トリスタン和声や12音技法など一筋縄では行かない現代音楽系の理論についてさっぱり分らないので色々聞かせてください。
機能和声を拡大解釈して自分なりに研究していくしかないのでしょうか?
煽りは承知の上です。
2 :
名無しの笛の踊り:02/03/03 06:45
2げと!
何か具体的に疑問でもあれば、答えられる人はいるんだろうけど。
>色々聞かせてください。
では話が進まないので、
>>1は色々書いて盛り上げるように。
12音技法は機能和声を拡大解釈して考えるのは無理だと思う。
仰る通りです。>2さん
「厳格なセリーにしたがって秩序あるもとの並び」 これに当てはまらないものは単なるデタラメって事ですか?
またリスナーの皆さんそこをどういった感じで聴き分けているのですか?
また和音はどうするのでしょう?
よくサスペンスもので聴かれるあの感じは全てこの法則にのっとってで書かれているのですか?
仰る通りでした>3さん
トリスタン和声は機能和声を拡大解釈してあるらしいですが、別にああいうものに決まりはなく要はセンスということなのでしょうか?
そんな事考えず、もっと機能和声を勉強するべきでしょうか?
>よくサスペンスもので聴かれるあの感じは全てこの法則にのっとってで書かれているのですか?
これはセリーなんかじゃないよ〜w
トリスタンは音楽辞典に詳しく書いてあったね。
譜例もあるんだし、そちらを参照にしてみては?
なんかドッペルがどんどん重なってどうのこうのって書いてあるから(アヤフヤ
機能和声はどうだろね。
目的がわからない以上何とも言えませんね。
シリアスな曲描きたいんなら必要かもしれないけど
コードの勉強だけでもまぁ悪くない気もするね。
5さん、ありがとうございます。
> なんかドッペルがどんどん重なってどうのこうのって書いてあるから
B7のフラット5〜E7 フラット5の一連の流れの事ですね?
もうちょっと勉強します。
>これはセリーなんかじゃないよ〜w
どうしたらそれが分るのですか?
聴いた感じで違う事が分るようになるのですか?
非常に調整がなく感じられますが、あれは無調音楽と呼ばれるものですか?
また12音技法と 無調音とは全く違うものですか?
どちてボーヤですみません。
>どうしたらそれが分るのですか?
>聴いた感じで違う事が分るようになるのですか?
なんとなく(笑
>非常に調整がなく感じられますが、あれは無調音楽と呼ばれるものですか?
>また12音技法と 無調音とは全く違うものですか?
はい、物によると思いますがおそらく無調でしょうね。
12音技法とは別物です。
というよりは12音技法が無調音楽というカテゴリ(こういう枠って時として邪魔)
の中の1つの技法であるといえます。
8 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 04:24
ドリスタンまんせー
十二音技法はアタマで組み立てて感覚の喜びを無視したダメ音楽。
つか、音楽じゃないね。
10 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 08:29
>>9 バッハも当時からみたらそんな感じだったんだYO!
11 :
パリ厨 ◆oWShxJnM :02/03/06 08:50
サスペンス音楽ですか・・・・・・
フォーレ、ドビュッシー、メシアンを通して、
付加音と旋法の勉強でもなさったらいかがですか?
大分感覚的につかめるようになると思いますよ。
トリスタン和声は、古典機能和声で充分解釈出来ますよね。
非和声音の方向性と、その処理がわかればなんてことないですよ。
鳴っている音を全てごちゃ混ぜにしてしまうとわかりにくくなりますが、
和声の骨格となる音と、付加されている音、
解決してしていない音をきちんと分けていくと、複雑な響きがしていても、
驚くほど単純な構造だったりしますよ。
あと、書く上では、共通音一つ残してあとは半音ずらす、
っていう手法を多用するとそれっぽくなりますよ。
とりあえずは古典から数字付き和声をきちんとマスターされては?
12音はまた別問題ですな。
当方専門ではないので、このへんで。
12 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 15:56
現代系が理論尽くめで感覚が無いというのは嘘だよ。
13 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 16:01
愛の死のコード進行教えて下さい。
14 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 16:05
>10
ウソこけ。十二音音楽なんか教会で流したら
礼拝者来なくなるわい。あんな「音苦」で
宗教的陶酔が得られるかい。
15 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 16:06
バッハが対位法を使って素晴らしい作品を創ったように、
無調の枠内でフレーズを構成して、
対位法的な音の織物を作るための効率的な方法を提唱するのが、
シェーンベルクの目的だった。
極めて簡単に言うとそういうことでしょ。
16 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 16:07
>12
感覚が持った作曲家ももちろんいるが、ごく少ない。
一般ウケが悪いのはポビュラー音楽の悪しき商業性のせいだと
思いこんでる救いようが無いのは多い。
17 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 16:11
>>14 うそじゃないよ。
バッハの時代には、バッハが書く作品は一般の聴衆にはとってはブッ飛び
過ぎていて、まさに、こんなものは「音苦」である、という批判もされた
程。
現代の耳では単純に受入れられる音楽が、発表当時の耳にも快く響いたと
は限らない。
18 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 16:14
何をもって一般受けというのかは知らんが、クラシック音楽のコアな
部分だって、一般には殆ど受入れられず、コアなファンによって大切
にされているだけなのに。
19 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 16:21
不協和音が耳につく不快な音楽は永久に浸透することはないでしょう。
人間の生理に反していますからね。
しかも作曲家たちは聴衆のせいにして責任が自分にあると認めることも
永久にないでしょう。
何事も好き嫌いは個人的な感性であり一概には言えない。
12音音楽を快く感じる人もいれば不快に思う人もいる。
いろいろ語るのは結構だが良し悪しを決めることは不可能。
21 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 16:25
>>19 上品なコンサート会場ではなく、ライブハウスで先端的なジャズやテク
ノやノイズを聴けば、不協和音満載の過激な音楽が拍手喝采で聴かれて
いることがわかるヨ。
22 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 16:29
>21
それら不協和音はスパイスであって、決してメインでは
ないことがよく聴けばわかるヨ。
人間が自然に心地よいと感じる生理に反する音は絶対に
受け入れられることはないだろうね。
>>19 >人間の生理に反していますからね。
んなことない。
君の生理に反してるだけ。
で、その責任は君にある。
24 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 16:32
>>15 ロマン派マンセーのクラヲタというのは、12音音楽に拒否反応を示しがち
だが、古楽やバッハのコアな作品を愛好する人が、シェーンベルクやヴェ
ーベルンにハマるってケースは結構あるやね。
これは、シェーンベルクがバッハマンセーだったことや、ヴェーベルンが
バッハ以前の対位法音楽マンセーだったことと関係があるんだろうか?
25 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 16:33
>>22 もうちょっと精進したまえ・・・
あんたにそう断言する資格は、今はないわ。
26 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 16:35
お店で古典派のクラシックを流すと万引きが減るらしい。
現代音楽なんか流したら万引きどころか殺人が起きるだろうね。
27 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 16:37
>>22 22はジャズもテクノもノイズも聴いたことがないクラヲタということ
が判明。
自分の知らないジャンルを知っているかのように語り、成立し得ない
一般論を語るアホは逝ってヨシ
28 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 16:39
バイヤーによれば、
クラシック売り場程、万引きが多いフロアというのは無い、というが。
29 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 16:40
耳障りな音楽をイイと言う人間は口調もとげとげしいね。
普段聴いてる音楽のせいなのか、生まれつきなのか・・・
30 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 16:41
>>28 あからさまなウソまでつくとは・・・(タメ息
31 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 16:44
>>29 は煽りが下手ということでよろしいか?みなさん。
32 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 16:46
そういやポリーニが腕で鍵盤叩いてたな。誰の作品だったか。
偉大なピアニストがあんなヒドい音楽の普及の
ために才能と時間を浪費するのは見ていられない。
33 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 16:47
>>30 「クラシックB級グルメ読本」(洋泉社)190ページ参照のこと。
34 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 16:49
反対意見を「煽り」としか見られない31のような狭い心の持ち主には
なりたくないもんだ。きっと普段聴いてる音楽の質がよほど悪いんだろう。
35 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 16:51
>33
ジャパニーズポップスしか聴いたことのない厨が
小澤のニューイヤーあたりを万引きするんだろうね。
36 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 16:53
>>29 >>34 反対意見にもなってないじゃん。頭ごなしの否定。偏見。
マジレスしちゃった。(w
帰っていいよ。君。
37 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 16:55
34の食いつきを見て、イギーを思い出した。
38 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 16:57
>>32 まあシュトックハウゼンはいろんなアイディアを
楽しませてくれるが確かに主流になることはなかろう。
しかし試み自体は評価されるべきだと思う。
39 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 16:58
>>33 うちにもあったぞ、その本。
「クラシック売り場の懲りない面々」(宮岡博英:元レコード店バイヤー)
さらに特筆すべきは、レジを通さないで商品をお持ち帰りになる人が
多いことである。もちろんレコード店にとって万引きは日常茶飯事の
事件とはいえ、客数を考えればポップスに比して圧倒的なマイノリテ
ィであるクラシック売り場は、万引きの発生率が異様に高いゾーンと
なっている。
41 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 16:59
酒の醸造所でモーツァルトを流すと味がよくなるって。
現代音楽聞かせたら酵母が死んじゃう。
なんかよくわからんが、たかが十二音技法を
受け入れられない
>>9が不幸なのは良くわかる。 以上
43 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 17:01
トリスタン和音についてはワーグナーは感覚的に用いたんだろうけど、
12音技法は、シェーンベルクが新しい普遍性を持つ作曲システムを作ろうとしてた結果。
(普遍性があるかないかは別として)
シェーンベルクは「これでドイツ(ウィーン)音楽は100年優位に立てる」と言っていた。
44 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 17:01
>39
クラヲタは糞ってことね。
ここは糞のなじり合い、つか糞以下。
45 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 17:03
>>43 そして完全なマイナー音楽と化した、と。
マイナー分野での優位は確立したか。
46 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 17:04
どうも現代音楽に対して異様に敵意を抱く馬鹿が一人混じってるな。
吉松か?
岩波新書から出てた「シェーンベルク」って本良かった。
12音技法のアイデアの発展過程を弦4の2番とか期待あたりの無調の時期作品の
分析から説明してて、妥当性があるかどうかはともかく面白かったよ。
親書だからそんな深いことは書かれてないけどさ。
絶版になって久しいけど図書館とかで見つけたら読んでみても良いかも。
48 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 17:05
49 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 17:07
>>46 たぶん、相手して欲しいヒキコモリと思う。
>>46 たまに現代音楽関連スレに出没してる奴じゃねーの
たいていいつも恥かいて逃げちゃうけど (ワラ
煽りに過剰反応する連中が多い。
ジャズや洋楽板ではこれほどではない。
やはりマイナーという自覚があって
防衛に必死なのか。
現代音楽批判FAQを作っておいた方が良さそう。
1みたいに、真面目に何かを知ろうとスレを立てた奴が可哀相。
>>34は、自分の意見(だよなあ、状況から判断して)を「反対意見」だと書
いていたが、まともな反対意見を書くには、それなりの見識が必要だという
ことが判ってない。
粘着煽りにこれまた粘着に弁護せずとも
シェーンベルクもシュトックハウゼンも廃れやしない。
スレ違いの議論を加速してどうする馬鹿ども。
>>51 シェーンベルク以降の音楽についての、厨房の煽りみたいな主張が、
メディアに乗って、一つの見識ある主張として流布されているとい
う現状があるからね。信じられないことだけど。
現代音楽というのは、クラシックの1分野としてはマイナー、他ジ
ャンルへの影響関係を考えるとプチ・メジャーという微妙な地位に
あるわけだろ?支持派と否定派との間に温度差が生じやすく、温度
差が生じれば風が吹く、って感じなのでは?
>54
だから別スレでやれ、馬鹿。
56 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 17:50
ところで、12音技法に関しては、昨年12月の「音楽の友」で、池辺晋一郎氏が一
般向けの解説をしていたね。だが、ポリフォニーって概念に一言も言及せずに、
12音技法を説明していたので、かなり無理がある上、この技法で作られた音楽の
魅力を紹介することも出来てなかったように思う。
対位法についての初歩的な知識があった方が、12音技法に関する知識を習得する
にはメリットが多いように思う。逆行や反行といった概念は、対位法の概念とそ
のものだ。もちろん、音楽を聴いて楽しむ分には、知識は必要無いわけだけれど
も。
57 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 18:57
一般に言う「感覚的無調の作曲」と12音技法での作曲というのは違うヨ。
トリスタン以後、転調や非和声音の使用により、調性というものが希薄に
なっていたわけさ。そして、リストの晩年くらいから、特定の調性によら
ず音楽を作る無調の作曲が行われ始めていたの。
しかし、こういった感覚的な無調によって、調性に捕らわれない自由な作
曲がバシバシ出来るようになるかといえば、さにあらず。
樹海の中を歩き回ると、どこへでも行けるように思えつつも、同じ道をグ
ルグル歩いていることが多々あるように、自由な無調での作曲では、作品
に多様な表情をつけるのが難しいことがわかった。同じようなことを繰り
返してしまって、期待した程の生産性が無いんだな。長い曲を書くのだっ
て一苦労だ。
12音技法というと、12の音をそれなりに厳格なシステムに従って運用する
作曲技法だから、非常な不自由を作曲家に強いるように思えるかも知れな
い。でも、実は逆なんだ。樹海の中で、同じ道をグルグルまわるような愚
を避けるために、12の音列をつかって何が出来るか、ということを事前に
考え尽くしておこう、ということなわけ。つまり、より大きな作曲上の自
由を手に入れるために、あえて拘束条件を自分に科したということなんだ。
で、12の音列を使って何をするか、と考えた時、ドイツ音楽の後継者を自
任していたシェーンベルクは、バッハの対位法に思い当たるわけ。シェー
ンベルクがやったことは、ドイツの重厚な対位法的音楽を、無調の語法の
中で実現することだった。だから、「これで、この先100 年ドイツ音楽の
優位は揺るぎ無い」などと発言しているわけ。
とりあえずは、ここまで。
58 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 19:06
風邪をひいたらトリスタ〜ン♪
1です、皆さんありがとう。
11さんありがとう。
ドビュッシーも好きです。おっしゃってる事の意味は何となく分ります。
>とりあえずは古典から数字付き和声をきちんとマスターされては?
そのようですね、まだ機能和声が完全に身に付いていないようです。
40、47 さんありがとう。参考にします。
43さん56 、57 さんありがとう。何となく分かってきました。
どうやら「機能和声の拡大解釈」と「無調音楽」と「12音技法」をごっちゃにしていたようです。
分かった事は「機能和声の拡大解釈」「12音技法」もセオリーが確立されていて、はしっかりと基礎を勉強せないかん!・・ということですね。
では「無調音楽、またハリウッドサスペンスもの等で聞かれるそれらしく聞こえる不安な感じの音楽」にはセオリーはあるのですか?やはり「機能和声の拡大解釈」なのかな?
ホルストみたいな、アッパーストラクチャーの平行移動とかは「機能和声の拡大解釈」なのかな?
60 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 20:59
>>59 先駆者は、新しい音世界を拓くのに自分なりの理論が必要になるけど、
一度開拓された音世界をトレースして作曲を行う場合は、感覚でどうにか
なることもある。
確かに、無調音楽作曲創成期には
>>57で指摘されているようなことがあっ
た。しかし、シェーンベルクやヴェーベルンが残した作品が、樹海の中に
指標を作ってくれ、その次の世代の作曲家は、より感覚的に無調の世界へ
分け入ることが出来るようになった。
だから、感覚的に厳格な12音音楽らしきものを作る、ということも可能に
なり、感覚的無調と厳格な12音音楽とを峻別する基準は、
>>57の言う歴史
的文脈を踏まえた基準より、曖昧なものになっていると言える。
57-60を読んだだけで
かなり勉強になった気しる
62 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 21:18
一応、新ヴィーン楽派の面々は、
後期ロマン派の音楽 → 自由な無調音楽 → 十二音技法を用いた管理された無調音楽
という段階を経てるんだよ。
これは、あくまで無調音楽が人間の感覚に沿うという事を一部の作曲家と聴衆が確認したのちに
十二音技法が考案された事を意味しているのだよ。
つまり理論的には優れていても聴衆の大多数の感性を無視
したのが十二音技法というわけ。
64 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 21:31
だから、そうではなくて、音楽の経験と感覚次第で、人間は無調音楽を調性音楽と全く同じ感覚で
聴けるという事を確認出来たから、無調音楽の手法を体系化したのが十二音技法だという事なの。
65 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 21:46
理論に頼り感性を無視し(というより元から感性などない)
無調音楽の価値を貶める作曲家は少なくない。
そいつらはお勉強だけはできてエリート意識を持ってるので
商業音楽に異常な敵意を燃やす。
こういう屑作曲家によって現代音楽がますます煙たがられていく。
勿論これはシェーンベルク等の責任ではない。
66 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 21:47
日本の音楽(たとえば雅楽)などには、非和声音の混入によって、旋法的ながら
も、かなり無調へと近付いた音楽があるよね。松平頼則が雅楽と12音技法とを結
び付けたように、日本人は一般的な西欧人よりも無調に近い感覚を祖先より受け
継いでいるのかも知れない。それは、ポリーニなんかも指摘していることだ。
ホルスト作品のアッパーストラクチャーなどに関しては、厳格な12音技法や無調
などより、ダリウス・ミヨー作品に見られる複調などと関連させて分析してみて
は?
67 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 21:47
なに?犬とかいうの?
69 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 21:57
>>65 そういうのって、具体例を挙げないと荒らしと変わんないぜ。
言わんとすることはわかるし、漏れも12音技法が優れた技法だから、それ
を使えば自動的に優れた作品が出来ると考えているわけではない。
でも、それは機能和声にしたって同じ事。
優れた語法でも、使う奴のセンスがなければダメなんだな。
なら、どういうセンスがあれば、優れた12音作品が出来るのか、といった
話をした方が良いと思わないか?
ゴミみたいな作品は残らないんだから、傑作について語っていた方が実り
が大きいじゃないか。1氏だって、何かの参考にしてくれるかも知れない
し。
70 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 22:07
ベルクなんて面白いよね。
バイオリン協奏曲では、十二音を3度堆積にさせて、調性の響きを得ている。
71 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 22:07
>>69 やっぱり、優れた12音音楽を書くためには、対位法的な訓練は不可欠でしょう。
それか、シェーンベルクらが思いもしなかったようなアイディアを補完させる
かだね。
と、ヴェデルニコフが弾くシェーンベルクのピアノ協奏曲を聴きながら書いて
みる。ヴェデルニコフやグールドといった、ポリフォニーに憑かれたピアニス
トが揃ってシェーンベルクマンセーだったことは示唆的ですな。
大半の現代作曲家の才能はつんく以下でしょ。
って書くとどっかの煽りスレみたく聞こえるけど。
73 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 22:15
現代音楽作曲家に調性音楽を書かせてみると、凄く良く分かるよ。
74 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 22:19
J.S.バッハもテーマだけなら12音の一歩手前まで行ってるしね。
16世紀イタリア〜17世紀ドイツの半音階主義に触れていれば
シェーンベルクにはすんなり入れるだろう。
75 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 22:21
シェーンベルクの全集買って、初期のブラームス風のから出発して聴いていけば難なく慣れると思うけど。
76 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 22:21
NHK の大河ドラマのテーマ集を聴くと、日本の戦後現代音楽の作曲家
もそれなりのメロディライターだったことがわかる。少なくとも、最
近劇伴で売り出している奴等よりは上では?
77 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 22:23
ヴェーベルンの初期の弦楽4重奏曲も良いぞ。
78 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 22:32
えー、そーかな?
芥川とか入野の大河ドラマの音楽聴いて、わりと自分が抱えてたイメージがコケオドシに過ぎなかったと
思ったけど。
感銘したのは、『春の坂道』の三善晃と、『武田信玄』の山本直純と、『独眼竜正宗』、『元禄繚乱』の池辺晋一郎
くらいなもんだな。武満のもあまり良いとは思わんかったな。
ちなみに、池辺作品を抜いた最近のはどれもイマイチだね。
勿論、各々の作曲家にとって担当した大河ドラマの音楽がちょうど駄目作品だったってのは十分あると思うけどね。
79 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 22:36
芥川の赤穂浪士のテーマは大河ドラマ音楽中最上の部類に入ると思う。
80 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 22:36
>>78 湯浅譲二の作品は良かったぞ。
武満は若い頃にアルバイトで歌謡曲の代作をやっているだろ?
その辺りの研究が進めば、この作曲家に対するイメージはガラリと
変わるはず。
まあ、それはおいといて、
元の話に戻ろうか。
82 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 22:38
>>80 うん、武満に関しては、映画音楽集とか持ってるので、旋律美のセンスがあるという認識は持ってるんだけど、
『源義経』のテーマは、幾分実験的過ぎる気がする。
83 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 22:40
メロディメイカーの才能は天賦のものだからね。
それのない連中が現代音楽に逃げ込んで来るきらいがある。
84 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 22:55
というかさ、三枝成彰の『花の乱』を聴いた時は、彼を見直した訳よ。
85 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 23:04
メロディライターとしての才能だけでクラシックの作曲家を判定する
ことが出来るとも思わんのだが。走り高飛びの選手を飛んだ距離で判
定するようなバカをすることになってしまう。
だって、メロディライターとしてなら、ベートーヴェンよりも高く評
価しなくてはいけない作曲家が西欧音楽史にはいるわけだろ?クラシ
ック一般でも通用しないような判定基準を現代音楽作曲家にのみ適用
して貶すってのは、あまり趣味の良いことじゃないな。
ただ、自分はメロディライターだと自称する作曲家が、自分が貶して
いる現代音楽の作曲家程のメロディすら書けないのを目の当たりにす
ると、一言言ってやりたくもなるが。
86 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 23:10
確かに。
パンクでも、テクノでも、あるいは「ディアベリ変奏曲」でも良いのだ
が、メロディの美しさとは全然別の観点から評価されている音楽がある
のにね。
87 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 23:12
天才作曲家と呼ばれる人たちは、最高ではないにしても
高いレベルで美しい旋律を創る能力を必ず持っていた。
現代音楽ではこの必須の才能を誤魔化すことができちゃうのが
欠点だね。
そういう人間が作った音楽はやはりゴミでしかないわけで。
88 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 23:13
和声の話はどうなった?
89 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 23:18
>>87 そういうレベルでのメロディの才能は、現代音楽作曲家だって
きちんと持っているんじゃないの?君が知らないだけでしょう。
フェルドマンの「Only」とか聴いた事ないだろうな、君は。
90 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 23:20
>>87 いっぺん「現代音楽」という言葉を使わずに
具体名で批判してごらん。
たぶんなんにもいえなくなるだろうが(w
91 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 23:21
>>89 きちんと持ってる人もいるが、
持ってない奴もたくさん混じってるだろうね。
そういう奴って根本に才能欠如のコンプレックスが
あるからメロディ重視の音楽ををことさら軽蔑して
みせたりするね。
>>87 そういうことを主張したかったら、別にスレ作ってやりな。
93 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 23:24
94 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 23:25
>>91 コンプレックスがあるかどうかは知らないが、君が現代音楽をろくに
聴かずにものを言うのと同様、ポップスをろくに聴かずに批判する
クラシック畑の音楽家は確かに多い。
>>91 漏れもきぼーん。具体名が出せないなら、聞いたふうな事を書き込み
するべきでは無いな。
スレ違いゆえ、sage
96 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 23:31
誰だっけね。新聞にエラっそうな論評出してた作曲家がいたんよ。
吉松ですか
98 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 23:34
>>94 音楽史を眺めると、ポップスの凄さを正当に評価してきたのって、保守的な
作曲家より前衛的な作曲家だったということがわかる。
シェーンベルクがガーシュインとテニス友達で、ガーシュインの音楽性を誰
よりも認めていた事は良く知られているね。ガーシュインだって、シェーン
ベルクの音楽が好きで、音列を操作しての作曲の方法を友人にデモンストレ
ーションしたりもしていたんだよ。
99 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 23:39
某有名ピアニストがインタビューでポップス全般への嫌悪・無理解を
示す発言をしていて萎えたことがあったな。
もちろんインタビュー記事程度のコメントでその人の見解を
うんぬんするのは慎重でなくちゃいけないとは思う。
>>96 そんな名前も出せないような作曲家の一言が、あなたの現代音楽批判のバックグラ
ウンドというわけですか。
さて、批判者の底がアッサリ割れたところで本題に戻りますか。
蒸し返す人間は意見の内容にかかわらず煽りとみなして削除依頼しましょう。
102 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 23:56
それでは、脱線内容を本題にからめて。
ガーシュインは「ポーギーとベス」の作曲時に、ベルクの12音オペラ:「ヴォッ
ツェク」のスコアを傍らに置いて参照していたんだよね。ガーシュインがこのオ
ペラから、いかなるアイディアを盗み、自らの作品のコード進行へと昇華してい
たか、ということについては一度しっかりと検証されるべきだと思う。
103 :
名無しの笛の踊り:02/03/06 23:56
>>101 あんたの生息する時間がこの世の全てか?
別にスレの残り量はまだあるんだから、別にその話が継続してもかまわんぞ。
104 :
名無しの笛の踊り:02/03/07 00:04
>>103 やっても良いんだけど、
>>91がもっと具体的な事実に基づいてツッコミ
を入れないと、実のある議論にはならないと思われ。
ステレオタイプなイメージに基づいた批判を展開しても、悲しいだけだ
ぜ。それこそ、音楽性のない奴が論理だけで12音音楽を作曲するかのよ
うな、表面だけをなぞったような薄っぺらさがあからさまだ。
>106
批判も含めた全般的な話題には最適のスレです。
>>106 批判はしても、現代音楽の内実について、良くご存知では無いのが明らかだから。
どんな立派な現代音楽批判かと期待して読んでたら
一匹の無能オヤジが駄々こねてるだけだたーよ。情けねー
>>108 てゆーか、あいつ前も来たよ入門スレ(笑)
111 :
名無しの笛の踊り:02/03/07 00:36
十二音音楽は音楽じゃないってことで結論が出たね。
弁護する連中は知識ないアホばっかってことがわかったし。
あとはアホの負け惜しみ発言が続くだけね(w
だからそんあに律儀に反応しないでよ。
反応おもしろがってるだけじゃんどう見ても。
>>113 でもさ、あれだけ丁寧に説明してやったのに、恥ずかしげも無くこういう
事
>>111を書く人間がいると、かな〜りの無力感を感じるよな。
1です、皆さんありがとう。
60さんありがとう。仰る事は分る気がします。
ただわたしは感覚的無調と厳格な12音音楽の区別が付いていないようです。
多分私の知りたいのは感覚的無調なのかな?
その感覚を補うために 厳格な12音音楽を勉強したらいいのだろうか?
以前和声学(古典)を習ってる時に先生に「ドビュッシーみたいな和声を勉強したい」といったら「100年早い」と言われた。
66さん、
>ホルスト作品のアッパーストラクチャーなどに関しては、厳格な12音技法や>無調 などより、ダリウス・ミヨー作品に見られる複調などと関連させて分析>してみては?
ありがとう。今度聞いてみます。
69さん、良く分ります、私は感覚だけでああいうものを作ろうとするとなんだか、ただのデタラメになってしまいそうで・・丁度デッサンもできないのにいきなり抽象画を描こうとするのに似てるかも。
なにかヒントを得る法則のようなものがあるのかと思ったわけです。
それにしても皆さんよく知っている。
皆さんのログを読んでいると私はまず分かりやすいところからリスナーとしての感覚を養った方が良いのかも知れません。
シェーンベルクは私はほとんど知りません。
Howard shore、バーナードハーマン、ラロシフリン等の不穏な感じの調性の掴み辛い感じはホルスト等が参考になりますか?
ホルストの平行移動はえらくかっこいいですが何を基準に移動させているのか分りません(「惑星」Marsの96小節目あたりから)。
センスあるのみでしょうか?
リトルブッダのテーマが好きですがあれはドビュッシーを研究するのがいいのかな?
マイケルナイマンはどうでしょう?
何か見当違いの事をいってるようで恐ろしい..
しかし、短時間にここまで一方的に叩きのめされた負け犬は久々に見たぞ
そのあとの111の開き直りはむしろ、感動的ですらある (ワラ
>>115 キミはイイ子だねえ。素直で建設的で、頭も柔軟で。
キミが111と同じ人間だなんて信じられないよ(藁)
118 :
名無しの笛の踊り:02/03/07 01:00
アホどもの負け惜しみは続く。
もっとその粘着を建設的な方向に向けろよ(しみじみ
>>117 侮辱するのはやめてください。
どうしてそういうつまらない煽りしかできないんですか?
私が何か気に障ることをしましたか?
120 :
名無しの笛の踊り:02/03/07 01:06
>>115 ドビュッシーには機能和声の常識を軽々と踏み越えて行くところがあり
ますからね。古典的な和声の教師からすると、ドビュッシーみたいなこ
とをやるためには、十分に古典的な和声の修練を積んでいないと、ただ
のメチャクチャになってしまう、ということらしい。
でも、ああいうのが好きなら譜面を買ってじっくりと研究してみれば良
いんではないの?アントニオ・カルロス・ジョビンのように、クラシッ
ク関係者が思ってもいないような形に、その経験を昇華出来るかもしれ
ない。
121 :
名無しの笛の踊り:02/03/07 01:09
>>119 謙虚な初心者ぶったキャラも2chでは嫌われ、からかわれる。それだけ。
123 :
名無しの笛の踊り:02/03/07 01:15
>>115 シェーンベルクみたいなことがやりたいなら、とりあえず曲を聴いておく
のが一番。理論は後でついてくると思うぞ。ああいう曲が好きになれない
んだとしたら、その場合は、また違う道を考えれば良い。
あと、ラロ・シフリンはメシアンの弟子でもあるんだな。故に、メシアン
をはじめとするフランス近・現代音楽を聴いて、気に入った音が聞こえた
ら耳コピするか、譜面を参照しに行くしていれば良いと思う。
とりあえず、フランス6人組の中の、プーランク、ミヨー、オネゲルを聴
いておけば何らかの参考になると思う。
アメリカの作曲家(映画音楽家含む)御用達の「20世紀の和声学」(パー
シケッティ)を読むという手もあるが。但し、邦訳は絶版で英語版を読む
しかないけどね。
120さん 123さん、ありがとう。
色々気になる作曲家の作品を研究してみます。
それしかなさそうですね。
ちなみに115も119も私じゃありませんよ。
117の
>キミが111と同じ、「人間」だなんて…(111を侮蔑)
を
119は
>キミが「111と同じ人間」だなんて…
ととったのかな?
ん?
まあいいや。
> ちなみに115も119も私じゃありませんよ。
これには虚をつかれたな。確かに、115で随分傾向が変わったような気がしたが。
128 :
名無しの笛の踊り:02/03/07 01:43
松平頼則の「近代和声法」は絶版になってて、見たことないんだけど
これの内容って、例えば12音技法に和声をどのように用いるか、といったことが
書いてあるんだろうか。
129 :
名無しの笛の踊り:02/03/07 01:48
>>128 レイボヴィッツ流の12音技法に関する解説の要約と、自作:「越天楽に
よる主題と変奏」の第3変奏を題材に、それを実際に運用してみるとこ
ろまでは解説してある。
130 :
名無しの笛の踊り:02/03/07 01:49
>>128 しかし、この本を絶版にするとは、音友の馬鹿めが‥‥。
1です。
あ。まちがえた。
115は私です。
111と119は私です。
119は勘違いしてますね。
まぁ、いいや。
また間違えた。
115は私です。
111と119は私です。→ 111と119は私じゃないです。
まあいいけど。
騙りがイヤなら最初からトリップなりフシアナなり使うこと。
それなしで「〜は私ではない」と主張してもムダ。
1です。
アッパーストラクチャーや平行移動に「決まり」は無いのですか?
センスのみですか?
135 :
名無しの笛の踊り:02/03/07 02:38
もちろん、あるよ。
でも、その決まりはあくまでも「感覚」に裏打ちされたものなんだ。
だから、まず大切なのは、どういう動きをカッコイイとか気持ち良いと思うか
なわけで、それが見つかったら、スコアを読みながらその気持ち良さを説明す
る理屈をとりあえず自分で見つけてみりゃええやん。
136 :
◆pb9q4Mec :02/03/07 04:12
1です。
135さん、ありがとう。
これからこの名前にします。
137 :
パリ厨 ◆oWShxJnM :02/03/07 08:02
短3度と増4度がカギ>平行移動
対斜をつくること。
上部付加音で良くあるのは、長6、長短7、長短9、増4、完全4
あと、刺繍音。
ドビュッシーが好きならペレアスのピアノ譜でも弾いてみたらいかが?
138 :
名無しの笛の踊り:02/03/07 13:05
厨房去りて良スレの予感漂う午後
139 :
名無しの笛の踊り:02/03/07 16:42
USTのコードスケールってどうやって導き出すんですか?
140 :
名無しの笛の踊り:02/03/07 17:28
141 :
名無しの笛の踊り:02/03/07 22:58
三善晃って、殆ど作品に外れが無いと思うんですけど、どうして世界的にはそれ程というか
20世紀を代表する音楽家として評価されていないのでしょうか?
142 :
名無しの笛の踊り:02/03/07 23:01
優等生でエピゴーネンだから
エンゼルスの長谷川みたいなもんか。
今はマリナーズか。よく知らない。
145 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 00:11
ageです
146 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 02:20
>>141 そうか?最近の作品は書いていて楽しいのか?と思うことがある。
でも、良いものは良いよ。1970年代くらいには、模倣を脱してそれなりにオリ
ジナルな音世界を作っていたと思う。「チェロ協奏曲」とか好きだな。
147 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 02:41
模倣って何の模倣なんですか?
三善作品は音密度が非常に高く、私は聴いていて殆ど退屈しないんです。
また、極度のセンチメンタリズムが無いトコも好きです。
148 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 02:53
>>147 20代くらいで作曲した作品は、三善が私淑するフランスの作曲家:デュテ
ィユの影響が濃厚だと思われ。
149 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 03:45
このスレ面白いな。
亀レスだけど一つだけ指摘しておく。
「それなりの調性音楽を書ける作曲家こそ、まともな音楽性の持ち主である」
という価値観を持ち続けていると、クセナキスよりペンデレツキを高く評価し
てしまうような、恥ずかしいことになるぞ。
今までに聞いた事のないような、凄い作品を書いた作曲家を評価するのに、旧
来的な物差しを使っていると、本当に凄いものを取りこぼしてしまうから気を
つけるんだぞ。
150 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 03:57
博学そうな方質問にも答えてやってください。
151 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 04:07
ちょっと変な意見かも知れないけれど、12音技法だろうと機能和声だろうと、
あまりガチガチに囚われてしまうと創作の本質を見失うかも知れない。
こんな風な響きを得たいという意識があるなら、それに従ったほうが
いいんじゃないかな。
いわゆる“禁則”を冒しても、表現として正しければOKだと思うよ。
厨房な例ですまないけれど、例えばバルトークのVn協奏曲2番では、セリー的
技法を使いながらも“規則”を破ってるし、古典派の作曲家たちだって、
声部進行の(学習和声的な)“誤り”は散見される。
もちろん「技法を学習する」段階では厳密な対位法などと同様、感覚に流れず、
きちんと訓練を受けるべきだと思うけどね。
セリー音楽そのものはあまり練習したことないのだけど、個人的な感覚としては
調性音楽で、「この音の次に来るべきはこれ」とか「この音とあの音は“仲がいい”」
みたいなノリがあるじゃない。
あれをう〜んとストイックにした感じに近いかな、と理解してる。
響きのテクスチュアはずいぶん違うけど(藁。
なおホルストの平行和声を真似したいなら、機能和声以前の「中世・ルネッサンス」
あたりの曲を聴いてみると参考になるはず。
イギリス伝統のフォーブルドンとか、ああいうのが下敷きになってる。
あんまり関係ないけれど、セリー音楽にだって「美しい旋律」はある。
ウェーベルンは時としてハッとするほどロマンティックに響く。
それらを聞き取ることに慣れていない人も多いと思うけれど・・・。
152 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 04:17
153 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 04:24
>>151 規則を知り尽くしておけば、規則を破ることの甘美さもわかるようになる、
ということだな。
それが一番効率的なのは確か。シェーンベルクが通った道もこっち。
でも、自分の膨大な経験を徹底的に洗い出していくことで、自分の中でだけ
体系化された理論を作り出してしまう天才もいる。チャールズ・アイヴズと
かね。まあ、こういうのは本当に特殊な場合だけどな。
155 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 04:39
オレは57じゃないから57の続きはわからんし、USTというのも知らん。すまそ。
157 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 05:01
57 名前:名無しの笛の踊り 投稿日:02/03/06 18:57
一般に言う「感覚的無調の作曲」と12音技法での作曲というのは違うヨ。
トリスタン以後、転調や非和声音の使用により、調性というものが希薄に
なっていたわけさ。そして、リストの晩年くらいから、特定の調性によら
ず音楽を作る無調の作曲が行われ始めていたの。
しかし、こういった感覚的な無調によって、調性に捕らわれない自由な作
曲がバシバシ出来るようになるかといえば、さにあらず。
樹海の中を歩き回ると、どこへでも行けるように思えつつも、同じ道をグ
ルグル歩いていることが多々あるように、自由な無調での作曲では、作品
に多様な表情をつけるのが難しいことがわかった。同じようなことを繰り
返してしまって、期待した程の生産性が無いんだな。長い曲を書くのだっ
て一苦労だ。
12音技法というと、12の音をそれなりに厳格なシステムに従って運用する
作曲技法だから、非常な不自由を作曲家に強いるように思えるかも知れな
い。でも、実は逆なんだ。樹海の中で、同じ道をグルグルまわるような愚
を避けるために、12の音列をつかって何が出来るか、ということを事前に
考え尽くしておこう、ということなわけ。つまり、より大きな作曲上の自
由を手に入れるために、あえて拘束条件を自分に科したということなんだ。
で、12の音列を使って何をするか、と考えた時、ドイツ音楽の後継者を自
任していたシェーンベルクは、バッハの対位法に思い当たるわけ。シェー
ンベルクがやったことは、ドイツの重厚な対位法的音楽を、無調の語法の
中で実現することだった。だから、「これで、この先100 年ドイツ音楽の
優位は揺るぎ無い」などと発言しているわけ。
158 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 05:02
UST=アッパーストラクチャトライアドの略称です。
159 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 05:04
160 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 05:28
いやあ、さすがに寝てたよ(汗
過去ログの57を読む方法くらいは知ってるけどさ、57のカキコの続き
(「とりあえず、ここまで」の続き)って、
やっぱり57さんに書いてもらうしかないでしょ。
オレ的には12音技法の次は、音高だけじゃなく、強弱や演奏方法までセリーで規定
したトータルセリエリズムが台頭してきて・・・でも、みんなが同じ技法に従うの
もアレだから、と個人個人が特有の技法を展開する時代になって〜という流れなんじゃ
ないの。(って技法史を知りたいわけじゃないのかな?)
アッパーストラクチャトライアド・・・要するにポリコードの1種と思っていいのかな。
実践的な“書き方”なら渡辺貞夫の「ジャズ スタディ」なんかが参考になるでしょう。
パーシケッティの本にもポリコードの響きを模索してる章があったはず。
こういうのって、具体的に誰かのサウンドを真似したいなら、それを耳コピーする
のが早く、それをもとに自分で編み出す方が楽しいんじゃない?
(自分の表現にとって)良い響きを求める過程も愉しんでみては?
技法先行になっちゃうのは、つまらないと思います。
学校のテストじゃないのだから、「答え」を性急に求めるべきものじゃないでしょう。
少しずつ和声感覚を拡げていかないと、きっとどこかで綻びます。
162 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 14:11
>>161 へ?ジャズスタディって入門書だろ・・・
どうせクラ板なんどドシトロウトしかいないと偏見持ってるの?
ustに限らず自分で編み出してたら何百年かかるやら。
そしてその結果ひとりよがりの自分にしか理解できない音楽ができると・・・・(;´Д`)
技法先行ってそんな人あった事もないんだけど161の周りにはたまたま多いのかなあ?
大部分は感覚ばかり先行してしまってコンセプトの構築で悩んでると思うんだけど。
いくら性急すぎるということはないと思う。
ヒトの平均寿命って80年くらいでしょ?
和声感覚広げるのと技法の習得が矛盾するという前提?
理解不能だ・・・・
結局161は偉そうな口叩いてるくせに無知ってこと?
それともクラ板住民をなめきってて猿相手に高度な話はばからしいと思ってるの?
クラ板ってそんなにレベル低いんだろうか?
漏れにはそうは思えないけどなあ・・・・
>>162 文章になっとらんぞ。
「ジャズスタディは入門書」という見解と、
「アッパーストラクチャトライアドの書き方を勉強したいなら
ジャズスタディなどが参考になる」って意見は相反するものではないだしょ。
ジャズスタディにUSTに関する記述があるのは事実だし、
質問してる人が入門者でないかどうかなんて誰にも解らないんだから。
どうやったら
>>161に書いてあることだけを元にそこまで話を拡げられるんだ?
164 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 14:43
スマソ。
どこが文章になってないんだ?さっぱりわからん。
へ?そもそもustの書き方について教えてくださいという質問だったっけ?
流れ読んでるか?
161の言い訳にしかきこえないのだが・・・
165 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 14:57
166 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 15:07
できないものはひとまず置いとく方向で
>>163 >へ?そもそもustの書き方について教えてくださいという質問だったっけ?
ちゃんとログ読んでね。
熱く語るのはそれから。
てか、熱くなるな。冷静に語れ。
>いくら性急すぎるということはないと思う。
とかおかしいでしょ?
でもって、ちゃんと論拠と結論を言う習慣を身に付けること。
例えば、
>ジャズスタディって入門書だろ・・・
だから何?ってのを書いてない。
「(自分の考えでは)ジャズスタディは入門書だから○○だ。そんなものを勧めるなんて〜」
の○○が書かれていないから、
>どうせクラ板なんどドシトロウトしかいないと偏見持ってるの?
に繋がってないんだよ。
で、○○には何が入るの?
「入門書だからレベルが低くはないクラ板の住人には相応しくない」
とかいう一方的な私見じゃないだろうね?
>>167 >ちゃんとログ読んでね。
そっくりそのまま返す。
>熱く語るのはそれから。
>てか、熱くなるな。冷静に語れ。
まずこういう無礼は改まらないものか?
>いくら性急すぎるということはないと思う。
うん。文句なくおかしい。だって脱字だもの。スマソ。
いくら先を急いでも性急すぎるということはない。
これで(・∀・)イイ! ?
これでもつっこみどころはあるのはわかるが
もしも枝葉末節にしか着眼できないような相手ならそれなりの対応しかできない。
私見はあるが確信がないのでまず161の本意が知りたいところ。
だからこそ???だらけになっている。
スマソ.。↑
>>168は167じゃなくて162ね。
>>168 本意も知らずに「反論」するのかお前は。
171 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 15:56
>>170 結局ただの煽り厨ってことか?他の板逝け。
172 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 15:56
>>161 でも
>>163 でも無い傍観者だが。
質問の内容が、そもそも
>>139 なわけだろ?
>>161 はそれなりに丁寧に答えていると思うが。
それが不満だとしても、いきなり
>>162 のような文章を書くのは
いかがなものかと思うな。
もっと高度なことが知りたいなら、
>>161 が示した「ジャズスタ
ディ」を叩き台にして議論するという手もある。
正直言って、私には自分の非礼さを棚にあげた
>>168 の物言いの
方が理解不能だ。良い感じで進んできたスレの雰囲気をブチ壊し
てどうする?
173 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 15:59
174 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 16:00
本題の話しねえか?
個人的には枝葉はどうでもいいんだがなあ。
>>173 >>161も質問した人が何を聞きたいのかわからないから、
>実践的な“書き方”なら
という書き方をしてるんだと思うぞ。
176 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 16:01
本題って何だっけ?(tt)
177 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 16:02
ジャススタディにustのコードスケールの話まで出てたっけ?
すまん。今手元にないや・・・・
178 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 16:04
>>177 こらこらそういう誤字はやめろ。
また変なのがつっこむから・・・・
179 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 16:07
>>161 は
>>161 の見解に過ぎないんだよ。
こういうことに万人向けの正解があるわけではない。
>>161 は彼がおかれた環境の中で思考して、それなりに真摯な提言をして
いる。
それが、
>>162 の環境からすると噴飯ものに思えるかも知れないが、それ
は、それぞれが置かれた音楽的環境が違う事の証明でもある。
必要なのは、異なる環境に生きる人間が、己の体験を持ち寄って擦りあわ
せること。
それを放棄して
>>162 のような文章を書いてしまう奴に、誰が自分の時間
を削って自分の経験を伝えようと思うだろうか?
180 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 16:08
>>174 本題についてわかる人がいないと思われ。
>>177 2行だけ。
最後の最後、Chapter21に
「(前略)から音を選択し新たな Scale を作ることができ、それを使用することが出来る」と。
182 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 16:11
>>179 その161の見解にはクラ板はレベル低い奴ばっかりというのも含むんでしょうか?
だとするとこれ問題あると思いますが。
実際は色んな人がいるはず。
183 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 16:12
>>182 >>161はどこにもそんなこと書いとりゃせんがな。
ジャズスタディの名前が出てきた理由を理解できなかった
(というか過去ログをきちんと追わなかった)
>>162が
勝手に誤解しただけでしょ。
185 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 16:19
>>180 んなこたあないだろ?
煽り厨はもういいから内容の話しない?
186 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 16:22
ところでコードスケールって何?
187 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 16:27
マジでわかる人いなかったと思われ・・・・・
>>186 ある調のあるコードに対して使うことの出来るスケール。
189 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 16:31
>>187 つうことは161がもしもクラ板を馬鹿にしてたとしても無理はないってことになるのか・・・
190 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 16:32
>>188 ありがとうございます。
モードスケールやアベイラブルノートスケールとはどう違うのでしょうか?
191 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 17:12
>>190 救急車と消防車の違いみたいなもんかな?
192 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 19:33
これでいいのかクラ板・・・
193 :
1 ◆pb9q4Mec :02/03/08 22:50
1です。
皆さんの意見色々参考になりました。侮るなかれ2CH.読んでるだけで勉強になる。
結局、話を最初に戻してまとめると
機能和声をちゃんと勉強してからものを言え・・と。
12音技法は知りたければ勉強しろ...と。
不穏な感じの和音とか進行に関しては色々聴いて分析してみるのが速い・と。
USTに関しては ダリウス・ミヨー等を聴け..と。
で『ジャズスタディ』は参考になる..と。
そういうことですね。
194 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 22:55
ほんとにまとまってるのか・・・・・・
195 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 22:57
全部「手前で勉強しろ!」ってなもんか。
196 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 22:58
つまり何か言ってるようで何も述べてないのと同じってこと?
197 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 23:04
有識者の指導はどのスレなら受けられるのでしょうか?
198 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 23:06
>>197 ここクラ板でマジレスはちと望めないようなホンワカパッパ・・・
199 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 23:09
こんなところで音楽理論の話が出来る?
楽譜を書きながら説明出来るわけでもないのに。
どうしても、技法のバックグラウンドにある考え方についての説明に
なるんじゃない?
そういう観点からみると、決して不毛なスレではなかったと思うのだ
が。
200 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 23:11
みんなその考え方についても興味あると思うよ。
201 :
名無しの笛の踊り:02/03/08 23:16
202 :
1 ◆pb9q4Mec :02/03/08 23:27
>199
そう。
結局俺は何も具体的には分らなかったが、何が分らないかが良く整理できた。
色々参考例も聞けたし、12音技法の説明は誰もしなかったが、57等でそのあり方についての考察が聞けて非常に為になった。
しかしみんな職業なにしてるんだろ・・
侮るなかれ2ch.だな。
203 :
1 ◆pb9q4Mec :02/03/08 23:29
>ここクラ板でマジレスはちと望めないようなホンワカパッパ・・・
でもこの話『楽器、作曲板』ではきっとレス付かないね。
そう思ってここにした。
>>57 の続きは今日(9日)中には書きます。すいません。ちょっと忙しい。
12音技法の説明はここでしたとしても、音列の作り方を一通り説明して、そ
れの逆行や反行はこう作って‥‥、というレベルの話しか出来ない。それで
は論理のお遊びにしか見えないだろうし、肝心の「音楽」については何も語
れない。多分、1氏は「音楽」を作る方法が知りたいのでしょう。なら、こ
の技法で作られた傑作を聴くところからはじめた方が良いと思う。12音技法
自体に関しては、出版されている本にも出ているからそれを読めば良い。音
楽の友2001年12月号に池辺氏による簡単な解説が載ったから、それを図書館
等で読むのも良いと思う。でも、その解説を読むだけでは、実際に音楽を作
り出す事は出来ないんだな。12音技法で書かれた傑作については、後の書き
込みで紹介するつもり。
では、時間も尽きた。それでは、また。
205 :
名無しの笛の踊り:02/03/09 03:38
そのレベルの話だけで十分面白そう。
もっときかせてください。
207 :
名無しの笛の踊り:02/03/09 07:09
>>206 むしろ、ポピュラー音楽とクラシック、双方の音楽理論を比較した箇所の方が
参考になると思われ。
この人の無調に対する評価は、アンビエントテクノも自由即興音楽もフリージ
ャズも聴いてないんじゃないか、と思わす(藁)ものだけど、12音技法に関す
る説明自体は良く出来てましたね。
208 :
名無しの笛の踊り:02/03/09 10:26
ヴィリーライヒの本はダメなん?
209 :
名無しの笛の踊り:02/03/09 13:06
(´−‘).。oOアンビエントテクノってなんだろう?
210 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 00:16
>206
面白い!勉強になります〜
皆さん、現代曲を聞くときって、音列や和声をちゃんと認識してるんでしょうか?
俺は全然わからないのだが
絶対音感ないのにわかるわけないじゃん!!
212 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 00:29
バッハ聴いてる時に、細かな部分が分からないのと同じ。
単なる主題使いまわしだったら、誰でも分かると思うけどね。
213 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 00:35
現代音楽ってのは背景とかコンセプトを学んでからでないと
聴いてもしょうがないってよくきくなあ。
そんな事もないと思うが
215 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 00:37
>>213 そんなこといってるやつらが現代音楽をだめにしてるのだぞ.
聴くことどころか、作曲することにしたって必ずしもコンセプトが必要なわけではない.
まぁ別にダメにしているとも思わないが
217 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 00:55
>>215 何の考えもなく曲書く人いるの?
コンセプトが無いなら無いで、
コンセプトを否定したり排除するというコンセプト(何言ってんだ漏れ?)
に基づく作曲ということになってしまうんじゃないの?
218 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 01:09
>>217 そう深く考えすぎるから大衆から疎遠になりがちなんだよ.
確かに、厳密には何のコンセプトもなしにってにはありえない.
でも、たとえばメンデルスゾーンが「この曲は人間社会を表しており7音による旋法が人を、12音構成による音形を神とたとえる。多調は人間同士の出会いを、特に対極調同士の複調は男女関係を表す.」
うんぬんなんていって作曲してるか?
せいぜい、「ああ、お姉さま、どうして逝ってしまわれたのですか。この曲をささげます」みたいなもんだろ。それがコンセプトだというならたしかにそうなんだが、
そういう、「気分」のみで書かれている音楽が、現代音楽には圧倒的に少ないし、それによって、変に学術的になりすぎてる気がする.
いっとくが、コンセプテュアルな作品をけなしてるのではないぞ.
219 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 01:14
>>218 仮定の話だけど
そのメンデルスゾーンの例のレベルのコンセプトだけしか用いないとしたら
現代音楽は果たしてどうなっていただろう?
未だにずっとロマン派止まりだったりしない?
220 :
1 ◆pb9q4Mec :02/03/10 02:02
>206
弾いてみてもデタラメとどう違うのか分らないです・・・。
私、機能和声に毒されて頭が腐っているのでしょうか?
221 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 02:06
>>220 ある意味核心を突いている気がする・・・・
222 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 02:08
>>219 だから、そういう、作曲=コンセプテュアルアートの時代はもういいの。
もう、当時アンチアートとされていたものが、もうすでにアートの技法として定着してるんだから.
それを利用するもしないもかってだが、どっちにしても、気分で書いたって良いだろう。好きなように、のびのびと.
べつに、コンセプチュアルにやっちゃいけないってはいってないぞ.そうじゃなくても良い。そういう時代だといってるんだ.
223 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 02:10
結局現代はみんなどうして良いかわからなくなっているだけでは?
224 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 02:12
>>223 ようするに、どうやってもいいって言ってるの.
225 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 02:13
それと途方にくれてるのはどう違うの?
226 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 02:17
227 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 02:20
家路に迷って地べたに座り込んで泣いている子供との違い。
228 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 02:21
229 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 02:23
なるほど。
子供の例でいうと
今まで決めた方向に向かって歩いていたことの方が間違いだったと言う結論に達したのね?
230 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 02:26
>>229 というより、作為だろうが、無作為だろうが、そこに音楽を感じたかどうかによる。
231 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 02:28
バッハの楽譜なんぞみんな燃やしてしまえ!
風の音こそ最高の音楽だって言うノリ?
232 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 02:31
いや、そうではなく、バッハもすばらしい。
風の音も、それを音楽と感じればそれもまたすばらしい。
ようするに、何でもいいってこと、、ってさっきも言ったつもりだがなあ.
233 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 02:33
やっぱりそれだと泣き叫ぶ子供のイメージが・・・・
家なんかそもそも帰らなくても良いじゃないかということではないの?
234 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 02:33
ごめん、漏れ集団即興やってて、起こったことを何でも受け入れるって概念もってるから、そっから来てるんだな.この考え.
235 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 02:34
>>233うん。帰らなくてもいいんだよ.そこに音楽さえ感じたら.
236 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 02:34
フリーインプロビゼーションってやつね。
それも興味あるなあ。
237 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 02:36
>>229 それは違うだろ。
「今まで決めた方向」(典型的な例で言えば「戦後前衛」だね)の技法を
自分なりに消化して、現在も確固たる信念をもって作曲活動をしている人
達も多い。
と、いうより、音楽家が現代音楽界以外のところに生まれて、現代音楽の
お株を奪うような活躍をし始めている。
後の世代に甚大な影響を残したということに関しては、「今まで決めた方
向」というのには、大きな意味はあった。その業績を踏まえて多方向へと
拡散していくのが、現代の音楽家達なのだが、「多方向へと拡散していく」
ことは、「途方にくれている」ということとは違う。
238 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 02:38
>>224 昔聞いた話だが、「極度に管理された手法はでたらめと大差なくなる」。
ブーレーズか誰かが言ったか、またはブーレーズの事を言ったのか忘れたが。
239 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 02:38
>>235 そうだよね。
ということは今まで一生懸命歩いてきたことを否定
つまりバロックもロマン派も結局何の意味も無かったっていうことになるのでは?
今まで先人が発展だとか進歩だとか思ってたのは大きな勘違いだったと。
やっぱりバッハは燃やさなきゃ・・・・
240 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 02:38
ミュージック・コンクレートは一発芸。
聴き返そうという気にはならん。
241 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 02:39
何だか盛り上がってきてるね。
良スレの予感。
242 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 02:42
243 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 02:44
>>237 従来の技法を継承している人たちも
そうでない人たちもひとくくりにクラシックでいいの?
どっちが本流?
それぞれの派ははもう同じ音楽に関わっているとは言えないような気がするなあ。
244 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 02:44
>>238 ブーレーズの論文:「今や探求を!」のこと?
でも、良く出来た総音列技法作品というのは、そういう問題意識に何らか
の回答を与え得たからこそ、「良い作品」になっていると思うのだが。
ノーノとか松平頼則とかシュトックハウゼンの50年代とか。
245 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 02:45
>>239 いや、そうじゃなくて、今まで一生懸命歩いてきたことを、否定も肯定もせず、
ただそこにある音楽として受け入れる.
で、バッハを燃やしたら、その音さえ音楽だし、またバッハそのものも音楽だよ.
246 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 02:49
247 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 02:53
>>246 聴いてくれるのか?それはめっちゃサンクス.
ただ録音状態があんまり良くない.なんせ、何が起きるかわかんないから、レヴェル調整しようがないもんね.
ノイズも多い.
248 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 02:56
つまんない話をして悪いけど、
よく、現代音楽家は古典に敬意を払ってない、という言い方がされるよね。
でも、それって事実とは全く乖離した物言いなんだ。
バッハを尊敬していない作曲家など、探す方が難しい。
ブーレーズがその第2ソナタで「ソナタ形式を破壊」することと、彼がベ
ートーヴェンやバッハをそれなりにリスペクトする、ってことは両立する。
思うに、オリジナルを本当に愛している人、ってのは、単純なコピーとは
違ったオマージュを捧げようとするのではないだろうか?
249 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 02:58
いやつまんなくないし、よくわかるよ。
250 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 03:01
>>248それはウェーベルンがマーラーに対して思ってたことに近いのかな?
251 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 03:02
1氏は12音音楽には面白味を感じられなかったようだが、それなら、
デレク・ベイリーのような無調でのフリー・インプロビゼーション
から聴き始めてみるのはどうだろう。これもまた、ポストヴェーベ
ルンを切り開いた音楽として、決して忘れてはいけないものだ。
252 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 03:03
サティとバッハでもあてはまるかな?
253 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 03:04
おおっ!!!!!!!!
デレクが出たか!いいかんじになってきたぞ!
254 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 03:04
255 :
1 ◆pb9q4Mec :02/03/10 03:08
>251
フリーもどうもダメです。
ギリギリの秩序って感じは好きですが、秩序の崩壊はダメみたいです。
ホルストには秩序を感じるんです。
256 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 03:08
>>250 シェーンベルクがバッハやモーツァルトに対して思っていたことでも、
ベリオがマーラーに対して思っていたことでも、
湯浅譲二がシベリウスに対して思っていたことでも、
ラッヘンマンがドイツ3Bに対して思っていたことでも、
ある。
いろいろな言い方が出来ると思うけど。
257 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 03:10
>>247 コメントしたいけど正直漏れにどうこう評価できる音楽じゃなかった・・・・
ごめん。
258 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 03:11
私がシュトックハウゼンに・・・・なんて言えないなあ.
259 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 03:12
>>257 いいのいいの。聴いてくれただけありがたい。まじでサンクス.
260 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 03:15
261 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 03:18
フリーインプロヴィゼーションと名前では言うけれど、
「完全な自由」を標榜していると、こういうのは煮詰まってしまうもの
なんだ。
1960年代の終わりに、グロボカールというトロンボーン奏者兼作曲家が、
New Phonic Art という即興演奏団体をやっていたことがある。
その活動は、
1、事前の打ち合わせ無し(仕込みを一切排除するってこと)
2、練習も無し
3、反省会も無し
という形で続いていた。
この団体のメンバーは、現代音楽界、フリージャズ界の大物ばかりで
それぞれが凄いポテンシャルを持つ人々(クラリネットのポルタルと
か)。
でも、そういう「完全に自由」な即興では、凄い演奏も確かに生まれ
はしたが、続けていくうちにどうしてもパターンに嵌まってしまうこ
とがわかった。
(続く)
262 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 03:19
なんで自由即興関連スレはみんな荒れてるの?(藁
263 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 03:19
おお!!!!なんとグロボまで!
264 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 03:20
265 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 03:55
で、グロボカールはその時の経験を論文化することになる。
完全に自由な即興をやっていると、音楽は大体パターンにはまって
しまい。おおまかに5つに分類できるパターンを辿ることになると
いうわけだ。
「模倣」「合流」「躊躇」「流れと反対のことを仕掛ける」「流れ
と違うことをする」
>>57に出てきた、無調の樹海に迷い込んだ作曲家のように、「完全
な自由」が与えられても、それが音楽が持つ自由度へと結びつかな
いような例がここでも出てきたわけだ。
だから、現在のフリーインプロバイザーは、フリーとは言っても何
らかの規則に従って活動を行っている(と思う)。デレク・ベイリ
ーのようにヴェーベルンや初期電子音楽を参照した語法(=内的規
則)を守って活動する場合。また、ゾーンの「コブラ」のように、
アンサンブルを制御するルールを導入する場合もある。レアンドル
のように、リハーサルを繰り返して本番のステージが豊かになるよ
うに試みる(だから本番には、奏者は何らかの仕込みに従って音を
出すことになる)場合もある。とにかく、フリーインプロビゼーシ
ョンを豊かにしたのは、そうした「規則」なんだと思う。もちろん、
それは伝統的なクラシックの記譜が奏者へ与える拘束に比べると、
段違いに緩いものなわけだけど。
266 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 04:07
なるほど、かなり勉強になったな.
個人的には、この中ではゾーンのゲームピースにすごく惹かれる。
即興やってながら、厳格なルールが決まっているという相反する要素を兼ね備えている.
設定の仕方も、たとえばプロンプターに反する「ゲリラ」の存在とか、なかなか反社会的でしゃれている.
それ以前に、ゾーン周辺のメンバーの出す音が俺好みなわけだけど.
でもこれは、どちらかというと
>>218や
>>222で先ほど言ったコンセプチュアルなもののほうに属すると思う.
そうなると、やっぱりコンセプトの全く無い音楽ってのはできないのだろうか。(218で言ったこととは別問題として)
267 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 04:26
>>266 ゾーンのゲームピースについては、当時のニューヨークアンダーグラウ
ンドの豊穣さがバックグラウンドになっている、という論考があったな。
で、ニューヨークアンダーグラウンドの盛衰に応じて、ゾーンにもキレ
が無くなってきたと。
Exmusica誌上で大友良英についての詳細な論考を書いている野々村禎彦
氏によるものだったと思うが。
自由からの逃走だべ。
269 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 04:54
>>240 ミュジーク・コンクレートなら、
クセナキス:「ペルセポリス」
フェラーリ:「Presque rien #1」
という両極端な作品がお薦めでしょう。
何度聴きかえしてもすばらしいと、漏れは思う。
270 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 05:01
>>269 ミュージックコンクレートって、ノイズ系のテクノってみんな入るんじゃないの?よくしらんけど
271 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 05:57
57です。
議論が面白い方向に盛り上がっているので、
>>57の続きはまたそのうち
ということで、スマソ。
272 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 06:10
>>237 の訂正。何故か肝心な一語が抜けていたので、意味が不明な文章に
なってた。
>>229 それは違うだろ。
「今まで決めた方向」(典型的な例で言えば「戦後前衛」だね)の技法を
自分なりに消化して、現在も確固たる信念をもって作曲活動をしている人
達も多い。
と、いうより、そういう音楽家が現代音楽界以外のところに生まれて、現
代音楽のお株を奪うような活躍をし始めている。
後の世代に甚大な影響を残したということに関しては、「今まで決めた方
向」というのには、大きな意味はあった。その業績を踏まえて多方向へと
拡散していくのが、現代の音楽家達なのだが、「多方向へと拡散していく」
ことは、「途方にくれている」ということとは違う。
273 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 07:18
>>266 たとえば、ある音楽を聴いて「自分ならこうするのに」と考えることも
コンセプトを云々することになるわけで。
そういう意味では、コンセプトを思考することから、自由な音楽活動な
んて無い。「コンセプト」を「思想」やら「魂」やら「ぼくの好み」と
いった単語に置き換えても良いんです、この場合。
でも、「コンセプト倒れ」ってのが実際にあるのも確かなんだな。
それは、コンセプトを実践するだけの力量を持たない場合、
そもそも思考しているコンセプトが的ハズレな場合、
そういったことであって、コンセプトを思考することの良し悪しとは
別の段階にある話なんだと思う。
もう一つ
>>218 的なコンセプトについて。
確かに、作品があるコンセプトに貫かれて製作されていたからといって、
それを聴き手が感知しなくてはいかん、というものでもあるまい。
例えば、「変分法を使って最速降下線を計算する」コンセプトで作られ
たジェットコースターに乗る人達には、そのコンセプトを感知出来なく
ても単に楽しんでもらえば良いわけですよ。でも、その「コンセプト」
は客が感じる「楽しさ」と乖離しているわけじゃない。
数学赤点でもジェットコースターは楽しい。でも、その楽しさを演出す
る速度は数学的なコンセプトによって得られている。そういうのもアリ
なわけですよ。
で、思うに現代音楽のコンセプトなんて、皆そのようなもので。音楽学
者でもなく、演奏者でもない普通の聴衆は、「コンセプト」のことなど
意識せずに耳を傾けることだけに集中すれば良いと思うんですけどね。
274 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 07:33
275 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 12:01
まだまだクラ板も捨てたもんじゃないな。
276 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 12:15
それ程、レベルの高い議論とも思えない。
277 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 12:51
一般には難しいと思われていることを、
>>1にわかりやすく語ってみるスレ
なんだと思うが。
278 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 13:09
ということで今後は276がひたすらレベル高い話をするスレになりました。
みな心してきけい!
279 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 13:16
If we peer across its lands and peoples, we find throughout the whole of Europe
the effervescence of a mighty movement, whose first vibrations have already reached us,
whose full weight threatens soon to crash upon us.
Europe seems to us a huge volcano, from whose inside an ever-waxing fearsome roar resounds,
from out whose crater columns of black smoke ascend to heaven big with storm, and mantle all
the earth with darkness, while here and there a lava-stream, a fiery harbinger, breaks through
the hard-set crust and bears destruction to the vale below.
280 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 13:18
A supernatural force seems clutching at our quarter of the globe,intent on lifting it from its
old rut and hurling it to pathways new.
Ay, we behold it, the old world is crumbling, a new will rise therefrom; for [I3] the lofty
goddess Revolution comes rustling on the wings of storm, her stately head ringed round with
lightnings, a sword in her right hand, a torch in her left, her eye so stern, so punitive,
so cold; and yet what warmth of purest love, what wealth of happiness streams forth toward
him who dares to look with steadfast gaze into that eye! Rustling she comes, the e'er-rejuvenating
mother of mankind; destroying and fulfilling, she fares across the earth; before her soughs the storm,
and shakes so fiercely at man's handiwork that vasty clouds of dust eclipse the sky, and
where her mighty foot steps falls in ruins what an idle whim had built for aons, and the hem of
her robe sweeps its last remains away.
But in her wake there opens out a ne'er-dreamt paradise of happiness, illumed by kindly sunbeams;
and where her foot had trodden down, spring fragrant flowers from the soil,
and jubilant songs of freed mankind fill full the air scarce silent from the din of battle.
281 :
名無しの笛の踊り:02/03/10 13:22
やっぱりシェイクスピアはいいなあ♪
282 :
235=264:02/03/11 00:06
283 :
218=226=282:02/03/11 00:41
なんだかこのスレめちゃくちゃ面白いなあ。
>>273 全文に禿同。そう。まさしくそれ。そういうことを言いたかったんだなあ.
>>213や
>>217に対してね.
>そういう意味では、コンセプトを思考することから、自由な音楽活動な
>んて無い。「コンセプト」を「思想」やら「魂」やら「ぼくの好み」と
>いった単語に置き換えても良いんです、この場合。
>>218で言ったメンデルスゾーンの例など
まさしくこれなんです.
284 :
名無しの笛の踊り:02/03/11 02:08
261 265 273等です。
>>242 とりあえず、1部、3部、4部を聴きましたよ。
1部は、多様な展開が予想される局面があっても、ピアノが和声的なフレーズ
を弾いて音楽の方向性を握って放さず、周りがそれに引きずられているような
印象を受けました。集団即興の現場では、全ての演奏者が同じように音楽にコ
ミット出来るわけじゃないですよね。自分1人で和声と旋律を演奏出来るピア
ノのような楽器を演奏する人は、簡単に場を支配出来てしまうので、慎重な扱
いが必要だと思った次第。で次に聴いたのが3。
3部は、かなり興味深く聴けました。正直1部を聴いた時には印象の良くなか
ったピアノのフレーズにも乗れた。ただ、せっかく、ああいう擬似言語を考案
したわけだから、あれを音楽要素として、かなり高い精度でトレースされて、
有機的にからみあってくれば凄く面白いものになったと思います。‥‥そうい
うのは大変だと思いますけど。
4部も面白かったですよ。でも、これは既存のトラックに依存しすぎかな、と
も思いました。ピアノが怖い楽器であるのと同様、ターンテーブルも怖い、と
思う次第。あと、ファゴットのような楽器が参加しているなら、それを生かす
ような局面があっても良かったと思いました。というのは、ああいう音が小さ
い楽器というのは、周りが大音量で盛り上がるとどうしようも無いんですよね。
で、ここまで聴いてみたら、1部がああいう方向性だったのは、個々のプレイ
を差別化するための戦略だったのかな、と思うようになりました。
まあ勝手なことを述べましたが、もし私があの演奏に参加したなら、こういう
仕掛けを考えたかな、って感覚で書いたということで‥‥。ご笑覧下さい。
285 :
242=283:02/03/11 03:04
>>284 聴いていただき、また非常に丁寧なコメント、どうもありがとうございます。
大変参考になりましたよ.
まず、ピアノですが、実は鍵盤弾きだけで4人いたわけですよ.もちろん各自が専門楽器だけを弾いている訳ではありませんがね.
ピアノも3台用意し、シンセも使いました。
ですので、誰がどの部分を演奏したかは忘れちゃいました(笑)が、1部と3部のピアノは大体私が弾いてたと思います。
まず、1部に関して。これはライヴの最初ということもあり、実は朝9時半だったということもあって、あまり刺激的な音を使わず、
単純な和声でいこうと弾きながらひそかに考えていた(これもある種のコンセプトになってしまうのかな。コンセプトというよりは思いつきに近いけど.)わけなんですが、おっしゃる通りそのぶんちょっとピアノが和声を支配しすぎていたかもしれませんね。
3部は、まあ全てそうなんですが実演を見ていただかないと(といってもヴィデオはとってないんですが)伝わらない部分が多かったと思います。
ここでは、まったく無意味である(抽象的=音楽的な意味はあるかもしれませんが)発音を、ある行動を演ずることによっていかにも記号的意味を持っているかのような錯覚に落ちいるという、ある種の幼児性を伴った表現をしています.
286 :
242=283:02/03/11 03:05
続き
4部は、まあこれはある1人のメンバーの怨念を晴らすべく演ったものです(ここだけに関してははじめからそういうコンセプトをもって演奏した.)。
最後のほうは、シーケンスという、あらかじめ用意されたもの(それもメンバーが10年以上も前に作ったもの)を、思いつきで、フリーインプロに使用するという、相反する面白さがあると思います.
私としては(他のメンバーはどうかわからない)その怨念以外は全く準備をしたり、コンセプトも立てていない。(だからここに書いた、幼児性うんぬんや、相反するうんぬんなどは、あとから考察したものである)
部分わけも、まあ考えましたが、(4部以外は)考えた通りには全然なってない。
だから、
>ここまで聴いてみたら、1部がああいう方向性だったのは、個々のプレイ
>を差別化するための戦略だったのかな
というのは当てはまりません.
まあ、無意識のどこかでそういう考えが働いていたかも知れない、ということはできるでしょうが。(それもコンセプトになっちゃうのかなあ?)
で、こうなった結果(もちろん視覚的なものでも)を、
良かろうが悪かろうが、否定もせず肯定もせず、そこに起こった「音楽」として受け入れる、というのが私の考えです.(これも他のメンバーはどう思ってるか知らない。というかどう思ってるかということすら「音楽」になりうる)
あとちなみに、ターンテーブルは使ってません.悪しからず.
287 :
242=283:02/03/11 03:07
うわあ、長すぎるな、こりゃ
288 :
名無しの笛の踊り:02/03/11 03:39
>>285 >>286 部外者の勝手な物言いに丁重な返答を頂き感謝いたします。
まず、明らかな誤解についてのお詫びから。
>>286 すると、あの4部でのマンボ的なトラックはシーケンサーによるもの
なわけですね?ターンテーブルを用いて出来合いのトラックを流して
いたものと誤解しておりました。と、いうわけですので、先の感想の
中の「ターンテーブル」とは、そのトラックについて語っているもの
とご理解下さい。
ピアノに関しては、各部でかなりスタイルが違うように感じられまし
たが、複数の方が担当されていたわけですね。1部に関しての否定的
な感想は、あくまで夜中に書き物をしながら2ちゃんねるを見ている
奴→かつ音響的な刺激に飢えている、の感想なので、朝の9時に女の
子を連れてライブハウスへ行けば、違う感想を持った可能性もありま
す。また、スタイル、あるいはコンセプトと言い換えても良いですが、
については確かに趣味では無かったのですが、演奏自体は立派なもの
と感じていることを付記しておきます。
3部についてはコンセプトを丁寧に説明頂きましたので、そうした知
見をもってもう一度聴きかえしてみようかと思います。音楽受容とい
うのは補助線一つ引いただけで、全然印象が変わることが多々ありま
すので、それも、(このような音源のアップを含めた)プレゼンテー
ションの難しいところだと思う次第です。
さて、このやりとりを読んで音源を聴いてみようと思われる方もいら
っしゃると思います。そういう方への参考に(そしてもちろん私も知
りたい)、編成についての説明があれば良いと感じますが、書き込ん
で頂けませんか?
289 :
242=283 :02/03/11 04:18
>>288 あまりにも長い自己満足(藁)な文章を読んでくださってありがとうございます.
>あの4部でのマンボ的なトラックはシーケンサーによるもの
そういうことです。
>朝の9時に女の子を連れてライブハウスへ行けば、違う感想を持った可能性もありま
す。
ありがとうございます.とても広い考えをお持ちの方だと思いました.そうですね。受容環境が変わればまた印象も変わってくる。
>3部についてはコンセプトを丁寧に説明頂きましたので
あ、さっきも言いましたように、あの説明は、最初から立てたコンセプトではなく、起こったことを思い返して、こういう面白さがあったなあ、ということを述べたまでです.(もちろん無意識的にそうやろうとしていたとも言えるわけですが)
特に、この場合は、実演で起こった視覚的要素をを説明する意味で述べたのです.
>さて、このやりとりを読んで音源を聴いてみようと思われる方もいら
>っしゃると思います。そういう方への参考に(そしてもちろん私も知
>りたい)、編成についての説明があれば良いと感じますが、書き込ん
>で頂けませんか?
そうならばうれしいですねえ。普通にmuzieに登録してるだけじゃ誰も聴いてくれないからなあ。こういうもんは。
290 :
242=283:02/03/11 04:30
続き
編成は、
鍵盤奏者4人(シンセ、音響関係を含む)、ファゴット、チェロ、チューバ、パーカッション、サックス、聴衆
です。
これらの楽器が欲しかったというより、「即興やりたいひと〜」と募ったら、こういう編成になったわけで、これもある種の{起こったこと=音楽}の一要素であるわけです.
これらの人たちが、自分の専門楽器のほかもやっていたり(たとえばファゴットの人がパーカッションをやる)、小物(カリンバ、ケーナなど)を使ったりもしています.
291 :
名無しの笛の踊り:02/03/11 04:35
> 鍵盤奏者4人(シンセ、音響関係を含む)、ファゴット、チェロ、チ
> ューバ、パーカッション、サックス、聴衆
↑
この辺が良いね。
非常にケージ的。
ズレタ。逝ってキマス。
#矢印が差しているのは聴衆。
293 :
242=283:02/03/11 05:24
>>291 やっぱり無意識のうちにケージに洗脳されてんのかなあ?
確かに、ケージはすごく共感する部分がある.自分が日ごろ感覚的に感じている、日本特有のある種のネガティブさと似たようなものを、ケージの音にもコンセプトにも感じる.
ではここで予定を変えて、ケージについて。
ケージは、ピアノの弦に消しゴムを挟んだり、4分33秒のような
作品を書いているためか、適当に音楽と接していた人物だったか
のような誤解が蔓延しているけど、それはとんでもない話で、実
際は、ケージ程音楽家に対する要求が苛烈で、譜面が(それは図
形楽譜であっても例外では無い)が自分の考えた通りの解釈で演
奏されることを願った人物はいない。これが重要。
ケージの思った通りの音を作り出せなくて、クビを言い渡された
演奏家はいくらでもいる。
言葉を変えれば、融通がきかない石頭とも言えるのだけど、ケー
ジが常に確固たる音響イメージをもって、作品をつくりあげてい
たことの証明ともいえるよね。
プリペアドピアノも「4分33秒」も、真摯で厳格な音楽的思考の
賜物なの。だからこそ、プリペアドピアノというアイディアには、
ブーレーズすらが賛同したし、「4分33秒」がフルクサスの人々
へ甚大な影響を与えることにもなった。
295 :
242=283 :02/03/11 06:35
>>294 禿同.ケージのあの不当な評価はどうにかならんもんなのかな?
「4分33秒」が生まれた背景にはこういう流れがある。
1950年代に入って、ケージは易を用いた確率的な作曲法を始める
ことになる。要するに、コインを投げてそれが裏であるか表であ
るかによって、譜面上に書き入れる音価や音高を決めて行くわけ。
ただ、ケージは、そういうアイディアを思いつくと同時に、それ
が最も効率的に聴こえるシチュエーションを設定していた。そこ
がケージを偉大な作曲家たらしめている理由なの。こういう確率
過程を実際に動かすと、試行結果に揺らぎが出てくるのが必定。
この揺らぎがキッチリと認識される状況を設定した方が、作品の
内実が多様化してくるわけだ。
試行回数が少ない方が、揺らぎは顕著にあらわれる。そこでケー
ジは、こうした作曲技法を導入すると同時に、非常に音数の少な
い譜面を書くに至るわけ。こうすると、確率過程が作り出す揺ら
ぎを聴覚レベルできちんと認識できるようになる。
だから、ケージは作曲家としての責任を放棄したりはしていない。
そういった音数の少ない音楽を書き、そしてさらに、それが確率過程
によるものだ、となると、実際に演奏された時、ケージが譜面に細心
の注意をもって書き下した「偶然」と、聴衆が作り出すノイズという
「偶然」が競合するという状況に直面することになる。
ケージのように音楽的に厳しい物の考え方をしていると、後者を無視
して前者のみを「作品」として提示することなど到底出来ない。当た
り前のことだな。さらに無音室(周囲の音響を遮断した部屋)に入っ
た経験は、いかなる努力をしても、後者のノイズは決して遮断するこ
とは出来ないとケージに痛感させる。
すると一つのアイディアが生まれる。後者の「聴衆が作り出すノイズ」
のみを「作品」として提示すること。そうやって、4分33秒のアイディ
アは形になっていく。
>>295 不当な評価とはちょっと違う気が。
「4分33秒」が好奇の視線に晒され、ケージへの理解を抜きにして取り上げられる
という事は確かによくありますが、
多少なりともケージを知った上で彼を「音楽を弄んだだけの人」と評価する人は
現在はそれほどいないのではないかと思います。
不当な評価っていうと自分はシェーンベルクを思い浮かべます
(話の腰を折ってごめんなさい)
4分33秒が初演されたのは、1952年の、あと2週間ほどでケー
ジが40歳になろうという日だった。考えてみよう。プリペアド
ピアノの発明でヨーロッパにも名前を知られ始めたいい年をし
た作曲家が、恐ろしく大きなリスクを背負いながら発表した作
品なんだ。傑作か駄作か、という議論は別になされるべきだと
思うが、中途半端な覚悟で発表された曲では決してない。それ
は理解されるべきだ。
ただ、これを書いている私も、4分33秒が傑作だとは思わない。
むしろ、4分33秒を書いたことが、ケージの世間的なイメージ
を悪い方向へ固めてしまったことは悲しいと思う。晩年のケー
ジは、「俺は『ジョン・ケージ』なんかになりたくは無かった
んだ」と語ったという。泣ける話だよな。
ただ、ケージに4分33秒を発表させてしまうような、彼の生真
面目さがあったが故に、50年代のケージの作品は素晴らしい。
そこは決して忘れるべきじゃない。「易の音楽」も「16のダン
ス」も「ピアノとオーケストラのためのコンサート」も素晴ら
しい。どれも、曖昧さ無く音楽に接しようとした類稀な才能か
ら生まれたことを示す、一種の輝きを持った作品群だ。
そういう作品があったからこそ、ケージの思想は市民権を得た。
思想が先行したんじゃない。それを作品としてプレゼンテーシ
ョンすることに拘ったケージは、やはり作曲家以外のものでは
決して無いんだ。
>>298 いや、だから、20世紀にそれほど明るくないクラシックファンが、ケージのプリペア作品などを聴かずに、ただ変態作曲家扱いする人が多いと思う.
301 :
名無しの笛の踊り:02/03/11 07:49
勉強になります。
302 :
名無しの笛の踊り:02/03/11 09:29
随分昔に読んだ吉田秀和の全集の中に、ケージを大変面白い視点で解釈していた批評があったのを思い出す。
確かこんな概要。「作曲家がどんなに厳格に楽譜を書いても、必ず「違う」演奏になる。従って作曲家が「作曲」する割合は100%とは成り得ない。
演奏家、聴衆、その時に流れている時間(偶然性に繋がるのだろう)の介入する割合を積極的に認めて、作曲家はそれに全面的に委ねることは出来ないだろうか」
結果、我々が「音楽」に求めるものとは違う音が生じるのだが、凡人では気付き得ない真理を具象化し続けたケージの功績は大いに認められるべき。
ケージの「作曲」とは、極北であったが、世間の評価とは本質的に違うと感じる。
ところでこのスレッド(久しぶりの名スレッド)の最初のクエスチョンである、12音やトリスタンだが、機能和声とは主にシューマン前後までの複雑化した和声技術を、
それ以前の四声体声法に具体化したものなので、トリスタンを分析すると不安定な進行が浮きぼりになる(だからトリスタン和音という言葉がある)。
それに対し12音はその延長線上(否定、ではない)でのいわば「突然変異」で生じた理論なので、機能和声では絶対解釈出来ない。
参考書として、南弘明さんの「12音対位法(だったけ)」がくわしい。
全てのレスを読んでいないので、同様のレスがすでにあったらスマソ。
303 :
名無しの笛の踊り:02/03/11 23:28
>>302 >12音はその延長線上(否定、ではない)でのいわば「突然変異」で生じた理論なので、機能和声では絶対解釈出来ない。
絶対ってこともないと思う.無調にしたって、12音にしたって、各々の音の相互関係によって緊張感をコントロールしてることには変わりないから、
広い意味でのドミナント進行(ここでは、古典和声において非和声音が解決したり、或いはしないで別の方向に言ったりすることも含む)と考えることもできるんじゃない?
なんにしても、音の相互関係によって緊張感がうつろぐ(つまり音楽が成り立つ)ということを、広い意味でのドミナントモーションと解釈してもいいのではないかと思う.
304 :
名無しの笛の踊り:02/03/12 15:04
抽象的な話が多くて難しいなあ。
旋法がどうだとか倍音がどうしたとか音程が何度だとか言うのでは説明の付かない世界なんだろうか?
305 :
名無しの笛の踊り:02/03/12 15:11
ここは哲学板だぞ。304は数学板に帰れ!
306 :
名無しの笛の踊り:02/03/12 15:15
昔から音楽というのは数学と密接な・・・・・まいいや帰ります。
でも数学板ってどこだよ!
307 :
名無しの笛の踊り:02/03/12 17:04
>>304 究極的にはそういうところに落ち着くんだろうけど、「音楽経験は豊富だけど
クラシック初心者」って感じの1氏に現代音楽の話をするとなると、やっぱり
こういうコンセプトを最初に押さえてもらった方が良いのでは?
308 :
名無しの笛の踊り:02/03/13 16:09
やっぱりまずコンセプトありきってことになっちゃうのね。
309 :
名無しの笛の踊り:02/03/13 16:11
310 :
名無しの笛の踊り:02/03/13 18:49
コンセプトっていうとまた分かりづらくなりそうだな。
作曲家にどういう狙いがあるが故に、特定の技法を使って作曲を行って
いるのか、ってことでしょ?
311 :
名無しの笛の踊り:02/03/13 18:53
で、ケージあたりは既存のコンセプトを破壊するというコンセプトに従っていると…
312 :
名無しの笛の踊り:02/03/13 19:03
>>311 それだけじゃないだろ?
「ケージが既存のコンセプトを破壊した」というのは、確かに真実かも
しれないが、ケージの「狙い」のほんの一面でしかない。
313 :
名無しの笛の踊り:02/03/13 19:59
ケージの狙いの全貌とは?
314 :
名無しの笛の踊り:02/03/13 20:23
>>313 それを一言で説明出来るほどチンケな作曲家じゃ無いでしょ。
このスレを294 くらいから読みなおせば、ケージが考えていたことが
「既存のコンセプトを破壊する」といった単純な物言いに収束出来る
ようなものでは無い事が良く理解出来るのでは?
315 :
名無しの笛の踊り:02/03/13 20:32
占いとか消しゴムとか偶然性とか・・・・・
これだけだと単なる変わり者ですが?
316 :
名無しの笛の踊り:02/03/13 20:37
317 :
名無しの笛の踊り:02/03/13 20:49
変わり者であるという事と、既存のコンセプトを破壊しているという
事とどういう関係が?
318 :
1 ◆pb9q4Mec :02/03/13 23:07
えーと、しつこいようですが、具体的な手法は実際曲を聞いて分析するとして 不穏な和声に関してのコンセプトとは?
機能和声の拡大解釈ですか?
それとも『不穏な和声』の定義が曖昧?
319 :
名無しの笛の踊り:02/03/14 00:11
スコアが入手可能なクラシック曲の中から、1さんが「不穏な和声」があると
思う曲を列挙してみれば、それらについての解説を書いてくれる親切な人もい
るかもしれないよ。
今の質問では漠然とし過ぎてるね。具体的な曲名もホルストの「火星」くらい
しか出ていないと思うし。
320 :
1 ◆pb9q4Mec :02/03/14 01:25
> 319
そですね、じゃぁ、Holstに絞って話をします。
まず、「Venus」
3小節めは
Fmin. Gmin, Aフラットmaj7#11?(これってUST?)Bフラット9、DフラットMin.
DフラットMinへは一時転調だと考えれば良いの?
何を基準に 転調している?
「Mercury」
1小節めから
Bフラット→E のくり返しが3回続きますよね?そのあとA E D E と続くが
この増度進行は何か理論があるの?単なるフィーリング?
そもそもなんで弦どうしで調号が違うの?
「Saturn」
最初の部分
Fltが下からa f h →g es aの繰り返し
一瞬コードが変わってるように感じるが、
コンバスFにいってるから、じつはF7#11の一発もの?
「Uranus」
最初の部分
調性が良く分らない・・・Baug?
で、いちばんききたい『サスペンスものでよく聴かれる感じ』に近いものがこれ。
「Neprtune」の最初の部分
flt が g e g e dis gis h gis 〜
下は h g h g gis h dis cis 〜
ここはEmin.とG#min.の繰り返し?この長3度進行がとてもかっこよくのだが理解できない。
3小節めで木管がG#min.を形成しているが同時にT.b.がAmin.をぶっぱなす。
その後それぞれ木管はAmin.に解決。
なぜかっこよく聴こえるのか不思議?
このモチーフがその後形を変えて何度か登場する、いずれも恐ろしくかっこよいが理解できない。
321 :
1 ◆pb9q4Mec :02/03/14 02:01
その2
『サスペンスものでよく聴かれる感じ』例えばハワードショアの「羊たちの沈黙」の感じは
ラフマニノフに近い感じがするのは気のせい?、で ラフマニノフはトリスタン和声に近い感じがする。
かなり不均衡な感じだけどギリギリの線で均衡を保ってるかんじ...
まとはずれかな?
322 :
名無しの笛の踊り:02/03/14 03:11
>>320 スコア見てないから、耳だけなのであいまいなところもあるが、
「Venus」
Fマイナーを主調と考えるとYの同主短和音。
「Mercury」
B♭3和音の第2転回形を考える。F→E B♭→A♭(=G#)またはBナチュラル D→E
と、どの音も2度進行するだけでEに行けることから、広い意味での倚和音と考えられる.ちなみに、F,B♭、Dは、Eのロクリア旋法に含まれる。
弦どうしで調号が違うのは初めて知った.多調とも思えないし、見てみないとわからない.
「Saturn」
フリギア終止の最初の和音の引き伸ばし。EsはDisと考えると良い.Amのドッペるドミナント(XのX)9の第5音下降変質の第2転回形。それの偶成和音。F#11ってのはけっこう近い。
そのあとE9へ行く。
「Uranus」
ハ長調のX9の#5(上行変質)。でそのあとTへは行かずYの第1転回形(事実上Tの付加6)へ行く
「Neprtune」
EmはG#mのYの同主短和音。で、ここでGとG#に対斜が起こる。古典機能和声ではありえない.むしろ教会音楽の語法。
で、G#mはAmの倚和音。で、これも古典機能和声では絶対にありえない。なぜなら、解決する時に連続5度が生じるから.
このように、3和音によって成立しているのに古典ではありえない進行をする。これが現代の耳には、整合性と自由性を兼ね備えたものとして知覚される.(当時の耳にはまったく自由に聴こえたんだろうが)
もう1つ、教会音楽の響き(われわれには神がかった神秘的なものとして「刷り込まれ」ている。)によって、おそろしくかっこよいと思うのである、という推測.
323 :
1 ◆pb9q4Mec :02/03/14 03:23
>322
うわ、すごい..久々に「インターネットってすごい」と思った瞬間。
すごいね、2ch.って。
っていうか、あなたは譜面もないのに聴いてそれだけの事が分るのか。
プロですか?それとも俺が知らないだけで常識なの?
内容に関してはちょっと待ってください、もう少しよく読んで意味を咀嚼せねば完全には理解できない。
でもなんだかとても大事な事が分りかけてる予感。
324 :
名無しの笛の踊り:02/03/14 03:30
>>323 プロではないし、常識でもない.
けっこう独りよがりな書き方なので参考程度に.
特に最後の4行.
和音にしたって、他にいろんな言い方がある.これよりもっと簡素な理屈であらわせるかも知れん。
325 :
1 ◆pb9q4Mec :02/03/14 04:07
>「Venus」
> Fマイナーを主調と考えると ?、 の同主短和音。
フムフム、ちゃんと意義があるわけだ。なるほど。
>「Mercury」
>B♭3和音の第2転回形を考える。F→E B♭→A♭(=G#)またはBナチュラ>ル D→Eと、どの音も2度進行するだけでEに行けることから、広い意味での>倚和音と考えられる.ちなみに、 F,B♭、Dは、Eのロクリア旋法に含まれる。
倚和音??聞いた事あるな、(そんな程度です私の知識)
Jazzでいうところの裏コードとも取れますよね。
>弦どうしで調号が違うのは初めて知った.多調とも思えないし、見てみない>とわからない.
1stとViolaがBフラット。2nd とCelloがA で書かれています。C.b.はハ調
>「Saturn」
>フリギア終止の最初の和音の引き伸ばし。EsはDisと考えると良い.Amの
>ドッペるドミナントの第5音下降変質の第2転回形。
フリギア終止...そういうのもあるんだ..何も知らんな、俺
B7減5ってことですね。第2転だからこんなに下でF 鳴ってるんだ・・
>それの偶成和音。F#11ってのはけっこう近い。 そのあとE9へ行く。
なるほど、解決に近い形をとるわけだ。
326 :
1 ◆pb9q4Mec :02/03/14 04:08
続きです。
>「Uranus」
> ハ長調の ?」9の#5(上行変質)。でそのあと1Tへは行かず?、の第1転> 回形(事実上?氓フ付加6)へ行く
G7の増5ですね。それが聴いて分るのがすごい、貴方。
> 「Neprtune」
> EmはG#mの?、の同主短和音。で、ここでGとG#に対斜が起こる。古典機能和> 声ではありえない.むしろ教会音楽の語法。
> で、G#mはAmの倚和音。で、これも古典機能和声では絶対にありえない。> なぜなら、解決する時に連続5度が生じるから.
とりあえず意味は分りました。ちょっと混乱してます。
主調はEmin.ですか?調などないのかな?
『G#mはAmの倚和音』ですか、全部半音でぶつかるのになぜ美しいのだろう?
>われわれには神がかった神秘的なものとして「刷り込まれ」てい
>る。)によって、おそろしくかっこよいと思うのである、という推測.
この文素敵です。とりあえず私モードを勉強する必要がありそうですね。
327 :
1 ◆pb9q4Mec :02/03/14 04:10
特殊文字、文字化けしちゃいました。
見にくくってすみません。
328 :
名無しの笛の踊り:02/03/14 04:36
>フリギア終止
どの調、旋法にも導音というものがあって、たとえばハ長調ならシ→ドと2度上行して解決するが、
フリギア旋法だけはファ→ミと半音下降する導音を持っている.
それで、短調の場合ベースに第Y度音→第X度音という進行があって半終止する場合をフリギア終止というのだが、
この場合、X度(E9)の第2転回形へ行ってるから厳密にはそう言わないんだと思う.でもそれに近いテイストを持ってるってことは確かだけど。
だからちょっと混乱する書き方だった.スマソ
>倚和音
倚音ってのは、たとえばドミソなら、レ→ド や ファ→ミみたいに、和音の頭で入って解決する、一種の非和声音。
その倚音で構成された和音が倚和音。
たとえば、ドがベースになっていて、ラ♭ ファがそれぞれソ ミに解決するとき、
最初のFm(第2転回形)は解決する先のCメジャーの倚和音。
329 :
名無しの笛の踊り:02/03/14 05:00
>全部半音でぶつかるのになぜ美しいのだろう?
これに関しては、漏れが発見した法則(感覚的なものだが)で説明してもよろしいかな?
まず、3つ隣り合った半音はきれいでない.例えば、A、B♭、Bナチュラル.
こういう和音が起こらないように注意しながら、
まず根音を設定し、(たとえばとりあえずド)その上に、短9度、短2度以外のどの音程でも良いからどんどん重ねていく。増4、長7度を多く使うといいかも.
ドの上に、ドから長7度上のを置いてみる。そこから完全五度上のファ#、短7度のミ、完全4度のラ、増4度上のレ#
ド、シ、ファ#ミ、ラ、レ# 一見どう見ても複雑な不協和音なのにすごくきれいに聴こえる.
しかし、ここに短6度上のファを加えたとたんににごった響きがする.なぜかというとこの和音の中には
ミ、ファ、ファ#という3つ隣り合った半音が存在するから.
これおもしろいよ。いろいろ試してみて.
で、さっきの、ラ、ド、ミ、ソ#、シ、レ#をこの方法で分析すると.
ラの短3度上のド、そこから長3度上のミ、また長3度上のソ#、短3度のシ、長3度のレ#
で、ソ# シ レ#はラ.ド.ミのそれぞれ長7度上。
どこにも短9度は生じていない.また隣り合った3つの半音もない.すなわち、さっきの法則に合っている.
330 :
名無しの笛の踊り:02/03/14 05:22
そもそもこれって、ジャズのテンションノートやUSTがまったくこの法則に当てはまるんだよね。
で、スクリャービンの和声法もここから外れてない.
この2つに着目して逆算して割り出した法則なんだよね.
で、うまくやるとすごく複雑できれいな和音が作れるんだけど
ド、増4度上のファ#、完全4度上のシ、長3度のレ#、増4度(減5度)のラ、完全4度のレ、増4のソ#、長6のファ
これで8音あるんだけど、この法則に完全にのっとってるはず。
で、これを音階的に並べてみると、メシアンの考えた「移調の限られた旋法 第2旋法」になるんだな.(或いはジャズのディミニッシュドスケールでも良い.)
というか、ここからも逆算して割り出したんだけどね。
面白いからやってみて.
331 :
名無しの笛の踊り:02/03/14 05:24
>>329 >しかし、ここに短6度上のファ
訂正 長2度上の
でした。スマソ
332 :
名無しの笛の踊り:02/03/14 06:10
世の中にはすごい人がたくさんいるんだなー
333 :
名無しの笛の踊り:02/03/14 14:15
クラ板の未来は明るい
334 :
1 ◆pb9q4Mec :02/03/15 01:40
>328.329.330
ありがとうございました。
フリギアはフリジアンスケールのもとになってるものですよね、きっと。
みふぁそらしどれみ
USTの話面白かったです。
なるほど『全ての音が半音でぶつかる』というより上に積み重ねていくように弾くと確かに綺麗です。原曲でもそうなってますしね。
遊んでみましたが、色々やってるうちに耳が慣れてきてAmin./G#min.が凄く綺麗な和音に感じてきた...おもしろいですね、
主調というものはないんでしょうかね。Emin.っぽく感じるけど調号は無しです。
335 :
名無しの笛の踊り:02/03/15 02:04
こんなふうに聞くことができれば、近現代曲は楽しいんだろうな〜
自分の耳でわからないまでも、解説してもらうととても面白いです!
336 :
名無しの笛の踊り:02/03/15 02:08
>>334 フリギアとフリジアンは同じものですよ.
まああんな解説だったが、楽しんでもらえたらうれしい.
337 :
名無しの笛の踊り:02/03/15 05:22
1たんはポピュラー音楽には明るいんじゃない?
338 :
1 ◆pb9q4Mec :02/03/15 07:08
いや、今回のレスで「何度もピアノで弾いてみる」のがどれほど感覚を掴むのに役立つか再認識した、有難う322〜さん。
しかしピアノあんまりうまくないのですごく労力はいるけど・・
やっぱり音大出とけば良かったな〜〜頭悪くて無理だったけど。
329でおっしゃってることはすでに機能和声ではないのかな?
HOLSTは曲によって調号がないからすでに無調?
先のレスに出た感覚的無調ってやつかな?
そういう曲作ってると途中で何だか恐ろしくなってくる。
「何をしてもいい」と言われてるようで・・・
このあたり57で言ってる事は何となく理解できる。
339 :
名無しの笛の踊り:02/03/15 07:19
>>338 >やっぱり音大出とけば良かったな〜〜頭悪くて無理だったけど。
音大は頭いい人が行くとこなのかー。
340 :
名無しの笛の踊り:02/03/15 15:48
ほんとにダメな人は音楽も受験勉強もダメだろうけどな。
341 :
名無しの笛の踊り:02/03/16 02:42
無調ではないよ。ある音を根音とした和音があると言うだけで、そのおとを基準にしているのだから、無調とは言えない。
だからって何調というふうに断定できない。これはバルトークにしばしば見られる。
>「何をしてもいい」と言われてるようで・・・
だから基本的に何をしてもいいって前にもいったはずだけど.....
そこに何かしらの普遍性をもたせるために機能和声だの十二音技法だの、ようするにいろんな様式があるんだと思う。
やっぱり人間って何の基準もないと不安になる生き物だから。
342 :
名無しの笛の踊り:02/03/17 04:09
343 :
1 ◆pb9q4Mec :02/03/17 15:59
色々試したりしていると329さんの
『短9度を作らない.また隣り合った3つの半音を作らない法則』の普遍性が良く理解できてきました。
ところで、クラスターは全く対極にあるものですが、これには何か法則のようなものはあるのでしょうか?
344 :
名無しの笛の踊り:02/03/18 20:06
クラスターは、一見メチャクチャに作れば良いように思えるけど、響きが混濁
しないように作るためには職人芸が必要らしいよ。低音の扱いがキーポイント
だとか。
345 :
名無しの笛の踊り:02/03/18 20:39
あれれクラスターは混濁が狙いなのではないの?
346 :
名無しの笛の踊り:02/03/18 20:52
必ずしもそうでは無いでしょ。
伝統的なクラシック音楽オンリーの耳からはどう聴こえるかは知らないが、
「美しいクラスター」というのも確かに存在する。
クセナキスのように、混濁にはお構い無しで、とにかくグリグリ動かすと
いう選択肢もあるだろうが。
347 :
名無しの笛の踊り:02/03/20 12:40
良スレにつき、age 。
348 :
◆pb9q4Mec:02/03/20 16:27
クラスターやってると良いのかどうか判断つきかねます。
映画音楽色々聴いてみると確かにスリリングでなんとも言えないかっこよさのクラスターがある事に気付く。しかしコピーできない・・
D Es G Gis H
みたいなのってクラスター?
C(バス)の上に Dis E Gis H みたいなのは?
クラスターに定義はあるの?
349 :
名無しの笛の踊り:02/03/20 16:42
>1さん
クラスターのある映画音楽ってたとえばどんなの?
350 :
名無しの笛の踊り:02/03/20 19:51
代わりに答えよう。
ジョン・ウィリアムズ:「未知との遭遇」
キューブリックが「2001年宇宙の旅」にリゲティを使って以来、SF映画音楽
の基礎的イディオムになっている感がある。
351 :
名無しの笛の踊り:02/03/21 00:37
>ジョン・ウィリアムズ:「未知との遭遇」
これ最強
352 :
◆pb9q4Mec :02/03/22 08:51 ID:dvo+lATH
>349さん
>クラスターのある映画音楽ってたとえばどんなの?
ジョン・デブニーのエンドオブデイズとかね・・曲はあまり印象に残らないけどハリウッドサスペンスまるだし・・ってかんじの
353 :
名無しの笛の踊り:02/03/23 00:25 ID:C5PMNrbs
ピアノのクラスターはお笑い系でよく使われるよね.
354 :
名無しの笛の踊り:02/03/23 04:43 ID:4KIdDJSI
ピアノのクラスターはピアソラなどにも。
ポピュラー音楽にも常套的語法として定着した。
>>354 モダンチョキチョキズとかがやってたよなあ。
椎名林檎なんかはノイズを音楽へ混入してくるよね。
ピアノのクラスター奏法もやっていたし。
良スレ上げ
上がってなかった……。
359 :
名無しの笛の踊り:02/03/28 01:56 ID:eAl3rRPg
こういうの挙げたらきりないかもなあ。
小島真由美だってやってるでしょ。
age
あげ
362 :
名無しの笛の踊り:02/04/03 00:01 ID:Wi0ePaz2
ここは何処?
保全あげ
あげときます。書くネタがない
365 :
名無しの笛の踊り:02/04/19 13:13 ID:55yzZlNw
シェーンベルク以降の12音音楽の展開について、誰か解説してくれないか。
366 :
名無しの笛の踊り:02/04/23 02:53 ID:urfuKXbs
愛の死・・・・ああ!!