942 :
吾輩は名無しである:04/07/07 11:12
>>941 深い理由はないのでは?
未完に加え、本にするには四編では少なすぎた。
新潮編集部にも後藤を評価してる人はいると思うが、
今回出版されたようなかたちの本は
企画を提案したとしても却下されてしまうんじゃないかな。
「オモチャの知、知、知」も確か冬樹社じゃなかったっけ?
冬樹社じゃなくて、日本近代文学との戦いは、柳原出版、っすよ。
944 :
吾輩は名無しである:04/07/08 00:30
942です。
言葉が足りずすみませんでした。
「日本近代文学との戦い」も
「オモチャの知、知、知」も
新潮社のような堅い出版社からは
出なかったということを言いたかったのです。
(最近は「インディビジュアル・プロジェクション」
のような装丁の本を出すようになりましたが。)
ま、別に大した問題じゃありませんけど。。。
945 :
吾輩は名無しである:04/07/08 01:06
>940
吸ってないのにタバコが勝手に煙を吐いてたってあれだろ?
創作っぽい部分ではあるナ。
「笑坂」がいい小説である事は異議はないけど。
>>933 時代が時代だから
あの程度の知識は同年代の輩なら知ってるのでは?
ただニコヨン(これも死語か・笑)の日雇い労働者、同志・岩野をイワーノフと呼ぶのはワラタよ。
倉田のサンドイッチマン事件とか「わたし」が常に下痢気味なのも笑える。
947 :
吾輩は名無しである:04/07/08 23:34
ここの人達は一昨日の中国新聞の記事は読んでないようやな。
新刊、写真入り&カラー版で思いっ切り紹介されてた。
文の内容もオモロかった。
・・・つーか、俺だけか。販売エリアに住んでるのって。(苦笑)
>>925-926氏、
徳治氏は「一通の長い母の手紙」にも実名で登場していますな。
旺文社文庫版『関係』に収められている「一通の〜」だと55ページ。
>>921氏の指摘で間違いありません。
949 :
吾輩は名無しである:04/07/10 22:50
早稲田文学(7月号)に『日本近代文学との戦い』の広告が載ってたね。
950 :
吾輩は名無しである:04/07/11 01:00
以前にもこのスレでお世話になったことがあるのですが、
またちょっとお尋ねしたいことがあります。
『円と楕円』『文学が変わるとき』を少し読んでみました。
後藤氏の文学観を味わえる評論集として、
次にどういう作品に赴けばいいのでしょうか?
『笑いの方法−あるいはニコライ・ゴーゴリ』(中央公論社)
『カフカの迷宮』(岩波書店)
『小説−いかに読み、いかに書くか』(講談社現代新書)
『小説は何処から来たか』(白地社)
このへんは外せないかと。
951さん、早速のレスありがとうございます。
『笑いの方法−あるいはニコライ・ゴーゴリ』読んでみます。
954 :
吾輩は名無しである:04/07/12 00:29
映画のパンフレットにも寄稿してますね。
アンジェイ・ワイダ『悪霊』、ロマン・ポランスキー『袋小路』
どなたか読んだ人いますか?
>映画のパンフレットにも寄稿してますね。
これのソースは何ですか?
>>954 ポランスキー論は
「ポランスキーの眼」と云う題名で「アートシアター」(85)に初出掲載されたエッセイですね。
単行本だと『大いなる矛盾』に収録されてます。
ワイダ論は?です。
『大いなる矛盾』には収録されてたかな?
>951
『カフカの迷宮』(岩波書店)は読んでみたいが未入手のまま。
1987年の岩波ホール、エプキ・ド・シネマ15周年記念作品『悪霊』のパンフレットに
「ドストエフスキーと岩波ホール」と題する文章が巻頭に載っています。
↑これってどのエッセイ集に入ってるの?
帰り道、古書店で『酒猫人間』(立風書房)を発見。
もちろんすぐに購入しました。
面白そうな題名がズラリと並んだエッセイ集です。
いいお買い物でしたな
963 :
吾輩は名無しである:04/07/16 11:47
>>959 1987年以降に出版された後藤氏のエッセイ集
↓
『もう一つの目』『小説は何処から来たか』『小説の快楽』
これらに「ドストエフスキーと岩波ホール」は収録されていない。
1990年代の単行本未収録作品を収めたと云う『日本近代文学との戦い』にも収められていない。
ということは…………どの単行本にも収められていない未収録エッセイ?
掘り出し物じゃないですか?
御要望があればUPしますが、大して面白くないですよ。
965 :
吾輩は名無しである:04/07/17 10:20
966 :
吾輩は名無しである:04/07/18 22:57
『もう一つの目』だっけ?
自分でイラストを書いたのがあった筈。
すごく後藤らしいイラストだと感心した記憶あり。
967 :
吾輩は名無しである:04/07/18 23:16
「ドストエフスキーと岩波ホール」
電波文ですか?
『夢と夢の間』『笑坂』『虎島』『八月/愚者の時間』『おもちゃの知、知、知』と
中公文庫の後藤本が揃ってる古本屋を発見。
この夏、買い漁ります。
>>966 『もう一つの目』ですね。
プーシキン、ゴーゴリ、ドストエフスキー自筆の戯画も掲載されてますけど、
多分それに倣って描かれたのでしょう。
曲線を多用してるあたり、後藤さんっぽくていい雰囲気です。
特にゴーゴリの顔とロシア語の本を描いたカットが好きですね。
>>968 おお、いいですね。因みにそれぞれの値段はお幾らでしょう?
ドストエフスキーと岩波ホール 後藤明生
アンジェイ・ワイダ監督の「悪霊」の試写を観た。この映画は岩波ホールの「エプキ・
ド・シネマ」15周年記念作品だという。わたしと岩波ホールとの最初の出会いは、ア
ンゲロプロス監督の「アレクサンダー大王」であった。この衝撃的な出会いは忘れら
れない。この出会いによって、岩波ホールも、「アレクサンダー大王」も、わたしに
とって永遠の存在となったのである。
それはいつだったか。わたしは日記をつけていないので、毎年日記代わりに使ってい
るカレンダー式の予定表をロッカーの中から探し出して調べてみると、「1982年4
月14日」に、岩波ホールで観ていた。7年前である。しかし、記憶はたちまち甦り、
ドン・キホーテのロバのような馬にまたがった、脱獄囚の頭目アレクサンダー大王が
出現した。
十数名の脱獄囚を率いた彼は、イギリスの貴族4人を人質にして、ギリシャの山村に
たてこもる。村に雪が降りはじめる。わたしはあっとおどろいた。山の傾斜面に並ん
だ雪の村は、ブリューゲルの絵そっくりであった。アレクサンダー大王たちの政府へ
の要求は、脱獄囚の「法的な釈放」および、彼らのたてこもる山林を「共産村」とし
て認知せよ、というものらしい。政府軍は村を包囲した。黒い帽子に黒い服、コウモ
リ傘を持った政府の代理人が、雪の村を道化師のように動きまわる。村の石だたみ。
村の広場。交渉が続く。しかし脱獄囚たちと村人たちは「共産制」をめぐって分裂し、
大王はとつぜん、ブリキのおもちゃみたいな剣を振りまわして、人質を皆殺しにする。
政府軍の総攻撃がはじまった。アレクサンダー大王はついに追いつめられ、村の広場
に尻餅をつく。ブリューゲルの絵のような村人たちがそれを取り囲む。そして、村人
たちの人垣が解けると、広場には石膏になったアレクサンダー大王の首がごろんと転
がり、赤ペンキのような血がこぼれている。
では、古代ギリシャの大王と同じ名前を持ち、また、同じ“聖なる病”の持ち主であっ
たこの脱獄囚の頭目とは、いったい何者か。革命家か、山賊か、それともペテン師か。
はっきりしているのは、映画「アレクサンダー大王」が、悲劇的であり同時に喜劇的
であった、ということだろう。現実的であり、同時に超現実的であったことだろう。
そして、記憶に残る場面のすべてが、映画というものを羨ましがらずにはいられない
映像ばかりだということである。
わたしは、「エプキ・ド・シネマ」15年間の忠実なる観客であったとはいえない。そ
の15年間の上映リストを眺めていると、溜息が出る。ロベール・ブレッソンンの「白
夜」(ドストエフスキー原作)は1978年、1980年にはエイゼンシュテインの「メキシ
コ万歳!」、その他、どうして見逃したのだろうと後悔される映画が、ずらりと並ん
でいる。
「大理石の男」(80年上映)、「約束の土地」(81年)、「ダントン」(84年)、
「愛の記録」(87年)など、アンジェイ・ワイダ作品も並んでいる。しかし、わたし
は彼の作品についても、やはり忠実なる観客ではなかった。というより、「地下水道」
しか観てなかったのである。これは1957年の作品らしい。わたしが観たのは何年だっ
たかはっきりしないが、「地下水道」の衝撃は、カフカの記憶と重なっている。
カフカの『変身』を読んでショックを受けたのは、1955年頃だと思う。わたしは早稲
田の露文科に在学中で、ゴーゴリ病にかかっていたが、たちまちカフカ病を併発し、
『審判』『城』その他を読んだ。それから1957年に早稲田を卒業したが、どこにも就
職せず福岡に逃げ帰って、まる1年間ぶらぶらしていた。自転車で市の図書館に出か
けて、ドストエフスキー全集を読んでいたのである。翌年、某先輩の紹介で、再上京
して某広告代理店に勤めたが、「地下水道」を観たのは、たぶんそれから暫くあとの
ことだと思う。
「悪霊」は、実にそれ以来のアンジェイ・ワイダ作品である。かれこれ30年ぶりでは
ないかと思うが、わたしは今度もカフカを思い出した。『審判』である。『審判』の
ヨーゼフKは、ある朝、何故だかわからないが逮捕され、訴訟にまき込まれる。そし
て、何故だかわからないが2人の死刑執行人によって石切り場に連行され、犬のよう
に殺される。
『悪霊』のシャートフは、ピョートル(映画ではフランス語式にピエールと呼ばれる)
の指揮する“五人組”によって殺害される。しかし、だからドストエフスキーの『悪
霊』とカフカの『審判』が似ている、というのではない。そうではなくて、ワイダ解
釈によるシャートフが、『審判』のヨーゼフKに似ているということである。という
よりも、もう少し正確にいえば、ワイダ解釈による『悪霊』のシャートフを観て、
『審判』のヨーゼフKを思い出した、ということである。
『悪霊』は、ドストエフスキー作品の中でも難物といわれて来た。わが国では特にそ
うだった。なにしろ、“批評の神様”小林秀雄が、「『悪霊』について」を途中で投
げ出してしまったからである。では、どのように難物なのか。それをここで語る余裕
はないが、この小説の複雑さを簡単にいえば、いわゆる主人公がはっきりしない、と
いうことだろう。
スタヴローギンか、ピョートルか、シャートフか、キリーロフか。それとも、ピョー
トルの父親のステパン氏か。誰を中心に考えるかで、『悪霊』はさまざまに変化する。
この映画は、シャートフ中心の『悪霊』である。シャートフ中心ということは、ネチ
ャーエフ事件中心ということである。
1869年のモスクワで、イワーノフという大学生が、ネチャーエフという大学生の組織
する過激派グループの内ゲバで殺害された。これがネチャーエフ事件で、『悪霊』は
この事件をモデルに書かれたといわれている。すなわち、イワーノフはシャートフの、
ネチャーエフはピョートルの原型である。そして、小説でも映画でも、シャートフは
ネチャーエフ事件のイワーノフと同様、雪の林の中で殺害され、死体におもしをつけ
られて凍った池に投げ込まれた。
組織の悪魔ピョートルは、キリーロフの自殺哲学をも利用する。すなわち、シャート
フを殺したのは自分だというニセ遺書をキリーロフに書かせ、彼がピストル自殺する
のを見届けて、行方をくらます。すると、街に火事が起る。
ステパン氏は、「ロシアを探す」放浪の旅に出かけた。そして「ルカ伝」8章32〜37
節――病人に取り憑いていた悪霊が豚の群に入り、豚の群が走り出して湖に落ちて溺
死する、というくだりをききながら、「息子のピョートルはわがロシアに取り憑いた
悪霊です。しかし、あるいは自分は、その親玉なのかも知れません」という。映画で
は、このセリフはなかったかも知れないが、これは「ロシアを探す」というテーマと
ともに、『悪霊』の重要なテーマである。つまり、ピョートルたちの無神論=破壊主
義のタネを撒いたのは、他ならぬ自分たちの西欧主義なのだ、という近代ロシアにお
ける「親子関係」の構造である。
映画では、最後のスタヴローギンの自殺も省略されている。しかし単純化は必ずしも
マイナスではない。むしろアンジェイ・ワイダ監督は、『悪霊』の小説としての複雑
な世界を、シャートフ中心に単純化することによって、鮮明化し、映像化したといえ
る。そして、それらの映像によって映画「悪霊」は、まだドストエフスキーを読んだ
ことのない人々にとっても、忘れることの出来ない『悪霊』となったのである。
(作家)
訂正
>>972 × ロベール・ブレッソンン
○ ロベール・ブレッソン
959さん、貴重なレアものをどうも有難う。
ワイダの「悪霊」も観てみたいが、
アンゲロプロスの「アレクサンダー大王」もおもしろそう。
興味津々です。
977 :
吾輩は名無しである:04/07/20 23:58
>>970 中公文庫の後藤本は300円均一。
『夢と夢の間』は800円也。残りの正確な値段は失念した。(千円未満だったと思う)
現段階では未購入です。
>>971-975 わざわざのアップ、どうもお疲れさまでした。
僕もアンジェイ・ワイダ監督の『悪霊』はいつか観覧したいと思いましたね。
レンタルビデオで出回ってるんでしょうかね?
>>977 文庫本・単行本、どちらも安い!と思います。
羨ましいです。
979 :
吾輩は名無しである:04/07/21 22:29
中公文庫の『吉野大夫』ゲット。
500円、状態よし。
うれしいなあ。早速読むべえ。
>中公文庫の『吉野大夫』ゲット
いやぁ〜よしろおますなぁ
もうちょっとで満願成就だ!
>>979さん、吉野の感想キボヌ! 宜しくデス
983 :
吾輩は名無しである:04/07/22 20:41
>>968 おいおい! 後藤にこんな本があるのか?!⇒『おもちゃの知、知、知』
とうとう1000が見えてきたね
『おもちゃの知、知、知』はほんとにあるよ。
手に入れるのは
後藤本の通例でむずかしいけどね
986 :
吾輩は名無しである:04/07/22 21:57
清水良典が中日新聞で
後藤の新刊に触れて晩年の酒の飲み方が凄まじかったと
書いてるね。
自分にはあんな飲み方はできない、と。
987 :
吾輩は名無しである:04/07/22 21:59
>986
本よむと
酒の話が毎回出てくるもんなあ
Xデーは今日かな
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Ш┃┃ (/) ┃┃Ш
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( ・∀・) (/)(´∀` ) < 後藤明生全集が刊行されますように。
(つ つミ (/)(⊃⊂ ) \_________
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| 奉 納
後藤明生全集の祈願もすみ、ここまでくれば個別作家スレとしては「大団円」、
あるいはむしろ後藤的に言うなら「大楕円」を迎えたといってもいいでしょうね。
個人的には講談社文芸文庫にもう少し作品が入ることを望みます。