(o^v^o) ぱにぽに de 学級崩壊 (*゚∀゚*)5日目

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1マロン名無しさん
このスレはいじめやエログロなど、ぱにぽに及び関連作品のダークな話をするスレッドです。
不快感を覚えたり、キャラクターのイメージを損なう表現がある可能性がありますが、ご了解の上でご覧下さい。

【書き手の方へ】
ぱにぽにのダークな話であれば必ずしも学級崩壊にこだわらなくても結構です。
ただし露骨な性描写はまとめサイト収録時に修正されることがあります。
なお、最初に「人死に・グロ・エロ」の有無を書いておくと喜ばれます。

【まとめサイト】
ttp://www.pphoukai-matome.com/

(o^v^o) ぱにぽに de 学級崩壊 (*゚∀゚*)4日目
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1152282194/

【関連スレ】(21禁です)
ぱにぽにエロパロスレッド5時間目
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1150819664/
2マロン名無しさん:2006/09/04(月) 00:07:00 ID:???
>>1乙。
新スレ早いな。前スレは豊作だったってことかな?
3マロン名無しさん:2006/09/04(月) 00:22:17 ID:???
2日目あたりまでは900後半まで行ってたけど、3日目は871で終わった。
4日目も600行くか行かないかくらいで埋まりそうだな。
4マロン名無しさん:2006/09/04(月) 00:34:16 ID:???
ちょくちょく投下ラッシュがあった影響かな
5マロン名無しさん:2006/09/04(月) 00:34:47 ID:???
いや消費ペースはいつもこんなもん。
長文が多かったんだと思う。
6マロン名無しさん:2006/09/04(月) 18:37:50 ID:???
>>1
乙カレーさん。
7インプランタ晶:2006/09/05(火) 05:48:48 ID:???
前スレが早く終わった理由の一端を担った長すぎるインプランタ投下します。
ようやくゴールが見えてきました。
8インプランタ晶:2006/09/05(火) 05:49:23 ID:???
 だが、ベホイミは動かない。その場に立ち尽くしている。
「ベホイミ!」
 都は一瞬ベホイミのほうへ足を向け、すぐに足を止める。
一箇所に固まっての行動は、一瞬のミスで全滅を招く。それを思い出した。

「もう……イヤだ」
 ベホイミは、その場に膝を着いた。
そして、メガネを外し、袖で涙を拭う。
「ベホイミ!」
 都はもう一度、ベホイミの名を呼ぶ。怒気というよりも必死さをこめて。
「……どうして、宮田さんを殺さなくちゃいけないんスか?こんなに念入りに。
 さっきから頭を吹き飛ばして、腕も、足も。熱いでしょ? 痛いでしょ?
 いくら皆さんを助けるためとはいえ、こんなのあんまりっス。イヤっス……」
「それは今言うことじゃないでしょーが! 私らを呼びつけたときの威勢はどーしたの!?」
 言いながらも、都は気づいていた。
あの高圧的に宮田晶殺しを立案したベホイミの姿、あれは、彼女自身が自分に発破をかけるためのポーズではなかったか。
ベホイミは自分には晶を殺せないと腹の中で確信していたのではないか。
だから、仲間を募って少しでも自分にかかる責任を軽くしようとした。
わかる。その気持ちはよくわかる。

 都も、相手がただの顔見知りに過ぎない宮田晶だからこそ、積極的攻撃に賛成したが、
もし相手がくるみ、修、犬神、姫子、玲、ベッキー以下略の親しいものならば、断固攻撃することを拒んだだろう。
死を間近に感じて、その恐怖から武器を取ることは考えられたが、それでも最後まで拒んだだろう。
だが、たとえ自分の身に置き換えて妥当な行動であっても、認められない事がある。
このまま、拱手傍観して死ぬなど、都には考えられない。
「ベホイミ……、あんたがやらなくても、私は宮田を殺すわ。
 そうなったら、きっとあんた、一生後悔するわよ……。逃げたんだもの、友達から。
 もしかしたら私たちは逆の立場だったかもしれないから……、もう、言わないわ。
 そこで親友を赤の他人に殺されるのを見てるか! それとも自分の手を汚すか! 選べ!」
 既に晶は足も手も回復しきり、立ち上がっていた。その目は、すっかりうつろになっている。
9インプランタ晶:2006/09/05(火) 05:51:14 ID:???
 殺すことが辛いのは、初めてだった。
いや、最初の一回で晶が死んでいたら、悲しいとは思わなかったかもしれない。
慣れているからだ。ベホイミにとって敵を殺すことは、都にとって問題集を解くのと同等の事だった。
自分が生きていく過程でやむにやまれずやらねばならない事、特別な感情は無い。
ただ、時々うまくやれると、爽快感がこみ上げてくるのも似ていた。

 日本へ来て以来、彼女は殺しをしていない。
身の危険があれば、この国の法が許す範囲で最大の反撃を食わせてやろうとは思っていた。
酷く危険ならば、法を犯してでも生き延びるべく、備えもしており、今回それが役に立った。
ただ、それはベホイミにとって幸福なことではなかった。

 ベホイミは少しガラこそ悪いものの、基本的には陽性の性格で、転校してすぐに友人を作れた。
魔法少女のコスプレをして登校しても、この学園の生徒からは特に変な反応もなかった。
ただ、ある女子生徒マホ(仮名)に、「今どき魔法少女で癒し系て!」と階級的人道的差別発言をされ、
自分の拠って立つべき足場を失ったような衝撃を受け、イメチェンに走り、ついには地味へ到達した。
急激な彼女の変貌に、ごく普通の友人たちは距離を置くようになった。
気にしない者も犬神や芹沢茜を始めとしていたが、これらの者も特別な存在であるので、
ごく普通の面々の動向へ影響を与えることは無かった。
ベホイミは、自分の変化を理解してもらえるまでの間、孤独を覚悟したが、そうはいかなかった。
晶だ。彼女はベホイミに、ただ「変わったね」とだけ声をかけて、それ以降はごく普通に接してくれた。
晶は、スタイルが高い水準にあり、頭が少し弱い以外は、ごく普通の少女だった。

 ある日の雑談で、連休中のキャンプで何があったかなどを聞いているうち、
ベホイミは、ふと、いいな、と感じたのだ。
何の情報的価値も無い、ただの世間話をしているだけで幸せになれる相手だった。
今日、その相手を、殺さねばならなくなった。
家庭科室で暴れた段階では、取り押さえることを考えた。
しかし、異変を調べるうちに、ベッキーが殺されていることに気づいた。
もう、今の晶は自分の見知っている晶ではない。速やかに倒さなければならない。
彼女が長年培ってきた頭脳が、そう判断した。
10インプランタ晶:2006/09/05(火) 05:52:29 ID:???
 しかし、心の問題があった。
やってはいけない事がある、とどこからか聞こえる声があるのだ。
良心というべきか甘さというべきか、晶を攻撃できない要素の多くをそれが占めていた。
朝の挨拶、学食で並ぶときに見る背中、体育の団体競技で支援したこともあった、
それらの思い出が何度もよぎり、その度に振り払って、ここまで来た。

友達を殺してまで生きていたいのか? 声が聞こえる。
なるほど、ベホイミにも生きる理由があり、生きる過程で流れる血もあろうし、
事実今までの人生は他人と自分の流血で彩られている。
魔法少女になりたかった。
だが、それは他人の些細な言葉で傷つき、捨ててしまうような儚い夢だった。
その挫折から救ってくれたのは、友人のなんでもない日常の付き合いだった。
夢に頼らなくても生きるに値する人生の喜びを与えてくれる人、その相手を命惜しさに殺すのか。

 その声から逃れるために、ベホイミは助けを呼んだ。
都、美由紀を爆弾や発火装置を作る手伝いと称して呼びつけたのだ。
彼女らに対して見せた高圧的な態度は、まさに自分の胸中の吐露であり、自分への言い聞かせであった。
自分は何も悪くない。殺さなければ殺される。一人で死ぬならまだしも、他の無力な人たちが殺される。
誰かの助けになりたい。それが魔法少女になりたい理由の多くを占めていたゆえ、
逃げ道としては最適だったし、本心でもあった。早くしないと犠牲者が増える、宮本先生のように。

 いざ晶の前に立つと、長年培って来た経験が、流れるように殺しの動作を取らせる。
都の援護も的確で、確実に殺せたはずだった、人間が相手ならば。
晶は見る間に身体を再生させた。
また、殺さなければならない。
また、殺さなければならない……。
殺すたび、晶の身体が爆発に巻き込まれて弾け、血が噴出すのを見るたび、ベホイミの心も痛んだ。
耐え難い。耐え難い。耐え切れない。

「無理だ……。宮田さん、を殺すなんて……、もう、出来ない……」
 ベホイミは、その先にある自分とその他全員の死を受け入れ、抵抗する意志を放棄した。
都の言葉も今は意味を成さない。ベホイミにとって、都は晶よりも遠い人間なのだ。
11インプランタ晶:2006/09/05(火) 05:53:06 ID:???
 ベホイミが泣いている。
都は、ベホイミから視線を外し、晶を見る。
(いい、友達を持ったわね……、宮田……)

 それは皮肉ではなく、本心だった。
ベッキーも晶とは親友で、研究室にもよく来ていた。
友人ではなく顔見知り、それでも、とても近しい顔見知りだった。
晶は出来こそ悪いが、都はそれを笑う気にはなれなかった。
母親からすれば自分とて出来が悪いのだ。
母は母、自分は自分だ。ならば、どうして成績が悪いだけの他人を笑えよう。
どうして、友達を殺せなくて泣いてしまった者に、何か言えよう。
自分はまだ生きていたい。それゆえに、これから、殺す。

「これで、終わりにするわ」
 都はそう言うと、爆弾入りの袋を開け、中身を晶のほうへと転がした。
すでに晶は立ち上がり、こちらへ向かってこようとしている。
その上半身に手投げ爆弾をぶち当て、時限装置無しの爆弾の山に倒れこませ、
完全に晶を破壊する、という寸法である。
果たして、それは成功した。
晶を中心にした爆心地の廊下には完全に穴が開き、都は駄目押しとばかりに爆弾を投げ入れた。
涙の気勢を一気に強めたベホイミからも残りの爆弾を奪い取り、全て放り込んだ。

 都は、ベホイミに肩を貸し、その場を後にした。
言葉は無かった。代わりに抵抗も何も無かった。
ふらふらとおぼつかない足取りは、2人で歩いているせいではなく、
2人で泣いているせいだった。
都は携帯で6号へと電話をした。終わったと伝えた。

 美由紀は一条を見る。全てが終わったら、何でも質問に答えるとの約束だった。
だが、一条は口を割らない。
まさか―――6号は不安に思い、都へ電話をかける。
だが、1分待っても返事は無かった。
12インプランタ晶:2006/09/05(火) 06:25:36 ID:???
「都さん、都さん!」
 近くと遠くから、少女の名を呼ぶ声がする。
都は、ベホイミをかばって、負傷していた。

「これは―恐らくはインプラントの暴走か。
 あれだけのベホイミさん謹製爆弾をまともに受けて再生したとなると……、
 中の接触か配線がいよいよおかしくなった、と。
 桃瀬兄妹の仕業ですかね? 頭に衝撃を与えたのは彼らだけだし……。
 ま、意図しない結果は、こちらとしては大歓迎です」
 物陰に隠れながら神原が言った。

 晶の再生能力は、改造手術を施した宇宙人の予想を超えていた。
爆弾で四肢を切断されるとか、上半身を吹き飛ばし、インプラントが切り離されれば終わる予定だった。
しかし、今やインプラントは自らが中核となって、少しでも晶の欠片があれば再生するまでに至っている。
全ての爆弾を使い切った都とベホイミは、もはや心身ともに消耗しきっていた。
攻撃衝動の赴くまま追ってきた晶からは、到底逃げ切れなかった。
ベホイミはせめて都を逃がす気でいたが、逆に都に命を救われてしまった。
(……………………………!)
 ベホイミの中でおよそあらゆる感情が駆け巡った。
そして、純粋な思考だけが残った。
 都を助ける。都以外の全員も助ける。自分と晶は死ぬ。
初めからそうしていればよかったのだ。
相手だけを殺す、そういう身勝手な事だから、出来なかった。自分も死ぬ気ならやれたはずだ。
もう腹も立たず、頭にも来ない。都を助けられないなら自分の感情になど興味が無い。
「晶…… 私はお前が好きだけど、これは許せない。
 でも謝る。私がもっと早くにお前を殺せていたらこんなことにはならなかったからだ。
 もう、お前を殺す手段を持ち合わせてはいないが、それでも私はあきらめない」
ベホイミは、素の言葉でこれだけ言うと、都を地面へ寝かせ、スカートを脱いでたたみ、枕にしてやった。
(―もう、これしかないな)
 In the navyの旋律が、ベホイミの脳裏を駆け巡る。
メディアと野菜の皮むきをしたときに使っていたナイフだ。
調理用にも使えるナイフで、ベホイミは最後の抵抗を試みる。
13インプランタ晶:2006/09/05(火) 07:05:07 ID:???
 一時間にも満たない戦いだった。
ほぼ無限の再生能力を持つ晶に対してベホイミが持つ強みは、経験だけだった。
刺しても切っても物ともしない相手と休憩無しで戦うのは酷だった。

(もう……できるだけの事はやった……。
 先にあの世で……待ってる。許してください都さん、みんな……。
 宮田さんも、もうそっちにいるんですか? 違ったらごめんなさい)
 乱れる息と呼吸、悲鳴を上げる心臓、ベホイミは壁に背中からもたれかかり、尻を床に着いた。
もう一寸も身体は動かない。回復するその前に、晶が自分を殺すだろう。
(でも、よかったよ。あいつは、死ななくてすむんだから……。
 メディア……、お前は今どこにいる? ふっ……、一回くらい名前、呼んでやればよかったかな?
 ま、あいつはそんなこと……、気に、してたかな? わからねーな)
 そんな事を考える間にも、晶は詰め寄ってくる。

(に、しても……、私は相当糞だな……。
 ちょっと前までは晶に傷一つつけたくなくて泣いてたくらいだったのに……、
 都さんが傷つけられたら殺す気満々だよ……。
 ナイフで何回切ったかな? 晶の手首……。
 あー、今からでも魔法少女として覚醒したりしねーかなー。
 格ゲーなら超必殺技が出せる所だろーなあ……。何かこう……ね)
 晶が腕を振り上げ、そして、攻撃動作に移った。
ベホイミは目を閉じず、友人の成すままを見届けんとしていた。

(痛い、なあ……)
 都は痛みで目が回りそうになりながら、この痛みとすらお別れするのだな、としみじみ思っていた。
左腕で庇った結果、内臓破裂こそしなかったものの、左腕は複雑骨折、腹にも激痛が走り、吐血もしている。
(止血……、教授に教えてもらったっけ……。母さんの知り合いの……。
 傷の部位を心臓より高くして)、そうそう、こんな感じ……、南条に、くるみ?
 走馬灯にしてはマイナーな子が出てきたわね……。南条とならまだメディアのほうが親しいっつーの)
「上原……、ベホイミ……、遅れてすまなかった」
「犬神かぁ……。いい奴だけど、付き合うなら修のほうかな?」
 都は、痛みで現実か夢かの境界線を無くしていた。
14インプランタ晶:2006/09/05(火) 07:29:25 ID:???
「勝手な言い分だな……。だが、そんなことが言えるなら、まだ大丈夫だろう」
「うちの店長はこれより酷くても死ななかったしね」
「本当に勝手な言い分ですわね!」
 犬神と操とくるみがいた。
操だけは都の「犬神と修なら修のほうがいい」発言を聞き流せずにいた。

「くるみちゃん……!?」
 くるみの姿を認めた晶が、うつろな目をやめて、久しぶりに口を開いた。
「宮田、こっち来い。お前の相手はこっちだ。
 ベホイミを殺すのはよせよ。私やC組を先に殺すんだろ?」
 2人はにらみ合った。
「言ったよね? 次会ったら、殺すって」
「来いよ」
 共に、闇を瞳に宿らせている。
先に仕掛けたのは、晶だった。
「南条! 都をお願いね!」
「ベホイミもだ!」
 そう言って2人は晶と同じ方向へ駆け出した。逃げた、とも言う。
晶は、ベホイミを放置し、都にも目もくれず、南条と一瞬目を合わせて、2人を追っていった。

 ベホイミは、今起きていることが理解できないでいた。
「……無事でよかったですわ。あなた方だけでも」
 南条は都に止血をしつつ、ベホイミへ声をかける。
「そっか……。目、覚ましたんスね……」
「我が家で採用したいくらい立派な目覚ましでしたわ」
 南条と犬神は、つい一時間ほど前に目を覚ましたのだという。
「終わりましたわ。後は、この子次第、まぁ、丈夫そうな顔をしてますから大丈夫でしょう」
「私は、怪我ないっスから……」
 構わず南条はベホイミへ駆け寄り、そして―
「本当に、よかった……」
 泣いた。
15マロン名無しさん:2006/09/05(火) 20:10:12 ID:???
インプランタさんGJ
もうすぐ終わりかな?
最後まで頑張ってください
16ラストマホ・スタンディング:2006/09/06(水) 00:23:37 ID:???
向こうがまだ埋まらないうちですが、こっちで続きを投下します。
17ラストマホ・スタンディング:2006/09/06(水) 00:27:12 ID:???
第十二部 核心への接近

<11月15日 1850時 桃月町内>

 ベホイミは逃げていた。
 ――奴だ。奴が私を追ってくる・・・・・・ベホイミは闇から迫りくる影を背にしながら必死の逃走をしていた。
学校を出たあたりからずっとつけられている。おそらくはアイツだろう。どういうつもりなのかはわからない。
だが、奴が私を狙って追いかけてきているのは確かだ。
 西口商店街にさしかかり、不意に追っ手の姿が見えなくなった。
ベホイミは多少訝しがりながらも、確かに追っ手のいないことを確認すると、用心深く辺りを見回して、ひと休憩入れようと喫茶店に入った。
 普段は開店休業状態のこの喫茶店エトワールは、静かなところで孤独を愉しむ癖のあるベホイミにはかなり居心地のいいところであった。
少なくとも、メイドカフェよりはよほど気が休まる。

 しかし、今日は具合が違った。店の奥のほうで、見覚えのある一人の少女がコーヒーを啜りながら読書をしていたのだ。
普段なら学校外では出来るだけそういう連中とは関わらないようにしているベホイミだが、
なにぶん外に追っ手のいることを考えれば、今しばらくは彼女と一緒にお茶を濁して時間稼ぎするのも悪くない。
「来栖さん、こんばんは」
「あ、ベホイミさん?こんなところで会うなんて奇遇ですね」
「いやぁ、ちょっと厄介ごとをやっつけにきたんスよ」
「・・・・・・厄介ごと?」
「いえ、こっちの話っス」
 ベホイミはアールグレイを注文し、二人はしばらく沈思黙考した。
 ベホイミは窓の外を時々目配せしては様子を窺っていたが、気がつくと来栖が本に顔を隠しつつ、こちらを見ていることに気がついた。
ベホイミは慌ててカップの中身を飲み、気を落ち着けてから精一杯の作り笑顔をして見せた。
仄かに柑橘系の香りが立っていた。
18ラストマホ・スタンディング:2006/09/06(水) 00:29:17 ID:???
「あの・・・・・・ベホイミさん?」
「な、何スか?」
「誰かと待ち合わせでもしているんですか?」
「いえ・・・・・・特にそういうわけでは」
「先刻から落ち着きませんね。どうかなさったんですか?」
「あ・・・・・・いや・・・・・・その・・・・・・」
その時、ベホイミはあることを突発的に思いついた。
「来栖さん、実はお願い事があるっス」
「お願い事?何ですか?」
「真剣な話なのでそのつもりで聞いてください。私はひょっとしたらもう間もなく長いお別れをしなければならないかもしれません」
「え・・・・・・?転校でもするんですか?」
「まぁ、そんなところですかね。それで、もし、私がいなくなったら、ある託を頼まれて欲しいんです」
「ことづけ?」
「ある品とメッセージを、しかるべきところに持っていって欲しいのです」
「話がさっぱり分かりません」
「でしょうね・・・・・・でも、お願いします。詳しいことは何も聞かずに・・・・・・」
 ベホイミは言葉を結びかけて、その視線を来栖の頭に釘付けにした。
「な・・・・・・何ですか、ベホイミさん?そんなにじっと見つめて・・・・・・」
「来栖さん、可愛らしいリボンですね」
「・・・・・・?」

<同日 1930時 桃月西口商店街>

 来栖は、読んでいた本を片手にエトワールから出てくると、俯いたまま通りを進んだ。
気がつくと、日は暮れ落ち、眩い街灯と毒々しいネオンサインが黒いアスファルトの路面を照らしていた。
19ラストマホ・スタンディング:2006/09/06(水) 00:31:25 ID:???
 来栖の顔色は蒼白で、その表情は何か思いつめているところがあった。
 あれからベホイミはすぐに店の裏口から出て行ったが、もし彼女の言っていたことが本当なら、
来栖は今、とんでもない秘密を手にしているのだった。
 何の変哲もない街通りが、今夜ばかりは恐ろしい修羅の道にも思える。
誰も彼もが、来栖の命を狙って襲い掛かってきそうな気がする。
全部思い込みだということならどんなに楽だろう。
 しかし、来栖はひどく怯えていた。
 とにかく何も知らない顔をして道を往こうとするのだが、どうしても他人の視線が恐ろしく、つい顔を伏せがちになってしまう。
ああ、怖い、怖い、怖い・・・・・・
 そんなわけで、しっかりと前も見ずに歩いていた来栖は向こうからやってきた人間と正面衝突してしまった。
「あ!すみません!」
「いえ、こちらこそ」
 互いに平身低頭して謝るが、ふと顔を上げて相手を見ると、見覚えのある制服。
「来栖さん/鈴木さん?」
 来栖がぶつかったのは、長い髪をリボンで左右に結んだ一年C組の女子生徒、鈴木さやかこと6号さんだった。
お互いに相手の服の塵を払いつつ、挨拶をすると緊張の糸が少し解れたような気がした。
 6号さんはメイドカフェからの帰り道だったという。メイドカフェというものがどういうところなのかよくわからない来栖は、
そんなところに一人で行くものなのだろうかと思ったが、よく考えれば自分も変な喫茶店に一人でいたことを思い出し、その点を指摘するのはやめた。
 そして、ゆっくり顔を上げると、無表情に首を傾げる6号さんのつぶらな瞳と目があった。
「来栖さん?顔色がよくないですよ」
「大丈夫です・・・・・・あの、鈴木さん?」
「何ですか?」
「その・・・・・・」
「はい?」
「可愛いリボンですね」
20ラストマホ・スタンディング:2006/09/06(水) 00:34:38 ID:???
第十三部 衝突

<11月17日 2230時 某アパート 桃月>

「何ですって!?」
 ベホイミは電話口に向かって大声で訊ねた。その表情には血の気がなかった。
――来栖さんが襲われた。後頭部を鈍器で殴られて、怪我をしたらしい。今病院で手当てを受けているとのことだ。

 ベホイミは窓に寄り、闇夜に映える街の灯りに目を凝らした。向かいのビルに、先刻から不審な人影がある。
私を見張っているのか、それとも狙っているのか。どちらにしろ、撃ってこないところを見ると、何か考えがあるのだろう。
所詮、私は、籠の中のカナリアだ。
 それにしても、来栖さんのことは誤算だった。
二日ほど前に保険として彼女をスカウトしたつもりが、完全に裏をかかれて彼女から襲われてしまったのだ。
何の関係もない一般人の少女を事件に巻き込み、あろうことか危害を及ばせてしまったのだ。
私は――何てことをしてしまったのだろう!来栖さんには償いきれないほどの悪いことをしてしまった。
 しかしどうして?彼女がどこかで口を滑らせて犯人の注意を引いてしまったとも考えられる。
だが、やはりエトワールで一緒だったところを目撃されていたに違いがない。
そして、犯人は私が彼女に‘あれ’を預けたのだと睨んだのだろう。
正解だ。私の行動は、奴に全て読まれていたのだ。

 ベホイミはすぐに外套を羽織り、外へ出る支度を整えた。
‘あれ’の持ち主がバレている以上、下手に相手を牽制するよりも、今すぐにでも病院へ行って、彼女を警護すべきだ。
敵は外でこの部屋を狙っている一人だけではない。自分の命に代えてでも、彼女の命は守らなければ――

――ピンポーン――

 不意に呼び鈴が鳴った。こんな時間に誰だ?奴かその仲間か?それとも・・・・・・?
ベホイミは警戒しつつ扉の脇に寄り、ゆっくりとノブに手をかけた。
 相手が銃を持っていればここで撃ってくるだろうし、そもそもそういった手合いは呼び鈴など鳴らさずにドアを蹴破るはずだ。
 ベホイミはそっと戸を開けた。そして、そこに立つ少女を見て息を呑んだ。
21ラストマホ・スタンディング:2006/09/06(水) 00:37:30 ID:???
「ひ・・・・・・姫子さん?」
「マキシマム久しぶり」
 姫子はニヤリと笑みを溢したかと思うと、次の瞬間、戸の隙間から雷撃のような正拳をベホイミの顔面に食らわせた。
強烈な一撃が伊達眼鏡を砕き、ベホイミは頭から後ろに吹き飛ばされた。
 姫子は戸を強引に開け放ち、倒れたベホイミが起き上がる余地も与えずに飛び掛った。
姫子の爪先蹴りがベホイミの顎に命中し、ベホイミはまたしても吹き飛ばされた。
顎が砕けるほどの衝撃だったが、間一髪のガードが利いて最悪の事態は回避された。
「姫子さん!やめるっス!話を聞いて欲しいっス!」
 両手を差し出して相手を制するベホイミだったが、姫子はそんなのはお構いなしに拳を振り下ろす。

――強い。強すぎる。とても女子高生の戦い方ではない。
ベホイミは顔面を殴られて意識の朦朧とする中で、両手で頭をガードするのが精一杯だった。
目方は同等、確かに奇襲を受けたが、しかしこちらは訓練を受けたエキスパートだ。
それなのに――まったく反撃できない。一体この女、何者だ?

 姫子はひとしきりベホイミを殴りつけ、相手の反撃する気力と体力が失われたことを確認すると、その襟首を掴んで目の前に持ち上げた。
途中、隣の部屋から「うるさい!喧嘩なら他所でやれ!」と文句の怒号が飛んできたが、
姫子はそれ以上の罵詈雑言を叫んで応酬した。
 隣の声は静まった。
 姫子は血だらけのベホイミの顔を眺めながら穏やかな声で言った。
「ベホイミちゃん?聞くところによるとベッキーだけじゃ飽き足らず、一条さんまで殺したらしいね。
そいつはちょっと非道いんじゃないカナ?」
「待って!姫子さん!誤解っス!話を聞いてください・・・・・・!」
「よろしい。釈明を聞くよ。ことと次第によってはこのまま窓から叩き落すヨ」
 姫子はようやく襟を放した。ベホイミはその場に倒れこみ、喉の詰まったのを吐き出すように咳き込んだ。
そして、覚束ない様子でのっそり立ち上がると、口と鼻の血を拭いて話しはじめた。
 目の焦点はまだ完全には定まっていなかった。
22ラストマホ・スタンディング:2006/09/06(水) 00:39:11 ID:???
「姫子さん・・・・・・今までどこに?」
「地獄さ」
「どこでこんな戦い方を?」
「ここに戻ってくるまでの道中に。戻ったら、真っ先にアンタを殺してやろうと思ってね」
「穏やかでないっスね」
「ベッキーや一条さんを殺して、私を罠に嵌めたのはどういうわけさ?」
「それは誤解っス。犯人は他にいる」
「へぇ、誰カナ?」
「今は言えません。これから出掛けるんでついてきてください」
「また騙す気だね」
「冗談じゃない。私は貴女がいなくなってからもずっと一人でこの事件を捜査していたんですよ。
何ヶ月も、たった一人で。それで、つい先日、ようやく決定的な証拠を掴んだっス」
「それはどこに?」
「来栖さんに渡したのですが、彼女は襲われて病院に。
殺されなかったところをみると、おそらく証拠品をうまく隠して、盗られなかったのでしょう。
しかし、暗殺者の仲間はおそらく再度彼女を襲うに違いありません」
「なる。証拠品というのは?」
「情報を収めた極小のマイクロチップです。諜報活動に使うタイプの、見つかりにくいようにできるだけ小さくされた記録媒体っス。
小指の先くらいの大きさで、殺し屋の――アイツの銀行口座情報が入っているっス。
それなりのところに持っていけば、奴と依頼主の正体と、過去の契約の様子を知ることが出来ます。
5月と6月の記録を見れば、宮本先生と一条さんを殺したときの報酬が支払われているのを見つけることが出来るでしょう。
が、どういうわけか奴は私がそれを手に入れたと知ったんで、半ば強引な手段に出てもそれを奪い返そうとしているようです」
23ラストマホ・スタンディング:2006/09/06(水) 00:41:20 ID:???
「だからさぁ、奴って誰さ?」
「それは・・・・・・」
 ベホイミが口を開きかけた瞬間、彼女の背後の窓ガラスにクモの巣のようなひびが入った。
ガラスが割れ砕ける音とともに、ベホイミの頭がガクンと大きく揺れ、爆竹が弾けたように肉片と血が飛び散る。
そしてその身体は――音も立てずにその場に崩れ落ちた。
 姫子は反射的に身を屈め、部屋の箪笥の後ろに身を隠した。

 ――狙撃手だ。窓の外に狙撃手がいる。マッハ・ガッデム!
何故日本に戻ってきた矢先にこの展開なのだ?
 姫子は部屋を見渡した。
出入り口は窓と向かい合わせ、ここは二階で掃き出し窓、弾道の入射角から考えても狙撃手は外の三階か四階という低い位置から狙撃している。
即ち、この部屋の様子は相手に丸見えで、姫子は全く身動きが取れない。
こちらには銃はないし、逃げ場もない。
だけど、それなら狙撃なんて回りくどいやりかたをせずに、突入して来ればいいのに。
それをしないということは・・・・・・

 姫子は徐に立ち上がって窓に寄って行った。そして、目を凝らして闇夜の外を睨みつけた。
一向に撃ってくる気配はなかった。
 思ったとおりだ。奴はもう狙撃ポイントにはいない。ベホイミだけを殺すことが目的だったようだ。

 姫子は早急にその場を後にした。ベホイミの口ぶりから察するに、彼女は犯人をよく知っているようだった。
ひょっとしたら、私も知っているかもしれない。
と、なると桃月学園の関係者になりすました暗殺者がいるという可能性がある。
生徒か、先生か、或いは事務員かのふりをして、じっと息を潜めている奴が。

・・・・・・何てことだよ。誰も信用できなくなっちゃったじゃない。
24ラストマホ・スタンディング:2006/09/06(水) 00:43:55 ID:???
今日はここまで。
インプランタ佳境ですか。いよいよ目が離せませんね。GJ
25マロン名無しさん:2006/09/06(水) 01:07:13 ID:???
>なお、最初に「人死に・グロ・エロ」の有無を書いておくと喜ばれます。
これほとんど守られてないな。
26マロン名無しさん:2006/09/06(水) 01:17:04 ID:???
あまり守っても守らなくても変わらんような気もするが。
利点は事前に回避できることくらい?
欠点は展開読めることか。ああ、誰か死ぬんだ…とか思ってしまう。読み進めて得られるサプライズがなくなるというか。
先に誰か死ぬってわかって読むより、読んでいっていきなりキャラ死んだほうが衝撃でかくね?

まあそれぞれ好きに読めばいいよね。
27マロン名無しさん:2006/09/06(水) 01:30:38 ID:???
その事前に回避する為に決められたルールなんだが。
と言うか人死にはついででエロとグロを回避する為だったと思う。
28マロン名無しさん:2006/09/06(水) 07:17:42 ID:???
>>24
29インプランタ晶:2006/09/06(水) 09:04:13 ID:???
 操はベホイミに、自分が目覚めてから今までの経緯を話し始めた。

 目が覚めたら保健室にいた。
保健室は壁や天井に穴が開くほど荒らされていて、くるみがへたり込んでいた。
くるみは失語症かと思えるほど、こちらの呼びかけに無反応だったが、
犬神が説得してこちら側へ呼び戻した。
くるみはまだ立ち直れないようだったが、質問には答えてくれ、概ね状況を把握できた。
犬神は修の死体をベッドに寝かせると、宮田を止めるべく動き出した。
ベホイミたちが戦っていることもくるみから聞いたが、間に合わないにしても、
修を殺した相手を捨て置くわけにはいかない、と犬神は言い、歩き始めた。
操の目には空元気にしか見えなかったが、くるみも着いて来るという。
くるみを短時間で立ち直らせるほどの犬神とのつながりの強さに、操は少し嫉妬した。

「それで……、勝ち目は、あるんスか? 私も、勝てなかったのに……、
 あれだけ下準備をして……、ボロボロになってまで……戦って……、
 い、今は、あんまり悔しくないんスけどね……」
「…………」
 操は黙ってベホイミを抱きしめた。
「辛かったでしょう?」
 その言葉を、口に出すことはなかった。わかりきっていた。
では、犬神はどうなのだろう。
彼には、明確な戦う理由がある。晶は親友の修の仇である。
晶が危険な存在であることも、くるみからの伝聞、校内の破壊状況を見て察している。

 2人は黙って走っていた。
2人とも足は速いほうで、スタート時の距離があったせいもあり、晶にはとうぶん追いつかれないだろう。
「都たち、無事よね?」
「お前が言った作戦だろう? 私は成功すると思うが……、
 お前を見てすぐ宮田は目の色を変えた。正直恐ろしいな、実際に見てみると」
「でもさー、何であいつ裸だったのかなー? お前も見たろ?」
「恐らくは、ベホイミの使った爆弾で制服が焼けてしまったか。身体も吹き飛んで再生したかだろう」
 晶の全裸を見ても、2人は冷静だった。今はどうでもよいことだった。
30インプランタ晶:2006/09/06(水) 09:05:01 ID:???
「来ましたね。犬神さん。くるみさん」
 2人を光が待っていた。

「光! アレ、見つかったか?」
「ありましたよ。あとは、犬神さん次第です。推測が当たっているかどうかも……」
「なーに、犬神だよ? やってくれるって」
 くるみは修が死んで初めて笑った。ニッヒという景気のいい笑いではなかったが。
光はそんなくるみを複雑な表情で見ていた。
「あとは私に全て任せろ。たぶん、やり遂げられる。
 宮田は人間でこそなくなったようだが、人間の姿をとっている。
 だから、スピードだけは人間の限界を超えられないはず……、そして、私の読みも正しいはずだ」

 晶が駆けて来る。
「宮田! いや、晶! 親愛のしるしにそう呼ぶからな!
 とっとと来いよ! こけるんじゃねーぞ!」
 くるみの挑発を受けて、晶は足を速める。
もっとも、親しい者の間に交わされたならば、微笑ましい言葉であった。
そして晶は見た。
「剣、刀……? 日本刀……!」
 犬神が、光の拾ってきた武器――日本刀――を手にしていた。
晶が荒らした教職員私物内に、たまたまあったのだ。
そして、抜いて、構えた。
さっきまで戦っていたベホイミ、都に比べれば貧弱な武装だった。
「意地? 友達を殺した相手からは逃げたくないって?
 でも、私は見逃してあげない! くるみちゃんの目の前で! バラバラにしてやる!」
「…………」
 犬神は、答えなかった。
黙って構えを取り続けた。晶が徐々に近づいて来ても、心音にすら変化が無い。

 勝負は、一瞬でつく。
だから、結果を思い煩うことも、よもや無い。
31インプランタ晶:2006/09/06(水) 09:06:02 ID:???
 晶の胸に突き刺さるものがあった。
それは、今までインプラントが出す脳内物質の赴くままに折衝を繰り返したという、
詩的な意味での痛みではなく、物理的な痛みであった。
犬神の突き出した刀が、綺麗に晶の胸の中央、心臓へ突き刺さった。

 ベホイミの爆弾によって、腕を、上半身を、下腹部を、幾度となく吹き飛ばされてきた。
今更、動じるようなことでもない。どうせ、すぐに傷は治る。
だから、さっさと犬神を殺し、憎い憎いくるみを殺す。
晶はそう思っていた。
だが―
「……あ、れ?」
 口から血が噴出した。それも慣れた事だ。
しかし、腕に、指先に、足にすら、力が入らない。
晶はその場に崩れ落ちた。
そして、犬神は晶に突き刺した刀を強く握って離さない。

「やはりな……」
 犬神が口を開いた。額にはびっしりと汗をかいている。
「あれだけ騒音を響かせて戦っていたにもかかわらず、ベホイミも上原も傷は浅かった。
 つまり、2人は常に優勢で、傷を負ったこと自体が予想外のことだった。
 2人とも、浅はかな人間ではないからな。仕掛けるときは必勝のはずだ。
 それなのに、宮田、お前は無傷だった。途方も無い回復力を持っているとしか考えられない」
「それで……、に、日本刀を?」
「私の目から見てもなまくらだが、人体に突き刺すなら使えると思った。
 だから、一か八か心臓を狙った。脳が死んでも心臓があれば人は生きていられるが、逆は無い。
 お前が映画に出てくるような怪物になっていなかったのが、お互いにとって救いだったな。
 いくら無限に等しい再生能力を持っていたとて、不純物、それも金属の上からは再生できまい」

「が……、い、いぁかゃぁやぁややぁあっぁぁああああうっやああ!!!」
 晶の全身を痛みが駆け巡る。
インプラントは、傷を負ったら再生させよとの命令を守るため、他の機能を終了させて、傷の治癒に専念し始めた。
そして、インプラントからの脳内物質の供給を絶たれた晶は、身体以外元の人間に戻った。
32インプランタ晶:2006/09/06(水) 09:07:06 ID:???
「晶……、み、やた……!?」
 くるみは、戸惑っていた。
兄を殺した憎い相手が不様に苦しむ姿を見ても、爽快感の一つも覚えない。

いや、これは、この、感情は―
「犬神! よせ、どの道もう宮田は死んじゃうんだ! 刀を抜いてあげて!」
 気がつくと犬神の背中から抱きつき、晶をこれ以上苦しめないようにと懇願していた。
「まだだ。まだ、宮田は生きている。窮鼠猫を噛む、というだろう。
 ましてや今の宮田は人間以上の存在だ。手負いのまま放置してはいけない」
「お前なあっ! クラスメートだろ!? 冷たいこと言うな!」
 くるみは、元のくるみらしい感情を取り戻していた。悲しみの涙を流していた。

「クラスメートだから、なのでしょう。くるみさん、止めないであげてください」
 光がくるみを後ろから羽交い絞めにし、犬神から引き剥がした。
「光……!?」
 くるみは光の異変に気がついた。
光は、こんなにも冷静な性格だったろうか?
校則違反バイト組として、ちょくちょく優奈とともに遊びに出かけた記憶からは、
今の光の姿は想像できなかった。

 そして、いよいよ晶は、目の焦点が合わなくなり、手足もぐったりとし始めた。
足元がふらつくたび、刀が体内にこすれて、激痛を伴った。しかし苦痛ではなかった。
「あは…痛い…よう。痛い、痛い…。
 生きてるって感じがして、嬉しいな…。サイボーグみ、たいで、私、
 保健室で目を覚ましてから、鈴音ちゃんに蹴られても、優麻ちゃんに攻撃されても、
 ちぃ…とも、痛くな、かったもの。ロボ子顔負けだ…ね?丈夫…」
「宮田…、お前にかける慰めの言葉は無い。
 お前は殺しすぎた。事情はどうあれ、お前が仕出かした事だ。償え」
 犬神の目には慈悲の色が浮かばない。
知っているからだ。晶に同情することは、晶に殺された者を軽くすることだと。
中には、晶への復讐を望まない者もいるかもしれないが、安泰を望む者はさらにいるまい。
33インプランタ晶:2006/09/06(水) 09:09:01 ID:???
 そして、晶は、死んだ。
手足をだらりとさせて、呼吸音すら聞こえなくなって、ようやく犬神は刀を抜いた。
弱弱しい、1人の少女の死体がそこに残った。

「……終わったんだね。これで」
「……南条とベホイミ、上原の所へ行こう。
 生き残ったメンバーは、絶対に助けなくてはならない」
「その必要はありませんよ」
そのとき、誰かが突然、その場に現れた。拍手とともに。

「おめでとうございます。
 今回は、犬神つるぎさん、あなたが優勝者です! 鬼の宮田さんを倒しましたからね」
 神原だった。
「お前が、黒幕か。そう……」
 くるみが真っ先に反応した。神原が黒幕だとは、すでに晶から聞いている。

「睨まないで下さいよ……。私は、ただの監視官ですから……。
 不正が無いように見張るのと、上からの指示に従うだけです。
 ああ、すでに評議会からは三賞の発表も届いています。
 殊勲賞、これは勝利条件の達成に貢献した人間に、
 敢闘賞、これは勝利に貢献せずとも、自分の出来る限りの力を尽くした人に、
 技能賞、これは説明しなくてもわかりますね?
 それぞれ表彰を我らの宇宙船でさせていただきます。
 何か質問がございますれば、そのときに全てお答えしましょう」
神原によると、
殊勲賞該当者:二階堂光(刀を発掘)、桃瀬くるみ(晶を挑発)
敢闘賞該当者:白鳥鈴音、芹沢茜(勝算の薄い戦いに身を投じた)
技能賞該当者:ベホイミ、五十嵐美由紀、上原都、鈴木さやか(爆弾製作班)
なお、死亡したものはこれに含まれない。
上記該当者より希望者が、宇宙船でご褒美を得られるのだという。
自分たちの今までの境遇は、宇宙人たちの娯楽に過ぎなかったのか?
生き残った桃月学園生たちは、それを知るために、罠かもしれない敵地へ乗り込む。
34マロン名無しさん:2006/09/06(水) 09:13:29 ID:6dxWUblL
乙女
35マロン名無しさん:2006/09/06(水) 21:16:49 ID:???
>>25,27
そうか?割と守られてる記が駿河
けど話の一番初めの投下で書くから途中からだとわからないな
36マロン名無しさん:2006/09/06(水) 21:31:32 ID:???
スレをまたぐ場合は新スレでの最初の投下でも書くようにするとか
まあ今このスレに残ってるのは人死にエログロ無問題な猛者ばかりのような気もする
37マロン名無しさん:2006/09/06(水) 23:00:54 ID:???
>>33
38今月のGFを読んで:2006/09/06(水) 23:49:39 ID:???
エロありグロあり人死にありです。


「ってー……」
 洗濯物を取ろうとしてつまずき、勢い余って窓から落ちたベホイミは左腕を押さえて立ち上がった。
 足もひねったのかかなり痛む。
 南条からもらったサワガニの水槽が割れ、割れた水槽のガラスが左尺骨動脈を切り裂いていた。
 下敷きになりだくだくと流れる血に塗れたカニ左衛門を見ながら、ベホイミは呟いた。
「南条さんすまないっス……」
 カニ左衛門の死を悼みながらも治療の為タオルで止血帯を作る冷静さがある自分が恨めしかった。
 やがて雨が降り出してベホイミを濡らした。
39今月のGFを読んで(TGも):2006/09/06(水) 23:51:40 ID:???
 週が開けた月曜日、学食で姫子達がおしゃべりしていると、そこに真白き衣に身を包み翼と光輪を持ったちびっこ天才教師が現れた。
「ちょ……」
 場の全員の視線が集中する中、彼女は恥ずかしげに俯いて説明する。
「教師主導で聖歌隊をやるって話になって……」
 まるで学芸会かというような格好と余りにやる気のないベッキーの顔に皆呆気にとられたが、姫子は持ち前の強靱な意志力でいち早く気を取り直して言った。
「ベッキーひとつ歌ってみてよ。折角そんなカッコしてるんだからさー。玲ちゃんより天使っぽいよ」
「天使?」
「さっき玲ちゃんが『自分は天使だ』ってさー。でも悪魔の方が似合いそうだよねー」
「うるさい」
「ふーん……って歌わないからな私は!」
「んーと……これがいいカナ。有名な歌だし」
 玲とベッキーの言葉を聞き流し、姫子はぱらぱらと讃美歌集をめくり開いた。
「私がリードするからベッキーもちゃんと歌ってくれなきゃやだよ泣いちゃうよ? あーあーあー」
 声をととのえたのち、姫子の伸びやかで豊かな声が学食に響く。
『我の神に近づかん』
「ぐ、ぐおお……」
 途端に玲が空中を掻きむしるように悶え苦しみはじめる。
『や、やめろオォォォォ!』
 そのしわがれた声は女の、いや人間のものとは思えなかった。
40今月のGFを読んで:2006/09/06(水) 23:53:07 ID:???
『E'en though it be a cross that raiseth me,』
『よしや憂に忍びなん』
 ベホイミは英語で、都は姫子の差し出した讃美歌集をのぞきながら日本語で歌うが、讃美歌とは歌による祈りであり、大事なのは心なのであってどこの言葉であるかなどさしたる問題ではない。
 まだ痛む手足を押さえながら、ベホイミはかつてこの歌を歌った時の事を思い出していた。
 次にこの歌が歌われる時、こちら側にいたいという願いは叶えられた事になる。
 神性に近づこうと精進する事を歌ったこの歌は、葬儀の際歌われる事も多い。
『ううぎゃっっぴっぃーっ!』
 とりあえず姫子に飛び掛かった玲だが、神原に阻止される。ベホイミは左腕を怪我していたので一瞬遅れた。
 讃美歌が響く中で悪魔の力は著しく減衰しており、神原の敵ではない。たちまち取り押さえられた。
 年齢もクラスも越え、みんなの心が一つになって讃美の歌を奏でる。
 神が実在するかどうかはわからない。だがきっと、この清らかで気高い気持ちは本物なのだろう。
 うずくまる玲の顔は口が耳まで裂けて歯が覗き、舌が腕ほどの長さに伸びている。また目は大きく開かれて白目を剥いている。
 髪は蛇のように奇怪に蠢いているが、料理の為短く切り揃えられた爪は、たいした武器にはなりそうにない。
『なぁぁぁぁぁ私とっ! いい事をしようぜぇ神原……おまえの好きにしていいんだぞ…… 気持ちよおぉくしてやるぞえおおぉぉごぼ』
 制服を引き裂いて胸を露わにし誘惑しようとするが、クルーを代表して潜入調査に選ばれるほどの人材である神原にとってそんな誘惑は効果がない。
『xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx!』
 また、その姿も、続けて口にされた下品な言葉も、女性陣にとっては嫌悪感を抱かせるものであった。
 姫子でさえ、玲の痴態に眉をひそめた。そもそも、こんな形相で誘惑される男がいるものだろうか。
41今月のGFを読んで:2006/09/06(水) 23:54:02 ID:???
『われ歌ふべき吾の神に』
 綿貫と神原に一条も加わった。神原の男声がコーラスに厚みをもたらす。
『ぷきゅ……ぺきょ……ぶぶびゃばぱあぱぱ』
 玲は体を小刻みに痙攣させながら口から泡を吹くばかりで、もはや反撃する力はないようだ。
 もちろん、神原とベホイミは油断せずに監視を怠らない。
 最後にベッキーも諦めたような、またどこかうれしそうでもある顔で最初は小さく、やがて大きな声で元気に歌いはじめた。
 姫子の予想通り、この曲は何度も耳にしている。
『近づかましともならん』
『nearer, my God, to thee, nearer to thee!』
『うっぎゃああああぁぁ!』
 玲の身体中の穴から硫黄の煙が噴き出して、醜怪極まりないレッサーデーモンの本性を現した。
(! こいつは!)
 姫子とベホイミはその姿に見覚えがあった。危機管理意識のテストの時、6号とメソウサを生贄にして喚起の儀式を行った、あの地獄の王である。
 もっとも姿が同じというだけで、実際にはズーラを馬鹿にしたかどで乙女に病院送りにされた他校生が乙女を呪った邪念がベホイミ達の儀式によって姫子のイメージの形に固まっただけの下級悪魔に過ぎない。
(私がこいつを生み出してしまったのか……責任感じるっス)
 ボールペンを取り出して突き立てると、悪魔は痛みに絶叫し身をよじった。
(この様子では援護要請の必要はないようだな)
 空気の抜けた風船のように力なく小さくなっていく悪魔の様子に神原はそう判断して歌に集中する。
『qあwせdrftgyふじこlp……!』
 なおも歌い続けるとそれは断末魔の声を上げながら青黒い液体になって、そして縮んで消えた。
『                          * 』*好きなセリフを入れよう
42今月のGFを読んで:2006/09/06(水) 23:55:10 ID:???
「玲が悪魔だったなんて……しかも、天使を騙っていたとは」
 ベッキーは呆然と呟きながら、かつて読んだ聖書の文句を思い出していた。
『しかし、驚くには及ばない。サタンも光の天使に擬装するのだから。
 だから、たといサタンの手下どもが、義の奉仕者のように擬装したとしても、不思議ではない。
 彼らの最期は、そのしわざに合ったものとなろう。(コリント人への第二の手紙11章14−15節)』
43今月のGFを読んで:2006/09/06(水) 23:56:19 ID:???
「……う……」
 玲のまぶたがぴくぴくと動き、ゆっくりと目が開く。
「玲ちゃん!? よかった……生きてた……」
「ひゃ?」
「うん、うん……」
 姫子は後遺症で猫耳とヒゲが残ったままの玲に抱きついて豊満な胸に顔を埋めた。
「どうひたんだ、みんな変な顔して……」
「なんでもないわ。悪い夢を見ていたのよ……」
「なんでもないって……じゃあなんで私裸なんだよ!」
 3枚1000円のワイシャツは引きちぎられ、
この大きな胸のサイズだとデザインや素材が限られてくる為、好みのものを探すとどうしても高価になってしまうのだが
ちょっと奮発したブラジャーも破れほつれてホックやワイヤーも歪み再起不能である。
 玲は姫子を引き剥がし、掌で乳房を隠した。
「まあそれは気にするな」
「ベッキ……痛っ……うわ、なんだ口切れてる……」
 耳まで裂けた口は、憑依が解けてもなお口の端に大きな亀裂が残り、舌も微細な傷が豊富についており口の中は血だらけだ。
「よーしみんなで玲ちゃんを保健室に連れて行こう!」
『おー!』
 そして彼女達はクーラーを修理した都を胴上げした時のように、玲を抱え上げて保健室へと凱旋した。
『えっさほいさえっさほいさ』
『わっしょいわっしょい』
『おーえすおーえすうぃんど○ずえっくす○ーたんはぁはぁ』
44萌王とぽにぱに3巻も読んで:2006/09/06(水) 23:58:00 ID:???
 学食で起こった事を知りもせず、くるみは帰宅して今日も今日とてソファに寝転がってテレビを見る事にした。
「『メイド喫茶対抗スーパークイズ(再)』? あーだからメイドとかいまさらだってのー」
 勢いよくソファに寝転がると、何か尖ったものがくるみの延髄に突き刺さった。
「ぐふっ」
 それはサスケが撃ち込んだ矢文であり、発見した修がテレビの前でよだれを垂らしていたくるみの肢体の上に乗っけたのだが、
くるみが蠢いた事で落っこちてソファの隙間に挟まってそのままになっていたものだった。
 ともあれ悪魔の最後の必死の呪い、悪魔王への祈りはこうして聞き届けられたのだった。


 ――ですから皆さん、布団やベッド以外に寝転がるべきではありませんし、寝む場所は清潔にそして安全に調えなくてはなりません。
 イエスがお生まれになった時、ヨセフとマリアは馬小屋にあって最も良いわらを集めて飼い葉桶に敷いた事でしょう。
 また就寝や休息が必要な時以外には起きて活動しなければなりません。怠惰は皆さんを天の国から遠ざける悪魔のしわざだからです。
 そしてその日の成すべき事を終えて寝む時には、世には柔らかいベッドで寝む事の出来ない兄弟がいる事を思い出し、彼らの為に祈ってください。――

 桃月教会に集った信徒の何人かは、新聞で伝えられた悲しい事故を知って、この説教の事を思い出した。
 そしてこの憐れな少女の御霊が救われる事を祈ったのだった。
45今月のGFを読んで:2006/09/06(水) 23:59:56 ID:???
以上です。
色々詰め込みすぎた…(6月号氷川さんのコメントより)

 一条さんがミカエルという事は条つながりで南条さんがルシフェルなのかなぁと妄想した。
 丁度ルシフェル=サタンは七頭十角の獣の主でもあるし。南条さんの髪が七房または十角ならそれがサタンの七頭または十角の象徴かななんて。
 (ルシフェルとミカエルは双子の兄弟。ただしミカエルの守護方位は南)
 引用した讃美歌は『Nearer, my God, to thee』(訳・奥野昌綱)です。

おまけ。
 その都の(でこの)輝きは、高価な宝石のようであり、透明な碧玉のようであった。
 ヨハネ黙示録21章11節
46マロン名無しさん:2006/09/07(木) 00:02:59 ID:???
ああ……orz
またアラビア数字の全角と半角を統一し忘れた……○| ̄|_
47マロン名無しさん:2006/09/07(木) 00:44:29 ID:???
>>45

そーいや、シュワちゃんの映画でサタンかルシファーが出るヤツで
バチカンの法王とかの十字架とか呪文が全く効いてなかったのを思い出した…コレとあんまし関係ないけど
48ラストマホ・スタンディング:2006/09/07(木) 02:22:40 ID:???
GJです。
イザヤ書に於けるルシフェルはかつて暴虐非道の限りを尽くしていたバビロニア王の暗喩だったらしいです。
新約聖書が成立していく中で誤訳・曲解でサタンともども概念的な悪魔存在の代名詞になったそうで。
十字架や呪文が効かないのは旧約時代の悪魔ですかね。
しかし、今回の話のせいで南条さんの髪のロールが山羊の角にしか見えなくなってきました。
財力を振り回して我が物顔に振舞う現代のバビロニア王=南条という図式で反道徳的教示の悪魔物語を作れるカモ……

が、とりあえず、まずはこっちを仕上げます。
あらかじめ書いておかなかったのは手落ちでしたが、一応、L.M.S.はエログロ何でもアリの方向で展開しています。
今さらで申し訳ないですが、そういった旨でよろしくお願いします。
49ラストマホ・スタンディング:2006/09/07(木) 02:25:49 ID:???
第十四部 来栖の事件

<11月18日 0020時 桃月第三病院>

 来栖の怪我は大したことがなかった。軽い外傷と脳震盪を負っただけで、重症というほどでもなかった。
しかし、襲われたショックに因る心的な傷跡は大きかった。

 姫子が病院に駆けつけると、外に何人かが屯しているのに気がついた。
そのうちの一人は、くるみの兄、桃瀬修だった。
 修は姫子の姿を認めると、目を丸くして驚いた。
「か・・・・・・片桐さん!?今まで何処に?」
「私のことはどうでもいい。来栖ちゃんは大丈夫なの?」
「怪我は大したことはないらしい。事件については俺も先刻聞かされたばかりで、何があったのかはよくわからないんだ」
「入れないの?」
「今、家族の人と警察の人が来ている。五十嵐先生も今こっちに向かっているらしい。二階堂が中で様子を見ているが、病室には入れない」
 入り口の近辺で項垂れているのは、みな来栖の友達なのだろうか。しかし、情報が早い。もうこんなに集まっているとは。

 姫子は駐車場に停まっているパトカーを見つけて近づいた。制服警官が一人番をしており、姫子は車の陰に隠れて様子を窺った。
やがて警察無線が鳴り、管轄内で銃撃事件があったという連絡が入った。被害者はこことは別の救急病院に運ばれたが、既に死亡したとのことだった。
 ベホイミは死んだ。姫子はパトカーをそっと離れた。
 しばらくすると、中から二階堂光が飛び出してきた。入り口に屯していた連中は、一斉に彼女のもとに集まった。
 話では、殴られたために記憶が不鮮明なのか、何かに怯えているのか、頭を抱えたまま全く何も話そうとしないらしい。
持ち物が荒らされていたため、警察は強盗目的と睨んでいるらしいが、財布やその他貴重品には全く手がつけられていないらしい。
 一見不可解だが、ベホイミの言っていた証拠品を探していたと言うのなら、筋が通る。
姫子は彼女の今際の言にいささかの信憑性を認めた。無論、まだ全てを信用したわけではないが。

 ――と、なると、証拠品はまだ彼女が隠し持っているか、どこかに隠匿している可能性がある。
何とか話をつけてそれを聞き出せないものだろうか。
50ラストマホ・スタンディング:2006/09/07(木) 02:27:54 ID:???
 姫子が考えていると、闇の下りた門の外から一人の少女が猛烈な勢いで駆けてきた。
血相を変えた深刻な表情で、その目は絶望と不安に虚ろだった。芹沢茜だった。
「く・・・・・・来栖ちゃんは・・・・・・来栖ちゃんは・・・・・・どこ?」
 狂ったように取り乱した芹沢が、蒼白となった頭を擡げながら向かってきた。
修が彼女を胸に抱きとめ、病院に入っていこうとするのを制した。
「来栖ちゃんが襲われたって・・・・・・それ聞いて、私、もう何がなんだか・・・・・・」
 修は震える彼女を宥め、落ち着かせながら来栖が無事であることを告げた。
修は彼女を入り口の階段に座らせようとしていたが、芹沢は突っ立ったきりまるで動こうとしなかった。
「犯人は・・・・・・犯人はどうなった?」
「まだ捕まっていない。今刑事さんが来て、話を聞いているところだ。とりあえず、落ち着け」
 修が静かに言った。
「落ち着け?落ち着けってのか!?来栖ちゃんが襲われたんだぞ!絶対許さねぇ!犯人見つけたら、私が打っ飛ばす!畜生・・・・・・何でこんなことに」
 激しく憤慨する芹沢の姿を見ていると、姫子にはそれが自分の姿に重なって見えた。
しかし、敵は余りにも強大だ。芹沢の力ではどうにもならないだろう。
 姫子は黙ってそれを見ていたが、そんな姫子の姿を芹沢が見つけて近づいてきた。
「姫子・・・・・・?お前、どうして?」
 茜ちゃん、半年ばかり見ないうちに少し背が伸びたか?それとも、私が縮んだのか。
「最近復帰・・・・・・カナ?」
「てっきり死んだものだと」
 相変わらず思ったことをすぐ口にする女だ。姫子は苦笑いして答えた。
「まぁ、半分はそうだけどね」
「今年に入ってから、何かがおかしいよな。ベッキーや一条さんの自殺、それに今日の来栖ちゃんの件」
 もう間もなくそこにベホイミの死が加わるだろう。
51ラストマホ・スタンディング:2006/09/07(木) 02:28:56 ID:???
「・・・・・・とりあえず、私は犯人を見つけて、このツケを払わせる」
 芹沢が息巻くのを姫子は制した。
「いや、あんまり下手に動かない方がいい」
「うるさいぞ。私はやるといったらやるんだ!」
「でもそのせいで危ない目に遭ったんじゃ仕方ないよ。命あっての物種だし」
「復讐しなければ気が済まない。私の身はどうだっていい」
「威勢がいいねぇ。だけどやめときなって。痛い目みるのがオチさ」
「私の勝手だろ!姫子、いつからお前はそんな陰気な奴になったんだ?」
「もういい・・・・・・好きにしなって」

 まったく・・・・・・わかってねぇなぁ、わかってねぇよ。
姫子は呆れてしまい、もう相手をする気にもならなかった。
変なことに首を突っ込んで、私の二の舞にならなければいいけど・・・・・・
52ラストマホ・スタンディング:2006/09/07(木) 02:31:02 ID:???
第十五部 罠

<11月20日 0830時 桃月学園>

 ベホイミの死から三日目、依然校内は騒然となっていた。
いよいよ警察も本腰入れて捜査を始めたようだったが、やはり半年前の二件の自殺事件についてはその結論が覆ることはなかった。
 姫子は突然の失踪について家族や警察に対し何百回という説明をし、疲れ果てていた。
彼女は、軽い家出だということで主張を貫き通していた。
とても海外で傭兵をやらされていたなどとは言えなかった。頭がおかしくなったと思われるからだ。
 そして、久しぶりに学校にきたら学校にきたで、また同じ質問攻めにあうことになった。
尤も、学校の関心はベホイミの殺害事件で持ちきりとなり、姫子の神隠しについてはそれほど深く追求されることはなかった。
「オハヨ、玲ちゃん」
「姫子・・・・・・?本当に姫子なのか?」
「足はついてるよ」
「よく・・・・・・よく無事で・・・・・・」
「まぁ、私は若いし、時にはいなくなっちゃいたくなるお年頃なんだよねぇ」
 玲は俯いたきり何も言葉が出なかった。何かを堪えているかのようだった。
 クラスの皆が姫子の周囲に集まり、人だかりが出来た。
姫子は教室の隅でこちらを見ている都に目配せした。都は軽く頷くと、姫子から視線を離した。
さすが、都ちゃんは分かっているね。無理に口を封じる必要もないな。

 クラス担任は姫子の不在中に長谷川先生に確定したらしい。フフン・・・・・・セガールもようやく常勤か。
姫子は退屈な数学の授業など聞く気も起こらず、ぼぅっと外を眺めていた。
あの、生きるか死ぬかの過酷な世界が、まるで嘘のように思えてくる。
まさか、こんなに簡単に再び平穏な日常に馴染むことが出来るなんて・・・・・・いや、それは幻想だ。姫子が形だけですらも元の生活に戻ることはない。
 それだけではない。姫子は、決定的なことには、既にこの世界の住人ではなくなっていたのだ。
もう、二度とここには戻れない。彼女は、最早身も心も戦場の人間なのだ。

 目を閉じると、遥かなる戦場が、彼女を呼んでいた。
53ラストマホ・スタンディング:2006/09/07(木) 02:33:36 ID:???
<同日 1800時 桃月西口公園>

 芹沢はやりきれない思いで一杯だった。
今日は学校に行く気も起こらず、かといって何をするわけでもなく、日がな一日ここで呆けていた。
ベンチに腰掛け、道を往く年寄りたちの様を見ている。
 ――来栖ちゃん・・・・・・ベホちゃん・・・・・・何で、何で私の周りの大切な人たちが傷ついていくのだろう。一体、どうしたんだろう。
日も暮れ、止む無く芹沢は家に帰ることにした。姫子には大きな口を叩いたが、実際、どうやって犯人を捜せというのか。全く分からない。
 芹沢は深くため息をつくと、ふと、思いついたように踵を返した。とりあえず、入院中の来栖ちゃんのところに寄っていこう。
来栖ちゃんはあれ以来全く口をきかなくなってしまった。私がお見舞いに出掛けていっても、
死人のような目でこちらを見返すばかりで、全く何も話してくれない。
よほどショックが大きかったのだろうが、こればかりはいくらなんでも酷い話だ。

 芹沢は病院の前までやってきたが、入るのは憂鬱だった。
死人みたいに何も言わない来栖ちゃんの痛ましい姿を見るのは辛い。
しかし、ひょっとしたら、今日こそは、病室に入っていくと、元通り、元気に快復した来栖ちゃんが、明るい笑顔で私を迎えてくれるかもしれない。
そういった儚い希望が、芹沢の歩を前に進めた。
 来栖の病室は一階の最奥で、物置や診察室の多いこっちの方には他の患者もおらず、あまり人の往来はなかった。
芹沢は病室をに入ろうとして、扉に手をかけた。
 その途端、扉が中から開き、厚手のトレンチを着込んだ長身痩躯の男が早足で出てきた。
・・・・・・刑事さんかな?芹沢は男に軽く会釈したが、彼はそれを無視して立ち去ってしまった。
無愛想な奴だな、と芹沢は眉を顰めたが、気にも留めずに中に入った。
が、そこで信じられない光景を目撃した。
 部屋の中にあった来栖の荷物が悉く荒らされ、着替えの服やらお見舞いの品やらが床に散乱していた。
そして、来栖自身は、ベッドから引き摺り下ろされ、そこで声にならない声でしくしくと泣いていた。
54ラストマホ・スタンディング:2006/09/07(木) 02:35:51 ID:???
 芹沢は慌てて彼女の元に駆け寄り、ベッドの上に寝かせ直した。
よく見ると、頬が赤く腫れていた。殴られたようだった。
 芹沢は猛烈な怒りに体中の血を滾らせて、拳を強く握り締めた。
涙を一杯に湛えて宙を見つめる来栖に無言の挨拶を済ませると、一目散に病室を飛び出した。
――あの男!あの男を追うのだ!
 芹沢は病院を飛び出し、暗闇の周囲を見渡した。一台の車が駐車場を出て行くのが見えた。
――クソ!逃してなるものか!
 芹沢は入り口近くで客待ちしているタクシーを捕まえ、先刻の車を追わせた。
運転手は厄介ごとは御免だと、最初のうちは渋っていたが、芹沢の気迫に圧されて、止む無く追跡劇に加担することを承諾した。
タクシーは猛スピードでそれらしき車を追いかけ、通りに出たところでやっと追いつくことができた。
 それは黒塗りのメルセデス・ミディアムセダンで、スモークのかかった窓からは、中の様子が窺えなかった。

 メルセデスはやがて海への道に入り、港湾部に乗り入れた。そして、倉庫街の一角に進入し、ヘッドライトを消して停車した。
芹沢は倉庫街の敷地より少し離れた所でタクシーを乗り捨て、単身、暗闇の倉庫に侵入していった。
 倉庫の側に止められた車を覗き込んだが、人の気配は無い。すると、やはりこの中か。芹沢は全く臆することなく、倉庫に近寄った。
出入り用の勝手口が見つかり、ダメもとでノブを捻ると、意外にも扉はすんなりと開いた。
 芹沢は近くに落ちていた鉄パイプを握り締め、中に入った。
中は暗闇で、人の気配が感じられなかった。全く何も見えないので、それ以上進みようもなく、芹沢は一旦引き返そうと踵を返した。
 その瞬間、何者かの手が芹沢の口を塞ぎ、暴れる彼女を押さえつけた。
「ングッ!?」
 鼻に押し当てられた布キレから麻酔薬物の刺激臭が吸引され、芹沢の意識は拙い円運動を描きながら、やがて深い眠りへと落ちていった。
55ラストマホ・スタンディング:2006/09/07(木) 02:37:52 ID:???
ここまで。
それでは。
56マロン名無しさん:2006/09/07(木) 17:50:43 ID:???
なんかこのスレのベホイミはヤムチャのようだ
57マロン名無しさん:2006/09/07(木) 21:38:41 ID:???
そして柏木姉妹はチャオズのようだ。
58マロン名無しさん:2006/09/07(木) 21:58:13 ID:???
>>56-57
お前ら………ベホと柏木姉妹ファンのみんなに謝りなさい
59マロン名無しさん:2006/09/07(木) 23:45:43 ID:???
芹沢どうなっちゃうの???????
ぱにぽにで6号さんの次に好きなキャラなのに
60マロン名無しさん:2006/09/09(土) 15:26:16 ID:???
激しく続き気になる。
作者さん頑張ってください
61マロン名無しさん:2006/09/09(土) 19:58:05 ID:???
マホー!!
62ラストマホ・スタンディング:2006/09/09(土) 22:16:10 ID:???
第十六部 ナンセンスな殺し

<11月24日 1700時 旧宮本研究室>

 姫子は部屋のソファに腰掛け、いつかのように髪を弄りながら考えていた。
これからどうするか?数日前に来栖がまた襲われたという話を聞いて、いよいよベホイミの言っていたことは真実であったように思えていた。
だが、彼女の残したという証拠は来栖が握っている。
その来栖は、頭のネジが外れてしまっている。
そして、今度の粗探しで件の証拠品は本当に発見されて、持ち去られてしまったかもしれない。
うーん・・・・・・これはどうにも手詰まりだ。
 姫子は思案に暮れているうちにいつしかウトウト舟を漕ぎ始め、ソファに凭れて寝息を立て始めていた。
そうしていると、部屋の扉が静かに開かれ、そこから一人の人間が顔を覗かせた。
人間というよりロボットか?いや、それはロボ子だった。ロボット型の、奇妙な着ぐるみ。所有者は、芹沢茜。

 ロボ子(に扮したその人間)は、ゆっくりと眠れる姫子に歩み寄った。
右手だけはオモチャのマニュピレーターを装着せずに、手袋をつけた人間の手が剥き出しで、そこには鋭い刃のアイスピックが握られていた。
そうして、徐々に姫子に近づき、逆手に握り替えたアイスピックの右手を思い切り持ち上げると、一気に振り落とした。
刃はいかずちのごとく空を切り裂き、一直線に姫子の身体を串刺しにした・・・・・・はずだった。
 ところが、それよりも一息早く姫子は力強く目を見開くと、相手の身体を蹴り飛ばして難を逃れた。
ロボ子は不意打ちのつもりが不意の反撃を受けて後方に吹っ飛ばされた。
が、すぐに立ち上がると、刃を順手に持ち替えて目の前でそれを振りながら間合いを取った。
 両者は互いに睨み合いながら一定の距離を保ちつつゆっくりと歩で輪を描いた。
姫子は例の不敵な笑みを浮かべると、相手を小馬鹿にしたような口調で挑発する。
「ナイフは振り被って使うモンじゃないよ。
必要なのは急所への一突き、どんなに振り回したって、斬りつけたって、相手は殺せないよ」
63ラストマホ・スタンディング:2006/09/09(土) 22:19:05 ID:???
 ロボ子はアイスピックを上段に構えて頻りに空を切っていた。
姫子は相手の攻撃アルゴリズムを冷静に分析し、飛びつく機会を窺っていた。
「ほらほら。かかってきなって。腋をちゃんとしめて、そんなんじゃ隙だらけダヨ。
足元だってお留守だね。もっと全身の防御に気をつけないと――」

 ――言いつつ、次の瞬間、姫子は怒涛の勢いでロボ子に飛び掛り、凄まじい怪力で相手の右腕にアームロックを決めた。
腕をへし折らんばかりの強力な負荷に手の痺れたロボ子は、思わずアイスピックを床に落とした。
姫子はすぐにそれを蹴って遠くに滑らせると、続けざまにエルボーを相手の頸に食らわせた。
硬い面が拉げて中の人物の頭が打ち付けられる音がした。
 ロボ子が体勢を崩して跪くと、姫子はその面を剥いだ。
中からは全然見覚えのない小振りな男の顔が飛び出し、目を廻していた。
姫子はもう一発素手で殴りつけると、男は完全に失神してしまった。

 ――さて、こいつは何者だろうか。
ベホイミの言っていた殺し屋か?しかし、それにしては余りにも素人臭い。
とても報酬を貰って人を殺すほどのプロには見えない。
どちらかというと、単なるゴロツキだ。
 大体、何故芹沢に化けて私を殺しにやってきたのだろうか?
ベホイミを殺した奴なら、いつだって私を狙撃できる筈だ。
ならば、その殺し屋の仲間か、或いは別の勢力か。
まぁ、考えても仕方ない。ここはやはり、当人に口を割らせるしか道はないね。

 姫子はアイスピックを握ると、それを机に突き立て、男の着ぐるみを脱がして椅子に身体と足を縛り付けた。
男はとても小柄で、これなら芹沢サイズの着ぐるみも着られるだろうというくらいの体つきだった。
64ラストマホ・スタンディング:2006/09/09(土) 22:21:47 ID:???
 やがて男が目を覚ますと、姫子は尋ねた。
「何者?」
 小男は答えない。姫子はにっこりと笑ってアイスピックを引き抜くと、唯一自由な小男の左手を机の上に乗せて、そのうちの小指に向かって刃を鉈のように叩き付けた。
小指はいとも簡単に吹っ飛び、小男は凄まじい叫び声をあげかけたが、すぐに姫子の手がその口を塞いでしまった。
 しばらくして落ち着くと、姫子は元の位置に戻って尋問を再開した。
血のついたアイスピックは、その手に握られたままである。
「何者?」
 今度は素直だった。やはり、本物のプロではないな。
「お、お金を貰ったんだ。お前さんを殺せば50万貰えるって」
「随分安いのね。――それで、雇い主は誰?」
「それは言えない。殺されちまう」
 姫子は何も言わずにまた彼の元に寄り、今度は同じ要領で左手の薬指を叩き落した。
小男の悲痛な叫びが、姫子の掌の中で空気を震わせた。
「で、誰に雇われたの?」
「へ、へ、へ、変な女だ!代理人を通して依頼されたから顔も名前も知らない!本当だ、信じてくれ!」
 姫子は鼻で笑うと、次に進んだ。
「その着ぐるみはどうしたの?」
「俺の他にも雇われた連中が四人いる。そいつらが、お前さんを襲うときにはそれを着ていけって」
「中身は?中身の子はどうしたの?」
「そ、そいつらが監禁している。小娘だ。お前さんによく似た感じの。
着ぐるみについて知っていたのはそいつから聞き出したからだろう、俺は他のことはわからない」

 ――言わんこっちゃない。
あの夜以来、学校で彼女の姿を見かけないと思ったら、やっぱり奴らの手に落ちていたというわけね。
ま、海外に売り飛ばされなかっただけマシ・・・・・・なのカナ?
65ラストマホ・スタンディング:2006/09/09(土) 22:23:45 ID:???
「何で茜ちゃんを監禁しているのカナ?」
「俺は知らない。俺はただお前さんを殺すためだけに雇われたんだ!」
「あぁ、そうかい。じゃあ、彼女の居場所を教えてもらおう」
「倉庫だ、港にある、寂れた倉庫。場所は――」
 姫子は小男の言った所在地をメモし、再度確認した。
そうして、立ち上がって本棚から、ベッキーの持ち物だった区内地図を持ち出し、
それがデタラメでないことを確かめると、再び微笑んだ。
 それから、小男の傍に歩いていき、そして、その顔面を掌槌で勢いよく殴りつけた。
小男が再び気絶したのを見ると、縄を解き、目が覚め次第、逃げられるようにした。

 床に滴り落ちた血は、まぁ、この際どうでもいいや。
66ラストマホ・スタンディング:2006/09/09(土) 22:25:37 ID:???
第十七部 涸れた涙

<11月21日 0210時 某倉庫 港湾地区>

 芹沢は全身に水をかけられて目を覚ました。
見ると、何もない、冷え冷えとした倉庫の中で、彼女は椅子に縛り付けられていた。
辺りは真っ暗闇だったが、強烈なスポットライトが彼女に向けられ、その姿だけをはっきりと浮かび上がらせていた。
 ――寒い。凍えるような寒さだ。芹沢の華奢な身体は冷気と恐怖のためにガタガタと震えていた。
 暫くすると暗闇の中に複数の人の気配の蠢くのが感じられ、それは芹沢の周囲を取り巻くようだった。
芹沢は強烈なスポットライトの閃光に目を瞬かせながら、その闇に必死に目を凝らした。
 やがて、闇の中から声が聞こえてきた。
「・・・・・・質問に答えろ」
 芹沢はボンヤリとした頭で考えたが、その単純な言葉の意味を理解するのにすらしばらく時間がかかった。
「芹沢茜だな?」
「だったらどうだっていうんだ?」
「来栖柚子から何かを預からなかったか?」
「何の話だ?」
「協力してほしいんだがね。我々としてもこれ以上君や彼女に危害を加えるのは不本意だ」
「お前たちが来栖ちゃんを・・・・・・!」
「質問に答えろ。ベホイミの置き土産は何処だ?」
「ベホちゃん?何のことか分からない」
「白をきるのはよせ。もうじきあの人がやってくる。あの人は恐ろしい。あの人はお前に喋らせるためならどんな手でも使うぞ」
「知らないものは知らないんだ。頼む、逃がしてくれよ」
「君が協力すればあの人が来る前に逃がしてやれる。記録チップか、CD-ROMか、メモリーカードか、その類のものを預かっただろう?」
「本当に知らないんだって!縄を解けよ!」
67ラストマホ・スタンディング:2006/09/09(土) 22:28:51 ID:???
 芹沢は必死に嘆願するが、闇の中で彼らの動く気配はない。
 やがて、闇の奥にもう一人の人間がやってくる足音が聞こえた。
先刻の尋問者の声が、哀れみとも同情ともとれるような声で言った。
「ああ、もうだめだ。あの人が来た。君が頑固に口を割らないのが悪いんだぞ。恨むなら、自分自身の愚かさを恨むんだな」
 足音は徐々に芹沢に近づき、それは芹沢のすぐ背後に回ったところで止まった。
そして、おそらくは顔のようなものがすぐ傍に近寄り、フッと甘い息を吹きかけた。
「フフフ・・・・・・芹沢、夜は長いぞ。お楽しみはこれからだ。果たして、どこまで我慢できるかしらね・・・・・・?」
 芹沢の目に目隠しがかけられ、口にはギャグボールが噛まされた。

 ――女の声だった。しかもとても聞き覚えのある・・・・・・そうだ、思い出した。これは奴の声だ。
何てことだ、全く意外だ。まさか、アイツがこの事件の裏で手をひいていただなんて――

<11月24日 1930時 桃月学園>

 姫子は宮本研究室を出ると、さっさと帰るつもりでいた。
外はもう暗い。校舎の中にはもう人はほとんど残っていない。
 姫子は荷物を取りにいくために、階段を上って1-C教室に向かった。
教室の前まで来て、その手に先刻の血だらけのアイスピックが握られたままだということに気がついた。
しまった。うっかりして持ってきてしまった。
誰かに見つかったら面倒だな。
 姫子は女子トイレに入り、トイレットペーパーで厳重にそれを包むと、ゴミ箱に投げ入れた。
教室に戻ると、思わぬ人物が隅の席に腰掛けていた。
「あれあれ、玲ちゃん?まだ帰っていなかったの?」
68ラストマホ・スタンディング:2006/09/09(土) 22:30:56 ID:???
 玲は手元の本をパタンと伏せると、姫子の方を向いて言った。
「あ、つい読書に夢中になって・・・・・・もうこんな時間か。姫子こそまだいたのか」
「そうダヨ。ベッキーの研究室にね」
「・・・・・・ようやく戻ってきたと思ったら、また、馬鹿なことを始めたのか」
「だって、警察はまだ真相に辿りつけていないんデショ?」
「真相も何もあるか。いい加減、過去のことは忘れろ」
「過去じゃない。未来ダヨ」
「意味が分からん。とにかく、もう止めろ」
「いやだね」
「姫子!」
 玲はいきなり立ち上がって姫子の腕を掴んだ。突然のことに、姫子は驚いて立ち尽くしていた。
「もうイヤなんだ。誰かが死ぬのは!大切な友達がいなくなるのが!
お前がいなくなったとき、私がどんなに辛かったかわからないだろう!
その上、まだ危ないことして、それで、今度こそお前が永遠にどこかに行ってしまいそうで・・・・・・」
 玲はそれ以上言葉にならず、俯いていた。見ると、その瞳から宝石のような涙が溢れていた。
あの玲が泣いている。冷酷な、魔女と呼ばれた彼女が、一人の少女のように涙を流している。
 ――涙か。そういえば、私はいつの頃から泣くことを忘れてしまったのだろうか。
戦場で見た地獄の業火が、私の全ての涙を奪い去ってしまった。
もう、私は涙を流すことも出来ないんだよね。
「玲ちゃん・・・・・・ごめん。でも、やらなくちゃいけない。私がここで逃げ出したら、事態はもっと悪くなる」
「姫子・・・・・・何で分かってくれないんだ!?」
 嗚咽で濁った声を振り絞る。玲は姫子を強く抱きしめると、なり振り構わず泣き出した。
姫子は玲の柔らかな肉体を肌に感じ、まだ平凡な少女だった頃の自分の思い出を蘇らせた。

 心地よい春の、懐かしい匂いが漂ってくる――だが、今は感傷に浸っているときではない。
姫子は玲を引き離すと、泣きじゃくる彼女をその場に残し、黙って教室を後にした。
69ラストマホ・スタンディング:2006/09/09(土) 22:32:08 ID:???
今晩はここまで。
いやはや我ながら長いなぁ……
70マロン名無しさん:2006/09/09(土) 23:13:16 ID:???
GJ
71マロン名無しさん:2006/09/10(日) 00:46:31 ID:???
4日目埋まった
72マロン名無しさん:2006/09/10(日) 02:34:49 ID:???
あァ・・・よくわからない流れで埋まってた。

>>LMSの職人さん
gj
73マロン名無しさん:2006/09/10(日) 13:33:51 ID:???
rust maho standingじゃなかったのか
74マロン名無しさん:2006/09/10(日) 13:34:15 ID:???
last?
75マロン名無しさん:2006/09/10(日) 13:53:45 ID:???
最後のマホが立っている
錆びたマホが立っている
76マロン名無しさん:2006/09/10(日) 13:55:45 ID:???
>>48見ればどちらが正しいのかわかるよ☆
77マロン名無しさん:2006/09/10(日) 17:44:12 ID:???
マホの人GJ!
78マロン名無しさん:2006/09/10(日) 21:29:01 ID:???
マホの人だと姫子だろ
79マロン名無しさん:2006/09/10(日) 21:58:38 ID:???
マホの人だと姫子だな
80マロン名無しさん:2006/09/10(日) 22:05:53 ID:???
マホの人だと姫子だし
81学食談話:2006/09/11(月) 00:54:15 ID:???
 ところは学食。若き諜報部員綿貫響と地獄耳の魔女こと橘玲は昼食後の‘デザート雑談’に花開かせている。
響「そういえば玲さぁ、あんた、バベルの塔のニュースを聞いた?」
玲「ああ、知っているよ。イラクで見つかったっていうあれだろう?何でもデタラメだったらしいわね」
響「あれを見つけた教授、ショックで発狂して蒸発しちゃったらしいわよ」
玲「あれだけ人騒がせな誤報しておいて本人はトンズラ?いい身分だねぇ」
響「しかも、日本人の助手の女の子も拉致ったって」
玲「どうせ愛人かなんかでしょ」
響「違いないわね」
玲「日本人ねぇ……」
響「しかも女の子」
玲「ソースは?」
響「とんかつ」
玲「バカ、情報源はどこかって話よ」
響「……ニュー速」
玲「ホントに?」
響「嘘。VIP」
玲「立派な諜報部だこと」
 玲、立ち上がり、お茶を汲んでくる。響、今日のアイスデザートはチョコチップバニラ。
82学食談話:2006/09/11(月) 00:54:47 ID:???
玲「ところで」
響「何よ」
玲「柏木姉の停学の話を?」
響「聞いた。喫煙でしょ?」
玲「ヴァージニア・スリムだとさ」
響「あー何かわかる。優麻なら吸いそうな銘柄だね」
玲「あの気取り屋でファッション狂いならな」
響「バカな奴w」
玲「自分じゃセンスいいと思っているらしい。痛すぎだろ」
響「あの髪形はないよね。姉妹で左右とかギャグでしょ」
玲「調子のってやがる」
響「じき干されるって」
玲「停学だけどね」
響「自業自得だよ」
玲「V.S.か……ところで担任の五十嵐先生の銘柄は?」
響「マイセン10ミリ」
玲「ジジくせぇな」
響「女諦めてんでしょ」
玲「あぁなったらおしまいだわな」
 玲、お茶をすする。響、アイスを頬張る。甘い匂い。
83学食談話:2006/09/11(月) 00:55:27 ID:???
響「A組といえば」
玲「まだネタがあるのか?」
響「来栖柚子を?」
玲「怪獣ヲタの娘だろ?」
響「そう。あの娘がレズだってのは?」
玲「……マジかよ」
響「モノホンらしい。見た目もなんかそれっぽいでしょ」
玲「相手は?」
響「確かじゃないけど……D組の芹沢だって」
玲「うわぁ……あの男勝りの?」
響「らしい。かなり親密だとか」
玲「気色悪いな。それで、もうやることやちゃったわけ?」
響「せっくるとかいう噂が……」
玲「あー私もうこの話題パスだわ。ホモネタはマジきついって」
 玲、お茶を飲み干し、もう一杯注いでくる。響、食べ続ける。
84学食談話:2006/09/11(月) 00:56:49 ID:???
玲「芹沢で思い出したんだけど、演劇部については私もひとつネタ持ってるぜ」
響「へぇ、どんな?」
玲「副部長の高見沢ハルカって、三年の人なんだけど」
響「その人が?」
玲「相当のヤリマンらしい」
響「あーそれ私も聞いたことある」
玲「まず部内の男子全部食いつくし」
響「マダム・エマニュエルだね」
玲「映研にも手を伸ばしてるとか」
響「そりゃあ、ガバガバだ」
玲「篠原って人が手始めに食われて、今じゃ一年の童貞漁りをやっているとか」
響「色情狂ってのはいるもんだねぇ。私が聞いた話だと、あの人両刀使いらしい」
玲「またそっちのネタかよ」
響「ていうか来栖にそっちのケを教えたのは彼女だって」
玲「業深い女だなぁ」
響「芹沢も食われたんじゃない?予想だけど」
玲「ありえるな。大いに」
響「で、ベッドであの人に仕込まれた連中ってのは、もう彼女に頭が上がらないらしい」
玲「文字通り性奴隷って奴か」
響「恐い話よね」
 玲、お茶を一口。響、そろそろアイスを平らげる。
85学食談話:2006/09/11(月) 00:57:26 ID:???
響「全然関係ないけどさ。D組のベホイミ知ってる?」
玲「知ってるよ。知らん奴居るのか、あんな奇人」
響「最近本当に頭がいかれたらしい」
玲「元々だろ」
響「最近は遂に宇宙と交信できるようになったらしい」
玲「チャネリングかよw」
響「魔法少女なのにw」
玲「自称だろ?アキバ系の電波ちゃんなんだろうさ」
響「でも傷害でマエついてるみたいよ」
玲「転校初日からかましたらしいしな。つーか危なすぎだろ」
響「マジでアイツはヤバイと思うよ。クスリでもやってんじゃない?」
玲「通報しちゃってみるか?結構面白いことになりそうだな」
響「やめなって。暴れだして殴られたらシャレになんないって」
玲「そうか……じゃ、よしとくわ。お、そろそろ時間だな」
響「午後の授業はたるいわねぇ」
玲「どうせベッキーの授業だし、適当に受け流すことにするわ」
響「あんまりいじめちゃダメよ、宮本先生」
玲「毛唐のガキ相手にマジになるわけねぇよ」
 二人はだらしない動きで学食を後にした。

86マロン名無しさん:2006/09/11(月) 01:18:04 ID:???
優麻はスロットやってそうだなぁ
くるみがパチンコしてたように。
87マロン名無しさん:2006/09/11(月) 02:13:26 ID:???
くるみのパチンコって、誰かが教えたわけじゃなくて、自分からやるようになったのかな。
88マロン名無しさん:2006/09/11(月) 17:27:43 ID:???
都の影響とか。
絵板で喫煙してた絵を見たせいか都に不良のイメージがついた。
89マロン名無しさん:2006/09/11(月) 21:03:06 ID:7HZ/CR38
【あずぽにレッスルマニア33】33回目のあずぽに最大の特番の全対戦カード決定!!


1.あずぽに王座戦          (王座)一条 VS 柏木優麻

2.IC王座戦             (王座)涼宮ハルヒ VS 鶴屋

3.タッグ王座戦、フェイタル4ウェイ (王座)べホイミ&メディア VS 白鳥鈴音&秋山乙女 VS 榊&神楽 VS 滝野智&水原暦

4.敗者追放、I Quit戦            長門有希 VS 朝倉涼子

5.ノー・ホールズ・バード戦         桃瀬くるみ VS 朝比奈みくる

6.シングル戦                芹沢茜 VS 来栖柚子

7.シングル戦                橘玲 VS 上原都


極上カード揃い! 下記に抗争ストーリーを表記いたします!!
90マロン名無しさん:2006/09/11(月) 23:24:50 ID:???
懐かしいな。初代スレ以来か。
91ラストマホ・スタンディング:2006/09/12(火) 00:37:39 ID:???
第十八部 夜明けの喇叭

<11月25日 0010時 某倉庫 港湾地区>

 姫子は日付が変わるのを待って倉庫街に侵入した。
その手には、先刻ホームセンターで購入した手斧が握られていた。
 類推するに、芹沢が拉致されたのは20日から21日にかけてのことだ。
既に四日前後が経過している。アフリカでは誘拐されて四日も生き延びる人質は半数もいなかった。
さらってきたはいいが、大方が途中で面倒になって殺されるのだ。
 果たして彼女は生きているだろうか。
姫子は最悪の事態も考慮に入れつつ、言われた倉庫にやってきた。

 どうやらこの辺りは余り港湾としての機能を果たしていないらしい。
辺りには誰も居らず、警備も筒抜けだった。姫子は裏の勝手口から倉庫の中に入った。
 無人のはずなのに、照明の煌々と燈された倉庫の中は、わずかに数えるほどのコンテナが積まれているだけで、ほとんど空であることに気がついた。
姫子はそのうちのコンテナの陰に、誰かがいる気配を感じて、そっと息を殺して歩み寄った。
 コンテナの隙間から覗き込むと、鉄棒のような四辺形の鉄枠に、全裸にされて大の字式に手足を縛り付けられている少女の後ろ姿が見えた。
ぐったりとして、頭をもたげているが、あの特徴的な髪型は芹沢茜に違いないだろう。
気を失っているのか、体中アザだらけで、吊るされた鉄枠の下に液体が水溜りを作っていた。
情けなく露わになった彼女の股間からは二本のコードが延びていて、車両用バッテリを伴った機械に接続されていた。
おそらく、バイブレーターか電極が、彼女の膣と肛門にそれぞれ挿入されているのだろう。
だが、もし仮に電極だったら、力なく微動だにしない彼女はもう既に死んでいるのかもしれない。
この悲惨な拷問法は、かなりの確率で相手をショック死に至らしめる。
92ラストマホ・スタンディング:2006/09/12(火) 00:40:08 ID:???
 姫子は芹沢の前のパイプ椅子に腰掛けて転寝する男に注目した。見張りはこの男一人か。
姫子は手斧を構えて、そっと歩き出した。男は気がつく気配がない。
 姫子は芹沢のところに辿り着くと、彼女の前に回った。
無様に鼻水を垂らし、ギャグボールからよだれを滴らせ、その顔はくしゃくしゃであった。
いくらかの膨らみしかない貧相な胸の頂上の乳首には、左右ともにリング状のピアスが施され、そこに細いチェーンでおもりが吊るされていた。
床の水溜りは酷い仕打ちのために失禁してしまった痕だった。
 姫子は芹沢がまだ息をしているのを確かめると、静かにそこを離れた。
そうして、眠っている男に十分に近づくと――おおっと、ここで暴力シーンの挿入だ――その頸めがけて斧を振り落とした。
 男は二度と目を覚ますことはなかった。
頚骨が砕け散り、大量の血が首の穴から吹き出し、風船の空気が抜けるような音がして、男は絶命した。
これでよし。あとは三人。姫子はさらに奥に進んだ。

 三人は一度に見つかった。
別のコンテナの陰で、持ち込んだテレビを見ながら、椅子に腰掛けてくつろいでいた。
姫子は彼らの後ろに忍び寄り、様子を窺った。
三人一度にやるしかない。銃を持っていたら厄介だが、ロボ子の小男と同じくらいの力量の連中なら問題はないだろう。
 ――よぅし、ちょっくら挨拶してやろう。
姫子は背後から彼らに近寄り、深く息を吸った。
「マー」
 息を吐き出すのと同時に、低く、唸るような声を震わせる。
不意を突かれた男たちの視線が一気にこの襲撃者を見据えた。
が、次の瞬間、姫子は斧を振り落とし、一人の頭蓋を叩き割った。
 斧を引き抜き、返す手で、もう一人のもとに飛び掛り、男が椅子から立ち上がる間もないほどの勢いで、頸に一閃を命中させた。二丁上がり。
93ラストマホ・スタンディング:2006/09/12(火) 00:42:20 ID:???
 もう一人の男は恐怖に顔を歪め、反撃もせずに背を見せて逃げ出した。
姫子は最後の仕上げといわんばかりに斧を振り被ると、それを相手に投げつけた。
 重量のある手斧は大仰に回転しながら放物線を描き、相手の背中を捕らえる。
背に吸い付くように刺さった斧の衝撃に足をよろめかせ、男は倒れた。
 姫子は近づいていき、男の背中から凶器を引き抜くと、その頸を叩き落としてとどめをさした。
――よし、完璧だ。

 姫子は死体の山を踏み分けて芹沢のもとに戻った。
先刻の騒ぎにも目を覚ましていない様子だ。
 姫子は芹沢の口につけられていた猿轡を外し、股間から垂れ下がった二本のコードを掴んで、屈辱的な拷問器具をゆっくりと引き抜いた。
ベトベトとした体液が糸を引いて、二本の巨大なトウモロコシ状のヘッドが現れた。
 こんな大きなものが芹沢の身体の中でどのように彼女を辱めたのだろうか。
姫子は想像するのも嫌気がさして、それを放り棄てた。
そして、全裸の彼女にあられもない格好を強制していた手足の拘束を解くと、倒れこむ身体を胸に抱きかかえた。
乳首のチェーンが揺れて、金属の硬い感触が姫子の胸に感じられた。
「茜ちゃん、しっかりして」
 ようやく鉄枠から下された芹沢は弱りきっていた。
度重なる陵辱と拷問によって心身は極度に痛めつけられ、手首足首には紫色の、血の死んだような生々しい拘束痕が残っている。
 姫子が袖で彼女の顔を優しく拭いてやると、芹沢はゆっくりと目を開けた。
「ひ・・・・・・ひめこ?」
94ラストマホ・スタンディング:2006/09/12(火) 00:44:08 ID:???
「もう大丈夫ダヨ。今から病院に連れて行くからね」
 姫子は自分の羽織っていたコートを彼女の冷えきった身体に被せた。
そうしてフラフラとする芹沢を背負うと、外に向かって歩き出した。
「姫子・・・・・・」
 病院に向かう途中の夜道で、芹沢は力なく言葉を発した。
夜風の寒さは厳しく、姫子は軽く身震いをした。
「何さ?」
「・・・・・・ごめん」
「何で謝るの?」
「姫子の言うとおりだった。私が馬鹿だった」
「生きているなら儲けものさ」
 芹沢は鼻を啜った。華奢で軽い身体が、わずかに震えた。
「私・・・・・・自惚れてた。自分なら、来栖ちゃんを・・・・・・皆を守れるって。全然そんなことなかった。
何にも出来なくて、捕まって、助けられて・・・・・・ヘヘヘ、私、ダメだなぁ。カッコ悪いなぁ・・・・・・」
 姫子は黙って聞いていた。芹沢の声は、湿っていた。
「ねぇ、本当に、ごめんね、姫子。私、何も出来ない。無力だよ。それで、おまけに姫子の手を煩わせちゃって」
95ラストマホ・スタンディング:2006/09/12(火) 00:45:46 ID:???
「余計なことは言わないでいいよ」
「ごめん・・・・・・うぅっ・・・・・・ごめんなさい・・・・・・」
 いつになく素直な芹沢に姫子は内心戸惑いを感じていたが、彼女が背中で泣き出すと、もう辛抱も堪えられなくなっていた。
泣くことの出来る人間は幸せだ。姫子にはそれが出来ない。
「泣くなって・・・・・・もう過ぎたことダヨ」
「分かってるよ・・・・・・でも、怖かった・・・・・・怖かったよぉ・・・・・・来栖ちゃん、ベホちゃん・・・・・・私、私・・・・・・」
「・・・・・・大馬鹿者が」
 それからあとは、姫子は黙りこんだ。
芹沢は絶えることなく嗚咽を溢し続けていた。
だが、しばらくすると、思い出したように言った。
「玲だ」
「何?」
「玲だよ。アイツだ」
「玲ちゃんがどうかしたの?」
「私に非道いことをした連中の親玉だ。アイツが私に・・・・・・」
「そんなバカな!」
「本当だよ。声を聞いた。確かに奴だった」

 ――玲ちゃんが?・・・・・・チクショウ!何てことだ!
96ラストマホ・スタンディング:2006/09/12(火) 00:48:34 ID:???
第十九部 ツケは払わせる

<11月25日 2200時 桃香飯店>

 バイトが終わった玲は店主に挨拶を済ませて家路に就いた。
高校生という身分でありながら夜遅くまで働かねばならないのはひとえに金の欠乏しているがためなのだ。
そうして、仕事を終えて、桃月駅に向かうため、自転車を走らせて暗い裏道を抜けていくと、不意に誰かがその前に飛び出した。
「ちょっ・・・・・・危ないだろ!」
 玲は怒鳴り声を上げて相手を睨みつける。危うく轢いてしまうところだった。
が、灯火に照らし出されたその姿を見て、玲は更に肝を冷やした。
「姫子・・・・・・?奇遇だな、こんなところで会うなんて」
「玲ちゃん、ちょっと大事な話があるんだよね。つきあってくれる?」
「おいおい、姫子。今何時だと思って・・・・・・」
 途中まで言いかけて玲は口を噤んだ。姫子の表情に、恐ろしいほどの闇が見えた。
――なるほど、彼女も遂にここに辿り着いたか。
 玲は諦めにも似た心境で、肩を竦めた。
「ついてきて」
 姫子に促されるまま玲は自転車を押しつつ、歩き出した。
二人は町の雑踏を抜け、桃月西口公園にやってきた。
そして、公園の電燈に照らされたベンチに並んで腰掛け、暫くの沈黙の後、姫子の方から唐突に話を切り出した。
「茜ちゃんを殺さなかったのは失敗だったね」
「!?」
 玲は暗闇の中で精一杯の驚いた顔をして見せたが、姫子がそれには気にも留めていないことを知ると、さっさと元の無表情に戻った。
「芹沢が言ったのか。私が彼女を拷問したと・・・・・・?」
97ラストマホ・スタンディング:2006/09/12(火) 00:50:40 ID:???
「いまさら口止めしに行っても無駄だよ。もう警察が来ている」
「・・・・・・もうそんなことはしないさ。必要がない」
「ベッキーや一条さんを殺したのは玲ちゃんだったの?」
「私はただ手引きをして、証拠を隠しただけだ。実際に手を下したのは私の雇い主さ。尤も、芹沢の拷問は私に任されていたがね」
「玲ちゃんも下っ端だったというの・・・・・・?」
「そうだ。私の雇い主は本物の殺し屋だ。危険な奴だ。お前は首を突っ込みすぎたんだ。私があれほど警告したのに」
「お金で雇われたんだね」
「その通りだ。金だ。金のために人の命を売った。だが、それが悪いか?元々裕福なお前に私の言っていることなどわかるまい」
「わからんね」
 姫子はため息をついた。玲は身じろぎもしなかった。
「私の家は貧しいんだ。だから、何としても私は金を稼がねばならん。ベッキーや一条、芹沢には悪いが、金になるなら彼女らを売ることを躊躇わない」
「私も?」
「お前が海外に売られていたという噂は聞いていた。だが、誓って言うが、その金については私は受け取っていない。
お前が海外に売られたのは私の与り知らぬところで行われたことだ」
「フン・・・・・・どうでもいいさ。結局、雇い主は誰なのさ?」
「知らない。プロだしな、正体を明かさないんだ。金は代理人が持ってくるから」
「だろうね。そう言うと思ったよ」
 姫子は徐に立ち上がった。玲は彼女の挙動をじっと見つめていた。
「それで・・・・・・私をどうする?殺すか?」
「確かに、私はアンタを殺したいほど憎い。しかし殺さない」
 玲は怪訝な顔をした。まるで、彼女自身、姫子に殺されるのを望んでいるかのような様子だった。
姫子は、そんな玲の無言の訴えをまるきり無視したのだった。
98ラストマホ・スタンディング:2006/09/12(火) 00:52:24 ID:???
「どうして?私がベッキーを殺したようなものなんだぞ!さぁ、一思いにやってくれ。お前の手で、私を裁いてくれ」
「ノー・サンキュー。そういうのは法廷か牧師さんのところで言うことだね。私にアンタの罪の尻拭いをさせようとするのはよしてよ」
「姫子・・・・・・‘お前’は私を許すのか」
「許しはしない。しかし裁きもしない。ツケは今十分に払わせた。後は、玲ちゃん、アンタ次第ダヨ」
「私は・・・・・・」
「さようなら、玲ちゃん。もう会うことはないだろうね。・・・・・・最後に聞かせて。あの時、私の前で見せた涙。あれも演技だったの?」
 玲は無言のまま首を左右に振って否定した。
電燈の灯りの下で潤んだ瞳がじっと姫子の顔を見つめ、それだけで姫子には彼女の言いたいことが全て分かったような気がした。
「そう・・・・・・それじゃあ、私は行くね。バイバイ・・・・・・」
 姫子は歩き始めた。
途方に暮れる玲の視線を背中に感じつつ、姫子はその場を立ち去った。
「姫子!」
玲が叫んだ。
「私たち・・・・・・友達なのかな?」
 姫子は振り返ることなく親指を立てた右手を肩の後ろに掲げた。
玲の姿は見えなかったが、しかし姫子には彼女が微笑んだような気がした。

 ――後日、今年に入って三人目の自殺者が桃月学園に出ることになった。
それは誰も疑いようのない自殺で、その一報を聞いた姫子は独り、こう呟いたという。

「玲ちゃん・・・・・・大いなる嘘つき、私の麗しき思い出よ・・・・・・全てを抱いて眠れ」
99ラストマホ・スタンディング:2006/09/12(火) 00:53:38 ID:???
ここまで。
ようやく終わりが見えてきました。
100マロン名無しさん:2006/09/12(火) 02:34:11 ID:???
GJ
私はメディアだと思ってたが玲だったか…
しかしもう100か…
早いな
101マロン名無しさん:2006/09/12(火) 03:58:43 ID:???
くるみとか都だったらショック死してた
102マロン名無しさん:2006/09/12(火) 04:24:45 ID:???
玲・・・ああああああ!!!!
103マロン名無しさん:2006/09/12(火) 07:07:34 ID:???

それはさておきプロキシ規制されててエロパロスレに書き込めなくて困っちゃうぜ!
銀行強盗たちが「他人と身体を入れ替えられるステキ機械」を持っている設定にして
その上でベホイミたちとも遭遇せずにM女を捕獲してムフフという話が書き込めないじゃあないか
104The most calamity:2006/09/12(火) 17:49:03 ID:???

くるみに呼ばれた教室の扉を開いた瞬間、姫子は身動きが取れなくなった。教室内に人の気配を感じ、
反射的に作った笑い顔もあっという間に凍りつく。
教室に入ると、信じられない事にそこには姫子の漫画を握り締めた玲が立ち尽くしていた。しかもその
漫画は細切れにされ、姫子に向けられた玲の視線からは氷を溶かすことも出来るのではないかという
ほどの怒りを感じ取れる。これ以上に分りやすい状況は、例え出来が悪かったとしても姫子の頭が
理解するのに時間がかからなかった。
姫子「なん…で……」
弱々しい言葉が、吐いた息と共に空気に溶けていく。そして時計の秒針が1秒を刻むよりも早く、
姫子は身を翻してその場を逃げ出した。その表情には今まで保ち続けていたそれを僅かとも見て
とる事が出来ず、涙を零すまいとするあまり、しかし眼を閉じれば走る事が適わないのでその顔はきつく歪んでいる。
くるみ「姫子っ!どうしたの!?…あっ、ちょっと!!」
丁度廊下の角を曲がってきたくるみが驚きの声色で姫子を呼び止めるが、姫子はそれすら無視して
廊下を走り抜ける。勿論、教室を飛び出した瞬間に玲が名前を叫んで自分を呼び止めた事など、
姫子が気付く訳もなかった。

廊下に残ったのは呆然とした表情を浮かべるくるみ。教室に残ったのは何故姫子が自分の顔を
見るなり逃げ出してしまったのかに今更気付いた玲と、開けた窓からの風に吹かれて多少散って
しまったいくらかの紙片だけ。

105The most calamity:2006/09/12(火) 17:52:34 ID:???


姫子「……はぁ…」
廃れたなりには何時もより人が増え始めた桃月商店街の片隅を、姫子は一人とぼとぼと歩んでいた。
その足が重いのは学校を飛び出してから元々低い限界を通り越してまで走り続けた(実際最後は
歩いた方が早いほどに減速していたが)反動というのもあったが、もちろんそれだけではない。
誰のせいか、と聞かれれば「玲」と答える事になるのだろうが、生憎今はそんなことを聞いてくれる
都合のいい友人を連れてはいない。するとその憤りや悲しみは、吐き出されることなく延々と姫子の
心の中を駆けずり回った。
少なくとも姫子は、今まで友人に裏切られた事などは無かった。女子特有の「いたずら」である
陰湿な嫌がらせなどは度々受けた事が無い訳ではなかったが、そんなことをする奴等を姫子は
「友人」などと認識した事も無く、比較的仲の良い仲間と居てそれが楽しければ、そんな事は
苦に感じた事も無かったのだ。
だが、今回はいささか事情が違った。それが姫子をコテンパンに叩きのめしていた。

最愛の「友人」であった筈の玲に裏切られた。
姫子は少なくとも、そう思い込んでいる。
ベッキーを気絶させ嫌われてしまった時も気遣ってくれたし、漫画を切り刻まれた時も僅かな
態度の変化に気付いて心配してくれていたのだと、そう思っていたのだ。
だが今となってはそれら全てが玲の計算ずくの行動に思えた。考えても見ろ、私がベッキーを
気絶させてしまったのも元はといえば玲に仄めかされてやったことだ。漢字勉強の為に朝早く
登校したあの日も、私が刻まれた漫画に気付いて慌てふためき落ち込むのを見るために、玲は
あのタイミングで教室に入って来たに違いない。そうだ、思えば玲の挙動にも何処と無く落ち
着きがなかったではないか。だが想像したより私が感情の変化を表さなかったから更に陥れようと
優しい気遣いを見せたような言葉を投げかけ、明日登校した時に机の上にある千切られた漫画を見て
絶望する私の姿を見ようとせっせせっせとあの時のように漫画を切り刻んでいたに違いない
そりゃそうだ机の中ならまだしも教室中の人間の目に付く場所に置いておけば私ももう取り繕う事は
106The most calamity:2006/09/12(火) 17:53:44 ID:???
できないだろうその姿を見て玲は心の中でほくそ笑みまた私に優しい言葉を投げかけるに違いなかっただが
残念だったなくるみちゃんに呼ばれた私があんな時間に教室に来るとは思わなかっただろうだとすると
今度はもっと大胆で卑劣な手を使って私を陥れようとするに違いないきっとそうだそれ以外考えられないもう
あいつは信用できないあいつは人間のクズだ近寄りたくも無い言葉を交わす必要も無い惑わされも
しない今一度たりとも信じてなんかやるものか―――。
悲しみが怒りを生み憎しみを生み、とうとう姫子の頭の中は思考の泥沼と化した。そんな姫子の視界の隅には
人の歩を避けながらたまに羽ばたく鳩が、掲示板の端に画鋲で貼り付けられたイジメ110番のポスターが、
肉屋の店先の「世界人類が平和でありますように」のプレートが、歩くたびに捉えては流れていくがどれも
彼女の目に留まることは無く、どれも彼女を救う事は無い。
―ブー、ブー、ブー…
とその時、姫子の左腿が振動による刺激を感知し一時思考を中断する。左ポケットから今だ振動し続ける
薄い箱を取り出し、暫くの間それをじっと見つめていた。その姫子の瞳には、アニメキャラクターの
マスコットがついた携帯ストラップが写っている。やがて振動が止まるとそれを掴んだ左手の親指で箱を割り、
押し上げて一つの携帯電話にした。
―メール受信:1 差出人:桃瀬くるみ
その少し大きめのディスプレイには、そう表示されていた。
今から桃月商店街にある喫茶店エトワールに来てはもらえないだろうか。
本文にには、簡潔にそんな事が書いてあった。
姫子「……」
姫子は久しぶりに誰かに慰めて欲しいかもしれない、そんな事を考えた。
歩くよりも遅かった歩調を、ちょっとばかしスピードアップ。

10740:2006/09/12(火) 17:54:24 ID:???
投下速度も内容ももうだめだめだー
108マロン名無しさん:2006/09/12(火) 22:24:05 ID:???
GJ
何気に意識の流れの手法やプルースト的長文技法が使われているところが文学的。
なかなかクオリティ高いと思う
109マロン名無しさん:2006/09/14(木) 07:26:26 ID:???
ももつきがなく頃に〜綿貫き編〜
110マロン名無しさん:2006/09/14(木) 12:25:19 ID:???
全ては舞台の上で本人達が演じている。
終わったあとは皆仲良く。
111マロン名無しさん:2006/09/14(木) 14:19:55 ID:???
>>109
圭一→修
レナ→鈴音
魅音→優麻
詩音→優奈

ホラーギャルゲーでも修は役に立つ
112マロン名無しさん:2006/09/14(木) 19:23:22 ID:???
梨花→6号さん
はガチ
113マロン名無しさん:2006/09/14(木) 22:02:14 ID:???
「嘘だッ!!」
114マロン名無しさん:2006/09/14(木) 22:36:31 ID:???
東京だと小河内村か。
小河内も御母衣も結局ダムが建設されたけど、八ッ場ダムの例もあるしな。
ひぐらしのダム紛争敗北バージョンも見てみたかった。

ぱにぽにだと掲載誌が同じ事でもあるし宵越し編でやったら面白いかも。
まあ現時点で一番謎が多いシナリオではあるが。
115マロン名無しさん:2006/09/14(木) 22:38:51 ID:???
あ、そうか。何でひぐらし知ってる人多いのかって思ったけど、
今、流行ってるし、同じ雑誌でずっと連載してたからか。
116マロン名無しさん:2006/09/15(金) 00:39:48 ID:???
>>115
揚げ足取りかも試練が
連載「してる」だな。
117マロン名無しさん:2006/09/15(金) 00:43:00 ID:???
マジで揚げ足取りだな。次郎たんが続投すればよかったのにとは言うまい。
118マロン名無しさん:2006/09/15(金) 01:15:33 ID:???
次郎たんは壮太アニメ化の都合もあったろうし、宵越しは外伝扱いだからいい形なんじゃない?
みもりたんの絵も合ってるし、皆殺し編もそのうちコミカライズするかもしれないし。

余談だがみのりとみもりで間違えやすい。
そしてみもりたんがスクエニ作家の常としてぱにぽにに寄稿したイラストはあんまりぱにぽに関係ないw
119マロン名無しさん:2006/09/15(金) 05:01:06 ID:???
どうせ漫画化するならば祭囃子編もお願い・・・

とぱにに関係ないことを言ってみる
120マロン名無しさん:2006/09/15(金) 05:02:21 ID:???
次郎ちゃんに皆殺し、祭囃し続けて描かせたらぱにぽに終わってもGF買い続けてやるよ

とぽにに関係ないことを言ってみたり。
121マロン名無しさん:2006/09/15(金) 16:29:04 ID:???
この委員長に見覚えがあるw
http://www.teatime.ne.jp/infor/lovedeath/char/ld_char.htm
122マロン名無しさん:2006/09/15(金) 17:36:50 ID:???
最初の真帆にくいついた俺は異常ですかそうですか
123マロン名無しさん:2006/09/15(金) 18:52:07 ID:???
>>121
大抵どこのぱにスレ(漫画、アニ2、VIP)にも貼ってあってワロスwww
124マロン名無しさん:2006/09/15(金) 19:08:25 ID:???
あー、俺も見た。このエロゲやりてー
125121:2006/09/15(金) 19:17:33 ID:???
>>123
俺はこのスレにしか貼ってないが、やはりみんなやる事は一緒だな。

スレ違いだが、たまには萌え分投下もいいだろw
126マロン名無しさん:2006/09/15(金) 19:31:04 ID:???
そういえば鬱ぽに絵師の新作来ないな・・・・
127マロン名無しさん:2006/09/15(金) 19:58:00 ID:???
エロゲと言ったら鮎川ひなた
128マロン名無しさん:2006/09/15(金) 23:59:25 ID:???
とりあえずダム建設時の立場を考えてみる。

ベッキー:説得すれば折れそう。望との友情でどうなるか……
姫子:多分賛成派。補償金でオタク三昧する事を夢見る。
都:現実派だが意外に意地を張るかも。
玲:補償金をつり上げる為に反対していると嘯きながら実は一番郷土を愛している。
一条:反対派か。多分反対派のリーダー。
くるみ:郷土愛はありそう。そもそもダムに沈む村自体が地味な存在か。
6号:都民の為にと言われれば賛成しそう。反対派の吊るし上げに会って殺されそうなのが怖い。

というかひぐらしは毒ガスが出るようなところにダム建設して大丈夫だったのか?
129マロン名無しさん:2006/09/16(土) 01:16:19 ID:???
>129
ひぐらしの毒ガスうんぬんは、自然のものではなくて人為的なもの。
悪の秘密結社『東京』の雛見沢村駐屯部隊の切り札だったのです。
130マロン名無しさん:2006/09/16(土) 02:38:59 ID:???
めがっさアンカーミスしてるネタバレを見た。
気のせいか、雛見沢症候群が進行してるのかな・・・あうあうあう
131マロン名無しさん:2006/09/16(土) 21:19:31 ID:???
286 :名無しんぼ@お腹いっぱい :2006/09/16(土) 18:17:07 ID:5iEaQ2G20
なんでぱにぽにっていっつも高等学校の話ばっかりなんだ?
だからそれぞれの将来のストーリーについて考えてみた


姫子→フリーターになるが生活苦で過労死
玲→社長秘書になるがヤクザに挑発し、その後行方不明となる
くるみ→やがて誰にも「地味」と言われる事もなくなり、ひっそりと暮らす
一条→意味不明な狂言を繰り返すとして精神病院へ
鈴木→暴力団に呼び出され殺害
都→中小企業に就職、人生の敗北を味わい自殺
ベッキー→生徒にレイプされ、妊娠・中絶、閉経
ベホイミ→テレビ番組で自宅訪問中、銃やナイフが見つかり逮捕
ズーラ→薬物使用により陸上界永久追放
南条→父さんの会社が倒産、飼えなくなったペットを山に放したとして逮捕
132マロン名無しさん:2006/09/16(土) 21:49:16 ID:???

「今日は牛乳ビン持ってきたのよ」
6号「そ、それで私に何をさせようと・・・」
「あんたがこの中におしっこするんだよ!」
「パンツ、下ろしなさい!」
6号「うう、もう許して・・・」
「いいから、はやくパンツ下ろせよ!」
6号「グッスン・・・わかりました・・・」

モゾモゾ(パンツを下ろす音)

「はやくおしっこしろよ!」
「スカートで隠してていいからはやくやれよ!」
「はやくしないと利尿剤飲ませるわよ!」
6号「う・・・うぅ、わかりました・・・」

ジョ、ジョ、
ジョボジョボジョボジョボ、
ジョ、ポト、ポト(牛乳ビンの中におしっこをする音)

「きゃはははははは!!ホントにおしっこしてる!!」
「黄色いのがこんなにいっぱい!」
「ねぇ、これスポイトで17mlずつピペットでバイアル瓶に分けて、日本中のヲタに、一本\1780(税別)で売って、みんなで金儲けしようよ!」
「シッ誰か来た!!帰るよ。おい、余計な事しゃべるんじゃないよ!」

6号「う、うぅ、グス・・・・・ひっく」
133マロン名無しさん:2006/09/16(土) 21:52:16 ID:???
それが黄色いバカンスか
134マロン名無しさん:2006/09/16(土) 23:44:07 ID:???
最近聴かなくなったなあ。
135マロン名無しさん:2006/09/17(日) 13:18:03 ID:???
360 名前:名無しんぼ@お腹いっぱい 投稿日:2006/09/17(日) 11:03:22 ID:QdRSeEtk0
>>286
SF風に変えてみた

姫子→メカ姫子を操り、機械で人々を支配する恐怖の独裁者として恐れられる
玲→機械帝国に立ち向かうレジスタンスのリーダーとして、かつての親友と戦う
くるみ→地味と言われることに反発する余り、全身に電飾を巻きつけた正体不明の改造人間に
一条→どこかへ姿を消すが、人々に「砂漠を放浪する謎の賢者」として噂になる
鈴木→多数のクローンが生み出され・・・
ベッキー→その頭脳は人類最後の希望とされるが、突如謎の死を遂げる・・・しかし彼女はまだ生きているという噂が広まる
都→教え子の死に意気消沈する教授を励ましながら、ベッキー生存の噂を追って世界中を旅する
ベホイミ→ある兵士に協力して子供たちが姿を消す怪事件を解決するが、魔法によってホイミスライムにされる
ズーラ→機械帝国の支配に抗議するメッセージを込めたオリンピックの競争で一位になるが、謎の凶弾に倒れる
南条→メカ姫子に襲撃された怜たちを象部隊を率いて救出する、その姿は古のハンニバルのようだった
夢子→突如あらわれた姫子そっくりの少女
136マロン名無しさん:2006/09/17(日) 16:28:59 ID:???
6号さんはナデシコの艦長に決まってんだろ
137マロン名無しさん:2006/09/17(日) 17:54:08 ID:???
るりるり?
138マロン名無しさん:2006/09/17(日) 18:36:29 ID:???
ルリルリ
139マロン名無しさん:2006/09/17(日) 20:18:34 ID:???
ルリ
140マロン名無しさん:2006/09/17(日) 20:58:53 ID:???
ロ(ry
141マロン名無しさん:2006/09/17(日) 21:12:29 ID:???
391 :名無しんぼ@お腹いっぱい :2006/09/17(日) 18:12:16 ID:R7UkghOl0
>>286が好評なので続き

柚子→気ぐるみが好きと聞き、友人がアイアンメイデンに入れて殺害
優奈・優麻→アイドル養成学校に行くが、学費を納めるだけでデビューさせてもらえない
メディア→主人の腕を折ったとして指名手配、逃亡中
芹沢→寝癖ができるのが嫌で、頭蓋骨をのこぎりで削り死亡
綿貫→悪徳ダイエット商品にはめられリバウンド、体重250キロオーバーになり一生介護生活
乙女→消防所に就職、働きぶりが認められ「背が低くても頑張っているで賞」をもらう
鈴音→女子プロを始めるが自慢のチョップが世界に通用しない事を知り一勝もできず引退
宮田→グラビアアイドルになるが売れずAV女優になり、エイズをうつされる
142マロン名無しさん:2006/09/17(日) 21:16:09 ID:???
本スレのヤツか。
143マロン名無しさん:2006/09/17(日) 22:54:06 ID:???
中二病か
144マロン名無しさん:2006/09/18(月) 04:37:36 ID:???
一度でいいのに、調子乗るから・・・
145マロン名無しさん:2006/09/18(月) 11:29:26 ID:???
こちらスネーク、桃月学園に潜入した!2
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1158475275/

ぱにぽにコピペのコピペ
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1137304665/

ジョジョの奇妙なぱにぽに
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1135848346/

こんなぱにぽに・ぱにぽにだっしゅ!は嫌だ!!
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/asaloon/1127188499/

ぱにぽに黙示録カイジ
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1150091764/

ぱにぽにサッカー
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1138623205/

ぱにぽにで1番かわいいの決めちまおうぜ
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1145874599/
146マロン名無しさん:2006/09/18(月) 16:25:37 ID:???
こういうのいらない気がする・・・
147マロン名無しさん:2006/09/18(月) 21:16:19 ID:???
そうか?結構通じるものがあると思うけど…。
ネタスレのリンクは本スレにも貼られてないし。
148マロン名無しさん:2006/09/18(月) 21:17:16 ID:???
このスレにはいらないんじゃないの?
149マロン名無しさん:2006/09/18(月) 23:07:02 ID:???
何か最近スレの雰囲気悪くないか。
これじゃ職人さんも投下出来ない気がする。
150マロン名無しさん:2006/09/18(月) 23:12:42 ID:???
はいはい
この話題はここまで。
151マロン名無しさん:2006/09/19(火) 12:09:27 ID:???
早く職人さんこないかなぁ〜
152マロン名無しさん:2006/09/19(火) 14:24:54 ID:???
まったり待つべ。
153マロン名無しさん:2006/09/19(火) 22:45:53 ID:???
時計応募しそこねたああ
あああああ欝
154穴の中の二人:2006/09/20(水) 20:16:18 ID:???
二人は穴の中。穴の中に落っこちた。姫子と玲は落っこちた。
誰も助けに来やしない。穴の外はもう真っ暗だ。
こんなことが前にもあったね。あの時は一条さんが一緒だったんダヨ。
今度は玲ちゃんと一緒だね。二人きり。恐いけど、ちょっとドキドキ。
――なぁ、姫子、何で私たち落ちたのかな?
それはね、玲ちゃん。そうした方が話が面白いからダヨ。
――何かイヤだなぁ、早く外に出たいなぁ。
私もそう思う。だけど誰も助けに来ない。私たちは二人きり。
――一条のときはどうやって助かったんだ?
一条さんはね、一条さんだけど一条さんじゃなかったんダヨ。
――一条は一条さ。一条以外に他に何の一条がある?
あれあれ、玲ちゃん。私と一緒に落ちたのは。あの人は玲ちゃんの知っている一条さんじゃないんダヨ。
――じゃあ、お前と一緒に落ちたのは一体どこの一条で無い一条なんだ?
それはね。ちりん、と音が鳴る一条さんさ。玲ちゃんの知っている一条さんは音がしないでしょ?
――ああ、そうか。音の鳴る一条なら私の知っている一条とは違う一条だな。私の知っている一条と一緒に見たことがあるわ。
一条さんなら何とかしてくれるよ。私たちの一条さんとは違う一条さんならね。何か寒くなってきたね。
――ほら、こっちに来て体を寄せろ。暖まるぞ。
わぁい。玲ちゃんの身体柔らかぁい。でも冷たいカモ。さすが悪魔だね。
――余計なことを言うと蹴飛ばすぞ。本当に寒くなってきたな。私も寒い。
寒いの、玲ちゃん?よぅし、私が抱いて暖めてあげよう。動いちゃダメダヨ♪
――凍えて動けない。身体が動かない。
それは大変だぁ。玲ちゃん、死んじゃダメダヨ。助けが来るまでがんばって!
――頭が痛いと思ったら血が出ているみたいだ。視界が暗い。
それは夜だからダヨ。玲ちゃんは死なないよ。私も死なないよ。二人とも元気ダヨ。
155穴の中の二人:2006/09/20(水) 20:16:53 ID:???
――そういえばこんな状況、前にも見た気がするな。
玲ちゃんも落っこちたの?アハハ……ドジだねぇ、ドジッ子玲ちゃんカワユスなぁ。
――ある漫画だった。一緒にお前とベッキーも落ちたんだ。
漫画?玲ちゃん、漫画なら私に任せてよ。超ぱにぽに君ダヨ。
――ベッキーは死んだんだ。穴に落ちて頭が割れて。血がだらだら。
うわぁ、それはオメガ大変カモ。私はどうなったのカナ?
――ベッキーはまだ生きていると言うんだよ。死んでいるのに生きていると。
生きていなかったら死んでいるというのにおかしな話だね。
――そうさ。お前はおかしかったのさ。ベッキーに話しかけたり、死体についた虫を口で吸ったり。
マヒャン♪まるで私が変態みたいだね。変な漫画だよね。それで、オチはどうなるの?
――姫子が狂うのさ。そして私の頭を石でポカリ。私は昇天さ。
あらら。私が玲ちゃんを殺しちゃうのかぁ。困ったなぁ。できるかなぁ。
――おい、姫子。まさかお前、私を殺そうとは思っていないだろうな。私はベッキーの死体を埋めたりはしていないぞ。
やだなぁ、玲ちゃん。漫画と現実を一緒にしちゃダメダヨ。私が玲ちゃんを殺すわけ無いじゃない。
――おお、そうか、そうか。それを聞いて私は安心したよ。
だって、もうそんな必要ないんだもの。
――アア、どういうわけか、ねむくなってきたよ……
それはね、玲ちゃん。玲ちゃんの頭が大変なことになってきたからだよ。
――それはこまったな。ひめこ、なんとかしてくれ。たすけテクレ……
モウムリダヨ。ワタシニハドウシヨウモナイ。
――ヒメコ、ヒメコ……ワタシハドウナル、ドウシテコンナニアタマガイタインダ……?
フフフ……ア!レイチャンノアタマガオオカジダ。タイヘンダ!シンジャウヨ、シンジャウヨ!
――ヒメコ、タスケテ、タスケテ……
アハハハハ……オオカジダ、オオカジダ!アハハハハハハハhhhhhhhhh
156穴の中の二人:2006/09/20(水) 20:17:43 ID:???
 その晩、桃月町内に多数現存するという旧日本軍防空壕跡の一つに落ちたとされる私立桃月学園の生徒一名が保護されることとなりました。

――え?はい?……いいえ、保護されたのは一名です……

――死体?警察発表ではそんなものはどこにも無かったそうですが……

――そんなはずは無いといわれても困ります。見つかったのは少女一人です。精神錯乱状態でした。それは確かです……

――え?姫子は無事かって?同学園一年C組の片桐姫子さんですよね?彼女は無事ですよ。当たり前じゃないですか。どうしたんですか?

――穴に落ちたときの怪我?ちょっと……何を仰っているんですか?姫子さんは穴になんか落ちていませんよ?私、そんなこと言いましたか?

――……はい?穴に落ちた生徒?橘玲さんですよ。一人だけです。まったく、変なこと言わないでくださいよ。穴に落ちたのは彼女一人だけですよ!


<完>
157マロン名無しさん:2006/09/20(水) 20:52:59 ID:???
これは読めた
158マロン名無しさん:2006/09/20(水) 21:13:46 ID:???
よくわからない俺は童貞
159マロン名無しさん:2006/09/20(水) 23:09:42 ID:???
童貞じゃないけどわかりませんでした。
160マロン名無しさん:2006/09/21(木) 17:32:51 ID:???
「桃月学園の殺人鬼」

1−A

雲ひとつ覆われてない静かな夜
来栖柚子は教室に向かっていた
来栖「はぁ……はぁ……はぁ……」
なぜ教室まで走って向かったのかはよくわからない。なにか嫌な予感がしたからに過ぎない

芹沢と一緒に帰っていたとき二人が同じものを学校に忘れていたのに気づいたのは来栖の方だった。
その忘れ物はどうしても明日の朝に提出しなければならず、学校までとりにいこうと話になった。ちなみに来栖はこれを渋っていたが、
芹沢「いいじゃん。どうせこっから近いんだし、一緒に行けば大丈夫だよ!」
と言われたら、はいとしか言いようがなかった。

来栖「はあっ……はあっ……はぁ……」
少し肩で息をしながら来栖は教室の扉の前にたどり着いた。当然中は真っ暗である。しかし、教室の扉は開いていた
来栖「……あれ?」
なんでかなと思う来栖。それと同時に先刻感じた嫌な予感がどんどん膨らんでいった。
来栖「や、やっぱり芹沢さん呼んでこようかな……」
そう決めた来栖はくるりと教室の扉に背を向けた
――――――その時
161マロン名無しさん:2006/09/21(木) 17:42:02 ID:???
――――――ぴゅっ
そんな擬音がしたと思ったのも束の間
何かが来栖の喉に突き刺さった
「!」
それは少し短めのアイスピックだった。
振り向いてはいけない。振り向いてはいけない…… そんな理性を無視して来栖は後ろを振り返った。
それは真っ黒なコートに身を包み、顔を白の仮面で隠した殺人鬼。
何故彼女は殺人鬼と認識したか。それは殺人鬼の右手には鉄斧が握られていたから―――
「き……きゃああああああああああ!!!!!!!!」
わずかな刹那の後、本人はこう叫んだ。つもりだったのだが、喉にアイスピックが刺さったままなので声が全くでない
殺人鬼はなんの躊躇もなく斧を彼女の頭上から振り落とした

即死だった。
来栖の頭から血がどくどくと流れ出ている。
その様子を少しばかり堪能した殺人鬼は無言で次の作業にとりかかかった。
162マロン名無しさん:2006/09/21(木) 17:53:59 ID:???
1−B

桃月警察署取調室

―――これで……13回目の事情聴取かい?
はい……もうそれだけも受けたんですね
―――……うん。これまで何回も聞いたかもしれないがもう一度あの事件の経緯について説明してくれないか?
はい。わかりました。
―――どうして急にああいうことに移したのかね?
あれは……そもそものきっかけはあそこにあった白い仮面に私が興味を持ったのがはじまりでした。
何度か説明したと思うのですがあの時あの仮面から何かその、オーラとでも言うのでしょうか?
そのようなものが出ていたのです
―――……ふむそのオーラが出ていたので仮面をつけてみたら、ああいうことになった。と
はい。でも、私が仮面をつけている間は自分が何故こういうことをしていたのかが理解できなかったし考えもしなかったけど
不思議と仮面をつけているあいだ自分がどういうことをしたのかを鮮明に覚えているんです。
別の言い方をするなら……「目」だけ自由になった。とでも申しましょうか。
とにかく不思議な感覚でした。そしてそこから入ってくる情報には何の嫌悪感も覚えずただ、ひたすら処理するだけでした
163マロン名無しさん:2006/09/21(木) 17:55:09 ID:???
はじめてこんなの書いてみました。
ちなみに1−Aというのは別にクラス名とかそういうことではありません
164マロン名無しさん:2006/09/21(木) 18:28:33 ID:???
>>163
イイヨイイヨー
つまり第1章のAパート、Bパートという訳か
165マロン名無しさん:2006/09/21(木) 20:02:08 ID:???
来栖がああああ!!

・・・こういうのすごく好きだ。
166マロン名無しさん:2006/09/21(木) 23:06:39 ID:???
芹沢が殺したのカナ
167マロン名無しさん:2006/09/21(木) 23:24:20 ID:???
芹沢がレイープされてほしい
168マロン名無しさん:2006/09/22(金) 08:34:43 ID:???
来栖って死ぬの似合うと思う。 死にキャラっつーか・・・
169マロン名無しさん:2006/09/22(金) 16:18:09 ID:???
>>168
捨てkゲフンゲフン
170ラストマホ・スタンディング:2006/09/22(金) 17:50:59 ID:???
第二十部 ベホイミの遺言

<11月28日 1800時 1-C教室>

 姫子は手持ち無沙汰に教室に残っていた。
もう今の彼女には何も残されていない。まさに何も無かった。
失うものが無ければ、黒幕の殺し屋に辿り着くための糸口すらも無かった。
 来栖は最近になってようやく具合もよくなってきたというが、依然ベホイミの遺言の在り処を語るほどではない。
芹沢は、自分の穢された身体を来栖の前には曝したくないと、彼女になかなか会いに行けずにいるようだ。
ベホイミの殺害事件については、警察の捜査はやはり全く進展無し。
 姫子はまるで身動きが取れなかった。せめて玲からもう少し何か有益な情報が聞ければよかったのだが、いまさらそんなことを言っても仕方がない。
とにかく、姫子は何もするわけでもなく、教室で無駄な時間を過ごしていた。
 姫子は、気だるく頭を持ち上げた。
誰もいない教室に、誰かが入ってくる気配がした。
「あ、6号さん?まだ残ってたんだ」
「姫子さん、帰らないんですか?」
「何か最近教室に遅くまで残る癖がついちゃったんだよね」
「門限は無いんですか」
「家出以来そんなのもあった気がするけど、もちろん無視だわさ」
「姫子さんは悪い子ですね」
「6号さんはいい子だね」
と、他愛も無い会話をしているうちに姫子はあることに気がついた。
「6号さん、それ、私があげたリボンと違う・・・・・・」
 別にリボンなど何本持っていようが本人の勝手だが、姫子の気になったのは、それが左右で全然違う色だったことだ。
右が白っぽい色で、左は水色。余りバランスがいいとは言えないカモ・・・・・・
「こ、これは・・・・・・!」
「私が別のに結び直してあげるよ」
「ダメです!これは、いけません!」
171ラストマホ・スタンディング:2006/09/22(金) 17:54:02 ID:???
 姫子は抵抗する6号の左のリボンを掴んだ。水色の大きなリボンが解け、姫子の手に移った。
「あぁ!ごめんなさい、来栖さん!」
「来栖・・・・・・?」
 あれ!?よく見ると、これは来栖ちゃんのリボンじゃないか!
 姫子は気持ちの高揚するのを抑えきれなかった。
リボンをよく見ると、真ん中辺りに切れ込みが入っていて、隠しポケットがついている。
姫子は強烈な期待に胸躍らせて、中を探った。
・・・・・・あった。あったぞ!
 思ったとおり、そこから、極微小なマイクロチップと妙な文字の書かれた紙屑が出てきた。
まさかこんなところに隠して、しかもそれを6号さんに預けていたとは、神様だって気がつかないだろう。
いやはや、そういうことだったのか!
「それは・・・・・・誰にも見せちゃいけないって・・・・・・来栖さんが・・・・・・でも、あのすぐ後に彼女が襲われて、それで、私、怖くなって・・・・・・」
 珍しく表情を崩し、怯えた様子の6号さんを、姫子はそっと胸に抱き寄せて落ち着かせた。
「ありがとう、6号さん。お陰で助かったよ・・・・・・よく、よくこの重荷に耐えたね・・・・・・」

 すると、その時、都が教室に入ってきた。
そうして、中で抱き合う二人を見て、混乱のあまり何処の言葉かも分からない言葉で喚きたてた。
姫子と6号さんは困惑した。――説明するのが面倒くさい。

 ようやく落ち着いた都に事のあらましを軽く説明した後、姫子はこのベホイミの遺言を丹念に調べていた。
都にはこれがベッキーの件に関係があると言っただけだったが、彼女はそれだけで全てを理解したようだった。
6号さんの方は首を傾げっ放しだったが、いくらなんでも、もう最初から説明する気は起こらず、第一信じてもらえるとも思えない。
 姫子は黙ってマイクロチップを眺めていた。
これは特殊な機械を使わないと再生できないようだ。
しかし、この紙屑は何だろう・・・・・・?
172ラストマホ・スタンディング:2006/09/22(金) 17:56:53 ID:???
「ちょっと見せて・・・・・・」
都がそれを手に取った。紙には以下のように書かれていた。

ewwewwmr
iurp
leqeher
/operation#434-plus

「何語・・・・・・?」と、姫子。
「さぁ?でも、この一番下の文は英語ね」と、都。
「そもそも、何ですか、これ?」と、6号。
 都は紙を持って歩き回り始めた。一番下の文を解読すると、「434号作戦甲」くらいの意味かしら・・・・・・しかし上の三行は・・・・・・?

「4号先輩、元気カナ?」
 姫子は突然素っ頓狂なことを言った。
「6号さん、4号先輩に会ったことは?」
「いいえ、ありません。それよりこれは一体何ですか?」
「知らないほうがいい。死にたくなければね」
「えっ・・・・・・?それはどういう意味ですか?」
「最近読んだ漫画の話」
「なんだ・・・・・・脅かさないでくださいよ」
 くだらない雑談をさしおいて、都はじっと考えていた。434、434、43・・・・・・あ、そうか。
都は何かを思いつき、ボールペンを取り出して机の上にアルファベット26文字を順に書き出した。
姫子と6号はその様子を不思議そうに眺めていた。
 文字の書き出しが終わると、都はボールペンの先を文字の上に踊らせ、頻りに何か数えては、ペン先の止まった文字を書き写していった。
「都ちゃん、何かわかったの?」姫子が尋ねる。
 都はその言葉には気にも留めず、文字を書き写し続け、やがてそれを終えると、満足げにニンマリと笑った。
「都さん?」と、今度は6号。
「あぁ?――あ、ごめん、ごめん。わかっちゃったのよ。この暗号の意味が。何のことは無いわ。とても単純な言葉遊びだったのよ」
173ラストマホ・スタンディング:2006/09/22(金) 17:59:01 ID:???
「暗号?」
「‘434-plus’というのはコード・キーよ。上にあるめちゃくちゃな文字列三行が上から順に4、3、4に対応しているの。
プラスというのはアルファベットの並びに従って順番をそれぞれ四つずつ、三つずつ、四つずつ繰り上げろということなのよ。
例えば――

e(+4)→d→c→b→a
i(+3)→h→g→f
l(+4)→k→j→i→h

――こういった具合に。それで、このコードを例の三行に当てはめると・・・・・・」
 都は得意げな顔をして文字列の翻訳変換をして見せた。
姫子と6号は忙しなく机の上を動き回る都のペンの動きに夢中になっていた。
「‘ASSASSIN FROM HAMADAN’。ほらね。意味の通じる言葉になるわ」
「ハマダーンの暗殺者?どういう意味なのカナ?」
 都はしゃがみ込んで、頭を抱えて考えていた。
いや、考えているというよりは何かを思い出そうとしているようだった。
姫子と6号さんは相変わらず何なのか分からない。
 突然都は立ち上がると、何も言わずに教室を飛び出した。
後に残された二人は互いに顔を見合わせて都の不可思議な振る舞いに首を傾げていた。
ふと、窓の外を見ると、既に真っ暗闇だった。

 しばらくして都が急きかけて戻ってきた。その手には分厚い、黴臭い本を抱えていた。
「何してたの、都ちゃん?」
「図書室に行ってこれを持ってきたのよ」
174ラストマホ・スタンディング:2006/09/22(金) 18:00:45 ID:???
 都の手にした古書に目をやると、そこには『歴史(注解)』という題名が書かれていた。
かのヘロドトスの書物を解説入りで翻訳したものであるとのことだ。
そして、都はそのうちの一節を指差して、二人に提示した。
「これを見てよ。ハマダーンってどこかで聞いたことがあると思ったら、今のイラン北西部にある山岳地帯なのよ。
前ペルシア時代に於ける考古学上、とても重要なポイントの一つだから私も覚えていたのね」
「なる。それで?」
「ハマダーンは昔、エクバタナと呼ばれていたのよ。
交易や商業が盛んで、非常に繁栄した大都市だったみたい。
――そして、そこを首都に抱え、当時の一世を風靡していたのが・・・・・・メディア王国」
「メディア・・・・・・?」

 姫子の中で何かが閃いた。
彼女の頭の中で、バラバラに散在していた各要素――イランの情報機関――ペルシア貿易事業部――イスラエルに雇われた殺し屋――謎のメイド転校生。
それらが一本の線でつながり、生まれ出た或る決定的な考えが姫子の意識を取り巻いた。
「・・・・・・メディアだ」
 姫子は、自分に言い聞かせるように言った。
――と、その時、突如、校舎内の照明が一気に落ちた。
175ラストマホ・スタンディング:2006/09/22(金) 18:02:52 ID:???
第二十一部 一瞬の油断

<11月28日 1930時 1-C教室>

 停電か?怯える6号さんとパニックに陥る都を宥めつつ、姫子は辺りの様子を窺った。
アフリカ時代の習いで、すぐに窓のカーテンを閉めると、身を屈めて息を潜めた。廊下や周りの教室には何の気配も無い。
「ちょっと見てくる。ここから動いちゃダメダヨ」
 姫子はできるだけ彼女らを刺激しないように穏やかに言った。
「待ってください、姫子さん・・・・・・置いていかないで下さい」
6号さんがか細い声で訴える。
「ダイジョービ。すぐ戻ってくるから。都ちゃん、6号さんをよろしく」
「え・・・・・・ええ、わかったわ」
 都だって旅慣れしている。この程度のことでいつまでも動揺している訳にはいかなかった。
 姫子はマイクロチップをポケットにしまい、二人が教室の隅で身を伏せるのを確認すると、忍び足で廊下に飛び出した。
気配は無いが・・・・・・だが、何か嫌な予感がする。姫子は他の部屋の電気も探ってみたが、どうやらブレーカー単位で電源が落ちているらしかった。
 姫子は野生の獣の様な俊敏さで回廊を駆け巡り、何の異常も無い事を確認した。
――ほんの数ヶ月前だが、しかし何十年も昔のことのように思えるあのアフリカの戦場を思い出し、加速するアドレナリン・ハイに、少しばかり居心地のよさすら感じていた。
ああ、やっぱり私はそっちの世界の人間なんだなぁ・・・・・・
 姫子は不意にあることを思いつき、女子トイレへ駆け込んだ。ゴミ箱を覗くと、やはりあった。
あの時捨てたアイスピックが、まだ回収もされずに残っていた。
血によって貼りついたトイレットペーパーを剥がし、姫子はそれをスカートのベルトに差すと、急いでC組の教室に戻った。
今になって、彼女たちを残してきたことの迂闊さが後悔の種になっていたのだ。少なくとも、関係のない彼女たちはすぐにここから脱出させたほうがいい。
 姫子は教室に戻ったが、闇の中に二人の気配が無い。
そっと小さな声で二人の名を呼んでみたが、返事も無い。まさか――
 と、次の瞬間、教室の照明が戻り、姫子は余りの眩しさに目を被った。
そして、明るい部屋の中にようやく目が慣れてきた頃、そこに突っ伏す都と6号さんの亡骸を発見したのだった。
176ラストマホ・スタンディング:2006/09/22(金) 18:04:06 ID:???
ここまで。次回が最終回カナ?
すぐに投下できると思われます。
177マロン名無しさん:2006/09/22(金) 19:46:08 ID:???
>>176
GJ
完成度高いな。
178桃月学園の殺人鬼:2006/09/22(金) 20:40:49 ID:???
2−A

芹沢茜はD組の教室の中にいた。
その忘れ物は自分の席の中にあると思っていたので明かりをつけなかったのだがやっぱり暗いので明かりをつけようと入り口に向かった。
「あっ」
目があってしまった。彼女の目の先には自分が殺人鬼用に被っているアイスホッケーの仮面とは違い純白の仮面だった。だからこそそこについている水滴のようなものが気になった
「血・・・・・・・・・?」
そんなのんきなことを考えていた彼女に闇は突然訪れた。
殺人鬼が芹沢の顔面を思いっきり殴ったからだ。


芹沢は目を覚ますと自分の置かれている状況をすぐには理解できなかった
口は猿轡をはめられ、手足はロープで縛られ、全く身動きができない
「むごーっ! むごーっ!」
するとそこに作業を終えた殺人鬼が帰ってきた。手には何か持っているが芹沢はそれがなにかよくわからなかった。
「ぎゃふっ!!」
いや、わかろうとする時間がないといった方が正しいか。殺人鬼は芹沢が目を覚ましたのを見るなり思いっきり彼女の顔面をなぐった。何発も。何発も
最初は抗議の声を上げていた芹沢も何発も殴られるにつれ意識がもうろうとしてきた。そのせいか彼女はいつのまにか猿轡が外されているのにも気づかなかった
「・・・・・・あぅ?」
何かが芹沢の舌に載っている。それが何なのかは彼女は意識を働かせる前に殺人鬼はこういった
「それを食え。」
「食ったら助けてやる。ちゃんと噛んで食べろよ」
言われるままに彼女はそれを噛んだ。するとそれを噛んだとたん彼女は強烈な嘔吐感におそわれた
「ああああ・・・・・・げほっ、げほっ」
それを見た殺人鬼は左手に持っていたものを彼女に見せた
「!!!!!!!あああああああああああああああ!!!!」
驚きのあまりはじめは声が出なかった。それを見せた殺人鬼の顔が狂気の笑みで歪んでいたことなど彼女は見もしなかった。
「く、く、来栖ちゃああああああああん!!!!」

殺人鬼の左手には右目を切り抜かれた来栖柚子の生首が掲げられていた
179桃月学園の殺人鬼:2006/09/22(金) 20:50:42 ID:???
「ああああああああ!!!!!」
まだ叫び声を上げる芹沢に対し殺人鬼は次の行動に移った
右手からペンチを取り出し彼女の舌を思いっきり引っ張る
ぶちっ
芹沢の口内は舌を切られたことによる血と強烈にわき上がってくる胃液それにまだ残っていた目玉があった。
「ああああ・・・・・・・・・ふるふあん、ふるふあああん(来栖ちゃん、来栖ちゃん)・・・・・・」
今彼女の中を支配しているのは吐き気でもなく恐怖でもなく「来栖ちゃんの一部が自分の中に入っていく」という事実だけだった。
「はあああ・・・・・・・・・」
そのことに彼女はむしろ幸せを感じていたのかもしれない。
自分の大切な親友(いや、それ以上だったかもしれないが)が自分の中に埋め込まれていく感覚・・・・・・
いつのまにか彼女はすべてのものを飲み込んでいた。
その様子を見た殺人鬼はくすくすと笑い声を漏らすと斧で彼女の首を切断した。
そして血にまみれたD組教室を殺人鬼は後にした。
(獲物は・・・・・・まだいる)
180桃月学園の殺人鬼:2006/09/22(金) 21:05:24 ID:???
ごめんなさい
Bは明日書きます
181マロン名無しさん:2006/09/22(金) 21:08:22 ID:???
>>176
待ってました。続き期待。

>>180
芹沢の舌が・・・ナランチャを思い出しました。
182ラストマホ・スタンディング:2006/09/23(土) 02:25:59 ID:???
引き伸ばすのもアレなので、一気に最終回に入ります。
183ラストマホ・スタンディング:2006/09/23(土) 02:28:33 ID:???
第二十二話 イランからやってきた女

<11月28日 1950時 1-C教室>

 ダメだ。二人は死んでいる。
首の骨が折られ、あらぬ方向に顔が捻られている。
6号さんに至っては、折れた頚骨が首の皮膚を突き破り、夥しい血とともに白いササクレが外に顔を出していた。
争った形跡がないところを見ると、暗闇に慣れたエキスパートの仕事と見て間違いが無い。
罪の無い友人を二人も殺されてしまった。これで彼女たちの分のかたきもとらねばならなくなった。
 姫子が二人の死体を前に次の一手を案じていると、突然廊下の方から人影が現れた。
姫子は咄嗟に身構えたが、相手は動じることなくゆっくりと近づいてきた。
そして、電燈の明かりの下にその姿を曝した。メディアだった。
「姫子さん。こんばんは」
「・・・・・・アンタが一部始終の大黒幕だね?」
「プロモーターという意味ではその通りですね」
 メディアはニコニコとして姫子を眺めている。手に武器は持っていないようだ。
「お話しましょう。そこにお座りください」
「いいだろう。全部話してもらおうカナ」
 姫子とメディアは学習机を隔てて対峙した。
お互いの相手は、姫子にとっては最大の仇、メディアにとってはこれまで同様、邪魔な反抗分子の一人である。
しかし、考えていることは、きっと同じことだろう。
「まずは、アンタが何者なのか教えてもらいたいね」
「私はメディアです。それ以上でもそれ以下でもありません」
「変な名前だね。どうせコード・ネームか何かデショ?」
「私のような職業の者は、必要に応じて適宜名前を新たに作るので本名は必要ないのです」
184ラストマホ・スタンディング:2006/09/23(土) 02:30:44 ID:???
「どこから来た?」
「ハマダーンです。ベホイミちゃんの暗号によれば」
「テルアビブじゃないのか?イスラエルの」
「そうかもしれません。違うかもしれません」
「・・・・・・ま、アンタの口から真実はひとかけらも出ないだろうね」
「そうですか?では、1979年にホメイニが扇動したイラン・イスラム革命をご存知ですか?」
「あいにく。歴史の話は都ちゃんに・・・・・・アンタが殺しちゃったけどね」
「それ以前にイランを支配していたパフラヴィ王朝には元来、近代的な情報収集機構が無かったんです。
当時は東西冷戦の真っ只中で、これではいけないと踏んだ時の為政者(シャー)は高度に組織された情報機関の設立を目論みました。
それで、その時に手を貸したのが貴女の言わんとしている、イスラエルの情報機関モサド・・・・・・これで私の複雑な立場を理解していただけましたか?」
「よくわからんが、まぁよしとするよ。ベッキーを殺したのは彼女にユダヤ人の血が流れているから?」
「あらあら、なんだ、ご存知でしたか。本当はもっと複雑なのですが、突き詰めればその通りです」
「あの教授はアンタの正体を?」
「いいえ。随分前に依頼を受けて教授に接近したのですが、いろいろと手続き上の問題でなかなか宮本先生に辿り着けずにいたんです。
そんな時、彼が良い具合に導いてくれたので助かりました」
「彼はうまく利用されていたのね・・・・・・それなら、一条さんはどうして?」
「彼女は宮本先生の死因が自殺でない証拠を知っていたためです。
単純なことです。はじめ、先生の首吊り死体の下に椅子を倒しておくのをすっかり忘れていたんです。
それが無いと、明らかに宮本先生の背丈では、自分で自分の首に縄をかけられないことになりますよね。
私って、時々こういうドジをするんですよね。
一条さんが通報するために目を離した隙に、すぐに椅子の小細工を追加したんですが・・・・・・まさかあの状況でそのミスを見破られるとは。
彼女の観察力と記憶力は脅威でしたね」
185ラストマホ・スタンディング:2006/09/23(土) 02:36:41 ID:???
「目撃者は消したわけね・・・・・・ベホイミちゃんを狙撃したのもアンタ?」
「なかなか難儀しましたよ。調達出来た狙撃ライフルとアタッチメント式サイレンサーの相性が予想以上に悪くて。
やはり準備というのは念入りに行うべきだったというのを痛感させられましたよ」
「何故あの時私も一緒に殺さなかったの?」
「あの時点で貴女を殺すことは予定に入っていませんでした。事後処理が面倒ですしね。
しかし、もし彼女が私の名前か、或いは私が他人に知られると困る情報を貴女に漏らしていたら、一緒に片付けてしまうつもりでした。
あの部屋は盗聴器と監視が取り巻いていたんですよ」

 ――なるほど。だからベホイミはあの時わざわざ回りくどい言い方をしてメディアの名前を出し渋っていたのか。
ベホイミは、私に仕事を引き継ごうとしていたのかもしれない。
「一応筋が通っているみたいだね。じゃあ、‘ペルシア貿易事業部’ってのは何?ベホイミちゃんはあそこで何を?」
「出張所のようなものですよ。影の大使館とも呼ばれている工作員の詰め所です。
ベホイミちゃんはあそこに頻繁に通って私の情報を探っていたみたいですね。
私にとってもあそこは重要な情報集積地の一つでしたから」
「合点がいった。と、なると、あそこのオフィスで私を殴ったのも?」
「私ですよ。ベホイミちゃんを尾行していたら、その後ろからあなたが追ってきたものでしたから・・・・・・
人身売買の組織に売ることを思いついたのは私の雇ったチンピラたちですが」
「茜ちゃんを監禁していた連中か」
「そうです。彼女の口を割らせる役は橘さんにお願いしました。骨折り損だったようでしたが」
「聞いたよ。本人の口から。その後彼女は自分なりのけじめをつけた」
「まぁ、所詮は平穏な暮らしから逃れ切れなかった愚かな小娘ですよ。自分の行為の重荷に耐えきれなかったんでしょうね」
「フン、まるで他人事だね」
 姫子は姿勢を崩した。
 メディアは白い手袋で、ポンと手をたたくと、身を乗り出した。
186ラストマホ・スタンディング:2006/09/23(土) 02:37:40 ID:???
「お喋りはここまでです。さぁ、姫子さん、ベホイミちゃんの遺言を渡してくださいな」
「殺してでも奪い取ればいいだろう?どうせ事情を知る人間は皆始末するつもりなんだろう?」
「えぇ、その通りです。しかし、出来れば貴女も楽に死ぬ方が具合がいいでしょう?宮本先生の時は相当暴れて、それはもう大変でしたよ」
 と、言い終らないうちに、姫子はくすんだ瞳に激しい憎悪の炎を宿し、力任せにメディアに飛び掛った。
が、相手は攻撃を予期していたのか、いとも容易く身を翻して姫子の渾身の突進を避けた。
姫子はそのまま椅子に突っ込み、身体を床に激しく打ちつけた。
187ラストマホ・スタンディング:2006/09/23(土) 02:40:45 ID:???
第二十三話 LAST MAHO STANDING

<11月28日 2020時 1-C教室>

 姫子はすぐに立ち上がって体制を直すと、相手と間合いを取って身構えた。
メディアは例のニコニコ顔のまま、こちらも拳を上げて構えた――構えはクラヴマガのようだが、彼女の繰り出すマーシャル・アーツはもっと実戦的なものだろう。
大体、武器を取り出さないところが恐ろしい。戦い慣れた者の素手は、生半可な銃や刃物よりよほど危険だ。
 姫子は試しに相手に正拳を繰り出す
――しかしメディアはそれを受け流し、姫子の腹部に強烈な一打を食らわせる
 ――姫子が屈んだところを、メディアの掌槌が振り下ろされる
  ――後頭部に激しい衝撃を受けた姫子はその場に倒れこむ
   ――メディアは宙高く跳躍し、足で姫子の首を踏みつけようとする
    ――姫子は間一髪で上からの攻撃をかわし、床の上で身体を回し、着地したところのメディアの足を払う
     ――メディアは倒れこむが、姫子が次の攻撃を繰り出す前に組み付き、関節を決めて姫子の首を締める。

 なんて・・・・・・なんて馬鹿力なのだろうか、この女。
そもそもベホイミと異なり、体重量の級数が圧倒的に違うのだ。寝技に持ち込まれたら姫子に勝ち目は無い。
そして今、彼女の首はクランプのようなメディアの豪腕に締め付けられ、顔は真っ赤に染まり、意識が遠退きつつあった。
 姫子がどんなに手足をばたつかせようと、メディアの力は一層強まるばかりで、全く外れる気配は無い。
必死の姫子は腰に手をやると、先刻隠し持ったアイスピックを引き抜き、返し際にメディアの大腿部に、メイド服のスカートの上から突き刺した。

 メディアは叫び声こそ上げなかったが、その腕の力は一気に解除された。
姫子は首に回された腕を振り解くと、振り向く遠心力を利用してメディアの顔面に膝蹴りを食らわせた。
メディアの忌々しい笑顔が歪み、その身体は遥か後方に吹っ飛んだ。
188ラストマホ・スタンディング:2006/09/23(土) 02:43:12 ID:???
 姫子は間髪入れずに飛び掛り、倒れた相手の上に跨ると、無我夢中でその顔面を殴りつけた。
最初の殴打がガードの間に合わない相手に完全に直撃し、相手の顎の砕ける手ごたえを得た。
あとはもう、ひたすら殴り続けるばかりだった。
 そして、相手が微動だにしなくなると、姫子はメディアの腿からアイスピックを引き抜き、彼女の首に突き立てた。

・・・・・・あと一押し。あと一押しで、全ての決着がつく。

 が、そんな状況であったにもかかわらず、何を思ったか、姫子は急にやる気を失って茫然とすると、徐ろにアイスピックを放り投げた。
メディアは息こそしているが、もうピクリともしなかった。
 姫子はゆっくりと立ち上がると、傷だらけの身体を押さえて、フラフラと歩き始めた。
どこに向かって?そんなことは知るわけも無い。
ただ姫子は、虚ろな瞳の先に目標を立てて、歩み出すだけだった。
そして、やっとのことで教室の出口にまでやってくると、振り返って呟いた。
「覚えておきな・・・・・・‘この学園で笑みは死の別れを意味する’ってさ」

 メディアは答えなかった。聞こえてすらもいないのかもしれない。所詮、無意味な捨て台詞だ。
姫子は傷の痛みに顔を顰めつつ、廊下へ出て行った。

 外に出た姫子は、真っ暗な空を見上げていた。
星などひとつもなく、月も見えない。
これが世界だ。これが今の姫子を取り巻く世界なのだ。
姫子のほかに、誰一人として、立っている者はいない。
築き上げられた死体の山に、最後まで立っていた女。それが片桐姫子だったのだ。
 姫子は凍てつく冷気に身体を震わせると、静かに、穏やかに呟いた。

「あー・・・・・・カニくいてぇな」

L.M.S. − Fin.
189ラストマホ・スタンディング:2006/09/23(土) 02:44:38 ID:???
おまけ

姫「・・・・・・あー・・・・・・カニくいてぇな」
玲「おい、ベッキー・・・・・・姫子また寝てるぞ」
ベ「もう知らん(泣)」
190ラストマホ・スタンディング:2006/09/23(土) 02:46:28 ID:???
以上です。
長い作品でしたが、最後まで読んでいただいた読者皆さんに感謝感謝。
また何か、別の作品でお会いするかもです。

それでは、おやすみなさい。
191マロン名無しさん:2006/09/23(土) 03:01:48 ID:???

夢オチワラタ
192マロン名無しさん:2006/09/23(土) 03:10:08 ID:???
GJJGJJJGGGGGGJJJJJ!!
夢落ちは想像外でした。
片桐姫子すげーわ。

193桃月学園の殺人鬼:2006/09/23(土) 07:27:20 ID:???
>>180
2−B

彼は先輩に教わったとおり相手の言いたいことを話させ、適宜相槌をうって質問した。
そして12回近くした質問を初めて質問するかのように彼は聞いた

――そこに来栖さんがいたのは全くの偶然なんだね?
「はい、あれは全くの偶然によるものです。だから、少し焦って簡単に殺してしまったんです。」
――焦って簡単に?
「はい、あの時の私は少なからず動揺していて思わず手に持っていたアイスピックで先を制したのです。
その反動と言いますか、次の殺しはなるべく趣向を凝らしてみたいと考えました」
――どうして芹沢さんをああいうやり方で殺したんだ?
「それは・・・・・・昔読んだ歴史小説に『戦いの最中に右目が引き抜かれ、それを喰らった男』が出てきたのを思い出して試してみようと思ったんです。」
――自分では試さなかったの?
「いや、自分でも試してみましたよ。犬で。」
――・・・・・・犬で?
「はい。」

彼はその言動に逐一メモをとっていく。
いや、実際は以前とられた12回分のメモと示し合わせて「正」の字を書いているだけなのだが
・来栖柚子は全くの偶然で殺した 12回
・芹沢茜の殺害方法は歴史小説の中にある一節を参考にした 8回
・自分は犬の目玉で試してみた 1回
194桃月学園の殺人鬼:2006/09/23(土) 07:35:39 ID:???
3−A

ちょうどそのころ1年D組ベホイミは校門の前に立っていた。
「邪悪な波動を感じるっス・・・・・・」
彼女は勇敢にもそれに立ち向かおうとしていた。
なぜ、彼女はそんなことがわかったのかとか友人のメディアをなぜ一緒に連れてこなかったのかとか疑問はあるがその理由は彼女にしかわからなかった
「きゃああああああああ・・・・・・」
「!!」
今、起こった悲鳴で彼女の体は思わず強ばんだ。間違いないあれはD組の教室から発せられたものだ。
「正義の味方・・・・・・ふふふふ」
これから起こることの重大性を理解していなかった彼女は駆け足でD組の教室へ向かった
195桃月学園の殺人鬼:2006/09/23(土) 07:49:36 ID:???
――ほぼ同時刻。宮本研究室

ここの研究室の主。レベッカ宮本――ここではベッキーと呼ばせいていただく――は何故か片桐姫子と一緒にトランプ遊びに興じていた
「よし、7のトリプル!」
「マホ!?」
「でもって、8カットしてダイヤの3を出して、はい終了。」
「マホーン! また負けちゃったよ〜」
「さあ、この勝負で負けたら帰るって約束しただろ。とっとと帰れ。」
「えー? お願いお願い、あともう1回。もう1回やらない?」
「だめだ。もう7時をすぎてるじゃないか。あそこで寝てる玲と一緒に帰るんだ。」
「うー・・・・・・わかったよ。」
本日19戦19敗だった大富豪をようやくあきらめた姫子はおもむろにたちあがった。
「トイレにいってくる」

姫子がトイレに行っている途中ベッキーはラジオで音楽を聴いていた
実はベッキーはこの時間帯に流れる「本日のゆるゆる音楽」というコーナーが好きだった。
きょうもそれに耳を傾けながら脱力していると急にラジオの音楽が止まった

「番組の最中ですが緊急ニュースです。大田区足柄で現金輸送車襲撃事件が発生
容疑者は殺人の容疑で全国に指名手配中の毒島竜平と他2名。犯人の車は桃月町方面へ逃走したとのことです。繰り返します・・・・・・・・・」
196桃月学園の殺人鬼:2006/09/23(土) 07:57:28 ID:???
3−B

彼は殺人鬼をいったん休憩させ、メールチェックをした。
送られてきた新着メール2通は署長と精神科医によるものだった。
署長からは君の取り調べを最後にするから全力を尽くすようにと
精神科医からは簡単に調べてみたが今のところ容疑者の精神に異常はみられない。というようなものだった
その二つのメールを二度読み返しそして顔を窓の方へ向ける。
「静かな夜だなぁ・・・・・・」
思えばあの夜の惨劇もこんな感じの天気だったような気がする。
そのとき最後に現場に急行した彼が見た光景はそれはひどいものだった。あんな現場はもうこれ以上お目にかかりたくはない
「まだ、あるんだよなぁ・・・・・・」
彼は吸っていたたばこを半分も吸い終わらないうちにもみ消すと取り調べを再開するために殺人鬼を呼び寄せた
197桃月学園の殺人鬼:2006/09/23(土) 08:01:22 ID:???
とりあえずここまで。

>L.M.S.
GJです!まさかこんなオチだとは夢にも思いませんでした。
198マロン名無しさん:2006/09/23(土) 16:51:34 ID:???
>>L.M.S.
貴方に最大限のGJを
199マロン名無しさん:2006/09/23(土) 17:25:28 ID:???
>LMSの職人さん
ずっと読んできて、終わるのが少し寂しいような気もするけど、最後まで姫子は姫子でした。GJ!


>桃月学園の殺人鬼
wktk殺人鬼wktk
200マロン名無しさん:2006/09/24(日) 05:30:26 ID:???
ラストマホ完結gj  最後読んで蟹食べたくなったww
201『ぱにぽにだっしゅ!』訴訟:2006/09/26(火) 01:04:09 ID:???
 みなさんはアニメ『ぱにぽにだっしゅ!』が好きですか?

 中には原作との違いに戸惑い、憤慨し、こんなものは『ぱにぽに』じゃない!と言ってこれを打ち捨ててしまわれた方も居られるかもしれません。
 今回お話しするのは、実はそういった方たちが、放送終了後にとったある一連の行動についてのことなのです。
その行動というのは、なんと、あにぽに(『ぱにぽにだっしゅ!』の俗称)を法的に訴えた、というものなのです。
 いやしかし、原告が単なる熱狂的な原作ファンだと言うのなら、きっと「アホなこと言って司法の手を煩わせるな」とその訴えを棄却されてしまうところでしょう。
ところが、何とも驚き桃の木桃の月、その訴えを起こした原告は、その当事者たちだったのです。
いえ、もっと具体的に言ってしまえば、原告団は『ぱにぽに』の登場キャラクターたちだったのです。
 これは何も原作者や出版者が訴えた、ということではありません。
まさに、作品の登場キャラクターたち本人が、あにぽにの不正を断罪しようと、団結して立ち上がったのです。

 原告団代表の一条さん(原作)は訴訟行動の発端にあたり、次のようにコメントしています。
「――はい。私も最初のうちは自分たちがアニメ化されて嬉しいやら照れくさいやらで興奮していました。
もちろん現物を見るまではとても期待していました。
しかし、蓋を開けてみて、私たちは一同、皆開いた口が塞がらなかったのを覚えています。
あの作品においては、事実が捏造され、私たちの人格や経歴に関し、非常に極端な偏見に基づいた、悪意ある改変がなされていたのです。
私たちはこの、私たちの人間としての尊厳に対する挑戦を、到底看過し得るものではありません。
私たちは作品内での数多くの名誉毀損的、侮辱的表現、または欺瞞に関して、その全ての撤回と公式な謝罪を求めて戦っていく所存であります。
以上です――」
 この件に関するあにぽに側からの公式回答は以下の通り。
「えぇっと……本件につきましては事実関係の確認等……(中略)……判決が出るまではノーコメントということで」

202『ぱにぽにだっしゅ!』訴訟:2006/09/26(火) 01:07:21 ID:???
 さて、次に原告側の主張のうち、主だったものをピックアップしてみていくことにしましょう。

 まずは原告団リーダーにして発起人の一条さん(原作)。
「特に一番酷い扱いをされていたのは私だったと思います。
まずはこれをご覧ください。以下の文はあにぽにの公式ガイドに於ける‘一条さん’の項です……

――C組の学級委員。控えめのように見えて、何をするのか想像できない。余計なことをしてとんでもないトラブルを招いたり、超人的な力でトラブルをおさめたり。便利な存在なのか、それとも災厄の元なのか?――

……いかがです?こんな紹介されて、年頃の娘が喜ぶと思いますか?
物語の中でも私をモデルにしたとされる‘一条さん’はトラブルメーカーで奇術師で変態……と、どう考えても私個人の名誉を故意に失墜させようという目論みのもとでの設定がなされ、事実、そういう演技をしています。
実際、インターネットの掲示板上では‘一条さん’=怪物みたいなことすら言われているんですよ?
たとえ演出であったとしても限度というものを超えています。とても許すことは出来ません。
あの作品が放映されて以来、私は周囲から変な目で見られるようになりました。
やれ‘世界は手に入ったのかい?’だとか、やれ‘君の好みは宇宙人か’だとか、酷いのだと‘一条祭なんて物騒なもの持ってきやがって!しねよ’だとか。
こうした誹謗中傷に私は甚く傷つけられ続けたんですよ。もう、いい加減に我慢の限界でしたよ」

 続いて、片桐姫子さん(原作)。
「まずはっきりさせておいて欲しいのは、私は口で‘マホ’だなんて言いません。
いくらなんでも、そこまでイタくはありません。大体、何で私があんなバカキャラになっているんですか?バカにも程があります。
バカキャラプレイだということはもう公式の場で表明してあることのはずですが。
とにかく、私はあそこまでバカじゃありません!
もう、とっても怒っています。ジェット怒っています!ああ、もうっ!怒ったらお腹すいてきちゃったカモ!」
203『ぱにぽにだっしゅ!』訴訟:2006/09/26(火) 01:09:30 ID:???
 よい子の鈴木さやかさん(原作)も今回ばかりはご立腹です。
「性格を明るい人物に描いていただけることは問題ないんです。そのことについては感謝しているくらいです。
しかしどうにも納得できなかったのは、私と五十嵐先生との人間関係についてです。
あれはやりすぎですよ。まるで私を同性愛者のように描いているのはちょっと……それに、姫子さんや都さんともそういう関係にあることを示唆するような表現もちらほら……
私は別に裁判で訴えようとか……そういうことは考えてないのですが、でも、それで皆さんから誤解されるようなことになったら考え物かな……と。
……これでいいですか?」

 最後に桃瀬くるみさん(原作)。
「あにぽにはちょっと酷かったんじゃないかな?明らかに私のキャラを誤解していたように思えるし。
あのねぇ、私が萌え欠乏症とか地味だとかいうのは演出だよ?
ぶっちゃけ、私、相当な萌えキャラだと思うし。
実際、主だったメンバーの中で一番人気があるかないかっていうくらいの萌えキャラなんけどね。
ま、そのせいで他の萌えキャラと競合を起こして地味化している、ていうのが本来の私の位置づけ。
おわかり?
そこんとこ理解してくれないとさぁ、ただ上辺だけで判断されると、せっかくのその位置づけも台無し。
最悪。
それと、2chのアニキャラスレのあの伸び方はどうかと思うよ」
204『ぱにぽにだっしゅ!』訴訟:2006/09/26(火) 01:14:47 ID:???
 これに対する反論もあります。以下はあにぽにキャストの個人的見解です。

 まずはレベッカ宮本先生(だっしゅ!)。
「はうはう……私は先生なんだぞぉ……先生の役をやっただけなんだぞぉ……それなのに、何でこんな風にいじめられなきゃいけないんだよぉ……ばかばかぁ……もう、やだぁ……」

 続いて姫子さん(だっしゅ!)。
「あ!私のベッキー泣かせたな!許せない!許さないよ、マホマホマホ……」
「あのさぁ、もうそういうのやめにしない……?いい加減キツイって……」(反論の反論 BY 原作姫子)

 上原都さん(だっしゅ!)は逆切れです。
「ムキー!何で私たちが訴えられなきゃいけないのよ!
私たちは私たちの精一杯をやったのよ!
私なんて演技過剰で興奮しすぎて何度も卒倒しかけたんだからね!
傍から見ていただけの連中が偉そうにちょっかいかけるんじゃないわよ!
原作は原作、だっしゅ!はだっしゅ!。原作者の氷川さんだってそう言っているでしょ!
フィクションを現実とごったにするなんてバカらしくて話にもなんないわよ!
劇の中で念仏をやったのは私!実際に番長なのはあちらの都さん!それでいいでしょっ!?
何で二人を同一人物だと思うわけ?もういいじゃない!
大体、私は仕事をしたまでよ!?
やれといわれればミステリーハンターだってやるし、番長だってやるわ。‘ナハハ’って笑ってあげてもいいわ。
でもね、だからといって私が原作の上原都じゃないことには変わりないわ。
何でこんな非難を受けるのか全く分からないわ!」

 最後に、一条さん(だっしゅ!)。
「きっと皆さんの怒りの原因は冥王星の孤独パワーが人の心を乱しているためですね……ですか?」
205『ぱにぽにだっしゅ!』訴訟:2006/09/26(火) 01:17:14 ID:???
 なお、原作サイドからもあにぽに擁護論が出ているのは見落とせません。
「自分は……ベホイミっていいます。あ……いえ、原作の方っス。
新連載『新感覚癒し系魔法少女ベホイミちゃん』、どうか、よろしくお願いするっス……あ?すみません。あにぽにについてですよね?
私はあにぽにはあれはあれでよかったと思っているっス。
特に前半第一クールは文句がありません。
その中でもよかったのは8話かな?……ええ、8話は傑作っスよ。みんな、是非見てほしいっス。新〜ベホイミが大活躍っス。おまけにキャラソンまでもらえて……
あ、いえ……別に自分の宣伝とか、そういうつもりじゃ……
でも、とにかく、司法に訴えるほどのものではないと思うっス。
ちょっと事実にそぐわないところがあると言っても、まぁ、フィクションだと割り切れば問題ないと思います……はい。ありがとうございました。
あ、私が主役の新連載、みなさん、本当によろしくお願いするっス!
……ちなみに来月号は休載です。うぼー」

 さて、それから長い審議が行われました。
映像理論学者、心理学者などの専門家による原作単行本とDVDの比較。
調査チームによる名誉毀損の事実の有無とそれに伴う社会的影響の考察。
様々な観点から検証が行われ、遂に証拠が出揃いました。
206『ぱにぽにだっしゅ!』訴訟:2006/09/26(火) 01:19:46 ID:???
 結果、出された判決は原告側の訴えを大筋で認めると言うものでした。
原告団代表の一条さん(原作)は判決文の公表がなされるやいなや、真っ先に法廷を飛び出し、手にした巻き紙を外で待機していたマスコミや他の原告の前に高らかと掲げました。
「勝訴」
 原告団は歓声に包まれました。

 以下は判決後の一条さん(原作)のコメントです。
「私たちは常に真実と正義のために戦います。そして法廷はそれを実践し、証明する場なのです。
我々はそれに成功し、一度は失われかけた名誉と正義を再びこの手に取り戻しました。
これ以後は、何者も欺瞞と悪意に虐げられることなく、胸を張って街を歩けるのです。
当たり前のことですが、その当たり前の喜びを今、この胸に実感しています。
皆さん、本当にありがとうございました」

 あにぽに側はすぐに控訴する意思を表明しましたが、間もなくそれを撤回し、原告側の訴えを全面的に認諾することを明らかにしました。
これ以上裁判を続けることは無意味であると判断し、これはお互いにとって何の利益も生まないことを悟ったと言うことです。
(その後、某新聞社のすっぱ抜きで、あにぽに側と原作側のごく一部の代表者との間で違法な金銭的裏取引があった、
即ちこの裁判は実質的にはすでに成立した和解の上で係属に付され、少々口悪く言えば、一部の原告が難癖をつけて賠償金を強請りとろうといった目的のもとで行われていたと指摘されていますが、
実際のところはどうなのか……真相は闇の中です)

 なお、この訴訟の一件により、アニメ『ぱにぽにだっしゅ!』の二期放映は永久に封印された模様です。

 いかがです?『ぱにぽにだっしゅ!』ファンならこの上なく鬱になる話でしょう?

以上、テキストは学級委員の一条でした。世界は我が手に。
207マロン名無しさん:2006/09/26(火) 01:21:44 ID:???
かなりブラックなネタだなあ
208マロン名無しさん:2006/09/26(火) 01:23:48 ID:???
6号さんはけもこも屋を訴えようか
209マロン名無しさん:2006/09/26(火) 03:25:00 ID:???
>>206
GJ
今までにない斬新な話で面白かったです。
個人的には玲(原作)と玲(アニメ)の弁論が見たかった。
210マロン名無しさん:2006/09/26(火) 03:54:13 ID:???
まああれだ
どっちの一条さんもすごいってことだな
211闇鍋でドッキリ!?:2006/09/26(火) 09:42:52 ID:???
「何なんだこれは……」
 修は、途方に暮れていた。
「俺がいない間にいったい何が……?」
 彼の目の前で繰り広げられている光景は、彼の理解を超えていた。
「おいしいお鍋ですね、芹沢さん」
「うん。あ、秋山ちゃん、鶏肉が煮えてるよ」
 芹沢と乙女が見るからに女の子らしく上品に鍋をつついて食べている。
「だりぃなぁ……カニは好きだけどいちいちむいてらんないよ」
「ねえ橘ぁ、あんた暇でしょ? カニむいて食べさせてよ」
「ええ、構わないわよ」
 こちらでは殺伐とした表情の姫子と6号が、乱暴な言葉を使って、玲に指図をしている。
そして、玲もまた、にこやかに応対し、無償で奉仕しているのであった。
「犬神……何があった?」
 修は親友の下へ駆けた。こういう時に一番当てになるのは彼だと経験で知っている。
「修か。お前も食べろよ。いい気分になるぞ?」
「犬神くん、はい、あーんしてくださーい♪」
「ずるいわよ一条さん、次は私の番でしょー?」
 南条と一条を横にはべらせた犬神、その顔はだらしなく緩んでいる。
一条は、妹の望のように表情豊かになっていて、南条は失礼ながら少しバカっぽい喋りになっていた。
「修ー、アンタがいなくて私たち寂しかったんだからー。早くこっちまで来てよねー」
 唖然としている修に、甘い声をかける者がいる。都だった。
そして、その全身から、俗に言う好き好きオーラを放出している。何の恥ずかしげもなく。
「上原? お前……? え? え?」
「上原はダメ! 都って呼んでよ〜。中学からの付き合いでしょ?
 アンタさえよければもっと深い付き合いを……」
 そこまで言って都は耳まで赤くなり、上目遣いで修の言葉を待っているように見えた。
理解の限度を超えている。命の強さがダン違いでガオラオラオガオなくらいである。
(ドッキリ? いや、たとえ罰ゲームとはいえ、犬神はあんな顔はしないし、
 上原だって……、あんな素直な……、ってえ!? 柏木姉妹はわかるけど、
 上原も俺のことが? って、今はそれどころじゃない! 誰か、話のわかる奴は……)
212闇鍋でドッキリ!?:2006/09/26(火) 09:43:45 ID:???
 修はこれまでの経緯を思い起こしていた。
「やっぱり寒い日には鍋が一番ですよね〜♪」
「だよなー」
 宮田と芹沢が発起人となって、鍋パーティーが開かれたのだ。
「あ、鈴木さん、タマネギ切れたから持ってって」
「はい」
 なぜか準備をするのは修や6号といった他クラスの者が中心だった。
「南条さん、それは何ですか?」
 同じく野菜を切るなど鍋の準備をしている一条が南条に問う。
「ふふん……。特別に取り寄せたキノコですわ!」
「ああ、犬神さんはキノコがお好きですものね」
「ええ」
 南条は犬神のために調理をできる喜びをかみしめ、
なぜ一条が犬神の好みを知っているかについては思いを寄せなかった。
「お前……手伝わなくていいのか?」
「人手は足りてるだろ? 今さら手伝いに入って、私に何の得がある?」
 この中で一二を争うほどの調理の腕前を持つ玲だが、にべもなかった。
「ね、ね? カニは? 鍋といえばカニじゃなーい?
 王子といえばカエル、カエルといえばヘビ、ハゲワシといえばポルナレフだよ?」
「ああ、それならメディアがロシア人から安く仕入れてくれたわ」
そして、鍋は完成した。
「僕を食べてもよかったのに……」
「ふう、煮て焼いて食われたりしなくてよかったでヤンス」
特別天然記念物は残念がり、野生動物は胸をなでおろしていた。
「では、自分が毒見をさせていただくっス」
「ベホイミさん! あなた、一番に食べたいだけでしょ!?」
「何で怒るっスか?」
「南条……、このメンバーで鍋をやるんだ。変なものが入っていないとは言い切れない。
 ここはひとつベホイミに任せよう。それに後のほうが味が染みていいだろう」
 犬神がこう言うので、南条は潔く引き下がった。
「ではいただきますっス! ん、んがんぐ……」
213闇鍋でドッキリ!?:2006/09/26(火) 09:44:19 ID:???
 修はこれまでの経緯を思い起こしていた。
「やっぱり寒い日には鍋が一番ですよね〜♪」
「だよなー」
 宮田と芹沢が発起人となって、鍋パーティーが開かれた。
「あ、鈴木さん、タマネギ切れたから持ってって」
「はい」
 なぜか準備をするのは修や6号といった他クラスの者が中心だった。
「南条さん、それは何ですか?」
 同じく野菜を切るなど鍋の準備をしている一条が南条に問う。
「ふふん……。特別に取り寄せたキノコですわ!」
「ああ、犬神さんはキノコがお好きですものね」
「ええ」
 南条は犬神のために調理をできる喜びをかみしめ、
なぜ一条が犬神の好みを知っているかについては思いを寄せなかった。
「お前……手伝わなくていいのか?」
「人手は足りてるだろ? 今さら手伝いに入って、私に何の得がある?」
 この中で一二を争うほどの調理の腕前を持つ玲だが、にべもなかった。
「ね、ね? カニは? 鍋といえばカニじゃなーい?
 王子といえばカエル、カエルといえばヘビ、ハゲワシといえばポルナレフだよ?」
「ああ、それならメディアがロシア人から安く仕入れてくれたわ」
そして、鍋は完成した。
「僕を食べてもよかったのに……」
「ふう、煮て焼いて食われたりしなくてよかったでヤンス」
特別天然記念物は残念がり、野生動物は胸をなでおろしていた。
「では、自分が毒見をさせていただくっス」
「ベホイミさん! あなた、一番に食べたいだけでしょ!?」
「何で怒るっスか?」
「南条……、このメンバーで鍋をやるんだ。変なものが入っていないとは言い切れない。
 ここはひとつベホイミに任せよう。それに後のほうが味が染みていいだろう」
 犬神がこう言うので、南条は潔く引き下がった。
「ではいただきますっス! ん、んがんぐ……」
214闇鍋でドッキリ!?:2006/09/26(火) 09:45:09 ID:???
 修はこれまでの経緯を思い起こしていた。
「やっぱり寒い日には鍋が一番ですよね〜♪」
「だよなー」
 宮田と芹沢が発起人となって、鍋パーティーが開かれた。
「あ、鈴木さん、タマネギ切れたから持ってって」
「はい」
 なぜか準備をするのは修や6号といった他クラスの者が中心だった。
「南条さん、それは何ですか?」
 同じく野菜を切るなど鍋の準備をしている一条が南条に問う。
「ふふん……。特別に取り寄せたキノコですわ!」
「ああ、犬神さんはキノコがお好きですものね」
「ええ」
 南条は犬神のために調理をできる喜びをかみしめ、
なぜ一条が犬神の好みを知っているかについては思いを寄せなかった。
「お前……手伝わなくていいのか?」
「人手は足りてるだろ? 今さら手伝いに入って、私に何の得がある?」
 この中で一二を争うほどの調理の腕前を持つ玲だが、にべもなかった。
「ね、ね? カニは? 鍋といえばカニじゃなーい?
 王子といえばカエル、カエルといえばヘビ、ハゲワシといえばポルナレフだよ?」
「ああ、それならメディアがロシア人から安く仕入れてくれたわ」
そして、鍋は完成した。
「僕を食べてもよかったのに……」
「ふう、煮て焼いて食われたりしなくてよかったでヤンス」
特別天然記念物は残念がり、野生動物は胸をなでおろしていた。
「では、自分が毒見をさせていただくっス」
「ベホイミさん! あなた、一番に食べたいだけでしょ!?」
「何で怒るっスか?」
「南条……、このメンバーで鍋をやるんだ。変なものが入っていないとは言い切れない。
 ここはひとつベホイミに任せよう。それに後のほうが味が染みていいだろう」
 犬神がこう言うので、南条は潔く引き下がった。
「ではいただきますっス! ん、んがんぐ……」
215マロン名無しさん:2006/09/26(火) 09:50:12 ID:???
書き込みボタン連打?
216闇鍋でドッキリ!?:2006/09/26(火) 09:54:31 ID:???
何かあぼーん設定をしているものが文中にあったらしい
書き込めていないと錯覚して連投してしましました
すみません
217闇鍋でドッキリ!?:2006/09/26(火) 09:59:32 ID:???
「大丈夫そうだな」
「じゃあ……」
「「「いただきます!」」」
「あ、桃瀬〜、冷やしたビール持ってくんの忘れてたから、とって来てよ」
「もう、仕方ありませんね」
 修は立ち上がる。もう慣れたものだ。
そして彼は教職員用の冷蔵庫まで足を運び、鍋パーティー会場まで戻り、現在に至る。
(ほんの数分……せいぜい10分だぞ? 何が起きた?)
 改めて周囲を見渡す。ベッキーは少女らしく笑って早乙女に抱きつき、早乙女はめんどくさそうな顔をしている。
柏木姉妹はリボンつけ間違えた? と思うほど普段とは逆の挙動をし、
響は肉ばかり食べ、宮田とメソウサが五十嵐に口げんかを仕掛けて泣かし、
姫子や鈴音といった普段明るい手合いは暗い顔で何やらつぶやき、
タヌキは油揚げを食べ、伴はサッカー誌を読みながら箸を進めている。
明らかに、ふだんとは”逆”の世界が広がっていた。
「修は……わたしのこと、きらい?」
 そんな思考を都が遮る。
なかなか返事を返さず、かつ挙動不審に考え込む修を見て、都が半泣きになり始めた。
「えっ、いや、その……、今は待ってくれ! ちょ……」
 修は必死になってあたりを見回し、そしてある相手と目が合った。
「何かお困りですか? 桃瀬修さん」
 メディアだった。
「メディアさんか……。率直に聞くぞ? 今何が起きてる?」
「では率直に答えましょう。皆さんの人格が反転してしまったのです。
 原因は……南条さんの持ってきたキノコがジンカクハンテンダケという珍種だったからです。
 犬神さんを喜ばせようと思って世界中からキノコを集められたのですが、
 その結果、こうなってしまいました。まあ、彼は幸せそうでなによりですが」
「あいつ、キノコ好きだからな、ところでひとつ質問がある」
「何ですか?」
 メディアが修に向き直る。
「ジンカクハンテンダケ、あんたも食ったんだろ?
 それなのにどうしていつも通りのあんたでいられる?」
「それは……営業秘密です♪」
218マロン名無しさん:2006/09/26(火) 17:49:19 ID:???
>>201
GJ
アニメ版で株があったキャラはアニメ版を援護してるのなwww
219桃月学園の殺人鬼:2006/09/27(水) 19:21:49 ID:???
4−A

姫子がその悲鳴を聞いたのはトイレに行った後のことだった。
「なっ、何?何?今の」
この時の彼女は恐怖よりも圧倒的に好奇心が上位を占めていた。となると結論は一つ
「行ってみよう!」
そこへ行って彼女は何ができるというのか、もしそこで彼女の常識の範疇を超えた事態が発生していたらどうするのか
そんなことなど普通は微塵も考えないし彼女も例に漏れず、あまり深く考えずに声のする方へ駆けだした

――宮本研究室ではベッキーがニュースによって音楽が途中で止まってしまいやや不機嫌になったところまでさかのぼる
「繰り返します。大田区足柄で現金輸送車襲撃事件が発生・・・・・・」ブツッ
耳障りになったベッキーはラジオを消した。と、そのとき

「しかし、夜の学校に逃げ込むなんて考えましたねえ」
「まあな。でも、もしかしたら誰かいるかもしれんなあ。そのときはまあ・・・・・少々手荒な方法をとらせてもらうが。フフフ・・・・・・」
「お前、実はそういったこと期待してるだろ。」

ドキドキドキドキドキ
心臓に早鐘が鳴った。
あれがさっきのニュースで聞いた凶悪犯? でも、なぜここに?
姫子は大丈夫なのだろうか? それにしてもニュースの直後に不審者が出てくるなんてまるで漫画みたいじゃないのか?
ベッキーの頭脳がコンマ数秒でフル回転し、まずはじめに玲を起こすことから始めることにした。

「玲」
「うーん・・・・・・・ど、どうしたんだベッキー!?」
「ここから逃げるぞ。事情は後で話す。」
220桃月学園の殺人鬼:2006/09/27(水) 19:55:42 ID:???
魔法少女の衣装に着替えたベホイミは勇敢にも殺人鬼と対峙していた。
「ふふふ・・・・・・腕が鳴るっス」
なぜ彼女はこのような短絡的な行動に移ったのか。それは一度は諦めかけていた「新感覚癒し系魔法少女」の座を手にするためだった。
普段はこのような激情はすぐにコントロールできるのだが、何故か今日は違った。
「さあ、かかってこい!!!」

勿論、彼女は二人の被害者のことなども知るよしもないし、殺人鬼の`影`と向かい合っていただけだとも気づかなかった。
端的に言えば彼女は自らの能力に自惚れていたと言われても仕方ないだろう。
いや、もっと早くに気づくべきだったのだ。最初からおかしかったことなのだ
ドンッ。 彼女はあっさりと気絶した
221桃月学園の殺人鬼:2006/09/27(水) 19:56:24 ID:???
魔法少女のままだった彼女は夢の中をさまよっていた
(あれ、なんで私こんなところにいるッスか・・・・・・?)
(ここは・・・・・・病室? そんでもってナースの女の子は・・・・・・メディア?)
(これって・・・・・・漏斗って言うんだっけ? 自分で息ができない人に酸素とかを送り出すやつ)
(そのチューブの先は緑色で・・・・・・ホース? それを蛇口に差し込んで、それを捻って・・・・・・・)
「!!!!!!!!!」
漏斗から彼女の口の中に大量の水が入り込んできた。
ベホイミは理科室のテーブルの上にロープで縛り付けられ全く身動きがとれない状態にされていたのだ
「!!!!!!!!!!」
苦しみのあまり目を見開くベホイミ
そこには仮面越しに笑っているように見える殺人鬼がいた。
「!?」
すぐに殺人鬼は水を止めた。どうやらこれが本来の意図ではないらしい。
ベホイミはただ、祈った。(助けて・・・・・・お願い助けて・・・・・・)
正義の味方を名乗っていた自分が他人に助けを求める姿はひどく滑稽に写った。殺人鬼はくくくっと笑った。
そして右手に何かを持った殺人鬼はベホイミの漏斗を取り外す
「はぁ・・・・・・・はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・」
かつては軍隊に所属していた元魔法少女がこのざまだ。
そんな皮肉を考える余裕すらなかった。
そして殺人鬼は右手に持っていた武器でとどめを刺す
(赤くて・・・・・・黒い・・・・・・)
殺人鬼は外観が赤くホースが黒い消火器を彼女の口に突き刺す。安全レバーを引き抜き思いっきり放射した
プシュウウウウウウ
白い煙は彼女の耳からも赤い血と混ざって出てくる。
空気を注入された彼女はパンパンに膨れあがっていた。
殺人鬼はその中心の腹に狙いを定め拳を一気に振り落とす。
壮大な爆発音とともにベホイミはこの世から別れを告げた。

「うわあああああああああ・・・・・・・・・」
その一部始終を見てしまった片桐姫子は一目散に駆けだした。
「逃げなきゃ・・・・・・逃げなきゃいけないよ・・・・・・」
222桃月学園の殺人鬼:2006/09/27(水) 19:58:07 ID:???
残酷描写に気をとられて他のシーンがおざなりになっているような気がします。
Bはもうちょっと後に書きます
223マロン名無しさん:2006/09/27(水) 22:25:48 ID:???
>(そのチューブの先は緑色で・・・・・・ホース? それを蛇口に差し込んで、それを捻って・・・・・・・)
気管内挿管チューブかラリンジアルマスクカナ?
224マロン名無しさん:2006/09/28(木) 06:42:06 ID:???
ホースじゃね
225マロン名無しさん:2006/09/28(木) 10:41:33 ID:???
(これって・・・・・・漏斗って言うんだっけ? 自分で息ができない人に酸素とかを送り出すやつ)
の事だと思われ。
コピーする時に一行間違えたんだろ。
226マロン名無しさん:2006/09/29(金) 18:13:18 ID:???
なるほど
息ができなくなったことがないので知らなかった
227マロン名無しさん:2006/09/30(土) 07:37:06 ID:???
A組
来栖「先生はこの学校に何か不満があるんでしょうか?」
優麻「だからあんなになるまでお酒呑んだりするのね」
優奈「教師ってのも結構厳しいのね」

B組
鈴音「先生って教師になるのが夢じゃなかったっけ?」
乙女「お前のせいじゃないか?チョップ食らわしたりするし」
綿貫「ここに来るまで数々の職を転々としてたらしいし、ここもすぐにやめちゃうのかな?」

C組
玲「お前のせいじゃないか?姫子」
都「確かに事あるごとに絡んでくるしね」
姫子「えー!?でもそれなら一条さんだって」
一条「私のせいですね?せいですか?」
6号「宮本先生はナーバスオブジイヤーですね」

D組
宮田「先生どうしちゃったんでしょうか…」
芹沢「……もしかして私のせいか?」
南条「先生は疲れてるんですわ、さあかわいい動物たちで心を癒して」
メデ「ベホイミちゃん、こんなときこそ癒し系魔法少女の出番ですよ」
ベホ「私はもういいッスよ〜」
犬神「誰か先生を保健室へ」

「教師陣の携帯の着信音がス○ッフサービスのCMの奴だったら」でした。

おまけ
修&くるみ「俺(私)もコレ使ってます!」
228マロン名無しさん:2006/09/30(土) 18:43:01 ID:???
GJ
お茶吹いたw
229Arachnophilia:2006/09/30(土) 23:16:19 ID:???
一応、人によってはグロありです。題名から察していただければ……と。
230Arachnophilia:2006/09/30(土) 23:19:08 ID:???
 レベッカ宮本は額に不機嫌な皺を寄せて書類の束に面と向かった。
彼女の仕事は彼女の小さな身体を圧し潰すほどの量の書類の山となって目の前に顕現していた。
たくさんの仕事は否応無く彼女の時間を奪い、こうして休日であるにも関わらず、学校への出勤を強制したのである。
 休日の学校の校舎は平日の盛況とはまた異なった静寂の趣を見せる。
時々部活動の生徒たちの姿も見受けるが、その数も質も平日のそれとはどこか雰囲気を異にしている。
それは実際そうなのであるが、それに加え、彼女の心理状態のもたらす影響によるところも大きい。
不満と憤懣が、彼女の気持ちを取り巻いていた。
 宮本先生は平生以上の気だるさと憂鬱を伴いつつ、自分の研究室にまでやってきたのだった。
そうして、日に日に増えることしか知らない書類の束を目前にして果てしない消化作業を続けているのだった。
 彼女は大量の仕事を順々に弾き飛ばしながら、それでも一向に減る様子を見せない書類に業を煮やしていた。
そうして、いい加減嫌気が差して気分転換に部屋の中を見回した。
すると、その視線の先に見慣れぬものが置かれているのに気がついた。
 オヤ?何だ、何だ……天才ポスト?何故こんなところにこんなものがあるのだろうか。
天才ポストは設置と撤去を繰り返し、今は「撤去期間」にあるはずだったが、それがどういうわけか研究室に置かれている。
普段は設置派の急先鋒、姫子がどこかで勝手に管理しているはずだったが、これがいつ持ち込まれたのか全く覚えが無かった。
 宮本先生は相変わらずの不機嫌顔でポストを手に取り、特に何気も無く、試しに手を突っ込んで中を探ってみた。
すると、意外なことに、中に一通の封筒が、丁寧に封をされて投函されていたのだった。
手にとって検めてみると上等な紙質の封筒に、裏側には細いペン書きで「ベッキーへ」と記されていた。
231Arachnophilia:2006/09/30(土) 23:21:21 ID:???
 私宛て?宮本先生は不審に思ったが、どうせまたくだらない頼みごとや質問であると思うと、読むのすら億劫になった。
しかしここまで丁寧に認められた書簡を無下にするわけにもいかず、止む無く蓋を開けてやることにした。
封を手で切り、中から一束の便箋を取り出すと、椅子に腰掛けてそれを読み始めた。
 字は達筆とは言えないがこれもまた丁寧で、非常に細いペンで書かれていた。
異様に細く、またところどころで太さが大きく変化していた。
ただのペンではない。これは昔の生物学のスケッチや何かで使われていた特殊なペンによるもののようだ。
 内容は以下の通りである。

 ――恭敬、レベッカ宮本先生。ベッキー。あなたにこの手紙を見つけていただいて本当に良かったと思います。
私はこの手紙をあなたに出すか否かについてずっと悩んでいました。
しかし結局私はどちらとも決めかねず、あなたがこの手紙の存在に気がつくかどうかということを以って天命の采配を仰ぐこととしました。
今、あなたがこれを読んでいるということは、あなたにこれを知らしめることが、必然であったということが証明されたというわけです。
 ベッキー、私が誰かわかりますか。驚かないでください。私は片桐姫子です。
平生は皆から馬鹿だ馬鹿だと罵られている私ですが、実際はそれほどでもありません。
ただ皆が私を馬鹿だと思えれば、それでクラスが安泰となるので、私は進んで馬鹿の役を引き受けていただけなのです。
馬鹿のふりをしていただけなのです。
だから、この文章が私らしくないとしても、つまりは馬鹿の書く文章には見えなくても(決して自惚れているわけではありません)、
これは間違いなく片桐姫子の筆によるものだし、誰某の悪戯ではありません。
こういう体裁をとらねばこの怪異な事件を到底あなたに信用してはいただけぬものと思い、斯様な形であなたへの苦渋の告白をせねばならなかった事情をどうかお察しください――
232Arachnophilia:2006/09/30(土) 23:24:23 ID:???
 宮本先生はすっかり驚いてしまった。
姫子?あいつにこんなまとまった文章が書けるのか?
 彼女はやはり信用することはできなかったが、しかしこんな手の込んだ悪戯に意味があるのかということを考えると、やはり一概にこれを排するわけにもいかなかった。
 書簡は続いていた。

 ――ベッキー、あなたにとって私が実は馬鹿の演技者であったという事実は受け入れがたいことであるかもしれません。
非常に驚愕狼狽したあなたの表情が眼に浮かびます。
しかし、それは私のしたい告白とは違います。
その告白を知れば、あなたの受ける衝撃はそんなものの比ではなく、片桐姫子が果たして同じ人間であったかどうかということもお疑いになるに違いありません。
事実、私自身、自分が人間であるのか否か、或いはいつまで人間であったのか、いつからそれにあらざる物へと変貌したのかも判然としないくらいなので……
しかし、全ては私の認知しうる範囲で現実のことなのです。
どうぞ、お気を悪くなさらずに聞いてください……
 告白したい内容というのは、即ち私のある倒錯的食嗜好のことなのです。
私がカニを好物としていたというのはご存知ですね。ことあるごとにそれを公言していましたくらいですから(もちろん、皆に気に入られるよう、とっておきの馬鹿を演じつつ)。
しかしながら、私はある事情からカニが食べられなかったのです。
経済的な問題?それもありますが、それは些細なことです。
もっと根本的なところに由来する原因がありました。
 私は、体質的にカニが食べられなかったのです。
お医者さんの話によると、さして珍しくもないアレルギー体質の為であるという事でしたが、実際、私はカニの肉を肌に感じるだけで、
おぞましい発疹が身体一面を被うほどで、口にしようものならたちまちの内に胃の内容物を臓物もろとも吐き出してしまうほどの激しい拒絶体質だったのです。
そんな自分の身体の特異なることを知っていながら、それでも私はあのカニを食べたいという衝動にずっと囚われていたのです。
皮肉なものですよね。身体にとって生死に関わる毒のあるものをそんなにも欲するなんていうのは。
私にとってのカニというのは下戸の酒好きのようなものだったのです。
233Arachnophilia:2006/09/30(土) 23:27:24 ID:???
 さて、私は繰る日も繰る日も一度でいいからあのカニを、あの不気味な対称形の生物を口にしてみたいと夢想するのでした。
私の密かな片思いはついつい口の上に出て、カニが食べたい、カニが食べたいとまるで馬鹿のように(半分意図して、半分本気で)繰り返すばかりでした。
 ああ、先生。私のこの苦しみを理解していただけるのはあなただけだと思っています。
先生は天才故の孤独を経験されたのでしょう。
私は、カニが食べられない体質のために孤独を覚えていたのです。
その上悪いことには、私はそれでもなおカニを食べることに固執して、迷宮的、スパイラル的なジレンマへと陥って行ったのです!――

 気がつくと筆者の姫子の感情の昂ぶりからか、ペン書きの字が太く、激しくなっており、その苦悩の真剣で、深遠なることが窺えた。
そして、次々と明らかになる新事実……嗚呼、私は知ったつもりでいながら、一番身近な生徒である姫子のことすらも何も理解していなかったのか……
 微かな焦燥に物憂げな心地となった宮本先生はすでに手紙の内容を疑うことも忘れ、夢中になって姫子の告白を読み進めた。

 ――私は考えました。カニを食べることは出来ない。しかし食べたい。一度でいいから存分に食べてみたい。
そんな気持ちのまま、日々鬱々としていました。カニのことを思うと居ても立ってもいられず、しかしどうしようもないもどかしさから逃れることも出来ませんでした。
やがて思いついたのは、何か代りになるものを……ということでした。
そうして、カニのようでカニでないものを私は探すことにしたのです。
カニのようでカニでないもの……これが思ったよりも難しい。
あんな奇妙なものは、陸上には層々見当たるものではありません。
 町の中をひとしきり巡ってみて、案の定何も見つけられないことが分かると、私は探すのにもくたびれて、川土手の草地に横になるのでした。
雲の流れるのをじっと見つめているうち、その形のどれもがカニのように思えてきて、私はより一層の空しさを覚え、自らの浅ましい欲望と現実との乖離に泣きたくなる心地を覚えるのでした。
234Arachnophilia:2006/09/30(土) 23:31:19 ID:???
 しかし、そんなときです。
私は何気なく寝返りをうち、そうして、偶然に目の前にあるものを発見しました。
 それは雑草の間に張られた糸の輝き。細く、頑丈な糸によって組み立てられた自然の網。黄色と黒の縞模様を腹に湛え、その中央に鎮座する、大きな、とても大きな女郎蜘蛛。
私は巣の真ん中でじっと動かないこの奇妙な蟲を眺めていましたが、すぐにその形からあるものを連想するに至りました。
ああ!まさにこれだ!何故今まで気がつかなかったのだろう、これこそ私が恋焦がれてきたカニに最も近――

 そこまで読んで宮本先生は思わず便箋を放り投げかけた。
……嘘だろう?姫子、お前、まさか、そんな事はしないよな……?そんなのはいけない、頼む、やめてくれ、知りたくない、もう何も言わないでくれ!
 宮本先生は恐ろしさのあまり顔面から血の気がひいていくのを感じたが、それでも先を読み進めねばならない気がして、
不安と怖いもの見たさの好奇心とが入り混じった複雑な心境のまま、視線を元の行に戻した。

 ――縁な姿形ではないだろうか。私はまさに神々しい啓示を受けたかのような、そんな気持ちで一杯になりました。
早速私はその大きな女郎蜘蛛を手に捕まえて、喜び勇み足で家へと帰りました。
 家へと帰りついた私は早速このいとおしい代替生物の調理法を思案するのでした。
しかし、私にはすでに一つの腹積もりがあったのです。これは如何なるカニ好きをも容易には真似の出来ない素晴らしい方法、即ちそれは、生で喰うという、まさにそのことだったのです。
 私は板の上にこの生物を置きました。彼女はその細長い、妖艶な足を持っているにもかかわらず、逃げるどころか身動き一つしませんでした。
私は興奮しました。何よりもその足の美しい対称形といったら、これこそ天然の芸術品です。
レオナルド・ダ・ヴィンチは円の中に人の手足をおさめる理想的比率としてウィトゥルウィウスの理論に基づく人間像を描きましたが、あの絵よりも遥かに説得力を以ってそれを証明するのがこの四対の美脚に他なりません。
一見するとばらばらな、しかし広げてみると究極的な均整を持って、その悪魔的美しさを誇る蜘蛛の足。
私は性的興奮にも近いほどの恍惚感に陶酔し、しばらくその姿を眺め続けるばかりでした。
235Arachnophilia:2006/09/30(土) 23:33:44 ID:???
 しかし、やがて性的欲求は食の欲求へと置換されていき、それは無限に増大するエントロピーのように私の意識を染めていくのです。
私はピン代わりに裁縫用の待ち針を取り出し、蜘蛛をそっと、潰れないように抑えつつ、その頭胸部を串刺しにしました。
その瞬間、まったく身動きの無かった彼女は、体中に電流の走ったが如く、断末魔の足掻きをするのでした。
ああ!その姿のまた美しいことといったら到底筆舌に尽くしがたいことです。
八本の足を、絡まることなく器用に運動させ、苦しみから逃れようと必死になるその姿。
人間の作る機械に、この美しい運動を真似させるのは、どだい無理な話でしょう。
神の創造し芸術とはここにあったのです。この美しくも可愛らしい芸術品は、音も無く、しかし嵐のような激しさで足を動かし、やがてその動きは鈍くなってきました。
 私は彼女が死んでしまう前にその命を口にすることが礼儀であるかのようにすら思っていました。
私は早速鋏を取り出して、緩やかにのたうつ前脚の一本を切り落としました。
彼女はもう苦しみに喘ぐこともせず、ただ来るべき運命を待ち受けているかのようでした。
 私は細い、小枝のような足をしげしげと見つめましたが、意を決してそれを口に入れました。
その味は……何と形容すべきものでしょうか。苦い、というのが一番近いのかもしれませんが、しかしだからといって不味いわけでもなく、生薬といわれれば、ああ、何だそんなものかと納得されることでしょう、そんな味でした。
歯ざわりは外骨格があるにもかかわらず、特に硬いわけでもなく、かといって肉付きがいい足でもないから柔らかいというものでもありません。
「不思議な食感」、というのは表現力の乏しさの露呈に他なりませんが、かつて経験の無い食物だっただけに、それ以外に説明のしようが無いのも事実でした。
そう、不思議な食感だったのです――
236Arachnophilia:2006/09/30(土) 23:36:07 ID:???

 宮本先生は何かが背筋を蠢く不快感に襲われ、椅子から飛び上がった。
そして、神経質に体中を触って何もついていないことを確認すると、それでもまだ落ち着かないといった面持ちで、椅子に座り直した。
 姫子の告白はなるほどその内容自体不気味なものであったが、しかし彼女にはイカモノ喰いそのもののおぞましさよりも、
姫子が冷静に、その狂った情景を客観描写している様を想像して、文字通り虫唾が走る思いだった。
 宮本先生はなおも読み続けた。

 ――どちらにしても、足一本の肉の量が少なすぎて、味を感じる間もなく唾液に溶かされてしまうので、その珍味を具体的に表現できるようになるためには、もっともっとたくさん食べる必要がありました。
私は左右の足を交互に切り取りながら残りの七本もじっくり味わいました。
切り落とした足は一瞬、電気信号的な痙攣を見せ、それが私の口の中で再発すると、私の食感はえもいわれぬほどの素晴らしい満足感に充たされるのでした。
そうです。まさしく踊り食いです。骸骨のような足片が、私の舌の上で悩ましいほどの妖艶さを以って饗宴のダンスのステップを踏むのです。
何て素敵な、なんて魅惑のステップなのでしょう。
私の舌も思わずその輪の中に入って踊り明かすばかりでした。
 瞬く間に全ての足を食いつくし、私は無様な芋虫になった蜘蛛の胴体を見つめました。
足があったときにはあんなに美しかったシンメトリーの甲殻生物は、今やグロテスクな不完全体の肉片に他ならず、
その元が美しかった分、残された胴体の醜いことといったら人間のそれの比ではありません。
 手足を切り落として凌遅を愉しんだかつての暴君や、怪奇趣味の為にそんな創作をした江戸川乱歩に至るまで、
彼らはきっと脚の無い蜘蛛の如何に不気味なことに全く気がつかなかったに違いありません。
手足の無い人間など、この蜘蛛の成れの果ての前には如何なる猟奇も戦慄をも思い起こさせるには力不足であるといわざるをえません。
もし納得されないようならば、ベッキー、一つご自分で試してみては如何でしょう?
もちろん蜘蛛の足を食べろ、とまでは言いませんが……
237Arachnophilia:2006/09/30(土) 23:38:41 ID:???
 それはさておき、私はどうしようもなくなった胴体を捨てるより他ありませんでした。
と、いうのも、ちょっとした好奇心から、持っていたデザイン・ナイフで彼女の、縞々の大きな腹を掻っ捌いてみたのですが、その臓物の見るに堪えない有様といったら……
蜘蛛の腹の中というのは、解剖してみれば分かると思いますが、他の生き物よりも一層混沌としていて、不気味な灰色の闇に閉ざされたままで、興味本位で開くべきではない「美女のはらわた」に他ならないことを痛感しました。
 こればかりはさすがの私も意気を削がれてしまい、とても口にしようとは思えませんでした。
頭については、もう切開くのも厭になって、そのまま一緒に捨ててしまいました。
これは大変無駄なことのようにも思えますが、そもそもカニをはじめとする贅沢のための味覚というのは、こういう無駄を前提としているのは先生もご存知であるはずです。
蜘蛛の胴体を食わず嫌いしたのは、脚の無いそれにもう何の魅力も食欲も覚えなかったためです。
そうした動機が無ければ、とても蟲を食べようなどという気は起こらないでしょう。
私のとった行為をどうかご理解ください。あれは絶対に食べられません。玉葱よりも厭なものです。
 それからというもの、私の蜘蛛を狩る生活が始まりました。
外で巣を張る蜘蛛は捕まえるのが容易でしたが、いかんせん足の細い奴が多く、私の旺盛な異常食欲を満たすほどのものではありませんでした。
今度は、私は家の軒下などを探ります。暗いところで這いずり回る種の連中は足は太いが短くて、余り美しいとは言い難いものです。
それに個体自体のサイズが小さいので、やはり満足できませんでした。
 私は図書館で図鑑を借りてきて、適度な食材を調べてみることにしました。
大きくて、肉づきのいい足を持った、それでいて体長と脚の長さとが適当な比率で構成される美しい体のそれを……
238Arachnophilia:2006/09/30(土) 23:41:32 ID:???
 やはりそれは海外産の、特に熱帯地帯に多いとされる巨大な毒蜘蛛たちでした。
タランチュラをはじめとする彼らはみな腹に毒のある毛鉤を持ち、物によっては強烈な神経毒を牙に持つ危険な連中でした。
ペットショップでは驚くべきほどの高値で取引されているのですが、天然の毒気を抜かれ、人為的な毒入れがされたようなそれらは、鮮度を欠き、私には食用の対象には見えませんでした。
あんなものを食べたら、身体にもっと悪い、と。
 私はやはり日本に固有の、天然物を探すことにしました。
ところがどういう感謝すべき思し召しでしょう。この日本に、あの熱帯の蜘蛛たちには及ばぬものの、かなりに巨大な種類が生息しているというのです。
その種、アシダガは、屋内を駆け巡り、ハエやゴキブリなどを捕食する連中ですが、その大きさ、足と体のバランスは私の期待していたものに見事合致します。
その上毒を全く持たず、大抵はどこでも見かけることの出来る凡種であるということでした。
いやはや、それを見つけたときには、私はこの餓えに苦しむ姿を見た神様が、私のために誂えてくれたものだとすら思ったくらいです。
 それからの私はアシダガを専門に狙うようになりました。
彼らの筋肉の発達して太くなった足は私の欲求を満足させるに十分の量質を持っていました。
体毛に覆われた、茶色の足は、はじめは戸惑うものでしたが、しかし慣れてくるとそれが病みつきになって仕方がなくなりました。
ベッキー、人はわざわざ深海から引き揚げたカニを喜んで食べるのに、こんなに身近に居る蜘蛛を全く食べようとしないのはどういうことなのでしょうか。
海外では食蜘蛛の文化もあるようですが、やはり駆逐され行く運命の線上にあるといわれています。
もちろんこれが異常な、倒錯的な食嗜好であるということは承知の上です。
しかし私は、皆がカニを好んで食べるように、蜘蛛を好んで食べるようになってしまったのです。
……ベッキー、ここまで読んでくれたあなたに感謝します。今、あなたはさぞやこの哀れで愚かな小娘の告白に戦慄しておられることでしょう。
しかし最後に、もうひとつ告白せねばならないことがあるのです。
239Arachnophilia:2006/09/30(土) 23:44:20 ID:???
 実はそれこそがこの告白の真の目的なのであり、私が蜘蛛を食べ続けたというのは、それへ繋がるための前駆挿話に過ぎません。
ここまでの話はそれでもまだいくらかの現実味を持っているのですが、ここから先は、誠に奇怪な、とても尋常には考えられないようなことが起こったのです。
しかし、やはり私にはそれが現実なのであるのだから仕方がありません。
到底信じられないことであることは理解していますが、それでもどうか、私の言葉には一切の偽りが無いと思って聞いてください……
 蜘蛛喰いをはじめてどれほどした頃でしたでしょうか。私はその日も捕らえてきたアシダガの足をたいらげると、満足してベッドに横になりました。
そうして、段々と夢心地になってきて、いつの間にか眠ってしまったのです。
 次に目が覚めたのはすでに翌朝のことでした。私は妙な気だるさを覚えてベッドから起き上がると、身体の節々に妙な違和感を覚えたのです。
ベッドから起き上がるのも厭になるほどの倦怠感が身体を満たし、実際、金縛りにあったかのように起き上がることが出来ませんでした。
私は止む無く身体を横に動かして、楽な姿勢をとるのでした。
 そうして、寝惚け眼で身体を屈めて、私は自分の身体に起こったおぞましい変化に気がつくこととなったのです。
……私は蟲になっていたのです。大きな大きな、一匹の蜘蛛になっていたのです。
信じがたい話ではありますが、自分の目(それはいくつもの複眼に変化していましたが)は明らかに自分の身体を蜘蛛の姿として映していました。
まるでフランツ・カフカの小説を地で往くような話ですが、私にはイカモノ喰いの前科があり、まったく不条理なことでもなかったのがこの怪異な現状に真実味を加えているのでした。
 私は意外にも冷静でした。蜘蛛の喰いすぎで体質が変化してしまったのか、或いは残酷な踊り食いを愉しんだために蜘蛛に呪われたのか……そんな風なユーモラスなことを想像する余裕すらあったのです。
私は特に慌てるわけでもなく、ゆっくりと八本の足を巧みに繰り出して、ベッドから降りました。
そうして、床の上に這い立つと、大きく足を広げて背伸びをし、蜘蛛となった自分の全身姿をじっくり想像してみるのでした。
240Arachnophilia:2006/09/30(土) 23:48:09 ID:???
 ……ああ、ベッキー。哀れな片桐姫子はついに蜘蛛になってしまいました。
これが神様から下された罰なのか、それともある種の境地に達したために得られたニルヴァーナの体現なのか、私には到底理解の及ばぬことです。
 しかし私はここまで来たことについて決して後悔はしていません。むしろ満足しているくらいです。
もうこれ以上、人間の身にして蜘蛛を喰う必要はない。罪の意識や苦悩に苛まれることなく、自由に生きていくことが出来る。そうして、自由に死んでいくことも……
 以上が私の告白です。
蜘蛛の身であるにもかかわらず、筆を執る能力が残されていたのは神様のお情けなのかもしれません。
或いはこうした罪と罰の因果の様を伝道せよとの天命なのかもしれません。
とにかく、私は蜘蛛となり、その事実をあなたにお伝えすることが出来ました。
もう全て満足です。私は間もなくその心をも一匹の蟲と化してしまうでしょう。何となく自分の運命については分かってくるものです。
 愛しいベッキー。私は往きます。先生のこれからのご活躍は、きっと教室の片隅から拝見できることでしょう。それが一匹の小さな蟲の、唯一の楽しみです。
どうか、お気を悪くなさらず、今後もそのご教鞭の栄えあることを願って……
 さようなら、ベッキー。またどこか、生まれ変わったところでもあなたに遭えることを期待しつつ――頓首 片桐姫子――

 書簡は以上であった。
 宮本先生はため息をついて、椅子に凭れ掛かり、天井を仰ぎ見た。
そうして、便箋の束を机の上に放り投げると、物思いに沈んだ表情で虚空を見つめた。
が、しばらくして視線を動かすと、壁の上に何か蠢くものを見た気がした。
慌ててそこに焦点を合わせると、そこには一匹の蜘蛛が張り付いていた。
 蜘蛛はまるで宮本先生と対峙するように、じっと動かなかった。
懐かしそうな表情だった。何か言いたげな様子にも見えた。

「……まさかな」

 宮本先生は軽く微笑むと、ゆっくりと振り返って机に戻り、仕事を再開した。

――完――
241今月のGFを読んで:2006/09/30(土) 23:59:10 ID:???
投稿しても宜しいでしょうか。
エロ、グロ、人死に全部ありです。

【う】 うつでじさつ
【つ】 つまらないから むさべつさつじん
【ま】 まほむすめがしんでる
【わ】 わにさぶろうが たすけなかったら べっきーできし
242今月のGFを読んで:2006/10/01(日) 00:01:10 ID:???
「D組最優先、ねぇ…… でも五十嵐先生に聞いてもねぇ……」
「……うん」
「優奈ちゃん? 聞いてる?」
「あ、ごめん……ちょっと聞いてなかった……」
「大丈夫? 昨日遅かったし寝不足なんじゃない? あんまりぼーっとしてると三輪車に撥ねられちゃうよ」
「うん……きをつける」

 きのうの夜、広告代理店の偉い人と、新宿でお話をした後で、ホテルに行きました。そういうホテル……
 そこであったことはおもいだしたくもありません。とにかくきもちわるかった……
 すきを見てはんらのままホテルをとびだして、なんとかもってこれたバッグで服を買って、電車でかえれたからゆうまちゃんはきずいてないよね?
 優麻ちゃんにしられたくない……
 私をアイドルにするためにゆうまちゃんがしてくれたいろんなこと、むだにしたくないもん……
 私逃げてきちゃった。ツバサちゃんやマカポンに迷惑かけちゃったらどうしよう。
 きっとこうこくだいりてんのひとおこってるよね。今からでもあやまったほうがいいのかな……
 あや、ま、る?
 あんな事をしようとした男に?
 嫌だ。絶対に嫌だ。
 昨日の夜から男の人が怖い。桃瀬くんも犬神くんもみんな怖い。私を獣のような目で見てる気がする。
 おじいちゃん先生くらい年がいっていれば別なんだけど……

「優奈ちゃんちょっと手ぇ痛いんだけど。あんまり強く握んないで」
「あ……ごめん……」
「ねぇ、なんか汗すごいけど大丈夫?」
「うん……」
「そう? なんかあったら言いなよ?」
「うん……」

 そんな優しい言葉をかけないで。
 私、泣いちゃうよ、お姉ちゃん……
243今月のGFを読んで:2006/10/01(日) 00:07:00 ID:???
「個性欲しかったなー」
「あんたまだそんな事言ってんの? てかあんたもう充分変だから」
「やっぱり他人に頼らないで自分で作るしかないのかなぁ」
「あんた独りでやってね」
「そうかなぁ? 由香ちゃんも」
「いらないやらない」
244今月のGFを読んで:2006/10/01(日) 00:08:00 ID:???
 千夏は未練がましくああでもないこうでもないと、歩きながらいろんな事をやってみている。
 もう、やめなさいよ。
 そんな事しなくたってあんたがかわいい事は、私が一番よく知ってるんだから。
 首をかしげたり頬をふくらませたりするそのしぐさも。
 素顔のあなたが好きなんだよ、私は。
 そのよさをいつまでも失わないでいて欲しい。そう思うのは私のわがままなのかな……
245今月のGFを読んで:2006/10/01(日) 00:09:01 ID:???
 本当は私より、由香ちゃんに個性をあげて欲しかったのに。
 由香ちゃんがこんなに素敵な子だって事、私はよく知ってるから。
 南条さんやベホイミさんメディアさん。キャラが濃いD組の個性に埋もれちゃってるけど。
 突っ込みを入れる時の凛々しい顔や、その前に私を見る『しょうがないな』『私達がしっかりしなきゃ』って瞳。
 とっても素敵な由香ちゃんをみんなに知ってもらいたい。
 私の勝手な気持ちだけど、個性のついた由香ちゃんはもっと素敵な女の子になれるはずだから。
246今月のGFを読んで:2006/10/01(日) 00:10:00 ID:???
 衣装部のモデルとしていろんな服を着せられる千夏を一番最初に見る事ができるのが、私のちょっとした自慢。
 着替え中に見えたその胸とか……よくあるいたずらを装って揉んで満足したり後悔したりその感触を一晩思い返したり。
 だから、そんな顔を私に向けないで。私の方を見て笑わないで。
 そんな表情を見せられたら、何かしたくなるじゃない。
 芝生に押し倒すとか……
247今月のGFを読んで:2006/10/01(日) 00:11:00 ID:???
 でも……そっか。
 女の子の……同性の事が好きなんだっていうのは、もしかしたら個性なのかもしれないなって思った。
 ここで由香ちゃんにキスしたら、私も立派な変な子になれるのかなぁ?
 いたずらっぽく軽い感じでほっぺたにすればそんなに怪しまれないよねっ?
 あ、でも怪しまれるくらいが個性としていいのかな?
248今月のGFを読んで:2006/10/01(日) 00:12:00 ID:???
 黙っていたら、そのまま妄想の行為を実行に移してしまいそうで。
「ケーキでも食べに行こうか」「お団子、食べない?」
 断ち切る為に発した言葉がハモって、ふたりは顔を見合わせて笑った。
「じゃんけんで勝った方が今回、負けた方は次回って事で」
「テイクアウトして半分こしようよ」
「……団子はともかく、ケーキを歩きながら食べるのか、あんたは」
「え? 公園に行くなりここに戻ってくるなりして座って食べるつもりだったんだけど……
 お団子もどうかと思うよ、転んだら危ないし。串が刺さって死ぬよ」
「! あ……ああもう! あんたの変が伝染ったっ!」
 由香は顔を紅潮させて拳を振り上げ、千夏はそんな由香をうれしそうにみつめた。
 そしてぷいと横を向いた由香の髪飾りの紐に手をやって、疾風の如き素早さで解いたが、
由香はまずゴム紐で束ねてから紐を結んでいたのでポニーテールを解く事は叶わなかった。
249今月のGFを読んで:2006/10/01(日) 00:16:53 ID:???

 C組の教室は不気味に静まり返っていた。
 教室の真ん中には一条祭が安置されているが、その大きさはかつてのようなみかん箱サイズではない。
 堂々たる大型冷蔵庫の箱の人が入れる一条祭であり、事実今その中には一条が入っていた。
 過去形だ。今は脱出して中は空のはずだ。誰も何も入っていないのだ。まあ仕掛けくらいは入っているかもしれないが。
 この大きな一条祭には都、玲、ベッキー、くるみ、6号、姫子の順に剣を突き刺した。
 剣は一条祭の中心部で交差しているので、普通なら中の一条はくし刺しになっている事だろう。
 しかし、これは一条の大魔術であり、今日の一条マジックショーのメインイベントなのだ。
 指示通り千社札の上から刺したのであり、当然一条は何かの対策を施しているはずだ。
 もうすぐ、一条は無事な姿で現れるのに違いないのだ。

 ……誰もがそう思いながら、すでに十五分が経過している。
 一条祭は赤く染まり、教室には生臭いにおいが漂っている。
250今月のGFを読んで:2006/10/01(日) 00:17:59 ID:???
「なあ一条、早く出て来いよ……私バイトがあるんだよ……早く行かなきゃいけないんだ……」
 玲は携帯電話を借りて連絡する事も忘れ呻いた。
「一条さんは焦らし屋さんオブジイヤーです……」
「全く……奇術ってのはもっとテンポよくやるものだぞ一条……」
 今にも泣きそうな顔で全身を振るわせながらベッキーが呻いたが、それに反応するものは誰もいない。

 誰一人として、一条祭のふたを開けようというものはいなかった。
 窓の外は夕焼けに染まりはじめている。
 もう少し待てば朝比奈委員長が見回りに来るはずだ。
 そうすればこんなふざけた事をしている自分達を叱って、箱を引き裂いて一条を叩き出してくれるはずだ。

 一条祭の中から携帯電話の着メロが鳴った。
「一条さんったらマナーモードにしときなさいよ、ねぇ」
「早く出たほうがいいわよ、一条さん?」
 都が額に汗を光らせながら叱りつけるように言って、くるみも同調する。
 しかしくぐもった『戦国ドキュン』のテーマ曲は一分弱鳴り続け、そしてぷつりと切れて、教室はまた静かになった。

 全員が口々に誰ともなくとめどない言葉を発する中で、とどめだと叫びながら一条祭を震わせる勢いで
ゲームの超必殺技を模した一撃を繰り出した姫子の顔にはいつもの陽気な色はなく、幾星霜を経た岩山のようである。

 一条祭は突き刺された剣の重みで徐々に崩壊しつつある。
 崩れ破れて中がのぞくのもそう遠い事ではないだろう。
251今月のGFを読んで:2006/10/01(日) 00:20:00 ID:???

 目指す相手が鞄の中身を机に移し終え、いつものようにくつろぎはじめた事とホームルームの開始まで時間がある事を確認して、ベホイミは南条の机に忍び寄った。
「南条さん、珍しいペットを拾ったんスけど見てもらえるっスか?」
「ええ、よろこんで……あら本当! 珍しい色だわ。こんなに鮮やかな桃色が出るなんて……! しかもこの形……」
 南条は興奮気味に声を上げた。ベホイミに手渡されたのはかつてのベホイミのようなピンク色をしたオオサンショウウオで、しかも頭部には角、背中には翼のような器官が生えている。
「よかったら南条さんにあげるっス」
「いいんですの?」
「きっと私より南条さんに飼われたほうが何億倍も幸せっスから。つーかそのために持ってきたっス」
 ベホイミははにかんだように笑い、少し別れを惜しむような目で見てから南条に押しやる。
「では遠慮なく…… おいで」
 それは戸惑った様子だったが、やがて手を広げて招かれた南条の胸に飛び込んだ。
「ふふ……可愛いですわ。怖がらなくてもいいのよ。大丈夫だから」
252今月のGFを読んで:2006/10/01(日) 00:21:00 ID:???
「おはよー。あれ南条さんまた新しいペット?」
 登校してきた学級委員のポニーテールの方が、南条が抱いているそれを認めてやってきた。
「ええ。今し方ベホイミさんに頂きましたの」
「バイトの帰りに拾ったんスよ」
「バイトかー。いいなー留学生はー。私もしたいなー」
「したきゃ勝手にすれば? 私はごめんだけどね」
 一見そうとは見えない落ち着いた瞳だが、千夏の瞳がキラキラと輝いている事がほかならぬ由香にはわかる。
 由香からほのかに発せられた殺気に反応してか、ピンクのオオサンショウウオは南条の胸にぎゅっとしがみついて小刻みにからだを震わせた。
「そういえばベホイミさん」
「ほぇ? なんスか?」
「この子の名前はなんていうのかしら? 拾ったと言っていたけれど、水槽か手紙に名前は書かれてなかったの?」
「あー、んえーと……『ミライ』っス、たしか」
 その名前を聞いて、きゃいきゃい騒ぐ女子を遠巻きに眺めていた犬神が眉間にしわを寄せる。
「みらい……か」
「どうかしましたの、犬神くん」
「いや……連絡網が回ってきて私が受けたのだが、妹のクラスの鈴原未来という子が三日前の夕方から帰宅していないらしい」
「心配だね……雅ちゃんはもっと心配だろうけど……」
「……(営利誘拐監禁略取?)」
 由香は眉をひそめ、千夏は視線を虚空に彷徨わせた。
「妹が同級生なので今朝はC組の一条が送って行ってくれた。下校時には私が行くつもりでいるよ。
 鈴原さんも何か事件に巻き込まれていないと良いのだが」
「本当、そうだね」
253今月のGFを読んで:2006/10/01(日) 00:22:00 ID:???
「ミライ? ミライ?」
 犬神の話を聞いてミライはさらにバタバタと暴れ出したが、南条が優しく首根っこを捕まえて微笑みかけると大人しくなった。
「……大丈夫よ、私が守ってあげるから。その子もきっとすぐに見つかりますわ……」
 ミライの瞳をみつめて微笑む南条の背中に、ベホイミがああと気付いたように言う。
「そういえば何も食べさせてないっス。南条さんに電話して聞こうって思ってたんスけど、やっぱ本人に渡した方がいいやって」
「まあ……それは大変。さあ、お食べなさい。カメのエサだけれど美味しいですわよ」
「南条さん食べた事あるのかな」
 南条の言葉に学級委員のショートカットの方が反応するが、相方は冷たく言い放った。
「ないと思うよ」
254今月のGFを読んで:2006/10/01(日) 00:23:01 ID:???
 ミライは南条がエサをスプーンに載せて差し出すとスプーンごとがぶりとかみついて食べた。
「おなかすいていたのね…… さあ、沢山お食べなさい」
 南条は愛おしそうな視線をミライに注ぎ、ベホイミはそれを見て満足した。
 やっぱり南条に任せてよかった。大丈夫、南条に言えばいつだってまた会える。
「南条さんに可愛がってもらうッスよ……未来……」
 ベホイミは別れを惜しむように、ミライの目を覗き込んで微笑みかけた。
(ククク……旨そうに食ってるっスねぇ…… 元魔法少女のサラマンダー鈴原未来ちゃァん?)
 しかし、動物化魔法をかけられてすでに60時間以上が経過した未来は知性もかなり低下しており、もはやベホイミの事を理解できなくなっていた。
(ごはんおいしい。このひとわたししってる? ごはんおいしいえさ、もぐもぐ。みらいなまえたわし?)
255今月のGFを読んで:2006/10/01(日) 00:24:00 ID:???
 何者かの視線が自分に向けられている事に気づき、ベホイミはっとその方向を向いた。
(メディアかッ!?)
「あー、気付かれちゃったかー」
 千夏がベホイミの至近距離でがっかりした顔をしていた。
「ちっ……チカさん……どうしたんスか」
「最近ベホイミさんいい顔してるよねって思って。何かいい事あった?」
「ええ、まあ……」
 千夏を押し退けるようにして由香が首を突っこむ。
「おおっ? カレシとか? バイト先で見つけたの?」
「違うっスよ、そんなんじゃないっス」
 頬を微かに染めて両のてのひらを顔の前で振るベホイミに、由香は千夏と顔を見合わせてからニヤニヤして言った。
「あーやしーぃ♪ 綿貫さんに調べてもらっちゃおうかなー」
「ユカさん! だから本当に違うんスよ!」

 逃げる元魔法少女と、それを追う学級委員。
 南条は肩をすくめながら、ミライにエサのおかわりをやった。
256今月のGFを読んで:2006/10/01(日) 00:31:00 ID:???
 以上です。

 未来をサラマンダーにしたのは、正体を知られた魔法少女はサラマンダーになり新たな魔法少女を見つけ出して
目的を達成させないと元の姿に戻れないルールがあったらやる気出るだろうなあ、でも精霊界非道。
と思ったからです。
 鈴原未来はベホイミのライバルキャラになるかと思ったのですがならなそうですね。
 魔法少女同士の血で血を洗うバトルが見たかったのですが。まあ来月号休載だし。
 未来が魔法少女依頼を受けた理由がバケツマンを見て憧れていたからだったりすると面白そう。
 次号は六周年、楽しみです。

>>Arachnophiliaさん
 乙です。
 そういえば蜘蛛はチョコレートの味がするとかしないとか。
 私も食べた事はないのでわかりませんが……
257マロン名無しさん:2006/10/01(日) 13:15:32 ID:???
ttp://www1.odn.ne.jp/setsuna/za_insect.html
蜘蛛はそれなりに食えるらしい
258桃月学園の殺人鬼:2006/10/01(日) 15:16:23 ID:???
>>223-226
漏斗の先がいつのまにかホースになっていると想像してみて下さい

4-B

――彼女をなぜあのように殺したんだ……?
「小さいときに似たようなことを蛙にして遊んでいたんです。その時の私は怖くて参加できなかったけど、蛙が苦しんでいるところとか破裂しているところはきっちり見ていました。」
――そのときもまだ、「目」だけが自由になった状態だったと
「はい。ただ、どうやって‘殺す`のかは多少自分の意思も含まれていたと思います。自分が頭の奥底で何気なしに思っていたことがそのまま現実となった形で」
――片桐さんがちょうどそのとき現場を見ていたらしいのだが、それには気づいていたのかい?
「いえ、あのときの私はいかに楽しく`殺す`ということに夢中になっていたため、多少の声があっても気づかなかったのではないかと思います。」

――ふーん……

男はほとんどが初めての供述だったことを何気ないようなふりをしてメモをとっていた。
ペン先が震えていた。
そんな男にはかまわず殺人鬼は淡々と供述を続ける。

「ですから、あそこで私が下の階に降りようと思ったのはまったくの偶然だったんです。
途中に誰かが銃を撃ったりして邪魔をしてきたんですけど、ただ通り過ぎるようにして殺しました。
なぜあの時、彼らに対する`殺し`が単調だったのかは今でも説明することができません。わからないんです。」
259桃月学園の殺人鬼:2006/10/01(日) 15:21:10 ID:???
遅くなってすみません。

>>Arachnophiliaさん
乙です。文を読んでいく途中でやはりカフカの「変身」を思い浮かべてしまいました。
個人的にこういうオチは好きです

>>今月のGFを読んで さん
実は今月のGFまだ読んでいないんですが、それぞれの話が不思議に富んで面白かったです。
とりあえず私は今月のGFを買うことからはじめようかと
260マロン名無しさん:2006/10/01(日) 22:20:09 ID:???
>>257
そのサイトコウガイビルスレからのリンクで見たわ。
そりゃコウガイビルやユムシが食えるならクモなんか序の口だろうな。
261マロン名無しさん:2006/10/03(火) 09:45:02 ID:4yB/wXBl
保守
262マロン名無しさん:2006/10/03(火) 13:11:57 ID:k5xT413f
保守代わり

ベッキー「おいーす・・・席つけー」


姫子「ああぁ?なんでガキの言うこと聞かなきゃいけないのカナぁ?」
6号「空気が読めない外道オブジイヤーです」
玲「ところで誰、これ」
都「さあね〜・・・知るわけないでしょ」
一条「捨て子です」くるみ「みんなおっはー」
「百瀬さん!」
「くるみちゃんおはー」
「く、くるみさん・・・今度一緒に・・・」


ベッキー「な・・・アホ毛じゃない姫子に眼が死んでる6号・・・
    今時、スケバンな玲にだらけきった都・・・
    やっぱりワケ分からんが何故か学ランでタバコのようなものをくわえといる一条・・・」



ベッキー「これは現実ではないッ!夢だ!」

┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛



ベッキー「・・・なんだ、この夢」
263マロン名無しさん:2006/10/03(火) 15:42:17 ID:???
くるみがベッキーに『シカト』されているッ!?
264桃月学園の殺人鬼:2006/10/03(火) 17:16:13 ID:???
5-A

片桐姫子は走った。それはもうただならない速度で走った。
彼女は1階へ駆け下りて外を目指して走った。この学園から出なければならないと思った
今、彼女の頭の中は先ほど見た残虐な光景でいっぱいだった。だから、その先でベッキーと玲に合流できたのは不幸中の幸いだったと言える
ベッキーと合流した姫子は先ほどの殺人鬼の恐ろしさをかいつまんで話した。
ベッキー「あいつら、そんなことを!?」
姫子「うん。とっても怖かった。でも……あの殺人鬼ってどこかで見たことがあるような気がするんだよ。どこだったかはぜんぜん思い出せないんだけど……」
ベッキー「お、お前の気のせいじゃないのか?」

ベッキーの声は震えていた。正直な話、もしこの犯行が顔見知りによるものだったら、狂ってしまう自信があった。
ようやく校門までたどり着いた3人は背後に銃声と男の悲鳴を聞いた。
「く、来るな化け物!」
どうやら銃を持っているのは男のほうだった。男は銃を放つものの、殺人鬼はそれを気にせずに真正面からぶつかっていった。
吹っ飛ばされる男。殺人鬼は男の持っていた銃を奪う。そして一言
「銃はこうやって撃つんだよ」
何度目の銃声だろうか、何度目の悲鳴だろうか。そんな音が響いたにもかかわらず、周りは驚くぐらい静かだった
姫子「つ、次は私たちなの……カナ?」
玲「に、逃げるぞ。ベッキー……っておい!」

ベッキーは殺人鬼の元に歩み寄っていった。
数分前にした彼女の推測は間違っていたことにも気づいた。
殺人鬼はまだ気づいていない。彼女は能面のような表情でこう言った。
ベッキー「おい」
殺人鬼「………」
ベッキー「………お芝居は終わりだ」
265桃月学園の殺人鬼:2006/10/03(火) 17:33:57 ID:???
5−B

――「……お芝居は終わりだ」そう彼女に言われて目が覚めたんだね?
「はい。そうです」
――このお芝居っていうのはこのときの夜にやってた映画研究会と演劇部の合作映画の「魔法少女VS殺人鬼」のゲリラ撮影のことだね?
「はい。そうです。夜のほうが雰囲気が出るからって藤宮さんが言ってたので……」
――武器は全てそのお芝居の小道具だったんだね?
「はい。なぜか本格的な武器ばっかりでしたね。そしてなぜかあの時は使い方とかも全部わかってたんです。本当によくわからないんですが…」
――そのときの圧倒的な力もわからないと?
「ええ。翌日は自分の力では動くことができませんでしたし」
――じゃあ、ここでその日の君の流れについて整理してみよう
――はじめに君は、連れのこと二人で忘れ物をとりに学校に来た。そして教室に行ったら、なぜか仮面が置いてあって、それを被った。
――あと君は、殺人鬼…の仮面を被った男を数人見たんだね?
「はい、そこでまず先生に知らせるべきだったんですけど、一人じゃ怖くて二人で一緒に行こうと思ったんです。
それで、彼女を見つけたんですけど、彼女がこっちに向かって走ってきて――」
――その時に連れの女の子が撃たれたんだね
「はい。その後は無我夢中で走りました。怖くて怖くて……そしたらたまたま入った教室に仮面があったんです。」

――うん。わかった。ちょっと待ってね……
男はそれを全てメモをし終えると、メモ帳をばたんと閉じた。
――それじゃあ今日の取り調べは終わりです。柏木優奈さん、お疲れ様
266桃月学園の殺人鬼:2006/10/03(火) 17:53:17 ID:???
6−C

事件当日現場に赴いた警察官Aによるメモ

今回の事件の被害者
・柏木優麻 1階の廊下で射殺
・藤宮円・高瀬和也・高見沢ハルカ・大滝鉄也・篠原雅人  映画研究会部室で死体がばらばらの状態で発見
・来栖柚子 2階1年A組の教室で首がない状態で発見
・芹沢茜  同じく1年A組の教室で首がない状態で発見
・ベホイミ 2階理科室で遺体の原型をとどめていない状態で発見
・毒島竜平他2名 それぞれ銃で胸を打ち抜かれて死亡


後日の警察官Aによる私的な分析
なぜ、ここまで被害が拡大したのか、
それは容疑者柏木優奈の行動が事件当日に行われていた映画研究会と演劇部の合作映画の「魔法少女VS殺人鬼」のゲリラ撮影の一部だと勘違いしていたためである
ただ、これは容疑者も芝居だと勘違いしており、生徒の監視という理由で学校に残っていたレベッカ宮本先生による「お芝居は終わりだ」の一言で殺人鬼ふんする柏木優奈が力尽きて倒れたことからも明らかである
あと、本人による「柏木優麻は強盗犯らによって殺された」と証言しているが、
これは強盗犯らは拳銃を所持していたもののこれまでほとんど使わずに逃走を続けていたことから残念ならがこの証言は嘘である可能性が高いだろう
あと、余談だがこの事件によって学校内の警備が強化され少年法が厳罰化される等々の変化があったが、当の本人は裁判途中で病死したので裁かれることなく終わってしまった。
ふふふふふふふ………警察官って大変だけど楽しいね。
優麻ちゃん見ててね。私はまだまだ演じなきゃいけないから。くすくすくす……
267桃月学園の殺人鬼:2006/10/03(火) 17:53:55 ID:???
投げ出し落ちでごめんなさい。
268携帯から:2006/10/03(火) 19:08:31 ID:???
自分の力不足を痛感しました

精 進 し ま す
269マロン名無しさん:2006/10/03(火) 22:02:58 ID:???
完結ですか?
270携帯から:2006/10/04(水) 00:13:51 ID:???
>>269
一応そうですが
恐らく皆意味不明状態だと思われるので後で補足をいれます
すいません
271マロン名無しさん:2006/10/04(水) 00:14:17 ID:???
>>270
待ってますよ。
272マロン名無しさん:2006/10/04(水) 23:19:25 ID:???
>>56
を見てふと思った。

実際このスレにおいてベホイミが活躍できる場というのが
バトル系のみなのである。
バトル系作品において、見所でもある危機的状況を作るためには
ある程度高い実力を持つものがやられて、相手の力が強大なものであることを
見せつけなくてはならない。

そのとき対称となるのがベホイミ、メディア、鈴音あたりだが、
メディアには敵になれる要素を含んでいるが、ベホ、鈴音にはそれがない。
そのためベホか鈴音のどちらかが相手にやられることになる。
ただ力だけが目立つ鈴音より、総合的な格闘能力に優れるベホの方が
使いやすいため、最終的にベホイミがやられることになる。

それらによって作られたピンチを救うのが、隠し要素的なものを多く含んだキャラである。
たとえば、運動神経抜群のくるみ、元剣道部の犬神、世界各国を旅してきた都等である。
表ざたにはなってないが彼らにはいざというときに動ける要素を含んでいる。
特に犬神は雅によって暴走という選択肢が残されているので
最終的には彼が最強かもしれない。

また、修は性格的な理由からサポート役が多く、バトル系においては
重大な複線を残してやられることが多い。
そのため彼とのつながりが強い前述の3人が活躍できるのである。
273マロン名無しさん:2006/10/04(水) 23:22:54 ID:???
加えるとメディアはあまり狼狽えないので殺してもあっさり死んでしまい面白くない。
白鳥鈴音もあまり反応しないし、攻撃力はあるけど回避率が低いので殺すのは楽でつまらない。
翻ってベホイミの方はそれなりに抵抗してくれるし死ぬ時も反応を呈してくれるので殺して楽しい。
274マロン名無しさん:2006/10/05(木) 00:36:04 ID:???
修を例えるなら、ハガレンのヒューズ、ひぐらしの悟史、メタルギアのリキッド
ターミネーターのカイル・リース、エヴァの加持かカヲル
プライベートライアンのアーウィン・ウエイド衛生兵のようなもんか

それ考えると修はなかなか優遇されるキャラだな
だが、繋がりがある双子はそれでも活躍できない
275マロン名無しさん:2006/10/05(木) 01:29:00 ID:???
プライベートライアンって授業で見たなそういや……


ジジイがかっこよく散る(死ぬ)ssってないよな? 読んでみたひ
276マロン名無しさん:2006/10/05(木) 21:11:52 ID:???
>>274
このスレだとくるみはそこそこいい活躍するよな
277マロン名無しさん:2006/10/05(木) 21:33:43 ID:???
双子がくるみの事か優麻優奈の事か迷った
278マロン名無しさん:2006/10/05(木) 21:35:37 ID:???
柏木でしょ
279マロン名無しさん:2006/10/05(木) 23:03:26 ID:???
レッドドラゴン見て、肉のことに詳しい修が一番カニバリズム似合う

くるみの弁当あった肉はもちろん・・・
280マロン名無しさん:2006/10/05(木) 23:06:14 ID:???
いや南条だろ
281マロン名無しさん:2006/10/06(金) 08:32:54 ID:???
こっち用のネタに行き詰ってエロパロスレに投下してる
いやぁダークネタの引き出しが空になった分、エロ引き出しはパンパンだぜ
あんまりエロくない気もするがとりあえず悩まずに一定量書ける
282マロン名無しさん:2006/10/06(金) 08:43:58 ID:???
エロパロスレは年齢制限あるから、小さい子は見ちゃダメ!ゼッタイ!!
283桃月学園の殺人鬼:2006/10/06(金) 13:43:47 ID:???
>>266
蛇足

柏木姉妹が一緒に学校へ忘れ物を取りに行く
      ↓
その途中で強盗犯に遭遇し、柏木優麻が殺される
      ↓
逃げる優奈、教室へ逃げ込むとそこで例の仮面を見つける
      ↓
来栖→芹沢→映研メンバーら→ベホイミの順に殺す(※)

(※)
映研メンバーは忘れ物を取りにきた来栖・芹沢・優麻・優奈を無理矢理ゲリラ撮影に参加させた。
なので殺人鬼の格好をしていてもはじめは不信感を抱くことはなかった。あとベホイミは遅刻した。

Q.なぜ仮面からあのようなオーラが発せられたのか?
A.非常に非現実的ですが、供述で優奈が「違和感を感じなかった」ということから死んだ柏木優麻の意志が入り込んだのではないでしょうか
殺しまくっていたときは優奈の意識が強く入り込んでいたのですが「芝居は終わりだ」の一言で二人とも我に返ったのではないかと思われます

Q.最後のオチはどーいう意味なの?
A.警察官Aと優奈が途中で入れ替わったという意味です。ですので分析を書いていたのは優奈ということになります
「演じなければならない」は「芝居は終わりだ」に引っかかっていると思われます。
284桃月学園の殺人鬼:2006/10/06(金) 13:48:10 ID:???
某スプラッター小説を目指して書いたはずなのにいつのまにか最後にタネを長々と説明する三文推理小説みたいになってしまいました
書きたいことはいろいろあったはずだったのにPCの目の前だと一気に消え失せてしまいました。
本当投げ出し小説でごめんなさい。
これで終わりです。他にも色々とおかしな部分はまだまだありますが勘弁してください
285マロン名無しさん:2006/10/06(金) 15:27:59 ID:???
>>283
なるほど。6-Cパートの最後が少しわからなかったけど、説明のお陰で大方理解。
ただ、警察官Aと優奈の関係がまだ少し不鮮明な気が…入れ替わりの理由とか。
とりあえず乙カレーさまでした

>>281
こっちのスレは自然と要求されている水準が高い気がする
文章、展開、構成全般においてかなりクオリティの高い作品があったり。
ただ単にグロなだけ鬱なだけの作品に留まらないというか…
だから単純にエロのみを追求する向こうの方が書きやすいってのはあるかもしれない

そーいやこのスレって年齢制限無いんだよな
286マロン名無しさん:2006/10/06(金) 19:24:43 ID:???
>>279
カニバリズムは鈴音が一番だと思う。
「あははー早乙女先生おいしそー」とか何とか言って、坦々と喰らってもらいたい。
異常な愛情が転じて姫子がベッキー食べちゃうとかも面白いかも…かも…

まあ一生文章化する予定の無い脳内妄想なんですけどね。

そういえば誰かさんが「真実の愛はカニバリズム」とかなんとか言ってたね。痺れた。
287The most calamity:2006/10/06(金) 20:53:56 ID:???
くるみ「あ、姫子、いらっしゃい」
喫茶店エトワールの扉を開くと、カランコロンという鐘の音とウェイトレス姿のくるみの声が
姫子の耳に飛び込んでくる。見た所、今店内にはくるみしかいないようだ。
くるみ「ほら座って座って。アイスコーヒーでいい?」
姫子「あ、でも私今お金持って―」
くるみ「サービスにしとくから大丈夫だって。店長は客が来ないからってどっかでかけちゃったし、
    バカ猫にはお遣い行かせてるから」
そんな事を喋りながらもテキパキと動き、2人用テーブルに座る姫子の前に汗をかいたコーヒーが
差し出されるまでにそう時間はかからなかった。
ちゃっかり自分にも注いだアイスコーヒーを、くるみはストローで一口すする。
くるみ「呼びだしちゃってごめんね。でも随分早かったね」
姫子「う、うん…。丁度商店街の近く歩いてたところだったから…」
くるみ「あ、家、帰ってなかったんだ…」
なんとなく、場の空気が悪くなる。アイスコーヒーの氷が解けてぶつかる音がカラカラと響く。
喧しい八百屋の客呼びが、エトワールのガラスを突き抜けてくる。
姫子「…で、話って…」
暫くの沈黙を破ったのは姫子だった。くるみはそれを聞くとやや慌てながら、本来の目的を
思い出したように喋りだす。
くるみ「あ、うんうん。それなんだけど…」
渋る様な間が1秒未満。
くるみ「やっぱり、あんなことになったら…ショックだよね…」
姫子のくわえるストローから、口に含まれなかった分のコーヒーがコップに戻っていった。
くるみ「ベッキーの件でも、姫子相当参ってたみたいだし…その上これじゃあ―」
姫子「ベッキーのは、いいの。馬鹿な私が悪いんだし…」
コーヒーをすすっていたままの状態でうつむきながら、姫子はくるみの言葉を遮った。
姫子「でも…でも、やっぱりあんなのはあんまりだよ…。私の宝物だって分ってて…なんであんなこと…」
徐々に涙声になっていく姫子の言葉には、同時に激しい感情も籠められていく。
その言葉を吐き出しながら頭の片隅に浮かんでいたのは、教室で見た玲の表情だった。
288The most calamity:2006/10/06(金) 20:55:06 ID:???
姫子「…私が一体何したっていうの?なんで私があんな目に遭わなきゃいけないの?
   なんで、なんで、なんで…」
くるみ「……」
嗚咽の混じり始めた姫子の言葉を、グラスを握り締めたままただただくるみは受け止める。
暫くの間店内には姫子の泣き声と鼻水をすする音だけが響き続けるが、ある種の沈黙を
唐突に破るのはやはり姫子の呟きだ。
姫子「…じてたのに…」
くるみ「……?」
最初くるみは、姫子が何と言っているのか聞き取れなかった。
姫子「信じてたのに…ずっと信じてたのに…」
くるみ「姫子…何の事言って…」
姫子「玲ちゃんのこと…ずっとずっと信じてたのに…。私のこといつも心配してくれてるって
   …玲ちゃんは私の味方なんだって…みんな私の味方なんだって…そう信じてたから、
   たとえ漫画を切り刻まれたって平気でいられたのに……!」
下をうつむき涙をボロボロと流す姫子にくるみが疑問の言葉を投げかけるとほぼ同時に、
息とともに吐かれた姫子の言葉が店内に軽くこだまする。しかし依然八百屋の客呼びには
敵うこと無く、姫子が肩を震わせ始める頃には既に、言葉の気配さえ空気に溶け込んでしまっていた。
しかしそれを聞いたくるみの表情に悪い予想が的中してしまった時の焦りと憂いが
混じっている事が、姫子の放った言葉の存在を唯一示している。
289The most calamity:2006/10/06(金) 20:56:42 ID:???
そのくるみがゆっくりと口を開き、自分の失態を親に告白する時のような気まずさを含んだ
口調で姫子に語りかけた。
くるみ「…あのね、姫子。落ち着いて聞いてね…?」
姫子「…え?」
涙を拭う手を休め、顔を軽く上げてくるみの言葉を待つ姫子。
一つ深呼吸をした後、くるみは続ける。
くるみ「自分の大切にしてたものがあんな風に滅茶苦茶にされたら、やっぱり辛いと思う。
    でもね?姫子は…玲があんなことしたと思ってるかもしれないけど、それは誤解」
今度こそ、姫子は硬直して動かなくなった。その瞳には怒り、悲しみ、不安、疑問などが
渦を巻いている事が解ったが、それでもくるみはこれだけは伝えようと言葉を続ける。
くるみ「放課後なのにあんなところに玲がいたのは驚いたかもしれないけど、あれは私が
    呼んだの。相談するなら一人でも多いほうが良いと思ったし、なによりさっき
    姫子が言った通り、多分姫子を一番心配してるのは玲だったから…」
アイスコーヒーの氷が解けてぶつかる音がカラカラと響く。喧しい八百屋の客呼びが、
エトワールのガラスを突き抜けてくる。それでも姫子は動けない。
くるみ「あのね、玲に聞いたんだけど、あの時姫子を睨んじゃったのはアレをやった誰かが
    教室に戻ってきたからだと思ったんだって。それにね、あそこに来る前までは、
    ベッキーの研究室に行って姫子と仲良くしてやって欲しいって頼んだりしてたんだって。
    本当はこれは言わない約束なんだけど…姫子に玲はあんな事絶対しないって信じて欲しいから…」
数拍の間。姫子が震えている事に、コーヒーに映った自分の顔を見つめているくるみは気付かない。
くるみ「でも…やっぱり私が悪いんだと思う…。姫子にちゃんと玲も呼んだって伝えておけば
    こんな事にならなかったと思うし、あの後すぐに追いかけてれば――」
290The most calamity:2006/10/06(金) 20:58:48 ID:???
そう言いながらやっと顔を上げ、やっとくるみは姫子の様子に気付いた。姫子は硬直し
下を向いたまま泣いていた。動けぬまま大粒の涙をボロボロと零していた。
くるみ「ひ、姫子!?」
そしてその表情は徐々に苦痛を示すものとなっていき、それからは明らかな困惑と、
今まで以上の苦悩が見て取れる。
くるみ「えっ…と、あの、姫子は何処も悪いところは無いんだよ?そりゃベッキーを
    突き飛ばしちゃったりしたかもしれないけど、アレはアレでしょうがないと思うし…、
    それに今度のは姫子は被害者なんだし、悪いのはそれに今まで気付けなかった私達だよ…?」
姫子「……」
一体どうして姫子はこんなになって泣いているのかわからず、オロオロしながらくるみは
姫子を慰める。だが依然姫子は硬直のまま、声も上げずに泣いているだけだ。
くるみ「もうこれからは、何かあったら何でも言って?私達全然迷惑じゃないし、
    それに友達じゃない。もしかしたら都とかはちょこっと嫌な顔するかも
    しれないけど、内心はすっごい心配してると思うし…」
ここまで無反応だと、まるで必死に独り言を喋っているようでくるみは虚しくなってきた。
しかし実際のところは全く何の反応も無い訳ではなく、声こそ漏れないが肩の震えが
時間が経つほどに大きくなっている。
くるみ「……姫子…」
どうして良いのかわからなくなって、遂にくるみも口を閉ざしてしまった。
しかし沈黙自体はそう長く続かない。姫子が頭を抱えて机に突っ伏したからだ。
くるみ「どうしたの?ねぇ、姫子?」
先程とは違い、姫子の荒い息とともに嗚咽が漏れ、時折鼻水をすする音もする。
そんな様子を見たくるみは、ここぞとばかりに姫子に問う。
291The most calamity:2006/10/06(金) 21:00:08 ID:???
姫子「…ひっく……私…」
くるみ「……?」
頭を抱えているせいでくぐもった声が、姫子の腕の間からこぼれる。
姫子「私、玲ちゃんが…玲ちゃんが悪いんだと決め付けて、酷い事思った…。
   漫画を切り刻んだんだと決め付けて、私を心配してくれたのにそれも
   演技なんだって決め付けた…。私がベッキーを突き飛ばすことになったのだって、
   玲ちゃんのせいだなんて思った…。」
くるみ「……」
頭を抱えながら喋るにしてはあまりに凄い勢でだったので、先程まで姫子と話をしようと喋り続けて
いたはずのくるみは全く口を開く事ができない。ほんの数十秒前と、全く立場が入れ替わっていた。
だがそんな事はお構い無しに姫子は続ける。裏切られたと思ったときでも崩壊しなかったダムは今度こそ
ガラガラと崩れ、そこから流れ出した水はおさまるどころか段々と勢いを増していき、最早この感情の暴走を、
姫子はとめる事ができなかった。
姫子「そんなの全部私の思い込みなのに、玲ちゃんは私のこと本当に心配してくれてたのに、
   …玲ちゃんとはもう二度と喋りたくないと思った…。二度と信用してやるもんかとも思った…。
   消えちゃえば良いとさえ思った…。全部!全部私の勝手な思い込みなのに!!」
292The most calamity:2006/10/06(金) 21:02:46 ID:???
そこまで言って、流れ出しきらなかった分の感情だろうか、姫子はおいおいと大声で泣き始めた。
例によって突っ伏せたままなので、その声はくぐもっている。
暫くして、ぽかんとしていたくるみがいつの間にか我に返ったように口を開いた。
くるみ「…そんなに自分ばっかり責めること無いよ…」
姫子「…でも、やっぱり友達のこと消えれば良いなんて考えるなんて…私最低だと思うヨ…」
アイスコーヒーの氷が解けてぶつかる音がカラカラと響く。喧しい八百屋の客呼びが、
エトワールのガラスを突き抜けてくる。姫子が鼻をすする音がテーブルに響く。
くるみ「じゃあ、姫子。…私にいい考えがあるの」
姫子「……?」
やっと腕から顔を上げ、涙と疑問を湛えた瞳でくるみを見つめる。かきむしって
ぐちゃぐちゃになった髪の毛からのびるアホ毛が踊り、マホの字が回った。
そんな姫子に一度にっこりと笑いかけると、くるみは『提案』を始める。


293マロン名無しさん:2006/10/06(金) 23:08:52 ID:???
>>287

自分を責める姫子モエス
294マロン名無しさん:2006/10/07(土) 00:00:35 ID:???
>>287
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
またまた待ってました
295マロン名無しさん:2006/10/07(土) 14:37:22 ID:???
きなすったぁ!!! 続きwktk!!
296マロン名無しさん:2006/10/07(土) 16:29:18 ID:???
GJ
やばいこれツボだわ
297マロン名無しさん:2006/10/10(火) 16:47:56 ID:???
保守
298マロン名無しさん:2006/10/10(火) 20:00:52 ID:BYFzqMBp
【あずぽにレッスルマニア34】34回目の祭典、対戦カード!!


1.あずぽに王座戦、特別レフェリー:朝比奈みくる★    (王座)桃瀬くるみ★ VS 鶴屋☆

2.IC王座戦                       (王座)柏木優麻☆ VS 芹沢茜★ VS 神楽★

3.タッグ王座戦、TLC形式                 (王座)ベホイミ&メディア★ VS 白鳥鈴音&秋山乙女☆ VS かおりん&千尋☆

4.金網戦                            レベッカ宮本★ VS 上原都☆

5.シングル戦                          一条☆ VS 朝倉涼子★

6.シングル戦                          長門有希☆ VS 喜緑エミリ★

7.シングル戦                          榊☆ VS 涼宮ハルヒ★

8.シングル戦                          綿貫響☆ VS 南条操★

9.6人タッグ戦                         橘玲&滝野智&水原暦★ VS 片桐姫子&柏木優奈&春日歩☆

☆・・ベビー  ★・・ヒール


34回目の大イベント!!
3つの巨大シングル戦、かおりん&千尋24期ぶりのコンビ再結成、ベッキーVS都のシングル初対決!しかも金網戦!!
そしてメインは1年にも渡る3つ巴の因縁王座戦!!
299マロン名無しさん:2006/10/11(水) 00:32:34 ID:???
今未完の作品ってどれくらいある?
300マロン名無しさん:2006/10/11(水) 00:37:11 ID:???
>>292の続き読みたい。

>>298はマルチ? キャラスレとか他色々なところで見たけど。
301マロン名無しさん:2006/10/11(水) 16:30:08 ID:???
最近Gファン買ってないが、新キャラ出たのか?
まだ9巻も買ってない・・・
302マロン名無しさん:2006/10/11(水) 17:56:14 ID:???
303マロン名無しさん:2006/10/11(水) 19:36:39 ID:???
>>355
また、「太平記」なんて地味な題材を・・・
304マロン名無しさん:2006/10/12(木) 17:38:57 ID:???
>>355の作品に期待
305マロン名無しさん:2006/10/12(木) 22:20:10 ID:???
>>299
バトロワ
闇の研究者
闇鍋でどっきり
モストカラミティ
インプラ
翼の折れたエンジェル
ぱにめたるじゃけっと
鈴音いじめグッドルート
306マロン名無しさん:2006/10/12(木) 22:22:33 ID:???

そろそろ全裸待機してると肌寒くなってきましたね。
このスレ、一遍にたくさん職人さんが投下してくれてるから、
何か職人の間で共通の周期みたいなものがあるんだろうか。 同じサイクルで書いてるとか・・・。
307マロン名無しさん:2006/10/12(木) 22:23:34 ID:???
355 :ぱにぽに太平記 :200I/10/12(花) 17:38:57 ID:???

神武天皇から九百九十九代目の帝、五大湖天皇の御代にレベッカ宮本といふ教師がゐた。
此人の時代から天下は乱れに乱れて、戦争の続くこと四十年にも余り、其間に一人の長生きをする者もなく、人々は皆身の置き所もない有様であつた。
事の起りを原(たづ)ねると、それは平成年間に白河天皇2号が魔法使いのネギを、北朝鮮討滅の功によつて、麻帆良学園の教師に補任せられた事に始まつてゐる。
これ以来「ちびっこ先生」が追々と勢力を得て、日本の教育を握るやうになつた。ネギは僅かに16巻で滅びたが、
ネギの同類にあたる野菜王べジータの子孫が其後を引き請け、時政の子の義時の時から其勢力が愈々盛んになつて来た。
 カブ、ダイコン、ニンジン、タマネギ、キュウリ、ナッパ、べジータと、七代の間「ちびっこ先生」が続いたが、
其徳望はよく生徒を撫し、権勢に驕らず(先生だぞー!などとは言わず)、謙譲で、仁恩を施し、礼儀を正しくする等の善政を行つて、「ちびっこ先生」の基礎を固めた。
(中略)
 所がネギより九代目のレベッカ宮本に至つて、
暴政(はうはう税)を行つて生徒を疲弊せしめ、
権勢に(先生だぞー!!)驕つて遊惰(徹夜でゲーム)の限りをつくし
見る人聞く人皆眉を顰め
悪口を云はぬ者はないといふ有様であつた。
308マロン名無しさん:2006/10/13(金) 01:10:11 ID:???
>>281
ちなみにどれ?
309マロン名無しさん:2006/10/13(金) 01:18:45 ID:???
俺も気になるねえ
310マロン名無しさん:2006/10/13(金) 01:55:13 ID:???
>>308
「遊星からの」でござる
気を抜いてしまいジャイ子と英理子の苗字を間違えてしまった……
311マロン名無しさん:2006/10/14(土) 00:04:43 ID:???
>>355は「後宮小説」じゃないのか?
312マロン名無しさん:2006/10/14(土) 00:12:39 ID:???
「腹上死」した親の跡を継いだ男が出した「三食昼寝付き」の求人票に釣られてバイトに応募した地味で少し口の悪い娘が、とある喫茶店の倒産までの騒動に巻き込まれて行く・・・
313マロン名無しさん:2006/10/14(土) 01:34:43 ID:???
>>310
私も英理子を英里子と書いちゃったし麻里亜を真里亜と……
314マロン名無しさん:2006/10/14(土) 09:11:24 ID:???
玲を怜と書く奴が結構居る。

そういう誤字を見るとどうしようもない気持ちになる。
いい作品なのになぁ……とか

>>313
そういうのは公式でも一時期ごっちゃになってたから仕方ないかと。
315マロン名無しさん :2006/10/14(土) 10:56:12 ID:yzqKEZYk
姫子・・・ガタック
玲・・・カブト
くるみ・・・ザビー
都・・・ドレイク
一条さん・・・サソード(ワーム)
この組み合わせで何か作って
316マロン名無しさん:2006/10/14(土) 13:38:18 ID:BHYSUn6I
玲・・・天道
姫子・・・樹花
芹沢・・・加賀美
修・・・矢車
くるみ・・・影山
南条・・・神代
一条さん・・・間宮麗奈(ウカワーム)
のほうがいいと思う
317マロン名無しさん:2006/10/14(土) 15:44:27 ID:???
くるみ「返してよぉ!あたしのザビーゼクター返してよぉ!」
318マロン名無しさん:2006/10/14(土) 16:19:56 ID:J35elWvx
【あずぽにレッスルマニア34】試合結果!!


第1試合:シングル戦         ○綿貫響 VS 南条操●

第2試合:IC王座戦          ○芹沢茜 VS 柏木優麻● VS 神楽●(新王座誕生!)

第3試合:6人タッグ戦        ○片桐姫子&柏木優奈&春日歩 VS 橘玲&滝野智&水原暦●

第4試合:シングル戦         ○涼宮ハルヒ VS 榊●

第5試合:タッグ王座戦、TLC形式    ○かおりん&千尋 VS ベホイミ&メディア● VS 白鳥鈴音&秋山乙女●(新王座誕生!)

第6試合:金網戦           ○上原都 VS レベッカ宮本●

第7試合:シングル戦         ○長門有希 VS 喜緑エミリ●

第8試合:シングル戦         ○朝倉涼子 VS 一条●

メイン戦:あずぽに王座戦       ○桃瀬くるみ VS 鶴屋●(王座防衛!)


☆鶴屋、初の王座戴冠ならず!みくるのフェースターン、レフェリー4人撃沈など数々の波乱を押しのけ、くるみが祭典で王座防衛!!
 難攻不落の強敵に一条も適わず…
 情報統合思念体対決…長門の脅威となった敵との決戦は30分近い激戦だった
 都、留年免除を賭けた勝負を制する!
 かおりん&千尋が強敵チーム2つを押しのけ、24期ぶりのタッグ王座に!!
319マロン名無しさん:2006/10/14(土) 22:58:25 ID:p4yrh+M3
ついでに
じじい・・・加賀美陸
犬神・・・三島さん
320マロン名無しさん:2006/10/15(日) 11:42:53 ID:???
つーかザビーはアニメ25話に出てた。
321マロン名無しさん:2006/10/15(日) 12:06:00 ID:N2RAZi1W
>>320 DVDに追加されたヤツね
322マロン名無しさん:2006/10/17(火) 20:48:18 ID:???
保守
323監禁地獄:2006/10/18(水) 22:37:52 ID:???
久方ぶりの投下。
エロとグロがちょっぴり。
324監禁地獄:2006/10/18(水) 22:43:36 ID:???
 桃月学園の地下倉庫。薄暗く、黴埃舞う暗黒の地下牢。
そこは普段は使われなくなったガラクタがおかれているばかりで、それらにしても滅多に日の光を浴びるようなことはないため、この部屋の存在そのものを知る者は少ない。
 階段わきにある備品倉庫(こちらは時々開かれることもあるが、それでも中に入るのは一部の教員とその手伝いのごくわずかな生徒だけである)に入り、
湿っぽい、動くことを忘れて腐ってしまった空気の中を奥へ奥へと進むと、積み重ねてあるパイプ椅子やら暗幕の山やらに出会う。
それらのガラクタを苦労して取り除けて、最深部に辿り着くと、床に細い溝が、四角形に彫られている。
溝と鍵穴に溜まった埃を吹き除き、古い棒鍵で錠を解き、溝に爪を立てて力いっぱいに引き起こすと、その四角形に沿って床扉が開いて、何十年も溜まり続けたかのような埃を立てながら、件の地下倉庫へ下りていく階段が現れる。
地下倉庫内は暗く、電気もない。
中に入っていくためには懐中電灯が必要不可欠である。
 文字通り地下牢のような内部は肌寒く、とても寂しげなものである。
大量におかれたガラクタを整理しつつ中に入っていく。
暗闇で、気をつけないと足元を躓くおそれがある。
まるでヨーロッパのシャトーに存在するようなこの幽閉空間は、扉を閉めてしまえば、もう誰も気がつく者はいない。
片桐姫子はそこに目をつけたのであった。
 彼女は額に汗してようやく持ち込んだ袋を中に置き、カンテラ式の高照度ライトを点けると、再び階段を駆け上がり外界と通じる扉を閉めた。
そして、中にあった古びた木製の机を持ち出して、その上に灯りを置いた。
さらに彼女は机とペアの、全て木で出来た古風な椅子を持ち出して、灯りの傍に配置した。
そうして、例の袋を再び顔を真っ赤にして持ち上げると、ゆっくりとその椅子の上に置いた。
彼女は一息つくと、ニヤリと笑った。
下からのライトに照らし出されたその表情は、凄まじいものがあった。
 姫子は袋を丁寧に取り去ると、ライトを手に引き寄せ、中から出てきたものをしげしげと眺めた。
白い、真珠のような艶を持った肌、金箔を細く引き伸ばしたような輝きを持つ髪の毛、そして精神を中毒に侵すような肉感…・・・それは紛れもなくレベッカ宮本という少女だった。
325監禁地獄:2006/10/18(水) 22:45:28 ID:???
 姫子は一緒に持ち込んだもう一つの小袋から長いロープを持ち出して、ベッキーを椅子に縛り付けた。
手足の拘束も忘れなかった。
 やがて一通り作業を終えた姫子は、両手でベッキーの頬を、輪郭に沿ってなぞり、優しくニ、三度叩いた。
ベッキーはようやく気がつき、ゆっくりと瞼を上げた。
暗闇の中に、スカイブルーの瞳が艶かしく輝いた。
「あれ?ここは……」
「おはよう、ベッキー」
姫子はライトを顔の高さにまで持ち上げた。
強烈な光に照らされて、ベッキーは思わず目を閉じた。
姫子は満足げにニコリと微笑むと、ライトを机の上に戻した。
静寂の闇の中で二人の息遣いのみが聞こえていた。
ベッキーはもう一度頭を持ち上げると、息苦しそうに咳を吐いてから言った。
「……姫子?これはいったいどういうことだ?」
 姫子は闇の奥からもう一つ椅子を持ち出してきて、今度は自分の身体をその上に凭れさせた。
そして、あどけなさの残る、しかし同時に強烈な毒気を帯びた顔を蒼白く光に曝しながら、黙ってベッキーを眺めていた。
彼女の顔には優しい笑みがあった。
‘恐ろしく’優しい笑みだった。
「ベッキー、いつ見てもカワユスなぁ」
「はぁ?何言ってんだ、お前?……この縄はどういうつもりだ?早く解けよ」
ベッキーは自らのおかれた状況を理解することもできず、罵るように言う。
しかし姫子は例の笑顔を湛えたまま動こうとはしない。
「ベッキー、ダメだよ、そんな恐い顔しちゃあ。ベッキーの可愛い顔が台無しだよ……あ、でも怒ったベッキーも可愛いカモ」
 姫子はこもるような声で堪え笑いをした。
闇の中に「クックックッ」という笑い声がこだまする。
その瞬間、ベッキーは事態の異常性に気がついた。
「ひ……姫子……お前……?」
「ウフフフフ……ベッキーの可愛さはね、私だけのものなの。その白い肌も、金色の髪も、青い目も、全部、全部、私だけのもの。他の誰にも渡さない。私がベッキーの所有者になるんダヨ」
326監禁地獄:2006/10/18(水) 22:47:17 ID:???
 ベッキーは首筋に悪寒を走らせた。
姫子の言っている意味は恐怖という形で認知できるが、理性という道筋からは到底理解の及ばぬことだった。
姫子が意味の分からないことを言うのはしばしばだったが、‘わかりたくない’ことをその口から聞かされるのは初めてであった。
ベッキーは戦慄した。
「わからない……お前の言っていることが理解できない……私を……どうするつもりなんだ?」
「ベッキーを可愛がってあげるの――そう、お人形さんみたいに。だから心配しなくてもいいよ。姫子お姉ちゃんがね、ベッキーを可愛がってあげるんダヨ」
ベッキーは堪えきれずに叫んだ。
「やめろ!やめてくれ!誰か!助けて!」
叫び声は底なし沼のような闇の中に飲み込まれていった。
闇の向こう側から声が返ってくるはずもなく。
「騒がないで……どうせ誰もここには来ないんだから。ベッキーはここでずっとお姉ちゃんが可愛がってあげるんだから」
「やめろ!バカ!姫子、頭を冷やせ!」
「怖がっているベッキーも可愛いなぁ……だけど、あんまり騒ぐ悪い子はお仕置きしなくちゃいけないね……ベッキー、悪い子はお仕置きカナ?」
 姫子は笑顔のままベッキーの顔を覗き込んでいた。
ベッキーは恐ろしさの余りとうとう半泣きに表情を曇らせ始めた。
「お願い……助けて……誰にも言わないから……まだ死にたくない」
「死ぬ?何故?私がベッキーを殺すの?」
姫子は堪えきれずに大笑いした。
しかし、いつもと様子が明らかに違う。
「あのね、ベッキー。私はベッキーを可愛がってあげるだけだよ……誰よりも優しく、誰よりも激しく。殺すなんてとんでもない。ベッキーのことを一番愛しているのはこの姫子お姉ちゃんなんだから……」
「うるせえ!はやく縄を解け!姫子、こんなことをしてただで済むと思うなよ!」
ベッキーは今度は精一杯に威嚇する。
しかしその声はいつの間にか鼻をつく嗚咽に濁らされていた。
姫子の笑顔は途端に雲散し、かわりに悲しげな色が表情を一杯に覆った。
327監禁地獄:2006/10/18(水) 22:48:49 ID:???
「ベッキー、そんな言葉遣いはダメでしょ。悪い子だよ……さ、姫子お姉ちゃんに謝りなさい……お姉ちゃん、ごめんなさい、て」
「誰が……誰がお姉ちゃんだ!姫子、絶対に許さないぞ!」
「姫子‘お姉ちゃん’でしょ?……まったく、ベッキーの言葉遣いは悪いなぁ……そんなんじゃ不良ダヨ、悪い子ダヨ……悪い子は、非行の道に入る前にお仕置きしてあげなくちゃいけないね」
姫子は小袋を取り出し、中を探った。取り出したのは一本の長い針だった。
「さ、言ってごらん、‘姫子’お姉ちゃんって」
姫子は針をベッキーの目の前でちらつかせながら言った。
「お前……狂ってる……」
 ベッキーがそう吐き捨てた瞬間、姫子の表情は闇に埋もれ、その姿が視界から消えた。
姫子は闇の中から手を伸ばし、ベッキーの小さな細い手を掴むと右手の人差し指を強引に引き出した。
そして、ベッキーが必死に抗うのも無視してその爪の間に針を突き刺した。
「ぎゃぁぁぁぁぁあああっ!」
ベッキーの悲痛の叫び声はまたしても闇の中に吸い込まれていった。
人差し指の先から溢れ出した血が、強烈な飛沫を発しながら迸る。
大量の熱血からは湯気が立ち上るようだった。
溢れ出す血に匂いはないが、肌を伝わる熱がとても強く感じられるのだった。
「ベッキー……」
 姫子は大量の涙を眼に浮かべ、苦悶の表情で針の突き刺さったままの自分の指を見つめているベッキーを呼びかけた。
針を伝って流れ滴る血のひどく冷淡な様子と、肌を突くような熱気が相克し――拘束され、身動きのとれないながらも震える指先がその恐怖の状況を如実に示している。
ベッキーは謂われ無き残忍な仕打ちに、いつしか激しい痛みをも忘れ、茫然とした表情に陥っていくのであった。
「ベッキー、さぁ、姫子お姉ちゃんに謝りなさい。悪い言葉を使って、ごめんなさいって」
328監禁地獄:2006/10/18(水) 22:50:32 ID:???
 姫子は空ろな目を闇の中に泳がせるベッキーの頬を思い切り抓った。
ベッキーは顔の筋肉を条件反射的に痙攣させるように一瞬だけ表情を顰めたが、すぐに無表情に戻り、震える下唇をやっとのことで動かして、言葉を口外に繰り出した。
「……ご……ごめんなさい……許してください……」
頬を伝っていく涙は冷たかった。
滾る熱血とは対照的に、まるで氷の欠片のような涙だった。
 姫子は穏やかに微笑むと、頬を抓った指の力を弱め、その同じ手で優しく愛撫した。
「それでいいんダヨ……ベッキー、ちびっ子は素直じゃなくちゃ……」
「……お願いします……もう痛いことはやめてください……」
ベッキーは力なく嘆願した。
その怯えきった表情を見ると、姫子はまたしても笑みを溢した。
「これからはね、私のことをお姉ちゃん、と呼ぶのよ。いい?悪いことしたら、お仕置きだからね?お姉ちゃんはね、悪いことばかり覚えちゃったベッキーを調教してあげるんだから……
ちょっと痛いこともするけど、痛かったら大声で叫んでいいんダヨ。泣いてもいいんダヨ……私が、ベッキーから悪い気を全部取り除いてあげるから」
 姫子はまたしても小袋に手を入れた。
ベッキーはその様子を不安げに眺めていたが、姫子の手に取り出されたペンチと針金の鈍い金属光沢を見た瞬間、顔色を真っ青にし、呼吸が止まるほどの恐怖に我を失った。
「やめて……お願い……なんでも言うこと聞くから……痛いことはしないで……許して……姫子……お姉ちゃん」
 目の前の恐怖に必死にかぶりを振るベッキーの瞳は、透き通るようなスカイブルーから、暗く沈んだダークブルーの色に変わっていた。
そして、誰にも知られること無く、その必死の叫び声は闇の中に消えていった。
329監禁地獄:2006/10/18(水) 22:52:33 ID:???
 それから三日後。
姫子は放課後になると、人目を盗んで備品倉庫の中に入っていった。
そして、静かに奥に進んで行き、手馴れたように床扉を上げると、階段を下っていった。
地下倉庫は、糞尿の臭気と、じめじめした湿気が加わり、より一層地下牢の様相を強めていた。
 姫子は階下に降り立つと、ライトをつけた。
目の前に、裸のまま拘束され、過去三日間にわたる拷問と陵辱によって満身創痍の体となったベッキーの痛ましい姿が現れた。
 ベッキーの様子は既に三日前の見る影も無く、その意識も闇の中に消え入りそうな状態だった。
ベッキーは姫子が入ってきたことを感じ取ると、力なく顔を持ち上げ、渇いた口を開き、吐息にしかならない涸れ声を出した。
「み……水……お水を……」
 姫子は手にしたミネラルウォーターをベッキーの口元に持っていき、ゆっくりと飲ませた。
ベッキーは咳き込んで、水と血を少し吐き出した。
姫子はタオルで顔を拭いてやると、水を机の上に置いて、ベッキーと向かい合わせに椅子に腰掛けた。
「ベッキー、おはよう。元気にしてた?今日ね、みんながベッキーのことを言ってたよ……三日も無断欠勤して教師としてやる気がない、怪しからんってね。
でも、そんなことないよね。だって、ベッキーはずっとこうして学校にいたんだものね……私、ちゃんとベッキーを弁護しておいたよ。ベッキーは天才ちびっ子先生なんだってね。
みんな、わかっちゃいないね、わかっちゃいないよ……」
 ベッキーは項垂れたまま返事をしなかった。
姫子は目を輝かせながら、今日あったことを逐一ベッキーに報告した。
とても嬉しそうに、楽しげに。
まるで年頃の女友達と他愛も無い会話をするように。
「あれ?おかしいな……」
 姫子は一方的に存分に喋った後、ライトの明かりが弱くなっていることに気がついた。
地下倉庫はこの明かりが無ければ完全に暗黒の闇に包まれてしまう。
姫子は立ち上がると、地上へ上がる階段の方へ戻っていった。
「待っててね、ベッキー。今、電池を買ってくるからね……しばらく真っ暗になるけど、すぐ戻ってくるから、恐がらずにいい子にしているんだよ……いいね?」
330監禁地獄:2006/10/18(水) 22:54:27 ID:???
 姫子は優しく微笑んだ。
ベッキーは顔を伏せたままぴくりとも反応しなかった。
姫子は扉を開け、外に出ると、扉の鍵を閉め、ガラクタの山を元の位置に戻して出かけていった。
下校時間で誰もいない学校を抜け出し、近所にあるコンビニエンス・ストアへ。
姫子は何の引け目も感じさせぬ、善良そのものの平穏な表情のまま、店に入っていった。
「姫子」
 聞き覚えのある声に驚いて、姫子は立ち止まった。
振り向くと、姫子のすぐ後ろにくるみが立っていた。
顔には満面の笑みを湛え、いかにも嬉しそうに佇んでいる。
「くるみちゃん……?こんなところで会うなんて奇遇カナ?」
「ヘヘへ……姫子こそどうしたのよ、それ」
くるみは姫子の手に握られた電池を指差して訊ねた。
姫子は会計をしながら素っ気なく答えた。
「お買い物を頼まれちゃったんダヨ。ライトの電池が切れちゃって」
「ふうん」
 店を出た二人は並んで歩き出した。
「ねぇ、姫子」くるみが唐突に話しかけた。
「何?」姫子は暮れ行く夕日を肩に浴びながら聞き返した。
「これからエトワールに来ない?バイトが暇でしょうがないのよ」くるみは笑いながら言った。
姫子は頭を左右に振ってそれを断った。
彼女の頭の中には、暗い地下牢で唯一の頼りである‘姉’を待つ一人の少女の姿が浮かんでいた。
すぐに戻るとベッキーに約束してしまった。
お姉ちゃんは嘘をつかないんダヨ。
「ごめんね、くるみちゃん。私、ちょっと用事があるから」
姫子は申し訳なさそうに手を合わせて頭を下げた。
口には苦笑いを浮かべつつ。
「そう……」くるみはオレンジ色に照らされた表情を曇らせた。
「じゃ、仕方がないね。強硬手段よ」
 くるみはそう言うや否や、隠し持っていたスタンガンを引き抜き、立ち竦む姫子の首筋に押し当てた。
姫子は電池の入った袋を放り落とし、その場に崩れ落ちた。
331監禁地獄:2006/10/18(水) 22:56:44 ID:???
 姫子が気がつくと、そこは真っ暗な部屋だった。まるで、あの地下倉庫のような――
姫子の身体は椅子に縛り付けられ、制服のスカートが取り除かれ、白い下着と肉付きのいい太腿が露わになったまま、やはりこれも縄で拘束されていた。
下着の布と股の肌との隙間からコードが延びていて、その先のピンク色のプラスチック製のリモコンが縄の間に引っ掛けられていた。
「おはよう、姫子」
闇の中から声がした。
「……え?こ……これは一体……?」
姫子は顔を強張らせて薄暗がりの中に問いかけた。
やがて一人の少女が満面の笑みを顔に浮かべながらその中に立ち現れた。
「く……くるみちゃん?これは……どういうこと?」
姫子は震える声で尋ねた。
くるみはさも満足げに笑い声をあげると、姫子に歩み寄り、その顔の目の前に額を寄せた。
「驚いたでしょ、姫子?ここはね、エトワールの地下貯蔵室なんだ。昔はワインなんかを仕舞ってあったみたいなんだけど、今の店長はそんなものに全く興味が無いみたいだから、私が鍵を貰っちゃったの……」
「何で私をこんなところに……?」
姫子は全身を震わせた。
恐怖と肌寒さが彼女の神経を過度に刺激していた。
「決まっているじゃない」くるみは姫子の白い頬を撫でながら言った。
「姫子はね、今日から私のものなの……私だけのものなのよ」
くるみの指は次第に頬から首筋、小さな胸、腹を伝っていって、姫子の素腿を撫で進んだ。
桃のような素肌を刺激され、姫子は身震いした。
が、その直後、くるみはその指をピンク色のリモコンにかけた。
途端、姫子の恥部は自分のものとは違う、激しい震えに襲われた。
 くるみは姫子の股間で暴れる玩具をそのままにして、今度は鋏を持ち出した。
姫子は涙を一杯に湛えた瞳を大きく見開きながら、その様子をじっと見つめていた。
 徐に、くるみは姫子の髪を鋏で切り始めた。
チョキン、バサリ。チョキン、バサリ。
姫子の髪は見る見るうちに切り落とされ、いつしかショートカットの髪型になっていた。
332監禁地獄:2006/10/18(水) 22:59:20 ID:???
「ああ、もう!姫子、お前って奴は可愛いなぁ……」
くるみは後ろから姫子に抱きついた。
姫子は恐怖の余り口も聞けず、蒼白い顔をしたまま大粒の涙を溢していた。
玩具の発する振動が椅子に伝わり、ブーンという大きな音を立てた。
しかし、声も音も全て闇の中に消え入った。
「姫子……僕って言ってごらん」
くるみは鋏の先で姫子の顎を持ち上げて命令した。
姫子は逆らうことが出来なかった。
くるみが一押しすれば、鋏は姫子の喉に飲み込まれる。
外側から、皮膚を破りながら。
「ぼ……ぼ……ぼく……」
姫子は股間を蠢く異物感を我慢しながら必死に声を出した。
「くぅぅううっ!たまんないわ!じゃあさ、今度は私のことを‘お姉ちゃん’って呼んでみて」
「お……お姉ちゃん……」
姫子はとめどなく流れる涙と嗚咽で濁る声で精一杯だった。
「いいわ、いいわ、あんた、最高!もう、絶対離さないんだから……今日からね、くるみお姉ちゃんがあんたを立派なショタ奴隷に調教してやるんだから!
もう、あんたってばとんでもない萌え属性を秘めているんだから……まったく、ほんとにあんたは‘秘め子’だよ」
 くるみは嬉しそうに立ち上がると鞄を取り出し、目の前の机の上に‘調教道具’を並べ始めた。
巨大な男性器型の性具、数々の形をしたバイブとローター、浣腸液と巨大な注射器、尿道カテーテルにピアッシング・ニードル、糸とクリップ、ペンチ、千枚通し、ハンダごてや糸鋸まである。
姫子はその全てが何であるのか、どのように使うのかをはっきりと理解していた。
なぜなら、彼女もまた、ベッキーのためにほとんど同じようなものを揃えていたのだから――
333監禁地獄:2006/10/18(水) 23:00:49 ID:???
「いや……やめて……助けて……」
姫子は泣きながら乞うた。
必死に首をイヤイヤと振るが、勿論彼女自身、くるみが決してやめることは無いことを知っていた。
くるみの心理状態は、姫子が最もよく知っていたのだから。
 それだけではない。
姫子にとって恐ろしかったのは、これから自分が受けるであろう数々の拷問や陵辱のことではなく、ひたすらベッキーのことだったのだ。
今のベッキーの居場所は自分しか知らない。
もしこのまま自分がエトワールに監禁され続けたら、ベッキーはあの暗い地下牢で、誰にも気付かれること無く衰弱しきって死んでしまう。
姫子が一番恐れたのはそれだった。
 ベッキーが死んでしまう。
彼女が行かないと……ベッキーは暗闇の中で、死んでしまう。
それを考えると、どうしても恐くなって、泣き出さずにはいられなかった。
「やめて!くるみちゃん……ベッキーが……ベッキーが死んじゃうよぉ」
姫子は叫んだ。
いつしか湿り気を帯びてきた股間の布の不快感と、生まれて初めて味わった恥部への強制的な責めの感覚との葛藤に、姫子の頭は麻痺し始めてきた。
「おいおい、姫子……もう壊れちゃったのか?まだ早いって……調教はこれからなんだぞ……」
 くるみは悪魔のような笑みを浮かべた。
姫子はベッキーの可愛らしい顔をその胸の内に夢想し、もう、自分には事態をどうしようにもないことを悟った。
「ベッキー、ゴメンね……嘘つきのお姉ちゃんを許してね……」
 姫子は項垂れ、身体を何度も震わせながら、なおも涙を溢し続けた。

――完――
334マロン名無しさん:2006/10/18(水) 23:56:16 ID:???
Gjです
なんか続きがありそう。それは各自妄想しろってことですかね。
335マロン名無しさん:2006/10/19(木) 00:12:26 ID:???
それから、くるみはメソウサにウサギ小屋に監禁され
メソウサはベッキーに飼われるという四すくみ状態に・・・
336マロン名無しさん:2006/10/19(木) 00:15:40 ID:???
俺もそういうループオチかと思ってた。
337マロン名無しさん:2006/10/19(木) 04:30:02 ID:???
くるみ「もう、あなたに頼らず生きていくの・・・
さよなら・・・」

ビクッ ビクッ


くるみ「いっ、いや!!」

メソウサ「すてさせない・・・」

くるみ「いやっ!!」

メソウサ「はなれない・・・」

くるみ「いやー!!」

くるみは走って逃げる、そこには赤信号の交差点

(ブレーキ音)キキーイッッ!!


メソウサ「あなたのいかりがぼくのそんざいりゆなら、
はなさないよ、くるみちゃん・・・」
338マロン名無しさん:2006/10/19(木) 19:58:31 ID:???
ベッキー「癒された?わたしを閉じ込めて癒された?」
339マロン名無しさん
>>337
ビクッビクッて何だー?ちょっと気になる