708 :
名無し物書き@推敲中?:2006/04/02(日) 02:18:39
(続き)
699
>意外なのか予定調和なのか分からないわ
予定調和の意味が分からないわww
>トイレを出ようとしたとき、個室の外からそんな声が聞こえてきた。
トイレを出ようとしたとき、外からそんな声が聞こえてきた、でいい。外から、もいらないかも。
>「シッ!外に聞こえるわよ」
疑問
トイレの扉が閉まっていれば、人がいるはずで、まず、トイレに人がいないかを確認しないかな?
>今軽口を叩いているのはどこの誰なのよ。私はひとり歯噛みした。
軽口とは、軽い気持で、たわいもない事を言う事。
ただし、その噂話が事実なら、軽口とは思わない。
→一体、誰よ。どこの誰なのよ。私はひとり歯噛みした。
>聞きたくないから 聞かない、では済まない話だった。
その噂は自分には死活問題。聞きたくないから 聞かない話ではない。
→やだ。どうして、そんな噂が社内に広まってる訳?私はトイレから飛び出して問い詰めたい思いだった。
雑感
699さんは
>>643ですか?
共に途中までの未完。中途半端な作品といった感じ。
スタミナ切れ、途中で厭きたのか?
プロが言ってたけど、最後まで書くことが大事らしいwww
そろそろ次スレのことも考えたほうがいいかもしれんな。
テンプレ試案を作ってみた。
ここは、投稿者が書いた文章を真面目に読み、リライト(書き直し)をするスレです。
リライトの定義は人によって様々で、
・文法的な間違いのみ修正する
・ストーリーの矛盾も修正する
・大まかなストーリー・構造だけとって再構成する
・原文をもとにデフォルメ・パロディ化
などなど、様々なやり方が考えられますので、もし「このやり方でリライトしてほしい」と
いう要望があれば書いておくことをお勧めします。
投稿はここに直接投下することをお勧めします。創作文芸板は最大改行32行、最大
文字数は1024文字です。改行の少ない作品なら1レスあたり原稿用紙2枚と少しくらい。
別のところに投稿してURLを貼ることも可能ですが、あんまり分量が多くてもリライトが大変
です。2〜3レスに収まる範囲でここに貼ったほうがいいでしょう。
このスレは荒れがちです。特に「リライトが改悪になった」なんていう話題はほぼ確実に荒れます。
優劣を追求せず、「下手な文章も、それはそれで刺激になる」くらいの余裕をもって眺めましょう。
いいリライトは褒めて、それ以外は無視くらいで丁度いいかと。
>>707 なるほど次元が高いことを仰る。だが君自身の次元の低さにはお気づきにならないご様子だ。
「執筆家は、依頼者から独立、自立しているべきです」なーんて、ちゃんともらった仕事をこなした
上でプラスアルファの独立した仕事ができる作家が言えば格好いいんだけどね、実力も実績もなく、
2chで受け取った賞賛が唯一の自慢の種。そんな君の世迷い言など、「宿題なんて無意味だ、
自分でやるとこだったのにやる気なくした」なんて小学生の言い訳と同レベルだよ。
実力もない、実績もない、批判能力もない、根気もない、謙虚さもない。君はお化けの学校か。
>>708 643とは別人。面倒だから途中でやめた、という点はその通り。手本を示す意味では、このくらい
書けば十分かと思った。つーかそれすら書いていない君が偉そうに講釈を垂れてくれるなんて
夢にも思わなかったよ。
予定調和うんぬんは、後で出てくる主人公と課長との関係から出てくるもの。
OLの茶飲み話はトイレの「洗面所」で行われるもの、という情景から、「個室の外」と書いた。
「トイレの外」と書いたんじゃ、廊下で内緒話をしてることになるよ。OLふたりはトイレに入って
いないんだから個室も確認しない。
「軽口」はたしかに、もっといい書き方はあるかと思う。だが、「一体、誰よ。どこの誰なのよ」
と書いたら省略するつもりのOL二人組の素性を書くことを期待されてしまうから書かなかった。
>その噂は自分には死活問題。聞きたくないから 聞かない話ではない。
「自分から聞きたくなる話」でもあるまい。後ろめたい話題なんだからさ。まず「聞きたくない」が
最初に来て、そのあと「聞かなきゃならない」が来るのが自然だと思ったから、そう書いた。
>やだ。どうして、そんな噂が社内に広まってる訳?
原文の続きには、主人公と課長が不倫する以前から社長のセクハラにまつわる関係が
あった、って書いてあるんだからさ。「やだ。どうして、そんな噂が社内に広まってる訳?」
なんて説明台詞の疑問をもつのもおかしいだろ。「どこまで噂が広まってるか確かめなきゃ」
とは思うけど、噂が広まっていること自体に驚く必要はどこにもない。ドゥーユーアンダスタン?
711 :
595:2006/04/02(日) 03:13:16
なんだかすごいことになってる。
えっと、主人公は学生です。待ち合わせの相手は元彼女だったりします。いちおう。
スレ違いかもだけど感想くれた人ありがとう。
>>599 こんな文章にリライトありがとうございます
なんだか俺の文は情景描写不足ぽいですね
>>617 リライトありがとう。
別のシーンで主人公を学生って書いたからいいやと思ってました。そこのとこ書かなかったの失敗ですね。
それが元であんな発展するなんて……w
様々な学生がいる→様々な生徒がいる
にでもすればよかったかなあ?
>>623 酷すぎる。
>>627-628 リライトありがとうございます。
社会人バージョン図書館編とか笑わせてもらいましたw
>>643 なんだか新鮮です。色々変わっていて別物読んでいるようで楽しいw
リライトありがとうございます。
>>648 やや年配の女性。この表現なんだか良いなw
リライトありがとうございます。
荒らしはスルーした方がいいですよ。
713 :
名無し物書き@推敲中?:2006/04/02(日) 11:46:19
710
>なるほど次元が高いことを仰る。だが君自身の次元の低さにはお気づきにならないご様子だ。
いつ、私は次元が高い、と言いました?
相手に、次元が低い、と言ったから、自分は次元が高い、との解釈自体、読解が無いww
>「執筆家は、依頼者から独立、自立しているべきです」なーんて、
>ちゃんともらった仕事をこなした (以下略)
>実力もない、実績もない、批判能力もない、根気もない、謙虚さもない。
執筆家でなくても執筆家としての”理想”は語れます。
現に、実力もない、実績もない、批判能力もない、根気もない、謙虚さもない? あなたも
人格者かのように人を批判しているww
売られた喧嘩だから?
それが、あなたのモラルです。
>2chで受け取った賞賛が唯一の自慢の種
訊かれたから回答しましたが、私は事ある事に”2chは便所の落書き”と言っています。
”2chは便所の落書き”で賞賛されてもなぁーwwww
あなたは2chで上手と誉められ有頂天、私に批評され憤慨しているwwww
>面倒だから途中でやめた、という点はその通り。手本を示す意味では、このくらい
>書けば十分かと思った。
実力は十分解りましたww
714 :
名無し物書き@推敲中?:2006/04/02(日) 11:47:55
(続き)
>つーかそれすら書いていない君が偉そうに講釈を垂れてくれるなんて 夢にも思わなかったよ。
それすら書いていない、って、リライトならあなた以上書いてるし、批判も書いてますけどww
コテハンしないと解んないかw 読解が無いからww
読者なんて、偉そうな奴ばっかですよ。面白くないとボロクソですww
第一、なんで、私があなたよりリライト巧いとリライトしないといけないんですか?
693-694の批評文は書いていますが、書き込んでいないだけ。
>OLの茶飲み話はトイレの「洗面所」で行われるもの、
>OLふたりはトイレに入って いないんだから個室も確認しない。
作者だけに解ってもなぁーw
>「一体、誰よ。どこの誰なのよ」
>と書いたら省略するつもりのOL二人組の素性を書くことを期待されてしまうから書かなかった。
読者の期待を意識されてもなぁーw
>原文の続きには、主人公と課長が不倫する以前から社長のセクハラにまつわる関係が あった、って書いてあるんだからさ。
読者は、そんな事なんか知らない。
作者が知っているから読者も知っているべきなんですか?ww
なにも知らない読者が「やだ。どうして、そんな噂が社内に広まってる訳?」と疑問に思うことを忘れている。
>噂が広まっていること自体に驚く必要はどこにもない。
一般に社内で不倫していて、気づかれはしまいかと恐れるのが普通。
噂が広まっていれば普通驚くだろ。
715 :
名無し物書き@推敲中?:2006/04/02(日) 11:48:34
(続き)
雑感
読者が読んでいて思う疑問さえ配慮しない、読者を置いてけぼりにした文章www
読者が引き込まれねーよwww
>>711 登場遅杉ww
>えっと、主人公は学生です。待ち合わせの相手は元彼女だったりします。いちおう。
元彼女ですか?
ただ、この続きは書かれてはいませんね?
>様々な学生がいる→様々な生徒がいるにでもすればよかったかなあ?
冒頭でないなら、その必要なし。
>社会人バージョン図書館編とか笑わせてもらいましたw
原文者からのお言葉。うれちぃーwwww
>やや年配の女性
この表現は(一人称だから)、主人公は社会人と解釈できる。主人公が学生の場合は使わないかも。
自分から観て、”やや年配の女性”の意。
716 :
名無し物書き@推敲中?:2006/04/02(日) 11:58:24
>荒らしはスルーした方がいいですよ。
荒らし、とは他人との議論、コミュニケーションも出来ない者であるなら、
私は710を荒らしとは思ってないし、私も荒らしとは思ってない。
コミュニケーションも出来ない? 712 こそが荒らしとも言えるW
>>713 2ちゃんをどう評価するかは個人の勝手だけど、便所の落書きと思ってんなら
wwwwとか使わないほうがいいよ。
>>709 いいですね、このテンプレ試案。
そういえば、
「こんな感じでリライトしてください」
ってリクエストがされることはあまりなかったと思うけれど、
投稿者が一つお題を決めて、それに沿ったかたちで複数人でリライトを競う、
なんて試みも面白そうですね。
719 :
新白菜人間 ◆Om8rzuKp0M :2006/04/02(日) 13:52:29
この流れの中に俺が入ったらどうなるのだろう?
きっと、このスレ自体が破綻してしまうに違いない。
そんな事を考えて、爆笑しながら眠る俺。
おやすみなさい。
>>709 テンプレ案よいと思います。
ただ、もう少しルールを明文化した方がよいかもしれません。
「初弾レスは必ずリライト」とか。批評は批評スレがありますし、よいリライトには批評が含まれているはずですから。
あんまり厳しくすると投稿者自体がいなくなってしまう可能性もあるので、一長一短だとは思いますが。
(ってわけでリライトしてみました。多分に主観を含んでいるので、更なるリライトお願いします)
ここは、投稿者が書いた文章を真面目に読み、リライト(書き直し)をするスレです。
リライトの定義は人によって様々で、
・文法的な間違いのみ修正する
・ストーリーの矛盾も修正する
・大まかなストーリー・構造だけとって再構成する
・原文をもとにデフォルメ・パロディ化
などなど、様々な方法が考えられます。
元原稿を投稿する際、「このやり方でリライトしてほしい」という要望があれば明記してください。
また、要望の有無に関わらず、リライトを投稿する際は、リライト定義を明記すると良いでしょう。
批評スレとの差別化を図る意味でも、元原稿に対する初弾レスにはリライトを含めましょう。
よいリライトにはよい批評が含まれています。
投稿はここに直接投下することをお勧めします。
別のところに投稿してURLを貼ることも可能ですが、あんまり分量が多くてもリライトが大変です。
2〜3レスに収まる範囲でここに貼ったほうがいいでしょう。
※創作文芸板は最大改行32行、最大文字数は1024文字。
改行の少ない作品なら1レスあたり原稿用紙2枚と少し程度。
このスレは荒れがちです。特に「リライトが改悪になった」なんていう話題はほぼ確実に荒れます。
優劣を追求せず、「下手な文章も、それはそれで刺激になる」くらいの余裕をもって眺めましょう。
いいリライトは褒めて、それ以外は無視くらいで丁度いいかと。
リライトする側もされる側も名無しの物書きです。物書きの心は繊細に出来ています。
お互い気持ちよく眠れるよう、言葉遣いには気をつけましょう。
>よいリライトにはよい批評が含まれています。
この一文だけがやや、唐突な感じがしなくもないですね。
単発の批評行為を慎むよう呼びかける文を加えてもいいかも。
こんな感じで。
↓
ここは、投稿者が書いた文章を真面目に読み、リライト(書き直し)をするスレです。
リライトの定義は人によって様々で、
・文法的な間違いのみ修正する
・ストーリーの矛盾も修正する
・大まかなストーリー・構造だけとって再構成する
・原文をもとにデフォルメ・パロディ化
などなど、様々な方法が考えられます。
元原稿を投稿する際、「このやり方でリライトしてほしい」という要望があれば明記してください。
また、要望の有無に関わらず、リライトを投稿する際は、リライト定義を明記すると良いでしょう。
批評スレとの差別化を図る意味でも、元原稿に対する初弾レスにはリライトを含めましょう。
また、スレの主旨にそぐわない単発の批評行為は、投稿者からの希望がない限り自粛してください。
本来、よいリライトにはよい批評が含まれているものです。
投稿はここに直接投下することをお勧めします。
別のところに投稿してURLを貼ることも可能ですが、あんまり分量が多くてもリライトが大変です。
2〜3レスに収まる範囲でここに貼ったほうがいいでしょう。
※創作文芸板は最大改行32行、最大文字数は1024文字。
改行の少ない作品なら1レスあたり原稿用紙2枚と少し程度。
このスレは荒れがちです。特に「リライトが改悪になった」なんていう話題はほぼ確実に荒れます。
優劣を追求せず、「下手な文章も、それはそれで刺激になる」くらいの余裕をもって眺めましょう。
いいリライトは褒めて、それ以外は無視くらいで丁度いいかと。
リライトする側もされる側も名無しの物書きです。物書きの心は繊細に出来ています。
お互い気持ちよく眠れるよう、言葉遣いには気をつけましょう。
724 :
名無し物書き@推敲中?:2006/04/02(日) 18:23:23
>>719 :新白菜人間 ◆Om8rzuKp0M
酷評スレから来ましたねw
717
>便所の落書きと思ってんなら wwwwとか使わないほうがいいよ。
2ちゃんだから使ってるんだけど。 wwwwなんて、2ちゃんしか使えんでしょ?wwww
>>724 おやおや。
2ちゃんに書き込んでいるんだからこそ、みずから便所の落書きを体現せずとも、ってことなんだけどね。
スルー推奨
727 :
名無し物書き@推敲中?:2006/04/03(月) 01:03:44
DQNな創作文芸板 実力ナンバーワンコテ
小、小学生、小 ◆PBtykf5sPQ
2006年3月 早稲田大学文学部英文科卒業、二十代
山の中にある高校
工房のときに停学歴あり
ジャージで登校
北海道出身
札幌という説も
薬物をやっているそうなので、検査してあげてください。
オフでは先輩の和田と同じようなことをしているらしい。
こいつのページ
http://www.geocities.jp/cd_ab_62000/
>>713-714 批評文書いたのに晒しもせずにいばってるあなたがわからない。
わ〜から〜〜〜な〜〜〜い〜〜〜♪わ〜から〜〜な〜〜〜〜い〜〜〜〜♪
まーた寒いことやっちゃったよ、あーあ(((;-д- )=3ハァハァ
なんつーか、実力が伴わないのにプライドだけは一人前の馬鹿って始末に負えないな。
コテでもつけてくれれば消せるからありがたいんだが。
730 :
名無し物書き@推敲中?:2006/04/03(月) 22:19:40
>批評文書いたのに晒しもせずにいばってるあなたがわからない
書いたけど書き込まない事で、いばってると言われるのがわからない。
わ〜から〜〜〜な〜〜〜い〜〜〜♪わ〜から〜〜な〜〜〜〜い〜〜〜〜♪
釣られて寒いことやっちゃったよ、あーあ(((;-д- )=3ハァハァ
>実力が伴わないのにプライドだけは一人前の馬鹿って始末に負えないな。
このスレに実力が伴った人いましたっけ?wwwww
アンタほど実力とプライドが乖離した人はいなかったんじゃないか?
732 :
名無し物書き@推敲中?:2006/04/03(月) 22:35:21
あんたには負けますよwwwwww
733 :
名無し物書き@推敲中?:2006/04/03(月) 22:37:15
731
あんたの文章なんて実力とプライドが無くても書けるぢゃないですかwwww
馬の脚
この流れで投下できる人がいたら勇者。
736 :
1/3:2006/04/04(火) 00:35:41
ちょっと前に酷評スレで晒したものでよければ、修正か再構成をお願いします。
(ここに晒すにあたって、ちょっと修正を加えています)
パンはパンでも食べられないパンは?
ぼくのお母さんの焼いてくれたパン。
もう食べられないってわかってるのに、机の引き出しにしまってあるんだ。
カビの実験してるわけじゃなし、捨てなさいよっておばさんは言ってた。実際、
ぼくだって捨てようとしたさ。お母さんの葬式が終わったすぐ後に、ゴミ箱に
放り込んだんだ。カビがはえてホコリですすけたパンを捨てられなかったのは、
それを捨てると同時に何かべつのものを捨ててしまいそうな気がしたからだと
思う。
一週間以上日記をつけたことがないぼくだけど、このパンをもらった時のこと
はよく覚えてる。あれは五年前、お母さんの誕生日の翌日だ。今日や昨日の
ことよりもずっと正確に思い出せる。
「ホラ、おにいちゃんが買ってきてくれたのよ」お母さんは(当時にしてみれば)
最新型の電子レンジの前に立って言った。もっとも、そのレンジが最新型だとか、
あのときお母さんがレンジの前に立ってたとかいうことは全部「多分そうだった
んだろう」ってなことで、そのときのぼくは始終ドア越しだったんだけど。とにかく、
料理が大好きで凝り性のお母さんの目には、電子レンジというものがいかにも
手抜きマシーンのように映ったみたいで、三年ほど前に壊れてしまって以来
買い換えていなかったんだそうだ。それを見かねた兄ちゃんが誕生日プレゼント
に買ってきたのがその電子レンジらしかった。
眉をしかめながら「それじゃ困るだろ」と言う兄ちゃんの顔が目に浮かぶ。兄ちゃん
は面倒ごとや不条理を好きこのんでしょいこむお母さんを好きになれずにいたんだ。
こういうプレゼントも兄ちゃんなりの「好きになろうとする努力」だったんだろうと思う。
そうやって、嫌いなものを頑張って好きになろうとする姿勢は、なんだか悲しい。
ぼくを一言で表すことばの中で「面倒ごと」ほどぴったりくるものはない。アレルギー
持ち、喘息持ち、吃り、どれもこれもお母さんにとって面倒ごとだったはずだけど、
やっぱり他人の顔を見ることができないというのが一番致命的だったんじゃないかと思う。
737 :
2/3:2006/04/04(火) 00:36:41
ぼくがどこでどんな失敗をしたか、なんて書くのは面倒だからやらない。その頃の
ぼくが、肉体的に、また文字通りに、部屋から一歩も出ることができなかった、と言えば
十分だと思う。ぼくはお母さんにいわせれば「大事な面倒ごと」だったらしい。いじけ気味
のときなんかは、ダイジというよりオオゴトと読んだほうがぼくにはお似合いだろうな、な
んて考えたりもしたけど。
お母さんは「これで、○○(ぼくの名前だ)のためにパンを作ってあげられるね」って
言ってた。ぼくは牛乳だとかバターだとかが食べられなかったから、長いことパンを
食べていなかったんだ。今ならそういう、バター抜きのパンを作ってくれるお店も沢山
あるみたいだけど、その頃はあまりそういうところが無かったんだ。
ぼくが、小さな声で「いま、パン食べたくない」って言ったら「そう?じゃあ今日はご飯に
するけど、明日の朝はパンでいい?」ってお母さんが言ったんだ。お母さんはこういうとき
耳がいい。ぼくは黙ってうなずいた。
その日の夕方、キッチンの方から香ばしいにおいがしてきて、ぼくは眠れなかった。
もともと決まった時間に眠ってるわけじゃないから、いつも通りといえばそうなんだけど。
お母さんがご飯を運んでくるとき、聞いてみた。「パン、練習してるの?」ってね。
お母さんは、「そうよ。難しいものね、失敗しちゃった」って答えた。
「食べるよ」
「えっ?」
「失敗しちゃったやつ、全部食べるよ。食べたいから」
お母さんは涙もろいひとだったよ。ドア越しで顔はわからなかったけど、声が聞こえた
んだ。 20分くらい待つと、お母さんが黒こげのパンをいくつか持ってきてくれた。ぼくは
それをガリガリ食べたんだ。お世辞にも美味しかったとはいえないし、あのときも実際に
「おいしかった」とは言わなかったと思う。ぼくは、「明日、朝ご飯を楽しみにしてるから。
本当に楽しみにしてるから」って泣きながら言ったんだ、たしか。でも、その黒こげの
パンは「食べられないパン」じゃないんだ。本当に食べられなかったのは、次の日の
朝に、お母さんが焼いてくれたパンさ。
738 :
3/3:2006/04/04(火) 00:37:12
次の日、いつもより早起きしたぼくは、ドアの前に行儀よく切られたパンとサラダとゆで卵と
コーヒーがあるのを見つけた。ぼくの目はパンに釘付けになった。昨夜の黒いパンじゃない、
濃いきつね色の皮に、きれいな切り込みが三つはいったフランスパンが朝陽に照らされて、
光沢もつやつやと並んでたんだ。なんていうか、とっても綺麗で、いい匂いのするパンだったよ。
食べ物に「綺麗」だとか言うのはおかしいとは思うけど、ぼくは一口だってそれを食べられ
なかったんだから、間違っても「美味しい」なんて言えないんだ。パンを目の前に持っていって
口を開けたとたん、お母さんの顔がぱぁっと広がって、そして、「わぁっ」て悲鳴をあげて放り出し
ちゃったんだ。なにせ、一番近くにいるお母さんの顔だってここ数ヶ月は見ていなかったからね。
久々に見る人の顔は――夢の中で見たようなものなのに――とても優しくて、グロテスクで、
怖かった。
結局、ぼくはそのパンを机の引き出しにしまったんだ。匂いがもれないようにビニールの袋を
かけてね。ぼくは、せっかく作ってくれたお母さんをがっかりさせたくなかったし、待っていれば
そのうち食べられるようになるかもしれない、って思ったから。
今じゃもう、そのパンはカビだとかが生えて訳のわからないものになっちゃってる。腹をこわし
たくないから食べないけど、食べたってきっと美味しくないと思う。けど、「多分、あのとき焼いて
くれたパンより美味しいものなんてないんだろうなぁ」なんて未練がましいことをよく考えるんだ。
多少はマシになったはずの今でもね。
だから、誰かに「好きな食べ物はなんですか」みたいなことを聞かれたら、ぼくはいつでも「パン
です。きつね色に焼けてて、きれいな切り込みが三つはいったフランスパンが好きです」って答え
るのさ。おかしいよね、食べたことないし、食べられないのにさ。
739 :
1/6:2006/04/04(火) 02:07:53
怒られても私のせいじゃない。ノックしても出てこないこの家の主が悪いんだ。
おでこにぺっとりと張り付いた唯一の自慢である滑らかなブロンドの一房を手でぬぐい、私は確固たる決意を持ったつもりでそう自分に言い聞かせた。
ドアノブに手を掛け、咳払いを一つ。そうだ、コット先生だ。居眠りした生徒の頭をチョークで叩いて起こしたときの、コット先生の、あの勝ち誇った堂々たる表情。すっと伸びた鼻を高らかに、冷たい瞳をじっと目下の獲物に据えて。
薄い口唇を気持ちへの字にするのも忘れない。
そして何かあったら、
「おだまりなさい」
これだ。これでいこう。
さあ、いくぞ。ドラムロールが響く中、熱を吸収して変に暖かくなったドアノブに力をこめる。至る所に鮮やかな苔を生やした樫造りの重厚なドアは、まるで孫に手品を見せるようにゆっくりと開いた。
が、次の瞬間、
「てめえら、黙ってりゃ調子にのりやがって!」
まるで突風のような野太い咆哮。声にならない悲鳴を上げながら、私はとっさに身を翻す。だが、ドアから家の主は出てこない。となると、どうやら私のことではないらしい。じゃあ一体……と、耳をそばだてる。
中から聞こえてきたのは、どっかんっ、がっしゃんっ、うおーっ、あにきーっ、と景気よく何かがぶつかる音。
次の瞬間、ものすごい勢いで目の前のドアが開いた。「わぷっ」ドアと家の塀に見事にはさまれた私。
「ちくしょう、覚えていやがれヤブ医者!」
「あにきーっマジ痛てぇっ、医者を呼んでくれーっ」
大きな黒い影がいくつか、私の視界をさっと横切った。
必死になって逃げる青年の背中が二つ。その様子を、たまたま道路を歩いていたのであろうこの街の住人が平然と視界の端に収めている。気にしたそぶりもない。怪しい青年を静止しようとも思わない。
なんということか。北部じゃ考えられない。
740 :
2/6:2006/04/04(火) 02:10:44
もしかしたらこんな地上げ屋まがいのヤクザ風情が闊歩するのが日常茶飯事なのかもしれない。だとしたら相当ひどい治安だ、この南部という場所は。教会の管理教区外がどれほど恐ろしい場所かを力説するコット先生の苦労も、私の中で今ようやく報われようとしていた。
コット先生、レポート課題はできるかぎり早く済ませることにします。
ぴりっとした痛みを腕に感じた。見てみると、なんとまあ乙女の白い柔肌に小さなすり傷ができているではないか。
「キズモノになった……」
かくして満を持した第一声が、ようやく私の口から出たのであった。
「ふん、チンピラ風情がしゃしゃりやがって、一人前の人殺しヅラしやがる」
そんな私の悲痛な叫びなど、しらみの髭ほどにも聞こえていないようで、堀が深く、刃物のように尖った目をしたこの壮年の背高さんが続けた。
「お前らより、俺のほうがよっぽど殺してるぜ……ん?」
本人はどうだか知らないが、私にとっては死ぬほどどうでもいい捨て台詞をはき終わった主の顔が、無様に打ち捨てられた子犬のように哀れな目をした私のほうに、やっとこさ向けられた。
じっと見据えられると、その鋭い顔つきがさらに鋭くなった気がして、図らずもごくりと咽が鳴ってしまう小心者のこの精神を私は疎ましく思った。
男はこの家の大きなドアといい勝負ができるほどの偉丈躯で、堀の深さを際立たせる大鷲の眉毛がまるで張り詰めた弓のような緊迫感を漂わせている。目は細く、横には戦士のように深くて力強い皺が刻まれていた。それでいて底の知れない知性を感じさせるのが不思議である。
眉が弓なら目はさしずめ矢のようで、射抜くような視線で相手をかちんこちんにびびらせるのが彼の十八番に違いない。
二割くらいで白髪の交ざった未だに豊かな頭髪は、ぶっきらぼうにオールバックできっちりかっちりまとめられていたのだが、まとまりきらなかった前髪も一束あるようで、群れを離れた鳶よろしく眉毛の辺りにかかっている。おまけに無精ひげ!
私はこれと似た人を絵本の挿絵で見かけたことがある。
そう、あれだ、狼男だ!
741 :
3/6:2006/04/04(火) 02:15:01
これだけ人相が悪いと、白衣を着ていなければ、誰も彼が医者だとは思わないだろう。脱獄した死刑囚……我ながら正鵠を得ている。
その噂の死刑囚が眉をひそめ、口を開いた。遅れまいと、私は慌てて遮った。
「この家は来訪者を、しかもレディをこのようにもてなすのかしら。全く南部の人間は礼儀をわきまえませんことね」
なんて言葉は用意したところで口が裂けても出てこないわけで、
「すいませんあの、あの、た、立ち聞きするつもりはなかったんですけど……あいてて」
こんな時にまで相手に謝ってしまう自分の性格が一層疎ましく思われた。最後の「あいてて」は無い知恵を振り絞って出した相手の同情を誘うはずの文句であったが、残念ながら棒読みだったのでこれ以上ないほど情けない草芝居の一台詞に終わった。
「そうか。気をつけな。あんまりいい趣味してるとはいえないがな」
狼のうなるような低い声が響いた。
私の目は一瞬にしてふくろうのように丸くなったに違いない。
そうか、気をつけな! レディに対してそれはないだろう! ぶつかったのは私がよくやるような何も無い道端でいきなり転んだとかそういうわけでもないのに!
ありったけの不平を心の中で叫んでいるうちに、男は扉を閉めていた。
いやいや、ちょっと!
「いや、あの……」
こんないたいけな少女が、何を楽しくて中年のおっさん(ちょっと格好いいけど、ちょっとだ、断じて)の冴えないお茶の時間を覗きに来くるというんですか。
でもやっぱり例の如くそんなこと言えないので、言葉を捜しながら再びドアを開ける私。
「すいません、あの、お仕事のことで伺いに参ったんです……」
ややあって、ドアのすぐ前で背中を向けていた主人がこちらに向き直り、呆れた声を出した。
「なんだよ、はじめからそう言えよお嬢ちゃん。来訪者が家の前に突っ立って来訪を告げないで家の中を覗きやがるもんだから、全く北部の人間っつーのは無作法なもんだなんて思っちまったじゃねえか」
私の顔は再びふくろうになった。
まあ入れ、と館の主人は例の野太い声で招き入れたが、なんだその物言いは。ひどい。ひどすぎる。
ふくろうの目を主の背中に向けたまま、私はキズモノの腕を抑えつつ中に入った。
そういうわけで、こんなのが記念すべき彼との最初のやりとりとなった。
742 :
4/6:2006/04/04(火) 02:19:03
「いたたっ」
「痛いのは当たり前だろうが。今俺が消毒してるのはひん剥けて筋繊維がちょっぴりぶち切れた血の滴るピンク色したお嬢ちゃんの」
「やーっ痛い痛い、余計痛いこと言わないでくださいっ」
診察室の椅子に座ってひーひー喚く私を尻目に、目の前の死刑囚あがりがふははと低い笑い声を上げながら消毒液を散弾銃よろしく容赦なく私の右腕に叩き込んだ。刺激が腕から足へと電流のようにほとばしって、足がバタバタ暴れた。いーっ、痛い痛い!
傷はそれほど深くはないのに、それにしてもかけすぎではないだろうか。そう思いはじめた矢先、消毒液をふき取り、目の前のヤクザ顔の医師はようやく包帯を私の腕に巻き始めた。
「あれっ、ちょ、ちょっと待ってくださいよ、薬は? なんかこう、普通は塗り薬とか塗ってから包帯って巻きませんか……?」
「馬鹿いうなよ。このくらいの傷、近所のガキどもには唾付けとけば治るって教えてんだ。ったく北部の人間ときたら皆これだな。イチに薬、二に薬。どんなにすごい霊薬を知っているのかしらんが、医者も患者も薬漬けがお好きらしい。
薬ってのは治るのが早くなる代わりに、ちゃんと副作用ってのがあるんだぜ。何も明日のお昼に神学校の大先生が脚本した壮大な歌劇の主役を演じるってわけじゃないだろう?
治るのをせかす必要がないなら、自分の体に任せるんだ。それが南部のやり方だよ。こっちもせめて妥協して貴重な包帯巻いてやってるんだ。ありがたく思うんだな」
そう言ってちらりと向けた射るような目が一瞬にして私を動けなくした。しかもこんなに凄みのある声でまくし立てられたら、反論なんてとてもじゃないけどできるわけない。
というか、この人は本当にこの国一の名医なのだろうか。さっきから聞いてれば口が立つばっかりで、これじゃほんとにヤブ医者じゃないか。
そもそも南部の貧民街で医師をやってる国一番の名医なんていう奇妙なプロフィールからして疑いをさしはさむべきだったのだ。私が馬鹿だった。
やがて治療とも呼べないようなずさんな手術が終わると、男がおもむろに立ち上がって、診療室を後にした。
「ど、どこいくんですか?」私もそろそろ本題に入りたい。……解決はもう半ばあきらめているのだけど。
743 :
5/6:2006/04/04(火) 02:21:03
「コーヒーだよ。お前さんも飲むかい? それともまだミルクがいいかな」
どうしてこの人はこうも一言余計なのだろう。お子様扱いにむっとした私は一言、結構です別に今は喉乾いてませんからと答えた。
「そうかね。じゃあちょっと待ってていなよ。すぐ戻るから。話はそれからだ」
言葉の意味を理解するのに一瞬の間があり、さらにそれを頭で反芻して、それからようやく私は目を丸くした。
意外だ。どうやら、自分の仕事だけはきちんとわきまえているらしい。背中越しに向けられた相変わらずの重っ苦しい声には、誠意の色が混じっているのが私には分かった。
こつこつと男が出て行った診察室は、ちょうど私の部屋くらいのこじんまりした質素なつくりで、日の光が右手から入ってくる古びたログハウスの一角、という形容がもっとも正しかった。
先ほど乱闘が起きたのはきっとこの部屋であるのに間違いは無く、部屋の隅でちょこんと存在している小さな文机の上は何か物が叩きつけられたかのように散乱していた(叩きつけられたのは物ではなくさっきの人たちだ。かわいそうに、死刑囚なんか相手にするからだ)。
目と鼻の先にあるぎっしりと本が詰まった重たそうな本棚からも、何冊か書籍が零れ落ちて乱れていた。
そっと奥を見れば、ドアを開けてすぐの診察室で座っている私からも、医師がキッチンで静かにコーヒーを淹れているのが遠目にも分かる。
この家の部屋という部屋は診察室と寝室、キッチンが全てであり、たまに家にやってくる北部の医師がことあるごとに自慢する、大理石の玄関や著名な画家の作品などとは、全く無縁の生活を送っているらしいことは容易に想像できた。
というか、診察室に座っただけで、あれは寝室、おやその先はキッチンですね、というように家中の間取りがわかるのは、そもそも北部では赤恥ものだ。
曲がりなりにもここは医者の住処であるというのに、それでもなおとてつもない貧富の差を感じさせてくれるとは、全く信じがたいことだった。
744 :
6/6:2006/04/04(火) 02:21:48
狼のような声を出すヤクザ気取りのヤブ医者は、熱いなこりゃとかいいながら未だにコーヒーを淹れ終わってない。
もしかしたら家事全般は苦手なのかもしれないと思うと、少し微笑ましかった。コーヒーにこれだけ時間をかける人は、よほどの喫茶通でもないかぎりなかなかそうはいまい。私はもうしばらく診察室を観察することに決めた。
この部屋に鎮座して今も主と共に同じときを刻んでいるのは、先ほどの散乱した机と本棚のほかには、ベッド、使われていない越冬用の暖炉、それからなにやら無数の薬品が整然と並んでいる棚であった。
椅子に座り続けるのも飽きたので、近寄ってみると、ガラス戸で堅く閉ざされた中に、赤色青色黄色といった、とりどりの薬品が総勢で格納されている。中にはどくろマークが貼ってある不気味な薬品も見える。
「一応医師なんでね。薬は欠かしたことがない」
穏やかな声に振り返ってみると、医師はいつのまにやら机に座り込んで、私に向けて乾杯するようにコーヒー入りのマグカップを掲げてみせた。
「ずいぶん遅かったですね」
私が意地悪く言うと、医師は意外なことに肩をすくめ、
「男手ひとつだと大変だよ全く」
とつぶやき、コーヒーを一すすりした。たまに熱っ、とか言いながら。
「それで」
目の前の医師はおもむろにカルテを取り出すと、なにやらその上にペンをすべらせた。
「こんな南部の僻地に北部のお嬢様がわざわざ凱旋にいらしたのは、どういったご用件ゆえでございましょう?」
ダーク・グレーの瞳で微笑み、医者がまるで喜劇作家のような台詞をはいたので、私はついつい小さな笑いをもらしてしまった。
からかわれているとは思わなかった。堀深く沈んだ細目が見つめる視線が、一人の医者のそれだったからだ。
電撃小説大賞用に書き下ろした長編の、ほんの一部です。
お目汚しになろうかとは思いますが、なにとぞよろしくです。。。
あれ? なんだか知らないけど急に投稿ラッシュですね。
じゃ、僕も久々にリライト依頼の方で原稿をUPします。
〈1/2〉
「座りたまえ、アルバン・パデッダ」
その言葉に従ってアルバンはその広い会議室の椅子に腰掛ける。室内には官服を着た15人以上の男たち
が座っていた。「十人委員会(コンシーリオ・ディ・ディエチ)」といっても、実際にはそれを構成するの
は選出された10名に元首(ドゥーチェ)、6名の元首補佐官の計17名である。そしてこの17名が、ヴェネツ
ィアの、いや、地中海世界全体の、ありとあらゆる情報を掌握する者たちなのだった。
アルバンはあらためて正面に座するその人物を見た。どこかで見覚えがあるような気がした。……そう
だ、“海との結婚”と呼ばれる儀式で一度だけ目にした顔――ヴェネツィア共和国現元首、フランチェス
コ・フォスカリその人だ。
「君を今日、ここへ呼んだのはほかでもない。君の養父であるウンベルト・ディ・ロッシ氏に関して、聞
きたいことと、知らせておくべきこと、そしてことによれば、頼まねばならぬことがあるからだ。君はお
父上が現在、どちらにおられるか知っているだろうか?」
フォスカリは、平民の上にまだ20歳そこそこの若造であるアルバンに対しても、軽んじるようなところ
のない真摯な態度と口調でそういった。
父のことか――と、アルバンはややほっとすると同時に不安にもなった。ヴェネツィアでは泣く子も黙
る秘密警察に連行されたという事実は、アルバンの背に冷や汗を滲ませずにはいかなかったが、しかし、
どうやら自分に嫌疑がかけられた、ということではないらしい。父のウンベルトがその血筋から、共和国
国会(マジョール・コンシーリオ)につながりを持っていたことは知っていたし、だから彼らの用が、父
に関するものであろうとは予想できることだった。
〈2/2〉
とはいえ、それがどんな用件かは皆目見当がつかない。それにフォスカリのいった言葉も気になる。
聞きたいこと、知らせておくべきこと、頼まねばならぬこと……一介の商人の息子に、共和国の元首がな
にを頼むというのか? なにより、ウンベルトが仕事で家を留守にするのは多々あったにしても、そ
の間に十人委員会が押しかけてくるなどは、今まで一度もなかったことだ。なぜ突然に? 父の身になに
かあったのだろうか?
元首の問いにアルバンはとりあえず、
「コンスタンティノープルです。いつものように商用で……その、少なくとも父はそういっておりました」
と答えた。だが、会議室にいる男たちの無言の反応に、ふいに不安になる。
「……違うのでしょうか?」
「行き先は間違いないが、用向きは異なるな。いや、確かに彼はそちらで商売もしていたが、それはカムフ
ラージュだ。彼は、政府のためにある仕事をしていた」
と、フォスカリの右隣にいる、鋭い顔立ちの壮年の男がいった。
「政府のために?」
「新しいスルタンが即位してからこっち、我が国とトルコとの関係がにわかに緊張の度合いを高めているこ
とは、君も知っているだろう?」
「ええ……」
「まだこれは公にしていない事実だが、どうやら現在ガリポリでは新たな艦隊が建造中らしい。つまり、ス
ルタン・マホメット2世はコンスタンティノープルの陥落後も依然、ヨーロッパへの野心を抱きつづけている
ということだ。我々はそのことを、君の父上を通じてトルコ宮廷に出入りする、とあるヴェネツィア人歴史
家から知った。……わかるかね? つまりディ・ロッシは我が共和国のために現地でスパイ活動を行なって
いたのだ」
そういってからその男は、アルバンに、今の言葉を認識させる時間を与えるかのように、いったん言葉を
切った。
↑に関して若干の補足説明。
内容的には15世紀のヴェネツィアとトルコを舞台にしたスパイものです。
この後、主人公のアルバンは、トルコで消息を絶ったウンベルトの捜索のために、
にわかスパイに仕立て上げられ現地に派遣されるという展開になります。
ちなみにウンベルトは名門貴族の家に生まれながら、トルコ人との混血で、
しかも妾腹であるために一市民として生きなければならず、その屈折した思いから、
スパイなどという不名誉な仕事に手を染めた、という設定になってます。
よければどなたかリライトお願いします。
750 :
名無し物書き@推敲中?:2006/04/04(火) 23:51:48
>この流れで投下できる人がいたら勇者。
投下に勇気なんて不要です。
731
>実力とプライドが乖離した人
正しくは、実力と自信。
実力とプライドが乖離してるのはあたりまえ。
実力があればプライドなんて必要無い。実力で人に認められてる訳ですから。
実力の無い者にだけ、プライドが必要なんでしょう。自己防衛の為にwww
実力ある者は、自信もあるようだ。
正しくは、→アンタほど実力と自信が乖離した人はいなかったんじゃないか?
736〜748 当方多忙につき、批評は週末に。覚悟の事wwww
751 :
名無し物書き@推敲中?:2006/04/05(水) 02:41:14
次スレ立てようと思ってますが、テンプレを考えるのがちと面倒です。
なんでテンプレ>723(最新のテンプレ案)のまんまでよければ立てますが、いかがですか?
ちなみに、もう寝るので立てるとすれば今日の夕方くらい。他に立てたい人がいたらどうぞ。
前スレ あなたの文章真面目にリライトします。
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/bun/1100408711 ここは、投稿者が書いた文章を真面目に読み、リライト(書き直し)をするスレです。
投稿の前に、かならずテンプレを読んでください。
このスレは荒れがちです。特に「リライトが改悪になった」なんていう話題はほぼ確実に荒れます。
優劣を追求せず、「下手な文章も、それはそれで刺激になる」くらいの余裕をもって眺めましょう。
いいリライトは褒めて、それ以外はスルーくらいで丁度いいかと。
■原作者へ
リライトの定義は人によって様々で、
・文法的な間違いのみ訂正する
・ストーリーの矛盾も修正する
・大まかなストーリー・構造だけとって再構成する
・原文をもとにデフォルメ・パロディ化
などなど、様々な方法が考えられます。
元原稿を投稿する際、「このやり方でリライトしてほしい」という要望があれば明記してください。
投稿はここに直接投下することをお勧めします。
別のところに投稿してURLを貼ることも可能ですが、あんまり分量が多くてもリライトが大変です。
2〜3レスに収まる範囲でここに貼ったほうがいいでしょう。
※創作文芸板は最大改行32行、最大文字数は1024文字。
改行の少ない作品なら1レスあたり原稿用紙2枚と少し程度。
754 :
751:2006/04/05(水) 16:53:32
>>754 スレ立て乙です。
しかし、ほんとに投稿ラッシュだな…。
757 :
名無し物書き@推敲中?: