少女漫画「花より男子」のエロ小説 3

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1名無しさん@ピンキー
少女漫画「花より男子」のエロ小説スレです。
作家さん、新人さん、どんどん書いてね!



2名無しさん@ピンキー:03/12/23 20:28 ID:0Wj6a4O/
2get
3名無しさん@ピンキー:03/12/23 20:28 ID:hKtVGVZC
前スレ
少女漫画「花より男子」のエロ小説 2
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1047289853/

過去スレ
少女漫画の花より男子のエロ小説ってありませんか?
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1018880722/l50


関連スレ
【少女漫画】 - 【連載終了】神尾葉子:花より男子23【中途半端】
http://comic.2ch.net/test/read.cgi/gcomic/1070920674/
☆花より男子サイトヲッチスレ4☆
http://that.2ch.net/test/read.cgi/nanmin/1068462294/
4さい:03/12/23 22:58 ID:qd9T2TXA
1さんありがとうございます。
まだ途中ですが、アップしたいと思います。
「花より男子」のエロ小説2の941の続きです。
よろしければどうぞ。
5道明寺×つくし@さい:03/12/23 23:00 ID:qd9T2TXA
「・・ン・・ンンッ・・」

この声はあたし?

意識してないのにこんな声がでてしまい、恥ずかしさが充満する。
その反面、道明寺の舌の動きに翻弄され、自然と声が出る。

「・・ァ・・ン・・」

つくしの声で道明寺はますます欲情した。
片方の空いている胸に手を伸ばし、固くなっている突起を優しく指で挟んだ。

「あッ・・・ぁ・ンッ・」

声の音量があがった。
乳房を優しく揉みながら、指先で突起をつまんだり、こすったりしている。

チュ・・・・

道明寺の口に含んでいる、突起はますます固くなっていった。

「んんッ・・・」

恥ずかしい・・・けど異様に下半身が熱さを増す。
6名無しさん@ピンキー:03/12/23 23:00 ID:OT53+Z0Y
過去ログ倉庫
http://hanadan.s21.xrea.com/
7道明寺×つくし@さい:03/12/23 23:04 ID:qd9T2TXA
道明寺の唇がまたつくしの唇に戻った。
さっきとは違い、少し乱暴に舌が入ってくる。
けど、全然嫌じゃない。
それどころか、それに答えようとつくしも舌を絡ませた。

ビクッ

道明寺の手が、いつの間にかつくしのショーツを触っていた。
スルッ!
一気に脱がせた。
いつのまにか道明寺も全裸になっていた。
全裸にされ、無意識に手で大事な部分を隠した。
恥ずかしさはもちろんあったが、隠すものが無くなり不安な気になりかけた。

「・・牧野・・まかせろ・・・」

耳元で囁く。
耳たぶを弄るように舐めながら、あたしの不安な気持ちを溶かしていく。
8道明寺×つくし@さい:03/12/23 23:05 ID:qd9T2TXA
つくしの手を払いながら、ゆっくりとその部分に手を這わせた。
薄い茂みの中に中指を差し込む。

「あっ・・・」

探るように割れ目をたどり、上の方にある小さな突起を見つけた。

クチュ・・

うっすらと愛液に塗れた小さな突起を、中指で優しく撫で回した。

「ん・・ハァ・・ぁ・・」

快感が全身を伝う。
他人の指がこんなに全身を痺れさすなんて・・・
いや・・ちがう
道明寺だから、道明寺の指だからこんなになるんだ・・・

今のつくしは恥ずかしさが消えることはなかったが、道明寺の指の動きに全身が集中していた。

「あっ・・ぁ・・ん」

かすかにクチュクチュと音が響いてくる。
9道明寺×つくし@さい:03/12/23 23:06 ID:qd9T2TXA
道明寺の体が離れ、つくしの足元に向かった。
そして軽く足を持ち上げM字にさせる。
と、道明寺が顔を埋めようとした。

「・・ゃ・・だめ」

ここにきて、初めて反抗した。
埋めるのをやめ、顔を上げた。
「・・どーして」
真っ直ぐにつくしの目を見つめる。
怒ってるわけではない。むしろ甘く囁くように尋ねた。

「・・・だって・・きたない」

あたしはどんな顔で言ってるんだろう・・・
たぶん見たこともないような・・真っ赤な顔をしてるんだろうか・・
それに比べ、道明寺の顔は・・男の顔だ。
そんな道明寺の男の顔が前は怖かったけど、今は・・・
道明寺の甘く切ない表情に、つくしの胸はキュンと疼いた。
10道明寺×つくし@さい:03/12/23 23:07 ID:qd9T2TXA
「きたなくねーよ・・・」
「・・だって・・・」
「・・・・黙って」

弱々しい反抗も無駄だった。
一言いうなり顔を埋めていった。

・・チュ・・

愛液で塗れた小さな突起に軽く口付けした。

ビクッ!

つくしは電気が走ったかのようで、腰が浮いてしまった。
道明寺はかまわずに突起の愛液を舐めとる。

チュ・・ぺチャ・・

「あっ・・・んん・・」

どうやら、つくしの一番敏感な部分のようだ。
舐められるたびに、腰がふらふらと浮いてしまう。

「はぁ・・ぁぁ・ん」

道明寺は器用に舌を尖らせて、突起のまわりをクルクルと舐めまわしたり、ときには口に含みズッと吸ったりする。
つくしの悩まし気な声に、更に丹念に舐めまわした。
11道明寺×つくし@さい:03/12/24 00:03 ID:Vt3LZgjm
つくしの悩まし気な声に刺激され、更に突起を丹念に舐めまわす。

道明寺の中指がつくしの愛液を拭い、つくしの入り口へと指を滑らす。
誰も触れたことがない入り口は、道明寺の中指に吸い付いた。
とても窮屈なその場所に、優しく、ゆっくりと深く差し込んでいった。

「・・はぁ・ぅ・・」

道明寺の指を加え込んでいる入り口の狭さをどうにかしようと、ゆっくり、ゆっくりと指を動かした。

「んん・・・あぁ・・」

少しずつ中が潤ってくる。
その間も道明寺の舌で勃起した突起を優しく刺激する。

「ん・・はぁぁ・・」

クチュ・・ぺチャ・・
ゆっくりと指を出し入れした。

「・・どう・・・みょ・うじ・・・」

つくしが切ない声で道明寺の名前を呼んだ。

たまらなくなり、愛撫するのをやめ、道明寺の勃起した自身を入り口に当てた。
12道明寺×つくし@さい:03/12/24 00:23 ID:Vt3LZgjm
「ん・・・・・・」

十分に濡れてはいたももの、指より太い道明寺自身を受け入れるのは難しい。

「いっ・・ッ」

痛さにたまらず声をあげた。

「大丈夫か・・」
「・・ううん、大丈夫」
「・・・ごめん・・とまんねーよ・・」
「あたしは大丈夫・・平気」

つくしは上半身を起こし道明寺にキスをした。
つくしの気持ちを察し、道明寺自身のものをまたゆっくりと奥深く差し込んだ。

「・・ん・・」

かなりきついが、奥までしっかり入った。

「動くぞ」
つくしの痛さをまぎらわせるように、つくしにキスをしながら、ゆっくりと動かしていった。
13道明寺×つくし@さい:03/12/24 00:40 ID:Vt3LZgjm
「・・あっ・・あっ・・」

ゆっくりと、円を描きながら、優しくゆっくりとピストンをするうちに、つくしの内側から愛液が染み出てきた。

「ぅ・・ん・・はぁ・・ん」

つくしの声もだんだんと潤みを増していく。

「・・牧野・・」

道明寺の切なく甘い声で、つくしの心も潤っていった。
小刻みに腰を動かしながら、つくしの切ない表情とやらしさを含む声に、つくしへの愛しさが増していく。

「あぁ・・ぁん・・ん」

最初の痛みがだんだんなくなっていった、と狂おしいくらいの甘い感覚がつくしを覆った。
つくしの声の変化に、道明寺のピストンも少しずつ早さを増していく。

「んん・・はぁぁ・・はぁ・・」

道明寺のピストンに合わせて自然に腰が動いた。
部屋には2人の甘い息づかいだけが鳴り響く。
14道明寺×つくし@さい:03/12/24 00:41 ID:Vt3LZgjm
「牧野・・キスして・・」

道明寺がねだる。
道明寺の首に腕をまわし、唇を交わした。
激しく舌を絡ませい、お互いを求め合うかのように唇を合わせる。

なんだか・・熱い・・

つくしは下半身の熱さが徐々に増していくのを感じていた。
それは道明寺も同じだった。

囁きにも似たあえぎ声で、2人の感覚は薄れてく・・・


もう少しで・・・


「ぁぅ・・・」

「・・つくし・・」

「・・どうみょう・・・・じぃ・・・・・」
15道明寺×つくし@さい:03/12/24 01:12 ID:Vt3LZgjm
道明寺がつくしに圧し掛かった。
ハァハァと耳元で息をしている。
痺れるような感覚に2人は少しの間まどろんだ。

ここまでなるのにどれくらいの時間がかかっただろう。
いろんなことが2人の間に訪れ、苦しい別れもあった、楽しい時間も過ぎていった。
けど、今やっとこうして長い道のりを歩いてあたしたちは結ばれた。
胸いっぱいに、今までにないくらいの幸せが広がる。

ふいに、道明寺がベットの横においてあった鞄に手をいれ、何かを取り出した。
「牧野、手出して」
おもむろに右手をだした。
「じゃなくて、左手」
「何?」
道明寺が左手をとり、薬指に何かをはめた。
「!!!」
16道明寺×つくし@さい:03/12/24 01:13 ID:Vt3LZgjm
ダイヤが数個埋め込まれてる。
「・・この指輪・・!!!」
「俺のデザイン」
得意げに言ってのけた。
「じゃなくて」
こんな高価なもの・・・
「おまえにプレゼント」
「こんな高いもの受け取れない」
そういって外そうとした。
が、道明寺に抑えこまれてしまった。
「おまえなー、俺の愛を受け取れ」
「///」
よくも恥ずかしくもなくいえるもんだ
それでも続ける。
「牧野、俺を信じろ」
「またいつ会えるかわかんねーけど、信じて待ってろ」
真っ直ぐに瞳を見つめられ、涙が自然と溢れてきた。

「愛してる」

言われた瞬間、道明寺に抱きついた。

道明寺のぬくもりが私に刻み込まれたから大丈夫。
昨日よりもっと道明寺が好き・・
愛してる・・
あたしは道明寺を信じて待つよ

ーEND−
17さい:03/12/24 01:21 ID:Vt3LZgjm
終わることができました。
濡れ場は・・幼稚な文章になってしまい全然萌えじゃなかったですね(反省です
最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。
頭の中では構想はできてるんですが、文章にすると難しい!
でもまた描きたいなぁと思いつつも、いくじがないため、またロムに戻ろうかと。
では、失礼しました!
18名無しさん@ピンキー:03/12/24 02:20 ID:kJU26xfp
いえいえ、最高です!
ちょっと強引な道明寺×つくし、やっぱいい!!
19名無しさん@ピンキー:03/12/24 02:49 ID:lai+uBE4
うん!さいさんかなりよかった!!
そう言わずにまた書いてください!
よろしくです!

20名無しさん@ピンキー:03/12/24 03:52 ID:37nDkhxA
ええんでない?
21ひなはな:03/12/24 08:26 ID:Zgr6DAFS
お久しぶりです。ひなはなです。
覚えていらっしゃいますでしょうか?
作家さんが増えていてうれしい!
スレも新しくなっているし・・・。時間は流れているんですねぇ・・・

「椅子」という文章をUPさせていただきます。
お嫌な方は、スルーしてね。
22ひなはな:03/12/24 08:27 ID:Zgr6DAFS
「牧野。ちょっと、来い」
道明寺に呼ばれ、そばへ寄る。
「この椅子に、座れよ。」
何の変哲もない椅子を勧められ、素直に腰を下ろした。
「何?」
見上げるように問いかけると、甘いキスが降ってきた。
身体の力も、思考も奪う、とろけるような感覚…
足下で金属音が微かに聞こえ、見ようとすると、キスの激しさが増した。
抗えない、甘い誘惑に溺れているうちに、足首が何かで繋がれてしまった。
見ると、両足首に手錠がかけられ、椅子の脚と繋がっている。
「ちょっと!これ、なんなのよ!」
手錠に触れようとした手は、あっけなく道明寺に捕まり、後ろ手に手錠がかけられた。
「道明寺!何のまね?!」
カチャカチャと音を立て、両手足を動かす。
「無駄だ。傷になるから、やめとけ」
意地悪な微笑みを浮かべながら、不自由なつくしを眺めている。
道明寺の手が、足首からゆっくりと撫で上げていく。
滑らかな肌を味わいながら、スカートの中へ手を潜らせる。
「っちょっ…、ちょっと!やめてよっ!」
つくしの両足は、固定されているせいで、緩く開かれたまま閉じられない。
その内側の柔らかな腿を、道明寺の手のひらが撫でまわす。
「っはあっ…」
こらえきれない快感が、甘い吐息となって漏れだした。
「たまには、こういうのもいいだろう?」
23ひなはな:03/12/24 08:30 ID:Zgr6DAFS
両手でつくしの腰を掴むと、前へずらせた。そうして、スカートの裾をまくり上げると、下着に覆われた恥ずかしい部分が、突き出すように露わになる。
「っやっ…!」
背もたれと背中の間にクッションが差し入れられ、恥ずかしい格好のままどうすることもできない。
恥ずかしさに眉を寄せ、顔を真っ赤の染めているつくしが、愛おしくてたまらない。
この顔が、いじめっ子心を煽るんだよな…
「ね、道明寺。お願い、もう止めて…」
腕組みをしながら、意地悪な笑顔を浮かべ、つくしを眺めている。
仁王立ちで見ていたかと思うと、跪き、つくしの秘所をまじまじと眺めている。
「っやっ…!やめてっ…」
「牧野、なんもしてねーのに、濡れてきてるぜ」
言いながら、クレバスを指でつつく。
「っひゃ…」
ほんの少し触れただけなのに、甘くて強い刺激が与えられた。
「ここは、どうだ?」
ボタンを一つ一つ丁寧に外し、ブラジャーで隠された、胸の膨らみを露わにする。
ブラジャーを引き上げると、形の良い膨らみがこぼれ出た。
「これは、邪魔だな」
呟くと、傍らにあったキャビネットからナイフを取りだした。
瞬間、つくしは身体を強ばらせる。
24ひなはな:03/12/24 08:33 ID:Zgr6DAFS
「心配すんな。おまえには、傷一つつけねーよ。」
ブツっと音がして、ブラジャーの真ん中が切られた。ついでのように、ショーツも切り、剥ぎ取る。
満足げに見入っている道明寺から、身体を隠すようによじる。
「そんなに、見ないで」
「いいじゃねーか。……綺麗だ…、牧野」
ボリュームを増した形の良い膨らみが、道明寺を誘うように揺れている。白い肌に、ピンク色の蕾が愛らしく、ツンと硬く尖っている。
道明寺は、唇を寄せると、蕾をわざと外すように舌を這わせた。すべすべとした肌を舌で味わい、唇を押し当てると、つくしの唇から吐息が漏れた。
絶え間なく舌と唇がうごめき、つくしに刺激を与え続ける。でも、蕾は忘れ去られてしまったかのように、触れられることがなかった。
「あ、あ…んっ…。道…明寺…。」
たまらなくなったつくしが吐息を漏らす。
「どうした?」
意地悪な声が答える。
確信犯…
つくしは少し、道明寺を恨めしく思った。そして……
25ひなはな:03/12/24 08:34 ID:Zgr6DAFS
たまには私が意地悪しても、いいよね…
「ね、道明寺。」
上目遣いに見上げ、甘い声で呼ぶ。
いつもと違うつくしの態度に、道明寺の胸が鳴った。
「蕾も、食べて。」
いつもと違う自分を演じることに、つくしもどきどきしていた。
道明寺は言われるまま、蕾を口に含む。口の中で舌を動かし、堅さを楽しむ。
「あ…あっ……舌の先で、ちろちろって、舐めて…」
言われるまま舌を動かし、舐めつける。
「っふうっ…ん……すごく、気持ち、…いい」
甘い吐息を吐きながら、普段は言わない言葉を口にするつくしに、道明寺は舞い上がっていた。つくしの言葉に従い、誉められ、有頂天になる。
「道明寺、お願い。…脚の手錠、解いて…」
道明寺は一瞬考えた。
脚を自由にしたからといって、体が自由になる訳じゃない。……なら、いいだろう…
道明寺は、足首の手錠を外しながら、つくしの秘所をちらりと盗み見た。
ぬらりとした潤いが、妖しく光って見えた。
「外れたぜ。」
つくしの前に膝をつき、目を合わせずに言う。なぜか、目を見ることが出来なかった。
そんな道明寺の股間に、つくしの脚がそっと置かれた。
「!」
驚いてつくしを見ると、淫靡な笑みを浮かべている。道明寺は動くことが出来ず、そのままつくしから目が離せなかった。
26ひなはな:03/12/24 08:35 ID:Zgr6DAFS
脚の指がうごめき、道明寺に刺激を加える。
「大きく、なってるね。」
つくしがうれしそうに言った。
椅子に縛られたまま、道明寺を弄んでいるようだった。
つくしの脚は、股間へ潜り込み、ゆっくりと引き抜かれる。その摩擦が、たまらなかった。
「牧野…」
道明寺がつくしの脚を掴もうとすると、するりとかわし、道明寺の肩に乗せられた。
片足を道明寺の肩に乗せ、もう片方で股間を刺激する。
道明寺の視点から、つくしの秘所は露わに見えた。蜜が溢れ、座面に小さな水たまりを作っている。花弁がピンク色に色づき、花芯はぷくりと膨らみを見せていた。
つくしは、淫らな自分に酔いしれていた。そんなつくしの虜になっている道明寺…
「牧野…、蜜が、溢れてる…」
「道明寺が、舐めて…」
股間に置いていた脚を肩に乗せ、両足で道明寺を抱え込むような格好になる。
道明寺は蜜に誘われるようにして、唇を寄せた。
舌先でクレバスをなぞり、舌全体で蜜をすくい上げるように動かす。襞一枚一枚を丁寧に舐めつけた。
「んっ……っくふ……ん…」
「いいか?」
「すごく、いい。溶けちゃいそう…。」
つくしの言葉にうれしくなった道明寺は、舌を花芯にからみつけた。
「ああっ…!そこ…すごく、感じちゃう…。…舌で、クリクリって、して…」
つくしに言われるまま、舌を動かすと、つくしの声が大きくなった。
27ひなはな:03/12/24 08:36 ID:Zgr6DAFS
道明寺は有頂天になった。そして、次の言葉を待つように、舌を動かし続ける。
「ふうっ…ん…。舌だけで、いっちゃいそう…。……ね、くちゅくちゅって、吸って…」
その言葉のまま、唇を動かす。
「ああっ…!道…明寺!……中も、舌でめちゃくちゃにして…!」
身体をくねらせ、淫らな言葉を口走るつくし。そんなつくしの言葉に従う道明寺は、この状況に酔っていた。
つくしの蜜はとろとろと溢れ、妖しい光を乱反射させていた。甘い蜜に誘われるように、蜜壺に舌を差し入れる。ゆっくり差し入れられた舌が、つくしの中をうごめく。
「あ…あっ…!…道明…寺…!」
背中を仰け反らせ、快感に身体を震わす。
「入れ…て…。もう、いっちゃいそうなの…。道明寺と、一緒に…いきたい…。」
道明寺のストッパーは完全に壊れた。手早くパンツと下着をずりおろすと、肩に両足を乗せたまま、猛り立った自らを一気に貫いた。
「ああっ…っんっ!」
つくしは背中を弓のようにしならせ、嬌声を上げる。
打ちつけるように激しく腰を動かし、つくしの上気した顔を見つめる。快感に歪む顔が道明寺を煽る。
「あ…っあっ…!すご…い…!」
「どんな感じだ?…言えよ。」
「っあ…っくふ…んっ…!…奥に…当た…って…!」
「こうか?」
更に強く打ちつける。
「ああっ…っん…。そんなに…動いたら…だ…めぇ…!」
「すげぇ、いい。…いやらしいな、牧野。」
道明寺はうれしそうに言い、緊縛されたままのつくしを嬲る。
甘い嬌声と淫靡な水音が部屋の中に響き、二人をいつまでも酔わせていた…
28ひなはな:03/12/24 08:44 ID:Zgr6DAFS
以上です。
一応、NY生活の続き、ということで。

では、また。
29あめ:03/12/24 21:11 ID:N5g+u6Bc
>21
ひなはなさんキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!
手錠という小道具がとても道明寺ぽくてイイ!
(どういう経路で手に入れたのかが気になる・・・・)
セリフにも萌え〜
楽しみに待っていたかいがありましたw

さいさん、素敵でした。
投下後の反応がとても気になるの、すごくよく分かるw
ここの皆さんはやさしいしレス早いので楽しいですよね。
また新作できたらUPしてください。

お二人様、クリスマスプレゼントありがとうございました〜

30さい:03/12/24 22:48 ID:Vt3LZgjm
18さん19さん20さん、そしてあめさん、レスありがとうございます。
レスがあるとアップしてよかった、とあらためて思います。
ここのみなさんは優しい方ばかりでよかったです。
次のは一応頭にあるんですが、このまま道明寺との純愛一直線でいこうか、類との絡みか迷ってます。
完成したらアップさせて頂きたいと思ってます。
では失礼しました。
31名無しさん@ピンキー:03/12/24 23:07 ID:1QWFiTdC
さいさん、道明寺との純愛一直線希望しま〜す。
楽しみ〜楽しみ〜
32名無しさん@ピンキー:03/12/24 23:26 ID:3dIM7mmK
おー!ひなはなさん、久しぶりだー!!
相変わらずお上手ですね〜。つくしが大胆になってましたね。
さいさんも、漫画の続きを読んでるいるようで、
とっても良かったです!
31サンと同じく、道明寺との純愛一直線、希望します!
よろしくお願いします!!
33名無しさん@ピンキー:03/12/25 00:37 ID:SqPe3shq
ひなはなさん、久しぶりです。
楽しませてもらいました!!

類×つくしも密かに、希望です。
34らく:03/12/25 03:45 ID:trF2TpBb
ひなはなさん、さいこーです。
でも、鬼畜道明寺もなつかしいなーーー
3535:03/12/25 14:13 ID:wKYA7Q2K
類も希望
36さい:03/12/25 16:46 ID:r7YNgPW8
31さん32さんレスありがとうございます。
33さん35さんの類希望はひなはなさんですかね?
読みたいですね!ひなはなさんの文章にかなり萌えです!
純愛一直線を希望ということで、書かせていただいてます。
やはり絡みまでの前フリが以上に長くなって・・・ほんとに長くて・・・
アップするときはすぐ絡みの方がいいですよね?
前フリ文章は自分のサイトに貼れと思いつつ聞いてみたりして。
完成したらアップさせて頂きたいと思っております。
37名無しさん@ピンキー:03/12/25 17:57 ID:8jbZwqG8
さいさん、前フリ長くても全然OKですよ!
読みたいです!!
今執筆中ですか?楽しみだな〜♪
38名無しさん@ピンキー:03/12/25 18:40 ID:sSZQ5o8V
前振りむしろ激しくキボンです。
焦らされた方が萌えますw
39名無しさん@ピンキー:03/12/25 19:39 ID:0Jh5LKG0
おいらも密かに類キボン…
というか、両方キボン…だめでしょうか?
40名無しさん@ピンキー:03/12/25 21:26 ID:auqk048O
ひなはなさん最高です☆★めちゃ興奮する!!司Xつくし でSM編書いてく
ださい!!めちゃはげしめで!!
41さい:03/12/25 23:20 ID:r7YNgPW8
37さん38さんレスありがとうございます。
前フリはUPするときに、3/4以上省略しようと思いましたが、前フリ希望レスで少しだけの省略にしました。
39さん、類×つくしもいずれ書きたいと思っております。
全然激しくはないですが、よろしければどうぞ。

お嫌いな方はスルーしてください。
42道明寺×つくし@さい:03/12/25 23:22 ID:r7YNgPW8
卒業まであと2日。
約1ヶ月前に、道明寺がNYから1日だけ帰国してきた。
その日、初めて結ばれた。
道明寺が帰ったあとも、電話は毎日あった・・・
のに、ここ何日か電話すらこない!
どーして?
なんだか・・なんだか・・むかつくッ!
道明寺が帰ってくる前のあたしだったら、電話がこないくらいで、こんなにむかつかなかったはず!!
それくらいで、こんなになってたらまたいつ会えるかわかんないのに・・・どーすんのよ!あたし!?
それに、道明寺が帰ったあとにF3に会わないように隠れ続けてた。
だって、絶対西門と美作が聞いてくるはず!
あの日の夜のことを・・・
絶対!絶対ッ!!!いやッ!
ハァ、はらわたが煮えくりかえる!
43道明寺×つくし@さい:03/12/25 23:24 ID:r7YNgPW8
あっという間に2日がたった。
今日は高校卒業の日。
やっぱり道明寺からの連絡はなかったけど、道明寺なんて忘れて今日は楽しもう。

ドンドンッ!

誰かがドアを叩いた。
誰?こんな朝早く。
「すみませーん!宅急便でーす!」
「あ、はーい」
出るとでっかい箱をかかえていた。
受け取って、差出人を見ると

ー道明寺 司ー

道明寺!?
急いで箱を開けてみると、中にはプロム用のドレスが入ってあった。
「つくしー何なのぉ?」
と箱の中のドレスを見つけた。
「こ、これ、道明寺様からね!?」
そういうとドレスを手にとり、体にあて、ヒラヒラと回りはじめた。
「ママッ、もう、かえしてッ」
ウキウキ気分の母親の手からドレスを取りかえした。
「今年はきちんと着ていけるわね、さっ、早く仕度しなさい」
昨日までムカムカしていた気持ちが、少しだけ消えていった。
「さぁ今日で最後だ!」
44道明寺×つくし@さい:03/12/25 23:26 ID:r7YNgPW8
プロムの会場に向かった。
今日はきちんとドレスを着れた。そして、道明寺からプレゼントされた指輪もはめてきた。
遅れることもなく、会場についた。

ザワザワッ  ザワザワッ

どういうわけか、女子たちがざわついている。
悲鳴すら上げている子もいた。
「なんなの!?」
人ごみをかき分け、ざわめきの中心をみると・・・
F3・・ちがう、F4だ!
「ど、道明寺!?」
呆然と立ちすくんでいると、花沢類がつくしに気がついた。
「あ、牧野ォ!こっちッ!!」
他の3人もこっちに気づき、こいこい!と手招きをしてる。
会場にいる女子全員の嫉妬と憎しみの目で見つめられながら、F4に歩み寄った。
道明寺が熱い視線をよこしていた。
ムカッ!
昨日までのむかつきが蘇った。
道明寺がつくしに声をかける。
45道明寺×つくし@さい:03/12/25 23:27 ID:r7YNgPW8
「牧野・・」

バコッ!!!!

道明寺のにこやかな笑顔を見ていたら、自然に手が出てしまっていた。
「ッてえな!」
「なんであんたがここにいんのよッ!!連絡もないしッ!!!」
なんなの!なんなのッ!
「ま、牧野ッ」
西門と美作が止めに入った。
「てめえはッ」
「なによッ」
道明寺とあたしの口論に、美作があきれたように口を開いた。
「牧野、司はなーこの日のために仕事を切り詰めてきたんだぞ」
「え?」
「連絡がなかったのは、家に着くのが深夜だったからぁ、その時間だと牧野が寝てると思って、司は電話も控えてたんだぞォ」
「だって、そんなの聞いてないッ」
「だからー」
西門が口を出す。
「司が帰国する前におまえに話そうと思って、呼び出したのにこねーから」
あ!カフェにこい、ってこのことだったんだ。
「フッ、おまえはそういう女だよなッ」
道明寺がにらむ。
「道明寺・・ごめんなさい」
そんな様子を類はケタケタと笑いながら見ている。
いつの間にかプロムが始まっていた。
「ほらッ、牧野踊ってこい」
花沢類が道明寺とつくしの背中を押した。
46道明寺×つくし@さい:03/12/25 23:32 ID:r7YNgPW8
プロムは最高に楽しかった。
今年もまたF4や和也くんと踊った。
高校を卒業するとき道明寺はNYだと思ってあきらめていたから、一段と楽しい日々になった。
プロムが終わり道明寺のクルーザーに場所を移し、F4、和也君、桜子、そして滋さんや優紀が集まりパーティーが始まった。
西門さんに年代物のワインだと言われ、少しだけ飲まされた。
楽しさからか、すぐに顔が火照り風にあたりにデッキへ出る。
「ふぅ」
夜風が心地いい。
「牧野」
道明寺が来た。
「こんなに早く会えると思ってなかった」
「ああ、どうしても来たくてな」
「うん」
「今回は、3日ぐらい居られる」
「そうなのっ?」
「そのためにどんなに苦労したと思ってんだよ」
道明寺がニヤリとする。
「さみぃな」
そういうと後ろから抱きしめられた。
「ちょっと!みんなが・・」
「ちっ!しゃーねーな、こっちこい」
つくしの手をとり、デッキの一番後ろへ歩き出した。
「ここならあいつらの声も聞こえねーだろ」
するとまた、後ろから抱きしめる。
「指輪・・きちんとつけてるじゃん」
「うん、今日は高校最後の日だったし、それにあの学校で道明寺と出会えたから」
「最初は大嫌いだったけどね」
そうくるか!という顔をした道明寺もただ笑ってた。
「でも、今は大好きだろっ?」
「////」
「何いい気になってんのよ」
47道明寺×つくし@さい:03/12/25 23:33 ID:r7YNgPW8
顔だけ後ろを向いて反論しかけたとき、道明寺が唇を合わせてきた。
「・・ん・・」
つくしの腰にまわした道明寺の腕に力がこもる。
道明寺・・・
初めて結ばれた日から、道明寺のぬくもりが消えることがなかった。
触れたい、道明寺に触れて欲しい。
でも今は、道明寺を感じてる。
道明寺の舌が入ってきた。
つくしの舌を探し、見つけると優しく舌を絡ませていく。

チュ・・チュッ・・

狂おしいくらい、甘い、熱いキスが続く。
道明寺の唇がはなれ、つくしの耳たぶを甘噛みする。

「ぁ・・っ・・」

ぺチャ・・ぺロッ・・

耳を舐められてるから、音が最大に脳天に響く。
48道明寺×つくし@さい:03/12/25 23:34 ID:r7YNgPW8
「・・牧・・野・・・この1ヶ月・・すげー・・・・長く・・・かん・・じた・・」

途切れ、途切れに道明寺が囁く。

「・・んっ・・」

あたしだって・・ほんとに1ヶ月が長かった・・・
会いたくて、声が聞きたくて・・・

スッと上着の下に道明寺の手が入る。
「アッ」
こんなとこで、しかも向こうにはみんなが・・・
「シッ!・・・声出すな・・」
そういうとブラの中に手を入れた。

「・・ぁ・・」

優しく乳房を包み込むように揉む。
いつも何をするにも自己中で強引だけど、今日は特にそう。みんなが向こうにいるのに・・・
優しい手の動きに、つくしの胸の突起が徐々に立ちはじめる。
片方の手もつくしの膨らみを求めて入ってきた。
後ろから両方の乳房を優しく揉んでいる。

「ぁあ・・・っん」

ブラは外さずに下の方にずらし、円を描くように揉まれる。
固さを増した突起を軽く弾くようにクリクリといたぶる。

「やっ・・道明寺・・だめッ」

言葉とは裏腹につくしの息は荒くなっていく。
49道明寺×つくし@さい:03/12/25 23:37 ID:r7YNgPW8
「んふっ・・・ぁぁっ・・」

道明寺はつくしのうなじに口付けをする。

チュ・・チュ・・

優しく、甘い刺激に腰が砕けてきそうだ。
更に突起を弄ってる指先に力がこもる。

「・・んんっ・・ん」

必死に声を押し殺そうとするが、道明寺の巧みな指の動きに声が漏れる。

「牧野・・ハァ・・・・こっち向いて」

顔を向けると唇を奪われた。
道明寺・・だめっ・・
心の中でつぶやくが、唇も舌も溶けてしまいそうになるくらい、熱く、甘いキスがおちてくる。
道明寺のキスと、少し乱暴で、でも優しく膨らみを揉まれるたびに、つくしをみだらにさせていく。
道明寺の片方の手が、スカートをすばやくたくし上げた。
「!!!」
唇は奪われたままだから、抵抗する声もだせずにいると、ショーツの中に手をいれてきた。
50道明寺×つくし@さい:03/12/25 23:39 ID:r7YNgPW8
クチュ・・

茂みの中に指を入れると愛液が溢れていた。
道明寺の長く優しい愛撫で、つくしのそこは蜜を溢れさせていた。

「・・牧野・・感じる?」

そんなこと聞かれたって答えられるはずがない。
恥ずかしさで、ますます全身に熱が増す。
答えられないでいると、指を深く差し込み、割れ目をたどる。
ゆっくり、それでいて、やらしく動く。
そして、人差し指と薬指で花弁を広げ、真中にある小さな突起を中指で触れた。

「はあぁ・・んっ」

初めて結ばれたときに、つくしはそこが一番感じることを道明寺はわかっていた。
つくしの入り口に溢れてる愛液を中指でスクイ取り、突起に塗りつける。

「あぁ・・はぁはぁ・・んっ」

そこからくる快感に溺れる。
道明寺の中指が生き物のように動きまわり、つくしの腰が自然に動きだす。
更に小さな突起は固さを増し、蜜が溢れだしてくる。
執拗につくしの突起を上下にクリクリといたぶる。

「ん・・んくっ・・はぁ・・」

つくしはハァハァと息があがり、胸を上下に波打たせる。
小さな突起から全然手を離さず、道明寺の中指の動きは更に小刻みに動く。

「ん・・はっ・・あっぁ・・」
51道明寺×つくし@さい:03/12/25 23:45 ID:r7YNgPW8
途中ですが、すみません。
深夜2時前にはUPします。(たぶん
52名無しさん@ピンキー:03/12/25 23:49 ID:zKDzywog
>51
無理しないでねん
53名無しさん@ピンキー:03/12/25 23:58 ID:sSZQ5o8V
さいこーに萌えます!!
道明寺×つくしはやっぱりイイ!
続き読むまで眠れないよ〜〜(T0T)
54道明寺×つくし@さい:03/12/26 00:51 ID:WI+KzVRl
52さん53さんありがとうございます。
一応「花男」エロ小説2の933〜の続きものという感じです。(自分的には
よろしければ、続きをどうぞ。

お嫌いな方はスルーでお願いします。
55道明寺×つくし@さい:03/12/26 00:53 ID:WI+KzVRl
つくしの甘い耽美な声と、クリクリ、クチュクチュと奏でる愛液の音に道明寺は興奮していた。

「はぅ・・・んっ・・ん」

つくしはだんだんと、身体が浮いてくるような感覚に戸惑っていた。
初めてのときは痺れるような熱い感覚に襲われたが、今日は違った。
道明寺は愛液まみれの突起を更に撫でまわす。

クチュ・・チュ・・

「ん・・・やっ・・」

どうしようもないくらいの感覚に、道明寺の腕にしがみついた。

「道明・・寺・・・・ぁ・・だ・・・・めっ」

道明寺が耳元で囁く。

「ん・・・牧野・・・何がだめだって?」

あやすかのように、甘い声で聞いてくる。
そして道明寺の中指にも熱が入り、ますます、赤く腫れあがっているであろう、小さな突起をいたぶる。

「・・お・・願い・・・はぁ・・んん・・っ」

「何が・・お願いなんだ・・」

いたずらにつくしの声に答える。

どうしよぅ・・あたし・・変・・だめっ・・・ほんとに・・・
56道明寺×つくし@さい:03/12/26 00:54 ID:WI+KzVRl
自分の身体なのに、自分の身体じゃなくなるくらい、道明寺の愛撫に溺れる。
徐々に強さと速さを増し、リズムカルに中指が突起を責め続ける。
全身が心臓になったみたいに、ドクドクと心拍があがり、下半身から甘く激しい波が押し寄せようとしている。

「はっ・・はっ・・あ・・・んんん」

切ないくらいに、いっぱいいっぱいになってきた。
道明寺の指を動かす速さと息づかいが、つくしの身体を張詰めさせる。
だんだんに狂おしいくらいの快感が襲ってきた。

「・・んん・・ゥフ・・ぁん・・あぁ!!!」

目の前が真っ白になり、何かが弾けたような意識が遠のくような感覚になり、道明寺の腕にしっかりとしがみ付いて、ハァハァと肩で息をした。

「牧野・・イッタな」

イッタ?これがイッタっていうの?
なんだかわからないがガクガクと足が震える。
57道明寺×つくし@さい:03/12/26 00:55 ID:WI+KzVRl
2〜3分だったろうか、道明寺はあたしの足の震えがなくなるまで支えてくれた。


「・・・さぁ!!」
「牧野ぉ!」
「おーい!司ッ!どこだぁ!」

あたし達がいないことに、やっと気づいたみんなが探しにきた。
「おまえは少しここにいろ」
そういうと道明寺はみんなのとこに向かって歩き出した。
と、途中で振り向き、ビシッ!と指を指して

「俺のいる3日間は、絶対あけとけ」

ニヤリと微笑むと、みんなの所へ向かった。
だんだん道明寺が大胆になっていく・・・
でも、みんながいるのに・・・
さっきのことを思い出して、顔を真っ赤にした。
これからの3日間を考えると、少し恐ろしいけど。

みんなの想いをクルーザーに乗せて、夜は更けていった。


ーEND−
58さい:03/12/26 00:59 ID:WI+KzVRl
最後まで読んでくれた方、ありがとうございます。
優しいレスばかりで、嬉しいかぎりです。
では、失礼しました♪
59名無しさん@ピンキー:03/12/26 01:08 ID:qqnHuVp2
起きててよかった!!(*>_<*)
道明寺がつくしを大事にして可愛がってるのが、すっごくイイ!
つくしも初々しくて、でも普段はちゃんと凛としてて、原作通りで嬉しいv

続き・・・書いてくれますよね??是非ぜひお願いします(懇願)
60名無しさん@ピンキー:03/12/26 03:08 ID:AlRnGgPB
さいさんよかった!!
私の見たかった番外編!!って感じです。
   (絶対ありえないけど・・・)
続き・・・ありますよね?是非!!
61名無しさん@ピンキー:03/12/26 18:14 ID:KipXCCtf
さいさん、サイコーです!!
続きを読みたい(>_<)
3日間の内容を!お願いします!!
62名無しさん@ピンキー:03/12/26 22:00 ID:QbyWUATF
さいさんサイコー!!
原作っぽい道明寺もっともっと書いてください!
お願いします!
ラブラブモード全開でよろしく!
63さい:03/12/27 00:08 ID:9/pZHrns
59さん60さん61さん62さん、レスありがとうございます。
次は類をと考えてましたが、続き!ということで今書かせていただいてます。
今のを書いたら、類×つくしを書かせていただきたいと思ってます。(これも続きものと考えてます)
それまで他の作家さん方の新作を待ちつつ、執筆したいと思っております。
64名無しさん@ピンキー:03/12/27 00:28 ID:uLNOEbGn
さいさん!!ううう嬉しい〜〜(涙)。
続きイイコで待ってます。
さいさんの描く、イケイケだけど少年ぽい純粋さのある、
原作ぽい道明寺が大好きです。
65名無しさん@ピンキー:03/12/27 14:12 ID:VIshloWJ
さいさん、ありがとう!!
期待して、待ってま〜す!
66さい:03/12/27 21:05 ID:9/pZHrns
64さん65さん、レスありがとうございます。
ほんとにレスがあると、頑張って書こうという気持ちになりますね。
また前フリが長いのですが、UPさせて頂きます。
よろしければどうぞ。

お嫌いな方はスルーでお願いします。
67道明寺×つくし@さい:03/12/27 21:09 ID:9/pZHrns
道明寺がNYへ戻って約半年。
あたしは、慌しいが充実した日々を過ごしている。
だた1点、道明寺がいないことを抜かしては。
道明寺は卒業式の日から数日だけ来て以来、一度も帰国してこなかったけど、毎日電話をくれる。

〜〜♪〜♪〜♪(着メロ音

ピッ!
「もしもし」
《俺ッ》
「どうしたの?今日はやけに早いじゃん」
《早ぇーて、もう夜だろ》
「だって、いっつも深夜0時過ぎに掛けてくるじゃん」
《あ?だっけ?》
「道明寺、あのね、今度みんなで温泉に行くっていってたでしょ!?」
《んあぁ、滋たちとだろう》
「うん、滋さん達もなんだけど……」
《だけど?なんだよッ!?》
68道明寺×つくし@さい:03/12/27 21:09 ID:9/pZHrns
「…F3も一緒なの」
《あぁ??》
《F3ってことは、類も行くのかッ?》
「う…うん、暇だから行くって」
《おまえッ、類に変なことされたりしないだろうなー!》
「へ、変なことって何がよッ!?されるわけないでしょっ!!」
《おまえ…誘うような目つきするじゃねーか》
「誘うような目?そんなの持ち合わせてないっ!!」
この男は何を血迷ったこと言ってるんだッ!
だんだん腹が立ってきた。
《あの夜みたいに…》
続けて話そうとした道明寺の言葉をさえぎる。
「あの夜、あの夜って言うなッ!」
「ばかッ!!!」
プッ!

ハァハァ、道明寺は電話でさえも、どれだけあたしを辱めれば気が済むのよッ!

…あの夜って…
69道明寺×つくし@さい:03/12/27 21:13 ID:9/pZHrns
ーつくしの卒業式から2日目ー

プロムが終わりクルーザーでの2次会も終わり、懲りずに次の日は美作さんの家でパーティーをした。
美作さんちのパーティーでは、熱い視線を感じ振り向くと、その視線の先には花沢類がいて、どぎまぎするあたしをよそに二コリと微笑む類に思わず微笑み返してみたり。
道明寺は道明寺で、隙あらば2人になろうとしたが、ことごとく失敗に終わっていた。
今度は、西門さん家の別荘に行こうという提案もあったが、つくしと早く2人になりたい道明寺の「解散だッ!!」の一言で提案は却下された。

その日は朝早くに道明寺に呼び出され、2人きりのデート。
買い物したり、いろんなとこを周り、あっという間に夜になった。
夜は道明寺グループの経営するホテルに泊まった。
昔一度、西門さんと優紀を追って入ったことがある。
最上階のスィートルーム。
「うわっ、やっぱりすごいねー」
最上階からの夜景はすごいものがある。
絶景とはこのことだろう。
「ちょっとー、道明寺もこっち来てみなよー」
「みねー」
「みねーって!」
「そんなの見飽きたっ」
あーあー、そうですかいッ!
つくしはブツクサと言いながらも、目の前の幻想的な夜景に見惚れていた。
スッ
道明寺が横にきた。
「夜景は飽きたんじゃなかったの!?」
70道明寺×つくし@さい:03/12/27 21:15 ID:9/pZHrns
嫌味たっぷりに言ってやる。
「おまえは夜景に見惚れてるけど…俺は夜景よりも可愛い牧野に見惚れてる」
「!」
プッ!あはははッ!
道明寺のくさい台詞に思わず噴出してしまった。
「てめっ、俺がせっかく考えてた台詞をッ」
「笑うな、このっ」
顔を真っ赤にした道明寺が、軽いヘッドロックをかけてくる。
「このっ、襲うぞッ!」
「////」
その言葉で次はあたしが真っ赤になった。
「ふ、風呂、そう!風呂に入ってくるっ」
道明寺の言葉に少しばかり動揺してしまい、とっさに逃げる。
スタスタと歩き出したあたしに向かって、
「一緒に入ろーか!?」
やらしい笑顔で言われ、おもわずその場にあったクッションを道明寺に投げつけていた。
71道明寺×つくし@さい:03/12/27 21:18 ID:9/pZHrns
チャポーン

やっぱりこれからするんだよね。
もう初めてではないけど、やっぱり恥ずかしい。
でも…あたしも道明寺が……

これからの行為を勝手に想像して、風呂場で真っ赤になった。
風呂から出ると道明寺がビールを飲んでいて、それをあたしに差し出した。
「ほらっ、飲むか」
「うん」
缶を受け取り、少し口にする。
「じゃあ、俺も入ってくっから」
そういうとお風呂に向かった。
いつの間にか、部屋の電気は消されていたが、外の夜景の明るさでほんのり部屋も明るかった。
飲みかけの缶を置いてベッドに腰掛ける。
何分たっただろう、外の夜景をぼーっと見ていたら、道明寺が風呂から上がってきた。
「!!!」
「な、なんであんたは全裸なのッ!?タオルぐらい巻きなさいよっ」
「フッ、船の上でお預けくらって、今日まで我慢してたんだッ」
そういうと道明寺に押し倒された。
乱暴に唇を奪われたが、すぐに優しく甘いキスに変わった。

チュ…チュ…

優しく唇を合わせる。ついばむような軽いキス。
そして道明寺の舌が入ってきた。
つくしもぎこちないが、道明寺の舌を受け入れ絡ませる。
どっちの舌なのか判らなくなるくらい、舌を絡ませ合う。
道明寺……
つくしは道明寺への気持ちが更に高ぶる。
それは道明寺も同じだった。
つくしへの愛が更に、更に高ぶる。
72道明寺×つくし@さい:03/12/27 21:20 ID:9/pZHrns
チュ…チュ…

かなり時間をかけたキスをし、唇を離した道明寺がつくしを見下ろす。
「牧野…」
「……」
「すげー、いやらしい顔」
「////」
あまりのつくしの可愛らしさに、また唇を奪う。
甘く、優しいキスは飽きることがない。

道明寺がつくしのバスローブを脱がした。
つくしの身体があらわになる。
道明寺の手がつくしの胸を包み込んだ。

「ンッ…」

道明寺の唇はつくしの首を愛撫しながら、指先はつくしの胸の中心を弄る。

「…ぁ…ン…ッ」

道明寺の優しい愛撫で、つくしの声が漏れる。
首を愛撫していた唇が、だんだんと下へ降りていき、片方の空いている胸へと辿りつく。
まだ固さを増していない突起の周辺を、舌を尖らせて舐めまわす。
73道明寺×つくし@さい:03/12/27 21:21 ID:9/pZHrns
「あぁ……んんッ」

少しづつ、つくしの声のボリュームが上がっていく。
同時にまだ口に含んでいない突起も、固さを増していった。
やっと道明寺の唇が、固くなったピンク色の突起を口に含む。

「ぁん…ッ…」

口に含んだまま、舌だけを器用に動かし、突起を上下に舐め上げる。
手では少し乱暴に、もう片方の胸の突起を指の腹で撫でまわす。

「ん…ん…あ……ぁぁ…ん」

優しく、甘い愛撫に溺れていく。
道明寺もつくしが初めての相手だったが、雄の本能なのか、天下の道明寺司だからなのか、愛撫もキス同様に上手い。

「…道…明寺……ぁ…」

無意識に道明寺の名前を口走る。
つくしの胸を十分にいたぶった手を、下へと徐々に移していった。
74道明寺×つくし@さい:03/12/27 21:22 ID:9/pZHrns
「はぁ…んん…っ」

ビクッ

道明寺の手が、つくしの下半身の薄い茂みの中に押し入る。
長い…長いキスと胸の愛撫で、つくしのそこは蜜が溢れ出していた。

「あ……っん…」

茂みの中の小さな突起を探しあて、中指の腹をあてがう。
指を動かすたびに、クチュクチュといやらしい音が響く。
つくしの入り口に溢れてる愛液をとり、小さな突起に塗付ける。
ヌルヌルになって滑りやすくなった突起を、優しく、円をかくように刺激した。

「はっ…ん……ぁ……っ」

道明寺に触れられるたびに敏感に反応するつくしを、道明寺は甘く、甘く愛撫していく。
つくしの胸の突起を責め続けていた唇を離し、下半身へと移動させていく。
道明寺の指で責め続けられら突起は、赤く腫れあがったかのようにツンと立っていた。
それを見つけると、小さな突起を口に含んだ。

「やっ…んんっ……」

ペロペロと舌で突起を舐めあげる。

「ぁ…ん…はぁ……んんッ」

そこを舐められると、切ない感覚がつくしを襲う。
75道明寺×つくし@さい:03/12/27 21:23 ID:9/pZHrns
ぺチャ…ぺロ…

生き物のように道明寺の舌は、つくしの突起を刺激する。
唇でその突起を甘噛みすると、ビクッ!とつくしの腰は浮いてしまう。
そんな様子を楽しむかのように、優しく、優しく、小さな突起をいたぶる。
道明寺はつくしの足を広げさせ、つくしの下半身を更に舐めやすくなるよう、M字にさせた。

「ゃ……ぁ…」

そして、道明寺の舌は更に下へ向かい、つくしの入り口にあてがった。

チュ…

つくしの入り口を優しくキスし、入り口に舌を差し込む。

クチュ…

「はぅ…ん…」

つくしの腰がふらつく。
入り口の中を探るように、道明寺の舌は動く。
さっきまで舌で弄られていた、小さな突起を指で挟む、とクリクリと動かし始めた。

「ん…ぁ…んん」

つくしの声にも艶が増し、切なそうに喘ぐ。
だんだんと痺れるような感覚に襲われ始めた。
つくしの艶の増した声に、道明寺の愛撫も加速する。
切ないが、狂おしいほどの甘い感覚がつくしを覆いつくす……
76道明寺×つくし@さい:03/12/27 21:24 ID:9/pZHrns
〜〜♪〜〜♪(着メロ音

道明寺の携帯が鳴った。
2人は一瞬止まり息をのんだが、道明寺はそれを無視して続けようとした。
が、
〜♪〜♪♪〜〜♪〜〜♪♪
〜〜♪〜〜♪♪〜〜♪〜♪〜♪♪〜〜♪〜〜♪♪
〜♪〜♪♪〜〜♪〜〜♪♪
かなりのしつこさで鳴り止まず、業を煮やした道明寺が携帯に出た。
プッ!
「てめーっ、邪魔すんなッ!!」
《…》
「…か、切るぞっ」
《……》
「あ?それは帰国する前に片付けただろうがっ」
電話の相手は、たぶん道明寺家(会社)の人間だろう。
こんな時間に電話してくるなんて、よっぽどのことだろう。
道明寺に責め続けられたつくしの身体は、かなりの熱さを増していた。
今、この状況で電話を掛けてくる相手を恨めしく思いながら、つくしは道明寺を見つめる。
道明寺もまた、つくしの顔から目を離せずに話し続けた。
つくしは瞳を潤ませ、誘惑するような目つきで道明寺を見つめる。
そんなつくしの瞳に、道明寺の鼓動は高くなっていった。
誘惑しているわけではない、が自然につくしの瞳はやらしさを増し、道明寺を求めていた。
早く話しを終わらせて……早く…早く…
《…》
「あぁ、わかった」
《…》
「わかったっていってるだろうがッ!!」
《…》
ブチッ!
乱暴に携帯を切って、遠くへ放り投げた。
77道明寺×つくし@さい:03/12/27 21:28 ID:9/pZHrns
「…仕事?」
「気にすんなッ」
「…」
「…おまえのその目つき」
「ぇ」
「…やらしーな…」
そういうと荒々しく唇を合わせてきた。
道明寺…離れないで…
狂おしいくらいの熱いキスを繰り返す。
道明寺はつくしの足を広げ、自分の勃起した自身を、つくしの入り口にあてがった。

「入れるぞ…」

ゆっくり、ゆっくりと奥に差し込んでいく。

「んっ……」

まだ窮屈だったが、初めてのときよりも痛さを感じなかった。
優しく、ゆっくりと奥へ差し込まれ、道明寺の全部を咥え込んだ。

「ぁ……はぁ…ん」

つくしが痛みを少しでも感じないよう、ゆっくり、ゆっくりと腰を動かす。
その間、道明寺はかがみ込み、つくしにキスをする。

「ンンッ……」

道明寺はゆっくり、ゆっくりピストンを始めた。
78道明寺×つくし@さい:03/12/27 21:32 ID:9/pZHrns
つくしは道明寺にしがみつき、必死で愛撫に答える。
痛さがなくなり甘い感覚に包まれ、つくしは自然に腰が浮いてしまう。
道明寺でいっぱいになった全身が、上下に波打ち、つくしの声は更に潤みをましていく。

「は……っ…ん…ぁぁ…ん」

つくしは蜜を溢れさせていった。
道明寺は目の前の胸の突起を口に含み、ペロペロと舐めながら、腰の動きを少しずつ早くしていった。

「あ…ん……ぁ……っ…んん」

甘い、痺れるような感覚がだんだんとつくしを覆っていく。
切ないくらい、苦しい、でも甘い感覚がじわじわと襲ってきていた。
道明寺もピストンの速さが増していく。
胸を締め付けるような、甘い切ない感覚が道明寺、そしてつくしを襲う。
道明寺のピストンも激しさを増していく。

「や…んん……あぁ…ん…だめっ…」

ドクドクと全身が、激しい波に襲われた。
79道明寺×つくし@さい:03/12/27 21:33 ID:9/pZHrns
「……ハァ…つくし…」

「ゃ…あ…あ…ンッ…」

「………ンッ…!!」

「あぁ……ン…ン……ぁあ!!!!!!」

震えがし、気が遠のくのを感じた。
2人の甘い息遣いが部屋の中にこもる。

「牧野…」
道明寺がキスをしてくる。
長く、甘いキスを繰り返し、道明寺はつくしを見つめた。
つくしも道明寺を見つめ返す。
ウルウルと潤ます瞳に、道明寺の欲望をかき乱した。
萎えたばかりの道明寺の自身が固さを増していった。
ガバッ!
また道明寺がつくしに圧し掛かった…
つくしの吐息が漏れる。

ー次の日の夜、道明寺はNYへと戻っていったー
80道明寺×つくし@さい:03/12/27 21:34 ID:9/pZHrns
〜〜♪〜♪〜♪(着メロ音

プッ!
「何よッ!」
《てめっ、いきなり切るなよッ!》
「あんたが切らすようなこと言うからだよッ」
《……まぁいいやッ》
「何がいいのよッ!」
《牧野んちに手紙かなんかきてねー?》
「あ?手紙?ちょっとまって」
そういうと郵便受けを見にいく。
中を開けると手紙が入ってあった。つくし宛だ。
「ねー、手紙があったよ」
《中開けてみ》
「ちょっと待って…」
81道明寺×つくし@さい:03/12/27 21:35 ID:9/pZHrns
開けてみる、と、中にチケットが入っていた。
…ニューヨー……ク…?
「え?道明寺!?これって」
それはNY行きのチケットだった。
《来るだろ!?》
「ぇ…うん、うん、行くっ!」
道明寺に会える!何ヶ月ぶりだろう!嬉しいッ!
喜んでいると道明寺が聞いてきた。
《で、温泉はいついくんだよ》
「温泉?明日っ!」
《あぁ!?明日ッ!?》
「うん!明日早いしもう寝るっ!おやすみ♪」
《ぉぃ…!!》
プッ!
道明寺の怒鳴り声が聞こえたが、切ってしまった。
手に持ってるチケットをまじまじと見る。
「…4日後か」

待ってて!
道明寺ッ!!


ーEND−
82さい:03/12/27 21:51 ID:9/pZHrns
最後まで読んでくれた方、ありがとうございました。
今、温泉編を書いてます。
一応2本立てを一気にと思いましたが、まず先に読んでもらおうと・・・。
深夜にはUPしたいと思ってます(たぶんですが、UPできなかったらすみません)
では失礼しました。
83名無しさん@ピンキー:03/12/27 22:02 ID:xJrJyd66
>82
さいさんの書く話はかわいくて好き。続き楽しみにしてます。
がんばって、でも無理しないでねー。
84名無しさん@ピンキー:03/12/27 22:07 ID:nO0wQrCb
さいさん、待ってます。
ホントさいさんの小説読んでると、頭のなかに
漫画の司とつくしが浮かびます。
85名無しさん@ピンキー:03/12/27 22:48 ID:VIshloWJ
本当に原作のイメージが壊されてなくて、
さいさん、上手ですね!
続き楽しみにしてます!
86さい:03/12/28 00:20 ID:vqbUOHRt
83さん84さん85さん、レスありがとうございます。
今回の道明寺編は、どんな反応がくるか怖かったですが・・・。
次は類×つくしで。絡み・・微妙な絡みですが・・・。
よろしければどうぞ。

お嫌いな方はスルーでお願いします。
87類×つくし(番外編)@さい:03/12/28 00:21 ID:vqbUOHRt
今日はみんなと1泊2日の温泉旅行。
温泉は山奥にあって、滋さんちが所有しているところだ。
滋さんとF3、桜子に優紀、いつものメンバー。(あっ!和也くんは誘ってなかったよ)
温泉までは、滋さんちの車で行くことになった。
滋さんと桜子、そして西門さんに美作さんの4人。
優紀とあたしと、そして花沢類の3人、に分かれて乗ることになった
昨日の思いがけないプレゼントに、今日は少し舞い上がっていた。
車中、優紀と楽しく話していた。
「牧野」
「何?花沢類」
「司となんかあった?」
「ど、どーして!?」
そんなに浮かれていたろうか!?
花沢類の言葉にドキッとする。
「楽しそう」
「た、楽しいわよっ、そりゃあ。これからみんなで温泉だもんッ」
どぎまぎしながら答えた。
フッと笑うとまた、窓の外を眺め始めた。
最近特に痛いほど、花沢類の視線を感じる。
そのたびに、あたしの胸はドキッとしてしまう。
でも、花沢類の存在はあたしを安心させる。
道明寺がNYへ行ったとき、胸が裂けるくらい寂しいと思ったとき、必ず花沢類が現れた。
あたしの気持ちを察してか、何もせず、ただ傍にいてくれる。
自分はずるい、と思いながらも花沢類には甘えてしまってる自分もいた。
今日は1泊する…大丈夫、みんなもいるんだから!
88類×つくし(番外編)@さい:03/12/28 00:22 ID:vqbUOHRt
かなり時間がかかり、着いたのは夜の7時をまわっていたが、無事到着した。
古い旅館風の屋敷と、奥の方には露天風呂があった。
料理などは、滋さんちのお手伝いさん達が作って、置いていってくれた。
風呂は大きい露天が1つしかなかったので、最初にF3が入った。
そんなに待つこともなく上がってきて、すぐに女達が一緒に入った。
「ねーねーつくし」
「何、滋さん」
「司とやった?」
「な、な、何いってん…」
いきなり何を言い出すんだ。
心臓が破裂しそうにドキドキしだした。
「だってさー、つくしの身体って前はストーンとしてたけど」
「ストーンって何よっ!」
「それなのに、少しメリハリついてるじゃん」
「そういわれれば。牧野先輩したの?ねーどーなの?」
桜子がここぞとばかりに聞いてくる。
「う、うっさい!もう上がるッ!」
逃げるように露天風呂から上がった。
道明寺とのことなんて……あたしの口から言えるわけないじゃないッ!
あたしが上がると、他の3人も風呂から上がってきた。
89類×つくし(番外編)@さい:03/12/28 00:23 ID:vqbUOHRt
部屋へ戻ると、もうF3の宴会は始まっていた。
「おせーよ!」
美作がワインを片手にあたし達に言う。
「じゃあ乾杯しましょう」
桜子がみんなに言う。
「じゃあ、俺達の明日に!!!」
西門が叫ぶ。
『乾杯〜〜〜〜〜〜ッ!!!』
カシャ〜〜ン!

みんなでこうして飲むのは久しぶりだったから、すごく楽しい夜になった。
途中、携帯の電波が入らないとわかった西門と美作が散々愚痴ったが、完全にあきらめ飲みに徹した。
みんな散々飲んで、騒いで、だんだんにダウンし始めた。
飲んでいる間、ずっと…、そう、ずっと類の視線と、絡みあった。
90類×つくし(番外編)@さい:03/12/28 00:24 ID:vqbUOHRt
「ハァ…癒される」
夜1人で露天風呂に入ってた。
「誰?」
「え?誰?」
誰と聞かれ、こっちが誰と聞き返す。
よくみると花沢類だ。
「は、花沢類!?」
「あぁ、牧野か」
「俺も入らせて」
そういいながら、お風呂の中に入ってきた。
「ちょ、ちょっと」
焦ってるあたしに向かって、類は面白そうに笑う。
「あ、あたし出るねっ」
そういって立とうとしたが、困ったことに誰もこないと思ってたから、そばにはタオルも身体を隠す物が何もない。
「今出て行ったら、牧野の裸、俺に丸見え」
憎たらしい笑顔で言った。
この場は、花沢類が出てから出ればいい。
そう思って身をかがめた。
山奥だから空が綺麗で、満天の星空が見える。
「うわー、すごっ」
思わず声が出た。
類も空を見上げる。
「花沢類」
「ん?」
「いつも、ありがとう」
「その言葉、何度も聞いてる」
なんだか綺麗な星空を見ていたら、いつも苦しい時に支えてくれる類にお礼が言いたくなった。
「……」
「…牧野?」
91類×つくし(番外編)@さい:03/12/28 00:25 ID:vqbUOHRt
お酒がまだ残ってるから、酔いがまわってきた。
一瞬溺れそうになったが、類がすぐ支えてくれた。
「大丈夫?」
「…う、うん…」
って!な、なんでっ
類がいつの間にか、つくしの肩を抱いている。
驚いていると、類がつくしにキスをしてきた。
「!!!」
びっくりしている暇もなく、類は舌を入れてくる。
押し戻そうとしても、手に力が入らない。
そうしてるうちに、類の舌はつくしの舌を探し当てた。
優しく、舌を絡ませられる。
道明寺とは全然違うキス。
F4はなんでも得意なのか!?
類のキスもうまい。
抵抗してみるが、力が入らず、空振りにおわる。
軽い抵抗を示すつくしを無視し、類は優しく、甘いキスを繰り返す。

「…ん…んっ…」

心の中で叫ぶが、なんの抵抗にもならない。

「…牧…野……好き…だ」

途切れ途切れ、類が囁く。
つくしの心拍がだんだんとあがってくる。
92類×つくし(番外編)@さい:03/12/28 00:26 ID:vqbUOHRt
類の手が、そっとつくしの胸に触れた。

ピクッ!

つくしの反応をよそに乳房を優しく揉み始めた。
指の腹で、つくしのピンク色の突起を撫で上げる。

「ん…ん……っ」

塞がれている口から、声が漏れる。
類の指先は巧みに、つくしの突起を責めたてた。
いつの間にか類の舌を受け入れていた。
つくしから絡ませることはなかったが、類の舌をそのまま受け入れる。
類は優しく、包み込むように乳房を揉み、人差し指と中指で突起を挟み、コリコリとしている。

「ぁ…ん……んっ」

そして、ようやく唇を離すと、つくしの耳たぶを甘噛みし始めた。

「あ……っ」

外につくしの声がこだまする。
丁寧に、優しく、耳たぶを舐めまわす。

ぺチャ…チュ…

類の息遣いと、耳を舐める音が最大に聞こえる。
93類×つくし(番外編)@さい:03/12/28 00:28 ID:vqbUOHRt
「だ…めっ…類……ぁ…ぁ」

駄目という言葉も、今やなんの抵抗にも聞こえなかった。

「牧…野……」

類が甘い声で囁く。
類の声で、つくしの心はドキッ波打つ。
乳房をいたぶっていた手は、つくしの下半身へと移っていった。
少し強引につくしのそこに手を入れ、薄い茂みの中へ差し込んだ。

ヌルッ

つくしの入り口を探し当てた指先は、愛液が溢れ出しているのを感じた。

「牧野……濡れてるっ」

つくしが感じていることを嬉しく思い、つくしにキスする。

「類……ゃ…ゃめて…」

言葉とは裏腹に、類の指先に溺れる。
つくしの入り口に類の指が入ってきた。

「あ……んん…」

まだまだ窮屈なそこは、類の指を少しずつ呑みこんでいく。

「ぁ…ゃ…」

つくしの潤んだ声に、類の欲望は更に増す。
94類×つくし(番外編)@さい:03/12/28 00:29 ID:vqbUOHRt
少し指を動かしていく。

「ん…ぁ……んっ」

つくしの中はヌルヌルとして、類の指を咥えこむ。
だんだんと奥の方から愛液が溢れてきていた。
滑りやすくなったそこを、類の指は更にピストンし始めた。

「だめ……ん…ぁ…ん…」

類の指に溺れる罪悪感と、狂おしくなるほどの甘い感覚に、つくしの感覚も麻痺しそうになる。
類の指が引き抜かれる。

「…牧野…きて」

そういうと類は、つくしを抱き上げ、自分の上にまたがせた。
と類の熱く勃起した自身を、つくしの入り口にあてがった……




「類ッ!!!!!てめッ!!!!ぶっ殺す!!!!!」

誰かが叫びながら、こっちに来た。
ど、ど、道明寺!?
道明寺はNYじゃなかったのっ!!??
95類×つくし(番外編)@さい:03/12/28 00:31 ID:vqbUOHRt
ガバッ!!!

チュン…チュン……

類とつくしは同時に起きあがった。
「へっ?」
「えっ?」
つくしの左では優紀が寝てて、右では滋さんがつくしの腰に抱きついてスースーと寝息を立てていた。
「ゆ…夢?」
2人同時に呟く。
えっ!っと2人は顔を見合わせた。
「牧野」
「はいっ!」
つくしはビクついた。
「俺、牧野とやってた」
えーー!?も、もしかして同じ夢を見たの!?
声も出ず、顔を真っ赤にしてると、
「すけべッ」
というと手で身体をかくした。
何ー!?なんでそれをあんたが言うかッ!
顔を真っ赤にしたまま、手元にあった枕を、類に投げつけた。
その騒ぎに、みんなが起きだした。

道明寺、こんな夢を見るあたしを怒らないでッ。
ハァ、明後日はNYへ行けるのに、どんな顔で会えばいいの…。
でも……、夢でよかった。
ほっと胸を撫で下ろし、ドキドキの1泊2日は過ぎて行った。

明後日はNYへ、胸をドキドキさせながら…
道明寺に会いにいく!

ーEND−
96名無しさん@ピンキー:03/12/28 00:43 ID:gwUroV2u
さいさん、いつもすっっごく楽しませてもらっています。
ありがとうございます!
97さい:03/12/28 00:44 ID:vqbUOHRt
最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。
期待にそえなかった方には、ほんとに申し訳ない出来になってしまいましたが・・。
ここにはまってしまって、自分のサイトをおろそかにしてしまったので、今年はあとはロムさせて頂きます。
ここで自分が書かせて頂いたのは、サイトにUPさせていただきます。
レスを頂いて、続きを、といわれると、早速書き始めてしまう私ですがw
長くなりましたが、では失礼いたします♪
98さい:03/12/28 00:50 ID:vqbUOHRt
96さん、早いレスありがとうございます。
類編は、反応が怖いですが・・怖いですがね・・・。
楽しんで頂けて、こちらも感激です。
99名無しさん@ピンキー:03/12/28 01:41 ID:SZAhIrsz
あぁ〜類と浮気しなくてよかった〜〜

とんでもない!!
NY編も待ってます^^
絶対書いてくださいね☆
100名無しさん@ピンキー:03/12/28 01:46 ID:FKziXNOt
さいさん!面白かったです。
司編と類編を一気に読みました。
つくしったら大人になって・・・と、思ったら夢!
類編の夢じゃないバージョンも見たいなー《懇願》
101名無しさん@ピンキー:03/12/28 01:58 ID:FG2S3i9/
深夜に楽しませてもらいました★
次も期待してるんで、書いてくださ〜い!!
楽しみにしてます!!!
102名無しさん@ピンキー:03/12/28 02:15 ID:SZAhIrsz
ko
103名無しさん@ピンキー:03/12/28 09:44 ID:DawfNVcx
一人称なのか三人称なのか、統一した方が良いのでは・・
持ちサイトにUPする時にはその辺修正した方がいいと思いますよ。
104名無しさん@ピンキー:03/12/28 16:18 ID:y5r/3q0I
わあっ、2本もUPされてる〜!どっちもすっごくイイ!!(>_<)
初めてでも巧かったり、ここぞ!というタイミングで登場したり、さすが「天下の道明寺司」!(笑)
読んでいて、原作の絵が動いて見える様です。こういうのが読みたかった(T_T)。
類とは夢オチで安心したかな・・・原作の2人が好きなので、やっぱり純愛希望しちゃう(^^ゞ

何人称とかは、私は全く気にならなかったな〜?
テンポよい会話やぐいぐい引き込まれる躍動感、陶酔感は、思いのままに
筆を走らせてらっしゃるお陰ではと思ったり(^^)。

さいさんはHPお持ちなんですね。良かったらURL教えて頂けませんか?
他の作品も是非読ませて頂きたいです。
105名無しさん@ピンキー:03/12/28 19:12 ID:8sRCHWm8
104は「夕暮れ喫茶」の香水タンでつか?
106さい:03/12/28 23:27 ID:vqbUOHRt
99さん100さん101さん、レスありがとうございます。
一番最初の小説から、ずっと続きもので書かせて頂き嬉しい限りです。
続き・・書いてもよいのですかね?よければ来年にはUPしたいなと・・。
類編は、全く別の話しでなら書きたいなと思っております。

103さん、修正、補充はしています。ご意見ありがとうございます。

104さん、ありがとうございます。
嬉しいお言葉感謝です。書くときは、考えた話をダーッと書いてるので・・すみません!
サイトにはまだ小説は書いていません。(リレー小説などはありますが)
でもここがきっかけで、来年の元旦にここで書かせて頂いた物と自作の小説をUPする予定です。
URLはここに貼ってもよいのでしょうか?サイト名なら書いてもいいかな・・と。(ヤフーですぐ検索できるので)
長々とすみません。では失礼しました。
107名無しさん@ピンキー:03/12/29 13:17 ID:ZAQV/LdG
なんでここに香水タンが出て来るんだか・・・

さいさん、サイト名でもURLでもかまわないから教えてください!
サイトに小説UPしたら、ぜひ教えてくださいねー。
108108:03/12/29 14:21 ID:Fj35GDx3
age
109名無しさん@ピンキー:03/12/29 14:22 ID:wLMORoeg
わたしもさいさんのサイト教えてほしいです。
類×つくし、夢だったのがサイコーによかったょ〜
さいさん、暇な時またお待ちしております。
本当の花男でも、さいさんみたいな番外編でるとイイノニナ・・
110104:03/12/29 14:25 ID:Y6T51UH3
>105さん 
ごめんなさい意味がわかりません。

>さいさん
サイト名で十分です^^。オープン楽しみにしています!
111さい:03/12/29 22:47 ID:UKq1XBsd
107さん109さん110さん、レスありがとうございます。
サイトの方ですが、すみません。
ほんとは書こうと思ってましたが、花より男子サイトヲッチスレ4で、自作自演、サイト宣伝といわれたので、サイト名を出すことはやめました。
ほんとに申し訳ありません。
続きを来年と思いましたが・・・また自作自演等、書かれると思うとUPする気には・・・。
期待をしてくれた方には、ほんとに申し訳ありません。
では、失礼します。
112名無しさん@ピンキー:03/12/30 03:25 ID:RBf0BwXA
さいさーん!!
そんな悲しい事言わないデー(号泣)あんな終わり方をした花男に
嘆き悲しんでる人間はたくさんいます。きっと。そうですよね?皆さん!
そんな人たちの心の支えは二次のみなのです。
特にあの純情すぎるぐらいの展開に、飽き飽きしてしまった人たちの心の
オアシスだと思っています。少なくとも私はそうです。(力説)
気にせず、また書いてくださる事を心から祈っています。
サイトの宣伝?良い事です!みんなでエロの輪を広げましょう。
    《くさいセリフでごめんなさい・・・ボキャ不足なの・・・》
113名無しさん@ピンキー:03/12/30 14:21 ID:jVlR92Kx
さいさん!わたしもサイトヲッチスレは気にすることないと思うよ〜
112さんと同意見だす!!
是非是非また書いてください!
心のオアシスだも〜ん〜
114名無しさん@ピンキー:03/12/30 16:16 ID:Ujd/UMfX
私も同意見です!!
花火さんのサイトもここで
オープンを発表されていましたし。。。
(花火様のサイトも素敵ですよね〜→横道スマソ)
いいたい人は言わせておけばよいと思います。
さいさんのあふれる才能をぜひ、拝見させてください!
115名無しさん@ピンキー:03/12/30 18:15 ID:C2VMKwtV
なんか・・・誰か新作UPしてほしい雰囲気だね。
新人さん、いらっさ〜い!
歴代作家さん、かむば〜っく!

この程度で引き下がるようでは、ここは向いていないんじゃない?さいさん。
116名無しさん@ピンキー:03/12/30 23:00 ID:7fWpxzdu
なんかビミョ〜に感じ悪いレスが混じりますね・・・

さいさん、雑音は気になさいませんように。
ここは大人の遊び場なのに、幼稚なあげつらいをしたい人は
さいさんの才能とそれに対する賞賛を妬んでいるんでしょう。
面白半分に横槍入れる人もいると思いますが、
その100倍もあなたの作品を待ち望んでいる人はいます!!

少し落ち着いてからでも、きっとまた来て頂ける事を信じて、楽しみにしてますよ〜!(^^)
117名無しさん@ピンキー:03/12/31 01:36 ID:Ys9fsCHQ
所詮素人。
趣味の域を超えていない力量を客観視できない輩。
万人に受け入れられない事に耐えられず去って行く職人は
ただ其れだけのものでしかない。
118名無しさん@ピンキー:03/12/31 22:14 ID:HrBdj/m3
>116
いや100倍は言い過ぎだろw
せいぜい6〜7人と見た。
119名無しさん@ピンキー:04/01/01 02:51 ID:bu9grQo2
1人目
120名無しさん@ピンキー:04/01/01 14:09 ID:kd5aiPGa
2人目ゲット。あけおめ
121名無しさん@ピンキー:04/01/01 14:18 ID:GL9zEMD7
3人目〜
122名無しさん@ピンキー:04/01/01 21:47 ID:V/gc83fX
4人目!
123名無しさん@ピンキー:04/01/01 22:00 ID:7cyTNZZA
5人目なり
今年も作家の皆様にとって良い年でありますように。
124名無しさん@ピンキー:04/01/02 01:01 ID:Svglyo9f
6人目!
125名無しさん@ピンキー:04/01/02 01:08 ID:AX08tWQd
7人目!密かに楽しみにしています!ルイルイきぼん
126名無しさん@ピンキー:04/01/02 01:14 ID:YdimN/Ls
8人目!
司xつくしのほのぼのがきぼ〜ん。
127名無しさん@ピンキー:04/01/02 01:29 ID:7vBB+yhc
9人目!!!
F4とつくしの5Pきぼん。(ゼイタク者)
無理なら類とつくしかあきらとつくしをきぼん
128名無しさん@ピンキー:04/01/02 02:13 ID:/G0YUu6V
あけおめ。
10ゲト!
129名無しさん@ピンキー:04/01/02 04:19 ID:PwAw2efm
11人目です(^^)類→つくし←総二郎作品なんかもあったらうれしいですvv
130名無しさん@ピンキー:04/01/02 10:31 ID:4c6NyjQ9
12。類×ツクシ×総ジロー奪い合いキボン。
131名無しさん@ピンキー:04/01/02 10:35 ID:mU+4y6ec
13ゲッツ!
ルイルイかも〜ん
132名無しさん@ピンキー:04/01/02 20:32 ID:eTM1Zv6K
14人目
133名無しさん@ピンキー:04/01/02 20:55 ID:NQcUSwTw
15ルイルイ!!
134名無しさん@ピンキー:04/01/02 21:57 ID:zHrlVZsK
16人目♪司がいいなー
135名無しさん@ピンキー:04/01/02 22:44 ID:zP2ql9c2
17人目!
ルイルイ、Come Back〜
136名無しさん@ピンキー:04/01/02 22:56 ID:KOrRpWOq
9人目!
鬼畜ルイ、輪姦きぼーん
137名無しさん@ピンキー:04/01/02 22:58 ID:KOrRpWOq
↑まっちが〜い!18人目ねスマソ
138名無しさん@ピンキー:04/01/02 23:30 ID:jc0qjPng
19人目〜!!
司がいいけど〜だれでもいいや〜
139名無しさん@ピンキー:04/01/02 23:33 ID:ciiaR0Mr
20人目!
司×つくし、きぼん!!
140名無しさん@ピンキー:04/01/02 23:57 ID:r13VtW6N
21ゲト
141名無しさん@ピンキー:04/01/03 01:22 ID:UscWkqw9
点呼なら前スレ使ったほうがいいんじゃないのか?まだ書けるし。
点呼が長く続くとスレが荒れることが多いから程々に。
142あぼーん:04/01/04 00:19 ID:eHs4fomd
あぼーん
143名無しさん@ピンキー:04/01/04 00:30 ID:sbL2WE/d
約束事作ってみました。
2ちゃんのエロパロでこんなもんいらんわい!という方も居るかも知れませんが、
なんだか点呼だけで終われないので・・・・。

・気に入らないカップリングでも中傷しない。
・作者さんの創作意欲を失わせる発言は慎む。
・原則sage進行。(作者さんは例外。)


作者さんに冒頭で「嫌な方はスルーで」とわざわざ言わせないスレにしたい。
個人的な意見です。
144名無しさん@ピンキー:04/01/04 09:23 ID:EZ8jVdBf
乗り遅れた。あけおめ! 22挙手しといてもいい?(小声)

約束事賛成。
常識マナーだろと思っていたが、わかってない人もいるようなので。
個人への嫌味レスひとつが他の作家さんにも影響を与え、スレ萎えに繋がる事態を避けたい。

今年も楽しく妄想できまつように。
145145:04/01/04 15:34 ID:tMfFnn6x
ルイルイきぼ〜
146146:04/01/05 16:05 ID:eMflxQ7E
age
147147:04/01/06 15:34 ID:szumrOsU
age
148名無しさん@ピンキー:04/01/06 17:05 ID:ZpwhUBed
作家さん達いなくなっちゃたの?寂しいです・・・
お正月だから???みなさんカムバーック!お願い!
149名無しさん@ピンキー:04/01/07 10:07 ID:TDUwoxRC
age続けてる人は何?約束事に反対の人?
作家さんたちに早く戻って欲しいけど、これじゃあ・・・
150名無しさん@ピンキー:04/01/07 11:28 ID:CW1srm3x
下がりすぎてたから緊急浮上したのかな〜とか思ってました。
エロパロ初心者なので勘違いな事いってたら申し訳ないです。
保守してくれたと信じたい...。
151名無しさん@ピンキー:04/01/07 12:18 ID:/KV5oTME
前スレにリレーっぽいのがきてるよ。
作家さん待ちにリレーしてみる?
花男が好きなだけのシロウトだけど、みんなも参加してくれるなら
少し続き書いてみるけど、どう?
一応コピペしてきた。

959 :誰か続きをよろしく :04/01/07 00:34 ID:zjOO4ujc
えーっとどうして私花沢るいの隣で寝てるんだろう???
確か昨日みんなで集まって騒いでたんだよね。
あーーー思い出せない!!!!

「起きたの?早いね」花沢るいがとろけそうな笑顔でこっちを
見てる。ガラス玉のような目に吸い込まれる。

「あのさ昨日どうしたんだっけ?私よくおぼえてなくって。ハハハ」
頭をかきながらできるだけ冷静に落ち着いて聞いてみるが声が上ずる。

「覚えてないの?」そう言いながら私の手を花沢るいは引っ張った。
152名無しさん@ピンキー:04/01/07 14:53 ID:/KV5oTME
続き書いたのでup


体を起こしたからってすぐに頭が冴えるわけじゃない。むしろがんがんしてる。
ゆうべ桜子に飲まされたドンペリとかいうお酒がまだ残ってるんだわ。
だってなんか、だんだん花沢類に近づいていってる気がするんだけど。
スローモーションの画面を見てるみたい。
キングサイズのベッドに横になったまま、右肘をついて頭を支えてる花沢類。
左手伸ばして私の左手首をつかんでる。
・・・ちょっと待って。じゃあこのままだとぶつかっちゃう。
しかも肩のラインが見えてるということは・・・
上半身はまちがいなくハダカじゃない!!!

でもそのことに気づいたときはもう遅くて
私の体は花沢類の胸の上に倒れこむかたちで抱き寄せられていた。
あ、せっけんのいい匂いがする・・・
じゃなくてっ!!
「花沢類っ!何すんのっ!!」
起き上がろうとする私をみつめる花沢類の目が細くなって
きれいな笑顔でこう言った。

「ゆうべの牧野、すごいかわいかったから、もういっかい見たいなと思って」

つづく


どうでしょうか。
レスなかったけど言いだしっぺなんで書いてみた。
続いてくれるとうれしい。
作家さんの作品ももちろんおまちしてます。
153新人:04/01/07 16:28 ID:iyojB144
(嗚呼、綺麗な笑顔・・・花沢類ったらこんな時にもそうやって笑うんだ〜)
そうじゃないでしょ、私!しっかり!
(えっ!?ゆうべの私??う〜ん...駄目だ、全くダメ。)
寝起きと二日酔いとこんな状況のトリプルパンチで混乱している私。
そこに間近で向けられた花沢類の綺麗な笑顔..
え〜っと。なんパンチ目??

ふと気付くとそんな私をよそ目に、黙々と私の身体にキスを落とす花沢類。
おでこ、耳、首筋、、鎖骨、、、優しく包み込むように、、愛おしむように、、キス!?
「ちょ、ちょっと!いい加減にして!」
我に帰って止める。驚かせちゃったみたい。ちょっと大声だったかな。
「あ、おかえり牧野。(にっこり)」
うっ..き、効いてないっ..。
「本当に止めて欲しいの?」
悪戯っ子みたいに何か企みを含んでいる瞳。
瞼と、唇ぎりぎりにまたあのキスを落とされて、、
耳から首筋、鎖骨まで丁寧にゆっくりなぜられて、、
あ、あたし、、何か変、かも。でっでも、、
「悪いけど、ゆうべの事なんて憶えてないわ。(にっこり)」
花沢類を真似て、精一杯の虚勢を張って言ってみる。
「ああ、大丈夫。ゆうべ以上の事をすれば思い出す必要もなくなるよ。」

続く

便乗して書いてみました。お目汚しスマソ。
154154:04/01/07 16:42 ID:yb/z7lXI
age
155名無しさん@ピンキー:04/01/07 17:26 ID:+RcvcX5v
思い出す必要もなくなる、ってちょっとちょっとちょっとー!!
「ま、待ってよ!」
ふたたび私の首筋にキスしようとしてきた花沢類の胸を押し戻す。
「なんで?」
きょとんとした顔で花沢類が見てる。
うぅ、なんか言い訳しなきゃ...
でもそんな顔で見られてたら考え事なんてできないじゃない!
「ねえなんで?」
私ににじりよりながらもう一度聞いてくる。
すると花沢類の茶色い髪の毛が揺れてふんわりとしたやさしい香りが漂う。
あーもうなんでもいいや!
「シャワー、そうシャワー浴びてないもの!」
「…………」
「…………」
もしかして私...言うこと間違った?
しばしの沈黙の後、にっこり笑う花沢類とひきつった笑顔の私。
そして...
「じゃあ俺が洗ってあげるから一緒に入ろう」

続く


どなたかつくしにシャワー浴びさせてあげてください。
156名無しさん@ピンキー:04/01/07 18:09 ID:iyojB144
来てよかったー!皆様ありがとう。・゚・(ノД`)・゚・。
続き待ってます!
157152:04/01/07 18:18 ID:BS4+GzOU
156さんもご一緒にどうぞ。
ただ待ってるだけより、続き考えていくとより楽しいと思いますよ。
事実私がそうなので。一行からでもいいですから。
ぜひぜひ一緒にがんばりませんか?
さっきまで私もロム専でした。ロムってる人もぜひ。
158156:04/01/07 19:28 ID:iyojB144
152さん、ごめんなさい。
わたくし、ウソをついておりました(w
じつは156=153です。だってほらIDが、、(w
続きが気になって来てみた所、書いてくださっていらしたので
つい他人のフリをしてしまいましたが嘘はいけませんね、、。
でもホント、ロムってる人も是非!
そして作者さんも是非、カムバッ〜ク!
159名無しさん@ピンキー:04/01/07 23:23 ID:+3X7MAd8
わーい 待っていた甲斐がありました。
続きキボン。
160名無しさん@ピンキー:04/01/07 23:48 ID:Q9+oSPc7
>155の続き

「… じゃあ、お願いし……───って、違うっ!!
花沢類、本当にあたしのことペットか何かと思ってるでしょっ?」

「クックックッ…いいじゃん、何でも。牧野は牧野でしょう?
それよりも、さぁ、シャワー浴びようよ」

花沢類はあたしを引きずるようにしてバスルームに向かう。
あ、あ、あ、あたしって、裸じゃんっ!
なななななな、なんでッ?!

「イヤッ!… は、恥ずかしいっ」

手を振り解き、その場にペタリとへたり込む。

「なっ、なんでこういうことになってんのッ?
… 説明して、花沢類っ!」

「フゥ〜アンタって世話がやけるよね。本当〜に何にも覚えてないの?」

ガクガクガク。思いっきりうなずく。
と、二日酔いの頭が… ズキズキズキ。


すみません、まだシャワー浴びれません。
どなたか続きお願いします。

161名無しさん@ピンキー:04/01/08 00:23 ID:PgKf8GTs
おもしろい!
早くしないと風邪ひいちゃうよw
162名無しさん@ピンキー:04/01/08 08:20 ID:j+rcX/Mv
>160のつづき

はあ、ともうひとつ大きなため息をついた花沢類はひとりでバスルームへ。
ボクサーパンツだけを身に着けたその後姿を目が自然と追ってしまう。

背中も太もももしまってる。無駄な筋肉ついてないんだ・・・
ひきしまったおしりもいいなあ。あぁさわりたい・・・
・・・ってどうしてこんなこと考えちゃうのよ?!
きょうのあたし、、、ほんっっとうになんかおかしいわ!

そんなことを考えてると、目の前には白いバスローブ。
「恥ずかしいなら着とけば」

ひったくるようにしてバスローブを羽織る。
その様子を見て笑いを堪えてる花沢類。

「クククク・・・そんなにあわてなくても大丈夫だって」
「だって、、、なんか変なんだもん」
「変てなにが?」
「その、なんていうか・・・」
「エッチなことばっか考えちゃう?」
「そう!まさにそう!なんだけど・・・なんでわかるの?」
163名無しさん@ピンキー:04/01/08 08:21 ID:j+rcX/Mv
笑いをこらえたままベッドのヘッドボードから何かを持ってくる。
「これ、わかる?」

それは、薄いピンクの液体が入った透明なビン。
なんか見覚えがあるようなないような・・・
すると花沢類がまた綺麗なほほえみで教えてくれた。

「ゆうべはみんなでこれ使って楽しんでた。簡単に言うと・・・媚薬」
ビ、ヤク?・・・媚薬ー?!?!

「媚薬って、あの、マンガとかでよく出てくる・・・あれ?」
答えるかわりににっこり笑う。
「ちなみにアルコールと一緒に飲むと効果倍増」

やられた・・・

つづく


朝っぱらからなに書いてんだあたしは・・・
しかもシャワーどころか服着せてしまったよ・・・
しかしつくしは一体どんなマンガ読んでるんだろう(w

参加してくれてるみなさんに感謝です。
作家さん、いつでもupして下さい。待ってます。
164名無しさん@ピンキー:04/01/08 10:07 ID:pwcO1VPv
「体に塗ってもイイんだよ。思い出した?」

首を左右に振るとまた頭痛が。
こめかみを押さえて顔をしかめてると花沢類が覗き込んできた。

「ちょ、ちょっとー!そんな間近で顔見せないでよ!」
「頭痛いの?大丈夫?」
うっ、ぜんっぜん動じてないし・・・
「だだだ、だいじょうぶよっ!単なる二日酔いだからっ!
 だからあんまり近づかないでっ!!!」

頭の上でちゃぽちゃぽ液体の揺れる音。
「…それ二日酔いっていうか、たぶんコイツのせい」

続く。


少しだけですが。
165久しぶり:04/01/09 08:05 ID:3fH7Bnz5
久しぶりにきましたが・・・。
朝からルイのボクサーパンツというのに
異常な興奮を覚えたのは私だけでしょうか??
原作はチョット不満だったので、ここでハジケタイです。
166名無しさん@ピンキー:04/01/09 08:20 ID:Pz1QzFU6
「意味がわかんないんだけど・・・」
こめかみを押さえてたずねる。

「だからさ・・・――まあシャワーにしよ。すっきりするから。
 それから説明するよ」

ふっと体が浮かび上がる。
うわあああ、あたし、花沢類に抱えられてるー!!
これ、オヒメサマだっこじゃない?!はずかしい!
「じっとして。頭痛いんでしょ。それに、けっこう重い」

まっすぐ前をみつめる整った顔立ち。
ハダカの胸にもたれかかる。
この心臓の音はあたし?それとも・・・
ずきずき、ずきずき。
どきどき、どきどき。

「どうせならちゃんと入ったら」
バスタブのコックをひねると花沢類は出て行った。

顔が熱い。
薬のせいだ・・・でも、それだけじゃない。

シャワーを頭から浴びる。
ゆうべいったいなにがあったんだろう・・・

みんなで大騒ぎして・・・
目が覚めたら、花沢類と同じベッドで寝てて。

あー思い出せないーーー!!!
167152:04/01/09 08:52 ID:Pz1QzFU6
ようやくシャワー・・・良かった。
自分で蒔いた種なんで自分で刈りました。
毎日書くつもりですがリレーいやだったら言ってください。
いまのところは午前中に書きます。

言い訳させてもらうと、手元に原作はないです。
なのでこんな感じ?で書いてます。
ルイルイのボクサーパンツもそうです。私のイメージです。
それを踏まえて・・・
つくしは自分のこと「私」って言うんでしたっけ?
それとも「あたし」?
どなたか教えてください。
168名無しさん@ピンキー:04/01/09 11:08 ID:BRv4T1Pu
つくしは、「あたし」だよ。
169名無しさん@ピンキー:04/01/09 20:47 ID:TRlrsnjP
「なんにも・・思い出せない・・」
ため息をつきながら、バスタブの前の鏡に目を向けると、
ぼんやりとした自分がいる。

「でかっ、この鏡・・んっ・・??」
鏡にうつる自分をしばし見つめる・・・
「なっなに?この斑点・・?」

さっきは気づかなかったけど、体の至るところ、
胸にもお腹にも太ももにも、なんだか赤黒い斑点がいっぱい!

「あたし・・病気?!
じゃなくて・・これってもしかして!!キスマーク!!」

「そう、キスマーク」
鏡の中に、にこにこと微笑む花沢類がいた。


稚拙&短い文章すみません。
とりあえずバスルームに2人を閉じ込めたので
いよいよ・・・・どなたかお願いします。

稚拙&短い
170名無しさん@ピンキー:04/01/09 21:54 ID:t4/lblH8
>>169
登場の仕方が花沢類っぽい♪>鏡越しに発見
171名無しさん@ピンキー:04/01/10 08:47 ID:8yJj4Zo/
「はっ、花沢類っっっ!!なななな、何してんのよっ!」
振り向いたのがマズかった・・・
だって花沢類、、、ハダカなんだもん!!!

「洗ってあげるって、、、さっき言ったのにもう忘れた?」
「覚えてるわよ!!でもそういうことじゃなくって!」
花沢類に背中を向けて鏡越しにどなりつける。

「あんた『もったいない』ってよく言うじゃん。
 なら一緒に入ったほうが経済的」

う、そりゃそうだけど・・・
「それにしてもすごいねそれ」
鏡の中の花沢類が微笑んだまま近づいてくる。

逃げる場所のないバスルームにふたりっきり。
動けなくて・・・目もそらせない。

ありえないシチュエーションに
ありえないくらい聞こえてくる心臓の音。

バスタブから上がる湯気が
派手な装飾の大きな鏡をだんだん曇らせていく。

そして、、、あたしは花沢類に抱きしめられていた。
172152:04/01/10 09:04 ID:8yJj4Zo/
168さんありがとうございます。
169さんリレー参加ありがとうございます。

ようやく密着・・・
説明好きなので進行が遅い・・・すみません

リレーに反対の人いないんでしょうか。心配です・・・

ひとこと訂正させて下さい。
毎日書くとカキコしたけど書けないときもあります。
明日あさってがそうです。
待っててくれる人いたらすみません。

作家さん、リレー参加者引き続きお待ちしてます。
173名無しさん@ピンキー:04/01/11 07:04 ID:wD2ESs/i
リレー賛成!(違った感じで面白いでつ)
はやく連休明けないかな
まってまつ
174新人2(リレー面白いです):04/01/11 17:18 ID:IG/fGvHH
「んー、いい匂い」
頭の上で花沢類が言った。
あいつの手があたしの腕や腿の辺りを触っている。
もーあたしは、カーっとなってしまった。
「は、花沢類!」
「ん?」
それだけ言って何も言えなくなってしまった。
はずかしいから離れて欲しい。
でも・・・・・・・・・・・
何故だか言えない自分がここにいる。
と、首筋に何かが。それと同時にあたしの胸に手、手がっ。
「ひゃっ。・・・・ハ、花沢類、何を、」
「イ・イ・コ・ト」
耳に直接来た。低くて甘い花沢類の声が、あたしをぞくぞくさせた。


次ヨロ。
175sage:04/01/12 22:41 ID:kP7ldze1
sage
176176:04/01/13 07:41 ID:zF46XAck
あげ
177名無しさん@ピンキー:04/01/13 09:31 ID:5K0VUIcG


____       ________             ________
|書き込む| 名前: |            | E-mail(省略可): |sage           |
 ̄ ̄ ̄ ̄        ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄              ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                              ∧ ∧  。  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                              ( ゚Д゚) / < ここに「sage」(半角)と
                               ⊂ つ    | 入れるとスレがあがらない。
                            | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|   \_____________
                            |          |
                            |          |
                       | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|


なるべくsageてね。
わざわざageなくていいからね。
178名無しさん@ピンキー:04/01/13 09:44 ID:5UDiSWYQ
『イイコトってイイコトって・・・なにーーーー!!!!!』
パニくるあたしを尻目に、あたしの濡れ髪には花沢類のキスのシャワー。

「ゆうべの牧野、本当にかわいかった・・・」
耳元でひとりごとのように呟くと、そのまま耳朶にキス。
花沢類の熱い息と、くちびるの感覚。

「はぁっ・・・!」
薄く開いたあたしのくちびるから漏れる吐息。
ぴくっと小さく反応するカラダ。

「耳、感じるんだよね。牧野は」
花沢類は、耳朶を甘噛みし、口付け、音を立てて舐めていく。

「ぃやぁ!・・あっ・やめっ・・あぁ・・・・」

顔が熱くなっていく。
鏡はとっくに曇っていて、もう何も映し出してない。
花沢類の腕の中。
あたしは今どんな顔をしてるだろう・・・

花沢類の手の平が、あたしの胸元を優しく覆う。
ひんやりした大きな手にすっぽり収まってしまう、ちいさな胸。

親指と人差し指が、ふくらみの中心を優しく摘む。
ジン、とカラダが痺れる。

「・・んっ・・・ぁぁ・・花沢、、、る・いっ・・」
179名無しさん@ピンキー:04/01/13 09:46 ID:5UDiSWYQ
ハズカシイとかコワイとか。
そんな感情は、いつのまにか消えていた。

『媚薬とか、熱気にやられてるだけじゃない。
 あたし・・花沢類が・・・・・ほしい』

濡れた髪。
火照る体。
潤んだ瞳。

全てを花沢類に委ねる。

「・・・牧野。かわいいよ。食べちゃいたいくらいだ」

含みのある言葉が、あたしの思考回路をストップさせた。

「食べて・・あたしの、こと・・・・いますぐ・・・ここで・・」
180名無しさん@ピンキー:04/01/13 10:19 ID:5UDiSWYQ
173さんありがとうございます。
174さん、リレーへの参加ありがとうございます。

とうとうあえがせてしまいました・・・
しかもあんなことまで言わせてしまいました・・・
いいんだろうか・・・

レスのびてると創作意欲が湧いて来ます。
特にリレー繋げてくれてると、いくつかのフレーズから
次の話の流れが決まってくるので、とてもありがたいです。
反対意見出なさそうなので、一段落するまでがんばってみます。

前スレとか読んできたけど、やっぱり皆さんすごいですね。
作家さん、リレー参加者お待ちしてます。
181名無しさん@ピンキー:04/01/14 09:08 ID:nsJJBfFC
>179のつづき

あたしの顎のラインを花沢類のおや指が撫でて。
ガラス玉のようなふたつの瞳があたしを見てる。

振り返ったあたしに、ふっと微笑みかけると

「イタダキマス」

冗談ぽくそう言って。
あたしを抱きしめた。

やさしくやさしく包み込むように。
こんなにも愛おしい、と語る瞳。

そして、微笑みを浮かべたまま、花沢類があたしの唇へ、
下りて・・・きた。

シャワーの飛沫を浴びながら、
あたしたちはキスを交わす。


つづく
182名無しさん@ピンキー:04/01/14 21:04 ID:eTCySB12
ご無沙汰しております。
スレもパート3まで来ましたね。書き始めた頃はここまでくるとは想像できませんでした。

今回のお話は、書き上げた後、他の二次にもありそうなストーリーかな…と気になってしまい、
UPするかどうか、迷っていたのですが、せっかくの新スレなのであげさせていただきたいと思います。
リレーを書かれている作家様、割りこみ&おじゃましてすみません。<( )>
どうぞ続きを書いてください。
183花火:04/01/14 21:08 ID:eTCySB12
>>182 名無し&うっかり上げてしまいました。申し訳ありません;
以下本文です。


その事件は突然起こった。
電車の中吊り広告に踊った文字。
「道明寺家子息・NYの企業家令嬢と熱愛!」
NYにいる司と日本にいるつくしを繋ぐのは、わずかな逢瀬と電話とメール。
それでも互いに不安を感じたことはなかった。

つくしは、慌ててコンビニに駆け込み、雑誌を手にとった。
雑誌に載っていた写真は、見知らぬ女性の手をとり、ダンスを踊る司の姿をとらえていた。
記事によれば、司は相手の女性とパーティで意気投合し、その後もデートを重ねている…ことになっている。
写真とともに羅列されている令嬢のプロフィールに、つくしは思わず溜息をつく。
NY屈指の大企業家の一人娘。名門大学に在学中の才媛。
趣味のピアノはプロ顔負けの腕前。
ゆるやかに波をうち金色に輝く髪。その美しさは写真を見れば一目瞭然。

そして、司の手を握り締める白い手に、胸の底から攻め上げるような嫉妬心を覚える。

何をとっても自分とは正反対の女性―

つくしは嫉妬心を振り払うように頭を振り、雑誌を棚に戻すと、重い足取りで学校へ向かった。

英徳学園の中でもこの噂でもちきりだった。
『見たー?道明寺さんの記事っ!』
浅井ら3人組が、聞こえよがしにつくしのそばでその話題を持ち出す。
『見た見たー。道明寺さん、誰かさんのことなんてもう忘れちゃったんじゃなーい?』
普段なら難なく跳ね返す浅井達の言葉が、胸に突き刺さる。
184花火:04/01/14 21:09 ID:eTCySB12
決して心ない言葉ばかりではない。
放課後、いつものカフェテリアで―
『なになに…ふたりは、ある財界人主催のパーティで知り合い、趣味のピアノの話題で意気投合し…≠チて、司の趣味、いつからピアノになったのよっ!
 いいかげんなことばっかり書いてっ!つくし、こんな記事気にすることないよっ!』
滋がつくしの肩を叩けば、
『そうですよー。道明寺さんが牧野先輩以外の女の人とつきあうなんて考えられないですよー。』
桜子が相槌をうつ。
『だな。ぜってーありえねー。』
美作と西門が腕組みをしながら、うんうんと頷く。
『牧野、心配するな。司を信じろよ。』
花沢類が確信に満ちた表情でつくしを見つめる。
みんなの言葉ひとつひとつが、つくしの心を救う。

絶対、大丈夫―
自分にそう言い聞かせながらも、心の奥底では鎮めようのない小波が立っている。
そして、何よりも、司の手に重ねられた美しい手が目に焼きついて離れなかった。
185花火:04/01/14 21:10 ID:eTCySB12
その夜、牧野家の電話が鳴った。
『道明寺からかも・・・?』
つくしは飛びつくように受話器を取り上げた。
電話は司からのものではなかった。
少ししわがれた声の主。それはタマからの電話だった。
『…センパイ!お久しぶりです。お元気ですか?』
『ああ、達者でやってるよ。ところであんた、週末は空いてるかい?』
『バイトがあるんですけど…。』
『バイトかい。じゃあバイトは休むこったね。明日、朝一番で道明寺家へおいで。寝坊するんじゃないよ。』
『え?でも・・・。』
『いいかい?!必ず、来るんだよ!!』
道明寺家使用人頭歴60年の迫力に、つくしは圧倒されてしまう。
『は、はい、行きますっっ!必ず行きます!』
つくしの返事を聞くと、タマは一方的に電話を切ってしまった。
『どーしたの?センパイ・・・。』
186花火:04/01/14 21:11 ID:eTCySB12
突然のタマからの連絡。そして、翌朝一番で向かった道明寺家。
そこには何故か道明寺家の自家用ジェット機が待機していた。

『センパイ・・・これ・・・?』

『あんたが乗るんだよ。』
タマは杖でつくしの背中をぐいぐい突つきながら、ジェット機のタラップへと促す。

『でもどこへ行くんですか?このジェット機…。』

『行けばわかるさ。もたもたしてないでさっさと乗るんだよ!』

訳もわからずジェット機に乗せられ、車を乗り継いで辿りついたのは、あたり一面、白銀が冴えわたるカナダの道明寺家の別荘―

『ここ・・・懐かしい・・・』

その前で立ちつくすつくしの背後から、さく、さく、と雪を踏みしめる音が聞こえる。
振りかえった先に見つけた人影。
名前を呼ぶ前に、つくしの躰は駆け出していた。
広い胸板に顔を埋め、それが夢ではないことを確かめる。

『道明寺…』
187花火:04/01/14 21:12 ID:eTCySB12
暖炉の前で躰をあたためながら、いつものやりとりが始まる。
『ばっかじゃないの?!いきなりジェット機に乗せてこんなとこまで呼びつけるなんて。信じらんない!』
うれしいはずなのに、相変わらず口をついて出るのは憎まれ口ばかり。
『うるせえ。ホントは俺に会えてうれしいくせに。』
素直になれない言葉の裏側に隠された想いさえも見透かすように余裕の笑みを浮かべる。

つくしの憎まれ口に笑いながら耳を傾けていた司が、ふっと真面目な表情で話を切り出した。

『おまえ・・・雑誌見たか?』

『うん・・・見た。』

『あれ、違うからな。つきあいで出席したパーティでダンスの相手を頼まれて、ちょっと踊っただけだ。相手とはほとんど口もきいちゃいねえ。まして会ってるなんて大嘘だかんな。』

『うん・・大丈夫。わかってる。』
膝を抱えながらこくりと頷く。
『ちゃんとおまえの目を見て言わなきゃいけねえと思った。信じてくれると思ったけど、ちゃんと会って話をしなきゃいけねえと思ったんだ。』
司の言葉に胸がいっぱいになる。
その気持ちに応えるように、司の唇に唇を重ねる。
熱い塊がつくしの口腔をなぞる。
『んっ…』
息も出来ないほどの深いくちづけとともに、司の指先が服のボタンにかかる。
『ベッドへ…』
つくしは慌てて司の手をさえぎる。
『ベッドまで待てねえ。』
司はさえぎる手を解きながら、つくしの胸元を開いていった。
188花火:04/01/14 21:17 ID:eTCySB12
『暖炉の火、あったかいね…。』
すべてを脱ぎ捨てた肌を寄せ合いながら赤く揺らめく炎を見つめる。
鎖骨のくぼみを唇でなぞりながら司がぽつりとつぶやく。
『あの時みてえだな。』
浅井達の罠にはまり雪道をさ迷い、司に救い出され、山小屋の暖炉で躰を温めあった夜―
『あの時の道明寺の躰、あったかくって・・・。』
司を意識し始めたあの頃を、懐かしく思い出す。
『今の俺は・・・?』
つくしを抱きかかえ、乳首を口に含み舌で愛撫する。
『ああっっ…』
司を胸に抱きながら、荒々しい愛撫に身を任せる。
『熱い…』
その躰にはうっすらと汗が滲みはじめていた。

『上になれよ…』
つくしを躰の上にのせ、やさしく腰を掴む。
促されて腰を沈めると、熱くそそり立ったものがつくしに軽く触れる。
『ああっ…』
ゆっくり、ゆっくりと、その熱さを確かめるように腰を沈めてゆく。
189花火:04/01/14 21:19 ID:eTCySB12
つくしの裸身が、暖炉の炎に赤く照らし出される。
腰を回し花芽をこすりつけながら喘ぐ姿は、妖艶ささえ感じさせる。
司はそんなつくしに心を奪われ、夢中で躰を突き上げる
『あん…ああっ…』
細い躰を突き上げるたびに、小さく揺れる乳房の美しさが、司を欲情を駈り立てる。
熱に浮かされたように、つくしの乳房を鷲掴みにする。
『ああっ…』
背を反らすつくしに追い打ちをかけるように、乳首を指先で弄ぶ。
『あたしの手…握って…』
肩で息をしながら、司の前に手をさしのべる。
願いに応え、その小さな手をとる。
指折り数えるように、司のしなやかな指先を手のひらに包み込む。
包み込んだ手に、そっとくちづけ、頬をよせる。
そしてその手を胸に抱き、神に祈るように天を仰ぐ。
火影に美しく浮かび上がるつくしを見上げながら、司は想いのたけを口にする。
『この手は…おまえのものだ。おまえだけの…。』
その言葉と握り返された手の力強さに涙が溢れる。胸の奥の不安が涙と一緒に押し流されてゆく。
『ああっ…はあっ…』
互いの手を握りあいながら、最後の高みへと一緒に昇りつめてゆく。
『ああっっ…』
つくしの喘ぎ声が一段と切なく高くなった瞬間、司はつくしの中で自らを熱く脈打たせた。

『不安にさせてごめんな。』
司の詫びの言葉につくしは首を振った。
つくしをやさしく抱きしめ、流れ落ちる涙を唇で受け止める。
『泣き止むまで、ずっとこうしててやる。』

司の言葉に、またつくしの目尻から小さな涙が零れ落ちた。
190花火:04/01/14 21:20 ID:eTCySB12
昼下がりの道明寺家―

道明寺家の使用人の女達は、つかの間の休息時間を過ごしていた。
『ねえ、見た?司様の記事。』
女達は、こっそりと隠し持ってきた雑誌を広げる。
『お相手はNY在住の企業家のご令嬢なんですって。でも牧野様は・・・?』
『そうよね、だって司様は牧野様のことを・・・。』

そこへタマがやってきた。

『ほらほら、あんた達!くだらない雑誌の記事に惑わされて、みっともないったらありゃしないよ!その雑誌、こっちへよこすんだよ!』

女達は、すみません…と縮こまりながら雑誌をタマに差し出した。

取り上げた雑誌を手に、タマは自分の部屋へと戻った。
『やれやれ…。』
ゆっくりと腰を下ろすと、おもむろに茶の準備をはじめる。
煎茶をさらさらと急須に入れ、少し冷ましたお湯を注ぐ。
湯呑みにこぽこぽと茶を注ぐと、豊かな緑の香りが部屋いっぱいに広がる。

お茶の香りをすっと吸いこむと、タマは取り上げてきた雑誌を広げた。
令嬢と踊る司の写真を穏やかな目で見つめる。

『なに、今回のことは大したことじゃないのさ。あたしにはわかる。司坊ちゃんの目を見ればね。』

お茶をすすりながら、若かりし日の夫の写真を見上げる。

『司坊ちゃんが幸せになるのを見届けるのが、あたしの使用人頭としての最後の仕事さ。
それまではあんたのところへは行けないよ。』

タマの笑顔に、写真のそばに供えられた菊の花が、頷くように静かに揺れた―
191名無しさん@ピンキー:04/01/14 21:33 ID:fQJkS22T
花火さん、おかえりなさい&久しぶりです!!
さすが花火さん、とてもいい〜
リアル花男!ってカンジです。
初めてこの板読んだときの気持ちが蘇りました。
花火さんの文章って綺麗。
是非是非また書いてください。
待ってます!
192名無しさん@ピンキー:04/01/14 21:38 ID:DkS++zVu
わー!花火さんご降臨だー!!
相変わらず素敵なお話にうっとりしてしまいました。
しかもリアルタイムで見れて幸せです!
他の作家さん方の作品もお待ちしてます♪
193名無しさん@ピンキー:04/01/14 21:59 ID:nCUzGYUx
GJ!
司(・∀・)イイ!! 
194名無しさん@ピンキー:04/01/14 23:32 ID:5RzqH6Tn
花火さんお帰りなさい!
もう、うれしくて涙でそーです。
相変わらずのきれいなお話にカンドーです。
又書いてくださいね?
195名無しさん@ピンキー:04/01/15 08:21 ID:CERrcERh
花火さん、最高でつ
196名無しさん@ピンキー :04/01/15 14:15 ID:wkV1d8Ve
最高!!!!!
197名無しさん@ピンキー:04/01/15 17:32 ID:CxP4ohxU
花火タンは本当にうまいな。原作の雰囲気を良く掴んでるからエロ抜き話も読みたくなるよ。
198名無しさん@ピンキー:04/01/15 18:21 ID:dmaeEGnr
>>197
そのと〜り!!
花火さん、もっとかいてほしぃ・・・・
199名無しさん@ピンキー:04/01/15 22:44 ID:wpxNv26L
わーい。花火タンだ。
また書いてくださいね。
リレーの続きも待ってまーす。
200名無しさん@ピンキー:04/01/16 13:17 ID:occoviSJ
花火タンありがとうございます!!
タマさんの杖、雪の別荘、暖炉・・・
花男ワールド堪能しました。
オイラもリレーがんばって参加するっす!!
201名無しさん@ピンキー:04/01/17 22:00 ID:1l6zjQxU
花火さんはすごい・・・・・上品だよね、
202名無しさん@ピンキー :04/01/17 23:32 ID:uxDOQpmo
花火萌え〜だと叩きがないのが不思議不思議。
203名無しさん@ピンキー:04/01/17 23:37 ID:w16KzgSY
花火さん、ほんとにすごいと思う。
正直、花火さんだけでイイ!と思ったり・・・
204名無しさん@ピンキー:04/01/17 23:42 ID:Xi0RuKVG
ここまで萌え萌えだと気味悪いよ
他の作家たんもキボン!ガンガレーー
205名無しさん@ピンキー:04/01/17 23:50 ID:RvUAk5qy
>>203
だったらここ来なきゃいいじゃない?花火さんは自分のサイトをお持ちなんだからそっち行けば?
206名無しさん@ピンキー:04/01/18 00:52 ID:ow72PzxV
花火タン、すばらしかったでつ。
207名無しさん@ピンキー:04/01/18 06:08 ID:1bHPVb3P
リレーの続きが読みたいよー
208名無しさん@ピンキー:04/01/18 14:05 ID:PYsBVT/F
花火さん以外(゚听)イラネ
209名無しさん@ピンキー:04/01/19 09:56 ID:9S8Uxw5b
203、208は荒らしです。皆さんスルーで。

リレー再開キボーン!
道明寺×つくしの後には類×つくしが読みたくなる。
職人様(書いた時点でアナタは職人!)お待ちしてます♪
210名無しさん@ピンキー:04/01/19 10:21 ID:XQxngXwN
リレー続きキボン
211名無しさん@ピンキー:04/01/19 10:43 ID:XN5c1eK8
そーだね。荒らしはスルー。
リレー期待して待ってます!
212名無しさん@ピンキー:04/01/19 11:58 ID:BWjDmPci
花沢類の唇からもたらされる口付けはとても熱くて、
一瞬で・・・あたしの躯に火をつけた。

口腔内を、やわらかく舌が踊る。
あたしの舌を捕まえて・・・
その絡み合う音が、少しずらした唇の端から洩れる。

熱い熱いキス。

顎を掴んでいた指が離れると、、、
5本の指が、流れる様に再び首筋を伝い・・・
鎖骨をなぞって・・躯を下りて、行く・・・

「んんっ・・は・ぁっ・・ッ」

全ての指が、ふくらみの輪郭を、柔らかさを確かめるように。
しかし人差し指だけは、掠める様に、先端をそっと滑っていく。

「声、聞きたい。もっと聞かせてよ」

溜息を漏らしたあたしの耳元。
深みのある甘い声が響いて・・消える。
213名無しさん@ピンキー:04/01/19 12:00 ID:BWjDmPci
胸に凭れ掛かるあたしを支える花沢類。
その右手は、胸を通り過ぎ、縦長の窪みを軽くなぞって
更に下へと降りていく。

「・・はぁっ・あっ、ぃやぁ・・・んんっ・・あぁぁ」

バスルームに反響する、あたしの恥ずかしい声。
それは、更に気持ちを昂ぶらせるのに、効果覿面だった。

そして、、花沢類も・・・
「・・・その蕩けそうな顔、いいね・・すげークルよ・・・」

虚ろな視線を向けた先には、
さっきまでと全く違う表情。

『余裕がなくなってきてる・・花沢類・・・』

ぼんやりそう思った時、耳に花沢類の熱い息が掛かる。

「ああっっ!!」

思わず身体を反らせたあたしに、
花沢類の長く繊細な指が、入り込んできた・・・
214名無しさん@ピンキー:04/01/19 12:02 ID:BWjDmPci
181からのつづきでした。
書き忘れスマソ。
215名無しさん@ピンキー:04/01/20 07:23 ID:p81IQqez
リレー、いい感じですね。続き待ってます。
他の作家さんの作品もお待ちしてます。
216名無しさん@ピンキー:04/01/20 12:05 ID:6YNAEoTn
>>213の続き

「あんっっ!!・・いゃぁ、だ・めぇ・・」

思わず太腿を閉じてしまう。
黙って俯いたあたしに、花沢類が口を開く。

「ダメだよ。ほら、ちゃんと脚開いて」
「そ、んな・こと、、言わ・れてっ、も・・・」

耳元に寄せられた唇から聞こえてきた声。
それはどこまでも優しく。
しかし、その言葉は・・・

「・・・じゃあ、無理矢理シちゃうよ?」

『ム・リ・・ヤリ・・?』

頭の奥で何かが光る。
なにか思い出せそうな感じ・・・
でも、花沢類を見上げても、微笑を浮かべているだけ。

花沢類が、力の抜けた太腿から右手を抜き、シャワーを止めた。
そういえば・・・花沢類、まだなんにも答えてない!!
「ねぇ――」

その言葉を遮るように、花沢類は、
有無を言わさず、あたしを抱え上げバスタブの中へ。

「ぅわっ!なにっ・・・」
「今日は水の中でしようか。浮力があるから楽だし」
217名無しさん@ピンキー:04/01/20 12:07 ID:6YNAEoTn
たっぷりのお湯にゆっくり体を沈めていく。
ふたりでも悠々入れる広さのバスタブ。
なのに、、、あたしの背後に花沢類が座って、
ぴったり密着してる・・・

両手は、あたしを抱きかかえるみたいに
胸とお腹にまわされてて、、、

それに・・さっきはそんなに思わなかった・け・ど、
こ、腰に当たってるコレって・・・

「昨夜のことは、、ちゃんと答えるよ。
 ただ、今はなんにも考えないで・・・俺に任せて」

花沢類があたしの胸に触れながら、
頬を擦り付けるようにしてキスしてきた。

「んっ・・・」
敏感になっている肌は、微かな刺激さえも快感へと変化させる。
花沢類が脚を撫でただけで、びりびりと何かが体の中心を走る。

撫でていた手が、そのままゆっくり太腿を開いていく。
湯が動き、僅かに茂みを揺らす。

「っはぁ・・・っっ!」
秘所に触れられていた感覚が蘇る――!
218名無しさん@ピンキー:04/01/20 12:09 ID:6YNAEoTn
どうしようもなくなってしまって
自分から花沢類に凭れ掛かる。

耳の辺りから首筋まで。
浴びせられるたくさんのキス。
神経が集中する。

背中を、腰を、お腹を。
痺れる様な感覚が襲う。

目を瞑り、声を出さないように必死で耐えるあたし。

「・・ふ・ぅん・・・ぁっ、んんっ・・・!!」

花沢類の肩が動いて、ちゃぷんとお湯が跳ねる。
「牧野・・・目、開けて・・・
 わかる?今、自分が、どうなってるのか・・」
219名無しさん@ピンキー:04/01/20 12:13 ID:6YNAEoTn
その声に、あたしが見たのは・・・

ゆらゆら動くお湯の中。
花沢類の脚の間で、膝を立ててるあたし。
フトモモの間には、花沢類の両手が、差し込まれてて・・・

その指は・・・片方であたしの秘唇を割り、
もう片方は、あかく膨らんだ芽芯を、
愛しむ様に・・弄っている。

感覚ではわかってた。
でも、このいやらしい光景を直接目にすると、
湧き上がる感覚から、もう・・・逃れられない。

一度発してしまうと、それは、頂点を極めるまで止まらない。
バスルームいっぱいに広がるのは、、、
湯気と、そして・・・切なく甘いあたしの声。

つづく
220名無しさん@ピンキー:04/01/20 16:01 ID:LjvAbQLu
正直言ってリレーってどうよ。
まとめてどん!の方が良くないか?
221名無しさん@ピンキー:04/01/20 17:36 ID:v3a2+RcC
別に。
好き好きだと思うけど。
222名無しさん@ピンキー:04/01/20 21:02 ID:v/eoAfdq
>>220
漏れはリレーは嫌い。
なんか、なかなか話が進まんって感じだし。

でも、「まとめてどん!」と書くほどの力は無いけど
書いてみたい、って人が参加しやすいだろうから
これはこれでいいんじゃないだろうか。

リレー苦手な人は、漏れみたいに読み飛ばせば
いいかと。
223名無しさん@ピンキー:04/01/21 03:47 ID:0FlYXRfw
何人か作家さんらしき方も参加してるみたいだけど
書いてるのってほとんど一人じゃないか。
ならまとめて書いてくれた方が…と思ったわけだが。
224名無しさん@ピンキー:04/01/21 10:59 ID:wrHN8rJW
あー・・・すいません。
225名無しさん@ピンキー:04/01/21 12:43 ID:wrHN8rJW
リレー書いてる者です。
もともと作家さん待ちで始めたので、
まとめて書くと意味が無いのでは、と思います。
作品と作品の間のつなぎというか・・・
メインじゃなくオマケって感じでヨロシクです。

それと、最近人がいない気がするのは、私が毎日書いてるせいかも・・・
という自意識過剰な判断の結果、当分傍観することにしました。
リレーなんで遠慮なく続き書いて下さい。
もちろん作家さんたちの新作もお待ちしてます。
226名無しさん@ピンキー:04/01/21 21:10 ID:Xc9Sbz1/
リレー楽しみにしていた1人です。
また気が向いたら書いてくださいね。
待ってます!
227名無しさん@ピンキー:04/01/22 22:08 ID:G8+UqMym
「・・・!」
昇り詰める直前、あたしの中を刺激していた指は不意に引き抜かれる。
「ど・・・して・・・?」
押さえきれないこの感覚をもてあましたまま、あたしは花沢類の茶色い瞳を見つめる。
「いいよ。アンタのその表情。オンナの顔になってる」
そういいながら、うなじに唇を寄せ、再び花沢類の手が太腿を優しく撫でる。
「やだっ。もう・・・」
恥ずかしかったけどそれ以上に、火照った体をどうにかして欲しかった。
花沢類の手に自分の手を添え、秘所へと導く。
「お願いっ・・・、続けて・・・。」
228名無しさん@ピンキー:04/01/22 22:11 ID:QYU+ByQn
リレー目新しくて良かったのにな。
まったりと作品待ちモードですね。

前スレ841さんみたいな思い切り弾けたエロパロが読みたいな〜
229名無しさん@ピンキー:04/01/23 08:23 ID:qMAKaWuV
新しい作家さんはもちろんのこと、
過去に書いてた作家さん達にもぜひ戻って来てほしいー。
新作待ってます。
230名無しさん@ピンキー:04/01/23 16:06 ID:x2EmSR9h
花沢類は一瞬驚いたみたいだったけど
あたしは何も止められなかった。
耳元で花沢類がクスリと笑いあたしの羞恥心を煽った。
それでもあたしは構わなかった。
「牧野本当にかわいいよ」
花沢類が囁いて、あたしは身も心も蕩けそうになるのを感じた。
再びあたしの秘部を弄び始める花沢類。


初めて書いてみました…
全然進んでなくてすいません。
続きお願いします。
231228:04/01/23 16:08 ID:iAvcgbFw
227さんのリレーに気付かずレスしてしまった…失礼しました。
リレーうれしいです。タイミング悪くてすみません

最終巻発売おめ。
232名無しさん@ピンキー:04/01/24 00:05 ID:itZGSx0N
「お〜い、類。どこだ〜?」
はっと気づくと部屋のほうから誰かが花沢類を呼んでる。
ドア越しの声はくぐもってて誰の声だかわかんない。
あわてた顔で振り向くあたしをそのまま抱きしてめて。
「戻ってきちゃったか。残念。」
ぽかんと呆けるあたしを見つめて、、よほどおかしな顔だったのかくすくす笑いが止まらない。
こ、、こいつっ。。なぐったろかっ!
「くくくく、、だって、その顔、、ぷくくく。。。」
で、笑いながらあたしの耳元にささやいた台詞は!
「だって、牧野。あんなたくさんのキスマーク、俺一人でつけたと思ってんの?」
・・・・・・・
なんですとぉ!?




つい参加しちゃいました。初参加です〜。
リレーは予想外の展開が面白い!って勝手に思ってるやつです。
でも、書きにくいようだったらスルーしちゃってください!
233名無しさん@ピンキー:04/01/24 02:20 ID:KMSoWstt
なかなかイイ展開だと思います。↑
234名無しさん@ピンキー:04/01/24 03:06 ID:IeEQnjrx

「本気にした?」
「は?」
「冗談……」
 冗談!?
 花沢類はクスクス笑い続けながら、あたしの鎖骨にキスをする。
 そのまま胸元までおりてくる唇。

「おーーい、類っ。いないんか?」

 あれは、西門さんの声…… ……!

「は、花沢類…っ」
 あたしは焦って花沢類の顔を押しのけようとする。
 けれど、花沢類はキスをやめない。
「ねえってば……っ、ちょっと、まずいよ……!!!!」
 小声で言うと、花沢類が上目づかいにあたしを見上げた。
「……いいじゃん、別に」
「いいって、ちょっ」
 胸の谷間に流れた雫を、花沢類の舌先がすくう。
 優しい手つきで、遊ぶように乳房を揉みしだかれて。
「鍵閉めたから、バスルームに入ってこれないし……」
 さっきまでのクスクス笑いが、不敵な微笑に変わる。
 ――――花沢類……
 それが、凄く魅力的に見えて。
 あたしは頭がクラクラしてきてしまう。
 それを充分心得てるかのように、花沢類はあたしの表情を観察している。
 そしてあたしの瞳を見つめながら。
 乳房の先端を、口に含みはじめた……
 
235名無しさん@ピンキー:04/01/24 17:17 ID:kdWXlfxW
のぼせちゃう・・・。
236227:04/01/25 11:19 ID:+VR5+uDz
「あ・・・・・・」
思わず声を洩らしたあたしの耳元で囁く台詞。
「いいよ。もっと感じて。
 あいつらに聞かせてやって、その声」
思わず顔を上げ、バスルームの入り口に視線を向けると、磨硝子越しに誰かのシルエットが目に入った。
「な、なに・・・ばかなこと・・・あ、あんっ!」
さっきからの刺激で敏感になってた茂みを再び花沢類の細くて長い指が弄る。
「や・・・聞こえちゃうっ・・・」
237名無しさん@ピンキー:04/01/27 07:04 ID:LuH26a+N
しろまるさんやーい (ToT)/~激しく読みたい
238名無しさん@ピンキー:04/01/28 18:25 ID:YNJm/xVm
新作期待sage
239名無しさん@ピンキー:04/01/29 16:50 ID:lJb5Oee7
しつこいのスキなんでwリレー楽しみです。
皆さんよってたかってジワジワくどくどお願いしますw
240名無しさん@ピンキー:04/01/29 21:59 ID:VG/ppR55
最近寂しいね…
241名無しさん@ピンキー:04/01/30 11:08 ID:oiv3prNW
「リレーは嫌い」だとか
「花火さんだけでいい」とか
言われちゃうと書く気がしないよね。

いくら「いい!」って言ってくれる人がいても、
自分の文章で、ここが荒れるのは嫌だし。
242名無しさん@ピンキー:04/01/30 11:42 ID:iqAR5y7O
携帯で書いてるの?
さげられないの?
243名無しさん@ピンキー:04/01/30 11:53 ID:tI6dkCy6
読み手が書き手を限定しちゃ駄目だわな。
自分は面白ければなんでもいい。
最低限原作を大事に扱っていれさえすればね。
というわけでリレーの続ききぼんぬ。
リレーも長編もまぜこぜで発表してもいいと思うけど・・・。
244ひなはな:04/02/02 20:02 ID:f4YpXqEa
花沢類の細くて長い指が、あたしのクレバスを撫でる。
その繊細な動きで、自分の中が熱くとろける・・・
頭の中が痺れて、何も考えられない・・・なにも・・・
もっと、して・・・
そんな言葉が唇から漏れそうになるかわりに、吐息に混じって甘い声が漏れる。

えへ。リレー参加。楽しいですね〜。
久しぶりに来てみたら、「媚薬」モノが・・・!
実は、私の持ちネタにも「媚薬」モノが・・・。
落ち着いた頃に、UPさせていただこうかしら。
おじゃましました。

245名無しさん@ピンキー:04/02/02 21:27 ID:1ehex0lb
↑投下待ってます!

リレーはリレーでマッタリ続いて欲しい。
246名無しさん@ピンキー:04/02/02 22:00 ID:p4U/vEfA
ひなはなさん、お帰りなさい!
戻ってきてくれてうれしいです(T_T)
247名無しさん@ピンキー:04/02/04 06:50 ID:oMANDykL
何となく・・・皆おっかなびっくりになっているように
感じるのは私だけ?
某所が荒れた後だしね。

つーことで、

ひなはなさん、新作マダァ-? (・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
楽しみにしています〜

今後の対策
荒らしは徹底スルーで。
雰囲気悪くする発言は控えましょう。
困ったちゃんの後にレスつける人はすばやくスルーし
別の話題を振りましょうw
248名無しさん@ピンキー:04/02/07 07:06 ID:4Sxy09kA
誰もいないの?
249名無しさん@ピンキー:04/02/07 10:41 ID:gvgZql1f
いや、いるよー
漏れは毎日ここ巡回してる
スレが停滞ぎみで寂しいね・・
250名無しさん@ピンキー:04/02/07 22:14 ID:XTpunqYC
「あ・・あぁ・・・」
耐え切れなくなって甘い声が漏れてしまう。

「牧野、いい声だすじゃん。」
花沢類・・・いや、違う!!驚いて目を開けるとそこには・・・

「ひゃっ・・・西門さん・・なんで・・」
バスタブの横にいるのは、西門総二郎!!

「類、昨日の続きならオレも・・・だよな?」
昨日の続き!!??って何よ?!
花沢類!なんとか言って!

「・・・・・だな・・。」
だな・・・って何?
どーする?あたし!!
251名無しさん@ピンキー:04/02/08 00:58 ID:+Ex2Ui51
リレー 今までのお話

>151-153(目覚めたら、隣に花沢類が)
>155(パニック、そして墓穴)
>160(シャワー目前)
>162-164(媚薬)
>166(思い出せない)
>169(キスマークがいっぱい)
>171(一緒に入ろう)
>174(イ・イ・コ・ト)
>178-179(攻撃開始)
>181(イタダキマス)
>212-213(蕩けるつくし)
>216-219(バスタブの中)
>227(お願い、続けて)
>230(再び)
>232(キスマークの謎)
>234(冗談?)
>236(硝子越しの人影)
>244(甘い声)
>250(西門、乱入)

252名無しさん@ピンキー:04/02/08 02:12 ID:oK/Z9MEE
                  __ __ __ __ __                 __ __
                 ∠__∠__∠__∠_.∠_../ |        __∠__∠__∠l__
               ∠__∠__∠__∠__∠__/|  |        ∠__∠__∠__∠__/.|_
.                ∠__∠__∠__∠_.∠_./|  |/|       ∠__∠__∠__/   /|  |/|
.                /   /  ./   /   /  /! |/|  |     |  /  /  /| ̄ ̄|  |/|  |
              | ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄|  |/  |/|     |_| ̄ ̄| ̄ ̄|  |__|/|  |/|
        __ _|    |__|__|__|__|/| ̄ ̄|  |    ∠__|__|__l/   /|  |/|  |
.         /   / | ̄ ̄|  |_|/|    |    |  |__|/|   |    |    |    | ̄ ̄|  |/|  |/
      | ̄ ̄| ̄ .|    |/|  |  |    |__|/|    |  |   |__|__|__|__|/|  |/|
.     ___|__|__.| ̄ ̄|  |_|/      |    |  |__|/     |    |    |    |    |  |/|  |
.   /   /   /  |    |/|.         |__|/|          .|__|__|__|__|/|  |/
  | ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄|  |.         |    |  |            .|_|    |    |  |__|/
  |__|__|__|__|/        |__|/               |__|__|/


253名無しさん@ピンキー:04/02/08 02:37 ID:IQ8W0pMQ
>251
大変わかりやすくて助かります。
ありがとう。
254名無しさん@ピンキー:04/02/09 11:22 ID:024l2Wyl
りれー
もう、素晴らしい展開!
3Pがんばれ
255名無しさん@ピンキー:04/02/09 15:02 ID:qWiri3QV
>>250つづき

「いま結構いいとこなんだけど・・・仕方ないか。
 これ以上やるとのぼせるかもしんないし。続きはベッドで」

花沢類は溜息をつきつつ、少し残念そうに笑ってあたしを見る。
そして、脱衣所に向かった西門さんが放り投げたのは白いバスローブ。
それを片手でキャッチし、あたしの腕をとるとそっとバスタブから立たせた。

パイル地の柔らかな肌触りが高級さを物語る。
ローブを軽く羽織って、あたしの髪の毛を拭いてくれてる花沢類を見上げた。
すると花沢類は、短い前髪からぽたぽたと雫を落としながら、
視線をあたしの頭から外すことなく、ぽつりと言った。

「今日こそあんたを独り占めできると思ったのに…」


次はベッドで××、かな。
256名無しさん@ピンキー:04/02/09 22:44 ID:d29qeaR6
>>255

部屋に戻ると、西門さんがニヤニヤ笑って媚薬の小ビンを弄んでいた。
「類、昨日のこと話した?」
「いや・・・パニクってる牧野って面白いし」
「言えてる。」

背後から花沢類があたしの肩をつかんでいた。
目の前には西門さんが。
どうしよう。ドキドキする。
花沢類があんなことするから・・・
な、なんか泣きそう。
だめだ、つくし。泣いちゃダメ・・・!

そ・・・と西門さんの手があたしの頬を撫でる。
「昨日はさ・・・牧野イキまくりだったんだよな・・・」
花沢類の手が腰に当てられると、体の奥がうずいてしまう。
「失神したときには、マジあせったけど。」
あたし・・本当に何にも覚えていない。
道明寺・・ごめん。あんたは待っててくれたのに・・・
こんなことなら、あの時無理してでも抱いてもらえば良かった。

流れ出した涙が止まらない。
心と体がバラバラになりそう。

その時―――
257名無しさん@ピンキー:04/02/09 23:04 ID:d29qeaR6
「悪りぃ!遅くなった―――」

ドアを開けて入ってきたのは、道明寺。
あたしは思わず身を竦めた。
道明寺の氷の様に冷たい表情がフラッシュバックする。
どうしようどうしようどうしよう!

「類、総二郎、ちょっと調子に乗りすぎじゃねぇ?」
いうが早いか、道明寺は二人を殴りつけた。
「牧野泣いてるじゃねぇか!」
道明寺があたしをだきしめる。

「司が遅れるのが悪いんだろー?何やってたんだよ、全く」と西門さん。
憮然とした花沢類がコクコクと頷いている。
「うるせぇ!こんなヘリポートもない山ン中に集まるんじゃねぇよ!」
唖然とするあたしそっちのけで久しぶりの再会を楽しんで?る・・・・

「道明寺さん!お久しぶりですぅ〜!」桜子が入ってきた。
後から美作さんがワゴンを押して「よ。」と一言。
な・・・何なの?この和気藹々とした雰囲気は?
あたしは媚薬を盛られて、なんだかエライことになって、
バスローブ一枚で立ち尽くしている。
258名無しさん@ピンキー:04/02/09 23:16 ID:d29qeaR6
同じくバスローブ一枚の花沢類が、あたしの側に来て囁く。
「昨日はさ、皆で牧野のこと弄んじゃったけど、アンタの鉄の処女は守られてるから。」
ククク・・・と笑った所に再び道明寺のパンチが。ああ・・・・
「類っ、てめー牧野に近づくんじゃねー」
「そういうことで、牧野、また、後でね。」

「まあまあ、道明寺さんも揃った所で、皆で乾杯しましょうよ!」
手際良くシャンパンが配られ・・・・・乾杯・・・・????
って、勢いで飲んだ後で皆のニヤニヤ笑いに気が付いた時には時既に遅し。
デ・ジャ・ヴ。やばい・・・・・

あたしの体は再び熱を帯び、触れられることを求め始めていた。
道明寺があたしを見てる・・・・
ドキドキして胸が苦しい。
つーっと内腿を伝い落ちる雫に気付いたろうか。
「道明寺・・・・」
そう呟くのが精一杯。
道明寺の顔が近づく。
そして・・・一番欲しいキスをくれる。




259名無しさん@ピンキー:04/02/09 23:44 ID:Xg0N5wpb
>>252
ちょっと感動した
260名無しさん@ピンキー:04/02/10 07:00 ID:e6HtSzLF
風呂から出たと思ったら司×つくしになってる…!!
いい意味で期待を裏切る展開が続くね
これもリレーの醍醐味か
261名無しさん@ピンキー:04/02/13 01:56 ID:FCYeKfJo
新作うpまだぁ〜?
 ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄
 チン☆ ∧_∧
___\(\・∀・)
\_/⊂ ⊂_)
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
| 愛媛みかん |/

262名無しさん@ピンキー:04/02/15 16:13 ID:RINjeITY
保守
263名無しさん@ピンキー:04/02/21 15:44 ID:SSBd1ANT
誰もいないの・・?
264名無しさん@ピンキー:04/02/22 00:53 ID:/nBvXMP8
何か最近、人多杉状態みたいなんだが…専用プラウザ持ちじゃないと
スレ見れない状況なのか?
何にしても人がいないのは淋しい限り。
神の降臨を期待しながらこっそりロムってます
265名無しさん@ピンキー:04/02/22 07:47 ID:IDfIbeKW
はじめて参加させて頂きました。
264> IE では最近ずっと人大杉だったので、専用ブラウザだうんろーどしてみました。
ようやく人大杉から逃れることができました。
やっぱ、ほかの方も人大杉だったんでしょうか?

花男が消化不良だったので、こちらを楽しみにしております。
私もチャレンジしてみようかなっ。。。と思いましたが、無理でした。。。
素敵な司をよろしくお願い致します。
266名無しさん@ピンキー:04/02/27 17:51 ID:rqE072h+
勇気を出して・・・保守。
267名無しさん@ピンキー:04/03/01 00:47 ID:1ZKAB/Mq
司×つくし、読むのはいいけど書くのは無理だった
ルイルイでイメージ固まってたからかな・・・

人大杉いい加減なんとかしてほしい
職人さんたち、専用ブラウザ使ってくれー!(心の叫び)
268名無しさん@ピンキー:04/03/06 01:39 ID:LzKPKJCC
寂しい・・保守
269名無しさん@ピンキー:04/03/09 17:04 ID:Fs/tFIci
エロパロ板、自治厨のレスを最後に3日以上レスがつかない状態。
同意とか反論とか、作家さんのご意見とか、全くレスなしってどうよ。
放 置 で す か ?

正直に告白致しますと、私、エロパロ板の花男スレ1〜2で「841」を名乗って
作品をupしていた者です。作品が長文かつアブノーマル路線でしたので、
読み飛ばしている住人が多かったと推察される恥ずかしいヤシでございます。
プライベートが忙しくなったことと創作意欲の低下が重なり、スレ2の前半以降は
じっくりROMることもなく、スレ立て人として保守のみに専念、スレ2の消化を
見届けてからは、暫くエロパロ板から遠ざかっておりました。

先日、久々にスレ2と3をまとめて読んでみたところ、雰囲気が以前とはかなり
変わっていて大変驚きました。何というか…敢えて誤解を恐れずに書くと
「お子ちゃま」な人が増えたなぁ…と。以前から、少ない書き手を減らさないために
ネガティブな意見を押さえ込む傾向にはありましたが、ちょっと行き過ぎている
んじゃないかな…と。これはあくまで私個人が感じたことですが…。

ヲチスレ住人の方は、エロパロを巡回なさっている方も多いだろうと思い、
皆さんどのようにお感じなのか知りたくて、カキコした次第です。
レスして下さった皆さん、どうもありがとうございました。
270名無しさん@ピンキー:04/03/10 14:51 ID:SRMOopx6
誰だか知らんがヲチスレからわざわざコピペする意図がわからん
271名無しさん@ピンキー:04/03/15 12:17 ID:zT+Rq10Q
保守
272名無しさん@ピンキー:04/03/16 03:06 ID:w8P4XBps
age
273名無しさん@ピンキー:04/03/16 20:14 ID:KtiFsqEq
もうこのスレだめぽ・・・

今までUPしてくれた職人の皆様、楽しませて頂きました。
本当に色々な作品があって楽しかったです。
不完全燃焼だった花より男子のモトをとったような気持ちに
させてくれた、エロパロに、感謝、感謝・・・・。
274前々スレ158:04/03/18 00:28 ID:Xd3/WhN0
本編も終了して花男熱も冷めてしまってたんだけど、
CSでやってるドラマ版を見て、また熱が復活気味。
ここにもくるのもご無沙汰してました。

書きたい気持ちがウズってますが、
いかんせんここをROMってからじゃないと、ネタが重複しそう。
結構ネタが出切ってる感がありますよね。
もし書けたら、また読んで下さい。

>273
気が向いたらまた一緒に遊びましょう〜
275名無しさん@ピンキー:04/03/19 03:49 ID:uocnFT16
あーリレーの結末、誰か書いてくれないかな?
このまま、自然消滅?
276名無しさん@ピンキー:04/03/28 03:23 ID:+wSyd5iS
age
277名無しさん@ピンキー:04/04/02 19:52 ID:/l09TMUM
スレ1から読み直してみたけど、皆うまかったなぁ〜
一番好きだったのは、スレ2のしろまるさん。
類がすごくイメージにあってた。

皆さん、どうもありがとう〜
278名無しさん@ピンキー:04/04/27 16:01 ID:knpJBKZK
最後のカキコから1ヶ月近くたつけど、まだここを見てる人ってどれくらいいるんだろう。
中途半端な気がするから、リレー終わらせようかと思うんだけど。
でも人いないなら書く必要もないし。

ちょっと様子見させてください。
279名無しさん@ピンキー:04/04/27 19:02 ID:04CkJfvX
あたしはここいつも巡回してるんだけどね。 みんな飽きたのかな?
280名無しさん@ピンキー:04/04/27 22:00 ID:4WIkB6xi
ほしゅ
281名無しさん@ピンキー:04/04/28 19:48 ID:eSkdDmrp
リレーの続き見たいぞ
282名無しさん@ピンキー:04/04/28 21:45 ID:bGo1zGd6
ほしゅ
283名無しさん@ピンキー:04/04/29 02:59 ID:x69V1ciQ
前々スレ158さん、278さん是非書いて頂きたいです!
人大杉も終わってもうそろそろIEの人達も戻ってくるんじゃ?
かつての賑わいよもう一度・・・
284名無しさん@ピンキー:04/04/29 09:28 ID:/xGeammT
しろまるさんのが読みたいな〜
285名無しさん@ピンキー:04/04/29 16:39 ID:O51X+iW7
いつの間に人大杉が終わってる…!!!
新作きぼーん
286278:04/04/30 07:46 ID:1DAL0+Ef
人がいる……(w

休み明けたら少しずつ書いていきます。

287名無しさん@ピンキー:04/04/30 18:50 ID:tEOySoB6
よろしくお願いします〜
288名無しさん@ピンキー:04/04/30 22:23 ID:Y1EB2klr
>>286
おぉ!!待ってまーす!!
289名無しさん@ピンキー:04/05/04 22:33 ID:rwhb5fye
新作期待保守
290名無しさん@ピンキー:04/05/06 17:39 ID:Z8RVkIPU
>>258つづき

あたしの唇に重なる道明寺の唇。
しかし軽く触れただけで離れてしまう。
驚いて目を開けると、道明寺の真剣な瞳がそこにあった。

「牧野・・・・・・今日は、おまえを離さねえから。絶対。何があっても」

その途端、噛み付くような激しいくちづけ。
道明寺の熱い舌があたしの唇を割って侵入してくる。
でも・・・イヤじゃなかった。
それどころか、より一層潤みを増す下腹部。
ふとももをすり合わせると、くちゅり、とかすかな水音が聞こえた。

――道明寺を・・・こんなにも求めてる・・・・・・

火照ったカラダを鎮める方法はひとつだけ。
どうすればいいのか、本能が知っていた。


優しく下ろされたベッドの上。
今までに何度か繋いだ手であたしの頬を撫で、何度も呼ばれた声であたしを求めてる。
「牧野・・・・」
道明寺が耳元で囁きながら、腰の結び目をゆっくり解いていく。
あたしを見つめる鋭い眼光をそのままに。

見られるだけでカラダが震える。
頭の中が真っ白になる。
291名無しさん@ピンキー:04/05/06 17:40 ID:Z8RVkIPU
「やっ・・・・・・!」
ふいに左胸に熱を感じた。
はだけられたバスローブの間から差し込まれた手の平が、あたしの胸をきつく掴む。
道明寺の視線の先には、いくつも散った紅い・・・痕。

「これは・・・っ、違うの!」
あわてて釈明しようとするあたしに、道明寺が左胸の戒めを緩めて微笑む。
「わかってる」
胸に紅くついた指のあとを優しくなぞりながら・・・囁いた。

「俺があいつらに頼んだんだ。牧野をリラックスさせてやってくれって」
「?!?!何で・・・そんな・・・・・・」
道明寺のまっすぐな瞳が困惑するあたしを捉えて離さない。

「おまえを俺の女にしたかったんだよ、心もカラダも」


いつのまにかみんないなくなっていて、広い豪華な部屋にふたりっきり。
うっとりするようなシャンパンの匂いと道明寺の言葉に、ただ、包まれていた・・・



こんな感じでいいでしょうか。
司、難しいっす・・・
292名無しさん@ピンキー:04/05/07 17:43 ID:jwTdlTHN
>>291つづき


言葉の出ないあたしに向かって、優しく、呟くようにしゃべりながら、道明寺の手がバスローブをぱさりと取り去る。
「・・・おまえが、前みたいに熱出したり、ガチガチに緊張することがねえようにしてくれ、って言っておいた。
 あいつらならそんなのわけねえし・・・」

覆うものが何もなくなったあたしの肌が、道明寺の眼前に晒される。
ひとつひとつ確かめるように、体中のキスマークを数えていく道明寺の指。
指される度にカラダが反応し、刺すほどに熱いまなざしが羞恥心と罪悪感を煽る。
それが更に内腿を濡らしていった。

――道明寺・・・・・・顔が熱い。カラダも。
   触れられた所から解けていきそうなくらい・・・

頭がぼんやりしてきたそのとき、道明寺はあたしの両足をつかんで引き倒した。
「きゃっ!!な、何すんのよ、いきなりっ!」
ベッドに思い切り頭を打ち付ける形になり、上半身が弾む。
でも掴まれた足首はそのままで・・・
抵抗するまもなく、ぐいっと開かれてしまった。

「やぁっ・・・!」
「ほら、こんなとこにも付いてるぜ、キスマーク」
そう言って、指先があたしの太腿をすべる。
「やめ・・・っ、あぁ!」
脚の付け根のギリギリのところに付いた痕に触れていた指が、急にカラダの中へ入ってきた。



つづきます。
が、とても難しいです、花男・・・スマソ
293名無しさん@ピンキー:04/05/08 18:01 ID:adL/XWvc
リレーがんがれ!
それにしても人大杉なんとかなんないかね
294292:04/05/12 17:24 ID:y7N6O9VY
仕事忙しくてしばらくつづき書けそうにないです。スマソ
つづき書きたい人、ぜひ!
295超初心者:04/05/24 21:33 ID:6TWECvLL
ちょっと生々しかったかもと思いながら
うpします。
道明寺×つくしです。
296超初心者:04/05/24 21:34 ID:6TWECvLL
道明寺家ーとある一室

−コンコン

扉がノックされた。
「誰?」
「あたし」
扉の隙間からつくしが顔をのぞかせた。
「おう」
「見舞いに来たよ」
「入れよ」
「う、うん」
司は風邪をひいて3日間、学校を休んでいた。
「調子どう? はい、これ。あんたの口には合わないと思うけど」
そう言いながら、ベッドの上の司にクッキーを差し出した。
「あーもう元気。体なまったぜ。サンキュ。・・・おまえ、バイトは?」
「今日は休んだ。誰かさんが寂しがってると思って」
「うるせーよ」
ベッドの脇の椅子に座りながらつくしは言った。
「相変わらず静かだし広い部屋だね。こんなとこいたら一日が長そ・・」
「まーな」
297超初心者:04/05/24 21:35 ID:6TWECvLL
「おまえ、コートぐらいぬげば?」
温かい部屋で、長いコートを着たまま話し続けるつくしに司は言った。
「い、いいよ、すぐ帰るつもりだしっ」
慌ててコートの前を押さえるつくし。
「っておまえ、コートなんて持ってたっけ」
「いや、あのちょっと、・・いや、なんでもない。あはっ」
「あはっ、じゃねーよ。おま・・まさか俺が風邪で苦しんでる間に他の男に・・」
「ちが、あのちょっと、あたしもか、風邪、そうよっ風邪ひいてっ。ゲホゲホ」
じーっ。疑いのまなざしの司。
「あ、あたし帰るよ。元気そうだし、じゃーねっ」
立ち上がるつくしの腕を、司が引き寄せた。
「ど、道明寺、ちょっと」
「もう少しいろよ」

つくしの頬を撫でるように、髪の毛をそっとすいて唇を重ねた。
いつものように優しくて柔らかなキス。
つくしは、自分の体から力が徐々に抜けていくのを感じた。
少し開いた唇に侵入してくる舌先は、
少しずつ激しさを増しながら、さらにつくしの舌を求めた。
司の手がコートのボタンにかけられ、一つ、二つ、はずされていく。
このままどうなってもいい・・そう思った瞬間
「ど、道明寺、待ってっ」
「おまえ、そのカッコ・・」
コートの下から、純白のナース服が現れた。
「いや、これはちがうのっ、あのっ|||||||」
298超初心者:04/05/24 21:36 ID:6TWECvLL
−つくしはいつものように校門を出ると、
脇にとめられていた車から滋がおりて来たー
「きたきた、つくしっ」
「滋さん・・どうしたの?」
「司のとこにお見舞いに行こうと思ったんだけど、
 ほら、あたし一人じゃつくしに悪いしさ。いっしょに行こうよ」

滋が制服姿のつくしをじっと見る。
「な、なに、滋さん」
「つくし、そのまま司んち行こうと思ってた?」
「うん、そのつもりだけど・・?」
言い終わらないうちに滋がつくしの手を引き車に乗せた。
「帰るわっ急いでっ」
「ちょ、ちょっと、滋さんっ」


「じゃーねっ、つくし。司によろしくっ」
ポイッ。
道明寺家の前で車をおろされるつくし。
「って、滋さんお見舞いは」
「ふっふっふっ。じゃましちゃわるいし、
つくし一人で行って。じゃーねっ!」
ニヤリとした滋を乗せた車が小さくなっていく。
「じゃーねってオイッ!」
299超初心者:04/05/24 21:36 ID:6TWECvLL
「・・・あいつのやりそーなことだな」
「というわけで、制服も滋さんちにおいたまま・・あたし帰るわ・・」
ヨロヨロと立ち上がるつくしに司が言った。
「・・おれはいーけど」
「いーけどって、あんた」
「だって、おまえさいしょやってから、なかなかさわらせねーし
 せっかく滋が気ぃきかせてくれたんだしよ・・」
「さわらせねぇってあんた。だめだめ、だめだってば」
「ちぇーっ看病してくれたっていーのによー・・ブツブツ・・」
ちょっと拗ねたような伏せた目が、でかい図体と反比例して可愛く見えた。
「・・ちょ、ちょっとだけならいーよっ」

さっきまでの激しいキスで、唇はすでに柔らかくなっていた。
温かく熱を持った唇が、つくしの頬、耳、うなじ、そして首元へと這っていく。
つくしの頭を支える優しい大きな手、
そして細く長い指が鎖骨のしたの小さなふくらみを愛撫した。
服の上からそっと、下から上へとやさしく包むような動き。
もう一度見つめ合い、唇を重ねた。
司の舌が、つくしの舌を奥へ奥へと求める。
一つずつはずされるボタン。
静かにベッドに寝かされたのと対照的に、
少し荒々しく服は脱がされ上半身がむき出しになった。
300超初心者:04/05/24 21:37 ID:6TWECvLL
「あっ・・」
司の舌が首元から少しずつ胸へとおりていく。
胸の硬く尖った突起への愛撫は、
自分への愛しさで溢れているのが伝わってくる。
恥ずかしさで顔をゆがめるつくし。
声を必死に押さえる。
「声出せよ」
そう言って、つくしの口に左手指をそっとあてた。
「ぃやっ・・はああっ」
ずっと堪えていた声が、指をかんだ口元から思わずもれる。
その声に触発されるように、司の息が少し荒くなる。
胸を愛撫していた右手が下へとおりていく。
その手は腰の位置で下敷きになった服の上を通過し、
スカートの下から、つくしの、その熱をもった部分を捉えた。
「あぁあっ・・」
つくしの手が司の背中にしがみつく。
下着の上から執拗に刺激されたそこは、より湿り気を増す。
そしてその薄い布のすきまから、柔らかな茂みをそっとかきわけ、
さらに体内へと指が入ってくる。
「まだ痛いか?」
じっと見つめるつくしはほんのり紅潮し、
その泣きそうな顔を横にふった。
301超初心者:04/05/24 21:38 ID:6TWECvLL
高い天井の広い部屋に、もはやどちらのかも知れない吐息が響く。
身につけたものはすべて脱ぎ剥がされた。
静かに司自身が入ってくる。
「少し力抜け」
「ん・・」
静かに入ってきて、そしてつくしを突き上げた。
「ああっ」
つくしの頭を抱え、さらに腰を突き上げる。
「あぁっ、いっ(たー)」
「わり・・・でも、もう止めらんねぇ・・」
「だいじょう・・」
つくしのそっと開いた目に、
初めて見せる司の切なげな表情が飛び込んで来た。
自分の愛する男に抱かれている現実−。
つくしは司の広い背中に力いっぱい抱きついた。
何度も何度もくりかえし愛される。
そして次の瞬間、体がふわっと持ち上げられて、
つくしは司の腰の上に座らされた格好になった。
「え、あ」
「どうした?」
「こんな・・かっこ・」
言うが早いか、つくしの唇は司の唇で塞がれた。
302超初心者:04/05/24 21:39 ID:6TWECvLL
肌をやさしく撫でる手が、やがてつくしの腰をつかみ
一方の手がその結合部をまさぐる。
「あぁっ・はぁっ・・ぁあんっ」
自分にこんな悩ましげな声が出せると思わなかった。
その淫らな自分の声。それが口から吐き出される度に
欲情を増す司。
それを思うと、恥ずかしさと愛しさで頭がのぼせる。
「あぁっ・・道明寺、あたし、だめかも・・」
抱きついた手に力が入る。
自分で自分の体が分からなくなる。
重なった部分はこんなにはっきりとした感覚があるというのに。
耳元で司の震えるような声がした。
「牧野・・・愛してる・・・」
「あっあっあっ・・あぁあっ!」
体が小刻みに震え、体の中が真っ白になった。
303超初心者:04/05/24 21:40 ID:6TWECvLL


「・・やっぱりコレ、怪しいよね」
つくしはベッドの上で背中を丸め、
細かなしわの刻まれたナース服を手にため息をついた。
「いーじゃん、クリーニング出しといてやるよ」
「だ、だめだめだめっ。そんな恥ずかしいことっ」
パニックになるつくし。
「制服は滋さんちだし・・あぁっ・・ちょっとだけと言ったのに・・。
 看病するって・・されて・・あたしって||||||||||」
頭を抱え、そのまま横たわる。と思ったとたんガバッと起き上がる。
「とりあえず、このままコートを着て・・ってあたしは変質者かいっ。
 あんたの服を借りて、コインランドリー行って・・そうよっそれよっ」

「気にしすぎ」
頭にポンと手をおいた司の顔がふっと笑った。
−ああこの笑顔−
自分はなんでこんなに焦っているのだろう。
ずっと探していた平和な時間が、いまここに流れているのに。

「あとで考える」
そう言って、つくしは司の体に入り込むように顔を埋めた。

おしまい
304超初心者:04/05/24 21:46 ID:6TWECvLL
うpして分かったけど
無駄に長かったですね
スミマセソ _| ̄|○
305名無しさん@ピンキー:04/05/25 09:45 ID:hR2n0Rdt
新作がっ!
道×つくラブラブですねー。
いいっす。
またお願いします。
306名無しさん@ピンキー:04/06/02 22:29 ID:Ao5Fj2Wn
とりあえずage
307名無しさん@ピンキー:04/06/06 15:50 ID:C0LVBd/A
ほしゅ
308名無しさん@ピンキー:04/06/08 19:19 ID:KiNJ0EyR
司×つくし メイド小説きぼん(´・ω・`)
309名無しさん@ピンキー:04/06/09 00:20 ID:63C3bVHl
司がつくしに甘えているのが見たいでつ。
逆もイイ(`・ω・´)

310名無しさん@ピンキー:04/06/09 00:30 ID:qw+5xtPn
いいねー甘甘。
311名無しさん@ピンキー:04/06/09 18:55 ID:O6XlUCgs
>>309 ヤバイ 萌えた

312名無しさん@ピンキー:04/06/10 08:49 ID:Qz9lupNZ
司がつくしに甘える、のは
どんな場面ですかね〜。
オイタの部分なのか、その前後なのか・・。
いまちょっと話考えてみようと思ったんだけど
313名無しさん@ピンキー:04/06/10 10:33 ID:jMYFPJgq
つくしは、少し遅めの夕飯を1人でとりながらテレビを何気なく見ていた。
ぼんやり見ていると、ニュースは特集になり、日本の財閥の歴史と現状を映し出し
その中でも不況に強い道明寺、花沢、美作をとりあげ、その強さの秘密は何なのかを
いろんな角度から探ろうとしていた。「道明寺財閥の副社長として、そのモデルのような風貌ばかりでなく実績でも高く評価されている道明寺司さんにお話を伺ってきました」とアナウンサーがさらりと言い放ち、画面には道明寺が映し出されつくしはどきりとする。
画面の中の司は本当に大人の男だと思う。スーツをきれいに着こなし、言葉すくなに
でも要点をきちんと誠実に相手に話している司は、やはり、道明寺司だと思う。自分が知っているただの司ではないような気がして、いつも少し寂しくなる。
司は時間があるとうちにやってくる。でも、忙しいのはいつもで、最後にあってから
もう2週間もたっていた・・・・・。今度はいつ・・・・考え出すとつのってくる
不安を打ち消そうと、冷蔵庫からアイスクリームを取り出し食べかけたその時

「おい、やろうぜ!」
司がいきなりドアを開けて入ってくる。
つくしは、テレビの中にいる人とはおよそ別人のような言葉づかいの彼と、
テレビに今映っている本人そのものがいきなり目の前に現れたことに驚いて
食べかけたアイスクリームを思わず口からぶっ!とはきだし

「や、やるってなんなのよ!」
会えて嬉しい、じぶんだって抱かれたい・・・
それなのに。条件反射でそう答えていた。
「アホウ、んなもん、男と女がやることっつったら決まってんだろ。」

「あ、あんたはなんで、そーゆーやらしいことをおっきな声でいうのよ!」
とりあえず、そういうのが精一杯だった。

314名無しさん@ピンキー:04/06/10 10:35 ID:jMYFPJgq
「だれもいねーんだろ?いやなのかよ」
「いやって・・・、そういう問題じゃ・・・・」

幾度か肌を重ねていても、やっぱり、奥手な自分はかわらないのを自覚しつつ
でも、あまりのストレートさに、うつむきながら照れるつくしに
少しかがみ、背中を丸めてそっと優しいキスをする司

不意を撃たれたような、速攻のキスに動揺してしまった自分を隠そうと
「あ、あんたって、テレビや新聞に出てる人とは別人だね。
こんな狭い部屋で、こんな下品な会話してるなんて世間に知れたら
世の中の人ひっくり返って、道明寺と取引やめちゃうんじゃない?」
視線を泳がせながら、そういうつくしに

司はつくしの不安な照れ隠しの気持ちなどお見通しのような顔でこういう。
「おれは、いつでもお前を抱きてえんだよ。お前に触れてねえと落ちつかねえんだよ。
おれの頭ン中がお前でいっぱいなのは、仕事するようになっても、何年たっても、時間がなくて会えない時間が増えても、ずっとずっと変わんねえんだよ。んなこと、いいかげんわかってんだろ。何度もいわせんな。」
「だから・・・・・・」と強引に・・・・でも大切なものを扱うようにしてつくしを抱き寄せた。

「なんで、こんなに、こいつはキスがうまいんだろう・・・・」
いつもいつも思う。
それが、テクニックとか、そういうものだけじゃないことはいまのつくしにはわかる。
つくしは、久しぶりの司のキスが嬉しくて、泣きそうになっていた。
「牧野・・・?具合悪い?」
「ちがう・・・・」つくしは、久しぶりの司のキスが嬉しくて、泣きそうになっていた。
「つらかったら、いえ」
恥じらいながらうつむきながら頷くつくしを確認した司は
男の顔になった。
315名無しさん@ピンキー:04/06/10 18:09 ID:uHfEkpGj
新作キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!
なんかストレートな道明寺いいなぁ。素直で可愛いw

316名無しさん@ピンキー:04/06/11 01:05 ID:KKmbQLox
キタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━ !!
続きお願いします…
317名無しさん@ピンキー:04/06/11 16:56 ID:cznm+d76
作家さんが降臨!
ほんと嬉しい限りです。
318名無しさん@ピンキー:04/06/11 20:47 ID:aa52jSwJ
いつからだろう・・・
司の贅肉のないしまった体、大きな広い胸、見かけより華奢な腰つき・・・・
司のそばにいると、いや、そばにいないときでさえ、司が欲しくなる自分に驚くことがある。抱かれたい、司が欲しい。こんなこと女のあたしからは絶対にいえない。
だから、あたしは待っている。司があたしを欲しがってくれるのを。待っている。いつも、いつも。
肌を合わせるということが、どういうことなのかよくわかっていなかったあの頃。
怖くて、どうしようもなかった。自分がどうなってしまうんだろう・・・・そんなことばかりが先走りしていた。でも、今は違う・・・・・。
「んっ・・・」司の手が胸の蕾を這う。何度も何度も大事そうにキスする。
それだけで、司がどれだけ自分を大事にしてくれているかがわかる。どんな言葉よりも
この優しい愛撫だけで、全てがわかってしまう。こうされるのをいい子で待ってたんだよ、あたし・・・。心の中でつぶやく。
「はあっ・・・・んっ・・ふっ」もう・・・・止められない声。
司の細く長い指があたしの体を這っていく。疼くような快感があたしをつつむ。
そのたびに、あたしのあそこがじんじんする。体は正直だ・・・・
耳元で司がかすれた声でささやく。
「ここ、・・・・感じんのか?」
「ん・・・」
「こうか・・・?」
「っふ・・・はあっはあっ・・・つかさ・・・つかさ・・・」
「んないい声だすな・・・・たまんねえ」

もう、あたしのあそこはぐちょぐちょだ・・・
そのぐちょぐちょを司の細く長い指がもったいなさそうに、大事そうにかき回す。
ちょっと突起したそれをいとおしそうに、でも意地悪くいたぶるように
扱いながら、私の胸の蕾をしつこく、これは俺のだ・・・といわんばかりに
吸い付いている大きなダダッコの司も、もう随分余裕のない息づかいになっている。いい子で待っていた私だけど・・・・もうだめだ。
「ん、はあっ・・・気持ちいいの・・・・」
「ん・・・」
「つかさが好きなの・・んっ、んっ、」
「ん・・・」
「まだ・・はあつ・・・だめ・・・・?」
「俺も・・・・限界きた・・・・」
そうやって、私たちはひとつにつながる。
319名無しさん@ピンキー:04/06/12 16:44 ID:qjQHlEC6
続きが気になる!!
320名無しさん@ピンキー:04/06/12 19:14 ID:A4BSdqZP
王道カプ非常にイイ!楽しみに待ってますです。
321名無しさん@ピンキー:04/06/13 10:44 ID:dIOTPTIi
つながってしまうと。もう、他になんもいらなくなる。
司の伏目がちな男の顔が、あたしのぐちょぐちょをそそる・・・

こうなると・・・・あたしも、いつものあたしじゃない・・
「おっぱいの先・・・・、クリクリして・・・・」
はしたなく・・・・・ねだる・・・・
司は、激しく・・でも宝物を扱うような慎重さで私の中で動きながら
「いつから、そんなやらしい女になった・・・・」
うれしそうに言う・・・・
あたしは知ってしまった・・・・こういう言葉が司を挑発するってことを。
「ん、あっ、はあ・・・あんたが・・・こんなおんなにしたんだよ・・・。」
「だめなら・・・いい・・・」
「だめなわけ・・・・ねえだろ・・・・」
両手でおっぱいの先をクリクリとやさしく・・・・でも時に少し乱暴にひねりあげる。
あたしのぐちょぐちょがもっともっとひどくなって。
司が動くたびに、ねっちゃ、ねっちゃと音がする。
どうしよう・・・・気持ちいい・・・・
ん・・・体に力が・・・はいらない・・・・

「つかさ・・つかさ・・どうしよう・・・気持ちいいの・・・、あ・・ん、はあっ・・・」
「・・・・いまのお前の顔・・・・たまんねえ」
「う・・・・ん・・・あっ、あん・・・あ〜ん」
司の動きがあたしの奥の何かにあたり、声が裏返るのが自分でもわかる。
自分のやらしい声に欲情している自分に驚く。
322名無しさん@ピンキー:04/06/13 13:17 ID:dIOTPTIi
「他の奴にぜってえ、・・・・」
「ん・・・」
「んな顔すん・・・な・・・・」
「ね・・・出して。いっぱいだして・・・・」
「ん・・・・」
「あんたがだしていいのは、あたしの中だけ・・・だからね」
「んなこと・・・たりめーだろ」
「いっぱい、ちょうだい・・・あたしにあんたを・・・いっぱいちょうだい」

そんなことを息をいっぱいいっぱいにしながら囁きあう・・・
そしてあたしは司を・・・・
「おれ・・・・でそう・・・くっ、んっ・・・んんっ!」
「はあっ、んっ、あっ、あっ、ああ・・・ん・・・」
・・・・受け止める。

瞬間あたし達はぎゅうっと抱き合う。
愛しくて、でも、その行為が終わってしまうことが切なくて・・・・・
司のきれいな・・・いつも・・・・何にも動じない顔が苦しそうに歪む・・・・
「その顔が・・・・これからもずっとあたしだけのものでありますように」
そう心でつぶやきながら、司を引き寄せキスをする。
司は・・・・まるでご褒美をもらった子供のような嬉しそうに顔になる。
がんばったんだよ!といわんばかりの誇らしそうな顔をする。

いつもケンカしているあたしたちが一番素直な瞬間・・・
323名無しさん@ピンキー:04/06/14 11:12 ID:ljlq7l2C
久々の新作ゴチになりますた。また書いてね。

神尾タンは新連載決定でもう花男は読めそうにないなと、寂しい思いをしてたとこですた。
他にもたくさんの作家さんに出てきて欲しいよー。
324名無しさん@ピンキー:04/06/14 18:24 ID:+PARrzZq
新作キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!

なんか和んだよ
325名無しさん@ピンキー:04/06/14 21:14 ID:SEfdeNzw
乙ですた!なんかもうね、純愛小説読んだときみたいに
胸がキューンとなっちゃったよ。司のセリフがいちいちイイ!
待って待って待ち倒した分、ヨロコビも大きいよね。
よければまた書いてくだされ。今夜は夢に出てきそうですじゃ。
326名無しさん@ピンキー:04/06/14 21:43 ID:bu2L7WdG
読んで下さった方有難うございました。こんな文章をはじめて書きましたのでドキドキでした。
エロ・・・・というよりは、司とつくしが素直に仲良くしているところが書きたかったので
物足りなく思った方ごめんなさい。花男・・・・終わってもやっぱり好きだな〜。
いつか類くんも書きたいです。どなたか新作まってま〜す!

327名無しさん@ピンキー:04/06/17 17:57 ID:A6I2UHt1
上手な方のあとで恐縮なのですが・・・




大きなベッドの白いシーツの中。
司の愛をたっぷり受けたあと、心地よいけだるさから
つくしは軽い寝息をたてていた。

(だれかが触ってる・・?)
もうろうとしながら、その手が出てくるほうへ顔をむけ、
細く目をあけると訝しげな顔つきの司と目が合った。

「・・なにやってん・・」
夢と現実の狭間でボーッとしながら、司の方へと体を回転させる。
まさぐる手をさりげなくかわし、司のしなやかな腕の中へともぐりこんだ。
高そうなコロンの香りがほんのりする。
「いや、相変わらずむねねーなーと思ってよ」
「あたしのなんだから文句いわな・・」
言い終わらないうちに、再び夢の中へとおちていく。

司は体を少し下にずらし、
「ま、こぶりだけどしょうがねーなー(フンフン)」
鼻歌まじりで小さな二つの膨らみへと顔をうずめる。
「もー・・ねむ・・」
意識の遠いところで、体を触り「おれの」という司のご機嫌な声が聞こえる。
328名無しさん@ピンキー:04/06/17 17:59 ID:A6I2UHt1

「あ、てめ、ここどうしたんだよ おい おきろ」
「も、うるさ」
半目でシーツを抱えたまま上半身を起こすつくし。
シーツの脇からのぞく小さなふくらみの脇に、明らかにそれと分かる
赤い跡が見えた。
疑いのまなざしの司。
「え、知らないよ」
「おまえ、別のおとこと・・」
「は? んなわけないじゃん。あんたがさっきつけたんじゃないの?」
「おれはこんなん知らね・・そうか それもそうだな」
「バカ」
再度シーツにもぐりこむつくし。
相変わらず胸の前に司がやってくる。
「なあ、おまえミルクとか出せねえの」
閉じかけた目を思わず見開く。
「んなもん出せるかっ」
「おまえってケチっつーかビンボくせえよな」
「あんたケチってそーゆう問題じゃ・・」
「いーじゃん、愛に餓えてんだもん、おれ」
つくしの手をじぶんの首にかけ抱きつかせ、甘えたように見つめる。
「ふ、ふ〜ん」
拗ねたような顔の司には、つい甘くなってしまう。
こうやって肌を重ねあう時、さりげなくリードをする司が、大人の男のように感じていた。
体ごと受け止めてくれる大きな安心感、その図体も態度もでかい男が
自分の腕に入り込むように甘えてくるそのギャップが愛しい。
329名無しさん@ピンキー:04/06/17 21:49 ID:J/6ndsBY
わ〜い、新作だよ〜。うれしいな。甘えんぼな司かわいいね
330名無しさん@ピンキー:04/06/17 21:53 ID:A6I2UHt1
ふくらみの先にある小さな突起が舌で転がされる。
さっきまで眠っていた体が、敏感さを取り戻してくる。
(あ・・さっきしたばかりなのに・・)
平静を装うとすればするほど体が反応しそうになり、
つくしは思わず足をモゾモゾと動かした。

「感じてんの?」司がニヤリと笑う。
「ちがうよ、寝返りっ」
照れ隠しでつくしは仰向けになった。
シーツを手でよけ、上に乗っかってくる司。
「ふーん、でもここはこんなんだけど」
つくしの堅く尖った乳首に舌先を下からそっと当て、見上げる司。

「なにしたい?」
「・・ばか」
つくしは司に背中を向けた。
「いーじゃん言えよ」
背中からつくしをぎゅっと抱きしめる
・ ・あ・・
司に何度抱きしめられても、ドキドキしてしまう。
でも多分、このドキドキは自分だけではないと思った。
薄いシーツ越しに、司の堅く熱いものがあたっているのが分かる。

「道明寺の考えてることといっしょっ」
「・・ふん、しゃーねーな勘弁してやる」
331名無しさん@ピンキー:04/06/18 01:31 ID:uoVrcExe
甘える司(*´Д`*)ハアハア
つづき待ってまつ
332名無しさん@ピンキー:04/06/18 09:25 ID:HOjaSxeo
「はあっはぁっ・・・」
ベッドの背にもたれ、足を開かされたつくし。
華奢な膝と白い太ももを押さえつける司の腕の力が少し強い。
「やだ、恥ずかしいよ道明寺」
その声が聞こえないかのように、顔をうずめ秘部をむさぼる。
荒い息づかいと対照的に割れ目をやさしくなぞる舌。
何度も何度も茂みをかきわけ、中へ入ってこようとする。
ソフトクリームをすくい舐めるように、
下から何度も舐めあげる司の長いまつげを見て、
つくしは恥ずかしさのあまり、赤く染まった顔を手で被った。
司の執拗な舌の動きが、小さな突起をとらえた。
「ああっ・・・だめだよ、だめ 変になっちゃうっ」
M字にされたつくしの踵が何度もシーツをなぞり、衣擦れの音になって響く。

「ならやめるか?」
つくしをためすような表情で、口の端で舌なめずりをした。

「あ・・・・・・」
「あぁ? 聞こえねーな」
つくしは羞恥心でいっぱいになり、泣きそうな顔になる。   
「・・やめちゃ・・」
「やめちゃ・・?」
「・・・やだ・・・」
333名無しさん@ピンキー:04/06/18 09:29 ID:HOjaSxeo
その声が届く間もなく、つくしの唇は塞がれた。
口の中でその熱を持った舌が何度もうねる。
自分のそこをトロトロに溶かすその舌が愛しくて、つくしもその愛に答える。
司にしがみつき、何度も何度も深いキスをする。
塞がれた口元から、喘ぎ声にならない息がもれる。
「ん・・ふ・・ん・・」
もうこれ以上一つになれないと思うほどに、力強くて甘いキス。
よりかかった体勢から、そっとベッドに寝かされる。
司の細く長い指がつくしの顔を撫で、耳たぶから首筋、胸へとおりていく。
ずっと前から尖って敏感になっていた蕾を刺激され、体がビクンと動く。
「ぁああっ・・・」
摘むように転がされ、そして次第に乳房全体を愛撫する。
しがみつくつくしをゆっくりと剥がすように、
指のなぞったあとを追って、キスが下へおりて行く。
顔、耳たぶから首筋、胸、そしてその敏感な蕾を司が口に含んだ。
「ああっ・・あぁ・・・」
つくしは自分の女の部分から、いやらしい液がさらに溢れて出るのを感じて
体を捻った。
愛撫する部分を舌にとられ、彷徨っている司の手が、腰を撫で尻をまさぐり
その双丘の間から、もうすぐそこに到達する。
もうすぐ、という期待で、もれる息をひそめるように意識がそこに集中する。
しかし、ねっとりと転がされる胸の蕾が、快感を主張する。
「ああっ・・あああっ」
「やべーよ、おまえ、すげぇ可愛い」
そういって、ぐっしょりと濡れたその奥へと少し乱暴に指が入ってくる。
334名無しさん@ピンキー:04/06/18 21:37 ID:HOjaSxeo
「やっ はああっ  あああっ  んん・・」
再び唇はキスで塞がれる。司が奥へ奥へと自分を求めてくるのが分かる。
「はぁあっ はぁっ」
指で体の中を激しくかきまわしながら、司は唇を離し、つくしの頭を抱え抱き寄せた。
「ああっ もうだめっ ああっ あああっ」
「それ・・声・・・すげー興奮する・・も限界」

腰を持ち上げ一気につくしの体を突きあげた。
「あんましめつけんなよ」言葉と裏腹に声が喜んでいる。
「あああっ」
何度も何度もピストンを繰り返す。
汗と愛液の境目が分からないほど、激しく愛し合う。
汗ではりついたつくしの前髪を、そっとかきあげ額にキスする。
腰をかかえ体を重ね、時に体を離し突き上げる。
「道明寺・・おねがい、手・・」
「司っていえよ」
司とつくしの指が絡み合い、より深く抱き合う。
「あっあっ ああっ つか・・つかさ」
「っ・・・・やべ、イキそ・・」
司が切なげな表情で息をもらす。
その声を聞いて、つくしの子宮が反応する。
「つかまえてて、あたしのこと・・ぎゅっと」
「ああ」
「つかまえ・・あっあっ・・ああああぁっ」
つくしの体が小刻みにふるえ、司も同時にのぼりつめた。
335名無しさん@ピンキー:04/06/18 21:41 ID:HOjaSxeo
呼吸が穏やかになってしばらくして、司の胸の中で、
つくしはようやく落ち着き。ケロリとした表情で言った。
「道明寺、自分で出たね」
「は?」
「ミルク」
「ぶっ おめー女のくせに、はしたねえこと言うんじゃねえっ」
「なんで」
「簡単にそんなこと口すんな」
「だって道明寺が先に言ったんじゃん。ミルク出せねえのって。こーんな顔して」
「ぐ・・・るせえっ」
枕につっぷす司。
「ちょっと、なんで」
耳が赤く染まっている。
さっきまで自分をいやらしく責めていたのに、こんなちょっとしたことで
照れたりする司を改めて愛しいと、つくしは思った。
そしてつっぷした顔をグイと横に持ち上げ、言った。
「とにかく、す、好きだからね」コホン。
しらじらしいせき払い。
「//////////////・・・知ってる」
もう一度、司の腕にくるまれ、二人はお互い笑顔になった。

=おしまい=
336名無しさん@ピンキー:04/06/19 00:50 ID:TeBCeAdk
乙!良かった!
道明寺の「なにしたい?」「いーじゃん言えよ」がツボですた。
又書いて下さい。

ほんと新作が読めるのって嬉しいや。作家さん方ありがとう。
337名無しさん@ピンキー:04/06/19 20:23 ID:R3qT9jNa
読んでくださった方、ありがとうございます。
他の方のと、重なる部分もあったかもしれないですが、
でも、懲りずにまた書いてみたいです(・∀・)
338名無しさん@ピンキー:04/06/20 01:51 ID:HV5KSsan
・゚゚・*:.。゚(n‘∀‘)η゚・*:.。゚゚・*乙津!
甘系の次は攻め系が見てみたいでつ
つくしが司に攻めてるのとか
339名無しさん@ピンキー:04/06/26 23:06 ID:x6RX4scx
誰もいない・・(´Д`;)
340名無しさん@ピンキー:04/06/27 22:25 ID:ByF5ifWC
久しぶりに覗いたら新作が!!!!
作家さんたちありがとう。
また書いてください!
341名無しさん@ピンキー:04/06/29 22:13 ID:UKFB7CZv
とりあえずage
342名無しさん@ピンキー:04/06/30 11:09 ID:ou2Uxl65
「つくし、今日は・・・・だめ?」
俺は横で寄り添っている妻に聞いてみる。
こんなにのんびりしている夜は久しぶりだ。
のんびりしている夜に俺がしたいことなんて・・・・決まってる。

俺の横で恥じらいながら、申し訳なさそうに、目を伏せて・・・
答えに困っているつくしをみて

「今日は・・・・だめな日・・・・か」

察する俺は、それでも、一応説得を試みる。

「俺は・・・・気にしないよ?」

断られるとわかっていても、やっぱり駄々をこねたくなる俺。
343名無しさん@ピンキー:04/06/30 11:15 ID:ou2Uxl65
「でも・・・・」

予想通り、戸惑うつくしを確認して・・・・
そう、こいつは、こういう女だったと確認する。

愛する女を困らせるために俺はそばにいるんじゃない。

「いいよ、手繋いで眠るだけでも。もっとそばにおいで」

「類・・・・・・」

いつもなら、ベッドに座っている俺の横にやってくる彼女が、なぜか
俺を正面から見下ろしたまま立っている。

「?」

「男の人はどうしたら、いい気持ちになるの?」

344名無しさん@ピンキー:04/06/30 11:22 ID:ou2Uxl65
気がつくと。つくしは俺の真正面に座り俺の分身をそっとズボンから出し
握っていた。

「あたしも本当は類とひとつになりたい、もっと近くに感じたいの。でも今日は
だめだから・・・・あたし・・・・どうしたらいいのか、わからないんだけど。でも
類にあたしの気持ちが少しでも伝わるんなら・・・・・」

動揺すると饒舌になるのは彼女の癖・・・・
それだけ、必死になってしてくれようとしているオンナを・・・・
俺が愛せない訳もなく・・・・・
345名無しさん@ピンキー:04/06/30 11:29 ID:ou2Uxl65
つくしは、そっとおれの分身に唇を寄せる。
俺はもう、それだけで、まぶたが半分しか開いてないような
まぬけた顔になっている。

「ん・・・・」

俺はたまらずに、声を出す・・・・
こういう行為が初めてなわけじゃない。
でも。それを。
自分が迷いもなく愛しているオンナが・・・・・・
意を決したような熱さで・・・・・
俺への気持ちを流し込んでくるために・・・・・・
しているのかと思うと、俺はもうそれだけで果てていきそうだった
幸せだと・・・・・思った
346名無しさん@ピンキー:04/06/30 11:37 ID:ou2Uxl65
つくしの口が俺の全てをおそるおそる咥えこんでいく・・・
最初はおそるおそるだったのだけど
俺の喘ぐ声や。反応を見て。
音を立ててなめたり
先っぽをちょろちょろなめて見たり
出したり入れたりを繰り返していく。

俺は話すことも出来なくて
「はあっ・・・くっ・・・・」
必死で息をすい、天井を仰ぎ、余裕をナクシテイク・・・・
347名無しさん@ピンキー:04/06/30 11:47 ID:ou2Uxl65
気がつくとぴたりとその行為が止み・・・
「?」
目の前につくしの潤んだ瞳が間近にある。
「類・・・気持ちいい?こんなで、いいの?」
つくしの目が、艶っぽく光っている。
ああ、もう、たまんない・・・・。そんな目で今の俺を見るなよ。
こいつ、俺が今どんだけ気持ちいいか、見てわかんないのか・・・・
相変わらず鈍感・・・・

「なんか・・・類のためにしてるのに、アタシも気持ちよくなってきた」

頼むから・・・・今ここでそんなセリフいわないで・・・・
俺は心の中で懇願する
「気持ちいいから・・・続き・・・してくれる?」
俺は今度は言葉に出して懇願する。
348名無しさん@ピンキー:04/06/30 12:02 ID:ou2Uxl65
つくしの息と俺の息が同じくらいの荒さになっていく。
つくしは、俺を潤んだ目で見つめながら・・
視線をはずさないまま俺を見つめている。
オンナになっている目。
その顔を近くで見せられて、分身を両手でしごかれて
俺はもう、つくしのされるがままになっている。
「そ・・・んな見るな・・・」
「だって・・・・見たい・・・よ。類だっていつもアタシのイクときの顔・・・
見てるんでしょ・・・・」
「今度・・・・覚悟・・・んっ・・・しといて・・・・はあっ!」

俺はたまらず、つくしにキスをする。
もう、無我夢中で貪るように荒いキスをする。
その荒さがつくしの手の動きにも移ってゆく・・・・

「で・・・そう・・・」
「いいよ、いっぱい・・・・出して」

「くっ・・・・うっ・・・!」

そうやって、勢いよく放ってしまった俺・・・・
まるで、これじゃ、まだ青臭い高校生がマダムにやられてるみたいじゃないか・・・
そんな自分の余裕のなさにつくしをしばらくまとみにみれない俺がいた。

349名無しさん@ピンキー:04/06/30 13:16 ID:ou2Uxl65
体の熱がいくばくが冷めたあと
二人で手を繋ぎながらベッドの中にいた。

「類・・・・どうだった・・・?」
つくしがためらいがちに俺に聞く。
「ん・・・・」
俺は、余裕のないかっこ悪い自分を思い出し少し素直になれずに、
そっけない返事をする。
「いや・・・・だった?あんなこと・・・・」
「あんなことって?どんなことだっけ?」
無表情に言ってみる。


350名無しさん@ピンキー:04/06/30 13:17 ID:ou2Uxl65
「・・・・・・怒ってるの?」
だんだん、不安そうになってくるつくしの声。

しょうがないな・・・・・

「どうしようかと思うくらい気持ちよかった。もう、俺はつくしがいないと
生きてけない」

「もう・・・・からかわないで!アタシすごく勇気がいったんだからね!
 でも・・・類が好きで好きで、気づいたらああなってた。類のせいなんだから・・・」

からかってるわけじゃなくて・・・本気なんだけどな。
ほんと、あきないオンナ・・・俺を狂わせていくオンナ・・・・

ああ、でも満足。よく寝れそう。

「おやすみ・・・」

「もう!・・・・・」

怒ったような口ぶりとはうらはらに俺の手を愛しそうに握ってくるつくしの手を
握り返しながら、俺は気持ちよく眠りに入っていった
351名無しさん@ピンキー:04/06/30 17:43 ID:FpWuO3qv
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!

職人さんありがとう!
352名無しさん@ピンキー:04/07/01 02:15 ID:52Z2NVzE
乙!久々の類だ!嬉しー。
余裕のなさにそっけない態度とる類カワイイ(゚∀゚)
今度はダメじゃない日に最後までいくの、また書いてくださいね。
353名無しさん@ピンキー:04/07/08 13:53 ID:cJYtlMkJ
今頃花男萌え・・そして花男飢え(´ω`)
354花火:04/07/10 16:35 ID:qiUzZnjS
数ヶ月ぶりにNYの道明寺邸を訪れたつくしを待っていたのは、思いがけないプレゼントだった。
『今度おまえが来た時に渡そうと思ってたんだ。』
司はリボンがかけられた小さな箱を取り出した。
『シャンネルで特注して作らせた。おまえをイメージした香りだぜ。』
『ええっ!…シャンネルで特注?!』
驚きのあまり目を丸くするつくしにお構いなく、箱をぽんと手渡す。
『開けてみろよ。』
司に促されすべらかなシルクのリボンを恐る恐る解く。
包みをそっと開き小さな箱を開けると、中から出てきたのは重厚感のある小さな瓶。
TSUKUSHI≠フ文字がさりげなくほどこされている。
『今度はスペル間違えなかったんだね…っていうことは、この瓶もハンドメイドなわけ…?』
『ああ。それにこれ作るために南フランスでジャスミンの花畑借りたんだぜ。』
想像を遥かに超えた次元の話をさらりと言い放つ司にめまいを覚える。
『あんたそんな事までしてたの!?そんな高級すぎるのあたしに合わないって!』
『んなことねえよ。おまえにぴったりな香りだぜ。』
司に勧められ、軽く指先にスプレーしてみる。

女性的な甘さの中に秘められた男性的な強さ。
つくしが芽吹く早春を思わせるようなやさしさ。
荒れた大地にも根を張り、踏まれてもまっすぐに伸びる力強さ。
風にしなやかに揺れながら新たな命を育む豊かささえも感じさせる香り―
355花火:04/07/10 16:37 ID:qiUzZnjS
専属の調香師から香りを作るときの参考にするとか言われて、おまえの性格とかいろいろ伝えたんだぜ。』
司のニヤニヤとした顔に、つくしの勘がぴんと働く。
『まさか、がさつで可愛げのない女≠セなんて言ってないでしょうねっ?!』
軽く睨みつけたつくしに、司は思わず吹き出す。
『ああ、可愛くねえ女≠セって言っといたぜ。』
『あっ、ひどいんだから!もう!』
つくしから繰り出されたパンチを余裕でかわすと、部屋のすみにある古時計に目をやった。
『おっと…そろそろ夕食の時間だぜ。おまえ、久々の2人きりのディナーにジーンズは色気ねえだろ?ちょっとめかして来いよ。』
『えっ?もうそんな時間…?じゃあ、ちょっと着替えてくる。』
司はゲストルームへ向かおうとするつくしの肩を抱き寄せそっと耳打ちした。

『今夜、キスして欲しいとこにそれつけて俺んとこに来いよ。』

『え…?』

思わず赤面するつくしの額を軽くぴんと弾く。
『おまえ、その赤面するクセやめろ。こっちまで伝染りそうだぜ…。じゃ俺、先にダイニングルーム行ってっからよ。』
司は、照れ隠しのようにくるりと背中を向け、足早にダイニングルームに向かった。

『キスして欲しいところ…?』
356花火:04/07/10 16:39 ID:qiUzZnjS
久々の2人きりの夕食は和やかなひとときとなった。
『家じゃいつもひとりで飯食ってるからな。誰かと一緒なんてすっげーひさびさ。』
微笑ましい二人の姿に、道明寺家の使用人達からも自然と笑みがこぼれる。

夕食の後、ゲストルームに戻ろうとしたつくしに、念を押すように司が囁いた。

『さっき言ったこと、忘れるなよ。』

―キスして欲しいとこにつけて来い―

つくしは、バスタブの中で、司の言葉を何度も反芻する。
湯に浸かり過ぎたせいか、躰が熱い。
少しのぼせてしまったかもしれない。
そう思いながらバスタブから上がり、躰を拭きながら、ドレッシングルームの鏡の前に立つ。
濡れた髪を整えながら、カウンターにあらかじめ置いておいた香水の瓶に視線を落とす。
思いがけない突然のプレゼントに、まだお礼さえも言っていなかった事に今更のように気づく。
香水の瓶を手にとり、胸にあてる。
熱くなった肌に硝子のひんやりとした冷たさが染みる。
357花火:04/07/10 16:40 ID:qiUzZnjS
―キスして欲しいところ―

司の唇が躰を這う様を想像し胸が疼く。
うなじ、耳、胸元、手首。香りをつける場所に思いを巡らせる。

―キスして欲しいところ―

小さな瓶を握りしめ、鏡に映る自分の裸身をぼんやりと見つめる。
淫らで欲深な想いがつくしの心を突き動かす。

つくしは意を決したように、香水の瓶を頭上に捧げるように掲げた。
司の柔らな唇を想いながら、空に向かってしゅっと一吹き香りを振りまく。
爽やかに広がる柑橘の香りを胸いっぱいに吸い込み、静かに瞼を閉じる。
空に舞い上がった香水は、霧雨のようにつくしの躰に降り注ぎ、裸身に香りを纏わせる。
やがてつくしは何かに目覚めたようにゆっくりと瞳を開くと、素肌にガウンを羽織り司の部屋へと向かった。

358花火:04/07/10 16:43 ID:qiUzZnjS
司の部屋の扉をノックしたのは約束の時間より少し遅れてのことだった。
『あの香り、つけて来たな。』
司は満面の笑みを浮かべながら、つくしを招き入れる。
ガウンの上半身をはだけた司の姿に、つくしの胸に秘めた欲望がさらに疼きを増す。
ベッドへ誘われ、抱きしめられると、司が纏っているいつもの香りがつくしをふわりと包み込む。
『すっげえいい匂いがする…。』
つくしの髪に顔を埋め、耳元をくすぐる。
『ここからも…。』
ガウンの合わせ目を開くと、さらに香りが広がる。
『首筋からも胸元からも…』
司はつくしの躰から匂い立つ香りの源を探りあてようとする。
『なあ、どこにつけたんだよ?』
うっすらと頬を染めて黙り込むつくしの姿に、つい意地悪な心が芽生える。
『どこにつけたのかわかんねーんじゃ、キスしようがねえな。』
わざと意地悪な口調でつぶやきながら、つくしの乳首を軽く捻る。
『あっっ…。』
つくしの乳首は捻られた形のまま硬く尖ってゆく。
『言えよ…。』
胸に抱かれ背中を撫でられる。
司の匂いに包まれ、抗いがたい衝動に駆られる。
『躰中に香りを浴びたの…。』
司の匂いと交わりたい。その一心で口にした言葉。
それでも司はまだ満足しようとしない。
359花火:04/07/10 16:44 ID:qiUzZnjS
『なんで、んなことした?』
さらにつくしの想いを確かめようとする。
そんなことを言わせないでと訴えるように見上げても、司のまっすぐな瞳はそれを許さない。

『あたしの躰全部にキスして欲しかったの。だから…その…。』

淫らな欲望を口にしてしまった事に後から恥かしさを覚える。
『何言ってるの…あたし…。』
脱がされたガウンを引き寄せよせ、司に背中を向ける。
司は小さく背中を丸めたつくしを背後から抱きしめ、髪に唇を寄せる。
そっとガウンを取り上げ、乳房をやさしく揉みしだきながら唇を奪う。
『んっ…』
ゆっくりとつくしをベッドに横たわらせ、愛しそうに見つめる。

『おまえの躰全部にキスしてやる。』

司の言葉に、つくしはこれ以上ない幸福な笑みを浮かべた。
360花火:04/07/10 16:46 ID:qiUzZnjS
髪、耳元、唇。そこから先は数え切れないほどのキス。
雄が雌を誘うように、雌が雄を求めるように、互いの香りに引き込まれてゆく。
つくしは赤ん坊のように手を握り締め、司の唇に身を任せる。
意地悪く捻り上げられた乳首に、やさしい愛撫とキスが繰り返される。
乳房から、わき腹へとゆっくりと唇を這わせながら、指先はつくしの敏感な部分をやさしく探る。
つくしの脚をやさしく開き、膝を折る。
敏感な芽を口に含み、そっと舌を這わせる。
『はあっ…』
充血した小さな芽を愛でながら、腕を伸ばし、つくしの乳房をやわらかく揉みしだく。
『はあっ…ああっ…』
二重の悦びに、つくしは鼻にかかった甘い声をあげる。
やがて司の唇は熱い雫が溢れているところへと辿りつく。
361花火:04/07/10 17:02 ID:qiUzZnjS
『ああっ…』
雫をすすり、舌を秘部へと忍ばせる。
そしてふたたび雫をすすった舌で小さな芽をやさしく舐め上げる。
『あんっ…』
痺れるように達してしまったつくしは、潤んだ瞳で司を見つめる。
その視線を察し、つくしに腰に纏っていたガウンのベルトを解かせる。
『行くぞ…。』
久しぶりに交わるつくしの感触を確かめるように自らを埋めてゆく。
『はあっっ…』
繋がりあって熱を持った肌が、互いの香りを揮発させてゆく。
『いい匂い…。』
躰の熱気と入り混じった白檀の香りがつくしの鼻腔をくすぐる。
『俺とおまえの匂いだ…。』
そう囁きながら、つくしの躰をさらに奥深く貫く。

362花火:04/07/10 17:04 ID:qiUzZnjS
『ああんっ…』
つくしの中の心地良さに、腰を擦り上げる。
『ああっ…あっ…』
その腰遣いに、つくしは切ない喘ぎ声を漏らす。
つくしを高みへ導くように、司は自らを打ちつけ、揺すり上げる。
『ああっ…もう…』
つくしの呼吸が深くなってゆく。
『待ってろ…俺も一緒に…』
つくしの頭に手を添え、腰をさらに振るい続ける。
『ああっっん…』
つくしが弓なりに背をそらした瞬間、司は息を弾ませながら自らを大きく脈打たせる。
『んっっ…』
つくしは、司の腰に手を添え、最後の脈を深く受け入れる。

『愛してる…。』

照れ屋のつくしの方から囁かれたその言葉に、司の胸が熱くなる。
つくしの乱れた髪を手櫛で整えながら、熱を帯びたその躰をやさしく抱きしめる。
2人の交わりあった香りが、濃密な空気を醸し出す。
『もうずっと…このままでいてえな…。』
数日後に待っているつくしの帰国。つくしを抱く手に、自然と力がこもる。

『ありがとう。こんなに素敵な香り…。』

同じ想いを伝えるように、つくしは司の背中に腕をまわした―
363花火:04/07/10 17:07 ID:qiUzZnjS
ご無沙汰しております。

ここ数ヶ月プライベートの方が忙しく、ROMもままならない状態でしたが、
少し時間に余裕が出来たので、久しぶりに書いてみました。
ココ・シャネルの名言『キスして欲しいところに、香水をスプレイするのよ。』
にヒントを得たお話です。

神尾さんの新連載開始で、もう花男は読めないのかな…と思うと一抹の寂しさが。
短編の読み切りでいいので、年に一度くらい花男を書いていただけないかなと願う今日この頃です。
364独立記念日:04/07/10 20:12 ID:WZelAP9M
スミマセン。
今までロム専門だったのですが、花火さまの久々の登場の嬉しさに
図々しくも顔を出してしまいました。
いつもながらの素敵な文体に感動しつつ、身もだえしています。
こちらの作品も花火さまのサイトに仲間入りするのでしょうか。
とても楽しみです。
花火さま始め、皆様に次の作品を楽しみにしております。
お目汚し、大変失礼いたしました。
365名無しさん@ピンキー:04/07/10 21:11 ID:aUvNfi6p
花火さん。ありがとうございました。
司×つくしに飢えていた今日この頃、久々に萌えますた(;´Д`)ハァハァ
実際に香りが漂ってきそうな、素敵な作品でしたわあ。
お忙しいこととは思いますが、ぜひまた書いてください。お待ちしてます。
366名無しさん@ピンキー:04/07/15 19:38 ID:rFS/xBiC
総二郎ファンの方、いませんかー?
367名無しさん@ピンキー:04/07/16 18:05 ID:6/ATMuUa
花火さん、新作ごちそーさまでした!
また書いて下さい。
368名無しさん@ピンキー:04/07/17 15:13 ID:YmADMTY5
ルイルイ読みたい
369一類ファン:04/07/17 19:41 ID:HHT9ExyE
同じく!
花火さんお帰りなさい。
370370:04/07/18 07:50 ID:JewcTdFq
ルイルイ希望
371370:04/07/18 07:52 ID:JewcTdFq
ルイルイ希望
372名無しさん@ピンキー:04/07/18 09:56 ID:Fv7HqjGP
どなたかルイルイを・・・
ルイルイをお願いします。(><)
373名無しさん@ピンキー:04/07/18 21:23 ID:SK4x/FeQ
ルイルイ書いてみたんだけど、なかななエチーにならない…。
自分の中で、つくし&道明寺というカプが出来上がっているから、
つくしを類に傾けるシーンから書かないとノッテこないのですよ。
でもそうすると、前置きばっか長くなっちゃって、
花小なんちゃらみたいになっちゃうの。
あ〜、書きたいけど書けない〜〜っ…
374名無しさん@ピンキー:04/07/19 01:00 ID:H6RhGm9T
>373
前置き長くてもいいから是非書いてほしいです。
ルイルイ読みたい!
最近はupも少ないから、多少長くなっても大丈夫じゃないかな?
375一類ファン:04/07/19 20:29 ID:d+n77yFi
私も長くていいから読みたいです。
と言うか、Hシーンはそれほどエロくなくてもいいのいいの。
ルイルイのお話に浸りたいだけだから。
ぜひ読ませて!
376名無しさん@ピンキー:04/07/19 21:38 ID:H2qQZncF
本当にエチシーンがないのよぅ!
前置きばっか長くってゴメン。
自分の中のつくしがなかなか類に心を開かなかったばっかりに。
今更ながらカミオさんの苦行が偲ばれるわ。
でもやっと心を開いたようなので、前置きだけだけどUPします。
このあと、滞りなくエチしてくれるといいんだけど。
377名無しさん@ピンキー:04/07/19 21:41 ID:H2qQZncF
休み時間には、相変わらず屋上に行く。
そして、相変わらずそこでまどろむ花沢類に会う。
この空間だけは変わらない。
暖かなコーヒーの湯気のような、花沢類だけが持つ、独特な空気。
「おはよ」
いつもの笑顔であたしを迎えてくれる。
「おはよ、花沢類」
この人は、いつだったか、海ちゃんの笑顔を真似るように愛想笑いをするあたしを、叱ってくれた。
叱ってくれたこの人のためにも、早く本当の笑顔を取り戻さなくちゃ。
そう思うけど、やっぱり道明寺の冷たい視線に耐えられない。
「…昨日、司のとこに行った?」
「…ううん、行ってない」
「どうして?」
「…うん…」
「…何かあったの?」
心配そうに俯くあたしを覗き込むように、花沢類が訊いて来る。
これ以上、心配かけるわけには行かないよね。
「…ううん、バイトがいつもより早い時間だったから、行けなくて」
愛想笑い、と言われない程度に微笑んでみる。けど。
「嘘が下手だな」
驚いて顔を上げると、花沢類が真剣な表情であたしを見ていた。
「う、嘘なんかじゃ」
「昨日だけじゃなくて、その前も、その前の日も行ってないだろ?」
言葉に詰る。どうして知っているの?
「悪いけど、調べさせてもらったんだ。バイトだって、暫く行ってないだろ?」
あたしの表情を読んだのか、心を見透かしたように言う。
「…司のこと、諦めたの?」
378名無しさん@ピンキー:04/07/19 21:41 ID:H2qQZncF

「…司のこと、諦めたの?」
核心を突く質問。イヤだ、この人。そんな真剣な顔で訊かないで。
目に涙が浮かぶ。泣きたくない、こんな時に。
「…ニューヨークの時にも言ったけど、支えになりたいんだ。…俺じゃ頼りない?」
「そんな、そんなことない…。だけど…」
「だけど?」
「花沢類には、迷惑ばっかりかけてる。これ以上は、もう…」
「俺が自分から迷惑かけて欲しいって言っても?」
花沢類の言っている意味が判らない。どういう意味?
「あんたはやっぱ思ってることが顔に出るよね」
ふっ、と笑う花沢類。でも次の瞬間には、また真面目な顔に戻ってる。
「…頼りにして欲しいんだ。いや、もっとダイレクトに言うよ。俺は司の代りにはなれないかな」
「えっ?!」
思ってもいない言葉。そりゃ、ニューヨークでそれっぽいことは言われたけど。
なんでこんな時に?何考えているの、花沢類?
「恋人に忘れられるなんて絶望的な状況で、お前、本当に良く頑張ってると思うよ。なんつーか、…健気でさ」
一つ呼吸を置いてから、続ける。
「だから、支えになりたいんだ。…司が記憶を取り戻すまでの間、俺を利用すると思ってさ」
「そん、そんなことできる訳ないでしょ!花沢類を利用するなんて…」
必死で拒否したのに、花沢類ったら、いつものようにくくっと笑うんだから!
「じゃ、俺が勝手にそう思うことにするよ。決まりね」
そう言うと身体を翻して屋上から姿を消した。あたしの返事も聞かずに!
379名無しさん@ピンキー:04/07/19 21:42 ID:H2qQZncF
ある日の放課後、花沢類に連れて行かれた場所は、見るからに高級そうなブティックだった。
「もうじき、あきらの誕生日があるから、ドレス、用意しとこうと思って」
正直驚いた。花沢類って、着る物にあまり頓着しないタイプだと思ってたから。
「司の誕生日の時は、司の姉さんの借り物だったからさ。…って、あまり気が進まない顔してるね」
…花沢類に表情読まれるのは、慣れてしまったわ。
「判ってるよ、あんたがこういうこと好きじゃないのはさ。ただ、あんたが着ていくものに困るのは、俺としてもイヤだから」
「別に困らないわよ、持ってる服、コーディネートして…」
「そう言うと思ったから、ここに連れてきたんだ。値段を見てごらん」
そう言われて手短な服の値段を見てみる。…え?なにこの値段…。あたしでも頑張れば買えるような値札。
「ここは、あんたが引いてしまうような高級ブティックじゃないんだ。この程度なら、俺にもプレゼントさせてくれるよね?」
「…花沢類…」
「さ、選んで」
言われるままに何着かを選んで試着してみる。その度に花沢類は見立ててくれ、彼の意見を交えながら、なんとか一つのドレスに辿り着いた。
「うん、かわいい」
「サイズもぴったりですね」
店員さんと花沢類の顔を交互に見る。
「へ、変じゃない?」
「かわいいよ」
そんな笑顔で言われると、思わず顔が赤らんでしまいそうだ。
「じゃ、これで」
花沢類が店員さんに購入意思を伝える。あたしは制服に着替えるために試着室へ戻る。
花沢類のあの笑顔。このドレスに着替えたあたしを見て、頬を綻ばせたあの表情。
顔は思ったとおり赤い。心臓が今までにないくらいバクバク言っていた。
あたしの心臓、どうにかなっちゃうんじゃないだろうか…。
380名無しさん@ピンキー:04/07/19 21:43 ID:H2qQZncF
あたしを送ってくれる道すがら、公園のベンチに座って一休みすることにした。
あまりにも申し訳ないので、あたしは近くのファストフード店でコーヒーを買った。
お世辞にも美味しいとはいえないコーヒーを、花沢類は文句もいわずに飲んでくれる。
とにかく、ドレスのお礼を言わなくちゃ。
「…ありがとう、花沢類…」
しかし、お礼も言い過ぎると価値がなくなっちゃうんじゃないかと思うわ、これだけ言うと。
「いいよ、俺がプレゼントしたかったんだから…正直、嬉しいよ」
「嬉しい?」
「うん」
にこやかなあの表情。ああ、また心臓が良くない動きをし出した。
「俺、牧野に何かをプレゼントしたことなかったからさ」
「そんなことないよ。貰ったよ、プレゼント」
少し残念そうな声を出してしまった。ニューヨークで貰ったあのお花は、あたしにとってはとっても大切なものなのに。
花沢類は、忘れてしまったの?
「覚えててくれたんだ」
「もちろんよ、あれはあたしにとって…」
次の言葉を言おうとしたあたしの唇は、花沢類の唇によって塞がれた。
驚いて固まってしまったあたしの肩を抱くようにして、優しく唇を味わっていく彼。
何秒でもないキスは、とても長い時間のように思われた。
「は、花沢類っ…」
ここは、公園のベンチ。他の人の目もあるのに!
「うれしい」
「え?」
「牧野があの花のこと、覚えててくれて、うれしいよ」
「花沢類…」
「たった2ドルの花だけどさ。なんか、うれしい。…正解だったな」
「え?」
「初めて稼いだ金で、牧野にプレゼントしたこと、正解だった」
無邪気な顔で笑う花沢類を、あたしは初めて見たと思う。
そんな花沢類を見ていると、胸の奥が痛むように切なかった。
花沢類…。
381名無しさん@ピンキー:04/07/19 21:43 ID:H2qQZncF
それから数日後、あたしは花沢類に連れられていったブティックに、優希を連れて行った。
こんなに穴場なお店はなかなかないもの、優希にも教えておきたかった。
「ここよ、ここ。見た目よりも、ずっと安いんだから!」
「え〜…?そうは見えないけど…」
優希も半信半疑だ。そりゃ、そうよね。この外観からして、あんなに安いとは思えないもの。
「本当なんだから、ささ、入った入った」
「う、うん…」
外観にちょっと引き気味な優希の背中を押しながら、中に入っていく。
「ほら、値札見てみて。そんなに高く………えっ?!」
近くにあったワンピースの値札を示しながら、言おうとした台詞を飲み込む。
こ、これ、すっごく高いじゃん!前に見たのより、一桁違う!!
「ど、どういうこと…?」
「つくし、それはこっちが聞きたいわよ」
優希も値札を見て愕然としていた。
「あんた、目がどうかしてたんじゃないの?」
声を顰めて言う優希。さすがに店員さんの目を気にしたらしい。
「でも、本当にこんな値段じゃ…」
「あら、先日、花沢様とご一緒にいらっしゃった方ですね?」
あの時に対応してくれた店員さんが声をかけてきた。
「そ、そうです。…あの、この値段…」
「あ、値札ですね…これは、花沢様に口止めされているのですけど…」
「な、何をですか?」
「あの日、当店は花沢様の貸切となっておりまして、全商品の値札を取り替えたのでございます。出来るだけ、不自然じゃないくらいの値段にしておいてくれと前もってご要望がありまして」
「そ、そんな…」
「ですから、本来の当店の表示価格は、今現在の値札の価格でございます」
唖然としたまま、そそくさと店を出た。
優希はただただ、花沢類の行動力に驚いていた。
「花沢さんって、見えないところで、つくしの力になろうとしてくれているのね〜。…本当に素敵ね、F4って」
優希の言葉を聞き流しながら、あたしは別のことを考えていた。
…花沢類、なんでこんなに良くしてくれるの?
こんなにしてもらって、あたし、お礼のしようがないよ…。
382名無しさん@ピンキー:04/07/19 21:46 ID:H2qQZncF
2月28日。美作さんの誕生日。
あたしは、花沢類のエスコートで美作邸へ行った。
着ているドレスはもちろん先日のブティックで花沢類にプレゼントされたもの。
まだ、事実を知っていることを、花沢類には告げてない。
折角の花沢類の好意を、無駄にしたくなかったから。でもいつか、本当は知っていたことを告げなくちゃ。
でも、お礼のしようがないんだけど…。
「牧野、今日、すっごくかわいいよ」
花沢類が嬉しそうに笑う。本当に、この人、よく笑うようになった。
「そ、そうかな」
「うん」
微笑を崩さずにこっちを見る。
「なんでかな、牧野といると、嬉しいことが多いんだ。何か、幸せっていうかさ」
「…花沢類…」
花沢類の瞳。茶色のビー玉みたいな瞳。見ていると吸い込まれそう…。
「よぉ、お二人さん」
西門さんが声を掛けて来た。相変わらずキマってる。さすがは名高いプレイボーイって感じ。
「場所も憚らず見つめあったりして」
「み、見つめあってなんか」
「顔が赤いぞ」
美作さんまで、いつの間にか後ろにいて、こう言うんだから。
「美作さん、後ろに居てどうしてあたしの顔が赤いってわかるのよ」
「お前の表情なんて見なくても判るよ」
もう、図星ながら頭に来るわ。
「お誕生日、おめでとうございます」
美作さんには、本人にというよりは、絵夢ちゃんと芽夢ちゃんにプレゼントした方が喜ぶと思ったから、かわいいリボンのセットを選んだ。
「絵夢ちゃんと芽夢ちゃんに」
「おう、喜ぶわ、あいつら。サンキュ」
「司も向こうにいるぜ。おーい、司ぁー」
383名無しさん@ピンキー:04/07/19 21:47 ID:H2qQZncF
道明寺に会うのは久しぶりだ。最近、病院に行ってなかったんだけど、もう退院したのかしら。
「よう。類、久しぶり。…お前も居たのか、おかっぱ」
相変わらずあたしのことは思い出してないらしい。
「あのね…、あたしには『牧野つくし』って名前があんの!」
「司、俺、牧野と付き合ってるんだ」
「え?!」
最後の言葉は、あたし、西門さん、美作さんが同時に出した声。
「ふーん、そう。でも俺には関係ないじゃん」
道明寺はそっけなく言い放った。そうか、そうよね。関係ない、か。
「類、どういうことだよ、付き合ってるって…」
「おい、いつの間にそんな…」
「は、花沢類…、あたしたち、そんな…」
「いっぺんに聞かれても答えられないよ」
苦笑しながら花沢類が言った。
「確かに、まだ『付き合う』って感じじゃないけど。でも、俺はそう思ってるから。勝手にだけど」
にこやかに言われてしまった。
「おい、牧野。どうすんだよ」
「ど、どうするって…」
「今、ここで答えが欲しいわけじゃないから」
花沢類が救いの言葉を言ってくれた。
「俺は牧野が幸せで居てくれたらいいんだ。幸せにしてあげられるのが俺なら、一番理想的だけど」
そう言って花沢類は食事を取りに行ってしまった。
「殺し文句だな」
「ああ」
プレイボーイ二人が顔を見合わせて呟いた。
あたしはそっと、道明寺の顔を盗み見た。
その表情を文字に表現するなら、『興味のないこと』。
やっぱり、もう、諦めた方がいいのかな…。
384名無しさん@ピンキー:04/07/19 21:48 ID:H2qQZncF
帰りは花沢類の用意した車で送ってもらうことになった。シートにもたれながら、言葉を捜していた。
「今日は久しぶりに羽根を伸ばしちゃった。楽しかった。花沢類は?」
「うん。ちょっと眠いけどね。あきらの家も久しぶりだったし」
「…花沢類、何から何まで、本当にお礼の言いようがないわ」
「いいよ、礼なんて」
「…あのね、花沢類…。あたしね、優しくされると頼っちゃって、なんだか弱くなっちゃう気がするの。弱っちいあたしなんて、興味ないでしょ?」
いつか言わなくちゃと思っていた言葉を口にする。
「だから、そんなに優しくしないで」
「確かに弱っちい牧野は、牧野らしくないね。でも」
「でも?」
「強がってる牧野は、もっと見てられないよ」
花沢類…!
「あんたには、本気で怒って、泣いて、笑っていてほしいんだ。そんな牧野を取り戻す、その役目は俺に向いてない?」
「花沢類…」
涙が零れる。泣いちゃいけないと思うのだけど、涙が止まらない。
「前にも言ったろ?支えになりたいって。前みたいな前向きな牧野に戻って欲しいからさ」
「…うん…うん…有難う、花沢類…あたし、頑張ってみる」
「じゃ、さっそく泣くのを止めなきゃ」
385名無しさん@ピンキー:04/07/19 21:49 ID:H2qQZncF
「じゃ、さっそく泣くのを止めなきゃ」
花沢類はあたしの顎を上に向けて、顔を近づけてきた。
そっと目を閉じる。唇に、花沢類の温度が感じられる。手を繋いだ時は冷たい手だと思ったけど、唇は暖かいんだ。
優しくついばんでくれる花沢類の唇を受け入れる。花沢類と何度かキスはしたことがあるけど、こんなに長い時間のキスは初めてだった。
肩に手が回って、少しキツく抱きしめられる。唇が、より深く交わる。
柔らかく吸い込まれる唇に、誘われるようにして唇を合わせる。何度も何度も離れては重なる唇。
花沢類のキスは溶けそうなくらい優しい。まるで自分が花沢類にとっての宝物になってしまったような錯覚を起すくらい、大切に大切に扱われてる。
唇が離れた直後、花沢類はあたしの耳朶に軽くキスを残した。
「永遠に牧野の家に着かなくてもいいと思ったんだけど」
気が付くと車は止まっていて、ふと窓の外を見るともう家の前まで来ていた。
「そ、それはどういう…」
「牧野がやっと俺のキスを受け入れてくれたから、もっと味わいたかったってこと」
「もう!花沢類のバカ!」
照れ隠しでちょっと語気を強めてみる。
「そうそ、それそれ。それでこそ牧野つくしだよ」
花沢類はいつものようにくくっと笑って、あたしの頭をポンポンと叩いた。

走り去る車を見送ったあと、いまだに熱を持っている耳朶にそっと触れてみる。
心臓が耳朶に移動してしまったように脈打っていることは、隠しようがなかった。
この耳朶へのキスは、花沢類が残した約束のように思えた。
386名無しさん@ピンキー:04/07/19 21:52 ID:H2qQZncF
…つづく?

って感じです。このあと、つくし&類初エチのあと、道明寺が記憶を取り戻して…
な〜んて考えてます。本当に書けるのか?自分w
前置き長くてスミマセン。
387313:04/07/20 12:05 ID:qnTtwOWL
うお〜、頑張って続き書いてくださいね〜。
388名無しさん@ピンキー:04/07/20 16:51 ID:H1i+ViF7
楽しみににてます^^
389一類ファン:04/07/21 00:02 ID:3KSoxW/k
ルイルイの激しさを秘めた優しさが伝わってきます。
書いてくれてアリガト&続き激しくキボーン!
390名無しさん@ピンキー:04/07/21 00:22 ID:/Yb7ikt/
総二朗×つくしが読みたいな
391391:04/07/21 08:03 ID:vzaCNwWF
ルイルイ楽しみにしてま〜す。頑張ってください
392名無しさん@ピンキー:04/07/22 11:20 ID:bjLkzDtU
ルイと初エチのあと 記憶戻した司に帰って
またエチですか?
楽しみです^^
393名無しさん@ピンキー:04/07/25 22:28 ID:rLlANPSI
順平×つくしが読みたい…
394377:04/07/30 23:09 ID:K1vPeapM
377です。
無駄に長いですが、続き出来ましたので、良かったら読んでください。

あと、実は私、前々スレ158でした。
これからは158のコテハンで行きますので、宜しくです。
395158:04/07/30 23:10 ID:K1vPeapM

あの日、美作さんの誕生日パーティーの帰りに、あたしは花沢類と一緒にいることを決めた。
傍から見れば、花沢類を利用しているように見えたかもしれない。でも、花沢類が道明寺を忘れさせてくれるなんて思ってない。
自分の意志で、道明寺を諦めると決めた。あたし自身のために、あたしらしくいるために。
そして、あたしを好きだと言ってくれる花沢類のために。
その決心は、あたしが今持っている、道明寺に関する一切のものを本人に返すという形で現われた。
「何を持ってきたの?」
学校に来るにしては少し大きめの荷物を持っているあたしに花沢類が聞いた。
「うん、ちょっとね」
「持つよ」
「ううん、大丈夫」
と言った矢先、道に躓いて派手に転んでしまった。持っていた荷物をぶちまけながら。
「大丈夫かよ…ったく、あんたは本当に面白いよ」
笑いながら腕を取って立ち上がらせてくれる。
「…ありがと」
恥ずかしいやら何やらで『面白い』と言われたことを怒るのも忘れてしまった。
ぶちまけた荷物を、花沢類が一緒に拾ってくれる。その時。
「…これ、司の」
花沢類が手にしたのは、あいつが刺された夜、道明寺の母親が持っていた薄汚れたうさぎのぬいぐるみ。
「うん。……全部、あいつに返そうと思って」
「どうして?」
「だって、あたしが持っていても仕方ないでしょ?」
言いながら、全て拾い終えて紙袋に仕舞い、また歩き出そうとした瞬間。
396158:04/07/30 23:10 ID:K1vPeapM

「思い出まで返す必要はないよ」
と、腕を取られた。
その意外な力強さに驚く。花沢類の細い腕のどこにこんな力が?
「離して、花沢類。…これは、あたしなりのケジメなの」
「そこまでする必要ないよ。もし、俺に気兼ねしてるんなら…」
「そうじゃないの、言ったでしょ、あたしなりのケジメだって」
花沢類の瞳が、あたしの目を捉えて真意を量ろうとしている。
「花沢類。あたしね、もう道明寺の言動に一喜一憂するのはイヤなの。本当に忘れたい。だから、そのけじめをつけさせて」
「牧野…」
『本当にそれでいいの?』と聞いているような花沢類の顔。そんな顔しないで。そんなに心配しないで。
そう言う代わりに、とびきりの笑顔で言う。
「これ、返してくるね」
やっと花沢類の腕が解かれる。
「ありがと、花沢類」
理解してくれて、と心の中で付け加える。と同時に、あたしの足は早足で校舎に向かう。
その背中に、花沢類の声が響く。
「牧野!プロム、一緒に行こう!」
プロム。桜子から聞いた、卒業式後のダンスパーティー。同伴者が参加条件の小さな社交界。
花沢類、今、誘ってくれたの?
早足だった足を止めて、以前、花沢類があたしに向けてやって見せたシーンを再現してみせる。
但し、きちんと花沢類の方を向いて、笑顔で。
閉じたVサインを向ける――
「もちろん!」
397158:04/07/30 23:12 ID:K1vPeapM
道明寺は一人でいつもの場所にいた。
恐ろしいほど不機嫌そうなオーラを纏って。
でも、ここで怯んでは居られない。近づいていくと、あたしに気が付いたみたいだ。
…そんなおっかない顔で睨まないでよ。
「なんだよ、おかっぱ」
「…ったく、いい加減名前覚えろっての」
大袈裟に溜め息をついてみせる。
「まぁいいわ。あんたに返したいものがあんのよ」
「なんだよ」
持ってきた紙袋を渡す。
「これ。返す」
「あぁ?」
訳がわからないといった風に、紙袋を受け取って中身を見る。
「なんだよ、これ」
道明寺は、一つ一つ手に取って見始めた。
アンタは覚えてないでしょうけど、アンタとあたしの思い出が詰ったモノ達よ。
こう言いたいのをぐっと我慢する。
それは、バカンスに連れて行ってもらったときの洋服。
それは、デートの時に手にしたサイン入りボール。
「これ、俺のガキのとき持ってたヤツじゃん。なんでお前が持ってんの?」
薄汚れたウサギのぬいぐるみ。そして。
―――木星のペンダント。
「こんな訳わかんねーもん、いらねーよ」
「あたしが持っている訳にいかないの。要らないなら、捨てて」
これで、終わる。踵を返そうとした刹那。
398158:04/07/30 23:12 ID:K1vPeapM

「なぁ、お前、類と付き合ってるんだよな」
不意打ち。そんな質問、道明寺から訊かれる日が来ると思わなかった。
「そうよ、それがどうしたの」
自分の気持ちを整理する、そんな気持ちできっぱりと言う。
「おまえみたいな女がF4に纏わりつくの、すげーウザイけどよ、類の女なら仕方ないよな。認めてやるよ」
「…認める?」
「あぁ」
言葉より先に手が出た。強烈な平手打ちを、道明寺の左頬にお見舞いしてしまった。
「!!…っにするっ…!」
打たれた頬を左手で抑えながら叫ぶ道明寺の声を、さらに大きな声で遮る。
「認める?認めるってどういうことよ?あたしはね、誰かに認められなきゃ居られない存在じゃないわよ。
確かに雑草のつくしだけど、あんたなんかに認められなくっても、しゃんと背筋伸ばして生きてるんだから!
それに、認められる筋合いもないわ。これ以上ふざけたこと抜かしたら、今の一発じゃ済まないからね!」
怒りが爆発する。唖然とする道明寺を残して、その場から走り去る。
あいつは、昔の横暴で自己中な道明寺に戻ってしまった。あたしの好きだった道明寺は、もうどこにも居ない。
399158:04/07/30 23:13 ID:K1vPeapM

「……」
この俺様が女に殴られた。あまりのショックにしばしその場で固まる。
こんなショックを受けたのは久しぶりな気がする。いや、過去に女に殴られた訳ないんだから、気のせいか?
「司」
暫く固まっていると、背後から類に声を掛けられた。
「…類」
類の顔を見て、沸々と怒りが込み上げてきた。
「お前の女!ありゃどうかしてるぞ!俺に殴りかかって来やがって…!」
「うん、見てた」
「見てたって…、おい、類!どういうことだよ!」
「どうって…、あれが牧野つくしだよ」
類がいつもの笑いをこぼす。その顔を見ていると怒る気も失せた。
「よくあんな凶暴な女と一緒にいるな、お前」
「あれが牧野の良さだからさ」
「おかしいよ、お前」
そうは言ったが、気持ちが落ち着かなくなっていた。
前にもこんなことがあったような気がする。
俺に歯向かって来るヤツなんてなんて居るはずないのに。しかも女なんてありえない。
姉ちゃんのデジャブが引っかかってるだけか?いや、違う。
「…しかし、強烈な女…」
あの女が走り去った廊下の奥を見つめる。もちろん、もう居るわきゃねーけど。
あの目。マジでイカってたな。あんな目をする女、あのおかっぱの他に知らねえ…。
400158:04/07/30 23:14 ID:K1vPeapM

「……司」
「ん?」
「牧野と付き合い始めたから、俺」
「前に聞いたよ、んなこと。俺に関係ねえって言ったじゃん」
まったく、みんな何であのおかっぱのこと、俺にいちいち言うのかわかんねえ。
「俺は牧野から何度も手を引いてる。…今回は諦めるつもりはないから」
類の目はマジだ。病院の屋上で殴られそうになったときを思い出す。
あん時はあのおかっぱが仲裁に入って、俺の代わりに殴られてたっけ。
「…言ってる意味がわかんねーよ」
「そっか。でも言っとこうと思って。じゃ」
そう言うと類は教室とは逆の方向へ向かって歩いた。
その背中を見ながら、心の中で舌打ちする。
ったく、あのおかっぱが、俺のなんだってんだよ。
でも、正直に言うなら、あの女の目が脳裏に焼き付いて離れない。
落ち着かない気持ちを持て余して、今度は実際に舌打ちをした。
「…くそっ」
401158:04/07/30 23:14 ID:K1vPeapM

「ここにいたんだ」
道明寺をひっぱたいてから数日後の昼休み。屋上でお弁当を食べていたとき、花沢類がやってきた。
「牧野、プロムのことだけど」
花沢類は、先日誘ってくれたプロムについて話し出した。あ、もしかして。
「プロムって、花沢類、もしかして、あたしの着るもののこと?」
「うん」
なら丁度いい。先日のブティックのこと、話したかったから。
「そのことで、話したいことがあったの」
「知ってるよ」
「え?」
「牧野、知ってるんだろ。本当は高級ブティックだったってこと」
聞けば、あたしが行った後、あの店員さんが花沢類に謝罪したらしい。
「内緒にしておくつもりもなかったし、いずれバレると思ってたからね。ただ、牧野が気兼ねなく選べる環境を作りたかっただけだから」
花沢類の優しさに胸が詰る。お礼を言おうとしたその時。
「あ、それからプロムのドレスはもうオーダーしてあるよ」
「え?!オーダーって…」
「うん。サイズが判ったし」
「ちょっと、花沢類!」
オーダーなんて、そんなお金と手間が掛かったもの、あたしには似合わないよ!
「それは、困る。貰っても着られないよ」
「あんたのサイズなんだから、牧野しか着られないよ」
くすくすと笑う花沢類。こっちは真剣に断っているのに。
「そういう意味じゃ…」
「プロムはいわば公式の場だよ。パートナーとして出席してもらう訳だから、その準備は男がするものなんだ」
あたしの言葉を遮って、早口で言う。
「自分のパートナーにきちんとした格好をさせてやれることで、男もそこで胸を張れるんだよ。それに」
「それに?」
「…他の連中に、牧野を見せたいからさ」
横目であたしを見る花沢類。さっきから、心臓が暴れてる。心音が聞こえてしまうんじゃないかと、場違いな心配をしてしまう。
「あんたが堅苦しい場所が好きじゃないのはよく知ってるし、俺もああいう場は得意じゃない。でも、今回は特別。悪いけど、付き合ってもらうね」
いたずらが成功した少年のような微笑。そんな顔で言われたら、断れないじゃない。ずるいよ、花沢類。
402158:04/07/30 23:15 ID:K1vPeapM

プロムの会場へと向かう高級車の乗り心地は悪くなかった。
問題はあたしの居心地の悪さだった。
なにしろ、パーティーなんて慣れない場所に向かっている訳だし、着慣れないドレスなんかを着てるし、ヒールの高さも気になるし。
何より支えの花沢類が隣に居ない。極度の緊張とはこのことだわ。
『牧野の準備は全部整えてあるから。当日は会場で会おう』
前日、花沢類にこう言われて卒業式の後にアパートに帰ってみると、花沢類に遣わされたスタイリストさん達が待っていた。
それからの準備の慌しさは…、思い出したくない。
でも、お陰で自分でも見違えるように綺麗にしてくれた。
ヘアーやメイク、ネイルまでもドレスに負けないくらい調えられている。
そう、何よりも、このドレス。
『類さまがお選びになったデザインと生地です。牧野さまの白いお肌によくお似合いですね』
ドレスを着せてもらいながら、言われたことを思い出す。
花沢類が選んだドレスに身を包んでる。そう思うだけで胸が鳴る。
高鳴る胸を抑えようとして深い呼吸を一つ吐いたとき、プロムの会場に着いた。
運転手さんにドアを開けてもらうと同時に、すっと手が出される。
その手を取って、座席から立ち上がる―――手の主は。
「花沢類…」
「牧野…良く似合うよ」
正装した花沢類は、いつにも増して素敵に見える。
そんな花沢類から笑顔でそんなこと言われたら、もっとドキドキしちゃうじゃない。
「緊張してる?手が固い」
いつもの笑いを抑えながら、花沢類が聞いてくる。
「当たり前でしょ、慣れないんだから」
「いつもの牧野でいいんだよ」
そう言って、緊張の糸を解いてくれる。
自分の腕に、あたしの手を掛けるように促し、一緒に会場に入る。
403158:04/07/30 23:15 ID:K1vPeapM

「類!…と、牧野?」
目ざとい西門さんが早速駆け寄ってくる。隣に居た美作さんも一緒に。
「うわー、牧野かわいー」
「熱海でも思ったけど、やっぱお前、磨けば光るわ」
「磨いた研磨剤がいいのよ」
「はは、お前のこと、研磨剤だってよ」
西門さんが花沢類を小突く。
「司!お前もこっち来いよ!」
美作さんが呼ぶと、向こうに居た道明寺がこちらに歩いてきた。
そう言えば、引っぱたいてから初めて顔合わせるんだ。うわ、何か言われそ。
「おう、類」
そう言って視線をこっちに向ける。何も言わずにあたしの顔を見つめる。
恐ろしいほど真剣な表情。でも、負けるもんか。
そう思って負けじと睨み返す。
「ふっ……お前、そんな顔で睨むな。化粧が崩れっぞ」
道明寺は、そう言ってからF3の輪に加わって談笑し始めた。
もしかして、道明寺、今、笑った?
記憶を無くして以来、あたしに見せた初めての笑顔。その顔を見た時、感じた。
―――もう少し時間が経てば。
あたしと道明寺の関係は、親友とその彼女という形に作り変えることが出来る。
404158:04/07/30 23:16 ID:K1vPeapM

類が会場に入ってきたと同時に、俺の目はその隣の女に釘付けになる。
制服姿しか見たことがなかったから、余計に目を引いたのか。いや。
前にも、こんなシーンを見たような、あれは、…クルーザー…?
記憶が、軽い頭痛を引き起こす。総二郎とあきらが駆け寄る隙に、慌てて視線を外す。
あぶねえ。危うくあの女と目が合うとこだった。
あきらに呼ばれて近づく。おかっぱのあの目を見ていると、何か引っかかる。
でもこいつときたら、おっかねえ顔して睨み付けやがる。
「ふっ……お前、そんな顔で睨むな。化粧が崩れっぞ」
全く、可愛げのねえ女だよな。でもそこが、―――思いかけて次に紡ごうとした言葉を否定した。
俺、今、何考えた?
自分の考えを打ち消して、慌てて3人が話している輪に入っていった。これ以上この女とサシでいられるか。
だけど輪に入ったはいいが、話なんて全然耳に入ってこない。
動揺を抑えながら、いや、動揺なんかしてねえけど、あの女を横目で盗み見る。
滋と桜子と一緒に、食い物を物色し始めたあいつ。
ドレスのせいか?やけに可愛く…
「おい、類。お前もやるな」
総二郎が類に話し掛ける声が耳に入る。
「…なにが?」
「とぼけるなよ」
あきらも肩で類を小突いた。
「あのドレス、お前が創ってやったんだろ?」
「そうだけど」
「男がプレゼントした服を女が着るってーのは」
「それを脱がせる権利を与えること、だろ?」
あきらと総二郎が絶妙なタイミングで言った。
405158:04/07/30 23:17 ID:K1vPeapM

「やったなー、類!」
「卒業式の夜かよ!最高のシチュエーションだな!」
「そんなつもりじゃ」
困惑する類を挟んで、二人が盛り上がっている。
今夜?類とあいつが?そう思ったとたんに落ち着かなくなって、類の顔を見る。
類は笑いを抑えた顔で言った。
「大体、牧野が知ってると思う?そんな意味があるなんて」
「…ま、知らねーわな」
「…あの牧野だもんな」
「くくっ…そうだよ。あきらも総二郎も考えすぎ」
笑う類を見て、俺は自分が取っている行動がどうにも歯がゆくなった。
この道明寺司様が、なんでこんなに挙動不審になってる?
そうだ、全部あの女の存在が悪い。そう思って、咄嗟にこう口走っていた。
「類。お前も男なら、さっさとモノにしちまった方がいいんじゃねえ?」
瞬間。空気が凍った。3人は目を見開いて俺を見つめる。
「司…」
「おい…」
総二朗とあきらは完全に固まってしまったようだ。
類は随分と長い時間、俺の顔を見た後、こう言った。
「司がそう言うんなら、そうするよ」
406158:04/07/30 23:17 ID:K1vPeapM

「ちょ、ちょと!痛いよ、花沢類!」
ちょっと強引なくらいの勢いで牧野の腕を取って、プロムの会場を後にする。
背中に司の視線を感じた。でも、もう遅いよ、司。お前は正直にならなくちゃいけなかった。
俺はお前が牧野を思い出すまで、フェアで居ようと思ったのに。
たとえ司が牧野を思い出さないとしても、いずれ牧野が牧野らしく戻った時、きっと司は再び牧野を好きになるだろうと思っていた。
だから、挑発とも取れる発言をしてみたりもしたし、今日だって、綺麗になった牧野を見せた。
現に、司、お前は牧野を気にし始めていたはずだ。お前は今日、それを認めなくちゃいけなかったんだよ。
でも、お前の言葉は、俺を本気にさせてしまったようだ。
これ以上、牧野を傷つけることは、俺が許さない。
「どうしたの?!花沢類!」
リムジンのリアシートに牧野を乗せ、自分も乗り込むと、運転手に家へ帰るように告げた。
「花沢類、『家に帰る』って…」
「俺の卒業を二人だけで祝いたいんだ」
俺の言う意味が判ったのか、驚いたように俺の顔をじっと見つめた。
その肩に手を廻して、ゆっくりと、でも強く抱き寄せる。この鼓動は、牧野の?それとも俺自身の?
髪に、額に、瞼に軽くキスをする。
その度に身体を小さく縮ませる牧野。そんな牧野が愛しくて、さらにキスを落としていく。
ごめん、牧野。もう、抑えることが出来ないようだよ、俺。
407名無しさん@ピンキー:04/07/30 23:22 ID:T2llXsgp
キタ━━━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━━━━━━━━!
408158:04/07/30 23:28 ID:K1vPeapM

自室のドアを開けて、後ろを振り返る。牧野は俯いたまま、俺の後を付いて来てくれていた。
不安そうな目をして、俺を見上げる。その様子がやけに可愛くて、牧野の手を取って入るように促した。
こうやってみると、ベッドしかない部屋は逆にいやらしく見えて、少し笑える。
「花沢類……ええと…」
緊張しているのか、牧野は視線を泳がせて言葉を捜している。
「牧野。俺ね、」
ベッドに腰を下ろしながらタイを外して襟を緩める。
「司が牧野を思い出さないうちは、手を出さないつもりだった。フェアじゃないからね」
ふっ、と笑って、牧野は少し自嘲気味に言う。
「…あいつはもう、あたしのことなんて思い出さないよ」
それを聞いて、堪らない気持ちになる。
「……例え思い出したとしても、もう、司にあんたを渡さない」
立ち上がって、正面から牧野の両肩を抱く。ゆっくり、顔を近づけていく。
「…花沢る…」
「…黙って」
おしゃべりな唇を、俺の唇で塞ぐ。
409158:04/07/30 23:29 ID:K1vPeapM

「…花沢る…」
「…黙って」
花沢類の唇がそう囁いて、あたしの唇に重ねられる。
いつになく優しいキスは、あたしの緊張を徐々に解いていく。肩に置かれた手から、花沢類の優しさが沁みてくる。
あたしは少し背伸びをして、花沢類の唇を受け入れる。あたしの肩を抱く花沢類の二の腕辺りに、自分の手を添えて。
長い、長いキス。その唇は、段々と動きを激しくしていく。
いつしか、肩に置かれていた花沢類の右手は、あたしの頬のあたりに移動して、耳や首や髪を撫でていく。
左手はあたしの腰に廻されて、花沢類のより近くに引き寄せられる。
顔の角度を変えながら、もっと深く唇を合わせようとする。花沢類がこんなに情熱的なキスをするなんて。
「んっ…」
呼吸が苦しくて、吐息を漏らしてしまう。
唇を捉えたまま、花沢類の手があたしの首の後ろに廻る。ゆっくり、ドレスのジッパーを下に降ろしていく。
花沢類の温度の低い手の平を、背中で感じる。腰まであるジッパーは、もう全て降ろされているに違いない。
あたしとドレスを繋ぎとめているのは、きっと肩の細い紐だけ。その紐から腕を抜けば、ドレスはあたしの肌から離れる。
花沢類は一度唇を離して、あたしの目を見つめながら、その紐をゆっくりと肩から抜くようにスライドさせて行く―――。

肌からドレスの感触が消えたと同時に、花沢類はあたしの首筋に唇を寄せた。
鎖骨と耳朶の間を何度往復してキスをする。
「…あっ…」
体が震えるのは、もう緊張しているからじゃない。…花沢類を、感じてるから―――
410158:04/07/30 23:29 ID:K1vPeapM

花沢類はあたしを抱き上げると、ベッドの上に降ろした。
下着だけの自分を見られるのはやっぱり恥ずかしい。
「…花沢類、灯り、消して」
「いやだ」
「花沢類…?」
「牧野。お前が初めてだからって、俺は優しくしたりなんかしないよ」
花沢類はあたしの上に身体を重ねる。眼差しが、あたしの目に刺さる。
「牧野を見ていたいんだ。ずっと」
そう言って、また唇を重ねる。深く、激しく。
「んっ…っ…」
次第に花沢類の唇は、耳朶や首筋を舐り始める。
首にはきっと花沢類の印が付けられている。
「ああっ…」
声を抑えようとするのだけど、この快感からは逃れられない。
「…は、なざわ、るいっ…」
どうしようもなく、声が掠れる。
「…牧野。名前で呼んで…」
耳元で囁かれる。一度、デートの時にだけ呼んだことがある、大好きな名前。
「…るい…」
お返しに、花沢類の耳元で囁く。声に出すと、増していく愛おしさ。
「もう一回」
「…るい」
「もう一度」
「類…」
呼び終わると同時に、花沢類とは思えないくらいの激しいキスをくれる。
「…牧野、……好きだ」
「類…」
花沢類は一度起き上がると、自分の着ていたシャツのボタンを外して脱ぎ捨てる。
怖いくらい真剣な顔で、あたしを見つめる。
「牧野。俺はお前が思っているような男じゃないよ。結構嫉妬深くて独占欲が強いんだ」
そう言うと、ベッドに横たわるあたしの背中に手を廻して、ブラのホックを外した。
411158:04/07/30 23:29 ID:K1vPeapM

互いに、上半身に何も身に付けていない。
恥ずかしさから、顔が火照っているのが判る。
花沢類の茶色い髪が、あたしの首に触れる。彼の唇は、もうすぐで胸の頂点へ到達する。
「ああっ…類…」
優しくしない、という花沢類の言葉とは裏腹に、彼の舌はあたしの頂上を優しく吸い上げる。
「んっ…やっ…」
無意識に、両手で花沢類の頭を抱きながら、髪を撫でていた。
片手で乳房を愛撫しながら、花沢類の舌は意地悪な動きをする。
「あっ…あ、あぁっ……」
声を抑えるのを忘れるほど、花沢類の攻めはあたしのポイントを押さえ続ける。
胸、背中、腰、おへその横、脇腹、足の付け根…。
全てにキスの印をつけながら、舌を這わせていく。
「ああっ……るいっ…」
いつしか、花沢類の手はあたしが今唯一付けている布地へと伸びていた。
ゆっくりと剥がそうとするのを、慌てて両手で止める。
「…類っ…やっ」
「牧野、だめだよ。もう抵抗しても無駄」
そう言うとまたあの優しくて激しいキスをくれる。
花沢類の手を止めようとしたあたしの手は、逆に封じ込まれていた。
その腕の力に、花沢類の「男」を感じる。
そして小さな布は、足首から抜き取られた。
412158:04/07/30 23:30 ID:K1vPeapM

花沢類の指が、あたしの秘部に埋まる。滑るように上下する指。
「あっ…はっ…っ…」
小さな突起を探り当てられ、ゆっくりと擦られる。
円を描きながら動くその指は、恥ずかしさが飛んでしまうくらいの快感をもたらす。
「ああっぁっ…いや、…っ…るいっ…」
「牧野のそんな顔、誰にも見せられないな」
「んっ…な、何っ…言って……はぁっ…」
「可愛くて、…もうとめられない」
「あっ、あっ、だめ、そんなにっ…」
突起を擦る指の動きが激しくなる。
「やめっ…あぁ、類っ…あたし、…おかしくっ…」
もう少しで何かが来そうな瞬間、花沢類の指が止まる。
「だめだよ、まだ」
いつものようにふっと笑って、意地悪く言う声のあと、ベルトを外す音と衣擦れの音が聞こえた。
413158:04/07/30 23:31 ID:K1vPeapM

自分がもう準備が出来ていることは判っていた。愛撫されながら、何かが溢れ出すような感じがしたから。
花沢類があてがわれた時、自分の中心がぬめっているのが判った。
「牧野、行くよ」
花沢類が囁く言葉に、無言で頷く。
花沢類が徐々に腰を埋めていくと、下半身に引き裂かれるような痛みが走る。
「ああっ…類、だめっ…!」
「力、抜いて」
言われたとおり、下半身から力を抜く。と、同時に腰を更に深く沈める花沢類。
タイミングが良かったのか、不思議ともう痛みはなかった。
「奥まで入ったよ」
わざわざそんなこと言わなくてもいいのに、花沢類は報告してくれた。
「やだ、…花沢類っ…」
「ふっ…、言ったろ。俺は独占欲が強いって。牧野はもう俺の」
言うと同時にキスをくれる。腰の辺りから、あたしの「音」が聞こえる。
花沢類がゆっくりと腰を動かしていく。初めは少し痛みを伴うその動きは、徐々にあたしの頭を痺れさせていく。
「あっ…ああっ…んんっ…る、い…っ…」
花沢類の摩擦によってもたらされる刺激は、初めてなのにあたしの腰を揺るがせる。
「んっ…ああっ……はっ…んっ…」
「牧野、…」
息を荒げて、あたしの中を泳ぐ花沢類。動くたびに、ベッドが少し軋んだ音を立てる。
「あっ…んっ…るいっ…ああぁっ……」
腰を廻しながら、乳房や乳首を柔らかく揉まれる。腰の刺激と相まって、さらに快感が深まる。
「ああっ…んんっ…んっ……類……るいっ…」
414158:04/07/30 23:31 ID:K1vPeapM

「牧野、もっと動くよ」
ゆっくりだった腰の動きは、段々と加速していく。もう、すでに痛みは快感に変わっていた。
「あっ、あっ、あっ、、、、」
「牧野っ…」
自然に、花沢類の背中に手を廻す。少し湿ったその背中を抱くようにして腰を浮かせると、奥が更に痺れる。
加速する腰が何かに誘う。あぁ、何かが来そう…!
「類っ…ああっ…んんっ…んんっ……変に、なっちゃ……っ」
「牧野、俺も」
「ああぁっ…類っ…だめ、…あたしっ…!!」
「一緒にっ………っ…!」
「………あああっ…!!」
一気に上り詰める。そして、一気に崩れ落ちる。そんな感じが身体を駆け抜けた。
あたしの中で、花沢類が脈打っているのが判った。
花沢類は、身体をぐったりとあたしの上で横たえ、深呼吸をしながら、こう言った。
「…ごめん、抜くの、忘れた」
「…え?」
………は、花沢類っ!!
「でもいいよね、もう俺のだし」
また、あの悪戯が成功したような、微笑。
あたしは、花沢類の行動力に、驚くやら呆れるやらで言葉が出なかった―――。
415158:04/07/30 23:36 ID:K1vPeapM

…つづく?w

長々とすみませんでした。
あと、途中の一人称も変わること、前もって言うの忘れてました。
一人称の方が簡単かと思ってたのですけど、そうでもなかったです。
心の中までは、他人はわからないので、こんな書き方になりました、スミマセン。

最後の中田氏のくだりは、前々スレ172さんのをパクリました、これまたスミマセン。
172さんの確信犯類が大好きなので、登場させてしまいました。ゴメンなさい。

…続き、書けるんだろうか、自分w
416名無しさん@ピンキー:04/07/31 01:11 ID:6HYaYxMl
大作おつかれさん。自分はいきなりエロよりこういう話のほうが好きだ。続きが楽しみ。
時々保守しておくからマターリと書いてください。
417一類ファン:04/07/31 01:21 ID:rLY0DIyG
ヤラレター!!158さん、心の臓を直撃です!
これぞ読みたかった類って感じ。独占欲むき出しのルイルイいいわー
一人称変わるとこも違和感なかったですよ?
つづき、期待してます。
418名無しさん@ピンキー:04/07/31 02:23 ID:CHzpTion
道明寺×つくしが一番!な私だけど、よかったですぅ。
一人称でぐるぐる考えてるところなんかが(・∀・)イイ!!

今後の展開も期待してまーす。
419419:04/08/01 07:56 ID:w0F62XB2
ルイルイ最高!!!
420名無しさん@ピンキー:04/08/01 12:58 ID:c4jDKhLH
158タン、いいっすね。
マターリ続きお待ちしてまつ。
421名無しさん@ピンキー:04/08/06 16:14 ID:oTt4z+7y
158タンの続きを楽しみにしつつ…
age!!!
422名無しさん@ピンキー:04/08/06 23:08 ID:QBrez01Z
これぞ読みたかった展開って感じでした。158さん、ありがとう!
一人称入れ替わるのも、逆にとてもよかった。
続き楽しみにしてます。
423名無しさん@ピンキー:04/08/10 18:47 ID:JxWS57hG
age
424名無しさん@ピンキー:04/08/10 20:44 ID:9RhTY7QN
158タンの続き熱烈キボン!
425名無しさん@ピンキー:04/08/10 20:50 ID:ELRSAJtP
「抜くの忘れた」とわ?
426158:04/08/11 21:01 ID:HCxv1QCC
携帯からお邪魔します。
皆さん感想有難うございます!
続き、頑張って書いてますが、実はパソコンを修理に出さなくてはならなくなりました。
大変お待たせしてしまって申し訳ありませんが、
今しばらくお待ちください。
425さん、抜くのを忘れて、中田氏しちゃったんでつよー。
427名無しさん@ピンキー:04/08/21 23:01 ID:FyGTO+BG
158さんの続きまだかなー。
楽しみage!
428名無しさん@ピンキー:04/08/24 01:40 ID:wkcdOoj/
何か、今さら花男萌え・・・。
もう作家さんいないのかな?
429名無しさん@ピンキー:04/08/24 10:45 ID:+KqYfsHm
158さんの続き待ち〜
430名無しさん@ピンキー:04/08/26 12:08 ID:Ruc9YBQm
sage てみる
431158:04/08/27 00:34 ID:V3+SfVgT
ご無沙汰してました。
やっとパソが帰ってきたので続きを作りました。

でも、書けば書くほどエロから遠ざかりってしまい、
到底ここで書き込むことが出来ない内容となってしまいました。
本当に、自分の脳内補完のような仕上がりです。
まるでオ○ニーショウですよ。うぅぅぅ。

この場は「エロパロ板」な訳ですから、エロのない内容のものは控えた方がよいでしょうから、
考えた挙句、臨時のサイトを立ち上げました。
そちらに続きをウpしましたので、ご覧になりたい奇特なお方はどうぞいらっしゃってくださいませませ。
アドは以下です。

ttp://www.geocities.jp/hanadan_158/

ここに堂々と書けるエロが別で出来上がったら、ここでも発表させてもらいますねー。
432名無しさん@ピンキー:04/08/28 01:18 ID:GU0WPEE/
158サン、サイト見ましたよ〜。お疲れサマです。
エロなしでも充分萌えました〜!!!
続きが待ち遠しいーっ・・・((o(゙ε゙)o))ウズウズ
433名無しさん@ピンキー:04/08/30 02:32 ID:h0Ufhemk
434名無しさん@ピンキー:04/09/02 00:44 ID:bT0sbYvg
158さーん!!!!!!!
435名無しさん@ピンキー:04/09/04 01:10 ID:/AKIjA35
158さん、続編気長に待ってます!!!

もう以前書いてくれてた作家さん達はいないのかなー…。
436名無しさん@ピンキー:04/09/07 00:00 ID:84eKOAn/
作家さん期待age
437437:04/09/11 08:57:45 ID:wte34w6z
age
438名無しさん@ピンキー:04/09/12 09:46:38 ID:BidgzOFG
さらにあげぇ↑
439158:04/09/12 11:50:57 ID:QQgLNxUF
お待たせしました。
HP更新しましたので、よろしかったらご覧ください。
感想等、いただけると嬉しいです。

あと、更新をお知らせするここでのご挨拶はこれを最後にしますので、
後はHPをちょこちょこ覗きに着ていただけると幸いです。

では、ヨロシクお願いいたします。
440名無しさん@ピンキー:04/09/12 16:27:45 ID:BidgzOFG
158たんサイトUP記念あげ↑
作家さんいないんでつか?司×つくしとかルイA×つくし見たいんでつ。だれか書いて!特にルイAキボン
441名無しさん@ピンキー:04/09/12 16:34:15 ID:FIBQjP/z
>>439
んじゃサイトいってみよう。
442名無しさん@ピンキー:04/09/12 16:47:45 ID:FIBQjP/z
>>439
一応、一言感想添えて送信しました。
お疲れ様。
443名無しさん@ピンキー:04/09/13 14:02:52 ID:BxgcJI0a
>158さん
サイトも見てきまひた〜〜〜
よかったです〜

けど「初めて」はやっぱ司と、がいいな。


444名無しさん@ピンキー:04/09/15 22:23:29 ID:V7Sf0Pyi
>>158さん
GJです!読んでてドキドキしました。
445名無しさん@ピンキー:04/09/16 08:12:42 ID:GA1UkBeB
158さん、ありがとう!
マターリ続き待ってまつ。
446158:04/09/16 12:47:28 ID:xysge/Su
皆様、HPご覧くださって有難うございます!
えーと、>439での私の書き方が良くありませんでしたね。
感想等は、HPの下にある「拍手ボタン」から書いてくださると、嬉しいです。
このスレを感想で埋めてしまうのは他の作家さんに申し訳ありませんので。

別エロが書けたときは、ここにUPしますから、そのときは宜しくお願いいたします。
447流咲:04/09/21 17:57:21 ID:fGfINa2r
過去スレ拝見していてなんだか自分も書いてみたくなったので挑戦してみました♪
全然Hじゃないし、描写も文章も拙いんですが・・・
書き出し部分をとりあえず載せてみました。
もし誰か一人でも楽しみにしてくれる方がいたら続き書いて見ようかな・・・
と思ってます☆
448流咲:04/09/21 18:01:23 ID:fGfINa2r
「いらっしゃいま・・・あッ、花沢類!」
あたしはショーケースの団子を補充しながら、店内に入ってきたお客に営業用のスマイルを向けた。
しかしそのお客の顔をパッと見たあたしは、見慣れたその姿に声をあげた。
「あれ?どしたの?」
「近く散歩してて・・・牧野バイトやってるかもって思って寄った」
そう言いながら花沢類はケースの中の和菓子を眺めている。
「バイト何時まで?」
「今日はあと30分くらいで終わるけど・・・」
「そっか。じゃ向かいのカフェで待ってるから送るよ」
「あ、うん・・・」
花沢類はニコッと笑いかけると、店をでて行った。
店の前を歩いていたOLらしき女の人がすれ違った花沢類を見て振り返ってる。
「はあ・・・」
あたしがカウンターに頬杖をついてため息を吐くと、奥で様子を見ていたらしい優紀が
声をかけてきた。
「花沢さん、今日も来てくれたね」
「・・・うん・・・」

今から1ヶ月前、突然いなくなった道明寺を追いかけてN.Yへ行ったあたしは
あいつの予想外の言葉と冷たい瞳に追い返され、一人異国の地で路頭に迷っていた。
そんなあたしを救ってくれたのは・・・花沢類だった。
一緒に日本へ帰ってきてから、花沢類はいつもあたしのそばにいてくれた。
学校へ行っているときは一緒に非常階段でサボったり、お弁当を一緒に食べたり・・・
西門さんや美作さん、桜子や滋さんも何かとあたしを気遣ってくれた。
道明寺と別れてから1ヶ月・・・なんの連絡もないまま、どうして追い返されたのか理由もわからないままだった。

449流咲:04/09/21 18:02:30 ID:fGfINa2r
「花沢さん、あれから何にも言ってこないの?」
レジのお金を清算しながら、優紀が尋ねてきた。
「N.Yで告白されたんでしょ?」
「こ、告白って・・・ッ!」
「好きだって言われたんでしょ、立派な告白じゃん」
あわててどもるあたしに優紀はサラリと言ってのける。
確かに・・・N.Yにいる時にあたしは花沢類から好きだと言われた。
でもあれから毎日一緒にいるけど特に何を言われるわけでもなく
花沢類との関係は今まで通りだった。
---夢、だったのかも・・・
最近はそう思うようになっていた。
「お疲れ様でしたー」
優紀よりシフトが早目に終わったあたしは手早く制服に着替え、
花沢類が待っているカフェへ急いだ。
店に入ると、窓際の隅の席でこちらを向いて座っている花沢類の姿が目につく。
「ごめん、お待たせ」
あたしの声に気づいた花沢類がふわりと笑う。
あたしはその笑顔に鼓動が速くなるのを感じていた。
---な、なにドキドキしてんのあたしっ
「牧野もなんか飲む?」
「あ・・・あたしはいいや。今日バイト暇だったから休憩中にお茶飲んだし」
「そっか。んじゃ行こっか」
花沢類にうながされるまま、店を出たあたし達は横に並んで歩き出す。
「ねえ、どこ行くの?」
「うーん・・・散歩」
あいかわらず散歩の好きな花沢類の返事にあたしはぷっと吹きだす。
「・・・なに?」
450流咲:04/09/21 18:03:18 ID:fGfINa2r
「花沢類って本当に好きなんだなーって思って」
「好き?なにが?」
「散歩とかひなたぼっことか・・・」
「なんだ、そっちか」
その花沢類の言葉の意味がわからなくて、え?と首をかしげていたあたしの手が
偶然花沢類の手に触れた。
「あっごめ・・・」
変に意識して顔が赤くなってしまったあたしを見て花沢類はくすっと笑うと
おもむろにあたしの手をとり指を絡めた。
「えッ?!」
驚いているあたしにおかまいもなく手をつないだまま歩き続ける。
冷たくスラリとした指の感触にあたしの鼓動は一気に走り出す。
---別に手つなぐのはじめてでもないのに
  なんでこんな意識してんの?
  さっき優紀が変なこと言うから・・・
しばらく街をブラブラ歩いたところであたしのカバンから携帯の着信音が鳴り出した。
「ちょっとごめん・・・もしもし?あ、進?・・・・・えぇ?!そんな困るッ急に・・・・ちょ、ちょっと待ってよ!」
あたしの切羽詰った様子に花沢類が不思議そうに尋ねてくる。
「どした?」
「え?・・・・あのー・・・進が今晩友達が泊まりにくることになったからあたしにどっか泊まってきて、って・・・
ったくもーあの子いっつもそうやって急に言ってくるんだからッ!」
鼻息も荒く携帯に文句をぶつけてるあたしを見て花沢類は何か考えた風で黙っている。
「あたしちょっと優紀んとこ泊まらせてもらえるか聞いてくる。バイト先戻るから花沢類、ここでバイバイしよ?」
くるりと方向転換したあたしの腕を花沢類が不意につかんだ。
451流咲:04/09/21 18:04:02 ID:fGfINa2r
「それならうち来れば?」
「は、花沢類の家に?!と、と、とんでもないっ遠慮させていただきますッ」
「なんで?別にオレ一人暮らししてるわけじゃないんだからいいじゃん」
「いや、でもそういう事じゃなくて・・・」
「心配してんの?オレ、夜這いしたりしないから安心していいよ?」
いたずらっぽくウィンクしてみせた花沢類の顔に見とれてしまっていたあたしは
さからえずに好意に甘えることになった。

花沢類の部屋に着くと、相変わらず殺風景な部屋にソファが置かれていた。
「あれ?前はテレビとベッドしかなかったのに・・・ソファ買ったの?」
「ああ、それ?静が送ってきた」
「し、静先輩が?」
「うん、この前電話した時にソファくらい部屋に置いたら?って言われて・・・
買いに行くのめんどくさいって言ったらいいやつがあったからってパリから送ってきた」
突然出てきた“静”という名前に、あたしはなぜか胸の奥がざわざわと波立つ。
「よく・・・連絡とってるの?」
「たまにね。1ヶ月に1回くらい」
あたしはなんとなく花沢類と視線を合わせずらくなって、背中を向けるようにフローリングに
ペタッと腰をおろした。
「牧野おなかすいてない?」
「う、うん・・・大丈夫」
「じゃあ先にシャワー浴びたら?」
そう言って部屋の奥にあるバスルームを顎で指し、花沢類はベッドにうつぶせになって
テレビを見始めた。
「じゃあ先に使わせてもらうね」
「ごゆっくり」
452流咲:04/09/21 18:04:50 ID:fGfINa2r
あたしはまだ胸に残っている感情を消化しきれないまま、服を脱ぎシャワーのお湯を勢いよくだした。
ボーッとしながらお湯の加減も調節しないで水栓をひねってしまったあたしは、
頭の上から思いっきり熱湯を浴びてしまった。

「キャーッ!!あっつーいッ!!!」

バスルームにこだましたあたしの声は部屋でテレビを見ていた花沢類にも届いたらしく
すごい勢いで駆け込んできた。
「牧野?!どうしたッ?」
バスの床にしゃがみこみ、ヒリヒリしている背中の痛みにじっと耐えていたあたしは
なんの前ぶれもなくバスに入ってきた類に気づいてあわてて裸体を隠そうと近くにあった
バスローブを羽織った。
「な、なんでもないの・・・ただちょっと背中に熱湯浴びちゃって・・・」
そう言いながら後ずさりするあたしを花沢類は軽々と抱き上げると
ソファにあたしを座らせた。
そしてなにも言わず部屋をでていくと、戻ってきた花沢類の手には救急箱と氷の入った袋が下げられていた。
「冷やすから背中みせて」
「えッ?!い、いいよ!こんなの放っとけば治っちゃうしっ」
「早くしろっ、痕が残ったらどうすんだ?!」
はじめてみる花沢類の怒鳴り声に近い言葉にあたしはびくっとなって、素直に背中を向ける。
「ごめん・・・花沢類。迷惑かけて・・・」
「いいよ、謝るな。オレこそごめん。怒鳴ったりして・・・」
さっきとはうって変わっていつもの優しい花沢類の声に、あたしはなぜかホッとして
その拍子に涙が溢れてしまった。
453流咲:04/09/21 18:05:44 ID:fGfINa2r
「牧野・・・?!なんで泣いて・・・」
「ごめんッ何でもないの。気にしないで!」
顔を隠すように俯いたあたしを花沢類はそっと自分の方に向き直らせ、
顔を覆っている両手をそっと外す。
両手をつかまれた格好で顔をのぞきこまれたあたしは視線のやり場に困って
顔をふいっと横に向く。
「あんたが何でもないって言う時は何かある時なんだよ」
さらに優しい口調で言うと、花沢類はあたしの両手をぐいっと引き寄せ
胸に受け止めた。
体が密着した瞬間、花沢類の甘いコロンの香りにあたしの思考回路がショートする。
「は、離してッ」
体を戻そうと力を込めてみても、ぎゅっとあたしを抱きしめている花沢類の腕はびくともしない。
「・・・なんで泣いたの?」
「べ、別に泣いてなんか・・・」
「牧野?」
まるで子供を諭すような口調にあたしはいつもと違って意地をはるのをやめた。
「・・・花沢類怒っちゃったのかと思って・・・それに・・・」
「それに?」
「ちょっと・・・ちょっとだけ嫉妬した」
「嫉妬?」
「静先輩と連絡とってるんだな、って思ったら・・・」
恥ずかしくて顔が真っ赤になってるあたしは花沢類に抱きしめられたままぎゅっと目をつむって
何かしらの反応が返ってくるのを待った。
「・・・マジ?」
花沢類はあたしの肩をつかんでまっすぐ顔をのぞきこむ。
「え?」
「牧野が嫉妬してくれるなんて思わなかったから・・・なんか嬉しい」
そう言って少し頬を赤らめた花沢類の表情にあたしは見入ってしまった。
恥ずかしそうにまたあたしの顔を自分の胸に押し付けると、ぎゅーっと抱きしめられた。
454流咲:04/09/21 18:06:43 ID:fGfINa2r
---な、なに?
  なんでこの人こんなに嬉しそうなの?
ふと耳元に直接響いてくる振動に気づいてそっと耳をすましてみる。
トクトクトクトク・・・・
花沢類の心臓がかなり速いペースで脈打ってるのがわかった。
「花沢類・・・心臓速いよ・・・?」
「・・・そりゃ速くもなるよ?」
「なんで?」
「好きな女のそんな格好間近で見せられたら無理もないでしょ?」
花沢類の言葉にバッと体を離し、自分の格好を見てあたしは目を丸くして
ソファから飛びあがる。
あたしは右側の肩をさらけだしていて、胸元ギリギリにまでバスローブがはだけていた。
「わ、わ、わ・・・」
あわてて襟元を直し、バスローブのベルトを締めなおしたあたしは花沢類のさっきの言葉に気がついて
ハタ、と動きを止める。
「あの・・・好きな女って・・・さっき?」
「言ったよ?前にも言ったじゃん、オレ牧野にホレてるって」
花沢類はくすっと笑うと、ソファから立ち上がったあたしをまたそこに座らせ
救急箱から薬を取り出す。
「もう一回見せて?」
また怒られたくなくて、あたしは素直に背中をみせる。
「ちょっとまだ赤いね・・・コレ塗っとくから」
そう言って花沢類は薬を指につけると、それをあたしの背中に塗り始めた。
「・・・痛ッ・・・」
「ごめん、大丈夫?」
「あ、うん・・・ちょっとヒリヒリしただけ」
優しく、丁寧に薬をつけてくれる。
手が離れ、塗り終わったのかなと思った矢先に不意に首筋に生暖かい感触を感じて
あたしはパッと後ろを振り返ろうと体をひねった。
455流咲:04/09/21 18:07:26 ID:fGfINa2r
---え・・・?!
それが花沢類の唇だということに気づいてあたしは固まってしまった。
右の首筋にぞくぞくっとするような刺激を感じ、あたしは体に力を込める。
花沢類はあたしを再び自分の方に体ごと振り向かせると、唇に軽く触れるようなキスをした。
さすがのあたしもやっとの思いで口を開く。
「だ、だめだよ、花沢類。あたし・・・」
「黙って。あんたは何も考えなくていい」
花沢類はまた唇に触れたかと思うと、今度はあたしの唇を味わうかのように何度も角度を変え
だんだんと深く、熱く唇を重ねてきた。
温かい花沢類の舌が進入してきて、あたしの頭はボーッと何も考えられなくなっていく。
甘い類の唾液があたしのそれと混じりあって、まるでひとつになったかのような錯覚に陥る。
「・・・牧野・・・好きだよ」
キスとキスの合間に優しくつぶやく甘い声にあたしもいつしか自分から類の舌を求めていた。
手応えを感じた類は、あたしの腰にあてていた右手をすっとバスローブの胸元に差し入れ
胸のふくらみに直じかに触れた。
一瞬ひやっとした類の指の感触にビクン、と反応したあたしも優しく包み込むような類の愛撫に
腕がだらしなく垂れる。
類はあたしをソファの背もたれによりかからせ、体を密着させるようにそのそばに座りなおす。
あいかわらず続けられている長いキスに抵抗する力を奪われてしまったあたしは、
類の手によってバスローブが完全にはだけ、胸が露出している事にも気づかなかった。
456名無しさん@ピンキー:04/09/21 19:05:45 ID:e9vvr6DR
流咲サン、いいっす〜☆
でもageでよいの・・・?
457名無しさん@ピンキー:04/09/21 19:59:16 ID:A/mZHU+Q
作家さんはageでもOKかと。
流咲さま、続きおながいします。
458流咲:04/09/21 20:05:15 ID:fGfINa2r
>456サマ
 す、すみません・・・^^;
 実はあんまり2ちゃんねるにカキコしたことがなくて基本的な事を勉強せずに
 思いつきで書いてしまいまして・・・ほんとにごめんなさいッ!!
 えと・・・このまま書いちゃってもいいんでしょうか?
 
459158:04/09/21 20:07:23 ID:O2iMq9pB
わ〜い、新作家さんだ!
流咲サマ、どうか続きをお願いします!書いちゃっていいんですよー!
類がかわいくていいー!
460456:04/09/21 20:28:35 ID:e9vvr6DR
>>458
こちらこそ、流れを中断してしまって申し訳ありませんでした(T_T)
続きを楽しみにしてます。
461流咲:04/09/21 20:58:50 ID:fGfINa2r
もみしだかれる胸のふくらみに先端がだんだんと固さを増してきて、あたしの全神経がそこに集中する。
先には触れないように胸をもんでいた類の指が一瞬先端に触れ、あたしは電流が走るような衝撃に
思わず声をもらしてしまう。
「・・・あッ・・・」
あたしの声を合図にするように、類は先端を指でつまみ、持ち上げ掌に擦ったりして刺激を与えてくる。
「あん・・・あッ・・・」
唇と唇の間から漏れるあたしの声は少しづつ荒くなっていく。
やっと解放された唇からは甘い吐息が漏れ、類の手が少しづつ下へ下がっていく。
かろうじて腰のあたりにまとわりついていたバスローブで下着をつけていない部分が覆われていたものの、
類の手が内股に触れた瞬間に急にこの状況が恐怖となって襲い掛かってくる。
「・・・いやッ・・・花沢類、ダメだよこんなこと・・・」
バスローブを再び羽織ろうとするあたしの手を花沢類がつかんで阻止する。
「なんで?」
「なんで、って・・・あたし達付き合ってるわけでもないし・・・」
「オレは牧野が好きなんだよ?あとは牧野次第・・・オレの事嫌い?」
類はわざとあたしの耳元に近づくと、鼓膜を直接震わすように囁いた。
かあっと頬が染まったあたしの反応を楽しむかのように類はなおも問い詰めてくる。
「嫌い?今オレとキスしてていやだった?」
「き、嫌いでもないし別にいやじゃなかったけど・・・でもっ」
一生懸命この場を切り抜ける理由を頭の中でフル回転させているあたしに
花沢類はまっすぐで熱い視線を向ける。
「オレ、牧野を抱きたい」
「だ、だ、抱きたいっ?!ま、待って・・・心の準備してない・・・」
「そんなもん必要ない。ここで待ったかけられても、オレ止めらんないよ」
端正で整った顔が、唇が触れそうなほどの距離にまでせまってきて
あたしはもう逃げられないことを悟る。
見つめ返したあたしの視線と花沢類の視線が絡み合う。
覚悟を決めて目を閉じたあたしを類は抱き上げ、ベッドへと運ぶ。
462流咲:04/09/21 21:00:30 ID:fGfINa2r
完全にまとっているものを脱ぎ捨てたあたし達は、シーツの中で肌を重ねあう。
あたしの体の這っていく類の指の動きに、あたしの理性が少しづつ剥がれ落ちて
再び太ももの内側へ這わせてきた類の手を受け入れていた。
すでにしっとりと湿った秘部に類の指が滑り落ちていき、少しもりあがった蕾に触れた。
「あ・・・あん・・んっ・・・」
全身が痺れるような感覚にあたしは溺れ始める。
あたしの一番感じる部分を探り当てた類は、執拗にそこを攻めてくる。
乳首を舌で愛撫されながら、指の先で突起した蕾をいじられているとあたしの中心から蜜があふれだしていく。
類はそれを指ですくっては感じる部分に擦りつけ、刺激を与えていく。
「はん・・・あッ・・・いやッ・・・」
あと少しで絶頂を迎えそうになったあたしは、類の指と舌がパッと離れたことに気がつく。
「・・・・ど・・・したの・・・?」
うつろな瞳でいやらしいねっとりとした声になっている自分に驚きながらも、
あたしを見下ろしている類の何かをたくらんだような笑みにもう一度聞き返す。
「ねえ・・・花沢類・・・?」
熱くなった下半身が疼いて、早くまた触れてほしい気持ちがあたしの視線を熱くしている。
「いや・・・なんでしょ?だからやめた」
「え・・・?いやって言うか・・・だからその・・・」
「してほしいの?やめてほしいの?どっち?」
「・・・花沢類の意地悪・・・」
軽く睨んで見るが、類はそれでも答えを求めてくる。
「・・・や・・・じゃない・・・してほしい・・・」
「んッ・・・それならまた気持ちよくしてあげるよ」
あたしの答えに満足したように類がニコッと微笑むと、
再び濡れて艶やかに膨らんだ蕾を指先で弄び始めた。
「はん・・・あぁ・・・はん・・・」
背中を弓のように反らせ声をあげるあたしに類もだんだんと興奮してきているのがわかる。
すると中心に類の指があてがわれ、入り口付近を浅く出し入れする。
463流咲:04/09/21 21:01:43 ID:fGfINa2r
痛みはまだなく、快感と恐怖とか入り混じった異常な興奮があたしを襲う。
類はあたしの表情を見ながら、少しづつ中指を奥にさしこんでいく。
まだ何も受け入れたことのないそこは、きつく、類の指にからまる。
するとゆっくりと出し入れしていた速度をあげ、親指で蕾をまさぐり始めると
あたしの声はますます荒くなっていく。
「あッ・・・あッ・・・もう・・・ダメッ・・・」
大きなうねりとともにやってきた快感の波にあたしはのみ込まれた。

あたしはまだ脈打っている寄せては返す余韻のなかで、うっすらと瞳を開けた。
「・・・牧野?大丈夫?」
「う、うん・・・」
自分の顔が真っ赤になっていることがよくわかる。
「牧野がこんなに感じやすいなんて思わなかったな」
花沢類の言葉にますます顔はゆでダコ状態。
恥ずかしさに耐えられなくなって、あたしはシーツをかぶって背中を向ける。
でも花沢類はそれを許してくれない。
「まだ寝ちゃダメ。牧野の全部見せてもらってないよ?」
---なッ・・・なんて大胆なこと言うんだこの人は・・・!!
普段の花沢類からは想像もつかなかった言葉や仕草が
あたしをどんどん狂わせる。
あたしの背中にピタッと寄り添うように類は後ろからあたしを羽交い絞めにし、
耳たぶを噛んだり、舌を這わせたりしてくる。
ゾクゾクっとするような舌の動きにあたしは正直に反応する。
464流咲:04/09/21 21:02:38 ID:fGfINa2r
「ん・・・ッ」
類は舌の動きを続けながら、後ろからあたしの胸をもみ、先端を指でしごく。
「あ・・・んんッ・・・」
それだけであたしの茂みの中に湖ができていく。
類はそれを察知したかのように、片方の手を胸から腰そして秘部へとおろしていく。
「もう・・・こんなに濡れてる・・・」
「・・・いや・・・恥ずかしい・・・」
類に耳元でささやかれ、そしてさらに潤っていく。
「牧野・・・」
類は切なくあたしの名を呼ぶと、体を起こしあたしを見下ろす格好になる。
後ろから抱きしめられたとき、ちょうどあたしのお尻のあたりに固い突起物が何度も触れた。
---ま、まさかこんな固いモノがあたしの体に入ってくるの・・・?
  なんか怖くなってきた・・・
花沢類はあたしの両足を軽く広げ、ひざをついた姿勢で自身をあたしの中心にあてた。
---こ、こわいッ!!
足が震え、無意識にあたしは目をつぶっていた。
そんなあたしの様子に気づいた類が切なそうにあたしを見つめる。
「牧野・・・もうやめようか?」
体はこんなに花沢類を求めているのに、そして花沢類もきっと・・・
あたしは覚悟を決め、優しくあたしの髪をなでる類の手を両手で握り締め、
そっと自分の頬に添えた。
いつもは冷たい類の手が今はこんなにも火照っている。
あたしの体も同じ・・・花沢類を求めてる。
「・・・花沢類・・・大丈夫だから・・・手つないでて?」
類は愛しそうにあたしを見つめると、左手をあたしの右手に絡ませぎゅっと握る。
「・・・いい?」
類のためらいがちな言葉にこくん、とうなづくと類があたしの中に入ってきた。
465流咲:04/09/21 21:18:57 ID:fGfINa2r
十分に濡れそぼっているのにあたしはなかなか類を受け入れられない。
体を真っ二つに引き裂くような痛みにあたしは顔をしかめる。
「牧野・・・ごめん。オレもう引き返せない・・・」
「・・・うん・・・大丈夫だから・・・ッ」
類はあたしの頬や額、首筋に何度もキスを降らせながら
自身を奥深く差し込んでいく。
「・・・痛ッ・・・」
それでもなんとか類のすべてを受け入れ、痛さもすこしづつひいてゆく。
「ちょっと痛いかもしれないけど・・・ごめん」
類はそう言ってあたしの中心に向かって腰を動かし始めた。
「ひぃッ・・・いッ・・・あッ・・・・・」
だんだんと快楽の波があたしを支配してきて、結合部分からさらに蜜が溢れ出す。
あたしが感じはじめてきたことに類の動きも次第に激しさを増していく。
「あんッ・・・はぁ・・・あん・・・・」
あたしはぎゅっと閉じていた瞳をあけ、類の顔を見上げた。
今まで見たこともない男の類の表情にあたしの胸がきゅん・・・とうずく。
視線が絡み合い、指が絡み合い、そしてあたしたちはひとつになって絡み合う。
今まで知らなかった未知の世界があたしの中の何かを突き動かした。
「・・・ま・・・きの・・・」
「あ・・・ッ・・・また・・あんッ・・・・」
466流咲:04/09/21 21:19:48 ID:fGfINa2r
気づくと、花沢類があたしの髪を撫でながら優しく微笑む。
「牧野・・・すげえかわいかった」
「そ、そういうこと言ってまたからかう・・・ッ」
あたしは耳まで真っ赤になって恥ずかしさのあまりついいつもの口調になってしまう。
こんな時くらい、って自分でも思うけど。
「ほんとだよ。・・・オレやばいかも」
「やばい、って何が?」
「ん?・・・牧野に対する気持ちにブレーキかかんなくなちゃった」
「へ?!」

目を丸くしているあたしを花沢類はまっすぐに見つめてこう言ったんだ。
「もうオレは自分を抑えるのやめる・・・あんたをもう司には渡さない」
そう真顔で言った類のビー玉みたいな瞳の奥にはあたしが映っていた。
あたしもふうっと息をつくとまっすぐ花沢類を見つめ返した。
「あたし・・・花沢類を受け入れたときにもう覚悟は決まってたよ」

そう。
あたしは花沢類と生きていく。決めたんだ。

決意を新たにしたあたしの背後に、闇がすぐそこまできていたなんて
その時は知るよしもなかった。

467名無しさん@ピンキー:04/09/21 23:33:51 ID:5GrBd4wL
>>流咲さん
新作に飢えてました…”(*>ω<)o"クーーッ
ルイルイ 萌え〜♪ 続き待ってまーす♪
468名無しさん@ピンキー:04/09/22 18:57:27 ID:DpOX2Sat
おー久し振りの新作だ!!
まだ続きがあるのかな?
楽しみに待ってます!!
469流咲:04/09/22 21:24:48 ID:aZgMMKHx
続きをちょっぴり書いてみたのでよかったらお暇つぶしにどうぞ♪
470流咲:04/09/22 21:25:29 ID:aZgMMKHx
「花沢類?」

冬のやわらかい陽射しを浴びながら、非常階段でうとうとしていたオレは
その愛くるしく自分を呼ぶ声で現実に引き戻された。
「その顔は・・・また寝てたんでしょ?」
そう言って牧野は扉からちょこっと顔を出すとくすっと微笑みながら、オレのとなりにペタンと座る。
「こんなとこで寝てたら風邪ひくよ?寒くないの?」
牧野はオレの顔をのぞきこんでまるで母親がこどもを諭すような言い方をする。
「ん・・・寒い・・・」
オレはそう言ってわざとオーバーに寒そうに震えてみせると、牧野を両腕につつみこんだ。
「・・・あったかい」
「ちょ、ちょっと花沢類っ!こんなとこで誰かに見られたらどうすんのッ」
「別にHな事してるわけじゃないしいいじゃん」
「よ、よくないッ!!」
一生懸命オレの腕から逃れようともがく牧野。
抱きしめてるだけなのにそれだけで顔が真っ赤になってしまう。
オレはもうちょっと意地悪したくなって抱きしめていた腕をパッと離した。
「も、もう・・・ッ」
牧野はまわりを見回してキョロキョロしている。
オレは手を伸ばし、左手で牧野の腰を寄せ顎をくいっと軽く持ち上げると不意打ちで唇を重ねた。
目を丸くして驚いているのが目をつぶっていてもわかる。
「・・・んっ・・・」
唇が離れそうになると、オレは腰にあてていた手に力をこめそれを許さない。
軽く開いた唇のあいだから舌を割り込ませると、だんだんと抵抗していた力が弱くなり
牧野が受け入れ始めたところでオレは唇を離した。
471流咲:04/09/22 21:26:28 ID:aZgMMKHx
「・・・んっ・・・」
唇が離れそうになると、オレは腰にあてていた手に力をこめそれを許さない。
軽く開いた唇のあいだから舌を割り込ませると、だんだんと抵抗していた力が弱くなり
牧野が受け入れ始めたところでオレは唇を離した。
「・・・もっとしたかった?」
「な、何言ってんのッ?!そんなわけないでしょっ」
いたずらっぽくそう尋ねてみたオレに、牧野は顔を真っ赤にして反論する。
「ここで押し倒したいとこだけどガマンしとく」
オレの言葉に牧野は絶句したように口をポカンとあけたまま固まってしまった。

その時不意に扉が開いて総二郎とあきらが顔をだした。
「やっぱここだったか」
「・・・ん?何牧野固まってんの?」
総二郎の言葉に牧野はハッと気づいたように立ち上がる。
「な、な、何でもないッ!あッあたしそろそろ授業始まるからもう行くわ」
「ちょっと待て。話しあるからそれからに・・・」
総二郎の制止も聞かずに牧野はあわただしく扉を開けると階段を降りていってしまった。
「ったく・・・」
あきらは呆れたように扉の向こうに視線を送ると牧野が座っていた場所に腰をおろす。
総二郎も腰をおろしかけたところで何かピンと来たらしく、オレに向かってニヤニヤ視線を送ってきた。
「・・・なに?」
「非常階段でいちゃつくなよーまったくお熱いこった」
---相変わらずするどいやつ・・・
オレはきわめて冷静を装ってとぼけた表情を返す。
---牧野だったらここで顔真っ赤になってあっけなくバレちまうんだろうな
そう思ったらなんだか無性におかしくなってしまった。
「何笑ってんだよ、類」
あきらが怪訝そうな顔でオレをのぞきこんでいる。
「で?何、話って?」
472名無しさん@ピンキー:04/09/22 22:26:15 ID:749ZmUq2
ワクワク"o(・ェ・o))((o・ェ・)o"ドキドキ
473名無しさん@ピンキー:04/09/23 02:19:25 ID:7zuk4GTy
類つく大好きな自分には有り難いご馳走です。
濡れ場も愛があってイイ!楽しみに読ませて頂いてます。
474流咲:04/09/23 09:51:23 ID:X5xFx58e
「ああ、きのう滋から電話で聞いたんだけどな、今日桜子誕生日なんだってよ」
あきらの言葉にオレは眉をひそめる。
「桜子って・・・あの整形の?」
「おまえなー・・・いつもツルんでるやつの名前くらい覚えろよ」
「・・・めんどくさい」
「女は牧野だけじゃねえんだからよ・・・まあいいや。
で、さっき桜子に祝ってやっからどこ行きたいかって聞いたらクラブのVIPルームがいいって
言うからよ、青山の予約した。牧野と来いよ」
「・・・クラブ?牧野来るかな・・・」
ああいうところはあんまり好きそうじゃないな・・・と思ったが一応声をかけてみることにする。
「牧野が行かないって言ったらオレも行かないから」
あらかじめ断っておいて、オレは立ち上がって非常階段を降り始める。
「お、おいっ類!」

「類のやつ、牧野とつきあいはじめてからますます付き合い悪くなったな」
あきらがぼやく。
「・・・まあしょうがねえだろ?類の頭ん中は牧野のことしかねえからな」
総二郎はそう言ってふっと笑うと、オレらも行こうぜと非常階段をあとにした。

475流咲:04/09/23 09:52:18 ID:X5xFx58e
HRが終わり、教室で帰り支度をしていたあたしの耳になにやらざわざわと騒ぐ声が聞こえてきて
入り口でできている人だかりに視線を送る。
クラスの女生徒がキャーキャーと声をあげている輪の中で頭ひとつ出ているその人物の姿に
あたしは顔が青ざめる。
---は、花沢類っ?!
  なんでこんなとこに・・・?!
唖然としているあたしの目の前に花沢類が歩み寄ってきて、あたしは顔を見上げる。
「な、なに・・・?」
「迎えにきた」
花沢類はそう言ってあたしにニコッと笑いかける。
遠巻きにあたしたちを見ていた連中から悲鳴のような叫び声があがる。
「ほら、かばん貸して」
あたしのかばんを手にとると、反対の手であたしの手をつかみ教室の入り口へをひっぱっていかれる。
「ちょっと・・・、花沢類あたし一人で歩けるってばっ」
あたしの言葉なんて無視するかのように花沢類はスタスタと歩き続ける。
背中に刺さる殺気立った視線を感じながら、あたしは手をひかれたまま学校をあとにした。
476流咲:04/09/23 10:28:15 ID:X5xFx58e
校門の前に待機していた花沢類の送迎車に乗り込み、途中訳のわからないままやたらと高級なブティックに
連れて行かれあれよあれよという間に着替えさせられ、メイクまでされたあたしは状況が飲み込めないまま
店員のうながすままに店内の奥にあるVIPルームと書かれた個室に入った。
そこには着替えをすませてソファに座り雑誌をパラパラとめくっている花沢類の姿があった。
---うわ・・・どっかのモデルが雑誌から飛び出してきたみたい・・・
肌触りのよさそうなシルクのシャツを第2ボタンまであけ、細身のレザーのパンツスタイルが
いつもと違う男性的な雰囲気を漂わせている。
思わず見とれてしまったあたしに気づくと、花沢類がパッとあたしを振り向き一瞬固まる。
---や、やっぱりこんな格好似合わないよね・・・
ちょうど花沢類の着ているシャツと同じような薄手のシルク素材の黒のワンピース。
肩紐は切れてしまいそうなほど細く、胸元は大胆にカットされていて裾も膝丈で端の方が透けて見えるようになっている。
それになんと背中はひもがクロスしただけの大胆極まりないものだった。
自分の格好にあらためて恥ずかしさを覚えたあたしは、それを隠すように早口でまくしたてる。
「あ、あたしこんな格好したのはじめてだからめちゃくちゃ恥ずかしいんだけどッ!
でもやっぱり花沢類は何着ても似合うよね、そんな服普段あんまり着ないよねえ?」
明らかに動揺してしまっているあたしに花沢類の視線がささる。
うつむいてしまったあたしの手をとると、花沢類は店員の挨拶も軽くあしらって車道に寄せられた車に
再び乗り込む。
「ど、どこ行くのッ?!」
477流咲:04/09/23 10:28:58 ID:X5xFx58e
「・・・今日桜子ってやつの誕生日なんだって。で、青山でみんな集まるらしい」
「あ・・・桜子誕生日なんだ!それならそうと言ってくれればよかったのに・・・
っていうかこの格好ッ!こんなんでパーティーでちゃっていいのかな・・・」
少し、いやかなり露出の高いこの服に不安を覚える。
「なんかクラブでやるんだって。だから平気」
「あ、そう・・・クラブね・・・クラブって・・・あのガンガンうるさいクラブ?!」
「そ。・・・なんだ牧野行ったことあるんだ?」
「あるっていうか・・・」
あたしはトーマスに騙されてホテルに連れ込まれたときのことを思い出す。
---そういえば現況は・・・桜子じゃんっ!!
顔をひきつらせていると、類がふと運転手にここでおろしてと告げた。
「降りるよ」
「え?ここ・・・青山じゃないよねえ?」
青山で集まるって言ってたのに・・・と首をかしげているあたしに花沢類はワンピとセットで買ってくれた
ロングコートをあたしに羽織らせてくれた。
「寒くない?」
「うん・・・コートあったかいし・・・」
「じゃ、行こう」
そう言って花沢類は目の前にそびえ立つあのメープルホテルと肩を並べるくらい立派なホテルへ入っていった。
「ちょっとここで待ってて」
花沢類はあたしを受付の手前で待たせると、しばらくしてカードキーを手に戻ってきた。
478名無しさん@ピンキー:04/09/23 21:24:01 ID:djGCGf9T
(´д`;)ハァハァ
やっぱり類×つくしは萌えますね。続き待ってます。
479名無しさん@ピンキー:04/09/23 21:39:50 ID:FcUKYF7U
ホ、ホテルっ!?
((((o゚▽゚)o))) ドキドキ♪
480名無しさん@ピンキー:04/09/23 22:52:31 ID:IFi41gwj
ルイルイ、萌えー…
続きが楽しみです!
481名無しさん@ピンキー:04/09/24 01:19:41 ID:cJToAQ48
最高に萌えです!流咲さん、続き楽しみに待ってます!(*´∀`*)
482流咲:04/09/24 10:22:56 ID:6WgGrYIV
「ね、ねえ?待ち合わせ7時って言ってなかった?時間平気?」
「・・・部屋で待ってる人がいるんだ」
「えッ?!誰?」
花沢類はそう尋ねたあたしにくすっと笑ってみせると、手をひいてエレベーターに乗りこむ。
目的の階に降り立つと、花沢類のあとに続いて長い廊下を進んでいき奥の部屋までやってきた。
---誰が待ってるんだろう・・・?
花沢類がドアを開けたままあたしを先に通してくれる。
「・・・ん・・・?誰も・・・いないよ?」
部屋をのぞきこんだあたしはそこに誰の姿もないことに気づいて花沢類を振り返ろうとする。
その時、不意に後ろから抱きすくめられあたしは息をのんだ。
「・・・は、花沢類?」
あたしを包んでいた腕にぎゅっと力が込められ、ふわっと花沢類の甘いコロンの香りがあたしの脳を刺激する。
抱きしめられているだけなのに、あたしの心臓は飛び出さんばかりに跳ね上がって体温まで上昇しはじめる。
羽織っていたコートがぱさっと床に落ち、あたしはワンピース姿になる。
カアッと火照った頬に花沢類の冷たい指先が触れたかと思うと、あたしの顔だけを後ろに向けさせ
唇を奪われた。
「・・・んっ・・・」
いつもと違う激しいキスにあたしは少し躊躇すると、それを逃さないとばかりに
生暖かい舌先があたしの舌を求めて中にはいりこんでくる。
だんだんとその甘くて激しいキスにあたしの頭がボーッとなる。
483流咲:04/09/24 10:23:46 ID:6WgGrYIV
唇が離れ、花沢類の唇が今度は耳へ、そして首筋へ降りてくる。
「ちょ、ちょっと・・・花沢類・・・ッ」
このまま事の成り行きにまかせていたらマズイ・・・ベッドの脇のデジタルクロックがもうすぐ7時をさすことに気づいて
あたしは腰にあてられていた花沢類の手をつかむ。
「もう行かなきゃ・・・それに・・・誰か来るんじゃないの?」
それでもあたしの首筋にキスを降らせてくる。
「・・・え?オレそんなこと言った?」
「・・・はッ?」
振り向くと花沢類は確信犯的な笑みをうかべてあたしを見つめている。
「だ、騙したな〜ッ?!」
額に青筋立てちゃってるあたしに花沢類はくすっと笑ってみせたあと、
相変わらず腰にあてている手をあたしの背中に這わせてきた。
背中はひもが交差しているだけだから、花沢類の指先がじかに肌に触れる。
そのひやっとした心地いい感触と、目の前の花沢類の熱っぽい視線に
あたしの体は正直に反応を示す。

「・・・ダメ?」
「ダ、ダメって何が?」
「今ここで牧野のこと抱きたい」
---だ、抱きたいぃぃ〜?!
 なんて恥ずかしいセリフ真顔で言うのよ、この人はッ
「ねえ、ダメ?」
---そ、そんな甘えた声出されたってダメなんだからッ・・・
あたしは一生懸命理性を保とうと花沢類の視線から目を離し、再び背中を向けた。
「・・・み・・・みんな待ってるんだからダメッ!はやく行こッ」
ドアの方へ歩き出したあたしは、ぐんっと腕を後ろに引っ張られ高いヒールにバランスを崩した。
484流咲:04/09/24 10:24:21 ID:6WgGrYIV
花沢類がとっさにあたしの体を腕で支える。
顔を見上げると、すぐ近くにある花沢類の顔。
いつもは穏やかなうす茶のビー玉のような瞳から男を感じさせる色気が漂い、あたしの理性をくすぐる。
「牧野のそんな色っぽい格好見せられて・・・何もするなって?」
「・・・ダメ・・・だよ・・・」
「・・・オレもう・・・抑えきかない」
花沢類はあたしの唇を激しく濡らしてゆく。
いつもと違う少し乱暴なほどの情熱的なキスにあたしの理性は完全に吹っ飛んだ。
唇を重ね、舌をからめ、お互いを求め合う。
その行程さえももどかしいかのように類はあたしをベッドに押し倒し、
自分も蝶ネクタイとシャツを脱ぎ捨てる。
首筋に舌を這わせながらあたしのドレスの肩紐をずり下ろし胸を露出させる。

類の手はすっかり熱くなっていて、ゆっくりと形づくっていくようにあたしの胸を揉む。
「・・・んッ・・・はァ・・・」
指と指の間からぷくっと突き出した先端に類の舌が触れると、まるで感電したような衝撃が全身に走った。
いつもはゆっくり胸を弄ぶ類だが、その先端を口に含みながらあたしのショーツを一気に引き下ろす。
正確に、まっすぐにあたしの中心に指をあてがった類があたしの耳元でささやいた。
485流咲:04/09/24 10:26:58 ID:6WgGrYIV
「・・・やっぱりやめる?」
---こういう時の花沢類はほんとに意地悪だ・・・
 あたしの体をその気にさせておいてからそんなこと言うんだから・・・
 べつにやめたっていいもん
 このまま部屋を出て、みんなのとこに・・・
でもあたしの口からでた言葉は全くの逆だった。
「・・・花沢類・・・はやく・・・」
あたしの言葉に満足したように類はすっかり蜜が溢れたそこに指を滑らせ、
隆起し固くなった部分を指先で擦る。
「あぁッ・・・んぅ・・・んッ・・・」
敏感な部分が類から与えられる振動でどんどん感度をあげていく。
「はぁ・・・あッ・・・ダメ・・・もう・・・」



トロンとした瞳で頬を染め見上げる牧野の表情はオレの男の部分を刺激する。
それを見下ろしながら、オレはベルトをゆるめ固くなった自身をまだ脈うっている
部分にあてがった。
まくりあげられたドレスの裾からのぞくなまめかしい腿を腕で押し広げると
ゆっくりと挿入する。
「あんッ・・・・あぁ・・・」
色っぽいあえぎ声が牧野の唇から漏れると、オレの自身もますます反応してしまう。
まだ少しきつい部分も、溢れ出る蜜のせいで滑り込むようにオレを中まで誘導する。
あたたかい包み込まれるような感覚に頭が真っ白になる。
深く沈めた腰がつきあたりまで達すると、何度も一点をめがけて突きつづけた。
ドレスからこぼれた胸の先端はすっかり固くなっていて、オレの動きに合わせて
上下に揺れている。
「あぁ・・・はんッ・・・んッ・・・」
眉間にシワを寄せ一生懸命オレにしがみついている牧野の表情に
オレは耐えられなくなって愛しい名前をつぶやく。
486流咲:04/09/24 10:27:42 ID:6WgGrYIV
「・・・牧・・野・・・」
「あんッ・・・る・・・い・・・」
うわ言のようにオレの名を呼び返す声をもう一度聞きたくて
オレは牧野の口元に耳を近づける。
「も・・・一回・・・言って・・・」
「・・・あぁッ・・・る・・・類・・・」
さらに圧迫が強まった感覚にオレは動きを早めた。
「あッ、あッ・・・んッ・・・」


部屋に響く二つの荒々しい呼吸。
ぎゅっと抱きしめられる感触にオレの停止していた脳の動きが反応する。
細い腕が首にからまると、目の前の胸の谷山に顔をうずめた。
「・・・ねえ・・・花沢類?」
その呼び方にオレはくすっと心の中で苦笑する。
---最中はオレのこと類って呼ぶくせに・・・
 終わった途端戻っちまうんだもんな
「なに?」
「・・・まだ・・・あたしたち繋がってるよね・・・?」
「?」
牧野の言わんとしていることが読めなくてふと顔を起こし視線を交わす。
その少し困惑したような表情にハッと気づいた。
---やべ・・・抜くの忘れてた・・・
「えーと・・・ごめん」
気まずそうにうつむいて体を離すと、牧野が何か言うのを待った。
「・・・・・やっぱり・・・だよね?なんかあたし服着たままだし・・・どこも・・・形跡がないし」
牧野が起き上がってなんとも言えない表情を浮かべている。
「・・・怒ってる?」
おそるおそる尋ねたオレに牧野が少し間をおいたあと、ぷっと吹き出した。
487流咲:04/09/24 10:28:40 ID:6WgGrYIV
「・・・なに?」
あまりにもおかしそうに笑うもんだからオレは状況が読めなくて首をかしげる。
「だって・・・いたずらしてお母さんに怒られたこどもみたいなんだもん」
くったくなく笑う牧野の表情にホッとしたオレは安堵の表情をうかべる。
「よかった。牧野怒っちゃったかと思った」
「・・・怒ってはないけど・・・でも次はげんこつだからねッ」
「・・・あい」
「でも・・・なんで?いつもはこんな事ないのに・・・」
「・・・出すとこなかったから」
「だッ、だすとこって・・・生々しい事言わないのッ!!」
急に顔を真っ赤にしてベッドから飛び降り、あわてて身なりを整えている牧野を横目で見ながら
オレは自分の失態に頭を掻いた。
---まさか牧野があまりにも色っぽくて抜くこと忘れて没頭してました、
 なんて言えないよな・・・
 ここまで来るとオレの牧野病も重症だな
ふっと苦笑したオレにすかさずつっこんできた牧野は
時計を見てあたふたしてオレに早く服を着ろ、とせっついてくる。
ちょうど鳴り出した携帯にさすがのオレもてきぱきと衣服を身に着け
総二郎たちになんて言い訳するかな・・・と考えながら牧野の手をひき部屋をあとにした。

相変わらず頬を赤く染めたままの牧野はあたふたとドレスのシワを気にしながら
オレに手をひかれ小走りでついてくる。
そんな愛しい姿に目を細めたオレは、そっと顔を寄せて唇に触れるだけのキスをした。

「好きだよ」
「・・・あたしも」

488名無しさん@ピンキー:04/09/24 22:27:29 ID:VlE7BQ+7
萌えー…
489名無しさん@ピンキー:04/09/24 23:18:37 ID:XGOzwYSY
類の「あい」って返事がカワ(・∀・)イイ!! 流咲さん、あなたワテクシを萌え死にさせる気ですね?
490名無しさん@ピンキー:04/09/25 00:33:53 ID:gvCecf0O
ワタシも類の「あい」にヤラレた者です。流咲さん有難う。萌えて燃えます。
491名無しさん@ピンキー:04/09/25 20:22:49 ID:kU/Zc7os
( 」´0`)」最高ですーっ!
続きっ続きっ♪
492名無しさん@ピンキー:04/09/27 01:05:52 ID:4ym5Z9rr
総×優紀読みたいです。
493名無しさん@ピンキー:04/09/27 22:40:57 ID:PrGu5uwl
流咲タンの続ききぼん
494名無しさん@ピンキー:04/09/28 10:17:32 ID:8lWED+bV
流咲さん面白かったでつっ!!

お〜い、作家さ〜ん!!
495名無しさん@ピンキー:04/09/28 23:26:31 ID:txPb/hEO
西門×つくしが読みたいー!!!!
流咲さん、無理ですか…?
496158:04/09/29 18:49:14 ID:p9RfPaNb
>495さん
流咲サンではありませんが、ご要望のお題目、書かせてもらっちゃいました。
興味持てるカップリングだったもので。
お気に召すか判りませんが、upしまーす。
497158:04/09/29 18:49:50 ID:p9RfPaNb

いつのことだったか、牧野が急に聞いてきたことがあった。
「そういえば、西門さんって次男なんだ」
「なんだよ、急に」
「いつだったかな、前に誰かの家で写真見たことあるのよ、西門さんの兄弟の」
「お前な、普通、名前で判るだろ。俺は『総二郎』なんだから」
「ううん。そうじゃなくて、弟さんもいるなんて知らなかったから」
「ま、あんま仲良くねーけどな」
「でも、そんな感じ」
「あ?」
「西門さんって、中間子って感じがするなって」
「なんで」
「何か、西門さんって、甘えたくても甘えられない状況にあった気がする」
「…」
「あたし、長女だからなんとなく判る。本当は甘えたかった時期があったのに、弟が出来て、それが出来なくなっちゃうの。西

門さんって、本当は今でも甘えられる相手を探してるんじゃないかって」
「ばか言ってんなよ、そんな訳ねーじゃん」
「はは。そうだね」
牧野はおどけて笑う。俺も少し笑った。
でも内心、驚いてた。マジ、痛いところを突かれたって感じだった。間違っても表情には出さないけど。
こいつ、意外に鋭いヤツなんだなって思った。
そんな矢先、俺のオヤジとお袋の仲が益々険悪化していった。
そして俺は益々、家に寄り付かなくなっていった。
498158:04/09/29 18:52:46 ID:p9RfPaNb

いつもならこんな量で酔ったりしない。いつものペースで飲んでたはずなのに、今日は逆に酒に呑まれていた。
両親のゴタゴタとか、兄貴のこととか、弟のこと。全部うざったくて忘れるために飲みに来たのに。
しかも、バカ騒ぎするつもりで飲みに誘ったあいつらはみんな急に都合が悪くなって、現地に現われたのは牧野だけ。
仕方ないので牧野相手に飲み始めて。
でも結構楽しかった。最初はいつもみたいにバカ話してたのに、そのうちに愚痴っぽくなって。
カッコ悪ぃ。そう思うんだけど、言葉が止まらなかった。
牧野は相槌を打つだけで、とにかく俺の話だけを聞いていた。
「全く、どうしろってんだよ。こんな状態の家なんか継いだってどうしようもねー」
自嘲しながら笑ってみる。
「でも」
牧野が口を開く。今日初めて俺の話に口を挟んだ。
「でも、そんなお家だから、継ごうと決めたんでしょ?」
「?」
「西門さん、自分が継げば、わだかまりも無くなって、昔の仲良しだった家に戻せるって思ってる。そうでしょ?」
「…」
「それに、西門さん、口ではそう言ってても茶道を愛してる。イヤイヤやってるように見えないもん」
牧野の笑顔。こいつは意識してるんだろうか?今、俺の一番深い部分を掘ったんだぞ、お前。
いつもなら、『判ったような口を利く女』と一蹴しているところだ。
でも、そうは出来なかった。多分俺は、今の牧野の笑顔に癒されてる。
「…牧野」
「ん?」
首を傾げて聞き返す牧野の腕を掴んで、店の外に出る。
499158:04/09/29 18:53:16 ID:p9RfPaNb

「ちょっと、何、西門さん?」
牧野には返事をしないで、右手を挙げてタクシーを停める。
有無を言わさず牧野を乗せた後に俺も乗り込んで、行き先を告げる。
「インペリアルホテルまで」
「ほ、ホテルっ?!」
牧野が仰天した表情で俺を見る。
「な、ななななにっ、どどっどど、どうして?!」
「うるさいな、黙ってろよ」
「黙ってなんかっ…」
牧野には最後まで言わせなかった。
俺が、牧野の唇を、俺の唇で塞いだから。
「んっ…っふ…っ…」
目を閉じていても判る。きっと牧野は目を見開いて俺の行動に愕然としてるはずだ。
まだ、じたばたと暴れている牧野の体を俺の腕で包む。
「んんっ〜〜っ…」
『離せ』といわんばかりにもがいている牧野。まったく、どうしようもないじゃじゃ馬だな。
そうこうするうちにホテルの前に到着した。
料金を払って、再度牧野の腕を掴んでロビーに入る。
「か、か、帰るっ!」
「ロビーなんだから、おとなしくしてろよ」
「何考えてるのよ、西門っ!」
構わず牧野を捕まえたままで、フロントからキーを預かる。
エレベーターを最上階で停めて、目の前にあるドアにキーを差し込む。
500158:04/09/29 18:53:56 ID:p9RfPaNb
「ど、どうしようってのよっ」
部屋に入るや否や、牧野が睨む。
俺はその表情に少し笑って、正面から牧野を抱きしめた。
「…西門さんっ…?」
俺の鼓動が聞こえるか、牧野?この完璧な俺が、今からお前にすっげー恥ずかしいことをお願いするからな。
「牧野。今日だけ。今晩だけ、お前に甘えさせてくれるか?」
「は?」
「…前にお前が言ってた言葉。あれ、あながち外れてないぜ。俺、誰かに甘えたかった」
「西門さん…」
「ダメか?」
「そ、そんなこと言われても…」
「ダメって言われても、ヤッちまうから」
「へ?」
俺の唇はまた牧野の唇を奪う。
牧野の唇は頑なに閉じられたままだったが、俺は開くように誘導していく。
そっと吸って、挟む。呼吸を押し入れるようにして、牧野の唇を味わう。
「んっ…っぅ…」
次第に開かれる唇の中に、すっと舌を差し入れて牧野の口の中へ侵入していく。
牧野の舌は、奥のほうに潜んでいた。それを俺の舌で捕らえて、小さく絡める。
「んぅっ……」
牧野の少しずつ呼吸が荒くなる。
右手で小振りな乳房を、服の上から揉んでいく。柔らかい感触。
「んっふ…」
呼吸から漏れる牧野の吐息に、我慢が効かなくなっていく。
俺は立ち膝になり、牧野の腰に腕を廻して抱きしめ、胸の谷間に頬を寄せた。
牧野の腕が俺の頭を包み込んでゆっくりと撫でて行く。
…安心する。こんな穏やかな気持ちはいつ以来だろう…。
「西門さん…もう抵抗しないから、甘えていいよ」
牧野の優しさを含んだ声音を聞いて、もっと強く牧野を抱きしめる。
「牧野…」
501158:04/09/29 18:54:47 ID:p9RfPaNb

ベッドの上で牧野の服をすべて脱がせていく。
牧野の白い肌が露出していく度に、俺の鼓動が早まる。まるで童貞みたいじゃねーか、これじゃ。
俺自身もすべて脱いで、牧野の上に体を被せる。
両肘で自分の体を支えて、その手で牧野の髪を撫でる。
急に愛しくなるその唇にキス。深く吸って、また舌を絡める。
「んっ…っ…」
小さな乳房をゆっくりと揉む。頂上はすでに固くなっていて、摘むとピクンと牧野が跳ねる。
「あっ…西門さんっ…」
耳朶を軽くかんで、その鼓膜に囁く。
「牧野…今日だけ、『総』って呼んでくれ」
小さく頷くと、即座に俺を呼ぶ。
「…総…」
牧野は俺の名前を呼んで、腕を俺の首の後ろに廻し、さっきみたいに頭を撫でていく。
俺のことを『総』なんて呼べるオンナなんて、数えるほどしかいないんだぞ、牧野。
牧野の首筋に軽いキスをしながら、指先で腰をなぞる。
腰が弱いのか、ぴくぴくと腰を浮かせる牧野。こんな色気のある動きをされたら、堪らない。
「あっ、あっ、あっ…」
「もっと声出していいよ」
「やっ…バカ…」
牧野のこの時の声って、すげー色っぽくなるんだな。
もっと声を聞きたくて、腰への愛撫を続ける。骨盤の辺りが一番弱いらしい。
「やっ…ああっ…あっ…んんっ…」
「牧野、すげー色っぽい…ずっと見ててーよ」
「ああっ…やだ…はぁっ…んんん…」
そのまま指を下腹部へ進めると、牧野の茂みに隠れた泉はもう潤い始めていた。
茂みの中の小さな突起を指先で見つけて、重点的に攻めると同時に、乳首を口に含んで、軽く歯を立てて吸う。
「ああっ…だめっ…んんんんっ…総っっ…」
「ダメじゃないじゃん、どんどん溢れてくる…」
「ぁんっ……んっ…」
502158:04/09/29 18:56:42 ID:p9RfPaNb

牧野の乳首を吸い続けて、更に泉を溢れさせていくと、程なく湿り気を帯びた水音が聞こえてきた。
いつもオンナを抱くときは、もっと入念に愛撫するけど、今日の俺は性急だった。
顔を上気させて俺を呼ぶ今まで見たことのない牧野の中に、早く入りたかった。
体を起こし、牧野の足を少し広げて、足と足の間に膝をつく。
敢えて牧野に何も言わずに、俺自身を牧野の泉に沈めていく。
「あっ…あっ…あああっ…」
うわ言のように喘ぐ牧野。その声に背中を押されながらもっと奥まで突き入れる。
「あああっ…んんんっ……総っっ…」
牧野の中は暖かかった。優しく包み込まれているように感じる。
根元まで差し入れて、少しずつ動いていく。
「あんっ…ぅぅんっ……はぁっ…はぁっ…」
牧野の小刻みな喘ぎと呼吸が、俺を突き動かしていく。
「あぁ…牧野…」
俺の吐息も次第に荒くなる。
「ああっ…総っ……ぅぅんんっ…」
牧野が腕を俺に向かって広げる。誘われるようにして、俺は前かがみになって牧野の肩に顔を埋める。
頭を抱きしめられて、髪をクシャっと掻き回される。と思えば、手櫛するみたいに指で髪を梳いていく。
俺と、牧野の腰の動きは止まらない。やべ、すっげえいい…。
頭を起こして牧野の唇にキスをする。
503158:04/09/29 18:57:58 ID:p9RfPaNb

「んっ…んっ…んっ…」
激しく舌を絡ませて、牧野の唾液を吸い取る。互いに呼吸困難になりながらも、唇を離さない。
腰は更に動きを増して牧野の腰に打ち付ける。
「あっ…あっ…あっ…あっ…」
唇を離すと、腰の動きと同じリズムで牧野が喘ぐ。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ…」
俺も呼吸が苦しくなり始めた。限界が近づいてる。
「ああっ…総っ…っ……あたしっ……っ…」
「牧野っ…イキたかったら、イッて、いいぞ…」
「あぁぁっ…ああんっ…はぁっ……っ…ダメっ!!……っ…!!」
「俺もっ……」
「…………ああああんんっっっっっ!!」
牧野の体が弛緩するのとは逆に、中はヒクヒクと締め付けてくる。その動きの良さに、俺も堪え切れない。
「………くっっ……!!」
中に出すのはまずい。最後の理性が働き、俺は速攻で抜いて、牧野の腹の上で果てた。
504158:04/09/29 18:58:53 ID:p9RfPaNb

気がついたとき、俺は横向きで牧野の腕の中にいた。
同じく横向きの牧野に頭を抱きしめられて、腕枕されながら横たわっているなんて、プレイボーイの名が廃る。
でも甘えたいと言ったのは俺の方だし、実際、こうされているのはとても心地よかった。
もぞもぞと頭を動かして牧野を上目使いで見る。
「あ、起きた?」
「…あ、ああ…」
目が合って、なんだか気恥ずかしくなる。酔っていたとはいえ、こんな一面を牧野に見せてしまった。
「西門さん、頭、重い。痺れちゃったよ」
牧野の呼び方が、いつものそれに戻っている。
そうか。多分、こいつはわかってる。さっきの行為は、今日この時だけに許された、愛し合う時間だったことを。
ふっと口元を緩めて笑う。
「…一期一会、か…」
「なに?それ」
「いいや、なんでもないよ。ありがとな、牧野」
お互い、まだ裸だ。けど、唇を合わせることはしない。
そう、さっきまでの時間が、俺と牧野の一期一会だったんんだから。
505名無しさん@ピンキー:04/09/29 22:36:30 ID:v2DKjyuH
>>158さん
西門×つくし好き!!!!
一期一会か…切ないよ〜o(;△;)o

158さんのサイトからうまくコメントが遅れなかったのでここで言わせて下さい。
私を萌え死にさせる気ですかっ(w
エロなくても読みごたえあります。これからも新作お願いします♪
506名無しさん@ピンキー:04/09/29 23:21:04 ID:KbuW7+ZR
秋の夜長に良質小説。
ごちそうさまでした。
507名無しさん@ピンキー:04/09/30 07:38:59 ID:0cBtMrZE
西門×つくし、イメージがわきにくい
カップリングだったけど、無理無く読めました。うまい!
508名無しさん@ピンキー:04/09/30 13:38:10 ID:142gPMrl
総二郎切ない・・・
母性本能発揮なつくしに癒されました ハァハァ
509名無しさん@ピンキー:04/09/30 13:40:14 ID:uOC0dwKi
>158
510名無しさん@ピンキー:04/09/30 13:43:40 ID:uOC0dwKi
>158さん
いや〜ん!!!
西門×つくし想像つかなかったけど
アリですね〜!!
美作もいけますか?


511名無しさん@ピンキー:04/09/30 18:08:52 ID:OkKrH8Wz
西門Xつくしは想像できなかったけど読めました。
うまいですね。
512名無しさん@ピンキー:04/09/30 22:32:16 ID:GoV2dQc0
ごちそうさまでした!西門好きなんだよね〜。いやいや、よかったです!
513名無しさん@ピンキー:04/10/01 15:39:53 ID:OSV3J9ss
懐かしいな。最終巻は36巻だっけか?
冒頭の島に行きたくてしょうがなかったな。嵌っていた時は。
514名無しさん@ピンキー:04/10/04 16:07:16 ID:YSROQvIT
すみません・・・
ここって無料サイトですよね?
515名無しさん@ピンキー:04/10/04 22:09:21 ID:2EN8y1FM
>>514
そうですよ。
516514:04/10/05 09:09:49 ID:+uWz6anG
>515さん
ありがとうございます!
なんかすっごい気になってました。
517名無しさん@ピンキー:04/10/06 01:52:08 ID:MYk+/Nb8
>>516
半年ROMってから書き込むことをお勧めします。
518名無しさん@ピンキー:04/10/08 18:56:40 ID:16r4S4QM
職人さん待ち〜。ほっしゅ
519名無しさん@ピンキー:04/10/08 19:01:02 ID:B2bSeOcB
つかつくが読みたいよ・・(´・ω:;.:...
520名無しさん@ピンキー:04/10/11 05:57:31 ID:lV4Xa8cg
「牧野、直接司ん家行く?それとも一回ホテルにチェックインする?
 まあ俺んちに泊まってもいいんだけど司に殺されそうだし。」
 あたしと花沢類は、NYに来ている。花沢類がお父さんの代わりに
 NYでのパーティーに出席することになり、道明寺に会いたいあたし
 を一緒に連れてきてくれたのだ。道明寺を驚かせるために、あいつに
 はあたしが来ることはまだ言ってない。今夜のパーティーには道明寺
 もくる予定なので、そこでびっくりさせてやるつもり。パーティーに
 でるのは嫌なんだけど、花沢類も女性をエスコートしてないと困るっ
 て言うし、仕方ないか。花沢類にしては強引に誘ってくれたし。
 「じゃあ、牧野、荷物置いたら着替えて出てきて。メイクの予約いれて
  おいたから。」
 「え?あ、ありがとう。」なんかこういう事に花沢類が気が利くってす
  っごく意外。
 「久しぶりに司に会うんだから、馬子にも衣装、着とかなきゃ。そうい
  やあいつ昔なんか間違えてたよね、このことわざ。ぷくく。」
  
521名無しさん@ピンキー:04/10/11 05:59:27 ID:lV4Xa8cg
  メイクと髪のセットも終わり、あたしは花沢類にエスコートされてパ
  ーティルームに入っていく。道明寺はまだ来てないみたいだ。
  会ったら、なんて言おう。来ちゃったよ、かな。アイツ、皆の前で抱
  きついたりしなきゃいいけど。
  「あ、そうだ。司も誰かをエスコートしてくると思うけどヤキモチや
   くなよ。」
  「や、やきもちなんかやかないわよ!」一瞬花沢類が真剣な顔をした
  気がするけど、気のせいかな。
  入り口の方からざわめきが聞こえる。誰か有名な人でも来たのかしら。
  「あ・・・司、・・牧野、ちょっといったん隠れよう。」
  「へ?なんで?」
  「司、シャレになんない人と来てるんだ。あの人の前じゃあんたと話
   すどころじゃないし。気が付かれる前にでるぞ。」
   そう言って花沢類は私の手をひいてずんずんパーティー会場から出
   て行く。でもどうしても道明寺の顔を見たかった私はざわめきの方
   を見てしまった。
   他の客を談笑していた道明寺があたしに気がつく。驚いたように目
   を見開く。・・・でも道明寺はそのまま目をそらすと元の談笑の輪
   に戻っていってしまった。・・・どうして?
   会うのは一年ぶりなのに。2〜3ヶ月前までは毎日来てた電話が最
   近あまり来なくなったのは忙しいからだと思ってたのに、・・・思
   いたかったのに・・違うの?
   
522名無しさん@ピンキー:04/10/11 06:02:05 ID:lV4Xa8cg
   泣くまいを思うのにひとりでに涙が流れてくる。気がつくと花沢類
   に車に乗せられていた。
   「Aホテルまで行って。・・・あ、やっぱ俺んち」
   NYにも運転手つきの車があるんだ・・なんてどうでもいいことを
   考えていた。他のことを考えてないとしゃくりあげてしまいそうだ
   った。
   「牧野、これ飲んで落ち着いて?」
   花沢類がマグカップを差し出す。その目に、言おうかどうしようか
   迷っている色が浮かんでいる。
   「道明寺、あたしに気がついてたよ。なのにどうして・・?」
   カップをテーブルに置く。その輪郭が涙でぼやける。
   言い終わる前に、あたしは花沢類の腕の中にいた。
   「ごめん。まさか今日彼女と来るとは思ってなかった。父親の選挙
   戦で忙しいはずなのに・・。」
   花沢類はいったん言葉を切ると、思い切ったように言った。
   「あんたに黙ってた事があるんだ。司は・・婚約してるらしい」
   「!?どういうこと?」
523名無しさん@ピンキー:04/10/11 06:04:00 ID:lV4Xa8cg
    類は、ぽつりぽつりと説明してくれた。道明寺の相手が時期大統
    領と目されている人の娘なこと。最初はビジネスとして知り合っ
    たけれど、相手に気に入られてしまったこと。彼女を怒らせるこ
    とは、さすがの道明寺家にもできないこと。・・・そして今回は
    道明寺も逆らえずにいること・
    「あんたを嫌いになったわけじゃないよ。でも今度は司のお母さ
     んが認めてくれれば、って話じゃないからね。司もこっちに来
     て自分の行動の重さをわかるくらいには大人になったんじゃな
     いの?でも俺はあんたの顔を見たら・・やっぱりあんたをあき
     らめらんないだろうと思ってたんだけど。」
     「あたし、道明寺と会いたい!会って話さなきゃ納得できないよ!」
     その時、花沢類の電話が鳴った。無言であたしに受話器を渡す。
     「牧野。・・・悪い。」
     久しぶりに聞く道明寺の声。悪いって、何が?今日無視したこと?
     それとも婚約したこと?聞きたいのに声がでない。
     
524名無しさん@ピンキー:04/10/11 06:05:33 ID:lV4Xa8cg
     「もう会えねえ。類と帰ってくれ。俺の事・・・ケーベツしていいぞ。
      憎んでくれ。会いにくんな。これ以上傷つけたくねえ」
     あたしは自分の聞いていることが信じられなかった。あんなにいろんな
     ことがあって結ばれた二人なのに。絶対迎えに来るって言ってたよね?
     気がつくと電話は切れていた。花沢類の哀しそうな瞳を見たとたん、あ
     たしは泣き崩れた。
     花沢類が頬を両手ではさんで口づける。
     「や・・・こんな時にやめて」花沢類の胸を手で押しやる。でも類はあ
     たしの手首をつかむと強く自分に引き寄せた。
     「もう、司はやめろ。もうこんなあんた見たくない。」
     「・・花沢る・・」
     
525名無しさん@ピンキー:04/10/11 06:06:53 ID:lV4Xa8cg
     花沢類の華奢な身体のどこにこんな力があったんだろうと思うくらい強
     く抱きしめられた。あたしを壁に押し付けて、息もできないくらい激し
     く唇を求める。
     「ん・・!」花沢類の唇が首筋に降りてきたとたん、あたしは類をつき
     とばした。類は身体を離すと髪をかき上げながら椅子に座る。
     「司に会う?」類はあたしの目を探る。
     「会えないから、来るな、って言ってた。」
     「とにかく今晩はゆっくり眠りな。明日また考えよう。送ってくよ」
     花沢類はコートをはおる。
     「花沢類。・・キスなんてしないで。もし、道明寺と別れることに
     なっても花沢類とはつきあえないよ」道明寺、と言葉にするだけで
     胸が痛む。ほんの数時間前まで、ドレスをきてうきうきしてたのに。
     「なんで?俺のこと、嫌い?」
     「・・嫌いなわけないじゃん。・・でも花沢類といたら道明寺のこと
     ずっと忘れられないよ。」
     「このあと誰とつきあったってあんな強烈なやつ、忘れられるわけな
     いよ。・・俺はあんたが嫌ならもうF3とは会わないよ」
     「花沢類・・・」類が一歩近づいて今度は優しく抱きしめてくれる。
     「俺は・・ほんとは俺とあんたがつきあう運命だったと思ってる。司
     に奪われた、って。それでもあんたが笑ってられるならそれでいいと
     思ってた。でもこんな風になったらもうあんたを手放す気はないよ。」
     花沢類が見たこともないくらい真剣な顔をしてる。
     道明寺、本当にもうおしまいなの?
526名無しさん@ピンキー:04/10/11 06:07:52 ID:lV4Xa8cg
     牧野は泣き疲れて、眠ってしまったようだ。俺は結局牧野をうちに泊まらせた。
     そっと寝室のドアを開けると牧野がうつぶせに眠っている。頬には無数の涙の跡。
     正直に言えば、司の気持ちは痛いほど分かる。同じ立場なら俺も迷わず同じ事をする。
     司の相手は、下手をすれば道明寺家を潰せるほどの力を持っている。
     いや・・・それより司が怖いのは、牧野を傷つけられることだろう。
     俺は司の気持ちを確かめるために牧野を連れてきた。こんなに傷ついた牧野を見ている
     と自分の行動が正しかったのか迷う。・・・でもいつかははっきりさせなければならな
     かったことなんだ、と自分に言い聞かせる。
     牧野、いつか絶対あんたの笑顔を取り戻すよ。ごめん、泣かせて。
     俺は牧野のまっすぐな髪をそっとなでた。
   
527名無しさん@ピンキー:04/10/11 06:12:53 ID:lV4Xa8cg
なかなかエロに突入しなくてすみません。花小に書け、って感じですね。
なんせ初めて小説書くもんで、勝手が分からなくて・・。なんか自分のなかで
納得しないと類とくっつけられないというか・・。
次回は類×つくしでエロ突入します!・・・きっと。
528名無しさん@ピンキー:04/10/11 11:58:22 ID:tRgmntsC
きゃあぁぁぁ!久しぶりの作家さん降臨だぁ。ちょっと強引な類がイイ!!続きをお待ちしております。ドキドキ(゚∀゚)ワクワク
529名無しさん@ピンキー:04/10/11 12:40:30 ID:lV4Xa8cg
「牧野さん、6番テーブルにモデルみたいな男の子来てるよ!牧野さんのこと呼んでる!」
いっしょにファミレスのバイトに入ってる女の子が興奮して帰り支度をしているあたしを呼びに来た。
客席には花沢類がいた。NYから戻ってきて成田で別れて以来だ。
「久しぶり。どうしてた?」
あたしが向かいの席に座ろうとすると、類は立ち上がった。
「出よ。車まわしてくる。」
店の前に類の車が停まる。助手席に座ると花沢類の香りがした。
「どこ行くの?」
沈黙に耐えられなくてあたしが聞くと、花沢類はちょっと肩をすくめた。
「さあ。」
530名無しさん@ピンキー:04/10/11 12:43:02 ID:lV4Xa8cg
ここはどこなんだろう。遠くにライトアップされた大きな橋が見える。
いつのまにか、雨が降り出している。オレンジ色の光が雨でにじんでいる。
類が車を停めた。
「昼休み、高等部の非常階段で待ってた。あんたが来るかと思ってたんだけど」
花沢類が前を見たまま言う。綺麗な横顔をあたしは直視できない。
「あいつ、ほんとに結婚しちゃったね。あれきり電話もないんだよ。ひどくない?
 しょせんその程度ってことだよね?あっちはそうなのにあたしがひきずってちゃバカだよね。」
あたしは無理して明るく言った。花沢類が眉間にしわを寄せる。
「俺の前で強がんなくていいよ。立ち直ったフリもしなくていい。」
そんなに優しくしないで、そう言おうと顔をあげたら、キスされていた。
花沢類がこんなに切ない顔をするなんて。
「会いたかったのは、俺だけ?」
答える間もなく唇が重なる。
「好きだ・・好きだ。」
531名無しさん@ピンキー:04/10/11 12:45:07 ID:lV4Xa8cg
花沢類の長い指があたしの髪をとく。耳たぶにキスされて、あたしは自分でもわかるくらい
真っ赤になってしまう。
「や・・花沢類、あたし・・」
黙らせるように類はひとさし指をあたしの唇にあてる。そのまま左手はあたしの髪の中に
右手は制服の中にすべりこむ。類の舌があたしの唇を割って入ってくる。
「あっ・・や、だめ・・」ブラウスの上から蕾を探られる。
電流がはしるような感覚が走る。だめ、あたしはまだ・・!
「時間が経てば司を忘れられると思ってるならそれは違うよ」
あたしの想いを読んでいるかのように類が言う。
「結婚しようが子供をつくろうがあんたは司を忘れないよ。そんな必要もないしね。」
その言葉にあたしは絶望的になる。
「でも、思い出にすることはできるよ。自惚れかもしれないけど、全部受け入れて司以上に愛せるのは俺以外いないよ。」
花沢類・・・。類は制服から手を抜くと車のエンジンをかけた。
532名無しさん@ピンキー:04/10/11 12:47:17 ID:lV4Xa8cg
花沢類の部屋に入るのは何回目だろう。確か前は道明寺が出国した日だ。あの日はみんなで
ここに集まった。みんな心配してるんだろうな。
優紀や滋さん、桜子・・・みんなからの電話やメールにいっさい答えていない。
類がシャワーを終えてでてきた。バスローブ姿を見るのは初めてでどきどきする。
「これ、あんたの。」バスタオルと、新品らしきパジャマを渡される。
「あんたんちには電話しといた。優紀ちゃんだっけ?その子たちもいることになってるから。」
熱いシャワーを浴びながらあたしはまだ迷っていた。花沢類のことは好きだ。多分ずっと
前から・・・そしてこれからもずっと。
でもだからって今花沢類とこういう風になっていいのかな。
道明寺はもう結婚したんだしあいつに遠慮、とかじゃない。・・・でも。
533名無しさん@ピンキー:04/10/11 13:24:34 ID:lV4Xa8cg
シャワールームから出ると、花沢類がシャンパンを抜いていた。
「あんたもうすぐ卒業でしょ。2人でお祝いしよ。」
にこっ、と笑う花沢類の笑顔を見て、あたしは切なくなる。昔、この笑顔が欲しいと思った。
花沢類の笑顔を独占したいって。
グラスを受け取る指が触れ合う。
「あっ!」あたしは思わず手をひっこめた。その拍子にシャンパンが手とおなかにこぼれる。
「ご、ごめん。タオル・・。」
立ち上がろうとしたあたしの手を花沢類が?む。グラスをゆっくりテーブルに置くと、あ
たしの指をそっと自分の唇に持っていく。
534名無しさん@ピンキー:04/10/11 13:25:52 ID:lV4Xa8cg
小指に、薬指に・・・キスされる。あたしは息を呑む。濡れたパジャマが肌にはりつく。
類の手がそっとボタンを外す。
パジャマが肩から落ちるのを感じた。背中でホックが外れたことも。
目を開けて話そうと思うのに、まだ心の準備ができてないって言おうと思うのに目が開け
られない。
ひざまずいた類の舌があたしのおなかをぺろっとなめる。
「ひゃっ、くすぐった・・」
思わず目を開ける。類はいたずらっぽい瞳で笑う。
「可愛い。・・・耳と、おなかも弱いんだ?」
535名無しさん@ピンキー:04/10/11 13:26:51 ID:lV4Xa8cg
類はあたしを抱き上げてベットにそっと横たえる。
類の指がバイオリンの弓のようにを、あたしのからだを伝う。わき腹からおへそ、そして
胸の間で指が止まる。
蕾にキスを感じる。類の舌が暖かい。左手はもうひとつの丘を優しくなでている。
と、とめなきゃ・・このままじゃ、最後までいっちゃう・・!
「花沢類、待って」類の頭に触れる。さらさらの前髪のあいだから類の瞳がみつめる。
「花沢類らしくないよ。なんで急ぐの?あたしまだ、・・」
「俺らしい?それっていつもぼーっとしてるってこと?」
花沢類が怒ったように言う。
「そうじゃないよ。でもこんな強引なの、花沢類じゃないみたい・・」
「俺は押し付けたり、強引に奪うのは嫌だって思ってた。でもその結果はどう?
 強引な司に奪われて、あんたはまた泣いている。もう待つのも慰めるしかできないの
 もゴメンだね。俺は自分であんたを笑顔にする。もう待つつもりはないよ。」
536名無しさん@ピンキー:04/10/11 14:46:01 ID:lV4Xa8cg
花沢類がバスローブを脱ぐ。そのしぐさに、あの夜のことを思い出した。
道明寺家でSPに隠れて抱き合ったこと。途中で椿お姉さんが来て・・・。あの時、お
姉さんが来なかったら、結ばれてたのかな。
お前しか考えらんねえから、って言ってくれたよね。でも今ごろ彼女ときっと・・。
彼女の顔を見なくてよかった。きっともっと傷ついた。
道明寺、あたしを無視した顔が最後に見た顔になるの?
537名無しさん@ピンキー:04/10/11 14:47:44 ID:lV4Xa8cg
牧野の瞳が哀しげに曇る。司のことを考えているんだろうか。
俺は気がつかないふりをしてキスを続ける。はじめは優しく、だんだん激しく。
牧野、あんたに言われるまでもなく俺らしくないことをしてるよ。
あんたの傷が癒えるまで、待ったほうがいい。そんなの分かってる。
でも、俺はやめないよ。絶対にもう誰かにあんたを盗られるのは嫌なんだ。今夜、俺を刻
み付けるよ。それで司を追い出せるとは思わないけど。
538名無しさん@ピンキー:04/10/11 14:48:36 ID:lV4Xa8cg
牧野の脚から全てを剥がす。牧野が恥かしそうに膝を寄せる。そんな風にするともっとそそ
られちゃうんだけどな。
膝にキスを落とす。びくっと膝が震える。牧野、感じすぎ。俺はちょっと意地悪な気持ち
になって人差し指と中指で内腿を滑り降りる。
脚の付け根で指を止めると、そっと牧野の中心を開く。
「やっ・・・!」牧野が身体を起こそうとする。俺は牧野の膝の間に滑り込む。
牧野の芽が収縮するのが見える。俺は舌を尖らせてそっとつついてみる。
539名無しさん@ピンキー:04/10/11 14:49:17 ID:lV4Xa8cg
「やっ、花沢類、汚いよっ・・」
俺は構わずに舌をすすめる。泉が潤ってくる。
「やめて、お願い、恥かしいよおっ・・」
牧野は両手で顔を覆う。俺は蜜を周りにゆきわたらせるように指を動かした。
そっと中に入れてみる。
「あっ!んっ・・」
牧野が身をよじる。この反応って・・・もしかして司とはまだだったのか?
俺は牧野のとまどいのもう一つの理由を知った。
540名無しさん@ピンキー:04/10/11 14:58:16 ID:hUqUYOqT
ホシュ。
リアルタイムだー
541ww:04/10/11 15:05:21 ID:mPgzBzgF
まだ書かないのー・・・?w
542名無しさん@ピンキー:04/10/11 15:19:15 ID:lV4Xa8cg
いいの?このまま進んでいいの?
後悔しない?まだ心の中にこんなに道明寺がいるのに。
花沢類も裏切ってるような気がする。心の全てをあげられないのに結ばれるなんて。
「牧野、いくよ」花沢類が少しかすれた声でささやく。
「・・・あたし、」
「もう聞かない。・・・俺が進むとき、息を吐いて。少し楽かも」
花沢類が少しずつ入ってくる。何かに遮られるように動きがとまる。
少し進んでは、戻り、また少し進む。
聞いていた通り痛いけど、・・・耐えられないほどじゃない。
何度か繰り返すうちに全部入ったみたいだ。
「痛くない?大丈夫?」気遣いながらそっと髪をなでてくれる花沢類を見ていたら、なんだか愛しくなってきた。
ずっと、手のとどかないどこかはるかな人だったのに。
543名無しさん@ピンキー:04/10/11 15:20:14 ID:lV4Xa8cg
「牧野、少し動くよ」
あたしは言葉の意味がよく分からなくてとまどう。え?入ったらお終いじゃないの?
花沢類があたしの中で、動く。痛い、なんてもんじゃない。
もうだめ、ありえないくらい痛いっ!
苦しげに目を伏せて類が動く。
「あっ、ん、やあっ・・」
感じたことのない感覚が波のようにくる。これが感じてるってこと?
類の動きが激しくなる。背中が汗ばんでいるのがわかる。
「牧野っ・・いくよ」
弾かれるように動きが止まる。あたしの中の波も静かにひいていく。

少しはにかんだように笑う類を見ていたら、迷う気持ちも消えていた。
花沢類と、歩いていこう。道明寺と行けなかったところまで。
544名無しさん@ピンキー:04/10/11 15:26:51 ID:lV4Xa8cg
いかがでしたでしょうか?私にとってもつくしにとっても処女作でした。
このままじゃあまりにも道明寺がかわいそうという気もするのですが、
道明寺をからませると類が不幸になりそうだし・・・とあくまで類びいき
な私。またなんか思いついたら来ます。お目汚し、失礼しました。
545名無しさん@ピンキー:04/10/11 18:52:24 ID:OjzDshJY
>>544
面白かったです!!
次回作期待してます。
5468cg:04/10/11 19:35:17 ID:lV4Xa8cg
やっぱりこのままじゃ道明寺がかわいそう!
ということで、道明寺サイド視点から続き、行きます。
ここからは前回のIDの末尾、8cgをコテハンにさせていただきます。
またエロまでが長い道のりなので、たるい方はスルーでよろしく。
5478cg:04/10/11 19:37:01 ID:lV4Xa8cg
「逆らえば、あなたを消す」
もしヤツの脅迫がこうだったら、オレは絶対屈しなかった。
「牧野つくしを消す」
あっさりと言い放ったその顔には迷いも罪悪感もなかった。多分、今までもそうやって思い通りに生きてきたんだろう。
ババアがオレたちを引き裂こうとしていた時は、どこかでまだ余裕があった。
なんだかんだ言ったってオレの母親だし、父親の方は結構マトモだしな。
でも今回は違う。あのババアが涙ながらにオレに頼んだ。
「牧野さんと貴方には本当に申し訳ないと思うわ。でも道明寺グループが揺らいだら一体
何千万人の人間に影響を及ぼすか、想像もつかないわ。牧野さんのお父様と家族であるつくしさんの苦労を見たでしょう?」
「司・・・。すまない。いくら私でもあの一家からは牧野さんを守りきれないよ。頼む、彼女のためにもあきらめてくれないか」
父親が誰かに頭を下げるのをオレは初めて見た。
5488cg:04/10/11 19:38:13 ID:lV4Xa8cg
それでも俺はなんとか牧野といっしょに歩きたいと道を模索していた。
もともとヤツは別にオレを好きなわけじゃねえ。
要するに、道明寺グループとの縁談によって動く票が欲しいだけだ。
結婚以外の道を見つけられないか・・・それがみつかるまで牧野にも話せなかった。
好きな女がいると言った時、ヤツはあっさりと言った。愛人にすればいいじゃない。
そんな簡単なこと、という目。
日陰を歩かせられる女じゃねえ。そのときヤツは冷たい目で言い放った。
なんだかその女をうろつかせるとやっかいな事になりそうね。あたし、面倒なことは嫌いなの。共同出資?あたしと貴方が結婚するのが一番強固な絆だとどうして分からないのかしら
?・・・そして。
「すぐに婚約して。あたしの思い通りにならなければ、その女を消すわ。それでもダメなら
 ・そうね、綺麗なお姉さまかしら?」
5498cg:04/10/11 19:39:02 ID:lV4Xa8cg
こんな女と結婚して幸せになれるわけがねえ。大体結婚後もこうやって何もかも脅されて
生きていくなんてまっぴらだ。
「そうね、貴方がどうしても嫌ならお姉さまがうちの弟に嫁いでくれてもいいのよ。」
「ふざけんな!姉ちゃんは赤ん坊を産んだばっかりなんだぞ?」
「道はいくつか示したわ。お好きなのをどうぞ。でも忘れないで。その女を消すくらい・・」
ヤツはパチンと指を鳴らす。
「あたしにとっては簡単なことなのよ」
5508cg:04/10/11 19:39:59 ID:lV4Xa8cg
牧野!なんでここに!?・・・類が連れてきたのか!
パーティー会場で牧野を見つけたオレは心底驚いた。
オレがプロムの時に贈ったドレスを着て胸元には土星のネックレスが光っている。
少し髪が伸びて綺麗になった・・。類が牧野に何かささやく。牧野が笑う。
・・・なんてことない風景なのにたまらなくなる。
牧野!ちくしょう・・!
抱きしめたい、キスしたい。このまま牧野の手をとってどこかに逃げたい!
「あれがマキノ?へえ、ただのオンナノコじゃない」
いつのまにかヤツが後ろに立っていた。牧野を調査済みのヤツは牧野の顔を当然のように知っていた。
「こんな場所であたしに恥をかかせたら、どうなるか分かってるわよね?
今日が彼女の命日になるわよ」
牧野がオレを見つける。類がオレに目配せして会場から出て行く。
牧野の不安そうな目。牧野、・・・今はどうしようもねえ。
オレは心を鬼にして目をそらした。
5518cg:04/10/11 19:40:44 ID:lV4Xa8cg
パーティーが終わり、家につくやいなや、オレは類の家に電話するために受話器をとった。こうなりゃ全部事情を話すしかない。そのうえで親父たちにも協力してもらって・・・。
「入るわよ」にっこりと笑ってヤツが部屋に入ってくる。
「なんの用だ」オレはやつを睨む。
「司にで、ん、わ」携帯をオレにさしだす。
「もしもし!?司?」
「姉貴?なんだ、そんなにあせって」
「桜がいないの!メモが残っていて、司の結婚式に返すって・・!どういうことなの!?」
ヤツが肩をすくめる。こいつは悪魔だ。根っから腐ってやがる。
「てめえ・・・やりやがったな」
「ベイビーが心配?じゃあマキノにさっさと電話して。そのあと教会に行きましょ?
結婚証明書が出て、マキノが出国したらきっとベイビーはママに会えるわ」
コイツ、いつか絶対に殺す!オレは生まれて初めて本当に人を憎んだ。
5528cg:04/10/11 19:41:31 ID:lV4Xa8cg
「花沢類!もー、またこんなトコで寝て。風邪ひくよ?」
牧野の声が上から降ってくる。
「お弁当作ってきたよ。いっしょに食べよ?」
ぺたりと横に座る。牧野が大学生になって一年。俺たちの会う場所は高等部の非常階段から、
大学の屋上になった。
俺と過ごすようになって、牧野は綺麗になった。
もともと色白な肌にほんのりと化粧をするようになったせいだけじゃ、ないと思う。
色気、ってヤツ?俺にはよく分かんないし、どうでもいいけど。
でも他の男にはそうじゃないらしい。高等部から上がってきて何もかも知ってる男は俺と
張り合おうなんてハナから考えてない。元カレが司だしな。
だけど大学から入ってきた男たちはなんだかんだとまとわりついているみたいだ。
牧野は鈍感だし、高等部であんな生活だったせいか友達が増えた、って喜んでるけど。
俺は正直面白くない。俺に嫉妬、なんて感情があったのかと自分が一番驚いてる。
5538cg:04/10/11 19:42:24 ID:lV4Xa8cg
「ね、花沢類、行くでしょ?」
話を聞いてなかった俺は訊き返す。
「ん・・・どこに?」
「もう、やっぱり寝ぼけてる!美作さんち!今日誕生日でしょ?みんなも久しぶりに集まるんだから」
「それよりさ、あんたいつまで俺のことフルネームで呼ぶの?」
「え?・・だって、もう慣れちゃったし・・それに、類ってよんでいいの、静さんだけな気がして」そう言って牧野はちょっと困ったように笑う。
俺はなんだか嬉しくなって牧野を抱きしめる。
「牧野が俺のためにやきもち焼くなんてはじめてじゃない?」
「ちょっと、こ、こんなとこでっ!人が来るよ!」
牧野は大慌てで身体を離す。身体を重ねるようになっても相変わらず牧野は照れ屋だ。

牧野を何回抱いても、俺は牧野がいつまでも側にいる気がしない。
いつか司か、他のやつが牧野を俺から連れ去っていく気がしてならない。
類は、カンがするどいよな、とF3に言われたことがあったけど、このカンだけは当たらないでほしい。
554名無しさん@ピンキー:04/10/11 22:33:24 ID:arwcCnJ8
せつねーっ(>_<、)
5558cg:04/10/11 22:50:20 ID:lV4Xa8cg
選挙戦が終わって、半年。ようやくヤツの監視もゆるんできた。
日本に行く、と言ったらあっさりOKしやがった。
「おいたは、ほどほどにね。」ふふふと笑う。
何も知らないやつらがこいつのことを天使のような女性だの、美しいだのほざくが、オレには悪魔にしか見えねえ。
何でもいい。とにかく日本だ。牧野が今どうしてるか分からないが、とりあえす会いてえ。
全てはそこからだ。
5568cg:04/10/11 22:52:02 ID:lV4Xa8cg
美作さんの家のバラはまだ蕾をつけたところだ。庭の向こう側には、道明寺と閉じ込められた温室が見える。あの時、花沢類がいなくてよかった。
あたしが思い出してること、気が付かれずにすむもの。
「よおっ、牧野!元気?」西門さんがドアを開けてくれる。あいかわらず美形だわ・・。
「美作さん、おめでとう。何がいいのか分からなくて、妹さんたちにこれ買ってきたの。」
あたしはメゾピアノのバッグの包みをさしだした。
「お、サンキュ。あいつら絶対こーゆーの好きだわ」
美作さんは優しく微笑む。あのことがあって以来、あたしは西門さんとも美作さんとも会わないようにしてきた。
だけど、久しぶりに二人の明るい雰囲気に触れると心がなごむ。でも。こうやって三人揃うと、一人足りないことがどうしてもはっきりしてしまう。
道明寺、何してるの?今、幸せ?
5578cg:04/10/11 22:53:26 ID:lV4Xa8cg
夜が深まって、滋さんと優紀は帰ってしまった。二人とも帰り際、これからはまた元通りに遊ぼうね、と何度も手を握ってくれた。元通り?道明寺がいないのに?
あたし、おかしい。なんだか今日は道明寺のことが頭によぎる。
「牧野、類寝ちまった。お前も泊まってけよ。同じ部屋でいいだろ?」
美作さんがバスタオルを手渡しながら言う。
「や、やだ!他の部屋がいいよ!」
「変なやつ・・・まあいいけど。じゃあ、温室の部屋使って」
言ってしまってから美作さんはしまった、という顔をする。あたしは美作さんに大丈夫、という意味でうなずくと、温室に向かった
5588cg:04/10/11 22:54:49 ID:lV4Xa8cg
温室の電気をつけると、懐かしさに涙があふれてきた。
ここで、道明寺縛られてたんだっけ。キスして、ケンカしてたらSPが・・・。
!?気のせい!?道明寺のコロンの香りがする・・・。
振り向いたあたしは、大きな胸に抱きしめられていた。
「道明寺!なんで!?」

「牧野・・・牧野・・会いたかった・・」
道明寺が・・・帰ってきた?
まるでそうすることが当たり前のように、唇を求め合う。
道明寺、道明寺、あたし・・・何にも考えられない、考えたくない。
道明寺の腕の中に、あたしがいる。
どうして?なぜ?疑問が次々と浮かぶけど、そんなことどうでもいいような気がするくらい、この場所はあたしに沿う。
この手以外、なんにもいらないって思ってたのに・・どうしてこんなに遠くに来てしまったんだろう。
5598cg:04/10/11 22:56:48 ID:lV4Xa8cg
道明寺の手があたしの頬をはさむ。
「なんかお前、綺麗になったんじゃねえ?」
「ばっ、バカ!柄にもないこと言わないでよっ!」
あたしは急に恥かしくなって道明寺から離れようとする。
道明寺が、思い切りあたしの腕をつかんで引き戻す。
「痛っ!何すんのよっ。」見上げてその真剣な眼差しに驚く。
「お前、ふざけんなよ・・オレがあれ以来どんなにお前に会いたかったか・・・!
 やっとつかまえたのに、離すかよ」
あたしはその言い分に、かっとする。
「よく言うよ・・結婚、したんでしょ?いろいろ事情はあったんだろうけど・・」
「今そんな話、したくねえ。」
5608cg:04/10/11 22:58:02 ID:lV4Xa8cg
道明寺はあたしの顔をぐっと上に向けると、激しくキスしはじめた。
いつもは優しいキスなのに、貪るような。キス。あたしははっとして道明寺の腕から逃れる。
「あ、あたしも、もうだめなの。」
「あ?」再度身体を離された道明寺は今にもキレそうな目であたしを見る。
「言っとくけど、お前が今だれとつきあってようが、カンケーないからな。絶対奪い取る」
「やめて!」あたしは道明寺の言葉を遮る。
「あたしがあの日から、どんなに辛かったか分かってる?ずっと・・・ずっと花沢類が支え
てくれたの。花沢類を裏切るなんて・・・絶対できない・・・!」
5618cg:04/10/11 23:01:37 ID:lV4Xa8cg
「また類かよ。」道明寺の目が怒りに燃える。
「お前、ケー番変えたろ。」道明寺がふっと自嘲気味に笑う。
「日本着いて、ソッコー電話したら、この電話は現在使われておりません、だぜ。
 おまえんち行ったら、あきらんちだっつーから来た。」
そこで言葉を切ると、道明寺はベットに座った。脚の上にひじをついて、両手で顔を隠す。
「あきらんちに入るとき、窓からお前らが見えた。総ニ郎も、あきらも、類も・・・
お前もみんな笑ってた。」
あたしはたまらなくなって道明寺に近づく。
大きな手に隠れて、表情が見えない。・・・道明寺が泣いてる・・?
562名無しさん@ピンキー:04/10/11 23:02:52 ID:lPyPvdYX
ほんとに、せつない(;_;)/~~~
563名無しさん@ピンキー:04/10/12 00:15:24 ID:YfFJuVxB
切ないね。
だが、それがいい。まさしくGJ。
続きを読むのが楽しみだ。

お疲れ様でした。
564名無しさん@ピンキー:04/10/12 08:44:54 ID:78wG1VEr
GJ!GJ!
心臓がキュウキュウしまくりだよ(πдπ)
類もイイけど1番は道明寺!なあたしは、読み返しながら待ってます!!!!
5658cg:04/10/12 09:40:03 ID:XnUnHGqA
「道明・・」
言い終わる前にベッドに押し倒される。
「ちくしょう・・・!」
道明寺の唇が強く押し付けられる。頬に、まぶたに、首筋に。
セーターを乱暴にたくしあげて、ふくらみに手をはわせる。
「道明寺、やめて・・!」
声が震える。類の笑顔が、目に浮かぶ。今ごろきっとあの幸せそうな寝顔で眠ってる。
全てを受け入れて・・・今でも道明寺にとらわれているあたしを待ち続けてくれてるの
に・・!
「あの時、俺を待ってろって言いたかった!俺を信じろってよ・・。
 けど、いつヤツを倒せるかわかんねーのに、言えなかった・・」
道明寺は手を止めて、身体を起こす。
「道明寺・・あたしに、何があったか話さないで。」
あたしは顔を両手で隠す。顔を見られたくない。聞いている道明寺の顔も見れない。
「事情を聞いたら、あたしはまた・・・揺れちゃう・・。
 もう、決めたの。この先どんな事が起きても花沢類と歩いていくって・・。」
5668cg:04/10/12 09:41:17 ID:XnUnHGqA
「俺になんもいう資格がないのは分かってる。なんの言い訳もなく結婚しちまったんだ
かんな。けどよ、俺に言わせりゃお前も類も卑怯もんだ」
「あたしのことはいいけど、花沢類を悪く言わないで!」
全身に怒りが込み上げてくる。待ってられなかったあたしはともかく、花沢類が卑怯者?
「類がどうしてもお前が好きなんだったら、オレとお前がつきあってる時に、正々堂々戦えばいいのに、そうしなかった。オレが戦線離脱したらちゃっかりいただきかよ。
 おめーもそうだ。そんなに類が忘れらんないんならさっさと行きゃーよかったのに。
 オレがいなくなったら、じゃあ類ってか?」
かあっとなって、道明寺に手をあげる。
5678cg:04/10/12 09:42:00 ID:XnUnHGqA
ぱしん、と頬がなる。殴った手を道明寺が捕らえる。
「オレは違う」
道明寺の目が強く光る。怒っている目でも、キレている目でも、ない。
「お前の代わりはいねえ。お前が誰といよーが、そいつを好きだろうが、あきらめねえ。」
そういうと、あたしの手をそっと自分の頬に持って行く。
「バカみてえだけど、信じてんだ、オレ。・・・絶対お前もオレのこと好きだってよ・・。
 オレとお前はだめになんないって・・。」
あたしはたまらなくなって、道明寺を抱きしめる。
道明寺が目を見開く。あたしは、道明寺の胸にそっと寄り添う。
568ponta:04/10/12 13:30:40 ID:T5xOCyHb
おぼれるーーー8cgさん早く助けて!!!!
5698cg:04/10/12 15:24:14 ID:XnUnHGqA
ふと目が覚める。ここ、どこだっけ。
あきらんちだ。また寝ちゃったのか。・・・ねむ。
時計を見ると午前2時。さすがに邸内も静かだ。
・・牧野はどうしたんだろう。帰ったのかな。
もう一度ベッドに戻りたい気持ちと、牧野が気になる気持ちに迷う。
・・寝てる場合じゃないような気がする。
俺は服を直すと、部屋を出た。
リビングに行くと、あきらが一人で大きなバッグを開けていた。
「あきら、どしたの?」
「お、類。起きたのか。お前11時には寝てたぞ。ガキかよ。
 なんか玄関のとこにこのカバンがあってよ。中身見てたんだけど・・・。
 なーんか入ってる服のセンスがよー・・・。」
俺はあきらの持っていた服に目をやる。・・・司だ!
「牧野は!?」
「ん?離れの温室。あそこ泊まれるんだよ。ちょっと、類、どうしたんだよ」
あきらに構わず、俺は温室に向かった。
気がつくと走っていた。ほんと、最近俺らしくないよ、牧野。
5708cg:04/10/12 15:28:22 ID:XnUnHGqA
温室の窓から光が漏れてくる。ドアをそっと開ける。
寝室らしき部屋から話し声がする。・・・やっぱり司だ。
牧野の声・・・なんか怒ってるみたいだ。
急に静かになる。・・・俺の中のアラームが鳴る。
今すぐドアを開けなければ、取り返しがつかなくなる。
また、司に奪われるのを黙って見てるつもりか?
あんたが笑ってればそれでいい、そんな風に自分を納得させてまた身を引くのか?。
嫌だ。もう、絶対司にも、他のやつにも牧野は渡さない。
そう思うのに、どうしても足が進まない。
寝室の明かりが消えた。
俺はきびすを返すと、温室を出て行った。
5718cg:04/10/12 15:29:22 ID:XnUnHGqA
道明寺のキスは優しい。行動も言葉も荒々しいのに、不思議。
額に、まぶたに、頬に、唇に・・・何回も何回もそっと触れるだけのキスが降ってくる。
そっとセーターを脱がされる。キャミのストラップをそっと下ろされる。
乳房のふくらみに、そっとキスされる。目を伏せた長いまつげが濡れている。
背中に手を回して、そっとホックが外される。
明るいところで道明寺に身体を見られるのは、耐えられなかった。
「や・・、電気、消して・・」
5728cg:04/10/12 15:30:01 ID:XnUnHGqA
道明寺は、身体を起こすと明かりを消す。そして着ていたシャツを手早く脱いでいく。
窓の月明かりが、道明寺の身体を照らし出す。
花沢類の華奢な身体とは、全然違う、たくましい身体。
花沢類のことが頭によぎったせいか、あたしはまた揺らぎ出す。
あたしってサイテーだ。
類に初めて結ばれた時も、道明寺のことを考えてた。
今日は、花沢類に謝りながら抱かれるつもり?
あたしはシーツで胸元を隠しながら、言った。
「道明寺、やっぱり、だめ。あたし花沢類を、裏切れな・・。」
「あ?裏切るって、何だ?」
5738cg:04/10/12 15:30:46 ID:XnUnHGqA
「寝ること?じゃあキスだけならいいんか?
 それとも気持ちだけなら?この先、オレを心に残したまんま類と過ごすのは裏切ってねえ
のか?」
あたしは言葉につまる。
「もう迷うな。さっき、気持ちは確かめた。お前はオレのモンだ。」
道明寺が胸の頂を口に含む。そっと甘噛みされ、思わず声がでる。
「あっ・・・ん・・」
5748cg:04/10/12 15:31:30 ID:XnUnHGqA
牧野の白い肌をゆっくりと味わう。特に何もつけてないようなのに、甘い香りがする。
すべらかな、柔らかい乳房に、ほんのりと赤い蕾。
類も触れたのだろうか。オレの中の獣が顔を出す。
ゆっくり愛したいと思うのに、気が急く。
早く、早く!・・誰かに、何かに邪魔される前に!
オレは牧野のスカートの中に素早く手を入れる。牧野の中心は、布の上からでも分かるほど
熱くなっている。
そっと布の上から茂みをなでると、牧野は焦れたように腿をしめた。牧野の顔が上気してほんのりと赤くなっている。
クロッチの脇からそっと指を滑り込ませる。溢れるようにそこはぬめっていた。
「牧野・・・」
オレは牧野の耳元で名前を呼びながら、指を動かす。
「は・・やあっ、ど、道明寺・・あたし・・」
5758cg:04/10/12 15:32:23 ID:XnUnHGqA
オレは牧野の口を塞ぐ。舌の動きと指の動きをシンクロさせるように、出し入れする。
牧野の唇からもれる吐息がオレを昂ぶらせていく。
「牧野、いくかんな」
オレは邪魔な布たちをはぐと、牧野の上に重なった。
まだ迷うような瞳で見上げる牧野にオレは言う。
「よけーなこと、考えんな。お前のことは絶対守る。
牧野。オレにとって大事な女は・・・今までもこれからも、お前だけだ」
牧野の目をみつめながら、オレは牧野の中に入る。
牧野の中は狭くて、暖かい。動かす度に、強烈な快感が襲う。
「あっ、あっ、んっ・・!」
ベッドのきしむ音がやけに大きく聞こえる。
5768cg:04/10/12 15:33:18 ID:XnUnHGqA
もっと長く中にいたいと思うのに、分身はもう耐えられないとサインを送る。
「牧野、いくぞ」
「うん・・・あっ、あっ、あっ、あんっ!」
頭の中に白い光が見えたような感覚が走る。オレは牧野の上で息を整える。
「牧野・・・愛してる」
「うん、・・・あたしも・・・」
その言葉を聞いて、オレは牧野を力いっぱい抱きしめた。
こいつさえいれば、なんもいらねえ。オレたちを邪魔する、誰とだって戦ってやる!
かかってきやがれ!
577名無しさん@ピンキー:04/10/12 17:47:27 ID:6wJvjkPT
つくしも類も司も切ないよー

WEB拍手送れなかったのでここでスマソ
158さん長編完結お疲れ様でした。目の保養を有難う!
5788cg:04/10/12 18:23:46 ID:XnUnHGqA
小説の途中ですが、お詫びです。
私はもともと158さんの作品に感動して、自分でも書いてみました。
今日、158さんのHPを読み返していたら、自分がそっくりの表現を使ってしまっている
ことに気がつきました。多分、記憶の片隅に残っていたんだと思います。
ちなみに該当箇所はANOTHER JUNCTION 4 のヴァイオリン・・という部分と、535です。
158さんに、この場を借りて、心からお詫び申し上げます。
579158:04/10/12 20:03:53 ID:yWcE1zXu
>8cgさん
お詫びなんてとんでもないです!
そんなことで謝られたら、私はもうこの先書けませんってw
表現はどうしても似てしまいますし、私も沢山の方の言い回しを拝借してますよ?
どうかお気になさらずに、続きをお願い致します。
8cgさんの書く類が強引で好き〜!
「俺を刻み付ける」なんてとこは最高です。

>577さん
お言葉、有難うございます。
WEB拍手、最近調子よくないんですよ、スミマセン。
そのうち小さい掲示板でも置こうかと考えていますので、宜しくです。
5808cg:04/10/12 21:33:43 ID:XnUnHGqA
「類?そんなとこで、何してんだ?」
温室と家の間にある、東屋で類が座っている。
月明かりの下でみる類は、今まで俺が見たどんな類より辛そうな顔をしていた。
「あきら・・。脚が動かないんだ。」
「あ、あし?どっか痛いんか?医者いくか?」
「ドアを蹴って、入らなくちゃ、って分かってるんだ。
 司を殴って、牧野を取り戻さなきゃって。・・・でも動けないんだ。・・・なんでかな。」
司?司が温室にいるのか?牧野と!?
温室の方を見やると、明かりが消えている。・・・類・・・。
「類。そんなとこで座ってる場合じゃ、ねーだろ。立て。」
俺は類の腕をつかんで、ひっぱっていく。
「やめてくれ!」類が俺の腕を振りほどく。
5818cg:04/10/12 21:35:45 ID:XnUnHGqA
「牧野を抱いてても、俺はいつも不安だったよ。いつか、誰かが・・いや、司かな・・。
 牧野を奪ってくんじゃないか、って。」
もうすぐ3月とはいえ、夜はかなり冷える。コートを着てない類は自分の腕で自分を抱く。
「たまらない気持ちだったよ。そばにいるのに、遠いんだ。牧野が何かを見て、考え込む。
 俺はいつもあいつらといたからさ、分かっちゃうんだ、司のことだって。」
何かを思い出したように、類はふっと笑う。
「先月、牧野と温泉に行ったんだ。楽しかったよ。あいつ、酔っちゃってさ、幸せそうに
 眠っちゃったんだけど・・。夜中にさ、隣の部屋の夫婦がケンカし出したんだ。」
「激しいケンカでさ、しまいにはなんか割れてんの。ぱりーん、がしゃーん、って。
 その音で牧野も起きてさ、・・・。」
話の行く先が俺には見えない。
「昔、大河原んちの別荘で、似たようなことがあったんだ。司と大河原が大喧嘩してさ。
 あんときみたいだね、って笑い話にすればいいのに、俺もあいつも何も言わなかった」
5828cg:04/10/12 21:36:43 ID:XnUnHGqA
「そのあと、あいつ泣いてたんだ。俺は寝てると思ってたんだろうね。声殺して、俺に背を
 向けてさ。」
類はそのまま黙り込んでしまった。
「風邪ひくぜよ・・。中で話そう」
俺は類の背中に手を回すと、家の中に促した。
類は、一人で考えたいから、と部屋に戻っていった。こんな状況で一人にするのは忍びなかったが、この状況でかける言葉もない俺は、その背中を見送った。
牧野、これはひどいぜ。
お前も、司も悪くない。
恋愛なんか全部、幸せな二人の影で、誰か泣いてるもんだ。だけど。
類が泣かなきゃ、司が泣くことになる。それも俺は辛いけど。・・でも・・ひどいぜ。
583名無しさん@ピンキー:04/10/14 18:27:20 ID:rXxR4scM
age
584名無しさん@ピンキー:04/10/14 19:29:46 ID:40xxK6sX
8cgサン!
切ないー!切な過ぎるー!
続きお願いいたします
5858cg:04/10/14 19:32:59 ID:6pFtIZ1o
暗い所で話が中断していてすみません。
この先も書いたのですが、書いても書いてもエロシーンに行かなくて・・・。
ここはエロパロ板ですので、この内容で板を占領していてはよくないでしょうし・・・。
この話に無理やりけりをつけて、違う話を書くか、この話をホームページを立ち上げて
移すかを考え中です。
もし読んでくださっている方がいらっしゃれば、ご意見伺えると、幸いです。
586名無しさん@ピンキー:04/10/14 20:08:44 ID:Qif20vWR
エロがないとみなさん躊躇されるみたいですが そのお話全体的にみて
エロが入ってればそれでいいんじゃないですか??
587名無しさん@ピンキー:04/10/14 21:20:14 ID:gwy5Xqps
586さんに同意見です。こんなに素敵な話無理やりけりをつけないでほしいです。
私は、ここ何日もこの作品に魅せられて眠れぬ状態です。
ホームページ立ち上げて下さるともっと嬉しいです。続き読みたいです。
がんばってください。
588名無しさん@ピンキー:04/10/14 21:33:47 ID:M5jQOPUh
続き読みたい・・・
5898cg:04/10/14 21:40:31 ID:6pFtIZ1o
>586さん、587さん
ありがとうございます・・。とりあえず少しずつアップさせていただきます。
感想いただくと、本当に嬉しく、励みになります。
ホームページを立ち上げるとなるとある程度準備期間もいるかと思いますの
で実現できるかちょっと不安ですが、考えてみますね。
5908cg:04/10/14 21:41:25 ID:6pFtIZ1o
いつの間にか、夜が明けたらしい。今にも泣き出しそうな、暗い雲。
「雨になりそうだな・・・。」
俺の気持ちに応えるように、雨がぱらぱらと降り出した。
そもそも、こんなことになったのは、俺のせいだな、と思う。
司と揉めたくなかった。当時の俺は、つきあうなんて、面倒だとも思ってた。
なるようにしかなんない、そんなふうに俺は生きてきたけど。
牧野ははじめ、司のことを好きどころか、嫌っていた。
でも司は、何があっても、何度も何度も、牧野に向かっていった。
あんなみっともないことはできないな、なんて思ってた俺の方が、よっぽど情けないな。
5918cg:04/10/14 21:42:10 ID:6pFtIZ1o
牧野の側に一年、いた。一緒に昼飯を食って、図書館で勉強した。(俺は寝てたけど)
手をつないで、公園を歩く。そんななんでもないことが、あんなに楽しいなんて、知らなかった。
牧野の笑顔が浮かぶ。
いつまでたっても起きない俺をくすぐる笑顔。美味いものを食べて、幸せそうに、笑う顔。
プレゼントした包みを開けて、喜ぶ顔。
悲しい顔も、浮かぶ。司を想って、泣く顔。ごめんね、と謝る顔。
働いているときの、生き生きとした、顔。俺の腕の中だけで見せる、切ない顔。
甘くもらす、ためいき。まっすぐな、黒い髪。
みんな、みんな、俺のものだ。牧野は牧野で、誰のものでもない、そんな風に思っていたけど。
雨が降るのをぼんやりと見ていた。
雨を止ませることはできないけど、牧野、あんたが司のところに行くのをこのまま黙って見
送るつもりはないよ。俺は立ち上がると、あきらに電話をかけた。
5928cg:04/10/14 21:42:53 ID:6pFtIZ1o
雨か。オレはカーテンを上げて外を見る。
牧野は明け方まで、寝返りをうっていた。類のことで、悩んでたんだろう。今は静かな寝息を立てている。
そろそろ親父が動き出すころだ。この一年、オレは親父たちと、ヤツを倒す計画を立てていた。油断させるために、いいなりになりながら。
ヤツの監視がゆるんで、オレもようやく日本に来れた。あとはしばらく牧野を連れて身を隠さなきゃなんねえ。
牧野の寝顔を見る。お前の気持ちの整理がつくのを、待てなくてすまねえ。
巻き込んで、これからも危険にさらすかもしれねえ。でも、絶対守るからよ。
類といたほうが、穏やかで幸せだったかもしらないな。
とりあえず、類だ。こいつの側に一年いた類があっさりあきらめるとは思えねえけど。
すまねえな、類。オレの方があきらめは悪いんだ。
5938cg:04/10/14 21:43:38 ID:6pFtIZ1o
熱いシャワーを浴びながら、あたしは自己嫌悪に陥っていた。
「何があっても花沢類と歩いていく」そう約束したのに、道明寺と会ったとたん、こうなっ
てしまうなんて。
花沢類の笑顔を思い出す。何より大切な、あたしの宝物。
でも、もう二度とあたしには見せてくれないだろう。そう思うと、自分のせいなのに、胸が張り裂けそうになった。花沢類、裏切ってごめん、悲しい思いをさせるね。
あたしをいつもいつも支えて助けてくれたのに・・・。
花沢類とつきあってても、いつもどこかに道明寺がいた。どうしても、過去にできなかった。
でも、それは道明寺の方が花沢類より大切、というのとは違う気がする。
あたしはこれから、花沢類を忘れられずに生きていくのかな。
そう思うと、このまま自分が消えてしまえばいいのに、と思えてならなかった。
594名無しさん@ピンキー:04/10/14 21:57:14 ID:z8r999rI
5958cg:04/10/14 22:25:23 ID:6pFtIZ1o
シャワーから出ると、道明寺が身支度を終えていた。
「今あきらから電話あった。オレが来てることはみんな知ってるらしい。」
え!?じゃあ、あたしと道明寺がここに泊まったことを、もう花沢類も知ってるの!?
心臓がはねあがる。花沢類が今どんな気持ちでいるかと考えると、身体中の細胞が騒ぎ出すような感覚がした。
「心配すんな。オレが類と話す。お前はここにいろ。」
道明寺があたしの頭をくしゃっとなでる。
「・・・あたしが行く。道明寺は待ってて。」
「あ!?お前一人で行かせられっかよ。いくら類でも、今はぜってー冷静じゃねえぞ」
「これは、あたしと花沢類の間の話だから。」
あたしはドアに向かう。道明寺があたしを抱きしめる。
「戻ってこいよ。」
道明寺の瞳があたしをみつめる。
「あたりまえじゃん。」
あたしは強がっていうと、家に向かって歩き出した。
5968cg:04/10/14 22:26:35 ID:6pFtIZ1o
リビングに入ると、花沢類が一人でロッキングチェアに座っていた。
長い脚を組んで、腕組みをしている。
「司は?」花沢類は、あたしの後ろをみやる。
「待っててもらってる。・・・花沢類、あたし・・」
「ごめんね、とか、さよなら、とかいう言葉を聞く気はないよ。」
花沢類・・・!
「一つ確認したいんだけど、司の問題は解決したの?」
意外なことを聞かれて、あたしは驚く。
「・・・分かんない・・」
5978cg:04/10/14 22:27:16 ID:6pFtIZ1o
花沢類はあきれた、というようにためいきをつく。
「俺は司のそういうところが理解できないな。迎えにくるんなら、解決してからくるべきだ
ろ?いつもあいつは強引で、・・・短絡的だ。」
道明寺を悪く言う花沢類を見るのは、初めてだった。あたしは花沢類の静かな怒りを感じた。
「牧野。俺のこと、好き?」
「・・・そんなの、答えられないよ・・!」
花沢類は立ち上がると、あたしに近づいてくる。あたしはどうしていいか分からなくて、背を向けた。
花沢類は背中からあたしを抱きしめた。
5988cg:04/10/14 22:27:57 ID:6pFtIZ1o
花沢類の繊細な手がみえる。長い指だな・・。こんな時なのに、そんなことを思った。この指で紡がれるヴァイオリンの音色は、あまりしゃべらないこの人の言葉。・・・今ならどんな切ない演奏になってしまうの?
「牧野・・。行かないで。俺のそばにいて・・・?」
YESと言えたら、どんなにいいだろう。
首筋にキスを感じる。
「花沢類っ、だめっ・・」
無理やり身体を返されて、激しくキスをされる。・・・だめ!
このキスを受け入れたらあたし本当に自分が許せなくなるっ・・。
押しのけようとする腕をつかまれる。
「司に伝えて。牧野はテディベアじゃない。もう譲る気はないよ。」
599名無しさん@ピンキー:04/10/14 23:32:22 ID:40xxK6sX
ぎゃーっ!どうなっちゃうのーっ?
続きが気になって眠れないよー。
8cgさんの連載に期待age
600名無しさん@ピンキー:04/10/14 23:37:50 ID:Qif20vWR
司を応援
601名無しさん@ピンキー:04/10/15 00:01:09 ID:xDHPT9UC
私は、類を応援する。
602名無しさん@ピンキー:04/10/15 00:12:49 ID:gHls6KrU
い、いかん。寝る前にちょっと覗いたらこんな事になっていようとは。。。
目が冴えてしまって眠れそうにありません。
8cさんGJ!そして類タソ頑張れ!
603名無しさん@ピンキー:04/10/15 01:32:38 ID:wjA/78Pe
また眠れない。。。類ガンバ!
604名無しさん@ピンキー:04/10/15 04:44:54 ID:x0IS+3x+
私も類を応援!!
605名無しさん@ピンキー:04/10/15 08:03:04 ID:VGX6cJcz
類ファンって原作でくっつかなかった分 こーゆー時
とても激しい・・・。
606名無しさん@ピンキー:04/10/15 08:39:07 ID:uRLH5sRj
寝不足だぁ。せつな過ぎる
花より男子のTVアニメのエンディングの歌が
一晩中頭の中で流れ続けて眠れなかった。
8cgさん、何とか類を幸せに
してあげて下さい。





激しい類ファソより。
607名無しさん@ピンキー:04/10/15 10:36:09 ID:GVns+k9Z
司〜〜〜離すなあああああ!!!
オネガイ〜〜

司がせつないよ…
6088cg:04/10/15 13:26:06 ID:eyl1nphz
そういうと、類は部屋を出ていった。

重い足取りで、温室に戻る。雨が傘を打つ音が、やけに響く。
・・・?異様な気配を感じて、あたしは立ちすくむ。
首筋に、何かちくっという痛みを感じた。
あたしは驚いて振り向こうとする。後ろから誰かが乱暴にあたしを抱える。
英語らしき言葉が聞こえる・・誰?・・そのまま意識が遠のく。
道明寺、花沢類・・・。

遅い。オレは、いらいらしながら、窓の外を見た。
あきらの家に続く道に傘が落ちている。さっきは何もなかったはずだ。
オレは慌てて外に出る。激しい雨が、牧野のものらしき傘に降り注ぐ。
ふとオレは黒いモノに気が着いた。・・牧野のくつが片方落ちている。
・・・牧野がさらわれた!?
6098cg:04/10/15 13:27:01 ID:eyl1nphz
「プリシラ様。ご依頼の方を、預かりました。」
私は雇い主であるプリシラ様に報告する。
「そう、ありがとう。」
彼女はにこりと笑って、書類にサインを続ける。
こんな時でも、この人はとても美しい。
透き通る肌、柔らかな金色の髪、大きな潤んだ瞳・・。
「プリシラ様。彼女をどうなさるおつもりで?」
ふと、手を止めて彼女はしばらく考える。
「片付けるのは、待って。会ってみたいわ。」
なんとしても牧野を何事もなく、無事に返さなければ。二人の為でなく、プリシラ様のために。
6108cg:04/10/15 13:27:51 ID:eyl1nphz
初めて私・・スタンレー・ロヴェンズがプリシラ様に会ったのは、私が18歳、彼女が6歳の時だった。
当時、彼女のご家族・・ゴードンファミリーは、ワシントンDCに程近い、メリーランド州に住んでらっしゃった。
見知らぬものを威圧するような、大きな門。
どちらに向かえばいいのか、一瞬とまどう。その大きな庭で、私は小さなお姫様と出会った。
「あなたは、だあれ?」
彼女は茂みの陰から恥かしそうに、顔を出した。好奇心できらきらした瞳を私に向ける。
「私はスタンレー。今日から貴方の家庭教師になるんですよ。」
私は膝をついて、彼女の目線に高さを合わせた。
「あたしはプリシラ。あなた、迷っちゃったんでしょう。おうちはこっちよ。連れて行って
あげる。」
ふわり、とスカートを膨らませて彼女が駆けて行く。
あれから12年たって、彼女は当時の私の年齢になった。でも、私の中ではプリシラ様はずっとあの時のままだ。ちょっとおませで、天使のようにスウィートで。
司様は、プリシラ様の本当の姿をご存知ない。司様への本当のお気持ちも。
ただのわがままな、苦労知らずのお嬢様だと思われている。
司様に真実のプリシラ様を分かっていただかなければ。プリシラ様が、初めて愛された方なのだから。
6118cg:04/10/15 13:28:38 ID:eyl1nphz
ここはどこだろう。ホテルのスィートルーム?
あたしは寝かされていたソファから身を起こす。車酔いのような吐き気がする。
おそるおそる部屋の中を見渡す。大きなベッドルームと、続きのリビングルーム。
白い扉を開けると、バスルームだった。
トゥーボールの洗面所に、バスタブとは別にシャワールーム。
道明寺家の豪華なバスや、メープルホテルを見ている私でも驚くほど、豪華な造りだった。
窓から外を見ると、大きな庭が見える。ここはいったい・・?
とりあえず、出てみよう。あたしは外に出れそうなドアに手をかける。
案の定、カギがかかっている。力一杯ドアをたたく。
「開けて!開けて!」
叩いた手より、頭ががんがんする。あたし、何か首筋に刺されたんだっけ・・?
しばらくすると、ドアが開いた。
「お目覚めですか、牧野さん」
まったく見覚えのない外人に名前を呼ばれて、あたしは事態がのみこめない。
「こんにちは。わたしは・・スタンレーと言います。司様の奥様である、プリシラ様の秘書
をしております。日本語を勉強しだしたのは、司様とご縁ができた一年前からですので、お聞きぐるしいかと思いますが・・。私の日本語、分かりますか?」
とりあえず、道明寺より日本語上手だけど・・・ってなんであたし、ここにいるのっ!?
6128cg:04/10/15 13:30:29 ID:eyl1nphz
「まず、貴方には深くお詫び申しあげます。手荒な方法で、無理やりアメリカにお連れして申し訳ございませんでした。必ず無事に日本にお返しいたしますので、しばらくここで過ごしていただけますか?」
スタンレーと名乗るその人は、深々と頭を下げて言った。
「そんなの、はいそうですかって納得できるわけないでしょっ?どういう事か説明して!」
あたしは彼を睨みつけて言う。弱気なところなんか見せるもんか。
牧野つくしの雑草根性、なめるんじゃないわよっ!
6138cg:04/10/15 13:32:36 ID:eyl1nphz
よくよく私は気が強い女性に縁があるらしい。
泣いてパニックになるだろうと想像していた私は驚いた。さすが司様の好きな方だけある。
「もうすぐ、プリシラ様がいらっしゃいます。日本にいるそろそろ司様にも連絡が行くと思
いますし・・。そうですね、何から話しましょうか・・・。」
私はプリシラ様が現大統領の娘であること、嫌がる司様にありとあらゆる圧力をかけて・・・
彼女の生命の危険までちらつかせて、無理やり結婚した事を話した。
どうやら何も知らなかったらしい彼女は、一生懸命事実を理解しようとしているようだった。
「プリシラさんは、道明寺を好きなの?それとも、何かメリットがあるからなの?」
核心をついた質問だ。この質問に一言では答えられないし、プリシラ様の気持ちを考えると
私の口から、勝手に伝えていいものか・・。
私が言いよどんでいると、プリシラ様が部屋に入ってきた。
6148cg:04/10/15 13:33:24 ID:eyl1nphz
道明寺と無理やり結婚した女性・・。どんなきつそうな女性が入ってくるのかと身構えていたあたしはびっくりした。
かわいい・・ううん、そんな簡単な言葉では表わせない、際立った魅力を持った、女性。
外人さんって、みんな身体が大きいのかと思ってたのに、目の前にいるプリシラはあたしと
ほとんど変わらない。
彼女は華奢な身体を、ふんわりとした花柄のワンピースに包んでいた。
肩のあたりまである柔らかそうな金色の髪は、ゆるやかなウェーブがかかっている。
でも、瞳の奥には強い光が宿っていた。
「私、同じ事で何度もわずらわせられるのは、嫌いなの。一度だけ、訊くわ。
 日本に戻ってルイ・・だったかしら・・彼と人生を歩いてくれる?。そして司の前には
 二度と現われないで。約束していただければ、すぐにドアを開けて空港へお送りするわ。
 ただし、約束を破ったら、次は首筋に麻酔じゃないものが刺さるわよ。」
6158cg:04/10/15 13:34:10 ID:eyl1nphz
あたしは息を呑む。昔魔女に似たようなことを言われたけど、さすがにここまでは言われなかったのに!
「プリシラ様っ!・・私に彼女を説得させてください。必ず・・」
スタンレーが慌てて言う。
「これから、司も呼ぶわ。今後二度とこんなことで煩わされないように、処理して。
 どんな取引でも、貴方の裁量で決定して結構よ。司にも心から納得してもらってちょうだい。」
言い終えて、プリシラは部屋を出て行こうとする。でも、何か思いついたように振り向いて
こう言った。
「・・・ねえ、牧野さん。シンデレラは本当に末永く幸せに暮らしたのかしら?」
唐突にこう言われてあたしは訳が分からなかった。
「私の知ってるシンデレラは悲劇的な結末を迎えたわよ。・・・牧野さん。私の言う事を聞いたほうが、貴方にとっても幸せよ。・・・きっと。」
そう言ったプリシラは深い悲しみを瞳にたたえていた。
616名無しさん@ピンキー:04/10/15 14:12:33 ID:wjA/78Pe
ププップリシア!!スタンレーなんか凄い展開になってきた!
8cgさんすばらしー!!!
続きものすごく楽しみですヽ(^o^)丿
がんばってください!類もがんばって!
617名無しさん@ピンキー:04/10/15 14:16:18 ID:gHls6KrU
   *  ※ ☆   ※ ※   ☆ ※  *
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  * ※キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━ !!!※ *
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      *  ※ ☆   ※ ※   ☆ ※  *
6188cg:04/10/15 16:46:19 ID:eyl1nphz
「牧野さん。少し昔話をしてもいいですか?」
スタンレーはそういうとソファに座り、あたしにも座るように促した。
「先ほどプリシラさまのおっしゃったシンデレラというのは、プリシラさまのお母様の
ことだと思います。」

現大統領であるプリシラ様のお父様は、代々続く政治家ファミリーの長男である。
そのお父様は、大学で奨学金で入学したプアーホワイト出身のお母様と出会った。
もちろん周囲は大反対したが、プリシラ様を妊娠したこともあり、二人は結婚したのだが・・。
牧野さんは真剣な顔で聞き入っている。
「どこかで聞いたような話でしょう。プリシラ様のお母様は継母に育てられて随分つらい
 少女時代を送ったみたいですよ。そんなところまで、シンデレラに似ていますよね・・」
違うのは、王子さまがいつまでも優しい王子さまのままいられなかったことである。
6198cg:04/10/15 16:47:27 ID:eyl1nphz
私は暖炉の上に飾ってある写真立てを牧野さんに手渡した。
5歳くらいのプリシラ様がお母様に抱かれている。今のプリシラ様にそっくりなお母様は
幸せそうに微笑んでいる。
「この少しあとです。私が家庭教師としてこちらに来たのは・・。そして、お母様が亡くな
ったのは・・。」
牧野さんは眉を寄せる。
「病気・・?」
「表向きはそうなってますけどね・・。自殺だというのは、周知の事実でした。」
当時州知事だったゴードン氏は次なるステージ・・大統領への野望を胸に秘め始めていた。
ここ数期、共和党に政権を奪われ続けている民主党の新たなスター・・それがゴードン氏
だった。
6208cg:04/10/15 16:48:26 ID:eyl1nphz
「牧野さんは、大統領戦のことはご存知ですか?」
「いえ・・民主党がリベラルで、共和党が保守党なことぐらいしか・・」
私は言葉を選ぶ。
「大統領戦では、政策はもちろん、相手の家族のことまでが、攻撃対象になります。
 そして・・結婚当時はただ貧しかった、というだけのお母様の父上は、そのころ・・
 犯罪にも手を染めていました。娘のご結婚によってお金が入ったのに、その立場を利用し
て詐欺や恐喝を・・。ゴードン氏は当時お金を持っては解決しに歩いたと聞いています」
牧野は悲しげな顔で聞いている。きっと、心の優しい女性なのだろう。
6218cg:04/10/15 16:49:11 ID:eyl1nphz
「もちろん、大統領戦には大変に不利な材料となります。周囲の方はお母様と離婚することを薦めました。お母様は大変嘆かれながらも、離婚には同意なさったそうです。でも、プリシラ様を手放すことだけは拒否なさったそうです。」
抱いていたプリシラ様を無理やり奪われて、リムジンに乗せられたお母様を思い出す。
今思い出しても悲しい光景だ・・。
「たくさんのお金とカナダの別荘を渡されて、お母様は追い出されました。
 亡くなったのは、ゴードン氏の再婚が発表されてすぐのことだったそうです。」
6228cg:04/10/15 16:50:01 ID:eyl1nphz
「ねえ、スタンレー。あといくつ寝たらママに会えるの?」
何も知らずにあどけなく聞くプリシラ様になんとお答えしてよいか、分からなかった。
しかし彼女は、もっとも残酷なかたちで真実を知ってしまう。
ある日彼女はうちのめされた様子で学校から戻ってきた。
「プリシラ様、どうなさったんです?お友達とけんかでもなさったんですか?」
プリシラ様の瞳からぽろぽろと涙が零れる。
「お母様、死んだんだって・・。お父様が殺したんだって・・。」
「!!誰がそんなことを!」
「学校のみんな・・お父様は、人でなしだって・・お母様・・本当に死んじゃったの?
あと、メアリーおばさまは新しいお母さんってほんと?おばさまがいらっしゃるから
お母様は家を追い出されたの?」
この日から、プリシラ様は私以外の人間の前で、違う人間を演じるようになった。
強くて、けっして誰も愛さない女性。・・・司様に出会うまでは。
6238cg:04/10/15 16:53:31 ID:eyl1nphz
「先ほど、牧野さんは、こう聞かれましたね。プリシラ様は司様を好きだから無理やり結婚
 なさったのか、メリットがあるからなのか。」
牧野さんは真面目な顔で身を乗り出す。
「はじめは、ゴードン氏が司様に目をつけたのです。もちろんメリット面でね。プリシラ
 様は嫌がっていました。誰とも結婚なんかする気はない、と」
私は当時を思い出す。なんで私がこの上お父様に利用されなきゃいけないの?プリシラ様は
司様に会うことさえ、嫌がっていた。
「プリシラ様が司様に興味を持ったのは・・皮肉なんですが、貴方のことを知ったからなん
です。」
6248cg:04/10/15 16:54:59 ID:eyl1nphz
あっ、あたし?なんでそこにあたしがでてくるの?
「縁談を持っていった道明寺家に、断られたのです。息子には婚約者がいます、と。
 普通の家のお嬢さんで、道明寺家としてはなんのメリットもない相手だが、以前、無理や
り別れさせようとしたら、家を捨てて出ようとした相手なので、残念だが、別れさせられ
ない・・と司さまのお母様がおっしゃっていました。」
魔女があたしたちのこと、認めてくれてたの?あたしは心底驚いた。
昔の魔女なら、大喜びで縁談を進めただろうに・・。あたしはこんな状況なのに、魔女に受け入れてもらえたことが、嬉しかった。
6258cg:04/10/15 16:56:06 ID:eyl1nphz
「よかったですね、プリシラ様、このお話は流れそうですよ。」
私はそう報告しに行った。話を聞いていたプリシラ様はちょっと眉を動かして、こう言った。
「その道明寺司とやらに会ってみるわ。・・・興味があるの。
 その王子さまが、どれくらいお姫さまを大切にしつづけられるか、ね」
多分、プリシラ様は、あっさりと自分になびくとお考えだったのだと思う。
今まで、プリシラ様に会って・・ましてや好意を示されて恋に落ちない男など皆無だったの
だから。
でも司様は違いました。プリシラ様の容姿にも、家柄にも心を動かさない。
そんな司様にプリシラ様はだんだん惹かれていったのですから・・皮肉ですね。
6268cg:04/10/15 16:56:47 ID:eyl1nphz
それからしばらくのプリシラ様は、本当に可愛らしかった。司様がいらっしゃるパーティに
でかけるときは、普通の少女のように、何度も鏡の前で着替えては悩んでいらっしゃった。
「ねえ、スタンレー。どっちが似合うと思う?」
二つのドレスを持ってプリシラ様は、くるりと回る。
私は微笑ましくて、どちらもお似合いですよ、と言った。
「もう、真面目に答えて!もっとセクシーな方がいいかな・・」
牧野さん、あなたには悪いけれど、このまま司様がプリシラ様を愛して欲しい、私はそう願
っていました。
627名無しさん@ピンキー:04/10/15 17:58:57 ID:aU+K+8UV
原作とは違ったもう一つの花男カップリングで はっぴぃエンドにしてください!類もプリもがんばれ!
6288cg:04/10/15 18:10:31 ID:eyl1nphz
「プリシラ様はプライドの高い方ですから、素直に好きです、とはおっしゃらなかったと思
います。あくまで、ゴードン家のために・・というスタンスで司様に接していらっしゃい
ました。私はプリシラ様に、もっと素直になられてはどうですか、と進言したこともあり
ます。プリシラ様は真っ赤になって、日本人なんか好きなわけないでしょ!従わないのが
面白くないだけよ!とおっしゃっていましたが・・。」
牧野さんは、ライバルの話なのを忘れてか、くすりと笑いながら聞いている。

なんだか、道明寺みたいな性格・・。あたしは話の中のプリシラになんだか親しみを覚え始めていた。さっき会ったときは怖かったけど、本当はそんなに悪い子じゃないんだ、きっと。
一生懸命話せば、分かってくれるんじゃないのかな・・・。
6298cg:04/10/15 18:11:27 ID:eyl1nphz
「とうとう司様と結婚するというその日、プリシラ様はこうおっしゃっていました。
 今日、式が終わったら自分の気持ちを伝える。きっと私が素直になれば、うまく行くと
 思う、司は本当は優しい人だもの・・。」
私はその日の出来事を思い出して悲しくなる。
礼服を着た司様と、真っ白なウェディングドレスを着たプリシラ様は、絵本から抜け出てきたような、お似合いのカップルだった。
ほんのりと頬をそめて、横目で司様の様子を伺うプリシラ様。
「司様は冷たい表情で前をまっすぐ見てらっしゃいました。
誓いの言葉を終え、司様はキスをするためにヴェールを上げました。
唇ではなく、頬にするのか・・としか、後ろの席からは分かりませんでした。
でも実際はプリシラ様の耳にこう囁いていたそうです。笑わせるな、お前が契約してんのは、悪魔だろ・・と。」
6308cg:04/10/15 18:12:15 ID:eyl1nphz
道明寺の言いそうなことだわ・・とあたしは思った。あたしが苦しんでいる頃、道明寺も苦
しんでいてくれたんだね。プリシラに少し同情を覚えながらもあたしは、彼女を受け入れずにいてくれた道明寺が嬉しかった。

「それでも結婚すれば・・とプリシラ様は思っていたようです。司様の好きな釣りに一緒に
 ついて行ったり、司様に英語を教えたり・・・。最近は随分仲良くなられた、と思って
 いたんですよ・・。」
スタンレーの顔が悲しそうに、曇る。この人は、本当にプリシラの事を心配しているんだな・・。
もしかして、彼女が好きなんじゃないのかな・・。
6318cg:04/10/15 18:13:44 ID:eyl1nphz
さっき会った牧野の顔が、頭から離れない。
前にも一度見たけれど・・本当に普通の女の子じゃない。
私のどこがあの子に敵わないの?
「オレの乳母が倒れた。もう危ねーらしい。日本に一回帰るわ。」
司はあの時、そう言った。司はきついことも平気で言うし、ちっとも優しくない。
でも、嘘はつかない。・・・私はそう思っていた。
「お痛はほどほどにね。」私はそう言った。彼女には、会わないで。そう素直に言えない
私の精一杯の言葉だった。司を日本に返すのは、賭けだった。
結婚して、一年。最近は、だんだんと心が通い始めた気がしていた。最初は絶対に触れさせてもくれなかったのに、帰国の日、司にいってらっしゃいのキスをしても、拒否しなかった。
少しずつ、封印していた私を出していこう。
日本から戻ってきたら、もっともっと司に素直に接してみよう・・。
そう思っていたのに・・。
日本へ行く司に監視をつけるかどうか迷っていた。ここしばらくは、監視も盗聴も外していた。信じたい・・でも。
私は監視をつけた。司の気持ちが知りたかった。たとえ知るのが残酷な結果でも。
司は成田からまっすぐ牧野のもとへ行った。
司・・・。やっぱり私じゃだめなの?
私は司の香りが残るシーツにくるまって泣いた。
632名無しさん@ピンキー:04/10/15 20:36:26 ID:qX0Qv9JA
ぉぉおー!!一気に読んで泣いてもた;(ノν` )
6338cg:04/10/15 22:42:12 ID:eyl1nphz
「お疲れでしょう。今夜はお食事をなさって、お休みください。明日には司様もこちらに
 お越しでしょう。」
スタンレーが立ち上がりながら言った。
「あ、あの。スタンレーさんは私たちをどうするつもりなんですか?」
スタンレーは少し考えてから、こう言った。
「私も一年司様の側におりました。司様の性格は分かったつもりです。
 他人に言われて、従う方ではない・・。でも、私はプリシラ様の本当の気持ちを司様に
 お伝えしたいのです。それでダメならば・・・プリシラ様をなんとしてもあきらめさせま
す。決してあなた方を傷つけたりはしません・・安心してください。」
そう言ってスタンレーは目を伏せた。
「本当は、プリシラ様も分かっていると思うんです。たとえこのまま無理やり司様を側に置
いても、もうどうにもならないことは・・。ただ、初めて愛した方だから、忘れるのに時
間が必要なだけなんだと思います。」
あたしはこの言葉を聞いて、すっかり安心して眠った。
そのころ、プリシラがどんな決心を固めていたかも知らずに・・。
6348cg:04/10/15 22:43:05 ID:eyl1nphz
翌日の夜、道明寺が来た。プリシラの指定でたった一人で日本からきたらしい。
ドアが開いて道明寺の顔を見たあたしは、ほっとして、涙が出てきた。
「牧野・・!無事だったか?乱暴なこと、されなかったか?」
道明寺があたしの身体をつかんで、調べる。
「大丈夫・・・気がゆるんだだけ・・」
「良かった・・」道明寺はぎゅっと目をつぶってあたしを抱きしめた。
そこへ、スタンレーが入ってきた。
「失礼します、司様。」
「スタンレー、てっめえー」道明寺が殴りかかる。
スタンレーが道明寺の拳を手で受ける。この人、インテリっぽく見えるけど、案外強いん
だ・・・。
「司様、落ち着いてください。」
「あ?こんなことされて落ち着いてられっか!プリシラはどこだ!。」
道明寺はスタンレーの手を振りほどきながら叫んだ。
6358cg:04/10/15 22:44:17 ID:eyl1nphz
「今日はもうお休みになってます。明日、お会いしたいそうです。それでは。」
スタンレーはそういい残すと、ドアに鍵をかけて、出て行った。
道明寺があたしの髪をなでる。抱き寄せて頭のてっぺんにキスされた。
「お前のくつを見つけた時・・マジで心臓止まるかと思った・・」
道明寺が深いためいきをついた。
「巻き込んで、すまねえ。こうなる前に、お前と身を隠すつもりだったんだけどよ、
 こんなに早くあいつが動くとは思わなかったぜ。・・つけてやがったんだな。ほんと、
 しつけーヤツだぜ。」
6368cg:04/10/15 22:45:06 ID:eyl1nphz
道明寺はあたしを抱き上げると、ベッドにそっと下ろす。
「ちょ、ちょっと待って。こ、こんな敵地でそんな・・・あっ、それにあたしあんたに
 いろいろ話さなきゃいけないことが・・」
「お前の話ってたいてーろくでもねーから聞きたくねえ・・」
そう言いながら道明寺はあたしのパジャマのボタンをさっさと外していく。
「やだってば!そんなことしてる場合じゃ・・んっ!」
あたしの言葉をキスでふさぐ。
道明寺の熱い舌が、あたしの舌を探す。こんなことしてる場合じゃない、頭ではそう思うの
に、あたしの身体はどんどん熱くなっていく。
6378cg:04/10/15 22:46:12 ID:eyl1nphz
総ニ郎が昔、牧野のことを色気ゼロとか言ってたよな。あいつ、タラシを自認してるわりに
は見る目ないぜ。目を閉じて、声を殺して恥らう牧野は多分あいつが抱いたどんな女より色っぽい。
耳たぶが弱い、首筋も、鎖骨も。オレは一つ一つ赤い華を咲かせていく。
柔らかな胸を丸くなでる。頂きをなめ、吸って転がす。硬さを楽しみながら、下半身に手を伸ばす。
そっと下着を脱がせると、牧野は泣きそうな顔で、電気を消して、という。
「今日は明るいところで全部見せろよ・・」
「やだ、やだやだ、絶対やだっ・・・」
起き上がってスィッチに手を伸ばそうとする。
「分かったよ、・・・スタンドだけにしてやるよ」
オレンジ色の光の中に、牧野の白い身体が浮かびあがる。
「あんまり見ないで・・」そっと両手で胸を隠すしぐさに、ぞくっとくる。
6388cg:04/10/15 22:47:15 ID:eyl1nphz
道明寺があたしの膝の間に、頭を入れてくる。これからされることを予感して、あたしは恥かしくなる。
道明寺は両手の親指でそっとあたしを開くと、優しくキスをしてくれた。
びくっ、と身体がしなってしまう。
「緊張すんな。リラックスして、ただ感じてろ・・」
道明寺が襞と襞の間を、何度も舐め上げる。あたしは自分の敏感な場所から蜜が溢れ出すの
がはっきりと分かった。
道明寺の指が入ってくる。ゆっくりと出し入れされて、思わず声が漏れる。
「あっ、ああっ、・・気持ち、いいっ・・」
あたしは自分の手の甲を口にあてて声を殺す。静かな部屋のなかに、湿った音が響く。
6398cg:04/10/15 22:48:00 ID:eyl1nphz
あたしの中心が、道明寺を求めている。
「道明寺・・あたし、もう・・」
「あ?イクのはまだ早えぞ。これからだ・・」
指を増やして、道明寺はあたしの中を突き続ける。
「もう・・欲しい・・」
道明寺が指の動きを急に止めて、引き抜く。あたしは切なくなって、道明寺が来るのを待つ。
「ふっ・・今のお前、最高の表情してるぞ・・」
道明寺がベッドに横たわる。・・?
6408cg:04/10/15 22:49:39 ID:eyl1nphz
「オレの上に来いよ」
「え?」あたしは恥かしくてとまどう。
「自分で動かしてみろ・・」
そっと道明寺自身をもって自分にあてがう。その行為がたまらなく恥かしい・・。
おそるおそる腰を沈める。下で受け入れる時とは全然違う快感に思わず腰が動く。
「いいぞ・・感じる方向に・・動いてみろ・・」
もっと早くほしいのに、うまく動かせない。道明寺が焦れたように、自分から動き出す。
自分の奥に道明寺が当たっているのが分かる。
気持ち、いいっ・・。
「はっ、はっ」道明寺の息も荒くなっていく。
「あんっ、あんっ、道明寺、もうだめっ、いっちゃうっ・・!」
あたしたちはしっかりと抱き合ったまま、絶頂を迎えた。
641名無しさん@ピンキー:04/10/16 00:14:37 ID:tBoZqubP
イイヨイイヨーGJ
642名無しさん@ピンキー:04/10/16 06:42:41 ID:MHijtHS+
つ、続きが気になる〜
6438cg:04/10/16 17:55:06 ID:5SgzOP+D
「・・・で?お前はいったい何が言いたいんだ・・?」
道明寺は、本当に分からないといった様子でタバコに火をつける。
「だからっ・・プリシラはメリットのためじゃなくて、あんたが好きなのよ。」
いったい今まで何を聞いてたんだろう?
人が一生懸命、プリシラの少女時代からの話を再現したのに!。
「だからあいつにもっと優しくしろとでも言うのか?」
「・・・そうじゃないけど、だから、ちゃんとその・・話せば分かってくれるんじゃないか
と思うんだ。」
道明寺は、つけたばかりの火を消す。
「あきらめさせるっつーのは、スタンレーが言ってるだけだろ。あいつ自身は相変わらず別
れなきゃお前を消すっつってんのに、のん気だよなあ、お前」
6448cg:04/10/16 17:55:55 ID:5SgzOP+D
道明寺は、あきれたように微笑んだあと、声を潜める。
「大丈夫だ。もう手は打った。親父が明日、動く。もうゴードン家もお終いだ。安心しろ。」
「お、お終いってどういうこと?何するの?」
「今までの悪事を一気にマスコミにバラす。もちろん、共和党の息のかかったとこばっかり
だ。一年がかりでオレと西田(魔女の秘書)が言い逃れできねー証拠集めたかんな。
ま、大統領辞任は当然として、実刑を免れれば御の字じゃねえの。こっちは経済犯罪にも
厳しいかんな。」
あたしは話の大きさについていけない。
「そんなことして、道明寺家は大丈夫なの?」
「おお。オレだけじゃなく、親父もマジであいつらのやり方にはいかってたかんな。
 親父が一年かけて周到に準備したんだ。安心しろ。」
6458cg:04/10/16 17:59:23 ID:5SgzOP+D
ほっとすると同時に、プリシラのことが頭によぎる。
「そうなったら、プリシラはどうなるの?」
あたしの頭には、現在のプリシラではなく、写真の中のプリシラが浮かんでいる。
お母さんが亡くなって、泣いているプリシラが。
「はあ?お前、誰のせいでこんな目にあってると思ってんだ?アホか。
・・まあ、そういうとこが、お前のいいとこだけど。」
道明寺はバスローブをはおって、シャワールームに向かう。
「あ、そういや、なんか類から預かってきた。赤いバッグんなか入ってるから見とけよ。」
花沢類の名前を聞いて、あたしの胸はまた痛み出した。
心配してくれてる・・よね。
6468cg:04/10/16 18:00:06 ID:5SgzOP+D
箱の中には、オルゴールと手紙が入っていた。
そっと、蓋を開けると聞き覚えのあるメロディが流れた。
花沢類がいつも最初に弾く、練習曲だ・・・。
懐かしくて、涙が次々と零れる。
あたしがこの曲を好きだって言ったこと、覚えていてくれたんだね・・。
6478cg:04/10/16 18:00:50 ID:5SgzOP+D
薄いブルーの便箋には、花沢類の流れるような細かい字が綴られていた。

「牧野。この手紙を牧野が読んでいるってことは、無事だってことだね。
 俺のカンがあたってれば無事なはずなんだけど、やっぱり心配してるよ。

 手紙を書いたのは、牧野に話してないことがいくつかあったからだよ。
 一つは、司の結婚相手のこと。彼女、俺に一度会いにきてるんだ。
 かいつまんで言えば、俺と牧野に早く結婚してほしいってことだった。
 そうすれば、司もあきらめがつくだろうから、って。
 その必死な様子は、どう見てもビジネスのためじゃなかったよ。司が好きなんだな、って
 言ったら、それまですごくクールにしてたのに、笑っちゃうくらい動揺してたよ。
 だから、あんたは無事だと思ってる。
 あんたを傷つけたりしたら、司に愛されるどころじゃないからね。
6488cg:04/10/16 18:01:40 ID:5SgzOP+D
 今日、司から親父さんと立てた計画を聞いた。道明寺家として、対立すると決定したのだ
から、俺が口を出せることではないんだけど・・・。
司によると、最近は彼女を油断させるために、敵意を潜めていたらしい。
くわしくは聞いてないけど、打ち解けたフリくらいはしてたんじゃないのかな。
だからこそ、日本に帰ってあんたに会った司に裏切られたと感じてると思うんだ。
司もそうだけど、プライドの高い人間を怒らせると、何をするか分からないよ。
この上、ゴードン家まで潰されたら・・・彼女は司を憎むよ。
好意と憎悪はとても近い場所にあるものだよ。あんたも司も、気をつけた方がいい。
6498cg:04/10/16 18:02:16 ID:5SgzOP+D
もう一つは、俺たちのこと。
 司と牧野が自由になって、司を選ぶ前に、俺の気持ちを知っていて欲しいんだ。

 俺はね、ずっと上手に諦める人生を歩いてきたよ。
 昔俺は、よく、感情が欠落してるって言われてた。
でもそれは多分、違う。上手に感情を表わすことが、できなかったんだ。
厳しい親に育てられた俺は、自分で何かを選ぶことができなかった。
着る服も、食べるものも、今何をするかまで、全部。
そのうち、なにが自分の欲しいものか、したいことか、考えなくなった。
どうせその通りにはさせてもらえないからね。
感じないように、生きる。今思うとそれが俺の自衛手段だった。
6508cg:04/10/16 18:03:07 ID:5SgzOP+D
そこからまず連れ出してくれたのは、静だった。
静を通じて・・・窓のようにして、ぼんやりと外の世界にももう一度興味を持てた。
F3とも親友になれた。・・・でも、相変わらず、何も欲しいと感じられなかったんだ。
そんな俺を、変えてくれたのは、牧野だよ。
どんなに押さえつけられても、負けない。そんな強さがうらやましかった。
正直に言うと、・・・多分俺は初めからあんたが気になってたよ。
それが「欲しい」という気持ちだとは、その時分からなかったけど。
6518cg:04/10/16 18:03:53 ID:5SgzOP+D
この一年、あんたの側にいて、俺はすっかり生まれ変わったような気がするよ。
今までテレビの向こうのように感じてた世界が、リアルになったんだ。
今の俺は、したいことが、たくさんある。
今まで諦めてきたものを、全部取り返したいと思ってる。
嫌だけど、花沢商事を継ぐんだろうな・・と思ってた俺はもういないよ。
ヴァイオリンをもっと真剣にやるよ。プロを目指してみる。
6528cg:04/10/16 18:04:43 ID:5SgzOP+D
・・前向きな俺なんて、らしくないと思ってるだろ?
ぼーっとした俺が好きだった牧野はがっかりしてる?

牧野のことも諦めないよ。司を選んだら俺からは会いにいかないけど、いつか俺の
ところに帰ってくるって、信じて待ってる。

あ、そうだ。エチュードのオルゴールを贈るよ。本物を聞かせられるまでの代わり。
中も見ておいて。メッセージを入れておいたから。   類」

オルゴールの中はビロードの小物入れになっていた。蓋のある部分を開くと、・・・中に
はエンゲージリングが入っていた。
653名無しさん@ピンキー:04/10/16 19:04:03 ID:4mySGwqa
続きおながいします。
654名無しさん@ピンキー:04/10/16 19:11:34 ID:iaRIcCrj
ぐわー、鼻血でるぅ〜!
8cgさん、ヤヴァいよ、ヤヴァいよ。
類の気持ち、凄くよく書けてる。
続き〜〜〜っ!!
655名無しさん@ピンキー:04/10/16 23:19:04 ID:oCDKTFOd
8cgさん待ち…
(・∀・)ワクワク
Ο  Ο
656名無しさん@ピンキー:04/10/17 05:03:43 ID:v/Q5NKCI
8cgさん待ってます!!
続きお願いします〜〜〜っ!
6578cg:04/10/17 07:26:50 ID:2OLVUXYE
翌朝、私はプリシラ様の部屋に呼ばれた。
朝日の中で見るプリシラ様は、いつにも増して、お綺麗で・・なんだか儚い表情をなさっていた。
「あなたにお願いが、あるの」
私はとまどった。このような話し方をなさるのは・・・子供のとき以来だ。
「お父様に、離婚すると話して。そして道明寺家にはなんの制裁も加えないでと頼んで。
 全て私の我がままのせいだから、と」
「プリシラ様・・・よろしいのですか?司様にお気持ちを伝えなくて・・・。」
6588cg:04/10/17 07:27:59 ID:2OLVUXYE
プリシラ様は寂しそうに笑った。
「これ以上、みじめになりたくないわ。・・いいの、もう」
唇を噛みしめて、涙をこらえるプリシラ様はぽつりとそうつぶやいた。
「よく私、何もかも持っている女性なんて言われるけど・・・。
 お金も、名声も、容姿も・・そんなの何になるの?
 なんにも持ってないのに。愛せる家族も、友達も、・・・恋人も。
 牧野さんが、うらやましい・・。
 司に愛されるなら、私の持っているもの、全て捨ててもかまわないのに・・・・もう仕
方ないわね、こんなこと言っても」
6598cg:04/10/17 07:28:49 ID:2OLVUXYE
私は自分の執務室に戻りながら、ほっとしていた。
やっぱりプリシラ様は分かってくださった。早く大統領にお伝えして、二人を開放しなくては。
執務室に電話のベルが鳴り響く。
聞きなれたその音に、私はなぜか不吉なものを感じていた。
6608cg:04/10/17 07:29:25 ID:2OLVUXYE
電話の向こうの補佐官は、道明寺家の裏切りを伝えてきた。
慌てて私は、テレビをつける。どのチャンネルをつけても大統領の不正・スキャンダル
一色だ。そしてその内容は、内部の者でなければ知り得ないものばかりだった。
西田、とかいう男の狡猾な顔が浮かぶ。そして司様。
どうしていいか、分からず、机にもたれて考え込む。
プリシラ様に、なんとお伝えしてよいものか・・・。
ドンッ!腹の底に響くような銃声が鳴り響く。
私はプリシラ様の部屋に向かって駆け出した。
6618cg:04/10/17 07:30:21 ID:2OLVUXYE
部屋の中は、血の海だった。テレビがついている。
・・・司様の裏切りを知ってか!
胸の中心を撃ったプリシラ様が倒れている。
「プリシラさまっ!!!!」
プリシラ様は苦しげにつぶやいた。
「や・・ぱり頭撃たなきゃ・・駄目ね・・。」
「だ、誰か、救急車を・・・!」
扉の入り口に集まってきた使用人に私は叫ぶ。
「スタンレー・・・ごめんなさ・・。」
「しゃべらないで下さい!」
私は吹き出る血を自分の手で押さえながら叫ぶ。
6628cg:04/10/17 07:30:57 ID:2OLVUXYE
なぜだ、なぜこんなことに!何もかも、解決するはずだったのに!
「スタンレー・・ありがと・・あなただけ、私の味方だった・・。
 もう・・駄目・・痛い・・とどめ、さして・・・」
プリシラ様の美しい顔が苦痛にゆがむ。
「何をしてるんだ!医者はまだか!!」
振り向いて、私は叫ぶ。
「お願い・・痛い・・」
哀願するプリシラ様を震える手で抱きしめる。
もう、駄目だ・・・たくさんの死を見てきた私は悟る。
プリシラ様を、楽にしてさしあげなければ・・。
私は泣きながら、落ちていた銃声を拾ってひきがねを引いた。
6638cg:04/10/17 07:33:35 ID:2OLVUXYE
邸内が騒がしい。何かあったのかな。
道明寺の携帯が鳴る。道明寺は一言二言話して慌てて切った。
「・・・始まったな。・・逃げるぞ、牧野。ウチのSPが邸内に侵入してる」
慌てて靴をはく。部屋から出ようとして、気が付く。
あ、花沢類のオルゴール!
かばんの中を探る。んもう!こんな時に限ってみつかんない!
「何してんだ!早く行くぞ!」
叫んだ道明寺の後ろに誰かが立つ。
6648cg:04/10/17 07:34:11 ID:2OLVUXYE
パンッ!乾いた音が響く。なんの音?・・・もしかして・・銃声?
道明寺が前のめりに倒れる。
「道明寺っ!?」
道明寺が胸を押さえてうめく。
部屋の入り口には、血まみれになったスタンレーが立っていた。
その顔は何かにとりつかれたような、鬼気せまる表情をしていた。
「プリシラ様が今・・逝かれました。司様にも早く追っていただかないと。」
!?何を言ってるの?
「誰か、助けて!」あたしは叫んだ。
6658cg:04/10/17 07:34:50 ID:2OLVUXYE
SPたちが駆け込んできた。銃をもったまま、扉に持たれて立っているスタンレーを
拘束する。
「司さまっ!」
服を脱がせて止血しはじめる。撃たれたのは、左胸だった。
「道明寺、やだ、死なないで!道明寺!!」
「牧野様、離れてくださいっ!応急処置が先です!」
SPが叫ぶ。
道明寺があたしの方に、手を伸ばす。
「おめーは・・けがしてねえか・・?」
6668cg:04/10/17 07:37:24 ID:2OLVUXYE
道明寺!あたしは手を握る。
次から次へと血がとめどなく溢れる。
「牧野・・もう駄目かもしんねえ。」
「やだっ!そんなこと、言わないで!」
「いいから、聞け・・ずっと守るっつったのに・・約束破ってすまねえ。」
道明寺が小さな声で何か言う。
口元に、耳を寄せる。
「・・・笑ってくれ・・最期に見るのは、・・笑顔がいい・・」
あたしは無理に笑おうとする。でも、うまく笑えない・・。
「へんな、・・かお・・」
そう言うと道明寺は少し微笑んで、目を閉じた。
667名無しさん@ピンキー:04/10/17 10:04:24 ID:E3N90oyk
age
6688cg:04/10/17 10:06:38 ID:2OLVUXYE
船が大河原家の島に着く。
3年前まで無人島だったというこの島に、牧野は今両親と静かに暮らしている。
大統領の側近による道明寺家子息殺害という大事件は、その場に居合わせた牧野を
悲しむ暇もないほどに踏み荒らした。
静かに考えたいという牧野に大河原がこの屋敷を提供した。
俺は船を降りると、大河原の用意してくれた車に乗る。
中には、優紀とかいう牧野の友達と、大河原が乗っていた。
「類くんも、会うの、一年ぶり?つくし、元気かな・・。」
大河原が心配そうに言う。
「本当は花沢さんにはまだ会えない、ってつくしは言ってたんですけど・・・。
 でも、・・・」
優紀は目を伏せる。
「ありがとう。俺だけじゃ、絶対会ってくれないから、助かるよ」
俺はこの一年、牧野にありとあらゆる方法で、コンタクトをとろうとしてきた。
牧野からはただ一言、ごめんなさいと書いたカードとともに、オルゴールが返されてきた。
6698cg:04/10/17 10:07:26 ID:2OLVUXYE
邸内に入ると、牧野の母親が歓迎してくれた。とくに、大河原には何度も礼を言っている。
俺のほうをちらりと見て、困ったような顔をする。
「花沢さん、あの・・つくしはまだ・・」
「知ってます。長居はしませんから」
俺はきっぱりと言う。牧野の母親は、何かを言いよどむ。
「あの・・驚かないで下さいね」
そう言うと、牧野のいる部屋へと案内された。
6708cg:04/10/17 10:07:59 ID:2OLVUXYE
何かの、泣き声がする。・・・?
扉を開けると、牧野が赤ん坊を抱いていた。
「つくしっ?その子・・・どうしたの?」
大河原がすっとんきょうな声を出す。
「ちょっと待って!ちょうどおっぱいなの。」
牧野はロッキングチェアに座って、ブラウスの前をはだける。
俺に気がついて、目を見開く。
「すけべっ!あっち向いてて!」
前をかきあわせて言う。
打ちひしがれて泣く牧野を想像していた俺は、呆然と立ち尽くした。
6718cg:04/10/17 10:08:40 ID:2OLVUXYE
腹が膨れて満足したのか、赤ん坊はすやすやと眠っている。
俺はその小さな手をこわごわと触る。
なんの説明もいらなかった。くるくると強いくせ毛、長いまつげ、生意気そうな眉毛。
・・司の子だ・・。
「もう、すっごい手がかかるの。一日中泣いてるか、おっぱい吸ってるかなの。
 まるであいつの縮小版!しんみりしてる暇なんて全然ないの。」
そう言って、にっこりと笑う。
「でも、救われてるんだけど、この子に。」
「名前は、なんていうの?」
優紀が訊く。牧野は、「開ける」という字を紙に書いて
「カイっていうの。自分の道を、拓いていってほしいから。」と言った。
6728cg:04/10/17 10:09:18 ID:2OLVUXYE
大河原がベビーベッドの柵に手をかけて、座り込む。
「司に、そっくりだあ・・・開くん、滋だよ、よろしくね。」
大河原は牧野に、抱きついた。
「一人で産むの、不安だったでしょう?つくし、ありがとう!あたし、あたし・・・」
泣いて声にならない。
俺は気になっていることを訊く。
「道明寺家は、知ってるの?」
牧野は悲しそうに首を振る。
「ううん・・。いずれは、と思ってるんだけど・・。
 この子を見れば少しは椿さんや魔女・・じゃなくてあいつのお母さんも癒されるかな、
 とは思うんだけど・・」
そう言って口をつぐむ。
「開の人生が変わるから?」
俺が言うと、牧野はこっくりと肯く。
確かに、開の存在を知ったら、道明寺家は牧野と開を家にほっておくはずがない。
今はもういない、亡き長男の息子なのだから。
6738cg:04/10/17 10:09:52 ID:2OLVUXYE
夜になって、みんなは邸内のそれぞれの部屋に引き返して行った。
俺は二人で話したくて、牧野の部屋に向かう。
・・・聞きなれたメロディが、聞こえる。・・エチュードだ。
牧野は開を抱いてあやしながら、あのメロディをハミングしていた。
「牧野・・。」
話し掛ける俺に、牧野はしーっと指を口にあてる。
そのまま、静かな時間が流れる。
ようやく深く眠った開を牧野はそっと、ベッドに下ろす。
6748cg:04/10/17 10:10:33 ID:2OLVUXYE
「連絡しなくて、ごめんね・・?」
あたしは花沢類の顔を見ずに言った。
「妊娠中に誰かに会うのが、怖かったの。未婚で、父親が死んでる子を産んでどうするの、
って心配されたくなかった。」
「そんなこと、言う訳ないだろ・・」
あっという間に、花沢類の腕の中にいた。
「俺がこの一年、どんなに悔やんでたか、わかる・・?司と牧野が危ないと感じてたのに、
あの事件を止められなかった・・。親友を亡くして、恋人を苦しませて・・。たまらなか
ったよ。
あんたは会ってもくれないから、支えることもできなくて・・。俺に何か償えることはな
いのか、そればっかり考えてたよ。
さっき、大河原も言ってたけど・・ありがとう、司の子を産んでくれて。」
そう言って花沢類はあたしの頭をなでる。
6758cg:04/10/17 10:11:11 ID:2OLVUXYE
「俺に、あんたと開を、守らせてくれる?」
あたしは驚いて、花沢類を見上げる。
「そ・・んなこと、してもらえないっ。あたしは花沢類を裏切っ・・・」
花沢類はあたしの額に、そっとキスを落とした。
「あの日、司に頼まれたんだ・・。」

「類。お前から牧野を奪っておいて頼める筋合いじゃねえけど、・・・お前にしか頼めね
えんだ。」
成田を経つ直前、司はふいにそう言った。
「相手は、大統領だ。裏切った道明寺家に何をしかけてくるか、わかんねえ。もちろん、全
力であいつを守る。でも、もし俺に何かあったら、あいつを守ってやってくれ。」
そこまで言うと司は、ふっと何かを思い出して、笑った。
「あいつは、あたしは誰かに守ってもらわなきゃなんないような女じゃないっ!とか言いそ
うだけどな。」
6768cg:04/10/17 10:14:23 ID:2OLVUXYE
あたしは、昔ゲーセンの前でキスした時のことを思い出していた。
道明寺、道明寺、道明寺・・・。
あたしはあの事件のあと、泣けなかった。道明寺がもういないなんて、信じたくなかった。
おう、今帰ったぞ、ってあたしを抱きしめにきてくれそうで・・・。
あたしは今、初めて声を上げて泣いた。

「パパ、どうだ?俺、かっこいいだろ?」
開がスーツ姿を見せに、控え室にやってきた。
泣いてばっかりいた開ももうすぐ5歳。
「開、本当に大きくなるにつれて、司に似てくるなあ。」
総ニ郎が感心したように、言う。横で優紀がわき腹をつつく。・・・いまは西門夫人だ。
「うん。俺も嬉しいんだ。でも、やきもち焼きなとこまで似てて困るけど。
 牧野にべたべたすると、怒るんだ」
「そりゃあ、似てるわ」
と、総ニ郎とあきらが笑う。
6778cg:04/10/17 10:18:03 ID:2OLVUXYE
「花嫁さまの、用意が整いました。」
付添い人が知らせに来る。
俺は少し緊張しながら、チャペルに向かう。司、鐘の音、聞こえるか?
牧野と開と、歩いていくよ。
いつかそっちでお前と会った時に殴られないように、頑張んなきゃな。
「おう、泣かしたら、容赦しねえからな」
司の声が聞こえた気がした。
チャペルの扉が開く。父親と腕を組んだ牧野が歩いてくる。
開が持つ、ヴェールがステンドグラスの光を受けてきらきらと輝く。
俺には、司からの祝福のメッセージに見えた。

Fin.
6788cg:04/10/17 10:24:00 ID:2OLVUXYE
8cgです。長々とおつきあいいただき、ありがとうございました。
司ファンの皆さま、申し訳ありません!怒られる前に謝っときます!
反応が怖くて誰も見てない早朝にこそーりアップした小心者の私・・・。
679名無しさん@ピンキー:04/10/17 10:49:54 ID:bWP0z7Mv
続きを心待ちにしていました。
全く想像もしなかったエンディングに驚愕(゚Д゚)ポカーン
そして涙。感動です。司は死んでしまったけれど
類とつくしが幸せになれて本当によかった。
8cgさん、長編大作お疲れ様でした。
また、次回作も楽しみにしています。
680名無しさん@ピンキー:04/10/17 12:35:18 ID:zZglmzyM
司はやっぱええ男や・・
681名無しさん@ピンキー:04/10/17 12:47:43 ID:NZcAKTA/
読んでる途中、泣きそうになりました。
道明寺が類に託したってとこが、男の友情!って感じで。

司の一粒種が残ってよかった。
類も悲しまずによかった。
つくしが強いままでよかった。
いいお話を有難うございました。
新作も楽しみにしています。
682名無しさん@ピンキー:04/10/17 14:46:05 ID:ZJ38mU2m
8cgさん、ヤバイ、ヤバイッす!
今までFFとか花中、その他かなりの花男二次読んだけど、
一番泣けてしまったッス。
エ、エロパロで・・・
日曜の昼間から酔ってるせいかも知れないけど。
いや〜、GoodJob!でしたっ!
またお願いします。
683名無しさん@ピンキー:04/10/17 20:57:42 ID:OEb9v35+
長編お疲れさまです!!
司も類も好き派なんですが、2人の痛いくらい
切ない気持ちが伝わってきて泣いてしまいました;
実は一昨日このスレに出会って。昨日、花男の28〜36巻を初めて読んだ所だったので
もうひとつのエンディングを読めた気がして嬉しかったです!!
684名無しさん@ピンキー:04/10/17 23:55:08 ID:PtrU5vHn
どうみょうじ…(;_;)
命より大事な女を、ライバルに託すなんて…
あなたに惚れたあたしの目に、狂いはなかった!!
でも幸せになってほしかった↓(πдπ)
8cgさん、超乙でした!
685名無しさん@ピンキー:04/10/18 10:18:46 ID:lojduRhF
8cgです。感想ありがとうございました。
一度終わって、道明寺がかわいそうだからと続きを書いたのに、結局もっとかわいそうに
してしまいました。(どうしても類を不幸にできない私)
彼への償いのため、いつか道明寺幸せバージョンも書きたいです。次回はもっと明るく、
短編で行きたいです。皆様、読んでくださってありがとうございました。
686牡丹:04/10/18 16:43:30 ID:qHU9Mn/y
8cgさんお疲れ様です☆思わずホロリと泣いてしまいました(/_;)
質問なんですが『エチュード』はクラシックですよね??誰が作曲した曲なんですか??誰か教えて下さいm(_ _)m
6878cg:04/10/18 19:01:23 ID:lojduRhF
<プロローグ>

「お前か、8cgとかいう三流エロ書きは・・」
「ど、道明寺!・・・あはは、元気ィ?」
「どてっ腹に穴開けられて元気なわけあるか!ああ?なんで俺が死んで牧野と類が結婚
 してんだ?しかもお初も類にやりやがって・・・」
「えへへー、だってどうしても類とくっつけたかったんだも〜ん。原作の終わり方もさー、
 まだ類とくっつく可能性あり、って感じだよねー。エッチしてないし、つくしとあんた
 離れてお終いだしさー。」
「してねーのは少女漫画だからだっ!お前、パソの壁紙F4のジェリーのくせに!」
「あ、流星学園の道明寺、好きなんだ。Uの方はぐずぐずしてて嫌いだけど。
 でもやっぱりヴィックの方が好きなんだ〜。でも好きすぎて、壁紙にしちゃうと見とれて
 ネットにつなげないからさー。」
「お前・・・そんな事言ってっから、週末にエロ書いてる人生なんだな・・」あわれむ道明寺。
「!!・・・ゆうてはならんことを・・・!」メラメラと怒る8cg・・。
6888cg:04/10/18 19:02:13 ID:lojduRhF
「だいたいさー、作者様も絶対つくしと類をくっつけるつもりだったはずだよ〜?あんたの
髪型の理由もいじわるそうだから、だしさ。強姦未遂した男と、集団レイプから助けてく
れた男。どっちに行くかなんて火を見るより明らかよね〜。」開き直る8cg。
「てめえ・・。おい、斎藤。」SPを呼ぶ道明寺。
「ひえっ、何を・・・」おびえる8cg。
「俺と牧野、くっつけろ。もちろん初めては俺だ。さもなくば・・」
8cgの宝物、「王家の紋章 既刊 49巻」を火にくべようとするSP。
「そ、それだけはやめて!・・・要するに、あんたとつくしがくっつけばいいのね・・?」
挑むように道明寺を見る8cg。言われなくても、今度は道明寺幸せバージョンを書こうと
思ってたのに・・・。見ておれ、道明寺め!
「おう、じゃあ、よろしくな。」
道明寺はSPを連れて、ごきげんに去っていった・・・。
689名無しさん@ピンキー:04/10/18 21:44:30 ID:EAP4whJg
続きおながいします
690名無しさん@ピンキー:04/10/18 22:02:54 ID:1/bObWtA
>>685
手元にもう無い漫画ですので、記憶を頼りに読みましたが
面白かったです。

お疲れ様でした。ありがとうございました。

>>686
ショパンだと思うぞ。違ってたらスマン。
6918cg:04/10/18 22:50:35 ID:lojduRhF
「ねえ、NYの有名な観光地って、どこなの?」
あたしは道明寺の腕を取りながらはしゃぐ。道明寺がNYに来て5ヶ月。ようやくバイト代がたまって会いに来れたのだ。
「観光・・・?お前、まさか俺に観光地に連れてけとか言わないよな・・?」
道明寺が明らかに嫌そうに言う。
「行くに決まってるじゃん!前回はあんたに追い返されて、どっこも行ってないんだから
っ!」
「・・俺もよく知らねえけど、自由の女神とか、メトロポリタン美術館とかじゃねえの。
 って、やだぞ、そんなおのぼりさんみてーなとこ行くの。ホテル行こうぜ。・・5ヶ月ぶ   
りに会ったんだぞ。早く二人っきりになりてえ。」
道明寺がじっと見つめる。あたしは真っ赤になって言う。
「ばっ、ばか!昼間っから何言ってんの?あっ、美術館、行きたい。きっとルノワールの絵、
置いてあるよね?絵なんてよく分かんないけど、あの人だけ、好きなの。行こ?」
6928cg:04/10/18 22:51:36 ID:lojduRhF
結構厳重なセキュリティチェックを受けたあと、荷物をロッカーに入れて展覧室に入った。
今は「エジプト王・秘宝展」をやっているらしく、平日なのに、込み合っている。
「あっ、ミイラだって、あたし実物見たことない!」
「・・・声、でけえ・・・」道明寺は心底嫌そうにつぶやく。
6938cg:04/10/18 22:52:09 ID:lojduRhF
飾られているミイラは、古代の王とのことだった。
「まさか何千年も後に、自分の死体が外国でさらされることになるなんて、思ってなかった
だろうね。若かったんだって。かっこよかったのかなあ?」
「さあ、まあ、こんなに干からびちまったら、どっちでもカンケーねーんじゃねえの。 
 もういいだろ、お前の好きななんとかいうやつの絵見て、さっさと帰ろうぜ。」
その時だった。後ろの人に押されて、あたしはよろめいて、思わずミイラの入っている箱に
手をついてしまった。キュイーンキュイーンキュイーン!
アラームが鳴り響く。係りの人にこっぴどく叱られてしまったが、道明寺が間に入ってなんとか収まった。
・・・・・。その時誰もミイラの箱に書かれた言葉に気がついていなかった。
「王の眠りを妨げるもの、死の翼に、触れるべし・・」
6948cg:04/10/18 22:52:50 ID:lojduRhF
「お前って、本ッ当に恥かしいやつだよなあ。昔俺の誕生パーティでもずっこけてたし。」
「あれはあんたがひっぱったからでしょっ!」
ようやくチェックインしたホテルで、あたしたちは相変わらずケンカしていた。
「あっ、見て!今日満月だよ。NYの夜景に、似合うね・・すごく綺麗・・」
あたしは窓に両手をついて、外を眺めた。後ろから、道明寺がたくましい腕であたしを抱きしめる。
「会いたかった・・お前のことばっか、考えてたんだぞ・・。」
道明寺がかすれた声でつぶやく。耳にキスされて、あたしはびくっと身体をこわばらせる。
6958cg:04/10/18 22:54:08 ID:lojduRhF
首筋に熱いキスを感じる。道明寺の切なさが伝わるような、強い、唇。
「土星のネックレスしてきたんだな・・」
鎖に沿って、指を這わせる。
あたしは目をつぶって、息を止める。・・・この感覚は、なんだろう。
くすぐったいような、気持ちいいような、じっとしてられない感じ・・。
道明寺はあたしのあごを自分の方に向けると、今度は唇を求めはじめた。
はじめは、ついばむような、軽いキス。でも、その唇は、だんだん熱を帯びていく・・。
舌と舌がからまった瞬間、自分の体温が上がった気がした。
「んっ・・」
思わず声が漏れる。あたしの声に力を得たように、道明寺の右手があたしのカットソーに
滑り込んできた。
6968cg:04/10/18 22:55:16 ID:lojduRhF
立ったまま後ろから触られている・・それがますますあたしを恥かしくさせていた。
道明寺の大きな手が、あたしのブラの上を円を描くようにゆっくりと動く。
自分でもあまり触れたことのない先端を人差し指と中指ではさまれる。
「あ・・や・・」
「今日はやめねえぞ・・」道明寺は背中のホックを外すと、今度は直接胸をなぶりだす。
襲い来る快感に、あたしは立っているのがやっとだった。
カットソーから手を抜かれて、あたしはほっとしたような、さびしいような気持ちになった。
やだ・・あたしって、みだらなのかな・・。
6978cg:04/10/18 22:55:48 ID:lojduRhF
道明寺はあたしのスカートをまくると、ショーツの上から、敏感な場所を触りはじめた。
「あっ・・・あっ・・」声が出てしまう。あたしは恥かしくて、唇をかんで耐える。
「声、聞かせろよ・・。お前の甘い声、聞きてえ・・」
そういうと、指を薄い布の中に埋める。そっと、なでるように指が動く。
「お前・・すっげえ濡れてる・・すっげえかわいい・・」
「やだ、そんなこと言わないでよっ・・恥かしいよっ・・」
膝が、がくがくする。道明寺はあたしを抱き上げると、ベッドにそっと横たえた。
「やっと・・だな、すんげえ、長かった・・でも、待ってて良かった・・」
「たくさん、待たせちゃって、ごめんね・・?」
道明寺が邪魔な布たちをはぎとっていく。自分のも、あたしのも。
最後の一枚は自分でも恥かしいくらいに、湿っていた。
698名無しさん@ピンキー:04/10/19 07:44:30 ID:yuJc9tGv
新作!!
ま、まさか今度はつくしが・・・?
699名無しさん@ピンキー:04/10/19 08:00:19 ID:UET47BGb
ドキドキ(・∀・)ワクワク
   о о
700名無しさん@ピンキー:04/10/19 12:45:32 ID:LrPbXDIs
まだかな((o(゙ε゙)o))ウズウズ
7018cg:04/10/19 16:38:19 ID:Ha2hNKrD
牧野の真っ白な肌が、月明かりに照らし出される。小ぶりで形の良い胸が両手でそっと隠さ
れている。
オレは牧野の横に身体を横たえると、手の甲にそっとキスをした。
「オレ以外のヤツに、触らせてねえだろうな・・。」
「ば、ばかっ!そんなこと、するわけないでしょっ。あたしは、あんたと・・」
牧野がむきになって言う。
「オレと、・・・何?」分かっていても言葉に紡いで欲しくて尋ねる。
「道明寺と、・・・結ばれたい・・。ああ、もう、やだ、恥かしいっ!何言ってるのあたし!」
もう限界とばかりに顔を隠す。ノーガードになった、胸を包み、そっと蕾にキスする。
7028cg:04/10/19 16:38:54 ID:Ha2hNKrD
道明寺があたしの胸を優しく愛撫している・・。目を伏せていると、端正な顔がますます美しく見える・・。長い指が、もう片方の先端をそっと刺激する。
「あ・・んっ・・」
少し収まりかけていた波がまたあたしをざわめかせる。
道明寺の舌が、だんだん下へと降りていく。おへその横、わき腹・・・脚の付け根・・。
片方の膝を立てさせられて、内腿にそっとキスをされる。
「えっ、やだっ、ちょっと待ってっ・・・」
「待たねえ・・。恥かしかったら、目ェつぶってろ。」
言われた通りにあたしはぎゅっと目をつぶる。でも、ますます神経が触れられた場所に集中してしまう。
7038cg:04/10/19 16:39:39 ID:Ha2hNKrD
オレはそっとクレバスに手を這わせる。そっと包み込んで、暖かなその場所を微かになでる。
「・・う・・あっ、あんっ・・」
牧野の声がオレをいっそう昂ぶらせていく。襞に指を差し込んで、前後に動かす。
初めはゆっくりと、だんだんと早く、大きく・・。
牧野の秘所はもうとろけそうになっている。オレはまだ誰も受け入れたことのないその場所
に、そっと中指を差し込む。
「・・・!」驚いて牧野が大きく息を吸い込む。オレは細心の注意を払ってゆっくりと抽送する。にちゃっ、にちゃっというみだらな音が牧野の羞恥心を呼び覚ます。
「やっ・・恥かしい・・も、もう限界・・」
オレはいきりたった自分を牧野に押し当てる。暖かな入り口が収縮するのを感じる。
7048cg:04/10/19 16:40:15 ID:Ha2hNKrD
「痛かったら、言えよ・・なるべく・・そっとするけど・・」
道明寺が心配そうに言いながら、そっとキスをくれる。
怖くないと言ったら・・嘘になるけど、・・でも早くつながりたい、そう思ってるのも本当だった。
痛い、とは聞いていたけど、こんなにもとは、思わなかった。きつい、というより、無理、というかんじ・・・。泣きたくないのに、涙が出てくる。道明寺はとても優しくしてくれてるのに・・・。
「今日は、やめよう。また明日トライしよーぜ。」
ぽん、とあたしの頭をたたいて、道明寺が笑う。あたしは、なぜか絶対今日しなくてはならないような、あせる気持ちで言った。
「やだ、やめないで。お願い。」
「・・・無理だったら、言えよ。」
7058cg:04/10/19 16:40:53 ID:Ha2hNKrD
長い時間をかけて、なんとかつながることができた。
「道明寺・・・好き・・・。」
「初めてじゃねえ?お前がオレに直接そーゆーこと言うの。」
道明寺が子供のように笑って言う。あ、この顔、好きなんだ・・。
長い、長い時間をかけてやっとひとつになれたね。
このままずっと、抱き合ってたいな・・。
あたしはそんなことを思いながら、眠りに落ちた。翌日自分にとんでもない災難がふりかかるとも知らずに・・・。
7068cg:04/10/19 22:10:28 ID:Ha2hNKrD
「何、これ?なんか紙が入ってる。」
翌日、あたしと道明寺は中華街に来ていた。レストランで最後に出てきた、クッキーの中に
異物を見つけて、あたしは広げてみる。何か、字が書いてある。
「何ってお前、フォーチュンクッキーも知らねーのかよ。占いがかいてあるんだよ。物知らずだなあ。」
「あんたにだけは言われたくないわよっ。えーと、・・」
「貸してみろ、読んだる。・・・」
じっと見つめていた道明寺は、くしゃっとまるめて、ポケットに入れる。
「あ、何すんのよ。返して。あっ、ほんとは英語の意味が分かんなかったんでしょ?」
あたしはからかった。
7078cg:04/10/19 22:12:12 ID:Ha2hNKrD
「くだらねえ・・・。帰るぞ。」
道明寺は驚くほど真面目な顔で、そう言うと、ボーイを読んで、
清算を済ませた。
「ねえ、なんか面白そうなお店あるよ。」
あたしは道端で、布を広げて雑貨を売っているお店を指差す。
「あ、これ素敵。・・・ねえ、道明寺、これいくらか聞いて。」
あたしはシルバーにレリーフの模様が描いてある指輪を指差す。ところどころに
小さな石が埋め込んである。昨日、美術館でおみやげやさんも見たかったのに、
道明寺にせかされて、寄れなかったのだ。今回来た記念に、何か買いたかったあたしは、手が届くなら買いたいなーと思ったのだ。
「何もこんなとこで・・。ブルガリ行こうぜ。指輪くらいいくらでも買ったる。」
「あたしはこれがいいの。えーと、ハウマッチ?」
7088cg:04/10/19 22:12:53 ID:Ha2hNKrD
店主らしき人があたしの手のひらに指輪を乗せる。
財布を出そうとするあたしの手を止めて、いらないというように、首を振る。
そして、なぜか道明寺の方を向いて、何か言った。
「指輪がお前を選んだんだとよ。きざな野郎だぜ。」
道明寺はなぜか不機嫌そうに歩き出す。あたしはありがとうと、何度も言うと、道明寺の背中を追いかけた。
「ね、つけて?」
機嫌を直してほしいあたしは、指輪と手を出す。道明寺は右手の中指に乱暴につけてくれる。
「左手の薬指には、世界一すげえ指輪、買うからな。」
「・・・もう。でも、ありがと。」あたしは道明寺の腕をとって、歩き出した。
7098cg:04/10/19 22:13:29 ID:Ha2hNKrD
「やっぱりブロードウェイははずせないよね!」
「・・・お前・・・NYに観光しに来たのか・・?」
オレはこの上くだらねえミュージカルまで見るはめになるのかと、げんなりする。
「あ、アイーダやってる。これ、エルトンジョンの曲使ってるんでしょ?見たい!
 あ、舞台エジプトなんだ。なんだか、昨日といい今日の指輪といい、縁があるね。」
にっこり笑う牧野。オレはまあいいかとあきらめることにした。
7108cg:04/10/19 22:14:03 ID:Ha2hNKrD
それは一瞬のできごとだった。オレは、何が起こったのか分からなかった。
・・・いや、今でも分からない。
人ごみの中、手をつないだオレと牧野の間を、「失礼」と、通ったヤツがいた。
一瞬牧野とオレの手が離れる。そいつが通った後・・・牧野は消えていた。
オレはポケットの中にある、フォーチュンクッキーの紙切れを握り締めた。
そこには、「愛する人の手を離さないように気をつけて」と書いてあった・・。
711名無しさん@ピンキー:04/10/20 03:00:05 ID:lLT3YuYc
道明寺カコイイ!続きが気になるー!
712名無しさん@ピンキー:04/10/20 15:38:28 ID:ahCIlY4h
あげ
7138cg:04/10/20 15:56:15 ID:a06661xZ
ここ・・・どこ?気がつくとあたしはまるで洞窟のような、暗い石畳の部屋にいた。
明り取りの小さな窓には、格子がはまっている。もしかして・・・監獄?
扉の向こうから、言い争っている声が聞こえてくる。
「異国の人間など、即刻処刑すべきだ。国に災いをもたらすに決まっている。」
「・・とにかく、どこから来たのか話を聞きましょう。役に立つ情報を持っているかも
しれません。」
あれ・・この声、・・・聞いたことがある。
扉が開いてそこに立っていたのは、見慣れない格好をした美作さんだった。
7148cg:04/10/20 15:56:50 ID:a06661xZ
「みっ、美作さんっ?何してるの、なんかの仮装?ねえ、ここどこ?」
美作さんは、綺麗な顔を少しかしげて私に近づく。
「私はミヌーエといいます。誰かと間違っているのですね。
 ここは、メンフィス王の治めるエジプト・テーベの都ですよ。あなたはどこから来たので
すか?」
王!?テ、テーベ?あたしはNYにいたはずなんだけどっ!。とまどうあたしに聞きなれた
大声が聞こえてきた。
「ミヌーエ、異国の娘がみつかったって、本当かよ?」
どかどかと部屋に入ってくる。
「メンフィス王・・このようなところにいらしてはいけません。」
ミヌーエという人がたしなめる。・・・そこには「アイーダ」で見た人たちがしていたよう
な格好の道明寺がいた・・。
7158cg:04/10/20 15:57:33 ID:a06661xZ
「ねえ、ふざけるの、やめようよ。全然面白くないよ。何、その格好。」
あたしは道明寺の着ている服をひらりと持ち上げる。
「この娘、王になんという事を!」後ろに控えていた兵士らしき人が叫ぶ。
「このオレが誰か分かってんのか・・?くくっ、まあいい。おもしれえ。ミヌーエ、この女、
 もらうぞ。」
そう言うと、道明寺はあたしを荷物のように肩の上に抱き上げて、外へ連れ出す。
「いけません、その女、間者かもしれませんよ!」
ミヌーエと呼ばれている美作さんが言う。
「女なんかにこのオレ様がやられっかよ。」
道明寺が大声で笑う。・・・ねえ、一体どうなってるの!?なんなの、これ?
7168cg:04/10/20 15:58:17 ID:a06661xZ
外に出ると、そこは大きな庭だった。沢山の兵士が道明寺の通る道の脇に立っている。
庭を抜けると、大きな宮殿があった。道明寺は大またで歩くと、ひときわ豪華な部屋に
入り、床にあたしをどさっと落とした。
「今夜の宴に出させろ。身支度させておけ。」
そう言い残すと、さっさと部屋に出て行く。どこに控えていたのか、数人の女の人がでてく
る。
「王のご命令です、湯浴みしていただきます。」
そう言うと、あたしの服を脱がせようとする。
「ちょ、ちょっとやだ!何?」あたしは必死で抵抗する。
「あなたに逆らう資格はありません。大人しくしてください。」
そう言うと、無理やり押さえつけられて服をはぎとられる。
「待って。」そこに、優しい声がした。
入り口を見ると、優紀が笑っている。
「異国の方なのよ、急に服を脱がされたら、驚くわよ。・・・こんにちは、私はナフテラと
言います。」
7178cg:04/10/20 15:59:11 ID:a06661xZ
優紀にそっくりなその侍女は、いろんな事を優しく教えてくれた。
どうやらここは、あたしから見ると過去のエジプトらしい。
道明寺そっくりのメンフィス王が治めていて、彼は優秀な王らしい。しかし、大変激しい
性格の持ち主で、(そんなとこまで似てる)気に入らない人間は、すぐに殺してしまうら
しい。
そして、宴に出されるという事は、どうやら道明寺・・じゃなくて、メンフィス王に気に
入られた、ということらしいんだけど・・。
「なんか悪い夢でも見てるのかも・・」とあたしは頬をつねってみる。痛い・・。
三人の侍女に付き添われて、あたしはお風呂に入れられた。髪に飾りをつけられ、化粧
をされた。透き通る生地のドレスを着せられて、宴に連れて行かれた。
7188cg:04/10/20 15:59:51 ID:a06661xZ
宴の会場に入ってきた女を見て、オレは驚く。
気の強そうな瞳、抜けるようなしろい肌、たおやかな身体。
最近気に入った女がいなくて、退屈していたところだ。今夜はこの女にするか。
オレはぐっと顎をつかむと、女にくちづける。
「な、なにすんのよっ!」
女はオレを押しのける。このオレを!?王であるオレを拒む?
「こいつ、メンフィスさまになんてことを!」
兵士たちがいきりたつ。女を押さえつけてオレの指示を待つやつらに言った。
「くっ・・気の強い女を抱くのも、悪くない。オレの部屋に連れて行け。」
7198cg:04/10/20 16:00:42 ID:a06661xZ
だ、抱く!?冗談じゃないわっ。道明寺に似てるとはいえ、あれは別人な訳だしっ。
・・逃げなくちゃ!
あたしは閉じ込められた部屋の中で、逃げられそうなところを探す。扉の外には、兵士が
いる。窓は、随分高い場所にある。
あたしは椅子を窓のそばに置くと、窓枠によじ登った。
「・・・何してんだ、お前」
ど、道明寺!じゃなくて、メンフィスだっけ・・ってそんなことはどうでもいいんだった!
「・・・あたしは好きでもない男に抱かれるつもりなんてないから。あたしを家に帰して」
そう言いながら、あたしは気がついた。・・・帰るって、どうやって?
7208cg:04/10/20 16:01:13 ID:a06661xZ
「オレの女になれば、宝石も服もなんだって思いのままだぞ。女はみんなオレのそばに
 はべりたいと思ってんだ。お前、変わってるなあ。」
道明寺は面白そうに言う。
「じゃあ、そういう女をそばに置けば。あたしはやなのっ。」
あたしは精一杯強がって睨み付ける。
道明寺はゆっくりと近づいて、にやっと笑う。
「・・・不思議だな。初めて会ったはずなのに、なんか懐かしい気がするぜ。
 お前、名前なんてんだ?」
「・・・牧野つくし。」
懐かしいって・・どっちかっていうと、未来に会ってるんだけど。
「牧野、かみつくなよ。」
そう言うと、道明寺はあたしを軽々と抱き上げると、ベッドに下ろした。
7218cg:04/10/20 16:03:04 ID:a06661xZ
「やだっ、やめてっ!」
あたしはのしかかって激しく口づけをする道明寺から、必死に顔をそらす。身体を押しの
けたいのに、大きな身体はびくともしない。
男の人の力って、こんなに強いんだ!
ドレスの上から、乱暴に乳房を揉まれる。昨日は甘くとろけるような快感に身をゆだねたのに、今日は痛みと恐怖しか感じない。やっぱりこんなやつ、道明寺じゃないっ!

今までも、すぐにはオレに落ちない女はいた。要するにそんな簡単な女じゃないわよ、というパフォーマンスだ。だがこの女は本気で嫌がってる。
オレは乱暴にドレスを引きちぎる。真っ白な肌に、ピンクの小さな蕾。
そこに舌をはわせ、甘く噛む。
「いやああっ!!道明寺!」
女は涙を流しながら叫ぶ。・・・男か。オレはますます昂ぶる。
こんなに抱きたいと思った女はひさしぶりだぜ。
722名無しさん@ピンキー:04/10/20 16:41:22 ID:SZXhans9
王家の紋章か!ヽ(・∀・)ノ
723名無しさん@ピンキー:04/10/20 19:20:28 ID:RJID3nbM
これってもう・・王家の紋章・・_| ̄|○
724名無しさん@ピンキー:04/10/20 20:42:47 ID:nYZCTGlN
いいじゃん!
王家バージョン読みたいです(#^.^#)
725名無しさん@ピンキー:04/10/20 23:37:00 ID:9mhPNAnP
す、すげぇ。見事な手腕だ。
まさか花男@王家の紋章が読めるとはw
こちらはちゃんと完結するんでしょうね?
726名無しさん@ピンキー:04/10/21 15:36:55 ID:EItCP5jA
続きまだかなp(^-^)q
7278cg:04/10/21 17:44:55 ID:BxLvfHc/
異国の女は、こんな肌なのかよ。オレはすべらかな肌に驚く。
柔らかくて絹のような感触、まるで赤子の頬のようだ。
ドレスをめくりあげ、茂みに手を這わせる。
女はかたくなに膝を閉ざす。
「気に入った。側室にしてやるぞ。オレのもんになりゃ、一生楽して暮らせるぞ。」
手をこじ入れながら、オレが言うと、上から声がする。
「あたしは誰のものにも、なったりしない。」
牧野とやらの顔を見て、オレは動きを止める。
漆黒の瞳に強い光がきらめいている。
「あんたに犯されても、心までは渡したりしない。あんたのものになんて、絶対にならない。」
「あ!?オレのどこが気に入らねえんだ?この国のファラオ(王)だぞ。
 オレの思い通りになんねーもんなんて、一つもねえ。」
オレは怒って女の顔を両手で挟んで、睨みつける。オレに逆らうヤツなんて、この国には一人もいない。目を合わせて話せるヤツさえ数えるほどなのに、この女は、目を逸らさずに、
睨みつけてくる。
7288cg:04/10/21 17:45:36 ID:BxLvfHc/
もう一度口付ける。舌で唇の間をこじあけ、女の舌を探す。
女は、顔を背けると、こう言い放った。
「かわいそうね、あんた。こんな女の抱き方しか知らなくて。」
「・・・かわいそう、だと?。」
「心から大事に想う相手を抱いたこと、ないんでしょ。もしあったら、無理やり嫌がる女抱
こうとするわけ、ない。」
オレは、すっかり抱く気が失せて、身体を起こす。
扉を開けると、控えている兵士に、逃がすなと言い置いて、部屋を出た。
7298cg:04/10/21 17:46:45 ID:BxLvfHc/
「王に逆らうなんて、なんて恐ろしいことを!」
優紀に似た侍女が青ざめながら、服を着替えさせてくれた。
「あの方は、素晴らしい王ですが、恐ろしい人だと話したではありませんか。
 気に入らない者はすぐ、切り捨てます。その場でお手打ちにならなかったのが奇跡です
わ!このまま、何もなければよいのですが・・・。」
侍女は不安そうにつぶやく。
「ナフテラさん・・でしたっけ?あの、あたし逃げたいんです。ここはあたしの世界じゃな
いんです。みんな心配してるはずだし、あいつの側室になんて、絶対なりたくない!」
ナフテラは驚いて目を見開く。
「逃げる、ですって。そんなの無理です。宮殿には多くの兵士がいますし、もしみつかった
りしたら、今度こそ殺されますよ。」
扉の外の兵士を気遣いながら小声でささやく。
「メンフィス王は、気性は荒い方ですが、優しい心もお持ちです。あなたが従えば、きっと
 大事にしてくださいます。どうか・・・」
「ずっとここにいるわけには、行かないの。いつか、絶対逃げるわ。その時は、協力して。」
ナフテラは悲しそうに、目を伏せるばかりだった。
7308cg:04/10/21 17:47:27 ID:BxLvfHc/
翌朝目が覚めると、枕もとに百合の花束が置いてあった。
「いい香り・・」あたしは目を閉じて、香りを胸いっぱいに吸い込む。
目が覚めたら、元の世界に戻ってないかな、って期待してたんだけど・・。あたしどうなっちゃうんだろう・・。もう帰れないのかな・・。
涙がぽろぽろと百合の上に落ちる。
「お目覚めになられましたか。」ナフテラが続きの間から姿を現わす。
「お花は、メンフィスさまからですわ。こんなこと、初めてですのよ。真っ赤な顔をして、
照れてらっしゃいました。女はこんなのが好きなんだろ、とかおっしゃって。」
ナフテラはよほどおかしかったのか、くすくすと笑う。
「牧野さまが、気に入られたのですわ。良かったですわね。あ、お花、生けてまいりますわ。」
そういうと、あたしの手から、百合を受け取った。
もちろん殺されなかったのは良かったけど、気に入られたのは良かったと言っていいのか
な・・。あたしは道明寺がはめてくれた、右手の指輪を触りながらためいきをついた。
7318cg:04/10/21 17:48:09 ID:BxLvfHc/
「遠乗りに、行くぞ!」
朝食を終えたあたしの元にメンフィスがやってきた。
「メンフィスさま、ヒッタイトのミタムン王女がお待ちです!」
「婚儀による和平しか結ばねーっつーんなら、断っとけ!」
呼び止めるミヌーエに、メンフィスが答える。
「お待ちになってください、メンフィスさま。」
一人の美しい女性が、たくさんのお供を連れて現われた。
さ、桜子に似てる・・・。あたしはもう何にも驚かなくなってきていた。
「初めてお会いしたときから、ずっとお慕いしておりました・・。
 わたくしたちが婚儀を上げれば、長年争ってきたエジプトとヒッタイトのこれ以上なき和
平となるではありませんか。先日の親書では色よい返事をいただいておりましたのに・・。」
桜子は、すがるような目でメンフィスを見上げる。
「気が変わった。婚儀を伴わない和平なら、歓迎する。以上だ。」
そういうと、メンフィスはあたしの手を取って早足で歩いていく。
背中に、燃えるような視線を感じた。振り向くと、桜子が火の様な目であたしを睨みつけて
いた。
7328cg:04/10/21 17:48:38 ID:BxLvfHc/
「痛いっ!ちょっと、そんなにひっぱんないでよ!」
あたしは、メンフィスに怒鳴った。
メンフィスは振り向くと、あたしを抱き寄せて、覆い被さるように口付ける。
でもそれは夕べの奪うようなキスとは違って、優しく、与えるようなキスだった。
「オレに従わねーわ、可愛くねーわ・・・」
そこまで言うとメンフィスはふっと笑った。
「恋っつーのは、不思議なもんだな。」
733名無しさん@ピンキー:04/10/21 18:19:56 ID:wRhdlXrb
きゃー
734名無しさん@ピンキー:04/10/21 19:01:02 ID:dQk0KgEi
いいぞいいぞ!ドンドン頼んます。
735名無しさん@ピンキー:04/10/21 19:16:32 ID:3+o16zZI
おおお、これは新機軸!
ぜひぜひこの一言を!>馬引け〜
736名無しさん@ピンキー:04/10/21 23:00:20 ID:k2s86N8G
王家の紋章、読んだことないけどいいよ〜♪
>>735さんにつられて「馬引け〜」


…一体どういう意味なんだw
まん喫行って読んでこよっと。
7378cg:04/10/21 23:26:10 ID:BxLvfHc/
>735さま
そう言っていただけると嬉しいです!できるだけ、王家を知らない方でも
読めるように・・と思いつつ、あまり原作に忠実になると長!なので・・。
4巻あたりまで引用していくつもりなので、まんが喫茶でそこまで読んで
いただけると、より楽しめるかも・・・・。
純粋に花男を楽しみたい方、お目よごしすみません!
私がいうのもなんですが、さいさんとか、ひなはなさんとか、もう書いて
くださらないのかなー。私なんて皆さん待ちのつなぎです・・。
(158さん、花火さんはHP持ってらっしゃるのですが・・)
738名無しさん@ピンキー:04/10/22 06:55:30 ID:2V40Rbxm
道明寺カコイイ…!!
最初から読んで、道明寺派だった私が類イイ〜!と思いました!違和感なく読める。作家さん、みんなすごい〜!
8cgさん続き待ってます!
739名無しさん@ピンキー:04/10/22 10:41:24 ID:xy1iklOO
花男@王家の紋章バージョン面白い!
さあさ続きを〜。
7408cg:04/10/22 13:25:07 ID:u1reqMEx
あれから幾日経ったのだろう。優しくキスされた日以来、メンフィスは無理にあたしを抱こ
うとはしていない。
でもことあるごとにあたしをそばに呼びつけ、自分といるように命令する。
あたしは逃げたいと思いつつも、どこに向かって逃げればいいのかも分からず、従うしかな
い日々を送っていた。
そのうちにあたしにも、少しずつ今のエジプトの状況が分かり始めてきた。
昨年メンフィスの父である前王が亡くなり、メンフィスが王の座を継いだこと。
隣国ヒッタイト王と前王には確執があり、小競り合いを続けてきたが、王の代変わりを機に、
ミタムン王女の輿入れによって和平を結ぶ約定ができていた・・・のに、エンフィスが心
変わりしてしまったこと。
7418cg:04/10/22 13:25:49 ID:u1reqMEx
「このままミタムン王女をヒッタイトに返せば、間違いなく戦になります。どうかご再考
を!」
いつも冷静なミヌーエ将軍が、メンフィスにつめよる。
「うっせーな・・。牧野、外行くぞ。供はついてくんな。馬引けっ!」
「メンフィスさまっ!」
追いかけるミヌーエ将軍を無視してメンフィスはさっさと外へ出る。
メンフィスはひらりと馬に乗ると、あたしをぐいっと引っぱって自分の前に乗せる。
「とばすぞ。しっかりつかまれ。」
言い終わらないうちに、馬を走らせる。
「きゃっ!ちょ、ちょっと、落ちちゃうわよっ!」
仕方なくあたしはメンフィスに抱きついた。
「もっと・・・しっかりつかまれ・・からみついて・・離れねーよーに・・」
そう言ったメンフィスはなぜか切なそうな顔をしていた。
7428cg:04/10/22 13:26:25 ID:u1reqMEx
ナイル河のほとりに馬をつないで、河岸に並んだ。
夕日がナイルに沈んでいく。・・そのあまりの美しさにあたしは思わずつぶやく。
「きれい・・」
メンフィスがあたしの髪をなでる。
「お前・・どっから来たんだよ。」
あたしはなんて答えればいいのか、途方にくれる。
「すごく・・すごく遠いところ・・。どうしてここに来たのか、分かんない・・。
 どうやったら、帰れるのかも・・」
あたしはみんなの顔を思い出す。道明寺、パパ、ママ・・。
みんなどうしてるのかな・・。あたし・・このままここで死ぬの?みんなにもそのうちに
忘れられて・・・。
メンフィスの前で泣きたくないと思うのに、次々と涙が零れる。
7438cg:04/10/22 13:27:18 ID:u1reqMEx
あっという間に、広い胸の中にいた。
息が苦しくなるほど、強く抱きしめられる。
「・・どっから来たんでもかまわねえ。ここはオレの治める国だ。ここで暮らせ。
 帰るのは、許さねえぞ。・・・ずっと・・オレのそばにいろ・・」
あたしの頬に落ちた涙をメンフィスが唇ですくう。
そっと口づけされる。優しく、あたしを慰めるようなキス・・。
あたしは道明寺にキスされているような錯覚に陥りそうになる。
このキスを受け入れちゃだめ・・そう思うのに・・。
「オレがこんな気持ちになったのは初めてだ・・。強く抱いたら、消えちまいそうだ。
 ・・・大事にしてえ。お前の・・心が欲しい。オレは・・望んだものは、必ず手にいれる
ぞ・・。」
7448cg:04/10/22 13:27:52 ID:u1reqMEx
「あの女は、なんなの。ミヌーエ将軍。」
ヒッタイトのミタムン王女が私を詰問する。
「彼女は・・先日、ナイルの河畔で見つかった異国の娘です。」
私はひざまずき、顔を伏せたままで答える。
「まさかあのような女のために、婚儀をとりやめたわけでは、ないでしょうね。・・もし
 そうなら、私の父は、ヒッタイトへの侮辱と受け取るわ。・・私はメンフィス王とも、
エジプトとも争いたくなどないのよ・・。二国の平和と、一人の娘、どちらが大切かよ
くお考えになることね。・・・異国の娘の一人や二人、いなくなっても誰も不思議には
思わないわ・・ねえ、ミヌーエ将軍?」
7458cg:04/10/22 13:28:31 ID:u1reqMEx
「あの・・メンフィス、あたし今日は宮殿の外に出てみたいの。・・テーベの町は栄えてい
るんでしょう?見てみたいの。」
あたしは思い切ってメンフィスに言い出してみた。いつか帰れるにしろ、このまま・・ここ
に暮らすことになるにしろ、外を見てみたかった。宮殿のかごの鳥でいるのはもうあきあき
だ。
「おう、朝の政務が終わったら連れてってやるよ。」
メンフィスは機嫌よく答える。あたしは慌てて言う。
「えっ、一人で大丈夫!あんたは忙しいんだしっ・・。」
「ばーか、お前一人で外なんか行ってみろ。あっという間に盗賊におそわれっぞ。」
メンフィスと一緒か・・・まあ、いいか。心配してくれてるわけだし。
「うん・・ありがと。じゃあ、待ってる。」
そう言って微笑んだあたしを見てメンフィスが驚いたように目を見開いて、近づいてくる。
「お前がオレを見て笑うのは、初めてだな・・。」
そう言ってそっと抱きしめる。
「もう一回笑え・・オレの腕の中で・・。」

あたしは自分の胸が高鳴っていることに驚く。・・似ているけど、メンフィスは道明寺じゃ
ないのに!・・早く現代に帰らなくちゃ!このままじゃあたし・・。
7468cg:04/10/22 18:08:26 ID:u1reqMEx
テーベの町はとてもにぎやかで活気があった。いろいろな物が、売り買いされている。
みんながメンフィスを見て、口々に声をかける。
「メンフィスさまー。今日は、お美しい方と、ご一緒ですね。これをどうぞ。」
みんなが果物や布などをお供の人に渡す。
もっと民と王の間に距離があると思っていたあたしは驚いた。
そして、案外メンフィスが民に慕われていることにも。
「どうだ、エジプトは豊かだろ。もっともっと、オレが栄えさせるぞ。」
そう言って笑うメンフィスは誇らしげで、あたしはくやしいけど、ちょっぴりかっこいいな
と思ってしまった。
7478cg:04/10/22 18:09:33 ID:u1reqMEx
その時だった。「泥棒だ!誰か捕まえてくれー!」
あたしたちの前方から、男の人の叫び声が聞こえる。と、人ごみの中から汚い身なりをした子供がエジプトのパンを抱えて逃げてきた。
メンフィスの供の兵士が子供を捕まえる。
「泥棒は、腕を切る決まりだ。」
そう言って、兵士は剣をさやから取り出す。盗みを働いた子供は、恐怖に震えている。
その手足は折れそうな程細く、空腹から犯した盗みだと、誰の目にも明らかだった。
あたしは思わず叫んでいた。
「メ、メンフィス!止めて!かわいそうよ!腕を切ったりしないで!」
メンフィスは怪訝な顔であたしを見る。
7488cg:04/10/22 18:10:09 ID:u1reqMEx
「罪を犯した人間は、罰するのが当然だろ。何言ってんだ、お前。」
「でも、まだ子供じゃない。貧しくて、思わず食べ物に手が伸びちゃっただけなのよ。
 許してあげて。」
あたしは必死にメンフィスに訴える。
「お前とは何の関係もない子供だろう。なぜかばう。」
メンフィスは次第にいらだった表情になってきた。
「国を治めるには、掟が必要だ。一つ一つに心を動かしていては、示しがつかない。」
そう言うと、兵士に向かって、やれというように手を上げた。
「やめてっ!」あたしは思わず子供の前に立ちはだかった。
7498cg:04/10/22 18:10:45 ID:u1reqMEx
あの娘、なんていうことを!私は驚いて声も出なかった。
衆人が見守る中、メンフィス王が掟を破るような事をできるわけがない。
メンフィスさまに逆らえば、切り捨てられると、分かっていないのか!
「ミヌーエ、牧野を宮殿に連れて帰れ!」
メンフィスさまが私に命令する。
「嫌っ、この子を傷つけないで!」
牧野はしっかりと子供を抱きしめる。元は裕福な家の出ではない私は、驚きと共に、その優
しさに心打たれる。
「このっ・・」
メンフィスさまが、牧野と子供を引き離そうとする。牧野はしっかりと抱いて子供を離さな
い。
「お願い・・メンフィス、お願い・・」
牧野の目に、涙が溢れる。メンフィスさまは、ますます猛り狂った表情をなさっている。
「二人とも、宮殿にひったてろ!」
二人は兵士たちにひきずられるように、宮殿に連れて行かれた。
7508cg:04/10/22 18:11:20 ID:u1reqMEx
宮殿に入ると、無理やりあたしと子供は引き離された。子供が不安そうに、あたしを見つめる。
あたしはそのまま、メンフィスの寝室に閉じ込められた。
メンフィスが恐ろしい表情で、私の腕を掴む。
「痛いっ、やめてっ!」
「いつもいつも、逆らいやがって!」
ベッドに押し倒されて、激しく口付けされる。狂おしく、あたしをかき抱く。
「どうすれば、従うんだよ!オレの思い通りにどうしたらなるんだ!・・ちくしょう!」
「やっ・・やめてっ・・。」
メンフィスが怒っている。
メンフィス、あたしのこと、大事にしたいって言ってくれたよね。でも気に入らなければ、
あたしのことも、殺すの?
7518cg:04/10/22 18:11:56 ID:u1reqMEx
オレがガキの腕なんか、切りたいと思うのか!
国を統べるなんて、非情じゃなきゃ、できねえ。自分の気持ちを殺してでも、掟を守り、守
らせる。王自ら規律を破ったら、民からの信頼を失っちまうじゃねえか。
婚儀のこともそうだ。国益を考えるなら、ミタムン王女を娶った方が良いのは、分かりきっ
てる。牧野のことは側室におけばいい。そんなことは分かってる。
だけど、やなんだ。どうしても、このことだけは譲れねえ。
側室なんて、いらねえ。たった一人、牧野がいればいい。
オレに殺されるかもしれない恐怖に震えながら、子供をかばった牧野の顔が浮かぶ。
女なんて、抱いて子を産ませるだけのモンだと思ってたのに。
牧野。お前を正妃にしてえ。誰かの下になんか、置きたくねえ。
7528cg:04/10/22 18:12:46 ID:u1reqMEx
メンフィスが腕の力を緩めて、あたしをじっと見つめる。
あたしは、殴られるのかと思って、身構える。
「お前を傷つけたりするかよ・・。」
真剣な眼差しで、乱れたあたしの髪を直す。
「お前を・・・オレの妃にする。・・・オレの妻になれ。」
あたしは、驚いてメンフィスから離れる。
「だ、だめ、絶対だめ。だってあんたがミタムン王女と結婚しないと戦になるってミヌーエ
が・・。」
「戦になったって負けねえよ。そんなことは心配すんな。」
あたしは、これを言ったら、どんな恐ろしいことになるか怖くて言えなかったことを口にする。
「あたしには・・あっちに恋人がいるの。あっちで、あたしのこと心配して待ってるはずな
 ・・・。」
7538cg:04/10/22 18:13:28 ID:u1reqMEx
全てを言い終わる前に口を塞がれる。
「他の男の話なんて、聞きたくねえ。そいつがどんな男だろうと、お前は返さねえ。」
「だめよ、あたしは外国人よっ。」
あたしはメンフィスから身体を離して言う。
「かまわねえ。」
メンフィスは真顔で答える。
「あたしは、未来から来たのよ!」
「かまわねえ。」
「あたし・・あなたを愛してないわ。」
あたしはほんの少し胸に痛みを感じながら言う。
「かまわねえっつってるだろ!」
メンフィスはぐっと目をつぶって、一瞬何かを考えていた。そして、再び目を開けたときに
は、もう決めたという表情で、きっぱりと言った。
「明日、大臣と神官の集まる場でお前との婚儀を発表する。嫌とは言わせねえぞ。」
あたしは、メンフィスの想いの激しさに、とまどいと恐れを感じずにはいられなかった。
7548cg:04/10/22 20:57:08 ID:u1reqMEx
私はメンフィスさまが幼い頃から、お側に仕えさせていただいた。貴族の子弟が多い中、
メンフィスさまは貧しい出の私を将軍にまでとりたててくださった。
他の者は、メンフィスさまを優秀だが、わがままな暴君と考えているようだが、それは違う。
メンフィスさまは本当は自分に一番お厳しい。
国益を損なうことを一番自分に禁じられている方なのに・・・。
今日の会議で、あの異国の娘を正妃にと言われた時は、神官も居並ぶ大臣たちも耳を疑った。
なんとしても、なんとしてもそんなことは阻止しなくては。
ミタムン王女のみならず、大臣たちからも私は娘を殺すようにと暗に迫られている。
しかし。・・・子供をかばって泣いた娘の顔が脳裏から離れない。
なんとか命は助けてやりたい。私は、意を決して娘の部屋へ行った。
7558cg:04/10/22 20:57:42 ID:u1reqMEx
「困ります。いくらミヌーエ将軍とはいえ、男の方を夜部屋に入れたりしたことがメンフィスさまに知れたら、どんなおとがめを受けるか・・。」
ナフテラが眉をひそめる。
「そなたに迷惑はかけない。長居はしないから、安心しろ。」
私の思いつめた表情に気おされたのか、ナフテラはしぶしぶ扉を開ける。
「あと一時もすれは、メンフィスさまがいらっしゃるかも・・。」
「分かった。」私は部屋に入る。娘は湯浴みを終えて、髪を梳いていた。
「ミヌーエ将軍・・?」
7568cg:04/10/22 20:58:19 ID:u1reqMEx
娘の腕には、先日メンフィスさまが送られたブレスレットが光っていた。
細い鎖にきらめく宝石がちりばめられている。異国からの貢物の中からメンフィスさまが目
をお留めになり、自ら娘にお渡しに行った。
その様子を見たときから、随分ご執心だ・・と案じてはいたのだが・・。
私は包み隠さず、状況を娘に話した。彼女は賢い娘なのだろう。
ひとつひとう肯きながら、しっかりと話を聞いていた。
「この間、子供を助けましたね?あなたのそのお心に打たれて、私はこうして来ているので
す。普通の女性にとっては正妃の座は何があっても、譲れるものではないでしょう。
しかしあなたなら分かってくださるかもと思い、参りました。
戦争が起きれば、何千、何万という民が犠牲になります。そして、その家族はどうなるで
しょうか?あの子供のように、盗みを働くか物乞いをするしか、生きるすべはありませ
ん。メンフィスさまもできれば戦はさけたいとお考えです。
でもどうしてもあなたを妃に、とお考えでいらっしゃる。あなたがメンフィスさまのそば
にいる限り、多分お考えを変えないでしょう。」
7578cg:04/10/22 20:59:39 ID:u1reqMEx
娘はうつむいてしばらく考えこんでいた。が、顔を上げるとこう言った。
「私も私が妃になるべきではないと思っています。でも・・私はどこに帰ればいいのか、分
からないんです。」
そういうと、悲しげに目を伏せる。
「あなたが、身を隠してくださるなら、私の故郷にご案内します。田舎ですが良いところで
すよ。そして、必ずあなたを元の国へ送り届けます。」
娘はこくりと肯いた。そして、こう言った。
「明日まで、待ってもらえますか?」
私はもちろん、承諾した。メンフィスさまはやっきになって娘を探すだろう。
メンフィスさまを騙すようなことはしたくない。しかし、国のためなのだ。
メンフィスさまもいずれ分かってくださるだろう。
7588cg:04/10/22 21:00:17 ID:u1reqMEx
ミヌーエ将軍が帰ったあと、あたしはメンフィスに手紙を書いた。封をして、寝ようとした
ところに、メンフィスが来た。
「どうしたの?なんか疲れてるね。」
「おお。・・・あいつらうるさくてよ。今夜ここで寝ていいか。」
えっ!?あたしはとまどったけれど、今夜がメンフィスと過ごす最後の夜だということを思い、肯いた。
メンフィスは本当に疲れているらしく、ベッドに横になるとすぐ、健やかな寝息をたてはじめた。
メンフィスの寝顔を見つめる。最初は道明寺と全く同じ顔だ、と思っていた。でも・・・道明寺より、濃い肌の色。いつ負った傷なんだろう、刃物で切られた跡もこめかみにある。
道明寺と似ているところもいっぱいある。長いまつげ、きりっとした目元、品のある口元・・・。
もう、会えない。そう思うと涙があふれてきた。どうして?あたしが好きなのは、道明寺な
のに。メンフィスから離れれば、もとの世界に戻る道を探すこともできるのに。
7598cg:04/10/22 21:00:51 ID:u1reqMEx
メンフィスの手にそっと触れる。王者のしるしを彫った指輪。大きな手・・この手に何度も
抱きしめられた。あたしがいなくなれば、ミタムン王女を抱きしめるのかしら。
あたしって勝手だ。自分から離れていくのに。やきもち焼く資格なんて、ないのに。
そう思うのに、涙が止まらない。あたし、こっちに来てから、泣いてばかりだ。
こんな弱虫じゃなかったのに・・。
あたしはそっとメンフィスの額にキスをした。さよなら、メンフィス。
7608cg:04/10/22 21:01:24 ID:u1reqMEx
額にキスを感じて目を覚ました。牧野が驚いたように目を見開く。
「お、起きてたの?」
あっという間に、耳まで赤くなる。牧野がオレにキス?
オレは思わず牧野を抱き寄せる。
「すっげえ、嬉しい・・」
牧野の唇を求める。・・?牧野も応えている・・?
そっと舌を差し入れる。はじめは迷うような・・でも途中からは牧野もオレの舌を求め出す。
オレの全身に喜びがみなぎる。今まで、どんな女を抱いてもここまで心が昂ぶったことはな
かった。・・これが、愛する女を抱く、ということか。
7618cg:04/10/22 21:01:58 ID:u1reqMEx
そっと夜着を脱がして、胸元に口付ける。
「この先、何が起ころうが、オレの妃は、お前だけだからな。」
牧野の目にみるみるうちに涙が溢れる。
「なんで泣くんだよ・・。」
オレはどうしていいか分からなくて、とまどう。怖いものなんて、ない。戦だろうが、刺客だろうが、絶対負けねえ。・・だけど、牧野に泣かれるのは苦手だ。どうしていいか、分からねえ。
「もう泣くな・・。お前が不安に思うこと全部から、守ってやるからよ・・。」
牧野が目を閉じる。何か小さな声でつぶやく。ごめんね、というように唇が動いた気がした。
7628cg:04/10/22 21:02:45 ID:u1reqMEx
牧野の鎖骨をそっと舌でなぞる。双丘のふくらみをそっと手で包む。柔らかなその先端を
口の中で、転がす。少しずつ、硬くなってくる・・。
「んっ・・」
牧野が甘い声をもらす。初めて聞く、切なげな吐息。
オレはたまらなくなって、激しく唇を求める。
愛してる、愛してる、愛してる・・・何度言っても、足りない・・。
身体中に、キスを落とす。ここも、オレのだ、ここも、ここも・・。
やっとたどりついた泉は、はちみつを垂らされたように、しっとりと濡れていた。
オレは全てを味わいたくて、指でそこを広げると、赤く膨れている芽を舐め上げる。
「あっ、いやっ、あたしそんなこと、されたことな・・」
7638cg:04/10/22 21:03:22 ID:u1reqMEx
牧野が恥かしそうに言う。
「誰かお前にこんなことしてたら、そいつのこと、ぶっ殺してやるとこだぜ・・。」
芽の周りを人差し指でゆっくりと刺激する。
「あんっ・・んっ・・」
牧野が声をころしながら、身体をくねらせる。無意識なのか、快感を求めて腰が動いている。
オレは導かれるように、指を二本挿入する。暖かい・・これが牧野の中か・・。
リズムを刻むように、指を出し入れする。
「んんっ、あっ、あんっ、あ、ああっ!」
牧野の顔が色づく。小さな唇から漏れる嬌声が、オレの分身を高める。
「牧野・・行くぞ・・。」
オレは深く腰を落とした。
「・・・ああんっ・・!」牧野が少し鼻にかかったような声をあげる。
オレは牧野の両膝をぐっと倒すと、激しく打ちつけ始めた。
7648cg:04/10/22 21:04:10 ID:u1reqMEx
オレは味わったことのない快感に驚く。まるでオレのためにある体のように、牧野の中は
オレにからみつく。オレのもつカーブと、牧野の中のカーブが、ぴったりと重なる。
オレはもっと深くつながりたくて、牧野の奥をめざして、突く。
乱れる牧野の顔が愛しくて、唇を求める。
唇を離すとき、牧野が哀しそうな顔をしたような、気がした。
牧野の膝を閉じさせて、背中を持ち上げる。
「やだ・・はずかし・・」
牧野の抵抗を無視して、オレは後ろから牧野とつながる。
左手を胸に回し、右手は赤い芽をいじる。そうしながら牧野に出し入れすると、牧野の声がひときわ高くなった。
「あ、あ、やあっ、もうだめっ、だめっ、いっちゃうっ・・」
オレにも限界が近づいてきた。今まで味わったどんな歓喜より、深く激しい快感がオレを貫く。
オレと牧野は、裸のまま、朝まで寄り添って眠った。
765名無しさん@ピンキー:04/10/23 01:40:11 ID:fuxf+flc
素敵です!☆∋_∈☆ このままつくしを この世界で暮らしていく話がみたいです! 続き楽しみワクワクです
766名無しさん@ピンキー:04/10/23 02:30:53 ID:8f4wtoHS
エロじゃないとこも楽しめて最高!!!毎日たのしみにしてますよ。あたし的には、メンフィスとのせつなーい別れ→道明寺と再会、を希望…
767名無しさん@ピンキー:04/10/23 08:48:19 ID:+yzJp3A5
メンフィスなんだけど、姿は道明寺・・・
いまだに頭こんがらがってるけど、鼻血でそうです。
8cgさん、続きたのしみにしてます☆
768158:04/10/24 01:31:47 ID:fJKKNmj9
8cgさんの続きがあがるまで、繋ぎでよんでください〜。




1時間目の授業が終わり、トイレの帰りに音楽室の前を通ると、中からヴァイオリンの音が聞こえてきた。
そっと扉を開けて中を覗き見ると、花沢類が教壇に腰掛けて、こちらに背を向ける格好で弓を引いていた。
花沢類のヴァイオリンを聴くのは、久しぶりだ。懐かしさも手伝って、そっと教室内に入っていく。
余程集中して弾いているのか、あたしの気配に気がつかない。
壁にもたれて目を閉じて聴く。
いつ聴いても、素敵なメロディーだ。囁かれるような音色は、まるで花沢類の優しさを反映しているみたい。
と、急に音が止まった。
「来てたんだ」
花沢類が肩からヴァイオリンを下ろしながらあたしに声をかけた。
「あ…ごめん、邪魔するつもりはなかったんだけど」
花沢類の集中力を途切れさせてしまったことをお詫びする。
「いいよ、別に。もう止めようかと思ってたし」
ヴァイオリンをケースに仕舞う花沢類の手を見つめながら、内心、もっと聴きたかったと思っているあたしがいた。
「今度はもっといい音で聴かせてあげるよ。学校の備品じゃ、音が物足りないから」
え?あたし、声に出して言ったっけ?
「…何で花沢類って、あたしの考えてることが判るの?」
「牧野が判りやす過ぎるんだよ」
花沢類はくくっと笑って、唇を尖らせているあたしを見た。…話題を変えようっと。
「音楽室って、あまり使われないよね」
「うん。英徳に通う生徒は、授業なんか必要ないくらい音楽に精通しているのが普通だしね」
ふんだ。そうじゃない生徒が目の前にいるわよ。
花沢類はまた小さく笑って、ドア一つで繋がっている、隣の楽器庫へとヴァイオリンを片付けに行く。
そう言えば、楽器庫なんて入ったことないや。そう思ってその背中に付いて行く。
769158:04/10/24 01:32:26 ID:fJKKNmj9

「うわー、凄い!」
半端じゃない量の楽器がところ狭しと並んでいる。これなら、オーケストラだって出来そうじゃない?!
「何が?」
平然と言う花沢類。こんなの当たり前といわんばかりの表情。
「だって、ろくすっぽ授業なんかしないのに、どうしてこんなに楽器があるの?びっくりだよ」
「そうかな」
まったく。どうしてこの学校は「普通じゃないこと」を「普通」にしてしまうんだろう。…勿体無い。
ふと時計を見ると、次の授業が始まる時間だった。いつの間にチャイム鳴ったんだろう、気が付かなかった。
「じゃ、花沢類、あたし戻る…」
言いながら楽器庫のドアを開けようとすると、扉向こうの音楽室から賑やかな子供の声が聞こえてきた。
え?!…ちょっと、ここ、英徳の高等部だよね?!
ドアのガラスにへばりついて教室内の様子を窺う。
「あの制服。幼稚舎の子達だ」
あたしの肩越しに見ていた花沢類が、ボソッと呟いた。
「思い出した。俺も来たことあるよ。幼稚舎の頃、高等部校舎に」
「どうして?」
「ここにある楽器を実際に弾いて、自分の能力に見合った楽器を見つけるんだ。俺はその頃にはもうヴァイオリンやってたから、自分の

ストラディヴァリ持ってきたけど…」
「じゃ、じゃあ、この楽器庫にあの子達が入ってくるの?」
「そうなるね」
あっさりと言ってのける花沢類。それって、ヤバくない?!
「隠れなきゃ!」
「何で」
「だって、こんなとこ勝手に入ったなんて知られたら、怒られちゃうよ!」
「そんなことな…」
何かを言いかけた花沢類の腕を引っ張って、部屋の隅にある楽器が積んである棚の背後に身を潜める。
楽器庫から出たくても、音楽室を通らなきゃ廊下に出られない構造だから、2時間目はここで過ごすことになっちゃうのね…。
770158:04/10/24 01:33:28 ID:fJKKNmj9

棚の後ろに隠れたのはいいけど、子供達がこの棚まで楽器を探しにくる可能性だってある。
つきあたりの壁に肩を寄せ、腰を落として出来るだけ身体を小さくして隠れる。あたしに釣られたのか、花沢類も身を屈めてあたしの

隣に座った。あたしの肩に花沢類の肩が触れる。
息を潜めて少し待つと、子供達が騒ぎながら準備室に入ってきて、思い思いの楽器を手にし、また音楽室に戻っていった。
少し経つと、ドアの向こうから好き勝手に楽器を弾く音が聞こえてきた。
はぁっ、と大きく息を吐く。見つからなかった。良かったぁ。
立ち上がって棚の背後から出ようとしたら、花沢類に腕を掴まれた。バランスを崩してまた座らせられる。
『な、なによ、花沢類』
『牧野。俺、したくなった』
『…トイレなら我慢してよね』
『違うよ。俺がしたいのは、牧野と』
…はぁ?!何言ってんの?!まさか、したいって…。
『な、な、な、何を?!』
『決まってるじゃん』
口元を軽く緩めて笑う花沢類。この人、今の状況が判ってんの?!
『こんな、体ぴったり合わせてたら、欲情くらいするよ。俺も男だしね』
「ば、ばかなこと…」
立ち上がりながら思わず大きな声で言いそうになったあたしの唇に、花沢類も立ち上がって人差し指を当てる。
『しぃっーー。静かにしないと、バレちゃうよ?』
そう言って、今度は自分の唇であたしの唇を封じた。壁に、身体を軽く押し付けられながら。
抵抗できない。大きな物音を立てれば、いくら楽器を弾いているとはいえ、気づかれてしまうだろうし。
そう考えて、思いつく。……だったらここで、あんなことできる訳ないよね。
花沢類って、マジな顔で冗談言うんだから。びっくりさせないで欲しいわ。
キスくらいならいいかな、なんて思っていたら、花沢類の手があたしの胸を揉み始めた。
こ、こ、こらっ!どこを揉んでるの!花沢類っ!
『んっ〜〜〜っ』
唇が重なったままなので、小さな声で抵抗を試みる。でも花沢類の手は止まるどころか、あたしのリボンタイを解いて、次々にブラウス

のボタンを外していく。
ちょ、ちょっと、花沢類っ!!
771158:04/10/24 01:34:52 ID:fJKKNmj9

牧野の髪から零れるシャンプーの香り。触れ合う肩から伝わる牧野の甘やかな柔らかさ。
こんな状況で興奮しない男なんて居ないだろ?
唇を合わせて、牧野の胸を揉む。途端に抵抗し始める牧野。
ダメだよ、もう離さないからね。
牧野のリボンタイをすっと解いて、ブラウスのボタンを外していく。
『んんんっ〜〜〜っ』
小さな声で俺を止めようとしてる。その声を無視して、ブラの中に手を入れ、乳首を摘む。
…もうこんなに硬くなってる。牧野、正直だな。そんなとこも可愛いんだけど。
『んんっ……』
呻きが、甘い喘ぎに変わる。唇を割って舌を侵入させ、牧野の舌を捜して、絡める。
途端に喘ぎは更に甘さを増していく。
胸への愛撫を激しくする。乳首を指で挟んだり、指の腹で転がしたり。
『…んっ…んんっ…ふぅっっ…』
漏れる声が、少し大きくなってる。俺は唇を離して、牧野に囁く。
『声、出しちゃダメだよ…』
『だったら、こんなこと、しないで…』
少し上気した顔と、甘く息を切らした声でそんなこと言っても説得力ないよ、牧野。
また唇を重ねて、牧野の唾液を吸い取る。牧野の手が、俺の腰を抱いた。もう、観念したね?
ブラの中から持ち上げるようにして、乳房を露にする。
俺は立ち膝で、牧野の乳房に吸い付く。花びらを散らしながら、乳首を舌で転がし、軽く噛んで。
牧野は俺の頭を抱いて、髪を軽く掻き回す。
「ぅんっ…ああぁっ……はなざわるいっ…」
意識してないと、声が出ちゃうみたいだ。
『声、出しちゃダメだってば…』
そう言いながらも、乳房への愛撫を続ける。牧野の足が震えだす。もう、我慢できなくなってるの?
右手をスカートの中に忍び込ませて、クロッチの脇から指を差し入れる。
…溢れてる。本当に可愛いよ、牧野…。
772158:04/10/24 01:35:30 ID:fJKKNmj9

『ぁぁぁっ…だめ…はなざわるいっ…』
『こんなになってても?』
わざと、指を動かして音を聴かせる。ぴちゃぴちゃと響く音に、牧野の腰が動く。
『やだっ…んんんっ…』
声を殺して喘ぐその表情に、俺の我慢も効かなくなって来る。でも、ちょっと意地悪してやろうかな。
『牧野、欲しい?』
聞いてみる。牧野は顔を紅くして困った表情をした。この顔がたまらないんだ。
『欲しくないの?』
もっと困らせたくてまた聞く。
『…欲しい…』
牧野は俯きながら、蚊の鳴くような声で言った。
俺は少し笑って、立ち上がり、牧野の耳元で囁く。
『後ろから挿れてあげる。壁に手をついて、こっちに腰を突き出して』
牧野の腰の位置は、俺の腰の位置より少し低い。どうしようかと考えて周りを見回すと、近くにあったトロンボーンのジェラルミンケース

が目に入った。ちょっとゴツいけど、これでいいか。
ケースを牧野の足元に置いて、俺も準備に取り掛かる。ベルトを外して、チャックを下ろす。
ふと見ると、牧野が、俺の言ったとおりの格好をしてる。…やべ、興奮する…。
『これで、いい…?』
恥ずかしそうに言うその声が、また俺の性欲を掻き立てる。
『うん。このケースの上に立って』
牧野がケースの上に乗ると、俺の腰と同じ高さになった。うん。OK。
スカートを捲くって、クロッチを少し横にずらし、潤おうその場所に俺をあてて、囁く。
『挿れるよ…』
773158:04/10/24 01:36:42 ID:fJKKNmj9

花沢類があたってる。もうすぐ、中に入ってくる。…早く、早く欲しい。後ろから、しかも立ったままなんて、初めて。
こんな状況でこんな淫らなことをしてる。でも、止められない。
花沢類が差し入れられる。ゆっくり、ゆっくり。少しずつ出し入れしながら、徐々に入ってくる…。
泉がクチュクチュと、花沢類を招き入れる音を立てる。
「あっ…あっ…」
あたしは気持ちよさから、ちょっと声を出してしまった。
『牧野、声…ダメだよ』
花沢類がたしなめる。
『う、うんっ…』
判ってる。だけど、漏れる声を抑えられない。だって、挿れられただけなのに、こんなに気持ちいい。
いつもより、花沢類が大きく感じる。もしかして、花沢類も興奮してる?
『声、我慢して…』
その言葉と同時に、花沢類が腰を動かして、あたしの腰に打ち付け始めた。
『ぁっ…ぁっ…ぁんっ…』
喘ぎが、喉の奥で爆発しそうになるのを、必死で押し殺す。
花沢類、今日、凄いっ…!
反り上がった花沢類が、あたしの中を掻き乱す。うねる腰の動き。
立っていられないほどの快感があたしを襲う。
『はぁっ…はぁっ…はぁっ…』
呼吸なのか喘ぎなのか、自分でもわからないような吐息が漏れる。
どうしよう、抑えが利かないほど、気持ちいい。それに、声を抑えるのが、こんなに大変だとは思わなかった。
花沢類の呼吸が後ろから聞こえる。花沢類も必死で荒げる息を殺しているのが判った。
774158:04/10/24 01:37:21 ID:fJKKNmj9

『ぁぁっ…んっ…はなざわ、るいっ…』
『うん…牧野、今日、……凄いよ…』
『ぁ、ぁ、ぁ、…は、なざわ、るい、だって…んんっ…すご…っ…ぁっ…』
花沢類の動きが激しさを増す。そんなにしたら、すぐ、イッちゃう…!
『…はぁっ…はぁっ…はぁっ…』
花沢類の腰の動きに呼応して、吐息が零れる。
『牧野、イキそう…?』
返事も出来ない。今、声を出したら、きっと止め処なく出てしまう。懸命にこらえる。
だけど、だけど、もう、ダメ……イっちゃう……っ…っ…っ!!
身体を仰け反らせ、背中をビクつかせる。声だけは、抑えなきゃっ…っ!
『〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっっっ!!!!』
一瞬だけ、呼吸困難になって、次の瞬間、大きく息を吸い込む。ハァハァと肩で呼吸するみたいに。
同じ頃、花沢類の身体に緊張が走った。そして間髪置かずに、花沢類が脈打ちながらあたしの中に放ったのが判った。
775158:04/10/24 01:37:59 ID:fJKKNmj9
子供達が音楽室から去っていくのを待って、俺たち達はやっと楽器庫から解放された。
「もう、花沢類!どうしてあんなこと!」
顔を真っ赤にしながら、牧野が俺を責める。
「だって、したかったんだから、しょうがないでしょ」
正直に言ったのに、牧野は俺を睨みつける。
「もう二度とあんなことしないでね」
唇を尖らせて言う牧野に、また意地悪な質問をぶつけてみる。
「本当に、もう二度と、してほしくない?」
一瞬黙る牧野。本当にわかりやすいな。内心、可笑しくて仕方なかった。
「当たり前でしょ!」
語気を荒げて言い放つ牧野だけど、きっとこいつの中で葛藤が始まっているはずだ。
事実、あんなに乱れた牧野を見たのは初めてだった。
牧野の内情を察して、囁きかける。
「また、してあげるからね」
牧野がまた俺を睨む。顔が真っ赤だよ、牧野。
さて、この辺で種明かししようかな。
「でさ、牧野。どうして楽器庫に入ったら怒られると思ったの?」
急に話を変えられて面を食らった顔をしながら、牧野が答えた。
「え?だって、あんな楽器がたくさん有る場所に、勝手に入っちゃまずいじゃん?」
本気で判ってないみたいだな。
「じゃさ、どうして俺が、学校の備品のヴァイオリン弾いてたの?」
「?」
「言い方を変えるよ。どうして楽器庫の鍵が開いてたの?」
「それは…」
牧野の顔を見ながら、ポケットから鍵を出して、牧野に見せる。
「楽器庫の鍵は、ここにある。ちゃんと許可とってあるんだから、怒られたりしなかったんだけどね。早とちりの誰かさんが俺を引っ張って入ったりしたから…」
「は、花沢類っ!!」
その後、俺が牧野にひどく怒られたのは、言うまでもないか。
776名無しさん@ピンキー:04/10/24 02:28:18 ID:Iii14b99
わあい、158さんだあ!!!
その上大好きな類×つくだあ!!!すごくすごーく良かったです。
楽器庫で・・なんて・・類ったら!
ごちそうさまでした〜。キリ番踏めなくて残念でしたが類つく読めて幸せでした。
777名無しさん@ピンキー:04/10/24 05:15:33 ID:kq6rloTN
>>158さん
声おさえなきゃならない状況…鼻血でそーです!!
類に身悶えしました〜!
778778:04/10/24 20:46:37 ID:tUa1l2pE
鼻血ブ〜です
7798cg:04/10/24 21:37:49 ID:Iii14b99
まだ158さんへの感想があるのに、切ってしまってすみませんが、投入します!

朝日が部屋に差し込む。
窓から庭を眺める。こんな悲しい日なのに、光を受ける宮殿の風景はとても美しい。
眠っているメンフィスを見る。強いくせ毛をそっと指でとかす。
あたしは手早く服を身に付けると、ナフテラの部屋に行った。

「そんな・・お一人でどうやってそこで暮らすのです?知り合いもいないのに・・」
ナフテラが心底心配してくれているのを感じてあたしは嬉しくなる。
「ナフテラ・・あたしがここに来てから、なんにも分からないあたしに優しくしてくれて
 本当にありがとう。・・あなたが居なかったら、ここで暮らせなかった・・ありがとう。」
ナフテラがあたしを抱きしめてくれる。
「ミヌーエさまにお願いして、牧野さまについて参りますわ。ミタムン王女に仕えるなんて、
 嫌ですわ。あの方、侍女の間でも評判悪いんですわよ。・・・みんな牧野さまを慕ってま
すわ。子供を助けたこと・・皆、感心しております。誰もメンフィスさまには逆らえなか
ったのに・・。それにメンフィスさま、以前よりずっとお優しくなりました。牧野さまの
おかげだと、宮殿に仕えるものは、皆言っております。」
その言葉を聞いて、あたしは嬉しくなる。あたしがどうしてここに来たのか分からないけど、
メンフィスが変わったのならここに来た意味が少しでもあるのかな・・。
7808cg:04/10/24 21:43:37 ID:Iii14b99
「ありがとう。気持ちは、とっても嬉しい。・・・でも、ナフテラはここでの責任を果たし
て。ミタムン王女、本当はそんなに悪い人じゃないと思う・・。」
桜子に性格も似てれば、本当は優しい心の持ち主だと思う。妃になれば、きっとメンフィス
のことを大切にしてくれる。

「この手紙を、メンフィスに渡してくれる?」
ナフテラに手紙を託す。そして、ふと目に留まった指輪を外す。
「この指輪・・何か書いてあるんだけど、どういう意味なの?」
受け取ったナフテラが指輪に目を落とす。
「ええと・・いつも、どこにいても・・・」
ナフテラの説明を聞いてあたしはメンフィスに指輪も渡してほしいと頼んだ。
メンフィスが起きてくる。「牧野!」
7818cg:04/10/24 21:44:36 ID:Iii14b99
「なあに。」
牧野が続きの間から、顔を出す。・・目を覚ましたら隣にいねえから・・消えちまったかと思ったぜ。
オレは牧野の腕をとって、ベッドに引き込む。
「ちょっと、ナフテラが見てるよ!」
牧野が慌てて身を離す。
「ナフテラ、しばらく庭でも散歩してこいよ!」
オレは牧野に唇を落とす。牧野はなぜか、哀しそうな光を瞳に宿している。
「どした、なんかあったか。」
牧野は首を振る。
「ううん・・。メンフィス、・・・立派な王になってね。」
「あったり前だ。近隣の国、全部平定して、平和にするぞ。国中の民が笑って暮らせる国に
するんだ。・・お前がいれば、なんでもやれる気がする。」
牧野は安心したように、にっこりと笑った。
7828cg:04/10/24 21:45:12 ID:Iii14b99
「メンフィスさま、ヌビアに不審な動きありとの早馬が参りました。すぐご出立を!」
ミヌーエ将軍が、緊迫した声でメンフィスを呼ぶ。
「すぐ行く」
メンフィスは手早く服を着ると、剣を身に着ける。
「2,3日帰れねえかもしんねえ。浮気すんなよ。」
笑いながらそう言うと、あたしを抱き寄せて、額にキスを落とした。
あたしは両腕をメンフィスの首に回し、背伸びして、唇を求める。
メンフィス、メンフィス、メンフィス・・・。
閉じた瞼の奥に、涙が溢れる。お願い、もう少しだけ、流れないで・・!
メンフィスがあたしの手を握る。そして、そっとブレスレットをなぞりながら、手を離した・・。
7838cg:04/10/24 21:45:53 ID:Iii14b99
「メンフィスさま!」ミヌーエが急かす。
オレは牧野から身体を離すと、手を握った。オレの贈ったブレスレットをつけている。贈ってしばらくは、決してつけなかったのに。
牧野の手をそっと離す。後ろの扉が開いた。振り向くと、ミヌーエが何かに驚く。
視線の先を探すと・・・・牧野は消えていた。
7848cg:04/10/24 21:46:24 ID:Iii14b99
気が付くと、あたしは指輪を買った店の前にいた。あれ・・?あたし、何してたんだっけ・・。
道明寺は、どこにいったんだろう。
「牧野っ!!」
大きな道を挟んで道明寺が叫ぶ。クラクションを鳴らされながら、道明寺がこっちに走ってくる。
「あ、危ないじゃん、何してんの!?」あたしは驚いて言う。
道明寺があたしを胸の中にさらう。
「何してんのじゃねーよ、てめー。急に消えやがって!どこ行ってたんだよ!」
店の主人が、何か言う。
「指輪とブレスレットを交換しに来た・・?てめーなんで一言言ってかねえんだ。小一時間、
オレがどんだけ心配したと・・まーいーわ。無事だったんだから・・。あんま、心配させ
んなよ。」
道明寺が、ほっとしたようにつぶやく。
7858cg:04/10/24 21:47:00 ID:Iii14b99
ブレスレット・・交換・・?
自分の手を見ると、買ったはずの指輪が消えて、瀟洒なブレスをしている。
えっと・・あたし・・?
帽子を深くかぶっていた店主が、つばをあげる。にこっと笑って、あたしに、ウインクした。
あれ?なんか、美作さんに、似てる・・。

「あなたの国に連れて行くと、約束したでしょう?」
彼は二人の背中を見届けながら、そうつぶやいた。
7868cg:04/10/24 21:47:37 ID:Iii14b99
「牧野!?」オレは、部屋中を探す。
出口には、ミヌーエがいた。誰かがさらうような、時間もなかった。いったいどこ行ったんだ!?
ナフテラと、ミヌーエが哀しげに首を振る。
「牧野さまは・・元の世界に戻られました。」
ミヌーエがやっとのことで、声をあげる。
元の世界!?帰った!?
オレは何も考えられずに、ベッドに座り込む。そこには、さっきまで牧野が来ていた夜着が
畳んである。夕べ、いくつもキスを落とした、白い身体。
まだ、そこここに、あいつの香りが残ってるのに。
ナフテラが、迷いながらオレに封筒を渡す。
「牧野さまは、エジプトのことを考えて、身を隠すおつもりでした。・・・元の世界に戻る
方法はご存知ないとおっしゃっていましたが・・。これは、メンフィスさまへと・・」
オレはひったくって、中を読む。
7878cg:04/10/24 21:58:29 ID:Iii14b99
メンフィス

あなたがこの手紙を読む頃、あたしはテーベにはいないはずです。
ずっとここで暮らせと言ってくれたのに、
あたしを正妃にすると言ってくれたのに・・応えられなくて、ごめんなさい。
どこか、離れたところであなたを見守っています。
それが、エジプトのどこかなのか、あたしの世界なのかは、あたしにも分からないけれど。
盗みを働いた子供を助けてくれたと、聞きました。
子供の罪に対する法律の見直し始めてくれたことも。
ありがとう、メンフィス。
初めて会った夜、絶対あなたのものになんてならない、心は渡さない、と言ったこと、覚えてますか?
でも今、あたしの心は揺れています。
あなたの治めるエジプトの為、あなたから離れるのが誰にとっても良いこと。
そう分かっているのに・・・・・あなたのそばにいたい、そう思っている自分もいるのです。
7888cg:04/10/24 21:59:08 ID:Iii14b99
あたしが、未来から来たと話したこと、覚えてますか?
あなたには話していませんでしたが、未来であたしのそばにいた人は、あなたによく似ています。
だから・・あなたに惹かれはじめた時、あなたに惹かれているのか、彼に似ているから惹か
れているのか、分からないほどでした。
でも今は、こう考えています。
彼はあなたの、新しい姿・・あなたがここであたしを見つけ、彼は未来であたしを見つけてくれたと。
あたしとあなたはこの世界で、一緒に生きることは、できない。
でも、きっと未来でもあたしを見つけて。あたしも、あなたを見つけるから。
メンフィス・・・。一度も言えなかったけど・・愛してます。

牧野つくし
7898cg:04/10/24 21:59:50 ID:Iii14b99
中には、いつもあいつが着けていた指輪が入っていた。
「心はいつもそばに」そう彫ってあった。
オレは手のひらに指輪を握り締める。
牧野、こんなのありかよ。こんな終わり方、納得できねえよ。
何からだって、守るっていったじゃねえか。
お前さえいれば他には何もいらねえと、思ってたのに。
「立派な王になってね。」
牧野の、最後の言葉を思い出す。オレはミヌーエに言う。
「ヌビアに異変あり、だろ。行くぞ。」
7908cg:04/10/24 22:00:44 ID:Iii14b99
メトロポリタン美術館・ミイラ展示室

5歳くらいの少年が、ミイラの脇にあるプレートを指差して、母親に訊く。
「ねえママ。ここなんて書いてあるの?」
母親が顔を近づけて読む。
「えーと・・メンフィスU世・・エジプト王朝最盛期の王の一人・・。隣国ヒッタイト、ヌ
ビアを平定する・・。多婚の時代にあって、生涯妃を持たず、姉の嫡男が王位を継いだ・・
ですって。」
7918cg:04/10/24 22:01:25 ID:Iii14b99
あたしはなんだか釈然としないまま、道明寺と手をつないで歩き出す。
ハドソン河に、夕日が落ちる。河に沈む夕陽・・あたしどこかで、こんな夕陽を見た気がする・・。
「きれい・・。」
つぶやくあたしの手に、道明寺がキスをする。
「もうオレの手・・離すなよ。」
「・・うん・・」
目をつぶって、道明寺のキスを待つ。指輪、どこ行っちゃったのかな。
そう言えば、昨日見たミイラ、似たような指輪してた・・・ような・・。
道明寺のキスに熱がこもりだす。
「もう、こんなとこで!」
「じゃ、ホテル帰ろうぜ。」
「またあんたはそういうことすぐに言う!」
道明寺が、笑う。その笑顔がふいに誰かの顔に見える。
・・あたし、変なの・・。なんで涙がでるのかな・・?
あたしはしっかりと道明寺の手を握る。
NYが闇に包まれはじめた。

Fin
7928cg:04/10/24 22:02:27 ID:Iii14b99
<エピローグ>

「てめーはどうしてすっきりハッピーエンドにできねえんだ?。」
「えーこれでも手加減したんだよ〜?本当はつくし、類演じるイズミル王子にさらわせるつ
もりだったんだから・・。長くなりすぎてやめたけど・・」
不満そうに言う、8cg。
「・・類好きなてめえにしちゃ、類がいねえから、変だと思ってたぜ・・」あきれる道明寺。
「他にもキャスティングは決まってたんだけど・・ラガシュに亜門、アルゴンが西門・・」
「ふざけんなっ、何年続けるつもりだっ!」

というわけで、お終いです。明るく短くと言ったのに、暗いわ長いわ、4巻までとか言っといてイズミル出せなかったわ・・ホント、思うとおりにいかないもんですね。
もっと修業します。
それではまた。長い間、おつき合いありがとうございました。
793名無しさん@ピンキー:04/10/24 22:53:35 ID:51dulSns
グッジョブ!
類のイズミル王子なら、続き読みたいかも。
王子を応援しちゃいそうっ
794名無しさん@ピンキー:04/10/24 23:55:21 ID:BNwZZR7J
楽しかった!脳内で各キャラが勝手にセリフをしゃべっていました。
いや、ホントにGJでした。また書いてください。待ってます!
795名無しさん@ピンキー:04/10/24 23:55:57 ID:VJCBna0y
8cgさん、ごちそうさまでした。
おもしろかったデス。
796名無しさん@ピンキー:04/10/25 00:36:46 ID:T5VVrZkH
今日は158さんといい、8cgさんといい
面白かったの続けざまに読めて、幸せな密度の濃い一日ですた!
797797:04/10/25 12:13:20 ID:6dW6up5R
オモシロイ!!
798名無しさん@ピンキー:04/10/25 20:47:00 ID:Y6KrlduB
>>158さんの類、色香が漂ってて大好きです。いつもながら凄い!の一言。
類ばかり美味しい思いをして司がちょっと可哀相な気もするけどw
でも、類ファンとしては嬉しい限りです

8cgさんのは実はリアルタイムで読んでましたw 類も登場させての続編を是非!楽しみにしています
799名無しさん@ピンキー:04/10/26 18:13:53 ID:FfM9g+x4
158さんのルイルイ素敵でした〜!またルイルイのお話、お願いしたいです。
8cgさんの王家の紋章編、今までにない展開で面白かったです。ルイルイのイズミル王子、密かに萌えです。続編期待してます!
8008cg:04/10/27 22:26:00 ID:ZN6h3AkR
王家バージョンはあれで終わらせてください。
今度は、意外な人を書いてみました。エロまでまた長い道のりですが、よろしく!

一度だけでいいから。
絶対に、誰にも言わない。明日からは、友達に戻る。
だから。・・・あたしを抱いて、司。

つまんない男ばっか。クラスのバカどもを見てあたしは思う。
将来決まってるから、勉強なんかするわけないし。
考えてるのは遊ぶことと、女のこと。
だけどあたしはそのうち、こいつらとたいして変わんない男と結婚しなくちゃならない。
それが大河原家に生まれた、たった一人の子供の宿命。
両親は、男の子が欲しかった。滋って名前を見ても分かる。
産後の日だちがよくなくて、もう子供を産めなくなった、お母様の未練。
8018cg:04/10/27 22:26:44 ID:ZN6h3AkR
大河原家が続くためには、あたしが結婚するしかない。
あたしは結婚するために、生まれて、育てられた。
ピアノにバイオリン、お茶、華、日舞は当たり前。
習い事がないのは、日曜だけ。
あたしは、近所の子と遊びたかったのに。
夕暮れ、近所の子達が泥んこになって、家の前を通る声がする。
すっげーうち、こんなうちの子だったらきっと、ゲーム買い放題だぜ。いーなー。
いつでも代わってあげるのに。
ゲームなんか、買ってもやる暇ないよ。
黒塗りの車じゃなきゃ、でかけられもしない。先生にまで気を使われるあたしに、友達なん
てできるわけない。
金持ち子弟の集まり、永林でこうなんだから・・、フツウの人の生活なんて、あたしには、未知の世界。
8028cg:04/10/27 22:27:20 ID:ZN6h3AkR
「滋さん、あなたのフィアンセが決まったわよ。」
お母様が嬉しそうにあたしの部屋に入ってきたときは、目の前が真っ暗になった。
・・・もう?・・あたし、まだ18なのに!
「お母様、あたしまだ、高校生です!」
声が震える。
「あら、私は17でお嫁に来たわよ。今夜お会いできるわよ。何を着ていくのがいいかしら、
このあいだ取り寄せたドレス、可愛かったわね。でも・・やっぱり振袖かしら。」
聞いてない。あたしの話なんてこの人は聞いてない。昔から、ずっと。
やだ、このまま結婚なんて、絶対にやだ!
だって、まだ一度も誰かを好きになったこともない。
誰かに好きだと言われたことも、抱きしめられたことも。
いつか、こんな日が来るのは分かってたけど、好きな人と結婚なんかできないのはあきらめ
てたけど。でも。
一度くらい、フツウの女の子みたいに、誰かを想いたい。好きな人に、キスしてほしい。
神様、それくらい、願ってもいいよね?
8038cg:04/10/27 22:27:58 ID:ZN6h3AkR
司と初めて会った時のことを思い出すと、今でも笑っちゃう。
普通、好きな子と初対面のあたしを間違えるかなあ。
でも、あたしは多分あの日、生まれて初めてどきどきしてた。
大きな手が、あたしの手をひっぱる。背が高くて、たくましい身体。
振り向いて、あたしの顔を見て驚く顔。
・・なんだ、こいつかなり・・いいかんじ。
その後、あたしは裸足で放り出されて大変な思いをしたんだけど・・。
でも、本当は楽しかった。
街を一人で歩くなんて、初めて。あたしに気を使わない人間も、初めて。
道明寺家の長男なのに、ぜんぜん坊ちゃんじゃないし。
こいつがあたしのフィアンセなら、悪くないかも。
あたしは、満天の夜空の下を歌いながら、歩いた。
その夜、あたしは初めて幸せな気持ちで眠った気がする。
8048cg:04/10/27 22:28:28 ID:ZN6h3AkR
「あの・・あたし・・あいつに好きって言われたことが・・。」
つくしに言われたとき、あたし嬉しいのと悲しいのが、いっぺんに来た。
悲しいのは・・分かるよね?司を気になり始めてるわけだから。
嬉しかったのは・・司があたしと同じだったから。
司も、自由に結婚なんかできるわけがない。でも、その流れに逆らおうとしてる。
つくしは英徳にいるのが不思議な、どう見てもフツウの世界の子だったから。
でも、好きなんだ。そう思うと嬉しかった。
つくしがあたしに距離を置かない子なのも、そんなつくしを司が好きなことも。
始めて友達ができるかも。そう思うと、司が今あたしを好きじゃないことなんて、なんでも
ないような気がした。
会ったばかりだもの。つくしは司を好きじゃないらしいし、もし想いあっていても、二人が
結婚できるわけはないもの。
8058cg:04/10/27 22:29:04 ID:ZN6h3AkR
家の前に司が立ってるのを見た時は、本当にびっくりした。
「俺と、つきあってくれ。」
突然で、なんにも考えられなかった。司もあたしを、気に入ってくれたの?
端正な顔が、すこし赤らんでる。
「どうなんだよ、嫌か?」
不機嫌な顔であたしに聞く。
「ううん。・・・いいよ。」
気が利いた言葉なんて、出なかった。自分の心臓の音がうるさい・・とくとくとく・・。
「じゃな。電話するわ。」
ぶっきらぼうに言って、立ち去る司を照れてるなんて思ったあたしは、なんてバカだったん
だろう。
好きな女の子に、つきあうのをOKされた態度じゃない、それくらい、気が付けよ、あたし。
今はそう思うけど。気が付いてれば、今こんなに苦しい思いをしないで済んだ。
あの時なら、まだ引き返せる「好き」だったのに。
でも。でも、司。あたし、後悔してないよ。
8068cg:04/10/27 22:29:44 ID:ZN6h3AkR
その夜以来、あたしは、携帯を枕もとに置いて寝た。
今にも鳴りそうな気がして、なかなか眠れなかった。司、ほんと、バカみたいだね、あたし
って。
「お前を好きになるように、努力する。」
司は、あの時そう言った。
あたしはそれを、自分の都合のいいように、解釈しちゃってた。
こんなカタチで知り合ったけど、ちゃんと恋愛しようぜ。
・・そういう意味かな、なんて。
つくしを忘れるため、なんて思いもしなかった。おめでたいよね、ホント。自分でも笑える。
司がいやいやっぽくデートしてることも、自分からはキスひとつしてくれないことも、全部
全部理由に気が付かないフリをした。
だって、考え出したら、たどり着きたくない結論に達しちゃうもの。
まだつくしが忘れられないんだって。
8078cg:04/10/27 22:30:19 ID:ZN6h3AkR
いくらあたしでも、気が付かずにはいられなくなる日が来た。
あたしにとって、最高の一日で、最悪の一日。
その日も、司は不機嫌だった。あたしといても、考えてるのは、別のこと。
あたしは、一生懸命話す。はたから見てた人は、こっけいだったと思うよ。
明らかに聞いてない、モデルみたいな男に、まとわりついて、必死にしゃべってる女。
司の目には、あたしが映ってないみたい。
好きな人といるのに、こんなに寂しい。
独りでいる寂しさには慣れてるんだけどな。そう思ってるあたしの目に、つくしが飛び込んできた。
8088cg:04/10/27 22:31:07 ID:ZN6h3AkR
ガラス張りのカフェに、つくしはきれいな顔の男の子と座ってた。
この人が、安らげるって言ってた人かな。
二人がみつめあって、話す。
つくしが、何か言う。男の子が優しく、笑う。
つくしの柔らかい笑顔が、あたしをみじめにする。
二人の間にあるものは、やすらぎ。あたしと司の間にあるものは・・?
いつまでも、見えないフリは、できない。今日、司の気持ちを確かめよう。
「あ、お茶しよう。」
あたしはそのカフェに司を連れて入った。
8098cg:04/10/27 22:31:44 ID:ZN6h3AkR
つくしと、類くんを見て、驚く顔。
くやしそうな、顔。それを隠そうと強がる、顔。
あたしには、見せたことのない、顔ばかり。
なんだか動揺してるつくしが落とした伝票を、司も拾おうとした。
二人の指が、一瞬触れ合う。
その時の司の顔を見て、もう分かった。
その指にそっとキスする司の心が、誰にあるのかなんて。
810名無しさん@ピンキー:04/10/28 00:47:05 ID:lEMyaGeA
おぉぉ〜!!新作だー!!
しかも滋。
新鮮!!
続き待ってマース。
811名無しさん@ピンキー:04/10/28 11:06:26 ID:9A4Nlo3x
おお、新作はシゲルさんですか。
続き期待!
812名無しさん@ピンキー:04/10/28 21:33:02 ID:BfmHnTVY
マダカナ マダカナー
8138cg:04/10/28 21:54:27 ID:709Dzl2v
「悪いと思ってる。・・お前じゃだめだ。」
今まで見た中で、一番真剣な司の顔。
初めてあたしにしっかり向き合ってくれたのに、結論は、それ?
はだけた浴衣の自分が、すごく惨めに思える。
つかさに、馬乗りになって、手をあげようとしたとき、つくしが飛び込んできた。
「ご、ごめんなさい!」
驚いて、ふすまを閉めて出て行くつくし。
司、行っちゃうよ。引き止めて、否定しなくていいの?
司はあたしをじっと見つめる。
「・・・お前の好きにしろ。気が済むまで、殴れよ。」
司が目を閉じる。こんな時でも、司を嫌いになれない。
8148cg:04/10/28 21:55:03 ID:709Dzl2v
司に触れたい。全然優しくなんて、してくれたことないけど、司の優しい気持ちが伝わる。
あたし、自信あるのに。
つくしより、あたしのほうが、司を好き。つくしより、みんなから、祝福される。
つくしより、司の気持ち、分かってる。つくしより、つくしより・・・。
「ひどいよ・・好きだったのに・・」
「悪かったよ・・ごめん・・。」
司がはじめて自分からあたしを抱き寄せる。そっと、髪を、なでてくれる。
「うっ、・・うっ・・ひっく・・。」
8158cg:04/10/28 21:55:45 ID:709Dzl2v
「お前には、悪いことした。俺でできることなら、なんでもすっから。」
司が、あたしの髪を直しながら言う。
「・・・・じゃあ、抱いて。」
あたしは震えながら言う。
司は、眉間にしわを寄せて言う。
「俺は好きな女じゃねえと抱かねえ。」
いつものあたしなら、引き下がってる。でも、今夜は違う。
好きな人に抱いてもらえる、最後のチャンスかもしれないもの。
「あたしに、縁談がもう一つきてるの。道明寺家とより、メリット大きいんだって。
 あたしが司に惹かれてるから、今は親も無理には薦めないけど。」
あたしは、悲痛な気持ちで言う。
「司と駄目になったって知ったら、絶対すぐそっちと結婚させされる。あたし、あたし、司
とだから、結婚したいって思った。司が初めてなの、初めて人を好きになったの。」
ぽろぽろと涙が、司の顔の上に落ちる。
8168cg:04/10/28 21:56:50 ID:709Dzl2v
「だったら、尚更だ。ちゃんとお前のこと好きな男に抱いてもらえ。」
司は真剣な顔できっぱりと言う。
「俺も、マジで惚れたのは、牧野が初めてだ。牧野しか抱きたくねえ。・・お前と俺は似て
るのかもしんねえな。」
初めて司が優しく微笑んでくれる。
「絶対誰にも言わない。明日からは、友達になって。だから・・今日だけ、あたしに・・」
そっと司に口付ける。司はとまどったように、そっと顔を背ける。
「シゲル、お前も親の言いなりになんか、なんな。ちゃんと・・」
「司。司はもしつくしがどうしても振り向かなかったら、他の女にいく?」
あたしは司から降りて、横に身体を並べる。
「あきらめねえな。今回無理だって分かった。・・・お前を使って悪かったけど。
 あいつが、振り向くまで、待つ。振り向かなくても・・他の女には行かねえな。」
8178cg:04/10/28 21:57:36 ID:709Dzl2v
あたしは、悲しい気持ちで微笑む。
「でしょ?あたしも同じ。司がずっとつくしを好きでも・・ううん、つくしを好きな司を好
きになったのかも。あたし、きっといつまでも司が好き。この先、誰と結婚しても、何が
起こっても。」
司はあたしの方を向いて、布団に頬杖をつく。
「しつけーとこまで、似てんな、俺ら。」
司が笑う。へんなの、振られたら、仲良くなれたみたい。
「親はね、男の子が欲しかったの。お前が男の子だったら、って親にも何度も言われたし、
周りの人たちもそう思ってるのは、子供心にも分かったよ。だから、必死だった。いい子
にしてなきゃ、ますます要らない子になっちゃうって。
こんな家の子だから、ホントの友達もできなくってさ・・。つくしが、初めてなの。あた
しの、友達になってくれそうな・・。」
8188cg:04/10/28 21:58:26 ID:709Dzl2v
司があたしを抱きしめる。とくとくとく・・司の心臓の音が聞こえる。
人の身体って、あったかいんだ・・。こんなに安らかな気持ちになったの・・はじめて。
司があたしの額に、そっとキスをくれる。
「お前はいいやつだ。自信、持て。絶対お前のこと、ちゃんと好きになってくれるやつが
 いるぞ。自分を卑下するよーなこと言うな。」
あたしは、司をじっと見つめる。一度だけでいいから。お願い、司。
「約束しろ。あきらめねえって。自分の人生歩くってよ。」
「司も約束して。絶対つくしをあきらめないって。」
あたしも言う。司を好きなのに、つくしをあきらめないで欲しい。あたしって、バカだ。
8198cg:04/10/28 22:00:45 ID:709Dzl2v
司があたしを抱きしめる。とくとくとく・・司の心臓の音が聞こえる。
人の身体って、あったかいんだ・・。こんなに安らかな気持ちになったの・・はじめて。
司があたしの額に、そっとキスをくれる。
「お前はいいやつだ。自信、持て。絶対お前のこと、ちゃんと好きになってくれるやつが
 いるぞ。自分を卑下するよーなこと言うな。」
あたしは、司をじっと見つめる。一度だけでいいから。お願い、司。
「約束しろ。あきらめねえって。自分の人生歩くってよ。」
「司も約束して。絶対つくしをあきらめないって。」
あたしも言う。司を好きなのに、つくしをあきらめないで欲しい。あたしって、バカだ。
8208cg:04/10/28 22:02:07 ID:709Dzl2v
「でも・・あたし、司に抱いてほしい。だって、司以上の男に会えなかったら、あたしずっ
と処女じゃん。そんなの、やだ。司、なんでもするって言ったのに、嘘つき。」
司は困った顔で、ためいきをつく。
「正直に言う。牧野がいなかったら、ホントお前はかなり・・なんつーか・・。もっとバカ
な女だったら、逆に抱いてもいいけどよ。お前なら、牧野を忘れられるかもって、思った
んだぞ。だからよ・・お前を傷つけたのに、今こんなこと言ってもしょうがねえけど。」
あたしは、驚く。
「じゃあ、少しは気に入ってくれてた、ってこと?」
あたしは胸が熱くなる。ほんとに?
「じゃなきゃつきあおうなんて、言わねえよ。
お前の飾らないとことか、いつも元気だけど、たまに見せる・・寂しそうな顔とかよ・・
あー恥かしい、何言わせんだよっ。・・だからよ、好きでもねえ男と結婚しないで欲しい
し、大事に思ってっから、抱きたくねえ。つきあってるとき冷たくしちまったのも、・・
お前の気持ちが分かって・・悪くてよ。」
「司。・・あたし、今の言葉で、一生・・もし・・誰とも愛し合えなくても、幸せ。この気
持ちで生きて行けるよ。・・ほんとは、思い出、欲しかったけど・・」
8218cg:04/10/28 22:03:02 ID:709Dzl2v
静かな時間が流れる。
破けた障子から、雲が流れるのが見える。一つだけ、小さな星も。

司が、決心したように言う。
「分かった。お前がそれで納得すんなら、抱く。償いじゃねえからな。お前に、幸せな気持
ちになって欲しいからだかんな。・・・シゲル、お前、いい女だぞ。・・自信、持て。」
司があたしの唇を閉じる。はじめての、心のこもったキス。
あたしは、幸せな気持ちでいっぱいになる。たとえ今夜だけでも、これが最初で最後でも。
あたしは、好きな人に抱いてもらえる・・。
8228cg:04/10/28 22:04:15 ID:709Dzl2v
司が、そっと瞼にキスをくれる。頬に優しく指が触れる。
「お前の肌って、子供みてえだな。まっしろだしよ。・・ホントは、ずっと触ってみたかった・・。気持ちよさそうだな、って。」
あたしは嬉しくて、泣きそうになる。触れて、触れて。
からだ中に、残して。司を、司に愛されたあたしを。たとえそれが今夜だけでも。
823名無しさん@ピンキー:04/10/28 23:50:00 ID:3Suhcocl
滋を抱いちゃうの!?
つくしが知ったら、潔癖な感じだからきっと…


でも同じ女として、一度でいいから…ってゆーのも解る(πдπ)
ドキドキ マダカナー
824名無しさん@ピンキー:04/10/29 00:09:39 ID:HXCo83XZ
あわわわわ( д) ゚゚
8cgさん 出来れば司としげるのエチーは寸留めで…








という訳には行きません…よね?(と懇願してみるテスト)
825名無しさん@ピンキー:04/10/29 01:01:28 ID:aONkSld1
|||(-_-;)||||||

続き読みたいけど、読むのコワイ…
826名無しさん@ピンキー:04/10/29 08:19:16 ID:9XRRuzml
滋っていい子だよね。二次創作の世界で
思いを遂げさせて
あげたい気もする・・。
827名無しさん@ピンキー:04/10/29 16:53:42 ID:ion9+sXu
いやいや、これこそパロでっせ、姐さんがた。本編ではありえないカプ。
前々スレあたりに、類×つくし@滋の別荘の話があったけど、萌えた。
その話の最後に、
「同じ頃、別の部屋で滋によって開発されたと道明寺がいた」っていう締め言葉があって、更に萌えた。
その滋×司ヴァージョンを期待してたんだけど、続き書いてもらえなかったっけ。
828名無しさん@ピンキー:04/10/29 18:56:07 ID:Kd5t+P15
司抱いちゃうの〜
うん。これはパロなんだよね。うん。そうなんだよ。
分ってるんだけど・・

続き待ってますよ〜
8298cg:04/10/29 19:38:28 ID:vNZsahMb
司の指が、あたしに話し掛ける。司の唇が、音楽を奏でてる。
司に触れられた場所が、つぶやく。司が好き、好き、好き・・。
司の大きな手が、あたしの胸の上で、弧を描く。
「女の胸って、やわらけえんだな・・。」
あたしは、自分が誰より最初に司に抱かれてることに気が付く。
ほんとに・・?あたしが、最初・・・?
目に焼き付けておきたい・・きっとたった一度だから。
司の指、広い胸、優しいまなざし・・。
覚えていたい・・司の香り、髪の感触、低い声・・。
8308cg:04/10/29 19:39:18 ID:vNZsahMb
目を閉じたシゲルの顔は、ぞくっとするほどきれいだ。
そっと瞼にキスを落とす。ゆっくりと開けた瞳をみつめる。
俺は今まで誰にしたキスより、優しくキスをする。こいつへの、誠意だと思うから。
他の女が好きだっていう俺を、自分を利用した男を、許して応援してくれる女への。
ほんとに抱いていいのか、分からねえ。ますますこいつを傷つけちまうんじゃねえか。
でも、こいつが他の男に抱かれるのも嫌だ。絶対こいつには言えねえけど。
俺は牧野を愛してる。・・・だけど、こいつを愛しいと、思いはじめてる。
8318cg:04/10/29 19:39:56 ID:vNZsahMb
こいつを見てると、自分を見てるようで、切なくなる。
何回牧野に断られても、傷つけられても、あきらめられねえ、自分に。
そっと舌で、シゲルの唇を割る。舌がからみあったとき、俺の迷いは消えた。こいつを抱き
たい。
シゲルが俺の耳に触る。
「わっ、なんだよ!。」俺は驚いてキスをやめる。
「やっぱり、弱いんだ。・・・可愛い。」
シゲルは楽しそうに、笑う。こいつが笑った顔、やっぱいいな。
8328cg:04/10/29 19:40:29 ID:vNZsahMb
「・・・お前の弱いとこも、探すからな。」
俺は、首筋にそっとキスをする。鎖骨にも。
身体は細いのに、豊かな胸。頂きを口に含む。
柔らかなその頂きが、少しずつ、硬さを増していく。
「・・・ん・・」
シゲルが甘い声を出す。ふわっと、甘い香りが漂う。・・やべえ、もう止められねえぞ。
もう片方の胸を手で探る。蕾を、かるくつまむと、シゲルが、腰をくねらせる。
「あんっ・・」
俺は浴衣を脱ぎ捨てると、シゲルの身体からも全てをはぎとる。
ほっそりとした、腰。でも、柔らかな曲線を描く女らしい身体。
そっとシゲルの中心に手をやると、そこはもうとろけそうに熱くなっていた。
クレバスの間に、指を滑らせる。
「・・・!あっ・・」
シゲルが思わず俺の手を押さえる。
8338cg:04/10/29 19:41:01 ID:vNZsahMb
「・・ここが、弱いんだな。分かった。」
その小さな芽を俺はいじる。触るたびに、泉に蜜が流れ出す。
「や、司、・・あんっ、ちょっと待って・・」
「もうやめられねえよ。」
俺は指を先に進める。シゲルの奥に、指が飲み込まれる。
指1本をいれるのにも、ぬめつく壁が、締め付ける。こんな狭いトコ、入るのかよ・・。
手のひらを上にして、中指と人差し指を埋める。
「ああっ・・ううっ、・・あ・・んっ。」
シゲルの声が高くなる。目をぎゅっとつぶったまま、ふっくらとした唇が、吐息を紡ぐ。
声が他の部屋にもれるのを心配してか、丸めた拳を自分の口に当てて、声を殺そうとした。
俺はその手をそっと外して、キスをする。
シゲルは、何かに餓えているように、俺の舌を求めてくる。
8348cg:04/10/29 19:41:39 ID:vNZsahMb
二本の指がシゲルを貫く度に、俺のモノが、いきりたつ。
早く中に、入りてえ。こいつに俺を、忘れさせたくねえ。
俺・・自分は牧野と幸せになりてえのに・・こいつが別の誰かと幸せになるのは面白くない・・
・・ちくしょう、なんて自分勝手なんだよ。
こいつを抱くのはこいつのため?嘘言ってんじゃねえ。
・・・抱きたいだけじゃねえのか?他の男に行かないように、烙印押したいだけじゃねえの
か?
指を止め、静かに引き抜く。シゲルが、目を開けて、俺の目に問いかける。
「やっぱ、駄目だ。・・・抱きてえけど、・・・駄目だ。」
シゲルの目に涙が溢れる。
「・・・やだ、やめないで・・どうして・・?つくしに、悪いから・・?」
俺はシゲルの浴衣を体にかけてやる。
8358cg:04/10/29 19:42:25 ID:vNZsahMb
「あいつは、関係ねえ。・・・お前を、こんないい加減なカタチで抱くのは嫌だ。いつか、もしお前を抱くような日が来たら・・そん時は、俺がマジでお前だけに惚れてるときだ。」

あたしは驚いて司の顔を見る。・・・つくしを、つくしだけをずっと好きだって言ったよね?
つくしに振られても、あたしには可能性無い、って・・。
司は背中を向けると、自分も浴衣を羽織る。
あたしは、その背中に抱きつく。
「待ってていいってこと・・?」
司は答えない。
あたしは、そっと身体を離して、浴衣を整える。丸まった、ショーツを拾う。
惨めって、こういう状態のこと、言うんだろうな。
司にキスされて、触れてもらって、・・幸せだった。
最後まで、して欲しかったな。やっぱり、あたしじゃ・・感じないのかな。
8368cg:04/10/29 19:42:57 ID:vNZsahMb
司が振り向く。あたしは惨めな顔を見られたくなくて手で顔を覆う。
司はその手をほどくと、あたしを胸の中に抱いた。
「待ってろなんて、言えるわけねえだろ・・!でもよ・・他の男にも、やりたくねえ。お前
 への気持ちと、牧野への気持ちは、全然違うんだよ。・・・勝手だけどよ・・。」
司の両腕が、狂おしくあたしを抱きしめる。
「牧野が、好きだ。それは間違いない。・・お前は・・かわいいんだ。弱っちいのに、強がってんの分かるからよ・・。自分の気持ちが分かんねえよ。類といるあいつを見たときは、
 絶対あいつを類に渡さない、何があろうとあいつと歩くのは俺だって思ったのによ・・。
 お前が一途に俺のこと思ってくれてんの感じると、やっぱお前もほっとけねえと思うし。
 こんな気持ちのまま、抱けねえよ。」
8378cg:04/10/29 19:43:39 ID:vNZsahMb
「・・あたしが好きでいるのは、勝手だよね?」
シゲルが、顔をあげて、にっこり笑う。
なんで怒らねえんだ?なんで、はっきりしろって、なじらねえんだ?
すがれよ。あたしを選んで、って。あいつの悪口言えよ。類に惹かれてるあいつを。
「司に、あたしを選んでなんて言わない。・・・婚約も解消しよ?
あたしを、友達にして?・・でも、誰にも気が付かれない様に、好きでいる。」
俺は返事に困る。
シゲルは、ごしごしと袂で涙を拭く。
そして、何か吹っ切れたように、言葉を繋ぐ。
8388cg:04/10/29 19:44:11 ID:vNZsahMb
「ねえ、司。あたしね、選べることなんて、少ないって思うんだ。男か女かも選んで生まれ
てくることもできないし、好きで金持ちのうちに生まれたわけでもないしね。
司を好きになったことも、嫌いになれないのも、全部、選べないの。
河の流れにそって、木が漂うみたいに・・なるようにしかなんないよ。こっちへ行こうと
思って行けるときばかりじゃないよ。
司が、つくしと幸せになったら、嬉しい。嘘じゃないよ、ほんとだよ。
もちろん、ちょっとくやしいけどさ、相手がつくしだから・・祝福する。もし、つくしと
駄目になって、あたしの方に流れてきても、司のことずるいなんて、思わない。誰が思っ
ても、あたしは思わない。
その時を待つわけでも、無理にあきらめも、しない。・・これがあたしの決心。」
8398cg:04/10/29 19:45:00 ID:vNZsahMb
気持ちを全部話したら、すっきりした。
司が困った顔をする。司、ありがと。・・・・抱かないでくれて。
やっぱり、これで良かったんだよね。
いつか・・ホントに・・抱いてくれる日が来るといいな。
そんな日が来なくても、かまわない。
つくしからは、強さを、司からは自信を貰ったから。
籠の中の鳥のままより、人を好きになる苦しさを知れて良かった。
ありがとう、司。
8408cg:04/10/29 19:51:54 ID:vNZsahMb
ぱたんとあたしは日記を閉じる。
このあと、河の流れは思わぬ方向にばかり流れて、現在へと続く。
「お嬢様、車の用意ができました。」
「今行くわ。」
あたしは待たないって言った。選んでと言わない、とも。
この時は本当にそう思ってた。・・・今は、違う。
あたしはこれから、NYの司に会いに行く。もう迷わない、迷わせない。
車が成田へと滑り出す。
ラジオの天気予報は、春の嵐の到来を告げていた。

前編・終わり
8418cg:04/10/29 19:59:53 ID:vNZsahMb
司はつくし一筋!というファンの皆さま、誠に申し訳ありません。
怒られる前に謝っときます!
しかも前編ってなんやねん、とお怒りの方にも。
ホントはこの後こそ本編と思ってるのですが、切ないシゲルちゃんと、しばらく距離を置きたいかなーなんて・・。
ちょっと別の話で気分転換して、いつかまた続きを書きたいです。
ああ・・類が書きたい・・今そんな感じです。
でも、もし何かリクエストがありましたら頂けると幸いです。
あ、あと、158さん、新作アップですよ!
未読の方、HPへどうぞ!
842ココア:04/10/29 20:09:07 ID:gbm3HxgY

       ______
     /|     /\
   /| ̄ ̄ ̄ ̄|\/
   /|      .|//|
   | ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| |_
/ ̄|      |      |//|
| ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| |
|      |      |      |/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ダンボール


      __从从从
     /|     /\
   /| ̄ ̄ ̄ ̄|\/
   /|从从从 .|//|
 从..| ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| |从
/ ̄|从从 .. |从 从 |//|
| ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| |
|从从 |从从....| 从从 |/
  燃えるダンボール
843名無しさん@ピンキー:04/10/29 23:37:07 ID:ion9+sXu
滋切ない〜(T△T)

滋のこと大切にする司かっこいいー。
滋に、司と一夜を過ごさせてあげたいでつ。

8cgさん、ありがとう!続き、期待しています。
844名無しさん@ピンキー:04/10/30 21:20:35 ID:QfrFpSbF
揺れちゃうなんて、道明寺が普通のオトコになったみたい…
道明寺は、何があってもつくし一本だからカコイイ!と思うんですが(・・;)


道明寺フェティのあたしでした。でも8cgさんの新作楽しみです。
845名無しさん@ピンキー:04/11/02 23:11:24 ID:ms/jyGIT
ほっしゅ
846情事の痕@SAID類:04/11/03 10:45:22 ID:DB+V0jjg
まだ、あいつの事忘れられないでいるの?
お願いだ 他のやつなんか見ないで・・・
オレの事だけ見て・・・

最初はお互いの傷を癒す為だけに寄り添った。
牧野は司を、俺は静を・・・。

きっと牧野は俺が静を忘れる為だけにお前を
抱くのだと思っているんだろうな。

最初はそうだったかもしれない。けど・・・
今は違うんだ。

牧野を抱く度、「俺は何度も静を忘れた」よ。
俺に抱かれてる最中、牧野は誰の事を考えているの?
まだ司を忘れられないでいる?

お願いだ。あいつの事はもう忘れて?
早く俺の気持ちに気がついて。

切ない表情を浮かべると類は静かに寝息をたてる
つくしに口づけた。



      「愛しているよ」 
847名無しさん@ピンキー:04/11/03 10:55:10 ID:DB+V0jjg
作家さんの降臨がまだのようでしたので、投下してしまいましたが
何せ初めてで思いつくままにかいたので、文法やルールやらあったもんじゃ
ありません。しかも、短っ!

やっぱり文章にするのは難しいですね

お目汚し申し訳ありませんでした。ちょっと修行の旅に出てきます。



848名無しさん@ピンキー:04/11/03 11:04:06 ID:w5yx6/UG
おー!リアル遭遇。
新しい作家様ですね?
ぜひ続きお願いします。
849名無しさん@ピンキー:04/11/03 13:21:54 ID:DB+V0jjg
おお。早速レスが。
>>848さんありがとうございます。
ちょっと気になって戻ってきてしまいました。
やっぱりスペル間違ってるやん 自分 orz

SAIDじゃなくて SIDEだよ。。。おばか。
やっぱ修行が足りん。。。SIDEつくしでお目にかかれる日まで
名無しに戻ります。
850名無しさん@ピンキー:04/11/03 13:28:52 ID:HLCptaAn
お、作家さんだ。
今までにない斬新な手法ですね。つくしSIDEも楽しみです。

自分は「Said」=「Say」の過去形だと思ってました。
類によって言われたこと、みたいな。
8518cg:04/11/03 17:17:29 ID:Yb+AyaQf
わーい、新しい作家さんだあ!しかも類類だあ〜。
続き、楽しみにしてます。つくしサイドを待ちつつ、良かったら新作読んでください。

今までの、道明寺ファンの方への失礼をば、償わせていただきます。
短編、明るめにチャレンジしてみました。

8528cg:04/11/03 17:18:12 ID:Yb+AyaQf
「あ、ねえ観覧車ある!乗ろっ!」
あたしは、道明寺の手を引っ張る。
水族館のそばにあるその観覧車からは、海が見下ろせる。
半年振りの道明寺の帰国は、たったの三日いるだけ。あたしが独占できるのは今日だけだか
ら、精一杯楽しみたい。
「サカナ見たあとは、観覧車・・?」
道明寺は、並んでいる人たちを見てため息をつく。昔なら嫌だ、とすぐ言われそうだけど。
「ま、いいわ。お前が行きたいんなら。案外楽しいかもな。」
あたしは驚いて道明寺を見上げる。・・なんか、前より優しくなったみたい。
あたしは、嬉しくて腕を組む。道明寺がちょっと赤くなる。
いっしょに朝を何度か迎えても、あたしたちはまだまだこれから、って感じ。
8538cg:04/11/03 17:18:40 ID:Yb+AyaQf
「すいませーん、混んでますので、二組ご相席ということに・・」
係員のお兄さんがあたしたちの方に手を上げながら来た。
道明寺がじろりと睨む。
「・・・は、無理ですよね、ハハ。あ、お二人でどうぞ〜。」
道明寺はあたしの手を取って、すたすたと乗り込む。
「もーあんたはすぐそうやって、怖がらせるっ!お兄さん、びびってたじゃん。」
道明寺は、長い脚をどっかと組むと、
「狭いなあ、ここ。脚がぶつかっちまう。」
と、向かいに座ったあたしを、自分の隣に移させた。・・この方が、狭くない?
8548cg:04/11/03 17:19:16 ID:Yb+AyaQf
六時を過ぎた海には、赤く染まった夕陽が沈み始めている。
「・・・なんか、怖いくらいきれいだね・・。」
道明寺は、あたしの肩に左手を回して、自分の方に引き寄せる。
「会いたかった・・。」
あたしの髪にキスをして、耳元で囁かれる。
あたしは、道明寺の右手を取って、自分の両手で包む。
「久しぶり・・だね、こんなに大きいんだっけ、あんたの手って。」
無人島で、こんなふうに手を自分の頬にあてたっけ。
キスしたくて・・髪や、肩や手や、肌に触れたくて・・。
あのころのあたしたちは、想いあってても、どうにもできなくて・・。
あたしはあの時の切ない気持ちを思い出して、道明寺を見上げる。
8558cg:04/11/03 17:19:56 ID:Yb+AyaQf
自然に唇が求め合っていた。
目をつぶって、道明寺のキスを感じる。
道明寺のコロンの香り・・・少し、タバコの香りも・・。
温かな舌が、あたしの歯を割って、中をさまよう。
どうして、離れていられたんだろう・・どうして、この腕から出られたんだろう・・。
胸の中に、熱いものがこみ上げてくるのが分かる。
もう・・やだ。このままずっと・・。
道明寺の手が、コートの中に忍び込む。
あたしはさすがに手を止める。
「だめだよっ、こんなとこじゃ、他の乗客に見られちゃうっ・・」
あたしの、小声の抵抗を、道明寺はあっさりと唇で塞ぐ。
8568cg:04/11/03 17:20:24 ID:Yb+AyaQf
「んっ、んんっ・・」
セーターの上から胸の頂きを探られて、あたしは思わず声が漏れる。
「やっ、恥かし・・」
コートをかき合わせて身をよじるあたしの腕をさけて、道明寺は、スカートから出ている
膝の間に手の平を割り込ませる。
「ずっと、我慢してたんだぞ。水族館じゃ、混んでっからカラダくっついてんのになんにも
 できねえしよ・・。ホテルまで、我慢できねえよ。ちょっとだけ、触らせろよ・・。」
「ええっ!や、やだ、ねえちょっと、ふざけないでってば!」
あたしは、必死に膝に力を入れて、手の侵入を防ごうとする。観覧車の個室が、ぐらぐらと
揺らぐ。
8578cg:04/11/03 17:20:55 ID:Yb+AyaQf
「暴れると、かえって目立つぞ。もう薄暗いし、窓もあんな上なんだから見えねえよ。」
道明寺は、まるであたしを観念させるためのように深くキスをしながら、手を進める。
「んんん〜〜〜っ!!」
とうとう道明寺の手が、あたしのショーツに届く。あたしはあきらめて身体の力を抜く
まさか最後までは出来ないだろうし、ちょっといたずらするだけ・・だよね?
道明寺はあたしの態度をYESと受け取ったのか、いつもより性急に、あたしの泉を探る。
「・・・んだよ、感じてるんじゃん。」
道明寺は、手を引き抜くと、指についた雫を舐めとる。
「やだっ、汚いよっ。」
あたしは、恥かしさに泣きそうになる。なのに・・ホントは、・・感じ始めてる・・やだ、こんなとこで感じちゃうなんて、あたしっておかしいのかな・・?
「ばーか、お前の身体なら、どこだって食べちまいたいくらい・・すげえかわいい・・」
8588cg:04/11/03 17:21:28 ID:Yb+AyaQf
観覧車は、もうすぐてっぺん・・。少しずつ、夕暮れが、夜に生まれ変わっていくのを、あ
たしは道明寺の指で感じながら眺める。
道明寺の手が、あたしの手を道明寺自身に導く。
そこは、もうこれ以上大きくなれないほど、硬くなっていた。
今までなんどか身体を重ねたけれど、あたしが触ったことはなかった。恥かしい・・けど、道明寺にも感じて欲しい・・。
「どうすれば、いいの・・?」
あたしは、そっと彼自身をなでながら、訊く。道明寺は、ベルトを外すとそれをあたしの手
に握らせた。
「こうやって・・動かしてくれ・・ああ・・うん、そんな感じだ・・。」
道明寺が、目をつぶって吐息を漏らす。
キスをしながら、お互いを指で高めていくのは、もどかしくて、気持ちいい。
一つに、なりたい。邪魔な布たちを全部脱ぎ捨てて、道明寺を全身で、感じたい・・。
8598cg:04/11/03 17:22:19 ID:Yb+AyaQf
観覧車が、終わりに近づく。あたしは慌てて乱れた服を直す。
「ねえ、変じゃない?」
あせって、髪を手で押さえるあたしに、道明寺が囁く。
「おお、すげえ、エロい顔してっぞ。」
「バカッ!」
あたしは一人で、観覧車を降りる。
「おい、待てよ。」
道明寺が後ろからあたしを抱きしめる。
「早く帰って続きしようぜ。・・おさまんねえよ。」
あたしたちは、手をつないで歩く。朝を迎えたら、言おう。
もう離れない・・・あたしもNYに行くから。また観覧車、乗ろうねって。
8608cg:04/11/03 17:26:50 ID:Yb+AyaQf
あ、Fin マークつけるの忘れた!

というわけでお終いです。
前作は、読んだ方を嫌な気持ちにさせたみたいですみません。
多分、筆力があれば、シゲルちゃんと、というのもアリと思っていただけたと思うのですが・・。
修業不足ですね。次回は類君で行く予定です。ではまた。
読んでくださってありがとうございました。
861名無しさん@ピンキー:04/11/05 01:31:14 ID:UVCriLx0
>>844です。
嫌な気持ちだなんて、そんなことないです!ちょっと淋しかっただけで…
前の類つくもキュンキュンしながら読ませてもらってたし、次回作だってもちろん楽しみに待ってます!!!
エロ道明寺、ゴチでした。
862名無しさん@ピンキー:04/11/05 10:38:42 ID:2DXQruc5
8cgさん、良かったです!
エチの前振りだけってのも新鮮でイイ(・∀・)
863情事の痕@SIDEつくし:04/11/07 02:59:54 ID:JoSdaSdZ
ふと目を覚ますと直ぐ横に花沢類の寝顔がある。
情事の後、花沢類の腕の中で眠るのがいつの間にか習慣になっていた。
花沢類の伏せた長い睫毛、綺麗な寝顔。 腕を伸ばしてそっと頬に触れてみる。

「好き」
言えるはずのない言葉を口にしてハッと我にかえる。
馬鹿みたいだあたし。花沢類はまだ静さんの事を忘れてはいない。
元々あたし達はお互いの傷を癒す為だけに寄り添っただけ。

花沢類は傷ついていた。 そしてあたしも道明寺を早く忘れたかった。
ただそれだけの事なのに… いつのまにか花沢類に惹かれている
自分がいる。

「この人にあたしの想いを知られてはいけない」

きっと花沢類を困らせてしまう。今はただこうして肌を合わせるだけでいい。
だから、もう二度とこの想いは口にしない。

ゆっくりと自分の中で頭を擡げる感情を押さえ込んで
あたしはもう一度眠りにつく。
愛しく想い始めた人の頬にキスをして。

     「おやすみ 花沢類」



                


                See you the next story

864名無しさん@ピンキー:04/11/07 03:59:12 ID:JoSdaSdZ
>>850さん、言われて気付きました。その手で乗り切ればよかったのですね(ォィ
8cgさん 観覧車の中のシチュってエチーですね。(*´д`*)ハァハァ
乗るたびに思い出しそうですw

パソコンの調子が悪くてこんな時間にuぷしてしまいました。
今回もエロなしです。しかもまたもや短い。SSどころかVSだ。
こうやって書いてみると改めて作家さん方って凄いなぁと思います。尊敬。
もうちょっと頑張れよ自分・・・次回からは濃厚盛りだくさんの予定です。









多分。
865名無しさん@ピンキー:04/11/07 09:52:08 ID:N0kvc9G+
ぁぁぁ、切ない・・・。
傷を舐めあうように情事を重ねる二人・・・。
早く、お互いの気持ちに気付いてホスイ・・・
8668cg:04/11/07 15:02:25 ID:4kc1Ir0Q
>864さんへの感想がまだあるのにすみませんが、類つく行きます!

「あんた、同情と愛情履き違えてんだよ。この二つはよく似てんの知ってる?」
昔、亜門があたしにこう言った。
「本当に好きなら、障害があろうとなかろうと飛び込まずにはいらんなくなるんだよ。」
・・・この言葉があたしの背中を押した。
同情なんかじゃない。・・・あたしは道明寺が好き・・・。
ずっと封印してきた言葉をやっと解放することができた。
友達を不幸にするかもしれなくても、あたしは道明寺の手を取った。
この先、何があろうとこの手を離さない。
・・そう思っていたのに・・。
あたしはまた自分に問い掛けている。
今のこの気持ちは、同情?それとも・・・。
8678cg:04/11/07 15:03:27 ID:4kc1Ir0Q
「牧野、やっとNYに行くんだって?」
キャンパスで会うなり、美作&西門ペアに訊かれる。
「げっ、なんで知ってるの?情報早っ。」
あたしは驚く。先週帰国する前日の道明寺に話したばかりなのに、なんで知ってるの?
「司、大喜びで電話してきたもんなー。・・時差も考えずに・・。」
と呆れ顔の西門さん。
「おう。別に俺はいつでも良かったんだけどよ、やっぱあいつ寂しくなったみたいでよ、な
んてはしゃいでたよな〜。ま、良かったよ。これで真夜中に牧野浮気してねえだろうなと
かくだらねえ電話に起こされないで済むわ。」
美作さんは、心底嬉しそうに言う。
「えっ、あいつそんな電話してたの?」
あたしはぎょっとして言う。
「類には、非常階段禁止令出してたしな。類は気にしてねえみたいだったけど。」
はあ・・あたしの知らないとこでそんな電話してたんだ・・恥かし・・。
「お。類といえば、コンクール入賞したの知ってるかよ?」
西門さんが芝生にあぐらをかきながらだしぬけに言う。
「コンクールって、なんの?」
8688cg:04/11/07 15:04:30 ID:4kc1Ir0Q
あたしも座りながら訊く。近くを通り過ぎる女の子たちが羨ましそうにあたしを見る視線を
びしばし感じる。
「あ、知らねえ?あいつ、中学のころはヴァイオリンのコンクールの常連だったんだけどよ、
 高校入って親に止められて趣味程度にしてたんだよな。けど、何考えてんだか知らないけ
ど、大学入ってまたマジでやりだしたみてえ。あんま俺たちとも会わないくらい、練習
してるぜよ。」
美作さんの言葉にあたしは驚く。確かに最近あんまり花沢類をみかけなかったけど・・。
知らなかった。だれより花沢類のそばにいたつもりのあたしは、ちょっぴりショックだった。
ただの友達なのに、こんな風に思うのはずうずうしいのかもしれないけど・・・。
「へえ・・じゃあ、おめでとうって言わなきゃね。」
8698cg:04/11/07 15:05:18 ID:4kc1Ir0Q
あたしは平静を装って言う。でも、つぎの西門さんの言葉には、冷静ではいられなくなった。
「で、入賞の副賞として、パリ留学できるらしいぜ。行くんかな、あいつ。花沢商事の後継
ぎが今さらよお、・・・」
続きの言葉が耳に入らないほど、あたしは心が痛くなる。パリ・・?静さんがいる・・?
あたしは、自分の勝手さに気がつく。
自分は花沢類じゃなくて、道明寺が好きで、NYに行くのに。
花沢類がパリに行くのを置いてかれるような気がするなんて、バカみたい。
花沢類が、ヴァイオリンに本気になって、認められたなら、それは祝福してあげるべきこと
なのに・・・。
8708cg:04/11/07 15:06:26 ID:4kc1Ir0Q
「お疲れさまでしたー。」
バイト先のファミレスを出る頃には、もう十時を回っていた。早く帰って期末テストの勉強しなくちゃ。卒業できなかったら、シャレにもなんない。
そう思いながら足を速めるあたしの目に、見覚えのある車が飛び込んできた。
「花沢類・・。」
見慣れたビー玉の瞳が、優しく微笑む。もう、見れなくなっちゃうのかな・・。
「久しぶり。送ってくよ。話もあるし。」
花沢類は、助手席を開けてくれながら言う。
話って、パリに行くことかな・・。あたしもNYに行くこと、話さなきゃ。
「うん。・・・」
シートベルトを閉めると、静かに車は走り出した。
花沢類の話を聞きたいような、聞きたくないような、・・気持ち。
しばらく走ってあたしは気が付く。
「え?花沢類、あたしんち、こっちじゃないよ。」
信号が赤に変わって、花沢類は車を停める。
「寄り道するけど、ちゃんと、家まで送るよ。・・ほんとはこのまま、連れ去っちゃいたい
けど。」
そう言ってあたしを見つめる花沢類の瞳は、怖いくらい真剣だった。
8718cg:04/11/07 15:07:21 ID:4kc1Ir0Q
あたしと道明寺が来たことなんて知らないはずなのに、車は海のそばの観覧車が見える駐車
場に滑り込む。
「コンクールのこと、美作さんたちから聞いた。・・・パリ、行くの?」
信号での言葉の意味を確かめるのが怖くて、あたしは他の事を尋ねる。
花沢類は、じっと窓の外を眺めている。この間道明寺と乗った観覧車は、オレンジ色にライ
トアップされている。
ゆっくりと回る観覧車の箱を、ぼんやりと数える。ひとつ、ふたつ、みっつ・・。
花沢類はふいに振り向くと、あたしの頬に触る。
そっと、顔を傾けながら近づいてくる花沢類に驚いて顔を背ける。
花沢類は、手をあたしの顎に移して顔を上に向ける。
「だ、だめだよ・・んっ・・。」
花沢類の唇が、あたしの言葉を塞ぐ。
あたしは両手で、花沢類の身体を押しのけようとする。
花沢類は、あたしの手をつかんで強く抱きよせながら、言った。
「俺がパリに行くことと、牧野がNYに行くのは、意味が違うよ。俺は静がいるから行くわ
けじゃない。俺が好きなのはあんただからね。」
花沢類・・・?あたしは花沢類の言葉に耳を疑う。
花沢類は、あたしと道明寺がうまくいってればそれでいいって、あたしが幸せなら笑ってい
られるならって、そう言ってたよね?だから、友達に戻れたんだよね・・?
8728cg:04/11/07 15:08:13 ID:4kc1Ir0Q
「あんたが司についてNYに行かなかったとき、司には悪いけど、俺嬉しかった。チャンス
到来だな、って。あんたが笑ってればいい。そう思ってるのは嘘じゃない。あんたが司の
そばで笑ってるんなら、あえて船を揺らすつもりはなかった。」
あたしは習ったばかりのコトバを思い出す。
Do not rock the boat now.・・・危険を承知で事を起こすな・・・
・・・じゃあ、どうして・・?
「あんたちの船は揺れっぱなしだったからね。やっと堂々と付き合えるようになって、つい
ていこうと思えばいけるのにいかないあんたに・・・卑怯かもしれないけど、まだ俺にも
チャンスあるのかも、って思った。」
あたしは、反論しようとする。あたしはちゃんと道明寺が好き、あの時ついていかなかったのは・・。でも、パリ行きを聞いて心が痛んだことが頭によぎる。あたし・・どこかでまだ
花沢類のことが・・?
8738cg:04/11/07 15:09:01 ID:4kc1Ir0Q
その時、車の外で、女の子の叫び声が聞こえた。何?
見ると、見るからに悪そうな男二人が、女の子を無理やり車に乗せようとしている。
あたしは、思わず車外に飛び出していた。
「ちょっと、あんたたち何してんのよっ。嫌がってるじゃん。」
ニット帽をかぶった男が笑いながら振り向く。
「こえ〜って、んなわけあるかよ。何?あんたも来るの?色気ねえけど、こっちも二人だし、
 あんたも来な。」
あたしの腕をぐっとひっぱる。
「何すんのよっ。あんたたちなんかと誰がっ・・」
「牧野を離せ。」
振り向くと花沢類が立っていた。いつもは優しい花沢類の顔が、怒りに燃えている。
「ああ〜?ナイト登場ってか?こっちは二人だぞ?BM乗ってる坊ちゃんは無理しないで
逃げな?男には用ないから。」
もう片方のガタイのいい男がからかうような口調で言う。
花沢類が、あたしの腕をつかんでる男を蹴り上げる。
8748cg:04/11/07 15:09:41 ID:4kc1Ir0Q
あたしはそのスキに、車の方へ、走る。車に連れ込まれそうになっていた女の子ももう一人
の男をつきとばして逃げていった。
「てめえ、ざけんなよ!」
ニット帽の男がポケットから何かを取り出す。・・ナイフ!?
「牧野、逃げろ!」
あたしは足が震えて立ちすくむ。やだ、怖いっ・・!
「逃げろ!あんたさえ無事ならこんなやつら・・」
あたしに気をとられた隙にニット帽が花沢類に切りかかる。花沢類が左手で、自分をかばう。
ぴしっ!花沢類が崩れ落ちる。
「花沢類!」
その時、さっきの女の子が警備員らしき人をひっぱってくるのが見えた。
「やべ。逃げるぞ。」
男たちは、車を急発進させて逃げていった。
8758cg:04/11/07 15:10:32 ID:4kc1Ir0Q
「花沢類、大丈夫?」
あたしは駆け寄って、怪我の場所を探す。
「大丈夫。手で、受けたから・・」
見ると、手首から手のひらにかけて、ざっくりと切れている。
どうしよう、どうしよう・・あたしは手で類の血を押さえながらがくがくと震える。
電話しなきゃ!ポケットからうまく携帯を出せない。
「大丈夫ですか!?」
さっきの女の子が、見かねて救急車を呼んでくれる。救急車が車での時間が、とても長く感
じる。
「ごめんね。ごめんね。花沢類、ごめんね・・・!」
あたしは壊れた器械のように、繰り返し謝る。
「あんたのせいじゃない。俺が油断してただけだから。」
そう言いながら、無理に笑う。
あたし、バカだ。何も考えずに飛び込んでいって・・。
8768cg:04/11/07 15:24:01 ID:4kc1Ir0Q
やっと到着した救急隊員が、手際よく止血していく。
車内に乗り込むなり、無線で病院を連絡をとっているのが聞こえてくる。
「ええ、すぐに手術が必要だと思われます。・・神経も切れているようなので。」
それを聞いたあたしは、大変なことに思い当たる。
「あ、あのっ。この人ヴァイオリン弾くんです。治りますよね?元通りになりますよね?」
すがるように、隊員の腕をつかんで、揺さぶる。
「自分は医師ではないので・・病院でお聞きください。」
隊員は困ったように目を逸らす。
花沢類は、痛みに顔をゆがめ、唇を噛みしめている。
もし・・もし、ヴァイオリンを弾けなくなったら、あたし、どうやって償ったらいいの!?
877158:04/11/07 15:56:04 ID:2zHUL3d0
わーいっ!8cgさんの新作だー!
8cgさんの書く、ポロッと本音を言う類が大好きなんですよ。
類がBM乗ってるってーのは、もしかして仔仔から?w
類の怪我、どーなるの?続き、激しくキボン!!
8788cg:04/11/07 18:27:08 ID:4kc1Ir0Q
花沢類の好きな花ってなんだろ。あたしは花屋の店先で涙ぐむ。
迷った末、NYであたしに買ってくれたチューリップとかすみ草を選んで、包んでもらう。
きっと今日も会ってもらえないけど、せめて花だけでも渡してもらおう。

七時間にも及ぶ手術の後、花沢類は家族以外の誰とも会ってくれない。
気持ちの整理がついていないから、ということらしい。
術後の経過は悪くはないものの、リハビリを頑張れば日常生活に支障ないぐらいには・・と
いうのが医師の見立てだ。
演奏者としてはもう・・。そう言って目を伏せた医師にあたしはつめよった。
もう一度、手術できないんですか、花沢類は留学するんです、リハビリを一生懸命すればヴァイオリンをもう一度・・!
医師は残念ですが、と首を振るばかりだった。
8798cg:04/11/07 18:27:59 ID:4kc1Ir0Q
あたしは、花沢類に会いたいと何度もご家族にお願いした。
初めて会う花沢類のお父様は優しそうな方だったけれど、会わせてはくれなかった。
「誤解しないでいただきたいんだが、類も私もあなたに怒っているというわけではないんだ。
あなたは類にとって大切な女性のようだ。・・だからこそ、今の自分を見せたくないのだ
と思う。今はそっとしておいてはもらえないかな・・。」
「せめて、謝らせてください。あたしが、考え無しに飛び出さなければ・・」
8808cg:04/11/07 18:28:57 ID:4kc1Ir0Q
花沢氏は、首をかしげて少し微笑む。あ・・花沢類の笑顔に似てる・・。
「男として、当然のことをしたまでだと類も私も思っているよ。もし困っている女性を助け
ずに逃げていたら私が類を許さなかったよ。君は正しいことをしたんだ。自分を責めな
くていい。」
「でもっ・・でも花・・類さんはもうヴァイオリンを・・。」
あたしは悲しくて最後まで言えない。
花沢氏は、小さく溜息をついたあと、こう言った。
「類がどうして急にまたヴァイオリンに情熱を燃やし出したのかは分からないがね・・。ど
ちらにしろ、花沢家の跡取をヴァイオリニストにするつもりはなかったよ。結局同じことだ。類もこれであきらめがつくといいのだが。・・・では失礼。」
遠ざかる大きな背中を見送りながら、あたしは心の中で叫ぶ。
違う、自分でヴァイオリニストへの道を歩まないことと、こんなふうに道を絶たれることは、
全然違う!
8818cg:04/11/07 18:30:07 ID:4kc1Ir0Q
面会謝絶、と書かれたプレートの前であたしは立ちすくむ。
・・中から、女性の声がする。・・・誰?
すっとドアが開いて、中から現われた人を見てあたしは驚いた。
「・・・静さん・・」
久しぶりに会う静さんは、ますます美しさに磨きをかけていた。
柔らかにウェーブを描きながら肩に揺れる髪、透き通るような肌・・・。
見つめられると吸い込まれそうな瞳が、少し潤んでいる。
「あら・・牧野さん・・。」
そっとドアを後ろ手に閉めると、小声でささやく。
「最上階に、レストランがあるの。そこで話しましょう。」
あたしには会ってくれないのに、静さんとは・・・あたしはたまらない気持ちになった。

VIPだけが入院することができる、というこの病院だけあって、最上階のレストランは
言われなければ病院内だと思えないほどの落ち着く空間だった。
静さんは、ティーカップをかちゃりと置くと、何から話そうかしら、と呟いた。
882名無しさん@ピンキー:04/11/07 19:16:23 ID:UPp12nZF
つ…続きがぁぁぁ!!
8838cg:04/11/07 21:29:05 ID:4kc1Ir0Q
「高校に入るまでの類は、国内にはもうライバルがいないような腕前だったわ。」
静さんは、懐かしむような目で言う。
「ウィーンのジュニアコンクールでも、一位だったのよ。でも、高校に入ってすぐのコンク
ールでなんと年下の日本人に負けちゃったの。」
あたしの知らない花沢類の過去に複雑な思いがする。そんなに、すごかったんだ・・。
「相手はフツウの家の子でね、楽器も安物、師事してる先生も普通・・彼、類にこう言った
そうよ。坊ちゃんの余技に負けるわけにいきませんから。どうせ社長の椅子が待ってるん
でしょう。いいですね、遊びでストラヴァリ持てて。・・それからね、コンクールに出な
くなったし、趣味程度にしか弾かなくなったのは。」
あたしは見たことのないその相手に腹が立つ。
普通の家に生まれたくて生まれたんじゃないのと同じように、花沢類や、道明寺も家を選ん
で生まれたわけじゃないのに・・。
8848cg:04/11/07 21:29:59 ID:4kc1Ir0Q
静さんは、記憶の糸をたぐりながら続ける。
「類はね、ああいう性格でしょう、別に負けたことがくやしくて・・とかいうんじゃなかっ
たと思うの。ただ・・説明するのが難しいんだけど、お父様たちに逆らってまでそっちに
進む・・なんていうのかしら、何かが足りなかったのね、その時は・・。」
あたしは、音楽室でヴァイオリンを弾いていた花沢類を思い出す。
いつも弾いているエチュード・・いつもどこか悲しみが漂っていた気がする・・。
「どうして大学に入ってから、また真剣に始めたんですか?」
あたしはあの日本人に聞けなかったことを静さんに尋ねる。
静さんは、話そうかどうしようか迷うように、視線をさまよわせる。
「理由を聞くと、牧野さん、辛いかもしれないわよ・・?」
あたしは、胸の奥が痛くなる。あたしが辛くなる理由・・?
8858cg:04/11/07 21:30:52 ID:4kc1Ir0Q
「類はね、司に感心してた。あんなに好き勝手言ってたのに、いざとなったら腹くくってN
Yに行って・・ちゃんと運命を受け止めようとしているって。自分は、運命に逆らう勇気
も、受け止める勇気もないって。・・・こんなんじゃ、あなたが司に惹かれるのは当たり
前だって言ってたわ。」
花沢類の笑顔が浮かぶ・・会いたい・・。
「類、どちらの勇気を持つか、悩んで・・決めたそうよ。運命に逆らう方を。・・あなたの
 事も考えてたわ。私にこう聞いたの。静、牧野が司と結婚して、うまくやっていけると思
うかいって。俺はどんなに司が牧野を大事にしても、それは牧野らしくない人生になる気
がするよ、って言ってた。」
花沢類は、いつもいつもあたしを心配してくれてるんだな・・そんな花沢類を不幸にした自
分がたまらなく嫌になる・・。
「それは、花沢家に嫁いでも、同じじゃない、って訊いたの。そしたらね・・」
静さんは哀しげに笑う。
だからだよ、だから俺、運命に逆らおうと思うんだ・・。
8868cg:04/11/07 21:31:57 ID:4kc1Ir0Q
「あなたがあの時NYについていってたら、あの決心はなかったと思うの。牧野さんが幸せ
 なら壊す気はない、そう言ってたから・・。でも、あなたは行かなかった。もしかしてま
だ、間に合うのかもしれない・・。類あの時こう思ったんですって。今までいろんな事を
諦めてきた・・いや、戦おうとすらしなかった。でも、あなたの・・・強さを見て、この
まま諦め続ける人生は嫌だって・・。」
あたしはその言葉を聞いて、涙を堪えられなくなる。
そんな決心のもとに、新たな道を歩き出してくれたのに、あたしがその道を閉ざしちゃった
んだ・・!
887名無しさん@ピンキー:04/11/08 06:07:30 ID:ffcqZHTM
きゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!続きが!!!!
気になって何も手につかないーΣ(゜□゜;)
8888cg:04/11/08 11:32:04 ID:zxaWbQ5J
あたしはぐるぐると冬の街を歩いた。
周りの人たちが、楽しそうに話しながら歩いているのを見て、訳も無く腹が立つ。
花沢類が、あんなに辛い思いをしてるのに、なんにも変わらずに世界は動いている。
みんなみんな幸せそうなのに、どうして花沢類だけが、こんな目に?
頬を伝う涙を、北風がぴりぴりと痛ませる。
誰か、もっとあたしを責めて。お前のせいだと。
誰か、あたしに言って。お前だけが幸せになるなんて、許されないと。
8898cg:04/11/08 11:32:48 ID:zxaWbQ5J
重い足取りでアパートに戻ると、二通の手紙が届いていた。
一通は、道明寺から。もう一つは・・花沢類から。
あたしはどちらから開けるか、迷う。どちらからのメッセージを開けるのも、怖い。
世界で一番大切な人たちなのに・・。
道明寺からの大きな封筒を開ける。中には、パンフレットがいくつか入っていた。
メモに小さな走り書きがある。
「最近電話通じねえけど、なんかあったか。何時でもいいから、電話してこい。
それと、春から通うのによさそうな、語学学校のパンフを集めさせた。秋から大学に行く
準備もできる学校にしといた。金のことは気にすんな。
早く会いてえ。手紙なんか初めて書いた。光栄に思え。  司」
8908cg:04/11/08 11:33:27 ID:zxaWbQ5J
道明寺が、耳元で話しているような錯覚に襲われる。
メモを握り締める手に、涙が落ちる。道明寺・・・。
あたしもNYに行く、アパートの前でそう言ったときの道明寺の顔が浮かぶ。
子供みたいに、やりーってガッツポーズしたあと、抱きしめられた。
「お前から、俺に来てくれるって、初めてじゃねえ?」
「く、苦しいよ、息ができな・・」
「離さねえ、絶対。このまま連れて帰ろっかな。」
あたしを肩に担ぎ上げて、ぐるぐる回しながら言った。
「ば、ばかっ、下ろしてよっ、あたしスカートだよっ!」
あれが、ほんの1か月前のことだなんて、信じられない。
あのとき、道明寺の言う通りついて行ってたら、運命は違ってたの・・?
8918cg:04/11/08 11:34:09 ID:zxaWbQ5J
花沢類からの、封筒を手にする。
薄いブルーの封筒に、流れるような文字が書いてある。
開けるのが、怖い・・。
あたしは震える手で、レターオープナーを走らせる。

牧野

何度も来てくれたのに、会えなくてごめん。牧野がどんなに心配してるかと思うと、胸が痛
むよ。会って大丈夫だと言いたいのに、牧野を抱きしめて慰めたいのに、今はできない。
自分がすごく歯がゆいよ。ごめん。
8928cg:04/11/08 11:34:48 ID:zxaWbQ5J
気がついてるかもしれないけど、あの日俺は、牧野に気持ちを伝えるつもりだった。
NYに行かないでくれと、俺の事を見て欲しいと、言うつもりだった。
牧野、俺はね、ずっと自分のことを好きになれなかったんだ。
昔、あんたに背中を押されてパリに行ったことがあるね。
静と暮らして、俺は二つのことに気がついたんだ。一つは、俺の静に対する気持ちは、恋愛
とは違うこと。もちろん今も昔も大切な存在だけどね。
もう一つは、自分がどんなにからっぽか、という事だった。
夢に向かって頑張っている静を部屋で待っているだけの、子供だった。
8938cg:04/11/08 11:35:35 ID:zxaWbQ5J
静は聡明な女性だけど、やっぱり苦労もしていたよ。
そんなに辛いなら、日本に帰ればいいのにと思うこともあるほどだった。
でも静は、言ってたよ。
「簡単に夢が叶ったりしたら、つまらないわ。それに、簡単に諦められるなら、そんなの夢
じゃない。私は、一度踏み出した道を後悔したりしたくないの。私を思ってくれるなら、
逃げ道じゃなくて、抜け道を考えて?」
俺は、自分が情けなくなったよ。ヴァイオリンのことをあっさりと諦めたことも、他の道を
探そうともしなかったことも。
牧野のことも、そうだね。正直に言うよ。何度も何度も、俺の方に来いって言いたかった。
でも、言えなかったのは多分、司への遠慮じゃなくて、自分に自信がなかったからなんだ。
俺の方が幸せにする、そう言える自信が無かった。
8948cg:04/11/08 11:36:08 ID:zxaWbQ5J
だから、あんたを支えるなんて言葉で自分を納得させて、それ以上は望まないように自分に
ブレーキをかけていたんだ。
だけど、あんたがNYに行かないと決めたとき、俺はもう一度自分に問い掛けたんだ。
それでいいのか、って。
このまま司を待つあんたを支えるだけで、本当に後悔しないのかと。
答えはNOだった。どんなに自分を騙しても、牧野を見守るんじゃなく、牧野と歩きたいと
思った。
でも、それには今のままの自分じゃ駄目だと思ったんだ。
何があっても負けないあんたを包めるほど、大きな存在になりたくなったんだ。
俺が歩くべき道はどちらか考えたよ。司と同じように自分に定められた道を行くのか、ヴァ
イオリンを選ぶのか。
今となっては、道は一つになってしまったけど。
8958cg:04/11/08 11:36:42 ID:zxaWbQ5J
牧野、牧野の夢はなんだい?ごたごたしてばかりで、そんなこと考える暇もなかったかもし
れないな。
俺はもう牧野に自分を見てくれと言えない。
今は、自分を支えるので精一杯だ。とりあえず自分で自分のことができるようになるように
リハビリを頑張るよ。
牧野がNYで司といるだけじゃなく、自分の夢を見つけられることを、祈っているよ。
牧野のことだから、自分のせいだと自分を責めているんだろうな。
あんたがこの事で悲しんだり、自分が幸せになることを躊躇したりしたら、その方が俺は辛
いよ。あんたを自分で幸せにできないだけじゃなくて、不幸してしまったりしたら、何より
苦しい。
いつも、俺が好きな、笑顔の牧野でいて欲しいよ。
8968cg:04/11/08 11:37:16 ID:zxaWbQ5J
花、ありがとう。俺があげたのと同じ花だね。覚えていてくれたこと、嬉しいよ。
でも、もう来ないで欲しい。
牧野に今の自分を見られたくないんだ。会ったら引き止めたくなっちゃうかもしれないしね。
ちょっと一人でじたばたしてみるよ。
会える自信がついたら、会いに行くよ。その日まで、ちょっとお別れだね。
NYのアパートの鍵を渡しておくよ。好きにつかっていいから。
じゃあまた。                  類
897名無しさん@ピンキー:04/11/08 18:50:00 ID:dvcP5MEp
うーん 続きが気になる!!
8988cg:04/11/08 18:57:16 ID:zxaWbQ5J
この一ヶ月、あたしは道明寺に事件のことを話せなかった。
とりあえず花沢類に会って、ケガの後遺症のことも知ってから・・自分に言い訳しながら、ずるずると話さずに今日まで来てしまった。
花沢類からの手紙を何度も読み返す。
今の自分を見られたくないという花沢類に、会いたいというのは、残酷なのかな。
花沢類を今度はあたしがそばで支えたい・・そう思うのは、迷惑なのかな・・。
リハビリは、親しい人の支えがないと難しいと聞いた。
静さんが、支えるのかしら。・・そう考えて、自分の胸がちくりと痛んだことに気づく。
あたしのせいだもの、あたしが支えたい。
そう自分を納得させた。この時のあたしは、自分の胸の奥にある、もう一つの気持ちには気
がつかないフリをした・・。
8998cg:04/11/08 18:58:01 ID:zxaWbQ5J
「ちょっと待て。なんでそうなるんだ?」
分かってはいたけど、電話の向こうの道明寺は今まで聞いたどんな時より怒ってる。
あたしは、手の平の上にある、道明寺の写真を指でなぞる。
「だから・・せめて日常生活に支障がなくなるくらいまでは・・あたしが側に・・」
「類はなんつってんだ?」
道明寺が鋭く訊く。
「・・NYに行け、って・・。病院には来るなって言ってる。あたしが勝手に・・・」
花沢類が望んでいるように誤解されたくたくて、あたしは言い募る。
「大体お前、そんな時間にそんなトコで類と何してた。」
どきり、と胸が痛む。そんなことを訊かれると思ってなかった・・。
「バイトの帰りに、迎えに来てくれてて、話があるって・・あ、パリに行くことだったと思
うんだけど、話の前に事件が起こっちゃったし・・」
9008cg:04/11/08 18:58:39 ID:zxaWbQ5J
ふうっと、電話の向こうで溜息が聞こえる。
「お前は、昔から鈍感・・っつーか、無神経だよな。まず、そんな話昼間でもできるだろ。
 お前、俺の気持ち考えたことあんのか。会いてえのに、離れて暮らしててよ、昔お前が好
きだった男が側にいるんだぞ。・・気にならねえと思うか?お前を信じてえと思ってても、
やっぱ二人で会ったりしてるじゃねえか。」
あたしは何も言い返せなくて、唇を噛む。
「あたしが好きなのは、道明寺だよ・・?」
今こういうことを言うのは卑怯なのかもしれない。でも、言わずにはいられなかった。
「じゃあNYにすぐ来い。俺のためだけじゃねえ。類も、お前に同情されながら看病されて
 嬉しいと思うか?お前、少しは人の気持ち考えろ。」
9018cg:04/11/08 18:59:22 ID:zxaWbQ5J
道明寺の言葉がいちいちもっともな気がして、あたしは何も言えない。
「いいな。来なかったら、マジで俺とは終わりだと思え。」
あたしの返事を待たずに、電話は切れた。怒られる、とは思ってたけど、ここまでとは思わ
なかった・・。
今まで何度もあたしから道明寺に別れを告げたことはあったけど、道明寺があたしを見切る
ような事を言ったのは、初めてだ・・。
昔、無人島への船の上で、類の方が俺より幸せにすると思う、と言われた。でもあの時は魔
女の反対があって・・。
泣いてもなんにも解決しない、と思うのに、涙が止まらない。
時間が戻ったら・・!あの日に戻れるなら、何でもするのに・・!。
神様・・あたしにどんな罰を与えてもいいから、花沢類にヴァイオリンを返して・・!
902名無しさん@ピンキー:04/11/09 00:26:46 ID:pmHEPb/W
。・゚゚・(>_<;)・゚゚・。
9038cg:04/11/09 18:59:47 ID:3Ct6o21I
僭越ながら、サイトオープン致しました!
ttp://www.geocities.jp/novel_8cg/index.html
今日一日中これにかかりきりで、まだこの続きは書いてないのですが・・。
よろしかったら遊びに来てくださいませ。
ではでは。
904名無しさん@ピンキー:04/11/09 20:40:20 ID:b2XlNQ1u
おめでとうございます。早速行って来ます。
905名無しさん@ピンキー:04/11/09 22:57:18 ID:im4LaEeB
ケータイのあたしは、もう8cgさんの花男を拝見することはできないんでしょーか……



(´・ω・`)φ゛
906名無しさん@ピンキー:04/11/10 01:19:01 ID:YEvcsOib
ケータイでも見れるんですね。
逝ってきます!
9078cg:04/11/10 18:51:59 ID:T7Se5rHV
すみません・・本当にすみませんが、ただいま工事中です!復活したら、またお知らせいたします。
来てくださった方、申し訳ございません・・。
9088cg:04/11/10 20:36:17 ID:T7Se5rHV
なんとか復活いたしました。お騒がせいたしました・・。
909名無しさん@ピンキー:04/11/11 14:43:00 ID:UWwhTXUr
逢いたい。その口実で俺は牧野を映画に誘った。

「花沢類と映画なんて初めてだね。」 牧野が声を弾ませて言う。
「ああ、そうだっけ?ちょうどチケットが二枚あったし、あんたこう言うの
好きそうだから。」
「うん。さすが花沢類。よくわかってる。」満足そうに牧野が言う。
土曜だけあってさすがに映画館は混んでいた。シートに座ると牧野がコーヒーを
差し出しながらくすくす笑う。「何?」 「ん?いや、花沢類ってこんな人込み苦手でしょ?
なのに映画だなんて。しかもアクション映画。意外で」 「俺だってたまには映画館くらい来るよ」 「一人で?」 「あぁ。その方が気楽だし。」 「じゃ、今日もあたしは邪魔?」
「牧野は特別。」 「口がうまいんだからっ。」 
俺達は、手を繋いで暫くそんな掛け合いを楽しんでいた。(本当の目的は映画じゃなくて別の所にあるんだけどね)

910名無しさん@ピンキー:04/11/11 14:49:00 ID:UWwhTXUr
映時間が来ると、牧野はポップコーンをつまみながら映画に見入っている。
くるくると変わる表情。面白い奴。暫くそんな牧野を眺めていたけど。ふと、気付く。
もしかして俺忘れられてる? 一時間位上たった頃だろうか。だんだん退屈になってきた俺は、ある事を思いついた。
思いつくと言うより、最初からそれが目的だったんだけど。
俺は繋いだ手をスルリと離すと牧野の肩に腕をまわした。
「ひゃっ。」牧野が驚いて飛び上がる。 「牧野、ここ映画館。」 周りの奴の視線が一斉に集まった。「ご、ごめんなさい」そう言うと牧野は慌てて腰を下ろす。
「ちょっと、花沢類っ」 「あ?あーごめん。牧野、俺眠い。肩かして・・・」 「花沢類、あんたってこんな騒々しい所でも眠れる訳?」「うん。俺、睡魔と性欲には勝てないから」
「性欲って・・・ば、ばか。こんな所で何てこと言うのよ」 「牧野、ちょっと静かにして。俺もう・・・」そう言って牧野の肩に凭れるフリをして耳に息を吹きかけた。
「・・・・・・・っ!」ビクッっと肩が反応する。あれ?感じちゃった?そう聞きながら耳朶に舌を這わす。 「や、やめて」 「やだ、やめない。だって牧野感じちゃってるじゃん」 
「か、感じてなんか・・・」 「感じてない?ホントに?」  
そう言いながら、肩に回した右腕でニットの上から胸をさする。それに反応するように牧野の胸に小さな蕾が浮き出たのを俺は見逃さなかった。
911名無しさん@ピンキー:04/11/11 14:54:14 ID:UWwhTXUr
×映時間
○上映時間
×位上
○以上
ですた(´Д`)
9128cg:04/11/11 15:33:34 ID:/N4Hn+3Z
>911様、お話の途中でお邪魔します。
 私の大好きな類くんが、エッチですね!続き、期待してますね!

>905様、906様
携帯から、見れたでしょうか・・?私のiモードからは、文字化けしてるのですが・・。
見れてなかったら、ごめんなさい・・せっかく来てくださったのに・・。
今はちょっとまだばたばたしていて無理なのですが、落ち着いたら携帯からも見れる
ように頑張りますね。
パソ、ほんとに初心者で、(それが証拠に昨日消した訳ですが)もしできなかったら
本当にごめんなさい・・。

913名無しさん@ピンキー:04/11/11 18:48:23 ID:bO05c392
きゃー花沢類が大胆でえっちぃw
続きが気になりますー!
914905=906:04/11/11 23:06:50 ID:K3ePEMsM
>8cgさん
ケータイでお邪魔してますよ!不便もぜんぜん無いです。
あいかわらず道明寺ラブなあたしですが、類にあんなに一途に愛されるつくしを羨ましく思うのは、あたしが浮気性なのではなく8cgさんの力がなせる魔力とゆーか…
つまり、大好きなので頑張ってください!
9158cg:04/11/12 12:58:10 ID:c0zMjZJT
>914様
良かったです〜。今までのお話も順次UPしていきますので、遊びに来て下さいね!
916911:04/11/12 19:11:06 ID:l5yZML8X
8cgさん こちらこそ途中で割り込むような形になってしまい
すみません。8cgさんの作品いつも楽しみに読ませていただいています。
今回の超大作も結末が気になります。個人的には類ファンなのですが
道明寺とくっついて欲しい気もします。欲張りですかね?w

>>913さん
そう言って頂けると嬉しいです。続きを書いてはみた物の、
花沢類のエロが暴走して止められそうにありませんw 
取り敢えず修正しつつ筆を進めたいと思います。
 
917名無しさん@ピンキー:04/11/12 19:13:34 ID:l5yZML8X

「牧野?コレ何?」 俺はその蕾を指でつまみ上げる。「ふっ。んんっ。」
恥ずかしげにうつむきながら首を横に振る牧野。ほんと、苛めがいの
ある奴。反応を楽しみながら指の動きを早めていくと、牧野の、声に
ならない吐息を感じた。そして、強く掴まれた俺の左脚に立てられた爪で
小さな絶頂に達した事を知る。

「イッた?」意地悪く聞いてみる。「は、花沢類のばか。」牧野、涙目に
なってる。そんな顔見せられるともっと苛めたくなっちゃうんだけど。
「可愛かったよ。」 「もうっ 知らない」 「ごめん・・・」
この腕からは開放してあげるよ。そう言うと牧野は少しホッとした
表情を見せた。
でもね。牧野、お楽しみはこれからだよ。俺の中のいたづらな小悪魔が
顔を覗かせる。くすっ。
918名無しさん@ピンキー:04/11/12 19:21:51 ID:l5yZML8X
腕を解いても警戒心からか牧野はなかなか手を繋ごうとしない。
映画にも集中出来ないようだった。ふぅ。仕方ないな。
俺の右手が空いてるって事は、物凄〜く危険だって気付いてないだろ?
でも、先ずそれには牧野のガードを解かなくては・・・。
取り敢えず、牧野の肩に凭れ、寝たふりをしてみる。暫く様子を伺って
いたけど俺が眠ったと思ったのか、安心してスクリーンに目をやった。
牧野、油断大敵って言葉知ってる? 
俺は隙を見てほっそりとした脚に手を伸ばした。突然の事に牧野が驚いて
目を丸めこっちを見ている。 「花沢類ぃぃぃっ」 「え?俺なんかした?」
「その手」 「わりぃ。手冷たくて眠れないから牧野に暖めて貰おうと
思って」 「あのねぇ」 「駄目?」 「だ、駄目とかそう言う問題じゃ
なくて・・・」 「ならいいじゃん 俺のことは気にしなくていいから。」
「う〜〜〜〜っ」 そんな恨めしそうな顔したって無駄な事を牧野は
まだ知らない・・・。
919名無しさん@ピンキー:04/11/12 23:45:47 ID:WS6nEPBW
類のエロ暴走。。。見たいです!!!!
920名無しさん@ピンキー:04/11/13 00:24:33 ID:6nfUpXFj
ルイルイ サイコー!!
921名無しさん@ピンキー:04/11/13 02:31:39 ID:VdjMy5Ka
「くすっ」がツボりました。ルイがカバ丸に思えた・・・若い人にはわかんないか。くすっ
922名無しさん@ピンキー:04/11/14 09:21:31 ID:TtKsy2uw

「牧野、黙って前見てて。でないと怪しまれちゃうよ?」
そう言って俺は牧野の脚を中指でなぞり往復させる。
何度も、何度も・・・。
そうしているうちに硬く閉じられていた牧野の膝が徐々に開いていくのに
気付いた。 牧野・・・・・? 牧野のその行動が無意識なのか故意なのか
それは俺にも分からない。ただ、それが俺の中にある何かに火を点けたのは
確かだった。少し膝を割り内腿に手を伸ばすと柔らかな
その感触を味わう。
「だ、だめ・・・ 誰かに・・・み、見られ・・・ちゃ・・・」
押し殺した牧野の声。そんな声出すなよ・・・。やっとのことで
保っている理性の糸が切れるだろ。
923名無しさん@ピンキー:04/11/14 09:22:29 ID:TtKsy2uw

ゆっくりとしたその動きにあたしはもどかしさを感じる。
一番触って欲しい所に花沢類は触れようとしない。
こんな場所でされている、恥ずかしい行為の筈なのに、
それさえも忘れさせてしまうような感覚・・・・。
なんて細くて綺麗な指・・・。

あたしは、知らないうちに花沢類の指の動きを追ってしまう・・・。
そして何よりもそれを求めている自分に気付く。
全神経が花沢類に触れられた部分に集中し他の感覚は全て無くして
しまったかの様な錯覚。
映画の大音量さえも耳には届かない。
あたしの感覚を無視する様に花沢類はその動きを止めようとはしない。
花沢類、あたしもうっ・・・。
そしてあたしは二度目の絶頂に達した。
924名無しさん@ピンキー:04/11/14 09:23:58 ID:TtKsy2uw

牧野が必死で声を抑えている、そのしぐさがたまらなく愛しい。
俺は牧野の手を取り唇を寄せる。そしてゆっくりとその手を膝に
戻すと、敏感な部分に触れ下着の上からクレバスをなぞる。
一瞬牧野の甘い声が漏れた。
「んっ・・・。」 しかし、俺はその声を無視するかのように
刺激を続ける。そして、これ以上の快感を拒むような牧野の腕を
押さえ、下着の中に指を滑り込ませた。ほら、やっぱり
こんなに濡れてる・・・
それを確認すると、指を差し入れゆっくりとスロートさせ牧野の中の
一番敏感な場所を探そうと二本の指を動かす。
「やめ・・・花沢る・・・周りのひと・・・に・・音、聞こえ・・・」
牧野の声が途切れ途切れに聞こえて来る。
「イキたかったら イってもいいよ?」牧野の耳に囁くと
牧野は大きくかぶりを振った。何でこんな時にも意地を張るかなぁ・・・


925名無しさん@ピンキー:04/11/14 09:29:26 ID:TtKsy2uw

そう、じゃあ・・・。そう言って俺は、クレバスの間の敏感な花芯を
親指で刺激しながら指の動きを早めると秘唇からは更に蜜が溢れ出し、
ただでさえ狭い場所が俺の指を締め付ける。牧野は声を抑えようと
手の甲で必死に口元を押さえていたが僅かに声が漏れた。

「いや・・・あっ・・はあっ・・・もう、お・・・ねがい・・」

次の瞬間、牧野は俺のシャツを強く掴んで、そして、果てた。
暗い映画館の中でスクリーンの光が牧野の顔を照らし出す。
俺はその美しさに思わず息をのんだ・・・
926名無しさん@ピンキー:04/11/14 10:22:58 ID:TtKsy2uw
取り敢えず、ここまでupしておきます。続きがあるにはあるのですが。
そして類ファンの皆さま、誠に申し訳ありません。
王子様だった類が、その・・・・エロエロ大魔王に変貌を・・・
この場をお借りしてお詫び申し上げます

>>921さま、カバ丸・・・解りませぬ orz ちょっとググってみます
927名無しさん@ピンキー:04/11/14 18:39:04 ID:9PueT5L0
>>926さんgoodjob!
エロエロ大魔王wさいこーです。
類ファンを代表してお礼を申し上げます。
続きも見てみたいな、なんて。
9288cg:04/11/15 11:06:33 ID:WrKu5PIn
>>926さまGJ!!です。私も類ファンですが、エチーな類、ごちそうさまでした!
続き、激しくキボン!
929名無しさん@ピンキー:04/11/15 13:02:23 ID:ChXt1hLo
あたしも続き激しくキボン!!
930名無しさん@ピンキー:04/11/15 19:18:42 ID:6Ib0b6PD

気がつけば映画は終わっていて、花沢類が心配そうにあたしの顔を
覗き込んでいた。

「・・・大丈夫・・?ごめん、ちょっとやりすぎた・・・」
「し、知らないっ」あたしはそっぽを向いて頬をふくらませる。
「くっくっくっ、取り敢えず出ようか?」
そう促され映画館を出た所で、花沢類があたしに信じられない
一言を言った。

「牧野、下着脱いでおいで。」
931名無しさん@ピンキー:04/11/15 19:20:01 ID:6Ib0b6PD

「や、ややややだ。花沢類、な、な、何言い出すのよっ!そっ、そんな事
出来る訳ないでしょっ。それに・・・」
「かっ、かっ、かっ、換えの下着もないし、ぜっ〜〜〜ったい無理っ!」
あたしは精一杯の抵抗をしてみせる。ノーパンで街なんか歩けないわよっ!!!
「ふぅん・・・。でもさ、下着、そんなに濡らしちゃって冷たくない?」
「こ、これはあんたがっ・・・」そう言いかけて止める。
今更ながら、あの行為を思い出し自分でも顔が赤くなるのが解った。
「俺が・・・?」 「いいから、脱いでおいで。そしたら、俺好みの
ランジェリー、牧野にプレゼントしてあげるよ」
そう言うと花沢類はあたしの額に軽くキスをした。いつになく
意地悪な、花沢類の優しいキス・・・。
「ここで待ってるから行っておいで。」そんなにこやかな顔で・・・ 
・・・あたしは花沢類の言いなりになるしかなかった・・・・

932名無しさん@ピンキー:04/11/15 19:22:45 ID:6Ib0b6PD

はぁ。なんでこんな事になっちゃうの・・・
自己嫌悪に陥るあたしとは対照的に花沢類はご機嫌だ。
外に出ると頬を切る冷たい風にあたしは首をすくめる。 「寒〜い」
 「・・・牧野。」花沢類があたしに手を差し出した。

ああ。あたしは花沢類のこういう何気ない優しさが好き・・・
それからあたし達は手を繋いで歩いた。
「あっ、あの。花沢類・・・もうちょっとゆっくり歩いてくれると
嬉しいんだけど。」
「悪い、ちょっと歩くの早かった・・・?」
「えと、あの、そうじゃなくて・・・。その・・」
「あのね、ああっもう! 下着、穿いてないから、大股で歩くと
その・・・見えちゃいそうで・・・。」
「くくくっ・・・。」 
(花沢類、もしかしてわざと!?)
「でさ、牧野今どんな気分?」 
「どっ、どんな気分って・・・その、、、」「恥ずかしいし、さっ、寒いから
あたし・・・」
「ん?」 花沢類が小首をかしげる。
「あたし、その・・もっ、もう帰るね?」そう言って踵を返した次の瞬間・・・
花沢類があたしの腕を強く掴んだ。

933名無しさん@ピンキー:04/11/15 19:25:52 ID:6Ib0b6PD
「いやだね。帰さないよ。」 
さっきとは全く違う雰囲気にあたしの身が竦む。さっきまでの花沢類とは
別人のようだった。
「やっ、離して! あたし、もう帰る。」
「牧野!」 花沢類は半ば強引にあたしを路地裏に引きずり込んだ。

     ―――― 怖い ――――

逃げようにも、足が竦んで動けない。もう駄目だ・・・。そう思った瞬間、
花沢類の甘い香りがあたしを包んだ。
「 花沢類・・・?」

934名無しさん@ピンキー:04/11/15 19:27:32 ID:6Ib0b6PD

「お願いだから帰るだなんて言わないで・・・」
後ろから優しく抱きしめる花沢類の腕を、あたしは振り解けない。

「牧野・・・」 あたしの首筋に紅い痣を残して冷たい唇が首筋を這う・・・。
吐く息が白くなるほど寒い筈なのに自分の躯が熱を帯びて行くのが
手に取るように解る。

「牧野・・・、今夜は俺の傍にいて・・・」
「いや・・・離・・して・・・」
935名無しさん@ピンキー:04/11/15 19:29:05 ID:6Ib0b6PD

「ほんとに嫌なの? ここはもうこんなになっているのに?」
強引にニットの中に手を入れ 胸を揉みしだき膨らんだ胸の蕾を
摘む。
「止めて・・・いやぁっ・・・あっ・・あぁぁぁっ」
花沢類を拒む言葉とは裏腹に、あたしの躯はそれを求めている。

「そんなに嫌なら、俺を止めてみせなよ」 

花沢類が冷たく言い放つ。 そんなこと、出来るはずがなかった。
何よりそれを望んでいるのはあたしだったから。

―――そしてあたしは、花沢類の手に堕ちた―――
936名無しさん@ピンキー:04/11/15 19:38:34 ID:6Ib0b6PD
やたら長くてすみません。続きは、夜中か朝方にupする予定です。
937名無しさん@ピンキー:04/11/16 08:07:53 ID:wUoHm7bR
続きまだかなぁ?
938名無しさん@ピンキー:04/11/16 14:17:30 ID:rfOQcVc2
続き待ってまーす!!
939sage:04/11/16 15:44:19 ID:2yUQ76Zx
もうすぐかな〜 まだかな〜
ヾ(^∇^){早く読みたいでーす☆
940名無しさん@ピンキー:04/11/17 15:34:37 ID:CVBPrwBr

「牧野・・・」 愛しい女の名前を呼ぶ。 どんなに抗われても
俺はこの手を止めるつもりはなかった。
敏感な牧野の躯は、嫌がる言葉とは正反対の反応を示す。
当然だよな。俺がそう仕込んだんだから・・・
牧野の胸の蕾を摘み揉みしだくと壁に手を付かせ、腰を突き出させる。
「牧野、下着付けてないから丸見えだよ?」 俺は司にさえ見せた事はないで
あろう牧野のその淫らな姿を見て楽しんだ。
「やっ・・・恥ずかしいから見ないで・・・」 
「こっち向いて、牧野がどんな顔してるか見せて?」
多分羞恥心いっぱいの顔なんだろうな・・・。
もっと優しくしてやりたいのに自分で自分を止める事が出来ない。
情けないよな、俺。女に対してこんなに余裕がないのは初めての経験で
どうしたらいいか自分でも解らないんだ。    
多分、牧野の中の司の存在がそうさせているのかもしれないな・・・。
941名無しさん@ピンキー:04/11/17 15:35:42 ID:CVBPrwBr

「花沢類・・・あたし・・・もう、これ以上は・・・」
 牧野のかすれた声が理性をそそのかす。 ・・・俺はもう限界だった。
何の前触れもなく牧野のそこに熱いたかまりを深く差し入れると、
牧野はすぐに絶頂に達したようだった。
けれど俺のたかまりは治まることを知らない。 
「牧野、まだ挿れたばかりなのにもうイッたの?」「しょうがないな・・・
でももう少し俺に付き合ってもらうよ?」
そう言って牧野の花芯を弄びゆっくりと抽送を繰り返す。

「んっ、あぁん・・・・はっ・・あっ・・・あぁぁっ」
「あっ・・ふっ・・・んっ・・んんんっ・・・」「花・・沢・・る・い・・・
もっと・・・」 ゆるゆるとした俺の動きに耐えられなくなったのか牧野が
ねだる様な声を出す。
「もっと何?」解りきっているのに、俺はわざと牧野に答えを求める。
俺ってこんなサディスティックな性格だった?
942名無しさん@ピンキー:04/11/17 15:37:12 ID:CVBPrwBr

「牧野、俺にどうして欲しいの?」 俺は腰の動きを止めた。
「言わなきゃ解らないよ?」「牧野・・・?」
牧野は恥ずかしげに首を振るばかりで、答えようとはしない。
「そう。じゃあ仕方ないな。今日はここまでだね。」
「やっ、待って・・・お願い・・・花沢・・類が・・・花沢類が欲しいの・・
もっと・・奥まで・・・・」 あたしは自分がどんなにはしたないおねだりを
しているのかよく解っている。でも、もう止められない。
花沢類によって植えつけられた快楽の種はすでに芽吹いてしまったのだから。

「牧野・・・可愛いよ。」俺は牧野のニットをたくし上げ腰から背中に
かけてゆっくり舌を這わせた。何度も、何度も・・・。その度に
牧野の締め付けがきつくなる。そして、牧野の望むとおりに
激しく腰を突き上げた。その間も、蕾を弄ぶ手を休める事はない。
943名無しさん@ピンキー:04/11/17 15:38:09 ID:CVBPrwBr

「あっ、やぁぁ・・・そんなに激しく・・る・・・い・・・っんっ・・
んんっ・・・あっ・・あぁぁ・・・」 
誰に見つかるか分からない状況がそうさせるのか牧野の乱れ具合は
いつもとは違っていた。
俺は牧野のそんな声に俺は酔いしれる。
「牧野・・・もっと声を聞かせて・・・」
牧野の花びらから滴る蜜は濃厚さを増し、牧野の中は俺を離すまいと襞が
絡みつき締めがきつくなる。
「ふっ・・・んんんっ・・・んぁぁぁぁぁっ・・」
「花沢類・・あたし・・・もう・・イッちゃう・・・」「お願い・・・
一緒に・・・」 牧野はもうその時の準備が出来ているのだろう。
半ばすすり泣きのような声に変わっていた・・・。
944名無しさん@ピンキー:04/11/17 15:39:27 ID:CVBPrwBr
いつもだったらそれを受け止める筈の俺はそれをしなかった。
「まだ駄目だよ。牧野・・・」そう言って、牧野が欲していたそれを
引き抜く。

「いやっ。もっと欲しいの・・・」牧野がねだる。
「言っただろ?まだ駄目だって・・・」「もっと感じさせてあげるから我慢して?」
「こっち向いて、壁にもたれて脚を開いて。」
俺は跪いて牧野にそのポーズを取らせると牧野の花びらを開き丁寧に舐めあげた。
滴り落ちる牧野の蜜が今の牧野自身を物語っているようだ。花芯を優しく
吸いさっきまで俺を受け入れていたそこに指を挿れ、スポットを探る。
「いやぁっ・・・ああっ・・・そこは・・・駄目・・・」「お願い・・・
もう・・・赦して・・」
牧野は本当に限界に達しているようだった。もう少し味わいたかったけど
仕方ないな。首に腕を回させると、さっきとは違うポーズで
牧野を抱きしめ一気に突き上げた。
945名無しさん@ピンキー:04/11/17 15:40:46 ID:CVBPrwBr
「あっ・・あぁっ・・・花沢る・・い・・・」「もっと・・・・」
牧野の望むまま何回も抽送を繰り返す度、牧野の襞が俺を締め付ける。
「くっ・・・やばいな・・」でもまだイク訳にはいかない。
激しく腰を動かすと、牧野の花は淫靡な音を奏でた。
「やっ、そんなに動いちゃ・・・、駄目・・・。」「っふっ・・・んっ
あっ・・・んんっ――っ」「花沢類・・あたしもう、イッちゃう・・・」
お願い・・いかせて・・・」
そんな声聞かされちゃ、俺ももう限界だな・・・
「牧野・・一緒に・・・」
「んんっ、中は・・・駄目・・・」
駄目と言われても今更止められる訳ないだろ。そんなつもり更々ない。
「牧野、俺の全部を受け止めて・・・」
「やっ・・・あっ・・・あぁっ・・・っふぅ・・」「あっ、んんっ・・・
る・・・い・・んっんっ・・・ああっ・・あぁぁぁぁっ――――」
「・・牧野っ・・・」
―――俺は牧野の躯の奥深くに熱い雫をほとばしらせた。
そして、ゆっくりと崩れ堕ちる牧野を強く抱き止める。
あぁ、牧野に俺のものって印を刻み忘れたな。ま、いいか。

―――冷たく冴え渡る空に浮かぶ銀の月
                    夜はまだ始まったばかり・・・―――
946名無しさん@ピンキー:04/11/17 15:55:32 ID:CVBPrwBr

不慮の事故によりupが遅くなり申し訳ありません。 おかげさまでどうにか完結まで
こぎつける事が出来ました。最後まで読んでいただいた皆さま、
そして8cgさま本当に有難うございました。
947名無しさん@ピンキー:04/11/17 16:51:50 ID:4USg8Ns0
946さーん!!待ってました〜(≧▽≦)
超よかったですー!ルイルイ最高☆
また時間があったら次回作も書いてくださいね
まってます!!
9488cg:04/11/18 14:54:12 ID:w8t5kvsw
946様、お疲れさまです〜。エチーな類と、恥ずかしがりながらも仕込まれちゃう
つくし・・・こんなにエロい雰囲気をかもし出せていいなあ・・。
またぜひ書いてくださいね〜。お待ちしてます!
949名無しさん@ピンキー:04/11/18 16:14:32 ID:WDUHZWQ+
946タン、GJ!
エチーなルイルイとてもいいでつ。
今度はつくつかも書いてみて欲しいっす。


話変わるけど、そろそろ次スレどうするか決めた方がいいかも。そういう私はスレの立て方わからんのだけど。
950名無しさん@ピンキー:04/11/18 20:48:57 ID:hraBCZzw
気が向かれたら是非つかつくをお願いします
つかつくに飢えております(´д`)
951名無しさん@ピンキー:04/11/18 22:10:23 ID:FUy4WQ1z
946様、るいるいエロくて良かったです〜。
鼻血出そうでしたw 是非とも次回もお願いします!

@新スレ、立てれなかったのでどなたかお願いします。
952名無しさん@ピンキー:04/11/18 22:22:25 ID:iLbjui8Q
>950に禿同。
つくつかに飢えてるよ〜〜!
953946:04/11/19 00:13:10 ID:AwuwoLwR
皆さま有難うございます。エロを書いたのは初めてでしたので
お目汚しの部分もあったかとは思いますが、お許し下さいませ。
初めはつか×つくの予定でしたが、司が思うように動いてくれず
エロまで辿り着けなかったので、放置してあります。
2本ほど・・・w 完成したらupさせていただきますね。

新スレですが私のPCからは無理でしたのでどなたか立てて
くださる方がいらっしゃれば、よろしくお願い致します。
954名無しさん@ピンキー:04/11/19 12:32:58 ID:4gU9RUA1
立ててきたよ〜。
955名無しさん@ピンキー:04/11/19 13:54:29 ID:AuWATeDV
少女漫画「花より男子」のエロ小説 4

http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1100835039/I50
956名無しさん@ピンキー:04/11/21 23:55:28 ID:0WWsKEaw
埋める?
957名無しさん@ピンキー:04/11/22 02:28:05 ID:UYCU1Lgq
946さん素敵なお話ありがとうございました!
ルイルイに萌え萌えです。
類がつくしに「仕込んだ」話も見たいっす!
958名無しさん@ピンキー:04/11/22 16:19:32 ID:4lV9tx9x
埋めちゃう?
959名無しさん@ピンキー:04/11/22 17:25:24 ID:KcJN7igu
つか、次スレ書き込めないのは私だけ?
960名無しさん@ピンキー:04/11/22 18:08:37 ID:Moc+eOp1
もしかしてパート4即死した?
961名無しさん@ピンキー:04/11/22 18:10:01 ID:Moc+eOp1
もしかしてパート4即死した?
962名無しさん@ピンキー:04/11/22 18:30:39 ID:vcVfMeUg
dat落ち?
9638cg:04/11/22 19:15:36 ID:4iiM4wAm
が〜ん・・。新スレに書いたつくつか、私のPCからも手違いで消えまして、これ
で本当に幻の話になりました・・とほほ・・。
964名無しさん@ピンキー:04/11/22 20:37:09 ID:27MRM9ma
が〜ん!!
965名無しさん@ピンキー:04/11/22 22:15:15 ID:TKrry/BT
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1100835039/

>>963
ログは見れるよ。
保存してください〜〜〜
966名無しさん@ピンキー:04/11/22 22:18:32 ID:TKrry/BT
あ、専ブラじゃないと読めないのか。
スレ立てて、ついでに貼ってきます!

8cgさん、OKですか?
967名無しさん@ピンキー:04/11/22 22:25:22 ID:TKrry/BT
少女漫画「花より男子」のエロ小説4
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1101129753/

8cgさんの許可が出次第、即死した4で書いてたつくつか貼ります。

しばらくは即死回避の為にsage進行でカキコお願いします〜
968名無しさん@ピンキー:04/11/22 22:49:27 ID:SRj4nfuO
じゃあ、8cgさんの書いてくださった分、以下に貼り付けます。
許可なくコピペしますことをお詫び申し上げます・・・
(以下、パート4より)


新スレ記念に、お蔵入り作品UPします。
前スレ950さん、952さんに捧げる、つかつくです。

「牧野、ゲームしようぜ。」
NYに冬休みになった途端呼びつけられたあたし。・・・今日着いたばっかりで疲れてるんですけど・・。
「ゲームって・・・昔やった、トランプとか?」
嫌だ、という気持ちをこめて言ってみる。・・でも道明寺は動じずに、とんでもないことを言い出した。

「ねえ・・・?やっぱりあたし・・・。」
シャワーから出てきたあたしは断る言葉を捜す。
「ん?たったの15分耐える自信、ねえのかよ。できたら、なんでも言う事聞いてやるぞ。
 ただし、負けたらお前に言う事聞いてもらうけどな。」
道明寺は、からかうような口調で言う。
なんでも言う事・・・あ!あたし、こいつにして欲しい事ある!絶対、フツーに頼んでもしてくれない事!
「絶対言う事聞いてくれるのね・・?オトコに二言はなしだよ・・?」
任せとけ、と道明寺は言うと、部屋の明かりを落としてあたしのバスローブを脱がせた。
969名無しさん@ピンキー:04/11/22 22:49:57 ID:SRj4nfuO
タイムリミットは15分なのに、道明寺はちゃんと優しく瞼や、頬にキスをくれる。
あたしの唇を割って、道明寺の舌があたしを捜す。あたしも答えているうち、まだキスしかしてないのに、
身体が熱くなってくるのを感じた。
道明寺の指が、あたしの耳のあたりをいじる。・・・こんなとこ・・なんで感じるんだろ・・。
胸のふくらみを優しくなでる指に、いつ頂きをいじられるかと、気が気じゃなくて。息を止める。
道明寺のしかけたゲーム・・・それは、15分間、声を殺すこと。・・・出したら、あたしの負け。
道明寺の口が、あたしの蕾を捉える。・・・ん・・声を出さないって、苦しい・・・。
あたしは恨めしげに時計をみるけど、まだ5分も経っていない・・。

負けたら、何させられるんだろう・・。あたしは、だんだんそのことも気にかかりだした。
あたしのおなかのあたりを、道明寺の端正な顔が、行き来する。
前髪が、おへそのあたりをくすぐる。・・・声をだせないと、いつもは平気なことまで敏感になっちゃう・・。
ショーツの上から、茂みをゆっくりともまれて、腰が自然にくねってしまう。
クロッチの脇から、指がぬめりを捉えたとき、あたしは思わず「っ!!」と小さな声を漏らしてしまう。
道明寺が、身体を起こして、「今なんか聞こえたぞ・・・?」と意地悪く言う。
「あんなの・・・息だもん。」
あたしは、無視して、目を閉じる。・・・声なんか、絶対出すもんか。・・生来の負けず嫌いが、ますます
あたしを意固地にさせている。
9 名前: 8cg [sage] 投稿日: 04/11
970名無しさん@ピンキー:04/11/22 22:50:35 ID:SRj4nfuO
9 名前: 8cg [sage] 投稿日: 04/11/19 19:28:10 ID:4gU9RUA1
ショーツを脱がされたあたしは、いよいよ勝負だ、と時計をにらむ。残りは5分。ここまで耐えたんだもん、
負けるもんですか。
残り時間は少ないのに、道明寺は、あたしの中心を触らずに回りばかりにキスをする。
ふともものあたりを、暖かい舌が伝う。・・・・気を抜きかけた、その時。
司の指が、一気にあたしに入ってきた。
「・・・ああっ!」
慌てて口を両手で塞いだけど、道明寺はにやりと笑ってやりい、と言った。
・・・負けちゃった・・でも、これで自由に声出してもいいんだよね・・?

親指が芽を、人差し指と中指があたしの中をぐちゃぐちゃとかきまわす。
「あん、あん、・・・ああんっ・・・!」
淫らな音が、あたしを尚更高めて行く。・・・どうせ負けるんなら、もっと早く降参しとけば良かった・・声殺すな
んて、絶対無理・・。
道明寺の舌が、あたしの襞を舐め上げる。・・・やっぱり指より、ずっと気持ちいい・・。
舌と指に責められて、あたしは自分の限界が近いことを感じる。
道明寺が、急に身体を起こして、ベッドの脇にある椅子に腰掛ける。
「こっち、来い。約束守ってもらうぞ。」
ええ〜!?言う事聞くって、・・・もしかして・・・?
971名無しさん@ピンキー:04/11/22 22:51:10 ID:SRj4nfuO
10 名前: 8cg [sage] 投稿日: 04/11/19 19:28:58 ID:4gU9RUA1
あたしは座った道明寺の前にひざまずく。何度も・・したけど、こんなにまじまじと見るのは、初めて・・。
「どうやって、やるの・・?」
あたしはおずおずと聞く。・・・・なんか、怖い・・・。
「俺が、お前にやったみたいに、舐めてみろ。」
そっと手を添えると、手前の方を、下から上へ、舐めてみる。・・・味はしないんだ・・。
「・・・う・・、よし、じゃあ、口に含んでみな・・?」
あたしは、先端の割れ目に、透明な液を見つける。・・・すくった方が、いいのかな・・?
そこを舐めると、道明寺がうう、と声を漏らした。・・・気持ちいいのかな・・?
なんか、いつも気持ちよくしてもらってばかりだけど、してあげるのも・・いいかも。

口に全部を頬張る。
「こっち、見てみろ・・そのまま・・」
あたしは、視線を上げる。道明寺は、あたしの胸をいじりながら、言う。
「上下に動かしてくれ・・おお、そんな感じだ・・。」
ぴちゃっ、にちゃっ、というやらしい音が、あたしの中心を濡らす。
「・・・は、もう・・やろうぜ・・。」
道明寺が、あたしをうつぶせに寝かせる。いつもより、性急に入ってきた彼が、いつもより、大きく感じた。
「ああん、ん、ん、ん、ううん、あっ!」
あたしは自分でも恥かしいくらいの大きな声で、道明寺に応える。・・・・気持ち、いいよおっ!
一度抜かれて、体位を変えられる。左足を、道明寺の肩に乗せられて、深く、大きく突かれた。
「ど・・みょじ・・あたし、もう、だめ・・」
道明寺が、分かったと言うように、肯いて、最後の波があたしを襲う。
「まきのっ・・・!」
果てる瞬間、道明寺があたしを呼ぶ。・・・・道明寺、・・・・大好き。あたしも耳元でささやいた。
972名無しさん@ピンキー
11 名前: 8cg [sage] 投稿日: 04/11/19 19:29:34 ID:4gU9RUA1
「お前のお願いってなんだったんだよ。」
道明寺が、タバコに火をつけながら言う。
「え?・・・いいよ、どうせもう負けたんだし。」
道明寺は、ふっと優しく笑う。
「お前にガラでもねえことさせちまったしな。・・・いいぞ。聞いてやるよ。」
「ホント!?」

「牧野・・・俺は、めっちゃ後悔してる。」
「ええ〜?オトコに二言はなし、でしょ?」
あたしはからかうように、言う。観光用の馬車に乗って、カメラマンにポーズ・・・。
周りの人たちが、道明寺を見てくすくす笑ってる。
「俺、こんな恥かしい思いしたの、生まれて初めてだわ・・。」
道明寺が、顔を背ける。
「あ、こっち見てって、カメラマンが言ってるよ?ほらっ。」
あたしは無理やり道明寺の顔を、前に向ける。・・・これがあたしたちが初めて一緒に写った写真になった。

FIN