ACキャラバトルロワイアル

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1ゲームセンター名無し
ACキャラによるバトルロワイアルが起こったら?
というリレー小説のスレッドです。

参加キャラはAC作品からならばなんでもありですが、あまりに無謀なキャラはNGかも。(脱衣マージャンとか
投票するときは、<作品名 キャラ名>このように書き込んでください
例<名探偵ネオジオ ネオ> <ファイナルファイト ハガー>
なお、一回の投票につき二人まで。

ルールの論議も交えてやっていきましょう。
2ゲームセンター名無し:04/11/03 16:53:14 ID:???
脱衣マージャンがダメ?無謀っぽい?パクリネタ?

死ね
3ゲームセンター名無し:04/11/03 16:55:16 ID:???
ゲサロでやれ






























削除依頼出せよウンコ>>1
4ゲームセンター名無し:04/11/03 17:36:41 ID:???
遂にAC板にも来たか、始まるかどうかは微妙だが、とりあえず投票
<ヴァンパイアセイヴァー バレッタ><龍虎の拳 ジョン・クローリー>
5ゲームセンター名無し:04/11/04 21:51:29 ID:???
<テトリス 猿> <怒首領蜂 火蜂>
6番組の途中ですが名無しです :04/11/05 15:44:18 ID:???
6げっと
7ゲームセンター名無し:04/11/06 11:57:46 ID:???
<餓狼伝説 タン・フー・ルー> <THE KING OF FIGHTERS ゲーニッツ>
8ゲームセンター名無し:04/11/06 13:07:27 ID:???
<MARVEL vs. CAPCOM 2 ケーブル>

決着
9ゲームセンター名無し:04/11/06 21:50:35 ID:???
<トリオ・ザ・パンチ カマクラ><スプラッターハウス リック>
10ゲームセンター名無し:04/11/06 23:59:26 ID:???
<名探偵ネオジオ ネオ><悪魔城ドラキュラ シモン=ベルモンド>
11ゲームセンター名無し:04/11/07 19:37:19 ID:4AT5rbPl
<ぷよぷよ通 アルル・ナジャ> <式神の城2 ニーギ・ゴージャス・ブルー>
12ゲームセンター名無し:04/11/07 19:57:07 ID:???
<ガンバレット オヤジ> <がんばれギン君 ガツガツ>
13ゲームセンター名無し:04/11/07 20:10:01 ID:???
<ドルアーガの塔 グリーンローパー> <ハイパービシバシチャンプ バーガーをてきぱき作るアルバイト>
14ゲームセンター名無し:04/11/07 20:14:09 ID:???
<ロットロット 蟹> <ダライアス ヤズカタカーミ>
15ゲームセンター名無し:04/11/07 20:16:07 ID:???
<Gダライアス ジ・エンブリオン> <スパルタンX 毒蛾>
16ゲームセンター名無し:04/11/07 20:22:01 ID:???
<闘いの挽歌 マムシ兄弟> <バブルボブル モンスター>
17ゲームセンター名無し:04/11/07 20:26:27 ID:???
<月華の剣士 一条あかり>
<私立ジャスティス学園 鑑恭介>
18ゲームセンター名無し:04/11/07 20:33:10 ID:???
<すくすく犬福 犬福> <THE KING OF FIGHTERS2003 アッシュ・クリムゾン>
19ゲームセンター名無し:04/11/07 20:37:40 ID:???
<バーチャファイター・日守剛>
<デッドオアアライブ かすみ>
20ゲームセンター名無し:04/11/07 20:40:17 ID:???
<痛快GANGAN行進曲 草薙条><THE KING OF FIGHTERS 草薙京>
ルールとかこれから決めていくのかな、始まるのが楽しみだ。
21ゲームセンター名無し:04/11/07 20:40:27 ID:???
<サムスピ黒河内夢路>と<餓狼双葉ほたる>キボン
22ゲームセンター名無し:04/11/07 20:43:35 ID:???
<ギルティギア ブリジット>
<月華の剣士第二幕 真田小次郎(香織)>

23ゲームセンター名無し:04/11/07 20:45:12 ID:???
<メタルスラッグ R・ショーブ> <対戦空手道 牛>
24ゲームセンター名無し:04/11/07 20:45:19 ID:???
<ストリートファイターシリーズ サガット>
<ファイティングバイパーズシリーズ サンマン>
25ゲームセンター名無し:04/11/07 20:46:26 ID:???
<大江戸ファイト 河童> <R−TYPE ドブゲラドプス>
26ゲームセンター名無し:04/11/07 20:49:19 ID:???
<ゼビウス3D ポール> <雷電ファイターズ ジャッジスピア>
27ゲームセンター名無し:04/11/07 20:52:36 ID:???
<稲さん>
<Z武>
28ゲームセンター名無し:04/11/07 20:53:54 ID:???
<鉄拳 三島平八> <KOF レオナ>
29ゲームセンター名無し:04/11/07 20:55:16 ID:???
<D&DSOM ノール(弓)> <五月陣戦 橘あゆみ>
30ゲームセンター名無し:04/11/07 20:57:01 ID:???
<クイズ殿様の野望 毛利元就> <ファインドラブ 吉野知美>
31ゲームセンター名無し:04/11/07 20:57:37 ID:???
<武力 西園寺貴人>
32ゲームセンター名無し:04/11/07 21:00:41 ID:???
<オペレーションラグナロク ルナウォーカー> <とんねるずのみなさんのおかげです のり子>
33ゲームセンター名無し:04/11/07 21:01:00 ID:???
<侍魂 犬つきガルフォード>
<KOF 矢吹真吾>
34ゲームセンター名無し:04/11/07 21:02:38 ID:???
<虹色町の奇跡 江崎久美子>
<マネーアイドルエクスチェンジャー 三越さくら>
35ゲームセンター名無し:04/11/07 21:03:17 ID:???
<ソニック・ザ・ファイターズ ナックルズ> <ダイナマイト刑事 ブルーノ・デリンジャー>
36ゲームセンター名無し:04/11/07 21:06:57 ID:???
<ドラゴンボールZ ピッコロ> <ウルフファング 装甲機兵>
37ゲームセンター名無し:04/11/07 21:11:45 ID:???
<こf シェルミー>
<DOA エレナ>
38ゲームセンター名無し:04/11/07 21:15:22 ID:???
<カルノフ カルノフ><ソニックブラストマン ソニックブラストマン>
39ゲームセンター名無し:04/11/07 21:16:05 ID:???
何人まで参戦可能なの?
とりあえず<KOF K'> <KOF ウィップ>
40ゲームセンター名無し:04/11/07 21:17:14 ID:???
<ネオジオやるときに出てくる玉投げ猿><ダンシングアイに出てくる猿>
41ゲームセンター名無し:04/11/07 21:19:25 ID:???
<VF4 梅小路葵>
<戦国ブレード こより>
42ゲームセンター名無し:04/11/07 21:20:51 ID:???
<サムスピ64 六角泰山>
<ポリゴン餓狼 坂田冬次>
43ゲームセンター名無し:04/11/07 21:25:25 ID:???
〈龍虎の拳 リョウ・サカザキ〉
〈ストリートファイター ヒビキダン〉
44ゲームセンター名無し:04/11/07 21:27:19 ID:???
<エアガイツ クラウド>
<豪血寺一族 クララ>
45ゲームセンター名無し:04/11/07 21:29:50 ID:???
<このスレの1>
<ハロプロ 松浦亜弥>
46ゲームセンター名無し:04/11/07 21:33:04 ID:???
ネオコロキャラによるネオジオバトルロワイアルがみたいです
47ゲームセンター名無し:04/11/07 21:40:45 ID:???
<餓狼伝説 不知火舞><KOF 八神庵>
48ゲームセンター名無し:04/11/07 21:42:09 ID:???
<KOF アーデルハイド>
<餓狼MOW カイン・R・ハインライン>
49ゲームセンター名無し:04/11/07 21:43:06 ID:???
<グラディウス モアイ>
<ワールドヒーローズ2JET ボーナスステージの牛>
50ゲームセンター名無し:04/11/07 21:43:23 ID:???
人数
設定
ルール
51ゲームセンター名無し:04/11/07 21:46:30 ID:???
<餓狼 ロック>まだでてなかったので
<月華 高嶺響>他の月華ヒロインには負けませんぞ(`・ω・´)
52ゲームセンター名無し:04/11/07 21:49:38 ID:???
<ガーネット><クーラ>
53ゲームセンター名無し:04/11/07 21:53:00 ID:???
人数:100人
ルール:BR1
ほしいキャラ:麻宮アテナ
54ゲームセンター名無し:04/11/07 21:55:42 ID:???
もうキャラ締め切ってもいいんじゃない?
55ゲームセンター名無し:04/11/07 21:56:28 ID:???
ふと思ったんだがこのスレ何人いるんだ?
案外少ない?
56ゲームセンター名無し:04/11/07 22:01:05 ID:???
ノシ
5755:04/11/07 22:04:51 ID:???
少ねえorz
58ゲームセンター名無し:04/11/07 22:21:31 ID:???
<THE RUMBLE FISH アラン>
<THE RUMBLE FISH ゼン>
59ゲームセンター名無し:04/11/07 22:24:07 ID:???
とりあえず>>100まで集めてみたら良いんじゃないのか?
他板のバトロワスレ一応張っとく

FFDQ http://game8.2ch.net/test/read.cgi/ff/1099057287/l50
AAサロン http://aa5.2ch.net/test/read.cgi/aasaloon/1097995722/l50
野球板 http://ex7.2ch.net/test/read.cgi/base/1097998843/l50 (その他、球団別もあり。

こんな感じかな。

<メタルスラッグX フィオ・ジェルミ><ストリートファイターU ガイル>

主催はルガール?
60ゲームセンター名無し:04/11/07 22:28:19 ID:???
とりあえず決めることは
基本ルール
首輪関連
戦場となる舞台について
その他(登場してもいい支給品等等

こんなものかな、書き手の心得って言うのみつけたけどキャラが集まってからでいいよな。
61ゲームセンター名無し:04/11/07 22:42:31 ID:???
舞台はどのあたりがいいかな?

<月華 鷲塚慶一郎><ランブルフィッシュ アラン>
62ゲームセンター名無し:04/11/07 22:44:20 ID:???
ヤズカタカーミ最強。永パ防止キャラマンセー
63ゲームセンター名無し:04/11/07 23:18:27 ID:???
映画版バトロワ2みたいにペア戦にしてはどうか
<KOF マチュア>
<KOF バイス>
64ゲームセンター名無し:04/11/07 23:20:10 ID:???
+基本ルール+
・参加者全員に、最後の一人になるまで殺し合いをしてもらう。
・参加者全員には、<ふくろ><地図・方位磁針><食料・水><着火器具・携帯ランタン>が支給される。
 また、ランダムで選ばれた<支給品>が1つから3つ、渡される。
・生存者が一名になった時点で、優勝者が決まる。
・日没&日の出の一日二回に、それまでの死亡者が発表される。
+首輪関連+
・参加者には生存判定用のセンサーがついた『首輪』が付けられる。
 この首輪には爆弾が内蔵されており、着用者が禁止された行動を取る、
 または運営者が遠隔操作型の手動起爆装置を押すことで爆破される。
・24時間以内に死亡者が一人も出なかった場合、全員の首輪が爆発する。
・無理に外そうとしたり、首輪を外そうとしたことが運営側にバレても(盗聴されても)爆発する。
・なお、どんな攻撃に巻き込まれようと、誘爆は絶対にしない。
・たとえ首輪を外しても会場からは脱出できない。
+必殺技に関して+
・必殺技を使う=疲れる。
・当たり判定全体技は使用者の視界の範囲。
・回復技は効果が半減、D&Dキャラの召喚とかは条件付
・それ以外の必殺技や効果時間、キャラの使用可能必殺技などは書き手の判断と意図に任せます。
━━━━━お願い━━━━━
※一旦死亡確認表示のなされた死者の復活は認めません。
※新参加者の追加は一切認めません。
※書き込みされる方はCTRL+F(Macならコマンド+F)などで検索し話の前後で混乱がないように配慮してください。
※参加者の死亡があればレス末に、【死亡確認】の表示を行ってください。
※又、武器等の所持アイテム、編成変更、現在位置の表示も極力行ってください。
※人物死亡等の場合アイテムは、基本的にその場に放置となります。
※その他詳細は、雑談スレでの判定で決定されていきます。
※放送を行う際は、雑談スレで宣言してから行うよう、お願いします。
※最低限のマナーは守るようお願いします。マナーは雑談スレでの内容により決定されていきます。

FFDQ板のルールのコピペ改変、バトロワするところは一箇所じゃなくて何らかの方法で日ごとに代えられるのも良いし。
広いところですっとやるのでもどっちでもいい。
6564:04/11/07 23:22:11 ID:???
とりあえず、これをベースに後は議論して良くして行けば良いと思う。
俺一人のヘタレ案だし。
<FHD 溝口誠><RB餓狼伝説 アルフレッド>
66ゲームセンター名無し:04/11/08 00:25:57 ID:???
(・∀・)イイ!
<サムスピ 風間蒼月><サムスピ 風間火月>
67ゲームセンター名無し:04/11/08 01:43:53 ID:???
>>64氏、乙です

<餓狼伝説 山崎竜二>
<幕末浪漫・月華の剣士 楓(覚醒前)>
68ゲームセンター名無し:04/11/08 02:29:01 ID:???
<サムスピ 橘右京>
<サムスピ 羅将神ミヅキ>
69ゲームセンター名無し:04/11/08 07:02:06 ID:???
参加者に制限はないのでしょうか?
無謀なキャラの例が下の方で上の上限がないので
やたらでかいキャラとか非人間があがってるんですけど
あと格ゲーに偏ってる気が・・・
70ゲームセンター名無し:04/11/08 08:00:40 ID:???
猿が何匹もいるのにワロタ
格ゲに片寄ってしまうのはある意味仕方ないのかねえ
あと男女比の偏りは気にしなくても平気?
いまのところはあまりなさそうだが
71ゲームセンター名無し:04/11/08 08:06:40 ID:???
>>100までらしいね、参加者。
バトロワフィールドは他の場所へ移る手段が無いから一箇所固定かなぁ?
主催はルガールだろ?扱いやすいし。
<わくわく7 ライ><ファイナルファイト ハガー>
72ゲームセンター名無し:04/11/08 08:39:24 ID:???
やっぱステージは固定制ですかね。
作品毎の人数制限はなしの方向でおkすか?

<私立ジャスティス学園 エッジ>
<メタルスラッグ エリ・カサモト>
73ゲームセンター名無し:04/11/08 08:55:58 ID:???
>>72
個人的には一作品のキャラ総出演とか、限度を越えない限りはいいと思います
<サイキックフォース エミリオ>
74ゲームセンター名無し:04/11/08 14:38:29 ID:???
<KOF 神楽ちづる>
<ポップン ユーリ>
75ゲームセンター名無し:04/11/08 15:31:49 ID:???
<VF 結城晶>
<闘神伝 ソフィア>
76ゲームセンター名無し:04/11/08 15:37:34 ID:???
漏れも書いてみる

<ヴァンパイアシリーズ リリス><ストリートファイターシリーズ 春日野さくら>
77ゲームセンター名無し:04/11/08 18:26:28 ID:???
<ぷよぷよ カーバンクル><THE KING OF FIGHTERS 霧島翔>
現状で書く気がある人どれぐらいいるんだろう。
大まかに名簿、数字は得票数

格ゲー
ヴァンパイア:バレッタ、リリス
龍虎の拳:ジョン・クローリー、リョウ・サカザキ
餓狼伝説:タン・フー・ルー、双葉ほたる、坂田冬次、不知火舞、カイン・R・ハインライン、ロック・ハワード、アルフレッド、山崎竜二
KOF:ゲーニッツ、アッシュ、草薙京、レオナ、矢吹真吾、シェルミー、K'、ウィップ、八神庵、アーデルハイド、クーラ、麻宮アテナ、マチュア、バイス、神楽千鶴、霧島翔
マブカプ2:ケーブル
月華の剣士:一条あかり、真田小次郎(香織)、高嶺響、鷲塚慶一郎、楓(覚醒前)
ジャス学:鑑恭介、エッジ
バーチャ:日守剛、梅小路葵、結城晶
DOA:かすみ、エレナ
痛快GANGAN行進曲:草薙条
サムスピ:黒河内夢路、ガルフォード、六角泰山、風間蒼月、風間火月、橘右京、羅将神ミヅキ
ギルティ:ブリジット
SF:サガット、火引弾、ガイル、春日野さくら
ファイティングバイパー:サンマン
大江戸ファイト:河童
鉄拳:三島平八
武力:西園寺貴人
ソニック・ザ・ファイターズ:ナックルズ
ドラゴンボールZ:ピッコロ
エアガイツ:クラウド
豪血寺:クララ
ワーヒー:ボーナスステージの牛
ランブル:ガーネット、アラン(2)、ゼン
FHD:カルノフ、溝口誠
わく7:ライ
サイキックフォース:エミリオ
闘神伝:ソフィア
78ゲームセンター名無し:04/11/08 18:28:57 ID:???
シューティング
怒首領蜂:火蜂
式神の城2:ニーギ・ゴージャス・ブルー
ガンバレット:オヤジ
ダライアス:ヤズカタカーミ
Gダライアス:ジ・エンブリオン
R-TYPE:ドブゲラトプス
ゼビウス3D:ボール
雷電ファイターズ:ジャッジスピア
オペレーションラグナロク:ルナウォーカー
戦国ブレード:こより
グラディウス:モアイ

パズル
テトリス:猿
ぷよぷよ通:アルル・ナジャ、カーバンクル
ロットロット:蟹
バブルボブル:モンスター
マネーアイドルエクスチェンジャー:三越さくら

音ゲー
ポップン:ユーリ

クイズ
名探偵ネオジオ:ネオ
すくすく犬福:犬福
クイズ殿様の野望:毛利元就
虹色町の奇跡:江崎久美子
79ゲームセンター名無し:04/11/08 18:29:44 ID:???
アクション
トリオ・ザ・パンチ:カマクラ
スプラッターハウス:リック
悪魔城ドラキュラ:シモン=ベルモンド
がんばれギン君:ガツガツ
ドルアーガの塔:グリーンローパー
ハイパービシバシチャンプ:バーガーをてきぱき作るアルバイト
スパルタンX:毒蛾
闘いの挽歌:マムシ兄弟
メタスラ:R・ジョーブ、フィオリーナ・ジェルミ、エリ・サカモト
対戦空手道:牛
ダイナマイト刑事:ブルーノ・デリンジャー
ウルフファング:装甲機兵
ソニックブラストマン:ソニックブラストマン
ファイナルファイト:ハガー

不明(ごめんorz
ファインドラブ:吉野知美
とんねるずのみなさんのおかげです:のり子
ネオジオやるときの猿(タイトル不明
ダンシングアイの猿(タイトル不明

凄いジャンルの多さだな、しかしこfと餓狼伝説とサムライ多いな、本当にこんなメンツで殺しあうのか。
誰か後で性格とか解説してくれると嬉しい、リレー小説な訳だから誰がどういう正確化ワカランと書けない_no
あと、これはACゲーじゃないとかここ違うとかこいつ無理だろとかいうのもあったら宜しく。
80ゲームセンター名無し:04/11/08 18:38:10 ID:???
現在113人前後です。
150人行ったらストップしようぜ。
81ゲームセンター名無し:04/11/08 18:41:21 ID:???
>>77-79 乙!
ファインド・ラブは脱衣系美少女パズルゲーム。吉野友美はメインヒロインの
ポニーテール娘。SSでも出ているらしい。
ネオジオのサルは真サムやKOF94の時によくいたロード画面用キャラで、
直接ゲームに出演してるわけじゃない。
ダンシングアイは・・・脱衣系アクションみたいなもの。サルを操りキャラの服を
脱がしていくってやつ。サルの名前は不明。
のり子は・・・ごめん不明。憲麻呂ならわかるんだが。
82ゲームセンター名無し:04/11/08 18:53:20 ID:???
ノシ
<ポップンミュージック かごめ>
<ギルティギア 蔵土縁紗夢>
83ゲームセンター名無し:04/11/08 18:55:31 ID:???
動物は出せるのだろうか。
猿とか、蟹とか、牛とか
84ゲームセンター名無し:04/11/08 19:20:59 ID:???
首輪がマッチしてるからいいんじゃね
85ゲームセンター名無し:04/11/08 19:31:46 ID:???
<ジャス学 水無月響子>
<サムスピ 牙神幻十郎>

俺も書いてみたい







86ゲームセンター名無し:04/11/08 19:32:41 ID:???
書き手の心得その1(心構え)
・この物語はリレー小説です。
 みんなでひとつの物語をつくっている、ということを意識しましょう。一人で先走らないように。
・知らないキャラを書くときは、綿密な下調べをしてください。
 二次創作で口調や言動に違和感を感じるのは致命的です。
・みんなの迷惑にならないように、連投規制にひっかかりそうであれば保管庫にうpしてください。
・自信がなかったら先に保管庫にうpしてください。
 爆弾でも本スレにうpされた時より楽です。
・本スレにUPされてない保管庫の作品は、続きを書かないようにしてください。
・本スレにUPされた作品は、原則的に修正は禁止です。うpする前に推敲してください。
・巧い文章はではなく、キャラへの愛情と物語への情熱をもって、自分のもてる力すべてをふり絞って書け!
・叩かれても泣かない。
・来るのが辛いだろうけど、ものいいがついたらできる限り顔を出す事。
 できれば自分で弁解なり無効宣言して欲しいです。
87ゲームセンター名無し:04/11/08 19:33:27 ID:???
書き手の心得その2(実際に書いてみる)
・…を使うのが基本です。・・・や...はお勧めしません。また、リズムを崩すので多用は禁物。
・適切なところに句読点をうちましょう。特に文末は油断しているとつけわすれが多いです。
 ただし、かぎかっこ「 」の文末にはつけなくてよいようです。
・適切なところで改行をしましょう。
 改行のしすぎは文のリズムを崩しますが、ないと読みづらかったり、煩雑な印象を与えます。
・かぎかっこ「 」などの間は、二行目、三行目など、冒頭にスペースをあけてください。
・人物背景はできるだけ把握しておく事。
・過去ログ、マップはできるだけよんでおくこと。
 特に自分の書くキャラの位置、周辺の情報は絶対にチェックしてください。
・一人称と三人称は区別してください。
・極力ご都合主義にならないよう配慮してください。露骨にやられると萎えます。
・「なぜ、どうしてこうなったのか」をはっきりとさせましょう。
・状況はきちんと描写することが大切です。また、会話の連続は控えたほうが吉。
 ひとつの基準として、内容の多い会話は3つ以上連続させないなど。
・フラグは大事にする事。キャラの持ち味を殺さないように。ベタすぎる展開は避けてください。
・ライトノベルのような萌え要素などは両刃の剣。
・位置は誰にでもわかるよう、明確に書きましょう。

FFDQ板から引用。
雑談スレなるものは始まってから立てるとして、こんな感じで良いんじゃね?
88ゲームセンター名無し:04/11/08 19:34:55 ID:???
男女に分けてみましたけど不明なところがいっぱいで・・・
【男性】
ジョン・クローリー、リョウ・サカザキ、タン・フー・ルー、坂田冬次、カイン・R・ハインライン、
ロック・ハワード、アルフレッド、山崎竜二、ゲーニッツ、アッシュ、
草薙京、矢吹真吾、K'、八神庵、アーデルハイド、
霧島翔、ケーブル、鷲塚慶一郎、楓(覚醒前)、鑑恭介、
エッジ、日守剛、結城晶、草薙条、ガルフォード、
六角泰山、風間蒼月、風間火月、橘右京、ブリジット、
サガット、火引弾、ガイル、サンマン、三島平八、
西園寺貴人、ナックルズ、※ピッコロ、※クラウド、アラン(2)、
ゼン、カルノフ、溝口誠、ライ、エミリオ、
オヤジ、カマクラ、ネオ、毛利元就、リック、
シモン=ベルモンド、R・ジョーブ、ブルーノ・デリンジャー、ハガー、牙神幻十郎

【女性】
バレッタ、リリス、双葉ほたる、不知火舞、レオナ、
シェルミー、ウィップ、クーラ、麻宮アテナ、マチュア、
バイス、神楽千鶴、一条あかり、真田小次郎(香織)、高嶺響、
梅小路葵、かすみ、エレナ、羅将神ミヅキ、春日野さくら、
クララ、ガーネット、ソフィア、こより、アルル・ナジャ、
三越さくら、江崎久美子、フィオリーナ・ジェルミ、エリ・カサモト、
吉野知美、のり子、かごめ、蔵土縁紗夢、水無月響子

【わからなかった】
黒河内夢路(女なんでしたっけ)、ユーリ(男だと思うけど不明)、河童、ボーナスステージの牛、
火蜂、ニーギ・ゴージャス・ブルー、ヤズカタカーミ、ジ・エンブリオン、ドブゲラトプス、
ボール、ジャッジスピア、ルナウォーカー、モアイ、猿
カーバンクル、蟹、モンスター、犬福、ガツガツ、
グリーンローパー、バーガーをてきぱき作るアルバイト、毒蛾、マムシ兄弟、牛、
装甲機兵、ソニックブラストマン、ネオジオやるときの猿、ダンシングアイの猿

どなたか保管よろしくお願いします
89ゲームセンター名無し:04/11/08 19:44:56 ID:???
黒河内夢路は女であってますよん。
<KOF 七枷社:男>
<GG ミリア:女>
90ゲームセンター名無し:04/11/08 19:45:56 ID:???
しかしドブゲラドプスって要塞に固定されてるじゃねえか
途中から外れるけどさw
91ゲームセンター名無し:04/11/08 19:48:42 ID:???
猿と牛が複数いる件について
<ストリートファイター かりん>
<月華の剣士 御名方守矢>
92ゲームセンター名無し:04/11/08 19:53:34 ID:???
>>86-88
GJ!!
<バーチャ ジャッキー・ブライアント>
<バーチャ サラ・ブライアント>
93ゲームセンター名無し:04/11/08 20:02:25 ID:???
>>91
猿と牛をメシにしようとする奴も出てくるかもしれない
牛に蹴られて死ぬ奴も出てくるかもしれない
そこがいいんじゃないか

<龍虎 藤堂龍白>
94ゲームセンター名無し:04/11/08 20:08:17 ID:???
<The King Of Fighters 二階堂紅丸>
<ソウルキャリバー ソフィーティア>
95ゲームセンター名無し:04/11/08 20:09:52 ID:???
<ファイティングバイパーズ ハニー><サムライスピリッチ 天草四郎時貞>
96ゲームセンター名無し:04/11/08 20:11:12 ID:???
<初代侍魂 タムタム>
97ゲームセンター名無し:04/11/08 20:12:23 ID:???
>>96
途中で送っちまった、<豪鬼>追加でよろ
98ゲームセンター名無し:04/11/08 20:13:38 ID:???
<侍魂 ナコルル> <侍魂 リムルル>



99ゲームセンター名無し:04/11/08 20:16:18 ID:???
<ストリートファイター リュウ>
<ストリートファイター 春麗>

まだ出てなかったとは!
100ゲームセンター名無し:04/11/08 20:16:38 ID:???
<ファイティングレイヤー 虎>
<源平闘魔伝 平 影清>
101ゲームセンター名無し:04/11/08 20:18:08 ID:???
主催はどうする?
今思いついたのは
DOATECとネスツが提携を結んで
究極の人間兵器を作ろうと画策、そのサンプルとして参加者たちは絶海の孤島に集められる

あと参加者に関してだけど
ベガや豪鬼、ルガールらといったラスボスクラスは参加させないほうがいいような気もします。
102ゲームセンター名無し:04/11/08 20:18:51 ID:???
<サムスピ 緋雨閑丸>
<KOF クリス>
103ゲームセンター名無し:04/11/08 20:19:57 ID:???
まだ間に合うか?
<バーチャファイターシリーズ リオン・ラファール>
<ワールドヒーローズ ジャンヌ>
104ゲームセンター名無し:04/11/08 20:20:50 ID:???
>DOATECとネスツが提携を結んで
>究極の人間兵器を作ろうと画策、そのサンプルとして参加者たちは絶海の孤島に集められる

(・∀・)イイ!

ひそかに100こえたので締め切りっすか?
105ゲームセンター名無し:04/11/08 20:21:17 ID:???
<DOA かすみ>
<DOA あやね>
106ゲームセンター名無し:04/11/08 20:21:53 ID:???
<餓狼伝説 テリー>
<同上 ブルーマリー>
107ゲームセンター名無し:04/11/08 20:23:17 ID:???
一旦しめきっとく?
>>105
既にいるよ
108101:04/11/08 20:29:46 ID:???
<餓狼伝説 ビリーカーン>
<KOF シイ・ケンスウ>

投票するの忘れてた・・・

>DOATECとネスツが提携を結んで
>究極の人間兵器を作ろうと画策、そのサンプルとして参加者たちは絶海の孤島に集められる

発展案として進行役としてゲーニッツを登場させる
彼は表向きDOATECにしたがっているがその目的は参加者の生命をもってしてのオロチ再臨
最後に生き残った者がその依代となる。

あくまでも発展アイデアですので、
収拾がつかなくなる可能性もありますしね。

109ゲームセンター名無し:04/11/08 20:30:52 ID:???
格ゲー
ヴァンパイア:バレッタ、リリス
龍虎の拳:ジョン・クローリー、リョウ・サカザキ、藤堂竜白
餓狼伝説:タン・フー・ルー、双葉ほたる、坂田冬次、不知火舞、カイン・R・ハインライン、ロック・ハワード、アルフレッド、山崎竜二、テリー・ボガード、ブルーマリー
KOF:ゲーニッツ、アッシュ、草薙京、レオナ、矢吹真吾、シェルミー、K'、ウィップ、八神庵、アーデルハイド、クーラ、麻宮アテナ、マチュア、バイス、神楽千鶴、霧島翔、七枷社、クリス、二階堂紅丸
マブカプ2:ケーブル
月華の剣士:一条あかり、真田小次郎(香織)、高嶺響、鷲塚慶一郎、楓(覚醒前)、御名方守矢
ジャス学:鑑恭介、エッジ、水無月響子
バーチャ:日守剛、梅小路葵、結城晶、、ジャッキー・ブライアント、サラ・ブライアント
DOA:かすみ、エレナ、あやね
痛快GANGAN行進曲:草薙条
サムスピ:黒河内夢路、ガルフォード、六角泰山、風間蒼月、風間火月、橘右京、羅将神ミヅキ、タムタム、ナコルル、リムルル、緋雨閑丸、天草四郎時貞、牙神幻十郎
ギルティ:ブリジット、紗夢、ミリア
SF:サガット、火引弾、ガイル、春日野さくら、かりん、リュウ、春麗、豪鬼
ファイティングバイパー:サンマン、ハニー
大江戸ファイト:河童
鉄拳:三島平八
武力:西園寺貴人
ソニック・ザ・ファイターズ:ナックルズ
ドラゴンボールZ:ピッコロ
エアガイツ:クラウド
豪血寺:クララ
ワーヒー:ボーナスステージの牛
ランブル:ガーネット、アラン(2)、ゼン
FHD:カルノフ、溝口誠
わく7:ライ
サイキックフォース:エミリオ
闘神伝:ソフィア
ワールドヒーローズ:ジャンヌ
ソウルキャリバー:ソフィーティア
ファイティングレイヤー 虎
源平闘魔伝 平 影清
110ゲームセンター名無し:04/11/08 20:32:25 ID:???
格ゲー(修正)
ヴァンパイア:バレッタ、リリス
龍虎の拳:ジョン・クローリー、リョウ・サカザキ、藤堂竜白
餓狼伝説:タン・フー・ルー、双葉ほたる、坂田冬次、不知火舞、カイン・R・ハインライン、ロック・ハワード、アルフレッド、山崎竜二、テリー・ボガード、ブルーマリー、ビリー・カーン
KOF:ゲーニッツ、アッシュ、草薙京、レオナ、矢吹真吾、シェルミー、K'、ウィップ、八神庵、アーデルハイド、クーラ、麻宮アテナ、マチュア、バイス、神楽千鶴、霧島翔、七枷社、クリス、二階堂紅丸、椎拳崇
マブカプ2:ケーブル
月華の剣士:一条あかり、真田小次郎(香織)、高嶺響、鷲塚慶一郎、楓(覚醒前)、御名方守矢
ジャス学:鑑恭介、エッジ、水無月響子
バーチャ:日守剛、梅小路葵、結城晶、、ジャッキー・ブライアント、サラ・ブライアント
DOA:かすみ、エレナ、あやね
痛快GANGAN行進曲:草薙条
サムスピ:黒河内夢路、ガルフォード、六角泰山、風間蒼月、風間火月、橘右京、羅将神ミヅキ、タムタム、ナコルル、リムルル、緋雨閑丸、天草四郎時貞、牙神幻十郎
ギルティ:ブリジット、紗夢、ミリア
SF:サガット、火引弾、ガイル、春日野さくら、かりん、リュウ、春麗、豪鬼
ファイティングバイパー:サンマン、ハニー
大江戸ファイト:河童
鉄拳:三島平八
武力:西園寺貴人
ソニック・ザ・ファイターズ:ナックルズ
ドラゴンボールZ:ピッコロ
エアガイツ:クラウド
豪血寺:クララ
ワーヒー:ボーナスステージの牛
ランブル:ガーネット、アラン(2)、ゼン
FHD:カルノフ、溝口誠
わく7:ライ
サイキックフォース:エミリオ
闘神伝:ソフィア
ワールドヒーローズ:ジャンヌ
ソウルキャリバー:ソフィーティア
ファイティングレイヤー 虎
源平闘魔伝 平 影清
111ゲームセンター名無し:04/11/08 20:32:49 ID:???
魔法や武器持ちのキャラはどうするわけ?
たとえばゲーム上はバランス取れてるけどリリスなんかは人間を遙に凌駕する魔物なわけだし
首輪に仕掛けでもする?
必殺技の威力・精度を弱めるようなね。
112ゲームセンター名無し:04/11/08 20:36:09 ID:???
連投規制に引っかかって鬱
シューティング
怒首領蜂:火蜂
式神の城2:ニーギ・ゴージャス・ブルー
ガンバレット:オヤジ
ダライアス:ヤズカタカーミ
Gダライアス:ジ・エンブリオン
R-TYPE:ドブゲラトプス
ゼビウス3D:ボール
雷電ファイターズ:ジャッジスピア
オペレーションラグナロク:ルナウォーカー
戦国ブレード:こより
グラディウス:モアイ

パズル
テトリス:猿
ぷよぷよ通:アルル・ナジャ、カーバンクル
ロットロット:蟹
バブルボブル:モンスター
マネーアイドルエクスチェンジャー:三越さくら

音ゲー
ポップン:ユーリ、かごめ

クイズ
名探偵ネオジオ:ネオ
すくすく犬福:犬福
クイズ殿様の野望:毛利元就
虹色町の奇跡:江崎久美子
113ゲームセンター名無し:04/11/08 20:38:07 ID:???
アクション
トリオ・ザ・パンチ:カマクラ
スプラッターハウス:リック
悪魔城ドラキュラ:シモン=ベルモンド
がんばれギン君:ガツガツ
ドルアーガの塔:グリーンローパー
ハイパービシバシチャンプ:バーガーをてきぱき作るアルバイト
スパルタンX:毒蛾
闘いの挽歌:マムシ兄弟
メタスラ:R・ジョーブ、フィオリーナ・ジェルミ、エリ・カサモト
対戦空手道:牛
ダイナマイト刑事:ブルーノ・デリンジャー
ウルフファング:装甲機兵
ソニックブラストマン:ソニックブラストマン
ファイナルファイト:ハガー

不明(ごめんorz
ファインドラブ:吉野知美
とんねるずのみなさんのおかげです:のり子
ネオジオやるときの猿(タイトル不明
ダンシングアイの猿(タイトル不明
114ゲームセンター名無し:04/11/08 20:39:38 ID:???
>>111
あるアイテムがなければ超必殺技やそれに値するものは使えなくなるようにするとか
115ゲームセンター名無し:04/11/08 20:42:56 ID:???
キャラは全員出すの?それとも削る?
116ゲームセンター名無し:04/11/08 20:43:31 ID:???
元々の設定にあわせて超必はあるテンションの時にしか使えないとか
SNK系は体力がなくなってピンチな時とか
カプコン系はゲージ(?)というか経験を蓄積させて使えるようになるとか
で使ったあとはしばらくなんらかの制限が加わるとかは?
117ゲームセンター名無し:04/11/08 20:47:43 ID:???
必殺技使用回数を限定するとか。
118ゲームセンター名無し:04/11/08 20:49:13 ID:???
>>115
あまりに無理そうなキャラは間引きする?
人数多いから書ききれるか心配
119ゲームセンター名無し:04/11/08 20:51:02 ID:???
>>118
ジェノキャラが多ければ、殺されるキャラも比例して多くなるかと
120ゲームセンター名無し:04/11/08 20:53:15 ID:???
ジェノキャラって殺人キャラのことか。
その辺はキャラの性格にあわせなきゃダメ?
121ゲームセンター名無し:04/11/08 20:57:52 ID:???
このキャラは〇〇って固定しなくてもイイと思う
122ゲームセンター名無し:04/11/08 20:59:26 ID:???
まんべんなく公平にキャラを出すために各タイトルの
キャラ数を制限設けた方がいい気がする。
1タイトル5人まで、とか。
123ゲームセンター名無し:04/11/08 21:01:24 ID:???
あまりに知名度ないと書きにくいよ
124ゲームセンター名無し:04/11/08 21:04:26 ID:???
>>124
資料がないとなんともね
125ゲームセンター名無し:04/11/08 21:05:46 ID:???
ボス級キャラとかボーナスステージキャラとかは削っていいと思う。
今現在キャラの資料が見あたらないキャラは削除。
同一タイトルには5人までってのはどう?
126ゲームセンター名無し:04/11/08 21:08:28 ID:???
>>125
それだ
127ゲームセンター名無し:04/11/08 21:11:18 ID:???
>>125
賛成
ひとまず格ゲーではカイン、ゲーニッツ、アーデルハイド、
天草、ミヅキ、豪鬼、サガット、夢路、ワーヒーの
ボーナスステージの牛は申し訳ないが削除でいいかな
128ゲームセンター名無し:04/11/08 21:12:52 ID:???
牛たんがー。・゚・(ノД`)・゚・。

とかいいつつ賛成!
129ゲームセンター名無し:04/11/08 21:13:35 ID:???
猿とか動物もイマイチ現実的ではないのでいらない希ガス
130ゲームセンター名無し:04/11/08 21:14:46 ID:???
モアイや機械や名前の分からない人もなぁ



犬福やカー君もかわいそうだからやめてあげて
131ゲームセンター名無し:04/11/08 21:17:55 ID:???
ACキャラ全般だと範囲や世界観が広すぎて収拾がつかなくなる可能性もある
格闘ゲームに絞った方がいいかと

選抜方法としては基本は多数決、
ただし同作品内で規定人数以上のエントリーがあり 、かつ同票のキャラがいる場合は
作中世界で規定された主人公(例 リュウ)>ライバル・ヒロインキャラ(ケン・春麗)>その他のPCキャラ(ブランカ・ガイルetc)>の順で選抜

同一レーベルでの作品が複数ある場合は登場頻度で選抜という手段も
覇王丸(8作)>風間火月(4作)>真鏡名ミナ>(2作)

いかがでしょう?
132ゲームセンター名無し:04/11/08 21:19:40 ID:???
捕足
あくまでも基本は投票ってことで
>同一レーベルでの作品が複数ある場合は登場頻度で選抜という手段も
同数の場合の選抜方法の一つとしてのアイデアですから
133ゲームセンター名無し:04/11/08 21:19:53 ID:???
餓狼伝説:タン・フー・ルー、双葉ほたる、坂田冬次、不知火舞、ロック・ハワード、アルフレッド、山崎竜二、テリー・ボガード、ブルーマリー
KOF:アッシュ、草薙京、レオナ、矢吹真吾、シェルミー、K'、ウィップ、八神庵、クーラ、麻宮アテナ、マチュア、バイス、神楽千鶴、霧島翔、七枷社、クリス、二階堂紅丸
月華の剣士:一条あかり、真田小次郎(香織)、高嶺響、鷲塚慶一郎、楓(覚醒前)、御名方守矢
バーチャ:日守剛、梅小路葵、結城晶、リオン・ラファール、ジャッキー・ブライアント、サラ・ブライアント
サムスピ:ガルフォード、六角泰山、風間蒼月、風間火月、橘右京、タムタム、ナコルル、リムルル、緋雨閑丸、牙神幻十郎
SF:火引弾、ガイル、春日野さくら、かりん、リュウ、春麗

キャラ選抜が必要なのはこのへんか
134ゲームセンター名無し:04/11/08 21:20:56 ID:???
ただし同作品内で規定人数以上のエントリーがあり 、かつ同票のキャラがいる場合は
作中世界で規定された主人公(例 リュウ)>ライバル・ヒロインキャラ(ケン・春麗)>その他のPCキャラ(ブランカ・ガイルetc)

これだと逆につまらなくなる予感
135ゲームセンター名無し:04/11/08 21:21:21 ID:???
>>131
多数決は自演でFAだからやめた方がいいと思う。
タイトルの中から何人か選抜する場合は登場頻度で選抜が
一番安定じゃなかろうか?

格ゲー、シューティング位に絞った方がいいかもね
136ゲームセンター名無し:04/11/08 21:21:45 ID:???
やっぱり格ゲーにしぼったほうがいいかね?
137ゲームセンター名無し:04/11/08 21:23:44 ID:???
>>136
格ゲー+STG+ぷよぷよ(wあたりがいいかと。
音ゲーとかは難しい。
138ゲームセンター名無し:04/11/08 21:24:06 ID:???
ほたる・・・・
139ゲームセンター名無し:04/11/08 21:24:28 ID:???
登場頻度選抜の場合、同一レーベル(SFならSFシリーズ)のみか、
それともカプエスやKOFも含むのかも考えないといけませんよね?

後はあまりにも能力が桁外れなヴァンパイア系や
世界観が違い過ぎるGGとかをどうするか
140ゲームセンター名無し:04/11/08 21:27:07 ID:???
>>139
ギルティとかやばいね。
ストーリーが「魔法が理論的に実現され、科学が意味を無くした世界」
だから書きにくいってのはあるかなあ。
あとバンパイアも。リリス出したいのはやまやまなんだが
141ゲームセンター名無し:04/11/08 21:27:19 ID:???
当確
ヴァンパイア:バレッタ、リリス
龍虎の拳:ジョン・クローリー、リョウ・サカザキ、藤堂竜白
マブカプ2:ケーブル
ジャス学:鑑恭介、エッジ、水無月響子
DOA:かすみ、エレナ、あやね
痛快GANGAN行進曲:草薙条
ギルティ:ブリジット、紗夢、ミリア
ファイティングバイパー:サンマン、ハニー
鉄拳:三島平八
武力:西園寺貴人
ソニック・ザ・ファイターズ:ナックルズ
豪血寺:クララ
ランブル:ガーネット、アラン(2)、ゼン
FHD:カルノフ、溝口誠
わく7:ライ
サイキックフォース:エミリオ
闘神伝:ソフィア
ワールドヒーローズ:ジャンヌ
ソウルキャリバー:ソフィーティア
142ゲームセンター名無し:04/11/08 21:28:26 ID:???
>>139
VFやDOAのような3D系とKOFのような2D系でもかなり世界が違うよね・・・

とりあえず決めねばならぬことは

最大参加人数をどうするか?

キャラ選抜方法・参加規定をどうするか?

能力制限・世界規定をどうするか?

大まかにこの3つかな、あとはバトロワスタンダードルールで何とかなるかも
143ゲームセンター名無し:04/11/08 21:30:25 ID:???
どんどんつまらなくなってくるな
もうSNKvsCAPCOMロワイアルでいいじゃん
144ゲームセンター名無し:04/11/08 21:30:46 ID:???
>>143
まあ実際そうなると思うよ
145ゲームセンター名無し:04/11/08 21:31:38 ID:???
KOFの霧島翔はどうなんだろ。
ストライカーで出ただけだしKOFキャラに認定すべき?

>>141
ランブルの所さ、アランが×2になってるから一人でよくない?
代わりにヴィレンでも入れた方がいいよ
146ゲームセンター名無し:04/11/08 21:34:02 ID:???
>>145
ストーリー本編にはいないんだし難しいな
147ゲームセンター名無し:04/11/08 21:34:34 ID:???
>>145
無理にキャラ補充しなくても…
148ゲームセンター名無し:04/11/08 21:36:56 ID:???
最大参加人数をどうするか?:たとえばKOFならオロチ編とネスツ編にわけるのか?

キャラ選抜方法・参加規定をどうするか?:ID晒して投票? 知名度ないキャラから消す?

能力制限・世界規定をどうするか?:超能力や炎などは控える、でよくない?
149ゲームセンター名無し:04/11/08 21:37:58 ID:???
エスカプ発言のせいでやる気なくしたんだけど
150ゲームセンター名無し:04/11/08 21:37:58 ID:???
・基本は格ゲー、知名度の高いパズルやSTGキャラはあり
・ストーリー本編にいないキャラは削除
・ボス級キャラは削除
・3Dキャラもあり
・資料が現存しないキャラ、あまりにも知名度のないキャラは削除
・一タイトル五人まで
・カプエス等は出演回数に数えない

どうかな?
151ゲームセンター名無し:04/11/08 21:38:09 ID:???
なんかそれもうアケキャラでやる必要性がねえ
152ゲームセンター名無し:04/11/08 21:39:20 ID:???
知名度ってあいまいよねえ
153ゲームセンター名無し:04/11/08 21:40:00 ID:???
SNKロワ、カプロワ、その他ロワにわけたら
154ゲームセンター名無し:04/11/08 21:40:47 ID:???
キャラが被るやつから不人気順に消すのはいかが?
155ゲームセンター名無し:04/11/08 21:41:56 ID:???
>>139
どう考えてもヴァンパイアのキャラよりもエミリオの方が桁外れだと思う
156ゲームセンター名無し:04/11/08 21:42:06 ID:???
>>154
それこそつまんなくなるよ
157ゲームセンター名無し:04/11/08 21:42:29 ID:???
とりあえず始めてみて気に入らないキャラはデコナイフ、首輪爆破にしていけば人数減るんじゃない?
158ゲームセンター名無し:04/11/08 21:43:04 ID:???
特殊能力を無くせばいいだけだろ
159ゲームセンター名無し:04/11/08 21:43:06 ID:???
ボスキャラ削除する必要ってあるの?
160ゲームセンター名無し:04/11/08 21:44:02 ID:???
>>159
ボスキャラがライフル一発で死んだらいやだろ
161ゲームセンター名無し:04/11/08 21:44:33 ID:???
キャラ被ってるのがいっぱいいてもなー
162ゲームセンター名無し:04/11/08 21:44:55 ID:???
>>158
組織特性の首輪で超能力の使用を不能に、とか設定するのはどうよ
163ゲームセンター名無し:04/11/08 21:45:35 ID:???
>>157
萌えキャラしか残らなくなりますが
164ゲームセンター名無し:04/11/08 21:46:34 ID:???
だめ:超能力、炎、雷、水、氷、魔法、地震その他非現実的な現象
165ゲームセンター名無し:04/11/08 21:46:39 ID:???
>>161
同一タイトル内でキャラ被ってる奴同士は話し合って削除でよくない?
出演回数だけで選抜だとそれこそカプエスになるし
166ゲームセンター名無し:04/11/08 21:46:56 ID:???
>>163
そんなものだろ
167ゲームセンター名無し:04/11/08 21:47:24 ID:???
>>165
そんな状況あるの?
168ゲームセンター名無し:04/11/08 21:48:31 ID:???
クラウドってFFキャラじゃん
169ゲームセンター名無し:04/11/08 21:48:39 ID:???
>>164
ただの人じゃねえか
170ゲームセンター名無し:04/11/08 21:49:19 ID:???
一ゲーム人数を偶数にしてペア戦にするのは?
171ゲームセンター名無し:04/11/08 21:50:02 ID:???
とりあえず。
まずは一番多いKOFキャラから絞っていこうか。
172ゲームセンター名無し:04/11/08 21:50:54 ID:???
>>169
バランスとろうよ
173ゲームセンター名無し:04/11/08 21:51:44 ID:???
>>170
タッグ制いいねぇ。
見た感じもすっきりするし話も進めやすいし。
賛成!
174ゲームセンター名無し:04/11/08 21:52:21 ID:???
京庵ケイダッシュアテナたんアッシュ

終り
175ゲームセンター名無し:04/11/08 21:52:26 ID:???
>>172
そうは言っても波動拳出さないリュウとか意味わからんよ
176ゲームセンター名無し:04/11/08 21:54:09 ID:???
タッグ制って片方が氏ぬともう片方もってやつ?
だったらわかりやすそうだが
177ゲームセンター名無し:04/11/08 21:54:56 ID:???
だめなのはエミリオとかリリスとかの能力じゃない?
178ゲームセンター名無し:04/11/08 21:56:51 ID:???
>>174
こういうのが出てくるから難しいんだよな
179ゲームセンター名無し:04/11/08 22:00:51 ID:???
あほくさ
180ゲームセンター名無し:04/11/08 22:01:59 ID:???
まあマターリやろうぜ。
飛び道具程度はないとつまらんからありでよくない?
181ゲームセンター名無し:04/11/08 22:02:14 ID:???
>>177
そうなるとその二人とか絶対にあっさり殺されたりするんだろうなあ

波動拳とかまで無しならバレッタとか強くなるんだろうな
182ゲームセンター名無し:04/11/08 22:03:04 ID:l5e1vT+1
人外キャラは消さなくたってよかったんじゃないか
183ゲームセンター名無し:04/11/08 22:04:34 ID:???
至急品や隠しアイテムで能力が使えるようになる
184ゲームセンター名無し:04/11/08 22:06:10 ID:???
発動回数をきめればいいのさ
185ゲームセンター名無し:04/11/08 22:07:18 ID:???
ねえキャラは?
186ゲームセンター名無し:04/11/08 22:07:19 ID:???
超奥義、潜在奥義各一回まで
187ゲームセンター名無し:04/11/08 22:08:42 ID:???
KOFはキャラが多いので3タッグ
他ゲーは2タッグまで
とかはどう?この位が書き手も読み手も楽だと思うけど
188ゲームセンター名無し:04/11/08 22:09:56 ID:???
バレッタの主戦力って銃の類な訳で、それは持ち込み可能なのか?って問題もある
189187:04/11/08 22:09:59 ID:???
今現在エントリーが3人とかのタイトルは1人補充して
2タッグにして完成、でどうかな
190ゲームセンター名無し:04/11/08 22:10:53 ID:???
ъ( ゚ー^)⌒☆Nice
191ゲームセンター名無し:04/11/08 22:11:14 ID:???
>>188
支給された弾数を制限すればバレッタも気軽には打ちまくれまい
192ゲームセンター名無し:04/11/08 22:14:02 ID:???
片方も死ねば片方もだと書く方は結構苦しいかも
コンビにしてもランダムかそれとも作中キャラ同士でいくのかとか
193ゲームセンター名無し:04/11/08 22:15:04 ID:???
>>188
サムスピキャラの刀とかもね>持込み
序盤を考えるとタッグより個人戦の方がいいな・・・
194ゲームセンター名無し:04/11/08 22:15:23 ID:???
片方が死んだら超必殺技発動!
戦力ダウンになるかどうかはその人次第
195ゲームセンター名無し:04/11/08 22:16:50 ID:???
むしろ相方を探して二人で行動しないと必殺技が使えなくするとか
196ゲームセンター名無し:04/11/08 22:17:19 ID:???
多少バランス取れてない方が面白そうだけどね
197ゲームセンター名無し:04/11/08 22:19:37 ID:???
超能力を排除してバランスをとるより超能力を持つキャラだらけでやってバランスをとる方が
元を壊さずに進められそうなのになあ

というか非現実的なのと現実的なキャラの対戦ってありえないわけではないし
その辺はアイテムとかでカバーすればいいのに
198ゲームセンター名無し:04/11/08 22:22:17 ID:???
>>195-197
エミリオみたいな常識はずれの覚醒さえ押さえればアイテム
次第でバランスは取れるからいいと思う。
侍勢の刀も素手の連中が上手くかわすなりアイテムで回復すればいいよ。
199ゲームセンター名無し:04/11/08 22:25:35 ID:???
>>141よりキャラを適当に補充してタッグを作ってみました。
組み合わせは各作品のヒロインとヒーローみたいな感じでやってみました。
補充したキャラは本当に適当なので意見あったらよろしく。
あとセイバーとかはやってないからわからないので誰か補完頼みます。


当確
ヴァンパイア:<バレッタ、リリス>
龍虎の拳:<ジョン・クローリー、リョウ・サカザキ><藤堂竜白、香澄>

ジャス学:<鑑恭介、ひなた><水無月響子、エッジ>
DOA:<かすみ、ハヤブサ><あやね、エレナ>

ギルティ:<ブリジット、紗夢><ソル、ミリア>
ファイティングバイパー:<サンマン、ハニー>
鉄拳:<三島平八、シャオ>
武力:<西園寺貴人、天童凱>

豪血寺:<クララ、真太郎>
ランブル:<アラン、ヴィレン><ゼン、ガーネット>
FHD:<カルノフ、溝口誠>
サイキックフォース:<エミリオ、ウェンディ>
ワールドヒーローズ:<ジャンヌ、リョウコ>
200199:04/11/08 22:26:35 ID:???
>セイバーとかはやってないから
違う違う、キャリバーの間違いです。スマソ
201ゲームセンター名無し:04/11/08 22:30:18 ID:???
EEJUMP(^ヮ^)
202ゲームセンター名無し:04/11/08 22:32:50 ID:???
当確キャラはそれでいいと思います
203ゲームセンター名無し:04/11/08 22:34:52 ID:???
キャリバーはアイヴィーなんてどう?
204ゲームセンター名無し:04/11/08 22:38:21 ID:???
問題はグレーゾーンキャラだ
205ゲームセンター名無し:04/11/08 22:39:02 ID:???
当確キャラはひとまずそれで決定かな。
>>203
賛成ノシ
206選抜組キャラ分け一例:04/11/08 22:48:18 ID:???
餓狼伝説:テリー&マリー、ロック&ほたる
KOF:京&真吾、八神&レオナ、K&クーラ、ケンスウ&アテナ、舞&山崎、マチュア&バイス、神七枷社&クリス、紅丸&シェルミー
月華の剣士:あかり&響、小次郎&鷲塚、楓&守矢
バーチャ:剛&リオン、葵&晶、ジャッキー&サラ
サムスピ:ガル&ナコ、蒼月&火月、リム&閑丸
SF:ダン&ガイル、さくら&かりん、リュウ&春麗

こんなものか
207選抜組キャラ分け一例:04/11/08 22:49:26 ID:???
ちづる&アッシュ、牙神&右京が抜けてた
208ゲームセンター名無し:04/11/08 22:49:54 ID:???
もうタッグ戦で決まり?
個人的には個人戦の方がいいと思うけど
タッグだとやはり相棒が死ねばどうするとか、最初からタッグを結成しているのか?
そのタッグは同一ゲームのキャラ同士のみなのか?
それに幻十郎や山崎のように自分が死ぬと知っても他人を頼るなぞゴメンだ!
といいかねない連中もいるしね

それに同一世界のキャラが固まると
そいつらでしか話が展開しないかもとかの問題もあるので

攻撃に関しては>>198でいいとして
防御はどうする?現実的には例えばパイロンに竜虎乱舞10回当ててもびくともしないと
思うんだけど・・・・
209ゲームセンター名無し:04/11/08 22:50:19 ID:???
見せしめキャラはどうしますか
210ゲームセンター名無し:04/11/08 22:51:04 ID:???
ややこしー
211ゲームセンター名無し:04/11/08 22:51:18 ID:???
あえて豪鬼>見せしめ
212ゲームセンター名無し:04/11/08 22:51:55 ID:???
生存者が半分切ったらタッグから個人戦へ






イヤン
213ゲームセンター名無し:04/11/08 22:52:17 ID:???
タッグで話し進んでるのか…orz
ボスと知名度の低いと資料が無いキャラ削除としても、タッグだけはひっかかる。
投票されてないキャラが出てくるって言うのもあれだし。
>>109-112の名簿でそれらを削除して一人でやるって言うのがやっぱり俺はいい。
ロワは不当な殺し合いの中で生き残るっていうのがテーマじゃないか。
ボンボン死んでナンボだと思うんだが。

すまん、今更言っても遅いな、でもどうしても言いたかった、すまん。
214ゲームセンター名無し:04/11/08 22:52:50 ID:???
>>211
GJ
215ゲームセンター名無し:04/11/08 22:53:07 ID:???
明らかに相反する思想・利害関係を持つキャラ同士を
同じ作品内だからという理由でタッグには出来ないと思う・・・
216ゲームセンター名無し:04/11/08 22:53:11 ID:???
>>209
アウトフォクシーズのドゥイーブでも入れたら?
217ゲームセンター名無し:04/11/08 22:54:14 ID:???
つうか勝手に話進めるなよ……
誰にも許可とってないよね?
218ゲームセンター名無し:04/11/08 22:56:03 ID:???
タッグで仲たがいってのもすすめかたとしてはありだろ
219ゲームセンター名無し:04/11/08 22:56:59 ID:???
自分勝手な人が多くて萎える
勝手にタッグにされたし
はあーあ
220ゲームセンター名無し:04/11/08 22:57:54 ID:???
>>217
誰かがある程度進めないといつまでもグダグダじゃん
案があれば出して欲しいな
221ゲームセンター名無し:04/11/08 22:58:16 ID:???
じゃ個人戦でいこう
キャラは四人のまま
222ゲームセンター名無し:04/11/08 22:59:20 ID:???
>>213位に意見だすならともかく、ただ文句言ってるのは駄目だと思う
223ゲームセンター名無し:04/11/08 22:59:38 ID:???
一シリーズの人数は作品数×2にしたら?
224ゲームセンター名無し:04/11/08 23:00:32 ID:???
文句言うならやらなくていい。邪魔なだけだから。
それとも何?荒らしにでもきたか?
225ゲームセンター名無し:04/11/08 23:00:52 ID:???
・基本は格ゲー、知名度の高いパズルやSTGキャラはあり
・ストーリー本編にいないキャラやボス級キャラや資料が現存しないキャラ、あまりにも知名度のないキャラは削除
・3Dキャラもあり
・カプエス等は出演回数に数えない
・一人で最後まで生き残る。
・能力制限は一部あり(超球弾が上手く練れないとか、炎が上手く出ないとか)

格ゲー
ヴァンパイア:バレッタ、リリス
龍虎の拳:ジョン・クローリー、リョウ・サカザキ、藤堂竜白
餓狼伝説:タン・フー・ルー、双葉ほたる、坂田冬次、不知火舞、カイン・R・ハインライン、ロック・ハワード、アルフレッド、山崎竜二、テリー・ボガード、ブルーマリー、ビリー・カーン
KOF:ゲーニッツ、アッシュ、草薙京、レオナ、矢吹真吾、シェルミー、K'、ウィップ、八神庵、アーデルハイド、クーラ、麻宮アテナ、マチュア、バイス、神楽千鶴、霧島翔、七枷社、クリス、二階堂紅丸、椎拳崇
マブカプ2:ケーブル
月華の剣士:一条あかり、真田小次郎(香織)、高嶺響、鷲塚慶一郎、楓(覚醒前)、御名方守矢
ジャス学:鑑恭介、エッジ、水無月響子
バーチャ:日守剛、梅小路葵、結城晶、、ジャッキー・ブライアント、サラ・ブライアント
DOA:かすみ、エレナ、あやね
痛快GANGAN行進曲:草薙条
サムスピ:黒河内夢路、ガルフォード、六角泰山、風間蒼月、風間火月、橘右京、羅将神ミヅキ、タムタム、ナコルル、リムルル、緋雨閑丸、天草四郎時貞、牙神幻十郎
ギルティ:ブリジット、紗夢、ミリア
SF:サガット、火引弾、ガイル、春日野さくら、かりん、リュウ、春麗、豪鬼
鉄拳:三島平八
武力:西園寺貴人
226ゲームセンター名無し:04/11/08 23:01:41 ID:???
ソニック・ザ・ファイターズ:ナックルズ
エアガイツ:クラウド
豪血寺:クララ
ワーヒー:ボーナスステージの牛
ランブル:ガーネット、アラン(2)、ゼン
FHD:カルノフ、溝口誠
わく7:ライ
サイキックフォース:エミリオ
ワールドヒーローズ:ジャンヌ
ソウルキャリバー:ソフィーティア

シューティング
式神の城2:ニーギ・ゴージャス・ブルー
ガンバレット:オヤジ
ゼビウス3D:ボール

パズル
テトリス:猿
ぷよぷよ通:アルル・ナジャ、カーバンクル

クイズ
名探偵ネオジオ:ネオ
すくすく犬福:犬福
クイズ殿様の野望:毛利元就

アクション
トリオ・ザ・パンチ:カマクラ
スプラッターハウス:リック
悪魔城ドラキュラ:シモン=ベルモンド
メタスラ:フィオリーナ・ジェルミ、エリ・カサモト
ダイナマイト刑事:ブルーノ・デリンジャー
ファイナルファイト:ハガー
227ゲームセンター名無し:04/11/08 23:02:03 ID:???
個人戦でもいいけど書き手の負担や話の進め易さを考えると
俺的にはタッグ制を推したいです。

トチ狂ったキャラ同士主催者の意向で無理矢理組まされて、
仲間割れして殺しあって新たな仲間を得るって展開もありだと思うし。
228ゲームセンター名無し:04/11/08 23:03:16 ID:???
個人戦のなかで手を組むという可能性はありえないもの?
229ゲームセンター名無し:04/11/08 23:03:42 ID:???
うーん、IDない板だと辛いものがあるな
230ゲームセンター名無し:04/11/08 23:03:43 ID:???
これでシングルで殺し合い。
バトルフィールドは固定。
支給品は1〜3個。
この中からランダムに見せしめが選ばれる(オープニングの書き手に委任)で良いんじゃないかな。

あと、先の話だが文の最後にはこういう感じでね。

【草薙京
 所持品:マシンガン 煙幕
 第一行動方針:矢吹真吾を探す
 現在位置:○○○○○】
こんな感じでいこうや。

意見PLZ
231ゲームセンター名無し:04/11/08 23:04:31 ID:???
それでいいよ、変なのが来る前にはじめたい
232ゲームセンター名無し:04/11/08 23:06:24 ID:???
シングルでやりたいなら先に挙げたキャラは全て削除して一タイトル四人まで固定。
じゃなきゃきついもんがあるよ
233ゲームセンター名無し:04/11/08 23:06:30 ID:???
シングル版が完結したら漏れキャラや新規キャラも含めてペア版をやるとかでいいじゃない
初の試みsimpleに行こう(´∀`)
234ゲームセンター名無し:04/11/08 23:07:28 ID:???
KOFとかは五人じゃ駄目なの?まあ俺の好きなキャラはいるからいいけど
235ゲームセンター名無し:04/11/08 23:08:13 ID:???
ややこしいから今の時点でエントリーが
1人のタイトルは削除しねえ?
236ゲームセンター名無し:04/11/08 23:09:07 ID:???
やっぱりCAPCOMvsSNKロワじゃないか
237ゲームセンター名無し:04/11/08 23:09:13 ID:???
>>235それ相当減るぞ

ワーヒー:ボーナスステージの牛
これは無し。
238ゲームセンター名無し:04/11/08 23:10:16 ID:???
で最大参加人数は何人になるのか
作品数も制限入れる?
50人として
もしかすろと50作品から1人ずつという事態にもなり得ないとも言いきれないよ

それに人気作品の4人とマイナー作品の4人を同じにしていいのかという
気もしないでもない

まぁ…2・3日考えてもいいんでない
239ゲームセンター名無し:04/11/08 23:10:26 ID:???
ゲームタイトルにこだわる意味が分からん
240補足事項:04/11/08 23:10:59 ID:???
*こfは多いからまあ6人で
*バチャにリオン入れろって人がいたから、リオンも入れて
バチャから誰か一人削る
*ランブルにヴィレン入れろって人がいたから追加
241ゲームセンター名無し:04/11/08 23:11:42 ID:???
今のまま初めても大丈夫な気も。他のバトロワもかなりアバウトだし
242ゲームセンター名無し:04/11/08 23:12:21 ID:???
+基本ルール+
・参加者全員に、最後の一人になるまで殺し合いをしてもらう。
・参加者全員には、<ふくろ><地図・方位磁針><食料・水><着火器具・携帯ランタン>が支給される。
 また、ランダムで選ばれた<支給品>が1つから3つ、渡される。
 <ザック>は特殊なモノで、人間以外ならどんな大きなものでも入れることが出来る。
・生存者が一名になった時点で、主催者が待っている場所へワープ
・日没&日の出の一日二回に、それまでの死亡者が発表される。

支給品はAcゲームにあるもの。
支給品はその伽羅をはじめて書く人が説明を入れる

+首輪関連+
・参加者には生存判定用のセンサーがついた『首輪』が付けられる。
 この首輪には爆弾が内蔵されており、着用者が禁止された行動を取る、
 または運営者が遠隔操作型の手動起爆装置を押すことで爆破される。
・24時間以内に死亡者が一人も出なかった場合、全員の首輪が爆発する。
・無理に外そうとしたり、首輪を外そうとしたことが運営側にバレても(盗聴されても)爆発する。
・なお、どん技に巻き込まれようと、誘爆は絶対にしない。
・たとえ首輪を外しても会場からは脱出できない。
243ゲームセンター名無し:04/11/08 23:12:23 ID:???
投票が集中するゲームのキャラ=需要・知名度があるってことでもあるから
難しいけどね、少なくとも人気作であるSF・KOF・サムスピ等は8人くらいまでならOKにして欲しいな
244ゲームセンター名無し:04/11/08 23:13:36 ID:???
こfはシリーズ総数が半端ないからなあ
245ゲームセンター名無し:04/11/08 23:13:49 ID:???
+必殺技に関して+
・必殺技を使う=疲れる。
・超能力やD&Dの召喚系などのそういうのは多少の制限があります
・パワーアップは時間制限が原作に無くても、あり。
・回復系は効果半減
・キャラの必殺技などは書き手の判断と意図に任せます。
・全体技は使用者の視界

+戦場となる舞台について+
このバトルロワイヤルの舞台はサウスタウン。
主催者はルガールバーンシュタイン。

━━━━━お願い━━━━━
※一旦死亡確認表示のなされた死者の復活は認めません。
※新参加者の追加は一切認めません。
※書き込みされる方はCTRL+F(Macならコマンド+F)などで検索し話の前後で混乱がないように配慮してください。
※参加者の死亡があればレス末に、【死亡確認】の表示を行ってください。
※又、武器等の所持アイテム、編成変更、現在位置の表示も極力行ってください。
※人物死亡等の場合アイテムは、基本的にその場に放置となります。
※本スレはレス数500KBを超えると書き込みできなります故。注意してください。
※その他詳細は、雑談スレでの判定で決定されていきます。
※放送を行う際は、雑談スレで宣言してから行うよう、お願いします。
※最低限のマナーは守るようお願いします。マナーは雑談スレでの内容により決定されていきます。

誰かサウスタウンの地図ない?
で、参加者は>>225-226
ワーヒー:ボーナスステージの牛 を削除した人数ね。
良ければOPかきに掛りたいと思うけど。
そのあとに雑談感想スレ立てるわ
246ゲームセンター名無し:04/11/08 23:14:23 ID:???
>>242
賛成
その程度の簡単なルールでいいかな

>>243
大杉
247ゲームセンター名無し:04/11/08 23:14:43 ID:???
キャラ人数は、候補者に比例して増やしてはいかがか
248ゲームセンター名無し:04/11/08 23:16:01 ID:???
これで行っちゃいたいな
249ゲームセンター名無し:04/11/08 23:16:42 ID:???
キャラ数はもう固定でいいと思われ。
それよか誰を選抜するかだよ
250ゲームセンター名無し:04/11/08 23:17:09 ID:???
ルガールか・・・オレは>>101のアイデアを推したいかな。
ルガールはプレイヤー操作可能だからかもしれないけど
なんか小物っぽく思える、ベガとかもね
251ゲームセンター名無し:04/11/08 23:18:30 ID:???
見せしめ

豪鬼
首切りバサラ
ホンフゥ

タイフォン
252ゲームセンター名無し:04/11/08 23:19:20 ID:???
サウスタウンって川と川との間のいわゆる中州みたいな土地なんだよね
確か・・・
253ゲームセンター名無し:04/11/08 23:19:31 ID:???
KOFなんて主人公四人で枠うまっちゃうよ
254ゲームセンター名無し:04/11/08 23:20:19 ID:???
見せ占めにラスボス持ってくるのもいいかも
255アンヘル:04/11/08 23:21:24 ID:???
名簿希望
256ゲームセンター名無し:04/11/08 23:21:40 ID:???
>>253
だから6人だって
257ゲームセンター名無し:04/11/08 23:22:28 ID:???
見せしめ、火引 弾だとありきたりすぎか・・・
まんまだしねw
258ゲームセンター名無し:04/11/08 23:23:12 ID:???
>>255
>で、参加者は>>225-226
>ワーヒー:ボーナスステージの牛 を削除した人数ね。

ついでにOP書けて来たけど投下しても良い?
259ゲームセンター名無し:04/11/08 23:23:32 ID:???
カプコン・SNK・テクモ・セガこの4社の格闘ゲームの登場人物だけで
キャラ総計100人はいくしね、
さらにそこから他社・STGなど他系統のゲームを入れると
ものすごく薄く広い参加者になってしまう。

>>253
京・アッシュ・庵・あと一人・・・・
260ゲームセンター名無し:04/11/08 23:24:09 ID:???
K’
261ゲームセンター名無し:04/11/08 23:25:51 ID:???
参加者はさらに選抜を入れるか、
>>225-226
>ワーヒー:ボーナスステージの牛 を削除した人数とするのか
それが決まってからでも遅くないかと


262ゲームセンター名無し:04/11/08 23:25:58 ID:???
オープニングきぼん
263ゲームセンター名無し:04/11/08 23:27:13 ID:???
キャラがまだ決まってないじゃん
264ゲームセンター名無し:04/11/08 23:27:24 ID:???
OP投稿のことね

265ゲームセンター名無し:04/11/08 23:28:15 ID:???
今の大まかな名簿つくってちょ
266ゲームセンター名無し:04/11/08 23:30:28 ID:???
あとその制限数で女性キャラの入る余地あるのか・・・
下手するとすっげーむさいロワになるぞ
267ゲームセンター名無し:04/11/08 23:30:42 ID:???
225-226でいいかと
268オープニング:04/11/08 23:31:07 ID:???
そこは…一面に広がる暗闇だった。
周りには複数に唸り声や息遣いが聞こえる、この場所は一体なんなのだろう。
警戒をしながら周りに注意を向ける、もしかしたらまた何かに攫われたのかも知れない、青年はそう思ったからだ。
しかし、不思議なことに自分と同じく警戒をしている人物が何人もいる。
(――どういうことだ?)
青年が不思議に思った瞬間、一条の光が流れる。
その光はどんどん広がり、そして青年の周り次第に照らしていった、そして。
「ようこそ諸君!私のこのゲームに招かれた幸あるもの達よ!」

(―――ゲーム…だと?)
青年、草薙京はその言葉にピクりと来たが、その小さな怒りは、やがて大きな恐怖へ代わる。
そう、ここにいる何人もの人間が彼に恐怖を覚えていた、まるで神を超越するかのような覇気を纏っていたのだ。
その力は絶大だった、今の自分じゃ到底敵いそうも無い…誰もがそう直感した。
「今日は君たちに殺し合いをしてもらおう、異議は認めんぞ。」

そこの広場にいたもの全員に、一律の恐怖の波紋が広がった。
269オープニング:04/11/08 23:31:56 ID:???
(――殺し合い?そんなこと誰がするかよっ!)
その唐突な宣告に、一度は身を震わせるも、彼は全身に怒りを込めた、が。
「ふざけないで!あなたに言われてはいそうですかって殺しあえるもんですか!!」
京はその声の主を知っていた、KOFでもよく会う麻宮アテナだった。
そして、彼女は両手に気弾を込め、邪悪な声のする方向へ放った。

放った、ハズだった。

それは一瞬の出来事だった、邪悪な声のする方向へ放ったはずの彼女の気弾が、何倍にもなって跳ね返されたのだ。
本来ならその気弾は何時もの何十倍もの気力を込めたものだった、人間なら致命傷だろう…。
しかし今はアテナがそれを何十倍にもして返され、そして…吹き飛んだ、その後大きくドスゥゥゥンという音がした。

「おい……嘘やろ?………アテナァァァァッ!」
駆け寄る彼女を愛していた人、椎拳崇。
彼の悲痛な叫びと、幾つもの重なる悲鳴の中、一人だけが笑っていたのだ。
そう、”主催者”が。

【麻宮アテナ(KOF) 死亡】
270ゲームセンター名無し:04/11/08 23:33:36 ID:???
OPキタワァ*・゚゚・*:.。..。.:*・゚(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:*・゚゚・* !!!!!
271今現在の名簿:04/11/08 23:34:56 ID:???
ヴァンパイア:バレッタ、リリス
龍虎の拳:ジョン・クローリー、リョウ・サカザキ、藤堂竜白
餓狼伝説:タン・フー・ルー、双葉ほたる、坂田冬次、不知火舞、ロック・ハワード、アルフレッド、山崎竜二、テリー・ボガード、ブルーマリー、ビリー・カーン
KOF:アッシュ、草薙京、レオナ、矢吹真吾、シェルミー、K'、ウィップ、八神庵、クーラ、麻宮アテナ、マチュア、バイス、神楽千鶴、七枷社、クリス、二階堂紅丸、椎拳崇
マブカプ2:ケーブル
月華の剣士:一条あかり、真田小次郎(香織)、高嶺響、鷲塚慶一郎、楓(覚醒前)、御名方守矢
ジャス学:鑑恭介、エッジ、水無月響子
バーチャ:日守剛、梅小路葵、結城晶、、ジャッキー・ブライアント、サラ・ブライアント、リオン・ラファール
DOA:かすみ、エレナ、あやね
痛快GANGAN行進曲:草薙条
サムスピ:ガルフォード、六角泰山、風間蒼月、風間火月、橘右京、羅将神ミヅキ、タムタム、ナコルル、リムルル、緋雨閑丸、牙神幻十郎
ギルティ:ブリジット、紗夢、ミリア
SF:サガット、火引弾、ガイル、春日野さくら、かりん、春麗、リュウ

ソニック・ザ・ファイターズ:ナックルズ
豪血寺:クララ
ランブル:ガーネット、アラン、ゼン、ヴィレン
FHD:カルノフ、溝口誠
サイキックフォース:エミリオ
ワールドヒーローズ:ジャンヌ
ソウルキャリバー:ソフィーティア

シューティング
式神の城2:ニーギ・ゴージャス・ブルー
ぷよぷよ通:アルル・ナジャ
メタスラ:フィオリーナ・ジェルミ、エリ・カサモト
ファイナルファイト:ハガー
272ゲームセンター名無し:04/11/08 23:35:06 ID:???
オープニング来たところで名簿どうします
273ゲームセンター名無し:04/11/08 23:36:41 ID:???
まあとりあえずアテナがいきなり死んでワロタ
で、どうしようか?
274ゲームセンター名無し:04/11/08 23:37:06 ID:???
>>271でよろです
275ゲームセンター名無し:04/11/08 23:39:16 ID:???
>>271から多いとこはつまり削るんだろ?
KOFが定員6人その他4人で
アテナあぼんしたからひとまず消して
276ゲームセンター名無し:04/11/08 23:40:56 ID:???
「ハッハッハ、多少驚かせてしまったようだな」
その声と共に、闇に包まれていた”主催者”が顔を出す。
人間ではあるが、顔が覇気に満ちている、神を超えていると、もう一度全員が息を飲んだ。
紅いスーツの金髪の男性、そうそれは―――
「ルガール……バーン・シュタイン」
京はそう呟いた、無意識に。
そして、その声の後、全員に何か衝撃が走る、この衝撃はなんなのか、それは後に知ることになる。
そして、ルガールが指を鳴らす、それと同時に二人の女性が何所からとも無く現れたのだ。
「ルガール様、何事でしょうか」
その二人の女性はルガールに頭を下げる、そしてルガールは笑った…いや正確には見えなかったが確かに笑った。
「この幸福な参加者にこのゲームの説明をしてやれ」
そういい置くと、ルガールはどこかへと行ってしまった。
その二人の女性は怒りに隣で拳を振るわせる拳崇をよそに、説明を始めた。
「さっきも言ったとうり、貴様らにこれから殺し合いをしてもらう。
 ルールはただ一つ、ここにいる自分以外の生物を殺せば良いのだ。
 だが勝つためと言ってもしてはいけないことはある
 破れば貴様らの首についている首輪が爆発するだろう」
首輪?そう思い京は手を首に当てた。
すると、先ほどまで無かった首輪がずっしりと彼の首輪に掛っていた。
重くは無かったが、その首輪は違う意味でずっしりとしていた。
277ゲームセンター名無し:04/11/08 23:42:32 ID:???
書いてから削るってのもありかも
いきなり死体発見とかね
278じゃあここから減らす:04/11/08 23:44:38 ID:???
餓狼伝説:タン・フー・ルー、双葉ほたる、坂田冬次、不知火舞、ロック・ハワード、アルフレッド、山崎竜二、テリー・ボガード、ブルーマリー、ビリー・カーン
KOF:アッシュ、草薙京、レオナ、矢吹真吾、シェルミー、K'、ウィップ、八神庵、クーラ、マチュア、バイス、神楽千鶴、七枷社、クリス、二階堂紅丸、椎拳崇月華の剣士:一条あかり、真田小次郎(香織)、高嶺響、鷲塚慶一郎、楓(覚醒前)、御名方守矢
サムスピ:ガルフォード、六角泰山、風間蒼月、風間火月、橘右京、羅将神ミヅキ、タムタム、ナコルル、リムルル
バーチャ:日守剛、梅小路葵、結城晶、、ジャッキー・ブライアント、サラ・ブライアント、リオン・ラファール
279ゲームセンター名無し:04/11/08 23:44:54 ID:???
>>268-269にちょっとつなげて見た、以下本文


「何のためにこんなことをするんだ!?」
ホールの中で誰かが吠える
「知れたことだ、考えうる限りでの極限の状況下での戦闘を勝ちぬいてこそ、真の最強とは思わないのかね?」
スピーカーを通して何者かの嘲笑が聞こえる。

「信じられませんわ!私は由緒ある神月財閥の」
「飼い犬に手をかまれたのだよ、かりん嬢…ついでに言うとだな、
 マスターズ家やガルシア財団からも、我々は今回多額の援助を受けているのだよ…幸いにも今回こちらに
 放蕩息子たちは来られていないようだがね」

とりあえず暫定的ですが
280ゲームセンター名無し:04/11/08 23:46:05 ID:???
まだ途中でしたか>OP
申し訳無い
281ゲームセンター名無し:04/11/08 23:47:35 ID:???
ケンスウと京はキャラ確定でマチュアとバイスはNPC?

で、真剣に聞かせて。坂田冬次なんてキャラいたか?
一瞬真田小次郎かなにかとごっちゃになってるのかと思ったが。
282ゲームセンター名無し:04/11/08 23:48:03 ID:???
>>277みたいにとりあえず出しといて殺せばいいだろ。
ロワイアルなんだから殺すという方法で参加者を減らせば良い。
とにかく始まるのを待とう。
283ゲームセンター名無し:04/11/08 23:49:36 ID:???
>>281
恐らくNPCはヒメーネとアヤかと思われる。
284ゲームセンター名無し:04/11/08 23:50:03 ID:???
>>281
ワロタ
坂田はポリゴン版餓狼のおっちゃんキャラだよ
285ゲームセンター名無し:04/11/08 23:51:14 ID:???
>>278
KOFだけは上手く減らせんな・・・とりあえずミズキはラスボスなので不可ね

286ゲームセンター名無し:04/11/08 23:51:34 ID:???
>>281
ポリゴン餓狼に出てた
個人的にはどうでもいい。

>>282
そうだね。
エントリーが多いタイトルのやつはいきなり死体発見とか
バンバン殺しまくってけばいいか。
287281:04/11/08 23:53:24 ID:???
そうだったのか…>坂田&秘書の正体
首輪爆破されてくる
288ゲームセンター名無し:04/11/08 23:53:25 ID:???
とりあえずKOFキャラは見せしめに序盤で殺して減らしとこうぜ
289ゲームセンター名無し:04/11/08 23:56:24 ID:???
最初に呼ばれたのはアッシュ・クリムゾンだった。
「僕が最初って事はアイウエオ順てことだねぇ?」
相変わらず何を考えているのか分からない口調で尋ねる。
「そうだ、さっさと袋を取り、穴に入れ」
やはり無表情で女性は答える、チェッっと舌打ちをしたアッシュだったが袋を手に取った後―
「待て、一つ忘れていた」
そう急に呼び止められた。
「首輪の破壊力をその前に見せておこうと思ってな」
そして女性は指を鳴らした。
京はハッとなりその音を聞いた。
「ピッ、ピッ、ピッ、ピッピッピッピッピッ、ピピピピピピピ――――――」
その音がだんだん早くなっていく、そして彼は気づいた、”危険”だと。
やめろ!と叫ぼうと思ったがもう遅い。
ボンッ!!と威勢の良い音がし、彼女の首が吹き飛んだのだ。
そして狙ったかのごとく、拳崇の目前に落ちる。
首の無い死体と、声のない悲鳴と悲痛の声。
流石のアッシュも強気ではいられない、そんなアッシュに声が掛った。
「何をグズグズしている、貴様も爆破されたいか」
そう、冷たく言い放った。

これは――現実なのだ。

とりあえずOP終了ですorz
とび込んだのはアッシュだけですが、他のキャラもバンバン書いちゃっていいです。
ってか、全員文飛び込みシーンは演出できませんorz
290ゲームセンター名無し:04/11/08 23:57:45 ID:???
>>276>>289の間に追加
間違えて他板に誤爆しちゃった。

「爆発と言っても小規模なものだ、だがお前たちの命を絶つのは容易い」
さらりと、女性はそう言う、何も感情が無いかのように次々と言葉を述べていく。
「禁止事項は次のとうりだ。
 一つ、首輪を無理矢理外そうとすること。
 一つ、ゲームから逃げ出すこと
 一つ、最後に誰かが死んでから、二十四時間誰も死ななくても爆発する」
「………要するに、最後まで生き残れと言っているわけだな?」
金髪の背中に星がかかれたジャケットを背負った青年がそう言った。
その質問に、やはり生きた目をしていない目で、青年の方を向き、答える。
「そうだ、そして貴様らにはルガール様からありがたい支給物資が配られる。
 これから一名ずつ呼んで行く、呼ばれたものはこの穴に飛び込め。
 しかし、支給物資が何も有用な物とは限らない、使えないものだったときは自分を恨め」
そして、女性は読み上げた、最初の…幸あるものを。
291ゲームセンター名無し:04/11/08 23:59:30 ID:???
書き手乙。
とりあえず今日の所は詳細決めるにとどめて、ここを雑談スレにして
別にちゃんと本スレたてるのはどうだろう?
その方が見やすいだろうし
292ゲームセンター名無し:04/11/08 23:59:49 ID:???
FFDQロワイヤル?
293ゲームセンター名無し:04/11/09 00:00:08 ID:???
http://game9.2ch.net/test/read.cgi/arc/1099925949/l50
感想雑談すれ。
とりあえず参加者とか今張ってるからもうちょい待って。
294ゲームセンター名無し:04/11/09 00:01:08 ID:???
>>291
本スレはこの板に立てる?
295294:04/11/09 00:01:55 ID:???
ごめん行き違い
296ゲームセンター名無し:04/11/09 00:06:57 ID:???
>>293
削除のはずのボスキャラ入ってるし追加案のリオンや
ヴィレンが入ってなかったよ。
テンプレ修正した方がいいと思う
297ゲームセンター名無し:04/11/09 00:08:32 ID:???
>>294
アケ板でいいと思う。
298ゲームセンター名無し:04/11/09 00:09:16 ID:???
>>296な、なんだってー!!
ごめん、名簿を間違えてたみたい。
もう一度名簿だれかうpして。
コfとか餓狼伝説枠の削除無しでね。
299ゲームセンター名無し:04/11/09 00:11:18 ID:???
>>298
ちょっと待ってて
300ゲームセンター名無し:04/11/09 00:11:28 ID:???
ああ、ボスキャラと資料なしゲーム削除ねOK修正してくる。
301ゲームセンター名無し:04/11/09 00:12:36 ID:???
>>299
ぁ、ゴメン入れ違いやったみたい、名簿おながいしますorz
302ゲームセンター名無し:04/11/09 00:17:51 ID:???
話を書くときは宣言したほうがいい?
303ゲームセンター名無し:04/11/09 00:19:21 ID:???
いや宣言しなくても投下していけばいいと思う。
多分書き手さん少ないと思うし。
バンバンイコウゼ。
304ゲームセンター名無し:04/11/09 00:19:43 ID:???
ヴァンパイア:バレッタ、リリス
龍虎の拳:ジョン・クローリー、リョウ・サカザキ、藤堂竜白
餓狼伝説:タン・フー・ルー、双葉ほたる、不知火舞、ロック・ハワード、アルフレッド、山崎竜二、テリー・ボガード、ブルーマリー、ビリー・カーン
KOF:アッシュ、草薙京、レオナ、矢吹真吾、シェルミー、K'、ウィップ、八神庵、クーラ、マチュア、バイス、神楽千鶴、七枷社、クリス、二階堂紅丸、椎拳崇
マブカプ2:ケーブル
月華の剣士:一条あかり、真田小次郎(香織)、高嶺響、鷲塚慶一郎、楓(覚醒前)、御名方守矢
ジャス学:鑑恭介、エッジ、水無月響子
バーチャ:日守剛、梅小路葵、結城晶、ジャッキー・ブライアント、サラ・ブライアント、リオン・ラファール
DOA:かすみ、エレナ、あやね
サムスピ:ガルフォード、六角泰山、風間蒼月、風間火月、橘右京、タムタム、ナコルル、リムルル、緋雨閑丸、牙神幻十郎
ギルティ:ブリジット、紗夢、ミリアSF:火引弾、ガイル、春日野さくら、かりん、春麗、リュウ豪血寺:クララ
ランブル:ガーネット、アラン、ゼン、ヴィレン
FHD:カルノフ、溝口誠
サイキックフォース:エミリオ
ワールドヒーローズ:ジャンヌ
ソウルキャリバー:ソフィーティア
式神の城2:ニーギ・ゴージャスブルー
ぷよぷよ通:アルル・ナジャ
メタスラ:フィオリーナ・ジェルミ、エリ・カサモト
ファイナルファイト:ハガー
詳しい資料の見当たらない物やボスキャラなど削った最新版ね。
305ゲームセンター名無し:04/11/09 00:23:02 ID:???
>>304乙ですorz
306ゲームセンター名無し:04/11/09 00:23:34 ID:???
>>303
了解(`・ω・´)シャキーン
307bloody road:04/11/09 00:25:19 ID:???
花小路クララは泣きながら夜の街を走っていた、見渡す限りのビルやアパートがあるにも関わらず
まるで人気が無い。
「だれか〜だれかいませんか〜」
か〜〜〜〜せんか〜〜〜、暗闇に木霊が響く、もう涙すら出ない、溜息をつきながら支給品を確かめようとした
その時だった。

「誰か?誰かおるのんか?」
とぼけたような声が聞こえる、そこに立っていたのは
(この人知ってる、さっき)
恋人だったのだろう誰かの首を抱え泣いていた少年だった。
一瞬動くか動くまいか迷ったクララだが、
(この人なら大丈夫だよね…あんな酷いことになったんだから…)
「あの…信じていいよね」
生意気なまでに活発な彼女とは程遠いか細い声でクララはケンスウに向かって問いかける。
「ああ…ええで」

その一声で緊張の糸が切れたのだろう、クララはまた涙で視界を歪ませながらケンスウの方へと走る
だから彼女は気がつかなかった、ケンスウの右手が不自然に背中に隠されていることに。
その右手が閃く、そこには黒く光る銃身、それが一瞬視界の端に映った、ばん。
それが彼女が生涯で最期に聞いた音だった。
308bloody road:04/11/09 00:26:15 ID:???
額に風穴を空けられ生き絶えたクララの亡骸の前に跪くケンスウ
「アテナ…今のワイを見たらきっと泣いて怒るやろうな」
「…でもな、アイツと刺し違えることが出来るんやったら地獄に落ちたかてかまへん!!」
ケンスウが選んだ道、それは最後まで勝ち残り、その席上でルガールを討つことだった。
あのルガールは今までのルガールとはワケが違う、
恐らく京や庵…テリーらが束になっても正攻法ではまず歯が立たないと思われる。
勝つためには策を用いるしかない、そのために徹底的に奴の思惑に乗り信用される、全てはそこからだ。

おそらくルガールはこんなちっぽけな自分の考えなどお見通しなのかもしれない
しかしだからこそ試みる価値があるのだ。

だから…ケンスウはアテナの形見となった髪飾りを握り締める
「もう許してもらえんでもええ…でもせめて天国で安らかに眠っててや…」

【椎拳崇 所持品:ワルサーPPK】
第一行動:ルガールに信用されるため戦う 


とりあえずあえてケンスウをマーダーにしてみたのですが
まずいでしょうか?
309ゲームセンター名無し:04/11/09 00:27:45 ID:???
>>308
キャラらしさがあるので大丈夫!そして乙。
310ゲームセンター名無し:04/11/09 00:28:04 ID:???
>>308
GJ!
書き手さんは念のためトリップつけた方がいいかもね
311ゲームセンター名無し:04/11/09 00:29:04 ID:???
そういやまだ会場決まってないんだっけ?
>>308見るとサウスタウンっぽいんだけど正確な地図が無いな。
ttp://www.h5.dion.ne.jp/~h.arena/map.htm
こんなんはあったけど
312ゲームセンター名無し:04/11/09 00:30:46 ID:???
ttp://www.h5.dion.ne.jp/~h.arena/mapff.jpg
これを参考にやっていこうぜ、小さいけどさ。
とりあえず椎拳崇の場所の明記とクララの死亡確認お願い。
【クララ 死亡】とかやってくれると後で生き残りが作りやすいしな。
313ゲームセンター名無し:04/11/09 00:31:26 ID:???
餓狼MOWのムックにサウスタウンのマップが載ってたような・・・
地理を正確に把握してから書いた方がいいかな
314ゲームセンター名無し:04/11/09 00:32:43 ID:???
とりあえず正確な地図が出るまで俺は書くの保留するよ。
椎拳崇の現在地も分からないし。orz
315ゲームセンター名無し:04/11/09 00:33:54 ID:???
>>314
俺も保留。
いったん状況を整理したいし
316ゲームセンター名無し:04/11/09 00:34:43 ID:???
例えばパオパオカフェ南西部とか
ギースタワー三階とか
そんなふうにやっていけばいいじゃん。
俺は書くよ、ただ霧島翔を書こうと思ってたもんで書き直しがorz
317ゲームセンター名無し:04/11/09 00:35:53 ID:???
↓おまいらとりあえず会場の議論は雑談スレでやろうぜ。
何のための雑談スレだよorz
31814歳。 ◆Io3feOWtus :04/11/09 01:09:39 ID:???
「なんやの、これ。冗談きついわ…」
一条あかりは普段の快活さを一切感じさせない弱気な声とふらふらした足取りのまま行くあてもなくサウスタウンの路地を歩いていた。
こんな知らない場所で、殺し合いしろだなんてわずか14歳の少女には荷が重すぎる。
ここには愛してくれる家族も、大好きな友達も、頼りになる相棒もいない。
顔見知りはいたけれど彼等を殺さなければ自分が殺される。
今日ばかりはあかりの日本晴れは望めなかった。いわば日本どころか、世界全てが吹き飛びそうな嵐と雨――。
そのままふらふら歩いていると
少女が壁にもたれかかり座っていた。
「ちょっと、どないしたん…」
近眼のあかりは彼女に思いきり近付いた。
背はあちらの方が高いが、恐らくあかりと同い年くらいの少女だろう。
長い髪の少女はカッと大きな目を見開き、可愛らしい唇から赤黒い血を垂らしていた。
もともと白かったであろう肌は血の気を失い蝋人形のそれのような色をしている。
そして彼女の腹部には穴が、そう、穴が開いていた。
この子は殺されたんや――そうあかりが気付くと同時にあかりの中の何かがぷつんと切れ、気が付けば叫んでいた。
「いやや、いやや、いややああああっ!! うちもういややあああっ!!!」
31914歳。 ◆Io3feOWtus :04/11/09 01:11:11 ID:???
「そんなに嫌ならすぐに楽にしてあげるよ」
「!?」
激しい音と共にあかりの小さな頭が弾け、吹っ飛ぶ。それはまるで西瓜のようだった。

「ふう、あの人たちもひどいよね。こんな小さい子たちに死ねだなんてさ。…まあ、小さいのはぼくも同じだけどね」
二人の少女の死体を見下ろしながら天使のように、少年――クリスは微笑んだ。
このゲームには子どもも大人も関係ない。強き者が生き残り、弱者は死ぬ。
ただそれだけだ。
【クーラ 死亡】【一条あかり 死亡】
【クリス 所持品:拳銃(詳細不明) 現在地:サウスタウン路地 第一目的:生き残りを目的としながら殺人を楽しむ?】
32014歳。 ◆Io3feOWtus :04/11/09 01:13:21 ID:???
こんな感じでよかったのでしょうか?初投稿でスマソ。
321ゲームセンター名無し:04/11/09 01:19:35 ID:???
>>318-320
GJ。クリス・・・恐ろしい子!((( ;゚Д゚)))ガクブル
322ゲームセンター名無し:04/11/09 01:28:05 ID:???
(・∀・)イイヨイイヨー
323七枷社の見解:04/11/09 01:43:55 ID:???
(人間なんてよ放っても滅びるぜ、だからよオロチなんぞよりもこの世界を
エンジョイしたいんだよ)
(ほほう…四天王の一人としてそれは問題発言ですな)

この世界も悪くねぇと思うんだけどな…
七枷社は巨体を揺らしながら小刻みに身体を動かす
彼独特のウォームアップだ。

彼が思い出したのはつい先日の出来事だった、
いわゆるオロチ八傑集とて1枚岩ではない
山崎やレオナらのような名ばかりの奴や、マチュアやバイスのように
我関わらずの態度を取るもの、そしてゲーニッツとクリスのような急進派

自分はマチュアたちほど無関心でもいられなかったし、ゲーニッツらほど
過激でもなかった…ただこれだけは言えた
「あの神父、なんかむかつくんだよな」
だからだろうか…いつもは流されるままの会議でついつい口が滑ったのは

結局会議は物別れに終わったが、その時のゲーニッツの表情が妙に気になってならない
(まさか…いやありえないよな)
かつてルガールとゲーニッツが手を結んでいたことは社も知っている。
今回彼がルガールをまたそそのかした、充分に考えられる話だ。

まぁ…それはそれでやる事が決まった
(あいつが絡んでいるのなら徹底的に邪魔するのもありだよな…へへへ)
いなくてもかもしれない、彼はゲーニッツも嫌いだったが、ルガールはもっと嫌いだったのだ
(…オロチが絡んでいるなら始末をつけるのはオレの役目だろうな)
なにせオレは
「ケンカが強い上に男前だからな」

だから。
(クリス・シェルミー早まるなよ、オレはお前らとは戦いたくねェ)
324七枷社の見解:04/11/09 01:45:58 ID:???
【七枷社 所持品:不明 現在地:公園】
 第一目的:仲間と合流(ゲームには乗らない)
325ゲームセンター名無し:04/11/09 02:23:03 ID:???
ほたるたんがんがれ
326ゲームセンター名無し:04/11/09 02:28:06 ID:???
いつだったかのレゲー板のバトロワスレ大好きだったなぁ
327:04/11/09 02:39:35 ID:???
山道で橘右京が血を吐いて死んでいた。死因は肺病と心労だった。
高嶺響はそれを名前の近いタムタムの仕業だと思いこんだ。

 「もうだれも信じない、死んでください!」
響はタムタムにマシンガンを撃つと山を後にした。
恐くて逃げたので、タムタムがまだ生きていたことを彼女は知らない。
そしてこの事件が響の運命を大きく変える。
【高嶺響 目的:もうだれも信じない 武器:マシンガン】
【タムタム 目的:怪我を治し響に復讐】
【橘右京 目的:死亡】
328ゲームセンター名無し:04/11/09 02:45:45 ID:???
ちょっと待て。これはいいのか?
329ゲームセンター名無し:04/11/09 03:11:35 ID:???
何が悪いの
330††† ◆aJTLC8q5rk :04/11/09 05:46:53 ID:???
サウスタウン最北部。
明け方の静まり返った裏通りに小さな人影が一つ。熊のぬいぐるみを小脇に抱え、修道女のいでたちをした少女である。
彼女───いや、彼の名はブリジット。
賞金稼ぎとして村を出てからと言うものの、厄介事に巻き込まれた経験は数知れないが、今回の件は明らかに異質だった。
しかし彼の足取りは軽い。見た目の幼さにそぐわず多くの修羅場を潜り抜け、したたかさを身に付けた彼にとってはこの程度はまだ序の口だった。

状況は掴めないが、ひとまず何をしてでも生き残らなければならない事だけはよくわかっていた。
「ね、ロジャー」
そうぬいぐるみに語り掛けた瞬間、ブリジットは前方のビルの陰に人の気配を感じた。
思わず立ち止まり、身構えて戦闘体制に入ろうとすると

「ん!こんなところに美少女発見!」

ナンパでもするような口調で声を掛けてきたのは頭にカチューシャを嵌めた白人の青年。

「君、名前は?一人?こんなガラ悪い所で何してんの?」
流暢な英語で話しているがこのノリはイタリア系だろう。
体つきといい服装といい、とてもじゃないが格闘を心得ているようには見えない。最もそれはブリジットとて同じ───つまりは油断禁物と言う事だ。
そして、やるなら……今。
ブリジットは笑顔で答える。

「うち、ブリジットっていいます☆」
331††† ◆aJTLC8q5rk :04/11/09 05:49:43 ID:???
刹那。
言葉と同時にブリジットは隠し持っていたヨーヨーを勢いよく放つ。
計算され尽くした軌道。それは獲物を迅く、正確に捕らえた筈だった。
だがしかし……
(そんな馬鹿な!?)
ヨーヨーが空を切り彼が驚愕した次の瞬間、彼の腕は後ろからしっかり押さえ込まれていた。

「危ねえ危ねえ…最近の女の子はとんでもないな」
青年は手をゆるめず苦笑する。

「言い忘れたな、俺の名前はアラン・アルジェント。どうやらあんたも今回の参加者ってわけか。本来は女に手を上げるのは趣味じゃないんだが」
ブリジットも微笑を崩さず
「宜しくアルジェントさん。どうでもいいけど……うち、こう見えても男ですよ?」
言い終わるや否や掴まれた腕をふりほどき、ブリジットは瞬時にアランと距離を取る。

「そうか!それなら俺も心置きなく戦えるってもんだぜ!」

平生を装い、アランも素早く間合いを取る。末恐ろしいガキンチョだな、と内心舌打ちしたのは顔にも出さない。
332††† ◆aJTLC8q5rk :04/11/09 05:53:21 ID:???
一方ブリジットは目の前の敵を倒す事しか頭にない。
この男は、出来る。
先程の攻撃も常人に見切れる筈のものではない。外面の覇気の無さに油断していると本当に殺される……
向こうの動きは素早い。なのでこちら側としては出来る限り相手を近寄らせずに立ち回りたかった。
彼は再び宙にヨーヨーを大量に配置する。触れれば死ぬ、トラップである。
だがアランも黙って彼の思い通りにはさせようとしない。
空中で回転するヨーヨーを飛び道具で撃ち落として行く。
「甘いっ!よけてみな!」
彼が最後に放った気弾はヨーヨーを貫通し、弾丸のような速さでブリジット目掛けて襲いかかる。
「そんなっ……!!」
思わず高く跳躍し、アクセルストライクをかわすブリジット。
焦りを見せ始めた彼にアランは突然問いかける。

「なああんた、その格好は教会の人間か?何でこんな所に連れてこられた!?」
そのまま急降下し、上から奇襲を掛けつつブリジットも応える。

「ただの賞金稼ぎです♪あなたこそどうしてそんな事聞くんです!?」
333††† ◆aJTLC8q5rk :04/11/09 06:07:35 ID:???
「実は俺も教会の孤児院出身でね!何かこう、親近感わいてさ」
「それは奇遇ですね!」

軽口の応酬。
だがブリジットは気づいていない。飛び道具で相手を自分の得意間合いに誘い込み、一気にカタを付けるのはアランの常套手段である事に。
鋭い蹴りが命中し、自身の頭が激しくコンクリートに叩きつけられた瞬間ようやくブリジットはそれを悟った。

「ついでに金が必要なのはこっちも同じだ」
アランが発した言葉を遠のく意識が認識したのを最後に、ブリジットは息絶えた。
334††† ◆aJTLC8q5rk :04/11/09 06:10:06 ID:???
アランは完全に動かなくなった少年の前に、片膝をついて座り込んだ。
先刻の笑みは消え失せ、険しい表情を浮かべている。
(シスター、俺は貴女を探し出すまでどれだけの罪を犯すんだろう)

目の前に流れる鮮血が彼の良心を容赦なく責め立てたが、彼の意志は既に決まっていた。
目標の実現の為には、最後まで生き残る事。その為には何だってしてみせる。それしか選択肢は残されていないのだから。
彼は、床に置かれていたPPKワルサーを握りしめた。先刻支給されたばかりの物である。今後はこれを使わなければならない局面にも確実に遭遇するだろう。

「……お許し下さい」
小さく呟き、十字を切って立ち上がる。
それは懺悔と同時にこれから待ち受ける物への決意の証だった。

【アラン・アルジェント 所持品:PPKワルサー (拳銃)
現在位置:サウスタウン最北部、路上 
第一目標:生存して会場から脱出する】
【死亡:ブリジット】
335ゲームセンター名無し:04/11/09 10:15:03 ID:???
>>330
乙!
今後の展開が気になりますな
336黒と白 ◆EkbJKGiljg :04/11/09 12:20:55 ID:???
パオパオカフェ従業員用出入り口。そこに、二人の長身の女性が佇んでいた。
一人はやや浅黒い肌に焦茶色のショートヘア、もう一人は白い肌に金髪。
モデルのような美貌に、高級そうな色違いのスーツの彼女たちにこの場所は似つかわしくない。

「しっかし、まあ馬鹿馬鹿しいお祭りにかり出されちまったねぇ」
「ええ…」

「あの野郎、人が散々面倒みてやった恩を仇で返しやがって。なあ、マチュア」
そうぼやく彼女は言葉に反してどこか愉しそうだ。
そんな、パートナーであり親友でもあるバイスを蒼い瞳に映しながら、マチュアは「そうね」と軽く相槌を打った。
「で、これからどうする?」
「…私は邪魔な神楽さえ殺せればそれでいいわ」
「おや、随分謙虚じゃないか。もっとこう、あのクソ薙柴舟のガキを血祭りにあげるとか、アタシたちより若いオンナは全員八つ裂きとかデカい野望はないのかい?」
やはりバイスは愉しそうだ。ナントカ薙柴舟のご子息を…の下りなんて特に。
「そうね…それもいいかも知れない」
「随分つれないねェ、まさかビビってんの?あんたらしくもない」
「そうね、そうかも知れない」
先ほどから気のない返事の連発にさすがのバイスも肩をすくめた。
337黒と白 ◆EkbJKGiljg :04/11/09 12:25:10 ID:???
「ちょっとマチュア、本当に大丈夫か?これは殺しあいなんだよ。殺らなきゃこっちが殺られちまうんだよォ?」
「私は分かってるつもりよ」
口で言った後で、そっと心の中で呟く。
(ねえ、バイス。貴方は分かっているの? このゲームは『一人』しか生き残れないのよ。それに…)
マチュアは溜め息をつき、思った。

別に他の誰かを手にかけることなんて怖くはない。今までも必要ならばそうしてきたのだから。
ただ、彼女は違う。彼女だけではなく、まだ心の中にひっかかっている人物もいる。
自分に彼女たちを殺すことなど果たして出来るのだろうか?

それはあまりにも陳腐すぎる、人間臭い感情。普段なら鼻で笑ってしまうような安っぽく、らしくもない想い。
こんな感情を抱ける自分が惨めであり、苛ただしくもあり、少しだけ愛しくもある。

(その時は、私は…)

「まあいいや。ほら、あんたの武器。ちゃんと持ってないと」
「ええ、ありがとう」
鎌を渡される。まるで死神が持っているかのような鈍い輝きを持った鎌。
握ってみたがさほど重くはないようだ。これなら戦える。人を殺すこともできる。
338黒と白 ◆EkbJKGiljg :04/11/09 12:27:36 ID:???
「バイス、貴方の武器はなんだったの?」
マチュアが尋ねるとバイスは本当に上機嫌で答えた。聞いてほしくて仕方がなかったのだろうか。
「アタシはこの斧だよ。これでムカつく連中の頭を次から次へとパックリ割ってやるのさ!アハハハハ!」
彼女らしいわ、とマチュアは思った。
「あと先に言っておくけどさ」
「何?」
「そんなシケたツラしてると自慢の美貌が皺だらけになるよォ」
悪戯っぽく笑いながらバイスはマチュアの頬を軽くつねった。

【バイス 所持品:斧 目的:ムカつく連中の抹殺 現在地:パオパオカフェ従業員用出入り口】
【マチュア 所持品:鎌 目的:バイスと行動を共に。それ以外はまだ決めかねている】
339Zeroキャノン1/2:04/11/09 18:27:37 ID:???
「どうしよう、参ったなぁ」
見慣れたサウスタウンの橋の上で、飛行服の少年アルフレッドは悩んでいた。
いつも乗っている飛行機の修理が終わり、明日乗り回してやろうと思いながらベッドに入って起きたらこれだ。
よく分からないゲームに巻き込まれて、で殺しあえって言われて。
そんなことできるわけが無いよ…と彼はますます落ち込んでしまった。
「そういえばテリー達もいたっけ…何とかして逢いたいなぁ、そして…」
このゲームから抜ける。そう彼は決めたのだ。
乗り気もしない中彼は支給品を見る、自分の身長の半分ほどある巨大なチェーンソーだった。
簡単に人は殺せるだろう、だが自分にそんな勇気は無い。
さっき見た弾けとんだ首のこと忘れる為に首を横に振り、今自分がやるべきことを口に出した。
「とりあえず、テリーを探そう!それから―――」
「動かないで!」
しまった、と思ったときには遅かった。
背後に廻られ何も突きつけられていないのに彼は思った、動けば殺されるだろうと。
「黙ってその手に持ってる武器を捨てて」
アルフレッドはチェーンソーを足元に落とすとゆっくりと手を上げた。
そして、殺されるの覚悟でこう大きく叫んだのだ。
340Zeroキャノン2/2 ◆R9R.IFUeUI :04/11/09 18:28:57 ID:???
「僕は戦う気は無いんだ!」
えっ?っという声が背後から聞こえる、そしてその後その声はやがて安堵の声に変わる。
するとアルフレッドの目の前に、ぬっと少女が現れた、その少女は半泣きの顔で…。
「よかった…一か罰かでやってみたけど、貴方本当に戦う気ないのね。
 殺意が見えないもの…そうだ、よかったら一緒に行動しない?」
その言葉にアルフレッドは満面の笑みで答える。
「うん、僕も一人より二人が良い。そして………」
二人は顔を合わせる、考えは一つ、単純だった。
「このゲームから抜け出す!」
その言葉に少女は頷いた、そして手を差し出し…。
「あたし、ニーギ・ゴージャスブルー、長いからニーギでいいよ」
「僕はアルフレッド、宜しくッ!」
その手はがっしりと握られた。
そして…ニーギに支給された武器、いや正確には武器ではないのだが。
その操縦機のようなものは、このゲームを破壊しかねない、凶悪なものだということを二人は知る由は無い。

【アルフレッド 所持品:チェーンソー
 ニーギ(ショット可能) 所持品:携帯用ゼロキャノンコントローラ
 第一行動方針:テリーと合流する
 最終行動方針:生きてこのゲームから抜ける
 現在地:サウスタウンの橋、東部(孤島寄り)】
「ねぇ?バレッタさん、何か食べない」
リムルルは流し台にもたれかかり自分の対面にいる赤頭巾に話しかける。
「うんっ!もうおなかぺっこぺこ」
バレッタは満面の笑みでにっこりと微笑む、幾多のも人間いやそれのみらず魔物たちをも
たばかってきた魔性の微笑だ。
あとは獲物を待つだけ…この凄腕ハンターバレッタ様の最初の獲物としてはトロそうだが
まぁ仕方ないか。
と、バレッタが殺害の算段を練っている間、リムルルもまた考えていた
どうもおかしい…確かに目の前の少女は疑う余地など無いほどの清純な美少女っぷりなのだが
出会った時からなし崩しで行動を共にしているのだが
笑顔の影で妙にきょろきょろと周囲を見回している、まるで盗み食いをしたねずみのように
しかもやたらと大荷物でふらつきながらでもあるにもかかわらず
肌身離さずそれを抱え込んでいるのもやはり怪しい。

転がり込んだアパートの台所にて奇妙な時が流れていく
やがてバレッタの前にリムルルがなれぬ調理器具で苦労しながらも焼いた鮭の切り身がことりと置かれる。
「うっわ〜おいしそう〜」
「ありがと…ありがとついでに」

「背中に隠してる包丁は離そうね」
その言葉と同時にのけぞったリムルルの鼻先を横殴りに刃が掠める
背後の洗面台の鏡にバレッタの背中が一瞬写っていなければ喉を切り裂かれていただろう、
それほどまでに鋭い一撃だった。
ころころと床を転がるリムルル、それを追いさらに追撃の刃が舞うが、
リムルルは両足でテーブルを蹴倒すとそれを盾にして包丁を防ぐ。
バレッタはそれでもさらに攻撃を行おうとしたのだが…あきらめざるを得なかった
包丁がテーブルにめり込んで抜けなくなったのだ。

テーブルを挟み、ぜいぜいと肩で息をしながら睨み合う2人
先に動けたのはリムルル、攻撃を防げた分だけ精神に余裕があったようだ。
カニのようにゆっくりと、しかし確実に出口へと向かっていく
と、その爪先にバレッタの荷物が触れる、例のやたらと大きなカバンだ。 
そーっと拾い上げようとその時だった。
「それに触るんじゃねぇ!!」
「?」
リムルルはバレッタには構わずカバンの隙間から覗く紙切れを一枚拾い上げる
見知らぬ誰かの顔が描かれた長方形の紙だ、それが大量に束ねられている。
「アタシの金だぞ!触るな!!」
「お金…これが?」
カムイコタンにやってくる交易商人が持ってくるそれとは余りにも異なっているように思えたが
不思議と納得もできる、確かに黄金を持ち歩くよりこちらが便利だ。
しかし問題はこれがお金だったとして…
「こんな物、今の状況じゃお尻を拭く紙にもならないと思うんだけど」
余計なお世話だ!!行けよ!とっとと行けよメスガキが、次出会ったら殺すからな」
もはや付き合っていられない…リムルルは呆れ顔でその場を離れたのだった。
そして後に残ったバレッタだが。
「アタシの…アタシのお金だ、誰にも渡さない…渡すもんか、ひゃはははは」
札束を満載したボストンバックを抱え込み歯を剥き出して一人笑っているのだった。
1000万ドル、日本円にして約10億円、冷静な判断を失うには十分な金額だった、
事実この金が無ければリムルルは今頃死体になっていただろう。

【リムルル 所持品:不明 目的:未定 現在地:住宅街より逃走中】
【バレッタ 所持品:1000万ドル 包丁 目的:金は誰にも渡さない】
(バレッタの包丁はアパートの台所で回収)
344Lady Joker:04/11/09 21:21:01 ID:???
刀があれば…ママハハが居てくれたら…
ナコルルは己の不運を恨まずにはいられなかった、その目の前にはボウガンを構えた少女がいる。
年の頃は自分と同じくらい…下手すると年下かもしれない、だが…
レザースーツから覗く相手の豊満な胸をみるとさらにコンプレックスが倍増してくのを感じる。
「正直、寄り道はしてらんないんだけど」
あやねはボウガンを装填しながらしれっと言い放つ。
「雇われてしまった以上、ベストは尽くさないとね」

「雇われた…ってあなた進んであんな人たちの仲間に!」
「忍者ってのはそういうものよ」

言い返そうとしたナコルルだったが傷の痛みに顔をしかめる
ボウガンの矢がナコルルのふくらはぎと肩に突き刺さっている、しかも傷はそれだけではなかった
つまり彼女は格闘戦でもあやねに歯が立たなかったのだ。

あやねがナコルルの喉に向けボウガンを構える、その時だった。

「クリーニング屋を呼んだ覚えは無いんだけど」
明後日の方をみてあやねが呟く、そこには何処から現れたのだろう
物干し竿を担いだバンダナ姿の青年が立っていた。
345Lady Joker:04/11/09 21:23:31 ID:???
「クリーニング屋じゃない、強いて言うなら墓守かな…だが確かにオレはキレイずきだ」
犬歯を剥き出してビリーはにやっと笑う。
「だからこんな風に部屋を汚されるとむかついてしかたねぇんだよォ!!ましてこの部屋はなぁ!!」
竿をあやねに突きつけると、そのままその竿を床に突き刺しその反動としなりで
一気に空中に舞いあがるビリー、
「喰らいなッ!!キャッホォォォォーーッ!!」
しかしその跳躍は普段のそれとは比べ物にならなかった。
(クソッ、物干し竿じゃこれが限界かッ!!だがやるしかねェ!!)
ままよとばかりにビリーは空中で竿を構えて落下する。
「強襲飛翔棍!喰らってくたばれッ!!」
狙いはがら空きの背後、しかし
「ダメ!!その人の動きに惑わされないで!!背中を向けるのは罠よ!!」
ナコルルの叫びとあやねの反転はほぼ同時、それを受けてビリーが軌道を修正する。
結果、ビリーの竿はあやねの背中をわすかにかすり、あやねの蹴りはビリーのバンダナの結び目を裂いていた。

そして先に動いたのはあやね、憎憎しげにナコルルを睨み呪詛の言葉を吐く
「良くも邪魔を…気が変わったわ、あんたはデザートよ、メインディッシュが終わったら
 その次に殺してあげるわ、楽しみにしてなさい」
そのまま彼女はビリーらに背を向けて立ち去っていく。
彼らから見てその背中はスキだらけだが、
先ほどからのトリッキーな攻撃を見せられると追撃を行う気にはなれなかった。
あやねの姿が闇に掻き消え、2人は安堵の溜息を吐いたのだった。
346Lady Joker:04/11/09 21:26:28 ID:???

「ったく…ギース様さえ生きておられれば、あんな連中の好きにさせなかったものを…」
だが戦いの最中、バンダナを外されたのは今回が初めてだ、まさに恐るべき相手といえよう。

「それともオレが弱くなったのか?あ、おい立てるか?」
「…」
「安心しろ…オレが戦うのはオレが敵と見なした相手だけだ、それにこの部屋を
 得体の知れん奴らに踏みこませたくは無い」
ナコルルはビリーの顔を見る、この男、確かに粗暴だが、自分なりのルールはしっかりと持ち合わせているらしい。

「立てるならついて来い…傷の手当てをしてやる」

【ナコルル   所持品:不明 目的:未定 現在地:ギースの執務室】
【ビリーカーン 所持品:物干し竿 目的:サウスタウンを守る】
【あやね    所持品:ボウガン 目的:無差別攻撃(最優先はかすみ) 現在地:ギースタワー付近】
347ある戦士の決断:04/11/09 21:56:39 ID:???
繁栄地から少し離れた孤島で、眼鏡姿の女性、フィオリーナ・ジェルミはレーザー銃を片手に悩んでいた。
もしかしたらこれはミッションかもしれない、相手が全員モーデン兵かもしれない。
でも、あのルガールという人の言い方からして、それは無い、これは単なる殺し合いなのだ。
ならば普段人や地球外生命体を殺している自分がこのゲームで人を殺すことは出来るか?
答えは簡単、Yesだった。
でも彼女を止める理由、それは目的が違ったからだ、何かを止める為ではなく、単なる一個人の娯楽なのだ。
ならば人を殺せるか?それならばNoだった、襲われた場合を別として。
とにかく自分はあの橋を渡らないといけない、そう決め、レーザー銃を片手に歩き始めたのだ。
すると…数歩歩くとぬちゃり、という嫌な感覚が彼女の足元を襲う。
恐る恐る足元を見てみると―――。
「ひやっ!こ、これは一体…」
すると…何回も何回も殴りつけられた武士のような姿の男性…いや女性の死体が転がっていた。
(―酷い…酷すぎる)
思わず彼女は息を飲んだ。幾らなんでもこれは惨殺だ、死んでいるというのに幾度も斬り付けられている。
しかし、その死体からはまだ生暖かい血が流れている…という事は…彼女はゆっくりと前を向いた。
そこには、血のついた釘バットを片手にこちらを見ている、やられると彼女は直感したのだ。
すかさずレーザー銃をぶっ放し、木を数本折り、近づけ無いようにしてからその場から遠ざかった。

「チッ…逃がしたか…」
白髪のボサボサ頭の青年K'はそう呟いた。
彼は先ほど場所でのあるルガールの言葉に挑発的になっていた。
「自分以外の全員を殺せば生き残れるか…上等だ…やってやろうじゃねぇか!」
彼はそういってバットを強く握り締める、バットからは…まだ血が滴っていた。

【フィオ  所持品:レーザー銃(MS3) 目的:橋を渡る、自衛のみ戦う 現在地:11区の南部】
【K' 所持品:根性釘バット(GANGAN) 手榴弾(香織からルート) 目的:皆殺し 現在地:11区の中心部】
【真田小次郎(香織) 死亡】
348ゲームセンター名無し:04/11/09 22:01:39 ID:???
×思わず彼女は息を飲んだ。幾らなんでもこれは惨殺だ、死んでいるというのに幾度も斬り付けられている。
○思わず彼女は息を飲んだ。幾らなんでもこれは惨殺だ、死んでいるというのに幾度も殴られている。
スマソ
厄介な人物に遭った。とびきりキュートでミステリアスなダイナマイトに。
「ハーイ!ムッシュ二階堂?やる気はどーう?」
彼女は果物ナイフを俺の目の前にかざし、愛らしい声で俺にアイサツをしてくれた。
「勘違いしないで、俺はレディをいきなり殺すような趣味はない。」
殺せるような武器をもっていない、の間違いかもしれないが一応、な?
「あはっ、アナタが良い人でよかったぁ! あたし、すごく怖かったのー」
彼女はあはっ、とコケティッシュな笑みを浮かべる。
だが依然距離は縮まらない。果物ナイフも利腕に握ったままだ。
しかしここで慌てる紅丸様じゃない。
「はは、光栄だね。君はどうするつもりなんだい?」
よし、笑顔も完璧だ。
「そうねぇ、社やクリスに会いたいわ」
社、クリス……。威圧的な白髪の大男と、紫の炎を操る生意気な坊やの顔が頭に浮かんだ。いやな予感がする。
「やだぁ、勘違いしないで。別にまた人類を滅ぼそうとは考えてないから。」
「いやそうじゃない。俺よりも会いたい男がいるってことにちょっと嫉妬しただけさ」
「ごまかしてもダーメ!それに今のあたしはシェルミーという名前の一人の女。オロチも人間も関係ないわ。」見透かされている。この娘は全部見透かしてるんだ。瞳は髪に隠れて見えないというのにな。
「あちゅとうるり寂しくないかしらぁ。ハムスターってお腹減っちゃうと共食いするっていうし心配だわ。」
「ハムスター?」
「そう、飼ってるの。カワイイから何されてもつい許しちゃうのよね。」
突飛な話。ペット自慢。本当にこの娘はなんなのだろうか。本当にあの冷酷なオロチ四天王の一人なのだろうか。人なのか、オロチなのか、はたまた天使なのか、悪魔なのか。
「そっか、そんなに可愛らしいなら是非見せてほしいな。」
「うーん、考えとく。……ねえ、ムッシュ・二階堂。」
彼女はまた甘い声で俺に尋ねて来るんだ。
「あたしと組まない?」ってね。
さて、どうするか。
【二階堂紅丸 所持品:?(外れアイテム)】【シェルミー 所持品:果物ナイフ(支給品?)目的:仲間に会う?】 【現在地:パオパオカフェ付近】
351貴き人 ◆CFbBJSZQHE :04/11/10 01:26:24 ID:???
『良いか貴人、近いうちにお前は生と死を別けるほどの試練が待ち構えているだろう、
だが案ずるな、お前は生き延びれる、何せお前はこの西園寺貴征の孫だからな。』
西園寺貴人は数日前、祖父が自分にそう継げたのを思い出した。なるほど、この事を言っていたのか。
「お祖父様も人が悪い、こうなる事を知って、尚且つ本質を述べずに孫を送りだとは・・」
貴人は誰に言うでもない独り言をつぶやいた、普段の貴人なら独り言などという行動は絶対しなかった。
今までは自分の頭で冷静に考え、そして何も言わずに行動してきた、冷静さは身を助け。動揺は身を滅ぼす、それは重々に分かっているつもりであった。
しかし、今貴人が置かれている状況は貴人でも動揺せざる負えない状況であった。
だから貴人は動揺して自分の置かれた状況が分かっていないと分かっている自分に語りかける事により自分の置かれた状況を客観的に考えようとていた。彼は動揺してても冷静であった。
「今居る場所は地下鉄の駅の出入り口・・・僕が持っている所持品は・・・」
貴人は先ほど手渡された支給品を見る、長さ10センチ程度のペーパーナイフ、それを見て貴人はとある女性の言葉を思い出した
「自分を恨んだほうが・・・よさそうだな」
そう言い貴人は苦笑した。


自分が今どこにいるか、今、自分がどういう状況下にいるか。貴人はそれを声に出す事により理解する事が出来た。
そして次は声に出さずに、いつも通り、声に出すことなく頭の中で冷静に考える。
『・・・そして、僕はまず何をするべきなのだろうか・・・・』
考える。まず第一に生き延びる事が前提だ。
考える。しかし、生き残る事が出来るのは1人のみ。
考える。しかも、相手は自分と同じ状況、自分を本気で殺しに来る事は間違いないだろう。


そして、答えが出た。───────────────────────
352貴き人 ◆CFbBJSZQHE :04/11/10 01:28:21 ID:???

「おや?誰か居まして?」
金髪ロール髪の少女───神月かりんは地下鉄駅前の大木に居る人影を見つけた。
「・・・・」
貴人は何も答えず、少女の前に立った
「あら?素敵な殿方です事、残念、こんな場所でなければ神月財閥の下手人としてつかってあげましたのに・・・」
神月かりんはそう言うとワザとらしくため息をついた。
「申し送れました、私の名前はかりん、神月かりんと申します、こう見えても神月財閥の一人娘でございますのよ、貴方のお名前は?」
少女が貴人に問う
「貴人・・西園寺貴人」
「あら素敵なお名前です事。貴人さん、早速ですが私、貴方に頼みたい事がございますの」
そういうと少女は刃渡り15センチ程度のナイフを構えた、彼女の支給品だろう。チンピラとは違う、洗礼された構えだ。
「私、神月財閥の跡取りとなる存在、こんな所で死ぬべき存在ではありませんの・・・噛まれたままの犬では終わりませんの…ですから・・・」
全てを言い終わる前に彼女は貴人に飛び込んできた。
「死んでくださいませぇぇ!!!!!」
先ほどの優雅な雰囲気とは一遍、少女は修羅へと変わり、手に持ったナイフを貴人の胸へ衝き刺そうとした。
が、その突いた力は流され、ナイフは空を切った。
「なっ!?」
かりんは自分がもっとも得意とする『技の返し』をされた事に気が付いた。
貴人はかりんの右腕をつかんだ。
普段の貴人ならそこから投げる、もしくは関節技を決め、相手をギブアップさせるかのどちらかであろう。
353貴き人 ◆CFbBJSZQHE :04/11/10 01:29:13 ID:???

しかし、今は試合ではない。
「すみません、私も生きたいんです。」
そうかりんに言い放つと貴人はかりんの”肘の表”に全体重を掛けた。

ブチブチ、と筋が千切れた音の後、ゴキュ と鈍い音がする

「!!?キャァアアアアァァァァァァァァァァッ!!!」
少し間をおいて、かりんが痛みによる叫びをあげる。
「い、い・・・いた・・・ウ・・・腕・・・・が・・・・くっ・・・ああああああああああっ!!」
右腕の激痛に耐え、少女は左足で貴人に蹴りかかる。
しかし貴人はそれを左にいなし、左足をつかむ。
「そんなに動揺してはもう、私には勝てません」
貴人は少女の左ひざに先ほどの様に全体重をかけた

ブチブチ ボキッ

「ギッ!!アアアアァァアアアッ!!!・・・クッ…アアアッ・・・!」
かりんは、攻撃する手段を、逃げる手段を失った。
354貴き人 ◆CFbBJSZQHE :04/11/10 01:31:45 ID:???

「ウウッ…い…痛い…」
右腕、左足の激痛に苦しむ少女の前に、少女が持っていたナイフを手にした貴人が立っていた。
「ひ、ヒィッ!!…い、いや…こ、こないで…くださいまし…!!」
少女は叫ぶ、しかし彼女は逃げる事も、戦う事も出来ぬ状況であった。
そんな少女に貴人は躊躇いもなく首筋にナイフを挿した。
「か…は…」
少 女 か ら 、 肉 の 塊 に な っ た ──────


貴人は肉の塊となった少女を見つづけていた。
初めて人を殺した…
頭の中はそればかりであった。
冷静に、躊躇いもなく、冷たく殺した。
人間として最後の良心みたいなものを捨ててしまった気がした。
それと同時に、それでも冷静さを失わない、完璧な精神を手に入れた気もした。

ここにつったって居ても仕方が無い…
さて…これからどうしようか…

【西園寺貴人 所持品:ペーパーナイフ 刃渡り15センチ程のナイフ(かりんからルート) 目的:生き残る 現在地:2区の地下鉄入り口】
【神月かりん 死亡】
「だから、僕は一人で行動したいって言ってるじゃないか!」
「そんなつれないこと言わないでよリオン君。ボク、お友達がほしいんだ。ね、いいでしょ?」
人の気配を感じさせない遊園地のど真ん中でフランス語を巧みに操るのは、まだあどけなさの残る細身の少年二人。
当然二人はこの遊園地に遊びに来たわけではない。
「悪いけど、僕につきまとわないでくれないかい? こんな状況下で見ず知らずの人と手が組めるほど僕はお人好しじゃないんだ。」
育ちのよさを感じさせる甘い顔立ちの少年が毅然とした態度で言う。
彼の名はリオン・ラファール。フランス有数の名家にして武器商、ラファール家の跡取り息子だ。
「それって宣戦布告? 参ったなぁ。ボク武器がゴミだったんだよね。ほら、こんなのっ!」
アッシュがリオンに支給品の蛇の玩具を投げつける。それが試合開始といわんばかりに。
次いでリオンの蹴りがアッシュの腹部に飛ぶ。まともに食らったらしくアッシュの体が地面に倒れた。
「やったな……。でもね」
アッシュは腹部を押さえながらリオンを睨みつけた。
「武器はさっきのだけじゃないんだよ」
アッシュが右手を天にかざすと、リオンにとって信じられない現象が起こった。
「ほら見て!綺麗でしょう?」
男とは思えないほどしなやかなアッシュの手から緑色の炎が舞う。その炎はリオンの命を奪おうと襲いかかってくる。
「っ…!」
もう少しで体が焦げるところだった。リオンはとっさに支給品のバタフライナイフをアッシュの顔をめがけて投げつける。
ナイフは、眼球や額に刺さることなく、アッシュのソバカスのある白い頬に傷をつけるのみだった。
「くっ!」
ナイフを拾い直す余裕はない。今は逃げなくては。
緑の炎を操れる人間なんてリオンの常識の範疇にはない。これではまともに正面からぶつかっても勝機はない。
常識も倫理も通用しないこの場で、僕はどう生き延びようとすればいいのか。リオンは全力疾走しながら頭の片隅で考えていた。

「リオン・ラファール…『疾風の獅子』か。逃がさないよ。必ず灰にしてやる…」
バタフライナイフで斬られ、血の溢れる頬を押さえながらアッシュ・クリムゾン――『真紅の灰』は憎悪に満ちた瞳でリオンの去った場所を睨みつけていた。体が重く気だるいのは炎を使ったせいだろうか。

【リオン・ラファール 所持品:なし 第一目的:逃走】
【アッシュ・クリムゾン 所持品:なし 第一目的:リオンの殺害 *炎を使ったため一時的に体力低下】
357Viper Trail:04/11/10 20:04:05 ID:???
人気のない公園、池のほとりで争いの物音が聞こえる。
一人は肥満した禿頭の男、もう一人は金髪の美女だ。

男が火球を投げて攻撃すれば、女は華奢な外見にも関わらず、鮮やかな身のこなしでこちらの攻撃を
いともたやすく避けていく、その上自由自在に伸縮する髪の毛を操り
あらゆる角度から攻撃を仕掛けてくる。
男の名前はカルノフ、かつて中東から中央アジアを支配していた一族の長だ。
だが、それも昔の話、民主化と相次ぐ紛争でその権勢はすっかりと衰えていた。
「ひいい…何故わしがこんな」
彼とてかつては自前で格闘大会を開催していたし、武道家としても一流だった
だが権力の座から転がり落ち、その上金だけはあるのだから
自然と堕落していく、そんなすさんだ暮らしをおくる中で
すっかりその腕はなまりきっていた。

したがって目の前の女を丸焼きにせんと、口から炎を吐こうとしても煙だけが空しく立ち上る、
そして美女がその髪を一段と振り乱そうとした時だった、二人の間を分かつように
何かが投げ込まれる、それは路上で破裂し激しく燃え盛った、火炎瓶だ。

直撃こそ免れたが高熱と眩しさに目をふさぐカルノフ
悲鳴を上げて転がる姿は肉饅頭のようだ。
薄目を開けるとそこには女の姿はすでになく、
かわりに先ほどまではいなかった別の男が姿を現していた。
358Viper Trail:04/11/10 20:05:36 ID:???
「おお、おかげで助かったぞ」
カルノフの感謝の言葉にも男はけだるそうにその場から動こうとはしない、
じれったげにカルノフは男に近寄っていく。
「どうじゃわしに仕えぬか、クラウンよりも見所はあるようじゃしの」
落ちぶれても殿様気質は抜けないらしい、だからカルノフにはわからなかった。
鋭い眼光、だぶだぶに着崩したジャンバー、どう考えても目の前の男は
人助けなどしそうにないタイプだということを。

「勘違いすんなよ…俺は2人とも殺すつもりだったんだぜ」
不機嫌に呟いた男、ヴィレンの右手が素早く振り下ろされる。
かつての強さは昔、今や普通に強いデブに成り下がったカルノフでは、身をよじって避けるのがやっとだった、
贅肉だらけの肩口に鉄針が深々と突き刺さる。
さらに間髪入れずヴィレンの左手が伸ばされ、蛇のようにチェーンがカルノフの首に絡まる。
暗器使いであるヴィレンにとっては手中に収まるあらゆる全てが武器となる
日常に存在する雑貨ですらこの男が手にすれば恐るべき武器と化すのだ。
事実、先ほどの火炎瓶もビール瓶にガソリンを入れたものだし
今カルノフの肩を貫く鉄針と首を締め上げるチェーンは自転車を分解して拝借したものだ。
359Viper Trail:04/11/10 20:10:48 ID:???
「かっ…かっ…」
カルノフを地蔵背負いに抱え込んだヴィレンの背中越しに苦悶が聞こえる
だがヴィレンはさらに締め上げる手に力を込める。
やがて声は聞こえなくなり、その手に重みが急に加わった。

「弱い奴から先に喰われる…」
カルノフの死体を前に呟くヴィレン
「だがこういうのもいいな、イライラがすっかり消えた」

バッグの中の支給品ががさごそと動く、ヴィレンは舌打ちしてバッグを蹴飛ばしウザそうに
「騒ぐなお前は非常食だ、その内焼き鳥にしてやっから楽しみに待ってろ」
蹴飛ばされ半開きになったバッグの中からパチンコ球や鉄釘が零れ落ちる
そして本来の支給品である一匹の鷹が鳥かごの中で不満げに鳴いているのだった。

【ヴィレン 所持品:ママハハ(本文中の武器は現地調達) 第一目的:ゲームに参加】
【ミリア・レイジ 所持品:不明 第一目的:不明】

【カルノフ:死亡】

(冒頭の戦いですがミリアが仕掛けたのか、カルノフが仕掛けたのかについては
 後の方にお任せします)
360Hacker Nurse:04/11/10 22:36:59 ID:???
「荒れ放題ね」
ガーネットはラクガキだらけの市街を見ながら溜息をつく、
サウスタウン、もともと地理にも産業にも恵まれていないこの街がなぜこの近隣で一番の大都市になり得たのか
やはりそれはギース・ハワードという男の圧倒的なカリスマによる部分が全てだといってもよい
しかしそのギースが死んで以来、無法の法にて成り立ってきた街の秩序は崩れ、
まさに無法地帯となりつつあるとは聞いていたが…
これで一応中心街といってもいいのだから全くもって問題だ、

ラクガキだけではなく店のシャッターにはほぼ必ずこじ開けられたような形跡があるし、
中にはショーウィンドーがものの見事にぶち割られている店もある
(そういえば携帯ショップの中で泣きながらどこかに電話をしようとしていた女の子がいたわね
 確か神月財閥の令嬢だったかしら?)
自分もジンに連絡を取ろうとしたことを思い出す、だが1度で諦めた
『申し訳ありませんが個人所有の携帯での連絡は不可能となっております』
あの感情の欠片も無い声を聞かされると、もはやそれ以上のことを試みる気力はなかった。
彼女もいいかげん諦めたのだろうか…無事でいるといいのだが

そんなことを考えながら歩いていると、ようやく目的の店についた
2階建ての店の階段を上り、自動ドアを強引に抉じ開ける、ろくに手入れもされていないドアは
軋みながらも簡単に破られてしまう、警報装置も働かない。
361Hacker Nurse:04/11/10 22:37:58 ID:???
なるだけ形跡を残さないようにドアを閉めると、
ガーネットは支給品である多目的ゴーグルを取りだし、目の前にかざす。
赤外線の網膜に壁に区切られた幾つもの小部屋と雑誌やコミックを満載した大量の本棚が映し出される。
小部屋の中に入ると簡素な机にパソコンが備え付けられていた。
マッサージチェアに腰掛けパソコンの電源を入れると、独特の起動音が鳴り響く。
「よし!生きてるわね」
彼女はあのホールの中、ルガールの背後で何人かのスタッフが別室に出入りしていた事、そして出入りの際
部屋の中にサーバーやルーターといったネットワーク機器が設置されていたのを見逃さなかったのだ。

少なくとも通信そのものは出来ることは分かっている。
あのお嬢様が試みたように中から外や個人から個人は無理でも、中から中は試す価値があるはず。
名うての情報屋である彼女の脳裏には数々の企業情報がインプットされている。
「さてと、始めましょうか」

【ガーネット 所持品:多目的ゴーグル(赤外線と温度感知) 第一目的:中央に対してハッキング】
現在位置:中心街ネットカフェ
「嬉しいよ、君みたいな可愛い娘から誘ってくれるなんて」
「それはオッケーってこと?ゴメンナサイってこと?」
「頼む、あと少しだけ考える時間をくれないかい?」
命に関わることだというのに、恋の駆け引きのような甘さを感じさせるのはなぜだろうか。
勿論当の紅丸本人はそんな甘さに浸っている余裕などないのだが。
「んー。アナタ、なかなかカッコいいから時間と一緒に考えるヒントもあげちゃおうかな?」
紅丸はくいくいっとパオパオカフェの駐車場の方へと引っ張られていった。

「ほら見て、死体よ。これって誰かが殺る気になってるってことでしょう?」
シェルミーはサッと紅丸の後ろに隠れながら、地面に寝転がるそれを指差した。

紅丸も見たくはないがマジマジと遺体を見てしまう。
眼鏡をかけた中年男性の遺体。何故か箒が横にある。
「このまま一人でいたらあたし達もこうなっちゃうかもしれないわよ。気を付けなくちゃね。」

遺体は勁動脈をやられていた。

「人間ってこんなにあっさり死んじゃうのね。まだ信じられないわ。」

遺体は鋭利な刃物でやられていた。

「果物ナイフじゃ銃や刀剣には太刀打ちできないもの。それに一人じゃ限界があるわ。」

遺体はナイフのような刃物で派手にやられていた。

「あたし怖い。こんな中で一人でなんていられないわ。」

果物ナイフvs画鋲五十個。
彼女が天使であれ、悪魔であれ、ついていく他に無さそうだ。

「……オッケー。二人で行動しよう。よろしく頼むよ、シェルミー」
「あは!素敵なナイトが出来て嬉しいっ!」
シェルミーはにこにこと微笑みながら紅丸の手を握りかえす。
「改めてよろしくね、ナイト様。裏切ったり、浮気しちゃや〜よ♪」
美しいものと自分自身をこよなく愛するナイト様と、コケティッシュな魅力に溢れたどこか不思議でグラマラスなお姫様。
とりあえずだが、痺れるほどにセクシーな美男美女二人はこうして手を組んだのだ。

【二階堂紅丸 所持品:画鋲五十個 目的:?】
【シェルミー 所持品:果物ナイフ 目的:仲間探し?】
【六角泰山 死亡 所持品:箒】
【現在地:パオパオカフェ付近(駐車場)】
364帰郷:04/11/11 00:30:08 ID:???
テリーは一人、歩き慣れたビル街をただ歩いていた。
片手に持つ鞄以外は武器らしい武器も持たず…その中に何が入っているかは不明で
はあるのだが…それはもうこの状況を考えれば狂っているのでは無いかと思える程
に無防備だった。
考え事をしているのか、顔をうつむかせ前髪でその表情は読み取る事ができない。
何を考えているのかと言うと、テリーはただ耳をすませていた。

風の音が聞こえる。

それは自然な音なのだろうが、この街には異質な音。人の活気に溢れいつだって音
の絶える事の無いこの街には不自然な音。この街に、あの会場に集められた人間以
外の人間が居ない証拠。歩いていれば、いつも声をかけてきた気の良い顔なじみ達
はどこへ行ったのだろう?避難したのだろうか。
テリーはそこまで考えるとある地点で止まった。そこにそびえる建物を見上げる。
そこには「警察署」と書かれていた。

365帰郷:04/11/11 00:35:24 ID:???
勝手知ったるなんとやらといった風情でなんのためらいも無く建物内に入りテリー
は適当な椅子を見繕いどすっと音をたてて座った。座った椅子の背もたれには小さ
く「KEVIN」と掛れている。ぐるりと部屋の中を見回す、昔はよくここに世話になっ
た。男一人の体重でキィときしむ安っぽい椅子にもたれテリーはただ思考した。彼
の顔にいつもの飄々とした雰囲気は無い。
厄介な事になった。
いきなり殺し合えとはまったくもってまいった、これはいつものストリートファイ
トじゃあないのだ。
テリーは持っていた鞄の中を探り、自分に支給された武器を改めて見る。彼に支給
されたのはリボルバー式の小型銃だった。
テリーの手にすっぽりとおさまりそうなほど小さいそれはしかしその見た目よりも
ずっとずっしりとしている。こんな小さいものでも、人を殺す道具なのかと思うと
やりきれなく、すぐそこにあるゴミ箱に投げ捨ててしまおうかとも考えたがそれも
できなかった。
殺す事に限らずとも、この金属の塊には利用価値があるとひたすら自分に言い聞か
せ、テリーはそっと銃を自分のポケットに忍ばせる。
まず、仲間が欲しい。
366帰郷:04/11/11 00:37:41 ID:???
あの会場には色々な奴が居た。集まった奴の多くは知らない者ばかりだったがごく
少数、顔見知りがいた。ロックやマリー、舞や京、リョウ、アルフレッドもいた。
山崎…は…ちょっとダメか…。ビリー…も…グレーか?根は良いやつなのだがちょっ
とした因縁がある、ジョ−のオニイサンになるやもしれないのだから仲良くしたい
のは山々だが…。
テリーはひとつ大きな溜息を吐いた。うだうだしていても仕方が無い、か。
「とにかく…行動を起こすかな」
まず、ロックを探そう。
ロックに限らずだが信用できるやつがいるといい。

そして場合によっては……

ポケットの中に入れた塊が、さっきよりもずしりと重たく感じられた。


【テリー・ボガード 所持品:リボルバー式小型銃(装填数6) 第一目的:信用で
きる者を探す *場合によっては、殺す覚悟も】
現在地:警察署→移動
367闘気:04/11/11 00:46:59 ID:???
(ハッ、またこんなフザけたイベントに付き合うハメになるとはな)
さびれた街で、ゼンは心の中で吐き捨てる。
FFSは、頂点にいたあの男と闘うという目的があったから、金持ちどもの道楽にもあえて
付き合ってやったが……あのルガールとかいう男に付き合う理由はどこにも無い。
(気に喰わねぇな)
しかし、現実は彼の意見など無視して襲い掛かってくる。

「悪いけどアタシはこんな所で死ぬのはご免アルよ!」
街角で鉢合わせた中華拳法使いの女性…蔵土縁 紗夢は、ゼンを見るなりいきなり鋭い蹴りを放ってきた。
「ちぃっ!」
身をかがめてやり過ごし、反撃に足払いを仕掛ける。しかしジャムは後方に大きく跳びすさってかわした。
そして大きく息を吸い、気を練る。
「テメェも気功使いか……」
ゼンも向こうが気を練っている隙に、禍魂法を使った。全身に気がみなぎってくる。
こんな所で死ぬのは、こちらもご免だ。
368闘気:04/11/11 01:00:09 ID:???
「死んでもらうヨ!」
「死ぬのは……テメェだ!!」
掛け声と共に、ジャムが上空からゼンめがけて矢のように蹴りで突っ込んでくる。
それを高く跳び上がってかわす。
「牙砕脚!!」
着地した彼女に、今度はゼンが上空から踏みつけるようにして襲い掛かる。
ジャムはかろうじて身をひねって直撃を避けたが、禍魂法で強化されたゼンの踵は、
古いアスファルトを易々と砕いた。
弾けたアスファルトの欠片が、ジャムの顔を直撃する。
「!!」
思わずひるんだ彼女にできた一瞬の隙を、ゼンは見逃さない。
一気に彼女に突進し、そのままタックルしてビルの壁に叩きつける。
「っはぁ……」
「とどめだっ!!」
崩れ落ちたジャムに次々と拳、蹴りを叩き込む。
ジャムは壁とゼンの攻撃の間を幾度もバウンドし、最後の蹴りが叩き込まれた後……
力なくズルズルと壁を崩れ落ちた。
「アタシの……店……」
小さな、小さな声でそう呟くと、ジャムは目を閉じ動かなくなった。

「……ちっ」
殺そうとしてきたから殺した、その事はゼンは別に後悔していない。
しかし、ルガールとかいう男の手の上で、こんな理不尽な殺し合いをさせられるのはひどく苛立たしい。
「必ず引きずり出して、後悔させてやる……」
未だおさまらない闘気をまとわせたまま、ゼンは再び”魔獣”のように闘う覚悟を決めた。

【ゼン 所持品:ボウガン(本人使い方よくわかってない) 第一目的:ルガールを倒す】
【現在地:2地区(地下鉄)のビル街】
369闘気:04/11/11 01:06:47 ID:???
すいません書き忘れ!!
【死亡 ジャム】
指摘くださった感想スレの方どうもです、アイデア無にして申し訳ない。
370†††高嶺響補完 ◆aJTLC8q5rk :04/11/11 01:41:31 ID:???
タムタムは公園の林木の陰に姿を潜めている。
身を隠すと言う行為一つにしても自然とこうした場所を選んでしまうのは彼の習性なのかもしれない。

数時間前あの薄暗い部屋に現れた禍々しい気を放つ異国の男。男の話す言語の意味は理解できなかった。だが、直後にタムタムの目の前で女の首が吹き飛んだ。それはタムタムが全てを理解するのに充分過ぎる光景だった。言葉はいらぬ、野生の観だ。

「うげぇっ……げほっごほっ……」

突如何者かが咳き込む声がした。しかしそれは明らかに聞き覚えのある……
タムタムは即座に周囲を見渡した。
声の主は数百メートル先の草むらに倒れ込んでいた。予想通り、橘右京である。
タムタムは素早く右京の元へ駆け寄った。
右京が持病の肺病の発作を起こすのは毎度の事だった。しかし今回はいつもと様子が完全に違っていた。
酷く喀血している。顔は既に土気色に変色し、彼が生死の境を彷徨っているであろう事は誰の目にも明らかだった。
(しっかりしろ橘右京)「おぉ……こ…これはタムタム…殿……」

気配に気付き、右京は自らの血に濡れた顔を微かに持ち上げる。蚊の鳴くような声である。
「…流石に……今回……ばかりは駄目な……ようだ……お圭を……げふっ!ごほっ!」
ごぼり、右京の喉が不穏な音を立て、どす黒い血液が大量に口から流れ出る。
(おい、死ぬな橘右京)タムタムは右京の肩を思わず揺すった。反応がない。まさか……恐る恐る彼の頸動脈に触れる。
脈は無かった。

急激な環境の変化のせいで、病状が悪化したのかもしれない。さしもの居合いの達人も、病魔の前にはなす術無かったと言う事か。
哀れだ、とタムタムは思う。
南米グリーンヘルの勇者は仮面の下で目を閉じると、若き剣豪の死を静かに悼んだ。
371やりますか?:04/11/11 01:41:35 ID:???
「どうして…どうして、僕をそっとしておいてくれないんだ」
「君も僕と同じなんだね…」
アパートの一室、電気もつけず部屋の隅っこで不幸自慢をしているのは
2人の美少年、エミリオと閑丸。
最初に目が合った瞬間、自分と同じ何かを感じ取った2人は
以来行動を共にしているのだった。

「ほら…泣かないで」
閑丸はエミリオの頬を伝う涙をそっとぬぐう。
「でも君も泣いてるよ…」
お返しにエミリオは閑丸の涙を唇で舐め取る。
「エミリオ君、それ…」
閑丸の顔をみて、エミリオは慌てて謝る。
「ご、ごめんなさい!嫌なこと思い出しちゃった…かな」
「ううん、君ならいいから…」
その少女と見紛うばかりの美しい外見ゆえに2人は慰み物として生きてきた経験がある。
一時の間とはいえ、その経験は二人の心に大きな傷を残していた。
「覇王丸さん」
「ウェンディ」
2人は自分を地獄から救い出してくれた人の名を呟く…だがここにその人はいない。
だから2人は肩を寄せ合い、確認するかのようにか細く自信無さげに呟くのだった。。
「もう一人は…やだよ」

そしてその隣の部屋には
「これだけ金があると何するか迷うでなー、一万回ホスト呼んでストリップさせても使い切れねーよなぁ
 ぐふふふふ」
狼がいた。
372すくすくパピィ ◆nucQuP5m3Y :04/11/11 01:43:19 ID:???
「Shit!面倒なことになったもんだ」
忍となってからあまり使わなくなった母国語が思わず口をついて出る。
青い忍装束に身を包んだ金髪の男は今難問に直面していた。

遊園地の一角、お土産屋なのだがガルフォードにわかるはずもない、その建物の中に彼は一人で
いや、正確には一人と一匹で潜んでいた。
傍らにいるのはもちろん愛犬のパピィ・・・ではない。白く丸い体に黒い模様、大きな耳に太い眉。
「で、一体なんていう生き物なんだ?これ」
「にょ?」
ガルフォードとともに小首をかしげる謎の生き物。
彼が渡されたバッグにはこの謎の生き物が入っていた。この遊園地についた頃、突然バッグから
「にょ〜、にょぉ〜」という気の抜けた鳴き声が聞こえてきて、開けてみたらこれである。

「見捨てるわけにもいかないな。とりあえずは連れて行くとしよう。さ、行くぞ、えーと・・・」
「にょ?」
「よし、ここを出るまでの相棒だな、来いパピィ!」
「にょ!」

自分の愛犬と同じ名をつけた謎の生き物はてけてけとあとをついてくる。
その姿は愛くるしく、ここが殺し合いの場であることを忘れそうになる。
しかし忍としての本能がそれを許さない。足下にいる生き物を抱き上げ、いつでも動ける体勢をとった上で
建物の出口、扉の脇に向けて声を発する。

「ヘイ!そこのヤツ、ゆっくり手を上げて出てくるんだ。大丈夫、俺は殺しあうつもりはない」
「OK、私もそのつもりはないわ」
扉の向こうから返事が返ってきた。
373†††高嶺響補完 ◆aJTLC8q5rk :04/11/11 01:43:40 ID:???
もう帰りたい……
何度呟いた言葉なのか、既に自分でも記憶にない。
高嶺響は公園のベンチに力無く座り込んだまま、天を仰ぐ。
あの時地獄門が開きかけると同時に、響は意識を失った。そして目が醒めると見知らぬ部屋に彼女は大勢の人間と共に押し込められていた。
そして………今。
不毛な殺戮───いや遊戯か───の真っ直中に彼女は、いる。
父親を殺害した銀髪の男を探して旅をしていた最中も、彼女は沢山の人を斬った。
人を殺める事への罪悪感等とっくの昔に消え失せた。だがしかし、毎回行為の直後に必ず訪れる恐怖と動揺は今でも消える事はない。なのに……
「もう嫌……頭がおかしくなりそう……」
響は頭を抱え込む。今や目に映る自分の袴の色でさえ、吹き出す鮮血を連想させる。
「私……私はここで殺される……?」
その瞬間唐突に響を襲った感情。それは死の恐怖、自分の命を狙う物への激しい恐怖だった。
「そんな……嫌……嫌よ!!」
響は弾かれたように立ち上がった。そして走り出す。
(そうよ……逃げるのよ。早くこんな所から逃げなくちゃ……)
374すくすくパピィ ◆nucQuP5m3Y :04/11/11 01:44:04 ID:???
ゆっくりと扉を開けて入ってきたのはアジア系の女だった。
「ごめんなさいね警戒させて、武器はもってないわ。それにしても潜入捜査は得意だったんだけど、腕が落ちたかしら」
「潜入といえばシノビの得意分野でね、気配を読むのは基本にして奥義なのさ」
「あら、その格好、ニンジャってやつ?ええと・・・ガルフォードさん?」
「Why?なぜ俺の名前を?」
「私だけ知ってるのはフェアじゃないわね、私は春麗。私のもらった支給品はこれ、探知機なのよ。
 そっちにいってもいいかしら?」
「OK、殺気も感じられない、それで、タンチキ?」「にょ?」
同時に首をかしげるガルフォードとパピィ、彼女が見せた小さな黒い箱にはこの建物近辺の地図と光る二つの点と
それぞれにガルフォード、チュンリーと英語で名前が表示されていた。

「まあ園内にも何人かいるんだけどね、園内といっても結構広いし大丈夫だけど」
そういいながらボタンをポチポチと押して表示を切り替える。画面に写る地図が園内の全景に変わりいくつかの光る点が映された。
「よくわからないが居場所と名前のわかる機械ってことだな。そうそう、俺の相棒はこいつだ、パピィ!」
「にょ!」
お辞儀をする珍妙な生き物。思わず春麗は吹きだし、はじめて笑顔を見せた。

「あははは、かわいいー。さすがにこれを連れ歩く人は悪人じゃないわね。あなた、腕はあるようだけどどうするの?」
「そうだな、こんなことは正義に反する、あのルガールとかいう男、斬る!」
「目的は同じ、か。OK、手を組みましょう?もちろん全面的に信用しろとは言わないわ」
「そうだな、承知した。だが俺も丸腰、自分の身は自分で守る、OK?」
「オッケー」
「にょ!」
一緒に声を上げたガルフォードの腕の中の生き物を見て今度は二人とも笑っていた。

【ガルフォード 所持品:犬福のパピィ(すくすく犬福) 目的:主催者の暗殺】
【春麗 所持品:携帯型探知機(有効範囲は自分を中心に1キロ前後) 目的:同上、ただし殺害ではなく基本的には逮捕が目的】
375やりますか?:04/11/11 01:44:24 ID:???
【エミリオ 所持品:不明 第一目的:静かに暮したい】
【緋雨閑丸 所持品:不明 第一目的:やっぱり静かに暮したい】
【バレッタ 所持品:1000万ドル 包丁 第一目的:1000万ドルの使い道を考える】
376†††高嶺響補完 ◆aJTLC8q5rk :04/11/11 01:44:55 ID:???
しかし逃げると簡単に言っても、自分の現在位置すらまともに把握出来ていない事に響はすぐに気付いた。
むろん鎖国時代の人間である彼女が方位磁針の使い方など知る余地もない。
立ち止まると同時に沸々と焦燥の念が沸き起こる。もし、こうして彷徨いている間に誰かに襲われたら……?
結局響が下した結論は、一旦隠れ場所を確保する事だった。彼女にしては冷静で賢明な判断である。
隠れるのなら当然人に見つかりにくい場所でなくてはならない。
丁度前方に小さな雑木林が広がっている。あの奥に何処か手頃な場所が見つかるかもしれない。
響は駆け足で林の中へ踏み込んだ。
がさっ、がさっ、がさっ……

地を踏みしめる音が日の暮れた林に大きく響き渡る。それだけが気がかりではあったが、こればかりは対処のしようがない。
彼女は奥へ進む。ひたすら進む。さらに奥へ進もうとした、その時であった。
誰かいるのだ。自分以外に。
彼女はぴたり、と歩みを止めて前方を見据えた。暗闇に目が慣れてくるとそれは次第にはっきり姿を表した。
夜叉の仮面を付けた、異様な程背が高く異様な程腰の細い人間───人間であるも定かではない───が自分の10メートル程先に座り込み、こちらを凝視しているのだ。

(何よ……一体何なのこいつ………!?)

しかしその場にいたのはそれだけではなかった。それの足元にゆっくり目線を移すと、血まみれの人間が倒れていた。既に死んでいる事は遠目にも判断出来る。
異形の生き物、血だらけの死体………
二つの要素が響の脳内でリンクした瞬間、彼女は全身で悲鳴を上げた。
「いやああああああああああああああああああああああ!!!!!」
377†††高嶺響補完 ◆aJTLC8q5rk :04/11/11 01:46:10 ID:???
あいつはもう誰かを殺している。次は私を殺すに違いない……!
響は手持ちの袋に手を突っ込んだ。火縄銃に似たものが入っていた筈だ。
迷わず取り出し、目の前の敵に向かってそれを構える。西洋の武器など触れる事すら忌々しいが今はそんな事を気にかける余裕はない。
響は力一杯引き金を続けて三度引いた。
発砲の衝撃で彼女はよろめき、その場に尻餅をつく。慌てて顔を上げると仮面の生き物が地面に突っ伏していたのが視界に入った。
仮面の男は動かない。
どうやら響の撃った弾が完全に命中したらしい。「はぁっ、はぁっ、私……やったのね……」
ようやく多少落ち着きを取り戻した響はおもむろに立ち上がると、再び来た道をふらふらと戻り始めた。
ここは安全ではなかった……別の場所に移動した方が良さそうだ。

だがしかし彼女は全く気付いていなかった。この時の行動が、彼女の後の運命を大きく変えてしまった事に。
その数時間後、仮面の男───タムタムがゆっくりと起き上がった事に。
そして、仮面の下には憤怒の形相を浮かべていた事に─────

【高嶺響:現在位置 九区西の公園→東へ移動中所持品 M16ライフル
目的 会場からの脱走】
【タムタム:現在位置 九区西の公園
所持品 不明
目的 響へ復讐】
【死亡:橘右京】
378パピィ ◆nucQuP5m3Y :04/11/11 01:46:17 ID:???
しまった、現在地書いてねえ
【ガルフォード・春麗共に遊園地、アッシュたちがいた場所からは離れている】

ごめんにょ〜
379ゲームセンター名無し:04/11/11 02:17:29 ID:???

紅眼の少年、ロック・ハワードは今置かれている状況に対し錯乱していた。
いきなり殺しあえと言われ、TVアイドル麻宮アテナが殺され、自分にはデリンジャーが渡さた。
そして目の前には年場の行かない少女の死体が2つ。
そして日本刀を持ち呆然と突っ立ってるセーラー服の女子高生が一人・・・・何処かで見たコトがあるような顔だが思い出せない
「・・・く・・・こ、こんな子供を・・・アンタは・・・!!」
その声で女子高生はやっとロックの存在に気付いたようにロックの方を振り向く。
「ち・・・ちが・・・ちがう・・・・」
女子高生は目に涙を溜めながらロックに近づこうとする。
「う、動くな!!」
ロックは女子高生に銃口を向ける。
「ヒッ・・・!?」
「わ、悪いが信用できない・・・30秒やる!!その間に俺の視界から消えてくれ!!」
「ち、違う!!本当に違うの!!」
「いいから早く消えてくれ!!頼むから・・・」
頼むから俺に人を殺させないでくれ、そう続けようとしたが、そこを衝かれると思い言うのをやめた。
「う・・・うあぁぁぁぁぁあん!!」
その女子高生は泣きながらロックの前から消えていった。
「くそっ・・・なんなんだよ・・・何なんだよ一体!!」
380暗黒の血と元気娘:04/11/11 02:18:18 ID:???

女子高生が完全に見えなくなった後、壁に拳を叩きつけながらロックは叫んだ。
そしてロックは少女二人の遺体をせめて埋めてあげようと思い死体に近づいた。
ロックはそこで初めて少女達の死因を知る。
髪の長い少女はお腹に穴が開いていて、もう一人の着物の少女は頭を吹き飛ばされていた。
これは威力の高い銃で出来る傷、少女が持っていたのは日本刀だ
「本当にあの子じゃなかったのか・・・・」
そう冷静に死体を見ていたロックはもう一つ気付いた事があった。
自分は、死体を恐れていない・・・
むしろ、高揚している・・・・!?
「そ、そんなはずは無い!!くそう!!」
そういいながら頭を振る。
「くそう・・・テリー・・・助けてくれよ・・・!!」
ロックはそう言いながらその場でうな垂れた

─────
381暗黒の血と元気娘:04/11/11 02:19:06 ID:???
─────

セーラー服の少女、春日野さくらはビルの隙間で逃げていた。
明らか自分よりも年が離れている少女の死体を見た上にその子達を殺したという目で見られ、銃口を向けられた・・・
「うっ・・・ひっく・・・・帰りたいよぉ・・・・」
泣いていても仕方が無い事は分かっていた、しかし泣かずにはいられなかった。
「ぐすっ・・・これからどうしよう・・・」
このままだったらいずれ殺される、今回の件は運がよかった。
死にたくは無い、かといって人を殺すのはもっと嫌だ。
そしてふと思いつく。
「そうだ、隆さんかカリンと合流しよう!!」
隆さんは私のあこがれの人だしカリンだってこんな状況だ、きっと協力してくれるはず!!
そう思い立ったらなんだか希望が沸いて来た。この二人と合流したところで現状は略変わらないだろうが、それでも泣いていたり殺しあうよりかはマシだ。
「よし!そうと決まれば二人を探そう!がんばるぞぉ!!」
そう言って春日野さくらは元気を取り戻し歩きはじめた。目的の人物の一人、カリンが無残に死んでいることも知らずに。

【ロック・ハワード 所持品:デリンジャー 現在地:第五地区サウスタウン路地西 第一目的:とりあえずクーラとあかりの遺体の埋葬、その後テリーとの合流】
【春日野さくら 所持品:日本刀 現在地:第五地区サウスタウン路地西 第一目的:とりあえず隆、もしくはかりんとの合流】
382I'm not alone. ◆FhFDHb21HI :04/11/11 02:20:09 ID:???
竹槍を握り、ちづるは独り、民家の中で先程の惨状を思っていた。
アテナの絶命の瞬間が忘れられない。拳崇の慟哭が耳から離れない。
ちづるにとっては、恐怖よりも、衝撃とやりきれなさの方が強かった。
どうして彼等を護れなかったのだろうという悔しさが込みあげてくる。
ちづるは双子の姉を吹きすさぶ風のゲーニッツに殺された、あの日のことを思い出さずにいられなかった。無力な自分を恨んだあの日のことを。

姉を喪った悲しみは、あれから5年経ち、ちづるが22歳になった今も消えることはなかった。そしてきっと、これからもちづるが生きる限りそれを消すことはできないのだろう。
そんな思いはもう二度としたくなかったし、他の誰にもさせたくはなかった。
ましてやこんな理不尽な形での殺し合いなんてもっての他だ。
覚悟は出来ている。自らの命と引き替えになるとしてでも、この争いを止めさせたい。
私が、皆を護らなくては。これ以上、未来ある命を散らすことのないように。
でも自分に出来るだろうか? わからない。やってみなければ。不安や恐れがないといったら嘘になる。

「姉様……」
民家の壁にかかる、アンティーク調の姿見の鏡に映るもう独りの自分に語りかける。
もう独りの自分、かけがえのない半身でもあり双子の姉である『マキ』。
ショートヘアで、17歳の『マキ』の面影は薄れてはきたものの、こうして鏡を見つめ心を落ち着かせるだけで彼女の息吹を近くに感じられる。
大丈夫、私は独りじゃない。
そう思うだけで強くなれる。温かい勇気が湧いて来る。
まずは仲間を増やそう。独りでは不可能なことも、力を合わせれば可能になるかもしれない。
「姉様、私たちを見守っていてね。」
鏡に手をあて、ちづるは静かに祈った。彼女の闘いは、今始まったばかりだ。
【神楽 ちづる  支給品:竹槍 目的:仲間を集めゲームを止めさせる 現在地:サウスタウン住宅街・独立した民家内】
383ゲームセンター名無し:04/11/11 03:44:54 ID:???


出場されている人物に対しての資料
ヴァンパイア:バレッタ、リリス
ttp://www.capcom.co.jp/vampire_cct/
KOF:アッシュ、草薙京、レオナ、矢吹真吾、シェルミー、K'、ウィップ、八神庵、クーラ、マチュア、バイス、神楽千鶴、七枷社、クリス、二階堂紅丸、椎拳崇
ttp://www.kof10th.com/
ジャス学:鑑恭介、エッジ、水無月響子
ttp://www.capcom.co.jp/newproducts/consumer/justice/justice.html
バーチャ:日守剛、梅小路葵、結城晶、ジャッキー・ブライアント、サラ・ブライアント、リオン・ラファール
ttp://www.virtuafighter.jp/vf4/
DOA:かすみ、エレナ、あやね
ttp://www.tecmo.co.jp/product/doa3/index.htm
サムスピ:ガルフォード、六角泰山、風間蒼月、風間火月、橘右京、タムタム、ナコルル、リムルル、緋雨閑丸、牙神幻十郎
ttp://www.samurai-zero.jp/
ギルティ:ブリジット、紗夢、ミリア
ttp://www.guiltygearx.com/ggx/xx/xx.html
SF:火引弾、ガイル、春日野さくら、かりん、春麗、リュウ豪血寺:クララ
ttp://www.capcom.co.jp/newproducts/arcade/zero3/zero3.html
ランブル:ガーネット、アラン、ゼン、ヴィレン
ttp://www.sammy.co.jp/japanese/product/amusement/atomiswave/rumblefish/index.html
ソウルキャリバー:ソフィーティア
ttp://www.soularchive.jp/
武力 西園寺貴人
ttp://web.archive.org/web/20010609073329/www.neogeo.co.jp/buriki-one/buriki-one_index.htm
式神の城2:ニーギ・ゴージャスブルー
ttp://www.taito.co.jp/d3/cp/shikigami2/
ぷよぷよ通:アルル・ナジャ
メタスラ:フィオリーナ・ジェルミ、エリ・カサモト
ttp://www.snkplaymore.jp/official/ms5/ms5_top.html
ファイナルファイト:ハガー
ttp://homepage3.nifty.com/genkidesuka/otimusya/finalfight.htm(笑)
384エレクトラップ ◆gAMfoxFs7Q :04/11/11 03:51:44 ID:???
サウスタウン市街地の一画。
道路の隅に、ゆうに身長2メートルはあろうかという男が座り込んでいた。
時を超え、半身が機械でありながらも、最強のサイオニック能力を持つミュータント。
未来と過去を繋ぐ索(ケーブル)。

「…!」

何かに気付いた様子で、ケーブルはもたげていた首を上げる。
しかし、目に見える範囲に動くもの一つなく、異変を感じさせる事はない。

だが、確実に感じ取っていた。超能力のゆらぎを。
この距離から窺い知れるだけでも、未熟ながら相当強力な素質であると確信できた。
ミュータントがこのゲームに参加しているのだろうか?
その近くには一つの人間、そしてやや離れたところにまた一つの意識。これも人間…か?

ケーブルは立ち上がり、テレパシー発信源の位置するアパートへと足を向けた。

話は30分ほど前に遡る。

「何じゃオッサン!いてまうぞアホンダラ!」

随分老けた学生だな、とケーブルは思った。
チャーリーから教わった文化が確かならば、服装や言動から察するに、この男は確か"バンチョー"。
日本のハイスクール・ギャングのうちの一つであったはず。
が、どう見ても20代後半のようだが…まあ深く詮索してもしょうがない。
彼の年齢が何であれ、自分には関係の無い事だ。

溝口の蹴りや突きの連撃を紙一重でかわしながら、そう考えていた。
385エレクトラップ ◆gAMfoxFs7Q :04/11/11 03:55:36 ID:???
「チョコマカと避けまわりおってお前は蚊トンボか!」

溝口の右ストレートが唸る。
節くれだった拳がケーブルの左頬に直撃…する事はなく、僅か1cm程度の空間を置いて空を切る。
確かにこの日本人は全く常人放れした身体能力・格闘センスだ。
そういえばかつてグレートグラップルとかいう格闘大会のポスターで、この日本人の顔を見たような気もする。
しかし、身体的には人間とそこまで差がないとはいえ、ケーブルもまた戦場で数十年間鍛えられ来た兵士であり、
ましてやテレパシー能力において溝口の考えは全て把握できている。

次は飛び上がっての空中回し蹴り。次はアゴを狙った肘打ち。全ての動きが"予測"できる。

「…ごっついタイガーバズーカじゃ!」

これは意外だった。まさかただの人間が、掌からエネルギーの弾丸を飛ばすとは。
頭の中にそのシーンのイメージが湧いていても、理解するのに一瞬の間が必要であった。
上体を逸らすのが遅れた。
386エレクトラップ ◆gAMfoxFs7Q :04/11/11 04:01:25 ID:???
溝口の目に勝利の確信とも言える光が宿った。
タイガーバズーカが白髪のカタワ野郎の顔面を粉砕。
あの距離、あのタイミング。絶対に避けられない。

1秒。

気弾を発射した姿勢のままで、首だけを動かして吹っ飛んだはずの敵を探す。

3秒。

いない。どこにもいない。
万が一、もし避けられたにしろ、あの巨体が隠れる事ができるような物陰はない。
脇に街頭があるだけの道路で、十分に道幅のある中央で戦っていたはずだ。曲がり角も相当先まで無い。
上空を見上げても目に入ってくるのはギースタワーだけだ。

5秒。

「すまないな、俺もあまり遊んでる訳にもいかない」

溝口の耳元でケーブルの声がした。初めて聞いた声であり、同時にまた滑らかな日本語だった。
振り返りざま、頭があるであろう場所に裏拳を振り払う。
そうなる事が当たり前かのように、空振る。
かわされたというより、最初からそんな位置にはいなかったように、十分離れた位置にケーブルは立っていた。
387ゲームセンター名無し:04/11/11 04:05:46 ID:???
「マコト・ミゾグチ」

なしてこのオッサンがワシの名を知っとんじゃ?
あまりに得体の知れぬ相手の能力に、生まれて初めて溝口は絶望を覚えた。
喧嘩百段。第一回全地球爆拳闘大会優勝経験者。最強の男。
全ての肩書きが、瓦解するようだった。
内にある闘志が急速に萎んでいくのを知った。

「マコト、悪いがお前に勝ち目はない。もう諦めろ」
「何なんじゃお前は」
「俺の仕事を聞いているのか?それともお前に使って見せたサイオニック能力について知りたいのか?
 いずれを説明してもお前に理解できるとは思えないが」

構えを解き、両手を下げる溝口。

「…ケッ、もうどうでもええわ。殺せや」

この言葉でケーブルは漸く思い出した。この忌まわしき"ゲーム"の目的を。
388エレクトラップ ◆gAMfoxFs7Q :04/11/11 04:07:46 ID:???
運営側(主催者の名前はルガールとか言ったか…)から、何かしらの道具を受け取っていたが、ザックを開けてすらいない。
大方武器でも入っているのだろうが、火器の扱いならばケーブルの右に出るものはいない。
冷静に理不尽な状況について、少し考え事をしていると、溝口は道の真ん中にあぐらをかいて座り込んでしまった。

この日本人の考えが伝播してきた。全くどいつも馬鹿な事ばかり考える。
ミュータントと人間の問題だけでもこっちは手一杯だというのに。

目を閉じ、妙に落ち着いた表情で溝口が口を開いた。

「…ひと思いに頼む」

それと、と付け足した。

「オッサンが最後まで生き残る事があったら、千絵によろしく頼むわ」
「俺はメッセージボーイではない。自分で言うんだな」
「あぁん?」

顔を上げた時、すでにケーブルの姿は無かった。

【ケーブル(生存) 支給品:不明、現在の目的:エミリオの元へ正体を確かめに行く、現在位置:住宅街・アパート付近、備考:ボディスライド(テレポート能力)を使ったため僅かに消耗】
【溝口(生存) 支給品:ウージー(ほとんど使う気がない)、現在の目的:生き残る、現在位置:ギースタワー付近、備考:全力を尽くしてケーブルと戦ったためかなり消耗】
389故クーラ:04/11/11 17:51:52 ID:???
あげるよー
390Lonely Army:04/11/11 20:33:13 ID:???
「で、ご老人次はどの道を曲がるのでござるか」
「え〜〜〜とのお」
すでに幾人もの命が散ったサウスタウン、しかしそんなことを感じさせぬほどの
のどかな声が聞こえてくる。
鷲塚慶一郎とタンフールーだ。
あの最後の戦いで、わしはもう疲れたよの言葉を残し年相応の爺さんとなったタンフールー
いまやめっきりとその頭脳も衰え、サウスタウンの思い出めぐりをしたくても
記憶と行動がもはや支離滅裂だ。
それにしても鷲塚には頭が下がる、こんな状況であるにもかかわらず
この爺さんのあいまいな記憶に振り回わされてもいやな顔ひとつしない。
「また同じ橋に来てしまいましたな」
「そうじゃ〜〜〜〜この橋を渡って右にのぉ〜〜〜」

すでに17回目のいったりきたりだというのに、鷲塚は微笑みすら浮かべ
ジジイの手を引き、見知らぬ異国の街を歩いていく、いかつい外見にかかわらず、いい人なのだった。
だがそんなのどかな夜も、ここまでだった。
そう、この絶望の街では一時の安息すら許されないのだ。
「……」
闇から飛来する弾丸の音に気がついたのはさすがは新撰組隊士
だが避わすことは出来なかった、弾は3発、その2発がタンフールーに
残り一発が鷲塚の体に命中した。

胸から血を噴出させ、路上に吹き飛ばされるタンフールー。
「ご老人!ご老人っ」
もはやその眼に焦点はなかった。
「おのれ…種子島とは」
羽織を血で染め鷲塚は立ち上がろうとする、だが激痛でうまく立ち上がれない。
薄れ行く意識の中、銃を構えこちらに歩いてくる金髪の男
それを最後に鷲塚の意識は途絶えた。
391Lonely Army:04/11/11 20:35:08 ID:???
「まっ、こんなものだろう」
ジョン・クローリーは夜だというのにサングラスを付けたまま気障に呟く。
老人の方はすでに息絶えている、サムライの方はまだ息があるようだが…
しかしジョンは鷲塚には止めを刺さず、あえて放置しておいた。
いい餌になる、助けようとしたところをズドン!だ。

と、早速鴨が来たようだ、ジョンは物陰に隠れようとするが
「ほう…これは懐かしい顔だな」


銃声が聞こえた、また誰かが死んだのか
ガイルは息を切らせその場に駆けつける…止めなければ…
なぜだ?なぜ皆簡単に相手の思惑に乗ろうとする。
必ず何か手はあるはずなのに、なぜ簡単に力で解決しようとするのだ。
力の連鎖は悲しみしか生まない、そのことは幾多の戦いの中で痛いほど思い知った
だからこそ何としてもこのような愚かな争いは止めねばならない。

橋の真ん中に男が倒れているのが見える、だがガイルはここで立ち止まる
おそらく罠だ…狙撃手は息を潜め罠にはまる獲物を待ってるに違いない。
この位置からして…その刹那。
「気をつけい!」
その声にガイルは思わず姿勢を正す。
「久しぶりだな、ガイル少佐、いやシャドルー戦の功績で今は大佐だったか…
 あのひよっこがよくぞここまできたものよ」
「ジョン……先輩」
392Lonely Army:04/11/11 20:35:52 ID:???
「ナッシュやラルフ、それにハイデルン大佐は元気か」
「ナッシュは死にました…ハイデルン大佐とラルフは軍を辞め独立部隊を立ち上げております」

「そうか…」
ジョンが複雑な笑みを浮かべる
「お前だけが今でものうのうと軍に居残っているようだな、俺を告発した連中の中で!」

名うての空軍パイロットにして軍隊格闘技の達人、ジョン・クローリー
だがしかし軍の記録には予備役中にスパイ容疑にて逮捕、軍刑務所への護送途中に脱走としか
記録されていない。

「なぜ…機密を売ったのでありますか…」
「お前には分かるまい…戦いを、大空を取り上げられた男の哀しみが
 死に場所も与えられず、朽ちていくだけの日々のむなしさが」

「だから…ですか、そして今も」
「そうだ!ずっとこんな機会を待っていた、こいつはな俺の敗者復活戦なんだ!!」

「先輩は負け犬などではありません…」
ガイルにはそう言い返すことしかできなかった。自分には分からない…
いや分かってはいけないことなのだ。
自分は地位も家族も手に入れ、念願かなって親友の仇を討つこともできたのだから。

「長くしゃべり過ぎたな、俺の前に現れた以上、覚悟は出来ているな」
ジョンの言葉にガイルは軍服を脱ぎ、シャツとズボンだけの身軽な姿になる。
「忘れたか!訓練所でお前は俺に一度も勝てなかった」
「今の私と昔の私とは違いますよ」

「そうか!なら来い!!叩き潰してやる!!ヘイ!かかってきな!大佐殿!!」
393Lonely Army:04/11/11 20:36:42 ID:???
ジョンはお得意の挑発ポーズをとり、そのまますかさず両手を構える。
「メガスマーッシュ!」
「ソニック…」
だめだ間に合わない、慌てて上空に逃れるガイルだが
「フライングアターーーック!」
高い!!
ジョンの跳躍はガイルのそれを遥かに上回り、さらにその両腕に纏った真空カッターがガイルの
胸板を引き裂いた。
「ぐはっ…」
かろうじて着地するガイル、その上半身は血で染まっていた。
「口ほどにもない」

ジョンの技の切れ味は最後に見たあの頃とそれほど変わっていない。
だが、それに比べ自分はここ数年戦場に出ることなくデスクワークの日々、それが
今の彼と自分との差だった。
サングラスすら取ろうとせず、ガイルに近づくジョン
「止めだ、俺の手で死ねることを…」
その時だった、ジョンの背後で動く影、
弾丸を受け、すでに動けぬはずの鷲塚が突如ジョンへと踊りかかったのだった。
394奇跡のラジカセ1/4:04/11/11 20:38:40 ID:???
「ちくしょう…ひでぇぜ…」
いまどき珍しい特攻服に似たような服装の青年、霧島翔は剣を持った女性の死体の前で、このゲームの非情さを改めて噛み締めた。
彼はこのゲームにて、数人の知り合いの姿を確認した、草薙や神楽の奴だとか。
そんな奴らと殺しあえといわれちゃそれは出来ない、ただこの女性の死体を見る限り、すでにゲームに乗った奴がいる筈だ。
もしも…これをやったのが………そう考えた後、彼はそれについて考えるのをやめた。
そして、彼女の死体から立ち去り、彼は自分の支給品を確かめた、すると………。
「なんだよ…?ラジカセ?」
それはごく小さなラジカセである、中にテープが入っているので再生してみることにしたのだ。
「煤Wω§∇β〜!!!」
瞬時に彼は停止ボタンを押した、そう、中にはとんでもない音痴の声が入っていたのだ。
そりゃあ、その声の酷さといったらあのルガールに勝らずとも劣らずと言った所であろうか。
「一種の爆弾だぜ…こりゃ、とりあえずこんな街だ、使い古されたバイクがあるはずだ!」
そういいながら彼はポケットに小さなラジカセを入れ、バイクを求め遊園地から走り始めた。
395奇跡のラジカセ2/4:04/11/11 20:39:28 ID:???
すると、遊園地から出た後ぐらいの所で、彼は出会った、ゲームに乗った人物に。
それは何度も見た姿、草薙の野郎を執拗に追っている奴、八神庵だった、その傍らで血を流し倒れている中年の男性。
そして、八神はゆっくりと此方を向き、霧島に言い放った。
「ほう、貴様も俺の邪魔をするつもりか……なら死ね!」
その声と共にゴウッっと風を斬り突進してくる八神、その空気を一瞬速く読みすかさず横へそれるが、八神の速い速度だ、腕に傷を負ってしまった。
(―草薙の敵…俺が勝てるかどうかは半々だな…)
実力は完全に庵が勝っていることを自覚し、半ば諦めかけながらも
そう思いながらも、彼は八神に突っ込み、右からのボディブローを叩きつける。
しかし、やはり八神の速さは尋常ではない、次々と彼の攻撃はかわされ、お返しに八神の反撃が来る。
そんな攻防が何度か続き、霧島はついに後ろに下がった。
(――ちくしょう、なんて早さだよ!こっちの攻撃が全くあたらねぇぜ!)
彼は脇腹から血を流しつつもそう考えた、ならば…隙を見つけて全力の一撃を叩き込むまで。
霧島は疾走した、だがそれは小石によって遮られる。
396奇跡のラジカセ3/4 ◆y2Zo4ZnFnc :04/11/11 20:40:14 ID:???
「なっ………」
小石によって転んでしまった霧島を、八神は見逃さなかった、そこへと入る殴打、炎撃。
「泣けッ!叫べッ!そして死ねェッ!」
八神は霧島に容赦の無い集中攻撃をかます、霧島は、もう駄目だと思いなすがままに攻撃を受け吹き飛ぶ。
「貴様…まだ生きているな…」
霧島はしぶとく生き残っていた、八神はそれに完全な止めを刺そうと考えたのだ。
(――ああ、もう駄目だな俺。草薙、テメェは生き残れよ…)
そう思い、目を閉じたのだ、だが次の瞬間に…。
「な、何だッ…これは…ち、力が入らんぞっ!?」
そう、霧島自身にも何が起こっているのか理解できなかった。
彼は無意識にポケットのラジカセの再生を押していたのだ、それは霧島の運命を分ける行動だったといえるだろう。
両手に炎を灯らせ、即座に起き上がり…そして!
「…ッオラァ!」
その一撃は綺麗に八神の頬へと決まり、八神を吹き飛ばす。
ズシィィンという重い音がしする、霧島は駆け寄ってみると、吹き飛んだ先の案内板に、八神が突き刺さっているのを見る。
そこまでするつもりは無かったが、あの状況である以上、仕方が無い。
だが、彼は勝ったのだ。八尺瓊一族の末裔に。彼は小さくガッツポーズをとり、そのまま地面へ寝転がった。
397奇跡のラジカセ4/4 ◆y2Zo4ZnFnc :04/11/11 20:41:10 ID:???
【霧島翔(重傷) 生存確認 支給品:ハーピーの声入りラジカセ(脱力効果あり)
 第一行動方針:傷の治療
 第ニ行動方針:バイクを探す
 最終行動方針:ルガールをぶっ飛ばす
 現在位置:遊園地から北上
 備考:脇腹を負傷、体力を相当消耗】

【八神庵 死亡】
【ソフィーティア 死亡】
【藤堂竜白 死亡】
以上三名所持品は不明です
ソフィーティアは園内
八神と藤堂は遊園地から北の道路に放置されています
(次回書くのはとりあえず書く人がいなかったら書こうと思っています)
398Lonely Army:04/11/11 20:43:43 ID:???
「新撰組局中法度、士道に背くまじきこと、敵前逃亡は士道不覚悟!!」
いきなりの、しかも見た目動けるはずのない傷を負った男の乱入、今まで気絶してたらしく
空気を読めなかったようだが、それでもわざわざジョンの正面に回り込んでから殴りかかったのが
この男らしい。
「邪魔だ!!」
だがジョンは容赦なく鷲塚の体をつかみ投げ飛ばす、鷲塚はそのまま夜の川に落ちていった。
ガイルには何もできなかった、いやしたくても体が動かなかった。
「興を削がれたな…」
ジョンは踵を返す、ガイルが動けないことを知っているのだ。
「俺を止めたいのならば追ってこい!その時まで牙を磨いておくんだな!!」

これが運命なのか…戦うしか道はないのか
「だがそれでも…あきらめんぞ」

【ジョン・クローリー 支給品:レミントンM700、現在の目的:勝利する、現在位置:サウスタウンブリッジより移動】
【ガイル    支給品:不明、現在の目的:戦いを止め、脱出する 現在位置:サウスタウンブリッジ上】
(現在負傷中)
【鷲塚慶一郎 支給品:不明、現在の目的:不明 現在位置:サウスタウンブリッジから転落】
(現在負傷中)
399復讐の龍:04/11/11 22:30:07 ID:???
話は数日前に遡る。
「何故です!何故私ではなく彼なのです!!」
クリザリットはルガールに向かって直談判する。
「あまりに手のものが多くても困るのでね…ここは大人しくネスツに帰りたまえ」
ルガールはしれっと言い放つが、クリザリットは納得しない
彼にもネスツという組織から派遣された意地がある、ここで引き下がればゼロたちに
何を言われるのか、わかったものではない。

「どうしても…というのならば彼と戦えばよかろう」
ルガールが顎で示した先には、一人の男が立っている。
眼光こそ鋭いが一見した限り何も凄みを感じない。
こんな無造作ななりの男が自分より上だと言うのか!納得など出来るはずが無い
「戦え!!どちらが真に優れているのかを今ここではっきりとさせてやる!」


そして現在、サウスタウン

「そうですか…やはり協力はしてくれないのですね」
「すまない、協力したいのはやまやまなんだが、事情があるんだ」
リョウはレオナに向かって頭を下げる、彼女が持ちかけてきた脱出作戦を彼は結局断ったのだった。

「脱出作戦といいましても、相手の思惑に乗らずただ戦いを避けて協力者を増やしていく、それだけですけど」
「そういう意味での協力なら出来る、だが君とは一緒に行けないんだ…すまない」
レオナは残念そうにリョウの顔を見つめていたが、やがてわかりましたとだけ言うと
そのまま彼の前から姿を消した。

そして残されたリョウの表情が突然険しくなっていく
「脱出?ゲームを壊す?そんなことされたら困るんだよ!!」
リョウ・サカザキとは思えない恐るべき言葉がその口から飛び出した
彼の身に一体何があったのか…
400復讐の龍:04/11/11 22:32:03 ID:???
ここで今度は数年前に話は飛ぶ

かつての貧乏道場は今や昔、タクマこそすでにこの世を去っていたが
極限流道場は勢い益々盛んで今や国内数カ所に支部を設ける充実ぶりだった。
とうぜん、その総帥であるリョウもまた多忙を極め、あちこちと動き回る日々が続いていた
そんな幸せな日々…だが

「道場破りだと!!」
極限流本部に何者かが乱入、その知らせを聞いて駆けつけるリョウ
だが遅かった…本部の門下生たちは全員ボロボロの状態で転がっている、
その傷をみてリョウはすぐに判断した、相手は柔術使いだ
「急いでください、ユリ師範が相手を…ですが…」
「何だって…」
急ぎ道場の扉を開くリョウ…しかし
「ユ…リ…」

道場の床に横たわっていたもの、それはかつてユリだった何かだった。
ユリは文字通り壊れていた。
四肢を粉々に砕かれ、さらに肋骨を1本づつへし折られている
その激痛と恐怖の余り失神すら出来なかったのだろう…床は涙と排泄物に塗れていた。

早く救急車を!の声が聞こえる中、リョウは何も出来ずただ立ち尽くしていた。
401復讐の龍:04/11/11 22:33:57 ID:???
それから半年
病院の中庭にて、ベンチに腰掛けるリョウとロバート
「調査は進んでいるか…ユリを壊した奴が誰なのか」
「それなんやけどな…」
ロバートは言い出しにくそうに、リョウの顔を見て目を伏せる。
「ついたんだな!!犯人の目星が!だが何故教えない、どうしてだ!!」
ロバートはリョウから目線を合わさずに返事をする。
「かんにんや…ワイの肩にはガルシア財団で働く多くの人々の人生がかかっとる…ワイの言葉一つ
指の動き一つで何百何千の人の運命が変わってしまうんや…」
その言葉にリョウは絶句した。
相手は個人ではなく、ガルシア財団ですら相手に出来ないそれほどの大組織なのか…
おそらく実際に何らかの脅迫を受けたのだろう、ロバートの表情がそれを物語っていた。

「かんにん…かんにんしてや」
ロバートを責めることは出来ない、ユリの敵を討ちたい気持ちは
自分よりも彼の方が上なのはわかっている。
「お前のせいじゃない」
「ワイが言えることは、犯人は青い柔道着を好んで着用するのと、シルバーのアクセサリーが好きなこと
 これくらいや…これ以上は口が裂けても言われへん」
「それだけわかれば十分だ…そろそろ散歩の時間だな」
リョウはそういうと、ベンチの傍らの車椅子をゆっくりと押して公園へと向かう。
その車椅子に乗っていたのは、ユリ。

ユリは文字通り壊れてしまった。
リョウの脳裏に医者の言葉が甦る
『残念ですが…現在の医学では人の心を甦らせることは出来ないのです』
車椅子の上でぼんやりと空を眺めるユリ、あの日の恐怖がユリの身体のみならず
心まで破壊してしまったのだ。
身体は甦っても、死んだ心は戻らないのだ…。

もっとも公式には交通事故として発表しているが…
402復讐の龍:04/11/11 22:42:33 ID:???
そしてその日の夜を最後にリョウ・サカザキは行方をくらました
ただ、ロバート・ガルシアの元に極限流の全てを譲るという旨の書類と、
そしてタクマ・サカザキの墓前に極限流道場の看板が供えられていたという。

そして今、
放浪の果てに彼は確かに見たのだ。
あのホールの中で、青い柔道着を纏い、銀の腕輪をじゃらじゃらと身につけている男を
逃がさない…今度こそ必ず…だから
「俺の復讐が終わるまで、幕を下ろさせるわけにはいかないんだ」

そして最後に捕捉
「わかった…お前は私より強い!だから頼む…殺さないでくれ」
情けなく命乞いをするクリザリット
「勝てるとでも思ったのか?まぁ安心しろ、お前は強い、だが俺はもっと強い、
 それだけだ、だからもっと自信を持っていいぞ」

男は静かに呟くと、容赦無くクリザリットのあばら骨をまた1本粉砕した。
「4本か…よく保ったほうだ」
「数年前、気まぐれで襲った道場の娘は3本で命乞いを始めたな、5本目で助けてが殺してになって
7本目で何もしゃべらなくなったな」
男のズボンのポケットからメールの着信音が聞こえる。
「ああ、すまんがそろそろ死んでくれ、メールを読みたいからな」
男はクリザリットの首に置いた足に力をこめる
「やめてとめてやめてとめてぇぇぇ」
だが止まらない、そのまま男はクリザリットの頚骨を踏み潰したのだった。

それを見て満足げに笑うルガール
「流石だ、期待しているぞ、日守剛」
403復讐の龍:04/11/11 22:43:20 ID:???
【レオナ 支給品:不明、現在の目的:脱出 現在位置:幸せ公園付近】
【リョウ・サカザキ 支給品:不明、現在の目的:日守剛に復讐 現在位置:幸せ公園付近】
【日守剛 支給品:不明、現在の目的:J6の意向を受けゲームを動かす 現在位置:不明】

(そのほかの登場人物は本編に参加しておりません)
404エレクトラップ ◆gAMfoxFs7Q :04/11/12 01:06:12 ID:???
さくらはその足を西へと進めていた。
何のあてもない。ただ漠然とした指針が、サウスタウンの中央路に添って動かしていた。
下手に隠れるて逃げ場を失うよりも、見通しの利く場所の方がいい。
自分には人間を殺す度胸などあるのだろうか?
右手で涙の乾いたあとを拭いながら、左手のずっしりと重い日本刀に目を落とした。
ストリートファイトとその特訓に明け暮れる毎日だった。
別に血が珍しい訳でもないし、怪我なんて日常茶飯事だった。
でも、相手の命を奪おうと考えた事はない。
もしも、これで相手の肉を切らなければいけない状況になったら?

…さくらは、考えがどんどん暗くなっていくのに我ながら呆れながらも、
現在の状況を整理してみようと努めた。

まずはさっきの金髪の少年だ。ジーンズに赤い革ジャンを羽織っていた。

「さっきの子、わたしと同じくらいの年に見えたのに…」

と、ひとりごちた。
それから2つの死体。あれは私がやったんじゃない。
思い返すとまた気分が悪くなってきた。歩みが遅くなる。
少し休もう、と思った。全力で走ったのもあるし、何よりストレスが大きい。

建物の壁を背もたれにしようと近寄ったところで、脇道に白い人影が見えた。
足が止まり、首を前へ傾げる。
いつも見慣れた"あのひと"がいた。真っ白い胴着。幅広い肩幅。ハチマキを巻いたボサボサの頭。
背中を向けていて、こちらにはまだ気付いていないようだ。
でも、間違いない。あまりの嬉しさに胸が熱くなり、顔いっぱいに笑みが広がる。
405エレクトラップ ◆gAMfoxFs7Q :04/11/12 01:07:46 ID:???
「リュウさん!」

さくらは、一声その名を呼んで、持っていた刀を投げ出し、走り寄った。
あと数メートルのリュウとの物理的な距離が、心理的にもふたりを近づけたような気がした。
リュウほど信頼に足る男はない。無一文でも、この求道者はかけがえの無い財産を持っている。

もう一度声をかけようとしたところで、リュウが振り向いた。
それとほぼ同時に、さくらの体は、来た道のそのまま真後ろへと吹っ飛んだ。
バスケットボールのように転がり、背中をしたたかに地面に叩きつける。
何が起きたのか把握できなかったが、格闘家としての本能が両手を防御へと動かし、何かの顔面への直撃を防いだ。
とにもかくにも、さくらは素早く体を起こした。支えにした決して太くはない右腕に鈍痛が走った。骨にヒビが入ったらしい。
だが、それ以上の危機がさらに迫らんとしているかもしれない。

拳を前に掲げているリュウの姿が目に入った。
さくらは、目の前の状況は理解した。だが、広い目で見た場合の状況は判らなかった。

リュウがその強烈な拳撃をさくらに振るった。何故?
確かにスパーリングで手を合わせてもらった事はある。しかしこんな不意打ちのようなマネは、したこともされたこともない。
まるで不可解な現状について、妙に冷静に考えている自分が可笑しかった。

「リュウさん…どうして?」

右腕をかばった中腰の姿勢から、前の男に対して問い掛ける。
ゆっくりと歩み寄ってはきたが、リュウは何も答えなかった。ただ唯一、その眼にどす黒い殺意を灯していた。
406ゲームセンター名無し:04/11/12 01:09:15 ID:???
このままでは殺される。リュウさんに、殺される。
逃げるか?気絶させるか?それともころ…ダメだ!
身の振り方の迷いが判断を遅らせた。
ビデオテープを早送りしたかのような踏み込み。続けて重心が低くなる。

顔面を狙った足刀がさくらの頬をかすめた。耳元を過ぎ去った際に、空を切る音が聞こえた。
すんでのところで避けたつもりだったが、頬と耳にカミソリで切ったような痛みが走る。
ワンテンポおいて裂けた肌から血がじわりと吹き出してきた。
思い返してみれば、誰が本気を出している(であろう)彼を殺す事ができるだろう?

第一にリュウを退けなければいけない。逃げるにしろ、正気に戻すにしろ、だ。
素早く後じさって距離をおいたところで、真っ赤な気弾が迫ってきた。灼熱波動拳。
スカートの裾を焦がすが、直撃は免れた。
さくらは、

「これじゃ、逃げるなんて事もままならない!」

と、叫んだ。確固たる意志が積み上がった。
半歩ほど踏み込んで、さくらは一文字蹴りを放つ。胴体を狙った右中段後ろ回し蹴りだ。
恐るべき反応で、リュウの右足も大外回し蹴りの軌道を描く。
空中で足と足がぶつかり合い、衝撃音が無人の路地裏にこだました。瞬間、時が止まったようだった。
お互いそのままの体勢で固まっていた。
不意にリュウが邪悪な笑みをこぼす。さくらの右足首が砕けたのを理解した。

「うっ…あああああっ」

猛烈な痛みが、さくらの上腿まで伝わってきた。
だが、決して倒れてはいけないという意思が、追撃を防ぐために、無事な方の片足に跳ねさせた。
続けざまに、リュウの並外れた跳躍力からの旋風脚。
敏捷性を失って、回避を困難にしたところへの強烈な回し蹴りがガードした左腕を捉えた。
防御を無視して、そのまま前腕の骨が二つに折れた。
蹴りの衝撃は留まるところを知らず、開放性骨折となって腕の内側の肉と皮膚を突き破った。
407エレクトラップ ◆gAMfoxFs7Q :04/11/12 01:11:30 ID:???
痛みに叫びだしたくなるのを堪えながらも、さくらは思い出した。
…続けてくるコンビネーションは、くるぶしを狙った下段蹴りのはず。
いつもリュウの背中を見てきたのだ。彼のファイトスタイルの癖も、無意識の内に覚えていた。
この調子では受けてもダメージはあるだろうが、まともに食らう訳にもいかない。
しゃがみ込み、防御を固め、連撃へと備える。

こない。視界を上へとやると、逆光で黒いシルエットだけになっているリュウが目に入った。

「もしかして、正気に戻ったんですか?」

そう言おうとした刹那、大上段に構えた右拳が、ハンマーのようにさくらの左鎖骨に振り下ろされた。まさに、鉄拳。
ここまで、人体が砕ける音を間近に聞いたのは初めてだった。ましてや自分の骨であるというならば、なおの事だ。
さくらの口からひゅっという音が漏れた。致命傷であった。

もはや叫ぶ力も無く、片足片手で横転する。壁に背を付け、いつの間にか路地裏に追い詰められた事を知った。
弟やかりんの記憶が脳裏をよぎる。そして、"あのひと"を追いかけていた日々。

まだ諦めない。諦められない。
なぜか非常にゆっくりと距離を詰めてくる相手に疑問を感じつつも、時間を稼げる事を誰ともなく感謝した。
体に隠したその右手に、波動の力を巡らせながら。
408エレクトラップ ◆gAMfoxFs7Q :04/11/12 01:12:42 ID:???
さくらの頭には、とある情景が広がっていた。

かつて、リュウの修行に半ば強引についていった事がある。

「意識してはいけない。しかし、波動の循環を感じるんだ」
「そんな事言っても、難しすぎますよ!」

断りきれなかったリュウは、さくらに必殺技のひとつを教えていた。波動拳の改良型だ。

「これは、俺にもまだ完成した技とは言えない。
 人を傷つけずに、動きを封じる波動拳。名づけるなら、電迅波動拳と言ったところか。
 食らった相手の話によると、電気ショックを受けたような印象らしいからな。
 そして、極まった波動は防御の上からでも効果がある」
「…優しい技ですね」
「もちろん、闘いにおいて相手を倒すという気概は常に必要だ」
409エレクトラップ ◆gAMfoxFs7Q :04/11/12 01:13:27 ID:???
さくらの意識はサウスタウンへと戻った。

片手の電迅波動拳は完成した。後は、回避不可能な距離になるまで待つ。
ヒビの入った骨に電流がピリピリと伝わって僅かな痛みとなる。
悟られてはならない。

あと2メートル。

あと1メートル。

リュウさん、あなたに教えてもらった技です。

「電じ…」
「デンジン…」

え?
最後の力を振り絞り、右手を上げると、リュウが腰だめに構えているのが目に入った。

さくらの右の掌から電撃を帯びた波動拳が放たれる直前、リュウもまた電迅波動拳を完成させていた。
空中で気弾同士がぶつかり合い、より余力のあったリュウのものが一方的に突き抜けた。
そこで、さくらの意識はかき消えた。
410エレクトラップ ◆gAMfoxFs7Q :04/11/12 01:15:26 ID:???
意識を失い、壁にもたれかかる傷だらけのさくらを見下ろし、リュウはつぶやいた。

「俺ハ…殺意ノ衝動ヲ覚エテイルノカ…」

少し苦悩した後、リュウのカカトがさくらの脳天に叩き下ろされた。
陶器が割れるような、そんな感触だった。
カカトの先に暖かいものが付着していく。温度が心地よかった。
さくらの顔へ目をやると、鼻の穴から血と、それにまみれたペースト状の何かががこぼれ落ちていった。
右の眼球が眼窩から三分の二ほど飛び出していた。
心に広がるのは大きな満足感。素晴らしき充足感。

鬼は、足を下ろすと、さくらのやってきた東へと足を向けた。

【殺意の波動に目覚めたリュウ
 所持品:なし(全て放棄)
 現在位置:第五地区サウスタウン路地最西部
 目的:出会う者全てを殺すため、放浪中
 備考:各種必殺技と使ったため疲労】
【春日野さくら:死亡】
411ゲームセンター名無し:04/11/12 12:42:48 ID:ZJC0fv72
hage
412ゲームセンター名無し:04/11/12 12:50:05 ID:???
            /": : : : : : : : \
           /-─-,,,_: : : : : : : : :\
          /     '''-,,,: : : : : : : :i
          /、      /: : : : : : : : i     ________
 プゥ〜ン 〜 r-、 ,,,,,,,,,,、 /: : : : : : : : : :i    /
      〜 L_, ,   、 \: : : : : : : : :i   / 俺様NEET
     〜  /◎-(◎>   |: :__,=-、: / <     
        l イ  '-  ∴  |:/ tbノノ   \  2chで神やってる
      〜 l ,`-=-'\ ∴∴`l ι';/      \  
        ヽトェ-ェェ-:)∴   -r'          ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      〜  ヾ=-'     / /  
     ____ヽ::::...   / ::::|
  / ̄ ::::::::::::::l `──''''   :::|

413ゲームセンター名無し:04/11/12 12:54:35 ID:???
くっさいスレあげんなや
ここはサウスタウンのビーチ
かつて沢山の人で賑わったであろうこの浜も、
今は寒々しい風が吹き抜けるただの砂浜である。

そこに男は立っていた。
ピンク色の胴着、束ねた髪、火引弾である。
「よし、誰もいねぇ!見晴らしもいいしここなら・・・」
そう安堵して考えをめぐらす。
そして支給品のことを思いだし、渡されたバッグに目をやって、叫ぶ
「やべーっ!!銃もらった奴とかいたらこんななんにもないとこ撃たれ放題じゃねえかぁ!!」

「ひぃっ!」

我に帰り、ダラダラと冷や汗を流しながら見回す。
「なんか聞こえたな、やべえバレた絶対バレた撃たれる殺される撃たれる殺されるゥ!」

「う、撃たないッスよ!」
ひょっこりと、ヤシの木の後ろから学生服の男が顔を出した。頭に鉢巻、手にグローブ、矢吹真吾である。
「オジサンあれですか、やる気ない人ですか、おそってきmうわぁぁぁぁ」
「ヒャッホウ!」
奇声と共にダンが地を蹴った、真吾に襲いかかったのだ。
相手が武器を手にしていないこと、そしてその風貌と口調から勝ちを確信して。

「オラオラオラ!」
ダンの連続技が真吾に叩きこまれる。
「いてててて!やめてください!」
ガードする真吾。
一般人なら瞬時に倒せるであろうそのコンボも、
草薙家親子二代の特訓およびパシリに耐えてきた真吾にはガードを崩されるほどの物ではなかった。
「ち、しぶてぇな!くらえ!ムゥ〜ン」
「マズい!気弾系の技!?」
ダンの手が光ると同時に飛びのく真吾。ダンは勝ちを確信し高らかに叫んだ。
415ゲームセンター名無し:04/11/12 15:04:43 ID:6et4vSof
「震空ゥゥゥ!我道ゥ拳!」
「うわぁぁあ!」
思わず目を閉じガードする真吾・・・が、衝撃がこない。
目を開けると眼前の男は恍惚とした表情で気弾を放っていた、しかしその気は飛ぶことなく男の手の前で渦を巻いている
「「あ、あれ?」」
ふたり同時に声をあげる。

「フッフッフ、やってくれたッスね、今度はこっちの番だぁ!」
「わっ、わわっ、ちょっ、ちょっとまtひぃぃぃぃ」
今度は真吾が襲いかかった、ダンはガードが間に合わずほとんどを食らう。
一般人なら一発で倒せるであろう必殺技の数々も、
あのムエタイの帝王サガットを唸らせるほどのタフさを持つダンには決定打とはならない。

「恨みはないけど、とどめぇぇ!はぁぁ!」
「こ、こりゃやべえ!」
真吾の体から発せられる気迫にガードを固めるダン。
「裏百八式!大蛇薙ぃぃぃ!!!」
「うわぁぁぁ・・・あ?」
さっきの真吾と同様、衝撃がこない。眼前の青年は首をかしげていた。

「はぁ、はぁ、極限状態の今なら炎が出ると思ったんだけどなあ」
「はぁ、はぁ、・・・お前、ナメてんのか?オラァ!」
必殺技を撃ったことと真吾の攻撃によってヘロヘロになったダンのパンチが真吾にヒットする。
真吾も応戦、同じく必殺技を連発して満身創痍の真吾のパンチにも力はないがダンにヒットする。
ここサウスタウンのビーチでは歴史に残る泥試合が繰り広げられていた。

「「はぁ、はぁ、はぁ」」
バタリ。砂浜に倒れるふたり、もう攻撃を繰り出す体力は残っていない。
「な、なかなかやるじゃねえか、ガキンチョのくせに」
「お、オジサンもなかなか・・・ガキじゃなくて真吾、矢吹真吾です」
「おれはまだオジサンなんて年じゃねえ・・・ダンだ、火引弾」
416ゲームセンター名無し:04/11/12 15:06:10 ID:???
サウスタウンビーチの一角、海の家でふたりは夕食を食べていた。
「ダンさん!この魚うまいッス!サイコーッス!」
「おい真吾!こっちの貝もうめえぞ!」
壁には真吾の支給品である組み立て式の釣竿が立てかけてある。
これで魚を釣ってビーチのレストランの鉄板で調理して豪勢な夕食と相成ったのだ。
「絶対脱出してやろうぜ!」
「もちろんッス!ダンさん」
男の友情ここに極まれり。ふたりは鉄板の上で硬い握手をして夕日に誓った。
拳で語りあった二人はあのあとお互いに謝罪し、共にこのゲームからの脱出を誓ったのだ。
その時、海の家のスピーカーから、あの声が聞こえてきた

「諸君、ごきげんよう・・・」

【火引弾 支給品:ホアジャイ特製スペシャルドリンク6本セット(潜在的な能力を引き出す) 目的:脱出】
【矢吹真吾 支給品:釣竿 目的:脱出】
【現在地:弾、真吾ともに第7エリア海側にある海の家】
417謎を解く探偵:04/11/12 20:36:11 ID:???

謎を解く探偵

「・・・マジで俺たちに殺し合いをしろっていうのか・・・?」
ネオは支給品として渡されたバックの中身を見てつぶやいた。
バックの中身、それは禍々しいまでの邪気を放つ一丁の銃であった。
「しかもこいつは・・・・」
ネオの膨大な記憶の中からこの銃の名前が引き出される。
進化する魔銃、デスクリムゾン、精度には問題があるがその壮絶な威力は来るものを圧倒し、その上状況に合わせて変化する銃。
しかしその呪われた銃に関わった者は皆、ロクな死に方をしないと言う・・・・

長い探偵業、いろいろな事件に巻き込まれてきたネオ。
ゾンビと戦った事もある、タイムマシンで過去に行った事すらある。そんなとんでもない状況でも相棒と供に解決して行った。
しかし、殺し合いをしろという滅茶苦茶な依頼は受けた事が無い。しかも相棒は居ない。
「クソ・・・落ち着け、ネオ。こういう時こそ4択問題だ・・・」

問題 これからネオはどうすれば良いでしょうか?
1あきらめて殺される。  3どうにかして外部との通信を試みる。
2強引に脱出を試みる   4クリムゾンで皆殺しだ。
418謎を解く探偵:04/11/12 20:36:59 ID:???

1は論外だ、俺はまだ死ぬ気はない。4も論外、無闇に人を殺したくは無い、それ以前に俺はそんなに強くはない。却下だ。
と、言う事は残るは2と3のみ
まず2、強引に脱出を試みるというプラン。悪くはないが爆弾付きの首輪が邪魔をする。
2を行なう前にまず首輪をどうにかしなくてはいけない。残念ながら却下せざるをえない。
と、言うと残るは3のみだ。消去法で考えると3以外残っていない。

しかし、どうやって外部と通信を取るか・・・
折角だから取り合えずは町に行こう。そうすればジオと通信方法が見つかるかもしれない!
ジオと連絡さえ取れれば後は何とでもなる、卵でも中からじゃあ開けられないけど外からなら簡単に割れる。
「よし!とりあえず町を調査だ!」
【ネオ 所持品:魔銃クリムゾン(デスクリムゾンOX) 目的:ジオと連絡を取る。 現在地:第7エリアの海岸を北上中】
419のれんに腕押し、糠に釘:04/11/12 22:13:19 ID:???
「もういいかげんにしてよお〜」
逃げるリオン、追いかけるアッシュその果て無き追走劇は未だに続いていた。
「やだなあ言ってるじゃないか、君は僕の運命のひ・となんだからっ」
リオンの泣き言に嘲笑で応じるアッシュ。
海沿いの堤防を抜け、二人はいつしか砂浜を駆けていた。
「あははは、こうしてると僕ら恋人どうしみたいだね、つかまえちゃうぞ〜〜」
「そんな気持ち悪いこというなああああっ!」
殺されるだけならまだ我慢できる、だが…
(神様お願いします!どうかどうかこの変態にだけは捕まりたくありません!!お願いします助けてください!)

その時だった。
「をや、リオン君やおまへんか」
「あっ…葵さん」
そこにいたのは桜色の小袖を纏った少女、梅小路葵だった。
「夜釣りをしとったら何や声が聞こえるよってに」
彼女の手には投げ竿がある、それが彼女の支給品のようだった。

「そ、そんなことより早く葵さんも逃げて…手から火を出す人が僕を殺そうとしているんだ」
「ほう、そないに怖いんどすか」
「こ、怖いよ!あたりまえだろ、わからないのかい」
リオンは葵に向かって捲くし立てるが、葵は動じない。
「ああ…うちにはわかりまへんな…それにご到着みたいどすな」
葵は能面のように整った顔をわずかに歪め、
息一つ切らさずに追いついてきたアッシュを見やるのだった。
420のれんに腕押し、糠に釘:04/11/12 22:14:37 ID:???

「へぇ、君こんな素敵なジャパニーズガールと知り合いだったんだぁ?やるじゃん」
炎を拳に宿したまま身体をくねらせるアッシュ、それを珍獣を見るような目で見る葵。
リオンを自分の背中に隠し、まずは一礼そして、
「おもろい手品、見させていただいてありがとおます、この子に代わってお礼をいいますさかいに
 お引き取りねがいまひょか」
手品…その言葉を聞いてアッシュの表情が一変する。

「僕の…僕の炎が手品だって?」
京や庵なら一笑に付していた他愛ない挑発、しかしアッシュには効果覿面だった。
「どうだい!これでも手品かい!!」
アッシュは気合を込めて炎を繰り出す、だが
(消えた!?)
アッシュの視界から忽然と葵の姿が消えうせたのだ。
(えっえっ…どこどこ)
動揺を隠せないアッシュ、そこに致命的なスキが生まれる。

「随分とのろまなマジシャンでおますな」
自分の右側面からの声に裏拳を繰り出すアッシュだが、逆にいとも容易く関節を極められてしまう。
「折角の小袖がこげてしもたやないですの、お礼に腕一本いただきますえ」
葵はそのままアッシュの右腕関節をへし折り投げ飛ばした。

凄い…離れた場所で見ていたリオンには葵の動きがはっきりと見える。
アッシュの直線的な動きに対して、葵は円の動きで対応、巧みにアッシュの死角へと潜りこんだのだ。
その動作は風に揺られるが決して折れることのない柳にも似ていた。
421のれんに腕押し、糠に釘:04/11/12 22:15:53 ID:???
アッシュは右手を押さえのろのろと立ちあがる。
「をや、まだやりますのん、アンコールをお願いした覚えはないどすえ」
「安心してよ、ここからは特別サービスだから…なんならお姉さんの命で払ってよ」

両腕に炎を込めるアッシュ、だがそれも
「させまへんな、いまやライターでも百円の時代どすえ」
だが外された肘が痛みその行為で技の入りが甘い、それを見逃す葵ではない。
「ここまで何人かの戦うところを見させてもらいましたけど、えてしてあんさんらは直線的で大味でんな
そんな技に頼った動きでは捕まえられませんよってに」
またしてもアッシュの突進を円を描くような動きでひらりとかわし逆に後ろを取る葵、
今度はもはや振り向くことすら出来なかった、かくして無防備なアッシュの首筋に葵の手刀が叩きこまれたのだった。

「ねぇ…提案があるんだけど話し合いで解決しない?」
葵はホールドしたアッシュを抱え上げ、堤防へと引きずっていく
堤防のはるか下には黒々とした海面が渦を巻いていた。
「あんさんは火遊びが過ぎるよってに、しばらく頭を冷やしてもらおうとおもうどすえに」
「人類みんな兄弟、ラブ&ピースの精神が社会の潤滑油だと思わないのかい?」
アッシュの声がだんだん裏返ってくる。
「それに…僕泳げないんだけど…」
「それは気の毒どすな、そのまま溺れてもうたら閻魔様にこういうといてくれませんやろか」
「この梅小路葵、決して先に手は出しておまへんということをな、よろしゅうたのみましたで」
当身使いが何を…と言い返す前にアッシュは海上へと投げ飛ばされてしまっていた。

「これにて落着どす、あの程度の相手で…」
しかしリオンはどこにもいなかった、葵の説教をいやがってそのまま行方をくらましてしまったらしい。
「ああしょうがない子やな、まったく」
422のれんに腕押し、糠に釘:04/11/12 22:22:59 ID:???
【梅小路葵 所持品:投げ竿 第一目的:そろそろ仲間を探す】
【アッシュ・クリムゾン 所持品:なし 第一目的:不明?】
【リオン・ラファール 所持品:なし 目的 考え中】

思い違いをしていたので序盤を修正します
「もういいかげんにしてよお〜」
逃げるリオン、追いかけるアッシュその果て無き追走劇は未だに続いていた。

「もういいかげんにしてよお〜」
「やっぱり僕たちは赤い糸で結ばれているんだね」
逃げるリオン、追いかけるアッシュその追走劇は第2ラウンドに突入していた。
結局リオンはあっさりとアッシュに見つかってしまった。
423孤独 ◆CSjgirb2qI :04/11/12 23:53:56 ID:???
「人間はみんな…ひとりぼっち」
そう小さく呟く女性、エリ・サカモトはふらふらとした足取りの中、ビルの中を掻い潜るようにように歩く。
”人間はひとりぼっちだ”それは彼女の口癖だった。現に今でも、彼女を助けてくれる人物はたった一人しかいない。
それは、大切な仲間。ここにいる唯一の仲間、失いたくない存在、その人には生きてほしい。
「ならその人以外の全員を殺せば良いじゃないか」
それは、彼女の意識に流れる声。失いたくない、かけがえの無い仲間だから守りたい。
彼女は、宝物の初めて人を打った薬莢を見つめる…決意は固まった。

その頃、エリから少し離れた場所で、ルガールへの憎悪を露わする青年、草薙京がいた。
「ルガールの野郎…まだ懲りねぇみてぇだな。もう一度、俺がぶっ飛ばしてやるぜ!」
彼は怒りに満ちていた、ルガールをぶっ飛ばしたのはもう何回になるだろうか。
それなのに、また復活している。前よりも強い気を備えて。
今まで道理戦えば、間違いなく負ける、最初のアテナのサイコボールがそれを物語っていた。
じゃあ集団で戦えば…何とかなるかもしれない、彼はそう思ったのだ。
「とりあえず…怒っててもなんも始まらねぇな、俺の支給品は…」
袋からするりと支給品を前に掲げる、この行為が彼を救うことになるとは正に草薙京の幸運といえるだろう。
424孤独 ◆Zb3wBRcRhg :04/11/12 23:55:40 ID:???
カキィン!と鈍い音がする。彼の支給品、ギターフリークスコントローラーは、エリの封雷剣を防いでいたのだ。
(――なんだと!何時の間にか近寄られていたのか!
 だがな…俺もここで死ぬわけにはいかねぇんだ!)
そう、京もこんなフザケたゲームで死ぬわけには行かなかった。
彼女…ユキを待たせてはいけない、早く抜け出してユキに逢いたい…
”待ってるからね、京”――ユキの言葉が彼の脳裏に浮かぶ。
とにかく、相手は剣だ、勝てるかどうかはわからない…彼の決断は”逃げる”だった。

「食らえッ!」
そういって地を払うと、大地を迸る一つの火炎が、ゆっくりとエリに近づく。
エリはそれをかき消すのに時間が掛ってしまった…その隙に逃げられてしまった。
だが何時か仕留める、フィオを殺させるわけには行かない…フィオを守るのは…アタシだ。

(先ずは…紅丸の奴に会いたいな、奴なら信用できる。こんなゲームにはまず乗らない)
彼はそういって、紅丸を探しに走り始めた。

【エリ・カサモト(皆殺し)
 所持品:封雷剣(GGXX)
 第一行動方針:フィオ以外皆殺し(フィオと二人になれば自分が自殺)
 現在地:二区中心部】
【草薙京(AQなしのKOF95性能)
 所持品:ギターフリークスコントローラー(破損)
 第一行動方針:エリから逃げる
 第二行動方針:紅丸を探す
 第三行動方針:仲間を集める
 最終行動方針:ルガールをぶっ飛ばし、生きて帰る。
 現在地:二区中心部>北へ
 備考:炎を使ったため体力低下】
425Killing Subway:04/11/13 00:10:15 ID:???
ゲーム開始直後

「んだあ?ここは」
風間火月が到着した場所、そこには何やらわけのわからないものが大量に並んでいる
しかもそれは触ってもいないのに色とりどりの何かを次々に表示していく
ここは現在で言う24時間運用のPCセンターなのだが、そんなことが江戸時代の人間に理解できるはずも無く

「せぇな、俺はこんなちまちましたもんダイッ嫌いなんだ!!」
火月は手もとのキーボートを思いきり机にたたきつける、床に落ちたマウスを踏み潰す
モニターをぶん殴る、とにかく理解できないものは全て彼の敵だった。
やがてここにあったものが全て破壊されたのを確認すると火月は安心して、部屋を出ていったのであった。

ちなみにこの場所の名称はサウスタウン鉄道管理局、コントロールセンターという
文字通りここでコンピューター制御された無人電車を一括運用しているのだ
それは今の状況であっても、大変役立つものであったことは間違い無い。
追うもの・追われるもの両方にとって…だが火月が暴れたせいで一つの変化があった。
彼の知らぬことだが列車に最終的なコマンドを伝えるサーバーはこの建物の地下にあるのだが
それが火月の行為によって、あるコマンドを列車に与えた、それは
『24時間ノンストップ&フルスピードで運行せよ』

かくして文明の利器は上り下りで暴走を繰り返す凶器となった。
426Killing Subway:04/11/13 00:12:04 ID:???
そして夜明け近く
結局徹夜してしまった貴人は眠い目をこすりながら、かりんを殺害した地下鉄の入り口に戻ってくる
とりあえず少し眠ろう、あちこちさまよい歩いたためか疲労感が全身を支配している。
そして構内に入ろうとしたその時だった。
「…」
目つきのよろしくないジャンバー姿のだらしない男が階段でその行く手を塞いだ。
ちなみに手にはメモを持っている。

すれ違うのがやっとの狭さの階段内
「どいてくれないだろうか?」
だが男は無言で道を塞ぐ
仕方なく男の脇に回りこもうとする貴人だったが
「おい…」
今度も男は貴人の行く手を塞ぐ…無言でにらみ合う2人…何時しか息遣いだけが周囲を支配していく
そしてその呼吸が完全に一致したその時!
ジャンバーの男、ヴィレンの右手が閃き蛇のようにチェーンが伸び、貴人の頬を掠める。
その予想外の攻撃に多少たじろぐ貴人、しかし表情はまだ余裕だ。
(所詮チンピラか…)
実際次にヴィレンが繰り出した蹴りは、とてもじゃないがまともに武術を会得した人間の蹴りではない。
こんな無造作な蹴り、受けとめてそのまま投げてやる。
貴人は簡単にヴィレンの中段キックを受けとめたのだが、次の瞬間
「がっ!」
右手の激痛に思わず顔をしかめる貴人、見ると掌に何かが刺さっている、
しかもヴィレンはそれを確認すると、まるで引き裂くように掴まれた足先を動かす
ヴィレンは靴のつま先に鉄釘を仕込んでいたのだ。
427Killing Subway:04/11/13 00:13:36 ID:???
痛みに耐え兼ね貴人は自分から手を離してしまう。
掴みに行った右手は引き裂かれ血で染まっていた…これではもう使い物にならない
そして次はハイキック、こんどは掛け値なしに強烈なものだ、これにも鉄釘が仕込まれ
しかも狙いは首筋、これはかろうじて避けた貴人だったが

下手から放たれた追撃のチェーンは避けられなかった…間合いを読めずチェーンが顔面を抉る。
「があっ!」
激痛と同時に視界が真っ赤に染まる、負けじと手刀を繰り出すが狭い階段内では思うにまかせない
しかも逆に相手のトーキックが腰に突き刺さる。
「ぐうわっ!」
だめだ…ここでは不利だ…もっと広い場所で…地下鉄の階段を転がるように逃げる貴人。
そのまま顔を押さえホームの上をさまよう。
「こんなチンピラに…どうして」
相手は特別強いわけではないが、とにかく相性が悪過ぎる、つまり自分がグーなら相手はパーだ。
気を合わすと書いて合気、相手の攻撃を呼んでなんぼだ。
だが相手のだぶだぶのズボンとジャンバーの袖が邪魔をして攻撃動作がまるで見えない
しかもチェーンの動きは変幻自在だ。

それでも西園寺家の御曹司があんなストリートのチンピラに負けるわけにはいかない。
足音が近くなる、どうする…彼の目前に地上への出口が見える…
しかし西園寺のプライドが彼に逃走を許さなかった。

ヴィレンの姿を捉えた瞬間、ここで貴人は自分から初めて攻撃に行く
血まみれの右手はもはや使えない、ならくれてやる!!
「うおおお」
ヴィレンのチェーンが肩にめり込み右鎖骨が折れる音が響く。
だがそれと引き換えに初めて貴人はヴィレンの身体を掴むことに成功した
掴めばこちらの物だ、このまま首を…
428Killing Subway:04/11/13 00:14:27 ID:???
だが…彼はその瞬間見てしまった、ヴィレンの目が勝利を確信したかのごとく輝いたのを
そしてそれが彼の生涯最期の光景となった、何故なら、
「ああああああああっ!!」
掴んだ手を離し顔を押さえて悲鳴を上げる貴人、その指の隙間から血が溢れ出す。
ヴィレンは待ってましたとばかり口から勢いよく何かを吐き出した。
そして口に含んでいたパチンコ球が至近距離、なおかつ信じられないほどの高速で西園寺の両目を直撃したのだった。

「目がっ!目がぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
血の涙を流しのたうつ貴人、そこに容赦無くヴィレンのチェーンが振り下ろされる。
何発も何発も…暗闇と激痛の中でめちゃくちゃに暴れ逃げる貴人
「うわおえっ、ひっいい」
だが全力疾走のつもりでも数歩走ればバランスを失い転んでしまう、それほどまでに人間の感覚は
視覚に負う部分が多いのだ。
それでもめちゃくちゃに悲鳴を上げながらのたうつように逃げる貴人。

そんな貴人の額に触れる何か。
「あっあっいうこころっここここ殺さないで」
道を塞いだ自動改札のシャッターに向かって土下座をする貴人、その心は完全に折れてしまっていた。

土下座の後、弾かれるように反対側に逃げた貴人だったが、突然自分の足元が消える。
え、と思うまもなく彼は約2M下の線路に転落したのだった。
429Killing Subway:04/11/13 00:15:32 ID:???
ヴィレンは追ってこないようだ、貴人はふらふらと落ちた先をさまよう。
全身が鉄のような匂いで包まれている、一番痛みのひどい後頭部を触ると肉が削げていた、
おそらく頭蓋骨が見えてしまっているだろう。
「死にたくない…しにたくないよ」
貴人は幼子のように泣き叫びながら闇をさまよう、かりんのことを棚に上げて。

その時だった…自分の前方から音が聞こえる…しかも猛スピードで…
何?何!何!?
いや何かはもうわかっている、だがわかりたくない、いやだこんなのってない
だって御祖父様はここまで酷いことになるなんて言ってくれなかったじゃないか
貴人は仕方なく当身の構えを取ったのだが…相手が悪すぎた。
「死にたっ!ぶぅわっ!」

ぶちぶちぶちといやな音が聞こえたかと思うと、暴走列車が通過しホームに血と肉の雨が降る
もっとも白線の内側にいたヴィレンには一滴たりともかからなかったが。
ちなみにヴィレンのメモには列車の通過間隔が書きこまれていたのだった。
「俺は弱いんだから頭を使わないとな」
かくして哀れ貴人は暴走列車に挑んだ果てにひき肉になったのだった。

ヴィレンはホームに飛び散った貴人の肉片の一部を拾うと
それをママハハの口元に持っていく。
「えさが欲しいか…喰え…」
鳥かごの中で死に物狂いでばたつくママハハ、それを見て苦笑するヴィレン。
「ま、喰わんだろうな…さてと」

ヴィレンは背伸びをすると、もう振り帰らずにホームを後にする。
「お客様残りの部分を探しておりますのでもうしばらくおまちください…」
と一言呟いて。
ちなみに先頭車両には貴人の残りの部分がしっかりとへばりついていた。
断末魔の表情そのままに。
430Killing Subway:04/11/13 00:19:28 ID:???
【風間火月 所持品:不明 第一目的:おそらく現在ふて寝中】
【ヴィレン 所持品:ママハハ(本文中の武器は現地調達) 第一目的:ゲームに参加】
【西園寺貴人:死亡】

(地下鉄はコントロールセンターのサーバーに正規のコマンドを入力すれば制御可能です
ルガール側でも操作可能としておきます)

431ゲームセンター名無し:04/11/13 01:13:49 ID:???
アケ板にもあったのか。レゲー板の時は酷いことになったが…
432伝説の狂師:04/11/13 02:31:21 ID:???
サウスタウンの一角の道路に双葉蛍とアルルとエレナの死体が無惨に転がっている。
眼球と舌と頬肉がない死体、腹部を切り裂かれた死体、胸部をえぐられた死体。美しい少女たちの姿は原型をとどめていなかった。
「まだ食べ飽きないわ、まだ食べ飽きないのよ!」
水無月響子は血にまみれた両手を地に叩き付け、血でべったりの口を大きく開け、狂人の叫びをあげた。
道徳を尊ぶべき立場である教師の彼女が発狂したのはつい先ほどのことだった。
一人の少女を助けようとしたが、少女は既に死んでいた。額に穴があいていた。即死だろう。

響子は気が付けば少女を食べていた。何でそんなことをしたのか考える思考回路は彼女にはなかった。人肉と血の柔らかさ、美味しさに溺れていた。

もっとイケニエを!
もっとイケニエを!
もっとイケニエを!

それから少しして、三人のいたいけな美少女が脅えながら響子に救いを求めてきた。
「一緒にここから逃げませんか?」
「ぼくたちは争う気はないんだ!」
「お願い、武器を捨ててください」

美味しそうだったから殺して食べた。実際美味しかったがまだ食べ足り無い。
「もっと食べたい…モットイケニエヲ…」
響子はゆらりと立ち上がり夜の闇へと消えていった。
【水無月響子 武器:包丁 第一目的:誰でも良いから殺して食べる】
【エレナ、蛍、アルル死亡】
場所はクララの死んだ辺りです
433ゲームセンター名無し:04/11/13 02:37:42 ID:???
きもいよ何オナってるの?氏ねよバカ。
434ゲームセンター名無し:04/11/13 02:44:40 ID:???
>>432
気持悪いぞ童貞
435ゲームセンター名無し:04/11/13 03:06:20 ID:???
下手な奴は書くなよ
436ゲームセンター名無し:04/11/13 03:10:15 ID:???
>>432
伝説の狂師の作者さんへ
現在雑談スレにて審議中です、これを読まれましたら
すみやかに雑談スレまでお越しください。 
437ゲームセンター名無し:04/11/13 04:18:53 ID:???
リョウ・サカザキ師範代。極限流空手本部長であり現役優勝者。
幸せ公園を後にしたところで、すぐに見覚えのある顔と出会った。
サウスタウンは特に狭い訳でもないが、相当な参加者がいると見て構わないだろう。
最も、誰がいようと知った事ではない。ユリの復讐さえ達成する事ができれば、
他人の命は愚か、自分の命も惜しまないだろうと、自身の心に言い聞かせていた。

そして今、それを邪魔せんとする男がいる。せめてもの警告。

「どけ。俺はチンピラに用は無い」

「坂崎よぅ…お前、今の状況理解してんのか?
 それとも鍛えすぎて頭まで筋肉になっちまったのか、コラ」

いかにもなじむ、と言った様子で右手の匕首をこねくり回す三十絡みの男。
対して、左手はズボンのポケットに入れたままだ。
有段者を前にしてこの不遜な態度、余りにも無用心だ。
しかし、どこか狡猾なだけではない底力を感じさせる。

迷った様子だったが、とうとう決心したリョウは、
支給品の入ったズタ袋を足元に落として、軽く腕を回した。
今やろうと、後でやろうと変わるまい、と、そう思いながら。

「山崎、今まで本気で手を合わせてみた事はなかったな」

にたにた笑っていた山崎の表情が、瞬時に殺戮者のものへと変貌した。

「…やる気になったのかよ。もちろん、俺はエモノを使わせてもらうからな。
 テメエも遠慮するなよ?」
438ゲームセンター名無し:04/11/13 04:20:01 ID:???
リョウは、軽く足元に目をやり、
「生憎と、役に立ちそうなものは受け取ってないんでな」
と答えた。
袋の中身は大量の火薬だった。使い道がない事もないが、目の前の戦いに役に立つとは思えない。

全く唐突に、山崎の口から蛇の威嚇するような奇声が発せられた。
ポケットに仕舞われていた左手が、信じられないような距離まで伸びる。
リョウは首から上だけ逸らしてかわしたが、思わぬリーチを見せた拳が髭の生えたアゴへとチップする。

体勢を立て直したところへ、怒号を上げながら、匕首を構えて突っ込んでくる山崎。
この男の恐ろしい点は、ここだ。人を殺す事に躊躇がない。
特異な状況下において、さらにそれは際立っている事を実感した。

山崎は、袈裟がけに斬り付けんと刃物を振り回す。

「坂崎ぃいいい!」

匕首のきらめきを目で追いながら、なりふり構わぬ様子が、少し哀れなようにも感じた。
体全体の重心を下げながら、相手の懐へと潜り込んだ。
軸となっている腕を抑えればまず威力は失われる。
左肘で山崎の右前腕を斜め上へと払い、脇腹へと水平の手刀を叩き込む。

が、クリーンヒットはしない。山崎は、上体を捻らせ、手刀をいなしつつ、その長い足をリョウの肩口へと振り回した。
重たい一撃だったが、部位のせいか、ほぼダメージはない。
しかし衝撃を受けて、しゃがみこんだ姿勢が少し崩れる。
ブッ刺してやる、と山崎は左の拳をリョウの首筋へと振り下ろした。脊椎を狙った一撃。
が、待ち受けていたのは自身の顔面から飛び散る火花だった。
439ゲームセンター名無し:04/11/13 04:20:48 ID:???
膝と腰のバネを利用した、強烈な突き上げアッパーが、カウンター気味に顎を捉えたのだった。
この状況からだとさらに捻りが加わり、破壊力が上昇…誇張抜きに山崎の肉体が浮き上がった。
山崎は、下顎の骨に加え、上と下の前歯同士が当たって砕ける音を、頭蓋骨ごしに聞いた。
他にダメージは無いはずなのに、体中に地割れが起きたような衝撃だった。
地面に背中から倒れた…いや、落ちた。

アスファルトの感触を感じる間も無く、黒い胴着の影が近寄る。
虎煌撃。稽古試合ならば、寸止めで終わる追い討ちのための技だ。
リョウは、山崎の胸骨中央へと掌底を落とした。全く躊躇はなかった。
掌に骨の折れる振動が伝わった。
為すすべも無く、げぶ、といううめき声と共に血が山崎の砕けた口から漏れる。
痙攣とともに、巨体の頭と足が少し起き上がった。
僅かに手の甲にかかった返り血に気付き、折れた骨が心臓にでも刺さったか、と冷静にリョウは考えた。

虫の息の山崎の頭部付近に体をずらし、片膝で中腰に座り込むリョウ。放っておいても死ぬだろう。

リョウは、左手で山崎の頭を持ち上げた。地面と後頭部との間に10cmほどの空間ができる。
山崎は狩られる動物の目で、リョウの顔を間近に見た。

無表情だった。

リョウの右腕が高く、上へと掲げられた。
そして、氷柱3枚をブチ破る手刀が、山崎の顔面に振り下ろされた。
440ゲームセンター名無し:04/11/13 04:22:03 ID:???
押忍、と小さく気合を入れてから、足元の死体を見下ろして、

「…すまんな、武器は使わせてもらった。
 この拳だ」

と呟いた。

支給された袋を肩に担ぐと、青い胴着の男のいそうな場所を思索し、ギースタワーを目指す事にした。
ただの直感と、己の鬼心を信じて。

【リョウ・サカザキ 支給品:火薬 現在の目的:日守剛への復讐 現在位置 幸せ公園(6)を出て中央道路(5)を東に向かっている】
【山崎竜二 死亡】
441beast and rage ◆AX90vj3jog :04/11/13 21:02:14 ID:???
 ルガールを倒すという目標を決めたものの、さてどうするか。
 ゼンはとりあえず道路を渡った先に見える幸せ公園に足を向けつつ、思案する。
 どこに居るかわからない彼に会うには、このフザけたゲームで生き残るしかないのか。
「けっ」
 奴の思惑に乗るのはご免だし、向こうから襲ってくるのでなければ、他の連中を殺してまわるのは面倒だ。
 対ルガールに備えて体力も温存しておきたい。
 何か他に方法は無いか。
「……」
 黙考10秒。
 これまで己の拳だけを頼りに生きてきた青年には、やはりと言うか何と言うか、『他の連中をぶっつぶしてルガールの所へ行く』という選択肢以外の名案は出てこなかった。
 しかしあんな奴の思い通りに動くのは腹が立つ、しかしどうする。
 ……最終的にゼンが導き出した答えは『頭脳労働を任せられる誰かと手を組む』だった。
 他人とつるむのを好まない彼としては異例の結論。どうやら余程ルガールが気に喰わないようだ。
 手を組む候補として、参加者の中に居た顔見知り……アラン、ガーネット、ヴィレンを思い出す。
 三人ともかなりの腕前の格闘家だし、黙って殺されるほど甘くもない。
 そして少なくとも自分よりは頭はいいだろう……認めるのは癪だが。
 しかしアランとガーネットはともかく、ヴィレンはこのゲームに乗って既に幾人か殺している可能性が高い。
 とすると、自分と手を組んでルガールだけを狙おうとは考えないだろう。
 大体アイツとはこんな状況じゃなくても仲良くできるとは思えない。
 とりあえず、アランかガーネットのどちらかに接触しようと決めて、ゼンは歩みを進めた。
442beast and rage ◆AX90vj3jog :04/11/13 21:03:41 ID:???
 その歩みが止まる。
 建物の壁を背にして足を止め、ゼンは油断なく辺りをうかがう。
 一瞬だが、確かに人の気配を感じた。殺気は感じられなかったが、用心に越したことはない。
 そのまま動きがあるのを待つ。しかし何かが動く気配は無い。
「おい、戦うつもりが無いなら出てこいよ、オレは誰彼構わず殺る気は無い。戦うにしてもこそこそしてんじゃねぇ」
 痺れを切らしたゼンが声をかける。
「あら、バレてたの。ただの坊やってわけじゃないわね」
 そう言う声と共に、電話ボックスの陰から金髪の女性が現れた。
 華奢だが隙のない身のこなし、ゼンは気を抜かずに彼女を睨みすえる。
「殺す気は私も無い。人を殺すのは趣味じゃないわ」
「……暗殺者の台詞かよ。隠したってテメェの身のこなしからわかるぜ」
「確かに暗殺の技術は叩き込まれたけどね。罪のない人間を、殺したことは無い」
 適当な事を言っているわけでもなさそうだ……この女もゲームに乗る気は無いようだが……信用できるか?
 ゼンはゆっくりと腰を落とし、もし向こうが攻撃してくれば即座に対応できるよう、神経を研ぎ澄ます。
「そんなに身構えなくても……そうだ、提案があるんだけど」
「あ?」
「戦う気が無いなら私と組まない?こんな馬鹿馬鹿しいゲームのルールに乗ってやる必要も無い。あなた腕に覚えがありそうだし、協力者が多ければこれ潰せるんじゃないかしら」
 意外な申し出にゼンは少し動揺した。どうするか。
 目の前の女はかなりの使い手だ、頭もそれなりに切れそうだし、手を組んでも自分の足手まといにはならないだろう。万一裏切る気なら……その時殺せばいい。
「……いいだろう、だが完全にはテメェを信用しねぇぜ。邪魔になりそうだったら置いていくし、オレに必要じゃなければお前が襲われても助けない」
「それって手を組んだって言えるかしら……まあいい、当面の間よろしく。他にも手を組んでくれそうな人に心当たりある?人数は多ければ多いほどいい」
「アランっていうナンパ野郎と、ガーネットっつう妙な格好の女なら乗ってくるかもしれん。お前の方はどうなんだ」
「そうね……ジャムっていう女の子なら話を聞いてくれるかも。中華拳法の使い手よ、かなり強い」
443beast and rage ◆AX90vj3jog :04/11/13 21:06:37 ID:???
 彼女の台詞を聞いて、ゼンは先ほどビル街で戦った女性を思い出した。
「いや……そのジャムとかいうの、輪っかみたいな髪型の奴なら……オレが殺した」
「何?」
「向こうが殺す気でかかってきた。黙ってやられる気は無かったからな」
 金髪の女性は、別にゼンを非難するでもなく溜め息をついた。
「そう……彼女もこの異様な空気にあてられたのかもね。気の毒に。ブリジットはどうかな……生きているかしら?どうも戦いを甘く見てる子だし……」
 思案を続ける彼女だったが、ふと閃いたようだ。
「一瞬見ただけだけど……、あの男はどうだろう。さっき私に手を出そうとしてきた太って下品そうな男にお灸を据えてやってたんだけど、その途中で火炎瓶を投げ込んで割って入った男がいた。
どうやら太った男はその人が殺したみたいだけど、私を助けるつもりだったのかしら。口元が見えない変わったジャージを着ていて……」
 火炎瓶。口元の見えないジャージ。ゼンに思いっきり嫌な予感が走る。
「それ……もしかして白い坊主頭で、背中に赤地に白で牛骨の模様が染め抜いてあったりしないか?」
「そうそんな感じ。知ってるの?」
「そいつは駄目だ……多分お前も殺す気だったよ」
 やはりヴィレンはゲームに乗ったようだ。
 いずれ戦う事になるかもしれない……相手の意表を衝くトリッキーな攻撃を得意とする彼は正直敵に回すと厄介な相手だ。
「しょうがないわね、地道に探しましょう。私はミリア・レイジ。あなたは?」
「ゼンだ。譲刃 漸」
「変わった名前ね……ジャパニーズ?よろしく」
 ミリアは手を差し出したが、ゼンはそれを一瞥しただけでさっさと歩き出した。
444beast and rage ◆AX90vj3jog :04/11/13 21:08:12 ID:???
「ふう、困った子ね……でも一か八かで誘ってみたんだけど、あなたみたいな人があっさり手を組んでくれるのは正直意外だった」
 後についてきて話しかけるミリアに、ゼンはひどく不機嫌な面構えで返す。
「気に喰わねぇんだよ、あのルガールとかいう男」
 勝手に他人を弄び、戦わせ、その有様を高みの見物で楽しむ……FFSで膨大な金を賭け合っていた腐った連中と一緒だ。吐き気がする。
 いやあの連中よりタチが悪い。集められた参加者の中には、明らかに殺し合いなどできそうにない子供たちもいた。
 反骨精神の強いゼンにとって、彼らの思うように動くのは我慢ならない。

 そしてミリア・レイジ。
 彼女も師であったザトーを裏切ってまで抜け出した闇の世界に、今また舞い戻りたくはない。
 大きすぎる犠牲を経てようやく人並みの人生を手にしたのだ。
 ここを無事に抜け出し、また自由に生きる。自分のためにも……そしてザトーのためにも。

【ゼン 支給品:折りたたみ式ボウガン(本人組み立て方よくわかってない 現在の目的:ルガールを倒す、仲間を集める】
【ミリア・レイジ 支給品:ドラゴンクロニクル・闇の幸運種ぬいぐるみ 現在の目的:ゲームを潰す、仲間を集める】
【現在位置:道路上をビーチ方面へ進行中】
445ゆめのおわり:04/11/13 21:48:16 ID:???
「…どうしてこんなことに…」
鑑 恭介はつぶやき、溜息をついた。
支給された武器はダイナマイト。
そのままでは頼りない武器を手に、ひとまず火を…と民家に入り込んだが、
ライターなどの道具を見つけることは出来なかった。
仕方なくキッチンのガスコンロ近くに腰を下ろし、膝を抱える。
これで窓からは死角になる。外の人間には気付かれないはずだ。
(…しばらくはここで凌げるだろう…それに、襲われたとしてもある程度は身を守れる。火もすぐ傍らにある。)
そこまで考え、このような状況にも存外冷静に対応している自分に苦笑した。
確かに自分は沈着冷静が売りの風紀委員だ。だが、これは…こんな対応は、間違っている。
(…だからといって、どうすればいい?)
わからない。わかるはずがない。殺しあえ?こんなことは、理解の範疇を超えている。
自分はただの学生なのに……

…キィ…

思考はそこで止まる。玄関の扉を開く音。
きし、きし。
廊下の床が鳴る。ゆっくりと、何かがこちらへ向かってくる。
恭介は反射的に身構えた。
(そうだ…これからどうするかなんて、決まってる)
キッチンの扉の前に気配。ノブが回る。
(僕は、生き延びなければ)
扉が、開く。
(兄さんのためにも…!)
446ゆめのおわり:04/11/13 21:51:40 ID:???
「…恭介?」
懐かしい声が耳をくすぐる。扉の向こうに居たのは――
「…兄さん?」
死んだはずの忌野 雹。彼の双子の兄。
馬鹿な、ありえない。だが、目前にあるのは確かに…
「なんだ…ここにいたのか。」
そう言って、雹は柔らかく微笑む。二度と見られないと思っていた笑顔。
「こんなところで何をしていた。探したぞ。」
ありえない言葉。だって、もう兄さんは。
「さあ、帰るぞ。」
そう言って、雹は恭介に手を差し伸べた。
「…兄さん?本当に?」
やっとのことで出した声は震えていた。
「なんだ、化け物を見たような目をして。」
「そりゃそうさ…だって…兄さんは、死んで…」
「ふん、馬鹿なことを。…寝ぼけているのか」
…ああ、そうか。
その言葉で瞬時に恭介は理解する。
今までのことは夢だったんだ。そうだ、こんなことが日常で起こるはずが無い。
ダイナマイトも、首だけになった少女も、この馬鹿げた殺し合いも、兄の死も、全部、全部。
「恭介?」
兄が呼ぶ。…兄が自分を呼ぶ。そんな当たり前のことが、こんなに嬉しいなんて。
「なんでもないよ、兄さん」
微笑んで、恭介は雹の手を取った。
447ゆめのおわり:04/11/13 21:53:37 ID:???
「…よかったね、ずっと会いたかったんでしょ?」
少女は、抱きしめた恭介の髪を撫でる。
少女の胸で恭介は息絶えていた。幸せそうな笑みを浮かべて。
少女の名はリリス。人ならざるもの。夢魔。
彼女の見せる夢に囚われれば、どのような生き物も精気を吸いつくされ息絶える。
しかし、強靭な精神を持つ者にはそのまやかしも効かない。
普段の恭介ならば夢に惑わされることもなかっただろう。
だがこの極限の状態で、殺し合いと言う非日常の世界で…
夢こそ事実と縋った彼を、誰が責められるだろう?
「おやすみなさい。お兄さんと一緒に、仲良くね。」
そう言って、リリスは恭介の額に口付けた。その瞬間、恭介の体は霧散する。
握っていたダイナマイトが床に落ちた。
「んー…でも、ちょっとつまんなかったかな。もっと遊んでもらえるかと思ったのに。」
リリスは立ち上がって軽く伸びをし、不満げに呟いた。
そして窓を開くと、赤い翼を翻し空に舞い上がる。
「…これからどうしようかな?」
翼をはためかせ、眼下に広がる街を眺める。

街は強い気で溢れている。
強い憎しみで溢れている。
強い恐怖で溢れている。
強い悲しみで溢れている。
強い狂気で溢れている。

「そうだ!きっと、皆今夜は素敵な夢をみるよね…えへへ、楽しみ!」
魔界に帰ったら、モリガンに面白い土産話が出来そうだ。

【リリス 所持品:? 目的:このゲームを楽しむ 備考:能力を使ったため少し疲労】
【現在位置:不明】
【鑑 恭介 死亡】 
448ゲームセンター名無し:04/11/13 23:05:12 ID:???
432は削除されました。何もなかったということでお願いします
これからは作者も無意味な投稿はやめましょう
449ゲームセンター名無し:04/11/13 23:08:19 ID:???
賛成!キャラを無意味にころす作者はいりません。
432は反省して、もう二度と書かないで下さい。悪ふざけならサイテーですね
450ゲームセンター名無し:04/11/13 23:13:34 ID:???
うまく反対意見が可決したので次からちゃんとした良い話をお願いします。良識ある作者さんの小説を待ってます!
読者のみなさんも良い話と悪い話を見極めような。
451ゲームセンター名無し:04/11/14 00:00:33 ID:???
452ゲームセンター名無し:04/11/14 00:01:24 ID:???
とりあえず自演は雑談スレだけにしとけよ池沼
453Murders Rule:04/11/14 00:43:59 ID:???
暗い部屋の中、何者かの声が聞こえる。
「断るというのか?」
「無論だ」
「こちらの調べではお前は残虐非道の人斬りとなっているが…」
月光が部屋の中に差しこみ、ここでようやく話し声の正体が明らかとなる。
壇上の豪奢な椅子に腰掛けているのは言わずと知れたルガール・バーンシュタイン
そしてその手前でいかにも下らないという表情で立っているのは牙神幻十郎だった。
「確かにそうだな」
幻十郎は不敵なそぶりで薄ら笑う。

「ならば何故だ?貴様の腕に十分応じるだけの報酬は提示したはずだが?」
ルガールがぱちんと指を鳴らすと、ヒメーネとアヤがカートに満載した金塊を次々と幻十郎の目前に積み上げていく。
「先ほどの倍の量、用意させてもらった…貴様の世界での価値は1千万両といったところか」
だが幻十郎はそれを一瞥しただけで、うず高く積まれた金塊の山を蹴倒してしまう。
がらがらがっしゃんと音が響く中、

「何故かといわれれば答えてやらんわけでもない、そうだな…」
「気が乗らん、それだけよ」
「貴様!ルガール様の御前で!その無礼な口を!」
ルガールはいきり立つヒメーネを手で制する。
「斬りたい時に斬り、寝たいときに寝、女を抱きたいときに抱く、それが俺の流儀、
 金欲しさ、命惜しさに己が流儀を曲げることこそ阿呆のやることよ」
454Murders Rule:04/11/14 00:46:21 ID:???
「したがって」
ここで幻十郎はニヤッと改心の笑みを浮かべ言い放った。
「この牙神幻十郎、俺の好きにやらせてもらう…それでも俺を買いたいのならば」
 そうだな、大分安いが貴様の命…もらおうか?」
その言葉を聞いてまたヒメーネが鬼の形相となるのだが、今度もルガールはそれを制する。
「ふっ!素晴らしい…だが貴様、覚悟はできておるのだな?」
「ああ、おれはこれもんか?」
そういうと幻十郎は親指を立てて喉を掻っ切るそぶりを見せる。
「よくほざいた!!ならば望み通りっ!!」
「そうか…惜しいな」
騒ぎ立てるヒメーネを差し置いてルガールは壇上から幻十郎に向かって彼の愛刀を投げ渡す。
「だが気に入った…ならば貴様がどこまでその流儀を貫けるか、それを見届けさせてもらおうか」

「ルガール様!そのようなことをされては!!」
「ヒメーネ…先ほどから少々煩いが」
そこで場の空気が一変する、凄まじいまでの鬼気が瞬時にしてその場を包む。
「秘書の分際で私のやる事に意見があるのか?」

いてつくようなルガールの視線、それを向けられたヒメーネはへなへなと座りこんでしまう。
「申し訳…ございません…出過ぎた…発…言…でした」
しかしそんな中でも幻十郎は平然と口笛を吹いていた、それを見て大笑するルガール。
「ははは!ますます気に入った、ならばもう一つ教えてやる、私はこの地に何人か
 すでに私と手を組んだ者を送りこんでいるのだよ…せいぜい気をつけるがよい」
455Murders Rule:04/11/14 00:48:49 ID:???
「ほう…」
心あたりはあった、部屋の前にいたあの胸のむやみにでかい紫の女と
鮫のような顔をした柔使いだろう。
「数は貴様を含めて4人、だが断ったので3人だな」
ここで初めて幻十郎は腑に落ちぬ顔をする、もう一人は誰だ?
まぁいい…自分から斬るつもりもないが、黙って斬られるつもりも無い。
いずれ役に立つこともあるだろう。

「礼はいらん、せいぜい楽しませてもらおうか」
ルガールがまた指を鳴らすと空間に穴があく、ホールの時と同じく。
そして幻十郎は愛用のキセルに火を点すと、何も言わず穴の中へと身を投じた。

【牙神幻十郎 所持品:紅鶯毒 目的:ゲームには乗らない(専守防衛) 現在位置:不明】
456Murders Rule:04/11/14 00:52:52 ID:???
【牙神幻十郎 所持品:紅鶯毒 目的:己の心のままに 現在位置:不明】
以上、最終状態を変更します。
457兄弟:04/11/14 01:17:16 ID:???
 ―――これからどうしようか。

 普段ならそんな曖昧な疑問など持たないはずの自分に少し驚き、
 御名方守矢は小さな溜息をついた。

 全員が集められた広間から外に放り出された後、あてもなく歩いていると、
 見慣れない街並みのほんの小さな隙間から、見慣れた風景が見えた。
 建物の迷路を抜けて辿り着いたその場所は大きな日本家屋だった。
 この街の空気には馴染まないであろう建物。建設者の感性が理解しがたい。
 だが、幕末の日本に生きる守矢にとっては幾分か居心地の良い場所だった。
 それからずっと、奥の畳の間に腰を下ろして考え込んでいた。

 これから自分はどう動けば良いのだろうか。

 …脱出の方法を考える。
 否、どうやって。
 この世界は自分の生きる世界とは何もかもが違う場所。
 方法など考え付くはずもない。それこそ自分の寿命を縮める結果となるだろう。

 …主催者の言う通りに自分以外の参加者を殺す。
 そうすれば生きて帰れる。
 だが。
 この殺し合いに何か意味はあるのだろうか。
458兄弟:04/11/14 01:18:29 ID:???
 手元に視線を落とすと、支給武器だという短刀が目に入る。
 取り上げられてしまった自分の刀とまではいかないが、これも相当使い込まれている物のようだ。
 柄の部分をぎゅ、と握り締める。確かな、刀の感触。

 今まで剣士としてずっと刀を振るってきた。
 一度として闘いから身を引いた事などない―――例え、自分の家族が相手だったとしても。

 「………楓」

 あの広間で確かに見つけた、自分の義弟。
 突然叩きつけられた状況にその表情は辛そうで。

 そうだ、あいつは昔から甘い奴だった。
 義父の仇だと思っていたはずの自分ですら斬れなかった。
 剣士としてですら成りきれていないのに、どうして殺し合いなど出来ようか。

 ―――なら、楓は誰かに殺されるだけなのか。

 自分自身で導き出した結論に、背筋が震える。
 殺さなければ、殺されるだけの事。
 それは剣士の世界でも同じはず。あいつも嫌と言うほど理解しているだろう。
 だから、あいつが生き残ろうと死のうと、私には関係無い。

 だと言うのに―――私は。
459兄弟:04/11/14 01:19:36 ID:???
 立ち上がる。
 外に出て空を見上げると、一面灰色の雲に覆われている。
 この世界全体を覆うような不穏な空気。

 その下で、誰も望まなかったはずの闘いが繰り広げられている。


 ―――やはり、私も甘いのかもしれない。


 そう呟いて、守矢はその場を後にした。

 闘いを望まない、心優しい義弟を探しに。


 【御名方守矢 所持品:短刀(持主不明) 現在位置:ハワードアリーナ→移動
  第一目的:楓を探す】
460Resolution ◆nucQuP5m3Y :04/11/14 02:08:56 ID:???
「それで、どうする?」
「そうね、主催側の施設に乗り込むにしても二人じゃ・・・」
「にょ!」
「あ、ごめんなさい、二人と一匹だったわね、パピィ」

なんとはなしにテンポの悪い会話をしている二人(と一匹)。
ガルフォードと春麗は出発前の態度から好意的とは思えなかったアッシュが南のほうから園を出たことを確認し、
遊園地の北口から園を出るところだ。
「あの場にいた者で協力を仰げそうなのは?」
自分も考えながら春麗に問うガルフォード。無論周囲への警戒は怠らない。
「そうね・・・リュウ、ガイル、あとはさくらちゃんとダンさん、あとはえーっと、さくらちゃんの友達のかりんちゃん?
 私が知っていて信用できる人間はこんなところね。ガルフォードは?」
問い返す春麗。
「・・・・・・知っている人間はそれなりにいたが、協力できるといえばナコルルとリムルルくらいのものだな」
答えるまでの時間が長かったわりに出た人数が少ないガルフォード。
考え込んでは首を振っていたのは牙神や火月らの顔を浮かべては消していったのだが春麗にはわかるはずもない。
「ナコルルさんなら一度大会で会ったわね。まあ他にも大会で会ってる人間は多いんだけど・・・
 やっぱりこの状況で信用に足るかっていわれると、ちょっとね。」
そうだな、と呟いてガルフォードが足元に目をやる。犬福のパピィはぴょこぴょことついてきている。

「そういえば考えながらで歩調を緩めるのを忘れていたが付いて来ているな。えらいぞパピィ」
「にょ!」
抱き上げて頭をなでる。うれしそうに目をつぶるパピィ。
ガルフォードも(犬の)パピィとその子供達のことを思い出しているのか優しい顔つきに、
なりかけた時春麗が声を上げた。
「ガルフォード!探知機に反応!」
「OH!距離と名前は?」
「ええと、ここから北に1キロ、あ、また有効範囲から消えた。キリシマ ショウってあったわね」
探知機の有効範囲ギリギリのあたりを移動しているらしくその後も何度かキリシマの反応はあった。
コンタクトを試みようかと思った二人だったが直後にその思いは消える。
461Resolution ◆nucQuP5m3Y :04/11/14 02:09:57 ID:???
「非道い・・・」
「SHIT!なんて有様だ!」
そこにあったのは初老の男性と若者の死体だった。
「知り合いか?」
尋ねるガルフォードに春麗が答える。
「確かこっちの人は藤堂・・・だったかしら。こっちは八神庵。どっちも格闘技の大会で見たわ」
刑事であり格闘家であるゆえ気丈に振舞ってはいるがやはり春麗も女なのだろう、
声が僅かに震え体は緊張でこわばっている。単純に死体を見たせいではない、
それは刑事である春麗にはさほど恐ろしいことでもないのだ。
彼女を怯えさせているのは人の心。この狂気のゲームに流され簡単に殺人を犯す人間の心の闇に恐怖しているのだ

「そうか・・・キリシマ、という奴がやったのか?」
「わからないわ、でも聞いたことのない名前ね、キリシマ・・・」
「今は追わないほうがいいだろうな、最低でも一人は殺している相手だ」
「ええ・・・あ、ガルフォード、これを。私よりあなたが持っていたほうが役立つはずよ」
そういって春麗は小太刀を手渡す。藤堂の死体の近くに落ちていたものだ、彼の支給品だったものだろう。
春麗は八神の持ち物もチェックしている。小声で「これは現場検証」と呟いているのが聞こえたが
ガルフォードは黙ってそれを見据えていた。
「ダメね、何も持ってない」
「そうか」
それだけいうとガルフォードは再び歩き出した。その目には今まで以上の覚悟とルガールへの確実な殺意を秘めて。
設置されたスピーカーからその殺意の対象の、高らかな笑いが聞こえてきたのはサウスタウンブリッジの前に来た時だった。


【ガルフォード&春麗&パピィ(犬福) 現在位置第9地区サウスタウンブリッジ前で初日放送に。橋にいくか西に向かうかは未定
 目的:ルガール打倒のための協力者(おもに知り合い)との合流 ガルフォードは藤堂の支給品である小太刀を装備】
462さむらい・にっぽん:04/11/14 02:34:21 ID:???
ぱちぱちと薪の爆ぜる音が聞こえる中で鷲塚慶一郎は目を覚ました
「おっ、起きたかよ、おっさん」
ここはどうやら小屋か何かのようだ。声の方を振り向くと、
あまり目つきのよろしくない少年がえらそうに立っている。
「俺の名前はエッジ!感謝しな、俺が見つけなきゃ今ごろあんた死んでたぜ」

「そうか…私は鷲塚慶一郎、感謝の言葉も無い」
頭を下げるのもそこそこに鷲塚は傷のチェックを始める。
擦り傷だらけの身体にはバンドエイドが張りつけられている
痛みはそれほど無い…が脇腹に弾がめりこんでいるのがわかる。
出血が多いように見えたのは彼の支給品であり、懐に入れていたトマトジュースの缶に
まず弾丸が命中したからだ、着弾の衝撃と転倒の際に頭を打ちつけ、前後不覚になったとはいえ
幸いにもそれがクッションとなり致命傷は免れたというわけだった。
「つつ…」

「まだ動くなよ、お腹の弾は俺じゃどうしようも無いからな、響子先生にでも取ってもらいな」
「いや…それには及ばんよ…貸してくれ」
鷲塚はエッジが手に持つ十徳ナイフを貸してくれるように懇願する。
一瞬迷った風な表情を見せたがエッジは鷲塚にナイフを渡す、渡されたナイフを火にくべる鷲塚
そして刃の色が少し変わってきたところで。
「!!」
463さむらい・にっぽん:04/11/14 02:36:00 ID:???
思わず目をそむけるエッジ、何と鷲塚は自分の脇腹にナイフを突きたてて弾丸を自ら摘出しようと試みたのだった。
「ぐう…」
脂汗を流しながらも刃先を動かす鷲塚、そしてころりとその手先から弾丸が零れ落ちた。
しかしそれでもまだ終わらない、もう1度ナイフを火にくべると今度は傷口を塞ぐために
自分の肉を焼かねばならない。
「ぐぅぅぅぅ〜〜」
じゅうううっと肉の焦げる音が聞こえる、エッジは耳も塞がなければならなかった。
「これでいい…」
ようやく治療を終えた鷲塚の声だけが海の家に木霊した。


「すげぇ根性っすねぇ…」
ようやく乾いた鷲塚の制服を手渡してやるエッジ、その目は羨望と憧れに満ちている。
根性だの何だの今までいきがって調子こいていたが、自分たちなどこの目の前の男には遠く及ばない
その男は何やら思索にふけっているようだった。

鷲塚の脳裏ではつい先ほどの光景が何度もリピートされていた。
弾丸を受け血に染まる老人、そして金髪の男…何十回目のリピートだったのだろうか?
ついに鷲塚はある結論に達したのだった。
464さむらい・にっぽん:04/11/14 02:38:47 ID:???
「今までの私は間違っていた、いや大樹公への忠誠はいささかも揺るがぬが、 
 やはり攘夷あるのみ!!あくまでも夷荻は討つべしだ」
いきなりの叫びに飛びのくエッジ。
「日本は長い歴史を持つ神の国であり、その地を易々と外国人たちに踏み荒らさせてはならないのだ」
エッジは首をかしげる、何を言ってるんだろうこの人?
「と、いうわけだ…君には感謝している、しかし日本のために死んでくれないか?」
「そりゃどーもって!おっさん…今さらりとものすげぇこと言わなかったか!!」

すでに鷲塚は床から立ちあがっていた、その目は義憤と殺意に満ちていた。
「ちょっとまてぇぇぇぇぇぇっ!なんで俺が死ななきゃならねぇんだよぉ!!」
「行っただろう、攘夷あるのみだと…外国人は全て斬る!!」
「俺!違うッス俺日本人!日本人だって」
「そんな色の髪をした日本人がどこにいる?」
ずい、と鷲塚が1歩進み出る。
「本当だってば!俺の本名は山田栄二って言うんだって!!」
半泣きで後ろ去るエッジ。
「貴様…この後に及んでまだ日本人を語ろうとするか!もはや許せぬ!!」

鷲塚の拳がエッジの頬をかすめ、ぶわっと裂ける。
剣が無くとも新撰組、その戦闘能力は一流といってもよい。
そしてエッジ、ナイフを持っていてもただの学生だった。

「怪我治してやったじゃないかあさぁ、たすけてぇぇぇぇぇ!!」
こうしてキャラに似合わない親切の果てに、エッジは逃げ回ることになってしまった。

【鷲塚慶一郎 所持品:なし 目的:攘夷の実行(外国人かどうかは彼の判断) 現在位置:海水浴場】
【エッジ 所持品:十徳ナイフ 目的:逃げる 現在位置:海水浴場】
465炎使い ◆.a9bKkvc.Q :04/11/14 02:48:27 ID:???
サウスタウン南部に位置する海辺の岩場にアッシュ・クリムゾンは座り込んでいる。
生白いその顔に憎悪と嫉妬を宿らせて。
「あの女絶対に許さない…僕をこんな酷い目に合わせて…」
呟きながら、ずぶ濡れになった服の裾を持ち上げる。
「皆僕を甘く見すぎているみたいだ。絶対に思い知らせてやる、僕の力を…」
まずあの日本人女をなんとかしなければならない。
その次はリオン・ラファールだ。
だがその前に。
「君のお相手をしなくちゃね」
アッシュは余裕たっぷりの笑みを浮かべて後ろを振り返る。
そこには銀髪に褐色の肌を持つ青年が釘バットを片手に立ちはだかっていた。
青年、K'も不適な笑みで応じる。
「ふん、勘がいいじゃねえか糞坊や」
「まあね。…ところでそんなもので…君はどうする気かな?」
言い終わるや否やアッシュは立ち上がり、右手に緑色の炎を宿す。
ほう、とK'は軽く簡単の声を上げると釘バットをその場に放り投げた。
そして自分も赤いグローブに赤い炎を生み出す。
アッシュは満足げに
「成程、よくわかってるじゃない」
それが戦いの合図となった。

初めに攻撃を仕掛けたのはK'だった。
鋭い回し蹴りでアッシュを強襲する。
アッシュは落ち着いてこれを避け、炎で薙ぎ払う。それがかすかにK'の頬を掠める。
「くっ」
「バカみたいに突っ込んでくるだけじゃ駄目じゃない。頭悪いなあ君」
続けざまにアッシュは炎の玉をK'めがけて飛ばした。
それに応えてK'も同じ動作を返す。自分の方が格上だと言わんばかりに。
赤い炎が緑の炎を打ち消し、アッシュめがけて一直線に飛んでくる。
アッシュはこれを間一髪で前転で避ける。そしてすぐさま爪先蹴り。
466炎使い ◆.a9bKkvc.Q :04/11/14 02:49:32 ID:???
K'はバックステップでかわす…その時だった。
急に視界が反転した。
一瞬何が起きたのかわからなかったが、K'は自分の陥った状況をすぐさま理解した。
足を踏み外して転倒し、岩の隙間から手が抜けないのだった。
全く身動きが取れない。
「勝負はついたんだよ。すぐ楽にしてあげるから」
勝ち誇ったような笑みを浮かべてアッシュがこちらにゆっくりと近づいてくる。
再び彼の手のひらに異様な色の炎が灯る。
「君弱すぎるから正直つまんなかったかな。でもこれで終わりだよ」

アッシュはふりかぶり、その手をK'に向けてふりおろした。
467炎使い ◆.a9bKkvc.Q :04/11/14 02:50:37 ID:???
K'は覚悟を決めた。

バシュッ。

不穏な音と同時にアッシュの動きが止まった。
その時ようやくK'の腕が抜けた。
チャンスとばかりにK'がすぐさま起きあがると同時にアッシュの体が傾ぎ、ゆっくり左向きにひっくり返った。

まさか。

K'は自分の右の空間を素早く炎で薙払った。
目の前で一本の矢が燃え上がり煤となって天に上っていった。
K'の右手にある岩場の遠い所にボウガンを構えたあやねが立っていた。
彼女は悔しそうにはき捨てる。
「二人とも一度に始末してやろうと思ったのに」
K'が倒れたアッシュを顧みると、彼の側頭部には太い矢が突き刺さっていた。
「いいわ、あんたは次の機会に殺してあげる」
「待ちやがれ!」
K'が叫んだ時にはあやねはその場から完全に姿を消していた。

「クソッ……」
K'は忌々しげに拳を握りしめて岩場を後にした。
アッシュにはもはや目もくれることもなく。
K'には一つ目標があった。
それは自分と同じ炎使い・草薙京をこの機会に抹殺する事だった。

【K':現在位置 九区の海周辺→街へ 所持品:釘バット、手榴弾 目的:草薙京を殺す】
【あやね:現在位置 九区の海周辺→不明 所持品:ボウガン 目的:殺戮】
【死亡:アッシュ】
468妹と弟:04/11/14 06:27:11 ID:???
「クーラ・・・」
路地裏ですでに冷たくなっている少女を発見してウィップはそうつぶやいた。
実際の年齢よりも少し幼い感じはするものの素直で可愛らしかった少女。
まるで手間のかかる妹のようだと思っていた。
「ダイアナさん、フォクシーさん、ごめんなさい・・・私クーラを守れなかった。」

武器を支給された後、ウィップは開始地点の付近に隠れてクーラかK´が出てくるのを待っていた。
うまくいけば合流して一緒に脱出する方法を探すことができるかもしれないとそう願って・・・
しかし呼び止める前にクーラは怯えた様子で走っていってしまった。
そしてその後を追うように駆けていく少年。
クーラが危ない・・・!直感的にそう感じて追いかけたものの
氷の上を滑るように移動するクーラと
それを人間とは思えないスピードで追いかける少年を追跡するのは容易なことではなく
追いついたときにはクーラはすでに冷たくなっており殺害した人物も既にその場にはいなかった。
469妹と弟:04/11/14 06:29:21 ID:???
クーラを殺した人物は見当がついている。
チラッとしか見えなかったがあの顔は以前KOFで見かけたことがあった。
クーラと自分の前に開始地点を出た少女(たしかルガールの秘書に一条あかりと呼ばれていた気がする)
この二人を殺してから移動したということはまだこの近くにいるかもしれない・・・
だが、今するべきことは復讐ではない。
K´を探し出し共にこの馬鹿らしいゲームから脱出する。
もう二度と大切な家族を亡くさないために・・・・・・・・・

【ウィップ 支給品:不明 現在地:サウスタウン路地(五区西) 目的:K´を探し出し共に脱出する】
470ゲームセンター名無し:04/11/14 20:04:41 ID:???
雑談スレドコー
アケ板じゃなくてゲサロ?
471ゲームセンター名無し:04/11/14 20:08:34 ID:???
472Detective Story:04/11/14 22:04:20 ID:???

フリーの調査員であるブルー・マリーの元に奇妙な依頼が舞いこんだのは
もうかなり前の話だ。
「ギース・ハワードに隠し子が?」
「そうだ」
黒服の男たちはブルー・マリーを取り囲むようにして話を続ける。

話の内容は要約するとこうだ。
ギースは恐ろしく用意周到かつ用心深い男だ、
その存在はおそらく彼のボディーガードであったビリーカーンですら
知られておるまい、そこで秘伝書騒動で活躍した私の出番、というわけらしい。

(で、その後継者とやらを探し出したらあとはどうするのかしら?)
とは聞けない、クライアントの事情を詮索しないのがこの業界のルールだからだ。

だが、彼らの目的くらいは察知できる、所詮は他人の不幸に乗じるハイエナというところか
ギース帝国の莫大な財産を個人の手に委ねるわけにはいかん、などともっともらしい理屈を
つけているところがますます胡散臭い。

「キャッシュで50万ドル用意した、必要経費は申請すれば口座に振り込んでおく」
そう言って男たちは有無を言わせず、デスクの上に現金を置く。
これを受け取ればもう戻れない…男たちの様子をしばし見る。
どうやら受け取らなくても戻れないらしい…私はもう躊躇することなく金を受けとったのだった。

案の定、捜査は難航を極めた。
あのギース・ハワードの残した謎に私程度が挑もうなどとは所詮、おこがましい話だったのか
そんな中、私はとあるニュース番組を見ていたのだが、ニュースは何やら地方の特産品が
どうとかいう話だったかのように思う。

まだ若いキャスターがロデオに挑戦するとか何とか言う中、私はとある光景に目を見張った。
キャスターが暴れ牛に踏み潰されそうになったからではない、その後ろだ
473Detective Story:04/11/14 22:08:24 ID:???
後ろで小さく映ってるのは、何やらちょっとした格闘大会のようなものだったが 
問題はリングに上がった少年の放った技だ…両足を踏ん張り、高く掲げた両手に気合を込めて噴出させる。
レイジングストーム、間違い無い。
無論、その威力は往年のギースには遠く及ばなかったものの…

こうしてなんとか糸口は掴めた、そしていよいよ本格的に接触を図ろうとした矢先
「こんなことになってしまったわけね」

マリーはビルの給水塔から街を見下ろし思う。
(そりゃ死にたくない…わよ)
だが、だからと言って積極的に殺し合いに参加するつもりも彼女にはなかった。
「でも何もすることが無いってのも不毛だしね」
死にたくないからといって亀のように閉じこもる真似もいやだったし
だから彼女はとりあえずあの少年を、ロック・ハワードを探すことにしたのだった。


【ブルー・マリー 支給品:不明 現在地:海岸近くのビル屋上 目的:ロックを探す】
474抜忍伝説+α:04/11/15 00:44:15 ID:???
「寝る場所ってもなあ」
あれから火月はビルの中をうろうろとさまよっていた。
この殺風景さはなんだ、まるで墓場ではないか…ここは自分たちの時代よりも数百年未来だと聞いたが
こんな鉄の塊の中に生きなければならないと思うと、未来に希望が持てなくなってしまう。

地下室に差しかかったときだった。
「?」
気配を感じる…瞬時に身構える火月、抜忍として逃亡生活を送る彼だ、危機察知能力は嫌が応にも高くなる。
そのまま目を閉じて気配を探る…自分の右前方
みるとダンボールがかさかさと動いていた。

「そこかっ!!」
火月の声にダンボールがびくりっ!と刎ねあがる、その瞬間床を蹴り火月はダンボールへと飛びかかる。
ダンボールがめくり上げられ、中なら現れたのは
「女…くのいちか!」
年齢は自分より少し下くらいか…だが顔よりもその豊かな胸にどうしても注目してしまう。
くのいちは鋭い回しげりを放つが、虚を突かれたためか狙いが甘い、そのまま蹴り足を火月につかまれ
後ろ手に固められてしまう。
「まだ私は捕まるわけにはいかないの!!許して!!」
くのいちは必死でもがき逃げ出そうとする。
「待て!落ちつけ!!俺に戦うつもりはねぇ」
そう言いながらも捕まる?…その言葉を聞いて火月は首をかしげる。
相手の身のこなしから見て自分と同じ忍であることは間違い無い、しかし捕まるわけにはいかない…とは

火月は恐る恐るくのいちに向かって問いかける
「まさか…おめぇも抜け忍か?」
くのいちはこくこくと頷いたのだった。
475BLUE PROTECT ◆AX90vj3jog :04/11/15 00:44:33 ID:???
「んもぉ、どういう事ぉ!?」
 中央のネットワークにハッキングを試みる事数度、その度に無情にもモニターに表示される”アクセス失敗”の文字。
 予想以上に厳重なプロテクトに、さすがにガーネットはうんざりした声をあげてしまう。
「アベルなら上手くやるんでしょうね……あーあ、もっとこういうのしっかり教わっとくんだった」
 ガーネットは情報屋だがどちらかと言えば潜入・戦闘などの行動的な部分を担当しており、こういったハッキングを行ったり作戦を練ったりなどの頭脳労働は、相棒のアベルが担当する事がほとんどだった。
 だが嘆いているわけにもいかない。彼と連絡を取れない以上、自分一人の力でやってのけるしかないのだ。
 頬を叩いて気合を入れ直す。諦めないわよ、今度はこれで―――
「動かないで下さい」
 突然、男の声が聞こえた……と思う間も無く、背後からガーネットの首筋にすっと刃物があてられた。
―――何ですって!?
 冷や汗がガーネットの頬を伝う。
 ハッキングを続けていたとはいえ、周囲への警戒は怠ってはいない。
 自分に気配を悟らせず、この男はこんな至近距離まで近づいたというのか。
「わずかながら、ここに誰かが入った形跡があったので来てみましたが……貴方は一体ここで何をしているのです?」
「ちょっと、人に物を尋ねる態度じゃないわよソレ。レディに刃物を突きつけるなんて失礼な人ね」
 軽口を叩きながらも、ガーネットの頭はこの状況を打破するために目まぐるしく回転している。
「それは失礼、だが今は私の質問に答えていただきたい。この得体のしれない物で、貴方は何をしているのか」
 得体のしれない……とはパソコンの事だろうか?
 今どきパソコンも知らないとはどんだけ田舎者なのかしら。そう思いながらも、それなら時間稼ぎができるかもしれない……とガーネットは答えてやることにした。
476抜忍伝説+α:04/11/15 00:45:10 ID:???
くのいちの名前はかすみ、やはり自分と同じ抜け忍なのだという、しかしそれだけではなかった。
(同じだ…)
かすみの境遇は驚くべきことに火月のそれとほとんど同じだった。
兄と妹の差こそあれ、掟よりも肉親を選び、結果その肉親にすら追われることになってしまったことまで。

(葉月…)
何時の間にか火月は妹の姿を思い浮かべていた。
無論、葉月とかすみとでは似ても似つかない、だが…
抜け忍の末路は悲惨だ、抜けたことがわかると自分の所属する組織のみならず
全国津々浦々の忍者組織に回状が配られる、そのため死の瞬間まで心が休まることは無い
永遠の逃亡劇を続けなければならない。
自分ですら何度死にそうになったか分からない…時代が違うとはいえ、それをこんな女の子が…
そう思うとたまらなくなってしまう…だからだろうか。
「俺と…こないか?」
火月は自分でも信じられないような言葉を口にしていた。

「い、いや…ほら変な意味じゃねーぞ、同じ抜け忍だろ…追っ手が来ても二人ならなんとかなるじゃねーか」
あたふたと弁解する火月、恥ずかしさからか手にしたダンボールがぼっ!と燃えあがる。
「せんりゃくじょうのひつよーてやつなだけだー」
とかなんとか一人で騒ぐ火月と正反対にかすみはうつむいたまま微動だにしない、

が、座りこんだその膝にぽつりぽつりといつしか涙が零れ落ちる。
「どした…おい」
火月が心配げに覗きこむ…その時。
「う…うれしい…抜けてからずっと逃げてばっかだったの…だからそんな言葉かけてくれる人に出会えるなんて」
「ありがとう!ありがとうっ!!」
かすみは火月の胸の中に飛び込み泣きじゃくる、その豊かな胸がぽよよんと弾む
かすみの温もりとその弾む胸を見る火月の顔は、少し赤くなっているのだった。
そしてそれは胸のせいだけではないのかもしれない。
477BLUE PROTECT ◆AX90vj3jog :04/11/15 00:47:50 ID:???
「中央のサーバーにハッキングをしかけてんのよ。プロテクトが堅くてアクセスに苦労してるんだけど、これが成功すればシステムをいじって首輪を解除できるかもしれないし、このゲームに手を貸している企業へのネットワークを通じて外へのSOSを送れるかも……」
 ごくかいつまんで話しているし、特に難しい用語も使っていないのだが……効果は覿面だったようだ。
 背後の気配が硬直するのが感じられた。
 すかさず刃物を持った手を跳ね上げ、座っていたマッサージチェアを後ろに蹴倒す。
 そして常人離れした跳躍力で机を跳び越え、相手に向き直りすぐさま蹴りを繰り出せるよう構えた。
(あら、意外といい男)
 腹に椅子が命中したのか、やや体勢を崩している男は、青く長い髪となかなかに端正な顔立ちをしている。
「ぐっ……どうか落ち着いてください……よくわかりませんが、貴方は殺し合いをする気は無いのですね?なら私も貴方と戦う気はありません」
「ちょっ……何言ってんのよ、いきなり刃物突きつけた奴をハイそうですかって信用すると思う!?」
「いや、それは本当に申し訳ない。忍びのクセのようなものでしてね。それに、貴方が殺し合いに乗る気ならば、あのまま貴方を殺す気でした」
「敵はちょっとでも減らしておこうってわけ?」
「そうです。私の弟への危険も減りますしね」
 構えをとかないまま、ガーネットは思考をめぐらす。
 この男、シノビというヤツなのか……隠密行動のエキスパート、自分に気配を悟られること無く接近できたのはそのためか。
 隠密行動をするにしてはいささか派手な髪の色と服装な気がするけど……昔、カメのニンジャが活躍するアニメを見た事があるし、こういうもんなのだろう。東洋の神秘恐るべし。
「我々の敵にならないのであれば、貴方をどうこうする気はありません。手荒な真似をして申し訳ない、では失礼―――」
「ちょーっと待ったぁ」
 立ち去ろうとする男を呼び止める。
 ハッキングに集中したいが、そうするとどうしても無防備になる。護衛が欲しいと思っていたところだった。
 この男は腕は確かだし、男前だから側に居ても嫌な気はしない。
 見知らぬ他人に背を預けるのは危険だが、一か八か。
478抜忍伝説+α:04/11/15 00:48:25 ID:???
【風間火月 所持品:不明 第一目的:かすみを守る】
【かすみ 所持品:不明 第一目的:不明】
479BLUE PROTECT ◆AX90vj3jog :04/11/15 00:49:09 ID:???
「こんな危険な状況で、女性を一人置き去りにするなんて男の風上にも置けないにゃー。しばらくの間、ここでアタシの護衛になってくれない?報酬はきちんと考えるわよん」
「……私は武士ではなく忍びですから……それに火月を探しに行きたいし……」
「そのカヅキ、弟さん?できれば一緒に助かりたいでしょ?アタシが今やっている事が成功すれば、首輪の爆弾を無効化できるかもよ。そしたら、断然弟さんも生存率は上がるし行動し易くなると思うんだけど?」
 自分の首輪を指で叩き、ウインクしてみせる。
 男も自分の首輪に手を伸ばし、渋面で思案する。
「うむむ……」
「悪くない提案だと思うんだけどにゃー?」
「うーむむむ……」
「弟さんの首が爆破される心配なくなるのよん?」
「……わかりました……護衛を引き受けましょう……成功しなかったら許しませんからね?」
 男がようやく折れてくれたことに、ガーネットは思わずバンザイのポーズを取った。
「オッケーよろしくねん!さーてそうと決まれば張り切るわよぉ!このガーネット様を敵に回したことをあのヒゲ親父に後悔させてやるわ!あ、そうそう男前のオニーサン、お名前何ていうのかニャ?あとニンジュツっての使えるの?」
「名は風間蒼月です……忍術というか、水を操る事ができますが」
 男、蒼月はそう言って自分の周囲にいくつもの水の塊を浮かばせる。
「水!?わわわ駄目駄目駄目っ、パソコンは水に弱いんだからっ!!」
「え、パソコン!?この光る箱の事ですか!?水駄目なんですか!?」
「もーどんだけ世間知らずなのアンタ!?とにかく水は禁止、ニンジュツ禁止ー!」
 
 かくしてガーネットも強力なプロテクトの入手に成功したのであった。

【ガーネット 所持品:多目的ゴーグル(赤外線と温度感知) 第一目的:中央に対してハッキング】
【風間蒼月 所持品:カッターナイフ 第一目的:火月を陰ながら守る 第二目的:ガーネットの護衛】
現在位置:中心街ネットカフェ
480銃闘:04/11/15 01:13:20 ID:???
大きなビル街をずっと道沿いに、特に普段となにも変わらない様子でクリスは歩いている。
少女を二人殺したとは思えないほどその表情は平然としていた。
(社、シェルミー…今頃どの辺にいるのかな? 死んでるはずはないよね…会えるかな?)
そんな芽生えかけたほんの少しの不安もザッ…とふと聞こえた音によってかき消される。
音の聞こえた方向に目をやるとそこには人の影があった。
「あれ…? 確かあの人は…」
そこに立っていたのは一人の男性。
見覚えがある。 先程だけではなく、KOF会場でも何度か見た顔だ。
決めた。
クリスの中の潜在的な何かが騒ぎだす。
それは先程の少女達を殺すときにも芽生えた「殺意」という感情だろう。
「丁度いいな、遠距離射撃にも挑戦しないとって思ってたんだ…あの人でテストしてみようかな」
そう呟いて、標的を定めターゲットが動くのを待つ。
クーラとか言った子は腹、着物の子は頭だったかな。
「じゃあ今度狙うのは心臓だね」
動いた。
だんだんと、ターゲットの心臓に狙いを定め…。

今だ!

パァン、と音が鳴り、硝煙の煙と同時にバタン、と物が倒れる音が聞こえた。
先程まで立っていた男の姿はもう視界から消えていた。
だがあくまでも消えているだけであり、まだ生死の判断はここからでは見えない。
ふっとんだ時に溢れ飛ぶはずであろう血が飛んでいるように見えないのも気がかりだ。
「うーん、ここからじゃ死んだのかどうか分かんないな」
クリスは男が転がっているであろう場所へと近づいていく。
少しづつ…一歩…二歩…。
481銃闘:04/11/15 01:14:42 ID:???
確実な足取りで男へと段々近づいていく。
そして倒れている男の姿がはっきりと見えた頃。
微かに、男が動いている様に見えた。

次の瞬間二つの銃声が鳴り響く。

そしてゆっくりと立ちあがったのは先程倒された男。
男が立ちあがった瞬間、クリスは頭から血を吹き出しバタリと倒れた。
最後に思った大事な二人の面影と共に静かに彼は息を引き取る。
力なく立ち尽くす男…椎拳崇は胸元に手をやった。
彼のGジャンの左ポケット。 その中には、彼女のシンボルだった髪飾り。
彼女を自分の1番近い所へ置いておきたいと心…心臓の真上だったポケットに入れていた。
今では銃弾が髪飾りのほぼ真中に埋まって今にも飾りが崩れそうになっている。
「アテナ…俺の事助けてくれたんか?」
小さくそう呟いた。
生きている事に気付かれ、最後に放たれたその銃弾はとっさに身をていしたおかげで
急所は避けられたものの左肩を貫いている。
決して無傷の生還ではなかったが、命だけは助かった。
「クリス、とか言うたかな…悪い事してもうたな。
けど俺は生き延びなあかんのや…アイツに復讐するまでは」
そう言い残し銃をまた後ろへ構え、ふらふらとあてもなく拳崇は北側へと歩いていった。
「まずはこの傷どうにかせなあかんな…」
ただ想い続けていた一人の女性のため、その復讐のために。
482銃闘:04/11/15 01:15:59 ID:???
【椎拳崇 所持品:ワルサーPPK 第1目的:怪我を治す・当面の目的:ルガールに信用されるため戦う 
現在位置:5区中央部から北・ハワードアリーナへ移動中 現在左肩を撃たれ重傷】
【クリス 死亡】
483Last Joker:04/11/15 02:22:17 ID:???
暗闇の中、声が聞こえる
ルガールを中心に円を描くように何枚かの石板が立っているのがわかる。
まずルガールの右側から声がする。
「ルガールよ、この試み正直悪趣味に過ぎるのではないか?」
ネスツ総帥、イグニスの声だ。
「イグニス卿、クリザリッドを壊されたのがそんなに気に触りましたかな…」
ルガールの丁度対面から揶揄するような複数の声が聞こえる。
「いや…」
イグニスは苦い声で引き下がる。
すると左側の石板からDOATEC総帥、フェイム・ダグラスの声が発せられる。
「ここまで人間兵器という試みは多く行われて来ました、お分かりですかな?
 しかし、大切なのは肉体的な強さやテクニックではない、心ですよ…
 いかなる状況にも瞬時に対応し、そして決して情に流されぬ氷の精神、
 これこそがこれからの兵器に必要な要素なのですよ」

「心の問題を放置してきた、だから我らは失敗した。だからこそのバトルロワイアルなのかね?」
「ええ…この手法が最適かと」

「それでこのネズミを狩るのかね?」
プロジェクターにガーネットの姿が映る。
「捨て置けば良いものを…しかしそれで何を…」
今度はルガールが応じる。
「それはお楽しみです、まぁ大したことではありませんが…正義だの愛だのと
 題目を唱える連中の化けの皮をはがすには丁度面白い趣向かもしれませんぞ」
対面の連中がそれに追従する
「その手はず、すでに剛に命じておる、まぁ楽しみにしておく事だな」
484Last Joker:04/11/15 02:24:10 ID:???
「おや」
モニターに青い髪の男が突如現れた、何やらガーネットと交渉しているようだ
「ネズミがまた一匹、ふふふ…剛くん一人で大丈夫ですかな、何でしたらあやねをよこしましょうか?」
ダグラスが楽しむような声を出す、彼らにとって結果など度外視なのかもしれない。

「もう一匹の始末、私の手のものにお任せ下さいますかな?」
ここでルガールの背後の石板から声がする。
声の主はウォン、香港を支配する闇社会のボスだ。
「おおウォン卿もそういえばお一人、手のものを送り込んでおりましたな…それも随分愛らしい」

「手中の宝石を一時とはいえ手放すのは気が引けましたが、美術品というものは見られることで
 輝くのですよ、それではご披露といきましょうかな」


ここで場面は夜明けのアパートに移る。
アパートのベッドの上、折り重なるように抱き合って眠るエミリオと閑丸
あれから2人はその温もりをお互いの肌で確かめ合ったのだ
「もうすぐ…朝だね」
「うん…」
服を纏いながらエミリオは閑丸に向き直る、閑丸は未だに裸のままシーツに包まっている。

「ねぇ…上手だった…かな」
「それは…」
その時だった。
「うううっ…ううううっ」
唸り声と同時にうずくまるエミリオ、慌てて近づく閑丸、しかし
閃光と同時に彼は弾き返される。

「僕より醜い存在が気安く触らないでくれるかな?」
そこに立っていたのはエミリオだった…いや、エミリオであってエミリオではないのかもしれない。
「そんな…どうしちゃったのエミリオ君!!」
485Last Joker:04/11/15 02:27:40 ID:???
そこに立っていたのはエミリオだった…いや、エミリオであってエミリオではないのかもしれない。
「そんな…どうしちゃったのエミリオ君!!」
「はっはっは…はーっはっはっはっ、外に出るのは久しぶりだ、何をすればいいんだい!!」
閑丸の嘆きの声にも関わらず、狂ったように笑うエミリオ
脳髄に埋めこまれたチップからウォンの声が非情な命令を下す。

「そう…そうなんだ!はははっ…いいよ、面白いじゃないか!!」
エミリオの背中から巨大な翼が現れる。そして凄まじい閃光が周囲を包んだかと思うと
恐るべき速度でエミリオは外へと飛び立っていった、後に泣きじゃくる閑丸を残して。

【エミリオ(2012ver) 所持品:不明 第一目的:ウォンに従いネットカフェを襲撃】
(フルパワーでは数分しか保ちません、完全に消耗すると元に戻ります
変身させる事ができるのはウォンだけです)
【緋雨閑丸 所持品:不明 第一目的:己の無力に涙】
486ゲームセンター名無し:04/11/15 02:47:06 ID:???
燃え萌えです
487忍、そして、母:04/11/15 03:11:42 ID:???
「アタシは、帰る
 あの平穏へ、あの人との日常へ。」
今日二度目の言葉を呟いて足元へ目をやる。

なにか考えながら男のバッグに手を伸ばす。
念のために調べてみたがこの男の支給品は今自分の手にあるデザートイーグルだけらしい。

「ジャッキー・・・だったわね」
倒れている男の名前を口にする。
そして数分前のことに思いを巡らせる。


「ここは、っと。ゲーセンみたいね。電気は・・・いや、通っててもつけるべきじゃないか」
あたりを確認しながらパンチングマシーンにもたれる。
まずは自分のおかれた状況を再確認。
アテナちゃんが死んだ・・・あれは演技でも作りものでもない。
生きのこれるのは一人。
「殺される前に殺す・・・か」
忍術を継承しているとはいえ、正式に隠密活動も暗殺もしたことはない自分にとって
この殺しあいはあまりにも酷だ。ましてや周りはほとんど格闘家。
知り合いも多い。しかし、

「アタシは帰る、あの人との日常へ・・・なんとしても」
自分に言い聞かせるように言葉を吐き、バッグを開ける。中から出てきたのは使い捨てのカメラだった。
「ハズレ・・・まあ使いようね」
意思は固まったが行動にうつすには指針が必要だ。
「テリーを殺したくはないわね。最後の二人っていうなら別だけど。
 あとはそうね・・・子供も・・・」
最後の一人になるということはだれであろうと殺すということだ。
しかし自分は快楽で殺すのではない。
自分の手で奪わない命。エゴであるとはわかっていても
それを決めることで殺すことに溺れないでいられる気がした。
488忍、そして、母:04/11/15 03:13:59 ID:???
ガタ・・・
音がした。普段なら気のせいかもしれないと思うような小さな音。
しかしこの状況では、生きのこると決めたこの状況ではそこに敵がいると確信できる。
忍としての修行。その成果が初めての実戦で覚醒していくのを感じていた。

「死ねッ!」
その叫びと共に音のしたほうから闇の塊が駆けてくる。
キュイィィィ・・・
手に持ったカメラから小さく高い音がする。

襲い来る影がはっきりと人の形となり目前に迫った瞬間
パンチングマシーンの影から自ら踊り出て瞬時に相手の前に立ち
片手に持ったカメラのシャッターを切った

パシャッ!

刹那、強烈な光の向こうに金髪の男が見えた。
「うっ!」
薄暗いゲームセンターの中で強烈なフラッシュを浴びひるんだ次の瞬間、
男は床に倒れ伏していた。
489忍、そして、母:04/11/15 03:16:41 ID:???
「ごめんなさいね・・・なにか言い残すことはある?」
転ばせた時に男が落とした銃を拾い、倒れた金髪の青年を見下ろして言った。
「サラ、すまない・・・」
「サラ?恋人かなにかかしら」
「・・・妹だ」
「そう・・・家族なのね。あなた名前は?」
「ジャッキー、ジャッキー・ブライアント」
「そう、さよならジャッキー。生きて帰ったら妹さんに謝っておくわ」
そして、引き金を引いた。男のジャケットは血に染まりその体から熱が消えていく。

そして今、初めて殺した男の死体から離れ街へと歩き出した。
「アタシは、帰る・・・」
呪文のように繰り返し、おなかのあたりを触る
「あの人・・・アンディと・・・この子と三人で暮らすんだ!」

しかしこのとき不知火舞は知らなかった、ジャッキーの言っていたサラがこの街に、このゲームの中にいることを。

【不知火舞 支給品:使い捨てカメラ(写るンDeath) 現在位置:第4区ゲームセンター
 目的:生き残り、帰ること(ただしテリーや子供は会っても殺さない) ジャッキーからデザートイーグルを入手】
【ジャッキー・ブライアント 死亡確認 支給品:IMIデザートイーグル(舞がルート)】
490ゲームセンター名無し:04/11/15 12:48:21 ID:PlX3dfeh
sarasiage
         ,.-、      
         ソヽ           
          .ゞヾ、      
          .iヘ ヘ   
        ,.-、 y ,ソ.i、
       .イ_、 i.ゞ,.ノノi|
        スノ ,-、  .、)
     ┌,(__ノ  /  .|
      ヾ ,7 .ノヽ." .| .i
       ゞイ ト、 /ノ ノ
         ト──‐i
         // ̄7ノ.ヘ
        /.ノ ./  |
       ∠,,_ノム.___|
       イ  ノ"| i! .「
      .ヽレミ) | リ._|
        .!,,_|..|.イ .)
          .ヒテ
          .Fム
          _! .シ
          ーイ
491ゲームセンター名無し:04/11/15 12:53:54 ID:???
意味ねー。銃とかで戦うなら格ゲーキャラでなくてもいい
492ゲームセンター名無し:04/11/15 12:58:36 ID:???
バトロワファンは厨房率高いからな。
自サイトで痛いオリジナルバトロワとかやっちゃうタイプ。
493ゲームセンター名無し:04/11/15 13:02:39 ID:???
つーか、古いなバトロワ。2はクソだった・・
494ゲームセンター名無し:04/11/15 13:09:35 ID:???
何このスレ・・・・・・・?
             /ヽ       /ヽ
            / ヽ      / ヽ
  ______ /U ヽ___/  ヽ
  | ____ /   U    :::::::::::U:\
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  | |____ ヽ     .....:::::::::::::::::::::::<
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  \ \  \___      ::::::

495ゲームセンター名無し:04/11/15 14:43:53 ID:???
自演乙
496ゲームセンター名無し:04/11/15 16:05:30 ID:???
作者土人乙
497ゲームセンター名無し:04/11/15 16:56:48 ID:6RpQelc9
         ,.-、      
         ソヽ           
          .ゞヾ、      
          .iヘ ヘ   
        ,.-、 y ,ソ.i、
       .イ_、 i.ゞ,.ノノi|
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      .ヽレミ) | リ._|
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          .ヒテ
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498ゲームセンター名無し:04/11/15 17:02:23 ID:???

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     ヽ:、   ::  `ー---―-- ' ` ::::::::::::::,/'
     ,-|:::\:   ;::.   ´  `   ..:..:: :;;/ ::|
    |'ヽ,|::::: \:'':;:;:.... : ..:::::::::::.. .:::;::;/ ::::::::|
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     \   ヽ、  :::::: `  / '::::::::::::::::::::/::::::::::/::::::::::::::::::::::::::'''      ヽ


499ゲームセンター名無し:04/11/15 17:32:09 ID:???
やれやれ必死な奴が来てるな
500ゲームセンター名無し:04/11/15 17:48:03 ID:???
誰オタが荒らしてるの
501金色の髪:04/11/15 19:06:41 ID:???
「何で・・・僕は・・・僕は・・・・」
楓の目の前には美しき金髪の女性が俯けに倒れていた。
「・・・僕は・・・僕は・・・」
楓は夕暮れの中、血まみれになりながらただ呆然と立ちつくしていた。

─────
話は80分ほど前にさかのぼる。

「いきなり殺し合いと言われてもなあ・・・」
地下鉄のビル街を西に抜けたところで、楓は海を見ながらつぶやいた。
「実感が沸かないよ・・・」
いきなりこんな所に連れて行かれたと言う事もある、しかしそれよりも
開始してから一度も誰とも会うこと無く、何時もの様に夕暮れまで海を見ようとしている、それが一番実感が沸かない原因になっていた。
「けど・・・現実なんだ・・・」
そうつぶやき、自分の服を見る、その服は血まみれになっていた。
怪我をした訳でもない、誰かを殺した訳でもない、この血は・・・一番初めに殺された、アテナって人の血、あの会場でアテナさんに一番近かったのは楓だった。
だから、彼女の血が、楓の服を赤く汚していた。
「現実なんだ・・・」
現実なんだ、誰かを殺さないと僕は生き残れない。
でも、僕は誰も殺したくない、かといって黙って殺されるのは僕は嫌だ・・・
「いや、そんな筈は無い!何か、何かあるはずなんだ!僕も皆も死なない方法が!」
そうだ、何かあるはずなんだ。あんなに人間が居た、中にはあかりちゃんも居た、響さんも居た、そして何よりも兄さん居た。
「うん!みんなで協力して行けばきっとこんな馬鹿らしい空間を脱出できる筈なんだ!!」
こんなに人数が居るんだ!絶対何とかなる!!
「まずは話し会おう!仲間集めから始めるんだ!!」
そう思い楓は立ち上がった、目的が出来た、とりあえずは仲間を集める!!そしてこの馬鹿らしい異空間からの脱出法を考える!!
「よーし!やるぞー!!!」
楓は海に向かって叫んだ。

───────
502ゲームセンター名無し:04/11/15 19:07:49 ID:???

「彼女は・・・命乞いをしていたじゃないか・・・」
女性の周りには血溜まりが出来ていた。その血溜まりは夕日の光を美しく反射していた。
「・・・何なんだ・・・僕は・・・」
楓は夕暮れの中、血まみれになりながらただ呆然と立ちつくしていた。

───────

楓はとりあえず海沿いに歩く、誰か人が居ないか、そう思い歩く。
一応右手には支給品の長めの刺刀(レイピア)をもって歩く、ただ、これを使う気は毛頭ない。
そこにふと、鉄の棒(鉄パイプ)座っている鎧の女性を見つけた。
「あ・・・」
まずは話し合わないと・・・・そう思って声を掛けようとしたその矢先、
「ひ・・・!?あ・・・・!!ファイヤーバァァァァァド!!」
怯えた声と共に、炎の鳥と化した女性が楓に襲い掛かってきた。
「う、うわぁ!!」
寸での所で楓はその火の鳥を避ける。
「お、落ち着いてください!僕は戦う気なんてありません!!」
楓はその女性に話しかける
「そ、そんな血まみれの服でそんな事言っても・・・騙されるものですか!!」
女性は楓の話を聞く気は無いと言った口調で楓に再び攻撃を仕掛ける
「ほ、本当です!それにこの服は・・・・・・」
楓はそれをレイピアで受ける。
「うるさい!黙れ!貴方が殺した女の子の遺体、私は見てるのよ!!」
彼女は一度間合いを離す。
「僕が・・・殺した・・・!?僕は誰も殺していない!!」
「しらばっくれるな!!!あの腕と足が変に曲がっている女の子の遺体、私はこの付近で貴方以外の人間を見ていない、貴方しか居ないじゃないの!!」
「本当です!信じてください!僕じゃありません!!」
「この状況でそんな言い訳通用しまして!?覚悟ぉぉぉぉぉぉっ!」
彼女は再び、炎の鳥となり楓に襲い掛かってきた
───────
503金色の髪:04/11/15 19:08:42 ID:???


───────
「兄さん・・・僕は・・・」
楓はその場に居ない兄に語りかけた。
「・・・僕は・・・兄さん・・・・」
楓は夕暮れの中、血まみれになりながらただ呆然と立ちつくしていた。

───────

「なら良いよ・・・死ねよ・・・!」
そう呟くと楓はレイピアを構え、勢いをつけ襲い掛かってくる女性に向けて、思いっきりそれを肩に突き刺した。
女性が何か喚き声を上げその場に倒れる、が楓には何を言っているのかまったく持って聞こえない。
「うぜぇよ・・アンタ・・・」
倒れた女性に向け、楓はレイピアを刺す、刺す、刺す、刺す、刺す、刺す、刺す、刺す、刺す、がどれも致命傷にならないらしい。
女性が楓に悲痛な叫びで何かを訴えている。が、楓にはまったく聞こえない。
「何言ってるのかさっぱり分からねえよ・・・」
楓はもうひたすら刺す、刺す、刺す、刺す、刺す、刺す、刺す、刺す、刺す、刺す、刺す、刺す、刺す、刺す、刺す、刺す
その内彼女はビクッ、ビクッとしか動かなくなった。
「じゃあな、あばよ」
そう言って楓は最後に彼女の胸を刺す。
その瞬間、彼女はまったく動かなくなった。
その時の楓は、彼女と同じ金髪であった

───────

「兄さん・・・・兄さん・・・」
楓は宵闇の中、血まみれの中うわ言の様に兄の名を呟いていた
504金色の髪:04/11/15 19:11:27 ID:???
【楓 支給品:レイピア 現在位置:二区地下鉄駅より少し西より 目的:無し】
【ジャンヌ 死亡確認 支給品:鉄パイプ(その場に放置)】
505Grand Cross:04/11/15 21:01:59 ID:???
そんな…画面に映し出された情報にガーネットは愕然とする。
DOATEC J6 ネスツ、どれもこの世界の闇に深くかかわる企業・結社ばかりだ…
しかもそれはガーネットの作業とは関係なしにいきなりモニターに表示されたのだ、
まるで餞別のように、この事象が意味するものは…。
もう首輪どころではない、自分の手には余る、早く形跡を消して逃げなければ、
ガーネットはウィンドウを閉じようとするが、
「閉まらない!!どうして?」
さらに追い討ちをかけるように電子音…メールが着信している。
恐る恐るメールを開くガーネット、そこには…
you die とのみ記されていた。 

自分が甘かった、だがそれでも…何が何だかな表情な蒼月を見る。
この男だけは逃がさなければ、自分が下手を打ったせいで他人が巻添えになる
それはプロとして恥ずべき行為だ。
それに託すべき物もある。
ガーネットはCDとメモの走り書きをケースに入れて蒼月に手渡す。
「これを持って逃げて!!早く」
「私は助からない…たとえ私を逃がしてくれても多分あなたまで狙われる、そうなったら誰が弟さんを守るの!!」
ガーネットは押しつけるようにCDケースと、
「それとこれ持っていきなさい」
赤外線ゴーグルを手渡す。
「しかしこれはあなたの…」
「いいの、もう役に立たないから」
もう役に立たない…その言葉を聞き複雑な表情をする蒼月。

だが、やがてわかりました…とさびしそうに呟くと、そのまま非常階段の方へ歩いていく
その背中にガーネットの声が届く
「信用できる人に出会えたらそのメモを見せて、もしかしたら役にたつかもしれないから」
後ろ手に軽く手を振る蒼月、軽やかな仕草とは裏腹にその足取りは重かった。
506Grand Cross:04/11/15 21:04:19 ID:???
蒼月が去って後もガーネットはまだネットカフェにとどまっていた。
正直どこまでやれるかは分からない、だが只で終わるわけにはいかない。
だからせめてここで時間を稼ぐ・・・
誰が送られてくるのかは分からないが、ガーネットはホールでの顔ぶれを思い出す
その中には傭兵や暗殺者たちの姿もちらほらと見えた。
ガーネットはネットカフェの奥で息を潜めている、非常階段は蒼月に命じて簡単には上がれないように
仕掛けを施してもらってる、そして本来の入り口にはガスボンベとライターを使ったトラップ
単純だが発動すれば一人や二人は吹き飛ばせるはずだ。
「道連れに・・・してやるわ」

「無理だな」
背後から声、そして振り向く間もなくガーネットは投げ飛ばされてしまっていた。
いつの間にか敵は背後に回っていたのだ。
(どこから…)
思い当たる場所は一つしかなかった。
(屋上から・・・)
それでも振り向きざまに蹴りを放つが、
(壁っ!)
狭いネットカフェの中ではガーネットの足技は上手く機能しない。
それに引き換え剛の柔道は
壁に阻まれたガーネットの蹴りを避けようともせず、剛はそのまま彼女の体を抱え上げ
腰から叩き落とす-------長モノを振りまわせない室内での戦いに長けた武術だ。

「ええいっ!」
腰の痛みに顔をゆがめながらもガーネットは足払いを出すが。
すれちがうのがやっとの通路にでは切れを欠く、それに対応して剛の前蹴りがガーネットの胸板に突きこまれ
さらにそのまま引き寄せられるようにガーネットの体が宙に浮き、がら空きの喉に肘打ちが叩きこまれる。
それだけでは終わらない、剛はさらにガーネットの襟を掴み、そのまま頭から壁に叩きつける。
固室の引き戸が無残に割れて、辺りに血の匂いが立ちこめる。
507Grand Cross:04/11/15 21:05:15 ID:???
それでも微かに抵抗を試みようとしたガーネットだが…
今度は背中を抱え上げられ腹から床に落とされる、そして背中に剛のかかとが叩き込まれ
「そのまま眠っていろ!!」
そしてガーネットは意識を失った。

一方路地裏を恐るべき速度で疾走する蒼月、その上空に影
「なるほど…ただでは逃がしてくれそうにありませんね…ならば追いかけっこと行きましょうか!」
蒼月が一気に地上からビルの2Fへと飛び移ると当時に、その背後に次々と光の弓が突き立っていく
だが蒼月は、両手両足を使いビルの屋上まで登りきるとそのまま巧みに高低差を利用して
エミリオの攻撃を避けつづける、華麗なようだが実際は紙一重だ。
それでもエミリオを出来るだけ遠く遠くへ引きつけるべく蒼月は必死になって疾った。
「あと少し…」
すでにごまかしも聞かなくなってきてる、服の焦げる匂いが自分でも分かる、と眼前にようやく目的の川が見える。
水はよどみ、いわゆるどぶ川だったが、迷うことなく蒼月は川へと飛びこむ。

それを追うように。がぼんがぼんがぼんがぼんっ!!エミリオの手から放たれた光弾が
水面に派手な軌跡を描いていく
蒼月が浮かんでこないのをみてエミリオはようやく追跡を打ちきった。


そしてその頃
「勝てるとでも思ったのか?」
眠っていろといったのに剛はガーネットをたたき起こしていた、その手にはビデオカメラがあった。
508Grand Cross:04/11/15 21:06:37 ID:???

朝、5時30分…放送まであと30分、もうすっかり明るくなった街中にて
突如、ありとあらゆるTVから画像が流れ出した。
そこに映っていたのはナース姿の女性、しかしその顔は血まみれでよほど親しい間柄でもなければ
ガーネットとは分からないだろう。
痛々しく拘束されているガーネット、その身体に青い袖口が伸びる、と同時に
骨のひしゃげる音が響き、ガーネットは悲鳴を上げる
だが袖口はそれには構わずガーネットの身体を次々と壊していく
両手が終われば両足という感じで…
やがて惨劇が一段落すると、まるで助けに来いと言わんばかりに地図が映し出され
そして映像は終わった。


「これが面白い趣向かね?」
暗闇の中、石板たちが口々に意見を交わす。
「いやいや、これはなかなかかと…これで彼らの唱えるところの正義・愛・友情が
果たして真実か、それとも所詮口だけの方便であったかが分かるではないか」

「見ず知らずの女のタメに命を投げ出し救出へ、か…ファンタジーならともかく
 リアルでは愚劣に過ぎる…」
「一応ヒントは与えるように言ってはおいたが、奴ら気がつくかどうか」
「それもまた今回の条件の一つ、柔軟な判断力・観察力を試す試金石ではないですか」

「しかしルガールよ考えたな、お前はただ心を試すだけではなくこの地に集う全ての人間たちを
 共犯者に仕立て上げるつもりだな」
その言葉にルガールはにぃと笑う。
「心のままに死地に赴くもよし、欺瞞に満ちた生を生きるもよし
この地に集いしの全ての人間どもに十字架を!!」
ルガールは高らかに宣言した。
509Grand Cross:04/11/15 21:10:27 ID:???
その頃。牙神幻十郎は酒場で一人酒の最中だった。
「ふん、しゃれた趣向を・・・」
愛や希望や友情、そんな精神的なよりどころをこの男は一切持ち合わせない
だからこの男は強い。
「友情・平和・愛…全てを信じろ、そして裏切りを味わえ」
幻十郎はくっと杯に注いだ酒を飲み干し、ぽつりと呟く。
「さぁ,、お前たちはどう動く?」

ギースタワー内部では
ナコルルとビリーが言い争う声が聞こえる。
「罠だって分かっていて飛び込む馬鹿はいないぜ!」
「でも今苦しんでいる人がいるんですよ!!」
「今じゃねぇ!!良く見ろ!!」
ビリーは部屋の置き時計と、今まさに壊されているガーネットがいる部屋の時計とを
ナコルルに見比べさせる。
「あ…」
置時計はテレビの時計よりも15分進んでいた、いや置時計だけではない
しゃれた柱時計も、デジタル液晶の目覚ましもみな、テレビに映る時計よりも15分進んでいた。
「わかるだろう、これは15分前の出来事なんだ…俺たちを試してやがる…2重の意味で」
それでもナコルルは心あらずという感じだ、たまらずビリーは叫ぶ

「妹を守るんだろ!そう聞いたから俺はお前の手助けをしてやる気になったんだぜ!!」
「命の選択をしなきゃならない時がきたんだ…どちらもという選択肢はありえねぇ!さぁどうする!!」
ナコルルはそれでも数歩前に出たが…やがて力なくへたりこむと声を出すことなく静かに泣き続けた。
510Grand Cross:04/11/15 21:13:08 ID:???
そして現在、完全に壊されたガーネット、もはや悲鳴を上げる気力すらなく
「ころしてやる…」と繰り返し呟くのみだ
その全身はニクロム線でくるぐる巻きになってしまっており、さらにそこから色とりどりのコードが
何本も伸びている。

そして剛はガーネットの手にガスボンベを持たせる、その下には起爆装置
「これがわかるか?」
剛はガーネットに掌サイズのモニターを見せる
モニターにはいくつかの光点が見える
「このモニターのサイズが爆破範囲だ、そしてこの点がその中にいる連中だ、わかるな?」
返事は無い、剛はガーネットの喉に手刀を叩きこむ
「ぐえええっ」

「お前が頑張らないとここにいる連中はお前のせいで皆死ぬ…お前が死ぬ前に全員逃げられるように祈るんだな」
それだけを言い残して剛は去っていく、いや去る前に立ち止まって一言
「ああそうだ、扉のところのトラップな、折角だからそのままにしておいてやったぞ」
とさらに言い残して。
そして残ったのはガーネット一人だけ…折られた腕にガスボンベが重たく響く、
早く楽になりたい…だがそれでも。
「おねがぁい…はやくみんなにげてぇぇぇぇぇ…」

そして橋の上ではガルフォードと春麗
「冷静になって!今は動くべき時じゃないのよ!!」
「冗談じゃない!!今苦しんでいる人間を救えなくって、誰かを救えるはずが無い!!」
こちらもまた論争が続いていた。
511Grand Cross:04/11/15 21:22:03 ID:???
【ガーネット(瀕死) 所持品:なし 第一目的:なんとか耐える】
現在位置:中心街ネットカフェ
【日守剛 支給品:不明、現在の目的:J6の意向を受けゲームを動かす 現在位置:ネットカフェから脱出】
(屋上でエミリオが回収)
【エミリオ(中程度の消耗)(2012ver) 所持品:不明 第一目的:追跡終了後剛を拾って退避】
(フルパワーでは数分しか保ちません、完全に消耗すると元に戻ります
変身させる事ができるのはウォンだけです)

【風間蒼月 所持品:カッターナイフ・多目的ゴーグル・CD&メモ 第一目的:火月を陰ながら守る 第二目的:ガーネットの護衛】
(現在逃走中)

【牙神幻十郎 所持品:紅鶯毒 目的:己の心のままに 現在位置:不明(おそらくラ・モール)】

【ナコルル   所持品:不明 目的:リムルルを探す 現在地:ギースの執務室】
【ビリーカーン 所持品:物干し竿 目的:ナコルルを助ける(リムルルを探す限り)】

【ガルフォード&春麗&パピィ(犬福) 現在位置第9地区サウスタウンブリッジ前で初日放送に。橋にいくか西に向かうかは未定
 目的:ルガール打倒のための協力者(おもに知り合い)との合流 ガルフォードは藤堂の支給品である小太刀を装備】
512Grand Cross:04/11/15 21:29:39 ID:???
捕足
剛の示す爆破範囲はフェイクです、実際は区画もろともではなく
ビルが吹き飛ぶくらいです
また光点もフェイクですが、きちんと範囲に侵入してくる首輪には反応します。

爆弾については…たぶんあのガズボンベの下だけじゃないんじゃないかなぁ
513Grand Cross作者:04/11/15 22:35:32 ID:???
Grand Crossは審議の結果、破棄とあいなりました
ご了承ください。
514 ◆nrlgUHRF3E :04/11/16 02:05:42 ID:???
倒れた少女の胸に包丁を突き立てる。そのまま力一杯横に引く。
石榴のようにぱっくり開いた切り口からどくどくと血液が溢れ出る。
待ちきれずにその中へと手を突っ込む。
まだ微かに温もりの残る少女の体内から腸を引きずりだす。
糸を手繰り寄せるように手元に腸をかき集める。
そしてそれを口に運ぶ。咀嚼する。飲み下す。再び再び口に運ぶ。咀嚼する…

水無月響子は生まれて初めて知った人肉の味に酔っている。
教師と言う立場にある彼女が突如人の道を失った行動を取り始めたのは先程の事だ。


彼女は殺人ゲームに巻き込まれた教え子達を救出する為にサウスタウン全域を当てもなく彷徨っていた。
その途中幾度か死体に出会った。但しそれはどれも人の形を留めてはいなかった。
脳天を叩き割られた死体、喉を掻き切られた死体。
銃で撃ち殺されたならまだマシだと言うべき凄惨な物ばかりだった。
「教え子達も、既にこの子達のようになっているかもしれない…」
日常では有り得ない状況に追いつめられ、極限まで高まった恐怖心。そして混乱。
全てが限界に達した時、彼女は発狂した。


直後に彼女は目の前に手頃な死体を見つけた。
ショートカットに橙色のスカートの少女。顔立ちはまだ幼い。
額に黒い穴が一点開いている。銃で撃たれたのだろうか。
そして気がつくと、彼女はこうして少女の肉を食べていたのだ。
「まだ食べ足らない…もっと肉を…もっと」
もはや行為どころか自分が発する言葉の自覚すらない彼女は、血塗れの口で譫言のように繰り返した。
515 ◆nrlgUHRF3E :04/11/16 02:10:47 ID:???
お兄ちゃん…今どうしてるのかな…
双葉ほたるは夜の街を歩きながら密かにつぶやく。
隣には一人の女性がいる。
その色白の容姿だけでなく、とても美しい声を持った女性だ。エレナと言うらしい。
ルガール達に外に出されてから、彼女は路上に座り込んで泣いていた。

何故私がこんな恐ろしい事に巻き込まれなければならないの。
お兄ちゃんは何処にいるんだろう、こんな時お兄ちゃんが居てくれたら…
もうどうにでもなれ、と自暴自棄で塞ぎ込んでいる所にエレナが現れたのだ。
「諦めては駄目、絶対に助かる方法があるはずだから」
そう言って彼女はほたるの手を取り立ち上がらせた。
それからほたるはエレナと行動を共にする事にしたのだった。兄の事が気がかりではあるが、こうして味方が出来たのは心強い事だった。
突然エレナがT字路の付近で歩みを止めた。訝しむほたる。
「…エレナさん?」
「ちょっと待って」
エレナは顔の前で人差し指を立ててみせると細い道を奥に入っていった。
今微かに誰かの声がしたのだ。それも女性の。
もしかしたら死にかけているのかもしれない。だとしたら助けなければならない。
やはり予想通りだった。
少女らしき血まみれの体に折り重なるようにして、長い髪の成人女性がうずくまっている。
少女の方は死んでいるが成人女性の方はもぞもぞと動いている。
エレナはそれに安心しながらその女性に声をかけた。
「もしもし、大丈夫ですか!?」
516 ◆nrlgUHRF3E :04/11/16 02:12:58 ID:???
応答がない。
喋れないのだろうか、と彼女はしゃがみこみ女性に近づいて再び声をかけた。
「あの、もしもし?」
すると女性はそれに反応するようにゆっくりと顔を上げた。
元は端正であろう顔から眼鏡のレンズまで血で染まっている。
「酷い、誰がこんな…」
すぐにでも介抱しなければとエレナは女性を抱え上げようとした、その時だった。
「………え?」
エレナは一瞬自分の身に何が起こったか理解できなかった。
ゆっくり目線だけを下に移すと、自分の左胸に巨大な包丁が一本突き刺さっていた。
そしてその包丁を握っているのは目の前の女。
「まさか…?」
全てを悟った時には遅すぎた。
ビクビクッと二、三回痙攣すると、エレナはそのまま口から血を流して前に倒れた。


「遅いなエレナさん…」双葉ほたるは不安になりながらもエレナの言いつけを守ってその場で待っていた。
その時道の奥から誰かが歩いてくる気配を感じた。
暗闇ではっきりとは見えないが長身の女性である事はわかる。
エレナが戻ってきたのだ。
ほたるの顔が途端に明るくなる。短い間とはいえ一人で取り残されるのは不安だったのだ。
女性が近づいてくる。段々姿がはっきりしてくる。
その時ほたるは異変に気づいた。
…あれはエレナではない。どういう事だろう。それではエレナは何処へ行ったと言うのだ。
考えようにも頭がうまく回らない。逃げだそうにも足がすくんで動かない。
そうこうするうちに女はほたるに近づいてくる。あと三歩、二歩、一歩……。
そして女がT字路を完全に出た時、街灯の光が女の顔をはっきりと照らし出した。
517ゲームセンター名無し:04/11/16 02:14:29 ID:???
所々血がこびり付いた長い黒髪。ほたると同じ東洋人らしき顔立ち。何故か口の周りは血まみれである。
女は無表情のまま力無く立っている。何も言わない。
ほたるは震える声で無意識のうちに女に問いかけていた。
「…あなたは誰なの?…エレナさんは……どこ?」
しかしほたるは見てしまったのだった。
眼鏡の奥の女の目を。その目から光は消え失せ、壊れた人形のような狂気を放っていたのを。
ほたるは本能的に身の危険を感じ取った。
そして女が右手にぶら下げた出刃包丁を目にした瞬間、全てを理解した。
気がつくとほたるは女に背を向け走り出していた。
しかし数歩も行かない所でつまづき、倒れてしまう。
すぐさま起きあがろうとすると左足に激痛が走った。立てない。
はっとして振り返るとすぐ後ろに包丁を振りかざした響子が立っていた。
ほたるは最早助からない事を悟った。
エレナはおそらく彼女に殺された。私もここで…。
でもこの人に私は、言わないといけない事がある。
ほたるはちっぽけな勇気を振り絞って口を開いた。
518 ◆nrlgUHRF3E :04/11/16 02:17:11 ID:???
「…何故…こんな事をするの?」
響子の動きが一瞬止まる。
「貴女だって大切な人がいるはず…その人達がこれを見ればきっと悲しむわ。貴女に殺された人達以上にね。」
女がこちらの話を聞いてるらしいとわかると、ほたるは続けた。
「どうして貴女がこんな事をするのか私は知らない。だから命乞いなんてしないわ…私を殺して気が済むならそうすればいい。」
響子は無表情のままゆっくり首を傾げる。
ほたるの言葉を理解しているのか定かではない。しかしほたるは響子を見据えて最後に哀願するようにつぶやく。
「でも忘れないで…貴女の行為が大勢の人を悲しませるって事。こんな馬鹿げた事するのは…私で最後にして……」

ほたるは大きく息を吸い込み、目を閉じた。
<ごめんねお兄ちゃん……お兄ちゃんだけでも無事でいてね……>

響子の顔に歪んだ笑みが浮かぶ。彼女は手にした包丁を無言で振り下ろした。


眼球を抉られた少女の死体を抱きかかえ響子は狂人の叫びを上げた。
「生贄を……生贄を……もっと…生贄を……!!」
少女を引きずりながら彼女は再び路地の向こうに消えた。

【水無月響子 場所:クララが死んだ路地裏 武器:出刃包丁 目的:人肉食】
【死亡:エレナ、双葉ほたる】
519ゲームセンター名無し:04/11/16 17:43:52 ID:mpWxDfbV
凍るような寒さの中、サウスタウンの路地に横たわった一条あかり。
無残にも頭を撃ち抜かれて即死だったであろう。表情は死ぬ前の恐怖に引きつった顔のままだった。
「むごい・・・なんてむごいんだ・・」横たわった少女の死体をみながら、緑の顔をした異星人が呟いた。
「今助けてあげます」彼は、少女の頭部に両手をかざすと、静かに念じ始めた。
念じ始めて直ぐに、少女の頭部に異変が現れた。
彼の両手から発する優しい光に包まれた傷口が、徐々に塞がっていったのである。
「あなたは、ここで死ぬべき人間ではありません」
凍てつく寒さの中、サウスタウンの路地だけは、心地良い空気につつまれていた。


520ゲームセンター名無し:04/11/16 18:11:01 ID:???
…デンデ?
521機械人形1/2 ◆kvYNIIvleU :04/11/16 18:44:59 ID:???
「はぁ…ボク、これからどうしようかなぁ?」
アルルは溜息をつきながら、駅のホームの近くを歩いていた。
魔道の力の修行の途中、強烈な睡魔に襲われ。目を覚ましたら「殺しあえ」といわれた。
とにかくそんなことが出来るわけが無い、でも逃げ出すわけにも行かない。彼女の首輪がそれを重く伝えている。
自分に支給されたのは奇怪な人形、これで人が殺せるとも思えないし自分の身が守れるとも思えない。
…ならば、襲われる前にこの首輪を外してここから逃げ出せば良い、でも首輪を解除したとしても、あのルガールという人に殺されるのは目に見えてる。
だから仲間がほしい、一切の顔見知りが居ないこの中で仲間が出来るかどうかは分からないが。
とりあえず、支給品の人形を置いて、少し休もうと思った時だった。
彼女は気配を感じたのだ、一歩一歩と、確実に近づいてくる。しかも早い、まずい!間に合わない!
早々と死を覚悟した、だが恐る恐る目を開けると底には肩から血を流し、剣を握る女性が居た。
「〜〜〜〜〜!!〜〜〜!!!」
何か声がする、横を見てみると、となりの人形が動き、なんとその体からミサイルが放たれていたのだ。
(――そうだ!逃げないと!)
人形に意識が行っていたアルルは次の斬撃には意識が行っていなかった。
だが、それもアルルのもとへ届かずに終わる…一本の鞭が、新たな場所から伸びる。
すると、アルルの横から男が現れ、目の前の銃を構えた女性に飛び蹴りをかまし、こう言った。
「早く…逃げろ、この女性の相手は私がする」
アルルはその男のずっしりと重い、正義感の溢れる声を聞き、人形を片手に走り去った。

エリはその目前の男を見、鞭を持った男…シモンも、またエリを凝視していた。
522機械人形2/2 ◆kvYNIIvleU :04/11/16 18:45:46 ID:???
【エリ・カサモト(負傷)
 所持品:封雷剣(GGXX)
 基本行動方針:フィオ以外皆殺し(フィオと二人になれば自分が自殺)
 現在地:二区中心部】

【シモン=ベルモンド
 所持品:マーシャルアーツ入門(本) 鞭(自分のVampireKiller
 第一行動方針:アルルを守る(エリと戦闘
 現在地:二区中心部】

【アルル・ナジャ
 所持品:1/10ウォーマシン(持って三日の電池、充電可能)
 第一行動方針:逃げる
 第二行動方針:首輪を外す方法を探る
 最終行動方針:生きてゲームから抜ける
 現在地:二区中心部】
523現実 ◆jgROhIy66o :04/11/16 19:49:27 ID:???
「冗談だろ…? なんで、なんで俺なんだよ…!」
パオパオカフェのちょうど裏側にたたずんでいる少年がいた。
彼の名は爆皇雷。
いきなり目の前に突きつけられた非現実のような現実。
派手な爆発音と吹っ飛んだ首を確かに目の前にした。
名前を呼ばれ、袋を渡され放り出されなんとか殺されずにここまで来た。
そこまでだったら、まだ派手なパフォーマンス、ドッキリとでも思えただろう。
事実上、ライもそうだと信じてあくまで過剰に振舞っていた。
が、スタート地点から途中で見かけた死体、狂うような血溜まりとその匂い。
これが若干13歳の彼を恐怖と現実に落し入れるには十分過ぎるほどの現実であった。
死んだらどうなる? 誰とも会えなくなる、気ままな旅も出来なくなる。
それ以前に彼が彼としての意識を保てなくなる、視界がなくなる。
そんな事を思わず考えてしまって、今まで生意気なまでに明るく元気だった彼も
今この場所では流石に弱気になってしまいかけていた。
銃・剣・火薬・弓矢・縄。 ここにはなんでもある。
一瞬気を落したら死ぬであろう戦場。 それがここだ。
袋の中身を確認してみたが、手にあるのはかなづちと釘抜き。
決して殺すには不足はない武器だがそれでも先程あげた武器には勝てないであろう。
第一ライには他人を殺す度胸なんて今まで持ち合わせてなかった。
だったら俺はどうする? 己の拳のみであくまで倒す程度に闘うか?
しかし沢山の格闘家が相手だ、それだと体力もすぐに尽きかねない。
今まで己の強さを過信していたがそれさえも信用できなくなっていた。
これから俺はどうすればいいんだ? その場を動けずそればかりを考えていた。
その時パオパオカフェの横側から何か物音がする。
どうやら人が通っているらしい。
だとしたら俺はどうなる? まず間違いなく殺される? 
いやだ、俺は生き残りたい。  まだまだやりたい事だってあるんだ。
ここで死ぬわけにはいかない! 
…それならいっそ…。
524現実 ◆jgROhIy66o :04/11/16 19:50:26 ID:???
「イナズマ・キャノン!」
懇親の力を込め向かってくる音に向かい稲妻を放った。
稲妻…電気を受ければ、さしもの強靭でも多少痺れて動けなくなるだろう。
そうなってくれば後は殺すも逃げるも選択肢は少しは増える。
だから向かってくる奴は撃つ!
これが限界まで上り詰めて考えたライの思考だった。
だが相手は狭い路地にも関わらず見切ったかのように軸移動をしかける。
その希望もあっさりと消え去ってしまった。
そしてまっすぐに向かってくる影。
殺される!
そう思い、思わず袋の中のかなづちを手に取ったその瞬間だった。
「STOP!」
影が叫んだ。
突然の声に気が怯み、思わず手を止めたライ。
その物陰からは金髪をポニーテールにした美女が現れた。
「躊躇なしで攻撃か…まあこの状況じゃ仕方ないわね」
「な、なんなんだアンタ」
怯んだままのライを見定めて、女はこう言った。
「私はサラ。 サラ・ブライアント」
あくまでも落ちついた物腰で彼女はライの視線に腰を下ろし問いかけた。
相手は本気で自分を殺すわけじゃない、と…暗殺者だった彼女は気付いていたからだ。
「私を殺す気でいたわね。 その姿勢はこれからも変わらない?」
彼女はライに問いかける。 彼女の眼差しは敵じゃないと言う事をしきりに物語っていた。
それが伝わったのか、恐怖が和らいだのか定かではないがライも正直に返した。
「俺は出来るなら誰も殺したくない。 とっととここから出て元の生活に戻る!」
それを聞いて安心したのかどうか、サラも少し微笑んだかのように見えた。
「考えは同じ…って事ね。 ねえ、あなた私と手を組む気はない?」
「俺と…アンタが?」
525現実 ◆jgROhIy66o :04/11/16 19:51:22 ID:???
「そう、あくまでここから脱出するまでの話だけど。 悪くはない話でしょう?」
この若さでここまで特大なパワーを身に付けた少年。
そうでなくてもある程度時間が経った今でも生きている人間は少なくとも強い。
道に転がる何体もの死体を見てそう確信していた。
できるだけ話が合いそうな人間は味方、仲間につけた方がいいとサラは考えていた。
一方、ライは正直悩んでいた。
いきなり現れてさあ手を組もう信じて下さいと言う女をやすやすと信じていいものか。
しかし、特大イナズマキャノンをあっさりとかわすその身の軽さ、格闘の腕は確かなものだ。
そしていきなり攻撃をしかけたにも関わらずあくまで自分を救おうとする姿勢。
…こうやってうじうじ一人で悩んでいるのなんか俺らしくない。
ここはひとつ、生き残るためにも俺を、人を信じよう!
「分かった、俺は爆皇 雷、ライでいい! これからよろしく頼むぜ」
そう、いつもの彼として出した結論だった。
それに答えるかのようにサラも言葉を返す。
「ライ…ね、OK、これからよろしく」
作戦がうまくいき、サラ自身も一安心したらしい。
やっといつもの調子に戻りかけたライが、サラに訪ねる。
「で、サラ…さんだっけ? これからどうするんだ? 何か考えがあるんだろ?」
「とりあえず仲間を…このゲームから抜け出せる仲間を探すわ。
幸いか不幸か、見知ってる人間を何人か見かけたから…兄さんも…」
「そうか、兄さんまで…無事だといいな…あ、俺が知ってる人間は一人もいなかった」
「それはいい事じゃない、このゲームに関わらずに済むんだから」
そう苦笑いをし、サラはすくっと立ちあがった。
ライもそれを見て出しかけたかなづちをしまい立ちあがる。
「そんじゃ、さっそく仲間がいそうな所探してみようぜ!」
「ええ」
526現実 ◆jgROhIy66o :04/11/16 19:52:42 ID:???
やっと見つけた仲間を目の前にサラは決断していた。 
もう誰にも私を操らせたりなんかしない。 
あくまで一人の女として強く生きるために兄と、皆と普通の日常へ帰ることを。

その兄が殺される運命にある事を彼女はまだ知らない…。


【爆皇雷 所持品:かなづち&釘抜きセット 目的:仲間を探しゲームから脱出 必殺技を使ったため多少体力を消費】 
【サラ・ブライアント 所持品:ドラムマニアについてるスティック(2本) 目的:仲間(最優先は兄)を探しゲームから脱出】
【現在地:パオパオカフェ裏側から移動中】
527デンデの登場は強引だったので訂正:04/11/16 20:36:45 ID:mpWxDfbV
ロックは、クーラの死体を抱えると路地を出た所にある公園に向かった。
何度も後ろを振り返りながら、狭い路地を走り抜けた。今も誰かに狙われているかもしれない。
そんな恐怖が常に付きまとっていた。

路地を抜けると、目の前に大きな公園が広がっていた。以前は、多くの人で賑わい活気のあった公園も、暗闇の中では、不気味な
空間そのものだった。公園の中に足早に入ると、人目のつきにくい林の中に入っていった。
「ここなら大丈夫だろう・・。」
抱いていたクーラを優しく下ろすと、自分も倒れるように座った。少しばかりの休息だった。
緊張から解き放たれ、今までせき止められていた何かが急激に音を立てて崩れ始めた。
恐怖?混乱?もうなにがなんだかわからなかった。
自然と涙が溢れてきた。
「どうすればいいんだよ・・・どうすりゃ・・・」
夜の公園に、啜り泣く声だけが木霊した。

その頃、路地に残された筈のもう一人の少女の姿は、そこにはなかった。
残されているのは、頭のない人の形を象った紙だけが残されていた・・。

【ロック・ハワード:所持品 デリンジャー 現在地 第五地区サウスタウン公園内 現在の目的 あかりの埋葬、テリーとの合流】
【一条あかり:所持品 なし 現在地 不明 現在の目的 不明】
528ゲームセンター名無し:04/11/16 22:20:37 ID:???
>>519
審議の結果削除となりました。
529ゲームセンター名無し:04/11/16 22:22:36 ID:???
スグ上のは?
530ゲームセンター名無し:04/11/16 23:11:47 ID:???
>>529
無論、>>527も削除
531戦士の決意:04/11/17 03:29:19 ID:???
俺が名前を呼ばれたのは人が少なくなってからのことだった。
近くには葵やリオンと変わらない年頃の女の子の胴体が横たわっている。
俺は今すぐにでも彼女を殺した目の前の奴らを殴りたかったが返り討ちを考えると殴れなかった。ここで殴ろうとしても俺が死ぬだけだと直感した。
初めて見る戦術や能力の使い手ということは想像できる。ここに集った者たちからも強い気を感じる。
俺自身のこともそうだが、戦友のことが心配になる。
おっとりしていそうで実は勝ち気な幼馴染みの葵。クールぶっているが根は熱いジャッキー。
兄よりもしっかりしていて理知的なサラ。まるで俺の本当の弟みたいなリオン。
日守剛は正直信用していいのかわからないが、他の四人は確実に信じられる。
俺が何より心配なのは四人が誰かに殺されていないかということだった。
俺ははいそうですか、とすぐに人を殺す気にはなれないが、他の奴らはどうなのかわからない。
さっきの女の子を殺した奴のような能力の使い手が無抵抗の人間に襲いかかってきたらどうなるかはすぐにわかる。
そうなるとやはり葵たちが心配だった。あいつらが、簡単に人を殺すような人間じゃないということは俺はよく知っている。そして危険なのは俺も同じだ。
俺の袋の中にあったノートと鉛筆じゃ自衛は出来ないが、俺には八極拳がある。
俺の拳は、人殺しのための道具じゃないが、いざとなったらこの拳でみんなを守りたい。
俺だって戦士だ。やれるだけやってやる。だからみんな、俺に会うまで無事でいてくれ。
俺は袋を抱えると気配を消しながら足早に歩き始めた。

【結城晶 所持品:大学ノートと鉛筆 目的:仲間探し ゲートから街へ移動開始】
「たぁぁぁすけてぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
叫びながら走る金髪のツンツンヘアーの青年、山田栄二…いやエッジは走るというより逃げていた。
それもその筈、親切心を出して助けた教科書に載っていそうな男に「攘夷だ!」などといわれて殺されかけているのである。
日本人なのに…ああ普段からしない親切なんてするもんじゃないな…と、彼は逃げながら思った。
「覚悟ォォォォ!!!」
鷲塚の威勢のいい声が響く、それとは裏腹に…。
「冗談じゃねぇぇぇぇ!!!」
この緊急事態での彼の思考は一つだった。
誰でも良いから助けてくれ、と。
すると…目の前に人影が見える、人殺しでも良い、とにかく助かりたい。
その一心で彼はその人影に寄り縋るように走った。

「助けてくれ!殺されちまう!」
涙と鼻水でぐしょぐしょになっている彼の顔が、その人影に語りかける。
「………ん?」
彼の反応、肉体、見た目からしてああ駄目だと思った。
ムキムキマッスルの渋い外国人がそこには立っていた。
外国人…もう駄目かと思い、後ろからする声が段々大きくなってくる…。
「覚悟ォッ!」
鷲塚のパンチがエッジに向かって飛ぶ…だがそれはバシィィンという大きな音に終わる。
エッジの後ろの大男が、いとも容易くそのパンチを受け止めたのだ。
「ふんぬおおおおおおおぉぉぉっ!!」
その声と共に大男は鷲塚の腕を引き、引き寄せてたところを掴み…そして鷲塚の体を頭から落とした。
意外だった、鷲塚にとっても、エッジにとっても。
エッジは呟いた…プロレス技の名前を、パイルドライバー、と。
鷲塚も同様に呟いた、…不覚、と。
「大丈夫か?君」
その男はエッジに手を差し伸べた。エッジはその手を掴み、起き上がる。
「あ、ハイ大丈夫っス」
また柄にも無い言葉が口から出る、喧嘩ならともかく、殺し合いという空間の中で自分が今までの様に振舞えば、それを引き金に誰かに殺されるかも知れない。
そう思っているからなのかもしれない。
「あの…有難う御座いました」
そうエッジが礼の言葉を言うと男は微笑んだ。
「そうか…大丈夫か、ならば…私は行かねばならない…」
どこへ?と聞こうとしたがやめた、それはエッジ自身にもわかっていたからだ。
最後に…一つだけ聞きたい、エッジは言った。
「あの…貴方は?」
男はその問いに、ゆっくりと答えた。
「ハガー、マイク・ハガー。メトロシティ市長だ」
ハガーと名乗る男はそう言うと…静かに去っていった。
エッジにはその男が英雄のような輝きを持っている…そう思ったのだ。

その直後…あの邪悪な声が聞こえてきた。

【エッジ 所持品:十徳ナイフ 目的:ハガーについていくor単独行動 現在位置:海水浴場】
【ハガー 所持品:バルカン付き拡声器 目的:ルガールを倒す(?) 現在位置:海水浴場>どこかへ】
【鷲塚慶一郎 死亡】
534Boy life as a pet:04/11/17 21:45:07 ID:???
大穴が開いた天井からさわやかな朝の光が差しこんでくる。
だが閑丸はおよそさわやかとは言えない気分で泣きじゃくっていた。
泣いても泣いても涙が止まらない、それに鼻水も
閑丸は床に散らばる紙きれを拾い上げては涙をふいて、拾い上げては鼻をかみ
そして丸めて捨てていくのだった。

「おい?」
「初めてのともだちだったのにぃ〜」
「コラ?」
「でも思い出すとはずかしぃ〜〜〜」
「ぬおおおおっ!?」
泣きながらも昨夜の出来事を思いだし身体をくねらせる閑丸、飛びのく影
そこで初めて何時の間にか自分の傍にいた少女の存在に気がつくのだった。

数時間前、隣りの部屋では
「いやぁ1度やってみたかったんだわ」
浴室で満面の笑顔のバレッタ、バスタブの中には札束の山。
「札束風呂ちゅうやつをなぁ〜〜」
こんな感じで文字通り湯水のように金を使ったバレッタは、そのまま冷蔵庫の中の缶ビールを
かっくらって寝てしまっていた。
そして頬を撫でる朝の風に目を覚ますと

「のわわわわ〜〜〜」
なんと何時の間にか壁に大穴が開いており、そこからバスタブに入れっぱなしのドル紙幣が
次々と空の彼方へと飛び去っていってるではないか。
「あ…あたしのお金〜〜〜っ」
必死で金をかき集めるバレッタだがすでに手遅れだった。
こうして1000万ドルは空の藻屑と鼻紙になったのであった。
535Boy life as a pet:04/11/17 21:45:59 ID:???
「気の毒にねェ…」
一応形式通りの慰めをいれつつも、心の中では冷や汗ものの閑丸
誰がやったのかってエミリオに決まっている…。
と、その顔をバレッタが覗きこんでいる。

「ワレ…なんか知ってるな?正直に言わんかい!!」
有無を言わさずバレッタは閑丸をチョークスリーパーの格好に持っていく。
その力は見た目からは信じられないほど強い。
(こ、殺される…)
だが例え死んでもエミリオのことだけは口にはしたくない、だが無論死ぬのも嫌だった。
どうする…。
そしてその口が自然に動く。

「く…口から火の玉を吐く大男で」
閑丸の目に床に転がるかに缶が目に入る。
「カニみたいにしゃかしゃかと動いて」
食卓に砂時計がある。
「砂時計みたいに胴体がむやみに縊れていて…」
「それで大きな牙と角が頭から生えていたんだ…」
とんでもない大嘘だった、だがそれ以外の選択肢があっただろうか?

閑丸はぱんぱんぱんと未だにチョ―クスリーパーをかけつづけるバレッタの腕を3回叩く
万国共通の降伏の印だ。
それでようやくバレッタは技を解いてやるのだった。
536Boy life as a pet:04/11/17 21:47:44 ID:???
朝日が差し込む6畳間で考え込むバレッタ
凄腕ハンターである私の知らぬ魔物がまだいたとは…しかもここまで追ってくる
まぁアタシを恐れるのは良く分かるが…
実際は恐れられてるというより嫌われているわけだが、とかくバレッタは
すっかり賞金稼ぎモードになってしまっている。

そして閑丸だが、彼はバレッタに悟られないようそっと玄関へ逃れようとしていた。
あともう少し…もう少し…
足が脱ぎっぱなしの草履に触れる。
「ごめんなさいっ!もう行かなきゃ…」
「待たんかい!」
光の早さでバレッタは閑丸の襟首を掴んで部屋に引き戻す。

「ま…まだ何かあるんですか!」
「お前がおらんかったら誰が魔物なんか分からんやないか!!」
「そんな不毛な…」
「ははん…お前照れているんだな、このバレッタ様のあまりの凄さに」
「はぁ?」
「今、アタシはとても機嫌が悪い…だが悪い気はしないな」
「だから特別にお前をこのバレッタ様の弟子にしてやろう」

いきなりの話についていけない閑丸。
「誰もそんなこと思っても無いし!照れたりなんか断じてしてないよ!!」
「報酬は全部私が貰うからな」
「きいちゃいない」
「というわけで早速だが、はよ朝メシ作らんかい!!」
腰を蹴飛ばされ台所に押しやられる閑丸、だが彼は明らかに不満げな表情ながらも
エプロンを身につけ流しに立つのだった。、
緋雨閑丸、彼はあまりにも流される生き方に慣れてしまっていた。
537Boy life as a pet:04/11/17 21:52:12 ID:???
で、リズミカルにネギを刻みながらも、一息つく閑丸
強くても子供だ、あんな口からでまかせを信じるなんてね。
だいたい…でも、何か大事なことを忘れているような…この心の奥底の罪悪感は…
「あ〜〜〜〜〜〜っ!!」
「何じゃいっ!!」
閑丸の叫びに怒号で返すバレッタ。

「あ…ああ…あさだ〜〜〜〜あさだよ〜〜〜あさごはんたべて〜〜〜〜〜」
それを何とか取り繕う閑丸。
火の球を吐く大男にして極端なガニ股でなおかつ砂時計みたいな体型にして
牙と角が生えている
常識的に考えるとありえない…ありえない話なのだ、そんな人間がいるなんて
しかし、閑丸の記憶の中にその人間?は確かに存在していたのだ。

(タ…タムタムさん…ごめんなさい…)
閑丸は心の中でタムタムに謝りつつも、
(でも僕の幸せのためなんです…)などとも考えてもいた。

「はよ朝メシ持ってこんかい!!それがすんだら武器調達行くぞ!!」
一方のバレッタは罵声を上げつつも、その目は地図の一点を見つめて微動だにしない
その視線の先には警察署と書いてあった。

【バレッタ 所持品:なし 目的:警察署で武器の調達(標的:タムタム)】
【緋雨閑丸 所持品:不明 目的:あるわけない、もはや流されるまま】
538ゲームセンター名無し:04/11/17 22:43:07 ID:???
おもしろい?かな?
539第1回放送:04/11/18 01:21:41 ID:???
「諸君、ごきげんよう・・・」

午後7時、サウスタウンの陽は落ちた。

そして

声は

響く


それは深い地の底から聞こえるようであり
遥か天空の彼方より聞こえるようであり
耳元で囁かれているようであり
ずっと遠くから叫ばれているようであり

ある者は独りで
ある者は誰かと
ある者は物言わぬ死体となって
ある者は肉片となって

絶望の中で
恐怖の中で
焦燥の中で
狂気の中で
混乱の中で


耳にした

540第1回放送:04/11/18 01:23:28 ID:???
「毎日夜と朝、私の時計で7時にこの放送をお聞かせしよう・・・
 今から読み上げるのは、残念ながら本日この時間までも生き残ることの出来なかった弱き者の名前だ
 友人、ライバル、家族・・・その名前がないか耳を澄ますのだな・・・だが忘れるな」

一拍置いて

「呼ばれぬ者は全て、殺すべき敵だ」


再び無感情に続ける


「アッシュ・クリムゾン、麻宮アテナ、一条あかり、エレナ、鑑恭介、春日野さくら、神月かりん、カルノフ
 クーラ・ダイアモンド、蔵土縁紗夢、クリス、西園寺貴人、真田香織、ジャッキー・ブライアント
 ジャンヌ、ソフィーティア、橘右京、タン・フー・ルー、藤堂龍白、花小路クララ、双葉ほたる
 ブリジット、八角泰山、八神庵、山崎竜二、鷲塚慶一郎
 ・・・以上、26名だ」

そして、邪悪な笑い

「クックック・・・順調に殺しあってくれているようでなによりだ。次の放送は明日午前7時、何人減ってくれるかな?
 それでは、健闘を祈るよ・・・おっと、忘れていた。参加メンバーの中には、私がこのゲームを盛り上げるために
 お願いして快く引き受けてくれた【ジョーカー】が何人かいる。さて、君の隣にいるその人は・・・
 本 当 に 味 方 か ね ?
 フフ、おしゃべりが過ぎたようだ。それではまた明日、ごきげんよう諸君。」

街は再びの静寂に包まれる。
闇と、疑念と、悲しみが、静かに全てを飲み込んでいった・・・

【一日目昼終了→一日目夜へ】
541接触:前編:04/11/18 02:36:58 ID:???
これは、放送のあった時刻よりも、いくらか前の出来事である。

とあるビル街の一角。綺麗に鋪装された道路の両脇には街路樹が並び、そしてさらにその脇には
ヨーロッパの町並みを連想させる、雰囲気の有るオープンカフェやブティックが軒をつらねてい
る。暮れかけている夕日が橙に光り、晴れ渡った空に美しいグラデーションを作り出して空の端
には薄らと夜の影が覗いていた。

そこを並んで歩く二人のうら若き男女。

…と言えば聞こえは良いのだが、そんな二人…ミリアとゼンはムードのかけらなど微塵も無く歩いていた。
二人の間には常に一定の距離があり、手を繋ぐ事はおろか、二人の視線は常に前を向いた平行線でけして交わる事をしない。
ミリアは暗殺者としての性か音も無く静々と歩き、かたやゼンは鋭い眼光を隠そうともせずただ不遜に歩いていた。
お互いに辺りを警戒し、いざという時の為に備えている。

「………ねえ、ゼン?ここ、さっきも通った気がするんだけど」
「ああ?」
「ああ?じゃないわよ、あなた何がしたいの?」
「…何がしたいだぁ?、俺ぁてめえについて来てるだけだぜ」
「……、……私もあなたに付いて行ってるだけなんだけど」
二人は立ち止まる。二人はそこで、やっと顔を見合わせた。

「…………」
「…………」

しばしの、無言。

しかし双方とも何かを訴えるような視線を相手に送る。
542接触:前編:04/11/18 02:39:44 ID:???
…先に折れたのはミリアの方だった。溜息をつくように言葉を吐く。
「…………………わかったわ」
「…何がだ?」
「私達に足りないものよ…」
「足りないもの?」
「そう、足りないもの。……私達には、話し合いが足りないわ…圧倒的に」
そこでミリアは、自分に支給された袋を出した。中から一枚の紙切れを取り出す。自分達に支給されたのは何も武器だけじゃ無い。
数日分の食料やランタン、方位磁石…そして先程ミリアが取り出した紙切れ…地図だ。
「まず、安全そうな所で今後の行き先を考えましょう?移動はそれからだわ」
いいわね?と同意を求めるように目配せし、答えも聞かずミリアはけだる気に歩き出した。

…正直ゼンは、そんな事をせずとも良いと反論しかけた。だが至極真っ当な正論を吐いたミリアに何も言い返す事ができず、納得がゆかぬまま結局流される事にした。
負け惜しみのようにひとつ舌打ちしてからミリアの後を追う。しかし

「「 !! 」」

ピリ、と一気に空気が張り詰める。視線が一ケ所に集まった。ビルとビルの間。路地裏から聞こえるわずかな足音。
素人ならば聞き漏らしてしまいそうなそれは、しかししっかりと二人に聞こえていた。

誰か…来る!!

ミリアはゼンに一瞥やった後、音も無く跳躍し丁度ゼンの背後のにあった街路樹の上に隠れ息を潜めた。
ゼンはミリアが隠れた事を確認するとゆっくりと身構え臨戦体制に入る。
すると足音が一瞬止まり…また歩き出した。さっきよりもずっとゆっくりと。しかし、逃げる気は無いらしい。
……さあ、鬼が出るか蛇が出るか、だ。
543接触:前編:04/11/18 02:42:51 ID:???

コツコツコツ、と近付く足音。



張り詰め膨張した緊張感の中、次第に自分の気が昂揚しているのをゼンは頭のどこかで感じている。
このゲームに乗らないと決めた今、戦わないに越した事は無い。しかし……この緊張はとても心地よいのだ。


いつだって自分は戦いの中に居た。

戦い、戦い、戦い、戦い、戦い戦い戦い戦い……一人の男を目指しただがむしゃらに、拳を赤く染めるばかりの毎日。

俺の目指した男はもういない。
…しかし今さらどうやって生き方を変えろと、言うのだ。

戦いこそ、闘争こそ、俺の




そこで、足音がまた止まった。恐らく、もう、すぐそこにいる。様子を窺う気だろうか?
こちらから動くか…?いやそれは早計か。相手はこちらを待ち伏せしているのかもしれない。
お互い素手同士ならば場所の開けた方にいる俺の方が有利なのだし単純に考え相手は1人…少なくとも足音は1人分であった…なのに対しこちらは2人。
有利なのはこっちだし、相手が銃器類を持っているとすればなおさら自分から飛び込んでいくのは自殺に等しい。ならば、待つのみ。

544接触:前編:04/11/18 02:47:56 ID:???

ピンと張られた緊張感が暫く続いた。
先に動いたのは相手の方で、路地の中でやや気配が動くのが分かった。…来るか?ゼンは本格的に身構える。

「なあ!」
………は?
「…なあ!!そこに誰かいるんだろ!?」
…話し掛けられてしまった。
予想していなかった事態にゼンの思考は混乱する。混乱した挙げ句
「あ、ああ…」
つい、返答してしまった。
相手…声からして男だ…はさらに続ける。
「あんたら戦う気、あるかい?」
男の口調はあくまで軽い。
「……そっちが、その気ならな」
「じゃあ、俺に戦う意志が無ければ戦わないのか?」
ゼンは何かの答えを求めるように上半身だけでミリアの方を向いた。
するとミリアは、神妙な顔をしつつも何も言わずただこくりとうなずく。
ミリアの行動を受けたゼンもまたこくりとうなずき元の方へ視線を戻した。

「………そっちが、その気なら」

すると男はいくらかほっとした声で「そっか、」と言うと最後の一歩を踏んで俺達の前に無防備に進み出た。

出て来たのは、茶色のジャケットを着て、ハニーブロンドの髪を肩まで伸ばした男だった。年齢は…少し特定しずらい、大体20代後半から30代程度だろうか。
男は、俺の顔をまじまじと見てから口を開いた。


「俺はテリー、テリー・ボガードだ…君は?」
545?U´?G?F?O?O`:04/11/18 02:57:26 ID:???
書き忘れましたorz

【ゼン 支給品:折りたたみ式ボウガン(本人組み立て方よくわかってない 現在の目的:ルガールを倒す、仲間を集める】
【ミリア・レイジ 支給品:ドラゴンクロニクル・闇の幸運種ぬいぐるみ 現在の目的:ゲームを潰す、仲間を集める】
【テリー・ボガード 支給品:リボルバー式小型銃(装填数6)】
【現在位置:六区】

546光の柱1/2 ◆a.haWi2BcM :04/11/18 17:15:07 ID:???
「そうだアルフレッド、ちょっとこれ見てみてくれない?」
ニーギがアルフレッドの目前に差し出したのは一つのラジコンコントローラのような物だった。
裏には”ZERO”と大きく書かれていた。
「うーん、何だろう?ちょっと貸りるよ」
そういって、彼は飛行機の計器を弄るように、それを弄り始めた。
カチャカチャと音がなる中、ブゥゥゥンという軌道音が鳴る。
そして、画面に映る文字。「Cannoncode ZERO」
その文字が消えたあとに、この殺し合いの会場、サウスタウンの地図がうっすらと現れた。
「んー、本当に何なんだろう?…ん?照準みたいなのと小さな点がたくさん現れたぞ?」
サウスタウンの地図に点々と光る場所と、ホーミングのような照準が現れた。
そのコントローラーにはレバーとボタンがついている、アルフレッドはレバーを弄ってみた。
案の定、照準は動いた。でもこれは一体なんなのか………?
「ねぇ、その点の無いところあたりでボタン押してみたら?」
ニーギのその案に乗ることにしたアルフレッド、ギースタワーの北東あたりにセットし、そして…ボタンを押す。
547光の柱2/2 ◆a.haWi2BcM :04/11/18 17:16:51 ID:???
「何も起こらないね」
「そうね…単なる玩具だったのかもしれないわね」
二人がくるりと後ろを向いたときだった、邪悪な声が流れ…そして………。
「諸君――――」
声を遮り、何かが起こった。
ドッゴォォォォォン!!とそれは彼らの背後で起こった、自分たちの背後に伸びる一条の閃光。
くるりともう一度振り向くと、大きな光の柱が海を消失させていた。
…その強大な力に、二人は愕然とした。光が段々と薄まっていく…その頃に。
「……それではまた明日、ごきげんよう諸君」
その声でどうやら放送は終わったようだ。自我を取り戻したアルフレッドはこう言った。
「…放送…聞き逃しちゃったね」
「いいわよ、あたしは、どうせ知り合い居ないし…」
その時にニーギの表情が一瞬曇る、だがアルフレッドは笑っていた。
「居るじゃないか、知り合いが一人…ここにさ」
そういってアルフレッドは自分を指差す、その言葉と共にニーギはもう一度笑った。

そして、二人は気がついてはいなかったが、コントローラーにFullpower…Rest12:00と書かれているのを、そして、恐怖の武器を手にしたことを。

【アルフレッド 所持品:チェーンソー
 ニーギ(ショット可能) 所持品:携帯用ゼロキャノンコントローラ(日の出後ショット可能、参加者探知機能あり)
 第一行動方針:テリーと合流する
 最終行動方針:生きてこのゲームから抜ける
 現在地:11区ギースタワー寄り】
548探偵、ネットカフェに向かう:04/11/18 18:39:34 ID:???

「ふぅ・・・地図によればここだけど・・・疲れた・・・・・」
ネオはため息をつき、目的の店の目の前に立つ。
第一の目的地ネットカフェだ、ここでとりあえずこの町のインターネットサーバーが生きてるか探る!
そしてサーバーが生きているなら直接町のサーバーへ行く!!
そして最後にサーバーから直接外部へ連絡する!!そうしたら事件は解決!!

ふっふっふ・・・完璧だぜ俺・・・
ここに到着するまで人に会わないように隠れて来た。正直死ぬほど疲れた・・・・
きっと皆殺気たってるだろうなあ・・・いきなり死亡者リストの放送なんかされたらなア・・・
ふっふっふ・・・だが安心するがいい、この名探偵ネオがこの事件を解決してやる!
そんな事を考えながら動かなくなっている自動ドアに手をかける。そこでふと気付く。
先客がいる──────?
そして、気付いたときには遅かった。
「動かないでください」
後ろから男の声が聞こえた、と、思ったらいつの間にか首に冷たいものが当たる。
「失礼、貴方が何者か知りませんが今すぐ此方から離れて頂たい、何も言わずに離れて頂ければ命は取りません」
「な、何故かなぁ〜・・お、俺も此処に用事があるんで、出来る事なら理由が聞きたいなあ〜ッと・・・」
声が震える、そりゃあクイズの腕は一流でも、腕っ節は人並み程度しかない男である。こんな経験初めてである。
「用事・・・ですか・・・?」
後ろの男が答える。
「そそ、用事用事!」
「・・・・それは”ばっきんぐ”と言うものですか?」
こんなところでクイズかよ・・・・ばっきんぐ・・・?ばっきんぐばっきんぐばっきんぐ・・・
「ああ、ハッキングの事か!!!うん、そうそう!!微妙に違うけどそんなもんだ!!」
「・・・・なるほど、では武器を私に渡してから多少そこでおまちください」
そう言って男はネオから武器を取り上げ、店の中に消えていった。
と、思ったら一瞬でネオの前に現れた。
「失礼しました、どうぞ中へ」
───────
549探偵、ネットカフェに向かう :04/11/18 18:40:35 ID:???

【ネオ 所持品:魔銃クリムゾン(蒼月に没収) 第一目的:ネットカフェからサーバーが動くかどうか確認 最終目的ネオと連絡を取り事件解決!!。 現在地:第5エリア中心のネットカフェ】
【風間蒼月 所持品:カッターナイフ 魔銃クリムゾン(ネオから没収) 第一目的:火月を陰ながら守る 第二目的:ガーネットの護衛 現在地:第5エリア中心のネットカフェ】
550探偵、ネットカフェに向かう :04/11/18 20:00:59 ID:???
>>549
お知らせ
【ネオ 所持品:魔銃クリムゾン(蒼月に没収) 第一目的:ネットカフェからサーバーが動くかどうか確認 最終目的ネオと連絡を取り事件解決!! 地:第5エリア中心のネットカフェ】

【ネオ 所持品:魔銃クリムゾン(蒼月に没収) 第一目的:ネットカフェからサーバーが動くかどうか確認 最終目的ジオと連絡を取り事件解決!! 地:第5エリア中心のネットカフェ】

に修正します。
551シノビx忍xしのび:04/11/19 00:39:34 ID:???
放送から5分
ここサウスタウンブリッジでは2人と一匹が沈黙していた。
あの放送の途中、顔面蒼白になったのは春麗。
放送からこちら、更に険しい顔になって押し黙っているのがガルフォード。
陽が落ちて、ガルフォードの肩にのったままうとうとしているのが犬福のパピィである。
そして沈黙をやぶったのは春麗だった。

「知り合いが二人死んだわ・・・まだ若い女の子。二人ともいい子だった・・・」
「そうか・・・」
再び途切れる会話。

そして、搾り出すように言葉を発する春麗。
「ガルフォード・・・あなた、本当に信じていいの?」
それは当然の疑問。殺し合いの行われているこの街で、そしてあの放送の後で
自分の隣にいる人間を疑うのは当然だった。
その声に対して、ガルフォードはあくまで冷静だった。
橋に立つ街灯があるとは言え薄暗いため、春麗はその顔に浮かんだルガールへの怒りを見て取れることはなかったが。

「俺からしたら君も同じさ。最初にも言っただろう、お互い完全に信用はしないほうがいい」
だが、とガルフォードは続けた。
「あの声で君と同じような疑問を持った人間は多いだろうな」
「あ・・・ごめんなさい・・・!」
「いや、その疑問は当然だ。それにそれがあのルガールとかいう男の狙いなんだろう」
「・・・そうね・・・これからどうする?」
ガルフォードは橋の向こう、人工埋立地に立つそれを見て呟いた。
「アレ・・・だな」
「あれはえーと・・・ギースタワーって地図には書いてあるわね」
「あれがこの街で一番目立つ建物、城ともいえる。あの中にヤツがいるとは思わないが、
 何らかの情報、それに道具や武器になるものがある可能性も高い」
そして一歩踏み出す。頷いてついてくる春麗。自分の失言を気にしているのか橋のコンクリートには足音だけが響いていた。
552シノビx忍xしのび:04/11/19 00:40:34 ID:???
しばらくして振りかえり春麗の顔を見て、ひとつ溜息をつくガルフォード。
正義のニンジャとしては落ち込んでいる彼女をみるのはしのびなかったので声をかけた。

「この橋はおおきいな。俺の時代はこんなものはなかったし、作れなかった」
「そうね・・・こんな状況じゃなければあなたに今の時代を案内することもできたんだけど」
「それは、ルガールを斬った後でゆっくりとお願いしよう。な、パピィ」
「にょ!?」
うとうとしていたところに声をかけられ鼻ちょうちんを破裂させて驚くパピィ。
その姿があまりにおかしくて、ガルフォードも春麗も声をだして笑った。

「よかった、笑ってくれたな」
「え・・・あ、ご、ごめんなさい!気を使わせちゃったわね」
「いいさ。ところで、この橋、見晴らしはいいし、隠れるところもないが、狙撃される心配があるな」
「大丈夫よ、この橋の上に参加者の反応はないわ。この探知機の効果範囲の外から狙える武器なんて・・・あ!」
春麗は思い出した。
放送と同時に、あの島の向こうに立ち上った、いや、天から振ってきた光の柱を。
「そう、アレがなにかわからないが、危険なのはまちがいない。威力もわからないが隠れる場所もないここは・・・」
「そうね、早く渡りましょう」
「にょ!」
小走りで移動する2人と1匹。結局目がさめたパピィはスタスタとガルフォードの足元をついてきていた。
「本当に速くなったなパピィ。ニンジャの才能があるんじゃないか?」
「にょ〜?」
首をかしげるパピィに苦笑しながら橋を2/3ほど渡りきったところでガルフォードは声をあげた。
「春麗!伏せろ!!!」
「!?」
とっさに言われたとおりに伏せる春麗。
まさにそれと同時に今その頭があった場所を何か矢のようなものが風を切り裂いて通過した。
553シノビx忍xしのび:04/11/19 00:41:38 ID:???
「そこだ!プラズマブレイドッ!」
遊園地の売店を出る時に懐に忍ばせてきた鉄製のキーホルダーに雷の気をこめて放つ。
それは光を放ちながら矢が飛んできた方向へと向かった。
「ちっ、勘のいい、違う・・・あなた忍者ね」
その女は手にボウガンを持ち不機嫌半分、好奇心半分といった顔でガルフォードを睨んだ。
「いかにも。ガルフォードだ。貴様もニンジャだな」
「ちょっと待って!探知機に反応はなかったわ!今も・・・ない!」
手もとの機械に目をやり声をあげる春麗。
その画面には自分達二人の点は表示されているが、目の前の、この女の反応は全くなかった。

「私はあやね、ジョーカーなの。さっき放送でもいってたでしょ?」
「なるほど、つまり主催側の人間。そして首輪は反応しない、というわけか」
「そう、わかったら死んでもらえる?」
話すが早いか疾走する女
「離れろ!春麗!パピィ!」
叫ぶガルフォード
「人を守る余裕なんてあるの?」
ボウガンをかまえるあやね
「自動弓・・・」
放たれる矢。紙一重でかわすガルフォード
「間合いを詰めないと!」
姿勢を低くして駆けるガルフォード
「させない!」
ポーンと飛んで頭上をこえるあやね
「SHIT!!!!」
ガルフォードは歯噛みした。自分の頭上を越えられたことでもなく、後ろをとられたことでもなく

「さあ、武器を捨てなさい。あんたが捨てなきゃこの女は死ぬ。あんたが死ねばこの女は助けてあげるわ」

春麗を人質にとられたことに。
554シノビx忍xしのび:04/11/19 00:42:54 ID:???
「だめ!ガルフォード!だめぇ!」
春麗は叫ぶ。
が、ガルフォードは
「あやねといったな。その言葉に偽りはないか」
まっすぐにあやねを見ていった。

「ええ、あんたはヤバそうだけどこの女はそうでもない。私が殺さなくても勝手に死んでくれるわよ」
「そうか。春麗は強い女(ひと)だ。寝首をかかれるなよ」
「ガルフォード!?」
手にした小太刀を目の前に放るガルフォード。
高笑いしながらボウガンをむけるあやね。
「動くなよ」
矢が放たれる。それはガルフォードの左腕を貫いた。
「ガッ!!」
「あら、手元がくるっちゃったわ、ごめんなさい。今楽にしてあげる」
それはウソだった。本当は頭を狙ってはずすような腕ではない。ほんの少しの悪戯心だった。
ガルフォードの左腕を伝って血がポタポタと橋を赤く染める。
あやねがボウガンに矢を装填し構えた。そしてトリガーに指をかけた時・・・

「にょー!!」
どんっ。
あやねの足になにかが当たった。
「パピィ!」
春麗とガルフォードが同時に声をあげる。
「パピィ?変な生き物ね。まあ、生意気だからご主人様の前に殺してあげるわ」
犬福の一撃ではあやねに一矢報いることも出来なかった。痛くもない足とパピィを交互に見て忌々しげにボウガンをかまえた
ジリジリと下がるパピィ。ボウガンの照準は完全にパピィをとらえている。
「やめて!」
春麗の叫びと同時に矢は放たれた。
555シノビx忍xしのび:04/11/19 00:44:38 ID:???
ドンッ!
次の瞬間、あやねは片足をとられ、完全にバランスを失っていた。
矢が放たれた先にパピィはおらず、その姿はあやねの足元にあった。
「なっ!?何!?速い!!」
先ほどとは比べものにならない速度の体あたりを不意に足に受け転びかけるあやね
次の瞬間勝負は決した。
「ハァー!!気功掌!!」
密着した状態から春麗の気をまともにくらい吹っ飛ぶあやね
振りかえろうとした時にはすでにガルフォードの刃が首にあてられていた。
「畜生!」

頚動脈にあてた小太刀を勢いよく滑らせるガルフォード。
そしてとどめとばかりに心臓を背中から突いて刃を引き抜く。
真っ赤な血をドバドバと流しながら崩れ落ち絶命するあやね。


「クッ!」
「ガルフォード!」
「にょにょー!」
腕を押さえてその場にしゃがみこんだガルフォードにかけよる春麗とパピィ。
「大丈夫か?」
「何言ってるのよ!それはこっちの台詞よ!」
腕にささる矢を引き抜いて無理に笑顔を見せたガルフォードを叱りつけ、春麗はそのまま抱きついた
「信じるわ・・・ガルフォード、あなたを」
「I trust you.俺もだ」
「にょにょ!!」
パピィの声にはっとして離れる春麗。
「そ、そうそう、お手柄だったわね!パピ・・・」
顔を真っ赤にしてガルフォードから目をそらしパピィをみた春麗が口をぱくぱくさせている。
「どうした春麗?んなっ!?パピィ、その姿は!」
「にょぉ〜〜?」
556シノビx忍xしのび:04/11/19 00:46:13 ID:???
首をかしげたパピィ。しかしその姿はほんの数分前とはまるで違っていた。
黒い頭巾をかぶったようなその姿、まるで
「ニンジャ!パピィおまえニンジャになったのか!」
「すごーい・・・どうなってるのかしらこの子」
「俺のニンジュツに感動したんだよな!いい子だ!」
「にょ〜!にょ〜!」
頭をガシガシとなでられ苦しそうな声を出すパピィ。

ガルフォードの理論はあながち間違いでもなかった。
犬福は育て方で形態の変わるふしぎな生き物。
ガルフォードの動きについていくうちにすばやさに特化したしのび福に変化していたのだがそんなことを知る二人ではなかった。

「さて、こいつが例の・・・」
あやねの死体を見下ろして呟く。その左腕には自分がいつもしているマフラーが巻かれていた。
「首輪が反応しない・・・つまりこの探知機に反応してる人間は主催側じゃないってことよね」
「反応してる相手なら敵意がなければ協力を見込める、ということだな。すこし光明がみえたか」
本来の色と微妙に違う赤に染まっていく左腕のマフラーを見て春麗が心配そうに言った。
「あなたの腕もきちんと治療しなきゃいけないけど今から街にもどるのは危険ね、
 ギースタワーに行くまでに治療できる所があればいいけど・・・行きましょう」
「そうだな。急ぐとしよう。いくぞ、パピィ!」
「にょにょ!」

橋をの向こう、ギースタワーに向かって、二人と一匹は絆も新たに歩み始めた。

【ガルフォード(左腕を負傷)&春麗 所持品:パピィ(現在:しのび福)、小太刀、探知機(効果範囲1km、ジョーカーには反応せず)、
 ボウガン(ただし矢は春麗、パピィ、ガルフォードを撃った3本を含めて10本)、鉄製のキーホルダー数個
 二人とも技を使ったため疲労中。
 目的:ギースタワーに向かう ガルフォードの左腕を治療する】
【あやね 死亡 所持品:ボウガン(春麗がルート、矢は10本)】
557シノビx忍xしのび ◆nucQuP5m3Y :04/11/19 00:47:29 ID:???
また忘れた・・・
【現在位置:サウスタウンブリッジと11区の間くらい。ギースタワーの方向に移動中】
558悪魔の気まぐれ ◆AX90vj3jog :04/11/19 20:16:23 ID:???
「フフ、おしゃべりが過ぎたようだ。それではまた明日、ごきげんよう諸君」
 どこからか流れてきた放送が終わり、夜の街はまた静寂に包まれる。
 路地裏で建物の壁にもたれかかり、味気ない携帯食料を噛みちぎっていたヴィレンは、その手を止めず一人黙考にふける。
 ジョーカーとかいう連中の事はどうでもいい、彼の関心は読み上げられた死亡者の名にあった。
 呼ばれた名前の中にはガーネットとかいう女も、アルジェントの奴も、ディアブロの野郎もいなかった。
 いい事だ。そうそう簡単に死なれたのではつまらない。
 連中となら、十分に楽しめる殺し合いができるのは間違いない。できる事なら彼らとも存分に戦いたいものだ―――
 
 突然響いた鋭い鳴き声に、ヴィレンの思考はさえぎられた。
 鳥かごの中でややぐったりと大人しくしていたはずのママハハが、何かを察したかのようにバタバタと暴れ、鳴きだしたのだ。
「……うるせぇぞ、今ここで焼かれたいのか」
 鳥かごを軽く蹴りつけるが、ママハハは羽ばたき鳴くことをやめようとしない。
 仕方なく袋の中に押し込め、立ち上がり周囲を素早く窺い耳を澄ます。
 案の定、鳴き声を聞きつけたのか、誰かの足音がする。
 随分軽い音……さらに、声も聞こえてきた。
「ママハハ?ママハハなの?姉様も居るの?どこぉ?」
 少女の声だ。それもだいぶ幼い。
 何だガキか。つまらなさそうにヴィレンは嘆息する。
 最近のガキは油断ならないという事は十分知っているものの、こんな時に大声を出してウロウロするような抜けている子供では、面白味は無さそうだ。
 どうする、殺しておくか。逡巡している間に、ママハハが袋の中からまたも必死な鳴き声を上げた。
「やっぱりママハハだ!姉様!!」
 足音が一気に駆け足のものになる。どんどんとヴィレンの居る方向に近づいてくる。
559悪魔の気まぐれ ◆AX90vj3jog :04/11/19 20:17:34 ID:???
 間もなく、路地裏に入る角に、青い民族衣装をまとった少女―――リムルルが現れた。
 期待に輝いていたその顔が、ヴィレンを見て不審な表情へと変わる。
「あ、あれ……姉様は……ママハハは……」
 ヴィレンの雰囲気に危険なものを感じ取ったのだろう、リムルルは身構えながら後ずさった。
 しかし姉の所在を知りたい気持ちの方が勝ったらしく、怯えた口調ながらも問いかける。
「姉様はここに居ないの……?ママハハ……ママハハの声がしたんだけど……」
「ママハハ……鷹の事か?」
「や、やっぱり知ってるのね?ママハハ、どこ?どこに居るの?」
 ヴィレンの背負っている袋の中から、三たびママハハの鳴き声が響く。
 その鳴き声の意味をようやく理解したリムルルは、ハッと息をのみ目の前の男を見据えた。
―――ママハハが居るという事、姉様に会えるかもしれないという事への期待が大きすぎて気付かなかったけど……ママハハはずっとわたしに逃げろって言ってたんだ!この危険な人から!
 ヴィレンが足を一歩踏み出す。それに合わせたようにリムルルが一歩下がる。
 逃げなきゃ、逃げなきゃ。だけどママハハを……。
「マ、ママハハ返して……姉様の大事な鷹なの……お願い、返してください……」
 懇願するリムルルをヴィレンは一瞥する。
 それなりに武芸はできるようだが、体格は所詮子供、体力的に見てもあまり虐め甲斐はなさそうだ。
 雑魚と戦っても面白くない、どうせ放っておいても誰かに殺されるだろう。
「あいにくコイツはオレの非常食だ。じゃあな」
 背を向け、その場を離れようとするヴィレンだが、リムルルはどうしてもママハハを見捨てる事ができなかった。
「待って!お願いママハハ返して!」
 走り寄ってヴィレンの服にしがみつく。
 その甲高い声と、行動がヴィレンの癇に障った。
560悪魔の気まぐれ ◆AX90vj3jog :04/11/19 20:19:43 ID:???

「イライラするな……消えろっ!」
 リムルルの側頭部を殴りつけ、手が離れたところで腹を思い切り蹴り飛ばす。
「ぎゃん!!」
 悲鳴を上げて、リムルルは壁際に積み上げられていたゴミ袋の山に突っ込んだ。
「五月蝿いガキだな……殺されたいのか……?」
 痛みと恐怖に涙ぐむリムルルの耳に、ヴィレンの冷徹な声が聞こえてくる。
 とても冷たい紅い瞳、とても怖い声……この人はまるで悪魔―――ウェンカムイのようだ……。
 リムルルはこの場から逃げ出したかった。
 でも彼の持っている袋の中には、ママハハがいる。
 姉様はきっとママハハが居なくて困ってる。
 だから、姉様のためにもママハハを助けなきゃ。ママハハと一緒の姉様なら、怖いものなんて何もない―――!
 
 ゴミ山からよろけながらも身を起こし、リムルルは自分の袋の中に手を突っ込んだ。
 アパートで鮭を捌く時に使用した包丁を、こっそり入れておいたのだ。
 使い慣れた小刀とは勝手が違うがいたし方ない。ぐっと柄を握り締めて、自分を鼓舞するように
「絶対、返してもらうから!」
 叫んでヴィレンを睨みすえる。
 苛立ちを更に募らせたヴィレンは、乱暴に袋を放ると、袖口からじゃらりとチェーンを垂らした。
「死にたいらしいな……そんなにこの鷹が大切か……」
「だって……ママハハならきっと姉様の居場所わかるもの!姉様とママハハが一緒なら、誰にも負けないもの!ママハハが居れば、姉様きっとここからわたし達を助けてくれる!」
 一直線に、リムルルはヴィレンめがけて走る。
 横なぎの一撃をバックステップでかわし、ヴィレンはチェーンを叩きつける。
 だがチェーンの伸びた先にリムルルはいない。跳躍し、ヴィレンの上を取っていたのだ。
561悪魔の気まぐれ ◆AX90vj3jog :04/11/19 20:23:02 ID:???
(なかなか速いな)
 空中から包丁が振り下ろされるが、ヴィレンはその腕を掴んで投げ飛ばす。
 背中から地面に落下したが、リムルルは受身を取って強打を防いだ。
 そこから痛みをこらえ素早く後転し、ヴィレンの追撃の拳をかわして起き上がる。
 さらにそこへ強烈な蹴りが襲い掛かる。今度はよけるのが間に合わない。
 とっさに腕をかかげてガードするが、受けきるには彼女はあまりにも軽すぎた。
 そのまま横にふっとばされ、壁に叩きつけられて倒れる。
 ひどく痛い、怖い、だけど負けちゃ駄目だ―――!
 とどめを刺そうとヴィレンが間を詰めてくる。
「っ……えいっ!!」
 ヴィレンが拳を高くかかげた瞬間、リムルルは側に落ちていた石を拾い上げ、顔面を狙い投げつけた。
「!」
 反射的にヴィレンはかかげた腕をガードに持っていく。動きが止まる。
 その僅かな間に、リムルルは起き上がり、ヴィレンが構え直さないうちに攻撃に移行する。
「やあああああああああっ!」
 この距離なら外さない!
 包丁を振り上げ、目の前にあるヴィレンの脚に突き立てる。
「くっ!」
 ヴィレンにとって、彼女の反撃は意外だった。
 こんな子供なら、とうに恐怖で動けなくなってもおかしくはない……あの鷹と”姉様”とやらは、余程大事な存在なのか。
「調子に乗るな、ガキが!」
 握っているリムルルの手ごと包丁の柄を掴み、乱暴に引き抜く。
「あっ!」
「死ね!」
 そのまま彼女を振り上げ、激しく地面に叩きつけ、倒れたところでみぞおちを思い切り踏みつけた。
「ぎゃっ……」
 容赦のない攻撃に、リムルルはついに意識を手放した。
562悪魔の気まぐれ ◆AX90vj3jog :04/11/19 20:25:01 ID:???
 
「ガキにしてはやる方だったが……所詮そんなもんかよ」
 リムルルの息の根を止めるべく、ヴィレンはかがみこんだ。
 その時、背後からけたたましい鳴き声が聞こえた。袋の中のママハハだ。
 ヴィレンは苛立たしげに舌を打ち、袋を蹴り飛ばそうとし……ふと何かを思いついたのか足を止めた。
 袋の中から、ママハハの入った鳥かごを出す。
「ママハハが一緒なら誰にも負けない、ね」
 鳥かごを、リムルルの側にどさっと置く。
「鷹匠か何かかテメェの姉貴は……まあ、少しでも面白い方がいい……今までの奴らは少し物足りなかったからな……」
 包帯がわりにリムルルのリボンを拝借すると、それで負傷した脚を縛り、呆気に取られたかのように自分を見上げるママハハと気絶したリムルルをそのままに、ヴィレンはその場を後にした。

 無論、必死な少女に同情してママハハを置いていったわけではない。
 ママハハが居る事で、いずれ出会うかもしれない姉様とやらとの戦いが面白くなりそうなのであればという、ただの気まぐれ。
 リムルルが無事に姉にママハハを渡せれば良し、途中で誰かに殺されたとしてもそれはそれで。
 予想できない要素が増えるのも面白いじゃないか、せっかくのゲームだ、楽しませてもらう。
 
 脚の傷は、リムルルの子供ゆえの非力さが幸いし、さほど深くはない。
 しかし力が入ればやはり痛む、これが戦いに影響を与えないとも限らない。
 とりあえずゆっくりと傷を休めるべく、ヴィレンは街中を今しばらくさまよう。

【ヴィレン 所持品:チェーン、鉄針、鉄釘、パチンコ玉など暗器多数(ママハハはリムルルの元に放棄) 第一目的:ゲームに参加 第二目的:傷の治療 左太ももをパーツクラッシュ…もとい負傷】
【リムルル 所持品:包丁(支給品は不明)、ママハハ 目的:姉を探す 現在気絶中】
【現在地:住宅街(2区近辺)】
563ゲームセンター名無し:04/11/20 11:35:21 ID:???
>>522修正
【シモン=ベルモンド
 所持品:マーシャルアーツ入門(本) チェーンウィップ(現地調達)
 第一行動方針:アルルを守る(エリと戦闘
 現在地:二区中心部】
564魔神の執念1/3 ◆kvYNIIvleU :04/11/20 13:06:50 ID:???
カキィン!カキィン!と剣と鉄の鞭の重なる音がする。
少女を助ける為に割って入ったシモンは目の前の女性に梃子摺っていた。
(目が狂気に満ちている…ならばッ潰す!)
彼は鞭を振るった、彼の鞭ではないが道の鎖をつなげて作った即興の鞭でも、支給された本よりかは役に立った。
一方エリは、相手が本職の鞭だと言う事を悟り、剣を騎士のように構える。
ただ、あまり使い慣れていない剣だから、その構えはぎこちない。
シモンが鞭を振るう、その鞭の軌道を読み、エリが剣で返す。
エリが剣で仕掛けるが、素早く飛び退き、鞭を放つ。だがそれも素早くかわされる。
(埒があかないな…)
きょろきょろと突然回りを見渡すシモン、彼はある一つの店を見つけると、彼はそこに飛び込んだ。
エリはそれを追う…そのときに彼女は理解しつつあった。封雷剣の持つ雷の力を。

「あった…これで即興だが何とか…」
シモンはレストランの中の包丁を数本懐に収め、すかさず周りを見渡す。
薄暗いのは悪魔城で慣れている、コツコツと聞こえる足音を頼りに包丁を投げる。
グサッっと鈍い音がするが足音は止まらない、すると目前に蒼い閃光が走る。
体を逸らせ、何とか避ける。シモンは包丁を放ちながらレストランから出る。
出てくる人影にあわせ、包丁を投げようとした時。彼の目の前に再び蒼い閃光が迫ってくる。
一瞬かわすのが遅れたが頬を掠めただけで何とも無い、そしてフラリとエリが出てくる。
彼女はその剣について理解したのか、あたりを闇雲に剣を振るっている。剣を振るった場所から蒼い閃光が次々と放たれていく。
腕を狙い包丁を投げるが蒼い閃光に遮られる。
565魔神の執念2/3 ◆kvYNIIvleU :04/11/20 13:08:14 ID:???
(面倒だなこれは…雷の力が凝縮された物か…?)
雷の力と、手にある鉄鎖の鞭。彼の頭の中にこの二つが重なった。
包丁を投げながら、彼は雷撃を避ける…いや鞭にわざと当てながら突進する。
手に走る雷撃の痛みに耐えながらもどんどんと距離を詰める。
エリはシモンがどんどん進んでくるのを覚え、雷撃を放つスピードを高める。
だがそれは鞭に吸収され…シモンは目前に居た。彼女は剣を振るう……。
剣は振り下ろされなかった、シモンの包丁が彼女の右手を貫いていたのだ。
うっ、と後ろに下がった瞬間、彼女の体を鈍い衝撃と強烈な電撃が走る。
「うおおおおおッ!!」
シモンはその鞭に全力をかけ、彼女の顔を薙ぐ。バッシィッ!と凄い音がする。
その彼女が倒れたのを見て、シモンはそこを立ち去った…。

いや、立ち去る寸前だった。自分の胸を貫く剣を見たのだ。
「な…に……?」
最後の力を振り絞り、シモンは後ろを見た。そこには右目が吹き飛んだエリの顔がニヤリとこちらを見、剣を握っていたのだ。
エリの軍人の並外れた体力が、電撃を帯びた鞭を食らっても耐えられたのだ。そして、フィオを守りたいという執念が彼女を突き動かしたのだろう。
ズブリと音がし、剣が引き抜かれる。迂闊だった…シモンは、愛する人…セレナに伝わることの無い言葉を出した。
「すまんセレナ…私は先に……行ってしまうようだ…」
それを言い終わった後、シモンの顔に剣が突き刺さる。
566魔神の執念3/3 ◆kvYNIIvleU :04/11/20 13:09:27 ID:???
エリは剣を引き抜き、シモンの死体から鞭を拾い上げ、ゆっくりと先ほどの青年と、少女が逃げた方向を見やった。
嘗て右目のあった場所を触り、その痛みを噛み締めながら…北へフラフラと歩いた。

【エリ・カサモト(右目遺失、重傷「手、足、顔を負傷」)
 所持品:封雷剣(GGXX)  チェーンウィップ(シモンよりルート)
 第一行動方針:アルルと京を追って殺す
 基本行動方針:フィオ以外皆殺し(フィオと二人になれば自分が自殺)
 現在地:二区中心部>北へ】

【シモン=ベルモンド 死亡】
 所持品のマーシャルアーツ入門は放置
567ゲームセンター名無し:04/11/21 04:13:33 ID:???
age
568サイキョータッグと市長(前):04/11/22 02:02:45 ID:???
ズォォォォン

巨大なヤシの木が倒れてくる
「うわわっ、ほんとに倒れた!」
あわててよける矢吹真吾。
感動に涙を流しているのが火引弾。
二人が何をしているのか、話を少し前にさかのぼってみよう。

「ダンさん・・・」
「おまえも・・・か」
おいしく焼けた海の幸を囲んでの楽しい夕食はつい今しがたの放送で幕を閉じた。
沈黙する二人の目の前で鉄板の上の食材はどんどん黒い炭の塊と化し、
ふたりの皿に乗るたべかけの魚や貝もそれっきり生ゴミへの道をひた走っていた。
「ま、まあハッタリっスよ!あんなに人が死んでるわけ・・・」
「・・・・・・」
強がってはみたが真吾にもわかっていた。あの放送がウソでないこと、
そしてこの街全てを飲み込むようなどす黒い空気が漂っていることを。
しばしの沈黙が場を支配した。

先に口を開いたのは真吾だった。
「八神さん・・・まさか八神さんが」
「つええ、いや、強かったのか、そいつは」
目を伏せたまま、言葉を選んでダンが問う。
「はい、性格に難はありましたけど強いというならべらぼうに、ッスね。
 俺の憧れの人のライバルで、つまりある意味目標の人のひとりでした・・・」
「そうか、俺は門下、といってもまあ体験入門みたいなもんだが、二人。死んだよ」
「お弟子さんが・・・」
「二人とも、いい子だった。片方はなんていうか、まっすぐな目をしててよ。
 イケすかねえやつの尻を追ってて、でも、本当に真剣で。もうひとりは、世間知らずのお嬢様でよ・・・
 ひねくれちゃいたけど、芯の強い堂々としたヤツだったよ・・・さくら・・・かりん・・・」
拳を握り締め、お互いの顔は決して見なかった。
自分が泣いているのを見られるのもいやだったし、相手の涙も見たくはなかった。
569サイキョータッグと市長(前):04/11/22 02:04:40 ID:???
二人は涙でぐしゃぐしゃの顔を自分の服で拭き、立ち上がって真っ赤な目で相手を見据え
「ダンさん・・・!」「真吾・・・!」
今度は同時に声をあげた。
「あ、真吾、先に言えよ」
「いや、ダンさんお先にどうぞっス」
「いやいいよ真吾」
「ダンさんこそ」

3セットほど同じやりとりのあと結局二人同時に言おう、と落ち着いた。
「「せーの」」
「「俺達、このまま逃げてなんていられない よな!」っスよ!!」
ほとんど同じ台詞を言って顔を見合わせる。そして笑う。
ひとしきり笑ったあと、真剣な顔でお互いを見て、今度は笑うことなく、互いの気持ちを口にした。

「八神さん、いや、彼だけじゃない。アテナさんも、藤堂さんもあのアッシュって人も・・・殺されていい人なんて誰もいなかった!」
「ああ、さくらとかりんの仇を・・・いやちがうな、このゲームにいる全員が被害者だ。討つべきは・・・」

「「ルガール・バーンシュタイン!」」
黒コゲになった海の幸ののった鉄板の上で熱く握手を交わすダンと真吾。
「死んでも・・・いや、生きてぶっ飛ばすッス!」
「もちろんだ!仇をとって、死んだあいつらの分まで生きる!」
「で、具体的にどうするっスか!」
「・・・わからん!」
もちろん真吾にも具体的な案などあるわけもない。二人で大きな溜息をつく。
「そもそも俺達だけじゃルガールに歯が立たないんじゃないですか?」
これは真吾が自分とダンを卑下しているわけではない。
何度かルガールを見ている身として、率直に思ったのだ。今回は、何かが違う。
だがそれはダンにとっても同じだった。無謀な闘いは嫌いではないが、玉砕覚悟と惨殺確定はまったく別のものだ
570サイキョータッグと市長(前):04/11/22 02:07:40 ID:???
「必要なのは、仲間、力、あとは情報だな。仲間はまあ知り合いから、力は俺達にゃ武器か。情報はルガールの居場所だな」
珍しく冷静な判断を下すダン。彼ほどのお調子者が真剣にならざるをえない状況なのだ。ということはあまり伝わらないらしく
真吾はダンさんスゴイっス!とか目を潤ませている。
「まず仲間だな、優先的に仲間にするなら誰だ?」
仲間の候補をお互いにあげる。ダンは春麗、リュウを真吾は草薙京、二階堂紅丸の名をあげた。
特徴を地図の裏に書きとめる。万が一、二人が一緒にいない場合でも協力を仰げるようにだ。
「で、力、武器っスよね・・・ダンさん」
「ん?なんだ真吾」
「ずっと気になってたんですけどダンさんの支給品のそれ・・・」
ダンの横に置いてあるバッグを指差して言う
「ああ、なんかスペシャルドリンクって書いてあるんだけど胡散臭いだろ?」
「でも飲んでみたい気もしませんか?」
「「うーん・・・」」

そして結局に2人で1本を半分ずつ飲んでみたのだった。
「震空ゥ!我道拳!!!」
「おおお!燃えろ!真吾ォォ!!」
精一杯の技をヤシの木に叩きこむ。そして轟音と共に太いヤシの木が倒れたのが数分前である。
「これは・・・」
「スゲぇ・・・」
「半分でこれなら1本飲んだらルガールだって倒せますよ!」
「そ、そうか!?そうだよな!ハッハッハッハ!!俺達サイキョー!」
「サイキョーっス!!」
「すまない」
「そうっス!すまないっス・・・ん?」
「なに謝ってんだよ真吾・・・あれ?」

同時に振りかえる。
「すまない、君達」
筋肉とヒゲで上半身がほぼ裸のオッサンがそこにいた。
「うぎゃぁぁぁぁぁ!」
「ひぃぃぃぃぃぃぃ!」

【矢吹真吾 所持品:釣竿】
【火引弾 所持品:ホアジャイ特製スペシャルドリンク(残り5本)
【真吾&弾 目的:1.仲間集め 2.武器集め 3.情報集め 4.ルガールぶっとばす!】
【マイク・ハガー 所持品:バルカン付き拡声機 目的:ルガールを倒す?】
【現在位置 7区海岸海の家前】
572Fallin Angel:04/11/22 02:55:42 ID:???
「うるさいなぁ…」
空を舞うエミリオの頭に、なにやら雑音のような耳障りな思考が入ってくる。
どうやら自分と同じ類の奴が参加しているようだ。
「先に始末するか…」
エミリオは冷たく微笑むとそのまま空中で引き返すのだった。

迂闊だった…目を離したスキに…
ケーブルはエミリオの思考を辿り、テレポートを繰り返していた。
いつもならば何でも無いのだが、力を使うたびに何故か身体が重くなる
それでも逃がすわけにはいかない、焦りながら最後に思考を確認できたビルの屋上まで辿りついた
時だった。
「ねぇ?僕を探しているの?…くすくす」
笑い声に振り向くと、そこには彼の探している少年がいた。

「ああ…」
返事をしつつもケーブルは首をかしげる、確かに同一人物なのは理解できる
しかし最初に感じた思念とはかなり性質が違うのだ。
それにこの少年の心は非常に不自然だ、おそらく脳改造でもされてしまってるのだろう。
「俺と来ないか…」
開口一番、ケーブルはいきなり本題に入る、この男に小細工はない。
「少なくとも憎しみに身を焦がして人生を浪費するよりはいいと思うが?」
「ふうん」
エミリオはさして興味なく明後日の方角を見ている、この手の勧誘は聞き飽きた
どこの世界でも自分たちのような人間は色々と苦労しているようだ。
ケーブルの心臓を狙いエミリオは光の矢を放つが、それをケーブルは造作もなく避ける。
「へぇ?」
573Fallin Angel:04/11/22 02:57:13 ID:???
それを見て考え込むエミリオ、一方のケーブルもまた考える
初撃は避けたものの、この少年には自分の力が通用しにくい…
それはそれだけ強力な力の持ち主という証なのでもあるが。
少なくともあのミゾグチとか言う男のように何から何まで見え見えというわけにはいかないようだ。
さて、どうする?
膠着状態に陥リ始めたその時だった。
「諸君…ごきげんよう」

その声で一瞬、ケーブルの注意がエミリオから外れる、
そしてその瞬間、エミリオの手からレーザーが放たれる。
ここはビル街の谷間、たくさんのビルの窓がキラキラと光っている。
そしてエミリオは光を自在に操る能力を持っている。
エミリオの手から放たれたレーザーが、ビルの窓に乱反射されて四方八方からケーブルの身体へと迫る、
もはや思考が読めても関係なかった。

「だって僕にもどうなるかわからないからね」
ニヤリと微笑むエミリオの眼前では避ける隙間すらない、光線の乱舞に苦しむケーブルの姿。
「憎しみに…囚われては…いけ…ない」
それだけを口にし、身体から煙を上げてビルから落ちていくケーブル、その姿を見てせせら笑うエミリオ
「へんなかお〜〜〜ふふふ」
さらに追撃の翼を広げるエミリオ、だが…

「が…もう…こんな」
そのまま全速力で踵を返し飛び立つエミリオ、凄まじい痛みが脳を貫く、
力が抜けていく…それだけではない、自分の意識が消えていく。
「出てくるな!僕はまだ…満足して…」
そこでエミリオの意識は途切れた。
574Fallin Angel:04/11/22 03:03:24 ID:???
「おやおや、君の宝石は力尽きてしまったようだぞ、折角磨きをかけて来たのでは無いのかね?」
揶揄するような声が例の暗闇の部屋に聞こえる。
「確かに宝石は磨かれて光るもの、しかし磨く価値があってこそです」
「自力で輝けぬものに意味も興味も無い、ということかね?卿らしいな」

舞台から遠く離れた香港、モニターを前にウォンは腕時計を見る、
覚醒させるにはまた暫く待たねば…未練も無いが、だからといえど叩き壊すには惜しい。
「さて」
メガネの底の表情は誰にも読み取れなかった。

そして薄暗い路地裏、エミリオは心細げに自分の肩を抱いて振えていた。
「ここ…どこ?」
何もわからない、覚えていない…一体自分はどうしてしまったのか?
「…僕を助けて…閑丸くん…」
それだけを口にエミリオはふらふらと何処かヘ去っていくのだった。

【エミリオ(通常モ―ド) 所持品:不明 第一目的:不明 現在位置:3区と4区の中間地点】
(覚醒中の記憶は一切ありません)
【ケーブル(生死不明) 支給品:不明、第一目的:不明 現在位置:おそらく中央街】
575:04/11/22 03:13:32 ID:???
「・・・面白い展開になってきたな」
第一次放送をおえたルガール・バーンシュタインは、この一日を振り返りつぶやいた。
殺意の波動の目覚め、青龍の覚醒・・・普段では決して見られない特異的な”力”が見れる・・・・それだけでもこの空間を作った価値がある。
だが、まだその力を持ちつつ、まだ開放していない種類の人間が居る。
それを目覚めさせるが為にルガールは『彼』に連絡をした。
「・・・さて、君に仕事を頼みたい」
そして、ルガールは『彼』に仕事の内容を告げた。
「・・・・レオナ・ハイデルンを、いたぶり殺してもらいたい」
電話越しに『彼』はOKとルガールに告げ電話を切った。
・・・下手をしたら『彼』を失う事になるかも知れないが・・・・まあその時はその時だ、彼女の持つオロチの力、それを再び見る事が出来るのならば安いものだ・・・

────
「俺は・・どうしちまったんだよ・・・」
ロック・ハワードは先ほど発見した少女の遺体を公園に埋めた後、何をするでも無くその場に座り込んでいた。
先ほどの放送で知り合いの名前が挙がっていた、双葉ほたる、前に戦った事がある、可愛い少女の名前・・・
彼女が死んだ、それは悲しい事だ。しかし、彼女が殺された事に関する恐怖、そう、人と人とが殺しあう事に対する恐怖が自分にはまったく無い。
それどころか、それを望んでいる
ロックは、それを恐れていた。

576:04/11/22 03:14:20 ID:???
「自分が・・・怖いよ・・・誰か・・・助けてくれよ・・・」
そういいながら彼は膝を抱え震えていた。
そこにふとガサッ、と言う音が聞こえる。
人が・・・来る?・・・誰だ・・・

殺したい、殺して血が見たい・・・

殺しちゃ駄目だ・・・殺さない!

けど殺さなきゃこっちがやられるんだぜ・・・・?

駄目だ!!殺しちゃ駄目なんだ!!

いいのかい?あの少女みたいになっても・・・

駄目だ!殺しちゃ駄目なんだ!!───────

「動かないで・・・・!!」
ロックの葛藤など露知らず、彼女はロックに銃を構え声を掛けた。
「貴方さえ攻撃しなければ私は貴方に攻撃をしません、武装を解除し、まずは話し合いを・・・」
彼女の声は途中でとまった。
声を掛けた相手は    泣いていた。
子供のように      泣いていた。
武器を構える事もなく  泣いていた。
泣きながら       彼女にこう伝えた。
「俺・・・・変なんだ・・・このままじゃ・・・きっと・・・人を沢山・・・殺しちまう・・・だから・・・俺を・・・殺してくれ・・・・!!」

──────
577:04/11/22 03:16:59 ID:???
「あったかいコーヒー・・・飲んでください、落ち着きます。」
「あ、有難う・・・」
ロックは彼女──レオナ・ハイデルンと名乗る女性に今日あった出来事を全て話した。
初めて人間の死体を見たこと、その死体の近くに居た女の子の事、その死体を恐れない自分が居た事、死体を埋葬してあげた事、そして、人の死を望んでいる自分に気付いた事。
そして、そんな自分を恐れている事。
レオナは、それを聞き流す事無く、真剣に聞いてくれた。
「・・・すみません、訳わかんないですよね、俺も訳分からないんです・・・」
「・・・・私には分かるわ・・・」
レオナはそう答えた。
彼は何か協力な力を持っている。それがこの異質の空間により無理やり引き出されようとしている。
無理やり引き出された力は自分では制御しきれなくなる、そう、かつてオロチの血に狂った事のある私の様に・・・・
「貴方は今、自分の隠れていた力が表に出ようとしているだけ、ただそれが勢いよく出すぎているから感情の制御が出来ない状態にあるの・・・・」
「な、何でそんな事がわかるんですか・・・・?」
「私も、よく似た事があったから・・・私なら、貴方の感情の制御の仕方のヒント、出せるかも知れない・・・」
「ほ、本当ですか?」
「ええ・・・だから、私に協力してくれる?」
そう言ってレオナはロックを見つめた、そこでロックは初めてレオナの顔を直視する事になる。
綺麗な人だ・・・ロックはそう思った。
「・・・?どうしたの?」
「あ、いえ・・・そ、その、あ、はい!協力します!!」
「そう・・・ありがとう」
そういって彼女は少し微笑んだ。
その微笑はとても 美しかった。
ロックは何時までもその微笑を見たいと思っていた。



だが、その微笑は    



銃声により、消えた────
578:04/11/22 03:17:51 ID:???
「が・・・あ・・・・!?」
レオナは脇腹から血を流しその場にうな垂れる
「レ、レオナさん!!??」
「チ・・・足を狙ったんだがな・・・」
物陰から一人の男が出てくる、手には拳銃─マカロフを手にしている。
「き、貴様・・・・何のつもりだ!!」
ロックは彼に向けて叫ぶ。
「ん?馬鹿かお前は?殺し合いしてるんだろお前たちは?」
男が続ける
「そんな場所で人を殺す前に『殺しますよー』って宣言する馬鹿がどこに居るんだ?」
男の答えにロックは黒い『何か』に飲まれそうになる。
「・・・お、お前は・・・・・・!!!」
「だ、駄目・・・・・ロック君・・・・」
撃たれた脇腹を抑えつつ、レオナはロックを止めようとする。
が、彼にその言葉は届かなかった・・・
「ああああああああああああああああぁぁぁぁぁあぁぁっ!!」
ロックはその男に目掛け拳を飛ばす
が、男はその腕を軽くいなす。
「本当に馬鹿だなテメエ、怒りで動きが単調になってんだよ!!」
男はいなした腕をつかみロックを地面に向かって投げつける。
「が・・・はっ・・・!?」
「テメエを殺せとはいわれてねえんだよ、少しそこで寝てろ!糞餓鬼!!」
そういい捨てると男は視線をレオナに向ける
「アンタをいたぶり殺せって言われているんでなあ!」
重症を負っているレオナは、男を睨みつけるしか出来る事は無かった。


─────
579:04/11/22 03:19:01 ID:???

─────

「・・・っ!・・・・・」
ロックは目が覚めた。俺は何をしてたんだ・・・・?俺は・・・確か・・・・あの男に投げつけられて・・・気を失って・・・
「・・・・!!そうだ!レオナさん!!」
レオナさんが撃たれて・・・それで・・・!!
「レオナさん!!どこ!レオナさん!!!」
ロックは叫ぶ、重症を負ったはずのレオナを探す為に叫ぶ。
叫びながら探す、レオナを見つける為に探す。
「レオナさん!どこ!?レオナ・・・さ・・・」
ロックは見つけた。目当ての人を。
「そ・・・そんな・・・・・」
その目当ての人は、仰向けになって倒れていた。
「う、嘘だろ・・・・」
その目当ての人は、手足が曲がってはいけない方に曲がっていた。
「レオナさん・・・レオナさん・・・・」
その目当ての人は、血まみれになって倒れていた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああぁあぁぁぁぁぁぁあぁぁぁああぁぁぁぁぁあっ!!!」
その目当ての人は、ピクリとも動く事は無かった。
580:04/11/22 03:21:33 ID:???
「ふふふ・・・

ふふふ・・・・

あはははは・・・・・そうか、分かったよ親父、親父が昔言ってた事・・・人間一人って事がよくわかったよ・・・

俺が死体を恐れない理由がよくわかったよ・・・

暗黒の血の意味がようやくわかったよ・・・」
ロックはレオナから遠ざかる。
「・・・人は、弱ければ死ぬ・・・当然なんだよな・・・・ははは・・・・弱い人間は虫けらなんだよな・・・・だから・・・」
ロックの赤い瞳は、心なしか血の色をしていた。
「そいつ等を殺して・・・・」
ロックの体の周りには、黒紫色の闘気が湧き出ていた。
「生き延びてやるよ・・・俺が・・・」

その闘気は、ナイトメアと化したギースのそれと、まったく同じであった。
581:04/11/22 03:23:01 ID:???

【ロック・ハワード 所持品:デリンジャー、ワルサー P99 (レオナからルート) 第一目的:人を殺してでも生き延びる 現在地:6区公園の北 北東へ移動】
【日守剛 支給品:USSR マカロフ、現在の目的:J6の意向を受けゲームを動かす 現在位置:6区公園内】
【レオナ・ハイデルン 死亡】
────────────

「フハハハハハ!!!!素晴らしい!素晴らしいイレギュラーが起きた!!」
ルガールはモニターの前で大きな高笑いをした。
「まさかギース・ハワードの暗黒の血が目覚めるとは!!何たる幸運か!!!」
「しかし、その代償として当初予定しておりましたレオナ・ハイデルンのオロチ覚醒が失敗に終わりましたね。」
「失敗?ヒメーネ、面白い事を言う・・・」
「はっ?しかしルガール様・・・レオナ・ハイデルンはあの様な姿になっており・・・とても生きているとは・・・」
「クックック・・・・ヒメーネ、オロチの血と言う物を舐めて居てはいけない・・・アレはとても素晴らしい物でね・・・」

────────────
582:04/11/22 03:24:54 ID:???
レオナ・ハイデルンはまだ生きてはいた、意識もあった、が、それももう直ぐ消えようとしていた。
『・・・・右腹部に被弾、その後左腕骨折、右腕靭帯破損、右足靭帯破損・・・・私は・・・』
もう直ぐ死ぬ・・・・拾われた命・・・それも良い・・・心残りは部隊の仲間と父、ハイデルンの悲しむ顔、そして、ロック・ハワード・・・
『けど・・・私は・・・』



ドクン


『な、何・・・・?』


ドクン


『血の・・・暴走・・・?』

ドクン


『駄目・・・制御・・・仕切れない・・・!?』
ドクン
『イヤ・・・助けて・・・・ラルフ大佐!!』
ドクン!!ドクン!!ドクン!!!

「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」

 彼女は吼えた 月夜に吼えた

サウスタウンに レオナ・ハイデルンだった者の 雄たけびが響いた
583:04/11/22 03:25:59 ID:???

【修正 レオナ・ハイデルン 所持品:無し(イヤリング爆弾2組耳にあり) 第一目的:暴走中 現在地:6区公園の北 東へ移動】
584血 ◆CFbBJSZQHE :04/11/22 03:47:03 ID:???
>>585
【追加情報 腹部に銃撃、左腕骨折、右腕靭帯破損、右足靭帯破損の重傷】
585ゲームセンター名無し:04/11/23 00:02:13 ID:???
…うげ、こんなスレあったのか。俺もケン辺りで参加したかったが
途中だから無理っぽいか?
586ゲームセンター名無し:04/11/23 00:21:55 ID:???
>>585
今からでも遅くない!今出ているキャラを使って書きなぐるんだ!
まだ生きているキャラも居る!!
ちなみに感想スレに色んな情報があるぞ!
ACキャラバトロワ感想雑談スレ その2
http://game9.2ch.net/test/read.cgi/arc/1100530586/l50
587ゲームセンター名無し:04/11/23 00:24:17 ID:???
ちなみに↓これがまとめサイト!
ttp://www.geocities.jp/ffdqbr3rd/
↓現在位置詳細マップ!
ttp://roku2.hp.infoseek.co.jp/ACBR/ACBR.swf
↓お絵かきBBSだ!!
ttp://w6.oekakies.com/p/ACITA/p.cgi
588ゲームセンター名無し:04/11/23 00:26:53 ID:???
>>585
因みに既に死亡したキャラの復活、登録されていないキャラの追加は
一切認められていません。
その他細かいルールは、感想雑談スレにあるので、
一度目を通してもらえると幸い。
「はぁー、市長さんスか」
「そうだ、マイク・ハガー。メトロシティ市長だ」
「それはさっき聞いたよ」

再び海の家の中。
すこし前にダンと真吾が食事をしていた鉄板を囲んで、今度は3人が座っている。
ドリンクの効果を試していたダンと真吾の前に突如現われ腰を抜かさせたハガーであったが、
お互い敵意がないことを認め合ってダン達が海の家へ招きいれたのだ。

「とりあえずは君達と同じ、主催側の打倒を目的とするものだ、だが・・・」
「とりあえず?だが?どうも煮えきらねえな、市長さんよ、何が言いたいんだ?」
言葉を受けてスゥっと息を吸い込むハガー。
「危機感がなさすぎる!!」
「「ひぃぃぃぃっ!」」
ドンッ、とさめた鉄板に拳を落として大声を出すハガーに縮み上がるダンと真吾。
さっきまでルガールにも勝てると言っていた威勢は目下鼻から大きく息をはくマッショオヤジに完全に押さえられていた。
「心意気だけでは敵を倒すことは出来ん!例え強い意思があっても状況を冷静に分析も出来んようでは・・・」
息巻いて話すハガーに気圧されながらも、長くなりそうなお説教を止めるべく真吾が口を挟む。
こういうところをうまく乗り切るのが長年の弟子生活を送る真吾ならではである。
「は、ハガー市長さんは、ええと、しゅ、主催側の情報なにか持ってるッスか?!」
「そもそもだな・・・ん?ああ、ハガーでいいぞ」
「あ、はい、ハガーさんは」
熱弁を中断し真吾に気さくな態度を見せるハガー
「情報だな」
聞いていたならはよ答えんかい、といいたいが無駄な時間も精神力も消費したくないダンはぐっとこらえる。
「今回の主催、ルガールといったか。ヤツに関しては私もわからん!」
コケるダン。しかし真吾はその言葉の真意を感じとっていた。
「今回・・・の?」
その言葉を聞いてやっとダンも気づいたようだ。ユルんだ空気が一気に張り詰め、ダンが改めて聞いた。
「市長さんよ、あんたまさか・・・」
「そう、私はこのゲームの経験者、そして優勝者だ」
「なっ・・・!?」

そしてハガーは語りはじめる。今度は落ち着いた声で、そして闇を見るような表情で。
「そうだな、少し昔話をしよう。ある所に一人の市長がいた。その市長の街は彼が就任するまで暴力に支配された非常に治安も
 そして雰囲気も悪い街だった。ある日市長の娘がその街を牛耳る犯罪組織に拉致された。市長と勇敢な友人は犯罪組織を
 打ち倒し、見事娘を取り返し、市長は英雄としてもてはやされたのだった。」
「ちょっとまてよ!その話じゃアンタは普通に悪いヤツやっつけて娘を取り戻した英雄じゃねえか!
 今のこの殺しあいとは状況が全然・・・」
大声で叫ぶダンをハガーは一瞥し、また、話し始めた。
「話はそこで終わらない。その数ヵ月後、その市長は公用車で移動中に何者かにガスで眠らされ、気づくと暗いホールにいた。
 細かい説明はいらないだろう。今の我々と同じ状況に放り込まれたのさ。娘のジェシカ、そして娘を助けるとき
 共に戦った友人達と一緒にな・・・」
「・・・・・・」
もはやダンも声をあげなかった。ハガーの言葉に耳を傾け、拳を握り締めていた。
「今回のように大規模なものではなかった。人数も場所もこの半分程度、しかし人数や広さなど問題ではなかった。
 ある者は泣き叫び、ある者は発狂し、守るために、生きるために、殺すために戦い死んでいった。
 無論、私も戦った。娘を守るために。そして、最後のアナウンスで生き残っているのが私と娘だけだとわかった時
 娘は自分の胸に銃を向けたよ・・・そして私が生き残った。娘を死なせてまでおめおめと生き延びたバカな市長の話だ。」
ダンと真吾は声を発しない。いや、今の自分達に言うべき言葉などないと知っていた。
「前回主催を名乗っていたのは私が壊滅させたはずの組織、マッド・ギアだ。しかしあの組織にそこまでの力はない。
 必ずバックボーンが存在していたはずだ。そして今回のこれ。無関係ではあるまい。」
「もしかして、ハガーさ・・・その市長が戦った前の戦いってのは、今回の・・・」
「ああ、予行だったと考えている。マッドギアは私が先日完全な解体を確認しているしね。
 つまり、今回の主催の援助なり指示なりを受けてのリハーサルだった、ということだろう。」

3人はそれぞれにしばし思案し、沈黙し、そして時間が過ぎた。
重い空気を破って口を開いたのは真吾だった。
「ハガーさん・・・つらいこと思いださせてしまうかもしれませんけど、前回のことについてきいていいですか?
フッ、っと笑って答えるハガー。
「ああ、構わんよ、なんだね?」
「主催者を倒そうってヤツはいなかったんスか!?」
「いたさ、もちろんな。だがだれひとり本部にたどり着くことはなかった」
「本部?ああ、最初に俺達が集められた場所か?」
「あそこかもしれんし、ちがうかもしれん。そもそもあれがどこだったのかなどということはわからないがな」
「でもよ、ここまできてなんだけど主催側がこの街にまだいるとはかぎらねえんじゃねえのか?」
ダンが疑問を口にする。
「そうかもしれない。しかし、この広い街にタイムラグなく首輪爆破の信号を送ろうと思ったら衛星は使えない」
「少なくとも電波の中継基地くらいはある、ってことッスね」
「そう、そして万が一それが破壊された場合、参加者全員が主催側の敵となるわけだ。
 始末をつける者が必ずいる」
「ルガールなら絶対自分でやりますね、その役目」
「そういうことだ、ものわかりのいい子だな」
どーせおれは、とブーたれながらもダンは尋ねる。
「で、市長さんはどうするんだ?俺達ときてくれるのか?」
「いや、私は一人で行くよ」
「なんでッスか!ひとりよりふたり、ふたりよりさんにんっスよ!」
真吾が立ち上がってハガーに駆け寄る。
「私の戦いは命をかける戦いだ、君達には」
「その覚悟は俺達にだって!」「そうっすよ!!」
ハガーに向かいあった二人はじっとハガーの目を見つめる。
そんなふたりにハガーは微笑んだ。
それは力強く、カリスマ性のある笑顔だった。そして言った。
「頼もしい、だからこそ私とは別に行動してもらいたい。この広い街だ、三人で動くより二組に別れたほうが仲間も集まるだろう?
 それに本部の場所もまだわからない。それも探さねばならん」
そう言ってふたりの肩にたのんだよ、と力強く手を置いた。
「でもオッサンひとりじゃ・・・」
「ハッハッハ、そういうな。こう見えてもメトロシティの英雄。前回の優勝者。簡単に死ぬような男じゃないぞ」
そういって力こぶを作ってふたりに見せ豪快に笑う。
「だからここでお別れだ。次にあうときはルガールの前で共に戦うときだ」
「ああ、そうだな・・・!」「絶対生きて会うっス!」
硬い握手をする三人。もちろんダンと真吾はハガーの握力にひぃひぃいいながら手をぶんぶん振っていた。

「さて、そろそろ行くよ。君達もここを離れたほうがいい」
荷物をまとめ3人は外に出た。もとあった荷物に加えて厨房から缶詰やらの食品や、一応のためということで包丁も入れた。
「じゃあ、死ぬなよ、市長さん」
「君たちもな。いやはや、誠実そうな若者でよかったよ。一時はどうなることかと思ったのだが」
「どういう意味っスか?」
ハガーがニヤリと笑う。今度は意地の悪い笑顔だった。
「この状況下で堂々と電気をつけてバーベキューの匂いをさせるなんて罠かよほどの能天気かと思って訪れたんだがね」
「・・・あ」
ダンと真吾は互いに顔を見合わせいまさらながらにヤバイヤバイと言いあった。
「ハッハッハ、さらばだ!私はあの高いビルに向かう、悪党と煙は高いところが好きだというからな」
「じゃあ、俺達は街の中心に向かうぜ、あばよ!」
「またあいましょうー!」
互いに手を振りあって闇夜に消える2人と1人。
出会い、戦い、救い、殺し、戦い、別れ。
ここにもまたひとつの出会いと別れがあった。
そしてこの別れは、二度と交わることのない別れであったことを、ダンも真吾も、そしてハガーも知ることはなかった。

【矢吹真吾 所持品:釣竿、缶詰、包丁】
【火引弾 所持品:ホアジャイ特製スペシャルドリンク(残り5本)、缶詰、包丁】
【ダン&真吾 目的:1.仲間集め 2.本部の場所をさぐる 3.ルガールをブッ倒す!】
【マイク・ハガー 所持品:バルカン付き拡声器、缶詰、包丁 目的:1.仲間集め 2.本部の場所をさぐる 3.ルガールを倒す】

【現在位置:ダン&真吾:7区海岸海の家を出て3区ハワードアリーナの方向へ移動
      ハガー:7区海岸海の家を出て11区ギースタワーの方向へ移動】
594The Harsh Truth Of The Camera Eye :04/11/23 02:06:07 ID:???
放送が終わり失った友・あるいはライバルたちの死を悼み、暫しの黙祷を捧げる、
ナコルルとビリー。
無残な死を遂げたとは思いたくない、だから祈る…友は勇敢に戦い散ったのだと己に言い聞かせるために
冷たい海風が彼らの身体を撫でていく。
風の音に耳を澄ませるナコルル…だが。
「だめ…何も聞こえない」
この未来世界は初めてでは無いのに、いつもは聞こえた自然の声が今回はまるで聞こえないのだ。

そしてビリーは掌の中の1枚の写真をじっと眺めていた。

数時間前。
ギースタワーの中ほど、最も見晴らしの良い場所にその部屋はあった。
その主を亡くして以来、入る者もほとんどいなくなってしまった部屋だが
今日に限っては久々に人の気配が部屋の中を支配していた。

「これで全部だな」
ビリーとナコルルは部屋中に散らばった書物や小物を手際良く片付けていく。
「にしても、お前があのナコルルだとはな」
「あの…ってどんなことをギースさんから聞いていたんですか!?」
何か含みのあるビリーの言葉に反論するナコルル。
何って…と苦笑いしながらも教えてやるビリー。
「車を見て鉄のイノシシって悲鳴を上げたり」
「箱がしゃべるとテレビを見て腰を抜かしたり」
「あんな鉄の鳥が飛ぶなんて信じられないと空港でわめいたり…他にも」

「や!やめてください!!」
真っ赤になってビリーに掴みかかるナコルル。
「教えろったのはお前だぞ、オ・マ・エ」
ペロリと舌を出してナコルルから逃げるビリー、だが少々ふざけ過ぎたようだ。
せっかく積み上げて棚に戻すだけだった本の山に躓いてしまう。
595The Harsh Truth Of The Camera Eye :04/11/23 02:11:10 ID:???
「うわっと…また遣りなおしかよ」
「人の無知を笑うからです」
ビリーをたしなめつつもナコルルはいち早くまた床に散らばった本を積み上げていく。
そのてきぱきとした仕草に、ビリーは何故かぼんやりと見ているのみであった。
「あ…俺もやんないとな」
我に返り慌てて床の本を拾うビリー、その時、本の隙間に1枚の写真が挟まっているのに
ビリーは気付くのだった。

そして、ビリ―は海風に吹かれながら何度も何度も手の中の写真を見つめる。
そこに写っていたもの、それは1人の少年と並んで立っているギースの姿、
まだ幼い少年の肩に手をやるギースの表情はビリーの知るギースとは違い、
険の取れた自然な顔をしている。

この少年…どこかで見たような…。
ビリーの脳裏にホールで見かけたとある青年の姿が何故か重なる。
写真の日付から考えるに、あの青年はおそらくこの写真の少年の成長した姿かもしれない。
(ギース様と何の関係があるのかは分からないが…探す価値はありそうだな)

なぁ、ビリーはナコルルに呼びかける。
「お前の妹を見つけた後は俺の探し物に付き合ってくれねぇか?」
「いいですけど…でも」
ナコルルは上目遣いにビリーを見る、その仕草はまるでリスのようだ。
「何で私の手伝いをしてくれる気になったんですか?」
今度はビリーが赤くなる番だった。

「うるせぇんだよ!1人より2人の方が生き残る可能性が高くなるだろうが…それに」
(リリィを思い出しちまったからだなんて言えるかよ…)
「それにって何なんですか!ビリーさん、ねぇねぇ」
「ああもう!うるせぇオンナだな!」
596The Harsh Truth Of The Camera Eye :04/11/23 02:12:32 ID:???
【ナコルル   所持品:不明 目的:リムルルを探す】
【ビリーカーン 所持品:物干し竿 目的:リムルルを見つけた後、ロックを探す】
【現在位置 8区海沿い】
597そして:04/11/23 02:53:22 ID:???
時間切れでみんな首輪が爆発しましたとさ
598ゲームセンター名無し:04/11/23 03:10:47 ID:???
ケン厨uzeeee
599Doubt:04/11/23 03:28:28 ID:???
「あやねちゃん!あやねちゃん!しっかりしてよ」
橋の上に放置されたあやねの亡骸にすがりつくかすみ、その腕には支給品らしい腕輪が光っている。
泣きじゃくるかすみを見て、何も出来ない火月…本当なら何かを言わないといけないのだろうが
何も言葉が出てこない…
(こんな時兄貴なら…)
歯噛みする火月、やはり自分も兄が死ねば泣くのだろうか?とふと考えてみたりもする。
まぁ逆は無いだろうが…。

「イヤリング…形見にもらうね…いいよね」
あやねのイヤリングにかすみが触った途端
「っ!」
ぱちんと青い火花が散り、思わず手を引っ込めるかすみ
(今のは…)
その稲妻のような火花の色には見覚えがあった。
さらに火月の目はあるものを捉える。

あやねの手にしっかりと握られていた、布の切れ端…それは色鮮やかな橙色をしていた。
布地の手触りからみて、マフラーのようなものだと思われる。
青い稲妻、そして橙色のマフラー…火月には覚えがあった。
(あいつかよ…)
正直あまり付き合いたくないタイプだ、世の中の苦労も何も知らないくせに
裏づけの無い正義だの勇気だのをやたらと全面に押し出す、火月にとってその男は
そんな軽薄な輩としか見えなかった。
600Doubt:04/11/23 03:29:35 ID:???
(しかしあいつがねぇ…)
あいつが”乗った”のならいずれ戦うときが来るのかもしれない。
そう思うと火月の心は何故か湧き立ってくる、やはりこうでなくてはならない。
だが…そんな気分もかすみの涙を見ると急激にしぼんでしまい、代わりに勇気とは別の
甘酸っぱい奇妙な感情が溢れてくるのだった。

「何も心配するな…だからそんな顔するな…」
それだけを言い捨ててまたそっぽを向いてしまう火月。
自分に何が出来るのかなんて火月には分かりもしなかった、出来たとしてもそれが
かすみのためになるとも思えない、それでもかすみの涙は見たくなかった。

そのころ…ギースタワーに向かう春麗とガルフォードの一行。
探知機を見つめる春麗。
「あ、1人こっちに向かっている人がいるわね…名前は風間火月…確か」
「ああ、俺の知り合いの1人だ」

火月らが自分のことをあまり良く思っていないことは知っている。
自分は忍者でありながら掟に縛られることの無い存在だ、彼らにとってそれは我慢できないことに違いない。
だから出来るだけ接触はしないように心がけているのだが…状況が状況だ。
「1人…なんだな」
「ええ、間違い無いわ」

春麗の言葉を聞いて考え込むガルフォード、火月は無鉄砲だが馬鹿じゃない、
2対1ならこちらの話を聞いてくれるかもしれない、
しかしあの火月である、万が一もありえるし、それに情勢が安定するまで厄介事をしょいこみたくないという
気持ちもある、どうするか?
601Doubt:04/11/23 03:30:21 ID:???
【風間火月 所持品:不明 第一目的:かすみを守る】
【かすみ 所持品:腕輪(ジャマー効果あり) 第一目的:不明】
(現在位置:サウスタウンブリッジ上)

【ガルフォード(左腕を負傷)&春麗 所持品:パピィ(現在:しのび福)、小太刀、探知機(効果範囲1km、ジョーカー には反応せず)、
 ボウガン(ただし矢は春麗、パピィ、ガルフォードを撃った3本を含めて10本)、鉄製のキーホルダー数個
 二人とも技を使ったため疲労中。
 目的:ギースタワーに向かう ガルフォードの左腕を治療する】
602冷徹な聖職者:04/11/23 12:03:09 ID:???
「おーい響子先生!せんせー…い?」
ハガーと別れた後、一人では生き残れ無いと悟ったエッジは仲間を求めていた。
ちょうど5区中央に出て来た時に響子がいたので渡りに船と声をかけたのだが…
「どうしたんだ先生!?血だらけじゃないか!」
顔も、服も、手も髪も血で真っ赤だ。
それに右手に持った包丁も…包丁も!?
良く良く見ると、血の量からしたら大怪我のはずなのに怪我をしている素振りは全く無い。
そもそも響子の目付きがおかしい。
以前、雹に洗脳されていた時のように生気の無い目をしている。
これはヤバい。逃げてしまおうか…
「いや、ここで逃げたら男じゃないな」

腹をくくり冷静になったエッジにとっては、狂人となりただ包丁を振り回すだけの響子の動きを見切る事は容易かった。
振り下ろす手を掴み、捻り上げ、組み伏せて包丁を取り上げる。
「うぅ…ぅ…」
「響子先生、正気に戻ってくれよ!」
「…ッ」
いくらか話しかけると、先生、教師といった単語に反応するのが見て取れた。
この様子なら洗脳?を解けるかもしれない。
「先生、教師が俺みたいな不良に説得されてどうすんだよ。しっかりしてくれよ先生!」
「先…生…?う、うあぁぁぁ!」
響子は気絶してしまった。
603冷徹な聖職者:04/11/23 12:06:58 ID:???
通りにいては危険なので近くの衣料品店に入り、用心して響子を縛っておいた。
「う…ん…」
「お、先生気がついたか」
「え?…えーと確か山田栄二君ね。こんな所で何して…ちょっと、何で私縛られてるのよ。一体私に何をするつもり!?」
「正気に戻ってなかったら困るから縛ってただけだ。今解いてやるから待ってくれよ。
 それにオバさん相手に何かするつもりなんてねえよ。あと俺はエッジだ、その名前で呼ぶな」
「なっ、オバさんですって!?」
「そういきり立つなよ。正気に戻してやったのにありがとうの一言もなしか?」
そう言ってエッジは紐を解く。まともな知り合いに出会えた安心感もあり、軽口も出るようになる。
「感謝するわ…」
「やっぱ洗脳されてたのか?相手は誰だ?」
「……何も覚えていない」
本当は全て思い出していた。しかし恐怖で気が触れたなんてとても言えた物ではない。
特に人を食ったなどとは。考えただけで吐き気がしてくる。
響子は嫌悪感と罪悪感、自責の念などで押しつぶされそうだった。これなら気が狂ったままの方がどれだけ楽だったろう。
だが今更そんな事は言ってられない。もう正気に戻ったのだから。
血で汚れた顔や手などを洗い、服を着替えている間に響子はある決心をした。

「これからどーすんだ?」
「あなたは隠れていなさい」
「え」
「あなたはまだ子供でしょ。下手に抵抗しても危険なだけ。しかもここはアメリカよ。
 銃を手に入れた人もいるかもしれない。銃相手に刃物では勝ち目はないわ。
 それに戦うとなれば本当の殺し合いになる。あなたには人を殺す覚悟があるの?」
エッジはぐうの音も出ない。
「…んじゃあんたはどうすんだよ」
「私は仲間を作りに行くわ」
教師の言う事を素直に聞くのは嫌だったが、響子の有無を言わせぬ態度にエッジは折れた。
「とりあえず暫くはこの辺にいるぜ。飯を調達しないといけないしな」
そう言ってエッジは昼飯を探しに出て行った。
604冷徹な聖職者:04/11/23 12:20:56 ID:???
仲間を作る、と言うのは嘘だ。
そもそも幾ら仲間を集めたとしても最後に生き延びるのは一人。
仮に脱出の手段が見つかっても、生きて帰る気は私には無い。
だがこの殺し合いに自分から乗るような人間を最後の一人にするつもりは毛頭も無い。
どうせ死ぬつもりなのだからせめてマーダーを一人でも多く道連れにしよう。
また私のように恐怖に負けた人がいるなら助けてあげたいが…
私は教師だという自覚をエッジのお陰で取り戻せたから運が良かったが、知らない相手を正気に戻せるだろうか?
無理なら苦しみから解き放ってやるのも情けと言えるだろう。
響子は再び手を血で染める決意をした。

【水無月響子 場所:5区中央東側、西に移動中 所持品:出刃包丁 目的1:殺人者を殺す 目的2:暴走者を止める 寝てたので疲労は無し】
【エッジ 場所:5区中央東側 所持品:十徳ナイフ 目的:特に無し 響子の面倒を見てて疲労】
605声1/3 ◆oJANZfpXxo :04/11/23 20:16:11 ID:???
「あー…八神の野郎倒したは良いけどよぉ…立てねぇな」
八神庵との戦いを終えた霧島翔は完全に力を消耗していた。
どくどく腹部から流れる血と、なによりも手に握っているラジカセを止めることが出来ないのが原因である。
八神を吹っ飛ばしたときは耳に入っていなかったので良かったのだが、それ以降どうも耳に入ってしまう。
故に起き上がれない、だが、こんな目立つ場所で寝転がるというのはハイ殺してくださいと言っているようなものだ。
しかし、ラジカセを止めることすら出来ない今の体力では、起き上がるというのは不可能に近い。
「しゃあね、どうなっても知らねぇけど…寝るか」
彼は、そう言って眠りについた。放送が流れたのはその後だった。

「ん?んあっ?ここは…?」
彼は目が醒めると病院の一室のような場所にいた。体には包帯…一体誰が?
「あ?目が醒めました?」
眼鏡の女性が此方を向いて言ってくれた。どうたら俺の怪我の治療をしてくれたのはこの人のようだ。
さっきまで動け無かったはずの体が、いまや身軽に動けるししかも怪我も痛くない。
「どうして、どうして俺を助けたんだ?」
その女性は微笑み、霧島翔に答えた。
「こんなゲームに…乗るつもりは無いんです、それに罪の無い人は殺したくない、それだけですよ」
その女性は、ずれた眼鏡を上に押し上げながら、霧島翔に答えた。
しかし、霧島翔にはある一つの疑問が残っていた。
あのラジカセがガンガンなっている中、よく自分に近づけたなと思っていたのである。
手にあるラジカセは、最後まで再生されている、なるほど、と自分で納得した。
606声2/3 ◆oJANZfpXxo :04/11/23 20:17:34 ID:???
「ところで……」
ハッと我に返る霧島は彼女が首のところを指差しているのに気がついた。
首?霧島は首に手をやった、すると、何かを差し込む端子があるのに気がついた。
「私のには出てないんですけどね…何ででしょう?」
「いや…俺のも最初はこんなもの無かった」
ん?そういや俺気を失う前に何か聞いたっけ?
ラジカセから…レ?レジェ…?
「とりあえず、なんか気を失う前にわけわからん声を聞いたな?」
声?と聞かれるが、いやあまり覚えていないと言い返す。
「つなげられそうな端子だな…前に此処は来たことがある。
 たしかパソコンを使える場所があったはずだ。
 ……そうだ、遅れたけど。怪我の治療助かったぜ、俺は霧島翔。アンタは?」
「あ、フィオリーナ・ジェルミ、長いからフィオで良いですよ」
すこし遅れてフィオが返事をする。
「どこへ行くんですか?」
そう聞かれると、ニカッと顔を笑顔に染め、フィオを引っ張った。
「あ、ちょっと!何するんですか?!」
「フィオ、バイク乗れるか?」
フィオの言葉を無視して、完全に霧島のペースだ。思わずフィオは頷いてしまった。
「よし…じゃあ!」
彼はフィオを引っ張ったまま、どこかへ行った。
607声3/3 ◆oJANZfpXxo :04/11/23 20:18:34 ID:???
ついた場所は駐車場だった。霧島は二台のバイクの前で何かをやっている。
「これを…こうして…よし、いいぜ!」
ガァン!とバイクを一蹴した。すると、エンジンのブルルルルという音が鳴る。
「よし、じゃあ。俺に着いて来な!
 タラタラしてると置いてっちまうぜ?」
そういって、霧島はアクセルを全開にした、慌ててフィオは霧島を追った。
日本では嘗て大会に遅刻しそうになった草薙京を100Kmはなれた場所へ一時間掛るのを25分で到着させるほどのテクニックをもつ霧島翔の走りは華麗だった。
また、軍人であるフィオの走りもなかなかのものだったが、現役暴走族の霧島翔には流石に負けてしまう。

しかし、時速200Kmほどで走る二人は気がつかなかった。
霧島翔の姿を草薙京と間違え、憎しみに心を動かすK'が、バイクは無いものの追ってきている事を。

【霧島翔
 所持品:ハーピーの声(脱力効果あり)入りテープとラジカセ、改造バイク
 目的:1.ネカフェへ行く
     2.首輪を外す方法を探す
 現在位置:五区最東部病院から中心部ネカフェへ】
【フィオ
 所持品:レーザー銃、バイク
 目的:1.霧島翔についていく
 現在位置:五区最東部病院から中心部ネカフェへ】

【K'
 現在位置 九区の海周辺→霧島翔を追う
 所持品:釘バット、手榴弾
 目的:草薙京を殺す】
608電圧:04/11/24 05:07:56 ID:???

「K'・・・どこに居るの・・・?」
あの寒気がする放送が終了した後、ウィップは移動を始めた。
あの放送の中ではK'の名前は無かった、無かったのだが居てもたっても居られなくなった。
待っているだけではいけない、待っているだけだと・・・・
後悔する、そう思うと居ても立ってもいられなくなりウィップはK'を探す為移動を始めた。
夜の移動は危険かもしれない、しかし自分にはこれがある。これなら先手を取れる・・・
支給品の武器を右手に構える
自分の支給品はテーザー銃、ワイヤーを飛ばし、15万Vという電圧攻撃が出来る遠距離型スタンガン・・・これならたとえ一般人だろうが良心を気にせず撃てる、気絶させるだけだから・・・
そう自分に言い聞かせ、ウィップは宵闇の町を歩いていた。

────

テーザー銃を構えながら路地裏を歩いていると電灯に照らされている人が見えた。
遠目からは判りづらいが赤と白のまだら模様の服を着ている男性がいた
『・・・・・・K'・・・?服装からは違うと思うけど・・・
ここからじゃあ判りづらいわ・・・
とりあえずテーザー銃の射程に入らないと・・・』
ウィップは男性に気付かれないように移動を始めた。
『10・・・5・・・よし・・・間合い内!』
テーザー銃がいつでも撃てる間合いに入ったウィップは壁に隠れその男性の様子を見る。
遠目からでは判らないが黒髪の少年、年齢はK'と同い年か・・・それ以下か・・・
少年の足元に女性の遺体が転がっている・・・少年の手には血がついたレイピア、
少年の服装、赤と白のまだら模様ではなく、白地の服が血の色で赤く染まってる・・・
そして彼はうわ言のように「兄さん・・・助けて・・・」とつぶやいている・・・・
『初めて人を殺して放心状態になっている・・・と考えるのが無難ね・・・どうする・・・ウィップ・・・』
609電圧:04/11/24 05:09:04 ID:???
あの少年の様子からすると、正当防衛、望まざる殺人を犯したのだろう・・・
あのままだといつか殺人を望む者者、マーダーに殺されてしまう・・・
それならば、彼を正気に戻して、K'を探す手伝い、そしてこの馬鹿げたゲームの脱出の協力者になってもらう・・
『それが一番賢い方法ね・・・でも・・・』
彼がマーダーという可能性も否定できないし、それ以前に放心状態の人間に話しかけた所で錯乱されるのがオチだ。
『なら・・・少し気絶してもらったほうが良いわね・・・』
そう思い彼にテーザー銃を放つ、ワイヤーを伝い彼に15万Vの電圧攻撃を放つ。
少年は一度ビクッ、と体を揺らした後、仰向けになって倒れた。
「・・・・ごめんなさい、少し気絶してもらったわ、暴れられても困るからね」
そうつぶやきつつ、ウィップは少年に近づく。
とりあえず彼の服で手足を縛ってから起こしてあげよう、そして説得して・・・


「・・・なたも・・・話を・・・・・・聞いてく・・・すね・・・」


どこと無くから声が聞こえる・・・、まさか、近くにこの少年以外の敵が・・!?そう思いウィップは再びテーザー銃を構える。





「あな・・・僕の・・・・・・れないんです・・・」





再び聞こえた、気絶しているはずの少年から。
銃を少年に向ける、冷や汗が出る、どんな生物でも10分近くは気絶するはず・・・わずか数秒で目を覚ますような代物ではない。
610電圧 ◆CFbBJSZQHE :04/11/24 05:10:42 ID:???





「貴方も・・・僕の話を・・・聞いてくれないんですね・・・・?」





今度ははっきりと聞こえた。しかも少年は立ち上がろうとしている・・・!?
意識が戻ったとしても立てるようになるまでにはかなりの時間を要する筈なのに!?






「聞く気が・・・無いんですよね・・・?」





少年はユラリ・・・と立ち上がった、武器を持って。





「くっ、この・・・外道がぁぁぁぁぁぁっ!!!」
611電圧 ◆CFbBJSZQHE :04/11/24 05:11:30 ID:???

ウィップは恐怖で再びテーザー銃を放った。
この距離なら絶対外さない!そして2回もテーザー銃を喰らえば絶対に気絶するはず!!

しかし、テーザー銃のワイヤーは、空を切っていた。

いつの間にか少年はウィップの横に立っていた、ウィップの首筋にレイピアを当てていた。少年の髪は金髪に変色していた。
「ヒッ・・・!?」

「聞く気が無いなら死ねよ・・・」

そう言って少年は恐怖でウィップの喉元をレイピアで刺した。
「アッ・・・・カァッ・・・!?」
頚動脈はそれた、即死は免れた、が気管支に穴が空いた、息が出来ない・・・
「・・・まだ死なねえのか、しぶてぇな・・・
・・・武士の情けだ、言いたい事があるなら聞いておいてやるよ」
そう言って少年はウィップの口元に近寄る。

「ヒュー・・・K'って・・ヒュー・・に・・・ヒュー・・・」


ウィップは必死で少年に、伝えたい事を言おうとする。
「K'って人に・・・?」

しかし気管支をやられていては上手く喋る事も出来ない。苦しい・・・けど・・・伝えないと・・・・
貴方だけでも 生き延びてって・・・言ってもらわないと・・・
「あ・・・・ヒュー・・・い・・・・ヒュー・・・の・・・つ・・ヒュー・・たえ・・・ヒュー・・・」
伝わった・・・?判らない・・・もう、これ以上喋る事が出来ない・・・・
「・・・ああ、判ったよ、伝えておいてやるよ・・・」
少年が神妙な顔つきでウィップに答える、良かった、伝わった・・・・これで安心して・・・逝ける・・・

そう思い   安らかに死を待った
612電圧 ◆CFbBJSZQHE :04/11/24 05:12:21 ID:???













「ヒューヒュー言ってて何いってんだかサッパリだったってな!」










少年は 邪悪な笑みを浮かべ   絶望に打ちひしがれた   ウィップの額を     刺した






ウィップは           絶望のまま                死んだ 
613電圧 ◆CFbBJSZQHE :04/11/24 05:13:14 ID:???
【楓 支給品:レイピア 現在位置:二区地下鉄駅から移動 目的:特になし 備考:覚醒中】
【ウィップ 死亡確認 支給品:テーザー銃(その場に放置)】
614ゲームセンター名無し:04/11/24 05:19:33 ID:???
>>611
しまった・・・誤字だ・・・
そう言って少年は恐怖でウィップの喉元をレイピアで刺した。
そう言って少年は恐怖で顔をゆがめるウィップの喉元をレイピアで刺した。
615ゲームセンター名無し:04/11/24 23:01:07 ID:???
>598 わざわざここに書くお前もuzeeeee
「それじゃあ、死んでもらうよォ!」
「ウフフ、仕方のない人ね」
「まあ、あなたが相手じゃね・・・」

ハロー、紅丸だ。
今俺は3人のキュートなレディに囲まれて素晴らしくハッピー・・・ではないんだな、これが。

「そっちのホウキ頭!アンタも覚悟しな!」
「あら、アタシのナイト様になんてこというの、ねぇ?紅丸ぅ」
「・・・・・・」

そう、こうなった経緯を簡単に説明させてもらえるかな?
OK?そいつはどうも。じゃあまずはあの忌々しい放送までの経緯だ。


「で、どうするんだい?俺はザクザクと殺してまわるのはちょっとゴメンだぜ?」
「そうねぇ、アタシだって怖いわよ〜」
そういって体をクネらせるうちのパートナーさん。
これが普通だったらこのまま豪華なディナーと大人の時間とシャレこむんだが相手と状況が悪すぎる。
もはや条件反射になりかけた口説き文句をぐっとこらえてきいたんだ。
「じゃあ、逃げ回るかい?」
「それもイ・ヤ。来るもの拒まず、去るもの追わず、ってとこかしらねぇ?」
「OKマドモアゼル」
俺はうやうやしくお辞儀をしたけども、心中おだやかじゃなかった。
来るもの拒まずってことは、襲ってきたら当然やっちまうって意味だ。
さっき見たあの死体のおっさんが来るものだったのか去るものだったのか俺にはわからないが・・・
「それじゃ、いきましょ、ナイト様♪」
「キザな呼び名は嫌いじゃないけどナイトってのは身に余る光栄だな、紅丸でいいぜ、シェルミー」
「あら、思ったより謙虚なのね、じゃ、いきましょ、紅丸♪」
俺達は歩きだした。
行くあてなんてなかったんだけど、そりゃあお姫様がスタスタとあるいていっちまったらついていくしかない。
しばらく歩いたところでお姫さまが
「アタシのどかわいちゃったー」
なんて言うもんだから喫茶店(もちろん無人)にはいってお茶(もちろん俺がいれた)をのんでみたり、
「おなかすいちゃったー、紅丸はパンとごはんどっちがいい?アタシごはん派なのよぉ」
なんて言うもんだからYOSHINOYAにはいって昼飯(もちろん俺が作った)をご馳走してみたり、
果てしなく自給自足に近いデートをしていたんだ。
バッグには水や食料ははいっていたけどそういうのは言わぬが花、
あの状況でそんなこと言うやつはレディとの付き合い方をゼロから考えなおしたほうがいい。
そんな(ウインドウショッピングとか)こんな(何度とない休憩)で我らの進軍は遅々として進まず、やっと大通りに出たあたり
あの放送が流れたんだ。

「クリス・・・」
クリスの名前が放送で流れた瞬間、髪の毛で隠れて決して見せてくれないその瞳が光った気がしたんだ。
「シェルミー・・・気を落とすなよ」
「大丈夫よ」
その口調は冷酷にして残忍な空気を含み、決して大丈夫じゃなかった、主に俺の身が。
「さあ、気をとりなおしていきましょ♪」
なんとか調子を戻したシェルミーについて俺は歩きだして少ししたころ
「まったく、八神も意外とたいしたことないねェ」
通りにある店の一つから出て来るふたり組に
「あら、バイスにマチュアじゃない」
気づいた時には遅かった。
「シェルミー・・・」
「アハぁ!やっとみつけたよ!何時間も獲物に会えないと思ったらこんな大物が殺れるとはねェ!」
「紅丸ぅ?あっちは「来るもの」みたいよぉ?」
仕方ない、いつかはこうなると思っていた。身構えるがどうにもマズい。
相手の手にあるのは身の丈ほどもある鎌と俺の頭なんてスイカのように割れそうな斧だ。
あんなものシェルミーの果物ナイフでも俺の画鋲でも太刀打ちはできない。
うまくかわして電撃を叩きこむしかない。そう参段をつけながらにらみ合っていたが意外と戦いはスタートしない。
「アナタたちは女二人で寂しく殺しあいなのねぇ、カワイソウ・・・」
「てめぇは男連れてフラフラして、緊張感もねえんだな!」
「あら、あるわよ?あなた達みたいに自分の武器を見せびらかしたりしないしぃ」
「常に臨戦体勢なんだよ!アンタは見せられないような武器なんだろ?ハッタリなんぞかましたってお見通しなんだよ!」
「バイス、落ち着いて、シェルミーのペースに飲まれないの、と言ってもまあ無理かしらねえ」

ああ、目の前で20分以上口論をするレディ達を見るのは心が痛むね。
おっと、ここで時間が今に戻るよ。やっとのことで戦うようだ、気を引き締めないとね。
俺はこんなところで死ぬわけにはいかない・・・もちろん、世界中のレディが悲しむからさ、なんてね。
「覚悟しな・・・!」
「待って!」
あ、あれ?シェルミー、どうしたんだい?やる気マンマンだったじゃないか、と言いかけた俺を制してシェルミーが通りの向こうを見た
「来るわね」
これ以上なにが来るっていうんだいハニー・・・と、バイスとマチュアも通りの向こう一点を見据えて固まってしまったよ。
「これは・・・八神じゃないわね、クリス?」
「違う、これは」
なんだろう、何かが来るらしい、たしかにいやな感じはするんだけど俺にわからなくてこのレディたちにわかるってことは・・・
「シャァァァァァ!!」
「ガイデルの娘!!」
「レオナちゃん!」
叫んだね、そりゃもう真っ赤な髪振り乱してつっこんでくるんだもの。振り上げた手をマチュアの鎌の柄が受け止める、弾く。
「やっていいかしら?バイス」
「当然!」
踊りかかるバイスとマチュア、うわあ、ありゃもう殺る気だね、鎌も斧も振り抜いてるし。で、俺はと言うと
「シェルミー、どうする?今なら逃げるのは簡単だけど」
「そうねぇ・・・えっと、加勢しちゃいましょうか?」
「はいぃ?」
おっと、こんな間の抜けた声レディには聞かせられないよ。気をとりなおして問い返した。
「本気かい?シェルミー。あのふたりは君を殺す気だったんだぞ」
「そうよねぇ、でもなんていうのかしら。あの子見てるとちょっとね」
「あの子、レオナちゃんか」
「うん、だってバイスもマチュアもガイデルの娘も、そして私も。みんなオロチ一派じゃない?
 それがねえ、こんな形でしかもあの子は完全に血に支配されてる、かわいそうじゃない?」
「まあ、そう・・・だね」
「いまいちわかってないわね、あの子をよく御覧なさい?」
ん?よく見る?ありゃ普通に暴走して・・・
俺の目は節穴か、あれのどこが普通だ。腹からは大量に出血してるし、腕も足もまともな方向に伸びちゃいない。
固まる俺にシェルミーは囁いた。
「あの子、もう死んでるわよ。でも、オロチの血がそれを許さない」
「血っていったら、八神とかは」
「死んだら必ず、じゃないのよね。あの子、相当いたぶられて殺されてるはずよ、覚醒するようにわざとやったとしか思えないくらい。
 覚醒させて喜ぶなんてのはオロチの関係者にはいないわね、いるとしたら」
「ルガール・・・!!」
「そういうこと、あんな男の手の上であたし達が踊ってると思うのがたまらなくてね。ダンスは好きだけど踊るのは・・・」

「自分のリズムでね!」
そういうとハニーは駆け出した。体に雷の気を纏って。
俺はレオナのことに思いを巡らせた、そしてルガールのことにも。俺はオロチの関係者とはいえない。でも・・・
次の瞬間おれはシェルミーの背を追っていた。
「なんだよ!ジャマすんじゃないよ!」
「どういうつもり?シェルミー」
「ウフフ、ほんの気まぐれよ」
「俺は姫の仰せのままに、ってヤツだ。一時休戦といこうじゃないか」
「誰が!」
軽口をたたいている間にもレオナの攻撃が襲ってくる。
理性を失っているとはいえ、考えられないスピードで迫る彼女の攻撃を紙一重でかわし
バイスの斧がレオナを捕らえた!と思ったが素手で弾かれる。オロチの気が通った手はおいそれと刃物も通さないらしい。
「チッ!」
斧を弾かれ、その重みに体勢をくずすバイス。
反対の手が手刀を作りバイスに伸びる。
「暗黒雷光拳!」
反対側からシェルミーの雷撃がその手刀に叩きこまれる。衝撃にひるんだその手からバイスは逃れ不機嫌な顔をした。
「助けてもらったとは思わないからね!」
「素直じゃないのね、まったく」
バイスの方を向いたシェルミーの背後にレオナが迫る、速い!らいこ・・・
ザンッ。
「これでチャラ。でいいわよね、バイス」
マチュアの鎌がレオナを横から斬り飛ばす。地面に倒れ伏すレオナ。
「そういうことにしておくわ」
「チッ」
バイスは顔をしかめマチュアは苦笑する。しかしレオナからは目を離さない。
むくり、と彼女は立ち上がった。
「ウアァァァァァァァァァ!!!!!!」
咆哮と共に突進する赤い影。
「暗黒・・・」
「「雷光拳!!」」
白と黒の雷撃がレオナの体に光る。オロチと言えどその体は人間。筋肉が硬直するのを防ぐことはできないし
その体に気を通わすこともできない。
「ナメんじゃないよ!」
駆け抜けたバイスの斧がレオナの胴を右腕をはね、
「ほら!」
マチュアの鎌が首をはねた。
ドサ、という音と共に崩れ落ちるレオナ、いや、それはレオナではなくオロチの血に動かされた悲しいレディだった。


「俺達は行くけど、よければ一緒に・・・」
「ハァ?寝ぼけんじゃないよ!だれがアンタやその女と!」
「ごめんなさいね?ルガールが気にいらないのはアタシとバイスもだけど、やっぱり組む気にはなれないわね」
「ウフフ、共食いしなかっただけよしとしなきゃ、ね」
うわあ、バイスとシェルミーの目の間に俺の技より激しいスパークが見えるよ。
これは・・・長居は無用だな。俺はシェルミーの服の袖を引っ張った。
「OK、じゃあ、気をつけてな」
「ァん!紅丸ったら強引ー。でもそういうのも嫌いじゃないわよ♪」
「ケッ・・・次にあうときは殺すからね!」
「それじゃあね」

ああ、こんなに美しいレディに囲まれて逃げだすなんて俺は色男失格だな。
でも美しい薔薇にはトゲがあるっていうじゃないか。
3束の薔薇を素手で抱えようなんてバカのすることさ。
俺はこの一束でもけっこう傷だらけなんだ
そう心で呟いてこのビューティフルな顔をちょっとだけしかめた。
【二階堂紅丸 所持品:画鋲50個 目的:シェルミーに引きずられるまま】
【シェルミー 所持品:果物ナイフ 目的:不明だがルガールは気に入らない】
【バイス 所持品:斧 目的:ムカツク奴を殺す。今一番ムカツクのはルガール】
【マチュア 所持品:鎌 目的:バイスについていく】
【レオナ:死亡確認】
【現在位置:5区と3区の境目あたり。お互い逆方向にむけて移動(方向は次の人に任せます)】
【備考:全員疲労しています】
623ゲームセンター名無し:04/11/24 23:42:04 ID:???
GJ
624灼熱の慟哭 ◆AX90vj3jog :04/11/25 03:53:22 ID:???
「ジャッキーさんが死んだなんて……何てことだ……」
 かぶりを振りつつ、リオンは一人呟く。
 彼ほどの猛者が死んだという事実が、否応無くリオンにこの舞台の残酷さを思い知らせる。
 とりあえず今まで建物の中や陰に身を潜めつつ過ごしてきたが、これから―――

 その時、道路の方から派手なエンジン音が聞こえてきた。
 こんな時にバイクが走っているのか?
 つい、路地の角から身を乗り出し、音がする方をうかがった。
 凄まじい勢いで走ってくるバイクが二台……と思った瞬間にはすでにバイクはリオンのいた場所を通り過ぎ、彼が慌てて振り返った時には道路の向こうに消えていくところだった。
 猛スピードにも関わらず、その走りは華麗。
 思わず感嘆の吐息をもらしたリオンだが、足音を聞きつけて表情を変えた。
 バイクが走ってきた方向に振り返ると、白髪の少年が走ってきていた。
 リオンを目にして足を止める。やや息が上がっていた。
 まさかあのバイクを追っていたのだろうか?

「クソが……っ」
 白髪の少年、K’は憎々しげにバイクが去った方角を一瞥すると、リオンをギロリと睨みつけた。
 その目には数時間前、アッシュと交戦した時よりもはるかにギラついた、それでいて暗い火が灯っている。
 危険な相手だ、とリオンは感じた。
 
 来る!!

「オラアアアアァァァッ!!」
 釘バットを振りかざし、K’が猛然と突進してくる。
 あまりに直線的すぎる……リオンはさすがに落ち着いて横にステップし、振り下ろされた釘バットをかわした。
 がら空きのK’の背後に回りこみ、その背中に素早い突きを連続で繰り出す。
 前方に倒れこんだK’、しかしとっさに両手をつき顔面を道路に強打する事は防いだ。
 起き上がり、またも釘バットを振り回してリオンに襲い掛かる。
 なりふり構わないその姿はまるでバーサーカーのようで、リオンは薄ら寒いものを感じた。
「死ねっ、逝けっ!!」
625灼熱の慟哭 ◆AX90vj3jog :04/11/25 03:55:04 ID:???
振り回されるバットは、しかしリオンには当たらない。
 葵の戦い方から、直線的すぎる攻撃を恐れないという事を学んだし、何よりリオンはすっかり腹をくくっていた。
 生き延びて、ジャッキーさんの仇をとる!

 K’がバットを振り切った瞬間、リオンは一気に間合いを詰め、強烈な突きを見舞った。
 脇腹に手刀が突き刺さり体勢が崩れたK’に、さらに蹴りを叩き込む。
「はあああっ!」
 バットを取り落とし、崩れ落ちかかったところに、とどめとばかりにみぞおちを突く!
 勢いで吹っ飛んだK’は路上に大の字に倒れた。そのまま動かない。

「気絶……したのか……」
 乱れた呼吸を整えると、リオンは仕掛けられた時に放り出した自分の袋を拾いに行った。
 殺す必要はないだろう。ジャッキーの仇は、あくまでこんなゲームを仕組んだルガール。
 彼が目覚める前にこの場を離れよう―――
 
 突如、高熱がリオンの背後に迫ってきた。
「!?」
 振り返った彼の視界に入ったのは、燃え盛る炎の波。
「っ……ああああっ!」
 顔面をかばった両腕が焼け焦げる。
 四散した炎のかけらの向こうに、いつの間にか立ち上がって睨んでいるK’が見えた。
 コイツも炎を……?そんな化け物じみた人間がまだいるなんて!
 思わぬ事態にリオンは狼狽する。
「ラァアアアア!」
 吠えたけり、獣のようにK’はリオンめがけて跳躍した。
 蹴落とそうと、リオンは回し蹴りを繰り出す。
 だがK’はその脚を両腕でがっしりと掴んだ。
 彼の右手のグローブから、荒れ狂う炎が噴き出す。
626灼熱の慟哭 ◆AX90vj3jog :04/11/25 03:56:38 ID:???
「ぐああっ!離せっ、うあっ!」
 振りほどこうと必死に脚を振る。
 K’は投げ捨てるように、リオンを地面へと叩きつけた。焼けただれた脚を抱え、のた打ち回るリオン。
 K’は釘バットを拾い上げると、リオンの喉笛をガッと踏みつけた。
「がはっ……」
 苦痛に見開かれたリオンの目に、真っ赤に燃え上がった釘バットが映った。
 瞬間、何故かアキラ、サラ、葵、ジャッキー、それにパイやカゲなどのライバルたち……そして、父の姿が彼の心の中を駆け巡った。
 それは直後に襲ってきた高熱と衝撃によって、リオンの意識と共に消え去った。

 荒い息をつきながら、K’は絶命したリオンを見下ろす。
「あああああああ!!」
 咆哮。狂ったように、またバットを振り上げ、振り下ろし、何度も何度もリオンの身体を叩き潰す。
 
 あの放送があってから、自分の中に燃え盛る炎が消えない。
「クーラ・ダイアモンド」
 無情にも告げられたその名を聞いた時、K’は心の中にぽっかりと穴が開いたような、奇妙な虚無感に襲われた。
 そして、それを埋めるかのように噴きあがってくる激情。
 何故こんなにも苦しいのか、怒りがおさまらないのか……
 わからないまま、自分の魂さえ焼き焦がすような激情に身を任せ走っていた時に、彼の目にバイクにまたがって走り去っていく草薙京―――実は霧島翔なのだが―――が飛び込んできた。
 
 ああ、アイツだ、アイツが居るから俺はこんなに苦しい目に遭うんだ、クーラは巻き込まれて死んだんだアイツがアイツを殺す殺す殺スコロスコロス!

 激情の炎が、K’の心を焼き尽くしていた。
 ほとんど炭化し、釘が溶けたバットを握り締め、無残な姿になったリオンの死体を放ったまま、バイクが走り去った方角を目指し炎熱の修羅は再び歩き出す。
 その脳裏からは、小言の多い相棒も、世話焼きな姉も、そして青い髪のあどけない笑顔の少女の姿も、もはや燃え落ちていた。

【K' 所持品:釘バット(ほぼ破損)、手榴弾 現在位置 五区東部→霧島翔を追う 目的:草薙京の殺害 現在体力大幅消耗、判断力低下中】
【リオン・ラファール 死亡】
627油断:04/11/25 04:39:22 ID:???
「糞ッ!何なんだこれは!!わざわざ隠れながらここまで来たと言うのに無駄足になるとは…」
ジョン・クローリーはある銃砲店にいた。
持っている狙撃銃では複数の相手と戦うには使い勝手が悪く、また他人が銃を手にする可能性は少なくしたい。
他に知っている店も無く、無駄に時間をかけて近場の店を探すくらいならまず、と5区中央まで移動したのだが…
幾つか手に取った銃は全てモデルガン。倉庫も見てみたがモデルガンばかり。弾薬は小麦粉。防弾チョッキはただのチョッキ。ナイフもあったがプラスチック製。
店主が護身用としてレジに隠していたのであろうハンドガンすらモデルガンだと知った時には怒りを通り越して呆れた。
「ここまで徹底的にやってくれるとこのゲームの主催者に賞賛すら与えたくなるな。
 とんだ体力の無駄使い─いや、この店は使えるか」

響子は武器を探していた。
自分の得物は包丁のみ。これだけでは非常に心許ない。とりあえず銃が欲しい。
「あら? Gun Smith…きっとガンショップだわ!」
何と運が良いのだろう。ここなら銃が手に入りそうだ。
その時だった。
「Freeze」

ジョンは店の向かいのビルの合間で休憩がてら店に気付いて立ち止まった人間を狙撃しようと隠れていた。
しかし、来たのはヒールを履く様な素人女が一人だけ。妙にキョロキョロして怯えている風にも見えた。
しかも右手に持っているのは包丁。銃を所持していないなら危険は全く無いだろう。
ジョンは『愉しめそうだ』と判断した。
「そのままこっちに来な。妙な真似をしたら殺す」
628油断:04/11/25 04:40:34 ID:???
「まずは包丁を捨てろ。次は…服を脱げ」
「なっ!? 他に武器を隠し持ってなんていないわよ?」
「知った事か。俺はストリップをしろと言ってるんだ。死にたくないなら言う事を聞くんだな」
「くっ…下種が…」
響子は大人しく言う事を聞く。狭いビルの間で銃を向けられては逃げようが無い。
それに相手の体格や佇まいからして素手同士でも自分に勝ち目は無いだろう。今は耐えてチャンスを伺うしかない。
「ほぅ。服の上からでも見て取れたが、やはり素晴らしいプロポーションだな」
上着を全て脱いだ所でジョンは銃を置いて近づいてくる。だが、まだだ。
「そんなに睨むなよ。褒めてやってるんだぜ?」
目の前まで来た。焦るな。サングラスで目線が読めない。
「抵抗しても無駄だ。俺は軍隊格闘技の達人だからな」
右手が胸に伸び、顔が下を向く。今だ。
「!!」
ジョンはとっさに手を引くが響子は一歩踏み込み、ジョンの手を引く勢いも利用して右手首から肘、肩まで一気に関節を極めた。
そして足払いをしてうつ伏せに転ばせる。ジョンは突然の事に驚いたが、抜け出そうとすぐに暴れ始める。
どうせ関節を極められて折られるくらいなら自分から折って反撃を、と考えたのだが…それは甘かった。
幾ら暴れても響子の巧みな力加減のせいで関節はギリギリ極められた状態のままだ。
「やってくれるじゃねえか。だがあんたも打つ手が無い様だな」
ジョンの動きが止まる。
「俺は片手が折れたくらいじゃあんたには負け…グぷェ」
ジョンの喉にヒールが突き刺さった。血が噴出す。
響子は打つ手が無い訳ではなかった。今武器になるのはヒールくらいだ。しかしヒールで踏んで致命傷を与えられるのは首から上。
だが頭では頭蓋骨の丸みで滑り、下手をしたら転ぶかもしれない。首を狙っても首輪が邪魔になるかもしれない。
ゆえに確実に致命傷を与えられる喉を確実に貫くため、動きが止まるのを待っていただけだ。
もちろんここで油断はしない。血の出る勢いが弱まるまで関節を極め続けてジョンの動きを封じる。
(糞ッ…こんな所で俺は、俺は!)
ジョンの目に響子の顔が移る。
(とんだ食わせ物だ。こいつは…)
そこでジョンの意識は永遠に途切れた。
響子は包丁で心臓を刺し、完全に息の根を止める。
629油断:04/11/25 04:43:32 ID:???
本人は気付いていなかったが、血を見た時と包丁で刺したときの響子の目は完全に快楽殺人者の目だった。


【ジョン・クローリー:死亡】
【水無月響子 所持品:レミントンM700(ジョンからルート),出刃包丁 目的1:殺人者を殺す 目的2:暴走者を止める
 場所:5区中央、どこかに移動する 戦って疲労】
630携帯から灼熱 ◆AX90vj3jog :04/11/25 11:25:19 ID:???
申し訳ありませんが、「灼熱の〜」の最後の段落の
「激情の炎が、K'の心を……」

「憎しみの炎が、K'の心を……」
に修正いたします。
いや単に同じ単語を使い続けるのはテンポ悪いかなってだけです。
631血意 ◆jgROhIy66o :04/11/25 21:54:43 ID:???
1日目が終わる、そして放送が流れ出し、死亡者を語る。
「そんな、兄さんが…?」
兄が死亡した事を放送で知った。
それだけ、放送を聞いただけならまだ生きていると1%位は希望を持てたかもしれない。
サラは頑として信じる気はなかった。
あんなに強かった、だから自分を助けてくれた。
まっすぐだった、いつか追い越そうとその強い背中を追いつづけていた。
そんな兄がもう死んでいるなんて、あるはずがない。
だが仲間を探しにすぐに向かったゲームセンターで見てしまったのだ。
体を打たれうつぶせていた身近でもっとも見知った顔の男を。
「兄さん、兄さん、しっかりして兄さん!」
ジャッキーの熱はとっくに引いてジャケットは鮮血で真っ赤に染まり瞳孔は開いていた。
既に息絶えている。
「兄さん…」
届かない言葉。
「ひでぇな…」
ライは改めてこのゲームの恐ろしさを知る。
と同時に身の回りが敵だらけと言う事も思い知る。
サラと会えただけ自分は本当に運がよかったと思い直したのだった。
一方、サラは未だジャッキーの遺体を抱きつづけていた。
…ここは俺がしっかりしないと! 
そう思いライは彼女に自分の意見を語りかける。
「とりあえず、ここにはもう人はいないみたいだな。 移動すっか」
サラはこくりと頷くと同時にちょっと考えたような物腰になった。
「待って、その前に」
と言うと彼女は地図を開き始める。 どうやらなにかを探しているらしい。
そしてある目的地を見つめたままサラは言葉を続けた。
「ねぇライ、私の我が侭にちょっとだけつきあってくれない? 少し遠回りになるけど…」
「…?」
632血意 ◆jgROhIy66o :04/11/25 21:55:34 ID:???
早朝、彼等は公園のほうへと向かっていた。
戦い、死に絶えた男の遺体をせめてもの手向けに埋葬、供養するために。
着くとそこには既に遺体が埋葬された痕跡があった。
それが誰の死体かなんて知る由もないが。
なんとか穴を掘りジャッキーの遺体をそこへ埋める。
そしてその辺の花をかき集め墓の上に刺した。
「兄さん、私最後まであなたを越えられなかった…」
サラは呟く。
「私、兄さんの分まで生きるから…何があってもここを出てて生き延びるから、
だから、兄さんはゆっくり眠っていて…私は大丈夫だから」
その状況、台詞から思わずうっ、と涙を流しそうになったライ。
それを堪え、公園を後にし固い地面をまたさまよう事になった二人。
だがさっと現れた人影がそれを許さなかった。
思わず戦闘体制に入る二人。
仲間になるのであれば、問題なく受け入れよう。 だがもしそうでなかったら…。
「やだ、もう気付かれちゃったの? 一応忍者だから忍ぶのは得意だと思ってたんだけど」
と女性の声が聞こえる。 その調子はほんの少しだが明るい。
ひょっとしたら、この人も仲間に…?
「ごめんなさいね、あなた達にも死んでもらうわ」
否、殺しに来た。
だとしたらどうする? それを二人で考えて即興で出した決断。
動きを完全に止めて危険なものは奪い取る。
命までは奪わないでおこう、そう誓ったのであった。
「悪いけど、俺達もこんな所で死ぬわけには行かないんだ!」
「戦うならこちらも全力で向かっていくのみよ」
633血意 ◆jgROhIy66o :04/11/25 21:58:19 ID:???
さっと人影の正体が現れる。 赤い和服らしきものを来た女の姿、不知火舞だった。
「花蝶扇!」
飛んできた扇子をサラは横に避ける。
そして一歩踏みこみ、フラミンゴの体制をとるサラ。
そこから強力な蹴りを繰り出して舞の体勢を崩していく。
舞も負けじとサラに突進を繰り出すがそれも左に避けられた。
しかしさっきのダメージからか突進のブレーキが聞かず一瞬怯む。
ライは隙を見逃さずふらついた舞に向かい電撃の突進を繰り出した。
電撃とその拳の突進の勢いから舞は吹っ飛んだ。
サラもライも、有利になったとは言え未だ戦闘体勢をひるませる事はない。
この女は強い、そう確信していたからだ。
「さぁどうする? 決着はついたようなもんだろ?」
「もう武器を捨てて降参して。 あなたを殺す気はないの」
態度こそ挑発的だが、心は予断を許さないでいた。
しかし、舞の決意は固い。
「負けるものですか! 私も帰らなくちゃ行けないのよ、あんた達を倒して!」
そう言うと舞はまた立ちあがり駆け出した。
「ならこっちも全力で戦うのみだ!」
ライは両端に稲妻を繰り出しわざと避けさせ舞の走る方向を限らせた。
そこにサラの強力な蹴りが鋭く突き刺さる、怯むことなくコンボで攻撃を叩きこむサラ。
だが、それと同時に女の異変に気付いていた。
―腹だけは極端にガードしている、他の部位より強く。
サラが異変に気付き、揺らいだ一瞬の戸惑いを舞は見逃さなかった。
「必殺忍蜂!」
舞の攻撃がサラにヒットする。
これで勝負は五分五分に戻った。
634血意 ◆jgROhIy66o :04/11/25 21:59:36 ID:???
「おい、大丈夫か!?」
倒れこむサラに駆け寄るライ。
急所にヒットしたのかサラはなかなか動けないでいる。
「なかなか手強いわね…あなたの蹴りを甘く見ていたわ。
それとそこの坊や、そろそろ逃げたらどう? あなたじゃお話にならないから」
挑発を返す舞。
しかしそれは「子供を殺さない」と決めた舞の誓いがあったから。
だがその挑発をモロに受け何倍にも跳ね返そうとするのがライの気質だった。
「逃げるもんか、ここを生きて脱出するんだ! 俺はもうガキなんかじゃねえ!」
そう言うと舞に向かいまた戦闘体制をとった。
「しつこいわね、…あれは弾数気になるしとっておきたかったんだけど仕方ないわ」
そう言うと舞が取り出したのは銃、ジャッキーが持っていたデザートイーグルであった。
そしてその銃口はサラに向けられ…。

「轟雷テンペスト!」
その瞬間に巨大な稲妻を何本も放ったライ。
辺りは一瞬にして稲妻の雨と化した。
「サラ、逃げてくれ! これなら相手も多少当てづらくなる、逃げられねぇはずだ!」
サラは言われた通り、稲妻の閃光で目の前が見えぬまま倒れた体をなんとか引きずり動き始めた。
この稲妻の勢いならしばらくは相手も動けず、ライも傷つかずにいられるだろう。
そう思ったのが甘かった。
舞は空を駆け蜂の如く稲妻の間をすりぬける。
そしてライに向かい高速落下で降りてくる。
稲妻を呼び出す事だけに必死なライに避けられるはずがない。
やっと気がつき、避けようとしたときにはライの顔の前に舞の姿があった。

「不知火流・九尾の狐」
635血意 ◆jgROhIy66o :04/11/25 22:02:02 ID:???
やっと辺りを見回せるようになった時、サラの目の前にあったものは
技を叩きこまれその勢いで固い地面に後頭部にぶつけ倒れこんだライと
銃をライに向けたままの舞だった。
仲間の惨状に気付き走り寄るサラ。
「…ライ、ライ! しっかりして!」
しかし返事がない。 瞳孔も開いている。
―どうやら既に息絶えたようだ。
やっと見つけた仲間、やっと輝いて見えた希望。
それさえも、あっという間に途絶えてしまった。
一方、舞は未だその引き金を引けずにいる。
子供を殺したくないと言ったのは自分だ。 だが殺してしまった。
「…もうガキじゃないって言ったじゃない、だからよかったのよね、でも…」
あきらかに動揺しているかのように見えた。
動揺したままの舞に向け、サラはライを地面に降ろしふらつきながら再び戦闘体制をとる。
それに気付いた舞。 だがなにも出来ずにいる舞。
銃口を向け一発放てば済む事である。
しかしそれさえもできずにいた。
さっき自分が殺した少年が放った一言があったから。
「……サラ? サラ・ブライアント?」
それを聞いてサラは驚いた。 だが体制は崩さないままだ。
「なぜ私の名前を知っているの?」
「…私が殺したからよ、あなたのお兄さんを…」
その一言に、サラの体に稲妻が走った。
先程の勢いのある稲妻ではなく、じわじわと走る静電気のような稲妻。
「そう、あなたが兄さんを…」
怒り、哀しみ、憎しみ、全てが今相俟って火花を散らしている。
この女に潰された。 兄という自分の目標も、仲間というやっと見つけた希望の光も。
表面でこそ抑えていたがサラの感情はピークに達していた。
636血意 ◆jgROhIy66o :04/11/25 22:02:54 ID:???
サラが戦闘体制のまま動けないでいる間に、舞は銃口を下ろしていた。
「…今回だけはあなたのお兄さんとその子に免じて許してあげる、じゃあね」
舞はそう言い残すと疾風のようなスピードで駆けぬけ去っていった。
未だ殺しへの動揺が衰えずにいるまま。
残されたサラはただ一人呆然とするしかなかった。
肉親も希望も潰えどうしろというのだ、いっそ殺されたほうがマシだった。
でも私がここに行くと言わなければ、少なくてもライは助かったはず。
そう思っても思ってもまだ足りない。
だがいつまでそう思ってても仕方ない、と必死で今後のことを考える。
「大丈夫、まだ仲間は…知り合いは、いる。 なんとかなるはず…
それとライ、あなたも埋葬しないとね…武器も借りるわよ」
ここで生き延びるために必死で次の作戦を考える。
考えながらも。
「…あの女だけは許さない…」
心の奥底に眠るかつての暗殺者としての感情を、サラは再び抱き始めていた。


【サラ・ブライアント 所持品:ドラムマニアについてるスティック(2本)かなづち&釘抜きセット(ライからルート) 
 第一目的:仲間を探しゲームから脱出 第二目的:舞を殺す】
【不知火舞 支給品:使い捨てカメラ(写るンDeath)  デザートイーグル(ジャッキーからルート)
 目的:生き残り、帰ること(ただしテリーや子供は会っても殺さない) 】
 両者戦ったために体力をかなり消費
【爆皇雷 死亡確認 所持品:かなづち&釘抜きセット(サラがルート)】 

【現在地:5区西、幸せ公園の上辺りからサラは幸せ公園、舞は東方向へ移動中】
637Moving Target(Fighting):04/11/26 01:00:58 ID:???
「段々近くなってる、もう少し」
レーダーを見ながらまた元来た道を引き返す春麗とガルフォード
結局彼らは火月と接触を図ることにしたのだった。

一方の火月側
「誰か来る…」
橋の向こう、まだ豆粒ほどの大きさだが、確かに誰かがこちらに向かってきている。
「どうしよう…」
不安げにうつむくかすみ、火月は彼女となるだけ目線を合わせないように呟く。
「どうしよう…たって…まぁなるようにしかならないんじゃないのか?」

「お前は隠れてろ…それでやばそうになったら逃げろ」
「2対1か…ちとキツイな」
そう言うと火月は地面に何かをばら撒き、かすみの手前側の植込みに姿を隠した。

「いるわね…隠れてる」
春麗の言葉に残念そうな顔をするガルフォード、もう距離から言ってお互いの姿は確認できるはず。
まして仲は良くないが積極的に憎しみ合う関係でもない。
ということはやはり…

「大丈夫?」
春麗の言葉に、大丈夫さと応じるガルフォード
だが実際は不安で一杯だ、果たして自分に仲間が斬れるのだろうか。
だがその不安とは裏腹に口からは逆の言葉が飛び出す。
「俺にやらせてくれ…」
強がっているが悲痛な口調に、春麗は何の言葉も返すことができなかった。

「あの茂みよ…」
2人は挟みこむように火月の潜む茂みに近づく、その時。
「!!」
強烈な閃光が2人を包み、反射的に彼らは目を塞いでしまう。
638Moving Target(Fighting):04/11/26 01:02:46 ID:???
そこに、
「いくぜぇ!!」
炎を纏った拳がガルフォードへと唸りを上げ迫る。
その拳がガルフォードの身体を完全に捉える、殺ったか!!
みしりという手応え、しかし火月は追い討ちは行わずその場からすかさず離れる。

その刹那、たった今まで火月がいた付近に出現するガルフォード
「空蝉たぁやっぱセコイわ、お前」
手にした木片を握りつぶす火月。
「出来れば戦いたくなかったんだがな」
あくまでも平静を装うガルフォード。

「うるせえ!!人叩き斬っておいて話し合おってか!ふざけるな!!」
一方の火月はやはり熱い。
「仕方がなかったんだ!」
「何も殺すこたねえだろ!!」
ここで春麗が初めて割って入る。
「彼女はスパイ…ええと敵の間者だったの…自分でそう言ってたわ」
間者という言葉に動きを止める火月…その背後からだった。

「嘘よ!!」
大声にぎょっと振り向く火月、そこにはかすみが立っていた。
「出てくるなってただろ!!」
「だってあやねちゃんがスパイだなんて言うんだもん!!」

言い争う火月とかすみを見ながら、春麗とガルフォードは手もとの機械を確認する。
何度見てもレーダーにはかすみの表示は無い…ということは…
しかもあのあやねとかいう娘とも関係が深いらしい。
639Moving Target(Fighting):04/11/26 01:03:49 ID:???
「あなた…ジョーカーね?」
すう、と春麗が前に出る、その顔に怒りの表情を浮かべて
「ち…違う!わたしそんなんじゃ無い!!」
春麗の表情にジョーカーが何を意味するか悟ったらしい、涙を浮かべて抗議するかすみ。
「お願い信じて!!」
必死の表情で懇願するかすみ、合計8つの視線が絡まり合う、しばしの沈黙。
「俺は信じる!早く逃げろ!!」

火月がかすみをかばうように動くのと、春麗の蹴りが放たれるのとはほぼ同時だった。
春麗の蹴りを受けとめたものの、そのまま弾き飛ばされそうになる火月
(なんてぇ重い蹴りだ、畜生め!)
それでもかすみを逃がそうと必死で春麗の行く手を阻もうとする。

ガルフォードは未だに迷っていた、心の中では二つの心が葛藤を続けている。
疑わしきは罰さずか…それとも災いの芽を摘むべきか…。
その目に火月の反撃を受けて後退する春麗の姿。
『信じるわ…あなたを…』
不意につい先ほどの言葉が甦る、その瞬間葛藤は消える。

「わかってくれ!!」
彼は自分の感覚を信じた、すかさず電撃を帯びた剣をもって火月の背中へと斬りかかる。
峰打ちとはいえ、それは回避不可能なタイミングだった。
火月の顔が驚愕に歪む…だがそれは傷の痛みからではない。
何故なら…

「ノゥ…」
「なんでだよ…」
ガルフォードの振り下ろした剣は2人の間に割って入ったかすみの背中を斬っていた。
さらに運の悪いことに春麗が苦し紛れに放ったボウガンの矢が、
まるですいこまれるようにかすみの胸元に突き刺さった。
そして遅れて全身に稲妻…かすみは数回痙攣するとその場に崩れ落ちた。
640Moving Target(Awakening):04/11/26 01:07:10 ID:???
「か…かすみ!畜生が!!」
火月はかすみの身体を背負い上げ、そのまま戦場から離脱する。
あまりにも劇的な幕切れに、残された2人は後を追うことさえできなかった。

「終わったわね…」
春麗は吐き出すように呟く。
その足元にじゃれつく忍者福、どうやら最初の閃光でのびてしまっていたらしい。
口に腕輪をくわえている。

その腕輪を拾い上げた春麗、そして2人はまた驚愕する。
何故なら持った瞬間自分たちの反応がレーダーから消えてしまったのだ
これが意味するところは1つ。
「シット!!」
ガルフォードは手にした剣を路面に叩きつけた、深い後悔の表情を浮かべて。


そこからさして離れていない浜辺
「起きろ…起きてくれよ…かすみぃ…」
火月はかすみを抱きかかえて、涙を流しつづける。

時折ぴくぴくと動くものの、既に脈打たなくなった心臓…まだ身体は温かいのに…
かすみの亡骸を呆然と見つめる火月…その心の中から何かが涌き出てくる。
何だこの感情は?
(コロセ、ニクイノナラコロセ…)
その声は段々と大きくなってくる、たまらず耳を塞ぐ火月。
かすみの亡骸が海に流されていってもお構いなしだ…そしてついにその瞳が緋色に染まる。
「ドッゴォォォォ!!」

意味不明な、だが聞くものを間違いなく恐怖させるであろう叫びが響き渡る。
風間火月はもういない…ここにいるのは炎邪
己の衝動と憎悪の赴くままに動く、破壊の権化だった。
641Moving Target(Returner):04/11/26 01:09:57 ID:???
「また一人死んだわね、順調じゃないの」
ヒメーネとアヤは本部にてモニターを見てほくそ笑む、そこには確かにかすみ----DEADと記され
サンプルたちの所在が記されたマップからも彼女の顔アイコンが消滅していた。

「とりあえず食事いかない?」
「あ、待って保存しとくから」
アヤは手元のキーを操作して、現在の状況データを保存する。
これでかすみは公式に死亡が認められたことになる…そして死者は甦ることはない…だが。


かすみは暗闇の中にいた。
「何だろ…」
サラサラと川が流れる音が聞こえる、暫く進むと川がある。
向こう岸は遠く霞んでいたが、何故だか渡らないといけないそんな気がする。
かすみは都合良く流れてきたボートに乗ろうとする、そこには、

「あやねちゃんだ〜あやねちゃ〜〜ん」
久しぶりに顔を合わせる腹違いの妹に向かい、手を振るかすみ
「何言ってるのよ?私はアンタなんか大嫌いだって昔から言ってるでしょ!!」
ふんと鼻を鳴らすあやね。
「だから、アンタはまだ楽になんかさせない…もっと地獄の中で苦しむといいわ」
そういうなりあやねは、かすみを思いきり突き飛ばした。
ざんぶと川の中に落ちるかすみ、また意識が遠のいていった。

その頃…海面に浮かぶかすみの身体から、
バチン!!バチバチバチ!!
懐にしまわれていたあやねの形見のイヤリング、そしてそれに突き立ったボウガンの矢が閃光を放つ、
それは奇跡でも何でもなく、ただガルフォードの放った雷撃の残滓に過ぎない、
しかし…ショック状態の肉体を甦らせるには、充分過ぎる刺激だった。
そしてかすみの心臓は再び鼓動を開始したのであった。
642Moving Target(Sadness):04/11/26 01:13:10 ID:???
そして橋の上
「ノウ…ノォォォウ…」
後悔と無念の表情で涙を流すガルフォード。
「仕方が無かったのよ…」
そんな彼の肩に手をやり慰める春麗、だがその手を彼は払い退ける。
「仕方が無い?仕方が無いだって!!そんな言い方があるか!!」
まさに悲痛な表情で叫ぶガルフォード、
「俺たちは何の罪も犯しちゃいない女の子を手にかけてしまったんだぞ!!」

「憎むべきはルガールよ、今は忘れなさい」
泣きじゃくるガルフォードを必死で諭す春麗、しかしあまりにもあまりなガルフォードの態度に
彼女といえどつい逆切れしてしまう。
「不幸ぶるのもいいかげんにして!大人でしょう!!」
「過ぎたことをいまさら考えても仕方が無いって言ってるのよ!!そりゃあの子には
気の毒だったわよ!!でも…」
「過ぎたこと…確かにそうかもしれない…でも、でも!」
ガルフォードはそう叫ぶと春麗を突き飛ばしそのまま街の中へと逃げるように入っていく。
それを追う春麗だが、火月との戦いで痛めたらしい、足を押さえてその場にうずくまってしまう。

あそこまで追い詰めるつもりはなかった。
今時あんな純粋な心の持ち主がいるだろうか?いやいない。
だからなんとしてもその心を守ってやりたい、歪んだ果てに自分だけの正義を振りかざすような人間には
なって欲しくない、せめて彼だけは。
足を引きずりながらも春麗は彼の後を追うのだった。

ふらふら街中をさまよいながらガルフォードは思う。
どうしてこんなことになってしまったんだろう…ただ俺は皆に幸せになってもらいたい
笑顔が見たいと思って戦ってきたのに…
自分の中の信念が、音を立てて揺らぎ始めている。
643Moving Target(Sadness):04/11/26 01:21:20 ID:???
必死で無実を訴えるかすみの姿が脳裏に何度もオーバーラップする。
と、不意に強烈な吐き気が喉の奥からこみ上げてくる。
ぐえぐえと口から汚物を吐きながらも、歩みを止めないガルフォード…

人を殺したのは初めてじゃないのに…そうだ、初めてじゃない。
何度も何度も…その何回目かには無実の人間もいたのかもしれない。
もしかしたら何回目とか、そんな問題じゃないのかもしれない…
「だとしたら俺は…一体…今まで何を…」

【風間火月(炎邪) 所持品:なし 第一目的:破壊!】
(支給品はマグネシウムの粉末でした)
(現在位置:9区沿岸)
(現在位置:サウスタウンブリッジ上)
【かすみ(負傷・気絶中) 所持品:なし 第一目的:不明】
(現在位置:8区と11区の間の海上)
(公式では死亡扱い、したがってこのままなら次回の放送で読み上げられます)

【ガルフォード(左腕を負傷&消耗) 所持品:小太刀 目的:不明】
【春麗(足を負傷&消耗) 所持品:パピィ(現在:しのび福)、探知機(効果範囲1km、ジョーカー には反応せず)、
 ボウガン残り9本、 鉄製のキーホルダー数個 腕輪(ジャマー効果あり)
 目的:ガルフォードを追う】
644Moving Target(Sadness):04/11/26 01:24:26 ID:???
(ガルフォードはギースタワー方面に向かってます)
645マザーグース:04/11/26 01:46:41 ID:???
ねんねんや あかちゃんや
たかたか きのうえ ねんねんや
かぜがゆらすと ゆりかご ゆれる
えだがおれると ゆりかご どさり
あかちゃんもろとも みなおちる

惨劇の舞台の空に響く、鈴のような歌声。
夜の闇に赤い羽根が映える。
少女――リリスは上機嫌で夜空を翔る。
リリスは全ての惨劇を見ていた。
全て、見ていた。

皆、戦って、傷ついて、裏切って、裏切られて、悲しくて、寂しくて、憎んで、恨んで、
殺して、殺されて、殺されて、殺されて、殺されて、殺されて、殺して。

「…ぞくぞくしちゃうよぅ…!」
誰を殺せばもっとおもしろくなるの?
誰を助ければもっとおもしろくなるの?
体の疼きが止まらない。
「うふふ…うふふふ…」
もうすぐ朝。
本来ならば忌むべき太陽も、今のリリスには何の障害にもならない。
「こんな素敵な夜のあとは…みんなどうなっちゃうのかなあ…?」
考えただけで胸が高鳴る。
今は夜の闇を漂おう。そして、朝が来たら―――

【リリス 所持品:? 目的:? 気分:超御機嫌】
現在位置2区〜5区上空
6461/8 殺意の波動の恐怖:04/11/26 02:41:00 ID:???
かつて、格闘家たちの間で噂になった男がいる。
その男は、身一つで世界中を渡り歩き、ただひたすら己の拳を高めるためだけに世界中の格闘家たちと渡り合った。
その実力は、あの見栄坊の全米格闘トーナメント王者をして互角と言わしめるものであった。
その拳、風より疾く、
その歩、林より静に。
その気、火より烈しく、
その一撃、山すら砕く。

俺より強い奴に会いに行く。

彼の特集を組んだ三流ゴシップ雑誌に、かつて彼はそう語った。
そして、その男は今もその言葉の通り、強者を求めてサウスタウンを彷徨っている。


その身に、空気を侵すほどの殺意を滲ませて。


サウスタウン2区。
放送を聞いた後しばらくしてから小競り合いの気配を感じ取り、
5区から折れて路地へ。
人気の全くない道を、男は裸足で歩いている。
目的は、ない。
ただ人の気配を感じ取り、出向いて殺す。
骨を砕く時の高揚感。
血を浴びる時の恍惚感。
肉を潰す時の達成感。
それを求めて、歩く。
それで十分だった。
6472/8 殺意の波動の恐怖:04/11/26 02:42:08 ID:???
「……ん」
ふと身震いに襲われて、ヴィレンは辺りを見回す。
リムルルの傍に鷹を置き捨ててから、そんなに時間は経っていない。
従って腿の傷も、まだやっと血が止まったか程度でしかない。
この状態では、他の人間と会うにはかなり不安だった。
とりあえずはどこかに隠れようと、適当に辺りを探る。
「チッ」
思わしくない結果に、舌打ちひとつ。
ゴミ箱やゴミの山など、小さな遮蔽物は山ほどあるが、ヴィレンの存在を丸々覆い隠すようなものはない。
かと言って他の人間と馴れ合うなど、反吐が出る。
誰かが来たのなら適当に相手をして、隙を見せたらその場で始末してしまおう。

本当にそれでいいのか、とヴィレンの第六感が猛抗議を始めている。
今ならまだ間に合うから、逃げろと。
確かに、不意をつくにしてもこの足ではろくな立ち回りは望めない。
いっその事、怪我人のふりをして助けを求めてみるか?
それならばこんな裏路地ではなく、もっと利用できそうなものが沢山ある場所に行くべきかもしれない。
本来なら誰にも会いたくないところだが、逃げるのも癪だ。

ざり、と足音。
路地の遥か向こう、四つ角に小さく見える人影。
「チッ……」
思わしくない結果に、舌打ちふたつ目。
場所を変える時間を失ったことがひとつ。
何より、相手は話の通じそうな人間ではなかった。
6483/8 殺意の波動の恐怖:04/11/26 02:43:03 ID:???
男が近づいてくる。
一歩ごとが巨象のような威圧感を放っていながら、その運足は滑るように速い。
足の傷さえなければ楽しめそうな相手なのだが――
とにかく、足の傷が重石になっている。
相手の実力の程を見て、と行きたいところだ。
などと考えている間に胴着の男がもう目の前に迫ってきている。
数歩の間合いになった。
見た目どおり、話を聞く気はなさそうだとヴィレンが構えかけた時に、男が一気に踏み込んできた。
「ッ!?」
こめかみを狙ったフックを、スウェイでかわす。
凄まじい拳圧だが、ギリギリ見切れる。
その代わり、あの拳には体重が完全に乗り切っている。当たったらただでは済むまい。
それにしても出会い頭に様子見も入れずに一撃必殺を狙うなど、よく先ほどの放送に名前が流れなかったものだ。
「イノシシ野郎が!」
反撃を入れようと上体を起こした。
直後、反射的に腕を上げて頭をガード。
その腕ごと、一回転した後ろ回し蹴りが打ち抜いた。
踏みとどまりきれずに横に転がる。
転がりながらも、早くも一足飛びに接近している男の姿が視界に入っている。
立ち上がる動作を諦め、もう一回転。
明確に叩き潰すことを目的とした踵が、立ち上がる予定だった場所を抉り潰していく。
どうにか距離を取って立ち上がった。
「……やる気十分ってわけかよ」
毒づきながら体勢を立て直し、構えかけて崩れた。
「バケモンか、テメエ……」
一撃で足に来ていた。
6494/8 殺意の波動の恐怖:04/11/26 02:44:02 ID:???
気付けばガードした腕も思うように上がらない。
これでは、騙し討ち以前にこちらが動けなくなる方が早いだろう。
幸い、相手の攻撃は見切れるレベルである。
当たりさえしなければ何とか――

甘かった。
ジャブが見えない。
見えないくせに、顔の真ん中にぴしりと当たった一発のお陰で、ヴィレンはまた路地を転げまわる羽目になった。
このままでは勝てない。
どころか逃げることもできない。
苦し紛れに吹き付けたパチンコ玉は、男が突き出した手のひらの皮も破れず受け止められた。
「クソが!」
釘付きハイキック。
男は手刀で応酬。
ただの防御であるはずの手刀は、さも当然のようにヴィレンの脛をへし折る。
「ガアアアアアッ!?」
折れた左足を抱えて転げまわる。
そこへ容赦なく降り注ぐ踵蹴り。
一発でも貰えばそれまでである。
生き残っている右足で跳ね起き、折れているのも構わず走る。
行く先は、男から逃げる方向であればどこでもいい。
恐怖していた背後からの攻撃は、まだ加えられない。
もはや走る以外の全てを頭から払い捨て、ヴィレンは逃げる。
そして、折れた足で無理をした当然の結果として、転んだ。
6505/8 殺意の波動の恐怖:04/11/26 02:44:52 ID:???
倒れた拍子に、何かを押し潰した感触。
それに引き続いて、何かがヴィレンの重さから逃れようともがく感触。
ヴィレンはそれどころではない。
背後から、圧倒的な殺意の波動が一歩ずつ、空気を蝕むように近づいてくる。
これ以上、それに背を向けているのは堪えられず、うつ伏せから仰向けに、男に向き直る。
自然、「何か」を解き放つ形になった。
ぴょう、と飛び立ったのは鷹だった。
「……あ」
ママハハだった。
いつの間にか、ヴィレンは元の場所に戻ってきてしまっていたらしい。
近くにリムルルが倒れたままでいる。
はっとして男を見ると、ヴィレンから興味を失ったのか
上空から警戒しているママハハをじっと睨みつけている。
男は動かない。
逃げるなら、今しかなかった。
両手と右足の力を総動員して体を跳ね起こし、転がるように男から離れる。
男は動かない。
なりふり構わず、ヴィレンは逃げた。
「覚えてろよテメェ……」
搾り出すような怨念に、僅かに男が反応したようだが
すぐに興味を失った。
6516/8 殺意の波動の恐怖:04/11/26 02:45:35 ID:???
依然、上空を飛び回るママハハを睨みつけたまま、男は動かない。
足元に倒れているリムルルには見向きもしない。
が、逆にママハハは男からリムルルを守るために、その場から離れられない。
男が両手を腰溜めに構える。
踏み込みと同時に突き出される両手から、禍々しい紫に輝く闘気の塊が放たれた。
それをくぐるように、ママハハが急降下。
男の頭目掛けて突進していく。
対して男は、再び拳を腰溜めに構えて、さらに重心を落とす。
その混乱の最中、極めて間の悪いタイミングでリムルルが目覚めた。
「ん……」
ママハハの意識が一瞬逸れる、軌道が浮いた。
それを見逃す男ではなかった。
全身の筋肉をバネに変え、飛ぶ。
「……あれ?」
目を覚ましたリムルルの視界に最初に入ったものは、
「昇竜拳……」
拳を突き上げて降りてくる男と、
「ピィ――――――ッ!」
片足をもがれて落ちるママハハだった。
「ママハハ!?」
身を乗り出したリムルルに、男が反応した。
そちらへ一歩踏み出した男に、ママハハの鋭い威嚇が飛ぶ。
闘気に反応しているのか、男は再び標的を鷹に変える。
軌道が浮いたお陰で当たりは浅いとは言え、片足を昇竜拳でもぎ取られている。
バランスが取れず地面でもがくママハハに、男は今度は遠慮なく踏み込んでいく。
このままではママハハが殺されてしまう。
焦るリムルルの視界に、落ちていた包丁がきらりと輝いた。
6527/8 殺意の波動の恐怖:04/11/26 02:47:01 ID:???
「ママハハーっ!」
包丁を構えて立ち上がる。
「もういいから! もう、そんなに、がん、がんばらなくていいから!」
男の足が止まる。
紅い眼がリムルルに狙いを定めた。
「もう、姉さまの、とっ、ところに帰りなさい! ここはわたしががんばるから!」
怯えながらでも闘志を顕したリムルルを一撃で粉砕すべく、男の足が間合いを詰める。
させるかとばかりにママハハが動いた。
無理やりにバランスを取り、再び男の頭目掛けて突進する。
だが、男の反応はそれを上回った。
向き直るのも面倒だと言わんばかりの裏拳。
それがママハハを捉える未来が、リムルルには見えた。
「ダメ―――――っ!」
包丁を構えて男に突っ込む。
再び男の意識がリムルルに向いた。
必殺だった裏拳はただの打撃に成り下がり、ママハハを払いのける。
そして、代わって必殺となった足刀がリムルルの胸を捉えた。
衝撃が肋骨と胸郭を突き抜けてリムルルを吹き飛ばし、路地の壁に叩きつける。
「ごぼっ」
一撃で肋骨もろとも胸部を叩き潰され、血を吐いてリムルルは倒れる。
心音は、聞こえない。
心臓ごと潰れたのだから、当然だった。
6538/8 殺意の波動の恐怖:04/11/26 02:48:20 ID:???
鷹はしばらく上空を飛び回っていたが、やがて一声鳴くと
いずこへともなく飛び去っていった。
目の前の少女は既に骸。骸に振るう拳はない。
それにしても、先ほどの男にしても、この少女にしても人間の何と脆いことか。
あまりにあっけなさ過ぎる。

あと何人生きているか知らないが、そのうち何人かぐらいは、男の拳を受け止められる人間がいるだろうか。
次の死合いへの飽くなき衝動に突き動かされ、男は路地を後にする。
ふと、意識せず独り言が漏れる。
「……俺は」
それは本当に素朴な疑問。
普通の修行をしていた時には思いもつかなかった疑問だ、と男はぼんやりと知っていた。
「俺は、殺人衝動を望んだのか?」
その答えが出ることはないだろう。
男が殺意の波動を乗り越えない限り。

【殺意の波動リュウ 所持品:全投棄 目的:死合い】
【ヴィレン(左脚骨折&消耗) 所持品:チェーン・パチンコ玉・鉄釘など暗器 目的:ゲーム参加・負傷回復】
【リムルル 死亡】包丁は放置・ママハハは片足を失いながらもナコルルを探しに飛び立った
654上野:04/11/26 12:02:28 ID:???
しくじった。
…いや、化け物相手にそれはねえか。
ヴィレンは折れた足を引きずりながら、身を隠すため路地裏を進んでいた。
足が使い物にならない…このゲームでは致命的だ。
とはいえ休めば治る代物でもない。
可能な限りどこかに身を隠し、「残り」が減るのを待とう。
もし見つかっても、トラップを仕込んでおけばこの足でもなんとかなるはずだ。
上手くいけば、隠れている間に全員共倒れってことも…
「ねえ、ボク、大丈夫?」
不意に背後から声がかかる。
振り向きざまに鎖を振るう。先手必勝、こちらはまともに立ち回れない。
殺られる前に殺す…!
…が、振り向けば誰も無く、鎖はアスファルトを浅く抉ったのみ。
「やん、乱暴〜」
声は、再び背後からかかった。
655上野:04/11/26 12:03:50 ID:???
再度振り向くと、そこには赤い帽子にワンピース…チアリーディング?のような衣装をまとった、場違いな少女がいた。
大きな瞳、整った鼻筋、桜色の唇に白い肌。容姿も場違いに愛らしい。
「…なんだ、テメエは」
「レディに名前を聞くまえは、まず自分で名乗るのが礼儀よ?ボク」
可愛らしく返された言葉にヴィレンは眉を寄せる。
…ボク?まさか、それは俺のことか?
「ガキが…なにがボクだふざけやがって」
「だって、未使用の男はみんな子供だって、モリガン言ってたもん。」
…未使用?わけのわかんねえことを。
いかれてるのかこのガキは。
ますます顔を歪めたヴィレンを前に、リリスは明るく微笑む。
「ね、どう見てもお兄さんなのにね。でもリリス、そういうひと嫌いじゃないよ?うふふ。」

未使用。
…未使用……みし………

「うわあああああああああああ!?」
その言葉の意味を理解し、ヴィレンは生まれて初めて

死にたいと思った。
656上野:04/11/26 12:05:06 ID:???
わ、耳まで真っ赤。髪が白いから良く映えるね〜。
やーん、目に涙までためちゃって…カッワイイ!
「あんなに酷いこといっぱいしてたのに、うぶなんだね〜。」
慌てふためくヴィレンをリリスは楽しそうに覗き込む。
「ううううううううるせえうるせえうるせえ!クソガキ!!消えうせろ!!!」
赤面したまま、ヴィレンは無茶苦茶に鎖を振り回した。
リリスはクスクスと笑いながら、軽いステップでそれを避ける。
傍目には縄跳びで遊んでいるような光景だ。
「無理しないほうがいいよ〜、足痛いんでしょ?」
「うるせえ!うるせえ!!黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ!!!」
なおも鎖を振り回すヴィレン。
「それにあんまり騒ぐと誰か来ちゃうかもよ?あの怖〜いおじさんとか。」
その言葉でヴィレンの動きがぴたりと止まる。
そうだ…しまった、俺としたことが。こんなガキの悪ふざけに。
まだゲームの途中じゃねえか。
ゲームの…
…そこで、ヴィレンはあることに気付く。
657上野:04/11/26 12:06:12 ID:???
「…てめえは…このゲームの参加者じゃねえのか?」
少女の首には何もない。あるべきはずの、いまいましい首輪が。
「ああ、これ?服に合わないからちょっと外しちゃった。」
ワンピースのポケットから首輪を取り出す。
「かっこ悪いよね、これ。もうちょっと可愛ければよかったんだけどなあ」
そう言って、リリスは首輪を人差し指に通し、くるくると回し始めた。
…首輪が、外れてる?馬鹿な。外せば爆発するんじゃなかったのか?
ヴィレンは自分の首輪に手をかけた。
「でもそうだね、ゲームのルールだったよね。ちゃんとつけなきゃ駄目かあ。」
不満そうに、リリスは首に首輪を押し当てた。
すると、首輪はすうっとその肌を通り抜け、首に収まった。
それを見て、ヴィレンは一気に血の気が引く。
…こいつ…人間じゃ、ない?
青ざめたヴィレンを前に、リリスは相変わらずにこにこと微笑んでいる。
ヴィレンは鎖を強く握り締めた。
――殺される?
そんな予感が脳裏を掠め…
「大丈夫、こわがらないで。リリスなんにもしないよ?」
にっこりと、少女は微笑む。母親のように、優しくやわらかく。
男なら誰でも目を奪われる、サキュバスの笑み。夢魔の誘惑。
ヴィレンですら、思わず鎖を握る手が緩んだ。
そして、リリスはそのままの笑顔でこう言った。
「ボク、可愛いから…リリスが守ってあげる!」
「……はぁ?!」

夜明けまで、あとわずか。

【ヴィレン(左脚骨折&消耗) 所持品:チェーン・パチンコ玉・鉄釘など暗器 目的:ゲーム参加・負傷回復】
【リリス(ハイテンション) 所持品:? 目的:ヴィレンを守る】
(現在位置・2区路地裏)
658魔道師と青年 ◆lF6OkAzn2k :04/11/26 23:25:34 ID:???
「はぁ…はぁ…はぁ…もう追ってこないみたいだね」
息を切らしながら、アルルは後ろを向いた。
大分あそこから距離が離れているのだろう、あの男の人とあの殺意がありありとした目の女の人はもう視界には映っていない。
とりあえず、彼女は一安心すると店の中の椅子に力なく座り込み、机に寄りかかった。

彼女は考えた、まず首輪を外す。これを考えるのが先決だと。
そう考えて、彼女は大体の魔法の式を紙に書き出す、机が古くカタカタと音がしていたせいか、その声は唐突に後ろから聞こえた。
「おーい、誰か居るのか?」
ひっ!と驚愕し、その声のする方向を見るが、いきなり何かが転がった音がする。
「ということで、こっちに敵意は無い。それは分かってもらえるか?」
その声の主の青年が現れる、本当に戦う気は無い。
「び、びっくりしたなぁ…もう…」
「で、何やってたんだ?」
驚くアルルをそっちのけで自分の質問を進める。すると、アルルは一枚の紙を青年に差し出した。
「首輪を解く方法を探してたんだ、関係ない人は殺したくない。でも自分は何かやらなきゃいけないって思って、とりあえず今これを考えてたんだ」
差し出された紙には理解不能の文字列がズラズラと並べられていた。
無論、魔道師でもなんでもない青年には理解し様が無かった。
頭に?を数え切れないほど浮かべている青年がアルルの方をじっと見る。
「で、これは上手く行きそうなのか?」
その答えは少し暗いものだった。
「うん、でも長時間に何らかの魔道の力を流すか、一回でドカン!と流すかしなきゃいけないみたいなんだ」
「魔道…それって、こいつじゃ駄目なのか?」
すると、青年は手に炎を灯らせた。その炎を見てアルルは再び驚愕した。
「うわぁっ!もしかして…君も魔道師?」
青年には答え様が無かった、どうやらこういう力を彼女の世界では魔道と呼ぶらしい。
「んー、まぁそれに近いかな。よく知らねェな。
 ところで、俺は草薙京、あんたは?」
「ボクはアルル、アルル・ナジャ。
 とにかく…不躾なんだけどその力貸してくれ――――」
アルルの声は轟音によって遮られた、咄嗟に外を見る青年の眼には、先ほど追い払ったはずの女性が立っていたのだ。
659魔道師と青年 ◆lF6OkAzn2k :04/11/26 23:27:35 ID:???
「チッ…来やがったか、奴は俺が食い止める…その間に逃げろ!」
アルルはそれを止めようとした、だが青年は聞かなかった。
「いいか…首輪が外せそうなのはあんたしか居ない、あんたが死んじまったら結果的に首輪は外れない。
 …この炎が必要なら、このゲームに霧島翔って言うちょっとヤンキーっぽい奴がいるから、そいつを―――」
青年が言葉を言い切るまでに、振り下ろされた剣。咄嗟に避ける二人。
「いいか!後で追うからさっさと逃げろ!」
アルルは…逃げた、青年が戻ってくることを信じて。だがそれは叶う事の無い悲劇として、彼女にもう一つの悲しみを根付けるのだ。

「ヘッ、決着をつけようぜ…バケモノ!」
そう叫ぶと青年…草薙京は地面を一蹴しエリに向かって駆けた。
前面から駆けてくる京を潰すように剣を振るうエリ、だがそれは京の華麗なステップが避ける。
ローキック、右フック。さまざまなフェイントをかけながら京はじりじりと間合いを詰める。
一回のチャンスを生み出すために、今度はエリが仕掛けてきた。
剣を突きの構えで持ち、突進してくる。だが京は避けない。
左腕に精一杯の力を込める。
「……吹っ飛ばしてやるぜ!」
かなりの速度をつけて左腕と炎が唸る、予想していなかった一撃をエリはまともに食らってしまう。
受身を取るものの、やはりダメージは大きい。だが彼女はそれでも近づいてくる。
京はもう一度同じ構えで左腕に力を込める…だが出た必殺技は違った。
先ほどとは違う、相手を蹴り上げで中に押し上げる足技、百壱式・朧車。
だが、今回はタイミングを間違えたのか、左腰のあたりをごっそりと取られている。
あと一回だ…一回のチャンスを作れば…と、京はもう一度自分から仕掛けた。
660魔道師と青年 ◆lF6OkAzn2k :04/11/26 23:28:45 ID:???
走りからいきなりしゃがんだ姿勢の蹴り。それは突然だった。
プロの格闘家だからこそ出来る上級のフェイント必殺技、今のエリはそれを判断することが出来なかった。
(――今だッ!やるしかねぇ!)
そこから、二段の蹴り上げが入る、七拾五式・改、先ほどとはちが構えの四百弐拾七式・轢鉄。
その華麗なコンビネーションからエリは逃げることが出来なかった。
いや、逃げなかったのだ。
(これで…決めてやる!)
彼は右腕に渾身の炎を溜める。
空を舞うエリが…ゆっくりと落ちて…ちょうど炎と重なるときッ!
「食らいぃぃぃ…やがぐあっ!」
超高温の炎の壁がエリを薙ぐ…筈だった。
いきなり飛んできた鎖が彼の視界を防ぎ、炎の場所を誤ったのだ。
そして、その一瞬は、彼を死へと導いた。
ドスリ、嫌な音がする。エリが力を込めて京の心臓を貫く、そして一回、ドアのノブを回すように回し、引き抜いた。
京は、そのまま地に倒れ伏した。最後に彼の恋人に別れを告げる涙を流した、血と共に。

エリは、とけた鎖に一瞥した後、流石に無傷ではいられず、ところどころ火傷がある。
彼女は右を向いた、好都合なことに薬局がある。
其処で少し傷を癒そう、そう考え、ゆっくりと薬局へ入った。

【アルル・ナジャ
 所持品:1/10ウォーマシン(持って三日の電池、充電可能)
 第一行動方針:霧島翔(顔は知らない)に会う
 第二行動方針:首輪を外す
 最終行動方針:生きてゲームから抜ける
 現在地:二区中心部>移動】
【エリ・カサモト(右目遺失、重傷「手、足、顔を負傷」)
 所持品:封雷剣(GGXX)
 第一行動方針:傷の治療
 基本行動方針:フィオ以外皆殺し(フィオと二人になれば自分が自殺)
 現在地:二区中心部>北へ】
【草薙京 死亡】
661世界冥作劇場かさずきん 1/8:04/11/27 15:09:01 ID:???
「ッくしょ……どこだよ……」
唸る可憐な赤ずきん。
後ろの閑丸からでは華奢な女の子のシルエットでしかないが、それが放ったドスの利いた声は
そこいらのゴロツキと変わらない。
「間違ってんじゃねえのか、この地図ァ!」
バレッタは一人でキレているが、言われるがままについてきただけの閑丸は何が何やらである。
「あの、どこへ行こうとしてるん……」
飛んでいった「怪物」を追うなら逆方向、と言おうとしたが
「ポリ署に決まってんだろォが! ンだテメェそんなオモチャでヤルつもりか!? マゾか!?」
「……あ、いや、いいですごめんなさい」
言いかけた言葉は勢いに負けてもごもごと消えた。
そんなことを言われても、ポリ署が何を意味するか閑丸にはわからない。
閑丸にはオモチャもとい支給品のジャンプ傘があるのだが、武器の数には当然入っていないらしい。
閑丸の緋刀流なら傘も武器になりえるのだが、それを言ったらまた「何で黙っていた」などと噛み付かれる恐れがある。
怖いから黙っておこう。
「空が白いじゃねえか、コラ」
口の悪さはそのままに、どこか疲れた気配を滲ませながらバレッタが天を睨む。
その手には地図と、L字型の何かが収まっていた。
それを見て、さっき見たばかりのものを思い出した。
「……それにしても、死んだ人、やっぱりいるんですね」
そのうちショートヘアの女性の死骸からその何かをむしりとっていたバレッタに、非難を混ぜて話しかける。
「ああん?」
心身疲労で虫の居所が悪くなっていたバレッタが、さらに機嫌を損ねた表情で振り返る。
「たりめーだろ。殺れっつってんのに殺らねー奴ァ、どうかしてるぜ」
「え……」
そんなものなのだろうか。
殺さなければ殺される状況で、相手を殺すことを選ぶ人間がいることは、閑丸とて理解しているが。
662世界冥作劇場かさずきん 2/6:04/11/27 15:09:51 ID:???
「でも、死んだ人のものを勝手に持っていくって……」
閑丸の視線に気付いて、バレッタは手に持った何か――テーザー銃で閑丸の眉間に狙いをつけた。
「死体が道具を使えるかっつーんだよ。ガタガタうるせーぞお前。
 それとも何か? 目の前に使えるモンが転がってるのにボクちゃんドロボウしませ〜んって素手でぶらついて
 ブチ殺されたいタイプか?」
理屈ではわかるのだが、やはりどこか納得いかない。
が、これ以上ここで騒いでいても仕方ないのも事実だろう。
「……武器なんですか、それ」
「ハッ!」
話を変えた閑丸に、付き合いきれないとばかりにバレッタは背を向けた。
「こんなオモチャじゃゾンビも殺れねーよ」
だからポリ署探してるんだろうが、と独り言のように唸って、それで会話は終わった。
無言で通りを歩く。
手持ち無沙汰に地図を広げて、通りの「立て札」と同じ文字を探していく。
閑丸に文字は読めなかったが、今は2区南寄りを西へ向かって歩いているところだった。
ちなみに、武器があるかどうかは別としてバレッタが目指している警察署は2区の中央付近である。
ついでに言うなら警察署の近くには、2区で最も大きい通りが5区と平行して通っていた。

「やっぱおかしいだろ、この地図……」
バレッタが2区の大通りとして見ているのは、5区だった。
663世界冥作劇場かさずきん 3/6:04/11/27 15:12:07 ID:???
バレッタの意識(○:現在地)

  ←○   ×署(があったはず)
================2区大通り

―――――――――
―――――――――5区


現実(○:現在地)

        ×署
================2区大通り
  ←○
―――――――――
―――――――――5区

「くそ」
怨嗟を吐いてバレッタは闇雲に右へ曲がる。
もう10度を数える無謀な方向転換に閑丸は溜息をついたが、
その滅茶苦茶な行進が2区に居並ぶ強敵をことごとくかわす結果になっていたことなど、無論気付きもしていない。
664世界冥作劇場かさずきん 4/6:04/11/27 15:13:12 ID:???
似たような通りに出てまたしばらく。
次第に地の利を得てきた閑丸は、綺麗に一区画だけ行っていない場所があることを
目の前の赤ずきんに言おうか言うまいか迷っていた。
どうせ、何で黙ってたと詰め寄られるような気がしないでもないのだが。
と、何気なく覗き込んだ路地に光る黒塗りの鞘。
「あ……」
「うん?」
閑丸の声に気付いてうんざりした顔のバレッタが振り返る。
「ちょっと、ごめんなさい」
「ああ? おいコラ!」
バレッタに断ったつもりだが、何故か追いかけてきた。
構わず路地の鞘に駆け寄る。
「何だテメエ逃げようッたって……」
バレッタが閑丸の背後で止まった。
すらりと抜いた刀身は、閑丸の刀よりは幾分控えめだったが
それでも業物であることは見ればわかる。
鞘にぱちんと収めて、ジャンプ傘と一緒に背負った。
「あっ、ごめんなさい、すぐに行きましょう」
立ったままのバレッタの横をすり抜けて、閑丸は表通りに戻る。
傘と刀。使い慣れたものではないが、これで体裁は整った。
自分の身を守る程度なら、これでどうにか事足りるだろう。
それともうひとつ、無理やりに道連れになった赤ずきん。
威勢はいいが、彼女はやはり女の子である。
幸い荒事も多少は経験していることだし、ここは男の自分ががんばるところだろう。
「よし、がんばらなきゃ」
「コラボケ」
両手を握って気合を入れたところで、後頭部をバスケットでしばかれた。
665世界冥作劇場かさずきん 5/6:04/11/27 15:14:22 ID:???
「何勝手に自分のモンにしてんだオイ。ちょっとよこせ」
「あっ、ちょっ……」
守ってあげなきゃと思った相手の女の子に力ずくで刀をむしり取られた。
なんだか立つ瀬がない。
目の前の赤ずきんは、刀を抜き放ってしげしげと眺めている。
「おいおい値打ちモンじゃねーか。コイツはあたしがもらうぞ」
「……え?」
「えじゃねー。こんなカヨワイ女の子が丸腰だってのに、テメエは抜き身ぶら下げてようってのか。
 それであたしを襲うつもりか!? 十年早えんだよチェリーが!」
「……え、ええっと」
唐突の悪罵でびっくりしている間に、バレッタはすたすたと表通りを歩いていってしまっている。
「売りゃいい金になりそうじゃねえか……オラさっさとついてこい下僕!」
「え、あ」
どう考えてもバレッタは刀の扱いに達者ではない。
閑丸が持っていたほうが戦力的にもいいはずなのだが、襲うつもりかとまで言われて奪い取るのも気が引ける。
というか、奪うこと自体閑丸の性に合っていない。
どうしたもんかと立ちすくんでいたところに怒声が飛んできた。
「は、はい!」
なんとなく従ってしまった。
666世界冥作劇場かさずきん 6/6:04/11/27 15:15:56 ID:???
歩きながら考える。
この先どうするか。
飛び去ったエミリオも気にかかるが、彼の罪をなすりつけてしまったタムタムも
なんとかフォローを入れなければならないだろう。
可能であるならば、バレッタより先にタムタムと接触できればいいのだが
エミリオがあのままなら、バレッタと一緒にいたほうが安全ということもあるかもしれない。
「……あー畜生、ポリ署どこにあるんだよ」
「……あの、まだ行ってない場所があるんですけど」
刀を抱きかかえながら唸ったバレッタに、うっかり閑丸が口を滑らす。
「ああ!? 何で黙ってた!」
「ひええ」
予想通りだった。

【バレッタ 所持品:テーザー銃(元ウィップの支給品)、日本刀(元さくらの支給品)
 行動方針:警察署で武器を得て、タムタムっぽいものを虐殺 現在地:2区中央部・警察署へ】
【緋雨閑丸 所持品:ジャンプ傘 行動方針:できればエミリオ捜索 現在地:バレッタに同行】
667ゲームセンター名無し:04/11/27 16:24:02 ID:???
かさずきん組の現在地は2区南西部でした
668育ての親:04/11/28 00:04:39 ID:???
「立ち話もなんだわ…落ち着けるところへ移動しましょう」
ミリアの提案で、ゼン・テリー・ミリアの3人は、近くの民家に入った。
電気はつけられないが、夜目の効くミリアの案内でリビングらしき場所に出る。
街頭の明かりが少し入るその部屋では、うっすらと何があるのかが見えた。
テリーがソファに腰掛け、ミリアが絨毯の端に座り込む。
ゼンは入り口に佇んだままだった。
「あんたも少し落ち着いたらどうだ?」
テリーから声がかかる。
「いや、これでいい」
ゼンにとっての落ち着く姿勢というのは、いつでも戦闘態勢に入れる状態。
どこかに身を預けるなどということは、逆に恐怖であった。
「さて…これからどうしましょうか。随分人が死んでるみたいだけど…」
「…さっきの放送だな…俺も知ってる人間がだいぶ死んでたよ」
どこか寂しげに、テリーが呟く。
「私の知り合いも死んでたわ…2人。普段はこんな戦いに乗るような子達じゃないけど…
ゲームの空気に当てられて、殺気立った人間も多いみたい。」
そう言って、ミリアはゼンを一瞥した。ゼンは何も反応を返さない。
「それで、これからの方針だけど」
ミリアが部屋を見渡す。
669育ての親:04/11/28 00:06:08 ID:???
仲間を出来るだけ増やして、主催者を見つけ出し…殺すのが良策だと思うの。
どこまで上手く出来るかはわからないけど…ともかく、人数は多ければ多いほど良いわ。
テリー、あなたは誰か信用できる人が居て?…残りの中に」
「ああ。俺の妹…っていっても、弟の嫁さんだけど。あと、友達に…息子だ。」
「へえ、息子?そんな歳には見えないけど」
「養子なんだ。…息子って言うより…ライバルかな」
そう言って、テリーは目を細める。
「ま、色々あって引き取った奴なんだけど…格闘センスが良くてね。嬉しくて、色々仕込んだよ。今ではかなりの使い手になった」
その話に、ゼンが顔をゆがめた。ミリアも少し目を伏せる。
「…良い師・良い弟子だったってわけね…羨ましいわ」
「あはは…そんな大層なモンでもないけどね」
くだらねえ。ゼンは心の中で毒づく。
「とにかく、そいつは…ロックっていうんだけど、間違いなく信頼できる。それに、出来れば一刻も早く合流したい」
「そうね、気持ちはわかるわ…ゼンはどう?
私のほうはもうあてもないし、貴方達が優先したいことに従うわ」
「…俺のほうも…信用は出来るだろうが、親しいってほどの知り合いはいねえ」
テリーを見て、低く呟く。
「あんたの方を優先するよ」
「…そうか、ありがとう」
テリーが微笑んだ。
「ただ…」
ミリアが続ける。
「さっきの放送…聞いたわよね?ジョーカーが居るって」
「…ああ」
3人の間に張り詰めた空気が漂う。
「私がそうでない、っていっても何も証明はないわ…貴方達もそうよね?だから、こう言うしかない。
…お互い、寝首をかかれない様にね。」
「オッケー。誰を信じるのも裏切られるのも、自己責任といこうぜ。」
670育ての親:04/11/28 00:07:32 ID:???
とにかく夜に動くのは危険だ。
交代制で見張りを立て、休むことになった。
寝首をかかれないように…と、同じ部屋で2人が見張り、1人が休むという奇妙な休息。
しかし暗殺者であるミリアには慣れた状況なのか、静かな寝息を立てていた。
「…なあ、あんた」
「ん?」
ゼンが声を潜め、テリーに声をかける。
「あんたの息子って奴…強いのか?」
「ああ、強いよ」
即答。そしてそれは、どこか誇らしげで。
「…本気で戦ったら…殺されるくらいにか?」
ゼンの語尾が震えた。それには気付かないフリをして、テリーは答える。
「そうだな、その程度には強いよ」
「…そうしたら…後悔するか?育てたことを」
痛いくらい真剣な視線。ゼンに何があったのか、テリーは知らない。
だが、確かロックもこんな目をしたことがある。
『俺が、親父の血に目覚めてテリーを殺したら…どうする?』
殺したくない。殺したくなかった。そんな瞳。
「後悔は、しないよ」
はっきりと、テリーは答える。
「何があっても、後悔はしない…出会えたことの方が、ずっと大事だから」
優しく微笑みながら、テリーが言う。それは紛れもない、父親の言葉。
「………」
それを聞いて、ゼンは黙り込む。薄闇に、叱られた子供のような目が見えた。
会話に目を覚ましたミリアも、その言葉に自分が殺した男のことを想っていた。

会わないほうが良かった?
会えて良かった?

答えは出ないまま、朝が来る。
671育ての親:04/11/28 00:08:25 ID:???
【ゼン 支給品:折りたたみ式ボウガン 現在の目的:ルガールを倒す、仲間を集める】
【ミリア・レイジ 支給品:ドラゴンクロニクル・闇の幸運種ぬいぐるみ 現在の目的:ゲームを潰す、仲間を集める】
【テリー・ボガード 支給品:リボルバー式小型銃(装填数6)
現在の目的(優先順):ロックを探す、舞を探す、マリーを探す、仲間を集める、ルガールを倒す】
現在位置:6区中央民家内

※コピペミスで669の最初、ミリアの台詞から【「】外れてしまいました。すみません。
672Hound ◆aJTLC8q5rk :04/11/28 05:50:47 ID:???
午前二時。
純然たる闇が空を支配する刻限である。既に月は沈み姿は無い。
霧島翔とフィオリーナ・ジェルミの二人は公道を単車にまたがり全速力で疾走していた。
目指すは五区中心部のネットカフェである。

霧島翔の背中を見失わないよう必死に追いかけながら、フィオは内心神経を尖らせていた。
こんな真夜中にバイクで爆走するのは危険過ぎる。周囲に自分達の居場所を知らせているような物だ。
何処に殺人者が潜んでいるかも解らない今、自殺行為に等しい。
誰も追ってきていなければいいけれど……

「霧島君!そこで止まって!」

細道から表通りに出ようとした瞬間、彼女が声を上げたので翔は慌てて単車を止める。

「何だよぉいきなり。目的地はすぐそこだぜ」
「現場に誰か人がいたら私達の存在が気付かれてしまいます。
ここからは歩きの方が安全です」
「……やっぱり流石は軍人さんだな。そんじゃあ歩いていくとしますか」
苦笑しながら翔は単車を降りると表通りのネットカフェに向かって歩き始めた。フィオもすぐさまそれに続く。

翔は街灯で淡く照らされた夜道を歩きながら、何て気味の悪い街なのだろうと思った。
多くの人間が住んでいた形跡自体はあると言う
673hound ◆aJTLC8q5rk :04/11/28 05:53:09 ID:???
午前二時。
純然たる闇が空を支配する刻限である。既に月は無い。
霧島翔とフィオ・ジェルミの二人は公道を単車にまたがり全速力で疾走していた。
目指すは五区中心部のネットカフェである。
霧島翔の背中を見失わないよう必死に追いかけながら、フィオは内心神経を尖らせていた。
こんな真夜中にバイクで爆走するのは危険過ぎる。周囲に自分達の居場所を知らせているような物だ。
何処に殺人者が潜んでいるかも解らない今、自殺行為に等しい。

「霧島君!そこで止まって!」

細道から表通りに出ようとした瞬間、フィオが声を上げたので翔は慌てて単車を止める。

「何だよぉいきなり。目的地はすぐそこだぜ」
「現場に誰か人がいたら私達の存在が気付かれてしまいます。
ここからは歩きの方が安全です」
「……やっぱり流石は軍人さんだな。そんじゃあ歩いていくとしますか」

苦笑しながら翔は単車を降りると表通りのネットカフェに向かって歩き始めた。フィオもすぐさまそれに続く。

街灯で淡く照らされた夜道を歩きながら、翔は何て気味の悪い街なのだと思った。
多くの人間が住んでいた形跡自体はあると言うのに、生活感がまるで感じられない。
ここは…本当にサウスタウンなんだろうか?

漠然とした彼の疑念を掻き消すかの如く、次第にネットカフェの建物がはっきり見えてくる。
するとフィオは唐突に翔の手を引いて細い路地に身を引っ込めた。

「ちょっと待って」
フィオは上着の内ポケットから双眼鏡を取り出すと、目標物の建物を凝視した。
翔は隣でその様子を固唾を飲んで見守っている。

「……どうだ?中に誰かいそうか?」
「えぇ。やっぱり予想通り……既に先客がいるみたい」
674Hound ◆aJTLC8q5rk :04/11/28 05:55:02 ID:???
人影は見えない。しかし暗がりの中で青白い光が微かに窓の外に漏れている。
恐らくはパソコンのバックライトだろう。何者かが店内にいるのは間違い無かった。
翔は軽く舌打ちすると小声で毒づいた。

「畜生…誰だか知らねぇけど一体何してやがるんだ」
「私達と同じ目的なのかもしれません。
けど…協力が望めるどうかは別の話です。」

向こうが自分達を敵と見做して襲撃してくる可能性も有り得る。
相手の正体も正確な人数も把握出来ない以上、不用意にこちらの姿を見せるのは危険だ。

フィオは双眼鏡を仕舞いながら翔を振り返り、
「とにかくもっと接近して様子を見る必要がありますね。
状況次第では何処か別にネット接続できる場所を探………」
「ん?変な顔してどうした?」

彼女が突然硬直したように言葉を失い、翔は訝しげに眉をひそめた。
俺が何かしたのか、と口を開いた時───

「霧島君逃げて!!」

フィオが絶叫するのと、背後から彼目掛けて炎の矢が襲い掛かったのは全く同時だった。
間一髪で反応し、炎を避けて地面を転がる翔。

(くそっ……また炎使いだと!?)

素早く勢いを付けて立ち上がり、翔は路地の奥へと向き直る。
暗闇の中からゆらりと姿を表したのは褐色の肌に白髪の青年・K'だった。
彼は静かに立ち尽くし睨み付けている。死人の様な瞳に昏い憎悪と陰鬱な殺意を漂わせて。
675Hound ◆aJTLC8q5rk :04/11/28 06:00:33 ID:???
翔は直感した。
奴は自分を凌駕する力の持ち主であり、今や理性を捨てた殺人者であると。
彼の放つ殺気が空気を震わせるのが分かる。それに同調したかの様に脇腹の傷が再び痛み出した。
「あんた銃持ってんだろ!あいつ何とかしてくれ!」
「言われなくてもっ!」
フィオが素早くレーザー銃の照準をK'に合わせて引き金を引く。
銃口から放たれた光芒は一直線に彼の体を居抜く筈だった。
だがしかし。
彼が炎を纏った腕を軽く振るうと、レーザー光線は炎に吸い込まれて呆気なく消滅した。
物理法則ですら簡単に歪める男。生身の人間が正面から戦って勝てる見込みは考えるまで無い。
残された手段は……この場から逃走するのみ。
運悪くバイクを停めた方角は男に道を塞がれている。
翔とフィオは頷き合うと敵とは逆方向に全速力で走り出した。
それを視認するや否や、無言のまま猛然と二人の後を追うK'。
狭い路地を飛び出し開けた大通りへ。
K'はフィオの援護射撃のせいでなかなか霧島翔の背中を捕らえきれずにいる。
炎でレーザーを掻き消しながら進む為、どうしても走る速度が落ちるのだ。
不愉快な女だ、と彼は朦朧とする頭の隅で感じた。
フィオが何度目かの掃射を加えようとした瞬間。

「おらああああああああっ!!」

雄叫びと同時にK'の掌から蔦状に伸びた火柱がフィオの右腕ごとレーザー銃を飲み込んだ。
676Hound ◆aJTLC8q5rk :04/11/28 06:03:35 ID:???
「きゃあぁっ!?」

思わず手を振り解くと同時に銃は炎に包まれてあっと言う間に溶解した。
血相を変えて翔が叫ぶ。
「大丈夫かフィオ!?」
「…心配いりません…私は大丈夫です」

激しい火傷の痛みに顔をしかめながらも彼女はペースを落とさず走り続ける。
一瞬とは言え腕を焼かれて軽傷の筈がない。しかし翔自身も脇腹の痛みが限界に達しつつあった。
このまま走り回るだけでは埒が明かない。いずれ体力負けでくたばるのが関の山だ。
翔は覚悟を決めた。

「いいか!次の道で二手に分かれるぞ!」

翔の突然の提案にフィオは思わず目を見開いて彼を叱責する。
「何馬鹿な事言ってるんですか!その怪我で一体…」
「今は取り合えずあいつを撒くしかねぇ!俺の事なら大丈夫だ」
「でも……」
「明日の今と同じ時間にもう一度さっきの路地で合流しよう。勿論両方生き延びたらの話だけどな」

歯切れの悪いフィオを励ますように翔は軽く笑みを浮かべて見せた。
彼女は暫く沈黙していたがやがて決心した様子で答えた。

「……わかりました。絶対無事でいて下さいね」「当たり前だ、あんたの方こそ死ぬなよ!じゃあまた後でな!」

固く再会を約束すると二人は交差点を左右別々に駆け抜けた。

月の消え失せた夜空には相変わらず無限の闇が広がるのみであった。
677Hound ◆aJTLC8q5rk :04/11/28 06:04:51 ID:???

【霧島翔 目的:逃亡、フィオと再会し首輪の解除法を探る
所持品:ハーピーの歌声入りラジカセ
位置:五区中心部→四区】
【フィオ・ジェルミ 目的:逃亡、翔と再会し首輪の解除法を探る
所持品:現在無し
場所:五区中心部→三区方向】
【K' 目的→霧島翔を確実に殺害
所持品:無し。釘バットはリオン殺害後破壊もしくは放置?
場所:五区中心部→霧島翔を追って四区】
678Hound ◆aJTLC8q5rk :04/11/28 06:06:06 ID:???
>>672は書き込みミスなので削除でお願いします。
679You disturbe me? ◆AX90vj3jog :04/11/28 21:11:58 ID:???
「クリス……」
 適当なねぐらを探していた時、突如流れた忌々しい声。
 そして告げられた仲間の名。
「……」
 社の眼に剣呑な光が宿る。
 まさかこんなに早く、クリスが死ぬとは。
 殺ったのは誰だ。草薙か?マチュアかバイスか?
 誰だかわからんが、もしそいつが俺の前に現れたら……必ず俺の手で仕留めてやろう。

 そしてもう一つ、社の関心を引いた名。
 八神庵。
 彼の死もまた予想外。常識外れの体力と強さを持つ彼を、誰がどうやって殺したというのだ。
「こいつは……どうにも油断ならねえゲームだな」
 渋面で吐き捨てる。
 常識外れを殺すことのできる、とんでもなく常識外れな連中がいるようだ。
 自分の戦い方が通じない事もあるかもしれない……社は、改めて袋の中の支給品を見やる。
 彼の支給品は、大振りなショットガンだった。
「趣味じゃないんだがな、こういうのは」
 だが、これに頼らざるを得ない場面も今後起こりかねない。
 とにかく、せめて一刻も早くシェルミーと合流したい。彼女もいつまで無事でいられるかわからない。
 社は、もうしばらく歩き回ってみる事にした。

 リョウ・サカザキもまた、放送を耳にしていた。
 知った名が幾人か呼ばれた。目を閉じ、わずかに黙祷する。
 青い胴着の柔術使い……名は知らないが、きっと読み上げられた中にはいない。
 復讐者の勘が、そう告げていた。
 覚悟を新たに、リョウは再び歩みを進めた。
680You disturbe me? ◆AX90vj3jog :04/11/28 21:12:54 ID:???
 
 そして、五区のある交差点。
「!!」
 その角で、社とリョウは鉢合わせた。
 互いにやや気が立っていたせいか、普段よりも注意力散漫になっていたようだ。
「……」
「……」
 無言で、相手の眼を見据える二人。
 やがて、リョウが先に口を開いた。
「……俺はお前には用は無い」
「ああ、俺もお前を相手にする気はねえな」
 社も応える。
 互いに邪魔をする気は無いとわかると、二人はもう目線も合わせようとせず、相手の横を通り過ぎた。

「あー……そうだ、一つ訊きたい」
 社が、ふと足を止めてリョウの背中に声をかけた。
「クリスを殺したのは……お前じゃないよな?」
 一瞬にして、それまで静かだった夜気が熱を錯覚しそうな程の怒気に染め上げられた。
 リョウはしかし、その中にあって全く動じずに返す。
「俺ではない」
 短い返答、しかし社は納得したらしく、大気はまた静けさと冷たさを取り戻した。
「俺も一つ訊きたい……青い胴着の柔術使いの男を見かけなかったか?」
「いや……知らないね。ああもう一つ。シェルミー見てないか?」
「知らん」
「そうかい、じゃあな」
 それっきり、二人は言葉を交わすことも相手の方に振り返る事もなく、歩んでいった。
 己の目的、それ以外のいざこざは必要ない。
 ただただ、目指すものの元へ。

【七枷社 所持品:ショットガン(弾数・6) 現在地:五区(三区方面に移動中)第一目的:仲間と合流(ゲームには乗らない)第二目的:クリスの敵討ち】
【リョウ・サカザキ 支給品:火薬 現在の目的:日守剛への復讐 現在位置:五区(ギースタワー方向に移動中)】
681月見で一杯 1/3:04/11/28 23:11:45 ID:???
必要なことは、現状の把握である。
サウスタウン3区ハワードアリーナ。
半日がかりで、というのはいささかやりすぎの感もあったが
この区画をくまなく歩き回って、大体の地の利を得た。
ついでにアリーナのできるだけ高い場所から、サウスタウンを見渡しもした。
その結果理解したことは、やはり情報は自分の足で稼ぐしかないということだった。
要するに、守矢にはメリケン文字の素養がなかった。

さて、人探しとなるとどうしたものか。
追っ手から逃れながら進むなら、夜に動くに越したことはないのだが
外にいる人間全てが自分に戦いを挑んでくるとは限らない。
その覚悟はしておくべきとはいえ、夜に動くとなると今度はどうだろう。
楓と合流することを考えると、昼の日の下のほうが見つけやすいし、
同じように楓もこちらを見つけやすい。
守矢の手には、短刀が一本。
ある程度の相手なら何とかなろうが、やはりどうも心許ない。
自分がこの程度なら、楓はさらに悪い武器の危険性もある。
やはり、危険性より楓と合流できる可能性を取るべきだろう。

空が白々明けてきた。
地図を睨みながら、楓の行きそうな場所に見当を付けてみる。
どうせ行くなら、目立つ塔だろうか。
ともあれハワードアリーナを出て移動しようとした時。

「フン、人が居たか」

狂犬のような目をした男が立っていた。
682月見で一杯 2/3:04/11/28 23:14:12 ID:???
守矢にとって全てが異質のサウスタウンで、初めて差し向かったこの男のいでたちは
守矢が見慣れたものだった。
着物と刀。大きく無造作に纏めた髪。
見るからに侍である。
もっとも、安堵を覚えるはずのその特徴は、男の纏う殺気で台無しになっている。
侍の中でも、恐らく人斬りに類する人間であろうことは十分にわかった。
「何者だ」
男から見えないように短刀の柄に手をかける。
男は答えず、その刃のような視線で終始守矢を刺し通している。
「……用がないのなら、そこをどいてもらいたい」
「貴様、この遊びを降りるのか?」
相手にしていられないとかけた言葉に、侍が反応する。
その真意を測りかねていると、侍が重ねて問いかけてくる。
「くだらぬ祭りのようなものだが、俺たちはどうやら祭りの間中この出島から出られんらしい。
 その祭りが終わるためには、ここにいる人間を皆殺しにすればいい。貴様も聞いたはずだな」
「ああ。だが、そのような馬鹿げた話に乗るつもりはない」
「フン、だろうな」
一言返した守矢に、侍が嘲笑を投げつけた。
「その甘い面が語っているわ。貴様も人を斬るのに御題目を必要とする手合いだろう」
「何……」
「食いたい時に食い、抱きたい時に抱き、斬りたい時に斬る。大義も題目も要らぬわ。
 このくだらん祭りをやめたいのなら、つまらん思慮を巡らせる必要もあるまい。
 彼奴の手の内で踊ってやるのも気に食わんが、他の人間を斬って捨てればそれで終いよ」
侍が諸肌を脱いで上半身を露出した。
鍛え抜かれた筋肉は、間違いなく百戦錬磨の剣客であることを示している。
683月見で一杯 3/3:04/11/28 23:24:19 ID:???
「それが、お前の用か」
守矢は短刀を抜いた。
もう隠し立てする必要もない。
それに、侍はすでに刀を抜いている。
「踊る阿呆ゥに見る阿呆ゥ、よ。来て正解だったわ。
 貴様のような輩が居ては、この祭りのくだらなさに救いがなくなる」
侍はゆらりと刀を構える。
両手で耳のそばに支え、切っ先は目より少し下。
我流であろう。
「それに、俺を掌で踊らせようとした、あの釈迦気取りの毛唐も気に入らん。
 貴様らを皆叩き斬って、俺が生き残って彼奴も斬り捨ててくれる」
空は曇天。
守矢の得物は短刀。
刀が相手でも、不慣れな者ならなんとかなったであろうが、この侍はどうやら真性の人斬りらしかった。
と、放送機器のノイズに続いて、あの声が聞こえてくる。
「ホウ……噂をすればなんとやら、だな。どうだ? 貴様の知った人間は名を連ねていないか?」
ルガールの放送を聞きながらも、侍は構えを崩さない。
どころか、足の指が少しずつ間を詰めていた。
突如、雲の切れ間から刺すような朝日が射込んでくる。
守矢は跳んだ。

【牙神幻十郎 目的:ゲームに乗らない人間の殺害 所持品:愛刀・梅鶯毒 位置:3区最北端】
【御名方守矢 目的:楓と合流 所持品:短刀 場所:幻十郎と交戦中】
684曇らぬ決意 1/2:04/11/28 23:30:04 ID:???
嫌な予感がしていた。
 
ちづるは古武術の使い手ではあるが、本来は格闘を生業としているわけではない。
邪神の(あるいは神の?)封印を司る家系の巫女長として、多くの祭事を取り仕切り、
また「八咫の鏡」に象徴されるその力は、ときに先読みの力として彼女に未来につながる何かを教えてきた。
それを格闘家としての勘がなせる業だと評した青年もいた。彼はちづるの家に連なる旧家の当主でありながら、
そういう神話的な話には強い拒否反応を示していた。
いずれにせよ、彼女の予感はよく当たる。
この事態においても、行動を決める際は直感に頼ってきて、そして成功はないまでもまだ大きな失敗は犯していない。
彼女がその手に持つ竹槍も、まだその切っ先は血の味を知っていない。
 
ひとり、月のない夜道を気配を殺して歩く。嫌な予感は消えなかった。  
 
先に彼女が感じた「それ」は、尋常なものではなかった。
否、それは予感という言葉で片付けられるようなものではない。
寧ろもっと強烈で、もっともっと絶望的な。
己の半身を引きちぎられたような、鋭い痛み。鏡写しの幻とは比べ物にならない、とても直接的な。
痛みに導かれるようにして、そして今までは避けてきた流血の匂いに引きずられるようにして、ちづるは目の前にある角を曲がる。 
そして、否応なしに思い知らされた。やはり予感は、ただの予感ではなかったことを。
685曇らぬ決意 2/2:04/11/28 23:31:17 ID:???

どれだけの時間がたっただろうか。

涙は流さない。泣かないと誓ったから。
絶望もしない。あきらめないと誓ったから。
剣は折れ、勾玉は砕けた。
だがそれでも、鏡は割れずに残っている。私が、まだ生きている。
 
ちづるは京の血に濡れたグローブを拾い上げた。
特に目的があったわけではないが、そうしたほうがいいと感じられた。
そして、おそらくそれは正しいのだろう。

理不尽な運命から、皆を守ると決めた。
あのような思いは、誰にもさせたくない、そう決意した。
それは、理不尽な運命に命を刈り取られた姉との約束。
その想いは微塵も揺らいでいない。

「姉さま、草薙、八神……見ていてね。あなたたちの分も、私は」
 
この町を覆う狂気と流血は、八咫の鏡を曇らせるには未だ至らなかったようだ。
月明かりの下、血濡れの日輪を刻んだグローブが彼女に同意するように微かな火の粉を纏わせた。

「…強く生きて見せるわ」

【神楽 ちづる  支給品:竹槍 草薙京のグローブ(草薙の力の残滓有り?) 目的:仲間を集めゲームを止めさせる 現在地:二区中心部>南下】
686とりあえず:04/11/29 03:31:10 ID:???
寂れた遊園地に程近い、サウスタウンブリッジ全体を見渡せる小さな公園。
その林木の中で二つの影が折り重なるように倒れている。
環境の変化に耐え切れず持病を悪化させ、戦うことなく散った和装の剣士。
そして、それを守るかのように覆いかぶさる異形の大男。
M16ライフルによる銃撃を左胸と腹に受け、おびただしい量の血を流している。
その姿はとうに事切れているかに見えた。しかし。

仮面の下の目が唐突に見開かれた。
ずるり、と音を立てゆっくりと起き上がると、
荷物袋の中から神々しくも禍々しい輝きが飛び出し、
ふわりとタムタムの手に収まった。
古代よりグリーンヘルに伝わる、神に授かりし宝の一つ
無限の魔力を秘めし聖石・パレンケストーンである。
暗黒神の手先に奪われたそれを取り戻すために
もう一つの宝である勇者の仮面を被り旅に出たタムタムだったが、
何の因果か、時代も空間も飛び超えた現代のこの地で
殺し合いの道具として彼の手に戻っていた。

「オオ・・・オオオオ・・・・・」
687とりあえず:04/11/29 03:35:47 ID:???
タムタムが低く獣のようなうなり声をあげると、
仮面と聖石が共鳴しあうかのように輝く。

「聖ナル戦イヲ汚シシ悪魔ニ・・・神ノ裁キヲ・・・・・」

正確には「それ」はタムタムではなかった。
彼の意識は、致命傷ともいえる銃弾を受けた時から眠ったままだ。
しかし、神聖な勝負を汚す卑怯な振る舞いを許さない勇者の仮面の意思と
パレンケストーンの力がタムタムの傷を塞ぎ、
さらに戦士の身にグリーンヘルの神、ケツァルクアトルを宿らせていた。

「アオアオアオォォ!アオオォォォ!!」

人間のものとは思えないような雄叫びを周囲に響かせ、
木々を渡る猿のような跳躍で遊園地に侵入し、その中で最も高い観覧車の上から街を見渡す。
狂気、恐怖、欲望、怒り・・・この地は悪魔の意思で満ちていた。

「全テノ悪魔ニ・・・裁キヲ・・・・」

【タムタム(ケツァルクアトル)  支給品:ガダマーの宝珠(パレンケストーン)
目的:悪魔の意思を持つ者を滅ぼす(響が最優先)
現在地:八区、夢の遊園地の観覧車の上】
688第2回定時放送 ◆r0crLXFu8U :04/11/29 07:01:05 ID:???
「おはようございます、参加者の皆様、午前7時となりました。第2回の定時放送をルガール様からいただきます」
街が目をさました。

「やあ、おはよう諸君。昨夜はよく眠れたかね?まだまだ敵は多い、休める時に休んでおかないともたんかもしれないぞ?」
街が耳をそばだてた。

「それでは1度目の放送から今までに命絶えた弱き者の名を告げるとしよう・・・」
街が祈った。

「あやね、ウィップ、かすみ、草薙京、ジョン・クローリー、シモン・ベルモンド
 爆皇雷、リオン・ラファール、リムルル、レオナ。以上の10人だ」
街が泣き、怒り、絶望した。

「強き者よ、敵を倒して証明せよ。弱き者よ、死をもって己に幕を閉じよ」
街が張りつめた。

「そうそう、一つ教えておこう。死者の無念か生者の涙か、雨雲が近づいているらしい。
 気をつけたまえ?濡れて風邪でもひいたら大変だ。死んだら、もっと大変だがな。ハッハッハッハ」
街が熱を帯びた。

「それでは、次は午後7時に。諸君らが生きて次の放送も聞ける強き者であることを願う。また、会おう」
街が沈黙を取り戻した。


恐怖を帯びた風が吹き
  希望を帯びた日が昇り
    悲哀を帯びた雲は来て
                             殺意を帯びた雨が降る

【第2回定時放送終了。これより2日目朝から夕】
689Hush-a-bye, baby:04/11/29 10:41:34 ID:???
第二次放送が流れた。
…結構、減ったな。
痛みと疲労で浮かされた頭で、ぼんやりとヴィレンは思った。
誰にも見つからないよう、息を潜め、路地裏を進む。慎重に、慎重に。
まるで猫に怯える屋根裏の鼠だ。余計なオマケが付いてきてはいたが。
「オマケじゃないよ、リリスって呼んでよう」
「うるせえ」
左足が重い。痛みが治まらない。出血が無いだけマシだが腫れがひどい。
薬か何かがあればいいのだが…。
「ボク、そっちいくと危ないよ?」
思案中、後ろからリリスの声がかかる。
「誰にも会いたくないんでしょ?だったらこの道抜けたら、駄目だよ」
「…わかんのか?」
この少女は人間じゃない。何か特別な力があるようだ…先に何があるか位はわかっても不思議は無い。
だが人間で無いということは、信頼できないということだ。
「しんじてないでしょ〜」
頬を膨らませ、上目遣いに睨まれる。その仕草が奇妙に愛らしい。
「リリス嘘ついて無いよ。ボクが行きたいのなら、止めないけど。」
「………」
立ち止まり、考える。今誰かと会って戦うのは避けたい。
かなりの人間が死んでいる…つまり今残っているのは、よほど運のいい人間か腕の確かな者だけ。
あの化け物じみた男のような。
「誰にも会いたくないのなら、この階段登っちゃおうよ」
そう言って、リリスが脇のビルの非常階段をさす。
「…俺は片足使えねえんだぞクソガキ。」
「だったらリリスがおんぶしてあげる!」
「黙れ」
足を引きずり、階段の手すりに手をかけた。
690Hush-a-bye, baby:04/11/29 10:43:14 ID:???
鉄製の、ところどころ錆付いた階段を片足で音を立てずに登る、というのは酷く骨の折れる作業だった。
やっとのことで3階ほどの高さまで登り、踊り場に崩れ落ちる。
「…ボク、もう我慢できない?」
リリスが覗き込んでくるが、答えるのも面倒なほど息が上がっていた。
出来れば屋上まで登り身を隠したかったが、この状況では…。
見上げればビルの隙間から空が見えた。朝日をさえぎる曇天模様、鼠色。胸糞わりい。
目の前には非常口。しかし、当然だが鍵がかかっている。
こじ開けることは出来るだろうが、大きな音をたてたくは無い。とは言えここで休憩というわけにもいかない。
「…ちょっと待っててね」
考えをめぐらせていると、リリスが壁の中に溶け込んだ。
「………」
なんなんだろう、このガキは。
人間じゃないことはもう充分わかった。ならばこれは、なんという生き物なのだろう。
しかも俺を守るだと?人間でもそんな奴には御目にかかったことは無い。
いや、だからこそこいつは化け物なのか…。
カチャ
扉が開く音。中から鍵を開けたらしい。
「いらっしゃいませ〜♪」
何故かメイド服を着たリリスが出迎える。
ヴィレンは、疲れがどっと襲ってくるのを感じた。

ビルはホテルだった。そこそこ部屋数も多い。2つ星といったところか。
足を引きずりながら、エントランス近くの小さな売店で薬を探す。が、消毒液と擦傷用の塗り薬しか見つからなかった。
「無いよりマシか…」
薬と、パンに缶コーヒーをポケットに突っ込み、ホテルの探索に戻る。
「お客さん、万引きはいけませんよ〜」
振り向けば売店のレジにリリスが入っていた。相手にせず、エレベーターのボタンを押す。
「も〜、ボクはいけない子ですねえ!」
頭が痛い。
691Hush-a-bye, baby:04/11/29 10:44:53 ID:???
最上階は8階。一番奥の部屋に入り、ヴィレンはベッドに倒れこんだ。
肉体的にも、精神的にも限界だった。これからのことを考える前に、少しでも休みたい。
頭を何かが撫でる感触。リリスだ。
「ボク、疲れてたもんね。ちょっと寝た方がいいよ」
「…寝れるわけねえだろ…何があるかわかんねえのに」
「じゃあ眠れるように、リリスが添い寝してあげる!」
「寝言は寝て言え」
「はじめてでしょ?優しくするから」
「死ね」
リリスはまだ頭を撫でている。すでにそれを振り払う気力も無い。
「………」
そういえば頭を撫でられたことなど、初めてのような気がする。
物心付いたころにはすでに両親はなく。
与えられるものなど何もなかった。欲しいものは奪うだけ。奪ったものにこそ価値がある。
なのに、この小さな手が与える感触を…心地良いと思うのは何故だろう?

Hush-a-bye, baby, on the tree top,
When the wind blows the cradle will rock;

歌声が聞こえる…子守唄?馬鹿にしやがって。
大体寝るつもりはねえっつってんだろが。

When the bough breaks the cradle will fall,
Down will come baby, cradle, and all.

…クソガキ…俺は寝たくねえんだ…よ…………
692Hush-a-bye, baby:04/11/29 10:45:52 ID:???
「お休みなさい」
眠ってしまったヴィレンにリリスはシーツをかける。
「心も体もぼろぼろな人って、リリス大好きよ…もっといじめたくなるから」
目覚めれば、惨劇の続きが始まる。この子はこの後、どれだけ傷ついてしまうのだろう?
少女に浮かぶ笑顔は無垢。残酷なまでに。
「大丈夫。リリスが守ってあげるから、ね」

【ヴィレン(左脚骨折) 所持品:チェーン・パチンコ玉・鉄釘など暗器 目的:ゲーム参加・負傷回復】
【リリス 所持品:? 目的:ヴィレンを守る】
(現在位置・2区東側ホテル内)
※ヴィレン、疲労回復。ただし怪我は治っていません。
693FMJ ◆R0aSYZxqgE :04/11/29 14:49:04 ID:???
「って…しまった寝過ごしたぁぁぁぁぁ!!」
「なにやってんのよぉぉぉぉぉ!!」
ギースタワー一室、響く三人の声。時計は八時を指している。
そう、二人はギースタワーの一室で睡眠を取り、放送を聞き流してしまったのだ。

話は夜にさかのぼる。
ニーギはギースタワーの内部のある部屋で休むというアルフレッドの意見でギースタワーを目指して歩いていたのだ。
道中でマシンガン…いやウージーを見つけた二人、それが此処を立ち去った溝口のものだということは知らない。
「これって…アレじゃん、ほら。戦場は地獄だぜ!とか言いながら撃つ奴」
ニーギが拾い上げ、フゥハハハハ等と笑いながら冗談半分で海に銃口を向ける。
すこし戸惑っていたアルフレッドがニーギを止める。
「ちょ、大丈夫?…機関銃と破壊力はほぼ同じなんだよ?」
「大丈夫だって!向けてる方向は海だし、誰も居るわけ無いし」
ニーギが遊び半分でトリガーを引く、ドパパパパッ!と威勢のいい音がし………。
二人は知るわけが無かっただろう、銃弾の行く先に人体があり、その銃弾が確実に胸を、頭を貫いていたことを。

「さぁ、そのギースタワーって所に行くんでしょう?」
ウージーを袋に押し込め、ニーギがアルフレッドに何事も無かったことのように振舞う。
やれやれ、と小さく声を漏らすアルフレッド。肘打ちが彼の腰を襲ったのは言うまでもないかもしれない。

「やっぱり、そのまま…か」
過去にサウスタウンに来た記憶を巡り、嘗てビリーに礼として一度だけ招いてもらったギースタワーの内部をアルフレッドはしっかりと記憶していた。
なぜか布団しかないのだがその理由はビリーのみが知るであろう。
多少不満げなニーギをよそに、早々と眠りについた。
694ゲームセンター名無し:04/11/29 14:50:38 ID:???
そして、朝になった。余裕で寝過ごした二人は前回と今回と放送を聞き流してしまった。
さて、どうする?

【アルフレッド 
 第一行動方針:ギースタワーで雨をやり過ごす?
 所持品:チェーンソー
 位置:11区ギースタワー内部】
【ニーギ
 第一行動方針:ギースタワーで雨をやり過ごす?
 所持品:ゼロキャノンコントローラー ウージー
 位置:11区ギースタワー内部】

#上記二人は放送を聞いていません。

【溝口
 第一行動方針:ウージーを放棄後、????(生き残る?)
 所持品:なし
 位置:11区>どこかへ移動】

【かすみ 死亡?】
695FMJ ◆R0aSYZxqgE :04/11/29 14:52:11 ID:???
なんか ? ついてるよ俺orz
【かすみ 死亡】です、申し訳ない。
696ゲームセンター名無し:04/11/29 15:25:56 ID:???
>>FMJ様
感想スレにてあなたの作品が議論されておりますので、
お越しいただけないでしょうか?
697サイキョーの伝説(前):04/11/29 21:42:08 ID:???
2日目 AM7:08

「なんで・・・なんでぇっええええ!!!」
朝の静けさを引き裂くような慟哭。
「落ち着け!真吾!」
「草薙さんが!ウソだ!草薙さんが死ぬわけない!!ウソだうそだ嘘だあぁぁぁぁぁぁ!!!」
「バカヤロウ!」
ダンの拳が真吾の頬にめり込んだ。
防御することもなかった真吾は軽くふっとび、それでもなお、中空に視線を漂わせて草薙の名前を呼び続けた。
そんな真吾の姿をダンはしばらく見つめ、歯を食い縛り拳を固め、一度辛そうに目を閉じた後駆け寄った。

「しっかりしろ真吾!なに呆けてやがんだ!」
襟首を掴んで引き起こし怒鳴りつけた。
「だって、草薙さんが・・・草薙さんが死んだって・・・」
「んなもんウソかもしれねえだろ!それに・・・」
一度言葉を切る。言葉を選ぶ。今はなにを言っても彼には辛辣になるだろう。
だからあえて優しい言葉は使わなかった。
「それに本当に死んでたらなんだってんだ!後を追って死ぬか?ここで誰かに襲われるまで泣き続けるか?」
「ダンさんは大切な人を失ってないから・・・!」
激昂しかける真吾。
「うちはな、オヤジが殺されてるんだ」
「え・・・」
いつになく神妙な面持ちで語るダン。
「この街にゃいねえけどよ、ムエタイの帝王ってやつに殺された。
 俺はな、オヤジの敵討ちのために格闘家になったんだ」
「敵討ち・・・」
真吾もある程度おちついたのか沈んだ瞳でダンを見据え話を聞いた。
「敵討ちが正しいとかいうつもりはねえ。でもよ、生きてる人間が死んだ人間にできることなんてそうねえんだ。
 俺はその中からオヤジを継ぐ、つまり格闘家としてアイツをぶっ飛ばすことを手向けに選んだんだ」
「俺に、できること・・・」
「そう、お前に出来ることだ。おまえはどうしたい?」
「俺も・・・草薙さんの仇を・・・」
そこで一度考え込む。
「いえ、俺、草薙さんを継ぎます。炎も出せない半人前だけど、あの人が誇れるような弟子になります!
 それに、草薙さんのことです、そんな簡単に死なないッスよ!きっと生きてるはずッス、そのときのためにも!」
そこまで聞いてダンは、よしっと言ってパーンと真吾の背中を叩く。真吾はいてっ、と小さく言ったがすぐにダンに向き直り
「ありがとうございますダンさん!あと、酷いこといってごめんなさいッス!」
いつもの、しかし一回り成長した、その笑顔で言った。

「まぁまぁ、そういうのはムズがゆいからよ!気にすんな!大事なのはこれからだ。な?」
「はい!草薙さんなら絶対、ゲームを止めてルガールをぶっ倒します!だからやるッス!」
目は真っ赤に腫れているが、もはやそれが瞳に映る炎に見えるくらいの闘志を込めて真吾は言った。


PM0:35
「そう言えば、雨、いつから降るんスかね?」
パンをかじりながら真吾が尋ねる。
「ん、まあまだ降りそうじゃねえよな」
同じくパンを手に空を見上げて答える。
「とりあえず降ってきたらどっかにはいらねえと傘なんてねえしなぁ」
二人であたりを見回す。ここは大きな公園らしい。
日本で公園というならば遊具やトイレがあるこぢんまりとしたイメージだがここはアメリカ。
公園といっても建物もあれば噴水もあってやたら広い。
雨宿りの場所には困らないがその分敵の隠れる場所もあるということであり、安易に建物に入るのは気が進まなかった。
「まあ、2.3箇所目星つけといて降りそうだったら近いとこに入るか」
「そうですね」
そして話はお互いの流派のことになった。真吾は草薙流古武術だと言った後
「まぁ、火が出ないうちは未完成なんですけど」
と言って笑った。それに対しダンが
「真吾、俺のサイキョー流を教えてやろうか」
といったが真吾は丁重に断った上で問い返した。
「そういえばダンさんの気弾系の技って飛ばないスけどわざとなんすか?」
「んー・・・お前だから言うけどよ、飛ばねえんだわ」
「あー、やっぱり」
「なぁにがやっぱりだこの野郎!」
言って真吾にヘッドロックをかける。
「ギブギブ!ギブっす!ダンさんそれ飛ばせますよ!」
「なぬ?」
技をはずしてきょとんとするダンに真吾は草薙京の父、紫舟からの受け売りを話した。

「気の使い方は2種類。纏うか放つか。あとはイメージ次第じゃ」
ある日の草薙家の庭で真吾はメモをとりながら真剣に話を聞いていた。
「草薙の家系はその血に炎の気を秘めておる、だからまあそれを基本としてどっちもできるんだが、
 普通の人間はそうはいかん。相当の鍛錬を積んでなお両方を使いこなす者は少ない」
「紅丸さんみたいな人ですね?」
「そうじゃな、あやつは才能もあるが、気を雷のイメージでもって扱っておる。でも思い出してみよ。
 俗に飛び道具なんて言われるものはあやつほどのものでも撃てていないじゃろ。雷光拳あたりは手に纏った気を
 爆発的に大きくして範囲を広げてこそいるが放ってはおらん。彼なりに纏う方向で極めておるのじゃろう」
「ふむふむ」
真吾のメモをとる速度が上がる。紫舟は不真面目な息子に話すよりずっといい気分で続けていた。
「そうじゃな、お前の知っている人間で出来るのはテリー君あたりか。彼はいいセンスじゃ」
「で、ええと、おやっさん。そのお話の真意はなんなんスか?」
「んむ、まあお主のことなんじゃが。気は大分練れて来ておるが、まだどちらにも達していない、と。
 現状ではお前が練った気はほんのちょっと纏ってあとは防御とかにまわっとるんじゃよ。
 まあワシの教えを受けているんじゃから、出来るようになれば気は炎となろう」
目をキラキラさせて真吾はいい返事をした。紫舟は遠まわしにまだまだ炎はでないぞ、と言っているのだが、
ポジティブシンキングな真吾は最後の炎が出せる、という部分だけで浮かれていた
「はい!おやっさん!真吾やります!!」

PM1:03
「と言うわけッス」
「というわけじゃねえよ!肝心の飛ばす方法が出てこねえじゃねえか!」
「痛い痛い!ギブギブ!ええとですね。ダンさんの我道拳、ですか?あれは飛んでるんスよ」
今度は絞めている。襟首をつかんでギュウギュウ絞めている。
「飛んでないだろ!」
「ノォォォ!あ、あれは距離がないだけッス!手から放れてるけど気の量が足りないんです!」
真吾はもはや真っ赤だ。
「まだ言うか!」
「ダンさんは・・・メチャクチャタフ・・・ッス・・・それは・・・無意識に防御に気をまわしてるからです・・・。だから」
「マジか!」
ダンはぱっと手を放し真吾は目をチカチカさせながら道にしゃがみこんだ。
「おっしゃあ!そんじゃダン様の新技披露と行こうじゃねえか!はぁぁぁぁぁ!」
ダンは路地裏に詰まれたダンボールやゴミに向けて両腕を広げ、いつものように気を練った。
そして集中する。自分を無意識に包んでいるという防御の気を手に集中するイメージで高め、放った。
ズオォォォ!という音と共に気の塊が目の前のゴミの山を粉砕した。
ぽかーんと口をあけるダンとやっと元気になった真吾が一拍間を置いて同時に叫ぶ
「すげぇ!!」「すごいッス!!!」
「よし!この技を我道翔吼拳と名づける!!」
「ダンさん、それいろいろとヤバいっすy・・・あ!?」
「どうした真吾!すっとんきょうな声だしてんじゃ・・・ん?!」
二人の目線の先、ダンが今吹き飛ばしたばかりの路地の向こう側の通りに見えたのは
血と泥で薄汚れた胴着と焼けつきそうな殺意に身を包んだ鉢巻の男と、
それに対峙する、白い巫女にも似た衣装を着た長い黒髪の女だった。
ダンと真吾は同時に叫んだ。

「リュウ!」
「神楽さん!」

【矢吹真吾 所持品:釣竿 目的:1.仲間集め 2.本部の場所探し 3.(草薙さんの代わりに)ルガールぶっ飛ばす!】
【火引弾 所持品:ホアジャイ特製スペシャルドリンク(残り5本) 目的:真吾と同じ】
【隆 所持品:全て放棄 目的:死合い】
【神楽ちずる 所持品:竹槍、草薙京のグローブ 目的:仲間を集めゲームを止める】
【現在位置:6区公園最東部】
702残り火 ◆AX90vj3jog :04/11/30 00:24:08 ID:???
 命がけの鬼ごっこを始めて、既に何時間も経つ。
 路地裏に逃げ込み、相手をやりすごして体力の回復を図ろうとする霧島だが、K'は執念深く探し回り、追い詰めてくる。
 走り、逃げ込み、見つかり、また走る。
 もうこれを何度繰り返したか。霧島の体力は限界だった。
 脇腹の傷もまた出血しだしている。いい加減眠いし休みたい……だが気を抜く事すらできない。
「化けモンかアイツは……」
 いつまでも自分を追ってくるK'、そしてその暗く燃えたぎる瞳に、改めてゾッとする。
 
 空は厚い雲に覆われてはいるが、太陽はとうに昇っていた。
「っきしょオ!」
 パンッ、と両頬を叩いて無理やり喝を入れ、立ち上がる。
 フィオとも約束したし、何としても逃げ切らねえと……!
 足元をフラつかせながらも、路地裏から通りに向かう。
 角からそっと頭を出して周囲をうかがい、K'がいない事を確認すると、霧島は通りを南下しだして。

 ざり、と、背後で足音が鳴るのを、聞いた。

 脂汗が噴きだす。振り返ると、別の路地からK'が、いた。
「くそったれ……」
 自分の間の悪さに毒づき、霧島はなけなしの体力をかき集め炎の力を呼び起こす。
 もう走って逃げるだけの体力は無さそうだ。
 幸い、K'の方もやけに消耗しているらしい……目つきばかりはギラついているが、荒い息をつき、肩が下がっている。
 走ってバイクを追い、リオンと戦い、そして霧島を延々追い続けているのだから、いくら改造人間といえども限度がくる。
 何より、精神的なストレスがK'を追い詰めていた。
 無論、それは霧島の知らぬところだが、互いに極限状態であるらしいという事実は彼にわずかながら希望をもたらした。
 状況は五分、ならまだチャンスはあるかもしれねぇ!
703残り火 ◆AX90vj3jog :04/11/30 00:25:30 ID:???

「…が…ぁぁ……ああああああああああ!!」
 獣のような咆哮と共に、K'が駆ける。
 炎を纏った拳が霧島の顔面を狙う……が、やはりその動きは鈍い。
「っのぉっ!」
 霧島は必死に身体をひねってかわす。足がもつれそうになるが、何とか踏みとどまる。
「っりゃあ!」
 右腕に炎を噴出させ、K'目がけてフックを繰り出す。
 炎はK'のジャケットをわずかに焦がしただけだったが、拳は突っ込んだ前傾姿勢のままだった彼の背中に、まともに命中した。
 自分の突進と霧島のパンチ両方の勢いで、K'はもろに顔面から地面に突っ込み、倒れふす。
 だが、霧島もがくりとその場に崩れ落ちた。
 やばい、本当の本当に限界が―――
 もぞもぞと、緩慢な動きながらもK'が起き上がろうとしている。
 霧島は、絶望が胸のうちに広がっていくのを感じた。

 サウスタウン全体に響き渡る声が、二人の戦いを遮るかのように聞こえてきたのはその時。

「こんな時に……」
 今ちょうど死んだら、今からの放送で俺呼ばれるのかな……。
 霧島はそんな事を考える自分に軽く呆れた。K'は、ルガールが前置きを始めても、意に介さない様子でゆっくりと立ち上がった。
 続いて死者の名が告げられようとする。
 それでもK'は動きを止めず、霧島の頭を掴んで地面へと投げ捨てるように叩きつけ、さらにその頭を踏みつけようと足を持ち上げ―――

「ウィップ」

 動きが、止まった。
「……?」
 目を固く閉じていた霧島は、そろそろと瞼を開いた。
 K'は持ち上げた足を下ろして、空を仰いでいた。
 注意がそれているらしい、霧島は転がり、這ってK'から離れる。
 そして。
704残り火 ◆AX90vj3jog :04/11/30 00:26:18 ID:???

「草薙京」
 
「な……嘘だっ、草薙……?」
 読み上げられた、意外すぎる名に霧島は驚愕した。
 そして、それ以上にK'は驚愕に目を見開き……困惑した。
「く……さ……な……ぎ……?」
 どこかぎこちない動きで、K'は霧島を見下ろす。
「なん……で……お前……草薙じゃない……のか?」
 声が震えている。
「俺は霧島だ……草薙は……死んじまった……っ!」
 K'は放心したような表情でそれを聞き……糸が切れた人形のように、どさりと座り込んだ。
 驚いた霧島は、ついK'の顔を覗き込むが、K'は何の反応も返そうとしない。
 何となく、泣き出しそうな顔をしていた。
 どうやらK'は動く気はなさそうだと判断して、霧島は悲鳴をあげる身体に鞭打ち、立ち上がってその場から離れた。

 足を引きずるように歩きながら、霧島はこらえきれずに泣いた。
「草薙……何でだよ……」
 拳で涙をぐいぐいとぬぐう。
 大きく息をつき、その場に立ちすくむ。もう足が言う事を聞かない。
 せめて建物の中に隠れたい。
 近くのビルの入り口まで何とか歩き、ガラスの扉を体で押し開ける。
 幸い鍵はかかっていなかった。
 適当な部屋に転がりこんで、置いてあったソファーの上に倒れこんだ。
 どういうわけだか、あの放送のおかげで死なずにすんだ。そういえば、八神の時ももう駄目だと思ったけど、ラジカセに助けられたっけ。
「へへ……俺、めちゃくちゃ悪運強ぇらしいな……」
 ぎゅうっ、と拳を握りしめて。
「草薙……お前の分まで生きろって事かな。……絶対生きて帰るよ」
 固く誓う。
「フィオ、お前も生きていてくれよ」
 満身創痍だが、霧島の命、生きる意志の炎は未だ強く燃えていた。
705残り火 ◆AX90vj3jog :04/11/30 00:28:25 ID:???

 K'は力なく道端に座り込み、立てた膝に顔をうずめていた。
 憎むべき対象も、共に戦える仲間も、もういない。
 炎は燃やす物がなければ存在できず、後には灰が残るのみ。
 もう動く気力もK'には無かった。
 クーラ……ウィップ……二人の顔が、K'の脳裏に浮かぶ。
 その目は、どこか自分を責めているようで。

 ああ、そうだな。俺、お前を守ってやれなかったな。
 そうだな。アンタ、いっつも「人に迷惑かけちゃ駄目」って口うるさく言ってたな。

 今さら、クーラの名が放送で告げられた時に、身を焦がすような激情に襲われた理由が、何となくわかってきた。
 失ってようやく気付くなんて、間抜けな話だ……
 燃え尽きた心を抱えてうずくまるK'に、どっと疲労がのしかかってきた。
 意識がもぎ取られていきそうになる。
 このまま眠って、目が覚めた時に全てが夢だったらどんなに―――

 眠りに落ちる直前、この悪夢を生み出した張本人……ルガール・バーンシュタインの姿を思い出した。
 すっかり忘れていたが、ポケットの中には手榴弾があった。
 コイツで、あの男は殺せるかな……なあマキシマ。せめてあの男を……
 ぼんやりと考えたのを最後に、K'の意識は深い闇に堕ちていった。
 
 灰の中で、わずかに残った火種がくすぶりだしていた。

【霧島翔 目的:フィオと再会し首輪の解除法を探る 所持品:ハーピーの歌声入りラジカセ 位置:三区・四区間ビル内 現在大幅に体力消耗・睡眠中】
【K' 目的:漠然ながらルガールの殺害? 所持品:手榴弾 位置:四区道端 現在心身ともに消耗・睡眠中】
706 ◆AX90vj3jog :04/11/30 00:41:18 ID:???
何てこった…修正。
>>702
×「脂汗が噴きだす。振り返ると、別の路地からK'が、いた。」
○「脂汗が噴きだす。振り返ると、別の路地からちょうど出てきたらしいK'が、いた。
707ゲームセンター名無し:04/11/30 02:07:55 ID:???
708ゲームセンター名無し:04/11/30 03:16:41 ID:???
以降作品を投下される方は、次スレの方にお願いいたします。
709ゲームセンター名無し:04/11/30 21:06:06 ID:???
何かいろいろと再利用できないかな・・・?
710故リオン:04/12/01 03:31:19 ID:???
・・・そろそろ、こっちに来ますかね・・・?
711ゲームセンター名無し:04/12/03 00:39:41 ID:???
まだ多少あまってるんだよな・・・保守
712ゲームセンター名無し:04/12/03 02:03:47 ID:???
うんこ
713ゲームセンター名無し:04/12/03 03:06:54 ID:???
確か512KBを超えると書き込めなくなるので、
もうそんなに書けないかな。
没になったネタを披露してみるとか。
714ゲームセンター名無し:04/12/03 07:52:00 ID:???
没ネタ告白大会!
実はクリスに社とシェルミーをヌッ頃してもらおうかと思ってました。
「二人のことが大好きだから、他の誰にも殺させたくなかったんだ」とかほざかせて。
715ゲームセンター名無し:04/12/04 02:50:13 ID:???
もしもの為に、まとめサイトの人がログをまとめ損なわない為に保守
716ゲームセンター名無し:04/12/05 04:33:14 ID:???
再利用


夢を────見ていたんだ───

夢の中の僕はもう一人の僕と対面していた。金色の髪を持つ、もう一人の僕と。

僕は聞いた

何故、僕は僕を制御できないでいるんだ?

もう一人の僕は答えた。

この時代には俺は本来居ない存在だ、この時代の俺はまだ眠っているべき存在なんだよ。

再び僕は聞いた。

それと僕が僕を制御できないのと何の関係があるんだ!?

再びもう一人の僕は答えた。

お前という器が来てしまったから、無理やり起こされた状態なんだよ、俺は、だから暴走している、俺にもどうしたら良いかわかんねえよ。

もう一人の僕はそう言って無理やり僕の中に入っていった───
───俺は目を覚ます。もう朝だ。
そして俺はふと気付く、覚醒しているままだ。覚醒を解こうにも解く事が出来ない。
昨日の事を思い出す。確か俺は昨日、二人の女性を殺した。
俺は何故そこまでしたんだ?あの女性達は殺す必要があったのか?
答えは出ない、ただ一つだけ分かる事がある。
今の俺は・・・・青龍の力を制御しきれて居ない・・・
それしか、分かる事は無かった───

【楓 支給品:レイピア 現在位置:二区中央 目的:特になし(出来る事ならば覚醒の制御) 備考:覚醒中
備考その2 第二放送前】


719Living Dead:04/12/05 22:26:41 ID:???
かすみはぷかぷかと波間に漂うまま、流されていた
流れこそ緩やかだったが、もう陸地は見えなくなってしまってた
どうやら海流に乗ってしまったらしい。
(どうしよう…)
彼女も過酷なまでの忍術の訓練を生き抜いた者、これくらいならまだ何とかなるものの
このまま陸にたどり着けなければやはり最後は溺れるか、凍えるか、鮫の餌だろう。

そんな中、前方に明かりが見える…。
「船?」
霧がやや立ち込めてはいるものの、朝日に照らされややこじんまりとした船が
かすみの前方に停泊している。
「た、助かる…これで」
ばしゃばしゃと波しぶきを上げて船に近寄るかすみだったが、船の手前で動きを止めてしまう。
なぜならその船の船体には、あの忌まわしきRのマークが刻まれていたからだった。

一方、船の中では、
「なぜこんなことをしなきゃならないんだか」
スーツを着用した技術者風の男が、同僚にぼやく
「単純に衛星を使うと傍受されてしまうからな…こうやって海上で一旦中継する方が安全なんだ」
「傍受ったって、社長に逆らえる連中がいるのか?」
「いるらしい…なんでも個人所有で軍事衛星を持っているとか」
「ま、余計なことは考えず仕事するこった」
スーツの男はそれでも何か落ち着かないようだった。
「ば…ばけてでないかな…あいつら…」
「でるかもしれねーな」
同僚がそれを聞いてからかう。
「勘弁してくれよぉ、いくらリモートで動いてるとはいえ、この船4人しか乗っていないんだぜぇ」
720Living Dead:04/12/05 22:28:22 ID:???
それから数分後
「お…お前死んだはず…ぐわぁ!」
船尾から進入したかすみと鉢合わせした警備員が、何の抵抗も出来ず海に放り出される。
ここらから海流が激しくなってるのだろう、みるみる間に遠くへ流されていく。
さらにもう一人警備員が現れたが、彼もまた
「で!でたぁあ〜〜〜」
攻撃すらせず、両手を合わせるとそのまま自分から海に飛び込んでしまった。
「人を幽霊みたいに言って…失礼しちゃうな」
そう言うかすみの風体は、潮に濡れてびしょびしょな上に、髪も解けてだらしなく
でろんと頭から垂れ下がっている。
事情を知らないもの、いや知っているからこそ彼らにとって彼女はまさに幽霊そのものだった。

「…ま、いいか」
それ以上は深く考えることなく彼女は船の内部に入っていく。
船はやはり狭く、階段を降りればすぐの場所に扉があり
扉を開くとそこは所狭しと電子機器が立ち並んでいた、そしてその中で、
「ほんとにほんとに大丈夫かな…」
「心配症だな」
かすみは男たちと鉢合わせしたのだった。

男は警備員よりは職務に忠実だったらしい。
「う、動くな撃つぞ!!」
がくがくと震えながら懐から取り出した拳銃をかすみに構える。
「まって!こんな狭い場所で射ったりなんかしたら!!」
「うるさい!」
テンパッた男はかすみの忠告に耳を貸さず引き金を引く
あわててかすみは身を伏せる、数回の金属音とくぐもった音
起き上がったかすみの足元に男の同僚ががくりと倒れる。
跳弾のとばっちりを受けたのだ。
721Living Dead:04/12/05 22:29:16 ID:???
「だから言ったのに…」
あわわと混乱する男の銃をつかみ、かすみはあくまでもやさしく話しかける。
「ここはどこ?あなたたち何してたの?」
もう男に抵抗する気力はなかった。
「データ収集だ…社長、いやルガール様の命令で」
「どうやったら出られるの?」
いきなり確信をつくかすみの質問。

「そ、そこのノートパソコンの中に脱出方法が書いてある…自分でみろ!」
かすみは自分の背後のロッカーにおいてあるノートパソコンに手を伸ばそうとした。
そのときだった、自分の背後で撃鉄を起こす音。
「何度も言うようだけど撃たない方がいいよ」
「やかましい!背中を向けたのがお前の油断だ!なめやがって!!」
男は容赦なくかすみに向けてトリガーを引いた、だが…
くぐもった音と同時に倒れたのは男の方だった。
暴発した弾丸が男の頭を吹き飛ばしている、銃をつかんだときにかすみは銃口を塞いでいたのだ。
「だから言ったのに…」

かすみはとりあえずノートパソコンを起動してみるが、
機械オンチの彼女にはあたりまえだがさっぱりわからない。
そもそもあの脱出方法云々の言葉自体本当かどうか…

そしてこれからどうする、彼らの口ぶりからいって自分は脱出に成功しているらしい
このまま逃げるか?だが…眼前に広がるのは果てしない大海原…
しかもまだ遥か彼方だが黒雲が立ち込め始めている。 
残念だが戻るしかなさそうだ、少なくとも鮫の餌にはならないですむだろうし。
それに。
「火月さんが心配してるかも」
粗野でぶっきらぼうだが心優しいあの男をかすみは決して嫌いではなかった。
今ごろ自分のことを探しているに違いない、早く安心させてやらないと。
722Living Dead:04/12/05 22:31:51 ID:???
かすみは男が持っていたノートパソコンと拳銃を防水ケースに入れ
さらに着替えのシャツ等もバッグに放り込む。
そして船尾に備え付けられていた救命ボートのエンジンをかけると
かすみはまたサウスタウンへと向かうのだった。

【かすみ 所持品:ノートパソコン 拳銃 衣類等 第一目的:サウスタウンに戻る】
(最短でも上陸できるのは12時間後、上陸地点は2区最西部とします)
723Witch Blade:04/12/05 22:33:18 ID:???
かすみはぷかぷかと波間に漂うまま、流されていた
流れこそ緩やかだったが、もう陸地は見えなくなってしまってた
どうやら海流に乗ってしまったらしい。
(どうしよう…)
彼女も過酷なまでの忍術の訓練を生き抜いた者、これくらいならまだ何とかなるものの
このまま陸にたどり着けなければやはり最後は溺れるか、凍えるか、鮫の餌だろう。

とその眼前に何の前触れもなく霧が立ち込め始める。
「あれ?」
あまりにも急な気象の変化に戸惑いを隠せないかすみ、そうこうしている間にも
霧はますます濃くなっていく。
そして自分の手足もわからなくなるほどのもやが立ちこめたその刹那
「!?」
いきなり視界が開け、そこはまた青空が広がる大海原だった。

ぷかぷかと浮かんだまま空を見上げるかすみの視界に海鳥が入る。
海鳥もかすみに気がついたらしく、その高度をぐんぐんと下げていく。
が、かすみはそれをぼんやりと眺めながら、あることに気がつく、
鳥にしては大き過ぎるような…いや、鳥じゃない…あれは。
かすみの目に映ったもの、それは箒にまたがった魔女の姿だった。

「あら…こんなところで珍しい」
魔女はかすみの頭上で停止し、珍し気にじろじろと観察をしている。
まけじとかすみも魔女を観察してみる。
魔女は長髪をゆったりと三つ編みにしており、豪奢なドレスを纏っている。
しかしかすみが気になったのは、髑髏が絡みついた十字の腕章を身につけているということだった。
(何だろ?)

「その…」
機先を制してメガネの奥底の魔女の瞳が鋭く光る。
724Witch Blade:04/12/05 22:34:11 ID:???
「ねぇ?あなたどうやって逃げたの?」
いきなりの質問に口をつぐんでしまうかすみ、逃げたという感触はない
ただ海に落とされて気がついたらここにいた、そういえば…
「大変!!」
ようやく事情を察したらしい、ばしゃばしゃと水面を叩き、引き返そうとするかすみ。
だがその身体が急に軽くなる…魔女が箒の先でかすみの身体を吊り上げたのだ。
「落ちつきなさい、というか…」
魔女は手もとのノートパソコンをぱちぱちと叩く、答えはすぐに出たようだ。
「あなた死んだことになってるわね…」
「ええ!!」

かすみは確認するかのように自分の身体を撫で回す、この感触は幽霊のものではない。
「安心なさいな…あくまでもこれはデータ上のことよ、で、あなたは死んだから逃げることができたわけね」
そこで魔女は言葉を切る。
「あの街で何が起こってるのか聞かせてもらえるかしら?」

魔女はかすみの話を聞き終え、静かに息を吐く。
「なるほど…まだ組織的な反撃とかそういう話は伝わってないわけね」
「はい…みんな自分のことだけで精一杯って感じで」

「でも私にとっては好都合な話でもあるわ、下手に動かれたら水の泡だもの」
魔女はかすみの首輪を指差す。
「例えるならあなたたちは手足を縛られたまま浮き輪をつけられて、深いプールの中に漂っているようなものよ」
 もしその状態で浮き輪をとったらどうなると思う?
 
「溺れちゃう…」
「ならどうすればいいと思う?」
魔女の問いにかすみは自信なさげに答える。
「プールの水を先に抜いたらいいのかも…」
「正解よ…だからこうやって外から何とかできないかって動いているんだけど」
魔女は苛立ちを隠せないかのように指を噛む。
「中で何とかしてくれないことには…ねぇ」
725Witch Blade:04/12/05 22:35:46 ID:???
「外からは入れないんですか?」
「無理ね…その首輪は鍵でもあるのよ」
「なら私の首輪を使えば入れるんじゃ?」
かすみのアイデアに魔女は首を振る。
「それも無理ね…鍵の形は1人1人違うのよ、おそらく」

そこで魔女はがらりと話題を変える。
「ところであなた…これからどうするの?」
「望むのなら無事に陸まで届けてあげてもいいわ…でもそこから先は保証できないわよ」
その言葉の裏はかすみにも理解できた、生ける死人であるかすみを主催側が許すはずが無い、
今のままでは世界に自分の居場所は無いも同然だった。
少しこの人ずるい…と思いながらかすみは、はっきりと答えを口にした。
「戻ります、自分1人だけ助かっても意味は無いし」
「そう…」
自分でもずるいと思っているのだろう、魔女はかすみに視線を合わさないように頷いた。

「ならこれを託するわ」
魔女は銃のような物をかすみに手渡す。
「レプリカで一回しか使えないけど、結界を破るには十分だと思うわ」
「使い方はどうするんですか?」
「それを持つべき者が持てばそれで何を成すべきかは自然に理解できるわ」
魔女は指先で紋様を宙に描く、とそこからゴムボートが出現し、ぼちゃんと海面に落ちる。
「逆を言えば資格がない者には、無用の長物ね…あちらにどれだけの人材がいるのかはわからないけど」
魔女はかすみをボートに乗せてやると、その頭上を旋回しながら話を続ける。
726Witch Blade:04/12/05 22:37:27 ID:???
「もし脱出するために動いている人がいたら伝えて、首輪は決して取ってはいけないと」
ここで初めて魔女は時計を見る、どうやら時間がないらしい。
魔女が指を鳴らすと、かすみのボートがひとりでにぷかぷかと動き出す。
「他にも言わなきゃいけないことがたくさんあるんだけど、もうこれ以上はとどまれないわ…
 あとはあなたたちで頑張るのよ」
「最後に、ニーギ・ゴージャスブルーって子に出会えたら伝えてくれるかしら?この程度の障害につまづくようでは、 青を名乗る資格はないと」

それを最後にまた霧の中へとかすみは沈んでいった、霧の中でかすみは思った。
名前を聞くの忘れた…と。

【かすみ 所持品:N・E・P(レプリカ、使用回数1回のみ) 第一目的:サウスタウンに戻る】
(最短でも上陸できるのは12時間後、上陸地点は2区最西部とします)
727ゲームセンター名無し:04/12/07 12:27:50 ID:???
あかりとクーラ大活躍編書きたかったあげ
728ゲームセンター名無し:04/12/07 14:31:57 ID:???
腐女子の妄想が渦巻くスレはここですか?
729ゲームセンター名無し:04/12/08 01:17:38 ID:???
パクリ
730ゲームセンター名無し:04/12/08 01:21:23 ID:???
フレオニール→草糞京
マリア→麻宮アテナ
ティアマト→2人の女
銀髪の男→金髪の男

名前を変えただけなんですね!!!!
731ゲームセンター名無し:04/12/10 06:35:37 ID:???
ほしゅ
732ゲームセンター名無し:04/12/13 21:08:24 ID:???
まとまるまでほしゅ
733ゲームセンター名無し:04/12/17 01:09:42 ID:???
ほあー
734ゲームセンター名無し:04/12/18 02:21:04 ID:???
保守!!
735ゲームセンター名無し:04/12/18 21:01:47 ID:???
まとめサイトの人が更新するまで保守
736ゲームセンター名無し:04/12/20 20:43:10 ID:???
今日も保守・・・明日も保守・・・
737ゲームセンター名無し:04/12/21 05:50:28 ID:???
そして教もまた保守
目を覚ます。
そこは漆黒の闇だった。

男、草薙京は周囲を伺った。
何も見えない。いやしかしまったくの漆黒ではない。ほんの少し扉らしきところから光が差し込んでいた。徐々に目を慣らす。
あたりが視認出来るようになったとき、彼が見たのは不思議な光景だった。
「また、さらわれたのかと思ったけど、こりゃどうにもおかしいな」

彼が見たのは同じように目を覚ましあたりを伺う数人の人間と、
依然目を覚まさず地面に伏している100人に達するかと思われる老若男女だった。
近くに見慣れた顔を見つける。弟子兼パシリの学生服の男の襟をつかんで引き起こし、軽くパンパーンと頬を張る。
「むにゃ・・・やったぁ・・・火が出たぁ」
寝ぼけている、再度頬を張る。今度はさらに軽快な音が響いた。
「いたっ!うえぇっ!?はっ!?」
授業中の居眠りを起こされた生徒のように、実際いつもそうなのかもしれないが、
彼はビクッとして首をぶんぶん振って周りを見回し、尊敬する師匠に気づいた。
「草薙さん!って、あれ?なんスかここは?暗いっスね」
「わかってりゃいちいち起こさねえよ。周りをよく見ろ真吾」
真吾がしばらくじーっと闇を見つめる。目が慣れたのか、突然素っ頓狂な声を出した。
「わわっ、人がいっぱい倒れてる!!あ、テリーさん、アテナさん、八神さんまでいるじゃないですか!」
「知らねえヤツのほうが多いけどな、しかしこりゃいったい」
京は腕を組んで考えるポーズをとった。しかしどうにもいい推理もなにも浮かんでは来なかった。
ふぅ、とひとつ息を吐いて真吾の方を向く、そしてまだ困ったような顔で言った。
「ワケわかんねえけど、まともな状況じゃねえな。とりあえずみんな起こすか。ああ、八神はうるせえからほっとけ」
「ラジャーっス!みな・・・」
京の言葉を理解していないわけではない、単に起こすという行為がほかに思いつかなかったらしい真吾が
全力で起床の大声をあげかけた時、微かな光が差し込んでいた扉が轟音と共に開け放たれた。

「それには及ばんよ、草薙京」
「テメェは・・・」
目を覚ます。
そこは光にあふれる部屋だった。

女、ナコルルは目を覆った。
よく見えない。
開け放たれた扉から強烈な光が差し込んでいる。
しばらく目を慣らす。
今気づいた彼女にこの光は目に刺さったが、程なくして見たのは不思議な光景だった。
「また『たいむすりっぷ』かと思いましたけど、それだけじゃないみたいですね」

初めてではなかった。以前に同じような目にあったときは、ギースという男に保護され、格闘技大会への参加を勧められた。
「大会の主催者の中にお前たちサムライを呼んだものがいるようだ。私には願ってもないが、お前たちには迷惑な話だな
 なぁに、終わったら帰れるはずだ。さもなくばこちらから圧力をかけてもいい」
自分は巫女であると告げた後でもギースはよくしてくれた。サムライが好きなのではなく日本が好きなのさ、と彼は言っていた。

改めてみるとすごい人数だ。
広い部屋ではあったが、国籍を問わず老若男女入り混じった人々がいる。そのほとんどが光の方を見ていた。
「おはよう!諸君!」
部屋のあちこちから大音量で声が響いた。先ほどの扉が開いた音と合わせて、ほとんどの人間がこれで目を覚ましたはずだ。
知り合いを探す、まずガルフォードを見つけた、以前に出会ったあの風間の兄弟もいた。
やっと起きた弟を兄がなにやら問い詰めている。遠くてよく聞こえないがおそらく抜け忍としての自覚を問うているのだろう。
「ギースさんはいらっしゃらないようですね」
つぶやいた時に彼女の目に留まった男、まだ少年の面影を残す金髪の男。
「・・・似てる」
ひとつ頷いて彼に声をかけようとしたとき、再び部屋中から声が響いた。
「改めてご挨拶させていただこう、今回のゲームに選ばれた幸多き諸君、私が主催者のルガール・バーンシュタインだ」
げぇむ?たしか遊戯のこと、ガルフォードに聞いたような覚えがある。また格闘技の大会か?
そう思った時ルガールが発した言葉は予想外のものだった。
「さて、これから君たちには殺し合いをしていただく」
このおそらく未来の世界に似つかわしくない言葉に声をあげようとしたとき、別の方向からずっと大きな声が聞こえてきた。
「何考えてるの!KOFとは違うのね?殺し合い?ふざけないで!私たちがなんで・・・!」
目を開く。
そこにあるのは女の死体だった。

男、リュウはまた目を閉じた。
見てはいけない。それは理性の警告だった。
しばらく天を仰ぐ。
天井からは今や強いライトの光が降り注いでいた。
「・・・・・・・・・・」

少し離れたところにある死体。それは麻宮アテナという女。大会で見たことがある。
あの男、ルガールと名乗っていた。ヤツも見たことがある。あの豪鬼と渡り合っていた男。あの豪鬼、思い出して頭がズキンとする。

「何考えてるの!KOFとは違うのね?殺し合い?ふざけないで!私たちがなんで・・・!」
彼女はあの声の主だった。ルガールは一瞥しただけで話を続けた。
「さて、君たちの首についている首輪。これだが・・・」
半数が自分の首のそれを触り、もう半数は駆け出したアテナを見た。
「冗談じゃないわ!みんなを解放してもらいます!サイコボール!!」
彼女の手から気弾が撃ち出される。そしてアテナはそれを追いかける形でルガールに仕掛けた。はずだった。
攻撃は成功することなく終焉した。発射したサイコボールはルガールの眼前で留まり、膨れ上がり、跳ね返った。
モロにそれをくらったアテナは、ついに自分の体をルガールの手が貫いていることを知ることなく・・・

死んだ・・・死んだ。思い返してまた頭がズキンと痛む。死、殺、滅・・・頭の中をぐるぐると回る言葉を振り払うように首を振った。
「さて、以上でルールの説明は終了だ。質問は認めん」
ルール?ルールってなんだ?ほとんど聞こえていなかった言葉を必死に思い出す。
一人しか生き残れないとか言っていた。生き残るには?殺す?滅す?頭を襲う鈍痛は徐々に頻繁に、そして鋭くなってゆく。
「おっと、首輪の威力だけ見せておかねばならんな。ハッタリだと思い私に襲い掛かる輩がいるやもしれん」
そう言ってルガールは手元のリモコンをアテナの死体の首輪に向けた。
ピ・ピピ・ピピピピピピ
警告音らしい音が、段々速く大きくなる。そして
ボンッ
アテナの頭が、軽く吹き飛んだ。いつの間にか彼女の体を抱いていた男が顔面蒼白になり。号泣し、彼女の頭を腕に抱いた。
もはやリュウは頭痛を感じなかった。理性と殺意の葛藤に、一方が圧倒的に勝った瞬間だった。