スポーツ、芸能・・・そしてアーケード界
スポンサーさえ生き残るのが難しいこのご時世、
第一線から身を引いた選手達のその後を
追ってみたいと思います。
レポーターは永遠の現役高校生こと
草薙 京でお送り致します。
氏んどけ
京かよ!w
アメスポ
みなさん今晩は。夜も大分ふけてまいりました・・・。
もうすぐ草木も眠るという丑三つ時ですね・・・。
実は私、とある神社に来ております。何故かと申しますと、
この神社の神主のAさんから番組宛に手紙が・・・
ちょっと内容を読んでみます。
近頃、夜な夜な境内に忍び込み、お賽銭をくすねる輩が出没し
ほとほと困り果てております。それだけならこの様なお恥ずかしい
手紙など出すことなんて無かったのですが・・・
この際、思い切ってお話致します。先月のある日の事です。
呪いの藁人形が境内の御神木に打ち付けられておりました。
初めは、私も子供の悪戯と思い、放っておりましたが
その日を境に日毎、藁人形の数が増えているのです。今では
境内の至る所に藁人形が打ち付けられて・・・神に仕える身で
ありながら、恐怖に耐えきれず筆を取った次第であります・・・
という内容なんですが・・・果たして本当に
人形が打ち付けられているのか、私、この目で確かめたいと思います。
それでは・・・参りましょう・・・・。
カメラさん?足元、気を付けて下さい・・・
夜露で結構ぬかるんでます。
流石にこの時期は冷えますね。
体の心から凍えそうです。
境内に着きました。
・・・こ・・・これは!?
レポーターがレポーターだけに、
アンディ・ケンスウ・チン・チョイ・タクマあたりの話を・・・
あー
ゲームやってたさくらの弟
あとさくらの子供
みなさん?ご覧下さい・・・辺り一面・・・人形・・・
・・・人形です。
流石に私も震えてまいりました・・・
実は私、この取材に備えて、お守りを用意しておいたのですが
どうやら一つだけでは足りないようです。
Aさんが怖がるのも無理はありません。
これから、Aさんの待っている棟に向かいたいと思います。
(;゚∀゚)
夜分遅くスミマセン・・・Aさん。
本当に酷い有様ですねえ・・・
何か心辺りでも?
「さあ・・・全く・・・実は私、今年大学を出たばかりでして・・・
この仕事も先代・・・つまり私の父の跡を継いだという訳で・・・」
なるほど、そうでしたか・・・失礼ですが、お父様は?
「はい。今年の5月に交通事故で・・・」
これは・・・大変失礼致しました。知らぬ事とは言え・・・
本当に申し訳ありません。
「いえいえ・・・お構い無く・・・それよりもあの人形の事で・・・
何か良い解決方法が無いものかと相談したく・・・」
そうでしたね。流石にこれは子供の悪戯で済むような問題では
無さそうですね・・・人形はやはり、何者かが夜中に打ち付けて
いると言う事でしょうか?
「そう思います。」
警察の方には届けは・・・?
「勿論、しかし中々本腰を入れて捜査して頂けないのです。」
どうしてですか?・・・可笑しいですね?
「どうも警察の方でもこの類の件には関りたく無いと言うか・・・」
なるほど・・・おっと・・・そろそろ時間が・・・
此処からは、先に示し合わせた通りで御願いします。
照明さん!ライトを消して・・・
何か期待
ちょっと画面が暗いでしょうか?只今暗視カメラによる映像を
お届けしております。ん?何でしょうか?さっきチラッと白い物が
映りませんでしたか?嗚呼!カメラさんこっち!!
人影が・・・あ!居ました!早速、急行したいと思います!!
「って!離せーー!!コラーー!!」
たった今、現場に着きました。犯人は既に
張り込み中の警官達によって取り押さえられたようです。
あ!カメラは壊さないで下さい!!
スミマセン・・・えっと・・・犯人は・・・
え?女の子?これは意外です。騒ぎの張本人はなんと
年端も行かぬ女の子だったようです!!
数日後・・・
番組宛に神主のAさんからお礼の手紙が届いた。
例の怪奇現象が犯人逮捕後、すっかり鳴りを潜めたそうだ。
更にマスコミが取り上げた事によってAさんの神社は
以前よりも参拝客がちょっぴり増え、お賽銭も沢山投げ込まれて
いるそうな。良かった良かった。
安堵の溜息と共にコーヒーを飲む。この仕事を選んで良かった。
心からそう思った。しかし、次の瞬間そんな
のほほんとした感傷は全て吹き飛んだ。
手紙の最後の方の数行に、犯人の・・・あの女の子に関する
噂話が記されていた。全て読み終えた後、筆舌にし難い悪寒に襲われた。
おい・・・真吾・・・連れション行かないか?
「え?如何したんですか?先輩?」
いや・・・何でも無い・・・スマン忘れてくれ・・・
「・・・??」
先輩・・・急に早退しちゃったみたいだけど、一体どうしたんだろ?
そう言えば手紙か何かを読んでから変になったみたいだけど・・・
ん?何か落ちてるぞ?・・・何だこれ?
ひと・・・人形?(ひとがた?)
============================
このようなお話をするのは、非常に心苦しいのですが
事件に関する事なので・・・あの少女はとある陰陽師の
末裔だそうです。映画や小説等で取り上げられ、ちょっとした
ブームになっていました。しかし、所詮まやかし、眉唾ものの類。
彼女の父も陰陽師でしたが、マスコミによって祭り上げられ、そして叩かれた。
それが原因で彼女も学校でイジメられるようになったそうです。
以前は彼女のサインを欲しがった友達も彼女を避けるようになり
一人ぼっちで過す事が多くなったそうです。やがて彼女の父が
仕事のストレスを彼女に向けるようになった様です。どうやら
父親よりも彼女の方が陰陽師としての素質があったそうで・・・
親としては複雑なんでしょう。やがて、酒びたりとなった父親は
彼女を虐待するようになりました。元より父親と2人っきりの
生活・・・此処から先はご想像にお任せ致します。兎に角
酷い虐待を受けたようです。夜になって彼女が家を抜け出すのはそんな
理由があったようです。藁人形が境内に打ち付けられたのは丁度その頃だと
聞いております。昼間は学校でイジメられ、夜は実の父親からの・・・
辛かったんでしょう。本当に・・・ある夜、父親の暴力に耐えかね
彼女は陰陽のとある術を使ったと聞いております。
それが・・・どの様な術なのかは
全くもって見当もつかないのですが、兎に角、
彼女の父親の身体は細切れになってしまったそうです。
思うに鬼か何かの怪が憑いたんだと想像致しますが・・・
寒くなったとは言え、父親の骸が転がる庵に
年端の行かぬ少女が一週間も一緒に住んでいたとは・・・
その所為だとは思いますが、最早、正気を保てなくなった少女が
陰陽の術か何かで人形を夜な夜な境内に打ち付けていた・・・
これが事件の真相でございます。
追記
彼女を取り押さえた警官達は原因不明の高熱で今も入院中だそうです。
無論、極秘扱いになっておりますが・・・
貴方様もどうか・・・どうかご無理をなさらぬ様に
御願い申し上げ奉ります。
===============================
・・・デスクに呼ばれた。
先輩が原因不明の高熱で入院中と云う事を
聞かされる。何が草薙の拳だ。自分が熱で
ぶっ倒れてちゃ話にならんな。これだから専門卒は・・・
ぶつぶつ愚痴まで聞かされた。
神妙な顔付きで話を聞いていると突然、中東行きを
申し付けられた。どうやら先輩の代役として
僕に白羽の矢が当たったと云う事だ。
あんな物騒な所に行けとおっしゃるんですか!
必死で抗議したが、受け入れてもらえなかった。
先輩の例の企画物が、予想を遥かに下回る数字だった為
その見せしめとしての仕打ちだとデスクは暗に諭した。
お前は先輩に随分可愛がってもっらっただろ?
その恩返しを今やらないで何時やる?
デスクは一層、柔和な顔つきをすると肩を二回叩いた。
レンズの奥の黄濁した目は笑っていなかった。
糞!もうすぐクリスマスだって言うのに・・・
寮に帰り、真っ暗な部屋で寝転ぶ。
同期で入った仲間も今では4人に満たない。
みんな陰湿な苛めや何やらで辞めていってしまった。
噂には聞いていたが、この業界は本当にプライベートな
時間が無い。休日出勤なんて日常茶飯事だ。
この寮に住みはじめてもう随分たつのに未だ荷を解いていない
箱が幾つもある。まあ、その方が返って部屋が散らからなくて
良いんだけど。・・・週明けには発たねばならない。
のろのろと起き上がり、荷造りを始めた。
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・?
目を覚ます。鉄の味がする。
苦しい・・・駄目だ・・・体が動かない。
朦朧とした頭で必死に置かれている状況を判断する。
そうだ・・・僕は先輩の代わりに此処の取材をしに来たんだ・・・
軍事クーデターを起こしたロレント大佐の拠点を・・・
えっと・・・カメラは・・・何処だ?
首を起こして周りを見渡す。
さっき迄あった建物が跡形も無くなっている・・・
耳には何やら沢山の喚き声や叫び声が入って来る。
此処は・・・危険だ・・・逃げなくては・・・
手を伸ばそうとする。すると、今までに感じた事の無い違和感がある。
!?嗚呼・・・両腕が吹き飛ばされたんだ・・・
これじゃあもう先輩に稽古をつけてもらう事なんて出来ないかもな・・・
へへ・・・最後迄、炎・・・出せなかったな・・・
頭がぼーっとしてきた。視界が霞む。
あれ?炎・・・出てるよ・・・いっぱい・・・
赤い・・・凄く赤いなぁ・・・炎が出て熱い筈なのになんでこんなに
寒いのかな・・・寒い・・・さむいよぉ・・・先パィ・・・
しかし、本田の親方も期待はずれだったな?
嗚呼、なんでもスパーリングで鼻血を出して
半べそかいていたらしいぜ?
情ね〜〜w
情ねえと言えばうちの新入り、もう随分長いって言うのに
未だに満足にちゃんこの出汁も取れねえ・・・
まったくだ・・・おっと・・・奴さん来やがったぜ?
おい!暁!手前何時まで愚図愚図してんだ!客が待ってんだろ!?
ああん?てっめえ・・・なんだその面ァア!?お前、現役の頃は
そこそこ強かったらしいが、何時までもそんなもん鼻にかけてんじゃねえぞ!
おら!さっさと運びやがれ!!
おい!暁!こいつもだ!!っててめえ!!落とすんじゃねえよ!!
ったく・・・本当に駄目な奴は何をやっても駄目だな!!
ん・・・なんだその目は?何か文句あるんか?
なんだ?その包丁は?おい・・・おい・・・まさか!?
ぐはっ!?
さ・・・刺しやがった!コイツ・・・
マジで刺し・・・やがった・・・
うわああああああああ!!!
リョウコは未だに迷っていた。
柔の道を取るか、普通の女としての
幸せを取るのか・・・無論もう引き返せない
婚約の準備等等、万事滞り無く進んでいる。
マスコミもこぞってこのイベントを取り上げるらしい。
本当はそっとして欲しいのだが・・・
溜息をつく。壁には数え切れない程の賞状、棚一杯のトロフイー
どれも血の滲むような努力の結晶だ。しかし、つきつけられた
現実には、勝利の栄光も霞んで見える。そう・・・
国民栄誉賞でさえも。
くよくよ悩む性格ではなかったのだが、流石に今回ばかりは
お手上げだった。俯いて目を閉じる。!?
急に胸のむかつきが込み上げて来た。
洗面所に走ると夕食に食べたものを全て吐き出した。
・・・やだ・・・私・・・
思い当たらぬ『コト』が無い訳ではない。
寧ろ、この新たな出来事は花嫁になるリョウコにとって
望むべきものなのだ。だが、リョウコの苦悩は
前よりも増していた。
・・・もし・・・子供が生まれて、私の過去が
世間に知られたら・・・
おぞ気が立った。美少女柔道選手として
グラビアに載り、歌声までも披露した事のある
リョウコである。人気絶頂の頃には映画にもなった。
しかしながら初の主演映画は大コケし、最初は所謂、
提灯記事で持て囃したマスコミも、その舌の根の乾かぬ先から
一斉に叩き出した。余りの叩きの凄さに一時、体調をくずし、
選手生命さえも危ぶまれる事態にまで陥った。
もう、あんな苦しい思いはしたくない・・・
リョウコは脳乱した。
あれは・・・あれは・・・何処?
スランプ時にとある医師から極秘に手渡された秘薬を
必死で探す。棚を倒さんばかりの勢いだ。
リョウコの手が弾き飛ばした小さなアルバムが、最早
雑然となった床に落ちる。偶然開いた項にあった写真の顔は
今のリョウコとは似ても似つかぬ顔であった。
胸のおーくつーきーさすーぐらい
エソジソ全開 向かいかーぜーにだーってぇー
鷲塚は何時に無く苛立っていた。
メイクアシアスタントも近寄りがたい程に
くそ・・・また遅刻か・・・だから俺は反対したんだ。
あんなズボラな奴に主役が務まるか!
吐き捨てる様に呟いた。
鷲塚は今回の大河に役者(キャラクター)人生を賭けていた。
低視聴率で伸び悩んだ前作の所為の煽りで予算も大幅に
削られてしまったが、地上デジタル放送初の大河ドラマ
そして、久しぶりに大きな仕事だ。通知を受けた時
どれほど喜んだ事か。がーしかし、鷲塚の期待は見事に
裏切られた。それは全て奴の所為だった。
トップスターアイドルの起用
馬鹿な!鷲塚は我が目を疑った。確かに彼の
ファン層は飛びつくかもしれない。しかし肝心の演技は如何なのだ?
歌舞伎役者を凝りもせずに主役にした前作から何も学んでいないのか?
この時から、鷲塚の人生の歯車が逆転する。
クランクイン・・・
5時間遅れでやって来た。
今日の撮影は諦めようと皆が思っていた頃だ。
慌てて片付けかけていたセットを引っ張り出す。
鷲塚は嫌な予感が的中するのを恐れた。
カメラが回る・・・
『カット!』
信じられない・・・もう何回聞いただろうか?
流石の監督も休憩を挟む。
これは後から聞いた話だが、
台本すら目を通していないとの事だった。
鷲塚も始めは他の仕事で忙しいのだろうと
思っていた。だが・・・しかし・・・
『な、なんだって?また撮影中止だとぉ!?』
『間に合わない・・・一体どうするんだ?』
『また仮病ですかね?』
周りの喧噪をよそに鷲塚は勤めて冷静でいようとしていた。
俺は・・・信じてるぞ・・・お前は俺に約束したではないか・・・
『今、連絡が入りました。彼・・・二日酔いだそうです。』
鷲塚は怒りで我を忘れそうになった。
アイツ・・・
あれほど話をして判ってくれたと思っていたが・・・
鷲塚は自分が情なくなった。いくら落ち目とは言え
自分も曲がりなりにも役者の端くれだ。プライドはある。
ギャラ、待遇・・・全ての面で妥協せざるを得無い
今回の仕事も全力でぶっかったつもりだ。
自分の歳と代わらぬアイツにもこの世界の先輩として
出来るだけ助けて来た。しかし・・・またもや・・・
南無三・・・
鷲塚は瞳を閉じた。
斬ろう・・・撮影中の事故に見せかけて・・・
予てより密かに用意していた真剣をその手に携え
片付け作業で俄かに慌しくなった楽屋を後にした。
キャロルは確かに裁判に勝った。
太りすぎを理由に解雇した団体に勝った。
しかし、その後の環境は彼女も取って決して
暖かいものでは無かった。
新体操の世界・・・
此処での最大の敵は『歳』である。
彼女も既にベテランを通り越し、引退すべきと
囁かれる年齢になっていた。
彼女自身も練習の度に自分の年齢による衰えを
痛感していた。だが、しかし・・・
・・・絶対、諦めない・・・
唇を噛み締める・・・
夢を、自分の夢を決して他人任せにはしない!
彼女が過去の傷から学んだのはこの事であった。
初のデビュー作である風雲黙示禄・・・
当時、この仕事の依頼が来た時、キャロルはまだ
子供であった。オリンピックに向けて毎日、地獄のような
特訓を元体操選手だった母親から強いられていた。
お母さんの叶えられなかった夢を貴方が叶えてくれるのが
お母さんの最高の喜びなの・・・だから頑張って・・・
キャロルは文字通り母親の操り人形と化していた。
大好きなお母さんの為ならなんだって私は我慢する・・・
私さえ我慢すれば、きっとお父さんだってお母さんの事を
許してくれる・・・今度のクリスマスにはきっとみんなと
一緒に・・・
キャロルは泣きそうになる自分を押し殺して
母親の課した厳しい練習に堪えていた。
その日の母は何処かおかしかった。
何時もなら一緒に練習に行く時間なのに
キャロルは先日、家に訪ねてきた男達の事を思い出していた。
・・・億・・・
これぐらいのギャラはお約束出来るかと思います。
男達は母親に何やら書類を手渡していた。
学校の(殆ど行ってはいないのだが)宿題に
悪戦苦闘してたキャロルは珍しく家にいる母に
教えてもらおうと思い、ドアノブに手をかけた。
・・・?話し声が聞こえる。お客さん?
何時来たのかな?お母さん・・・?
おっと邪魔がはいりましたな・・・それではよい返事を
お待ちしておりますよ?マダム?
その日の午後、母は派手な服を着て何処かに出かけてしまった。
練習に行く支度をしていたキャロルを残して・・・
母はその夜は帰って来なかった。
男達が尋ねて来た日から3日後、
キャロルはその仕事をするようになった。
子供心にこの試みは失敗するのではないかと
思っていた。そして、その予感は的中する。聞く所によると
予想されていた利益の半分にも満たないもので
あったらしい。しかし母は派手に遊ぶ事を止めなかった。
尋ねて来た男の一人と出来ていた。
偶然、母と男の行為中を見てしまったキャロルは
その夜、生まれて初めて母を呪い、そして自慰をした。
オリンピック出場の選考会・・・演技は全て高得点であった。
キャロルは自信があった。
母無しでもやって行けると考えていた。
しかし、その甘い考えは見事に打ち砕かれる。
ドーピング検査であろうことか、彼女の尿に
陽性の反応が検出されたのだ。
出場権を剥奪され、ロッカー室で項垂れるキャロル
何故、陽性反応が出たのか解らない。
入り口では、男に捨てられ、自暴自棄になり
アル中に成り果てた母が係員に取り押さえられている。
・・・・!!
迂闊だった・・・キャロルは思い出す。
しかし、同時に赤面する。まさか彼のあれが・・・
父親の愛情に飢えていたキャロルは既に2年前から
母の男を奪っていた。
アテネ五輪・・・
おそらく彼女にとってこれが最後の挑戦になるだろう。
長い間目を閉じていたキャロルは、回想という深い溜息を吐くと
今度は不屈の精神と決意の為の息を深く吸う。
跳躍の為の第一歩を踏み出す。
ベンチではアルコール依存症から立ち直った母が
キャロルの生んだ娘をあやしている。
父親の顔を知らない娘だが。
それでもキャロルは夢に向かって走り出す。
我が娘の為、そして何よりも自分自身の為に。
糞スレage
>>37氏
スマソ・・・自分も書き込んでいて鬱になった。
(;´・ω・`)
アク禁解除されたかな??
チン・シンザンは歯軋りした。
獄中に身を置く者の一人となってしまった彼に
出来る事と言えば、今までの自分を振り返る事だった。
孤児だった彼は、日々の糧に飢えていた。
ある日の事、盗み食いの為に忍び込んだレストランで
彼は、この貧しい町を支配していた闇米グループのヤクザに
捕まった。いかなる暴力と脅しにも屈せぬ気合の入った
『食欲』にド肝を抜かれたヤクザは殴るのを止めると
僅かばかりの金を彼に握らせ、とあるバイトを紹介してやった。
そのバイトとは・・・所謂、取り立て屋である。
元々、無くす物が何も無いシンザンは持ち前の貪欲さを発揮し
血も涙も無い取り立て屋として恐れられるようになった。
そしてシンザングループという消費者金融業界トップの会長の席に
座る頃には、彼に逆らう者は誰一人として居なかった。
そう・・・数ヶ月前迄は・・・。
ひびき 蘭・・・
小娘だと思って油断した。
シンザンは再びギリギリと歯噛みする。
批判的な記事を掲載した新聞社の社長を電話で恫喝した後
シンザンは葉巻を咥えた。
貧乏人達が、誰の御陰で飯が喰えるのか考えて見ろ・・・
銀行の貸し渋りの所為でどれだけ中小企業の経営者が
苦しんでいるのか・・・政府が一度でも手を貸した事があるのか?
もうクリスマス間近だというのに・・・
溜息と共に煙を吐き出し、報告書に目をやる。
なんだ!まだこれだけしか回収出来ていないのか!?
この穀潰し共めが!!
シンザンの怒鳴り声に報告書を持参した社長は
只、ひれ伏すしか無かった。
何時もならストレスを食べる事で発散していた
シンザンは吐き気を覚えた。慌てて葉巻を再び咥えると
怒りに打ち震えた。そして目を閉じると
ユダヤの商人と愉愉した記者ひびき 蘭を
許す訳にはならないと思った。
何故ならその一文はシンザンにとって深いトラウマを
思い起こさせるものであったから・・・
成功者となって間もない頃、シンザンは肉親捜しを始めた。
予想していた事だったが、既に彼の両親と思われる人物は
この世にはいなかった。だが、シンザンは次の事実に喜びを覚えた。
自分には血を分けた妹がいたらしい。シンザンは生まれ故郷と
思われる地に足を延ばした。そして、シンザンは両親と妹の
足跡を辿るにつれて、彼の忌まわしき記憶も朧げに甦って来た。
そうだ・・・この藪で、妹は母親に絞め殺され、父がその肉を
金に替えていたんだ・・・そしてその晩、俺も妹の肉を喰って・・・
シンザンは昼に食べた物を全部その場で吐寫した。
何気にお気に入り。
がんばれー (;゚∀゚)
にじます
シンザンストーリーイイ!
しかしダークだな
みんな・・・本当にアリガトン・・・
アク禁で暫く来れなかったけど、まだこのスレが
あった・・・こんなに嬉しいことは無い・・・サンクスでつ!!
これが・・・噂の新種ですか?
暗い部屋に男達の声が響く。
まさか本当に存在していたなんて信じられませんよ。
まったくだ、御伽噺の生き物がいたなんてな・・・
で、如何します?マスコミにはまだ感づかれてはないでしょうね?
勿論だ。奴らには気の毒だが、死んでもらったよ。
・・・本当に大丈夫なんでしょうね?
私を誰だと思っている?安心したまえ・・・それよりもコイツ以外にも
まだ沢山いる筈だ。君からも予算をもっとこちらに回すように・・・
解りました。きっとこの新発見に頭の固いご老人がたも
考えを改めるでしょう。
フッフフフフ・・・おっと祝杯がまだだったな?確かまだシャンパンが
残っていた筈だ。どうだ?コイツを眺めながら一杯いこうじゃないか?
ふふっふ・・・コイツも飲みたがるでしょうw
・・・面白い冗談だ。水の中にいてどうやって酒が飲めるかね?
しかもどうやらまだコイツは生まれたばかりの子供のようだが?
男の一人がスイッチを押す。
部屋に明かりが燈る。
余りの眩しさにその生き物は目を眩ませた。
その生き物は悲しそうに声を上げた。
しかし、その叫び声は只、小さな水槽に虚しく
響くだけであった。
丁度その頃、
目の前で愛する息子を攫われた
異形の生き物が人間達に復讐する決意を固めた。
人間達が魔界と呼ぶ世界に住まうその異形の生き物は
人間達の一人が身に着けていたと思われる
覗き窓?を手にとると水掻きのついた指で
記された文字をなぞった時、息子の声が
聞こえた気がした。
『お父さん・・・オルバス父さん・・・助けて・・・』
ぐは・・・相変わらず読み辛い・・・スマソ・・・(´・ω・`)
名誉は金では買えない。しかし、票は買える。
ハガーが議員生活で学んだ事はそれであった。
数年前・・・ハガーは仲間達と共に
犯罪組織マッドギアを壊滅した。市民達は
諸手を揚げてハガーを賞賛した。州知事、果ては
大統領からも感謝状?が贈られ、タイムズの顔に迄なった。
最早、世界で彼らの事を知らない者は1人として居なかった。
だが、その栄光も長くは続かなかった。
俄かに時の人となった仲間の1人、コーディが
持ち前のルックスで芸能デビューをすると。
やがて彼はハガーの娘ジェシカを捨てる。
泣き崩れるジェシカ。突然の婚約破棄に戸惑うハガー
そしてさらに追い討ちをかける様に
最悪のニュースがハガーの耳に届いた。
コーディがとあるパーティの席で酒の勢いに任せて
芸能レポーターにこう漏らしたと。
『レイプされまくった女なんか臭くて抱けるか!
それに彼女の腹には誰の親かも知れないガキが
いるんだぜ?』
やがてそのニュースは全米を揺るがす
大事件に発展する。コーディの発言が写真週刊誌に
すっぱ抜かれると各メディアはこぞって特集を組んだ。
しかしそれは、最悪の結果を生み出す事と為る。
ジェシカがバスローブで手首を切ったのだ。
胸騒ぎを覚えたハガーが公務を切り上げ
早めに帰宅した為に大事には至らなかったが・・・
ハガーは娘の名誉を守る為に立ち上がった。
今までジェシカを淫乱娘、売春婦と叩きまくった
敵対陣営側の各メディア並びに今ではすっかり干された感がある
元、不良少年映画俳優コーディを訴えた。
世間はハガーに同情した。フェミニスト達はこぞって
彼を支援した。裁判は彼の大勝利に終わった。
ハガーは多額の賠償金と共に
2度目の勝利を得た。
しかし、その代償は余りにも大きかった。
寒い雨の降る夜、ハガーは病院を訪れた。
心を壊したジェシカは精神病棟に監禁されている。
無論、関係者には緘口令を強いてある。
マスコミのやり口を彼は学んだ。
服装の所為か運動不足の所為かジェシカの下腹が少し
膨らんでいるように見えた。
医師の話では妊娠3ヶ月目だそうである。
虚ろな目をしたジェシカがハガーの姿をガラス越しに見た。
ジェシカが叫び声を上げた。
極度の男性恐怖症に陥っているらしい。
カーテンが素早くハガーの姿を隠した。
愛娘を奪われたハガーはある決意をする。
議員、そして市長を辞職し、今年の秋行なわれる州知事戦に出馬する。
このままでは中絶禁止法の壁によってジェシカは私生児を生む事になる。
幸いな事に金はたっぷりある。世論も再び味方をしてくれるだろう。
俺が知事になって法を変えてやる。ハガーは電話を取り出すと、
票の取り纏めに大きな力を持つと噂される人物の
番号を力強くプッシュした。
RRRRRRRRRRRR・・・
呼び出し音が鳴る間、ハガーはジェシカが攫われた時
掛かって来た電話の事を思い出していた。
やっぱりあれは犯されてたんだな
犯さないほうがおかしいよな
祈念カキコ
面白いが、
主人公がいつどこで何をしているのか、そこに到るまでどうしていたか
等が一寸解りづらい印象。
改行・タイトル付けを上手く使ってはどうだろう。
>>53 下着姿で放置しっぱなしというのもオツ・・・な訳ないか。
tets
56 :
ゲームセンター名無し:03/12/14 23:00 ID:P5FuBEvb
age
>>57 さらっと読んだ印象では、
「」が無い分、誰が誰に何を言っているのかわかりづらかった。
知識ありきが文章を読む上での前提条件なのかもしれないが、それが
唐突な展開や「?」の印象を打ち出している感があって、少し読み難いものに
していた。
ただそれは意図しているかもしれないのと、主人公視点で話をすすめている
スタイルが得意(?)ということを考えると、主人公以外に「」なり
適度に改行したりすると良いと思いました。
あと、手にとって読むスタイルではないので、ぱっと見の読みやすさ――
例えばAAを見るような感覚で文章が見れれば、読みやすさのコントロールも
出来ると思います。
色々な技術や方法はあるが、とりあえずはこんなところかと。
ハガーのテキストや↑のフセインなどは、長くとも良い感じでした。
というか、冷たい物言いでスマン
後、もうひとつ個人的な意見を言うと、
己の行っているスレは、あまり晒さない方が良いと思われ。
(文章ネタや作成ネタを披露するのであれば、特に)
問題は無いと思いますが・・・
まあ、(´∀`)ワショーイということで、一つ。
(´∀`)ワショーイ
なるほど・・・読みやすさ、見易さ・・・
確かに苦手でした。つーかあんまり考えていなかったッす!
凄く勉強になりました!有り難う御座います。
「」は面倒でもこれから付ける事に致します。
あと、読んで下さって本当に有り難う御座いました!
嬉しいです。(つД`)・゚・イイヒトダ・・・
書いてみていいですか。
(*´∀`)ドーゾーw ネットカフェより書き込みでつ。
お待ちしております。
面白いけどダークだね
とりあえず(*´Д`)さんには
今週(12・18発売)のYJの原作大賞の発表欄を読んでみることを勧める。
テムジンは血が逆流するのを感じた。
次の瞬間、自分でも驚くほど俊敏に体が動いた。
格闘界から既に遠く離れた身ではあったのだが。
《成る程、これが火事場の馬鹿力・・・か!?》
昔、出場した大会で僅かではあったが賞金を手に入れ
それを元本に、母国では夢が叶う約束の地と囁かれた
異国の地で、テムジンは長年の夢であった事業を起こした。
だが、格闘界では向かう所敵無しのテムジンだが
此処の世界では赤子同然であった。
信じていた同朋の代理人にも裏切られ、事業は頓挫する。
増え続ける借金、それに追打ちする様に
人種差別の壁が立ちはだかる。
自由の国と信じていたかの地でも、
弱い者は徹底的にいたぶられる。強い者によって。
しかし、テムジンは諦めなかった。
持ち前の粘り強さで、試練に耐え、問題を克服していった。
やがて、テムジンの努力は地元のマスコミに取り上げられ
最初は冷ややかな目で見ていた住民達も彼の事業に
協力?する事になった。無論、この頃には
法律の後押しもあったのだが、取り敢えず彼の夢は叶った。
醒めない夢として。
赤色灯が惨劇の起きた現場を照らす。
野次馬を掻き分けて一人の勇者が運び出される。
その勇者の顔には布が掛けられていた。
これは不幸な事件に遭遇し、まだショック状態に
陥ってる彼の学園の児童からマスコミが強引に聞き出した事だが
『オロチの血が騒ぐんだよオおおお!!』
と、訳の解らない事を口走りながら刃物を振り回す長身の男に
テムジン園長が一人で勇敢にも立ち向かったという。
逃げ出した子供達の緊急連絡で駆け付けた警官と
騒ぎを聞き付近の住民達の協力もあって
その長身の男は逮捕される。大きな犠牲と引き換えに。
奇跡的に子供達は誰一人として怪我は無かった。
出迎えてきた里親達と抱き合う光景が溢れる中で
この瞬間より孤児として新たに生きる事になった
テムジンの息子がいた。今は只、養父の亡骸に
縋り付いて泣きいるのだけれども。しかし
彼がその涙を拭う時、必ずや強く生きて行く事が出来る。
その瞳にも映る筈だ。養父が命懸けで守った孤児が
そして何よりも、誇り高き養父の記憶が彼の勇気の証となるだろう。
※推奨参照イメージ検索 竜虎の拳2
今年も後、残り僅かとなった。
思えば今年もアーケード界は不況に喘いでいた。
中小メーカーは更に淘汰され、
大手メーカーでさえ業界から撤退宣言をした。
抱き合わせ商法は相変わらず蔓延り、
直営店を縮小したり、営業そのものを辞める店が
続出した。
不況という重苦しい空気の中で
誰もが明日への夢を失いかけた時
とあるニュースが人々に希望を与えた。
万年最下位と言われ続けた野球チームが
18年ぶりに優勝したのだ。
人々はその弱小チームの快挙に
喝采を惜しまなかった。
行政が禁止していたのにも関らず、
付近の河川に飛び込むという奇行も
留まる所を知らなかった。
そして此処、清水寺では
毎年恒例の一字がまさに今
一人の書家の手によって記されんとしていた。
その書家の名は八角秦山と云う。
書家と云う名に相応しく、鷹の目の様に鋭い
彼の眼光は、この日の為に特別に用意させた
数ある筆の中から更により良い状態の物を
選別させていた。
やがて書家、八角秦山は
一本の大筆を手にすると
墨滴鮮やかに『虎』の一字を書き記す。
丁度その頃、とある密猟グループが
関係機関の手によって摘発されていた。
押収された数ある証拠品の中から
書家、八角秦山が先程使った筆・・・
子供の虎の髭から創られた筆の
試作品が大量に発見された。
弘法筆を選ばすと云うのは全くの誤りである。
推奨イメージ検索 サムライスピリッツ2アスラ斬魔伝
73 :
ゲームセンター名無し:03/12/19 17:53 ID:KxRNIyct
このたび2chを引退することにしました..
そこで誰かコテハンを受け継いでくれませんか?..
愛着のあるコテハンなのでこのまま無くなるのがもったいないです..
ちなみに自分はこのコテハンの4代目だそうです..
自分は厨房系の板で雑談中心の固定でしたが
先代の中にはエロゲー板で神と呼ばれた人もいたそうです。
自分の代でいなくなってしまうのも忍びないです。
歴史と権威があるこの固定を未来に引き継いで行って下さい..
米山フランソワーズ#y0ikbgサ4
お前の名前など誰が継ぐかボケ
まだアク禁中かな?
保全してみる。
あげ
>>76サン
>>77サン
保守有り難う御座います(つД`)・゚・
>>74サン
お気持ちは有り難いんですけど、僕はまだ
先代の屋号を引き継げる程、実力がありません。
今回は謹んで辞退の意を申し上げます。
>>75サン
ま、まあまあ、(´∀`)マターリと御願いします。
ふと思ったが、
>>1と自分以外に、ここを見ている人間はいるのだろうか。
いないと・・・思う。うん。確実に
漏れの立てた、アケ板の小学生スレに宣伝してきたけど・・・
多分、誰も来ないと思う。
(;゚∀゚)80ゲット・・・虚しい・・・
なら、長編(予定)置いていいかな?
>>1さんがよければ。
十数年。
――放浪の時間であり、歩んだ距離の長さだった。
誇りの証明をすべく闘いを求め続けて、気がついたら自分でもわからない
何者かになっていた。
自分の闘いは、いつしか戦いになり、住み慣れた舞台だったリングは野原へ、
そして荒野へと移り変わっていった。
場が変れば観る者も、戦う相手も変わる。
観客は戦うべき相手へと変わり、戦うべき相手は殺すべき相手へと変わって
いった。
その多くの出会いは、その場限りのものだった。この世に生きている限りは、
二度と逢わない事を前提とした出会い。
ただ、一つ変らないものがあった。
昔の闘いの手段であり、今の戦いの手段だ。
ビルマ(ミャンマー)東部山岳地帯。
目星をつけた最後の戦場だった。
世界中のあちこちで闘ってきたが、勝ち負けを経てたどり着いた命題は、
「一切の敗北を許さない・許せない」ということだった。
負けん気の強い人間なら、至極当たり前のことであり、今更問うべき
ことでもない。しかし、それが一切の弁解や停滞を許さないものになると、
また違った答えが現れてくる。
一切の敗北とは、同時に一切の自由を与えられる・押し付けられるという
ことも意味していた。そういうところで無ければ、証明は出来ない。
その決意は、今まで抱いてきた己への誇りと、歩んできた自分の道程への礼で
あり、義務であった。
――この身体が敗けようとも、俺の誇りに、敗北はない――
かつての師が去り行くアドンに向かって放ったその言葉を、
アドンは覚えていた。
身体の敗北と誇りの敗北――
一つの敗北というものに対し、区別をつける師の言葉。
区別の意味は?
敗北という現実に対する、体のいい言い訳なのでは?
そのときは敗者の戯言だと考えたが、今、勝ち負けを含めた数々の戦いを
繰り返してきたアドンは、その言葉を真の意味で証明してみようと考えたので
あった。
アドンは戦場を選んだ。
そんな中で、アドンは暮らし慣れたタイの隣国の東端に身を寄せることを
考えた。
もとより、宛てもコネもない。「やりがい」があるか否か。その感覚が
指針の目安だった。
軍事政権が長年支配していたその国では、軍事政権を快く思わない者達による
小規模な戦闘が、これも長年続けられていたらしい。らしいというのは、
アドン自体はその事柄にさしたる関心も無く、手軽に入れる適当な戦場としての
場所を見つけたというだけでしかない。正義や大義等は、今の自分には無縁だった。
戦い、強さを実感する――それが行動基準だった。
ただ、無差別無軌道に戦うのは狂人であり、戦いではない。
戦いとは、勝者と敗者が、共通の認識の中で峻厳に区別され、
また区別するものでなくてはならぬ。生き死にの結果は付随するもので
しかない。そう考えた。
アドンは、とりあえずの目安を見つけて、その目安に従って敵と戦おうとした。
無意識の内では、明確な戦いの相手を見つけたいという思いもあった。
半月の夜。
アドンはタイとビルマの国境を越えようとしていた。
コインを投げ、戦うべき相手を模索する。
表が出たら海路経由でヤンゴンへ。裏が出たらビルマ東部山岳地帯へ。
コインを足の甲に落とし、頭上にトスした。
より高く、より遠く、垂直に。
「――シッ」
月明かりに一瞬コインが輝き、その瞬間下半身から頭上に向かい、
黒色の影が伸びた。直踵蹴りだ。
正確無比なスタイルと間合いの見切りで繰り出されたその踵蹴りの上に、
バランスのいい微動をコインは示し、行くべき道程をアドンに告げた。
踵の上のコインは、裏を見せた。
いいよいいよ♪ワクワク・・・♪
壁|ノシ
京の頃から見てるよ。
(;゚∀゚)さんも82さんも頑張れ。
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