰り返る。そう――」
芝居染みた大仰な仕草で、ゆっくりと腕を伸ばした。恋人を差し招くように。
「――彼の出番だ」
そして、“王国”の壁が砕けた。
「そこまでだ」
新たな闖入者は、静かに告げた。
身を包むのは鋼鉄。誇りを湛えた瞳と、信念を握り込んだ拳。鋼の戦士。
「お前らの好きなようにはさせん」
言うや、そのまま手近の下僕を殴り倒す。一瞬呆然としたしもべたちが、敵対者と認識して襲いかかる。そこからは僅かだった。
起き上がりどもの爪牙は彼の鎧に阻まれまるで痛打とはなりえず、逆に彼の拳はそのひと打ちごとに敵手を駆逐していった。監
視者のようは派手さはない。だが堅牢な、地に根を下ろしたようなどっしりとした戦いぶりだった。
「遅い」
「うるせぇ。ひとりで先走ってるお前に言われたくはねぇ。もうちょっと自分の身を案じやがれ」
返った言葉に、女は深々とため息をつく。
「…それを君に言われるとは思わなかったよ。大体、知らなかったかな?」
「何をだよ」
「私の基本姿勢は『出たトコ勝負』さ」
「…一瞬納得しかけただろうが」
「納得してくれたまえ。何せ私が出る時は既に、するべき事が目の前に転がっている。選択の余地などないのさ」
そこまで交わしてから、鋼の戦士は片腕を上げた。応じて監視者も手を上げて、互いにそれを打ち鳴らす。
「では、選手交替だ」
「その子は任せた。帰りを待ってる妹がいる」
それから娘に顔を向けた。
「安心してくれ。オレは妹さんに頼まれた者だ。お前を助けに来た」
鎧われて見えないが、それは笑顔なのだと確かに知れる穏やかさだった。再度の救い手に呆然としていた娘は、言われてただこ
くこくと頷く。
不死者はほうと息を吐いた。羨むように見ていた目を伏せる。
「招かれざる客が多いのね、今日は。ゲームに水を差す無作法は嫌われるわ」
「ゲームじゃあない」
鋼の戦士は、言下に切り捨てた。
「不幸になるひとがいるのなら。悲しい思いをするひとがいるのなら。それは断じてゲームなんかじゃあない」
「……なら」
優しげとさえ言える色で、不死者は正義の味方を見つめる。
「なら、あなたはどうするというの?」
「知れた事だ。この遊戯気取りの状況を叩き壊して、お前の性根を入れ替える」
「そんな事をして、あなたに一体何の利益があるの? 命を削って、魂をすり減らして、でも殆どの人間はあなたの存在すら知ら
ないのじゃなくて? ねぇ、教えて。あなたはどうして、何の得にもならない事をするの?」
戦士は向き直って、少女に正面から相対した。がしゃりと、鎧が重い音を立てる。
「オレはオレの正義に従う。自分自身の誇りに従う」
言葉を継いだのは、混沌の監視者だった。
「褒賞は己が心より。故にその身は、地上の如何なる者より富裕である」
少女は。
少女は心底楽しそうな笑みで笑った。その指が一指すると、漣のような闇が幾重にも重なって空間に爆ぜる。
「いいわ。ゲームに戻りましょう。わたしを殺してごらんなさいな、正義の味方。そうすればあの娘は返してあげる」
高く飛んで回避した彼に向けて、更に一指。天井を蹴って方向を変え、鋼の戦士は少女へ向けて走る。
「でも、正義だなんて。馬鹿みたいなものを信じているのね」
次々と闇を繰りながら少女が呟く。見事避け切った戦士が応じる。
「馬鹿で結構。小利口にまとまっちまうより、数等マシだ」
流れをぶった切りつつ、ひとまずここまで。
座右の銘、というか基本方針はこそりと頂戴いたしました。多謝。
感想等はまた後日。色々あって今日はもう駄目っす。
515 :
いつも中の人:2005/08/12(金) 07:32:34 ID:KlqDQ1wq
朝早くからありがとうございました。いい気分で旦那の実家へ里帰りできます。
お疲れ様でした。
#はしゃぐ気持ちを押し殺しつつ。でないと萌え転がって出発の準備ができん。
少年マガジンに連載されてた『哲也〜雀聖と呼ばれた男〜』もここのジャンルでOKですか?
雀プロだった故・阿佐田哲也をモデルにした漫画で、麻雀を扱っているから一応「卓ゲー」にはなると思うんだけど。
OKなら、哲也が少女を陵辱しちゃうSS書きたいな〜…
さすがにアウトだろ。
それやっちゃうとギャンブル系漫画とか全般OKになっちゃうし。
>>516 ここは卓上ゲームを題材にした作品のエロパロではなくて、卓上ゲームで扱われた素材で
エロパロするスレだと俺は認識している。
出来れば別のスレに投下した方が受け入れられると思われ。
ゲーム関係ではあるからスレ住人の認知度は高いと思うがなー。<哲也
つかその理屈が通るなら俺だってトーキョーゲームやバードやさだめだで書きてえよ。
あとアクアステップアップとか。
2chの板分類では、麻雀は卓ゲー板では扱ってないしなあ・・・
ここは「卓上ゲーム板のエロパロ」スレだよ。
麻雀は麻雀板の範疇。
522 :
強化人間劇場:2005/08/12(金) 17:18:42 ID:6SDqg6Zk
まっしー「……後編が書きあがるまで間をもたせろ、との指令が来た」
あかりん「
>>496の【電子レンジでトロトロに】、いただき。ありがとうございます、とのこと」
優美「で、具体的にはどう間をもたせる訳?」
ま「……心配ない。考えてある。全く違う話題だが」
優「はあ」
ま「ゴジラには、メカゴジラ。強力な生物には大抵メカなんとかが、存在する」
あ「そうね」
ま「……翡翠にはメカヒスイ」
優「それはちょっと」
ま「電機動くモーターを転すと逆に電気が発生する。戦場でも逆転の発想は、大事」
あ「そうね」
ま「……逆転してみた。もともとメカのガンダムに対して」
サッ つ[絵の描かれた画用紙]
ま「……生ガンダム」
あ「――――――っ」
優「い、いやあああぁぁぁぁぁっ!?」
グロいらしい。ちゃんちゃん。
>>505 洒落効いてるって言うか、
「精霊獣八体はむぼーかにゃー」→「なら柊にてけとーな必殺技でっち上げようもん」
→「じゃ、同じ会社のいろんな切り札使わせちゃれ」→「ついでだから卍解もさせようものぞ」
→「ワイバーンは竜だから、それより強くて世界を呑み込むよーな奴ですかえ?」
→「ミズガルズオルムかティアマットだなぁ〜ん」
という思考回路の演算結果ですが。
>>522 ま「当然柊蓮司には、メカ柊蓮司」
あ「そうね」
優「想像つかないんだけど」
ま「簡単、だ。メカ柊蓮司はオリエント工業製」tp://www.orient-doll.com/company/showroom.htm
あ「なるほど」
優「ちょ、ちょっとお!?こんなの何に使うのっ!」
ま「すでにロンギヌスに一体送られた、と情報部から聞いている」
あ「・・・・・・流石ロンギヌス、行動が早い」
優「あ、アンゼロットさまああああぁぁぁぁぁあああっ!?」
>>522、
>>524 あ「局部は?」
ま「電動」
優「い、いやああああああぁぁぁぁあああっ!?」
あ「なるほど」
ま「……逆に、自分で動くと、充電」
優「っきゃああああああぁぁぁぁあああっ!?」
どうでもいいがメカ進藤(byねこねこ)思い出すw
>508
紅のアーノンディガス
漆黒のイロクォイス
純白のカイユーダス
…とかを思い出した夏のある日。
取りあえず黄金竜はブレカナ世界に魔神が居るのでそれで一つ補完を。(違)
後はエキドナとかヴリトラとかも余ってるな。
>>526 黒のリヴァイアス
青のインプルス
真紅のディカスティア
深緑のヴァイスハイト
山吹のディプロマーター
灰のゲシュペンスト
もあるぞ!
あれ?5つ?
ども。
>>526ガンドラかい。
まあそれはそれとして。
えー、視点分割に挑戦した結果、濡れ場が長くなりまして、その。
前・中・後編とさせていただきたく。
site of ポーリィ=フェノール
……ど。
いや、ど、じゃなくてどどどどどーなのかなこの展開って!?
あたし、今、胸はだけてるね。うん。すーすーするー。
柊に脱がされたから。うん、それは解る。
で、なんでかなー。
「お、おいポリっ!? オマエ何を」
はわわ、じ、自分でも解んないよそんなのー!?
な、なんか脱がされてるな、これから致しちゃうのかなって考えたら頭グルグルしちゃって、それでそれで。
あー、リューナだ! 『効果覿面ですよホホホ』とか言ってたアレだ!
って、なんで実践してるかな!
はわ、なんかほっぺに当たったよ? ズボンが膨らんできてる?
目の前でずんずん成長していくズボンのコブ。ポロリ、とファスナーの金具があたしの口から落ちた。
「ていっ」
はわっ!?
あたしは柊に抱えられ、ぺたりとソファに転がされた。
「ったく、見て目ェ丸くするくらいなら最初っからやんなっての」
「はわわ」
仰るとおりー。と、言っている間にも柊はするするとあたしの服を脱がしていく。
「なんか手慣れてるー……」
「あー……まあ、色々あんだよ。頼むから追求しないでくれ」
うん、と首だけ縦に振った。別に追求するつもりなんて無い。
「ひーらぎ、や、優しくして欲しいにょ〜……」
柊がどういう人かは、まあ理解してるつもりだし、何より信頼してるから今この身を預けてるんだもの。
いつの間にかあたしはほぼ裸に近い格好になっていた。残すはオーバーニーとショーツだけ。
柊の手がショーツにかかる。
「……ポリ、腰、浮かして」
「……ん」
く、と背中をそらして腰を上げる。敏感なところが外気に触れる感触。
ショーツはするすると脚を降りていき、柊の手を離れて床に落ちた。
「はわ……」
あー、今見られちゃってるー……。
「こっちも紫色なのか。ああ、お前って薄いんだな。てか、最近生えてきたのかコレ」
はわわっ! き、きき気にしてたのに!?
「この丘も結構肉厚かな? ぜんぜんはみ出してなくてスッと中に切り込んでる。毛が申し訳程度にしかないから、よく見えて」
わーっ! はわーっ! はわわわわーーーっ!!!
じ、実況するな感想言うな柊えっちにょぉぉぉぉ!
「――キレーだな」
「は、はわ?」
「お前、小柄なくせに胸結構あるし腰細いし脚スラッとしてるしさ。何だろ、触ったら壊れちまう繊細なガラスのレースみたいだ。
いいのか? こんなん俺にくれちまって」
はわわわ、ちょ、それ褒め過ぎ!?
「ってももう止まんないけどな。何よりここがこんなキレーだし」
すぅ、と柊の人差し指があたしの三角地帯を下から撫でた。
突然の感覚にびくり、と腰が震える。
「サラサラだな。産毛みてーだ」
と、柊があたしの上に覆いかぶさってきた。右手が左胸に、顔が――というより舌が――右胸に、左手は……あたしの敏感なところに。
それぞれが、は、はわわわわわなんか生き物みたいにょ〜〜〜〜〜!?
じ、じじ自分でも殆ど弄ったことないのに、こ、こんなの知らないにょ!?
「にょ!? や、そんなとこ――うぁっ、んにゃぁっ!?」
情けなく声が上げてしまう。でも我慢できないよこんなの!
やっぱりひーらぎ慣れてる〜〜〜ずーるーいーにょ〜〜〜〜〜……
site of かしまし娘
「きゃあ!? やだ、やだやだ柊蓮司のクセにいきなり行ったわよ!?」
元ロンギヌスリーダー、姫ヶ崎・優美は食い入るように画面を見てはきゃあきゃあと声を立てていた。
「……アレはペッティングで一回軽くイかせておこうという意図だな」
「そうね」
柊の意図を看破し、非常に落ち着き払った様子で解説する真白。賛同する灯。
画面の中では柊の指が、ワレメの上部に申し訳程度に生えているポーリィの陰毛をサラサラと撫でているところだ。
「……切れ込みの上部、包皮の上あたりからクリトリスの芯の部分を、愛撫している」
「全然開発の無い処女でも痛みなしに快感を与えるツボを心得てる。毛を撫でるのも、ゆるい刺激になる」
「そのとおりだ。……たまに局部を手のひらで圧迫するような刺激も与えているな」
「それでいて中を開いたり指で直接いじるようなことはしない。多分、彼女の準備ができてきてから、そっちへの刺激に移行する」
「な、なんでアンタたちそんな冷静に詳しく……」
優美の言葉に、二人が同時に顔をこちらに向けた。
「 お前だけだ
この中で処女は<
あなただけよ」
「くっ!?」
「この会議が100回に達する前に、捨てられないかも」
「……その可能性は濃厚、だ」
「くくくっ!?」
「「まあそれはそれとして」」
また同時にモニターに向き直る二人。
ポーリィの顔は紅く上気し、口の端からは涎も多少たれているようだ。
『ひ、柊ー、なんか、なんか変だにょ!? な、なんか、なんかー!?』
ポーリィの弱弱しい声を聞くや、柊の頭がポーリィの胸から股間へと位置を変えた。
同時、左親指でくい、とポーリィのクリトリスの包皮を剥き上げ、右手は人差し指と中指をワレメの左右に置き、弾力のある肉を押し広げる。
『ふゃっ!』
弱弱しかったはずの声が、ひときわ大きく叫びとなった。
「クリトリスが外気に触れたせいね」
灯の言に真白は首肯。
「……最後に、舌で膣口からクリトリスまで舐め上げて、トドメ」
と、言ったとおりに画面の中の柊がポーリィの花園を舐めあげた。
『――――――――ひキっ』
一瞬、のどを詰まらせたような高い声を出してポーリィの体が弓なりに反った。
2秒ほどふるふると震え、ソファに腰から落ちる。
色素が薄く白い体はいまや桜色に紅潮し、荒い息は胸を大きく上下させていた。
「うわぁ……あ、天緒たちの言ったとおりじゃない」
2人はコク、と頷く。
「まだまだ、これから」
「せっくすとは、この程度では、ないぞ」
「そ、そうなの!?」
「……多分」
site of 名も無きぬいぐるみ
あ、逝ったッスね。まずはいっかいー。
《ちょ、ちょっとやだ上手くなってない?》
や、知らないッスー。
《…………》
ああ、本体が盗聴モードに入ったッスね。耳がダンボで江川ッスよー。
《…………》
ちなみに今あたしたちが刺さってるのはドアノブなワケでー。
直ぐ下には鍵穴があるわけでー。
《やだそれ先に言いなさいよ》
うぃ。ちょっとジタバタすれば届くッスー。
あ、本体ちょっと動きが乱暴ッス興奮しすぎッスー。
あー、中のワタがワタがー。ぼろぼろとー。
《じゃあアンタが動かしなさいな。コントロール返してあげるから》
えー。えー。覗きはよくないッスー。
《こら。アンタの仕事は何よ?》
えーと。ご主人の魔法抵抗力を影ながらあげることー。
《ち・が・う! 監視よ監視! あー、こんなことなら無理してでも私の意識の端末にしとくんだった……
ヘタに適当な知能なんて与えたばっかりになんて面倒くさ》
うー。うー。仕方ないッス。んじゃ半回転するッスよー。
じたばたじたばた。
あ、次のシーンからはあたし視点からも実況でお送りするッスー。
ここらでカメラお返しするッスー。どぞー。
えー。
今回視点分割にあたってですね、
「柊の視点を入れないで書く」ことに挑戦してます。
ショートショートに落とすはずが長くなったりして四苦八苦。
苦笑しながらお楽しみくださいませ。ではまた次回……まで引っ張ってしまいますゴメンなさい。
GJ!
しかしまた手間のかかることを……その心意気がなんとも素敵だ中の人。
懲りずに無限のファンタジア!第二話掲載記念エロパロ投下だ〜い
時間は第二話の湯煙・雪山の決戦の直後ということでひとつ。
最強を目指すエンドレスピース旅団が、ある村の騒動を解決した後。
ナー:温泉に浸かりながら――あ〜気持ち良いです〜♪
エレナ団長:うん♪
サクヤ:………………。
ナー:ギンちゃん、ペンちゃん来ないの〜?
ペンタゴン:行けるか!!(笑)
ギン:オラは疲れちまって見張りしつつ寝てるだでよ。
ペンタゴン:俺1人かよ………………ギンを見てみる。
ギン:完全に熟睡中。
ペンタゴン:………………そっと覗きに(笑)
そんな物語の、語られる事なきその後の物語。
その温泉は山深くにあった。道無き道を進んでようやく到着するその温泉。今はエンドレスピース旅団の女性3人が入っているところだった。
そして山に衝撃と怒声がこだました。
「ペンちゃんのえっち〜!」
「よほど死にたいようだな、愚か者が!」
「ペンタゴンの、馬鹿ーっ!!」
「うおぉぉーっ!?」
目的達すること無く、ナーシサス、サクヤ、エレナの3人の攻撃でペンタゴンは吹っ飛ばされていった。
3人は気を取り直して、体を隠していたバスタオルを置いて温泉につかりなおした。
銀の髪をまとめてアップにしたサクヤが周囲を警戒しながら、念のため出していたダガーをしまう。
「全く、ペンタゴンにも困ったものだな」
ナーシサスは髪を温泉の湯に遊ばせながらうんうんとうなずいた。その顔はサクヤとは正反対に楽しそうだったが。
「ペンちゃん、よっぽどエッちゃんを見たかったんですね〜」
「ふん、姫の柔肌を見ようものなら目をえぐり取ってくれる」
サクヤが冗談では無さそうな口調で過激なことを言う。
「…そんなわけないじゃない」
見るとエレナが頬をふくらませて、首まで湯につかっていた。ナーシサスとサクヤの胸をじーっと見て。
「2人のこと見に来たに決まってんだから」
「それは無いよ〜」
「………」
即座に否定するナーシサスと眉を顰めるだけのサクヤ。
「男の人なんてみんなそーなんだから。どーせ私は…」
ぶくぶくと顔の半分まで湯につけていじけ始めてしまった。成長途中とはいえ、お世辞にも胸があるとは言えないエレナの最大のコンプレックス。
あちゃ〜という顔をしつつもナーシサスはエレナをフォローし始めた。
「そんなこと無いですよ〜エッちゃんは可愛いです〜」
しかしエレナはぷいと横を向いて。
「可愛くなんかないもん。子供っぽいだけだもん」
「そんな自虐的にならないで〜。胸なんてあったって別にいいこと無いです〜」
「胸のある人はみんなそう言うもん!放っておいてっ」
そう言い捨てて、すいすいと反対側に泳いでいって岩の影に隠れてしまった。
「あう〜」
困ってサクヤの方を見るナーシサス。
「ペンタゴンの行動でああなってしまうことは誠に業腹なことだが」
前置きしつつもサクヤは落ち着いて首を振った。
「ああなってしまっては、何を言っても無理だ。姫が落ち着くのを待つしかない。安心しろ、後でペンタゴンでも殴らせておけば元に戻る。」
「それって放置って言うんじゃないですか〜?そんなのエッちゃんがかわいそうです〜」
ナーシサスはそう言って、ため息をつくサクヤを残しエレナの後を追っていった。
「エーッちゃん♪」
ナーシサスが覗くとエレナがびくっと震えて反射的に振り向いた。慌てて涙を隠しながら隅の方へと逃げていく。
「来ないでよっ。みっともない顔してるんだからっ」
「エッちゃん、待って〜」
それを追っていくナーシサス。すぐに逃げ場が無くなったエレナにゆっくりと近づいていった。
「エッちゃんは、可愛いですよ〜」
エレナの背中に声を掛ける。優しく、諭すように。
「…嘘」
「ほんとです〜」
ちゃぷん。温泉から出した手がエレナの髪に伸びる。
「肌だってこんなに綺麗だし、髪の毛だってつやつやだし」
「…男の子に間違われたもん」
「“美”少年、だったじゃないですか〜」
村に入ってからの村長の娘とのやりとりを思い出した。そういえば、あの娘も胸が大きかった。
「気持ちは分かるけど〜…胸があっても別に良いこと無いですよ〜?」
眉を八の字にして顎に手を当てて小首をかしげるナーシサス。対してお湯の中でばしゃばしゃと暴れるエレナ。
「胸がもう少しあれば女らしく見えるじゃない!」
その行動じゃ〜…という本音は心の中にしまって。
「ん〜、女の真価は胸じゃないですよ〜?」
「でもでも!」
なおも言い募るエレナを、ナーシサスの咳払いが制止した。
「そこまで言うなら仕方ないですね〜。ながーく生きている私が、エッちゃんに教えてあげます〜」
「え?…何を?」
「胸の大きさなんかより、もーっと重要なこと、です!」
エレナののどがこくりと鳴った。
「そ、それは?」
「それは」
えへんと胸を張り、ナーシサスは続けた。
「感度です〜」
岩の向こうでばしゃんと音がした。恐らく音声だけ聞いていたサクヤがずっこけたのだろう。
「か、感度?…って何?」
エレナが頭の上にハテナマークを浮かべている。得意げにナーシサスは人差し指を立てた。
「んふふ〜それはですねぇ、感度が良いと男の子が喜んじゃうんです〜」
「…よくわからないんだけど」
「すーぐわかりますよ〜♪」
ナーシサスはエレナに体を寄せた。今まで見たことのない、艶めかしい微笑みを浮かべて。
それはあまりにも不似合いで、だが至極自然だった。
「ど、どうしちゃったの?ナー」
「どーもしませんよ〜?ただ、エッちゃんが胸のことばーっかり気にしてるから、もっとイイコト教えてあげようと思って〜」
そう言って自分の紅色の唇を舐めた。獲物を前にしたかのように。
「え…?」
ここはサクヤからも死角になる岩の影。ナーシサスの勢いは止まらない。
戸惑い、動けないでいるエレナの肩に腕を回して肩に添えた手が二の腕までするりと撫でた。
「っあ…!?」
その不意で微妙な感覚にエレナが声を上げた。
「うふふ、エッちゃんの肌はとっても綺麗でスベスベです〜」
エレナに体を密着させて、反対の手がお湯の中のエレナの腰を撫でる。
「や…っ!?何するのナー!?」
撫でられるたびにエレナの体が大きく震え、ばしゃりと波が立った。
「エッちゃんの感度を調べるんですよ〜」
耳に唇を寄せ、首筋から胸へと手を滑らせ、腰に添えた手は後ろへとおろしていく。
「どこ触って…ッ」
「おしりです〜♪」
撫でながら耳に息を吹きかけると、エレナが息を詰めた。
「…っ」
「ここはどうですか〜?」
胸の先端を優しく撫でる。
「…んっ」
目をぎゅっと瞑って、ぴくんと震えてた。
「…エッちゃん、感度良好です〜♪」
「やだっ、待って、ナー!」
ナーシサスをふりほどこうともがくが、すぐに後ろを取られてしまった。
ナーシサスの体格が戦士向きではなくても、医術師の身のこなしでは翔剣士に軽くあしらわれてしまうのも道理。
余裕の表情でナーシサスが後ろからエレナの胸に手を這わせた。
「きゃっ!?」
「も〜初々しい反応〜♪」
両の手のひらで円を描くようにゆっくりと揉んでいくと、エレナが目を伏せて震えながら息を吐いた。
「は…ぁ…ん、ナー…」
「もーっと気持ちよくしてあげます〜♪胸の事なんか気にならなくなるくらい」
耳介に舌を這わせるとエレナの体が大きく震え、あえかに開いた口からは高い声が漏れる。
「エッちゃん…かわいい♪」
ナーシサスは耳に舌を差し入れ、くちゅくちゅと音を立てて舐めた。
「んん…っ、やぁ…あっ」
唾液を吸い取る音と、一息ついて自分の唇を舐める音まで。エレナの耳元で執拗なほど音を立てた。
そのたびにエレナの口から声が漏れていく。ようやく解放され、エレナはくったりとナーシサスに体を預けていた。
「あうぅ…やだぁ…恥ずかしい…」
エレナは顔を真っ赤にし、しかし顔を覆う力も出ないようでナーシサスの腕の中で荒い息をついている。
「やらしー気分になりましたぁ〜?」
「…ナーのばかぁ…」
「そーいうこというのはこの口ですか〜?」
じゃぷ。波を立ててナーシサスが腕を伸ばした場所。
「口じゃないっ、どこ触ってぇっ…あぁあっ」
「どこって、やらしーとこですよぉ〜♪」
エレナが逃げられないように体を押さえ、伸ばした手はエレナの股間、茂みの奥へ指を進めていた。
「んふ、お湯の中でも分かりますよ〜?こんなにしちゃってぇ」
ナーシサスの細い指がエレナの割れ目を這っていく。
「あ、あぁあっ、ナ…ぁッ」
ばしゃんと一際波がたった。エレナの体を押さえていた手が胸の先端を撫で始め、ナーシサスの舌が、エレナの背中を這ったからだった。
「あぁぁっ、あっ、あぁっ、やぁっ」
背骨に沿って舌が行き来するたび、エレナの口が嬌声を上げ、体が大きく震えた。
「エッちゃんのここ、すごいです…」
撫でるように触れていた指の動きに激しさが増してくる。
「やだっ、ナー、そんなにされたら私っイッ…ちゃ…っ」
がくがくと震えながらエレナが艶めかしい悲鳴を上げた。
「エッちゃんってばどこでそんな言葉を覚えたんですか〜…まぁいいです〜気持ちいいんですね〜…」
うっとりと応えるナーシサス。優しく、しかし激しくエレナの秘所をかき回す。
「あぁっ、あ、あっ…んっ…あぅっ…」
「エッちゃん…」
「ナ…ナぁあ…っ」
エレナが上り詰めようとしていたそのとき。
「何をしているんだ、なにをっ」
長い耳の先まで真っ赤にしたサクヤが鬼の形相で乱入してきたのだった。
行為を中断されて怒る風でもなく。ナーの腕に抱えられたエレナはさながらナーの虜のようだった。いや、まさしく今はナーの虜になっているところだ。サクヤの怒りオーラを華麗に流して、のほほんと小首をかしげた。
「サッちゃん、どうしたんですか〜?」
「それはこっちのセリフだ!姫から手を離さんか!!」
「んー」
唇に人差し指を当て、虚空に目をやる。
「そのセリフは、ちょーっと遅くないですかぁ〜?」
「なん…だと?」
微かに、サクヤが表情を変えた。それは本当に微かな狼狽。
「だって、この岩の向こうで、エッちゃんのこの声、ずっと聞いてたんでしょ?」
言いながらナーシサスの指がエレナの胸を撫でる。
「…あっ」
「ほら、このかわいい声」
微笑んで、サクヤを見た。それは決して見下すようなものではなく、サクヤをも愛おしむような、そんな微笑みだった。
「それ…は」
サクヤがナーシサスの言葉に気圧される理由。それは本人も自覚してはいない事のようだった。
「サッちゃんが怒ってるのは、私がエッちゃんを独り占めしちゃったからですよね〜?」
「……」
いつものような沈黙ではなく、戸惑いで言葉が見つからない、そんな沈黙。
そんなサクヤを前に、ナーシサスは続ける。
「エッちゃんの感度が良いのはホントですよ〜?…ほら」
後ろから耳をぱくっとくわえた。
「ふぁ…っ」
「あ……よせ……」
顔を朱に染めて、しかしまだ理性が勝っているサクヤは制止の声を上げた。それはひどく弱々しいモノだったが。
ナーシサスはそんなサクヤの精一杯の言葉を無視してエレナを抱えなおした。
「エッちゃんはちょっとのぼせちゃったみたいです〜。そろそろ出ないといけませんね〜」
しゃあしゃあと言ってのけ、エレナを抱えて湯から上がり、へりの岩に腰掛けた。エレナを見せつけるように抱きかかえる。
「な、ナー…?」
「ごめんね、エッちゃん。途中で辛かったでしょ?」
サクヤの前で、先ほどの行為を再開した。
先ほどまでは湯の中で触られていただけだったのが、今は外気にさらされ、目の前にはサクヤが呆然とこちらを見ている。まさしく今、秘所をいじられているところを。
「やぁあっ、ナー、あ、やめ…ッサクヤが見てるのに…っ、あぁうっ」
身をよじって、快感と羞恥に身悶えする。
「そうだね〜、エッちゃん…サッちゃんも、仲間に入ってもらいましょうか〜」
そう言ってサクヤに視線をやる。その視線は試すようなものでもなく、ただ誘っているだけだった。仲間意識とかそう言うものではなく、情欲そのものだったが。
「サッちゃんも…エッちゃんに、してあげて?」
びくり。その言葉にサクヤが震えた。自分の理性が急速に無くなっていくのを感じた。
何かに操られるかのように2人の側へ泳いでいく。
「ほら、サッちゃん、ここもこんなになってるの」
ナーシサスの細い指がそこを割って示すと、湯ではない何かで濡れているのがサクヤの目にも見て取れた。
「…ぁ…ッ」
エレナの喘ぎ声が聞こえて、サクヤは、ハッとして顔を上げた。顔を朱に染め、ナーシサスの腕に額を押しつけ、潤んだ目で見つめるエレナがそこにいた。
(…姫に、一人で恥ずかしい思いをさせるわけには…)
自分に言い訳をして、ナーシサスが開かせたエレナの足の間へと泳いでいった。岩は水面より少し高いくらいの位置にあるため、そこに座って温泉に足を入れているエレナの秘所はちょうどサクヤの顔の高さにあった。
「あうぅ…」
(姫…)
震える舌をエレナの濡れたそこに這わせると。エレナは体を仰け反らせて鳴き、ナーシサスは満足そうに微笑んだ。
一度してしまえば、エレナの性感を引き出すため、自身の技巧の粋を込めてサクヤは奉仕し始めた。
「あああぁっ、あぁっんっ、ふあぁぁッ」
エレナは高い喘ぎ声を上げ続けた。
「2人ともすごいです〜…私も〜」
エレナを後ろから抱きしめて胸を揉み、首筋にキスを降らせる。エレナは今まで経験のないような刺激の嵐に正体を無くし快感に翻弄され、腰をくねらせ、もっととサクヤにねだった。
サクヤもそれに応えてさらなる高みに向けてエレナの蜜を啜った。
「んああぁっ、あ、あああぁああ――――ッ」
エレナの体が弓なりに仰け反り、絶頂の声が響いた。
気を失ったエレナの髪を優しく撫でながら、ナーシサスは肩で息をしているサクヤに声を掛けた。
「サッちゃんも、のぼせちゃったんじゃないですか〜?」
覚めやらぬ表情でサクヤがナーシサスを見返す。
「ほら、いつまでも浸かってたら、ホントにのぼせちゃいますよ〜?」
無邪気に小首をかしげるナーシサスが手を伸ばした。
「…………」
しばしその手を見つめ。
「……わかった」
そう応えて、サクヤはナーシサスの手を取った。
「ギンちゃん、ギンちゃーん」
ぺちぺちと頬を叩かれて、ギンは目を覚ました。
「ふぁあ?…ナッちゃんかぁ〜…」
「そうですよ〜?」
大木の根元で寝ていたギンは大きく伸びをしてクキクキと関節を慣らした。
「よく寝ただぁー。…ん?ペンタゴンはどこだでか?」
「ペンちゃんはどっかその辺で焦げてると思います〜」
「やっぱ覗きにいったんだでな…まったくペンタゴンは余裕ってもんがねーだなぁ」
「まったくですね〜♪」
「ナッちゃんは一人か?団長とサクヤは?」
「のぼせちゃって、向こうで休んでます〜」
「団長はともかく…サクヤも?」
「えぇ、腰が立たなく…じゃなくて、立てなくなっちゃって♪」
「そうだっただかぁ…サクヤも可愛いところがあるだでなぁ」
全く気付かずにうんうんうなずいているギンだった。
「それはそうとナッちゃん機嫌がイイだな?なんかうまいもんでも食ったか?」
「えぇ♪温泉といえばおいしい食事ですよね〜♪」
ふふ、と笑って自分の指を舐めた。
「それはいいだなぁ。何食ったんだ?」
「んふふ〜♪とーっても極上品でしたよ〜ギンちゃんには食べさせてあげられないけどです〜」
「もう食っちまったってことだでな?…そーいや、オラ結局温泉には入ってねーだよ。いっぺん入りてぇだなぁ」
「じゃあ、後で一緒に入りましょうか〜」
「おぉ!?混浴だでか!?」
「そーですよ〜」
「そりゃぁ楽しみだで!」
ウキウキと歩を進めるギンの背中に、ナーシサスが艶めかしく微笑んだ。
「ホントに楽しみです〜♪」
547 :
536:2005/08/13(土) 03:48:17 ID:b9z7+6Gf
というわけで終了。
リプレイ2話目が掲載されたので、質より早さで勝負してみた。
萌えたからやった。今は反省している。
書いてる途中で享楽的なのはドリアッドじゃなくてセイレーンだったなぁと思い出したけど、それ直すと全編修正なのでそのままでGO
ナーシサスは食うのが好きだと言うことで。
>380
俺もHシーンはこっぱずしくて書けないぜ!
【仲間になりたそうに380を見ている!】
今回のには随所にそれが出てるよ…orz
修行しなきゃな…
他の人のエロパロ見て勉強しよう…
ベネ!ディ、モールトエロス!!
>>507 『もし7本の魔剣の主になったら、あなたはどうしますか?』
当初は1本だった柊蓮司の魔剣も7本に増え、アンゼロット、ベール=ゼファーなどの策謀により現在に至ります。
と遅レス。
しかも507が意図した方向とは違う場所へと突っ走ってみる。
そりゃそうと、〈魔器人化〉より先に〈知性〉ありきだと個人的に思うわけだが……どうなのだろう?
つまりはこんな感じ?
『魔剣を返して欲しければ、わたしと付き合いなさい』
と脅迫して柊を手中に収めることを思いついたヒロインズ。
なぜか一致団結して柊就寝中にこっそり魔剣を盗み出したのはイイが「誰が上記の台詞を言うか」で四分五裂
と・こ・ろ・が
(いろんな意味で)規格外な少女たちの合力による魔剣への大岡裁きはトンでもない事件を引き起こしてしまいます。
鬼のようにつぎ込まれたプラーナは大地を揺るがし、天を引き裂き、ついでにヘンなかたちで魔剣と世界結界に作用し、
下がる男の下がっていたレベルを元の場所に戻してしまいます。
しかもレベルアップ作業は完全自動、ランダムで決定されていました。
そして爆風の影で運命のダイスが転がりまわった結果・・・其処には七人の愛くるしい(それぞれが柊とヒロインズに似た)幼女がスヤスヤと眠りこけていたのです!
咳き込みながらも唖然とするヒロインズ。
「魔剣の無い魔剣使いはただの使いになってしまう!」<というか弁償すれ
「でもこの娘ってばもしかしなくても私と柊の愛の結晶!?」<罪の意識ゼロ
という思考は一瞬にしてひとつの結論を導き出します。
「自分似の娘をメイン人格にして魔剣を再統合、娘をタテにして認知、結婚を迫れば無問題」
ヒロインズは邪な笑みを慈母の眼差しに変えて娘(?)に呼びかけました。
「さあ、私をママって呼んで!」
「あうー?」
しかしなんと言うことでしょう。
恋と、愛と、後なんか口に出せないドロドロしたもモノのせいか、
魔剣たんたちにはヒトの姿はあっても人並みの知性は発生していませんでした。
こうして世界で最も有名な魔剣使い:柊蓮司はイキナリできた七人の娘(可愛いけれどアタマはドーブツ並み)の世話をしつつ、
諸悪の根源たる(笑)表界、裏界、平行世界の少女たちと協力して自らの魔剣を取り戻さなくてはなりません。
さもないとただの「使い」になってしまいます。
「要するにまたレベルを下げればよいのではないでしょうか」
「頼む、それだけはカンベンしてくれ」
・・・とりあえず、頑張って何とかしましょう。
魔剣たんは一柊分のプラーナを注がれるとその分成長(発育?)します。ですがヒイラギレンジはただのウィザード。
勇者で無い彼のプラーナには自ずと限りがあります。
というわけでテキトーなフォートレスにダイブして魔石を回収してきましょう。
その際一人では(主に抗魔力が)危険なのでパートナーを募りましょう。
真面目に解決法を探すもよし!その際のパートナーと交流を深めるもよし!
血みどろの女の争いをボロキレのようになりながら眺めるもよし!いたいけな少女に「ぱぱ〜」とか言わせて萌えるダメ人間になるもよし!
そして愛と感動とドタバタの果てに使い(仮)が選ぶ未来(というか、少女)は一体何なのか?
そして魔剣たんはどんな魔剣ちゃんに成長するのか?
どらまちっく育成+変愛シミュレーション
魔剣たん七乗〜三乗はキューブだけど七乗はなんていうねん〜
おお、なんか読者参加企画みたいだw
「この娘、母親に逆らうというの!?」
「パパはママにはわたさないもん!」
結論:やっぱり修羅場でした。
つまり
勝気なヴァーナたん(紅)…担当:くれは
真面目なティエルたん(蒼)…担当:キサラ(&晶の魂)
男の子なヤマタ(緑)…担当:グィード
我儘なナナたん(白)…担当:アンゼロット
孤立なティアたん(黒)…担当:ベール=ゼファー
天然なアトルたん(紫)…担当:ポーリィ&ガーネット
爛漫なファヴたん((ファーヴニル)金)…担当:ヴィオレット
で、OK?
マテ
……戦隊モノの法則「緑は要らないコ」を,地で行ってるゾ。
ちょwwwまっwwwおっwww
…とりあえず、作ってみるか?育成+変愛SLGとして
…さて、どのスレで呼びかけるべきか…
……お約束のハーレムエンドになったらえらい騒ぎだなあ……柊には合わないかもだけど攻めでのエンドだと嬉しいが想像つかねぇやorz
555 :
名無しさん@ピンキー:2005/08/14(日) 00:15:44 ID:HuF5nQVE
アザアザとか不思議なダンジョン系が浮かんだ漏れ
つかマジでやりたくなったよw
ぐおお、sageチェックしそこねた…orz
>>552 板違いだが、今年の戦隊はむしろ「緑以外いらない子」状態だぞ、緑が
濃すぎて。
……あの濃さは天キャラに通じるものがあるかもしれないなあ。
母親役が世話をすると想像すればだ。
>>551 紅ペア:ちょっと勝ち気な魔剣たんに手を灼くも、ほのぼのと育児。
蒼ペア:両者とも割と真面目なためガッチリ協力。
緑ペア:グィードが男の子なヤマタきゅんに満足して終了。
白ペア;昔の自分並に我が儘なナナたんを……過去を棚にあげ容赦無く育児する。虐待疑惑。
黒ペア:なかなか懐いてくれないティアたんの気を引くため、ベルの悪戦苦闘が始まる。
紫ペア:母親役ってゆーより姉妹みたいな感じでじゃれあってます。
金ペア:笑いに年の境界は無い。ヴィオレットが2人に増えた如き親子漫才成立。
こんな所だと結果を予想するのだがどうだろう。
>>558 肝心なものを忘れているぞ。
柊:起こったトラブルのとばっちりは全て柊に。
>>524 『洒落が聞いてる』って言うのは、冗談ですよう。
ワイバーン→ミズガルズオルムの流れは、作品を読ませて頂いた後、ミズ(以下略)を調べたら妄想できました。
卍解については当時原作をスルーしていたのでサッパリでしたが。
不快に思われたのならすみません。orz
友が皆、我より偉く見える日よ。遅ればせながらですが感想等々を。
>(いろんなものが)大崩壊
やべぇ、ニルヴァーナはよく知らないのに変なイメージを植えつけられた!?
公式見ただけでレガシーって普通に機械っぽいものだと思ってたのだが、こんな素敵な各種機能を持ち合わせていやがったとは。
侮れないな前文明。羨ましいなレガシーアクシーダー。そして例えと笑いとエロの具合が素晴らしいと思いました。
>BBNT本編7話目
心珠って、貴様一体何処から流れてきやがったっ。
鋼の王者の責めっぷりは正しく王道ですか。なんですかその立ち入り禁止ラブワールド全開の空間は。まあそこに辿り着くまでに、
色々苦労もあったようだけれど。「3度目までに死ぬのに」の間抜け顔がきっと私的ツボ。後編を心待ちにいたしております。
>強化人間劇場外伝
相変わらずの、このテンポのいい会話が好きです。加えてどんどん風味を増してるな、ぬいぐるみ。かしまし娘のうち二名の冷静
な解説とツッコミ、そして柊の場慣れっぷりに何故か笑った。
やはり次回を楽しみにさせていただくですよ。オチが気になるぜ。
>>493-494 へい、あれを書いたのも俺でござんすよ。あれもまあ、恥ずかしいというか気恥ずかしいというか。結局は慣れなのだろうなぁ。
そして何やら気遣いいただいてしまった様子で、誠に申し訳なく思う次第。
内輪でやってるBBNTキャンペーンのPCが「大丈夫、体力基本値15だから」と発言していたのを思い出した。どういう状況
での言いだったかは、ご想像にお任せするさ。
>むげふぁん・湯煙外伝
じゃあ気恥ずかし同盟って事で。そのネーミングセンスのマイナス具合はどういう事かと。
っつーかアレだ、君のせいで無限のファンタジアに手を出しちまおうかどうしようかと惑う俺がいる。リプレイの流れから話拾っ
てきたりも上手いですな。そしてナーシアスの大食いっぷりはそっちにまで適用されるのか。いやいや、ごちそうさまでした。
…で、「僕はここにいる」のエンディング後なんてどうですか。(←期待に満ちた目で)
>>550 一柊分って単位に笑った。そしてダイブの度に生死判定で最大内包値が削れていきそうな気がするのは俺だけか。当然遊園地に子
連れで行ってなんかいい雰囲気になるイベントとか娘を入浴させるイベントとかはあるんだろうなっ!?
ツッコみ入れ倒す柊に子魔剣を抱き上げつつ、
「おいおい、あまり喚いてはこの子の教育によくないぞ、“お母さん”」
なんて微笑むグィードを想像した俺はきっともう駄目だ。
新スレ乙
と言うか新スレ2からもう作品投下されてるよ。職人神速すぎ。
埋め
ユエルエロパロがないのは何故だろう。やりやすかろうとは思うのだが。
本編がお色気方面にあざといからかなあ
故に!だからこそ!ジャシュくん総攻めで!
だったら書けばいいじゃない?(マリー
ごめんなさい、できません。
こんなダメな私を罵ってください、アンゼロット様。
「この馬鹿ペニス!」
「お前の両親がかわいそうだ」
「口から糞垂れる前と後に「アンゼ様サイコー! Sir!」と言え!」
「我々の仕事はなんだ!?」
「アンゼ様サイコー! Sir! 無論、ヒイラギレンジの色々を下げることです、アンゼ様サイコー! Sir!」
埋まった?
まだぽ
バイト数って何処で見るの?
>>578 君の真下で真っ赤になってるだろ? ソレだよ、ソレ。
何故かきくたけ本スレでメックウォーリアーな話が出てたせいか、
ジャンヌ×サモンジとかモリ×レベッカとか頭に浮かんでしまった…。
>>580 >モリ×レベッカ
そ、それはスゴイ組み合わせだな。
>>581 いや、陵辱モノしか、想像できなかったけどね。
583 :
名無しさん@ピンキー:2005/08/30(火) 12:50:43 ID:v17DNwXf
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うめ
あと1KB
これで終わりかな?
うめめめめめめめめめめめ
最後が長いね
うめおわり・・・かな?
埋まれ。
埋めついでに妄言。
遅ればせながらオーディンの槍ゲット。
ヴィオレット……戦艦でロボで巨乳でしかも「Yes,my master」とかゆってくれるのかよ!
言語機能さえまともだったら柊との絡みで思いっきりエロスに走れたのに、あの
外人ロールでぶちこわしだよ! ああもったいないもったいない。