昼は物陰に潜み
夜になると暗がりで獲物を漁る。
病院に閉じこめられた郁紀と別れてから
こんな暮らしを続けながら、私はお父さんを探して旅を続けていた。
最初に立ち寄ったのは、お父さんと一緒に暮らしていた家。
でも、そこにはお父さんはいなかった。
ずっと誰も使っていない、がらんとした家の中。
ここでお父さんを待っているべきだろうか。
いや。
郁紀は誰もお父さんの居場所を知らないようだと言っていた。
それは、お父さんが誰にも居場所を知られたくなかったということだ。
誰もが知っているこの家に、お父さんが帰ってくる可能性は低そうだ。
あまり知られていない場所。
人があまり行かない場所。
思い当たるのは、お父さんの別荘だった。
住所は覚えている。家の中から地図を探し、該当する場所を見つけた。
・・・遠い。
私の足では、どれくらいかかるだろうか。
それでも、私は行かなければならない。
元の世界に帰るために。
結局、別荘にたどり着くのに1ヶ月ほどかかってしまった。
深い山の中、茂みに埋もれかけた小道を探り当て、急な斜面を登っていくと
廃屋寸前のその建物はあった。
ここに・・・お父さんがいるのだろうか。
建物に入る。
人が暮らしていたわずかな痕跡はあったが
それはかなり古いもので、お父さんの姿はなかった。
いないのだろうか。
もし、ここにもいないとすれば、私にはもうお手上げだ。
別荘の中をあちこちを探して回るうちに
かすかなお父さんの匂いを嗅ぎ当てる。
やっぱり、ここにいたんだ!
だとしたら、どこ?
必死に探し、とうとう隠された通路を見つけた。
なんとかこじあけ、奥へと進む。
だんだん、お父さんの匂いは強くなってくる。
だけど
それとともに、嗅ぎ慣れた匂いも感じ取れてきた。
古くなった、死体の匂いを。
隠された部屋の片隅で、お父さんを見つけた。
正確には、お父さんだった物を見つけた。
椅子に腰掛け、拳銃で頭を撃ち抜いて
お父さんは死んでいた。
今はもうすっかり干からびていて、ミイラのようになっていた。
自殺。
なぜ?
理由はわからない。
わかっているのは
この世界に私を呼んだお父さんがいなくなって
私が元の世界に戻る望みがなくなってしまったということ。
疲れた。
もう、疲れてしまった。
お父さんの亡骸の前で
私はただうずくまっていた。
寿命、というものがない私でも
食事をせずにずっといればいつか朽ち果てるだろう。
もう、それでいい。
もう、それでいいはずなのに・・・
なぜか郁紀のことを思い出していた。
もう、会わないと
この姿で、今の郁紀には会えないと
わかっているはずなのに
もう元の世界に帰れないとわかった今
どうしようもなく郁紀に会いたかった。
もう一度、話をしたかった。
また抱きしめてほしかった。
郁紀と。ただ郁紀と一緒にいたかった。
一度はさよならを言ったけれど
郁紀はいつでも戻っておいで、と言ってくれた。
ずっとここで待っている、と言ってくれた。
あの言葉だけが
あの時の郁紀の言葉だけが
今の私を何とか支えていた。
戻ろう。
郁紀のところに行こう。
郁紀のいるところが、私の戻るべき場所。
だから
私は、決断した。
今の私に出来ることはいくつかあった。
一つは、この世界の「人間」という生き物を
私と同じに変えてしまうこと。
郁紀からもらった遺伝子情報でそれはすでに可能だった。
だけど、郁紀はあの時「元に戻りたい」と言った。
それは、この世界を変えて欲しくないということだ。
だから、これはできない。
もう一つは、もう一度郁紀の脳を操作して
また私を怖がらないような姿で見てくれるようにすること。
でも、二度目の脳の操作に郁紀が耐えられない可能性があった。
だから、これもできない。
世界を変えられない。
郁紀も変えられない。
だから、私が変わるしかない。
元々やろうとしていた生体操作を、逆の方向に私自身に働かせる。
それは、本来の私の種としての目的の逆の行動だ。
うまく行かないかもしれない。死ぬかもしれない。
だけど
郁紀に会えないままでいる事を考えれば
そんなことは些細な問題だった。
また長い時間をかけて、郁紀が閉じこめられている病院に向かう。
途中、いろいろと必要な物を入手して
それを運びながらの旅だったのでよけいに時間がかかってしまった。
病院に忍び込み、天井裏にはい上がると
郁紀の部屋の上まで進む。
思った通り、壁に比べれば構造は脆弱だった。
おそらく、用意した工具類で穴をあけることができるだろう。
壁と天井の間に、小さな隙間を見つけた。
中の様子を伺う。
・・・いた。郁紀だ。
その姿を見つけただけで
私は幸せな気持ちでいっぱいになる。
もう少し待っててね、郁紀。
二人で、ここから逃げようね。
どこか遠いところで
誰にも邪魔されずに
二人きりで暮らすために
今から私・・・人間になるから。
肉体を変成させる際には、多分大きな苦痛が伴う。
うめき声をあげてしまって、それを郁紀に聞かれてしまってはいけないから
郁紀の部屋の真上から少し遠ざかる。
変身が完了するまでには、予想では2週間。
ここに来るまでの間に、十分な栄養はとっている。
変身が完了した後の、人間としての生活に必要になる物を確認して
私は、それを始めた。
苦痛。
絶え間ない、苦痛。
全身の細胞が全て崩れていくような・・・
いや、実際崩れていくのだ。
古い細胞が、新しい細胞を生み出しながら
そのたびに壊れていく。
痛い。
痛い、痛い。
痛い痛い痛い痛い痛い痛い!
だけど
耐える。耐えていける。たとえどんな痛みでも、耐えていける。
この痛みの先に
郁紀が待っているから。
何度も痛みで気を失い
目覚めてはまた痛みに身もだえする。
どれくらいの時が過ぎたのだろうか。
体の構造が、変わっていっていることに気づいた。
体の中に、硬い骨格ができている。
触手はもうなくなっていて
替わりに、細くて関節でしか曲がらない手足が伸びていた。
体表面からは保護粘液も出なくなって
なんだか乾燥した表皮で覆われている。
郁紀と、同じだ・・・
よかった。
まだ体中痛いけれど、泣きたくなるほど、嬉しかった。
もう少し、我慢。
郁紀の脳に触れたときに見た
郁紀の記憶の中の私の姿になれるように
郁紀の記憶の中の私の声で喋れるように
強く念じながら
私はまた、痛みに耐えてうずくまった。
変身プロセスが、終わった。
用意した時計を見る。
予定通り、ほぼ2週間がたっていた。
体を動かしてみる。
あまりうまく動かない。
それでも必死に、用意した荷物の方に這っていく。
いま一番私に必要な物は
鏡だ。
鏡で、今の自分の姿を確認しなければ。
うまく変われただろうか。
祈るような気持ちで、鏡を覗き見る。
・・・変わっている。
郁紀の記憶の中の
郁紀が愛してくれた私の姿に
変わっていた。
小さく、声を出してみる。
「・・・うみおい・・・」
ふみのり、と言いたかったのに
慣れない発声器官で、ちゃんと言葉にならない。
それが何かおかしくて
私は笑いながら、嬉しくて泣いた。
今、私は郁紀と一緒に暮らしている。
病院から助け出したときには、郁紀は本当に驚いていたけれど
今では新しい私との暮らしで本当に幸せそうだった。
追われる身ではあったけれど
日本という国を出てしまえば、もうあまりそれを気にする必要もなかった。
問題があるとすれば・・・
私の痛みが消えていないこと。
郁紀には隠しているけれど、変身プロセスが終わっても
私の全身の痛みは消えていなかった。
たぶん、この体では私はそう長くない。
10年先か、1年か、1ヶ月か・・・
明日かもしれない。
だけど
今、郁紀と一緒にいられるのなら
そんなことは些細なことだ。
新しく住処にしたこの家に、出かけていた郁紀が帰ってくる。
「ただいま、沙耶」
私は出迎えて、微笑みかえす。苛む苦痛を耐えながら、それでも微笑む。
微笑むことができる。郁紀のためなら。
「おかえり・・・郁紀・・・」
OHPの「おかえり」に繋がるような話にしてみました。
GJ!
投下乙
漏れは沙耶唄やってないんだが
なんとなく悲しげな話だなぁ・・・
グッジョッ!!せつねえ、せつねえよ沙耶タン。
>>485 すこしグロいがフィルター選択があるんで大丈夫、自信を持ってオススメできる。
欠点は短いことだが(俺はコンプまで4時間)安いし過不足の無いテキストだから
ちょうどいい。
俺を信じて買ってみてくれ。
沙耶はいい話だッツ!
……ただまあ、夜中トイレに行くとき、
ちょーっと背後とか天井が気になるよーになるけど。
最後の最後で泣かされた・・・ ・゚・(つД`)・゚・
読んだあと、OHPに行って「おかえり」を聞いたらもうね・・・
GJでした!
全身の苦痛に耐えながら、それを隠して郁紀に微笑む沙耶タン・・・せつないなぁ・・・(TT)
GJ!
なんだか久々に良作が投下されてた模様。
あーコスモスはやっぱええのぅ
もしかしても何も…
タイトル書いてあるから。
保守。
新年明けましておめでとう。
http://members.jcom.home.ne.jp/enseteku/ 新年あけましておめでとうございます。
保管サイト久々の更新です〜
新年と言うわけでは無けど、サイト構成を2ch関係サイトっぽく修正
「こうした方が使いやすいよ〜」ってのがあるならよろしく
更新内容は以下
沙耶の唄
○ジャンル:沙耶の唄
龍剣士の巣作り日記:出産騒動
○ジャンル:『巣作りドラゴン』(フェイ、雇用モンスター)
龍剣士の巣作り日記:部隊の仲間
○ジャンル:『巣作りドラゴン』(フェイ、雇用モンスター)
「ピンク色の夢」
○投稿者:nayukifan
○ジャンル:『秋桜の空に』(靖臣、すずねえ、カナ坊)
素直になれない
○ジャンル:下級生2(高遠七瀬)
○前日駅前チンピライベント発生 翌日七瀬宅で会話しない前提(完結)01/05更新
七瀬とろーま
○ジャンル:下級生2
七瀬と香月
○ジャンル:下級生2
【更新作品続き】
在る死者のものがたり
○投稿者:へたれSS書き
○ジャンル:「魔法戦士スイートナイツ」「レベルジャスティス」
『かげぼうし』
○投稿者:馬面
○ジャンル:家族計画
『悠久の時を…共に』
○投稿者:風変わり
○ジャンル:吸血殲鬼ヴェドゴニア
デモンベイン・アルTrueEnd後日談
○投稿者:◆Rion/soCys
○ジャンル:斬魔大聖デモンベイン
【更新作品続き】
大十字九郎の非日常的な災難
○投稿者:三上かずら
○ジャンル:斬魔大聖デモンベイン
下級2
○投稿者:230
○ジャンル:下級生2
ある独白
○投稿者:なきうさぎ
○ジャンル:BALDR FORCE』
恋占いの女神様
○投稿者:へたれSS書き
○ジャンル:巣作りドラゴン(ソフトハウスキャラ)
帰らざるもの
○投稿者:風変わり
○ジャンル:うたわれるもの
スクリプトなりCGIなり使って、作者名や作品名で検索とか出来るようにはしたいんだけど……
本職が忙しすぎてちと時間が足らんですたい
あけましておめでと〜ございます。
きちんとまとまってるだけでも十分ってモンですよ。
保管、乙でありますっ! お手すきの時で結構なのですが、以下の修正をお願いいたしたく。
拙作の、出産騒動の方、登場人物を(フェイ、ユメ、ルクル、ティエ、クー、リュミス)で。
>>498 了解です。修正しておきました。
とりあえず、投稿も一段落してるみたいだし、点呼ついでによさげなゲームとかSS希望とか
上げてみるかね
自分は今更ランス6にハマり中。 マジック可愛いよマジック
しかしSSは書かないだろうなーと言う予感が……
次はユニゾンシフトのぴす@ぴすでもやるかなー。本スレだと評判いいみたいだし
アリスの館7はしまいまが割と評判いいようで。
俺は野望の王国の短編話の方が好きだったけどな〜。
保守
保守
落ちてないよな?
504 :
名無しさん@初回限定:05/01/24 01:23:49 ID:TfnLnAn/
初心者可、評価要相談
505 :
水死体:05/01/26 12:34:59 ID:BKuJKRHT
はじめまして、ここって投稿SSはエロゲならなんでもいいんですか?
陵辱もありなんですよね?
>505
エロゲが題材なら凌辱もアリですよ。
投稿お待ちしております。
507 :
水死体:05/01/27 12:34:13 ID:5jxCoGmV
こげな感じでいいのかな・・・?
「空白の妄想」という某ホームページチックに書いてみました。
今はもう閉鎖されていてキャッシュすら残っているかどうかあやしいですが。
知人の家に遊びに行くと、Canvasの桜塚恋が
素っ裸で天井から鎖で繋がれていた。
だが、なんだか様子が変だ。
息が乱れ、膝立ちした股の間からは蜜が溢れて
床まで糸を引き、水たまりを作っていた。
目もトロンとしている。
モジモジと太股を擦り寄合わせながら、だらしなく涎を垂らした顔でこっちを見つめていた。
最初の頃は暴れたり反抗的だったりしたが、今ではずいぶん従順になったと奴は言った。
手が恋の股間に伸びる。
少し触っただけなのに、もの凄い水音がした。
ビクビクと震え、恍惚の表情で喘ぎだした。
パタパタと粘質の液体を落としながら腰を振る。
奴は自分のモノを取り出して挿入した。
もの凄い声が上がる。
男を待ちわびた、メスの悦びの声が。
快楽を貪ろうと、恋は必死に腰を振り立てた。
雄のペニスを奥へ奥へとくわえ込もうとする。
なんだか悪い夢でも見ているような気分になって視線を逸らした。
その先には机があり、上には何かのアンプルと使い捨ての注射器が何本か散らばっていた。
脱脂綿には、小さくてきれいな朱色の花が咲いていた。
一際、恋から大きな声が上がる。
どうやら2人共果てたようだ。
絶頂を迎え、恋の僅かに残っていた心の欠片が瞳に宿る。
余韻に喘ぎながら小さな声で呟く。
「ぁ・・・ぁぁ・・ぅ・・赤ちゃん、赤ちゃんが・・・ぁ・・・」
それを聞いた奴はにこやかな笑顔で言った。
これで何度目かな、まあまた堕ろせばいいよ、と。
85のCカップ、その張りつめた胸の頂からは、乳白色の液体が滲んでいた。
キャラクターの名前だけ使ったのはなんか違うと思い。
この方法は結構好きなんだけど、個人的な妄想の割合が強くて置いてきぼりになっちゃうのも確か。
キャラスレ向けの書き方だと思う。
逆に良いところは、読みやすくって、キャラ知らなくても勃起すること。
ていうかエロゲである必要ないじゃん。これ。
この手の設定が駄目とは言わんけどこの話じゃ「Canvasの桜塚恋」が「クラスの委員長」でも同じだ。
キャラの口癖を出すとか、そのキャラらしさをアピールすれば良いかも。
512 :
水死体:05/01/28 12:54:12 ID:QY4YDQ9M
皆様、いろいろな感想ありがとうございます。
より一層精進いたしまする。
ここって結構人がいたんですね、なんか恥ずかしいです・・・
ああ、穴があったら入れた・・いや入りたい。
ウホッ
>>512 まぁ、頑張れ。
文章を見るに、書けば書くだけ伸びていく余地はある。
まずは書いてUPする意思と行動が第一だ(自戒
517 :
水死体:05/01/31 12:41:34 ID:Ox3WUciE
すみません、性懲りもなくまた投稿したいんですが良いですか?
DCの音夢ネタで此度はちょっと長いんですけど。
>>507の恋SSは失敗でしたね。
知る人ぞ知る閉鎖されたサイト「空白の妄想」チックに書いたつもりだったのですが。
元ネタがわからないと、単なる危ない人の危ない妄想にしか見えないですから(笑)
>>514 自分のケツの穴は嫌や〜〜〜
他の男の尻も嫌ですが、あ、でも女の子のアナノレならいいかな・・?
>>515 邁進いたしまする。
書けば書くだけ恥を掻かなければ良いのですが(笑)
>>516 私ごときの文章で抜けるとは・・・ありがとうございます。
やはりエロSSは抜けるものでないとダメということですね。
そういえば、昔ムーミソの同人小説で触手に襲われるムーミン谷というのがありました。
男も女もムーミン族も関係なく、あのニョロニョロが穴という穴を犯し尽くすのです・・・
一番最初に読んだ同人小説がそれで、その日の夢見は最悪でした。
捨てずに置いておけばよかったかな。
皆さんが読んだ一番最初の小説って覚えてますか?
518 :
水死体:05/02/01 12:39:44 ID:yI7EWCS8
学校帰りの並木道。
一年中枯れないという特異な桜が咲き誇る初音島の、彼女にとってはなんて事のないいつもの通学路。
音夢「ハァッ、ハァッ、ハァッ・・・・っハァッ!!」
必死に逃げていた。
そのすぐ後ろを、一人の男が追いかけていた。
いや、人の姿こそしていたが、人を人たらしめる何かが欠けている顔をしていた。
男の目は血走っていた。
本能に突き動かされ、獲物を追いたてる焦燥に駆られ、涎を垂れ流しながら追いすがる。
並木の出口が見えた。
後少し・・・・20メートル・・・・・10メートル・・・・・
もう少しのところで、少女の華奢な肩に手がかけられる。
そしてそのまま、力任せに真横の草むらに引き倒された。
音夢「キャッ・・・」
短く、小さな悲鳴を上げて柔らかな芝生の中に顔から倒れ込んだ。
痛みに耐え、体を起こすいとまもあらばこそ、男がその足首を掴んだ。
荒い息を吐きかけながら、足首から上へ上へと這い上ってくる。
突然の恐怖に声も出せず必死に引き剥がそうとするが、雄の性衝動の前にはあまりにも儚い抵抗だった。
叩く、蹴る、引っ掻く。
しかし引き剥がす事ができない、止まらない。
それどころか、か弱く非力な抵抗はより一層の興奮を与えるばかりだ。
男の口の端から垂れた涎が音夢の頬に落ちる。
大きな体で少女の小柄で柔らかな身体にのし掛かる。
乱れた髪から見え隠れする白いうなじに唇を寄せ、くさい息を吐きかけながら時折吸い付いた。
音夢はあまりの気持ち悪さに鳥肌が立ち身体を堅くする。
男はそのスキを見逃さず、スカートの中へと手を突っ込んだ。
グリグリと清潔な下着越しに秘所をまさぐる。
敏感な部分に触れられて驚いた拍子に、大降りな抵抗を見せる。
爪が男の頬を深く抉った。
519 :
水死体:05/02/01 12:40:52 ID:yI7EWCS8
その一撃にカッとなり、音夢の頬に平手打ちをかます。
頬を叩く音が少女の中でやけに大きく響いた。
実際にはたいした音も、さしたるダメージも負ってはいないのだが、平手の痛さに抵抗が止まった。
諦めた。
男はそう捕らえ、涎で汚れた口の端を歪めてゆっくりと音夢に覆い被さる。
制服の胸をはだけさせる。
その拍子に1つのボタンが外れ、2つのボタンがちぎれ飛んだ。
シンプルな柄のブラをずり上げると、まだ成長途中の堅さの残る双丘が露わになる。
大きいとは言えない胸を揉む、というより周りの柔肉を集めて捏ねる。
少女独特の柔らかな感触を手の平に感じ取り、興奮に拍車がかかる。
第二次性徴期まっただ中の少女の胸は、触られると性感よりも痛みの方が大きい。
痛さと、脂ぎった大きな手のおぞましさに喉の奥で悲鳴を飲み込む。
手足は恐怖で動いてくれない。
顔を必死に逸らし、堅く眼を瞑る。
眼を逸らすことで現実を否定しようとする。
さりとて、自身に今起きている事実は変わりやしない。
それどころか、視覚を閉ざすことで胸部をまさぐる手の感触に自然と意識が行ってしまう。
ゴツゴツした指が桜色の先端部を押しつぶす感覚も、当社比2.5倍ぐらいに思える。
ひとしきり胸の感触を味わった男は、攻撃目標を次へと移した。
折り目の乱れたスカートを捲り上げ、その下に隠れていた下着に手をかける。
その途端、今までなすがままになっていた音夢の腕が下着を押さえた。
震える細い腕で必死に抵抗する。
それに苛立った男は、もう一度頬を叩いた。
今度は往復で。
下着を掴む腕から、身体全体から痛みと恐怖で力が抜ける。
口を切ったのか、唇の端から一筋の鮮血が伝った。
男はその血に興奮したのか、目標を下半身から上へと移す。
520 :
水死体:05/02/01 12:41:47 ID:yI7EWCS8
見え隠れする縦長のヘソ。
乱暴にはだけられた胸。
白くて細い首筋。
そして、端に血の付いた桜色の小さな唇。
臭くて荒い息を吐き出す乾いた唇を舌で舐め、男は音夢の口唇にむしゃぶりついた。
口を閉じる間を与えず、舌を捻り込む。
内側の頬粘膜に舌を這わせた。
音夢「んむっ!? んんーーーーーーーーっっ!!!」
ファーストキスは、ケモノの臭いと血の味だった。
鉄臭くて唾液とは異なるぬめりを帯びた味が、男の舌と唾と共に口の中いっぱいに広がった。
ぷっくりとして柔らかな唇をケモノ臭い舌が這いずり回り、口の周りがベタベタになるのも構わずに唾液をぬたくる。
再び口腔へと侵入し、少女の小さな舌を引きずり出そうと口内で暴れ回る。
やがては見つけだされ、強引に絡められた。
ヌトヌトした生臭い唾液を舌に載せて口内に運び込み、それを相手の舌に擦り込むように蠢く。
ナメクジのような舌の気持ち悪さと、否が応でも口の中に垂れ流される涎に気が遠くなる。
吐き気を堪え顔を振るが、柔らかな両頬を男の手がガッチリと挟んでいるため逃れることができない。
次第に口内に溜まった男の唾液が喉の奥まで押し寄せてくる。
息が出来ない。
段々と苦しくなる。
目尻に涙がたまる。
窒息しないためには吐き出すか飲み下さねばならない。
当然前者は不可能だ、やがて。
ゴ・・クッ
音夢の喉が鳴る。
男が吐き出した排水溝のゴミ溜めの味のような液体を嚥下した。
咽頭や胃袋、身体中を犯された気がした。
もっとも、犯されるのはこれからが本番なのだが。
521 :
水死体:05/02/01 12:44:24 ID:yI7EWCS8
男は音夢が自分の唾液を飲み下したことを知り、唇を解放する。
二人の口の間には濁った滴の橋が生まれ、途切れたそれは少女の顎を汚した。
プハァと生臭い溜息を付き、口元を薄汚れたシャツの袖で拭う。
少女の様子を見る。
肩で息をし、それにつられて膨らみかけの双丘が上下していた。
眼は開いていたが、放心した音夢には何も見えてはいない。
抗う気力も体力もすでに無くなっていた。
男はそれを見て取り、ニタリと笑った。
よれたスカートをめくり上げ、股の間に割って入る。
白地にワンポイントのリボンが付いた、風紀委員の鏡とも言えるような地味な下着だった。
それをずり下げる。
少女の匂いのするその部分は僅かに震えていた。
薄い痴毛はまだ生えそろっておらず、触るとショリショリとして手触りが良かった。
顔を近づける。
性の匂いとオシッコの臭いが近づく。
男はフンフンと臭いを嗅ぎ、一本のスジしか走っていないスリットにおもむろに舌を這わせた。
ベチョッ
「・・・・ひうっ!?」
音夢の喉の奥で悲鳴が上がる。
カラダが大きく波打つ。
太股をしっかりと押さえつけ、何度も何度も入り口を舌でなぞる。
その度にビクビクと女体が反応を示す。
男の頭を押しのけようとするが、うまくいかない。
舌はなおも溝に沿って上下し、その奥に入り口を作ろうと掘り下げる。
しばらくすると、峡谷の上の方にある包皮に護られた敏感な突起を探り当てた。
それに触れられると、音夢の反応が激しくなる。
男はほくそ笑み、肉芽を重点的に刺激しだした。
522 :
水死体:05/02/01 12:45:26 ID:yI7EWCS8
舌でねぶる。
執拗に。
これでもか!というぐらいに。
舌と歯で挟んでコリコリしたり、甘噛みしたり。
充血しだした陰核をなぶり続ける。
包皮の先端部から舌を尖らせてつつく。
最も敏感な部分を直に触れられ、ひときわ大きく、激しく全身が揺れた。
グリグリと包皮に舌を捻り込む。
その度に大きく鋭い痺れが脳髄へと掛け登った。
直接神経を鷲掴みにされたような快楽は耐え難く、メスの本能が突き動かされる。
性への衝動を激しく刺激され、オスとの交尾を身体が望んで行く。
全身が熱く火照り、何も考えられなくなる。
心のどこかで「もうどなってもいい」と思う自分が居た。
しばらくクリトリスに気を取られている間に、そのすぐ下では大変なことになっていた。
身体の奥から泉のように滾々と湧き出した蜜が膣を潤し始めていた。
クレバスも広がりだし、胎内への入り口が見えはじめていた。
膣孔から溢れ出た陰液はトロトロと引力に引かれて垂れ、下にある排泄用の穴まで濡らしていた。
身体は着々と準備を始めている、これから起こりうるだろう初めての性交のために。
少女が自分の与える愛撫に股を濡らしていることに気づき、舌をそちらの方に滑らせる。
ベチョベチョ、ぢゅるるるぅぅ〜〜〜っと下品なまでに音を立てて啜りあげた。
開いてきたピンク色の花弁をはみ、奥へ奥へと舌を侵入させて行く。
まだ誰にも触れられたことのないその部分はヒクヒクと蠢き、男を知らないながらも期待に満ちた動きをしていた。
ピッチリと生えそろった肉襞は、侵入してきた舌を奥へ奥へと導くように絡み付こうとしてくる。
愛液を啜り飲み、唾液を膣壁に擦り込むように流し込んだ。
少女の匂いから、発情した雌のニオイに変わる。
頃合いと見た男は、股間から顔を離した。
男の舌と淫水が染み出す胎内への入り口の間を糸が引く。
その糸は無色透明ではなく、少しばかり白く濁っていた。
523 :
水死体:05/02/01 12:46:48 ID:yI7EWCS8
ズボンとパンツを一緒に下ろし、天を仰ぐ剛直を取り出す。
興奮に息を荒げ、音夢に覆い被さる。
少女の身体は糸が切れた人形のように動かない。
しかし音夢のオンナの部分は、まるで男を誘うかのように淫靡に蠢いていた。
十分にほぐれた粘膜に自分の逸物を宛う。
チュクリ・・・
いやらしい水音が立つ。
淡いピンク色をした陰唇を手で押し開き、膣口まで押し進める。
その先には、押しつけられた男根とは不釣り合いなぐらいの小さな肉の洞窟があった。
ミチミチミチミチミチ・・・・メリッ!
亀頭の部分がめり込んだ。
「ひぐっ!?」
体内に侵入してきた異物が与える痛みに身体が硬直する。
これから行われる性の暴力に全身がガクガクと震えだし、双眼が恐怖に見開かれた。
音夢の秘洞は濡れぼそっていてもなお狭く、男が侵入するたびに柔肉がゆっくりと裂けてゆく。
ズググググ・・・・グ
男の先端に何か当たるものがあった。
膣肉とは少し異なる柔らかさと弾力を帯び、男の侵略を頑なに拒むもの。
それが何なのかを悟り、より一層狂気の笑みが濃くなる。
舌なめずりをし、一気にブチ抜くことにした。
・・・・ブツッ、ズブズブズブズブッ!!
少女を護っていた皮膜はボロ布のように一瞬で破り捨てられた。
そのまま最奥まで貫く。
「あ゛・・・グ、かはぁ・・・っ!!」
ゴリッと子宮口を突き上げる音が、少女の中で響いた。
鋭い痛みが、耐え難い痛みが下腹部を襲う。
引き裂かれた汚れのない身体、引き裂かれた汚れのない心。
護り育むのは数多の時間を費やすのに、失うときは一瞬であった。
意識が沈んで行く。
辛い現実から、ガラスのように繊細な心を護るために。
524 :
水死体:05/02/01 12:48:17 ID:yI7EWCS8
男は腰を振る。
ケモノのように。
相手の事などお構いなしだ。
男にとってこの行為は、気持ちがいいからとか単なる暇つぶし程度の軽い物でしかない。
ただただ、快楽を貪り続けた。
腰を振り立て、大きなストロークで抜き差しする。
水音と肉のぶつかり合う音が、夜の並木道にやけに大きく響くような錯覚にとらわれる。
男の腰の動きに合わせるように、音夢の首に巻かれたチョーカーの鈴が鳴っていた。
チリン、チリンと。
音夢はそれを手で押さえた。
鳴らないように。
幼い頃自分が迷子になると、この鈴の音を聞きつけて兄が必ず探しに来てくれた。
だからこそ、必至に押さえた。
どうか兄の耳に届きませんように。
こんな姿を見られませんように。
混濁した意識の下で、そんなことを考えていた。
堅く閉ざされた瞳には何も写らない。
脳裏にも何も浮かばない。
しかし、誰かに見られている気がした。
嫌悪感を覚える視線。
うっすらと笑う嫌な視線だ。
芳野さくらが、あの魔女が、すぐ近くで笑っているような気がした。
その嘲笑う視線のまとわりつく中、音夢の胎内に熱い何かが注がれた。
この後、音夢シナリオ以外では中○校を卒業すると本土にある医療系の学校に進学することになる。
そんな彼女には、本土に渡ってまず最初にしなくてはならないことがあった。
この春、音夢は初めての堕胎を経験した。
乙〜
ラストから3行目「シナリオ以外で」は無いほうがいいかも。
でもこういう黒い話大好きw
あ、前よりも面白くなってる。
頑張れ、超頑張れ。
こういう風にキャラの特徴を取り入れる(ゲームやってないからそれっぽいと思っただけだが)自体は悪くないんだけどなあ…
「ゲームの二次創作」ではなく「キャラクタのみの二次創作」はどうにも。
ま、この辺は好みもあるしただの愚痴だと思ってくれ。
ああ、エロ含めて描写は良いと思ったよ。GJ!
528 :
水死体:05/02/02 12:38:28 ID:7ZljX7U8
うう、ありがとうございます。
なにか他に悪い点とかはなかったですか?
ここの書き方がダメとか、しつこいとか逆に足りないとか。
細かいところいうときりがないんだけど
陵辱系はこれでもか、というぐらいしつこいほうが○
一般人が読んだら吐き気を催すぐらいでちょうどいい
>528
よく書けてると思うよ。一文の短さで、テンポとれてるし。
ただ、シリアス(陵辱)な雰囲気って、言葉ひとつの選び方で吹き飛ぶ場合があるかもね。
自分の場合
>当社比2.5倍ぐらい
で、「え? なに? ギャグ? 狙ったん?」って思ったよ。
なんか、周りの文体にそぐわないというか。
あくまで個人的な感想だけど。
あとは、すでにつっこまれてる『音夢シナリオ以外では』かな。
閉じてた世界を、いきなりぶち抜いた印象を受けたよ。
531 :
水死体:05/02/03 12:48:33 ID:7caHp+OS
なるほど、文体を統一してしまうべきなんですね。
でもってラストが蛇足と、勉強になります。
今度は何を書こうかな〜
一般人が吐き気もよおすぐらいを心がけましょう。
待って、待って〜。ラストはとても黒い感じがして良いよ。
あくまでも「音夢シナリオ以外では」の一節のみだよ〜。
533 :
水死体:05/02/04 12:24:59 ID:cq2Wj03A
そういうことでしたか。
あくまでお話の中、であるようにとの事ですね。
フラグがどうとか、ルートがどうとか言うのではなくて。
次はこれの続きで音夢に中絶させちゃおうかな〜
何故か2chに家から書きこみができません・・・うぐぅ
あえて苦言を呈するなら
シーンではなくストーリーを書いてホスィ
>水死体
× 芳野
○ 芳乃
これ結構間違える人多いな
排泄を強制され、倉敷親娘は「心」に刻印を刻まれ牝豚へと堕ちた。
その手助けをした看護婦・みちるが健一へと話しかかける。
「ねえ健一君?」
「うん?」
「やっぱり私にもやらせてくれない?」
みちるの提案に健一がやや意外そうに言う。
「うん、もともとこの館でこれはみちるさんの専門なんだしいいけど……
どういう風の吹き回し?」
「だってさっきのあんなちゃんて、とっても可愛かったんですもの」
母親と向かい合わせで吊られている少女を、医務室で自分の患者に向け
ていた、あのねめつけるような目線で見ながら応える。
それを聞いた母娘が思わず顔をあげる。
「え、みちるさんがっ!?……いやあっ!!」
「お願い! あんなにそんなことしないで!!」
館の主だった二人は、みちるの責めがいかに屈辱的かを知り抜いているのだ。
(だからこそ、やらせがいがあるだろう。)
健一はそう考えると、同意した。
「よし。ひとつ頼むよ。俺も今後の参考にしたいしね」
「ふふ。まかせて」
館の新しい主と、熟練の雇用者が微笑みあう。一方でかっての主たちは悲痛な
叫びをあげた。
「いやあーっ!!」
「やめさせてえっ!!」
みちるは嬉しげに準備をはじめた。これが何よりの彼女の生きがいなのだ。
「さっきのグリセリンと酢酸の混合液はもちろん最高なんだけど……これも、
なかなかよ。ほらさっき、よしのさんに使った」
そう言ってみちるは業務用の口内洗浄液の大瓶を再び取り出して続ける。
「特にあの混合液の後だと、すごく沁みて痛いと思うの」
「やだぁーっ!!」
みちるの解説にあんなが怯える。
みちるは先程、何度もよしのに使用していた巨大な浣腸器に瓶の中身を
吸い上げると、あんなの背後に回って言った。
「はい、いくわよ、あんなちゃん」
あんなの小ぶりな尻たぶに浣腸器の先端が挿し込まれ、シリンダーが押し込
まれる。
「いやぁーーーっ!」
休む間も無い連続しての浣腸にあんなが悲鳴をあげる。
一方、向かい合わせで縛られている泰江は、今度は娘と苦しみを共有する
こともできず、目の前で繰り広げられる惨劇に目を背けるばかりだ。だが、
たとえ目を塞いでいても、悲鳴を遮断することなどできはしない。
(それにしても、よしのの奴もよくあんなに入ったな)
健一はペットボトルさながらの浣腸器の大きさと、それに耐えた元恋人に
あらためて関心していた。だが、体の大きさを考えると、あんなはさらに
その何倍もの苦しみを味わうことになるはずであった。
シリンダーが押し込まれるのに比例して、あんなの薄い下腹が膨らんでいく。
「いたいっ! いたいよぉっ!」
グリセリンと酢酸で爛れた直腸に、さっそく口内洗浄液の刺激が効果をあら
わしはじめたのだ。みちるはその悲鳴をBGMに、楽しげに作業を続ける。
「はい、おしまい。どう、あんなちゃん、気分は?」
シリンダーを最後まで押し切ったみちるは満足げに問いかける。
「おなか、おなかいたいよぉっ!」
もっと幼いころから、館の客たちに与え、苦しむ様を見物してきた痛み。
それがいまあんな自身を苛んでいる。
「いたいっ! いたいっ! いたいっ!」
あんなの細い直腸だけではおさまりきらず、大腸までもが薬液で一杯に満た
されていた。激流となって、あんなの体内からいまにも溢れ出さんばかりだ。
「ああっ、あんなぁ!」
あんなが激しく体を揺すり、排泄を堪えているのが、泰江にも直に伝わって
くる。しかし、いまの泰江にはどうしてやることもできない。
「また、またでちゃうよーーーっ」
そう叫ぶと、その小さな体が限界に達したあんなは、今度は一人で床に
噴出させていった。それはさきほど母娘で出したものの上を覆っていく。
ミントの香りで、多少、床の匂いが中和されていった。
えーと・・・終わったのかな?
540 :
水死体:05/02/07 12:47:38 ID:wGrFVw8F
調教モノ大好き!
でも食事中に見ないほうがよかった・・・
ええと、これは何のキャラでしょうか?
俺は536じゃ無いが説明
536の名前欄がタイトル、メーカー名になってる
かなり古い作品だから、知らない人も多いんだろうな
もしかして、これの前作のGRなんて知ってる人探す方が難しいかも
ガンツ先生好きだったのに…
あと遅れたが>536GJ
ブツの描写が多いわけでもないので漏れは食事中でも平気だった。
内臓を痛がってる描写だけなら自分的に問題ないようだ。
>538が536、537と同じくらい長かったらやヴぁかったけど。
おっと。>536乙。
>>536 ん〜・・・まず、読みやすいような改行からですかね
544 :
536:05/02/07 22:54:30 ID:gWLhJ196
>543
あ〜、改行ね。
うん、昔からただのレスをするときも、手ごろな改行箇所は
どこかで考えちゃうんだ。
コツとかガイドライン、あるいは理想的な改行をしている
他SSとかがあったら教えてくれると嬉しい。
縦書きだとラノベで見慣れてるから適当な改行でいいけど
横書きだといまいち難しいよな。
コツというほどのことはないけど
せめて単語の途中で改行はやめたほうが
547 :
水死体:05/02/08 12:23:43 ID:mKuRAaKi
ああ、天津堂のWAVERということですね。
メーカーの名前しかわかりませんでした。
でもガンツ先生はPC98時代に聞き覚えが・・・
私は書き方とかってイマイチよくわかってませんが、
改行のしかたはエロゲのそれと同じでいいんじゃないですか?
読みやすいように「、」や「。」で行を改めるとか。
というかまず半年ROMれば?
とりあえず、ちゃんと起承転結のある話キボンヌ
業務連絡〜
三月から住居が変わりまして、今まで入り口にしていたJ−COMのアドが使えなくなります
向こうの方にもリンクを張っておきますが、保管サイトへのブックマーク他は以下のURLに
変更を願います
http://yellow.ribbon.to/~savess/index.html 後、三月以降、半年くらい更新が出来ない可能性があります。
「そんな間待ってられっか〜。漏れが代わりに保管サイト更新してやるZE!」
って人がいるなら、保管サイトの引き継ぎをいたします。
いや、いないなら続いて私がやりますが。
一応、その半年間にも休みがあるはずなので、機会を見て保管作業はしたいと考えています
以上、業務連絡でした。
保守
552 :
名無しさん@初回限定:05/03/04 13:07:27 ID:FO+jBlM9
新人さん歓迎!
SSスレはやる気のある人間を募集しています!
新人さんでもまったくOK!経験者は優遇します!
準備中
明日運が良ければ何か投下したいと思います
ノシ
「それでは、これより会議を始めたいと思います」
青空荘地下の会議室。悪の組織『ヴァルキル』のアジトの一画で定例会議が開かれようと
していた。
私のこの組織での仕事は、怪人の作成と研究である。
悪の組織といえば怪人。怪人なくして悪の組織なし。つまり、この悪の組織『ヴァルキル』の
存在意義の一翼を担っているのが、どちらかと言えば天才である私、柳川千夜といえよう。
だがどちらかと言えば天才であるこの私は慢心はしない。組織あってこその私であり、
ヴァルキルの為に、私こと『Dr.ヘルナイト』が存在するのである。どちらかと言えば天才は、
謙虚さも忘れない。それが明日への高感度UPへとつながるのだ。
だから、私の作成した怪人が大活躍をして多大な成果を上げたとしても、戦闘隊長に
恩着せがましくしてお腹に三日消えない痣をもらったりなんかしないし、満を持して調整した
怪人が作戦の不備により敗北して帰ってきたとしても、戦闘隊長に嫌味を言ったりして
頬の腫れが一日引かなかったなんてこともない。決してない。
「――ですから、先の戦闘では、怪人とコゾーンたちとの連携不足により、部隊が
分断されてしまったことが敗因だと思われます」
会議では、作戦部部長であり、戦闘隊長である魔将キリッサが先の作戦における失敗の
言い訳をしていた。しかもなぜか殊更こちらに強調するように。まるで私が悪いと
言わんばかりに。失敬な奴だ。
「責任の押しつけはみっともないぞ。実行部隊長」
「なっ、あんたも少しは責任を感じなさいよ! 怪人と直接コミュニケーション取れないん
だから、どうしても不測の事態に対処が遅くなるのよ!」
「そのためにウーリンとアーネウスを作ってやったろう」
冥獣ウーリンと冥獣アーネウスは、私が作戦部の要望にしたがって開発した人との対話による
コミュニケーションが可能な画期的怪人だ。本人たちは、他の怪人たちとの意思疎通が
可能なため、その通訳に成り得る。
「ウーリンはあのとき別部隊を展開していたし、アーネウスは緊急事態にさっさと
あんたのところに行っちゃったじゃないっ!」
「非常事態においては、御主人様の安全の確保が、私の最優先事項ですので」
私の背後に控えるアーネウスが、済ました顔でしれっと応える。
うむ。作成した私が言うのもなんだが、主思いのいい怪人だ。
「こらっ! にやけ顔でなに頷いてるのよ!」
「キリッサ、落ち着いて。いまは、責任の追及より、今後どうすべきかの方が重要です」
真っ赤な顔で机を叩いて、こちらを指さすキリッサをなだめる冥将シアシア。
実質この組織の運営の切り盛りをしているNo.2だ。
「は、はっ! すみません。シアシア様」
「それで問題は、いまの戦力と状況だと、不測の事態が起きやすく人員も必要な、
大規模な作戦は難しいということかしら」
「はっ、はい。駒だけ揃っていても、それを巧く動かせないことには……」
「ドクター、なにかよい案はないのか?」
いままで上座で黙って聞いていた冥界真帝ヘルオー様が、私に問いかける。ヘルオー様は、
見かけは子供っぽい……、いや、中身も子供っぽいが我々のボス、この組織のリーダーである。
そのボスに全幅の信頼をおいて訪ねられている立場の私としては、そこで、否、と答えよう
はずもない。
「ひとつ。宜しいですか」
「うむ。許す。なんだ」
静かに手を上げ、ヘルオー様に伺いを立てる私を急かすように、ヘルオー様が頷く
「この問題は、単純に、人との対話によるコミュニケーションが取れる怪人が増えれば、
解決するでしょう」
「うん。そうだな」
「ただし、このような怪人を生成するのは、膨大な予算と時間がかかります。いままでの
怪人を作成するよりもずっと。それに、そのような怪人を一度作成できるようになったから
あとは量産、というわけにもいきません」
「つまり、それは現実的な解決案ではないということか?」
「いえ。私だから可能だ、と言うことを知っておいていただきたいための前振りです。
簡単にぽんぽん作り上げてるように思われては心外ですから」
「ほんとかしら?」
疑惑の目を向けるキリッサを尻目に、シアが質問してくる。
「それは、ほかにも人との会話ができる怪人を作れる、ということかしら?」
「ええ、というより、すでに作り上げています」
「なに? でかしたぞ、ドクター! あれだな? 『こんなこともあろうかと』という
やつだな? やはり技術者たるものこの台詞が言えなくてはな!」
なぜか手足をばたばたさせて興奮するヘルオー様に、悪役らしくにやりと笑みを浮かべると、
指を鳴らす。
その合図とともに、背後に控えるアーネウスが会議室の扉を開くと、その怪人が姿をあらわす。
「ね、ねこ……?」
ぽてぽてという擬音が似合いそうな歩みで入ってきた怪人を見たキリッサの第一声が
それだった。たしかに、この怪人の形態はねこっぽい。それにサイズも他の怪人に比べて
二回りほど小さい。
「おお、なんか可愛らしいな」
「しかし、これで戦闘に出しても問題ないのですか?」
疑問を呈するシア。
まあ、たしかにこの外見を見ると、その心配もわからないではない。もっとも、私の心配は
また別のところなのだが。
「いえ、この怪人は、いまはこんな態(なり)をしてますが、人と対話できるという特徴を
最大限生かせるよう変態能力を備えています」
「な、なに? そいつは変態なのか? それは流石に放映上まずいのではないか?」
「ヘルオー様、おそらく、その意味の変態ではございません。トランスフォームの意味では
ないかと」
顔をやや赤らめながら「ねこ」怪人を指さすヘルオー様に、こちらもまた、やや顔を赤らめ
静かにつっこみを入れるシア。
そんなつもりはないが、セクハラでもしてるような気分。
「トランスフォーム? どのような意味だ?」
「ヘルオー様、英語の勉強をしっかりしてしておいてください」
「英語? 変態は、英語でもHENTAIではないのか?」
「ですから、その意味ではありません! なんでそのような知識だけあるのですか!」
辞書の猥語だけに赤線を引っ張っていたずらした生徒を叱る教師のようなシア。
ヘルオー様もそういうお年頃なのだろう。しかし、このままではHENTAIだけで会議が
終わってしまうので、話を進めることにする。
「ヘルオー様、「なりかたち」を変えることができるという意味です。つまり、誰かに
成りすまして、その人間の振りをすることができるということです」
「な、なんと! それは素晴らしいではないか! シアも意地悪な奴だな。最初から
そう言ってくれればよいではないか」
「へ、ヘルオー様が、常日頃からしっかりと勉学をなさっていれば、このようなことには!
ですから、私はいつも組織の上に立つものとしての自覚と鍛錬を、
とあれほど口を酸っぱく――」
「ま、まあまあ、シアシア様」
会議そっちのけで、すっかり母親モードになってヘルオー様に説教を始めたシアを
なだめるキリッサ。先程と立場が逆転している。シアは、常に冷静沈着だが、ヘルオー様の
こととなると人が変わったようになってしまう。
「とりあえず、怪人の紹介をしてもらいましょう」
「う、うむ。そうだな。それがよい」
怪人を紹介するように促すふたり。ヘルオー様はシアの気をそらせればなんでもいいようだ。
「ええ。ただ、ちょっと、この怪人の学習環境に少し問題があったようで……」
「ん? なんだ?」
「まさか、アーネウス以上の変な性格に育ってないでしょうね?」
「失礼なことをおっしゃらないでください。年中ほとんど裸でうろうろしているような方に
『変』だなどと言われたくありません」
「なっ! こ、これは衣装なのっ! 制服なのっ!」
「その割には随分嬉々として、着用していらっしゃるようですけど? 嫁入り前の肌を
顕に露出させるような『 制 服 』を。 ご自身に素直になったところで、いまさら
失墜するような尊厳など存在しないのでは?」
「いっ、言ったわねっ! あんただってねえっ――」
鼻で笑うアーネウスに、キリッサが言い返そうとしたそのとき。
「藻舞いら、もちつけ。 煽りもスルーできない香具師は厨房w」
しゃべった。
「ねこ」が。
「は?」
一瞬で静まり返る会議室。おそらく言われた言葉を理解できなかったのだろう。
頭を抱える私に、おそるおそるシアが当然の疑問を呈する。
「あ、あの? ドクター? この怪人は、日本語による意思疎通は不可能なのですか?」
「いや、このどちらかと言えば天才の私が、そんな欠陥品を作ったりしない。日本語、広東語、
北京語、ハングル、ベトナム、ヒンズーはおろか、英語、フランス、ロシア、イタリア、
ドイツまで理解できる。そして、喋ることもできる」
「では……?」
「↑(゚Д゚)ハァ? 藻舞いDQN? 一度で理解しる!」
「…………」
うあ。シアの握った拳が震えてるよ。初めて見たよ。言葉の意味はほとんど理解できてない
はずなのに。あのシアをたった一言でここまで追い込むとは、ある意味恐ろしい怪人だ。
生
背筋に流れる冷や汗を感じとっていると、我に返ったキリッサが捲し立てる。
「ちょ、ちょっとちょっと! なんなのよ! この怪人は! 片言の日本語しか話せない
じゃないっ! それもほとんど意味の判らないような!」
「DQNのすくつになってるスレはここですか? 悪の組織って(プゲラ」
「っ! 意味は判らないけど、無性に腹のたつ言いかたね!」
「……いや、だから、先刻も言ったが、この怪人の学習環境として、幅広い知識と
情報検索能力、収集能力、取捨判断能力を養うために、ネット環境を提供してみたのだが」
「それが、なんでこんなになってるのよ!」
「いや、それが、そのうちある特定のサイトに入り浸るようになってだな――」
「巨乳(;´Д`)ハァハァ」
「きゃーっ! な、なんなのよっ! ちょ、ちょっと抱きつかないでってばっ!
こらっ! ドクター! こいつやっぱり変態じゃないっ!」
「いや、テストの結果こいつの知能はかなり高い。ま、環境次第で天才でもどうとでもなる
という見本だな。その点、私なんかは、正常に育った天才といえよう」
「正常に育った天才が、こんな変態つくるわけないでしょっ! こいつをなんとかしなさい
ってば!」
胸に顔をうずめている「ねこ」怪人をなんとか引き剥がそうとするキリッサ。
テストの結果では、運動能力、身体能力も高いので、そう簡単には引き剥がせないだろう。
「し、しかし、これでは、使い物にはならないのでは?」
「う、うむ。しかし、街に混乱を引き起こすためには、使えそうであるが」
そりゃそうだろう。ここでさえ、この有様なのだから。敵を引っ掻き回すのにはいいかも
しれんが。その前に味方が全滅しそうだ。
「藻舞いら、安心汁! そこのょぅι゙ょの言うとおり、漏れは、敵にするとこれ以上
怖いものはない存在だが、味方にするとこれ以上頼りないものはない存在でつ」
「全然ダメじゃないっ!」
抱きつきから解放されたキリッサが、大きな溜息とともにつっこむ。少し会話に慣れて
きたらしい。
「うむ。だから、はじめに言ったであろう。人と対話できる怪人を作り上げるのは、
私の才能をもってしても奇跡的に近いものだということを。しかも、こいつは能力的には
最高クラスの怪人なんだ」
「いくら能力が高くても、性格が破綻してたらどうしようもないでしょ!」
「↑粘着Uzeeeee!! 空気嫁!」
「あんたは黙ってなさいっ!」
「自治厨晒しage」
「だいたい、こいつなんでこんなねこみたいな格好してるのよ!」
「どうも、本人のお気に入りらしい。宜しく頼む」
「(=゚ω゚)ノぃょぅ」
「じょ、冗談じゃないわよ! と、とにかく、私は自分の下にこいつを置くつもりないからね!」
_____
/_ |
/. \ ̄ ̄ ̄ ̄|
/ / ― ― |
| / - - |
||| (6 > |
| | | ┏━┓| / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ┃─┃| < 正直、スマンカッタ。
|| | | | \ ┃ ┃/ \________
| || | |  ̄  ̄|
「きゃっ! び、びっくりした! いきなり姿変えないでよ。そ、それに、いまさら
謝ったってダメだかんね!」
「(´・ω・`)ショボーン」
「な、なによ。そんな顔したって……」
「ヽ(`Д´)ノウワァァン!!」
泣き叫び(?)ながら、ヘルオー様のもとに走りより、すがりつく「ねこ」怪人。
「キリッサ、これはちょっと可哀想ではないか? この怪人も生まれたてで、
精神的に幼いのかもしれんし」
「し、しかし、ヘルオー様」
「このヴァルキルは、他者から虐げられたもの、疎まれたもの、不必要と烙印を押された
ものたちで構成しているんだ。その我々が、他者をこうも邪険に扱ってもよいのだろうか」
意外にしっかりした意見を述べるヘルオー様。シアも、目を見開いて「へ、ヘルオー様……」
と、まるで娘の意外な成長ぶりに驚く親のように感動しているようだ。
「わ、判りました……」
しぶしぶ頷くキリッサに、ヘルオー様に抱きついていた「ねこ」怪人が、振り返る。
「( ´,_ゝ`)プッ 」
ヘルオー様と、シアに見えない角度で。
「ああああ! いま、こいつ鼻で笑いましたよ! 私のこと! やっぱりこんな奴おいたら、
組織の規律の維持に差障りがでます!」
「キリッサ、なにを言っておる。おまえが因縁をつけるから、よけいしょぼくれておるでは
ないか」
「(´・ω・`)ショボーン」
「キリッサ、たしかに私も不安だけれど、試験的に作戦部へこの怪人を配属させては、
どうかしら?」
ヘルオー様に支持する形で、キリッサに提案するシア。
ただ、これは意外だった。組織とヘルオー様のことを第一に考えるシアが「こいつ」を
容認するような発言をするとは。
先刻この「ねこ」怪人は、シアから見えない角度で嘲笑したはずだが、あれでヘルオー様は
ともかく、シアまで騙されるとは思えない。
そのあざとさからこの怪人の知能を感じ取ったか?
「ょぅι゙ょ(;´Д`)ハァハァ」
「シ、シア様! い、いまの見ましたか! こいつ!」
「(´・ω・`)ショボーン」
「どうした、キリッサ。先刻から変だぞ。こいつはずっとしょぼくれておるではないか」
「キリッサ。お願い」
そうキリッサに頼み込むシアは、すでに怪人の様子を気にしていない。やはり、感づいた
らしい。シアがなにを考えているかまではわからんが、私も純粋に研究対象として、
こいつがどこまでやれるのかには興味がある。反対する理由はない。
「う……わ、判りました。私はなにがあっても知りませんからね」
そうしてこの「ねこ」怪人の配属が決まった。
>555-565
『レベルジャスティス』から。
一発ネタのつもりが長げえYO!状態に。
>561
援護(か判らんが)、とりあえずthx
567 :
名無しさん@初回限定:05/03/06 19:52:51 ID:xFfBdqj8
>>566 乙!生でずっと読んでて続きの書き込みが待ち遠しいほど面白かったぜ!
で、続くのコレ?
こういうのをリアルタイムで見たのが初めてだったので
一言にまとめてみました。
続きを読んでみたいのですが、予定はないのですか?
GJ!ぜひ続きを。つか葉月と絡ませてホスイ
GJ!
激しくワロタw
すげぇ変則ネタだな、ギガワロスw
元ネタ知らんが面白かった
GJ!
しかし、イヤな怪人だなw
「ちょっと、ドクター!」
午後の休憩の一時。ヴァルキル本部地下の研究室で、優雅にティータイムを過ごしている
私の元へ、キリッサが怒鳴り込んできた。
まったくもって騒々しい。お茶に、埃が入るではないか。
「あの怪人、少しは大人しくさせなさいよ!」
あの怪人とは、私が人との対話によるコミュニケーション可能な怪人第三号として、
作り上げた怪人のことだ。学習環境にネットを与えてみたら、あるひとつのサイトによって、
極めて個性的に育て上げられてしまった。
ちなみに、その怪人は、私があらかじめ名前を与えていたのだが、気に入らず、
無理矢理「ナナシサソ」と呼べと言い張った。あまりに呼びにくいので、みんな「ナナシ」と
省略して呼んでいる。
「どうした。また、ナナシがなにかやったのか?」
「ええ。やったわよ! 私の命令もないのに、勝手に街にでて騒ぎを起こしてくれたわ!」
「それで被害はどうなってます? シアシア様」
キリッサより遅れて、キリッサとは対照的に静かに研究室に入ってきたシアに、被害の状況を
確認する。
「はい。今回は、商店街における牛丼屋でのトラブルです」
傍らに持っていた報告書に目を通すシア。
「まず、牛丼屋に来ていた親子連れ一家四人に対して、百五十円を渡し、無理矢理席から
どかせようとした被害が一件」
「さらに、Uの字テーブルの向かいに座っていたお客と、喧嘩を起こしています」
「加えて、大盛りつゆだくを注文した隣りのお客に対して、ぶち切れたそうです」
「最後に、大盛りねぎだくギョクを注文して、店員にマークされたようです」
シアの報告が終わる。
「なんだ。可愛いものじゃないか。そのぐらい多めに見てやる度量も、上に立つ人間には
必要だぞ」
「アナタは直接あいつを管理してないからそんなこと言えるのよっ! 少しは、管理職の苦労を
理解してよねっ!」
「判った判った。ナナシに言っておこう」
「言っただけじゃ利かないでしょ!」
「まあ、待て。一度、会議で諮って、あいつを実践で使ってみてから、また、その後を
相談しよう」
というわけでナナシを使うための作戦会議。
「それでは、これより、臨時会議を始めたいと思います」
「うむ。今回は、あの怪人、ナナシの出撃についてだな」
「はい。私は、あまり気が進みませんが」
「まぁ、キリッサ。そう言わないで。あの怪人の能力を、量っておくことも大事なのでは
なくて?」
「……はい」
「ドクター。あの怪人は、変た……変身能力があるのだろう」
「はい」
「ならば、やはり、ここは、その能力を活かした作戦がよいのではないだろうか」
もっともな意見を発するヘルオー様。なにかもう既に考えがあるのだろう。だって、やけに
そわそわしてるから。まるで、なにかを楽しみにする子供のように。
「ヘルオー様、それはたしかに良い案なのですが、あのナナシの変身能力が如何ほどのものか、
我々は全然把握していません。本番で全く役に立たないとあっては……」
キリッサが当然の不安を表明する。
それもそうだ。ナナシは、まだ、一回もちゃんとした「なりすまし」を見せていない。
だから、今回、会議を開いた理由には、そのことも含まれている。ナナシの能力の一端を
見せるという目的が。
「では、キリッサ。こうしてはどうかしら? ナナシに、我々の中の誰かに変身してもらって、
実際に騙されるかどうかを、実験するというのは?」
「は、はい。それはいいと思いますが、あらかじめ誰に化けるか判っていると、先入観が
生じるのでは?」
流石に作戦部部長をやっているだけはある。評価する側にとっては、それは当然考慮すべき
問題である。どちらかと言えば天才の私には及ばないが、キリッサも結構よく頭が回る。
「そうね。でも、この実験方法そのものに対しては、有効性を認めるかしら? キリッサ」
「はい。実験そのものは」
「では、実験は成功ね」
シアがニッコリと微笑む。
「え?」
「チャイナщ(゚ロ゚щ)カマン!!」
突然、本人に似つかわしくない言葉を発するシア。
それと同時に、会議室の扉が開き、『本物の』シアが現れる。
「え……? シ、シアシア様!?」
「ど、どうなっておる!? シアが二人いるぞ!?」
驚きの表情を見せる二人。このことは、私とシアしか知らなかったことだ。ヘルオー様と
キリッサに、ナナシの変身能力の性能を見せるために、シアにだけ協力を仰ぎ、きょう一日
隠れていてもらっていた。
いままで、シアの姿をしていたナナシの姿が、従来の「ねこ」型にもどる。
「ヘルオー様、キリッサ、ふたりがきょう接していたのは、私に変装した『ナナシ』です」
「この怪人の変身能力、ご理解いただけましたか? ヘルオー様」
「う、うむ。素晴らしい! 私は、シアシアと付き合い長いのに、全然気づかなかったぞ!
きょうもしっかり朝から小言をくらっていたぞ」
「ヘ、ヘルオー様……」
ヘルオー様の自分に対する認識に、すこし凹むシア。
「そ、そんな……」
信じられない、と言いたげなキリッサ。あの怪人が、ここまでできるとは思っても
いなかったし、思いたくもないのだろう。まあ、その気持ちは、少し判らんでもないが。
そんな呆然とするキリッサに向かって、
「m9(^Д^)プギャー 釣られてやんのw」
『いつもどおり』のナナシ。
「…………」
「ぉぅ……」
こちらもいつもどおりに戻って、震える握り拳で、腹を殴りつける。なぜか私の。
机の下から見えないように。
本気で痛い。
その後、ナナシがクマの格好で、釣り糸を咥えて会議室をずり回るというトラブルがあったが、
なんとか作戦会議は無事終了した。
作戦決行の日。
ナナシとヴァルキルの構成員であるコゾーン隊を従え出撃するキリッサに、当然ながら私も
同行した。
今回の作戦では、セーフスターを誘き寄せることが目的なので、なるべく派手に、
目立つように、活動するよう命令が出ている。
セーフスターは、予備も含めた犯罪を取り締まる政府の秘密組織『SAFE』が、新たに設けた
広報と犯罪検挙を兼ねた部隊である。
……まあ、ぶっちゃけると、戦隊ヒーローだ。いや、この場合女性なので、ヒロインか。
とにかく、我々悪の組織ヴァルキルにとって、厄介なことこの上ない。
「どうだ、キリッサ、状況は?」
「ええ。これだけ派手に行動すれば、敵にもなにかしらの動きはあるわ。ただ、それで、
セーフスターが誘き寄せられるかどうかは判らないけれど」
「いや、奴らはヴァルキルを目の敵にしてる。きっと来るさ」
作戦会議では、シアたち情報部が事前にSAFE側に、こちらの情報を意図的に流すという案も
出た。しかし、ヘタを打った場合、つまり、意図的に流された情報だと気づかれた場合、
それを逆手にとられる危険性があったので、取りやめになった。黙っていてもセーフスターが
出張ってくる確率は高いので、わざわざ余計な小細工を弄する必要はない。
「でもねぇ。でてきたらでてきたで、また、心配なのよね……」
傍らで、自分は一切行動せず、周囲を煽動しているナナシを、見やるキリッサ。
アナタも行動しなさいよ、と命令したところ、「(゚Д゚)ハァ? 口だけで行動が伴わない
ところが、漏れの特徴だろうが! ヴォケ!」と返されたらしい。逆切れもいいとこだ。
「しかし、こいつの能力の高さの一端は、見ただろう?」
「ええ。それは、たしかに認めるけど。でも、もの凄く博打性の高い賭けに、自分の全財産を
つぎ込むような気分だわ」
ある意味言いえて妙だ。鬼がでるか蛇がでるか。
苦笑を浮かべたそのとき。
「キ、キリッサ様! ヘルナイト様!」
コゾーンのひとりが、こちらに駆け寄ってきた。
周囲に流れる空気が、変わる。不穏の色を帯びる。
「ふふふふふふふふふっ……」
「はははははははははっ……」
「くすくすくすくすくす……」
「あーっはっはっはっはっ……」
街中に高らかに響き渡る四つの笑い声。キリッサの顔にわずかに緊張が走る。
「この笑い声は……」
「 .\ イチ ! ニ ! サン ! アイン ツバイ ドライ ./
\ . ∧∧ .∧∧ .∧∧ /
\ (,,゚Д゚) (,,゚Д゚) (,,゚Д゚) ./
\ と つ.と つ.と つ .∧∧ /
ナ、ナカデダセ !\(_つノ〜(_つノ〜(_つノ (;´Д`)./ _ ∩
コノヘンタイヤロウ !.\し' し' し' ダメポ…./( ゚∀゚)彡 オハナ ! オハナ !
∧_∧∩__∩ \ アン ! ドゥ ! トロア ! ./ ( ⊂彡
( `∀´)´Д`;) .\ ∧∧∧∧∧ / | |
ノ へつ⊂ノ \< セ >./ し ⌒J
(_(⌒)へ_ノ < | >
――――――――――< の .フ >――――――――――――
_ ∩ .< 予 .ス > ∧_∧_∧
( ゚∀゚)彡 オカネ ! オカネ !< 感 タ > (`∀(;..´Д`) ダレカキタラ
( ⊂彡 /< !! . | > (つ⊂ .(⌒) ミセツケレバ
.| | ./ .∨∨∨∨∨\ /.ゝ 〉,'__,,ノ イイノヨ……
.し ⌒J /ヨニンソロッテ、 \(_(__)_)
/ セ、セーフスター…… \
./ ∧∧∩∧∧ \
/ ∩゚Д゚,,)ノ(゚д゚,,) ∧∧ \
. /∩∧∧.ヽ | ヽ つ (゚д゚,,) \
/ .ヽ(゚д゚,,)⊂_ ノ ヽ ⊂ ⊃ .\
./ .ヽ つ し し`J | _. | \
/ O-、つ (/ J . \ 」
「言われなくても判ってるわよ――って、アナタいま、もの凄い変形しなかった?」
「(゚ε゚)キニシナイ!!」
「ま、まあ、いいわ……。それよりも、いまはアイツらよ!」
小さな建物の屋上。傾きかけた太陽と青空を背景に。
お決まりのコスチュームに身を包んだセーフスターこと葉月たちが、いくらか慣れたように
颯爽とポーズをとりながら叫ぶ。
「愛と希望の公務員戦士! ラブリーホワイトスター!」
青を基調とした葉月。
「愛と勇気の公務員戦士! ラブリーレッドスター!」
赤い巫女服をモデルにしたような神代美香。
「愛と安らぎの公務員戦士! ラブリーグリーンスター!」
緑を基調に、花をイメージさせる衣装の涼屋綾奈。
「愛と正義の公務員戦士! ラブリーピンクスター!」
派手なピンクの衣装を纏う間崎千早。
「愛と肉欲のガシャポン戦士! バブリーリンゴスター!」
…………。
「五人揃って――え? 五人?」
「五人揃って! デーブ・スペクター!!」
余計なのがひとりいた。ついでに隊の名前まで変わっていた。
っていうか、いつのまに移動したんだ、ナナシよ。
「ちょ、ちょっと貴方! なんなのよ! 貴方、いまなにをしたか判ってるの!? 戦隊モノの
お約束をぶち壊したのよ。正義の味方の変身中や、登場シーンでは、敵は黙って指を咥えて
見てる! 一切攻撃しないっ! 邪魔しないっ! それをあろうことか、貴方は、
大事な登場シーンを汚したのよ!」
ものすごい剣幕でナナシに喰ってかかる間崎千早。ナナシの襟元を掴んで、がくがくと。
「そうですよー。危険なところに、少しは伏字を使ったほうがいいと思いますよ?」
「ちょっとグリーンスター! 追及すべきは、そんなところじゃないでしょ」
「間崎さん。もう、そんなことどうでもいいじゃない。それよりも、この怪人、ひとりで
いきなり私たちのところに飛び込んでくるとはいい度胸じゃない! 私が、一刀両断に――」
「どうでもよくない! それに、わたしは、いまはピンクスター! 正義の味方は、本名で
呼んじゃいけないの!」
「うわー。オタク……」
小声でぼそっと呟く、神代美香。あからさまに引いている。
「それに、貴方たち、自分たちの登場シーンを汚されて、どうしてそう平然としてられるの!?」
「だって……ねぇ?」
頷きあう葉月たち。
ひとり正義の味方に熱を入れ揚げている間崎千早と、その他三人、という構図が
できてしまっている。
作戦にはなかったことだが、早くもセーフスターのチームワークを分断してる。
「こうして改めてみると、恐ろしい怪人ね。ナナシ」
私のとなりで呟くキリッサ。
「ああ。それよりも、キリッサ。そろそろ例の作戦、いけるんじゃないのか?」
「え? あ、ええ。そうね。コゾーン隊、準備はいい?」
本来は、囮となるコゾーン隊の一部が、セーフスターの気を引いているうちに、
セーフスターの現れた場所に準備を完了させるはずだったが、ナナシの思わぬ活躍(?)により、
その手間が省けたらしい。
「はっ! 準備OKです」
セーフスターの登場と同時に、キリッサが準備開始の合図を送ったコゾーン隊のひとりが
報告する。
「それじゃ、煙幕部隊いくわよ!」
キリッサが、無線でセーフスターの建物に侵入した煙幕部隊に指示を送る。
「オペレーション、スタート!」
その合図と同時に、建物の屋上にいる葉月たちの四方から、煙幕用の煙がものすごい勢いで
噴出し、葉月たちを包み込む。
「な、なによこれ!」
「くっ! しまった。敵の罠よっ! 視界を奪って、奇襲するつもりよ! みんな、構えて!」
葉月の号令とともに、戦闘体制に入るセーフスターの面々。
だが、そのときにはもう煙幕が屋上全体をほぼ覆い、彼女たちの視界は、限りなくゼロだ。
それに、この作戦は、煙幕に乗じた奇襲ではない。
煙の噴出と同時に、我々は、彼女たちの位置が見渡せるビルの屋上へと急ぐ。
彼女たちの視界を奪って、約二分。ビルの屋上到着後、隣で時間をカウントしていた
キリッサが無線を通し命令を下す。
「三……二……一……。煙幕解除!」
屋上の煙が風に流されていく。
「ドクター。本当に大丈夫なんでしょうね」
作戦の行き先を心配するキリッサ。たしかに、この作戦は、ナナシが巧く動いてくれないと
お話にならない。ナナシに作戦の成否がかかっている。ナナシに。
…………。
先程の、大博打というキリッサの言葉も頷けるというものだ。
「うむ。奴も乗り気だったから、それに期待しよう。おお、ここからなら、奴らの状況が
よく見えるぞ」
「……はぁ」
葉月たちがいる建物の屋上の視界が戻る。
「あっ……」
キリッサが、隣りで小さく声をあげる。彼方の屋上の状況を把握したらしい。
「ふっ……」
とりあえず、第一段階は成功といったところか。
「みんな、無事?」
向こうでは、視界の戻った葉月が、他のメンバーの無事を確認していた。
「ええ。私は、攻撃を受けなかったわ」
「私も」
「私もです」
「え? どういうこと? あいつらは、なんのために煙幕を……?」
「とにかく全員無事なのね? ホワイトスター、レッドスター、グリーンスター、
ホワイトスター……、うん、全員いるわね? って、え?」
驚愕の声を洩らす、間崎千早。
「え? 葉月ちゃん……?」
「ふたり……?」
そう、煙の晴れた屋上には、ホワイトスターこと唐紅葉月が、ふたりいた。ひとりは、
ナナシが変態した偽モノである。
これぞ、戦隊モノのお約束、「偽ヒーロー作戦」である。
「な、な、な、あ、貴方、誰よっ!」
もうひとりの唐紅葉月をプルプル震える声と指でさす葉月。
「唐紅葉月ですが、なにか?」
「貴方、偽モノねっ!」
間崎千早が、偽葉月に向かって、攻撃態勢をとる。
顔も声も姿形も、そっくりなのに、たった一言でばれるナナシ。流石だ。
「まあ、もちつけ。簡単に疑うの(・A・)イクナイ!! 」
「……アンタ、私に成りすます気あるの?」
俯き加減で、必死に怒りを抑えようとしているように見える葉月。
まぁ、いろいろと怒りたくなるような気持ちは判るが。自分の偽モノが現れて「やばい!」と
思った途端、これだからな。
偽葉月ことナナシは、それを全く意に介さないように、神代美香のもとに歩み寄る。
「ああ、そうだ。美香、これ普段お世話になってるお礼、十万円、受け取ってくれるかな?」
「あ、あなた葉月ちゃんねっ!」
買収にかかっていた。
「こらぁっ! 美香っ!」
「綾奈。私ね、急にお花のことに目覚めたの。こんど一緒に語り合ってくれるかな?」
「あら? あなた、もしかして葉月さん?」
「あ、綾奈っ!」
「間崎さん。こんど一緒にコスプレパーティに行かない?」
「ええ、行きましょう。葉月さん」
「ア、アンタたちねぇ……って、え?」
怒り心頭、爆発寸前の葉月を他所に、口調とは裏腹に、それぞれの獲物(ぶき)を持って、
ナナシのそれぞれ三方取り囲む三人。
「あら? 皆さん。どうして、武器なんか? 偽モノはあちらですよ?」
「キミ、姿形はそっくりだけど、本当に変装が下手糞だね。葉月ちゃんは、ケチだから、
そんなに気前よくないよ」
「それに、お花を慈しむよな慈愛の心も持ち合わせていません」
「そうそう。おまけに、人付き合いも悪いしねー。なんてったって、私の歓迎会、『宿題が
あるからパス』だもんね」
「……ア、アナタたち、私に喧嘩売ってるわけ?」
「それよりも、こいつを片付けるわよ。 ホワイトスター」
「え、ええ……ん?」
なにかの気配に気づく葉月。流石に、頭がよく、勘が鋭い。
「ま、まずい。そいつよりも先に、先刻の煙幕装置をっ――」
破壊しろ。その言葉よりも早く、再び屋上に煙が吹きだされる。ナナシを取り囲んだ三人は、
一端、装置の破壊に向かおうとして、手遅れなことに気づく。
煙幕装置の稼動に気づかずに、あの時点で同時に攻撃を仕掛ければ、最悪、ナナシを始末する
ことはできたかもしれない。機転の良さが逆にアダになったようだ。
「くっ、そいつを捕まえてっ! 逃げる気よっ!」
自分の周りを取り囲む三人から解放されたナナシが、葉月の姿のまま煙の噴出す方向へ走る。
わざと葉月の横を抜けて。
「くっ、逃がさないからっ!」
ナナシを追って、走り出す葉月。
「待って。ホワイトスター! 深入りしたら……」
その言葉と同時に煙の中に見えなくなる葉月。
「きゃっ」
葉月の悲鳴。
「葉月ちゃん!?」
それきりなんの音も聞こえなくなる。
「は、葉月さん?」
この煙の中、どんな罠があるか判らない三人。無闇に動けないらしい。
その煙が三人を取り囲む前に、煙幕の噴出は止まり、屋上の煙が風に流れだす。
「え? どういうこと?」
煙の晴れてゆく屋上、そこに現れたのは、床に座り込む葉月ひとりだった。
「大丈夫!? 葉月ちゃん!」
葉月に駆け寄る三人。
「ええ。躓いただけ。大丈夫だけど、あの偽モノは?」
「逃げたみたいね。結局、あいつ、なにしにでてきたのかしら? こんな大掛かりな装置まで
用意して」
「ほーんと。あんな下手糞な演技で私たちを騙せると思ったのかな?」
「でも、わたしたちのチームワークにヒビを入れることに成功したのではないでしょうか?」
冷静に判断を下す涼屋綾奈。的確だ。
「…………」
沈黙する間崎千早と、葉月。心当たりがあるらしい。
「ま、まあ、みんな無事でよかった。それに、あいつ演技は下手糞だったけど、姿形は
私にそっくりだった。それだけ、あいつらの技術力の高さを表しているのだから、
油断はならないわね」
「そうね。ヴァルキルの奴らもいなくなった見たいだし。とりあえず、私たちも撤退しましょう」
引き上げていく、セーフスターの四人。
いや、三人と一体と言うべきか。
「んーっ! んーっ!」
彼女たちから見えないように私たちが潜む屋上。その私の傍らで、冥獣ネトに拘束された
葉月が、呻き声を上げる。
そう。あの三人と一緒に帰還していったのは、葉月ではなく、ナナシだ。
二回目の煙噴出と同時に、その煙に身を隠しながら、ゲル状の怪人ネトが、煙幕の中に
飛び込んできた葉月を、その体全体で拘束し、ここまで運んできた。
「ネト」
セーフスターたちが完全に見えなくなったのを確認した私は、ネトに葉月の口だけを
解放してやるよう合図をする。
「あっ、貴方っ!」
「よう。いい格好だな。思わず抱きたくなるぞ」
「くぅ! 初めから、罠だったのねっ! あの下手糞な演技すらもっ!」
「ああ。そうだ。相変わらず、頭の回転が速いな。人は、一度空だと確認した箱の中身を、
もう一度確かめようとはしないものだ」
そう。一度、あの怪人の演技は、下手糞だ、と先入観を持ったあとで、本物らしい葉月を
見れば、偽モノと疑うことは、まずしない。
SAFE中枢部へのスパイの潜入と、邪魔なSAFEの人間の拘束、これが今回の作戦の目的だ。
「ふん。いつまでも騙しきれるかしら? いつか、正体が露見するに決まってるんだから!」
「露見しなかったら?」
「え?」
「そうしたら、本物の唐紅葉月はいらないってことにならないか?」
「…………」
口の端を吊り上げて、悪役らしく笑みを浮かべる私を、憎悪と若干の怯えを含めた表情で
睨みつける葉月。
「その場合、私のペットにでもなるか? 私は、頭の切れる人間は嫌いではない」
「誰がっ……!」
「ほう。ならば、誰が、偽モノを見抜いてくれると思う? 唐紅葉月という『存在』ではなく、
唐紅葉月『そのもの』を求めてくれる人間はいるのか? おまえに周りに?」
「…………」
黙りこむ葉月。
「ドクター! 私たちも引き上げるわよ!」
作戦の後始末の指揮をしていたキリッサが、こちらに呼びかけてくる。
「まあ、よく考えておくのだな。SAFEにおまえが求めるほどの価値があるのか」
その三日後。
不本意ながら、葉月はあっさり解放された。
ナナシの正体がばれたのではない。ナナシ自身が葉月のなりきりに飽きて、ヴァルキル本部に
戻ってきて、あろうことか、こんどは、ヴァルキルに拘束されている葉月のふりをしようとした。
そのときに、勝手に葉月を解放してしまった。
流石に、どちらかと言えば天才な私は、ナナシに騙されなかったが。決して、葉月を
抱こうとしたときの「ウホッ」という台詞で、初めて気づいたなんてことない。絶対無い。
「作戦、成……功……でしょうか?」
「う、ううむ」
「……はぁ」
>573-590
『レベルジャスティス』から。再び。
>567-568
基本的に、予告、宣言はしない人間なんで。
気を悪くせんといてね。
GJ.
7/18で吹いた。ナナシすげえ
イイヨイイヨ、GJ
姿はモナーとギコのどっちなんだろうか…キャラじゃないよな
いや、マジウマー。もと寝たし欄がやりたくなったヨ!
>592
同意。8/18みるまで誰かの支援だと思ったw
GJ!
GJ!
オチのウホッにワロタ
保守!
599 :
名無しさん@初回限定:2005/03/24(木) 20:36:57 ID:PIb+XEeI
新入部員募集中!
600 :
(1/4):2005/03/29(火) 19:26:48 ID:ob88h4Hx
「ねぇ。ボクぅ、はじめて?」
「え? あ、あの……その……」
「おねぇさんねぇ、もう、二週間以上アレされてないのぉ。もう我慢できなくて……」
「え? ええ? ア、アレって……?」
「もぅ、判ってるクセにぃ。それとも、それをおねぇさんのクチから言わせるのがボクの趣味?
『S』で始まる、ア・レ! ねぇん、おねがい。してちょうだい!」
「だ、だって、ぼ、ぼく、初めてだし……」
「大丈夫。誰にでも『初めて』はあるの。あなただって興味あるでしょ?
ほら、手ぇ貸して?」
「ちょ、ちょっと。そんな。ひ、引っ張らないで……。ああ!」
「ほらぁ。あなたの左手の人差し指、いまどこ触ってる?」
「…………」
「あンッ! そんな撫でまわすように触って。初めてのクセにどこでそんなこと覚えたの?
もう。ふあッ、つ、強すぎ!」
「……ご、ごめんなさい」
「いい? ここは、とっても敏感で繊細なトコロなんだから、乱暴に触ったらダメ。
軽くノックするようにするの」
「こ、こう?」
601 :
(2/4):2005/03/29(火) 19:27:46 ID:ob88h4Hx
「そう、上手よ。右手は、ほら、こっち。優しく触れて」
「ああ! な、なにか、突起物がついてるよ」
「ココに触るのも初めて? これはね、とっても大事なものなのよ」
「ね、ねえ! つ、次はなにをしたらいいの?」
「あなたの欲望の赴くまま指を動かしてみて。優しくよ? 乱暴にしたら
コワれちゃうんだから」
「ああ! もう我慢できないよ! 入れたい! ね、入れていいっ!?」
「焦っちゃダメ。おねぇさんにも準備が必要なんだから」
「だ、だって、もう、ぼくのこれ、こんなに……」
「あらあら、もうパンパンね。ふふっ。いいわよ。じゃ。あなたの熱いの入れて」
「こ、ここかな……?」
「あンッ! そこは違うの。ほらぁ、こっち」
「ふぁあ! き、きもちいい!」
「ゆっくり動かしてね。ゆっくりよ」
「ああ! もう、ぼく出そう! いい? ねえ、このまま出していい?」
「んぅ! も、もぅ、しょ、しょうがないわね。あンッ! でも、こ、これで終わったりしたら
イヤよ?」
「ああ! イくよ? イくよ!」
「ふあぁん!」
602 :
(3/4):2005/03/29(火) 19:28:32 ID:ob88h4Hx
「……と、まあ、こんな具合に新人さんを勧誘すれば、お嬢ちゃんは安泰に違いない」
「な、なななな、なに言ってるの! こ、こんなことできるわけないでしょっ!
第一、これのどこがSS投稿の勧誘なのっ!?」
「立派にSS投稿の勧誘だろう?」
「だ、だって、二週間以上アレされてないとか、『S』で始まるアレとか!」
「二週間以上されてない『S』S投稿、だろう? おんやぁ? お嬢ちゃんは、
なにを想像したのかなぁ?」
「あぅぅ……。じゃ、じゃあ! 敏感で繊細なトコロとかはっ!?」
「左手人さし指は『F』キー。右手人さし指は『J』キー。キー打つときの基本的な
ホームポジション、だろう? 乱暴に叩けばキーは壊れちまう」
「じゃあじゃあ! 突起物って!?」
「キーボードによっては、両人差し指のホームポジションに触っただけで判る印しが
ついてるんだよ」
「うぅぅぅ! じゃあ、パンパンになってるとか!」
「欲望の赴くままSS綴ったら、一レスの制限容量いっぱいになって。
んで、間違えてそれをメール欄に突っ込もうとして注意されて、書き込み欄につっこんだあと、
マウスをゆっくり動かして、書き込みボタンを押して、そいつのSSを吐き出すってことだろ。
そして、途中で投稿を止めたりせず、最後まで投稿しろ、と。
ま、自分の妄想を具現化するっつーのは、人によっては気持ち良いだろうな」
「…………」
603 :
(4/4):2005/03/29(火) 19:30:46 ID:NMfsFodM
「まあ、泣くな。お嬢ちゃんが、いやらしい妄想で頭がいっぱいだってことは、判ったから」
「ち、ちちち、違うもんっ!」
「まあ、落ち着け。圧縮ラインが変わって保守がほとんど不必要になってからこっち、
俺もすっかり商売あがったりだしな。『保守』だけじゃ、食ってけねえんだ。お嬢ちゃんも、
すこしは新しい芸風取り入れんとな」
「なんで芸風なの!? 私、芸人違うよっ!」
「まあまあ。取りあえず、俺とふたりでさっきのリハーサルと行くか!」
「い、いやーーっ!」
と新人勧誘してみる。
604 :
名無しさん@初回限定:2005/03/29(火) 19:40:01 ID:i/08x3Ns
乙&とりあえずage
なつかすぃなぁ………オツカレ。
お、久しぶりのSSだなぁ。GJです。
>>606 うまいっ!前回も良かったけど、続くとは思わんかった。GJ!
お嬢ちゃん萌え
パルフェSSマダー
ゆのはなSSマダー
ATSSマダー
自分で書こうというやつはいないのか?
エロ文章を書いてる奴の50パーセントが童貞、30パーセントが処女、
15パーセントがアナル処女、5パーセントが全穴貫通済みらしいぜ。
アナルのみ貫通済みはいないのかよ!
それはともかくエロ文章は妄想力に縁ると思うので、童貞の方が多分エロく書ける。
ついでに言うとそれを読むのも童貞だから描写の間違いにも気付かないし。
童貞ライターが経験したらとたんに情熱が失せた文章を書くようになるというのはありがちだ。
スレの流れと関係なくて申し訳ないが、
蓮海才太は偉大だ。ロベスピエールやニュートンに比肩しうると思う。
いやホントに流れと関係ないんだけどね!
ここって更新無いのね……。
俺も何か書こうかなあ……
ゆのはなとか書けそうだけど難しいな。
「主人公が金持ってたら」ルート誰か頼む
620 :
名無しさん@初回限定:2005/04/30(土) 13:20:07 ID:zaBrjbwF
保守?
>>619 なにも始まらないだろ
ってーか、前回の大学生ルートかよw
「主人公が金は持ってたが筋金いりのロリコンだた。
ゆのはピンチ!」ルートなら問題ないですな。
いっそ「賭博堕神録ゆのは」を。
よくわからないけど脱衣麻雀みたいなもんか?
「ハァハァハァハァ・・・・」
俺は今、ものすごくかったるい状況に陥っていた。
「コラ〜ッ!!待ちなさい、この変質者ぁ!」
後ろから俺を追う音夢の声が聞こえる。
「ハァハァハァ・・・くそっ、杉並の奴はどこいっちまったんだ・・・?」
そうだ、杉並――――― 事の発端は奴のある発言から始まった。
時は5日程前にさかのぼる。
「ふっふっふっふ・・・・・」
「何一人でにやけてやがる。はたから見ると危ない人間だぞ」
いや・・・・コイツは普段でも十分危ない人間なのだが。
「おお、いいところに来たなMy同士朝倉。今出来上がったばかりのこの書類を見てくれ」
そう言って杉並は「最重要機密」と書かれた書類を手渡してくる。
「・・・・・『あの娘の寝顔をスナイパーショット大作戦in風見学園』・・なんじゃこりゃ?」
「朝倉よ、今週の日曜日に学園祭が行われるのは知っているな?それに伴い、準備前日は学園に泊り込みで作業をするのが認められている」
「ああ、それがどうかしたのか?」
「そこでだ。我々非公式新聞部は他校にも定評のある風見学園女子生徒の寝顔写真を、学園祭で売り出すことに決定した!!」
「なるほど・・・って、そりゃ犯罪じゃねぇか!」
「何を言う。一般民衆に必要な情報を流すのはメディアの重要な役目だぞ」
「どこが必要な情報なんだよ」
「でだ朝倉。お前にスナイパーショッターとしての任務を授けることにする」
「ハァッ!?」
いきなり何をのたまいやがる、コイツは!何故俺が犯罪行為に手を貸さねばならんのだ
「そんなかったりぃ企画にはのらん。他をあたれ」
「ほう。ならばこの写真を朝倉妹に見せてもいいという事だな?」
「なっ・・・!!それは・・・!?」
杉並の手には、幼少時代の俺がさくらと【お医者さんごっこ】をして遊んでいる写真が握られていた。
「な・・・なななな、なぜ貴様がそれを持っているっ!?」
「朝倉妹というものがありながら、さくら嬢とも蜜月時を過ごしているとは案外お前も 隅に置けんな?朝倉よ」
くっ・・・もし音夢がこんなものを見たら・・・。 考えるだけでもゾっとした。
どうやら俺に拒否権はないらしい・・・。
「まあ、お前がそこまで拒むのなら仕方がない。骨は拾ってやるぞ。朝倉」
「わぁーったよ!手伝えばいいんだろ手伝えば!!」
「おお、お前ならそう言ってくれると信じていたぞ!」
俺は半ばヤケになって杉並の企画に乗ることにした。それがこんなかったるい事になるとはその時は露知らず。
そして学園祭前日。学園祭の準備も一段落した俺たちは、今宵行われる作戦の 最終打ち合わせをしていた。
「よし、作戦の最終確認だ朝倉。まずここが俺たち男子生徒の寝泊りする2階校舎。
標的がいるのは4階の校舎だ。」
「ああ、分かってる。」
「今回の作戦のメインターゲットは当然、学園のアイドル白河ことり、そして朝倉妹に わんこ、水越眞子だ。」
「了解・・・・って、音夢も撮るのかよっ!?」
「朝倉妹は白河ことりに次いで人気があるからな。標的には外せないだろう?」
ばれた時のことを考えるとあまり撮りたくはないが・・・確かに音夢は学園では
それなりに人気があるので撮らなければならないのだろう。
「まず最初の関門は4階に渡る際に通る3階の校舎。ここには見張りの講師陣が常に
監視体制についている」
「はぁ!?そんなこと初めて聞いたぞ」
「安心しろ。既に手は打ってある。」
そう言って杉並は話を続けた。
「そして第二関門は4階の警護にあたっている風紀委員の面々だ。」
「ん?風紀委員が見張りしてるって事は、音夢と美春も起きてるってことなんじゃないのか?」
「いや、俺の掴んだ情報によると朝倉妹とわんこは、午前1時に他の風紀委員と見張りを交代することになっている。よって作戦決行時間を午前2時30分に変更することにする。」
「ここは風紀委員に見つからないようにして目的の教室に入ればいいんだな?」
「うむ。恐らく標的は全員同じ1−Bの教室にいるはずだ。後は写真を撮って誰にも見つからずにこの教室まで戻ってくれば任務完了だ」
「はぁ・・・・かったる・・・」
作戦決行までしばし英気を養う俺たち。やがて夜もふけ、時刻は午前2時15分を指していた。
(そろそろ時間だ、朝倉。出撃準備は整ったか?)
声のした方向を振り向くと、全身黒タイツで身を纏い、銀行強盗で使うような覆面をした男が立っていた。
「おわっ!?誰だ、お前は!!」
(馬鹿者、大声を出すな!他の連中が起きてしまうだろう!)
覆面を外す男から現れたのは杉並の顔だった。何を考えてるんだコイツは?
(つーかお前、なんでそんな怪しい格好してんだよ!)
(怪しいも何も俺たちはこれから敵地へ潜入するのだぞ?もしもバレた時の事を考慮してこれくらいの武装は施さねばなるまい。お前も早く戦闘服に着替えろ)
そう言って杉並は、俺にお揃いのタイツと覆面を放り渡してきた。
(・・・・・まじでこの格好で行くのか?)
(任務成功率を上げるには迅速な行動が必要だ。制服では機動性に欠けるからな)
そして俺は、全身黒タイツに覆面をして首からカメラをぶら下げるという 親が見たら間違いなく泣くような姿で出撃することになった。
父さん・・・母さん・・・・生まれてきてごめんなさい・・・。
(何をしている朝倉。そろそろ出撃するぞ)
(・・・・・あぁ、そうだな・・)
軽く影のかかった声で返事をし、俺たちは教室を後にした。
教室を出て階段を上り、まずは第一関門・三階の踊り場に到着していた。
見張りには我らがクラスの担任 暦先生が、かったるそうに踊り場に設置された椅子に座っていた。
「ここは杉並が何とかしてくれるんだったよな?」
「ふふふ、まかせておけ」
なにやら持ってきた鞄の中を漁る杉並。
「にゃっ!」
中から出てきたのは一応生物学上はネコと称される謎の生命体だった。
「うたまるじゃねぇか!?」
「さあ行け!未知なるネコよ」
そう言うと杉並は暦先生の方角にめがけて、にぼしを放り投げた。
「ん?なんだ、このにぼしは・・・?」
暦先生がにぼしに気付いて席を立とうとした、その時
にゃっ、にゃっ、にゃっ、にゃ♪」
うたまるは幸せそうににぼしに喰らい着いていた。
「お前は・・・!!いつぞやの謎のネコ!?」 「にゃにゃ〜ん?」
「ふ・・・ふっふっふっふ・・・」 唐突に笑い出す暦先生。
「今日こそ捕まえて研究材料にしてくれる!」
「にゃにゃっ!?」
普段のん気なうたまるも野生の勘がヤバイと告げたのか、一目散に廊下のほうへ 逃げ出していった。それを追うようにして暦先生は廊下の闇へと消えた。
「第一関門突破だな」
「・・・そうだな」
その場でうたまるに合掌した俺たちは更に上へと階段をあがっていく。
「見張りの風紀委員は2人か」
「うむ。情報通りわんこと朝倉妹ではないようだな」
しかし目的の教室に行くには、どうしても彼らの前を通らなくてならないようだ。
「よし、ここからは別行動を取るぞ、朝倉。俺は奴らを引き付ける役目と退路の確保に回る」
「え!?俺一人で写真撮るのかよ!」
「あの厳重な警戒態勢を突破するにはそれしかなかろう。」
「・・・かったりぃな」
「では、健闘を祈るぞ。お互い生きて会おう、My同士よ」
杉並はそう言うと4階の廊下に飛び出した。
「!! 誰だお前は!?」
いきなり現れた黒タイツ覆面男に驚く風紀委員の方々。無理もないだろう・・
「貴様らに名乗る名などないわ!」
質問の答えになってないことを言って杉並は屋上への階段を上がって行った。
「なっ・・・!?ま、待てっ!」
杉並を追って屋上へと消える風紀委員たち。というか、屋上って逃げ場ないんじゃないか?
まぁ・・・杉並だしな。なんとかやるだろう。そう思い、俺は自分の任務をこなす事にした。
目標の教室に辿り着き、俺は静かにドアに手をかける。
ガラガラガラッ・・・・・ 中を覗くと規則的な寝息が所々から聞こえてきた。
(ふぅ・・・どうやら全員眠っているみたいだな)
これで誰か起きてました なんて事だったら、その時点で作戦はおじゃんだからな。
俺は音を立てないように教室の中に入る。
(さてと・・・まずは誰から撮るかな・・・)
とりあえず教室の入り口から一番近い奴に標的を定めた俺は、そいつに向かってカメラを覗く。
(おっ、最初の獲物は眞子か)
杉並が用意したこのカメラは、赤外線なんちゃらでどんな暗い場所でも
まるで昼時のように明るく見えるらしい。というか、見えた(眞子が)。
しかもフラッシュをたかなくても鮮明な写真が取れるという実に都合のいいものだった。
(さてと・・・んじゃ、さっさと撮って次行きますか)
シャッターを切ろうとしたその時・・
「ん・・・ん〜・・・あさくら〜・・・・」
(!!)
まずい!起きたか!起きてしまったのか!? 動揺する俺をよそに寝返りをうつ眞子。
どうやらただの寝言だったらしい。
(ふぅ〜・・驚かせやがって・・・)
体中から嫌な汗が出たが、気を取り直して照準を眞子に合わせる。
(・・・・・・・コイツ、普段はあんな男勝りなくせに、寝顔は可愛いじゃねーか・・・)
はっ!違う違う!今は作戦中だ。さっさと撮って次の標的に移らなくては。
(はい、チーズ) 純一は小声でそんなことを言いながら眞子をカメラに収め、次なる標的に移る。
(さて、次はどいつかな?)
眞子の隣で寝ている奴に照準を合わすと、我が妹 音夢だった。
(おぉ、ぐっすり眠ってるな。そういえばいつも寝るの早いのに、今日は1時まで風紀委員の見張りしてたんだっけか)
(ふふふ、今から寝顔を撮られるとも知らずに口まで開けてちゃって)
カシャッ
(さてと、次は・・・っと、おお!ことりだ!)
さっさと撮ってしまおうと思っていたが、俺はフレーム越しに映ることりに見惚れていた。
(流石に学園のアイドルと言われるだけあるよな・・・・何つーか・・人形みたいだ)
そして、知らない間に自分の手がことりの髪に伸びようとしてることに気付く。
(おわぁ!何やってんだ、俺は!こんな格好でそんなことしたら言い逃れは出来んぞ・・)
(くだらん考えを起こす前に撮っちまうか。) カシャッ
(ふぅ〜・・・後は美春を撮って終了だな。)
(え〜っと、美春は・・・・・あ、いたいた。)
美春はバナナの抱き枕を抱いてグッスリ眠っていた。
(流石美春だな。寝ているときまでバナナと一緒なのか)
幸せそうに微笑む美春の寝顔に照準を合わせ、シャッターを切る。
(バナナの夢でも見てんのかもな・・・)
(よっしゃっ!!これにて任務終了だぜ!)
最初はかったるさ全開だったが、やり終えてみると妙な満足感が湧いてきていた。
(後は、無事に教室まで戻れば・・・)
純一が、そう思ったときだった。
「バナナ・ボンバ―――――ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
(ッ!!)
今まで幸せそうに寝ていた美春が大声で叫び始めた。
「ん〜・・・むにょむにょ・・・」
(ね・・・寝言かよっ・・・・) ため息をつく純一。
「ん・・・・・・美春?どうしたの?」
「ん〜・・・?何か今変な声が聞こえた気がする」
ヤバい! そう思った純一だが、入り口は今の声で起きた眞子に封鎖されていた。
「ごめん、みんな。ちょっと電気つけるね〜」
といって眞子は入り口付近にあるスイッチを入れる。 パチッ パチッ
「あれ?美春寝てるね」
「ん?どうかしたんですか?」
「あ、ごめんね白河さん。起こしちゃったかな?何か美春がうなされてるみたいで」
「そうなんだ?でも、その割には幸せそうな顔で寝てるっすね」
「・・・・確かに」
「ん?」
「どうしたんです?眞子」
「何か美春ちゃんの布団、妙に膨らんでない?」
ビクッ!!
「きゃぁ、何か動いた!」
「な・・・な・・・何よぉ。お、お化けとかじゃないわよねぇ?」
「眞子ってお化けが怖いんですね」
「え?こ、怖くなんかないわよっ!?」
「じゃ、じゃあ眞子。美春の布団を調べてきてくれませんか?」
「うぅ〜・・・・・分かったわよぉ」
恐る恐る美春の布団に近づいていく眞子。この時、純一には近づいてくる眞子の足音が
死のカウントに聞こえたと言う・・・。
そして時は冒頭部分に戻る。
マズイ。非常にマズイ事態に陥っていた。
美春の布団に隠れていた俺は眞子達に見つけられ、一目散に4階の教室から退散した。
とにかく階段を下りようと踊り場へ向かうが、杉並に振り切られた風紀委員とそこで鉢合わせてしまう。
そして今俺は4階の廊下を眞子、音夢、風紀委員に追われながら疾走していた。
「ハァハァ・・・ち、ちくしょう、杉並の野郎っ!!何が退路を確保する だ!おもっきし塞がれてんじゃねぇか!」
やがて校舎の端に着き、廊下は行き止まりとなってしまう。
「おいおい・・・まじかよ・・」
「待ちなさい変質者〜!!」
拳に炎を纏った眞子が近づいてくる。俺は捕まった時のことを想像して身の毛がよだった。
「くそっ!かったりぃ!!」
俺はとっさに近くにあった教室に身を隠した。
「入ったはいいけど・・・隠れるところがないじゃねぇか!?」
くっそ・・・どうする?どうするよ俺!?諦めて自首するか?
いや、捕まったら最後。五体満足ではいられないだろう・・・
一生離乳食しか食べられなくなるかもしれん!
そんな考えを巡らせていると、教室のドアが勢いよく開け放たれる。
「追い詰めたわよ!」
眞子と音夢が教室に入ってくる。
「年貢の納め時ですね。大人しく縄にかかってください」
「くっ・・・・」
「では、このような状況を四字熟語で何というか?分かる方いますか?」
「はい、和久井先生!」
「お、では朝倉君」
「絶体絶命です」
そう、俺は絶体絶命な状況に立たされていた。徐々に教室の隅に追いやられていく。
もう逃げ場はなかった。 諦めよう。思えばそんなに悪い人生でもなかった――――
「こっちだ!」
そう思ったとき、掃除用具入れの中から声が聞こえてきた。
何故掃除用具入れの中から――――?そのときの俺はそんなことを考える思考能力はなく、無我夢中で掃除用具入れの中へ飛び込んだ
「えっ!?」
眞子たちは目を疑った。ついさっきまで確かに追い詰めていたはずの変質者が、掃除用具入れに入って消えてしまったのだ。
「何?どうなってるの?」
「た、確かにこの中に入ったはずなんだけど・・・・」
掃除用具入れの中は空っぽであった。
「や、やっぱり幽霊だったんじゃない?ほ、ほら。この学校幽霊出るって噂あるし・・」
「でも、あんな変な格好の幽霊なんておかしいですよ」
「確かに・・・そうかも」
「とりあえず見失ったものはしょうがないですから、一度先生方に報告して警備を強化してもらいましょう」
「ハァハァハァハァ・・・」
「間一髪だったな。朝倉よ。」
「ふざけんな・・ハァハァ・・・・お前のおかげで寿命が10年は縮まったつーの!」
「まぁまぁ、最後はきちんと助けたのだから結果オーライだろう」
俺は掃除用具入れに入った後、用具入れの床が突如開き、そのまま2階の掃除用具入れまで自由落下していた。
どうやら杉並が用具入れに小細工を仕掛けていたらしい。
「しかし俺があそこに追い詰められなかったらどうする気だったんだよ?」
「ん?階段は風紀委員が塞いでいただろう?お前があの部屋に逃げ込むことくらいは予測済みだ」
「それは何か?もし俺が音夢たちに見つかってなくても、風紀委員に見つかって
追いかけられることを前提にした退路だったわけだ?」
「その通りだ。流石は朝倉、察しが良いな。その方がスリルもあって面白かっただろう?」
「・・・・・・・・・・・・。(コイツはいつか絶対消す。)」
「ところで朝倉よ。例の任務は無事遂行できたのか?」
「ああ、ほらよ」
杉並にカメラを放り投げる。
「おお、そうかそうか!流石俺の見込んだ男だ。現像を楽しみにしてろよ朝倉?お前には一番最初に拝ませてやろう」
「分かったから、もう教室帰るぞ・・・・。何か俺はドッと疲れた・・・・」
無事任務終え、教室に戻る俺たち。精神的にも疲れていた俺は、死んだように眠りについた。
一夜明け、学園祭当日。
「う〜す、杉並いるか〜?」
「おお、来たか朝倉!見よ、この麗しい天使達の寝顔を!!」
「おぉ・・・」
自分で写真を撮っておいて何だが、かなりいい感じに仕上がっている。
モデルがいいからか、雑誌に載っててもおかしくないくらいだ。
「しかし、朝倉妹だけ口をあけているのが残念だな」
そういえば音夢だけ変な寝顔を撮ったんだった。
「まぁいい。これはこれで、その手のファンが買っていくだろうからな」
「そういうもんなのか?」
しばらく俺と杉並は4人の寝顔について熱く語り合っていた。
そう、熱く語り合っていたから気付かなかったんだ。悪魔がそこに近づいてる事に・・・
「しかし白河ことりは流石だな。何と言うか、寝てるときまで完璧だ」
「美春なんて寝るときバナナ抱えて寝てるんだぜ?」
「ほう、普段凶暴な眞子も寝てるときだけは可愛げがあるな」
「・・・・・・・・随分楽しそうな話をしてますね?兄さん、杉並君?」
「あたしたちも混ぜてもらっていいかしら・・・?」
時が止まった――――
背後から聞こえてくる悪魔の声に、俺と杉並は壊れたブリキ人形のように首をカタカタならして振り向いた。
悪魔なんて可愛げのあるものじゃない。そこには魔王と鬼神の姿があった。
「待ちなさいよ〜朝倉〜っ!!」
「兄さん〜!待ちなさ〜い!」
眞子と音夢の叫びを背中に聞きながら、俺と杉並は廊下を疾走していた。
「はぁ・・・だからお前と関わるのは嫌なんだよ」
「そう言うな。これも青春の1ページと思えば楽しいものだろう?」
「どこがだっつの・・・・かったりぃ・・・俺はもっと普通の青春を望む」
「ふっ、とりあえずこれからも青春を謳歌したければ、今日と言う日を生き延びねばなるまい?」
「・・・・だな」
そして今年も、俺と杉並は風になった。
こんなかったるい日常がいつまでも続けばいい――――
今年の学園祭はそう思えるような、学園祭だった。 END
初めてSS書いてみたので貼ってみました。後から気付いたんですが、
625-626はそのまんま貼り付けて書き込んじゃったので、字が飛んだりして見にくい所もあります。
補足としてD.C.のバッドエンド(杉並エンド)後 という設定になってます。
GJ!
朝からいいもん拝ませて頂きました。
乙!( ゜д゜)ゝ ビシッ
MW3、2.5やっただけに幸広で攻略出来るの二人だけだったなんて…せめてサラや雪花エンドはあると思ってたのに
職人さん誰か幸広×サラまたは幸広×雪花希望っす
このスレのことじゃなくて、
二次創作系のサイトのことだけど、
塵外魔京とあやかしびとのクロスオーバー物って大量に出てきそうな気がする。
そんな明白のことをいちいち指摘されてもね
ホシュ
レベルジャスティス物誰か書いてくんねーかなぁ
魔界天使ジブリールネタできぼん
つまりLJのメンバーとジブリールが戦うんだな
>>639 シナリオにもよると思うぞ。
あやかしびとはともかく、塵外は未知数だからな。
内容が良くなきゃSSなんぞ書かれない。
後、あやかしびとはSSとして取り扱われるほど売れるか疑問。
厨設定させ満たされてればU-1物好きな人たちが喜んでSSを書くよ
そういう言い方は……
設定はいいのにシナリオがヘボな方が、意欲が湧く人も稀にいますよ。
というか設定が良くて、肝心なところが描写されていないものの方が二次作家は燃えるだろう。
エンディングの無いあのキャラとか、途中から行方不明なこのキャラとか。
その辺は人によるのでは
めぐり、ひとひら。というゲームのSSを生まれて初めて書いてみた。
設定をほとんど無視して、自由に書いてみたんだが……投下してもよいのだろうか?
ヒロインは妹キャラ(麻生こま)で、エロなしのシリアスもの。
家でネットができないので学校でネットをやってるから、いつ投下できるかわからないんだが。
まさか、高校じゃないよね、ね。
高専だけど……。
普通、21才にはなってないよな
ここは21才以上未満は来ちゃ駄目なんだが
高専には専攻科ってのがあるんだ。中卒から5年通って、更に2年通う制度。
今21だよ
そうか、それはスマン
マイナーだから仕方ないよ、専攻科。
投下してもいいなら、月曜にでも投下してみるんだけれど。
是非投下してくれ
>設定をほとんど無視して、自由に書いてみた
せっかく書いてくれたのに申し訳無いんだが・・・正直、こういうのはあんまり好きでは無い
嫌なら読まなければ良いだけ。
レスがつくかは出来次第になるが、
それでもいいなら投下してみてくれ。
その昔、のび太が色んなアニメやゲームのキャラを犯しまくるエロ同人シリーズってのがあってね・・・
女の子を差し替えるだけでいくらでもシリーズ続けられそうなヤツ。
キャラクターの名前を借りてくるだけの話なら特に読みたいとは思わない。
書きたい内容に本編との矛盾が発生して、それでも力技で納得させようってタイプは結構好きかも。
>653がどこまでを以って「設定をほとんど無視」と言っているかは本人にしか分からないが
とりあえずアップしてみるのが良いかと・・・というかお待ちしておりますw
U-1とか最低SSに属するような設定無視なら俺も止めて欲しい
555
669 :
リンダSS:2005/06/15(水) 23:25:52 ID:AAauInbT
【続きからになります。軽くあらすじいれておきます】
山本悪司との抗争に敗れヒラカタを去った幼いリンダとその執事ハイネ。それから十年後、桃山の家を継ぐべく人間に成長し、リンダは再び帰ってきた。
しかし、その矢先に起こった大地震。リンダは市民の救済に奮闘するが、自分の理想通りには行かず、己の小ささを思い知ることとなる…
軽トラの助手席に座るリンダが隣で運転している元子に声をかけた。
「あの、どこに向かってるんですか?」
「ん?私もアエンに呼ばれて来ただけだから今からセンリに帰るんだけど?」
「えっ!?センリに!?」
センリといえばわかめ組の長屋がある。当然ながらそこにはあの憎き山本悪司がいることだろう。
かって河東を牛耳っていた桃山組の跡取りが地元の救済そっちのけに仇敵に顔を見せにいくのは恥ではないか。
途中で降ろしてもらおう。そうしよう。
そうリンダが元子に頼もうとする前に、無線が入った。
「はい、こちら加賀元子ですが…ガッ」
「今どこにいる?…ガッ」
リンダは耳を澄ませた。
この愛想のない、淡々と事務的な物言いは確か島本のものだろう。
「えーと、丁度オオアナに入ったところです…ガッ」
「迂回しろ。オオアナだけは通るな…ガッ」
「?…ガッ」
とりあえず元子は指示通りオオアナ地域から出ようとした。
だが、後ろから物凄いスピードでダンプカーやタンクローリーが何十台もが軽トラを追い越し、更に取り囲んでいた。
「な、なに!?」
「ハニー土木のようですが、どうしてオオアナに?まさか仮設住宅をこんな危険地帯に建てるわけではないでしょうし…」
二人が訝しんで周りの大型車を眺めていると一つの車体の運転席の窓が開き、中からハニー土木社長が顔を出した。そして、すかさず何かを二人の顔めがけて投げた。
「デコ眼鏡キター!!美少女眼鏡キター!!」
「なによ、コレ…」
「あれ?外れないっ!?」
「ほーほっほっほっ!その特注眼鏡は使用者が絶頂に達しないと外せない仕組みよ!しかも淫靡薬付き!」
言われてみると体が火照る。リンダが元子を覗きみると、元子も同じような状態らしく呼吸が荒い。
「度があってないから目が痛いでしょ!長時間つけていればいずれ本当に眼鏡が必要な体になるわよ!しかーし、実は眼鏡をつけて自分こそが本来の自分であって、それはむしろ天命とも(ry」
社長など目に入らずリンダは下半身の疼きを抑えようとする。
ふと、元子と目が合った。
(元子さん、綺麗だなぁ…)
「元子さん…」
「リンダ…」
見つめあううちに二人の体温が上がっていく。頬は上気し、股間が湿ってきた。
先に動いたのは元子だった。
片手を伸ばし、リンダの両足の間に滑り込ませる。
リンダは元子の方に体を向け、元子の手のなずがままになっていた。
「はぁ…、元子さん、そこぉ、気持ちいいです…」
「ふふ、わかるわ、こんなに濡れてるもの。あぁ…、かわいい…」
元子の手のまさぐる動きが速くなる。それに合わせて淫猥な液体の音が大きくなる。
リンダは両手で自らの右足を持ち上げ、股を元子に露わにする。
下着越しに触れていた元子の指が直に入っていき、リンダは更によがる。
とどめに元子がリンダの唇を求め、唾液が音を立てるほどに口内をかき混ぜた。
「ああぁっ!!いっちゃうー!いっちゃうーーーーっ!!」
果てたリンダから元子は指を抜き、付着していた愛液を舐めとる。
リンダの指を手に取り、元子は口に含み指フェラをする。唾液で十分に濡れたそのリンダの指を自分のぐしょぐしょになった恥部に持っていく。
「あぁんっ!」
長い指が元子の奥まで入ってくる。次第にリンダ自身もその指を動かし始める。
のろのろとリンダがハンドルの下に潜り込んでいった。
(元子さん、綺麗だなぁ…)
「元子さん…」
「リンダ…」
見つめあううちに二人の体温が上がっていく。頬は上気し、股間が湿ってきた。
先に動いたのは元子だった。
片手を伸ばし、リンダの両足の間に滑り込ませる。
リンダは元子の方に体を向け、元子の手のなずがままになっていた。
「はぁ…、元子さん、そこぉ、気持ちいいです…」
「ふふ、わかるわ、こんなに濡れてるもの。あぁ…、かわいい…」
元子の手のまさぐる動きが速くなる。それに合わせて淫猥な液体の音が大きくなる。
リンダは両手で自らの右足を持ち上げ、股を元子に露わにする。
下着越しに触れていた元子の指が直に入っていき、リンダは更によがる。
とどめに元子がリンダの唇を求め、唾液が音を立てるほどに口内をかき混ぜた。
「ああぁっ!!いっちゃうー!いっちゃうーーーーっ!!」
果てたリンダから元子は指を抜き、付着していた愛液を舐めとる。
リンダの指を手に取り、元子は口に含み指フェラをする。唾液で十分に濡れたそのリンダの指を自分のぐしょぐしょになった恥部に持っていく。
「あぁんっ!」
長い指が元子の奥まで入ってくる。次第にリンダ自身もその指を動かし始める。
「ぬるぽ………ガッ」
そうリンダが元子にぬるぽうとする前に、制裁が入った。
ここは温度差が激しいスレですね。
クークラックスクランだな君は
ぱすチャCのSSが大横行しそうだな
なんで? そんなに書きたくなる内容だったのか?
サブキャラのエチとかエンドが無いとか聞くから、それの補完かな?
1.メインヒロイン4人のうち、3人がシナリオがグダグダとケチをつけられる
2.サブキャラの小イベントがイイ出来=キャラが立ってる、スバラスィ。
3.サブキャラは小イベント中にはかなりときめいてる展開だが
いざエンディングとなると、今時エロゲじゃありえねぇほどのときめかねぇ友情エンド。
4.当然エロもない、キャラによっては一枚絵もない。
5.人気投票(局地的ではあるが)で上位三人をサブキャラが占める始末………
6.会社の経営方針的にビッグなFDもいまいち期待できず。
こんな感じ。
サブキャラのためだけにエロゲを探し続ける俺としては
生殺しにもほどがあるゲームだった。
「そうね、そろそろ自分でも書いてみたらどう?」
イベント三度目参加の帰りにぼたんに言われた台詞だ
「自分でって………何書けばいいのかサッパリで」
「自由に書けばいいのよ、こうだったらいいのに、みたいな内容で」
「うーん……なるほど」
「あ、でもあんまり無茶なのは駄目よ
U−0みたいなネタはPTAに即殺されるわよ」
「うへぇ、意外と制約大いな」
「じゃ、明日までにコンテ、完成させてきなさい」
「ちょwwwww明日かよ、鈴木急ぎすぎ」
そうは言ったが鈴木はもう寮の方に歩いて行っていた
止めてもよかったのかもしれないが
自分も少しは興味があったし
アシスタントのようなことを何度かして自分の実力がどれほどのものかも知りたかった
寮に帰り早速考え始めた
自由に考えろ、とはいうものの簡単には思いつかない
思い付いたと思えばすぐに矛盾点に到達するのだ
「ハァ…何書くかなぁ」
考えても思いつかない
創作って大変だなぁ、と感じた
書きたいものを書けばいい
その鈴木の言葉(鋸じゃないよ)が頭をよぎった
「そうか、そうだよ……もっと簡単に考えればよかったんだ」
俺は軽快にペンを走らせ始めた
その時時刻は深夜2時だった………
〜放課後〜
「眠そうね」
「まぁ……昨日は頑張ったからな、見てくれこれが俺の
書きたい、こうだったらいいのに、だ」
そういい、俺は自信満々、まんまんみてちをちんおっきおっきの原稿を渡した
……………
………
……
3P程読んだあたりで鈴木の顔が赤くなってきた
「ちょっ…………何よコレは」
「は?俺とぼたんの愛のストーリーだが
あ!そうか実名出したのが悪かったのかスマンスマン」
そう、内容は俺とぼたんの愛のストーリーだ
全72Pにも及ぶ超力作インド人真っ青の感動的内容だ
「ハハハ安心しろ60P以降にはこれから、SO!ベットシーンもばっちりさ」
「ななななななな!!!」
急ぎページを飛ばし60Pまでいったぼたんの顔は究極に赤くなっていった
「どうだぼたん!完璧だろ二人の性癖を考慮し………ヘブァ」
そこまで言って鉄拳がとんできた
「馬鹿!馬鹿!カバ!河馬チンコ!!何描いてんのよー」
その言葉は気絶した俺の耳に入る事は無かった
ただその日の空は蒼く澄んでいた
〜完〜
(´・ω・`)これが俺の妄想イベントその3さ
萌えるかどうか以前にエロに繋がらないかなと思って書いたんだ
確かに至らない所は多々あるよね、だけど怒らないでほしい
仏の顔もっていうだろ
このSSを読んでときめきみたいなものを感じてくれたらこれ幸かな
さぁ、注文を聞こうか……
地の文をもっと出せ。
〜本を読んでいるうちにぼたんの手はだんだんと下腹部へと下がっていった………
とか、そういう文を書き殴るんだ。
シチュだけで萌えられるのは初等読者だ。
頬を赤らめて恥じらう描写で萌えるのはよく訓練された読者だ。
シチュと描写と会話とが複雑に絡み合ったSSなら、萌えないヤツはイナイ!
>>685 (´・ω・`)Thank you
ありがとう
次回からはそれも考慮して頑張るよ
それにしても………
カイ「早い、早いよ
>>685中尉」
発見。
815の思いはよく伝わるSSだった。
次はさらに一歩踏み込んでよろ
あやかしびとのSSマダー?(・∀・ )っノシ凵⌒☆チンチン
書いている最中だよ。
小ネタでいいなら。
○月×日
今日、ぼくはにっきをかくことにしました。
というのもさいきんぼくはゆめを見ることがおおいのですが、
あさになるとぼんやりとしかおぼえてません。
なつかしいかんじだけはおぼえているのですけど。
そのことをえんがわで横になっていたすずおねえさまにおはなししたら、
「にっきをかけばおもいだすかもしれないわよ」
と、すずおねえさまはこたえてくださいました。
「にっきとはなんでしょうか?」
ぼくがたずねましたら、
ぼくとすずおねえさまにおちゃをもってきたかかさまが
「にっきとは、きょうおこったことや、たいせつなことを
いちにちのおわりにかくじぶんのためのほんのことですよ。
かかさまも、ととさまのすてきなことをまいにちかいてますよ。」と
おしいれにいれてあったやまのようなのーとをみせてくださいました。
小(ネタバレ伏字)キタ━━━( ゚∀゚ )━(∀゚ )━(゚ )━( )━( ゚)━( ゚∀)━( ゚∀゚ )━━━!!!!
すずおねえさまは、くちをぽかんとあけて
「とうこ!7ねんかんでこんだけかいたの〜」とおどろいてました。
かかさまはかおをあかくしながら、
「だってそうひちさんとのすてきなひびをわすれたくありませんの〜」
とこたえました。
りょうてをほほにあてて、かおはまっかです。
ぼくは、かかさまがまたかんどうしすぎて、かべにひびをつくるのではないか、
しんぱいしました。
ひびがはいったかべをなおすのは、いつもととさまとぼくなのですから。
それにこうなってしまうと、なかなかへんじをくださらないので、すこしこまります。
でもなんだかとてもすばらしいことみたいなので、
ぼくもにっきをかいてみたいなとおもいました。
しかしそのためにはかかさまのへんじがひつようです。
かってにものをかってしまったら、ととさまにおこられてしまいます。
どうやったらもとにもどるのでしょう。
ととさまみたいにかかさまからうまくなげられるじしんは、ぼくにはありません。
ととさまも3かいに1かいはうけみをとりそこなって、きぜつしてしまいます。
ぼくもととさまからくんれんをうけているとはいえ、
かかさまから、きぜつせずにうけみをとれるのでしょうか?
ぼくがなやんでいると、すずねえさまはかってに
「じゃあ、とうこ。わたし、しゅうげんくんのためののーとをかいにいくわね」
せんげんしてしまいました
かかさまは、ぽやんとしながら。
「ああ、いいです〜そこ、いいです〜」
さっきより、かおまっかにして、めをうるませながらへんじをしました。
「とうこがゆるしたからね。いこう」
でも、すずねえさま。あのへんじはぼくたちにむけたものではないようなきがします。
しかしかかさまをもとにもどすには、ととさまがいないとできません。
ととさまは、いまおしごとにでかけてますので、かえりがよるになってしまいます。
しかたがないので、ぼくはすずおねえさまにてをとられて、
まちへいっしょにかいものにでかけることにしました。
一応ここまで、眼鏡がこわれたんで続きは明日です。
GJ!
刀子エンドアフターですか、
続き期待してます。
子会長キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
GJ!
いまから続きを投稿します。ひらがなだらけの上に読みにくいと思うけど
ゴメン
すずねえさまのてはやわらかくて、ととさまのてとも、かかさまのてともちがいます。
すこしどきどきしました。
しょうてんがいにはいりますと、とーにゃさんとうらじみーるさんにあいました。
とーにゃさんもうらじみーるさんもだんぼーるをむすびつけているかーとを、
ころころところがしてます。
すこしこわいかおをしたすずおねえさまが、とーにゃさんにあいさつをしました。
「あら、ごきげんよう。とーにゃさん。おかいものですか?」
「いえいえ、あにのしごとのてつだいです。いべんとがおわったので、
そばでもたべようかとおもいまして。
すずさんはあいかわらず、こどもあいてにばかすれんしゅうですか?」
「いえいえ、こどものきょういくのために、にっきちょうをかいにいくのですよ。
そこのたぬきむすめみたいにせいかくがわるくならないように」
「そうですか〜おばさんというのはたいへんですね〜」
すずおねえさまととーにゃさんのこめかみに、あおすじがうかびます。
いつもとーにゃさんがそれでちょうはつしているのに…なれないのでしょうか?
それにぼくとすずおねえさまがおばになるのはじじつなのですけど…
でもまえにぼくがすずおばさまといったら、しっぽとみみをだすほどしょっくをあたえてしまいました。
それよりもすずおねえさまが、ものすごくかなしそうなかおをしてしまったので、
おばさまとよぶのをやめることにしました。
あとでなぜかととさまがぼろぼろにさせられましたし。
それにしても、とーにゃさんとすずおねえさんのふたりがいつもであうと、
くうきがゆがんだようなきがします。ととさまとくきせんせいがれんしゅうしあいしているときや、
かかさまと、ととさまがいっしょにれんしゅうしているときよりもゆがみがはげしいです。
ただ、ととさまがうちのりょうにいるおんなのひとにみとれているのをかかさまがみつけたときはべつですけど…
それからいつものように、くちげんかをすずおねえさまととーにゃさんがつづいていると、
うらじみーるさんがぼくにはなしかけてきました。
「おう!にっきちょう!そのためののーとがひつようね。
いべんとでかったびんせんとかどうね!」
あめりかんなちょうしで(うらじみーるさんはろしあじんなのに)、
うらじみーるさんはだんぼーるのなかをごそごそさぐりだしはじめました。
きれいなうすっぺらなほん(あとでききましたが”どうじんし”というそうです)をかきわけて、
いらすとがたくさんはいったしろいのーと(ぐっずというそうです)をいろいろだしてきました。
「どのこにもえるね?ま○ち?え○ん?ゆ○さん?あると○ねっと?」
どれもぼくよりとしうえの、そのわりにはかわいらしいおんなのかたのいらすとがはいったのーとです。
なんとなく、じをかくばしょがせまくなっているのがきになりますけど…
いろいろとみせてもらったもらったのですが、どれもぼくがいまほしくなるようなものはありません。
それにもえって、なんでしょう?
ぼくがかんがえこんでいると、とーにゃさんが
「いたいけなこどもをじゃあくなみちへとみちびこうとするな!!」
といって、すごいあっぱーをうらじみーるさんにくらわしました。
かえるぱんちのあおきせんしゅもびっくりです。
うらじみーるさんはおほしさまになってしまいました。
それでもうらじみーるさんは、ながれぼしになってもどってくるのでしょう。
そのそうどうですずさんもどくけがとれてしまいました。
「やっぱまともなのーとをはやいところみつけなくてはだめね」
すずおねえさまはためいきをつきます。
「ええ、そうですね。できればへんなみちへとすすまないようなのーとがいいとおもいます」
そんなにへんだったのかなあ。きれいなのーとだとおもいますけど。
でもおふたりをしんぱいさせたくないので、くちにだすのはやめときます。
なるほどにっきにはふだんおもっていても、くちにだせないこともかけるのです。これはべんりです
わかれるときにとーにゃさんからぶんぼうぐやさんをおしえてもらったので、さっそくいくことにしました。
「すみません。このこのためのノートをみせてほしいのですが?」
そうするとてんいんさんは、
「ええ、よろしいですよ」
といって、のーとおきばののーとをみせてもらうことになりました。
そこには、たくさんののーとがあります。
じどうしゃがかかれているのーと、ひこうきがかいてあるのーと、
うらじみーるさんがぼくにみせてくれたようなあにめやまんがのいらすとがかいてあるのーと、
ほんとうにたくさんあります。
どれもよさそうなきがするのですけど、まよってしまいます。
すずおねえさまならぜんぶかってしまいそうですけど、それはとてもわるいきがします。
やっぱりどれかひとつにきめないといけません。ま
よっていると、ふとめについたのーとがあります。
きつねのしっぽつけたおんなのことにんげんのおとこのこがまりつきをしているえがひょうしののーとです。
なんだかこれをみていると、すずおねえさまとあそんだひとかをおもいだしそうです。
きめました。
「すずおねえさま、これでよろしいです」
「あら?そんなこんなかわいらしいのでいいの?しゅうげんくん?」
すずねえさまは、いがいそうなかおをしてました。
「ええ、いいのです。にっきとはきょうおこったいろいろなことをかくのですから、
このひょうしのようなたのしいことをかきたいのです。
それにこのひょうしのおんなのこはすずおねえさまににてますので、これでいいのです」
なんだかはずかしくなったので、ぼくはかおがあかくなってしまいました。どうしてでしょう。
ただのーとをえらんだわけをはなしているだけなのに。
「あのね、しゅうげんくん。わたしはこのこよりもかわいいわよ!それにこたろうみたいなことをいわない!!」
でもすずおねえさまもかおがまっかです。
そしてあわてたようにのーとをもってれじにいってしまいました。
ぶじにのーとをかえましたので、じんじゃのもとにかえりました。
げんかんのくつをみてみると、ととさまのくつがありました。おもったよりもかえりがはやかったようです。
でもただいまといったのに、へんじがありません。
いつもならおかえりなさいと、ととさまかかかさまがこたえますのに。
すずねえさまもふしぎそうなかおをしてます。いったいどうしたんでしょうか?
ぞくがしのびこんだのでしょうか?
ぼくとすずおねえさまはきんちょうします。
これでもぼくは”いちのたにりゅう”と”くきりゅう”をしゅぎょうしているみです。あいてにすきをつくることができるはずです。
でもととさまとかかさまにかてるようなぞくにぼくはかてるのでしょうか?
いまでなにやらひとのこえがします。ぼくはちからでもぞうとうをとりよせます。
すずおねえさまもこわいめでいつでもことだまをだせるように、じゅんびします。
あしをひそめて、いまをのぞきます。どうやらぞくはいないようです。ほっとしました。
でもなぜ、ぼくとすずおねえさまのきたくにきづかなかったのでしょう?
ととさまがかかさまになにかのーとをよんでいるようです。
「『そうひちさんがやさしくわたくしのなかにいれてくださると、わたくしはまるでてんにのぼるかのようなきがします。
なんどもなんどもけいけんしても、あきることがなく、すばらしいのはなぜでしょう…』」
「やめてください!やめてください!」
かかさまはととさまをぽかぽかとなぐっています。よかった。かべにひびがはいらなくて。
あ、かかさまがととさまからのーとをうばいとりました。
「もう、しゅみがわるいですよ、あなた。いじわるなんですから」
「ごめん、ごめん。でもうれしかったよ。こんなにおれのことをおもってくれるなんて。
とうこさんがかんじていることをおれはこんなふうにあらわすことはできないから…」
「あなた…」
ふたりとめをうるませています。なんとなくかかさまのかおもあかいですけど、いやがっているかんじではありません。
こんなときにはどうすればいいのでしょう?
ととさまとかかさまのわざをみきるよりもむづかしいです。
そんなことをかんがえているうちに、すずねえさまがずかずかとはいってきます。
「ただいま!とうこ、そうひちくん!!」
「「どぅわ!!」」
ととさまもかかさまもかたまっています。
「あらあら、ふたりきりのほうがよかったのかしら〜
やたがらすのいえでしゅうげんくんでごはんをたべてきたほうがよかったかも〜」
「す、すずさん!すぐにごはんのじゅんびにとりかかります!!」
かかさまはあわてて、だいどころにむかいました。
ととさまはかんがえこんでいるぼくをみつけると、くしゃくしゃとぼくのあたまをなでました。
「おかえり、しゅうげん。すずになんかかってもらったのか?」
うれしくなったぼくは、
「はい!!すずおねえさまに、にっきちょうをかってもらいました!
たのしかったこと、おぼえておきたいことをたくさんかきたいとおもいます!!」
そうこたえました。
「うれしいこと、おぼえておきたいことか…たくさんかけるといいな…」
ととさまはそういうと、なみだぐみます。ぼくがたのしそうなことをすれば、いつもです。
いつものようにととさまがなく。それはあたりまえのことなのに。
なぜかぼくは、にっきにかかないといけないとおもいました。
なぜなんだろう?おおきくなれば、ぼくにもわかるのかな。
へやがかかさまのにっきちょうにちらばっているので、
ととさまと、すずおねえさまで、かたづけることになりました。
すずおねえさまがかかさまのにっきをのぞこうとすると、ととさまはすずおねえさまにちょっぷをします。
「おい、いくらなんでもまずいだろ」
「そうひちくんをよめがどうおもっているかをしるのは、あねのぎむでしょ?」
「なら、すずもにっきをかけよ」
「めんどくさいから、いや」
「だー、それなのにしゅうげんにはかかせるきなのか!むじゅんしているぞ!」
そんなことをいいながらかたづけます。
そのあいだに、ぼくは、じぶんのへやでかってもらったのーとにきょうあったことをかいていました。
やがておしいれににっきをかたづけると、かかさまのおりょうりのじゅんびもできたようです。
ばんごはんはととさまとぼくのこうぶつのにくじゃがに、きゅうりのさんはいず、あじのひもの、みそしるにごはんでした。
わいわいと、ととさまとかかさまとおねえさまときょうあったことやこれからのことを、
たべながらでおしゃべりをしました。
どうやらそとからのりゅうがくせいさんがうちのりょうをつかうことになりそうです。
かんげいかいのじゅんびもしなくてはいけないようです。
かかさまもりょうりのうでのふるいがいがあると、うれしそうです。
わがやはじんじゃのほかに、けいないのはなれにりょうもけいえいしてますので、りょうせいがおおくくるのはありがたいことです。
ごはんをたべておわりますと、からすさんがすずおねえさまをむかえにきました。
どうやらこんばんは、おかしらさまのところですずおねえさまがおとまりになるようです。
「しゅうげんくんもくる?」とたずねましたが、
ととさまが、
「こいつもおれもしゅぎょうしなくちゃいけないからな。そうだろう?しゅうげん?」
とへんじをします。
そうです。いまはまだよわいですけど、ぼくはおいえげいのいちのたにりゅうをおさめなくてはいけません。
「はい、しゅぎょうさせていただきます!」
と、げんきよくへんじをしました。
ちょっとざんねんそうなかおをすずおねえさまはしましたけど、ほほえんでぼくをだきしめると
「そう、がんばってつよくなるのよ。おやすみ!」
といって、りむじんにのっていきました。
それからぼくは、じゅんびうんどうののちいちのたにりゅうのかたのひとりげいこをおこないます。
ぼくはひとよりちからはつよいですけど、まだかかさまほどつよくはありません。
それにれんしゅうようのいあいとうがぼくがじょうずにふると、いあいとうがたのしそうにわらうのです。
「がんばれ、がんばれ。そのちょうし。ぼくをじょうじにまわして」
ぼくがうまいかたをすれば、わらってくれるようです。
きょうはちょっとぼくがうかれているため、あまりわらってくれませんでした。すこし、はんせい。
れんしゅうがおわったあと、ととさまももうひとつのしごとにくぎりをおえたようです。
どうやらととさまはそつぎょうしたりょうせいのおいていったものをなおしていたようです。つなぎをきてましたから。
「しゅうげん?おまえもいっしょにふろにはいろうか」
「はい!わかりました」
ふろのなかでは、おたがいのせなかをながしたり、
ととさまがなおしてくれたおもちゃのみずでっぽうでうちあいをしたりします。
でももうすぐぼくはしょうがくいちねんせいです。こどもっぽいなあというきもします。
そうこうしているうちによるの9じです。こどもはねないといけません。
でもにっきののこりをかかないといけません。
あわてて30ぷんぐらいでのこりのにっきをかきおえました。
あしたのれんしゅうはねむくならないといいな。
以上です。なんだかとても読みにくい文章ですみませんでした。
>>706 GJ!ほのぼのした。
キャラが頭の中で動いてたよ
ここに来て人の暦で1ヶ月ほど経ちました。
あれから一度も飛んでいませんが僕は今の暮らしに満足しています。
他の物達とお話ししながら過ごす月日は優しく穏やかで、自分が何物であるのかさえ忘れてしまいそうです。
でも、最近…彼を見ていません。初めて僕を飛ばしてくれた人。
週に一度は僕を磨いてくれてたのに、今週はまだ一度も来てくれてません。
その時、不意に彼の声が聞こえた気がしました。
「みんなの力を貸して欲しい。世界を人を守るために」
周りの物達にも聞こえたようです、いつもは静かな物達がざわつきます。「人を守る?」
「人を守る!?」
「人を守る!」
「人を、世界を守る!」
彼の言葉が真摯な気持ちに溢れているのが解ります。彼の心が悲しみに溢れているのが解ります。彼の心に意志があるのが解ります。僕は…
「彼の元に飛びます。一緒に行きますか?」
「行く」
「行く」
「行く」
「では行きましょう、彼と共に人を、世界を守るために。」
僕の心を彼の心に合わせて、さあ、行きましょう。彼の元に。
さあ逝きましょう彼と共に。
僕はロケット、再び彼と共に空を飛ぶ。
>>699 > 「どのこにもえるね?ま○ち?え○ん?ゆ○さん?あると○ねっと?」
元ネタがわからねぇ……
俺はえ○んだけがわからん。
そしてクドリャフカいいよクドリャフカ。本編でもこんなシーンがあったら俺はきっと泣いた。
んー。
左から、る、れ、き、わでいいのかな。
正解です。
景品として、ととさまがのぞいた刀子さんの日記を
書きます。
>>713 当たってましたか。
俺もワクテカしつつ待ってます。
>706
GJ
ただ一つ気になったのがあるんだが…
双七は「そうひち」じゃなくて「そうしち」
つか、「ひち」という読み方は割とローカルな読みだと思うんだが…
>>716 (間違えて覚えてる)子供っぽさの演出じゃない?
子供のころ『わ』を綺麗に書けなかったり『せ』が左右逆になったりとかしたこと無い?
本スレに降臨してた作者さん曰く
「刀子の発音だと『そうひちさん』に聞こえることがある」との事なので
意図的なものではなかろうか。
719 :
716:2005/07/05(火) 01:01:35 ID:lGyru2a/
>717-718
なるほど、そういうことですか。。
境内が「けいない」になってたりと、それっぽいかなぁとは思ってたんだけど…
教えてくれた方々、どうもありがとうです。
ああ、漏れが関西系でついその音に聞こえ勝ちだったせいです。
けいだいはたんなる漏れのミスです。結構区切りミスや打ち間違いが
あるんでスマンかったです。
江戸っ子は「ひ」と「し」が区別できないらしいね。
うちの婆ちゃんもコーシーって言う。
――目が覚めた。
あれよりどれほどの月日が流れたのだろう?
十年ということは無い。では、百年?
いや、躯の回復状態から見てそこまでは経っていない。
いかな神域に封じ込められようとこの世に人の悪心が尽きるはずが無い。
百年経っているならばもう少しばかりの回復は見込めるだろう。
「まあ、良い」
今があの日より何年後であろうと、あの憎き鴉と静珠の娘は生きているだろうし
いまいましいが、如月双七と一乃谷刀子の関係を考えれば血が続いてもいるだろう。
いや、この目覚めの速さなら、ひょっとすれば本人が生き残っているかもしれない。
「楽しみだ」
この身を否定した如月双七、この身を封じる原因となった一乃谷刀子。
再びこの身を封じた鴉共、目の前にありながら壊せなかった静珠の娘。
「犯して、壊す、殺して、喰らう、壊して、殺す、喰らって、犯す……」
解放の喜悦に身をゆだねながら、ふと違和感を覚える。
「人の臭いがない?」
目が覚めたばかりとはいえ、この身は人の悪意を食らうもの。
餌である人の臭いにはことさら敏感な鼻がある。
たとえ人が立ちいらぬ未開の聖地に封印されようとも
封じた者の残り香をまったく感じぬことなどありはしない。
しかし、
――嗅ぎ取れるのは如月双七の中で嗅いだものと似た濃い赤錆の匂いだけ。
「おかしい」
どいうことだ?考えれば考えるほどおかしい。
鴉はなんといっていた?
「安心しなよ。逢難。今度の封印は物理的なものだから。
君、っていうか世界中のどんな生物でも絶対に解けないも
のにするから、さ」
仮にも神鳥と呼ばれた鴉がそういった。
ならば何故。こんなにあっさりとこの身が自由を取り戻す?
体を震わせ瘴気を放つ。この身を封じる枷を壊す。
あせる。
前回の封印を破るのに九百年を費やした。
なのに今回は。今回は……
「何故こんなあっさりと封印が壊れる!?」
封印が破れる。
気が急くに任せて動こうとして、やけに軽い躯に体勢を崩す。
今までとまったく違う感覚に、あせりがさらに加速してゆく。
どうにか体勢を立て直し、今や遅しとこの身を封じていた箱より
外の世界へと這いずり出す。
――目に入った世界は赤く、何も無かった。
嘘予告「火星の狐」または「今日逢難がはじめて火星についたよ」
ノリと勢いに任せて書いてみた。あまり反省していない。
あと逢難萌え。
逢難様復活キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
GJ!さよなら人類ワロタw
これはいいゴーテス様でつねw
火星人に取り付いてマーズアタックか
そして「狐の惑星」になるんですね。
さて、どうしたものか。
九鬼耀鋼は難しい顔をして考え込む。
場所は神沢高等学校の廊下、時刻は恐らく12時半前後。
「大体、あなたがた大人が率先して分別を示すのが筋というものでしょうに、何を子供みたいに――」
頭の上から降ってくる叱責を意識から遮断。
ちらと隣に目をやると、ひょろりとした眼鏡の中年がうつらうつらと舟を漕いでいた。
この野郎、何をのうのうと――!
思わず腰を浮かしかけた瞬間、冷ややかな声。
「聞いていますか、九鬼さん」
「ああ、聞いている」
腰を落として、脚を組みなおす。
鍛え上げた肉体は正座程度でどうこうなるほどやわではないが、周囲の学生たちから向けられる好奇の視線はいかにも痛い。
「放課後ならまだしも、昼休みに大人二人で双七さんを取り合って喧嘩とは……。それが分別のある大人のやることですか」
煙突から跳躍して高速道路上の車を叩き斬る女に言われたくはない。
「それはルートが違います」
ぴしゃりと。
取り付くしまも無かった。
溜め息を一つ。
731 :
説教される中年二人(あやかしびと):2005/07/06(水) 05:09:03 ID:IAT31yFi
この女がいっそ敵なり何なりならば話は簡単なのだが。
こと殺し合いにおいてであれば、一乃谷の化け物女が相手でも遅れをとることはないだろう。
だがしかし、この説教というのは宜しくない。
なまじこちらに非があるだけに強くも出にくい。
せめて第三者からの取り成しでもあれば……とそこまで考えてふと気付く。
「……双七はどこいった」
「双七さんは授業開始が近いので教室に戻られました」
ばっくれやがった。
覚えてろ、あの馬鹿弟子。
だが、今の一言には希望も含まれていた。
「お前も、そろそろ教室に行った方が良いんじゃないのか」
「自習です。加藤先生の授業ですので」
そこまで言って、ようやくその視線が加藤に向かった。
一人居眠りでやり過ごそうとした罰だ、今度はお前が矢面に立ってみろ。
嘲笑の混じった安堵の溜め息。
瞬間。
風をまいて文壱の鞘が走った。
ごっ、という鈍い音。
一撃で綺麗に意識を刈り取られて、壁に激突する加藤。
骨は折れていないな、などと冷静に分析する俺。
一切表情を変えないままで化け物女は視線を俺に戻す。
「そもそも、ついこの間の日曜日も双七さんは私との先約があったにも関わらず加藤先生に拉致されて麻雀に――」
何故俺が加藤の分まで説教されなくてはならないのか。
「聞いていますか」
「……ああ」
あと一時間。
絶望の長さだった。
すまん、ageちゃった
刀子外だしENDだと思いねぇ。
「双七さんはいらっしゃいますかっ!?」
時刻は放課後。生徒達は軽く談笑をしながら帰宅したり部活動に明け暮れたりしちゃったりする時間帯である。
そんな時にずばばーん、と生徒会室の扉をかなり激しく開けて一人の女性が開口一番にそう叫んだ。
彼女の名前は一乃谷 刀子。この学校の生徒会会長である。艶のある黒い長髪とふくよかな胸とかがチャームポイント。
普段御淑やかで清楚でほわわん(語弊あり)とした空気を持っている彼女だが何故か今は殺気立っていた。
その殺気に当てられたのは生徒会室にいた彼女と同じく三年の上杉 刑二郎とその彼女である新井 美羽。そして愛野 狩人であった。
ちなみに狩人は刀子の一喝により絶命した。蘇生するには暫し時間がかかるだろう。
というわけで嫌が応にも矛先は先の上杉 刑二郎と新井 美羽へと向けられる。
「い、いや来てねぇぜ。なぁ、みゅう」
「は、はいです」
そう答える二人は多少どもっている。まぁ突如現れ怒りを露にしてる刀子を前にしてそうならない方がある意味変ではあるのだが。
しかし答えを聞いた刀子はそれでは納得しないらしく生徒会室を見回してからクンクンと鼻を動かした。
(……臭い、あるんでしょうか?)
(……さぁなぁ)
普段は冷静沈着ともいえる刀子だが暴走――主に双七が関わる――するとこのように見境がなくなるというかタガが外れるというか。
とにもかくにもクンクンと鼻を鳴らしてから刀子は一言うぅむと唸り、暫し考えてからポツリと呟いた。
「双七さんの隠し持つ卑猥な本は実は単純でベッドのし」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ刀子さんストーーーップ!?」
と、その刹那刀子の呟きをかき消すように、ズバーンと生徒会室にあった掃除ロッカーから一人の男が飛び出した。
ツンツンと逆立った髪の毛にある程度整っているであろう顔つき――今にも泣きそうな表情で酷く情けないことになってるが。
そして案外しっかりと作りこまれた体躯を持つ彼の名前は如月 双七という。
734 :
名無しさん@初回限定:2005/07/06(水) 17:07:35 ID:DMnXLUin
さて飛び出したはいいものの如月 双七は自分のミスを呪った。美羽は双七を憐れむような目で見つめ、刑二郎は「南無南無」と呟いて両手を合わせていた。
そんな刑二郎と視線が合った。
――助けてください、旦那。
――無理。
「もう一度聞きますよ双七さん…」
まぁ当面双七が解決しなければいけないのは眼前に笑顔で立っている刀子である。
表面上は笑顔だがその額には青筋が浮かび噴火する火山を背景差分としてしょっている。まるで薔薇を背負う狩人のようだ。
「双七さん”は”! 私が双七さんの家に泊・ま・り・に! 行くことに不満はありませんよねっ!?」
「却下却下却下却下却下却下却下却下ーーーーー!!」
そんな鬼気迫る刀子に背後から跳び蹴り(正確にはドロップキック)を食らわせつつ唐突に一人の少女が現れた。
ちみっこい少女だがその立ち振る舞いには何処か優雅な部分が現れ――今はまるで獣のようにフゥフゥと息をしているが――ている。
少女の名前は如月 すず。一応双七の妹…否、正しくは姉という立ち位置にいる女性である。詳しくは本編を見れ。
「認めないわよ刀子! そんな爛れた生活を送らせてなるものですかっ!」
「ま、爛れたなんてそんな破廉恥ですわ義姉さま。私はただ双七さんと二人で愛を確かめ合いたいだけですよ」
「はっ! じゃあ何で”私”の家に泊まりに来る日が! 私がさくらの家に泊まりに行く日と同じなのかしらねぇぇぇぇ」
「あらあらそんな事まで説明しませんとわかりませんか?」
「随分とやり口が露骨ね刀子。今までみたいにひっそりとするなら見逃してあげなくもないわよ?」
「おほほほほほほ」
「あはははははは」
こえぇよ。とその場に居る全員は静かに思った。狩人も一度蘇生したが気に当てられてまた死んだ。ゴメンな狩人。
ばくばくと高鳴る心臓と背中に流れる嫌な冷たい汗を感じつつ如月 双七は思案した。
はて、何でこんなことになってしまったのやら――
のっけから回想へと至る。事の始まりはそもそも昼休みの時の話であった。
『明日の昼食なのですけど、一緒に食べませんか?』
勿論、と双七は返答した。断る理由も何もないし、第一最も愛している女性からの提案を飲まないわけがなかった。
しかしふと疑問に思う。そんな風に言わないでもずっと一緒に食べてきたではないか。そう問うと彼女は頬を赤らめてこう答えた。
『…双七さんと二人っきりで食べたいのです』
昼食時はいつもすずや生徒会の面々が一緒にいて確かに二人きりではなかった。
たまに二人きりになっても何処からかすずが飛んで来て(比喩ではない)いつの間にか一緒に食事を取ってることがしばしばである。
『双七君は二人きりになると何をするかわからないからね!』
けだものだから! と叫んですずは一緒に食事をとる。
だけどなすず、俺もそこまで分別がないわけじゃないぞと呟くがすずも刀子も視線を逸らすだけで答えはしなかった。何故。
それはさておきそんな刀子の台詞を聞いて頭の中が真っ白になってしまった双七。阿呆のように首をカクカクと上下に振った。そして、
『よかった』
といいながら華の咲くような、本当に愛らしい笑顔を浮かべる刀子を見て更に赤くなるのであった。
ここまでなら美談である。更に双七が本当に刀子と二人っきりで食べていたのならまさしくいい話だ。萌えイベントだ。
事実如月 双七は刀子と一緒に食事を取った。二人きりで、である。だが何故か刀子は終始不機嫌であった。
『何かあったの? 刀子さん』
無論双七は問うた。そりゃ気になるだろう。彼女が少し不機嫌だからだ。
しかしそんな双七の問いにも『何でもありません』なんてちょっと頬を膨らめつつそっぽ向かれては追求するわけにはいかなかった。
ここまで、まだここまでは普通だった。予定通りだったのだ。
問題は昼休みももう終わりそうな時間帯。屋上から校内に入り談笑する二人の前にすずが現れてこう言ったのだ。
『ねぇ双七君。私、今度の土曜日と日曜日にさくらの家に遊びに行ってくるね』
それを聞いた双七は泣きそうになった。人間を嫌ってた彼女が他人の家に泊まりに行くといったのだ、嬉しくないわけがない。
そんな涙ぐむ双七を見て『もうしょうがないなぁ』なんていうすずは苦笑いを浮かべつつも何処か嬉しそうだった。
それ故に横で何事か思案し、そして閃いて、何やらとんでもなくいい笑顔を浮かべる刀子に気づかなかった。
『じゃあ私は土曜日と日曜日に双七さんのお家に伺いますね?』
無論、泊まりで――
別にいいんじゃないか、と双七は思う。確かに最近…その、なんだ、どれだ。そう、刀子さんとえっちぃな事もしてない。ご無沙汰である。
だからまぁ刀子さんの提案は嬉しかった。大手を振って「勿論」といいたかった。
そんなよこしまな思いを見抜いたのか、すずが吼えた。
「ぜぇぇったい認めないからねっ!」
「お付き合いを認めてくれたじゃないですか」
「それとこれとは別っ!」
言い切った。ちなみに「置いといて」のジェスチャー込みである。
「いい、刀子。付き合うのは認めるけど私の眼が黒いうちは節度ある付き合いをしてもらうからね!」
「節度あるだなんてそんな……あの夜の双七さんはまるでけだものみたいで」
思い出したのかくねくねする刀子。
「双七君っ!?」
「はいぃっ!」
すずが刀子から視線をはずさず叫ぶ。誰も特に見てないのに姿勢を正す双七。冷や汗が止まらない。
「それにその日の朝も双七さんが急に…まるでけ・だ・も・の」
「双七くぅぅーーーん!?!?」
「はいぃぃぃー!?」
背中に九尾を背負ってすずが吼えた。ちなみに刀子はその時のことを思い出したのか両手を頬に添えながらくねくねしている。
「ぬぬぬぬぬ……」
と、暫く唸っていたすずだが何か閃いたのか腕を組んでふふん、と笑った。
「…ふん、刀子って意外と淫乱なのねぇ」
ゾブリ、と笑顔のまま刀子さんの背中に刃が突き刺さった。比喩だが。
「……すずさんも随分とブラコンみたいですねぇ」
反撃、といわんばかりに刀子も少々いやらしい笑みを浮かべてすずを見る。だがとうの本人はきょとんとした表情を浮かべた。
「…? 双七君、ブラコンって何?」
「えぇ!? えっとだな、それは…」
「”言え”」
「ブラザーコンプレックスの略称で弟、ないし兄に完全依存しその人がいないと生きてられないとかそんな感じだったと思います、サー!」
あくまで双七的見解ではあるが。
「ふーん…違うわね刀子」
双七の説明を受けたすずは暫し考えてから妙に自信満々の表情を浮かべ、ふふんと笑った。
「双七君が寧ろ…姉ってシスターよね…えぇと、シスターコンプレックスよ!」
ざわざわざわざわ。いつの間にか集まっていたギャラリーの間を「如月 双七はシスコンである」という情報が駆け巡る。
「だぁぁ誤解! それは誤解だぁぁ!?」
「そうです! 双七さんはシスコンなんかではありません!」
毅然とした様子で刀子が一喝。即座に静まる一同。
視線が集まるのを感じながら刀子はポッと頬を赤らめて両手を添えた。
「私に依存しているんです」
あ、勿論私もですよ? キャッ。
いや。キャッ、じゃなくて。
「如月てめぇぇぇぇぇーーー!!」
「ふざけんなよお前よぉぉ!」
突如ギャラリー(主に男子生徒)から怒りの声が上がった。双七に掴みかかり捻りあげギリギリと血の涙を流しながら叫ぶ。
「ち、違う! それも誤解なんだよぉ!」
両手をわたわたと振って慌てる双七。そんな様子を見て刀子がぐっと涙ぐんだ。視線はちょっと下。
「誤解…なんですか?」
「いえそういう意味でなくてですね」
その言葉にパッと華の咲くような笑みを浮かべる刀子と対照的に、今度はすずが切れた。
「双七君!? それってどういう意味!?」
「だぁぁぁもう何をどうすればいいんだよぉぉぉー!?」
とりあえずその場は双七が大分いじられる事で多少の決着はついた。
帰宅時。夕食時共に当たり前のようについてきた刀子とすずが常に言い争っていたのは此処だけの秘密である。
「っていう事があったんですよ、加藤教諭」
「お前も苦労してるなぁ」
何故か慈愛に満ちた表情で肩を叩かれた。
その後とりあえず麻雀でもやって気を晴らそう、な? と言われた。
丁重にお断りしておいた。
「どうすればいいんでしょうか九鬼先生」
『ほう…涼一、お前も随分と成長したな』
「は?」
『一乃谷 刀子と如月 すずか…ふむ、いい事を教えてやろう、涼一』
「ほ、本当ですか九鬼先生!」
『両方とも手篭めに』
電話を切った。
またかかってきたので加藤教諭が麻雀の面子を探してることを話しておいた。
少し弾んだ声で九鬼先生は面白い、と言っていた。
「来たぞ、虎」
「来たか、鬼」
そんな会話が何処からともなく聞こえた気がしたが双七はスルーしておいた。
ちなみに結局刀子は双七の家に泊まることになった。土曜日と日曜日である。
何があったか詳細はあえて書かないが月曜日の双七はそれはそれはやつれ、刀子はとてもとてもつやつやしてたという。
そんな日常。如月 双七が望んだ何処にでも在る暖かい日常の一幕である。
――無駄に綺麗に終わる――
と、突発的に書いてしまいました。
途中で一回あげてしまい申し訳ありません
話としてはなんというか投げっぱなしジャーマンになってしまった…
次があればもちっとまともなのを書きたいと思います。では
何で肝心なエロスを省くねんなー、
ってまぁこれはこれでいいものだ。
ちょっと状況説明がうるさすぎる気がした、
素人の感想だが
744 :
名無しさん@初回限定:2005/07/06(水) 18:52:24 ID:u5XnbJS+
>>743 批評あり。次回作からは気をつけて書いてみます
あーでも、自分はこの説明的書き方が本編の感じが出ててイイと思ったんだが……(汗
何にしろ、GJ。
Endの中ではこのルートが何気にafter書き易いよね。楽しい日常とか。
会長のことを思うとなんだけどね。
会長の葬儀はどうしたんだろうなあ。
>>747 よし、その話題を持って本スレに帰還しようぜ。
>>733-739 超乙
俺はこの書き方もありだと思う
SSって色んな書き方あるし
鬼と虎ワロタ
緊迫した空気、そこに響く声
虎「ポン」
八詫雷天流とは即ち神速を持って相手を打ち倒す業なり、それつまりいち鳴き、即リー。
虎「ロン、白のみ」
鬼「セコいぞ虎」
緊迫した空気、相手はすでにリーチの場面。
鬼「くっ(危険牌…)…安牌出し」
九鬼流とはまず捌き
鬼「うっ(また危険牌…)…安牌出し」
捌いて捌いて勝機を待つ
数巡後
虎「天牌」
狐「天牌」
双「ノーテン」
鬼「流し満貫」
「「「なにぃっ!」」」
九鬼流とは即ち捌きの極め。
緊迫した空気、そこに響く声
狐「あれ?上がってる。あはは、双七くん。あたし上がってるよ♪」
虎「な…」
鬼「バカな…」
双「嘘だろ…」
狐「えーと、天和てやつだよね、18000オールと役満賞二千円ずつね。」
しかしどんな理も天然には勝てず。
おしまい。
>>750 乙であります。ワロタよー
でも×天牌→○聴牌
あと親の役満は16000オールだぜよ
鳴いてリーチてなんやねん
すいません解りづらいですね。
鳴ける時は即鳴き、リーチ掛けれるならば回さず即掛けるというわけですね。<八侘雷天流の理
もうちょい頑張ります。
ぬう、流し満貫オチは読めなかったw
放課後、少し遅れて生徒会室に入ると双七くんのおでこに眼鏡があった。
「双七くん、それどうしたの?」とりあえず聞いてみた。
「ん?ああ、眼鏡?」
こくんと頷く。
「さっきそこの消火器と話してたら、さくらちゃんにちょっとキモイですって言われて」と、ちらりとさくらを見る。
「だって」さくらが少々困り顔で話しに加わった。
「流石に壁際で消火器に向かって話ししている姿はちょっと…」
そういえば、最近双七くんは虚空に向かってぶつぶつ言ってるね、たしかにキモイわ。
「ということで、生徒会のみんなにならともかく、一般生徒に見られたら示しがつかないのではないかと思いまして。」
ふむふむ、で、何故眼鏡?
「呪文を唱えて眼鏡をかければ」
「゙待て゛」つい言霊使ってしまったわよ。さくらが口パクパクさせて焦ってるわね。
「なによその呪文を唱えてって」言霊を解除しつつとりあえずの疑問点を聞いてみる。
「えーとですね、その昔呪文を唱えて眼鏡をかけると<物>とお話し出来る人が居たんですよ。」
ふむふむ、わかったわ。その人の真似すればとりあえず双七くんは危ない人扱いわされないわけね。
「そうですそうです。」
ふーん、まあいいわ。で、その眼鏡はどうしたの?
「ん、ハルバード分解して作った。」
分かり易い答えだわね、つうかそんな器用な真似も出来るようになったのね、双七くんのくせに。
「という訳で、学園の見回りついでに話ししに行ってくる。」
あ、私も行くわ。待ってよ双七くん。
2人が去った後の生徒会室──書類整理する会長と机に突っ伏す副会長
「なあ、刑次郎。やはり私が突っ込むべきだったんだろうか?」
問われた副会長は眠そうに答える
「んー、面白そうだしいんじゃね?」
「──そうか。」しばし考えて書類整理に戻った。
日常の一幕、世は全て事も無し。おしまい。
>>756 でこでこでこりんかww懐かしいな
ワロタ。GJ!
N○K教育かよ!
わかりづらいよ!
おもしろいよ!
「刑二郎!早くしな!!後輩の皆さんがまっているわよ!!」
階下から自分の母の怒鳴り声が聞こえている。
「お袋、すまん!まだ喪章がみつからねぇ!!」
「まったく、お前はいつもそうなんだからねえ〜」
そういうやりとりをしながら、上杉刑二郎は自室の押入れのをひっくり返す。あまり整
理されているとはいえない自分の部屋だ。しかし狭い部屋の押入れのどこかに喪章はある
のだろう。問題はどの箱にいれたかである。
おそらく下にはみゅうや伊緒がいて、自分が来るのを待っているのだろう。
親にたのめば、喪章ぐらいは買ってくれるだろう。だがそれを頼むような気にはなぜか
なれなかった。
そうだ。親友の葬式なんだから、きちんと自分の喪章で決めないといけない。
上杉刑二郎という男は、がさつなようでそういったことには結構まめな男なのである。
ただそのための準備がいささか下手なだけである。
刑二郎はとりあえず目に付いたものを押入れからだした後、外にに出る
自分の喪章を最後に使ったのはいつのことだっただろうか。そういえば小学生高学年の
伊緒のおばあさんが亡くなったとき以来ではないだろうか。
そのときには愁厳が落ち着いて、喪章を貸して…
記憶が戻る。思わず幼馴染がもっと落ち着いて探すように促しにくるのではと思った。
「そっか、愁厳はもういねえんだな…」
親友の妹から、そしてその恋人である双七から親友が死んだ事実をつげられても、刑二
郎は現実感をもてなかった。
片方がいないときにも、片方がいるということに慣れすぎてしまったからだろうか?
その事実を告げたあとで耐え切れずに、すすり泣きながら双七の胸に抱かれた刀子の姿
を見て、刑二郎はそれが事実であると、頭の上では認識せざるえなかった。
だが刑二郎の実感は、なかなかそれが現実であるということを拒み続けていた。
刑二郎の母や伊緒の母や生徒会の他のメンバーの手助けで葬儀の準備をしている間でも、
そうだった。
しかしこうやって手間取っていると、別な意味でやっぱり友人がいなくなったのだなと
実感する。
押入れの中身である大小の箱がちらかった自室の惨状をみて、憂鬱になる。独り言をつ
ぶやきながら、整理箱のの中身をチェックするべく、足を進めた。
「本当、しゃーねぇーな…おわった!!」
急にバランスを崩した。刑二郎は頭から箱へと突っ込む。箱の中身が散らばった。
「っ痛え!」
毒づきなが体を起こす。さらに物が散らばったことに刑二郎はますます憂鬱になった。
「あーあ、これも片付けねぇと…」
うんざりしながら、視線をおとそうとすると、黒い布が目に入った。
確かにすこし皺がよっているとはいえ、探し物の喪章であった。
「あった、あった!」
後輩達や親を待たせずにすむと、刑二郎は安堵した。怪我の功名というやつであろうか。
余裕を取り戻した刑二郎は、幸運の元にして痛みの原因となったものをみる。
どうやら古くなった野球のボールに足を取られたらしいことに気づいた。だがそのボー
ルをみて、少しショックをうけた。
「このボールって…」
そう古い軟式野球のボールだった。ところどころ手垢で黒ずみ、使い込まれている。し
かもボロボロだ。
記憶が想起させられる
間違いない。愁厳とよくキャッチボールをした軟球だった。
自分が野球を辞めると愁厳にいったとき、愁厳はただ
「そうか」
と答えた。理由は聞かなかった。
ただ最後に俺とキャッチボールをしようといった。
なんでといぶかしむ刑二郎を部屋から道具一式を持ち、むりやり一乃谷神社境内へ連れ
だしたのち、刑二郎はグローブを渡した。
いつになく強引な態度にいぶかしみながらもしぶしぶながらもキャッチボールを始める。
愁厳の体力に合わせた速度だ。これでも平均的な中学生が相手にできるのは少ない。
だがそれにもかかわらず
「もっと速く投げろ!」
滅多にいわぬ挑発を愁厳はする。
人が辞めようとしているのに、何故無理やり投げさせようとするのか、刑二郎は腹がたっ
た。親友だったはずなのに、未練があるのに、何故傷口に塩をかけるようなことを行わせ
るのか。
平均より上の愁厳の力に合わせて投げていたつもりだったが、力の制御ができなくなっ
た。
よし、投げてやろうじゃないか!俺の力の限りを!
投げた!鈍い音がする。ボールが返る。受け取る。
こんな球を受け取れるのは大の大人でも無理がある。ましてや人妖の力を使ってのこと
だ。受け取れるかどうかは人妖でないかぎり無理だ。
だがその球を
「もっと速く投げろ!!」
と、挑発する
激昂する。力の限り投げる。鈍い音。ボールが返る。受け取る。
「もっとだ!もっとだ!」
投げた、もっと鈍い音がした。それでもボールが返った。刑二郎は受け取った。
「もっとだ。いい球を出せ!」
繰り返す。
投げた、投げた。投げた。返った。返った。返った。
投げている内に、だんだん刑二郎も怒りがおさまってきた。すると周りがみえてくる。
愁厳のグローブはぼろぼろだった。手から血もでているらしい。だがそれでも愁厳は痛
みを訴えず、ボールを受け取り、返した。
大人でも受け止めるかどうかわからぬ球である。大丈夫なはずがない。
ようやく刑二郎は理解した。おそらく愁厳は刑二郎の苦悩をしっていた。全力を出せな
い哀しさを。
だから刑二郎の全力を受け止めようと決心したのだ。未練はあるかもしれないが、自分の今ある力を出してみろといっているのだ。
いいだろう。これが俺の本当の球だ。
「いくぞ!愁厳!!これが俺の本気だ!!」
宣言する。
「来い!!」
受け止めた。
今までの自分ができた最高のピッチングをイメージする。それに伴って体が動く。ただ
ただ投げる。そのことがうれしかった。
白球が手を離れた。
ズドム!!
綺麗に愁厳のグローブの中に白球は入った。焦げた匂いがする。
「刑二郎はいい球を投げれるじゃないか!」
親友はそういって微笑んだ。
「おい!!愁厳!はやく七海病院へ行こうぜ。頭に血がめぐりすぎていた!!」
「刑二郎、俺は大丈夫だ。それと俺のグローブが壊れたな。当分キャッチボールができな
くなったな」
剛速球を何度も受けているはずである。苦痛に顔を歪んでも、おかしくない。だがいつ
ものように友人は冷静な顔のままであった。
「いや、野球辞めたからよ。俺に付き合う必要はもうないからさ」
「そうか、野球を辞めたとしても、俺はお前の本気の球をいつでもみたいからな。もしキ
ャッチボールがしたくなったら、いつでもよんでくれ。相手になるからな。さて刀子が風
呂に入りたかっているようだから俺は失礼する」
そういって愁厳は離れへと姿を消した。
愁厳が去った後、境内で手にボールを持ちつつ、刑二郎は泣いた。悲しみもあった。未
練もあった。だがよろこびもあった。そしてこれで別れられることも悟った。
そうしてその次の日、正式に野球部を辞めた。その日以来、刑二郎はボールを自分から
は手にしない。
想起がとまる。
「愁厳、お前か?」
ボールは答えない。
だが刑二郎は親友が心配させてしまったような気がしてならなかった。
「ありがとよ、いつも相手になってくれて。だから心配するなって…後輩を助けないとい
けないからな。お前が気になっていることも、みゅうや刀子や皆でするからさ」
喪章をつけながら、ボールに少し話しかけた。偶然かもしれないが、こうやって話しか
けてくれた親友に感謝した。
「刑二郎!!」
今度はもう一人の幼馴染からだ。自分の準備はできた。
「見つけたぞ!今行く!」
どなりかえしながら、扉をあける。そして部屋を少しだけ振り向いて、白球に少しだけ
目を向けたのち、扉を閉めて後輩達の元へと刑二郎は向かった。
遺体なしの葬式ってのも悲しいだろうな。。。
GJ。
愁厳って何気に人気出そうなキャラだよなー
死んだ分、美味しい所持っていた感じがするし。
GJ。
ほろりと来た。
愁厳先輩の死に様にも泣いた。
でも、照れてる会長を可愛いと思ったのは内緒だ。
終わクロ読者の俺は両方いただくルートがほしかった。
刀子さんといちゃつきながら内部で照れる会長とか、
会長とウホりながら内部で悶絶する刀子さんとか見たかった。
それだと精神世界で壮絶な兄妹喧嘩する予感
何度殺されても不屈の精神で勃ち上がる兄
むしろ双七を精神世界に引きずり込んで3P
途中ですけど、約束『にっき』の別バージョンを
投下します。
やや焦り気味の足を押さえながら、一乃谷双七は家路を歩んでいた。
日は傾きつつはあるが、まだ暮れるまでには時間がある。たぶん今日も叔母がわりのす
ずと刀子と一緒に愁厳は遊んでいるのだろう。それには付き合えるかもしれない。
いまいちすずは愁厳にたいして甘くなり勝ちだ。それを抑えるためにも自分がついてや
らねばならないと思う。
だがそのための一貫として愁厳にすずおばさまと呼ばせたら、すずはショックで耳と尻
尾を出してしまった。そのくせ、刀子とすずは共同で自分をボコってきた。
ボコられながら、双七は
「しかたがない、じょじょに愁厳をしつけるしかないか」
と、改めて思った。
しかしながらそういったことに双七は、ここ最近、なかなか付き合えないでいた。神沢
市動乱の後、市内と市外の規制がいささか緩和されたとはいえ、それにまつわる妖達が海
外レベルでの交流がさかんになり、それらの事務処理にたいし八咫鴉にこき使われること
が多くなっていた。妻の刀子は神社の事務や寮の経営で忙しく、どうしても婿である双七
がその他の雑務に従事せざるえない。
休日にもかかわらず八咫鴉邸に呼び出されたのも、新しく海外からくる留学生とその世
話に寮が使われることになることの通知とその打ち合わせに費やされた。
どうやらロシアからの組織解体後の子供達が、そろそろ高校に進学しつつあるのでその
受け入れ先として、神沢学園に選ばれたらしい。前もってチェックはしておいたがある程
度、様子を見て欲しいとのことである。
もっとも肝心要の神沢学園側の代表である虎太郎は、金領学園代表でもある自分のもう
一人の師匠と麻雀を打ちにいったようで、もう一人の姉である薫がこめかみを抑えながら、
タバコをくわえながら会議中に報告してきた。だからこそ今日は早く事務を終えることが
できたのだが。
そんなことを考えながら歩いていると、自宅である一乃谷神社にたどりついた。
「ただいま!!」
引き戸をあける。愁厳とすずの靴はない。
タイミングが悪かったか。残念に思う反面、不振に思う。
いつもなら刀子がよく通った声で、
「おかえりなさい。あなた」
と返事をするはずである。
靴を確かめる。たしかに刀子の歳のわりに可愛らしい靴はある。
賊であろうか?足を忍ばせながら廊下を歩く。全ての器官を開放する。音、匂い、触感、
視覚、空気の味。すべてが機能する。
ただ甘くくぐもったような音だけが聞こえた。
「ま、まさか!」
心中に、妻である刀子の陵辱シーンがフラッシュバックする。
『クククッ、旦那でもこんなこと、してもらったことはないだろう?』
後手に縛られ、たわわな胸を強調するかのような亀甲縛りにされた妻の刀子が昼下がり
の和室にあられもなく転がされている。秘所にバイブを突っ込まれ、くぐもったような、
濡れたものを動かすような音を立てていた。
『そんなこと…ありません。こんなこと、で…感じるものですか…』
顔はほの赤く、気丈に賊へ応答する刀子。だがどこかしら甘い声であった。
『その、強がりがどこまで持つものかな。まあいい、じっくりためしてみてやろう』
『ああ、双七さん…』
そんなシーンが頭を瞬間的によぎった。
いかん。軽く首を振って気を引き締める。
手は綺麗に、心は熱く、頭は冷静に。たとえそうなっても、賊を一撃倒す。それだけを
考えよう。
そもそも刀子と真っ当にわたりあえるような賊がいるのかどうかということを忘れてい
る時点で、冷静でないと思うのだが、それを現時点で双七に求めるのは酷というものであ
ろう。
居間の前に着いた。甘い、浮かされたような愛する妻の声が聞こえてきた。
『んっ…ああっ…、はぁぁあああ』
手は綺麗に、心は熱く、頭は冷静に。まず様子をみなくては。音をださずにふすまを開
ける。どんな光景でも大丈夫なように心を凍らせる。
しかしそこから覗いた風景はまったく双七が想像していたものとはちがうものであった。
とりあえずはこれだけです。
双七がみた日記は次回のお楽しみに。
「双七くんのチカラってさー」
すずが脈絡もなく聞いてきた。
「んー?」
「フォー」
「違うぞ」不穏当なことを言い出しそうだったので途中で止めてみた。
「だってさー、いろいろ引き寄せるじゃない。」たったそれだけでっ?
「あとたまに暗黒面に堕ちるし」
「逢難と融合してただけだろっ、つか今は何ルートのいつなんだよっ」
「もう、双七くんたら訳解んないこと言い出してごまかすつもりね。」
「いや、まあいいや。俺のチカラは鉄類を引き寄せたり話し出来たりするだけだよ。」
「じゃあ光の剣でヴォンとかできないの?」
「出来ないよっ、つうかやっぱりアレを見たからそんなこと言い出したんだな?」
「うん、さくらがDVD全巻かしてくれたわよ」
「後で俺にも貸してくれ」
「で、やっぱり違うのね?九鬼が眼帯はずしたら実は父親だったとかいう展開は無いんだ?」
「眼帯外して分かるくらいなら最初から分かるよ」もう突っ込むのが疲れてきたので普通に返した。
「むう、双七くんのくせに連れない。もういい、さくらんとこ行ってくる。」
──数時間後
「それじゃバイト行ってくるから」すずの携帯に電話を入れて病院に向かう
「あ、そうそう」電話越しにすずの声
「暗黒面に捕らわれないように心を強く持つのよ」
「まだ続いてたんかい。まあがんばるよ、心配してくれてありがとう。」
今日も今日とて日常、世は事もなし。おしまい。
一時、暗黒面に肩までどっぷり漬かってた香具師が(略
まぁ、しかし、やっぱり島の外だと今までと情報量が段違いだし
慣れるにつれてどんどんいらん事覚えそうだよな>すず
この場合、天がヨー○?
あやかしびとって個別スレ作った方がよくねぇ?
もう100レスぐらいそればっか。
エロパロあたりに立てるかね?
おとぼくは元々作品スレからの独立だし、ここから独立したのはアセリアくらいか
昔のデモベの時もそうだったがこの程度の量じゃいらんだろ
いや、ずっと同じ作品ばっか続いてたらウザイかなと思っただけ。
いいんなら別にいいよ。スレ汚し失礼。
ただ感想や批評、雑談はそれぞれの本スレに行くべきかもしれんな
正直たてたほうがトラブルは少ないと思う。
SS書きにしても感想は欲しいだろうし、本スレで感想書くのも本スレ住人にしたら「他スレのことは他スレでやれよ」という感想を持つ人もいるだろうし。
SS書きやすい作品が出ないと過疎り、書きやすい作品が出るとそれ一色に
分離がどうとか言ってる間に波が去って再び過疎or新作
いつもの事だが、ままならないな
いっそ感想だけ別にスレ作るとか。
こんな本筋から離れた議論で持ってるスレで何を言いますかw
どうせ過疎気味なんだからいいよ。
んじゃまぁ
今の旬は「あやかしびと」だし、しばらくそれ一色でも悪くは無いか
それ散るとかの時もこんな感じだったし、別にこのままで良いんじゃないの。
この程度なら、分けるほどの量じゃない。
毎日SSが出続けるような状況ならともかく。
新スレ建ててもそのうち話題がおさまって過疎化…十分あり得る。
そんなわけで気にせず職人さん投下ドゾー
トントントントン──
私の身体がリズミカルに動く、この時間はとても気持ちがよかった。
私は包丁。寂れた中古の金物屋からあなたが連れて行ってくれました。
あなたの元で、私は再び自らの存在意義を全うしました。
牛肉豚肉鶏肉、ジャガイモ人参玉ねぎ(ふふっ、涙を流してましたね。)
大根ピーマンお魚、果物等々。
あなたの元で私は「生きた」そして、あなたと一緒に私も逝きます。
あなたの身体が人で無くなろうとも、あなたの心が人であるならば、あなたは人。思い出して、あなたが守る者たちを。あなたを守る物たちを。
あなたが守る全てのモノを。
あなたはまだ戦える。私はまだ戦える。私達はまだ戦える。
勝率上昇──
敵は九尾の鬼ただ一鬼、私達は無数の絆、なにを恐れることがあろう。
最終決戦一幕。
お前はまさか件の出刃包丁w
>>772-774 なにその神ルート
ヒロイン勢ぞろいかよコンチクショー
GJ!
むしろ神ジョブ!
>>790 待て、それ散るの名前を出したお前にはSSを書く義務が発生した。
さあ書け!
800のリクエストを受け付けようか。
と言ってくれる猛者キボン。
>>796 よし、やってみようか!
ただし、エロゲはそんなに数をこなしてないんで
「あやかしびと」「MinDeadBrood」「パルフェショコラ〜secondbrew」「おとぼく」「です☆めた」限定
頑張れ。
過疎すれで
SSを投下してみたら
無反応で返された
そんな悲しみを
僕は知ってしまった
知ってしまったんだ
カトレアでおねがい
801 :
797:2005/07/14(木) 08:44:24 ID:TckqJC2t
802 :
797:2005/07/16(土) 01:31:37 ID:omjjXO6o
保守
この板のスペックは知らんけど
丸一年ほっといても落ちないのできにすんな
804 :
名無しさん@初回限定:2005/07/16(土) 19:02:05 ID:UMhHZ4Em
圧縮か980越え1日放置で落ちるじゃん
このスレのこと 時々でいいので思い出してください
圧縮ライン970前後らしいよ。
807 :
797:2005/07/17(日) 22:56:33 ID:gD5NZ0vj
今夜もまだ完成の目はみないようです
とりあえず再プレイで設定のチェック…玲愛が何月何日から由飛や仁の呼び方を変えたか、とか…からやってたからなあ
(ついでに酒飲んで寝てしまったり)
>>807 ガンバ。
さて俺も何か書いてみようかな。
あやかしびとをもう一本、とか思ってたけど別のやつの方がいいかもわからん。
大した物はかけないがリクエストあったらどぞ。とりあえず日常一幕書いた奴です。
>>809 できればあやかし以外が…と思ったけども、がんばります。
明日にはUPできればいいなぁ
車内に鈍い打撃音が木霊する。
肉を打つ、という音ではない。何かを「捩じ込む」ような、そんな音。
円転自在にして球転自在。
それが、九鬼耀鋼という男の戦闘の論理(ロジック)である。
(九鬼の旦那が車外に上がってもう五分)
バックミラーを見る。車内にはターゲット――少女が一人。後方にはバイクに乗っている男子生徒が一人。そして。
彼にブン投げられた男子生徒―――武部涼一である。曰く、「九鬼耀鋼唯一の弟子」
二人とも車上で何かを喋っているようだが…あまりよくは聞こえない。まぁ、そんなことはどうでもいい。
比良賀渉は考える。
(足場を崩すべきか?)
九鬼耀鋼にはそれが大した障害にならない、と判断してのことだったが、一応隊長には許可を取った方がいいだろう。
「車…揺さぶった方がいいですかねえ?」
比良賀の言葉に助手席に乗っていた薫が首を横にふった。
「……いや、武部涼一の能力を考えると、それをきっかけに車を止めにかかるかも知れん。彼の能力がどれほどのものかはわからないが、そういう可能性もある。今ならまだ九鬼さんに任せておいたほうがいいだろう」
「そうですかい」
言いながら、バックミラーを再度伺う。依然こちらに併走しているバイク。不可解だった。
彼も当然人妖だろう。先ほどの武部涼一を投げたのが彼の能力であることは明白だ。そこはいい。しかし。
(神沢市から「出られる」ってのはどういうこった?)
比良賀は首を捻った。彼の本来の権限――公安の権限を使えば容易いが、一般市民が、それも学生がおいそれと出られるような所ではないはずだ。
(考えるな)
自分に言い聞かせる。敵は、いる。いるはずが無い、と自分が駄々をこねても、現実が変わるわけでもないのだから。
途端、一段と鋭い打撃音が響いた。車の屋根をブチ抜かれると思ったほどの衝撃が、二人を襲う。
「…………っっっっ!!!!!」
「……が……っっ!!!?」
とっさに後方を確認。すると
(やったか…!?)
車から転げ落ちそうになっていた武部涼一を、バイクの男子生徒が受け止めようとしている所だった。
このチャンスを逃す比良賀ではない。
体勢を何とか立て直し、スピードを落とさないよう走行する。このあたりの技術は他の人間に負ける気はしない。
すぐに九鬼耀鋼が窓から入ってきた。だが、様子がおかしい。
「…がっ…はぁ……」
「どうしたんですかい?」
「いやなに…ぐ…馬鹿弟子も腕をあげやがって嬉しい限りってことさ」
どうやらダメージを多少負っているらしい。彼にとっては珍しい話だ。
それでも九鬼耀鋼は仕事を完遂する。
バイクがバックミラーの中で小さくなってゆく。当然だが、人間大の物体を受け止めて慣性を殺しきれるわけもないだろう。
「このままドミニオンまでこの娘を連れ帰れれば任務完了だ。…いやなに、追ってくるにはまだ時間がある。なら、迎え撃つまでに時間があるだろうさ」
九鬼耀鋼の予想が久方ぶりに外れたのはこの360秒後だった。
「!」
今日は、面白い日だ。そう直感的に比良賀は思った。九鬼耀鋼のこんな表情を見るのは初めてではないか。バックミラーに見える、九鬼の表情には一見の価値がある。驚愕?焦燥?それとも―――他の何かか。そんなことに気を取られたのが間違いだった。彼は運転中であったのだ。
「比良賀!!気をつけ―――」
そもそも。
「え―――――」
彼は。
「ん――――?」
何に対して。
「――――――――ど阿呆が」
そのような表情をしたのか。
「そんな、バカな――――?」
この一瞬、比良賀渉は珍しく混乱していた。予測不可能の事態。とはいえ。誰がそのようなこと予想できるだろう。
「白い何か」が降ってきた。それは人のカタチにも見えて―――いや、紛れもなく人だ。
文字通り、掛け値なしに。何もない中空から?―――そんな、神沢防壁を越えてくるなどと…?
“彼女”はそのまま大きく刀を振りかぶって――――
(刀!!!?)
「はあああぁぁぁぁッッッッ!!!!!!」
ハンドルが切られる寸前。
「一乃谷流、――――鋼獅子ッッッ!!!!」
彼女の刀が易々とボンネットに食い込んだ。
ハンドル操作が効かない。キキキキキィという金属同士が悲鳴をあげる音。左右に揺れる車。―――それでも折れることのない肉厚の刀。彼女の肩越しに見える刀はなおボンネットを食い破り…
「比良賀ッッ!!」
薫が叫ぶ。彼女も事態の急転には混乱しながら、それでも現状を把握していた。
「車はもう使えんッ、降りるぞっ!」
手段はどうあれ、追いつかれた。事実を認識する。逃避から自分を無理矢理引き戻し、応える。
「へいッッ!」
九鬼耀鋼は…心配するまでも無かったが、それよりも件の少女が気にかかった。彼女を連れて帰らなければ今回の任務は失敗なのだ。自分の本来の任務にも支障が出る。
結論から言うと、比良賀の心配は杞憂だった。半分は。つまり、件の少女は九鬼耀鋼が小脇に抱えて車から飛び降りる所だったから。ただし。心配が必要ないはずのもう半分。
(九鬼の旦那が、嗤ってる?)
自分の元弟子と戦って?それともあの女子生徒の手際を見て?あるいは―――両方だろうか。
心配――というのとは少し質は異なるが、これは。
(悪い兆候かもしんねぇっすな)
比良賀はそう思いながら、運転席の扉を開けた。
初SS 。ちなみに>797でも>810でもありません。いやぁ、あのシーン好きなモンで。
拙作失礼。
激しくGJ
いや遅れている漏れがいうことじゃないけど。
シリアス物ははじめてですな、
こういうのもいいねGJ!
816 :
797:2005/07/20(水) 01:12:00 ID:29nbqdyH
>>811-813 GJ!上手いなあ〜。SS初めてってのが本当にしても、文章は書きなれてそう!
あ、ちなみにいま3000文字ほど進んでて、中盤(汗
このあたりのシーン好きなんだよ。
裏ではこんな会話がされてたんだろうな。
>816
期待してる。
>814-818
感想アリ。欲を言えば、批評が欲しいかなーとか。
習作程度なら2,3本くらいあるけど、こういう形で出したのは初めてなんで。
自分こういう「間を補完するもの」が好きだから、今後もこんなカタチで書くとオモ。
とりあえず、トーニャ萌えなんで、トーニャ関連書ければ、とか思ってる。
じゃあ言う。どうせなら、1レス目で徹頭徹尾シリアスで行って
2レス目は刀子さんのパンツ見えたお。のギャグ文にしてでオチつけてほしかったお
まぁやおいってやつだね
>>819 批評というか、単なるいちゃもんになるけど。
「それでも折れることのない肉厚の刀」と「それでも現状を把握していた」、
割と近い文章で同じ「それでも」が繰り返されているところが気になった。
あと最後の「結論から言うと〜」のあたりが若干テンポが悪いかと。
時制を先取りしないで普通に「比良賀の心配は杞憂だった」で良かったと思うし、
杞憂じゃなかった「心配の半分」というのが「必要ないはずの」「少し質は異なる」と二度も
否定的なニュアンスで語られているんで結局何なのか分かりにくくなっている。
全体は良かった。原作やった人なら光景が目に浮かぶと思う。
822 :
819:2005/07/20(水) 17:34:28 ID:vMeJXuwi
>821
thxです。…推敲不足、かな。一晩くらいかけたつもりだったんですが。
注)本当に投下するか迷っていたヘタレとも言う。
>820
ギャグは……正直苦手。まぁ、課題ではありますが。
ガラガラッ…
私は引き戸を開けると、ゴム草履をツッカケてベランダへと出た。
12月23日深夜。雪こそ降ってはいないものの、冬真っ直中の風は冷たく頬を切る。
もちろん風邪をひく訳にはいかないから、普段着の上から厚い綿の入ったどてらを着込んで私は外の冷気に備えた。
問題なのは、そのどてらが私に全く似合わないものだということか。だけど別にどてらに責任がある訳じゃない。むしろ似合わない原因は私のほうにあった。
頭の後ろでしっかりと結わえられた…仕事の邪魔になるのが嫌だからだけど…金色の髪と白い肌は、とても純和風の服装が似合うはずもなかった。まあ、それはフランス人の母方の祖父の遺伝であって、仕方のないことだし私自身それを疎ましいと思ってるわけじゃない。
私の名前は花鳥玲愛。今年駅前に新設された巨大ショッピングセンター「ブリックモール」のに店を構える喫茶店「キュリオ」のチーフを務めている。
いまは仕事を終えて帰ってきて、あくまで「いつも通りの日課」として夜風にあたりにベランダに出たところ。
チン…
隣のベランダから、仕切りのボード越しにオイルライターの蓋が弾かれる音が聞こえてきた。そしてそのまま煙草に「彼」が火を点ける気配が伝わってくる。
私達二人の距離は、たぶん50cmも離れてはいない。「非常の際にはここを破って隣へ脱出できます」と書かれた、たかがそんな程度の仕切りが二人を分かってはいたけれど。
「偶然ね」
私は隣人に声をかけた。彼がベランダに出てきてたのは物音でわかってはいたけど、彼が出てきた時間に「偶然」私もベランダに出たくなったのだから、まあ、嘘ではないと思う。
「そだな」
彼は…隣人にして同じブリックモールでのライバル店「ファミーユ」の店長の高村仁は、そのあたりには突っ込むことなく返事を返してきた。
「いよいよ明日ね…」
私の言葉の一つ一つが、白い霧になって夜空に吸い込まれていく。明日は12月24日。クリスマス=イヴ。私や彼の店のようなケーキがメインの喫茶店にとって、一年で一番忙しい一日。
「ああ。…花鳥も今夜は早く寝ておいたほうがいいぞ」
彼は当たり前のようにそう答えた。
「………」
私の沈黙を、仁はどう受け止めたのだろう?
「…おい?」
訝しげな彼の声が聞こえてくる。
「…『花鳥』って、いったい誰の事かしらねぇ〜!ファミーユの店長〜!」
私は声に目一杯険を含ませた。実は彼の店には私の義理の妹の花鳥由飛がいる。それが紛らわしいからと名前で呼び合うようにと約束したのが、ほんの一時間前のキュリオ店内でのこと。
まあ、本当に「紛らわしいから」という理由以外のなにものでもないはずだから、どうでもいい事には違いないんだけど、さ。
「…悪かった、玲愛」
仁は大人しく負けを認めた。以前とは違ってここから言い争いにならないのが、少し寂しいような気もする。
「まっ、いいでしょ。許してあげる」
ちょっと茶化して言ってみたけど、今の私は相当に意地悪な顔をしているに違いない。
私達は帰りもずっと一緒だった。もちろんその間中喋り通してたし、名前でも呼び合い続けた。でも…互いの顔が見えるから話せないこと、互いの顔が見えないから話せることというのも確かにある。
「…ねぇ…仁…」
夜の闇に流れていく紫煙が鼻孔をくすぐる。煙草の匂いは正直好きじゃない。でもこの匂いが隣にあるのも、すでに今の私の日常の一つだった。
「ん…?」
煙を吐ききったタイミングで彼は答えた。
「『あの人』のことだけど…」
そこからは言葉が出なかった。私の視界では遠くを電車の明かりが時を刻むかのように右から左へと流れていく。
仁は私の言う「あの人」が姉の由飛を指していることを知っている。なぜ私が「由飛」とも「姉さん」とも呼べないかということも…。もちろん私と由飛がそんな関係となるにはいろいろあったんだけど、一番の原因は、私自身。
仁は…続きを促すようなことはしなかった。ただ黙って紫煙をくゆらす。
「………なんでもない」
私は今更何を訊くつもりだったのだろう?いや、逆に訊きたいことがありすぎたのか…。
仁は由飛に魅かれてる。それは事実。だってさっき店内でそれを尋ねたときに彼は否定をしなかった。
それは仕方のないこと。だって由飛は私なんかと違って他人を魅きつける魅力にあふれてたから。…昔っから!
だから…私は、逃げてきた。逃げるしか、なかった!憎むこともできずに、ただそんな義姉が羨ましくって妬ましくて、そしてそんな自分が大っ嫌いだったから!
なのにこいつは…隣のベランダでのんきに煙草なんかふかしてるこの馬鹿は、私に逃げることを許さないのだ!
眼下に点在する小さな灯り達が他人顔でクリスマスイヴの前夜を祝っている。遠い…それらは私からは酷く遠い…。
「玲愛…寒くないか?」
仁が声をかけてきた。たぶん、知らずに時間が経っていたのだろう。
言いたかった。そう思うなら抱きしめてよ!って。由飛じゃなくて私を!って。
…言えるわけがない。
「寒いに決まってるじゃないのよ!」
急くようにそれだけ投げつける。
「なら、寝ろ。明日は倒れるわけにはいかないんだから」
相変わらずの落ち着いた口調が、妙に小憎たらしくて…愛しい。以前私が風邪で倒れて看病してくれた時と変わらぬ物言い…。
「…寝るわよ。おやすみっっ!」
言い捨てて私は踵を返した。そして部屋に帰ろうとして…何故だか数瞬だけ躊躇う。
「…ああ。また明日な。おやすみ」
その言葉を聞いて初めて私の足は仕事を始めた。
照明を消してベッドに潜り込む。…何も考えないようにと思えば思うほど、不安が胸の中に染み渡っていくようだった。
明日、すべてが決まる。私と、由飛とそして仁の関係が明日変わってしまう。
それは、逃げられない戦い。そして多分…ううん絶対、私の負け戦。
それでも…。
「仁ぃ…眠れないよ…」
私は頭から布団をかぶりながら、漏れ聞こえないようにそれだけ呟いた…。
作:797 表題:クリスマスイブ前夜
>>823-825
貴様はどうするつもりだ?
我が問いに人は答えない。
主…元主と言った方がよいのか?ともかく、あの鬼はすでに悪鬼といえる範囲を超越しておるぞ。
それでも人は答えない、聞こえてはいるはずだ。
そうか、未だに悩むか。いや、悩むであろうな。
人を辞めるか否かの瀬戸際なのだから。あの鬼はすでに最強、倒せる個体は地上にはおるまいて。
だが人よ、貴様が妖に立ち戻ればあるいは勝機もあるであろうな。
まあいい。考えて答えのでる問いではあるまいて。
では我は眠るぞ、必要とするなら我が身を持って行くがいい。
──廃港
投げ捨てたか、悪鬼を目の前にして良くぞその行動をとれたものだな、貴様の覚悟しかと聞き届けたぞ。
さあ取り出せ、さあ振りかぶれ。我が名は貫く者カンフュール!!
悪鬼を貫き、我が主の元へと貴様の意志を届けてやろう!
さあ主よ、共に参ろう。残り少ない時間ではあるが、主の弟子が帰りを待っておるぞ。
…ふむ我が仕事は果たしたな、では先に逝っておるか。
最終決戦一幕。
827 :
797:2005/07/21(木) 00:32:16 ID:y2W2NqXZ
いやあ、久しぶりの一人称でかなり手間取ってしまいました
>>819 んと、俺からは文句のつけようが無いです
むしろ「固定視点の三人称」の見本として保存すべきと思うくらい
俺がとある場所でカキコしたのを引用すると
>一人称は、描写が一方からの視点である程度固定されてしまうので、客観的な描写が難しいんですが、反面感情移入しやすく読みやすい
>三人称は、コツと言うかタブーを破らないようにするのが大事かな?
>例えば、一番やってはいけないのは、同じ現場にいる複数の視点をこまめに追ってしまうこと。これをやってしまうとゴチャゴチャしてわかりにくい文章になってしまいます
>AとBが例えば公園で話をしてたとします。この場合は両方の内面を表現するのは避けて、心理描写はあくまでAのみ。Bの心理描写は表情や態度などから表現します
>逆にAとBが喧嘩して別れた場合、文章の目的にもよりますが、場面を切り替えて心理描写するのも可でしょう
>まあ、小説だけじゃなくてむしろ映画的手法ですが…
これの理想形ですね
あと、やっぱり「読みやすい」ってのが一番でしょう
まあ、俺の評価基準もかなり偏ってるとは思いますけど
例えば話題になってるラノベがあって、それを本屋で開いてみた時に
「なにさ」
「なんだよ」
「けれど」
みたいに「かぎ括弧」が3つ並んでるのを見た瞬間に読むのをやめてしまう、そういう人間ですから、俺
うお、かぶってしまうとこでした。申し訳ナサス
ちゃんとリロードはしないとあかんね。
829 :
797:2005/07/21(木) 00:42:53 ID:y2W2NqXZ
>>828 こちらこそ。引用先引っ張り出すのにかまけててリロード忘れてました…(汗
>>819 あ、あくまで上のは「ラノベ」に対する基準ね。SSでは他の板でもそうですけどそのあたりは気にせずに脚本形式のだって読んでますから
「まぁいいか。それじゃ---------死、ねぇっ!」
一奈の手から炎のツララが投擲された。
巨大な質量と凶悪な破壊力を秘めたソレは真っ直ぐに九鬼耀鋼の顔面へと吸い込まれていき・・・
グシャリ
九鬼の頭部が消滅した。
「アッハハハハハハ!終わり終わり、終わっちゃたねー、くきよーこー!!」
一奈は笑う。
先ほどまで自分を殺すと言っていた人間が、自分を息子の仇だと言っていた人間が、復讐のためだけに生きてきたと言った人間が、結局自分に傷一つつけることができずに力尽きたのだ。
これ以上の喜劇が存在するだろうか、と。
「フ、フフフフフフ・・・。全く本当に見かけ倒しだったわね!何が、殺すぞ、よ。殺されてるのはアンタじゃない。キャハハハハッ!!!」
笑う、笑う、笑う。
手が鉄板に溶接されているせいで、頭の無い九鬼の体は力なくそのまま機体にぶらさがっている。
それが余計におかしかった。
おかしくておかしくて涙が出そうだった。
笑うことに夢中すぎて、一奈はソレに気付かなかった。
鉄板に溶接された九鬼の手、そこにわずかな力が込められていたことに。
「キャハハハハ、・・・ぇ?」
笑いながら振り返り、その場を離れようとする。
その時、ベリッ、と溶けた穴から耳障りな音が響いた。
反射的に視線を下げた一奈は信じられないものをみたかのように凍りついた。
ベリ、ベリ、ベリ。
既に動かないはずの九鬼耀鋼の手が鉄板からはがされ始めているのだ。
そして・・・。
手は完全に鉄板からはがされ、頭の無い九鬼耀鋼の体が自らの力で機体の上に這い上がってきた。
「何よ・・・アンタ、人じゃなかったんだ?」
当初の衝撃からはすぐに立ち直り、心底おもしろそうに一奈が言う。
床に降り立った九鬼の体は、その手を頭部に持っていくと、自分の頭が無いことを確認する。
その体が震えたかと思うと、消失した部位からは肉が盛り上がり、骨が形成され、九鬼耀鋼は正に一瞬で再生していた。
「・・・そのようだ。なにぶんここ数年間は自分が人だろうと妖だろうが、そんなことはどうでもよくてな。成り行きに任せた結果とでも言おうか。」
「ふ〜ん、まあいいや。考えようによってはコレって結構面白いことよね。なんたって・・・何度でも殺せるんだから!!」
吼えて一奈が炎のツララを放つ。
しかし、次に一奈の顔に張り付いたのは驚愕だった。
九鬼は放たれたツララをかわそうともしなかったのだ。
ジュウジュウと、肉の焦げる音が聞こえる。
体を貫いたツララは決して溶けず、そのまま九鬼の体を炎で侵食しつづけている。
本来ならば激痛が襲うどころか即死してもおかしくない傷である。
にもかかわらず、九鬼耀鋼は笑っていた。
「ハ、ハハハッ!いいぞ一奈!!その殺意、どんな状況であろうと自分の勝利を確信し続けるその自信!!やはり復讐の相手はこうでなくてはいけない!!こうでなくてはオレが報われない!!」
体にツララを突き刺したまま九鬼耀鋼が前進する。
「さぁ、一奈・・・。もっと殺しあおうじゃないか!」
右手でツララをつかんで引き抜く。
右手は炎に侵されることもなく、そのままツララを投げ捨てる。
「行くぞ!!」
九鬼が鉄板を蹴った。
一奈はツララを形成しようとして、停止。
妖となって向上したのは身体能力だけではない。
瞬時に自分のツララを形成してから発射までの一連の動作が完了するよりも相手の間合いへの接触のほうが早いことを計算。
有効な対抗手段として近接戦闘を選択。
炎を纏った貫手を放つ。
「ハッ!!」
しかし相手は人間の身であったころからその身一つで妖を打ち倒してきた魔人である。
力任せに放たれた技など物の数には入らぬといわんばかりに、抜き手は容易に捌かれ、体勢を立て直すまもなく顎を狙った一撃が繰り出される。
とっさに首を後ろにそらすことで回避。
そのまま後ろへ思い切り跳躍する。
追撃。
九鬼耀鋼の動きは速かった。
一奈の足が地面に触れると同時に九鬼の右足が振るわれる。
回避は不可能、一奈はとっさに腕を交差させることでの防御を試みた。
まるで丸太で殴られたかのような衝撃が一奈を襲い、体は背中から壁に叩きつけられた。
「く、カハッ・・・!?」
衝撃で肺の中の空気が搾り出された。
目の前が一瞬真っ暗になる。
視界が戻ると同時に目の前からせまる巨大な圧力を確認。
体をひねり、そのまま壁を離れる。
寸前までいた場所には九鬼の掌が打ち込まれていた。
接近戦では分が悪いと判断した一奈は、距離をとって自らの間合いでの戦いに持ち込もうとする。
が、九鬼がそれを許さない。
もとより狭い機内での戦いである。
距離をとろうにも少し下がればすぐに壁に背をつけることになる。
「チィ!?」
いまさらながらに自分にとっての戦闘条件の不利を悟った一奈であったが、もう遅い。
間合いはとれず、苦し紛れに放つ攻撃は全て捌かれ、蛇のような一撃は致命傷にならないようにするのが精一杯だった。
妖となって爆発的に向上した身体能力と体力であっても、それは無限ではない。
九鬼の一撃が触れるたびに、その限界は近づいていた。
「ッ!?何よ、アンタ!しつこい男は嫌われるんだから!!女の子にはやさしくしなさいよ!!」
苦し紛れに一奈が叫ぶ。
九鬼耀鋼は唇を歪ませそれに答える。
何度目になるかわからない苦し紛れの攻撃。
それが九鬼のこめかみを掠めた。
衝撃が脳に伝わったのか、一瞬九鬼の動きが鈍る。
そこで一奈は距離をおくことを選択するべきだった。
しかし彼女は追撃を選択した。
思い出さなくてはいけなかった。
九鬼耀鋼は近接戦闘においては一奈の数段上に存在することを。
疑問を抱くべきだった。
今まで触れることすらできなかったはずなのにという問題に。
気付かなくてはいけなかった。
体勢を崩したはずの九鬼耀鋼の瞳に宿る獰猛な光に。
「アハッ!も〜らい!!」
そして一奈は無邪気に笑い
「阿呆が・・・。」
九鬼の双掌に腹部に食い破られた。
「九鬼流絶招 肆式名山 内の壱 焔螺子。」
両の掌から伝えられた衝撃は一奈の内部に響き渡り、その全体をすさまじい破壊で蹂躙した。
「ガハッ!?あ・・・グエェ・・・!!」
腹部を押さえその場に崩れ落ちる一奈。
目からは涙が、鼻からは鼻水、口からは血と涎がとめどもなく零れ落ちている。
そんな状態の一奈に上から声がかけられる。
かろうじて顔を上げた一奈の目に入ったのは九鬼耀鋼の顔。
そこに浮かんでいる表情は、この世のものとは思えないほどに歪んだ喜びだった。
一奈は初めてこの男を怖いと思った。
「さて、一奈。決めたのか?」
九鬼耀鋼はそういった。
しかし一奈はそれが何に対する決定を指しているのかわからなかった。
時折嗚咽をもらしながらも沈黙していると、再び声がかけられる。
「決めたのか、と聞いたんだ。最初に選択肢は示してやっただろう?」
そこで一奈は体に電流が流れたかのよう体を硬直させた。
最初、この男はなんと言っていたのか。
思い出したくない記憶を無理に探ろうとしたとたん、九鬼耀鋼が動く。
最初に投げ捨てたカンフュールを拾い上げた。
機内のとっかかりにひっかかっていたおかげで飛ばされずにすんだようだ。
「決めていないなら今決めろ。決められないなら一つずつ試してやる。」
そしておもむろに、一奈の太ももにその先端を突き刺した。
「ギッ、ア、アアアアァァーーー!!?」
機内に絶叫が響いた。
九鬼はそんなことは全く意に介せずに、突き刺したカンフュールに体重をかける。
ズブズブと先端が一奈の足に埋もれていく。
「ヒグッ!痛いいたいイタイイタイ痛い!!」
「これが刺殺だ。次は・・・。」
目の前で苦しむ一奈に九鬼はゾっとするほど穏やかな声でつぶやき、その喉に手を伸ばす。
「絞殺だな。」
グシャリ、と一奈の喉が握りつぶされた。
「カッ!?・・・ッ・・・ッ!!」
喉を潰された一奈は叫び声すらあげることができなくなった。
ビクビクと痙攣する一奈に対し、九鬼の破壊は続いていた。
「その次はなんだったかな・・・あぁ・・・。」
今度は一奈の背中から異音が響く。
上から思い切り拳を叩きつけられたのだ。
ハンマーのような拳は筋肉を断裂させ、肩甲骨を叩き割った。
「撲殺だったな。」
連続する激痛に、もはや一奈は明確な意識を保てなくなっていた。
目は白目をむき、口は何かを求めるようにパクパクと開閉を繰り返している。
「さぁ、選べ一奈。選択肢はまだまだあるぞ・・・!」
それでも九鬼耀鋼は止まらない。
裂き、潰し、抉り、毟り、砕き、貫き、千切り、穿ち、そしてまた・・・。
ありとあらゆる破壊が一奈の体に行使された。
九鬼耀鋼がその動きを止めたとき、もはや一奈の体はところどころが骨と筋と腱と皮でつながれた肉の塊と化していた。
「・・・?」
それを掴み、目の前まで持ち上げると九鬼は信じられない、といった顔をした。
「なんだ・・・一奈。もう終わってしまうのか!?」
床に叩きつける。
「おい!こんなに簡単に死ぬんじゃない!ダメだ、ダメだ、ダメだ、ダメだ!!お前はまだ死んではいけないんだよ!もっとオレを痛めつけなきゃいけないんだよ!オレに血を流させなきゃいけないんだよ!!」
叩き付けた肉塊を足で何度も踏みつける。
「お前は強くなくちゃいけないんだよ!そうじゃないとオレはなんのために生きてきたんだ!?これじゃあ、あんまりじゃないか!この程度の結果を認められるわけがないじゃないか!」
九鬼耀鋼は狂っていた。
機内の隅で一部始終を見届けていたすずは震えが止まらなかった。
人とは・・・これほどまでに壊れるものなのだろうか、と。
で、あとは最高にハイってやつだモードの先生が「こんな弱いやつが仇のわけがない、仇でいいわけがない」とか言いつつ一奈の死体をポイ。
乗り込んできた双七君に「もっと強いやつが仇でなくてはいけない。お前はどうだ?」とか言って悪鬼モードであとはゲームストーリーの通りという妄想でした。
GJ。
双七君遅れて到着の巻、ですな。
とりあえず、突っ込み。どうでもいいっちゃいいんだが、中は?
確か、すずを抱えてたはずなんだが…
GJ!個人的に足りなかった先生VS一奈を補完できたので嬉しいよ。
超蛇足だが
>「ヒグッ!痛いいたいイタイイタイ痛い!!」
で沙耶の唄(の瑶)がフラッシュバックしたw
面白かった。
双七に事故死させられるぐらいならこっちのほうが見せ場があていいな。
まぁ、零奈が悲しげに一奈に止めを刺したりしたら最高なんだが。
839 :
797:2005/07/21(木) 15:54:33 ID:y2W2NqXZ
GJ!
なんか本編っぽい文章だなあと思ったら、「回避。」とか「確認。」みたいな動詞を名詞化した体言止めが共通してるんですね
>797
続きが気になるがこれで終わりなのかな
841 :
797@携帯:2005/07/21(木) 19:56:12 ID:DPXORepv
>>840 ごめん。おしまいですm(_ _)m
そのつもりで署名とアンカーつけました
続きはゲーム中でのみなさんの24日の選択次第で
蛇足ながら俺の選択は「ブリックモール外(玲愛)」ですが…
「私は頭から布団をかぶりながら、漏れ聞こえないようにそれだけ呟いた…。 」
男はダンボールの脇にしゃがんだまま、手に取ったノートを読んでいる。
「仁っ!なにサボってんのよ!男手はあんたしかいない……って、ああ〜!」
金髪の女性…高村玲愛(予定)は、大声で叫ぶと仁の持っているノートを取り上げた。
「あんたっ!なに勝手に人の日記読んでるのよっ!」
彼女は怒りと恥ずかしさで身を震わせながら、涙目で抗議した。
「あ…いや、えっと…」
仁は必死で言い訳を考えた。そして…諦めた。
「……読んだわよね?」
彼女の背中から、黒いオーラのようなものが立ち上る。少なくとも仁にはそう見えた。
「………うん」
げしっ!
仁の顔面に、玲愛の靴底がめり込んだ。
「さっさと荷物持ってくるっ!早くっっ!」
今日は郊外に新規に立てた喫茶ファミーユ本店への引越しの日。仁と玲愛が手を取り合って必死で頑張って築き上げた夢の、その第一歩となる記念すべき日。
玲愛は手に持った古ぼけたノートに視線を落とした。
「…まだ捨ててなかったんだっけ、これ」
でももういらない。私達はこれから一緒に新しいページを書き込んでいくんだから…。
せっかくだったので、即興でオチをつけてみました
でも一応
>>823-825で完成には違いないので、あくまで付け足しと思ってください
続きわざわざすまねっす。
やっぱ同名の主人公はいいね、こっぱずかしいー。
844 :
797:2005/07/22(金) 22:15:06 ID:fyjLL+Lz
>>843 いえいえ。こちらこそ拙いものを…
ってか、久々に「書き込みフォーム直書き」やっちゃいました
同名って「高村玲愛(予定)」の部分?そういえばあれって(予定)で良かったんでしたっけ…?(汗
>843はひとし君、って事でわ?
ボッシュートされるが運命(さだめ)?
847 :
797:2005/07/23(土) 21:36:33 ID:PB5G9Bap
848 :
819:2005/07/25(月) 21:14:56 ID:jtO0I5xP
トーニャルート補完書了。
投下したいんだけど、470KB越えちゃいそ。どうしませう。
……一瞬、470KB超のSSが来るのかと思ってビビった。
>830
ちと遅いがGJ
九鬼先生好きだからすずルートのあれは可哀想だったよ
まあ復讐が出来たから幸せって訳でも無いんだろうが
「ではさっそく。おでこのめがねででこでこでこりーん」
「えっと、あの…ぼくは…」
「やあ、自転車くん。今日も元気かい?」
「うん、きみが頑張って直してくれたから。ほんとにありがとうね」
「そうか、良かった。じゃあ、また今度一緒に走ろうな」
──物陰のすずとさくら「やっぱりキモイわね」
「ていうか、怪しげな呪文とめがねのせいでキモイさ爆裂ですね」
「あんたが勧めたんでしょうが…」
「あははは〜、あ、別のとこ行きますよ追いかけないと」
「おでこのめがねででこで(ry」
「…」
「やあ、こんにちは…?」「…」
「どうしたの?ちょっと話したかっただけなんだけど?」
「…黙れ、そして聞けっ!!我が名は斬妖刀文壱!!あやかしを断つ刀也!!!」
「え?あ、うん知ってる」「ならば斬らせろ」
「いやいやいやいや、俺妖怪チガイマース」
「ならアレを斬るから身体貸せ」
「え?」
──再び物陰のすずとさくら
「あれって会長の刀ですよね?」
「そうね、どうやって持ってきたのかしら」
「なんか慌ててますよ?」
「あっははは、片言になってる─あれ?」
「あ、こっち見ましたよ?見つかっちゃいましたね─なんか、ちょっと殺気が…」
「おおお落ち着きなさい、双七くんっ!えと、えと、あ、あいむゆあし
852 :
名無しさん@初回限定:2005/07/26(火) 21:55:52 ID:C1fFnZ7V
──自転車置き場
「ではさっそく。おでこのめがねででこでこでこりーん」
「えっと、あの…ぼくは…」
「やあ、自転車くん。今日も元気かい?」
「うん、きみが頑張って直してくれたから。ほんとにありがとうね」
「そうか、良かった。じゃあ、また今度一緒に走ろうな」
──物陰のすずとさくら
「やっぱりキモイわね」
「ていうか、怪しげな呪文とめがねのせいでキモイさ爆裂ですね」
「あんたが勧めたんでしょうが…」
「あははは〜、あ、別のとこ行きますよ追いかけないと」
──校庭の隅っこ
「おでこのめがねででこで(ry」
「…」
「やあ、こんにちは…?」
「…」
「どうしたの?ちょっと話したかっただけなんだけど?」
「…黙れ、そして聞けっ!!我が名は斬妖刀文壱!!あやかしを断つ刀也!!!」
「え?あ、うん知ってる」
「ならば斬らせろ」
「いやいやいやいや、俺妖怪チガイマース」
「ならアレを斬るから身体貸せ」
「え?」
──再び物陰のすずとさくら
「あれって会長の刀ですよね?」
「そうね、どうやって持ってきたのかしら」
「なんか慌ててますよ?」
「あっははは、片言になってる─あれ?」
「あ、こっち見ましたよ?見つかっちゃいましたね─なんか、ちょっと殺気が…」
「おおお落ち着きなさい、双七くんっ!えと、えと、あ、あいむゆあしすたー!!」
「駄目です、すず先輩。なんかフォースにでも目覚めないとそれは信じられません!」
校庭はさながら地獄絵図、木々は斬られ(すずが避けた)、グランドには穴が空き(さくらがかわした)、正しき姿を留めてる物はなにもない。
「きゃー、惣七くんのバカー、姉不幸ものー!!」
──一方会長室、刀に見ほれる愁厳と仕事する伊緒
「見たまえ伊緒君。やはり小烏丸の刃筋は見事だぞ、繊細ながらも心強さを感じる。双七君に代わりにと渡されたがやはり素晴らしいな。」
「どうでもいいですけど校庭の修繕費は自腹でお願いしますね。」
多分これも日常、日々は事も無し。おしまい
会長なにげにひでぇw
あともうすこしで次スレなのだが
ネタを投入しようにも今一微妙だ
>854はGJ。しかし妖なら神沢市内全員では。
>>856 神沢市民は人妖
妖なのは鴉か烏かすずくらいなもんだ
>>750 遅レスですまんが、大好き。テンポ良くて良いなー。
このノリのをまたキボリ。
保管サイトがなくなってる…
個人的にはありがたい。すきな作品があったから。
でも管理人さん大丈夫かな。
sir,
海兵隊で殺したり殺されたりする訓練をしております!!
sir!!
ってのはともかく、ご無沙汰してますが保管サイトの管理人です。
もうちょいで自由な時間もとれるようになるんで、サイトの更新も近いうちにできるように
なるかと思います。
まあ、暇ができたらボチボチ自分もSSでも書こうかねぇ。……その前に、エロゲー自体
ここんとこやってないけどさ(w
後、保管サイトの方は当然見てもらってナンボっすからばんばん誘導してやってください
ということで、本格復帰は近いうちに。今は血と鉄と硝煙の中で露助と殺したり殺されたり
してますんで
エロゲ作品別の「あやかしびと11」
>>288-289が元ネタ
ああ、嗚呼。もう嘆く事すら出来ない。もう涙も流れない。
代わりに出来たのは殺すことだ。代わりに流れたものは血だ。
ざぁざぁ、ざぁざぁ。
豪雨。降りしきる雨の中で、彼らは、彼女らは戦っていた。
ざぁざぁ、ざぁざぁ。
雨音を切り裂くように嗤い声が響く。男の笑い声。雨のせいで垂れてしまっているが、普段はつんつんとした髪型の男の、嗤い声。
彼の名は武部 涼一だった。そして如月 双七だった。今はただの妖。名もなきあやかしが笑っていた。
それに相対するは四人の男女だった。
一人は教師。眼鏡をかけたどこか人のよさそうな男だ。草臥れたスーツはところどころ切れており、身体は満身創痍に近い。
一人は師匠。隻眼で白髪の大男。わき腹を何かで抉られたのかどろどろと血を流している。傘を支えに、彼は立っている。
一人は老人。だが既にその身は戦える状態ではなく。血にまみれ雨にまみれ泥にまみれ、大地に臥している。
一人は恋人。かつて如月双七であったものを愛し、今も彼を愛し、それでも、それでも――決意した、女性。
その四人――正確には三人だが――を見据え、名もなき妖は疾った。その手に持つは螺旋双剣。狙うは、隻眼の男、九鬼 耀鋼。
「魔刃――」
「させんっ!」
凶刃が九鬼を穿つ寸前、まるで疾風の如くその真横に教師――加藤 虎太郎が現れ、人妖の能力にて鉄板すら貫く拳をまっすぐに振りぬいた。
軽く舌打ちしてそれを避ける妖。その動きは人にあらず。止まれる筈のない速度だったのだが、その足から奇怪に生える刀の刃が大地を抉り、止まった。
865 :
864:2005/07/31(日) 00:24:36 ID:PAbbpRWh
って新スレ立ってた。
そちらに最初から載せます
自「今日は僕たちが適当にしゃべっていいらしいよ」
ク「でも、なにしゃべっていいかわからないよ」
包「いいじゃないですか、私たちが喋れることなどそうないのですから。」
傘「それなら我は言いたいことがあるぞ」
包「なんですか?」
傘「うむ、我が主にだ。」
ク「ああ、あの怖い人ですか?」
傘「そうだ、我は常々考えておった。我はなんだ?」
自「なんだ?って、刺突武器じゃないんですか?」
ク「あとは耐火バリア?」
包「なんかいつも刺さりたそうにしてますよね?」
傘「我は傘だ!!なんだ揃いも揃って人(物)を危険物扱いしおってからに!」
自「といわれても、危険物ですよどう考えても。」
傘「それだ!何故危険物扱いされるのかというと」
包「使い手の問題ですね」
傘「だろう?我は傘らしく晴れの日の駅のホームでゴルフのスイング練習でもしてほしいのに」
ク「普通に雨の時にさされるんじゃダメなんですか?」
傘「濡れるのはイヤだな、錆びたら刺さり具合も悪くなるし」
全「やっぱり危険物ですよ。あなた。」
どこかの異次元での日常。おしまい。