【盗作猿】ランディの日記を先取り予想だ!【パクルな】2

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371Re:おたよりありがとうございます 3
ついしん

なぜランディ先生は、最近亡くなったヤスケンさんについて何のコメントも出さないのですか?
などと言うことは、我々の方に聞かれてもお答えしようもないので、ご了承下さい
372無名草子さん:03/02/01 11:07
ヤスケンさん、お元気ですか。

死んだ人にお元気ですかなんて聞くのは変かな。でも、ヤスケンさんのことだから、
天国でも元気で大暴れしているのかなあ、なんて思います。まだ四十九日も過ぎてない
から、もしかしたらまだ、この世をそぞろ歩いてらっしゃるのかもしれないけど。

bk1の「ブックサイト ヤスケン」は見ていますか? すごいんだよ。タカザワさんの
呼び掛けに答えてね、たくさんの人たちが、ヤスケンさんへの追悼メッセージを、
次から次へ、送ってきているんだ。それが「ブックサイト ヤスケン」にいっぱい
載っているの。

お前さんは書かないのかって? うーーん、読者にもメールでそう言われちゃったんだ
けどね、私がああいうところに出て行くのは、何だかえらく場違いな気がして……。
私なんかが出て行って、いろいろなことにいろいろと差し障りがあったらまずいしね。
なにをしゃらくせえことを、薄情な奴だ、とヤスケンさんは怒るかな。

そうそう。読者からのメールの中にはね、ランディさんは巫女なんだから、霊界にいる
ヤスケンさんから聞いた話を書いてください、ってもんまであったんだ。
読んでクラクラきましたよ、私は、恐山のイタコじゃないっちゅうの。私は霊感ゼロだ
って、何度も言っているのに。私に霊感があったとしても、ヤスケンさんがつかまるか
どうかわからないしなあ。ヤスケンさん知り合い多いし、いろんな人のところを忙しく
飛び回っているような、そんな気がします。

兄や、友人の精神科医が亡くなった時には、彼らの魂が私の一部としてインストール
されたなあという実感があったものだけれど、ヤスケンさんはなかなかインストール
されてくれない。もう少し時間が必要な気がする。今はただ、ヤスケンさんの思い出を
しみじみと噛み締めているところです。

ヤスケンさんの書評でいっぱいいっぱい褒めてもらったこと、いっしょに焼肉を食べに
行ったこと、朝日カルチセンターでのトークショー。
373無名草子さん:03/02/01 11:07
(>>372続き)
だから、どうしてそれを書かないんだ、って?
うーん、私が書きたかったことは、すでに他の人が書いているから……かな。
ヤスケンさんは、高橋伸児さんの文章をもうお読みになりましたか?

> 昨年11月、ご自宅にお見舞いしたあと、帰り際、
>「会社の愚痴ならいつでも聞いてやるから、またおいで」
> 安原さんは言った。自分の肉体が滅びようというときに、まだそんなことを言って。
>僕は泣きそうになった。
> マンションの玄関を立ち去るとき、
>「またねー」
> 安原さんは手を振った。別れてしばらく歩いてから──自分でも理由がわからないの
>だけど──振り返った。すっかり小さくなった安原さんはまだニコニコして手を振って
>いた。子どものように。安原さんはそういう人だった。

生前のヤスケンさんにボロカスに言われて怒っていた人だって、これを読むと思い出して
くれると思うんだ。ヤスケンさんは、この世の誰にも負けないくらい、やさしい心、
暖かく熱い心をもっていた、すごくよい人だってこと。

だけどね、高橋さんの書いたメッセージを読んで泣いて感動したのも本当なのに、私は
それを読んで激しい嫉妬の念にかられ、そして恨みに思いもしたんだ。高橋さんではなく、
彼の書いたそのヤスケンさんに彼を出合わせ、そして彼にこの文章を書かせた運命の巡り
合わせとか文章の神様とかいうものに。
374無名草子さん:03/02/01 11:09
(>>373続き)
ヤスケンさん、これも文章を書く人間の業というものなんだろうか。私は自分がいったい
どこに行ってしまうのか、自分をとんでもないところに押し流していこうとする大きな力
はどこから来るものなんだろうか、本当に怖くなる。

でも、私は、ヤスケンさんに言われた通り、「死ぬまで生きる」つもりです。たくさんの
人が死んでいくのに今こうして自分が生きていられることは、とてつもなく大きな存在の
気まぐれによってのみ与えらる奇跡だと思います。そして私は、その奇跡のような生を、
書いて書いて自分がぼろぼろになっても書いて書き続けることによってまっとうします。
それがヤスケンさんと同じ日本という国に生まれ、今もその片隅に生きているちっぽけな
存在でしかない私に与えられた、たったひとつの使命なんだと思えるから。

参考文献:
http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_top.cgi/3da0a10b097330102b7e?aid=&tpl=dir/00/00000000_0083_0000000012.tpl
http://book.2ch.net/test/read.cgi/books/1042991806/284
375無名草子さん:03/02/01 21:25
>>372
うまい。こんなの本当に書きそうだね(藁

>>365
マジに編集部にメールしてみたら?
田口の書くことって辻褄が合わなすぎ(藁
編集部もろくすっぽ読んでないから矛盾に気づいてないんでしょ。
376 (;´Д`) 癌窟王痢照霊流居士:03/02/01 21:47
おおランディさん、俺も腐れ切った娑婆を飛び出して
ついに本物の文学の森にやってきたぜ。
ここは観念だけが存在する真空の世界だ。だから思いきり
俗界の本が読めるぜ。いまは一日中、紀伊国屋あたりを
徘徊してタダ読み三昧だぜ。閉店しても俺たちには関係なし。
こっちの世界の大先輩、田邊会長と最近の紀伊国屋の体たらくを
愚痴ったりしているわけだがね。
生前はキミと馬鹿話をするのが楽しかったな。実を言えば
筑摩のバカどもを騙してキミとタダメシを食えるという
それだけのために持ち上げていたってことを
天国から告白しておこう。まあ悪く思うな。
調子のいい話で場を盛り上げるという、キミのそんな才能だけは
俺も買ってるからさ。
まあアレだ。作家ってのは才能よりも押しだからな。
文芸なんて所詮は水商売よ。うまいメシを食えるときに
たらふく喰っておくのが勝ちってことさ。
俺が『リテレール』に関わって唯一学んだことは、まさにそれよ。

そういやランディさん、キミは最近書いてないだろ。
家で安酒喰らったり2ちゃん荒らしばかりやってるんじゃねえよ。
腐っても作家だぜ。万引き常習でも作家なんだから書かなきゃダメよ。
煮詰まったら立松みたいにエテコウになっちまうぜ。ご自愛をな。

じゃあまた。四十九日ごろに来るからよ。
せいぜい他人の文章をかっぱらって、堅実に連載を続けないさい。
連載落とすなよ。文字どおり「木から落ちた猿」になっちゃうぜ。

             天国より、ホトケの安原


377無名草子さん:03/02/02 17:24

涅槃で待つ、ホトケの安原
萌えを愛する人々 1

 地元でも人気の多い繁華街の焼鳥屋で、孤独に飲んでいて終電を逃してしまった。
 私はそこから帰るには、かなり交通の便が悪いところに住んでいる。
 タマネギ畑は、タマネギが腐るほどあるが、近所にコンビニも無く、ちょっと街中に用があって出たときなどは、一人寂しく飲んでいるうちに気が付くと最終を逃してしまう。
 若ければ始発まで飲んでいるのだが、歳のせいか飲み過ぎると吐く事が多くなり、そろそろ自分の限界が近づいている事が解ったので、私は店を出た。
 最近、一人で飲みに行くことが多い。
 友達が少ないというのもあるが、私は静かに飲むのが好きだった。
 休みの日は一人で街の中心部に出かけ、電気屋やアニメショップ、同人誌専門店を回り、その日の最後に焼鳥屋に行くと言うのが、ここしばらくのおきまりのパターンだ。

2

 始発までの時間をゲームセンターで暇つぶしをしていたら、一人の若い女性のオタクと知り合った。
 私が持っていたアニメイトの袋に同種の臭いを感じたらしい。
 私がバーチャ遣っていた時に対面式でない、横に並んでプレイする筐体の長椅子に突然座り、
「対戦して良いですか?」
 と、声を掛けてきて驚いたが、二人で対戦プレイをしたのだ。
 それから意気投合して、近くのファミレスに行った。
 午前三時を過ぎた頃、彼女が私に言った。
 「ウチに泊まればいいっちゃ?」
 彼女のアパートはこの近くだという。
 ウチとか、だっちゃとか、オマエ何歳だよ?と思いながらもそんじゃあって事になって、
歩いて五分ほどだと言う彼女の部屋に向かうことになった。
 さすがに一日中歩き回っていたので、私も疲れてきて横になりたかった。
 別に彼女とほにゃららしたいとか、そんな下心があった訳ではない。
 いや、本当に。
「ちらかっているけど、気にしないっちゃ」
 ヒカルちゃんは、そう言って二階建てのアパートの階段をコツコツ上がっていく。
 私も後に続いた。
 ヒカルちゃんは”いかにもゲーム系オタク女”って感じの子(化粧気のない顔、二、三日洗っていな
いベタついた感じの腰まで伸びた長い髪、ケミカルウオッシュのジーパン、ユニクロで買った黒いコー
ト、赤いトレーナーと、何故かレーシンググローブ、牛乳瓶の底みたいなレンズのメガネ)で、犬顔色
白、アニメの声優みたいな声、歳は二十歳って事だった。
3

 部屋には誰もいないのに電器が付けられていた。
 ドアを開けた瞬間、私の目に飛び込んできたのは、半畳ほどの玄関に、天井に届くくらい高く積み上
げられている週間の漫画雑誌だった。
少年ジャンプ、少年サンデー、少年マガジン、チャンピオン、アニマル、アッパーズ、スピリッツ、ヤ
ンマガ、ヤンサン、ヤングキング…
コンビニで売られている週刊誌が全て揃い、それらが何週間分も積み上がっていた。
 その奥の、玄関から部屋に続く狭い通路には、各月刊誌、アニメ雑誌、ゲーム誌が積み上がり、さら
に奥の部屋の至る所には、単行本と、PS,PS2,DS、GCのゲーム機とゲームソフトと、ビデオとDVDソ
フトが積み上がり、部屋の真ん中にあるコタツを囲んでいた。
 そのコタツの上にはパソコンとその周辺機器が置かれている。
 ヒカルちゃんは「狭いけど、どうぞ」といいながら、ガラガラとビデオテープの山を部屋の片隅に押
しやり、私がコタツに入るスペースを作ってくれた。
 正直、自分の部屋もヒカルちゃんの部屋と大差ないが、女性でここまでのオタクッぷりを見せてくれ
る人は他に知らなかったので、驚いていた。
 そこはまさしくオタクのホーリーランドだった。
 六畳一間のその部屋にはベットも無く、コタツが彼女の寝床で、テレビの上には食玩が大量に
並び、開いているスペースは床の上には無かった。
 「片づけなきゃとは思うんだけど、なんか勿体なくて捨てられないっちゃ」
 そう言いながらヒカルちゃんは私の為に少しでもスペースを作ろうとして、色んなものを積み上げている。
 既にその高さは座っている私たちの座高を遙かに超えていた。
 「いやぁ、俺の部屋もこんな感じだよ」
 私は本の中に体を小さくして座り、部屋を見まわした。
 この部屋には食器とか料理器具とか、生活に必要なものはほとんど無かった。
 もちろん、年頃の女の子らしいものもなかった。
 あるのは萌えられるものばかりだった。

 以前、ニュース番組で「二階の息子の部屋の床が抜けて、下にいた母親が死亡」と言うニュースを見
た。


 その息子は自分の部屋に漫画本やらビデオテープを大量に所持していた。
 それらの重みで二階の床が抜けてしまい、一階にいた母親が落ちてきた天井と、漫画本、ビデオテー
プに押しつぶされて母親が死んでしまったのだ。
 このニュースを聞いたとき、普通の人なら笑い話にするのだろうが、私やヒカルちゃんの様に部屋に
ため込んでいるオタク達には他人事ではない話だった。
 所持している多くの漫画本やビデオは、二度と見ることはないだろう。
 だが、それでも捨てられないのだ。
 なぜ、捨てられないのだろうか?
 それは私たちにとって、それらは財産だからだ。
 
「やっぱり捨てられないっちゃ。これはウチの生き様だっちゃ」
「うーん、俺もたまに処分するんだけど、結局また欲しくなって買い直したりするんだよね。だから投
げるのは無意味だし、金も勿体ないしね。部屋が何かで満たされていないと落ち着かない。不安感って
言うの?ちらかっている方が落ち着かないんだよね。ヒカルちゃんは彼氏いないの?」
「…前いたけど、別れたっちゃ。今はいないっちゃ」
「彼氏がいたときはどうしてたの?」
「つきあい始めて暫くして、ウチの部屋に連れてきたら、次の日から連絡が取れなくなっなったっちゃ
…ウチの事より、アナタはどうなの?」
「…俺は一時期、オタクを止めてたんだ。オタクと言われるのが恥ずかしいと思ったし、彼女も欲しく
て、エッチもしたかったしね。そんな努力の甲斐あってか、こんな俺にも彼女ができた。
嬉しかったよ〜。もちろんエッチもヤリまくって、ラブホ巡りなんかしてさ、フェラチオなんかもガン
ガンしてもらったりしたよ。だけどね、それもすぐに終わりがきたんだ。彼女が他に男を作っちゃって
ね。それで終わり。そんな時に「新世紀エヴァンゲリオン」見ちゃってね。オタクに復帰したんだ。い
や〜、彩波レイには萌えたね」
「それはそれはヘヴィだっちゃ…」
「ヒカルちゃんだってヘヴィじゃん。今思うとね、俺は彼女のことを愛していなかったんだよ。
ただヤリたかっただけで、気持ちのいい穴以外の何者でもなかったんだ。そんな俺がフられるのは当然
の結果さ」


 漫画本とビデオに埋もれながら、ヒカルちゃんはパソコンで「2ちゃんねる」を見ている。
 パソコンを買って、「2ちゃんねる」を見るようになってから、ゲームをする時間が減ったそうだ。
 一日の時間が足りないっちゃ。
 と口を尖らすヒカルちゃんは、無気力でも、引きこもりと言うわけでもない。
 どちらかというと、明るいタイプの女の子に見える。
 でも、ときおり彼女に見えるもの寂しさは何なのだろう?
 寂しさ、孤独感だろうか?
 見ず知らずのオッサンである私を部屋に泊めてしまう程の孤独感。
 何かに萌えている。
 いつも萌えている。
 一人で生きていくしか無い時、自分と向き合わないために、何かに萌えている。
 私もヒカルちゃんも、そうなのだろう。
 萌えること。
 それが二人の共通のコンセプトなのかもしれない。
 何か、底なし沼に自ら落ちていく様な気分だ。
 しかし、それは自分たちが望んだ事なのだ。
 コタツに突っ伏してすうすう寝始めたヒカルちゃんは寝言を言い始めた。
 「…萌え〜…」
 


 この若さでヒカルちゃんは生き様を決めている。
 自分が萌えられるものだけを愛し、その為に生きていく。
 そう言う世代なのだろうか。
 ヒカルちゃんは、強欲だがすごく純粋、私よりずっとピュアに見えた。
 他の普通の人々にとってはゴミでしか無い物を溜めているのに、このゴミは彼女の生き様の現れの様
に思えた。
 生産性の無い生き方。
 彼女は萌える事以外の事はしない。
 萌えこそが彼女と私の生き様だ。

 
 


 
384無名草子さん:03/02/03 02:57
385無名草子さん:03/02/05 17:32
a
386無名草子さん:03/02/08 08:54
;
387無名草子さん:03/02/08 13:22
アイソレーションタンクというものを体験してきた。名前だけは知ってる
人が多いかな? 以前は日本にも、これが置いてあるスペースが何か所も
あったそうだけど、今は東京の白金高輪でしか体験できない。

運営しているのは、ジョン・C・リリィ博士とも懇意にしていたという宮部
さん。にこにこして優しそうな人だ。

リリー博士というのはね、去年の9月に亡くなってしまったんだけど、
『アルタードステーツ』という映画のモデルになった人なんだ。
変性意識状態を人工的に作り出す感覚遮断装置を発明した孤高の脳科学者。
LSDとフローティングカプセルの力を借りて人類の集合的無意識にアクセスし、
イルカや地球外生命体とテレパシーで会話した男。

なんだか、えらくヤバそうな話でしょ?

リリーさんが孤高の脳科学者と呼ばれるようになった原因もわかるような
気がする。ドラッグの力を借りたこともまずかっただろうし、幽体離脱の
経験をもとに、人の心は脳にだけ存在しているのではないと主張したのも
まずかっただろう。でも、一番まずかったのは、彼が人間中心の世界観に
疑問を覚え、それをひっくり返してしまったことじゃないかな。

人間を中心としない世界観を、どうしても受け入れられない人は多い。
頭の固い科学者たちは、特にそうだろう。それが良いとか悪いとか言いたい
のではない。現状がそうなっている、それだけのことだ。
388無名草子さん:03/02/08 13:23
(>>387続き)
アイソレーションタンクが禁止されるようになった原因は、精神錯乱を
引き起こすからだとも聞く。きっと変性した意識状態を受け入れられない
人は錯乱してしまうのかもしれない。そしてそれが、いろんな施設から、
タンクが消えていった理由かもしれない。
だから高嶋政伸さんは、アイソレーションタンクを体験するために、ハワイ
まで行かなければならなかった。

だけど私は、今回のタンク体験にあたって、恐怖や不安はほとんどなかった。
危険が期待をいやますスパイスの役割をしたものの、自分はどんなことが
あっても、どんな場所に行っても、絶対ここに戻ってこれるという絶対的な
確信があったからだ。

もっとも、いざ体験となると、かなりオロオロした。タンクに入るには、まず
すっぽんぽんにならなければいけないのだ。どうせ誰も見ていないし、お風呂
に入る時と同じじゃないかと自分に言い聞かせてはみたんだけど、何か気恥ず
かしくて、これから悪いことを始めるような後ろめたい気持ちになってしまって
ドキドキした。

タンクに張られた硫酸マグネシウム溶液の深さはおよそ15cm。うまく浮いた
状態でリラックスできなくて、集中できないで終わってしまう人もいる。
日頃、水深何十メートルの海にダイビングしているくせに、ここでバランスを
とるのに失敗しておしまいじゃ、かっこ悪いよなあと少々あせる。そもそも
水深15mの海が見せる以上のものを、このたった15cmの溶液が本当に見せて
くれるというのだろうか。
389無名草子さん:03/02/08 13:25
(>>388続き)
しかし棺にも似た扉をパタンと閉めると、そこは夢に落ちる一歩手前。
いっさいの感覚を遮断された世界だった。

私たちは様々な身体からのフィードバックをバックグラウンドノイズとして
受け取っている。お風呂に入っている時は湯の温かさを感じ、海にダイブして
いる時も、ウェットスーツが身体を締めつける感覚や、水温や水の流れなどを
絶えまなく身体に感じてる。夜寝る前だって、完全に無音の状態にいることは
まずないし、絶えず布団の感触を感じてる。それがふっと消えた瞬間が、夢の
世界に飛翔する一歩手前の瞬間なのだ。

自分の呼吸の音や心臓の鼓動は聞こえているが、それもやがて消える。いや、
消えるというより意識にのぼらなくなる。そして、鮮やかな映像が次々と
フラッシュバックしていく。

私の見たものは、イルカの見る夢だったんだろうか。それとも胎児の見る
夢だったんだろうか。そのどっちでもあるような、どっちとも違うような
不思議な感じ。よくわからないけど、私のつながっていたのは、宇宙空間
だったんじゃないかと思う。浮かんだ映像をすべて覚えているわけじゃない
けど、宇宙から見た泣きたいくらい美しい地球と、地球と似ているけれど
地球ではない星の、なぜか懐かしい風景だけは覚えている。
390無名草子さん:03/02/08 13:27
(>>389続き)
だからスペースシャトルの事故が報道されたのをテレビで見ながら、私は
せつなくて、やるせない気持になった。

科学の発展のためだと言うのなら、そもそも有人飛行をする必要はない。
有人飛行にこだわるのは、宇宙に出て行きたいという人の夢がなせる行為だ。
そのためにNASAは、無人飛行だけ行うのとは比較にならないコストを払い
続けている。あんな不器用な、洗練されていない機械を使わなくても、人は
自由に宇宙に行けるのに。実際には、私の魂が本当に宇宙を飛んでいたのか
客観的には証明できない。でも、どうしてもそう思えてならなかったんだ。

こんな思いを抱くようになったのは、結局、アイソレーションタンクが
「危険」なものだったからなんだろうか。私にはよくわからない。

一緒に言った村松さんは、すっかりハマって、週一回は行くことにしている
そうだ。彼は特にこれと行ったビジョンを見ていない。だけど、リラクゼー
ションによる癒しの効果は抜群だったらしい。彼のような人は、頻繁に通う
のがいいんだろうな。

私のように、いろんなものを見てしまう人間にとっては、週一回のペースで
通うのはちょっとキツい。そうしょっちゅうは、湯河原から高輪に出て来れ
ないという物理的な事情もある。

でも、必ずもう一度行くつもりだ。そして次は、自分がどんな夢を見るのか
今から楽しみにしている。ここでこうやって文章を書いている私こそが、
どこかのタンクで見ている夢??なのかもしれないけれど。

参考文献: http://book.2ch.net/test/read.cgi/books/1044203572/161
http://www.deepself.net/jp/p01.html
http://rs.pod.tv/siteinfo.htm, http://rs.pod.tv/floating.htm
http://www.pcs.ne.jp/~yu/sf/altered.html
391無名草子さん:03/02/08 14:55
おお、アイソレーションタンクネタですか! そこはかとなくポエムっぽさ
が漂ってきていい感じですね。

でも、この文章からは書いた方の真面目さが伝わってきます。参考文献も
しっかり添付してありますし、いい加減なことを書こうとするとつい、?を
つけたり、疑問形になるあたりは良心が咎めるせいでしょう。

お猿先生は無茶な断言がお得意で、そのような謙虚さを持ち合わせていま
せん。常人には思いつかないような傲慢さや展開の強引さこそ、お猿先生
の素晴らしいオリジナリティのなせる業なのでしょう。まともな感覚の
人間が真似をするのはなかなか難しいのですね。
392無名草子さん:03/02/08 15:12
-----------------------------------------

http://www5b.biglobe.ne.jp/~ryo-kyo/osu.html

-----------------------------------------
393無名草子さん:03/02/08 21:42
*私が「アレックス」に魅かれる理由

前回のメルマガのお知らせに、最近観て面白かった映画は「アレックス」だと
書いた。そしたら速攻で、よくもあんな残酷な場面ばっかりの、救いのない
映画を勧めてくれやがったな、とお叱りのメールをいただいた。

私のメルマガの読者なら、私が死体写真集や人体解剖図を見るのが趣味な、
アンダーグラウンド好きの悪趣味な女だってわかってくださってると思って
たんだけどな。ううむ。

しかし私の書き方も悪かったのかも知れない。「刺激的な影像で、かなりヘコむ」
としか書いていなかったからなあ。ネタバレを避けるために詳しくは書きません
が、この映画にはレイプシーンや殺害シーンが長々と映し出されます。そんなのが
嫌いな人はハナから観ないことをお勧めします。映画については、
 http://www.asahi.com/culture/movie/K2003020701065.html
に紹介されているので、そちらを見てください。

ちなみに、この映画の評判はどういうものかとあちこちを見て回ったが、メールを
くださった方とは逆に、あの程度の残酷シーンならば騒ぐほどのものじゃない、と
断言している人もいる。ほんっとに人それぞれ、感じることはいろいろなんだなあ。

それはいいんだが、今度は私が、見なけりゃよかったと落ち込むことになったんだ
から、ざまあない。悪意の渦巻くインターネットの掲示板なんて覗いた私が悪かった
んだけどね。ノマさんはこの映画を、キューブリックの『時計じかけのオレンジ』の
オマージュとして撮ったんだけど、出来の悪い猿真似だと言われてしまっている。
時間を逆行する手法は、メメントのパクりだって罵倒されている。
394無名草子さん:03/02/08 21:43
(>>393続き)
映画のどんな残酷なシーンより、物事の表面だけを見てこういう批評を平気で書く
ことのできる観客の方が、何倍も残酷なんじゃないかなあと思う。他人事ながら
読んでいて身体がこわばってくるのがわかるし、みぞおちのあたりがちりりと痛く
なってくる。

およそ世に出る作品の全ては、過去のいろんな作品を下敷きにして製作される。その
連続性が文化というものだ。先行作品との些細な類似をあげつらい、それだけでその
作品は無価値であるかのように斬って捨てる人は、そのことをどれだけ理解している
のだろうか。好き嫌いがあるのはしょうがない。でも、こんな貶され方をしたら、
映画が可哀想で胸が痛む。物を作る仕事ってせつないなあとため息をつくしかない。

前置きが長くなってしまったが、本題に入る。

私は、前回のお知らせでは、こうも書いた。
「突き抜けた空虚みたいなものがあって、最後、不思議な透明な気分になる」と。

この意味がどうにもわからないというメールも何通かもらった。うーん。確かに
ぽんとこれだけ書いてあっても、わかってもらえないのが当然かもしれない。
395無名草子さん:03/02/08 21:44
(>>394続き)
私は以前、「閉じた世界と開いた世界――主体なき犯罪者たち」というエッセイを
書いた。そのエッセイで私は、自我を放棄し、閉じた世界に生きることになった
犯罪者の虚無に引かれる心情を告白した。

私は何も、残虐な犯罪をしたくてたまらないわけではない。だけど、徹底的に空虚
な存在になった果ての、悟りを開いた人と相似形の《無垢》とも言える何かに引き
つけられてしまうのだ。私は少年Aと同じく、《透明な存在のボク》になりたがって
いるのかもしれない。

でも小心者の私には猟奇的な犯罪を犯すことはできない。そもそも、そんな犯罪を
犯したいという欲望が私の中にあるわけではない。私に可能なのは、せいぜい本を
読んだり映画を観たりすることで得られるヴァーチャルな体験だ。

「アレックス」の原題は「IRREVERSIBLE」。取り返しがつかない、回復不能という
意味だ。その名にたがわず、取り返しのつかない救いのない話だ。予定調和的な
ハッピーエンドはない。胸のすくような復讐話ですらない。

それでも、しょせん映画に過ぎないとも言える。同質あるいはそれ以上の悲劇は、
この現実世界にあふれかえっている。家族に愛され、ある朝にこやかに家を出た
エリートサラリーマンが、ビルに突っ込んできた飛行機によって命を落とす。
両親の愛を一身に受けて育った少女が、変質者に誘拐されて殺される。地雷で命を
落とす者、食べるものがなくて餓死する者だってたくさんいる。
396無名草子さん:03/02/08 21:45
人は死ぬ。必ず死ぬ。どうせ死んでしまうのに、どうして生まれてくるのだろう。
ずっと若い頃から、私の心を離れない問いだ。

(>>395続き)
「アレックス」のような救いのない、しかも現実にありうる話に触れると、この
問いが、圧倒的な迫力をもって、私の心に蘇ってくる。気まぐれな暴力によって、
あっさりと奪われる幸福。あまりにも儚い。

だが、その一方で、逆行する時間線によって、二度と取り戻すことのできない
幸福が、より美しく、かけがえのないものとして迫ってくるのだ。そして幸福の
絶頂の瞬間は、映画の最後を飾るものとして、鮮やかに封印される。儚い命と
幸福は、この映画の中で逆説的に、誰にも手出しができないものとして永遠に
凍結された。彼女の生まれてきた意味があったのか?だなんて、誰にも疑問に
思わせないように。

虚無と空虚を突き抜けたところに立ち現れる無垢。残酷な場面を逆行した彼方に
かつて存在していた幸福。その透明さと悲しさはどこか似ているのではないか。
それとも、そんなことを感じてしまうのは、私というOSに組み込まれたバグに
過ぎないのだろうか。

そうかも知れない。私は常に断崖絶壁の前にたたずんでは、底知れない深淵を
覗き込まずにはいられない。最も闇が深い所にこそ、何かとても大切なものが
潜んでいる。そう思えてしょうがなくて、絶望の隣で夢見ることが好きなんだ。

参考文献: http://book.2ch.net/test/read.cgi/books/1044203572/166
http://tv3.2ch.net/test/read.cgi/cinema/1043861534/
397無名草子さん:03/02/11 17:37
*夢で逢いましょう (2)

私はずっと夢に興味をもっていた。二十代の後半には夢分析を受けていて、克明な
夢日記までつけていた。印象的な夢の話は、日記に何度か書いている。

そのせいだろうか。自分の夢の話をメールで送ってくる読者が非常に多い。
「この夢はいったいどういう意味なんでしょうか」と質問してくる人もいて、私は
しょっちゅう途方に暮れる。しょせん私はその人ではないから、その人の見る夢の
意味なんてわかりっこない。

私が分析できるのは自分の夢だけだ。おしなべて、自分の夢を一番的確に分析できる
のは自分自身なのだ。それも何年も経った後で、ようやく。

私はトイレで脱糞する夢をよく見るのだが、夢の中のウンチは私の肥大した「自意識」
であり、他人から隠しておきたいものだ。ところが世の中にはいろんな人がいるもんで、
トイレの夢についてこんなメールを書いて来た人がいた。

  人生の節目には「排泄の夢」はよく見ます。どんな夢かと言うと、ぶっちゃけた話、
  落ち着いて用が足せない……トイレがものすごく汚いとか、トイレに入っても人が
  見ているとか……です。私はこの排泄の夢をやたら見るのだけれど、それはたぶん、
  私が「書く」ということにこだわってきたからではないかと思います。私にとって
  「文章を書く」ということは「排泄」ととても似た行為なのだけれど、それがうまく
  いかないとき、私はやたらとトイレの夢を見続けます。
  なぜ「排泄」が「自己表現」とリンクしているのか、不思議ですが、「うんこ」は
  私のものです。他人のためにしたり、他人に受け取ってもらったりするものではなく、
  私は私のために「うんこ」をします。うんこは、私の純粋な創造物であり、私の分身
  なのです。
398無名草子さん:03/02/11 17:40
(>>397続き)
ううむ、自分の書く文章は自分のウンチだと言い切るのか。人それぞれだからそれはいい
んだけど、「ランディさんの見るトイレの夢も私と同じなんですよね」と書いて来られると
困ってしまう。私は自分の日記に、ウンチは私の肥大した自我なので、他人から隠そうと
右往左往する様子を書いている。私の創造したエッセイや小説が、そんな肥大した自我の
産物で、人前に出してはいけないもんだと言いたいんだろうか? 失礼なっ!

それに私は、大量にウンチをする夢を見た時のことを、自我ダイエットが必要な印だ、
いい歳をして恥ずかしいなあとも書いている。ウンチが純粋な創作物ならば、ウンチは
大量であればあるほどいいに決まっている。この人は私に、私の書く文章の量を今以上に
減らせとでも言いたいのだろうか。いや、そもそも私がトイレの夢について書いた文章を
全然読んでいないか、読んでたとしても、きれいさっぱり忘れてしまっているんだろう。
そういうもんだ。

では、このメールが、私を途方に暮れさせたメールナンバーワンかと言うと、実は違う。
私が一番困ったのは、こういうメールなんだ。

  二十七歳の頃、私は生涯の記憶に残るような至福の夢を見ました。とても啓示的で、
  夢の中での幸福感が体に蘇ってくるような夢。この夢に助けられてずっと生きて
  きたような気がします。
  その夢には、中学時代に作文指導をしてくれた私の恩師が登場します。先生は深い
  谷間のあばら屋に住んでいて、夜中に訪ねて行くと黙って家に入れてくれます。
  そして先生が家の奥から出してきた柳行李の中に私が十三歳の時に書いた「詩」が
  入っているのです。私はその「詩」を読んで、たいへんに感激するのですけど、
  その詩の内容は忘れてしまいました。春夏秋冬のそれぞれの意味について書いた詩
  たっだように思います。
399無名草子さん:03/02/11 17:42
(>>398続き)
  明けのカラスが鳴いて、先生は無言で「もう帰りなさい」と私に目で合図します。
  私も無言で、自分の十三歳の心の詩を柳行李に戻し、先生の家を後にします。
  あの柳行李の中に入っていた詩のがどんな内容であったのか、私はわからないのに、
  わかっている。その「わからないけど、わかっている」そのなにかが、私をずっと
  支えて、ここまで導いてくれました。言葉にはできないけれど、私にはわかっている
  ことがある。とてもとても大切なこと。私はそれを知らないけれど、わかっている。
  ああいう夢を、また見たいと思うのだけれど、あんな不思議な夢体験は一回きりです。

こんなことを書くと自分もとっても辛いんだけど、この人の文章はお世辞にも上手とは
言えない。「書いた詩たっだ」も、「入っていた詩のがどんな内容」も、「その『わから
ないけど、わかっている』そのなにかが」も、あえて改ざんせず、原文のママ引用させて
いただいた。

ところが、この人は、いつか自分の書いた詩集を出すのが夢だと言うんだ。

現実のこの人の恩師は、彼女の詩を高く買っていたわけではない。彼女自身がメールに
書いたところによれば、先生は彼女に「あんたはね、歌心がわかってない」「あんたの
書くものはあざとい、いつかそれに気がつくだろう」と言ったそうだ。

彼女の意識は、一見それを冷静に受け止めているかのように見える。しかし、彼女の
隠された心は、そんなはずない、そんなの嘘だ、あたしにだって詩が書けるはずだと
叫びながら、あたかも現実に復讐を果たすかのような夢を見せる。夢の中で先生は、
一言も言葉を発することが許されない。
400無名草子さん:03/02/11 17:45
(>>399続き)
本人が夢に救われて、それで幸せならばいいのかも知れない。だけどね、そんな夢に
いつまでも浸っていてはいけませんよ、と警告しているのも、彼女の無意識なんだ。
だから彼女は、明けのカラスが鳴くのを合図に、谷間の家を出なければいけない。
夢でわかったことを、現実世界の言葉にすることはできない。これからも。ずっと。

素質がない、と中学時代に宣告された彼女には、血のにじむような努力が必要だろう。
だけど夢の甘美な幸福感と、自分はすべてわかっているという根拠のない確信が、詩を
言葉にするための研鑽の邪魔になる。たぶん彼女はひたすら待ち続ける。言葉たちが
魔法みたいに、すとんと天から降ってくることを。

これは夢のもつ残酷な側面だ。夢は現実では滅多に味わうことのない、いろんなものと
セットで登場する。それは目もくらむような恐怖だったり、めくるめく至福感だったり、
自分は森羅万象すべてのことを理解したという確信だったりする。

普段暗い感じの夢ばかり見る人は特に、たまに至福感にあふれた夢を見たら、それを
重要な神のお告げであるかのように思い込んでしまうのではないか。夢の内容が、
満たされなかった自分の願望を満たし、かつて傷ついたプライドをやさしく撫でて
くれるものならば、その誘惑に抵抗するのは難しい。

だけど明けのカラスが鳴けば、やはり夢から出て行かなければいけないんだ。
人を誘惑しときながら、ずっといっしょにいることを許してはくれないのが夢だから。
何だか、質の悪い商売女みたいだけど、それが夢の本質なんだから、しょうがない。

参考: http://book.2ch.net/test/read.cgi/books/1044203572/193-222
http://web.archive.org/web/20010708061016/http://journal.msn.co.jp/worldreport.asp?id=990219randy&vf=1
401無名草子さん:03/02/16 00:40
*バレンタインの日、なにしてました?

昨日はバレンタインだった。でも特にこれといって何もしなかった。
チョコをあげたいと思うような男もいないし、OLじゃないから義理チョコとも
無縁だ。

娘は甘いものが嫌いなので、子供のためにチョコレートを買うってことすら
しなかった。近所のスーパーに行っても、そろそろ雛まつりだなあと思うだけ。
うーーん。これでいいのか、私。

当たり前であるが、私だって、昔からこんな枯れたバレンタインを過ごしていた
わけではない。

少なくとも、19歳の頃、1980年の私は全然違っていた。

19歳の頃、私は吉祥寺のアパートに住んでいた。アパートの名前は松美荘。
隣の部屋に石井君って男の子が住んでいてね、私は彼の部屋に入り浸りだった。
と言っても、同棲していたとか恋人だったというわけじゃあないんだ。石井君
には他に彼女がいたし、私も他の人とつきあったりしていた。

彼の部屋には怪しい人たちがたくさん集まってきて、世界の成り立ちについて
飽きず議論していた。その部屋が私にとっての大学で、そこで哲学や心理学の
勉強をさせてもらっていた。お互いの人間関係は交錯しまくっていて、もう
ぐちゃぐちゃ。夏の陽が照り返すトタン屋根の下の熱い部屋。ああいうのを
青春と言うんだろう。
402無名草子さん:03/02/16 00:41
(>>401続き)
そしてバレンタインの日。私は高熱を出して、うんうんうなっていた。なんて
ことだ。愛しい雄一郎君のために、チョコレートを買いに行くこともできや
しない。

私は石井君に、チョコレートを買って来てと頼んだ。彼は「まかしといて」と
言って吉祥寺までチョコレートを買いに行き、なんと手ぶらで戻って来た。
「女の子が売り場に群がっていて、どうしてもそこに割って入れなかった、
ごめん」
石井君は土下座せんばかりに謝ったけど、19歳の私の気持はおさまらない。
石井君に冷やしてもらった氷まくらの上で、石井君を「ばか!いくじなし」と、
ひたすら罵倒していた。

その石井君と20年ぶりに再会したのは1999年のことだ。私がインターネット
に書いたコラムを見てメールしてきた彼と飲みに行った。

「あんときは、ほんと、どうしても女の子の群れに混じってチョコレートを
買えなかったんだよ。今なら図々しく買えるんだろうけどさあ」

その時の私は、あの頃の彼の気持がやっと理解できるようになっていた。だから
その一年後に書いた『アンテナ』の主人公の祐一郎に、当時の石井君の心理を
代弁させてみたりした。

   池袋地下街の喫茶店で、僕はガラス越しに彼女たちを眺める。皆、争う
  ようにチョコレートを買っていた。安いチョコから高いチョコまで、一人が
  数個を購入する。
   彼女たちの頭の中には今、男の顔が錯綜しているのだ。男はランク付け
  され、チョコの値段で整理されていく。なんという単純な合理主義だ。
  女は苦手だ。剥き出しで生々しくて、どう接していいのかよくわからない。

再会した石井君は、ナイーブでとんがっていた若い頃の石井君ではなかった。
今の彼なら、女特有のエグサも生々しさも平気で受けとめられるだろう。
403無名草子さん:03/02/16 00:43
(>>402続き)
彼は、あの1980年の夏を封印してしまっていた。哲学からも心理学からも神秘学
からも背を向けて、普通の高校教師になる道を選んだ。彼の影響でヘーゲルを学び、
ユングを知り、神話を学んだ私は、こうやって文章を書いて暮らしている。

彼とは、しみじみと昔話をして、そして別れた。ところが、2002年の冬、私は
19歳の頃の隣人と再び20年ぶりの再会を果たすことになる。

吉祥寺でやったトークショーの帰りに、私は偶然彼と道ばたで会った。

この晩のことは、『ハーモニーの幸せ』の「記憶、過去、そして歴史」という
エッセイにも書いたのだけれども、とにかく妙な夜だった。酔っていたせいなん
だろうか、自分が19歳のように思えてならない。現実にはいい年をしたオバサン
だってことはちゃんと自覚しているのに、左脳の認識とはまったく別に、とてつ
もないリアリティを従えて、19歳の頃の吉祥寺の空気が立ち現われ、空間全体を
支配していた。

私は自分の部屋に向かって歩いていた。お風呂屋の角を曲がった奥にある松美荘
の101号室。場末のパブでホステスのバイトをしている私。

  とぼとぼと歩いていくと、道の先に誰かが立っていて、長いシルエットが私に
  向かって伸びていた。
  「あれ」と、人影がいった。「あ……」私は驚いて顔をあげた。山崎君だった。
  「山崎君、どうしたの?」「君こそ、どうしたの?」
   山崎君は私のアパートの隣の部屋に住んでいた大学生だ。
   お金のない私はいつも給料日前になると山崎君に借金をしていた。ご飯も
  たくさん食べさせてもらった。風邪を引いたときは看病してもらった。山崎
  君は就職してアパートを出て行った。以来、会っていない。ほんの一年の間、
  私と山崎君は小さなアパートで隣り合って、まるで家族のように過ごした。
   そして、さよならも言わずに別れた。
404無名草子さん:03/02/16 00:49
私たちは、井の頭公園のそばにあるラブホテルに入った。山崎君と伍勢屋に焼き
鳥を食べに行くときに、いつもそばを通っていた「ホテル井の頭」に。

ラブホテルというものに行ってみたことのなかった19歳の私は、「ねえ、いつか
ここ入ってみようよ」と山崎君に言い、「そうだねえ、おもしろそうだね」と、
山崎君は言ったけど、私たちはとうとう「ホテル井の頭」に入ることがなかった。

ミズゴケの匂いのするホテルの部屋でビールを飲みながら、私たちは話した。

  「あたしさあ、たぶん、すごく好きだったんだと思うんだ。あなたのこと。
  いまだから言えるけど」
  「僕も、君のことが好きだったよ」
   とても真剣に山崎君が言うので、私はビールを吹き出した。
  「いいわよ、そんなふうに合わせてくれなくても」
  「そうじゃない。ほんとうに、好きだったよ。好きじゃなかったらあんなに
  長いこといっしょにいられなかったと思う」

そうだったの……? いくら私が誘っても、ラブホテルに入ろうとはしなかった
山崎君だったのだけれど。彼はこうも言った。
  「君は、いつも、右の目で今を見て、左の目で、どっか遠くの未来を見ていた。
  その遠くの未来は、僕には見ることができないほど遠いところで、なぜか知ら
  ないけれど僕はいつも、君においていかれるような気がしてた」

不思議だ。私を置いて、黙って引っ越していったのは彼の方なのに。それに彼は
なぜ、私がエッセイに書いた一節をここで繰り返しているんだろう。どうして
こんなに私の言って欲しかった言葉だけを言ってくれるんだろう。
405無名草子さん:03/02/16 00:53
やっぱ見分けつくね。
ランディのあのネバネバ感はだせてない。
406無名草子さん:03/02/16 00:57
(>>404続き)
   明け方に浅い眠りについて、うたた寝して目が覚めたら、もう山崎君は
  いなかった。
   でも、夢じゃなかった証拠にホテル代は払ってくれていた。

酔っぱらった私が、ホテル代を前払いしたとか、そういうことは絶対にない。
現実に夢が溶け出してくるような、そんな不思議な夜だったんだ。そういうことも
人生には、ままある。

ううん、夢ならば夢でもかまわない。私は何度でも恋の夢を見る。かつて
私を愛してくれた人からの、時空を超えたメッセージを繰り返し受け取る。
そして「気づかなくてごめんなさい」というメッセージを、そっと虚空に
向けて解き放す。願わくば、遠い雲の上にいるあの人も、いつか私のメッ
セージを受け取ってくれますように。

参考: http://www.hotwired.co.jp/opendiary/randy/19991002.html
『アンテナ』P.52
『根をもつこと、翼をもつこと』「パズル遊び」
『ハーモニーの幸せ』「記憶、過去、そして歴史」P.229〜242
407無名草子さん:03/02/16 01:07
>>405
今回はだいぶコピペ率が高いのですけれど、やっぱり瓜二つまでは
いかないですか。(完全にそっくりと言われると、気分が微妙に凹み
ますのでいいのですが (w)。

>>403>>404>>406の二行下げの部分は、『ハーモニーの幸せ』の
「記憶、過去、そして歴史」からの、ほぼ忠実な引用です。
改行を省略したり、〈中略〉表記なしで途中を抜かしたりはしてしまって
います。
408もう盗作ですら快楽じゃない彼女へ:03/02/17 13:25
マンビキ
 ごく普通の主婦であったケイコはパート先のスーパーで万引き少年を捕まえた。
 開き直る少年に、ケイコは警察に通報する。
 その時、少年は逃走し、店を飛び出した所で車に跳ねられ死亡する。
 事件は全国区のニュースで流れ、悪意のこもった非難がパート先や、ケイコの元に押し寄せる
 言われ無き誹謗中傷はエスカレートし、ケイコは仕事も家族も失ってしまう、
 失ったものを取り戻すためにケイコの戦いは始まる
409無名草子さん:03/02/21 08:43
a
410毒蛇:03/02/22 22:02
  



       


      やっぱお前らば赤だわ
411毒蛇:03/02/22 22:03
              │ こけモラたん、お水だYo〜
              └───────y──────────

    ∧ ∧
   ( ・∀・)   もう根っこが
    ヾヽ〃    カラカラだ
     ))⌒
   ⌒((                ∧_∧
     ))⌒              (・∀・ )
   ⌒((            □⊂    )
    [ ̄ ̄].              ヽ/ 人
     l_,._.,_l             (__)__)

             バカワシね
412毒蛇:03/02/22 22:05
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ランヂイワ最高だわ______はははハハハ
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  (6-------◯⌒つ |     +  おまえら  アホだね  
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hahahahaha      
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          / ̄ヽ
         /⌒⌒⌒ヽ/|
       ⊂| ◎     ‖ キッコーマソの故郷だ!!
         ヽ  ゚∀゚丿\|  
          __〃ヽ〈_
      γ´⌒´-−ヾvーヽ⌒ヽ-:,,
     /⌒  ィ    /\  ); `ヽ-:,,
    /    ノ^ 、  | 萬 |  _人  | "-:,,
    !  ,,,ノ(    \/ ノr;^ >  )  \,
    .|   <_ \ヘ、,, __, 、__rノ/\ /:    ヽ,,
     |ヽ_/\ )ゝ、__, 、_ア〃 /       \
     | ヽ、___ ヽ.=┬─┬〈  ソ          "-.,
    |   〈J .〉、| 亀 |, |ヽ-´           ゝ
    .|   /"" | 甲 |: |               ミ
     |   レ  :| 男 .| リ               "-:,,
419毒蛇:03/02/22 22:17
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       "ヾ ; "     ;;"ヾ;"〃  ";ヾ ;ヾ ;ヾ ; ;ヾ" ;ヾ" ;ヾ ;ヾ ;;ヾ ;../ ;ヾ  ;" ;
   "      ";ヾ ;ヾ ;;"ヾ ;ヾ;"ヾ;  " ;ヾ ;ヾ;_"  ; ;";ヾ ;;"ヾ ; ;"//  ;ヾヾ ;ヾ  ";"; ;;"ヾ ;
         " ヾ ;ヾ ヾヾ   ;ヾ ;ヾ ;ヾ ;ヾ ;";ヾ ;ヾ ;"ヾ   ; ;"  ; ./;    "  ";. ; ;ヾ ;ヾ ;" ;
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       _""Oh...    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄    " "  ""."..
      ",__     | I hope regulation of YBB......
      /  ./\    \____________________
    /  ./( ・ ).\  "     o〇         | ||  |];;;"ヾ;ヾ;"
  /_____/ (゜д゜) \   ∧∧           || ||  ];
   ̄|| || || ||. |っ¢..||    (,,  ,)   "      | |   \]|“
    || || || ||./,,, |ゝ||ii~   ⊂  ヾwwwjj从jwww| | |  ]||wwjwwjw"wwwwwww
    | ̄ ̄ ̄|~~凸( ̄)凸 .(   )〜w从jwwj/ 人 /\]\jwjjrjwjjrj从jrjwjjrj从jrjwjjrj从

422無名草子さん:03/02/23 00:23
先取りされたからって八つ当たりするな。
423田口オカルティ:03/02/23 04:17
・主人公達は三人組。男二人。女一人。
・樹海に自殺ツアーに来た大学生達。
・生きることに意味を失った若者達が、死に場所を求めて樹海をさまよう。
登場人物
 村上サオリ…21 女 大学生 
       特に生きている理由もないので、誘われるままに死ぬことにした。
       女子高生の頃は、女子高生と言うだけでちやほやされ、援助もやっ       て儲かっていたが、今はその頃の名残もない。
 山本ケンジ…25 男 大学生
       浪人と留年を繰り返し、いまだに大学生。やっと卒業を迎える事に
       なったが、就職浪人の予感。根が真面目すぎて、マイナス思考。
       九州の名家の跡取りで金はある。父親のことを「お父様」と呼ぶ。
 鈴木テツヤ…22 男 大学生
       酒と薬を愛す、リストカッター。借金が腐るほどあるが、そのうち
       死ぬことにしていたので、踏み倒す気でいる。
       小学生時代、義理の父親に性的虐待を受けていて、肛門と性器をメ       チャクチャにされている。授業にはほとんど出ず、山本に金を借り       にやってくるだけ。性的不能。
424田口オカルティ 2:03/02/23 04:18

・若さを失ったサオリ、未来の見えないケンジ・過去の傷を引きずるテツヤ。
 彼ら、彼女らの手に入れたいモノは、もう手に入れられない。
・手に入れられないなら、何もいらない。
・テレビのニュースで見た青木ヶ原樹海での自殺者の捜索活動を見て、彼らも
 死ぬことにした。
・死にに行く若者達。これがテーマです。

・物語は樹海に着いた所から話は始まります。
 着いた途端に、ノートパソコンでネットに繋ぎ、2ちゃんねるにスレを立てます
 【ライブ!!】これから樹海で自殺しまふけど、何か?【実況!!】(2)
・どうせなら、死んだらどうなるか?と言う事で、他の自殺者の遺体を探すことにします。
・探しますが、なかなか見つけることは出来ません。
・それぞれの過去が語られます。
・主人公達は自殺したばかりの若いカップルの遺体を見つけます。そして、そこで
 死んだ彼らが死ぬ前に使ったと思われる薬物を入手します。
・クスリをやったり、死体を犯したり、オナニーして、話を繋ぎます。
・遊体離脱もします。
・主人公達は命の危機に直面します。
  どんな危機か?
   クスリのやりすぎでショック状態、崖から落下、オナニーのしすぎで失神
   富士山の噴火、森林火災、悪霊に取り憑かれる等々…
・もちろん、ザーメンも大量に出ます。
425田口オカルティ 3:03/02/23 04:20
時事ネタをつぎ込む…
  万引き少年が車にひかれて死亡、イラク、人間の盾、児童虐待、2ちゃんねる
  で犯罪予告、傲慢なアメリカ。
・結局、山本は崖から落ちて死に、鈴木はクスリのやりすぎで狂乱しますが、村上
 は死にません。
・村上は何故か生きていけると思います。
・それで納得してしまいます。
・2ちゃんねるにスレが立った事で、通報され、捜索隊に救助され、病院に搬送さ
 れます。
・山本は死に、村上は病院から出てくる事はありません。一人残った村上は日情勢 
活に復帰します。
・友人を亡くし、大学を辞め、故郷での生活となりますが、村上は誰の子か解らな
 い子供を妊娠します。
・その子供を産み、育てることにします。
・自分は子供を産み育てるために生き残ったと解釈します。
・とりあえず、ハッピーエンドで終わりますが、何も解決しません。
426お猿で〜すw:03/02/23 04:21
 山本ケンジ…25 男 大学生
       浪人と留年を繰り返し、いまだに大学生。やっと卒業を迎える事に
       なったが、就職浪人の予感。根が真面目すぎて、マイナス思考。
       九州の名家の跡取りで金はある。父親のことを「お父様」と呼ぶ。
 鈴木テツヤ…22 男 大学生
       酒と薬を愛す、リストカッター。借金が腐るほどあるが、そのうち
       死ぬことにしていたので、踏み倒す気でいる。
       小学生時代、義理の父親に性的虐待を受けていて、肛門と性器をメ       チャクチャにされている。授業にはほとんど出ず、山本に金を借り       にやってくるだけ。性的不能。



424 名前:田口オカルティ 2 :03/02/23 04:18

・若さを失ったサオリ、未来の見えないケンジ・過去の傷を引きずるテツヤ。
 彼ら、彼女らの手に入れたいモノは、もう手に入れられない。
・手に入れられないなら、何もいらない。
・テレビのニュースで見た青木ヶ原樹海での自殺者の捜索活動を見て、彼らも
 死ぬことにした。
・死にに行く若者達。これがテーマです。

・物語は樹海に着いた所から話は始まります。
427お猿で〜すw:03/02/23 04:22
・山本は死に、村上は病院から出てくる事はありません。一人残った村上は日情勢 
活に復帰します。
・友人を亡くし、大学を辞め、故郷での生活となりますが、村上は誰の子か解らな
 い子供を妊娠します。
・その子供を産み、育てることにします。
・自分は子供を産み育てるために生き残ったと解釈します。
・とりあえず、ハッピーエンドで終わりますが、何も解決しません。


426 名前:お猿で〜すw :03/02/23 04:21
 山本ケンジ…25 男 大学生
       浪人と留年を繰り返し、いまだに大学生。やっと卒業を迎える事に
       なったが、就職浪人の予感。根が真面目すぎて、マイナス思考。
       九州の名家の跡取りで金はある。父親のことを「お父様」と呼ぶ。
 鈴木テツヤ…22 男 大学生
       酒と薬を愛す、リストカッター。借金が腐るほどあるが、そのうち
       死ぬことにしていたので、踏み倒す気でいる。
       小学生時代、義理の父親に性的虐待を受けていて、肛門と性器をメ       チャクチャにされている。授業にはほとんど出ず、山本に金を借り       にやってくるだけ。性的不能。



424 名前:田口オカルティ 2 :03/02/23 04:18
428お猿で〜すw:03/02/23 04:23
       死ぬことにしていたので、踏み倒す気でいる。
       小学生時代、義理の父親に性的虐待を受けていて、肛門と性器をメ       チャクチャにされている。授業にはほとんど出ず、山本に金を借り       にやってくるだけ。性的不能。



424 名前:田口オカルティ 2 :03/02/23 04:18

・若さを失ったサオリ、未来の見えないケンジ・過去の傷を引きずるテツヤ。
 彼ら、彼女らの手に入れたいモノは、もう手に入れられない。
・手に入れられないなら、何もいらない。
・テレビのニュースで見た青木ヶ原樹海での自殺者の捜索活動を見て、彼らも
 死ぬことにした。
・死にに行く若者達。これがテーマです。

・物語は樹海に着いた所から話は始まります。
 着いた途端に、ノートパソコンでネットに繋ぎ、2ちゃんねるにスレを立てます
 【ライブ!!】これから樹海で自殺しまふけど、何か?【実況!!】(2)
・どうせなら、死んだらどうなるか?と言う事で、他の自殺者の遺体を探すことにします。
・探しますが、なかなか見つけることは出来ません。
・それぞれの過去が語られます。
・主人公達は自殺したばかりの若いカップルの遺体を見つけます。そして、そこで
 死んだ彼らが死ぬ前に使ったと思われる薬物を入手します。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


429お猿で〜すw:03/02/23 04:24

・物語は樹海に着いた所から話は始まります。
 着いた途端に、ノートパソコンでネットに繋ぎ、2ちゃんねるにスレを立てます
 【ライブ!!】これから樹海で自殺しまふけど、何か?【実況!!】(2)
・どうせなら、死んだらどうなるか?と言う事で、他の自殺者の遺体を探すことにします。
・探しますが、なかなか見つけることは出来ません。
・それぞれの過去が語られます。
・主人公達は自殺したばかりの若いカップルの遺体を見つけます。そして、そこで
 死んだ彼らが死ぬ前に使ったと思われる薬物を入手します。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


425 名前:田口オカルティ 3 :03/02/23 04:20
時事ネタをつぎ込む…
  万引き少年が車にひかれて死亡、イラク、人間の盾、児童虐待、2ちゃんねる
  で犯罪予告、傲慢なアメリカ。
・結局、山本は崖から落ちて死に、鈴木はクスリのやりすぎで狂乱しますが、村上
 は死にません。
・村上は何故か生きていけると思います。
・それで納得してしまいます。
・2ちゃんねるにスレが立った事で、通報され、捜索隊に救助され、病院に搬送さ
 れます。
・山本は死に、村上は病院から出てくる事はありません。一人残った村上は日情勢 
活に復帰します。
・友人を亡くし、大学を辞め、故郷での生活となりますが、村上は誰の子か解らな
 い子供を妊娠します。
430お猿で〜すw:03/02/23 04:25
       死ぬことにしていたので、踏み倒す気でいる。
       小学生時代、義理の父親に性的虐待を受けていて、肛門と性器をメ       チャクチャにされている。授業にはほとんど出ず、山本に金を借り       にやってくるだけ。性的不能。



424 名前:田口オカルティ 2 :03/02/23 04:18

・若さを失ったサオリ、未来の見えないケンジ・過去の傷を引きずるテツヤ。
 彼ら、彼女らの手に入れたいモノは、もう手に入れられない。
・手に入れられないなら、何もいらない。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


427 名前:お猿で〜すw :03/02/23 04:22
・山本は死に、村上は病院から出てくる事はありません。一人残った村上は日情勢 
活に復帰します。
・友人を亡くし、大学を辞め、故郷での生活となりますが、村上は誰の子か解らな
 い子供を妊娠します。
・その子供を産み、育てることにします。
・自分は子供を産み育てるために生き残ったと解釈します。
・とりあえず、ハッピーエンドで終わりますが、何も解決しません。

431無名草子さん:03/02/23 04:32
・主人公達は三人組。男二人。女一人。
・樹海に自殺ツアーに来た大学生達。
・生きることに意味を失った若者達が、死に場所を求めて樹海をさまよう。
登場人物
 村上サオリ…21 女 大学生 
       特に生きている理由もないので、誘われるままに死ぬことにした。
       女子高生の頃は、女子高生と言うだけでちやほやされ、援助もやっ
       て儲かっていたが、今はその頃の名残もない。
 山本ケンジ…25 男 大学生
       浪人と留年を繰り返し、いまだに大学生。やっと卒業を迎える事に
       なったが、就職浪人の予感。根が真面目すぎて、マイナス思考。
       九州の名家の跡取りで金はある。父親のことを「お父様」と呼ぶ。
 鈴木テツヤ…22 男 大学生
       酒と薬を愛す、リストカッター。借金が腐るほどあるが、そのうち
       死ぬことにしていたので、踏み倒す気でいる。
       小学生時代、義理の父親に性的虐待を受けていて、肛門と性器をメ
       チャクチャにされている。授業にはほとんど出ず、山本に金を借り
       にやってくるだけ。性的不能。

・若さを失ったサオリ、未来の見えないケンジ・過去の傷を引きずるテツヤ。
 彼ら、彼女らの手に入れたいモノは、もう手に入れられない。
・手に入れられないなら、何もいらない。
・テレビのニュースで見た青木ヶ原樹海での自殺者の捜索活動を見て、彼らも
 死ぬことにした。
・死にに行く若者達。これがテーマです。

432無名草子さん:03/02/23 04:33
・物語は樹海に着いた所から話は始まります。
 着いた途端に、ノートパソコンでネットに繋ぎ、2ちゃんねるにスレを立てます
 【ライブ!!】これから樹海で自殺しまふけど、何か?【実況!!】(2)
・どうせなら、死んだらどうなるか?と言う事で、他の自殺者の遺体を探すことにします。
・探しますが、なかなか見つけることは出来ません。
・それぞれの過去が語られます。
・主人公達は自殺したばかりの若いカップルの遺体を見つけます。そして、そこで
 死んだ彼らが死ぬ前に使ったと思われる薬物を入手します。
・クスリをやったり、死体を犯したり、オナニーして、話を繋ぎます。
・遊体離脱もします。
・主人公達は命の危機に直面します。
  どんな危機か?
   クスリのやりすぎでショック状態、崖から落下、オナニーのしすぎで失神
   富士山の噴火、森林火災、悪霊に取り憑かれる等々…
・もちろん、ザーメンも大量に出ます。
・時事ネタをつぎ込む…
  万引き少年が車にひかれて死亡、イラク、人間の盾、児童虐待、2ちゃんねる
  で犯罪予告、傲慢なアメリカ。
・結局、山本は崖から落ちて死に、鈴木はクスリのやりすぎで狂乱しますが、村上
 は死にません。
・村上は何故か生きていけると思います。
・それで納得してしまいます。
・2ちゃんねるにスレが立った事で、通報され、捜索隊に救助され、病院に搬送さ
 れます。
・山本は死に、村上は病院から出てくる事はありません。一人残った村上は日情勢 活に復帰します。
・友人を亡くし、大学を辞め、故郷での生活となりますが、村上は誰の子か解らな い子供を妊娠します。
・その子供を産み、育てることにします。
・自分は子供を産み育てるために生き残ったと解釈します。
・とりあえず、ハッピーエンドで終わりますが、何も解決しません。
433無名草子さん:03/02/23 05:32
ランディ先生、ここからパクるのは、止めてね。

http://book.2ch.net/test/read.cgi/books/1044203572/319
> アルタイに行って驚いたのは、とにかくアルタイ人は日本人にそっくりなのだった。
>中国人よりも、韓国人よりも日本人にそっくりで、アルタイで撮影した写真を友人に
>見せると「うっそ、これ日本じゃないの?」と言われるくらい日本人にそっくりなの
だ。

> アルタイ人はとても日本人には親切だ。彼らも私たちが自分たちとそっくりなのが
>わかるのだ。そしてアルタイ人は自分たちが日本人のルーツだと思っていて、日本人
>を大変に歓迎してくれた。

予想スレの最初の方で、あれだけパクるんじゃねぇ!って警告がされてるのに。
http://book.2ch.net/test/read.cgi/books/1029236005/12
> そう言えば、アルタイの人たちって日本人みたいな顔をしてるな。遠くの親戚
>に久しぶりに会ったという感じ。だから、神様も日本の神様と似ているのかも
>しれない。そんな気がした。

> なぜかっていうと、そのとき私が思い出したのがアイヌのシャーマンである
>アシリ・レラさんだからだ。大地に根付いた神様への祈り。北海道とアルタイ
>という地理的には遠くの二点が、こんな近しい固有の振動をもつのは不思議だ。
434無名草子さん:03/02/23 10:52
>>423-425
なんだか普通の意味で面白いプロットのような。
少なくとも、「富士山」よりはずっと面白いです。

ところで男性二人と女性二人の組み合わせでふと思ったのですが、
ランディって、ランディ臭さのない女性を、長編小説中の主要な
登場人物にすることってほとんどないですね。

『コンセント』……ランディの願望を満たして、男にモテて超能力も
獲得するようになる主人公と、それをひがむ、より本人に近い脇役。
『アンテナ』……主人公は男性だが、森監督をモデルにした男性に
欲情。(w SMの女王様はランディ濃度が薄いが、これは盗作したから。
『モザイク』……人の話をまともに聞かないで、声が「サウンド」と
して聞こえるとホザく主人公以外は、これといった女性は登場しない。
『7days in BALI』……お嬢様っぽい若い女性のはずが、ランディ並に
年寄り臭く下品な主人公と、高次元にイッてしまったチビの女性。

クールで冷徹な主人公にしたかったのだろうけど失敗、の『モザイク』
では、主人公は男性とだけ長々と会話。『コンセント』『7days in
BALI』でも、主人公は男性と会話する以外は、どちらもランディの分身
同士という女性としか話し合わない。
435無名草子さん:03/02/24 02:25
「命は両親から頂いた大切なもの!もう一度静かに両親や兄弟子供の事を考えてみましょう。
一人で悩まず相談してください」
 そんな立て看板がアタシ達三人の前に立っている。
「これから死のうと決めて、この樹海まで来た人間には説得力がないな〜」
 ここに来ることの発案者である鈴木がそう言いながら、看板をデジカメで撮影している。
 「…それで、僕たちはどこで死ぬんだい?」
 最年長の山本が緊張した声で、鈴木に尋ねる。
 「ヤマさん、死ぬのが怖くなった?別に死ななくたっていいんだよ?死ぬのは俺
だけで充分なんだから」
 「怖くなった訳じゃない!どうせ死ぬんだったら、すぐに発見されないように、
奥まで入った方がいいんじゃないかと思っただけだよ」
 鈴木は何も答えず、口元で笑っている。
 「村上ちゃん、ノートパソコンを貸してくれる?」
 アタシはリュックに入っているノートパソコンを出して、鈴木に渡した。
 「何すんの?」
 「どうせなら、祭りににした方が面白いと思ってさ」
 鈴木は楽しそうにパソコンを操作し、さっきデジカメで撮った画像をパソコンに
取り込み、ネットに接続して用意してあった画像掲示板にアップした。
 そして、そのURLをコピーして、2ちゃんねるに移動して、スレッドを立てた。

【ライブ!!】これから樹海で自殺しまふけど、何か?【実況!!】
 1 :名無しさん :0x/0x/ xx 10:32
  死にますけど、何か?
  http://www300.jisatu.ne.jp/gazou/cgi/23458777.jpg
2 :名無しさん :0x/0x/ xx 10:32
2!
3 :名無しさん :0x/0x/ xx 10:32
4くらい
4 :名無しさん :0x/0x/ xx 10:33
つーほーしますた
436無名草子さん:03/02/24 02:26
>435 続き

 スレを立てたばかりだと言うのにアッという間にレスが伸びていく。
 正直、呆れもしたし、笑えた。

「そろそろ、行くか」
 鈴木はパソコンを閉じ、荷物を持って、歩き始めた。
 アタシ達もそれに続く。
「何で、樹海って自殺の名所になったのかな?」
 横にならんだ山本がアタシに聞いてきた。
「それはきっと、富士山がペニスで、樹海がヴァギナだからよ」
「ハァ?何それ?」
「鈴木君も、山本さんも自殺する事にした理由って男社会、もしくは男そのものに
原因と理由があるじゃない?他の自殺者もそれほど変わらないと思うのよ、だから
そそりたった富士山の前に広がる樹海、つまりヴァギナの中に戻っていって、その
中で死ぬことによって、生まれ変わりたいんじゃないのかな?」
 その話を聞いて、山本は少し考えていたが、結論は出なかった。
「良くわかんないよ…」
「いいんじゃない?どうせ死ぬんだし」
 アタシの言葉を聞いて山本はそうだなと言って笑った。
 アタシ達三人は樹海の中を進む。
 死に場所を求めて。
437無名草子さん:03/02/25 15:00
誤爆
438そのうち猿が書き散らすネタです:03/02/26 16:35
イラク「人間の盾」に日本人16人、外務省説得も難航

【バグダッド=相原清】武装解除をしぶるイラクへの武力行使が現実
味を帯びる中、「人間の盾」となって攻撃を阻止しようという日本人がバ
グダッド入りし、外務省が頭を悩ませている。イラク政府は無料で宿舎や
食事を提供して「反戦PR」に活用しているが、現地の日本大使館員は「
戦争が始まったら危険は計り知れない」と、懸命に国外退避を求めている。
在バグダッド日本大使館によると、25日夜(日本時間26日未明)現在、
イラク国内にいる日本人は報道陣などを含め計74人。平和団体関係者は35人
で、うち16人が戦争開始後も居残り、病院や発電所、製油所などの戦略施設に
張り付く「人間の盾」を志願しているという。
「人間の盾」運動は、昨年末に米国人の元海兵隊員の呼びかけで始まった。
インターネットなどで各国から応募があり、イラクには現在、約20か国から
300近い人々が集まっている。だが、仮に戦端が開かれれば、日本人を含めた
外国人は、実際に生命の危険にさらされる。イラク当局も、今でこそ「客人」扱
いだが、ある日突然、外出禁止令を布告し、外国人を事実上の「人質」に取
る可能性もあり、日本政府の悩みは深い。
日本大使館ではニューヨークからの応援1人を含めた3人の館員が分担して、
日本人が宿泊するホテルなどを訪れ、一日も早い出国を説いて回っている。
「戦争も危険ですが、その後に騒乱が起こった場合、無秩序の中で暴徒に
襲われる危険もある。外国人は標的になるかもしれない」。25日も三原潔
1等書記官は、同市内のホテルで3人の日本人に会って説得を試みたが、
「私が死んでも次の世代に命は生きる。人間の力を信じたい」(31歳の女性
ダンサー)などと逆に訴えられ、不調に終わった。
外務省では、大使館員による直接面会のほか、邦人保護課が中心となり、
日本人滞在者の親などに依頼して、電話で国外退避を説得してもらう作戦も展開している。
外務省は今月14日、イラク全土を対象に退避勧告を出しており、日本大使館
も早ければ来週中にも閉鎖し、館員は退去する方針だ。(読売新聞)
439無名草子さん:03/02/27 02:39
*夢で逢いましょう (3)

私は渋谷のボロアパートで、お腹を空かせている。もう何日、食べていないだろう。
忘れてしまった。身体を動かすのもかったるく、起き上がることすらできなくて、
うつらうつらしてる。

すると、部屋の中にどやどやと人が入って来て、私を担架で運び出そうとする。
私は、隣の布団で寝ているはずの兄の事を急に思い出して、
「お兄ちゃんはどこにいるの? どうしているの?」
と救急隊の皆さんに聞く。救急隊の皆さんは「大丈夫、無事ですよ」と言うんだ
けど、私は彼らの表情や一瞬の間から、雷に打たれたように悟ってしまう。

ああ、お兄ちゃんは、もうこの世にいないんだ……。
すっごく悲しくて、あんまり悲しいので、そこで目が覚めた。

どうしてこんな夢を見たのか、原因はわかっている。若い女性が餓死したという
事件をニュースでやっていた。あれのせいだ。

報道によると、餓死した無職女性は対人恐怖症の気があり、ひきこもり状態だった
という。私の兄も、長い間ひきこもっていて、死因は餓死だった。そのため私は、
このニュースを見て、兄のことを思わずにはいられなかった。

ワイドショーのコメンテーターは、なぜ、この豊かな日本で、いい大人が餓え死に
しなければいけないんだろう?と首をひねっていた。私の兄も、死んだ女性も、
小さな子どもでもないし、寝たきりの老人というわけでもないのだ。ましてこの
事件では、同居していた友人も同じ家の中にいたのだ。
440無名草子さん:03/02/27 02:40
(>>439続き)
精神科医の分析によると、同じ環境で生活することで症状が感応し、お互い症状を
加速させてしまったのだろうということだ。分からないけど、分かるような気が
する。狂気や絶望は伝染する。私がひきこもりの兄と同居していた時は、私まで
彼の荒涼たる心象風景に引きずられていって、気が狂いそうな思いをさせられた。

死んだ女性と同居していた女性と私との違いは、同居女性が「ひきこもり」に感応
して自分もひきこもるようになったのに対し、私は兄の待つ部屋に帰らなくなった
ということだろう。

私はずっと、兄を見捨てた自分というものに罪悪感を感じていた。しかし、兄の
狂気に感応していたら、共倒れになって自分も死んでいたかもしれなかったんだ、
ひどく危ないところだったんだなあ、とニュースを見ながらぼんやりと思っていた。

私は薄情な女だ。私の父にも、「こんな冷徹な女はみたことがない」と言われる。
でも、その冷徹さが私の命を救った。紙一重で、死の連鎖から逃れることができた
のは、そのおかげだと思う。

人間って悲しくてせつない存在だなあと思う。異なる人間に感応し、一体になろう
とすることは、すなわち死に続く道でもあるのかもしれない。臨死体験では、人は
光を目ざして飛ぶ。その光の中にたどりつきさえすれば、かつて生きていたあらゆる
人と一体になれる。逆に言えば、死後の光の中以外では、人と人とは完全には一体に
なれないように出来ているのかも知れない。
441無名草子さん:03/02/27 02:42
(>>440続き)
それでも人は、どうにかしてわかり合いたいと願う。せつないくらいに。真剣に。

私はかつて、こんな夢を見たことがある。
  夢の中で私は「ある実写フィルム」の存在を知る。そのフィルムはとある
  刑務所における長期間にわたる女性虐殺の歴史を収めたもので、その刑務所
  では組織的に百年にわたって女性の虐殺が行われたのだと言う。
  その理由は「男にとって女は永遠の謎だから」というものだった。フィルム
  には、女性を殺して内臓を取り出したり、輪切りにしたり、脳みそを食べたり、
  思いつく限りの女性虐殺の様子が収められていて、それはもう凄まじいのだけ
  れど、なぜかそこに描かれているのは壮絶なまでの「好奇心」であって清冽な
  ほどなのだ。
  私はそのフィルムを観ながら「男ってバカだな、こんなことしても女をわかる
  はずないのに」と思っている。(『くねくね日記』P.10  九月四日)

これはフランス人女性の人肉を食べた佐川君にも通じるものがあると思う。彼は
自分の食べた女性のことが好きで好きでたまらなくて、彼女と一体になりたくて、
食べてしまったんだ。でも、彼女のことをバラバラにしてしまった彼は落胆そて
いた。分解された肉片のどれを見ても、佐川君が好きだったハンナさんはどこにも
存在しなくなってしまっていたから。

だけど、人間の中身が見たくてしょうがなくて、小学生の頃から好奇心のおもむく
ままに人体解剖図や写真を読み耽り、映画「エデンへの道」の人間解剖シーンを
食い入るように見つめた私には、夢の中の男達や佐川君のことは笑えない……の
かも知れない。

参考: http://www.zakzak.co.jp/top/t-2003_02/3t2003022623.html
http://society.2ch.net/test/read.cgi/soc/1044374231/227
http://pcweb.mycom.co.jp/column/dream/dream023.html
442無名草子さん:03/02/27 11:05
>>439-441
お見事! 文章としての体裁をまだ備えていた3年くらいまえの
ランディを彷彿とさせますね。
いまの盗作猿は、こういうみごとな文章を書こうとしても
もはや猿回し編集者どもに飼い慣らされて盗み癖がついているから
絶対にこれほどの文章は書けませんね。

盗作猿よ、ここにある作品をパクるなよ!(笑)
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444無名草子さん:03/02/27 14:13
>>442
>文章としての体裁をまだ備えていた3年くらいまえ

その名も、「夢で逢いましょう」というコラムを書いていたり。
http://pcweb.mycom.co.jp/column/dream/dream041.html
まあ、これは1999年前だから4年前ですが、2003年度「夢で逢いましょう」
http://www.melma.com/mag/26/m00001926/a00000116.html
は、これのヒドい使い回しですね。題名がそのまま同じなだけでなくて、
夢の種類と解釈の羅列、シリーズものの夢の話など、構成も同じ。
違っているのは、夢の種類と解釈の対応というボケぶりです。
445無名草子さん:03/03/01 23:05
*だからあなたは死なないで

前々回のコラムに、「人間の盾」としてイラクに行った雨宮さんのことを書いた。
彼女の手紙によると、イラクにいるのは「2月15日より24日まで」であり、
「その間に空爆が始まったら雨宮は死んだなと思ってください(笑)」とのこと
であった。

2月24日は、もう過ぎた。「人間の盾」になった日本人女性に何かあったとか
いう報道はないから、たぶん雨宮さんは無事なんだろう。

それは喜ばしいことなんだ……けど、どうも手放しでよろこべない自分がいる。
帰国しているであろう雨宮さんとまだ連絡を取れていないってこともあるけど、
それだけじゃない。今回は無事帰って来たとしても、その次はどうなんだろう?
と、不安に感じてしまう自分がいる。そのせいだ。

アトム生誕の年だというので、最近、「鉄腕アトム」がよくテレビに登場する。
最新作が紹介されることもあれば、昔の白黒だった頃のフィルムが流されること
もある。

昔のアニメの最終回では、アトムは爆弾を抱えながら太陽に向かっていく。
地球を破滅から救うために。

でも、アトムの話だったら、他にどうしようもなかったんだから仕方がない、と
思うこともできる。彼以外に地球を救える者はいなかったし、彼の命と引き換え
に確実に地球は助かるのだから。

「人間の盾」ってどうなのだろう。いざアメリカが空爆を始めると決めたら最後、
そんなもので戦争が止められるものなのだろうか、とも思う。
446無名草子さん:03/03/01 23:06
(>>445続き)
友人に聞いてみたら、「アメリカも面倒なことは嫌だろうから、『人間の盾』を
避けて空爆をするかも知れないな」って言っていた。「それ以前に、フランスとか
イラク攻撃に反対している国もあるし、24日までにはまず爆撃は開始されない
だろう。そういう予測をもとに『人間の盾』の人たちもイラクに行ったんだろう」
と、おっしゃる。

「じゃあ、『人間の盾』ってどういう意味があるの?」
「マスコミなんかに報道してもらって、注目を集める意味があるんじゃないかな。
ランディだって、自分のメルマガに、そのことについて書いただろう?」

彼の意見によると、広く世間に自分の意見を知ってもらい、その主張を印象づける
ために自分の命を盾にするというのは、よくある手法であるが、それなりに効果的
である、ということだった。

「たとえは悪いけど、文化祭を中止しなければ自殺するぞと騒いだ学生がいたじゃ
ない? いい大人がそれにつきあって大騒ぎすることの是非はともかく、少なくとも
彼が『死んでやる』と周囲を脅さなければ、ニュース種にもならなかったわけだ」
「ちょっと、それはいくらなんでも、あんまりな例じゃない? 雨宮さんを、そんな
人といっしょにしないでよ」
「すまん、すまん。じゃあ、ハンガーストライキとかはどうだ? あれで本当に餓死
した奴がいるかどうかはわからないが、世間の耳目を集めるのには悪くないパフォー
マンスだ。普通にデモ行進するよりは、ずっと効果的だろう」

彼はこうも言った。
「アメリカかどっかの過激な団体ならいざ知らず、本当に命を投げ出すなんてことは、
自殺願望のある奴じゃないかぎり、そうそうめったにやらないさ。だから大丈夫。
君の友人だって、まず無事で帰ってくるさ」

しかし、「生き地獄天国」を読めばわかるが、雨宮さんは、かつてリストカットなど
による自殺未遂を繰り返してきた人なのだ……。今はリストカットはやらなくなって
いるだろうが、その代わりのように、北朝鮮にも行けば、イラクで人間の盾にもなる。
447無名草子さん:03/03/01 23:07
(>>446続き)
よく「死ぬ死ぬと言って自殺未遂を繰り返す奴に限って死なない」とか言う人がいる。
実はそれは間違いだ。死に魅せられた人は、最終的には死ぬことに成功してしまうこと
が多いのだ。

知識不足のせいもあって、最初は手首を軽く切るだけだったり、死ぬためには全然
足りない量の睡眠薬を飲むだけかもしれない。だが、回数を重ねていくことにより、
それだけ死ぬ確率も高くなる。少しずつ振り幅を増す振り子のように、死への距離は
どんどん近くなり、ある日本当に死んでしまうのだ。そういう人間を私は何人も目撃
してきた。

死にたがっている人をこの世にとどめておくことは本当に難しい。私は雨宮さんに
死んで欲しくはないし、危ないことはもう止めてくれと言いたくなる。これは単純に
私のエゴによるもので、もし雨宮さんが死んだら私が悲しい、それだけの理由だ。

そして、そんなことは、雨宮さんのように政治的にビィビィッドな思想信条を持つ
人に言ったとしても、まったく聞き入れてもらえないんじゃないかとも思う。
当然だ。太陽に向かおうとしているアトムを、あなたがいなくなると悲しいとか
寂しいとか、そんな言葉で止められるものだろうか。

それでも、私は敢えて言いたい。雨宮さん、死なないで、危険なことは止めて、と。
政治運動をするにしても、自分の命を盾にしたりしないで、より広くアピールする
方法がきっとあるはずだ。

その方法とはどういうものか? すぐには思いつかないけど、頑張って考えてみる。
だから、どうか雨宮さんも考えてみて。あなたも私も、文章を書くことによって、
自分の考えを世に問うことができる。

死ぬよりもずっとすごいことが出来るはずなんだ。絶対。

参考: http://backno.mag2.com/reader/BackBody?id=200302181830000000104973000
448無名草子さん:03/03/04 10:31
>445-447
449無名草子さん:03/03/04 10:32
450無名草子さん:03/03/12 07:47
*夢で逢いましょう (4)

またしても夢の話である。

この前のメールマガジンのお知らせに、自分に合う服が選べなくて、延々と服を
とっかえひっかえしている夢を見ると書いた。そしたら、読者の方から、どうせ
夢なんだから、その場で自分に合う服を作ってしまってはどうか、というメール
をいただいた。

なるほどなあ。私は夢の中で、「ああ、私は夢を見ている」と自覚できることが
時々ある。そういう時には、夢の流れを自分の意志で、ある程度コントロール
することが可能だ。そういう時にでも試してみようと思っていたら、ナイスな
タイミングでそれが起こった。

そこで私は自分で服を作り始めるのだが、どんなに頑張っても、作る服作る服、
ロクでもないデザインのものしか作れないのだ。自分に似合う似合わない以前の
問題で、パッチワークの出来損ないのような、妙な継ぎはぎの服しか作れない。
縫い目もボロボロで、ひでえもんだ。

考えてみれば私は、中学の時の家庭科で、とうとうパジャマを仕上げることが
出来なかった前科がある。夢の中でも裁縫が苦手なままだとは、まったくもって
トホホ……である。
451無名草子さん:03/03/12 07:49
(>>450続き)
靴が無くて困っている夢も見た。夢の中で私は、靴を履かずに外の街を歩いている。
幸い、地面には鋭い石やガラスの破片は落ちていないらしく、足の裏が痛くなって
困るってことはない。だけど、裸足で外を歩いているなんて恥ずかしい、他人に
ばれたらどうしようと、ひたすら焦る。

私がこの夢を見るのは始めてではない。この夢のことは実は『コンセント』にも
書いているんだけど、夢の続きはいつも、小説に書いたエピソードと同じような
展開になるんだ。

私は、どうにかして靴を手に入れたいと思って、靴屋に入る。試し履きするふり
をして、その店の靴を履く。お金はない。店員は私の方を見ていない。だから
私は、靴を履いたままそうっと店を出る。出来ることならば、すたすたと早足で
その場を立ち去りたいのだけれど、それじゃ怪しまれるので、私は冷や汗をかき
つつも、ゆっくりゆっくり歩いていく。

万引きした靴は、私の足とサイズが合わなかった。歩くと、つま先が少し痛い。

その嫌な痛みは、夢から覚めた後でも、どんよりとした暗い灰色のもやのように、
私の心に沈澱していた。
452無名草子さん:03/03/12 07:50
(>>451続き)
そして昨晩見た夢。これも盗みの夢だった。その夢で私は、なんと盗作をして
しまう。あろうことか私は、ある人の書いた文章をほとんどそのまま、自分の
小説の中で使ってしまうのだ。

しかも、その文章が載っていたのは、私が解説を書いた本だった。私はその人の
才能のすごさに心底から敬服していた。その本はネットに発表されていた日記を
まとめたものなんだけど、それで小説を一本書けそうなエピソードが惜し気もなく
つぎこまれているので、私は解説に、この本はネタの宝庫だ、彼女の才能に嫉妬
すら覚えると書いていた。

その本に書かれている事とそっくりな文章を、数ページにわたって自分の小説に
書いてしまったのだから、タダですむわけがない。不審に思った読者は騒ぎだし、
相手の出版社は抗議してくる。

私は何とかして彼女と直接会って話し合いたいと思っている。しかし彼女の怒りは
強く、会ってもらえなかった。出版社経由で、私が著作権侵害をしたことを認める
文章を、私の小説の後書きに載せて欲しいと言ってくる。私はなぜか、それだけは
勘弁してくれ、印税の一部を渡すから、取材協力ってことにしてくれと頼んでいる。
453無名草子さん:03/03/12 07:51
(>>452続き)
夢の中の私は、とにかく誰にも知られることなく、この件を処理したいと思って
いたようだ。だから最初は、自分の小説を出している出版社にも内緒にしていた
んだけど、交渉が難航して、そうもいかなくなった。

そうこうしているうちに、マスコミにもばれてしまい、テレビや新聞で、私が盗作
していることが報道されてしまう。出版社のホームページには、私の書いた謝罪文
がアップされ、そこに何万人もの人がアクセスしてきたので、一時的にサーバーが
不調になる。

これは歯が粉々に砕けたり、全部抜けてしまったりするあの悪夢よりも、ずっと
ずっと怖い夢だった。作家として、これだけはしてはいけないってことを自分が
してしまう。そしてそれを皆が知っている。最大級で最強の悪夢だ。

目覚めた時に、私は心から思った。
夢でよかった……と。
454山崎渉:03/03/13 16:06
(^^)
455無名草子さん:03/03/19 12:20
人間の盾や心中ネタについては「創」で取り上げていました。
紙媒体、それも月刊誌の後追いをメルマガでやるとしたら、
よほどのレベルのものを出してこないと苦しいけど、最近の
ランディはへタレぶりに磨きがかかっているから……もう
どうにもしょうがなくて、これらのネタは取り上げないかも。(w
456無名草子さん:03/03/19 12:23
ばか猿のことだから、人間の楯でバリ島の山の中にひきこまっている
日本人の若い男女が戦争への絶望から練炭たいて心中するという
トンデモ悲恋小説を書きそうでつね。(笑)
457無名草子さん:03/04/01 07:04
a
458無名草子さん:03/04/01 15:02
a
45901:03/04/02 13:29
□□□田口ランデェのコラムマガジン□□□ 2003.4.07
----------------------------------------------------------------------------
「アトムが生まれる日」
----------------------------------------------------------------------------
西暦2003年4月7日は、故手塚治虫先生が書いた人気漫画「鉄腕アトム」
の主人公であるアトムが生まれた日だ。様々な雑誌やテレビで「鉄腕ア
トム」や手塚先生の人物、他の作品に対する特集が組まれていて、目に
する機会が非常に増えている。私も幼い頃は手塚先生のマンガやアニメ
を良く見ていて、その中でも特に好きだったのがアニメの「鉄腕アトム」
(モノクロ版)だった。正義の心を持ったロボット・アトムが悪い敵を
やっつける。基本的に話は単純なモノなのだが幼い私の心をギュッと鷲
掴みにし、私はテレビが始まると正座して「鉄腕アトム」を見たものだ。
しかし、手塚治虫先生は「鉄腕アトム」嫌いだったらしい。
46002:03/04/02 13:30
「鉄腕アトム」特集を組んでいる雑誌を何冊か買ってきて読んでいると、
ほとんどの雑誌にその事が書いてあった。それは私にとってはショック
だった。幼かった頃の自分の気持ちが踏みにじられるように感じ、雑誌
を読むのがなかなか進まなかったが、「その気持ちはどこから来るのだ
ろう?」と言う、同じ作家としての彼の考えを知りたくなり、子供の頃
の気持ちを切り捨てて私は記事を読み進めた。「鉄腕アトム」のマンガ
版を書き始めた頃は非常に楽しかったそうだけど、ある時期以降は惰性
の産物になり、アニメ化してからはアトムが怪物化してしまったとも、
インタビューで答えている。手塚先生自身はもっとドロドロとした生臭
い話を書きたかった様なのだが、元々は子供向けのマンガと言うことも
あり、アニメ化してからはなおさら毒の抜けた物語になっていったのが
自分で許せないらしいのだ。アトムと言うロボットの少年は、機械の体
であるが、人間の子供と同じように笑い、泣き、怒り、悩むと言う設定
で始まったのだけど、物語が進むにつれて、アトムは清く正しく美しく
「善」の塊のような存在になり、悪の権化以外に反抗すること事もなく
モラルの体現者になってしまった事に強い嫌悪感を抱いたみたいだ。
46103:03/04/02 13:31
ロボットなのに人間のような存在を目指したアトムが、人間が超えられ
ない壁を超えてしまったのである。普通の人間の子供はもっとどろどろ
として生臭く、糞生意気な存在だというのに。人間の子供に近ければ、
年に2、3回は思わず首を絞めるか、張り倒したくなることがあるものな
のだ。しかし、アトムはそんな存在にはなれなかった。
ふと、テレビを見ればイラク戦争のニュースをやっている。アメリカは
自ら正義の実行者を名乗り、アメリカが決めた悪を退治するために戦争
を続けている。それを見ていてアメリカと言う国は、手塚先生が嫌い続
けた「アトム」の様な気がしてきた。アトムは正しい。アトムの価値観
に反するモノは悪である。そんな論法が頭の中を駆けめぐり、私は少し
混乱した。
そんなこんな考えながら、雑誌を乱読していくと、「鉄腕アトム」が再
びアニメで放送されると乗っていた。今度のアトムは手塚先生の遺志を
次いでか、より人間らしくなり、悩み、そして人間を憎んだりするらく、
そのなかでアトムが成長していくと言う。何だか今から楽しみになって
来た。放送初日には、娘とテレビの前に正座して見ないとな。
46204:03/04/02 13:33
その2
手塚先生についてもう少し。
手塚先生ほど、賞賛と非難の声、両方を浴びせられた人はそう多くない
と思う。漫画やアニメが今ほど社会的に認められていなかった時代、学
校のPTAなどが青少年に有害なものとして、マンガやアニメを糾弾して
学校の校庭で漫画を集めて焼き払ったと言う今では信じられない事態が
起こった時代があったのだけど、手塚先生は漫画やアニメに対する誤解
を解くために全国を公演して回ったと言う話を聞いたことがある。私は
娘がいる立場として全ての漫画が無害だとは思わないけど、それで言っ
たら私の書いた小説は有害以外の何者でもなく、人様のことをどうこう
と言える立場では無かったりするのだけれども、毒のない世界というの
はそんなに素晴らしい世界なのだろうかと考える。ある人には猛毒だと
しても、別の人には良薬になるのではないだろうか?薬などというモノ
は使い方によってはどちらにもなるし、飲んでみないと薬か毒か解るも
のでもない。人はそうやって毒と薬の区別をつけれるようになるのでは
ないのだろうか?まぁ、死んじゃったらいみないけどね。
46305:03/04/02 13:34
今、日本で一番有名な映画監督、宮崎駿監督が何かのインタビューで、
手塚先生がアニメにもたらした罪を延々と語っているのを見たことがあ
る。宮崎監督が言うには、日本で初めてのテレビアニメ「鉄腕アトム」
が制作される際に、本来は制作費が1000万かかるところを、手塚先生
は50万で引き受けたらしい。それによって作られた「鉄腕アトム」は
動く漫画であって、戦前より作られていた日本のアニメーションの動き
の室を落とし、制作するアニメーター達は極貧の中でアニメを作り続け
る体制を作ってしまった戦犯として手塚先生をもの凄い勢いで批判して
いた。その認識はアニメ業界全般にあり、彼はアニメで儲けなくとも、
漫画家と言う本業で稼いでいたから良かったが、アニメ制作を職業とし
た人々は、そのツケを払わされることになったと言う事らしい。しかし、
それまで劇場公開で有料が原則だったアニメに対し、テレビで無料(正
確には完全な無料ではないが……)で見れるアニメを子供達に供給する
事が出来るようになり、アニメを見るという習慣を日本人に植え付けた
と言う事実も認められている。そしてそれは賞賛される一つの理由でも
あるのだ。
思えば、私も賞賛と非難が多い。私の作品をべた褒めしてくれる人もい
れば、ろくに読みもしないで内容を批判する人もいる。それはきっと、
手塚先生がそうであったように作家としての指名なのだろう。私はそれ
に耐え糧にしていくのだ。
464無名草子さん:03/04/02 13:36
4月7日にアトムねたがくるかなと……
465無名草子さん:03/04/02 13:44
汚猿はどうしようもないな.非難してる人が一番よく読んでいるのにな・・
466無名草子さん:03/04/03 04:11
a
467無名草子さん:03/04/04 01:01
*鉄腕アトムは、ルビーとエメラルドの夢を見るか?

鉄腕アトムの値段は一億円だと、今日の朝のテレビでやっていた。とは言っても、
動いて話して足から火を噴くロボットではない。宝石でできたアトム人形のことだ。
警備員のおじさんの手のひらに、すっぽり隠れるくらいの小さな人形。

ブーツに使われているルビーと、ベルトに光るエメラルドの大映しを眺めてると、
なんだか幸福の王子みたいだなと、かすかな不吉な予感に胸騒ぎがする。

この人形は日本橋の高島屋に展示されているんだけど、レポーターの質問に答える
見物人のおばさんは、「いいですね。欲しいですね」と言う。売っているのなら
買いたい、という意味ではなく、くれるのなら喜んでもらう、ということだろう。

小学生くらいの子供にも同じ質問をしてたが、こちらは元気ににこにこ笑いながら
も「いらなーい。高いー」と、素っ気ない。さすが子供は違う。

だけど私は欲しいぞアトム人形。別に宝石に目がくらんだからではない。こういう
企画モノの人形は可愛くないのが相場、と思いきや、宝石のアトム人形はめっちゃ
可愛らしい顔をしているのだ。ぱっちりした目と睫毛のバランスが実にいいのだ。

実はアトムはもともと、女の子のロボットとして誕生するはずだったと言う。
だからアトムの目には、睫毛が生えているのだ。(ロックもそうなのか?とか
難しいことは、この際、考えないことにする)。

ところが、漫画が連載される雑誌が少年向けの雑誌なので、男の子の主人公じゃ
なければいけないって言われて、アトムは男の子になってしまった。それも強く
なきゃダメってことで、10万馬力のロボットということになった。後には100
万馬力にパワーアップすることになる。
468無名草子さん:03/04/04 01:03
(>>467続き)
言われてみれば、なるほどなあと思う。ルーズソックスをはいた子ギャルの足は、
アトムそっくりだと皆が言っていた。もともとアトムの足は女の子なんだから、
現実の女の子がアトムそっくりの足をしていても何の不思議はない。

足や目だけでなく、アトムの心も、三分の一くらいは女の子であるような気がして
ならない。ものすごく強力なアニマが、心の奥底に大人しく隠れてなんかいないで、
外に漏れだしているような感じ。

だからアトムは、「心やさしい科学の子」であり続けていられたんじゃないのだ
ろうか。科学の子で、10万馬力で、しかもやさしい。これは100%男の子には、
到底無理な離れ業じゃあないのか。

そういうアトムに私はエロスを感じる。ロケットを抱きながら太陽に突っ込んで
いく最終回の場面も、エロスとタナトスが混然一体になった何かが、期せずして
立ち現れているかのようだ。冷たくつるりとしたロケットの表面に触れながら、
アトムは何を感じていたのだろう。

しかし、それはずっと先の話。アトムはこれから誕生するのだ。舞台となる東京の
街は、アトムの描かれた世界とはずいぶん違う様相を呈しているのだけれど。
469無名草子さん:03/04/04 01:06
(>>468続き)
21世紀になったけれど、この街は、アニメや漫画にでてくるような丸みがあって
ピカピカのガーンズバック連続体には、とうとうならなかった。夜になれば神様の
くわえ煙草の火の色を映しているかのような、赤黒い夜空が欲望のとぐろを巻く。

まあ、それはそれで悪くないのかもしれない。私たちは、海を埋め立てるゴミにも、
夢という名をつける。それは嘘だ誤摩化しだと白黒はっきりさせるばかりが能じゃ
ない。綺麗は汚い、汚いは綺麗だって、シェークスピアさんも言っているではないか。
男と女、光と影、善と悪。それらが混沌としている中にこそ、無限の可能性がある。

とにかく、誕生日おめでとう、アトム。2003年の日本は、すったもんだを繰り返し
てはいるが、やさしい女が眠る場所だ。

あなたの誕生を心から祝福する。

参考歌「TOKIO」
470無名草子さん:03/04/04 12:17
>>468は、最初の段落一つ抜かしてしまったです。

でも彼の足は女の子のものだ。アトムのつけている足は、サーカスでいっしょだった
女の子ロボットが残していった足だ。だから、ブーツの色は赤いんだそうだ。
471無名草子さん:03/04/04 13:39
入学式ネタとかやりますかね。< 4月7日前後のメルマガ。
でも、卒園ネタもやらなかったしなあ。
472無名草子さん:03/04/12 21:15
*天馬博士の異常な愛情

朝起きたら、友人のMさんの家だった。
「あれ、どうして、私はここにいるの?」
「何言ってるの、泊まらせろと言ってランディが押し掛けて来たんじゃない。
ずいぶん酔っぱらっていたけど、やっぱり覚えていないんだね」

ほんの数日前にも同じようなことがあったような気がする。その時は、目が覚めたら、
文藝春秋の編集者のYさんがいた。

小学校に入学したばかりで環境の変化に戸惑っている娘を家に残し、連続して外泊する
なんて、まったくもう、私のバカバカバカ。モモ、悪い母さんでごめん……。

飲み始める前は私だって、今日こそは早めに切り上げて家に帰ろうと決心していたはず
だったのだ。酒を飲みながらムキになって議論しているうちにどんどん悪酔いしていって、
それでこういう事態に至ってしまったのだ。

何について話していたんだっけ? そうだ天馬博士について話していたんだった、と
思い出した。

「アトムの生みの親はお茶の水博士じゃないよ。天馬博士と言うんだ」
「えーっ、そうなのお?」
「天馬博士には飛雄って息子がいてね、その子が交通事故で亡くなってしまったんだ。
それが悲しくてしょうがなくてね、科学技術庁の長官という地位をフルに利用して、
飛雄そっくりのロボットを作ってしまったのさ。それが、アトム。まあアトムという
名前は、彼が売り飛ばされたサーカスでつけられた名で、それまでは死んだ子供と同じ
飛雄という名で呼ばれていたわけだけど。お茶の水博士は、そのサーカスでアトムを
見つけて、彼を引き取ることにしたんだ」
473無名草子さん:03/04/12 21:17
(>>472続き)
「いったいどうして、アトムはサーカスに売り飛ばされちゃったの? 息子さんの
代わりに、天馬博士が大事に育てていたんじゃないの?」
「それが大笑いなんだけどさ、ロボットだから背が伸びないってのに腹を立てて、
天馬博士が売り飛ばしてしまったんだ。自分が作ったロボットなんだから、そのくらい
最初からわかっていただろうに」
「……笑えないなあ、それ」
「うん、ランディの親御さんが、天馬博士のような性格じゃなくてよかったよねえ。
背が伸びないからって、サーカスに売り飛ばしたりしなかったわけだし」
「どうせ私はチビよっ! でも、そういう事を言っているんじゃないんだってば!」
「悪い、悪い。確かにアトムにしてみれば笑えない話だよね。それまで『お父さん
だよー』と可愛がっていた奴が、『大きくなれないお前は、俺の息子じゃない!』
って怒り出すんだから。自分がそんなふうに作ったくせにね」

うーん。そう思うのが普通かもしれない。だけど私が可哀想に思うのは、機械人形で
しかないアトムじゃなくって、人間である天馬博士の方なのだ。

彼と同じように一人息子を亡くしてしまって、その気になればその子供そっくりの
ロボットを作ることもできるという立場に置かれたら、やっぱりロボットを作って
しまうのではないだろうか。

しばらくは、それで幸せに暮らせるかもしれない。だけど、ある日気が付くのだ。
ロボットは成長しない。人間の子供の代わりになんか絶対ならないんだ……って。
確かに天馬博士は愚かかもしれないが、彼の愚かさを笑える人間が、いったいどの
くらいいるんだろう。

だけど彼に同情してくれる人はあんまりいない。魂のないロボットのアトムに同情
する人ばかりだ。本当にそれでいいんだろうか……?
474無名草子さん:03/04/12 21:21
(>>473続き)
そう言ったら、天馬博士は、人間である奥さんのことも悲しませていると反論された。
「アトムがただの機械人形だとしても――僕にはとてもそうは思えないけど、たとえ
それが人形であったとしてもペットであったとしても、子供を亡くした奥さんが
可愛がっていた『飛雄』と無理矢理引き離すってのは、どうかな」

うん、それってひどいと思う。だけど、天馬博士は、本当の飛雄はもう絶対に帰って
こないんだという悲しみでいっぱいになっていて、奥さんのことを思い遣るだけの
余裕がなかったんだと思う。どうしようもない人非人っていうんじゃなくて、彼も
悲しい人なんだよなあと、なんだか胸がせつなくなるような感じ。

でも、この感じをわかってもらうのは難しい。同情の余地はあるかもしれないけど、
やっぱりバカはバカだし、ひどい行為はひどい行為でしょう、というような反応が
返ってきてしまう。

背が伸びないのが気に入らないなら、背を伸ばすようにすればいいのに、とも言われた。
自動的に成長するロボットを作るのは不可能だったかもしれないけど、少し長い手足や
胴体に入れ替える改造手術を、定期的に施すことにすればよかったんじゃないか、と
言うのだ。

「でも、そうしたら天馬博士は、改造手術をする度に、こいつはロボットなんだ、
人間の子供とは違うんだって思い知らされることになるだけじゃない?」
「だったら、他のロボット技術者にやってもらえばいい」

人任せにしちゃって、知らない振りを続ければいいものだろうか。いや、絶対にそうは
思えない。そんなことは、天馬博士がロボットの「飛雄」を作ったのと同じで、物事の
本質から目をそらし、問題を一時先送りにするだけのことでしかない。
475無名草子さん:03/04/12 21:23
(>>474続き)
物事の本質とは何か。一人一人の人間は絶対無二の存在で、どんなによくできたロボット
だろうがクローンだろうが、その人間の代わりにはなれないってことだ。
「それを言うなら、その人間の代わりになれる他の『人間』ってのもいないよね?」
そう、その通り。だけど、人はそれを忘れてしまうことが多いんだ。

娘のモモがお腹にいる時、私の母親は「これは亡くなったお兄ちゃんの生まれ変わりだ」
と言って、私をえらく怒らせた。もし母親がずっと生きていて、生まれた子供も娘じゃなく
兄とよく似た男の子だったら、だいぶ厄介なことになっていたかも知れない。

いや、子供が成長していけば、独立したまったく別の人格なんだってことを、否応なく
わからされたんじゃないかなあ。それが人間の、生命のもつ力だ。どんなに出来のいい
機械でも真似のできないこと。

時間はかかったけど、天馬博士はちゃんとそれに気が付いたんだ。成長もしない、自己主張
もしないロボットが相手だったのに。だから私は、彼は本質的には賢い人なんだと信じる。
いっしょに飲んだ友人たちには、とうとう同意してもらえなかったんだけどね。

参考文献:「鉄腕アトム大事典」沖 光正 (光文社 知恵の森文庫)
476山崎渉:03/04/17 11:53
(^^)
477無名草子さん:03/04/17 12:36
>>472-475
うひゃひゃ、湯河原猿なら、ご近所に生息しているマンネリ獣
フランケン御布施の「鉄腕アトムは電気羊の夢を見るか」の陳腐な
ネタをさらにパクってこんな話をほんとに書きそうですな。
478無名草子さん:03/04/17 12:39
剣道の起源は韓国にあり!?
http://www.geocities.co.jp/Athlete-Acropolis/6963/
479無名草子さん:03/04/17 14:25
>>477
お布施おじさんのアトム本に、マジでこの手のネタがあるんですか?
480山崎渉:03/04/20 05:53
   ∧_∧
  (  ^^ )< ぬるぽ(^^)
481何となく、リライト:03/04/20 13:33
「それでも空は青い」
----------------------------------------------------------------------------
 京都のホテルで、「バグダッド陥落」のニュース映像を見ていた。フセイン大統領
の銅像が引き倒される、あのシーンを何度も見た。

 私はフセイン大統領に何のシンパシーも感じないし、彼がもっと早くに政権から降
りていれば、たくさんの人の命が助かったのにと思うと腹が立つ。だけど、彼の銅像
を引き倒して頭の部分を殴ったり転がしたりしているイラクの男たちを見ていたら、
ひどく塞いだ気分になった。嫌悪というんじゃない、もっとやるせない思いだった。

 銅像を壊し卑しめていたのは、群衆とは言えないほどの小人数の男たち。銅像の顔
に巻こうとして引っ込められた星条旗は、誰がどこから調達してきたものだろうか。
あのシーンはアメリカによって「演出」されたものとの疑いもある、と解説者は言う。
銅像の頭をポカポカ殴っていた少年は、何を感じ、何を考えていたんだろう。

 考えがまとまらないまま、電気を消して眠りについた。なにか夢をみたような気が
するけれど、忘れてしまった。

 翌朝の京都はとても気持ちのよいお天気で、満開の桜が春風に散っていた。京都の
友人と連れだって宇治まで足を伸ばし、平等院にも行った。川べりの桜も美しかった。

 平等院を拝観して、鳳凰堂の解説をぼんやりと聞いていたら、人間は生きているう
ちの行ないで「上の上中下」「中の上中下」「下の上中下」と、9ランクに分けられ
ると言う。このランクで死後に行けるところが違うそうで、人間は自分にだけかまけ
て普通に暮らしていたら、だいたい中の下か下の上あたりになるらしい。「大きなお
世話だ」と思った。

 新幹線に乗って家に戻り、やれやれと荷物をほどいてニュースをつけると、再び
フセイン大統領の銅像が引き倒されるシーンが映しだされた。

 バグダッドでは警備が消えた政府の建物からの略奪が始まっていた。調度品をリヤ
カーに積んで運び出している男たちの姿が、その夜のうちにも何度も映った。
 深夜のニュースの頃には、略奪はだんだんと過激になっていて、略奪の後に放火を
する者もいると伝えられていた。アメリカもイギリスも、現段階ではバグダッドの治
安維持のために動く気はなさそうだった。

 以前、渋谷のガーディアン・エンジェルズを取材したときに教えてもらった「ブロ
ークン・ウィンドウ理論」というのを思い出す。

 窓の壊れた家には泥棒が入りやすい。破壊された地域では人間の良心が働きづらく
なる。「すでに何者かに汚されているものなら俺がやってもいいだろう」と人間は思
うのだそうだ。犯罪をなくそうと思ったら、街を清潔に保ち、景観を整然と美しくす
ることが有効だと言う。

 ミサイルによって破壊された都市。壊滅した土地では人間の精神は荒むのだろうか。

 アメリカは強く救済を迫る者であったがゆえに破壊者となった。これは、かつてオ
ウム真理教がした「ポア」といっしょで、救済しようとする者こそが最も怖いのだ。
その破壊した街を、今度はどうやって誰が再建するかでモメている。

 独裁者から自由になったら、まず略奪が起こった。実は自由と平和は相性が悪いか
ら、自由の国アメリカは戦争ばかりしているのかも知れない。治安のためにまた「武
力」で脅すことが必要になるのかな。壊された街の治安は、軍隊が入り、市民に銃口
を向けて警備をすることでしか維持できないのかもしれない。むなしいね。それでは
権力のトップがすげ替わっただけだ。

 略奪や解放の歓声から少し離れたところで、生活をする人たちはじっと息を潜め、
せつなく祈っているのだろうか。いまはただ成り行きを見守るしかないたくさんの人
たちの、かすかなかすかな息づかいが、乾いた町並みの家々から漏れてくるような気
がした。
 京都の街は美しかった。桜の香る路地には、打ち水がしてあった。その水に濡れた
石のしんとした美しさ。手入れのゆきとどいた家いえの庭、使い込まれた木造家屋の
整然とした美しさ。

 街は暮らす人が作るものだ。その土地その土地に住まい暮らす人たちの日々の小さ
な積み重ねが美しい街を作る。毎日、家の前の道路を掃除し、ゴミを拾い、水をまく。
ささやかに日々暮らしていく力こそが街を作り、人の心も育てていくのだ。

 だけど、そんなものは一発の爆弾でこっぱみじんだ。作り上げるのには時間がかか
っている。何世代にも渡って、家を守り、子供を育て、私たちは生きるための場を作
る。それを破壊することが救済のわけがない。壊れてしまった窓から吹き込む風は心
を冷えさせる。

 それでも、バグダッドの空はすごく青くてきれいなのだ。青いセロファンを透かし
て見ているかのような濃く深い青。そして光が溢れている。遠く離れた桜の京都と同
じ太陽の光がイラクにも降り注いでいる。

 ヒロシマに核爆弾が落ちた朝、1945年8月6日8時15分は、雲ひとつない晴
天だった。夏の光と澄んだ空気のなかに20万人を殺戮する物体が落下してきたのだ。

 かつて沖縄は戦火に巻き込まれ、多くの兵隊や民間人が海に身を投げ自決した。去
年、沖縄で海を見ながら、そのときの海も今と同じように真っ青で美しかったろうと
思い、ぐらぐらと眩暈を感じた。

 地雷が無数に埋まっているカンボジアのジャングルは、滴るような緑の森で、鳥の
声と子供たちの呼び声がこだましあっていた。森はどうにも優しく美しいのだ。地面
に埋まった地雷など意に介さぬかのように。
 地球上の生き物はすべて太陽から地上に降り注ぐ光や熱のエネルギーで生かされて
いる。だから私たちは、陽の光に慈悲を感じる。一方で、多くの人が死に、街が破壊
されるような悲劇の前後には、空もいっしょに泣いて欲しいとも思ってしまうのだ。

 なにがあっても太陽は輝き、空も海も木々の緑も色あせることはない。それを慈悲、
自然の恵みと呼んでいいのか、と疑いたくなるせつない事実。人の死にも嘆きにも、
自然は悲しんだり立ち止まったりしない。地球は今日も回っている。宇宙空間のなか
で奇跡のように青く。

 略奪があり、政権争いがあり、暗殺がある。そのようななかでも、静かに暮らす人
たちは、ひっそりと窓から顔を出し、壊れた家を直し、ゴミを捨て、食事を作り、家
の前をきれいにして、子供の下着を洗うだろう。

 いざこざや、怒りや、憎しみや、嘆きに身もだえしながら、夜になると寝て朝にな
れば目が覚める。そして食べて働いて生きる。自分のことにかまけてせいぜい中の下
が下の上で、可もなく不可もなく、でも家族と友達を心配し、小さな街の一断片とし
て暮らすのだ。

 私がそうであるように、青空の下で人は生きる。それがすべてだ。

参考(?): http://backno.mag2.com/reader/BackBody?id=200304130900000000104973000
485こそっとリライト2:03/04/24 23:49
 「イラク戦争が始まった直後からの写真映像です」
 
 ある方のホームページを読んでいたらこのような記述があり、戦争で傷ついたイラ
クの方たちの写真を並べたサイトの一つを知った。最近、さまざまな戦争写真、特に
戦禍で傷ついた人間を撮影した写真のサイトを、たくさん紹介される。
 
 私が戦争の悲惨な写真を見るときはいつも、心のどこかで必死で「踏ん張る」感じ
になる。非合理な暴力によって打ちのめされた人間の姿を見ると、身体のどこかにぐっ
と力を入れて、心を揺るがされないように踏みとどまろうとする。

 どうやら私は、自分で自分をかばっているようだ。写真によって感受性が痛めつけ
られないように、自分の弱い部分が露出しないように、ぐっと踏ん張る。そうやって
自分の感情に無理をかけているので、ちょっとしんどいし、私のなかにはいくつかの
歪んだ感情が生じる。

 たとえば、このような写真を私に見せようとした相手への理不尽な怒り。それが、
心のなかで小さく発火する。逆恨みもはなはだしいと自分でもわかっている。私が
私の意志で、好きで見た写真なのだ。

 それなのに、ポッと一瞬の怒りが走る。私は見てしまったし、見てしまった私はど
こか傷ついている。自分を守るために私は怒る。そんな怒りを、自分の心の傷に貼る
バンドエイドの代わりにすることが、私にはよくある。

 本当ならその怒りは、暴力を行使した人間、つまりアメリカ軍やブッシュ大統領に
向けるべきなのだ。なのに私は、ブッシュ大統領ではなく、この悲惨な戦争写真を紹
介した人に対して、微弱なものではあるが怒りを向けてしまう。そういう自分にがく
然として、ほとほと呆れ果てる。

 私は相当に歪んでいるなあと思う。なぜ歪んでいるのかは、自分に問うしかない。
 悲惨な戦争写真を見たときに、私のなかにはいくつかの感情がほぼ同時に起こる。
写真を見てみたい……という好奇心。見てしまったあとの罪悪感。同時に、その写真
によって傷ついている自分へのとまどい。ある種の恐れ。そして、その悲惨な出来事
が自分に起こったことではないという安心感と、さらに大きな罪悪感。そのような罪
悪感を私に与えた介在者への理不尽な怒り。

 こうした感情の渦がおさまるのを待って、さらに自分の内面へと踏み込んでいこう
とするとき、沸き上がるのは猛烈な抵抗感だ。

 私には子供がいる。その子供と写真の中でケガをしている子供の姿がダブってしま
う。自分の子供が爆撃を受けてケガをする……という妄想に否応もなくとらわれる。
受け入れがたい妄想が圧倒的なリアリティをもって迫ってくる。ものすごく怖い。子
供のことを考えると怖くてたまらない。

 恐怖のために、もうそれ以上、写真の中のイラクの子供たちにシンクロすることを
避けようとする。その自己防衛の気持ちが過ぎて、写真に対していわれなき嫌悪感を
感じてしまうのだ。

 私はなんて弱い人間なんだろうと思う。このようなことが自分の子供に起こったら
……という恐怖感のために、慈悲の心を持つまでに至らない。そして、自分を責める。
戦争写真を見て、慈悲よりも拒絶を感じてしまうような自分に堪えられなくて、なん
とかうわべだけでも取り繕おうとする。

 そしてステレオタイプの社会通念を選択し、「社会正義」に自分を寄り添わせるこ
とで少しだけ安心する。でも、その安心はうそっぱちであることを私は知っている。
自分で自分を騙すことはできない。

 だから私は、悲惨な戦争の写真を見たがっては、見て後悔し、落ち込み、傷つく。
 カンボジアの地雷原のある村に行ったとき、地雷で足を失った子供たちと出会った。
私は目の前にいる子供たちに触れることができた。子供たちに起こったことはあまり
にも不条理でひどいことだったけれど、それでも子供たちは、私と同じように生きて
呼吸し、笑ってもいた、遊んでもいた。

 あのとき、私は拒絶感も嫌悪感も感じなかった。とても素直に一人の母親になって
子供たちといっしょにいることができた。リアルの力ってそういうことだ。

 テレビで、そして写真で、戦争の状況を知ることができるようになったいま、実は
その映像で私は、毎日ものすごく傷ついてる。気がつかないうちに、傷ついていたの
だ。写真やテレビ映像を編集した誰かが、社会正義にのっとって悲惨さを伝えようと
すればするほど、悲惨さだけが切り取られ、その映像は潜在的に私の感受性をめった
切りにしていく。

 悲惨さを訴える目的の写真には、とても大切な情報が抜け落ちている。人間は何が
あっても悲しいだけの存在ではない。もっと強く、もっと多様なのだ。

 現実は、もっともっと人を傷つけるけれども、救済もする。人間存在は複雑で、と
てつもない力をもっている。悲惨な現実と、それでも生きようとする生命の現実が同
時に存在している。なにがあっても生きようとしてしまう人間の力、命の本質を写真
は伝えることができない。

 爆撃で両腕を失ったイラクの少年の映像を、今朝も見た。その後で、これを書いて
いる。私はあの映像を受け入れがたい。あの少年を受け入れられないのではなく、一
方的な情報と映像に傷ついてしまっているからだ。

 あの子は日本の私のことなど知らない。私が一方的に毎日あの子をみているだけだ。
私は別世界からあの少年を見た。私は私の生活範囲のなかで近所の子供たちと関わっ
ているけれど、その範囲を越えて、私のなかにあの少年が入ってくる。映像の力で。
 この日本に住んでいても、生きるのは楽じゃない。お金という価値に縛られ、生き
ているだけでお金のかかるこの国で、生きていくのはたいへんだ。もっともっと優し
い言葉をかけあえたらと思う。

 みんな、自分の辛さを抱きしめて生きている。誰だって。どんなに裕福で幸福そう
に見えたって悩みはある。苦痛はある。そして人はいつか死ぬ。

 今日一日、生きた。そのことを褒めてくれる人がいない。それは悲しいことだ。こ
の国で生きることのしんどさもある。私が体験しているのはまさにそのしんどさだ。
よくがんばったね。そう友達みんなに言いたい。今日も一日、よくがんばって生きた
よね。

 私は私の生を生きている限り私の悩みで苦しむし、その苦しみを受け止めてもらえ
たときに、他者への慈悲が生まれてくる。殴られ続けたら、責められ続けたら、傷つ
いて心を閉ざしてしまうだろう。

 抱きしめて伝わってくる生きた人間のぬくもりのなかから、見知らぬ誰かへの慈悲
は芽吹く。世界へのゲートは、触れることのできる命のなかにあるはずだ。

http://backno.mag2.com/reader/BackBody?id=200304171500000000104973000
489無名草子さん:03/04/30 01:51
日記作家さん、↓のネタをエッセイできぼんぬ!
http://homepage1.nifty.com/obiobi/page/moso3.html
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小宮山書店前の鶏

神保町の書泉グランデ左横に小宮山書店つうのがあって、そこの店先に
かごに入れられた鶏がいるんですけど、相当昔からいるのでかなりの
老鶏だと思います。いい出汁が取れると思いますので、すずらん通り
沿いのラーメン屋辺りにでも持ち込んでガラスープを取ってもらいます。
鳥かごの前を何気に皆さん通り過ぎてますが、潜在的な知名度はかなり
高いはずですので、古本まつり等のシーズンに合わせた特別企画として
調理してしまえば集客効果はばっちりです。きっと神保町界隈を徘徊
している作家の方やライターの方が記事にしてくれるかもしれません。
あのまま天寿を全うし、一鶏として朽ちるならばいっそはなばなしく
その生涯を終えて、田口ランディ辺りにエッセイで取り上げられて
もらった方が本望ですよきっと。
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電磁波

電波

・岐阜県の山中に白装束の集団が現れ、木やガードレール、
果ては地面まで白い布で覆い、近隣の住民を不安に落としれ
ていると言う話を知ったのは、朝のワイドショーでだった。
車もブルトーザーも、白く塗り、なんでも電磁波から身を守
るためだという。もっと、他に守るべきものがあるんじゃな
いかと思ったが、検問までして他者を排除使用としている彼
らの表情は、マスク越しにしか解らないものの必死で、追い
つめられていた。彼らのやっていることの一部は既に違法で
あり、本来ならば警察が強制退去できそうな者なのだが、な
ぜか警察は彼らを説得しようとし、どうやら、まだ逮捕者は
出ていないようである。そんな中で、彼らと「タマちゃんを
思う会」の代表の人物がつながっていることを知った。はっ
きり言って「タマちゃんを思う会」も相当うさんくさく見え
るのが多くの人々の気持ちだろう。アタシは彼らから強い電
波が出ているのを感じずにはいられないのだ。
・そもそも、すべての人間は大なり小なり電波を出している。
そして人はアンテナでもあるのだ。日常生活を生きていく中
で「気が合う」「気が合わない」「殺気を感じる」などと言
う言葉を使うことがあるが、それは他者から放たれた電波を
感じ取っているのであって、もちろん、その逆もありえるの
だ。白装束の人々は電波を全て悪、もしくは有害なものとし
ているようだが、実は電波には良い電波と悪い電波の二種類
があるとアタシは思っている。良い電波を受け取ったり、送
ったりしたのならば、心は幸せで、楽しい気分になることが
出来るのだが、悪い電波を受け取ると、嫌な気分になったり、
傷つけられたり、傷つけたりしてしまう。そう考えると、電
波を受けると言うことは「生きる」と言うことそのものの様
な気がしてならない。人生とは良いことも、悪いことも全て
平等に合わせて生きていく事なのだから。た、なると、彼ら
は何に恐怖し、怯え、あんなに攻撃的になってしまったのだ
ろうかと考えた。おそらく彼らは悪い電波を受けすぎてそれ
を良い電波で中和することの出来なかったかわいそうな人々
なのではないのだろうか?
・白装束の人々の話ではないのだが、つい最近、街中で、強
い電波を感じることがあった。電波の発信主は22〜24歳くら
いの背の高い女性で、綺麗な人だったのだが、電波をビュン
ビュン出していた。その女性はJRの駅の前で、手当たり次第
に自分と同じぐらいの年齢の女性に声をかけ、無視されれば
しばらく食い下がり、話が無理だとわかると、別の若い女性
を探しだし、声をかけていた。気になったアタシは物陰から
その女性の行動を観察していたのだけど、私が見ている間だ
けで10人くらいの別の女性に声をかけていた。その間、十分
くらいの間だった。アンケートを採る訳でもなく、ティッシ
ュやチラシを配るわけでもない。ただ、話しかけ、そして話
が出来たとしても、話しかけられた方がものすごく迷惑そう
な顔をして、会話はすぐに終わっていた。アタシはどんな話
をしているのだろうかととても興味があったのだけど、駅ビ
ルの中であり、人通りも多いその場所では離れた彼女たちの
会話は聞こえなく、想像だけが膨らんでいった。
493キリマンジャロのニホンザル04:03/04/30 05:25
「私。レズビアンなんですけど、私のパートナーになって下
さいませんか?」
「今、AVの撮影中なんですけど、私のアソコに、今バイブレ
ータが入っているんです。しかも、ぶっといバイブレーター
なんです。そんな私を見てどう思いますか?」
「買い物しようと出かけてきたんですけど、財布を忘れて来
ちゃって、家に帰る電車賃もないんです、お金を貸してもら
えませんか?」
「世界はあした終わるんです。私と新世界に逃げませんか?」
「あなたを幸せにする呪文を唱えさせてくれないでしょうか?
ベンテラベンテラベンテラ」
などなどと、いろんな想像が浮かんだが、真実は解らないのだ
った。そんな彼女の電波を色にたとえるならグレーだと思う。
白装束の人々がおそれる電波はブラック。良い電波は白。グレー
の電波を放つ彼女の人生という者に興味がわいた。
494無名草子さん:03/05/05 11:33
age
495無名草子さん:03/05/18 08:26
あげ
496山崎渉:03/05/22 01:52
━―━―━―━―━―━―━―━―━[JR山崎駅(^^)]━―━―━―━―━―━―━―━―━―
497山崎渉:03/05/28 17:03
     ∧_∧
ピュ.ー (  ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  =〔~∪ ̄ ̄〕
  = ◎――◎                      山崎渉
498無名草子さん:03/06/07 23:10
この部分、単行本(『旅人の心得』)収録にあたって、削除してしまってます。(w
―――
433 :無名草子さん :03/02/23 05:32
ランディ先生、ここからパクるのは、止めてね。

http://book.2ch.net/test/read.cgi/books/1044203572/319
> アルタイに行って驚いたのは、とにかくアルタイ人は日本人にそっくりなのだった。
>中国人よりも、韓国人よりも日本人にそっくりで、アルタイで撮影した写真を友人に
>見せると「うっそ、これ日本じゃないの?」と言われるくらい日本人にそっくりなの
だ。

> アルタイ人はとても日本人には親切だ。彼らも私たちが自分たちとそっくりなのが
>わかるのだ。そしてアルタイ人は自分たちが日本人のルーツだと思っていて、日本人
>を大変に歓迎してくれた。

予想スレの最初の方で、あれだけパクるんじゃねぇ!って警告がされてるのに。
http://book.2ch.net/test/read.cgi/books/1029236005/12
> そう言えば、アルタイの人たちって日本人みたいな顔をしてるな。遠くの親戚
>に久しぶりに会ったという感じ。だから、神様も日本の神様と似ているのかも
>しれない。そんな気がした。

> なぜかっていうと、そのとき私が思い出したのがアイヌのシャーマンである
>アシリ・レラさんだからだ。大地に根付いた神様への祈り。北海道とアルタイ
>という地理的には遠くの二点が、こんな近しい固有の振動をもつのは不思議だ。
499498:03/06/07 23:37
すみません、>>498は間違い。
http://www.melma.com/mag/26/m00001926/a00000117.html の北朝鮮コラム
(今回は単行本に収録されず)と、
http://www.melma.com/mag/26/m00001926/a00000123.html (今回収録
されている)をごっちゃにしてしまいました。

北朝鮮、イラク戦争に関するコラムは、今回収録を避けているようです。
まあ、賢明と言えますが……。
500山崎 渉:03/07/15 11:45

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄
     ∧_∧  ∧_∧
ピュ.ー (  ・3・) (  ^^ ) <これからも僕たちを応援して下さいね(^^)。
  =〔~∪ ̄ ̄ ̄∪ ̄ ̄〕
  = ◎――――――◎                      山崎渉&ぼるじょあ
502上田村アガリスク01:03/08/09 06:02
渋谷
長崎
ラプソディ

 長崎で起きた幼児殺害事件の犯人と、渋谷の小六女児監禁事
件で自殺した状態で見つかった男には同じ臭いがする。これは
神戸児童連続殺傷事件の犯人である酒鬼薔薇聖徒にも感じられ
る臭いである。ねっとりとした母親の、鼻につくような体臭。
彼らの成長過程に置いて母親の存在が中出ししたザーメンの様
にとろとろと垂れてきて生臭い香りを放っている様な気がして
ならないのだ。子供を育てるのは難しい。それは親になった事
のある人なら誰でも解る。子供を育てている中で、寝ている子
供の顔が悪魔が笑っているように見える人もいるかも知れない。
よくワイドショーなどで子供のいないコメンテーターの女性が
知ったかぶりな教育論を語っている事を見る事があるが、そん
な時アタシの中で何かがプチンと音を立てて弾け切れる。
 「エラそうな事を言ってんじゃないわよ!」
 思わずテレビに向かって叫んでしまい、我に返って娘を見る
と、娘が怯えた目で私を見ていた。とほほほほ……
503上田村アガリスク02:03/08/09 06:03
 私も母親であるのだが、息子はいない。だから男の子の親に
なると言う事は正直言うと解らないのだ。昔から「一姫二太郎」
などと言うことわざがあり、最初に手のかからない女の子を産
んで、子供を育てると言う事になれてから男の子を産んだ方が
良いと言う意味なのだが、そのことわざを見ても男の子を育て
るのは何かと大変なのだと言う事がわかる。よくよく考えてみ
れば、私の家もそうだった。私は親に何の手間もかけさせずに
育ち、会社を設立したり、直木賞候補作家として仕事したり、
結婚し、妻となり、母親となったりして、親の手をわずらわせ
る事無く今までの人生を生きてきたが、兄は引きこもった末に、
死んでしまった。そう考えると、やはり男の子を育てるという
のは大変なのかも知れない。女の子はどちらかというと男親に
似るという。女の子にとって女親は父親の愛情を独占できない
ライバルであり、男の子にとってはその逆であるのだが、父親
の力が家庭で弱くなってきている今現在、男の子にとっては父
親はライバルとなりえず、母親にとって夫は、息子という新し
い恋人を得た時点で、過去の存在になってしまっているのでは
ないのだろうか?しかし、そう考えた上でも、3つの事件の犯
人達と母親の関係は特殊だとアタシは思うのだ。
504上田村アガリスク03:03/08/09 06:04
  3人の犯人が起こした事件はとてもショッキングでサディス
ティクな事件である。殺害し、遺体を切り刻む。イタズラし、
傷をおわせ、高所から突き落とす。拘束し、監禁し、自らの死
を体験させる。ハードSの極地なのだが、私が以前に読んだ事の
あるSM関係の本によると、人は本来SやMに偏ったりせず、ど
ちらの性癖おも持ち合わせており、相手によって変わったりす
ると書いてあった。だから仕事はSMクラブの女王様で、日夜来
店する客のM男にハードなプレイをしていたとしても、家に帰
ればご主人様がいて、従順なM奴隷になったりするというのだ。
 渋谷の監禁事件の犯人は成人していて、収入もかなりあった
様なので、残りの二人と立場は違い、本人自身が死に、被害者
を殺害していないと言う部分で違いがあるが、神戸と長崎の事
件の犯人である少年達は、マスコミの報道などによると、過剰
なほどの母親からの愛情が伝わってくる。M的な性癖が無かっ
たとしても、子供である彼らには母親の作った檻の中から逃げ
出して生きる事など出来るはずもなく(酒鬼薔薇聖徒は異常を
見せた為に、病院に連れて行かれて、医師の診断の上で、母親
の呪縛から少し逃れられたが、それまでの生活が彼の精神を蝕
んで行ったと言う事は、彼の犯した犯罪に寄って理解できるが)
いつの日か、その檻から逃げ出す事が出来ると信じていたのか
も知れないが、それが普通に生きていたなら叶わないと解った
時、彼らは壊れる事にしたのではないだろうか。
 自分が壊れなければ彼らは生きて行けなかったのだと思う。
505上田村アガリスク04:03/08/09 06:04

 長崎幼児殺害事件の犯人である少年の両親は、未だ彼らの息
子によって殺された幼児の両親に、犯人の親としての謝罪をし
ていないと言う。少年の親戚が親の変わりに謝罪をしたいと申
し入れたそうだが、殺害された幼児の両親は。犯人の親戚の気
持ちを受け止めながらも、「まずは少年の両親に」と、親戚か
らの申し入れを断ったと言う。アタシは犯人の両親の気持ちが
なんとなく理解できる。もし、アタシの子供が同じような事件
を起こしたとして、おそらくアタシも、被害にあった人たちに、
謝罪をする事など出来ないだろうと思うのだ。端から見れば、
非常識で無責任かも知れないが、おそらくその時、アタシは混
乱していると思う。混乱していて何事も把握できない状態にな
ってしまっていると思う。非常識と罵る人たちが世間にはあふ
れかえるかもしれないが、その人達は自分が加害者の親になる
かも知れないと想像できないかわいそうな人たちだ。事実を受
け入れる為に何ヶ月もかかるだろうし、もし謝る事で亡くなっ
た被害者が生き返るというならば、土下座して顔の皮が剥がれ
るほど顔を地面に擦りつけて謝るが、どんな事をしても死んで
しまった被害者を生き返らせる事はできない。その事がアタシ
をまた混乱させるのだ。どうやったら自分の息子が犯した罪を
謝罪できるのか?それを考えて両親は混乱しているのだと思う。
506上田村アガリスク05:03/08/09 06:06
507NHK出版・す<す<ネットワーク編集部:03/08/09 06:33
拝啓 田ロランディさま

暑中お見舞い申し上げます。
本誌にて大胆なエッセイの御連載をありがとうございます。ランディ先生の
御文章は、視聴者からいつも大変な反響があり、その対応に追われて責任ある
仕事をするのがいかに重要なことか、毎月実感させられている今日この頃です。

テキスト校了の直前に御入稿されるランディ先生の御慎重な執筆姿勢には
いつも素直に感心させられております。望むらくは、御時間をかけて御執筆
しているのですから、もうすこし誤字脱字や執筆内容の事実関係の確認に
御手間をかけていただければ、編集部としては大変助かります。実際、読者
からの大量の指摘の大部分はその点に集中しておりますので。

さて、先生は大変お時間を賭けて玉稿を御執筆されておりますが、こちらの
インターネットには本誌よりも格段に優れた原稿をお書きになっていることを
知り、正直言って驚きました。先生は3ちゃんねるでなく、2ちゃんねるから
途方もない原稿料でもお受けになっているのですか? これぐらいの熱意で
本誌テキストにもまともな原稿がいただけるとよろしいのですが。弊社に
勤めながらも、なんだか2ちゃんねるの編集体制が羨ましくなり、こんなことを
書いてしまいました。わたしは今秋には弊社を辞めて、Dempa2chに転職しようか
と考えているところです。この際だから申し上げますが、先生は人の育児より
猿の御仲間を相手にボス猿ごっこをしているのが御似合いかと感じました。
今後もし弊社で「野生の王国」のテキストが出版されることがありましたら、
お仕事をお願いすることもあるかもしれません。遅筆と使い回しと妄想と盗作
だけは、直しておいて下さいませ。 それではごきげんよう。敬白

NHK出版す<す<ネットワーク編集部
〒150-8081 東京都渋谷区宇田川町41-1
kusukusu-net@NHK-book.co.jp
508上田村アガリスク:03/08/09 06:47
>先生は3ちゃんねるでなく、2ちゃんねるから

笑った
509無名草子さん:03/08/10 09:58
このスレは保存
510_:03/08/10 10:02
511あぼーん:あぼーん
あぼーん
512無名草子さん:03/08/12 20:22
最高だなここ
513山崎 渉:03/08/15 22:18
    (⌒V⌒)
   │ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  ⊂|    |つ
   (_)(_)                      山崎パン
514山崎 渉:03/08/15 22:33
    (⌒V⌒)
   │ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  ⊂|    |つ
   (_)(_)                      山崎パン
515文学板から:03/09/12 22:03
549 名前:吾輩は名無しである :03/09/12 21:13
今南関東の地震が予測されてるよね、あたしゃ不安で不安で不安で仕方ないよ。
オカルト板見ても予兆現象が多数報告されてるし、もうもうもうもう、あ〜〜〜〜〜〜。
----------------------------------------------------------------
550 名前:吾輩は名無しである :03/09/12 21:19
地震? ほえー。そうか。おい、お猿ぅ、もまえんち安普請だから、
気をつけとけよー。
----------------------------------------------------------------
551 名前:吾輩は名無しである :03/09/12 22:01
猿がメルマガで八ヶ岳で行なわれてる地震予知実験について、またデンパなエセ科学
ウンチクを書き散らすかもしれないな。
「奴が岳では天文台の人たちが最先端の技術を餅いて地震予知をしている。どうして
天文台なのか。それは電波望遠鏡で田離層の異常を見ると地震が予知できるからだ。
へえ、田離層って地下のマグマとつながってるんだ。すごいなあ。命の共鳴だ。
あたしも電磁波をキャッチできる。地震の前は落ち着きがなくなるだ。動物の深層心理
が地震を予知できるんなら、祈りで痔芯は止められるはずだ。関東大震災や神戸の地震は
住民が祈りを忘れたからに違いない」……とか何とかね。w
516無名草子さん:03/09/14 22:26
ヒッキーってきもくない?
http://etc.2ch.net/test/read.cgi/hikky/1061392495/43

このスレ立て1が自分でメールアドレス入れたまま投稿!
削除依頼は通らずジワジワ祭りに・・・
517無名草子さん:03/09/19 21:39
Zザインとか言う東大出の教祖の集団が地震来るって騒いだ事あったね以前テレビでもやってた

http://piza2.2ch.net/occult/kako/996/996214903.html
伯壬旭の正体をおしえて
518無名草子さん:03/10/21 19:54
厠ザルがHPの更新おくれを醜悪なパクリ言いわけで誤魔化すことのないよう、
盗作の標的になりそうなネタをあらかじめ貼っておく。(w
 ↓
----------------------------------------------------------------
     宇多田ヒカル5カ月ぶりにHP更新
歌手宇多田ヒカル(20)が久しぶりにメッセージを寄せた。18日に自身の
公式ホームページのメッセージを5月5日以来、約5カ月半ぶりに更新。
ファンに「こんだけブランク空けちまったよ! ひぃぃぃごめんなさい、
みんな!っていうかまだ見てくれてる方、いらっしゃるんでしょうか?
とりあえずこれを読んでくれている画面の向こうのそこのあなた!
ありがとう」と謝罪の言葉をつづった。
今年5月にロスで「マトリックス リローデッド」のワールドプレミアに
出席して以来、宇多田の近況は発表されておらず、現在は契約している
米アイランド・デフ・ジャムからの全米デビューへ向けて制作中とみられる。
CD発売は来年になる見方が強く「これからもっと内容を期待してくれー!!」
とコメントした
http://www.nikkansports.com/ns/entertainment/p-et-tp0-031019-0009.html
519無名草子さん
保守しとこう。