2!
3 :
吾輩は名無しである:04/07/24 13:39
前のスレッドは終わってたっけ?
1000まであと目前です。
今日中にはなんとかなるでしょう。
後藤明生草稿 「結婚のリアリズムとは何か?」、400字×19枚 鉛筆書
(有)龍生書林 136,500円
↑これ誰か買う人はいないかな?
前のスレは感動的な1000到達でした。
今後もこの新しいスレでがんばってください。
7 :
吾輩は名無しである:04/07/24 21:38
>>5 タイトルからしてエッセイでしょ、これ。
『挟み撃ち』や『吉野大夫』なら考えるけどなあ・・・
そういや『日本近代文学との戦い』に『挟み撃ち』の写真原稿が掲載されてたね。
8 :
吾輩は名無しである:04/07/25 06:52
知らぬ間に新しいスレが立ってる!
首塚も挟み撃ちも夢かたりも後藤らしい小説だと思うゾ。
>>6 いや、そんなに感動的じゃないよ。
999 :吾輩は名無しである :04/07/24 18:12
記念すべき後藤スレの1000を踏むときがいよいよ来た。
そもそも後藤スレが1000まで埋まるなんて!
そしてその1000を踏むのがこの俺になるとは!
よーーし、1000を踏んじゃうぞお。
はい、1000ゲッツーーー!!!
1000 :【この板のト書き】 ◆jXv1y1KfuQ :04/07/24 18:14
1000
1001 :1001 :Over 1000 Thread
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。
10 :
吾輩は名無しである:04/07/26 00:44
この人の弱点は、いま現在、大半の著作が読めない点にあるな。
古本屋頼みの小説家だよな。
>>1 新スレッドへの移行、お疲れさまでした。
慌てず、騒がず、これからものーんびりと進行してゆきましょう。
>>5 龍生書林は後藤の本を広く収集してるよな。
後藤のはここで買った事がないけど、
埴谷と安部のは買ったよ。
13 :
吾輩は名無しである:04/07/28 00:43
「海燕」に連載されてた「この人を見よ」ってまだ単行本にはなってないよね?
14 :
吾輩は名無しである:04/07/28 01:42
「この人を見よ」については、
遺稿集『日本近代文学との戦い』の乾口達司氏による“あとがきに代えて”に、
「ページ数の関係上、今回の収録は見合わせた」とある。
この一文を目にして狂喜乱舞、以来、Xデーを心待ちにしています。
少なくとも乾口氏(後藤氏の近大の教え子)は、刊行する気マンマンのようだ。
氏の監修であれば、何か凄いオマケも付きそうな予感が……。
教え子さん、どうか宜しくお願いします〜☆
ここのみんなが切望していますから。
全集でももちろんOKです!
16 :
吾輩は名無しである:04/07/28 16:13
今週の「週刊読書人」では「2004年上半期の収穫」って特集を組んでるけど、
陣野俊史と云う仏文学者が後藤の『日本近代文学との戦い』を挙げてるよ。
全然知らない人だけど、
日経新聞で『戦い』に5つ星つけてた人だよね?
そうでつ。
19 :
吾輩は名無しである:04/07/31 02:07
>>14 ぶっちゃけた質問だけどさ、
近畿大学の関係者って後藤に対してどういうスタンスをとってるのだろうか?
後藤に引っ張って来てもらったような恩義のある有象無象が、
いま後藤の著書刊行に尽力しているようにはとても思えないけどな。
20 :
吾輩は名無しである:04/07/31 02:23
後藤にひっぱって来てもらった人って
たとえば誰?
柄谷なんかは
後藤の要請で近大に来た口だけど・・・
まあ、柄谷なんかは
後藤の読者を増やした人だと思う。
21 :
吾輩は名無しである:04/07/31 02:40
柄谷行人とか、
高橋英夫とか、
山口昌男とか、
渡部直己とか、
島田雅彦とか、
鈴木貞美とか、
関井光男とか。
もう近畿大学を辞めた人も多いけど、そのまま居残ってる連中もいる。
22 :
吾輩は名無しである:04/07/31 02:51
ああ、詳しいね、あんた。
島田は後藤をよく賛美してるけど、
全集作るとかいう力はないんじゃないか?
関井はたいした学者じゃないでしょ。
安吾の全集に携わったらしいけど
力はないな。
壁の中を読んでみたいのですが、
皆さんは、どこで手に入れられたのでしょうか?
古書店探しでも見つかりません・・・
図書館で読んだ
25 :
吾輩は名無しである:04/07/31 20:13
『壁の中』と『蜂アカデミーへの報告』は見掛けないよねぇ。
どちらも後藤文学では外せない小説なのに。
26 :
吾輩は名無しである:04/07/31 21:00
『壁の中』『蜂アカデミーへの報告』
どちらも古書店で
手に入れた。
ものすごく運がよかったから
手にはいったわけで、
この2つを見つけるのは大変だと思う。
図書館で探すべきじゃないかな。
前のスレッドにも似たような話が出ていた筈。
某図書館では生物学の「蜂」の棚に分類されていたとかって。
29 :
吾輩は名無しである:04/08/01 05:22
本当にどうして全集が出ないんでしょうね。
売れないからリスクが大きい。
それだけだろ、
単純に。
31 :
吾輩は名無しである:04/08/01 11:36
>>27 見た見た。
「膜翅目・双翅目」に入っているのが笑える。
著者名も「後藤昭生」になってるし。
あきらかに「ごとうあきお」と呼んでの変換間違いだし。
32 :
吾輩は名無しである:04/08/01 23:53
>>29-30 大手は今、台所事情が苦しいからねえ。
ホントは新潮、筑摩、集英社なんかが刊行するべきなんだろうけど、
後藤のじゃあ、販売戦略上、難しいだろう。
小沼丹全集を出しているようなマイナーな(失礼!)所の方が案外可能性はあるかも。
それにしては著書数が中途半端に多いな。
1冊7、800ページの分厚さで計算して全何巻位になるんだろう?
紹介してくれなくていいよw
ごめん、『壁の中』『蜂アカデミーへの報告』は2冊ずつ持ってるわ。
どちらも持ってないと勘違いして、ネットで見つけた時に即ゲットしてました。
37 :
吾輩は名無しである:04/08/02 20:18
今日は後藤明生さんの御命日ですね。
私ってば、いまのいままですっかり忘れておりました。
亡くなられて5年になるのですね。
そうだったのか。
お墓ってどこにあるの?
>>33 収録作品にも拠るでしょうが、
たぶん十巻以上にはなると思います。
>>38 静岡県の富士霊園にある「文学者の墓」にお墓があるようです。
命日つうことで絶筆だって言う「ふっと思い出す話」を読んだ。
なんか病気で苦しんでいるとは思えない文だね。
研ぎ澄まされた文っていうか、
絶筆つう感じがしなかった。
41 :
吾輩は名無しである:04/08/03 01:38
亡くなった夜、NHKのニュースで死亡報道がなされてた。
晩飯食ってた時でビックリしたもんだ。
早いもんだな、あれからもう五年経つとは。
おお、36氏はなんて羨ましい御仁であることか!
文庫本「パンのみに非ず」の収録作品はなんでしょう?
『パンのみに非ず』(角川文庫)は、
・笑い地獄
・無名中尉の息子
・嫉妬
・パンのみに非ず
・解説(柄谷行人)
以上です。
>>39 >静岡県の富士霊園にある「文学者の墓」にお墓があるようです。
そっかあ。有難う。
実際にお参りしにいきました?
ワラタよ。
しかしマジかよ。
どう見ても無理があるだろう。あきうみと読むのは(ww
・・・さん、ありがとうございます。
それら『パンのみに非ず』(角川文庫)の収録作品は他の単行本でも読めるのですか?
古書店にて「めぐり逢い」の単行本を105円でゲット。
>>45 それが行ってないんですよ。
お墓のありかも『日本近代文学との戦い』の中の年譜で知ったくらいです。
「文学者の墓」とは一体どんなお墓なんでしょうね。
誰か行った人に教えてもらいたいものです。
>>48 4編とも単行本で読めますが、
柄谷行人さんの「解説」だけは『パンのみに非ず』(角川文庫)でしか読めません。
・笑い地獄⇒『笑い地獄』(文芸春秋)
・無名中尉の息子⇒『私的生活』(新潮社)
・嫉妬⇒『何?』(新潮社)
・パンのみに非ず⇒『笑い地獄』(文芸春秋)
>>49 『めぐり逢い』の粟津潔氏の装丁は好きですね。
でも105円とは安いなあ。
>>50 「文学者の墓」は一度見たことがあります。
たしか文芸協会が施主になっている壁面式の長い墓で、
短冊状に文学者の名前を刻むスペースがありました。
冨士霊園のかなり高い場所にあったと記憶してますよ。
またまた言及されてまつ
948 :あんの ◆CyXc7UQbW2 :04/08/03 23:11
そして、現代における「無根拠性」を
最も果敢かつ自由に扱えるのが、
「文学」の「虚構性」じゃないだろうか。
だから、838氏の「無根拠性」は「文学」の弱点ではなく特権ともいえる。
その具体的な例証として、たとえば
横光「機械」、後藤「挟み撃ち」、阿部「アメリカの夜」といった作品に
彼らがいかに「無根拠性」を文学のテーマとして、また方法として活用したかを
関心のある人がいれば、機会があれば述べてみたい気もするけど、
今日のところはこれにてタイムアップ。
どなたかこのへんのテーマで具体的意見のある人は是非。
>>50 俺も一度だけ逝った事あるよ。
富士スピードウェイの傍の山の中でさ、富士山がきれいに見えた。
とにかく馬鹿みたいに広い所でさ、墓地の中をバスがとおってるんだから。
文学者の墓は、万里の長城みたいに
壁状の墓石が林の中をうねうねと続いてて、
そこに並んで作家の名前と代表作が刻まれてるんよ。
あ、俺は後藤の墓さがしで逝った訳じゃないけど。
>>51>>53 御教示いただきありがとうございます。
墓石に刻み込まれてると云う後藤さんの代表作とは一体どの作品なのでしょうね。
『挾み撃ち』かな?それとも『吉野大夫』かな?
>>52 引用してくれてありがとうと言いたいところですが、
ここはマッタリとした流れなのでちょっとそぐわないかと。
こっちではHNは用いずに時折書かせてもらってますので。。。
>>54 残念ながらわたしが行ったのは後藤氏がまだ存命の時。
親戚の法事で行った際に見た次第で。
推測では『挾み撃ち』ではないかと。
オレは挟み撃ちだと見た!
57 :
吾輩は名無しである:04/08/06 00:54
>>50 「笑い地獄」は講談社『現代の文学37』(黒井千次 清水邦夫 小川国夫 後藤明生)でも読めるYO!
念のため。
58 :
吾輩は名無しである:04/08/06 02:01
笑い地獄か……
35年もむかしによくこんな小説を書いたもんだな。
そんなこんなで初期作品も文庫で気軽に読めるようにすべきだと、
感ずる今日このごろでR。
文芸文庫で初期作品本が出ると想定して、
そのコンテンツは?
以下に載せたいものを各々挙げよ。
↓
60 :
吾輩は名無しである:04/08/06 16:47
「人間の病気」
「S温泉からの報告」
「私的生活」
「笑い地獄」
芥川賞候補作はやっぱし外せないでしょ。
61 :
吾輩は名無しである:04/08/06 23:04
初期って「挟み撃ち」以前と考えてOK?
だったら、「関係」「何?」「書かれない報告」もお願い。
ああ胸が痛い
これじゃ一冊では入り切らないな(w
64 :
吾輩は名無しである:04/08/07 08:15
「関係」の語り手は女性だよね。
これ、後藤の小説の中で珍しくない?
>>60-62 後藤の団地シリーズは必読だねー
純文学で初めて団地ネタを書いた作家なんだからねー
66 :
吾輩は名無しである:04/08/08 00:36
>>64 そうだな。
思いつく限りの内、女の語り手は、関係、のみだな。
団地ものでは「男」という表記があるが。
そうなん?
俺の先生がそう言ってたから信じてた。
じゃ最初は「誰?」(後藤にちょっと引っ掛けてみた)
教えてくらはい。
70 :
吾輩は名無しである:04/08/09 00:43
新潮の書評は読んだ?
「明るい邪気」ねぇ・・・
これを機にさらに本格的な全集・撰集類、
少なくとも流通の絶たれて久しい初期作品集の文庫復刊などを、
切に望んでおきたい。
(渡部直己「明るい邪気がまた吹き抜ける」より)
↑
俺もそう思うゾ。
74 :
吾輩は名無しである:04/08/10 17:50
渡部直己の今度の書評。
シーシー蝉の箇所を引用しているが、
批評家っぽくもうちょっと引用箇所(内容)に捻りを効かせてみても良かったかも。
あれではあからさますぎるww
内容的に新味には欠けるが、彼の言わんとする所は良く分かるが。
日本近代文学との戦い、
図書館で借りて読んでみたが、(・∀・)イイ!
この人はずっと「日本近代文学」と戦ってたんだね。
初期の作品に「ある戦いの報告」とかなんとかっていうのありましたっけ?
77 :
吾輩は名無しである:04/08/10 23:54
「ある戦いの記録」だね。
外部(世界)に対する違和感を描く事は後藤のデビュー当時からの一貫したテーマ。
なかでもそれが喜劇として描かれてる点に
この人の特徴があるな。
ダッチワイフの話でつ
79 :
吾輩は名無しである:04/08/12 09:36
シーシー蝉ってホントに実在するんですか?
ミンミン蝉なら聞いた事があるんすけども。
『戦い』では「栗とスズメ蜂」が面白いと思う。
事件らしい事件が起こらないのが却って薄気味悪い。
81 :
吾輩は名無しである:04/08/12 22:07
>>80 片や麓迷亭通信の方は改行がないジャン(w
82 :
吾輩は名無しである:04/08/13 00:32
『笑坂』と『八月/愚者の時間』をゲット!
〆て2000円の買い物でした。
明日からの盆休みに立て続けに読みます。
安いな〜
84 :
吾輩は名無しである:04/08/13 19:11
後藤明生の本はブックオフでは殆ど見掛けないんとちゃう?
あるとすれば集英社文庫か中公文庫かだ罠
86 :
吾輩は名無しである:04/08/14 11:01
「蜂アカデミーの報告」。
高校生の頃、「新潮」の新年号で読んだきり、買いそびれて単行本が手に入らないよー。
一度だけ近所の図書館で借りたけれど、今はもう無いよー。
神保町でも見かけないよー。
そろそろ何とかしたいよー。
この前、「汝の隣人」4000円で、購入しました。
87 :
吾輩は名無しである:04/08/14 23:37
同感。
新潮あたりが文庫化(新潮文庫)するべきだよね。
しかし『汝の隣人』四千円は高いな。
88 :
吾輩は名無しである:04/08/15 00:59
『汝の隣人』四千円は高いねえ。
出版社が復刊させないからいかんね。
これ、河出だっけ?
90 :
吾輩は名無しである:04/08/15 01:18
>>84 壁の中がブックオフの書架に並んでいる光景。
全然想像できない。
>>77 「ある戦いの記録」でしたね。
カフカに同名の短篇がありましたっけ。
たしか『行方不明』という文庫に収載されてたという記憶があるんだけど、
この文庫が行方不明。。。
「行方不明」に入ってるのは
『関係』『行方不明』『針目城』『目には目』『鰐か鯨か』
です。
94 :
吾輩は名無しである:04/08/15 17:50
↑
の中では「針目城」と「鰐か鯨か」が好きだ
95 :
吾輩は名無しである:04/08/15 23:38
吉野、首塚、しんとく風のテキスト論的メタ小説って、
やっぱ針目城(『八月/愚者の時間』)らへんから始まった傾向なのか?
>>86→「汝の隣人」
著者風に表現するなら
現実とフィクションがメビウスの輪的に反転してゆく瞬間が堪らない。
海援亭の架空シンポ・・・
漏れた。
先行テクストと実存を楕円関係で共存させるみたいな作風は
「挟み撃ち」でも見られるが、
謙著に目立って現れるのは、「八月/愚者の時間」の時期以降だと
考えられる気がするが。
『笑坂』読了。
道に倒れた一本の欅から世界を捉える「道」は本作の冒頭を飾る好編でした。
夏の信濃追分、行きてーーー!
100 :
吾輩は名無しである:04/08/16 18:49
華麗にキリ番100!
101 :
吾輩は名無しである:04/08/16 18:56
これほどの作家の作品がほとんど手に入らないなんておかしいよね。
何とかならないものか。文庫化希望!
お返事遅れました。
>>89 はい、河出です。
帯は古井由吉氏です。
>>96 おお、そんな感じです。
メヴィウスの輪と、ちょっとウロボロスっぽくもあります。
皆さん。「思い川」には、どんな思い入れがあるでしょうか?
101に激しく同意。
しかしこれが嘘のような本当の話なんだよな。
オレ的にはひそかに読み続けたい作家だけど、
もう少し広く作品が読める環境を整備していただきたい。
せめて初期作品集だけでも。
お!
何というタイミング。
思い川をオレは読んでいないが、だいぶまえ文庫化されていたのではないか?
重複で悪いが、ちなみに古井はなんと評してるのか?
106 :
吾輩はゴドーである:04/08/16 23:14
>>102 >>105 古井由吉『汝の隣人』を読む
・・・プラトンの、対話の中に二重三重に対話をはめこむ、伝聞に伝聞を重ねてソク
ラテスという人物に至るその手法に、後藤氏は作家として強い関心を抱く。ソクラテ
スを伝聞の空間へ遠ざけることによってソクラテスの死後の時間を消した。時間を空
間に置き換えることによって、死せるソクラテスを生き返らせた、と後藤氏は見る。
通常の小説家、とくに伝記作家の感じ方はこれとは逆であろう。死すべき者の時間を
蘇らせることによって死者を活かす、と。ここが後藤氏の、いわば拒絶点である。
「朝日新聞」時評より
>>93 あーホントですね。
調べても福武文庫『行方不明』には確かに「ある戦いの記録」はないっ。
ということは、元々自分は『行方不明』を持っていなかったのか。。。
持ってたと勝手に思い込んでいただけで。。。
しかし「行方不明」「ある戦いの記録」は確かに文庫で読んだ記憶が。。。と思い、
調べてみると、集英社文庫『ある戦いの記録』には逆に「行方不明」が入ってる。
そうすると持っていたはずだったのはこっちのほうだったのか?
つまり、行方不明だったのは『行方不明』ではなく『ある戦いの記録』のほうで、
ずっと福武文庫と集英社文庫を間違えてたことに。。。あぁ勘違い。
108 :
吾輩は名無しである:04/08/17 01:04
後藤的な錯誤だねww
「思い川」は、はるか昔に講談社文庫で出版されていたことがあります。
僕はそれで読みました。
110 :
吾輩は名無しである:04/08/17 19:07
「思い川」は文芸文庫に入らないものか・・・
111 :
吾輩は名無しである:04/08/17 21:16
『思い川』、そんなに良い小説かな?
後藤らしさのユーモアがあんまし出てない気がするけど。
ゴメンよ。
挑発してる訳じゃないから許して。
113 :
吾輩は名無しである:04/08/17 23:36
>>109 講談社文庫『思い川』は昭和53年5月15日第1刷発行。解説は古屋健三氏。
>>111さんの御意見もごもっともで、
古屋氏も、
「これまで後藤氏が書いた小説のなかでいちばん幸せに作品であるといってよい」
「読者を文句なく幸福にしてくれる。いかにも自然で、力んだところがすこしもない」
「その主な理由は、これが発見の小説であり、到達の物語だからではないだろうか」
とのたまっている。
逆の言い方をすれば、後藤明生の文学的特徴からは異色の“名作”になっているという事。
通念としての所謂“文学”を愛好する人には受け入れられやすい作品でしょう。
私自身は・・・
うーん?
ですね。
>110
初版の単行本が講談社刊だったから入り易いかも。
>>111 >>113 そうですか。
ありがとうございました。
僕が「思い川」を良いと感じてしまうところは、作品中で同じ記憶の箇所を何度
も繰り返してしまうあたりが、逆にとてもユーモラスで感銘して読めました。
まったく異なる作品ではありますが、フランスの「ブーヘンヴァルトの日曜日」
を思い出しました。
116 :
吾輩は名無しである:04/08/18 22:04
ひょっとして宇野浩二の「思ひ川」と関係あるのかな?
後藤は宇野を高い評価してたし。
>>115 「壁の中」と同じ作者の小説と思えないけどそれはさておき(w
綾瀬川と龍興江がダブるラストシーンがいいよな。確かに、上手い。
後藤作品とアナトール・フランスを引き付けたのは、
あなたが初めてじゃないか?
>>116 内容的な関係はなさそうだが。
良い題名だよな、思い川、って
119 :
吾輩は名無しである:04/08/20 02:09
僭越ながら投票しておきました。
>>117 返事が遅れました。すみません。
「思い川」の終章。
あれは本当に美しいです。
バシュラールではありませんが、記憶と水は同質のものなのだと、深く感銘いたします。
123 :
吾輩は名無しである:04/08/21 09:21
>>119 復刊ドットコム。
ついでに蜂アカデミーも申請してくだされ。
125 :
吾輩はゴドーである:04/08/23 00:02
>>116 「思い川」は昨年八月号の「群像」に書いた百四十枚くらいの作品であるが、この小
説を書く直前に、引っ越しの話が決った。「思い川」は草加の近くを流れている綾瀬
川の土手を歩いているうちに、子供のころ住んでいた北朝鮮の龍興江という川を思い
出す話であるが、十年以上も住んだ草加を離れる前に、是非ともこれは書いておきた
いと思った。そういうこともあって、思い出深い作品である。
「思い川」は雑誌に出たときいろいろな人に批評されたが、題名に触れた批評は見な
かったようだ。それが少し意外だった。ご存知のごとく、宇野浩二に『思ひ川』とい
う小説がある。わたしはこの小説を、まだ田舎の高校生だった時分に読んだ。確か
「あるいは夢みるやうな恋」という副題がついていたような気がする。もちろんわた
しは、そのことを承知の上で、同じ題名を使わせてもらった。
しかし現実に、思い川という川があることを知らなかった。綾瀬川の上流の方にある
のだという。栃木県らしい。わたしはそれをつい最近になってきいた。日本じゅう探
せば、まだ他にも同じ名前の川があるかもしれない。
(「『思い川』その他」より)
126 :
吾輩は名無しである:04/08/23 00:03
『夢がたり』も復刊されないものか・・・
一度、汝の隣人を読んでみたいなあ
116ですが、125さん、ありがdd
129 :
吾輩は名無しである:04/08/26 00:02
古本市で『挟み撃ち』初版本をget!
文芸文庫は持ってるけどやっぱ初版本でしょう。
1000円でした。
130 :
吾輩は名無しである:04/08/26 01:03
>>129 その気持ちはよくわかるなあ。
文芸文庫の『首塚』を持っているけど、
の箱入り本を1500円でみつけて、
欲しくなっちゃったんだよね。
買っちゃおうかなあ。
装丁がめちゃくちゃいいんだよな。
昨日、神保町いったけど
『首塚』の箱入りは
神保町でもあまり見ない気がするしね。
>>127 たまーに古書で見るよ。
大きなポイントで「汝の隣人 後藤明生」と表記されてるからケコー目立つ。
『壁の中』とおんなじで段々訳のわからん展開になってくね。
>>130 漏れは『首塚』の第2刷を箱つきで持ってるよ。
文部大臣賞を獲った時慌てて増刷したんじゃないかとにらんでる。
後藤で2刷て珍しいから。
>>131
俺が見たのは初版だった。
後藤で2刷とはめずらしいね。
オレの持ってる『不思議な手招き』も2刷。
135 :
吾輩は名無しである:04/08/26 18:56
2刷が珍しがられる作家というのも珍しいけれど、たぶん初版より部数は少ないだろうから確かに貴重かもしれない。
結局のところ、後藤本の発行部数って約どれ位だったんだろ?
129だけど、いやー130氏も同じ気持ちでしたか。
>装丁がめちゃくちゃいいんだよな。
そうそう。
箱に描かれた外套の絵はいいよね。
ただなんか妙に箱が固くて中身が取りだしにくいんですよね、僕のは。
思いっきり振って取り出してまつw
138 :
吾輩は名無しである:04/08/26 23:38
多くてせいぜい五千部止まりではないか?
壁の中なんか分厚いぶんだけ部数が抑えられてるから
古本でも見ない気が。
だからこのまえ出た新刊も今のうちに買っておかないと、な。
139 :
吾輩は名無しである:04/08/27 00:50
小説いかに読みいかに書くか、がやっぱり一番発行部数が多いのかな?
年々増刷されてた筈だしさ。
>>139 でも初刷より刷る部数はかなり落ちるから、年々増刷つっても大した事ない。
『笑坂』に引き続き『八月/愚者の時間』を読了!
後半の朝倉物は『吉野』とか『首塚』の原点のような小説だね。
日本書紀にあんな記述があったとは!
朝倉に行ってみたくなりました。
143 :
吾輩は名無しである:04/08/28 11:48
新刊307ページの年譜に載ってる後藤明生文庫って何?
出身校の朝倉高校にあるみたいなんだけどさ、
行った事ある人いるの?
後藤の本で2刷が多少なりともあるとは驚きました。
145 :
吾輩は名無しである:04/08/29 01:41
>>143 つまり、そこまで行けば後藤の本が確実に読める、てか?
146 :
吾輩は名無しである:04/08/29 10:12
>143
部外者でも閲覧可能なんすか?
校内に入ったとたん不審者発見→タイーホなんてなったらやだなあ。
通報しまつ
148 :
吾輩は名無しである:04/08/30 00:38
ゲナゲナ
150 :
吾輩は名無しである:04/08/30 20:02
本日、『首塚の上のアドバルーン』(箱入、帯、初版、800円)
と『メメント・モリ』(700円)を偶然見つけ購入。
運がよかった。
>>150 それは、もしかして町田駅の某古書店で買いました?
スッゲー狭い世界ですなww
>>151 うおー、もしかしてあんた売ったのか?
ビンゴー!!
成■堂書店だよ。
151さんとはすれ違ったことはあるかもね。
町田では高原書店とかブクオフとかで本買ってるよ。
これで後藤は20冊くらい揃ったよ。
読んだのは、そのうち半分くらい。
>>153 151は店員かもしれないぜ。
レジでパソコンたたいてる店員
いるからな
>>153 ああ、やっぱり!
ちょうど二三日前、そこ覗いたときに、確かその二冊がその状態と値段で
おいてあったのを見たんです。その二冊は持っていたので、隣にあった
小島信夫の「暮坂」と「X氏との対話」を買いましたが。
残念ながら売ったのは私じゃないです。
後藤の本、数えてみたら五十冊近くありました。
まあ、「笑い地獄」が単行本、文庫版と二冊あったり、「挾み撃ち」なんか
三つの文庫版全部に、講談社文芸文庫版がもうひとつあったりするんですが。
エッセイ集で読み通してないもの数冊以外、全部読んでます。
残念ながら店員でもないです。そもそも成●堂にパソコンありましたっけ?
>>155 なんか、こういう偶然嬉しいなあ。
それから、後藤の本、50冊近くってすごいですね。
ぼくも持っているほうだと思ったのですが
まだまだかな。
ところで、小島の『暮坂』はおいくらでしたか?
1200円で売っている店があって
いま、かおうかどうか思案中です。
さいごに、ぼくでなくて154は違う方です。
成■堂の今日の店員は若い人でマンが読んでました。
>>156 私も高原とブックオフは良く行きます。すれ違ってる可能性ありますね。
後藤の本はやっぱりネットとかで集めないと埒があきません。町田では
ほとんどないですし、神保町でも小宮山書店がなかなか侮れない値を
付けますから。ちくしょう。
「暮坂」、私は1000円で買いました。1200円でも結構安いのでは。
小島信夫もまた本が手に入らないですね。後藤との関係の線から
気になるのですが。
154が違う人なのはわかってましたので、気にせずに。
成のラインナップ、たまに侮れません。まえ、古井の仮往生が二千円以下で
売ってましたから。
158 :
吾輩は名無しである:04/08/30 22:25
あのー、ちょっと割り込んで悪いんですが、
「現点」という雑誌の後藤明生特集号を探しているんですけど、
151さん、153さんは持ってませんか?
>>157 仮往生、2千以下はあなどれないですね。
といっても、ぼくはブクオフで950円でかったんですけど・・・
小宮山書店はけっこう高めですよね。
品揃えはいいんですが。
とくに、サイン入りの本が多いので
かなり値が張る場合がありますね。
やれやれ。
>>158 いや、「現点」という雑誌ははじめて知りました。
お役に立てず申し訳ない。
>>159 仮往生がブックオフとは…。
小宮山については同感です。高い。
この話続けるとスレ違いになりますのでそろそろ止めておきましょう。
>>158 残念ながら持ってません。この特集号があることは知っていたのですが、
見たことないです。「現点」っていう雑誌って、文芸誌ではないですよね?
特集号といえば、早稲田文学で確か二度ほど後藤明生特集組まれていたと
思うんですが、どのようなものでしょう。
芳川泰久氏の論考は単行本になりましたが、雑誌の方は見てないんです。
早稲田文学の後藤特集は
ぼくも気になりますが持っていません。
おそらく、渡部直己が
推してるためでしょうが、
早稲田文学では後藤やヌーヴォーロマンを
特集することが多いですね。
一番あたらいい号でも
エッセイにおいて、渡部は後藤に触れていました。
渡部の名を出すと嫌がる方も多いですが
渡部ほど、後藤にこだわっている批評家も珍しいので
ぼくとしては直己に後藤選集でもできるよう、
どこかの出版社をプッシュして欲しい気がします
163 :
158です。:04/08/30 23:07
そうですか。
いやー、「日本近代文学との戦い」の年譜・1987年の所に載ってて、
後藤氏本人もインタビューを受けているようで、
タイトルが「小説の解体・小説の発見」と言うものですから。
タイトルに惹かれて読んでみたいと思ったのです。
文芸雑誌ではないと思うんですが、詳しい事は全然わかりません。
>早稲田文学では後藤やヌーヴォーロマンを
>特集することが多いですね
平岡さんがいるからだよ
165 :
吾輩は名無しである:04/08/30 23:14
>>164
ああ、そうか
平岡さん、健在でしたね。失礼しました。
この前の新潮の書評(後藤の新刊について)を読んでると、
直己さんは自分ではプッシュする気はないみたいね。
それにそういうのには向いてない人でしょ。
167 :
吾輩は名無しである:04/08/31 01:24
>>158 >>161 >>162 ワセブンの後藤追悼号は所持してる。
2000年9月号の「再読後藤明生」特集号だよね。
多和田葉子が「街頭」という小説を書いてて、これがれっきとした追悼文。
残りは大杉重男、千葉一幹、平岡篤頼、などなど。
「現点」つーのは知らないなあ・・
168 :
吾輩は名無しである:04/08/31 10:35
「首塚」が増刷されたのは、
後藤明生が近大での授業で、
「首塚」を教材に指定したからですよ。
自分の作品を教材にしたらそりゃ売れます。
169 :
吾輩は名無しである:04/08/31 14:33
今、中公文庫で『嘘のような日常』を再読しています。
ゴーゴリを中心としたロシア文学を主なテクストに、
文学における『笑いの方法』に執着した後藤明生の作品は、
その全編が困惑に満ちている。
『しんとく問答』の作品群も、作者本人を思い起させる
単身赴任の大学教授が、大阪という土地に接して
困惑を抱えるという統一した設定がとられている。
その困惑を解消するべくとった方法が、
「歩く」ことと「調べる」ことであり、本作品集は主人公
(=作者)が大阪地図を片手にあちこち歩き、写真を撮り、
調べたその記録であるとも言える。デスネ。
日本近代文学との戦い―後藤明生遺稿集
後藤は中上に『雨月物語紀行』の浮島に関して、
つめがあまいという趣旨の指摘をしている・・・
新宮にあるこの浮島は「蛇性の淫」の舞台である。
中上にも「浮島」という作品があり、それは学生時代に
ギリシア悲劇と上田秋成を平行して、それを止揚するかのように
熱烈に読む中上の姿が、高澤秀次によって報告されている。
また後藤はといえば、方法論的に上田秋成の嫡子であることを
自認する作家でもある。・・・
後藤明生著書一覧
1 単著
私的生活 笑い地獄 何?書かれない報告 関係 円と楕円の世界
疑問符で終る話 四十歳のオブローモフ 挾み撃ち
ロシアの旅 分別ざかりの無分別 思い川 大いなる矛盾
雨月物語紀行 眠り男の目−追分だより
不思議な手招き めぐり逢い 夢かたり 夜更けの散歩
笑坂 行き帰り 夢と夢の間 虎島 酒、 猫、人間
嘘のような日常 針の穴から 八月/愚者の時間 吉野大夫
見える世界、見えない世界 笑いの方法−あるいはニコライ・ゴーゴリ
女性のための文章教室 小説−いかに読み、いかに書くか
復習の時代 汝の隣人 謎の手紙をめぐる数通の手紙
自分のための文章術 おもちゃの知、知、知壁の中
使者連作 蜂アカデミーへの報告
ドストエフスキーのペテルブルグ 文学が変るとき
カフカの迷宮 もう一つの目 首塚の上のアドバルーン
メメント・モリ−私の食道手術体験 スケープゴート
吉野大夫〔ファラオ企画版〕 小説は何処から来たか
しんとく問答 小説の快楽
>>168 にわかには信じられない話だが、発行部数が部数だけに
こう言うこともあり得るかもな。
>>171 >後藤は中上に『雨月物語紀行』の浮島に関して、
>つめがあまいという趣旨の指摘をしている・・・
ちょっと意味がつかめんゾ
>170さん、「困惑」とは何に対する困惑?
176 :
吾輩は名無しである:04/09/01 01:41
>>155 ほお、すごい読書量ですなぁ。
これだけ読んでいれば後藤氏も本望なのではないですかな。
ちなみに読んでいないエッセイ集は、
何と何ですか?
177 :
吾輩は名無しである:04/09/01 21:10
『虎島』(昭和53年・実業之日本社刊)購入。3500円なり。
帯文。
「俊才が放つ飄々たるユーモア/”内向の世代”の先頭をきる作者、その文芸活動
の里程標となる記念碑的珠玉作。少年期からの身辺を悠々たる文体で捉え、人生の
笑いと哀しみにふれる!!」
”内向の世代”。
懐かしい響きだなー。
収録作品。
虎島/玄関の出来事/火事の話/黒兎/わたしの生まれた場所/我輩も猫である
越年/永興小学校の思い出/二人部屋/変容/智恵子の首/窓の内外/浅草詣で
霊夢/昨年の夏の事
虎島一冊で三千五百円とは高くねーか?
179 :
吾輩は名無しである:04/09/02 02:38
落ち着いてきたようだな→噴火
『虎島』はなかなか出てこないからなぁ。3500円だったらオレも買う。
182 :
吾輩は名無しである:04/09/02 20:33
>『虎島』はなかなか出てこないからなぁ
俺は図書館で読んだよ。
なんとなく他の作品集から洩れた短編をかき集めたって印象だったけど
このスレはオタクっぽいのが多いな。
いいじゃん。
後藤の小説読むにはオタク的情熱がいるんだし。
入手方法もふくめて。
185 :
吾輩は名無しである:04/09/03 22:18
後藤明生の理論と実作って、
必ずしもイコールという訳じゃないと思うんですが、
ほかの人はどう思いますか?
もちろん、理論も実作もそれぞれすばらしいですが。
186 :
吾輩は名無しである :04/09/04 14:27
『虎島』、3500円は妥当じゃないかな。
神保町なら3500以下じゃ買えないと思う。
僕は2500円で買ったけど
これは安くしてもらった値段だった。
『壁の中』(2000)『蜂アカデミーへの報告』(1000)なども
同じ店で買ったけど、その2つよりも高い値段だった。
『私的関係』は2500円だったなあ。
>>185 理論と実作のズレまでとらえて理論化してんじゃねえか。
素晴らしい小説は「1000円札文学論」に基づいてる、と言ってるだけで、
1000円札文学論で書いたからって、
素晴らしい小説が書けるとは絶対言ってないからな。
後藤の場合は、そこのズレが面白い。
どうでもいいんだけど
御茶ノ水橋って味も素っ気もない橋だね。聖橋の方がカコイイ>挟み撃ち
189 :
吾輩は名無しである:04/09/05 15:23
>>187 >理論と実作のズレまでとらえて理論化
ってとこ、もう少し具体的に書いてくれないと蒙昧。
190 :
吾輩は名無しである:04/09/05 23:39
>188
いや、「挟み撃ち」の橋は聖橋だろ?
湯島聖堂の通りのだよな?
東改札側の橋?
それがたいして笑えねえんだよな
193 :
吾輩は名無しである:04/09/06 22:38
>>172 吉野大夫〔ファラオ企画版〕は,オリジナルとは何処か違うんですか?
2000円で売ってるんを見たけど、
買わなかった。
中公文庫で所持してるもんでさあ。
195 :
吾輩は名無しである:04/09/07 23:25
『メメント・モリ』読了。
やはり、後藤はよく生きたという気がする。
享年67だけれども、
タバコも酒も好き放題にやって
67までいきたのは
すごいというべきではないか?
普段はセブンスター80本。
入院中も40本(手術前に禁煙、退院後2年経って出版された本書
にはまだ禁煙中とある)。
酒の量も尋常ではなかった。
酒、タバコ、コーヒーのうちどれか1つを
医者から、まず辞めろといわれて
コーヒーを止めたが
喫茶店で酒を飲むようになったなどなど。
普通こんなことやったら
早死に確実の生活をして
あれだけ生きたのだから、本人も自覚しているように
体の強い人だったのだろう。
196 :
吾輩は名無しである:04/09/07 23:39
>>195 セブンスター80本とは。。。
『メメント・モリ』には死生観みたいなものは書かれていましたか?
あの饒舌体は体力が滅茶苦茶なくては書けないやね。
そういやどっかのエッセイに小学校皆勤だって書いてなかったっけ?
文学者にありがちな病弱体質じゃないね。
>>196 死生観なんてない、と云うか、
本人にもしあったとしても文章には絶対ストレートには書かないよね、後藤は。
病気の自分も美化してないし、ちょっと正岡子規の随筆を思い出す。
メメントモリがありがちな病気物のエッセイから一線を画してるとしたら、
そこにポイントがあると思う。
>>196 197氏のいうように、死生観などをけっして
書かないのが後藤の方針。
管だらけになっても、薬で意識朦朧となっても
できうるかぎり、その時の自己・状況を冷徹に見つめようとする。
そこが他の入院記と決定的に異なっている。
>>197 小学校皆勤の話は『メメント・モリ』にも書いてあるね。
ただ、本人の記憶では何日かは休んだことがあるらしく
おまけしてもらったのだろうか、といっている。
いずれにしても、皆勤は彼一人だったらしい。
子規は格好良いね。
南方熊楠と張り合っただけある。英雄だ。
201 :
吾輩は名無しである:04/09/08 00:07
歩行用の点滴スタンドの描写はおもしろいな
『メメント・モリ』はエッセイでいいの?
小説と言ってもOKの気がするんだけど、どうでしょう?
203 :
吾輩は名無しである:04/09/08 00:35
ファラオ企画がいつもフェラチオ企画に見えてしまうのだが
>>193 中身はおなじ。
特典は高橋英夫氏の解説付。
206 :
吾輩は名無しである:04/09/08 15:20
>>198>>199 196です。どうもです。
やはり闘病記ではなく遊病記という感じでしたか。
「パンのみに非ず」角川文庫をお持ちの方がいればお聞きしたいのですが
ここにはどんな作品が入っているでしょうか?
また解説者はどなたでしょうか?
文庫には解説があるのであなどれないです。
既出でつ→
>>43-44 43 :吾輩は名無しである :04/08/03 20:01
文庫本「パンのみに非ず」の収録作品はなんでしょう?
44 :・・・ :04/08/03 22:45
『パンのみに非ず』(角川文庫)は、
・笑い地獄
・無名中尉の息子
・嫉妬
・パンのみに非ず
・解説(柄谷行人)
以上です。
208 :
吾輩は名無しである:04/09/08 20:15
水上勉氏が他界されました。
氏は後藤氏を高く評価されていただけに残念です。
209 :
吾輩は名無しである:04/09/08 22:42
211 :
吾輩は名無しである:04/09/09 01:03
水上が後藤を評価してたソースは?
詳しい人、教えて。
212 :
吾輩は名無しである:04/09/09 08:32
>>203 大会社とも思えんのに出版傾向にまとまりがないなww
213 :
吾輩は名無しである:04/09/09 20:11
>>211 中公文庫版『笑坂』の解説が水上勉氏でした。
215 :
吾輩は名無しである:04/09/11 03:36:20
「嘘のような日常」再読終了。
母親の自殺未遂を推測するあたりのくだりが、一筋縄ではいかない日常性の
薄闇をジワジワと浮き出させていた。ものの哀れとそこはかとない頼りなさ。
そんなシーンあったっけ?
>>211 『文芸遠近』』(平成7年11月20日初版第1刷発行・小沢書店)に、
・後藤明生の夢かたり
・後藤明生『笑坂』を読む
の2篇が収録されてる。
後者が
>>213の言っている中公文庫版『笑坂』の解説なり。
218 :
吾輩は名無しである:04/09/12 02:18:02
>後藤明生の夢かたり
こっちはどんな内容ですか?
219 :
吾輩は名無しである:04/09/13 18:54:09
>>216 返事遅れました。
ええ、確かに最終章「夜に帰る」に、そういった箇所があります。
この部分が、小説全体の終結部へと集約されるきっかけとなって行きます。
嘘のような日常。
うろ覚えの記憶しかないが、家族で夜の電車に乗り込むラストシーンは印象に残っている。
それとネコが屋根からすべり落ちるのを目撃するシーンってなかった?
あとは司馬遼太郎ファンの基地外運転手w
>>207 既出でしたね。どうもすみません。
旺文社文庫「関係」を持ってる方っていますか?
地元の図書館にもなく見たことがないんですが。
持ってるよ。
古本屋の100円均一コーナーで偶然買っちゃった。
平岡頼篤と大橋健三郎が解説を担当してて、解題、参考文献、著者自筆年譜付き。
持っていて損のない一冊ですよ。
旺文社文庫はさすが啓蒙的だよな。
『四十歳のオブローモフ』も同じようなコンテンツだしさ。
224 :
吾輩は名無しである:04/09/14 02:43:16
『関係』、旺文社のはもってないけど、
皆美社の箱入り本のほうは持ってるよ。
後藤の箱入り本ってすごくつくりがいいね。
『笑坂』とか『謎の手紙をめぐる数通の手紙』など、
ときどき、手にとって眺めたりしてるなあ。
225 :
吾輩は名無しである:04/09/14 03:46:17
菊地信義の装丁したものが、特に良い出来です。
226 :
吾輩は名無しである:04/09/14 04:04:24
>>220 確かに猫が屋根から落ちました。
元祖猫好きが村上春樹だなんて嘘です。後藤氏のほうが先です。その前も
いるけど・・。
運転手、あれはやばすぎです。w
関係ありませんが、椎名隣三の「媒酌人」のラストに登場する運転手も怖
かった記憶が・・。
なんといったって、『めぐり逢い』の作者ですからね。
>>226 220だけど、サンクス。
あの基地外運転手、また大阪か!ってな話なんだけど、
作者があとでその大阪に住むようになったってんだから、なんだかなーってな感じだねw
231 :
吾輩は名無しである:04/09/14 23:35:34
>>224-225 私は、断然、「壁の中」「汝の隣人」の亀海昌次さんです。
菊地さんの手掛ける本は、確かに、毎度素晴らしい出来ですが、
正直言いまして、本体の背文字が小振りなので、私には少々物足りない気がします。
重厚感の漂う亀海氏装丁本のほうが、
私は、後藤の著書らしくて好きなのです。
夜更けの散歩、不思議な手招きの中島かほるの装丁なんての、どう?
変な手がちょろっとでてるんがオモロイ。
233 :
224:04/09/15 01:26:38
『汝の隣人』『夜更けの散歩』『不思議な手招き』は
持ってないのでなんともいえないのだけれど
『壁の中』は確かにいいね。
カバーもいいけど、
カバー下にある昆虫図鑑のような装丁。
ああいうのは、すばらしいと思うなあ。
ずっと大切に持っておきたい本のひとつだよ。
234 :
吾輩は名無しである:04/09/15 19:21:45
確かに菊地氏の装丁は、空間処理の方法がもの悲しく、空虚感を漂わせていますね。
それに比べ亀海氏のいわばあの記号的ボッテリ感は、無機質な謎を表現しています。
中島氏は知的な悪戯心と、そのユーモアさが冴えています。
いずれにしろどれも、後藤文学を飾るには最適な装丁でしたね。
皆さんとっても詳しいねー
236 :
吾輩は名無しである:04/09/15 22:29:18
>226
めぐりあいのポイントは、
飼育以前、作者がネコを嫌っていたというとこ。
それがいつのまにか共生する運びになっちゃうんだからな。
ドイツ猫の教師もいい味出してる。
芸術新潮9月号で川本三郎が紹介してるみたいだね。
「挟み撃ち」とか「四十歳のオブローモフ」とか。
まだ立ち読みしてないが。
誰か知ってる?
しらない
239 :
吾輩は名無しである:04/09/16 07:53:07
>>236 わざわざありがとうございます。
『めぐり逢い』は買ったまま、まだ読んでいないので、村上春樹の『アフター
ダーク』がそろそろ読み終わりそうなので、その後すぐに読み始めたいと思い
ます。
ところで、時間的な流れからいって『八月/愚者の時間』の中で下半身不随の
猫が登場しますが、あの猫は『めぐり逢い』に登場する当の猫の年老いた姿な
のでしょうか?
ちょっとした疑問です。
間違いないでしょうな。
『見える世界、見えない世界』の
「猫のお灸」「生れてはじめて」「緑色の大きな目」「子供の気持ち」
にナナ(猫の名前)の死亡前後の詳細が書かれています。
後藤初心者です。
今日、『挟み撃ち』を読み終わったところです。
並行して『分別ざかりの無分別』を読んでいると、『挟み撃ち』を
書き終えたと後藤氏が述べている回を読んでニヤリとしました。
ところで、手元には『行き帰り』と『めぐり逢い』があるのですが、
次に読むオススメはこの二つのうちどっちでしょうかね?
242 :
吾輩は名無しである:04/09/16 21:39:36
中期作品までは奥さんがよく登場してくるけど、
その奥さんが又いつもいい味出してるんだよなあ。
『嘘のような日常』でも、あのDQN運ちゃんを通報してやるとかいきまいてるし。
『ああ胸が痛い』だったっけ?
夜中、トイレで吐血した主人公が自分の血を便器の中でかき混ぜてたら、
奥さんが背後から主人公の行動を黙って見ていたとかw
主人公にとってはいつも批評的な存在なんだよな。
>>241 あえて言えば、半島つながりと言う事で『行き帰り』かな。
うん、うん
244 :
吾輩は名無しである:04/09/17 00:16:41
>>241 挾み撃ちと分別ざかりの無分別を、
同時進行で読んでいるなんて!
カバーデザインのあまりの落差に、びっくりされたんじゃありませんか?
私的には、夢かたりに進んでいただきたいのですけど・・
245 :
吾輩は名無しである:04/09/17 01:13:42
>>241 初心者といっても、何冊か手に入れたみたいですね。
運がいいことですよ。
僕としては『行き帰り』かなあ。
今日は久しぶりに神保町へいった。
小宮山書店へいくと
後藤の本がなかなか揃っていたけど、
予算が足りず断念。
『カフカの迷宮』などは2千円と
安かったのだけど・・・
ちょっと残念だったかな。
242さん244さん245さん、レスありがとうございます。
今日から『行き帰り』に進もうと思います。
後藤氏が大学の先輩にあたることを、大学を卒業してしばらく経った
最近に知り、近所の古書店にあった著作を買い漁ってきたところです。
ちなみに手元にある後藤氏の著作は、
『復習の時代』 読了
『挟み撃ち』 読了
『分別ざかりの無分別』 読書中
『行き帰り』 未読
『めぐり逢い』 未読
です。
今は地方にいるので、後藤氏の本は手に入りにくい状況です。
上の五冊が手に入ったのは幸運だと自分でも思います。
今住んでる街の古書店に、これから新しく後藤氏の本が入荷するか
どうかは怪しいものです。東京が羨ましい…。
>>244 確かに、あのカバーデザインの落差は凄いですね…。
なんとなくですが『分別ざかりの無分別』のカバーには親近感を覚えましたけどw
『夢かたり』も機会があればぜひ手に入れようと思います。
早稲田だったのか。
ところで241氏よ、
後藤氏の新刊(日本近代文学との戦い)は地方で手に入るのですか?
あまり見かけないという話が地方在住者を中心に、
前スレで囁かれていたものだけど。
249 :
吾輩は名無しである:04/09/17 20:03:23
「分別ざかりの無分別」のカバーの後藤のイラストの元になった写真が
文芸文庫「挟み撃ち」の巻末に載ってるね。
流石にベロは出してないけど。
>>248 広島にいるんですが、紀伊国屋で今日買いました。<『日本近代文学との戦い』
棚に一冊しか置いてませんでしたが。
晩年の後藤氏の写真も初めてみることができました。
編者が近大出身のかたで出版社は京都なのですね。
近大の文芸学部を創設したのも後藤氏だと聞きましたし、そういう意味で関西色が強いのでしょうか…。
つまらないことですが、関東びいきの僕としては意外でした。
251 :
吾輩は名無しである:04/09/17 20:12:06
近代の文芸学部を創設したのは
柄谷浅田と絡んでいたから
↑
全くのデマ。
文芸学部設立の数年後、学部長として大学院を作った時に、
スタッフとして後藤自ら柄谷を招聘したと「柄谷行人と私」(『小説の快楽』)に書かれてある。
従って、文芸学部創設時に柄谷は関係していない。
浅田なんて尚更。
253 :
吾輩は名無しである:04/09/18 01:29:02
>>250 『しんとく問答』で紹介されてる名所図会の版元が、
今回の本の出版元だろ?
大手から出さないでそんなとこから後藤の遺稿を出すっつーのが泣けるねえ。
そういう心意気、
オレは買うよ。
>250
後藤、読むのに関東びいきも関西もないとは思うんだが…
ただ筑前びいきだと納得する。
255 :
吾輩は名無しである:04/09/18 09:12:14
筑前――ちくぜん――チクゼン――チクジェン?
チクジェン!!!
急に、後藤の本が読みたくなってしまったではないか!
ナボコフの本を読みかけだったのだが、
今日は『笑坂』でも読むか。
256 :
吾輩は名無しである:04/09/18 11:55:17
おもしろそうな予感はするのにいざ読むと
時間を無駄にしている気がしてとめてしまう。
>>237 「芸術新潮」9月号の、
「言葉のなかに風景が立ち上がる−郊外団地という仮の住まい:後藤明生」(川本三郎)
です。
初期の団地小説について語っています。
なかなか面白いエッセイですよ。
258 :
吾輩は名無しである:04/09/18 23:06:06
どんな内容なん?
つーか、自分で探してみるわ。
でも田舎だからなあ。本屋に置いてあるかなぁ?
259 :
吾輩は名無しである:04/09/19 08:06:01
260 :
吾輩は名無しである:04/09/19 08:08:26
>259
持ってるのに見つからないの?
持ってないで古書店で探してるなら無理もないよ。
後藤の本はとにかく見つかりにくいからね。
261 :
吾輩は名無しである:04/09/19 08:12:44
おれは
『壁の中』も『蜂アカデミーへの報告』も
『関係』も『私的生活』も持ってるけど、
比較的新しい『スケープゴート』『しんとく問答』が
手に入らない。
この2作って部数どのくらいだろうか?
>260
いや持ってないから嘆いてるんだが>259
263 :
吾輩は名無しである:04/09/19 23:25:24
同じく後藤の本(特に文庫)はなかなか入手できないよ!(嘆
誰か文庫本全部持ってる人がいたら(いるかな?)
それぞれの文庫での解説者を教えて欲しーい。
264 :
teku:04/09/19 23:39:39
漫画のBANANAFISHの後書きにある、アメリカ文学全集のバナナフィッシュ一節を片岡義男が翻訳した本を知ってる人いませんか?
俺の持ってるのは、こんだけ。
↓
文芸文庫『首塚の上のアドバルーン』(解説・芳川泰久)
文芸文庫『挟み撃ち』(解説・武田信明)
福武文庫『笑いの方法』(解説・沼野充義)
中公文庫『笑坂』(解説・水上勉)
中公文庫『吉野大夫』(解説・三浦雅士)
結局、いつも絶版本の話に行き着くんだよねー
267 :
吾輩は名無しである:04/09/20 08:23:23
>>261 講談社文芸文庫の戦後短篇小説再発見6(変貌する都市)に
「しんとく問答」(『しんとく問答』収中の一編)が入ってまつ。
取り敢えずはこれで我慢……
……出来る?
>>263 265さんと被るけど、以下、講談社文芸文庫『首塚の上のアドバルーン』の著書目録より
角川文庫『パンのみに非ず』(解説・柄谷行人)
旺文社文庫『関係』(解説・平岡篤頼、大橋健三郎)
集英社文庫『挾み撃ち』(解説・大橋健三郎)
講談社文庫『思い川』(解説・古屋健三)
中公文庫『夢かたり』(解説・川村二郎)
集英社文庫『笑い地獄』(解説・種村季弘)
旺文社文庫『四十歳のオブローモフ』(解説・長部日出雄)
集英社文庫『ある戦いの記録』(解説・磯田光一)
中公文庫『行き帰り』(解説・大橋健三郎)
集英社文庫『めぐり逢い』(解説・中野孝次)
中公文庫『嘘のような日常』(解説・磯田光一)
中公文庫『吉野太夫』(解説・三浦雅志)
中公文庫『笑坂』(解説・水上勉)
福武文庫『行方不明』(解説・柘植光彦)
福武文庫『笑いの方法――あるいはニコライ・ゴーゴリ』(解説・沼野充義)
河出文庫『挾み撃ち』(解説・蓮實重彦)
講談社文芸文庫『挾み撃ち』(解説・武田信明)
講談社文芸文庫『首塚の上のアドバルーン』(解説・芳川泰久)
すみません、間違えました。訂正します。
× 中公文庫『吉野太夫』(解説・三浦雅志)
○ 中公文庫『吉野大夫』(解説・三浦雅志)
↑
未だ間違ってますよ。三浦雅志(×)→三浦雅士(○)
272 :
吾輩は名無しである:04/09/20 17:00:43
『首塚の上のアドバルーン』読了。
文芸文庫ではなく、箱入りのほうで読んだのだが、
その箱にある絵に関して、少し疑問に思ったことがある。
絵の下方にはこんもりと盛り上がった丘のようなものがあり、
つまりはこれが「首塚」ということになるのだろう。
そうして、青空を背景にして、「首塚」上空に浮かんだ物体がある。
そこまではいい。しかし、問題なのは「首塚の上」にある物体が
「アドバルーン」ではないということだ。
それはまぎれもなく「飛行船」である。
これでは『首塚の上の飛行船』ではないか。
まあ、たいした意味はないのかもしれないが、
これはどういうことか、とも感じざるを得ない。
同じ事を思った事はあるが、でも、首塚とアドバルーンだったら
ちょいとツキ過ぎてないかい?
装丁サイドとしてはあえてそこを外して飛行船にしたと肯定的に考えてる、
今日この頃。
て言うか、藻前ら、いい加減中身の話をしろよ
276 :
吾輩は名無しである:04/09/21 17:30:35
エッセイ集の『猫 酒 人間』『分別ざかりの無分別』って
どんな感じかな?
どちらも1,000円代で見つけて買おうか迷ってる。
未購入の小説、
あるいは、『カフカの迷宮』などのような
小説技法的な本なら迷わず購入したんだけれど・・・
277 :
263:04/09/21 19:37:47
>>276 「分別ざかりの無分別」はいわゆる雑文集って奴やね。
旅行記からラーメン、酒談義まで。
文学論じゃないよ。
「猫酒人間」は持ってないからわかんないや。
でも題名から察すると似たような悪寒……
276さん、買わないとオレ買っちゃうよぉ!
何処の古本屋?
281 :
吾輩は名無しである:04/09/22 08:19:15
後藤明生さんとは何度か酒の席でご一緒させてもらたったが、
手術後は、禁酒はしなかったものの、
酒量は減って、かなり薄い水割りを飲んでらした。
タバコを吸っている場面は見たことない。
「酒を飲めないやつに文学を語る資格なし」と言って、
ガハハと笑ってらしたのが懐かしい・・・。
282 :
吾輩は名無しである:04/09/22 23:32:49
>>208-210 おーい!
何処でもいいから早く全集出さないと、
月報に寄稿して呉れそうな人、みーんな全滅しちゃうYOOOO!!!
>>282 それは確かに、深刻な問題だ。
今のところ残ってるのは誰だろうか?
蓮實、柄谷、島田、渡部、大江、古井などあたりか。
それにしても、実際は、全集むりそうだし、
『猫酒』と『無分別』買っとくかな。
>>282 それはそうなのだが、しかしなんて話の持って行きようなんだ(w
>>283 買っとけ、買っとけ
285 :
吾輩は名無しである:04/09/23 02:58:13
>>276 カフカの迷宮もなかなか入手困難ですね。
図書館でしか見掛けませんし。
あの手の本は自分で所持してじっくり読み解きたいものです。
286 :
吾輩は名無しである:04/09/23 08:31:36
>蓮實、柄谷、島田、渡部、大江、古井などあたりか。
大江健三郎は後藤の小説をどう評価してたんだろ?
<方法><構造><笑い>どれも共通するし。
大江の後藤論てないのかな?
287 :
吾輩は名無しである:04/09/23 10:49:18
以下、大江による『私的生活』帯文
なんという奇妙な男だろう、この作家は! 登場人物を奇妙な男とするのは
難しくないし、奇妙な味のする小説というのも少なくない。
しかしこの作家は、小説にとりこむ日常生活の細部をゆがめることはせず、
登場人物に甲高い叫び声を発せしめもしない。しかしつねに、
追いつめられる登場人物によりそって、苦渋のまじりあった救済たる、
あわれなユーモアの油汗をうかべた顔を、われわれに向けているのである。
しかもその間、微妙に艶消しされて、
単なる饒舌体をこえたこの作家の散文は、
威嚇しはしないが不思議に気にかかる、穏やかな尾行者のように、
しだいに確実にわれわれを追いつめるようではないか!
帯だけなんですか?
後藤の大江論(小説の方法)は知ってるけれど。
>287←評価してると逝っていいのかな?
290 :
吾輩は名無しである:04/09/24 09:29:14
厚顔無恥にも後藤明生に、
「小説家になるにはどうしたらいいですか?」
と聞いたことがある。
後藤は「本をたくさん読みなさい」と言っていたが、
その当時まだ、<なぜ小説を書くのか?それは小説を読んだからだ>という、
後藤の持論を知らなかったので、
そんなものなのかと思った青春の頃。
291 :
・・・:04/09/24 20:47:05
しばらく2chに来ない間にスレが伸びてますね。
で、少しカキコさせていただきます。
>>158 「現点」は持っています。
だいぶ前、上京した折、神保町の古書街で、偶然、見付けました。
編集・発行元は「現点」の会。
専修大学の柘植光彦先生が中心になって発行された同人誌のようです。
後藤さんの特集号はその第7号で1987年5月20日発行。
高橋英夫氏、鈴木貞美氏、永島貴吉氏による後藤明生論のほか、
「小説の解体・小説の発見」と題された御本人へのインタビューが収録されています。
このインタビューが延々60ページ以上にわたって続けられてまして、
デビュー作の「関係」から『壁の中』まで代表作を何作か取りあげて、
創作方法や創作動機について語られています。
292 :
・・・:04/09/24 20:50:40
「現点」のインタビューでは、
御本人が『思い川』について語った箇所がもっとも興味深かったですね。
御本人曰く、
「本当のところを言うと、『思い川』は、痛恨の一冊なんですよ。ということは、
なかったほうがよかったと思っているんです。ぼくとしては、この小説は残念
なんです。だから、ぼくは『壁の中』は小説だと断言するけれども、『思い川』
は随筆だと。(笑)極言すれば、ですがね」
「初期からずうっとやってきた方法上の問題から、一番はずれたところででき
あがっている小説だと思うんです」
「やっぱりこれは随筆のジャンルに投入していただきたい。ぼくが死んだ後
ね。(笑)これは率直な、ぼくの気持ちです」
293 :
吾輩は名無しである:04/09/24 21:51:10
>>289 大江健三郎は当時後からやって来た後藤文学に驚愕していたのだと感じられる。
大江はそれまでの日本文学(例えば私小説など)を否定し出発、当初からサル
トルの方法論に則った形でレトリックを複雑・多様化し、日常性(世界性)を
異化した。
しかしほとんど飾ることのない文体を用いながら、日常性の奇妙奇天烈さをス
でやってのけてしまう、ある意味私小説の新種の手腕に見事やられたのだ。
『個人的体験』もあるが、『「雨の樹」を聴く女たち』周辺から以降の作品を
紐解いてみよ。
後藤氏は『小説の方法』に元気付けられた事も確かに語っているが、どちらか
というとこれは互いの方法論の共通性に共鳴し合っているのだ。
294 :
吾輩は名無しである :04/09/24 21:58:53
>>293 おお、あんた、いろいろ読んでそうだな。
それにしても、いい小説家が少なくなってきてさびしい気がする。
大江はもう小説家かないんだっけ?
彼の場合、何度もこれで最後といってきたわけだけど、
今回はいよいよ打ち止めの感がある。
だから、新刊で期待するなら、ほんと少ないよね。
古井、大西、小島あたりか。
といっても、小島、大西はかなりの高齢だしな。
やれやれ・・・
295 :
吾輩は名無しである:04/09/24 22:03:38
>>290 近大か早稲田で、後藤の講義に出てたことでもあるのか?
よく学生とのみにいったそうだからね。
で、小説は書かなかったの?
296 :
吾輩は名無しである:04/09/25 05:04:45
>>291-292 …氏、ありがとー
俺も読みたいなー>現点
>『思い川』は、痛恨の一冊なんですよ。ということは、
>なかったほうがよかったと思っているんです
これって、かなーり衝撃的な発言のように気がするけど
297 :
吾輩は名無しである:04/09/25 11:53:19
>>295 近大の講義に出てました。
太宰の『お伽草子』とか『駆け込み訴え』とかの授業で。
内容はほとんど忘れたけど。
自分はあまり小説は書かなかったけど(才能がないから)、
同級生が、後藤に書いた小説を読んでほしくて持ちかけたら、
門前払いにされたそうだ。
「100年早い」ってね。
そりゃそだろw
299 :
吾輩は名無しである:04/09/26 19:39:40
300記念
301 :
・・・:04/09/28 21:52:24
>>299 それはちょっとわかりかねます。
奥付を見ると1987年となっててかなり昔ですからね。
直接、専修大学の柘植光彦先生まで問い合わせるのが賢明かと思います。
お役に立てず済みません。
302 :
吾輩は名無しである:04/09/29 00:36:38
>292
「やっぱりこれは随筆のジャンルに投入していただきたい。ぼくが死んだ後
ね。(笑)これは率直な、ぼくの気持ちです」
全集出す時、どーすんだろ?
303 :
吾輩は名無しである:04/09/29 01:11:14
知らんがな(w
305 :
吾輩は名無しである:04/09/29 02:15:22
20世紀後半の日本文学にあっては
なかなか重要な作家であるのに、
全集が出ないのはおかしい。
柳原出版あたりに出してもらおうじゃないか。
そうだろ?みんなよ。
んだ、んだ。
307 :
吾輩は名無しである:04/09/29 17:13:16
ここの住人みんなで嘆願メールを送りましょうか?
存外効果あったりして。
ここの住人って何人くらいいるの?
古井スレよりかは多いかな・・・
藤枝静男スレよりは多いと思うよ。
ロムってる奴も入れたら多い時で7、8人程度じゃない?
311 :
吾輩は名無しである:04/09/30 00:16:24
古井にしろ、藤枝にしろ、
読んでる人って少ないんだろうね。
ほんとに、読み応えのある作家だと思うんだけど・・・
古井なんて存命中にもかかわらず、
絶版だらけでどうしようもない。
後藤の本も、全集だすか、復刊もしくは文庫化させて
もっと流通させなきゃ駄目だよね。
純文学作品を刊行する事がステイタスだった時代が終わっちゃったからねえ。
少なくとも大手出版社にはもう殆どその気がないでしょう。
文芸文庫とかだって、
文庫化する作品の数はどうしても限定されちゃうから。
点呼とりましょうか・・・
1
2
俺は3!
4
317 :
吾輩は名無しである:04/09/30 22:02:27
5ね。
いま『八月/愚者の時間』(2000円)、買おうかどうか検討中。
315だす。
なんだ、思ったよりいるじゃんw
『八月/愚者の時間』(2000円)は買って損なし。
後半(愚者の時間)が面白いよ。
319 :
No,5:04/10/01 01:05:05
>>318 あ、ほんと? じゃあ、買おうかな。
ちなみに、後藤の作品ですきなのは
『壁の中』とか『謎の手紙をめぐる数通の手紙』なんだけど、
この系統ってほかにもある?
北朝鮮での記憶をつづった私小説風のものや
信濃を舞台にした作品など、
いくつかに系統わけできると思うんだけど
『壁の中』のような、謎めいた他者が前面に出てくる、
無気味な不思議さのある作品が一番すきかな。
320 :
吾輩は名無しである:04/10/01 01:31:15
後藤そんなに読んでないけど、おれもよくロムってマイケルヽ( ̄▽ ̄)ノ
じゃ、オレで7かな?
この時間帯に時々カキコしてるよ
しんとく、首塚、挟み撃ち、蜂アカ位しか読んでない若輩者だけど
322 :
吾輩は名無しである:04/10/01 05:53:41
8、と。
今、仕事終って帰ってきた。
しかし、藤枝も後藤も古井も読んでる俺って…
やっぱマイナーなのかね。
ちなみに江國香織とかも全部読んでるのだが。
323 :
吾輩は名無しである:04/10/01 11:44:43
9ね。ロム専。
10。
季刊文芸誌『文体』(編集=後藤・坂上・高井・古井)をまとめて買ってきました。
11冊で2000円。でも最終号だけないヨー!
今日、ネットで注文してた『夢かたり』が届きました。
表紙の掛け時計が(・∀・)イイ!!
千葉の古本屋さん、ありがとう。
今日は疲れたので、明日から読み始めます。
326 :
吾輩は名無しである:04/10/01 20:51:27
>>324 文芸時評が意外と読ませる。
それぞれの文学的スタンスが違っているぶん、なかなかおもしろい。
327 :
吾輩は名無しである:04/10/01 21:00:36
>>314 いくらでしたか?
もってないんだよね、気になるなあ。
>>327 税込みで840円。
初版本で、状態もまず良い方だと思います。
「日本の古本屋」で一番安かったお店のものを買いました。
ちなみに送料が別途210円。
地方にいるので通販は重宝します。
とくに後藤氏の作品は稀少ですから。
ただ、地方ならではの掘り出し物もごくごくたまにあったりします。
以前は『めぐり逢い』を105円で手に入れて、このスレにもカキコしました。
329 :
吾輩は名無しである:04/10/02 00:16:36
ロムってばっかだけどたまに見てるよ>12
331 :
・・・:04/10/02 23:47:26
ということは、
僕で13番目ですかね?
意外と書き込んでる方がいらっしゃって頼もしい限りです。
>>328 僕も後藤さんの本を集めるのでは「古書屋」を良く利用していました。
それにしても『夢かたり』が840円とは安すぎます!
回想録にありがちな抒情性を徹底的に削ぎ落とした文体は魅力的ですね。
332 :
吾輩は名無しである :04/10/03 00:07:11
確かに安いよねー
333 :
文学板侍:04/10/03 00:35:26
後藤明生スレで13人も点呼取れるなんてありえないですから! 残念!
拙者14番目でござる。切腹!
なんで切腹すんねんww
335 :
吾輩は名無しである:04/10/03 01:34:08
N番目の者です。
前スレでたまに書き込んでましたが、今はロム専。
参加したくても本が手に入らないのです。
その代わりというわけでもないのですが、最近「雨月物語」(後藤訳ではない)を読みました。
↑
後藤訳の雨月(学研M文庫)は読んだ?
337 :
吾輩は名無しである:04/10/03 18:18:57
>>336 まだ読んでません。
後藤訳の雨月物語は今でも売ってるんですよね。
私が読んだ雨月物語は藤本義一訳で(後から気付いたのですが)仏法僧・青頭巾・貧福論
が収録されてないかなり中途半端なものでした。
近いうちに後藤訳で読みます。
それと「首塚の上のアドバルーン」の後半がうまく読みすすめられなかったのですが、
やっぱり太平記を読まないと楽しめないものですかね。
>>337 おれも『首塚』後半の3つばかりは楽しめなかった。
自分に教養がないせいだけど、
太平記を読んでなくても
古文がある程度できれば面白く読めるでしょう。
もっとも、俺はそういうのが苦手であまり楽しめなかったよ。
339 :
吾輩は名無しである:04/10/03 21:11:45
うーん、楽しく読めたけどなあ。
引用が古文&現代文のチャンポン的文体になってたのも後藤っぽくてよかったよ。
壇ノ浦の合戦でさ、
平家の親子が後ろから家臣に海に突き落とされちゃって、
親子一緒に並んで泳いでたら源氏の奴らのバカでっかい熊手に掻き寄せられちゃったって箇所、
腹の底から笑えたけどなあ。
>>339 もちろん、すべて楽しく読めなかったわけじゃないよ。
俺の場合、前半からいささか趣が変わったので
自分の中でテンションが落ちたのが大きかった。
命乞いした相手に殺された侍の個所など
たのしくよんだものだよ。
で、点呼とってどーすんの?
このスレを何人が見てるかっての事だろ?
343 :
吾輩は名無しである:04/10/04 01:48:23
>>325 314氏、夢かたりは如何?
ウェット感を排除したこんな小説書かせると、後藤はやっぱスゲーやとおもってしまふ。
平林たい子賞受賞作でもあるんだし、
文芸文庫でぜひとも出版して欲しい一冊。
>>343 こんばんは、314です。
レスが遅れてしまって申し訳ないです。
週末は急用がはいったため、『夢かたり』は今日から
仕事の合間をみて読み始めました。
あまり時間がとれなかったので、2章(鼻)までしか読めてませんorz
後藤氏の小説は手に入ったものの中で、『挟み撃ち』『行き帰り』『夢かたり』
と読み進めてきたのですが、簡単な僕の感想を少しばかり。
読んできた作品は、いずれも身近な題材を扱っているのに、戦前の私小説の
ようなドロドロとした作風になってないのに気がつきました。。
ドロドロとしているどころか、後藤氏特有(?)のユーモアが頻繁におりまぜられて
いるようで。それでいて何ともいえない不安感や不条理感も潜んでいる。
そんな感想を得ました。
ちなみに今日は近所の古書店で後藤氏の本を二冊手に入れました。
『酒猫人間』 立風書房 初版本 105円
『夜更けの散歩』 集英社 初版本 800円
…運が良い。。。
私小説的発想の割に乾き切ってるよね、文体が。
植民地(半島)育ちなだけに大陸的な印象を受けるのは俺だけかな?
日本的風土からはズレた作家という印象です。
>337-338
太平記はメチャオモなんで絶対読むべし!
後藤がしょっちゅう言ってた<超ジャンル>そのもの。
>>342 違う違う。
みんなで全集の出版嘆願のメールを送る為のそもそもの点呼だった筈では?
メールめんどいから
文芸文庫の読者アンケートをありったけ出します
「夢かたり」と初期作品集でリクエストしといて。
お願いでござる。
なんだよ。
後藤明生って巨人ファンだったのか。
すこし萎えた。
そんな漏れはサッカーファンだが。
三浦哲郎も言ってたらしいけど、俺もなんとなく後藤明生は巨人ファンじゃないと思ってたよ。
352 :
吾輩は名無しである:04/10/06 19:58:30
俺は最初、西鉄ファンだと思ってた。
地元と云う意味でも、
チームのスタイルと云う意味でも。
ただ、長島ファンとしてのジャイアンツファンじゃないでしょ。
川上巨人でしょ、後藤の「ジャイアンツ」ってのは。
日本一野暮なチームだから好きだとどっかで書いてたよ。
だから巨人ファンでも、
我々のイメージとは百八十度違ってると思われ。
古井とか柏原兵三らと野球チーム作ってたんだっけ?
キングコングスでつ
355 :
吾輩は名無しである:04/10/08 00:33:40
>>336 『雨月物語紀行』、どーなのさ?読んだ人いる?
356 :
吾輩は名無しである:04/10/09 01:47:44
読んだよ。エッセー風の紀行文ですね。
で、所々に後藤の雨月論、秋成論が書かれます。
それで新宮の話で中上健次に絡まれたってんだろ?
ネタはなーに?
デリダが死んだね。
スレ違いだけど、何となく共通性がある気がしてつい書き込んだ。
>>325 永興ものの集大成的な作品だよね。
『思い川』のように軽い「感傷性」(後藤の他の作品に比べて)に走る事もなく、
子供の時の記憶が淡々と語られてゆく様は後藤節の真骨頂じゃない?
語り手の自分さえ外部から眺めているって所が・・・(・∀・)イイ!
最終章「鞍馬天狗」の結末は言葉(テキスト)と本人が交錯していて、
圧巻の一言です。
361 :
吾輩は名無しである:04/10/10 09:30:33
『鞍馬天狗』は写真による肉親の記憶の再生という点ではバルトの『明るい部屋』の千倍すごい
362 :
吾輩は名無しである:04/10/11 09:00:29
>358
「日本近代文学との戦い」212ページ「中上健次と近畿大学」を読め
テスト
364 :
吾輩は名無しである:04/10/13 00:57:44
「小説 いかに読みー」はもう入手不可なのかな?
ここんところ、全然見なくなった。
マジ?
366 :
吾輩は名無しである:04/10/13 03:27:47
アマゾンは?
一応見てみろ
うちの近所にはまだ売ってるよ
俺のところは在庫なし。
出版社にも置いてなくて、重版の予定もなしと言われた。
確かアマゾンには出品されてた覚えがあるけど、アマゾン
のユーズドって一般の出品者から買うんでしょ?
なんだか、そういうのには抵抗があるんだよな…。
今更ながらだけど、後藤の本が気軽に買えないのは大きな損失だよね。
一番好きな作家なのに…。
今日から『夜更けの散歩』を読み始めた。まだ序盤しか読んでないけど、
「『斜陽』再読」「笑い地獄」「ゴーゴリの墓碑銘」あたりは後藤のバックボーンを
垣間見た気がして面白かったです。
370 :
吾輩は名無しである:04/10/13 23:24:56
「笑い地獄」がボッシュの絵にヒントを得たとの話は驚いた。
あれがゴーゴリの世界なのかと思った。
自分の「外套」の読み方に反省する事しきり・・
371 :
吾輩は名無しである:04/10/14 09:06:15
>>368 どんどく消えてくね。
俺、本読む時、線引いちゃうタチだから保存用に一冊かっとかない、と。
日本近代文学との戦いも、実はまだなんだ。
小学生じゃあるまいし、本に線ひくなよ。
373 :
371:04/10/14 09:09:52
後藤の永興ものの小説とエッセイを読んだけど、
小説とエッセイとで文体がなんだか似ている希ガス。
なんつーか境界線があいまいというか。いや良い意味で。
375 :
吾輩は名無しである:04/10/14 23:10:16
>>370 従来のゴーゴリ観を転倒させたと云う意味で、
世評の通り、後藤明生のゴーゴリ論は傑出していると言っていいのでしょうか?
小島信夫のような先行者が創作レベルでとらえてたけどな
377 :
吾輩は名無しである:04/10/16 00:12:02
『笑いの方法』は読みました。
『ドストエフスキーのペテルブルグ』と『カフカの迷宮』は未だゲット出来ず。
見つからないよぉ〜泣
378 :
吾輩は名無しである:04/10/16 09:11:42
>>374 この時期(永興ネタ)のは小説の方がストイックに文体を構築してる感じがするんだけれど。
「笑い地獄」「人間の病気」らへんの、
あからさまな饒舌体が鳴りを潜めてるっていうか。
エッセイ的な書き方してるからそう思っちゃうのかも。
文体が変化したと云う事?
380 :
吾輩は名無しである:04/10/16 20:20:19
>>371 オレも線引き派。
「小説ーいかによみ」とか「小説はどこからきたか」なんか引きまくり。
「何処からきたか」の方は強く線引いて背が裂けちゃったよ。
小説は何処から来たかは、
持ち方によっちゃあ、確かに割れるなw
382 :
吾輩は名無しである:04/10/17 09:24:33
『汝の隣人』て、どうして、団地のはなしから
突然プラトン問答に変わっちゃうのですか?
何の前触れもなく飛躍するんが笑えるんですけど…
383 :
吾輩は名無しである:04/10/17 11:21:12
いらね。くそ。
後藤風にいうならば、
<とつぜん>は原因不明だからこそ<とつぜん>なのであって、
それに<どうして?>と問うのはナンセンス、
と。
汝の隣人の冒頭のKとは小島信夫さんですか?
後藤の本を七冊衝動買いした。
後藤なら何でも良かった。
今は順次、読み進めている。
387 :
吾輩は名無しである:04/10/19 23:44:55
ちなみに購入の7冊は何と何?
388 :
吾輩は名無しである:04/10/20 14:58:22
最近読了の後藤文学。
「めぐり逢い」「虎島」「夢と夢の間」。
いまは「汝の隣人」。
「虎島」は意外と貴重な短編が入っていると考えられる。
特に「めぐり逢い」から断続的に描かれることとなった飼い猫の主題は当初
兎の飼育という形をもって、近所の目を気遣ってか、スタートしていた。
また北朝鮮における幼年期の思い出や記憶に関する記述を読むと、満州の過
去から自己批判的に逃走し続けた安部文学とは異なり、後藤氏の場合は本当
の意味での喪失感が強く表れている。それが当時の高度成長期を境にする家
族や自己の存在の根拠を不確かとした私小説的主題のユニークな漂いの明ら
かな主軸となる。
特に「智惠子の首」は紀行文学ものの番外編として楽しめると感じた。
「夢と夢の間」はあまり関心を持たれないようだが、後藤文学のひとつの傑
作と捉えてよいと思われる。日常性を失った現代の中で、日常性をあえて描
こうと悪戦苦闘する保坂文学の動向が、実は日常性の希薄さへ流れ着こうと
する現時点において、後藤の家族ものが持つリアリテは貴重な遺産だと実感
した。
最近購入した後藤本。
「私的生活」(サイン入り)12000円
「四十歳のオブローモフ」(サイン入り)4500円
後4冊で小説は全部揃う。
うわー、サイン本、たけぇーなぁ!
ここは詳しいしとが多いな。そのうち参考にさせてもらおう
391 :
吾輩は名無しである :04/10/20 21:18:24
388さん、好きな本に金は惜しまぬタイプかな?
おれは『私的生活』(2500円)
『オブローモフ』(1000円)で買った。
もちろんサインなし。
『私的生活』はちょっと迷ったけど、
いま思うと安い買い物だった。
392 :
・・・:04/10/20 23:30:10
>>385 そうでしょうね。
ついでに書いておくと、k女史は故・三枝和子さんですね。
三枝さんの『さよなら男の時代』(人文書院刊)には、
「対談」で言及されている後藤さんとの対談「“女”をめぐって」が収録されています。
…氏、あなた、なかなか詳しいですねー
>>387 笑い地獄 1,050
吉野大夫 800
首塚の上のアドバルーン 1,000
蜂アカデミーへの報告 1,800
カフカの迷宮 悪夢の方法 1,000
小説 いかに読み、いかに書くか 800
笑いの方法 あるいはニコライ・ゴーゴリ 1,500
『小説‐いかに〜』以外は単行本です。
とりあえず『笑い地獄』から読み始めました。
>>378さんの言ってる通りの饒舌ぶりですね。
まだまだ後藤については勉強中です。
笑い地獄の知久って奴だっけ?
なーんかナイスガイだーね。
知久さんの生き様ってランティエを志向してたのですか?
僕も貧乏だけど、心いきだけはランティエ的でありたいと思ってます。
知久みたいな変わりダネインテリキャラ、オレは好きだなあ。
後藤のキャラじゃ珍しいタイプなんじゃない?
死に方もなんかあっけない。
398 :
吾輩は名無しである:04/10/21 22:29:23
気のきいーた××××をいたしましょう by青木
「ああ胸が痛い」の中田氏などは如何でしょう?
400
401 :
吾輩は名無しである:04/10/22 09:46:37
現代新書800円もするのかよ( ´゚д゚`)
青木ほんとに最低だよなあ
××××でもやってろっての
403 :
吾輩は名無しである:04/10/22 19:37:53
友達に後藤明生を薦められたから、読んでみようと思うんだけど
何がお薦め?
友達は『笑い地獄』を必死に薦めてた
「騙されたと思って読んでみて」とのこと
404 :
吾輩は名無しである:04/10/22 20:40:38
初期作品なら、
他に「パンのみに非ず」「S温泉からの報告」「ああ胸が痛い」など。
いきなり代表作の『挟み撃ち』『吉野大夫』『首塚の上のアドバルーン』を志すと、
なんだこりゃ?ってなりかねんし、
↑の作品なんぞがとりあえずはお勧めでしょう。
この前に出た新刊(戦い)だと「麓迷亭通信」が特別好き。
>>403-404 文芸春秋刊のハードカバー『笑い地獄』を古本屋か図書館で探すのも一つの手かと。
笑い地獄(芥川賞候補作)・パンのみに非ず・人間の病気(芥川賞候補作)・離れざる顔 を所収。
僕は文芸文庫以外の文庫は持ってないので、文庫は何がオススメかは分かりませぬ。
ちなみに自分は文芸文庫の『挟み撃ち』から入りましたが。。
図書館で講談社刊『現代の文学』37を探してみたらどうかな。
オレはこれから入った。
書かれない報告、ああ胸が痛い、笑い地獄の3つ
410 :
吾輩は名無しである:04/10/23 01:26:12
昭和文学全集には後藤作品の何が収録されているのですか?
>>403 私も『笑い地獄』をお勧めします。
集英社文庫のだと「関係」も入ってるからもっといいかも。
私は388さんではないけど残り『虎島』『自分のための文章術』『使者連作』。
413 :
野坂昭如:04/10/23 10:17:05
「重い笑い」が、後藤明生の小説の体臭であって、まさにそうとしかいいようがなく、その
体臭は文体行間からにじみ出し、いやおうなく読者にからみつき、一種の悪夢体験といって
いい。非人間的な環境の中に生きる、卑小にして猥雑な、その故にこそすこぶる人間らしい
主人公の、うじうじとうごめく種々相を、明生はしたたかな文体で描き出し、そのいずれも、
読む者のまごう方なき投影であるから、その後、現実にひきもどされても、果して明生の創
り出した小説と、いずれがうつつなるか、しばし呆然とする。現代の非的情況を逆にとって、
人間のやさしい心を明生はとらえ、それはやさしさ故に、重く、また狂気に近い笑いを、じ
くじくと瘴気の如く放つのだ。 (文藝春秋『笑い地獄』帯文より)
なんという奇妙な男だろう、この作家は! 登場人物を奇妙な男とするのは難しくな
いし、奇妙な味のする小説というのも少なくない。しかしこの作家は、小説にとりこ
む日常生活の細部をゆがめることはせず、登場人物に甲高い叫び声を発せしめもしな
い。しかしつねに、追いつめられる登場人物によりそって、苦渋のまじりあった救済
たる、あわれなユーモアの油汗をうかべた顔を、われわれに向けているのである。し
かもその間、微妙に艶消しされて、単なる饒舌体をこえたこの作家の散文は、威嚇し
はしないが不思議に気にかかる、穏やかな尾行者のように、しだいに確実にわれわれ
を追いつめるようではないか! (新潮社『私的生活』帯文より)
415 :
吾輩は名無しである:04/10/23 20:32:13
>>410 「吉野大夫」
「書かれない報告」
「謎の手紙をめぐる数通の手紙」
以上です。
しかしさあ、読みにくいんだよなあ、この組み方・・
416 :
410:04/10/24 08:03:43
ありがd
参考にさせてもらいまっす
417 :
388です:04/10/24 15:31:56
いつもインターネットカフェから書き込んでいるので、返事遅れてしまって
すみませんです。
>>391さん
私もなるべく安い値段のもので購入しようとは思っているのですが、後藤本
は現在も品薄状態でなので仕方なく見つけたものから買っている次第です。
「私的生活」は発見した時点で全部で4冊ありましたが、その内3冊は12
000円、残りの1冊は15000円でした。全部サイン本でしかありませ
んでした。「四十歳のオブローモフ」がサイン本でありながらも、それに比
べて安かったのは、発行年代と部数の差の違いによるものでしょう。
でもサイン本の価格としては古本業界では普通の相場だと思います。どちら
かといえば他の人気のある作家に比べれば安い方だと感じます。
「壁の中」など無サインなのに、最近一部の人に騒がれているためか、80
00円もかかってしまいました。
ちなみに小島信夫の「別れる理由」(全三巻)も8000円しましたよ。
>>411さん
残りの四冊は以下の通りです。
「謎の手紙をめぐる数通の手紙」
「使者連作」
「蜂アカデミーへの報告」
「スケープゴート」(これは昔友人に貸したまま行方不明)
80年代以降のものばかりですね。
>>412さん
共に頑張りましょう。
「汝の隣人」は現在ゆっくりと読書続行中です。
梅川事件が出てきて、ちょっとビックリしています。
幼年期の喪失感が、その後の人生の実感の不確かさから、日常の奇妙感へと移
行するテクスチュアル的な感覚は、なにかフロイトの論文「不気味なもの」お
も想起させるところがありますね。かつて親しかったものこそが、希薄となり
謎化することによって不気味さとなる。しかし後藤氏の場合、それ等と戯れる
ことが純粋に日常性そのものであった。そんな感じがします。
「謎の手紙をめぐる数通の手紙」と「スケープゴート」は
日本の古書屋で手に入れたものだが、
今検索したらもうどこにも見当たらないな。
俺も「使者連作」は持ってない。
419 :
391:04/10/24 20:01:08
>>388 あなたのお話を聞いていると、自分はずいぶん
金を出し渋っているな、と思った。
僕の場合、『壁の中』を2000円、
『蜂アカデミー』1000円などをはじめ、
運良く安く手に入れたものが多いため、
どうも出し渋ってしまう。
いま迷ってるのは『八月/愚者の時間』(2000円)
『巡り逢い』(2000円)だな。
『八月』はかいかな、とも思うのだが。
ところで、『謎の手紙をめぐる数通の手紙』は一押しです。
これはめちゃくちゃ面白い。後藤好きならぜひ読むべき連作だと思う。
420 :
吾輩は名無しである:04/10/24 23:03:30
「壁の中」の裏バージョンやね>謎の手紙〜
421 :
419:04/10/24 23:20:51
>420
そうそう、まさに『壁の中』の裏バージョン。
日常に潜む、無気味さ不可思議さを描き出していて
非常に面白い。
装丁もめちゃくちゃいい。
さいきんは、『謎の手紙』みたいな
いい装丁の箱入り本が少なくなってしまったよ・・・
質問ですが、『夢と夢の間』って小説ですか?それともエッセイ?
ネットで買おうかどうか迷ってるのですが、内容はおろか作品の
形式すらわかりません。
新聞連載小説だよ。
426 :
吾輩は名無しである:04/10/26 15:01:55
「めぐり逢い」や「夢と夢の間」の頃の後藤作品は、夏目漱石の「我輩は猫で
ある」をベースとしたパロディーが散りばめられていて、楽しい。
吾輩も猫である by虎島
428 :
22歳のオプローモフ:04/10/26 15:51:40
この作家はたいしたことないという評価が妥当。
政治的には無力だったし、思想性もない。
ただの郷土史家的な高等遊民にすぎない。
429 :
吾輩は名無しである:04/10/26 17:48:08
>>428 後藤氏は「夢と夢の間」の中でも自ら表明しているように非政治的なので
あり、自己のよって立つなにものかやその代用品である思想性がないとこ
ろに後藤文学の特徴性と独自性があるのであって、そのような物言いは初
めから成り立たない。
どういう立場から発言しているのかは知らないが、まるでかつての全共闘
運動家の浅はかな文学否定論に似ているね。言っておくが文学はイデオロ
ギーの奴隷(利用主義的)ではない。
私はさんざん戦後文学やあらゆるイデオローを勉強してきたが、後藤文学
を通じて感じることは、1965年以降から1970年代初頭に青年期を通過した
団塊世代より作家が輩出されるようになってから日本文学は浅くなってい
った。彼らは殆どの場合彼らの持っていたイデオロギーを深く解釈するこ
とのできない、単なる競争原理主義者だった。特に日常性を否定するとこ
ろに、その特徴性があらわれている。すなわちコミュニストなどでは初めか
らことさらなく、発想がファシスト的だった。だから幾人かの者は左翼であ
りながらも、三島由紀夫などにシンパシーを感じてしまう者もいた。
現代はいろいろな意味で日常性という事柄や真の意味でのそのミニマル性が
殺害されている時代である。故に日常の視線とそのベクトルから文学を創始
し続けた当の作家を簡単に批判することはならない。
文学は、一見必要とされないなんということのない事柄を、記録する人間的
なものでもあるのだ。
430 :
22歳のオプローモフ:04/10/26 19:32:22
この場合は、もちろん括弧つきの「政治」であって、
イデオロギーやマルクス主義といったものとは異なる。
ミニマリズムめいた「後藤文学の特徴性と独自性」を評価することは
どんな作家であっても身にまとわざるをえない「政治性」の問題、
すなわち非政治的であることが「政治性」の姿勢になってしまうところ問題
あるいはむしろ言文一致運動の頃からの「文学プログラム」への暗黙の追随、
そうした「政治」への等閑視という名の順応主義をみなければどうしようもない。
「思想性がないとこ ろに後藤文学の特徴性と独自性があるのであって」という言葉は
「ただの郷土史家的な高等遊民」であることを裏付けているのではないか?
だから大した事無いと思うんなら思うでいいから、
来なくていいよ、別に。
一生懸命考えた自説を披露する場所がここしかないのでしょう。
「あそこで闘え」の実践?
433 :
吾輩は名無しである:04/10/26 20:45:45
暗黙の追随!
あなた本当に昔のゲバ学生みたいですね。
「夢と夢の間」お勧めしますよ。
あなたの言っていることを非常に易しくいえば、岡林信康の唄「それで自由に
なれたのかい」ってところですね。知らなかったら、今度聴いてみて。カラオ
ケ入っているところもあるし。
悪いけど、思いっきりイデオロギー的過ぎるよ。
その思考パターンが、やがてニヒリズムを生むんだよ。そして個々の存在を無
視することになる。スタブローギン(ネチャーエフ)になっちゃうよ。
文学とは、あなたがいうようにたとえどんな時代に皆が縛られていようとも、
個々の世界観がそれぞれあるということを痕跡付ける作業なんだよ。日常から
得るものはニヒリズムな気分ばかりじゃないでしょ。
あと悪いけど、後藤明生という作家はあなたが思っている以上に、突き抜けた
感性の持ち主だよ。それは何かを失ってしまった後、生き続けた人がよく持つ
独特の感覚だよ。
じゃ、今日はこれでさようなら。
『夢と夢の間』注文しました。
上のレスを読んで、どんな小説か妄想しながら
本が届くのを待とうと思います。
後藤の「他者」への関わりや「存在」についての認識などは、
私たちの「今」にあって重要性を増していると思います。
少なくとも僕は後藤のそれらの視点にふれることで
なんていうか安堵感のようなものを得ました。
的外れな意見かもしれませんが、最近後藤を読み始めて
そう感じました。
「真に政治的な作家」とかって糸圭ちん評価してたけど・・
どういう文脈だったか忘れちゃったよ。
あ、やめとこ。
変なのがわいてくるw
俺の、て言っても大それた説ではないんだけどさ、
俺の後藤理解は
<政治>とか<文学>とか<思想性>とか<他者>とか<存在>って、
大文字の通念とかレッテルを崩して行くって言うか、
そこからはみ出す所に後藤は文学の可能性とか意義なんかを見てたんじゃなかいって事。
名づけ得ぬものって言えばいいかな?
そのはみ出しの自由領域に個の存在(仮定の存在)があるんじゃねーか、と。
俺は後藤の小説を読むとあっけらかんとした自由さを感じて気持ちいいんだけど、
その自分の読後感とこれとは関係あると勝手におもってる。
だから通念の<政治>とかから後藤を批判しているオブローモフさんのは全然当たってないとおもうんだな。
批判のベースが最初からくいちがってるて言うか。
なんかうまく説明できなくてすまん。
小田切秀雄の内向の世代批判とはこんな言説だったのかしらん
あ、
こんな言説、とは、
436さんではありませんので。
あしからず。
439 :
吾輩は名無しである:04/10/27 10:17:14
>>435 「真に政治的な作家」ってどういうことだい?
自分で理解できてることだけを書きなよ。
ウケウリでもいいからさw
それじゃただの知ったかくんじゃないかな。
後藤さんも晩年は大阪住まいだったのですね。
谷崎のように、関西に移り住んでから作風の変化などはあったのですか?
441 :
22歳のオプローモフ:04/10/27 15:49:42
多少まともな反論と呼べるのは433と436か。
反論できないと
>>431>>432みたいな中傷レスになるんだろうな。
異質な意見を持った余所者を「スケープゴート」にしたがる村人w
>>433 >本当に昔のゲバ学生みたいですね
ってそれをリアルに見た世代ですか?
>突き抜けた感性の持ち主だよ。それは何かを失ってしまった後、
>生き続けた人がよく持つ独特の感覚だよ。
っていうのは漠然としてるね。どう突き抜けてるの?
>>435 >変なのがわいてくるw
鏡を見てたのかいw
>「真に政治的な作家」とかって糸圭ちん評価してたけど・・
「けど」どうした?
>>436 ><政治>とか<文学>とか<思想性>とか<他者>とか<存在>って、
>大文字の通念とかレッテルを崩して行くって言うか、
小文字の思想性や政治性ならあるってこと?
>>オブローモフ
441で屁理屈ばっかり言ってるけど
まったりしたサロンみたいで刺激がなかったここにもは
たまにはいいんではないでしょうか
>>反論できないと
>>431>>432みたいな中傷レスになるんだろうな。
>>異質な意見を持った余所者を「スケープゴート」にしたがる村人w
こういう所は賛成ですし
しかし>>428にある「」付きの政治性や思想の重視、
>>430のようなところからみてどんな読書してきたのか程がしれるね
文学には目指すべき方向性があってそれに従うことが文学的というなら
後藤ほど文学的な作家もあまりいないからね
批判にしたって言語的な矛盾をついてるばっかりで
後何冊か読んでから出直してほしいところです
443 :
ベンドシニスター:04/10/27 21:33:59
>>441 ぼくは、後藤明生は近代の日本作家としてはいい作家だと思う。
自分がここで言う近代とは、自分が同時代的に読むことのできたと言う、
ごく個人的な語の使い方なので、はなはだ曖昧で申し訳ないけれど、
20代のぼくが同時代的に読むことのできた作家としては
後藤は相対的に、やはりよい作家といえるのではないか、と考える。
もちろん、少し時代を拡大して、
武田泰淳や石川淳、深沢、徳田秋声、大岡昇平、横光、
椎名あたりと比較すれば、落ちるだろうと思う。
さらに、ぼくが同時代的に読めた、あるいは今でも読むことのできる作家でも、
安部、埴谷、中上、大江、古井、小島、大西などと比べると、
後藤に劣る部分はあるだろう。
だけども、そういう作家群においても、後藤には後藤なりに
20世紀後半の日本文学を担ってきたし、それなりに
「たいした」作家だったと思う。
(もちろん、上記の作家と比較すれば、ぼくの考える後藤の「たいした」作家
と言う印象は、相対的に小さくなるし、たとえば漱石・鴎外・谷崎などを
もちだすなら、後藤をそれらの作家と「偉大さ」という意味で比較しようという
意識ははなから消え去ってしまうが・・・)
444 :
ベンドシニスター:04/10/27 21:38:57
443つづき
ところで、あなた(オプローモフさん)が考える
「たいした」作家とは、具体的に誰でしょうか?
ぼくは、それをもとに、「そんな作家はあれだから」などと、
いちゃもんつけるつもりじゃなく、
純粋に興味があるのですが、是非教えてください。
間違えた
>>後藤ほど文学的な作家も
後藤ほど非文学的な
>>437 政治性がない、内面優位の作家群と云う意味合いで否定的だったのでしょう。
それで川村二郎氏と論争になったのですが、
小田切氏の批判を逆手に取って、いやそうではない、反対に内面なんか信じちゃいない連中なんだと切り替えしたのが、
途中から論争に割り込んできた感のある柄谷氏の発言でしたね。
447 :
22歳のオプローモフ:04/10/28 18:31:37
>>442 >>441では屁理屈を言っているのでも言語的な矛盾をついてるのでもなく、
後藤氏の「独自性」というものについての補足を求めてるわけだから。
俺に読解力がないといわれればそれまでの話でしかないが、
「突き抜けた感性」という漠然とした形容では表現力に乏しい。
>>443>>444 これまでの中で最もまともなレスかな。
あなたが「いい作家だと思う」「よい作家といえるのではないか、と考える」
ことには別にイチャモンをつける筋合いには俺にはない。
あなたが出されてる作家の名前でいえば、漱石・鴎外・谷崎はもちろん、
武田泰淳、大岡昇平、石川淳、大江健三郎、中上健次らと比較すれば
後藤明生が「たいした作家ではない」ことのニュアンスが伝わるであろうし、
あなたも「後藤に劣る部分はあるだろう」と認めている通りだ。
『富士』『レイテ戦記』『万延元年』『枯木灘』みたいな大作も後藤にはない。
久しぶりに見たら何か頭おかしいのが来てるな
こうやって文句言ってるからには後藤の本全部読んでるんだろうな?
もう相手にするのはやめようよ。
端から後藤を否定することしか念頭にない様子。
後藤文学や後藤への敬意、後藤ファンへの心配りが感じられない。
450 :
吾輩は名無しである:04/10/28 22:19:04
スガ秀実の真に政治的な作家、という評価は確か、小説あるいは文学という
制度に対するスタンスのことを指していたと思う。非文学的であること、それを自
らの一貫したスタンスとしている。これは、読者になら意味がわかる言い方だと思う。
芳川泰久なんかは、後藤は「文学」を冷めた目で見る、リアリストの目を自らの小説に導入したのだ、
という言い方をしていて、当時の文学状況に多く見られた近親姦の物語を「ばかばかしい芝居がかった
もの」、として自らの小説内に取り込んでいる、と分析してる。
そこで意識されているのは三島や大江や吉行だったりするんだけど、そういった「文学」的物語を
後藤は常に脱臼させようとしていた。(「書くことの戦場」の二章を参照)
スガと芳川の指摘はそういった事態を指している。いわば文学のメジャーに対する戦いを組織していた、
と芳川にならっていうとそういうことになる。政治性、とスガがいうのはたぶんそれ。
しかし、上のひとにとっては、作家に順位をつけることが「政治性」なんだろうな。
きわめて醜悪な政治だけれども。
そこらへん、内向の世代が登場したときに彼らを批判した、小田切ヒデオ?一派の
反動的な論理を思い出させる。
後藤の大作ならまず「壁の中」でも読んでから出直してください。
オブローモフさんの言うことに強い憤りと
確かに間違いを感じていたのだけど
450を読んですごくすっきりしました
ありがとう
452 :
429・433だよ:04/10/29 00:06:24
>>446が面白いものを引っぱり出してきてくれたので、今日は前回とは別の側面から コメントさせてもらいましょう。
物事は一側面では存在しませんし、後藤文学自体が そのことをよく体現している訳ですから。また
>>435の補足にも
なるでしょう。 柄谷行人の「内面など信じちゃいない」とはどういうことか。
かつてのヌーヴォロマンの旗手アラン=ロブ・グリエとは少し異なりますが、そのレトリックはカメラ・アイ。マル
グリット・デュラスも感性的にはこの系譜に属します。 では日本の作家たちはどうか。例えば梅崎春生、藤枝静男、
小島信夫、庄野潤三、小川国夫、高井有一、後藤明生、古井由吉、色川武大、田中小実昌、まあまだまだ沢山 いろ
いろといますね。この方々に共通してあるのは、戦争の時代を通過してきているということ。すなわち 戦争そのも
のに限らず、それらの時代から一定の内向的にならざる得なかった経験と 体験を受けている。大江健三郎も同時代
に重なりますが、氏の場合はもともと内向性 よりも戦後民主主義の理念と概念が先行していったために少し他の方
向へ流れていった。それは光さんの誕生のおかげでしょう。
さてカメラ・アイとは離人症的なまでに、冷徹な客観性を有したレトリックです。様 々に描かれる事柄は、どこか
スナップ・ショットのようでもある。すべてが断層化し 関連性や一貫性を失い、徹底的にどこまでも内的で、時に
誰よりも日常の観察者とな る。だが客観的であるがゆえに、破壊的なニヒリストにはなれない。どちらかといえば
ば軽いペシミストに近い。だからこそ、そこはかとないバランスのとれた哀歓や愛情 にも恵まれている。また物語
性からもほど遠い。物語とはある意味、権力的なものの 隠喩でもある。いわば反物語でもある。大江健三郎氏は、
ある時期大きな物語=国家 に対して、四国の森の神話=個人史の物語を対置したが、その限界に気づき第三期で日
常性(ミクロコスモス)の場から思考するようになった。そこから生み出された数々のテキストはどこか反物語的
でもある。
前回でも言ったが後藤文学は非政治的なのであって、反政治的なのではない。いわば それらは日常性おも汲み入れた
隠喩化されたものであり、それは意味性の解体にまで及ぶ。
>>428は事の始めから、出題の仕方を誤っているよ。
真に政治的なのか、非政治的なのか、どっち?
454 :
吾輩は名無しである:04/10/29 00:32:08
非政治的なスタンスが、政治性を解体させる
と452を要約すると、スガが「真に政治的」と呼ぶ理由になるのでは?
「真に政治的」という発言は、「文芸時評というモード」にあるのだけど、
端的に要約すると、「文学」外の場所に「文学」を提示する、というような言い方をしている。
つまり、単純な「政治」やら「文学」やらの「制度」の外に後藤明生はいる、
ということを皆いっているのであって、それを皆色んな言い方をしている、と
考えるとわかりやすい。
455 :
22歳のオプローモフ:04/10/29 19:54:11
既成の「文学」という制度からはみ出そうとしたのは別に後藤だけではないし、
漱石からして当時はそういうアウトサイドとしてみられていたわけだ。
「文学」的物語を脱臼させようとしたことも「筋のない小説」論争からあった。
結局、後藤の意図がどうであれ、出来上がった作品というのは私小説的であり、
多少自意識をもった私小説ないしミニマリズムという枠内に収まっている。
歴史的な資料を郷土史家のように漁り、優雅な散策者として彷徨し、
そうした行為自体を語りながら一体何が発見されていくというのだ?
そうしたミニマルな興味で面白おかしく読むことはできたとしても、
後藤が模範としたゴーゴリ、ドストエフスキー、カフカに比べれば、
読後月日が経てば、ほとんど印象に残らない作品ばかりであって、
「非政治的なスタンスが、政治性を解体させる」という強烈さもなければ、
読者の胸を揺さぶる衝撃を与えることもない。
大体同意 それが劣ってるかどうかは知らないけど
ここは後藤ファンの多いところみたいだし君がこのまま書きつづければ
荒れてスレッド終了だろうね
457 :
450:04/10/29 20:55:23
455と456の異様に自演くさい時差はさておくけれども、漱石のアウトサイダー
ぶりとか、「筋のない小説」論争なんて引っ張り出してきてるけど、完全に
的はずれだよ。
特に筋のない小説論争は、谷崎と芥川のこといってるんだろうと思うけど、
あれが前提としていた枠組みそのものの外に出ることが、450で書いたこと。
筋のない小説、がどうして文学的物語の脱臼になるんだ。
あれは乱暴に要約してしまうと、筋の展開、「話」らしい「話」に芸術的価値はあるか、と
いう話であって、全く関係がない。
文学的物語、という言い方で示したのは、みだりに感傷、情緒などが描かれれば、
「文学的」とみなしてしまうような状況のことであり、450で例示した芳川泰久の
例をとれば、「近親相姦」をロマンとして描いてしまうような、大江や中上や吉行
の文学観そのものだよ。
で、君はいったい後藤の何を読んだんだ?「壁の中」は読んだかい?
自分に都合の良いところしか反論していないようだけど、455程度の内容ってのは
読んでなくてもいえるくらい紋切り型だよ。後藤明生の問題意識がどこにあったか、
ということがまったく理解できていないようだし(ゴーゴリらを、後藤は決して「模範」には
していない)、ただたんに、「自分にはわからなかった」といいたいだけならそういえばいいだろうに。
そういう感想をもっともらしい、「文学的」なワードを駆使して正当化しようとしているようにしか
みえない。
458 :
429・433だよ:04/10/29 21:42:47
>>428とはもう話す気がしない。この人は森内利雄なんかもダメなんだろうな。
でも最後にひとつだけ質問をしたい。別にハッパを掛ける訳ではないので安心して
ください。
後藤スレで他の作家について質問するのは申し訳ないことなのですが、あなたは故
・桐山襲氏の文学についてどう思われますか。この質問をするのは、私の人生で初
めてのことです。私は氏の晩年に一時期交流があったものですから。団塊の作家の
中では、一番良質な人でした。
知らなければ、別に無理して答えなくていいですよ。
>>455の言ってる事は結局、わからない。ごめんよ。
「私小説的」と言う事一つ取っても「的」の意味する事がわからないし、
それを否定する根拠もわからん。
歴史的資料を漁りといっても、後藤はそんなもの、全く信じてないでしょ。
その上で提示してんだから。
それが彼の小説でしょ?
>読者の胸を揺さぶる衝撃を与えることもない。
そういうのは自由だけど、「読者」を代弁するのは止めて欲しい。
だって、後藤を面白いと思ってる俺も「読者」の一人なんだから。
自分の意見を「読者」の総意にするのはどうかって思う。
あんたが面白くなかったってのは自由なんだけど。
そういう言葉遣いがいやらしい。
あんたのはなんか自分の読解の限界を表明しているみたいで本質的な批判になってないと思う。
本質的な批判だったら俺も面白いと思うけど。
「アドバルーン」、「しんとく」の行程は、本人も書いていたが出鱈目。
優雅な散策者「的」なんだろうけど、優雅な散策者でないことは確か。
「発見」がどのようなことを意味しているのか、正確に理解しかねるが
下手すりゃ現地にも行ってないのに、「発見」もなくて当たり前だろう。
>>418 使者連作は書簡体小説だったけれどもあんましパッとしなかったような・・・
金鶴永の自裁、シャーマニズムへの関心などなど、
使者⇔死者と引っ掛けてるんでしょう。
が、何より奇怪で、何より不思議なのは、世の作者たちがこんなあられもない題材をよくも取りあげるということである。正直なところ、
これはまったく不可解なことで、いわばちょうど……いや、どうしても、さっぱりわからない。第一こんなことを幾ら書いても、国家の利
益には少しもならず、第二に……いや、第二にも矢張り利益にはならない。まったく何が何だか、さっぱりわたしにはわからない……。
だが、まあ、それはそうとして、それもこれも、いや場合によってはそれ以上のことも、もちろん、許すことができるとして……実際、
不合理というものはどこにもあり勝ちなことだから――だがそれにしても、よくよく考えて見ると、この事件全体には、実際、何かしらあ
るにはある。誰が何と言おうとも、こうした出来事は世の中にあり得るのだ――稀にではあるが、あることはあり得るのである。
462さん、「鼻」サンキュー!
後藤明生訳の「鼻」もよんでみたいなあ
464 :
吾輩は名無しである:04/11/01 01:06:38
>>462を読んでると、
何となく後藤の存在自体を述べてる気がしてくるな、ゴーゴリは。
いい雰囲気のスレですね。
>>452に非常に共感します。
その上で、皆さんは「いかに読み、いかに書くか」はどう考えますか?
渡部直己は「何故書くのか」に対し、「読んだからだ」と言える作家がこの頃から出てきた、
などと発言します。そこに「文学的」な動機を捏造してしまう態度から遠い、
非文学的な作家なのだということになるとは思います。
>>446 >>429の最後などもこうした観点に答えを出している問題だと思います。
>現代はいろいろな意味で日常性という事柄や真の意味でのそのミニマル性が
>殺害されている時代である。故に日常の視線とそのベクトルから文学を創始
>し続けた当の作家を簡単に批判することはならない。
>文学は、一見必要とされないなんということのない事柄を、記録する人間的
>なものでもあるのだ。
では、なんということのない事柄を、記録するのは何故なのか。
あられもない題材を避けた上でなぜ書くのか。
>>462、464
466 :
オプローモフ:04/11/01 13:25:55
>>457 まず、「異様に自演くさい時差」とかいう何の根拠もないことを書くことで、
あさとが知れる。
>>456のような意見を持つことを不審に思うならば、直接聞いてみればいい。
>特に筋のない小説論争は、谷崎と芥川のこといってるんだろうと思うけど、
>あれが前提としていた枠組みそのものの外に出ることが、450で書いたこと。
>筋のない小説、がどうして文学的物語の脱臼になるんだ。
後藤は「小説の筋」に重きを置いてなかったし、その筋の脱臼こそ特徴じゃないか。
だから、谷崎と芥川の「小説の筋」論争は後藤文学の大きな背景だし、
芳川的視点の「感傷、情緒」の描写もまた「小説の筋」に大きな関係がある。
スガの「真に政治的」という言葉は詳しい説明がない以上意味がない。
『壁の中』を持ち出すのであれば、なぜあそこで谷崎との対話が出てくるのか、
それを考えればわかるように、後藤はあきらかに芥川派であって、
芥川にかわって谷崎と対話してるという構図がある。
467 :
オプローモフ:04/11/01 13:27:52
>>458 桐山襲は知らない。
>>459 「面白いと思ってる」ことと「読者の胸を揺さぶる衝撃を与えられる」ことは違う。
>>460 虚と実をないまぜにした私小説なら数多くあるし、
それを後藤の独自性とすることは難しい。
468 :
オプローモフ:04/11/01 13:38:53
ゴーゴリやカフカは後藤文学の大きな模範だという見方をしている。
それが「模範」じゃないとすれば一体なんなのか?
>>466で訂正 ×あさとがしれる ○おさとがしれる
>後藤文学は非政治的なのであって、反政治的なのではない。
>いわば それらは日常性おも汲み入れた隠喩化されたものであり、
>それは意味性の解体にまで及ぶ。
この
>>452の意見はわからないではない。
意味性や物語の筋が解体されているのが特徴だとは思う。
もう、みんな飽きてるし
都合のいいところばっかり反論するのはやめれば?
>>463 後藤訳「鼻」はゴーゴリ全集に収録されてるのでしょうか?
471 :
450:04/11/01 21:22:16
>>466 悪いね。2ch風の軽い煽りとして軽くながしてくれ。そこに関しては謝る。
ただ、君が発言を始めたとき、いかにも2ch風の挑発から入ったことや、なにがしか
不誠実な発言態度に関して、ちょっとむかついているんで。いまも。
否定しておきながらわざとらしく後藤作品からもじったハンドルを使ったり、
何かしら後藤ファンには気に障る振る舞いをしていることは覚えておいて欲しい。
>後藤は「小説の筋」に重きを置いてなかったし、その筋の脱臼こそ特徴じゃないか。
>だから、谷崎と芥川の「小説の筋」論争は後藤文学の大きな背景だし、
>芳川的視点の「感傷、情緒」の描写もまた「小説の筋」に大きな関係がある。
>スガの「真に政治的」という言葉は詳しい説明がない以上意味がない。
全体的に反論としてよくわからない。もちろん後藤は筋に重きを置かない。
しかしそれが直接に谷崎芥川につながる根拠は何?
そして芳川視点と「小説の筋」の関係ってなに?
450からおれがいっているのは、後藤における「物語の脱臼」、というのは、ウェルメイドなプロットで
小説を書かないとか、そういうこととはまるでちがう。
繰り返し書いているでしょう? 「物語」とはロマンのことだって。
近親相姦という物語を、ロマンチックなものとして、語るに値する悲劇として
書いてしまうという、あり方そのもの、それが「文学」的物語あるいは文学観と理解してくれ。
だから、筋の水準だけにかかわるのではなく、素材を「いかに書くか」、という水準の話を
していたつもりだったんだけど。
近親相姦でなくとも、不倫という文学的主題にしたって、後藤明生はその「物語」を
脱臼させようとする。芳川にならっていえば、転倒させた形で不倫を導入する。「私的生活」がそう。
スガの指摘を理解したいなら、「文芸時評というモード」の33ページ以降を参照。
おおまかに引用するなら、以下。
「後藤は、先に挙げておいた通俗「私小説」作家たちのように、記憶をたどり、もっともらしい
思考をこらせば、何らかの解決がもたらされるものとして、「謎」を措定しているわけではない」
後藤にとり「謎」とは、「安定した同一性へと還元しえないナンセンス」であり、「謎」は「解かれぬまま
肯定される」
>『壁の中』を持ち出すのであれば、なぜあそこで谷崎との対話が出てくるのか、
意味がわからない。「壁の中」に谷崎は出てこない。読み直してからもう一度。
芥川派、谷崎派、ねえ。後藤にとってその二人は同じ文脈に位置してると思うけど。
>ゴーゴリやカフカは後藤文学の大きな模範だという見方をしている。
>それが「模範」じゃないとすれば一体なんなのか?
後藤をきちんと読むなら、彼にとってはそれら先行作家をとてもじゃないが
「模範」とは呼べないことがわかるはずだ。
後藤にとって彼らは、「模倣」不可能な存在として立ち現れているのであり、
いかに彼らのあとで小説を書くか、ということが後藤のある意味核心を成している。
だから、「そのようにふるまうことを求める」という「模範」ではあり得ない。
たとえば後藤の遺稿集が「日本近代文学との戦い」と題されていることに留意。
微細なことというかも知れないが、核心だと思う。
むしろ、これを読み違える人は、はっきり言って後藤を読めてない、
とおれは考える。
これ以上君にかかわっても益もないだろうと思ったのは、そういうところ。
>「面白いと思ってる」ことと「読者の胸を揺さぶる衝撃を与えられる」ことは違う。
といっているのを読むと、君(そのハンドルは不愉快だから呼ばない)はやっぱり
後藤明生には向かないと思う。後藤はつねに、ドラマチックなもの、衝撃的な場面
を徹底して回避するし、それを自身の文学的態度だと宣言してもいるから。
彼の「面白さ」はそういうところにある。だから、衝撃的であることなんかを、
評価の優位におこうとする態度から後藤を断裁しようとしても、後藤読者からすれば痛くも
ないところをさぐられているのと同じだと思う。
>>470 学研版・世界文学全集の『ゴーゴリ』収録の「鼻」「外套」(横田瑞穂・共訳)ですよ。
ゴーゴリ全集には入ってませんので、お間違えなきよーに。
……ってても、私も未見なんです。
トホホです。
>>471-473 察するにオブローモフは後藤明生の小説、
殆ど読んでいないで発言してる気がする。
『壁の中』と谷崎…???
「この人を見よ」の事では?
このスレの他の人の書き込みを読んで勝手に推察しているだけなのではないか、と。
実のある見解を放っている風にも思えないし、
これ以上は放置でいいのではなくない?
475 :
452です:04/11/02 16:52:07
>>465さん。
ありがとうございます。
さて今更ながらですが、昨日私は『汝の隣人』を読了しました。
後藤文学が次なる新たな展開、その文学的営みと実践へと踏み出した記念すべ
き、生みの苦しみにも似た濁流のような作品と受け捉えます。
混沌、酩酊、出鱈目、分解、そして常に底流を流れ続ける幽界の辺の”アルコ
ールの川”の如き、やたらと晴々とした明るい無常観。子育ての期間が終了を
告げた後の、再び訪れた空疎を埋め尽くす「饗宴」を媒介としたテクスト内テ
クストの永劫に反芻し続けることとなる謎謎の不連続な迷路。意味や根拠を喪
失した空間の開示が、いかに自由な場所であるのかを、独特の不随感で現前さ
せています。ここにはアルベール・ジャコメッティのあの虚空へと溶けて消え
行こうとする彫像すら、すでに在りません。
これこそ”日常性”の別名その極北の、あるひとつの痕跡です。
↑文学的修辞による無内容な賞讃語の典型、批評性皆無。
474サン、御教示有難うございます。
探して見ます。
478 :
スケープゴート:04/11/02 20:59:17
>450氏
>「2ch風の軽い煽りとして軽くながしてくれ。そこに関しては謝る」
>「君が発言を始めたとき、いかにも2ch風の挑発から入ったこと」
>「後藤ファンには気に障る振る舞いをしている」
いわれるまでもなく、煽りは最初から軽く流している。
で、こっちの挑発的なスタイルも軽やかに受け流してくれ。
一面で「後藤読者からすれば痛くもないところをさぐられているのと同じ」ながら、
もう一面では「後藤ファンには気に障る」とのことだが、矛盾はさておき、
これまでで、もし後藤マンセーファンの気に障ったのであれば遺憾に思う。
揚子江でも思い川でもいいから水に流してくれ。
しかし2ちゃんねるのルールには一応のってってレスしてるつもりだ。
作家への批判は禁止されていないし、ルール違反の個人中傷をしてるのは、
むしろあなたがたのほうなんだ。
それからハンドルネームが気にくわないとのことだが、これも個人の自由。
しかし、気分を害するのは本意ではないので変更した。
479 :
スケープゴート:04/11/02 21:00:25
>全体的に反論としてよくわからない。もちろん後藤は筋に重きを置かない。
>しかしそれが直接に谷崎芥川につながる根拠は何?
>そして芳川視点と「小説の筋」の関係ってなに?
物語=ロマン(=「話らしい話」=筋(プロット)の関係を考えればわかるだろう。
>だから、筋の水準だけにかかわるのではなく、
>素材を「いかに書くか」、という水準の話をしていたつもりだったんだけど。
それは理解している。その「いかに」の方法論として「筋の脱臼」があるだろう。
引用してくれたのはありがたいが、「文芸時評というモード」は読んだことがある。
「マーラーの夜」の中の歌を取り上げて、後藤的謎を語っていたと思うが、
そもそもスガが「真に政治的」という言葉を充分に説明していないことを
前回は言ったのだが。
失敬。記憶違いだった。「壁の中」に出てきたのは荷風だった。
しかし、後藤は芥川派だろう。「筋=話らしい話」がなくてもかまわないのだから。
芥川派とはゴーゴリを通してのつながりもある。
480 :
スケープゴート:04/11/02 21:01:23
ゴーゴリらが「模倣不可能な存在」であるがゆえに
「模範」という言い方はふさわしくないという点は了解した。
しかし、ゴーゴリの笑いとカフカの彷徨なしに後藤文学はありえないのだから、
彼らの大きな影響下にあることは間違いないわけであって、
そもそも問題は彼らに比肩できる作品を書けていないことにあるだろう。
後藤は「日本近代文学」という制度や枠組みと戦ってきたことは理解する。
問題はその戦いが成功したかどうかを問題にすべきであろう。
>後藤はつねに、ドラマチックなもの、衝撃的な場面を徹底して回避するし、
>それを自身の文学的態度だと宣言してもいるから。
これもまた「筋」「話らしい話」からの迂回につながるであろう。
>彼の「面白さ」はそういうところにある。だから、衝撃的であることなんかを、
>評価の優位におこうとする態度から後藤を断裁しようとしても、
>後藤読者からすれば痛くもないところをさぐられているのと同じだと思う。
そういえば理解できる。つまりこういうことになるだろう。
「後藤文学が胸を揺さぶる衝撃を与えることはない。」
「しかし面白さがある。そこを批判しているようだが、むしろそこが長所なのだ」
こういうことでいいのかな。
先日、雨のなかカバンに「首塚の上の〜」を入れて一日中歩いてたら、
小口がびしょ濡れ。シミになっちゃったよ…orz
>そもそも問題は彼らに比肩できる作品を書けていないことにあるだろう
少々お訊ねするが、この君の判断は何(誰)によるもの?
何をもってそう判断しているのか。
それがわからない。
ってことは、ファンは比肩できてると読むんだ! うわあ、吾が仏尊しも極まれり。
484 :
450:04/11/02 23:20:13
申し訳ないけど再反論する必要性は感じられない。
芥川と谷崎については、彼らがどのような小説を書いたかを問わなければ無意味。
芥川=筋なし、谷崎=筋ありとし、後藤は芥川派などという単純な図式は絶対に
後藤には当てはまらない。もしかして芥川も谷崎も読んでいないんじゃないだろうね?
筋なしの小説こそ文学だ、と芥川が主張するのには、彼の読者はそこにある屈折を感じざるを得ない
はずだけど。芥川もまた、プロットの魅力による小説を書いているのだから。
ところで、君は後藤明生の著作をいったいどれほど読んでいるんだ?
「首塚の上のアドバルーン」か「吉野大夫」のどちらかだけじゃないのか?
それとも「しんとく問答」?
あとはこのスレ。
もし、もっと読んでいるならあり得ないような後藤理解を示す
発言が多すぎるからそう推測するのだけれど。
おれはそろそろこの議論を降りるけれどね。
>>483 問いの立て方が間違っている。
ゴーゴリと比較できない時代に生きてしまっているから模倣など出来ないんであって、
模倣出来ないことを受け入れた上で比肩しうる小説かどうかが問題などというのは本末転倒であり、結局議論が進んでいない。
模倣すると比肩するは別、一緒にできないよ。
誤魔化しちゃダメ。
模倣できなくたって比肩し得ることはあるんだから。
だからその状況のためには、比肩か否かを判断する共通の土台が要りますよね?
土台を共有できないところから出発しているため、模倣など出来ないということになる。
その上で例の人は取りあえず模倣は出来ないということは納得したと。しかしゴーゴリなどに比肩出来ていないと言ってしまう訳です。
勿論貴方の言うように模倣出来なくても比肩はあり得ます。
しかし、模倣出来ないということの意味が比肩という言葉が前提にしているものの否定なんだというのは伝わりませんか。
いや、模倣はできるよ。時代や状況などの「土台」は違っても。
拙劣な模倣や無意味な模倣も含めてね。無論、それらはお手本には比肩できないわけだが。
で、問題は、拙劣な模倣以上のものを書いたかどうかだ。
単なる模倣の失敗すらオリジナリティーと見做す「アバタも靨」式批評でなければいいがね。
>>488 450氏のレスとか読んでから書き込んで。
貴方は別に間違ってないけどさ。
>>489 質問です。
意識的に物語を脱臼させるってのと、単に下手糞で物語を構築し切れない構成力不足とは、
どうやって見分けるのですか。
また、意識的であれ構成力不足であれ、結果として読者にとっては同じ場合があります。
そこに如何にして差違を作り出せるのですか。
>>490 それは他の人の意見も知りたいところですね。原理的にはないと言えると思いますし。
ただ実際上の問題として言うと、区別に困ることってあんまりないと思います。
単に下手糞で物語を構築し切れない構成力不足な作家と、意識的に物語を脱臼させているような作家とでは、
作品も自ずと異なってくるでしょうし。(描写とかそういったモノが)
もちろん僕が過小評価(他の人の評価に対して、です)している作家もいるでしょうけど、
それってなんか困りますか?
するとあなたの評価では、小島信夫みたいな天然ボケと後藤明生みたいなボケツッコミとは
差は無いのですか?
>それってなんか困りますか?
後藤明生に対する過大評価だと批判されても説得的な反論ができないわけ。困るでしょ?
>>493 正直他人の評価にまではあんまり口だしたくないです。
納得してくれない人を説得しなきゃならない理由はないでしょう。
単に私はこの点で面白く読みました。というだけです。
小島と後藤が、ある一点のみみれば同じと思えるのかもしれないけど、
別に彼らをその一点からのみ並べて評価しなきゃならないって言う状況はあんまりない。
全然別個に読んでも楽しいし。
小説を、系譜的に見るならともかく、序列的に見ても…
ボクが面白いと思ったんだもん、ほっといてくれよう、か。
で、つまらないと指摘されると言を左右にして反論も出さずにごまかすし。
これだから愛読者って奴ぁ。愛は盲目ってか。
>>496 言い方気に触るけどそうです。何で貴方と同じ意見にならないといけないんですかね。
何をしてほしいんですか貴方は。
この作品の面白さはこうこうこうなんですよと手取り足取り教えてもらいたいんですか?
繰り返すけど貴方は別に間違ってないよ。
つまらないというのは勝手。でもそのつまらなさを共有することはできない。
面白さを共有するためならつきあうことはあるけどそうでないのでしょう?
他者とも面白さを共有するためには、それを説明できねばなりますまい。
>この作品の面白さはこうこうこうなんですよと手取り足取り教えてもらいたいんですか?
その通り。できるなら、是非ご教示いただきたいものです。
で、
>>490に戻る。
貴方は何を面白いと思っているの。
490でいうと、脱構築された小説は楽しく読んでいて、その上で偽物との見分け方を知りたいの。
それともなんで脱構築されなきゃいけないのか分からないの。
それによって答えも勧め方も変わってくるでしょう。
貴方にとって面白いかも変わってくるでしょう。まずその辺提示して。
あと言うとくけど、僕が楽しさ理解できず、他人が勧めるなら努力しますよってことなの。
>>499 他人を気にする前に、自分が面白いと思ってるその面白さを説明して下さい。
単なる失敗した物語とは異なる所以を明示した上で。
あのね。貴方から離れた面白さなんて存在しないの。
説明するのは貴方にだよね?貴方が面白いと思うかなんだよね?
その興味なしでなぜ僕が面白く思うか聞きたいの?
面白さを共有したいなら、頼むからちっとは努力してください。
では。
だって「面白さを共有する」んでしょ?
私の面白さに合せた話をされても、それは君の面白さとは別だから、
共有になるまいよ(そもそも私は面白く思ってないかもしれないのに)。
君の感じた「面白さ」を、私を含む他の人たちにも共有できる形で提出しておくれ。
今からバイトなんでまた後で。
一つだけ指摘。
面白さを貴方と共有出来るなど書いていない。
勝手に主客転倒させないで。
荒しが跋扈するし、それを無視できない奴もいるし。
後藤のいう「他者」だとか雨月論の「性」とか後藤流の「諧謔」を持ち出せば、
このスレの状況もいわゆる”後藤的”ってことになるのか?
506 :
吾輩は名無しである:04/11/03 21:06:12
>>475 >さて今更ながらですが、昨日私は『汝の隣人』を読了しました。
475=452さん、
後藤明生のようなプラトンの読み方をしてる人は他にいないんですかねぇ。
林達夫の文章は引用されてたけど。
斎藤某先生と対談したプラトン談義の本(対話はいつ、どこででも)を読んでみたいと思いました。
古本でも見つからないですけど。
誰か読んだ人いますか?
507 :
450:04/11/03 23:10:15
割り込ませてもらうけど、物語がどうとか、面白さがどこにあるかとか、抽象的な水掛け論
をやる前に、まず作品を読んでから発言してくれ。そして作品に即して議論してくれ。
失敗した物語と、脱構築された物語の差を示せ、とかいうけど、そんなものは読めばわかるだろう。
物語を構築することに失敗しているのと、物語をそもそも語ろうとしていないことの見分けがつかないのか?
「吉野大夫」の一行目を読めば、その差異は明らかなんだよ。
>そんなものは読めばわかるだろう。
誰もが自分と同じに読むと決めつけてはいかんな。世の中、後藤ファンばかりでないぞよ。
だからこそ、具体的に、どう読んだからどう面白いかを語ってほしい。
509 :
スケープゴート:04/11/03 23:20:53
>>484 別に反論の必要性を感じないならないで構わない。あなたの自由だ。
芥川と谷崎については「小説の筋論争」を文脈とすればここでは事は足りる。
芥川の「文芸的な、余りに文芸的な」を参照。
後藤の本はそこに挙がっているものはすべて読んでる。
「首塚の上」「吉野大夫」はもちろん、「しんとく問答」(これは途中で投げた)のほか、
「日本近代文学の戦い」「壁の中」(途中で放棄)、もちろん「挾み撃ち」も。
古書談義の多いこのスレについては、申し訳ないがよくは読んでない。
あなたも後藤以外の作家をどれほど読んでるのか怪しいものだと感じるが。
510 :
スケープゴート:04/11/03 23:21:34
ほかの人も後藤の「面白さ」についてレスをしてるようだけれども
私個人は後藤の「面白さ」については前にも書いたようにある程度認めてる。
要は、「面白さはあるけどそれだけじゃないの?」ということ。
擬似郷土史家、擬似散策者、擬似私小説家として(すべて「擬似」)、
たとえば虚と実、本物と偽者、自分と他者の「楕円的」構造を探りながら、
あるいは筋のない非物語的な「アミダクジ式」な道程を辿りながら、
そうした試みが「面白さ」の域を出ていないのではないかということ。
意味や筋の解体が、その解体さえも「擬似」であることにおいて、
破壊性も衝撃もない小さなスケールに終ってるのではないかということ。
これを問う必要があるだろう。
511 :
スケープゴート:04/11/03 23:22:08
ゴーゴリが模倣不可能な存在だとしても、
模倣不可能なゆえに模倣してしまうということがある。
「挾み撃ち」の外套探求という擬似プロットにおいて、
語り手はこう語っている。
「たとえ真似であっても構わない。
何としてでも、わたしの『外套』を書きたいものだと、考え続けてきた人間だった。」
>>507 >物語をそもそも語ろうとしていないことの
構築する能力の不足や構築への意志の不徹底を
それは故意にやらないだけって態度で誤魔化す作家もあるからねえ。
できるのにやらないってのは、やってからでないと本当にできるか怪しいワケ。
『吉野大夫』という題で小説を書いてみようと思う。といっても、誰もがよ
く知っているあの吉野大夫のことではない。京都島原(本当は六条だという
ことらしいが)の名妓吉野のことではなく、同じ江戸期でも、中仙道は追分
宿の遊女だったという吉野大夫のことなのである。しかし、結果はどういう
ことになるのか、皆目わからない。
第一にわたしは、いわゆる稗史小説なるものの筆法をよく知らない。まる
で知らないといった方がよいかも知れない。したがって、おそらくそういう
小説にはならないだろうと思う。また、何が何でもそうしなければとも思っ
ていない。なにしろわたしは、この吉野大夫の話が果して小説になるのかど
うか、それさえいまはよくわからないのである。
ないないづくしのついでにいえば、資料らしい資料もない。それらしきも
のといえば、岩井伝重という人の書いた『食売女』くらいだ。食売女と書い
て、メシモリオンナと呼ぶそうである。飯盛女とも書くが、書名は食売女と
なっている。筆者のことは詳しく知らないが、長野県佐久市の人らしい。昭
和四十三年十一月十八日印刷、同年十二月一日発行の非売品である。ただし、
この本にも吉野大夫のことは一行も出ていない。
正直いって、そう知ったときはわたしもがっかりした。やれやれ、また振
り出しに戻った、と思った。振り出しは、かれこれ五、六年も前になると思
う。つまり信濃追分の吉野大夫の名を知ったのがその時分であって、ちょう
どわたしは、追分に取材した短篇小説を、ぽつりぽつりと書きはじめたとこ
ろだった。この連作は、本当にぽつりぽつりのペースで、四年がかりで十篇
を書き、二年前に『笑坂』という本になった。
>>513 谷崎潤一郎や石川淳や太宰治やその他等々、よくある、ありがちな書き出しですね。
>>513はナニがしたかったんだ?(笑)
引用だけすれば後藤明生の素晴しさは誰もが認めてくれる、とでも?
後藤さんの文章はうねうねしていますね。しかも太い。
「めぐり逢い」とか好きです。
518 :
475です。:04/11/04 21:06:29
>>506さんへ。@
私の知る限りではソクラテスやプラトンに言及した文学作品はヨーロッパ文学を含めて、今考えてみても
全く思い当たるものがありません。申し訳ないです。
『饗宴』『弁明』『クリトーン・パイドーン』『国家』位なら私もかつて読んだことがありますが、なん
と言っても私の場合プラトンよりもエピクロスやギリシャ哲学以前の哲学及びソクラテスよりもソフィス
ト群像に関心が強かったもので、これは他の方々に言及してもらった方が勉強になると考えます。
ただ後藤氏の『汝の隣人』という作品の場合、それよりも根幹において例のプラトンの幾重にも複雑化さ
れたその語りの奇妙なレトリックの迷宮的構造に対する関心や、プラトンの冥途に関する記述、そして川
という自らの過去の作品のモチーフへの隠喩的なアプローチが常に重視されている部分なのだと感じます
ね。例えば飛躍的に考えてみるならば作品中全く言及される所はないのですが、先に述べたソフイストな
どのものの考え方、すなわちその頃の世界観は土地それぞれによって法律や価値観が総てにおいて異なっ
ていた訳ですから、そういった見聞的あるいは収集的に蓄積された知性を司る彼等詭弁家などと云われな
がらも、元来世界がひとつの統一された事象や思考の上に成り立っているのではないことを誰よりも優れ
て真に認識していた人達であったと推測されます。古代の人々は大概の場合科学が発達していない分、直
感で事の根源を詩聖によって認知し得ていたのですね。ですからそれはどこか後藤文学的な在り方に通じ
ているのではないか、あるいはプラトンなどのテクストにおける奇怪な構造の中に後藤氏はそれらの因子
を直感することで、家族の主題の終焉の後へと続くモチーフとヒントの足掛かりにしていったのではない
のかと思うのです。
519 :
475です。:04/11/04 21:45:22
>>506さんへ。A
また後藤氏はこの作品で生と死といった事象を、それまでの虚と実の融合の主題よりも抜きん出て、
あるいはそれより導き出される生者の側のエゴイスティックな死的な歓喜や感動も拒絶し、更に推し
進める(深化)ような形で結合させてしまったという印象おも強く感じさせます。その実践は後の『
メメントモリ』に明らかな体現として表される訳ですが、後藤氏は全く宗教的な手助けや他の解釈も
皆無な状態で、死の畏れなど越境・超越してしまっているようです。これは多分当人が生すなわち実
に対して一切の執着・関心が希薄であったことの表れであると憶測されますが、ここが後藤文学の根
幹中の根幹ですね。
すなわちゴタゴタに関連性もなく散りばめられ羅列された様々な事象が、表象とともに表象の醸す象
徴性の罠をいとも簡単に次から次へとすり抜け、辿り着こうとする安易な思考のトポスを遠く関係性
もなく退けて行く。
ここには始まりも終わりも、死と生の域も、記憶と忘却の境も、小説が突然断ち切られたのと同質に、
日常性の本質の如く、繰り返され続けるのだと考えます。
520 :
450:04/11/05 00:09:14
>芥川と谷崎については「小説の筋論争」を文脈とすればここでは事は足りる。
>芥川の「文芸的な、余りに文芸的な」を参照。
まだそんなことを言うのか? 人の文章を読めないのにも程がある。
人の読書量を無根拠に忖度する前に、自分の文章読解力を心配した方がいい。
今までのおれの発言が芥川を参照していないとでも思ったのか?
参照した上で、水準の異なる議論だから関係がないと繰り返し言ってるのが読めないのか?
いちいち論わないが(穴が多すぎて)、いままでの君の「話らしい話」論争にかかわるレスは
中身が全くない上、おれのレスを無視した上で話を続けている。論じるに値しない。
ひとつ言っておくと、「話らしい話」論争においては後藤は確実に芥川には賛同しない。
後藤が単に筋のあるなしにおいて小説を判断しないことや、後藤の小説観を鑑みればこれは明らか。
後藤は志賀を肯定しないんだよ。理由は自分でエッセイ集でも読んで調べろ。
これ以上同じ説明を繰り返しす暇などないし、文章を読めない人間と話しても無駄なので、
前に言ったとおりおれはこれ以上レスしない。
ただ、君が510の問題意識で後藤を考えるのを止めはしない。頑張ってくれ。
それにしては、もっと他の作品を読んでから考え直すべきだ。
521 :
450:04/11/05 00:13:40
物語を語ろうとしないことと、物語を語ることに失敗することの差
と、
物語を構築できることと、構築する能力に欠けている。
この二つはとりあえず分けて考えないと議論が混乱する。
その上で前者について言うと、物語を語ろうとしないことの例は
後藤の「吉野大夫」を見ればわかる。これ、最後まで読めば後藤がどうして
こういう書き方をしたかわかるようになっている。そもそも物語を語ろうとしていない
とおれが言う根拠はそこにある。ふつうの小説が書けないことがわかった上で、書きはじめられて
いるのが「吉野大夫」。読めばわかると言ったのは作中ではっきりそう言明されいてるから。
で、物語を語ることに失敗した例としては、「吉野大夫」でも言及されている谷崎の「吉野葛」が挙げられる。
これは、最初に提起した南朝自天王の話を探そうとしているうちにいつの間にか随行者の死んだ母
の話になっているというもの。花田清輝が「失敗作」と呼ぶのもその点で、谷崎の場合、
この話の入れ替わりを意図的にやっているとは断定しづらい。
当初語ろうとしたことを語ることには、失敗している。作品として失敗しているかはまた別問題だが。
そして、両者の差異は、後藤が元から小説にならないものを題材にしているのに対して、
谷崎は小説になりそうなものを「適当に配列」すればいいようなものを題材にしようとする点にある。
で、構築する能力のありなし、だけれど、おれは問題にする必要性を感じない。
後藤は「できるけどやらない」んだ、という態度ではない。できるとあえて表明したりもしない。
だから誤魔化しているわけでもないし、構築する能力がなければ、物語を語らない小説を書く
ことが許されないとも思わない。
ただ、上でも出て来た「めぐり逢い」なんかは物語らしい展開がある話だと思うけど。
まあ、この議論はあまり参加する気はないので、もともと応酬していた人たちに任せて、おれは
ROMに戻ります。
522 :
吾輩は名無しである:04/11/05 00:16:41
そだね。
「できるけどやらない」だの、「できないからやらない」だのっていう
問題の立て方からして、的外れで貧相だ。
2ちゃんの罵り合いじゃないんだからw
>>521 谷崎『吉野葛』が本気で「南朝自天王の話」を書くことを目指したわけないでしょ。
そんなの『春琴抄』が本当に実話に取材したと受け取る位に、愚劣だよ。
読解力無いなあ。花田の批評についても誤読してるしね。
その程度の人に賞められる後藤明生って……。あはれ。
おもしろくなって参りました……
いや、この辺でスレの加速を意識的に脱臼することが望まれる。
>>510 この点は確かに後藤読者の盲点かもしれないね。
確かに
そこだけ読むと、一理ありそうに見える
考えるきっかけになったかも
528 :
吾輩は名無しである:04/11/05 21:08:51
「破壊性、衝撃」と「面白さ」ねぇ。
映画板で黒澤信者が小津映画を貶すのと同じレベルの議論だなあ。
ちょっと安心しましたw
後藤明生の小説云々以前に、文学に序列を持ち込もうとする精神が退屈だ。
AがBに比べて劣っている/優れていることが仮に論証できたとして、
それが論者の卑小な自己満足以外に何をもたらすというのか。
>>529 だって、優れた作品もあればくだらない作品もあるのは、儼然たる事実でしょ。
同じ作家の作にとて、失敗作もあれば成功作もある。
比較を抛棄するのは、評価もしないってことです。評価されない作品は無きに等しい。
いや、各々の作品が問われるのは、
他に還元できないその独自の核心においてであって、
他の作品や作家との相対的なランク付けなんて、
読書には必要ないよ。少なくとも俺には必要ない。
俺は後藤明生の小説を読むときは、そこにしかない世界を楽しむし、
他の作家についてもそう。
確かにこの世には優れた作品もくだらない作品もあるが、
優れた作品とは、くだらない作品に比べて優れているがゆえに優れているのか。
馬鹿馬鹿しい理屈だ。
それにくだらない作品なんて、読まないか、忘れるかすれば済む話だろし、
自分がくだらないと感じている作品について、あえて語ろうとする奴の気が知れない。
私だったら、くだらないものを騙されて有り難がってる場合は、忠告してやるけどね。
例を出せば、
>>521みたいに読めてない奴とかには。
「他に還元できないその独自の核心」とやらも、
その「他」との比較無しには、把握し得ないはず。
比較を絶する傑作にすら、無意識にも既知の作品との比量が働いてるんだからね。
もちろん、読書をする際には、無意識的、意識的を問わず、既存の読書体験の記憶が
絶えず働いているし、多分、書くことにも同じようなメカニズムが働いているんだろう。
でも、それは「比較」であるかも知れないが、「序列」ではないよ。
つーか、とことんつまらん奴だな。君。
補足すれば、駄作に比して傑作があるのではなく、傑作に比して傑作はあるのだと思う。
>>533 比較と序列って何が違ってるの、君の用語法では?
すでに比較に優劣を認めた以上、それは序列づけでもあることは不可避だ、残念ながら。
それを他人の評価は序列ときめつけ、自分は比較だけして序列に関係しないつもりなら、
卑怯な遁辞。
傑作としか比較できないなら、傑作なんて評価もあり得ない。
傑作の中にすら、失敗した箇所はあるんだしね。
いや、俺は「比較に優劣を」認めた覚えなんてないけど。
例えば、ある小説のある部分を呼んでいるときに、
ふと別の小説家の一節を思い浮かべることはあるけど、
優劣なんて感じたことはないな。時に幸福な読書の時には。
呼んでいる−読んでいる
時に−特に
もう寝ます。
>>531曰く、「確かにこの世には優れた作品もくだらない作品もある」。
これが優劣でなくて何なのだ?
>>531は評価に踏み込んで言質を取られるのを避けたい卑怯者にしか見えぬ。
結局、「比較」と「序列」で何が違ってるんだか、独自の用語法は説明されないんだね。
一般論はもーいいよ。
批判者のレスも反応する人のレスもそろそろ飽きた。
別のところでスレ立ててよ。
具体論も出てるやん。
谷崎『吉野葛』の設定は意図的かどうか。(
>>521-522)
あの小説内で言及される小説(「南朝自天王の話」)は、
本当に小説を書きかけて失敗したのか、意図的に仕組んだ見せかけの口実であるか。
その見分けを誤る人だったら、後藤だって読解できないでしょ。
541です。
>>521-522でなくて、
>>521・
>>524でした。
あと、不利になると「一般論はもーいいよ」と躱すのはいかがなものか。
一般論でも正否はあるよね。正しい一般論はどちら?
>>540 だな。荒しにかまうやつも荒し。
もういい加減、うんざりしてきた。
どっか他でやって欲しい。
ここまでくれば”自称”擁護派も立派な荒し。
批判してるやつと擁護してるやつが同一人物だったりしてなw
議論してるようにみえても、結局はお互いの思い込みを
スレに垂れ流しているだけ。どっちもどっちだよ。
くだを巻くだけのウザイ輩。
546 :
吾輩は名無しである:04/11/06 17:11:28
どこのだれが「荒し」なのか?(笑) おれには見当たらない。
批判も擁護も別にそれほど悪くない(良いともいえないけども)。
おれはこういう流れもたまにはいいと思うよ。
で、争点は後藤の「他に還元できないその独自の核心」だから、
それをこれまで誰も充分には言及できてないわけだよね。
つか、俺だったら2chでの批判だの擁護だのに労力は使いたくない。
何らかの視点や解釈を持っているなら、一つ論文でも書いてみようと思うが。
ネット上でなら、HPを作って広く意見の交換を求めるのも手だと思うし。
(後藤に特化したHP(部分的に扱っているブログは除く)ってないよね?)
まぁ、こういう場(=2ch)で意見を交わすことも何らかのプラスになるのかもしれんが、
「俺は」さほど価値を感じないな。
せっかくの自分が持ってる視点や解釈を2chで開陳してしまうのって、
何だかもったいない気がする。
なぜそこまでして2chでマジレスしているのか分からない。
けして2chの全てを否定するわけではないが、2chとはある程度距離を置いてつきあった
ほうが良いのではないか、と思うわけよ。
549 :
吾輩は名無しである:04/11/06 18:34:58
>>547-549 なら何しにこのスレッドへ来てるの?
「後藤明生っていいよねウンウン」と肯き合ってくれることしか求めてないの?
2ちゃんねるで、マジでまともな議論ができない人が
自分のサイトでならできるなんて信じられない。
それって、他者からの批判を受けつけない狭量に過ぎぬのではないかい。
>>547 >何らかの視点や解釈を持っているなら、一つ論文でも書いてみようと思うが。
ぷ、大袈裟な。「論文」に仕立てるほどのことかいな。
文学読者同士の日常会話でだって、これ位のツッコミは出るやんけ。
文学談議中に言返せなくなった時でも、後で論文書くから読めって返事してるの?
552 :
吾輩は名無しである:04/11/06 19:20:48
>>550 文学版にくる最大の1つは
内輪的な話をして喜んだりするためではなく、
ある作家やその作品、また、それへの批評・概説等の
情報が欲しいからだ。
他の人の見方や感想をきくのもいいだろうが、
議論するつもりはない。
というのは、おまえみたいなやつに何言っても無駄だから。
2chで有益に何らかの結論が出たのなんて見たことない。
他者からの批判とか、狭量といわれても・・・
おれは別に五等を弁護しないし。
こんなこというと、何でこのスレにいるんだとおもうだろうけど、
そもそも「なら何しにこのスレッドへ来てるの?」って
それは、何かいい情報取るためで、それこそ
きみが狭量なんだろう。
>2ちゃんねるで、マジでまともな議論ができない人が
>自分のサイトでならできるなんて信じられない。
俺はサイトつくるつもりはないが
きみみたいな狭量であおるだけのやつは
2chでさえまともな議論なんてできんだろ。
きみこそ具体的に論理的になんか言ってみろ。
553 :
吾輩は名無しである:04/11/06 19:33:22
オプローモフと、あと少なくとも
一人から後藤の「衝撃力」に関して疑問が出ていて、
それ自体はいいんじゃないの、と思っていた。
とくに、オプは、熱意はありそうだったから。
しかし、いま1人はあおり屋だね。
まともな議論なんてなし。
信者はこわい、信者はもうもく、的な話だけ(信者なんて
そうそういないよw)。
550、おまえがそうだろ。
おまえこそ、まともなこといってみろ。
あおって、たのしんでるんだろう。よくわかるぜ。
そんなことより、作品内容なり
批評家の論じた文の考察なりに論及してみろよ。
そういうのだったら、おれは大いにウエルカム!
555 :
吾輩は名無しである:04/11/06 22:34:00
550=524/541なのかな?
しかし、524/541ってこれまた
貧弱なレスだなあ。これを堂々と蒸し返してくるとは。
私も、後藤の批判がなされること自体は、むろんOK。
だけども、あおりやはきえて欲しい。
こういうとまた、きゃんきゃんいうだろうが、
たいした理屈もないくせに、
ほえる気満々のやつはお断り。
こういうとまた、うるさいだろうけど。
私も、オプローモフ氏のレスは
読む価値あると思ってみてるよ。
だけど550には退場願う。
ただの煽り屋は具体的なレスといっても
相手のレスにツッコミを入れるだけで
後藤については私見を出してないしね。
まず後藤についての私見を書いてからの話だよな。
我がオウム真理教を批判するなら、その前に教祖の御講話を読んでからにしたまへ。
558 :
吾輩は名無しである:04/11/07 01:51:10
>>557 別問題。
きみの狭量さ、浅学でほとんど門外観的な知識のなさがよくわかる。
だから、何の立脚点もないレスには
何の異議も感じ得ないと上述されている。
その上でこうくるのは、きみ独自の意見や論理の
欠如を指摘されても仕方ない。
恥知らずなやつだと思うし、
話をする以前のひとだよ、きみは。
バカを相手にするの時間の無駄なので、そういう態度なら
以後、スルーするほかない。
こういうと、きみのようなやつは、逃げるのかなどというだろう。
そうではない。現に、自分の意見をいってきたオプローモフの
ひとには、こういうはなからの無碍な態度はみなとっていない。
蛇足ながら、きみのようなやつは恥を知ったほうがいい。
もし、ある程度の年齢であり、かつ、自分の行為を、
子供じみたものに感じられないなら、よほどの阿呆だろう。
なに興奮してるのかネ。
後藤明生の愛読者だけでなく、興味はあるがまだよく読んでない読者や、
世評を怪しげに思ってる一般読者らにも、後藤の魅力の神髄を伝達できる、
そんな評語が一向に出てこないのは……寂しいもんだ。
>>559 マジレスしましょう。
とりあえず「吉野太夫」「挟み撃ち」「首塚の上のアドバルーン」あたりを読んでみよう。
で、ピンとこなかったら縁がなかったということで、別の作家を探しましょう。
以上。
後藤に限らず、「一般読者にも」「魅力の真髄を伝達できる」標語なんてものは、
作品そのものを除いて存在しません。
そのようなものを求めてしまう、自分の怠惰な精神を恥じましょう。
>>560 ただただ作品に就けってのは、批評の抛棄だし、批評否定論でもあるね。
フロイト風に見れば、「評語」(
>>359)を「標語」(
>>360)としてしまった錯誤行為には、
無意識に、作品至上主義者の批評蔑視感が現れてるワケか。
後藤明生当人は、『笑いの方法』など、批評が面白い人でもあったのに。
562 :
518・519です@:04/11/07 16:54:00
あれから二週間近くが過ぎようとしていますが、この言い合いは終わらないようですね。暫く
読ませてもらっていましたが、ふと気が付いたのは、反後藤派の方々は後藤文学の中にある高
尚な笑いの技法が理解できないのか、嫌いなのではないのかということです。丁度、三島由紀
夫が太宰治の行きつけの酒場へ出向きわざわざ「俺はあんたも、あんたの書く作品も嫌いだ」
といい、「嫌いなら来なければいいじゃねいか」といった伝説の逸話のようにして。三島氏は
小島信夫氏の作品に出くわした時もそうでした、「気持の悪い文学だ」。三島氏はようするに
これら滑稽なユーモアやペシミスティック(脱ニヒリズムな笑いの味わいをもった文芸を、自
らの真理探究型の姿勢とは相反するという観念から人間として許せなかったのでしょうね。そ
れはまるでウンベルト・エーコの「薔薇の名前」に登場した人間の笑いの衝動を最大の敵とみ
なした殺人鬼で修道院図書館長のホルヘの架空の人物像のように。だがこれは高尚なパロディ
であって、モデルとなったボルヘスやその文学作品は19世紀までの脈々と続いた古今東西の
文学や知性の歴史へのノスタルジックな哀悼の念とそのパロディによる笑いの空間の開示に貫
かれていました。あるいはジェィムズ・ジョイス、フランツ・カフカ、サミュエル・ベケット。
これらの人物が編み出した文学の数々は、ほとんどの場合形は違えでもバナード・ショー並み
の高等なユーモアとエスプリに彩られたあまりに人間的なものでした。当の後藤氏となればゴ
ーゴリーにおける笑いの空中分解の技法でしょう。これらは人間が有するもうひとつの脳髄の
悪戯、すなわち真理の探究の心理の課題と真っ向から対象と相克を築いてしまうわけですね。
だから衝撃がないとか擬似的であるとか比較とかの言語が飛び出してしまうのでしょうね。私
も近年衝撃的な文芸には出合っていますよ。ドン・デリーロの『アンダー・ワールド』、マー
ク・Z・ダニエレフスキー『紙葉の家』、W・G・ゼーバルト『アウステルリッツ』、『ダス
クランド』に始まるノーベル賞作家J・M・クッツエーの諸作品、ガオ・シンヂュン『霊山』、
ハ・ジン『狂気』。笑いとはほど遠い、重量感のある作品ばかりです。
>丁度、三島由紀
>夫が太宰治の行きつけの酒場へ出向きわざわざ「俺はあんたも、あんたの書く作品も嫌いだ」
>といい、「嫌いなら来なければいいじゃねいか」といった伝説の逸話のようにして。
間違ってます。わざわざ出向いたのではないし、太宰の返答も意味が異なるし。
無用な文学的修辞が、読みにくくするだけでなく、誤った解釈に陥らせてます。
>>562
>>562 現実の三島は、むしろ独特の笑声で有名だったんだけど。
一切の笑を禁じた図書館長ホルヘとは一致しない。
>>562 関係ないけど貴方が挙げたの全部読んでる。
しかも全部概ね大好きだ(^.^)
567 :
518・519ですA:04/11/07 17:15:29
しかしこれらの作品群はすべてアジアであれヨーロッパであれ、大陸的混濁とその沈滞と停滞、政情不安定
によるあからさまな恐怖や不安の憤りから、抗いの手段として必然的に産み落とされています。
日本からはこういった、ルカーチの『小説の理論』以後の、たとえばサルトルの定義した「全体小説」の技
法などは、必然的に生み出されにくいと考えられます。
ですがグローバルリズムの波は日本とそれを根底から現在支配的に覆っている経済構造の一義によって、そ
こに暮らす人々の日常性を、人間性を破壊し均一に統合することで成そうとしていますね。まさにギー・ド
ゥボールの『スペクタクルの社会』に端を発した世界観です。
私はその時、真理の探求の妄想も含め、その一義の制度であろうとする世界や人間の有り様のドグマの間接
を外し脱却を図ろうとする後藤文学の残した因子とヒントは、重要なものを秘めていると考えていますよ。
それはとても小さいことでしょうが。
そういった意味でここにいる親後藤派の人達も、中期の後藤作品にあまりに関心がなさ過ぎるような気がし
ますね。
568 :
518・519ですB:04/11/07 17:30:31
太宰治と三島由紀夫の会話に関しては、うろ覚えで書いてしまいました。
それは謝りますね。
でもあの目が笑わず、口だけ笑っている三島の笑みは彼の真意を表していると思いますよ。
そしてひとつ分かった事は、やっぱり三島一派とかも反後藤派として、ここに来ていると
いうことのようだね。
>三島一派とかも反後藤派として
ぷ。何たる党派的思考。
>>567 『紙葉の家』の扱いとか違和感あるところもありますが・・・
イェリネクとか読んだ方いませんか?後藤にかなり通じる点があると思うんですが。
567で挙げられた、資本主義によって一元化されているといった認識や、
物語や類型の脱臼のさせかた、またブロッホなんかの取り込み方も模倣からほど遠い(もはや模倣できない)点なんかある意味近いと思います。
>>562 「無用な文学的修辞」どころか、直球的で、いい意味でわかりやすいです。
ナルホドね。
では
>>562を添削
>滑稽なユーモアやペシミスティック(脱ニヒリズムな笑いの味わいをもった文芸を
ペシミスティックは「悲観的」、ペーソスと間違ってるだろ。(笑)
>それはまるでウンベルト・エーコの「薔薇の名前」に登場した……修道院図書館長のホルヘの架空の人物像のように。
「ホルヘの架空の人物像」はヘン。「ホルヘという架空の人物像」でなければ。
しかしここは、そもそも「ホルヘのように」だけで沢山だ。
「架空」はわかりきってるし、「人物像」(ふつうは「人物」とする)も不要。
>ノスタルジックな哀悼の念とそのパロディによる笑いの空間の開示に貫
>れていました。
哀悼の念に貫かれることはあっても、「空間の開示」に貫かれることはできない。
「ノスタルジックな哀悼の念」も形容過多で意味不明、「ノスタルジー」で十分。
>バナード・ショー並み
>の高等なユーモアとエスプリに彩られたあまりに人間的なものでした。
バーナード、です。またショーの得意だったのは皮肉(アイロニー)。
ジョイス、カフカ、ベケットをショーと較べるなんて無茶。性質が異なる。
「ユーモアとエスプリ」ってよく対にされる紋切型をはめ込んだだけ、
彼らの「パロディ」「笑い」の説明になってない。
ニーチェもじりの「あまりに人間的」とは何を指すか全く不明、無意味な修辞。
>もうひとつの脳髄の
>悪戯、すなわち真理の探究の心理の課題と真っ向から対象と相克を築いてしまう
「真理の探究の心理の課題」は「真理を探究する心理という課題」のつもりか?
「真っ向から対立する」ことや「対象と相剋する」ことならできるが
「対象と(一緒に)相克を築」くことはできない。相剋って築くものかよ。
……等々。ひどい悪文です。
573 :
吾輩は名無しである:04/11/08 02:06:44
>>571 あなたみたいに文章センス無い人に、文学を云々してほしくないなあ。
>>572 クソつまんない人。
じゃあ、あなたの「正しい日本語」で、一つご自分の見解を披露して下さいな。
>>574は、
>>572の指摘は間違ってると? ならそれを逆に指摘してやればよい。
それとも、指摘は正しいけどつまんないと? なら
>>571の非を認めないわけだ。
話を逸らさずに、ね。
576 :
スケープゴート:04/11/08 12:58:33
>>572の指摘はその通りだと思うし、正直読みにくい文章だと思うが、
「笑いとはほど遠い、重量感のある作品」も読んでる、ってことを
言いたいのだろうから、その趣旨がわかればとりあえずは充分。
(その趣旨自体本筋から外れたものであることはさておき)
>>575の主張もわかるが、添削教室になってしまうのはスレ違いだろう。
後藤の魅力についての質問に対しては
>>560の返答で充分じゃないかな。
返事をすることもしないことも各人の自由。教えてあげる義理も責任もない。
これはわたしへの返事にしても同様で、別にレスを求めているわけでもない。
これまでの批判的レスは、ある種の自問のようなものでもあったわけで、
それをぶつけてみたにすぎない。
>ただ、君が510の問題意識で後藤を考えるのを止めはしない。頑張ってくれ。
>それにしては、もっと他の作品を読んでから考え直すべきだ。
>>520の上の指摘はもちろんその通りだと思うけれども、
今後もさらに後藤を読んでいくことの意義を疑問視し始めた状態であるため、
このスレにおじゃました次第であることをわかってほしい。
>今後もさらに後藤を読んでいくことの意義を疑問視し始めた状態であるため、
>このスレにおじゃました次第であることをわかってほしい。
ここでやっと納得のいく感じだな
578 :
ベンドシニスター:04/11/08 21:06:04
>>スケープゴート氏 576のレスをみて、あなたの態度は誠実なものだと思ったし、
「今後もさらに後藤を読んでいくことの意義を疑問視し始めた状態であるため、
このスレにおじゃました次第であることをわかってほしい」という考えも了承したので、
自分なりに後藤のおもしろさを「衝撃力」という意味において伝えてみたいと
思ったけれど、やはりそれは既存の批評の枠に規定された、紋切り型のものに
とどまってしまうかもしれない。たとえば、よく言われる「楕円」とか
「アミダクジ式」とか、「笑う・笑われる」などといった、あなたも知っているに
ちがいないようなキーワードがまず浮かぶが、これらの特徴からは、
あなたがあげたような『レイテ戦記』や『万延元年』、『枯れ木灘』、
『富士』(恥ずかしながら『富士』は未読なので、実は分からないのだが)などの
ような種類の「衝撃力」は得られないだろうと思う。ただ、異なった形の「衝撃」を、
自分なりに、後藤作品のうちに1つくらいみいだすなら、それはたとえば、「笑う・笑われる」
「見る・見られる」などといった関係性を描いたテキストから、他者の姿が無気味な迫力を持って
グロテスクに迫ってくるようなところにあると思う。このスレのどこかに、大江の『私的生活』の
帯文が引用されてるのですが、そこで大江は「単なる饒舌体をこえたこの作家の散文は、威嚇しは
しないが不思議にきにかかる、穏やかな尾行者のように、しだいに確実にわれわれを追いつめるよう
ではないか!」と文を結んでいます。後藤明生の「衝撃力」とは、ぼくが思うに、その一種独特の
饒舌体を持って、大江がいう「尾行者」のように、ひたひたと忍び寄って、絶えずしつこくまとわり
つくような形で、たとえば、「他者」などというものを読者に突きつけるところにあると思います。
それは、鮮烈な「衝撃力」を読者に与えはしないかもしれませんが、ある読者たちにとっては、
異なった形の「衝撃」として、少なからぬインパクトを持つだろうと思います。
やはり、紋きり型なってしまったと、書いていて思うのですが、とりあえずは、今日はこんなところで失礼します。
そうそうもうひとつ。
2・3日前、ブックオフで『小説の快楽』(1500円)を買いました。
ブックオフで後藤のハードカバーを見たのは、
これまで『挟み撃ち』しかなかったので、ちょっと驚きました。
まったく関係ない話ですけど。
俺は、ブコフで「使者連作」を100円で買ったYO
581 :
スケープゴート:04/11/09 18:20:31
>>578 ベンドシニスター氏。親切にありがとう。
「異なった形の衝撃」、「静かで不気味な衝撃」というのはわかるし、
もし自己批判をするとしたら、そのような方向になると思う。
また柄谷や蓮實がかつて後藤を評価したことも再度確認したい。
というのも、これまではやや批判的な視点を誇張した形になったけども、
自分の中に後藤評価と後藤批判の2つの視点=中心があるからだった。
これまでレスしてくれたほかの人にも感謝。では。
>>581 スケープゴート氏。
またなにかあれば、いつでもくればよいと思います。
このスレの場合、批判を盲目的に拒絶することは
基本的にないと思いますし、
議論することは、このスレの人たちにとっても
決して無益なことではないでしょう。
今回の流れのようなことは、最終的にためになったな、
と個人的には思っています。
しかし、ここらへんで、ぼくも、とりあえずはこのHNをすて、
匿名のROMに戻りたいと思います。
最後になりますが、
ぼくが見た後藤の最新の話題として、
渡部直己が、スガ秀実との小説化指南書の最新版で、
後藤の会話のテクニック(会話における生動性のようなこと)と、
『小説――いかに読み、いかに書くか』について
少し触れている、というのがありました。
新しい話題になるようなものではないですが、
いちおう話を振って失礼したいと思います。では。
>>564 三島由起夫について書いた後藤のエッセイ、あるね。
「円と楕円の世界」じゃなくて「革ジャンと高笑い」っての。
平凡パンチ編集長時代に連続インタビューした時の話。
あの高笑いとか写真のポーズとか訂正加筆の必要が殆どなかったインタビューについて
書いてるんだけど、実はこれ、
どのエッセイ集にも入ってない。
やっぱ貴重かな?
585 :
吾輩は名無しである:04/11/10 18:07:09
短期間でこれだけスレが伸びるなんて。
草葉の陰で後藤先生も・・・酒飲みながら
ニヤニヤしてるかも。
584さん、出典教えてくらはい。
>>586 1988年5月発行の「小説新潮」だよ。
大学の卒論の時、三島の資料を探していて発見した。
ま、どうーって事ないエッセイな訳なんだけど。
587さん、ありがとさま
589 :
吾輩は名無しである:04/11/15 00:38:20
いや、そこのところは、作者の自分にもよくわからない。まるでわからない!
しかし何より不思議で、何よりも納得出来ないのは、作家が、よくもまあこんなテ
ーマを取り上げることが出来るものだ、ということである。正直なところ、これは
もう、まったくわれわれの知能では測り切れぬことだ。これは確かに……いや、止
して置こう。わたしにはさっぱりわからない。第一、こんなことを書き続けたとこ
ろで、少しも祖国のためにはならない。第二に……いや、第二にも、やっぱり役に
は立たない。要するに、これはいったい何であるのか、さっぱりわたしにはわから
ないのである……。
しかし、それはそれとして、むろん、あれもこれも、第三の点も許し、いや、そ
の先も許すことにしたところで……さて、果たしてどこまで行けば不合理というも
のがなくなるのだろう? しかし、よくよく考えてみると、一切、つまり、このこ
とのすべての中には、確かに何かがある。誰が何と言おうと、このような出来事
は、この世の中にあるのである。稀にではあるが、しかし、あることはあるのであ
る。
590 :
吾輩は名無しである:04/11/15 00:41:01
↑
>>462 後藤明生訳の「鼻」の結末です。
図書館で「学研版世界文学全集−ゴーゴリ」を発見しました。
591 :
吾輩は名無しである:04/11/15 14:46:44
>>589の送ってくれた訳文を読んでいたら、『変容』(1975)や『昨年の夏の事』(1976)といったどちら
も作品集「虎島」に収録された不思議な短編を思い出しました。前者は後藤氏が体験したらしい幽霊話、
後者は幼い長女と追分で遭遇したらしいUFO異聞。時代背景を考慮するならば、オカルトブーム真盛りの
頃のものです。
後藤氏がゴーゴリーに強く惹かれるその最もな根拠は北朝鮮永興での幼年期の記憶の喪失の不合理と不条
理の、転じてその不可思議な馬鹿らしさの存在の浮遊感にあったのでしょう。予め頓挫されることを予告
された根拠探しの隠喩(=パロディ)としての郷土シリーズと同質に。同じく収録されている「雨月物語」
に関する小紀行文『霊夢』(1976)もそうですが、後藤氏は幽冥・幽玄・幽界の感覚を現実と一続きのリ
アリティーとして同一に深く捉えています。
これは同時代に活躍した日野啓三氏の例えば代表作『天窓のあるガレージ』などと比較してみれば明らか
なことですが、日野氏の場合は異界への感覚があくまでも殺伐・混乱した現実世界からの、存在感の虚無
を孕んだ逃避のための入り口としています。
後藤文学はこれらの不可思議な感覚を、逃避なのではなく、現実の不確かさの立証として役立てているよ
うです。
悪文はもうかんべん。文才は無いんだから、気取らず、読みやすくネ。
>そこのところは、作者の自分にもよくわからない。まるでわからない!
「!」マークが後藤らしくていいね(w
>>591 言いたい事はちゃんと伝わって来るよ。
「気取り」とかじゃなくて、思いを綴ったら、こういう文章になったってだけだと思う。
うまい文章だと言うつもりもないが、俺は個人的には、こういうマジメさは嫌いじゃない。
少なくとも、
>>561が後藤が好きで、後藤の作品について真摯に考えていることは、
ストレートに伝わって来るよ。
好き嫌いはともかく、こういう文章を「悪文」だの「文才がない」だのと、
明白な悪意を持って貶す輩と、「文学」について語りたくはないな。
>>594 熱くなりすぎ(w
まあ、「添削クン」にお出ましねがうよりも、
>>591が提示した
>不可思議な感覚を、逃避なのではなく、現実の不確かさの立証として役立てている
というテーゼについて語り合った方が、建設的なのは確かだけど。
596 :
吾輩は名無しである:04/11/16 00:29:43
>>591 で、「煙霊」の真相はなんだったの?
本人曰く、謎は解明されたみたいだけど。
>>594 後藤明生の読者がそんなに「マジメ」「ストレート」でいいんかいな。
598 :
吾輩は名無しである:04/11/16 09:47:54
別に後藤の読者みんながひねくれてなくていいと思うけど。
むしろ
>>591は下手糞にひねってるだけみたいな。だから「悪文」になる?
600、と。
>>596 不明だよ。
でも判っててもそれ書いちゃったら意味ねーだろから。
雨月物語紀行、古本でとうとう見つけてしまった。
お金持ち合わせてなかったから、
明日、ゲットしてきます。
買ってきたかい?
604 :
吾輩は名無しである:04/11/19 20:28:58
>>590⇒渋澤龍彦編『世界幻想名作集』(河出文庫)でも読めるよ。
>>604 情報ありがとう。それは駅前の古本屋にあった気が…
あした見に行くか
606 :
吾輩は名無しである:04/11/20 00:26:17
雨月物語紀行、本日ゲット。千円でした。
これから読みます。
607 :
吾輩は名無しである:04/11/20 21:37:57
「ロシアの旅」を所持している人、読んだ人はいます?
もってないわ、オレ……
609 :
吾輩は名無しである:04/11/21 02:01:38
図書館で読んだ。そのものずばり、ロシア紀行文集ですな。
後藤のエッセイにしちゃ、なんなこう、あんなしパッーとしなかったような。
陰鬱なロシアの風土がなせるわざか。
装丁も地味だったと思う。
エッセイで好きなもの、おもしろいものってなに?
みんな教えてくれ
611 :
吾輩は名無しである:04/11/21 10:09:21
『酒猫人間』
>>611 『酒猫人間』ってたしか種村季弘の名前が何回か出てくるよね。
後藤のリーマン時代に無職(???)だった種村との逸話がでてきて、
両人とも好きな自分は(・∀・)ニヤニヤしながら読めました。
613 :
吾輩は名無しである:04/11/22 00:50:52
松山俊太郎とかね
614 :
吾輩は名無しである:04/11/22 02:14:07
酒猫−は読んでないが、種村、松山との交流があったとは…
……意外だったな。
615 :
吾輩は名無しである:04/11/23 09:59:49
「円と楕円の世界」なんてどう?
装丁の衝撃度としては『分別ざかりの無分別』でしょうね。
エッセイというよりか
評論だと「笑いの方法」「カフカの迷宮」「小説・いかによみいかに書くか」は
参考になったYO。
『壁の中』が200円でヤフオクに…
619 :
吾輩は名無しである:04/11/27 11:27:45
遅れ馳せながら、日本近代文学との戦いを購入しました。
タイトルからして、
おもしろそうですね。
620 :
吾輩は名無しである:04/11/27 15:06:25
『自分のための文章術』(600円)をブックオフで購入。
しかし持ってないのは『女性のための文章教室』の方だったと帰宅してから気付いた。
621 :
吾輩は名無しである:04/11/27 15:18:44
>>618 いまのところ、IXIONが最高入札者だね
ま、おれはもってるからいいや。
おれも『壁の中』はもってるけど、
『夢かたり』など、ほしいのが2・3あった。
でも、カード決済らしくて、カードのない俺には買いようがない。
残念。
10冊くらい同じ人が売りに出したみたいだね。
624 :
吾輩は名無しである:04/11/27 20:53:40
625 :
吾輩は名無しである:04/11/28 06:58:21
『汝の隣人』『謎の手紙をめぐる数通の手紙』も欲しいっす・・
>620
「女性のための文章教室」はほとんどみかけないよね
627 :
吾輩は名無しである:04/11/28 20:58:09
えっと、
『壁の中』を読み始めましたので、カキコミさせてください。
最初のMへの手紙の部分サイコーです。
これほど知的でユーモラスな書き出しに出会ったのは久しぶり。
2段組で500頁以上というボリュームに気後れしてましたが、
こういう始まり方だと追い風になります。
ここでもゴーゴリとドストエフとカフカの名前が出てきますね。
かれこれ14、5年も昔、
中沢某氏(名前失念)が『壁の中』の第二部の架空対話をパロッた、
作者との架空対話形式の『壁の中』論を書いてた。
「日本近代文学」かどっかに載ったんじゃなかったかな?
「ウッフッフッ」って作者の笑いが妙に印象に残ってる。
中澤千磨夫だろ?
630 :
吾輩は名無しである:04/11/30 12:36:09
どうにか3000円以内で『壁の中』を入手したいなあ。
先日、1500円で買ったよ。『壁の中』
ネットの古書店なので送料や手数料がかかったけど、
それでも2000円以内。
でも、他にも買いだめしてる後藤作品があるので、
読むのはもう少しあとかな。
壁の中もそうだけど、
しかし、後藤は聖書でもオモロイ部分を引用してくるよなあ。
モーゼのチ○コを息子が見たとか、見なかったとかww
633 :
吾輩は名無しである:04/12/01 09:28:20
「M君」と「宮子」は分身関係ですか?
634 :
・・・:04/12/02 23:41:29
>>628-629 中澤千磨夫氏の『荷風と踊る』(三一書房)ですね。
初出誌は「日本文学」1991年11月号となってます。
>634氏、ありがとう。
636 :
吾輩は名無しである:04/12/03 18:20:52
『壁の中』で、
宮子と床の上で転げまわるようにして抱き合った、というところ、
これに似たような描写がカフカの『城』にあったような気が。
勿論、後藤の事なので「城」を踏まえてのシーンでしょう。
638 :
吾輩は名無しである:04/12/04 00:13:08
>>632 永井荷風のカツ丼にこだわる部分もお忘れなく
639 :
吾輩は名無しである:04/12/04 08:38:53
『虎島』、読みはじめましたっ。
640 :
吾輩は名無しである:04/12/04 13:37:53
「虎島」、買われてしまいましたっ。
641 :
吾輩は名無しである:04/12/04 18:54:19
『壁の中』15章、
朝、目を覚ますことに関して言及される作家で、
カフカ、ドスト、ゴーゴリ、ゴンチャロフが出てくるのは
いかにも後藤らしいおなじみの顔ぶれなんだけれども、
太宰や椎名の名前を出すのであれば
プルーストの名前を出す方が自然、という気が。
642 :
吾輩は名無しである:04/12/04 19:11:06
プルースト「失われた〜」って、「寝入る」描写じゃなかった?
643 :
吾輩は名無しである:04/12/04 22:54:59
>642
あっ、そうか。目を覚ますの反対でしたね。
何を勘違いしてたのやら。
後藤明生はプルーストは買ってないみたいやね。
言及してるの全然知らんし。
645 :
『壁の中』読書中:04/12/05 23:08:01
『壁の中』をようやく11分の4ほど読みました。
こういう脇道脱線のプロット崩しの小説で、
主人公が英語教師という設定なのに
どうしてスターンの名前が出てこないのだろうと思ってた矢先、
それを見透かしたように名前が出てきた。
>>645 きみ、批評家みたいに読んでるようだね。
もっと肩の力抜いて、読んだら?
楽しめないよ。批評家みたいよむやつは、ちゃちな読書家ではないかな。
647 :
吾輩は名無しである:04/12/05 23:39:57
いや、後藤の作品は読者の批評性を引き出すようなところがあるはず。
648 :
吾輩は名無しである:04/12/06 00:05:42
つーか、「批評家的」VS「肩の力を抜く」という対立自体、
陳腐というだけでなく、実体がない。
649 :
吾輩は名無しである:04/12/06 00:10:18
勝手に対立させんなよw
つーか、おまえら、どうでも良いことなのにつくづく議論好きだな
よそいってやれや
ガンダムオタクがキャラの口調でレスするようなもんだろ
ただ恥ずかしいだけ
651 :
吾輩は名無しである:04/12/06 01:21:10
批評的な作品に対して「批評家的」に読むことのどこが「ちゃち」なんだ?
こいつの頭が「ちゃち」だと思う
652 :
吾輩は名無しである:04/12/06 01:28:46
つまり後藤明生の書きぶりは、或る意味、そんな批評家的な読みを誘発しやすいほど、
批評的に「ちゃち」ってことね。
もっともそれを批評家的に読むことはそれなりに「楽し」いことではあり、
少なくとも「ガンダムオタクがキャラの口調でレスする」のと同様に「楽しめ」る。
ついていけねえ
普通に気持ち悪いな 実社会じゃ関わりたくないタイプ
656 :
吾輩は名無しである:04/12/06 21:09:22
だって、ここは文学オタクの後藤ファン用スレッドなんだろ?
私的生活、笑い地獄、S温泉からの報告、人間の病気とかは
普通に読んでも楽しいけどな。
おれもそうおもうよ
660 :
吾輩は名無しである:04/12/09 19:22:10
初期の後藤のほうがいいの?
初期、中期、後期と満遍なく好きですが、何か?
『壁の中』は手元にあるのに未読だけどね。
いますぐよめ
663 :
吾輩は名無しである:04/12/11 09:48:01
「針の穴から」は小説なんですか?
読了の方がおられれば教えてください。
エッセイ集だよ
665 :
吾輩は名無しである:04/12/12 02:47:13
>661
『壁の中』、読まずして後藤明生は語れないよ。
とにかく読もうぜ。
持っていないヤツもいるんだから。
666 ロバーツ
667 :
吾輩は名無しである:04/12/12 22:50:01
後藤明生と小島信夫の違いを誰か教えて欲しい。
読めば分かるので読んでください
669 :
吾輩は名無しである:04/12/13 00:03:45
少なくとも小島のような支離滅裂っぽさはないやね
671 :
吾輩は名無しである:04/12/13 18:27:42
小島はなんか野暮ったいんだよな。
洗練されてない感じ。
>>670 つまり、
>>666=m!?
ろばくんのトリップ8464266182には、
奇しくも6が3つある(狙ったのか?)。
666は6が3つあるだけでなく3の倍数。
そういえば、
9分の9、12分の9、15分の9という数字も
3に関係があるのか?
記念
最近、後藤本がとんと手に入らなくって困る。
一応、メジャー(?)どころを中心に20冊近く手に入れて読んだのだが、
ある程度までコレクションが進むと急に行き詰まるね。
俺も20冊くらいかな
675 :
吾輩は名無しである:04/12/14 00:20:28
>>671 「心ある者は獣の数字を算へよ。獣の数字は人の数字にして、その数字は六百六十六なり」
(ヨハネの黙示録 13章)
これでついカキコしてしまったよ。
江川卓の『謎解き罪と罰』からの連想です。
もち、壁の中から、も。
678 :
吾輩は名無しである:04/12/15 21:53:19
>>673-674 『女性のための文章教室』と『カフカの迷宮』がどうやっても手に入らん。
みんな持っているのですか?
『カフカの迷宮』は所持。
『女性のための文章教室』と『カフカの迷宮』、
どちらももってないよ。俺も欲しいな。特にカフカ。
カフカなら、日本にある古本屋で見かけたよ
682 :
吾輩は名無しである:04/12/16 20:11:05
>日本にある古本屋
って、日本の何処だよww
え、ネットで日本、古本屋っていったらあの古書店一括サイトのことでしょ。
つか、ネット環境のある読書家には常識だと思ってたが…。
みんなネット経由で本買わないの?
後藤本はネットで御世話になる事が多いな。
685 :
吾輩は名無しである:04/12/16 22:24:14
同語反復の迷宮、これが後藤の最大の魅力だと勝手に思い込んでいる俺。
もしかして俺、まちがってる?
「同語反復の迷宮」とはどういう意味ですか?
687 :
吾輩は名無しである:04/12/18 02:19:10
>>678 >>680 三省堂の「自分のための文章術」は、わたし、持っています。
後藤明生が添削しちゃうと、素人の文章なのに格段に引き締まってきますな。
『自分のための文章術』は結構ある。
『女性のための文章教室』と『使者連作』、これが激レア。
ハチアカもレアなんだけど
うーーん。困るよね。もう少し何とかしてもらわんと>出版社
しかし、後藤の絶版本が復刊してもどれだけ売れるやら…
古井由吉の『仮往生伝試文』が復刊したけど、これの売れ行きが
一つの目安になるかもね。
ただ古井は現役作家だし、後藤は故人だしなぁ。。
またこの話をして恐縮だけど、
つまり、全集ってことかな。
いちばんいいのは文芸文庫にいれるってことだね
一番好きな作家の全集が存在しない、この事実。
694 :
吾輩は名無しである:04/12/18 20:54:44
文芸文庫の愛読者カードにせっせと要望をしたためておいたんだどなあ。
出版社さん、ヨロシクお願い!!
695 :
吾輩は名無しである:04/12/18 21:48:31
ちょい質問。
『壁の中』の初めのへんの詩は誰の詩なの?
14ページなんだけど、グラジオラスの性器とか、カモノハシの性器とか、昔の飴玉の性器とか。
気になってるんだよぉぉぉ。
教えて、エロイ人。
え?キミ、知らないの?!
697 :
吾輩は名無しである:04/12/19 09:50:01
>>696 えーー?
そんなツレナイ事を言わず、ちゃんと教えてくださいよぉぉ。
マジわかんないんだから。
単語単位でいくつか挙げて、グーグル先生にまず聞いてみろ。
望みの詩を手にすることができるはずだ。
てかもう試してみた。
699 :
吾輩は名無しである:04/12/19 23:38:36
アンドレ・ブルトンの詩だよ。
有名な詩だよ。
700
701 :
吾輩は名無しである:04/12/20 22:13:35
>>698-699 わざわざ教えてくれて有難う御座いました。
ググっても分かり辛かったので助かりました。
御世話になりました。
しかしシュールリアリズムと後藤明生という組み合わせも意外な気がします。
(゚Д゚)ハァ? ウルトラ前衛の後藤ですよ?
703 :
吾輩は名無しである:04/12/21 09:53:01
『首塚の上のアドバルーン』の題名は、
『マルドロールの歌』の「手術台の上のミシンと蝙蝠傘の突然の出会い」
を念頭に置いて付けたとどっかで書いてたか、
しゃべってた気がするよ。
704 :
吾輩は名無しである:04/12/22 00:31:54
首塚そのものがシュールってのがこの小説の主題だろ?
「黄色い風景」とかさ。
705 :
吾輩は名無しである:04/12/22 17:54:15
何?
後藤はシュルレアリストだったのか?
シュールとかウルトラ前衛とか
そういう形容は不適当なんじゃないか。
まだまだだな
707 :
吾輩は名無しである:04/12/22 19:56:50
ゴッちゃんがシュルレアリストかどーか?
対象(事物)と対象の関係、組み合わせの奇異性や幻想性については、
しょっちゅう言ってたし、
それがゴッちゃんの小説のテーマだったのは確かじゃない?
ただ、シュルレアリストかどーかで言えば、それは幾らなんでも、
ちょっとゴッちゃんとは結びつかないなあと言う気がします。
「手術台の上のミシンと蝙蝠傘の突然の出会い」てのは、
関係の幻想性を言う為の方便でしょ。
ごめんうまく書けなくて。
ゴッちゃんというのも後藤と結びつかないなあ
別にいいけど
ゴッちゃんよりメイちゃんのほうがしっくり来ると思うぞ。
俺はどっちも使わんが。
エッセイで呼び名に触れたことなかったっけ?
それだと「ごっちゃん」だったような気もするのだが…
うろ覚えでよく分からないな。
712 :
吾輩は名無しである:04/12/22 22:17:50
『酒猫人間』ヲ参照セヨ
713 :
吾輩は名無しである:04/12/23 00:20:16
平岡篤頼がごっちゃんて
呼んでなかったっけ?
だから、ごっちゃんというのもありではないか。
>>712 「酒猫人間」に呼び名の話が載ってるんすか?
俺、持ってないんすよ、まだ。
情けないっす・・
シュールかどうかなんて談義は俺はしらん。
ただ、後藤はなかなか面白い、それで十分だ。
716 :
吾輩は名無しである:04/12/23 09:58:58
>714
まあまあそう嘆きなさんな
愛読者でも持ってない奴の方が多いんだし
かくいう私も
717 :
吾輩は名無しである:04/12/23 17:45:44
後藤愛読者でありながら、ときどき行く古書店の『酒猫人間』(1200円)を
買おうか買うまいか迷っている俺ってバカですか?
小説なら迷わず買ってきたけど
エッセイだと迷ってしまう。
まあ、年末にまだあったら買うつもりだけど
こういうときに限って売れてたりして・・
718 :
吾輩は名無しである:04/12/23 19:39:16
ほんだらけ川越店にて中公文庫『吉野大夫』をば購入。
150円なり。
>>717 つべこべ言わずに買っとけ。
羨ましいじゃねーか!ww
『酒猫人間』は先にあった呼び名のことや、種村・松山あたりとの交流
(これもかなり前のレスで既出だが)などが入ってたはず。
後藤のエッセイ集の中ではオススメの一冊。
1000円以内でも手に入れることが可能だが、1200円で買っても損はないでしょ。
エッセイは気楽に読めて、小説の箸休めにいい。
721 :
717:04/12/23 20:45:17
>>719 >>720 レスさんくす。
おっしゃるとおりですね。
ぼくが、後藤のエッセイを買うのを躊躇していたのは
家のスペースの問題が大きい。
好きな作家だから、もちろん欲しかったんだけど
本がだんだん増えてきてしまって・・・
やく1000冊くらいだから、文学版の住人として多い量ではないけれど
引越しの際の手間とか、スペースのこととか、そんなことを考えて
最近エッセイはあまり買わなくなったんだ。
でも、猫酒は今度行ってあったら買うよ。
分かるなぁ、その気持ち。
俺もそんなに本の数は多くないけど、置き場所には苦労してるよ。
引越しも数年に一度はあるしね。
大抵、6畳前後の1Rだから、本棚をそんなに置けない。
平積みしている本は度々倒れるしorz
大きな地震がきたら、と思うと(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
そんなに本を仕入れちゃったら、地震の前に部屋の床が抜けるよぉ。
気をつけよう。
じゃあ俺にくれ。
「壁の中」なんて重いぞぉ。
725 :
吾輩は名無しである:04/12/29 11:12:56
立ち寄った古本屋で『日本美の再発見』という旅行案内本を手にとったら、
後藤の紀行文がはいってたよ。
飛騨高山と白川郷を旅した時の紀行文だった。
買わなかったけど、これどっかのエッセイ集にはいってるんかな?
主婦の友社から出てるやつ。
いろいろな作家のエッセーを集めたアンソロジーなんかも
注目して探してみると、後藤のエッセーにばったりと出会うことも。
727 :
吾輩は名無しである:04/12/30 02:11:44
>>725 「分別ざかりの無分別」に入ってるエッセイ?
年越しそばは不精ラーメンで決まり!
>725
日本美の再発見を知らんからなんともいえんが、多分そだろな。
初出は「アイ」と言う雑誌の様だ。
730 :
吾輩は名無しである:04/12/31 11:31:09
今年は後藤の新刊が出たりして恵まれた一年だった。
来年は……?
731 :
吾輩は名無しである:04/12/31 13:48:40
え?マジ?
733 :
吾輩は名無しである:04/12/31 16:52:21
本当だと嬉しいですね。
皆さん、良いお年をお迎え下さい。
734 :
吾輩は名無しである:04/12/31 17:54:50
うん、いい年だったよ。
よいお年を。
┏━━━ / |━━━━━┓
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┃┃ / ヽ ┃┃
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┗┳┳ ヽ__ ¶_ ノ ━━┳┳┛
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凸┃┃ (/) ┃┃凸
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∧_∧ (/) ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
( ・∀・) (/)(´∀` ) < 今年も新刊が出ますように
(つ つミ (/)(⊃⊂ ) \_________
|_|_|_I(/)_|_|_|__
/////ノ,,,,,,ヽ ////|
//////////// |
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
| 奉 納
新年最初のカキコ。
今年もヨロシクです。
古本の『日本美の再発見』、買っときました。
『分別ざかり〜』を持ってないもんで。
>>738 うん、買っといて正解だと思う。
見つけたら買っておかないと
いつ読めるかわからなくなる
二十冊くらい後藤の小説、エッセイを読んだけど、
最近は批評家や他の作家が書いた「後藤明生論」を
読んでみたいと思ってます。
何かお薦めを教えてもらえませんか?
>>740 蓮實とか芳川泰久、渡部直己などが
後藤論を書いてる。
いま、出先で本がないので
他の方、書名のフォローお願いします。
742 :
吾輩は名無しである:05/01/06 19:39:53
>>741氏の出した人で云えば、
蓮實重彦:文学批判序説(河出文庫)
芳川泰久:書くことの戦場(早美出版社)
渡部直己:かくも繊細なる横暴(講談社)
ほかにもあったと思うので、次の人、ヨロシク。
↓
高橋英夫さんが「しんとく問答」でなんか書いてた筈
744 :
吾輩は名無しである:05/01/07 01:16:51
小島信夫「漱石を読む」福武書店
芳川泰久「小説愛」三一書房
平岡篤頼「文学の動機」河出書房新社
蓮實重彦「絶対文藝時評宣言」河出書房新社
蓮實重彦「小説から遠く離れて」河出文庫
スガ秀実「文芸時評というモード」集英社
古屋健三「「内向の世代」論」慶應義塾大学出版会
中澤千磨夫「荷風と踊る」三一書房
>>741-744 皆さん、レス有難うございます。
何ぶん、批評本についてはド素人なものでして。。
とりあえず本屋や古本屋を漁って、みつかったものから
読んでいこうと思います。
746 :
吾輩は名無しである:05/01/09 10:26:22
>>743 高橋英夫『花から花へ』(新潮社)だね。
『しんとく問答』を引用の観点から論じてる。
747 :
吾輩は名無しである:05/01/09 22:24:09
清水徹『読書のユートピア』中央公論社刊
↑
『夢かたり』論
知られていない所では、
多岐祐介著『批評果つる地平』の挟み撃ち論か?
749 :
吾輩は名無しである:05/01/13 19:56:26
群像新人賞選考委員の時、
後藤が強力プッシュした阿部和重氏が遂に芥川賞受賞しましたな。
十年位前だった?
751 :
吾輩は名無しである:05/01/13 21:50:00
安部についての選評は『小説の快楽』で読めるよね。
安部は渡部直己との対談で、
なんかの作品を書いたときに参考にした作品として
『吉野太夫』をあげていた。
誰か選評アップしてちょ。
753 :
吾輩は名無しである:05/01/15 10:17:12
>>749 と謂いつつ、自身は芥川賞を受賞してないんだからな。
後藤の時代だったら阿部のような作品でノミネートすらされなかったと思うが。
あの頃で阿部を評価するとしたら三島由起夫くらいか?
ようやく『壁の中』を読み始めた。
まだ最初のあたりだけど、これ面白いね。
個人的には安部公房の『箱男』を読んで以来の面白さ。
ちなみに後藤ファンだったら、阿部和重も楽しめるのでつか?
J文学とか渋谷系とか、そういう枕詞を通じてでしか知らない
のだが、芥川受賞を契機に読んでみようかな。。
755 :
吾輩は名無しである:05/01/15 12:16:23
後藤ファンというほどじゃないが、後藤も阿部も読んでる。
もうひとりの安部のほうもかなり読んだ。
二人の安部・阿部は作風が同一パターンの作品が多いのがネック。
そのへんは後藤は『壁の中』にしてもそうだけど
読者に時折意外性を与えるんじゃないだろうか。
阿部昭はどーなんですか?
阿部和重は後藤の影響を公言しているからね。
758 :
吾輩は名無しである:05/01/16 02:01:00
>>756 阿部昭も個人的にはいい短編作家だと思いますが、いかんせん後藤と作風が違いすぎる。
比較できない。
759 :
吾輩は名無しである:05/01/16 11:40:44
早稲田の某店で「壁の穴」が3500円で出てた。
高い?安い?
『壁の中』だろww
>>759 スパゲッティ屋ですか?w
俺は1800円でゲットした。>『壁の中』
状態良好でかなり気に入っている。
ちなみに『壁の中』には、
[付録]「『壁の中』を読む」高橋英夫 が付いてます。
まぁ付録つき、帯つき、状態良好なら、俺だったら
3500円でも買うかな。
なかなかお目にかかれない本だしね。
おれは『壁の中』2000円で買った。
帯つき、初版、付録つき、状態よしで、
超ラッキーだったよ。
そこは安いお店で、古井の『仮往生』も2000円だった。
ただ、『壁の中』を図書館以外で見たのは
それ以後ない。
3500だったら、絶対買っとくべき。
早く買いに行ったほうがいい。
さもないと・・・
絶対買っとけ。
後で後悔しないために。
>>760 穴があったら入りたい。。。
>>763 はい。明日にでも。
俺のもんだから抜け駆けしないでね。首都圏の皆さん。
早稲田の古本屋か。
じゃあ明日朝早く・・・・・・
たぶんあそこだろう
では開店直後に・・・・・・
早稲田の古本屋で純文。。
パラフィン紙で丁寧に包んである、あのお店ですかね。
759さんは、もう手にいれたのかな?
皆さん、助言ありがとうございました。
無事getしました。
帯付、付録付の美本です。
基本的には古本は定価以上では買わない主義なのですが、
まあ満足です。
>>767 そうです。「あのお店」です。
店がまえはそっけないけど、行けば大抵何かしら見つかるので
重宝する店ですな。
さて、積読にならないよう気合を入れねばw
やはり、あそこですか。
あのお店は本当に品揃えと品質がいい。
値段は多少高めのときもあるけど、まぁ許容範囲だし。
僕はあのお店で『蜂アカ』や古井の『仮往生』といった稀少本を
手に入れましたよ。
何はともあれ、『壁の中』ゲットおめでとう!
770 :
吾輩は名無しである:05/01/17 23:37:46
『壁の中』をはじめ、長篇は一定の評価のある後藤。
しかし短篇作家としてはどうなんだろ???
アンソロジーなんかに入ってることもあるのだろうか。
ちょっと前に「嫉妬」ってのを読んだけど、変てこな短篇だったなあ。
やっぱ『謎をめぐる数通の手紙』は短編集になるのか?
『謎の手紙をめぐる数通の手紙』だった。
ごめん。
773 :
吾輩は名無しである:05/01/18 01:20:37
『謎の手紙』大好きだなあ。
どなたかのレスにもあったとおり
『壁の中』の裏バージョンだね。
大のお勧めです。
箱の装丁も超グッド!
ただ、なかなか手に入らないのが玉にきずかな。
774 :
吾輩は名無しである:05/01/18 19:23:27
『謎の手紙』は図書館で読んでみるよ。
しかし初期の短篇を読むと(『壁の中』もそうだが)、
やたら不倫ものが多い。
後藤にとって性とは不倫なのか?
775 :
吾輩は名無しである:05/01/18 22:19:28
「パンのみに非ず」は断食ものだった。カフカから着想か。
断食芸人でしょう
777 :
吾輩は名無しである:05/01/20 21:08:14
>>752 亀レスで悪いけど、群像新人賞の選評はこれだよ。
↓↓↓
阿部和重の『アメリカの夜』は、まず書き出しに魅力を感じた。カフカのある作品の
気分=論理である。途中、「アート系」学生たちの三角関係に少々退屈したが、やが
て<語る私=語られる私>のテーマが出て来た。また<模倣>のテーマが出て来た。
すなわち、これは<自己言及>のテーマを<模倣>の方法で書こうという試みである。
ただ、結末の墓誌の誘惑は、いささか「文学」的である。しかし<読むこと=書くこ
と>というテキストの原理を、そのまま小説のテーマ=方法にしようと試みた作者に
は、たぶんそのこともすでにわかっているのだと思う。その可能性に一票を投じた。
「可能性と原理」(『小説の快楽』p100)より
阿部和重に言及したのはこれだけ?
後は知らないし。
778 :
吾輩は名無しである:05/01/21 00:16:15
「パンのみに非ず」は「続・断食芸人」。
「パンのみに非ず」なんかは阿部の小説と接点があるんじゃないかな。
わたしは見張りだ
『壁の中』に出てくる7コマ大学は早大の戸山キャンパスですね。
スロープ、コの字型の校舎、研究棟への移動方法、周辺の道路と地下鉄。
早稲田文キャンのスロープは、早稲田出身作家の作品に必ずといっていいほど
よく出てくるけど、後藤の作品にも登場したのか。
781 :
吾輩は名無しである:05/01/21 22:42:04
>1
「笑い地獄」はイマイチだったよ。
783 :
吾輩は名無しである:05/01/22 10:28:48
おもちゃの知、知、知って……ww
誰か持ってますか?
785 :
吾輩は名無しである:05/01/23 07:54:12
持ってるぞ。
とにかくゴッタ煮感覚の、言葉では説明し難い本だ。
本人は「アマルガム」と表現していたな。
この作家で一番面白い短篇集は『謎の手紙』なのか?
787 :
吾輩は名無しである:05/01/23 17:19:39
初期の作品集(私的生活・笑い地獄・書かれない報告…)はカウントしないの?
あれは短編集じゃないのかな。
スケープゴートもお勧めだけど。
788 :
吾輩は名無しである:05/01/23 23:34:30
笑い地獄、書かれない報告、関係、
このあたり愉しんで読めた人っている?
>>787 短篇集ていうか、中篇集でしょう。
分量も百枚前後と、そこそこあるからねえ。
『スケープゴート』も不思議な作品集だよね。
790 :
150:05/01/24 18:30:05
以前、町田の成■堂で『首塚』と『メメント・モリ』を
買ったと報告した者だが、本日、同書店で『壁の中』をゲットした。
帯・付録(高橋英夫の解説)つき、初版(初版以外ないっけ?)、状態よし
1500円!!!
実は、『壁の中』は持ってるし、読んでもいるのだが、
最近、後藤を読み出した友人がいるので
そいつにあげようと思って買ったのだ。
いやはや、たまには掘り出し物もあるものですね。
おぉ、なんだか最近、『壁の中』ラッシュだなw
ていうか、おれにくれ。友人じゃないが。
俺も、もう一冊『壁の中』が手に入ったら、古井由吉ファンの彼女に
プレゼントしようかな…。
なんでわざわざ古井ファンに?
いや、単純に俺が後藤を好きだからなんだが。
純文学でそれも古井好きの女の子なんて稀少じゃないのさ。
そんな子にだからこそ後藤のことも知ってほしいっていうか、
そういう俺の一方的な願望だな…。
古井好きのひとなら、後藤も面白いと思うかもね。
それにしても、珍しいカップルだね。
ぼくの場合、古井とか後藤とか、名前を知ってる友人自体いないよ。
ちょっとしたニュースだよ。
いまヤフオクに 女性のための文章教室 が出品されてるぞ。
欲しい香具師は行ってみ。
俺はヤフオクでは買わない主義なので…
できれば欲しかったが_| ̄|○
このスレを読んでると、
大学の図書館に行けばいつでも好きなのを読めるって幸せなんだなあ・・・と思う。
まあもうすぐ卒業なんだけどさ_| ̄|○
799 :
吾輩は名無しである:05/01/27 23:04:58
>>795 でも古井好きだって謂う女子は、文学少女だと意外といる希ガス。
でも後藤はどうかなあ。
どっかの小説で自分で書いてたんじゃなかったけ?
「女、子供に関係のない小説」と誰かから批評されたとか何とか。
文学的(括弧付きの)じゃないしさ。
>>797 おれもヤフオクでは買わない主義。
ていうか、たいていカード決済だから、
カード無しの俺には無理。
いまのところ、ixionが最高入札者だよ>『女性のための』。
俺は持ってるからいいや
またixionか。
ヤフオク好きだな、奴は。
>>798 ( ´,_ゝ`)プッ
本を所有すること、つまり自分の手で「買って読む」ことに意義があるんだよ。
俺のゼミの先生は、良い本は絶対に買って読め、と言ってたぞ。
ゼミの先生ですかw 随分素直なお子様ですね。
805 :
吾輩は名無しである:05/01/28 14:26:12
>>803 お前の「ゼミの先生」がそう言ったから何だと言うんだ?
そいつの言うことは全部正しいとでも言うのか?
なんだかしらんが、釣り釣られで大変だな。
でも、好きな本はやっぱり手元に置いておきたい。
図書館で借りて読むだけじゃ満足できない。
古本屋めぐりだって、結構楽しいし。
実際に古本屋を足使ってまわったり、ネットで漁ったり、、、。
そう言う意味では
>>803の本を所有=買って読むこと、には賛成。
807 :
吾輩は名無しである:05/01/28 15:41:56
そんなことしてたらいくら金があっても足りないよ
あまり本を読まない奴なら別だが
あまり本を読まない上に貧乏でかわいそう↑
>>808 お前みたいに本を読まない上に洋書を買ったりしない奴には分からないわけだ。
まあまあ、喧嘩しないでよ・・・みんな
おれも本は買って読むタイプですが、
後藤のように、手に入りにくい作家は
しょうがないのではないでしょうか?
割と手に入りやすく、価格もそこそこで入手できるなら
もちろん買って読んだほうがいいのかもしれないけど・・・
俺もずいぶん後藤の本を集め、また読んできたけど、
『おもちゃの知、知、知』とか、『使者連作』あたりは
図書館に頼るほかないと思っているよ。
さいわい、最寄の図書館に置いてあるし。
本を買わなきゃならん病気が極限まで進行したのが荒俣だな
>>812 荒俣さんって、年間どのくらい買うのだろうか。
数百万いくんだろうな。
フランスの古書買ってる鹿島茂もすごそう。
「しょうがない」っていうのは図書館でもしょうがないということね。
わかりにくく書いてすいませんでした。
古井由吉スレみてると、近々、古井さんの公演&サイン会があるんだね。
後藤さんも生きておられれば、サイン会とか絶対いくのに。
(『壁の中』に直筆サイン入れてほしい!)
同じ内向の世代と言われた作家さんたちなのに…古井ファンが羨ましいぜ。
>>815 禿同。
ただ、俺の場合、古井もけっこう読むので、近場なら行きたいところだった。
といっても、神田まで1時間半程度だから、大して問題はないんだけど。
まあ、後藤だったら、絶対行くだろうね。
サインって基本的には、新刊本のみなんだろうけど、
『蜂アカ』とか隠していって、その場で出したら
たぶん、生前のごっちゃんは気軽にサインしてくれただろうと思う。
今年夏頃、後藤集成(予)。K社。
本当っすか? K社と言ったらあそこか。
819 :
吾輩は名無しである:05/01/30 01:35:49
>>816 本当に気軽にサインしてくれるんかな。
ごっちゃんというキャラがピンとこないんだけどさ、生前はどういう人だったの?
お酒の好きだった話は色々聞くけど、実際はどうなんだろ。
生身の後藤知ってる香具師はいる?
820 :
吾輩は名無しである:05/01/30 02:21:18
>>809 わざわざ洋書買ってるって触れる時点で君が
洋書を買うことに慣れてないのがわかるなあ
貧乏人って他人に価値観を押し付けるから嫌い
↑無視できないやつも一緒に放置して話題を変えようぜ!
823 :
吾輩は名無しである:05/01/30 02:51:36
↑無視できないやつも一緒に放置して話題を変えようぜ!
>>820 いちいち「洋書」というところに引っかかってるお前は洋書コンプレックスw
826 :
吾輩は名無しである:05/01/30 02:57:21
>>820-
>>824 おまえらウザイからここから失せろ!! とくに820、お前!
827 :
吾輩は名無しである:05/01/30 02:59:11
今出てる「青春と読書」にエッセイ発表してなかったっけ?この人。
828 :
吾輩は名無しである:05/01/30 03:01:04
うおお、間違えた
>>827は古井のことだった orz
後藤先生はすでにお亡くなりになってますよ
古井先生もある意味「すでに死んでいる」わけですが
後藤ファンってこんな低レベルな下衆ばっかだったんですね。
好きな作家なので期待してみましたが覗いて損しました。
もうきません。もっと大人になってください。
>>829 そういう意味では、二人とも「すでに死んでる」ところから文学を始めた訳だよね。
後藤もそうなのかね?
あまり生と死の問題とかを扱ってる印象はないんだけど。
そんなに読んでるわけじゃないからあれだが。
834 :
吾輩は名無しである:05/01/30 20:02:06
古井は「わたしはすでに死んでいる」と最近もそこかで書いてたっけ。
仮往生の人だからね。
後藤にはそうした仙人ぶりはないんじゃないかな。
彷徨いあがき続けるようなところが根っこにあると思う。
835 :
吾輩は名無しである:05/01/30 21:04:43
>>古井は「わたしはすでに死んでいる」と最近もそこかで書いてたっけ。
文芸春秋だね。
『メメント・モリ』と古井の『魂の日』を読み比べると、
古井との違いがよくわかる。
古井の場合、病の中で衰弱や老いを受け入れつつ
生と死を見つめるような感じで、
後藤の場合、病室でセブンスターをど2箱すって、
窓から煙をパタパタあおぐとか、
病にあっても、ふてぶてしい観察者であった。
どっちの場合も、普通じゃなくて面白い。
それぞれ違った面白さがあるよね。
その上でどちらを選ぶかというと好みの問題になってくるのかな。
>>835 >後藤の場合、病室でセブンスターをど2箱すって、
>窓から煙をパタパタあおぐとか、
>病にあっても、ふてぶてしい観察者であった。
「メメント・モリ」か。
こういうシーンを読むと、死を超越しちょると感じるな。
死の恐怖を感じていないのか、後藤は!?
きょう、『酒猫人間』(1500)、『分別ざかりの無分別』(1200)、
『八月/愚者の時間』(2000)を買ってきたよ。
どれも味のある装丁で見ていて楽しいけど、
個人的には『八月/愚者の時間』が一番いいな。
すごく、シュールな感じの絵でおもしろい。
>>838 一ヶ月以上経ってるのに、よく残っていたね。
>『八月/愚者の時間』
( ゚Д゚)ホスィ
ところで僕はいま(だに)、『壁の中』と格闘中なんだが、
この作品には後藤の今までの小説やエッセイで語られた
テーマやモチーフ、引用や評論などがてんこ盛りですね。
>>839 おっと、はやいレス、サンクスです。
その店は、品揃えもよく、値段も安いという、いい店なのだけど、
人通りの少ないところにあるせいか、商品の回転はゆっくりなんですよ。
『壁の中』、ぼくも昨年読みました。
たしかに、てんこ盛りのすごい小説ですね。読んでから、
1年に満たないけれど、早くも読み返したくなっています。
『壁の中』と格闘するのは面白いですから。
>>834-837 その違いが二人の文章の違いになっているのやもしれん
どっちも好きなのだが
いきつけの古本屋にてメメント・モリ発見!
久々に後藤本キター、と思ったら著者・藤原新也だったorz
いいじゃん。
藤原新也も好きだぞ、俺は。
↑
よく間違うよね
845 :
吾輩は名無しである:05/02/04 00:16:05
『使者連作』が気になりつつも何時までも買えないままの俺。
古本でもまったく見つからんぞ!
俺は何年か前、漫画とエロ本メインの、場末の汚い古本屋で、
「使者連作」を200円かそこらでゲットした。
「夢語り」も、じいさんが惰性でやっているような汚い店でゲット。
たしか500円だった。
ただ、こういうことはそうそうない。
「夢語り」→「夢かたり」
848 :
吾輩は名無しである:05/02/04 20:15:03
>>846 図書館で読んだよ>使者連作
韓国旅行の話。
ビュトールの友人の韓国人女性と知り合ったとか、金鶴泳の自殺に触れたりとか。
シャーマニズムへの関心は『汝の隣人』らへんからの発展かな?
849 :
吾輩は名無しである:05/02/05 10:34:03
連作短篇集って何冊あるの?
で、傑作はどれ?
首塚としんとくしか読んでない。。。
夢かたり
笑坂
八月/愚者の時間
嘘のような日常
汝の隣人
使者連作
851 :
吾輩は名無しである:05/02/05 14:26:35
後藤氏が生きてたら、今回のW杯予選・日本対北朝鮮戦にはどういう感想を持つんだろうね…。
まぁ、それ以前に大の野球好きな後藤氏のことだから、サッカーには目もくれないかもしれないが。
>>851 おそらく華麗にスルーじゃないでしょうか
854 :
吾輩は名無しである:05/02/05 19:45:54
華麗にスルーって、柳沢・宮本のオサレスルーかよ。。
856 :
吾輩は名無しである:05/02/06 01:34:41
『夢かたり』は、偽装された回想小説、と言うべきか。
ドラマ性が欠落しているし、回想に伴うリリシズムやセンチメンタリズムも、当然ない。
個々のエピソードも焦点を結べず、断片化してるし、後藤を知らない人が読んだら
騙されたと言うかもしれない。
ある意味、『吉野大夫』と同じ匂いがする。
故・水上勉氏は、後藤は小説のドラマ的要素や面白い部分をすべて
削ぎ落として行ったと、言ってたが。
でもゲットするんが甚だ困難
ぼくは図書館で借ります。
860 :
吾輩は名無しである:05/02/06 21:14:39
>>850 >>854 ありがとサンXです。
連作短篇集がもつ、長篇でも短篇集でもないところの
ユニークさや面白さってやはりあるんでしょうね。
この小説は昨年一年間、雑誌「海」に連載して出来上った。書き方は、まず第一回
を書き、次はその書かれた前のものをモチーフにするという方法だった。そういう書
き方で、一月号から十二月号まで十二回書いた。だから、全体は六百枚近い長さにな
ったが、作り方は連歌、連句に似ていたかも知れない。
わたしがここで書こうと思ったのは、自分の過去を思い出している一人の「私」で
ある。わたしの過去は、朝鮮につながるものだった。このことはすでに、他の幾つか
の小説にも書いた。朝鮮とわたしの結びつきは、確かに日本人として幾分か特別のも
のであっただろうと思う。
しかしわたしはここで、何か特別な体験を書いたつもりはない。当の本人にとって
は、どのような体験も、いわゆる特別な体験などというものではなく、あくまでも自
分の体験に過ぎないのである。
ただ、そう考えるまでには、正直にいって多少の時間がかかった。敗戦のとき中学
一年生の小坊主であったわたしが、四十三歳の中年男に変化するくらいの時間はかか
ったのである。
わたしは敗戦のとき自分が植民地の中学一年生であったことを、幸せだったとも不
幸だったとも思わない。ただ少しばかり厄介な運命であったと思っている。つまり、
ある日とつぜん変化が起こった。数珠つなぎにされた朝鮮人たちが放り込まれていた
警察の牢屋に、今度は日本人が入ることになったのである。
それは、とつぜんであり、原因不明であったがために、幻想的であった。同時に、
そのような原因不明の世界にとつぜん放り出された半人前のわたしは、まことに滑稽
な存在であったに違いないと思う。そしてずい分長い間、わたしはその自分の体験を、
多少なりとも特別なものではなかろうかと思っていたのである。
しかしどうやら、それがまことに当り前な世界の構造であることにわたしも気づい
た。ただ、今度は、あの場所からこの場所に移って来たわたしが、こうやっていま生
きていること自体が、どことなく不思議なことに思われて来たのだった。あのときま
でのわたしと、いまこうして四十三歳になっている自分とが、間違いなくわたし自身
であることが不思議なのである。
ご覧の通り、この小説では、資料は何も使わなかった。例えば「鞍馬天狗」中の
「永興事件」にしても、精しい資料を使えば、自ら別の物語になったと思う。わたし
たちが小学校の遠足に出かけた順寧の朝鮮寺は民族運動の拠点であって、そこで見た
木靴をはいた朝鮮人僧たちはその運動の戦士たちの世を欺く姿だった、というような
ことも、あるいはあったのかも知れない。
しかしわたしがここで考えたのは、一人の人間の記憶と、事実との関係ではなかっ
た。わたしの関心は、まことにあいまいで辻褄の合わない記憶と、現在の関係であっ
たのである。先に書いた不思議さは、たぶんその関係の不安定によるものだろう。わ
たしはその不思議さを、書きたいと思った。
もちろん、現在からみて過去が夢だというのではない。また反対に、過去からみて
現在が夢というのでもない。この小説でわたしが考えてみたのは、過去から現在へ向
う時間と、現在から過去へ向う時間の複合だった。その両者が二色刷りになった、時
間そのものである。
「夢かたり」というのは、そういう二色刷りの時間を書くのに、わたしが考えてみた
一つの方法だった。だからこれは、この小説の題名であり、同時に方法であり、また
スタイルでもあったといえるだろう。
最後に、ここで使わせてもらった何冊かの書物の著者に更めてお礼を申し上げたい。
また、ここに実名で書いた古い知人友人たちの多くは、いまだに消息不明のままであ
ることをつけ加えて置きたいと思う。
昭和五十一年二月
後藤明生
『壁の中』、やっと第一部を読み終えた…
865 :
吾輩は名無しである:05/02/07 19:48:04
>いよいよ荷風センセイとの対話篇だ!
しかし、あれですね。
対話とは哲学の基本だ、と誰か(後藤氏?)が言ってましたよね。
結果がまずありきの論文と違い、小説を書くという行為も内省的な営み
である、と後藤氏がどこかのエッセイ(もしかしたら『壁の中』中)で言ってました。
第二部を迎えるにあたって、そんなことを思い出しました。
すぐに読書を再開したいところですが、今日はこれで終わりにして、
また明日から少しずつ読み進めていきますよ。
お、これは奇遇ですね。ぼくも第一部を読み終えて、さっきから荷風センセイとの対話篇を
読み始めたところですよ。
868 :
吾輩は名無しである:05/02/08 19:32:31
>>866 『汝の隣人』でプラトン、ソクラテスに言及してるしな。
『対話はいつどこででも』って謂うプラトンについての対談集も出してる。
こっちは未見なんで詳細は不明だが。
ネットで新刊書店の在庫チェックしてると
『小説は何処からきたか』がまだある店があるね。
買っといたほうはいいかな、これは
買っとけ、買っとけ、どれでも買っとけ
『八月/愚者の時間』
『疑問符で終る話』
『もう一つの目』
『針の穴から』
今日は4冊ゲットしました。
持ってない後藤本は即、買いです。
北朝鮮戦みてたが、日本はきっちりと圧勝しないといかんな。
相手が「北朝鮮」ってことを意識して言ってるのではなく、
ただ格下相手には普通に圧勝しないとまずいっしょ。ホームだし。
強敵イランがいるし、後々の得失点差のこと考えるとなお更。
873 :
吾輩は名無しである:05/02/13 00:56:28
>>868 『対話はいつどこででも』を持っている人はいます?
かく言う私も持っていません。
874 :
吾輩は名無しである:05/02/13 10:25:49
浄閑寺のまわりをアミダくじ式にああだのこうだの言いつつ、高見順がでてきたところ。
仕事のあいまに読んでるから、進行具合はゆっくり。。
876 :
867:05/02/13 14:06:57
あ、俺は読了したよ。面白かった。まだ読んでない後藤本が結構あるのでいろいろ
読み進めていくつもり。その前に古井の「仮往生」に浮気しますw
『壁の中』兄弟って……(^^)
しかし、『壁の中』を読了したら、なんだか脱力気味になりそうな気がするのだが…。
なんつーか、これって後藤さんの集大成的な作品じゃないですか?
まだ未読の初期・中期の作品がいくつか手元にあるけど、読みたいというモチベーションを
失ってしまわないか、ちょっと不安でして。
『壁の中』の裏バージョン(?)といわれてる『謎の手紙〜』は、このスレを
読んで気になっているけど、中々手に入らないし。
幻●社の人がやってる後藤明生レビューのコーナーいいですね。
後藤ファンやこれから後藤を読む人たちに参考になる。
所蔵本の画像も(・∀・)イイ!!
ちなみに漏れは幻●社関係者ではないので悪しからず。
880 :
吾輩は名無しである:05/02/13 19:55:24
>>878 汝の隣人もシビれる位イイぞ!
それと、この人を見よ、も。(昔、時々立ち読みしてた位だが)
882 :
吾輩は名無しである:05/02/15 00:53:36
『謎の手紙〜』の表題作は面白無気味ラビリンスって感じで最高でしたが、
そのほかの短篇はちょっとパンチが弱いような気がしました。
連作短篇集では
>>850で挙げられているもののほかに
『スケープゴート』前半部もそうですね。
883 :
吾輩は名無しである:05/02/16 02:47:30
『スケープゴート』の連作とは、太宰をモチーフにしたあれ?>「サイギサイギ」とか。
連作という割りには四編てのは少なかねー?
でも四篇だから連作じゃないという問題でもないだろ。
885 :
吾輩は名無しである:05/02/16 18:21:28
『スケープゴート』四篇の連作はたしか(記憶あいまい)
『壁の中』と『首塚』の間ぐらいに書かれてたと思うんだけど、
途中で手術をしたりしたこともあってちょっと中途半端なのかな。
本当はもっとボリュームを出したかったんじゃないだろうか。
「サイギサイギ」「変形」「子供地蔵」「スケープゴート」は、いずれも「文学界」
に<小説>として発表した四篇である。ご覧の通り、津軽のイトコ二人に宛てた書簡
体のもので、このあと、宛先を変えて、もう何篇か書くつもりだった。いわば津軽シ
リーズであるが、実際には「海」連載中の『壁の中』があり、「文芸」に断続連載の
連作『汝の隣人』あり、という状態で、「文学界」編集部にはまことに相済まないと
思いながら、なかなか書けなかったのである。
隔月とか三か月に一回とか約束したわけではなかったけれども、半年以上も間があ
いたのでは、シリーズの意味もなくなるであろう。それでこの際「文学界」編集部の
諒解を得て、このアマルガム本に入れることにした。
この四篇は、ご覧の通り、いずれも太宰作品をテキストにしている。何年か前たま
たま金木町の斜陽館を見物する機会があり、最初は斜陽館のことを書くつもりだった。
ところが書くうちに、次第に太宰作品が増殖をはじめ、なかなか斜陽館にたどり着か
ない。そしてご覧の通り、四篇目も斜陽館に到着する手前のところで終っている。
もっともこれは、何もこの小説に限ったことではない。わたしの小説の書き方だと
もいえる。つまりこの四篇は、太宰作品をめぐる小説であり、太宰作品を読む小説で
あり、フィクションによるフィクションである。いわゆるシリーズ小説としては未完
成であるが、間違いなく、わたしの<小説>なのである。そして、だから、このアマ
ルガム本に<小説>として入れることにしたのである。
887 :
885:05/02/16 21:29:13
>>886 どうもどうも。やはりそんな感じだったか。
『壁の中』あり『汝の隣人』ありじゃ仕方ないよなあ。
『スケープゴート』後半の三篇には『蜂アカ』後日誕の
「ジャムの空壜」があったと思うんだけど(たしか)、
同名の小説が佐川にあるのがちょっと気になってる。
1980年代の後藤の仕事っぷりはスゴイね。
>>887 佐川の「ジャムの空瓶」は後藤作品の意図的な使用ですよ
おかげさまで、昨日、『壁の中』を読了しました。
今日から『汝の隣人』に入ります。
以上、報告でした。
891 :
吾輩は名無しである:05/02/17 19:14:44
佐川君は、当時、かなり後藤明生(のユーモア)を意識してたな
893 :
吾輩は名無しである:05/02/18 05:18:28
>>890 途中から、「とつぜん」、プラトン論に突入してゆくのが、
なんでこうなるの?ってな感じだねぇw
そこがシビれるYO!
>>891 対話の密度と量には圧倒されました。
他にもいろいろと思うところがあったけど、それは
誰にも読まれることのない(もう、大学は卒業したんで)、
自分のなんちゃって論文に書いてみようと思いますw
>>893 ネタばれ・・・?(#゚Д゚) ゴルァ!!
佐川君はもう変なもの食べないように!
佐川さんって人はモブのときとか、それ以前にも何回か芥川候補に
なってた人でしたっけ?
自分は現役作家といえば古井さんとか笙野さんくらいしか読んでないけど、
このスレの住人さんたちの、オススメ若手現役作家っていますか?
897 :
吾輩は名無しである:05/02/21 00:00:14
ある程度読んでる現役作家の大御所では大江。
若手や中堅では、阿部和重はかなり読んでるヨ。
898 :
吾輩は名無しである:05/02/21 00:38:05
現役作家で本が出たら買うのは
大西、古井あたりかなあ。
大江と金井美恵子も、ある程度は本を買ってる。
図書館などで、ときどき借りるのは保坂とか川上とか。
話題になった作家の著作も、とりあえずは借りて読む。
気に入ったら、文庫買ったり・・・という感じですね。
おっと、「若手」現役作家だったね。スマン。
若手だったら、897氏同様、阿部くらいしかいないかも。
おれも阿部ぐらいかなあ。奥泉の昔のやつなんかも好きだけど。
901 :
897:05/02/21 22:01:27
898氏と同じく、昔は金井美恵子や源一郎は読んでたけど最近はご無沙汰。
阿部のほかには、ちらっと読んでみたものとして
舞城、笙野、中原、町田、吉田、保坂、多和田、川上、佐伯、目取真なんか。
多和田葉子はかなり好き
893さん、「ネタばれ」とか「(#゚Д゚) ゴルァ!!」なんて言ってゴメンなさい。
今は反省しています。『汝の隣人』楽しめてます。
ご指摘の「突然」のプラトン論もとても痺れるじゃあありませんか。
『壁の中』を読んだ後だし、「対話」と哲学、それと後藤氏お得意の
「方法」とかがキーワードになっていて中々読み応えあります。
またこれから続きを読んできます。それでは。
904 :
吾輩は名無しである:05/02/23 00:12:57
>>893と
>>903の「とつぜん」/「突然」の差異で気がついたが、
後藤作品では、突然は、「とつぜん」と平仮名表記なんだよな。
前も「わたし」と「私」の差異で問題になってたが。
>>904 「とつぜん」の平仮名表記に関しては蓮実重彦が後藤氏との対談で指摘してました。
『魂の唯物論的な擁護のために』所収の対談です。「昔は平仮名で、最近はときどき漢字で
書くようになりました。」と言ってます。「あの頃は何でもいいから実体のあるものを壊したい
という感じがちょっとあったんですね。」ということだそうです。
>『魂の唯物論的な擁護のために』
これ近くの古本屋で1100円して、買おうかどうか迷ってる本だ。
今度いったときに置いてあったら買っとこ。
>>906 そのぐらいの値段なら買っても損はないと思いますよ。
後藤氏との対談も結構面白い。難点はちょっと短いということかな。
この対談は『スケープゴート』に付録として付いていた対談を再録したもののようです。
908 :
吾輩は名無しである:05/02/23 20:06:39
「海燕」'96年1月号の鼎談は知ってますか?
参加者:後藤・蓮實・久間十義
タイトル:日本近代文学は文学のバブルだった
サブタイトル:資質、才能、インスピレーションという三種の神器への疑問
サブタイトルからおおよその内容は推察されると思いますが、
こっちはやや長目で面白いですよ。
お三方の顔写真が何故か楕円形の枠に収められてるのも、可笑しい。
後藤の『しんとく問答』、久間の『世紀末鯨鯢記』が取り上げられてますが、
後藤が久間氏を、
「幻想ロマン派の社会派」に分類してるのが面白かった。
909 :
吾輩は名無しである:05/02/24 21:35:54
911 :
吾輩は名無しである:05/02/26 20:12:33
ん?『汝の隣人』のことなら、数日前に読了したぜ。
いまは『八月/愚者の時間』と『もう一つの目』を併読中。
ネコのナナが・・・。゚(゚´Д`゚)゜。
平仮名表記は勉強になったyo
914 :
吾輩は名無しである:05/02/28 19:42:17
『もう一つの目』に収録されてる、後藤の野球ネタ(王監督が云々)は退屈だね。
こういう薀蓄系の話題は、どーでもいい人にとっては本当にどーでもいいw
そもそも、いまではプロ野球そのものが古臭く感じてしまって(あくまでも個人的な好みだが)。
時間がたてば古くなってしまうのは、時事ネタエッセイの運命だよね。
でも、エッセイなんだから、別にいいやん。
元野球少年&キングコングス監督兼選手だったゴッちゃんらしいこだわりで、
俺は結構好き。
916 :
吾輩は名無しである:05/02/28 21:09:45
そうですね。エッセイだから「こういうのもありか」と思ってはいたのですが、ついつい…(笑
まだ前半のほんのはじめしかよんでいないのですが、今のところ下関・関門海峡絡みの回が良かったかな。
自分は中国地方出身だけに「日本海の落日」には惹かれるものがありました。
>>915 なんせ後藤にとっての巨人は川上巨人だからな(w
これはこれで貴重さーね
>>916 買って読んだ甲斐がありました。
読んでから数日以上経ってるし、メモを取りながら
読んでたわけでもないので、具体的にどこがどのように
良かったか、ここで述べられないのが残念ですが。
僕は永興ものやハイツ関連の作品よりも、『汝の隣人』や
『壁の中』が今までに読んだ後藤作品の中では好きですね。
920 :
吾輩は名無しである:05/03/01 20:32:51
海援亭の対談シーン、スゲー好き。
現実とフィクションがメビウスの帯みたいにねじれてく!
博多にいる関東出身(?)のT君とのやりとりだったっけ?
海援亭の時とは違うかもしれないが、GがTとの会話を創作(?)するといった仕掛けとか、
それを踏まえてTがGに書き送る逸話(か創作)のやり取りとかあったよね。確か。
ぬるぽ
あれ
ヤレヤレ ┐(´-`)┌ マイッタネ
926 :
吾輩は名無しである:05/03/04 01:24:45
おい! ixionが楽天に後藤を大量出品していますよ!
ixion、どうしちゃったんだ?!
928 :
吾輩は名無しである:05/03/04 02:17:05
働き口が決まらないのだろう
ちょっと値段設定高くない?
それにしてもいっぱい出品してるなあ。
930 :
930:05/03/04 09:37:23
>>919 あー、『汝の隣人』がほしくなってきたよ。
『汝隣』持ってるオレは『蜂アカ』が欲しい
932 :
吾輩は名無しである:05/03/05 10:51:09
『蜂アカデミーへの報告』は確か新潮社刊だよな。
それなのに圧倒的に部数が少なかったのか?
古書でもまったく見ない。
随分スレのびてるが後藤ってこんなに人気のある作家だったんだ。
『蜂アカ』は、いわゆる「文学」とか「小説」を期待して
読むと手痛い不意打ちを喰らうような異色(?)の作品だからね。
文学ファンにも受け付けない人がいたであろうことは、容易に
想像できる。当時の書評でどんなことを書かれていたのか、興味ある。
>>934 でも後藤の作品って皆そうじゃないですか
まあそういわれればそうだが、蜂アカはとくにってことじゃないか?
11章の「蒐集」とか、後藤自身が<その第十一章は切り抜いた
新聞記事のコラージュである。>といってるけど、一章が丸々ああいう
形式を取ってれば、ちょっとした後藤ファンでも面食らいそう。
野中ユリさんの装丁と挿絵のおかげで、<お蔭で女性読者にも
好まれそうな、大変シャレた本になった。わたしの本では珍しいことだ。
実際、もしかするとこの本は、野中さんのファン全員が買ってくれる
のではなかろうか、と空想したいくらいでもある。>とも言ってる。
シャレた本なのは確かだな。
でも正直、売れてないだろ。たぶんw
937 :
吾輩は名無しである:05/03/05 19:03:42
『使者連作』 『女性のための文章教室』 『虎島』 『ドストエフスキーのペテルブルグ』
『謎の手紙をめぐる数通の手紙』
この5つがどうしても手に入らない。
あと『スケープゴート』も。
それと文庫もなかなかお目にかかれないね。
938 :
吾輩は名無しである:05/03/05 21:51:05
>>936 >お蔭で女性読者にも
>好まれそうな、大変シャレた本になった。わたしの本では珍しいことだ。
>実際、もしかするとこの本は、野中さんのファン全員が買ってくれる
>のではなかろうか、と空想したいくらいでもある。
後藤のこの空想、ワラタよ。
大好き。
939 :
吾輩は名無しである:05/03/05 22:44:50
『蜂アカ』は、かなり特殊な作品だよなあ。
ほかの作品は、いくつかの系列に分類できるが
(団地もの、私小説のパロディ、
他者や関係性に重点を置いたもの、などなど)
『蜂アカ』は、後藤の著作では異端的な作品だよね。
装丁もグッド!
ベースにあるのは、追分ものなんだけど、
そこに『壁の中』とか『謎の手紙〜』風の作風をミックスした感じかなあ?
(ちょっと違う?)
ところで、あそこで言及されている井伏鱒二の『スガレ追ひ』って
なんだか面白そうだなーと思った。
941 :
吾輩は名無しである:05/03/06 01:19:40
蜂アカの「戯歌」の章ってあるじゃん。
あれ、なんだろ?ww
942 :
吾輩は名無しである:05/03/07 02:37:03
>>937 ここに出てる作品、全部持っている俺は神?
943 :
吾輩は名無しである:05/03/07 04:09:34
このスレの住人なら結構いるんじゃないの?
944 :
吾輩は名無しである:05/03/07 06:48:09
結構いるの?
俺は、中々手に入らない作品があって、困ってるよ。
世間一般ではマイナーな後藤の中でも更にマイナーな
作品をみつけられなくってね。
全集がでてくれば、ほんとに助かるのだが。
では訊くが、
>>942は何を持ってないんだ?
後藤の全書籍を所有していると言うなら神と呼ぼう。
946 :
吾輩は名無しである:05/03/07 13:33:50
947 :
吾輩は名無しである:05/03/07 13:55:25
>>945 942=946=そこの管理人なのか?
そこもコンプリートはしていないみたいだけど。
でも後藤を扱ったサイトって少ないね。
そこくらいしか個人サイトってないでしょ。
他にもあるなら教えて欲しい。
948 :
吾輩は名無しである:05/03/07 14:00:38
949 :
吾輩は名無しである:05/03/07 19:56:41
>>946 おお、すごいじゃん。
量もすごいし、状態も綺麗だね。
さらに、本から突き出た付箋から、精読してそうな感じもする。
これって古本屋中心に集めたんですか?
20代の若輩者のぼくは、必然的に古本屋で集めるしかないわけですが
同時代的に買ってないと、
なかなかの金銭をかけなきゃ、
ここまでコンプするの難しいような気もする。
>>946は減資者の人なのか?
だったら、フリマで以前、売ってたとサイトに書いてある
君の書いた『後藤明生論』とやらに興味があるのだが、
もう残部はないのかね?
951 :
吾輩は名無しである:05/03/07 20:57:23
946よ。
レスが溜まってるぞ。何か答えてやれよ。
それとも、他人のサイトのリンクを貼っただけのリア厨じゃないだろうな。
>>947 946はぼくじゃないよ。
手元にないのは『蜂アカデミーへの報告』『見える世界、見えない世界』
『ロシアの旅』『カフカの迷宮』『針の穴から』
文庫はちょこちょこ抜けてまつ。
学研M文庫の雨月物語てのを読んでみた。
このひと、相当文章が上手いね。
まあまあね。
955 :
吾輩は名無しである:05/03/08 18:19:48
いやあスゴイ人は世の中にいるもんですねえ。
>>946くらいの蔵書があればもう「神」と呼びたいですよ。
本に付箋紙がいっぱいついているのがすごく気になる。
956 :
吾輩は名無しである:05/03/08 23:22:09
>>953 『夢かたり』や『嘘のような日常』を読んでみるといい。
『壁の中』や『笑い地獄』とは又違った後藤の文章にお目にかかれるぞ。
お勧めする。
『使者連作』がヤフオクに出てるよ。オレは持ってるけど。
「死者連作」もあまり見ないやね。
後藤お得意の書簡体小説とはいえ、他の小説よりはちょい落ちる印象。
死者→使者だった。ゴメンちゃい。
960 :
吾輩は名無しである:05/03/11 03:17:56
>>946 『小説の精神』の右後ろに見えるのはもしやスタニスワフ・レムの
『宇宙飛行士ピルクス物語』でわ。
だからどーした?
962 :
吾輩は名無しである:05/03/12 10:33:52
『日本近代文学との戦い』の中に「栗とスズメ蜂」という短編がありますが、
あの短編はどういう風にとらえればいいのでしょうね。
『蜂アカデミーへの報告』の番外編としての「ジャムの空瓶」、
そのさらに番外編の短編、
という位置づけでしょうか。
963 :
吾輩は名無しである:05/03/12 11:13:48
ゲナゲナ
>>962 家の中にスズメ蜂が居た、庭に栗の木が生えている、ってだけの話だからな(w
ドラマ性皆無って所が後藤らしいよ。
ゲナゲナゲナゲナゲナゲナゲナゲナゲナゲナゲナゲナゲナゲナゲナゲナゲナゲナゲナゲナゲナゲナゲナ
966 :
吾輩は名無しである:05/03/13 10:48:15
誰か信濃追分に行ったヤツいる?
「笑坂」とか「吉野」を読んでると無性に行ってみたくなる。
吉野太夫の墓とか見てみたい。
967 :
吾輩は名無しである:05/03/13 15:58:14
作家や作品の足跡を辿る旅ってのは憧れるますよね。
そういうのを扱ったサイトとか見て、疑似体験するのが
今では精一杯だけど。
でも後藤さんを扱ったページは今のトコ見当たらないです。
(だれかご存知ですか?)
ところで後藤さんの母校である、早稲田の一文・二文が
再編されると何日か前の朝日新聞に載ってましたね。
わたしは後藤氏の後輩にあたるわけですが、時代の趨勢とは
いえ、自分の卒業した学部の名前が消えるのは少しばかり悲しいです。
ごく少数なのかもしれないけど、勤労学生のために二文の
火は絶やさないで欲しかった。。
早稲田も変わったよな。
今の校舎は後藤の頃のとは早くから違ってただろ。
後藤時代の校舎がどんなものだったかは知りませんが、
わたしが在学中だったときと今の早稲田を比べても大分
変わってしまったようですね。
戸山も何やらモダンなビルがたってますし、本キャンの
8号館も新しく生まれ変わる(もう完成したのでしょうか?)
みたいですし。
そういえば後藤さんは二文在学中、昼間は何をやって
過ごしていたのでしょうか?
バイト?昼夜逆転の生活?それとも・・・?
わたしの持ってるエッセイ集などには学生時代に言及した
話は見当たらなかったのですが。
ちょっと気になります。
970 :
吾輩は名無しである:05/03/13 19:53:31
酒飲んでたんじゃねーか、ゴッちゃん(w
971 :
吾輩は名無しである:05/03/13 23:40:47
『日本近代文学との戦い』の年譜によると、通産省の産業工芸試験所図書館という所で、
バイトをしてたみたいだな。
それと、石和鷹らと「新早稲田文学」(同人雑誌)をやってたって。この辺の話、面白いな。
講演の依頼で伊藤整を訪ねて断られ、
次の小島信夫にも断られ。
雑誌にスポンサーがついたが、そのスポンサーも行方不明になっちゃったって。
今日近所の古本市場で『壁の中』を100円で買ったのだが、
これは……喜ぶべきなのか、悲しむべきなのか?
いや、自慢したい訳じゃない。本当だ。
ごめん、もっと正確に言えばラッキーだと喜んだのだけど、
このスレを読み返してみるに、後藤明生の畢生の大作を
百円で叩き売るような古本屋って、それはそれで、悲しい気がして……
あの大部が百円?ネタじゃないよね?
羨ましいですなあ。
そろそろ次のスレッドへ移行だな
976 :
吾輩は名無しである:05/03/16 17:58:50
そういえば、歴代の後藤スレで1000までいったのってあったっけ?
>976
前スレがいってたと思う
>>977 ああ、せっかく1000まで行ったのにあまり感動的にはならなかったな。
実は前スレの999はおれなんで、おれにも責任は十分あるのだがw
979 :
吾輩は名無しである:05/03/16 20:15:18
せっかく1000まで到達したのにあまり感動しなかった。
せっかく1000まで到達したのに盛り上がらなかった。
第一、スレッドの住人が少ない。
これってまさに後藤明生の小説そのものではないか。
今回も前スレと同じ結末を辿るだろう。
それでいいのだ。
980 :
吾輩は名無しである:05/03/16 21:41:45
すくないけど、それでいいよ、おれも。
すくないながら、みんな情熱的だしね。
ところで、次のスレタイどうしよっか?
>>973 おめ。
気にせんで、すなおに喜べばいいんじゃない?
ブクオフとか、古本市場とか、価値わからない店員いるから
しょうがない。
おれも、『仮往生』とか『重力の虹』とか安く買ったよ。
>>980-981 おめでとうとか僥倖とかいえるなんて人間ができてるな。
俺はなぜか973にむかついたw
腹を立てるなら、973が自分で書いてたように、『壁の中』を
叩き売りしてた店に対して、というのが妥当なんだろうが。
でも古本をいくらで売ろうが売り手の自由なんだよね。
ちなみに俺が買った『壁の中』カバー、帯、付録付、初版は
1500円だったかな。
これでもまだ安いほうかもしれない。。
愛の形はさまざま。
だけど、ここの皆んなが後藤本を愛してるのはよく分かる。
うん。
>>980-981 暖かい言葉ありがとうございます。
>>982 ……いや面目ない。そういう現象が嫌だったら
何で買ってるんだよっ! ていうツッコミは自分には痛いです。
でも、この機会を逃すと……と思うと、つい……
今後再刊されるであろう後藤氏の作品のためにも
読んでおきたかったので……('A`)
うちの近所の図書館にも全然置いてないし……。
復刊ドットコムのアカウント持ってるんで、
いずれ後藤氏の著作に一票入れに行きます。
985 :
吾輩は名無しである:05/03/17 13:12:04
>>985 今更だけど『壁の中』のコメントがあまりにもそっけないよ。
>内容古本でもお目にかかることはまずない。
かと言って、未知の読者にどうやってあの面白さと重要さを説明すんのよw
短く要約すんのはムリだろ。
復刊版・仮往生の帯みたいに、”後藤文学「畢生の傑作」”とか
”これを読まずして後藤文学は語れない”、とか
”後藤文学の集大成”、とか
曖昧でありきたりでチープではあるが、これくらいのことは書いてて欲しかった希ガス
つーかとっとと全集出せや
>966
今年の夏、行ってみようっかな?
長野新幹線を使ったら東京から一時間だしね。
一緒に行く人いる?
遺族の方とかまだ住んでいらっしゃるんだろうか?
早稲田文学、フリーペーパー化か。。
>>991 そうらしいね。しかもそれが文学板でも全く話題にならないというのも悲しいというか
情けない話。ワセブンももう終わりだな・・・・・・
学生だったころ、講義の合間に、わせぶん担当の先生が編集部での
バイトを募っていたのを思い出す。
編集の経験ができるってのがうりで、月給は5000円くらいだったな。
要するにほぼボランティアだったわけで、俺はやらなかったが。
月給5000円!!! そりゃ潰れるわなあ。
ところでさすがにもう新スレ立てたほうがよろしいと思いますが。
995 :
吾輩は名無しである:05/03/19 18:50:34
おれ、この前、フローベールのスレ立てようとしたら
「このホストでは、しばらく立てられません」ていわれた。
だから、すまんけど、
誰か新しい後藤スレ立ててくだされ。
新スレいらね。
同じ話の繰り返し。