SS投稿スレッド@エロネギ板 #9

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581「雄真とすもも・・・」女の子モード(10/13):2006/03/32(土) 21:26:51 ID:uxRFQyja0
「えへへ……兄さん」
がばっ!!
わたしは抑えきれない想いを胸に、兄さんをベッドに押し倒す。
そのままわたしたちは、ベッドの上に倒れ込む形で抱き合うこととなった。
ふにゅ……
兄さんの精液を飲み下したばかりの口で、兄さんの唇を奪ってみるわたし。
わたしの口から漂う精液の匂いに、兄さんは一瞬だけ躊躇したようだったが、
やがて嫌悪感を抱くことなくわたしに口づけを返してくれた。
「んふ……ん……ぷはぁ」
ひとしきりキスした後、わたしは酸素を求めて深呼吸した。
「ふふ……また……キスしちゃいました」
「すもも……」
とても広くてあったかい、兄さんの胸板の感触……
その暖かさを少しでも感じようと、わたしは兄さんの体にぴったり寄り添っていた。
「ちょっと前まで……兄さんとこんな風になるなんて……全然想像できませんでしたね」
「そうだな……すもも」
兄さんとひとりの男の人として付き合うようになって、まだ数日。
いろんなことがあったけど、兄さんは今、わたしの気持ちを受け止め、
こうしてわたしのことを抱きしめてくれている。
582「雄真とすもも・・・」女の子モード(11/13):2006/03/32(土) 21:27:24 ID:uxRFQyja0
「すももは……こうなるもうずっと前から、俺への気持ちに気づいてくれてたんだよな……」
ふと兄さんが、独り言のように言葉を吐き出していた。
「兄さん……」
「すももは偉いよ……こんな不肖の兄のことをずっと想ってくれて……
 自分の気持ちに、精一杯答えを出してくれて……
 それなのに……俺は……ただ兄妹だっていう理由だけで、
 お前の気持ちを受け入れようとせず、ただ逃げ回っていた……
 俺は……お前に何て言っていいか……」
わたしのことを、妹としてしか見れないと言った、あの時の兄さん。
その切なそうな表情が、ふと目に浮かぶ。
……不安がないと言えば、もちろん嘘になる。
だけど兄さんはあの時……一生懸命わたしの気持ちを受け止めてくれた……
その想いだけは、きっと嘘偽りはない……そう信じているから。
「それは……もう、昔のことじゃないですか……」
わたしは兄さんを赦すように、兄さんに微笑みかけていた。
「それに……今は兄さんが、こうして私のことを抱きしめてくれている……
 そうでしょ? 兄さん」
「あぁ……そうだな」
わたしは微笑みながら、そっと兄さんに囁きかけていた。
583名無しさん@初回限定:2006/03/32(土) 21:28:53 ID:Sw/EwAYR0
      _
  ∠'´  `ヾヽ
  くi"〈ノ从))〉>
 _ ノ从゚ ヮ゚ノ从_ 支援 
 / ⊂) 条 (つ/\ 
/| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|\/
  |  みかん  |
584「雄真とすもも・・・」女の子モード(12/13):2006/03/32(土) 21:29:56 ID:uxRFQyja0
「もう、この手……絶対離さないでくださいね……兄さん……」
「それはこっちのセリフだ……もう、どこへも行くなよ……すもも……」
「うん……兄さん……大好き」
再びキスを交わし、互いの愛情を確かめあうわたしたち。
(……?)
ふとわたしは、わたしの下半身に触れる兄さんのそこに違和感を感じていた。
「あ……兄さん……///」
たった一度出したくらいでは収まりがつきそうにない、兄さんの熱い想い。
その熱がわたしにも伝わってきて、思わず頭がぽわーっととろけそうになる。
「すごいです……兄さん……また、おっきくなってきてます……」
うわ言のようにつぶやくわたしに、兄さんが切なそうな顔で懇願してきた。
「す……すもも……俺……まだ……」
その時、私はふと、準さんの教えを思い返していた。
(オトコとオンナが長続きする秘訣……それは、決して飽きさせないこと!)
今ここでわたしがもう一度抜いてあげるのは、とても簡単なことだった。
しかし、ここで簡単に抜いてあげたら、兄さんはきっとその刺激に慣れちゃうだろう。
そうしたら、もう……わたしのお口じゃ満足してくれなくなる。
もう二度と、兄さんに喜んでもらえなくなる……!
585「雄真とすもも・・・」女の子モード(13/13):2006/03/32(土) 21:30:49 ID:uxRFQyja0
「……ダメですよ、兄さん」
「ふぇ!?」
わたしの返答に、思わず兄さんが変な声を上げる。
兄さんのをしてあげたい衝動を胸に抑えつつ、私は更に続けた。
「すももの目覚ましサービスは、1日1回までと決まっているんです。
 後は兄さんが自分で何とかしてくださいね♪」
「そ、そうなんだ……あはは……」
「さ、早くしないと朝ごはん冷めちゃいますよー」
あえて明るく振るまい、わたしは階下へと降りていった。
準さんに教えてもらった、恋する女の子の必殺技……
今日のところは、ひとまず大成功といったところだろう。
(えへへ……兄さん……///)
わたしは口元をにやけさせつつ、しばらくは台所でお弁当の献立を何にしようか、
悪戦苦闘することになったのだった。

(終わり)
586某スレ140@はぴねす!:2006/03/32(土) 21:36:50 ID:uxRFQyja0
>>583
ちょwwwwみかん箱の人まだいたんだwwwwwwwww

てなわけで終了>>572-585
所詮は男性エロゲヲタの手で書かれた「作られた」女性視点なので、
ホントに女の子はこんな風に考えてるなんて思わないで下さいねwwww

女の子モード、今のところ昔作品別スレでうpした杏璃の胸の話と、
温泉の話第6章(>>427-439)について執筆中です(案外難しい・・・)
他にも弾はいくつかありますが、それはまた別の機会にノシ
587名無しさん@初回限定:2006/03/32(土) 21:38:49 ID:LqZj3vwX0
神の再来だ〜〜〜wwww
頑張ってくれ
588名無しさん@初回限定:2006/03/32(土) 21:43:47 ID:Sw/EwAYR0
激しくGJ!!!

ただ、実はあの時のみかん箱とは別人なんですけどね(汗)
あの時のAAを勝手にお借りしました(汗)

いつも楽しく読ませてもらってます。
それにしてもすももが途中で止めたのには
こんな理由があったとは(笑)
とにかくお疲れ様でしたー
589名無しさん@初回限定:2006/04/06(木) 06:34:52 ID:eWQ4WX5d0
もしらばのSSもほしーなー
590名無しさん@初回限定:2006/04/06(木) 19:08:29 ID:EvG9IOL20
>>589
もしらばのSSは、なぜかもしらばスレにあるぞ。どうやらSS氏が住み着いてるらしいんだが。
正直、こっちに書けばいいと思うけどな。
個人的には、これが気に入ってる。今日もあったが、俺の好みじゃなかったな。

597 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/04/02(日) 23:25:59 ID:RRAYmemN0
「明穂が転生しないまま終わるエンド」が話題になっていたので、
>>518の続きっぽいものをうpして見ますた。
「日常のガイ・ダンス」が似合いそうな明るい感じのものは>>575さんが書いていたので、
「その奇跡を」や「二人の時間」が似合いそうな感じのものにしてみました。
ttp://www.geocities.jp/neneco903/2ch_kakiko/mosiraba_akiho_not_rebirth.txt
300行近くと、けっこう長くなってしまいました・・・orz
どんなもんでしょう・・・
591名無しさん@初回限定:2006/04/06(木) 22:04:04 ID:wCbsIIwd0
>>590
悪くないな。だが、作品別では荒らしだ。
つか、なんでこっちに書かねーんだ?
592名無しさん@初回限定:2006/04/06(木) 22:17:38 ID:ieRZwpy+0
ココの存在感が薄いからとか
593名無しさん@初回限定:2006/04/06(木) 22:21:07 ID:UpiAQvqn0
ちゃんと向こうでも
「ココでやったらどう?」と誘導はされてたんだがな
594名無しさん@初回限定:2006/04/06(木) 22:36:55 ID:Kq/SbJ0A0
作品別見てきたが、もろに荒らし認定されてるな。
あそこまで荒れてるとは思わんかったが。
まぁ、スレ荒らしが書いた物なら、評価するに値しねーな。
595名無しさん@初回限定:2006/04/06(木) 22:54:21 ID:Z5H7ESq30
>>594
どっちかつーとSS嫌いの自演基地外が荒らしてたみたいだな、今見たら今度はコピペで荒らしてるし
しかしひどい荒れようだこと
596名無しさん@初回限定:2006/04/07(金) 00:45:50 ID:EazScf6H0
     _,,:-ー''" ̄ ̄ ̄ `ヽ、
     ,r'"           `ヽ.
 __,,::r'7" ::.              ヽ_
 ゙l  |  ::              ゙) 7
  | ヽ`l ::              /ノ )
 .| ヾミ,l _;;-==ェ;、   ,,,,,,,,,,,,,,,_ ヒ-彡|
  〉"l,_l "-ー:ェェヮ;::)  f';;_-ェェ-ニ ゙レr-{   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  | ヽ"::::''   ̄´.::;i,  i `'' ̄    r';' }   | 
 . ゙N l ::.  ....:;イ;:'  l 、     ,l,フ ノ   | SS書く奴はうざいよ
 . |_i"ヽ;:...:::/ ゙'''=-='''´`ヽ.  /i l"  <  俺のつばさを汚した野郎は
   .| ::゙l  ::´~===' '===''` ,il" .|'".    |  即刻に謝罪を要求する!!
    .{  ::| 、 :: `::=====::" , il   |     \________
   /ト、 :|. ゙l;:        ,i' ,l' ノト、
 / .| \ゝ、゙l;:      ,,/;;,ノ;r'" :| \
'"   |   `''-、`'ー--─'";;-'''"   ,|   \_



597名無しさん@初回限定:2006/04/07(金) 08:28:06 ID:h3M639oe0
もしらばスレがむちゃくちゃ荒れてると思ったら、>>590が原因か。
正直、この程度の内容でなんで「擁護派」なんてものが出てくるのか分からんが・・・
つーか、あれだけ荒れてるところで誘導されても、こっちに596みたいに荒らしが
流れてくるだけで迷惑だな。
598名無しさん@初回限定:2006/04/07(金) 20:58:32 ID:qwZmZcVe0
容量が480kbを超えた件について
599もしも明日が…(1/1):2006/04/09(日) 11:46:47 ID:ySQjiN/n0
ふとした思い付きで、「もしも明日が晴れならば」で1レスものを書いてみました。
千早がイツキと約束をした日の夜、ということで。
エチなしオチなしでスマソ
600名無しさん@初回限定:2006/04/09(日) 11:47:01 ID:ySQjiN/n0
イツキちゃんが雨の中へと帰っていった。
気がつけば、いつの間にか日は落ちて辺りは薄暗くなっている。
明日のことを考えて、時が経つのも忘れていたらしい。

もしも明日が晴れならば――

イツキちゃんとあの丘の上で、暗くなるまで遊ぶんだ。
そのあとお母さまに叱られるかもしれないけど、構わない。
だって、イツキちゃんと二人で過ごす丘の上は、きっとずっと楽しいから。
でも…、この雨があがらなかったらどうしよう…。

もしも明日が雨ならば――

その時は、暗くなるまでイツキちゃんとお喋りしよう。
イツキちゃんは雨が降っても来てくれる。ずっと側に居てくれる。
だから、たくさんたくさんお喋りするんだ。
あの着物を見てもらって、ちはやが知らない外のことを聞いて……

明日はきっと楽しくなる。だから今日は、もう眠らないといけない。
これまでは、夜眠るのはとても怖かった。とても不安だった。
でも今は平気。
だって…、夢の中でイツキちゃんに会えるから。
とても楽しい夢が見れるから。

イツキちゃんと出会うまで、ちはやはただ生きているだけだった。
する事もなく、考える事もなく、死ぬこともできずに、心にはぽっかりと暗い窓が開いて…。
でも、イツキちゃんが来て、灯りをともしてくれた。
ちはやの心の窓辺に、暖かで柔らかい灯りを。

もしも明日が晴れでもなく雨でもなく、たとえばとても強い風の日だったとしても、
イツキちゃんは逢いに来てくれる。
きっと、ちはやを呼んでくれる…。
601もしも明日が…(1/1):2006/04/09(日) 11:48:32 ID:ySQjiN/n0
>>600に名前入れるの忘れた・・・orz
元ネタの元ネタにあわせたので、ちょっと無理やり感がアリマス(;´д`)
スレ汚し失礼シマスタ。
602名無しさん@初回限定:2006/04/09(日) 22:27:59 ID:6U7bClLV0
>>601
組み立てとしては雨の中を帰っていくイツキを見送ったあとは
「もしも明日が晴れならば」をもってこないで
「もしも明日も雨だったら」をもってきて、ちはやに不安感を持たせるほうがよさそう。
そこから「だけど」と持ってきて希望に繋げるほうがメリハリが出る。
オチもないこの構成では、起承転結がなくて起承で終わってしまってる感じ。
603名無しさん@初回限定:2006/04/09(日) 22:38:40 ID:lYKfZ7LM0
>>601
ツマラン。出直せ。
604名無しさん@初回限定:2006/04/09(日) 22:47:06 ID:hVqPe0nc0
>>601
「元ネタの元ネタ」を知らん人にとっては、まったくわけの分からん内容だな。
その辺のフォローがないという問題点が1つ。
さらに、「元ネタの元ネタ」をトレースしているだけで、創作ではないという問題点が1つ。
32行以内に押し込んだにしては読みやすい点は、評価してもいい。
605はぴねす『準』:2006/04/13(木) 00:00:07 ID:wCU07zhe0
睡眠から私は目を覚ます
「う〜ん今日もいい天気ね」
窓から外の景色を眺めながら、登校するための支度をする

いつもの通学路
ハチと一緒にしばらく待つと二人の男女が歩いてくる
「最近時間通りじゃない、雄真」
「すもものおかげだよ」
「すももちゃんに感謝しなきゃね」
「ほら、喋ってないで行くぞ」
いつも通りの朝にいつも通りの軽口を交わして私たちは学園に向かう
四人ずっと変わらない関係
いつまでこの関係が続けられるのかそれは分からない
でも、私には大切なものだった

「おはよう、小日向君」
「おはよってか、俺の机からどいてくれ柊」
「まぁまぁ、朝からそんなケチくさいこと言わないの」
「あのなぁ。なんで俺の机が集合場所になってんだよ」
「春姫はここにいるんだし、別にあんたの周りに集まってるんじゃないわよ」
「はいはい」
「もう雄真ったら、朝からこんな可愛い子達に囲まれて
 幸せものね〜」
「待て。お前は断じて違うぞ」
「もう、照れちゃって可愛いんだから」
「違う!!」
賑やかな会話
気が付くと雄真の周囲はいつも女の子で囲まれていた



606はぴねす『準』:2006/04/13(木) 00:28:15 ID:wCU07zhe0
 魔法科とクラスが合同になってからというのも
雄真と春姫を近づけさせようと、いろいろ画策
してみたものの今ひとつ効果がないまま時間だけが経過していた
(う〜ん、春姫ちゃんじゃないのかなぁ…だとしたら
 すももちゃん?杏里ちゃんなのかなぁ…)
やはり、雄真の様子を見る限りでは一番可能性が
高そうなのは春姫だった
 授業中自分の席から雄真の方を見つめる
すやすやと、教科書立てて眠っている
(もう、雄真ったら)
ずっとそちらを眺めながら、ふと思いつく
(もし、私が本当の女の子だったら、雄真は私を
 選んでくれるかな……)
それはいつも頭をよぎる邪念だった
私は雄真の一番にはなれない
だからこそ、雄真の恋を応援しようと誓ったはずなのに
雄真を見るとそんな思いが湧いてくる
(はぁ……まぁ、仕方ないよね)
そう呟いて私は自分を納得させた

 放課後、今日は特になにもない
「ってことで、雄真、一緒に帰ろ〜」
「なにが『ってことでなんだ』なんだ!つか腕を絡めるな!!」
「今日は特に私用事もないし、どこかで遊んで帰らない?」
「あぁ、別にいいけど。他に誰か誘うか?」
「そうだね…あ、春姫ちゃん、今からどこか遊びに行かない?」
「え?…あ、ごめんなさい。今日は杏里ちゃんと用事があるから」
「あ、そうなんだ…じゃあ杏里ちゃんも駄目ね」
「ごめんなさい、また誘ってね」


607名無しさん@初回限定:2006/04/13(木) 00:37:28 ID:pkDKcv3oO
おっ、はぴねすのSSか。楽しみだなw
×杏里 〇杏璃 ね。
608名無しさん@初回限定:2006/04/13(木) 00:41:16 ID:rKW8MhVk0
準だよw今後の展開に期待
609はぴねす『準』:2006/04/13(木) 00:47:52 ID:wCU07zhe0
 教室の中をグルリと見回す
「あれ?ハチは?」
「ん?ハチならさっき『アニメの録画を忘れた!!』とか言って
 慌てて帰ったぞ」
「そんなキャラだっけ……ってことは今日は雄真と
 二人っきりってことね///」
「だったら別に行かなくてもいいだろうが!!」
「駄目駄目。ほら時間はそんなにないんだから、早く早く!!」
「わかった、わかったから、押すんじゃない!」


 玄関口まで来てポカンと立ち止まって空を見上げる
「あー、なんでさっきまで、あんなに晴れてたのに急に降ってくるんだ?」
 わなわなと震えながら空を睨みつける
「もぉ〜、なんでこんな時に降ってくるのよ〜」
 ほんの少し前まで晴れていた空は今は厚い雲に覆われていた
振り出した雨は当分止みそうもない
「これは、きょうは遊びに行けないな準」
「せっかく、楽しみにしてたのに……」
「また、今度な。しかし参ったな、傘なんて持ってきてないし」
「そうよねぇ……あ、そういえば」
「どうした?」
「こんなこともあろうかと、置き傘してたのを忘れてたわ」
「なにぃ!?」
「乙女の嗜みってやつよ。少し待ってて。教室まで取りに行ってくるから」

「お待たせ!」
「おう、じゃあ帰るか」
 そう言うと、何故か雄真はカバンを頭の上に構えた
「なにしてるの雄真…?」

610はぴねす『準』杏璃ごめん:2006/04/13(木) 01:12:53 ID:wCU07zhe0
「はぁ?なに言ってんだ?走らなきゃ濡れちまうだろ?」
「もう…なんの為に私が走って教室まで取りに行ったと思ってるの」
「って…ちょ…まさかおまえ……」
「さ、仲良く一緒に帰りましょうね〜」
「馬鹿言え!?そんなファンシーな柄の傘に男二人で入れるか!!」
「仲の良いカップルにしか見えないわよ。ささ、帰りましょうね〜」
「そ、そんな声だすんじゃない!」
ズルズルと抵抗する雄真を引っ張って私達は外に出た

「一度やってみたかったのよね〜あ・い・あ・い・が・さって☆」
「変なこと言うな。…つーか、お前だったらいつでも出来るんじゃないか?」
「もう、雄真と一緒じゃないと意味ないの」
「はいはい、わかったよ……」
非常用において置いた傘はそんなに大きくない
私は、雄真が濡れないようにそっと傘を傾けて身を寄せる
「おい、準、くっつき過ぎじゃないか?」
「しかたないじゃない。傘が小さいんだから」
「ってもなぁ……ん?」
雄真のほうに体を寄せて歩きながら、私は考える
(はぁ…女の子だったらこうゆう時、胸を押し当てたりしてアピールできるのに)
自分胸をに視線を落とす
ここら辺が超えられない壁のひとつだった
「おい、準」
「…え?どうしたの?」
「貸せ」
半ば強引に私の手から傘を奪い取る
「あ!ちょっと…」
「お前が濡れてんじゃねーかよ。俺のほうに傘向けやがって、
 それでお前が濡れたら意味ねーだろうが。それになんつうかやっぱり
 そのこの場合は俺が傘を持つほうが正しい気がするしな。お前は見た目は
 女だから、俺が格好悪いだろ」
611はぴねす『準』:2006/04/13(木) 01:38:25 ID:wCU07zhe0
「雄真……み、見た目だけじゃなくて、心も女の子だよ」
「あぁもう、懐くな!ネコかお前は!」
(私にだってこんな風に優しいから……)
だから……ついありえない期待をしてしまうのか
それは……言い訳なのかもしれない

「今日、私の家誰もいないのよね〜」
「そうなのか?」
「可愛い一人娘をほったらかして何処に行ってるんだか」
「大変だな……お前の親も」
「どうゆう意味なのかしら〜」
「そのまんまの意味だが」
そうこう会話をしてる内に家の前まで来る
「あぁん、もう着いちゃったのね。ねぇ雄真もう一周しない?」
「するか!!」
「残念ね。でも、また今度しましょうね…くしゅん」
「次は、傘を忘れないようにするからな」
「ふふっ。釣れないわねぇ…くしゅん」
「じゃあ、この傘借りてくからな。明日の朝返すよ」
「うん、それでいいわよ…くしゅん」
「おまえ…大丈夫か?やっぱ結構濡れただろ?」
「大丈夫よ、これくらい。雄真も早く帰らないと、だんだん雨酷くなってきてるわよ」
「あぁ…ほんとに大丈夫なんだな?」
「んもう、そんなに、くしゅん、私のこと心配してくれるなんて、雄・真・」
「変な風に呼ぶんじゃない!!じゃあ、俺は帰るからな」
「今日は、楽しかったわ。また、明日ね…くしゅん」

 玄関を開けて家の中に入った瞬間に、ふらっと眩暈がする
「あれ……?」
視界がはっきりと定まらない
私はそこで気を失った
612名無しさん@初回限定:2006/04/13(木) 01:57:06 ID:cPxIyXiU0
準にゃんキタキタ
613はぴねす『準』:2006/04/13(木) 01:57:16 ID:wCU07zhe0
「ただいまー」
強くなりだした雨脚に、俺は急いで玄関の扉を開ける
「あ、兄さん。お帰りなさい。雨、大丈夫でしたか?」
「いきなり降って来るんだもんなぁ…」
「すももは大丈夫だったのか?」
「私は、置き傘してありましたから」
「女の子はさすがだな」
「兄さんは…その傘…」
「あぁ。準の奴が置き傘してたおかげで助かったぜ。さすがにこの
 傘は恥ずかしかったが、仕方ないだろ」
「準さんに感謝ですね」
「まったくだな」
一息ついて、リビングに向かう
テレビを付けるとちょうど天気予報が流れていた
「しばらく…止みそうにないか……」
そこで俺はあることに気付いた
「……っておいすもも!今日母さん、傘持って行ったか!?」
「…え?あ、そういえば……」
どうやらもうひと仕事あるらしい
「俺が届けに行ってくる」
「外、酷い天気ですよ」
「しょうがないだろ」
そう言って玄関に掛けてある母さんの傘を手に持って俺はもう一度外に飛び出した


「はぁ…なんとか母さんが帰る前に間に合ったな」
俺が傘を届けに来たことを知ると母さんはものすごく喜んでくれた
「じゃあ、俺もさっさと帰りますかね―――」
そこで、頭の中に一人の顔が浮かび上がる
「あいつ…ほんとに大丈夫だったのか……」
どうしても頭から、別れる間際の顔が離れない
「えぇい、クソ!!最後にくしゃみなんかしやがるから!!」
614はぴねす『準』:2006/04/13(木) 02:21:44 ID:wCU07zhe0
「はぁはぁ……」
一時間ほど前に来た場所に俺は再びいた
雨の中を走ったせいで、だいぶ濡れている
呼吸を整えて、俺は呼び鈴を押した
「…………………?」
もう一度押してみる
「……………………」
やはりなんの反応もない
「なんだ、準の奴いないのか。とんだ無駄骨だったな…」
カチャ――
なんとはなしにドアノブに触れるとそれは音を立てて開いた
「あれ……?」
無用心だなと思いながらゆっくりドアを開く
中を見渡せば―――

「準!?お、お前!どうした!大丈夫か!?」
玄関で準が一人で倒れこんでいた
俺は駆け寄って、抱き起こす
「はぁはぁ…あれ…?はぁはぁ…どうしたの…私に…会いたくなった…?」
「んなこと言ってる場合じゃないだろうが!?」
準の額に手を当てる
「すげぇ、熱いじゃねえかよ!!ああ、もう、入るぞ」
出来るだけ優しく抱きかかえて準を部屋まで運ぶ
「はぁはぁ…ふふっ…これって……お姫様…抱っこ…よね…」
「なっ――!あぁ、もういい」
部屋のドアを開けて、そっとベッドの上に寝かせる
「まさか、あれからすぐ倒れたのか?」
「あれからって…どれぐらい経ったの……?」
「一時間くらいだ」
「…そうなんだ……」
「まったく、お前は……俺がこなかったらどうするつもりだったんだ」
「……ごめんね…雄真…急に力が…はいらなくなっちゃって…」
615名無しさん@初回限定:2006/04/13(木) 02:28:45 ID:cPxIyXiU0
スレ容量もうちょいあるけど次スレたてました
キリのいいところで移行ヨロ

SS投稿スレッド@エロネギ板 #10
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1144862756/
616はぴねす『準』:2006/04/13(木) 02:42:47 ID:wCU07zhe0
「ん……あぁ、そうか悪い。辛かったら無理に喋らなくてもいいからな」
「ううん……大丈夫…さっきよりは…楽になったから……でも……」
「?」
「どうして…雄真…戻ってきてくれたのかな……?」
「え、いや別に、母さんに傘を届けに行ったら、さっきお前がくしゃみしてたの
 思い出してな、両親もいないって言ってたから、気になって来てみたんだ」
「ごめんね雄真……本当に心配させちゃったんだね」
「そんなことで謝るなよ、俺達の仲だろ。なんかあった時はいつだって
 言えばいいんだぞ」
「うん……うん……雄真……」
「ば、ばか、泣くなよ!男だろ」
「だって……雄真が優しいから……」
「ほ、ほら、汗かいてるし着替えだ着替え、ここか?」
適当にクローゼットを開ける
「う……準…自分で着替えられるか?」
「…ごめんね…身体が…動かせないの……」
「わかった」
どうやら俺がやるしかないようだ
俺は意を決して、クローゼットを占める女物の服の中に手を入れた


「……ん…あっ…!!…雄真ぁ……」
「……………」
「だめ……そこは…んふぅ……はん…っ///」
「……………」
「や……っ…ん…ぁぁ……だ…め……」
「……………」
「ひゃん!……ぁうぅ…やぁ……ゆ、雄真ぁ……」
617はぴねす『準』>>615乙:2006/04/13(木) 03:06:02 ID:wCU07zhe0
「ええい!着替えさせてる時に、変な声出すんじゃない!!」
「はぁ…はぁ……ゆぅまぁ……」
何故か先ほどよりも息絶え絶えな準
(はぁ……着替えさすのに……この苦労かよ)

「お前の両親は帰ってくるのか?」
「ううん……」
「そうか」

俺はポケットから携帯を取り出すと、家に電話を掛ける
「あ?すももか?…実はな準が………あぁ……そういうわけだから…
 たぶん今日は帰れんと思う……明日?大丈夫だ…ああ…悪いな」
「あの……雄真?」
「だれもいないってのに、こんな状態のお前を置いてけるわけないだろ」
「でも……」
「病人は黙って言うことを聞くもんだ」
「分かった……」
「ん、じゃあ俺は下でなんか作ってくるから、
 まぁなんかって言ってもおかゆだけどな。それでいいか?」
「ありがとう……雄真」
「ん」

雄真が部屋から出て行くと、私一人が部屋に残される
正直なところ、玄関先で倒れて動けなくなったまま、ずっと一人で心細かった
雄真が来た時はまるで――
(まるで、助けてって私の声が届いたみたい……)
病気で気弱になっているいま、雄真の優しさは胸の内に秘めた思いを暴露
させてしまいそうになるほどに嬉しくて、辛い
 ずっと、昔からアプローチし続けてきた
好きといい続けてきた。けど、その先には怖くて踏み出せなかった
もし、はっきりと拒絶されたら、自分は今の居場所も失ったしまう
そばにもいれなくなってしまう。それが怖かった
618はぴねす『準』:2006/04/13(木) 03:21:51 ID:wCU07zhe0
でも、あれだけ優しくされたらもう駄目だ
自分に嘘がつけない
「雄真……好きだよ……雄真…」


「おい、準出来たぞ」
お盆を抱えて、私のエプロンをした雄真が入ってくる
(か、可愛い……)
「自身作だ。ほら、食べれるか?」
「ん……」
息を吹きかけて、ゆっくり口に運ぶ
「美味しい……」
それはいままでで最高に美味しいおかゆだった
「そうだろう、自信作だからな。しっかり喰って早く直せよ」


「さて、もう寝たほうがいいぞ」
食事も終わって、雄真がそう言ってくる
ただ、私は今日を終わらしてしまうのが勿体無いような気がした
「そう……よね……」
「…ん?……あぁ、心配するな。俺もここにいてやるから、安心して寝ろ
 病気の時は誰であろうと傍にいてほしいものだしな」
「雄真……眠るまで…手握っていい…?」
「やれやれ。今日だけだぞ」
私はこくこくと頷く
「俺もこの部屋で寝るからなんかあったら起こすんだぞ」
そういって部屋の明かりを消す
私は雄真の掛けた魔法が解ける前に、人生で最大の覚悟を決める
「ねぇ……雄真…もうひとつ最後の…お願いしていい?」
「んん…?なんだ?」
619はぴねす『準』:2006/04/13(木) 03:35:12 ID:wCU07zhe0
雄真も、もう眠そうだ
当たり前だ。ずっと付きっきりで看病してくれていたのだから
私は、震える唇で言葉を紡ぎ出す
「……眠る…前に…最後に…キス…して…」
「な!?お前………」
雄真が悩んでいる
それもそうだ。私は男なんだから…
でも、溢れた思いは留められない
もし、雄真がしてくれなかったら私はキッパリ諦めよう
もし、雄真がしてくれたら私は――
今までの私から踏み出そう
冗談にするんじゃなくて、本気で―
風邪を直して学園に行くその日から―
春姫ちゃんも、杏璃ちゃんも、すももちゃんも、小雪さんもみんなのライバルとして―
意識がまどろんでくる……
(お願い……雄真ぁ///)





「……おやすみ……準……ちゅっ」

おしまい
620名無しさん@初回限定:2006/04/13(木) 03:38:19 ID:wCU07zhe0
ああ〜ごめんなさい
まとめてから貼ればよかったです
三時間もかけるなんて……
621名無しさん@初回限定:2006/04/13(木) 04:05:48 ID:g4XEkR6YO
>620
楽しい三時間でしたよ。
622名無しさん@初回限定:2006/04/13(木) 05:26:24 ID:cPxIyXiU0
>620
超乙!
623名無しさん@初回限定:2006/04/13(木) 05:52:51 ID:doPRGDAs0
>>620
乙!
準にゃんかわいいよ準にゃん。
624名無しさん@初回限定:2006/04/13(木) 07:55:11 ID:nzUrkcuwO
多少クセはあったが、GJだ
625名無しさん@初回限定:2006/04/13(木) 10:01:36 ID:+llo+RR00
もしらばネタとはぴねすネタの扱いの差がテラワロスww
626名無しさん@初回限定:2006/04/13(木) 10:55:32 ID:rKW8MhVk0
準にゃんテラカワイス、超乙でした。

作者さんにお願い
出来れば準にゃんがキスした事を皆に暴露してヒロインズにライバル宣言するシーンを
追加でお願いします!!
かーさんの祝福込みで
627名無しさん@初回限定:2006/04/13(木) 12:23:18 ID:wCU07zhe0
>>626
ではやってみますね
ここは容量がきついので新スレのほうでやります
628名無しさん@初回限定:2006/04/13(木) 13:22:16 ID:Mfy4dz/c0

  ,ーーー-、
       イ从ヘヾ ゙i
      ('(゚∀゚ ∩l  準にゃん!
       ヽ  〈,リ
        ヽヽ_)
629名無しさん@初回限定:2006/04/13(木) 23:01:24 ID:FzZPjNoG0
まず見た瞬間『J女化SSか!?』と期待したが違ってがっかり・・・
だが読んでみると、それはそれで良い作品でしたな
630名無しさん@初回限定
準良いね
地味に良作でしたよ(誉め言葉