あなたの文章真面目にリライトします。第二稿。

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1名無し物書き@推敲中?
前スレ あなたの文章真面目にリライトします。
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/bun/1100408711

ここは、投稿者が書いた文章を真面目に読み、リライト(書き直し)をするスレです。
投稿の前に、かならずテンプレを読んでください。

このスレは荒れがちです。特に「リライトが改悪になった」なんていう話題はほぼ確実に荒れます。
優劣を追求せず、「下手な文章も、それはそれで刺激になる」くらいの余裕をもって眺めましょう。
いいリライトは褒めて、それ以外はスルーくらいで丁度いいかと。

■原作者へ
リライトの定義は人によって様々で、

・文法的な間違いのみ訂正する
・ストーリーの矛盾も修正する
・大まかなストーリー・構造だけとって再構成する
・原文をもとにデフォルメ・パロディ化

などなど、様々な方法が考えられます。
元原稿を投稿する際、「このやり方でリライトしてほしい」という要望があれば明記してください。

投稿はここに直接投下することをお勧めします。
別のところに投稿してURLを貼ることも可能ですが、あんまり分量が多くてもリライトが大変です。
2〜3レスに収まる範囲でここに貼ったほうがいいでしょう。
※創作文芸板は最大改行32行、最大文字数は1024文字。
改行の少ない作品なら1レスあたり原稿用紙2枚と少し程度。
2名無し物書き@推敲中?:2006/04/05(水) 16:49:25
■リライターへ
要望の有無に関わらず、リライトを投稿する際は、リライト定義を明記すると良いでしょう。
批評スレとの差別化を図る意味でも、元原稿に対する初弾レスにはリライトを含めましょう。
また、スレの主旨にそぐわない単発の批評行為は、投稿者からの希望がない限り自粛してください。
本来、よいリライトにはよい批評が含まれているものです。

■関連スレ
あなたの文章真面目に酷評します Part34
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/bun/1143813626/l50

あなたの文章真面目に酷評します 別館 Part2
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/bun/1142687473/l50
3751:2006/04/05(水) 16:52:11
新スレ立てました。
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/bun/1144223299/l50

テンプレは>752-753を採用。
41:2006/04/05(水) 16:55:34
>>3は誤爆です。すいません。。。

では、はりきってどうぞ。
5名無し物書き@推敲中?:2006/04/05(水) 18:03:51
(1/2)

リライトおねがいします。とくに要望はありません。ちなみに冒頭の部分です。

 夏の日差しは尋常じゃない。Yシャツ一枚だけでも、俺の身体からは汗がだらだらと出た。思わず着ている衣服を全て脱ぎ捨てたくなる。しかしその衝動を抑えて、どうにか俺は日陰までやってきた。
 校舎内は風の入りが悪くてでむさ苦しい。というわけで俺は今、高校の駐輪場、その隅に座っている。トタンなどで簡単に造られたそこは、涼しい風も入り込み、絶好の休憩スポットだ。
 といっても、俺の他に人影は見当たらない。それもそうだ。今は五時限目の真っ最中だ。県内有数の進学校、授業をサボるやつなんてそういない。俺はポケットから煙草を取り出して火をつける。赤マル、旨い。
「こら、何してる!」
 と突然の声。可愛らしい声。振り向けばそこに可愛らしい女子生徒。短い黒髪。俺と同じ一年生を表すラインの入った上履きを履いている。
「驚いた。先生かと思った。停学、そして高校中退、警察の親父から入魂パンチ。そこまで想像しちまった」
「あはは、ごめんごめん。それにしても君は面白い人だね。何してるの?」
 おっとこれはナンパされてるのだろうか。ここは精一杯自分をアピールしなければ。
「親父が芸人だからね。いつも夕飯の前に一つ笑いをとってくれるんだ。だから自然と俺も面白いのかもしれない。自分では実感湧かないんだけどね。それにたとえ俺が面白いとしても、それは親父のおかげだね」
「さっき自分で親父は警察だっつってたろハゲ。寒いんだよ。しかも話ずれてんだよゴラ」
 怖い。さっきとは打って変わってドスの効いた声だ。怖い。
「ごめんなさい」
 素直に謝る俺。男らしさゼロだなオイ。惨めすぎるだろ俺。でも怖いから仕方ない。
「でもこの暑さ冷めてくれたんだから、感謝しなきゃね。ありがとう。それで、君は何してるの?」
 可愛い声に戻った。俺はこの変貌ぶりに感嘆する。ここまでキャラを変えられる奴は生まれてこのかた見たことない。
「ええと、見ての通り煙草吸ってます」
 気付けば煙草は既に形を半分崩していた。灰が指先に近づいている。
「私はね、今しがた人を殺してきたところなの」
 ツッコミどころ満載。ゆえに俺はリアクションに困った。
「信じてないでしょ?」
6名無し物書き@推敲中?:2006/04/05(水) 18:04:22
(2/2)

「信じてます」
 とりあえず肯定する。肯定しないと殺される。本能がそう叫んだ。俺はただただ本能に従うことにする。
「教頭の田中啓次郎、殺してきたの」
 彼女はドラマのワンシーンみたいに寂しげな顔で、寂しげな声で言った。
「そんなこと、俺に言われても困ります」
 俺はただただ逃げたい。今すぐ、この場から逃げたい。俺の額から垂れる汗は、もはや暑さのせいではない。
「あのね、お願いがあるの」
 彼女は静かに言う。
「ちょっとここで待っててくれない?」
 断れば殺される。そう思った。俺はただただ頷く。
「ありがとう。ほんのちょっと間だから」
 そう言って彼女は去っていった。
 もう何がなんだかわからない。誰かたすけてくれ。
 そう心の中で叫んだ矢先だった。
「おいお前、何してる」
 重苦しい声だった。声の主を見るまでもなく、それは何十年と歳を経た者の出す声だとわかった。俺は顔を上げた。先生がいた。俺の手にはもうないが、俺の足元には煙草の吸殻があった。逃れようが無かった。
「ご、ごめんなさい」
 不幸はなぜこうも続くのだろう。俺は誰かのせいにしたくて、太陽を睨みつける。けれど眩しい。俺はうなだれる。
「認めるわけだな?」
 先生は言った。この暑苦しいなかスーツなんかきて、あんたもこの世界を暑苦しくしてるよ。
 俺はふて腐れて、
「そーですよ」
 と言う。もう面倒くさい。停学がなんだ。退学がなんだ。俺は自由でありたいんだ。
 不意に先生はポケットから携帯を取り出して、誰かへと電話を掛けた。
「私だが……そう、そうだ。教頭殺しの犯人、今しがた取り押さえたぞ。本人が自白したんだ。」
 ――――なんだって!?
7名無し物書き@推敲中?:2006/04/05(水) 18:17:16
リライトお願いします。小説書き方指南本にあった、
「殺してやる」をテーマに小説を書け、というものに沿って書いてみました。
原稿用紙5枚分です。
・ストーリーの矛盾も修正する
・大まかなストーリー・構造だけとって再構成する
以上の二点でお願いします。

(1/3)
[殺してやる]
 孝弘が受け取ったコピー用紙には、そのタイトルと作者である友人、日枝健二の名前と、略歴などが書かれていた。
「忌憚のない感想を頼むよ」
 喫茶店のテーブルの上に両肘をかけ、口の前で手を組んだ健二は落ち着かない表情で、向かいに座る孝弘にそう言った。
「いいけど、おれ、そんなに小説読まないぜ。おれの意見なんか参考になるの?」
 孝弘は原稿をぱらぱらめくりながら、コーヒーを口に運んだ。
「いいんだ。本を読まない人のほうが、素直に面白いかどうか、感じ取れると思う」
 言い終わると健二はえへ、と笑顔を見せ、視線を下げた。
「わかった。じゃあ、読んだら連絡するよ」
 孝弘はタバコに火をつけ、オメガの腕時計に目をやった。昼の三時だった。
「もし、よかったら今読んでみてもらえないか」
 健二は上目で孝弘を見ながらストローに手を添え、オレンジジュースをすする。
「だけどこれ、何ページあるんだよ。陽が暮れちゃうぜ」
「ごめん。時間がないんだ。それの締切、明日だから、直すなら今晩しかないんだ」
 原稿は二百ページはありそうな厚さだった。孝弘は髪をぐしゃぐしゃと掻きむしってから、ため息を一つついて、原稿のページをめくった。
「一ヵ月ぶりの休みだったんですけどねぇ」
 ちらりと目を上げ、健二の顔を見る。健二は苦悶の表情でまくしたてた。
「ごめん。孝弘忙しいの、わかってる。おれと違ってちゃんと毎日、遅くまで仕事して。でもおれ、孝弘しかいないんだ。こんなこと頼めるの。大体でいいから、ざっと、読んでみてくれたら、」
「大体じゃ意味ねぇだろ。とりあえず、ちゃんと読むよ」
 孝弘は原稿に目を落としたまま、言った。
8名無し物書き@推敲中?:2006/04/05(水) 18:18:08
(2/3)
 最後のページを読み終えると、すでに八時を過ぎていた。孝弘は原稿をとんとん、と机に立てて揃えてから、健二に差し戻した。
「ど、……どうだった?」
 健二は原稿をめくりながら尋ねた。
「ホラーだね」
 孝弘はタバコをくわえて、火をつける。
「うん、それは、そうなんだけど……どう?」
「いいんじゃない」
「ど、どこらへんが?」
「全裸の犯人が包丁もって立ってるのとか、ちょっと笑っちゃたよ」
「え、怖く、なかった?」
「まあ、怖いって言えば怖いけど。まあ、アクションとかもあって面白かったよ。はらはらした」
「でも怖くない?」
「いや、うーん、まあ怖いよね」
「そっか、それならよかった」
 孝弘の言葉を聞くと、健二は安堵の表情で、笑い、原稿を「ホラー新人賞 御中」と書かれた封筒に戻した。
9名無し物書き@推敲中?:2006/04/05(水) 18:18:58
(3/3)
「タバコ、一本もらってもいい?」
 帰りの車中、助手席に座る健二が言った。
「いいけど、おまえ吸うんだっけ」
「たまにね」
 孝弘からマルボロの箱とライターを受け取ると、健二は不器用に火を付けて吸った。
「孝弘、あのさぁ」
「なんだよ」
「なんでおれに構ってくれるの」
「なんだそれ、気持ちわりいな」
「小学校から一緒っていうだけで、おれに構っても得することないじゃん」
「得とかじゃねえよ」
「じゃあ、おれのこと見下してる?」
「してねえよ。ただ、なんとなくだ」
「理由はない?」
「ああ。別に理由なんかいらねえだろ」
「そっか、そうだよね、理由はいらないよね」
 健二はまだ吸いきらないタバコを、窓から投げ捨てた。

「今日は、ありがとね」
 助手席を降りた健二が、ドアを押さえながら言う。
「今度からメールにしてくれ」
 孝弘の返答に健二はにこりと笑い、「ちょっと待ってて」と言ってアパートの部屋に戻った。孝弘はシートを少し倒して背中を預け、目を閉じた。

 窓ガラスをノックする音に、孝弘は目を開けた。全裸に包丁を持った、健二が立っていた。
10名無し物書き@推敲中?:2006/04/05(水) 19:11:44
>>1
乙です。
テンプレ案採用(僕のは一部だけですが)ありがとうございます。
はりきっていきましょう。
11名無しリライター ◆molFCl3FQ. :2006/04/05(水) 20:21:39
>>5(1/2)―――――
「暑くてやってらんないよな。な、にゃんごろう?」
 コンクリ製の地べたに腰を下ろした俺は、にゃんご
ろうに声をかけた。だが、ヤツは俺などまるっきり気
にも止めず、駐輪場のど真ん中で地面に寝そべって、
毛繕いに余念がない。
 俺は唇を苦笑いの形に歪めて、ズボンの尻ポケから
マルボロを取り出して、火を点けた。
 ここは、真夏の殺人的な暑さをしのぐのに、最適の
スポットだった。ちょうど日中は校舎の日陰に位置し、
また遮るものがほとんどないので風通しがとても良い
のだ。五時限目を抜け出し、ここで吸う午後の一服が
最近の俺の日課だった。
 俺は暇潰しに、にゃんごろうの後を尾けていて、こ
こを知った。野性動物ってな、侮れないよな。
 にゃんごろうは、うちの学校に住み着いた黒ぶちの
野良猫だ。たま、でぶぞー、他色々、生徒はみな好き
なように呼んでいる。
 媚びず懐かず、食い物を目の前に差し出されてもひ
ょうひょうとマイペースを貫くにゃんごろうに、俺は
一目置いていた。
「まったく、みんなどうかしてるぜ」
 クーラーも無きゃ扇風機も無い教室で、全身に汗を
滴らせながらおべんきょう、なんざ正気の沙汰じゃな
い。
12名無しリライター ◆molFCl3FQ. :2006/04/05(水) 20:29:54
>>5(2/2)
(以下、有数の進学校であること、主人公が周囲とな
じめておらず孤独なことの説明を含んだ描写を一通り
こなした後、にゃんごろうが甘え声を出し、すり寄っ
ていくことをきっかけに、少女との出会いのシーン開
始。会話が始まります。高校生がタバコ吸っていいの?
 という台詞を少女にしゃべらせ、舞台が高校である
ことを決定するつもり)
――――――
書き出しが緩いので、より掴みを意識して原文みたい
に説明からストレートに入ってみたよ。インパクトを
重視するならもっと前をぶった切ってもいいかも。

>>5の顕著な欠点は文章中に設定をむき出しで書いて
しまっている事。これ、初心者はやりがち。ある程度はしゃーないが、主人公に
不自然な台詞言わせたりしてはだめ。

やっつけだからリライトも甘いしエピソードもあ
りがちだと思うが、みなさまご容赦。
13名無し物書き@推敲中?:2006/04/05(水) 22:15:32
前スレより。これ以外にもまだ二作品あるから、心ある人は頼む。

 怒られても私のせいじゃない。ノックしても出てこないこの家の主が悪いんだ。
 そう自分に言い聞かせながら、私はなめらかなブロンド――私の唯一の自慢の
種――を後ろ手に括りなおし、つづいて両頬に手を当てて下にひっぱり、への字
口をつくった。これはコット先生の顔だ。居眠りした生徒をチョークで叩き起こす
ときの顔。すっと伸びた鼻を高らかに、冷たい瞳を据えて「おだまりなさい」と一喝する、
それだけで生徒は哀れな子羊のようにすくみあがる「猛禽の顔だっ!」
 と、ひととおり自己暗示をかけ終えると、私の体温で生暖かくなった(何度も握っては
躊躇して、を繰り返していたのだ)ドアノブを握り、力をこめる。苔むしたドアが、まるで
孫に手品を見せる老人のようにゆっくりと動いた。私はそうっと中を――
「てめえら、黙ってりゃ調子にのりやがって!」
 ――覗き込む前に野太い咆哮が耳をつらぬいた。声にならない悲鳴をあげながら
身を翻す。しかしドアから家の主は出てこない。私はおそるおそるドアに耳をそばだてる。
 うおーっ、あにきーっ、という悲鳴に混じって、どっかんっ、がっしゃんっ、と何かが景気
よくぶつかりあう音が聞こえた。次の瞬間、ものすごい勢いで目の前のドアが開き、
重厚な樫製のドアと白い石壁の間で私はサンドイッチの具になっていた。
「ちくしょうヤブ医者め、覚えてやがれ!」
「あにきーっマジ痛てぇっ、医者を呼んでくれーっ」
 派手な足音がふたつ、私の目の前を通り過ぎていった。私はゆっくりと、重いドアを押し返した。
涙目の顔をあげると、脱兎のごとく遠ざかってゆく怪しい風体の二人組が目に入った。その陸上選手と
見まがうばかりの逃げ足にも、この異常事態を何とも思っていない住人にも、呆然とするばかりだった。
 ツーンとくる鼻の痛みに顔をしわくちゃにした私を除けば、誰一人としてこの騒動に関心を示しちゃいない。
洗濯物を干してるご婦人も、露天で野菜を売っている老人も、明らかに地上げ屋とわかる二人の
チンピラを「あれ、なにか通ったかな」とでも言わんばかりの呑気な目で見送っているのである。
14名無し物書き@推敲中?:2006/04/05(水) 22:16:57
 私はコット先生の言葉を思い出していた。教会の管理教区外がどれほど恐ろしいものか、先生は
「軍人上がりの8人なら大丈夫だろうと思っていたら同じような体格の20人に襲われた」だの、「ユース
から徒歩1分の路上で白人が頭から血を流して倒れていた」だの、「足元がぐにゃりとしたのでござを
めくってみると死体が転がっていた」だの、様々な話を引いて力説していた。
 先生、真面目に聞いていなくてごめんなさい。レポート課題はできるかぎり早く済ませます。
 ぴりっとした痛みを腕に感じた。見ると、二の腕のまんなかあたりの皮膚が裂け、じわじわと血がしみ
だしている。年代物のドアの端っこのあたりには、ひねくれた釘がささっていた。
「キズモノになっちゃった……」
 かくして満を持した第一声が、ようやく私の口から出たのであった。


 このあと、治療の描写では医者に「大げさなんだよ、ちょっとひっかいただけだろうが」などと言わせるかな。
ドアに挟まれて鼻が赤い、とかもネタにできるかと思う。
15名無し物書き@推敲中?:2006/04/05(水) 22:19:14
あ、書き忘れたが>>14頭のたとえ話は世界観の詳細が分からなかったからひとまず「ヨハネスブルグの
ガイドライン」からまるまるコピペした。要するに、こういう場合たとえ話を省略すべきじゃないな、ってこと。
1613-14の作者:2006/04/05(水) 22:51:47
>>15
ブラァーボッ!
素敵なリライトでした。
ありがとうございます。とても勉強になります。
17名無しリライター ◆molFCl3FQ. :2006/04/06(木) 00:57:28
>>5
もう少しサービスしとくよ。
猫をわざわざ出したのは、ただ単に主人公にここは涼しい、と言わせる
より、真夏の暑い日に猫がいる場所=涼しい日陰、の方が説得力が増す
でしょ? また、主人公が猫に語りかける事によって、主人公の孤独を
行動で表現できる(>>5の設定と食い違うかもしれないけど)。
ついでに、誰にも懐かないはずの猫が少女に懐けば、少女が少し特別な
存在に見える。

わかるかな?
猫を使うだけでほんの少し文章に厚みが増すでしょ?
こういう工夫が>>5の文章には全然ない。
発想や設定を工夫なく書き連ねてるだけじゃ、いけない、という事。
(エピソード自体は陳腐だが、あくまで例ってことでご容赦)
18名無し物書き@推敲中?:2006/04/06(木) 16:00:00
前スレの何番が残ってるの?
19名無し物書き@推敲中?:2006/04/06(木) 18:02:58
>>18

>>736-738(未)
>>739-744(新スレ>>13-14)
>>746-747(未)
2018:2006/04/06(木) 18:40:44
複数ページに渡るとノンブル必須にしたほうがよくない?
そうしてもらえるとリライトする人間はいちいち次のレスを
確認しなくて済む。
(1/2)(2/2)←例
21名無し物書き@推敲中?:2006/04/08(土) 14:06:02
前スレ>>736-738
文章は書きなれた感があります。
個人的には、意図的なのか、ひらがなが多くダラケタ感じ。
漢字変換した方が文章が引き締まるように思う。

引き篭もりのぼくがお母さんの死によって、社会復帰し、
それまでの経過を書記に著した?
内容については個人的な嗜好もあるのでノーコメントw

前スレ>>746-747も、文章は書きなれた感があります。
内容については個人的な嗜好もあるのでこれもノーコメントw
22名無し物書き@推敲中?:2006/04/08(土) 14:38:04
これはひどい
231/2:2006/04/08(土) 15:20:30
>>前スレ746-747

「座りたまえ、アルバン・パデッダ」
 アルバンは黙ってその言葉に従った。広い会議室には、明らかに子役人とは違う、<ビロードの>
官服を着た男たちが座っていた。十人委員会(コンシーリオ・ディ・ディエチ)といっても、実際
には選出された十名の委員以外に六名の元首補佐官と元首(ドゥーチェ)が加わる。そしてこの十
七名が、ヴェネツィアの、いや、地中海世界全体の、ありとあらゆる情報を掌握する者たちなのだ
った。
 アルバンはあらためて正面に座するその人物を見た。……間違いない、“海との結婚”祭のとき
に一度だけ目にした顔――ヴェネツィア共和国現元首、フランチェスコ・フォスカリその人だ。
 フォスカリは、着席したあともしばらくアルバンをじいっと見つめていた。だがそれは、猜疑心
に満ちた裁判官の目ではなく、もっと直接的で遠慮のない、いわば部下の能力を見定める為政者の
目だった。彼が何を言おうとしているのか、アルバンには見当もつかなかった。ただ、<無政府グ
ループの活動のとばっちりを受けた>などという話ではないことは分かった。そんな単純な話では
ない。
「君を今日、ここへ呼んだのはほかでもない。君の養父であるウンベルト・ディ・ロッシ氏に関し
て、聞きたいことと、知らせておくべきこと、そしてことによれば、頼まねばならぬことがあるか
らだ。まずは質問からいこう。君はお父上が現在、どちらにおられるか知っているかな?」
 ウンベルトがその血筋から、共和国国会(マジョール・コンシーリオ)につながりを持っていた
ことは知っていたし、したがって、彼らの用がウンベルトに関するものであるとは予想できる事だ
った。一介の商人の息子を召還しなければならない用向き自体には相変わらず見当もつかなかった
が、アルバンはひとまず息をついた。泣く子も黙る秘密警察に連行されて以来、彼はろくに息も
できない緊張状態にあったのだ。
242/2:2006/04/08(土) 15:21:24

「コンスタンティノープルです。いつものように商用で……その、少なくとも父はそう言っており
ました」
 と答えた。だが、会議室にいる男たちの無言の反応に、ふいに不安になる。
「……違うのでしょうか?」
「行き先は間違いないが、用向きは異なるな。いや、確かに彼はそちらで商売もしていたが、それ
はあくまでカムフラージュだ。彼は、政府のためにある仕事をしていた」と、フォスカリの右隣に座した、
見たところ五十がらみの鷲鼻の男がいった。
「政府のために?」
「新しいスルタンが即位してからこっち、我が国とトルコとの関係がにわかに緊張の度合いを高め
ていることは、君も知っているだろう?」
「ええ……」
「まだこれは公にしていない事実だが、どうやら現在ガリポリでは新たな艦隊が建造中らしい。つ
まり、スルタン・マホメット2世はコンスタンティノープルの陥落後も依然、ヨーロッパへの野心を
抱きつづけているということだ。我々はそのことを、君の父上を通じてトルコ宮廷に出入りする、
とあるヴェネツィア人歴史家から知った」鷲鼻の男は、いったん言葉を切り、水差しをとってグラ
スに水を注いだ。「わかるかね? つまりディ・ロッシは、我が共和国のために現地でスパイ活動
を行なっていたのだ」

<>内は、資料がないから適当に書いたけど、あったらちゃんと史実に沿った事を書きたいな、
って場所。
25名無し物書き@推敲中?:2006/04/09(日) 00:06:05
ヒトイネ
265:2006/04/09(日) 23:37:23
>>11
猫でそんな読み取れるのですね。なるほど確かに>>11さんのやつは内容が濃くなってます。素晴らしい。ついでに主人公が猫に話しかける変人にもなってる。凄い。
リライトありがとうございます。
前スレにも投稿したことあったんです。その時は作品の雰囲気を壊されたリライトされてしまって。キャラの口調が変わっていたり、性格が変わっていたりと。しかもリライター、後付の理由みたいなこと言い並べてきたんですよ。
ひどいでしょう?
でも良かった。このスレにはコテハンまでつけてる素晴らしいリライターがちゃんと居た。
ありがとうございます。感謝してます。本当です。
27名無し物書き@推敲中?:2006/04/10(月) 00:12:09
>>26
テンプレを読もうぜ。

>このスレは荒れがちです。特に「リライトが改悪になった」なんていう話題はほぼ確実に荒れます。
>優劣を追求せず、「下手な文章も、それはそれで刺激になる」くらいの余裕をもって眺めましょう。

>リライトの定義は人によって様々で、

>・文法的な間違いのみ訂正する
>・ストーリーの矛盾も修正する
>・大まかなストーリー・構造だけとって再構成する
>・原文をもとにデフォルメ・パロディ化

>などなど、様々な方法が考えられます。
285:2006/04/10(月) 00:33:26
>>27
よくわかった。ありがとう。
人いないから集めたかったんだ。
それじゃ消えるノシ
291/2:2006/04/10(月) 01:31:07
リライトお願いします。文法的な間違いの指摘をできれば。特にお嬢様っていう表現がうまく使えないので、そこをどうにかしてくれるとありがたいんですが。お嬢様って表現は使いたいんですw

 聞き飽きたチャイムが鳴り響いた。予鈴というやつで、あと五分したら五時限目の始まりを示す本鈴が鳴る。
 さあみんな教室に戻って戻って。図書室でサボられたりしたら私が叱られちゃうわ。あ、本を無断で持ってっちゃだめよ。
 上原さんの声がチャイムに続く。それをきっかけに、図書室がうめき声にあふれる。
「時間経つのは早いのね」
 と川窪さゆりは呟く。
「全くだね」
 と僕は頷いて、椅子から立ち上がる。
「今日はありがとう」
 取り戻した笑顔を見せて、彼女はそう言う。
「どういたしまして」
 僕も笑顔を返す。このやり取りが、なんだか昔に戻ったみたいだな、とふと思わせた。しかし、一年という時間が生んだ壁はあまりに高くて厚い。僕はもう彼女に恋心を抱くことはないだろうし、たぶん彼女はそんなことさえ考えてないだろう。
 僕達は人の波に乗って図書室をでる。喧騒に満ちた廊下の空気は、どこかすがすがしがった。それは図書室に篭っていたからか、彼女との話に夢中になっていたからか。たぶん両方だろう。
「それじゃ、またね」
「うん。またね」
 彼女は別れの言葉を言うと、僕を置いて歩いていった。次の授業に出るのだろう。昔から建前だけはどこまでもお嬢様だ。
302/2:2006/04/10(月) 01:32:07
 僕は次の授業に出る気分にはなれなかった。またつまらない日々の繰り返し。彼女と話して、それが馬鹿馬鹿しくなってしまった。
 野中先生を殺してやるのよ。
 彼女はそう言っていた。その後に冗談と言って笑ったけれど、彼女はそんな笑えない冗談なんてつかない。あの言葉は冗談なはずがない。
 いつ殺すんだろう。どうやって殺すんだろう。――そもそも、なんで殺すんだろう。
 彼女は重要なことは何一つ言わなかった。いや、そもそも殺すと言ったのが一番重要なんだけれど。とにかく彼女は、冗談で済ませてしまった。
 …………いまさら問いただす気分にもなれない。自分で調べよう。そうすぐには殺さないだろう。
 と、気付けば僕は廊下にぽつんと独り。さっきまで騒がしかったのは嘘のように廊下は静まり返っていた。
 それから五秒と経たずに本鈴が鳴った。風邪で休んだことはあっても、サボったことはなかった。だから、僕はこういう時のサボリ場所知らない。帰ってやろうか。そう思ったけど、このまま帰ったりでもしてみて途中誰かに呼び止められるのは嫌だった。
「…………はぁ」
 結局、僕は次の授業が待つ教室へと足を運んだ。そこで色々と考えよう。
31前スレ746・747:2006/04/10(月) 01:36:13
>>23
リライトありがとうございます。
<>内の指摘ですが、官服の素材はビロードや毛織物など様々あったようです。
また、十人委員会の取り締まりの対象には反乱者やそのグループといったものもあったので、
無政府グループというものもあったかもしれません(もっとも、委員会が一番警戒したのは、反共和主義の貴族だったようですが)。

歴史を題材にした小説では、どこまで史実に沿うべきか、あるいは多少事実を曲げても、
小説的なダイナミズムのほうを重視すべきか、なんてことを考えてしまいますね。
指摘された箇所も、そういったことに関係するところだと思います。
3229-30のリライト(1/2):2006/04/10(月) 06:22:50
 聞き飽きたチャイムの音が鳴り響いた。このチャイムは予鈴というやつで、五分後には五時限目の始まりを示す本鈴が鳴る。
 さあみんな教室に戻って戻って。図書室でサボられたりしたら私が叱られちゃうわ。あ、本を無断で持ってっちゃだめよ。
 司書の上原さんの声が室内に響き渡り、声を聞いた生徒たちからはため息が漏れた。
「時間が経つのは早いわね」と川窪さゆりは呟く。
「全くだね」僕は頷いて、椅子から立ち上がる。
「今日はありがとう」彼女はいつもの笑顔を取り戻していた。
「どういたしまして」僕も笑顔を返す。
 ふと、なんだか昔に戻ったみたいだな、と思った。しかし、一年という時間が生んだ壁はあまりに高くて厚い。僕はもう彼女に恋心を抱くことはないだろうし、たぶん彼女もそうだ。そもそも、僕が彼女の恋愛対象だったことなどなかったのかもしれない。
 僕達は人の波に乗って図書室をでる。喧騒に満ちた廊下の空気は、どこかすがすがしがった。それは図書室に篭っていたからか、彼女との話に夢中になっていたからか。たぶん両方だろう。
「それじゃ、またね」
「うん。またね」
 彼女は別れの言葉を言うと、僕を残してその場を去った。
 まったく、昔から上っ面だけはどこまでもお嬢様だ。きっと、次の授業に出るのだろう。あんな話をした後なのに──
 僕は授業に出る気分にはなれなかった。
 そして「授業なんて、つまらない日々の繰り返し」なんてことを思っていた。きっと、彼女との会話のせいだ。
3329-30のリライト(2/2):2006/04/10(月) 06:23:40
 野中先生を殺してやるのよ。
 図書館で彼女はそう言った。その後、「冗談よ」と言って笑ったけれど、彼女がそんな笑えない冗談を言うとは思えない。
 つまり彼女は本気なんだ。本気で野中先生を──

 いつ殺すんだろう。どうやって殺すんだろう。――そもそも、なんで殺すんだろう。
 彼女は殺意以外は何一つ語らなかった。
 …………いまさら問いただす気分にもなれない。自分で調べよう。そうすぐには殺さないだろうから。
 気付けば僕は廊下にぽつんと独り。廊下はさっきまでの喧騒が嘘のように静まり返っていた。 それから五秒と経たずに本鈴が鳴った。
 風邪で休んだことはあっても、サボったことはない。だから、僕はこういう時どこに行けばいいのかわからない。
 帰ってやろうか、とも思ったけれど、途中で誰かに呼び止められるのは嫌だった。
「…………はぁ」
 深いため息をついた後、僕の足は教室へ向かっていた。結局「つまらない日々の繰り返し」の中にしか僕の居場所はないのだ。
 まあ、いいや。どうせ、5時限目の内容など頭に入らない。だったら、彼女と彼女の殺意について考えを巡らしてやろう。

-------
>文法的な間違いの指摘をできれば。
ということでしたが、それ以外も手を入れてしまいました。まあ、僕の文法も怪しいわけですが……

>特にお嬢様っていう表現がうまく使えないので、そこをどうにかしてくれるとありがたいんですが。
文法上はそれほど問題ない気はしたのですが、リクがあったのでちょっと変えてみました。

一応、原作の文体や空気感を損なわないようにリライトしたつもりです。
重要視したのは「主人公の退屈な日常が彼女との会話によって変化しつつある」イメージ。
それが明確になるように主人公のキャラを若干変えています(これは好みが出たかも)
34名無し物書き@推敲中?:2006/04/10(月) 08:26:33
>>5=28
消えるなんて言うなよ。このスレは原作者がいなくなったら終わるんだ。
君が消える=終わりに一歩近づく ということ。

テンプレには若干反してたかもしれないが、まあ、それはそれだ。
次から気をつければいいだけの話。

次回作、楽しみにしてるぜ。
35名無し物書き@推敲中?:2006/04/10(月) 13:18:00
リライトの必要性はどこに? リライトしてほしい奴は何故に?
思春期の少年と手コキ上手なお姉さんの構図か。お姉さんもオナニーに過ぎないし、もう恥ずかしいったらありゃしない
36名無し物書き@推敲中?:2006/04/10(月) 13:27:13
誰にも見せず意見も貰わずコレで最高だと一人で満足するオナニーよりは
手コキ上手なお姉さんにしてもらったほうがいいです。
お口の方がもっといいです。
37名無し物書き@推敲中?:2006/04/10(月) 13:46:47
まあリライトする側の訓練という意味合いも強いわな。
38名無し物書き@推敲中?:2006/04/10(月) 14:00:06
「必要性」?
ものを書くことの理由に?
39前スレ736-738:2006/04/10(月) 18:33:38
だれかリライトお願いします……
401/3:2006/04/10(月) 19:50:44
>>前スレ736-738
いい文章なんであまりいじりたくないってのが正直なところなんですが…。
だから僕のは、原文に対する別アプローチ、テンプレにある
>・大まかなストーリー・構造だけとって再構成する
ってことでリライトしました。

 僕が母さんのことを感じるのは、いつもドア越しだった。直接見ることはできなかったし、だから母さ
んがキッチンでなにをしていたとかそういうのは、ただ、僕の頭の中で想像していただけのことだ。でも、
想像するのはそんなに難しくなかった。だって、僕の知ってる母さんは、すごくわかりやすい人だったから。
 五年前に兄ちゃんが母さんの誕生日プレゼントとして、新しい電子レンジを買ってきたときの反応もわ
かりやすかった。とにかく嬉しそうだった。ドア越しの母さんがその電子レンジを前にして、
「これで、○○(ぼくの名前だ)のためにパンをつくってあげられるね」
 なんて思ったことも、そしてそんな様子の母さんを見て、兄ちゃんが眉をひそめたんだろうことも、簡
単にわかる。兄ちゃんは好きこのんで面倒ごとを引き受ける母さんのことが理解できなくて、そんな母さ
んを理解できないまでも好きになろうと努力していた。理解できないこと……つまり、母さんが抱える面
倒ごとの一番は、やっぱり僕で、僕に対しても兄ちゃんは好きになれずにいた。
電子レンジのプレゼントだって、兄ちゃんの「努力」の一つなんだろう。母さんが死んでから兄ちゃんと
はもう、あまり会わないけれど、きっと相変わらずだと思う。相変わらず僕のことが理解できないし、好
きにもなれないでいるはずだ。僕は兄ちゃんのことは好きでも嫌いでもないけれど、どこか自分自身を悲
しくさせている人だって、そんなふうに思ってた。
412/3:2006/04/10(月) 19:51:25
 アレルギー持ちで喘息持ち、そして吃りで部屋から一歩も出られない僕に、母さんは新しい電子レンジ
でパンをつくって食べさせるのを、まるでそれが自分の使命かなにかみたいにつづけていた。ぼくは牛乳
だとかバターだとかが食べられなかったから、長いことパンを食べていなかったんだ。今ならそういう、
バター抜きのパンをつくってくれる店もたくさんあるみたいだけど、その頃はあまりそういうところがな
かったから。
 ある日の夕方、キッチンの方から香ばしい匂いがしてきて、僕は眠れなかった。 母さんがご飯を運ん
できたときに、
「パン、練習してるの?」
って訊いてみると、
「そう。難しいものね、失敗しちゃった」
って母さんはいった。
「食べるよ」
「えっ?」
「失敗しちゃったやつ、全部食べるよ。食べたいから」
 その後、ドア越しに母さんが泣く声が聞こえた。……本当にわかりやすい人だった。

 結局、それから20分くらいしてから母さんが運んできたパンは、黒焦げでお世辞にも美味しいとはい
えないものだった。僕はそれをカリカリ食べた。全部残さず食べた。さすがに「美味しかった」とはい
えなかったけど、今ではいっておけばよかったって思う。嘘でもなんでもいいから。一言だけ、そうい
ってあげればよかった。
423/3:2006/04/10(月) 19:52:12
 次の日の朝、僕はドアの前に行儀よく切られたパンとサラダとゆで卵とコーヒーがあるのを見つけた。
僕の目はパンに釘付けになった。昨夜の黒いパンじゃない、濃いきつね色の皮に、きれいな切り込みが
三つ入ったフランスパンが朝陽に照らされて、光沢もつやつやと並んでたんだ。なんていうか、とって
も綺麗だった。食べ物に「綺麗」だとかいうのはおかしいとは思うけど。それに、とてもいい匂いがし
ていた。
僕はそのパンを、一口だって食べられなかった。パンを食べようと口を開けて目の前に持っていった途
端、なぜか母さんの顔がぱぁっと頭の中に広がって、それがまるで実際に母さんがすぐ傍にいるような、
そんな錯覚を起こさせたから。その瞬間僕は、「わぁっ」て悲鳴をあげてそれを放り出しちゃったんだ。
なにせ母さんの顔はここ数ヶ月、まともに見てなかったし、感じるときは大抵、ドア越しだったんだか
ら。夢の中で見たようなものなのに、現実に人の顔を見たのと同じような気持ち悪さと生暖かさ、それ
に怖さに、そのときの僕は耐えられなかった。
だから、そのパンは結局食べずに、ビニール袋に入れて机の引出しにしまってある。

 今じゃそのパンは、カビだとか生えて訳のわからないものになっちゃってる。腹をこわしたくないか
ら食べないけど、食べたってきっと美味しくないと思う。けど、僕は誰かに、
「好きな食べ物はなんですか」
みたいなことを訊かれたら、いつだって、
「パンです。きつね色に焼けてて、きれいな切り込みが三つ入ったフランスパンが好きです」
って答える。一度だって食べたことないけれど、そう答えるのに迷ったことはないよ。
でも、今でも未練がましく考えることはあるな。同じことを母さんにいってあげたいなって。ドア越し
じゃなく、直接にね。
43名無し物書き@推敲中?:2006/04/11(火) 02:29:19
数分置きにすれ違う車をかわしながら薄くかかった
霧としとしとと降り注ぐ小雨に全身を覆った防雨服を濡らしながら
山道の路肩を一人歩く。
山から染みだした雨水がコンクリートの緩やかな傾斜をつたう。
それが靴にぶつかり、跳ねた滴が靴にしみ、
冷たいような気持悪い様な感覚が襲い、気だるさを満身させる。
一つ・・・・・・
二つ・・・・・・
黄色いリボンで印された道ぞいのブナの木を数えて行く。
三つ・・・・・・四つ・・・・・・
四つ目に差し掛かったところで小さなメモを取りだし眺めたあと
四つ目の木の周りを素手で探った。
そして鎖を掴み取りぐっと持ち上げ、鎖の先に繋がれた
鉄板を引き上げた。
メモをポケットにしまうと、スルスルと鉄板の下の穴の中に体を
滑り込ませた。


リライトお願いします。
※あえてダルい文章を書いています。酷評スレ >>266 参照

このダラダラ調でリライトして頂けると有難いです。
44前スレ736-738:2006/04/11(火) 03:00:47
>>40
リライトありがとうございます。やっぱり、他人の視点からすると
力点の置き方がいろいろあるなーって実感します。
45名無し物書き@推敲中?:2006/04/11(火) 20:09:46
>>43
 あたりにたれ込める霧を突いて降る小雨でぐっしょりになった雨具を着たまま
峠道を上っていた。一時間に一台か二台車が来るたびに、山側の崖に身を
へばりつかせたが、岩の隙間に生えたシダに埋もれたからと言ってこれ以上
濡れようもなかった。
 山肌を伝ってきた雨水が道に流れ出し、しばらく磨いた覚えもない靴を洗った。
すっかり冷えた脚が靴の中で立てるがぼがぼと言う音を聞きながら何とか足を
動かしていると、今にも膝から力が抜けそうな気がする。そんなことになればそのまま
川のようになった道に倒れてしまうのだろうが、それでもいいからいっそのこと横に
なって休んでしまいたかった。
 私は頭を振ってその考えを振り払うと、山に生えているミズナラに縛り付けられた
黄色いビニールテープを数え始めた。四つ目のミズナラまで来ると、私はポケットから
ふやけたメモを取り出した。クマザサの茂みにメモを放ると、私はしゃがみ込んでその
木の根本を手で探った。左手が探り当てた鎖をたぐり、その先が鉄板につながって
いるのを確かめると、冷え切った体に力を込めて鉄板を引き上げた。鉄板の下には
深さ2メートルほどで横に曲がっている竪穴が口を開けていた。私は鉄板の下に体を
ねじ込むようにして穴の中に体を落とした。
 
46名無し物書き@推敲中?:2006/04/11(火) 20:44:17
>>45
上手いけど重いなぁ。

>>43 の方が何故か読みやすく感じる。
まぁ俺の読書力が無いと言えばそこまでだけどな
47名無し物書き@推敲中?:2006/04/11(火) 20:58:54
 朝から途切れず降り続く霧雨が防雨服の繊維の上で小さな玉をつくり、
別の水滴に突かれてはじける。
 その男の足取りは、なめくじのように緩慢だった。革靴の中にたっぷりと入った水が
一歩進むたびにじゅぶじゅぶと音を立てる。枯葉や小枝で敷き詰められたけもの道を
踏みしめるたび、体温でぬるくなった水と冷たい泥水が靴下の繊維の隙間で混じり
合い、男の足に形容しがたい感覚をもたらすのだった。

 ひとつ、ふたつ、男は人差し指で、黄色いリボンが掛かったブナの木を数えている。
 みっつ、よっつ。
 男はズボンのポケットから一枚のメモ用紙をとりだし、四つん這いになって木の周囲を
撫でさすった。やがて男の手に、土よりも冷たく堅い感触があった。男は鎖を掴んでぐっと
持ち上げる。鎖の先には、マンホール大の鉄板が繋がれていた。
 男はメモをポケットにしまい、ずらした鉄板の下、暗い穴の中に体を滑り込ませていった。
48名無し物書き@推敲中?:2006/04/14(金) 04:24:51
 霧雨の降る山道を男が黒いレインコートに身を包みながら一人歩く。
 時折すれ違う車から水しぶきを受けようが男はただひたすら歩く。
 緩い斜面の上から流れる雨水は男の靴から靴下そして足へと染みていく。ぐっしょりとした気持ち悪い感覚が気だるさを満身させる。
 一つ…………二つ…………
 道沿いで黄色いリボンに縛られたブナの木を見つけては数える。
 そして四つ目。そこにたどり着くと男はメモを取り出して確認する。
――ここだやっと着いたこれでやっと報われるやっと私は…………。
 雨に晒されてぐっちゃりとした木の周りを男は素手で探る。そして鎖を掴んだ。
 それを力のあまりに引っ張るとその先に繋がれた鉄板がごりごり動いた。闇に包まれた深い穴が顔を覗かせる。
 男は自分の身体が汚れようがおかまいなしにその穴の中へと身を滑り込ませていった。
49名無し物書き@推敲中?:2006/04/14(金) 07:24:00
>>45 >>47 >>48
ありがとうございました。
非常に勉強になります。またお世話になる事があればよろしくお願いします。
50466:2006/04/16(日) 13:48:05
 酷評んとこに晒したやつ。主人公が最終的に狂って人切ったりしちゃうストーリーの冒頭。
 よかったらリライトしてくれ。表現変えるだけのリライトでもほぼ全部アレンジしてもかまわない
。ついでによかったらダメだしも頼む。
 
 午後の授業が始まって十分。
 俺はひたすら笑いをこらえていた。周りのやつらの私語が一切無いことから、緊張した空気は肌でよく感じられた。彼らは俺を待ってるんだ。
 黒板は清水先生によって半分以上を白く染められていた。そして、彼がミスを犯した今――俺による清水いびりが始まる。
「先生、そこ間違ってます」
 俺の声が教室に響き、清水先生の書き殴るチョークの音が止まった。
「小学校で習うような漢字ですよ。先生もう一度小学校からやり直したほうがいいんじゃないですか?」
 俺は馬鹿にしたような口調で言った。清水先生はちらりと俺をみやると、めがねを掛けなおして黒板に向き直る。
「ああ、そ、そうかもしれんな」
 必死だった。俺はついに笑いこらえるのが無理になって、
「腹いてー」
 といいながら机を叩く。続いて教室中が笑い声で溢れる。
 おまえそれ言いすぎだよ。あれでも先生なんだって。あー、まじうける。
 俺の独壇場だ。俺のセリフに皆がウけて、さっきまでの雰囲気は色を変えた。さすが俺。
「教師生活もう長くないんだから、気をつけてくださいよー」
 と一言付け加えてやる。清水先生は苦笑いを俺に返すと、また黒板に向き直って授業を進めた。授業、といっても彼が教科書の英語の日本語訳を黒板に書いているだけなのだが(笑)
51原稿:リチャと9人の妹(1/2):2006/04/16(日) 22:51:49
酷評スレに投稿したのですが・・・何故か無視されてしまっています(しくしく
主人公リチャ対9人の妹の闘いを描いた 『 リ チ ャ と 9 人 の 妹 』 を、ちょっと書いてみました。
リライトをお願い致します。

(1/2)

『リチャと9人の妹』

1章 1000回目のゲーム

 昔々、アザゲームというものがありました。これは2人がそれぞれ1匹ずつ精霊を
召還し、それを戦わせるスポーツです。K国にて発祥した由緒ある伝統的なゲームで
す。K国では毎年8月にアザゲームの全国大会が開かれます。今年でちょうど100
0回目になります。

 その準決勝が行われる日、リチャと妹のアリスはテレビを見ていました。
『何と言うことでしょうか!今年は外人選手がベスト4に2人も残っています。「ア
ート兎:イチ」と「IQゴリラ:マツ」です。どちらも日本の選手です。我がK国の
選手イチゴとバナナは記念すべき1000回大会の優勝を守れるのか?いや、何が何
でももらいたい。解説のポロリさん、どうでしょうか』
『アザゲームはK国の誇りです。イチゴもバナナも、その伝統を背負っています。
K国の選手が負けることは100%あり得ませんね』
『まずはマツ対イチゴの試合。両選手の入場です』
結局、この準決勝ではK国のイチゴとバナナが敗退。
マツが1位。イチが2位という結果に終わってしまった。

52原稿:リチャと9人の妹(2/2):2006/04/16(日) 22:53:33
(2/2)

『リチャと9人の妹』

2章 9人の妹

 次の日、次の記事が新聞トップを飾った。
『将軍様大いに悲しむ:昨日行われた第1000回アザゲーム全国大会において、日
本選手に1位2位を奪い取られてしまうという結果に終わった。偉大なる将軍様はこ
の結果をご覧になり「私は非常に悲しい」と仰せられました。将軍の弟様も「今後は
選手の育成を強化していきたい」とコメントされました』

 それから1週間後。リチャが学校から帰ると、家の前に黒い車が数台止まっていま
した。母はこう言いました。
『あなたとアリスは今日から別の人の養子になるのよ。元気で頑張ってね』
リチャがびっくりしていると、知らない大人達に無理やり車に乗せられてしまいまし
た。車は走り出し2時間ほどすると大きな建物が見えてきました。隣のシートに座っ
ていた男が言いました。
「ここが今日からリチャ様がアザゲームの特訓をするサラ家です」

 建物の中に入ると、リチャとアリスを一人の女性が迎えてくれた。
「リチャちゃん、アリスちゃん、こんにちは。私が今日からあなた達のお母さんよ」
新しい母は事情を話してくれた。リチャの祖父は14才からアザゲーム全国大会を8
連覇した人だった。その優れた遺伝子を持つ孫たちを集めて鍛え、優秀な選手を作り
出すということであった。新しい母は言った
「おじいちゃんの孫は全員私の養子になったの。リチャ以外は全員女の子で、リチャ
が一番年上だから、リチャには9人の妹ができたことになるわね」
53名無し物書き@推敲中?:2006/04/16(日) 22:57:50
>>50

 富中学校で午後の授業が始まる。
 時計は14時15分を指し、秒針が38秒目を刻み込む。
 40人も教室の一つに詰め込まれているにもかかわらず、1つの音をのぞいて声が聞こえ
なかった。
 その音は黒板を神経質そうにたたきつけるチョークの音だ。

 年老いた白髪の男性が白いチョークを深緑の黒板にノミをたたき落とすように書き続け
る、額にうっすらと汗が浮かんでいるのが見えた。

 " Have no fear of perfection. You'll never reach it."
 " I am neither an optimist nor pessimist, but a poibilist."
 
 そんな文を見える。
 その文章のおかしな事と言ったら。
 poibilistだって?
 そんな単語はどこにもない。

 「清水先生。poibilistの単語の意味を説明していただけますか?」

 チョークの音を、叩きつぶすかのように声高い少年の声がそこに響く。
 その一言は白髪の男の指をとめ、クラスに盛り上がる期待の沈黙が漂う。
54名無し物書き@推敲中?:2006/04/16(日) 22:58:28
>> 53 つづき
 「先生。説明は?」

 白髪の男は唇をふるわせ、はじかれたように手元のノートを見つめ、そして、僕を見る。

 「す、すまない。ま、間違いだ。まちがいなんだよ。久保君」

 僕はかぶり振って、立ち上がる。

 「先生。だめですねぇ。僕が見たときも、いろいろな本を読まれていたようですが…英
語の教師がそんなことも間違えるなんて」

 そう。彼は生徒から取り上げた本でオナニーをするような男だ。その様子を見た僕は刻
銘に覚えている。あの恍惚としたうっとうしい表情。

 「せんせい、だめですねぇ。そこはpoissibilistですよ。やっぱり、先生もお年ですか
ね?」

 硬直化した年を取った顔に、引きつったような笑顔が浮かぶ。

 「はははは、むずかしいねぇ。英語というのは」

 そのまま、黒板消しを取ろうとして足がもつれ、教室の床に転ぶ。とたんに教室に笑い
声が響く。全員が笑っている。年老いた先生を、清水先生を、ただの一人の人間の行動を、
全員が笑う。

 あの男は惨めだ。たった一つ見られたことで全てが惨めなのだ。
5550:2006/04/17(月) 02:22:48
>>53
感動したw笑っちまったw
いや、ほんとすごい参考になった。ありがとう。
つまり、下ネタもってくればおkってことだな?
56名無し物書き@推敲中?:2006/04/17(月) 02:34:06
>>55
 横レスだけど、どこが違うかといえば主人公の大物感だな。
>>50は「あいつミスしねーかなー」とかせこく他人のアラ探しを
してるように見える。芸人が楽屋裏でダルそうに煙草を吸ってるのを
見せられているようで、見苦しいだけで笑えない。

>>53はごく自然にミスを見つけ、ごく自然に罵倒しているから、
見ているほうも笑いが自然に出てくる。
5750:2006/04/17(月) 17:37:15
>56
わかりやすくサンクス
たしかにそうだな。なるほどよくわかった。俺に出来るかしらんが頑張ってみる。
いつか違うシーンも投稿するかも(もちろん、言われたかぎりのことはやって、ね)
その時はよろしくたのむ。サンクス
58名無し物書き@推敲中?:2006/04/19(水) 04:41:39
短いので質問スレかと思ったが一応リライト希望なのでここへ。

私はこれまで神社に生まれたことを幸運と思うことはなかった。
しかし境内の掃き掃除と言う膨大な単純作業が発生する家庭は、
今の私にとってありがたいことだ。

補足
「私」は新しい鞄を買いたい高校生。庭掃除で親から小銭をもらって買い物の足しにしたい。

どうにもくどくて分かりにくいのですっきりした文章にしてほしい。
59名無し物書き@推敲中?:2006/04/19(水) 16:01:22
>>58
もうちょっとわかりやすく、順序立てた文に直すなら、

私の家は神社だが、それを幸運と思ったことはない。
境内の掃き掃除という、膨大な単純作業を日常的にやらされるのは、
私には苦痛以外の何物でもなかった。
だが、ここ最近、急に考え方が正反対に変わってしまった。
今ではこの環境をありがたいと思っている。

「私」は高校生ということなんで、それらしく口語体に直すなら、

神社に生まれてなければ、境内の掃き掃除なんて、
死ぬほど退屈で単純な作業をやらなくてすんだんだろうにな。
ああ、普通の家に生まれたかった。
――と、今までは思ってた。
まったく、我ながらなんて変節ぶり。
親に言われて嫌々やってた仕事も、
それが、欲しいものを買うための小遣い稼ぎということであれば、
こうも受け取り方が変わってしまうのか。
神社最高。俺はラッキーだ。

すっきりさせるということであれば、

家が神社であるおかげで、今の私はとても助かっている。
神社に生まれたことにも、境内の掃き掃除という単純作業をやらされることにも、
今まで感謝なんてしたことはなかったのだけれど。

……お好みでどうぞ。
60名無し物書き@推敲中?:2006/04/20(木) 23:39:42
そんな未来世界の秩序が今崩れ去ろうとしていた。”インテリジェント・モグラスーツ”が開発されたのだ。
モグラスーツはなんと地底3万メートルまで潜航することができる、驚くべき代物だ。両腕に装備されたモグラ
アームは地中の水分をそのまま吸収することが出来るから、水の価格が暴落してしまった。さらに
モグラアームを使えば地中に埋まった宝物まで発掘できてしまい、次々と発見された埋蔵金により未来世界
に強烈なインフレを巻き起こす。さらに穴ぼこだらけになった地表はまるで地獄の落とし穴と化した。モグラスー
ツを持たぬものは道を歩けば3秒で転落してしまうのだ。まるで密林にしかけられたトラップのようだった。
世界抗議団体SPQは膨大な圧力をS・ボランティ博士にかけた。
そして博士は最後にモグラスーツの致命的欠点を明かしてしまう。それは泳げないことだった。
61名無し物書き@推敲中?:2006/04/24(月) 23:50:40
あげてみる

>>60
依頼がないからコピペや誤爆と区別がつかん。すまんが俺はスルー。
621/2:2006/04/25(火) 17:02:32
 あるとき紗江子が一人の女性を、“友達”と称して紹介してくれたことがあった。
及川初実という名前の肉付きのいい――有体にいえば肥満気味の――背の低い三十代の女性で、身に着け
ている服や装飾品は派手で高価そうだったが、それらが年の割りに老けた彼女の顔の、生気のなさを際立
たせる役にしか立っていなかった。
 紗江子のいう“友達”が、どういうニュアンスの言葉なのか僕にはわからなかったが、それは初実さん
も同じだったらしい。困惑した様子で、それでも彼女は、
「紗江子のお友達ですって?」
 と、もともとない愛想を無理して引き出そうとするかのような、強張った笑顔で僕に対した。紗江子の
性癖を知っているなら、初実さんが僕に警戒したって当然だ。警戒されるような事実は、あいにく僕らの
間にはなにもなかったんだが。
 紗江子の話では初実さんはパースデザイナーで、離婚歴があるとのことだった。離婚の際には莫大な慰
謝料と、南青山にあるマンションをもらっていた。それでアルバイトしながら安いモデルの仕事をしてい
る紗江子には幾度となく、そのマンションで一緒に暮らさないかともちかけたらしい。
「私は断ったけどね。彼女に迷惑かけたくないし。それに初実さんって私と十歳くらいしか違わないのに、
まるで母親みたいに世話を焼くから、正直ちょっと鬱陶しいのよね。毎日ちゃんと食事してるかとか、ゴ
ミは出してるかとか、戸締りは厳重にしてるかとか」
「あなたがずぼらでちゃらんぽらんだから、心配なのよ」
「はいはい。大丈夫よ。ちゃんと寝る前には歯を磨いてるし、誰かを部屋に呼ぶときには避妊してもらう
し、生理が遅れたら真っ先に知らせるから」
「……ふざけていってるんじゃないのよ」
「パースデザイナーの仕事ってどんなことをやるんです?」
 二人の間の空気の微妙さに、僕は話題を変えたほうがいいと思い、そう訊ねた。
632/2:2006/04/25(火) 17:06:39
「基本的には、実用本位の家具の三面図をつくって、メーカーに提出するだけの仕事よ」
「面白いですか?」
「ええ。メーカーから余計な注文がついてこないときにはね。でも、そのうち独立したいとは思ってるん
だけど。……離婚して正解だったと思うわ。きちんと自分に責任を持って、目的のある生活を送れるよう
になったから」
「目的のある生活」
 横から紗江子が茶化すようにいった。全体的に彼女の初実さんへの態度には、どこか小馬鹿にしたよう
なところが終始付きまとっていた。それは見ている僕がちょっと心配になるくらいだった。一方、初実さ
んは、そんな紗江子になにもいわず、なにをいわれても気にしないか、気にはしてもそれを表には出さな
いように努めているようだった。
 紗江子がトイレに立っている間に、初実さんはそっと僕に訊いてきた。
「あの子とはどれくらい?」
「知り合ってからってことですか? アパートに越してきてからだから、せいぜい二ヶ月ってとこですか
ね」
「彼女、扱いにくくない?」
「そんなに深いつき合いじゃないから」
「もう紗江子とは寝たの?」
 僕が首を横に振ると、彼女はほっと安堵したような、同時に優越感をわずかに含んだような笑みを顔に
浮かべた。
「紗江子はああいう子だから、もしあなたと寝てたとしても、私はなにも気にしないし、なにもいうつも
りはないんだけどね。彼女の重荷にならないようにって、いつも思ってるから。彼女にはなにも求める気
はないの。私はもうじゅうぶん、いろいろ持ってるから。好きな仕事があって、お金があって、自由で目
的のある生活があって……それ以上、なにが必要だと思う?」
 彼女はそういった。その言葉は僕にというよりは、自分自身にいい聞かせているかのようにも感じら
れた。
6462・63:2006/04/25(火) 17:08:11
ちょっと過疎ってる(?)ようなので、またリライト依頼で投稿します。
ずいぶん前に習作で書いたやつなんで、恥ずかしいんですが(内容が臭いんで)…。
リライトに関する要望はなにもありません。設定を変えてもいいし、登場人物を加えたり消したり、
性格を変えてしまっても全然構いません。
個人的には、どシリアスな↑のやつを、くだらないパロディとかにしてくれたら、
手を叩いて喜ぶと思います。もちろん真面目なのでもOKです。
よければどなたか、お願いします。
65名無し物書き@推敲中?:2006/04/25(火) 19:48:22
あるとき紗江子が一人の女性を、“友達”というて紹介してくれたことがあった。
及川初実という名前の肉がようついとる――有体にいうたら肥えとる――こまい三十代の女性で、身に着け
とる服や装飾品やは派手で高げなったが、年のわりに老けた顔の生気のなさを際立
たせる役にしか立っとらなんだ。
 紗江子のいう友達が、どげな言葉かわからなんだが、それは初実さん
も同じじゃったげな。困惑した様子でそれでも
「紗江子のお友達ですって?」
 と、もとからない愛想を無理に引き出そうとしよるような強張った笑顔でわしに対した。紗江子の
性癖を知っとったら、初実さんがあやしんでも当然じゃ。あいにくわしらにはあやしまれるようなことは何もなかったが。
 紗江子の話では初実さんはパースデザイナーで離婚歴があるいうことじゃった。離婚のときにはようけ慰
謝料と南青山のマンションをもろうてアルバイトをしもって安いモデルの仕事をしよ
る紗江子に何遍も一緒にそのマンションに暮らさんかともちかけたげな。
「私は断ったけどね。彼女に迷惑かけとうないし。それに初実さんって私と十ばしか違わんのに、
母親げに世話を焼くけん、正直ちと鬱陶しいんじゃわ。毎日ちゃんと食事しよるかとか、ゴ
ミは出しよるかとか、戸締りはちゃんとしとるかとか」
「あんたがしょうたれじゃけん、心配なんよ」
「はいはい。大丈夫よ。ちゃんと寝る前に歯磨きよるし、部屋に男を呼ぶときは避妊してもらう
し、生理が遅れたら真っ先に知らせるけん」
「……ほたえていいよるんとちゃうんで」
「パースデザイナーの仕事ってどなんことやるんです?」
 二人の空気の微妙さに話題を変えたほうがええと思いそう訊ねた。
6696t209:2006/04/25(火) 19:58:07
 六月のある日、和田教授と碁を打っている最中に、視界の右隅に小さな
影があらわれた。墨汁を垂らしたような、湿った感じの影だった。影は突
然くっきりとした陰影を持ち始め、不意に視界の中に浮かび上がった。そ
れは、鳥の形をしていた。
 黒い色をした、とても小さな鳥だった。止まり木の上で佇むような格好
をして小首を傾げ、僕の方を見ていた。
 僕が視線を合わせようとした瞬間、鳥の姿は消えた。
 僕は碁石を碁笥に戻し、目をこすった。
 テーブルを挟んで僕の向かい側に座っている和田教授が、訝しげな様子
で僕の顔を見ていた。
「どうかしたのか」
 教授が僕に向かって尋ねた。
「なんだか急に、顔色が悪くなったみたいだ」
 教授は椅子から身を乗り出して、僕の身体を気遣う素振りを見せた。
「大丈夫です。もう治りました」
 生まれつき極端な下がり眉の和田教授は、澄ましているときでも、
申し訳なさそうな顔をしているように見える。
 対局を再開した後も、さきほど現われた鳥の姿が気になってしまって
集中できず、僕はいいところなく負けた。
6796t209:2006/04/25(火) 19:59:29
 和田教授とは、僕が一年生だったときに学園祭で知り合った。
 直接教わっているわけではないので普段の交渉は無く、囲碁を打つだけ
の関係だった。和田教授の講義と僕の講義が重なる火曜日と木曜日、僕は
たいてい教授室を訪れて囲碁を打っていた。実力は、僕の方が上だった。
「今日は、いい気分にさせてもらった」
 教授はそんなことを言いながら、僕にお茶を淹れてくれた。
 午後六時をまわった。訪ねてくる人もいないし、廊下を人が通る様子も
無かった。教授室の集まる教授会館は、本館と違い、この時間になると急
にひっそりとしてしまう。
「碁を打っている最中、何だか、具合が悪そうな様子だったが」
 教授はお茶を啜りながら、僕の顔を心配そうに覗きこんだ。
「目が疲れているみたいです。視界に変なものが映ったので、ちょっと驚
きました」
「変なもの?」
 和田教授は僕の言葉に興味を示した。
6896t209:2006/04/25(火) 20:01:26
 僕は横を向いて、つい今しがた見た鳥の幻覚のことを、和田教授に言お
うか言うまいか、ちょっとの間思案したが、結局言うことにした。
「影のようなものが視界の中に映ったのです」
「影?」
「はい。鳥に似た形をしていました」
 和田教授は無言のまま僕の顔を見つめていた。
 僕はすこし居たたまれない気分になり、窓辺に視線を移した。
 窓の外はすっかり暗くなっていた。僕は、窓際に置かれた水槽の中で
泳いでいる、一匹のランチュウを眺めた。和田教授のクラスの女子生徒
が、和田教授にプレゼントしたものだというそのランチュウは、いつも
のように、私は外界の出来事とは何の関係もありません≠ニ主張して
いるかのような面持ちで、赤味がかったオレンジ色の胴体を煌かせなが
ら、水槽の中をゆっくりと漂っていた。
 それから一週間後、僕は和田教授に請われて、彼の書斎の整理を手伝
いに行った。教授の書斎は都内の古いマンションの一室にあった。二つ
の洋室の中に備えられた複数の書棚は、どれも蔵書で溢れかえり、床に
も本が積み上げられていた。分厚い緑色のカーテンが引かれた窓も、半
分以上が書棚によって塞がれていた。書棚とライティングデスク以外に
は何も置かれていない、殺風景な部屋だった。

====================
よろすく。
69名無し物書き@推敲中?:2006/04/25(火) 23:32:02
「カッチリカチャリ」


カッチリ トン

音がなる

カッチリ トン

音がなる

カッチリ  コトン

カッチリ  コトン

カッチリ  カチャリ

もう、聞こえない

ああ、目が痛い
70名無し物書き@推敲中?:2006/04/26(水) 00:25:48
 あるとき、紗江子が一人の“友達”を紹介してくれたことがあった。
及川初実というのがその人の名前だった。、肥り気味で背の低い三十代の女性で、
身に着けている派手で下品なアクセサリのほうがむしろ元気そうに見えるくらいに顔色がとても悪く、肌が
ガサガサの女性だった。
 紗江子のいう“友達”が、どういうニュアンスの言葉なのか僕にはわからなかったが、それは及川初実に
とっても同じだったらしい。彼女は、
「紗江子のお友達ですって?」
 と、意味のよくわからない質問らしき言葉を僕に投げかけた。僕がどう答えたかは失念してしまったが、
彼女がそのとき浮かべていた愛想笑いが、まるで絞りきった雑巾のように見えたことは覚えている。皺だらけで、
いくら力を入れても水分が出てこない、そんな堅い堅い雑巾みたいだ。僕はそんな失礼なことを考えていたのだ。
もっとも、紗江子の性癖を踏まえれば、及川初実が僕のことを警戒するのは当然だともいえた。警戒されるような
事実は、あいにく僕らの間にはなにもなかったんだが。
 紗江子の話では、初実さんは「離婚歴があるパースデザイナー」とのことだった。莫大な慰謝料と、南青山の
マンションが離婚調停の戦利品なのだそうだ。アルバイトをしながら安いモデルの仕事をしていた紗江子には
そのマンションで一緒に暮らさないかと度々もちかけていたらしい。
「もちろん断ったわよ。彼女に迷惑かけたくないし。それに初実さんって私と十歳くらいしか違わないのに、
まるで母親みたいに世話を焼くから、正直ちょっと、ね。毎日ちゃんと食事してるか、ゴミは出してるか、
戸締りは厳重にしてるか」
「あなたがずぼらでちゃらんぽらんだから、心配なのよ」
「はいはい。大丈夫よ。ちゃんと寝る前には歯を磨いてるし、誰かを部屋に呼ぶときには避妊してもらう
し、生理が遅れたら真っ先に知らせるから」
「ふざけていってるんじゃないのよ」
「パースデザイナーの仕事ってどんなことをやるんです?」
 僕は話題を変えた。
7162・63:2006/04/28(金) 01:07:37
>>65
個人的なヒット>「あんたがしょうたれじゃけん、心配なんよ」

ありがとうございます。
しかしなんですな…口当たりのいい文体で、ちょっとおしゃれっぽい雰囲気を醸し出そうとか
狙って書いた僕の原稿を、見事に台無しにしてくれましたね。方言の力は侮れないと感じました。
これを見習い、今後は僕も誰かの文章をリライトする際の手法として、
「方言化」という選択肢を加えたいと思います。
「真面目にリライト」というスレの主旨には、いささか反する気がしなくもないですが。

>>70
こちらはオーソドックスなリライトの好例ですね。
原文と大意は変わらないながらも、
表現の違いで主人公と初実の関係性に違いが出てきている感じです。
リライト文のほうではむしろ、主人公のほうが初実を警戒しているみたいな印象もありますし。
違った視点で読めるのは面白いですね。ありがとうございました。
72名無し物書き@推敲中?:2006/04/28(金) 22:34:10
駄目じゃん。
来ないじゃん誰も。
73名無し物書き@推敲中?:2006/04/29(土) 00:15:48
リライトお願いします。根本的なストーリーが同じならどんなに変えてもOKです。上手い人が書いたらこうなる、ってのを実感してみたいです。もちろんそれを自分に活かしたい。

 壁と天井がペンキで白く塗られた部屋だった。そこは六畳ほどの広さで、私がいま寝ていたベッドを除けば家具が何一つ無かった。窓もなかった。金具が錆付いていない、真新しいドアだけがあった。
 どこだっけここは。
 ペンキを塗って間もないのだろう。部屋にはシンナー臭が充満していた。よく見ると、壁のペンキの塗りには素人がやったような粗があった。ペンキがフローリングの床に垂れてしまっているところだってあった。
 どんなところだここは。
 私は必死に記憶を巡らせる。昨日は確か友達の里香達ととカラオケに行ったはずだ。その時の記憶はある。そしてカラオケを出て、………どうしたっけ。
 店を出たときには既に暗くなっていたのを覚えている。そのまま帰ったのだろうか。でも電車に乗った記憶は無い。そもそもお酒なんて飲んでいないんだから、記憶なんて飛ぶはずがない。とすれば、カラオケ店を出てから、何かが起こり、私は気を失ったのだろう。
 考えていても仕方ない。ここがどこだか知らないがとりあえず自分の家に帰ることにしよう。
 と、そこで気づいた。ズボンのポケットにあるはずの携帯電話が無かった。バッグに入れたかな、と思ったらバッグだって無かった。
 どういうことだこれは。
 私は気が気でいられなくなり、駆け出してドアノブに手を掛けた。ドアが壊れるのもおかまい無しに開けてやろう。とそう思ったが、ドアは開かなかった。どうやら外側から鍵が掛けてあるようだった。
 いらつきを抑えるためにやるわけじゃない。私を閉じ込めた奴に、私が起きた事を知らせる手段がこれしか無かった。だから私は、力いっぱいに込めた右足で、ドアを蹴ってやった。
 強い衝撃音。その後に、足音が微かに聞こえてきた。そして、その足音はドアの前で止まった。
「起きました?」
 ドアの向こうからする声は、男の声だった。きっと太っている奴だろう。喉に詰まるような声だった。しかし、そんな奴に結びつく人は、私の知り合いにはいなかった。
 私は今になって状況を飲み込めた。
 ………私は、監禁されているのか。
74名無し物書き@推敲中?:2006/04/29(土) 01:45:01
>>73
 長くなったんで二つに分ける。口調が女の子っぽくないのとか、設定垂れ流しのとことかを
直してみた。あとサイコらしく、ユーモラスに怖くすることもちょっとやってみた。

 目を覚ますと、なんだか違和感があった。頭の奥がなんだかフワフワした感じで
寝呆けがなかなかとれなかったけど、それでも「ここは、わたしの部屋じゃない」って
ことはよく理解できた。
 誰かの家に泊まったときは決まってこうなる。慣れない枕に耐えられない体質だから、
首と肩をずっしりさせて、ふらふらと起きあがり、おぼつかない昨日の記憶を探らなきゃ
ならない。
 ええっと昨日の昼。テレビ見てた。
 昨日の夕方。里香とかとカラオケに行ってた。わたしが男の歌手ばっかり歌うのを
里香がからかう、いつもと同じような流れだった。
 昨日の夜。カラオケ屋を出て……あれ、出たっけ?……うーん、ドアをくぐった覚えが
ないや。とりあえずこの部屋を見る限り、出たはずなんだけど……
 わたしが居るこの部屋は、カラオケルームにはとても見えなかった。いや、というか人が
活動するための部屋には見えなかった。真新しいドア以外、四方の壁と天井がみんな
白く塗り込められていたのだ。わたしが寝ていたベッドも、これまた白い骨に白い布団、
白いシーツだった。寝ぼけた頭で「かもめの水兵さん」を口ずさみながら、起きあがって
ベッドに腰掛ける。
75名無し物書き@推敲中?:2006/04/29(土) 01:46:53
「病院?」一言つぶやいて首を振る。床がただのフローリングなんて病院はありえない。
よく見れば壁と天井の白塗りも、素人仕事のペンキ塗りだった。塗りのこしから地のコン
クリートが覗いている。たぶん物置みたいな部屋なんだろう。誰の家だか知らないけど、
よりにもよってとんでもないところに泊めてくれたものだ。とりあえず家に電話するか。
 わたしは手元をポンポンと探った。バッグは見あたらない。ズボンのポケットを探った。
何もない。携帯どころか、財布もない。
「へっ?」
 変な声を出しながらベッドの下を覗きこむ。やっぱり何もない。この部屋には、わたしと
わたしが寝ていたベッド以外の何もない。わたしは青くなってドアに駆け寄り、ノブを掴んだ。
開かない。というより、ノブが回らない。鍵穴もサムターンもない。わたしは閉じこめられたんだ。
「ちょっと待って、開けてよここ、何なの」ステンレス製のドアを何度も叩き、時に蹴る。
壊れるはずもないドアに何度もムダな戦いを挑んでいると、やがてドアの外から
「おと、起きました?」
 と、呑気に間延びした、どもりがちな声が聞こえた。
「起きました。ここ、誰の家です?」わたしは質問した。恐れている事態になっていないことを
祈りながら。
「だら、誰の、家だって?変なこと言うね、由美さん」ドアの向こうの男が、ゆっくりと口を開いた。
「ここは、きっ、君の家じゃないか」
 わたしの背中に、鳥肌がぞわっと広がった。
76名無し物書き@推敲中?:2006/04/29(土) 02:45:43
通りすがりだが>>73のが良いと思うね。
それに>>73のほうが女の子らしい口調だと思うよ、『女性らしい』とはまた違うけどね。
77名無し物書き@推敲中?:2006/04/29(土) 12:42:10
読んでないけど、結果、改悪ってのはありがち。
凹まないように。
乙。
78名無し物書き@推敲中?:2006/04/29(土) 21:16:21
ちょと硬質目な文体を意識してみますた。

 壁も天井も真っ白な部屋だった。身を起こした私は、やけにふらつく頭を抑えながら周囲を
ぼんやりと眺めた。床はフローリングで広さは六畳ほど。窓がない。ベッドと天井の照明を
除けば家具らしいものはなにひとつなく、そこだけ真新しげなドアが妙に浮いていた。
――どこだっけここは。
 ペンキを塗って間もないのだろう。部屋にはシンナー臭が充満していた。ベッドを降りてよく
見ると壁の塗装にはむらがあり、ところどころ床に垂れている。素人作業だ。
 私は必死に記憶を探った。昨日は里香達とカラオケに行った。それは確かだ。店を出て
それから……思い出せない。
 通りに出たときはすでに暗くなっていた。そのまま帰ったのだろうか。しかし電車に乗った
記憶はない。そもそも酒を飲まなかったのだから記憶の飛ぶはずがないのだ。
――考えていても仕方がない。うちに帰らなきゃ。
 ポケットを探って携帯電話がなくなっていることに気がついた。バッグを探そうとしたが
やはり、ない。
――どういうことだこれは?
 全身から血が抜けるようだった。膝を震わせながら、私はドアに駆け寄った。思い切り
開けようとしたが、ドアノブはがちゃがちゃいうばかりで回らなかった。
――外から鍵が掛かってる……
 もう体は震えていなかった。私は半分パニックに陥りながらも、もう半分ではどこか冷静に
そんな自分を見つめながら思い切りドアを蹴った。大きな音が響いた。一回。もう一回。
少しすると足音が近づいてきて、ドアの前で止まった。
「起きました?」
 男の声だった。きっと太っているに違いない。喉に詰まるような声だ。しかし、そんな男は
私の知り合いにはいない。
 窓のない部屋。奪われた携帯電話。鍵の掛かったドア。ドアの向こうの見知らぬ男。
混乱していた思考がいきなりひとつの答えに収斂した。
――私は監禁されてるんだ。
79リライト苦手 ◆PSAprJWjHI :2006/05/01(月) 17:27:59
俺が書くとこんな感じ

 目が覚めた私の目に飛び込んだのは、白い壁と白い天井。ただそれだけだった。
 体を起こして周りを見る。今寝ていた白いベッド以外何も無い。窓もない。と思ったら、部屋の隅に真新しいドアがあった。ドアノブが蛍光灯の光を反射して、銀色に輝いている。
 なんだ。夢かぁ。うん、何かしらないけど夢だな、こりゃ。変な映画でもみたっけ。
 そうホッとしかけた私の思いを、ツーンとしたシンナー臭がコナゴナにした。
 臭い。何これ。……これは夢じゃないのか。どこだろうここ。なんで私こんな所に。
 ふっと目を落とすと、昨日と同じ服を着ていた。あれ、昨日、私どうしてたっけ。必死に記憶を巡らせる。
 昨日はたしか、里香達とカラオケに行ったんだ。うん。それで尾崎を歌って、井上マーの物真似をして、あれはウケた。練習した甲斐があった。それでカラオケを出て……出て……あれ、それからどうしたっけ?
 知らない所にいると言うことより、記憶が思い出せないことが急に私を不安にした。なんで思い出せないんだろう。
80リライト苦手 ◆PSAprJWjHI :2006/05/01(月) 17:29:25
 あ、そうだ。携帯がある。電波が届けば……そんな私の希望もすぐ打ち砕かれた。携帯が……ズボンのポケットに入れてるはずの携帯が無い。慌てて周りを見る。カバンも無い。シーツをひっくり返しても、ベッドの下にも、どこにも……無い。
 ダメだ。ここにいちゃダメだ。私はもう不安を抑える事が出来なくなりドアに駆け寄った。手を掛けたが――恐れていた通り、ドアノブは回らなかった。外から鍵が掛けてあるらしい。
 もう壊すしかない――。
 私は勢いを付けてドアを蹴った。けど、やはりドアはビクともしなかった。くそっ。負けるもんか!
「出して!ここから出して!誰か!」
 ドンドン、と両手で力いっぱいドアを叩きながら私は叫んだ。が、何の反応も無く、私はその場にへたり込んだ。手が今になって痛くなってきた。私は手の痛みとこの現実離れした孤独感に泣きそうになっていた。
 と。足音が聞こえた。この部屋じゃない。ドアの外だ。不安と期待が半分ずつ。急に冷静になった私はドアから少し離れた。足音は、ドアの前で止まった。
「起きました?」
 聞こえてきた声は、知らない男の声だった。太っているんだろう、喉の詰まるような声。男は……笑っていた。
 その押しつぶした笑い声で、ようやく状況が飲み込めた。
 私は、監禁されているんだ……
81 ◆PSAprJWjHI :2006/05/02(火) 14:07:15
あれだな、酷評されにくいから自分のリライトが良いのか悪いのかわからんのがこのスレの弱点だな
てか人いねっ
82名無し物書き@推敲中?:2006/05/03(水) 01:32:39
age進行でもいいと思うよ。
83名無し物書き@推敲中?:2006/05/03(水) 21:35:48
>>81
あのさ、酷評されたいとか思うなら「リライト苦手」とかいう予防線張らないほうがいいと思うが?
84名無し物書き@推敲中?:2006/05/05(金) 13:01:05
酷評しましょうか?
分析的な文章は苦手だけど、できないことはないと思いますし。
85名無し物書き@推敲中?:2006/05/06(土) 01:41:48
多分これからこの板のいくつかのスレに投稿したい文章があるのですが・・・

mixiのマイミク申請の文なのですが・・・よいでしょうか?
86名無し物書き@推敲中?:2006/05/06(土) 01:44:35
あ・・・あげさせてもらいます
87名無し物書き@推敲中?:2006/05/06(土) 02:18:34
誰もいないみたいですね・・・今度また人がいるときにくるかもしれません・・・その時はよろしくお願いしますm(_ _)m
88名無し物書き@推敲中?:2006/05/06(土) 02:25:09
あ、一応曝したのを載せておきたいのですが・・・http://book3.2ch.net/test/read.cgi/bun/1145187454/の452と453です、文章は・・・

では失礼しましたm(_ _)m
89名無し物書き@推敲中?:2006/05/06(土) 03:36:35
ごめんなさいでした・・・失礼しましたです
90選対A ◆.JIrY3yovU :2006/05/07(日) 12:12:23
 知らないベッドで目を覚ました。
 壁も天井も白く塗られた部屋、そこは六畳ほどの広さで、私がいるベッドを除けば家具は何一つ無い。
 窓すらなく、綺麗な銀色の金具の真新しいドアだけがあった。
 何これ?
 ペンキを塗って間もないのだろう。部屋にはシンナー臭が充満していた。
 よく見ると、壁のペンキの塗りには素人のような粗があり、フローリングの床に垂れているところもあった。
 どこなの? っていうか、何?
 私は必死に記憶をたどる。昨日は確か友達の里香達とカラオケに行った。その記憶はある。そしてカラオケを出て、………どうしたっけ。
 店を出たときには既に暗かったはずだ。そのまま帰ったのだろうか。でも電車に乗った記憶は無い。
 何で? お酒なんて飲んでいないんだから、記憶が飛ぶはずがない。とすれば、カラオケを出てから何かが起こり、気を失ったのだろうか。
 嫌な感じがした。私は思わず両手を体に引き寄せ、体をさすった。
 考えても仕方ない。ここがどこだか知らないが、とにかく家に帰ろう。
 と、そこで気づいた。ズボンのポケットにあるはずの携帯電話が無かった。
 バッグに入れたかな、と思ったら、そのバッグだって無かった。
 何なの? 一体さあ。
 私は動転した。頭の奥が熱くなり、駆け出してドアノブに手を掛けた。壊してでも開けてやろう、そう思ったが、ドアは開かなかった。
 どうやら外側から鍵が掛けてあるようだった。 苛立ち混じりに、力いっぱいにドアを蹴ってやった。
 足がしびれた。強い衝撃音。そして遠くから、足音が微かに聞こえてきた。やがてその足音は、ドアの前で止まった。
「起きました?」
 ドアの向こうから、男の声がした。喉に詰まるような声、きっと太っている奴だろう。しかし、そんな声の持ち主に結びつく知り合いはいなかった。
 そしてようやく、私は状況を飲み込んだ。
 ………もしかして監禁されてるの?
91選対A ◆.JIrY3yovU :2006/05/07(日) 12:14:09
>>73のリライトでした。
もう見てないかな。
92名無し物書き@推敲中?:2006/05/07(日) 12:18:19
>>90
「何これ?」「どこなの? っていうか、何?」というのが面白かった、ちょっと意表をつく文体ですね
93選対A ◆.JIrY3yovU :2006/05/07(日) 12:18:49
あんまりいじってないです。

>どこだっけここは。
>どんなところだここは。
>どういうことだこれは。
この調子は、意識してやってるのなら直す必要ないかも。

>私を閉じ込めた奴に、私が起きた事を知らせる手段がこれしか無かった。
最後に監禁されてると思い当たるんだから、「閉じ込めた奴」はまずいかな。

って、連休終わりで明日から仕事で、妙に説教くさいことをしてしまいました。
94:2006/05/07(日) 12:20:34
>>92
あ、即レスどうもです。
もう10代の言葉考える年じゃないんですけどね(苦笑)
95名無し物書き@推敲中?:2006/05/07(日) 15:25:40
 目が醒めたとき、私はその部屋にいた。
 ――どこだっけ、ここは?
 まだ醒め切らない頭と一緒に半身を起こした私は、ぼんやりと周囲を見回した。殺風景な部屋は壁も床
も天井も白く、窓もなく、真新しいドアが一つあるきりだ。家具も私が寝ていた簡素なベッドがあるだけ
だし、ここが生活の場だというような印象はない。まるで物が置かれる前の倉庫――そしてそんな場所に
私は、置き去りにされた荷物のように放り込まれていた。
 しばし、思考を巡らせ記憶をたどる――ここがどこで、どうして私はここにいるのか?
 里香達と昨夜、カラオケに行った。そう、それは覚えている。そのときアルコールの類には口をつけて
いない。うん、それも間違いない。それから店を出て――その後、どうしたっけ?
 思い出せない。
 なにも覚えていない。
 いきなり頭がはっきりした。
 私はベッドから跳ね起きると、ドアに飛びついた。ペンキの塗りのいい加減なそのドアの、真鍮のノブ
を何度もガチャガチャと回した。外から鍵がかかっているらしく、開く気配すらない。不安が、呼吸を乱
すほど激しく私の胸を圧迫する。
 私は震える手でズボンの尻ポケットを探った。そこに携帯があるはずだった――いや、ない。携帯だけ
でなく財布も、昨日は持っていたはずのバッグもない。
「出して! 誰かここから出して!」
 声を枯らして私は叫んだが、答える者はいなかった。夢中でドアを叩き、それが壊れてくれればいいと
期待しながら蹴りつけるものの、ただ、空っぽの室内にガンッと空しく音が響くだけだ。状況は明白だ。
誰が何の目的でかはわからない。ただ、次の一言が私の脳を浸すのに、さほどの時間はかからなかった。
 ――私は監禁されている。
「どうやら、起きたみたいですね」
 ふいに、ドアの外から声がした。
 ねっとりと肌にまといつくような、嘲笑を含んだ声音――それを聞いた瞬間に、恐怖や不安や疑念とい
ったものよりも先に、生理的な嫌悪感が私の背筋を這い登った。
9695:2006/05/07(日) 15:27:59
今時携帯電話というものを持たない人間としては、行動の順序は

 まず部屋の外に出ようとする
           ↓
 ドアに鍵がかかっているとわかる
      ↓
 外へ連絡を取ろうとする

のほうが自然かなあ、と。
ほかにもいろいろと変えてますが…まあ、原文>>73を直したというより
別アプローチだと考えてください。
97名無し物書き@推敲中?:2006/05/07(日) 15:34:39
>>95
声音(せいおん)って言葉があるんだ・・・
作ったんだと思ったけど違ったみたいですね
かなりよくなったと思います
とても読みやすくなったと、はい
9895:2006/05/07(日) 15:44:00
>>97
こわね、です。
9995:2006/05/07(日) 15:45:35
>>97
ありがとうございます。
100名無し物書き@推敲中?:2006/05/07(日) 15:48:48
声音、あ、変換できた
10173:2006/05/07(日) 22:54:58
返信おそくなってすいません。リライトしてくださった方、本当にありがとうございます。

>>74
読みやすくて良い感じになってます。表現とか参考になります。
俺の文は自分で書いててなんだか読みづらいような。致命的?

>>78
上手ですね。雰囲気がすごい出てます。雰囲気作りが俺は苦手みたい。むずかしいなあ。

>>79
展開と主人公が面白い。かなり参考になります。俺の方向性と近い、かも。


>>90
リライトされた中で一番気に入りました。読みやすくて、文章に味がありますね。見習いたいです。

>>95
臨場感出てますね。それに最後の文は見事の一言です。参考になります。
102名無し物書き@推敲中?:2006/05/08(月) 21:48:05
どなたか「リアル鬼ごっこ」をリライトしてもらえませんか。
どこのページでもかまわないんですけど。
103名無し物書き@推敲中?:2006/05/08(月) 21:56:51
>>102
おまい、「著作権」って言葉を知ってるか?
104名無し物書き@推敲中?:2006/05/08(月) 22:15:15
知らないわけないじゃん。あんたバカ?
105 ◆PSAprJWjHI :2006/05/09(火) 12:29:34
>>83
確かに。
リライトが苦手なのは本当だけど「苦手」と予防線を張ってリライトするのは卑怯っぽいな。
「初心者なんです」と前置いて教えてクンするみたいな感じだ。以降気をつけます。

>>102
「しゃちょー……しゃちょー……出てきてくださいよー……」
 廊下から声が響く。近くではないようだ。
 貴文は教壇の机の下に隠れると携帯を開いた。
 午前2時。夜明けまで後4時間程。
 念のため画面右上の電波強度を確認するが――やはり届いていない。諦めに近いため息が漏れる。
 音を立てないように携帯を閉じた。
 教壇の机の下に隠れてはいるものの、深夜の校舎。携帯の明かりですら目立ちすぎる。
 息を殺して気配をうかがうが、あいつが近づいてくる様子はない。
 頬を拭うとシャツの袖に血がついた。綾子の血だ。
(ちくしょう、なんでこんなことに……)

と読んだ事無い俺が想像で書いてみた。
106名無し物書き@推敲中?:2006/05/09(火) 13:31:49
>>102
山田本人の依頼でない限りスレ違い。
そういう遊びがしたいなら新規にスレを立てるか山田関連スレへ。
107名無し物書き@推敲中?:2006/05/13(土) 18:09:00
対峙する3つの人外の影。
「ふっ・・・なかなか心地よい殺気を放っておるな」
そういったピッコロ大魔王にはまだまだ余裕の色が見えていた。
名を飛影というこの若干小柄とも言える少年の放つ殺気を、ピッコロ大魔王は軽くいなしていた。
飛影が弱いわけではなかった。
現に彼の放つ殺気は素人目で見てもわかるほど強いもので、大気が張り詰めていくのが感じられた。
(こ、このガキできるな・・・)
フレイザードもそれを察知していた。
そして、チャンスがあれば・・・と密かに己の機を逃さぬように構えを取った。
飛影とピッコロ・・・二人の間に舞う木の葉が殺気により消し飛んだのを合図に飛影が飛び出した。
速さに自慢を持っていた飛影はいきなり恐ろしいほどのラッシュをしかけた。
大気がどよめき、木々が荒れるほどの猛攻だった。
しかし、その猛攻でさえもピッコロを傷つけるには至らなかった。
「ふはははは。もっと楽しませてみろ!」
「ちっ・・・」
焦りの色を隠せない飛影。それとは対照的に余裕の笑みさえこぼすピッコロ。
飛影は己の額に巻いていた包帯をとった。
「邪眼の力をなめるなよ・・・」
その言葉を放つと同時に、飛影の額に第三の眼が開眼した。
その眼は額だけでなく全身に現れた。
「ほぅ・・・おもしろい」
(な、なんだあの異形は・・・プレッシャーが上がった!?あれならピッコロを・・・)
108名無し物書き@推敲中?:2006/05/13(土) 18:10:39
「貴様も本気を出せ。あとで後悔してもしらんぞ」
その言葉にピッコロは多少の驚きの顔を覗かせた。
「ほぅ・・・大口を叩くか小僧が!ふん・・・気が変わった。その度胸に免じて貴様を生かしておいてやろう。
次にあったときは本気でやってやる」
「貴様に次があると思っているのか?」
そういうと飛影はピッコロに斬りかかる構えをとった。
その時、飛影のほほを熱い何かがカスめた・・・。
そして次の瞬間、後方の森で大きな爆発音が起こった。
それは紛れもなくピッコロが放ったものだった。

━━今の・・・外れてなかったら死んでいた・・・
飛影の顔色が驚きを含むものから怒りを含むものへと変わっていった
━━なぜ・・・なぜ外した?手加減された?この俺が・・・!!!???
そこまで思考がいくと彼の肉体はピッコロへ向かっていくことを選択した。
その動きは邪眼の力を使う前と比べて大幅に速くなっていた。
しかし、ピッコロはその飛影よりも早く動き、飛影の動きを封じた。
「殺せ・・・」
飛影はそうつぶやいた。彼には氷泪石を探すという目的も、幽助と呼ばれる男と戦うという目的もあった。
しかし彼は心のどこかで自分が死ぬというのも悪くないと考えていた。
ここで死んだとしても彼には後悔はなかった。
「ふん・・・まぁそういうな。俺は貴様が気に入ったんだ。光栄に思え。
俺は妙に善人ぶったり身の程を知らぬ輩は好かんが、
貴様のような生意気な奴は嫌いではない。今はまだ生かしといてやろう。その命をどうするかはお前次第だ」
そういうと、ピッコロはその場に飛影を残して森の奥に去っていった。
フレイザードはその後を追うように森の中に消えていった。
109名無し物書き@推敲中?:2006/05/13(土) 18:11:48
(ピッコロ大魔王・・・甘い・・・甘すぎる!!)
フレイザードはそう思っていた。
「不思議か?フレイザード?」
まるで心を読んだかのようにそのまま話を続ける
「このゲーム以前も言ったように厄介なのは善人面したようなゴミが徒党を組んで襲ってくることだ。
ならば、徒党を組み強固な結束ができる前に減らすのが一番良い策だ。しかし、いくらこのピッコロ大魔王といえども、
身体は一つ。全ての集団を潰すにはいささか時間がかかる。
ならばあのような決して他人に媚びない輩を使い手伝ってもらうほうが得策だとは思わんか?最後にやつを殺せば結局は同じことよ」
(なるほど・・・確かに理にはかなってやがる・・・やはりピッコロ大魔王・・・油断にならん。それも己の力に絶対の自信を持っているからこそか・・・)
改めて早く手を打たねばという思いが頭を張り巡った。

飛影はしばらく倒れこんだままだった。

━━━━  手 加 減 さ れ た  
        こ の 俺 が ?  ━━━━

「くっくくっくっくっく・・・はーっはっはっはっはっは!!!!!!」

ピッコロ大魔王とか言ったな・・・この俺を生かしておいたことを必ず後悔させてやる。
彼の眼には狂気がやどっていた。
それは幽助と出会う前の・・・。蔵馬と出会う前の・・・。
たった一人で魔界の世界を生き抜いていたころの寂しく・・・そして悲しい眼でもあった。

一陣の風とともに黒き衣を羽織った狂気が飛び立っていった。
110名無し物書き@推敲中?:2006/05/13(土) 20:41:40
アゲ
11173のリライト:2006/05/14(日) 01:08:32

 目を覚ましたら白い天井が見えた。
 ここは……部屋じゃないな。
 服は着たままだった。下着もつけている。靴も履いている。少しほっとした。
起き上がって見渡す。裸電球がぶら下がっているこの部屋は、壁も天井も白く
塗られていた。今いるベッドの他には家具も無い。窓らしきものもない。
 ただ、鉄製のドアだけがあった。
 すこし頭がふらつくのは、シンナー臭のせいだろうか。ペンキ塗りたて。
 そんな感じだ。よく見るとかなり塗りむらがあって、フローリングの床に白ペンキが
垂れた跡もあった。
 ここ、どこよ?
 昨日は……里香達とカラオケに行ったはずだ。その時の記憶はある。
 そしてカラオケを出て……どうしたっけ?  店を出たときには既に暗くなっていた。
 そこまでは覚えているけれど……。
 お酒なんて一滴も飲んでいないんだけどな。
 酔っ払って保護されたなんてこともなさそうだ。 
11273のリライト:2006/05/14(日) 01:09:18

 ズボンのポケットをさぐって携帯電話を探したが見つからない。
 そういえば、バッグも見当たらない。ベッドの周りや下まで覗き込んだけれど、そこには
なにもなかった。
 考えていても仕方が無い。とりあえずここから出よう。
 立ち上がってドアに向かった。六畳ほどだろうか。そんなに広い部屋じゃない。
 鉄製のドアは違和感があった。古いマンションの玄関についているようなもので、部屋の中に
つけるようなものとは違う感じがした。少し躊躇したけれど、ドアノブを回してみた。
 ひんやりとした感触が伝わる。
 ……ノブが回らない。
 ガチャガチャと動かすが、カギがかかっているようだ。 
「誰かいませんか?」
 そう声をかけてみる。しばらく待っても返事はない。
 閉じ込められた?
 焦りというか、得体の知れない恐怖がこみ上げてきた。思えばこの部屋はおかしい。
 普通の人が住む部屋じゃない。
「誰か! 誰かいませんか!」
 何度も扉を叩いて叫んだ。
 答えはない。
 ドアに体当たりをしてみたがビクともしない。 
 ひとしきり声を出し、疲れを感じた頃、ドアの向こう側に人の気配を感じた。
「起きましたか?」
 ドアの向こうから聞こえたのは男の声だった。聞き覚えの無い、喉に詰まるような低い声だ。
113名無し物書き@推敲中?:2006/05/14(日) 02:33:07
>>73
よし、明日書いてやる。
114名無し物書き@推敲中?:2006/05/14(日) 04:16:17
短すぎて馬の糞にもならない短編一作。抽象的な文章が痛々しいかもしれません。
こんな一作ですが、リライトお願いします。
ストーリーが同じで別の書き方という手法をお願いします。
やはり手練の方による物も参考にしてみたいものという考えからです。
ちなみに分割です。御免なさい。
115114:2006/05/14(日) 04:18:51
【巣】
 円卓の上に射した木漏れ日が変に眩しくて視界を何度か点滅させる。
僕は虚脱感を感じながら円卓の上に顎を置き椅子に腰掛けていた。頭上の光が僕を透過していく。夏の始まりがその家を緑の海に沈めていた。
 僕は殺人を犯した。
 椅子から立ち上がってふと思いついた呟きは舌から脳へとさらさらと砂のように滑り落ちていった。ああそうなんだと僕は思った。僕は殺人を犯したんだなと。
 その事実は透明な木漏れ日よりもずっと脆いように思われた。
 僕の感覚が真っ白になりそれは僕の中にある海へと沈んでいく。
 僕は自分という存在の消滅を望み拒否しそして彼女という存在こそ消えるべき物なのだと信じる。
 記憶のピアノ線を辿ってもそこには僕の殺人という結果があるだけで何のプロセスも無かった。
 僕は恐怖から逃れるためにあえて理路整然とした思考を組み立てる。まずここはどこなのか、僕は如何なるプロセスを踏んで彼女を殺したのか、そしてもう一人の彼女はどこへ行ったのか。
 僕の意識は僕の知る全ての情報を認識出来ない。僕の脳はその全てを掌握しながら僕の意識に伝える事が出来ない。
 僕は昨晩何があったかを知っている。そう自然と呟いた脳のおかげで僕の犯行は昨夜に行われた事を知る。
116114:2006/05/14(日) 04:21:24
 証拠隠滅をしなければならない。
僕という脳はどうやら焦りながらそう考えたらしく僕は暁までどこかを彷徨っていたらしい。
僕の視界にはただ緑の波が風に揺れている光れるまでこの景しか見えない。
おそらく僕は僕自身の海が割周囲の地理に詳しかったと考えられる。
 「あ、お早う」
 僕は突然聞こえた鈴のように円くて可愛らしい声におはようと無意識的に返していた。
それが無意識的であるという事は日常的にこの挨拶は行われていたという事で、つまりは僕は後ろの女性と面識がありそしておそらくは生活を暫く共にしていたのだろうと僕は推測する。
それは僕が認識しているもう一人の彼女だった。
 「朝ご飯何食べようかあ、ねえ……トーストで良いかな」
 「やめようよ。そんな物は文化的だ。文化的は悪だ」
 僕の口は勝手にしゃべり出していた。
僕という意識は僕というかつての存在がどういう人物だったか想像しながら僕の脳は言葉と文化の交響詩を紡いでいる。
僕は頭を痛めながら文化的に聞く。
 僕の声に彼女は何でもないように答えていた。
黒髪のロングヘアーにウールのニットを着た少し素朴な感じのする彼女は、平然と答える。
ええ、そうよ。私は貴方と一緒にあの二人を殺したの。そして二人の死体を滝壺に落としたのよ。
117114:2006/05/14(日) 04:23:30
 「ああ、そうかあ……」
 僕はもうそれが自分と関係ないどこか別の世界の事象のように考えていた。
僕は彼女に鶏は卵を産んだかなと聞く。
彼女は微笑してそれはもうたくさんよ、と答える。
夏の初め、土の臭いが僕達の理想郷には漂っている。
僕達は、文明からの回帰を望んでいる。
そう、眼前の彼女は僕達のサークルの一員だ。ナチュラリィ・ライフ・サークル、僕はその単語を心の中で呟いてみた。
自然と世界が温かくなり色彩が溢れ出したような気がした。緑色が溢れ出す。
 「目玉焼きが欲しいな。それもうんと柔らかいのを」
 「あら、いつもは固いのが好きなんじゃなかったの」
 「……たまには、ということさ」
 彼女の一言で僕は硬直していた。
思考に封じられていた恐怖が再び僕の海に堕とされ大きな波紋を立てた。僕は、ナチュラリィ・ライフ・サークルの一員。
活動内容、文明の支配から魂を解放し自然と調和する生活のあり方を探す。
大学構内に貼った誰も見ないポスターを不意に思い出した。
 「本当に焼くけど、今日はいらないの」
 彼女の声が聞こえた。
僕はそれに沈黙したままただひたすらに思考のノイズを辿っていた。見える。
記憶のフィルムが完璧な速度で美しく幾何的に映写機に回されていく。
  現実からの逃避にも見えるその行動には僕を含めた男女4人がいたはずだ。
僕は、殺人を犯した。僕はガスコンロを持ってきた男性とライターを持ってきた女性を殺した。
凶器は、このログハウスを建てるのに余った角材。僕は壊れかけた映写機に紡がれる登場人物のように角材をゆっくりと鈍く振る。
彼と彼女は僕の狂態に気づくと悲鳴を上げ彼女に助けを求める。
けれど僕の目の前にいるあの彼女は冷然と二人を見つめたまま、あなた達は文化的よと告げる。
僕は殺人を犯した。より自然に戻るためによりナチュラリィであるために。
118114:2006/05/14(日) 04:24:55
 「……ああ、ごめん。やっぱり今日は朝食はいらないよ。……あまりにも、文化的すぎるから」
 「そういえばそうね。これから朝食は無しにしましょう。流石貴方ね」
 僕は彼女が割ろうとしていた卵をバスケットの中に入れたのを見る。
それを見て庭の檻に閉じこめられた鶏たちが甲高い悲鳴を上げた。
それは愛する巣を何としてでも守ろうとする女のヒステリカルな悲鳴に似ていた。
 その様相を見て僕はようやく気づいた。
僕が本当に怖かったのは僕でも殺人でもない。彼女だったのだ。円卓の上に射した木漏れ日が陰る。
僕は虚脱感を感じながら彼女の巣から逃げようとテラスから飛び出した。
僕の後ろで彼女の悲鳴が上がる。
夏の始まりが僕の身体を緑の海に沈めていった。
119名無し物書き@推敲中?:2006/05/15(月) 19:25:22
んー、ストーリーと呼べるほどのストーリーも無いねぇ。
いじくっていいなら書けるけど、このまま直すのはあんまりやりたくないなぁ。
ちなみに「naturally」は副詞だよ。正しくはナチュラル・ライフ。わざわざ間違えて
書くべきところでもないし。
120名無し物書き@推敲中?:2006/05/15(月) 21:42:12
殺人の動機とか場所などの設定がよくわからんからリライトは無理。
ストーリとして成立してないし。
121114:2006/05/15(月) 22:12:03
うが。突っ込まれてダメージ過多です。
というかマジでヤバカッタのでご指摘喜んでたりもします。

>>119 の方
ナチュラリィ……英語なんてもう記憶の片隅に捨てました。
んー…やっぱり気取って書くならば辞書で調べてから書くべきでしたね(汗
副詞と形容詞の違いなんて中一にもしてされそうだ。
ストーリーという物は……赤裸々に言ってしまうとありません。
単に女性の「愛の巣を守ろうとする感情」にあえて狂気を織り交ぜて書いた物です。
要はテーマがそこだけですが……よく考えれば少々後悔しています。
出来ないですか……そりゃまあ、テーマを読み取らせるのは難解ですからね。
手間取らせてすみません。

>>120 の方
殺人の動機は、彼自身の反社会的な感情でしょうか。
彼は日常からの逃避に出るような行動を持っていて、その日常のフラグメントが
全て許せなかった。だから本当は彼らが許せないのではなくて文化の断片が許せなかった、と。
あー、なら大学落ちとか付けておきゃよかった(後悔
場所等の細部設定はほとんど書いていません。
この小話において重要なのは「巣を守る感情の強さ」であるからです。
ストーリーとして成立していないのは……えと、はいすみません。反論不能です(汗
やっぱりテーマがハードすぎたか。次回はもっとシンプルな文章を送ろうかと思っております。

では、ご指摘頂いた両名に感謝を。
122名無し物書き@推敲中?:2006/05/15(月) 22:53:55
>>114
僕も>>115-118のリライトは遠慮させてもらいますけど、
理由はこれが一種のスケッチ的な短編で、文章をいじれば結局全部変わることになるからです。
たぶんこれは、誰かに直してもらうよりも、あなた自身の研鑚で練るべき作品じゃないでしょうか。
123名無し物書き@推敲中?:2006/05/16(火) 00:23:47
>>114
テーマが難解なのはいいけど、難しい言い回しの使いすぎは・・。
表現力がないのかな(文章力のことではない)。
一文一文は読みやすいけどテーマが難しい、ってのなら読もうと思うけど。

一人称をさらに砕いてるのはいいけど、視点(意識)がブレぎみ??
んー、一人称なんだけど違うような・・。

124114、かいてみたべよ:2006/05/17(水) 15:58:17
「ああ、そうなんだ」

男が力無く呟いた。
何がそうなのかはわからない、ただ男は、そう呟いた。
声帯から発せられたその音は、古びたログハウスに反響するまでも無く、頭の中で緩慢と響いた。
何度も何度も、聞かされるその音に、徐々に男の記憶は呼び戻されていく。
人を殺した記憶である。
彼らは、自然を愛さぬ人間だった。そして男は、自然を愛する人間だった。
ただそれだけの理由だ。
ただそれだけの理由が殺すに値するから殺したのだ。
自然に生きる、という集まりの中に、文明物を持ち込むという行為は罪なのだ、だから殺した。
それは道理なのだと幾ら思ってみた所で、ただの居直りに過ぎないことは本人が一番良くわかっている。
何故なら、彼は後悔しているからだ。
どんなに文明を嫌っても、自然を愛していても、所詮ひとは人間なのだ。
ライオンが獲物を襲うのは、それは空腹による衝動からのものである。
だから、怒りによる衝動で人が人を殺しても、それは自然な行いであると言って間違いは無い。
だが、それはひとの世界では罪なのだ。
いくら人間の法律に不満があると思っても、殺人が肯定されるような世界は望まないのが彼である。
そして、それが肯定されるのが自然という世界の在り方なのだ。
人を殺したことに罪を感じた自分はやっぱり人間なのだと、彼は思う。
しかし、彼女は違った。 そうは思わない。 共犯者の彼女は言った。
「朝食はトーストでいい?」
ごく当たり前に言ってのける、何事も無かったかのように、さも日常に、自然に、言った。

「ああ、そうなんだ」

これが自然というものか。
何もかもを当たり前に受け止めるという、この大らかさ、確かに緑の大地に求めていた大きさだ。
何故、人が文明を求めたのか。それは自然が恐ろしいものだと知ったから。そうなのだ。恐ろしいものなのだ。
雨は、人の願いなど聞くことなく振り続け、嵐は、人の声など聞くことなく吹き飛ばす。淡々と、淡々と。

私は彼女を愛していた、けれど、これから先は愛せない──。
125名無し物書き@推敲中?:2006/05/17(水) 23:47:22
>>124
いいね、意味が無かった文章に意味まで加えてあるんだから凄い。
126名無し物書き@推敲中?:2006/05/19(金) 14:54:49
【巣】  
窓から差し込む初夏の木漏れ日が、円卓の表面を撫で僕の身体を透過する。意識も、感覚さえも遠ざける、和かく暖かい光だ。
朦朧としながらも昨夜の記憶を揺り起こす。大量の水飛沫の音に鉄の味。ふと背中に冷たいものを感じ、椅子から身を起こした。
ぎしぎしと鳴く揺り椅子を後ろに、僕は円卓の正面、真っ白なドアの引き戸に手を掛けた。
証拠を消さなければならない。僕は、人を殺した。


僕と彼女と血まみれの死体。僕は海沿いを歩きながらひたすら考えていた。しかし思考は停止する。
どれほどの時間が経過したのか、朱に変色した太陽が、灰色の地面に嫌に長い人型の染みを作っていた。
どんなに記憶のピアノ線を辿ってみても、出来損ないのピアノの鍵盤は、僕が殺人を犯したという事実と漠然とした恐怖以外、何一つ奏でてはくれなかった。
「お早う」背後から聞こえた声が僕を現実に引き戻す。それは朦朧とした僕が認識出来る、数少ない要素の一つ、彼女だった。


「朝ご飯何にする?ねえ、トーストにしよっか?」並んで海沿いを歩きながら、彼女はころころと笑いながら話しかけてくる。
朝食のメニューのことなど今はどうでもよかった。僕はあの夜の出来事を、二つの死体のことを尋ねた。
白い綿のワンピースに身を包んだ彼女は、足を止め、首を傾げた。潮風が腰のあたりにまで届く黒髪を揺らす。
127名無し物書き@推敲中?:2006/05/19(金) 14:57:25
「そうね。私達はあの二人を殺した。死体は滝壺に落としたじゃない。大丈夫。絶対にばれやしないわ。」彼女は平然とそう言い放ち、またころころと笑い出した。
透明な指が、鍵盤の上を静かに踊り始めた。
僕達は文明からの回帰を望んでいる。眼前の彼女も僕も、ナチュラル・ライフ・サークル――活動内容:文明の支配から魂を解放し、自然と調和する生活のあり方を探す――の一員なのだ。


「目玉焼きが食べたいな。柔らかいやつ」僕は朝食のメニューをリクエストした。
「あら、固めが好きなんじゃなかったの」彼女は何か物言いたげな目でこちらをじっと見据える。
僕は言葉の代わりにぎこちない笑みを返してから目を閉じ、演奏曲に神経を集中した。記憶のフィルムが映写機に回されていく。現実からの逃避にも見えるその瞬間には、僕を含めた男女4人がいた。
僕はガスコンロとライター――文明のにおい――を持ち込んだ男と女を殺したのだ。凶器はこのログハウスを建てるのに余った角材だった。
フィルムの中の僕は壊れかけた映写機に紡がれる登場人物のように、角材をゆっくりと振り下ろす。男と女は僕の狂態に気付くと、悲痛な叫びを上げて彼女に助けを求めた。
しかし彼女は冷然と二人を見つめたまま、「あなた達の存在は自然に反するの」とだけ告げた。
僕は何かに取り憑かれたように、何度も何度も角材を振り下ろしていた。鈍い音が辺りにこだまする。それに混じる耳をつんざく金切り声。緑の地面が赤に染まっていく。
そして、ついに反自然的分子は動かなくなった。僕は、殺人を犯した。より自然であるために。文明の汚れから身を守るために。
128114のリライト:2006/05/19(金) 15:03:22
「本当に柔らかめでいいのね?」彼女は庭に置かれた檻の中に手を延ばし、卵を二つ、取り出した。それに気付いた鶏たちが一斉に甲高い悲鳴を上げている。
それは愛する巣を何としてでも守ろうとする、女のヒステリカルな悲鳴だった。
透明な指が鍵盤を激しく叩きつける。冷たい汗が背筋をつたう。僕はようやく気が付いた。
僕が恐怖したものの正体は、僕自身でも、殺人でもない。――彼女だったのだ。
ここは彼女の巣だ。文明から隔絶された彼女だけの巣。僕の犯した殺人は発作的なものだった。しかし彼女は、殺人を目の当たりにしても一糸の精神の乱れも引き起こさない彼女は――
出来損ないのピアノの鍵盤が動きを止めた。僕は虚脱感を感じながら彼女の巣から逃げようとテラスから飛び出す。背後で彼女の叫び声が聞こえた。ころころと。ころころと。
潮風が鉄色の鎖に姿を変え、僕の身体にまとわりつく。今は頭上に広がる深い緑の海が、僕を呑み込み、魂を自然に回帰させてくれるのだろうか。


129名無し物書き@推敲中?:2006/05/19(金) 21:00:59
ヒステリカルw
英語勉強しなよ
130名無し物書き@推敲中?:2006/05/19(金) 21:25:48
きいた事無かったので調べてみた

英辞郎
hysterical
【@】ヒステリカル,《形-1》ヒステリックな,ヒステリーの,《形-2》非常におかしい,笑いが止まらない
【用例・形-1】 This is hysterical. : 笑わせるなー。

wiki
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%BC

精神医学用語でヒステリーは「神経症」と言う意味なのか。
難しいのう……
131名無し物書き@推敲中?:2006/05/19(金) 21:40:08
>《形-1》ヒステリックな,ヒステリーの,《形-2》非常におかしい,笑いが止まらない

>>128の文脈からすれば、逆に適切な表現かも。
132選対A ◆.JIrY3yovU :2006/05/19(金) 23:10:47
「ああ、そうか……」
僕はもうそれが、自分とは関係ない、どこか別の世界の事のように考えている。
僕は彼女に、鶏は卵を産んだかな、と聞く。
彼女は微笑して答える。それはもう、たくさんよ。
深い森に包まれた僕達の理想郷には、初夏の匂い、草と土の匂いが漂っている。
僕達は、文明からの回帰を望んでいる。
彼女は僕達のサークルの一員だ。ナチュラル・ライフ・サークル、僕は心の中で呟いてみる。
すると辺りに温もりが満ち、色彩が溢れ出したかのような気がする。
陽光に透かしたような、綺麗な緑色だ。
「目玉焼きが欲しいな。それもね、とびきり柔らかいのを」
「あら、いつもは固めに、って言うくせに」
 僕は何も答えない。彼女の一言に、心臓が高鳴り始める。
胸の底に封じられていた恐怖が、静まった湖面を揺らす波紋のように、僕の胸の内に広がる。
僕は動揺を押し隠すため、ナチュラリィ・ライフ・サークル、ともう一度繰り返す。
そして、以前に大学の構内で見たポスターの言葉を思い出す。
『文明からの解放 自然との調和』
133選対A ◆.JIrY3yovU :2006/05/19(金) 23:11:29
「あなたが欲しいなら焼くけど、私は今日はいらないわ」
彼女の声が聞こえる。
僕は沈黙したまま、ノイズに侵された思考をたどっていく。
やがて目の粗い映像が見え始める。
記憶の中に、古い映写機で回されるフィルムのような、モノクロームの像が描き出される。
僕は、殺人を犯した。
ガスコンロを持ってきた男性とライターを持ってきた女性を殺した。
そこには男女4人がいたはずだ。
記憶の中の僕は、壊れかけた映写機で紡がれる登場人物のように角材をゆっくりと振り下ろす。
彼と彼女は僕の狂態に気づくと、悲鳴を上げ彼女に助けを求める。
けれど僕の目の前にいるあの彼女は冷然と二人を見つめたまま、あなた達は文化的よと告げるだけだ。

僕は殺人を犯した。より自然に戻るために、よりナチュラリィであるために。
134選対A ◆.JIrY3yovU :2006/05/19(金) 23:13:37
>>114のりライト

できるだけ原文を生かして頑張ってみました。
自分には苦手なテンションで何とも苦戦しましたが(汗

M・デュラスの『破壊しに〜』とかのテンションが
好きな人なのだろうか?
135選対:2006/05/19(金) 23:17:03
>>132の2回目のナチュラリィは、ナチュラルにすべきか(苦笑
>>133の最後のナチュラリィは、意味的にどうこうより、
作者の意図しているであろう語感を尊重し、ママにしました。
136缶詰(114:2006/05/20(土) 22:51:41
しばらくご無沙汰しておりました。114です。すみません。
114と書くのも面倒だからコテハン。
とりあえず、レス有り難う御座います(汗混じり
沢山頂いたからには一つずつ。

>>122
はい。ご指摘されている通り、これは“スケッチ”です。
ほとんど文章上が脳内スケッチになっていますが(汗
このシーンの前に文を付け加えたかったというのが実際の考えだったのですが、
実際はこのシーンから始めました。
んで、回想を入れる暇なく没。
実際に自分でもリライトしてみたいと思います。
ご指摘有り難う御座いました。

>>123
あー、確かにそうですね。視点ズレ気味。こう一人称→三人称の交替が繰り返されている。
視点者がぐちゃぐちゃですね。あう、脳内妄想だらけ(汗
この指摘ホント有り難う御座います。自作の参照にします。
んー、確かに難解な言葉を使っている“だけ”というのは解ります。
こう、スマートに纏められないというか。
これはどうも自分の錬磨次第なので、努力します。
ご指摘有り難う御座いました。
137巣 をがんばってリライト:2006/05/21(日) 10:00:16
滝の打ち付ける湖の底にはいくつもの死体が回っている。
水面は緑色とアーズブルーが混じりながらゆらゆらと揺れる空を写していく。
揺れている。
ゆらゆらと。

死体が回る。
湖底で。

古いものも、新しいものも。
ゆらゆらと。



滝からそう離れていない、ロッジの軒下でぼう然と外を眺めている。
片手にはまだバターのついたへらを握っている。
彼女の眼前には、美しい森がある。
今は初夏。
そして夏の予感を思わせる蒸し暑さと日差しの強さ。
ロッジの中には、食卓があった。
食卓の下には、黒くこびついた血の塊がある。
血の塊の近くに、壊れた携帯電話が落ちている。
ロッジの中は奇妙だった。
冷蔵庫にも、トイレにも、台所の収納口にも、納戸にも、すべて鍵がついている。

彼女は、緑色の日の中に包まれながらぼう然と立ち尽くしていた。
138巣 をがんばってリライト:2006/05/21(日) 10:01:00
笹が体にまとわりつこうがどうでもいい!
彼女は狂っている。
狂っている。
僕は走る。
どこへ? 決まってる! 外だ。
国道にたどり着けば、何とかなる。
こんな場所に来なければよかったのだ。
彼の周りには緑が囲み、緑が大きく囲み。
ほら空から見ればまるで都会に人にもまれるように緑が囲む。


彼女はまだロッジでぼう然と眺めている。
昨晩のことを思い出していた。
男が押し倒そうとしたことと、近くにあった石で殴ってしまったことを。
動かなくなって、汚物を垂れ流していたことを。
もう一人の彼が動揺して、プラスチックの携帯を踏みつぶしてしまったことを。
滝から死んだ彼を落としたことを。
そして、語ったことも。
「ここは自然だから。自然なんだから。ここにいれば世俗的なことなんか忘れられる。殺したことだって忘れられる。忘れられるのだから。ねえ、あなたも忘れられるよね?」
彼は恐れていた。私の顔の何かに。
「だって。ここは、自然と共に生きる場所なんでしょ? だって、私のせいじゃないもの。彼が悪いんだもの。黙っていてくれるよね? 一緒にここで暮らしているよね?」
強がりだった私の心を、彼は理解してくれてはいなかった。
今朝、彼がこのロッジから抜け出して走り去ったのを遠目で見た。
彼には何の持ち物も持たせないようにロッジのすべてに鍵をかけた。
139巣 をがんばってリライト:2006/05/21(日) 10:02:05

きっとかれは戻ってこないに違いない。
彼女の安堵のため息とともに手のひらからバターヘラが落ちた。
「今日も、緑がきれい」


森が、ロッジを囲むように緑の柵を作っている。
まるで、ロッジを抱くようにそれは何かの巣のようだった。
ロッジには飛び立てないひな鳥が一匹いる。
これからも、飛び立つことなく幸せに生きていくに違いない。
自然は何も言わないだろう。
なぜなら、あるがまま、なすがままに、行為にかかわらず、
すべてが許されるのだから。
140巣 をがんばってリライト:2006/05/21(日) 10:05:06
-----
以上です。
…うーん、なんだかだめだぁ。
141名無し物書き@推敲中?:2006/05/21(日) 20:08:09
>>122でリライトはしないといっておきながらなんなんですが、
いろいろと触発されるものがあったので、結局書いてしまいました。
といっても、>>115-118>>137-139を合わせて、しかも違う味付けをしたような、
まあ、はっきりいって別物ですが、どうかご勘弁を。
じゃ、↓から。
1421/2:2006/05/21(日) 20:09:08
「昨日はよく眠れたかい?」
「ええ、ぐっすりと」
 彼の問いに、女はそう答えた。
ロッジのテラスからは初夏の陽光と土の匂いが室内に届いている。丸テーブルに肘をつきながら彼は、女
の顔を見つめ、どうやら言葉通り彼女はぐっすり眠れたみたいだな、と考える。その屈託のない笑顔には
憔悴の色はなく、肌も艶やかで眼の下に隈もない。昨夜の出来事について、気にかけている様子は微塵も
見当たらない。
「あなたはどう?」
「よく眠れたよ」
 彼は嘘をつく。
 自然であるべきことを望んで都会の喧騒や汚濁から隔絶されたこのロッジにやってきたのなら、これは
俺の望んだ結果じゃないか、と彼は心の中で自分にいい聞かせる。昨夜の自分はきわめて自然だった。共
にきていたもう一組の男女に対して抱いた思いも、そこから発した行動も、この“自然であるべき”小さ
な世界の中では必然だった。
 そうとも。この世界の秩序の中に、文明を持ち込んだ彼らのほうが間違っているのだ。彼らが持ってき
た、ちっぽけな文明の残り滓――ライターとガスコンロ――は、完璧に自然であることを望まれた、閉じ
られたサークルの中では見過ごせない汚濁だった。それらを持ち込んだことで、彼らへの見方が変わった
として、それもまた自然なことだろう。ここは、都会とは違うのだから。
 今、目の前にいる彼女もそれに同意した。だからこそ、あの血まみれの二つの死体をひきずり、滝底に
落とすのを手伝ってくれたんじゃないか?
 ――だが、彼女は俺の顔を見てどう思っただろう? いつも通り彼女は微笑んでいるだけだ。なにを思
ったにしろ口には出さず、ただ、この部屋に差し込む日差しのように柔和で、穏やかな笑みを浮かべる彼
女は……しかし、気づいただろうか? 結局、昨晩の俺が、一睡もできなかったことに?
1432/2:2006/05/21(日) 20:10:12
「朝食はなんにする?」
「そうだな……目玉焼きを。うんと柔らかいのがいいな」
 わかったわ、と答えて彼女がキッチンに消える。彼女のその、完璧に自然な動作と仕草による歩き方を
眺めながら、彼は、庭の檻に閉じ込められた鶏たちが甲高い鳴き声を上げるのを聞いていた。それは悲鳴
のように、また、逃れてきたはずの都会の喧騒のように彼の耳の奥でこだました。

 女が二人分の目玉焼きを乗せた皿を手にキッチンから戻ってきたとき、彼の姿はなかった。
 女は皿をテーブルの上に置き、それから静かに椅子を引いて腰を下ろした。そのまま待ち続けた。外か
らは鶏たちの声が聞こえていた。
 目玉焼きが冷めて固くなる頃、彼女の口元に笑みが浮かぶ。
 ――あなたは結局、戻ってくる。行き場所などないのだから。
 女は彼女の巣で、愛する者の帰りを待ち続けた。
144名無し物書き@推敲中?:2006/05/22(月) 03:38:14
「下手糞の文章にはぜい肉が多すぎる」
ってある小説家が言ってた。その通りだと思う。
145名無し物書き@推敲中?:2006/05/24(水) 14:45:25
で、どれがイチバン良かったん?
146名無し物書き@推敲中?:2006/05/25(木) 21:07:21
>>144
このスレで偉そうな口をたたきたいならまずリライトしろ。

どんなに稚拙な文章でも、原文だろうとリライトだろうと、
文句をつけるならその前にもっといいリライトを自分がしてみせろ。

でなきゃ酷評スレに行け。

お前みたいなハエはまさにこのスレの贅肉だ。
147名無し物書き@推敲中?:2006/05/26(金) 15:00:08
146は筋肉です。プロテインまみれですけど。
148手動書記:2006/05/27(土) 02:46:09
えー唐突ですがコテハン付けます。>>122でリライトしないといいつつやったりとか、
腰の定まらないことをやってるんで、態度を明確にするというような意味合いで……。
まあ、だからどうだというわけでもないんですが。

リライトスレの一番の特徴(と個人的に思っていること)が、リライトする側もされる側も、
「自分の文章をさらす」
という点で同じ土俵に立っていることだと思うので、
とりあえず、その本筋は崩れないでいて欲しいな、とは思います。

149名無し物書き@推敲中?:2006/05/27(土) 19:00:53
お前さんはつまり146は自分じゃないって言いたいのか?
自分の書いた奴を酷く言われたからってムキになって言い返したりしていない、って言いたいのだろ
必死そのものではないか(笑)
150名無し物書き@推敲中?:2006/05/27(土) 23:17:54
>>149
それがどうかしたのか?
リライトする気も投稿する気もROMだけしてる気もないならとっとと帰れ。
お前みたいに批評しかできない批評貴族は社会にもこのスレにも必要ないんだよ。

それとも自分がただの荒らしだってわかってても必死にこのスレに粘着し続けるのかな?
151名無し物書き@推敲中?:2006/05/28(日) 02:15:48
>>150
それがどうかしたのか?
リライトする気も投稿する気もROMだけしてる気もないならとっとと帰れ。
お前みたいに批評しかできない批評貴族は社会にもこのスレにも必要ないんだよ。

それとも自分がただの荒らしだってわかってても必死にこのスレに粘着し続けるのかな?
152名無し物書き@推敲中?:2006/06/02(金) 00:14:53
実にくだらない。下等ですね
153名無し物書き@推敲中?:2006/06/20(火) 18:56:58
age
154名無し物書き@推敲中?:2006/07/11(火) 01:22:27
age
155リライトお願いします:2006/07/13(木) 12:56:48
屋上には暖かな風が吹いていた。
彼女の長い髪がなびかれ、くしゃくしゃの顔が見えた。
「泣いてるの?」
僕は訊いた。応えは分かりきっているけど、何か言葉を出さなければ僕の方も泣いてしまいそうだった。
「知らなかった。屋上、こんなに気持ちよかったんだね」
僕に返すわけでなく、涙を拭うわけでもなく彼女はそう言った。
「うん」
僕はそれだけ言うと、彼女を抱きしめた。耐え切れなかった。
次々と涙が流れてきた。僕の顔もきっとくしゃくしゃだ。
156名無し物書き@推敲中?:2006/07/13(木) 19:51:43
屋上を吹きわたった風が彼女の長い髪を乱した。涙でくしゃくしゃの顔が露わになった。
「泣いてるの?」
聞くまでもなかったけど、何か言わなければ僕まで泣いてしまいそうだった。
「知らなかった。屋上、こんなに気持ちよかったんだね」
彼女は俯いたまま、涙を拭おうともしなかった。
「うん」
僕はそれだけ言って彼女を抱きしめた。耐えきれなかった。
涙がとめどなくあふれた。僕の顔もきっとくしゃくしゃだ。
157名無し物書き@推敲中?:2006/07/13(木) 23:16:16
風が吹いた。
吹き抜けた。
彼女の長い髪を靡かせて、彼女の涙を拭うようにして、しかし、それでも彼女の涙は収まらない。
一歩一歩、彼女に、歩く。声を掛けた。

「泣いてるの?」

そんな言葉しか紡げない自分が情けない。
それでも、言葉を、紡いで、

「知らなかった。屋上、こんなに気持ちよかったんだね」

僕は笑う。笑顔で、言う。
僕は泣けない。泣いてどうする。泣いてどうなる。
吹く風が、この青空が、心地良いというのなら、僕は笑っていないといけない。青空でありたい。
彼女の前で。

「……うん」

小さく頷いた彼女の声は、震えていて、か細くて、いまにも折れてしまいそうで、
くしゃくしゃに紅くなった彼女の横顔は、しかし、涙がキラキラと輝いて、美しい。
あぁ──。
僕は、抱きしめた。彼女を抱きしめた。
ゆっくりと、しかし、なめらかに、彼女の背中から腕を回して、抱きしめる。
彼女の体は酷く発熱していて、けれど、どこか冷え切っているようでもあって、だから、きつく抱きしめる。
彼女の体温を奪い取るように、彼女に体温を与えるように、抱きしめる。
涙が溢れてきた。まぶたを閉じても収まらないそれは、溢れて、溢れて、流れ堕ちる。
あぁ──。泣いてしまった──。僕まで、泣いた──。
だが、もういい、些細なことだ。
風も、景色も、些細なことだ。
この熱に比べれば、この鼓動に比べれば、些細なことだ。
顔をくしゃくしゃにして、一緒に泣いた。
158155をリライトさせていただきました:2006/07/25(火) 11:18:34
屋上に佇む二人の肌を、柔らかな風が撫でる。
風が彼女の長い髪をかきあげると、くしゃくしゃに歪んだ表情があらわになった。
それを見た途端、胸が締め付けられて、目頭が熱くなる。
まずい、何か言わなければ。
「泣いてるの?」
目の前の彼女を見れば明らかなことだったけど、咄嗟にはそんな言葉しか浮かばない。
彼女は僕の愚かな問いかけには答えるふうもなく、遠くの高層ビル群に目をやったまま、ぽつりと言った。
「知らなかった。屋上、こんなに気持ちよかったんだね」
「うん」
彼女の横顔は、前をしっかりと見据えているけど、無防備だと思った。
瞳にはまた新たな涙がいっぱに溜まっているのがわかる。
それがぽとんと赤らんだ頬に零れ落ちた途端、僕は我を忘れてしまって、気付いたら彼女を抱きしめていた。
なんて細い腰なんだろう。存在を全身で確かめるように腕に力を篭めていく。
それと同時に、熱い雫が自分の頬を伝うのにも気付いた。
きっと彼女だけじゃなく、僕も顔をくしゃくしゃにさせて泣いていたと思う。
彼女は僕の胸に顔を埋め、僕は彼女の髪に顔を寄せ、ただひたすらに湧き上がるものに身を任せた。
二人の嗚咽だけが、屋上に響き渡った。
159トオリスガリ:2006/07/25(火) 12:46:35
全部素敵だか157が特にキニイタ
160リライトお願いします:2006/08/12(土) 16:38:07
真夏の太陽に照らされ、海は煌びやかに輝いていた。
「夏だな」
と友人の岡本がつぶやいた。ブーメランパンツ一枚の姿で、彼は手をかざし浜辺を見据えていた。
「夏だな」
と俺も同調する。浜辺には水着の女の子がたくさんいた。今年こそ、彼女げっと。と俺は意気込む。
「さあいくぞ!」
「おお!」
俺たちは駆け出して海に飛び込む。水が冷たい。気持ちいい。周りには水着の女の子。
「ひゃっほう!」
そこで目が覚めた。
161名無し物書き@推敲中?:2006/08/18(金) 22:06:15
ここは論文とかも大丈夫ですか?
162名無し物書き@推敲中?:2006/08/18(金) 22:59:47
だいじょぶだいじょぶ
163名無し物書き@推敲中?:2006/08/31(木) 05:26:12
真夏の陽光を反射して、波間はきらめいていた。
ブーメランパンツを穿いて気合いの入った岡やんが、毛髪の後退した額に手をかざし辺りを見回す。浜辺には、オッパイ自慢のセミヌードの姉ちゃんたちが勢ぞろいしていた。
「オレ、あのピンクのトップレスな」
ふっふっふっ、と鼻息も荒くオレは岡やんに意気込みを表明した。
「なら、わいはあっちの伊東美咲や」
岡やんも、にやりと笑って応える。
「いくぞ」「おう」オレたちは女たちのもとへ駆けだした。


……とまあ、下品でごめんよー。
164名無し物書き@推敲中?:2006/09/21(木) 01:20:09
残飯
それぞれに好きなスレッドで書いていこうか
ごはんスレッドは適宜上げるということで
ぶははは!
 
165リライト希望:2006/09/28(木) 23:36:37
 タバコを美味しいと感じるようになったのは、高校に入って一ヶ月してからだった。
 吸い始めたのは中学卒業を控えた頃だったが、何をきっかけに吸い始めたのかは覚えていない。友達だったか、なんとなくだったか。
 高校に入って一ヶ月。それは丁度、俺がミサキと会った時期にあたる。
「タバコくさいけど、吸ってるの?」
 放課後の教室で交わされた、僕らの初めての会話だった。
「タバコくさい?」
「すごいタバコくさいよ」
 そういって、彼女は顔を近づけて僕の制服の匂いをかぎだした。
 僕はその行為がなんかやらしく思えて、あたりを見回したが、運よく教室には誰も居なかった。窓の向こうからは野球部の声援が聞こえる。
「やっぱりタバコくさい」
 と彼女は言った。
「そりゃタバコ吸ってるからね」
 と僕は告白した。彼女が先生に密告するようなタイプには思えなかった。
 彼女はやっぱり、と小さく言うと、右手を差し出してきた。
「一本ちょうだい。ずっと吸いたかったの」
166名無し物書き@推敲中?:2006/09/28(木) 23:38:31
酷評スレより酷い文章群
167名無し物書き@推敲中?:2006/09/29(金) 01:10:45
>>165
文章のリライトだけではすまんよ。構成や設定(タバコを吸うかどうかに興味もてない)から練り直さないと。さほど気を惹かれない内容のカットバック(過去にもどって説明)も、勢いが殺がれるだけ。
168名無し物書き@推敲中?:2006/09/29(金) 02:33:33
>>165 リライトしたけどどう?

 タバコを吸い始めたのは中学卒業を控えた頃だったが、何をきっかけに吸い始めたのかは覚えていない。
 それが美味しいと感じ始めた高校一年の五月、僕はミサキと出会った。
「タバコくさいけど、吸ってるの?」
「タバコくさい?」
 放課後の教室。これが、彼女との初めての会話だった。
「すごいタバコくさいよ」
 そういって、顔を近づけてきた彼女は、僕の制服の匂いをかぎだした。
 その行為がなんとなくいやらしく思えて、あたりを見回したが、運よく教室には誰も居なかった。
窓の向こうからは野球部員たちの掛け声が聞こえていた。
「やっぱりタバコくさい」
「そりゃタバコ吸ってるからね」
 彼女が先生に密告するようなタイプには思えなかったので、僕は思い切って告白した。
「やっぱり」と小声で言いながら、彼女は右手を差し出してきた。
「一本ちょうだい。ずっと吸いたかったの」
169168:2006/09/29(金) 02:38:52
自己訂正
「やっぱり」と小声で言いながら、彼女は右手を差し出してきた。

「やっぱり」と小声で言ったあと、彼女は右手を差し出してきた。
170名無し物書き@推敲中?:2006/10/02(月) 23:20:20
>>165
自分もリライトしてみたよーていうか、かなり変えてしまった(汗)

 タバコを吸い始めたのは中学卒業を控えたときだった。
 きっかけは友達だったか、なんとなくだったか、よく覚えていない。
 高校に入学してからも、僕はせっせと吸い続けた。
 1ヶ月もそうしていただろうか。
 タバコが美味しいと感じるようになった頃、僕はミサキと出会った。

 彼女が初めて僕にかけてくれたロマンチックな言葉はこうだった。
「タバコくさいけど、吸ってるの?」
 放課後の教室でぼうっと座っていた僕に突然話しかけてきて、いきなり「タバコくさい」。
 話したことのないクラスメートへの第一声にしては唐突だ。
 少々面食らいながらも、鋭い指摘に焦って聞き返す。
「タバコくさい?」
「すごくタバコくさいよ」
 ミサキは力強く言い切ると、僕にそっと顔を近づけて、制服の匂いを嗅ぎ出した。
 その行為がなんとなくいやらしく思える。
 幸いなことに、周りには誰もいない。
 何もあるはずがないと思っていても、自然と胸が高鳴ってしまう。
 遠くから聞こえる野球部の声援が遠い世界のものに思える。

 そんな僕の心のうちなど知らずに、ミサキは自信ありげに駄目押しの宣告をした。
「やっぱりタバコくさい」
「そりゃタバコ吸ってるからね」
 僕は彼女の尋問にあっさりと降参することにした。
 彼女が先生に密告するようなタイプには思えなかったからだ。
 ミサキは僕の告白を聞くと、やっぱり、と小声で呟く。
 そしてにっこりと笑って右手を差し出してきた。
「一本ちょうだい。ずっと吸いたかったの」
171名無し物書き@推敲中?:2006/10/03(火) 00:43:08
>>170 それをさらにリライト!

 タバコを吸い始めたのは中学卒業を控えたときだった。
 きっかけは友達だったか、なんとなくだったか、よく覚えていない。
 高校に入学して1ヶ月、タバコが美味しいと感じるようになった頃、僕はミサキと出会った。
「タバコくさいけど、吸ってるの?」
 放課後の教室でぼうっと座っていた僕に突然話しかけてきて、いきなり「タバコくさい」なんて
 話したことのないクラスメートへの第一声にしては唐突だった。
 少々面食らいながらも、鋭い指摘に思わず焦ってしまう。
「タバコくさい?」
「すごくタバコくさいよ」
 ミサキはそう断定すると、僕にそっと顔を近づけて制服の匂いを嗅ぎ出した。
 その行為がなんとなくいやらしく思えて自然と胸が高鳴る。幸いなことに周りには誰もいない。
何もあるはずがないとわかっていても期待せずにはいられなかった。
 遠くから聞こえる野球部の声援が遠い世界のもののようだ。
「やっぱりタバコくさい」
 僕の心の葛藤など知らず、ミサキは自信まんまんだった。
「そりゃタバコ吸ってるからね」
 あっさりと降参することにした。彼女が先生に密告するようなタイプには思えなかったからだ。
 やっぱりと小声で呟いたあと、僕の目の前に右手を差し出す。その顔はにっこりと笑っていた。
「一本ちょうだい。ずっと吸いたかったの」
172名無し物書き@推敲中?:2006/10/03(火) 00:52:47
>>171
それを更にリライト

タバコを吸い始めたのは中学卒業を控えた時だった。
最初は出来心でした。でもその内にやめられなくなって・・・
そんなある日、教室で一人ヒーハー言っていると、突然現れた女子が
「シンナーくさいよ」
「し、ししシシシシンナー?」
「一緒にイっちゃう?」
二人で幸せになりました。
173名無し物書き@推敲中?:2006/10/03(火) 01:03:32
>>172 それをさらにさらにりらいと

タバコを吸い始めたのは中学卒業を控えたときだった。
シンナーを吸い始めたのは高校卒業を控えたときだった。
ペニスを吸い始めたのは大学卒業を控えたときだった。
「もっと稼げタコ!」
「もうギャンブルはやめて……」
「うるせえんだよ!ぐだぐだ言ってねえで、とっととちんぽ咥えて稼いでこいや!」
「ひどい、うううう……」
二人の人生堕ちて行きました。
174名無し物書き@推敲中?:2006/10/03(火) 01:05:51
>>172
それを更にリライト

タバコを吸い始めたのは、尻の穴からだった。
最初は好奇心で、でもやめられなくなり……。
そんなある日、教室で一人プーハーさせていると、突然女の子が入ってきた。
「うんこ臭いよ」
「舐めてみる?」
「先に私の穴を舐めて」
二人でどろどろになった。
175名無し物書き@推敲中?:2006/10/03(火) 02:43:30
>>174
 漏れもリライト

 タバコをすい始めたのは中学の頃だった。
 夕日がやけにまぶしい屋上で、「タバコくさいね」と言った彼女も今では
アル中だ。夜の蝶として客をだましながら生活をしている。
 俺たちは暇さえあれば抱き合って、体液で体中がどろどろになるまで
抱き合って、そして世の中に絶望した。
 愛液と精液の匂いが充満した安アパートで、小皿にのせられた雪のような
結晶を水に溶き注射器で吸い上げている。これを打てば天国にいける。
「あたしにも一本ちょうだい」 
 デ・ジャビュー。
 中学の頃、屋上で彼女はそういった。
 ショートカットの似合う明るい女の子だった。
 俺はうなずいて彼女の腕をとり、静脈に注射器をつきたてる。シャブを送り
込むと彼女は甘いと息を吐いた。
「SEXしよう」
 彼女は爛々と輝く瞳でそう言った。
176名無し物書き@推敲中?:2006/10/03(火) 08:59:16
>>170だけど、大変なことになってますねw
177名無し物書き@推敲中?:2006/10/03(火) 17:14:19
>>165リライト

 タバコを吸い始めたのは、中学卒業を控えた頃だった。理由は――友達だったのか、何だったのか。きっと、きっかけはろくでもない。記憶にすら残らないのだから。
 それよりも、俺にとって重要であったのは、家族や教師を誤魔化し、隠れて吸う行為。周囲に欺き続けることにより、得られるスリル。きっと俺は、楽しんでいたのだろう。
 しかし、高校生活も一ヶ月が過ぎた頃、とうとう勘付かれた。ミサキに。
「タバコくさいけど、吸っているの?」
 場所は、放課後の教室。他クラスの生徒は入ってきた、と思ってすぐの、発言であった。初対面なのに、何と失礼な女なのか。俺は苛立ち、不躾な彼女を睨み据え、顎をしゃくった。出てけ、と。だが、物怖じせぬ彼女。無邪気とも取れる微笑で、俺を見返す。
「タバコくさいけど、吸っているの?」
 聞こえていないとでも思っているのか、馬鹿馬鹿しい。俺は首を振り、警告を含んだ声音で脅した。
「失せろ、馬鹿」
「……? すごくタバコくさいのに」
 言うが早いか、彼女は顔を近づけて、俺の制服の匂いをかぎだした。 声で表せぬ驚愕。俺は抵抗も忘れ、辺りを見回したが、運よく教室には誰も居なかった。俺は息を整え、もぞもぞ動く彼女の肩を掴み、自分の体から引き離した。
「やっぱりタバコくさい。吸っているの?」
 彼女は言った。どこか、嬉しげに。
「……ああ」
 俺は頷いた。頷いてから、後悔した。頭に浮かぶのは、敗北感。俺のスリルを、この女はぶち壊したのだ。
 だが、俺の憤りなど知らぬ顔で、彼女は『ねえ』と小さく呟くと、右手を差し出してきた。
「一本ちょうだい。ずっと吸いたかったの」
 その言葉に、俺はある策を閃き、無言のまま一本を差し出した。咥える、彼女。ニコニコと、こちらを見つめている。おもむろに、それへ火を点けた。途端、咳き込む。俺は、ゲラゲラ笑った。当たり前だ。
「のどがいたいよ。返す」
 彼女は涙眼で、煙の揺れるタバコを差し出した。傲慢に受け取り、自慢げに咥え、吹かしてみせる。
「タバコは、余興で吸うもんじゃねえ」
 眼を丸くして、彼女は俺を見つめた。そのタバコは、ひどく美味い味であった。

蛇足かもしれんが、やはり、俺と僕の使い分けは基本だぞ
書いてて、ある意味で俺の文章よりも稚拙じゃね?とか思った
178名無し物書き@推敲中?:2006/10/04(水) 17:21:04
改めて来てみたら、改行していないことに気付いた
まあ笑っとけ、笑っとけ


……ゴメンなさい
179165:2006/10/08(日) 01:17:50
こんなにもリライトや指摘してくださってくださった方々がいて驚きです
ありがとうございました。タメになりました。
やっぱり大事なのはどうやって下ネタに走っていくかの発想転換ですね。
180名無し物書き@推敲中?:2006/10/09(月) 21:27:13
>>179
うム、分かってくれて何よりだ!
181名無し物書き@推古中?(1/2):2006/10/22(日) 23:27:24
 夕べに赤い光を反射しながら、ゆらゆらと川面はゆれている。
 ときおり強い反射に目を細めながら、ぼんやりと座っている。

 空は赤い。

 もちろん、夕焼けが、赤く染めているからだ。晩秋がそめる赤の色。

 「輝木」

 後ろから声がかかる。
 そこには、一匹の柴犬がいるだけだった。

 「輝木。寒いから帰ろうよ。毛繕いしてよ。身体がかゆいんだ」

 声はその柴犬から聞こえていた。

 「なあー」
 「ん?」
182名無し物書き@推古中?(2/2):2006/10/22(日) 23:27:54

 上から見下ろす僕の顔に向けて、犬の顔が振り向く。
 振り向きながら四つ足がちょこちょこと歩みを止めない。
 いつ見ても不思議な不思議な光景だ。
 僕はLUCK STRICKを一本取り出すと、肺にゆっくりと吸い込み吐き出す。口の中にトーストとはちみつの味が広がる。

 「ポチ。今日晩飯なにがいい? この前みたいにラーメンご飯とかがいい?」
 「あーあれ? おいしいんだけど、歯にからんでさぁ。おでんが良いなぁ。大根を煮たやつ」
 「かーさんのおでんは先週食べたばかりだろ?」
 「おいしいものは何度食べてもおいしいんだって。輝木の方こそ変だよ。煙を吸っておいしいの?」
 「犬にゃわかんねーよ」
 「そんなのわかりたくもないねー」
 「そういえば、糞したか?」
 「したした。もうばっちり。この前、デカ犬のガンボにやられた場所を取り返す為に小便もひっかけておいたよ」
 「…そーかい…」

----

リライトお願いします。
183名無し物書き@推敲中?:2006/10/27(金) 23:38:48
あg
184菅野ひろし:2006/10/28(土) 01:05:05
「秒奪」内容(「BOOK」データベースより)
交通管制システムが操られ、大渋滞が引き起こされた。都市交通がパニックに陥ったとき、同時多発現金強奪事件が発生した。
襲撃された現金輸送車は17台。強奪された現金は4億3800万円。最初の犯行は都庁通りで勃発した。これによって都庁通りが渋滞すると、新宿地区全体、および渋谷区北部にまで渋滞は引き起こされた。渋滞の最中、次々と現金輸送車が襲われた。
しかし、犯人の真の狙いは現金強奪ではなかった…。
内容(「MARC」データベースより)
交通管制システムが操られ、大渋滞が引き起こされた。
都市交通がパニックに陥ったとき、同時多発現金強奪事件が発生した。しかし、犯人の真の狙いは現金強奪ではなかった…。
商品の説明をすべて表示する 商品の詳単行本: 253ページ 出版社: システムは年輪の会 (2004/12)
作家の管野ひろしと申します。 処女作「秒奪」は、交通管制システムと言う交通インフラを題材としていますが、 2作目に考えています「車が空を飛ぶ日(仮題)」は、近未来小説で、「秒奪」の延長線上のお話です。
本当に車が空を飛ぶ?と思われるでしょうが、50年後には間違いなく空中を車が飛び交っていると思います。 (30年前に誰もが携帯電話を持っているなんて想像疎しなかたように・・・
名 前 管野 ひろし (男性)現住所 神奈川県横浜市 年 齢 41歳 誕生日 05月21日 血液型 B型 出身地 神奈川県横浜市
趣 味 映画鑑賞, スポーツ, スポーツ観戦, 音楽鑑賞, お酒, ショッピング, ドライブ, 旅行, 読書 職 業 営業・企画系
所 属 松下電器産業株式会社
自己紹介 管野ひろし(ペンネーム)
扶桑社より「秒奪」と言う本で、作家デビューしました。(本業は、一応一流企業のサラリーマンです)
友達の輪を広げたいと思ってミクシィに登録しました。
よろしくお願い致します。
好きな休日の過ごし方 ゴルフ、フィットネス、読書
好きな観光地 上高地(紅葉の時期は最高)
好きな言葉 システムは年輪なり!(僕の言葉
http://mixi.jp/show_friend.pl?id=6123403
1851/2 リライトお願いします:2006/10/28(土) 22:39:10
 お天道様の七色に輝く矢が鬱蒼と生い茂る森を突き刺す様に降り注ぐ。
 日を浴びた若葉のツンとした新緑の香りは風に流され、ひっそりと佇む木造住宅へと届いた。
 恵介と千奈津は板葺きの長い廊下の戸を開け、青草が無造作に伸びた広い中庭を臨む形で、廊下にべたりと座っていた。
「ねぇ、恵介。氷狐様って覚えてる?」
 薄っすらと汗をかいた麦茶のコップを手に、千奈津は問いかける。
 心太を吸い上げる恵介は不意をつかれた。
「あぁ? ヒョウコ様? 誰だそれ。千奈津、お前またどっかのくだらないV系バンドにでもハマったのか?」
 恵介ご自慢の『ライオンのたてがみ』はグイっと引っ張られ、黄金の毛が千奈津の手に落ちた。
『ライオンのたてがみ』とは恵介の髪形とその色を比喩され言われている。
 学園では、『ライオン丸』との異名を轟かせていた。
「くだらないは余計でしょ? 今度言ったらアンタの『たてがみ』全部引っこ抜いちゃうからねっ!」
 千奈津はわざとらしく両頬を膨らませて見せた。
「忘れちゃった? 小さい頃アンタのジィジに、ここでよく話してもらったじゃない。この先の森にまつわる神様の話」
「あぁ〜。そういえば、そんな話してたな。十年以上前の話だろ? 急にどうしたんだよ」
 恵介は心太を食べ終えると、その器を脇に置き千奈津の方へ顔を向けた。
「夏休みなんだしさ、ちょっとした冒険しようかなーなんて」
「おいおい、そのためにジィジんチに行こうっていったのか? 俺達もう高校生になったんだぞ? そんな恥ずかしいこと出来るかよ」
「あら、いいじゃない。私たち幼馴染なんだし」
 千奈津はニッコリと笑って見せた。
 冗談じゃないという風に恵介は手を振り、千奈津に、
「お前、あの話信じてるのか?」
1862/2 リライトお願いします:2006/10/28(土) 22:40:04
「う〜ん。とっても悲しい話だったんだもん。ずっと確かめたかったのよ。ね? お願い、一生のお願い!」
 恵介を拝むようにして、千奈津は言う。恵介は呆れたように溜息をついた。
「なー。ジィジを見てみろよ。いっつもポケ〜っとしてるじゃねーか。あんな老いぼれのお話を信じちゃうなんて、
随分と育ちの良いお姫様なんですねぇ〜」
 そう言い終えるや否や、『ライオンのたてがみ』はブチブチと引っこ抜かれ、恵介は苦痛に頭を抱えた。
「恵介君? 次はないから……ねっ?」
 千奈津は恵介を見下ろし、不気味な笑みを浮かべ、手についた無数の毛を叩き落とす。
 恵介には、それが悪魔との最後の約束の様に思えた。
「ジィジのこの家、ずっと昔からここに在ったんでしょ? 素敵じゃない、こんな田舎にもロマンがあって!」
「え、ええ。ロマンですね。ロマンです。……何がロマン?」
『ライオンのたてがみ』に再び危機が訪れようとしたが、寸での所で難を逃れた。
「忘れちゃったのならしょーがないわね」
 千奈津は麦茶をコップに注ぎながら、そのロマンを声を低くして語り始めた。
「むか〜しむか〜し、深い森に仲の良い三名の神様がいたという。三名の神様は、風猿、爛猫、氷狐といった。
彼らは力を合わせ、長い間森を守り続けていた。しかし、ある時を境にして二名の神様は突如として姿を消してしまったのである。
そして、森には氷狐様だけが残っていた。二名の神様は氷狐様によって消されたのである、ってなんでか分かる?」
 千奈津の痛い位の視線を感じながら恵介は首を傾げた。
187名無し物書き@推敲中?(1/2):2006/10/29(日) 00:51:13
>>185
リライトしてみました。
えっと、こちらの趣味が入りまくっているので全然違うものになってしまいましたけど・・・。

------

 心地よい陽光が照りつける、真昼過ぎ。今は春。
 寒さも終わり、これから暑くなるだろうそんな季節。

 冬服では用を足さず、夏服ではちょっと寒い。そんなふらふらとした時。

 何事もない、何事も起きそうにもない、そんな高校生活。教室の自分の机からからぼんやりと外を眺めていたら、
そこに見覚えたくないけど、見覚えがありすぎる小柄な彼女が急いでこちらに向かって走ってきている。
その、小柄な彼女は同級生、もといい幼なじみー九波 カオルーなのだった。

 「ねえ、タカ。ターカ」

 ちょっと小柄なカオルが、俺が座っている机に向かってドシドシと突き進んでくる。しかも、
真剣な目つきで口の端に現れるにやつきを抑えられずに現れている。これは、危険だ、
あきらかに俺は狙われている、それも厄介事に。彼女にとって厄介事じゃなくても、
俺にとっては少なくともいやな厄介事を持ってきたに違いない。

 「…あー。まずそうな事? 今日は教科書忘れても貸せるようなのないし、
提出の資料を写すものなんて無かったし。っていうか、今日小テストはあったけど、カンニングだけはもう勘弁してくれない?」
 「ば、ばっか。カンニングは最終手段っしょ。この前みたいに赤点とるほどやばくなかったらやんないよ」
 「やばくなったら、またやるんだ…」
 「あたりまえっしょ。赤点とって遊びに行けなくなったらいやじゃん…そんなことじゃなくって」
 「厄介事お断り!」
 「だーもー、いつも、いつも、私がそんなのばっかり持ってこないって」
 「…ほんとにそう思っているのか?」
188名無し物書き@推敲中?(2/2)(1/2):2006/10/29(日) 00:52:01

 一瞬、カオルが目をそらす。少し声を絞りながら、というより珍しく声を落としながらしゃべり始める。

 「図書クラブの課題忘れてて…その、ちょっと近所の山にある祠の写真を撮ってこようと思って。頼りないボディーガードを一名!」
 「…いつもの仲良し3人組と行けば? もう課題とか勉強とか忘れ物とかそんなことに巻き込まれないって誓ったんだ。
特におまえ限定で」
 「ほほぅ。非協力的じゃーん?」
 「べっつにー? だいたい、祠ってどこだよ。どうせ俺の知らないとこだろ?」
 「なにいってんの? あーそーこ。えっと、あー、あのー詑弖摩山のジッチャンの祠の事」
 「あーカオルが、祠の前でジッチャンの怖い話を聞いて泣いたところね」
 「う…変なとこばっか、覚えてるんだから…」
 「まージッチャンの祠なら、子供じゃないんだし、半日もあればいけたと思うけど?」
 「それに同行して欲しいの、私、あそこまでの道筋あんまり覚えてなくて…」
 「まー…いいかー…なんか危なくなさそうだし。ちなみに報酬と日時は?」
 「今週の土曜日、報酬はラブラブな幼なじみとお手製弁当でどう?」
 「大 却 下。おばさんの手弁当でよろしく。やっぱり弁当は年季が入ってないとなー」
---

以上です。
189名無し物書き@推敲中?:2006/10/29(日) 19:02:01
ひでーwww原文のカケラもねー。
オレもリライト挑戦するか
190187:2006/10/29(日) 19:30:59
>>189
だって、原文に現実味がなさすぎるんだもーん。ひょうこ様とか、伝説語り始める突然女とか、
ライオンのたてがみとか、お嬢様面とか、きもいんだもん。きもすぎて話を読むのつらいんだもん…。

そりゃ、俺の話もきもいけどさ…
191名無し物書き@推敲中?:2006/10/29(日) 20:26:23
>>181
 河川敷の公園は交通の便が悪く、休日だというのにあたりには人っ子一人いない。
ベンチにに腰をおろして、落ち行く太陽を眺めながら「ああもうじき秋も終わっちまう
んだなあ」とセンチなことを考えていたら、後ろから声をかけられた。
「輝木、寒いから帰ろうよ」
 僕は振り返らずに夕日を見ていた。夕日っていうのはただ太陽が赤く見える、それだけのことの
はずなのに、なんで見つめてしまうんだろうな。
「寒いから帰ろうよ。まだ冬毛が生えてないから寒いんだよ。帰って毛繕いしようよ、
背中がかゆくてしょうがないのよ。これ以上無視するならその新品のクツに貫禄を
つけてやる」
 と言いながら僕座るベンチの前にやってきたポチは、あろうことか片足を上げて
あられもない体勢をとったので、僕は粗相をされないうちに立ちあがった。
「なあ、犬ってのは夕日を見ても何とも思わないのか?」
「興味ないね。太陽が赤く見えたからって何だって言うんだい。そんなことより
今は帰ってからメシ、それが重要でしょ」
 ポチは僕の顔をきつくと睨みながら、四つ足でちょこちょこと公園の出口へと歩いていった。
あんなによそ見しながら歩いて転ばないのかといつも不思議になるが、けれどポチは気に
した風もなく、ひょいと足元の障害物やら雨水ブロックやらを避けて歩いていく。
192名無し物書き@推敲中?:2006/10/29(日) 20:34:31
>>187>>188
酷すぎるw
動き削って会話のみ小学生駄文にw
193名無し物書き@推敲中?:2006/10/29(日) 23:11:16
>>187
「ねえ、タカ。ターカ」

ktkrwwwwwwwwww
194名無し物書き@推敲中?:2006/10/30(月) 00:36:14
・原文をもとにデフォルメ・パロディ化
スレの趣旨と違うぞ。
>>187は劣化デフォルメしてパロッたと思ってやれよ。^^;
1951/2:2006/10/30(月) 00:56:42
 恵介の家のまわりをとりかこむ雑木林は、樫や椎といった厚手の葉をもつ樹がてかてかと
光る照葉樹林で、今日のようなよく晴れた日には新緑が目に痛いほどになる。だからなのだろう、
恵介も千夏も、木や森を見ようとせず、空ばかりをぼうっと見つめて過ごしている。
 いかにも田舎の二束三文の土地の上に立った木造住宅は無駄に大きい。一部屋は広くないが
部屋数がむだに多いのだ。部屋数が多くとも、いまどき二十歳を過ぎて親元に同居しつつ働くような、
親孝行の若者は多くない。空いた部屋は結局のところ、物置やら子供の秘密基地やらに使われるのが
相場である。恵介の家もそういう、無駄な空き部屋や無駄な別棟<はなれ>だらけの、お化け屋敷の
ような家だった。
 縁側に腰かけて空を見つめる。もう二十分そこらもこうしている。クーラーがない恵介の家では、
ここが一番涼しい場所なのだ。恵介は、退屈じゃないのかな、と千夏のほうを振り返った。だが、
千夏はぞんがい楽しそうな様子でわらっている。
「なに、なんか面白そうなことでもあったか?」
 千夏はすこしキョトンとしたあとで笑った。「ちょっと思い出してたの。恵介は、ひょうこ様って覚えてる?」
「え?ヒョウコ様? アホみたいなV系バンドの話か?ならパスだ」
 恵介は、自分の趣味以外にはまったく興味をもとうとしない。
1962/2:2006/10/30(月) 00:57:13
「アホみたい?」千夏は、恵介ご自慢の金髪をひっつかんだ。「それは暴言よね。取り消さないと、抜くよ」
 恵介は両手をじたばたさせたが、後ろにいる千夏には抵抗のしようがない。
「分かった、ごめんなさい。ちゃんと話聞くから離してくれよ。ショウコ様がなんだって?」
「ひょうこ様。氷の狐って書く氷狐様。恵介のジィジがよく話してたやつよ。森の神様のおはなし」
「俺は覚えてない。爺いがよく、なんかお経みたいな話をブツブツ言ってたのは覚えてるけど。
どんな話だったっけ?」
「お、興味が出てきたの? ええと、むかしむかしの話じゃ、深い森に仲の良い三柱の神様が
居ったそうな。風猿、爛猫、氷狐というご尊名をお持ちで」
「口調まで爺いに合わせなくてもいいよ。けど、そういえばゴソンメイって言葉が分からなかったのは
思い出した。それで?」恵介は麦茶を二人分注ぎながら、話の続きをうながした。
「それでじゃ。彼らは、長い間、じつに長い間、森を守り続けていらっしゃった。しかし、ある時を境にして
氷狐様をのぞく二柱は忽然として姿を消してしまった。はたして森になにが起こったのか」

注・「千奈津」は「千夏」に直させてもらった。
ここでは書かなかったが、新緑の時期に夏休みをやってるわけがないよ。
197名無し物書き@推敲中?:2006/10/30(月) 18:07:48
テンポが良く纏まってますな。
198名無し物書き@推敲中?:2006/10/30(月) 23:48:15
 中国大使館の先でタクシーを下り、地図を片手に左へ下りていく坂道を歩いて行った。
正面に東京タワーが見えている。この辺り、まんざら土地勘がないわけでもなかったが、
十二年前の記憶などもう役に立たないだろうと思っていた。しかし当時の古い民家が
まだけっこう残っていた。煙草屋、酒屋、クリーニング屋、パン屋。日常生活なら町内の店で
だいたい用が足りていたころの面影が残っているのだ。だがよくよく見ると、
たしか寺があったと思われる辺りがそっくり駐車場になっていたりする。街も暗くて活気がなく、
なんとなくなげやりに見える。高級マンション街がすぐ近くまで迫ってきており、
いまは街のほうがそれに声をかけてもらうのを待っている感じだった。
 番地を見ながら脇道に入って行くと、煉瓦タイルを張った四階建ての
真新しいマンションに突き当たった。元麻布台コーポと銘打ったブロンズ板が
通る人もいないところまでまがまがしく光っていた。中へ入れてもらうのに管理人室の
ボタンを二十回も押さねばならなかった。小窓が開いて管理人と顔を合わせた瞬間、
来る前に電話しておいてよかったと思った。くわえ楊枝で出てきたのだ。
不幸にしてまだくわえ楊枝の人間から、お愛想を言われたり愛嬌を振り撒いて
もらったりしたことがなかった。
「そんなこと言われてもねえ。旅行に出かけているだけかもしれないし」平べったい顔を
四角にして言った。いわゆるえらの張った顔で、顔色もどちらかといえば黄土色。
広い眉間、まばたかない目、隙間だらけの歯。この小窓から出し入れできる自分の
権益は必死に守ろうとしているみたいだった。後にこたつが見えており、
テレビがつけっぱなしになっている。座布団の上で寝そべっている猫まで
主人に負けない不機嫌な顔をしていた。
「そりゃ緊急の場合かも知れませんけどね。人の部屋に勝手に入っていいという法律は
ないんですよ」
「二週間以上音信不通なんです」わたしも四十年使いふるしてきた顔を突き出して言った。
199>>198:2006/10/31(火) 00:59:30
 中国大使館をちょっとすぎた辺りでタクシーを降り、地図を頼りに麻布署の角から細い路地へ入る。
雑居ビルや民家にときおり遮られて見えなくなるが、正面には東京タワーが以前と変わらない
姿でそびえている。
 十二年も前の記憶など役に立たないだろうと思っていたが、実際来てみると、街のとところどころ、
例えばクリーニング屋だとかパン屋だとか煙草屋だとかに既視感がある。この街はたしかに、
商店街をハシゴしてひとつひとつ用を足していくような、むかしの雰囲気が残っているのだ。
 だが、そんな既視感に安心して街を歩いていると、今度はまったく見覚えのない駐車場に
出くわした。よくは思い出せないが、ここはもっと違う場所、たしか寺かなにかだったはずだ。
黒々とした新しいアスファルトの駐車場は、商店街然とした街にはいかにも不釣り合いだったが、
満車状態の一時間五百円の駐車場が幾ら稼いでいるかと考えると納得した。
 要するに、以前あった寺も商店も、潰れるのを待っているだけなのだ。あと一二年の話でも
ないだろうが、遠くに見える高級マンションは、いつかこの辺りの商店に息をかけるだろう。
そう思って背後の商店街を振り返ると、やっぱり、記憶よりもほんの少しすすけて見えた。
 番地を見ながら脇道に入っていくと、目的の建物は割とすぐに見つかった。煉瓦タイルを
張った四階建てのマンションの壁面に、元麻布台コーポと銘打ったブロンズ板が陽光を
まがまがしく反射している。
 管理人室のチャイムを二分おきに五回鳴らすと、ドアの奥で物音が聞こえた。だが、
管理人はさらに六回チャイムを鳴らすまで出てこなかった。
「そんなこと、言われてもね、旅行か、何かじゃないんですか」管理人はわたしに応対しながらも、
楊枝で歯滓を取ることを怠らない。管理人の平べったい顔は楊枝の動きに合わせて縦横に延びた。
「そりゃあ、おたくの事情も分かりますけどね。だからといって他人様の部屋を勝手に開けるのは
管理人としてどうかと、ね」
200名無し物書き@推敲中?:2006/10/31(火) 11:04:42
リライト前のほうが、はるかに良い。
201名無し物書き@推敲中?:2006/10/31(火) 14:18:24
202名無し物書き@推敲中?:2006/11/03(金) 08:02:56
アゲ
203名無し物書き@推敲中?:2006/11/03(金) 16:57:47
「すいませーん。アイスコーヒーおかわりいいですか?」
 そろそろ彼が来るころだ。私は一時間も前から空調の効いた喫茶店でこうして彼を待ち続けている。
 今日、彼を呼んだのは他ならぬ私だ。
 どういう風に話を切り出そう、出来るだけ自然に、そんな事ばかりが頭いっぱい駆けていた。
 その時、
「いや〜お待たせしました。ごめんなさいね〜。時間ピッタリですよね? よかった、よかった」
 彼は私と向かい合うように席に着いた。
「いいえ、私も先程来たばかりなので……。待ってなんて……いない、です」
「そっか。それならよかった。この所、製品開発で忙しいんですよ。あっ、ウェイトレスさん。コーヒー」
 彼、中里武志は私の勤めている某有名生活用品会社に所属している。
 この前、中里の考案から発売にこぎ付けた商品『あま〜い歯ブラシ』は、私も構想していたもので、一足早く先を越されてしまった。
 中里は私の斜め前を常に行く男であった。正直、私の業績が最近伸び悩んでいる原因が彼にあると言っても過言ではない。
「珍しいですね。君からお誘いが来るとは思いませんでしたよ。実を言うと僕も君と語らいたかった」
 口を閉じたまま口角をくっと上げた笑みは、縁日に出される狐の面の様だ。
 正味、彼は気持ち悪い。
204名無し物書き@推敲中?:2006/11/03(金) 16:58:35
 一昔前のアイドルを意識したサラサラナチュラルぱっつんヘアー、武志という逞しい名とは余りにもかけ離れた、頼りない薄っぺらな身体、げっそりとした蒼白い顔。
 特に笑った顔は頂けない。笑顔とは人に安堵を与えるものだが、彼の場合それは、どうぞその右のパンチを僕のお顔に当てて御覧、
 出来ないでしょ? 出来ないでしょ? と、言いたげに嫌味な意味を込めた実に不快なものであった。
 とりあえず、我慢。右のプルプルと震えた手を慈愛の心で押さえつけ、難しい数式を唱える。
 そうする事で彼の顔もなんとなく許せる、気がした。
 冷静に観察すると中々に面白い顔ではないか。この人もそれなりの苦労があるのだろう、目の下には黒い斑点が広がり、十分な睡眠をとれていない事が伺える。
「中里さん、お疲れですか? クマ、出来てますよ」
 目の下を指差して見せた。彼は、
「あぁ……。これですか? 言ったでしょう、最近忙しいと。まぁ、深い理由があるのですよぉ。そう言えば君も、クマさん、出来てますよ。最近忙しいのでしょう?」
 一言問えば二言返ってくる。次は左の拳が飛び出しそうだが、ガ・マ・ン。ここでぶん殴っちゃったら、全てがパー。
 この流れは絶好のチャンスなのだから。
「お疲れ様ですぅ。私は……なんか、コーヒーの飲みすぎかも……アハハ」
 うん、分かってるよ。分かってるよ。常々僕に仕事を越される君が忙しいはずもない。コーヒーを飲むのがお仕事になってるもんねー。
 彼はそんな意味合いを込めた笑みを浮かべる。
 手が駄目なら頭でいくよ? ねぇ、頭突き入れちゃうわよ? 
 駄目よ! 冷静になろう。これから彼に苦虫を噛ませる事が出来るのだから。
 そしてチャンスは、今。
「そう、そう」「あの」
 発言が牽制しあった。
「あ、すいません。くだらないお話なので……」
「いいや、どうぞ、君から」
 私に手を差し伸べ、続きを促した。注文したコーヒーがテーブルに届く。私はコーヒーを一口含んだ。
 では、お言葉に甘えて。
205名無し物書き@推敲中?:2006/11/03(金) 16:59:23
 本当にくだらないお話なので、あしからず。
 ある日、彼女は一生懸命お洒落をして大好きな彼と初めてデートしたそうです。
 彼女は憧れだった彼の横で、つい舞い上がってしまいドジばかり。
 それでも、彼は優しくエスコートしてくれました。
 彼女は優しい彼に心底惚れ込んでいました。ただ、彼は最近寝不足で、目の下が疲れきった様子。
 そんな彼のことが心配になり、寝つきの良かった彼女は早寝のコツを教えてあげました。
 しかし、彼は決して安眠したかったわけではないようで。むしろ、眠り、夢を見ることを恐れていました。
 どんな夢? 彼女が訊くと、彼はニヤリと笑い夢の内容を語りだしました。
 その日以来、彼女は妙な夢に悩まされます。
 
 【またここ。真っ暗な。でも、奥に何か見える。行こう。何がある。見たい。
 誰。これは誰。誰の目。大きい。嫌、見ないで。私を、見ないで。赤い目。私を見ないで。
 逃げよう。いつもの様に。走れば、覚める。いつか覚める。
 お願い。来ないで。早く、覚めて。駄目。私、追いつかれる。いつか捕まる。夢なら、覚めて】

 眠りに就くたび同じ夢。それどころか、状況は徐々に悪化し、彼女はそれ以上先を見ぬ様、睡眠を摂らなくなりました。
 それが続くうちに目の下は紫に淀み、目玉は赤いペンキを溢した様に真紅に染まり、それが黒目を侵食し――
 有名な都市伝説で『夢魂(ゆめたま)』と云われています。
 この話を聞いた者は、何者かに追われる夢を見ます。その一週間後、口からビー球大の玉を吐き出すのです。
 それは夢の進行具合を表すのか、信号機の様に緑、黄、赤と色が付いているのです。
 緑ならまだ大丈夫、黄は注意、赤は……。
 その夢から抜け出す方法は簡単であります。他の誰かにこのお話をすればいいのです。
 そうすれば、呪縛から開放され、安眠が約束できるそうです。
 話を聞いた者は夢に喰われ、徐々に。或いは、この話を他の誰かに。
 玉の色は引継がれ、話が伝わっていくほどに緑から黄へ、黄から赤へと変わっていきます。
 彼女の場合、吐き出した玉は緑色であったためまだ大丈夫でした。その後、彼女は友達にその話を伝え、また安眠出来る生活に戻ったそうです。
 
206名無し物書き@推敲中?:2006/11/03(金) 17:00:08
 両肘を突き、興味津々といった様子で彼は私を眺めていた。
「ねっ? くだらないでしょ? ごめんなさいね」
 私はコーヒーを飲み干し、心の中で小さく拳を握り締めた。
「いやいや、面白いお話で。そのお友達、どうなったんでしょうかね?」
「恐らく、悪夢に悩まされたでしょう。そして、今。悪夢から救われるのです」
 私はポケットの中から、緑色の呪縛を取り出し、テーブルに転がした。
「これ、よろしくお願いしますね。中里さんならきっと仲良くやっていけると思いますよ」
 彼はギョッと目を見開き、しばらくの間微動だにしなかった。
 まるでひょっとこのお面。私は可笑しくなりクスクスと笑った。
 彼もまたクスクスと笑う。なーんだ、普通の笑みも作れるんじゃない。
 初めて、彼の屈託のない笑顔を見た気がした。
「まさか、そんなオチが待ってるとは……。本当に面白い人だ。君は」
 彼はおもむろに胸ポケットから赤い玉を取り出し、テーブルに置いた。
「では、僕の話も聞いていただこう。これは『夢魂』という――」
 私はコーヒーのおかわりをした。    

                       終
207名無し物書き@推敲中?:2006/11/04(土) 16:14:29
酷評スレからお引っ越し乙
208名無し物書き@推敲中?:2006/11/04(土) 16:16:53
酷評スレと微妙に変わっててワロス
209リライト希望:2006/11/05(日) 02:35:18
 僕はこげ茶色の岩の上に立っている。辺りは荒れた大地が広がっている。こげ茶色が、地平線まで続いている。
 僕が立っているような岩は、どこにでも無数に転がっている。まばらにある飛びぬけて大きい岩は、小さな丘のようにも見える。遠くにあるそれは、陽炎のように揺らめいて見える。
 空は晴れ渡っている。地表とはうって変わってすがすがしい青をしている。
 太陽が真上から日差しを降り注いでいる。雲は一つも見えない。
 風は吹いてない。肌で感じないし、風音さえ聞こえない。ただ、僕の心臓から血が滴り落ちる音だけが聞こえる。それは地面を赤黒く染めていく。僕の影をさらに黒く染めていく。
210>>203:2006/11/05(日) 02:53:17
「お待たせしました。ギリギリですが、一応間に合ったみたいですね。よかったよかった」
 中里は、私と向かい合うように席に着いた。
「いいえ、私も、それほど待っていたわけじゃありませんから」本当は一時間も前から彼を
待っていたのだが、私が楽しみに待っていたように取られたらたまったものじゃない。
「それならよかった。さいきん忙しくて忙しくて、まったく寝る間もないんですよ。あっ、
ウェイトレスさん、コーヒー」 中里は店員を呼んだあと、私のほうに身をのりだして
にたりと笑った。
「珍しいですね。君からお誘いが来るとは思いませんでしたよ。実を言うと僕も君と語らいたかった」
 中里は私の会社の同僚だ。社員としては有能なのだが、どうしても好きになれない。
それは一昔前のアイドルのような優男風の髪型のせいでもなければ、痩せぎすの身体の
せいでもない。この笑顔がとにかく気持ち悪いのだ。
 私はこの男が大嫌いだ。それは向こうも承知している。その上でこうやってお茶に誘った
からには、なにか仕事上でどうしても頼まなかったことがあるのだろう……中里は、人の弱み
をみつけたときに笑う、そういう人間だ。
「で、何の用なんですか?」
「ええ、下らないお話なのですが、どうしても気になることがありまして」
「あ、いえいえ下らない悩み事なんかありませんよ。どうやら目にクマも出来ていらっしゃるようですし、
どうぞお話してください」
「そういえば、中里さんも目がすこし……疲れてらっしゃるのでは?」
 と、すこし気遣うフリをすると、中里の眉がすこし吊り上がった。ただの相談事ではないことを
見抜いたのだろうが、「構いませんよ」という彼の言葉に従い、私は本題にはいった。
211名無し物書き@推敲中?:2006/11/05(日) 02:54:03
 私の友達の話です。彼女には優しい恋人がいて、彼に心底惚れ込んでいました。
ただ、彼は最近寝不足で、目の下が疲れきった様子。そんな彼のことが心配になり、
寝つきの良かった彼女は早寝のコツを教えてあげました。
 しかし、彼は決して眠りたかったわけではなく、むしろ、眠ることを恐れてさえいました。
なぜ? と彼女が訊くと、彼はニヤリと笑い、彼を脅かす夢の内容を語りました。 その日
以来、彼女は妙な夢に悩まされます。
 
 【またここ。真っ暗な。でも、奥に何か見える。行こう。何がある。見たい。
 誰。これは誰。誰の目。大きい。嫌、見ないで。私を、見ないで。赤い目。私を見ないで。
 逃げよう。いつもの様に。走れば、覚める。いつか覚める。
 お願い。来ないで。早く、覚めて。駄目。私、追いつかれる。いつか捕まる。夢なら、覚めて】

 眠りに就くたび同じ夢。それどころか、状況は徐々に悪化し、彼女はそれ以上先を見ぬよう、
睡眠を摂らなくなりました。 それが続くうちに目の下は紫に淀み、目玉は赤いペンキを溢した
様に真紅に染まり、それが黒目をだんだん侵食していきました。彼から話を聞いて一週間後、
ついに彼女は口からビー球大の玉を吐き出しました。

 ですが彼女は、その夢から抜け出す方法も知っていました。他の誰かにこの話をすれば
いいのです。そうすれば、呪縛から開放され、安眠が約束できるのです。 その後彼女は、
嫌いな同僚にその話を伝え、また安眠出来る生活に戻ったそうです。
212名無し物書き@推敲中?:2006/11/05(日) 02:54:42
「……と、いうお話です。まあ一種の都市伝説なんですが、中里さんはどう思います?」
 両肘を突き、興味津々といった様子で彼は私を眺めていた。
 私はコーヒーを飲み干し、心の中で小さく拳を握り締めた。
「いやいや、面白いお話で。そのお友達、どうなったんでしょうかね?」
「恐らく、悪夢に悩まされたでしょう。昨夜まではね」
 私はポケットの中から、緑色の球を取り出し、テーブルに転がした。
「これ、よろしくお願いしますね。中里さんならきっと仲良くやっていけると思いますよ」
 彼はギョッと目を見開き、しばらくの間微動だにしなかった。
 まるでひょっとこのお面。私は可笑しくなりクスクスと笑った。
 彼もまたクスクスと笑う。なーんだ、普通の笑みも作れるんじゃない。
 初めて、彼の屈託のない笑顔を見た気がした。
「まさか、ね…… 奇遇ですねえ、私も似た話を知っているんです。いや、ほぼ同じ話と
言ってもいいかな。ただ違うのは、その話が伝えられるたびに球の色は緑から黄色、
最終的には真紅に変わり、夢の内容も変化していくそうですよ」
 彼はおもむろに胸ポケットから赤い玉を取り出し、テーブルに置いた。
「――つまり、夢の中のなにかに、とうとう追いつかれるそうです。お話に出てきた
同僚の方は、今夜、ようやく安眠できるでしょうね。残念ながら」
 私はコーヒーのおかわりをした。
213名無し物書き@推敲中?:2006/11/05(日) 08:34:11
働かない親父の下に生まれた俺の話をちょっと聞いてくれ
子供心に覚えているのは夜中の父の怒鳴り声、吐くまで食べることを強要されたお菓子
後日聞いた話だと俺が生まれた事よりも主夫を主張し仕事を探さずにすんだ事を喜んだらしい
更にあれは小学3年生の時、生徒の騒がしさを収められない担任教師の胸倉を授業中掴んだこともあった
遅刻しそうな時は自転車で校門まで着いてきたこともあったが・・・

小5になったあたりで「父の様には成らないように」と進学塾に通い、多感な時期のあらゆる物を犠牲にして志望校に入学
その事に逆らうこともあり、テストで芳しくない点を取ったことで殴られることもしばしば
この辺りでうちの父は普通の家庭の父親とは違うのでは?という疑問がわいたのを覚えている

その疑問をずっと持ったまま覚えているのは
よく喧嘩をしていた両親の事
「もう出て行く」と怒鳴り散らした父親の声
中学二年生だった俺は喧嘩の原因も我関せずと有り余る力を部活に打ち込んだ
結果優秀な成績を残し結果が見えてきた矢先の事・・・

という感じにしていただきたいんですが
詳しくわかるように全部書きます
214名無し物書き@推敲中?:2006/11/05(日) 08:37:24
受験にかけた全ての物(時間、お金、両親の気遣い、友人たちとの時間)
望んで、望まれて入った私立校での生活全てが無駄になった事件は些細な事だった

中学生にもなって稚拙だとは思うが、友人達のズボンを脱がしあう
性的になどと言う感情は皆無の悪戯だけの行動
僕らのそんな行動を教師たちは『セクハラだ!』『虐めだぞ!』と捲くし立て弁解する間も無く退学を言い渡させる
怒ったのか、呆れたのか、悲しんだのか、両親の顔を見れなかった俺はそれを覚えていない・・・
弁護士に相談すればといってくれた事も意地を張り斜に構えて事が結果として現状に出ている

親父はあの時どんな顔をしていただろう・・・
そんな気持ちも学校から帰り遊びに行こうとする俺を捕まえガムテープで手足を縛ってくる親父の顔が浮かび何とも言えない気持ちになる
両親を悲しませた事と同じように思い出す幼少の日々
箪笥の角に頭を打ち付け続け死のうと悩むこともあった
鏡に映る自分の顔から両親のパーツが浮かび鏡を叩き割り自傷することもあった
親父は俺を言い訳に利用していると思いやるせない気持ちになることも少なくなかった。
母を呪いたいほど恨んだ時も、そうだった。母を刺そうとする俺を父は制止せずに何かを言ったようにも聞こえた。
「やれ!刺せ!そしてえぐれ!」
215名無し物書き@推敲中?:2006/11/05(日) 08:50:33
こっから
お願いします。
公立に行った俺は
かなり失望した。だが、家でいろいろされたこともあり?!免疫がついたのかちょっとしたことでは動じなくなった
いや、感じなくなったという方が正しいか。
そんな俺にも譲れないものがあった。
テニス

だが、テニスも俺をはねのけた。

やる気ない部員、顧問

最悪な環境

あとで気付いたことだがたいていのことはやる気と環境が一番大事なのだ。

だが、やるからには俺は他の部員の3倍練習した。

家でも素振りや走り込み、フォームチェックなど毎日怠らなかった
216名無し物書き@推敲中?:2006/11/05(日) 19:21:21
>>213
少し、落ち着け。何をして欲しいのかさっぱり分からん。
217no.1:2006/11/17(金) 12:11:49
 紀元前三三四年、ペルシアにて国王ダリウス三世臨席の軍議が開催された。
アレクサンドロス三世率いるマケドニアの軍勢がヘルレスポントを渡河し、
同国への侵略の意図を露にしていたのである。軍議は、その対策を話し合う
ためであった。
 会議において、マケドニア軍が辿ると思われる街道や、地勢などが詳細に
検討され、迎撃の地はグラニカス河畔と決まった。

 アレクサンドロス三世が、イリカムの地を発ってグラニカス河に至ったの
は、雨天続きの四月であった。河は黄土色に濁って氾濫し、渡河が容易では
ないのは一目瞭然であった。その茫漠たる奔流の向こうには、絶壁のような
岸があり、既に布陣を終えていた迎撃のペルシア軍の軍旗が、見渡すかぎり
厳然と翻っていた。
 アレクサンドロス三世は、自軍に布陣を命じる一方、主だった者たちを天
幕に召集して軍議をひらいた。
 荒ぶる河とそうそうたるペルシア軍の陣容を前にして、重臣や将軍たちの
間には、慎重論が根強かった。
 その急先鋒は、マケドニア王家三代に仕える、重臣中の重臣ともいうべき
パルメニオであった。そもそもが、遠征そのものに反対であっただけに、積
極策を説く王をいさめる舌鋒に鋭さが増すのも無理はない。
「王よ、父君フィリッポス二世ですら、四月という月には干戈を動かさなか
った。王もこの慣例を心に留め、もう数日を待ち、来月を迎えてから攻撃を
開始しては如何か」
218no.2:2006/11/17(金) 12:12:46
 この懸命の建言にたいするに、若きアレクサンドロス三世は、
「ならば、これからは四月を第二の三月と呼ぶことにせよ」
 こともなげに言った。
「されば!」と、老臣は怒りに顔を赤らめ、「既に日没間もないことであり
ますから、明日を以って渡河するのは如何」
「何を言うか。足下らは既にヘルレスポントを渡ったではないか」
 答えるアレクサンドロス三世の精悍な頬には、笑みさえ浮かんでいた。
 この若き軍事的天才にとって、パルメニオの「旧例に習え」という言い分
は、馬鹿馬鹿しさを通り越して滑稽極まりないものであった。戦争の要諦と
は、常に主導権を握り続けることにある。古今東西、兵数の多寡よりも、戦
場を思うが侭に操ってきた者がすべからく勝利を収めている。そして、寡兵
で主導権を握るためには、相手が予想もしない手を次々と打たねばならぬ。
むしろ、この若者に言わせるなら、パルメニオの主張する父君の旧例がある
からこそ、夜を前にして渡河する例がないからこそ、我々は渡河を敢行せね
ばならぬ、ということになろう。渡ってくる訳がないと思い込んでいる敵の
虚をつくのである。アレクサンドロス三世にしてみれば、頭の固いパルメニ
オに人を食った言葉のひとつも返してみたくなるのも当然であった。
 ギリシア全土を武威によってかしづかせたこの若き覇王は、金銀妖瞳に荘
厳な光を宿して臨席のものたちを睥睨した。
 異論は止み、静寂が取って代わった。その威に逆らうことの無駄は、誰も
が承知していた。
219no.3:2006/11/17(金) 12:14:10
「右翼から渡河を敢行し、敵騎兵隊中央に進出したまま機動戦を行う。パル
メニオらは左翼に展開し、右翼部隊の上陸を見てから渡河に当たれ」
 その言葉で会議を締めくくったアレクサンドロス三世は、つまらない演劇
でも見せられたかのように身軽に席を立ち、直属部隊の野営地へと向かった。
父王フィリッポス二世が暗殺されてから堰を切ったように始まった内乱を鎮
圧し、同盟を裏切ったギリシアの各都市を征服する間、最も頼りになったの
は、父が遺した重臣たちではなく、幼少から共に暮らし育った、直属部隊の
諸将たちであった。
220名無し物書き@推敲中?:2006/11/17(金) 16:59:53
>>198
 中国大使館の先でタクシーを降り、地図を片手に坂道を下りていく。正面に東京タワーが大きく見える。
 十二年前の記憶などもう役に立たないだろうと思っていたが、いくつかの民家にはまだ見覚えがあった。
 煙草屋、酒屋、クリーニング屋、パン屋、古びた看板に日常生活の匂いが染みついている。
 もちろんよく見ると、 確かに寺だったはずの辺りが駐車場になっていたり、高級マンションが路地に覆い被さるように迫っていたり、それなりの変化は見て取れる。そうした新しい建物はまだこの土地に馴染んでおらず、どうしても投げやりな印象を受けてしまう。
 電柱に張り付いた番地表示を見ながら脇道に入ると、煉瓦タイルを張った四階建ての真新しいマンションに突き当たる。元麻布台コーポと書かれたまがまがしく光るブロンズの表示を確かめてエントランスに向かった。
 管理人室の呼び出しボタンを二十回は押しただろうか。管理人のくせに留守とはどういうことだ、と怒りが込み上げ始めたとき、ようやく小窓が開いてくわえ楊子の男が顔を出した。これまでくわえ楊子の人間に良い印象を持ったことはない。不幸にして今回も同じ結果のようだ。
 「そんなこと言われてもねえ。旅行に出かけているだけかもしれないし」
 四角いえらの張った顔をさらに尖らせて、男は仏頂面で答えた。
 小窓の奥には、小さなこたつに付けっぱなしのテレビ、箸の刺さったカップラーメンがのぞいている。おまけに主人に負けないくらい不機嫌な顔の猫が座布団の上に寝そべっていた。
 「そりゃ緊急かも知れませんけどね。人の部屋に勝手に入るのはどうもね。あんた、警察ってわけじゃないでしょ」
 「二週間以上音信不通なんです」
 四十年間使い古してきたこちらの顔は、この男にはどう映っているのだろうか。
221まこと:2006/11/17(金) 19:21:27
「私、あなたのしたいことがわからないの」
 そう、女は言った。そう言う女の顔はよく見えなかった。よく知っているはずの女だ。さっきから不機嫌になっていた僕は言った。
「俺のことがわからないって?」
すると女はたまりかねたかのようにもう一度言う。
「あなたの本当にしたいことがわからないのよ。私」
 そして女は下を向いて俯いた。女は泣いていたのだ。
 僕は立ち上がってもう一度女を見る。すると、何故か見えたのは毛の生えた黒い豚だった。それと、男の大きな広い背中。どうやら僕は僕でありかつ僕では無いみたいだと僕は思った。
 僕は女に言った。
「したいことだって?あんまり笑わせるなよ。そんな馬鹿げたことで」
 それで目が覚めた。気がつくとベッドの上で、もう朝だった。
222☆彡:2006/11/17(金) 21:19:33
222
223名無し物書き@推敲中?:2006/11/18(土) 00:53:00
>>217
たとえば、冒頭の軍議に誰が出席してどういう派閥があって
どういう対案が出て駆け引きがあって、とか書きたい。
ヘルレスポントがどのくらい戦略上重要なのかとかも。
その軍議だけで少なくとも1レス分は使える素材だと思う。
けどすまん。知識がないのでリライトできねー。


>>221
「私、あなたが何をしたいか分からないの」
 女は言った。俺はこの女をよく知っている。知っているはずだ。
「俺のことが分からない? よくもそんなことが言えたもんだ」
 女はしばらく黙っていたが、
「あなたが本当は何をしたいのか、分からないのよ」
 とだけ言い捨ててそっぽを向いた。泣いているようだが、よく
顔が見えない。俺は体を起こして女の肩を掴もうとしたが、
できなかった。そこに居たのは毛の生えた黒い豚と、これまた
毛が生えた男の背中だった。俺は俺の背中を見ているらしい。
「したいことだって? やっぱり馬鹿な勘違いをしてるのか。
いいか、俺は――」
 そこまで言いかけたところで目が覚めた。
224名無し物書き@推敲中?:2006/11/21(火) 15:40:08
>>217

 「現在、アレクサンドロス三世率いるマケドニアの軍勢がヘルレスポントを渡っており、我が国への侵略意図は明らかであります」
 ペルシアの国王ダリウス三世は、司令官の報告を苦虫を噛みつぶしたような表情で聞いていた。
 「いいか、何としてもグラニカス河畔で迎撃しろ。どんな作戦と取るかは、おぬしたちに全て任せる。ただし、アレクサンドロス三世の首を手土産にすることだけは忘れるな」
 ダリウス三世は、会議の半ば、それだけ言うと席を立った。国王の後ろ姿を見送った後、残された者たちは、どうしたものかとお互いに顔を見合わせた。

 マケドニア軍がイリカムの地を発ってグラニカス河に至ったのは、雨天続きの四月のことだった。河は黄土色に濁って氾濫し、渡河は容易ではない。その茫漠たる奔流の向こう岸は、すでに見渡す限りペルシア軍の軍旗で埋め尽くされていた。
 アレクサンドロス三世は、自軍に布陣を命じると、すぐに軍議を開いた。
 「ここは慎重に事を運ぶべきかと存じます」
 先に口を開いたのが、マケドニア王家三代に仕える、重臣中の重臣ともいうべきパルメニオだった。彼は、そもそもこの遠征そのものに反対だった。
 「大君、あなたの父君フィリッポス二世ですら、四月という月には干戈を動かされなかったのです。大君もこの慣例を心に留め、攻撃は来月まで待たれてはいかがかです」
 「ならば、これからは四月を第二の三月と呼べばよい」
 パルメニオの進言に、若きアレクサンドロス三世は、眉一つ動かさず言い放った。
225名無し物書き@推敲中?:2006/11/21(火) 15:41:13
>>218

 「では、明日にでも河を渡るということで」
 「何を言うか。足下らは既にヘルレスポントを渡ったではないか」
 臣下の一人が口を開いたとき、王が口を挟んだ。怪訝な顔を向ける重臣たちの視線など気にせず言葉をつないだ。
 「我々は今夜、河を渡る」
 パルメニオの驚く顔を楽しむかのように、アレクサンドロス三世の精悍な頬には、笑みさえ浮かんでいた。この若き軍事的天才にとって、パルメニオの「旧例に習え」という格言は、滑稽極まりないものであった。
 「戦争の要諦とは、常に主導権を握り続けることだ。古今東西、兵数の多寡よりも、戦場を思うがままに操ってきた者がすべからく勝利を収めている。寡兵で主導権を握るためには、相手が予想もしない手を次々と打たねばならぬ」
 むしろ、パルメニオの主張する父君の旧例があるからこそ、夜を前にして渡河する例がないからこそ、我々は渡河を敢行せねばならない。渡ってくるわけがないと思い込んでいる敵の虚をつくのだ。
──臆病者どもめ。ここにいるのは、自分の命が一番可愛い連中ばかりよ。
226名無し物書き@推敲中?:2006/11/21(火) 15:42:06
>>219

 ギリシア全土を武威によってかしづかせたこの若き覇王は、金銀妖瞳に荘厳な光を宿して臨席のものたちを睥睨した。異論は止み、静寂が取って代わった。その威に逆らうことの無駄は、誰もが承知していた。
 「右翼から渡河を敢行し、敵騎兵隊中央に進出したまま機動戦を行う。パルメニオらは左翼に展開し、右翼部隊の上陸を見てから渡河に当たれ」
 アレクサンドロス三世は、指示を与えると、つまらない演劇でも見せられたかのように席を立ち、重臣たちの様子を窺うことなく、直属部隊の野営地へと向かった。
 父が暗殺されてから堰を切ったように始まった内乱を鎮圧し、同盟を裏切ったギリシアの各都市を征服する間、彼が最も信頼していたのは、父が遺した重臣たちではなく、幼少から共に暮らし育った、直属部隊の諸将たちであった。
227名無し物書き@推敲中?:2006/12/08(金) 20:15:26
>>221
「私、あなたのしたいことがわからないの」
 そう女は言った。顔は見えないけど、僕がよく知っている女だと思う。
 さっきから不機嫌になっていた僕は、語気を荒げて聞き返した。
「俺のことがわからないって?」
 女は感情が高ぶらせながら、もう一度はっきりと繰り返す。
「あなたの本当にしたいことがわからないのよ。私」
 そう言うと、女は下を向いて俯いた。泣いているようで肩が震えている。
 僕は立ち上がってもう一度女を見た。
 驚いたことに知っている女と思っていたのは、毛の生えた黒い豚だった。
 そして、豚の後ろには男の大きな広い背中も見える。
 あの男は僕であり、今こうしてみている僕もまた僕だ。
 そんなことを考えながら、僕は女を怒鳴りつけた。
「したいことだって?あんまり笑わせるなよ。そんな馬鹿げたことで」
 そこまで言いかけて目が覚めた。
 僕は1人でベッドの上に横たわり、朝の光に包まれていた。
228名無し物書き@推敲中?:2006/12/18(月) 17:54:21
「私、あなたのしたいことがわからないの」
 女はそう言った。顔は見えないけど、僕の知っている女だ。知っている、という確信があるだけで、誰だかは分からない。
「俺のことがわからないって?」
 僕は苛立ちを抑えることもせずに、声を荒げて言った。
「あなたの本当にしたいことがわからないのよ。私」
 女はそう言うと俯いて、肩を震わせた。泣き始めたようだった。
 それを見たら、僕の苛立ちは一瞬で冷めた。そして代わりに不安が浮き上がってきた。
 僕は女が誰だか分かれば救われる気がした。途方も無い考えだが、そんな気がしたのだ。
 僕は立ち上がって女の顔を覗きこんだ。
 そして僕は叫んだ。
「く、黒毛和牛や! 黒毛和牛がおるう!」
 そこで僕は目が覚めた。天井から黒毛和牛のステーキが降ってきた。僕の顔にそれが当た、
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230名無し物書き@推敲中?:2007/02/03(土) 19:52:52
>>215
失望した。
もう無理だ。もう我慢できない。
均されてもいないコートでずっと素振りと壁打ち。
ロッカーにラケット放り込んだまんまで、ただ雑談か漫画読書部ばかりの部員。
たまに部員総出で自主休練を決行する部活。
一日一回顔を出すだけの顧問。
ローラーで整備すらされていない雑草だらけのコート。
――どうしてもテニスだけは譲れなかった。
俺の家庭はぐちゃぐちゃ。
そんなだから、俺はちょっとのことには何とも感じない。どうでもよかった。
けれど、テニスだけはどうでもよくなかった。
どうにかできることだったから。
公立の高校に入学すると、俺はテニス部に入部届けを出した。活動もロクに確認せず。
その結果はこれ。結局テニスも俺をはねつけた。
なにもかも最悪。
半年我慢した。けれどだめだ。
もうどうにでもなれ。
俺はラケットを網の向うへ投げ捨てた。
まず職員室へ行こう。それから顧問のおばちゃんにやってられるかと怒鳴り込んでやる。
それで御仕舞いだ。
そう思いながら、コートを出て職員室へ向かう。
俺は職員室に入ると同時に
「山田先生! 俺、今日で辞めますから!」
と叫んでやった。
231名無し物書き@推敲中?:2007/02/03(土) 19:53:49
すると、部屋の隅のオバちゃんが立ち上がり、こっちに向かってきた。
こっちの怒りを無視するようにずいぶんとにこやかだ。
「ええ、いいでしょう。好きにしなさい」
「……エラくあっさりっスね」
「辞めたいんでしょう? なら別に引き止める理由なんてない」
けれど――どうして?
そういうと、オバちゃんの目つきが鋭くなる。
そりゃ辞めたくは無かった。テニスをやりたかった。
けれどここに居たって何もできない。
周りに毒される。
「俺はテニスがやりたいんです!」

翌日の放課後。
部室には誰も居なかった。
ああ上等、実に最高。今日は自主休練の日ですか。
そう呟くと、俺はカバンの中から体操服を出してさっさと着替える。向かうはコート。
オバちゃんが言うには、こうだ。
オバちゃんがテニス部の顧問に任命される前から、あの部はもともとああだった。
だから、オバちゃんもそういうものだということでそのままにした。
部室で悪さをしないなら構わない。仕様がないから放っておこう。
「やる気の無い子しか居ないなら、何を言ってもどうにもならないものよ。」
まあ、オバちゃんもテニス部を何とかしたいとは考えたことがあったようだ。
また、実際にどうすべきかも、考えてはいたようだ。
つまり。
「まず、あのコート。環境を何とかしないと始まらないわね」
俺にコートの草むしりとローラー転圧を命じたのだ。
よって今日は一人で自主清掃の日です。
最高に最悪。
232名無し物書き@推敲中?:2007/02/03(土) 19:54:59
「次に、やる気の見本が要る。森田みたいなやる気のある子が」
なんて言われてやる気になってるんだから……上手い事使われてねえか、俺?
呟きながら、コートの真ん中でしゃがみこむ。
よく育った草に合掌。草を根っこから引き抜いて足元に置く。
足元の緑が積んできたらコートの外へ運ぶ。
また草を抜いては運び、抜いては運び。
それを何十回も繰り返す内、徐々にコートから雑草の姿は消えていった。
気が付けば日は赤く、地平に沈む直前。さっさと片付けてしまおう。
「さあ雑草ども、貴様らの最後!」
コートの奥にあるローラーを引き摺り出す。
後はコートの端から圧して圧して圧して往復往復往復。息を荒げながらも転がして転がして。
額から脇から至る所から汗が出てくる。
腕が痛くなる。足が重くなる。
だから?
結局やらなきゃならない。なら全力で。
日が落ちた頃には、端から端まで転圧を終えることが出来た。
俺はローラーを端に戻すと、コートの真ん中に仰向けで寝転がった。
「うはーっ、もう無理マジで」
息を整えながら空を見上げれば、星がちらついてる。
こんなことやって、意味あるのか?
どうせ暫くすればまた草も生える。でもってまた清掃活動ですか。
そりゃコートがまともじゃなければ、テニスなんてできない。
けれど、部員の方がやる気なけりゃ意味がないじゃないか。
どうせまた全員今日みたいに休むんだ。
昨日なら、「君しか出来ない」とか言われて舞い上がったりもするさ。
今日なら、舞い上がったまま誰もいない部室で着替えてローラー転がして。
冷静になってみれば、無駄なことやった気が――
カシャンとコートの入り口から音がした。
仰向けのままそちらに目をやると人影。
233名無し物書き@推敲中?:2007/02/03(土) 19:55:31
「何してるの、そこの可哀想なコ」
トライアングルみたいな高い声。
「五月蝿い、やる気ナス。いや麻婆」
ザクザクと足音が聞こえる。影がこちらに向かってくる。
長くぶら下げた三つ編みの影が左右に振れる。
制服のスカート、プリッツの影が揺れるのが見える。
影の右手にはラケットらしきもの、左手にはカバンを握ってるようだ。
足音が止まる。
ちょうど寝転がった俺の足元に、セミフレームのメガネを掛けた彼女が見える。
「那、須。何度言ったら分かるかな?」
そういいながら彼女はかがみこみ、手にしたラケットを俺の足元に置いた。
「忘れ物」
そう言い残すと彼女は立ち上がり、コートの入り口へ向かう。
彼女は黒い影となって――カシャンと扉の閉まる音。
ああ、そういえば。
昨日放り投げたまんまだった。



もうリライトと呼べない勢いで改変の刑。
234名無し物書き@推敲中?:2007/03/13(火) 00:40:54
age
2351:2007/03/13(火) 13:11:10
さぁ、このグロイコピペをリライトするのだ!(1さん、ごめん!)

今、>>1を殺してきた。つまらない屑レスをつけた罪を
泣いて悔いていたが、後悔は地獄でしてもらうことにした。
柄の長さが90cmはある大きな斧を振りかざし、>>1を峡谷の岸壁に追い詰める。
>>1の引き攣った醜い泣き顔から完全に血の気がうせたところを見計らって一挙に
>>1の 両手両足を切断。柄を通して斧の無骨な刃が肉を裂き骨を断ち切る感触がズンと伝わる。
『しまった、河原の岩で刃を痛めたぞ!』1などより刃物が大事だ。
切り口から噴出すコレステロール過剰の鮮血。すかさず焚き火の焼け石で傷口を焼いて止血する。
慈悲からではない。>>1の苦しみを長引かせるために。
>>1の断末魔の苦しみだ。谷間に苦悶の声が延々と響き、異様な効果を醸し出す。
>>1は自業自得だが、 さすがにこちらの鼓膜が辛い。
この間に川の水を掬い、マッチョな俺の上半身とイケメン顔を汚したけがらわしい返り血を洗い流し、
ついでに斧を研ぎなおした。 作業が終わっても>>1の叫びは続いたが、次第に途切れ、
醜く肥えた腹が痙攣するのみ。
それでは仕上げ。>>1の首を刎ね飛ばす。絶叫が止み、首が川原石の上で不規則に転がる。
追って流れ出る鮮血が静かに河原に染み渡る。
その転がった首、おまけにザクリとぶち割ってみた。中はやはり予想通り生き腐れだ。

>>1よ。地獄で苦しめ。これはお前が自ら望んだ結末なんだ。
めでたしめでたし。

2362:2007/03/13(火) 13:12:04
達成感に包まれ新たな血の臭いを嗅ぎ、俺は最高潮に興奮した。
呼吸は荒くなり 血は下半身に集中してジーンズの股間は突き破られんばかりに盛り上がっている。
もう我慢できねぇ!
血にぬらつく手で苦労しながら ファスナーを降ろすと、チンチンはビクビク震えながら、
たちまちのうちに20cmはあろうかという長さにビンビンと成長した。 隆々と盛り上がった血管が鼓動にあわせて蠢いている。
前かがみになりながら香具師の打ち落とされ、スイカのように割られたぶさまな生首を取り上げると
そのまま口の中に自慢の巨根を一気にぶちこんでやった。ハッハッハ!生フェラだぜぃ!
まだ体温が残るクチャクチャした口腔。ザラリとした舌に、なめらかな歯の感触がたまらねぇ!
いいぜ!オゥ!オゥ!オゥ! 腕の筋肉と股間をびくつかせながら、俺は最高にハイな気分だゼェ!
アヒャ!アヒャ!アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!

>>1の生首の切り口から、赤黒い血を混ぜて、苺ミルク色に染まった精液が
ドロリと流れ出した・・・
237名無し物書き@推敲中?:2007/03/17(土) 18:59:08
>>235
>>1を思うあまり、書ききれませんでしたorz

>>1を殺してきた。

つまらないスレを立てたと泣いて謝ってきたが、後悔は地獄でして貰おう。
ひと気のない渓谷。両手持ちの大きな斧を振りかざし、>>1を岸壁に追い詰める。
引き攣り、分泌液にまみれた醜い泣き顔。やがてチアノーゼを起こし蒼白になる。
その時を見計らい斧を4度振り下ろした。骨肉を断ち、岩を削る感触が全身を走る。

甲高い絶叫が渓谷に響き渡る。映画にあるプテラドノンの鳴き声とそっくりだ。
切り落とした腕からさらに手首を切り落とすと、舌を噛まぬよう>>1の口に詰め込む。
そして焚いていた火に斧をかざし、四肢のあった根元に押し当て血止めする。

ゴリゴリッ、と依然として生きている>>1が歯を食いしばり自分の手を噛み砕く。
喉の奥から空気が漏れる音。完全に引き攣って爆笑しているかのような表情。
ミスターフレディーをリアルで演じるとは、>>1もなかなかやるもんだ。

香ばしく肉の焼ける匂いが血の生臭さを打ち消していく。これはたまらない。
あー、焼肉食いたくね? お前金持ってる? あればジョジョ苑なければ安楽亭な。
言いながら>>1の尻ポケットを探る。ねっとりとした、血でないものが手に付いた。
腹が立ち、落ちている足から靴を抜くと>>1の股間に底を擦り付ける。

汚ねぇんだよ、と囁き>>1の口から手首を引き抜き糞尿のついた靴を押し込む。
喉の奥に当ったらしく、咳き込む。と、今度は唾液と血と嘔吐物が手に付いた。
ああもう、こいつはいいや。肉食って帰って寝よう。
238名無し物書き@推敲中?:2007/03/18(日) 18:44:54
斧を火で炙ったら、ナマクラになりますぜ。
239名無し物書き@推敲中?:2007/03/19(月) 21:55:09
リライトをお願いします。

昔話にでてくる正直者のおばあさんの家みたいだな、と真由美は思った。
玄関の戸は硬く、重い引き戸でおばあちゃんによると、夏場はほとんど開きっぱなしにしているようだ。
玄関には座って靴が脱ぎ履きできるように椅子のようなものがとりつけてある。
玄関の前の障子を開けるとそこは居間だった。
時計を見るともう8時を過ぎていた。
おばあちゃんは、さっきのスーパーで買ったのだろうか、すしのパックを真由美にくれた。「こんなにも食べれないで。」と言っておばあちゃんの分のすしも半分以上由美にくれた。
真由美もお腹がいっぱいだったが、残さずに食べた。
ご飯を食べるとお風呂に入ることになった。
真由美がお風呂を洗い、お湯を溜めている間におばあちゃんの服をゆっくりと脱がせた。
真由美はおばあちゃんの体を丁寧に洗った。
「崖から落ちた日からお風呂に入ってないんな。真由美が来んかったら垢まみれで死んどったわ。」そう言っておばあちゃんは笑った。
240名無し物書き@推敲中?:2007/03/19(月) 23:07:39

(家の前で全体を概観する場面を挿入したいところ)

 「おじゃまします」と言って玄関の硬い引き戸を開けると、古い家特有の
かび臭さが真由美の鼻をくすぐった。真由美がくしゃみを我慢して
顔をゆがめると、おばあちゃんは笑いながら夏場はこの開き戸を
開けっぱなしにしているんだよ、と言った。
 真由美は玄関のたたきで靴を脱いだが、おばあちゃんは隅にあった
ひざより高いくらいの腰かけに体を預け、中腰になって靴を脱いで
いた。たぶん膝が曲がらないせいだろうと真由美は思った。
 おばあちゃんが玄関の横の障子を指さして笑ったので、真由美は
その障子を引いた。コタツのある四畳半の茶の間だった。
真由美は「どうぞお先にお上がりや」というおばあちゃんの言葉に甘えて
コタツに足をつっこみ、こたつのスイッチを入れた。
 そのとき丁度、シャーンシャーンという音が聞こえたので、真由美は
辺りを見回した。何か間違ったスイッチを入れちゃったのかな、と
コタツをめくって電源がついていることを確認する。やっと靴を脱ぎ
終えたおばあちゃんが、笑いながら「あれだよ。八時ちょうどだね」と
柱時計を指さしたので、真由美は赤くなった。
 おばあちゃんは、夕ご飯にしよう、いやこれじゃあ晩ご飯だねえ、
などと言いながら、さっきのスーパーの袋からパック詰めの鮨を取り出した。
おばあちゃんが「こんなにも食べられないで」と言いながら
ひょいひょいと真由美の皿に鮨を取り分けるものだから、結局
八割方の鮨を真由美が食べた。
 真由美はなんとなく、子供の頃に聞いた「舌切りすずめ」の話を思い出していた。
あの正直者のお婆さんは、こういう鮨をひょいひょい分けちゃうお婆さんだったんだろうか。
241名無し物書き@推敲中?:2007/03/20(火) 10:47:25
>>240
ツッコミどころ満載だけど眠いからパス。
誰かが言ってくれるだろう。
242名無し物書き@推敲中?:2007/03/20(火) 15:52:53
昔話
玄関
玄関
玄関
時計
おばあちゃん
真由美
ご飯
真由美
真由美
「崖から

「おじゃま
真由美
おばあちゃん
真由美
そのとき
おばあちゃん
おばあちゃん
真由美


別に煽る意図はないがちょっと面白かったので。
243名無し物書き@推敲中?:2007/03/20(火) 19:17:57
>>240
人物とスシしかあってねーじゃねーか。
それに劣化させてどうするよ(笑
244名無し物書き@推敲中?:2007/03/20(火) 20:11:45
>>241-243
そんなに言うんだったら自分でリライトすればいいのに…
245名無し物書き@推敲中?:2007/03/20(火) 20:15:23
>>244
ん?悔やしかったの?w
246名無し物書き@推敲中?:2007/03/21(水) 17:51:10
>>244
いやまあその通りだ。
ごめんな。
247名無し物書き@推敲中?:2007/03/23(金) 19:07:31
>239

昔話にでてくるおばあさんの家みたいだな、と真由美は思った。
年を経てすっかり歪んだ玄関の引き戸はほとんど開きっぱなしにしているらしい。
三和土から一段上ると、すぐに居間になっていた。
「こんなにも食べれないで。お食べ」
そういうとさっきのスーパーで買ったのだろうか、おばあちゃんはすしのパックを真由美にくれた。
真由美もお腹がいっぱいだったが、残さずに食べた。

夕食が済むと、入浴の時間が来た。
真由美がお風呂を洗い、お湯を溜めている間におばあちゃんの服をゆっくりと脱がせた。
「崖から落ちた日からお風呂に入ってないんな。真由美が来んかったら垢まみれで死んどったわ」そう言っておばあちゃんは笑った。
窓から見える景色はすっかり藍色に染まっていた。



もうちょっと削っていいかも。
248名無し物書き@推敲中?:2007/03/25(日) 04:42:00
>>239
 昔話の正直者のおばあさんが住んでいそう。
 祖母の家を見た際の、真由美の印象である。玄関の引き戸は重くて固い。夏場はほとんど開きっぱなしで、開閉することがないのだと祖母は言った。
 中に入る。椅子に似たものが取り付けてある。祖母はそこに腰を降ろして履物を脱いだ。
 障子を開くと、居間だった。時計の針は八時を回っている。
「こんなにも食べれないで」
 先刻のスーパーで買っていたのか、祖母が寿司のパックを差し出した。真由美は満腹だったが、残さず食べた。
 真由美は風呂を洗った。湯を溜めている間に、祖母の服をゆっくり脱がす。風呂では丁寧に祖母の身体を洗った。
「崖から落ちた日からお風呂に入ってないんな。真由美が来んかったら垢まみれで死んどったわ」
 そう言って、祖母は笑った。


【説明】
おばあちゃんは口語なので、祖母に変換。
どうしても「おばあちゃん」を使いたいなら、もっと真由美らしい言葉を地の文にちりばめた方が自然。

自分なら「正直者のおばあさんの家」のイメージを固める描写を一行目の後に並べる。
「正直者のおばあさん」だけで読み手に、家の状況を分かってもらおうというのは辛い。
「椅子に似たもの」がどこにどんな風に取り付けてあるのか不明。
風呂や居間も同様。
この描写だけだと、どんな家か想像出来ない。
外観だけ田舎風なのか、内部も古いのか。
時計や風呂の説明描写をさり気なく入れれば良いかと思う。

設定が分からないので、以下は推測。
おばあちゃんは負傷しているらしいが、玄関から居間に至る際は手を貸さなくて良かった?
淡々としてるけど、お寿司を一生懸命食べる真由美は可愛い。
こういう抑えた雰囲気は好きです。
249名無し物書き@推敲中?:2007/04/15(日) 04:48:24
「つまり、あるきっかけから、僕はなるべく自分の話はしないように気をつけてるんだ。
気が置けない仲間だと思っている人が、実は自分の敵なのかもしれない。
笑いながら他愛のない話をしている相手が、いつか蹴落としてやろうと機会を伺いながら謀っている道化なのかもしれない。
愛してると言って身を擦り寄せてくる女が、詐欺師なのかもしれない。
バタイユの言うように、誰にでも仮面の下に隠された醜い素顔があるのかもしれない。
そして、それは突然、素性や正体をあらわにして襲い掛かってくるんだ。
僕には、そんな連中相手に自分をさらけ出すことなんて無理だよ」
「仕方のないことよ」と麻理亜は言った。
「それが人間なの。つまり当然のこととして受け入れるしかないのよ」
麻理亜は僕より大人だ、きっと。
「君は人がこわくないのかい?」
「こわいわよ、わたしだって。あなたと同じよ。でも、こわくない人だっているわ」
「誰だい?」と僕は尋ねた。
麻理亜の大きな瞳は、まっすぐに僕を見据えていた。
250名無し物書き@推敲中?:2007/04/15(日) 04:54:30
「つまり、あるきっかけから、僕はなるべく自分の話はしないように気をつけてるんだ。
気が置けない仲間だと思っている人が、実は自分の敵なのかもしれない。
笑いながら他愛のない話をしている相手が、いつか蹴落としてやろうと機会を伺いながら謀っている道化なのかもしれない。
愛してると言って身を擦り寄せてくる女が、詐欺師なのかもしれない。
バタイユの言うように、仮面の下に隠された醜い素顔が誰にでもあるんだ。
そして、それは当然、素性や正体をあらわにして僕に襲い掛かってくる。
僕には、そんな連中相手に自分をさらけ出すなんてとても無理だよ」
「仕方のないことよ」と麻理亜は言った。
「それが人間なの。つまり当然のこととして受け入れるしかないわ」
麻理亜は僕より大人だ、きっと。
「君は人がこわくないのかい?」
「こわいわよ、わたしだって。あなたと同じよ。でも、こわくない人だっているわ」
「誰だい?」と僕は尋ねた。
麻理亜の大きな瞳は、まっすぐに僕を見据えていた。
251249=250:2007/04/15(日) 04:58:26
ぶっちゃけ、いつもはリライトする側なんだ。
俺の駄文を改善しる!
252名無し物書き@推敲中?:2007/04/15(日) 17:23:20
>>250-251
「自分の話はなるべくしないようにしているんだ。あることがきっかけでね」
僕はジーンズの裾をつかみ、抱えた膝の間から自嘲気味に言った。
部屋は閉め切っているものの、だらしなくゆるんだカーテンの隙間から昼の光が差し込んでいる。
埃が踊る光の帯をへだてて、麻理亜と僕は向かい合っていた。
「バタイユの言うように、誰もが仮面の下に醜い素顔を隠しているのかもしれない。
気の置けない仲間が、他愛のない話をしている相手が、昨日抱き合った女が、
突然正体をあらわにして僕を裏切り、蹴落とそうとするのさ。
そんな連中相手に自分をさらけ出すことなんか、とうてい無理なんだよ」
麻理亜はそれを聞いて微笑んだ――ように見えた。
「仕方のないことだわ。それが人間というものだもの」
彼女の大きな瞳はまっすぐに僕を見据えているのだろうが、僕は目を合わせることができない。
「君は、人が怖くないというのかい?」
「怖いわよ、わたしだって。でも、わたしには信じられる人もいるから」
「誰?」僕は顔を上げた。
麻理亜の目が光を反射して、きらついた。


蛇足
一行目から「自分はあるきっかけから自分の話をしないようにしている」という
自分の話をべらべらしているので、読者はハァ?となってリライト以前の問題かも…。
僕がもっと、不安を隠すような神経質または演技的な喋り方なら成り立つでしょうが。

地の文が少なすぎて、麻理亜と語り手のいる場所さえ分からず、
テレビ電話越しに話しているとも、鏡に向かって多重人格に語りかけて
いるともとれます。(万が一その辺にトリックがあるならあるでちゃんと書きましょう)
くどすぎるほど描写を入れ別アプローチで書き直してみました。想定とかけ離れてたらスマソ。
253252:2007/04/15(日) 17:26:48
すまそ、9行目は

麻理亜はそれを聞いて微笑んだ――ように感じた。

に訂正。
254のび太 ◆4ZvEOwCmqs :2007/04/16(月) 00:40:26
>>250
設定くらい書けよ
いまいち設定がわからなのにリライトできるはずない
いきなり会話文から始まるから何の話なのかもわからん
でも文章見たかぎりボクより巧いと思う
255名無し物書き@推敲中?:2007/04/19(木) 22:42:16
 男が入ってきた。
 男はストッキングを被っていた。
「動くな。動いたら殺すぞ」
 男は手に出刃包丁を握っていた。妙に舌足らずな発声であった。
 六人の男が部屋にいた。テーブルには札束が積み上げてあった。六人の男は、それを
勘定していた。一億は超す札束だった。すでに大半が整理されていた。
 六人は総立ちになった。
 部屋のドアには鍵がかかっていたはずだった。それに、ドアの前には警備員が配置され
ていた。その警備員をどうにかしたことは明らかだった。でなければ、男が部屋に入ること
は不可能だ。
 警備員を物音も立てずに倒すか殺すかして、男は無造作に鍵を開けて入ってきた。
 六人の男には、そのことへの恐怖があった。妙に舌足らずな、子供っぽいことばだが、
男の命令に逆らう気持ちは六人にはなかった。凄絶感といえばよいのか、ことばが舌足らず
なだけに、逆に重量感があった。それに男は矮男だった。一メートル五十センチ前後にみえた。
 雲を突く大男が形相を変えて凄むよりも、矮男が出刃を持って妙な発音をするほうが、
こわかった。若いのか、中年なのか、判断がつかない。
 ストッキングの下で、目が妖しげに凹んでいた。鼻が低かった。
 六人の男は、一斉に手を挙げた。
 六人のうち、四人は銀行員だった。あとの二人は伊丹デパートの経理課員だ。
 札束はその日の売り上げであった。毎日、閉店になってから銀行と協同で計算することに
なっていた。
 男は無造作にテーブルに近づいた。
 一万円札の束をポケットに入れた一束百万円のを十個、あちこちのポケットにねじ込んだ。
男の服は特製のようであった。千万円を身につけても、さしたる膨らみはなかった。
 男は無言できびすを返した。
 ドアを開けたまま、出て行った。
 経理課員が、非常電話を把った。電話は新宿警察署に直通になっていた。
256名無し物書き@推敲中?:2007/04/23(月) 18:39:52
少し多めなのでURLで貼ります。お願いします

ttp://www.amigo.ne.jp/~eternal/novel/ku/ku.html
257名無し物書き@推敲中?:2007/04/25(水) 18:35:56
>>157
風が吹いた。
吹き抜けた。
チャーハン吹いた。
パソコン蛾ぶっ壊れた。
相手のレスを批判して、相手の揚げ足を取るようにして、しかし、それでも相手の反論は止まらない。
一つ一つ、ネチネチと粘着する。声をかけた。

「必死なの?」

そんな言葉しかレスできない自分が情けない。
258名無し物書き@推敲中?:2007/09/02(日) 21:17:32
リライトお願いします
(状況は、主人公のクラス以外とつぜん全世界のある常識が変わってしまい、生徒が混乱しながらもそのおかしさを伝えようとしたら、いじめられていると勘違いした女教師が助けを呼んで、体育教師が猛突進してきて説教をした、というような感じでつながります)
あと、こんな場合、おかしいと思い始めた第一声「    ?」はどんな言葉だと思いますか。いくつか考えたのですが。。
短いし、内容は状況さえ同じなら、まったく違ってもかまいません。色々な角度で見たいのでよろしくお願いします。


担任を生徒全員でだまくらかしていじめるなど、なんと卑劣な行為だ、
というようなことを数分間わめきわめき散らしていた教師はしばらくして静まった。
無理もなかった。クラスみんながぽかんとしているのだ。
熱血教師のその肩すかしをくらったような顔は、そのあまりの手ごたえのなさに、苦笑いすら浮かばないようだった。
「      ?」
259名無し物書き@推敲中?:2007/09/03(月) 05:57:12
>おかしいと思い始めた第一声「    ?」はどんな言葉だと思いますか

台詞が誰のものだかわからないので、ウメられない。
流れから言うと体育教師?
主人公でも、女教師でも可。
何を思って発言しているのかもいまいち不明。独り言か?
「お前達おかしいんじゃないか?」的なものか?
それとも「こいつらおかしいんじゃないか?」(ex体育教師が女教師に言っている)

260名無し物書き@推敲中?:2007/09/13(木) 02:40:23
>>258
「ある常識」とやらが判らんとどうしようもないが、
「テストの点数が低いほど偉い・褒められる」ようになったと仮定。
展開だけなぞってみた。

(テストの返却でモメた後)
 クラスほぼ全員の怒号の中、吉永先生はうつむいて泣き出しそうになっていた。こっちが泣きたい気分だよ、
とも思ったが、三十人を越える人間から一斉に責められるのはそりゃあ辛いだろう。「やりすぎたかな」という
雰囲気が教室を包みはじめ、委員長が「静かにして!先生の話を聞きなさいよ!」と言ったのを機に、教室は
にわかに静まった。
 吉永先生は見るもかわいそうに震えている。なんとか教師の威厳を保とうと、教卓に両手を突いて体を支え
ているのも痛々しい。
「先生はね、」吉永先生は一言ずつ区切るように言った。吉永先生は説教をする時だけ一人称が「先生」になる。
「成績で、人を、差別するようなつもりは、ないの。けど――」
「お前ら、何を騒いでる!」
 吉永先生の話をさえぎったのは体育教師の伊藤だった。伊藤はいつも説教のタイミングが悪いのだが、今は
大歓迎だ。吉永先生は目が潤んでるし、クラスの混乱もひとまず下火になっただけで収まったわけじゃない。
伊藤が「吉永先生も悪いが、お前らもふざけすぎだろ、反省しろ」というような、強引で手短な説教で終わらせて
くれるならむしろ助かる。伊藤は吉永先生としばらく小声で話しあった後、僕らの方に向き直った。
「教師をからかうのがそんなに面白いのか?吉永先生は教師としての仕事をしただけだろう。せっかく0点をとった
伊沢を、なぜ馬鹿にするんだ!」
 それから伊藤の説教が始まったが、ほとんど内容は耳に入ってこなかった。クラスはたしかに静かになった。
みんな呆然とした顔で伊藤の話を聞き流していたのだ。なぜ伊藤まで吉永先生の悪ふざけに乗ってるんだ?
なぜ僕らが悪者になってるんだ?何かがおかしい。変だ。何かが――
 鈍感な伊藤も、やがてクラスのぽかんとした空気に気づいたようだ。伊藤は怪訝そうな顔をしてこう言った。
「お前ら、反省してるのか?なぜそんな顔をするんだ?何がおかしい?」
 やがて、前列からひかえめな声が上がった。
「先生が、だと思います」
 さすが委員長。クラスの声を代弁してくれた。
261名無し物書き@推敲中?:2007/09/13(木) 08:59:15
いいなぁ
262名無し物書き@推敲中?:2007/09/20(木) 22:29:10
> 小説を書いていても、時々、初めから自分なんか作家になれる枠に入れられてないんじゃないか
> どんなに技術を磨いても資料を山のように読んでもよい小説を書いても、作家として絶対に選外になる
> 運命にあるんじゃないか……と思うときってない?
> 自分はしょっちゅう。
> 公募出しても結果が出たことがないし、なにか漠然と、誰かに足を引っ張られているような
> 嫌な気分がついて回る。


         歴代被害者たちの怨念で残飯は万年落選。合掌。。。
 
263名無し物書き@推敲中?:2007/09/20(木) 22:32:48

(^∀^)y―┛~~
(∩∩)

264名無し物書き@推敲中?:2007/10/10(水) 20:03:23
以前、□◆くだらねぇ創作依頼はここでしろ!◆□
で依頼し落ちたものです。 リライトお願いします。

主人公、主男が単車で買い物を済ませ、皆の待つ浜辺に戻ると
少女が駆け寄りJ子が車に押し込まれ攫われたと告げます。
自分で書いたものはこんな感じ。

 浜辺と車道を繋ぐ階段を駆け上がる人の姿が街灯に浮かんだ。A子とB子だった。
 向こうも主男だと見とめたようで、主男の名を叫びながら走りよってくる。
 そのただならぬ二人の様子は、何かとんでもない事が起こった事を告げている。
「どうした? 何かあったのか?」
「主男! J子が誘拐されたの!」
「なんだって! 誘拐?」
「白っぽい4ドアの車! あっちへ行った!」
(あの車だ!)
 買出しに行ったコンビニからここまでは一本道で、すれ違ったのはさっきの車以外なかった。
「君等はB男と一緒に家へ帰ってろ! 外へ出るんじゃないぞ! いいな」
 買い物袋を渡すというより押し付けて、主男は車を追った。 
(すれ違ったのは三分程前。直線が2キロ程に後は曲がりくねった道か。絶対追いついてみせる!)

この後車を追い、停車させるまでをお願いできますでしょうか? 自分で書いたのはなんとなく
青臭い感じがするのです。上に書いた所も直してくださってかまいません。

設定など
舞台は主男の母親の生家(現空家)がある、そう大きくない港町(漁村)の浜辺。
高校の夏休みを利用し1週間ほど遊びに来ている主男等、男女8人がキャンプファイアしてます。
民家に近いこの浜辺は夜にもなると人通りはありません。朝早いので。
車を追いかける事になる道は左側が山肌で(崩れないようにコンクリ吹き付けてあったり網がある)
右側が海に面した絶壁。湾岸道路ってやつ? 15キロほど離れた街までは一本道で、そこは
海水浴客の利用するリゾート施設などがあり、指定海水浴場もあります。
街に入る前に追い付かないとJ子の貞操はありません。
緊張とスピード感、山肌(岩肌?)、海側の断崖、砂浜が不規則に続く描写。そういうのをお願いします。
265名無し物書き@推敲中?:2007/10/19(金) 14:06:37
 
 
     自分の本拠地で怯えている気分はどうだ 

     負け犬 さ”むは゜む
266名無し物書き@推敲中?:2007/10/28(日) 16:33:55
>>264
一応リライトしたがよ、やばいぐらい長くなってしまったぞ。てかせっかくの
休日なのに丸一日掛けてる俺も時間の使い方間違ってるよなぁ。自分の小説の
続き書くべきだよなorz
てかあーた、貞操ってあんたそれなんてエロゲ? もうちょっとましな理由な
いわけ?

まあとりあえず↓
267名無し物書き@推敲中?:2007/10/28(日) 16:34:59
 コンビニを出てからしばらくは街頭があったが、しばらくするとそれすらもなくなって
あたりは暗闇に包まれた。その中で、「主」のまたがるバイクのヘッドライトだけが、路面
を眩しく切り取る。
 ふと海のほうを見ると、満月が中天にかかって幻想的な風景を作り出していた。無粋な
ヘッドライトを切って、月明かりだけで海岸の道を走れたらどんなに気持ちいいだろうと
思う。
 月明かりの海岸を独占して走るのは、素晴らしく気分がよかった。キャンプしている所
までの距離があまりないことが、少し残念に思える。みんなでわいわいと騒ぐのもいいが、
こういうのも悪くない。
 前方からエンジン音が聞こえ、続いて山肌から対向車が姿を見せた。こちらのヘッドラ
イトも向こうに見えているはずだが、ハイビームのまま猛スピードで迫ってくる。おまけ
に悪天候でもないのにフォグランプまで点灯させていて、ひどく眩しい。時々いるのだ、
過剰な明るさが対向車のドライバーの目潰しになっていることに気づかない輩が。
 幻想的な風景をぶち壊しにされ、「主」は対向車のドライバーをにらみつけた。対向車
はすれ違うときも一切減速せず、「主」のすぐ横を掠めた。煽られた「主」は猛然と振り
返り、去っていくその車に心の中で悪態をついた。
 「主」は気を取り直して前を向いた。ああいう輩は気にしても仕方がない。
 山肌を回り込むと、キャンプの火がすぐ近くに見えた。「主」は砂浜への階段を駆け上
がってくる二つの人影に気づき、心の中で苦笑した。そんなにあわてて上がってこなくて
も、酒は逃げはしない。階段上に停めてあるDのミニバンの後ろにバイクを停めると、Bと
Cが息を切らせてバイクにすがってきた。
「どうした。下にいても持って行ってやるのに。そんなに待ちきれなかったのか?」
 「主」はそう言いながら、後部座席のコンビニの袋にかけたネットに手をかけた。
「ちがっ、Jが、Jが連れ去られちゃったんだよ!」
 息を切らせながらCがそう言うが、「主」は一瞬、何のことかわからなかった。。
「え?」
268名無し物書き@推敲中?:2007/10/28(日) 16:36:00
「ちょうどアンタが帰ってくる直前に、ハァッ、ここで待ってたあの子を、白い四ドアの
車が、止まったと思うと中から誰か出てきて、ハァッ」
 Bが肩で息をしながら地面にへたり込む。「主」は今走ってきた道を振り返った
「そっちへ走っていったから、たぶん、そこですれ違ったでしょ?」
 すれ違った車は一台しかない。路面を煌々と照らしてひどく乱暴な運転で走っていた四
ドアのセダン。
 反射的にアクセルをひねってバイクを回頭させた。中途半端にはずされていたネットか
らコンビニの袋が振り落とされ、ビール缶が路面に散らばった。
「キャンプは中止だ、警察に電話して家に帰ってろ!」
 返事も待たずに「主」はバイクを発進させた。一二五〇tの並列四気筒エンジンが雄叫
びを上げ、ウィリー寸前の急加速をする。
 あっという間にさっき曲がったカーブが接近し、「主」は後輪が滑りそうなぐらいに車
体を傾けた。それでもバイクは外側に流れる。反対車線にまで飛び出し、ガードレールす
れすれでカーブを曲がりきると、「主」は遥か遠くに目を凝らした。
「あそこかッ」
 いくつもの尾根の向こうに、テールライトの赤い光点が一瞬見えた。
 「主」のバイクは出そうと思えば四輪並の速度が出るが、そもそも四輪と二輪ではその
安定性に雲泥の差がある。急カーブの多発する場所だとスピードを上げられないのだ。そ
の上ヘッドライトで照らされる範囲は狭く、得られる視界などごくわずかなものである。
 次のカーブがもう、目前に迫っていた。今度は逆に車体を傾け、山肌を擦らんばかりに
大回りする。
 しばらく行けば長い直線の区間がある。そこでいかに追いつくかが問題だった。そこを
通り過ぎればまたカーブの多い区間が始まる。そうなると「主」のバイクでは追いつける
かどうか不安だった。
 連続したカーブを二車線いっぱいに使って曲がり、カーブの間のわずかな直線ではぎり
ぎりまで速度を上げる。
269名無し物書き@推敲中?:2007/10/28(日) 16:36:57
 また山肌の陰から、テールライトが見えた。出発した時よりも、わずかに距離が開いて
いるような気がする。
「畜生ッ」
 直線区間に入り、「主」は頭を下げてアクセルを全開にした。ものの二、三秒で時速百
キロを突破し、少し遅れて百八十キロのメーターを振り切る。ハンドル操作を少しでも誤
れば、海に放り出されるか崖に激突するだろう。
 遠くに見えていた赤いテールライトがじわりと近づいてきた。それでも目測で数キロの
差がある。
 (主人公の思考シーン。なぜJが攫われたのか、など)
 (世界設定が見えないから俺には書けない)
 直線区間が終わろうとしていた。だがまだかなりの距離がある。「主」はカーブの手前
で急ブレーキをかけ、車体を傾けた。だが減速しきれていなかったのか、山肌が眼前に迫
ってくる。
「うわぁっ!」
 前輪が縁石にはじかれ、サスペンションが大きくたわんだ。転倒しそうになるバイクを
無理に押しとどめ、続いて迫るカーブをぎりぎりで曲がりきる。ガードレールの根元に生
えている雑草が勢い欲く千切れとんだ。
 もし事故をおこしたらという恐怖が、突然に「主」を襲ってきた。差は数百メートルに
縮まっていたにもかかわらず、スピードを上げられないためどんどんと引き離される。
 これは……無理か。
 そう思った瞬間、Jの笑顔が脳裏に浮かんだ。「主」は奥歯をきつくかみ締める。
 自分が死にそうな思いで追いかけているにもかかわらず、今頃誘拐犯は悠々と皮算用で
もしているに違いない。
「こんの、クソったれがァァァァァッ!」
 誘拐犯に対する怒りがこみ上げ、恐怖をどこかへと追いやった。前を行くセダンを睨み
つけ、絶対に追いついてやると心の中で叫ぶ。
270名無し物書き@推敲中?:2007/10/28(日) 16:37:56
 連続した大小のカーブを駆け抜けると、入り江状の地形をまわる緩やかなカーブにさし
かかった。アクセルをまわし、再び時速百キロを突破する。数百メートルの差があっとい
う間に縮まり、セダンの後部をヘッドライトが捕らえた。向こうもこちらに気づいたよう
で、急加速をする。
 だがもう遅い。加速だけでいえば軽いバイクのほうが上だ。あっという間に彼我の距離
縮まり、左後部にいるJがはっきりと見えた。。セダンの横をすり抜けて前に躍り出ると、
強引にブレーキを掛ける。
 セダンは狂ったような音を立てて急ブレーキをかけ、スピードをおとした。「主」はさ
らに頭をおさえつけ、セダンを停止させた。
 進路をふさぐようにバイクを車の前に停め、運転席側に回り込む。ドアを力任せに蹴り
つけると、逆上した後部座席の男がドアを開こうとした。
 開きかけの後部ドアを力任せに蹴りつけると、男はフレームとドアに頭を挟まれてくず
折れた。
 隠し持っていた発炎筒に着火して、後部ドアから投げ込む。運転席と助手席の男が噴出
する炎と煙に錯乱して悲鳴を上げた。
「来い!」
 奥にいたJを強引に引っ張り出し、バイクへと走った。助手席から飛び出してきた男が、
服に燃え移った炎を消そうとのたうちまわる。
「乗れ、腰にしがみつけ! 絶対に手を離すな!」
 「主」はアクセルをひねった。バイクが急加速し、Jが悲鳴を上げる。Uターンせずに
そのまま町へ向かう。
 すぐには追ってこないだろうが、もし追ってきても町までそんなに距離はない。交番に
逃げ込んでしまえばこちらの勝ちである。
 いくつものカーブを過ぎ去ると、やがて白いセダンは見えなくなった。
 腰にしがみついているJが震えているのがわかった。前で組み合わされた手に軽く右手
をかぶせてやると、少し落ち着いたようだった。
271名無し物書き@推敲中?:2007/10/28(日) 17:31:00
参考 
バイク・XJR1300
スレ・お前のバイクはどのクラスの四輪と同じ加速?40速目
 
もっとバイクの事知ってたら、もう少しちゃんとリライトできたろうなぁ。クラッチ操作
とかぜんぜん知らないしorz

あと読み返して推敲してないからアラとか誤変換は愛嬌で。


追・連続投稿の規制にひっかかっちまったぜ。
暇なので読んでみたが……読みにくいな。もうすこし息継ぎ場所を修正してやらんとなぁ。
272264:2007/10/28(日) 20:29:52
>>266殿

全然レスつかず半ば諦めてました。
貴重な休日をリライトに……畏まって礼文書こうとしましたが、うまく言葉が出てきません。
取り急ぎお礼だけでも。
ありがとうございます。
273名無し物書き@推敲中?:2007/10/28(日) 23:10:25
拝読しました。

まず依頼しておきながら設定等に漏れがあった事をお詫びします。
すみません。

これを書いたのは4、5年前で、その時はジュニア小説(今だとヤングアダルトと言うのでしょうか?)
として、読者は高校生くらいを想定していました。
その後、所謂エロゲにもストーリー重視で恋愛をまったり楽しむ層が有ると知り、
そういうのも視野に入れて学園ものとして話を膨らませています。

J子を攫った連中は性質の悪いナンパ野郎で、乱暴目的に浜辺のカップルや
女の子を物色中J子を発見って感じで、主人公の当て馬、エロゲならBAD END担当ABC。
メインのお話では、この事件がきっかけで主人公とJ子の距離が縮まるーみたいな。

主男の身長は178cm、体重65kg。
単車はレーサータイプでなく750ccのくロードスポーツ改を想定。
(山道(湾岸)道路なんかのカーブの多い道では単車の方が速いです)

警察は出来るなら登場させたくないんですが難しいですかね?
(民家は遠く、携帯電話は必要ないので家に置いてきたじゃ無理か?)


車の停車方法は、私はスリップ転倒で道をふさぐという方法をとりました。

>開きかけの後部ドアを力任せに蹴りつけると、男はフレームとドアに頭を挟まれてくず折れた。

私もこれやったので、なんか面白かったです。

ありがとうございます。(過去形ではないw)
274名無し物書き@推敲中?:2007/10/29(月) 01:09:29
うぉぉぅ、なんという丁寧な物腰。俺が乱暴に見えてしまうorz
ごほん。では、
文体の感じからして高校生か大学生かと思っていましたが、ジュニアとかヤン
グアダルトという言い方をするあたり、私よりも年上でしょうかね。最近だと
もっぱら、ライトノベルという言い方が主流のようです。

>単車はレーサータイプでなく
とりあえず主人公の年齢を教えていただけませんか? 18歳以上でないと大型
二輪免許は取得できませんので、400cc以上の単車に乗ると無免扱いにな
ってしまうようです。
あと、たまたま選んだヤマハのXJR1300はネイキッドという形の単車だそうで、
多分ご想像されているものと大差ないと思われます。(排気量は倍近くありますが)
ロードスポーツと言うのはスズキの車種のようですね。もしかしてメーカーに
関して何らかのポリシーを?

>山道(湾岸)道路なんかのカーブの多い道では単車の方が速いです
そうでしたか。本文を修正しないといけませんね。二輪と四輪の山道競争とい
うと、5〜6年ほど前に読んだ「ダブル・キャスト(電撃文庫・高畑京一郎)」
の二輪とフェラーリの勝負ぐらいしか知らず、四輪有利みたいな事が書いてあ
ったように思ったので、そういう流れにしてしまいました。
275名無し物書き@推敲中?:2007/10/29(月) 01:11:09
>警察は出来るなら登場させたくないんですが
これに関しては私も迷いました。こういう物語だと警察の存在は邪魔以外の何
者でもないですし。J子を救出したあとに、町から北へ迂回して家まで遠回り
ドライブ、と言うシチュエーションは欲しいと思いました。
しかし主男が助けられない可能性もありますし、もし返り討ちに遭ったらとい
うこともあったので、警察の介入は仕方のない事とあきらめました。

>車の停車方法
単車を倒してしまうと、逃げ出す時に時間がかかりそうな気がしました。ま
た損傷してしまう恐れもあったので。

>開きかけの後部ドア(以下略
四ドアの車で女の子誘拐するのですから敵は二人、もしくは三人。それを相手
にするのですから、武器は必須だと思いました。しかしバイクには発炎筒ぐら
いしかないでしょうし、それでは少し無茶だと思ったので、お手軽に一名処理
する方法としてこれを選びました。というかそれ以外思いつかなかったのです。

>ありがとうございます。(過去形ではないw)
つ、つまりそれは他にもあるということで?

276名無し物書き@推敲中?:2007/10/29(月) 03:24:24
>>274殿、お付き合い下さりありがとうございます。

えー過去形でないのはもちっと付き合ってくれたらなぁ。などと。^^;

お話は主人公が地元の高校(エロゲなら学園)への編入(1年3学期)から始まり、
リライトをお願いしたとこは高校2年(17歳)の夏休みという設定でした。
大型自動二輪よりも2年生のがストーリー的に大事なので単車は400cc以下で
も構いません。
私が自動二輪(限定解除)を取得したのが高校生の時だったんで、てっきり
大型も16歳からだと思い込んでました。

ロードスポーツですが、単車降りて久しく用語等は現在ではおかしいかも知れま
せん。(私自身はホンダが好きなのですが乗ってたのはヤマハのレーサーです)
お話中車種やメーカーを明記するつもりは無く、主人公が乗る単車は準レーサー
でなくスポーツタイプ? を少し改造(極太タイヤ)したものです。
も少し詳しく書くと、6年前の新古車(型落ち)をバイト代を貯めキャッシュで購入。

続きます。
277264:2007/10/29(月) 04:50:16
警察を出したくないのは、事件にした場合相手にもこちらの身元を知られるわけで、主人公が
”復讐”というものをとても警戒しているからです。(これは主人公の傷になっています)
この辺も説明不足でした。すみません。
こういう理由があっても事が事なんで、警察に通報しないのはやはり不自然。
通報する手段が無い描写を入れなくてはなりませんね。すっかり抜けてました。


車の停車方法は、相手が誘拐犯なわけで、下手すりゃ単車ごと跳ねられる危険性を考えました。
自分が書いたのは単車でただの暴走族よろしく蛇行等でしばらく嫌がらせをし挑発、調子こいて
スリップ転倒に見立てた、後輪ロックによる横滑り転倒です。これならウィンカー破損と傷くらい
で済んでも不自然ではありません。(単車で一車線塞ぎ主男で反対車線を塞ぐ)
主男は、万一轢かれそうになってもかわせるように足を抑え転げ回り(骨折のフリ)って感じです。
278278:2007/10/29(月) 08:30:47
>通報する手段が無い描写を入れなくてはなりませんね。
携帯電話が浜辺で水没(違 
時計代わりに携帯電話持っている人もいますし、圏外だからといって携行しない
ことはないと思うのです。キャンプしてる場所が圏外でも、B・Cとしてはア
ンテナが立った瞬間に、もしくは主人公の家から警察に連絡しようとするので
はないでしょうか……。

>単車でただの暴走族よろしく蛇行等でしばらく嫌がらせをし挑発、調子こいて
スリップ転倒
 おもわず笑ってしまいました。いえ、そこまで演じる主人公の必死ぶりがか
わいいなぁと。(何
 主人公はそれなりのライダースーツを身に着けているのでしょうか。そうで
ないと傷だらけになりそうな気も。
 単車ごと轢くと、セダンとて無事ではないような気がします。二車線(仮定)
の曲がりくねった道だと、少し左右にぶれただけで崖に激突か海に転落ですか
おまけに4人も乗せていますし、ドライバーとしては無茶な運転しづらいだろう
という希望的観測のもとに書きました。
 あと気にになるのが主人公のヘルメットでしょうか。フルフェイス・ジェッ
トヘル・半ヘル、またオンロード用かオフロード用か(スポーツタイプでオフ
ロードはないか)。男共を蹴散らして颯爽と女の子助けるのですから、そのと
きの主人公の描写として頭装備と服は必要な気がします。
279264:2007/10/29(月) 21:46:42
>>278殿

こうして見ると幾つか修正しなければならないのが判りますね。

母の生家なんですが、田舎で、唯一の街と言える場所から15km程離れています。
なので、携帯は通じないとしてもさほど無理は無いと思えてきました。

主人公はこの母の生家で祖父母が亡くなる中学2年の3学期から高校1年の2学期まで
暮らすのですが携帯電話を持った事はありません。(人との交流をさけている為)
生前、祖父母も携帯電話などというハイカラな物は持っていませんでした。

夏休みの間この母の生家で過ごすつもりでガス・水道・電気は使えるようしてありますが、
携帯電話が使えると思っていたので家電話は繋げなかった、もしくは解約した事に。(井戸、カマド有り)


車の停車方法は……
今読むとなんで暴走族よろしくにしたんだろ? 普通に追い越して、速度の出しすぎ
スリップ転倒でなんら問題ないような。

メットはフルフェイスのつもりでしたが問題ありますでしょうか?
280278:2007/10/30(火) 05:44:56
15キロですか。だいぶ遠いですね。徒歩だと3時間、自転車飛ばしてもでも30
分はかかりそうです。それぐらいあれば携帯電話の通じないのは納得できます
が、代替の連絡手段が全くないことには逆に違和感を覚えます。
 僻地に家を建てる場合、緊急に備えて電話だけは確実に引いておくものです
が解約……ですか。まあ、長らく無人になっていたら確かにそうしますね。
 しかし夏休みの間と言う長期にわたる滞在ならば、電話は使えるようにして
あるのではないでしょうか。長くそこで暮らした主人公なら、そのような土地
に携帯電話のアンテナが立ってるはずのない事はわかりそうですが……。
 それに誰かの復讐を潜在的に恐れる主人公が、そんな誰にも助けを求められ
ない環境を良しとするでしょうか。復讐でなくとも、仲間が大怪我(ふざけて
骨折とか)しても救急車すらよべないというのは危険かと。(骨折でも手足と
かなら救急車は呼ばないか……)

 携帯電話を持った事がないという点についてですが、仮に人との交流を避け
ていても、祖父母と連絡をとるのに携帯電話を持たされていたかもしれません。
まして幼い頃に何かあったような家の子供ですし、2000、2010年代ならその可
能性は高いかと。

 そして外界との連絡手段もないそんな僻地の家に、女の子が遊びに来て親が
何も言わないというのも不思議です。主人公もそういうプランを立案もしくは
受諾すると言う事は、人との交流を避けるどころか、ものすごく行動的に思え
るのですが。
281278:2007/10/30(火) 05:45:28
 シチュエーションや設定がいろいろとおいしいのは良いのですが、それを優
先するあまりにあちこちで違和感が生まれているような気がします。
 ギャルゲやエロゲのシナリオならば、極端な話、プレイヤーが興奮できれば
それでいいので、逆にそういうところはスルーして突き進めばいいと思うので
すが……。264さんはこれをどういう作品にしようと思われているのでしょうか。

 町から離れて一軒だけあるということは、ライフラインがかなり不便ですね。
せめて数件の集落であれば水道ぐらいは……。
一軒だけのために電気ガス水道のライフラインを15キロも伸ばすのは非現実的
のような気がするので、まあ電気は灯台でもあれば通っているとしても、水道
は井戸、ガスはプロパンガスのボンベになりそうですね。カマドはむしろ薪の
調達が大変なのでガス化されているような気がします。ましてや祖父母が亡く
なってからは一人で身の回りの事をしていたと思われますし。
 当然トイレは(以下略

 ヘルメットは、読者が主人公を想像する上でどのような像を結ぶかの重要な
情報ですので、この文章の中でなくても描写は必須でしょうね。あと転倒して
も大丈夫と言う事はそれなりのライダースーツかプロテクターを身につけてい
るとおもうのですが、……着替えがあるとも思えないですし、ライダースーツ
でキャンプしますかねぇ。
282264:2007/10/30(火) 08:20:45
>>278殿
おはようございます。

まず、情報の小出しになってしまった事をおわびします。すみません。
エロゲで感銘を受けた私は、こっちも視野に置いてますが小説としても
通用する物を書きたいと思っています。


主人公は中学2年の2学期に起きた事件で彼女? と親友を亡くします。(飛び降り自殺)
元凶となる自分を責め続け、自分が居なければ、と母の生家へ引越し(本人だけ)
祖父母の亡くなる高校1年2学期までくらします。(物語は故郷にある高校へ編入から始まる)
この祖父母の下ですごす2年+地元に戻ってからの1年(高2夏まで)で
どれだけ、どのように立ち直るかもメインストーリーに絡みます。

夏休みの舞台となる母の生家ですが、隣家とは離れてはいますが普通の
田舎です。祖父母や母の世代の人が多く、現在は過疎化してまいす。
町の機能は15km離れた新しい町へ移って久しいだけで、ライフラインが
整備されていない僻地ではありません。

つづく
283264:2007/10/30(火) 10:11:38
話まとめようとすると時間かかりそうなので一答風に。(重複する部分でるかも)

電話はちと後回し。

15kmってのはカーチェイスやるなら短くてもこれくらいは必要かと思いこうしました。
主人公達が利用する浜辺ですが、ここから15km離れた指定海水浴場や施設(4階建て)
が見えるとおかしいでしょうか?

メットは特に拘り無いんですが、自分はフルフェイスとジェット持っていました。
今はトランシーバー(無線)内臓とかないですかね?

服装はジーパンにシューズ、上はTシャツに夏でも夜は冷えるんで薄手のジャンバー
をイメージしてました。
後輪ロックさせてのスライディング転倒ですが上下ジージャンとすれば、余程下手な
コケ方しなければ怪我しません。意外に思われるかも知れませんが。
私が見た中で一番酷かったのでもTシャツでコケて両前腕から肘の擦りむきくらいでした。

284278:2007/10/31(水) 03:53:14
なるほど、だんだんストーリーが見えてきました。ただその事件でなぜ復讐と
言う言葉がでてくるのかは分かりませんが、そこまでたずねるとネタばれにな
るのでしょうね。

地平線までの距離は、山にでも登っていない限り4〜5キロメートルです。
建物はともかく(計算中)、15キロ離れて海水浴場を見るのは苦しいのではと
思います。

トランシーバー内臓というか、後部座席の人間と会話するのに、有線のヘッド
セットを装着している人は見た事があります。その方の自作だそうですが。
ヘルメットの形状にこだわったのは、J子を助けるときに主男はどんな顔をし
て手を差し伸べたかが気になったからです。月明かりは影ができるほど明るい
とはいえフルフェイスなら確実に顔は見えませんし、ジェットタイプならうっ
すら見えているでしょう。

なるほど。転倒の方法によっては、思ったより怪我しにくいのですね。まして
やわざと転倒するのであれば、さらにリスクは減るというところでしょうか。

285278:2007/10/31(水) 04:01:28
かんたんに計算してみたのですが、一階分3メートル、4階で12メートルと
すると、見渡せる距離は11.5キロメートルが限界のようで、15キロメートル
先の主人公たちは地平線の下になって見えないですね。
計算が間違えてなければ良いのですが……。
建物を高くするか、距離を縮めれば変わってくるとは思いますが……。
まあ、グネグネして15キロでも直線距離ならそんなにないということもあり
ますし、設定地図を作って検証されると良いかもしれません。
286264:2007/10/31(水) 06:11:18
>>278殿
おはようございます。

自分に筆力あればさほど問題ないのでしょうが、設定命みたいな感じになってます。
エロゲなんかでは両親が海外出張で、主人公は実家で一人暮らしってのが多いで
すが、この辺も設定でかなりおいしく出来たんじゃないかと自惚れています。

作中出てくるものは実在のモデルがありまして、Yahoo!地図情報で見てみました。
石川県能登半島珠洲市に恋路海岸というのがあるのですが、蛸島(町)の浜辺から
見えたと思うのです。(実際はもっと近くの海水浴場と勘違いしてるのかもしれませんが)

ヘルメットは、呼び止めても走り止めないJ子に対し「俺だよ主男だよ!」とヘルメット
を取り顔を見せるとやってました。なるほど、そういうわけでしたか。
トランシーバーは主人公もしくは友人が作ったでもいいのですが、作中では普通に
市販されてるとするのはまずいでしょうか?

転倒ですが、読者とのギャップが出そうですね。
この辺は他にも転倒シーンを幾つか入れて、そうそう大怪我はしない事を書いた方が
良さそうですね。

携帯電話は浜辺では使えない。家では使える。家の電話も通してある。
主男が「10分経っても俺から連絡なければ警察に通報しろ」
ってのはだめですかね?
15km先は見えないかも知れない件と合わせまして、10分以内で追いつき救出できる
距離なら10kmほど足りそうに思うのですが。
287264:2007/10/31(水) 08:26:00
ちょっと間違いがありました。
恋路海岸:石川県鳳珠郡能登町字恋路

蛸島から直線で10kmでした。 海岸は見えそうにありません。
288名無し物書き@推敲中?:2007/10/31(水) 13:18:38
>ヘルメット を取り顔を見せる
なるほど、そういうことなのですね。

作品の舞台は能登半島の先端部なんですね。地図では民家がどれほどあるのか
わからないので衛星写真を参照したんですが……これは思ったより人口が多そ
うですね。

調べた結果、6年前の段階で約二万人。過疎化が進んでいますので現在はそれよ
りいくらか少ないかと。衛星写真をみても、主人公がカーチェイスする蛸島から
恋路までは、普通に民家がならんでいるように見えます。それにあまりグネグネ
がない……。メーターを振り切るほどスピードを出すと家から出てきたご老人
を撥ねてしまいそう。
そしてやはりというかなんと言うか、携帯電話は普通に使えるようです。(au)

信号もありますし、海沿いの道ではないようです。カーチェイス向きではない
ようですね。飯田町には珠洲市役所までありますし。
交番にしても蛸島、正院、鵜飼と、蛸島から恋路に至るまでに三箇所もありま
す。連絡しなくても爆走したら追っかけてくるような気がします。
10分も待ったら山のほうへにげられてしまいそうな気もしますし……。むずかしい
ところです。犯人が土地勘のない人間なら、恋路へ向かって逃げてくれるかも。

しかし、ヤフーでもグーグルアースでも、このあたりの写真は地図は荒すぎて
あまり使えませんねぇ。

289名無し物書き@推敲中?:2007/10/31(水) 13:27:02
トランシーバーは通信距離50メートルから40キロまでいろいろあるようです。
ツーリングなどで使うバイク用トランシーバーも市販されているようです。
290264:2007/10/31(水) 21:35:01
>>278殿

いえ、能登半島が舞台というわけではありません。あくまで参考です。
日本海、港町、という風には書きますが作中、実在の地名や名称は書きません。
M県N市とするか実在しない名称にします。
書いた物と一致する場所が実在すれば別ですが。
それでもやはり町名なんかは変えるでしょう。

無線内臓ヘルメットは無いみたいですね。
キットはあるみたいなんで、作中で自作させます。


警察への連絡は携帯電話が浜辺では使えないので、結局家へに向かわねばならず
家と浜辺は徒歩13、4分とすれば実際の待ち時間は5分くらいでしょうか。
私は女性が攫われたと聞くと婦女暴行が真っ先に浮かぶのですが、残された6人の
うち誰かが身の代金目的を示唆すれば通報は躊躇われるのではないでしょうか。
主人公が全くあてにならない人物ならいざ知らず、「連絡を待とう」となると思うのです。
そして主人公は絶対助かると信じています。

問題はそんな逃げるのに不向きなとこで誘拐する馬鹿いるか? のような気もする。
291名無し物書き@推敲中?:2007/11/01(木) 11:12:35
なるほど、身代金ですか。するとJはそれなりに良家の令嬢で、主人公たちが
「身代金目的かも!」と思うような人物なのですね。
……夜中に出歩いたり、同世代の男女で寝泊りする事を親が許すでしょうか。

まあそれはおいといて、
逃げるのに不向きでも、街中よりは目撃者も少ないですし誘拐犯としては安全
確実でしょうね。

あと日本海側ということですが、陸から見て海はどっちの方向になるのでしょう。
能登半島のように海へ張り出してその内側の浜であれば、蛸島から恋路のように、
海は南から東に広がっているようになります。つまり満月の日の夜9時〜12時ごろ
には海の上に月が見えるという構図が取れるわけです。星座もかわってきますし。

月ではなく太陽であっても、太陽が陸側にあるのか、海側にあるのか変わってき
ます。もし太陽が陸側にあったら、きらきらと光る水面は多分見れないはず……。

私が書いた時は、太平洋側のつもりで書いたので、月と海が一緒に見えるよう
な光景を普通にイメージしてました。
292264:2007/11/01(木) 21:54:45
>>278殿
お付き合いくださりありがとうございます。

身代金は>>278殿が>今頃誘拐犯は悠々と皮算用でもしているに違いない。
とやっておられたので、それもありかと思いました。
前に言いましたが私は、夏、海、夜、女の子攫われる、で暴行(わいせつ?)目的
以外は考えにありませんでした。
なので特に大金持ちで令嬢とはなってないです。良家ではありますが。


>夜中に出歩いたり、同世代の男女で寝泊りする事を親が許すでしょうか。

普通許しませんよね。J子の親も許しません。
J子の親が厳しいほど警察への通報は主人公達にとってし難い、という理屈も
成り立ちます。


>逃げるのに不向きでも、

一本道の湾岸道路なんで目撃通報されたらジ・エンド。
書いた当初警察は全く考えておらずこのような事になりました。
まぁ、この手の連中はお約束の馬鹿と読者に思ってもらうしかないかな?


>陸から見て海はどっちの方向になるのでしょう。

モデルは蛸島なんで海は東になるのかな?
肝試し花火くらいしか頭にありませんでした。おはずかしい……
293名無し物書き@推敲中?:2007/11/02(金) 00:00:28
 身代金のアイディアは私の文章が原因だったのですね……。皮算用という言
葉以外にいい単語が思いつかなかったのですよ。女の子目の前にして舌なめず
りしつつ、どこ行こうかみたいな相談をしている犯人グループを、的確に言い
表す単語が……。

>普通許しませんよね。J子の親も許しません。
 そのJ子がなぜここに……。何気に、「親の目を盗んで抜け出し」魔なので
しょうか?w 帰ったらひどく怒られそうですが……。

>一本道の湾岸道路なんで目撃通報されたらジ・エンド。
 ナンバープレートに覆いがかかってるとかはないのでしょうか。それもかん
たんに取り外せるような。うちの近所だと中学生が盗んだ原付を、ナンバーへ
し折って乗ってますねぇ……。もっとも、時々パトカーとカーチェイスしてま
すが。

>肝試し花火くらいしか頭にありませんでした。
 花火は良いですねぇ。やっぱりシメは線香花火ですよね。
 方角を気にしたのは私の勝手なので描写しなくてもいいかもです。昼の砂浜
で、きらきら光る海を背景にヒロインとキャッキャウフフするためには、太陽
が南にないといけないなと思っただけでして。……作中に昼の砂浜は出てこな
いのでしょうか?
 蛸島の海は、海岸線が東西に走っている事を考えれば、南側でしょうか。もっ
と広いスケールで見るなら南東、あるいは東ですね。しかし地平(水平)線まで
の距離が4.5キロである事を考えると、南でいいかもしれません。
 実際の蛸島ではどうか分かりませんが、物語の舞台で大きな集落が近くにない
のなら、星が綺麗でしょうね。私の文章では「満月」と描いてしまっていますが、
これがもし新月やそれに近い月齢であれば、うっすらと天の川が見えるかもし
れません。ちょうど夏の大三角のあたりは天の川の濃いエリアなんですよ。
 まあ、天の川が見えるほど暗い場所だと、隣にいる主人公もしくはヒロインの
顔が見えないという状況に陥りそうですが……。
294264:2007/11/02(金) 03:48:43
皮算用はそういう事だったのですか。んー私にもぴったりな言葉思い浮かびません。


>>278殿の認識通り、女子中・高生を持つ家庭だと門限だったり厳しいですよね。
そして良家ほど厳しい。この認識は私もそうですし一般的にもそうだと思います。

J子とA子は小学2年からの付き合いで親友です。二人とも品行方正な優等生で通って
います。たまにお互いの家へ泊まりに行ったりするのは不自然ではないですよね。
主人公との関係はA子はお隣さんで所謂幼馴染。家族ぐるみのお付き合い?
J子とは小4から中1までクラスメイト。ここまで書けばおわかりでしょうが、
J子はA子の親戚の家へ泊まりに行くとウソをついて参加しています。
ウソがバレれば大変どころじゃないのですが、そこはそれ年頃の女の子。遊びたいのです。
A子は母親に本当の事を話し協力を得ています。
お話としてはありがちな設定と言ってもいいかもしれません。


暴漢達に関してはどうでしょう。視点変えるか逮捕されねば詳細不明です。


浜辺では海に向くと左後ろから太陽昇っていたような記憶があったりなかったり。
昼の砂浜は女の子4人が三泊四日で合流後に出てきます。
うち一日だけモデル恋路海岸で水遊び。
295名無し物書き@推敲中?:2007/11/02(金) 12:53:57
>J子はA子の親戚の家へ泊まりに行くとウソをついて参加しています。
 お話としてありがちというか、私の近辺では実際によく見られる状況ですねw
問題ない思われます。なんか……A子の親はものわかりの良い人で。
 ところで、主人公たちは普段どこに住んでいるのでしょう。蛸島までどれぐ
らいの距離があるのか、という事ですけれども。
 
>浜辺では海に向くと左後ろから太陽昇っていたような記憶があったりなかったり。
 現地を訪れた事があるのでしょうか? 確かに夏は、太陽が東よりも少し北
から昇り、西よりも北に沈みます。特に夏至(6月20日付近)ともなると、か
なり北東に迫ります(東北東よりもまだ北)。主人公が真南を向いているのな
らば、左少し後ろあたりから太陽が昇ってくるでしょうね。
 夏休みをそこですごすという事ですが、えーと、だいたい八月一日ならば、
日の出は東北東でしょうか。
296264:2007/11/02(金) 14:38:26
>>278殿

主人公達の地元は県庁のある金沢市を想定しています。
海(地元の)にも山にも車なら1時間ちょいで行け、三名園に
数えられる兼六園などもあり。


現地へは行った事ありますが子供の頃なんで記憶曖昧です。
泳ぐのは大体昼前後なんで太陽は真上じゃないですか。
日が傾くまで泳いだ事もないですし。

星座とかは「太陽系シミュレータースタジオ」っての落として
研究中です。
舞台を恋路海岸モデルとすれば日が沈むのは海側でしょうか?
297名無し物書き@推敲中?:2007/11/19(月) 05:46:04
長いことレスせずに申し訳ありません。ネット環境がふるわなかったものでして。

なるほど金沢市ですか。私も兼六園には行ったことがあります。もっとも、幼か
ったので何が良いのかほとんどわからなかったのですけども。

>舞台を恋路海岸モデルとすれば日が沈むのは海側でしょうか?
恋路海岸は東向きの浜なので、太陽が沈むのは西側つまり山手になりますね。
蛸島の場合は浜が南向きですが、やはり陸に沈む太陽を見ることになるのでは
ないでしょうか。

星座に関しては、季節が夏休みなので問答無用で夏空ですね。
夏の星座にまつわる神話を、物語に取り入れるなどしてはいかがでしょう。
298264:2007/11/19(月) 17:57:50
いえとんでもない。
ここまで付き合って頂いただけでも感謝感激恐悦至極。


名園の良さは私にもわかりません。
観光名所なんで、茶屋とかだんご屋、たこやき屋とか、
白鳥路(桜並木のトンネル)なんかが通学路として使え
そうなんで放課後デートの舞台イメージ用に考えています。


海に沈む夕日を見ながら――ってのは欲しいとこなんですが
月同様リアルモチーフじゃ起こらないですね。


あと、まったりな日常やちょっとした事件は思いつくのですが、
格ヒロインの根幹となるストーリーがパッとしません。
問題解決が、私だとすぐ暴力よりになってしまうのです。
この辺を神話を参考に出来ればいいのですが。
299名無し物書き@推敲中?:2007/11/22(木) 05:41:38
最近はのほほんマッタリ系の漫画もありますし、日常生活を描く作品でもよい
と思いますよ。ただその場合は非常に濃いキャラが必要になりそうですが。

ストーリーを作る場合は、神話と現実を重ねて、少しひねればよいかと思いま
すよ。いるか座の話などいかがでしょう? いるか座は夏の大三角の近くにあ
る暗い星座です。

海神ポセイドンは、三叉の矛を持ち、白馬の牽く馬車にのって海を駆けていま
した。ある日いつものように彼が海を走っていると、アンフィトリテという名
の美しいニンフが泳いでいるのに気づきました。ポセイドンは、ぜひとも彼女
を妻に迎え入れたいと思いました。
しかしアンフィトリテはポセイドンを怖がり、逃げ回ってばかりいました。困
り果てたポセイドンは、いるかにアンフィトリテを説得してくれるよう頼みま
した。いるかは何度もアンフィトリテのもとを訪れ、そして彼女を宮殿につれ
てくることに成功しました。
やがてアンフィトリテはポセイドンを怖がらなくなり、妃となりました。そし
てポセイドンとともに馬車に乗り、海の上を駆けるようになりました。

いるかはその手柄によって天に上げられ、星座になったといわれています。

これはいるかが仲人というかキューピッドというか、そういう役割を果たした
という神話ですね。ニンフの名前ははっきり覚えてないので調べなおしたほう
がいいかもです。

これだけだと単純な恋愛話でおわりますが、これをどのように使うかは作者の
腕の見せ所でしょうか。アレンジする・対比する・違う解釈をする、というよ
うに色々と使えます。
300264:2007/11/23(金) 04:07:18
こんばんわ。

キャラはエロゲ込みだと需要の関係でそれなりに色分け出来るのでは
ないかと思っています。(立つかどうかは別ですが)
リアル友人モチーフなんで彼等を上手くキャラに置き換えられればそれ
なりに個性を出せるのではないかと考えております。


お話しはヒロイン別に最低4〜8本欲しいんですけど難しいですね……。
301名無し物書き@推敲中?:2007/11/24(土) 20:05:18
ヒロイン別に4〜8本……ヒロイン4人で、できるならベストエンドとバッドエンド
に分けたいというところでしょうか。

うへぇ……小説はいくつか書いてきましたが,マルチエンディングのものはひとつも
無いので困りどころですね。
マルチエンディングにするなら、ヒロインたちの容姿や性格、将来の夢や家庭環境
などによっていろいろと作ることはできますが、ヒロインたちをクローズアップす
る分、主人公の影が薄くなったり、舞台設定がどうでも良くなったりしがちなので
気をつけないといけなさそうですね。
夢を追う子、自閉症の子、日常のほほん半天然な子……それぞれにストーリーを用
すると言うよりも、それぞれの子の成長をストーリーとしたほうがやりやすいかも
しれません。日常から大きく逸脱するような過激なストーリーを組むと、キャ
ラによってストーリーのクォリティが違うということになりかねませんし。

まずは特定のキャラで一本作って、それでも余力があるようなら、他のキャラを
元の小説のIFバージョンとして新たに作るのはどうでしょうか。たぶんはじめ
からマルチエンディングでは気力もたないような気がします。
302264:2007/11/26(月) 00:30:36
こんばんわ。

所謂ノーマルエンドとトゥルーエンドがヒロイン分です。
バッドエンドは上二つが書ければ書けるんで問題ないかと。

ノーマルエンドもそうなんですがトゥルーエンドは特に他ヒロイン
を絡めた物にしたいと考えています。

とにかく一本しかっと書くのが先ですね。


ずいぶん長いことお引止めしてしまいました。
感謝の言葉を上手く書けない未熟者をお許しください。
本当にありがとう御座いました。<(_ _)>

303 ◆IQSUdRlE3c :2007/11/26(月) 22:21:19
「あなたの文章真面目に酷評します」で紹介されてきました。リライトをお願いします。

 彼の部屋は二階だ。ベランダに椅子をだして、本を読んでいた。
高く晴れた空には、雲が小さくちぎれて浮かんでいる。前の往来を通るものはない。
向いの平屋からは、兄弟げんかの声が聞こえてくる。兄は小学校の五年生で、
弟は三年生だ。ときおり、彼らを預かることがある。両親は共働きをしていて、
どうしても都合がつかなくなることがあるのだ。
 五年前にこの町へ越してきて、診療所を開いた。町にはほかに一つしかない。
だから、このように休んでいても急患が来るときがある。あの兄弟が来たこともあった。
インフルエンザだった。ちょうど一年前の、冬だ。

参考のために、批評を引用しておきます。
>彼の部屋は二階だ。
これで始めたならば、次の文章は彼の描写や部屋の描写でなければならない。
なのにベランダに行って、空の描写に入って、往来から平屋と神視点で移動しているので
つながりが悪い。

>前の往来を通るものはない。
と言われても、そもそも家の周囲がどんな感じなのかわからない。
二階から見える風景や、街のデーターを説明する必要あり。

主人公の描写もまったくないので、まず、主人公の描写を入れて、次の文章からは
主人公の視点で書くようにしたほうがいい。
情景描写も神視点ではなく主人公の目を通して行う。
兄弟のことを思い出したならば、どういう外見なのか髪型、人相、体格、しゃべり方、服装
そういう部分も同時に回想して、兄弟のキャラを立てる。
304名無し物書き@推敲中?:2007/11/26(月) 23:37:59
三人称でリライト

 彼の部屋は二階だった。正午過ぎのこの時間は太陽の光が深く差し込み、フローリングの床を
白く光らせている。壁一面、天井まで本が詰め込まれた本棚には医学書が並び、趣のある黒檀の
机上には、ファイルに入れられたカルテが数枚置かれていた。
 四隅に吊るされたスピーカーから流れる「月光」は第一楽章が始まったばかりだが、そこに観客
はいなかった。
 この部屋の主、野々村泰造は晩秋の日差しを惜しむかのようにベランダに椅子を持ち出し、
○○症候群に関する論文を読んでいた。
 ふちなしのレノマのメガネフレームは、医者らしく知的な印象だが、口髭はあまり似合っては
いない。泰造自身も自覚はしていたが、この町では「髭の先生」と呼ばれトレードマークになって
いるので、剃る気にはならなかった。
 この町にはもう一人医者がいた。
 三十歳の泰造からみれば、大先輩にあたる年代の医師は、泰造がこの町に診療所を開いてからは
「大先生」と呼ばれていた。大先生は釣りに出かけたり、山菜を採りにいったりと、ちょくちょく
診療を休んでいた。そんな事情もあり、自然と泰造の診療所に患者が集まるようになっている。
 とはいえ人口が一万人を切る東北の漁村である。患者の数は知れていた。急患が来ることはあるが
目が回るほど忙しいというほどではない。
 泰造は論文から目を離し、耳を澄ました。ほのかに漂ってくる潮の香りと共に、争う音が聞こえてきた。子供の声。すぐ向かいにある兄の家から聞こえてくる。
 いつもの兄弟喧嘩か。
 泰造は笑みを浮かべ、空を見上げた。高く晴れた空に千切れ雲が浮かんでいた。
 泰造は二人の甥っ子のことをよく知っていた。小学生の兄弟。兄は五年生、三年生だ。二人とも
坊主頭で、一目で兄弟とわかるほどよく似ていた。快活な悪ガキで、あっちこっち走り回って遊んで
いる。時には縫うほどの怪我をしてくることもあった。兄夫婦は共働きで家にいないことも多い。
そんな時にはこの診療所に駆け込んでくるのだ。
305304:2007/11/26(月) 23:51:12
「彼の部屋は二階だった」
という冒頭を生かして、部屋の描写と共に主人公の年齢職業を描写。
名前は早めにつけて、クラッシクが趣味の、若い医者という設定にした。
大先生の件は小さな町に診療所が二箇所あるという設定の理由付け。

後半は主人公の内面に入って、兄弟のエピソードを語る。
インフルエンザでも別にいいんだけど、親が共稼ぎで、伯父の診療所に顔を
出すという辺りと、走り回って怪我をするというほうがキャラが立てやすかった。
306名無し物書き@推敲中?:2007/12/31(月) 21:34:56
どっかのスレで うちの会社の悪口が書いてあった。




「○○という会社に再就職の面接に行ったら、『将来の夢』ってタイトルで作文書いて下さいと言われた。むかつく。
だいたい25歳にもなって、将来の夢もクソも無いだろ。25歳にもなったら現実を見る年齢だろ。他人を馬鹿にしやがって!
小学生じゃあるまいし。しかも原稿用紙2枚も。何を書くわけ?ありえない。
ここで働く奴は全員、こんなくだらない作文を一生懸命、原稿用紙2枚分も書いた、幼稚な人間なんだね。気持ち悪い。
作文があるんだったらちゃんと求人に書いとけ!『面接』しか書いてなかっただろ!
むかつくからその場で辞退してやった。」

みたいな事が書いてあった。

このレスを見てかなりむかついた。
面接で作文を書かされるのは当たり前じゃない?25歳で「将来の夢」の何が悪いわけ?私はちゃんと作文を(原稿用紙2枚分)書いたから採用されたんだよ。
それを幼稚な人間なんて言い方はむかつく。
ひがむな!
307名無し物書き@推敲中?:2008/03/07(金) 01:11:46
age
308名無し物書き@推敲中?:2008/03/07(金) 01:46:44
>>304
余計なこと書きすぎ。
だらだらと平板な説明文を読まされては読書欲が削がれてしまう。
309名無し物書き@推敲中?:2008/03/07(金) 10:48:16
リライトお願いします。

 夜の黒い海面に、夜空に上がる華麗な花火が鮮やかに映った。
 佑子はそれを静かに眺めて、ぼくは手近な屋台で買った焼きそばをずるずると
音をたてて食べていた。濃いめのソースがなかなか美味い。
「あんたと眺めていると、ロマンチックの欠片も味わえないわね」
 ぼくの肩程のところに頭があるちっこい佑子が片唇を上げて言った。彼女とは
過去に同じ予備校を通っていて、現在大学は違っても交友が続いていた。少しは
色気のある格好をしてくれてもいいのにと思ったが、腐れ縁にそんな気を使う必要は
ないとでも言うような、グレーのパーカーに、淡い水色のジーンズという姿をしていた。
 ぼくは、「バーカ、視覚で花火に感動して、味覚で焼きそばに感動して、複数の
器官を感動させることに、なぜ非難するか」と言った。
「うるさいんだよこの野郎、横でずるずるずるずる、わたしが花火に感動できないじゃないか」
 と言って、佑子はぼくの片足を踏んだ。
「なにするんだこのヤロー」
 ぼくは空になった焼きそばの容器を捨て、佑子にチョーク・スリーパーをかけた。
「乙女にプロレス技かけるとは、不逞な野郎だ」
 と言って、佑子はぼくの金玉を、握りつぶしにかかった。
「うがぁあ!!」
 ぼくはたまらず佑子から離れて、バランスを崩し、地面を転がった。
「それは卑怯だろ!」
 とぼくは抗議したのだが、彼女は腹を抱えながら笑っていた。
 そんな風にいつもじゃれあっているから、恋人みたいなロマンチックな関係にもなれないし、
楽しいからお互いに離れられなかった。
310名無し物書き@推敲中?:2008/03/07(金) 12:54:20
>>309 てきとーにリライト。
 夜の黒い海に華麗の花火が鮮やかに映っては消える。
 ぼくの隣で祐子がその光景を静かに眺めている。
 かくいうぼくの方は、屋台で買った焼きそばをずるずると音を立てて食べていた。
濃いめのソースが利いていて、なかなかに味わい深い。
「まったく――」
 祐子が片唇をあげて憮然とした表情でぼく見上げた。
「あんたといると、ほんと、ロマンチックの欠片も味わえないわね」
 相変わらすの毒舌が飛んできた。座っても僕の肩ほどにしかない背丈のくせに、態
度だけはとにかく大きい。最初に出会った時からそうだった。祐子とは、予備校で出
会ってからの仲だ。その後、大学は違ったが相変わらず関係は続いている。関係といっ
ても、それこそロマンチックも欠片もないが。
「バーカ。視覚で花火に感動し、味覚で焼きそばに感動する。複数の器官を感動させる
ことをなぜ非難するか」
「うるさいんだよこの野郎。横でずるずるずるずるやられちゃ、わたしが花火に感動で
きないじゃないか」
 中指を立てて佑子はぼくの片足を踏んだ。 
「なにするんだこのヤロー」
 ぼくは空になった焼きそばの容器を捨て、佑子にチョーク・スリーパーをかけた。
「乙女にプロレス技かけるとは、不逞な野郎だ」
 と言って、佑子はぼくの金玉を、握りつぶしにかかった。
「うがぁあ!!」
 ぼくはたまらず佑子から離れて、バランスを崩し、地面を転がった。
「それは卑怯だろ!」
「うるさい!なんでもありだ!」
 祐子は腹を抱えて笑っている。
 いつもこんな感じだ。
 夜の海岸だというのに、祐子はグレーのパーカーに淡い水色のジーンズという、とて
も色っぽいとはいえない姿をしている。年頃の男女が一緒に夜を過ごしているのだから
もうちょっとサービスしてもいいだろう、とは思う。だが、お互いにこの腐れ縁が心地
よい。おかげで、ぼくたちの関係は全然ロマンチックにはなってはくれないのだった。
311名無し物書き@推敲中?:2008/03/09(日) 12:13:16
>>309
適当に

 夜、まっくろになった海面に、華麗な花火が鮮やかに映っては消える。
 裕子は、それを静かに眺めていた。感動しているのか、ひとみがわずかに潤んでいる。
 ぼくの方はというと、手近な屋台で買った焼きそばを食べていた。
濃いめのソースが、なかなか美味い。
 ずるずるという、下品な音を立てながら食べていたせいだろうか、裕子がぼくの方をみて、しかめつらしている。
「あんたと眺めていると、ロマンの欠片も味わえないわね」
 彼女とは以前、同じ予備校に通っていた。
 そして、それぞれ別の大学に進んだのだが、交友そのものは続いていた。
 せっかくの花火大会。
 すこしは色気のある格好をしてくれてもいいのにと思ったが、
ぼくが相手なら、そんな気を使う必要はないとでも思っているのか
グレーのパーカーに、淡い水色のジーンズという姿をしていた。
「なにをバカなことを、ぼくは目であざやかな花火の色に、
耳で情緒あふれる花火の音に、舌で焼きそばに感動しているのだ。
五感のすべてで感動することを、なぜ非難する」と言った。
「うるさいんだよ、アンタがよくても、横でずるずるやられちゃ、あたしが感動できない」
 と言って、佑子はぼくの片足を踏んだ。
「イッ、クソッ、なにすんだ」
 ぼくは空になった焼きそばの容器を祐子めがけて投げた。
 祐子はそれを軽々とかわしたが、隙が出来た。
 ぼくはその隙を狙い、佑子にチョーク・スリーパーをかけようとした。
 しかし祐子は、左手でぼくの手を軽く受け流し
「貴様、乙女に向かってなにをする」
 と言って、空いている右手で、ぼくの金玉を握りつぶしてきた。
 ぼくは声にならない声をあげ、地面を転がり、のたうち回った。
 そんなぼくをみて、祐子のやつは、腹を抱えて笑っていた。
 いつも、こんな風にじゃれあっていたものだから、
恋人みたいなロマンチックな関係にはなれないものの、
お互いに楽しいので、離れることもなかった。
312お願いしますよ。:2008/03/10(月) 14:16:51
 俺がここにやって来たのは、住み慣れた隣家をホウキと怒声で締め出された
からだけではなかった。
 前に一度、手垢と埃で薄汚れた窓越しにこの家を覗き見た時、ちょうどこの
部屋が見えたのだ。おりしも、住人が部屋に入って来たところだった。
 ブロンドのポニーテールを結った年頃のそれは、俺の溜まりきった欲情を再
燃させるには申し分ないほどに美麗で、俺は自分の寝床から逆さまに落っこち
るほどの衝撃を受けた。
 粘り強い糸が俺の肢体を支えてくれなければ、俺は床に叩きつけられてペシャ
ンコになっていたか、鋭い眼光を煌々とさせて部屋を徘徊する毛むくじゃらに
パクリとやられていただろう。
 思い起こせば恐ろしいことだが、その時の俺に言わせれば、そんな不安はど
こ吹く風だ。俺はそれ程に、垣根一つ向こうのその女に身も心も奪われていた
のだ。

 故に、その数日後に行われた住人からの『厄介払い』は、俺にとって絶好の
チャンスとなった。この家を出て、隣家のあの娘の部屋に引っ越すのにはちょ
うど都合が良い。
 だが、長年愛用してきたこの巣を離れることは、足を一本、窓に挟んで裂か
れてしまうような、痛みと絶望感にも等しいものだといえた。

 そうして俺はここへ来た。あの家に未練はない。
 

とりあえずここまでです。
酷評スレから転載です。
313名無し物書き@推敲中?:2008/03/10(月) 17:49:43
 俺がここにやって来たのは、ただ隣の家だからというだけではない。
前に一度、手垢と埃で薄汚れた窓越しにこの家を覗き見た時、ちょうどこの
部屋が見えたのだ。おりしも、部屋の住人が帰ってきたところだった。
 ブロンドのポニーテールを結った年頃の少女は、俺の欲情を再
燃させるには申し分ないほど美麗だった。
その姿に俺は自分の寝床から逆さまに落っこちるほど強い衝撃を受けた。
 粘り強い糸が俺の肢体を支えてくれなければ、俺は床に叩きつけられてペシャ
ンコになっていたか、鋭い眼光を煌々とさせて部屋を徘徊する毛むくじゃらに
パクリとやられていただろう。
 思い起こす程に恐ろしいがその時の俺には、そんな不安はなど微塵もなかった。
俺はそれ程瞬間的に、垣根一つ向こうのその女に心を奪われていたのだ。

 故に、その数日後に他の住人から怒声と箒で『厄介払い』されたのは、俺にとって絶好の
チャンスとなった。
この家を出て、隣家のあの娘の部屋に引っ越すのにはちょうど都合が良い。
 だが、長年愛用してきたこの巣を離れることは、足を一本、窓に挟んで裂か
れてしまうような、痛みと絶望感にも等しいものだといえた。

 そうして俺はここへ来た。あの家に未練はない。

未練ありまくりじゃねえか。
 
314名無し物書き@推敲中?:2008/03/14(金) 10:10:08
>>312

 俺をみつけた人間が、ホウキを持って奇声をあげながら、俺を外に追いやり、俺はここへ来た。
 だが、締め出されて行き場をなくしたから、というだけではない。
 以前、一度だけだったが、ほこりで薄汚れた窓越しにここをのぞきみた時、
部屋がみえたのだ。たまたま、住人が入って来たところだった。
 ブロンドのポニーテールをゆった年頃のそれは、俺の枯れかけていた欲情を
再燃させるには申し分ないほどに美麗で、俺はついみとれて、床へとまっさかさまに
落ちそうになった。
 俺の尻から出る粘り強い糸がなければ、床に叩きつけられペシャンコになっていたか、
鋭く目を光らせて部屋を徘徊する毛むくじゃらに、パクリとやられていただろう。
 思い起こせば、なんとも恐ろしい話だが、その時の俺にとっては、そんな不安は
どこ吹く風だ。俺はそれほどまでに、垣根ひとつ向こうのその女に、身も心も奪われていたのだ。
 ただ、長年愛用してきたこの巣を離れることはやはりさびしく、慣れない外に出ることへの不安もある。
 そういうわけで、なかなかふんぎりがつかず、そのままでいた。
 ところが、その数日後に住人から『厄介払い』をくらって追い出されることとなった。
 長年愛用してきた巣を離れることは、足を一本、窓に挟んで裂かれてしまうような痛みと絶望感にも等しいものだ。
 しかし、ちょうどいいきっかけとなったのも事実だ。
 これで、あの子のところへ行けない理由は消えたのだから。
315名無し物書き@推敲中?:2008/04/04(金) 22:43:25
>>312
リライト依頼時にクモが主人公だと書くべきだ
その設定が判らんと文章の味が死ぬ
>思い起こせば恐ろしいことだが、その時の俺に言わせれば、そんな不安はど
>こ吹く風だ。
この行があからさまにおかしい
読点の前後が繋がっていない
316315:2008/04/04(金) 22:58:06
>>312
ちなみに>>315でリライトしていない理由はお前の文章にリライトは不要と思ったからだ
酷評スレを読んでみたいな。今行ったら落ちてた
317リライト希望:2008/04/05(土) 08:58:52
巫呪

 遠乗りに出かけた兄が花を摘んで戻りました。
 略奪もこの頃ではすっかり形骸化していて、相手方に事前に対価を支払い、騎獣に輿を置くといった具合なのですが、兄は文字通り目についた花を無造作に手折ったのでした。
 それは廿をいくつかすぎた巫で、まだ十二分に美しいのですが、まったく口をきかず、また満足に歩くこともしませんでした。
 のどを焼かれ、足の腱を断たれていたのです。
 私はどんな罪人を掠めてきたのかと詰め寄りましたが、兄は神殿で見かけたのだと言うばかり、花を着飾らせて楽器など奏でさせるのでした。
 女巫であれば私も目くじらを立てたでしょうがが、花は二重に機能を失った男巫であったので、忙しさもあり放っておきました。
 神殿からは巫を返せと幾度も使者を寄越しましたが、兄は充分な対価を置いてきたのだからと譲りません。
 今、私は昼日中から花と戯れる兄に代わって執務をこなしています。
 花はあと数年保つでしょう。
 その間に、私はゆっくりと兄王を追い落とせばいいのです。
 満願成就の暁には花の目を潰して神殿へ返しましょう。
 巫の呪力とは、そうして強まっていくものなのです。
318名無し物書き@推敲中?:2008/04/08(火) 03:09:54
巫呪 (添削のみ)リライトは必要か?

 遠乗りに出かけた兄が花を摘んで戻りました。
 略奪もこの頃ではすっかり形骸化していて、相手方に事前に対価を支払い、騎獣に輿を置くといった具合なのですが、兄は文字通り目についた花を無造作に手折ったのでした。
 それは廿をいくつかすぎた巫で、まだ十二分に美しいのですが、まったく口をきかず、また満足に歩くこともしませんでした。のどを焼かれ、足の腱を断たれていたのです。
 私はどんな罪人を掠めてきたのかと詰め寄りましたが、攻める言葉を鼻で笑い兄は神殿で見かけたのだと言うばかり、摘んで来た花を着飾らせて楽器など奏でさせるのでした。
 女巫であれば私も目くじらを立てたでしょうがが、花は二重に機能を失った男巫であったので、忙しさもあり放りおきました。
 神殿からは巫を返せと幾度も使者が参りしましたが、兄は充分な対価を置いてきたのだからと執り成しません。
 今、私は昼日中から花と戯れる兄に代わって執務をこなしています。
 花はあと数年保つでしょう。
 その間に、私はゆっくりと兄王を追い落とせばいいのです。
 満願成就の暁には花の目を潰して神殿へ返しましょう。
 巫の呪力とは、そうして強まっていくものなのです。
319名無し物書き@推敲中?:2008/05/19(月) 01:15:56
保守
320名無し物書き@推敲中?:2008/06/07(土) 15:16:25
>>317
巫呪

 遠乗りに出かけた兄上が花を摘んで戻りました。
 掠奪もこの頃ではすっかり形ばかりになっており、
 相手方には前もって話がついていて、騎獣に輿を置くといった具合なのですが、
 気まぐれな兄上は目についた花を文字通りに手折ったのでした。
 それは廿をいくつかすぎた巫で、まだ十二分に美しいのですが、
 まったく口をきかず、また満足に歩くこともしませんでした。
 のどを焼かれ、足の腱は断たれていたのです。
 どんな罪人を掠めてきたのかと詰め寄る私に、兄上は神殿で見かけたのだと言うばかり。
 少しも意に介さず花を着飾らせては楽器など奏でさせるのでした。
 女巫であれば私も目くじらを立てたことでしょう。
 ですが、花は二重に機能を失った男巫であったので、忙しさもあり放っておきました。
 神殿は巫を返せと幾度も使いを寄越してきましたが、
 兄上は見合うだけの物は置いてきたのだからと譲りません。
 今、私は昼日中から花と戯れる兄上に代わって政をこなしています。
 花はあと数年保つでしょう。
 その間に、私はゆっくりと兄王を追い落とせばいいのです。
 満願成就の暁には花の目を潰して神殿へ返しましょう。
 巫の呪力とは、そうして強まっていくものなのです。
321名無し物書き@推敲中?:2008/06/07(土) 15:18:50
基本的にリライトはいらないとは思う。
まあ暇だからあえてやってみた。

変えたところは二点。
一つは熟語を減らしたこと。
形骸化、無造作などです。
「気まぐれ」と「無造作」ではニュアンスが若干違ってしまうが、
「何気なく」とするよりはいいと思った。

もう一点は

>騎獣に輿を置くといった具合なのですが、
>まだ十二分に美しいのですが、
>詰め寄りましたが、
>目くじらを立てたでしょうが、
>使者を寄越しましたが、

のように、「〜でしたが、〜でした」という構文が多すぎるところ。
人物の癖と言われればそれまでだが、書き手の癖なら一考の余地あり。

あとは細かいところ。

>兄は文字通り目についた花を無造作に手折ったのでした。

ここは「文字通り」が掛かる「手折った」と離れているのでいじってみた。

>神殿からは巫を返せと幾度も使者を寄越しましたが、

ここはてにをはがおかしい。

兄→兄上
これはどっちでもいい。
322名無し物書き@推敲中?:2008/07/01(火) 19:18:00
>>317 巫呪
一つ質問ですが、文章が男目線です。
語り手は若い男でいいのですか?
もし違うならキャラ立てを失敗しています。
323322に追加:2008/07/01(火) 19:22:34
>>317
あなた(作者)が女性で語り手が若い男なら成功しています。
324名無し物書き@推敲中?:2008/07/07(月) 22:54:02
良スレage
325名無し物書き@推敲中?:2008/07/20(日) 10:58:50

外見に幼さを残したまま成長した大人の女性の声だった。

初心者ですが
上の文にどうも違和感があって……

大丈夫ならそれでいいけど、とにかく伝わらない感じがします。
書き換えても同じようなものになって……

ご指導お願いします
326名無し物書き@推敲中?:2008/07/20(日) 11:12:52
まったくおかしくない
327名無し物書き@推敲中?:2008/07/20(日) 12:33:58
最終的に声について記しているのに、外見で始まるのは確かにおかしな感じだ。
328名無し物書き@推敲中?:2008/07/20(日) 13:23:36
電話とかならそうだが 姿が見えるなら別におかしくない
329名無し物書き@推敲中?:2008/07/20(日) 19:07:34
>>325です

なんか 大丈夫そうなのでこのまま行きます

ありがとうございました
330名無し物書き@推敲中?:2008/07/20(日) 19:14:54
>>325
よくない文章だな。
女性の声がどんな風なのか説明してる文章のように読めてしまう。
「外見に幼さを残したまま成長した大人の女性」
がどんな声を出すのか自分にはようわからん。


容姿には幼さを残しているが、声は大人の女性のものであった。

簡単にこんな感じでいいんじゃない?




331名無し物書き@推敲中?:2008/07/20(日) 20:05:29
>>325です

説明不足かも、です

捕捉
・まったく静かな場所で不意に誰かの声が聞こえてそっちを見た感じの場面
・女性と自分は他人なので名前なし
・驚いた訳ではなくて、何となく向いた感じ
・女性も怒鳴った訳ではなく、電話等でほのぼのと会話してるだけ
と考えてください。

だから
幼さの残るまま成長した大人の女性 が 彼女が声を出した
って書きましたが、何かがシックリこなくて……

大丈夫なら大丈夫で大丈夫です
ただただ伝わらない感じがして
お願いします
332名無し物書き@推敲中?:2008/07/20(日) 20:20:33
>>331
全然大丈夫じゃない。
333名無し物書き@推敲中?:2008/07/20(日) 20:34:52
誰かが声を先に聞いて、声と声の主の外見との間に
感じたギャップを表現したいなら、>>325は適切とは言えない。

まず声を描写して1センテンス。
振り返りながら声を補足して1センテンス。
声の主を描写して1センテンス。
声と容姿との対比を表現して1センテンス。

どうせやるなら、上記のように3〜5のセンテンスで1つの段落を
形成したほうが書きやすく、判読もしやすい。生命線はテンポ。
334名無し物書き@推敲中?:2008/07/21(月) 16:44:10
>>325です

自分で納得できる形にまとまりました

色々アドバイスありがとうございました
335名無し物書き@推敲中?:2008/07/21(月) 19:48:44
よかったね。原文のままってことねw
336名無し物書き@推敲中?:2008/07/21(月) 19:55:46
センスゼロだな
337名無し物書き@推敲中?:2008/07/22(火) 22:48:09
荒れるからカエレ
338名無し物書き@推敲中?:2008/09/19(金) 21:40:21
2008/07/22(火) 22:48:09
339名無し物書き@推敲中?:2008/09/19(金) 21:54:47
ぱっと見、幼く見えたが声は大人の女性だ。

どう?>>325さん。
340名無し物書き@推敲中?:2008/09/19(金) 22:05:26
外見は幼く見えるが意外な大人の女性の声だ。

外見に幼さを残すも声はしっかり大人の女性のものだ。
341名無し物書き@推敲中?:2008/09/24(水) 02:52:21
通りを風が吹き抜け、道に散る枯れ葉を巻き上げた。舞い上がる葉を追うと視線が移り微かな白雲も無い広大な青の世界に目を奪われた。
じっと見つめると青は濃紺へと変わりついには黒一色となり見上げているはずの自分の天地が無くなりそのまま闇へと落ちていってしまうような錯覚に陥ると、慌てて地上へと顔を戻した。やはり空には雲が必要である。
雲があれば空の高さが分かり、また人の哀しさにも気付く。
そんな思いに浸っているとどこからか風が甘い香りを運んできた。
342名無し物書き@推敲中?:2008/09/24(水) 07:06:52
>>341
〈視点がぶれたままですが、原文を大きく変えない方向で〉

 通りを風が吹き抜け、落ち葉を巻き上げる。舞い上がる葉につられ、見上げると、雲一つない広大な青の世界に目が吸い寄せられた。
 たちまち青は濃紺へ、そして黒一色となり、ついには天地が無くなって、そのまま闇へと落ちて行ってしまうような錯覚に陥りそうになる。
 これで雲があれば、どこまでも堕ちるような不安感は少しは薄れるのだろう。結局それが己の限界、小さな世界に収まることで満足する程度の器なのか。
 そんな思いに浸っていると、風がどこからか甘い香りを運んで来た。
343名無し物書き@推敲中?:2008/09/24(水) 15:12:08
>>342
原文のほうがいいよ。
344名無し物書き@推敲中?:2008/09/24(水) 15:21:15
>>342
何故雲があったほうがいいのか分かってないんだな。

雲があればいいのにと望むとどうしてそれが己の限界を感じることになるの?

ラノベ?

原文は深いねー。
345名無し物書き@推敲中?:2008/09/24(水) 15:28:46
>>342
視点ぶれてるか?
ぶれてないだろ。
346名無し物書き@推敲中?:2008/09/24(水) 15:51:33
>>341
通りを吹き抜ける風が、くるくると枯れ葉を巻き上げる。目を細めて舞い上がる葉を見やるうちに、空の青さから視線を外せなくなった。
ほんのわずかな雲の白さえ無い、どこまでもよどみなく視界を覆う、青。
見つめるうちにその青色が濃紺へと変わりついには黒一色となり、見上げているはずの自分の天地が消失しそのまま闇へと落ちてゆくような錯覚に陥る。慌てて地上へと顔を戻した。やはり空には雲が必要だ。
雲があればこそ空の高さを知り、また人の哀しさにも気付くことができる。
そんな思いに浸っていると、風がどこからか甘い香りを運んできたのに気付く。
347名無し物書き@推敲中?:2008/09/24(水) 16:02:36
通りを風が吹き抜け、道に散る枯れ葉を巻き上げた。舞い上がる葉を追って視線が移ると、微かな白雲も無い広大な青。その世界に、抗いようもなく目を奪われた。
じっと見つめると青は濃紺へと変わり、ついには黒一色となる。その変遷に、空を見上げているはずの自分の天地が無くなってそのまま闇へと落ちていってしまうような錯覚に陥り、そこで慌てて地上へと顔を戻した。やはり空には雲が必要である。
雲があれば空の高さが分かり、また人の哀しさにも気付く。
そんな思いに浸っていると、どこからかやってきた風が、どこからか甘い香りを運んできた。
348名無し物書き@推敲中?:2008/09/24(水) 21:34:14
>>344
>>345
すみません。

>>346
いい感じですね。
349名無し物書き@推敲中?:2008/09/24(水) 22:29:17
>>341
 通りを風が吹き抜けた。舞い上がる枯れ葉を目で追ううちに、雲ひとつない青の世界に引き込まれていた。
 みるみるうちに青は濃紺へ、濃紺から黒一色へ変わる。天地の感覚が曖昧になる。そのまま闇へと堕ちて行ってしまうような錯覚に、慌てて視線を地上に戻した。
 やはり空には雲があった方がいい。空の高さを知り、人の哀しさにも気づくことができる。
 そんな思いに浸っていると、どこからか風が甘い香りを運んで来た。
350名無し物書き@推敲中?:2008/11/04(火) 00:19:35
保守
351名無し物書き@推敲中?:2008/11/04(火) 08:34:35
ラノベの作家の地の文は硬いからねえ
西尾なんたらとかもそうだけど、いまどきそんな熟語使わないよ
ってことばを平気で使う
352名無し物書き@推敲中?:2008/11/05(水) 21:57:34
>>341
通りを風が吹き抜け枯葉を巻き上げた。
舞い上がる葉を目で追っていると、広大な青の世界が飛び込んできた。
見上げる空の青はいつの間にか濃紺へと変わり、いつしか黒一色となる。
平衡感覚を失いそのまま深い闇へと落ちてしまうような。そんな錯覚に陥り、あわてて顔を戻した。
空にはやっぱり雲が必要だ。
雲があれば空の高さが分かり、人の哀しさにも気づく。
ふわふわと思いに浸っていると風が甘い香りを運んできた。
353名無し物書き@推敲中?:2008/11/07(金) 20:07:44
本スレ116リライト

俺tasteできた!
ちょっと薄味だしわざとらしいかも。いや、ごめんなさい。

 変わり者だよね・・・前の夫に、何度そう言われたことだろう。
私は昨日まで重かったお腹を撫でながら、彼と、生まれてくるはずだった赤ちゃんのことを考えた。
前の夫が再婚した。そしてそれと同時にお腹の子は消えてしまった。
心に、穴が空いた。
 やはりわたしは変わり者なのだろうか。今の夫は、わたしの生い立ちを知った時、信じられないという顔と、失敗したとしかめた顔をした。
そして気味悪がるような様子さえ見せた。普通だったら悲しむのだろうけど、わたしはそれを気にもとめなかった。
しょうがないよと思った。でも、どうして今になってそんなことを思い出すのだろう?
 わたしは普通の女だったらよかった。

 彼が再婚した日から3日が過ぎた。心の穴は何かを求めていた。
 冬。照る太陽さえも歯が立たない寒さの中、私はいてもたってもいられなくなり、ティーシャツに短パンだけで元夫の家へ向かった。
ぼさぼさの髪はそのままに、化粧もせず異様に小汚い姿で。
慰めて欲しい悲しんで欲しい――そんな気持ちで胸がいっぱいで、この時は自分のしている事が非常識だなんて思えなかった。

 見慣れたマンションの前に着くと、3階のあの部屋のベランダを見上げた。
わたしには、懐かしい家に帰って来たと言う気持ちが自然で、
今は新しい家庭があって私は他人なんだと言う考えが不自然に思えた。
見慣れた狭いエレベーターに乗って、いつものように3階を押して、着いたら廊下を15歩歩いて玄関の前に立つ。
そしてそのドアを開けて、「ただいま」と言ったって構わないんじゃないかと思った。
夫は少し驚いた顔をして、優しく迎えてくれるんだ。「遅かったね」って。そしてわたしは泣いてもいいのだ。
 前を向き、歩き出すと、頬を涙がつたった。
354名無し物書き@推敲中?:2008/11/07(金) 21:12:40
ここ偽スレだったの?
355名無し物書き@推敲中?:2008/12/22(月) 13:08:27
そうなの?
356名無し物書き@推敲中?:2009/01/14(水) 10:54:02
ちがうよ(´・ω・`)
357名無し物書き@推敲中?:2009/01/14(水) 17:07:37
>>341

> 通りを風が吹き抜け、かさかさと枯れ葉を巻き上げる。空へと舞い上がる枯れ葉を目で追いかると、雲一つ無い広大な空に思わず見とれた。
> じっと見つめると青は青に重ねて、それは次第に紺なのか、黒なのか、曖昧になって、紙にこぼしたインクのように自分や影を包み込んでいく。このまま影も自分もわからなくなって全部、闇に包まれてしまいそうで。夜空に届きそうで、墜ちていく。
 その感覚が妙に心地よいのが恐くなって、慌てて地上に視線を戻した。
 良かった。まだ大丈夫。
 やはり空には雲が必要だ。
> 雲があれば空の高さが分かるから。星にすら手が届きそうなんて考えないですむから。夜は暗い。闇と自分と影の境目がわからなくなって、人は夢を見てしまう。昼ならそんなの無謀だって気づくのに。夜は。
> そんな思いに浸っていると甘い香りがふわふわと木枯らしに乗って、誘ってきた。
358名無し物書き@推敲中?:2009/01/15(木) 01:14:47
元が元だからこれ以上はいいよ。
359名無し物書き@推敲中?:2009/01/15(木) 09:15:40
それより引用じゃないのに引用符は不要
3601/2 ◆yVLRSvhMc6 :2009/02/28(土) 01:53:31
リライトお願いします。以前酷評スレに持ち込んでいます。
2007年か08年現在ぐらい(要は最近)の時代設定で、大学生による一人称語りということで、できれば
ラノベ(キャラクタ小説)的ではない方向での書き直しを希望します。

 思うに、昨今の大学生は大抵大学生活というものに非常に華やかな印象を抱いている。そして己も大学生
であるのだからそうあらねばならない、さもなくば損だしみっともないという思いに知らず知らずにとらわ
れている。だから寂しい奴と思われたくなさにあちこちで仲間を作って組みながら飲み歩いたりするようで
ある。
 ところで、私の場合は事情が違っていた。一般的に思い浮かべられ憧れられる大学生像と、私自身とがあ
まりにもかけ離れていたせいである。まず私は下戸だった。それも生半可な酒嫌いではない、体質的なアレ
ルギーの一種と類しても良いほど酒がだめなのであった。日本酒などなら一口で倒れかねない。身内に急性
中毒で命を危うくした者もいる。要するに血筋なのだ。血筋なのだから仕方がない。そしてそれのせいかそ
れともその原因かはわからないが、私自身の味覚も幼く、上質ワインよりもブドウジュースの方がよっぽど
の美味に感じるのもある。これらが手伝ってまず酒の席に出づらくなった。初めは誘いを断るのもなんだと
思い招ばれれば顔を出してはいたが、皆が酔って声高に楽しげなお喋りをしているところに素面でニコニコ
し通しでいられるほど器用でもずぶとくもない自分に気がつき、馬鹿馬鹿しいやら気まずいやらで自然と彼
らとは疎遠になった。こうして大学生の必需品である「楽しく酒を呑む友」はまず絶望的になったわけであ
る。嗜みの代表である酒がこうして潰れたのだから、他に友人を作るには勉学か趣味かしか選択肢は無い。
3612/2 ◆yVLRSvhMc6 :2009/02/28(土) 01:53:52
ところが私は勉学の方もまるっきりだめだった。説明されたことは理解できるが自分で頭を使って考えたこ
とが的を射たことが一度もない。この機転の利かなさ、頭の回転の悪さで勉学を話題に人と喋ることができ
るわけがなかった。向こうの話が理解できないばかりか、こちらからも何を言って良いのかわからないので
は会話がある方がおかしい。思えば何故大学に入ろうなどと考えたのか、そしてどうやって大学に潜り込む
ことができたのか。とにかくこのように勉学もだめであったのでその方面の人間と仲良くすることもできな
かった。残るは趣味であったがこれも言うまでもなくだめであった。私は歌を歌うのが好きだったが人前で
歌うことは大嫌いだった。ひどい音痴で過去に何度辛酸を舐めたかわからない。わざわざそれがわかってい
て再び苦い思い出を作る必要もあるまい。ということで友人を作るどころか歌を愛していることを表に出す
ことすら慎んだ。
 結果として私は四面楚歌どころか、空気か水蒸気のような気体的存在として社会において半透明になりつ
つ気がつくと既に五月を迎えていた。そこに加えて一人暮らしという生活の形態がいつの間にかひどい乱暴
者を私の日常に連れ込んでいた。


以上です。よろしくお願いします。
362名無し物書き@推敲中?:2009/02/28(土) 05:14:39
「が」が多いので

説明されたことは理解できるが、自分で頭を使って考えたことで的を射たことなど一度もない。
363名無し物書き@推敲中?:2009/02/28(土) 08:03:24
リライトしました

 私は下戸だ。音痴だ。勉強も苦手だ。
 華やかな学生生活を夢見ていた私にとって、これはどういう意味を持つのか。
 世の中には苦渋というか、辛酸を舐めるという経験をしている人間は数多くいる
のではないかと思う。だが、それらの苦しみを、他人は理解しようとしない。それ
は何故か。結局、本人の受け取り方、能力の問題に尽きるからだ。
 でも、私が下戸なのは私のせいではない。血筋なのだ。親戚の中にはアルコール
で命を落としかけた者もいる。飲めなくても宴会に出て、ニコニコと付き合ってみ
せる方法もある。だが、私にはそれが出来なかった。不器用なのだ。つまり、これ
は体質ではなく、力量が足りないということなのか。
 音痴はどうだ。少なくとも、私は歌う事は大好きだった。しかし、人前で歌う事
が大嫌いだった。ひどい音痴のくせに歌を愛している、ということを他人に知られ
たくないのだ。
 勉強にしても、頭の回転の悪さは、嫌になるほど自覚している。それなのに大学
に入ってしまった。もちろん、周囲の話題についていけない。なにしろ、相手が言
ってることを理解できず、当然自分も何を言ったらいいのかわからないからだ。
 大学の仲間たちは、彼らのイメージ通りの学生生活を送るべく、私の苦手なこの
三課目を操って、少なくとも寂しい奴と思われないように振舞えている。
 私は駄目だった。下戸で音痴で馬鹿だから。四面楚歌とはまさにこのことだ。
 五月、一人暮らしの私は、いつの間にか、空気か水蒸気のように、社会において
半透明な存在になっていた。
以上


本文の最後の一文の意味がどう読んでもわからず、放置しました。ごめん。
なるべく作者の意図を組んで文体も似せて、
かつ、簡潔にしてみたつもりだけど、難しいね。
書いてて、「ああっ、自分だったらこうは書かないのにっ」と、
何度もジレンマの発作が起きました
364名無し物書き@推敲中?:2009/02/28(土) 21:31:39
>最後の一文
よくわかんないけど、一人暮らしだと家事とかやるのも大変だし、
生活が不規則になって健康とか精神的安定とかが保てなくなっていってるなぁという事なんじゃないか
まあ様は「一人暮らし大変。僕疲れてきたよ・・・」って意味だと思ったんだけど
365名無し物書き@推敲中?:2009/03/01(日) 09:29:02
それも一瞬思ったんだけど、
ひどい乱暴者、という表現が気になったんだよなー
もっと何か含みがある気がして。

ていうか、依頼主はドコ行った?
366 ◆yVLRSvhMc6 :2009/03/02(月) 21:48:38
>>365
すみません、ココにいます。

>>362>>363
リライトありがとうございました。
>>362の指摘はごもっともなところでした。音読してちょっとテンポが面白いかなと思ったので
放置したのですが、目について良くなかったですね。
>>363のリライトと比較して、自分は無駄にくどい文体で書いているなと気づきました。
こんなにコンパクトにまとめられるものなんですね…。
>「ああっ、自分だったらこうは書かないのにっ」
そこはぜひ「自分だったらこう書く」もお聞きしたいです。

リライトをお願いした部分は物語冒頭の抜粋で、これから主人公のところに
ある面倒ごとが持ち上がって来るというくだりへの導入部でした。
最後の文はそこにつながる部分で、同じ段落に入れていたので深く考えずそのまま貼ってしまったのですが、
あとに続く部分が無いと意味不明ですね…削っておけばよかったです。すみません。
リライトありがとうございました。
367名無し物書き@推敲中?:2009/03/03(火) 00:52:21
>>360

 今どきの大学生はキャンパスライフに華やかな印象を抱いている。彼らは今を楽しまなきゃ損だと言い、縛られているかのように授業をサボり、街を歩き、学生時代を謳歌しようと熱心だ。
そのためには、機会があればあちこちで仲間を作って組みながら飲み歩いたりする。
彼らにとって、恐ろしいのは退屈や孤独で、みじめになりたくないと、ダサいなんて言われたくないと、呪縛に捕らわれたかのようにスケジュール帳とケータイのアドレス帳を埋めようとする。
 だから私みたいな日常を送ることが彼らにとっては「ありえない」かったのである。
 きらびやかなキャンパスライフと私はあ
まりにもかけ離れていた。まず私は下戸だった。それも生半可な酒嫌いではない、体質的なアレ
ルギーの一種と類しても良いほど身体は酒を受けつけなかった。

アイデアは面白いと思います。それと大学生だからもっと砕けた文体でいいかなぁと。
368名無し物書き@推敲中?:2009/03/16(月) 05:14:45
リライ

「アサヒより、キリンのほうが美味いんだ」。
大学に入って、最初の宴会で隣の男に言われた一言だが、今でも鮮やかに思い出せる。
その時の僕は愛想笑いを浮かべ、さもその気持ちが分かるような振りをして、思い切りよく口にビールを運んだ。
直ぐに口中に苦味が広がった。
僕は下戸である。
だからアサヒだろうと、キリンだろうと、どっちでもいい、酒そのものを美味いと思ったことが無いのだから。
しかし大学生活を続けていく上で、酒は友達を作る重要な、云わば科目のようなものだ。
だが僕の場合は、絶望的にその科目は取れそうにない。
その日も、一口飲んだだけで顔中が熱くなり、強烈な頭痛が襲い、視界はぐるぐると回りだした、が、何とか倒れるのだけは、耐えることが出来た。
もはや体質的な問題であり根性等でどうにかなるものでは無かった。
その証拠として、親類には危うく命を落としかけた人もいた。
父の弟、つまり僕の叔父に当たるヒロシおじちゃんは、やはり大学生の時に、飲み会で一気をやらされた(新入生恒例のアレ)その直後に、みるみる顔色が真っ青に変わっていき、口から泡を吹いて倒れた、直ちに病院に運ばれが、そのまま二晩生死をさ迷った。
その時、祖母(つまり叔父の母)は、もしかしたら助からないかもしれないと、仏壇から位牌を持ってきて、病室の枕元で何度も「ヒロシをどうか連れ戻してください」と位牌に向かって頼んでいたそうだ。
当然、叔父はそれ以来、酒を飲むことはなくなった。
369名無し物書き@推敲中?:2009/04/19(日) 14:35:51
「ハァーアンッ リライ(ト)ッテナニソレ? オンナノコ キモチ
ウッフン〜ギャグシ〜〜 マグナム〜〜〜〜〜□?(;;)〜〜〜
タベレル? オイシイ? スッポンポン〜!!○×▼Ω!!」

 ……僕の指は虚しく麒麟の汗を拭う。
 僕は酔えない。というか、飲めない。一滴も。一族郎党、
両親共の下戸。アルコールに対する遺伝的免疫が0(ゼロ)なのだ。
これは大学生的には甚だ面白くない。
今、人数合せに駆り出されたコンパでカラオケに来ているのだけど、
好きでもない女の子のキンキン声など素面で耐えられるもんじゃない。
僕は盛り上がってる部屋をそっと抜け出し、廊下で落ち着く。

 父の歳の離れた弟、ヒロシ叔父さんは匂いだけでも顔が真っ赤になる。
歳が近く気安い、今は某IT関連企業でサラリーマンをやってる叔父さんに、
お酒飲めなくて大学時代にお酒が飲めなくて困らなかったかどうか聞いてみた
ことがある。
 新入生歓迎会の一気で、泡を吹いて悶絶。生死の境を彷徨ったそうだ。
そのとき、介護してくれたのが今の奥さん、トキエ叔母さんだそうで、
のろけまくられた。その、のろけの最中、一時、表情を引き締めて、
ヒロシ叔父さんが言うには、

「酒は飲めなくても構わん。下戸なら周りにはっきり断って飲むな。
意識が他より明瞭な分、空気を機敏に読み取れ。話術で周りを楽しませるんだ。
飲めないこと自体、ネタの一つにでも出来れば、まあ、一人前だ」

……………僕は人と喋ること自体あまり得意じゃない。特にお酒席だと、
気持が萎縮してしまって巧くしゃべれない……………特に女性相手だと。
370名無し物書き@推敲中?:2009/05/12(火) 11:32:29
会話文だけできたのですが、その他のリライトお願いします。


「結局のところ“自発対称性の破れ”ってのはなんなんスかねぇ」
「解説しましょうか?」
「お願いしまス」
「例えば、常温の部屋に氷を放置すれば解けて水になってしまうでしょう。それと同じで、
超新星爆発で生まれた宇宙の素になった物質も、空間に存在するうちに平衡状態を保てな
くなってしまうんです。本来対称性を保っている物質はまだ未発見の物質とぶつかり対消
滅して無に帰るわけなんですが、それが出来ずに何割かの物質が残る。自然に平衡が崩れ
るというその現象を自発対称性の破れと言うんです」
「へーそうなんスか」
「……本当に聞いてました?」
「はい。今ので小林益川理論の解説を聞いても理解出来なそうって事がわかったっス」
「そうですか。僕にとっちゃ化学より物理より生物の方がよっぽどややこしく感じますけ
どね。酵素とかわけ分かんなくなりません?」
「えーでも面白いんスよ?分子標的薬剤による癌治療とか聞くとゾクゾクしません?」
「僕は医療の進歩ってむしろ怖いです。だって死因No.1の癌まで治せるようになっち
ゃったらもう人間死にませんよ?“メトセラの子ら”みたいな長寿人類が“ソイレントグリーン”をむさぼる世の中になりそうで」
「はは、多分そこまで僕ら生きてないっス。でも癌のみについて言えば根治なんてすぐでスよ。腎不全治療で研究されてきたHGF(肝細胞増殖因子)が癌細胞の成長を促す物質だってわかってから、実際に分子標的薬剤開発が始まっていますから。5年以内に新薬発表らしいっス」
「……今度はこっちがついていけませんでした」
「ん、医療の話か? コーヒー淹れてやるから私も混ぜてくれよ、理系インテリの諸君」
371名無し物書き@推敲中?:2009/05/18(月) 22:49:16
 カーズが円卓の上にドンと剣を落とすと、俺は卓上から脚を払われ尻餅を付く形になった。
オマールが口を開く。

「結局のところ“自発対称性の破れ”ってのはなんなんスかねぇ」
 ああ、異世界の話か。俺は、石畳につっぷして、狸眠り。

「解説しましょうか?」
 カーズが付き合ってやるようだ。

「お願いしまス」
 オマールの第三の目がギラリと妖しく光る。

「本来対称性を保っている物質はまだ未発見の物質とぶつかり対消滅して無に帰るわけなんですが
…………るというその現象を自発対称性の破れと言うんです」

「へーそうなんスか」
 オマールの奴、自分で話を振った割には、気のない返事をしやがる。何かあるのか?

「……本当に聞いてました?」
  カーズは眼鏡の智を人差指で押し上げる、お得意のポーズで聞き返す。

「はい。今ので小林益川理論の解説を聞いても理解出来なそうって事がわかったっス」


(あとはパス。オチは誰かヨロシコ?)
372名無し物書き@推敲中?:2009/07/03(金) 12:33:20
リライトお願い。シュールでファンキーでナンセンスなやつよろしく。


「ねえ、伊井くん、その、――いいかしら?」
「――ああ、構わないよ」
昼休み、教室で、少年は声をかけられた。伊井と呼ばれた彼は、細身で色白で、儚げな空気を纏っていた。
伊井は頷き、シャツをたくし上げた。そして少女から顔をそむける。少女は手に持った鉛筆を伊井のヘソへと差し込み――
ガガガガガガガガッ
突然、伊井の鼻から木屑が飛び出してきた。伊井の向いている方向にいた生徒が「イテテテテテテテテッ」と悲鳴をあげ、気絶した。
「伊井くん、いつもありがとう。流石は秘密組織の人造人間ね。この学校鉛筆削りがないから助かるわ」
「お安い御用さ。僕の特技だからね。――っと、電話だ。もしもし。……はい、はい、すぐ行きます」
彼は携帯電話を閉じ、少女に言う。
「用事が出来た。先生に、気分が悪くなって早退したと伝えておいてくれ」

とある高層ビルの最上階、ブラインドの閉じきった部屋。そこには男たちが詰め寄っていた。
「本当に、いいんだね」
「……お願いしやす」
強面の男が、伊井に左手を差し出し、その小指を伊井のヘソへと入れる。
瞬間、耳障りな、硬いものを砕く音が、部屋中に響いた。
同時に、伊井の鼻からは赤い血とミンチが飛び出し、男の顔と伊井の制服を汚した。
音が止む。伊井が口を開く。
「おめでとう。これで君も、檻加羅組の仲間入りだ。今後の活躍を期待している」
「……がとッ……ごぜ……やすッ」
周囲から拍手が送られる。伊井はハンカチを取り出し、男の血まみれの手を優しく包み、手近なものに手当てをするよう指示した。
「さて」
伊井は、顔に付いた血を拭いもせず、部屋の隅に顔を向ける。
そこにいた、縛り付けられている男が、びくっ、と震えた。
「織瀬津組の方ですよね。少し、お話をお伺いします。……大丈夫、命までは取りませんから」
373名無し物書き@推敲中?:2009/07/07(火) 12:17:19
その時有紀子は、特急スーパーあずさの座席に座っていた。そこから、新宿駅のホーム
を見ていた。ホームの人たちの話し声や、歩く音は、もちろん車内にいる有紀子までは
聞こえてこなかった。新宿の雑踏から解放されて、有紀子はなんとなくホッとした気持
ちでいた。有紀子は、ちょうどこれから、甲府の実家へと帰るところだった。
 新宿駅の構内の売店で買った、サンドイッチを食べるのは、もう少ししてからにしよ
う。喉が渇いたから、その前に紅茶でも飲むことにしよう。そう思って、同じ売店で買
ったペットボトルの紅茶を取り出す。このシリーズの紅茶は、適度に甘いけど、カロリ
ーがゼロなので有紀子は気に入っている。
 紅茶を飲んだあとで、有紀子はニンテンドーDSを取り出してクイズのゲームを始め
た。有紀子が退屈な時にいつもやっているゲームで、正解するとそれなりに楽しい。例
えば、有紀子に出された最初の出題は、『ニカラグアの首都はどこでしょう?』という
問題だった。選択肢は、1.サンホセ 2.マグアナ 3.グアテマラ 4.ブエノス
アイレス。と、四つ。4のブエノスアイレスは、アルゼンチンの首都だから違うだろう。
3のグアテマラは、ニカラグアと同じく北中米の国の名前。ここまでは、有紀子にも簡
単にわかった。でも、1のサンホセか?2のマグアナかは、北中米の地理に詳しいわけ
ではないから、有紀子にはよくわからなかった。仕方がなく、ほとんどただの勘で、2
のマグアナを回答してみる。すると運がよく正解となった。ゲームの解説者のキャラク
ターの教授が笑っている。彼によるところ、1のサンホセは、ニカラグアの隣国、コス
タリカの首都だった。そういえば、聞いたことがある名前のような気がした。これは、
なかなか難しい問題ね。有紀子は、正解できてなんとなく微笑んだ。すると、ニカラグ
アの人口は、約500万人で、言語はスペイン語。カトリックの国だとキャラクターの
教授が解説で教えてくれた。
 そんな、ゲームを何題か解いてから、有紀子はサンドイッチを食べ始めた。特急列車
は、武蔵野の大地を走っている。車窓から有紀子が見渡すかぎり、住宅やビルが広がっ
ていた。東京は、やはり広いと有紀子はあらためて思った。
374名無し……:2009/07/09(木) 21:57:11
面白そうなスレだとROMりに来たときには、もう、誰もいないビーチ状態で……
元からの住人、どこに消えちまったんだろ〜ね?

>>372
固有名詞を駄洒落系にして、自分でリライトしてみれば。
あと、「イテテテテテテテテッ」とか、なんとかならない?
(ってか、どこの生まれだよ?
日本では、シュールは東村山音頭、ファンキーは米×2クラブ、ナンセンスは基地外ぬこなんだぞ
)
>>373は、文末に「お」を入れると今風になるお。試してみるお。

 ☆ チン

        ☆ チン  〃  ∧_∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
          ヽ ___\(\・∀・)<  >>1まだおー?
             \_/⊂ ⊂_)_ \_______
           / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/|
        |  ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:| :|
375名無し……:2009/07/09(木) 21:58:06
 新宿8時00分発、特急スーパーあずさ3号。出発時刻まで、あと1分23秒。
有紀子は座席で背だけ立たせ顎を上げ、ぺットボトルから紅茶を2度、喉に流し込んだ。
実家のある甲府に9時23分、終着の松本には10時37分、到着予定。
隣の席の若いサラリーマン風体の男はアタッシュケースを足に挟んだまま、
既に仮眠に没入している。平日で手馴れた乗客が多いのか、整然と席の埋まった
車内は、駅構内の賑々しさから半ば切り離され、有紀子には妙に収まりが悪くも、
心地良くもあった。風景が流れ出す。
 サンドイッチと紅茶を補助テーブルに備え、
有紀子はバーバリーのバッグからニンテンドーDSを取り出す。
『ニカラグアの首都はどこでしょう?』四択の正解は2のマナグア。
DSの小さな画面の中で、実在の某タレント教授を模した、トンボ眼鏡のキャラクターが
正解を大袈裟に褒め称え、嬉々として解説をはじめる。有紀子は、適当に読み飛ばし、
幾度か褒められたり励まされたり。サンドイッチを頬張りながら横目で車窓の遠くを見やる。
群れなす一軒家、団地、ビル、ショッピングモール、キャンパス、目立つ煙突の工場、
西部ドームらしいスタジアムといった混沌とした郊外の街並みが、どこまでも広がっていた。

 「ほうだっちゅうこん、東京は広いじゃんけずら」

 有紀子は点のような人々に向かい独りごち、もう、故郷の言葉を準備してる自分の気早さに
ニンマリした。直に八王子盆地を入り抜け関東山地に入る。有紀子は今度は静に微笑した。



設定も山場も定めぬままで全体ぼやけた。原文、有紀子さんの情報、わざと伏せてる?
主人公キャラは好みで少しお茶目にしますた。
風景はでっちあげ、方言はニセ甲州弁ということでご容赦。
3761/2… ◆VYJDR8J2RQ :2009/08/05(水) 14:29:47
>>372 頑張ってリライト。いっちゃてる感じは凡そ原文に敵わない。
合理化しちゃって、なんかダメなの。センスがないって言われればそれまでおー(あっでもナシセンス)

※以下、不謹慎なものや暴力的なものが嫌いな良い子は読まないでねm(_ _)m



「ねーねー、飯野くん、いいの〜なんちって」

「…………」 

 南茅香は、承諾を待つことなく、犬介の学生服のシャツをたくしあげ、それを差し込む。

 シュワ〜ンギロギロ、ドロリン。独特の快音で最新の生体とニッケル合金の三重コーティング、
ポリバイオテック螺旋刃は少女に差し込まれた鉛筆をズンズン侵食する。
犬介の体内で分離された黒鉛は、鉄砲玉、ハートのスパイラルを描き、
運悪く斜め前の席をあてがわれていた男子生徒の後頭部にどッキュン。ツッぷらせる。
クラスメートは、端目にも気にかけやしない。茅香は、ボソッと、お礼をつぶやき……
あとは、削れ尖っ、、、究極にチビッた鉛筆に思いを馳せ、自分の世界に浸るのみ。
犬介は一発やった倦怠とも満足とも、どうでもいいよの放心で、グデグダ。

 疑問に思うものは誰もいない。見慣れたいつもの日常。
飯野犬介は町内公然の秘密組織バウバウアーのこれまたクラス公認の秘密諜報部員。幹部怪人でもある。
今日も今日とて、組織から電話一丁、学校をフケ、任務に向かう日々。ドッキン、バックン、アウー!
雄たけびとともに、今月13枚目の窓ガラスをぶちやぶりウイング全開愛機を飛ばす。
…………………………………………………………………………。
…………………………………………………………………………。
…………そうそう、鉄砲玉がどこから発射されたのかも公然の秘密。

3772/2… ◆VYJDR8J2RQ :2009/08/05(水) 14:31:45
※以下、不謹慎なものや暴力的なものが嫌いな良い子は読まないでねm(_ _)m



 ハマの高層、最上階。糸の切れかけたブラインドは閉じられたまま。
ドヤドヤドヤガヤガガヤヤ、絶不調の空調が暑苦しい部屋に肉厚な男たちと若干のおかま……ゲッ、まじ我慢大会。
いやいや、これから、身も凍る、惨劇のはじまりはじまり〜…………?

 新参の忠誠の誓い。犬介の腹の中、男の左腕は変容を遂げる。
足してやらなきゃならん材料は、古タイヤ1/4,アルミ缶2,スチール缶1,塩飴の包紙1,犬の尻尾の毛1房、以上。
不可逆な工程、しばしの悲痛、人生の哀歌、男は善戦空しく悶絶して果てた。今日の3分クッキング一丁あがり。
ふむ、どうも、先程、受け入れた茅香のアレの木屑が残っていたようだ、犬介はこっそり、舌打ちする。
一群の中から、嬉々キーな、おかまが進み出て甲斐甲斐しく介抱にあたる。皆、一度は通った道……アーメン。

 さて、メインイベント。犬介は、不敵にクールに額から余剰の血飛沫を吹き上げ、
引く人群の中央を歩み、問題の男に詰める。梁の下で怯える男の頬を一舐め。
これが噂の犬怪人のキッス。一舐めされた男は、犬の口臭の恐怖に喘ぎ声を漏らす。

「ドレインマウス組の方ですよね。少し、お話をお伺いします。……大丈夫、魂までは取りませんから」
378名無し物書き@推敲中?:2009/08/06(木) 02:30:45
age
379名無し物書き@推敲中?:2009/08/22(土) 02:50:12
リライトお願いします。

 僕はいつ頃から自分の力の無さに自覚を持ったのだろうか。
力だけではない。今の自分に何ができるのか、何をすべきなのか見付けようと考えていたにも関わらず、気が付けば己の未熟な部分を見付けてばかり。
これといって熱中できる趣味もなければ自慢できる特技もない。勉強もスポーツも。何もかもが中の下で中途半端だった。

 それでも月日が経てば体が大人になってしまうのは当然で、僕は上司に怒られながら働いている。
毎日を作業的な仕事に費やす。退勤すればコンビニで弁当を買い、帰宅して食べて入浴を済ませて寝るだけ。
早くも今両親も親戚も一人すらいない。励みも目標もなく趣味もない僕は休日を寝て過ごす。
いつまでこの生活が続くのだろうか。

 最近では仕事にも慣れ、ふとしたきっかけで知り合いになった女性が一人いる。
しかし、僕は今まで女性とろくに話をしたことがなかった。職場も男しかいなかった為、話題作りや接し方で苦戦したのは言うまでもない。
それでも彼女は無邪気な笑みを浮かべて手を差し伸べてくれた。
付き合いを重ねていく内に僕からも誘うようになり、ドライブと買い物や遠出をしたり、今までの休日が嘘のように一転し充実した1日1日。
毎週の楽しみ、これが励みなんだと気付いた。

 プロポーズはデート先の綺麗な夜景と海の見渡せる高台。
いくら女性に慣れた僕でもその時になると頭の中が真っ白になり何も言葉にならず、結局告白とキスは彼女からだった。
彼女からの逆プロポーズを耳にした僕は豆鉄砲をくらったような顔をしていたらしい。
今でも思い出す度に当時の僕はつくづく情けない男だったと思う。

 それでも彼女が好きだ。一生守ると誓った。今もこれからも、共に生きていく。
これが僕の新たな人生の始まりなのだ。
380名無し物書き@推敲中?:2009/08/22(土) 07:57:05
小学生の作文
381名無し物書き@推敲中?:2009/08/22(土) 11:44:26
うわ、これは難しいな
独り言のリライトはなあ…
382名無し物書き@推敲中?:2009/08/22(土) 12:42:53
>>380-381
379の者です。
小学生のような作文とのご意見ありがとうございます。
そして困難なリライトを願い出たことのお詫びと、より多い指摘をいただきたいので別の文章を書いて出直してきます
383名無し物書き@推敲中?:2009/08/22(土) 13:42:14
頑張ってください。
文章の上手下手より、まず、テーマを明確にしてもらえると、
リライトし易いので。
384名無し物書き@推敲中?:2009/09/02(水) 02:22:29
>>379
 僕は一体、何者なんだ。
 ありきたりな中学生が思うありきたりな質問に僕はいまだに答えを出せないでいる。
 声は低くなったし、スポーツはできなかったけど体だって昔に比べりゃ少しはたくましくなった。勉強も得意じゃなかったけど何とか大学を卒業して、地元の医療器具の営業として働いている。
 それなのに僕は答えが出せなかった。
 それどころか「何か」として必要とされることもなくなっていた。両親は早くに亡くなって僕の「息子」としての役割は終わったし、「友達」だって働いてから距離が遠くなったし、「会社員」としては上司に嫌われて、「お前の代わりなんていくらでも」って言われていた。
 このまま自分は何者かを知らないまま、顕微鏡の検品作業のように人生が淡々と進んでいくのが恐くなった。
 だから僕は結婚する。僕は「夫」になるんだ。彼女だって僕を必要としてくれている。
 今日から新しい生活が始まる。
 鏡には「新郎」の姿が写っている。白いタキシードはちょっぴり恥ずかしいし、レンタルなのに汚したら……って考えるだけでも恐ろしい。肩だってパッドが厚くて体格が良さそうに見えるけど、その下にはひょろひょろの肉体が詰まってる。

どうだろう?
一応書いてみたが

385名無し物書き@推敲中?:2009/09/03(木) 03:14:22
強いて言うと、原文の主人公が、優柔不断な内気君なら、
384の主人公は、もっと、身勝手で、おまけに、ケチ臭い感じ。

>顕微鏡の検品作業
は、微妙、説明不足で唐突。主人公の仕事か? どう淡々としているのかとか? 軽く補っておくと良いと思う。
ストーリィー極薄の作文(吐露)は、キャラ(心情)が少しズレても、全くの別物って感じになるんだな。

どうでもいいけど、原作者、382で、リライト希望を辞退してるじゃありますぇんか。
386名無し物書き@推敲中?:2009/09/05(土) 00:19:08
>>385
>>384を書くとき主人公をどうしようか迷った。
>>379を見る限りでは主人公の性格はかなり受動的。
というか女性経験も少ないしスポーツも頭も良くない主人公が黙ってるだけでモテて、彼女のための努力はすべて報われ、彼女は無邪気に手を差し伸べくれて、必要なときに積極的になってくれる、かなり都合が良いストーリー。
それでいて彼女を守ると主人公は言っているんだから、結構なんというかこの主人公は変にプライド高いよね。
(内気なら自分が彼女を守る自信がないはずだし、この主人公は守ってもらっている立場なはず)
この小説の冒頭は自分に何ができるのか、何者なのかというテーマから始まっているわけで、これは小説の根幹なんじゃないかと自分は感じた。
考えてみると、彼女がどうこうよりも、自分が努力しただとかは書かれているが彼女がなぜ好きなのかというのは薄い。
だからこの主人公は意外に自分が好きなんじゃないかなって。(自分を否定しつつも自分が好きなタイプ)
そうした主人公の自分への愛、卑屈さや弱さや身勝手さを出した方が小説的に人間味が出ると思った。
顕微鏡の件はご指摘の通り。本来なら書かなきゃいけないよね。そこまでやる気が出せなかった。

387名無し物書き@推敲中?:2009/11/02(月) 03:00:50
 11月も夜中になるとタバコのメンソールが余計に冷たい。吐く息はまだ白くはなっていないけど。後少ししたら、ケムリも吐息も白く混ざって一体になる季節がやってくる。ここのコンビニの窓にもケーキとおせちのポスターが貼られるようになった。
 またあの季節が来る、あの人が去ってからもうすぐ1年になろうとしているのね、去年の今ごろは二人でここにおでんを買いに行ったなと思いながら、思い出しちゃいけないのに、部屋は模様替えできたとしてもこの町には去年と変わらないのねと
タバコのケムリとため息を一緒に吐いて、私は店の前にある灰皿にタバコを捨て、中に入った。
 夜中のコンビニはまず「いらっしゃいませ」が違う。昼間のコンビニで耳にするような高校生の明るい「いらっしゃいませ」は聞こえない。明らかにフリーターに見えそうな青年や悲壮感漂う中年男のもの寂しい声が聞こえるのだ。
 いつしかお互いに顔を覚えあったであろうころに、お互いの人生を1分程度の会計でかいま見ようと探り合い、客は店員の顔を見ずにお釣りを受け取って、店員はマニュアル通り「ありがとうございました」と言う。
 私はあの中年男にどう見られているんだろうと考えながら、眠り酒を選んでいた。
388名無し物書き@推敲中?:2009/11/02(月) 23:46:35
341の「雲があれば空の高さが分かり、また人の哀しさにも気付く」は名文
純文学としても通用する
新人賞受賞作品にこんな名文を書いてる人いないし
389名無し物書き@推敲中?:2009/11/03(火) 02:00:50
>>388
「名文」が純文学で通用するとするあなたの感覚が意味不明
390名無し物書き@推敲中?:2009/11/16(月) 05:14:48
age
391名無し物書き@推敲中?:2009/11/16(月) 13:13:48
>>387

リトライする。詩作メインでやってるけど。

11月、タバコに夜が混ざる。メンソールの冷たさからも吐く息の白さからも遠い場所に季節がやってきて、窓に、
ケーキやおせちのポスターを貼り付けては片っ端から通り過ぎていくのがわかる。
 去っていったものばかりが残り、残らなかったものもやはり去っていたままの形で、季節を巡ったまま凍えている。
去年の今頃、おでんを買ったことが思い出されては、翻ってばかりいる部屋の模様。タバコのケムリを握り潰す様にして、
私は灰皿ばかりを口に含んで。
 夜中、コンビニからは真昼が抜け落ちて、影がレジを打っている。影の声がし、手が差し出され、分け与えられた
少数の銅。それをポケットの暗闇へ押し込むときに、初めて自分の影に気づく。
 とても眠たい。そして、コップにブドウ酒が満たされて、枕が寝返りを打つ。私は決して寝る事ができない。
392名無し物書き@推敲中?:2009/11/16(月) 13:25:23
>>379

うざい内容なので蹂躙する。過剰に圧縮して、過剰に装飾する。

 無力さが幾ばくかの終わりを伴って、相槌を打つ。力だけではない、と、語ったものが、人知れず、
消えていくのを唇をなぞりながら感じて、私は私ではなかった、と、言葉が降りてくる。
 体から始めて、怒りが降り注いだままのこの土地で、繰り返される毎日が死んでいったものを、
よみがえらそうとしていつも失敗し、唇を雨がなぞる。
 貴方が始めての唇を、私に分け与え、貴方から私が降る。

 手をつないだ。どこまでも遠くを見つめるようにして二人で。終わったばかりのことから始まって、
始めて、「私たち」は、と、分け合った唇で語り合って。
393名無し物書き@推敲中?:2009/11/18(水) 01:14:42
>>391
ポエムっぽくなって面白いですね。やはり人によって変わりますね。
394名無し物書き@推敲中?:2009/11/21(土) 09:52:46
>>387
 最後の一息を吸い込む。メンソールの煙がコートを着ている私の中に寒さをねじ込んでくように思えた。
肺の中を一周した煙を吐き出すと、それは、夜の空にとけ込んでいった。
 私はフィルターについた口紅を指先で拭い、入り口の傍にある灰皿に投げ込む。
彼が口紅跡のある吸い殻を嫌ったから始まったこの癖も、もう何年になるだろうか。
別れてから一年になるのに、止められない。未練ではないと思う。男の人は口紅の後が好きじゃないんだ。
次の男の為だ。そんな風に自分に言い訳をしている。
 私だけが残ったアパート。一番近くにあるこのコンビニは想い出だらけだった。
去年の今頃は、寒いと悪態をつきながら、彼と二人でおでんを買いに来た。
 彼が店を出た途端、歩きながらおでんを食べ出したのも、ついさっきの事のように覚えている。
おでんの入れ物から湯気が上がっていて。寒さを忘れて、私も一緒に食べた。
アパートに着いた時には、入れ物しか残っていなかった。
 コンビニのガラス窓には、クリスマスケーキやおせちのポスターが貼られている。
去年はこんなものがあっただろうか。あの時の私は彼の事しか見ていなかった。
 ガラス戸を押し開けて店内に入る。中年の店員は雑誌の補充作業に忙しく、
私の事など気にもとめていないようだ。彼の白髪の交じった髪の毛に、不況という言葉を身近に感じてしまう。
行き場の無い捨て犬が、段ボールの中で悲しげな瞳で私を見つめているような、そんな気持ちが私の中に広がった。
395名無し物書き@推敲中?:2009/11/21(土) 09:53:31
>>394続き
 アルコールの納められたガラス張りの冷蔵庫の前で立ち止まると、私は虚ろな私の姿が映り込んでいるのに気がついた。
ジーンズに、着古した芥子色のジャンパーを着て、ノーメイク。
顔はぼやけていてわからないが、眉毛が無いから、間抜けな顔をしているだろう。
恋を忘れた女の姿なのだろうか、それとも恋を忘れられない女の姿なのだろうか。
 お酒を飲まなければ、眠れない。そんな事を自覚してから、毎晩通い詰めている。
冷蔵庫を開けて、シンガポールスリングを二本取り出し、レジに向かう。
 遅れて店員がレジにやってくる。彼は私の顔も見ず、無言でバーコードをスキャンしていく。
夜中に酒を買いに来るすっぴんの女を、彼はどう思っているのだろう。
二本の酒。防衛策であり、三十路女のささやかな見栄。分かって欲しい事、分かられたく無い事。
 私はもう、店員である彼のを覚えてしまったけれど、彼は眉毛の無い私の事を、覚えているだろうか。
一言も会話を交わす事が無いままの縁。
 彼は俯いたまま、ビニール袋に入れた二本の瓶を私に差し出してくる。
ふたつのガラスがふれ合い、無機質な音を立てた。
396名無し物書き@推敲中?:2009/11/21(土) 11:01:49
>>394-395
ジャンパー→コート
397名無し物書き@推敲中?:2009/11/23(月) 22:22:18
>>394ー395
続きが読みたくなってしまったw
398名無し物書き@推敲中?:2009/11/23(月) 22:40:38
 アルコールの入った袋を片手に私は家路を急いだ。急がなきゃいけないわけじゃないけど、こんな姿を誰にも見られたくなかった。
 いつか私が少女と呼ばれていたころ、通学路でよく見かけた鮮やかな真っ赤なルージュと痛んだ金髪の中年女を思い出してしまう。
当時の私は学校という居場所があって、まっすぐ歩いて、お日様を恐れずに歩けた。
彼女はアルコールのせいかなんなのかふらつきながら道を行き、シワやシミを隠すためであろうか塗りたくられたファンデーションが妙に悲しくて、
私はあんな風にはなりたくないと彼女を見ていた。
 あれは今思えば、同族嫌悪だったのかもしれない。
 そんなことを考えながらアパートのドアノブを回した。鍵をかけ忘れたのか、
もしかしたらあの人が帰ってくることを期待していたのか何なのかは今となってはわからない。
 ドアを開けるとやっぱり誰もおらずがらんとしていて地方都市だからこその
12畳ワンルームが何も言わず私を出迎える。一人では広く、二人では少し物足りない。
 この時期になってくると寒さが部屋いっぱいに広がってしまう。

399名無し物書き@推敲中?:2009/11/23(月) 22:45:39
つい続きを書いてしまいました。。
400名無し物書き@推敲中?:2010/01/17(日) 22:37:20
音声入力ソフトを使ってみたらけっこうスゴイ
http://blog.livedoor.jp/morioka_41/archives/1056389.html
401名無し物書き@推敲中?:2010/02/03(水) 22:13:37
>>379

僕が自分の無力さを自覚し始めたのはいつ頃からだろうか。

力だけではない。
今の自分に何ができるのか、何をなすべきなのか探し続けていたにも関わらず、いつまでも自分の未熟な部分だけしか見付けられずにいた。
これといって熱中できる趣味もなければ自慢できる特技もなく、勉強もスポーツも、何もかもが中の下で中途半端だった気がする。

それでも月日が過ぎれば大人になってしまうのは当然で、就職した僕は上司に怒られながらも自分なりには真面目に働いていた。
しかし毎日は機械的な仕事と、夕食のコンビニ弁当を買い帰宅して食べて入浴後に寝るだけに費やされる。
早くに両親を亡くし、親戚も無く、励みも目標もなく趣味もなく休日は寝て過ごす。
いつまでこの生活が続くのだろうか、と自問する事にも飽きた頃彼女と出会った。

ありていに書くと僕にはふとしたきっかけで知り合いになった女性が一人いる。
一人かよと思う人は多いだろうが、僕は今まで女性とろくに話をしたことがなかった。職場も男しかいなかった為、話題作りや接し方で苦戦したのは言うまでもない。
一人と付き合い始めただけでも良くやったと誉めて欲しいものだ。
彼女は無邪気な笑みでドギマギする僕に手を差し伸べてくれた。
付き合いを重ねていく内に僕からも誘うようになり、ドライブや買い物とかの遠出もした。
今までの休日が嘘のように一転し充実した一日一日へ変わった。
毎週の楽しみ、これが励みなんだと気付いた。

プロポーズはデート先の綺麗な夜景と海の見渡せる高台だった。
なんとか彼女だけとは自然に会話できる様になった僕でもその時になると頭の中が真っ白になり何も言葉にならず、結局告白とキスは彼女から受けた。
彼女の逆プロポーズを耳にした僕は鳩が豆鉄砲を喰らってクルックしたような顔をだったらしい。
今でも思い出す度にさっきの僕はつくづく情けない男だったと思う。
それでも彼女が好きだ。一生守ると誓う。今もこれからも、共に生きていく。
これが僕の新たな人生の始まりなのだ……そう思っていた。
何が起きたのかは解らない。しかし今は彼女を探す方が先だ。
(生きていてくれ)
そう願っていた。
402名無し物書き@推敲中?:2010/02/04(木) 22:47:48
>>309の1
闇夜の黒い空と海面に、次々と打ち上がる華麗な花火が鮮やかに映った。
佑子がそれに心奪われる脇で、ぼくは手近な屋台で買った焼きそばをずるずると
音をたてて食べていた。濃いめのソースがなかなか美味いと思えた。
花火の打ち上げが一息付いた当たりで佑子がぼくに振り向きため息を付く。
「あんたと眺めていると、ロマンチックの欠片も味わえないわね」
ぼくの肩程のところに頭天のあるちっこい佑子は片唇を尖らしている。
彼女とは同じ予備校を通った頃から大学の別れた現在まで交友が続いている。
少しは色気のある格好をして欲しい物だと思ったが頼み込むのも気が引けて、
腐れ縁にそんな気を使う必要なしとでも言うような、グレーのパーカーに淡い水色のジーンズという華の無い普段着を楽しむに留まっていた。
「バーカ、視覚で花火に感動とか、味覚で焼きそばに感動とか、
複数の器官で感動するぼくに、非難される謂れは無い」
「うるさいんだよこの野郎、横でずるずるずるずる、わたしが花火に感動できないじゃないか」
佑子はぼくの靴先を踵で踏んだ。
「なにするんだこのヤロー」
ぼくは空になった焼きそばの容器を捨て、佑子にチョーク・スリーパーをかけた。
「乙女にプロレス技かけるとは、不逞な野郎だ」
振り向き様、佑子はぼくの金玉を、蹴り上げる。
「!!!!!!」
玉がたまらずバランスを崩し、佑子から離れて、地面を転がった。
「タイム!」
とぼくは抗議する間も、彼女は腹を抱えながら笑っていた。
そんな風にいつもじゃれあっているから、恋人みたいなロマンチックな関係にもなれないし、
楽しいからお互いに離れられなかった。
403名無し物書き@推敲中?:2010/02/04(木) 22:49:31
>>309の2
芝生みたいな草原に寝転んで花火を見ていると、佑子は横に座り込み、やがてだらしが無く脚を伸ばしてぼくの隣に並んで横たわった。
「一度くらい甘い思い出も良いと思わない?」
「どうするんだ」
「左手、貸してみ!」
佑子は自分の右手で、左隣に寝ているぼくの左手首を掴むと思いきり引き寄せた。
弾みで佑子の上にうつぶせに倒れ込んだぼくを背中に回った佑子の両腕が抱き締める。
「アドリブ期待しているからね……あ、だめだ、口が滑ってムード壊すんだから台詞禁止」
さらに言葉を続けようとする佑子の唇に人さし指を軽く押し付ける。
「愛している。ずっと好きだった」
ばくは死ぬ迄には一度言いたいと思っていた台詞を言葉にした。
グスグスと鳴き始めた佑子がとても可愛いと感じていた。
404名無し物書き@推敲中?:2010/02/04(木) 23:56:34
>>29-30の1

聞き慣れたチャイムが鳴り響いた。この予鈴のあと五分したら五時限目の始まりを知らせる本鈴が鳴る。
(さあみんな教室に戻って戻って。図書室でサボられたりしたら私が叱られちゃうわ。あ、本を無断で持ってっちゃだめよ)
上原さんの声がチャイムに続く。それをきっかけに、図書室がうめき声にあふれる。
「昼休みが終わるのは早いですわね」
と川窪さゆりは呟く。
「全くだね」
と僕は頷きながら椅子を立ち上がった。
「本日はありがとうございました」
取り戻した笑顔を見せて、彼女はそう言う。
「どういたしまして」
僕も笑顔を返す。このやり取りがなんだか、昔に戻ったみたいだなとふと思わせた。
しかし、一年間が築いた壁はあまりに高くて厚い。僕はもう彼女に恋心を抱くことはないだろうし、
たぶん彼女もそんなことは考えないだろう。
人の波に乗って図書室を出ると、喧騒に満ちた廊下の空気がどこかすがすがしがった。
それは図書室に篭っていたからか、彼女との話に夢中になっていたからなのか、たぶん両方だろう。
「それじゃ、またね」
「はい、ごきげんよう」
相変わらずお嬢様な別れの言葉を残すと、彼女は僕を置いて歩いていった。次の授業は自分の教室らしい。
教室に向かいながらの僕は次の授業に出る気分になれずにいた。
405名無し物書き@推敲中?:2010/02/04(木) 23:57:41
>>29-30の2

(野中先生に死んで頂くのよ)
確かに彼女はそう言った。
図書室へ生徒を探しに来た野中先生に気付いた川窪さゆりの目が冷たく濁った時、
僕の振った野中先生の話題にきつい意見を並べ始めた時、
野中先生には自業自得を実践して頂きたいと思いを吐き出した時、
ならどうすればいいのかな?と僕が訊いた時、確かに彼女はそう言った。
僕の目に気付いた彼女はすぐに冗談と言って笑ったけれど、彼女の弁解には違和感があった。
あの言葉は何かの意味を持っている。
5W1H。
彼女は彼女にとって大切なことを一つだけ言った。いや、そもそも僕の気の回し過ぎかも知れないんだけれど。
とにかく彼女は、冗談で済ませてしまった。
……いまさら聞き直す気分にもなれない。自分で調べよう。そうすぐには何も起きないだろう。
と、気付けば僕は廊下にぽつんと独りきり。さっきまで騒がしかったのは嘘のように廊下は静まり返っていた。
それから五秒と経たずに本鈴が鳴った。風邪で休んだことはあっても、サボったことはなかった。
だから、僕はこういう時のサボリ場所知らない。帰ってやろうか。
そう思ったけど、このまま帰ったりでもしてみて途中誰かに呼び止められるのは嫌だった。
「……はぁ」
結局、僕は五時限目の授業が始まっている教室へと足を向けた。机で色々と考えよう。
406名無し物書き@推敲中?:2010/03/05(金) 19:31:01
てす(`・ω・´)
4071/5:2010/04/16(金) 17:18:09
俺、明石 星佳は今日、可愛い魔女の女の子を奴隷にしました。

……別にイカれてなんかないからな。

正直、自分でも未だに夢なんじゃじゃないかなぁって思う。
だからさ、散々、赤くなるまでほっぺや手の甲をつねってみた。
だけど目は覚めなかった。
それならばと近くにいた買い物帰りのおばさんに、今日は何日ですかと尋ねてみた。
当然、俺の知っている通りの日付をおばさんは教えてくれた。
 哀れなモノを見るその冷たい目線は、一生忘れられないだろう。
 俺は、寝ぼけてるわけでも、狂ってるわけでもなかった。
そしてもちろん、俺は魔法の国の王子様でもなければ、未来の国の未来人でもなく、何処にでも居る平々凡々な一高校生である。
それならなぜ、そんなことになったのか。
 全ての事の発端は、放課後、俺が特に仲の良い高校の友達二人にジャンケンで負け、コンビニにアンパンを買いにパシらされた帰り道から始まる――

 俺の通う高校がある街、姫塚町は都心から少し離れた地方にあった。
昭和の名残を感じさせるような建物がちらほらと残ってたりするこの古き良き街が、俺は大好きだ。
そしてこの街の丁度真ん中を区切るように走るのが姫塚川。
江戸時代の頃に治水工事がなされ、平成の今日に至るまで、陰に日にこの街の発展を支えてきた由緒ある川である。
俺はその時、右手にアンパンが三つ入ったコンビニ袋をぶら下げて、その姫塚川の近くの土手を歩いていた。
 季節は秋真っ盛り。まさに天高く馬肥ゆるって奴だ。
もう放課後の時間帯というだけあって、日も傾き、辺りは淡いオレンジの光に包まれていて、川の周りを漂う赤とんぼからは、どこか心穏やかな秋の空気を感じる。
秋は夕暮れ、言ったのは清少納言だったっけ?
まぁ誰が言ったかなんてのはどうでもいいが、その言葉はまさに核心を付いていると思った。
見てみろよ姫塚川の水面を、夕焼けの明かりを反射してまるでガーネットを散らしたかの様にキラキラ輝いてやがる。
4082/5:2010/04/16(金) 17:23:05
俺は昔から、一人でこういう美しい光景を見ると興奮してしまう性質だ。
聞いてるとヤバげな人間に聞こえるかもしれないが、まぁ外見にでる違いは少し足取りが軽くなったり、コンビニ袋の揺れ幅が大きくなったりぐらいだから問題ない、と思う。
そんなこんなで、俺はちょっぴりハイになってたんだよな、その時。
だからさ、
「ねぇ」
いきなり後ろから空いていた左手を握られて、
 「あんたもしかして、ニンゲン?」
 こんな意味不明な質問された時も、なんの疑いもせずに後ろを振り向いた。
俺の後ろに居たのは、一人の小柄な少女だ。
髪は黒い艶のあるショートヘアで、服は水色のワンピースを着ている。
肌は雪のように白くきめ細やかで、その可愛らしい顔は目鼻口が絶妙な場所に配置され様式美さえも感じられた。
そして何よりも俺の心を奪ったのは、少女のその大きな瞳であった。
俺の顔を見詰めるその双眸は、俺が今まで見たことも無い、鮮やかなオレンジ色の光を灯していたのだ。
「ねぇ、ニンゲンなの?」
少女の再びの問いにハッっと我に返る。
この少女の、何処か人間離れした瞳に見とれて、少し呆けていたようだ。
「ああそうだ、俺は人間だ。それがどうかしたか?」
俺は平静を取り繕ってこう少女に返事をした。
今考えると、どうかしてたのは俺のほうだったのだ。
普通は、いきなり見ず知らずの少女に『お前は人間か』なんて聞かれたら気味悪がるもんだ。
だが、さっきも言ったよう、その時の俺は、ちょっぴりハイだったのだ。
これっぽちもそんなこと、疑問にすら思わなかった。
「ふふ、じゃあ、お兄さんにこの指輪をあげる。大事にしてね」
正直何が『じゃあ』なのかは解らなかったが、少女は薄く笑いながら、ポッケから一つの指輪を取り出し俺に差し出した。
それは銀製の、細部まで装飾の施された、明らかに高価な物と解る指輪だった。
お前達だったら、そんなとても値の張りそうな、ブランド物っぽい指輪を他人にくれると言われたら、受け取るか?
俺はもちろん貰わなかった。多分当たり前だろう。
4093/5:2010/04/16(金) 17:28:37
……ここから先は、正直話したくは無い。
だが、それでは話が進まないのだ。
恥を忍んで、続けるとしよう。
 
だから俺はさ、
「お嬢ちゃん、こういう物は簡単に他人にあげちゃいけないんだぜ」
とかなんとか言って、格好つけて、その少女の指輪を彼女のお人形のような右手を取って、その人差し指に嵌めてやったのさ。
優雅に、華麗に、美しくな。

……笑いたきゃ笑え。その時は俺もどうかしてたんだ。

さてさて、それで少女が「そっかぁ、解ったよお兄ちゃん。じゃあねー」でどっかに言ってしまえば、それでよかった。
それなら俺は、この話をただの黒歴史として、自分の心の奥深くにコンクリ詰めにして沈めていただろう。
だが、そうはいかなかったから、俺は今話しているのだ。
「あ、あぁ……」
なんと、指輪を嵌められた少女が、この世の終わりを三回ぐらい味わったような顔で、つまり顔面真っ青にして、小刻みに震えているではないか。
「お、おい、どうしたんだ」
その突然の変化に心配になって、俺が少女の顔を覗き込もうとすると

「あんたなんてことするのよぉ〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!」

少女の、可愛らしい怒鳴り声が俺の耳を突き抜けていった。
その時はまだ、俺は何で少女が急に怒鳴ったのかも解らなかったし、自分が一体何をしてしまったのかも気づいていなかった。
解るわけはないし、気づける筈が、なかった。
 「馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿ぁ! あんたなんてことしてくれたのよぉ!」
少女が半泣きで俺の頭をポカポカと殴ってきた。謂れのない迫害だ。
「おい、俺はただ指輪を嵌めただ」
「これは『隷属の指輪』なのっ! ただ嵌めたじゃ済まされないのよぉ〜。ううぅ……」
とうとう少女はその場に座り込んで愚図り始めてしまった。
これじゃまるで俺がこの子を泣かせたみたいで凄く気まずい。
「というか何なんだその『隷属の指輪』って」
4104/5:2010/04/16(金) 17:35:01
随分と不吉な名前である。
なんてたって『隷属の指輪』だ。RPGかなんかじゃ装備しただけで、トラウマになりそうな音楽が響きそうである。
「この指輪はねぇ、嵌めさせた相手を自分の言う事を何でも聞く奴隷にする、すっごい指輪なのっ! この意味が解るかニンゲンっ!」
嵌めさせた相手を奴隷にする指輪とな?
それは
「つまり、どういう意味だ?」
「だぁっもうこの低脳! いい、あんたが私にこの指輪を嵌めさせたの、解る!? つまり私は、あんたみたいなのの奴隷に……うわぁーんんん!」
怒ったり泣いたり忙しい少女だ。
さて、少女の話を信じるなら、俺はこの子を、『隷属の指輪』とやらで奴隷にしてしまったということらしい。
その話を信じるなら、今すぐ教会の神父さんかなんかに呪いを解いてもらわなきゃな。
そしてもちろん
 俺はそんな話は信じない。
ここは、RPGの世界なんかじゃない、現実、リアル、トゥルーワールドなのである。
「お嬢ちゃん、お兄ちゃんをからかってるのかな? そんな夢みたいな指輪あるわけ無いだろ」
俺が慈悲深い声で少女を諭すように話しかける。
 「じゃあこれを見ても同じことが言えるっ!?」
すると、少女はキッっと半べそで俺を睨みながら、いきなり姫塚川に向かって左手を突き出した。
そしたら突然、少女の体が淡いオレンジ色の光を帯びて
そして、信じがたいことが起こった。

「凍れっ!」

少女の鋭い声と共にその光が爆発したかの如く溢れかえる。
すると、なんということだろう、姫塚川の大体十メートル四方ぐらいの範囲が、一瞬で凍ってしまったではないか!
その氷は、ただ表面に張っているのではなく、しっかり川の中を泳いでいた魚達まで瞬間冷凍保存している。
俺は恐らく、生まれて初めて、空いた口が塞がらないってのを直に体験した。
4115/5:2010/04/16(金) 17:41:53
「お、お前、こりゃどうゆう仕掛けで」
仕掛け? 仕掛けだって?
川の水を一瞬で凍らせるなんて、そんなの小手先芸で出来るわけが無いだろ。
俺は、口で言いつつも本当は解っていたのだ。
 この現象には、種も仕掛けもないって事ぐらい。
それでも、簡単には認められない。
だってこんなことは、それこそ
「仕掛けも何も、これは魔法よ!」
そう、魔法でも使わない限り実現不可能だって事ぐらい、一目瞭然だったからだ。
「さぁニンゲンっ! お前はこれを見た上で、この偉大なる黄昏の魔女、ナランハ・ソーサレスを夢幻の類だと言い切れるのかっ!」
そう言って少女――ナランハ・ソーサレスは目に涙を溜めながら、俺に右手の人差し指をビシリと突きつけた。
その指の付け根に輝くは、銀色に光る『隷属の指輪』。
俺は、魔法という、俺たちの生活から最も身近で、最も遠い、ファンタジーの世界を初めて目の当たりにしたのだった。
.二章
 「――と、まぁ、こんな感じだった訳だ」
「訳なのよっ!」
俺の落ち着いた声と、ナランハの威勢の良い声がその部屋に響いた。
場面変わって、ここは姫塚高校の美術室。
この絵の具独特のすいた臭いのする部屋が、俺の所属する美術部の部室だった。
ただ、美術部といってもこの部活は、部員が俺を含めて三名しかおらず、またその活動も一般的な美術部とはほとほとかけ離れていた。
まぁどこの高校にも、廃部寸前の部活を乗っ取って部室を駄弁り場にするなんてのは良くあることで。
つまり、そういうことだ。
「そんなのどうでもいいから、早くアンパンよこせ明石」
412名無し物書き@推敲中?:2010/05/31(月) 21:38:56
人生は神ゲーだ
本気でがんばるとぎりぎり倒せるように絶妙のバランス調節がされた敵。
単純作業じゃ効率が悪いけど、工夫次第でどんどん効率を上げられる経験値システム。
リセット不可の緊張感。
でもシレンとかよりずっと死ににくいからあんま気にする必要なし。
つーか普通のゲームでもリセットなんて邪道じゃん。
全てのキャラが深い人間性と歴史を持って登場する、圧倒的リアリティ。
グラフィックが綺麗すぎ。
多分、無限×無限ピクセルで、毎秒無限フレームで動いてる。
色も多分無限色使える。夕焼けとかマジありえねー美しさ。
BGMの種類がほぼ無限。選曲も自由。自分で作った曲を流すこともできる。
人間が作ったとは思えない、とんでもなく複雑で洗練されたシナリオ。
リアル出産システム採用。自分と、自分よりも大切に思える相手の遺伝子を半分ずつ受け継いだ、奇跡のようなキャラを生み出して、そいつに自由に色々教えて育てることができる。すごく嬉しいし、ちょー楽しい。
ネコっつー生き物が登場するんだけど、これがちょーかわいい。
食いきれねーほどの種類の料理があって、超うまいものが時々食える。
説明書が無く、仕様が明かされてないから、自分でデータとって仕様を推測するしかない。
これがまたとんでもなく高度に洗練された仕様になってるっぽくて、なかなか正確には分からん。
だから、とりあえず大雑把に推定し、それに基づいて行動して、データを取りつつ徐々に予測値を修正していく必要がある。
これがまた楽しい。徐々に明らかになっていく世界観。
未だに明らかになってない謎が山盛り。友達と一緒に協力して遊べる。無料。
本気で自分を愛してくれるキャラがいたりする。ゲーム内で別なゲームやったりアニメ見たり出来る。
登場キャラと本当に心を通わせることが出来る。
信じがたいほど深い感動を味わえるイベントが結構ある。もちろん本気でやらないとフラグを無駄にするだけだが。

こんなとてつもない神ゲーを糞ゲーとか言ってる奴は、本気でこのゲームをやったことがない奴だけ。
まあ、一切がんばらずにクリアできるようなヌルゲーばかりやってる奴には、このゲームはちょいとハードかもしれんがな。
でも一端ハマった奴はみんな、このゲームを辞めたくないって言ってるぜ。
413名無し物書き@推敲中?:2010/05/31(月) 21:40:37
>>412の文章はたまたま2chで見かけた、人生をゲームにたとえたものです。
誰が作った文章かは分かりませんが、ちょっと面白い発想だと思ったものの
ところどころ「惜しい」と感じました。

まず文章が漫然としすぎてまとまりがない。
ドライブゲームはゲームジャンルとして定番だが、車に関して書いていない。
自分で金を稼いで自由に使うこと、そして人生において最も肝心な「セックス」に
関して何も書いてない。

また、誰に対して語りかけているのかも分かりにくいので、「人生を悲観し、
ゲームぐらいしか楽しみがない若者に対してのエール」というテーマで、
倍ぐらい長くなっても全然構いませんので、アレンジをよろしくお願いします。
414名無し物書き@推敲中?:2010/05/31(月) 22:29:11
>>404
リライトありがとうございます。
たまたま偶然このスレ見つけたから数年ぶりにきてみたんです。
そしたら、数年越しに俺の書いた奴がリライトされていて
いろんな気持ちでいっぱいです。
運命ってあるんですね。
久しぶりに小説でも書こうという気持ちになりました。
本当にありがとう!
415名無し物書き@推敲中?:2010/07/07(水) 01:57:13
プロの文章をリライトしてレベルアップさせました
1 :名無し物書き@推敲中?:2010/07/06(火) 23:34:44
シリンという芥川賞候補作家の文章
「熱気で曇った車内の窓にへばり付く乗客の固まった視線を一瞬だけ覗かせる満員の新快速が、
風を起こしながら通り過ぎた。」
これがあまりにも下手なので、俺がもっと優れた文章にリライトしました。


「満員の新快速が、風を起こしながら通り過ぎた。
熱気で曇った車内の窓にへばり付く乗客の視線が一瞬だけ見えた。」
これが俺の文章です。明らかに凄いでしょ? 

『満員の新快速が、人いきれで窓を曇らせながら通り過ぎる。
その僅かな合間に車窓にへばり付いた乗客の、死んだような眼がチラッと姿を見せ、直ぐに流れていった。』
これは俺よりもセンスの無い奴がリライトした文章です。

芥川賞候補作家の文章を優れた文章にリライトできる俺がなぜ新人賞の1次も通らないのか不思議です
やはり毛ねが無いと駄目なのかな。才能では勝ってるのに

http://love6.2ch.net/test/read.cgi/bun/1278426884/
416名無し物書き@推敲中?:2010/07/23(金) 18:42:48
風ひとつ吹かない、夏の午後一時。麻美子は新宿駅のホームで、甲府行きの特急列車を待っていた。
梅雨明けからしばらくした七月の終わり。ちょうどこの夏一番の猛暑日に当たっていた。照りつけ
る太陽。蒸し蒸しとした空気。正直、麻美子は暑いと口に出して呟きそうなほど暑さに我慢がなら
なかった。キャミソールにデニムを穿いたラフな格好だけれども、じっとりと汗ばむほどなのだ。
このホームでも、その向かいのホームでも、とにかく人々は暑さにうだっていた。
麻美子は会社から夏休みを早めに貰っていた。この日はその休みの初日だった。それで実家の甲
府へと帰省するのである。正月には友達の有理とテニアン島へ旅行に行って帰省できなかったから、
一年ぶりの帰省になる。麻美子は高校を卒業すると東京の大学へと進学した。今年で東京暮らしは
八年目だった。
特急あずさ号がホームへ到着し、麻美子はそれに乗り込む。もう、学校の夏休みが始まっている
ため、家族ずれや、大学生らしき団体なども見える。麻美子は二人掛けの窓側に座った。幸いなこ
とに、隣に乗客は乗ってこなかった。
417名無し物書き@推敲中?


真夜中の廊下を歩いていた
奥で赤い光の様なものが 斜めに路を射していた
それは 横の襖の穴から洩れでているものらしく
恐る恐るも その襖の前まで近寄ると
膝をゆっくりと折り 正座の姿勢で 片目を隠し
指の輪っかほどの穴から 中をのぞきこんだ

薄暗い空間の中心に 一本足のテーブルが立っていた
テーブルの上には 一本のロウソクが底を
がっちりと固定されているかの様に立たされていて
ロウソクの上には 拳一つほどの星が
赤くぼんやりと垂れさがっていた

星はロウソクの火に焙られていて
ただ 赤いだけではなく
そのロマンチックな光景の中には何か得体の
知れないどす黒いものさへ立ちこめられていた
焙られている星は 膨張するでもなく
ただ 鈍くでらでらと光り続けていた