1 :
マロン名無しさん:
2 :
マロン名無しさん:03/06/06 12:50 ID:/puFzezj
人はそれを同人と呼ぶ
>>1 新スレ乙。
>>ドンドンネタを書き込んでください。他のネタと混ざらない様に工夫して頂ければ誰でも大歓迎。
↑ ↑ ↑
でもこれは反対。腕に覚えのある人だけにして欲しい。
このスレにSS書き込む人はあるレベル以上の人であって欲しい。
今のレギュラー陣の平均レベルを大幅に下げる人はカンベン。
誰でも好き勝手に書き込んで某ヤムスレみたいになると救えない。
>>6 ハゲド これだけ職人さん増えたから敷居を高くしてもいいと思う
腕に覚えったって、そうとうの自惚れやじゃなきゃ普通は謙遜するだろ。
そもそもヤムスレが廃れたのは職人が少なくなったからだ。
11 :
ふら〜り:03/06/06 19:32 ID:cYlHTZFi
>>1 おつ華麗です〜。
>>6 >>7 それもそうですね。……しかし贅沢な悩みではありますな。
12 :
前592の続き(10話):03/06/06 22:50 ID:RhgXFtuH
【第10話 気迫 対 兵器】
天を衝く、というのはこういう大きさを言うのだろうか。その化け物・・。超魔ゾンビはゆうに伊達 臣人の4倍の背丈がある。
伊達も190センチの堂々とした体躯である。だがそのゾンビと比べると子供、いや赤ん坊のように見えてしまう。それほどに。
その怪物・・。超魔ゾンビは大きい。体高さは8メートル近くあるだろうか。まるで恐竜である。 ・・そして、それ以上に。
攻撃速度が速い。まるで小動物の様に機敏に動く。腕を一振りすると、風を斬る音とともに、人も魔物も倒れていく。
「おい・・。てめえの相手はこの俺だといったはずだぜ・・」 伊達は槍を構えて、ゾンビの中のザボエラに言う。
伊達臣人。 ・・猛者揃いの男塾塾生の中でも、総代の大豪院 邪鬼と、一号生筆頭の剣 桃太郎に次ぐ実力を持つと言われる男。
そして伊達は槍の達人であり、体術の達人でもある。 ・・腰を低く構え、穂先をゾンビに向け、両手で水平に槍を持つ構え。
そこには一分の隙も無い。 ・・しかし。ザボエラは大きく笑って言う。 「クヒヒ・・小さいのう・・弱々しいのう!!」
巨大な掌が伊達を襲う。 ・・すんでの所で避け、飛ぶ伊達。そのまま懐に踏み込み、伊達の槍の代名詞とも言える技を放つ。
「覇極流奥義・千峰塵ッ!!」 ・・一瞬。槍撃が数十発、ゾンビの体に叩き込まれる。穂先が肉に突き刺さる。だが。
「キヒヒヒィ、無駄無駄ぁ〜」 ザボエラは笑うと伊達めがけ、思い切り蹴り飛ばす。吹き飛ぶ伊達。だが流石は伊達である。
吹き飛ばされながらも、空中で姿勢を整え、地上へ着地する。しかし。叩き付けられるのは避けても、蹴りのダメージは残る。
強烈な一撃に一瞬グラリ、とする伊達。無理は無い。自分の体より大きな足に蹴られたのだ。 ・・富樫と虎丸が近寄ろうとする。
「さっき言った事が聞こえなかったのかッ!! 何があっても絶対手出しするんじゃねえッ!!」 ・・2人を制する伊達。
ザボエラは伊達を見下しながら笑う。 ・・ザボエラはちょうど超魔ゾンビの真ん中、人間でいう胸と腹の間にいる。
「キヒヒ・・。どうせワシに全員殺されるんじゃ・・。一緒じゃよッ」 ジャキン。ゾンビの手の甲から鋭い刃が生える。
13 :
12の続き(10話):03/06/06 23:33 ID:RhgXFtuH
「死ねえッ〜!!」 ・・ザボエラの奇声とともにまっすぐ、今生えた刃が伊達を襲う。 「ぬうんッ」 気合の伊達。
キイイイン。 ・・金属音が鳴り響く。 ・・殺された、伊達が。目を瞑る富樫・虎丸。伊達はその場を一歩も動かなかったのだ。
次の瞬間。ザボエラと男塾塾生たちはその光景に目を疑う。 ・・止まっている。ザボエラの刃が。空中で。伊達に届かず。
・・伊達の槍の穂先と、ザボエラの刃の切っ先。その1ミリ以下の接触面。それが空中でブツかり合い、互いの中間で止まっている。
「な、何故じゃあッ・・何故この超魔ゾンビのパワーと互角なんじゃあッ」 驚愕のザボエラ。ギリギリと動かない刃。
ずいッ。あるスキンヘッドの男がここぞとばかりに前に出る。 ・・そう。男塾のbQ、月光である。 ・・但し、解説で、だが。
「さすが伊達殿・・あの見切りが出来るとは・・」 「何い〜、どういう事じゃ月光?」 ・・絶妙の合いの手を入れる虎丸。
「残念ながら力ではあの化け物に適わん・・。だが力があり過ぎるが故に、あの化け物は、力の集中に無駄が多い・・。
対して伊達殿は、己の持つ全ての力をあの一転に注ぎ込んでいる・・」 ・・そう言って、穂先と刃の接触面を指差す月光。
巨大なゾンビを、あの1ミリに満たぬ面で押さえているのか・・。その伊達の技量にため息をつく富樫。だが富樫、急に月光に聞く。
「月光・・お前確か、盲目だって言ってたよな・・。何故、正確に指差せるんじゃ?」 「敵が動くぞッ」 ・・月光が叫ぶ。
富樫の質問は当然「聞こえません」である。盲目の次は難聴になったようだ。 ・・ザボエラがキれる。 「貴様、ゴミの分際でッ」
14 :
13の続き(10話):03/06/06 23:40 ID:RhgXFtuH
止まった右腕に更に力を込める。ジリジリと後退していく伊達。 「キヒヒ・・。今度こそ串刺しじゃあッ!!」
槍の穂先が伊達に近付く。その分、当然ゾンビの刃も伊達の体に近付く。 「逃げるんじゃあ、伊達ッ」 悲痛な虎丸の叫び。
だが。伊達は逃げるような男で無い。 ・・月光の顔が曇る。ついに。 ・・伊達の胸のすぐ前にザボエラの刃が。 ・・だが伊達。
すっ、と静かに目を瞑り、呪文の様な言葉を唱え出す。 「闘・妖・開・斬・破・寒・滅・兵・剣・駿・闇・・」 ・・すると。
少しずつ、伊達の腕が太くなっていく。 ・・詠唱が終わる。カッ。伊達が目を見開く。 「覇極流・気張祷(きちょうとう)!!」
「ぬうああッ!! まさかッ?」 ゾンビの刃をはじき返し、一気に飛び出す槍。態勢を崩し転げ倒れるゾンビ。慌てるザボエラ。
月光はうなる。 「見事・・あれこそ練活気挿法・・。呼吸法により、人間の潜在する筋力を一瞬、100%開放する奥義・・」
倒れた超魔ゾンビ。百戦錬磨の伊達はこの機を逃さない。 ・・その大きな体の至る所。急所と思える所へ。槍の穂先を叩き込む。
「覇極流奥義・千峰塵ッ!!」 ・・だが。全ての槍撃は死肉に包み込まれ、まるでダメージを与えることが出来ない。
「無駄じゃ・・だが驚かせおって・・これでも食らえッ」 ・・手近な岩を投げつけるゾンビ。避ける伊達。立ち上がるゾンビ。
再び伊達を見下ろすザボエラ。 「妙な術を使うようじゃが・・。そんな攻撃ではこの超魔ゾンビは倒せんわッ!!」
・・伊達。ゾンビの中に内蔵された、ザボエラを睨み思う。 (やはりヤツを倒すには・・。あそこしかねえようだ・・)
その場所。いや、場所というよりも、ザボエラ本体である。硬質なカプセルで守れられているザボエラ。 ・・そのヤツを直接葬る。
「ククク・・。考えていることは分かるぞ・・。ワシを直接攻撃するつもりじゃろう・?」 伊達の顔を見て笑うザボエラ。
「しかし無駄じゃ・・。ワシがいる所は、特に頑丈に出来ておる・・」 そう言うとメチャクチャに腕や足を振るい始める。
「キャハハ・・。しょせん人間じゃ。一発いいのが入ったら終わるわッ」 ・・伊達の目が光る。獲物を狙う、ハンターの目である。
ザボエラにとびっきりの惨めな死を頼むぜ
16 :
15の続き(10話):03/06/07 00:02 ID:RHFiCOZ+
絶妙の見切りで、超魔ゾンビの攻撃を全て避ける伊達。 ・・しかしザボエラは余裕の表情で言う。
「キヒヒ・・決して攻撃の当たらぬ貴様と、決して攻撃の効かぬこの超魔ゾンビ・・どっちが有利かな?」
そう。いつかは伊達も疲れで動きが鈍る。 ・・その時、ザボエラの攻撃は伊達に当たる。そして勝負は終わる。
伊達。 ・・攻撃を避けながら、ザボエラを守る硬質カプセルを攻撃している。 ・・しかし全く割れない。
「無駄じゃと言っとろうが!! このカプセルは魔界でも最高の硬度を持つ・・。貴様では破れんわッ!!」
ザボエラ。近くにある山の様な岩石を持ち上げる。 ・・そしてその岩を抱え込み、思い切り力を込める。
「食らえッ」 ・・粉々に砕けた岩が、マシンガンの様に伊達を襲う。全て避けるのは無理・・と思われた。
しかし。 「覇極流奥義・渦龍回峰嵐ッ!!」 ・・そう叫ぶと伊達。まるで扇風機の様に槍を回転させる。
幾十のつぶてが、その回転に弾かれる。 ・・全ての石を弾き返した伊達。そしてゾンビに駆け上がり、槍の一撃。
勿論、ザボエラを守る硬質カプセルの場所である。 「バカがッ、通用せんと何度言ったら分かるッ!!」
・・ついにゾンビの一撃が決まる。叩き落される伊達。 ・・奥義の連発で肉体は限界近い。動きが鈍っている。
「クハハ・・。槍ひとつで究極の兵器とも言えるこの超魔に、適う訳はないんじゃ・・」 笑うザボエラ。
伊達。鋭い刃に全身切り裂かれ、肉体はボロボロでも、目は死んでいない。そのザボエラの言葉を受け、伊達は言う。
「教えてやるぜジジイ・・。気迫だ・・!! この世に気迫に勝さる武器は無え・・!!」
17 :
16の続き(10話):03/06/07 00:35 ID:RHFiCOZ+
「伊達が殺されちまう!! 恨まれても良いッ、ワシは助太刀をする!!」 ・・富樫と虎丸が同時に叫ぶ。
先程から伊達は、まっすぐにザボエラの硬質カプセルに突っ込んでいく。全霊を込めた槍の一突き。 ・・しかし通じない。
硬質カプセルの前に弾き返され、そのままゾンビの腕に叩き付けられる。 ・・だが伊達。またも立ち上がり向かっていく。
まるで風車に闘いを挑むドン・キホーテの様に。 「ダメじゃ伊達、もうその攻撃は通じん、逃げてくれいッ!!」
涙声の虎丸。しかし伊達は何度もカプセルに突っ込み、槍を突き刺す。イラつくザボエラ。 「いい加減にせんかッ!!」
ザボエラの刃。 ・・今度は伊達の脇腹を掠める。ダラダラと流れる血。 ・・必死で立ち上がる伊達。月光は怪訝に思う。
(伊達殿ほどの達人が・・。何故こんな攻撃を繰り返す・・) ・・月光。稲妻に打たれた様に気付く。伊達の攻撃。
・・硬質カプセルを闇雲に攻撃しているのではない。一点。カプセルの中でも、ただ一点。その一点に、寸分狂わず槍を。
打ち込んでいる。先程から、ずっと。 ・・物質のヘソ、プルッツフォン・ポイント・・ そうか、伊達殿は・・。
・・伊達と超魔ゾンビの闘いに、割って入ろうとする富樫・虎丸。その2人の肩を月光が止める。 「心配するな・・」
「何いッ、どうしてじゃ月光?」 「この勝負・・。伊達殿の勝ちだからだ・・」 ・・月光が応えた、その時。
ピシイッ・・ 十数度目の伊達の特攻。その時。硬質カプセルにヒビが入った。 「バ、バカなあッ」 叫ぶザボエラ。
ザボエラは信じられない。まさか、この超魔ゾンビの中でも、最も装甲の厚い場所が・・。
18 :
16の続き(10話):03/06/07 00:37 ID:RHFiCOZ+
物質のヘソ、プルッツフォン・ポイント。その場所。どんな硬質な物体でも破砕出来る一点。この化け物を倒せるただ一点である。
「どんな硬きモノでも・・。必ず一点、分子の密集の弱い所が存在する・・。伊達殿は見切っておったのだ。その一点を。
そして今、伊達殿の再三の一点攻撃により、その弱点から鎧はひび割れた・・。」 ・・月光は淡々という。
「うおおおおおッ!!」 ・・伊達の咆哮が響き渡る。槍はひび割れたカプセルを襲う。 ・・パリン。高い音が響く。
硬質カプセルは破壊され、ザボエラの肉体は露出する。 「う、うわあああッ!!」 ・・もう一度槍を振りかぶる伊達。
勿論狙いは生身のザボエラである。 「る、ルーラッ!!」 ・・だが。残念ながら一瞬速く。ザボエラの呪文が響く。
「お、覚えておれッ、人間どもッ」 魔界へ逃げ帰るザボエラ。 ・・フラフラになりながら伊達。逃げるザボエラに言う。
「魔界とやらでよく考えろ・・。なぜ貴様のご自慢の兵器が、オレに勝てなかったかをな・・」 ・・伊達臣人、勝利。
・・この瞬間、魔界との戦争の大勢は決した。あとは。前田 慶次と志々雄 真実の大将戦次第である。
19 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/06/07 00:40 ID:RHFiCOZ+
新スレおめでとう。1さんありがとう。私もしばらく頑張ります。
ザボエラはもうちょっとだけ必要なので。死にませんでした。
ヤムスレの事は別にいいじゃないですか。他のスレの事だもの。
では、もうしばらく魔界編お付き合いのほどを。 では。
くそー、逃げやがったな
おもしろい。でも欲を言えば圧勝するとこを描いてほしかった、伊達らしく。
塾長か(復活するなら)邪鬼とかで見せてほしいと言ってみたり。
>>15 ハゲド、今後に期待しませう。
面白かった。
伊達や赤石先輩、邪鬼さまは桃より好きなので嬉しい。
巨大化20メートル邪鬼さまととにかくデカいキャラの対決キボン
>>22 >>巨大化20メートル邪鬼さまととにかくデカいキャラの対決キボン
誰かが言うと思った。漏れも見てみたい。
25 :
ふら〜り:03/06/07 19:55 ID:???
これだけシビアな戦いの中で、よもや月光が笑わせてくれるとは。
しかし伊達がここまでやったら(邪鬼も既に魅せてくれましたし)、
桃も負けてられませんよね。向こうの戦いも楽しみです。
職人さんたち来ないな
でも黒帯研究会のバキスレの567は俺さんが
復活しそうな感じ
期待あげ
http://comic.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1052287662/n598 1時間後、新宿。
国松に電話のやり取りを要約したあと、
『初の大仕事じゃの。しっかりやってこいや。ウヒャヒャヒャヒャヒャア』
と真剣なのかふざけているのかよくわからない激励の言葉とともに道場を送り出された柳は、
一旦自宅に帰って身辺を整理した後、身の回り品だけを詰めたちいさなボストンバッグ一つを
もって国電に乗り、いくつかの乗り換えを経て新宿駅に降り立った。
新宿駅―半月前に革命という名の暴力が吹き荒れ、柳が一つの半端仕事をこなした街の交通、
その要所たるこの巨大ステーションは、未だ暴力の残滓をそこかしこに留めていた。
プラットフォームを通り、コンコースに向けて歩く柳の傍らで、その残滓を取り除き、消し去るべく
国鉄に雇われた人足たちがせわしなく作業を行っていた。
あるものは剥がされ、打ち砕かれ、そして機動隊に投擲する石礫として新宿の街に消えていった
構内の石畳を新しいものに交換する作業を行い、またあるものは様々な原因で汚され、
傷つけられた壁面の補修や再塗装を行っている。そしてあるものは、騒乱で破壊された駅の
備品や装置、什器を新品のものに交換していた。
改札で切符を渡した柳は、駅の東口を出たところで、わずかに足を止めて周囲を見回す。
平日の午後だというのに、新宿の街は老若男女あらゆる階層の人間がごったがえしていた。
2週間ほど前にこの街を覆い尽くした狂気は、新宿駅と同じくいまだ街のそこかしこに名残を留めて
はいたものの、ここに集まる人々は、その存在すら忘却してしまったかのように、エネルギッシュに
動き回っていた。
あるものは街路に立ち止まって声高に仕事の話をし、またあるものは条例その他で禁じられている
はずの路上集会や商売を行い、それ以外のすべての人間はそれぞれの目的地に
むけて、あるいは特にこれといった当てもないままに街を闊歩していた。
地方から集団就職で出てきた人間が見れば、何か大規模な祭事が開催されているのかと
勘違いしてしまいそうなほどの人波を、するりするりと縫うように潜り抜けながら、柳は電話で指定
された場所―大河内組新宿本部へと足を向けた。
>>27 特徴的な外見というものを一切もたない柳は、そのさえないといってよい見かけを群集の中に埋没
させつつ、知識と経験を有するものしかわからない足取り―足音を全く立てずに、必要以上に込み
合う街路で駆け足に近い速度を維持しながらほとんど人に接触することもない足取りで歩きつつ、
電話の最後に行った会話を反芻していた。
「わかりました、組長。お引き受けします」
『ありがたい!いや、助かったよ。あんたに断られたら本当に困るところだった』
「いえ・・・ところで、具体的な話については」
『おお、そうそう。とりあえずな、今動けるかな?たぶん、一日そこらでは終わらん話になる』
「一時間ほどいただければ、都内ならばどこにでも」
『そうかね。なら、新宿に来てもらえんかの?ウチの本部は知っとるな?』
「はい、何度かお邪魔したことがありますから」
『話が早い。今日、わしはここにおるから、ひとまずこっちへ来てくれ。いや、仕事の依頼なのに
呼び出したりしてすまんなあ・・・・・・』
「それについてはお気になさらず。では、一時間後に」
『うん。すまんが、よろしく頼むよ。それと・・・・・』
「それと?」
『詳しいことは後で直接説明したいとは思うが、この話な、おそらく・・・・いや、まさかとは思うんじゃが』
「まさか、でも結構です。気にかかることがおありでしたら、差し支えなければお話いただけると
ありがたい」
『うん。実はな、この話、どうもただの荒仕事ではすまなくなりそうな気がするんじゃ・・・・そう、
大げさかも知らんが、なんと言うか、わし等の知らないところで何か大きなことが始まろうとしている
というか・・・・・』
>>28 知らないところで、何か大きなこと、か。
柳は、意識の片隅、常に全力で回転している分析や推論を司る部分で大河内の言葉が持つ意味を
考えていた。
直接話をしたことは今の今までなかったが、大河内という人間の人となりについては、渡部や近藤
からある程度聞いて把握しているつもりではある。
曰く、最後の任侠。曰く、本物の博徒。曰く、海のように広い度量の持主。曰く・・・・。
身内、ことに自分達のボスである大河内をあしざまに罵るはずはないからある程度割引く必要は
あるかもしれないが、大河内の"業績"を考えるならば、かなりの部分が事実であると判断しても
さしつかえはなかろう。
となれば、少なくとも、物事を説明するのに針小棒大という表現が似つかわしい言い回しをする人間
ではないことになるから・・・・・。
「そんな人物をしてあれほどまでに不安にさせる何か、ということか」
柳は独り言を漏らし、やや俯き加減の顔にニタリと薄い笑みを浮かべた。
大河内のような男達は、何かしら揉め事に出くわしたとき、その解決には交渉と武力をもって当たる。
実際の話、大抵のトラブルはその2つにおいて優れた側が勝利を納めるもので、かつ大河内は
それらの要素に不足をきたしている人間ではない。それは、大河内組という組織が任侠渡世の勝敗
―時に猟銃や小銃を持って行われる暴力団同士の抗争における勝率の異常なまでの高さ、
そして政治権力―小は町内会や商店主会、大は国会までに背後から与える影響力で明らかだ。
つまり、それほどの力を持つ大河内のような人間ですら、扱いに困っているような案件であり、
それを「なんとかできる」のは私や国松先生のような人間だけだという。
面白いな。
いかなる敵が私の前に立ちはだかるというのだろう。
楽しみで仕方がない。
柳は、危うく声に出して笑うところだった。
皆様こんばんは。外伝担当でございます。
まずはさておき、新スレおめでとうございます。
そしてスレ立てお疲れ様でした
>>1さん
気分一新、新たに私も話をアップさせていただきますので、
今までと変らぬご愛顧及びご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。
>>29 新宿駅東口から徒歩10分ほど、後に世界最大級の繁華街としてその名を轟かせることとなる
歌舞伎町の中心部にひっそりと立つ、どうということのない外見の雑居ビル。
それが東日本最強の武闘派組織暴力団、大河内組の新宿本部だった。
8階建ての薄汚れた外面を見る限りでは、とてもそれほど大それた組織の物とは思えない
ビルではあったが、ここに何度か訪れている柳は、その外見が単なる擬態に過ぎないことをよく
知っていた。
このビルが大河内組の影響下にあることを表面的に示すものは、一階ロビーの案内板にある
「6F 大河内興業株式会社」
の表記だけだったが、1階のフロアにはいかなるテナントも入居しておらず、2階から5階のフロアに
かけて居を占めているカタカナ文字の商事会社と貿易会社、それに芸能プロダクションは、実の
ところ大河内組がその株及び資産に関する権利の大半を保有し、社員の殆どは大河内組の構成
員であった。
7階及び8階に関しては、いかなる表示も明記されていない。
さらに、その雑居ビルの周囲に林立する10棟ばかりの建造物の登記は、すべて大河内という苗字
の人間(名前はまちまちであるが)による所有であることを示しており、その建造物に入居してる様々
の店舗―飲食店から風俗店、バッティングセンターなどなど―に勤務する店員も、やはり大河内組
の構成員、武器さえ手にすれば恐るべき破壊を撒き散らす即応戦力ばかりであった。
すなわち、歌舞伎町のこの一角は、場合によっては法の権力すら無視することが可能な、大河内組
にとっての聖域であり、かつこの組織暴力団にとっての重要な拠点でもあった。
>>31 大河内組の本営たる薄汚れた雑居ビルの入口、その脇にある管理人室。
柳は、管理人室のいささかガタのきた木製ドアを、油切れのきしみとともにゆっくりと開けた。
ドアの向こうは、管理人室という言葉で表現されるべき部屋のイメージからかけ離れた
広さの事務室だった。
だだっ広い、とも表現できる室内には、事務机が2つに、スチール製の書類棚が壁際に3つ。
そして中央には応接用のソファが1セットとテーブル。
暴力団らしさを徹底的に排除した簡素な調度の室内には、全部で5名ばかりの男がとぐろを
巻いていた。
室内で思い思いに時間を潰していた数人の男が一斉に柳のほうを見る。
いずれも、元は相撲取りかプロレスラーであったかと思わせるような体格の持主で、同時に堅気の
世界からは遥かにかけ離れたところで生息していることを窺わせる面構えの持主ばかりだった。
ソファに腰掛け、最近爆発的に普及し始めたカラーテレビを眺めていた男が、柳の顔をちらりと見て
言った。
「ああ、柳さんか」
ドアを背にし、落ち着いてはいるが油断のない目つきで室内を確認した柳が、その言葉に頷く。
「オヤジから話は通っている。すぐに会いたいそうだ」
それだけをいうと、ソファの男は事務机に腰掛けて新聞を読みふけっていたはげ頭の大男に顎を
しゃくった。
ソファの男―大河内組新宿本部におけるこの時間帯の警備責任者から無言の指示をうけた
事務机の大男は、柳に向かって軽く手を振り、ズボンの尻ポケットから鍵束を取り出すと、
すたすたと管理人室の奥へ歩き出した。
その後を、猫のような歩調で追いかけながら柳が続く。
ソファの後ろを通り過ぎるとき、柳はふと思いついたように警備責任者に問い掛けた。
「そういえば、この時間帯にはいつも大友がいるんじゃなかったのか?」
>>32 大友とは、もちろん大河内組の構成員の一人で、最近見習いの立場を卒業した若き博徒の一人である。
派手好きで、いつも舶来物のスーツを粋に着こなしており、同時にナイフの名手でもあった。
基本的に、大河内組の警備シフトはローテーションを組んで行われており、時間帯と警備のメンバー
は大体決まっている。この時間帯に訪れればいつも見る顔はあいつとこいつ、というわけだ。
そして、柳が訪れた曜日の昼下がりには、必ず大友が壁際の椅子に腰掛けて愛用のゾーリンゲン・
ナイフの手入れをしている。
ナイフの扱いはそれなりだが、ヤクザとしての適性には欠ける部分がある。
というのが柳の大友に対する評価だが、いつも見る顔がこの時にはどこにもいなかったことが、
ふと気にかかった。
柳の問いに対して、警備責任者は軽く首を振った。
「大友か。あいつはな、先週・・・・・いや、ここで説明するより、組長室でオヤジに聞いてくれ。
そのほうが早い」
そういうと、警備責任者はまたカラーテレビに視線を戻した。
いや、視線を戻してはいるが、画面をただ眺めているだけだった。
まるで心ここにあらずといった風で、よく見れば管理人室に詰めていた男達の全員が、皆どこかに
緊張を湛えた面持ちになっていた。
なるほど。どうやら、何かが起こり始めているのは間違いないようだな。
柳は表情を変えずに室内を再び眺め回し、確信した。
「柳さん」
管理人室の奥から、はげ頭がこちらを向いて呼びかける。
唇の端に、気をつけないとそれとわからないほどのかすかな笑みを浮かべ、柳ははげ頭の方に
歩いていった。
ドキドキ
おもしれーー!
大河内組って○○ー○○ン○ー三○の?
スマソ隠しすぎた。
>>33 組長室へは、度を越していると思われるほど煩雑な手順を踏んで案内された。
これまでに請けた仕事の依頼に関するやりとりは―1人の場合も、国松と2人で組んだ場合
も―、管理人室にたむろする男達に声をかけてから、6階の大河内興業株式会社のオフィス
まで階段を登り、そこの奥にある社長室に直接赴けば大抵事が足りていたため、組長室が
ある(と思われる)8階に行くのは、柳にとっては初めてだった。
そして、柳はそのあまりの偏執狂的用心にいくらか驚かされることとなる。
柳が近くまで歩み寄ったのを確認したはげ頭は、手にした鍵束の中からとりわけ複雑で精巧な
つくりの鍵をえり分け、管理人室の奥にさりげなく設けられている鉄製の小さなドアに差し込む。
それから、鍵をきっかり90度左に捻り、空いたほうの右手でドアを軽く3度、間を置いて2度、
最後に4度ノックする。
と、ドアの上部に切り開けられた細長い覗き窓の内蓋がそろりと開き、中から油断ない目つきが
じろりと柳たちを見つめた。
「オヤジの客だ。柳さんという」
それだけを短くはげ頭が告げると、すっと内蓋が閉まり、ややあってドアがゆっくりと外側に開いた。
どうやら、はげ頭が使った鍵は、ドアのロックを解除するためのものではなく、ただのドアチャイムの
鍵だったらしい。チャイムに鍵というのも妙な話ではあったが、それ以外考えられなかった。
そのドアの厚みが目測で10センチ―大銀行の金庫にも匹敵するサイズを超えていることを如才なく
チェックした柳は、内心で口笛を吹く。
この厚さは尋常ではないな。
拳銃弾は言うに及ばず、ライフル弾や機関砲弾くらいではびくともすまい。
もしも、大河内組を武力で攻める勢力がいたならば、まずこのドアをどうにかするためには
軍用の高性能爆薬か対戦車砲でも持ち込む以外に方法があるまい。
それだけ、この大河内という人間は修羅場を潜り抜けてきたわけであり、今もなお闘争の中に
身を置いているということもしれない。
柳の推測は、ドアの向こうの小部屋に通されたことで確信になった。
>>37 小部屋は、管理人室の半分くらいの広さしかなかったものの、そこは完璧に防御というものを考慮
されて設計されていた。
部屋の内部の調度は、有事の際にはそこに立てこもる男達にとって最良の遮蔽物となるように配置
され、おそらく市販のものは一つも使われていない―頑丈さと抗弾性のみを最優先して発注された
特注品だ。そうでなければ、ただの机が何故に厚さ5センチの鋼鉄製の箱でなければならないのだ。
そして、部屋の中にいる6人の男達は、日本国においてはあらゆる意味で所持が禁止されている
はずの自動火器や大威力の軍用拳銃を身につけ、どこまでも底の見えない無表情で柳達を出迎えた。
男の中の一人が、すっと進み出てきた。
アメリカ軍の野戦服によく似たデザインの服を無駄なく着こなし、傷のある頬をいくらか歪めたその男
は、手にしたトンプソン・サブマシンガンを軽く振って、はげ頭に合図を送る。
はげ頭は、その合図に頷くと、くるりと身を翻して部屋から出て行った。
どうやら、この野戦服の男が組長警護の専任担当者ということなのだろう。
管理人室のソファにふんぞり返っていた男が表の警備指揮担当なら、この野戦服は裏の警備指揮
担当とでもいうところか。
はげ頭が出て行き、ドアが閉まったことを見届けた野戦服の男は、柳に深く頭を下げる。
「ご無礼をお許しください、柳さん。貴方を信用しないわけではないのですが、組長にお会いいただく
ためには、全ての方に手順を踏んで頂いておりますので」
柳は、男にそれ以上説明させるほど頭の回転が鈍くはなかった。
「ルールは尊重する主義だ。特にそれが、雇い主の定めたものならば」
男の言葉に頷いた柳は、ボストンバッグを傍らに起き、両手をふっと上にあげた。
6人の男のうち2人が野戦服の男に続いて前に進み出て、無駄のない動作で柳のボディチェックと
ボストンバッグの検査を行った。
異常なし。確認した男達が、野戦服の男に向かって小さく頷く。
野戦服の男は、先ほどより明らかに緊張を和らげた声で柳に告げた。
「申し訳ない。それでは、組長室にご案内します」
>>38 「よう来てくれた、柳さん。面倒な手順を踏ませてすまんのう」
専用エレベーターを、先ほどドアを開けたときよりもさらに煩雑な手順で操作した野戦服の男は、
エレベーターに柳と2人乗り込み、7階のボタンを押した。―もっとも、ボタンは1階と7階、そしてドアの
開閉とインターフォンの通話ボタンの5つしかなかったが。
そして十数秒という快速で7階に到着した柳を伴い、ごちゃごちゃと入り組んだ迷路のごときフロア
をすたすたと通り抜け、途中で5回ほどかけられた誰何に応対しつつ、狭くて急な階段を上った。
そのあまりの厳戒ぶりに柳がいくらかうんざりしかけた時、ようやくのことで組長室のドアに辿り着き、
中へと通されたところで、大河内組組長―大河内左武郎にねぎらいの言葉をかけられたという
次第である。
「アメリカ軍の攻撃でも凌げそうなつくりになっている、そう思いましたよ」
半ば正直な感想、半ば度を越した用心深さに対する揶揄を込めて、柳は応じる。
「ま、わしも少々やりすぎかとは思うんじゃがの、最近はほら、何かと物騒じゃろう。せめて本部に
おるときくらい、安心しておりたいからの」
がははと豪傑笑いを発して、大河内は柳の揶揄を受け流した。
「革命家気取りのアマチュアどもに、ここをどうにかできるとも思えませんがね。警察ですら、ここを
攻め落とすには100人単位の犠牲を覚悟する必要がある」
柳の言葉は、2週間前にこの新宿で荒れ狂った左派市民集団と、日本の治安維持を受け持つ公的
暴力装置に対する正直な評価だった。
大河内ともあろう男が、角材と火炎瓶くらいしか武器のない連中を相手にここまで用心を固める
必要はなかろう。一方の敵対勢力である警察とは共存路線でそこそこうまくやっているはずだから、
つまりは抗争相手の暴力団以外ここを脅かす可能性は皆無に等しい。
柳は、ごく素直にそう決め込んでいた。
だが、大河内の言葉は、その柳の思いを真っ向から否定するものであった。
「それがのう、柳さん。もしかすると、連中―ああ、これはあんたが言うところの"革命家気取り"
の方なんじゃが、そう馬鹿にしたもんでもないかもしれんのじゃ」
皆様こんにちは。外伝担当でございます。
本日は、もしかするともう2、3回ほど続きをまとめてアップさせていただけるかもしれません。
まあ、その辺は出来栄え次第ということになりますが。
>>36さん
おっしゃるとおり、ヤングマガジン連載の某不良漫画から名前を頂きました。
あくまでも名前だけなのですが。
ちなみに、大河内組の内部描写については、今後の伏線にしたいなあ、と考えてます。
(そこまでやろうとすると、たぶんその200くらいは必要になるかもしれませんが)
突然ドアが開き柳を敵が襲った。
柳は何が起こったのか感づく暇もなく首を飛ばされていき耐えた。
>>41 厳しいかもしれないけど
10点満点中1点
>>41 ぞくり。
大河内の発した言葉は、余りにも翳が色濃く、まるで柳の喉元に刃を突きつけられたかのよう
だった。
この、悪寒にも似た感覚に匹敵する何かを挙げよと柳が言われたならば、大河内の言葉を聞いた
刹那、誰かが夢想したように、今この瞬間に何かしらの"敵"が大河内組新宿本部の堅陣を打ち
破って進入し、柳と大河内を的にかけたときだけであろう。
ドアを蹴り開け、柳の首筋に刃を突き立てる"敵"の姿すらヴィヴィッドに想像できた柳は、その必要
もないのに思わず後ろを振り返った。
「どうしたんかの、柳さん?」
己の発した言葉で思わず柳が抱いたイメージ、その不吉なシーンの詳細など知るはずもない
大河内がキョトンとした表情で柳に問い掛ける。
柳は、そこで改めて先ほどの悪魔的なイメージを言葉で生み出したこの老博徒に視線を向けた。
身長は、この時代の日本人としてはいくらか大柄な170センチ前後。体重は80キロ台か。
恰幅のいい体格を、いかにも高価そうな結城紬で包み、おそらくはスウェーデン製と思われる
馬鹿高いソファに腰をおろしたそのたたずまいは、いかにも映画の演出に用いられそうな
"悪の親分"そのままだった。
だが、顔つきはどちらかといえば温和そのもので、一面の銀髪を丁寧に撫で付け、高い額が
知性に不足はないことを雄弁に物語っている。
小さくまとまった目鼻立ちはあまり人に威圧感を与えるものではなかったが、目つきだけは
やはり尋常ではないほどに鋭く、この老人が生き抜いてきた煉獄の数と凄愴さをはっきりと
思わせた。
「あ、ああ、いえ・・・・何でもありません」
「神経過敏じゃの。じゃが、そうでなければあんたのような稼業は務まらんわな」
鈍く室内光に眼鏡のレンズを反射させ、大河内が薄く笑った。
「ところで、話の続きじゃが」
「はい」
柳はイメージを脳内から振り払い、居住まいを正した。
中途半端な更新で申し訳ございません。
(申し上げるまでもないかとは思いますが、
>>41さんは私ではありません)
いきなり最終回というのはなんぼなんでも、と思いましたので。
あのう、このネタはリレー小説ではないので、いきなり終わらされても、ちょっと
対応が出来ないんですね。
というわけで、何事もなかったかのように話を続けさせていただきます。
ではでは。
なんかサウンドノベルにありそうなシナリオ遷移したなw
そろそろ柳のバトルが見たい
>>43 「そもそも、なんであんたにあの神岡ちゅう学生をさらってもらったか、そこから話をしたほうが
いいかもしれんの。正直なところ、少しばかり恥ずかしい理由なんで、そのへんはだまっとった
んじゃがな」
切り出しながら、大河内は応接セットのテーブル、その卓上に置かれた葉巻入れからハバナ葉巻
を取り出した。
ラ・コロナ・コロナという銘柄の、一本でサラリーマンの食事代を遥かに超える葉巻の吸い口を
無造作に噛み切り、マッチを軽やかに操って火をつける。
「さる筋から、大河内組長に指示が下りてきたから―その筋は、反政府運動の中枢部に情報源を
欲していたから、と依頼の時には近藤さんから聞きましたが」
大河内の口から盛大に吐き出される紫煙を見つめながら、柳は慎重に答えた。
「うん。近藤にはそう言うようにわしが命令した。まあ、そっちのほうが格好つくからの」
「というと、依頼の理由は別にある・・・・・?」
柳は、思わず顔をしかめた。
依頼主のルールは可能な限り尊重するが、嘘をつかれていい気分はしない。
まして、それが仕事の根幹とも言うべき依頼の理由であればなおさらである。
「誤解しないで欲しいんじゃが」
ラ・コロナ・コロナを挟んだ右手をゆったり左右に振りながら、大河内はいいわけめいた口調で言った。
「あんたを騙して陥れようとしたからではないんじゃ。まあその、神岡に用があるのは間違いない
んじゃが、用があるのは政府なんかじゃのうて、わし等じゃったからの」
「と、いいますと・・・・・・」
「あの神岡はの」
そこで、大河内は言葉を切った。温和な顔のつくりがきつくしかめられ、今まさにはじけ飛びそうな
ほどの渋面になっている。
「あの馬鹿はの、わしの孫娘―久美子を寝取ったんじゃ」
>>47 想像だにしていなかった依頼の理由に、一瞬、柳はあっけにとられたような表情を浮かべた。
なんだと・・・・・・色恋沙汰の尻拭いだと?
続いて、怒気が柳の心にじわりと忍び込んでくる。この野郎、人を舐めるのもいい加減に。
「怒るのも無理はない。大層なことを言っといて、本当は身内の恥の尻拭いなんじゃからの」
柳の表情、そこに表れた変化をすばやく読み取ったのだろう、大河内は渋面を保ったまま重苦しい
口調で続けた。
「柳さん、あんたの力はそんな詰まらんことに使っていいことじゃなかった。それは謝る。このとおりだ」
叫びつつ、大河内は応接セットのテーブルにいきなり両手をついて深く頭を下げた。
「いえ、大河内組長。すんだことです。それに、仕事そのものの内容について嘘はなかった。
神岡に関する情報は正確でしたし、私が仕事を済ましたあとのフォローも完璧でした。だから」
頭を上げてください。そう言外ににおわせて、柳は大河内の肩を揺すった。
腹が立つことは間違いないが、少なくとも嘘を突かざるを得なかった理由は仕方なかろう。
とりあえず、話を全て聞いてからこちらの態度を示しても遅くない。
「う、うむ・・・・」
不承不承、といいたげな調子で大河内は頭をゆっくりとあげる。
「本当ならのう、わし等の手でなんとかすべきところじゃったが・・・・なにぶん、神岡は大学から
滅多に外へも出よらんし、ウチの手のものを忍び込ませようにも、学生の中に混じって不自然でなく、
なおかつ腕の立つものちゅうのはおらんかったんじゃ・・・・・本当に、あいすまんことをした」
>>48 なるほど、それが私を選んだ理由か。
柳は、誠実を絵に描いて額に入れたかのような大河内の態度に、少しだけ怒りが引いていくのを感じた。
確かに、任侠渡世のプロフェッショナルたる大河内組の組員では、この仕事は荷がきつすぎる。
デモに殴りこみをかけたら、かえってその経緯が世間に広まることとなってしまうし、神岡の拠点
である大学に潜入するには、あまりにも顔つきや振る舞いに凄みをきかせたものしか組にはいない。
無論、組の下部組織である若年層集団―愚連隊など論外だ。大学構内に入った瞬間に大乱闘が発生し、
何もかもが白日の下にさらけ出されるのは目に見えている。
外部のもので、目立たないことと腕の立つこと、そして神岡に年齢が近いものという条件を重ねれば
柳以外に適任者がいないことは明らかだった。
しかし。
柳は、次第に冷静さが勝利を収めつつある脳裏に疑問符を浮かべた。
神岡をさらった時点で、この仕事は終わったはずだ。ならばなぜ、この老人は「もっと厄介な事態が」
などと電話で言ったのだろう。色恋沙汰の尻拭いなら、あとは神岡に制裁を加えて久美子を取り戻す
だけだ。そしてその程度のことであれば、大河内組には練達の名手が吐いて捨てるほどいる。
「ともあれ、柳さん。あんたの力を借りてさらった神岡を尋問して、わし等は、口を割らせた」
気がつくと、大河内が説明を再開していた。
彼の手に挟まれたラ・コロナ・コロナは、あれから一口たりとも吸われておらず、ただぶすぶすと
くすぶって貴重なハバナ葉が灰に変るに任されている。
「久美子さんの居所を、ですか」
「うむ。・・・・・・じゃがの、少しおそかったんじゃ・・・・・・」
>>49 「遅かった、とは?」
柳が尋ねた。
「久美子は、あのかわいそうな娘は、もう神岡に見切りをつけておったらしい。神岡と同じ大学の、
佐倉という男と一緒に、そやつの実家に逃げてしもうた、ということじゃ・・・・・」
「なるほど」
柳は頷いた。
それだけの情報を聞き出した後、大河内が神岡をどう扱ったかについては、あえて尋ねるつもりもなかった。
これほどの屈辱を大河内に、知らずとはいえ味合わせたのだ。おそらく今はもう生きてはいまい。
蓋然性の高い結論としては、歯型や指紋など身分の明らかになりそうな特徴をみなこそぎ落とした
後でコンクリート製のブーツを履かせて東京湾、あたりが妥当なところだろう。
それよりも、今は仕事の話だ。
柳は、平板な口調で尋ねた。
「で、その佐倉なる男の実家の住所は聞き出したのですね?」
「うむ。神岡は詳しく知っておらなんだようじゃが、後は大学の事務官に少しばかり金をつかって
探り出した」
そういいながら、大河内は懐から取り出した一枚の紙片を柳に手渡した。
柳は紙片に視線を落す。住所の表記からするに、どうやら、長野県の山中のようだ。
「となると、次の私の仕事は・・・・・・ここに赴くことですか」
「うむ」
なるほどね、今度は出張というわけか。
柳は、紙片をポケットにしまいこんで思った。
しかし、これもあまり困難な仕事ではないように思える。電話の話し振りとは明らかに何かが違う。
そうした疑念が顔に出たらしい。大河内は、どこか疲れたような笑みを顔に貼り付けて続けた。
「実はのう、柳さん。あんたに頼む前に、ウチのものを何度かその住所に送ったんじゃよ・・・・・」
51 :
マロン名無しさん:03/06/08 19:44 ID:zMwKovhN
しかし、会話だけでここまで期待させるってすげえなー
52 :
1:03/06/08 20:18 ID:???
外伝さん全開だな 面白い
正直、このスレ立ててから職人さんたちの集まりが悪いんで
スレタイが悪いせいかも、と責任感じていた
安心アゲ
パオさんと夜王さんとシャブ中さんとバキスレは俺さんも早く来ないかな
>>50 「最初は、近藤に若い者を一人つけた。東京ではないから、もう柳さんに頼んだときと状況が違う―
いかにもヤクザな身なりのものであっても構わんと思うてな。ある程度の金を持たせて、できるだけ
穏やかに話をつけて来いと命令したんじゃ」
大河内は、何かを吹っ切ったかのような、どこか不自然さすら感じさせる快活な口調で一気に話し
始めた。
吸いかけて火が消えていたラ・コロナ・コロナを無造作に灰皿でもみ消し、新しい一本を取り出して
火をつける。
柳は、背中を曲げつつ肘を太腿の上に載せ、顎を両手で挟むような姿勢で、じっと大河内の
話に聞き入っていた。
大河内の弁舌は、今やモータースポーツ専用車の如くギアを全開にしつつある。
ところが、3日たってもなんの音沙汰もない。送り出した日の夕暮れには、電話で『実家を見つけた。
これから交渉にかかります』と近藤から連絡があったにも関わらず、じゃ。
そこで今度はわしが自ら電話をかけた。
『もしもし、佐倉さんかね。あんた、うちの孫娘をどうしてるのかな』とね。
すると、相手は―たぶん、神岡の言うた佐倉本人じゃとは思うが―わしの話を鼻で笑って遮りおった。
『あんたが誰かは知らんが、いかにも頭の悪そうなチンピラ2人でどうにかなると思っているのか。
とんだお笑い種だよ。久美子を返してほしけりゃ腕ずくできな』
こういわれて怒らなんだら、その時点でわしらのようなヤクザは生きていけん。
わしは、まあ、恥ずかしい話だが若造の時に戻ったかのように怒り狂うてしもうた。
渡部に札束を、こう、ポンと投げつけたな。叫んでしもうたんじゃよ。
『信用できて、腕の立つヤツだけ事情を明かして、久美子を奪い返して来い。手段は問わん。
佐倉とやらが死んでも問題ない。とにかく、久美子を取り返して来いや!』
渡部は、まあ、わしの下で働いて長いから、即座にわしの考えを読み取った。
わしの与えた金であとくされのないよう、道具をそろえて、口が堅くて腕の立つヤツを10人ばかり、
バスに乗せて飛んでいってくれたんじゃ。
>>53 「しかし、渡部さんも帰ってこなかった・・・・・ですか?」
柳は、大河内が一息ついてラ・コロナ・コロナをふかしたタイミングを見計らって尋ねた。
先ほどまでぐったりと柳の心を覆い被さっていた怒りと虚脱感は、すでに心の中から一掃されていた。
なるほど、ただのボンボン大学生が相手ではない、ということか。
柳の表情が、どこか歓喜を湛えたものになりつつあることを知ってか知らずか、大河内はがっくりと
頭を垂れて言葉を継いだ。
そう。渡部も、送り出してから2日後に『これから村に入ります』と電話連絡してから、ふっつりと消息
を絶ってしもうてのう。
いったいどうしたことか、と気をもんでおったわしのところに、今度はあの佐倉が電話を入れてきおった。
『おじいちゃん。あんた、持ち駒に恵まれてないね。銃も持たずに、たった10人で、この僕をどうかしよう
なんて甘すぎるよ。・・・・・え?10人がどうなったかくらい、そっちで考えなよ。
でも、あの渡部とか言う人、気の毒だったね、泣き叫びながら"親分、すみません!あっしではどう
にもなりませんでした!"だもん。笑っちゃったよ。でも、あれだけ生きがいい子分をもって幸せだね、
おじいちゃん。
だって、
な か な か お い し か っ た か ら さ 、 渡 部 さ ん 。
それじゃね。今度は、もっとちゃんとした装備で来させるといいよ、おじいちゃん』
外伝さんの文は、オリジナルを知らなくても十分に楽しめますね。
続きが待ち遠しいです。無理をせずにがんがってくらさい。
柳の若い頃って想像しづらいなぁ。
バキでいうとどの人だろう。
>>54 首を、まるで死者のように力なく前にうなだれさせたまま、大河内の独演は続く。
すでに2本目のラ・コロナ・コロナもすっかり根元まで灰になってしまっていた。
バカのような高笑いと共に電話が叩ききられた後、わしは、正直な話、生まれてこの方感じたこと
のない感情に囚われてしもうた。怒りと、それよりもおおきな恐怖にな。
わしは、今年で60になる。
戦争前は、満州や上海でありとあらゆる人間の悪行をこの眼でしかと見届けたし、
大東亜戦争も、どういうわけか40過ぎて軍属にとられ、南方戦線で人が生き延びるために
やってきたいろいろな罪業を味わった。
戦争が終わってから今までは、人の欲望だの悪徳だのと向かい合い、それを貪ってここまで
やってきた。
たぶん、みてきた人死にの数は、柳さん、あんたよりも桁が2つか3つばかり大きいと思う。
じゃがのう、あの時、電話で聞いた佐倉の笑い声は、今まで味わった全ての悪い経験を足しても
敵わないほど、何か、こう、どす黒いものに満ちておったんじゃア・・・・・・
とはいえ、わしも大河内組を一代でここまでにした身。どこの馬の骨ともわからぬ若造に舐められた
まま引っ込んでおるわけにはいかん。
そこで、今度はもう絶対に負けない手はずを整えたんじゃよ。それが先週のことでな。
>>57 用意した人数は50人。いいか、柳さん。50人じゃぞ。軍で言うなら、2個小隊じゃ。
装備も、全員が拳銃から猟銃、果ては旧軍の倉庫から敗戦のドサクサにつけこんでかっぱらって
きた小銃に軽機―ああ、軽機関銃じゃな、それと、手榴弾。もう、軍隊と言っても差し支えない。
おまけに、ウチの人間は地元に不案内じゃからいうてな、長野の組―ここは、ウチとは5分の杯を
交わしたところじゃが―そこに頭を下げて頼み込んで、地理に詳しい兵隊を10人ばかり貸してもろうた。
銃はこっちもち、何かあった場合の詰め腹はウチで切ると条件をつけての。
合計60人じゃ!
装備と人員と、錬度を考えれば、もうそこらの組の3つや4つ、簡単に叩き潰せるだけの陣容じゃぞ・・・・・!
正直、わしはこいつらを送り出したとき、久美子を取り返してくれるものと信じて疑うておらなんだ。
心配するのは、これだけの大騒ぎをしでかして、どうお上に対して後始末をつけるか、それだけ
だったんじゃ・・・・・。
「そして、今度も誰一人として帰ってこなかった」
柳は、喜びを辛うじて無表情の中に押し包みながら、止めを刺すような口調で言った。
「いや、今度ばかりは違う。一人だけ、そう、たった一人だけ、帰ってきた」
「・・・・・・ほう」
「柳さん、あんたは知っておるかの。今年に入って見習から組員になった、大友という男じゃよ。
そいつだけが、たった一人、長野の組事務所に帰りついた。それが3日前のことじゃ」
59 :
ふら〜り:03/06/08 21:23 ID:???
青年誌の臭いぷんぷん、ゴルゴとかミナミの帝王とか、
なんて考えてたら、いきなり「おいしかった」ときてビビり
ました。しかも予告編のこと考えると、どうやら言葉通りの
意味らしいし……ホラー、あるいはパニック映画なバケモノを
相手に、柳の暗殺術が光り、切り裂く! ですか。期待っっ。
>>58 「長野の事務所にたどり着いた大友は、あちこちにケガをした上、完全に生気を抜かれた面に
なっておったということじゃ。何と言うのかの、そう、命はあるがそれだけ、といったような感じ
らしいのじゃ。
とりあえず、モグリの医者に頼んで応急処置を施してもらい、その日のうちに東京までつれてこさせた。
2日ほど意識不明のまま寝ておった大友は、3日目にして突然目を覚ました。そして、開口一番
なんと言ったと思う?」
探るような大河内の視線を、涼しい顔つきで流しながら柳は軽く首を振った。
「まったく、想像もつきません」
「『久美子さんは、新しい時代の礎になるんだ!誰も邪魔しちゃいけない、邪魔するやつには死が
待ってるぞ!』と抜かしよったわ。今は、とりあえず隠し事務所に閉じ込めてあるが、まったく、何も
聞き出せない状況にある・・・・・」
両手を合わせ、拝むような形を作った柳は、その手を鼻面に押し付けるようにして大河内の言葉の
意味を考えていた。
ややあって、ふと思いついたように尋ねる。
「で、今度の件について、佐倉から電話はありましたか?」
「それを今から聞いてもらおうと思っておったところじゃ」
言い返しながらも、大河内の渋面はますます深くなっていった。
柳の観察眼に間違いがなければ、その顔色もどことはなし青白さを増しているようにも見える。
まるで、死神に取り付かれたかのように。
>>60 ―3日前、大河内組新宿本部、組長室の通話記録―
『もしもし、おじいちゃん?僕です、佐倉』
「・・・・・貴様、一体何をした?」
『何をしたって、やだなあ。正当防衛ですよ。人の恋路を邪魔するヤツは馬にけられてって
いうでしょ?』
「・・・・ふざけるな!人の孫をたぶらかしておいてよくそんな口をきけるもんじゃの!」
『たぶらかしてなんかいないよう。久美子さんが勝手についてきただけなんだから』
「見ておれ、わしの力がまだまだこんなものと思うなよ、次こそは」
『次は何なの?もうヤクザではどうにもならないと思うんだけどなあ。あ、でも、今度やってきた
連中はなかなか頑張ったよ。僕たちの仲間をなんと4人も倒したんだ!いやすごいよ、おじいちゃん。
正直、これは威張ってもいいと思うよ』
「くっ・・・・・そして、全員食ったというのか・・・・・・ッ!」
『うん。さすがに、みんなちょっと気が立っちゃったからねえ。まあ、敗者には何もなしってことで
ひとつ勘弁してよ。あ、でも、一人だけ生かして返しておいたから、一応それで納得してくれない?』
「何か得体の知れない方法で洗脳しておいてか」
『洗脳?やだなあ。説得だよ、説得。ふふふ』
「思い上がるのも大概にしろ。今度は、わしの持つ力を全てぶつけてやる。お前を、お前の村ごと
地上から消し去ってやるからな!」
『今度?・・・・・うーん、今度かあ・・・・自衛隊とか、警察とか?』
「何でも構わん、貴様の知ったことか」
『でもさあ、一応忠告しておくけど、多分無駄だよ』
「な・・・・・無駄じゃとう!?」
『うん。無駄無駄。だってさ』
(空白、ノイズ、荒い息遣い―大河内のものか?)
『次 は 我 等 の 番 だ 。 い つ ま で も 攻 め ら れ た ま ま と 思 う の か?』
「く・・・・・・・!」
『覚 え て お け 、 老 人 。 貴 様 は 我 等 に 牙 を 剥 い た 。
そ の 罪 は 死 を 持 っ て 贖 っ て も ら う ぞ』
(高笑い、そして受話器を叩きつけるように切る音。発信音)
>>61 大河内は、今やはっきりそれとわかるほど震えた指先で、オープンリール式ボイス
レコーダーのスイッチをオフにした。
しばらく俯き、荒い息遣いを隠そうともせずにいた後、がばと顔を起こして柳に向き合う。
「柳さん・・・これ、どう思うかの?」
「まぎれもない宣戦布告ですな。しかも、向こうはどうやら本気のようだ」
「うむ、やはり、な・・・・・・」
大河内は、ゆっくりと首を振った。認めたくないことを、無理やり認めるとき特有の緩慢な動きで。
「というと、もう何某かのアクションが?」
そうした大河内の葛藤を全く意に介さず、柳は冷酷とも言える口調で尋ねる。
「うむ。昨日から、ウチの組で何人も行方知れずになっとるのがおる。いずれも幹部クラスでな。
それなりの警戒態勢を、理由は言わずに取らせておったんじゃが、どうにもならなんだようじゃ」
なるほど、それでこんなに常軌を逸した警戒態勢を取っていたのか。
柳は、得心がいったことに満足を覚えつつ、ゆっくりと頷いた。
「それでのう、柳さん。お願いじゃ。金はいくらでもだす。もうわし等の力ではどうにもならん。
頼む。もう、ウチにはあんたと国松先生しか頼れるお人がおらんのじゃ!頼む!」
>>62 しばらく、時間が無為に流れた。
8階のフロアを完全にぶち抜いて作られた、豪奢ながらも趣味のいい組長室の中を、
隅に置かれた大きな振り子式時計の時を刻む音だけが空ろに響く。
3分ほど過ぎて、大河内が恐る恐る切り出した。
「や、柳さん・・・・・・」
「二つ、用意していただきたいものがあります」
柳龍光は、不敵ともいえる笑みを顔に刻んで答えた。
「一つは、大友と面会できる手はず。もう一つは、長野の組の連絡先と、その組長への紹介状を。
一筆"この紹介状を持参したる者に全面的な便宜を供与していただきたく御願仕候"とね。
その二つがあれば、なんとかしてみせましょう」
「柳さん!・・・・・あ、ありがとう」
「礼は、全て片付いてからにしてくださいよ、組長」
涙を流さんばかりに手を取って喜ぶ大河内を冷ややかに見下ろしながら、柳は内心で思った。
素晴らしい。
なんと素晴らしいのだ。
正体不明の食人鬼。おそらくそいつらは、銃器すらなんとも思わない。
これこそまさに、私の敵に相応しいではないか。
柳の歓喜を知らず、すっかり安堵した大河内は慌てた口調で付け足す。
「今言ったものは、すぐに用意させる。ちょっとだけ、まってて下さらんか?」
「敵は逃げません」
柳は、今や完全に晴れやかな心持ちで大きく頷いた。
皆様こんばんは。外伝担当でございます。
ようやくのことで、世界観の説明と柳が闘うべき理由というか動機付けが終了いたしました。
それにしても、ずいぶん書いたものだと自分でもあきれ返っております。
しかし、これほどのペースで更新できるかどうか、今後はちょっとわからない部分もありますね。
いずれにせよ、もう少し引っ張って、柳のバトルにうつります。
それでは。
65 :
マロン名無しさん:03/06/08 23:02 ID:Ehr13u67
すげえもの読ませて貰った。感謝あげ!
66 :
マロン名無しさん:03/06/08 23:21 ID:ge+chP0r
暗殺者 VS 食人化け物集団
燃えるぜぇぇぇぇっ!!!
期待age!!!
外伝さん面白えぇぇぇぇっ!
パオさんに毎日更新を期待するのは勝手か?
早く夜王氏やバキスレさんやデンパさんも戻ってきてくれえぇぇぇぇっ!
兎に角このスレには毎度楽しませてもらってる
職人さんたちありがとう!!!!!
ところでこの言葉 → 蓋然性 ← どんな意味? どう読むの?
>>67さん
がいぜんせい、で変換していただければ。>蓋然性
意味は「たしかさ」です。もともとは物理現象などに用いられるんですが(うろ覚え)、
まあ、この文章では「いかにもありそうな」くらいの表現だとご理解いただければ。
ではでは。
69 :
マロン名無しさん:03/06/09 00:44 ID:8+BdvYOU
素晴らし過ぎる…。読んでてその世界に入り込んで行くような感覚があります。期待してます!ガンガレ!!
パオ氏にしろ外伝氏にしろ夜王氏にしろ、レベル高杉
漫画に関するネタならなんでも書き込んで良さそうだが
正直、恥ずかしくて書けねえ 俺も書きたいのは山々だが
常連諸兄の力量が敷居高くしてるな、自然と。
>>6の希望通りに。
外伝さん面白いな。素晴らしい。嫉妬してしまう位の出来だ。
ところで私は火曜まで書けません。(火曜夜まで忙しい)
水曜日からまた復活しますんで見捨てないで下さいな。ごめんなさい。
扉を激しくノックするジャイアン[00:00]。早く出やがれ!
便器に腰かけたムーミンが舌打ちする。うるせーなバカ。クソくらい
ゆっくりさせろ。携帯で友人にTEL。よもやま話に花が咲く[15:00]。
もう我慢も限界だ。ジャイアンが切れた。ドアをぶち破って強制入場!
中のムーミンは読書中[20:00]。便器を要求するジャイアンだが
先客のムーミンにも意地がある。結局、交替で用を足すことになった[21:00]。
まずはジャイアン。さあ出すぞ!交替[21:01]。ムーミン読書。交替[31:01]。
ジャイアン排便。交替[31:02]。ムーミン読書。交替[41:02]。
おかしい、ちっとも便意が収まらない。焦燥するジャイアンを1秒ではねのけ
漫画を読みふけるムーミン。眠りに落ちて夢を見る[41:03]。
お菓子の家。ノンノと2人でいただきま〜す。チョコの屋根、生クリームの壁、
血を吸ったサンドバック。ムーミンのキックが唸る。チェスト!
ジャイアンの腹に黄金の右足が食い込んだ[51:03]。で、出る!
も[51:04]う[51:05]ダ[51:06]メ[51:07]だ[51:08]!
地獄と化した公衆便所。強烈な悪臭にムーミンが思わずレバーをひねる。
水流の渦に呑み込まれる2人。大量の汚物もろとも便器に吸い込まれて消えた。
どれだけの月日が流れただろう[51:30+15年]。下水道から海に出て
流れ着いた無人島。救助はこない。ジャイアンとムーミン、手に手を
取り合って生きてきた。これからも2人で頑張ろう。
友情の証に、とっておきのカップラーメンにお湯を注ぐ[51:55+15年]。
その時、水平線の彼方に影が現れた。船だ!歓喜のジャイアン。
声を枯らして叫ぶが船までは届かない[52:25+15年]。そうだ狼煙だ。
葉っぱを集めて火を焚くが、折からの強風に煙が流される[53:25+15年]。
火力が足りない。燃やすものが欲しい!すかさずムーミンが
森に灯油を撒いて火をつけた。炎の海と化した無人島[54:55+15年]。
火ダルマのジャイアンを尻目に、裏手の崖に停めてあったクルーザーで
とっとと島を脱出するムーミン。ラーメンもできた。いただきま〜す[54:30+15年]。
船内のシャワーで15年分の垢を洗い流す[58:55+15年-15年]。便意を催してトイレへ。
ところが扉が開かない。一命を取り止めたジャイアンの復讐だ!やばい、出る!
も[59:56]う[59:57]ダ[59:58]メ[59:59]だ[60:00]!
【実況】勝った劉邦は時代の覇者、敗れた項羽は悲運の闘将。栄光の影には
挫折があるが、語り継がれるのは勝ち負けではない。2人の英雄の物語だ。
今宵、新たな英雄譚が誕生するか!?白虎の方角、キャンディ選手ッ!
青龍の方角、本部以蔵選手ッ!
【現場】キャンディ、マクドナルドに入店。一方の本部は残飯目当てで裏口から侵入。
瞬く間に店員につまみ出される。
【実況】手を振る観客とハイタッチを交わすキャンディ選手。対する本部選手は
沈黙の入場。今ガウンを脱いだ!炎の戦士と氷の求道者が中央で睨み合う。目で殺せ!
【現場】ピーピーうるさいクソガキをかたっぱしから殴りつけるキャンディに続いて
正面入口からこっそり再アタックの本部。代金代わりに衣服を差し出し
ハンバーガーを注文。全裸。満員の店内でキャンディと合い席。
【実況】さあゴングだ。いきなりキャンディがハイキック!おっと顔面血まみれの
本部がふところから鎖鎌を取り出した!リング下に移動、早くも場外戦か!?
【現場】マクドナルドが禁煙!?怒れるキャンディがテーブルを蹴り飛ばす!
宙を舞うナゲット、地を這うてりやきバーガー。ナゲットソースまみれになった
本部がふところからタッパを取り出し、床に散乱したバリューセットを
拾い集める。そのまま逃げるように出口へ。
【実況】キャンディも行った!キャンディの闘志に火がついた!場外戦だ!
鎖鎌をかわして本部を捕まえた!、投げ、投げ、ン投げ〜〜〜〜!!
【現場】正体不明の喫煙許可証をちらつかせ、10本ぐわえのタバコに火をつける
キャンディ。ぷは〜。店員の注意など完璧シカト。泣き叫ぶガキ目がけて鼻クソを
丸めてはピン、丸めてはピン、丸めてはピン。
【実況】あ〜っと無情のゴングが鳴り響く!両者リングアウト!なんという幕切れだ!
健闘を称え合う両者、泣いています。涙の奔流が闘技場にほとばしる!ごきげんよう!
【現場】店の前にベンツが停車。中から本部。タキシード姿でキャンディに歩み寄ると
極太の葉巻に火をつける。実は本部はお金持ち。キャンディ、財力に惚れた!
本部さん結婚して。ぷは〜。OK俺についてきな。ぷは〜。イエー玉の輿。ぷは〜。
タバコの煙がモウモウ。スプリンクラーが猛烈作動!マクドナルド水没。ごきげんよう!
はい、やっちゃいました。実験5、タイムテーブルを
一部修正しそこねてます。適宜補正してお読み下さい。
>外伝担当さん。
お、パニックホラー路線ですか。いいですねぇ。
クレイジーな敵さんとクールな柳のコントラストが楽しみであります。
千堂武士の死に、日本中が震撼した。
当初、原因不明の爆発事故として報道された、このニュース。
警察はテロ事件との関連で捜査を進めていたが、現場付近で千堂のトレーナー・柳岡の遺体が発見、
ジム関係者の事件当日に関する証言、さらには現場から数十メートル離れた場所で、
何者かの遺体の一部(これはマスコミには知らされなかったが、千堂の右手の小指であると断定された)の発見などにより、
千堂武士が当日、何者かによって爆死させられた事が明らかになった。
その上、当日の現場付近で、国際指名手配中の脱獄犯、ヘクター・ドイルが目撃された事から、
今事件と関係があると見て、ドイルはより一層の警察のマークに晒される事となったのである。
千堂武士の葬儀は、西日本におけるボクシングのメッカ・大阪府立体育館にて盛大に行われた。
一介の日本ランカーの葬儀としては異例ではあるが、大阪における千堂のカリスマ的な人気を考えれば、
そこに異論を差し挟む者は皆無であった。
そして事件当日から数日後。
東京において千堂と最も縁深き場所一一鴨川ジムも、千堂の死に震えていた。
重い打撃音と共に、サンドバッグが跳ね上がった。
軽々と、まるで振り子のようにサンドバッグを舞わせているのは、身の丈170cmにも満たない小兵である。
人間の声とは思えぬ一一錯乱した獣にも似た叫びを上げ続けながら、男はひたすらにサンドバッグに拳を叩きつけている。
その度に、汗に混じってしぶくものがある。
血、だった。男の拳は、皮膚がずるずるに擦り剥け、肉が露出していた。
素手でひたすらに、ありあまるパンチ力をぶつけ続けたからだ。
「もうやめねえか、一歩ッッ!」
男一一幕ノ内一歩の愚行を止めたのは、火が出るような鉄拳だった。
放ったのは特徴的なリーゼントヘアをした巨漢一一鷹村守である。
殴り倒された一歩は、口から溢れる血を拭おうともせず、鷹村を睨みつけた。
だが、すぐにその双眸にはとめどもなく涙が溢れはじめる。
「だって…だって…だって千堂さんが殺されたんですよッッ!?
あんなに強くて、プライドを持ってて、ボクシングを好きだったあの人が!!
なんで殺されなきゃいけないんですかッ、鷹村さんッッ!!」
「落ち着けって言ってんだろうがッッ!!」
野獣のごとき剣幕に、一歩が言葉を呑み込む。
一歩が落ち着くのを見計らって鷹村が話し始めた。
「理由なんかねえ……千堂はまったくの突然に、理不尽に、情けなく殺されたんだ。
あえて理由があるとすれば……それが“路上の現実”ってやつよ」
「千堂を直接殺したのは、最近話題の脱獄死刑囚の1人だって話だ」
鷹村に言われるまでもなく、一歩もその事については良く知っていた。
イギリスからの脱獄囚・ドイル。電気椅子の処刑を耐え抜き、看守を皆殺しにして脱獄を果たした男。
そして、ドイルは“敗北を知りたい”と言い残したという。
敗北を知りたい。一歩には想像すら及ばぬ言葉である。
伝え聞く、残虐にして華麗な手口による、難攻不落の状況を脱し、なおそのような言葉を言い放つ者とは、どのような怪物なのか。
すべてが一歩の想像を凌駕していたが、ひとつだけは分かっていた。
それは、ドイルがまぎれもない、千堂の“仇”であるという事実だ。
「そんな…そんな理由の為に、千堂さんを殺すなんて……許せない……絶対に許せない…」
これまでの生涯で経験した事のない量の憎悪が、一歩の身を焦がす。
「馬鹿な事、考えてるんじゃねえだろうな、一歩」
「!!」
驚愕に目を見開いた一歩を見て、鷹村が鼻を鳴らす。
「何を考えてやがる一歩。
お前みてーな小物が、あんな化物を相手に何をするつもりなんだ。
しかも、野郎が棲む場所は、お前が今まで立ってきたリングとはまるで違う。
ルールも、ゴングも、観客すらない。刃物、棍棒、首絞め、アスファルトの床一一
いつ割れたビール瓶や、拳銃が飛び出すかワカラねえ。
武器使用、不意打ち、騙し討ち……ありとあらゆる事が肯定される。それが路上なんだ」
一歩は、鷹村の言葉を固唾を飲んで聞き入っていた。側にいる木村・青木も声さえ出せない。
「だいたい、お前はリング以外じゃロクに喧嘩もしたことがねえだろうが。
それにひきかえ、相手は拳銃どころかバクヤクまで使用う、筋金入りのイカレ野郎だぜ。
飼いならされた兎が、飢えた恐竜に挑むようなものだ」
鷹村の一言、一言が一歩の胸をえぐり、かきむしる。
一歩は、ただ唇を噛みしめることしか出来ない。
「ルールなんざねえ……より冷酷に、残虐になれる奴だけが、あそこでは勝つ。
努力だとか信念だとかが入り込む余地なんぞねえ。そこには圧倒的なリアリティだ。
そこに立てば、ロマンだとかそんなもんは消し飛んじまう。
そこで勝つには人の皮を被った獣一一いや、悪魔になるしかない。それが、路上の現実だ!」
いたたまれなくなった一歩が、泣き叫びながら、ジムを飛び出した。
それを木村と青木が追っていく。誰もいなくなったジムで、鷹村がひとりごちる。
「脱獄死刑囚……俺様には分かるぜ、こいつらはイカレてやがる!
こいつらはおそらく、殺し合いのランキングなら世界ランカーだろう……。
正直、俺様でも……こいつらの土俵でやりあっては……」
勝てない。その一言を、鷹村は何とか呑み込んだ。
「ボクサーはリング上でのみ実力を発揮することを運命づけられた人種だ。
それじゃあ、こいつらにはかなわない……もし、ボクサーのそんな奴がいるとすれば…」
それはボクサーでありながら、ボクサーに在らざる者だけだ一一
79 :
ふら〜り:03/06/09 22:36 ID:???
>>VSさん
ジャイアンとムーミン、とはまたスゴイ取り合わせ。内容以前に、
その組み合わせだけで「何をどう考えてたらそういうことが思いつく
んだろう?」です。
以前パオさんの風貌を想像してた方がおられましたが、VSさんは
その点、全然想像がつきません……。
>>夜王さん
パオさんの方では鷹村が戦いましたが、もしかして夜王さん
の方では一歩がっっ?
常連の方々がどんどん復活してきた・・
すっげえ嬉しい・・
全ての方々の作品が好きだが
オレ的に夜王氏がツボだ 頑張れ
>>79 俺には想像できる。
髪はポニーテール。
今時珍しく、若いのに化粧をしていない17歳。
身長は159cm体重は48kg。
下着は白、でも好きな人が黒色が好きと聞いて最近悩んでいる。
顔は池脇千鶴似、性格はよく喋るけど、
迷惑にならない程度に気を使っている。基本的に性格は明るい。
男性経験はキスまでならあるけどそれ以上はした事が無い。
休日の過ごし方は図書館に行って本を借りて読む。
異性の友達は余り作ろうとせず、同姓の友達と気軽に付合うのが好き
でも、男性嫌いと言うわけでもない。
勿論これらは全て俺の妄想だ。
VSさん巻き込んでしまってスマン。
千堂の死が、おそらく日本中のボクシングファン及び関係者にとって、
怒りと悲しみで受け止められていたのと同じ頃。
ひとつだけ、その事実を他と全く違う温度で味わっている場所があった。
名古屋鬼槍留(キャリル)ジム一一
うだつのあがらない弱小ジムの、ある一室で、1人の男が肩を揺すっていた。
照明を点けていない為、男の表情や風貌といったものは判然としない。
ただ、男の双眸だけが、ギラギラと異様な輝きを帯びている。
男は暗闇で凝っとうずくまったまま、ある一点だけを睨んでいた。
男はTVを見ていたのだ。そこに映し出されるのは、脱獄死刑囚に関する特集番組。
脱獄から幾日が経過しているだの、犠牲者が何人出ただの、住民は夜も安眠できないだの、
警察は怠慢だの、例によって例のごとく、鸚鵡のように代わり映えしないニュースが垂れ流されているだけだ。
その中で、最も多くクローズアップされるのが、やはり千堂武士殺害の話題だった。
幾度見ただろう、そのニュースを見て、男は激しく肩を震わす。
それは悲しみの嗚咽をもらしているからでも、ましてや義憤にかられているわけでもない。
念の為に断っておくが、変化のないニュースに飽きて眠っているわけでもない。
男は一一笑っていたのだ。ぎらついた目を、狂喜と狂気に濡らし、笑いすぎて痙攣を起こしている。
TVの光に一瞬映った、その貌は禍々しく醜悪ではあったが、
しかし常人ならざる者のみが放つ、ある種の美をたたえていた。
「くくくっっ……かかかかっっ……なにが“浪花の虎”よ?
毛唐のごろつき風情に殺されやがって……やっぱ手前は猫じゃねえかよ!」
男はひとしきり狂笑し、部屋を出た。
そこには古いサンドバッグをはじめ、使い込まれた一一といえば聞こえはいいが、実際は買い替える予算がなく、古い物を騙し騙し使っている一一トレーニング器機が並んでいる。
よく研いだ刃物を思わせる容貌をした、男だった。ごそりと肉を削ぎ落したような頬をしていた。
顔だけでなく、全身も絞り込まれ、無駄がない。それ自体が、よく手入れされた凶器のようだ。
逆立てた髪は、地獄の底の炎のごとく燃え立っているかのようであった。
男は、狂気の笑みをはりつかせたまま、一心不乱にサンドバッグを殴り始めた。
「かかかっっっ……死刑囚の肉ってのはどんな味がするんだろうなあ!?
硬えのかなあっっ…柔らけえのかなあっっ……くくくっっっっ!!!!」
サンドバッグの向こうに、久々の好敵手を見ているのか、男の連打は加速していく。
まるで、地獄の鬼が、その槍で罪人達を何度も何度も刺突するかのごとく。
鬼の名は、沢村竜平。かつて、一歩を最も苦しめた男。
かつて“尾張の竜”と呼ばれ、千堂と並び称された男であった。
(第3話「虎と竜」・・了。第4話「黒き十字架」につづく)
>夜王氏
面白い!第4話も期待してます。
85 :
夜王:03/06/09 23:28 ID:???
ども久しぶりでございます(何度言ったか、この台詞)
ここによ〜〜やく、第3話完結とあいなりました。ってか、あと2レスどころじゃなかった。
しかも、なんか内容が薄すぎますね。だって、今回の話といったら・・・
千堂、ドイルに殺害される→それに触発された沢村動く
・・・これだけですんでしまいます。
それをなんと16レス・・・ワンピのアラバスタ編なみに中身がない・・
それにしても、我ながら(悪い意味で)渋すぎるチョイス。
書いてる途中で、ふら〜りさんの書き込みを見て、
「そっちの方が王道っぽくて良かったかなあ」とか考えても、後の祭りでした。
ま、同じ漫画キャラのコラボを書いても、派手さではバオ氏に遥かに及ばないので、
ひとり、マイナー&渋系路線で行こうと思います。
では。
>>81 おおむね正解。一つ、下記項目の追加をお願いします。
・水虫の悪化で記憶を失う
>>63 ―同時刻・東京・千代田区・桜田門・某所における会話―
「報告は受けている。にわかには信じがたいが」
「はい。通常、左翼学生が暴力団を襲撃するなど、考えられませんでした。
それが、今日1日に限ってもすでに10件。今のところ死者はまだ出ておりませんが、
各地の所轄はてんてこ舞いですよ」
「何か、気になることがあるのか」
「ええ。2つばかり」
「言ってみたまえ」
「一つは、襲撃する側です。目撃情報及び現場の遺留品などから、どのセクトが襲撃を
かけたかは大体判明しておりますが、どうにも、この分析結果がすべて真実とするならば、
普段は犬猿の仲であるはずのセクト同志が、一致団結して行動に当たっているようにしか
思えません」
「エスからの報告では、特にそうした意思の統一を裏付ける兆候はなかったな」
(エス―公安警察が捜査対象に潜入させるスパイの符牒)
「はい。すべてのセクトにもぐりこませたエスから報告を求めましたが、、暴力団への
襲撃に関し、何らかの命令や指示が上層部から下されたということはないようです。
どうも、一部の分子が暴走して襲撃をかけたのではないか、そう考えるのが妥当な
ところですな」
「ふむ、で、第2の点は?」
「襲撃される側です。事務所への襲撃も、公道上での襲撃も、いずれも被害者―まあ、
こういう表現が相応しいかどうかはともかく―は、大河内組の人間でして」
「ほう・・・・・大河内組といえば」
「ええ、ついこないだ、何十人もの組員を長野に送り込んだ、あの大河内組です」
「たしか、どこにおくりこんだまでかは、わからなかったはずだな」
「はい。ですが、長野県警によれば、同日の深夜―ええと、御奴村でしたか、そこで複数の
銃声がしたと通報があり、これをうけて急行したところ、何ら事件性を窺わせる兆候は発見
できなかったとの事ですが」
>>87 「大河内組の組員は、御奴村に行った、ということかもしれんな・・・・そこで何かがあった」
「ええ、こちらも未確認情報ではありますが、御奴村近辺の山岳地帯に、反政府革命勢力が
ベースキャンプを築こうとしている、という話もありますし」
「気になるね。偶然の一致にしてはあまりに出来すぎている」
「はい。何かしらの手は打つべきかと」
「となると・・・・まず、長野のほうかな」
「こちらは、部長、申し訳ありませんが貴方のほうから本庁を通じて話をしていただけません
でしょうか」
「いいだろう。明日には話をまとめるから、派遣する人間を選んでおきたまえ。御奴村で何が
あったか、徹底的に調査するんだ。たぶん、長野県警の田舎者では何も見つけられなかったに
違いないからな。県警の連中に否とは言わせないさ」
「ありがとうございます。それで、もう一つの方ですが」
「大河内組への監視体制の強化だな。こちらも、手すきの部署を君のところに応援に行かせる」
「助かります・・・・・ん?何だ?・・・・すみません、部長。ちょっと失礼します」
※ ※ ※
「どうした」
「課長、大河内組に張り付いていた班からの報告です。組長があわただしく車に乗って出発
したとのことです。護衛を山ほど従えて。・・・ああそれと、見慣れない若い男を一人、伴っていた
そうです」
「行き先は」
「江東区方面、とのことです。あそこには、放棄された工場や事務所が山ほどあります。何か
連中がたくらんでるならば、うってつけの場所といえます」
「よし、すぐに応援を出せ。私も、報告が済んだらすぐ本部に戻る」
「わかりました」
>>88 「よけいなお節介だったかの」
新宿の大河内組を出発し、どうやら江東区方面を目指しているらしいデューゼンバーグの
後部座席に収まった柳に、隣の大河内が話し掛けた。
助手席には、あの組長警護隊のリーダーと思しき野戦服の男。運転席にはあの小部屋にいた
その部下が、紙のような無表情を湛えたままそれぞれのポジションに収まっている。
デューゼンバーグの前後には、いつの間に現れたのか、いかにもな外装のキャデラック
が1台ずつぴったりと張り付くように同じ方向を走っていた。もちろん、警護隊のものだ。
日本にもおそらく10台と存在しないであろう高級車、そのサスペンションの効きは素晴らしく、
滑らかとはいえない舗装道路を法定速度ぎりぎりで走っていてもほとんど振動を車内には
伝えない。
そのなさしむるところとして、なみなみとブランデーを注いでも一滴もこぼれていないサイド
ボード上のグラスを手にとり、喉を湿した柳は、軽く首を振った。
「いえ、歩くよりは早いですし」
「そうか、それならよかったんじゃが・・・・・」
大河内は、ふと言葉を詰まらせた。
彼等は、これから柳の提示した第一の条件―襲撃チームただ一人の生き残り、大友が隔離
されている大河内組の隠し事務所へと赴くのだ。
柳には、この老博徒が何故にここまで親切にするのか、なんとはなしに理解していた。
おそらく、自前の最精鋭(と評してもよい)戦力を、なすすべもなく壊滅させた謎の"敵"がたむろする
村―老人から預かったメモには、"御奴村"と記してあった―に、ただ一人柳を派遣することに
いくらか後ろめたさを覚えているのだろう。
そして同時に、もはや外部の柳か国松にしか頼る術のない自分の非力さを内心で罵っているのだ。
だからこそ、自分の切り札たる柳に、大河内の社会的ステータスからすれば異例とも言える対応
をしている。
>>89 とはいえ、そのことをいちいちこっちが気にしていても始まらない。私は私の仕事を果たすまでだ。
そのためには。
それ以上大河内の内心を慮ることを止めた柳は、平板な口調で大河内に問い掛けた。
「ところで、行方不明になった組幹部のことですが」
「何かの?」
「彼等は、どういう状況で行方不明になったのですか?―例えば、事務所に閉じこもっていた
にもかかわらず神隠しのように忽然と姿を消した?それとも、どこかへ行くと言い残し、そのまま
まったく行方知れずになった?」
「・・・・・」
「その辺の情報も、"敵"の能力を推し量るにはよい情報となりますから」
大河内は、その質問に即答せず、柳とは反対方向のサイドテーブルに置かれたグラスを手にとり、
こちらはぐいと一気に中の琥珀色の液体を呷った。
「色々、じゃの。一言ではいえん。じゃが、共通点はある」
「・・・・といいますと?」
「左翼学生じゃよ。理由も何もなく、こないだから突然ウチを襲うようになった。
事務所、道端、幹部の自宅、なかにはどこでかぎつけたか、賭博場や妾宅までもな。
その襲撃にあたっては、ウチに死人は出とらん。最悪でも、病院送りですんどる。じゃがの」
大河内は、そこで言葉を切り、窓の外に目をやった。
まるで、自分の言葉が大河内自身に対して染み込むのを待っているかのように。
柳は、無理に大河内の口を開かせようとせず、ただ車内で沈黙を保っていた。
そのまま、長いとも短いともいえない時間が車内を流れていく。
やがて、大河内はゆっくりと口を開いた。こころなしか、わずかに口調が震えている。
>>90 「その襲撃は、まるで何年も前から計画を練られているかのように無駄がなく、かつ襲った
学生どもの連携も、素人とは思えんほどの手際だったそうじゃ。
そして、学生どもが暴れていった後、大量の怪我人が残され、その場所にいたはずの幹部が
何故か、何時の間にか、いなくなっておる。一件の例外もなくの」
柳は、大河内の言葉が事実を語っているかどうかについては疑わなかった。
だが、2つだけ疑問に思っている。
その襲撃者は、本当にただの学生なのだろうか。
そして、学生たちは、どうして幹部のいどころを的確に把握しているのだろうか。
柳は後者についてのみ、大河内に尋ねた。
「組長。襲撃された幹部の名前と、彼等が襲われた場所を教えてください」
大河内は、まったくよどみなく回答をよこした。いずれも、何ら関連性を窺わせるものはない。
まったくの、無作為抽出としか思えない選択だ。
となれば。
一つの仮説を組み立てた柳は、決定的とも言える質問を大河内にぶつけた。
「今挙げた幹部ですが、その子分の中に大友の隔離、あるいは監視に関わっていた者が
いませんか?」
「柳さん、あんた・・・・・」
そういったきり、大河内は絶句した。
そして、今度はただ唇をわななかせながら何かを自問するかのように押し黙っている。
長い長い時間が経過し、ようやく大河内が口を開いて柳の疑問に答えたとき、
デューゼンバーグはゆっくりと速度を落して、目的地に到着した。
>外伝氏
佐倉のイメージは木島日記のネズですか?
人喰い・殺人鬼 作中じゃ津山30人殺し事件の犯人だし
柳は原作とはケタ違いのカッコよさだな
94 :
マロン名無しさん:03/06/10 19:17 ID:3T3Fbl7E
>>巨大化20メートル邪鬼さまととにかくデカいキャラの対決キボン
何かロボットか怪獣と戦わないかな
>>93 あ、それいいかも。
ウルトラマンと戦ったりして(w
96 :
マロン名無しさん:03/06/10 19:22 ID:komKiu0e
バージャックの電様は?
97 :
マロン名無しさん:03/06/10 19:25 ID:d4s0Nq+I
>>93 この柳が、数十年後にはあんな屁たれになるかと思うと…
>>91 「組長、到着しました」
助手席に座る野戦服の男が低音を聞かせた口調で告げ、大河内ははっと我に帰った。
「お、おお、そうか・・・・・・柳さん、大友はここじゃ」
柳は、その言葉を聞き終わる前にデューゼンバーグの後部座席ドアを開けて外に出る。
そして、ごくさりげない動作であたりを見回した。
柳が連れてこられた場所は、ひどく殺風景で荒れ果てた住宅街―より正確に言うならば、
スラム街だった。
一蹴りしただけであっという間に崩壊してしまいそうな廃屋がどこまでもぐったりと建ち並び、
空の色すらどことはなしに陰鬱な気分にさせる鼠色。
柳が降り立った場所のすぐ近くを流れる川―運河と表現したほうがより似つかわしいが、
そこの水面はいかなる水棲生命体も生息が不可能と思われるほどに粘り、濁っている。
数年前、池田と言う名の宰相が華々しくぶち上げた所得倍増計画と、世界史的、地理的要因に
よってこの国に齎された年10パーセント超とも言われる常識外れの経済成長、その恩恵から
最も遠く離れたところにあるような、崩壊寸前の寂れた町並みだった。
そして、柳の眼前には、かつて倉庫に使用されたと思しい、鉄筋コンクリート製の朽ちかけた
建造物がうなだれるように鎮座していた。
大きさは小学校の体育館を半分にしたほどだろうか。
壁面は煤煙や排気ガスを長年浴びつづけたまま黒ずみ、建物自体もメンテナンスという言葉
にとんと縁がなかったかのようにあちこちにガタがきている。
「今、周囲の住民は全員人払いしておる。何が起ころうが、誰も気にとめるものはおらん」
大河内が、柳を安心させようとして言った。
化学薬品を燃焼させたような不快な臭いに顔をしかめつつ、柳は世間話をするような口調で
問い掛けた―大河内ではなく、助手席から降り立った野戦服の男に。
「ところで、ついさっきまであやしげな黒のセダンが我々の後をつけていたようだが」
>>100 「なんじゃと!」
その言葉に驚愕したのは、大河内だった。無理もない。今の今まで彼は気づきもしなかったのだから。
「や、柳さん、それはもしや・・・・・・」
あえぐような呼吸と共に、二の句をつごうとする大河内を遮ったのは、野戦服の男だった。
「ええ、警察だと思います。ナンバーに見覚えがありますから」
柳は、斜め後ろに立つ野戦服の男が、見掛け倒しの人間ではないことを知って、口元をわずかに
緩ませた。
「たぶん、公安だろうな・・・・・で、それが今見当たらないということは」
どういう手管を使ったんだ。口には出さず、視線だけで柳は問い掛けた。
野戦服の男は、柳の無言の問いを瞬時に理解する。
「手荒な真似はしません。一応、共存共栄でやっていくのが方針ですから。
ただまあ、ちょっとした接触事故が発生し、よりにもよってぶつかった車に乗っていた市民は
警察が大嫌いとなれば、どうなりますかね」
なるほど。
柳は、笑みを少し大きくして頷いた。
つまり、警察の尾行に気づいた時点で、何らかの方法―おそらくはハンド・サインだろうが―で、
前後いずれかのキャデラックに対処の指示をしたのだ。
そして、キャデラックは車載無線機で本部に指示を送る。
ほどなくして、どこからみても中流家庭層の所有にしかみえない乗用車が尾行車と我々の間に
割って入り、無謀とはいえないが少し危険なブレーキングで尾行車の追突を誘ったというわけだ。
もちろん、我々の邪魔をしないよう、どこかのカーブで視界を遮った後に。
「となれば、組長」
柳は、大河内に向き直った。
「我々の尋問を誰かに気取られる心配はもうありません。案内してください」
そして、建物を振り仰いで付け加える。
そのとき柳の顔に浮かんだ笑みは、先ほどまでとは明らかに人としての温度がことなるもの
だった。
「この建物なら、例え派手に悲鳴がしても外には漏れなさそうですから」
「よっ、新幹線爆破予告、見たよ!」
「してねーよそんな予告。信じちゃう人もいるんだからやめろよ。で、そっちは元気?」
「オレ最近、母親に名字で呼ばれるんだよね」
「ホントに親子か?それ。お前も負けずに家庭崩壊っぽい呼び方してやれ」
「とっつぁんて呼ぼう。母親なのにとっつぁん。ははは。コンニャロ開けろー!」
「シャッター叩かないの。もうお店閉まってるんだから。迷惑だからやめよ?」
「うん、やめる!」
「そろそろ漫画とかアニメの話しようか。北斗の拳なんかどう?」
「今年のセリーグ、どこが優勝すると思う?」
「うわ、完璧シカトだ。すげーよお前。まあいいや、オレは阪神だと思うな」
「そうか。オラ悟空。でさ、高校時代にタッチのオープニングがさ」
「ちょっと待て。なんだオラ悟空って。優勝予想か?個人名じゃん悟空。勝ち負け以前に
試合できねーよ」
「ほら、悟空のバットってデカそうじゃん。これ下ネタ。ははは。アチョー!」
「だからプードルの毛を毟るな。動物虐待だぞそれ。お前一応セーラー戦士
なんだからさ、地球の平和を守ろうよ。な?」
「うん、守る!」
「えっと何だっけ。タッチのオープニングが・・・」
「そうそう。高校時代、タッチのオープニングの謎って流行らなかった?」
「あー歌詞ね。星屑ロンリネスって何だよ、ってやつ。みんな言ってたな」
「はい、これが星屑ロンリネスの正体です!ジャーン!」
「え、マジ!?・・・って、これってコラじゃない?」
「バレた?うまく作ったつもりなんだけどな。でも、下半分は本物だぞ」
「やっぱコラか。でも雰囲気は伝わってくるよ。そうか、これが星屑ロンリネスか」
「さ、次の話題に行こう。日本のエロ本って漫画も載ってるじゃない」
「ああ載ってるね。小説とかエロ以外の企画もあったり、多様なニーズに応えてるよな」
「アメリカのエロ本にも漫画とかって載ってるの?なんか実写なら実写だけっぽくね?」
「言われてみればそんな気もするな。よし、さっそく取材だ。本屋で現物買ってくる」
「ちょっと待った。のび太クン、今何歳だっけ?」
「オレ?無人島で10年粘ったりしたけど、当年とって10歳ってのが公式設定だな」
「ガキがエロ本買ってんじゃねーよ!BoooooooooM!!」
「うるせークソアマ!犯すぞ!ZzzooooorrR!!」
>>102 やべぇ、実験7だった・・・。
外伝担当さんに割って入っちゃったのかな?失礼しました。
皆様こんばんは。外伝担当でございます。
ええと、ちょっと前のレスで「少しばかり引っ張って」とかほざいてしまいましたが、
どうにもこうにも引っ張りすぎかもしれませんね。誠に申し訳ございません。
ですが、バトルならバトルで「そこにいたるまでの過程」を固めておかないとどうにも
個人的に満足が行かないものでして。
もちろん自己満足ではありますが、正直なところもう私は「短くまとめる」ことに関して
開き直っております。本当にわがままで申し訳ございません・・・・・。
というわけで、私は私の書きたいことをどしどしもりこんで行く所存でございますので、
何とぞスレ住人各位のご了解を賜りたく思っております。
さて、業務連絡をば。
>>夜王さん
お久しぶりです。相変わらずの顕微鏡的描写(←もちろん、好意的な意味です)、感服の
いたりです。私も、もっとこう、ミクロな視点でがっちり書き込みたいと常々考えておるの
ですが・・・・
>>vsさん
そうですね。最初は「あさま山荘事件」をモチーフにして柳vs日本赤軍と考えていたのですが、
プロローグを書き始める直前に、話は派手なほうが面白いかなあと思いまして、現在の路線に
いたしました。設定の練り直しが結構骨でしたが。
>>92さん
木島日記ネズというよりも、全体のイメージに「八つ墓村」を拝借しております。
ちなみに、津山30人殺しはまあ、無抵抗の住民が相手でしたので、そこらへんは
もっとこう、話として盛り上がるものにしたいと考えております。
>>応援して頂いている皆様
ありがとうございます。
仕事が忙しくなるのが、まだ先ですので、それまでは現在のペースで更新させていただきます。
今後とも、変らぬご支援とご指導をお願いいたします。
105 :
マロン名無しさん:03/06/11 13:54 ID:Idp1KRRM
今日もパオは来ないのかなぁ
でも半年くらいずっと書いてたからたまには仕方ないか。
106 :
マロン名無しさん:03/06/11 19:24 ID:Idp1KRRM
パオ氏とバキスレは俺氏 復活期待age
107 :
_:03/06/11 19:24 ID:???
柳流行
殺人事件が発生!野次馬根性まるだしのギレンがチャリで現場に急行する。
舞台は民家。玄関先で下っ端警官に止められた。関係者以外立入禁止?生意気な。
「ジーク」「は?」
波動銃をぶっ放す。警官即死。ノリの悪い奴は大嫌いだ。制服を剥ぎ取って変装。
現場となった一室に無惨な死体が横たわっている。まだ少年である。
検死医が首を横にふり、彼女とおぼしき少女が刑事に抱かれて泣きじゃくる。
ギレンの目に涙が溢れる。犯人め、許さん!許さんがとりあえずメシだ。
怒りに震えながらもピザを注文する。到着した店員にギレン自ら応対。
「ジーク」「え?ジ、ジオン」
波動銃をぶっ放す。店員即死。非常時におちゃらける奴は大嫌いだ。
改めて現場を検証するギレン。日本の警察などアテにはならん。
ピザを頬張り部屋を見回す。その目が天井でピタリと止まった。
刑事の肩を抱き囁きかける。天井調べた?まだ?ふーん。とぅ!
ぶん投げられた刑事が天井に突き刺さる。引っこ抜くと、大きな
ズタ袋も一緒に落ちてきた。中身はリボン、ボール、バトン。
続いて壁に注目した。ドライヤーを手にとって、先ほどの刑事に協力を仰ぐ。
壁の前に立ってくれ。指先もピンと伸ばす。そうそう。ファイア!
ドライヤーON。強烈な突風が刑事のヅラを吹き飛ばす。後ろの壁紙がめくれ上がり
下からレオタードが現れた!全部で20着。
次々と発見される証拠品にショックを受けた少女が亡骸にすがりつく。無理もない。
ギレンの脳細胞が犯行のプロセスを組み上げていく。こうだ。
20名の犯人グループが被害者宅に闖入。リボンで絞殺後、ボールとバトンで
しばし野球ごっこ。汗をかいたのでレオタードを脱ぎ捨て、そのまま逃走。
謎はとけた。犯人は全裸の男女だ!ただちに捜査を開始せよ!
すぐに見つかった。ちょっとビックリのギレン。わお、冗談のつもりだったのに。
とにかく逮捕だ。仇はとったぞ少年!振り返ったその顔に少女のキックが炸裂した。
直撃を食らってヒザから崩れる。その隙に全裸軍団にも逃げられた。
起き上がったギレンの首がギギギと曲がって少女を捕らえる。きさまも共犯かー!
波動銃をメチャクチャに撃ちまくる。死ね!みんな死ね!俺はギレンだ文句あっか!
倒壊する家屋、群がる機動隊。万事休す。ギレン総帥よ永遠なれ。
「初デート?大丈夫こわくない。全身の力を抜いてリラックス☆」
マニュアル本の通りに筋弛緩剤を服用してリラックスした上杉達也が
その場で卒倒した。意識はハッキリしているが、指一本動かせない。
一部始終を目撃していた浅倉南が、面倒くさそうに舌打ちをして電話をかける。
やって来たのはパトカーだった。警官隊が現場を封鎖して聞き込みを開始する。
どうやら南ちゃん、達也は死んだって方向で話を進めたらしい。事情聴取の
刑事に抱きついて、達ちゃん達ちゃん言って泣きじゃくる。このアマ。
検死医が達也の脈を取り、首を横にふる。って何でだよ!脈あるだろ!
達也の心の叫びに、検死医が振り向いて小さくウインクする。俺に任せろ。
コイツに任せたら生きたまま解剖されるに決まってる。達也、大ピンチ!
そこに現れたパープルヘアーの警官。巡査のようだが、周りの誰よりも偉そうに
辺りを睥睨する。また変なのが来やがったよ。ピザなんか食いやがって、
仕事しろよ仕事。悪態をつく達也だが、天井からズタ袋が発見されると
瞬く間に血の気がひいた。密かにパクった南の新体操用具だ。達也にとっては
この上ないアダルトグッズである。
壁のレオタードも見つかった。もちろん南の使用済み。俺のアロマテラピーが!
ピンポイントでお宝を発見していく警官に同類の臭いを嗅ぎとると同時に
焦りを禁じえない達也。一体なんなんだコイツは。いや、そんなことより
南にバレた!恐る恐る様子を窺うと、案の定ギラギラの殺意に目を血走らせている。
首根っこをつかまれ、手加減なしのチョーキング。殺される!
ピクリ。達也の指がかすかに動いた。しめた、薬の効き目が切れてきた。
警官、南、なぜか全裸の男女が20人。すし詰めの室内はパニック状態。逃げるなら今だ!
必死で南をふりほどくと、よろよろと立ち上がって窓際を目指す。
そこへ、態勢を立て直した南のドロップキックが襲い掛かる!辛くもかわした先には
例の警官。打ち所が悪かったか、いきなり銃を乱射しはじめた。
倒壊する家屋、群がる機動隊。万事休す。南の姿は消えていた。
解剖台に2人の男が横たわる。達也と警官。警官が達也に話しかける。
「ジーク」達也が答える。
「レオタード」
微笑む警官。2人の間に友情が芽生えた。
パオさんいますか?
>>デンパさん
毎度毎度、様々な試みで楽しませてくれるアンタはスゴイ。
113 :
マロン名無しさん:03/06/12 15:42 ID:R9h0/DC7
もう6日もパオさん書いてないよな。。(´・ω・`)
>>113 今までほとんど休みなしで突っ走てきたんだから、それくらい大目に見なさい。
まあ、確かに一週間近くも読めないと、禁断症状が出始めるのは分かるが……
>>109 そろそろ薬やめとけよw
てか、実は凄いと思ってる。小説形式の不条理ギャグなんてあんま無いだろう。
>>113 凄いですね。いつも楽しませてもらっています。
予想は裏切り、期待は裏切らないを地でいってますね。
ちなみに、ネタにはいつもどのくらいの時間をかけてるんですか。
VS氏
あんたはスゴイ。
118 :
116:03/06/12 19:47 ID:???
とりあえずあげとこう。
パオが見つけやすいように。
まだ漫画喫茶で書いてるのかな?
120 :
_:03/06/12 21:05 ID:???
>>112 >>115 >>116 >>117 や、どうもお恥ずかしい。
ネタはほとんど仕事中に思いつきます。大まかな構成を組んで
そこにキャラクターを当てはめて。実際に書くのは昼休み中とか
家に帰ってからとか、とにかく時間のある時に一気に。
あとは字数制限との戦い。余計な表現やネタを削りに削って
1レスに収める作業が一番時間がかかります。
ネタはともかく、そろそろキャラクターのストックが尽きてきました。
リクエストがあれば助かるんですけど、ないですねきっと。
原作の設定ほとんど無視してるし。さて、どうしよう。
>>101 ―少し前、大友が監禁されている隠し事務所の中―
「はい、はい・・・・ええ。わかりました。ではさっそく」
薄暗く、狭苦しい小部屋の中。
その片隅に、なかば放置同然に置かれている机に鎮座した黒電話に向かって話をしていた
大柄で体格のよい男は、言葉少なに了解の返事を送り、受話器をそっと戻した。
「組長からですか」
男の背後に控えていた、彼よりは少し若い部下が、何かを期待するような口調で男に尋ねる。
男は振り返り、小さく頷いた。
「ああ。まもなく、客人を伴ってこちらにみえる。それまでに、奴を叩いて口を割らせて
おけとのことだ」
「そうこなくっちゃいけませんやね・・・・で、どのへんまで許されます?」
「手足の一本や二本、だ。トーチランプを使ってもよい」
溶接用機材の使用許可、か。それはいい。アレは血を流さずに手足を切り刻めるからな。
部下は、そののっぺりとした顔に酷薄な笑みを浮かべ、さっと後ろを振り返った。
「おい、お前ら。組長からお許しが出たぞ!」
小部屋の中で、おお、という歓喜のどよめきが沸き起こった。
同時に、つい先ほどまで顔も見分けられないくらい薄暗かった小部屋に強烈な明かりが灯される。
小部屋の中央には、大友がいた。
上半身裸、下半身は粗末なスラックスというみすぼらしい姿からは、かつて彼が大河内組きっての
洒落者であったことを窺わせる気配は微塵も感じられない。
そんな彼は、粗雑だが頑丈なつくりの木椅子に座らされ、鎖で手足をがっちりと椅子に固縛されていた。
そして、灯された明かり―鉱山採掘に用いられる強力なアークライトだ―は、まっすぐそのビームを
大友の顔面目掛けて浴びせられている。
だが、大友の、生気を失った顔には何の感情も表れなかった。
「おい、よく聞け。色男」
若い男は、大股で大友に歩み寄り、その頭髪をわしづかみにして怒鳴った。
「お客さん扱いも今日これっきりだ。これから、お前を死んだほうがまだマシな世界に招待してやる」
>>122 倉庫正面の、4メートル四方はありそうな大扉は、錆のため開閉に手間がかかるという
理由で、柳達はその脇の通用門から倉庫の中に入った。
倉庫の中は、窓という窓がベニヤ板でふさがれているため、昼下がりのこのときでも、
電力を利用せねば何も見えないほど暗く、かつ換気というものが全くなされていないため、
梅雨明け間もないこの季節特有の重い湿気を目いっぱいためこみ、なんとも言えず人に
不快な気持ちを抱かせる環境であった。
そして、濃厚に満ち溢れるオイルと鉄錆の臭い。
「ここは、普段はあれこれと手に入れたものを隠しておくところなんじゃよ」
聞かれもしないのに、柳の隣を歩く大河内が説明する。
なるほど、倉庫の中は薄汚いと形容してもなお控えめなほど荒れてはいたが、その床には
殆ど埃が積もっていない。
となると、この倉庫は、大河内の手下があれこれと手に入れたもの―つまりは盗品か借金
のカタであろうが、その保管庫としては、それなりに使用頻度が高かったことを思わせた。
一辺が20メートル前後はありそうな面積の倉庫は、その収容スペースの大半を空ろにさらけ
出し、天井から垂れ下がるいくつかの業務用白熱電灯が薄ら寒く中を照らし出していた。
倉庫の中ほどには、乗用車が一台と、オートバイが何台か停められている。どうやら、大友を
ここに閉じ込めて監視している人間が乗ってきたもののようだ。
乗用車の中、あるいはその周辺には人影がない。
となると、大友はあそこだな。
柳は、倉庫の奥に目をやりながら思った。
>>123 倉庫の奥の壁に、へばりつくようにして立てられたバラック。
ありあわせのトタンやベニヤを雑多に組み合わせて作られた仕切りスペース。
その構成材の隙間から、まばゆい光が薄暗い倉庫に漏れ出ていた。
中には、はっきりと人の気配が感じ取れる。
人の声はしなかったが、何か表現しがたい物音が断続的に発生していた。
「連中、まだ仕事が済んでおらんようじゃの」
バラックに向けて歩を進めながら、大河内は不満そうにひとりごちた。
「仕事とは?」
わずかに眉をしかめ、柳は尋ねた。視線はバラックからピクリとも外れない。
「ああ、なんでもかんでもあんたに任せきりなのはさすがにどうかと思うての。新宿を出る前に
電話で命じておいたんじゃ。わし等がつくまでに何かしら口を割らせておけ、とな」
「拷問を認める、と?」
柳は、さらに質問を重ねた。口調は、半ば棒読みに近いものになっている。
それは、柳が拷問を忌み嫌っているからではなかった。
「もちろんじゃ。ここで大友を監視しておるのは、愚連隊あがりの単細胞どもじゃが、
その手の技術は一流じゃからの。普通の人間―いや、よほど腰の据わった人間であってさえも、
奴等にかかれば、わし等がつくまでの時間で大抵のことは白状させることができる。
それこそ、そいつの生い立ちから人生でもっとも隠しておきたい恥部までも、の」
「そうですか・・・・・・」
柳は、大河内をみようともせずに生返事をよこした。
「柳さん、何か不満でもあるのか?」
先ほどまでとは、あきらかに何かが異なる柳のそぶりに、大河内がふと心配そうな表情を浮かべた。
「あんたに黙って、余計なことをしてしまったのが」
>>124 「すまないが、隊長」
柳は、大河内の話を最後まで聞いていなかった。
外部からの襲撃など、まず考えられない倉庫の中においてさえ、大河内を完全に護衛すべく
円周陣を敷いていた組長警護隊、その隊長であり、今は大河内の左後ろにひっそりと付き
従っている野戦服の男に、柳は振り返って声をかけた。
隊長は、わずかに視線をあげて柳を見る。
「なんだろうか、柳さん」
「君の部下に、気を抜くなと伝えておいてくれ。どうやら、ここは安全な場所ではなくなったようだ」
「承知した」
何かを心得たらしい隊長が、重々しく頷き、さっと右手を水平に振った。
「な・・・・・どうしたんじゃ、柳さん!」
大河内がぽかんとしながら柳に尋ねる。
「組長、あなたの判断は誤りだったと思います。でなければ、あの物音の説明がつかない」
「ど、どういうことかな」
「私の知る限りでは」
柳は、いまや数メートルの距離にまで近づいたバラックを指差しながら言った。
「あそこから聞こえてくる物音は、何か肉のようなものを咀嚼する音です。あなたの部下に、拷問
相手の肉を食べる趣味があるのでなければ、おそらく」
貴方の部下は、拷問相手―大友の逆襲を受けて全滅したのでしょう。そして、大友は彼等の肉を
貪っているというわけです。
柳がそこまで説明しようとしたときだった。
突如、激しい物音と共に、バラックのドアが、何かを叩きつけるような激しい物音と共に弾け飛び、
ぽっかり空いたスペースから、何かマネキン人形のようなものが柳たちを目掛けて宙を舞った。
皆様こんばんは。外伝担当でございます。
やれやれ、ようやく第1の殺陣にかかれそうな展開とあいなってまいりました。
これから「柳の闘いかた」をがっちり表現させていただきますので、よろしくお願いいたします。
(たぶん、週末あたりの更新となるやもしれませんが)
>>121 vsさん
いいですねえ・・・・・ギレン対上杉達也。
なんというかこう、アルコールが廻った状態でテクノを徹底的に聞き込んだ、と
いいますか、一種言いがたいすばらしいトリップ感に溢れております。
ところで、僭越ですが、リクエストをしてもよいですか?
もしかなうならば「サトル少年(サバイバル)対金田(AKIRA)」のカードを是非拝見
いたしたく思います。
>>VSさん
えなりのスレで野球をかいているんだけど
あなたが野球をテーマに書いたらどんなものができるのか激しく見てみたい。
>>126 今、柳の戦いとこれからの展開を勝手にシミュレートしております。
非常に安直な予想なので、きっと裏切られるんだろうな。楽しみです。
リクエスト承りました。お気遣い感謝。
>>127 あれってリレー形式で書いてるんですよね?今拝見したけど
人物相関がさっぱり掴めましぇん。
独自プロットで書き殴って流れを寸断するのもナニなので
とりあえず傍観しときます。
でも、野球ネタは書いてみたい。ていうか今まで意図的に
避けていたのかもしんないです。野球大好きなだけに。
130 :
夜王:03/06/13 01:14 ID:???
レスだけで失礼します、夜王です。
実は4話の構成が当初予定したのを変わって、ちょっと四苦八苦しております。
一度書いたものを、一から書き直したりしたし。
それに、忙しくて、来週まで書けそうにないっす。すいません。
ちなみに、4話の主要キャラは、タイトル見れば分かる人は分かるかと>「黒き十字架」
内容が変化したのでタイトル変わるかも知れませんが、登場するキャラが一緒です。
あと、えなりスレにもいつか書き込みたいと思ってますが、タイミングが難しいですな。
私はギャグが苦手なんで、書くとすればマジバトルになると思います。しかも、結構地味な。
>>128 リクエストへのご快諾、ありがとうございます。
どんなぶっ飛び具合を発揮していただけるのか、今から非常に楽しみでございます。
さて、先の展開ですが、とりあえず勝敗についてはvsさんの予想通りかと。
でないと、話が終わってしまいますし。予告編のシーンが全部嘘っぱちになって
しまいますし。
ただ、その勝敗にいたる過程で「柳らしさ」をいくらかでも表現できればなァ、と
考えております。
ご期待にそむかないよう、全力投球させていただきます・・・・・。
夜王さん来週か。パオさんは本当にどうなってしまうんだろう。
まさかスレ立てた本人が逃げるって訳は・・
信じてますよパオさん。
>>133 パオさんの仕事の忙しさが増えたと思われ。
>>VSさん
表現形式の時点で次元が違うVSさん。リクエスト、と言われても
何をどう言ったらいいのやらやら。頭抱えてしまいます。
今回はちょっとザッピング(?)してますね。あれだけの長さで
これだけの芸当ができてしまう辺り、ちゃんと「実力」があるから
「崩し」もできるんだろうなと感じます。お見事っ。
>>外伝担当さん
おぉ〜待ちに待った柳の戦いが始まりますね。扉の向こうで何が?
で引きに入ってるのがまた、ニクいというか。
あと、柳。聴覚そのもののみにならず、肉の咀嚼音が判ってしまうと
いうのが凄い。今までの仕事っぷりが窺えますな。
>>パオさん&夜王さん
待ってはおりますが、どうか焦らず無理せず、ごゆるりと。
職人さん御自身が楽しんで書かれたものを、我々が読んで
楽しませて頂く、というのが理想ですものね。
とりあえずパオさんが帰ってくるまで俺はアゲ続ける。
パオさんマンキからのカキコらしいからな
137 :
マロン名無しさん:03/06/13 23:24 ID:Qn1TDwwW
柳、このスレのシリーズでは扱いが両極端ですね。
格好良い時とヘタレの時の扱いのギャップが・・・。
うす、金田っス。オヤジの名前はAKIRAっス。日本語文化の破壊っス。
「Mr.FULLSWING」に大感動、さっそく野球部に入部っス。もうバイクは卒業っス。
ひたすら素振りの毎日。もう飽き飽きっス。河原で鉄パイプ振ってた方が
よっぽどマシっス。先輩の頭がボールに見えて仕方がないっス。
でも、サトル先輩は違ったっス。「初心」だの「目ざせ甲子園」だの
しょっぱいコピーが壁を埋め尽くす中、サトル先輩の貼りつけたのは
「荒廃した近未来」。意味わかんねっス。でもエキセントリックっス!
サトル先輩、正直野球は下手っス。だけど後輩には優しくて、色んな
ことを教えてくれるっス。火のおこし方、毒キノコの見分け方、秘密口座の
作り方。この人なんで野球部にいるんスかね?
バットも自分で作るっス。他の部員がバット片手にグラウンドへ集まる一方で
サトル先輩は斧を担いで裏山へ向かうっス。グラウンドではボールをカーン、
裏山では先輩が大木をカーン。音声多重っス。
自分もノッカーを任されるようになったっス。守備位置についたサトル先輩が
葉っぱを縫い合わせた手作りグローブを叩いて腰を落とすっス。行くっスよ!
ゴワキーン!あ、大ホームランっス。それでも打球を追っかけるサトル先輩、
金網を突き破って地平線の彼方に消えていったっス。
こうなると1〜2ヶ月は帰ってこないけど、まぁいつものことっス。
逞しく生き抜いて欲しいっス。
いよいよ練習試合っス。相手は隣町の私立校。4番サード、鉄雄。
ん?鉄雄?脱糞魔人の鉄雄が4番!?わはは、この程度のチームなら楽勝っス!
その鉄雄がホームランを連発。打線に火がついて押されっぱなし。鉄雄の奴
絶対ヤバイ薬に手を出してるっス。165cmで400kgの体重は普通ありえないっス。
こんな時こそサトル先輩の野生のパワーが必要っス!サトル先輩、カムバック!
祈りが天に通じたっス。上空のヘリが急降下、縄バシゴに捕まったサトル先輩と
オヤジのAKIRA。グラウンドに降り立つと、オヤジの口にタバスコを瓶ごと
放り込んだっス。ドゥン。すべてを呑み込む光の波動。グラウンド消失、無効試合っス。
焦土と化したグラウンドに、サトル先輩がスイカの種を植えたっス。そう、全ては
ここから始まるっス。自分たちの楽園を造るっス。
一生ついていくっス、サトル先輩!
>ふら〜りさん
「崩し」しかできない私ではありますが、いつもいつも
温かいご声援ありがとうございます。っス。
次回で実験シリーズ最終回。仕事が忙しくなってきたので
しばらく読者に戻ります。パオ氏、夜王氏、外伝氏のみならず
他の方の作品も読んでみたい。みたいったらみたい。
140 :
マロン名無しさん:03/06/14 00:35 ID:60+j6NzQ
最後にラオウvsきぼん
>>125 ―同時刻・東京・千代田区・桜田門・某所における会話―
「馬鹿野郎、お前何年刑事で飯を食ってるんだ!とんでもない大失態だぞ!」
『も、申し訳ありません・・・・・課長。しかし、まさか、いきなり前方の乗用車が急ブレーキをかけるなどとは』
「うるさい、言い訳をするな!大体貴様は」
(以下、聞くに堪えない罵声が一分ほど続く)
「・・・・・・まあ、過ぎたことは仕方ない。それで、今どこだ」
『江東区に入ったところです。事故処理に現着したPCを徴発しました』
「事故の処理は、所轄に任せたのだな?」
『はい。現在、大河内の車を捜索中です。デューゼンバーグにキャデラックですから、
発見そのものはそう困難ではないかと』
「刑事が憶測でものをいうな!奴等が車を隠したらそれっきりではないか!」
『す、すみません!』
「・・・・・ひとまず、応援は貴様のPCと連携を取れる位置に配置した。適宜指示するから、
とりあえずはあやしげなところをしらみつぶしに探せ、いいな!」
『り、了解しました』
(無線を乱暴に切る音。無線で怒鳴っていた男に近づく足音)
「失礼します、課長」
「ああ、佐藤君か・・・・何かね」
「課長からご指示を頂いた、大河内組が江東区に所有している物件のリストアップについて、
4課の協力を得る件ですが、なかなか連中が首を縦に振りません。申し訳ありませんが、
ここは一つ、課長のほうからお口添えをお願いできますでしょうか」
「連中は、どうしてウンと言わないんだ」
「暴力団の案件は、お前らの出る幕ではない、と」
「だったら言い返してやれ、最近のヤクザは、学生にいたぶられるほどに骨抜きだから俺たちが
でなきゃいかんのじゃないかと!」
「言い争いをしている時間がありません」
「まったく、どいつもこいつも!」
>>141 「こ、こんな、こんな。こんな、馬鹿な・・・・・・」
大河内は、今にも眼球が零れ落ちそうに目を見開き、全身を瘧にかかったようにがくがく
震わせながら、眼前の強烈な情景にそれだけを呟いていた。
から出てきた男は、その外見だけから判断するならば、間違いなく彼の新しい手下の一人
―大友だった。
というよりは、かつて大友であった誰か、いや、何かかも知れない。
バラックのドアを突き破って飛び出してきたのは、マネキンとは似て非なる物であった。
普段生きていれば滅多にお目にはかかれない状態の人間―その胴体だった。
かつては首も手足もついていたであろうその胴体からは、そうしたパーツが全てちぎり取られ、
胴体に続いて大友が彼等の前に姿をあらわしたとき、上半身貧弱な体つきの裸であり、下半身に
粗末なスラックスを襤褸切れのようにまとわりつかせただけの、なんとも哀れを催す格好であった。
だからこそ、どんな化物がバラックから現れ出でるのかと恐怖していた大河内は、大友の無様とも
言える格好に一瞬拍子抜けした後、強烈な怒りに駆られたのである。
そして、大河内は命令を下した。
この糞野郎を殺せ。もう口を割らせるなどどうでもいい。
彼の命令は、確実に履行されるかに見えた。少なくとも、大河内にとっては、大友の殺害は極めて
容易なことに思われた。
ただし、大河内はある一点を見落としていた。
大友の手首足首を装身具のように纏いつく鋼鉄製の拘束具と、そこから垂れ下がる鎖。
それを見るならば、大友はバラックの中で、どういう姿勢であるにせよ、鎖で縛られていたという
明白極まりない事実を。
つまり、大友は鎖を引きちぎってバラックの外に出た―常人ではありえないほどの膂力を有している
ということを。
>>142 「や、柳さん・・・・・・!」
大河内の誤断のツケは、陰惨な人体の解体風景となって彼のもとに跳ね返ることとなった。
大友―いや、大友だったそいつは、大河内の命令によって開始された攻撃を、まるで何事も
なかったかのように全て受け切り、そして一拍の間を置いてから、情け容赦のない反撃に
取り掛かった。
大友だった何かは、パワーのみならずスピードにも優れており、瞬く間に、大河内が絶対の
自信をもって送り出した攻撃の刃は、見る影もなく叩きおられた。
そして大友は、先ほどの攻撃など全く応えていないかのように、大河内の眼前で彼の最後の
手駒―若い男を文字通り貪り食っている。
全身に返り血を浴び、あろう事か人間の―バラックの中にいた拷問部隊の人間と、そしてつい先
ほどまで大河内のそばにいた人間の―臓物を悪趣味な衣装のように上半身に纏いつけた大友は、
地面にあお向けて倒れている若い男、そのぽっかりと空いた腹部に顔を突っ込み、気持ちの悪い
音を立てながら、彼の全てを貪っていた。
ぴちゃ。ぴちゃ。
ぐちゃ。ぐちゃ。
永遠とも言える長い長い時間をかけて、大友は獲物を味わい尽くしていた。
そして、大河内は今にも失禁しそうな脱力感を覚えながら、どうすることもできないでいる。
時間にすればほんのわずかではあったが、大友が獲物を賞味するには十分な時間であったらしい。
大友は、むっくりと若い男から顔を上げ、大河内をぎらりと睨み据えた。
その、かつては端正であった顔立ちが、若い男の血液と体液と臓物の欠片にまみれ、ニタリと笑み崩れる。
「老 人 ・ ・ ・ ・ ・ 言 っ た は ず だ」
その声は、もはや生命あるものが発しているものとは到底思われないほどの、しわがれたどす黒い
ものであった。
>>143 「貴 様 の 愚 行 は 、 命 を 以 っ て 贖 っ て も ら う 、 と」
そして、大友はゆっくりと身体を起こす。
大河内は、その視線に捕らえられたまま、全身から急速に力が抜けていくのを感じた。
だめだ。だめだ。こいつは、人間ではない。人間ではないが、人間で倒せるものでもない。
わしは、なんという早まったことを。
「や、柳さん・・・・・・!」
「だから言ったのだ。私にまかせろ、と」
大河内の背後、倉庫の壁があるあたりから、いかにもうんざりしたような口調の声が大河内に
投げつけられた。
「奴はもう、あんたの知っている大友ではない。部下を皆殺しにされて、よくわかったかね、組長」
声の主―柳は、もたれていた壁から身を起こし、大河内の隣に歩み出た。
「あんたはここを動くな。いいか」
まったく。柳は、内心で舌打ちをしながら思った。
余計な血を見るくらいなら、部下に「命令」などせずに、私に「依頼」すればよかったのだ。
『大友は組の人間であり、奴の始末は組でつける?』『柳さん、あんたに依頼するのは久美子の奪回だけだ?』
馬鹿が。妙な意地をはるからこういうことになる。
柳は、ふぅっと風が吹くような軽やかさで姿勢を低くした。
新たな敵―正確に言うなら、大河内の懇願で戦闘への参加を思いとどまらざるを得なかった柳の姿
を認め、獣のように低く唸る。
だが、老人の判断は一つだけよいことを齎した。
柳は、小さな笑みを口元に浮かべた。
この男―大友だった何かが、少なくともパワーとスピードについてなかなかのものであることを
過不足なく証明してくれた。
となれば、後は。
「さて、もう少し確かめさせてもらうよ」
柳は、おそらく本人以外趣旨のわからぬ台詞を呟き、次の瞬間、滑るように地面を蹴って
大友との距離を縮めた。
皆様こんばんは。外伝担当でございます。
本日は、柳の戦闘に入る前にちょっとばかりヒッカケをさせていただきましたが、
如何でございましたでしょうか。
途中で「あれ?」と思われて、最後で「ああ、なるほどね」と得心していただければ、
私としてはこれに勝る喜びはございません。
まあ、仕掛けがうまくいったかどうかはまったく自信をもてないのですけれども・・・・・
>>138 VSさん
わははははははははははははは。
いや、失礼しました。ですが、こうとでも書かないといかに私のツボにはまったか
うまく説明できないかと思いまして。
もう、何と言いますか、想像を遥かに越えるぶっ飛び具合でした。もはや何も申し上げる
ことはございません。本当に、ありがとうございました。
・・・しばらくのあいだ、vsさんのこうした愉快な文章を拝読できないのは、まことに残念では
ありますが、ともあれ、なるべく早い執筆者としてのカムバックを心からお待ちしております。
こんなスレがあったとは…
柳おもしれぇ!!
野戦服の男はやられてしまったの?
ちょっと残念。
148 :
マロン名無しさん:03/06/14 07:09 ID:FYtiJ/0k
この頃の柳なら、勇次郎にも勝てそうだな
皆様こんにちは。外伝担当でございます。
ええと、本日の更新は夜分になるかと思われますので、その旨連絡させていただきます。
今日中に、柳対大友をまとめられればなあ、と考えておりますが、はたしてどうなります
ことやら。
>>vsさん
リクエストにお答えくださいましたお礼といたしまして、私も何かvsさんがご所望される
キャラクターをこの柳編に登場させていただきたく思います。
(どういう登場のさせ方になるかは私に一任していただく形になりますが)
何かしらご希望がございましたら、遠慮なくお申し付けください。
とはいえ、リクエストをすぐさまこの話に反映できるかは確約できませんが・・・・・。
151 :
364:03/06/14 12:47 ID:???
パオ召還定期アゲ
152 :
マロン名無しさん:03/06/14 19:01 ID:t9obn07W
引っかけって大河内の部下が全滅したこと?
>>152 「あれ?まさか柳やられちった?」という事かな。
パオさーん、きてきてきてきて!
156 :
マロン名無しさん:03/06/14 20:35 ID:CU5JME1R
≫146
このスレを知らぬとは漫画板の楽しみを半分損したな。
パート1から見直したほうが良い。ここの職人の凄さがわかる。
>>144 しゅぅぅぅぅうううううう・・・・・・・・
大河内を喰らおうと前へ一歩踏み出した大友は、新たな敵の接近を認め、壊れたパイプの
ような音を立てて息を吸い込むと、ぐっと右の手を固めて身構えた。
右足を引き、上体を捻り、握った右拳を耳の後ろに持ってくる。
大友が引き絞られた強弓を思わせる戦闘準備を完成させたとき、柳は、びっくりするほどの速度
で、大友との距離をあっという間に縮めていた。
「貴 様 も 、 餌 に な り た い の か 。 馬 鹿 め」
柳が間合いに飛び込んできたことを確認した大友は短く言い放ち、撓めた上体に蓄えたエネルギー
を開放した。
角材が空を切るような野太い擦過音と共に、大友が本能レベルで予測したコンマ数秒後の、柳の
未来位置に向けて大友の右拳が突き刺さる。
もしも、大友目掛けて駆け寄りつつあるこの男の技量が、先ほどまでの連中と同一であれば、
大友の右拳は確実にこの人物の顔面にめり込み、一撃で戦闘不能に陥れていたであろう。
そして、この謎めいた若者は、大河内組組長警護隊の哀れなほかのメンバーと共に、その肉体を、
大友の餌として供する運命を辿っていたことであろう。
しかし。
大友は、眼前の敵が柳龍光であることを知らなかった。
>>158 「! !」
必殺の一撃。
比喩でもなんでもなく、生身の人間であれば間違いなく死に直結する一撃。
人間であることを捨て(あるいは捨てさせられ)、それゆえに得ることが叶った一撃。
百戦錬磨の大河内組組長警護隊を壊滅させ、東日本最強の武闘派組織暴力団の長を
恐怖のどん底に叩き込んだ大友の力、それを最大限に解放させ、絶好のタイミングを見計らって
放たれたはずの一撃は、かすりもしなかった。
柳は、一直線に大友との距離を詰めたにもかかわらず、大友が迎撃に打って出たまさにその
瞬間に、稲妻のような軌道を描いて横飛びに大友のパンチをかわしたのである。
大友から見れば、鼻先にまで接近しつつあった柳が、いきなり掻き消えたようなものであった。
柳の顔面をぐしゃぐしゃに叩き潰すはずだったパンチ、渾身の力をこめて打ち出された迎撃の一手を
あっさりとかわされた大友は、ぶうんと右腕に空しく弧を描かせつつ、わずかにバランスを崩した。
「公約どおりに行かなくて悪いな、大友君」
低く、落ち着いた声が耳元でささやかれる。
弾かれたようにその方向を向いた大友の視界に、柳がニヤニヤ笑いながら腰を落して立っていた。
「餌になるのは、君のほうだ―ただし、私の知識欲の、ね」
大パンチを放った直後の、上体を屈めたままの姿勢の大友。
彼から見て右側の、ちょうど首を捻って肩越しに見える位置の、びっくりするほどの至近距離に柳がいた。
「試させてもらうよ、食人鬼の身体を」
柳は、全く音を立てないステップで一挙に大友との距離をゼロにする。
ありえないほどの反射神経を与えられた大友といえど、予想だにしていなかった柳の俊敏さに、
まったく対応することができない。
「空道撃手、四ノ型―平構中段連撃」
凝固した表情のまま棒立ちになった大友。そのがら空きの脇腹目掛けて、柳の肘が立て続けに炸裂した。
皆様こんばんは。外伝担当でございます。
本日は、もう少し更新できるかもしれません。まだ柳対大友は始まったばかりですが。
長くなりそうですが、どうか生暖かい目で見守っていただければと思います。
ではここで業務連絡を。
>>152-154さん
>>152さんおよび
>>156さんのおっしゃるとおりです。「折られた」というのは単なる比喩でございまして。
あと、野戦服の男―警護隊長ですが、彼がどうなったかについては今後説明いたしますので
しばらくお待ちいただければと思います。
161 :
マロン名無しさん:03/06/14 23:03 ID:M3OFeuoi
>比喩でもなんでもなく、生身の人間であれば間違いなく死に直結する一撃。
って時点で単純な攻撃力では「常人ナラ悪クスルト即死」なシコルを
確実に上回っているわけか・・・。レベルの高い戦いだなあ・・・
本編の柳もこのくらい強かったr(略
柳かっこいいなぁ。やっぱこうあるべきだな。
163 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/06/14 23:37 ID:W8zDwcwC
柳カッコいい。私は柳がバキの中で一番好きだ。
あ、明日か明後日から復活します。もし私を待っててくれた方がいたらすみません。
マジでどこまで書いたか忘れた。ネタ書き始めて半年以上になるが、1週間休んだのは
初めてだな。ごめんなさい。
パオさん待ってました。
おかえりなさい
>>159 一発。二発、三発、四発、五発。
密着するほどの距離にまで詰め寄った柳は、突進したときの運動エネルギーをそのまま
打撃に置き換え、最初の肘打ちを大友にめり込ませる。
同じ動作のまま、柳はすっと腰を落し両足をしっかり踏ん張った姿勢のまま、上体を2度
振りぬき、左右両肘合わせて4回の打撃を大友の右脇腹、その1点に集中して与えた。
「ご ぉ ぉ ぉ ぉ お お お お あ あ あ あ あ あ あ ! ! !」
右の肋骨を7割ほど持っていったか。
肘に伝わる感触から柳が判断したとき、頭上から大友の怒号が降りかかってきた。
大友の表情は、先ほどまでの驚愕から怒りに置き換わっている。
よりにもよって、何も持たぬ人間に、先制の一撃―正確に言えば五撃だが―を喰らったことに
よる怒りだ。
その怒号に、恐怖や苦痛の翳は微塵も感じられない。純粋な怒りのみを咆哮で表している。
ぎらりと怒りの対象―柳を睨みつけた大友は、無理やりとも表現できる動作で泳いでいた右腕を
柳目掛けて叩きつけた。
ほう。恐怖はともかく、痛覚も遮断されるのか。
ふわりと風に吹かれるかのような動きでステップバックし、大友の一撃をこれまた苦もなく
かわしながら、柳は感嘆していた。
常人であれば、今の連撃であっという間に戦闘不能になっている。
痛みのあまり、床にはいつくばってのた打ち回っているはずだ。ふむ。
そうなると、脇腹はこいつの弱点とはいいがたいかもしれないな。
さらに後ろに飛びつつ、短時間で柳がそれだけの思いを巡らしていたときだった。
>>165 「ぐ お あ っ っ っ ! ! 」
大型肉食獣ですら顔負けしそうな轟叫を放ち、大友が両腕を大きく振って突進してきた。
瞬きするほどの間に距離を詰め、怒号を上げながら上体を大きく捻る。
またしても、右の拳がぐぅっと握られていた。
今度は、そっちから来るか。
柳は、大友に対して半身の体勢を保ちながら思った。
おそらく、その並外れたダッシュで一挙に距離を詰め、こちらの打てる手を封じようというつもりだろう。
左右に逃れたとしても、すぐにそちらを向き、追い詰める。
後ろに逃れたとしたら―その時はいいかもしれないが、壁際に追い込まれた時点でアウトだろう。
となれば。
柳は、あっさりと結論を下した。
上か、下だな。そして、今試すべき価値があるのは。
柳がそこまで考えたとき、大友が、その短距離走者も顔負けなダッシュによって1メートル前後に
まで間合いを縮めて迫った。
ボクサーの敏捷性と、起重機のごとき馬力。
その2つを、人知を超えた何者かによって矛盾なく植え付けられた大友は、柳に対して2度目となる
彼のパンチを放った。
大友の、血と肉に餓えた脳裏には、なすすべなく呆然と立ち尽くしている柳が、彼の拳によって頭部
を粉砕され、彼の求めてやまない脳漿と血液を当たり一面にぶちまけているイメージがはっきりと
映し出されていた。
>>166 死 ね 。 そ し て 、 お 前 を 貪 っ て や る 。
理性というものが吹き飛んだ大友の思いが、右の拳に乗せられてまっすぐに伸びてゆく。
だが、イメージはあくまでもイメージであり、決して現実ではなかった。
このタイミングでパンチを放てば、柳の顔面に拳がめり込む感触が伝わってくるであろうタイミング―
パンチを放ったコンマ数秒後、大友の拳に感じられたのは、またしても空を切る感触だけであった。
「どこを見ている。私はこっちだ」
人を蔑んだような、柳の笑いを含んだ声が大友の耳朶を打つ。
声のした方向に―自分の斜め下に、大友は頭を巡らした。
柳は、床に這っていた。
腕立て伏せのように、両手と爪先を地面につけ、体を浮かした姿勢で、柳は大友を見上げ、薄く
笑いを浮かべている。
「ご あ あ あ あ あ あ ! !」
余りにも意表をついた―人を馬鹿にした格好の柳、その頭部を狙って、大友は絶叫しながら足を
振り上げた。
柳の頭部を踏みつけ、果物のように粉砕しようというつもりだ。
>>167 だが、自らポジションを暴露した柳は、己の頭を踏み砕かれるその時まで、大人しく待っている
はずがない。
生来の才能と、血を吐くような過酷な鍛錬によって、大友とは異なるベクトルでその身体能力を
常人の数倍増しにまで高めた柳は、その2つを遺憾なく発揮した。
腕立て伏せの姿勢から、くっと膝を折り曲げ、同時に体操競技選手が鞍馬の演技をするかのように、
両腕のみの力で全身を水平に90度回転させた柳は、折り曲げた膝を伸ばし、腰を入れることで、
大友に強烈な足払いをかける。
片足を上げていたため、バランスが崩れていた大友に、その足払いを凌げるはずがなかった。
すぱあん。
皮製の鞭で何か柔らかいものを叩くような音と共に、大友が床へと横倒しになる。
そして、立ち上がろうとする大友の足頭部に、両腕の力のみで全身を床から持ち上げた柳の右足、
その踵が叩きつけられた。
「空道撃手、九ノ型―蛇絡」
立ち上がった柳が、大友を見下ろし、冷たく言い放つ。
「立て、化物。まだまだ聞きたいことがある―お前の体と、お前の命に」
皆様こんばんは。外伝担当でございます。
引き続き、柳対大友を更新させていただきました。
あと2回か3回ほどの更新で、この対決はケリがつくかと思います。
いささか一方的かもしれませんが、まあ、そういう話だということでご了承をいただければと。
この話では、一応大友は雑魚クラスですので。
・・・と、ここまで書けば、ある疑問をもたれる方がいらっしゃるかもしれませんね。
その回答は、次の更新で明らかにさせていただきたいと思います。
あと、柳の流派である空道ですが、原作では空掌と毒手以外あまり深く説明がなかったので
かなりの部分を創作させていただきました(撃手、というのがそれです)
空道というのは、まあ暗殺術のことでしょうが、一応武術的な要素も備えているということで。
ではでは。
>>パオさん
お帰りなさい。お待ちしておりました!
やはり、このスレッドはパオさんと夜王さん、そしてvsさんが3枚看板ですからね。
私?ああ、私の文章は長めの保守sageレスです。少なくとも、私はそう思っております。
170 :
マロン名無しさん:03/06/15 02:12 ID:anmj6DaL
>>169 いや、四天王ですよ
パオさんも復帰してこれから楽しみだ
171 :
マロン名無しさん:03/06/15 11:20 ID:TtGg05KK
あげ
とりあえずあげとこう。職人さん勢ぞろいですなあ
>>169 >やはり、このスレッドはパオさんと夜王さん、そしてvsさんが3枚看板ですからね。
またまたそーいう事を。私は言うなれば、パオさん・夜王さん・外伝さんの3本柱に
爆弾抱えて突っ込んでいくテロリストみたいなもんです。
・・・・・・微妙な例えだ。
>外伝さん
それでは僭越ながらリクエストを。
私だったらデカスロンの風見万吉あたりを無理やり登場させて
世界観を崩壊させてしまったりするのですが、この話にそれは
余りにもったいない。
殺し屋イチの垣原あたりにクレイジーな役どころを振っていただけると
非常に嬉しいのですが、いかがなものでしょうか?
174 :
マロン名無しさん:03/06/15 23:58 ID:A4yDrhJm
来なかったな。
「ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいッッッッッ」
この世のものとは思えぬ悲鳴をほとばしらせ、男は床に這いつくばった。
日本人ではない。黒人であった。とてつもない巨漢だ。
しかも、ただ大きいだけでなく、全身を鋼のような筋肉で武装している。
だが、今やその巨体は、惨めに涙・涎・尿など、あらゆる排泄物を垂れ流し、
それらと大量の血が入り交じった汚濁のなかで、無様にのたうつだけの肉塊と化していた。
見れば、男には右腕がなかった。肩から先が、何か巨大な力に引きちぎられたかのように消失している。
そこから、滝のように夥しい血が流出し、その血だまりの中に、男は浸かっているのだ。
そして、その醜態を、虫けらを見るような目で見下ろしている男がいた。
これまた大きな男であった。身長は190センチを、体重は100キロはゆうに超えているだろう。
こちらは日本人であった。パーマのかかった黒髪を無造作に肩まで伸ばしていた。
黒い空手衣に身を包んでいる。その下に、凄まじいまでに鍛え上げられた肉体がのぞいていた。
さらに特徴的なのは、空手衣の襟からのぞく胸板に刻まれた、十字形の傷だった。
一見すると刀傷かなにかのように見える。傷痕から見て、かなりの古傷であることが分かる。
だが奇妙なことに、その十字の傷からは、まだ新しい血が流れ出していた。
「ケッ…こんな腐れ外道相手でも、胸の傷は血を流しやがる……困ったモンだぜ…」
空手衣の男が、そう吐き捨てた。
そのとき。
「おいおいおい!大変なことをしてくれたなあ、アンタ…!」
突然、太い声が、廊下に響き渡った。
それは、太い男であった。
腕も太い、脚も太い、胸も太い、腹も太い、肩も太い、首も太い。
目も、眉も、鼻も、口も一一吐く息さえもが太かった。その歩き方までもが太い。
特注と思われる、ノリのきいた高級スーツに身を包んだ男だった。
胸の第2ボタンまでを、開けている。そうしなければ、首が収まりきらないからである。
この男こそ、空手界一一ひいては格闘技界の巨魁と呼ばれる男。
その名を、北辰館館長・松尾象山、といった。
「あ〜あ〜、エライことしてくれたもんだぜい……そのデイソンには50億もつぎこんだってのによお…」
松尾象山は、わざとらしい溜息をつきながら、空手衣の男へと歩み寄った。
足下でのたうつ男には、全く興味を示してはいない。
事の発端は、こうであった。
近々開かれる、グレート巽率いるFAWの格闘技イベントに対抗するべく、
松尾象山は、北辰館による一大イベントを企画した。
アメリカ最強と呼び声高い、ボクシング元統一へヴィ級チャンピオン、ジャック・デイソンを招聘しての、
前代未聞の異種格闘技戦である。
デイソンのファイトマネーは、ヒクソンすらも遥かに凌ぐ為、この企画は大いな話題性を呼んだ。
そして、その相手は、中東の地下用心棒と渾名された、正体不明の空手家ミスターMという男であった。
このとき、客が連想したのは、アメリカ対中東の代理戦争、という図式だった。
象山の目論みは大当たりし、イベントは空前の盛り上がりを見せた。
勝負は、激戦の末、デイソンの鮮やかなK.O勝利で幕を閉じた。
だが、この話には裏があった。それは、ミスターMと名乗った正体不明の空手家は、実は日本人であり、
なおかつ、試合そのものがフェイク一一八百長だったのである。
これだけなら、さして珍しいことではない。プロのリングではよくあることである。
しかし、問題はそれとは別の所で起こったのだ。
デイソンの招聘に関しては、法外なファイトマネー以外に、もうひとつ重大な問題があった。
それは、デイソンの常軌を逸した女癖の悪さにあった。
アメリカ本国では、数々の傷害事件や、婦女暴行事件を起こし、その悪名は留まるところを知らなかった。
特に、試合後のデイソンは異常な興奮状態になる為に、手がつけられない程であった。
そして、案の定、このイベントの直後、事件は起こった。
デイソンが、ラウンドガールのひとりを、トイレで暴行したのである。
だが、普通ならここで終わるはずの事件が、奇妙な方向へと向かった。
なんと、直前までデイソンと闘っていた、ミスターMと名乗る空手家が、
デイソンを再起不能にしてしまったのである。
勝負は、一瞬でついた。互いに、パンチ一発ずつ。
正面からの拳のぶつかりあいの結果、デイソンはその黄金の右腕を、跡形もなく消し飛ばされたのである。
恐るべきは、ミスターMなる男の、常人を遥かに超越した技量であった。
そして今、松尾象山と向かい合っている男こそが、そのミスターMである。
「あ〜あ、ツイてねえや、まったくよう。
こいつとはまだ契約したばっかりだったてのに…こうなっちまったら、仕方ねえよなあ……?」
頭を掻きながら、松尾象山が表向き怒りの一一その実、どこか楽しんでいるような一一表情を浮かべながら、
右手の指を、銃で人を撃つような形にして、胸の前に突き出した。
丸い、優しささえ感じさせる、ころりとした太い指だ。
シュート……人を撃つ、という意味から発生した、
筋書きナシの真剣勝負を意味するジェスチャーをしながら、象山が言った。
「やってもらうしかねよなあ……この日本でも地下ファイトをよう……」
象山の言葉に、ミスターM一一松田鏡二が、不敵な笑みを浮かべた。
178 :
夜王:03/06/16 02:43 ID:???
皆さん、長らくお待たせいたしました。ここに、第4話スタートしました。
前回はわりかしメジャーでしたが、今回はメジャーなのかマイナーなのか、
イマイチ判然としないキャラです。このスレでも、かつてパオ氏へのリクエストとして
名が挙げられてたので、多分有名だとは思うんですが…
ところで、本人も気付かぬ間に、看板とまで祭り上げられる立場になってしまったようですが、
裏を返せば、これから常にパオ氏なみのレベルを求められるということ……
なかなかプレッシャーかかってきましたw
せめて、その名に恥じぬよう、がんばらせていただきます。
>>173 vsさんの代わり…という訳はありませんが、私のネタの登場キャラとして、
垣原組長には参戦してもらうつもりです。お楽しみに。
もしや今闇の帝王と戦ってる方れすか?
パオさ〜ん・・・
181 :
マロン名無しさん:03/06/16 17:33 ID:8+Hog7Py
>>夜王さん、松田鏡二とは何の漫画のキャラですか?一応原作読んどいた方が楽しめそうなので。 垣原は面白そうですね!実力的には他より劣るが、負けそうもない。
ブラックエンジェルスキタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!!!
183 :
マロン名無しさん:03/06/17 00:17 ID:idiA01Ro
また来なかったな。
パオはこのスレだけでなく、SS職人の顔なのに。
この調子だと、本当にもう止めちゃうのかもしれないな。
皆様こんばんは。外伝担当でございます。
申し訳ありません。体調を崩してしまいました。
本当なら、書き上げた分をチェックしてアップさせていただくところですが、それも
ままなりません・・・・・・。
というわけで、更新は明日以降(あさってくらい?)になります・・・・。
>>vsさん
リクエスト承りました。
垣原のキャラクターにうってつけのポジションを用意してございます。
>>184 ちょっと褒め過ぎのような気もするが同意。
ここの職人さん、パオさん、夜王さん、外伝担当さん、VSさん
四天王の誰がいなくなってもイヤだ。
187 :
マロン名無しさん:03/06/17 01:21 ID:ilawNUI2
>>178 今の松田なんですね。
昔のイメージの方が好き
「俺の命がほしけりゃ、核爆弾でも持ってきやがれ〜!」
188 :
マロン名無しさん:03/06/17 09:18 ID:ueBS8REm
あげ。
189 :
18の続き(11話):03/06/17 16:35 ID:6NjEnhba
【第11話 魔界の胎動】
魔界の神、大魔王バーンは首を傾げ、地上の決戦を眺めている。極上のワインすら凌ぐほどの至高の決戦は、心地よい酔いをバーンに与えてくれる。しかし。
「・・妙だな」 モニターを凝視しながらポツリ、と漏らすバーン。側近には黒フードの男とパンタローネ。バーンの前にはヒソカ。そしてもう一人。
「地上侵攻軍3強のうち、2人まではいるようだが・・。勇次郎はどうした?」 パンタローネは奇矯に笑いながら、バーンへ進言する。
「所詮は人間・・。バーン様の偉大さが分からぬ下賎の者。仕方ありますまい・・」 再度グラスを傾けるバーン。 「この戦いは、負けの様だな」
静かに呟くバーン。 ・・だがその表情に微塵も動揺は無い。戦力差。 ・・それも圧倒的な。今回の地上決戦、勝敗はバーンにとって左程問題ではない。
ある程度、江田島率いる人間側の戦力を削げば良い。その為に、バーンは魔界の正規軍ではなく、勇次郎・朧・志々雄の3強を当てている。勝てばそれで良し。
負けたとしても人間界が大ダメージを被る事は、決して避けられまい。いや、バーンにしてみれば、地上侵攻軍と人間界の共倒れが最高のシナリオである。
・・勇次郎・朧・志々雄。今はバーンの下についている。しかし何時までも大人しく従う者達ではあるまい。闘って負ける相手では無いが、闘わずして排除を
出来るならこれに越した事は無い。 ・・今。状況はバーンの思う方へ転がっている。このままいけば、労せずに地上は・・。気分良くグラスを開けるバーン。
・・その時。謁見の間にゴードンとアミ・・トキが現れる。ゴードンはゆっくり口を開く。 「・・ついに人間たちが、この地へ攻め込んで来たようだ」
「・・ほう、何人で攻め込んできた」 バーンは2人に聞く。トキが応える。 「全部で4人です。あと、妖怪の裏切り者が一人加わったですね」
全部で5人。その数を聞いてバーンは笑う。いや、油断は出来ない。その昔、人間の底力に敗れた事を思い出す。 「そやつらは今、何処にいる?」
「魔界の南端、Dの16辺りです。 ・・海原 雄山が五珍の塔で迎撃するらしいです」 バーンの質問にトキが応える。パンタローネがバーンに言う。
190 :
189の続き(11話):03/06/17 17:05 ID:6NjEnhba
「所詮、雄山も人間・・。信用は出来ないでしょうな」 ・・バーン。しばらく考え、パンタローネとヒソカの前にいる男に命令を下した。
「パンタローネ。お前は五珍の塔にて、人間どもが塔を制覇した時にヤツらを迎え撃て。当然、雄山が裏切った場合もな」 そしてもう一人の男に続けて言う。
「アシュラマンよ」 ・・ビクッ。今までヒソカのクツを磨いていた男がバーンに振り返る。 ・・その男、アシュラマン。かつては魔界のbQだった男。
しかしいまやただの丁稚である。6本の腕と3面を地面に擦り付けて平伏するアシュラ。見事な犬っぷりである。しかしアシュラ。この屈辱的な丁稚扱いにも、
笑顔を絶やさない。真性のMなのだ。バーンは重々しく口を開く。 「幹部に戻るチャンスをやろう、アシュラよ」 ハッとしてバーンをみるアシュラ。
「お前は人間どもが塔へ着く前に、全て片付けるのだ・・。全てな・・」 パンタローネとアシュラマンはバーンの玉座に背を向け、謁見の間を後にする。
・・アシュラマンは燃えている。必ず人間どもを皆殺しにして、幹部に戻り、いずれまたbQに・・。屋根裏の丁稚部屋に戻り、闘志を燃やすアシュラ。しかし。
「燃えるのは良いけど、ロビンはボクのモノだよ◆」 ・・ヒソカが何時の間にか部屋の入り口に立っている。 「ヒャアア、ヒ、ヒソカ様ッ」
191 :
190の続き(11話):03/06/17 17:06 ID:6NjEnhba
腰を抜かすアシュラ。その場にへたり込み、目に涙を浮かべる。イジメカッコワルイ。そんな言葉がアシュラの脳裏に浮かぶが、ヒソカにはそんな事は通用しない。
スッ、とカードをアシュラの首筋につけるヒソカ。ガタガタ震えるアシュラ。 ・・既に3滴ほどちびっている。ヒソカは冷淡にアシュラを見下ろして言う。
「ロビンを屈服させて、蹂躙して、陵辱して、征服して、調教するのはボクだ・・。他のはどうでも良い。 ・・でもロビンにキズ一つでもつけたら・・斬る◇」
・・コイツ狂ってやがる・・。 アシュラは震えて動けない。氷のような目でアシュラを見抜くヒソカ。 ・・しかし数秒後。スッ、とカードを引き、ポツリと言う。
「無理だね、キミには◆」 ・・その言葉を残し、屋根裏部屋を去ろうとするヒソカ。呆然とするアシュラ。 ・・アシュラの胸にフツフツと怒りが湧いてくる。
(何が無理だ変態野郎ッ・・死ねゴルアッ) 心の中で思い切りヒソカを罵倒するアシュラ。勿論、ヒソカが振り返っても良いように、愛想笑いを浮かべながら。
・・魔界潜入した精鋭部隊に迫り来る影。そして地上では。花山 薫 対 ジャンクマンの闘いが激化していた。
192 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/06/17 17:11 ID:6NjEnhba
ごめんなさい。10日以上も空いちゃいました。
しかも昨日か一昨日に復活とかいって来なかった。本当にごめんなさい。
しかしアレですね、10日書かないとダメだな。今回の出来はヒドいし、
タイピングのスピードも遅くなってる。元々遅いけど。
今回と次回はリハビリっぽいよ。すみません。行の長さも目茶苦茶だし。
これからは余程の事が無い限り空けても3日までにします。本当にごめんなさい。
>>192 パオさんお帰り。
帰ってくるの楽しみにしてましたよ。
行の長さはともかく、内容については
あまり目に付くほどでもないと思いますよ。
パオ氏お帰り〜。
無理せず、がんがって下さい。
やっと帰ってきやがったか。
心配させやがって・・・(泣)
196 :
マロン名無しさん:03/06/17 21:48 ID:l2JhtgiJ
あっ!来た。 キタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━!!!!
うおー、会いたかったー!
極端、パオさんがいなくなったらこのスレ去ろうというくらい好きです。
198 :
191の続き(12話):03/06/18 00:29 ID:3jMSG+my
【第12話 侠気 対 凶器】
男塾2号生筆頭・赤石 剛次と史上最強の横綱・播磨灘。盲剣と闇空手の使い手を倒した2人が並び立つ。
残りは2戦。 ・・ベストボクサーB・B 対 不死身の肉壁・ハート様。この戦いは今、硬直している。
B・Bのフットワークと、ハート様の肉壁防御が相殺し合い、戦局が中々動かないのだ。 ・・しかし。
もう1戦の方。 ・・花山 薫とジャンクマンの闘いは決着が近付きつつある。ジャンクマンが圧倒的に。
花山を押しているのだ。 「ぬうう・・」 播磨灘が唸る。赤石が厳しい顔で闘いを睨み付ける。
「しぶとい奴・・ジャンククラッシュを2発も受けて立ち上がるとは・・」 ジャンクが笑って言う。
花山のスーツは既にボロボロである。無造作に着込んだそのスーツは、新入社員の年収もの価値がある。
だがその上等な衣服もズタズタに切り裂かれ、その下にある「侠客立ち」の刺青が部分的に浮き上がっている。
「ジャンククラ〜ッシュッ!!」 3発目のクラッシュが花山を襲う。花山。大きく息を吸い身構える。
「避けねえか、バカがッ!!」 赤石の怒号が響く。 ・・ポタリ・・ポタリ・・。ジャンクの鉄板。
その内にある凶器の様なトゲが、花山の肉体に楔の様に突き刺さっている。花山の肉体から血がこぼれ落ちる。
・・しかし。この無残な光景。ジャンクが花山を圧殺したとしか見えない光景。 ・・だが。驚愕したのは。
(な、何ッ・・トゲが・・刺さったまま抜くことが出来んッ!!) 花山に深々と刺さっている凶器。
ジャンクはトゲを抜き、距離を取ろうとした。 ・・だが、抜けない。花山が筋肉を硬直させ、それを許さない。
「ま、まさか、オレを捕らえるために・・貴様わざとッ!!」 ジャンクは叫ぶ。自分の理解の外の男。
凶器の塊の様な男が、侠気の塊の様な男に恐怖しているのだ。 ・・その間にも花山の体からは大量の血が流れる。
・・赤石。花山を見、太い笑みを浮かべ言う。 「なんて野郎だ・・。この期に及んで笑ってやがる・・」
199 :
198の続き(12話):03/06/18 01:03 ID:3jMSG+my
花山 薫。 ・・若干19歳にして、日本最強のステゴロヤクザ。ちなみにステゴロとは素手の喧嘩の事を指す。
その代名詞通り、花山はどんな出入りでも素手を通して闘って来た。相手がポン刀であろうが、チャカであろうが。
そして今。凶器超人の前で花山は笑う。 ・・両の脇腹に、深々とジャンクマンのトゲは突き刺さっている。
だが花山は笑う。 ・・いや、これを「笑い」と言うのだろうか。確かに口元は吊り上っている。しかしその目。
ランランと凶暴に光っている。 ・・常人なら即時、失神するであろう傷をものともせずに。ボロボロの肉体だが。
その眼光は一向に衰えない。 ・・ダメージは比較にならぬ程、花山が酷いが、完全にジャンクを圧倒している。
「性根が足りねえ・・」 ポソリ、と花山がつぶやく。勿論、花山の肉体にトゲは突き刺さったままである。
ジャンクは恐怖で凍る。 ・・超人の中でも悪魔騎士、とまで呼ばれた彼が、ハラワタから震えている。
「いたぶる事は出来てもゴロは出来ねえか・・。殺すか」 ・・殺す・・。ありふれた言葉がジャンクには。
初めて聞く言葉の様に耳に響く。 ・・次の瞬間。花山の左腕がフッと消える。ジャンクはアゴが爆発した錯覚。
花山 薫の超ド級の左アッパーが、ジャンクマンのアゴを貫いていたのだ。一気に垂直に持ち上がるジャンクの肉体。
ギリリリ・・。花山の脇腹に突き刺さったトゲが、上方向にスライドし、それから放れる。 ・・ジャンクが宙に。
数メートルも真上に。 ・・吹き飛んだのだ。放物線を描き砂にまみれるジャンク。既に目の焦点は合っていない。
・・血だらけの花山がジャンクの首根っこをつかむ。ドスの利いた声で静かに言う。 「まだやるかい・・」
ジャンクマン。 ・・悪魔の矜持が降参を許さない。もう一発。もう一発食らわせれば。 「ジャンククラ〜・・」
必殺のジャンククラッシュを花山に見舞う。 ・・だが一瞬早く。花山の鉄拳がジャンクの顔面にのめり込む。
200 :
200の続き(12話):03/06/18 01:23 ID:3jMSG+my
めこり。めきめき。 ・・顔面にめり込んだコブシが、ジャンクの顔を完全に破壊する。そのまま拳を振り切る花山。
「ガアアオオッ!!」 雄叫びの様な悲鳴を上げながら、再度吹き飛ぶジャンク。静かにジャンクに近付く花山。
「まだやるかい?」 2度目の降参通告。しかし先程より声は大きい。 ・・だがジャンクは何も応えない。
今度は右コブシがジャンクの鳩尾に突き刺さっている。胃液を吐き散らしながら、三度吹き飛ぶジャンク。近付く花山。
「まだやるかいッ!?」 ・・更に大きな声でジャンクに問う花山。だがまたジャンクは応えない。首をつかむ花山。
その時。 ・・ジャンクの体の前面、胸や腹から新たなトゲが飛び出し、花山を襲う。命中。一瞬動きの止まる花山。
「し、死ねいッ、ジャンククラ〜ッシュッ!!」 両手の鉄板のトゲと、体前面のトゲ。一気に花山に突き刺さる。
元より、花山の体は万全ではない。先の無限大トーナメントで、すでに尋常ならざるダメージが積み重なっているのだ。
・・プチン・・ 花山の肉体の奥で何かが切れる。花山とて不死身ではない。肉体のダメージの許容量には限界があるのだ。
崩れ落ちる花山。 「クカカカ・・。てこずらせおって、人間の分際でッ」 勝ち誇るジャンクマン。 ・・だが。
すんでの所で花山は踏み止まる。 「き、貴様・・くたばれえッ」 恐怖で叫びながらジャンククラッシュを放つ。
花山の衣服は全て切り裂かれ、「侠客立ち」の刺青が背中に浮かぶ。それに呼応するかの様に、花山はジャンクに叫ぶ。
「まだ・・やるか!!」 ・・花山最後の一撃がジャンクを捕らえる。真上に飛び上がり、そのまま花山の足元に落ちる。
そしてそのまま。座り込む様に失神するジャンク。前のめりに体が沈む。 ・・まるで花山に土下座し、平伏するかの様に。
「面白い侠よ・・。あれが花山 薫か・・」 赤石がつぶやく。日の下開山、播磨灘ですら、その花山の姿に嘆息する。
・・7大決戦。花山 薫 対 ジャンクマン、花山勝利。人間側、3勝1敗。 ・・残り3つ。
201 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/06/18 01:28 ID:3jMSG+my
えー、皆様暖かいお言葉ありがとうございます。
正直まだ、本調子ではないですが、次くらいで元に戻ると思います。
毎日はこれからちょっと無理ですが、出来るだけ空けずに書いていきます。
これからもよろしくお願いします。
あと
>>197様は男塾が好きですね。私もあらゆる漫画の中で一番好きです。
男塾で今度、こことは別にSSを書きたいと思います。あのスレあたりで。
迷惑にならない程度に。書かないかもしれないけど。 では。
202 :
197:03/06/18 01:47 ID:???
男塾大好きですよ。邪鬼・伊達・赤石は貫禄があって好きだし、泊鳳はかわい
いから大好き。それに並んで北斗・ダイ大も好きです。ダイ大の世界が舞台だ
からベホマが使えるレオナ姫とかは出てこないのでしょうか?漢くさい展開に
なってるから無理かな。
鎧の魔槍を装備した伊達、パプニカのナイフ(じゃなくてもオリハルコン製の
ドスを鍛えてもらって)を装備した富樫とかを想像するとわくわくします。
203 :
197:03/06/18 01:48 ID:???
>男塾で今度、こことは別にSSを書きたいと思います。あのスレあたりで。
えっ、どこでしょうか?楽しみです。
沸き立つ入道雲の中に赤い風船を見たような気がして、ラオウは馬を止めた。
夏の暑熱をおびた風が吹く。日差しを受けた欅が「大崩壊」以来の
絶望的な闇黒とはまた違った影を地上に落とす。
もう一度天を仰ぎ見る。空の青と雲の白。その境目を縫うように飛ぶツバメの藍。
それだけだ。黒王の手綱を取り直し、傍らを流れる川に沿って歩き出した。
ケンシロウとの死闘を制したラオウは、それから抜け殻のようになった。
正統な後継者を失い、北斗神拳の系譜は絶えた。北斗を呪うべく拳王となり
北斗を超えるべく覇道を歩んだラオウ。北斗が滅んだ今、ラオウの体内から
執着が消えた。同時に生きる目的も失った。
「選ばれなかった男」の空漠に、ラオウ自身が戸惑った。
谷あいの集落に辿り着いた頃には、日もすっかり暮れていた。
街とも呼べない陋巷だが、こんな場所にも娯楽はある。筵敷きの賭場では
垢じみた男達がカードに興じ、辻々に立つ商売女がけたたましい嬌声で
客引きをする。それらを尻目に、ラオウは酒場のドアをくぐった。
紫煙の立ちこめた店内は匂うほどの大混雑。カウンターに腰を下ろす。
奥の席に陣取った男がマスターを呼びつける。ほどなく暗がりの喧騒の中に
優美な音楽が流れ始めた。ハイドンの「告別」。
ラオウのグラスに、男の顔が映りこむ。整ってはいるが凶相といっていい。
「似合わぬ面だ」
ポツリと呟いたラオウが口の端をゆがめる。俺も人のことは言えん。
無造作に小銭を放り投げると席を立った。そのまま集落を後にする。
荒野に佇立する高層ビル。壁も天井もなかば崩れ、巨大な吹き抜けと化している。
フロアの中央でラオウは黒王を降り、屈み込んで床に右手をついた。
その手を軽く押し込んでフンと気合を入れると、再び黒王に跨って
入ってきたのとは反対側の壁穴から外に出た。10Mほどで振り返って立ち止まる。
巨大な地響きと共にビルが崩れ落ちた。砂煙の中に、人の影が浮かび上がる。
「告別」の男だ。ラオウの威嚇にも屈することなく、瓦礫の山を踏み越えて
こちらにやって来る。殺気にふちどられた巨体が、自らの名を告げる。
「大豪院邪鬼」
その名はラオウも知っている。
武威発揚と軍閥復活の旗印を掲げ、徹底的な国粋主義の下に日本各地で
暴動の嵐を巻き起こした超武闘派集団・男塾。その男塾で永きに渡り
帝王として君臨した大豪院邪鬼が、いま目の前に立っている。
こちらをラオウと知っての狼藉ではないだろう。ひたすら強者を求め
肉体をぶつけ合う。朝になれば相手の顔も忘れている。邪鬼はそういう男だ。
血液が逆流し、髪の毛の先まで上ってくる。久しぶりの感覚にラオウは酔った。
それもいいだろう。北斗を殺した男として、道なき蛮勇にこの身を捧げよう!
ラオウのハイキックをダッキングでかわした邪鬼が、反動で大きく跳躍する。
両足でラオウの首を挟むと、空中で体をひねって大地に叩きつける。激突の
寸前、邪鬼の大腿部の秘孔を突いたラオウ。激痛で足の力が緩んだ瞬間に
首を抜き、一旦距離をとる。邪鬼も小休止。2人の耳に、共通のメロディが鳴り響く。
ハイドン「告別」最終第4楽章。演奏中に楽員が1人ずつ舞台から消えてゆき
残った2人のヴァイオリンが14小節を奏で、静かに終演を迎える。
この勝負、最後に残るのはただ1人。ラオウと邪鬼が同時に吼えた。
「消えるのは」
「貴様だ!」
第5楽章の幕開けだ。猛然と間合いを詰めた2人が、超至近距離から拳を繰り出す。
ノーガードの殴り合いにラオウの歯は宙を舞い、邪鬼の鼻柱が折れ曲がる。
邪鬼の体勢が一瞬崩れた。大きく左足を踏み出したラオウが、右の掌を邪鬼の
みぞおちにあてがった。満腔の気を注ぎ込む。
北斗神拳奥義、天将奔烈。邪鬼の体は吹き飛ばされ、一度弾んで倒れ伏した。
髪の毛をつかんで引っ張り上げ、なおも邪鬼に攻撃を続ける。
ラオウは泣いていた。闘いの中でしか生きられない者同士の絶望が共鳴する。
邪鬼の痛みはラオウの痛みであり、邪鬼の怒りはラオウの怒りである。
哀れな戦士よ、せめて俺の手で逝け!止めの一撃、ひときわ高く右腕を振り上げた。
時が止まった。鈍い残響の尾をひいて、腕の形をした肉塊が地に転がった。
ラオウの右腕は、肘から先が消え失せていた。全てを切り裂く邪鬼の真空殲風掌。
失血で霞んだラオウの視界の隅で、丸い影が揺れ動いた。真っ赤な風船だ。
とにかく眠い。仕事から帰ってきて、あとは寝るだけの毎日です。
辞表を書くのも面倒くさいので、当分モルモットのような生活が
続きます。
全部書き上がってからまとめてアップしたかったんだけど
キリがないので前半分だけ見切り発車であります。
>>外伝担当さん
力と技の激突、ですねえ。しかし最初のザコでこのレベルだと、
この先どんな奴が出てくるのか……まあ、柳もまだまだ、本気
ではないみたいですけど。予告にも少しありましたが、各種武器を
振り回す姿も期待してますよっ。きっと、さぞかし(敵の)血塗れな
光景が♪
>>夜王さん
ん〜、私も
>>187さんと同じく、前の方が好きですね。「それで
良かったのかよ……それで満足だったのかよ……」とか。
というか、今の松田さんはあまり見てませんので。夜王さんに、
今の松田の魅力を教えて頂ければ幸いです。
>>パオさん
お帰りなさいませっ。久々のパオさん節炸裂と言いますか、
ジャンクマンと花山、凄く噛み合ってます♪ そしてやっぱり
アシュラはアシュラ。彼の路線、もう完全に固まってしまい
ましたね〜。なんとも不憫。
>>VSさん
いきなりの、頂上対決。しかも、どシリアス。でもって、長編。
……い、一体何が? 後半で、オチるんですかそれともこのまま?
ちょっと独特な気分で、手に汗握って待ってます。
以上、このスレの高床式、もとい奥ゆかしき『四天王』の
皆様へ敬意を込めて。
あれ、いつのまにかパオ復帰してるね。
祝いアゲ
今度は幻ではなかった。ラオウを横切った赤い風船が、邪鬼の鼻先で
静止した。ヒモの先にくくりつけられた携帯電話が着メロを奏でる。
思わず着信ボタンを押した邪鬼。もしもし?
直後、上空から巨大な黒曜石が飛来!下敷きになった邪鬼。携帯も潰れた。
垂直に亀裂が走り、2つに割れた黒曜石。中から現れたのは烈海王。
片手に携帯。一方的に切られた電話に、憤怒の涙が頬を伝う。貴様等、許さん!
猛然と詰め寄る烈の足が何かにつまづく。ラオウの右腕だ。拾い上げたその腕と
ラオウを交互に見比べ、首を捻る。これはつまり・・・。
閃いた!川辺で草を食む黒王に歩み寄ると、耳に爆竹を詰めて火をつける。
腕を小脇に抱え込み、後ろ脚の間近にしゃがみこんだ。
パーン!爆竹が炸裂。驚いた黒王が、反射的に後ろ脚を蹴り上げる。
烈がすっ飛ぶ。そのまま漆黒の空の彼方に消えていった。
我に返ったラオウ。ペシャンコの邪鬼におが屑を詰めて蘇生させると烈の後を追った。
秋葉原。日本最大の電気街は今日もマニアの戦場だ。烈はこの街のどこかにいる。
美少女ゲームに異常な興味を示す邪鬼。棚中の新作をかっさらって
出口に向かうが、当然センサーが反応。背後から店員が駆けつける。
「お客様、何かお忘れではございませんか?」
余りにもしらじらしい一言に、邪鬼のハートのスイッチがON!助太刀の
ラオウと共に大暴れ、空っぽの棚に黒王の馬糞を陳列してその場を去った。
裏通りを散策する2人。立ち並ぶ露店にはいかがわしげな商品が置かれている。
CD-ROM、中古パソコン、右腕、改造チップ。大あくびをかまして通り過ぎる。
ちょっと待て、いま変なものが売ってた。
振り返ると烈がいた。目が合うや否や、腕を掴んで逃げ出した。
追いかけざまに値札を一瞥するラオウ。25円。この捨て値はなんだテメー!
歩行者天国を疾走する烈。後方のラオウ目がけて手榴弾を投げつける。
回避するラオウ、弾け飛ぶパラソル。瞬く間に地獄絵図が描き出された。
先回りをした邪鬼が前方に立ちはだかる。食らえ、真空殲風掌!
でも残念、そこは歩行者天国の谷間です。トレーラーに跳ね飛ばされて
マニアの群れに突っ込んだ。先ほどの新作を身ぐるみ剥がれて全裸と化した。
高笑いの烈に警官が声をかける。それは何?はい、人間の腕です!
逮捕。
取り戻した右腕をホッチキスで止める。後はニベアでも塗っときゃ治るだろ。
廃墟に戻ったラオウと邪鬼。釈放された烈も一緒だ。
あの腕は、いらないから捨てたんだと思った。秋葉原で売りさばいて新しい義手を
買ってやるつもりだったが、買い手がつかないので25円に値下げした。なのにこの
有様だ。恩を仇で返された!このエロガッパ!
こんな内容のことを涙声でまくしたてた烈の肩に、ラオウがそっと手を置く。
よくわかった。その気持ちだけで充分だ。仲直りの印に花火をあげよう。
緑色のこよりを烈に手渡す。不思議そうに見つめる烈。
月明かりの下、線香花火に興じる3人の影が淡く伸びる。小さな火花を散らし、
やがて先端の玉がポトリと落ちる。
烈が不満そうに眉をしかめてイヤイヤをする。派手好みの中国人には
物足りなかったようだ。懐から小さな箱を取り出すと、蓋を開けてボタンを押した。
大気が震える。天空の星が瞬いたかと思うと、凄まじい速度で落下してきた。
ミサイルだ!黒曜石に続き、邪鬼が2度目の直撃を喰らった。たーまやー。
瀕死の邪鬼の手を取り、烈が問う。貴様の名は?ジャキ?よし分かった!
短刀を取り出すと腕に突き立て、死にゆく友の名を刻み込んだ。
「バキ」
第2のミサイルが襲来!男がくくりつけられている。刃牙だ。大地に食い込んだが
爆発はしない。続いて4基のミサイルが刃牙を中心に着弾する。機体には
「神」「心」「会」「禿」の文字。ハッチが開き、中から出てきた
梢江、花山、ミスター、独歩が刃牙を囲んでドラゴン花火を一斉放射。
ラオウの足元の土が盛り上がる。完治した右手をその瘤に叩き込む。
引き上げた手に本部のアホ面。地上の乱痴気騒ぎで冬眠から目覚めた。もう夏だぞ。
ラオウを一目見るなり眠気もぶっ飛んだ。貴様、勇次郎か!
「不正解」背後からの声に振り返ると、正真正銘の勇次郎。本部の口をこじあけ
ネズミ花火を放り込む。メチャクチャに弾け跳び、川に飛び込んで爆発した。
対峙したラオウと勇次郎。勇次郎が三尺玉を差し出す。笑って受け取るラオウ。
ラオウ、邪鬼、バキファミリーの花火大会は続く。色とりどりの炎が夜空を焦がす。
刃牙に灯油をかけて火をつける。盛大な火柱の周りで、みんなで輪になって踊り始めた。
いつまでも、いつまでも踊っていた。
なんだか、柴千春vs???と似たようなラストになっちゃいました。
ふら〜りさん他、アホ文を読んで下さった皆様に感謝。
夜王さん外伝さん、垣原楽しみにしております。
パオさん、アシュラマンの扱いは全くおいしい限りです。
一度どこかで光があたるのでしょうが、そこからどのように
転落していくのか、今から色々予想しております。
それでは。以降はバキスレでお会いしましょう。
叙情的だよアンタw
ステキすぎるw
復活心待ちにしてます。
213 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/06/19 00:57 ID:liEbukvF
やあVSさん、お疲れ様です。
バキ以外のネタを思いついたらいつでも書いて下さいな。楽しみにしてる人多いので。
もちろん私もですが。
ところで今日も書こうと思ったんですが、気の迷いから他スレでSS書いちゃった。
これが最悪の出来。余りにも酷くて途中バックレ。どのスレかは恥ずかしくて言えません。
最初からこっちで魔界編の続き書きゃ良かった。まだリハビリが必要です・・。
明日か明後日、どちらかは絶対書きます。 ・・私の絶対は分からないけどね。
>>213 いやいやいや、見せてもらいました。
あれおもしろすぎです。
あの対決はかつてスレが立ったことがありますね。
それにしても男塾の世界はギャラリーが充実してておもしろい。
解説役、実況中継・驚き役そして切札となる民明書房、説得力は他の追随を許しません。
リクエスト
るろうに剣心の志々雄VS比古を御願い致します。
216 :
マロン名無しさん:03/06/19 11:11 ID:0ArS5Znw
やっぱり民明書房と大公書房がなければな(W
>>216 ギャラリーが豊富なだけで漏れはおなかいっぱい。だけどあればなおよし。
男塾のパロディ書かせたら、パオちゃんは日本一かもな
VSさん、お疲れさまでした〜。とんとん(肩たたき)。
予想通りというか予想を超越していたというか、凄まじい
のをカマして下さいましたね〜。「とりあえず」「一旦」の
幕引きにはふさわしい作品だと思います。「気が向いたら」
で結構ですから、復活をお待ちしてますっっ。
パオさん、お疲れのようですね……何度も言ってますがご無理
なさらず、でも頑張って書いて下さいね♪ ←ワガママ
さて。四天王の皆様にはここを本職にして頂きたいですが、
たまに息抜きと言いますか気分転換と言いますか、こちら↓
ttp://game.2ch.net/test/read.cgi/retro/1052196333/-100 (レゲーの主人公だけで場トルロワイアル)
にも書いて頂けると嬉しいな〜と。もちろん、読者の皆様も。
私こと、ふら〜りもちょこちょこ書いております。宜しければ
多数のご参加をっ!
>>168 ―同時刻、東京・千代田区・桜田門・某所における会話―
「課長、見つけました!」
「同じ台詞を聞くのはこれで3度目だな―で、どこだ」
「地図で言えばここです。この、運河沿いにある倉庫です。今は使われていないということですが、
4課からの情報では、盗品等の保管所に使われている可能性が高いとのことです」
「何もかもが推測と願望じゃないか、根拠はないのか!」
「はい、江東区近辺にウチがもっている情報屋をあたってみたところ、デューゼンバーグとキャデラック
と思しき3台の外車が、この倉庫に繋がる通りを走っていったとのことです」
「ほう・・・・・やっとまともな情報が入ってきたということか」
「ええ。それと、もう一つ。これはついさっき入ってきた情報ですが、倉庫近辺の住民が、なぜか大挙
して別のブロックにたむろしているということです。理由は不明ですが、大河内組のチンピラから命令
されたとかで」
「・・・・・・間違いないな。よし、江東区に展開させている全員に、直ちに倉庫へ急行するよう命じろ。
所轄からも応援を頼め。俺は警備に話を通す。場合によっては機動隊も必要になるだろう」
「わかりました!」
>>220 大友と柳の戦いは、熾烈さを増しつつあった。
今や怒りの化身となった大友が、拳を繰り出し、足を振り上げ、肉体を突進させる。
対する柳は、無表情を保ちながらその全ての攻撃を危なげなくかわしつつ、丁寧に大友の体を
打ち、蹴り、時に投げる。
さながらフィルムをこま落としにしたかのような、呼吸することすら忘れているかのような、
切れ目というものがない殺意の応酬だった。
「だ・・・・・駄目だ・・・・・・」
人間のなし得る闘い、その常識を遥かに凌駕したこの格闘に関する、唯一のギャラリーというべき
大河内は、しかし顔をゆがめて呟いた。
なるほど、確かに柳は今このときに至るまで、まったく大友から攻撃を喰らってはいない。そして、
柳の攻撃は、すべて的確に急所を―少なくとも、人体にとっての急所を叩いている。
しかし。そう、しかし。
大河内は、さらに呟いた。
「柳さん、あんたがかくも一方的に戦いを進めていることが問題なんじゃ・・・・・」
そう。
これほど柳が優勢に戦いを進めているにもかかわらず、大友の攻撃、そのペースがちっとも鈍って
などいないのはどういうわけだ。
大河内は、もちろんその生涯において格闘家としての経験を積んだことなどなかったものの、
喧嘩という実体験を通じて、人体の急所というものがどういうものか、知り尽くしていた。
そして、大河内の経験によれば、普通はあれほどまでに急所に打撃を受けつづけていれば、
とうの昔に人体は壊れてしまっている。
少なくとも、今まさに大友がやっているような息をもつかせぬ攻撃など、できるわけがなかった。
>>221 ということは、柳の攻撃は、まったく大友にダメージを与えてはいない。
大河内は、一旦膨らみかけた希望が、再び絶望に取って代わられるのを感じながら結論付けた。
いかに柳の攻撃が命中しようとも、大友がまったくそれを意に介していないのではどうしようもない。
(付け足すならば、大友は柳を相手取る前に、組長警護隊の人間とやりあい、少なくとも短刀を5回
その腹に受け、何発かの銃弾を喰らってすらいるのだ)
そして、柳も大河内と同じ人間である以上、人間にとって決して避けえぬ疲労、それが柳を侵食する
のは自明のことだ。
そして、累積する疲労が柳の動きを束縛し始めたとき、大友の攻撃は柳を打ちのめすだろう。
「柳さん、無駄じゃ。大友は、もう人間ではなくなっとるんじゃ・・・・・あんたが言ったように」
力なく首を振りながら、大河内はそろりそろりと場所を移動する。
もちろん、逃げ出すためではない。
大河内は、倉庫の中に停められた乗用車に近づいていた。
目的は、乗用車ではなく、その脇に転がって鈍く光る大型軍用拳銃―コルト・ガヴァメントM1911A1。
その拳銃の持主は、つい数分前まで大河内にとっての切り札―組長警護隊の、あの野戦服の男
だった。
>>222 その野戦服の男も、今ここにはいない。
あの絶望的な前哨戦、大河内の手駒の全てを失った闘いの最後で、彼は単身拳銃を構えて大友に
肉薄し、三発の.45ACP弾を打ち込んだものの、大友にその腕を鷲づかみにされ、ハンマー投げの
要領で投げられてしまったのだ。
そして、彼が放り投げられ、叩きつけられた先は、かつての倉庫の窓、今はベニヤ板がはめ殺しと
なっている場所だった。
今、そのベニヤ板は中ほどにぽっかり大穴が空き、そこから差し込む光が、柳と大友の闘いをライト
アップしていた。
野戦服の男―隊長が今も生きているかどうかは、大河内にはわからない。
しかし、人形のように軽々と数メートル近く放り投げられ、ベニヤをぶち破るほどのエネルギーをその身
に蓄積させられた男が、無事で済むとも思っていなかった。
少なくとも、今この瞬間に彼が倉庫に舞い戻ってくる可能性はゼロといってよい。
そして、隊長以外の警護隊員は、全員が骸となって倉庫の中に転がっている。
となれば。
「ケジメは、わしがつけるしかないんじゃ、の・・・・・」
大河内は、憑き物が落ちたかのような顔つきになって、ガヴァメントを拾い上げた。
>>223 大河内は、拾い上げたガヴァメントを手にとり、異常がないか光にかざした。
あちこちに擦り傷が走り、外見はかなり汚くなってはいたものの、発砲するという目的に
ならば十分耐えそうだ。
そして、今の大河内が必要としているのは、ガヴァメントの外観などではない。
大河内は、ゆっくりと息を吸い込み、ガヴァメントを両手保持で構えると、腰を落した。
狙いは、大友の頭。
いかに強靭な防御力を誇っているとはいえ、所詮器は人間の体。
ならば、そこを打ち砕けば、あるいは。
大河内は、身長に狙いをつけ、引き金に人差し指を滑らせる。
と、その時。
大河内の、フロント・サイト越しの視界で軽業のような格闘を繰り広げていた柳の動きに、
突如変化が現れた。
それまで、つかず離れずの距離を保ちつつ、大友を一方的にあしらっていた柳が、突如バック
ステップで大きく彼の敵との間合いを取る。
ざっと5メートルは離れたであろう柳、その動きを逃げと解釈した大友が、猛り狂ったかのような
絶叫と共に柳目掛けて突進する。
次の瞬間、柳は、足元に転がっていた木箱を両手で拾い上げ、絶妙とも言うべきタイミングで
大友の頭上に振り下ろした。
>>224 がぽおん。
中身の入っていない木箱が、木片をあたりに飛び散らせながら、大友の頭をすっぽりと覆う。
予想だにしていなかった攻撃に、視界を奪われた大友は、何が起こったのかと一瞬動きを止めた。
どうやら、柳の狙いは、一瞬でも大友を止めることであったらしい。
大友がうろたえたことを確認した柳は、ぎろりと視線を動かして、大河内を睨みつけた。
「余計な手出しは慎んでもらおうか、組長」
「し、しかし・・・・・柳さん!・・・・・あんたの、あんたの、その、攻撃は」
全然大友に通じておらんじゃろうが!
大河内は、ガヴァメントを構えたまま悲鳴をあげるかのような口調で叫んだ。
だから、だからわしが、せめて、あんたがやられる前に。
柳は、大河内にそれ以上喋らせなかった。
舌打ちをするかのように柳は唇をゆがめ、同時に右手をふっと動かす。
「・・・・・・・!」
大河内の右腕に、突如として痛みが走り、彼はガヴァメントを思わず取り落とした。
がちゃんと空ろな音を立てて倉庫の床に再び転がったガヴァメント、その銃身に、大河内の血液が
ぽた、ぽたと滴り落ちる。
はっと右腕を見た大河内は、そこに木片が突き刺さっていることに気づいた。
どうやら、さっき大友に叩きつけた木箱、その破片を何時の間にか柳は握っていたようだ。
「や、柳ィィィィイ!」
大河内は、絶叫した。
>>225 「組長、あんたは私がただこの男を叩いていただけだと思っていたのか?」
大河内の痛みに全く頓着することなく、柳は呆れたような声を出した。
「な、なんじゃと?」
「組長、もしかするとあんたは、私の攻撃がまったくこの男に通用していないと思っていたのか?」
いいながら、柳は大友を指差す。
大友は、ようやくのことで自分の視界を遮っているものが何であるか理解したらしい。
木箱のせいで奇妙にくぐもった叫び声を挙げながら、滅多やたらに拳を振り回し、己の頭に被せ
られたそれを叩き壊しにかかっていた。
「違うというのか!」
大河内は、流血しつづける右腕を押さえながらなおも言い募った。
「全然違うね」
柳は、哀れむような目つきで応えた。
その言葉と同時に、大友が木箱をバラバラにし、再び視界を取り戻す。
何かを確かめるように、首を2度ほど左右に振った大友は、柳を視界に捕らえた。
「お お お お お お お お お お お お お ! ! !」
必ず殺してやる。必ず引き裂いてやる。
声帯から絶対的な殺意を迸らせ、大友は柳目掛けて何十回目かの突進をかけた。
「柳さん!」
「心配するな、組長」
ニヤリ、と笑みを浮かべて柳が応える。
「私の知りたいことは、だいたいこの男から聞き出した」
それだけ言うと、柳は大河内に背を向け、再び大友に向き直った。
「では、そろそろ最後の仕上げにかかるとするよ」
皆様こんばんは。外伝担当でございます。
どうやら、体調も持ち直してまいりました。
というわけで、今回は以前に話のありました疑問(隊長どうなったの?)への回答と、
今後へのツナギをば。
柳対大友の戦いは、おそらく今週中には終わります。たぶん。
>>vsさん
お疲れ様でした。というか、最後までかっとばしてくださいますなあ・・・・。
最初は、シリアス物で通すのかと思っていただけに、後半の怒涛のようなラッシュがもう。
>>パオさん
お帰りなさい!やはりこうでなくては、と思います。
まあ、私も、これからは毎日更新とはいかない可能性が高くなってまいりましたが、
お互い無理をせずに、じっくりとやっていきたいですね。
外伝さんお疲れさまっす。相変わらずお見事。
ふら〜りさん、レゲーの主人公だけで場トルロワイアル見ましたよ。
文章上手いじゃないですか。こっちで書いて下さいよ。
・・今日、書かねばいけないと思いつつも、他スレに出張して書いてしまった。
ラオウ対塾長。 ・・これが笑う程出来が悪い。そのスレの住人にシカトされる位。
10日休んでいる間に私のSS職人のしての才能は無くなってしまったのか。
元々あったかどうかは別にして。あったとしても世界一どうでもいい才能だな。
応援レス上げてくれた方、ありがとうございます。こういうレスがあるから頑張れます。
今週中には慶次対シシオ戦まで行きたいなあ。 ・・では。書けなくてすみません。
ラオウ対塾長 >>
見たよ。面白かったですよ。
でもパオさんはこっちのスレを優先してホスイ
>>218 禿同。みんなでパオさんを応援しよう!
>>228 ラオウvs塾長は二人の個性が十分生きてておもしろかったす。
さすが剛の者同士の壮絶な戦い、しびれます〜。
アシュラマンが間違えてロビンマスクを連れて来て更に酷い目に遭わされる展開キボン
>>外伝担当さん
柳がカッコいい! 絶対の自信ってやつですねっ、実際強いし!
……しかし、もしこの時点で他の死刑囚並かそれに迫る実力を
有しているとした場合、そこから更に丸々半世紀ぐらい修行を
積んだことになるわけで。とすると「バキ」登場時の彼は……
……嗚呼、返す返すも原作の柳ぃぃ。うぅ。
>>パオさん
お褒めの言葉、身に余る光栄ですっ! でもこちらではやはり、
レベル的にちょっと気が引けます。あちらも最近、結構上がって
きてますけどね。あと、今までのリクエストとかでも推察できる
かもしれませんが、漫画の知識が浅いもので。私。
塾長対ラオウ、読みましたよ! あちらで言われてた通り、
ここの住人なら作者、判りますね〜ふふふふ。あの壮絶な
ぶつかり合い、吼え合いは、郷里さんと内海さんのド太い声が
耳に響く思いでしたっ。
【第13話 魔界転生】
関が原決戦、残すところ三戦。 ・・松尾 象山 対 宮沢 鬼龍。B・B 対 ハート様。 ・・そして大将戦。
天下無双の傾奇者・前田 慶次郎 対 地上侵攻軍3強の一角・志々雄 真実。 ・・いずれ劣らぬ、強者の宴。
最早、この地関が原に戦闘可能な戦士は数少ない。魔物はほぼ全滅。 ・・大局的には、人間側の勝利である。
だが。魔界側の残り3人を倒さぬ限りは、いくさはまだ終わらない。特に。 ・・3強の一角・志々雄 真実を。
・・江田島は夕暮れ空を見て思う。 ・・桃たち4人は、無事魔界へ着いただろうか。 ・・いや、奴らの事だ。
とっくに魔界にいる助っ人2人と出逢い、強敵たちと激闘を繰り広げているに違いない。武運長久を祈る・・。
このいくさを必ず勝利し、貴様らを見守る。貴様らがピンチに陥った時、機に応じ心強い助っ人を送る・・。
・・江田島は傍らにある魔界との通信機を見やる。 ・・今はいくさ中、桃たちの状況を聞く訳にはいかない。
だがワシは信じておる。 ・・桃よ。九十九よ。烈よ。ロビンよ。そして2人の助っ人よ。貴様らの勝利をな・・。
・・江田島の親心。遠い魔界へと思いを馳せる。激闘に苦しんでいるであろう、桃たちの姿がまぶたに浮かぶ。
しかし。江田島の思いは思いっきり裏切られていた。 ・・確かに闘いは始まろうとしていた。魔界の地でも。
・・だが相手はアシュラマン。まるで、中学生日記の様なイジメが展開されていたのである。
っっz
「カ〜カッカッカ。貴様らごときが、バーン様に挑むとは1000年早い。俺が全滅させてくれるッ!!」
勇ましいアシュラマンの声が魔界に鳴り響く。だが言葉とは裏腹に、顔の3面全てが泣き顔だ。
アシュラの眼前には5人の戦士。いずれも一目で判る強者。 ・・ナマイキ言ってゴメンなさぁい・・。
心の中で必死に謝るアシュラ。 ・・だがそれは口には出せない。出せばヒソカとパンタローネに殺される。
・・【五珍の塔】の近くの草原で。ヒソカとパンタの命により、人間界精鋭を迎え撃つ事になったアシュラ。
無理だ。出来ねえ。暴力反対。イジメカッコワルイ。 ・・実はアシュラ。魔界のええところのお坊ちゃんである。
そのコネで魔界のbQまで上り詰めたが、もういい。早く帰りたい・・。このまま一生丁稚でいいっす。
だがおめおめ帰ればヒソカの鼻ワリバシが待っている。 ・・こいつらも怖いがヒソカはもっと怖い・・。
・・そうだ。一度に5人は無理だが、タイマンならもしかしたら・・勝てるかも。よしこれでいこう・・。
こいつらの内、一人でも倒して帰れば、言い訳も立つな。 ・・上手くいけば魔界の幹部に復活できるかもな。
でも幹部に復活しても、ヒソカのパシリのままだろうな。この前パシったパンのお金、まだもらってないな。
・・金返せなんて言えないけどね(笑)。 ・・アシュラの脳裏に、走馬灯の様に(パシリの)思い出が回る。
・・って死ぬんか俺。頭を振って無理矢理気持ちを切り替えるアシュラ。 ・・そして精鋭5人に向かって言う。
「カ〜カッカッカ。よし、まず始めに誰を地獄に送るか、オレが選んでやろう・・。覚悟はいいな?」
飛影。その言葉に動じず応える。 「好きにしろ・・。誰を選んでも、貴様が死ぬのに変わりは無い」
アシュラはその飛影の言葉に冷や汗タラタラである。 (おい・・少しはビビってくれよ、お願いだから・・)
237 :
vvvv:03/06/20 22:57 ID:FY6l9aRk
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少しでも、少しでもだ。 ・・弱そうな奴を対戦相手に選ばねば。 ・・ひょっとしたら勝てそうな奴。
5人の顔を見回すアシュラ。 ・・勝てそうなヤツはいない、と。だったら少しでも優しそうなヤツ・・。
アシュラマンの3面がグルグルと回り始める。目が見開く ・・アシュラビジョン、スタート。
まず一番右。黒尽くめでとんがり頭の吊り目チビ。こいつは魔界で有名な剣と炎の強豪妖怪だ。
確か飛影とかいう奴。斬られりゃイタイし焼かれりゃアツイ。 ・・勝てない、無理。 ・・パス。
・・次はその隣の美女、ニコ・ロビン。こちらから是非お願いしたい。寝技とか。それに相手は女。
いくら何でも勝てるだろ。 ・・勝てるよな。勝てたらいいなぁ。 ・・だが脳裏に浮かぶヒソカ。
ダメだ。例え勝ててもヒソカに殺される。 ・・しぶしぶパス。 ・・次。真ん中の若者。
こいつは良いんじゃないか? 背もちっこいし。よしこいつに・・。いや待てよ。確かこいつは・・。
陸奥 九十九? ・・人間界若手bPじゃねえか。ムリムリ。余裕でパス。 ・・残りはわずか2人。
左から2番目の男。顔グロの中国人。異常な殺気を放っている。 ・・まるで猟奇殺人者の顔だよ。
絶対にイヤです、パス。 ・・最後に残った一番右の、ガクラン姿の若者。背は一番高い。だが。
なんか目が優しそうだ。 ・・こいつなら最悪、土下座すれば許してくれそうな気がする。
・・よし、決めた。キミに決定!!
「カ〜カッカッカ。まず死ぬのは貴様だ、剣 桃太郎ッ!!」 ・・桃はアシュラの言葉に笑う。
「上等・・。見せてやるぜ、男塾魂ッ!!」 ・・シュッとダンピラを抜く桃。気合十分である。
その桃を見てアシュラ。チビる。 (刀を使うなんて・・反則だよゥ・・)
「貴様・・。卑怯だぞ武器を使うなんて!! 早く捨てないとバーン様に言いつけてやるッ!!」
アシュラは必死で訴える。 ・・優しい桃である。その言葉にダンピラを投げ出し、素手で構える。
それを見て烈がポソリと言う。 「バカが・・。桃は素手の方が強いのに」 頷く精鋭たち。
「うわああ〜これでも喰らえ!!」 六本の腕を鋭く回転させ、桃に突進するアシュラ。
必殺・いじめられっこグルグルパンチ、である。もちろん3面全て泣き顔。6本の腕を生かした必殺技。
・・しかし桃。あっさりとかわし、アシュラのアゴにヒザ蹴りを放つ。アゴが跳ね上がるアシュラ。
その時。アシュラの思考が弾ける。 ・・あの全盛期の必殺技のシルエットが浮かぶ。反射的に体が動く。
「・・まずいわね」 目の前の光景にロビンがつぶやく。あの体勢はまさか、あの必殺技・・。
桃の肉体を逆さまに持ち上げ、肩に担ぐ。太ももと足首を六本の腕でロックし、そのまま高く飛び上がる。
「喰らえ、アシュラバスター!!!」 ・・復活の時は来た。魔界のbQ、いや魔界のプリンスに。
全盛期の力が蘇える感覚。 ・・これならば。 ・・こいつらは勿論、ヒソカにも・・勝てるッ!!
・・全身を極めたまま空中に着地するアシュラ。桃の肉体に凄まじい衝撃が走る。肉体の崩壊する瞬間。
担がれた桃が地に落ちる。 「カ〜カッカッカ。 次はどいつだ!!」 勝利に酔うアシュラ。
だがその時。 ・・足元の桃がゆっくり立ち上がる。信じられない顔のアシュラ。 「え・・マジ?」
桃は静かに口を開く。 「男塾魂・・肉体を超える力だ・・」 ・・唖然とするアシュラ。
自分の必殺技を、「男塾魂」の一言で返されたのだ。 ・・気合の一言でなんでも済ますんかい・・。
・・だがアシュラ。その桃の姿を見て、ブルブルと震え出す。 ・・勝てない。こんなヤツら・・!!
「うわああ、お助けぇ〜ッ」 必死でトンズラするアシュラ。 ・・だが桃たちは追いかけない。
相手にするのも面倒くさかったのだ。 ・・遠く逃げたアシュラ。彼は泣いた。己のヘタレ振りに。
(どんな事をしても・・強くなってやる・・) 悲壮な決意のアシュラ。その脳裏に浮かぶ言葉。
(悪魔で勝てないのなら・・魔族で勝てないのなら・・全てを捨てて、アレに転生するしかない・・)
その足で。アシュラはある男の元へ向かう。妖魔司教ザボエラの元へ。 ・・超魔、とつぶやきながら。
ザボエラは人間界から帰ってきたばかりである。 ・・伊達 臣人に自信作・超魔ゾンビを倒され。
歯軋りをしながらあるモノを見上げている。 ・・その内、ザボエラは狂った様に笑い出した。
(ヒャヒャヒャ・・超魔ゾンビなど、この【異世界の機神】に比べたら、紙細工の様なモンじゃ)
目の前にそびえ立つ4体の巨兵を見て、笑いの止まらぬザボエラ。 ・・この巨兵が完成したらすぐ。
人間界へ乗り込む。 ・・この巨兵の力なら、あっという間に人間界など制圧じゃわい・・。
笑いの途絶えぬザボエラの館。 ・・そこへ。先ほど逃走したばかりのアシュラマンが飛び込んでくる。
「ど・・どうしたのですかな、アシュラ殿?」 ・・厳しい表情のアシュラ。そして叫ぶ様に言う。
「ザボエラ・・以前使ったという魔族から超魔への転生、もう一度俺に使え・・」 仰天するザボエラ。
「何を・・魔界の名門出身のあなたが・・。2度と戻る事は出来ぬのですぞ、転生をすれば・・」
「構わぬッ・・過去の栄光も下らぬ誇りも、この肉体すらいらぬ。俺が欲しいのは・・全てを超えた力だ!!」
アシュラの真剣な眼差しと悲鳴の様な怒声に、怯むザボエラ。 ・・アシュラはザボエラに続けて言う。
「魔界の幹部も、人間界の精鋭も・・俺より強い。だが戦士として・・負け犬のままでは終われんわ・・」
ザボエラの脳裏に邪悪な考えが浮かぶ。以前から研究していたテーマがある。超魔すら超える戦闘生物の。
「アシュラ殿・・。その覚悟がおありならば、超魔よりも強い者に転生しませぬか・・」 驚くアシュラ。
「何、超魔より強い、だとッ」 ・・ニヤリ、と笑うザボエラ。そして自信たっぷりに言う。
「そう。ドラゴンの力と魔族の魔力を持ち・・天の稲妻さえも操る、究極の戦闘生命体・・。竜魔人の・・」
「いいのですな・・アシュラ殿。竜魔人に転生すれば、二度と戻る事は出来ませぬぞ」
ザボエラが念を押す。 「構わん・・。力を手に入れる為なら、何にでもなるッ」
アシュラマンの言葉に満足そうに頷くザボエラ。彼にしてみれば、良い実験材料なのだ。
・・不気味な生物で造られた容れ物。いや、棺といった方が良いか。その中に入るアシュラ。
その中にコポコポと妙な液体が張られていく。 ・・少しずつ意識の薄くなるアシュラ。
(ヤツらに一矢報いねば・・死にきれぬ・・) 意識が遠くなり、覚悟だけが高まる。
次に意識が覚醒し、この生体ポッドから出た時。俺は竜魔人となり、最強の力を手に入れている。
そして闘いを挑む。桃に、ヒソカに・・。ヤツらに勝つ為なら、肉体も、誇りも、命さえも不要・・。
その時。アシュラの肉体改造をする為に、外で薬品や生体配合している、ザボエラからの声が届く。
「ありゃ〜しまった」 「ワシもボケたかのう」 「これでどうだッ」 「・・失敗」
「失敗は成功の母」 「不覚」 「どっちじゃったか、この薬品は」 「もうだめぽ」
イヤな言葉のオンパレードだ。 ・・意識が薄れゆく中、不安になるアシュラ。やっちゃったか、俺?
いや、目が覚めれば、俺は竜魔人になっている、きっと。稲妻さえ操る最強の戦士に。 ・・多分。
・・ザボエラの最後の一言。 「どうでもいいわ、もう」 ・・その言葉を合図に目が覚める。
目覚めたアシュラはまず深呼吸を一つする。 ・・そしてその場でジャンプをしてみる。
軽い。信じられないほど肉体が軽く感じる。 ・・成功だ!! 俺はなった、最強の竜魔人に!!
よし。試そう、最強の竜魔人の力を。 ・・先ずは稲妻だ。そう、ギガデインの呪文を放とう。
体からエネルギーがほとばしる。 「ぴッかッ〜」 辺り一面に電撃の嵐がとどろく。
素晴らしい・・。感動するアシュラ。 ・・でも待てよ、俺、今なにか変な声出さなかった?
まあいい。気のせいだろう。礼を言おうとザボエラの方を向くアシュラ。 ・・おんやあ?
ザボエラは自分の腹の辺りの背丈しかなかった。 ・・それが今、自分の方が彼を見上げている。
竜魔人ってこんな小っちゃかったけ? ・・嫌な予感のアシュラ。ザボエラは目を合わせようとしない。
ザボエラに話しを聞こうとするアシュラ。 「ぴっかッ〜。ぴかぴか、ぴっかちゅ・・」
え? 何言ってんの、俺? ・・焦るアシュラ。ザボエラが照れながらアシュラの目の前に鏡を出す。
・・そこには。竜魔人の姿は無かった。変わりに、アメリカでも大人気の、電気ねずみの姿が・・。
「エヘ、失敗しちゃった、ゴメン」 ・・爽やかに笑うザボエラ。 ・・アシュラマン、戦線離脱。
だがアシュラはこの不幸をものともしなかった。 ・・そのかわいい姿は、魔界のキャバクラで大モテ。
キャバクラ嬢の千人斬りを達成したのは、これよりわずか4年後だったという。良かったね、アシュラ。
BB対ハート様が上手くまとまらないので、変なネタで逃げてしまった。
ダメダメ。しかも長すぎ。3レス位だと思ったのに。
一応、アシュラにはハッピーエンドを与えてみた。次からアシュラは出ません。
彼の役回りは烈が立派に受け継いでいきます。
次回からはちゃんと3つの決戦書きます。 ・・では。
>・・そのかわいい姿は、魔界のキャバクラで大モテ。
>キャバクラ嬢の千人斬りを達成したのは、これよりわずか4年後だったという。
ワロタ
ぴかちゅうage
微妙にvsさんちっくになってる気がするのは気のせいだろうか?(笑
てっきりハドラーちっくに復活するのかと思ったけど、
個人的にはギャグ担当は最後までギャグでいて欲しいんでたまにはこんなのもいいかも
248 :
152:03/06/21 14:20 ID:???
>>160 う〜ん…僕は柳と大河内の部下を違うものとして読んでたから
あまりミスリードって気がしなかったんだよなぁ…
144の「や、柳さん……!」でいったんレスを終わらせて
ちょっと間をおけばよりひっかけっぽく見えたかも
それは別として、やっぱ柳は最高ですね
オリジナルの技もそれっぽくて良い感じだし、
戦闘に入る前に状況説明的な話が多いのを気にされてたようですけど
単なる戦闘だけでなく、ひとつの世界観を構築できるってのは
それだけで優れた能力だと思います
広がりのある世界観とキャラクターの魅力、
それに加えて説得力のあるストーリー展開…
どれをとってもこのスレ最高峰の出来だと思います
リアルでの生活に影響が出ない程度にがんばってくださいね
応援してます
249 :
マロン名無しさん:03/06/21 19:39 ID:n/R+R9sT
それぞれの職人のファンがいるなあ。
俺は夜王さんファン。皆さん好きだけど。
>>パオさん
今回は、根こそぎ
>>247さんと同じ感想です。
>>238が特に、VSさん
ぽいな? と思いつつ読んでました。いや〜笑いましたよ。さすが
パオさん、芸風が広い広い♪
ギャグはギャグのままで、というのも同じです。正直、シリアスに
強くなってしまうのかと「不安」になりましたから私。ごめん、
アシュラ。ここの君はそういうキャラだ。うむ。
やべえ、烈がヘタレるってマジなんか・・・
魔界行きメンバーに選ばれたから、熱いバトルを期待してたんだがなー
失礼を承知で言うが、個人的には残念だ。
パンタローネを軽くあしらう烈が見たかった。
パオは前作で、カッコイイ烈は書き尽くしてしまったのかな・・・
252 :
243の続き(13話):03/06/21 23:59 ID:9wpZAGik
【第13話 爆弾 対 肉壁】
目の前に巨大な壁が立ち塞がる。 ・・その壁は陽気に笑いながら、B・B・・高樹 領を見下ろしている。
「もう止めた方が良い・・。私の体は拳法殺し、と呼ばれていてね・・。打撃は効かないよ・・」
ニコニコと笑う、巨大な肉の塊の様な男、ハート様。 ・・優しそうな顔をしているが、目は笑っていない。
(ハイパーが・・効かない?) B・Bは先ほどから腰の入ったストレートを腹に連撃している。
だが。その研ぎ澄まされたB・Bのパンチは、ズブズブとハート様の贅肉の中に埋められ、威力を減殺される。
余裕のハート様。ブヒブヒとB・Bを見下ろし笑う。ハート様は背も高い。B・Bとは30センチ以上差がある。
ハート様のラリアットの様ななぎ払いがB・Bを襲う。素早くウェービングでかわし、懐に潜り込むB・B。
ボディが効かぬならば。 ・・ハート様のヒザを踏み台にして、飛び上がるB・B。目の前にハート様のご尊顔。
ライフルの様に研ぎ澄まされた右ストレートが、ハート様の鼻に突き刺さる。 ぶしゅう・・。吹き飛ぶ鼻血。
「やはり顔面へ叩き込むしかない・・お前がノックダウンするまでね・・」 初ダメージを与えたB・B。
突破口を見出した、と思える一撃である。 ・・しかし。ハート様は、先ほどまでの穏やかなハート様ではない。
「いでえよ〜ッ!! 血ィ〜、オレの血が〜!!」 よだれを垂らしながら、鬼の形相へと変わるハート様。
お怒りになっている。激怒されていらっしゃる。 ・・狂った様に暴れるハート様。その強大な掌がB・Bを襲う。
253 :
252の続き(13話):03/06/22 00:25 ID:vRLe4TgU
ブロックを固めるB・B。 ・・しかしブロックごと、その巨大な手はB・Bを押し潰す。 ・・めきりめきり。
ヒジから肩の関節が悲鳴を上げる。お怒りのハート様は追撃を緩めない。 ・・ガシリとB・Bの太ももをつかむ。
「痛てえよッ〜」 吼えながら思い切りB・Bを持ち上げ、思い切り地面へ叩きつけるハート様。 ・・更に。
地面にうずくまるB・Bの真上に、華麗に舞い上がる。そしてそのまま、400キロあるという巨体がB・Bの上に。
ずうん、という音を立てて落下する。 ・・ダイビングボディプレス。巨大な肉壁の圧殺。単純明快にして威力満点。
王者のハート様にふさわしい、ケレン味の無い豪快な技だ。 ・・血を吐くB・B。背骨とアバラにヒビの入る音。
「終わりだ・・オレの血とお前の命、どう考えてもオレの血の方が重い!!」 B・Bの上に圧し掛かったまま。
B・Bの首をつかみ上げ、絞め殺そうとするハート様。 ・・絶対絶命のB・B。やはりハート様は格が違う。
しかし。B・Bは押し潰されながらも、反撃の期を狙っている。 (2センチ・・3センチ・・5センチ・・!!)
密着状態のB・Bとハート様の肉体。 ・・B・Bは必死に、コブシを射程におこうともがいている。そう、あの技。
B・Bのファイナルブロー、「10センチの爆弾」。だが、この技はその名の通り、10センチの間合いが必要となる。
首絞めにより、意識が遠くなるB・B。あるのは本能だけ。 (7センチ・・8センチ・・9センチ・・!!)
カッ。B・Bの目が見開く。 「10センチッ!! 喰らえバケモノッ!!」 B・Bが吼える。次の瞬間。
ハート様の肉壁にメコリ、と巨大な穴が開く。 ・・喀血するハート様。組み伏せられた状態から脱出するB・B。
・・再度、スタンディングの状態になる2人。 「な、何をしやがった、オレの肉体にダメージを与えるとは・・」
驚愕するデブ。所詮、贅肉の塊である。 ・・有利な状態で無いと混乱を避けられないのだ。B・Bは応える。
「爆弾・・。外部から衝撃を与え、そのまま内部へと衝撃が爆発する・・。お前などに使いたくは無かったがな・・」
B・Bの脳裏に、宿敵・森山 仁の姿が浮かぶ。 ・・ライバルと雌雄を決すべき拳。こんなヤツに使いたくなかった。
254 :
253の続き(13話):03/06/22 00:40 ID:vRLe4TgU
「殺じてやるぅッ〜」 ・・狂乱するデブ。B・Bに飛び掛ろうとする。B・Bは止めの爆弾の構え。 ・・だが。
「ぎゃああああッ〜!!」 ・・響き渡るデブの悲鳴。一瞬目を疑うB・B。 ・・飛んでいる。ハート様の首が。
・・斬り飛ばされた。ハート様の首が、その男の「無限刃」により。 ・・赤石・播磨灘、そして花山がその男を睨らむ。
「やはり信用ならねえな・・。オレ以外のヤツなんざ・・」 ・・その男は死体になったハート様を見、笑って言う。
花山は、その男に向かって言う。 「慶次は・・。慶次はどうしやがった・・」 その男は笑って応える。
「むこうで転がってるぜ・・。死んだんじゃねえか? まるで話しにならなかったぜ、この志々雄 真実の前じゃな・・」
見ると。 ・・数百メートルむこうで、息も絶え絶えの前田 慶次が転がっている。赤石 剛次・播磨灘・花山 薫・B・B。
それぞれの胸に、同一の絶望が重く圧し掛かる。 ・・勝てなかったか・・。 だが赤石。気を取り直し、志々雄に言う。
「終わりだ・・。もう貴様の軍勢はほぼ全滅。このいくさは俺たちの勝ちだ・・」 だが志々雄。全く余裕を崩さない。
「負けたのは魔王軍だ・・俺は負けちゃいねえ。確かに5000の魔物はいなくなったがな・・」 笑って続ける志々雄。
「俺が10000の働きをすればそれでいいだろ・・? まずは・・。てめえら4人に死んでもらうとするかッ!!」
吼える志々雄。4人に向けて突進する。B・Bは恐怖と共に理解する。 (こいつ・・本気で一人で勝つつもりか・・!?)
>>226 ―長野県・某郡・御奴村・某所における会話―
「・・・・・・・ふーん・・・・・意外だなぁ・・・・・・」
「どうなさいました、若」
「ん?ああ、たいしたことじゃない。大友―でよかったっけ?―彼がやられたよ」
「ほう・・・・・して、彼を屠ったものは?警察ですか、それとも、大河内組の者が?」
「まだわからない。その辺は、"目鳥"が帰ってくればはっきりすると思う」
「確かに、そうですな。・・・・・・・いずれにせよ、彼奴をどうにかできるならば、それなりの頭数と
武器を持った連中のようですな」
「いや、違うようだ。今僕に"伝わってきた"感触では、どうも素手でやられたみたいだね。
まだ息はあるようだけど、もう長くないなぁ」
「素手、ですか・・・・・・確かに意外な話です」
「だろ?まさか、鉄砲を使わずにどうにかできる奴がいたなんてなァ・・・・・」
「若?」
「はは、はは、はははは、ははははははははは!はぁぁぁぁぁっっっはははははははははぁ!」
「楽しそうですな、若」
「はははは!楽しいさ!まさか、僕たちの仲間を素手で倒せる奴がいたなんて!ははははは!
この世は機械と人数だけが勝敗の分かれ目かと思っていたけど、まだまだ捨てたものじゃないな!
はははははははは!」
「ともあれ、そやつはおそらく」
「うむ!奴が誰かは知らぬが、必ずここに来る!すばらしい!すばらしいショウを拝めそうだ!
さあ早く来い、名も知らぬ勇者よ!僕を楽しませてくれ!はぁぁぁぁぁっっっはははははは!」
>>255 大河内佐武郎は、奇跡を―少なくとも、齢60になるこの眼にはそうとしか解釈のしようがないものを
目の当たりにした。
大河内の目前、10m弱の距離。
そこに、大友が倉庫の床に膝をついている。
ついさっきまで、あらゆる攻撃をものともせず、ただひたすらに衝動の赴くまま死と破壊と血肉を
あたりに振りまいていた大友が、完全に動きを止めて、神に許しを乞うかのように、膝を床につけている。
いや、大友はただ膝を落しただけではない。
彼の両腕、その細い外見に似合わぬほどの強力を有し、大河内の腹心10名をあっというまに殺戮
したその両腕が、肩の付け根からもぎ取られ、鮮血を体の左右にシャワーのごとくぶちまけている。
そして、大友の頭は、ありえないほどの角度を描いて胴体の上に"載って"いる。
大河内には、大友の頭が、顎を左側に、頭頂部を右側にした状態のまま、右の耳を首のあたりに
めり込ませているように見えた。
「待たせてすまなかったな、組長」
大友の背後に立っていた柳が、ポケットからハイライトを取り出しながら大河内に笑いかけた。
「あ・・・・・あ、柳さん、あんた・・・・・・」
いったいどうやって、この化物を、こんなにまで。
大河内は、後の言葉が続かなかった。
その一部始終をしかと見届けていたにもかかわらず、一体何がおこったのか、さっぱり把握できなか
ったからである。
大河内には、柳が突進しつつある大友に向き直った次の瞬間、影のように柳の姿が掻き消えたこと
までしかわからなかった。
そして、大友の背後に柳が回りこんだと思ったまさにそのとき、大友が両腕をもがれ、首をねじ折られて
倉庫に蹲っていたのである。
「組長、何が起こったかは説明しにくい」
ハイライトを深々と吸い込んだ柳は、はぐらかすようにそう言った。
「だが、大友も所詮は人間だった。化物に見えても、化物ではなかったんだよ」
>>256 「ならば、どうして、大友は鉄砲をものともせずにわしの部下を皆殺しにできたんじゃ!」
大河内は、助かったことから来る安堵感を絶叫に転換しつつ、疑問を柳にぶつけた。
「理由はわからない」
一口吸っただけのハイライトを床に投げ捨て、柳はあっさりと答える。
「我々の知らない"何か"が大友にとりつき、そのせいで大友があのように人間離れした力を発揮
させたのだろうが、その"何か"はあくまでも、大友の―というよりは、人間本来が持っている力を
後先考えずに全開にさせる役割を果たすだけだったのだろうな」
投げ捨てたハイライトが、大友の鮮血が形作る血だまりに飛び込んで消える。
「つまり、大友はぱんぱんに膨れ上がった風船、伸びきったゴムのごとき状態だったということだ。
だから、私が一押しすればこのとおり、ということだ」
通常、人間が己の意思で発揮しうる力は、その肉体が有するポテンシャルの3割程度とされている。
その理由は実に簡単で、人体のもつ構造がポテンシャルの齎すエネルギーに耐えられないからだ。
そして、大友のように疲労や痛みを一切感じない体にさせられたとしても、外部から受けるダメージ、
あるいは疲労は、確実に人体を蝕む。
普通、人間は疲労や痛みで行動を鈍らせ、そして何よりも必要な安静を手に入れるものであるが、
その2つを失ってしまったらどうなるか。
肉体の発するシグナルを無視したまま全身を酷使しつづけたとき、肉体は、物理的な限界を
飛び越えて崩壊する。
そう。
大友が怒号を上げながら突進をかけたとき、すでに彼の肉体は限界に達しつつあったのだ。
>>257 大友の、常人を数倍増しとなった膂力。
その力の全てを叩きつけた攻撃がことごとく外されたために、吸収先を失ったエネルギーの全てが、
大友の筋肉、骨格、靭帯の全てを痛めつけていた。
だが、大友の知覚はその事実を受け入れない。
というよりは、大友をかくのごとき状態にしてしまった何かが、その受け入れを拒否せしめていると
いうべきか。
だからこそ、大友は己の全身が今にも崩壊しようかというこのときになっても、なお全力を発揮している。
それがさらなる崩壊を呼び込むことにも気づかずに。
一方で、柳が今の今まで攻撃をかけつづけていたのは、大友を即座に倒すためではなかった。
相手を即座に、物理的に行動不能に追い込む技であれば、いくらでも柳は会得している。
だが、それでは、相手の実力がわからない。
相手がただの人間であれば、別段そんなことを考える必要もないのだが、今度ばかりは話が別だ。
相手はおそらく、人間ではない。別の何かだ。
最初から全力で「うっかり」倒してしまったら、"敵"―あるいは、"敵"が取り付いた人間の特性や
ポテンシャルというものを何一つ把握できないで終わってしまう。
だからこそ、柳はあえてこの瞬間まで手を抜いた。
あくまでも、己の攻撃が大友のリアクションにどれほどの影響を与えるか、それを観察するために、
意図的に大友を挑発し、必要以上のダメージを与えないようにしつつ、かつじわじわとダメージが
蓄積されるように調整しながら、大友を叩きつづけていたのだ。
>>258 なるほど、はたから見る限りでは、柳の攻撃は何ら大友を弱らせていなかったように見える。
だが、柳にはわかっていた。
彼の攻撃が、徐々に、徐々にではあるが、大友の身体を破断線の向こうに追い込んでいたことに。
そして、柳は、大友が最後の突進をかけたときに結論付けた。
―"敵"は、人体の力をフルに発揮させることができる。
だが、人体の耐久力をその力に対応させることは出来ないようだ。
そして、痛みを感じさせないようにすることで、ひるまず攻撃を続けさせることができる。
しかし、後先考えずに全力発揮をかけさせつづけることの弊害については無頓着らしい。
となれば、次からはこうする手だな。
柳は、見る間に距離を詰めてくる大友を科学者のような視線で見つめながら構えをとった。
「ご お お お お お あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ !」
柳の意図に気づかぬ大友は、絶好の機会とばかりに突進速度をぐっと上げた。
今 度 こ そ 、 今 度 こ そ 。
今 度 こ そ 、 貴 様 を 捕 え て 、 引 き 裂 い て 、 貪 っ て 、 や る 。
「哀れな」
柳には、大友の体がもう限界を完全に突破し、崩壊への道を一直線に突き進んでいることが
はっきりと見て取れた。
「せめて苦しまぬようにしてやるよ、大友君」
>>259 大友の両腕が、まさに柳の首根っこを捉えようとしたその時、
両の手首を万力にも等しい力でがっしり掴まれるを感じた。
「! !」
柳が、正面から大友の両手首を掴んでいる。
大友はすぐさま振りほどこうとするが、いったいどういう力が働いているのか、まったくびくともしない。
「せめて、ナイフで私に立ち向かえるチャンスを与えてやりたかったよ」
柳は、断ち切るようにそう言い、次の瞬間、大友の手首を掴んだ両手をねじりつつ、全体重を下にかけて姿勢を落した。
「空道縛手、二ノ型―閂取正面」
手首の急所を掴み、相手の動きを封じた後で下方向に体ごと落とし、もって技をかけられた者の
肩関節を脱臼させる。
本来それだけの技であったが、柳の力量と、大友の肉体が限界を突破していたことが、
ギャラリーたる大河内にとっての奇跡を生み出した。
ぶちぶちぶちぶち、みぢみぢみぢぶちみぢぶぢ、ぶち。
大友の肩、その付け根にある全ての人体の構成要素が、それまでの酷使による劣化と、柳の技に
よって急速に胴体から千切りとられ、モギ離される。
「ぐ ぅ わ あ あ あ あ あ あ お お お あ あ あ お あ あ う あ あ あ あ !」
これまでとは、明らかに異なる種類の絶叫が、大友の口から吐き出された。
血走った目で、それでもなお攻撃を求めてやまぬ大友の視線が、柳の姿を求めて正面を―
い な い 。い な い 。い な い 。ど こ だ 。ど こ だ 。ど こ だ 。
「私は後ろだよ、大友君」
哀れみを込めた声で、柳がささやく。
それに気がついたとき、大友の頭には柳の両手がかけられていた
「さよなら」
柳の声と同時に、大友の首が恐るべき力と勢いで捻られ―そして、大友の意識は永遠の暗黒に落ち込んだ。
261 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/06/22 00:46 ID:vRLe4TgU
BBは単行本が無かったなあ。マンキで調べられなかった。
名前とかイメージとかが少し違うと思う。すみません。
あと、烈に関してはバトルではヘタレ無いですよ。強いっす。
VSさんのネタ個人的に大好きなんで、少しマネしました。
アシュラは強くても良いけど、キン肉マンキャラは他スレ皆さんがSSを
書いてるんで。カブルのは嫌なんで抹殺しました。アシュラ、ごめん。
ぼちぼち2日に一回のペースで書きます。では。
262 :
マロン名無し:03/06/22 01:37 ID:fiNAKGq4
>>261
BBは、原作とそんなに変わってないと思いますよ。
森山は、宿敵でなく天敵と表現してくれると個人的には嬉しかったです。
書き込むのは、初めてですがパオさんも、外伝担当さんも、夜王さんも、VSさん、
の文も面白くて大好きです。皆さん、お体に気をつけて頑張ってください。
シシオがやたらと強いな。像山vs鬼流は?
YJ次号から鬼龍が主人公の外伝っぽい話が2週位あるみたいだから、
個人的には、それをを見てから書いてもらいたいなー
と、思ったんだけどパオさんの進行の邪魔になるな。
>>265 それ言ったら2ヶ月止まっちゃうよw
パオさん今日あっちで書いてたな、新作
死天王のうち、パオさんと外伝さんは最近よく来るけど。
夜王さんとシャブ中さんは来ないな。特に夜王さんのファンなのに。
>267
クスリの人は
>>211でああ書いてるから、ここではもう書かないで
これからはバキ本スレのウソバレに専念するんじゃないかな。
パオさんいますか?
270 :
マロン名無しさん:03/06/22 22:58 ID:XOVmk3Xk
獅子男は実際強かったからな、実力的には検診に勝ってたしな。地上軍で勝てるとしたら江田島くらいだろ。
271 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/06/22 23:45 ID:vRLe4TgU
>>269 ゴメン。今日は他でネタ書いたので、休憩。来週からこっちを優先させます。
羅刹対ユダね。興味があれば見てください。懐かし板の男塾対北斗の拳スレです。
でもアナタ、嬉しいんですがそのコテハンは如何なものか。いや、嬉しいんですがね。
しかし自作自演と思われそうでねえ。 ・・いや、勝手言ってごめんなさい。本当は嬉しいですよ。
シシオはボス特性がかかってます。実力的に言えば勇次郎・朧と同じな感じ。
明日書きますんですみません。では。
272 :
269:03/06/23 08:18 ID:???
フッフフ、では私も名無しに戻ろう。
>>270 そんな強いのか!?
あの前田慶次があっけなくやられてびっくりなんです。
>>271 あれ、おもしろすぎるので(・∀・)イイ!
もちろん見てますよ。
なんなら、パオさん自身でスレをたててみては?
>>272 あれは本当に面白いよな。パオさんの男塾への愛が伝わってくる。
北斗がちょっと引き立て役になっちゃってるけど。
274 :
254の続き:03/06/23 17:07 ID:BgAeNgR2
【第13話 侠客立ち】
狂笑しながら志々雄 真実が突っ込んでくる。 ・・その姿は、まるで煉獄を支配する鬼の様に禍々しい。
戦慄の走る赤石 剛次・播磨灘・花山 薫・B・B。 ・・この豪傑、4人を前にして、この男は寸毫足りとも。
自分が負けるとは思っていない。自分を絶対の強者と信ずる、揺ぎ無き精神性。それを支える圧倒的戦闘力。
恐るべき速さで迫る狂鬼・志々雄 真実。 ・・そして。ある男の前に立つ。その獲物を見下す様に笑う志々雄。
志々雄が選んだ第一の標的。 ・・ベストボクサー、B・Bである。志々雄は、不敵に大きく両腕を広げる。
・・目の前に敵の大将が無防備で立っている。 ・・打って来い・・ そう言っている様に両腕を広げて。
「来ねえのか・・? 人を殴るのはちったあ得意なんだろ?」 見下した笑いで挑発する志々雄。
B・B。ファイテングポーズを構え、志々雄に稲妻の様なコンビネーション・ブローを叩き込む。
ジョーへの左ジャブ → ストマックへの右フック → チンへの左ショートアッパー → そして必殺の。
10センチの爆弾。 ・・究極の4連打が完璧に決まる。勿論、爆弾以外はハイパーと呼ばれるパンチである。
・・だが志々雄。わずかに体が揺らいだだけである。B・Bは目を見開く。自分の最高のブローを、この男は。
「ほう、結構やるじゃねえか。最後のは、安慈の二重の極みに似てるな・・」 ・・ニヤリと笑う志々雄。
その笑みに本能的に後ずさるB・B。 ・・クワッ!!・・ 次の瞬間、ピラニアの様に牙を剥く志々雄。
そのままライオンの様にB・Bの肩口を噛み破り、肉を引き千切る。 「ぐうああ!!」 B・Bの悲鳴。
「ケッ。不味いな。毒にも薬にもなりゃしねえ・・」 そう言うと志々雄。思い切りB・Bを殴り付ける。
ゴロゴロと転がるB・B。恐怖と驚愕が彼の心を支配する。 ・・バカな、俺のパンチよりも強い・・。
「ぬりゃああッ〜!!」 棒立ちの志々雄に向け、横綱・播磨灘が立会いの姿勢からブチかましに入る。
まるで弾丸の様に突っ込んでくる巨体。 ・・しかし志々雄。全く避けようとしない。ブツかる2人の肉体。
「よし、あの播磨のブチかましを受ければ・・な、何いッ」 2人の激突の結果を見届けた赤石が叫ぶ。
275 :
274の続き(13話):03/06/23 17:43 ID:BgAeNgR2
・・動かない。志々雄を寸毫たりとも動かない。いや、正確に言えば1メートル程は動いた。
だが、播磨のブチかましを受けた直後だけである。それ以降、1ミリ足りとも志々雄は動かない。
「バカな・・。あんな細身の体で、播磨の力を上回るのか・・」 赤石が絶望の声を上げる。
しかし播磨。腕にギリギリと力を込める。 ・・今、播磨と志々雄は密着状態である。播磨は叫ぶ。
「背骨を・・ブチ折ってくれるわ! 死にさらせ〜!!」 サバ折り。プロレスのベアハッグ。
志々雄の背中に食い込んでいく播磨の両腕。悲鳴を上げる背骨。 ・・だが志々雄は余裕を崩さない。
「幕末・・。新撰組は力士と大喧嘩して、たった4、5人で十数名の力士を斬り殺したそうだぜ・・」
そう言うと志々雄。播磨のアゴの下に右腕を伸ばし、首根っこをつかみ上げる。 ・・播磨の両腕が。
徐々に。徐々に、引き剥がされていく。 「バカなッ、ワシのサバ折りを・・腕一本で・・」
遂に播磨の腕の締め付けが・・志々雄の体を放れる。片腕一本で播磨の巨体を吊り上げる志々雄。
「しょせんてめえら相撲取りなんざぁ・・。人斬りの足元にも及ばねえよ・・」 ・・シュラッ。
遂に、志々雄が。愛刀・無限刃を抜く。 「てめえには勿体ねえが・・秘剣を一つ見せてやる」
シュッパッ・・ボオッ!! ・・無限刃が播磨を裂き、次の瞬間、切り裂いた傷口が燃え上がる。
「壱の秘剣・・焔霊(ほむらだま)。 ・・さっき、大柄の割りにクソ弱え侍を斬った技だ・・」
その言葉を聞き花村 薫。怒りの表情で猛然と志々雄に襲い掛かる。 ・・赤石はそれを見て叫ぶ。
「止めねえか、花山ッ・・。俺に任せろ、おめえは一番酷い状態だろうがッ!!」
276 :
275の続き(13話):03/06/23 18:31 ID:BgAeNgR2
「一番の死に損ないが刃向かってきたか・・うぜってえ・・」 花山のコブシが志々雄の顔面を捉える。
メシリ。凶器の様な鉄拳。花山のコブシが志々雄の顔面を深々と潰している。 ・・しかし。その状態のまま。
キレた様に志々雄は笑う。 「弱え・・弱え弱え弱え弱え弱え・・弱すぎるッ まるで相手にならねえッ!!」
花山の顔に志々雄の掌が触れる。次の瞬間、花山の顔面が爆裂する。 「弐の秘剣・・紅蓮腕(ぐれんかいな)」
・・手甲に仕込んだ爆薬を、焔霊で爆発させる技である。肉体の限界はとうに超えている。それを気力で支えてきた。
だがそれも遂に・・。崩れ落ちる花山。無限大トーナメントより、尋常でない激戦を戦い抜いてきた花山 薫。
だが。人にはダメージの許容量がある。それは怪物の花山でもだ。 ・・そして今。彼は完全に最後の一線を超えた。
「貴様・・受けてみろ、一文字流斬岩剣をッ!!」 ・・4人の中で最後の戦士となった赤石が斬りかかる。
「ほう・・。結構マシな太刀筋じゃねえか」 キイイン。鋭い刃音。 ・・無限刃と斬岩剣がブツかり合う。
ツバ競り合いをする志々雄と赤石。 「いい刀じゃねえか・・。おめえをブッ殺して俺がもらってやるかな」
笑いながら赤石との剣檄を楽しむ志々雄。 ・・その表情に一点も恐怖は無い。逆に。赤石 剛次は焦っている。
「な・・何故だ・・なぜ斬岩剣がその剣を斬れぬ!?」 ・・この世で斬れぬモノは無し、の赤石の斬岩剣。
それが軽くあしらわれている。 ・・まさか、あの炎を生み出す奇妙な剣は・・この俺の斬岩剣より上の銘刀なのか?
「未熟だな、てめえは・・」 志々雄は赤石をバカにして笑う。 「な・・貴様ッ!!」 怒る赤石。
「おめえの剛刀と俺の無限刃・・。その威力においては、むしろおめえの剣の方が上だろう。だがな・・」
ヒュッ。無限刃が目の前から消える。驚愕の赤石。 ・・次の瞬間。赤石の胸に、横一文字の剣傷が走っている。
(バカなッ ヤツの太刀筋が・・全く見えなかった・・) 全身に震えの走る赤石。この男は違い過ぎる・・。
いくらなんでもつよすぎて厨ッポイ
278 :
276の続き(13話):03/06/23 18:41 ID:BgAeNgR2
トントン、と無限刃の峰で自分の肩を叩く志々雄。 ・・戦いの最中とは思えない、余裕の立ち振る舞いである。
「手にした剣は俺と互角以上でも・・。肝心の俺とてめえは全く話にならねえ程、差がありやがる・・フハハハッ」
赤石剛次。B・B。播磨灘。 ・・その圧倒的な志々雄の力の前に、震えて動けない。 ・・余りにも、力量差が。
(勝てねえ・・せめて一傷、後にコイツと闘うヤツの為・・) 刺し違える覚悟を決めた赤石、B・B、播磨灘。
その時。志々雄が怪訝そうに、ある男を見て言う。 「ホウ・・アイツ何してやがる。あんな終わったヤツの所で・・」
瀕死の状態の花山 薫。 ・・その花山が、地に伏している男を見下ろしている。 ・・そう。前田 慶次朗利益を。
花山。息遣いが荒い。だが、数百メートル離れた慶次の所まで来た、という事が既に驚異である。常人なら死か廃人。
そんな状態でこの男はここまでやって来た。先ほど志々雄に倒された時間から考えて、恐らくは走って来たのだろう。
凄まじい精神力。 ・・だが、そこまでして、何を? 志々雄は興味深そうに様子を見ている。赤石たちも花山を見る。
すると。急に花山。 ・・地に伏した慶次の首根っこをつかみ、引きずり起こす。 ・・そしてその慶次の頬に、強烈な。
辺りに響き渡る様な音のビンタを何発も。何発も張り飛ばす。そして叫ぶ。 ・・まるで最後の命を振り絞るかの様に。
「いつまでも寝てんじゃねえ!! この戦争の大将だろうがてめえッ!! とっとと起きて・・あの野郎を殺れ!!」
キャラかえただけのるろ剣だね。しかもキャラがえの意味が全くなし。正直つまん無すぎ
検索で志々雄のプロフィ見たけど、体ちっこいね。赤石先輩とか慶次から見たら子供同然じゃん・・・・
そんな奴にやられるなんて・・・・
赤石先輩、こんな奴一刀両断にしちゃってください。
282 :
278の続き(13話):03/06/23 19:14 ID:BgAeNgR2
「面白えな・・。終わったヤツ頼みとは」 トントン、と無限刃の峰を肩に叩いて志々雄が言う。
再度志々雄に挑みかかる赤石・播磨灘・B・B。 ・・だが志々雄は、無限刃の一刀で軽く一蹴する。
地に横たわる3人。それを一顧だにせず、歩き出す志々雄。 ・・花山と慶次の所へ、である。
「おい・・。いつまで続けるんだ、その茶番をよ」 ・・花山の真後ろに立ち、笑う志々雄。
ゆっくりと振り向き、鋭い視線を志々雄に向ける花山。 「どんな目をしても弱えヤツは弱え!!」
シュバッ。無限刃が唸る。 ・・血だらけになる花山。だがその目はしっかりと志々雄を見据えたまま。
「おめえよりもずっと・・。ここに倒れている男の方が強え・・」 花山は志々雄に言い放つ。
志々雄。初めて余裕の表情が消える。怒り。 「死に損ないにここまでふざけた口訊かれたぁ・・」
志々雄の無限刃が更に唸る。 ・・花山の顔から生気が消える。グラリ。倒れ落ちそうになる花山。
それを見て志々雄は笑う。 「とっとと死にやがれ・・すぐにそいつも同じ所へ送ってやるからよ」
・・だが。意識を失いながらも花山は倒れない。 「しつけえな・・クズの分際でッ!!」
更に唸る無限刃。 ・・だがそれでも花山は倒れない。意識は既に無い。肉体は限界を超えている。だが。
花山の口から、子守唄の様な歌が響き渡る。 「たった・・一夜の・・宿を貸し・・一夜で・・」
「いい加減くたばれ!!」 ザクザクと滅多斬りに花山を切り刻む志々雄。だが花山は倒れない。
歌はまだ花山の口から響いている。 「五臓・六腑を刻ま・・れて一歩も引・・かぬ侠客・立ち・・」
「成るほど。その侍を死ぬまで守るってのか。大した忠義だ。だが・・これで終まいだッ!!」
283 :
282の続き(13話):03/06/23 19:17 ID:BgAeNgR2
志々雄。必殺の焔霊が閃く。 ・・花山。くるりと身を翻し、ザクリとその剣を背中で受ける。倒れない。
秘剣を食らっても、なお倒れない。 ・・花山が最も信頼できる部分で、志々雄の秘剣を受け止めたのだ。
そう。 ・・背中の「侠客立ち」の刺青の部分で。 ・・斬られた所から鮮血がしたたり、次に燃え上がる。
赤石たちは倒れたまま、その姿を目に焼き付ける。 ・・おそらく、花山はもう・・。花山。ポツリと言う。
眼下で倒れたままの慶次に向かってである。 「早く起きな・・。石松に笑われるぜ・・慶次」
それきり。花山の呼吸は止まる。 ・・花山 薫、絶命。「日本最強のケンカヤクザ」の名に相応しい最期。
死してなお、慶次を守る様に立つ「侠客立ち」。 ・・ポトリと一滴。花山の体から慶次の顔に血が落ちる。
カッ。慶次の目が見開く。次に滝の様な涙が流れる。体中に血管が浮き上がる。ゆっくり立ち上がる慶次。
花山をジッと見、力強く抱き締める。 「すまぬ・・不甲斐ない俺の為に・・」 志々雄を睨む慶次。
「お目覚めかい・・また・・。返り討ちだがな・・」
長文コピペごくろうさん
285 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/06/23 19:23 ID:BgAeNgR2
うーむ。全て277から280までは同一人物と思うが。別にイヤなら読まなきゃいいのに。
最近多いな、やたら荒らすヤツ。それが建設的なのならまだしも。こういうのはなあ。
ヤムスレでも何故か私の名前が出てたし。
別に書くのを止めても良いんだが。応援してくれる人がいるし。
・・まあどうでもいいや。アホらしくなってきた。
パオさんの作品が読めなくなったら2chにいる意味がなくなるよ。
288 :
287:03/06/23 19:33 ID:???
>>285 所詮2chだからさ、ドンマイドンマイ。
そりゃ煽りたくなるような奴もいるってば。
290 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/06/23 19:34 ID:BgAeNgR2
>>286 一言言う。おめえはこのスレに書くな。
おめえのレスなんぞ待っているヤツはこの世にいねえが、
ここのSS書きのネタを読んでいる人は沢山いる。
なにが悲しくてそんなレスを上げるのか知らんが、ここはおまえが来るスレでは無い。
いや、おまえの様な、荒しするだけの低い人間性のヤツが書き込めるスレはどこにも無い。
人を不快にするレスしか上げられないならマジで読むだけにしとけ。カキコするな。
以後、知能と人間性の低いヤツのレスは無視をする。ま、小学生相手にしてもしょうがないね。
厨が来たのはゴールデンタイムにageすぎたから。
すごいなー この人
>>290 つーか普通につまんねえんだよ お前のSS
294 :
287:03/06/23 19:37 ID:???
煽りにいちいちレスしてちゃ身が持たんぜ。
2chはこんなとこだと割り切ってみたらよいかと。
>>293みたいな香具師は少数派。
>>290 まあ、皆さん同一人物が書いたというのは解ってるし
煽ってもこの人いなくならないだろうから
無視するのが一番では。
余計なことに体力使うのも馬鹿らしいと思うし。
>>290 この世に、お前の存在ほど詰まらないのは無いと思うが。市ね
おっと、以降嵐は無視、無視。職人さんたちに迷惑掛かる。
パオ氏はアホなんぞ気にせず、ドンドン書いて下さい。
どこにもこんなヤツはいるんで。
298 :
287:03/06/23 19:45 ID:???
2chならたくさんの人に読んでもらえるけど、荒らしも多いからな。
というか、>297よ、これではパオさんに「市ね」と言ってることになるぞ。
299 :
297:03/06/23 19:45 ID:???
あ、ゴメン。
>>290じゃなくて
>>293ね。
パオ氏のSSを楽しみにしてる人は沢山いるんだから、
バカに気をとらわれず頑張って下さい。
以降はアホは無視しましょう。メモリが勿体無いし、
相手にすると喜ぶから。こういうアホは。学校や社会で相手にされてない分。
面白いスレを発見した
バオって人はかなり高いプライドがあるのだね
ここで小説を書くのが今かなりのステータス?
302 :
マロン名無しさん:03/06/23 20:16 ID:IOffC/r5
俺は一昨日から見ているが、普通に面白いぞ。このスレ。
俺的には柳外伝みたいな話が一番気に入っている。
パオの小説も面白い。一話一話の中で、闘っている漢の
オ−ラが感じられ、それがたまに出るギャグバージョン
の話と上手いバランスになっている。
話題になっている多くのスレの中でも、このスレは
好感がもてるよ、俺的に。
きっとまた荒らしがくるだろうけど、頑張ってくれ
ageてしまった…
柳のは確かに面白いね
バオは・・使いすぎ
誰も突っ込まないが13話じゃなくて14話だよな?
批評と荒らし文を一緒にするような考えは改めた方が良いですよ。
確かに職人としては素晴らしいかも知れないけど、人として問題があるのはやっぱねぇ。
パオは他の職人見下してそうだな
何となく
310 :
287:03/06/23 20:59 ID:???
SSの内容とはかけはなれすぎたカキコはやめれ。
パオさんの>290は荒らしにブチキレただけだろうに。
次回作まってるね。
パオ叩き=キチガイ、知障、精神病、チョソ
「いいものはいい」と素直に言えない哀れな方々は黙殺したほうが良いです
実際、批判がイヤなら自分でサイト作ればいいってのは
この手のスレが立つたびに昔から言われてることなんだが
そこを会えて2chでやってるんだから多少の事は流すか我慢するかしろって話だな。
それが厨房丸出しの
>>290みたいなこと書くから荒れるんだよ。バカだなバオは。
でも俺は許してやるよ。ガンバレよ、バオ。
バオのSSを楽しめない奴はキチガイ
センスおかしい 病院行け
バオって誰? パオなら知ってるけど
313みたいなのも正直行きすぎてると思うが…
かる〜いノリでキ○ガイとか言うのは人としてどうかと
あとバオじゃなくてパオね
志士雄、正直強すぎる気がしたけど、ここで侠客立ちが出るとは思わなんだ
歌とは逆に武士を守って死んじゃうし…
花山らしい最期、しかと見届けさせてもらいました
P.S.
とりあえず荒らしは放置の方向で、
荒らし話題で新作の評価が出ないのはもったいないし
316 :
バオ:03/06/23 21:36 ID:???
俺
擁護のふりした叩きが涌いてきてるようだな。>313とか。
バカとパオを合体させた造語かと思ってたよ
シシオが強いのはいいとしてシシオの魅力がぐっと上がってほかと差がつくのではなく
他のキャラが雑魚化して相対的にシシオを上げてるからダメなんでは?
赤石先輩がガクブルしてるシーンはギャグかと思ったよ
素人が湧いているようですな・・・
>>319 るろ剣読んだことある?
16〜17巻読んでみろ
赤石との「格の違い」がよ〜く分かるから
>>320 禿堂
命がけでやり合ってるるろ剣キャラと学生ケンカ漫画の男塾キャラでは
格が違いすぎる
最終回弥彦>>>>>>>>桃なのに赤石ごときが志々雄に勝てるわけが無い。
文句がある奴は自分で書いてみろ
かけねえ奴は黙ってろ 以上
俺、上の方の同一人物とは別人ね。
パオ氏のSS、死刑囚編でやめたほうが良かったと思う。
今のはキャラが出てる原作から描写をちょこちょこっととってきてるだけにしか見えない。
それに、正直上の方のレスはひいた。
もうこのスレでは柳外伝しか楽しむものがないよ。
あ、ならくるな、とか言わないでね。パオ氏は普通よりもは文才あると思うから。
ちゃんと考えて書けば、読みやすい楽しいSSになると思う。
あと、お前が書いてみろとかも言うのよそうぜ。日本代表のコーチが選手よりうまくないのと一緒だよ。
ならくるな
お前が書いてみろ
パオ批判してる奴は全部同一人物です ご注意!
文句言う権利もないとは…
本格的にオナニースレになってきたな
つーか、パオ持ち上げすぎなんじゃないか?
本人にいらんプレッシャーかけてる気がする
>>326 わかってるわかってる。
俺の経験上、叩きが一人現れる
それに便乗する形で他の叩きレスも来る、
そして叩きか微妙なレスが現れ
最終的に過激な荒しとなる。
どう見ても一人が自演してるとしか思えないな。。
>>327 SSかけない愚図はこのスレにいらねえんだよ 失せろ
パオの才能に嫉妬してる他の職人かもしれんな
妙な批評をするあたり
パオのSSは最高です
マンセーできない奴はゴミです
早く氏ねや
>>330 実際パオの文才は他を圧倒しているからな
こんだけ長くSS書いてるだけでも立派だろ
なおかつ、クオリティが落ちていないのがなお立派
となると、容疑者はかなりしぼられるな。
>>333 実に君はいいことを言う
まさしくそのとおり
地上に舞い降りた文章の神 パオ
どうでもいいから反応するな皆の衆、
マンセーて言い過ぎると逆にきもいから、とりあえず職人さんの
投稿をまってりゃいいじゃん。
>>332 パオのレベルに皆がついていけてない現状も問題だよな
まあ、仕方ないが
実験シリーズの奴が怪しいな
パオー来訪者
外電もあやしいな
大三元の責任払い
パオがマンセー意見ばかりだとダレるから、自作自演してるんじゃねぇの?
数々の荒らしを見てきたが、こんなにキチンとレスを読んでの荒らしも珍しいw
大抵の荒らしは流し読みor読まずに荒らすし
うーん。もう止めようよ。
>>293みたいなアホはどこにでもいるんだから。
間違いなくおかしなレスを上げているのは同一人物と思うが、
(間違いなく殆ど
>>293。
>>323も293だと思う)
このままだとパオさんも夜王さんも外伝さんも来なくなっちゃうよ。
折角の名スレなんだから。内部崩壊だけはカンベン。
まだ職人さんの作品終わってないんだから。
訳の分からないレスは無視。無駄なレスも上げない。中傷などもっての外。
過度のマンセーもしない。勿論応援や要望レスは沢山アゲた方が良いと思うけど。
しかし
>>293はこんな人の嫌がる事して何が楽しいのだろう。
パオさんが嫌になって来なくなるのが心配だよ、本当に。
仕事の関係だと思うけど、一時期休んでたし。
詰まらないと思う人や、自分の趣味に合わないと思う人は、黙って出て行けばいいのだ。
他にスレはいくらでもあるんだから。
344 :
343:03/06/23 23:38 ID:???
>>342 確実にずっと自作自演だな。俺はパート1からこのスレを見続けたけど、
こんな荒らすヤツは初めてだ。本当に止めろよ。
多くの人が楽しんでいるのがそんなに憎いのか。暗いな。
こんなクズの為にこのスレが潰れるのだけはカンベンして欲しい。
345 :
結論:03/06/23 23:38 ID:???
んでも、
>>327みたいな意見はその通りだと思うよ。
パオにしろ、他の連中にしろ、書いてる人間に対しての過度な期待は
重圧にしかならないと思う。
まったくだ グダグダくだらねえレスしやがって
素直にマンセーしてろ
やっとパオさんの小説(今の連載してる作品)全部、読みました☆
とーっても☆☆面白かったです♪♪
ところで比古せいじゅうろうは出ないのですか? 出たらいいのになぁ〜〜(わがまま)。
でも強すぎちゃうかぁ(;_;)。。。。
やめろ、やめろなんて言ってる人たちはナンなの〜??
何の利益もないのにねッ☆☆バカみたいっ(怒っ)
ホンットやめてほしいよ〜(プンプン!
でもパオさんも同じように悪口言うのよくないですよっ♪
無視しちゃいましょ(*^^*)
続き、頑張ってくださいね♪楽しみにしてま〜す(^^)
>>338 確かにあやしいな。禁煙と残業でカリカリきてる上に
山手線内で突如歯が欠けてヘコんでるからな奴ぁ
ダレはじめた頃のヤムスレの匂いが・・・。
351 :
343:03/06/23 23:54 ID:???
>>346 でも
>>327=
>>323=
>>293だろ。
>>パオ氏のSS、死刑囚編でやめたほうが良かったと思う
誰一人楽しませる事の出来ない人間が、何百人楽しませる職人の引き際を
とやかく言う資格は無い。
>>日本代表のコーチが選手よりうまくないのと一緒だよ
バカとしか思えない。何様なんだよ、コイツ。
もう本当に止めよう。数々の名スレがこんなクズに潰されるのを見てきた。
このスレもその一つになって欲しくない。
職人さんには気にせず来て欲しい。
2ちゃんねるには一部、どうしようもないのがいるのは仕方ない事だから。
バカだねえ
批判なんかしてないで適当に持ち上げておけば調子に乗って続きを垂れ流すから
黙ってヲチすりゃあいくらでもイタイSSがでてきたのに。
オマエラのせいでパオが続き書かなくなったら一生うらむぞコノヤロウ!
職人もパオへの劣等感丸出しだしなぁ。
情けねぇ・・・。
パオのSS>>>>>>>>ハリウッド映画
これ常識
ヤムスレでもそうだったが、
何かワイワイ盛り上がってると「うぜぇ!キモイ!やめろ!」って言ってくるアラー氏がよくいた。
何が気に障るかわからんが、とにかくそういうやつらはこの板にいます。
パオの小説、面白かったんだけどなぁ・・・。これでやめちゃったりしたら・・・欝
23 名前:マロン名無しさん :03/06/23 20:17 ID:???
最初のスレから読み続けてるけど
実際 当時と今と比べると明らかに質は落ちてるよ
パオもネタ切れで引きどきに困ってたんだろうし最後に自作自演で自スレ荒らすくらい
大目に見てやっていいと思うけどね
パオの小説はジャンプの糞ノベルの数億倍の価値がある
むしろ過剰なマンセーレスつけてる香具師のがジエンに見えるが・・・。
割と理性的な批判にまで噛み付いてる香具師もいるし・・・。
とりあえず事態がどうなるかぬるく静観しとこう。
レスが増えてると思ったら荒らしで祭り状態かよ、悲しい。
そういうクズのせいでパオさんがやめちゃったりしようものなら、私ショックで寝込むよ。
360 :
343:03/06/24 00:05 ID:???
この名スレもたった一人二人のバカのおかげで終わるのか。
本当に荒らしは死んで欲しい。
パオさんも2chで活動する以上、荒らしに対する免疫を持つべきですね。
ここが正念場でしょう。じっくり見守っていこう。
パオさん、今こそあなたが持っている男塾魂を見せるときです!!
ここはパオさんと感性が共にある者だけが居ることを許される聖域なんだ。
それが出来ないクズは早々と立ち去ってもらったほうが有難い。
パオに意見つけるなら、それを超えるものを書け。
もっとも、どんなもん書こうが認めないがな(w
>>357 (´,_ゝ`)プッ 比較対照がジャンプノベルかよ(w
パオは非凡
信者は平凡
荒らしはクズ
>363
だからそういうことを言うなって。
それとも擁護を装った荒らしか?
ひろゆきに頼んで「パオ板」作って欲しい・・・(いやマジで)
厨房だらけの漫サロじゃやってけんよ
じゃあ、ストップかけよー
これ以後、
>>331、335、357のような過剰なマンセーするのヤメ
したら荒らしと同一とみなす。
まあ、落ち着け
顔文字板で同じ流れを見たことあるが
これは破滅への第一歩だな
290 :パオ ◆rQ8IySfmBE :03/06/23 19:34 ID:BgAeNgR2
>>286 一言言う。おめえはこのスレに書くな。
おめえのレスなんぞ待っているヤツはこの世にいねえが、
ここのSS書きのネタを読んでいる人は沢山いる。
なにが悲しくてそんなレスを上げるのか知らんが、ここはおまえが来るスレでは無い。
いや、おまえの様な、荒しするだけの低い人間性のヤツが書き込めるスレはどこにも無い。
人を不快にするレスしか上げられないならマジで読むだけにしとけ。カキコするな。
以後、知能と人間性の低いヤツのレスは無視をする。ま、小学生相手にしてもしょうがないね。
>>371 やっぱ、どこか病んでるとしか思えん
天才がキレるとこうなるのか
職人を募るか
少なくとも、パオに対抗できるくらいの
切磋琢磨しないと駄目になるし
おれ、知能ひくいけど、ここにいたらダメなん?
>>376 貴様のようなクズはパオ帝国には必要ない 市ね
一度くらい厨レス返しただけで見限るのもどうかと思うけどな。
虫の居所が悪い時だってあるだろうに。
普段紳士的なコテでもなんかの拍子にキレちゃうことって結構あるけど、
そのせいでスレが荒れちゃったらパオ氏も帰ってきづらいだろう。
>>376 パオの作品が理解できる程度の知能があればいい
それ以下なら、悪いが来るな
ちなみに
>>377は荒らしと断定
381 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/06/24 00:27 ID:vzIn1E6J
一言書かねばなりませんね。
多分、同一人物が連続して荒らしていると思うけど。もう止めて欲しい。
確かに中傷にキレて、
>>290の様なモノを書いてしまったのは謝るが、
ここは私のスレでもなければ荒らしている人のスレでもない。
楽しんでいる人たちのモノだ。あなた方に荒らす権利は無い。
私が2ちゃんねるから消えれば荒らしが収まるというなら消えるが、
多分、このスレを結構楽しみにしている人がいると思う。
その方々への責任を果たす意味でも、SSを書くのは止めないよ、絶対。
明日からまた書きます。どれだけ荒らされても書き続ける。最後まで。
・・しかし、これが2ちゃんねるか。私はただ、自分が好きな物を
書いているだけだけどな。それで皆さんが喜んでもらえれば最高と思っている。
私を叩きたくば、最悪板ででもやって下さい。頼む。
私の為に、外伝さま、夜王さま、VSさま、このスレを見ている方々ごめんなさい。
少しでも面白いのを書くので、またこのスレに来て下さい。
もう
>>1に「批判禁止」って書かない?
今までに的を得た批判なんてあったか?なかったろ?
殆どが知性のカケラもない糞レス。
>>382 「パオ帝国」の時点で過剰マンセー荒らしだろうが
>>381 さすがパオさん天才!最高!職人の中の職人!神!
2ちゃんねらーの98%は貴方のSSを楽しみにして毎日生きています!
貴方はみんなの生きがいです!残り2%は人間のクズなので相手にしないで!
お願いですから一生書くのを止めないでくださいね!ってそれは無理か(笑
>>381 パオ降臨!
出る杭はいつの時代も打たれるものです。
クズは無視して、最高のSSを書いてくださいませ。
見たかクズども!パオ様は不滅だ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
>>386 単にお前のようなアホがこなければいいんだけどね。
正直、お前はパオ以外の小説楽しんでいるのか?
ただつぶしたいだけなんだろ、ここ。
それか、今日、学校で山下君にカツアゲされてむかついてんだろ?
>>381 皮肉なことに、あなたに嫉妬している職人の犯行という説もあります。
仮にそうだとしても、他の職人も成長しておりますし、いずれ止むでしょう。
気に病まず、頑張ってください。
>>381 この板で分かる人がいるかはわからんがトリューニヒトを思い出した
393 :
山下:03/06/24 00:36 ID:???
>>386 おいおい、俺が380円を借りたこと、そんなにショックだったのカヨ?
それとも財布に入ってた加護ちゃんのカードもらっちゃったのがまずかったカイ?
>>386のようなクズは本当ウザい。
鎮火しかけた所へ、ガソリンをぶちまけるような…
知性のカケラもない、常識の無いヒッキー厨房はここへ来るな。
まず、しっかり学校で勉強をして来い。
君が社会復帰してくれる日を心から待ってるぞ♪
不毛なレスで 1 0 0 突 破
俺たち信者の勝利だ!
勝鬨を上げろ!
こんな状況でSSの感想書くのも何なのですが・・・
単純ながら志士雄憎し!!
花山・石松と自分の好きなキャラ二人もやっちゃったよ・・・
その分慶次に対する感情移入も100倍。
ここまで興奮できるストーリーはそうないと思う。
パオさん、SS完結までやる宣言、本当にうれしいです。
一ファンとして応援しています。
400げっと
まあ、漫サロの厨房どもにパオが負けるとは思ってないがな・・・
育ちが違う
器が違う
遺伝子が違う
ワラタ
お前らおもしろすぎです。
あと完全無視しちゃったほうが良策では?
ちょっと面白いけどさ。
たぶん1〜2人のアラ氏は、釣りを楽しんでいるだけだろうしさ。
とりあえずもう変なレス上げるのは止めようよ。
本当にこのスレが好きなら、中傷は勿論、過剰なマンセーはしないはず。
とりあえずここ100レスくらいは無かった事にしよう。
皆さん、
>>284あたりからここまで脳内抹消ね。
>>399 ホントですね
ここまで上質のストーリーを書ける人はプロでも少ないんじゃないかな
私は、パオさんの作品を読みたいです。夜王さんのも、外伝
担当さんのも。帰ってきて下さればVSさんのも。
ですが、パオさんたちに一円も払っていない以上、「書け」とは
言えません。パオさんたちはプロではなく、私たちはその客では
ないのですから。
でも、パオさんたちは(少なくとも私の主観では)ヘタなプロ
以上に私(たち)を楽しませてくれています。自分の時間を削って。
マンセーでも何でも、言いたい人はどうぞ。私はパオさんたちを
尊敬しています。そしてその作品が好きです。他の人に強要する
つもりはありませんが、私はそう思っています。
なので。前述の通り「書け」とは言えませんが、こう言います。
書いてください。私は、読みたいです。きっと他にも、たくさんの
人たちがそう思っていますよ。
……と、
>>361まで読んだ時点で一旦ここを離れて書いたのですが、
いつの間にやら
>>381。
>多分、このスレを結構楽しみにしている人がいると思う。
これは絶対にその通りですよ、パオさんっ!
>>399 何様?
お前の感想などいらん、パオのSSが欲しい
柳編は読むけどパオのは読んでないなあ
でもまあ読まないマンガがのってる雑誌買うこともあるから別にいいんじゃないかな
パオだけはガチ
ただでさえわくわくする他作品間の越境対決に、パオさんの神技ともいえる文才。
しびれます。
>>404 奇しくも「レス上げる」という言葉づかいがパオ様そっくりですね
ファンだと文体も似てくるのでしょうか?パオ様も幸せですね。
>>408 収まりかけたのに、何でお前みたいのが来るかねぇ・・・
脳みそは大丈夫ですか?きちんと教育受けてますか?
上の文章が読めたら、さっさと消えてね
皆様こんばんは。外伝担当でございます。
本日分についてアップさせていただこうかと思っていたのですが、スレの中に
どうしても看過しえぬ言説を見つけましたので一言。
この、一連の騒動が(私を含めた)他の執筆者が引き起こしているという説が
流れているようですが、言いがかりもはなはだしいとはこのことです。
なるほど、確かに私はパオさんに比べてあらゆる面で劣っております。
それは、どなたかに指摘されるまでもなく、アップされた文章を読み返せば一目瞭然です。
では、私はパオさんに嫉妬しなければいけないのか?
パオさんを貶めるか、あるいは過剰に持ち上げるかして、このスレの流れを乱さなければ
いけないのか?
断じて否です。
なぜなら、パオさんがこのスレ(の第1段)を立ち上げ、書き込みを続けておられたからこそ、
私も書こうという気になったからです。
つまりは、パオさんあってこそのスペック、あるいは柳外伝であり、パオさんを否定することは、
すなわち私が今までなしてきたことを否定するものです。
そんなこと、できるはずがないじゃないですか。
正直、腹が立って仕方ありません。
このようなことを書き込むのは、なんとも冷静さを欠く行動だとはわかっております。
しかし、どうしてもこれだけは書き込まずにおれませんでした。
415 :
408:03/06/24 00:48 ID:???
>>412 要するに、読むレスも読まないレスも自分で分別すりゃいいじゃん てことなんだけど?
何でもかんでも食ってかかんなよ うぜーな
いやはや 荒らされたものだ
>>411 回りくどいレスだが、邪推してるんじゃねーよ厨房
ここの常連なら移ることもあるだろ?
>>411 出現タイミング考えればパオが名無しで書き込んでるなんてイチイチ言う事でもねえだろ
俺がパオでもそうしてるよ
もう寝るわ
おやすみ
ちょっと皆、落ち着け!
非常に勝手かもしれんが、自分が荒らしではないと言う人はこれからある時間まで
レス書かないようにしないか?
無駄な言い合いが続くだけだぞ。418のようなのがまだ潜り込んでるし。
漏れも落ちますか。結局時間の無駄だったか。明朝どうなってるか。
>>420 ハァ?
>>408が中庸的な意見を装って、「パオは読みません」とか書くのが悪いんだろうが
>要するに、読むレスも読まないレスも自分で分別すりゃいいじゃん
↑最初からこれを書いてれば、こっちだって何も言わねーよ
槍玉に上がってるパオ叩きを遠まわしに再開させようとしてるようにしか見えないが?
外伝担当さま
荒らしをしているのは、1人か2人ですよ。殆どの人は、このスレの継続と、
外伝さんや、パオさんや、夜王さんの、作品を読みたくて、ここへ来ているのです。
ここは、職人さん同士が、尊敬しあっている、雰囲気あって良い感じです。
一部の、心無い人間の言う事など、気になさらないで下さい。
それと、職人さん同士の、優劣なんてありません。あるのは、個性の差だけです。
しばらくすれば、この下らない荒らしも、終わると思いますので、どうかまた楽しませて下さい。
スレ汚し、すみません。各職人さんの、ご活躍を祈ってます。
>>425 何でもいいから落ち着けよ。
お前のあるのかねーのかわかんねえようなプライドと
スレの運命天秤にかけんな アホ。
パオ信者必死だな(w
>>427 これだから文盲は・・・
お前こそ落ち着けや
カキコ中断らしいし
↓ではそろそろパオ閣下より〆のヒトコトを
おっス!もらゴクウ!
えー。皆様夜遅くまでご苦労さま。撤収。
ところで外伝さんには本当に申し訳ない・・すみません。
もう今日で最後にしましょうよ。こんな事は。
あと、私はこのスレで自演はした事ないよ。
信じてもらえなくてもいいけど。
(゚д゚)ホントニカイチャッタヨ・・・
このタイミングで作品の批評書くのはあまり良くない気もするが。
俺も正直志士緒戦はイマイチだと思った。上の方でも誰か書いてたように
志士緒の強さというよりも他のキャラのヘタレさの方が目立つような感じだったから。
明石達がその強さを十分に発揮した上で志士緒にさらにその上を行って欲しかった。
あと、志士緒ってもう少し敵の実力を認める奴じゃなかったっけ?
まあ、まだ志士緒戦は終わってないし、慶次復活からまた盛り上がることを期待してますが。
パオさんのネタは面白いと思うし、楽しみにしている人も沢山いると思うので
是非書いてください。だけど、皆さんの意見を見ていると過剰に反応している
人が多い様に思えます。極端に誉めすぎるのも、貶めるのも職人さんにとっては、
プレッシャーでしょう。ふーらりさんの言うとうり、職人さんたちは、お金を貰って
いるわけでは無いのに、この板で書いてくれているのですから、せめて彼等が書き易いよう
な環境を作るべきだと思います。批判は、あってもよいと思います。ただし、無批判
で無ければです。
まさかこのスレ最大の伸びを見せたのが、こんなパオ叩き祭りとは。
ここまで叩かれたのは、漫画用語辞典を立てたとき以来だ。なんか気合入った。
こんなしょうもない祭りは2度と止めましょう。
もう一度書きます。各常連様、本当にごめんなさい。
明日か明後日からバリバリ書きます。例え詰まらなかろうが、レベルが低かろうがさ。
さ、もうマンキ終了の時間だ。帰って寝ます。おやすみなさい・・
>>434様
あーそれ考えたんですけど、また長くなってしまうんですよ。
赤石達を善戦させると。まだ象山と鬼龍も残ってるし。
バトルが続きすぎてちょっと飽きてきたんで(他でもラオウ対塾長とか書いてるし)
早く魔界の五珍の塔とかおバカなヤツを書きたかったんで。すみません。
精進いたします。 では本当に帰ります。私は本当に好きな人と嫌いな人が極端だな・・
>>434 あの赤石先輩が((((;゜Д゜)))ガクガクブルブルしてる姿は見たくなかった。
この世界の赤石先輩は岩盤をも持ち上げてしまうからね^_^
「生命の限界まで堪え、不可能を可能にしてしまう男」の一発逆転を信じてます。
おやすみなさい。
るろうに剣心の登場人物はシシオしかでないのですか??
ガッツと後藤きぼん
ボマーとキヨハラくん希望
何か凄い状況だったみたいですね。
でも、負けないで下さい。
私はパオ氏や他の方のSSすごく楽しみにしています
ところで、ログ保存してくれる人っていませんかねえ。
パオさんのトーナメントも2回戦で止まってるし。
他の方のSSがdat落ちするのも勿体無い
>パオ
このスレのことがほんとに大事なら、荒らし煽りに対する耐性をもっとつけなきゃ駄目だ。
煽りに反応する癖を治すと前にもいって、治ってないじゃないか。
完全スルーしないと。
言っちゃ悪いが、最初の煽りにあんたが反応しなければ、ここまでの事態には
ならなかったかもしれんのだよ。
そのへん認識した上でまた頑張ってくれ。偉そうですまん。
あと見ていて、ここは最近職人マンセー的空気が(読者の側に)
かなり強くなってたのが気になった。
下手するとまた痴呆が信者だ帝国だ何だと因縁つけてきかねないから、
感想書く側もその辺少し気をつけてほしいな。
いや、別に無理にケチつけろってことじゃないんだけど。
>>444 禿同。2chで生き抜いていく知恵ってやつです。
わしが男塾塾長江田島平八である!
447 :
マロン名無しさん:03/06/24 12:37 ID:nQw6XWTp
>>444 確かにね。言い掛かりみたいなクソレスを相手にしないほうが良いですよ。
クズみたいな連中は2ちゃんねる中どこにでもいるんだから。
ド ン と か ま え ろ 荒 ら し は 無 視
パオ氏や外伝氏たちにずっと頑張って欲しい。
一部のバカの為にこのスレを潰されたくない。
>>443 外伝さんのだったら保管してもいいけど…
当人の意向も無く勝手には出来ん罠
読み返してみたがやっぱりB・Bは読んでから書いて欲しかったな・・・・
しばらく振りに着てみたら、荒れてるな。一部の人間のために…
職人さんたちには頑張って欲しい
451 :
夜王:03/06/24 22:02 ID:???
なんか久しぶりに来たら、ずいぶんと殺伐とした雰囲気になってますな。
それはそうと、お久しぶりです。まだ俺のこと覚えてる人いるのかな。
今日は、レスだけとおわびに来ました。
すいません、楽しみにしてくれてた方はお待たせして。
実は、ちょっとスランプに陥りました。まったく文章が書けなくなったんです。
何度か書いてみても、まったく自分の納得いく出来にならない。
何がヤバいかって、松田さんのキャラがまったく降りて来ない。
とにかく、今は書ける状態にありません。本当に申し訳ない。
逃げたと言われても、仕方ないところです。返す言葉もありません。
本当にすみません。約束は出来ないけど、いつか戻っては来るつもりです。
でも、とうとう戻ってこれなかったときは・・・・そのときはごめんなさい。
では、またいつか帰ってこれる事を祈りつつ、また。
>>432 揚げ足とるようだが、初代スレのときに自分で自分を煽ってたはずでは?
>>260 「大友は、不死身というわけではなかったんじゃの」
柳の脇を通り過ぎ、倉庫の中央で、塑像のように跪く大友を見下ろしながら、大河内が呟く。
先ほどまで激しい闘いが嘘のように静まり返った倉庫の中で、その声は奇妙なほど空ろに響いた。
「そこにあるそれが、何よりの証拠だ」
柳は、大河内の呟きの残響を消し去るかのような口調で応えた。
その口元には、二本目のハイライトが銜えられている。
「私の見るところ、どうやら大友は何らかの薬物を投与されたのではないかな。
だから、彼は常人離れした力を手にし、倫理をどこかに置き去りにすることができた。
ただし、その薬物は、人体の構造まで変えることは出来なかったということだ」
「・・・・・首筋を叩き折れば、脳が身体に命令することは出来なくなる、ということかね」
大友をじっと見下ろしながら、大河内が結論を要約する。
柳さん、あんたの口から倫理などという言葉を聞くとは思わなかったよ。そう思いながら。
「うむ。あとは、全身をバラバラにするか、心臓を吹き飛ばすか。まあ、いずれにせよ
常識外れとはいえ倒す手がないということではない。こちらが慌てさえしなければ、だが」
「もう少し早く、その事に気づいておれば、の・・・・・・」
大河内は、消え入りそうな声になっていた。
無理もない。
それがわかってさえいれば、とるべき手はまだまだ存在していたのだ。
大河内組の古参幹部2名を無為に失うこともなければ、最精鋭とも言うべき50名と、友好組織の
10名を無駄死にさせることもなかったのだ。
いや、仮に100名近い損害―これには、その後失われた幹部等も含む―を許容するしかなかった
としても、相手にもそれなりの打撃を与えることができたはずであった。
今の大河内には、孫娘を奪われた一人の老人としての苦悩と、判断を誤った東日本最強の組織
暴力団の長としての苦悩が、同時に責めさいなんでいるようなものであった。
>>453 「ともあれ」
そうした大河内の苦悩を一切気にかける風もなく、柳はハイライトをくゆらしていた。
「私は、貴方から請けた依頼に従って、これから御奴村に行く。相手がどうあれ、少なくともこの程度
ならばそう苦労することもあるまい」
「柳さん・・・・・」
「何か?」
「久美子は、無事でおるんじゃろうか・・・・・?」
大河内は、首だけを後ろに捻じ曲げて尋ねた。
「なんともいえないね」
外国人のように気取った仕草で肩をすくめ、柳が答える。
「貴方の依頼は、彼女を無事に連れ戻すことだったかと記憶しているが、状況は皆目つかめない。
ただ、大友のこのありさまを見ると、佐倉なる男はあまり人間の尊厳というやつに気を配らない
性格のようだ。だから、言いにくいが、もしかすると」
「もういい!」
最悪の状況を想像した大河内は、思わず身を震わせて叫んでしまった。
ふっと、倉庫の中に沈黙が落ちる。
その沈黙を強調するかのように、穴のあいたベニヤを通して外から吹き込んできた風が、ふわりと
床の上で旋毛を描いた。
>>454 「すまなんだ・・・・・・」
時間にすれば10秒ほどであっただろうか。深海の底にも似た沈黙のなかに漂っていた大河内が、
搾り出すような口調で柳に詫びた。
「私に家族はいないが、貴方の気持ちはわからないでもない。だから、気にしないでもらいたい」
ハイライトを急速に灰へとかえながら、柳は平板な声音でいたわった。
「この、大友なんじゃがの」
「・・・・・・?」
不意に話題を変えたかのような大河内に、柳は小首を傾げて見せただけだった。
「まあ、あんたもこうなってしまう前から知っておったとは思うが、なかなかのいい男じゃった。
顔だけではなく、性格もの」
そこで、何かをこらえるかのようにふと大河内は顔を俯ける。
「正直、ヤクザとして生きていくにはどうかのう、そう思わせる弱さもないではなかったんじゃが、
何と言うのかの、この男には、こう、人の気をそらさんところがあった。
兵隊にはどうかとは思うが、兵隊の上に立つ人間としてなら、なかなか見所がある男じゃった。
わしは・・・・・こいつをしばらく鍛えてみて、それで物になるようなら、ゆくゆくは組の中で取り立てて
いこうかと思っておったんじゃ・・・・・・こうなる前には、の」
大河内の声が、先ほどと同じように沈んでゆく。
心なしか、その両肩も震えているようだ。
>>455 「この男は、久美子に惚れておった。久美子も、あの糞いまいましい学生にたぶらかされるまでは、
憎からず思うておったんじゃよ・・・・・・。だからの、柳さん。老人の馬鹿げた夢想かもしれんが、もし
大友がこの世界で、人の上に立って生きていける人間であることを証明してくれたなら、わしは、
いずれこの男が久美子をもろうてくれると、そう思っておったんじゃ・・・・・・・・」
「だが、現状はかくのごとし、ということだな」
フィルターまで吸ったハイライトを床に投げ捨て、靴で踏み消しながら、柳がそっけなく答える。
無礼としか言いようのない言葉遣いだったが、大河内はもう気にする風もなさそうだった。
「うむ。ヤクザの渡世に命のやり取りはつき物じゃ。死ぬのは人の定めでもある」
そこで、大河内は再び柳を振り仰いだ。
その双眸に何か光るものがあるのを柳は認めたが、あえてそれについて言及しようとはしなかった。
「じゃがの、柳さん。いくらヤクザでも、幸せになってはいかんという理屈はないはずじゃ。
好きあったもの同士が連れ添って、それで幸せになることは、たとえヤクザであっても・・・・・・
たとえ、わしらのような、お天道様に顔を向けてゆけぬ生業であっても・・・・・・・・・よりによって、
奴等はこのわしに、大友を、わしが気に入っておったことを承知の上で拷問せざるを得なくなるように
仕向けて、あわよくば皆殺しにするつもりで・・・・・・・畜生!」
「・・・・・・・」
「柳さん、お願いじゃ。どうか、どうか、大友をこんな風にしおった奴等のところへ行き、奴等に思い
知らせてやっとくれ!もう、久美子は生きてはおらぬ。ああ、確かにそうかも知れん!
じゃが、久美子と大友は、こいつらの幸せは、奴等が踏みにじったんじゃ!その報いは受けてもらわ
ねばならん!畜生・・・・・・できることなら、わしが、わしが直接一人でも出向いてやりたいところなん
じゃが・・・・・・」
大河内の目からは、今やはっきりそれとわかる涙が零れ落ちていた。
>>456 「もとより、依頼を断るつもりはない」
対する柳の声は、どこまでも沈着だった。
もしかすると、遥か昔の柳は、今大河内が発しているような魂の叫びに心のどこかを刺激される
ような人間であったのかもしれない。
だが、今の柳は、大河内の血涙ともにある訴えを、ただ言葉の羅列としてしか把握していなかった。
というよりは、大河内の自分勝手(と断言してもよい)な行動原則に眉をひそめていたのかもしれない。
そこまで大友のことを気に入っていたのなら、どうしてこんなところに閉じ込めておいたのだ。
いや、それだけではなく、どうしてその道の達人に命じて拷問にかけようなどとしていたのだ。
それほどまでに、孫娘のことが心配なのか。
あるいは、己のプライドをずたずたにされたことへの怒りなのか。
まあ、どちらでもいい。私には関係ない。
内心でそう思いながらも、柳は、彼にしてはずいぶん控えめな口調で大河内に言った。
「組長、あなたの個人的な事情などこちらの感知するところではない。
私は、私の意思のみに従ってこの仕事を完遂する。久美子さんの安否について確約はできないが、
それ以外の点では、おそらく、貴方を完全に満足させる仕事ができるだろう」
「それでええ」
大河内は、今見せた涙をハンカチで拭いながら、張りを取り戻した声で応じた。
「よろしく、お願いする・・・・・・・・柳さん、お恥ずかしいところを見せた」
>>457 「それでは、私はここで失礼する」
柳は、あえて大河内の言葉の最後を無視して、彼に背中を向けた。
そのまま、動じることのない足取りで倉庫の入り口に向かって歩む。
「わしは、大友の亡骸を葬ってから組に戻る。もしも、何か必要なものがあれば、本部に連絡をくれ」
「厚意だけ頂戴するよ」
生返事に近い口調で返しながら、柳は歩を進める。
かたん。
倉庫のドアまであと数歩となったところで、不意に柳は足を止めた。
これまでとは打って変わって厳しい顔つきになった柳は、わずかに右足を後ろにずらして、
倉庫のドアの外に全身の注意を向ける。
人の気配。それも、かなり大勢だ。
倉庫に取り付いているのはほんの2〜3人だが、近寄ってくる人数はもっと多い。
さらに耳を澄ませば、乗用車のものと思しきエンジン音がいくつもかすかに聞こえてきた。
「組長、どうやら新手だ」
警察かもしれない。大友は後回しにして、ひとまずここから逃げ出す算段を。
振り返りながら、柳が大河内に注意を促そうとしたときだった。
柳の後ろ、倉庫の中央で、何か紙風船を破裂させるような軽い軽い音がこだました。
皆様こんばんは。外伝担当でございます。
先日は大変失礼いたしました。
いわでもがなの長文をかきましたことについてお詫びを申し上げますとともに、
励ましのレスを賜りました皆様に心からお礼申し上げます。
本日の更新は、昨日の分と本日分の二本分となっております。
次の戦闘に入るには、いま少し時間がかかるかと思いますがご容赦の程を・・・・・・。
業務連絡です。
>>432 パオさん
こちらこそ、感情的になってしまいまして申し訳ございませんでした。
お互い、更新するにはいろいろ制約があるかもしれませんが、がんばりましょう。
>>448さん
私事で恐縮ですが、この夏(秋くらい?)をめどに、ウェブサイトを自分で立ち上げる
つもりです。
内容は、今まで2ちゃんねるのあちこちにかき散らかしてきた自分の文章をまとめたり、
何某かの駄文を書き連ねたりするサイトです。
ですので、お心遣いは大変うれしいのですが、私のためにそうまで労力を傾けていただく
ことはないかと・・・・・・。
追記いたします。
ウェブサイト云々とはいっても、自分の文章に著作権がどうのと申し上げるつもりは
ございません。(著作権にこだわるのであれば、最初から掲示板ではなく自分のサイトを
立ち上げるべきであろうかと思いますので)
ただ、私はかちゅ〜しゃを使っているのですが、その書き込みログにたまった自分の文章が
結構な分量になるので、ここらでサイトにまとめてもいいかと思っただけですので。
従いまして、
>>448さんが何らかの形でこの外伝を纏められる分について、私は何ら異議を
申し立てるつもりはございませんので、その旨ご了解をいただければと思います。
>>451 それは大変な。
確かにスランプじに無理して書くと感覚が余計に狂いますもんね。
復活待っています。
>>外伝さん
サイト出来あがるのを心待ちにしてまつ。
祝・外伝さん復活。
1.2名のバカの為に職人さんがいなくなるという
最悪の展開だけは避けられたな。サイト期待してます。
後はパオさんと夜王さんの復活を待つのみ。
ナムナム・・。
>>451 正直ショック。
一番貴方の作品が好きだったのに…
でも気長に待ちます。
必ず帰ってね
>夜王
俺もあんたのファン。
いつでも戻ってこいよ。
外伝担当様、素敵なサイトが出来たら、是非見に行きたいと思います。
楽しみにしています。
夜王様、そうですか・・。残念。でも、私みたいに見切り発車で書くよりも
誠実で真摯な姿勢と思います。帰ってこられるのを心待ちにしております・・。
と、夜王さんに偉そうな事を言いながら。
私も、
>>381のレスで書いた「終了まで書く宣言」。
申し訳ありませんが、取り下げさせて頂きたい。すみません。
昨日も漫画喫茶で書こう、と思ったがどうしてもタイピングする気が起こらない。
ラストまでの外郭8割方は出来ている。バトルの詳細は決まって無いの多いですが。
関が原決戦と、五珍の塔の三階位までは、頭の中で文章化も出来ている。
でもどうしてもタイプする気が起こらない。今までにもこういう事は結構あったけど、
今回のは本気でどうにも成らない位、ヤル気が起きない。
自分が荒らしに応じてしまった為、荒れたのだけれどあの騒動で
最後の「糸」が切れた様な感じなのです。 ・・言い訳だけど仕事の事も忙しい。
ふら〜りさんをはじめ、このスレを温かく見守ってくれて来た方々には申し訳ありませんが。
月曜日までには、継続するか撤退するかご報告します。 ・・でも、この状態では多分・・。
どんなまとめ方をするにしろ、ここで終わると絶対中途半端にはなるんですが、
撤退の場合はラストまでの、フローを書いてという形になると思います。
実はもうこのフロー、ノートに書いちゃってるんだよね・・。
本当にごめんなさい。多分、皆様のご期待に添いかねる形になる気がします・・。
その場合は、もうパオは漫画板から、姿を完全に消すことになると思いますが・・。
(2つほど男塾対北斗の短編を書くかもしれませんが)
そういう形になったら、本当に申し訳ありません。 パオ
うわぁ、ショック・・・・言葉もでないよ
皆の者!パオさんに大鐘音のエールを送れー!!
フレー、フレー、パオ!!!
がんばれー、荒らしなどに屈するなー!!!
スレ存続の危機だな。
パオさんどうかやめないで下さい。
今まで「バキ死刑囚編」からずっと読ませて頂きましたが、ここは自分が一番楽しみにしている掲示板です。
その上、自分がリクエストさせてもらった「とら」がこれからどんな活躍をするのか楽しみにしていた所で・・・
どうか、仕事落ち着いてからでも構わないので続けて下さい。
マジかよ・・・
嵐が横行して職人が消えるのか
「貴様!見ているな!」
俺からもお願いします。パオさん、仕事落ち着いてからでもぜひとも続けてください。
かつてこれほどおもしろいスレはなかったです。
いつも新聞を見るようにパオさんの小説を読んでいました。
もし、荒らしが嫌ならサイトを作ってみては?
レンタル日記を活用するのも手です。
それならば毎日でも通います。
471以外は全員同じ人物と見た
間違い。472以外。
パオ良かったね。一人しかいないよ、続けて意見。スッキリやめられるな
サヨナラ。二度と2ちゃんに繰るな
476 :
マロン名無しさん:03/06/26 20:04 ID:y/PrebMJ
なるほど、では続けてほしい奴は俺で二人目だな。
477 :
マロン名無しさん:03/06/26 20:12 ID:vyr3wA3J
俺で3人目だな。少なくとも。ROMもいるからもっと多いのは言うまでもない。
478 :
マロン名無しさん:03/06/26 20:14 ID:a9ucmM0M
いらないよ。
みえみえなんだよ。
479 :
マロン名無しさん:03/06/26 20:14 ID:1C2RKw++
四人目。普段は見てるだけだが、そうもいってられないからな。
5人目。大変悲しいであります。
6
荒らしは確かにいらないな。たった一人で煽っているのがみえみえでもある。5人目くらい?
7人目だったか。なんか点呼スレになりつつあるな。
484 :
大鐘音:03/06/26 20:25 ID:???
フレー、フレー、パーオー!!
フレー、フレー、パーオー!!
やめるなパオー!負けるなパオー!
俺たちパオファンはこのスレの下に身も心もひとつだ!!
485 :
マロン名無しさん:03/06/26 20:28 ID:uc/kg7sS
続けてほしいが、一緒にされたくはないなあ。というわけで9人目だよっと。
これで10人目。
>485
>一緒にされたくはないなあ
余計な事言うなヴォケ
嵐のネタにされるのを恐れて、ここではコテやめようかと
考えていましたが……パオさん、私もここにいます!
これで住人目っっ!
訂正、十一人目でした。はぅ。
それから、↓
>>外伝担当さん
なんだかゴルゴみたいになってきましたね柳。鉄の、氷の、そして
凄腕のプロ。強くて冷たくて。う〜ん渋い。
サイト、楽しみにしてます♪ その内どなたか、絵の描ける方が
挿絵とか描いてくれたらなぁ……←他力本願
>>夜王さん
自意識過剰かもしれませんが、もし「前の松田さんがいい」という
リクエストが少しでも枷になったのでしたら、綺麗さっぱり忘れて
下さいっっ。
>>パオさんと夜王さん
もちろん、最終的に決断されるのはご本人の気持ちです。
で、私たちの気持ちは、今ここに並んでいる通りです。
また書いて下さるとしても、あるいはもう書かれないとしても、
どちらにしてもお二人にお贈りするのは「お礼の言葉」ですよ。
少なくとも、今こうして点呼しているメンバーはそうだと思います。
ですから熟慮の上、ご自分の意思で、ご決断下さい。
荒らしのことだけじゃない。パオにも色々事情があるだろう。
はっきりいって続行を強要することは出来ないし、するつもりもない。
なんて言ってる野郎が12人目を名乗るのは、ひどい矛盾だとは思うんだが。
>486
そう言いなさんな。読み手にだって色んな楽しみ方のスタンスがある。
>484もパオを好きな気持ちはわかるが、それをあまり他に押し付けすぎないようにな。
490 :
マロン名無しさん:03/06/26 21:00 ID:iiCcxqbO
ジサクジエンとか言われないようにIDを出してみる。
ま、パオがやめるというなら仕方ないが、続きは読みたいね。
というか、あそこまで広げた風呂敷をどうやってたたむか興味津々。
てなことで、13人目。
だけどエールとか身も心も一つとかはカンベンな。
正直寒い。
荒らしに比べたら数百倍はマシだけど。
まあ、ここまで1人で殆ど休みなく続けたという事自体、
凄いことだと思う。
確かに仕事にも支障はでているだろうし、文にもそれが
見え始めている(ような)気がする。
個人的には最後まで続けて欲しいが、無理もいえまい。
あと、パオの糸が切れたのは、荒らしではなく
>>444の書き込みのような気が…
いや、俺がパオの立場なら荒らしよりこっちの冷静な説教の
方が精神的にきついから。(反論できないだけに)
その原因になったのも荒らしなのだから本当に悔しいとしか言えない。
最終的には本人が決めることだけど、きっかけが荒らしというだけに。
荒らしを徹底的に恨みます。
493 :
マロン名無しさん:03/06/26 21:58 ID:wmiomyiL
更新する気力が上がらない時とかって励まされるのが(悪い気はしなくても)
逆に辛かったりするモンだからまあ応援もほどほどに。
無償でやってくれていることだから続ける権利はあっても義務は無いわけだし。
パオ氏もしばらく休んでいくらか落ちついてまた帰って来ようという気にもしもなったなら
その時また頑張って下さい。
いや、気が変わってやっぱり続けようという気持ちになってももちろん歓迎しますけど。
今日は職場から書き込みをさせていただいております。(携帯ですが)
パオさんには続けてほしいですが、無理に続けてくれとはお願いできないですね。
こういう状況なので、私一人のんきに更新させていただくわけには参らないでしょう。
事態が落ち着くまで、様子をみさせていただきます。続きは書き溜めておきますが。
つーか、今まで通り盛り上がってればいーんでないの?
変に荒れてる所なんか、俺、全部読み飛ばしてるし。
まぁ要は、早く続きが読みたいぞゴルァ、てなとこです。
14人目
2ちゃんねるにおいて、ここまで支持された作家は少ないと思う。
せっかく、ここまで来たのだから少しずつであっても続けて欲しい。
一部、匿名の場において自分より優れたものを叩くことに優越を感じているクズがいたのが残念です。
十五人目どえす
荒らしはスルーで気楽にいきましょ
498 :
マロン名無しさん:03/06/26 23:02 ID:NnumJnuk
十六
17人目
18人目
ロムってたけどカキコ。
巡回のメインディッシュを奪わんといて〜!
19
502 :
マロン名無しさん:03/06/26 23:28 ID:1Kzx4orK
スレッド内意見調査の集計結果(23:27現在)
※ 命題:パオの執筆継続に賛成か?
賛成:26票
468,470,473,476,477,479,480,481,482,483
484,485,486,487,489,490,491,493,494,495
496,497,498,499,500,501
反対:4票 474,475,478
中立:5票 467,469,471,472,492
(集計方法)
1 パオが撤退を表明した
>>467より集計開始
2 ハンドル、ID等明らかに識別が可能な場合を除き、原則1レス1人としてカウント
(自作自演等の可能性は考慮外とする)
3 賛成、反対の意見は文面に明記されている場合と文脈から明らかな場合の
2通りの基準で判断
程度の差はあれ、賛成―続けてほしい、反対―中断してほしいという意見を集計
4 カウントの根拠を明らかするため、各々のレスを引用する
503 :
502:03/06/26 23:30 ID:1Kzx4orK
失礼、反対は3票だった。
あと、漏れは通りすがりの暇人なのでカウント除外(w
あ、俺20人目です
けっこういたんだなぁw
もちろん賛成です
パオさんの小説は心の潤滑油ですからね〜
474=475
たまにロムってた男です
二十一番!
sageなんか有効表にいれんなよ
508 :
502:03/06/27 00:55 ID:oXUxrW79
おっとっと。再度訂正。失敬失敬。
>>505の申し立てを検討した結果、同一と認められるので
(「間違い。」という文言が、文脈上474=475であることを示している)
反対票は一票減る。
あと、
>>504と
>>506が新たにカウントされるので、
賛成:28票
反対:2票
中立:5票
となりますな。
>>507 あくまでも「意見調査」だからね。ageだろうがsageだろうが関係ない。
あと、この調査はあくまで1レス=1票で、自作自演云々は最初から考慮に
入れてないよ。延べ数でカウントする。
(もし1票=1人とするなら、それこそIPさらしたレスでもなければカウント
できないから)
っつーか、これ、ただの集計だよ?何をそんなにムキになってるのさ?
509 :
マロン名無しさん:03/06/27 00:56 ID:QqM15C0D
(;´Д`) ノ 二十二人目
パート1からの読者としては、荒らしのせいですべてが終わってしまうのは
非常に口惜しく、残念でもあります…(パート2立てたの俺だし)
ただ、パオさん自身が精神的にも、実生活の上でも追い詰められているのであれば
無理強いすることも出来ないと思います
どちらに転ぶにしろ、パオさん自身が納得できる形になればと、ひたすら願うのみであります
511 :
502:03/06/27 01:09 ID:cuza25XL
それじゃ、漏れは寝ます。また明日暇だったら集計してみるわ。
深夜組の23人目でございます。
深夜に見る程度なので、完全読破とはいきませんが、ファンの一人と思ってくれれば幸いです。
こういうスレッドは他の板にもありますが、たいていが煽りあいや職人不足で消えていきます。
ここもそうなるのか心配ですが、かげながら応援していきたいと思います。
やはり、楽しんで書かないと意味も無いですしね・・・
513 :
マロン名無しさん:03/06/27 07:18 ID:sw6oMil5
24人目
>>491 444は正しいことをいってると思うけどな。それでやる気をなくすようでは言っては
悪いがパオ氏自身の責任だろう。
ともあれここまでこのスレを盛たててくれたパオ氏の功績は認めるし
パオ氏はいつ戻ってきてもいいよ。みんな待ってるからさ。
25人目だ!ゴルァ!
パオさん自身が決めることだが、やめるってことになれば残念だ。
俺もヤムスレで書いてたことあるけど466での気持ち、わかるなぁ・・・。
ってぇか書くのヤメロヤメロっつー荒らしは何なんだ?一体何の利益があるんだ・・・。
515 :
マロン名無しさん:03/06/27 08:01 ID:CckLIJMe
おいおいなんかよくわかんねーけど
キモイスレだな
26人目〜!
>>515みたいなキチガイは無視して、マターリ逝きましょう
彼らは自分がクソなのを自覚できず、こういう平和なとこに八つ当たりするしかない可哀想な人種ですので
517 :
マロン名無しさん:03/06/27 08:30 ID:n9GvkyNl
いや普通にキモイだろう。そこは自覚しておこう
27人目
ウザいよね
荒らし
68人目
よくわからんのにわざわざレスする515に萎え。
521 :
マロン名無しさん:03/06/27 11:10 ID:lr5gQzAp
うわあー俺も俺も
28人目ぇー
文神パオ様に彼女のマンコを捧げる覚悟、覚悟であります!
魂を揺さぶるその文章!ぼきの後ろも捧げますです。ハイィ!
そろそろファン語った煽りが出てきたな。集計人も大変だ
29人目。
でも、1さんには悪いけどこのスレタイになってから
縁起悪いなー。
相変わらず面白いけどさ。
524 :
マロン名無しさん:03/06/27 17:09 ID:3KCjC9Th
30人目。無理強いできないけど続行キボンヌ。
31人目!
たった一人の荒らしのために、一番の楽しみを奪われたくないよ
パオさん頑張ってください
パオ氏は今のSS職人の代表のような人。
やめて
もらっちゃ困る。32人目。
527 :
マロン名無しさん:03/06/27 20:03 ID:PoVyXe9I
なんつうか、書きたきゃかけや。書きたくねぇやめちまえや。たかが掲示板なんぞに
責任も糞もねぇんだからよ。どうせ一年もすれば勝手に風化しちまうようなもんなんだしよ
それをウジウジと、あんたのやってるこたぁ、駄々こねてるガキと一緒だぜ。
とりあえず。外伝サン頑張れに一票。
528 :
マロン名無しさん:03/06/27 20:15 ID:hz0rK0DA
夜王は要るけどパオはいらない
あちしはパオ一筋
530 :
マロン名無しさん:03/06/27 21:46 ID:XXN0qsGX
530ゲトキタ━━(゚∀゚)━━!!!!
531 :
:03/06/27 22:46 ID:???
>>527 このスレはイエスマンしかいらねーンだよ!
カエレ!
>>532 バカにバカって言うお前がバカだ
ば〜か!
33人目です・・・
>>527みたいなガキがこのスレにいる事が残念
パオさん他、職人さんの小説が汚れる気がする
ハッキリ言うぞ
ちゃんと読んでるなら批判なんざ出ないはず
重箱のスミをつつくような批判は止めていただきたい
そして、氏ね
535 :
マロン名無しさん:03/06/27 23:26 ID:mYcMfTnX
34人目です。
普段はROMだけなんですが、こうなってしまっては・・・
>>513 「その通り だから余計に腹が立ち」
まあ、この場合、腹が立ったのではなく
意欲を喪失したわけだが
パオ氏も気持ちの整理がつかないのなら、
正直ここを離れたほうが良い。
自身が納得できない状態で良いSSが
書けるとは思えないし、書いても楽しく
ないだろう。
いつか、落ち着いた時に戻ってくればいい。
(その時にはこのスレは無くなっているだろうが)←余計な一言
>なんつうか、書きたきゃかけや。書きたくねぇやめちまえや。
この部分は至極アタリマエの事。
個人的にはパオ氏の続きを読みたいが、無理強いをする気も毛頭無い。
SS職人としてのパオ氏に敬意を感じてはいるが、批判を封じたり変に持ち上げる気もない。
そういう人が大多数で、煽り(妙なマンセー含む)はごく一部だと思うよ。
>>534 >ハッキリ言うぞ
>ちゃんと読んでるなら批判なんざ出ないはず
>重箱のスミをつつくような批判は止めていただきたい
ファンは盲目っていうか
批判は絶対に認めないって言うスタンスどうよ?
>そして、氏ね
最悪ですな
534みたいな餓鬼の居るせいであれるんじゃないか?
34人目って言いたいけど止めるよ
どっちかって言うと、荒らし認定されている人のほうが冷静で
ファン(信者?)のほうがなんというかねえ
グジャグジャうるせーなー
イヤなら見ないでお前らにお似合いな厨房板にでも逝ってろや
なんか荒れてるから読んで見たけど
荒れてるところだけだけど
>>285>>286>>290 普通にこれだけ読んだらやっぱりキモイよ
お話は読んでないけど先にこれ見ちゃうとね
>>540 一流の作家ってのは、概してどこか破綻していてワガママなものですよ?
パオさんもその例に漏れない一流ってのが何故わからん?
相手を不愉快な気分にさせるために、わざとイヤなことを言う人がいる
ということをパオさんは知らないのが残念で仕方ない。こういう人は非難
すべき人ではなく、本当は同情してあげなければならない人だと思います。
こういう人は、攻撃しやすい人を見つけると、その人をけなして気分を
悪くさせてやろうと考える不幸な習性を持っているのです。その意図は、
相手をだしにして優越感を感じることで自分の自尊心の不足を補うのです。
こういう人の言うことにいちいち腹を立てたり気分を害したりすると、
相手の思うツボです。相手の自尊心を高めるために、自分の自尊心を犠牲
にしなければならない理由はないのですから。
長文失礼しました
パオと信者は周囲が見えていない
全住民−(パオ+パオ信者)=良スレ
になると思う奴は俺だけ?
>>544 そしたら、職人がいなくなって批評屋ばかりになってしまうぞ。
最近、ファンっちゅーか信者が……正直、ここまでのもんかと驚いてる。
パオは素晴らしいとか、一流とか、つまらないと言う奴は氏ねとか。
ほとんどは騙ってる荒らしと信じたいが…。
俺は以前シリーズの続行を支持した奴だが、
>>538に強く同意するよ。
んで、止めるか続けるか、結局決めるのはパオだ。
周りがどれだけ強く言おうと、好きにすればいい。つか好きにしなきゃだめ。
こんな当たり前のことわざわざ書くこっちゃないのかもしれんけど、
なんかこのままだと当人がスレの雰囲気に押されて不本意な決定をしそうな気がしたんで
余計なお世話とは知りつつうるさいことを言った。ごめん。
>>546 お前バカだろ?イイもんをイイと言って何が悪い?
実際そこらの文庫本読むよりネット小説読むほうが俺は面白いし中でもパオは一流だと思うぞ。
中立装ってスレ潰そうとすんな。アホ
以降完全スルーで
バオって人は典型的なかまって厨だな。
まあ 自作自演で擁護レスつけまくって盛り上ったところで華々しく復帰ってのを狙ってるんだろうが
そううまく行きますかね? まあがんばてください。
ハイ 続行希望35人めーと
>>548 了解。良識ぶってバオ叩きする奴が一番タチ悪い。
とりあえあずおまいらもちつけ。また雰囲気悪くなってきてるぞ。
スレの住人同士で喧嘩してるほうがよっぽど職人の気分を害すると思うが。
エールを送るのは結構だがもう少しまわりに配慮して発言しろよ。
パオさんが戻ってくるこないに関わらず、他の方も
ガシガシSS書いちゃえばいいんでないですかね。
粗製濫造は荒れるからカンベンみたいな発言もありましたけど
んなもんやってみなけりゃ分からない。なに、ボロクソ言われたら
知らん顔してバックレちゃえばいいんです。色々な人が
色々な作品を持ち寄って、褒められたりけなされたりの中で
新陳代謝が繰り返される。常連で凝り固まったスレよりは
よほど健全であろうし、それでスレが廃れるのならしょうがない。
ところで、バキスレで書いたエロゲーネタが死ぬほど不評だったのが
今でも悔しくて仕方ないのですが、こちらで再チャレンジしても
よろしいもんですかね?エロゲー知識まるっきりないけど。
>>552 それを言いたいがために粘着で荒らしてたんだろ?ご苦労さん
煽りあいなんかして楽しいか?職人の立場にたってみろよ。
煽りカキコが職人の居心地を悪くしてることにまだ気付かないのか?
556 :
マロン名無しさん:03/06/28 07:40 ID:0nwic56Y
たとえば547
擁護派の文章は汚い。耐えかねる
擁護派も冷静になってくれ
>552
いつもの人か。俺は期待してる。
ただ今は内容云々以前に、とにかく噛み付いてくる香具師がいると思うから
(しかも題材が題材だし)書くならそういうレスを見分けて、気をつけてくれ。
荒らしの問題はこのスレのみならず
2ちゃん全体の問題だから難しいな。
ただ、こんな悪意レスが横行すると、
職人は育たないと思う。
見たい人は見て、興味無い人は黙って去る事が
何故出来ないのだろう。
人が楽しんでいる所に砂を巻いて楽しい
という精神構造がわからん。
560 :
マロン名無しさん:03/06/28 11:21 ID:5DaT43wA
しごくまっとうな批判さえも荒らし扱いのこのスレの雰囲気こそ問題
>>560 それをはじめたのはバオ本人だからこのスレの状況も仕方ない
562 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/06/28 12:10 ID:luLmZIxS
一つ一つのレスを注意深く読んだ。自分に取って良いのも、悪いのも。
>>444様のおっしゃた事は間違いなく正しい。そして、一番本質を捉えているだろう。
私が最初に荒らしを相手をしなければ、ここまで荒れなかったのだから。
色々考えたのだが、続けることにした。
ハッキリ言って逃げようと思ったのだが、ここまで自分のせいで荒れておいて
逃げるのはやはり卑怯か、と思って。やる以上はレベルは落とさないつもりです。
でもね、正直仕事の関係で、時間がなかなか取れないのは事実なんですよ。
前にも書いたと思うけど、6月からずっと忙しい。睡眠時間を削ってる状況。
だから毎日は勿論、2日に一度も厳しいと思う。週に2回は書くようにしますが。
外的・内的要因で厳しい状況ですが、新人になったつもりで頑張ります。
本来、作品と一緒にアゲたかったんですが、すみません。
お騒がせして申し訳ありません。本当に。
ただ、こんな私にも期待して頂いている人は確実にいると分かったんで、
魔界編終了までは最後までやります。それ以降は厳しいですが。
本当にすみませんでした。
うーん、でも荒らしと真っ当な批判の、境界線の見極めは結構難しい。
そもそも「真っ当な批判」ってのは何だろう?
今回の件は荒らしを相手にした私が悪いけど、作品が詰まらないとか、
やめろとか、そういうのは困るのだ。「好みですよ」としか言いようが無い。
論拠がしっかり書いてあれば、どんな意見にも答える様にはしますけどね。
今回は自分の不徳によりスレを汚して申し訳ありませんでした。 パオ
563 :
マロン名無しさん:03/06/28 12:36 ID:t88d+Oes
ガンガレ!!
>>562 これからも頑張ってください。
それと、やはり荒しとまっとうな批判を区別するのは難しいですよね。
相手の意見を取り入れたいと思った時は取り入れて、
気に入らない物は無視というのが一番無難かと思います。
次スレから元のスレ名にもどしてみては?
やった〜、パオが戻ってきた!!!!!!
更新はダイヤの棒術よりもスローでかまいませんので、がんばって書いてくださいね。
俺はここにパオがいることそのものに意義があると思っています。
567 :
マロン名無しさん:03/06/28 15:04 ID:NdRjjfKz
読み手側も過剰な期待は書き手に過度なプレッシャー与えてしまうと思うので気を付けよう。
さて、まったりいきますか。落ち着いてきたみたいだし。
うーん、でも荒らしと真っ当な批判の、境界線の見極めは結構難しい。
そもそも「真っ当な批判」ってのは何だろう?
今回の件は荒らしを相手にした私が悪いけど、作品が詰まらないとか、
やめろとか、そういうのは困るのだ。「好みですよ」としか言いようが無い。
論拠がしっかり書いてあれば、どんな意見にも答える様にはしますけどね。
もうね、謝りたいのか愚痴りたいのかはっきりしろと
パオは厨房の典型だな
意地でも勝って土俵を出たいらしい(少なくとも負けるのはイヤ)
そのプライドの高さをどうにかせんと、また同じこと繰り返すぞ
まぁ、パオさんの完全消滅が無くなっただけでも良しとしよう。
パオさんがいなくなったら、きっとこのスレ衰退するし。
572 :
283の続き(15話):03/06/28 23:47 ID:xGyf0xzA
【第15話 最終局面と五珍の塔】
太い男がまっすぐ近づいてくる。まるで、散歩でもしているような気楽さで。 ・・笑いながら、まっすぐ。
禍々しい殺気を放つ男は、動じず構えを固める。太い男が距離をずんずん詰める。息がかかりそうな間合いに到達する。
にい、と太い男は太い笑みを浮かべる。彼の右足がフッと消える。 ・・前蹴り。恐ろしく直線的で、ケレン味の無い。
殺気の男が十字受けで太い男の前蹴りを受け止める。ビリビリとした衝撃が、殺気の男の太い腕を戦慄させる。
・・あらゆる受けの中で、最も堅固とされる「十字受け」。その受けすら破壊しかねない衝撃に、戦慄する殺気の男。
まるでボーリングの玉を、至近距離から投げつけられた様な威力。 ・・今まで、味わった事の無いレベルの攻撃力。
(これが・・松尾 象山) その太い男の顔を一瞬覗き見る、殺気の男、宮沢 鬼龍。動揺は無い。相手は象山である。
ケタ外れの攻撃を持っていることは承知の上である。その攻撃に戦慄はしても、恐怖は微塵も無い。 ・・だが次の瞬間。
鬼龍は、自分の右側頭部に「死」が迫る事を察知する。 ぶうん。 象山の鉤突き。ボクシングで言う左フック。
・・並の格闘家なら全く気付きもせず、あの世行きになるであろう打撃。 ・・高速度でハンマーを振りぬかれた様な。
だが鬼龍は「並」では無い。格闘家としては最上の、暗殺者としては最高の力量の持ち主である。 ・・超人的な反射で。
後ろにスウェーをし、その打撃をかわす鬼龍。 ・・象山のコブシが目の前を通り過ぎる。 ・・顔に疾風を感じる鬼龍。
もしこれをまともに喰らってしまえば・・。肉体に震えを感じる鬼龍。恐怖ではない。歓喜の震えである。 ・・ならば。
ほんの半歩、ステップバックをする鬼龍。右足が跳ね上がり、象山の左足へ叩き込まれる。十分に腰を溜めたローキック。
びしり、と象山の皮膚から破裂音がする。だが象山の左足はビクともしない。 ・・まるで柔らかい肉に包まれた鉄の感触。
ローキックへの最上の対処法とされる、「スネ受け」をした訳ではない。象山は棒立ちである。象山は笑って言う。
573 :
572の続き(15話):03/06/29 00:24 ID:nWDI5Igg
「いいなあ、アンタ。ウチでもこれだけの下段を打てるのは、全日本制した立脇くらいだぜ。 ・・ま、俺は別格だがな」
松尾象山。世界最大の実戦空手、「北辰館」を創始した怪物が笑う。 ・・まるで太陽の様に太く、大きく、雄大に。
魅力的な笑みである。 ・・だが太陽は、ある程度の距離があるから恵みを受けるのだ。 ・・近付き過ぎれば死ぬ事になる。
太陽に挑みかかる龍。宮沢鬼龍。古流の武術「灘神影流」を極めた、IQ180の超人も笑う。
「神の拳、確かに見せてもらった・・ならば、俺も灘神影流の技の数々を見せてやろう・・」 この言葉を受けて象山。
「面白いねえ・・。強い相手と闘いたくて、ワタシは牛やクマとも闘ってきたんだが・・アンタの方がずっと面白い」
揶揄ではない。心底楽しそうに笑っている象山。 「楽しくやろうや・・。あっちの方も、ついに大詰めらしいしな」
象山がクイ、とアゴで指した方向には。 ・・事態が収束しつつある「関が原決戦」の中で、更に焦熱が増す場所がある。
・・大将戦。前田 慶次 対 志々雄 真実。両者が睨み合う所である。
574 :
573の続き(15話):03/06/29 00:28 ID:nWDI5Igg
前田 慶次という男は、不思議なほど分け隔てが無い。家族や捨丸たち従者は勿論、武士だの農民だのという身分意識も無い。
・・馬を生涯の友とする男である。人間に限らず、この世に生を受けたありとあらゆる者を友と考えるような所がある。
どころか、自分の命を狙う敵に対してすら、友情を感じる所がある。 ・・この世で、命のやりとり以上に濃密な関係は無い。
そう本気で思っているからだ。 ・・だが。生まれて初めて慶次は、目の前の男を「完全なる敵」として捕らえていた。
「ククク・・。凄え目でみてくれるな、負け犬風情が」 志々雄は慶次を見て笑う。花山の体を安全な場所へ離した後。
焔立つ目で志々雄を睨む慶次。 「貴様はもののふに非ず・・石松殿、花山殿・・。彼らに代わって必ず斬り伏せるッ!!」
「出来るのかい、その腰の伸びた剣でよ」 挑発的する志々雄。 ・・腰が伸びた、とは切れ味の落ちた、の意味である。
慶次の大太刀は「無限刃」との斬り結びにより、刃毀れが酷い。 ・・その時。慶次の背後から巨大な刀が飛来し、地面へ突き刺さる。
振り返る慶次。 ・・そこには男塾2号生筆頭、赤石 剛次が。 「その斬岩剣・・。貴様なら使いこなせるはずだ、慶次ッ!!」
赤石に目礼し、斬岩剣を引き抜く慶次。そしてブン、と刃渡り2メートルもの剛剣を、小枝の様に振り回す。刃風が辺りをなぎる。
・・その姿を見た志々雄。明らかに先程と気配が違う。ニッと笑って言う志々雄。 「面白え・・。最終決戦、開始だ・・」
関が原最終2大決戦。前田 慶次 対 志々雄 真実。松尾 象山 対 宮沢 鬼龍。 ・・夕闇迫る最後の決戦と同刻、魔界。精鋭部隊は。
海原 雄山が指定した決戦時刻よりも早く、「五珍の塔」へ殴り込もうとしていた。
575 :
574の続き(15話):03/06/29 01:01 ID:nWDI5Igg
海原 雄山は12時間後に五珍の塔にて待つ、と言っていた。全員、12時間後の戦いの備えていた。
これを強行に反対したのが烈 海王である。超武闘派の烈の意見としては、敵が準備を整える前に
叩き潰すべし、という主張である。 ・・尤もな意見である。5人は魔界へ決着を付けに来たのだ。
少数で魔界の軍団を打ち倒すのには、先手を打ち続けるしかない。戦略の面でも烈の意見は正しい。
・・結局、この烈の意見が通り、五珍の塔を即刻攻め、「オーブ」を奪う事になった精鋭部隊。
目の前に五珍の塔が迫る。 ・・血気にはやる精鋭部隊。特に烈。アブない雰囲気が伝わってくる。
・・だが男塾の剣 桃太郎は不安を覚える。「五珍の塔」、の響き。まともな対決であろうか。
旅立つ前、江田島から託された次元通信機を見る桃。 ・・江田島は出発前にある事を言っていた。
その江田島の言葉が桃の脳裏に過ぎる。
(桃。貴様らは力においては人間界一だが、魔界にはそれでは通れぬ関門があるやも知れぬ。
この通信機を持っていけ。 ・・時に応じ、臨時の助っ人を随時送る。武運長久を祈る!!)
まさか、早くも助っ人に頼るときが来るのか? ・・だが、人間界も人材不足である。
魔界にそれだけの人数は裂け得まい。 ・・つまり、今回の助っ人は一戦限りになるだろう・・。
不安の過ぎる桃に、五珍の塔の全景が近づいて来る。 ・・あれは・・? 五珍の塔の前に立つ男。
まさか・・。海原 雄山!? 気付いていたのか、俺たちの奇襲に!? 雄山は豪快に笑って言う。
「わははは・・気負ったかブタども。貴様らパワーバカどもに、この雄山は倒せんわッ!!」
その一言に烈が早速キレる。 ・・雄山に殴りかかろうとする烈。だが雄山。カッと目を見開き、
烈を一喝する。 「ガン黒風情が!! 貴様ごとき、私が相手をするまでもないわッ!!」
訳の分からぬ雄山の迫力に、動きの止まる烈。雄山。ニヤリと人間界精鋭部隊を見下す笑い。
「貴様らが私と闘うに値するかは、この対決で判断してやる・・。第一対決、料理勝負でな!!」
576 :
パオ ◆rQ8IySfmBE :03/06/29 01:04 ID:nWDI5Igg
久しぶりに書くと行の長さが本当に決まらないな。
正直、五珍の塔は関が原が終わってからのつもりでしたが。
(実際、そっちの方がずっと纏まりはいいけど)
テンション的な問題で早まりました。バトルを書く精神状況じゃないなあ。
ま、のんびり週3回更新を目指してやります。実際は2回位と思いますが。
577 :
マロン名無しさん:03/06/29 01:09 ID:LJNFCazD
烈=ガン黒風情・・・
激しくワラタ
579 :
マロン名無しさん:03/06/29 03:07 ID:3sU71H3z
雄山と対決する助っ人誰かなぁ。マオ?将太?味っ子?クッキング…
>>6-7みたいなこと言うから作者は増えないし、
作者も変に気負いしたり、プライドもっちゃったりするんだよ。
>>576 一言言う。おめえはこのスレに書くな。
おめえのSSなんぞ待っているヤツはこの世にいねえが、
ここのSS批評のネタを読んでいる人は沢山いる。
なにが悲しくてそんなSSを上げるのか知らんが、ここはおまえが来るスレでは無い。
いや、おまえの様な、クズSS書くだけの低い人間性のヤツが書き込めるスレはどこにも無い。
人を不快にするSSしか上げられないならマジで読むだけにしとけ。カキコするな。
以後、知能と人間性の低いヤツのレスは無視をする。ま、小学生相手にしてもしょうがないね。
>>581 一言言う。おめえはこのスレに書くな。
おめえのレスなんぞ待っているヤツはこの世にいねえが、
ここのSSを読んでいる人は沢山いる。
なにが悲しくてそんなレスをつけるのか知らんが、ここはおまえが来るスレでは無い。
いや、おまえの様な、クズレス書くだけの低い人間性のヤツが書き込めるスレはどこにも無い。
人を不快にするレスしか書き込めないならマジで読むだけにしとけ。カキコするな。
以後、知能と人間性の低いヤツのレスは無視をする。ま、小学生相手にしてもしょうがないね。
列海王は言った…
一言言うッッッ!!!! おめえはこの舞台に入るなッッッッッッ!!!!
おめえの戦いなんぞ待っているヤツはこの世にいねえが・・・・・・
他の連中を待っているやつは・・・ 沢 山 い るッッッッッッ!!!!
なにが悲しくてそんなあがきをつづけるのか知らんが、ここはおまえが来る舞台では無いッッッッッッ!!
いや・・・・・・おまえの様な、クズがもがくだけの低いレベルのヤツが入り込める舞台はどこにも無いッッッッッッ!!
人を幻滅する闘いしかでないならマジで見るだけにしとけ。立ち入るな!
以後、知能と人間性の低いヤツの登場は無視をする。ま、小学生相手にしてもしょうがないぜ。
587 :
マロン名無しさん:03/06/29 11:45 ID:z0Lq+OYZ
>>580 オレもそう思います。
オレはいくつかのスレでSS書いてるのだができればここでも書きたいと思っている。
だが、オレには文才がおそらくない。小説なんて読んだこともないし、国語の成績も並だった。
でも面白いストーリーが思い浮かぶと、どうしても書きたくなってしまう。
588 :
マロン名無しさん:03/06/29 12:43 ID:GwhTl9FS
なら書けばいい。
パオや他の職人が書くなといってるわけじゃないんだから。
ヤムチャスレがさびれたのは
職人いなくなったからだしな。
6、7辺りから徐々に。
だから新規職人は大歓迎だと俺は思うんだが。
>>1 一言言う。おめえはこのスレに書くな。
おめえのレスなんぞ待っているヤツはこの世にいねえが、
ここの2ゲットをねらっている人は沢山いる。
なにが悲しくてそんなスレをたてるのか知らんが、ここはおまえが来る板では無い。
いや、おまえの様な、荒しするだけの低い人間性のヤツが書き込める板はどこにも無い。
人を不快にするスレしか立てられないならマジで読むだけにしとけ。カキコするな。
以後、知能と人間性の低いヤツのレスは無視をする。ま、小学生相手にしてもしょうがないね。
俺はちんこが痒かった!つまりちんこが痒かったという事だ!
彼の周りにには諦観が漂っていた
>>587 書けばいいんじゃないかな。別に書く人が多くて困る事は無いし。
面白ければそれで良し、失敗しても練習と思えばいい。
変な叩きが来ても無視すればいいし。そのうち文章もうまくなると思うし。
>>589 俺もそう思う。
ヤムスレが寂れたのは、新人が書きやすい環境で低レベルなSSが蔓延していったからではないと思う。
スレ住人も飽き始め、作品が来てもレスがなくなり、作者らはやる気なくなった。
ヤムスレ馬鹿にしている人がいるようだが、作品にレスがつかなくなったら同じ運命をたどるぞ・・・。
>>590 何かコピペされそうだな。あちこちに。2典にのっちゃうぞ。その前に2漫か
594 :
592:03/06/29 14:07 ID:???
>>593 量は質に転化するからね。
多く作品が集まれば、パオや外伝担当並の人が出るかも知れないし。
後
>>590みたいな荒らしは無視。鉄則ですぞ。パオも無視しなよ。
>>458 大友よ・・・・・すまんかったのう・・・・・すまんかったのう・・・・・
大河内は、再び心のどこかが、人を人たらしめている何かがざわめくのを感じつつ、大友の
傍らにしゃがみこんだ。
両腕をもがれ、自らの血だまりの只中で首を奇妙な角度に曲げられたままの大友は、
そんな大河内のモノローグを聞き取れるはずもなく、倉庫の中央に膝を付き、蹲っている。
つい数秒前まで、殺戮への欲望に歪んでいたその表情は、いまは能面のように固まったままだ。
一体、どうしてこんなことになったんじゃろう・・・・・わしの、何がよくなかったんじゃろうか・・・・・?
「それでは、私はここで失礼する」
背後から、大河内の耳に柳の機械質な声が飛び込んできた。
「わしは、大友の亡骸を葬ってから組に戻る。もしも、何か必要なものがあれば、本部に連絡をくれ」
大河内は、振り向かずに柳に答える。
実際、何か必要なものといっても、わしに用意できるのは人手と道具だけじゃがの。
その人手と道具が、これからおこるであろう戦いにおいて、ほとんど通用しないことは、今しがた
思い知らされていた。
いや、使い方次第ではあるのかもしれないが、その使い方を心得ており、なおかつ実際に使い
こなせるもの―戦闘のプロは、もう大河内の手元にはいない。
大河内組3000人の構成員のうち、正面切った殴り合いを受け持ち、なおかつ必ず勝利を納め
続けた100人足らずは、ほぼ全員が死んでしまった。
あとは、真っ先に突撃して死ぬことしか知らない脳味噌の持主か、人間を精神的、肉体的に
追い込む技量の持主、そして上の命令には絶対服従の兵隊だけである。
そういう連中であっても、一通りの戦い方は知っているから、優れた部隊指揮者―軍隊で言えば、
ヴェテランの下士官がいれば、あるいはなんとかなるかもしれない。
化物といえど、頭を撃ち抜けば死ぬのだから、たとえば銃器を所持した構成員をうまく配置して、
事前に綿密な打ち合わせを行えば、化物が集団でやってきても5分以上に渡り合えるだろう。
>>596 しかし、今の大河内組には、そんな人材などいはしない。それは大河内がよくわかっている。
なぜなら、軍隊でいうヴェテラン下士官をまとめて死地においやったのは、大河内の命令
だったためである。
柳も、その辺のことはわかっているのか、大河内の気遣いに対し、ひどくそっけない言葉を
返してきただけだった。
「厚意だけ頂戴するよ」
遠ざかる柳の足音を聞くともなく聞きながら、大河内は思った。
あの男は、たった一人で、敵の本拠に乗り込もうとしている。
大して苦労はすまい、といっておったが、果たしてどうじゃろうか・・・・?
御奴村におる、佐倉やその手先が、大友とまったく同等の能力をもっとるなどという保証はどこにもない。
いや、大友をここまでにしてしもうたのは、奴等の"能力"、そのほんの一部と考えてもよいじゃろう。
つまり、柳をたった一人であそこにやるのは、拙い判断だとはいえんか・・・・の?
何かしなければ。何か、自分にできることをしなければ。
大河内は、ふとあせりに近い感情を抱いた。
まずは、いったん組に戻って、手持ちの駒がどれほどのものかを確認せねばならん。
確認した上で―もちろん、柳の邪魔にならぬような―何かしかの手を打つ必要がある。
その時、大河内の脳裏に、ふとある男の名前が閃いた。
この出入りは、柳のほかに"あいつ"の手を借りねばならんかもしれん。
仇敵ともいうべきあいつに何かを頼むなど、普段であれば思いも寄らないことではある。
だが、状況が状況ゆえ、そうも言ってはおれない。
それに、今のあいつの敵は、わしら暴力団ではない。もしかしたら、あいつの力を借りることが。
>>597 大河内の胸に、再び希望に似た感情が宿った。
あいつは、柳とは違った意味で底知れぬ男だ。
身体的能力は柳に劣るかも知れぬが、実戦経験ならば、それこそ大東亜戦争を始めとして豊富すぎる
ほどに有しており、"合法的に"殺害した人数は数知れないとも言われている。
恐怖と権威によって、人を操る術も心得ている。大丈夫だ。あいつなら、柳と並んでこの化物どもと対抗
することができるだろう。
それに、あいつのバックには、これ以上はないほどの存在がある―日本最大最強で、かつ国家から
法律で認められた暴力組織だ。
柳に続く第2の切り札を確信した大河内は、急に気分が高揚してくるのを感じた。
大河内は、己の視線の高さにある大友の亡骸を見やった。
大友の両腕があった場所から吹き出る鮮血は、さすがに勢いを弱め、切り裂かれた傷口からペンキの
ように垂れ落ちるだけとなっている。
すまんかったのう・・・・大友よ。じゃがの、お前の死は無駄にせん。
きっと、この敵はとってやるからの。まずはゆっくり眠るがええ・・・・・。
膝をついた大河内は、鼻をつく鉄錆と生々しい濃厚な死の臭いを無視しつつ、大友の血が己の両手
を朱に染め上げるのもいとわずに彼の秘蔵っ子の亡骸に手をかけた。
激痛。
大河内の両手に、無数の針が刺さったかのような刺激が走った。
「〜〜〜〜〜〜〜ッッッッッッツ!」
声にならない絶叫を挙げた大河内は、思わず己の両手を見下ろす。
>>598 真っ赤に染まった掌が、波打っていた。
少なくとも、大河内にはそのように見えた。
数え切れないほどの錐が、間断なく突き刺さり、肉を鋭く抉る痛み。
掌に走る神経の全てを強引に穿ち、脳髄に直接叩き込む痛み。
まるで、掌に何かがもぐりこもうとしているかのようだ。
いや。
実際に、何かが掌にとりつき、皮膚を食い破り、そして大河内の体内に侵入しようとしている。
それは―
・・・・・・む、虫!?・・・・・
ぴちぴちぴち、ぷちぷちぷち、ぴちぴちぴち。
微小な存在、肉眼では到底その姿を捉えることの出来ぬ無数の生命体が、大友の血液に
潜伏していたのだ。
それが、大友に触れた大河内の掌に乗り移り、この老いた男を蝕もうとしている。
今や大河内の掌、そこにべっとり付着した血液は泡立ち、いやらしい音を立てながらそれ
自体生命を有するかのように暴れまわっていた。
し、しもうた・・・・・
信じがたいほどの激痛。
両の掌を切り飛ばしてしまわなければ到底逃れえぬだろう苦痛にさいなまれながら、大河内は
己のうかつさを心の底から呪った。
「くぅぅぅむぃぃちぃぃぃいょぉぉぉぉぅぅぅぅ・・・・・・」
ともすれば、遠くへと飛び去りそうな意識のどこかに、柳の幾分固くなった声が聞こえてくる。
だが、今の大河内には柳が何を言っているのかさっぱり聞き取れなかった。
視界がぼやけ、聴覚は外界がモーターの壊れた蓄音機のように歪んだ物音しか捕らえられなく
なっている。
>>599 ぐらり。
バランスを崩した大河内は、思わず左手を床―大友が作る血だまりについた。
そして、左手に新たな何かが大量に侵入してくる感触。
や、柳さん、気をつけろ。こいつは、こいつに取り付いているのは、血を媒介に・・・・・。
大河内はそう告げようとした。
だが、舌が廻らない。口が動かない。―気がつけば、左手をついた姿勢のまま、ピクリとも
動けなくなっている。
頭では警告せねばとわかっているものの、体がその命令を受け付けないのだ。
・・・・・こいつ、もうわしの身体を乗っ取ろうと・・・・・
そして、大河内は、そこまで思ったところで、急速に己の思考が白濁化していくのを感じた。
畜生、こい・・・・・・・つは、わしの脳ま・・・・でた・・・・・どりつ・・・・こ・・・・・・う・・・・・と・・・・・
失われつつあるアイデンティティ。その全てを動員して、自分を責めさいなむもの―大友の死骸に
目をやった大河内は、見た。
大友の、奇妙な形に捻じ曲げられたままの頭部。
そこが、まるで紙風船か何かのようにコマ落としで膨張しつつあるその瞬間を。
ごき、ごき、ごき。
ばきばきばきばきばきばき。
べちべちべち、ぶちびちびちびちちちちち。
大友の頭蓋骨が砕け、皮膚が膨張し、筋肉や器官がおしひしがれ、潰される音。
大友の頭部に巣食う何かが、その本性を剥き出しにしつつある様を、大河内は薄れ行く意識の中で
しっかりと目の当たりにした。
く・・・・・そ・・・・・・・・せ・・・・・・めて・・・・・・・あい・・・・・・つに・・・・・・・
ぱぁん。
大河内の意識が途絶えたまさにその瞬間、大友の頭蓋は場違いなほどに軽やかな音を立てて
弾けとんだ。
そしてちんこも弾けとんだ
つか、いい加減きづけや、外電よ。
このスレで書いていいのはパオさんだけなんだよ。
もうやめろや。パオさんの書く邪魔すんじゃねえ。
今度書いたら荒らすぞ!
>>602 俺だってパオ信者だがそれは言いすぎだ。おまえが消えろ。
604 :
マロン名無しさん:03/06/29 17:51 ID:IFle/4w9
外伝みたいに長いだけの文なんていらねーよ。
わかったらバオ様のためにスレの容量あけとけ、ボケが。
空気嫁よ外伝。
夜王も電波も、バオ様に遠慮して書くのやめたんだぜ?
てめえだけなんだよ。空気わかってないの。
いいか、次書いたらぜってー荒らす。バオ様の邪魔すんなよな。
茶パオ
602=604=605=606
俺を弟子にしてください!
突然鼻糞がさけんだ
610 :
マロン名無しさん:03/06/29 19:33 ID:JTyDJFLA
荒らすんじゃねー!
>>599 何か、寄生獣や犬神のような生物?
個人的には、大河内が誰に応援頼むつもりだったのか気になります。
>「くぅぅぅむぃぃちぃぃぃいょぉぉぉぉぅぅぅぅ・・・・・・」
「気持ちいいよう」だろうか?
でも、柳がそんな事言うはずないし…
615 :
マロン名無しさん:03/06/29 20:36 ID:RHG9163k
組長、だろ。
616 :
マロン名無しさん:03/06/29 20:38 ID:+2h2D43J
外伝さん(・∀・)イイ!!。だから自演してるやつは気にしなくて(・∀・)イイ!!
>>613 大東亜戦争時代の戦士ですか…
人心掌握などの言葉から察するに、陸軍中野学校出身者ですかねえ。
中野学校なら当時の警察や警察予備隊の設立に深く関わっていますし、
国家とも繋がっています。(かつて中曽根の相談役も中野出身者だし)
諜報や人心操作・工作も得意分野でしょう。(帝銀事件とか)
まあ、いつも私の予想は当たりませんけどね。
619 :
614:03/06/29 21:04 ID:???
「組長」か!
全然気付かなかった。
そうだよな、普通に考えて、柳が「気持ちいいよう」って
この場面で言うはずないよな。
組長が「気持ちいいよう」って喘いでたんじゃないの?
本当にこのスレが好きなら、煽りの相手はしない方がいいよ。
このスレが好きな人も、荒らしに大して汚い言葉使いを使っちゃあダメだよ。
それと、このスレはバオさんだけが書いてる訳じゃない。
早く、前みたいな雰囲気に戻ろうよ。四天王って呼ばれてた頃みたいにさ。
荒らしの人も、こっちが関わらなかったらいずれいなくなると思うし。
いちいち反応してたら、SS書いてくれている人が気持ちよく書けなくなるよ。
組長はマゾか!?
>621
アゲんな。煽りが来る
職人さん!荒らしに負けずにがんばってください
626 :
マロン名無しさん:03/06/29 23:40 ID:FkgQE+V6
てか、パオ以外が書くと話が重なってグチャグチャになるから止めた方がいいと思う
一つのスレに話は一つ、職人は一人でいいよ
職人ごとにスレッド立てるべきでわ?
パオ様・外伝担当様、お疲れ様です。
やっと本来のペースに戻ってきましたな。
今回は早めに次スレに移った方が良いと思う。
厄払いの為にも。スレタイはこのまま?
ここで提案
パオ専用SSスレッド
外伝専用SSスレッド
その他職人専用SSスレッド(職人育成・ネタ用)
の三つ立てない?
賛成。
632 :
629:03/06/30 00:34 ID:???
>>630 それはパオさんと外伝さんが決める事だからな。
俺としてはこのスレが好きなので(但し荒らしが来る前の)
このままでいいと思う。
別にそんなに見難くないし。
633 :
629:03/06/30 00:35 ID:???
また投票か?
でもそんな時期かもな・・・
俺は今のままがいいけど。
でも、投票するならID出したほうがいいよ。
最後は職人さんの選択になるけど。
634 :
マロン名無しさん:03/06/30 00:39 ID:aQMe3QGR
>628,630
思い付きで物をいうのはやめろ。
そんなことしたらパオスレ以外全部即死になるじゃねーか。
そんないくつも立てなくていいよ。
余計なスレ立てんなって周りからブーイングが来るぞ。
パオも今後はそんなに書けないって言うし、それが終わったら去っていくんだから。
外伝やその他の作品だけじゃ足りなくなるぞ。
>635は、足りなくなるってのは、SSが不足するって意味ね。
>>632 一つだと、またバカ共の集中砲火を受ける予感
いくら無視すると言っても、このID無しの状況じゃあ常駐するだろう
職人達のメンタル面にも響くだろうし
>>634 外伝も良い味出してると思うよ(パオには及ばないが)
だから、独立しても構わないと思う
で、残りは「ちょっと書いてみたい」人用で
638 :
629:03/06/30 00:49 ID:???
>>637 俺もそう思うんだよね。
パオ・外伝氏ともに2ちゃんねるでは最高レベルのSS職人だと思う。
でも、個人スレを立てると荒らしのバカが狂った様に暴れるのが濃厚。
特にパオの方。そうすると流石にパオももう来なくなるだろう。
俺はそれが一番怖い。パオの人間性なんて高かろうが低かろうがどうでも良い。
彼の作品が途中で終わるのが一番嫌だ。その為にも個人スレ反対。
>>637 >外伝も良い味出してると思うよ(パオには及ばないが)
こと日本語力という点で比較すると、外伝氏が圧倒的に
上だと思うんだがな。ていうかパオ氏はむしろ文章ヘタでしょ。
そういうのは、面白さとはあんまり関係ないんだろうか。
少なくとも俺は、下手くそな文章読むと腹が立ってしょうがないんだが。
640 :
マロン名無しさん:03/06/30 00:53 ID:+nhBBQZ4
パオの名前だせばなんでもありだと思ってるんじゃねーだろうな?
そんな手前勝手な理由でスレをいくつも立ててみろ。マロン板住人から袋だたきにされるぞ…
>>640 スレ一覧見てみ?
どれだけイカれたスレッドが立ってる?
パオさんや外伝さんのSSの方が、よっぽど存在価値がある
実際、個人のSSスレッドは存在してるし(どことは書かんが)
>>639 文章は2人とも上手いと思うし、
私は両方とも面白いと思うけど。
あるのは個性の違いだけで。
ある程度の実力以上の違うタイプの職人を、
一々比べるのは辞めた方が良いと思うよ。
腹が立つなら読まなければ良いだけで。
別にお金出して本買った訳じゃないんだから。
職人同士を必要も無いのに比較するのは、止めませんか?
>>639 ぶっちゃけ小説に文章力は関係ありませんよ?
今度の荒らしは手がこんでるな
>>638 そうですな
まあ、そのうち飽きるだろうし
>629
>パオ・外伝氏ともに2ちゃんねるでは最高レベルのSS職人だと思う。
世の中は広い。君はもっと他の板や他のスレ、いや2ちゃんに限らず
SSサイトでもいい。とにかくもっと他所を見た方がいいと思う。
確かにパオの書くものには面白さがあるが、甘さ、拙さはかなり目立つ。
プロじゃないアマチュア同士でも、もっと上手い書き手はいくらでもいる。
外電の人にしたって文章力はかなり高いとは思うが…いくらなんでも
2ちゃん最高レベルとまでは思えない。
つーか、誉め殺し?釣ってるの?
ちなみに俺は二人とも好きだが>パオたち
・・バオは・・を・・使いすぎる・・
「世の中は広い」とかいいつつ、他板だのSSサイトだの言ってるのが痛すぎ。
>>648 お前が釣り師だろ?
>>629がそう思ってるんだから、それでいいじゃないの
だいたいSSにおける巧拙って何?
文章力ですか?構成力ですか?
現にパオや外伝は多くの読者を惹きつけている
それでいいんじゃないでしょうか?
>>648 一つ訂正した方が良い。
アマチュアと、2chは知らないけど
ネットで小説サイトを開いてる人の中でも
パオ氏と外伝氏レベルはほとんどいない、
ネット小説にはまってた時があるから良く解る。
ネット広しと言えどもせいぜい2、3人くらい。
書きたい人が書きたいものを随時書きこんでいく
ここはそういうスレだろ?
そうやっていままで何スレも消費してきたんだし
これからもそう行こうじゃないの。
まあ仮に別口立てるとすれば感想・批評スレがいいとこじゃない?
654 :
648:03/06/30 01:36 ID:???
釣ったつもりはこれっぽっちもなかったんだが…。
ちょっと言いたいことはあるが、、荒れるからよすよ。ごめん。
つーか皆さん、一つのレスに過剰反応しすぎな気が。俺が言うなって話もあるが。
まあ、結局最後は個人の好みに基づく主観の問題だしな。
主張するのは大いに結構だが、押し付け合いはしない方が良し。
っていうか、このスレにSS職人のサイトとか、バオさんと外伝さんどっちが優れてるとか、
そういう話は必要だと思いますか?
世の中にこの二人より優れてる人がたくさんいるからどうしましたか?
このスレに関係有りますか?
俺たちがこのスレを楽しむことにそれが何か影響するんでしょうか?
マジで幼稚園児並の言い争いしかしてないからさ、もうやめようよ
ここのSSは面白い。それでいいじゃないか。
感想述べるのはいいが煽り荒らしはやめようって。
658 :
575の続き(16話):03/06/30 11:11 ID:eE9ATSKD
【第16話 死闘開始!! 五珍の塔】
料理対決。烈の背筋に嫌な汗が流れる。俺たちの中で誰が料理を出来るのか。 ・・最悪、俺が少林寺の滋養料理を作るか。
「料理対決・・。ならば相手は貴様という事か、海原 雄山?」 桃は雄山に問う。だが雄山。またも理不尽に怒り狂う。
「愚民風情が私を呼び捨てとは何事だッ!! 店主を呼べい、店主をッ!!」 だが雄山。怒りが急に消え、寛大に笑う。
「ふははは・・。私が相手をすれば貴様らなどあっと言う間に終わる・・。ヒーローは最後の出番と決まっておるわ!!」
雄山の一人芝居にあっけに取られる人間界精鋭たち。 ・・最早、人間界に帰ろうか、と思い始めているものもいる。
その時。雄山の背後から、人相の悪い若者が姿を現す。 「カ〜カッカッカ。料理は勝負だ・・美味けりゃ勝ちだッ!!」
・・雄山に勝るとも劣らぬキ○ガイっぷりのこの男。中華包丁を狂った様に振り回している。なんとかに刃物とは良く言ったもの。
雄山はその男を指差して言う。 「五珍の塔・第一対決、料理勝負の貴様らの相手・・この男、秋山 醤(ジャン)だ!!」
圧倒される人間界精鋭。但し烈と桃のみ。他の精鋭たちは最早、アホらしくて声も出ない。 ・・しかしいくら馬鹿らしくても。
この塔を突破せぬ限り、オーブは手に入らず、バーンに辿り着く事は出来ない。だが、今のメンツにジャンに勝てる料理人は・・。
「みんな、オレに任せてよ!! おいっしいっよ!!」 急に背後から掛かった声に振り返る烈たち。 ・・そこには。
やたらムカつくさわやかな笑顔を浮かべた、クソ生意気な厨房が一人。 ・・だが、このさわやかバカには見覚えがある。
桃は厨房を見て叫ぶ。 「そうか・・。第一の助っ人とはお前か・・。ミスター味っ子・・! ・・味吉 陽一!!」
2、3スレ分消えおった・・料理対決分・・ショック。
夜に書きます、中途半端ですみません。
あと誰が優れてるとか、文章力とかはどうでもいいじゃないですか。
自分が面白いと思うものだけ読めば良い。
読みたい人は読み、書きたい人は書く。それでいいと思います。
しかしショック・・。ヤムチャ登場まで書きたかったのに・・。
ヤムスレにきてくれ>パオさん
味っ子のフルネームってそんなだったんだ…。
覚えてなかった。
662 :
658の続き(16話):03/06/30 15:36 ID:uMpJcQjM
味っ子とジャンが雄山の言葉を待つ。料理対決のテーマを聞くためにである。雄山。カッと目を見開き言う。
「四の五の細かい事は言わぬ・・。この店で、一番美味いと思う料理を持ってくるがいい!!」
烈。その雄山の言葉に、至極真っ当な反論をする。 「貴様が審判をするのか? 公正でないッ!!」
「やかましいッ!! 不法入国者風情が・・。私が審判をすると言ったら絶対に私が審判なのだッ!!」
周りを圧倒する雄山のわがまま。烈が声も出ない。無理はない。大魔王バーンすら放って置くしかない男だ。
味っ子とジャンが調理場に入る。 ・・早速ハトを絞め殺すジャン。負けずにチビッコ料理で対抗する味っ子。
ジャン。ハトを絞め殺し、その血で作った中華デザートを完成。心臓の弱いお年寄りは一撃必殺だ。
味っ子。クドいピザに生玉子を流し込み、それを油で揚げている。糖尿病患者には最後の一押しだ。
モニターで様子を見ている人間界精鋭部隊。心の底から思う。 ・・あんな不気味な料理は喰いたくねぇ・・。
両者の料理が完成する。赤の皿にジャンの残酷ハトの血デザート。白の皿に味っ子のコレステロールピザ。
試食室の雄山の元へ運ばれる料理。雄山は調理の様子を見ていない。一応、形だけの公平さを演出している。
モニターで料理を見ていたロビン。つい、実もフタもない事を言ってしまう。 ・・料理は普通が一番ね、と。
雄山の前に2人の皿が出される。給仕を勤める美食倶楽部の良三。 ・・天下の美食家の試食に震える。
但し、天下一だの天才だのは、雄山が自分で言い張っているだけである。無理が通れば道理引っ込む。
ひと目、2つの料理を見た雄山。 ・・急に怒り狂い、席を立ち調理場に殴りこむ。 ドスドスドス・・。
足音が雄弁に怒りを表している。ガラッ。調理場の扉を乱暴に開ける。両手に2つの皿を持ち、狂った様に叫ぶ。
「この刺身を作ったのは誰だぁ!!」 絶句する味っ子とジャン。 ・・ええ〜ッ 何言ってんのこの人・・。
663 :
662の続き(16話):03/06/30 15:55 ID:uMpJcQjM
「並の人間ならこの刺身で誤魔化せるだろうが・・。この天下一の食の達人、海原 雄山にこんなモノを出すとは・・」
怒っているのか、自画自賛しているのか分からない。だがその怒りに満ちた表情に、2人のチビッコ料理人は声も出ない。
雄山は赤い皿、ジャンのハトの血デザートを、2人の眼前に出して言う。 ・・怒りながらもどこか得意そうだ。
「この刺身・・。血抜きが十分でないため、刺身の生臭さが抜け切れておらんわッ!!」 いえそれ刺身じゃ・・。
説明しようとするジャン。 ・・だが、雄山の訳の分からぬ迫力の前に声が出ない。 ・・次に雄山はピザの皿を前に出す。
「こっちの皿はもっと悪い・・。せっかくの刺身を油でゴテゴテと・・」 ・・味っ子は既に漏らしてしまっている。
雄山。さすがハッタリだけで料理界の頂点まで上り詰めた男である。 ・・彼が刺身と言ったら、ピザでも刺身なのだ。
「しかし・・。並の食通ならば見過ごしてしまう小さなミスを・・。やはり私は天才だ」 ・・1人で納得する雄山。
ジャン。ついポツリと言ってしまう。アホか、と。 ・・雄山の眼に鬼神が宿る。デンプシーロールからガゼルパンチ。
雄山必殺のコンビネーションで鉄鍋のジャン、死亡。死んだ振りをする味っ子。 ・・一瞥もせず雄山、待合室に戻る。
待合室の烈たち人間界精鋭。雄山と睨み合う。 ・・雄山。怒りの表情のまま、厳かな口ぶりでゆっくりと言う。
「失格だ愚民ども・・五珍の塔一階で貴様らは、この雄山の偉大さの前に終わったのだ・・。消え失せいッ!!」
664 :
663の続き(16話):03/06/30 16:17 ID:uMpJcQjM
まさか人間界最強の精鋭たちが、最初の難関で終わってしまうとは・・。恐るべきは海原 雄山である。
烈や桃は絶望で声も出ない。 ・・だが。この絶体絶命の状況。地上最女神、ニコ・ロビンの一言で一変する。
「食通さんは天下一らしいわね・・。だったら私たちにもその至高のメニュー、ご馳走して下さらない?」
ニコリと笑うロビン。 ・・何故か雄山。さっきまでの余裕が一気に失せている。 「え・・ボクの料理?」
雄山の思考 → ヤバい・・実は料理の事なぞ全く分からん・・実は醤油とソースも区別出来ないし・・
でも、ここは得意のハッタリで何とか誤魔化さないと、私の立場が・・。そうだ!!
「わははは・・。面白い。貴様ら貧乏人に、超一級の料理を食わせてやるわ! この雄山に感謝せいッ!!」
威勢の良さが戻る雄山。 ・・だが、何故かロビンたちと目を合わせようとしない。必死で心のうちで祈る雄山。
上手くいってくれよこのハッタリ・・。雄山は調理場に消える。 ・・どこか背中が震えている気がする。
残された精鋭たちは思う。 ・・至高のメニューか。やれやれ、調理時間が長そうだ。いつまで待つんだろう。
雄山が帰ってきた。消えてから2分も経ってない。あれ、至高のメニューってそんなに簡単に出来るの・・?
桃・九十九・ロビン・烈・飛影の前に、給仕の良三が料理を持ってくる。 ・・え?これが至高のメニュー?
「どうされたかな? これこそが雄山の至高のメニューだ。存分に味わわれるがいい」 得意満面の雄山。
まさか、これが・・。本当に至高のメニュー、なのか・・・?
665 :
664の続き(16話):03/06/30 16:42 ID:uMpJcQjM
目の前にはコップが置かれているだけである。その中に、貧乏臭い水が注がれている。 ・・それだけ。
「何コレ?」 ついタメ口で聞いてしまう桃。だが雄山。フッと笑うと、いつもの雄山節炸裂。
「わははは・・物知らぬブタには分からぬか。万物の根源は水。その水は富士の自然水、日本一の水だ!!」
たかが水だろ・・またハッタリかよ・・。しかし雄山。白い目をモノともせず、コップの水をゴクリと飲み干す。
「おお・・この濃厚で淡白な味わいはどうだ・・。まったりとコクがあり、それでいてしゃっきりぽん・・。」
・・意味分かんねえ・・。だが所詮、道端の雑草でも喜んで喰う、健康優良児の集まりの精鋭部隊たちである。
雄山のハッタリを聞く内に、なんとなくその水が美味い様な気がしてきた。 ・・一人の「本当の」食通を除いて。
「・・ただの水ね、これ。水道水」 ニコ・ロビンが冷静に言う。雄山。その言葉を聞き大きく笑う。
「わははは・・。小娘が、この名水を水道などと・・。私の愛人からやり直せッ!!」 だが。良三は急に。
「すみません、先生・・。実は富士の名水をこぼしてしまい・・。水道水を出してしまいましたッ!!」
凍り付く空気。唖然とする雄山。 ・・次の瞬間。雄山はマシンガンの様に、良三へストンピングを落とし始める。
良三が内臓破裂をして白目を剥いた頃、やっと落ち着く雄山。ゆっくりと精鋭たちに向き返り、優しく言う。
「よくぞ味見テストに合格した・・この水を水道水と看破するのが、本当のこの階の関門。私の演技を見破るとは」
とってつけた様な理屈をつける雄山。 ・・精鋭部隊の目の前の扉が開き、階段が現れる。雄山は言う。
「行くがいい・・。だが2階は貴様らでは絶対に突破出来ん・・。抜けられぬ理由があるのだッ!!」
雄山のその言葉を背に、二階へと向かう精鋭部隊。 ・・五珍の塔第一関門・料理対決、突破。
666 :
大豪院パオ ◆rQ8IySfmBE :03/06/30 16:45 ID:uMpJcQjM
消えた分だけ書いて見た。せっかくの代休なのに・・。また2、3日後書きます。
ところで、前回外伝さんが書いた後、いつも書いて下さる後書きが無かったなあ。
私のせいでスレの雰囲気が悪くなった為であろうか・・。心配。
休みだってのにご苦労さん。いや面白かったぞ。
雄山に殺されるジャンと桃のタメ口が最高のツボだった。
>ところで、前回外伝さんが書いた後、いつも書いて下さる後書きが無かったなあ。
>私のせいでスレの雰囲気が悪くなった為であろうか・・。心配。
考えすぎだ。気にスンナ。
なんか電波系SSみたいだな>vs雄山
電波系といえばエロゲネタまだかな
そろそろ書いてくれるのかな。
>>パオ 面白かった、乙。コテハンもパワーアップしましたね。なんか強そうだ
vs氏が乗り移ったかのようだ>ぱお
672 :
マロン名無しさん:03/06/30 21:43 ID:vlOrOx8C
673 :
665の続き(17話位):03/06/30 23:12 ID:uMpJcQjM
【第17話 救世主降臨】
獣。獣臭。一歩、また一歩と階段を駆け上がる度に、獣の臭いが強くなる。 ・・2階にはどんな野獣が待つのか。
だが。その獣臭。 ・・トラやライオン、狼という景気の良い動物の臭いではない。敢えて言うなら、犬。ワンコロ。
それも負け犬・弱犬の臭い。 ・・ゴミ捨て場で、残飯を漁っているあの犬の臭いである。鼻の曲がる九十九たち。
ついに2階のドアをくぐる人間界精鋭部隊。 ・・そこには、なんと1階で置き去りにした海原 雄山が待っていた。
「わははは・・。遅いわションベンハゲども!! この天下一の芸術家、海原 雄山を待たせるとは何事だ!!」
最初は機嫌良く笑っていた雄山だが、その内に自分の言葉に興奮して、何故か怒り出す。まったく迷惑な男である。
「いつの間にここへ・・テレポートでも出来るのか、アンタ?」 思わず雄山に訊く烈。雄山は笑って応える。
「貴様ら一般人と、天才の私を一緒にするな・・。この海原 雄山に不可能は無いッ!!」 自画自賛の雄山。
とにかく自分。自分中心。ビバ雄山。雄山にあらざるば人に非ず・・。さわやかな程、自分中心主義の雄山という男。
その雄山。キッと目付きが変わる。 「貴様らの進撃もこの2階まで・・。さあ出でよ、2階の戦士ッ!!」
雄山の叫びに呼応して、現れる3人の男。全員白いフードで身を隠している。 ・・超武闘派の烈が身構える。
「敵は3人か・・。面白い、私一人で充分だッ!!」 暑苦しいくらい気合を入れる烈 海王。 ・・だが雄山。
「また貴様かガングロッ!! この塔は、バトルバカの貴様の出番は無いわッ!! 勝負は別の方法だ・・。」
その時。3人の白フードの男たちが、次々とフードを脱ぎ捨てて正体を現す。そして男たちは、己の名を雄々しく叫ぶ。
674 :
673の続き(17話位):03/06/30 23:34 ID:uMpJcQjM
左端の男。 「オレノ名ハ・・最凶死刑囚、シコルスキーッ!!」 負け犬臭を発散させ、堂々カミングアウト。
右端の男。 「俺は最強のセイント・・。ユニコーンの邪武ッ!!」 立ち眩みしそうな負け犬臭が辺りを包む。
真中の男。 「そしておれがリーダー・・。正義超人代表、ウルフマンッ!!」 最早、失神寸前の精鋭部隊。
近付きたくねぇ・・。そんな思いが精鋭部隊5人の胸に渦巻く。なにか病気を移されそうな、マイナスのオーラ。
だが雄山。ニヤリと笑うと、精鋭部隊に取って、絶望的な言葉を吐く。 ・・強過ぎる彼ら故の、突破不可能な勝負。
「わははは・・。五珍の塔・第2対決は・・痛みを知らない大人が嫌い・・。 ヘタレ勝負だッ!!」
ヘタレ勝負・・。ダメだ。この闘いは勝てない。精鋭部隊は、対バーン用に選りすぐられた最強者の集まりである。
常勝のエリートファイターだけで構成されている。 ・・「ヘタレ」などという事は考えた事すら無い。
なんと、あの九十九がジリジリと後退している。「無敗」がセールスポイントの彼に取って、絶対付き合いたく無い人種。
ヘタレは伝染するのだ。今流行りのヤバい病気みたいに。 ・・海原 雄山。勝ち誇った様に大きく笑って言う。
「わははは・・。今度こそ貴様らに為す術はあるまい。とっと消え失せいッ 私の魔界から!!」 ・・だが、その時。
カツーン。カツーン。 ・・何者かの靴の音。誰かがこの2階に上がってくる。誰だ? ・・まさか・・第2の助っ人?
ドアがギィ、と開く。現れた謎の男。その男は静かに一言言う。 「ハナクソの秘密を、そっとはなくそう・・」
海原雄山。シコルスキー。ユニコーンの邪武。ウルフマン。そして精鋭部隊5人。 ・・その最強助っ人を息を呑んで見る。
「き、貴様は・・地上最ヘタレとも、神の領域のヘタレとも呼ばれる伝説の男・・!! ヤ・・、ヤムチャ!!」
次の瞬間。シコルスキー、邪武、ウルフマンの3人は一斉に床に頭を擦り付けていた。 「参りまつた、かないません」
地上最強(但し、この対決のみ)の助っ人ヤムチャ。 ・・わずか3秒にて、強豪3人を一刀両断す。まさに救世主。
675 :
674の続き(17話位):03/06/30 23:51 ID:uMpJcQjM
圧倒的な格の違いを見せ付けて、第2対決・ヘタレ勝負を制したヤムチャ。しかしこの虚しさは何だろう。
雄山が精鋭部隊を睨み言う。 「なんと卑怯な連中よ・・。子供のケンカに親を出すとは・・。」
顔を真っ赤にする九十九たち5人。「反則」。そんな言葉が脳裏に浮かぶ。どこか罪悪感があるのは何故だ。
コガネムシの争いの中にオオクワガタを出してしまった様な。 ・・ヤムチャはヘラヘラ笑っている。
確かにこの男がいなければ、この階は突破できなかった。 ・・だが、無性にヤムチャをフクロにしたい烈。
「いやー江田島さんが是非助っ人にってね、どうしてもオレの力が必要だって・・」 得意げなヤムチャ。
・・殺してぇ・・。 必死に自分を抑える烈。ヤムチャの肩に右手を置き、ゆっくり言う。殺気を込めながら。
「ご苦労だった・・。このまま回れ右をしてまっすぐ帰れ・・。すぐにだッ!!」 腰を抜かすヤムチャ。
烈の迫力に、必死に逃げ帰るヤムチャ。烈はふと思う。 ・・この世であれほど「敗走」が似合う男はいまい。
・・とにもかくにも五珍の塔2階、ヘタレ対決を突破。精鋭部隊はある不安を必死に振り払い、3階へ急ぐ。
俺たち、人間界に残った方が良かったんじゃないか・・。
その人間界の「関が原決戦」。いよいよ終息が近付く。まずは。 ・・松尾 象山 対 宮沢 鬼龍の決着である。
676 :
拳王パオウ ◆rQ8IySfmBE :03/07/01 00:00 ID:s9BNVtgv
とりあえず書ける時に書いておかなくては、という事でカキコ。
VSさんにちょっと影響を受けてるのは確か。あの方はネタは勿論、表現方法もスゴいから。
雄山やヤムチャ、そして3階の異種対決はトーナメントの時からネタを決めてたんですが。
正直、4と5階は対決は決まってても内容は決まってない。ま、なんとかなるでしょ。
関が原を最後まで書くのかな。また空いちゃいますが。北斗対男塾ほったらかしだなぁ。
ネタはあるんだが。うーん。 ・・ではまた。今週、もう1回か2回書きます。
>>600 振り返った柳は、そこに形容しがたいものを見た。
「・・・・・・・・なんだ?」
その形状を無理やり言葉にするならば、人間の大脳としか言いようがないものが、そこにあった。
薄いクリーム色のぶよぶよした塊が、左手に床を突いて硬直している大河内、その顔面にへばり
ついていた。
見れば、その脳味噌に似た何かの下部―人間のそれでいえば脳幹や視床下部のあるあたりから、
クラゲかイソギンチャクを思わせる半透明の触手を無数に伸ばし、それが大河内の頭部のあらゆる
部位にめりこんでいた。
普通なら叫び声の一つでもを挙げてよさそうな大河内は、凍りついたようにその場に留まったまま
だった。
そしてその向こうでは、柳により止めを刺されたときの姿勢のまま、大友が蹲っている。
―ただし、首から上が綺麗さっぱり消失して、周囲にその名残を放射状にぶちまけていたが。
ぐき、ぐき、ぐごん。
大河内の口に取り付いた触手が上下にばっくり別れ、そのまま彼の口を限界一杯まで開こうとし、
ほどなくして鈍く、重いが脆さを感じさせる音がして、大河内の顎が外された。
脳味噌もどきは、己の触手がなした仕事の成果を見聞するかのように、だらりと垂れ下がった
大河内の下あごまで移動する。
しばらく、触手をもぞもぞと動かしていた脳味噌もどきは、決心―この物体に心というものが
あればだが―したのか、いきなり動きを早くした。
脳味噌に似たその何かは、全身をぶるぶる震わせ、体液―おそらくは、宿主であった大友のもの
だろう―を、びちゃびちゃと撒き散らし、ぐねぐねと大河内の頭部をはいずりながら、この哀れな
老人の口へとその身体を無理やり押し込めようとしている。
と、一瞬だけ、その動きが止まった。
次の瞬間、その頂点―人間の大脳でいえばツムジに当たる部分が音もなく開き、真っ赤に充血した
眼球がぎろりと剥き出しになり、柳を睨みつける。
その視線は、まさしく殺意と衝動を余すところなく溢れさせたものであった。
>>677 「乗り移るつもりか・・・・・?」
さすがにあっけにとられた表情の柳が、脳味噌もどきの動き、その意図を察して呟く。
常人であれば腰を抜かして思考停止に陥るしかない情景を目の当たりにしながらも、彼の頭は
冷静に回転を続けていた。
なんとまあ、大友を操っていたのは薬物などではなく、本当の生き物だったのか。
私も、暗殺を生業とするようになってからの数年間で、いろいろ信じられない物をみてきたつもり
ではあるが、こんなのは初めてだ。
人間、生きていると不思議なことを目の当たりにするものだ。
我が師―国松先生であれば、いったい何というだろうか。ああ、たぶんまずあの変な笑いをあたりに
ぶちまけるところだろうがな。
・・・と、感心してばかりはいられないな。
さて、どうしたものか。
バスケットボールを一回り小さく、そして半分にしたような―つまり、人の大脳とまったく大きさのそれ
が、何をどうやったのか、己の体の半分以上を大河内の口内にもぐりこませつつある様を見つめながら、
柳は殆ど視線を動かさずに周囲を探った。
そうしている間にも、入り口に取り付いた連中の数は増えつづけている。
背後から激しい音がしきりに響くのは、強引にあの大扉をぶち破ろうとしているからに違いない。
彼等の素性が明らかになったのは、わずかに開いた大扉の隙間、そこからなだれ込んでくる
拡声器の歪んだ声によってであった。
>>678 「警察だ!ただちにこの扉を開けなさい!繰り返す、警察だ・・・・・・・!」
無理やりこじ開けようとしておいて、よく言うよ。
こんな状況であるにもかかわらず、柳は嘲笑に近い笑みを浮かべて思った。彼なりの諧謔である。
ともあれ、あの扉が開くまでにはまだまだ時間がかかるだろう。あと5分程度くらいは。
となれば、まずは。
柳は、瞬きするほどの速さで状況判断を終え、間髪入れずに倉庫の隅へと向けて走りだした。
まずは、目の前のよくわからない物体をどうにかすることだ。
鼻から下が、まるで風船のように膨れ上がった大河内。
その全身は小刻みに震え、眼球は今にも飛び出そうに大きく見開かれて、頭部は痙攣を起こして
いるかように間断なく前後左右にゆすぶられている。
だが、そうした動きが、もはや大河内佐武郎その人の自発的な意識によるものでないことは、見る
からに明らかであった。
ぶじゃぁああああっ。
ゴムマリのごとき様相を呈していた大河内の顔面下部、そこが急激に収縮すると同時に、
大河内の口と鼻から、クリーム色の柔らかい物体が血液にまみれて吐き出された。
身体を、今度は前後に動かしつつ、大河内―すでに、組織暴力団組長としての彼は死んでいる―
の肉体から、大河内をまさに大河内たらしめていた器官―大河内の大脳を、後から後から体外
に排出している。
時間にして10秒ほどであっただろうか。
大河内の脳を全て吐き出し終えた"それ"は、少しの間蹲ったまま、凝固していた。
「う゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛・・・・・・・・」
口から、聞くものの心を限界まですり減らすような、なんとも形容のしがたい唸り声をあげ、ゆっくりと
自分の身体の調子を確かめるように立ち上がる。
ぎょろりと倉庫を見渡すその目つきは、すでに人間のものではなくなっていた。
「私はここだよ、組長」
背後から、いやに快活な柳の声がした。
>>679 そ こ か ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ! ! !
声のしたほうを目掛け、弾丸のような勢いで大河内―に取り付いた脳味噌もどきは駈ける。
老齢もいいところの大河内、その肉体が、あまりに急激な酷使に悲鳴をあげ、見る間に
あちこちが壊れだすのもいとわずに。
倉庫の奥、壁を背にして、立ちはだかる柳を認め、大河内であった何かは、さらに速度を
あげ、あっという間に柳との距離を詰める。
も う 少 し だ 。 も う 少 し 。 も う 逃 が さ な い ぞ 、 人 間 め 。
だが、大河内に取り付いた何かは気づくのが遅すぎた。
倉庫の奥の、あえて逃げ場所が少ない位置に、何故柳がわざわざ移動したのかを。
そして、彼の右手に、何か細長い棒のようなものが握られ、左手からは平べったい
缶のようなものがぶらさがっていることを。
大河内に取り付いた何かが、これまでとは違う柳の姿に異変を感じ、わずかに速度を落した
まさにそのとき。
眼前2メートルほどの距離にまで迫っていた柳の姿が、ふいに掻き消えた。
次の瞬間、大河内に取り付いていたものは、己の後頭部に強い衝撃を受ける。
それが、倉庫の中にしつらえられていたバラック、その構造材たる鉄パイプであることを、
大友の身体に巣食っていたときの記憶に基づいて判断したとき、柳の繰り出した鉄パイプは、
狙い過たず、大河内の後頭部を貫通し、左の眼窩をぶち抜いて外に飛び出していた。
「空道槍手、一ノ型―鎧通」
皆様こんばんは。外伝担当でございます。
えーと、先日は何もレスをつけないまま更新だけいたしまして、ご心配をおかけしました。
理由というのが、余計なことはしないほうがいいかな・・・・というあれでして、
ひとまず、あれ以上のレスはやめておこうかと、そういう次第でございます。
まあ、一日たったから、もういいかなと思いまして、レスさせていただきました。
ところで、
>>599の「くぅぅぅむぃぃちぃぃぃいょぉぉぉぉぅぅぅぅ・・・・・・」ですが、これは「組長」
ですね。
>>458の柳の台詞「組長、どうやら新手だ」が、大河内の異常をきたした聴覚にはそう
聞こえたということです。「気持ちいいよう」には思わず私も笑ってしまいましたが。
あと、大河内が頼むはずの助っ人ですが、これは、まあ、経歴イコールの人間ではありません。
今のところはそういうことで。
>>669 とりあえず書きはしましたが
あと40文字がどうしても削れません。マジ頭かかえてます。
ご両人のお話は相変わらず冴えてますな。うらやましい。
昼下がりの教室。パソコンの前に人だかりができている。
民明書房の営業にそそのかされて150万円で買ったはいいが
使い方が分からず途方にくれた江田島が、1号生の教室に投棄したものだ。
限りなくオランウータンに近いキャンパスライフをおくる男塾の塾生が
座席のパソコンを新入生と勘違いしたのも無理はない。
挨拶しても返事はない。酒をふるまっても口もつけない。こいつはシメる必要があると
いうことで、殺気だった連中がパソコンを取り囲む。そこへ、学内一のインテリを
自認する田沢がやって来た。瞬時に状況を把握し、無知なる学友に真実を告げる。
これは「ぱそこん」という伝説の大量破壊兵器で、「えろげー」という
オプションを装着することでパワーが何万倍にも跳ね上がるのだ!ガッデム!
どよめく教室。吹きぬける潮風。こいつがあれば男塾が天下をとれる!
「えろげー」の正体は田沢にも分からない。謎を解明すべく、会議が開かれた。
「えろ」はエロのことだろう。女人禁制の塾生にとっては
生物学上メスであれば、クワガタだろうが瀬戸内寂聴だろうが性の対象である。
パソコンの上に座布団を敷き、角のたばこ屋のババアを全裸にひん剥いて座らせた。
これで「えろ」はクリアした。問題は「げー」だ。
ゲロ?武器としての効果はあるだろうが、エロと組み合わせるには
マニアックすぎる。ゲイ?ホモのエロで喜ぶのは男爵ディーノぐらいだろう。
またも田沢がしゃしゃり出た。ドイツ語で「げー」といえば「G」のこと。
「えろじー」つまり「エロ爺」、エロじじいを指しているのではないか?
前半部分のウンチクがまとも過ぎる!などと突っ込みを入れるのは素人。
プロのクソ馬鹿集団である塾生は田沢の言説を真っ向から信じ込み
マイペースで茶をすするババアを蹴り飛ばして大豪院邪鬼を代わりに座らせた。
ペンティアム100MHzのFMVをひと呑みにする邪鬼の迫力に息を呑む一同。
これが「えろげー」か!
教室の隅で剣がノートパソコンをいじっている。虎丸が覗きこむと
実際やったら体中の関節が外れそうな体位の男女が画面に大写し。
「なんだそれ?」
「エロゲー」
真のエロゲー様の降臨だ!みんなで剣を胴上げする。男泣きの剣。
取り残された邪鬼とババアが茶をすする。世間話に花が咲く。
男塾の夜は更けていく。
>変な笑い
変にこの部分がおかしくてワロタw
やっと3巨頭が揃い踏みだ わ〜い。
あと夜王さんだけか。あ、あとふら〜りさん。
しかしここの人たちは無駄に凄い才能だなぁ
いや、褒め言葉です。
やっと前の雰囲気に戻ってきた。
四天王も3人まで戻ってきたし。
祝いあげ
>>パオさん
VSさんのはブッ切れてて完全に異次元空間を形成してますが、
パオさんのはかなり原作そのままの彼らが頭の中に浮かんでくる、
そんなところが楽しいです。怯えて(嫌がって)後ずさりする
九十九なんて、ここでしか観れませんよね〜。事態はちゃんと緊迫
してるのに、ってとこがまた。あと、三人+一人の人選もさすがです!
……邪武はちょっと、可哀想な気がしないでもないですが。
>>外伝担当さん
思いっきりスプラッタでホラーで、血塗れ一直線! ……なのに
全然動じない柳。人以外の生物と、人を超えた人の戦いって
感じがします。外伝さんの柳は、単純な戦闘能力以外のところも
凄く強いですよね〜。でも超能力者じゃないし、勇次郎ほどバケモノ
でもない。うむ、カッコいい。
>>VSさん(です……よね?)
さりげなく、桃を「剣」って呼んでるのが、何だか楽しい。
塾長がパソコンと格闘して敗れた姿を想像すると、ほのぼの。
しかし何よりも、あの塾で一人黙々とエロゲーやってたのか桃っ!
ハチマキでダンビラで! かなりコワいぞその姿はっっ!
>>夜王さん
という訳で、帰ってきて頂けると嬉しいです〜。今なら外伝さんと、
激痛描写勝負(?)ができそうですよっ。
夜王さんの帰還を願って・・・
691 :
マロン名無しさん:03/07/02 12:28 ID:DVACA+Uw
あげ
今日は誰も来てないか・・。残念。
とりあえずあげ
ヤムチャがこなかったら
雄山は3人にどんな闘い方させようとしてたのだろう…
694 :
マロン名無しさん:03/07/02 20:24 ID:DrhMdmeb
大河内さぞかし無念だろうな(哀
>>689 >しかし何よりも、あの塾で一人黙々とエロゲーやってたのか桃っ!
>ハチマキでダンビラで! かなりコワいぞその姿はっっ!
あのハチマキは実はティッシュなのです。
あのダンビラも実はバイブなのです。「天より高く」の男色任侠漫画家と
桃はマブ勃ちなのです。
想像してsage
>>680 腰を低く落とし、大股でダッシュをかけ、十分に間合いを詰めた後に腰を捻り、右腕を突き出す。
そのプロセスが全て絶妙のタイミングで組み合わされた結果、柳の繰り出した鉄パイプは、
大河内の延髄と頚骨、そして頭蓋にとりついた"それ"と左の眼球全てを軽々と打ち抜き、
あまつさえ倉庫の柔らかな壁面にまで食い込んだ。
さながら、航空母艦に装備されている蒸気射出機で鉄材を打ち放ったかのごとき一撃をうけた
大河内は、轟音と共に倉庫の壁に叩きつけられ、鉄パイプで繋ぎとめられる。
だが、大河内の肉体はそれでもなお動きつづけていた。
人間であれば、そう、人間であれば確実に即死しているであろう柳の槍術―空道では槍手と
呼称する技を受けても、まだ抵抗を諦めずに手足を動かし、どうにかしてこの縛めから逃れようと、
あがきつづける大河内。
その老博徒であった人体を、柳は何の感情も含まぬ冷たい視線で見下ろしていた。
生きたままピンで標本箱に封じ込められた昆虫を思わせる、無秩序で無意味な動きを続ける
雇い主(だったもの)に向かって、柳は呟いた。
「敢闘精神は誉めてやるよ、化物め」
そして、柳は左手にぶら下がっていた平べったい物体―金属製の携帯型燃料容器、通称ジェリ缶の
キャップを外し、中の液体を壁に張り付く物体へ向けて振り掛ける。
「雇い主に手を出しやがって。飯の食い上げになってくれたらどうするんだ」
>>696 うっすらと赤みのまじった、いやに透明度の高い液体が大河内の肉体に満遍なく降り注ぎ、
そこから立ち込める鼻を突く刺激臭が、慣れない人間であれば思わず涙ぐんでしまいそうなほど
の濃度であたりに漂い始めた。
その正体を知ってか、あるいは知らないまでも何か致命的な事態が進行しつつあることを悟ってか、
大河内の動きが一段と激しさを増す。
無言のまま、手足だけをいたずらにばたつかせる大河内のその様は、滑稽なほど無意味であり、
同時に、確実に訪れるであろう彼の運命を考えれば、その滑稽さゆえになんとも言えず悲壮な眺め
だった。彼が―正確に言えば、彼に取り付いた何かが今までなした所業を考慮に入れても、なお。
そして、大河内の奮闘も空しく、がっちりと壁に食い込んだ鉄パイプはわずかに上下するだけで、
いっかな彼を自由にしてくれそうにはなかった。
がらん。がたがたん。
中身が空になったジェリ缶を無造作に投げ捨てた柳は、倉庫の入り口を振り返った。
「5分と思っていたが・・・・警察め、なかなかいい仕事をしているな」
倉庫入り口の大扉。
錆付き、もはや本来の用途をなさなくなったはずの大扉。
そして、その役立たずさゆえに今の今まで最良の障害物として警官隊の前に立ちふさがっていた
大扉が、ゆっくり、ゆっくりと開き始めていた。
>>697 きしるような音を立てながら、大扉がじれったくなるようなのろさで外界の力に屈しようとしている。
1分もすれば、人間一人くらいは身体を通せるスペースが出来上がるだろう。
そのあとには、少なくとも1個小隊はあろうかと思われる警官隊の突入だ。それは間違いない。
―と、わずかに開いた大扉から、金属音が響いた。
見れば、鍵爪のような物体が開き始めた大扉の口に引っ掛けられている。
どうやら、ウインチか何かを用いて、一挙に扉を開ききってしまおうという魂胆らしい。
殺ってしまおうか、な。
柳は、大扉に視線をやりながら反射的に考えた。
しかしながら、そう考えると同時に、今の思い付きは否定されるべきだと内心の理性がたしなめる。
確かに、物理的には問題なかろう。
だが、その過程で警察、あるいは間違いなく彼等に張り付いているであろうマスコミによって、私の
顔が記録されてしまう可能性がある。
いかな空道とはいえ、20人からそこらの人間を一瞬にして屠り去るだけの技はない。
まあ、警官隊を皆殺しにするには、早く見積もって1分もあれば十分すぎるほどではあるが、
誰かがたまたま(あるいは職業上)携行しているカメラのシャッターを押してその場を逃げ出す時間と
しても、やはり1分は十分だ。
となれば、ここは退く手だな。
そのためには。
柳は、倉庫の一角に目を留めた。
そこには、大友を拘束し、監視し、そして拷問すべく集った組員達が乗りつけた乗用車とオートバイ
があった。どうやら、この倉庫は盗品保管所としての役割のほかに、組員達にとっての物資補給所
としても稼動していたらしく、車の傍らには中身の詰まったジェリ缶やドラム缶がいくつか並べられて
いる。(先ほど大河内にぶちまけた液体、それが詰まったジェリ缶は、その中の一つだった)
2段構えで行くか。
結論を出した柳は、大股で、まずは乗用車目掛けて歩み寄った。
>>698 「やれ!」
倉庫の大扉、その開きかけた口に取り付いた警官隊の指揮官による号令とともに、チェーンで
鍵爪と結ばれたウインチが唸りをあげた。
一拍遅れて、わずかにたるんでいたチェーンがびしんと張り詰め、急激に加えられた外力に抗う
かのようにぶるぶると震える。
だが、チェーンが止まっていたのはわずかな時間であった。
さすがに強力な発動機を使用しているだけあって、これまで梃子やバールを用いて悪戦苦闘しな
がらもちょっとずつしか開かなかった倉庫の大扉が、最初はゆっくりと、そして見る間に勢いを増して
警官隊の前に屈服しつつある。
人が通れるだけのスペースが出来たのは、それからわずか10秒後であった。
「警部!」
指揮官の傍らに控えていた警官隊の一人が、指示を求めるように呼びかけた。
無言のうちに、早く突入命令を出せと迫っている。
「まだだ」
指揮官―渋めのトレンチコートをいくらかぞんざいに着こなし、60年代のこのときですらいささか
時代遅れになりかかっていたソフト帽を目深に被った40がらみの警部は、撥ね付けるかのような
口調で答えた。
「今突入しても、一人ずつしか入れん。危険すぎる」
付け加えながらも、彼の拳はぎゅっと握り締められ、小さく震えている。
本当は、彼が先陣を切って飛び込みたかったのだ。いったい中で何が起こっているのか。
わずかに開く扉からなだれ出るおかしな臭いと、異様な空気からも何かよくないことが起こっている
のは容易に把握できる。それを、一刻も早く確かめたい。彼はそう思っていた。
しかし、彼の、警官としての本能が、今うかつに踏み込むのは危ないと告げている。
「もう少し開けて、投光機が中に光を入れることができるようになれば―」
中の状況が把握できる。それまではうかつに飛び込むな。
彼はそう続けようとした。
そして、彼は自らの判断が誤りでなかったことをすぐに知らされることとなる。
>>699 静まり返っていた倉庫の奥から、エンジンの咆哮が沸き起こった。
少なくとも、警部の耳には、すぐ近くで唸りを上げるウインチの発動機音と、周囲の喧騒を
通して、はっきりとその音が聞こえてきた。
同時に、倉庫の一角から、2つの強烈な光芒が入り口目掛けて照射される。
間違いない。乗用車のヘッドライトだ。
それに気づいた警部は、反射的に大扉に目をやった。
ウインチの威力はすさまじく、今や錆付いた大扉は後少しで乗用車が出入りできそうなほどに
まで開きかかっている。
後少し、というのは、つまり今このときにおいてはまだ乗用車を通すだけのスペースがないと
いうことだ。
逃げるつもりか。
「させんぞ!」
思わず叫んだ警部は、反射的に右手をさっと上げた。
「第1小隊―」
突入せよ!
あらゆるものを、その声だけで威圧しかねないほどの声量と迫力に満ちた命令を、警部が下そうと
したまさにその瞬間。
倉庫の乗用車が、悲鳴のようなスリップ音もけたたましく、倉庫の入り口目掛けて急発進をかけた。
ヘタレといえばラディッツは出る幕無しか
ヅャギも。
レオパルドン
>>700 それから、あらゆることが瞬きする間に発生した。
警部の命令を今や遅しと待ちあぐねていた警官隊が、罵声に近い鬨の混声合唱と共に倉庫の中へ
と踊りこもうと身構える。
しかし、乗用車の突進は、警官隊の行動よりもわずかに早かった。
倉庫という密閉空間ゆえ、通常よりもさらにその獣性を剥き出しにした乗用車のエンジン音がさら
なる高まりを見せ―あっという間に、開ききりつつある大扉のスペースへと突っ込む。
だが、その乗用車が大扉の隙間をすり抜けて外界に脱出することは叶わなかった。
ほんの数十センチ。乗用車の全幅からわずかに足りない、一メートルにすら満たない距離。
その、わずかな間隔が開いていなかったばかりに、乗用車は大扉が形作る空間に無理やりその
ボディをねじ込ませつつ前進する結果となった。
あたりを聾する金属製の絶叫と共に、そのボディをぐちゃぐちゃにゆがめながら、乗用車は与えられ
た運動エネルギーをフルに使い切るべく、なおも前進を続ける。
だが、大扉をゆがめ、それ以上に自らを壊しつつ突撃を継続していた乗用車の動きは、倉庫の外に
そのボディの前半分を乗り出したところで止まってしまった。
フロントウインドウに真っ白な蜘蛛の巣状のひび割れが走り、ボンネットをパックリ開けて、斜めに
傾いで停止した乗用車―ドイツの国民的名車、フォルクスワーゲン。
あまりに予想外の出来事に、一瞬だけ硬直した警部は、次の瞬間そうした自分を叱咤するように
ワーゲンの運転席目掛けて駆け寄った。
この時代、まだまだ高価な輸入乗用車を、惜しげもなくスクラップにした阿呆は一体誰だ。
心の片隅でらちもないことを考えながら、半分だけ自分達の世界に身体を突き出したワーゲンの
運転席を覗き込む。
どうあれ、中の奴はきっと大怪我をしているに違いない。警官よりも、医者か。
「・・・・・・なんだと!」
そう思いながら中を確認した警部は、思わず叫んだ。
>>704 運転席には、誰もいなかった。
全身から血を流し、体中の骨という骨をへし折られて虫の息であるはずのドライヴァーは、幽霊の
ように掻き消えていた。
いや、ドライヴァーが消えたのではない。
よく見れば、ハンドルにワイヤーが巻きつけられ、アクセルには、鉄パイプのようなものが運転手
から見て縦の方向に座席に固定されている―アクセルを踏みっぱなしになるように。
一体、何のために。
警部が、思わず眉を吊り上げたちょうどそのとき。
倉庫の奥の、まだ外からはよく見えない一角から、突如として不自然に赤い炎が爆音と共に噴き
上がった。
「しまった!」
奴は、時間稼ぎに車を突っ込ませたのだ。
警部は、そう断定した。
根拠も何もない。ただ、彼の警官としての知識と経験により培ったカンだ。
そして、そのカンは滅多に外れたことなどない。
奴は、車で逃げるつもりでなく、ほかの手段で脱出するつもりだ。いやその前に、倉庫を燃やして
証拠隠滅を図ろうと。
警部が、まったく無意識のうちにスーツの内懐―ベルトのホルスターに納まっている彼の拳銃を
抜こうとしたとき。
乗用車が急発進をかけた場所と同じ一角、倉庫の中で踊る炎に照らされて何か黒々としたものが
固まっている一角から、今度はさっきよりも遥かに重いエンジン音が響いた。
>>705 エンジン音の正体―ハーレー・アンド・ダヴィッドソン社製の大型自動2輪車は、前照灯を煌かせ、
先ほど突っ込んできたワーゲンのリアを目指して一挙に加速した。
「危ない、ぶつかるぞ!」
警官隊の中から、怒号とも注意ともつかぬイントネーションの叫び声が上がる。
違う、奴は計算ずくだ。
声には出さずに反論しつつ、警部は拳銃を引き抜いた。
ハーレーは、まさしく警部の予想通りの挙動を示した。
まっすぐ、なんのためらいもなく、放たれた矢のようにワーゲンのリア目掛けて加速を続ける。
あとわずかでワーゲンに突っ込むかと思われた瞬間、ハーレーはエンジンの唸りを一気に上げて
前輪をふわっと浮かせ―ワーゲンのボディが作り出す滑らかな曲線に乗り上げて、大きくジャンプ
した。
まるで、ワーゲンを踏み台にするかのように。
宙を舞いつつ、倉庫の中から踊り出す鋼鉄製の駿馬。
警部は、その職責からすればあるまじきことではあるが、一瞬その姿を美しいと思った。
入り口に半円形を描いて陣取る20名の警官隊、その頭上を軽々と跳躍し、10メートル近い距離を
舞ったハーレーは、巨大な土嚢を地面に叩きつけるような音と共に着地した。
>>706 「そこを動くな!」
スライドを引き、初弾を機関部に送り込んだ拳銃―コルト・ガヴァメントM1911A1を構え、警部が叫ぶ。
着地後、後輪を巧みにドリフトさせつつ姿勢を安定させて停止したハーレー、そのサドルに跨った
若い男は、ヘルメットとゴーグルに顔の上半分を隠していたが、警部の声に、露なままとなっている
顔の下半分を笑み崩れさせた。
「仕事熱心だね、おまわりさん」
「うるさい!」
油断なくガヴァメントを構えながら、警部は大股でハーレー目指して歩み寄る。
一歩進むごとに、警部の目指している若い男から発散される異様な空気が強く感じ取れる。
警部は内心でとまどっていた。
・・・・・な、なんだ・・・・この異様な感じは・・・・・・?
彼は、警視庁に奉職して20年になる。
その間、数え切れないほどの凶悪犯や知能犯に手錠をかけ、警視庁では知らぬものとていない
敏腕警察官だ。
しかし、今眼前にしているこの小柄な男は、彼がこれまで相手にしてきたどんな犯罪者とも違っていた。
どこが、とはうまくいえない。
だが、何かが決定的に違う。こいつは、そこらのチンピラとはけた違いの野郎だ。
警部の額に、じっとりと冷たい脂汗が流れた。
>>707 「おまわりさん」
そんな警部の戸惑いをよそに、若い男は続けた。
「悪いけど、私は捕まえられないよ」
「逃げたら撃つ!」
内心の動揺を悟られまいとしてか、警部はさっきよりもさらに大きくした声で警告した。
並みの犯罪者であれば、その時点ですでに諦めてしまうような、迫力に満ちた声だった。
にも関わらず、眼前の若い男は、まったく意に介する風もない。
「何故かわかるかな」
警部は、今度は無言だった。
そのころになって、ようやく動揺が収まった警官隊が、じりっと若い男目掛けて輪を作り始める。
もう数秒もすれば、この男は再び警官隊に包囲されることとなるだろう。
それに加え、今この俺が拳銃を向けている。警視庁の射撃大会ではいつでもトップを独占していた
この俺が。こいつが逃げられるはずはない。動けば撃つ。
警部は、男の言葉がハッタリに違いないと決めつけた。
内心の奥底では、その決めつけが胡散臭いものであるとわかってはいたが。
「さっき、倉庫にある全てのガソリンに火を放ってきた」
男は、右手で倉庫を指差した。
「もうすぐ、ドラム缶のガソリンに火が廻ると思う・・・・・・」
その言葉に、警部は反射的に後ろを振り返る。
そして警部は、燃え上がる倉庫、その中にドラム缶がいくつか鎮座しているのをはっきりと認めた。
同時に、炎の帯がそのドラム缶を舐めまわそうとしているのも。
「たっ、退避ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」
警部は、反射的に叫び―その命令が実行に移されてまもなく、倉庫の全体は大音響を放ちながら
一挙に紅蓮の炎で包まれた。
皆様こんばんは。外伝担当でございます。
今日は、いつもより多めに更新させていただきました。
そのせいで、いくつか粗がございますが、その点は何卒ご容赦いただきたく思います。
ともあれ、これで第1部と申しますか、柳@前編にけりがつきました。
この後、長めの幕間をアップさせていただきまして、柳@後編へと移ります。
(前スレの予告編で出しましたシーンは、全て後編に持ち越しとなります)
幕間のほうは、たぶん10レスはいかないかとおもうのですが、現段階ではなんともいえません。
あと、今後の方針について覚書を。
今まで、私の文章において漫画のキャラクターは主役一人しかだしておりませんでしたが、
話の都合上その方針を撤回させていただきます。
概ね、4〜5人程度(チョイ役を含めれば10人程度?)を考えていますが、どういうキャラクターを
出すかは今のところナイショということで。
ただ、VSさんからリクエストのありました垣原と主人公たる柳を除き、全て古い漫画のキャラクター
です。(まあ、これもどこまで厳密に守れるかは怪しいですが)
それでは、次の更新は週末に。
リアルタイム更新キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
柳格好よすぎです.こんな柳が見たかった…
北斗&男塾キャラをキボンヌ
外伝さんの柳を見てると心が癒される……。
いや、自分コミック派なんだが
昨日、バキの18巻買ったら
柳とシコルのあまりのヘタレっぷりに泣くかと思ったんで。
風呂上りにビールを飲みつつ、再度の書き込みでございます。皆様改めましてこんばんは。
私信と申しますか、業務連絡をば。
以前、スレッドをいくつかに分けようかという話がございましたが、それについて。
私としては、今後とも現在のような形、つまり、一つのスレッドに、パオさんやvsさん、
おもどりになられたら夜王さんの3本柱を中心としていろいろな人がそれぞれの話を書いてゆく
という形式を維持していきたいと考えております。
>>683 vsさん(でよろしいですよね?)
おかえりなさいませ。相も変らぬぶっとびっぷり、素晴らしいの一言でございます。
剣桃太郎にエロゲーをさせるという発想が、もうなんというか、色々な意味で悶絶ものですね。
ところで、柳対大友、いかがでしたでしょうか。ほんの少しでも、予想を覆すことができましたでしょうか。
>>689 ふら〜りさん
私の外伝における柳の強さ設定は「勇次郎より弱い」を目処にしております。
でないと、柳がスーパーナントカ人になってしまいますので。
それはともかく、今後登場させる予定のキャラクターの一人は、ふら〜りさんも
おそらくよくご存知の漫画から拝借することにしました。この場を借りてお礼申し上げます。
>>694さん
最初は、大河内を生かしておくつもりでした。
ですが、その後の展開を考えるとどうもそれでは、と思いまして・・・・・・。
ご感想の部分については、なんとかリカバリーできないものか、検討してみます。
>>710さん
ありがとうございます。
まあ、外伝の柳は、キャラクターだけ原作から拝借しているようなものですので、
いつ「こんなの柳じゃない」といわれるか冷や汗ものでした・・・・。
>>711さん
えーとですね、えーと・・・・・それはご勘弁いただけますでしょうか。
パオさんの話とかぶるおそれがありますし、何よりも千歩気孔拳とか北斗百烈拳とかを
取り込んでしまうと、柳があっというまに存在感を失ってしまいますので・・・・・申し訳ございません。
>>応援してくださっている皆様
全てにレスを返すことができないのがまことに残念ですが、いつもありがたく拝見いたしております。
どうか、完結するまでの間、懲りずに生暖かい目で見守ってやってくださいませ。
若い独歩キボン
715 :
711:03/07/03 03:43 ID:???
ガーン。ではヘタレ三兄弟(ヤムチャ・ラディッツ・ヅャギ)のどれかキボンヌ。
柳の「鞭打」は出るんでしょうか?
718 :
マロン名無しさん:03/07/03 12:47 ID:jz/sXuYm
柳外伝にDBとか星矢のキャラはだしてほしくないな。めちゃくちゃつまらなくなりそう。
その手のキャラは、外伝の雰囲気にあわないと思うし。
720 :
マロン名無しさん:03/07/03 16:26 ID:tq03BGVZ
平井銀二とか出てくれたら・・・うれしいな
昭和40年 1965年
そういやちょうどアカギが鷲巣麻雀やってる頃だな
こんなの柳じゃない!
俺の知ってる柳は、もっとコミカルで、
もっと屁たれで、もっとヨワミソで、
意味不明で…
外伝さん有難う
723 :
マロン名無しさん:03/07/04 00:42 ID:Cfbh2j7J
あげ
>>689 あ、そういや剣は「桃」って呼ばれてたんでしたっけ。
すっかり忘れておりました。でも「剣」の方が
なんか隠れてエロゲーやってるイメージがありません?
ないですか?ないですね。ゴメンチャイ。
>>713 覆されるどころか、くみちょがこんなに早く死ぬとは
思っていませんでした。くみちょのクリーチャー化は
もう少し先だと思っていたんですが、意表を突かれました。
さて、この先どんな展開が待っているのでしょうか。
「物体X」、「スクリーマー」、「フロムダスクティルドーン」。
いずれにしても楽しみであります。
勇次郎って塾長クラスだろう?
えっ、そうなの!?
728 :
マロン名無しさん:03/07/04 11:00 ID:daiiCkub
この程度の話がおもしろいと思う椰子の気がしれねーな。
漏れならもっとおもしろくて読み応えがある話をかけるが。
>>728 誰もおまえの話なんて待ってないから書かなくても良いよ
おっと荒らし厨は無視だった
730 :
マロン名無しさん:03/07/04 13:22 ID:4drJDw0i
>>728 市ね
ところでパオ最近やる気なくしたのかな?
パート1の頃は毎日更新してくれたのに。
忙しくても出来るだけ書いて欲しい
外伝さんと1日交代で書いてくれるとありがたいな
>>731 仕事が忙しくて、週2日が限度だと本人が言ってたろう。
過去ログ読め。
だからこそ更新してくれたときの嬉しさは格別というものだ。
>>733 ハゲド。また〜りいきましょう。来てくれたらラッキくらいの感覚で。
パオさんと外伝さんがいる内はこのスレも安泰だろうから。
でも夜王さんやVSさん、あとご新規さんも来ないかなぁ
バキスレの567さんも帰ってきてほしいなぁ
あの人の文章好きだから
>>731 漫画喫茶から更新してるらしいしな
仕事も忙しくなってきたみたいだし
さすがに毎日更新は無理だろう
俺としては週一更新でも十分だと思う
737 :
マロン名無しさん:03/07/05 19:32 ID:RxOmDIM6
パオ様。
ずーっと前にお願いした「九十九」vs「オーガ」のリアルファイトをそろそろ・・・・
738 :
マロン名無しさん:03/07/05 19:59 ID:8OiYNkd4
わがままと言われようが毎日読みたい。
パオさんも外伝さんも夜王さんもVSさんも
>>739 グチャグチャになりそう
つーか、このスレに書き込む勇気ある新たなる職人はいないのか?
時は幕末・・・一人の少年が京都の新撰組館の門を叩いた。
名は緋村剣心。小柄で赤い髪の優男だ。齢15歳の少年が、なぜ動乱の
京都へ、しかも新撰組へと赴いたのか。
「失礼します」
緋村が戸を開けると、そこには隊士たちの稽古の風景があった。
ふと、あたりを見渡すと、自分と同い年ぐらいの少年も、剣を持ち、
大人と対等に手合いをしている。西洋風の風貌の男も混じっている。
「・・・なんの用だね?子供が遊びに来るところではないよ」
緋村に気がついた長身の男が、話しかけてきた。
「あの・・・自分を入隊させていただきたいのですが」
「ほう・・・それではどのくらいの腕か確かめてみるか・・・」
「わかりました・・あの、お名前は?」
「斉藤一。これでも新撰組、3番隊の組長をやっているよ」
緋村は少し気負いしていた。目の前の斉藤一をはじめ、周りには名だたる
隊士ばかりだ。当たり前のように入門希望をし、館に入ってきた緋村だったが
いつ後ろから切られてもおかしくないようなとてつもない殺気を回りから
感じながら、とんでもないところに来てしまったのかもしれない、と今更ながらに思っていた。
「ダイ君、君が相手をしてやりなさい」
「は・・・はい!先生!!」
斉藤に呼ばれたダイという少年が緋村の目の前に立った。一見、自分より一回り
ほど年は下に見えるが、その風貌に見合わない威圧感を緋村は感じ取っていた。
「ダイ君も異国から来て始めての試合だ。いい試合を期待しようか」
上座のほうで座っている大柄の男がふと、そうつぶやいた。
お互いに礼をし、剣をかまえる。ダイの剣は西洋製の剣だ。始めてみる獲物に
緋村はまたしても気負いはじめた。<つづく>
つーか容量大丈夫かね?740まできたんだし。そろそろ新スレか?
>>740 書きますた。
陳腐な文章ですが。よろしくお願いします。
<第2幕>
新撰組の庭園。そこは、普段隊士たちの練習場になっている。
歴戦の隊士達がしのぎを削っているその場で今、2人の少年が真剣勝負を繰り広げようとしていた。
「・・・俺の剣が新撰組隊士に通用するか・・・」
緋村の流派は飛天御剣流。古より伝わる殺人剣だ。一部の剣豪達からはその
神秘的な存在感によって伝説の流派とまで言われている。
緋村は自分が身につけたすべての技に自信を持っていた。だが、それを身内以外の
人間にぶつけるのは始めてである。彼の師匠、比古清十郎はすさまじい強さだった。
いくらなんでも彼以上の人間がそうそういるわけがない。だが、目の前の西洋風の剣を
持った男に、なぜか緋村は気負いしていた。始めてみる風貌だということもある。
だがそれ以上に、何か、不思議な威圧感を感じ取っていたからだ。
「はじめ!!」
大きな掛け声と同時に、試合は始まった。
「でえええええい!!!」
掛け声と同じに突っ込んでくるダイ。そのスピードは、たいしたことはなく
緋村はらくらくとかわし、スキだらけのダイに向けて技を構えた。
「ヒャダルコ!!」
「な・・・なんだ・・・うわああああ!!」
ダイが手をかざし、何かを叫ぶと、緋村の両手がみるみるうちに凍り付いてきた。
驚きのあまり、一瞬金縛りのようにあってしまった緋村だったが、体制を立て直した
ダイが切り込んでくる姿が目に入ったため、上空へと退避した。
本来なら、着地と同じに、飛天御剣流「龍槌閃」を叩き込む絶好のタイミングだったが
凍りついた腕に力が入らず、ただ着地するしかなかった。それ以前に、ダイの動きがどんどんと
速くなっていき、緋村は着地した後、狙い撃ちされないようにするだけで精一杯だった。
<つづく>
ヒャダルコには不意をつかれたッッッ
台ってヒャダルコ使えたっけ?
>>748 オリジナルストーリーにそういうツッコミは野暮ってもんだぜ
えなりスレ見てから、ここに来ようとしたら、向こう見たときに
「403 Forbidden」って出て見れなかったんだが、これってどういうこと?
スレ違いとは分かってるが、どこでこういう事聞けばいいか知らなくて。
誰か新スレ立ててやれよそろそろヤバイだろ?俺挑戦したけど出来なかった
何でこんなにスレ立てづらくなったんだ?
今382KBです
もうしばらくは大丈夫かな?
<第3幕>
緋村は凍りついた腕をなんとか元に戻そうと必死だった。
それをあざけ笑うかのようにダイがさらにスピードをあげる。幸い、気温の
高かったこの日、腕の氷の解け具合は早かった。
「ダイ君のあの力。異国では当たり前のようだが、あれはすばらしいものだ」
局長、近藤勇が上座に座りながらそう言った。
「ええ、なんでも「呪文」というらしいですが。我々の知っている仏教の呪文とはわけがちがいますな」
近藤の言葉に新撰組副長、土方歳三がそう答えた。
「同じく異国から来た者として、君はどう思うかね?ヤムチャ君」
「いやあ、俺の国ではあんな力なかったですからね。びっくりですよ、はっはっは」
「ふ・・・君は楽天的でいいな・・・」
腕の氷の解けた緋村は一気に攻勢に出た。スピードでは自分が上回る。
「飛天御剣流、龍翔閃!!」
緋村の剣が下からダイの体を捕らえた。腹部に直撃を受けたダイが上空へと飛ばされる。
「げほ、げほ、ま、参りました・・・」
「よし、勝負あり!!」
<第4幕>
「参りました。緋村さん。呪文使おうと思ったんだけど、腹が痛くて声がでなかったや」
「剣心でいいよ。ダイ、よろしくね」
その夜、晴れて新撰組隊士となった緋村を歓迎しようと、宴会が行われた。
酒も飲めない緋村だったが、隊士となった喜びをかみしめながら、楽しい夜をすごしていた。
「緋村君、隊士のみんなを紹介するよ」
局長、近藤勇が緋村を引っ張っていき、皆に挨拶をさせた。
沖田総司、永倉新八など、噂でしか聞いたことのなかった名だたる隊士たちを前に、
緋村はただただ緊張するばかりだった。ただ一人、目の前にしても緊張することのなかった男がいる。
勘定役のヤムチャだ。
「緋村君、俺はさ、隣の清国で盗賊をやってたんだよ。でもよ、日本で一発成功してやろうと思ってナ」
「ヤムチャさんも異国から来た人なんですか?」
「ああ、俺の国では拳法が盛んでな。俺も実は拳法使いなんだよ。今度見せてやるよ、俺の狼牙風風拳を」
「・・・名前は強そうですね」
「バカにするなよ!!本当に強くて速いんだ!!」
「・・ははははは・・」
新撰組でこんなに気さくで話しやすい人がいるとは緋村は思っていなかった。
強さ云々は別として、緋村は、人として、日に日にヤムチャのことを慕うようになっていった。
<第5幕>
緋村が新撰組隊士となって一ヶ月が過ぎた。隊士といってもまだ実戦には出してもらえていない。
斉藤一がなぜか緋村を実戦に参加させるのを制しているのだ。
緋村、ダイの両名は、欲求不満ながらもそれなりに充実した日々を送っていた。そんなある日の夜。
「・・・ヤムチャさんだ・・・こんな夜中に、あんな店で・・・」
ふと、夜の歓楽街を通りかかった緋村はとある店で女に囲まれながら酒を飲むヤムチャの姿を見た。
少し、開いた窓から、話し声が聞こえる。
「お客さん、さっきからひたすら飲んでるけどお金だいじょうぶなの?」
「大丈夫!俺は新撰組の勘定役だぜ!?ちょっとぐらい隊の金をくすねても平気なのよ」
「でもさあ、ばれたらやばいんじゃない?」
「へへへへっへ・・・ばれやしねえよ!もしばれたとしても俺が新撰組をぶっつぶしてやらあ」
自分の館に戻った緋村は愕然とした。上に伝えるべきだろうか。ヤムチャさんの不正を。
伝えたらヤムチャは間違いなく粛清される。新撰組では、決まりを守れない者は粛清される。
敵前逃亡でも重罪だ。ヤムチャを慕っていた緋村は、彼の粛清の場面を想像するだけで頭が痛くなった。
「緋村君、どうした?」
館の玄関で履物も脱がずに悩んでいる緋村を見つけた斉藤が、話しかけてきた。
「い・・いえ、なんでもないです斉藤さん」
「俺の目はごまかせんよ・・・君がそんな顔をしているのは始めてだ。何か身内のことで悩んでいるな」
「ち・・・違います!!そんな・・・違いますよ!!!」
斉藤に心を読まれた気分のした緋村は、履物を急いで脱ぎ、2階へと上がっていった。
その姿を斉藤は神妙な表情で見つめていた。
翌日、緋村は斉藤に呼ばれた。
「緋村君、実は今日、ある料亭で長州の会議が行われる。この意味がわかるね?」
「ええ、討ち入りですね?」
「そうだ、そこで今日は君にも実戦に参加してもらう」
「・・・お、俺がですか?」
「そうだ、実戦は始めてだろう?君には期待しているからね。新撰組隊士として、一皮剥けられるかどうか、今日、確かめさせてもらうよ」
<第6幕>
漆黒の夜・・・
十人ほどの新撰組隊士が京都の町をゆく。
その中には少年隊士、緋村剣心の姿もあった。始めての実戦参加である。
だが緋村は不思議に思っていた。なぜ今まで実戦参加を止めてきた斉藤が今日になって許可したのか。
言いようのない緊張感が緋村を包んでいた。実戦の緊張感、そして斉藤に一人前の隊士として
認められるほどの働きをしなければならないという決意から来るものだった。
「あそこの料亭だ。行くぞ」
料亭の前、後ろの出口を数人が固め、緋村、斉藤を含めた5人が突入部隊となった。
斉藤の合図と共に、5人が突入する。ついていた明かりを消し、料亭内は真っ暗となった。
あたりには客の悲鳴の声が響いた。
「奥の部屋だ。緋村、行け!!」
「は・・・はい!!」
料亭の一番奥の宴会場、そこで会議が行われているらしい。緋村たちは、宴会場のふすまを開け、
中へと、突入した。部屋では10数人の男が、暗くなり、悲鳴の聞こえるこの空間に、混乱している
状況があった。斉藤達隊士たちは、そんな男達を次々と切っていった。
剣を構えている者、混乱し、叫び声をあげる者、さまざまだった。
「一番奥の男を狙え、緋村」
「は・・・はい!!」
何も行動をしていなかった緋村の背中を斉藤が押した。緋村は一番上手に座っていた
男に対して突撃していく。男はなにやら中国刀のような獲物を構えていた。
「・・・・・な・・・・なに・・!?」
「・・・ひ、緋村君・・・」
そこに立っていたのはヤムチャだった。斉藤は、長州の会議と嘘をつき、ヤムチャの粛清に緋村を巻き込んだのである。
「ヤムチャさん、な・・・なんで・・・」
「どけ!!緋村君!!」
後ろから斉藤の声が響いた。緋村がその声に反応し、右に体をよけると同じに、ヤムチャの体に斉藤の
左片手平突き「牙突」が突き刺さった。傷を負った部分を押さえながら倒れこむヤムチャ。
「緋村君、それはまだ生きている。君がとどめをさすんだ」
「え・・・?でもヤムチャさんは仲間じゃないですか!!」
「君はこれの隊士規則違反を見過ごすというのか?」
「・・・!!」
「ヤムチャ・・・隊の金を不正に使う。ばれていないとでも思っていたのかね?」
「く・・・」
下を向きながらヤムチャが悔しそうにうめき声を上げた。
「斉藤さん!俺にはできない!!ヤムチャさんをこの手で殺すなんて、俺には・・」
「君も規則に違反するというのか?粛清対象の隊士は敵同然だ。君は、今、敵前逃亡をしていることになる。敵前逃亡は打ち首だ」
「・・・・・!!」
「新撰組隊士としての誇りか、友情か・・・どっちを選ぶのかね、緋村君」
斉藤は緋村の顔をじっと見つめた。そんな緋村はうずくまるヤムチャをずっと見つめていた。
ヤムチャは緋村に命乞いをするかのようにうるんだ目で何かを訴えていた。
「・・・・・・わかりました斉藤さん」
「よし、では君一人でやるんだ。」
緋村がヤムチャに向かって剣を構えた。
「よ・・・よしてくれ・・・ひ、緋村君・・・やめてくれ・・・」
震える声で命乞いをするヤムチャ。それを聞きながら、緋村は何か、吹っ切れたような感情に陥った。
「・・・・見苦しいですよ・・・ヤムチャさん・・・うわああああああ!!!」
「見事だ・・・緋村君」
「斉藤さん、後の処理・・・任せてもいいですか?」
「ああ、やっておくよ。君は疲れただろう?一足先に館へ帰っていなさい」
「わかりました」
血だらけになって横たわっているヤムチャの亡骸に目をくれることもなく、緋村は料亭を後にした。
シリアスストーリーだが、激ワラタ
ヤムチャゆえの悲しさか・・・
翌日・・・新撰組館で、緋村にお清め代が支払われた。
手に入れた3枚の小判を握り締めながら、緋村は一人、たたずんでいた。
「緋村君・・・」
「斉藤さん」
斉藤がやって来た。2人はしばらく、何もはなさず、何かを考えていた。
「斉藤さん、なぜ突然ヤムチャさんを粛清しようと?」
「・・・君の目だ。あの日、何かを悩んでいるようだった君の目を見て、好機だと思った」
「好機?」
「君に、ヤムチャの粛清をさせて、隊士としての自覚を持ってもらおうとな」
「・・・俺がヤムチャさんの不正を目撃したことを見抜いていたんですか?」
「ああ、なんとなくわかったよ・・・」
緋村は少ししたを向き、また何かを考え始めた。
「もう一つ・・・あのとき、俺がヤムチャさんを切るのを拒否し続けていたら、あなたは俺を殺していましたか?」
「・・・ああ、だが、君はやってくれるよ確信していたよ」
「・・・なぜです?」
「今度も君の目だよ。あの時、新撰組の誇りと友情、どっちを取ると俺は言った。その直後、君の目に何かにごりのようなものを感じた」
「それで俺はやると?」
「ああ、それまで、すんだきれいな目をしていたのにな。だが、俺は嬉しかったよ。君が一人前の隊士となってくれたことが」
斉藤のその言葉を聞いた直後、緋村はなぜか涙を流し始めた。それを見て斉藤が言葉を続ける。
「心が痛むか?そうだろう。だれだって始めて人を殺めたらそんなもんだ。ましてや自分の慕っていた身内とあってはな」
「・・・・・・」
「君も信念を持って戦っているのだろう?ならばいずれわかる。たとえ、それが自分の慕っている人物だとしても、犠牲はやむをえないこともあるということを」
「・・・・・」
斉藤が去った後も緋村の涙は止まらなかった。
自分の手でヤムチャを殺してしまった、殺さざるをえなかった悔しさ。
そして自分を一人前の隊士として認めてくれた斉藤の言葉。
緋村の涙は嬉しさと悔しさが入り混じった複雑なものだった。
だが緋村は思った。金輪際、涙を見せるのはやめよう。今度涙を見せることがあったら
それは自分の人生の終わりの時だ。たとえ、同僚が何人死のうが、絶対に涙は見せない。
弱い自分を見せてはならないと・・・
戦乱を生きる修羅の目覚めだった。<つづく>
ヤムチャキターーーー!!
雰囲気が良いですね。
続きに期待しとります
やべぇ面白い
763 :
トモ:03/07/06 15:55 ID:???
新撰組列伝作者です。
ヤムスレにしばしば現れるヤムチャ様。
ご覧になっておられたら申し訳ありません。
緋村の成長のために犠牲にしてしまいました。
殺しやすく、かつ、剣を持っているキャラというのはあなたしか見つからなかったのです。
今日、一気に考えていたネタを消費してしまったので続きが思いつかない。
ゆっくり書いていきます。
今後ともよろしく。
>>708 ―一週間後・東京・千代田区・桜田門・警視庁―
「納得できません!」
バンドエイドをいたるところに貼り付けた両手を机に叩きつけながら、警部はあらん限りの大声で怒鳴った。
同時に、戦場を思わせる喧騒の只中にあった捜査第1課の室内が瞬時にして静まり返る。
電話の応対をしていたもの。聞き込みの報告書をまとめていたもの。しくじりをしでかした部下を
しかりつけていたもの。打ち合わせを行っていたもの。
警部が感情を爆発させると、捜査第1課にいた全ての人間は手を止め、警部の方を―警部と、彼が
叩いた机の主である捜査第1課長の方を、何事かとみやった。
大半の人員が出払っているとはいえ、それでも10人を超える警察官の好奇心剥き出しな視線に
晒された格好の課長は、決まり悪げに空咳をしつつ、警部を見上げる。
「そんなに大声を出さなくても、聞こえとるよ。いいかね」
「ならば!」
警部はもう一度、机を―今度は比較的バンドエイドの数が少ない右手で叩き、あっさり課長の話を遮った。
「どうして検問を解除させたのですか!」
「1週間も検問を実施したにもかかわらず、いっこうに容疑者がつかまらないからだよ、警部。
遺憾ではあるが、おそらく容疑者はいまだ都内に潜伏中であるか、あるいはすでに検問を潜り抜けて
しまったかのどちらかだと、判断せざるを得ない―となれば、いつまでも警官を千人単位で動員して
おけるわけなどないだろう?警視庁にはもっと警察官を必要としている案件が多数あるのだ」
なだめるような課長の言葉は、警部をさらに激昂させただけだった。
「あの倉庫で18人も死んでいるんですぞ、課長!大河内組の組長警護隊が10人、おそらくは
大河内組系列と思しき愚連隊が7人!そして・・・大河内佐武郎も、あそこで死んでいるんです!
しかも、鉄パイプで串刺しにされて!」
ぐっと机の上に身をのりだし、警部はさらに言い募る。
「これはまぎれもない重大事件ですぞ、課長!その容疑者がいまだ補足も出来ず野放しになって
いるというのに、緊急配備を解除してしまうなぞ、正気の沙汰ではありません・・・お願いします、
もう一度、上に話を通してください!」
>>764 だが、課長は、警部の恫喝じみた懇願にいっかな心を動かされた様子はなかった。
「決定は決定だ。それはもう覆らない。・・・・・それに、この案件は我々の手を離れることもすでに
決まっている」
「な・・・・・なんですと!」
思っても見なかった課長の一言に、警部はそれだけを言うのが精一杯だった。
「では、どこがこの案件を受け持つ・・・・・と?」
「公安だ。総監の命令だよ」
警部の耳には、課長のその言葉は何かの悪い冗談にしか聞こえなかった。
思わず、バンドエイドだらけの両手を見る。
両手には、3日前まで、バンドエイドではなく包帯が隙間なく巻かれていた。
もちろん、包帯を必要とするほどの負傷を負ったのは、倉庫で出くわしたあの事件のせいだ。
あの後―バイクに跨った若い男の忠告どおりに、倉庫が吹っ飛んだ後、爆圧で撒き散らされた
倉庫の破片が、一番爆心地に近かった警部の身体のあちこちに傷をつけ、たった1日とはいえ
入院までしてしまう羽目になったのだ。
当然、警官隊のほうも、殉職者こそ出なかったものの、大半が爆発のショックで使い物にならなく
なっており、どうにか動けた残りの警官も、倉庫まで乗りつけたパトカーや幌付きトラックが爆発の
巻き添えをくらってスクラップになってしまったためまったく身動きがままならないとあっては、
容疑者を追いかけるどころではなかったのである。
―倉庫の中にいた人間は、全員が大河内組関係者であり、生存者は一人もいない―
その翌日、全身を包帯やガーゼでぐるぐる巻きにされた警部は、目覚めた病院でその報告を聞き、
医者や看護婦の制止を振り切って病院を飛び出すと、すぐ警視庁に戻った。
それから今日この日、彼の上司である捜査第1課長から、実質的な打ち切り命令を受けるまでの
1週間、寝る間も惜しんで捜査の現場指揮をとっていた。
報告を受け、状況を分析し、対応を指示している間、警部の脳裏には、ずっとあの日の情景が
写真のように焼き付けられていた。
>>765 ワーゲンを踏み台にして警官隊を飛び越し、からかうような言葉を残して去っていったあの男。
顔はわからないものの、年齢はおそらく20歳前後の若者で、これまで警部が相手にしてきたいか
なる凶悪犯とも異なる冷たい雰囲気を湛えたあの男。
あいつは何者なのだ。いかなる環境が、あのような男を作り上げたのだ。
ラーメンをすすりながら、わずかな仮眠を取りながら、電話口で罵声を放ちながら、警部はずっと
そのことを考えつづけていた。
それらは全て、奴を捕まえればわかることだ。
そう信じて、今の今まで肉体と知性を限界まで酷使しつづけていた警部は、課長の一言がどうしても
容認できなかった。
というよりは、理解しがたかったというほうが正しいかもしれない。
だからこそ、警部は、危うく課長の胸倉を掴みそうになった。
それほどまでに、怒りと屈辱が警部の全身を飲み込んでいた。
「そんな馬鹿な話がありますか!」
「落ち着きたまえ!」
これまで、どちらかといえばなだめるような口調だった課長が、無表情のまま不意に声を荒げた。
「私が・・・・・私が、上の決定を喜んで受け入れたとでも思うのかね?」
見れば、肘掛けの上に載せられた課長の両手が小刻みに震えている。
このひとも、納得できなかったのか・・・・・。
警部は、ふと課長の経歴を思い出していた。
日本が大日本帝国であったころからの警察官であり、日増しに強くなっていった軍部の圧力に、
最後の最後まで抵抗し―そのために、言うに言われぬ辛酸を味わい尽くしていた男。
戦争が終わり、警察の力が一挙に増大したとき、その機会を逃さずにあらゆる手をうち、警視庁捜査
第1課を日本でも最優秀の捜査チームに仕立て上げた伝説の男。
その課長が、おそらくは人生で何度目かになる挫折を懸命にこらえ、彼自身にとっても不本意極まり
ない決定を実行に移すべく煩悶している。
肘掛けの上で震える課長の拳と、あくまでも湖のような静謐を湛えた無表情を保つ課長の顔を
見ながら、警部は己の心に巣食っていた怒りがふっと引くのを感じた。
>>766 「・・・・・了解しました。決定を受け入れます」
「それでいい。・・・・・・・すまないな。無茶を飲んでもらって」
「いえ・・・・・命令は命令ですから。それに、私はもうすぐ異動でしたし」
「ああ、そうだったな」
課長は、そこでふと何かを思い出したかのような表情を浮かべた。
2週間前に、眼前の警部への内示(異動の事前告知)を出したのは、課長自身だったためである。
「3課への異動は、来週付けだったね?」
わからないからではなく、確認の意味をこめて課長は警部に尋ねた。
「はい。引継ぎはすでにとりかかっております。後は、今の案件についてですが」
「公安の担当官に話をしたいかね?」
警部は黙って頷いた。
刑事犯罪を担当する刑事部と、政治犯罪を担当する公安部の仲は、同じ警察組織の中であっても
決して良好ではない―というよりは、明らかに悪い。
とくにこの案件は、最初から公安がある程度関わっていたとかで、1週間という短い日々の中でも
警部のもとに、公安筋から有形無形様々の圧力や合法的な嫌がらせが続いていた。
本来であれば、警部にとっての公安とは口も利きたくないような連中である。
しかし、事件を解決するのが公安だと言い張るなら、いくらかでも情報は回しておきたい。
いくらいけ好かない連中であっても、そいつらがあの男を逮捕してくれるというなら、それはそれで
もって瞑すべしというものだ・・・・・。
>>767 「その必要はないよ」
不意に、背後からからかうような声が警部に投げつけられた。
思わず警部は後ろを振り返り―そして、警部の表情が曇る。
警部の背後にいた公安警察官は、はじめてみる顔ではなかったが、何度も見たい顔ではなかった。
体つきは中肉中背であり、実は鋼のように引き締まってはいるが、外見だけではそれとはわからない。
というのも、その公安警察官は、司法警察員の俸給ではとうていまかなえるはずもないスリーピースの
スーツ―英国生地を英国の仕立屋であつらえた、本物の高級品をさりげなく着こなしていたからだ。
履いている靴は、イタリア製の本皮仕立てで、一足で確実に警察官の俸給を食いつぶしてしまうような
代物である。
しかし、てっぺんから爪先まであらゆる国のあらゆる高級品―地味だが、それゆえに尋常ではない
金額の―で覆われたその体、顔つきは、どこからどう見たところで警察官とはいえないような凶相であった。
「必要な情報はすべてこちらで把握している。いまさらそちらにおいで願う必要なない」
畜生、よりによってこいつが担当するのか。
警部の、一旦は納まりかけた怒りが熾火のように再びくすぶりはじめた。
今まで、刑事部と公安部という、天地ほどに隔たった部署にいたために、噂程度でしかこの男については
知らなかったが、その噂というのがそろいもそろってろくでもない代物だった。
いずれも、まともな人間であれば怒りと恐怖を覚えずにはいられないような話である。
しかし、それであっても、警察官にあるまじき人格と行動を具現していても、警視庁という組織は、その桁外れ
の能力と情報網により、この公安警察官を解雇することができなかった。
代わりに、この公安警察官にはいかなるポストも与えず、"公安部長付"なる妖しげな椅子を用意しているとも
いう。
その噂の数々を思い出した警部は、渋面を取り繕おうともせずに詰問した。
「貴様が担当なのか―垣原警部?」
垣原と呼ばれた公安警察官は、口を―刀傷が左右に数センチほど開いた口をニヤリとゆがめて
答えた。
「そうだ。私がこの案件を担当する。・・・・それとも、"公安部長付"という私では心もとないかね、
銭形警部?」
皆様こんばんは。外伝担当でございます。
先日申し上げましたとおり、幕間を更新させていただきました。
10レス程度とは申し上げたのですが、ちょっと長くなりそうな気がしてまいりました・・・・。
まあ、短くするのはもう諦めておりますが。
>>vsさん
リクエストを頂戴しました垣原、登場させました。
原作では暴力団の人間だった垣原ですが、私の妄想では警察官です。
彼が如何にして公安警察官となったかは、今後おいおい示してまいりますので、
どうぞよろしくお願いいたします。
なお、vsさんのリクエストにありました「クレイジーな役どころ」についても、あれこれ
ネタを用意しておりますので、今しばらくお待ちいただければ、と。
>>763 トモさん
初めまして。本スレで長いだけの話を書いております外伝担当と申します。
今後、お見知りおきを・・・・。
列伝を拝読いたしましたが、剣戟をメインにされるとお見受けしました。
テンポもよく、意外な取り合わせに膝をうつところしきりでございまして、続きが非常に楽しみ
でございます。
できうるならば、今後もこのスレッドに作品をアップしていただきまして、
パオさん、夜王さん、vsさんに続く第4の人間としてご活躍していただきたいと心から思います。
770 :
トモ:03/07/06 19:40 ID:???
>>769 こちらこそよろしくお願いいたします。
私は文才がないので、みなさんの文章には惚れ惚れする次第です。
私は実はヤムスレ出身であります。
一時期ヤムスレにこちらの話題が出たことがあり、こっちでも書いてみようかと。
私の最大の欠点は、「グラップラーバキ」なる漫画を一回も読んだことがないと言うことです。
今度、時間があったら読んで見ます。みなさんの作品をもっと楽しめるように。
771 :
マロン名無しさん:03/07/07 00:43 ID:oOIS3a9S
あげ
772 :
マロン名無しさん:03/07/07 12:21 ID:ISpV2zwO
保守
773 :
マロン名無しさん:03/07/07 12:58 ID:vOWyYJGp
勇気ある新人が現れたな。
面白いし。
メモリヤバイよ。
誰か立てられる人、新スレを・・・
775 :
_:03/07/07 15:16 ID:???
777 :
マロン名無しさん:03/07/07 16:05 ID:7txL3zYU
元に戻してPART4
久しぶりに来て見たらメモリやばそうですね。
もし今日、新スレ立ったら明日続き書きます。しかし最近さぼってるなあ。
あと新人さんが来ましたね。パオと申します。宜しく。
末永く書いてくださいね。今私はアメリカザリガニの様に後ずさってる状態。
私いずれ消えると思いますんで、ニューパワーは一読者としても嬉しいっす。
スレタイかぁ。別にこれでいいと思うけど。死刑囚編つくろうぜでもいいけど。
ま、立ててくれた方に命名の権利、という事で良いんじゃないでしょうか。
別にふざけたのでなければ全く新しいスレタイでも良いと思うし。
今週は多分明日と週末しか書けないなあ・・
779 :
◆v.smO/olzA :03/07/07 16:48 ID:C3TTpJGc
パオ、トリップ割れてるよ。
ゲッツ!
まあ明日来てくれるそうだし、その時から変えてくれれば無問題
あれ本当だ。なんでだろう。普通に入力したのに。
じゃ、明日から変えます。新スレという事で調度良い。
ところで本当にスレ立て辛くなったなぁ。
挑戦したけどマンキからでは駄目みたい。
783 :
_:03/07/07 17:08 ID:???
>あれ本当だ。なんでだろう。普通に入力したのに。
#が全角になってるね
786 :
マロン名無しさん:03/07/12 20:40 ID:yOyzJ4fa
めりーくりすます
787 :
マロン名無しさん:03/07/13 12:38 ID:Wk7i7ehu
788 :
マロン名無しさん:03/07/13 12:43 ID:Wk7i7ehu
hoshu
新撰組のやつの作者は最近ミブギシデンでも読んだのかい?
パクっちゃいかんよ〜
__∧_∧_
|( ^^ )| <寝るぽ(^^)
|\⌒⌒⌒\
\ |⌒⌒⌒~| 山崎渉
~ ̄ ̄ ̄ ̄
ほしゅ
ほっしゅ
794 :
マロン名無しさん:03/07/20 11:17 ID:f0JBJDyF
ほっしー
hoshu
保守
(^^)