1 :
名無しさん@お腹いっぱい。:
ここは とらドラ! の主人公、逢坂大河と高須竜児のカップリングについて様々な妄想をするスレです。
どんなネタでも構いません。大河と竜児の二人のラブラブっぷりを勝手に想像して勝手に語って下さい。
自作のオリジナルストーリーを語るもよし、妄想シチュエーションで悶えるもよし、何でもOKです。
次スレは
>>970が立ててください。 もしくは容量が480KBに近づいたら。
/ _ ヽ、
/二 - ニ=- ヽ`
′ 、 ',
', /`l / , \_/ |
∧ 〈 ∨ ∨ ヽ冫l∨
', /`| u ヽ
', / /
/  ̄\ 、 -= / __
/ ̄\ `ヽ、≧ー _ /. : : .`ヽ、
/__ `ヽ、_ / 、〈 、 /.:冫 ̄`'⌒ヽ `ヽ、 / 〉ヘ
/ ==',∧  ̄ ∧ 、\〉∨| /.: : :′. : : : : : : : . 「∨ / / ヘ
',∧ | > /│ /: :∧! : : : :∧ : : : : | ヽ ' ∠
',∧ |、 \ 〉 、_ (: :/ ,ニ、: : :ィ ,ニ=、 : : 〉 ,.イ´
',∧ |′ ∨ ///> 、 Y: '仆〉\| '仆リヽ:|\_|: :|
/ / | └<//////> 、 八!`´、'_,、 `´イ. :|////7: !
/_/ |、 ` </////>、\ ヽ丿 /. : :|//// : .丶
,' |′ ` <//∧ : > </.: : :////〉: : : . ヽ
,' | / 个:<〉. :〉》《/.: ://///: : : : : : . \
,' |、 〈 . : :│: |/. :/│/.:///////: : : : : : : : : . )
,' |′ \:ノ. : |: :/W/.:〈//////: : : : : : : : : :ノ
,' | /. : : : :|:///∧ : ∨///: : : : : : : : : . \
まとめサイト
ttp://tigerxdragon.web.fc2.com/ 前スレ
【とらドラ!】大河×竜児【スキスキ妄想】Vol6
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1240317270/ 過去スレ
【とらドラ!】大河×竜児【ラブラブ妄想】(1スレ目)
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1231122796/ 【とらドラ!】大河×竜児【ニヤニヤ妄想】(2スレ目)
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1234443246/ 【とらドラ!】大河×竜児【デレデレ妄想】(3スレ目)
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1236695653/ 【とらドラ!】大河×竜児【イチャイチャ妄想】Vol4
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1237819701/ 【とらドラ!】大河×竜児【ベタベタ妄想】Vol5
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1238865504/
2 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/04(月) 06:38:32 ID:VimjIbK2
乙です
5 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/04(月) 13:38:16 ID:IxEws0bO
(^ω^)乙 これは乙じゃなくてなんたらかんたらお
6 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/04(月) 18:08:55 ID:Qur7NzA9
乙age〜
7 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/04(月) 18:10:39 ID:1uemE5ik
大河「りゅ〜じぃ〜」
竜児「よう、大河」
大河「待った?」
竜児「いや、今来たところだ」
大河「本当は30分前に来たんでしょ?」
竜児「惜しい。34分前だ」
大河「なにそれw 変なところで細かいんだから♪」
竜児「性分だからな。あとこれ」
大河「なになに?」
竜児「今日のランチの特製サンドイッチだ」
大河「ぅわぁーい!竜児ありがとう愛してる(チュッ)」
竜児「ぉぅ(チュッ)ところで大河、その髪型珍しいな」
大河「こっこれは
>>1乙じゃなくてポニーテールなんだから、変な勘違いしないでよね!」
竜児「なんじゃそりゃ。でもその髪型も似合ってるぞ。あっこれこの前プレゼントしたシュシュ」
大河「えへへ♥竜児に見てもらいたくてつけてきたの♪」
竜児「おう、ありがとうな。じゃあ行くか!」
大河「うん!」
>>770 大河「こ、こんな哀れ乳捕まえて何言ってんのよ!このバカ!エロ!大体男なんて大きなおっp・・・」
竜児「試してみるか」
大河「ひゃあっ、あん・・・だ、だめ・・・んっ・・・!」
竜児「ほらな、やっぱりこのサイズが一番いい」
モミモミアンアン
竜児「これだけは誰にも渡さねえ。俺だけのおっぱいだ」
大河「・・・竜児のいじわる・・・」
竜児「おっぱいだけじゃねえ。大河は俺んだ」
大河「んっ・・・///」
ギシギシアンアン
開幕モミアン&ギシアンGJ! 素晴らしいよおまいら!w
スレでこんだけギシアンしてるんだ、そりゃー妊娠ENDも出るって
もんさw
「た、大河……ど、どこに欲しい……っ?」
「んぁ……りゅ、りゅうじぃ、りゅうじ…おねがい…、中に、中にちょーだいっ」
「く……! も、もう出すぞ……っ」
「うん…/// いっぱい、ちょおだい……あ、あああぁ……っ!」
ビュクビュクアンアン
ギシギシアンアン
前スレ
>>770 もし説得できなかった場合
大河「今日行ったっていう映画ね、なになに・・・おっぱいバレー!?」
竜児「あっそれは・・・」
大河「あああああんた、ななななんてもん見にいってんのよ!!」
竜児「でもな俺はお前の胸以外に興味はないぞ?」
大河「なぁに言ってんだこのクズ犬!興味なくても観た事は変わらないわよっ!」
竜児「う、うるせぇな!一々詮索するなんていやらしい。女には一生理解できない事だってあるんだぞ!」
大河「う…だって、どんな映画観たのか気になったんだもん(ぐす)」
竜児「おう…な、泣くなよ…よし、今度別の映画観に行こう。もちろん2人でな!な?(涙フキフキ)」
大河「…じゃあ明日ね。学校サボろう」
竜児「お前去年停学くらってヤバいだろ?それに中間も近いぞ」
大河「………(ぐすっ)」
竜児「よ、よし。じゃあ明日!何観たい?」
大河「おっぱいバレー」
竜児「お前もかよ!」
後日観に行った大河は暗闇でないと裸になれない身体になりましたとさ。
それでも脱がした後竜児は無理やり電気を点けて顔面パンチを受けましたとさ。
11 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/04(月) 21:54:47 ID:1uemE5ik
一応補足しとくけどおっぱいバレーにおっぱいは出ませんが主役はFカップです
>>770 大河の性格だと、それをネタに竜児をからかったり、
呆れたりして、まぁ結果的にはベタベタしてそうだなw
浮気には寛大な感じ‥かも。
>>12 いや、たぶん亜美あたりに
「あまり束縛しすぎると高須君疲れちゃって他の束縛しない女の子のところに
行っちゃうかもねーw適度にほっときなさいよーwww」
みたいなアドバイス受けて、最初のうちは「ま、まあ駄犬にも公園でリードを
はずしてあげるくらいのご褒美はあってもいいかもしれないわね」
とか強がりを言ってたにもかかわらず、実際にちょっと離れようとしただけで
泣いて追いすがる気がする
なんか、浮気とかしようもんなら
相手としたことを自分にもさせて「あんな女より、私のほうが」的な事を言ってそう。
浮気しても絶対自分のとこに戻ってくると信頼してるっつーか‥
犬だなwww
16 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/04(月) 23:52:57 ID:lKyycdF3
離婚した親の子供って離婚率高いそうだな。
「絶対親のようにはならない」とか思ってる子でも離婚するという
>>10 これ思い出したw
竜児にうへへぇとか言わせてみたい
825 2009/05/04(月) 11:16:03 ID:Azgmfk5ZO
恋人は名無しさん(sage)
愛撫の途中に彼女が全裸になると必ず
俺は「うへへぇw」とか言いながら布団引っ剥がします
その度に裸を見られまいと「うわああああああ」とか言いながら逃げ回る彼女が可愛いw
20 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/05(火) 00:57:01 ID:h+z2Uj1f
そろそろ新緑の季節にさしかかろうかという、爽やかな日曜日。
竜児の祖父から送られたさくらんぼをおやつにつまみつつ、いつもの5人で高須家に集まっての勉強会。
の、はずなのだが、女子のうち2人がなにやらヒソヒソと密談中。
(ねえあーみん、アレってやっぱり……)
(アレ……だよねえ。でもなんで高須君が?キャラじゃないっしょ?)
(そこなんだよねえ……私達へのアピールなんてのはありえないし、大河とは普通に……してるだろうし)
(……こうなったら直接聞いてみるしかないかしら?)
(よし、頑張れあーみん!)
(あたしかよ!)
「ねえ高須君、それって……」
亜美が指差す先には、竜児が口から出したばかりのさくらんぼの茎。
その中ほどには結び目が作られている。
「ん? ああ、これ、実は泰子の得意技でさ。ガキの頃にマネしようとして練習してるうちに癖になっちまったんだよ」
机の上、チラシで作られた屑入れの中には同様の物が2個3個。
「竜児ってホント見た目によらず器用よね。私もこの間チャレンジしてみたけどぜんぜん駄目だった」
言いながら大河はひょいひょいとさくらんぼを口に放り込む。
「どれどれ……む、これは確かに難しいな。高須、どうやってるんだ?」
北村が口の中で何やらもぞもぞと。
「いや、改めてどうと聞かれると説明しにくいんだが……」
(大変ですあーみん隊長!どうやら高須君は状況を理解していないようです!大河も!)
(こういうのも天然っていうのかしらね……なんか腹立ってきた)
(どうでしょうあーみん隊長、我々がウブでネンネな2人にレクチャーしてあげるというのは?)
(面白そうね……乗った)
「高須君、知ってる?」
竜児に向けて妖艶な笑みを浮べる亜美。
「口の中でさくらんぼの茎を結べる人ってさ、キスが上手いんだって」
「へー……え?」
思わぬ言葉に固まる竜児。
「そこんとこ実際にはどうなのさ、大河?」
即座に実乃梨が大河に詰め寄る。
「ふぇ!? た、確かに竜児のキスは気持ちいいけど、それは、べつに、そんな」
突然振られた大河は思わず本音をポロリ。
「聞きましたかあーみん!『気持ちいい』そうですよ!」
「これは是非、後学のためにも実演してもらわないとねえ?」
「ちょ、ちょっと待て!櫛枝!川嶋!」
「そ、そうよ、じ、じじ、実演なんて……!」
真っ赤になる竜児と大河。
「そ、そうだ、生徒会長の目の前でそういうことをするわけには……」
竜児がどうにか逃げ道を探すものの、
「いや、かまわんぞ。うちの校則には男女交際に関する項目は無いしな。
というか俺もちょっと興味がある」
残念ながらあっさりと行き止まり。
「3対2の多数決でけって〜い!さあ観念するのだ大河も高須君も」
「つーか普段ラブラブ光線出しまくってるくせに、今更キスぐらいで照れるんじゃないわよ」
「むむむ無理!無理だから!」
ぶんぶんと顔を横に振る大河。
「ふーん……それじゃあさ、高須君、あたしにキスしてくれない?」
亜美は唇に人差し指を添え、数多の男達を悩殺してきた流し目を竜児へとちらり。
「か、川嶋!?」
「やっぱり見るだけより体験するほうがわかりやすいし、ねぇ?」
「そういうことなら俺っちも!一発濃厚なのを頼むぜ高須君!」
「お、じゃあ俺も」
元気良くと軽く、実乃梨と北村までもが手を挙げる。
「だだだだ駄目ーっ!竜児とキスしていいのは私だけなんだから!
ばかちーも駄目!たとえみのりんでも駄目!ましてや北村君は絶対駄目っ!」
まるで護ろうとするかのように、涙目になりながら竜児の首筋に抱きつく大河。
「だそうだけど、高須君はどうなのかな?」
ニヤニヤと笑う亜美を射殺さんばかりの視線で睨みつける竜児。
……言うまでもなく実際にはただただ困惑しているだけなのだが。
「……しかたない。大河、一度だけだ。それで川嶋達も納得するだろうから」
言いながら、竜児は大河の頬に手を添える。
「……竜児がそう言うなら……」
顔を赤らめながら目を閉じる大河。
竜児はそっと近づき、まずは啄むようなバードキスを二度三度。
そしてしっかりと重ね合わされる唇。
「……ん……む……」
「…ん、ふ……んん……」
二つの唇は何度も角度を変え、一瞬離れたかと思うとまた密着する。
時折中で何かが蠢めいているかのように口元が動く。あるいは何かを嚥下する喉の動き。
二人は触れ合う感覚に集中するかのように目を閉じ、しっかりと抱き合ったまま。
「……1分超え……なんというエロス……鼻血出そう……」
「……こいつらコレで普通に『一回』かよ。つかあたし帰っていいかな?」
「はーっはっは、なんだか無性に脱ぎたくなってきたぞぉーっ!」
エロス!超エロス!!
すげーいいよ!
深夜になんて物を投下するんだ‥
GJすぎる
25 :
かるとら:2009/05/05(火) 03:56:02 ID:2YZtcC8i
大河100%ED見れたので、また小話を投下
【話したくなる夢もある】
竜児「大河、え〜っと……なんだ……その……え〜い! ここは男らしくスパッと言ってやる!
大河、俺はお前のことが好きだ! 何時からだなんて知らねぇ! 櫛枝とは駄目かもしれないからって理由じゃねぇ!
お前が嫌うその体だって愛おしいし、恐れられているその性格も暴力も全部ひっくるめて好きだ! 文句あっか!?」
がばっ!
大河「…………」
大河「―――でねっ、あんたは顔を真っ赤にしながら『好きだー!』って告白してきたんだ!」
竜児「……へぇ」
大河「最後に『文句ある?』なんて悪態ついてたけど、絶対あれは照れ隠し! 今思い出しても笑えるわ、ぷくくっ!」
竜児「……かもな」
大河「あ〜、もう最悪!! な〜んで夢の中のあんたに告白されないといけないのよ!?」
竜児「……そりゃあ災難だったな」
大河「まったくよ、大体、私の体が愛おしいってどんだけエロイのよ、あんた。このエロエロッ!」
竜児「……夢の中の俺に代わって、現実の俺が謝るから勘弁してくれ。
まだ4時だぞ……すっげぇ嫌だったのは判るがお前、なんでそんなにテンション高いんだよ」
大河「嫌だった、本当に嫌だったのよ!?」
竜児「……寝させろ」
【眠気が取れない寝起きの素が一番危ない】
竜児「……頼むから寝させろ」
大河「……まぁ、良いわ。あ〜、でもこのまま帰ってもう一回寝ても、夢の続きを見そうで怖いわ。
下手したら告白をもう一回聞くことになりそ。あ〜、やだやだ」
竜児「……そんなに嫌だったのか?」
大河「あ、あったりまえじゃん! まだ、夢の中だけの事ってのが唯一の救いよ!」
竜児「ふぁ〜……、そりゃあ更に悪いことしたな」
大河「……? なにが?」
竜児「……あ〜、ねむっ……ん〜、それは正夢だったってことだ」
大河「ん〜?」
竜児「……現実でも嫌な思いさせることになって悪かったな、って話……ふわぁ、もう寝るぞ」
大河「ん? ん? ん?」
竜児「お前、ちゃんとベランダの戸、閉めて帰れよ……んじゃあ、おやすみ」
大河「えっ、あっ、うん」
竜児「ぐ〜、ぐ〜」
大河「あれ? えっ?」
26 :
かるとら:2009/05/05(火) 03:57:06 ID:2YZtcC8i
【真面目です】
大河「あ〜、暇ぁ」
竜児「まったく、飯を食い終わってごろごろしてるかと思えば、そればっかりだなお前」
大河「ねぇ〜、竜児ぃ。なんか面白いことなぁ〜い?」
竜児「知るか、俺はこうやって茶を啜りながらのんびりできるだけで十分幸せであって暇とは思ってない」
大河「詰まんない奴ぅ……、なんかしなさいよぉ〜」
竜児「だから俺は暇と思ってねぇっての。お前が暇なら、お前自身が暇じゃないと思うことを思い付いて、それに一緒に付き合ってやるぐらいだ」
大河「仕方ない、駄犬の相手をしてやるか」
竜児「お前が言うか、その台詞を」
大河「んじゃあ、この中から選びなさい」
竜児「どれどれ……」
大河「あやとり、お手玉、カルタ。それと、トランプ、UNOもあるわよ。で、お人形もあるからおままごともありね。
あっ、お絵描きも捨て難いわね。なんなら『にらめっこ』か『あっちむいてホイ』でも良いけど」
竜児「…………」
大河「う〜ん、甲乙付け難いわね。あんたが選んで良いわよ」
竜児「……お前、可愛いな」
大河「?」
【絶対領域】
大河「ここからここは、私のテリヤキーね」
竜児「多分言いたいのは『テリトリー』だろうし、ここは俺の家であってお前のテリトリーがある理由も判らんし、テープを畳に貼るな」
大河「ここは私の領地です。不法侵入は許しません!」
竜児「無視かよ……。で、不法侵入するとどうなるんだ?」
大河「凄いことが起きます」
竜児「曖昧過ぎて訳が判らん」
大河「それより竜児ぃ、なんかおやつ欲しい」
竜児「んっ? ああ、確か冷蔵庫にヨーグルトが……」
大河「取ってこーい」
竜児「はいはい……」
大河「ふんふふ〜ん♪」(雑誌読み中)
竜児「…………」
すっ……(大河テリトリーに足だけ侵入)
大河「!!!!!!!」
竜児「別に凄いことは――――」
大河「うわぁっっっっ!!! 私の絶対領域に入ったぁ!! ふ、ふ、ふほーしーにゅー!!! エロ犬の馬鹿犬ー!! へ、変態! 心を奪えても体までは奪わせんぞ!!」
竜児「ちょっと待て! 顔を真っ赤にする理由も判らんし、言ってる意味も判らん! こら、物を投げるな! ……本当に凄いぞ、コレは!!!」
27 :
かるとら:2009/05/05(火) 03:58:04 ID:2YZtcC8i
【みんなを信じたいからこそ】
亜美「ねぇねぇ、もし宝くじでさぁ、三億円当たったらどうする?」
北村「実際には税金やらなんやらで引かれるし、総額三億円ってのが妥当であって、手元に三億円は来ないぞ」
亜美「祐作、早速現実に連れ戻すな。興醒めだわ」
実乃梨「そうさねぇ〜、私はオーパーツなんかを買ってみたいねぇ。割と本気に」
大河「みのりんらしいなぁ、私は美味い物を喰う!」
亜美「最近、あんたその喰い意地に関して開き直ってきてるわね……。祐作は?」
北村「そうだなぁ……、うん、世界の国を見て周りたい」
春田「おっ、いいねぇ、いいねぇ! 俺っちはねぇ、雑誌の裏表紙とかであるようにバスタブにこう、お金を満タンに入れてさぁ、
可愛い女の子を両脇に抱えてみたいなぁ〜、なぁ〜んて!」
能登「春田らしいっちゃあ春田らしいが、なんちゅう妄想だ。俺だったら……、お菓子の家を造る、とか」
北村「メルヘンだな。……だが、面白い」
能登「だろ? やっぱ子供のころ憧れるじゃん、こういうのって。それを現実にしてみたいかも」
大河「それを喰ってやっても良いわよ?」
亜美「人の夢を貪るんじゃねぇーっつーの。私わねぇ、やっぱジュエリー関係かなぁ。後、おっきい豪邸も。それと―――」
実乃梨「それはまた現実味溢れる夢だねぇ……」
大河「夢は叶うけど、希望がないとは……。とんだパンドラの箱だこと」
亜美「うっさいわねぇ」
竜児「おうっ、なんだ、みんなして。えらく盛り上がってたな」
実乃梨「お〜、これはこれは高須殿、良いところに」
北村「いやな、みんなで宝くじで三億円当たったらどうする?って話をしてたところだ」
春田「高っちゃんなら、どうするぅ〜?」
大河「決まってんでしょ、コイツのことだからどうせ貯金よ、ちょ・き・ん」
能登「ははっ、確かに」
竜児「いや、まず俺は宝くじなんて絶対買わない」
亜美「もしもの話だっつーの」
竜児「それでもだ。ほら、テレビとかで聞くだろ、宝くじで幾らか当たったせいで人間関係が壊れるって。
金を得ることで今まで信頼していた人達と罵り合ったり、家族なのに金のことで揉めだしたり、最悪、金を手にした張本人の性格が変わったりするかもしれない。
それが嫌なんだよ、絶対に。お前らならそんなことないって信頼してるし、俺も何も変わらないって自信はある。
でも絶対とは言い切れない。未来なんて誰にも見えないからな。だから、俺は買わない。当たらなくて良い。大金なんか欲しくない。
こうやってお前らと話して、遊んで、馬鹿やってる方が俺は幸せだ。三億円程度じゃ釣り合わん。
なんたって、こんな目付きの悪い奴と付き合ってくれる仲間との日常だからな……って、何でお前ら土下座してんだよ!!??」
六人「「「「「「薄汚れてる自分達をお許し下さい」」」」」」
竜児「いやいやいや、これは俺の勝手な考えであって、別に何が欲しいとか、何を買うとか想像するのは自由だろ! 止めろって、おい! 額を床に押し付けるな!」
【今更でございます】
春田「ねぇねぇ〜、俺さぁ、すっごいことに気付いたよ〜!」
大河「どうせとんでもなく、くっだらないことでしょうよ」
能登「まぁまぁ、んで、何?」
春田「あのさぁ、大河はタイガーじゃん?」
大河「既にとんでもなく、くだらないわよ?」
竜児「まぁまだ途中だ……。それで?」
春田「高っちゃんは高っちゃんじゃん?」
大河「そろそろ一発かましとく?」
能登「抑えて大河。せめて何が言いたいか知りたい。……え〜っと、つまりどういうことだ?」
春田「竜虎じゃん!!」
竜児「りゅうこ……? ああ、竜虎のことか。大河はタイガー、つまり虎。で、俺の名前が竜児だから竜。ふたり揃って竜虎って言いたいわけだな?」
春田「そうそう! どう!? すっごくなぁ〜い!?」
竜児「あのなぁ、何を今更――――」
能登&大河「おお〜〜!! なるほど〜〜!!!」
竜児「……ええ〜っ、嘘〜……。能登はともかく大河。お前、俺が並び立つって言った時、意味判ってなかったのかよ……」
【こういう答えだと思ってる】
竜児「あっ、あそこにいるの先生じゃないか?」
大河「あらっ、ホント。……っわぁ、相も変わらず負のオーラ全開ね」
竜児「しかし不思議なんだよなぁ」
大河「なにが?」
竜児「先生って可愛いっていうか、美人っていうか、兎に角レベル高いと思うし、性格だって良い。なのに、何で男が寄り付かないんだ?」
大河「まぁ、確かに……悪い人とは思えないけど、あんだけ負のオーラ出してたら仕方ないんじゃない?」
竜児「う〜〜ん、謎だ……って、あっ、先生が何か男性と話し込んでるぞ」
大河「ん〜? あの様子だと道を聞かれてるだけじゃない?」
ゆり「で、その交差点を右に曲がればありますよ」
男性「す、すいません、助かります」
大河「なに相手の男、すんごいきょどっててキモイんだけど」
竜児「そんなことよりもあの男性、結構カッコイイぞ。男の俺から見ても思う」
大河「え〜……、そう?」
竜児「なんで俺と見比べたのか判らんが、もしかしたらこれが良い切っ掛けになるんじゃ……」
ゆり「それじゃあ私はこれで」
男性「あっ、あの、その、お、お礼がしたいですし、どこか喫茶店でも」
竜児「おうっ、どうやら相手がきょどってたのはあれか、一目惚れってやつじゃないのか!?」
大河「そう、なのかしら? まぁ、どちらにせよ、あの独神がこの好機を放っておくわけないわね」
ゆり「そんな……大したこともしてませんし、結構です。それじゃあ、失礼します」
男性「あっ…………」
竜児「…………なんで断ったんだ……?」
大河「…………もしかして自分に気があることに気付いてないんじゃない……?」
ふたり「「…………ただのフラグクラッシャーかよ…………」」
29 :
かるとら:2009/05/05(火) 04:00:19 ID:2YZtcC8i
【話したくない夢もある】
竜児「……やっぱりさ、こういう関係を続けても良くないと思う。お前にとっても……。
考えりゃあ判ることだよな。お前が言ってたように、櫛枝が勘違いするように、北村だって勘違いするに決まってる。
だから、たい……逢坂、さん。俺達はただのクラスメイト。それ以上でもそれ以下でもない、その関係に戻ろう。
大丈夫、逢坂さんはやれば出来る人っだってことは、俺が一番良く知ってるから。料理だって洗濯だって、絶対に出来るし、みんなが助けてくれる。
俺? ……言っただろ、ただのクラスメイトに戻るって……いや、正確には、元クラスメイト……。高校辞めて、働くことにした。
泰子ばっかりツライ思いをさせるわけにもいかないからさ。だから、来週からもう俺はいない。
……本当は俺の存在が、お前の幸せを潰してるってことに気付いたからかもしれない。
兎に角、お邪魔虫はこれにて退散、だな。……さようなら、逢坂さん」
がばっ!
大河「…………」
大河「りゅーじっ、りゅーじっ……!」
竜児「……またですか……ってか、今度はボロ泣きかよ……、とにかくベランダの戸を閉めろ……」
大河「う、ううっ、私の……ぐすっ、名前、呼んで……」
竜児「……はぁ? 大河……だよな?」
大河「……もっとぉ……ぐしゅぐしゅ……もっとぉ!」
竜児「…………え〜い、大河、大河、大河、大河、大河、大河大河大河大河!」
大河「…………りゅーじぃ、りゅーじぃ……」
竜児「あっ、コラ。布団の中に入ってくるな。せめて泣き止んでから……あ〜、もう良いや」
大河「ぐすっ、ぐすっ」
竜児「……怖い夢でも見たか?」
大河「コクコク」
竜児「ほら、もう大丈夫だ。このまま背中ぽんぽんしてやるから、寝ろ」
大河「……また夢……」
竜児「見ない見ない、頭も撫でててやるから、寝ろ」
大河「うん……」
竜児「それでも怖い夢を見たなら、直ぐに俺を起こせ。どんな夢か知らんがこうなったら、不本意ながら目付きが悪いまま生まれてきたことを利用して
その夢を俺の眼光で黙らせてやる!」
大河「……ふふっ……なにそれ」
竜児「よっし、ちょっとは笑えるようになったか。さぁ、寝よ寝よ。正直前回起こされた時より30分も早いベストタイムを叩き出してて俺は限界なんだから」
大河「りゅーじ……ありが、と……」
竜児「おうっ、ホント直ぐ起こせよ」
大河「うん……」
2時間後
大河「―――でね、悲しそうに寂しそうに、理由にもなってない理由を言ってどこかへ行こうとするあんたに私は問い詰めたわけよ。
そしたらさぁ、実のところ私のことを『好き』になったから、逃げようとしてたのよ。ったく、迷惑な奴よねぇ、それで逃げるとか普通有り得ないでしょ?
仕方ないから主人として、不本意ながらあんたを説得して、一緒にいることを許可したってわけ。そしたらあんた―――」
竜児「…………怖くなかったんなら起こすな……!」
【派閥論争】
大河「あんたは『きのこの山』派? 『たけのこの里』派?」
竜児「おうっ、そうだな。どっちかを選べと言われれば『きのこの山』かな……」
大河「ほぉ、その理由は?」
竜児「たけのこは、なんか、こう、甘すぎるって言うか……」
大河「どっちもチョコなのに?」
竜児「なんつーか、そう、たけのこはホワイトチョコレートみたいな甘さなんだよな。あんまり好きじゃないんだ、ホワイトチョコレート」
大河「なんか、たけのこ派に失礼な感想ね。あと、ホワイトチョコレートにも」
竜児「仕方ないだろ、苦手なものは苦手なんだ。それにたけのこの存在を全否定しているわけじゃない、好きな人がいるってのも充分承知している」
大河「まぁ、別に良いけどさ」
竜児「じゃあ、お前はどっち派なんだ? たけのこ派か?」
大河「やっぱ『パイの実』が一番に決まってるでしょ」
竜児「もういい、期待した俺が馬鹿だった」
【Wiiっす】
大河「わっ、わっ、ちゃんと反応する」
竜児「へぇー、最近のゲーム機は凄いもんだな」
大河「このっ、このっ!」
竜児「……なんであんなにボクシングが様になってんだ……?」
大河「こっから……こう、投げるっ!」
竜児「……おっ、ストライク」
大河「ちゃー……しゅー……みゃ〜〜!」
竜児「結構飛んだが、何だ、今の掛け声……」
大河「ふんっ!」
竜児「ゲーム相手に予告ホームランするな」
大河「おっ、テニスもあるのか。ねぇ、りゅーじぃ、対戦しよ、対戦」
竜児「おうっ、良いぜ。実際のテニスなら負けるだろうが、ゲームのなら勝算有り、だな」
大河「さぁ、どうかしら? 結構ちゃんと動きを感知してるからセンスでるわよぉ、あんた運動音痴っぽいし」
竜児「ふっ、舐めるなよ……」
次の日
大河「りゅーじぃ、お腹空いたー」
竜児「……体を揺らすな……筋肉痛が凄い……」
大河「……このモヤシ」
竜児「おうっ!? 止めろ、揺らすな! 止めて下さい、ホント! ……おい、その邪悪且つ純粋な子供のような笑顔はなんだ、おい、やめ―――」
【締めの話っぽいけど締めじゃない】
大河「ふんふふ〜ん♪ おっ、あれは……ばかちー?」
亜美「にこにこっ」
大河「ほぉ、営業スマイルじゃないな。見てるのは……子供?」
亜美「にこにこっ」
大河「公園で子供見てめっちゃ笑顔になるって……、ある種危ないわね……。ってか本当に子供好きなんだ」
大河「ふんふふ〜ん♪ おっ、あれは……北村君?」
北村「キラキラッ」
大河「ペットショップで子犬をめっちゃ見てる……」
北村「キラキラッ」
大河「北村君はなんとなく動物好きそうなイメージあるけど、あんなに目を輝かせるほどだったなんて」
大河「ふんふふ〜ん♪ おっ、あれは……バカメガネ?」
能登「じぃっ〜」
大河「何をそんなに真剣に……。音楽雑誌? しかもクラシック?」
能登「じぃっ〜」
大河「へぇ、意外な趣味ね。最近流行ってる曲しか興味ないイメージだったけど」
大河「ふんふふ〜ん♪ おっ、あれは……アホロン毛?」
春田「これとこれ」
大河「DVD屋にいるってことは……」
春田「あと、これもぉ」
大河「……アクションもの、ホラーもの、ドキュメンタリーもの、感動もの……イメージだと卑猥な物しか見ないと思ってたけど
普通に映画が好きなのか、超がつくほど意外だ」
大河「ふんふふ〜ん♪ おっ、あれは……みのりん?」
実乃梨「よいしょっ」
大河「楽器屋? え〜っとあれはヴァイオリン……かな?」
実乃梨「うん、良い音色」
大河「……みのりんはギターってイメージがあったけど。うん、あれはあれで似合ってる」
32 :
かるとら:2009/05/05(火) 04:04:57 ID:2YZtcC8i
大河「う〜ん、結構みんなと時間を一緒にしてるから判らなかったけど、まだまだ知らない部分があるってことよねぇ。
勝手にイメージ持って、勝手にその人のこと決めつけちゃうのって……、やっぱりいけないことなのかな?」
竜児「なぁ〜にやってんだ?」
大河「おっ、竜児」
竜児「なんだ、散歩か?」
大河「まぁね。そういうあんたは……もう良い、判ったから」
竜児「エコバッグを見てげんなりするな。当然の義務だろ?」
大河「…………」
竜児「なんだ、まだ言いたいことがあるのか?」
大河「あんたは間違いなくイメージ通りね」
竜児「はぁ?」
大河「中身を知れば、ね」
竜児「なんだそりゃあ、さっぱり判らん」
大河「判らんで良い。それより、買い物行くならついてく」
竜児「……お菓子は3個までだぞ?」
大河「ケチ」
皆の中の私もきっとイメージ通りなんだろうなぁ。手乗りタイガーっていう不名誉な二つ名をつけられるぐらいだし。
それに、意外な一面なんて見せた覚えもないもんね。まぁ、別にそれはそれで良いんだけど。
女子生徒A「あっ、ねぇ、あれ見て」
女子生徒B「うわぁ、ヤンキー高須に手乗りタイガー……」
女子生徒A「あのふたり、犬猿の仲なんでしょ?」
女子生徒B「そりゃあ、タイガーが行き成りヤンキーのこと殴り倒すぐらいだし。で、ヤンキーの方も、仕返しと言わんばかりに顔面にボールぶつけたって聞くし」
女子生徒A「そうそう、おまけに普段ふたりともすっごく機嫌悪そうだもん」
女子生徒B「でも今のふたりって、なんだか楽しそうよね?」
女子生徒A「私には、あ〜、幸せだなぁ、って感じがする」
女子生徒A&B「「イメージと違うけど……うん、結構良い人達かも」」
33 :
かるとら:2009/05/05(火) 04:06:48 ID:2YZtcC8i
短編書くよりもこっちの方が楽しくなってきた今日この頃。
お後が宜しいようで。ではでは。
いいね!
宝くじ当選金は課税対象外だったような
>>34 無知ほど怖いものはないことを今知った。不貞寝する。
やっべぇ!
>>21-22がたまらなすぎる……!
エロいしおもしろいしGGGGGGJJJJJJ!!!!
37 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/05(火) 06:16:15 ID:xAcQYTsa
>>17 おおう、俺の作品のイメージ画書いてくれたのか、ありがとう。
涙目大河可愛いなぁw
すごいなあ
よくこんなにたくさんおもしろい話が浮かぶモンだわねえ
>>17のURLをクリックしたらなんか
エロサイトに飛んで絵がみれないんだが・・・
>>39 MiX300_1555.jpg
これクリックしたらおk
おにゃのこハァハァの右な
大河「竜児、あんたもおにゃのこハァハァの方クリックしたでしょ」
竜児「ギクッ!!」
大河「そんなにボインボインのバインバインがいいのか!うわぁーん!」
竜児「いや、俺洗濯好きだからぁー」
大河「これ柔らかい!柔軟材使ったでしょ?」
竜児「使ってねえよ。洗剤だけだ」
大河「んふ・・・柔らかい・・・///」
竜児「お前は人のパンツ抱きしめて何やってるんだ」
大河「え?これって…ぎゃあ、パパパンツじゃんこれ!」
竜児「気付いてなかったのかお前…」
大河「だって!シンプルな色合いだし短パンかなんかだって…」
竜児「そうか…つーかお前時間いいのかよ?」
大河「あ、もうこんな時間?じゃあ行ってくんね」
竜児「おう、また後でな」
竜児「さて、そろそろ洗濯物を…っておおう!?ここここれはぁ…!
たたた大河のパパパパンツ……!?か、被りてぇ…」
大河「忘れものぉはサイフのフ〜…あんた何してんの?」
竜児「ナァァアアー!んで帰ってきたぁぁ!?」
大河「その…サイフ、をね…お邪魔だったかな、これだこれだ、じゃじゃじゃあね!」
竜児「待ってくれぇぇぇ!!」
日焼け止め
竜児「よし、お団子頭セット完了。動いてもいいぞ」
大河「えへへ、ありがと。おー本当にネズミみたいだ」
竜児「おう、似合ってるぞ、大河」
大河「下手なお世辞はいいから。でもありがと!じゃ行こっか」
竜児「おう、男子更衣室こっちらからまだ後でな」
大河「うん、わかった」
竜児「水泳ってまた服着るのが面倒なんだよなー、おう、大河」
大河「いたいた。まだ初夏だってのに暑いわね、日焼け止め塗ってきたらよかった」
竜児「あるなら塗ってやるぞ?」
大河「へ、へへ変体!そんな事いってお肌触るつもりなんでしょ!」
竜児「ちげぇって…俺はただ単に日焼けに苦しむ大河を見たくなくてだな…」
大河「…まぁ、ヒリヒリすんのはイヤだし…お願いしようかな」
竜児「おう、そこのシートに寝そべってくれ」
大河「……///」
竜児「よし、じゃあい、いくぞ?」
大河「ひゃー!」
亜美「うわぁ…もう見てらんねぇ…ってみのりちゃん!?鼻血鼻血!」
櫛枝「うおぉ…あの光景は是非携帯の待ちうけに…(パシャパシャ)」
亜美「そんなに…したいならやってあげてもいいよ?」
櫛枝「がってんでぃ!さぁドンと来い!」
亜美「じゃぁいくよ、そぉれ!」
櫛枝「ひぎゃぁぁあ!つめたぁぁ!」
能登「大先生…あいつらなんとかなんないの?見てるこっちが恥ずかしいんだけど」
北村「お、俺もやりたくなってきた!能登、そこへ寝そべってくれ!」
能登「……///」
いつしか仲の良くない生徒も日焼け止めを塗りあい、プールはカップルだらけになった。
男同士でも女同士でも仲良くぬりぬり。
春田「せんせぇ…余った…」
黒なんとか「……///」
47 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/05(火) 12:27:54 ID:zShEIN/L
>>39 ViewかStyleならたぶんIFJPEGX.SPIっていうプラグイン使えばそのまま見れるお
黒間じゃないか
黒マッスルとか言われてたし
49 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/05(火) 12:53:03 ID:zShEIN/L
50 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/05(火) 13:06:57 ID:xAcQYTsa
私
>>45だけど
原作であったように黒なんとかって書いたのに
マジレスする男の人って…
>>51に表敬して
大河「キノコが食べたい」
竜児「はぁ?なんだ急に。お前は赤と緑の配管工か?」
大河「うるさいわね。食べたくなっちゃったんだから仕方ないじゃない」
竜児「しかもキノコつっても色々あるぞ?」
大河「竜児に任せる。竜児が作るとなんでも美味しいんだもん」
竜児「別にいいけどさ、夕食は食っちまったし、スーパーももう閉まる時間だぞ」
大河「じゃ明日!学校帰りに買いにいこ!」
竜児「お、おう。じゃ今夜は俺ので我慢してくれな」
大河「ばばばバカ!!誰があんたのシメジなんて・・・・・・
そんなこと言うと・・・食べたくなっちゃうじゃない・・・。」
ギシギシアンアン
53 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/05(火) 14:04:23 ID:zShEIN/L
竜児「さぁ行ってみましょう第一問!!」
大河「ワクワク」
竜児「夜、ほんのひと時しか大きくならないものってなぁ〜んだ?」
大河「なっ…何セクハラかましとんじゃぁー!」
竜児「ちゃんとした問題だ。さぁ早く答えないと罰ゲームだぞ?お前が言ったんだからな」
大河「………チン…」
竜児「ん?よく聞こえませんでしたねぇ、もっと大きな声でさぁ!!」
大河「……チンチン!(かぁぁぁ)」
竜児「ぶっぶ〜」
大河「!?」
竜児「正解は、『月下美人』でした!」
大河「はぁ?花の名前なんて分かるわけないじゃない!」
竜児「お前は毎日俺の月下美男しか見てないからそういう発想しかできないんだぞ」
大河「うがぁー!言うなー!」
竜児「さぁ裸で料理を作って貰おうか」
竜児「ちなみに俺の言う月下美男ってわかるか?」
大河「知らないわよ!あほくさい!」
竜児「じゃあ教えてやろう。ミートボールと御稲荷さんとソーセージで構成されている
ヤシの木だ。よく覚えておけよ、お前も扱うんだからな」
大河「アワビはヤシの木を待っている」
竜児「アワビと並び立つのはヤシの木だけだ」
大×竜「そういう風に、できている」(子供的な意味で)
だから二人でこっちみんな
57 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/05(火) 14:45:35 ID:93RzfVkk
誰かこの竜児を止めてくれwwwww
なんかこの流れで「黒マッスル」って単語を出すと、
どこぞの体育教師じゃなくて竜児のキノコのことを言ってるっぽくなりそうだな。
大河「まさかレーズン以外もあったとは…」
竜児「…男としての自信をなくした…」
竜児「・・・・でも、おまえのは全部綺麗なピンク色だな。ゴクリ」
大河「ちょっ、あ、ああ、あんた、マジマジ見つめるんじゃないわよ!」
竜児「そーれ!」
布団ガバァッ
大河「ひゃあああぁぁぁっ!!////」
とらドラ!P
大河3つ子妊娠ENDアフター
大河「う、うう、うぁああ・・・っ・・・竜児っ!!」
竜児「しっかりしろ大河っ!、俺がそばにいるからな!!」
大河「う、うんっ!・・・・ぬぅう・・・ぅおおおおお!!!!!」
竜児「お、おぅ!大河!」
大河「どおおりゃああああああ!!!
竜児「!!!」
大河「ど、どぅううりゃーーーーーっ!ふんぬっ!う、うう、生まれろおぉーーーい!!!」
※※※
虎の咆哮が響き渡ってしばらく経った後・・・・
大河は新しく生まれ出でた3人の命を抱えていた。
大河「やった、やったよ!ああ・・かわいいっ!かわいいね!!ねっ!竜児、やっちゃん!!
わたし幸せ!本当に幸せっ!!」
竜児「ああ!俺もだよ、幸せだ!がんばったな大河・・・ありがとう。」
康子「うんうん、がんばったね大河ちゃん!やっちゃんにも早く抱かせてぇキャー」
3人とも、もう半泣き状態で喜びを分ち合っている。
新しい未来が、紡がれていく・・・・
>>63 > 大河「ど、どぅううりゃーーーーーっ!ふんぬっ!う、うう、生まれろおぉーーーい!!!」
ってすごすぎ!!
65 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/05(火) 20:46:31 ID:xAcQYTsa
そのくぎゅボイスあったら是非聞きたいw
手に汗握る展開でしたね!
ギジアンは投稿したことがありますが、
ほぼ初めての投稿です。(変な文章だったらごめんなさい。)
「やっちゃんが、なぜ大河を受け入れたか?」って、
私なりに考えてみました。
原作10巻から1週間後のある日曜日のこと
>>66 「わたしとやっちゃん」
竜児「本当にいいのか?」
大河「今日はいいの。留守番してる。」
家出をしたバレンタインデータから、2ヶ月ほどたち、
久しぶりに竜児の家にきた日のことだった。
泰子「大河ちゃーん。いっといでよぉ。」
大河「いいの。竜児、お買い物お願いね。」
竜児「お、おぅ、じゃあすぐ帰ってくる。」
ガチャ
どうしても、やっちゃんに言わなければならなかった。
正座をして、・・・
泰子「ほんとによかったのぉ?、ひさしぶりだったでしょぉ?」
大河「いいの。
それより、やっちゃん、本当にごめんなさい。」
頭をつけてあやまった。
泰子「・・・・・」
「ほぇぇぇ?????
なんでぇ???
なにがぁ???」
インコちゃん「な、な、な、な・に・があ・あ・あ・った」
大河「あ、あのね。
バレンタインデーの日、竜児の手を引っ張って、
そ、その、逃げてしまったこと。
ごめんさない。」
****************
>>67 竜児がいたら、おまえがあやまることねぇよ。っていっただろう。
だから、やっちゃんと二人(+一匹だが)の場所であやまりたかった。
泰子「あれー?」
やっちゃんの手が私の頭をもちあげ、大きな胸につつみこむ。
泰子「あやまることないよぉ。
やっちゃんがお礼を言わなきゃいけないぐらいだよ。」
大河「え?」
泰子「あのとき、りゅうちゃんは、本当におこっていた。
わかるよ。家のこと、進学のこと、大河ちゃんのこと
いっぱいおこったんだとおもう。
あの時、大河ちゃんが手を引っ張って逃げ出してくれなかったら、
どうなっていただろう。やっちゃん、こわれてたかなぁーって思うんだぁ。」
やっちゃんが私をきつくだきしめる。
泰子「って、りゅうちゃんも言ってた。」
「だから、感謝しているよ、大河ちゃんに。ありがとう。」
竜児が?、そんなこと聞いてなかった。
たしかに、あの時、このままでは竜児もやっちゃんも傷ついてしまうと
おもったかもしれない。
****************
>>68 やっちゃんは、小さい子を諭すように話をつづける。
泰子「はじめて、大河ちゃんにあったとき、この子が
りゅうちゃんのお嫁さんになるんだーぁって思ってたよ。」
大河「な、な、なんで? あの時は・・・・・」
泰子「知ってるよ。北村くんが好きだったんでしょぉ?
ぜぇーんぶ、知ってるよ。りゅうちゃんが他の子をすきなことも。
でも、りゅうちゃんのお嫁さんは大河ちゃんだとおもったよぉ。」
しってたんだ。
やっちゃんの胸が苦しい。少し暴れる。
大河「く、くるしい・・・」
やっちゃんは、ごめんごめんと言いながら、少し力を弱めてくれた。
泰子「りゅうちゃんは、やさしいけどぉ、自分で決められないでしょぉ?」
インコちゃん「そ、う、めめ、し、い」
そう思う。竜児は、私のことを心配してくれて、いろいろしてくれるのに、
自分のこととなると、全然決められていない。わたしもそうだけど。
そうだね。っと笑いながら返した。
泰子「りゅうちゃんが、自分から女の子にご飯をつくってあげて、
おうちにつれてきてくれたとき、やっちゃんうれしかったぁ
大河ちゃんが、くるようになってから、りゅうちゃん、
ちょっと明るくなったかなぁ。」
****************
>>69 そうだったんだ。
もっと二人が、早くお互いの気持ちにきづいていれば・・・・
うぅうん、この1年があったから。今みんな幸せ。
泰子「それに、大河ちゃんは、いつも、りゅうちゃんのこと、
みていてくたでしょ。
ずーと、みていてくれた。」
そう、ずーとみていた。
たぶん、はじめから。
気づいたら、自分の中は竜児一色になっていて、笑って、泣いて、
そして今ここにいるんだ。
泰子「りゅうちゃんは、ちょっと背中を押してあげれば、
すぅーごく頑張れる。
だから、大河ちゃん、これからもよろしくね。」
うん。
素直にこたえられた。
誰かに期待されるってきもちがいい。
泰子「そんな、大河ちゃんに、うっすーい超能力をあげよう。
もう、やっちゃんには必要ないからねぇ。
相手の心が離れそうになったときに、つよく念じるんだよ。
3回だけつかえるから、大事につかうんだよぉ」
ありがとう、だいじにつかうよ。
といったとき、
ガチャ
竜児「ただいまーぁ。今日は黒豚が安くてさぁ、とんかつ・・・
って、何でだきあってんだ?」
そうだ、抱き合ったままだった。
大河「竜児。わたしも手伝う。ママにちょっとは教えてもらったんだからね。」
竜児「そ、そうかぁ、そいつは楽しみだな。」
泰子「ふふふ」
やっぱり、みんな幸せがいいとおもう。
だから、私も頑張ろうと思う。
おわり
****************
泰子をメインっぽく置いた作品は少ないよな
新鮮さもあったし内容も申し分ないです
GJ!
>>71 ありがとう。
ふはぁ。投稿は、緊張しますね。
やっちゃんはキャラとして大好きかなぁ。
2人のよき理解者だとおもっています。
>>63 追加w
インコちゃん「う、うま、うまれたぁ」
74 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/05(火) 21:41:27 ID:xAcQYTsa
やっちゃんの思いが如実に伝わってきた
原作がもう少し続いてたらこういうのあってもいいかも。
薄い超能力は原作仕様だっけ?
面白かった、また読みたいな
いいねえ。やっちゃんと大河
原作はこれから一年掛けて読むのでよくわからないけど
やっちゃんと大河の絡みってレアなのかな!?
でもきっと書いてもらった様な感じでしょうねえ
大河のけじめもやっちゃんのフォローも空気感もよかったです
また書いてください
>>74 >>75 ありがとう(
>>72です)
> 薄い超能力は原作仕様だっけ?
たしか、原作1巻にでてくるはず。
> 原作はこれから一年掛けて読むのでよくわからないけど
一年ですか・・・・。がんばってください。
> やっちゃんと大河の絡みってレアなのかな!?
10巻のじいちゃんちでの絡みがあります。
(やっちゃんが2人の母親っぽくって、私はここが一番のお気に入りです。)
> また書いてください
いいアイディアが浮かべば・・・・
(って、神の人たちってよくアイデアが浮かぶなぁ!!)
77 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/05(火) 23:21:42 ID:GGOpxSAo
>>76 これはいいやっちゃん
(*´Д`)ポワワってなったお
話は変わるが、本日はとらドラ!オンリーイベントの日だお!
神絵師やアニメの原画の人も参加してるみたいだし、超、超、超、楽しみなんですけどー!
79 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/06(水) 01:46:00 ID:BDJ3Gs19
楽しんできてください
うらやまし
…(*´Д`)ポワワ
前スレ
>>770 の続きを書いてみた。
--------------------------------
竜児の愛し方は、いつも通り細やかだった。壊れ物を扱うかのようにやさしく、
そのくせ隅々まで愛されて、大河は拒むこともできずベッドの上で身をよじり、
竜児にしがみつき、声を上げつづけた。
一際大きな声を上げて身を固くし、そして全身の力が抜けたようにベッドに沈んでから
15分ほど。まどろむ竜児の横で、大河が上半身をゆっくりと起こした。
「どうしたんだ?眠れないのか」
問いかける竜児に大河は無言のまま。
真珠色の艶かしい色の背中は煙るような豊かな髪に覆われている。体の前は上がけで
しどけなく隠しただけ。豆電球の暗い明かりでも顎のラインの精緻な美しさは際立って
いる。ミルクを溶いたような白い頬には、先ほどの余音だろう、まだ赤みが残っている。
毎度のことながら大河の美しさに心を奪われていた竜児は、だがしかし、突如全身を
凍り付かせる。竜児を見ていたのだ。大河が、つぶらな瞳に黒々とした殺意をみなぎらせて。
「…どうした…大河」
「…どうしたって、何が?」
薄暗くても分かるほど黒々とカッぴらいていた瞳が理性を取り戻し、竜児の顔に
焦点を合わせる。理性が戻ってきたように見える分だけ怖い。
「…何を…怒ってるんだ?」
「…ははは…怒ってる?…私が?あはは。変なの…竜児何いってんの?」
しまったーーーーーーっ!
竜児は金縛りにあったまま、全身から冷たい汗を吹き出した。しばらくこんな目に
あっていなかったからすっかり油断していた。大河が口にする前に「何を怒っている?」と
聞くなど、自殺と言われたって仕方のないおろかな行為だ。その先に残っているのは
負のオーラに縛り上げられてゆっくりと窒息していくような、エンドレス不機嫌問答地獄。
自殺志願者だってそんな死に方は嫌だろう。
竜児ははっきり意識していた。通り抜けたと思っていた地雷源は、実はまだ自分の
周りに広がっていることを。
下ろした足の下でカチリと音がしたことを。
足を上げれば地雷が爆発する。でも、足を上げないとここから立ち去れない。
今や確実に体温を落としつつある竜児の上に、全裸のまま大河が身を重ねてくる。
肩の辺りに小さな頭をのせ、静かな声で話すのはいつも通りだが、その声はいつもより
冷え冷えとしているし、何より、竜児の胸のあたりの肌をくるくるとなぞっている
大河の指が恐ろしい。
「…変な竜児…。あんなに情熱的に愛してくれて…あんなに私に恥ずかしい声を
上げさせといて…それでもまだ、私が怒ってるなんて言うんだから…」
艶かしいきめ細やかな肌の大河に絡み付かれて、本当なら2度目の愛の営みへの
力がわいてきてもいいものだが、今や汗びっしょりの竜児はそれどころではない。
「…そ、そうか。怒ってないのか…す、すまねえなぁ………いってーーーーっ!」
思わず大きな声を出したのは、大河が指をはわせていた辺りを、いきなり力任せに
つねったからである。
「あら嫌だ。大きな声を出さないでよ。私、生まれたままの恥ずかしい姿なのよ。
心細いのを我慢して、何もかも竜児に預けてるんだから。せめてロマンチックな
気分にさせてよね」
なじる声は地獄の底からつぶやくような見事な低音。
とにかくなだめるしかない竜児は
「お、おう。すまねぇな、気がきかなくて…ってーーーー!やめろやめろやめろ!」
またもやつねられて押し殺した悲鳴を上げる。
「竜児ったら。全然女心を理解してくれないのね。いつまで大声出してるのかしら」
大声で悲鳴を上げたくなるような酷い拷問を与えているのは大河なのだが、
そんなことを言えばもっと痛い目にあう。
「すまねぇ。『おっぱいバレー』のことは、謝る。俺が悪かった」
「あら、どうしてそんなことを言うの?不思議ね。私怒ってないんだけど。まるで
怒ってるようなこと言うのね。この口?この口が言うの?」
大河のかわいい指が竜児の頬をギリギリとつねり上げる。
「いててててて」
引っ張る、押す、つねる、ひねる。たっぷり3分間竜児の頬に拷問を加えた大河は、
いきなり竜児の顎を掴んでぐいっと上向けさせると、
「ねぇ、竜児。聞いて」
耳のそばでアンニュイな声でしゃべり始める。竜児はのけぞり姿勢のまま聞くしかない。
「私はね、あんたが『おっぱいバレー』を見たって知って、ちょっと怒った。それは事実」
がきっと顎を押さえられている竜児には、返事の術はない。
「でもね、そんなことで怒るのは馬鹿なことだとは分かってるのよ。だってあんたは
私のことを好きだって言ってくれる。哀れ乳でも可愛いって言ってくれる。その言葉に
嘘はないと思う」
だ・か・ら・ね・と、大河は竜児の顎を乱暴に揺さぶる。声は相変わらず気だるい調子。
「私なりに、懸命なのよ。こんなの浮気のうちに入らない。かわいい冗談みたいなものだって
わかってるのよ。怒っちゃいけないって、私なりに努力してたのよ」
それを何?と、大河が手に力を込める。竜児の顎がミシッとかピシッとか嫌な音を立てる。
あぐぐあぎぃと声を上げる竜児の顎を、黙れとばかり大河が乱暴に揺する。
「私の努力も何も無視して、いきなり押し倒すって何よ。あんた私を押し倒せばいつでも
甘い声あげて私が降参すると思ってる?そりゃ悔しいけど、あんたに押し倒されたら、
私はふにゃふにゃだわよ。抵抗できないんだもん。へなへなだわよ」
だけどね、と。涙を怒りでとろとろにかき混ぜたような声で耳元で。
「竜児は知っているかしら。喧嘩して仲直りしないまま、せっくすすると、そのうち
破局するんだって。ロマンスがなくなるからだって。分かってる?分かってないよね。
竜児は鈍感犬だもんね」
ようやく顎を開放されて
「悪かった!すまねぇ大河!」
謝る竜児だが
「黙れ」
冷え冷えとするローテンションボイスで却下される。
「私はね、竜児しか知らないのよ。竜児にしか、肌を許したことないのよ」
「あいたたたた!分かってる!」
肩口にがぶりと噛みつかれた竜児が悲鳴を上げながらこたえる。
「その純情な乙女心を踏みにじって、体で言うこと聞かせるって、どうなのよ」
「痛っ!痛っ!すまねぇ!」
今度は肩胛骨のあたりをぎりっと噛まれる。
「何も知らないうぶな女を思うようにころがせて、さぞかし竜児は楽しいでしょうね」
「っつーーーーっ!違う!そんなこと思ってない!」
今度は頸動脈のあたり。マジ怖い。
「悔しいったら無いわ。こんな男に心も体も奪われちゃったなんて」
「ててててて!すまねぇ!ほんとに反省している!」
嫌に低い涙声の乙女と、嫌に痛々しい押し殺した声の男の深夜の会話は、女が
泣き疲れて眠るまで1時間ほど続いた。
◇ ◇ ◇ ◇
「たっかすくーん!おっすまん…ぎゃーーーーーっ!」
いつもの曲がり角で出会った実乃梨は、いきなり大声を上げて後ずさった。2年進級時、
竜児のやくざ顔にまったく物怖じせずひまわりの笑顔を投げてくれた実乃梨がである。
「おう、さんこん」
「ちょっと高須君。オヤジギャグかましてる場合じゃないよ。それなんだい?
エイリアンでも飼ってるの?って、冗談言ってる場合じゃないね」
実乃梨が心配そうに手を伸ばしてくるのは竜児の頬。昨日の晩、たった三分間傷心の
乙女につねられただけだが、内出血を起こし、大福でも頬にため込んでいるように
腫れ上がっている。
「いや、ちょっとこけてな」
手をよけながら竜児が言い訳をするが
「ほんとかねぇ。私は容疑者になり得る人物に心あたりあがあるんだけどね。
じっちゃんの名にかけて」
「やめてくれ。もし大河だと思っているんなら、違うから」
「そうかい?高須君がそういうならいいけどさ。で、今朝は大河は一緒じゃないの?」
「…」
まさか、「寝るときはいっしょだったが、朝起きたらいなかった」とは言えない。
ふーんと聞こえてきそうなじっとりした目で見ながら、実乃梨はニヤニヤするばかり。
たとえばれていても、自分の口から言わなければ大河の仕業という証拠はない。
それでいいと、竜児は思っていた。それでいい。大河が怒るのも無理はないし。
この上大河の不名誉な噂まで流れるのは忍びない。
が、大橋高校ではそういう思いやりとか心遣いが報われる事は希である。
◇ ◇ ◇ ◇
「高須君!」
弁当を洗おうとして教室を出ようとしたその時、亜美に呼び止められた。
「おう」
声の方に振り向いたとたんに
「「「きゃーーーーーーっ!」」」
本気の黄色い悲鳴が三つ同時に上がり、廊下中の生徒が振り向く。そして、
全員一歩後ずさる。
悲鳴の主は亜美、奈々子、麻耶の旧2−C公式美少女トリオ。お前ら、進級しても仲いいな。
「あー、もういいよ。わかってる。そうだ。そういうツラだ。ちなみによそ見
していて看板にぶつけたのが原因だ。大河じゃない」
悲鳴なら今日半日、嫌になるほど教室で聞いた。英語の授業中なんか、目が合う度に
独身(30)がひっと声を上げていた。
「って何も聞いてないわよ。それにしても酷いね−。タイガーに何されたの?」
「っとに何も聞いてねぇな。大河は関係ねぇ」
つっこむ竜児にぼそりと
「てか、信じらんない。馬鹿な映画見る方が悪いんですけど→」
麻耶が揶揄を投げる。
お前なぜそれを、と聞く前に亜美と奈々子がニヤニヤ笑いながら、しかし竜児の
顔から目を逸らしながら
「能登くんなんか、誰かさんにひっかかれてたものね」
「ぷぷぷ。まじ信じらんねー。映画くらいでひっかいたり殴ったりって、どんだけ
バイオレンスに生きてるのよ。亜美ちゃん人生にそこまで笑いを求めてないんですけど」
新情報を提供する。そうか、情報が漏れたのは能登も一緒か。
「とにかく、俺のは大河じゃねぇ」
そう言い捨てて立ち去る竜児の横にさっと亜美が駆け寄って、耳元で囁いて、
「どうでもいいんだけどさ、あんまりタイガー泣かすと、あんた殺すよ」
首の歯形を隠すために貼ったばんそうこうをぐりぐりと指で押す。
まったくどうなってるんだ。と、竜児は独りごちる。そういう状況で竜児を殺すのは
亜美じゃなくて大河だろう。彼女たちからは見えないが、シャツの下は青あざやら歯形だらけだ。
◇ ◇ ◇ ◇
帰り際、大河の教室に寄ったが姿はなかった。仕方なしに一人で靴箱に行き、
履き替える。表に出たところで、校門の人影に気づいた。大河が門柱の所に
一人ぽつんと立ってうなだれている。校門のあたりで皆一様に緊張し、
端をそっと歩いて出ているところを見ると、殺気でも放っているのだろう。
こりゃ早く行かないと無辜の市民から犠牲者が出かねない。
早足で近づき、うなだれてダウナーな殺気を四方に放っている大河に
「おう」
声をかける。いきなり、きっとにらみつけた大河は
「あんたねぇ…」
怒気をはらんだ声を出すが、そのまま尻すぼみになる。
昨晩の「おつねり」が竜児の顔に与えた効果に、今更驚いているのだろう。
驚くべきだ。こりゃ傷害罪が成立するレベルの話なのだから。
「待ったか?」
照れくさげに微笑む竜児を見つめて、大河の目がみるみる潤む。小さな手を竜児の
頬に伸ばして、でも、触るのが怖いように小声で。
「ごめん…竜児…私…こんな…」
「お前が謝るなよ。悪いのは俺なんだから。すまなかったな。お前の気持ち、
わかってやれなくて。今度から…その…」
と、周りを見回す。さすがに人前で言うのは気が引ける。近くに誰も居ないのを確認して
「お前を抱くのは、ちゃんと仲直りしてからにするから」
小さな声で、でも、きちんと謝る。大河は赤くなって
「…うん」
と、小さな声で一言。
若干ぎごちないままその日は帰りの道を歩いたが、スーパーで買い物をする頃には、
大河もブルガリアヨーグルトのパックを手に持って、竜児にはにかむくらいには
リラックスしてきた。
アパートの前、別れ際に
「ね、竜児。私達、仲直り出来たよね」
と、頬を赤らめて聞く大河は、いつもより3倍くらいかわいかった。
「おう。心配するな。ちゃんと俺たちは仲直りできてる」
笑ってやると、大河も嬉しそうに破顔する。
「じゃ、あとでね」
手を振って走っていく大河を見ながら竜児は
「大事にしてやらなきゃな」
苦笑い。そうじゃないと、あちこちから殺されそうだ。
(おしまい)
書いてみたのはいいけど、カタルシスがねぇ。 orz
亜美には「かわいいじゃん、やきもちタイガー」って言わせるつもりだったのに、
いざ書くとなんか猟奇的になってしまったなぁ。
うむ……ラブラブ度より大河の怒りの表現が上回ってしまった
ような読後感……とか、えっらそーに講釈垂れてすみませんすみません
適当に書いた『おっぱいバレー』の一言が
アフターされててクソワロタw
GJ!!
91 :
名無し募集中。。。:2009/05/06(水) 08:59:56 ID:7jBaAnG3
なかなかいい感じに話が膨らんで良かった
このあと大河も一緒におっぱいバレー見に行けばいいのではなかろうか
大河的には映画の内容よりも
・内緒で映画行ったこと
・自分は置いて行かれたこと
あたりを怒ってるような気がするが竜児並に女心がわからん俺だから間違ってるかもぬ
少なくともおっぱいバレーはそんな話じゃねえww
>>91 作中で、私の気持ちの整理や努力を無視して、抱けばなんでもうやむやになると
思ってんじゃないの?そこを怒ってるって書いてると思うけど。
,ィィr-- ..__、j
ル! { `ヽ, ∧
N { l ` ,、 i _|\/ ∨ ∨
ゝヽ _,,ィjjハ、 | \ つまりこの作品は、
`ニr‐tミ-rr‐tュ<≧rヘ >何でもギシアンにもってけばいいという流れへの
{___,リ ヽ二´ノ }ソ ∠アンチテーゼなんだよ!
'、 `,-_-ュ u /| ∠
ヽ`┴ ' //l\ |/\∧ /
--─‐ァ'| `ニ--‐'´ / |`ー ..__ `´
く__レ1;';';';>、 / __ | ,=、 ___
「 ∧ 7;';';'| ヽ/ _,|‐、|」 |L..! {L..l ))
| |::.V;';';';'| /.:.|トl`´.! l _,,,l | _,,| , -,
! |:.:.:l;;';';';'|/.:.:.:||=|=; | | | | .l / 〃 ))
l |:.:.:.:l;';';'/.:.:.:.:| ! ヽ \!‐=:l/ `:lj 7
| |:.:.:.:.l;'/.:.:.:.:.:.! ヽ:::\:: ::::| ::l /
>>93 > 何でもギシアンにもってけばいいという流れへの
> アンチテーゼなんだよ!
うぉぉぉお、何て奥が深いんだ!!!
ギジアン投稿しにくくなるぜ!!(冗談だけど・・・)
だけど、
>>84 の大河の心情、いいねぇ。
GJ!!!
「暇ねぇ…竜児、何かする事ないの?最近同じことばかりで飽きてきたわ」
「そうだな、ゴロゴロ時間潰すくらいなら学校の方がマシかもな」
「!…それはそれで、つまんない…」
「どうしてだ?」
「…竜児と…ゴニョゴニョ」
「?」
「…あんたとずっといられないって言ってんのよ!わかんない!?」
「おう、そんなに凄まなくても。そうか、ありがとな」
「ふん、乙女の心を弄んで何が楽しいんだか」
「大河を困らせるのは別の意味で楽しいぞ?」
「はぁ?こここ恋人を困らせるのが趣味?おかしいんじゃないの?」
「そういう意味じゃなくて、大河の色んな表情を見るのが楽しいって言ってるんだ」
「じゃあどっか遊びに連れてってよ。私はそんなの全然楽しくないし」
「金銭的に無理な相談だな」
「…じゃじゃじゃじゃあせめてキキキスとか…」
「おう…っとその前に!お前耳かきしてないだろ?昨日あれほどしろって言ったのに」
「自分じゃよくわかんないのよ…ひっかくと痛いしできるわけないじゃん」
「じゃあ膝枕してやるから、耳かしてみろ」
「………///」
「どうした?早くこいよ(ポンポン)」
「…オジャマシマス///」
こゆのがいい
97 :
sabo.biz:2009/05/06(水) 12:55:20 ID:2B+Fjk9J
竜児「さき帰るぞ」
二人しかいない
教室で大河によびかける
大河「待ってよー」
竜児「そんなこと言ってると置いてくぞ」
教室をでていこうと
する竜児を大河が
追いかける
すると
大河「痛っ!!」
竜児「大丈夫か!?」
大河が転んだ
大河「膝痛い・・」
竜児「どれ見してみ」
竜児「あーあ。血が出てるよ」
膝を見ていた竜児が
上を向くとふと
大河と目が合う
大河「あっ・・」
竜児「あっ・・」
教室には誰もいない
二人だけの教室
見つめ合う二人
うおおお大河にマン毛が生えたあああああああああ
99 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/06(水) 14:05:18 ID:7jBaAnG3
100 :
親友 北村:2009/05/06(水) 14:50:10 ID:IyumauR8
ラノベ版で、「PSP 北村×大河」について
書き込みがあったので、書いてみました。
(ちなみに、実際にくっつくわけでなく、大河もでてきません。)
101 :
親友 北村:2009/05/06(水) 14:51:34 ID:IyumauR8
親友 北村
「おーい。高須ー!!」
親友の北村に呼び止められ、竜児は足をとめる。
竜児「おぅ。めじらしいな。今日は生徒会ないのか?」
北村「ああ。あらかた仕事は終わっていて、
富家と狩野さくらがあつくて出てきた。」
そうか、といいつつ、帰り道を一緒に歩く。
大河は弟の世話で早めに帰ったことを伝え、
竜児が一人帰っていることに、北村は納得する。
北村「しかし、逢坂がかえってきてよかったな、高須。」
竜児「ああ。よかったと思う。」
北村は、バレンタインデーからの1ヶ月半、竜児は元気がなかったという。
竜児は、顔には出さないでいたのだが、ばれていたのだろう。
北村「逢坂は、前よりかわいくなったな。」
竜児「そうか?俺への対応は前と変わらないが・・・・」
北村「逢坂が帰ってきてから、1週間しか立っていないが、
笑っているところしか見ていないぞ。」
そういや、そうかもしれない。
この1週間で、ビンタという名の掌底は、3発ぐらい喰らったが、
大河の機嫌ずっとすこぶるよいのだ。
北村「そう。逢坂は前よりかわいくなった。」
***********************
102 :
親友 北村:2009/05/06(水) 14:52:23 ID:IyumauR8
そう北村が言い終わった後、ふと疑問に思った。
北村は、大河のことをどう思っていたのだろう。
竜児「なあ、北村。
おれと大河が付き合わなければ、北村は、大河と付き合っていたか?」
北村は、自分の嫁さんを俺にゆずるのか? などと言いながら、
突然真剣な顔になり、話し出す。
北村「俺は、やっぱり、会長が好きだ。それはずっと変わらない。
だが、逢坂の泣きそうな顔をみて、一瞬ぐらっときたのは事実だ。」
北村ほどの真面目な人間が、「ぐらっときた」のかと思うと、すこし、意外だった。
北村「正月の話、少ししただろ?
逢坂が、竜児のことわすれさせてください。って涙目で、言ったとき、
本当にぐらっときたぞ。」
北村「女の涙って卑怯だよな。」
そうだな、と答え、そのまま二人して歩く。
北村「俺が、男だからっていうのもある。
が、高須も、逢坂も俺の親友だ。親友が悲しむのは耐えられない。」
北村「逢坂に『願いは聞いておくが、高須を信じろ』と言ったんだが、
あの時、高須を少しでも信じられなかったら、そうは言えてなかったかもしれないな。」
北村が慰めて、いつしか付き合うことになっていたかもしれない。
そういうことだろう。
分かる気もする。
北村「念のため、言っておくが、今は微塵も思っていないぞ。
二人が正式に付き合って本当によかったと思っている。
本当に、お前たちお似合いだよ。
他の誰がつきあってもお前たちのようにはならない。」
そういわれるとてれてしまう。
竜児「おぅ。
なんか、北村の人間臭いところを聞けてよかった。」
北村「おいおい、俺はロボットじゃないぞ。
女子の涙目には弱いし、親友だって大事にする。」
「高須は、もう、逢坂を泣かせるんじゃないぞ」
竜児「おぅ。」
北村は本当にいい親友だ。
多分、一生親友でいることが出きるだろう。
また明日な、と挨拶をかわし、二人は自分のかえるべき道へかえっていった。
おわり
北村のキャラソンは格好良すぎる。
今日初めてこの板の存在を知りました。
ちょっと作法とかよく分からないので失礼だったらすみません。
とらドラ尽くしのGWでしたが、◆fDszcniTtk様の三作を読ませて頂きました。
ストレートな感想とかあまり見掛けないのでKYですが・・・
自分は今すごく幸せです。ありがとうございました。
もちろん、他の方の作品も素晴らしいものばかりでビックリです。
かるとらの人、バレーの人などなど作者の皆さんに大きな大きな感謝を。
>>104 竜児「いいから上がって茶でも飲んでけ」
大河「そうよ、せっかくだからご飯もどう?竜児のご飯おいしいんだから。でも竜児はあげないからね」
竜児「いらねーよ、つかいかねーよ」
>>104 泰子「りゅうちゃんと、大河ちゃんのあたらしいおともだちぃ?
きゃは☆
ゆっくりしていってねぇ」
インコちゃん「え、え、え、んりょは、い、ら、ん」
>>104 この世の天国へようこそ
知ってるとは思うが、テンプレにあるまとめサイトも熟読してみてくれ
君は現人神を見ることになる
特に「何がギシギシいってんだよ」あたりのやりとりが最高だ
>>104 べ、別にあんたのために書いたわけじゃないんだからね!
と、一つ投下。
109 :
みんな幸せ!:2009/05/06(水) 19:24:49 ID:rYC4Ffcd
大河「竜河…あんたも所詮男なのね…」
そう言われたのは夜の9時。リビングでドラマを見ていた長男の竜河は
もう恋人にしたいくらい好きな母親である大河にそう告げられた。
竜河「ん?何がって…あー!おおお俺の部屋に勝手に入ったな!?」
そう、大河の手に握られていたのは一冊の青年向け雑誌。いわゆるエロ本である。
大河「ははぁ〜ん、別に焦らなくてもいいじゃない。ねぇりゅ〜じ〜。りゅ〜ががねぇ〜」
愛する夫の名前を「あ〜れぇ〜」とでも言いそうな口調で呼ぶ。
竜児「どうした?」
冷蔵庫の中身をチェックしていた竜児は、怪しい目をギラつかせ大河を見やる。
竜河「うわぁー!言うなー!」
必死に大河からそれを奪い取ろうとするが、頭一つ分差があるにも関わらず
巧みに奪おうとする腕をかわし続ける。
大河「へいパスパース!」
そう言うと、本の角を掴んで勢い良く縦向けに竜児へ投げる。
それを受け止めようとするが、軌道がそれて食器洗い機の下へしゃがんでいた長女の留河の額にクリティカルヒット。
留河「…何してんってあいたぁぁ!?」
大河「あらやだ」
そう言うと、胸の前で手を合わせて『ごめんなさい』のポーズを取る。
咄嗟に竜児が傷を確かめ、ホッと一安心。
留河「まったく…って何コレ?きゃああ!」
叫ぶのも無理はないだろう、ぶつかった『何か』を見ようと視線を移したら
赤いビキニを着けて惜しげもなく肌を露出している女が表紙の雑誌があるのだから。
大河よろしく胸は母親似なので、相当ショックを受けたらしい。
竜児「おい大河危ないだろ?大体なんだこれ、留河が硬直してしまったじゃないか」
二人はテレビの前で竜河と大河が取っ組みあっている。
竜河「バカバカ!母さんのせいでバレちゃったじゃないかどうしてくれんだよー!」
大河「あら遺憾だわ…うちの子だけはそんなじゃないと思ってたけどやっぱり獣ね!」
竜河「うるさーい!母さんに思春期の男心がわかってたまっかー!」
大河「目つきは私にそっくりだけど中身は竜児そっくり!あぁ遺憾だわ」
竜河は大河の頬をつねると、大河は5倍返しで腹にアッパーを食らわせ、戦闘は終焉を迎えた。
「ぐぇぇ」と呻き声をあげてその場に倒れこむ。
竜児「おうおう…気絶してんじゃないのか?もう少し手加減って物をだな…」
大河「いーえ!竜河が最初に飛び掛ってきたのよ?もう犯されるのかと思ったわ」
竜児「どこの子が自分の母親を犯すんだよ…」
大河「ライオンは我が子を崖から突き落とすって知ってる?だから今回は甘いほうなのよ」
竜児「お前なっ…おーい竜河ー?大丈夫かぁー?」
頬をペチペチと叩くと、目をパチリと開けた。ムクリと起き上がると大河を軽く睨む。
すると大河と竜河は同時に手を伸ばし、互いの頬をつねりやる。
ぐぎぎぎ、としばしにらみ合って大河は罵声の言葉を浴びせる。
111 :
みんな幸せ!:2009/05/06(水) 19:25:57 ID:rYC4Ffcd
大河「あんたが自分の部屋のテーブルに置いとくからでしょ!頭悪いのは竜児そっくりね!」
竜河「うぇぇ?俺そんな所に置いてあったの?マジ?」
大河「…まぁテーブルの近くのベッドの下…かな」
竜河「やっぱり探したんじゃないかこの変態!哀れ乳!」
数秒硬直し、最後の言葉でうなだれた大河は竜児にもたれかかる。目はすでに涙であふれんばかり状態。
大河「うっ…そんな事息子に言われたくなかった…うぇぇ…」
すると事態を察したのか、竜河はすぐさま大河の元へよって償いの言葉をかける。
竜河「ごっごめん!別に傷つけるつもりは…」
日曜日のそんな日常。平和で、安らかで、心地よくて。
愛する家族に囲まれ、笑いの声は絶えない。
婚約当初は駆け落ちや大河の引越しなどと問題ばかりであった事が嘘のよう。
竜児が、大河が、望んだ日常がここにある。
決して裕福でなくとも、愛する家族が居ればそれでいい。
『幸せだ』と書いてあるかのような表情を浮かべ、いつのまにか復帰した留河を加えた家族を見やる。
一生こんな幸せが続くといいな。一人ごちると、「気持ち悪い」と大河に頬を軽くつねられる。
少々寒くなってきた10月のとある日、竜児の夢は叶った。『みんな幸せ!』
おわり
大河「あんたが自分の部屋のテーブルに置いとくからでしょ!頭悪いのは竜児そっくりね!」
竜河「うぇぇ?俺そんな所に置いてあったの?マジ?」
大河「…まぁテーブルの近くのベッドの下…かな」
竜河「やっぱり探したんじゃないかアホ!この哀れ乳!」
数秒硬直し、最後の言葉でうなだれた大河は竜児にもたれかかる。目はすでに涙であふれんばかり状態。
大河「うっ…そんな事息子に言われたくなかった…うぇぇ…」
すると事態を察したのか、竜河はすぐさま大河の元へよって償いの言葉をかける。
竜河「ごっごめん!別に傷つけるつもりは…」
日曜日のそんな日常。平和で、安らかで、心地よくて。
愛する家族に囲まれ、笑いの声は絶えない。
婚約当初は駆け落ちや大河の引越しなどと問題ばかりであった事が嘘のよう。
竜児が、大河が、望んだ日常がここにある。
決して裕福でなくとも、愛する家族が居ればそれでいい。
『幸せだ』と書いてあるかのような表情を浮かべ、いつのまにか復帰した留河を加えた家族を見やる。
一生こんな幸せが続くといいな。一人ごちると、「気持ち悪い」と大河に頬を軽くつねられる。
少々寒くなってきた10月のとある日、竜児の夢は叶った。『みんな幸せ!』
おわり
(*´Д`)ポワワ
HENTAI
って言葉がNGだったとは。不覚w
あぼ〜ん
>>104 感想ありがとうございます!投下して時間が経ってもこうして感想を
下さる方がいるとは、感激です。投稿者冥利に尽きます。
ちなみに、◆fDszcniTtk名義では、時間順に4作投下しています。
>>1 にリンクされているまとめサイトには全部アップロードされて
いますので、ご覧になってみてください。一応どの作品も単独で
読めるようにはなっていますが、ゆるく時間順のかかわりがあり
ますので、全部読んで意味のとおるところも、なきにしもあらずです。
>>112 ナイス! 原作/アニメの印象深いセリフが登場していてニヤニヤできる。
高須家では最高機密単語であるはずの「哀れ乳」が何処から流出したの
かは、謎だが。あ、伝説好きの学校で言い伝えられているのか?
それはそうと、竜児と大河の娘のスタイルに関しては、おばあちゃん
からの隔世遺伝に期待するところ大。
最後に。とらドラ!の着地点は、やっぱハッピー且つどたばただね。
>>117 あなたの作品に比べたら付録もいい所だけどw
俺…ひんぬー萌えなんだ…だから娘だろうがなんだろうがひんぬーがいいんだ…
哀れ乳は竜児がこっそり伝えたとでも妄想しておいて^^
大河「その哀れ乳で育ったあんた達にこの乳を非難する資格は無い!」
120 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/06(水) 20:10:24 ID:ivBhqn8F
>>116 おっぱいバレーアフターはお主か!
やっぱり神だな
ポリネシアンセックスってこの二人のためにあるようなもんだな
122 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/06(水) 20:18:06 ID:HCbayOef
123 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/06(水) 20:23:45 ID:ivBhqn8F
124 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/06(水) 20:29:27 ID:HCbayOef
あ、本人だった。
アドバイスさんきゅね
>>122-124 ほんとだ。
きづかなかった、IDが一緒だ。
ぐっはぁー!やられた。すごすぎる。
<<116 読みやすい文だったからもしかしてと思ったが、やはりそうだったか。
127 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/06(水) 21:04:48 ID:HCbayOef
ごめん『みんな幸せ!』を書いた者だが、
携帯からみたら
>>111は表示されてるけど、
PCからはNGワードに引っ掛かって『あぼーん』に
なっていると思う。
携帯からみたら
>>111と
>>112の文章が一部の単語意外同じものが表示されてると思う。
ややこしくてすいませんorz
被って見えたらどっちか無視してね
128 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/06(水) 21:14:09 ID:ivBhqn8F
129 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/06(水) 21:31:38 ID:HCbayOef
>>128 おお、それならよかった、安心安心。
ありがとうございます。
って事で、
>>111または
>>112 のどちらかを無視して頂いたらなと思います…。
>>116,他皆様
IDが変わる前にお礼を。ご返信頂けて光栄です。
レスもらった皆様に教えて頂いたまとめサイトを超読してますが・・・
どうやら自分の居場所がようやく見付かったようです。
本スレ、アニメ実況、作者スレなど色々と渡り歩いてきましたが
こんなにあったかいスレは無いですね!・・くさいですね、はい。
あれから草野球編も読みましたが、本当に竜虎がそこに息づいているかの
ような感動を与えてくれたのは原作以来でした。素晴らしかったー!
やっぱり、「みんな幸せ」様のようなハッピーエンドがとらドラには
最高に似合うと思っています。もちろんギシアンも大好きですがw
これからも皆さんの作品を心待ちにしています。
131 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/07(木) 00:33:51 ID:8usqSfLu
イベント行けなかったけどショップで甘えんぼタイガー買ったお
とらドラオンリーイベント行ってきました!
竜虎ものをたくさん入手できて幸せー!
とらドラP!もおまけEDまで見れたし、今年のGWはとらドラ尽くしでした。
ひゃっほう!
134 :
かるとら:2009/05/07(木) 03:07:13 ID:KV+EDKMM
とらドライベント行きたかった。
まぁ、場所もさることながら、仕事。そろそろ本気で泣く時がきたようだ。
>>51 その発想は無かったわ。本当に。敗北感で一杯だ。
>>104 名前が出たことに驚愕。でも自分妄想流してるだけですから!
というわけで幾つか投下。
【地震・雷・家事・親父】
大河「ほんとあんたって変わりもんよねぇ」
竜児「突然なんだよ」
大河「あんたがいまやってることよ」
竜児「掃除ぐらい誰だってやるだろ?」
大河「僅かな汚れも許さないほど念入りに掃除する男子高校生は少なくとも私の知る限りあんたぐらいね」
竜児「……褒めても何も出んぞ?」
大河「はっきり言うわ、皮肉よ。おまけに、掃除だけに留まらず、炊事・洗濯までそつなく完璧にこなすとなれば、日本全国探してもあんただけでしょうよ」
竜児「……何か喰いたいもんでもあるのか?」
大河「もう一度言うわ、皮肉よ。……ん? 炊事・洗濯・家事・親父……? あれ? 炊事・洗濯・家事・親父……あっれ〜?」
竜児「お前、何言ってるんだ?」
大河「いや、これは違うのよ。え〜っと……炊事・洗濯・家事・親父……なんで?」
竜児「お前が良いたいのは、あれか? 炊事・洗濯・家事・親父……のことか?」
大河「…………」
竜児「…………」
大河&竜児「「あっれ〜?」」
【ポッキゲーム】
大河「ポッキゲームって知ってる?」
竜児「おうっ、ポッキーの両端をそれぞれ男女が咥えて喰っていく、ってやつだろ」
大河「あれ、常々思ってたんだけど、片っぽはチョコが掛かっていない箇所があるでしょ?」
竜児「ああ、持つ部分のとこな」
大河「そっちから咥える方は完全に損してるわよねぇ」
竜児「そういうのって損得の問題じゃないだろ、ゲームの行為自体に意味があるんじゃねぇのか」
大河「だから私は心に決めた! ポッキーゲームをするときはチョコの方を咥えると!」
竜児「……まぁ、お前らしいわな。俺だったらチョコが掛かっていない方を咥えるか、な」
大河「!!??」
竜児「ん? どうした?」
大河「だ、だ、だ、誰がお前なんかとやると言ったぁ!! この馬鹿犬!!」
竜児「いや、単純に俺はそっちを咥えるってことを言いたかっただけ―――痛ってぇ! 適格に脛を蹴るな! 片足上げて抑えている時にもう片足の脛を蹴るな!!」
【快感】
大河「あ〜、暇ぁ〜」
竜児「飯喰ったら必ずそれ言うよな。飽きもせず」
大河「まぁ、決まり事? 鉄板の流れ、ってやつ?」
竜児「知るか、そんなに暇なら後片付けを手伝うという選択肢は生まれないのか?」
大河「ふむ……最初で最後だ、やってやろうじゃん」
竜児「おうっ、俺もお前が言う鉄板の流れってやつを言ったんだが……じゃあ、皿洗いでも手伝ってくれ」
大河「知るかとほざいた癖に良く言ったもんだ。さ〜て、最近の私はドジっぷりを発揮してないから凄いことになるわよぉ!」
竜児「まぁ、ここで一気に爆発させるのがオチだろうが、その心意気だけは買っておこう」
十分後
竜児「ふざけんな、よこせ!」
大河「何がよ、良いじゃない。めっちゃ綺麗じゃない!」
竜児「だからだ、よこせ! なに本当にドジが直ってやがんだ!」
大河「な、な、なんだとぉ! 褒めてくれるかな、なんて期待した私の純真な気持ちとカロリー返せ!」
竜児「その点については後でたっぷりと褒めてやるから、今はまだ洗いきってない皿をよこせ!!」
大河「やっだっ!! 汚れていたものをピッカピカに奇麗にする快感……、この感覚に今目覚めたんだから、最後までやる!!」
竜児「その快感を得るのは俺だけの特権で良い! お前はやっぱ何時も通りゴロゴロしてろ!」
大河「かっち〜ん、と来ました、完全にスイッチ入りました! このヤロー、頭撫で撫でして褒めるどころか何だその言い草は!
決めた、自分のことは自分でやる! 洋服もちゃんと片付けるし、自炊もする! 洗濯だってやってやるわ!」
竜児「冗談じゃねぇ! 俺の生き甲斐奪って何が楽しいってんだお前は!?」
泰子「きょ〜も平和よねぇ〜。さっ、お仕事の準備、準備ぃ〜♪」
インコちゃん「……飯」
【純真無垢】
北村『よしっ、ソープへ行けッ!』
大河「ん〜……」
実乃梨「どったの大河? お悩み事か〜い? この櫛枝お姉さんに話してみんかね!」
大河「え〜っとね、北村君が失恋大明神で『ソープへ行け』って言うけど」
実乃梨「おうっ、それがどうかしたか〜!?」
大河「ソープって何?」
実乃梨(櫛枝 実乃梨、やってしまいました……ある種大きな地雷を踏みつけてしもうた所存……)
大河「ねぇねぇ、みのりん。ソープってなに?」
実乃梨「……え〜っとね、おうっ、なんだ、え〜とね……」
竜児「なんだ、そんなことも知らなかったのかお前、『ソープ』ってのは要するに風呂屋だな」
大河「へぇ〜、つまりは銭湯ってこと?」
竜児「外国版のな」
実乃梨「!! そ、そうそう、そうなのだよ、大河! そういうことなのさ〜!」
実乃梨「ナイスフォローだぜ、高須君! しかも正確な答えと遠くないってのが素敵だぜぇ!」ボソッ
竜児「へっ? 『ソープ』って……それだけじゃないのか?」
実乃梨「……ほえっ!?」
大河「どったの?」
竜児「いやぁ、スマン、大河。どうやらさっき言ったことは正解の極一部らしく、ちゃんとした答えじゃないらしい」
大河「な〜んだ、知ったかするなんてあんたも詰めが甘いわねぇ」
竜児「まったくだ。でだ、櫛枝。今後こういうことが無い為に正確な答えを教えて欲しいんだが――」
大河「そうよねぇ、ちゃんと意味を知ってないとどこで恥かくか判らないし――」
竜児&大河「「ソープってなに?」」
実乃梨(完全墓穴った……)
136 :
かるとら:2009/05/07(木) 03:09:11 ID:KV+EDKMM
【早口言葉】
大河「早口言葉で勝負しましょ」
竜児「唐突に何を言い出すかと思えば……、しかも自分の不得意分野を選ぶときたか……」
大河「得意分野を選ぶ卑怯者よりはマシじゃない。ほら、するの? しないの?」
竜児「まぁ、完全に俺が有利だから構わんが」
大河「おっけぇ、決まりね。ちなみに敗者は勝者の言うことをひとつだけ聞くこと!」
竜児「えらく自分の首を絞める行為だな……」
大河「うっさいわね、今に見てなさい! 私には秘中の秘があるんだから」
竜児「で、お題は?」
大河「かまぼこのやつで良いんじゃない? 今、紙に書くわ」
竜児「いや、そこまでしなくても良いんだが……」
大河「じゃあ、まずはあんたからね、はい!」
「赤かまぼこ
青かまぼこ
黄かまぼこ」
竜児「赤かまぼこ青かまぼこ黄かまぼこ、赤かまぼこ青かまぼこ黄かまぼこ、あきゃ……あ〜」
大河「2回ね、まぁまぁじゃない」
竜児「良いのか悪いのか判らんが、お前には勝てるだろうな」
大河「まだ言うか。まっ、直ぐにその余裕が無くなるでしょうけど……。じゃあ行くわよ」
竜児「はいはい」
大河「こここ、ぼぼぼ、ままま、かかか、赤青黄!」
竜児「おい、待てそんなのありか!?」
大河「どう読もうが私の自由でしょーが。じゃあ続けて2回目〜」
竜児「最悪だ……コイツ」
大河「こここ、ぼぼぼ、ままま、かかか、あにゃ……」
竜児「…………」
大河「…………」
竜児「…………」
大河「今日もあっついわねぇ〜……」
竜児「肌寒いくらいだ」
【茨の道】
大河「あ〜、暇ぁ〜」
竜児「……またか。もう少しで飯が出来るから我慢しろ」
大河「食欲と暇は別だ、愚か者」
竜児「喰うことに集中して、全然暇じゃない癖に良く言うよ……」
大河「うっさい、馬鹿犬。……ねぇ、ねぇ、暇だしあんた三回まわって『ワン!』って鳴きなさい」
竜児「…………くるくるくる……ワン……」
大河「…………」
竜児「……え〜っと、後は塩を少々加えて…っと……」
大河「なんでホントにやるんだ馬鹿犬ぅ〜!」
竜児「わっ、やめろ、馬鹿! 大家さんに聞こえるだろ! おもちゃを買ってもらえなかった子供みたいに駄々をこねるな!」
大河「そこは『なんで俺がそんなことしなきゃならないんだ?』とか言って会話を弾ませるところだ〜!」
竜児「なんだその訳の判らない理屈は!」
大河「お喋りしろ〜!!」
竜児「判ったから暴れるな!」
大河「……じゃあ、やり直しね。……んんっ、ねぇ、ねぇ、暇だしあんた三回まわって『ワン!』って鳴きなさい」
竜児「はぁ……なんで俺がそんなことしなきゃならないんだ?」
大河「なにあんた、ご主人様に逆らうつもり? 犬の癖に良い御身分ですこと……」
竜児「何でマジでイラついてんだよ!? お前は俺に何を求めてるんだ!?」
137 :
かるとら:2009/05/07(木) 03:10:08 ID:KV+EDKMM
【つまりは】
竜児「う〜、夜はやっぱまだ冷えるな……、まぁ、雨が降ったからってのもあるだろうけど。
しかし、泰子も大河もいないから一人で食事か。久し振りにインコちゃんと語り合いながらの食事も悪くないか」
大河「竜児」
竜児「おうっ!? いきなり人ん家の玄関前でひょこっと現れるな、心臓に悪い。ってか、今日はお前、用事があったんじゃないのか?」
大河「それは終わった」
竜児「そうか。で、その、着のみ着のままやってきた、ってところを見ると何かあったのか?」
大河「……結局さ、私ってひとりだと何も出来ないんだなぁ、って痛感した」
竜児「……ほんとに何かあったのか……?」
大河「いいから聞いて……。ひとりでも生きていけるって、何の確信もないのに、何の意味もないのに、言葉だけ並べてみてさ。
いざひとりになるとすっごく寂しくて、すっごく泣きたくて、すっごく甘えたくなって……」
竜児「…………」
大河「……最低なのよ、私。ひとりは嫌で嫌でしょうがないのに、でも、みんなの優しさに甘えたくなくてひとりでいたくて、でも寂しくて。
そんなことの堂々巡り。ちっとも前に進めなくてさ、それが可笑しくてさ。こういうのって何て言ったっけ? 術師? キロロ?」
竜児「…………」
大河「良いの、教えて。そっちの方が気分悪いもん」
竜児「……多分、道化師。ピエロ……だな」
大河「……そうそう、ピエロ。……うん、今の私にピッタリだ」
竜児「……なぁ、大河。ちょっとこっち来い」
大河「……んっ?」
竜児「……やましい気持ちはないからな?」
大河「何の話よ? って、わわっ!」
竜児「……ん〜、あ〜、やっぱ嫌だったか?」
大河「……良い、許す。寂しくて、泣きたくて、甘えたかったって言ったとこだし」
138 :
かるとら:2009/05/07(木) 03:12:57 ID:KV+EDKMM
竜児「おうっ、じゃあ、次は俺の話な。お前、何時だったか北村に告白しただろ? それって完全にお前の意志で起こした行動だろ。
あの時俺は素直にお前を尊敬した。死ぬほど恥ずかしいはずなのに、これからの関係がギクシャクするかもしれないのに、それでもお前は告白した」
大河「…………」
竜児「人がひとりで生きていくってことは、どういうことを指して生きていくって言うのか俺には判らん。
でも、俺個人の意見とすれば、ひとりでも生きていくってことは、孤独でも生きていける、ってことじゃなくて、大事なことを自分の意志をはっきりと持って行動すること。
多分そういうことだと思ってる。
その意志を持つまで、家族や友人の助言があって、答えを導き出せることだってあるかもしれない。
けれど、最後に決断を下すのは自分。そうやって自分が、これで良い、と思える答えを選択して、自分の道を歩くことが、ひとりで生きていくってことだと思う」
大河「…………」
竜児「あの時、お前がした告白は間違いなく、ひとりで頑張った証拠だ。それは間違い無い。結果は……まぁ、あれだったわけだが、それでもお前は偉い、本当に。
それに俺だって、くよくよと悩むだけで、告白なんかしないだろうな、って思ってたのに、お前の心強い後押しがあったお陰で自分の意志で行動できたことが幾つもある。
本当に心から感謝してる、有難うな」
大河「…………」
竜児「深く考えるな、自分を陥れるな。寂しかったら誰かを頼れ、泣きたかったら思いっきり泣け、甘えたかったら存分に甘えろ。
これが弱いってことに繋がるなんて考えたこともないし、ひとりで生きていくことには必要なことだ。
だからな、ほら、泣く―――ってそれは思いっきり泣けって言ったばっかりだからおかしいか……、あ〜、笑え!」
大河「……うんっ」
竜児「よっし。お前にはたくさんの仲間、それに俺や泰子っていう家族がいることを忘れるなよ?」
大河「……うん! 絶対忘れない」
竜児「おうっ! ……ふぅ〜っ、何かすっげぇ恥ずかしいことをして、すっげぇ恥ずかしいことを言ったせいか、体が暑い……」
大河「……抱かれてる時、竜児の体がすっごい暖かかったよ」
竜児「……もう何も言うな、更に体温が上がってしまう……。それより、何でまたこんな話が出てきたんだ?」
大河「ああ、つまりね」
竜児「おう」
大河「ゴミ出そうと思ってゴミ収集所に行ったけど、鍵も共有の暗証番号も忘れて、おまけに管理人さんもいなくて家に帰れなくて途方に暮れてた。もち、携帯は持ってない」
竜児「シリアスな話する前にそっちを先に言え、バカ! この寒い中その格好でいやがったのか!? 鼻水まで啜って、震えてんじゃねぇか!
あーもう、直ぐシャワー浴びろ! ホットミルクも用意しとくから! なに久方ぶりのドジに格好つけてんだよ、お前は!?」
妄想が止まりません、良い病院を紹介して下さい。
しかし最近スレと趣旨がズレてきていることに気付く。
やるなら某所の方が良さそうだ……、ドロンしましょ。
>しかし最近スレと趣旨がズレてきていることに気付く。
ズレてない、ズレてないよ!
直接的にイチャイチャするのも好きだが、雰囲気でラブラブしてるのも大好物だ!
GJ!
ところでまとめスレの更新はまだですか?
>>138 かるとらは付き合う前の話っぽいから
イチャ成分が少ないだけであってそれでもニヤニヤできる
某所とか知らないお
>>140 ちょうど気になってた所だ…
コテハン付いてる時点で、アンチ増えてることに気付け、カルトラwww
>>141 エロパロスレくらいしか思いつかんが
あそこで竜虎もの書くと竜虎スレ行けば?
っていわれるよ。
基本どんなに良い文構成でも、「 」の前にキャラ名入ってると
萎える俺は異端か?
PSPの実乃梨グッドエンドなんだが
北村「逢坂……」
大河「なに……?」
北村「お前のもうひとつの願い……あれは俺がもらったぞ」
大河「え……?」
北村「『二人のために、この私の想いをキレイさっぱりと消して去ってください』−−
俺はそう言うお前に本気で惚れた。その願ごと、俺はお前を受け止める」
大河「……北村くん」
北村「ああ」
大河「……ありがとう……私も、きっと……あなたを、好き」
146 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/07(木) 10:38:16 ID:D5fnc5o8
批判があるということは少なくとも目を通してくれている証拠だから気にして書かなくなることはない
むしろ批判者はツンデレだと思えば萌えるものがあるぞ
147 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/07(木) 10:54:05 ID:+rpKZS1E
そんなエンド死んでも見たくない
てか書かないで欲しかったなぁ
>>144 奇遇だな、俺もだよ
でも短編の時とか情景書くのめんどい場合は俺も
名前書いてから「」をつけるよ、楽だしね
異端ってオーバーなw
た、と入力すると大河「」に予測変換される俺の携帯は間違いなく変態w
151 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/07(木) 13:07:00 ID:D5fnc5o8
奇遇だな俺もだ
それどころか「り」で予測変換すると「竜児」になるんだぜ
154 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/07(木) 16:47:55 ID:mCxmLqZc
はいはい既出既出
155 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/07(木) 16:48:19 ID:mCxmLqZc
156 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/07(木) 17:32:17 ID:+rpKZS1E
だからスレチだから。
ポータブルスレでどうぞ
スレチかもしれんが、HAPPYENDという同人誌が、アニメENDの後設定で描かれててなんかよかった。
しかしこの人の描く大河は、カタリストといいエロカワイイw
おらあスレチでも、みんな幸せ!が見れれば満足だな
既出でも気にならないし
>>157 これエロすぎというか可愛すぎだろw
一家に三冊くらい欲しい
161 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/07(木) 19:30:54 ID:3o0ps3/A
162 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/07(木) 21:57:49 ID:+rpKZS1E
大河が竜児以外と結ばれるのは許せないから大嫌い
北村でも許せないから大嫌い
妄想でも竜児以外とくっつくのは大嫌い
ゲームでも同じ、大嫌い
でもこんな自分が一番大嫌い
誰か殴ってお願い
>>162 いや、わかるぜその気持ち。
俺なんか1〜17話ぐらいまでは、大河が北村にデレるシーンがあるから
結構堪えるんだよな。
大河「……ありがとう……私も、きっと……あなたを、好き」
ここで、大河は自分を殺したんだよ。
そう考えると涙が出そうだ…
こんな結末望んじゃいないんだよな。俺たちは
>>162 そんなこと言うなよ。ほら、なんかお題出してみ?書いてやるから元気出せw
>>134 ポッキーゲームっが「ボッキゲーム」に見えた俺は心が汚れてるんだなと思いました。
>>135 大河はやればできる子!だが、竜児のフラストレーションもよく分かるw
墓穴掘りまくりのみのりんも、だがそれがいい。
全レスしそうになった。
>>137-138がイイハナシダナーと思わせておいてオチに吹いた。
どこでやっても構わない(無論このスレでやってくれるのを希望)から投下先を教えるように!!
てか、基本的に全然スレチだとは思わないのは俺だけかな。
大河が高須棒で舐めても良い位綺麗に掃除される夢を見た
やましいものは何も見なかった…たぶん
169 :
163:2009/05/07(木) 22:55:44 ID:jLCvzhJC
>>166 162じゃなくて申し訳ないけど、俺もゲームの件で結構ヘコんでいるので・・・
アニメ版の大河が去ってから卒業式再会までのとある日常の話
お願いします。厚かましくてスマンm(__)m
170 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/07(木) 23:58:28 ID:+rpKZS1E
>>162の者でふ
>>166 前にリクエストした事あるんだけど、
何やら忙しそうだから頼んでみようかな…
第一話で大河と竜児がぶつかってなにかしらの理由で
大河が竜児に惚れるというニヤニヤ物語を一つ…。
でもそれ以前に大河は北村が好きっていうw
過去に書いてもらったのがあまりにもニヤニヤできたので、
続きまたは新しく妄想ダイジェストをw
流石に難しいよね
>>169 いきなりハードル高ぇな(苦笑)大×竜なのに大×竜絡み無しなんだよな・・・?
まぁ書きましたけどw気に入らなくても文句言わないでなwww
↓
「大河って、目線がたまに上に飛ぶよね?誰か見てるの?」
「え?」
言われて気付いた私の癖。
それはそう確かに・・・。
『視線の先には・・・』
「なんてゆーか・・・この辺?」
学校の帰り道、言いながら彼女は自分の身長より、20cm程の高さに手の平をかざす。
「この辺の高さに目が行くんだよね」
「う・・・」
言い淀んだ私の目に、彼女の目がキラリと光ったように見えた。
高三という半端な時期に転校した私。
当然知り合いもいないこの状況では、なじむことなど出来ないと思っていた。
そんな時に声をかけてきてくれたのが彼女だ。
元気一杯で物怖じしない性格。
どことなくみのりんに似ていて、私も少しづつ仲良くなっていった。
>>171 「え、え?そ、そんなことないよ」
「ウソウソ」
私の必死に弁明に、ちょんと私のホッペをつつくと彼女はニッコリと微笑んだ。
「だってそのときの大河、すごく嬉しそうに見えるもん」
言われて頬が赤くなったのを自覚する。
「おやおや〜?顔が真っ赤ですぞ〜?」
「もーやめてよー」
両手で頬を挟んでいやいやをするように首を振る。
「おー可愛い仕草だぜハニー。でーも、追及の手は緩めねーぜ?誰を見てるのかなー?もしかして・・・彼氏かなー?」
前の学校の。
言われてドキリと心臓が跳ね上がる。
勘の鋭いとこまでみのりんそっくりだよ。
「あう・・・」
「ほーら、言っちゃえって。ぶっちゃけ、別れた前彼とかかな?」
キラッキラの、好奇心旺盛な目で私を見る彼女。
・・・嬉しそうに言ってくれちゃって・・・あ。
・・・ふふん。なら・・・。
「ううん違うよ?」
言いながら私は首を振る。
「お?なら今彼?」
「それも違う」
「んー?ならなによ?」
困惑顔の彼女にニンマリと笑顔を向ける。
そしてできるだけ大きな声を出した。
「フィアンセ!」
「へー・・・フィアンセね・・・っって!?えっ!?たた大河!!?」
案の定混乱した声。ざまーみろ。
そしてとどめの一言。
「あ、私こっちだから!じゃあまた明日ねー!!」
「ちちちちょっとー!?こんな半端なままで行かないでよー!!」
絶叫する彼女の声にぺろりと舌を出す。
してやったり。
彼女の「ばかやろー!」を聞きながら、小さく呟いた。
「・・・そうだ。竜児にメールで教えてやろっかな。・・・なんて返してくるかな、あいつ?」
携帯を手に鼻歌混じりに歩きながら、私は傍らの、今は見えない奴の目を見あげて微笑んだ。
END
こんなんでどーよw
>>170 それ前に書いてやったじゃんw続き希望ってことかい?(苦笑)
>>172 いいねぇいいねぇ
それじゃ、そのメールした後も買いチャイナよ!w
>>173 え?前書いてくれたのはお主か?
だったら超続き希望なんですけどーw
>>174>>175 だから長いの二つ書いてるから、この辺は息抜きなんだって(苦笑)
>>162が、なんか落ち込んでるようだったから、元気づけようとしただけなのに、大変なことになってきたなwww
亜美の犬になり、生徒会の犬になり、インコちゃんがキューピットになり
あげくの果てに引越しするわ、北村に取られるわで俺はもうズタボロだった。
だがそれにも負けず必死で75と100の大河エンドを見ても・・・
俺は満たされなかった。あれはあれで良かったけど満たされなかったんだ!
・・・ところがどうだ?
昨日見付けたまとめサイトの作品を一つ、また一つと紐解く内に
俺はどんどん幸せになっていくじゃねえかあああああぁあ!!!
あぁもう、何と言って感謝の気持ちを伝えたらいいんだ!?
そしてグーで殴られるシンジ
【とらドラ!】大河×竜児【スキスキ妄想】Vol6 まで保管しました。
>>140 とらドラポータブルをやりこんでいたり、とらドラオンリーイベントで買ってきた本を読み返してたりしたけれど、私は元気です。
ていうか、みなぎってきた!ひゃっほう!
ああ、エンゲージリングの終わりに納得いかなくて、勝手に完結編とか残しておいた甲斐があった…
ていうか、勝手にタイトル考えてスミマセン…
>>172 これはナイス!
向こうの学校には虎遣いが居たか。いない竜児を見上げる大河がいいね。
>>180 では、更新記念に一本投下。いつもどんなタイトルつけてもらえるのか密かに
楽しみにしています。
「あ…」
豚カツに箸をつけた大河が泣きそうな声を上げた。つままれた豚カツの断面は見事に
半透明。脂身である。
「残すなよ」
こっそり皿の端に置こうとした大河を、竜児がぎろりとにらみつける。お前も適度な
厚さに切り刻んで衣をつけて揚げてやる。そのほっぺたのあたりなんか美味そうじゃ
ないか。ええ?…などと思っているわけではない。決して多くない泰子の収入を
1円足りとも無駄にしたくないと思っているのである。大河の食費は、実は大河から
毎月共通の財布へ収められているので、考えようによっては大河が豚カツを残そうが
どうしようが大河の自由である。しかしこの男、金を差別するような人間ではないし、
食べ物に対する礼儀に関しては小姑並にうるさい。本人も食事中は見事に背筋が
伸びている。
「なによ。私が脂身嫌いなの知ってるくせに」
ぶつぶつと独りごちる大河に
「嫌なら先に言えばいいんだ。先に言えば考えてやる。言わなかったんだから出された
ものは全部食え。それが我が家の掟だ」
一切譲る気無し。
もちろん、大河が本気で怒ればこんなもの(というと豚カツに失礼だが)放り出して
竜児をぼこぼこにすることなど簡単だ。だが、それでは目先の問題のかわりに大問題が
生じてしまう。短期間の擬似家族関係のうちに大河の好みをほぼ完全に把握した竜児を
失うのは、大河にとって、いや、いつも鳴りっぱなしの大河のお腹にとって痛烈な
ダメージである。今日の豚カツを残す、残さないという小さな問題とは、どう見ても
釣り合わない。
気落ちした表情で豚カツの脂身を眺めていた大河だったが、ぱっと表情を明るくした。
「竜児!あーんして」
「はあ?何だよ藪から棒に」
見るからにばかばかしいという表情をする竜児に大河は
「ほらほら、目を瞑って。みのりんに『あーん』してもらってるところ想像して」
とってつけたような無理を言う。
竜児としては食事中まで大河の子供じみた思いつきに付き合うのも面倒なのだが、
豚カツを捨てるよりはましか、とあきらめる。それに、目を瞑って実乃梨に「あーん」
してもらっているところを想像するというのは、なるほど、悪いアイデアではない。
「ほら、ほら、竜児。早く早く」
すっかりはしゃいでニコニコ顔の大河に
「しゃーねーな、もう」
と、苦い顔を作って見せて、目を瞑る。心の中では(よしよし、高須君。うい奴よのう。
ほれ、あーんしてみろ。あーん)というひまわりのような実乃梨の顔を想像する。
「あーん」
普段学校中に恐怖を振りまいている三白眼も、閉じてしまえばただのまぶたでしかない。
意外に整った顔で馬鹿みたいに口を開けている竜児に、大河も可笑しそうに
「あーん」
豚カツを食べさせる。
「どう、竜児。おいしい?」
「うまい。と、言いたいところだが、俺のと同じ味だ」
大正論を振り下ろす竜児に
「なによ。顔赤くして幸せそうに口を開けてたくせに」
大河は頬を膨らます。
「な、お前が櫛枝に『あーん』してもらってるところを想像しろといったんだろう」
「私は想像しろといったけど、顔を赤くしろなんて言ってないわよ。食事中は食欲だけに
しなさいよね。性欲まで振り回すなんてあきれたエロ犬だこと」
つんとすました表情で今度こそ本物の肉を箸でつまむ大河だが、
「お前だって赤くなってるじゃないか。食事中にエロイこと考えているのはお前の
方じゃないのか。てか、なんでお前が赤くなるんだよ」
竜児に突っ込まれて豚カツをポロリと落とす。
「ななななななんだってのよ!豚カツをたたたた食べさせてあげた恩を仇で返そうっての!?」
「豚カツを作ったのは俺だ!食わせてやってるのは俺だろうが!」
「なんですってぇ」
目を眇めて竜児をねめつけ…しかし気を取り直した。
「やめましょ。まず豚カツよ」
矛を収める。
「おう。そうだな」
豚カツを前にして空腹のまま喧嘩をするほど、二人ともストイックではないのだ。
◇ ◇ ◇ ◇
3週間後。
久々の豚カツにお買い物の最中からわくわくしていた大河だが、竜児が食卓に運んできた
皿を見て、さっと表情を曇らせた。
「竜児…なんで私の一切れ少ないの?」
「おう。お前脂身嫌いだったろう。俺が食ってやるよ」
大河が嫌いな脂身は、ちゃんと竜児の皿の上に載せられている。これなら捨てるなどという
MOTTAINAIことにはならないし、食事中に実乃梨の事をいちいち想像する必要も無い。
のだが。
大河は脂身抜きの豚カツを前にしゅんとしてしまった。
「さ、食べようぜ。いただきます!…て、大河。どうした?」
豚カツに箸を伸ばそうとした竜児が聞く。
「えと…その…あのね…」
「脂身、あったほうが良かったか?」
「そうじゃなくてね…なんていうか…」
うつむいてもじもじしていたのだが、突然大音量で
「私の豚カツのほうが少ない!」
竜児を怒鳴りつけた。
「なんだよお前。脂身食わないだろうが」
「やだやだ、私の豚カツのほうが少ない!」
「俺に脂身ばっかり食わす気かよ!」
「だって豚カツ食べたいの!脂身嫌いなの!」
特大の溜息をついて、竜児がついに折れる。ばかばかしくて喧嘩をする気にもならない。
「まったくどんだけわがままなんだよお前は。ほらよ」
仕方無しに自分の皿から豚カツ(肉)を一切れつまんで大河の皿に移そうとするのだが。
「あーん」
見事に大口を揚げて幸せそうに目を線にしている大河に、竜児の動きが止まる。
「お前。何してんだ」
「早く、早く!あーん」
「あーもう。はいはい。わかりましたよ。はい、あーんして」
「あーん」
竜児のつまんだ豚カツを、パクっと咥えた大河が、もぐもぐと口を動かしながら
きらきらした眼で竜児を見つめる。ごくん、とひと呑みして、にっこり笑顔。
「私、竜児の豚カツだーい好き!」
さすがの竜児も高校1、2を争う美少女のストレートな笑顔に毒気を抜かれる。
「お、おう。そうか。また作ってやるよ」
「うん」
てか、なんでこいつはいちいち顔を赤くしてるんだ?と、鈍い竜児が事の全貌を
理解するのは、もう半年ちょっと先の話である。
(おしまい)
>>185 とんかつだけでここまでかけるとは。。。。
GJ!!!!!
>>180 まとめにんさん
ありがとうございます!!!
187 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/08(金) 01:36:06 ID:btZQKdjE
188 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/08(金) 02:07:32 ID:btZQKdjE
>>185 GJ、これが萌えという感情なのかッッッ!!!
190 :
163:2009/05/08(金) 06:00:10 ID:iRGwYiR2
>>190 そか?なら嬉しいなw
>>180 お疲れさんwあんたにはやられまくりだよ(苦笑)
欝展開注意だの、鬼畜注意だの、世話かけるね(;^_^A
エンゲージは、ちと引退する騒ぎがあったけど、こうして復活したからにはきっちり書かせてもらいたいw
まぁ長くなるから、また世話かけるとおもうけどw
>>185 GJ!
>> 半年ちょっと先
ということは、プールのあと、別荘行きの前か? とか色々想像してしてしまう。
>>162 まぁ竜児がいなきゃ修学旅行直後に母親に引き取られて転校エンドだろうね。
>>185 やられた。GJwポワワってこーゆーのなんだなw
>>175 はいよ、出来たてw
↓
「いってえ・・・」
何なんだ一体?
頬をさすりながら、俺は先程殴りかかってきたちんまい奴を思い浮かべた。
「・・・身体に見合わずいいパンチしやがって」
「災難だったな高須ー」
掛けられた声に振り返る。
目の前にはかわうその目をした奴・・・もとい、能登が立っていた。
「ああ」
こいつは1年の時から同じクラスで、俺の風貌にも耐性がついている数少ない友人だ。
「全く災難だよ」
深々と溜め息をついた俺に、能登が小さく笑った。
「クラス替え早々だってのに、手乗りタイガーvsヤンキー高須だかんな」
「ヤンキーって言うなよ」
言いながらギロリと睨んだ・・・わけでもないが、俺を見た数人の生徒が後ずさるのが目に入る。
まったく・・・。
心の中でもう一度溜め息。
この見た目の所為でどれだけ損をしているんだ俺は?やれヤンキーだ、やれヤクザだと・・・謂れのない誹謗中傷など日常茶飯事だ。
「まー気にすんなって、お前のことは俺から皆に言ってやっから」
「悪ぃな、恩に着る」
その言葉に、心底ホッとする。本当にこいつと北村が友人でよかった。
あれ?
「なあ能登?」
「ん?」
「さっき言った、手乗りなんとかってなんだ?」
「え?高須知らねーの?」
少し驚いたように言いながら、能登が説明してくれた。
先程俺を殴った奴、逢坂大河。通称手乗りタイガー。
見た目は小柄な美少女だが、その実えらく凶暴。
全校どころか、教師にまで恐れられる暴れ者。
故に手のつけられない問題児。
しかしその全てが暴力沙汰で、タバコ飲酒クスリなどとは無縁。
だが成績優秀。
曰く傍若無人、唯我独尊。ワガママ、身勝手等々。
聞いてもいないことまで事細かに話してくれた。
「それでな・・・」
「あ、ああもういいよ」
止めなければどこまでも話しそうな能登を制して、少し考え込む。
「?どうした?」
「ああ・・・いやいい。ありがとな」
そう言って立ち上がる。
「どこいくんだ?」
「飲み物買いに」
後ろ手に振りながら、俺は教室を出た。
>>195 そして歩きながら考える。
逢坂大河。通称手乗りタイガー。
手のつけられない凶暴女。
全校どころか、教師にまで恐れられる暴れ者。
その辺はまあわかるけど・・・。
「・・・あいつ、ただの暴れもんじゃないだろ?」
その一点のみが気になった。
あいつの態度・・・あれは、単にイライラしてるだけだ。
そのイライラが解消されずに、所謂、癇癪で周りにぶち当たってるだけだろ?
そんなこと一目見りゃわかるのに・・・・。
まあ外見に騙されるのか。
言われてみりゃ確かに可愛かったな。
「違う意味で、俺と一緒か」
ククッと思わず笑いを零して、自販機へ向かう角を曲がる。
ドン。
え?
胸の辺りに衝撃を感じて見下ろす。
「あ」
思わず漏れる声。
そこには今朝と同じシチュエーション。
「・・・またあんたなわけ?」
痛いのだろうか、額を押さえながら手乗りタイガーがギロリと見上げていた。
ああ、コレも長くなりそうだ(苦笑)
wktkすぎて便秘になりそうだぜw
うわわ!とんかつすげーーーーGJ!
>>196の続きもエンゲージリングの続きも超期待!
やべーよ、まとめサイト見てるとPSPに戻る気がしないwww
>>196 うお、やっぱりお主だったか!
これは期待せざるを得ない…GJすぎて手が震える…
SNOWにエンゲージリング、1話ifって多忙すぎるw
体に気を使いつつ頑張ってください!続き楽しみにしてます
あと、土日中に無駄に長いの投下します
スレに来るのがほとんど携帯だから、時間あればPCから投下するね
200 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/08(金) 19:54:45 ID:iKSfDIBp
まとめの人乙!
シュミレーションゲームをリンク方式にしてくれた事に多大なる感謝を申し上げます。
とらP一通り終えるまでは投下は控えるつもりだったんだけど、竜虎分が足りずに満足できず結局作り始めてしまった。
というわけで投下。
麻薬という言葉がある。
『強い鎮痛・麻酔作用をもち、習慣性・耽溺性があるために麻薬及び向精神薬取締法によって使用が規制されている薬物の総称』
辞書で引けばだいたいこんな感じだろう。
もっとも、多くの人は、
『常習性の高い体に害の強い劇薬』
というイメージが強いだろう。事実間違ってはいない。
麻薬中毒者の殆どは、快楽を求めて興味本位、イタズラ的な思考から手を出す。
もしくは周りがみんなやってるから、とか。
もし私の今の状況を例えるのなら、既に中毒になっているのだろう。
最初は本当にイタズラが目的だった。
ふとした思いつきでやってみた、ただそれだけのことのはずだった。
しかし、今はそれを止めることが出来ない。
最初は一週間に一回程度。
それが三日に一度になり、二日に一度になり、今ではほとんど毎日。
もうみんなが寝静まるような夜中、私はいつも通り天蓋付きのベッドからむくりと起き上がる。
今日も衝動を抑えきれず、いやむしろ抑える気など無い。
ベッドの傍にある窓を開け、隣に見えるベランダに静かに降り立つ。
もう慣れたもので殆ど物音など鳴らさない。
ベランダのガラス窓に手をかけガラッと開ける。
ここはいつも鍵をかけていない。
些か警戒心に欠けるように見えるが、事実ここから侵入できる輩など私ぐらいしかいないのだからかける必要は無い。
むしろかけられては困るのだ。
勝手知ったる我が家、ではないがほとんど似たようなものの隣人兼クラスメイトの家をゆっくりと徘徊し、やがてある部屋の前に止まる。
サァと小さい音を立て、襖を開けるとそこには静かな寝息を立てている少年が一人。
普段から凶眼と恐れられている彼だが、目を閉じていればそれ相応に格好いい。
もっとも、私はこいつを本気で恐いと思ったことは無い。
自分の性格的なものもあるが、こいつといると、その目つきの本当の意味がわかってくるのだ。
そんなことを思い、クスリと笑みを零しながら慌てて表情を消し……また笑う。
とてとてと歩き、ぱふ、と音をたて布団に潜りこむ。
「……んぅ」
寝息と共に少し呻き声が聞こえる。
「……竜児」
呼びながら頬を胸にあて心臓の鼓動を聞く。
背中には手を回し、体全体で竜児の熱を感じるように。
トクントクンと耳に響くその鼓動は彼が本当に自分と同じ布団にいることを教えてくれる。
ますます口元が吊り上り、顔が火照り、こちらの心臓の音まで聞こえそうになる。
回を増すごとに心地良さも増し、比例して依存度も高くなっていく。
最初は起きた時に驚かせてやろうと思ったイタズラ。
しかし、その日竜児は起きなかった。
その日から、竜児の起きない布団に潜り込むのが楽しく、そして愛しくなった。
意外に暖かい竜児。
そんな竜児の鼓動が、吐息が、温もりが感じられる。
一度感じてしまったあの日から、『もう一度感じたい』と思うようになった。
万が一バレた時の言い訳は考えてある。
『アンタを驚かせようと思って潜り込んだのに気付かないなんて、そんなだから私に襲撃をかけられるのよ』
起きた竜児にこう言えばそれで万事解決。
そう思うことで自分を納得させ、欲望に忠実になろうとする一方で、心が痛む。
ドラッグと違うのは体ではなく心が著しく磨耗するという点だろうか。
もちろんドラッグも心がボロボロになることは知っているが、私が感じているのは別種の……罪悪感。
竜児は……みのりんが好き。
みのりんは……多分竜児が気になってる。
それを考えると、もう止めなきゃとも思う。
二人を応援したいと思っていたから。
でも、麻薬の常習性が本当に恐いように、これも止められない。
枕もとの時計を確認し、もうすぐ竜児から離れなければいけない時間だと悟る。
これ以上一緒にいると起きる可能性があるから。
私が竜児から離れるまであと一秒、竜児が目覚めるまであと一万秒。
***
最初は気のせいだと思った。
ここ最近、朝目覚めるたびに大河の香りがする。
まぁ毎日来るんだからアイツの香りがしたって変じゃない。
でも数日経って気付いた。
香りの発生源は布団のようだ。
そんなわけがあるか。
あいつの香りが布団からするはずが無い。
こんな事をあいつに言おうものなら「はぁ?アンタ私の香りを嗅ぎながら布団でハァハァしてんの?これだからエロ犬は……」などと言われかねない。
だから気のせいだと思うことにした。
たとえ、それからだんだんと布団から感じる香りが強くなっていこうとも。
だが、その気のせいだと言い聞かせていた香りのせいか、ここ最近同じ夢を見る。
大河がそのさくらんぼのような頬を俺の胸板に預け、ふわりとウェーブがかった長い栗色の髪からはいい香りがし、こちらを上目遣いに見るその瞳は潤み、俺をドキッとさせる。
俺は大河の背中に両腕を回して抱きしめ、もっと、もっとというように自らに近づける。
だというのに大河に嫌がるそぶりは無い。
無いどころか、見たことも無い嬉しそうな顔でその食べちゃいたくなるようなさくらんぼの頬を俺にこすりつけてくる。
抱きしめているのは俺なのに、体全体に奔る大河の熱は、俺が抱きしめられている錯覚を覚える。
俺の中に生まれるのは無償の愛おしさ。
体にすっぽりとはまる140cm台の身長を持つクラスメイトはその身長とは裏腹に何処か艶かしい。
時々耳をくすぐる俺を呼ぶ声は、ますますこいつの艶美さを醸し出す。
時折、ふっと頬を離される。
途端に感じる喪失感と寂寥感。
しかし、それもよく見ると離される度に大河はこちらを見上げていることに気付いた。
その目は潤み、頬の赤みは増し、いつも俺に罵声を浴びせ食べ物をねだるその口は、今もまた俺に何かをねだっている。
俺がその表情に気付くと、「ようやく気付いてくれた」という顔をして目を閉じ、こちらに顔を近づける。
これが何を意味するのか、わからない俺じゃない。
大河の肩を優しく掴み、少し震えながらも不器用にこちらに突き出されている唇にを俺の唇を重ね『ピピピピピピピピ!!!!』……………………またか。
むくりと起き上がり目覚ましを止める。
シーンと静まりかえるやや暗い室内を見渡し、十分に温まった布団から抜け出す。
洗面所へ向かい冷たい水で必要以上に顔をバシャバシャと洗う。
またあの夢。
それも決まってキスする一歩手前で目が覚める。
おしかったと思う一方、罪悪感も生まれる。
毎日のように家に顔を出す大河のあんな夢をみるなんて。
だいたい大河は北村が好きなはずで、自分は櫛枝が好き『だった』はずなのに。
ん?だった?……なんで過去形なんだ?……っといけない、考えるのは後だ。
頭の中の考えを振り払いながら着替えをし、布団を通して染みついた大河の香りを感じながら先程の熱を思い出しつつ台所へと立つ。
ベランダから、冷たい風が流れてきていた。
***
麻薬というものには禁断症状という奴があるらしい。
その麻薬の効力が切れるとイライラし、それを欲する。
段々と耐久が出来てくるともっと強い刺激を求めて多量接種に走る。
「……大河?」
「……何よ」
不機嫌に答える。
事実不機嫌なのだから仕方がない。
いや、不機嫌というより、『満たされない』というべきか。
「いや、調子が悪いなら保健室に行ったほうがいいぞ」
机に顎をのせてぼーっとしている私に竜児は声をかけてくる。
「別に……調子が悪いわけじゃない」
ぶっきらぼうに答える。
「おいおい、本当に元気がねぇな」
竜児は心配そうに額に手を当ててくる。
「ちょっと、触んないでよ」
言葉では否定しても、体が歓喜する。
足りない、まだまだ足りないが、少し、ほんの少し満たされた気がする。
「熱は……ねぇな。なんか辛くなったら言えよ?」
そう言って竜児の掌は離れる。
途端に来る倦怠感。
竜児の熱を感じないといつもこうだ。
しかも最近その頻度が増えている。
我慢我慢の毎日で、イライラも募るばかり。
「ちょっと竜児」
「おぅ?」
「悪いんだけど保健室連れて行ってくんない?」
「おぅ、いいぞ」
休み時間も終わる直前、私は学校でとうとう耐えきれなくなったらしい。
***
廊下を二人でゆっくり歩く。
ふだんなら一歩で進む距離を二歩かけて歩く。
竜児はトロトロ歩く私には何も言わずに一緒に歩くスピードを落としてくれる。
廊下はもう授業のベルが鳴ったせいか誰も歩いていない。
竜児は教室から出る時に北村君に伝言を頼んでおいたからか、少しの遅刻は気にしていないようだ。
今しか、無い。
「あっ……」
横へと……いや竜児のほうへと転ぶ。
「大丈夫か?熱はねぇけどやっぱ結構辛いんじゃねぇのか?」
私を体全体で支えてくれた竜児は、どこまでも私を気遣う。
「大丈夫っつてんでしょ、でもちょっとタイム」
そう言いながら背中を竜児に預けたままにして目を瞑る。
ああ、竜児の温かみを感じる。
制服越しの為か少し堅い。
でも竜児の手が私の肩にある。
これはこれでいい。
私はもっと脱力したように竜児によりかかる。
「?お、おい!?」
竜児はあわてて力を込めながら私を支える……え?
「お前本当に大丈夫なのか?」
私の目線は竜児の顔。
私の腰は宙に浮き、足もプラプラと揺れている。
背と膝の裏をがっちりとした手で支えられ私は今宙にいる。
正確には竜児の腕の中にいる。
ああ、ヤバイ。これは予想外に気持ちがいい。
こちらからの抱擁ではなく、向こうからの、竜児からの抱擁は先程の額に当てられた掌と比較にならない。
つい、私は竜児の首に手を回した。
***
大河は余程調子が悪いのだろうか。
いつもよりも歩くスピードが遅すぎる。
熱は無いようだが、どうもふらふらしていて気が気じゃない。
「あっ……」
小さな声をあげて大河が転びそうになった。
そらみろと思いながらもすぐに支えてやる。
「大丈夫か?熱はねぇけどやっぱ結構辛いんじゃねぇのか?」
先程から思っていたことだ。
どうも今日の、いやここ数日の大河はおかしい。
調子が悪いのは火を見るより明らかだろう。
「大丈夫っつてんでしょ、でもちょっとタイム」
気丈に振る舞っていてもやっぱりつらいのだろうか。
俺に体重を預けてくる。
ふっと体で支え、肩を押さえてやる。
これで少しは楽だろう、と思っていたらズシリと重みが増した。
「?お、おい!?」
慌てる。脱力したように全体重を急に俺に預けてきた。
こいつどれだけ我慢してやがたったんだ?
畜生、それならそうと言えってんだ。
肩を支えていた手を背に回し、よっと持ち上げ……軽いなこいつ。
両腕に収まった大河は驚いたように目を見開いている。
そこには、普段の棘棘しさは微塵も感じられない。
これが普段からの暴虐暴君、食欲大魔神の大河か?と思うほどにポカンとしている。
しかも思いの外華奢な体は軽い。
あれだけ食ってこの体重ってのは確かに川嶋あたりは妬みそうだ。
それにここ最近毎日感じる大河の香りがこう……え?
手が、首に回される。
「え……?おい、大河……?」
喉はカラカラになりながらもゴクンと唾だけは飲み込む。
さながらお姫様だっこのようなこの状態で首に手を回されたらまるでカップルじゃないか。
だというのにそんな言葉は出てこない。
大河の瞳がトロンと潤む。
まるであの夢のように。
あの夢のように。
夢のようだ。
大河が……夢みたいに可愛い。
その瞳に惹かれ、香りが俺を惑わし、熱が確かな重量感を持って俺の体へと伝わる。
大河は、そのさくらんぼのような頬を俺の胸にこすりつけ、首に回された腕に力を込める。
俺も大河を抱く腕に力を込める。
一瞬ビクッとし、次いで頬をこする動作を止める。
さっと、頬が俺の胸から遠ざかる。
また、あの喪失感と寂寥感。
半身がもぎ取られ、胸にポッカリと穴が開き、冷たい風が流れるような錯覚さえ覚える。
ふと、大河の視線を感じた。
目を合わせると、夢と同じ瞳をしていた。
俺はだんだんと唇を近……『キーンコーンカーンコーン』……えっ!?
慌てる。耳の奥から喧噪を感じる。
もう授業が終わったのか、というよりそんなに時間が経っていたのか。
慌てて俺は大河を降ろそうとして、出来なかった。
大河の手は強く強く俺の制服を掴んでいる。
それが……何故か嬉しかった。
足は自然と保健室へ。
幸いなことに、保健室へ行くまでに誰ともすれ違わなかった。
***
白いシーツのベッドに横になる。
カーテンも真っ白。
白一色のこの部屋は独特の匂いで鬱々とした気分にさせる。
竜児が私を置いていってわずか5分。
またも私はあの感覚に襲われる。
足りない。足りない足りない。満たされない。
横にさせてもらうのについ手を離したのが災いした。
竜児は私をベッドに横にさせると、そそくさと保健室から出て行ってしまった。
「……足りない」
ポツリと呟く。
今日は一日保健の先生はいないらしい。
「……足りない」
竜児は1時間も私と一緒にいた言い訳をどうする気だろう。
「……足りない」
わき上がる感情を最早胸の裡に留めておくことができずに声に出す。
耳に残るのは、
『……放課後迎えに来てやるから』
という竜児の囁いた言葉。
待ちきれないよ竜児。
何度も布団を抱きしめては、感じられない竜児の温もりに胸がムカムカする。
先程のだっこは最高だった。
体が全て竜児に包まれているかのような錯覚。
最高にHIGHな気分とはまさにあの事だろう。
それに竜児の顔が心なしか近づいてきていた気がする。
私の勘違いでなければ、あれは鐘が鳴らなければキスされていたかもしれない。
あの時の竜児の私を見る目は、みのりんを見る目のそれを超えていたように思えた。
「……ふふふ」
ニヤけてしまう。
もしかしたら竜児は、私が気になっているのかもしれない。
自意識過剰かもしれないけど、もしそうなら私は……。
ばふっ布団を頭まで被る。
体の震えが止まらない。
ああ、放課後が楽しみだ。
***
俺も続きが楽しみだw
208 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/08(金) 21:46:16 ID:cB2sJPub
>>206 俺はこのスレに感動した…
才能が溢れかえってるよ!
GJ!!!
俺も続きが楽しみだって書こうとしたらすでに書かれててクソワロタ
ほどよいエロスがたまらんのう
今まとめ見てきたら、エンゲージリングの赤文字が、
『続きktkr!』
やめてプレッシャーかけるのw
>>199 ありがとうがんばるよwあなたのもwktkしてるよノシ
>>200 それだw
>>206 お帰り文豪w
212 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/08(金) 22:43:19 ID:iKSfDIBp
燃えたぜ
>>206続き
キーンコーンカーンコーン。
耳に届くカウントダウン。
やっと放課後。
約束の時。
待ちきれずに教室に行こうかとも思ったが止めた。
せっかく竜児が『……放課後迎えに来てやるから』と言ってくれたのだ。
ドアの外から流れてくる喧騒。
しかし、やがてその扉が開く音がする。
待ちに待った瞬間。
「りゅ……」
言おうとした言葉が出ない。
「大丈夫かーい大河ー?」
太陽のように微笑んで、元気よく保健室に入ってきたのは……みのりん。
途端、なんとも言えない倦怠感が増す。
「う、うん大丈夫」
いつでも出られるようベッドに腰掛けていた私はぎこちなく笑う。
「心配してくれてありがとう、みのりん」
言葉とは裏腹に頭にあるのは「何故竜児がこないのか」という一点のみ。
「おうよ、この櫛枝実乃梨、大河のためなら部活を遅れるくらいどうってこたぁないさ!」
ニカッと笑う笑顔が眩しい。
いつもならそんな私を気遣うみのりんの気持ちが胸に響くのだが、いや事実響いてはいるのだがそれよりも。
「ねぇ、竜児は?」
そこだけが気になって仕方が無い、というより耐えられない。
「ああ、高須君ならゆりちゃん先生に呼び出しくらってね。代わりに大河を見ててくれって頼まれてさ。すぐに終わるようだったらここに来るって言ってたよ」
「そっか」
言葉とは裏腹に胸の裡の落胆は激しい。
別にみのりんが嫌なわけじゃない。
ただ、竜児がくると思っていたのに来ない、それだけが事実として堪える。
「あんまり遅くなるようだったら私が送っていくよ。大河なんかまだ調子悪そうだし」
「え?い、いいよみのりん悪いよ。それに部活行っても大丈夫だよ。少し待って来なかったら帰るから」
「そうかい?」
うーんと唸りながらみのりんは私を見つめる。
と、扉が開いた。
「悪い大河、遅れた。櫛枝、すまなかったな」
「お?高須君が来たね。じゃあ櫛枝は部活に行ってきまさぁ」
朗らかに笑いながらみのりんは保健室を出て行く。
竜児はみのりんにお礼を言った後私に向き直り、
「おぅ、大丈夫か?」
何事も無かったように話しかける。
それが、何処か癇に障った。
先程の、顔を赤くしながらそそくさと去った時とは明らかに違う。
言ってしまえば平静を取り戻したとでもいうのだろうか。
とにかく、面白くない事この上ない。
オマケに体の倦怠感とイライラが収まらない。
体の内側から「足りない、もっと」と体を突き破らんばかりの竜児への熱に恋焦がれる。
「大丈夫なら帰るぞ」
竜児がそういって保健室を出て行く。
ダメ、と言おうとしたときには遅く、竜児は他の生徒が多数いる廊下に出てしまう。
足りないという感情が爆発しそうになるが、如何せん人が多すぎる。
竜児の熱を求めて大胆な行動を取るには些か不向きだ。
同時に安堵。
自分はまだ、その辺の羞恥心にギリギリ打ち勝てる。
竜児の熱を欲していても、『まだ』我慢できる。
出来る……はず。
いや……我慢しなきゃ。
きゅっと口を真一文字に結び、不機嫌を装ってさりげなくいつもより半歩近い竜児の隣に並ぶ。
まだ、帰宅してからも十分に時間はあるのだから。
***
校舎を出てグラウンドへ。この通りを抜けて校門を抜ける。
ごく当たり前のコース。
「おーい大河ー!!高須くーん!!」
大声でこちらに手を振る女子ソフト部部長、もといみのりん。
私も大きく手を振り替えす。
良かった、みのりんは部活に間に合ったみたい、そう思いながら何気なく竜児を見上げ、熱が冷める。
竜児も笑いながら手を振っている。
笑いながら。
若干顔を赤くして。
手を、振って、い……る。
どんどんと熱が冷めていく。
いや、体の竜児への欲求はむしろエスカレートしているが、脳が、理性がそれを止めさせる。
私はいつもの、竜児と私のポジションより若干遠めにまで下がる。
わかっていた罪悪感。
それもある。
でも、今一番強いのは喪失感と寂寥感。
一言で言うなら寂しさ。
わかっていた、竜児はみのりんが好きだと。
それでも知ってしまった竜児の熱への快感に、都合の良い解釈まで持ってしまった。
最低だ。
自分で自分が嫌になる。
竜児は手を振るのも早々に止めて私に向き直る。
「大丈夫か?気分が悪くなったら言えよ?買い物にも行こうと思うけど辛かったら先に帰っててもいいぞ?」
竜児のたくさんの気遣いの言葉が耳に入ってくるが、一割も正しく把握できない。
ただ、何も知らない雛鳥が親鳥についていくように竜児の後に続くだけ。
それでも、冷えた体と心が竜児の熱を求めてやまない。
***
天蓋付きのベッドからむくりと起き上がる。
今日は行かない、そう心に決めたとしても、この時間までやっぱり眠れなかった。
もう体に染み付いた生活サイクル。
心とは裏腹に、いやむしろ正確に体が動く。
昼間の竜児を見ても、求める心が止まらない。
それでもこの時間まで自分の衝動を抑えた、というのはおかしな話だが自分で自分を褒めたくなった。
あれだ、タバコを一週間我慢して自慢する喫煙者みたいなもんだ。
私が竜児の熱を我慢したのは数時間だけど。
でも、たかだか数時間とは思わない。
むしろ数時間『も』我慢した、という思いに囚われる。
ベッドの傍にある窓を開け、隣に見えるベランダに静かに降り立つ。
音一つ鳴らさずに降りたベランダのガラス窓に手をかけガラッと開ける。
当然のことながら今日もここに鍵はかかっていない。
慣れ親しんだルートを忍び足で進みながら目的地へ。
「……すぅ……すぅ」
静かな竜児の寝息。
体が、我慢を超えた何かで疼きだす。
早く、早く!!と心がせかす。
布団をめくり自らを滑り込ませ竜児の背に手を回す。
途端に落ち着く心。
静まる欲求へのイライラ。
耳には相変わらず竜児の吐息。
それがまたゾクゾクと体を歓喜させる。
一層強く腕に力を込めたところで、普段と違う違和感に気付く。
竜児の腕が、背中に回された。
一瞬ビクッと震える。
起きた?と思ったがどうやらそれは無いらしい。
ただ寝相の関係でそうなったのだろう。
こっちにとっては好都合だ。
ああ、竜児の中にすっぽりと納まっている。
暖かい、なんてもんじゃない。
この足りなかった心を埋め尽くされるような充足感。
自然と頬が緩む。
「りゅうじぃ」
声まで出てしまう。
相変わらず竜児の小さな寝息は耳をくすぐってくれる。
気持ち良い。
満たされる、とかもうそんなレベルじゃなくなっていく。
例えるなら、酸素。
生きていくうえで必須なものになりつつある。
私はますます頬を胸に近づけ、すーっと竜児の臭いを嗅ぐ。
幾分私のシャンプーが混じった臭いがまた心地良い。
私と竜児の混ざった臭い。
心がぶわぁっとなる。
「たい……が……」
「!!」
ピタっと動くのを止める。
聞こえるのは竜児の寝息のみ。
どうやら寝言のようだ。
「ん……大河」
しかし、ほぼ零距離からの核爆弾ともいえる耳への攻撃ならぬ口撃は今だ続く。
はふんと体に電撃が奔ったように力が抜ける。
ああ、竜児の声で耳が振動する。
耳元で名前を呼ばれ、体で熱を感じる。
「りゅうじぃ」
負けじと耳元で小さく、本当に小さく囁く。
心なしか、私に回された腕の力が強くなった気がした。
「……はぁ」
我慢が我慢として成り立たない。
いや、今までそれが我慢ということに気付いていなかったのかもしれない。
耳元で名前を呼ばれてそれが弾けたのかはたまた気付いたのか。
気付けば私はいつもよりも大胆に竜児に寄り添っていた。
いつもなら気付かれないことを大前提にする。
今ももちろんそれに越した事は無いが、
「はむ……あんぅ……」
竜児の首筋に軽いキス。
竜児の手は背中から髪に移る。
それが起きていての行動では無い事は竜児の寝息から想像がつく。
それでも撫でられているような錯覚にますます愛おしさが増していく。
依存度が増え、もっと欲しくなる。
「あん、りゅうじぃ」
首を舐めるようにキスして回る。体で熱を十分に感じる。
「ん……ううん……」
竜児がくすぐったそうにして首を回す。
ソレを機に首から離れ、布団から出る。
口惜しいが時間切れだ。
まだまだずっとこうしていたいが、これ以上は竜児が起きる。
何度も何度も竜児の寝顔を見つめ返しながら竜児の部屋を後にする。
来た道を通って自分のベッドへ。
しかし、床について一分もしないうちに竜児が恋しくなる。
こんなんで、私は大丈夫なんだろうか。
とりあえず今日はここまで。
久々の投下だったがみんなありがとう。
こう返事をもらえるとみるみる書く気が漲る。
>>209 そんなことないっす。
俺の読み力が正しければ貴方はおっぱいバレー、ひいてはクリーム・ソーダのお方では?(違ってたらスマソ)
あれは長くて良い表現でした。
俺も手錠、クリスマスif、シュミレーションゲームと長いのをポツポツ書いたけどあれ見ると表現足りない気がするもん。
というわけで
>>209氏の次作にも期待してます。(例えクリーム・ソーダのお方でなかったとしてもね。カツGJ!)
乙続きが気になる
218 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/08(金) 23:55:39 ID:iKSfDIBp
219 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/09(土) 00:00:49 ID:hPe4Xhwz
あなた本当に最高です!!
生まれて初めて読んだラノベに感化されてここに彷徨いこんで恐ろしいほど満足感
で満たされてます。続き、楽しみにしてます。
あと余談ですが、2ch初心者なので、sageの意味と仕方がわからないので、
親切なかた、おしえてください。
これはマジで文豪現るだな…
222 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/09(土) 00:21:25 ID:3JG+N8PD
>>219 メール欄に半角sageと入れるとスレ一覧でスレッドが上に上がらない機能
>>219 いつもなら氏ねよカスプゲラオプスwwwなどと挨拶してしまう自分だが、このスレにいるとまるで漂白されたように
清清しくなってしまうので教えてやろう
E-mail 欄の右にある空欄に、半角で sage と入れるんだ。
入れない場合もしくは何かそこに書いてしまうと、その書き込みしたスレは順番が一番上になってしまう。スレによって
ローカルルールがあり、sage推奨 とあるスレはそうやって上げてしまうと顰蹙を買う。
何故上げないかというと、上げる即ち衆人の目に晒されることとなり、スレが荒れたりしやすい。
スレに愛着がない者が、遊び半分で荒らしていく時もある
このスレはみんなの宝物だ。まあ最近はアゲサゲ騒がない事も多いが、自分はsageで書いている。
そういうふうに なっている。
>>216 (*´Д`)ポワワ
ぶっ!?リロードせずに説明垂れてたらかぶりまくりじゃんか!!;
もうこうなったらケコーンだな
220〜223の方
親切にありがとうございます。
調べて勉強してきます。
>>224 大河「け、け、け、け、結婚って――だ、だ、誰がお前なんかとすると言った!?
よ、嫁に来いと言われたから行くだけだ!」
竜児「……だからこそ、結婚しよう、って言ってるわけなんだが」
というわけでおめでとう。
227 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/09(土) 00:32:30 ID:3JG+N8PD
sage入れないと気が狂ったようにsageろsageろと言うスレが2ch中には多いが
このスレの場合は結構寛容なのでありがたい
2ch専用ブラウザ導入したばっかりの人だと設定いじらないのでsageのままって人もいる
あとID任意だった板がID強制に変わってsage入れてもID隠せなくなったにも関わらずそのままにしてる人も多い
ところで話は変わるがおっぱいは18〜19歳くらいまでが成長するピークだとか
大河はギリギリチャンスあるな
228 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/09(土) 00:33:05 ID:3JG+N8PD
大河「良いこと考えた、お前俺の夫になれ」
竜児「ウホッ!良い汚れ・・・」(高須棒スタンバイ)
>>216 やっぱあんたか…久しぶりな感じだぜ
文体それっぽいなーと思ってたから嬉しいぜ
大河いじらしくて2828ww ホント読ませるね
また作品が読めると思うとテンションあがります
これからも期待してます よく寝てくれよ!
>>216 あなたの作品は読みやすくて好きです
やっぱとらドラの面白さって、いかに竜虎がくっつくかなんだよなあ
なので、二人がくっついたあとのイチャイチャよりも
くっつく前のあの微妙な関係でのやりとりのほうが俺は好き
だから、本当にあなたの作品はどストライク。続き楽しみにしてます
>>216 読んでてすっごい引き込まれる感じがして、
こんな感覚は手錠の人以来だな〜とか思ってたら本人て!!!
!
また書いてくれてありがとう!
続き楽しみにしてる!!
>>216 お察しのとおり、クリーム・ソーダを書いた下手人です。
あなたの作品は、大河の心がばらばらになりそうな気持ちがよくかけてると
舌を巻くばかりです。
>>233 クリームソーダあんたか!!うわあ・・・あー全く、文豪二人に囲まれて汗顔の至りだ(苦笑)
まぁでも、楽しみにしてくれてる人もいるらしいから、投下しますかw
↓
>>196 ↓
「ほらよ」
そう言いながら高須竜児は私にジュースを差し出した。
角でぶつかって5分。
私達は自販機の前にいた。
『1話if・3』
「これで済ませる気?」
胡乱な目を向けながらもそれを受け取る。
「ぶつかったのはお互い様だろ?それをこっちが詫び入れてんだ。素直にそれで治めとけ」
「・・・仕方ないわね」
その言に、不承不承ながら頷く。
まあ正直、どちらかと言えば前方不注意なのは私のほうだし。
なんたってこの身長だし。
相手の視界に入らないことも重々承知してるし。
だからこそムカつくんだけどさ。
「お前、手乗りタイガーってんだな」
その言葉に、コクリと飲みだしたジュースを根こそぎ吹き出した。
治めた傍から、なにいきなり人の神経逆撫でしてんだこいつ!?
「あん?なに喧嘩売る気?いくらでも買ってやるわよ?」
「違う違う」
睨み付ける目の前、なに苦笑浮かべて手ぇなんか振ってるわけ!?
なんなのこいつ!?
「さっき知り合いに聞いたんだよ、お前の噂」
「・・・」
ああそっか。
またどこぞの親切な輩が、私の敵を一人作り上げたと、そういうことか。
ああ全く皆熱心で頭が下がるわ。
さてじゃあここもお暇しましょうか。
>>234 「そうよ。凶暴で手のつけられない問題児が私。一緒にいたらあんたまで変な目で見られるかもよ?さっさと教室帰って、二度と私に関わらないことね」
ああ嫌だ。言ってて自分が嫌になる。
なんでこう周りは私をわかってくれないんだろう?
なんで私を一括りにしようと・・・
「なんでだ?だってお前問題児じゃね―じゃん?」
・・・え?
なに?なに言ってんのこいつ?
「はあ?いきなり殴った相手つかまえて、あんたなに言ってんの?」
噂聞いたんでしょ?なのに・・・。
「いや・・・お前さっき俺殴ったけど、それ苛ついてただけだろ?」
「え?」
「イライラしてる時に目の前にデカイのがいてぶつかった。だから思わず殴り飛ばした・・・そんなとこだろ?」
「な・・・」
なんで?なんでこいつわかったの?
絶句してる私の目の前、目付きの悪い笑顔が言ってのける。
「わかるだろそりゃ見てれば」
お前終始イライラしっぱなしだし。
聞きようによってはすごく失礼な事を言いながら、こいつはそれでも笑顔を深くした。
「何にそんなに苛ついてるかわかんねーけどさ、なんなら相談ぐらい乗るぜ?」
・・・なんなんだろう?
頭が混乱する。
さっき会ったばかり。しかも初対面は最悪。
なのにこいつはこんなにも優しく・・・優しい?
優しい・・・優しいのは・・・。
「・・・優しくしないで」
「え?」
思わず口をついた言葉。
驚いたような奴の顔。
いけないって思った。
でもそれは止まらない。
「私に優しくしないで・・・」
「え?ど、どうしたんだ逢・・・」
「私に触るなー!!」
差し伸べられた手を、力任せに叩き落す。
気がつけば怒号を上げていた。
頭の中が真っ赤だ。
息切れがして動機が激しい。
その激しさを口から吐き出した。
「私に触れるな!私に関わるな!私に優しくするな!!どうせ・・・どうせ離れていくなら・・・っ!」
流れ出した涙を自覚して駆け出した。
後ろから名前を呼ばれた気がしたが、気にせず走りつづけた。
あいつの傷ついたような顔が脳裏に浮かんで、胸がチクンと痛んだ。
でも・・・。
ドウセアイツモホカノヤツラトイッショダヨ・・・。
どこからか聞こえてきた声に、もう一度私は涙した。
ああ、終わらない(苦笑)
クリーム・ソーダを受けてイメージ挿し絵描いた人が、誰にも反応されてなくて
なんだかなーとか思ったw
無視するほど下手か?あれ
>>まとめ人
6スレ目の「例えばこんなとらドラ」(682辺りか?)タイトルを「1話if」に変えてくださいwこっちのが書きやすいからw
>>235 いいよいいよもっと書いて!
朝から鼓動が鳴りっぱなしだよどうしてくれるんだチクショー
239 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/09(土) 08:29:47 ID:XvkqzuQ4
>>236 反応無いってのは受け入れられてるってことだよ
>>235 わり、こっちに変えて、まとめ人;;
「そうよ。凶暴で手のつけられない問題児が私。一緒にいたらあんたまで変な目で見られるかもよ?さっさと教室帰って、二度と私に関わらないことね」
ああ嫌だ。言ってて自分が嫌になる。
なんでこう周りは私をわかってくれないんだろう?
なんで私を一括りにしようと・・・。
「なんでだ?だってお前問題児じゃね―じゃん?」
・・・え?
なに?なに言ってんのこいつ?
「はあ?いきなり殴った相手つかまえて、あんたなに言ってんの?」
噂聞いたんでしょ?なのに・・・。
「いや・・・お前さっき俺殴ったけど、それ苛ついてただけだろ?」
「え?」
「イライラしてる時に目の前にデカイのがいてぶつかった。だから思わず殴り飛ばした・・・そんなとこだろ?」
「な・・・」
なんで?なんでこいつわかったの?
絶句してる私の目の前、目付きの悪い笑顔が言ってのける。
「わかるだろそりゃ見てれば」
お前終始イライラしっぱなしだし。
聞きようによってはすごく失礼な事を言いながら、こいつはそれでも笑顔を深くした。
ポカンと呆けてると、頭にポンと手を置かれた。
温かくて、大きな手。
なんだか泣きたくなるような。
「何にそんなに苛ついてるかわかんねーけどさ、なんなら相談ぐらい乗るぜ?」
・・・なんなんだろう?
頭が混乱する。
こいつはさっき会ったばかり。しかも初対面は最悪。
なのにこいつはこんなにも優しく・・・優しい?
優しい・・・優しいのは・・・。
「・・・優しくしないで」
「え?」
思わず口をついた言葉。
驚いたような奴の顔。
いけないって思った。
でもそれは止まらない。
「私に優しくしないで・・・」
「え?ど、どうしたんだ逢・・・」
「私に触るなー!!」
差し伸べられた手を、力任せに叩き落す。
気がつけば怒号を上げていた。
頭の中が真っ赤だ。
息切れがして動機が激しい。
ああまただ。
またコレがきた。
私にはどうにもできない激情。
だから、その激しさを口から吐き出した。
痛みと共に。
「私に触れるな!私に関わるな!私に優しくするな!!どうせ・・・どうせ離れていくなら・・・っ!」
「あ、逢坂・・・?」
名前を呼ばないで!!
流れ出した涙を自覚して駆け出した。
後ろから、また名前を呼ばれた気がしたが、気にせず走りつづけた。
あいつの傷ついたような顔が脳裏に浮かんで、胸がチクンと痛んだ。
でも・・・。
ドウセアイツモホカノヤツラトイッショダヨ・・・。
どこからか聞こえてきた声に、もう一度私は涙した。
前々スレでクリスマスif書いてた奴だけど、アクセス制限全然解けんですわ……
あんまり間が開くのもアレだしいっそどっかにアップした方がいいんですかね?
>>241 2ちゃんねる専用ブラウザ使っても書けないなら
そうして貰えると助かる
Jeneって2ちゃん専用ソフトって知ってる…よね
243 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/09(土) 12:43:28 ID:MCfxMHgx
>>241 今携帯で書いてるの?
>>242 ブラウザでこの板とこのスレ開いてみたけど人大杉にはなっていなかった
たぶんアク禁巻き込まれだね
今softbankが大規模なアク禁状態だから
244 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/09(土) 12:45:44 ID:MCfxMHgx
>>241 あなたのクリスマスif、大好きです。
ゆっくりと、しかし、しっかり心情が綴られていて。
みのりんの部分が特によかったです。
おかげで、みのりんの気持ちが分かるようになってきました。
竜虎とあわせて続きが読めると嬉しいです。
>>242 の方のように、私も Jane Doe Style使ってます。
ここで見られたら、まとめ人の方もいるので、いいんですが。
246 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/09(土) 12:51:42 ID:MCfxMHgx
Style使い多いねー
今日の5、6時間目は体育のスポーツテストであった。
前年度のスポーツテストは、シャトルランと握力のみのお手軽科目であったが、
今年から去年に比べ、ハードルは一気に上昇した。
「はぁ〜…鬱になりそ。なんでマラソンの後すぐにシャトランなのよ?」
そう愚痴を零すのは高須竜児の彼女ことお嫁さんの逢坂大河である。
朝のホームルームで担任(31独身効果音は独独独)にスポーツテストの内容を言い渡された。
その瞬間『弁当食べたら早退しよう』と言う者もしばしば。竜児と大河も例外ではない。
「知らねぇよ…去年はもっと楽だったよな。握力だとかさ…」
ちなみに内容はこうだ。
1.準備運動を十分に行い、男女混合で校庭を3週した後街の決められたルートをひたすら走る。
距離はコレと言っては決められてはおらず、20分間休みなしで走るというもの。
校門で黒マッスルが見張っており、歩いている者は減点され、通った回数で評価をつける。
2.10分間の休憩の後、5キロマラソン。至って簡単、校庭をグルグル回るだけであるが、
20分間マラソンの後は相当厳しい。
3.体育館でシャトルラン。25メートル空けられた空間を、CDから流れるテンポにあわせてひた走る。
往復で2回と計算され、平均は60〜70回で、60以降に脱落した者はその分減点である。
事項を記した簡易プリントを渡された瞬間紙飛行機にしたり破ってモルグに葬りさる者も多々。
竜児は鶴を製作し、大河は虎を作って鶴を破壊した。
春田曰く『5時間目からっしょ?それまでは元気に行こうぜ〜♪』などと言っていたが、
その時間が近くなるにつれ、春田の元気はみるみる薄れ、最後には無くなっていた。
現実は酷をいうもので、あっと言う間にその時間は訪れた。
着替えが終わり、ダサい夏用の体操着に着替えた生徒の中に帰宅した者は5人ほどいた。
外に出るとミンミンと鳴くセミは悪魔の申し子のよう、立っているだけで汗が吹き出す。
ぽっちゃり体質の生徒は既に背中のシャツは体と汗で結合されていた。
「いよーう!わたしはこの時を待っていた!」
よく分からない台詞を大声で叫ぶのはもちろん櫛枝実乃梨。
夏に汗と書いて青春と読む彼女は全員が全員と言っていいほど気鬱な状態にも関わらず元気である。
「みのりん…無理してるならやめて。私も既に暑さで死にそうなんだから…」
櫛枝の傍らにはいつもいる竜児も今は体力温存のため日向ぼっこ中である。
痛々しいほど元気な彼女にそうささやくのは逢坂大河。
竜児と日向ぼっこしていた所を拉致されたのである。
「若いモンがそんな事でどーする!私は準備運動してくるぜー!」
そう言うと、校庭を全力疾走し始める始末。とても見てはいられないだろう。
チャンスとばかりに竜児のもたれている壁の左側にチョコンと素早く腰を下ろす。
「櫛枝なんであんなに元気なんだ…太陽のエネルギーをうまく活用しすぎだろ…」
「そうよね…もう…あぁ…言葉が見つからないわ…」
はじめる前からぐったりしている2人だったが、そこで大きな笛の音が鳴り響く。
黒い筋肉の悪魔が光臨した。
「おーうお前ら!夏なのに元気がねぇな!先生のプロテインやるから元気出せ!」
途端に『いらねぇよ』『マジキチ』やらとヒソヒソ声が連呼される。
「ん…?なんだ?まぁいい、さっさと始めてさっさと終わろうじゃないか!」
そう言うと準備運動を開始する。3年にあがっても同じクラスであった北村が準備運動の合図を送る。
全員がダラダラと動き、軽くストレッチした後、早速開始された。
「さぁーて!じゃあ早速始めるとしよう」
最初の校庭3週で既に意識が朦朧としている中、なんとか全員がクリア。
後の20分間はどんなスピードでもいいから街の決められたルートをひた走る。
「あぢ…りゅーじ、私もうダメ…もう…吐き気が…うぁぁ」
竜児の隣、同じペースで走っていた大河が残り5分の所でギブアップ宣言。
元々体力のある大河でも、暑さには弱いらしい。
顔も長い髪も汗でべっとり、フランスの人形の面影もない。
「無理するな、ほらそこのベンチは死角で見えないから休憩しようぜ」
自動販売機の裏を指差す。そこは通り過ぎないと見えない死角となるベンチがあった。
彼女を気遣うのは実に微笑ましい光景だが、他人から見ればただのズルである。
残り1分なのを携帯で確認し、あとはまったり速度で校庭へ帰った。
平均では街を7週するのだが、北村と櫛枝は13週もしていたという。
休憩を挟んで行われた5キロマラソンは以外とすんなり終わり、残す所はシャトルラン。
ぽっちゃり体系のあの人は20分間マラソンの時にめまいで保健室にいったらしい。
そして、そのシャトルランも無事終了。回数は最高200回で、櫛枝は130回であった。
最後まで北村と櫛枝は張り合ったが、129回目で北村はダウン。
ちなみに大河と竜児は最低記録の2回。『楽勝〜♪』と鼻歌を歌いながらステップを
踏んでいた大河は、体育館内は熱で蒸れるがOHISAMA☆の光がないだけで気分上々。
しかし、解けていた体育館シューズの紐に気付かず引っかかりコケて終了したのである。
竜児は当然そんな大河をほっておく事はできず、かばって過去最低記録を叩き出した。
残りはまた明日か気が向いたら夜書くね
ニヤニヤ成分ないので期待しないでください
251 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/09(土) 18:54:53 ID:XvkqzuQ4
これはこれでニヤニヤするぜ
>>215続き
***
スズメの鳴き声が聞こえる。
おおかた家の上にある電線にでも数羽が羽根を休ませているのだろう。
目を何度か瞬かせ、むくりと布団から上半身を起こす。
「何て夢見てんだ俺は……」
髪をぐしゃぐしゃとかきむしる。溜息を吐く。
ここ最近の夢がエスカレートしてきた。
夢の中の大河は何度も俺の首に口付けをしてきた。
パタンと布団に倒れ、すぅっと鼻に香りを注ぐ。
広がる……大河の香り。
今日もまた、大河を感じる。
それによって得られる安堵と、罪悪感。
この罪悪感は布団から大河の香りを感じているからなのか、あんな夢を見たからなのか。
どちらにせよ、大河は良い気分にはならないだろう。
胸の裡に暗い影を落としながら未練がましく抱きついていた布団から離れ、いつもどおり洗面所へ。
襖を開け、居間を通って顔をあら……!?!?!?!?
「おはよう」
「は……え?」
「おはよう」
「え?あ、う?」
「お・は・よ・う!!」
「あ……おはよう」
大河が制服を着てテーブルに座していた。
こちらを一瞥した後ぷいっと視線をずらす。
まぁ本物はこんなもんだ。
そんな安堵と若干の寂寥に胸を痛めながら顔を洗いに……そうじゃねぇ!!
「おまっ!?何でここに!?っつうか自分で起きたのか!?」
「アンタ朝からうるさいわね。たまたま早く目が覚めたから来た、それだけよ」
ふわぁと欠伸。
どっからどうみても眠そうだ。
ったく、いつ起きたんだか知らないが何もこんな朝早くから来る事無いだろうに。
やれやれと内心の動揺を隠しながら、ふと気付いた。
風が通り抜けている。
どうやらベランダのガラス窓が開いているようだ。
「……お前、まさかここから来たのか?」
「……何よ?」
「何よ、じゃねぇ。全くウチのセキュリティはどうなってんだ。やっぱ今度からここも鍵かけとくか」
「!?ちょっ!?何勝手に決めてんのよ!?」
大河が取り乱したように慌てふためく。
「?お前が驚く意味がわからないんだが。これはウチの問題だぞ?」
「っ!!そうだけど、そうじゃないのよ!!」
「はぁ?」
本当に意味がわからない。
ここの鍵をかけるようにして大河が慌てふためく事態が想像つかない。
せいぜいここへのショートカットに支障がでるかどうかくらいだ。
「いいから鍵はかけるな!!」
「いや何でお前が決めるんだよ。そりゃこっから侵入できるのはお前ぐらいのもんだろうけど」
「じゃあいいじゃない」
「でも何かひっかかるんだよなぁ。それに念のためってのもあるし。俺としてはやっぱり鍵をかけようと……」
「ダメって言ってんでしょ!!」
大河が立ち上がってぶつからんばかりに傍によってくる。
ふわりと揺れる髪からは毎日感じる大河の香り。
「ちょっと!?竜児聞いてんの!?」
ずいっと顔を覗き込んでくる。
そこには怒りの表情と、何処か哀願の意が感じられた。
***
何をそんなに必死になっているのだろう?
そんな表情をしたまま竜児は私を見つめている。
鈍犬野郎のアンタにはわからないでしょうけど、私にとってそれはもはや死活問題なんだから。
唯一のライフラインと言っても過言じゃないのよ。
もしそこに鍵なんぞかけられたら一体この体の中に駆け巡る欲求をどうすればいいの?
気付いてないだけで、アンタにも責任はあるんだから。
一気に感情を爆発させたが、竜児からの返答は無い。
じっと竜児を睨みすえると、ふい、と視線を逸らされた。
カチンとくる。
このぉ!!と竜児の視線の先に回ってギン!!と睨みつけてやるとまたぷいっと横を向く。
???何かおかしい。
すたたた、ぷい。すたたたたた、ぷいぷい。すたたぷいすたぷいすたたたたぷいぷいぷい。
ああ、もうなんなのよ!?と叫びそうになって気付く。
横を向いた竜児の耳が赤い。
じろーっとよく見ると、なるほどアレは照れてる顔だ、と思い当たる感情を理解する。
ん?照れてる?私で?
唐突に昨日の保健室へ行く前の竜児を思い出す。
私を抱き上げた竜児。
あの感覚は最高だった。
自らの足さえ使わず全てを竜児に預け竜児を感じる。
胸の中がじわぁっと熱で一杯になり、震え、ニヤケが止まらず頬がこれでもかというほど緩んだ。
やがて、竜児が私を見つめ、だんだんと唇が近づいて……鐘が鳴った。
あの時の竜児の慌てようったら無かった。
「……私の唇を奪おうとしたくせに」
だからちょっと口に出してみる。
「!?え!?ちょっ!?な!?気付いてたのか!?」
驚いたように両手をバタつかせる竜児。
「やっぱり」
やっぱり竜児はあの時私にキスしようとしたんだ。
瞬間、むくむくと腹の下から快感が押し寄せる。
きゃふふと笑い転げまわりたい。
「あ!?いや違うこれは……」
今更の言い訳。
「見苦しいわよ竜児。このキス魔」
「キス……って待て待て待て!!その誤解を招くような言い方はよせ!!」
ギラリとした目つきで私を射抜く。
普通の奴、もしくはこいつを知らない奴なら怯えるんだろうけど、私には困って泣きそうになっている顔にしか見えない。
「あ〜ら何が違うと言うの?あんたは誰でもキスしようとするんでしょう?」
ふんと目を細め両腕を組みながら言った言葉は自分の胸を針でチクリと刺されたように刺激し、
「なっ!?ふざけんな!!お前以外に誰がそんなこと……!!」
次いで針を吹き飛ばすほど大きな脈を打つ。
「え……」
「あ……いや、なんでもない」
竜児は背を向け顔を洗いにすたすたと行ってしまう。
残された私はぽつねんと立ったまま震えていた。
どうしようどうしようどうしよう!?
竜児の今の言葉は本当だろうか?
みのりんじゃなく私で、私以外とその……キスするような考えは持っていないのだろうか!?
ああ、まずい。
急激に竜児が欲しい。
望みが出た途端さっきまで鍵のことで興奮して忘れていた禁断症状が濁流となって溢れ返ってくる。
昨日はアレから結局一睡もできずかなり早くから制服のまま高須家のテーブルに座っていた。
ただぼーっと竜児が起きるのを待って夢はせていた。
それがどうだ?
そろそろ胸がムカムカしだした頃に竜児が起きてきたと思ったらこの報酬。
ああもう、どうしようどうしようどうしよう!?
体が収まらない。
竜児がこの上なく欲しい。
今日は夜までなんて、絶対我慢が出来ない。
***
「ねぇ竜児」
「……何だ」
いつもより少し遠い声。
何故か竜児は少し広めに私との距離を取る。
いつもと同じ登校も、それだけで少し違ったように見える。
「……何か離れすぎじゃない?」
「そうか?」
嘘だ。まるで気のせいじゃないか?と言わんばかりだが、あれは絶対気づいてる。
なんでそんなに距離を取るのよ。
これじゃ全く満たされないじゃない。
一歩竜児に寄れば一歩竜児は離れる。
イライラする。
「アンタねぇ……!!」
ムカっときたところで、
「おーい!!おっはよぉう!!」
元気一杯に手を振りながら爽やかな笑顔を浮かべてみのりんが来た。
もうそんなところまで来てたのか。
「おぅおはよう」
竜児は軽く挨拶しながら……!?!?!?
竜児は挨拶しながら何気なくみのりんの横に並ぶ。
横に、いつもよりも遥かに近い位置に。
みのりんを挟んで私の反対側に。
何よ、何よ何よ何よ!!
何でアンタいつもより大胆にみのりんに近づいてんのよ!?
私からは逃げたくせに……!!
胸が……詰まる。
欲しいのに、手を伸ばせば届く距離なのに……手を、伸ばせないっ!!
「大河ー?どうしたの?」
みのりんが不思議そうに聞いてくる。
「な、何でもないよみのりん!!早く行こっ」
私はみのりんの手を取って走り出す。
「おおぅ?私とのランデブーをお望みかい?どこまでもついていくぜハニー!!」
そう言いながらみのりんはついてきてくれる。
こうやって、みのりんを竜児から引き離す事しか出来ない。
足りない。
欲しい。
近づきたい。
でも竜児は、追いかけては来なかった。
みのりんも、私も、竜児は追いかけてきてくれなかった。
***
諸事情により今日はこれ以上投下できないかも……。
1話ifを書くにあたり、1話を見直したんだが、竜児がカバンを取りに教室のドアを開けたとき、なんで机が舞ってたのかな?
あと、なんで用具入れから大河は転がり出てきたのだろうか?しかも体育座り。
誰か親切な人教えてくれまいか?
>竜児は鶴を製作し、大河は虎を作って鶴を破壊した。
ここに萌えた俺は異端児
>>255 イイヨーイイヨー(*´д`*)
ご自分のペースで投下してくださいな
もう情感豊かで2828しっぱなしだぜww
>>256 原作では確か北村の席周辺で手紙を入れるかどうか悩んでいた大河が
竜児の登場を察知→机をなぎ倒しながら移動→ロッカーの影に隠れる
って流れだったと思う
ロッカーの影じゃなく中に隠れたってのはアニメのアレンジでロッカー
から登場したのはそのためかと
大河なら勢い余って壁を突き抜けて行きそうだな
>>260 確かにw
アニメではきっと勢いよくロッカーに飛び込みすぎてぐらついたロッカーが倒れたんだろう
そういやロッカーの中に入る演出したからこそ
アニメラストのシーンが追加できたんだよな
いまさらだけど、ほんとうまくアニメ化されたなw
ああ、なるほど。やっと意味がわかったありがとう。
よし、その演出必ず入れようw
>>263 俺の掲示板初カキコが役に立ったようでうれしい
続き待ってます
>>242 Jane使いですがなんとも……
>>243 今携帯です
明日か明後日でもメール大丈夫ですか?
ちょっと手直ししたいんですけど……
>>264 ホントに助かったw正直、放映中から『?』だったんだよね(苦笑)
お礼と言うわけじゃないが、何かお題をくれたら一本書くけど如何かな?w
>>266 すぐにお題が浮かばないんで1話ifの続きが謝礼代わりということで…
ほんとに楽しみにしてるんですw
>>254 今日も素晴らしい・・・あぁマジ最高です、ずっと読んでいたい。
アニメ放映を待つドキドキ感がまた此処で味わえるなんて!
読み耽りすぎて、電車降り損ねた…
書き手さん、素晴らしい竜虎をありがとう!
>>267 そうかい?なんか悪いねw
それじゃまぁ、さっき出来た続きをペタリw
↓
「な・・・なんなんだよ一体・・・」
叩き払われた手をみつめながら小さき呟く。
視線を上げた先、もう逢坂の姿は見えない。
『1話if・4』
いきなり頭に手を置いたのがいけなかったのだろうか?
さっきの豹変振りを思い返して首を傾げる。
『私に触るな!!』
言われた事をそのまま受け取るならそういうことなんだろう。
・・・でも。
あの時はそうしてやりたかったんだよな・・・。
あの時のあいつの顔を思い出す。
なんだかひどく脆いガラス細工のような顔。
不安と期待と恐れ。
それらが綯い交ぜになって現れたような顔だった
瞬間的に、安心させてやりたくなった。
そうだ、安心させたかったんだ、あの切羽詰ったような顔に。
その内情は知らないけど、少なくとも恐れるものなどここには無いと教えてやりたかったんだ俺は。
そこまで考えてはたと気付く。
何やってんだ俺?
「アホか。なに会ったばかりの奴に感情移入してんだ俺は」
やめだ。やめやめ。
軽く呟いて缶コーヒーを一口飲む。
そろそろ戻らないとHRに間に合わない。
知らない他人のことなど知ったことか。
「でも・・・」
それでも、何故かあいつのことが思い浮かぶ。
あの泣きそうな顔が脳裏に焼き付いて離れない。
「・・・ったく、なんなんだよ?」
残りを乱暴に飲み干し、ゴミ箱に力一杯放り込む。
「・・・くそ!」
言いようの無い苛立ちを抱えたまま教室に向かう。
ったく・・・自分のお節介に腹が立つ。
でももう苛ついてる時点で仕方ねえ。
「北村にでも、聞いてみるか・・・」
あいつなら、何かを知ってるかもしれない。
覚悟しろ逢坂。
こうなったら俺の気が済むまでとことん付き合ってもらうからな。
そう決意した時に予鈴がなって、俺は駆け足で教室に向かった。
さあ、ドコに転がるのかわからなくなってきたぞーw
大河と竜児の平日と休日とお互いの誕生日のそれぞれの過ごし方を勝手に妄想するわ
【平日】
早朝:竜児が大河のために愛情たっぷりの弁当作って、さらに寝てる大河を起こしに行って栄養満点、バランスのとれた朝食を用意。大河ホクホク顔で完食。着替えは竜児が手伝う。
登校:手を繋いで登校。たまに大河が竜児の背中にとびのっておんぶで登校。竜児疲弊。大河のよだれが竜児の頭に垂れる。
授業中:大河が竜児のヒザの上に乗っっかる。竜児疲弊。大河はニコニコ顔。ゆり先生は大河が怖くて文句言えず。
昼食:二人でお弁当広げて食う。満面の笑みでご飯をほおばる大河を見て幸せを感じる竜児はどんどんエサを大河の口に運ぶ。竜児回復。
下校:手を繋いで下校。ドジのせいでいつ道路につまづいて転ぶかわからない大河をガードしつつ帰宅するので竜児疲弊。大河は幸せいっぱい。
夕方:竜児が大河と泰子のためにおいしいご飯を作る。竜児のヒザの上で大河は飯をほおばるので竜児疲弊。でも大河が幸せそうにしてるので回復。
泰子出勤後:ひたすらギシアン。大河幸福、竜児疲弊。これを5セット。
就寝:竜児が大河を寝かしつける。着替えも手伝う。たまに夜中に大河が目を覚まして夜食を要求するので竜児疲弊。さらにギシアンも要求されて疲弊。竜児昏倒。
とっても幸せそうな二人ですね!
平日の二人を妄想しただけでもおなかいっぱいになったわ
5セットwww
273 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/10(日) 00:51:39 ID:X5jOmXqH
>>265 いつでもだうぞ
一応件名に作品名入れてください
あと挨拶とかは別にいいですよ
>>270 GJ!
どういう風に展開していくか妄想しながら待ってますw
275 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/10(日) 00:52:57 ID:X5jOmXqH
276 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/10(日) 00:54:40 ID:X5jOmXqH
>>271 こないだ買った同人誌はこういうコンセプトなんだろうなあ
>>276 甘えんぼタイガーのことですねわかります。
いやあ、竜虎がラブラブしててかなり満足な出来でしたわ。
甘えんぼタイガーとかヤキモチタイガーとかいう言葉を聞くだけで色々想像できる
280 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/10(日) 01:02:01 ID:X5jOmXqH
>>278 俺も満足ですわ
成人向けでもああいうのはいい
ちなみにとらの穴で購入
281 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/10(日) 01:02:27 ID:X5jOmXqH
>>255 文豪乙
このドキドキ感がたまんねえ(*´д`*)
エイジアエンジニアの「犬のうた」と云うタイトルを聞いて大河が竜児の為に歌った歌か。と思ってしまった俺は重症。
聞けば愛犬への追悼モノ。歌詞変えて大河さんに歌ってもらいました。
竜児死後設定。SSでもシチュですら無いので場違いならごめん。
ちなみに歌は↓(YouTube)
http://www.youtube.com/watch?v=DRfw6YWTLTA&feature=PlayList&p=9DCD405BEDF383F3&playnext=1&playnext_from=PL&index=26 あの夜 アナタの安らかな寝顔 きっと今頃天国の 広い草原で好きなだけ 寝そべっていることだろう
もう一度だけ会いたいけど 遠くへ思い出残して 私は忘れない いつまでも家族のままだよ
初めてアナタの家族になった日 春のわんぱくな天使のように 幸せな時間流れた My best precious memory
喧嘩したり走りまわったり 私の事を追いかけ回したり 優しいアナタのお陰でいつしか私も明るくなれた
あれから十四ヶ月 何度私を助けてくれたろ見つめるアナタの瞳も抱きしめたその温もりも
パパに捨てられた時も恋に泣いてた時もアナタが傍にいてくれたよね いつでも・・・
本当にアナタは幸せだったかな?
私は今でも会いたくて寂しいよ
数えきれない愛をありがとう
いつの日にか 同じ場所へ
それまでゆっくりおやすみ
本当はずっと分かっていたんだろう?急に病んでくその体を 大好きだった料理だって出来なくなってしまった意味を
悲しかったんでしょう?きっと辛かったんでしょう?それを伝える事さえも なのに笑顔見せて出迎えては「大丈夫だよ」って元気に見せてた
あの日最後に帰宅した私を眠らずに待っててくれたよね?くたびれたように寄り添ってただ他愛もない話でお別れ何故だろう?
何度呼んでも起きてはくれないアナタの寝顔が安らかに見えた
本当にアナタは幸せだったかな?
私は今でも会いたくて寂しいよ
数えきれない愛をありがとう
いつの日にか 同じ場所へ
それまでゆっくりおやすみ
Remamber me yeah GO! どうなの?そっちでの暮らしにはもう 慣れてきて友達もできてるんでしょう?
掃除ばかりで疲れたら大好物のみかんたらふく食ってそう こっちは相変わらずだけれども アナタに話した夢の続きを
いまでも追いかけてるよ ねぇ?どう? 上から見守っててよね
あぁ空を見上げると アナタが笑い掛ける
「ここにいるからな」と言ってる気がする
いつかこのうたを隣で歌う その日が来るまで
本当にアナタは幸せだったかな?
私は今でも会いたくて寂しいよ
数えきれない愛をありがとう
いつの日にか 同じ場所で
会えるから
本当にアナタは幸せだったかな?
私にはすべてが幸せな思い出
数えきれない愛をありがとう
いつの日にか 同じ場所へ
それまでゆっくりおやすみ
失礼しました。
>>283 涙腺やばいです。でも竜児を殺さないでくださいw
全く関係ないんですが久々にアニメ最終話を観てヒートアップしてしまったので、
ちょっと投下させてください。3レス使います。
285 :
1/3:2009/05/10(日) 02:42:09 ID:m2EnSOi/
「もう一度……」
開け放した窓が迎え入れた冷たい空気の中で、頬に触れた手と、
何度も触れては離れる唇だけがやけに熱く、
それだけがお互いの存在の拠りどころのようで、大河は竜児の袖口を掴んだ手に力を込めた。
今離したらきっと、全部壊れてしまう。
漠然とそんな思いに駆られて、自分の方に屈んだ竜児に身をすり寄せる。
離したくない。そう思っていたのは竜児も同じで、
服越しに感じるもどかしい体温を少しでも逃がさないように、
左手を背中に回し、撫でるように落として腰を引き寄せた。
お互いにしがみつくようにして、何度も何度も唇を重ねる。
別の部屋の泰子の笑い声がひどく遠くに聞こえる。
今だけは、この瞬間はここには二人しか存在しない。
キスは次第に長く、深くなり、爪先立ちに疲れた大河が踵を下ろすのに合わせて、
崩れるように蒲団の上に膝をついた。
大河が竜児の膝に乗る格好でキスを再開する。至近距離の熱い吐息のほかは言葉もない。
耳を澄ませば心臓の音が聞こえてきそうな静寂の中で、口づけが次第に水音を立てはじめる。
鋭敏な神経はまさにこのときのためにあったのだろう。
ましてやその相手はかけがえのない、世界中でもっとも大切な、やっとやっと手に入れた存在である。
ただでさえ敏感な唇の感度はいやが上にも高まった。
「やっぱり、がさがさしてる」
「悪かったな」
「でももう……私が、乾かしてやらないから」
大河は顔を真っ赤にする竜児の袖口を掴んでいた手を首に回して、
噛みつくようにキスした。そうすることで消えない印でもつくかのように。
「お前なんてこっ恥ずかしいことを……しかも痛えよ、今のは」
「あんたのさか剥けも痛かったから、おあいこよ」
一時唇を離して見つめあう。今二人たぶん、全く同じことを考えている。
足りないのだ。キスだけではもう足りない。それだけではお互いを確かめ合うには充分ではない。
*
286 :
2/3:2009/05/10(日) 02:43:13 ID:m2EnSOi/
「……竜児」
「おう」
「今日はここまでだね」
「へっ?」
竜児は思わず間抜けた声を出した。その胸に大河は顔をすり寄せる。
「……したい? ……この先も」
「なに、言い出すんだよ。んなこと考えてもいなかったのに」
そう言いつつ臨戦態勢の下半身を悟られまいと腰を引く竜児であったが。
「私とじゃ、したくない?」
「バカ言え…………したいよ。けどさ」
「うん」
「……ないだろ、あの……コ……避妊具が」
大真面目な顔で言うのである。
二秒ほどぽかんとした大河はブッと雰囲気のかけらもなく吹き出した。
それでも遠慮があるのか、必死に笑いを堪えて震えながら竜児の胸に頭をぐりぐり押しつける。
「んだよ! 大事なことだろ!」
「……っひー……ふへっ、ご、ごめんでも、だってあんた……ぷぷぷ……」
どうにも笑いの発作が収まらないらしい。
「大河、俺はマジだぞ。その場の勢いでやっちまって妊娠しちまったらどうすんだよ。
俺はお前に、泰子と同じような思いをさせたくないだけだ」
「ん……分かってるよ。ごめん。分かってるけどさ、
その、最初って結構その場の勢いでしちゃったりするって言うじゃない?」
「……そんな無責任なことできるか」
*
287 :
3/3:2009/05/10(日) 02:44:20 ID:m2EnSOi/
お前のこと、大事なんだからな。傍目には睨みつけているようにしか思えない、
真剣な顔の竜児に見つめられて、大河はまた頬を赤らめた。
「……ありがと……そうだよね、あんた真面目だし……優しいもんね。
そういうところ、好き」
「お、おう……」
大河は涙目を拭った。再び視線が絡み合って、二人の距離が縮まる。
「あれ?」
「ど、どうした?」
「言っちゃった」
至近距離に大河のびっくりしたような顔。
それが次第に緩んで綻んで、照れ笑いに目が細められる。
「何を?」
「バカね、結局言ってなかったでしょ。でも言っちゃった……『好き』」
「え……って、おう! おまっ、そんなさらりと!」
大河は両手で竜児の頬を挟み、真正面から、とびっきりの笑顔で繰り返した。
「竜児……大好き」
竜児は赤鬼の正体を現し……たわけではなく、暗い室内でも明らかなほど赤く染まった。
途轍もなく恥ずかしいが、顔を固定されていて動けない。
観念して、見つめ返す。
「……好きだ」
お互い逃げ出したくなるほど恥ずかしかったが、
それでも絡み合った視線はもう離れないし、抱き合う両手も解いたりはしない。
たとえ手を離しても、もう大丈夫だ。
二人の居場所はお互いの傍らだと、もう知っているから。
**
お目汚し失礼しました。
>>287 起きてて良かった俺ナイス
すごく良かった、ほんとGJです!
でも俺も最終回見たくなった・・・寝れない・・・w
それでは小ネタでクールダウン
『寒帯気候』
「ねー高っちゃ〜ん、ここんところだけちこーっと教えてくんない?」
「ん? ああ、ツンドラとタイガの違いってのは……」
「だ・れ・が・ツンデレじゃあぁぁぁ!」
「ちょ、大河、待(ドゴォ!!)
「……チビ虎って自覚無かったんだ」
「そんな大河にも萌えるぜ!」
《夏の気温が0度以上になるのがツンドラ》
『たとえばこんなバカップル』
「あれ?あそこのファミレスに居るのって高須君とタイガーじゃない?」
「ねえ亜美ちゃん、なんであの2人って四人がけの席の片方空けて並んで座ってるわけ?」
「……知らないわよ」
《実際に居ます、こーゆー人達》
「…………」(ごそごそ)
「……ん? …………ぅ、あ。たい……が?」
「……あ。起こしちゃった?」
「眠れないのか?」
「……」(こくん)
「だからってなー」
「なによ……い、いけない……?」
「この手はなんだよ」
「だって……。こ、これ触ってると、なんだか落ち着くっていうか……」
「……」(触ってるっていうレベルじゃねぇ!)
「……だって、竜児が……ぅうー」
「お、おい、泣くこたないだろ……」
「だってぇ、りゅうじ、寝相いいんだもん……。だから、だから、りゅうじが、りゅーじが、し、し、しんでたらどうしようって、思ったら……」
「……大河」
「これ、あったかいから……暖かいってことは、生きてるってことでしょ。だからね……あ、あんたなにおっきくなって……」
ギシギシアンアン
292 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/10(日) 04:20:51 ID:vUOhd6ML
寝る前にまとめスレ徘徊して11時に寝たはずなのに目が覚めてしまった
気分転換にみにきたらもって寝れなくなったじゃねぇかバッキャローー!!
>>283 なんか泣いた。うんよい。
>>290 ウチの店に普通にいるよwつか、膝乗っけてるのも多々(苦笑)
294 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/10(日) 07:30:04 ID:xNXyeuuf
>>249 * * *
帰りにスーパーで買い物を済ませる。今晩のおかずは牛角煮とこってりメニューに決まり。
竜児の家より手前に大河の住んでいる家がもうすぐそこに迫っている時の事。
「あの音声…聞くだけで鳥肌が立つほど恐ろしいわ」
『あの音』というのは体育館に鳴り響いていたシャトルランの音声だろう。
テ・レ・レ・レ・レ・レ・レ・レー♪というシンプルな音が繰り返し再生されるのが怖かったらしい。
「手乗りタイガーの弱点は音か…」
片手にエコバッグを持ち、買い物をしたのが丸分かりな格好で竜児が囁く。
* * *
帰路の途中は2人で体育の事で散々愚痴を零し、帰路の途中にある大河の家でシャワーを
浴びさせてもらう。冷や水が気持ちいいこの季節、わざわざ湯船に湯を張るほど大げさな事はしない。
その後はリビングでまったりと時間を削る。一人用ソファに無理やり2人で座り、イチャイチャする。
家族が誰も居ないのに気付いたが、家族の数だけ事情があるので聞かない事にした。
6時に冷蔵庫に入れてあった肉やらを取り出し、高須家へ向かう。
大河は自分の家でなく高須家で食事すると聞かないので、去年通り高須家に世話になっている。
トロトロ牛角煮を馳走になり、寝転びながらパンパンとお腹を叩くのはもちろん大河。
うちわで自分を扇ぎ、パタパタと足を動かしていると、
「んがぁ!!」
「どうした?」
「足つった!あいたたたた!!」
いきなり右足の脹脛を押さえ、身もだえしている。
近寄って暴れる小羊をなだめようとするが既に手の付けようがない。
「おう…じっとしろ、摩ってやるから。こういうのは動くと余計痛くなるぞ」
「うひぃ…こんな事になるのはきっと体育のせいだわ。私に対する冒とくよ!」
「おう…それと水分が足りてないんじゃないか?ほれウーロン、とりあえず起き上がれ」
「ん…足がまたつるのはいやだから膝枕して?」
「膝枕して?じゃねぇよ、恥ずかしい…」
「あーあ、苦しむ乙女をほっとくほど罪深い事なんてないわよ。いいから早く!」
仕方なく正座をし、大河の頭を自分の膝へと誘導する。
「硬」とだけ言い、うずめたり頬を擦りつけたりしてくる。ムズムズするので頬を掴んで
ガッチリ固定する。決していかがわしい何かをしようとしているわけではない。
結局そのままお茶を飲ませ、ドラマを鑑賞し始める始末。
途中でラブシーンがあった。フレンチキスやらのシーンが画面いっぱいに写り、
空気が一瞬で重くなり、居心地が悪くなりもぞもぞと足を動かす。
「りゅーじ」
突然甘い声で声を掛けられ、『何かが起こる』と直感した。
「…なんだ?」
「私達って、結婚するのよね」
「おう」
「そしたら当然夫婦よね。だったらもちろん、よよよ夜のいいい営みというものがあるじゃない」
何を言うのかと思えばそんな事。まぁ、無いことは無いだろう…多分。
「…おう、気にしてんのか?」
「そりゃそうよ…それで…本当に竜児は私で満足できるかって心配で…」
どうやら自分のいたる所に広がる平野が気になるらしい。
確かに、1年生の頃に写真部に『哀れ乳』宣言をされ、学校中で噂になった。
そのせいで大河は自分の胸部に広がる平野にコンプレックスを抱いているのも知っている。
もちろん竜児はそんな事気にしないし、気にも止めていない。
「あー、その点は大丈夫だ。もっと自信を持てよお前らしくもねぇ」
「その言葉が心配だって言ってんでしょうが!あんたは人一倍気を使うんだから、こっちも気を
使われてないかって心配なの!」
「だー!そんな事より用件を言え!お前の事だから遠回しに言ってるに決まってる!」
「うっ…だからー…その…ロニ…」
多分補聴器を使っても聞こえないだろう、ぽしょぽしょと囁ている。
真っ直ぐ竜児を見上げていたが、それを言うと顔を窓の方へ背けた。
上から竜児の膝に顔を埋める大河の横顔はほんのり桜色。
「…聞こえねぇ。もっとはっきり喋ってくれ」
「あーもう!あんたどこまで鈍感犬!?お風呂に一緒に入ろうって言ってんの!女の子に何言わせるの!?」
起き上がった大河は、頬をりんごのように膨らませ、竜児を睨みつける。顔全体を真っ赤にし、
爪楊枝でつついたら破裂しそうなくらい。
「…え?お風呂?俺と?なんで?」
平然とした素振りで振舞うが、近寄るだけで不審者と勘違いされるような目を限界までギラつかせ、
大河を見やる。決して香港へ売り飛ばそうとなどとは考えていない。
「いきなり営みとかは恥ずかしい…れれれ練習よ!察っせバカ犬!
それと今日の体育で汗掻いたからよく洗ってもらいたいだけ!」
そういい終わると、恥ずかしそうに顔を手で覆う。
指の間からでも分かるほど顔を真っ赤にし、もじもじとしている。
少女にここまで言わせ、初めて罪悪感を覚える。
ここまで言わせて「無理」だなんて言えるはずもなく、共に入る事にした。
飲んでいたお茶のコップや急須を荒い、水切り台へ片付け、風呂の用意をする。
片手にビニール袋を持ち、玄関へ。ビニール袋はもちろんお風呂セットと一応財布。
「じゃじゃじゃぁ、竜児先に私の家のお風呂の中に先に入ってて。5分したら行くから」
「おう…いいのか?お前が先じゃなくて」
「いいのよ、そんなのどうでも。さぁ早く行った行った!」
「ところで親は大丈夫なのか?会ってすぐ『娘さんとお風呂に入るので風呂貸してください』なんて言えねぇぞ?」
「ふっ、この私にぬかりはないわ、2人とも弟連れて家族サービス中だから」
「はぁ?なんでお前は行かなかったんだ?いなかったら家族サービスのなんでもないだろ」
「海外旅行みたいだから1週間くらいかかるんだって。その間竜児に会えないのはつらいから断ったの」
「おう…嬉しいこと言ってくれるじゃねぇか…じゃなくて!折角の旅行なのに断るバカがどこにいる!」
すると大河は胸を張り、親指を立てて己の首をクイクイとつつく真似をした。
どうやら『ここにいる』と伝えたいらしい。
「竜児も一週間も私に会えないのは辛いでしょ?しょ?」
『辛くねえよ』なんて言ったらきっと不機嫌になるので言わないでおいた。
というか、大河とそんなに会えないのははっきり言って耐え難い。
「…確かに辛い。だがな、親の折角の計画を踏みにじるのはこっちも気が引けるぞ」
「いいじゃん、どうせおまけみたいなものなんだし、私。アメリカなんて興味ないわ。
さぁさぁ、早く行きなさい!せいぜい裸体を私の前にさらけ出して私に興奮するがいい!」
蹴り出されるように扉から飛び出し、大河の家へと向かう。
別にわざわざ大河の家でなくても、うちでもいいんじゃないのか?と疑問を抱いたが、
コーヒーに溶けるミルクのようにその疑問は溶けていった。
要するに、『狭い』からだろう。2畳分くらいしかない風呂に2人で入るには無理がある。
湯船では絶対的に密着するわけだし、体を清めるのも後ろから丸見え。
大河の家は前のマンションほどではないがそこそこ広く、ゆとりがある、と思う。
心臓をバクバクさせ、一歩また一歩と足を進めるたびに帰りたくなる。
家では顔を軽く染めた程度であったが、本当は気絶してもおかしくないくらい同様していた。
「意外と大胆なんだな」と一人ごちる。
家に着き、大きな扉を開ける。カギは花瓶の下にあり、その存在は大河と竜児以外知らない。
広い玄関で靴を綺麗に並べる。なるほど、確かに両親はいないようだ、靴が何もない。
リビングへ続く廊下の途中にある洗面所へ向かう。そこで服をパパッと脱ぎ、カゴへ放り込む。
着替えと下着を用意し、腰にタオルを巻いて中へ入る。
昼間にも入ったが、景色は全く違う。湯気が立ち込めていて大きな湯船には湯がこれでもかと
言わんばかりに張ってある。白いタイルをヒタヒタと歩き、湯船に浸かる。もちろん下半身をよく水で流してから。
「おおう…えらい広いな、水がMOTTAINAIんじゃないか…?」
いきなりMOTTAINAI精神を発揮してきょろきょろと視線を変える。決してマーキングしているわけではない。
* * *
『はぁ〜…』多分隣の部屋に人がいたならば、その声はよく聞き取れたはず。
はっきり言って、自分でも後悔している。自分から誘ったとはいえ、一緒に風呂に入るというのは
言ってしまえば、肌を許すという意味とも取れる…かもしれない。
竜児が家を出てから3分。着替えなどの用意は自分の家にあるのでする必要はない。
冷蔵庫の中に入っていたウーロン茶をコップに並々注ぎ、一気に飲み込む。
もちろんこんなもので落ち着くはずはなく、時計を見るたび心臓が握られるような感覚に襲われる。
後1分…後30秒…インコが何かを感じ取ったのか、「タ…タ…イムオバッ!」
重い腰を上げ、扉を空けて錆びついた階段を下りる。
少し前、自分と同じような心境で竜児もここを通ったのかな、と疑問が浮かぶ。
すぐにギシアンに持ち込もうとするチャラい男とは違い、限界まで相手に
気を使って道を踏み外すことも多々。そんなあいつはきっと自分を大切にしてくれる。
だから襲うような真似はしないと信じているし、同時に襲われてもいいと考える自分もいた。
* * *
ガチャリ、と洗面所もドアノブが回る音がする。どうやら大河が来たようだ。
曇りガラスで姿は見えないが、シルエットのように影が動く。
上の服を脱ぎ、下着を外すために背中へ手を伸ばす。その仕草で緊張はピーク。
ガラガラ…と横開きのドアを開け、中へ入ってきた。
バスタオルを体に巻き、腕と脚を露出した格好であった。
見える腕と脚は叩いたら折れてしまいそうで、壊れそうで。なるほど、小学生に見えるわけだ。
「あ…あっち向いてて」
そう言われ、ガン見していた事にそこで初めて気付き、またしても罪悪感。
顔は湯気で赤いのかよく分からないが、腕でバスタオルの上から体を隠そうとしているのはわかる。
「お、おう…」
後ろを向き、大河から視線をずらす。
バシャンと勢いよく入る音がして、振り返ると真横に大河が湯船に浸かっていた。
座高の差で見える大河の肩は本当に細くて触れる事さえ憚れる。
つい胸元へ視線が行き、ジーと見つめてしまう。2年の夏の夜、水着越しだが大河の胸を見た。
もう見事ペッタンコ。哀れ乳なんて言葉よくみつけたな、と褒めてやりたいくらい納得した。
しかし、今は…確かに違う。明らかにふくよかになり、女らしい。肌はきめ細かく、そこらのタレントなんて目じゃない。
「ねぇ、りゅ…きゃー!」
竜児をふと見ると、驚いて首まで湯船まで体を沈めた。どうやらまたしてもガン見していたらしい。
自分が女だとして、相手の男から胸元を狂眼で見られているシーンを想像してみるといい。
「きも!どこみてんのよこの発情犬!今度そんな真似したら警察呼ぶから!」
「すっすまん、でも多分警察呼ぶ前に殺されるだろうけど」
「ふん、下手に出てりゃいい気になってバカみたい」
「うるせぇな。胸の大きさに去年と比べてド肝抜かれただけだ」
「大きくなったって事?見てみる?」
「おう…って見るわけねぇだろ!アホか!」
見てしまったら最期、大河を襲いかねない。今でも男の本性を理性で抑え付けているのに、
『見てみる?』なんて男のプライドをズタズタに引き裂くような事をよく言えたもんだ。
「ふーん、一応理性は保っているようね。じゃあ身体洗ってくれる?」
「…おう」
湯船から上がり、持参したスポンジで大河の身体を洗う。
触れる肌は本当に柔らかくて、温かくて。力を込めると傷が尽きそうで緊張する。
パスタオルはもちろん取っているので、生まれた時の状態。
小さな椅子に座る大河の身体は、細すぎる。いつもあんだけ食べてこんなに細いなんて
世の中間違ってると言っていた亜美の言葉に妙に納得した。
悪ノリが好きな性欲丸出しの男は、『おっと♪』なんて言って前を見ようと企むが、
竜児はそんな事は決してしない。しては大河に殺される。自分が許可をする事以外をすると
首が飛びかねないので、したくてもしない。自殺したい人は是非試すといい。
洗う範囲は上は肩、下は腰のくびれ辺りまで。それより下を見ては自分が暴走してしまうので、
危険領域としている。髪をどけた時に見えたうなじで既にグロッキー状態なのだから
暴走してもおかしくはない、というより暴走して当然。
小さなスポンジで小さな背中を幅を大きく洗っていると、
「ん…いい感じ。たまにはこういうのもいいかもね。毎日でもいいわ」
「俺は御免だ…毎日これかと思うと自分を抑え付ける自信がない」
『自分を抑え付ける』という言葉に少し嬉しくなった。
自分は貧相で、頼りなくて。それでも竜児は遠まわしにでも『恥ずかしい』と言ってくれた。
色気などは微塵にも感じ取れなくて、全く興味を抱かれてないと考えていた。
でも、違った。自分の不安を打ち砕いてくれた。些細な一言で救われたかのような心境。
「せいぜい我慢に苦しんで主人の香りを覚えるといいわ。じゃあ交代ね」
「は…俺はいい、自分で洗えるからな。何より恥ずかしい」
「いいからいいから、わたしに洗ってもらえる事を神に感謝するがいいわ」
そう言うと、いきなりこっちを振り返る。
「おわっ!こっち見るんじゃねえ、見える見える!」
「あんたが後ろ向けば済む話よ」
「くそぅ…」
素直に背を向け、小さな椅子に座る。
見えるのは恥ずかしいが、見られるのはもっと恥ずかしい。
それは大河も同じだろうが、なぜかいつもより積極的だ。迷惑半分、歓喜。
腰を下ろすのと同時、大河が身体ごとこちらを向くのが分かる。そして、
大河の柔らかい手が、自分の肩やら背中やらに伸びる。右手でゴシゴシと擦るが、
左手は自分と大河を固定するために肩に置かれたまま。
細くて、頼りない腕が背中を忙しく動き回る。腰にあたる手で思わず身もだえする。
振り向くと大河の裸が…それを思うと、一瞬で耳まで真っ赤になる。
「ふぅん、竜児の背中って以外と広いのね。筋肉もあるようだし」
「家事で結構筋肉使うからな、お前が来てから筋肉がついたような気がする」
「いい事じゃない。それなのにあんたは恩を仇で返して…いい根性してるわふんとに」
「いや、違うぞ。お前が来てから食料は倍になるわ家の掃除やらと2年前の倍になってるぞ」
「今はマンションの掃除してないでしょ。他の人住んでるんだし」
そう、竜児のアパートのすぐ隣には別の新婚夫婦が住んでいる。
一度目が合ってから、お互いカーテンは閉めきっている。洗濯の時以外は、だが。
大河が竜児の背を一通り洗い終わると、いきなり立ち上がった。
「竜児、ちょっと右向いてくれる?」
竜児は大河と背を向けていたので、右には石鹸やら鏡がある。そっちを向け、という意味だろう。
素直に身体ごと回れ右をすると、いきなり自分の右足に腰を下ろした。
「ちょ…お前、何を…?」
「ん?いつもしてるじゃない。それと見たら殺すから」
多分これは拷問…右足に裸の女が座っている。足だけならいいものの、大河は身体を全てを
自分に預けてきた。つまり、大河の背中と竜児の腹部は完全に密着していることになる。
乗ってくる大河の臀部やふとももはとても柔らかく、少し前かがみになれば
大河の全てを見てしまうことになる。完全に、とまではいかないが。
大河の肩やら背中やらうなじやらが視界の8割を埋め尽くす。
「……で、大河。お前が何がしたい。そんなに男心を弄びたいのか…?」
かろうじてそれだけ言うと、大きく鼻息を漏らした。
「ふん、その椅子小さいから乗っただけよ。何?興奮してるわけ?流石変体っ!」
「いやその理屈はおかしい。いつまでも自分の理性を保てると思ったら大間違いだぞ」
「身体洗うだけだから我慢しなさいよ、私だって…恥ずかしいんだし…」
じゃあやるなよ!という突っ込みは無しの方向で。一瞬の沈黙のあと、手にしていた
スポンジで自分の胸やら腹やら脇やらを洗い始めた。ここで竜児の息子さんが眠りから覚めた。
グググ、と龍のように起き上がり、最悪なタイミングで大河が横腹を洗おうとした時に、
コツン、と息子さんと大河の手が出会ってしまった。2人とも一瞬で石化する。
「……………」
「……………」
「………変体」
「………すまん」
しばしの沈黙を打ち破るように、大河がシャワーに手を掛け、水で石鹸を洗い落とす。
流し終わると、そのまま髪を塗らしてシャンプーをつけ、ワシャワシャと洗い始めた。
「なんだ、髪洗うならやってやるぞ?」
「いい。自分で手入れしないとスッキリしないしね。気持ちだけ受け取っとくわ」
そうか、とだけ言い、竜児も自分の髪を洗い始める。お互い密着したまま。
ふと大河の背中を見やると、小さな身体をもじもじしながら洗っている。
その背中を盗み見した罪悪感。お互い髪を洗い終え、再び湯船に浸かるために大河が立ち上がった。
「ふぁぁ」とうめき声を上げたが、なぜだかは鈍犬竜児にはわかるはずがなかった。
開放感と、喪失感で頭の中がゴチャゴチャになっているが、なんとか前を隠しつつ湯船にたどり着く。
熱い湯で汗なのか水滴なのかは分からないが、つうっと頬を水が滴り、ふと思う。
きっと、これから先もこんな事が続くだろう。
お互いを高めあい、尊敬しあい、時には求め合う事もあるだろう。
今と変わらず、罵倒される事もあるだろうが…きっと、いい未来が待ってるに違いない。
2年前は考えた事も、考える想像力もなかった。その時は、櫛枝一筋だったから。
でも今は違う。泰子が居て、インコちゃんが居て。そしてかけがえの無い者もいる。
時には喧嘩して、いがみあって。それでも並んで2人で生きていく。
それなら、別に罵倒くらいされてもいいかな。侮蔑の言葉を浴びせられようが、
俺はこいつを守っていく、養っていく。そんな未来も悪くは無い、むしろいい方だ。
もしかしたら…こんな人生を望んでいたのかもしれない。きっと、何年も前から。
櫛枝のように常に輝いていなくても、無理して笑っていなくても、
俺は、大河が好きだ。それはきっと変わらない。思いが膨れる事はあるだろうが。
ニヤニヤしていた自分に大河が一言。「気持ち悪い」
おわり
みんなのセンスあるタイトル付けに期待!
>>302 ニヤニヤ成分ないとか、どの口が言うかwww
>>303 並みのギシアンよりエロいんですけど・・・
日曜朝からオッキさせられて、どうしてくれる!!
>>302 あれ、よく見たら横座りじゃなくて……跨 っ て る ん で す か
>>307 はい、そうです。
しかし大河にはアレがないのでチクチクしません。
あれ?なんで窓が開いてるんだ?
>>304の者です
そういえば座り方書いてなかった…w
竜児の右ももに股がってるって事にしてください。
毛?なにそれ?
手遅れだっ
>>308「くそッ! 木刀を持ったとんでもない美少女が部屋に来た…動けねえ… だがオレの方も恐怖を感じているヒマはねえ!」
>>308「そこで問題だ! この限られた室内でどうやってあの攻撃をかわすか?
3択−一つだけ選びなさい
答え@ハンサムの
>>308は木刀を真剣白羽取りする
答えA偶然にもアレルギー性鼻炎によるクシャミによって攻撃が逸れ、助かる
答えBかわせない。 現実は非情である。
おれがマルをつけたいのは答えAだが期待は出来ない…
最近は竜児の甲斐甲斐しい世話によって大河の生活環境は劇的に向上している…
やはり答えは…@しかねえようだ!
「答え−B 答えB 答えB」
ドドドドド独独独独独ッ!!!!
>>308 リタイア
再起不能
この流れなら投下できる!
ということで、短編を投下。
煮るなり焼くなり好きにするといいと思います。
「Hands」
2008.12/25、AM1:00、逢坂大河は目を閉じていた。眠っているわけではない。
彼女はつい先ほど、自分の恋心を封印した。
彼女は高須竜児という男に惹かれていた。
だが、彼には櫛枝実乃梨という彼女の親友に好意をもっていた。
はじめは、お互いの恋を応援する。
だったはずなのに
「どうしてこうなったんだろう…」
大河はひとりごちる。
涙も枯れた。
寝室のすぐ隣、本当にすぐ近くに彼の寝床はある。
電気はまだ消えたままだ。
「こんなに近いのに」
まるで、バリケードが貼られてるみたいだ。
大河は目を閉じ
「ねぇ、竜児」
今日のことが夢だったらいいのにね。
今までのことが夢だったらいいのにね。
お互いがすれ違うことなく
私たちがそれぞれ思いあって、好きになって、それで…
今日がもっと…
「・・・・・・っ」
涙は出ないが、脳と涙腺が「泣け」と命令している。
肩は振るえ、誰が見るわけでもないが目元を隠す。
ふと、窓を見る。
やっぱり明かりはついてない。
涙は枯れたが、自分は水の中をただよっている。
もう一度目を閉じる、嗚咽という疲労感が今度は眠りへと連れて行ってくれるだろう
眠りから覚めたら、今度はどんな景色が広がってるんだろう
「…が。…いが。大河。」
竜児の声がする。
大河は陸地へ浮揚した。
>>314続き!
***********
2009.12/25、AM1:00、高須竜児は狼狽していた。
自分の隣で眠る女性、逢坂大河が急に涙をこぼし始めたからだ。
つい2時間ほど前二人は、全世界の恋人がするような行事を行い。そのまま、彼の家へとなだれ込み。
大河は疲れたのかすぐに眠ってしまい、竜児はその横顔を見守るように見つめていた。
そんな大河の閉じられた瞳から涙がこぼれていた。
なんだってんだ?
竜児は困惑する。悪い夢でも見てるのだろうか、起こしてやらないと、肩に手をかけようとしたその時
「これが、夢だったら」
大河の声を聞いた。
「そうだよ、大河、お前は今、夢をみてるんだよ。」
そういうと、肩に手をかけてゆすりおこす
「たいが。たいが。大河。」
何度も呼ぶ。
「ん…」
目が覚める。視界はぼんやりしているようだが、ちゃんと竜児の顔は見えてるようだった
「大河、大丈夫か?」
「うん。ね、りゅーじ」
大河は、ごしごしと目をこすると竜児の手をとり
「夢見てた。」
「ああ、そうみたいだな。」
竜児はその手を握り返す。
「手、つないでくれた」
「?」
当たり前だろう、と思ったが、大河は言葉を続ける
「嫌な夢だった。昔の夢見てた。去年の、全部夢だったらいいのに、夢の終わりに竜児がそばにいて」
続ける
「手をつないでくれたらいいのに。ってそう思ってた。」
だから、うれしい。と大河はまた泣いた。
「夢じゃないだろ?」
ほら
竜児は手を握る、愛しい人の手を、体温や気持ちが溶け合って…
「竜児・・・・ありがとう。」
大河は、温かいその手を握り、見つめあい
やがて二つは一つになった。
*****************************
参考:m-flo「Hands」
これほど素晴らしい夢オチは竜虎以外には似合わないぜ!
317 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/10(日) 16:34:36 ID:3HI4OqUq
318 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/10(日) 16:35:20 ID:amvEq/gg
身長差のあるカップルになりたい
319 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/10(日) 16:37:50 ID:3HI4OqUq
323 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/10(日) 16:46:33 ID:3HI4OqUq
324 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/10(日) 16:49:19 ID:3HI4OqUq
>>314-315 良いねーとっても良いねー
>二人は、全世界の恋人がするような行事を行い
ズギャッ!なぜかうらやましい!
贅沢言っていると婚期自体を失うぞ・・・機会があれば妥協しろ
326 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/10(日) 16:49:39 ID:3HI4OqUq
>>314です。
>>316 ありがとーです。夢オチってありきたりと思ったけど、評価してくれてうれしいです。
>>324 俺もうらやましいです。
全世界の恋人が行う行事を俺も行いたいです。
【とらドラ!】大河×竜児【ドキドキ妄想】Vol7の300くらいまで保管しました。
>>188 ご指摘ありがとうございます。修正しました。
>>288 とらドラ!絵を見るためにpixv登録している俺にスキはなかった。
>>タイトル
ププププレッシャアー―――ッ!!!
ええと、適当に付けてスミマセン。変えたい時は遠慮なく言って下さいネ!!
うおおまとめ乙!!
タイトル吹いたけど直されてたのかな?
それと恐れていた事が起きたぜ…
携帯からまとめを見たら最大表示サイズを越えて
全部表示できないという悪夢\(^o^)/
あ、タイトル「プレッシャry」
にしたのかと思ってたw
タイトル付けありがとうございますっ
>>328 乙!
>>270 4間目が終わった鐘が響いて、各人それぞれに昼休みへ突入していく。
そんな中私は、お昼を食べる気にもならず、机に突っ伏したままだった。
『1話if・5』
「どーした大河ー?お昼食べないのかい?」
「うん・・・なんだか食欲なくて。・・・外の空気吸ってくる」
机をつけたみのりんが聞いて来るけど、それに答えるのもなんだか億劫。
適当な言い訳をつけて席を立つ。
背中に、心配そうにみつめる視線を感じる。
ごめんねみのりん。
でも今はそっとしておいて欲しいの。
この・・・自己嫌悪が私を苛む間は。
後ろ手に扉を閉めて溜め息を一つ。
頭に思い浮かぶのは・・・高須竜児とのやり取り。
「なんで・・・あいつ・・・」
歩きながら知らず洩れる呟き。
それはさっきのあいつの言葉。
「おまえは苛ついてるだけだ」
はっきり言って衝撃が走った。
今まで誰も・・・みのりんすらも気付いてくれなかった私の感情。
それを、初対面でずばり言い当てた奴。
驚いて、嬉しくて、でも怖かった。
そう、私はあの時怖かった。
歩きながら唇をギリと噛む。
私に優しくしてくれた人。
優しくしてくれようとした人。
それら全ては、私の元から去っていったから。
みのりん以外。
みのりん自体が奇跡のような人。
だからそれ以外に、私を受け入れてくれる人など皆無だと思った。
それは高須竜児も一緒だ。
口では調子のいい事を言いながら、結局私から離れていく。
私の心をズタズタにして。
なら最初からいらない。
後で傷つくくらいなら、いっそ最初から拒絶してやる。
だから・・・
「あいつの優しさなんていらないんだ・・・」
>>332 そう呟いた時に、ふと落ちる雫。
なんだろうと思って見る。
そしたら立て続けにパタパタと床に落ちる。
落ちて染みになる。
「・・・な、なにこれ・・・?」
呟いてふと触れた頬。
その感触に戦慄した。
「・・・私・・・泣いてるの・・・?」
溢れ出した涙は、自覚した途端その勢いを増した。
拭っても拭っても出てくる涙に、頭の妙に冷静な部分が自分に言い聞かせてくる。
本当は優しくして欲しいんだろ、と。
「そんなことない・・・」
そんなこと無い。私はそんなに弱くない。
一人で生きてくって決めた。
家族も捨てた。
誰にも縋らないって誓った。
だから私は弱くない。
でもどんなに思ってみても、どんなに言い聞かせても、涙は止まってくれない。
いっそ止まらないなら、せめて誰にも見られないところへ。
私は流れる涙をそのままに、屋上へと続く階段に駆け出した。
そのまま一気に駆け上がり、扉に手を掛けた。
その時、誰かの声が聞こえた。
どうやら屋上に誰かいるらしい。
なんて間の悪い。
イライラしながらも、そっと扉を開けて覗き見る。
隙間が空いたおかげで、声もよく聞こえる・・・え?
聞き覚えのある声に、その人物の姿をさがす。
程なくして見つかった後ろ姿。二人の。
視線の先に、北村君とあの高須竜児が並んで会話をしていた。
>>328 毎度乙です
エロパロのまとめサイト全然更新されんがどうしたんだろう・・・
>>328 アーザース。
初投稿であげてもらえるとうれしい、いやーハッピー。
「わたしとやっちゃん」 ですが、
s/バレンタインデータ/バレンタインデー/
をお願いできますでしょうか。
>>328 乙です。
スレのみんながいて、神々がいて、あなたがいる。
ここは、素晴らしい場所ですね。
今日も良作豊作だな。
早く麻薬の人も来てくれ〜
「……はぁ。GWもとうとう終わりね」
「そうだな」
「…………結局どこにも出かけなかったわね」
「嫌だったか?」
「ううん。でもちょっとくらい恋人時代の思い出作りしたかったなぁって」
「……大河、お前まさか……」
「なんて顔してんのよ! ま、まさかなんか変な勘違いしてないでしょうね?」
「……大河」
「だって来年の今頃は、私達夫婦でしょ」
「ごめん。俺、そこまで気がつかなくて……」
「いいのよ。竜児とずーっと一緒に居られて嬉しかったし」
「……ごめんな。夏休みはいろんなとこに行こうな」
「ありがと」
「……お詫びと言っちゃなんだが、今から、その……思い出作らないか?」
ギシギシアンアン
>>338 それでできるのは、思い出じゃなくて結晶じゃね?w
>>254続き
イライラする。
タリナイ、ミタサレナイ。
机に肘をついてとんとんと指で机を叩く。
結局竜児は教室に来てからも私に見向きもしない。
朝のあれはなんだったのか。
今のコレが照れ隠しだとしても度が過ぎている。
ああ、イライラする。
よくタバコを我慢している人がイライラするって言うのを聞くけど、これも似たようなものなんだろうか。
「高須くぅん」
「おぅ、どうした川嶋」
またうるさいのが竜児に近づき始めた。
「今日は逢坂さんと随分距離取ってるなぁって気になってねぇ?」
「お、お前……」
竜児がたじろぐ。
「え〜何〜?」
「お前、聞いてたな?」
「何のこと?亜美ちゃんわかんな〜い♪」
ばかちーがかわいこぶって竜児の腕に絡みつく。
「なっ!!」
声を上げて反応したのは竜児……ではなく私だった。
怒りが頂点近くまで達し、自分がこれだけ我慢していることをにべもなくやってのける発情チワワに我慢がならない。
「あっれぇ?どうしたの逢坂さぁん?」
勝ち誇ったように笑みを深める。
「うっさい離れろ、ばかちー改めえろちー」
ギン!!と一睨み。
コブシを強く握りしめる。
「え〜?何で〜?逢坂さんには関係ないでしょう?」
ニタァとからかいを含めたような笑みを浮かべて、私を覗き込む。
イライラする。
癇に障る。
竜児の腕を今だ掴んだ細い指が……許せない。
ドォン!!!!!
でっかい音。
次いで衝撃と……再び音。
私は怒りの余り机を蹴り上げていた。
最初の音は蹴り上げた音で、次の音は床に落ちた音。
「な……?アンタ正気?何もそこまで……!?」
その時の私はさぞ情けない顔をしていたのだろう。
えろちーが息をのむ気配を感じる。
私は間違いなくイライラし怒りに身を任せている。
だが、起こした行動は怒り、だというのに目から零れそうになる雫は、感情が悲哀だと物語っている。
「っ!!」
私は駆け出した。
このまま、こんな姿をさらしたままこの教室にはいられない。
***
がむしゃらに走る。
走って走って走りまくって、気付けば屋上にいた。
だれもいない屋上。
風がビュウビュウと吹く中、私はさらに扉の上、屋根に当たる場所へと上る。
ここがこの学校で一番高い場所。
恐らくこの学校内で一番小さい私が、今一番高い場所にいる。
ドサッと横になる。
普段なら隣にいる竜児が「コラ、服が汚れるぞ」などと諫めてくれるが今は生憎一人。
それとも竜児なら、「寝るなよ」と言ってくれるだろうか。
いやいや、竜児のことだ。きっと……。
「竜児……」
次々と生まれてくるのは竜児のこと。
これはもう、逃れようの無い事実。
普段ならいる竜児がいない。
竜児がいない。
竜児が、いない。
「ははっ……それが、嫌なんだ」
目を閉じる。
麻薬?とんだ思い違いだ。
常習性?
これはそんなちゃちなもんじゃない。
言葉にするなら、これはそう……もっと甘くて切ないもの。
例えるなら自分は……恋の麻薬とでも言うようなものに酔いしいれていたのだ。
だって竜児がいると嬉しくて、いないと悲しい。
竜児が私のためにしてくれることが幸せで、他の女といるのが寂しい。
もう、心から竜児が欲しいと思う感情を『禁断症状』などという偽った表現で表したくはない。
「いつの間にか、私は……」
目に腕を乗せて地球に住む人間に等しく降り注ぐ日光を遮る。
これで、お日様にも私の閉じた瞳から流れ出る物を見られなくて済むだろう。
***
いつまで私はそうしていたのだろうか。
気付けば空は赤く染まり、風も一段と冷たくなっている。
もう放課後、という奴だろう。
「……ふわぁ」
欠伸が出る。
昨日眠れなかったせいか、随分と眠ってしまっていたらしい。
「……帰らなきゃ」
考えが纏まらないが、これ以上ここにいるのも得策じゃない。寒いし。
「よっと」
すたん、と屋上の床に降り、出入り口に向かおうとして、気付く。
「アンタ、やっと起きたのね。っていうか寝すぎ!!もう超待ったんですけどー」
腕を組み、扉に寄りかかって体重を預けているばかちーがそこにいた。
「……何の用よばかちー」
「……もう大丈夫みたいね」
「さぁね」
誤魔化す。
大丈夫、とは何のことか想像くらいつく。
こいつの前であんな顔をしてしまったのだ。
弱みを少し持たせてしまった数時間前の自分が恨めしい。
「まぁ、今回は亜美ちゃん悪くないんですけど〜何か後味悪いから教えといてあげる。帰る前に相談室に寄ってみな。まだ……いるはずだから」
じゃね、と片手をひらひらと振りながら去っていくばかちー。
「……相談室?」
何のことかはわからない。
わからないが、足は自然とそちらへと向いていた。
***
ばかちーに言われた相談室。
扉は閉まり、今だ使用中なのが伺える。
「……何なのよ」
意味がわからない。
ただでさえ今日は心境がごちゃごちゃになってるって言うのに。
こんなところにいても何か意味があるとは思えない。
さっさと帰ろうと踵を返そうとし、
「ですから大河は……」
足を止める。
竜児の声が聞こえる。
耳を、澄ませてみる。
「大河は気分が悪くなって保健室に行ったんですって。昨日も言ったじゃないですか!!俺が付き添いで……」
「でも、あの日保健の先生はお休みだったの。それを証明してくれる人がいないのよ。貴方は一時間も戻って来なかった、それだけが事実としてあるの」
「それは……大河が眠るまで付き添っていましたから」
「本当に?」
「……ええ」
「廊下で貴方達を見たって言う生徒がいるのよ?」
「えっ!?」
「抱き合って、その……いかがわしかったと聞いてるわ」
「……見間違いではないでしょうか」
「高須君、気持ちはわかるわ。けどやはり昨日も言った通りしばらく逢坂さんとは近づき過ぎないようにしてほしいの」
「!!何故ですか」
「ここは公共の場で、学校なの。その、そういった行為をたとえしていなくとも、しているとみられるような行為が排斥されなくてはいけないの」
「大人の勝手じゃないですか」
「そう、ね。でもそれもわかってはもらえるでしょう?」
「……ええ、それは」
竜児が力なく頷くような声の後、しばらく沈黙が続く。
私は、この場を静かに後にしながら、心の中でばかちーに感謝した。
***
「失礼します」
扉をガラリと開けて一礼してから退室する。
随分と遅くなってしまった。
「……はぁ」
溜息が出る。
昨日も先生に呼び出されしばらく問い詰められた。
おかげで保健室に行くのが遅れたし。
そうだ、大河。
大河はあれからどうしただろう?
もう帰ったのだろうか。
不安と焦燥が入り混じり、歩く足も重くなる。
下駄箱で靴を履き替え、もう落ちかけた夕日を見て、タイムセールに間に合わなかった事にウンザリしながら校舎を出る。
ふと、自分の方に影がさしている事に気付く。
俺の目の前には、その身長をうかがい知る事は出来ぬ影。
でも、シルエットからそれが誰のものかは容易に想像がつく。
「……大河」
「……遅かったじゃない」
小石を蹴り飛ばしながら、さもつまらなさそうにこちらに振り向く。
「……お前こそ、午後の授業まるごとサボりやがって」
「気にしたもんじゃないわ」
大河は、本当に気にしてないように言いながら隣に並ぶ。
「それより、今日はこれから買い物?」
「あ、おぅ」
「ならさっさと行きましょ。やっちゃんが待ってる」
いつもより棘が抜けたような話し方をする大河。
何処か、スッキリとしていて何かを決意したような、そんな雰囲気。
「……おぅ」
先に歩き出した大河の横に、並ぶように俺も歩く。
隣にいる垢抜けたような大河を見て、今夜は美味いものを作ろう、そう思った。
「そこだー! いけー!」
「……」(柔道か。大河が妙な影響を受けなければいいが……)
「やったぁ! 一本勝ち! 優勝よ!」
「おお、すげーな」
「今夜はごちそうね、竜児!」
「そうだn……って待て。優勝はめでたいが、俺たちには関係ないだろ。それに今日の晩ご飯はもう肉じゃがって決めてあるんだ」
「……むぅ」
「……柔道もいいわね」
「?」
「とりゃあ!」
ドデン
「うおっ! こら、大河」
「ふっふっふー。大河様の縦四方固めよ! 外せるもんなら外し……」
「外すもんか!」
「ひゃあ、ちょっと竜児どこ触っ……」
ギシギシアンアン
>>342 面白い。素直に面白いと感じる。
所々言葉の使い方で引っかかるんだが、そういう事が些細だと思えるほど
荒々しいおもしろさを持った作品だと思う。
345 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/10(日) 23:57:52 ID:QnZ1o1FF
茜差す粗末なアパートの一室
そこには二人の男女が居た
一人はまるでフランス人形のような美しい少女
もう一人はさながら組の若頭のような凶悪な人相の少年
少年は少女に恋をしていた
少女もまた少年に恋をしていた
少女は見た目とは裏腹の凶暴な性格を持っていた
少年はその見た目が故に他人から避けられる日々を送っていた
しかし彼らにとってはそれさえもが愛おしく、何の障壁にもならない
「竜児……」
「大河……」
愛しい人の名を確かめるように呼び合い、二つの影が近付いていく
少年はいつしか一人の男となり、少女はいつしか一人の女となる
他に誰も居ない粗末なアパートの一角で、少年と少女は手を取り合い、大人への階段をのぼっていく
今、二つの影が交差し、崩れるように床に落ちていく
さあ、二人だけの為の愛の讃歌を聴こう――
――ギシギシアンアン
>>342続き
***
もうみんなが寝静まるような夜中、私はいつも通り天蓋付きのベッドからむくりと起き上がる。
昼間に寝たおかげか、目はばっちり冴えている。
ベッドの傍にある窓を開け、隣に見えるベランダに静かに降り立つ。
もう慣れたもので殆ど物音など鳴らさない。
でも、今日で最後にする。
今日で、この泥棒みたいな真似はおしまい。
今日は朝まで、竜児が目を覚ますまで横にいる。
竜児はきっと驚くだろう。
その時、少しでも私に心を傾けてくれたなら、私は今までの事、そして自分の気持ちを告白しよう。
そう、決めた。
もう、決めたんだ。
胸がドキドキする。
今までとは違ったドキドキ。
イタズラが最初であったはずなのに、すでに今の心はイタズラとはある意味一番遠いところにいる。
一言で言って、本気。
竜児は担任と私の事で話していた。
大した事ないと思っていたけど、社会的にはやっぱり認められない。
だから、本気。
間違ってるかもしれない。竜児にその気は無いかもしれない。
それでも、私はこの気持ちをストレートにぶつける事に決めた。
ここまでの気持ちは、かつて北村君にラブレターを出そうとした時以来だろう。
あの時、ドジをしたために竜児とこんなに知り合えたんだよね。
だったら私のドジもまんざらじゃない。
そう思いながら、ベランダのガラス窓に手をかけガラッと……開かない。
「……え?え?」
ぐいっぐいっと引くがびくともしない。
今朝の竜児の言葉が蘇る。
『やっぱ今度からここも鍵かけとくか』
「あんの馬鹿犬……!!」
ぷるぷると震える。
前言撤回。
自分のドジというか、これは自分のせいではないだろうからめぐり合わせの悪さに嫌気がさす。
「今の、この気持ちのうちに竜児に逢いたいのに……!!」
確かに、普段から感じる竜児への欲求はある。
だが、そこまで激しいものじゃない。
昔、何かで読んだことがある。
「恋とは、勢いが強く気持ちがまだ若いところが多い。しかし、やがて恋は昇格し、穏やかな『愛』になる」
今の私はきっと竜児に恋してるんじゃない。
いや恋はしているだろうが、そのもっと先、こんな事を口に出すのは恥ずかしいが、恐らく『愛している』というのが妥当だろう。
ボッと頬が熱くなる。
自分で自分の感情を分析してたら恥ずかしくなってきた。
「……待ってなさいよ、竜児」
今日は、最後まで布団にいてやるんだから。
***
静かに、とはいかなく、扉の開く音がする。
結局、いざという時のために預かっていてた高須家への合鍵を使用した。
幸い、ここに来るまでに誰とも会わなかったが、ほとんどフリフリワンピースの寝巻き姿の自分を誰かが見たら、何を言われたかわかったもんじゃない。
ここまで上手くこれたのは僥倖と言えよう。
しかし喜んでばかりもいられない。
本番はこれからなのだ。
ゆっくりと竜児の部屋まで徘徊し、やがて部屋の前に止まる。
サァと小さい音を立て、襖を開けるとそこには静かな寝息を立てている少年が一人。
今日も目を閉じているその姿は、相応に格好いい、を通り越して愛おしい。
無音が支配する世界に唯一つ、竜児の吐息が耳を打つ。
その鼓動を、もっともっと間近で感じるために、そっと布団をめくり、さっと中へと入る。
途端に感じる温かみ。
あはんと蕩けそうになる。
いや、既に蕩けている。
まずい、心を正確に分析したせいだろうか。
暖かさから得られる竜児への快感がいつもの5割り増しくらいある。
腹の中央からもくもくと表現不可な煙のような感情が湧き出し、体全体をくすぐる。
「……あぅ」
これは……想像以上にキツイ。
恋ではなく愛。
そう思うことで一歩オトナになったんだと言い聞かせたが、そんなものもはや関係無い。
竜児という男はどこまで反則なのだろう。
掃除をやらせてはプロ並。
料理を作らせてもピカイチ。
凶眼を覗けばルックスも悪くなく、思いやり完備。
そして……これだ。
耳に届く熱い吐息。
胸の鼓動から全身へと回る優しい体温。
そして私と混じりあった臭い。
「ああ……」
もう、だめだ。
言い訳も出来ない。
私はこいつを愛してしまった。
好き、のレベルなどとうの昔に過ぎ去ってしまっていた。
竜児はきっと困るだろう。
目覚めたら横に私がいるのだ。
アンタを愛している私がいるのだ。
でも、しょうがないじゃないか。
人を好きになるのに理由はいらないと言うが、私には理由がある。
竜児が竜児として傍にいてくれる。
それが理由。理由とは呼ばないかもしれない。でも、それが全て。
「ん……たいが」
ゾクゾクゾク!!
体が、心が、魂が震える。
耳元で囁かれる。
「……俺……お前……好き、かも」
「!!」
目を見開く。
たとえ寝言だろうともう一度聞きたい。って言うか言え。すぐ言え。今言え。ほら言え。
「私もよ、竜児。アンタを残りの人生全てで愛してあげる。だから……」
だから言え。求めるものはもうソレしかない。
目覚めるまでなんて、とても待てない。
フライング、と言われればそれまで。
もしかしたらとんでもなく怒るかもしれないが、いざという時はバレなきゃいい。
「うむぅ……むちゅ……あん……」
どうか、りゅうじ。私を受け止めて……。
***
いつもの香りとともに目が覚める。
今日は珍しく夢を見なかった。
こんな日もある、と思いつつも寂しい。
寂しがりながら、癖になってしまった鼻一杯に香りを吸い込むための深呼吸をする。
すぅっ……!?
「おぅ!?」
鼻に髪の毛が……!?
髪の毛?
「おわぁ!?」
「……起きたわね」
ふにゃあとなった大河がとろんとした目で、こちらを見ている。
そうか、今日は夢を見なかったじゃんなく、今はまだ夢の中だったのか。
隣、というか胸の中で大河が横になっていることで、妙に納得する。
毎日見ていた夢だ。
そう簡単に変わるものか。
というより毎回夢はいいところで覚めてしまうのだから、いい加減最後まで行き着きたい。
「……いや、寝てるぞ大河」
「……はぁ?だってアンタ起きて……うむっ!?」
唇を吸う。
やった、とうとうキスできた。
「んーっんーっ!?」
「……んぅ」
貪るように舐め尽くし、吸う。
大河は最初こそ若干抵抗したものの、すぐに受け入れてくれた。
夢って奴はなんて都合がいいんだ。
「……ふぅ」
唇を離す。
大河は顔をさくらんぼから林檎くらいにまで赤くさせている。
くらっとくる。
可愛い、綺麗、オマケにトキめく。
「……大河、好きだ」
「!!ほ、ほんとう!?」
驚いたように聞き返される。
「ああ、何故か毎日お前の香りを感じるんだ。お前の香りがもう、俺の一部なんだ」
夢でなら、恥ずかしいセリフもポンポン言えるってもんだ。
「りゅう、じ……りゅうじぃ!!」
泣きながら抱きつかれる。
よしよしと撫でてやる。
現実でこう上手くいくにはどれくらい大変なんだろうと考えてみるが、今は野暮ってもんだ。
「たいが……」
「りゅうじ……」
もう一度、深い深い口付けを交わす。
「んぅ……むちゅ……あふ……はぁん」
離れるのを拒む激しい唇の吸いあいは、果てしなく続く。
そのまま二人は布団の仲で悠久の接吻を交わし続ける。
一方は想いが叶い、一方は夢だと思っている二人。
それでも想いを同じくし、キスし続ける。
夢だと思っている竜児が現実だと気付くまではあと一万秒、二人が真の意味で結ばれるまではあと一億秒。
決して楽ではなく、障害も多い。
しかし、二人が笑える、一緒にいられる。
そんな未来が、これからやってくる。
――――大好き、ううん、愛してる。
投下完了。
みんなありがとう。明日はちょっと投下出来なさそうなんで今日頑張った。
いやもう日付変わってるか。
>>344 ありがとう。違和感は多分あると思う。
今までの投下よりも行き当たりばったりで書いたから。
それでも楽しんでもらえてよかった。
最後ちょっと急いだが期間的に長く書く話っぽくなかったので短く纏めてしまった。
またそのうち長いちゃんとしたの書こうと思うから許して頂きたい。
GJ!
面白かった!次回作も期待しる
素晴らしかった・・・GJです。
正直言って、あと一万秒も読んでみたい気がする。
するが、こんなに綺麗に幕を引かれるとそれも野暮かなとw
来週も頑張る力をもらったよ、ありがとう!
355 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/11(月) 01:27:37 ID:XsDuARKr
>>350 乙です。すばらしい作品をどうもありがとう!
また書いてくださいね〜
>>346 あたしが書いた『if』ネタ、勘違いしてるわね。いいわよ、もう書かないから。
>>356 良く判らんが、書かんのはMOTTAINAI。
>>328 乙、まとめで読む自分としてはこの時が一番待ち遠しい。
で、幾つか小話投下した者だけど、あれ分けるのに不都合があったら
「かるとら」って題名の中の1つに纏めてくれて構わんので。
つーか更新時に面倒だと思ったのと、4コマ漫画みたいなノリで書いたから
「かるとら」って題名を名前に入れて、そこから更にタイトルつけてた。
言えば良かったな……、反省。
勿論今から更新する方が面倒なら、全然それで良いので。報告まで。
後、「Sankyu」に吹いた。
ss投稿される方ってホント皆さん才能感じます
引き込まれるモノ、楽しいモノ
短編も長編もどちらも読んでて楽しい
書かないって言われると淋しいですね
ここに作品読みに来るのがすっかり習慣になったROM専としては
1話if大河の心情よかったし
1話ifを壮絶なラブEndに持ってってほしいなぁw
361 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/11(月) 09:27:38 ID:AXzuq/cH
>>329 ファイルシーク通して閲覧余裕でした
てか携帯で見てる人はURL直接アクセスしてんの?
362 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/11(月) 10:23:05 ID:gnZ9yOe4
「ねえ竜児」
「ん?」
「大好き」
そう言って見上げる顔。
あなたの照れた顔が大好き。
『大好き』
「なななに言ってんだお前、いきなり!?」
慌てながら、私を見返すあんた。
ああ。なんて素敵。
一歩踏み込む。
「えへへ、竜児顔真っ赤」
笑いながらみつめる顔は、怒ったような仏頂面。
でもわかってる。
「照れてんね」
「うるせえ」
否定しないのは正解の証。
ああまったくあんたったら。
「ちょ!おまっ!!」
いきなり抱きついた右手。
いいでしょ?
もう我慢できないんだもん。
「いいじゃん誰も見てないし」
そういいじゃん。
あんたが照れるくらい。
「えへへ」
思わず零れる笑い。
ああ、なんて幸せ。
>>363 抱きついた腕を、より強く抱き寄せる。
為すがままのあんたが少し可哀想かも。
「竜児?」
「・・・なんだよ?」
「・・・」
「大河?」
ちょっと間を置いただけ。
それだけで心配そうに見下ろしてくるあんた
ばーか。
『ちゅ』
だから、思いっきり背伸びしてやった。
「な!おまっ!?」
思わず口に手をやるあんた。
ダメよ、右手は離してやんない。
「にへへ。してやったり」
得意気に微笑む。
恥ずかしいんだよね?
顔を逸らして隠したつもりかもしれないけど、耳まで真っ赤っ赤。
「バレバレだよ竜児」
「・・・うるせえ」
言いながらいじる前髪。
ああ、なんて可愛い。
そんなとき。
押さえ様も無い笑顔を向ける私に、あんたが小さく呟いた。
真っ赤な顔で。
「・・・なあ大河」
「なに?」
「・・・もっかい・・・していいか?」
「!!」
なんて不意打ち。
迎撃無理の核爆弾。
そうして私も真っ赤になった。
ばかばかばか。
でも・・・。
「・・・うん」
小さく頷いて、掴まる手をぎゅっとした。
ああ・・・もう、大好き。
そんなある日の帰り道。
365 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/11(月) 13:12:10 ID:qZTLnBpX
今日は二人で初ドライブ。竜児が社会人になって3年、何かと便利だろうからって車の免許を取った記念なの。
車も買っちゃった!緑のパステルカラーのかわいいの!中古車だけどそれは仕方ないや。竜児は最初嫌がってたんだけどワガママ言っちゃった。
どこに行こうかーって話してたんだけどなかなか決まらなくて、結局近所のドライブウェーを走って途中どこかでお弁当食べて帰ろうって話になった。楽しそうでしょ!
お弁当の中身はサンドイッチで決まり!私も手伝うって言ったんだけど時間かかるし怪我するからダメだーって竜児がいうの。まったくいつまでも子供扱いしないで欲しいわ。今度の竜児の誕生日にはびっくりさせてあげるんだから!
運転してる竜児はホントかっこよかった!あんまりかっこいいからずっと竜児の顔見てたらたまに気づいてこっち向いて微笑んでくれるの。もう溶けちゃいそう!運転中だからすぐに前向いちゃうのがちょっと寂しい。
でね!そのお昼ごはんなんだけど……
「何書いてんだ大河〜?」
「!!」バタンッ!
「ななな何見てんのよエッチ!!」「エッチ??なんだよお前そんな事書いて」
「違うわよ!!っていうかどっか行きなさいよ!地獄のモルグにたたき落とすわよ!!」
「お。久しぶりだなそれー。何年ぶりだ??」
「……!……!……!」
「何言ってるかわかんねーけど……ハイハイ。どっか行きますよ。」
「あ、竜児」
「ん?」
「今日は楽しかった。また行こうねっ」
「……おう!」
……何かこうとしたか忘れた。遺憾だわ。竜児ったら人の日記覗こうとするだなんて。もう。
でもね、ホントに今日は楽しかったの。また行こうね!竜児。
大好きだよ。
>>347 ありがとう!ギシアンネタで初めてレスもらった気がする!
あとsage忘れスマン
367 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/11(月) 13:45:44 ID:AXzuq/cH
368 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/11(月) 13:54:16 ID:AXzuq/cH
>>364 これだよ!これこそニヤニヤの源泉!
>>365 ちなみにカップル板行けばこんなのがいっぱい渦巻いてるw
370 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/11(月) 14:50:37 ID:AXzuq/cH
カップル板に書き込めることが何も無いが特に問題は無い
バトン。ノリのいい皆なら乗ってくれるはず。
一人一行まで!
「竜児、明日どこか出かけない?湖とか」
「そんなとこより?」
間島さんと釘宮さんが結婚しないかな
「ネパールへ行こうぜ」
「ネパール?」
「ネパールは南アジアの連邦民主共和国(2008年に王制廃止)。
東、西、南の三方をインドに、北方を中国チベット自治区に接する西北から東南方向に細長い内陸国である。国土は世界最高地点エベレスト(サガルマータ)を含むヒマラヤ山脈および中央部丘陵地帯と、南部のタライ平原から成る。ヒマラヤ登山の玄関口としての役割を果たしている。」
「エベレスト!?登りたい!」
>>379 おまえの身長だとちょっと厳しいかな・・・・
「なによそれ!?山登りと身長に何の関係があんのよ!?」
>>381 「わ、わかった、身長と登山は関係無い。認める、認めるから俺によじ登るのは止めてくれ」
ギシギシアンアン
384 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/11(月) 17:26:42 ID:LAMAplXQ
起伏のない断崖絶壁ではなぁ…
>>385 「どうやら死にたいようね?(木刀スラリ)」
>>374 釘宮さんには日野ちゃまがいるからなぁ。
声ネタとかウザイから
ウザイとは言葉が悪いけどスレチだな。
声優ネタは声優スレで。
391 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/11(月) 18:50:47 ID:gnZ9yOe4
以下声優発言禁止
バトンおわたww
大河「竜児」
竜児「大河」
大河「・・・竜児」
竜児「・・・大河」
大河「竜児♪」
竜児「大河♪」
別にチュルチュルパヤパヤではないw
大河「りゅーうじ!」
竜児「……?」
大河「セックスしよ!」
竜児「……!」
ギシギシアンアン
別に後悔はしていない
竜児「たーいが!」
大河「……?」
竜児「セックスしよう!」
大河「……!ば、バカッ!そんなあからさまに誘うなんて、なんてはしたないのかしら!このエロ犬ッ!」
竜児「……嫌か?」
大河「……ううん」
ギシギシアンアン
>>まとめ人さん
SNOWを書いているものだが、すまない、神主の名前を白桜に変えてもらえないだろうか?今読み返して、やらかしたことに気付いた。お願いします。
>>397 仲間がいたww
今ってもう通じんだろうな。
カーンチ♪ネタとかお前ら何歳だよ
東京ラブストーリーとか懐かしすぎて鼻血ふいた
402 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/11(月) 22:03:25 ID:AXzuq/cH
とらドラ!ラブストーリー
あーのひあーのときーあーのばしょできーみにあーわなかーったらー
・・・1話のことですね。
あたしゆゆぽと同じ三十路だけど、はっきり言ってみのりんネタについていけない。
ヒョー! ショー! ジョー! なんて知るかよッ!
>>403 あの子のネタ特殊過ぎw
覚悟のススメネタ満載なんて、誰もわからねーよwww
みのりんのネタは、体育会系のオタってことで納得してる
408 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/11(月) 23:29:14 ID:qZTLnBpX
>>397-404 こんなにも仲間が居るなんて!!!
わずか4行でこんなにレスもらうなんてやはりあのドラマはよく出来ているんですねw
409 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/11(月) 23:32:51 ID:AXzuq/cH
そもそも漫画原作
軽い短編書こうと思ったら、1万6千文字超えてた orz
新作投下します
おっぱい…じゃなかった 「You are too beautiful」
ktkr!!!
これを読んでから寝るか、読まずに明日まで我慢するか・・・・
・・・よし、正座して待ちます。
TO: 麻耶; 奈々子; 実乃梨ちゃん; タイガー; 高須君; 祐作
FROM: 亜美
TITLE: 別荘
みんな元気?夏休み楽しんでる?私は初日から仕事ばっかりでちょっとうんざり。
楽しみはみんなとの旅行だけだよ。
今年は一足先に母さんたちが使ったから、お掃除はそんなにしなくていいと思う。
また盛り上がろうね。
亜美
◇ ◇ ◇ ◇
今年も別荘にみんなで遊びに行こう!と言い出したのは亜美だった。
去年誘わなかった麻耶と奈々子もさそって、幾分大所帯となったが、もともと別荘は
十分に広いので特に問題ではない。仕事が忙しくなって夏休みにとても遊べそうにない
亜美からのたっての願いとあって…というわけではなく、全員一も二もなく賛成した。
高校最後の夏休み。静かな別荘で気心の知れた友達と過ごすなどすばらしいではないか。
反対の出るはずもなかった。
図書館に入り浸りで勉強をする合間に竜児と大河も、亜美の別荘に行ったらあれをしよう
これをしようとウキウキソワソワしている。竜児は友達のために料理の腕を振るうべく、
献立作りに余念がない。奈々子と実乃梨から、料理はぜひ手伝わせろと夏休みに
入る前から言われており、心強いばかりだ。
亜美と大河からは激辛料理に反対する強い事前意見が出たが、実乃梨からは
「ぜひ去年の方向で。今年は麻婆豆腐を」とのリクエストがあった。どっちにすれば
いいんだと思っているうちに、竜児には「今年は辛くない方向で」という結論だけが
メールで伝えられた。
水面下で亜美・大河連合と実乃梨の間にどんな暗闘が繰り広げられたかを竜児は知らない。
大河は花火担当になっており、どんな花火があるのか買い物のたびに花火コーナーを
チェックしている。この生まれついてのドジに花火を任せるとは命知らずな旅行だが、
当然その件に関しては「火事や怪我人が出たらコ・ロ・ス」と、亜美からにっこり
脅迫を受けている。竜児というブレーキあっての花火係である。
そんなこんなであっという間に時間は過ぎ、7月も大詰め。旅行まであと一週間と迫った
ある日。すでに十分暑いのに、まだまだ暑さのピークはこの先のとある晩。いつもの
ように二人で夕食を食べてテレビを見ていたときのことだった。
「なあ、大河。明日水着もってこいよ。念のために痛んだところがないか見といてやるから」
貧乏所帯に不相応な薄型テレビを見ながら声をかけた竜児に
「んーん。いい。今年泳がないから」
同じくテレビを見ながら大河がこたえた、その一言がきっかけだった。
「泳がないって、何でだよ」
思わず竜児が大河をにらみつける。身勝手なこと言いやがって。いつになったらその
わがままは直るんだ、この小娘。と、思っているわけではない。驚いているのだ。
この夏休みは今までの夏休みとは違う。大河と恋人同士で過ごす最初で最後の高校の
夏休みなのだ。みんなと一緒とはいえ、あのきれいで静かな海岸に一緒に行けるのだから、
二人で海を満喫しようと竜児なりに考えていたのに。
「んん?だって泳げないもん。それに水着嫌いだし」
「パッド作ってやったろう」
昨年、哀れ乳を北村の前にさらしたくないと泣いた大河のために、竜児は夜なべして
偽乳パッドを作ってやった。その後欠点を改良した2型は亜美の別荘に遊びに行った
ときにも大活躍したのだ。今年の水泳の授業では2型がそのまま使われ、問題ないことは
実証済みである。あとは学校用の水着に移した2型を再び旅行用の水着に移すだけなのだ。
見られることに何の問題もないはずだ。
「そうなんだけどさ。嫌なものは嫌なのよ」
大河はテレビのほうを向いたまま話す。
「何だよ。楽しみにしてたのによ」
「楽しみって?」
「だって、高校の夏休みはこれで終わりだぞ。せっかくお前と旅行いけるから楽しみに
してたのに」
「それは…わかるけど。でも、竜児も私の気持ち、わかってくれてるよね…」
ひっくり返って天井を見ながら愚痴る竜児に、大河の歯切れも悪い。大河だって、
海に入って竜児と遊ぶことができたら楽しいとは思う。が、しかし、やはり人前で
水着になるのは抵抗がある。
「だから、パッド作ったじゃねぇか」
「それなんだけどさ…」
ちょっと去年と違うのよ。と、大河がため息をつく。
「竜児にいまさらかっこつけても仕方ないのかもしれないけどさ、私哀れ乳じゃない」
「俺はそう思ってないけどな」
「…ありがとう。でもね。やっぱり自分でも哀れって思うのよ。去年は
『こんな格好北村君に見られたくない』ってわがまま言った私をあんたが助けてくれた。
本当に感謝してる。でもね、でもね。今年は違うのよ」
「何が違うんだよ」
「だって、私が哀れな姿をさらしたくないのは、竜児だもん」
赤くなって、つまらなそうにつぶやく大河に、竜児も黙り込む。そういえば、今年は
クラスが別々なので、水泳の授業も別々だ。大河の水着姿は見ていない。
「あんたには哀れな姿を見せたくないって思うのに、そのためのパッドを作って
くれてるのは竜児なわけよ。これってとっても複雑な心境よ。だって全部ばれてる
じゃない。何が悲しくて、偽乳パッドをフィアンセに作ってもらわなきゃならないんだろうって。
あっ!作ってくれてるのは本当に感謝してるのよ。ほんとだから!」
あわてて言いつくろう大河に
「おう」
竜児は相槌を打つのが精一杯。結局、その日は大河の
「だからさ。私は今年は泳がない。水着は着ない。ごめん」
笑顔に押し切られてしまった。
つまりはそれがきっかけだったのだ。大河にとって大変居心地の悪い事態を引き起こす
雑誌記事を竜児が読んだのは、その晩のことだった。
◇ ◇ ◇ ◇
友達と図書館で勉強してくる。ご飯は外で食べるからいい。
という言い訳がどこまで通じているのか知らないが、大河の母親はその言葉を額面どおりに
受け取ったように振舞っている。そういうわけで、若い恋人たちはあまり遅い時間でなければ、
二人きりの時間を持つことができる。
8時ちょうどに大河を家に送り届けた竜児は、帰りの道すがら、大河との会話を思い出していた。
(あんたには哀れな姿を見せたくない)
その言葉に嘘はないだろう。怒りっぽくて腕っ節が強いくせに、繊細で人一倍
傷つきやすい大河の事だ。さらっと言った以上のつらい気持ちがきっとあるだろう。
そういう大河を傷つけたくないと思う。強くそう思う。しかし、胸の中にある違和感が
どうしても取れなかった。竜児はこれまでも何度か大河の胸のサイズについて、
全然哀れではないと繰り返している。それは心の底から本気で言っているのだ。
竜児は大河の胸が哀れだとか変だとか、まったく思っていない。ひたすらに、
大河が愛しいだけだ。なのに、大河は自分で自分を哀れ乳と呼び、竜児に見せられないと
決めつけているのだ。
今となっては大河の定番自嘲言葉になった感がある「哀れ乳」だが、もともと心無い
落書き写真が出回るまで、大河は自分の胸のサイズなど気にしていなかったのだ。
今更ながら、こんな言葉を考え出した奴をとっつかまえて文句の一つでも言ってやりたくなる。
夏とはいえ、立秋も間近。暑さの方はこれからもう一山あるが、日のほうは少しずつ
短くなってきた。8時ともなるとだいぶ暗い。煌々とそこだけ明るいコンビニの
自動ドアをくぐりながら、竜児は大きなため息を一つ。泰子の分のデザートをカゴに
放り込んで、とくに何を見るわけでもなく雑誌のコーナーを冷やかす。買いたい本が
あったわけではないのだが…幾分下品そうな雑誌の表紙にあった「女の不可解な行動は
男のせい」というタイトルに手が伸びたのは、やはり偶然ではない。
大河が見たら2、3発殴った上に口をきいてくれなくなりそうなグラビアは飛ばし、
目的の記事を開く。大げさで意味のない写真とインクの無駄としか思えない巨大な
タイトルの下に、申し訳程度の記事が書いてある。
心底どうでもいい話の羅列に、雑誌を閉じようとした竜児だったが、最後に目に
飛び込んできた文章に息を飲んだ。
「…外国ではアザラシのように太った女性でも、水着を着てリゾートを楽しんでいる。
一方で日本人女性は十分綺麗な体をしていても水着を嫌がる…」
まったくだ、と思った。例えば実乃梨。ソフトボールで鍛え上げたしなやかな体の
どこに不満があるのか、ひたすら腹の肉の話ばかりして水着を嫌がっていた。まぁ、
亜美のような例外はあるものの、この記事が言いたいことは分かる。女ってのは、
自分の体型を気にしすぎなのだ。
お前もそうだぞ、大河。そう思った矢先、次の一文が竜児の心臓を撃ち抜いた。
「なぜなら、男が女性の体を笑うからだ。やたら人の姿や、やることを気にする
日本人男性は、あれこれ女性の体つきをうるさく言う。だったら、うるさくされないように
水着になるのを止めてしまえ。それが日本人女性が水着を嫌がる理由である」
なるほど。確かにそうだ。
竜児は雑誌を手に持ったまましばらくその場に立ちつくした。大河は以前は自分の
胸のサイズなど気にしていなかったのだ。それが心ない落書きのせいで、男たちが
自分をどう見ているのか知ってしまった。そして、北村が自分をどう見るか、泣く
ほど気にしてしまったのだ。じゃぁ、今はどうなんだ。大河は竜児に哀れな姿を
見せたくないといった。竜児が大河を憐れむと、哀れだと笑うと思っているのだ。
伝わってないじゃないか。
自分の気持ちが全然伝わってない。帰りの道すがら、呆然とした気分で竜児は
歩いていた。何てことだ。お前は哀れ乳なんかじゃないと何度繰り返しても、
大河は考えを変えなかった。それは大河が頑固だからじゃないのだ。竜児の気持ちが
ちゃんと伝わっていなかったのだ。そして、自分のうかつさにも気がつく。
たしか1,2度、自分も大河のことを軽い気持ちで「哀れ」とからかったことがある。
何てことだ、俺が一番無神経じゃないか。自分が大河を傷つけていたじゃないか。
これは憂うべき事態である。蚊を追い払いながら竜児はそう思った。
◇ ◇ ◇ ◇
今宵はこれまでにしとうございます。
418 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/12(火) 00:17:17 ID:2N2c0GoW
>>410 16000byteなら16KB
8000byteなら8KB
まだまだ余裕はある
419 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/12(火) 00:29:14 ID:2N2c0GoW
_ _
( ゚∀゚ ) <自分でも構想はある大河のおっぱいネタだが
し J 書くべき人が書くと名作かつ2828出来るということで
| | まあなんつーか嬉しい限りなわけで
し ⌒J
_ ∩
( ゚∀゚)彡 おっぱい!おっぱい!
( ⊂彡
| |
し ⌒J
ゆゆぽまとめみて鬱になってた時によくきたもんだ
続き期待してます!
1スレのみでも良いですか?
幸せの手乗りタイガーのアフターで。
テレビしか見てないんで、こんな続きは?みたいな感じで。
投下します。
「幸せの手乗りタイガー、かぁ」
竜児はその帰り道、ぼんやりと今日聞いた話を思い出していた。
触ると幸せになれる手乗りタイガー伝説。
その日1日はどこかいつもと違い、彼の心に疑問を投げ掛けていた。
「大河に触ると幸せになれる。だったら大河はどうすれば?」
亜美に聞いた時、彼女は小声で「もう十分幸せだ」と言っていた。
竜児にはよく分からなかった。
食事も終わり、泰子が以後とに出かけるまでのほんの一時、彼女の言うところの3人家族の一家団欒の一時。
各々の湯飲みでお茶を飲み、泰子は大河に笑い掛け、大河は泰子に今日有った事等を楽しそうに話してる。
ふ、と竜児の顔に笑みが零れる。
それはまるで殺すタイミングを伺っていた殺し屋が好機を得た瞬間の様。
でもその目に込められたモノは穏やかで優しいモノ。
慈しみ
3人で過ごす部屋を見渡す。
(そうか。俺はもうずっと前から、幸せの手乗りタイガーに触ってたんだな。だってこんなに、俺は幸せじゃねぇか)
やがて泰子が仕事に出掛ける。
「それじゃ、いってきまーす」
「おう。なんかあったら電話すれよ?」
「いってらっしゃい、やっちゃん!」
「うん!」
泰子が出勤し、いつもの大河と二人の日常。
大河はそのままテレビに噛り付く。最近大河がはまってる刑事ドラマの始まる時間。ココから先は番組が終わるまでその場を動こうとはしない。
「ねぇ竜児。プリンとって」
「はぁ?アレは明日のオヤツだろ?お前、時代劇見る時は絶対プリン喰いながら見てるじゃねぇか。今喰ったら、明日喰うもん無くなるぞ?」
竜児は呆れたように返している。
「こまかい駄犬ね。明日また買ってくれば良いでしょ?」
「駄〜目だ。お!そうだ。そう言えばグレープフルーツが有ったんだ。待ってろ、今切ってやる」
「え〜…すっぱいのは嫌」
「ちゃんと砂糖のっけてやる」
「う〜…なら食べる」
竜児は手馴れた手つきでフルーツを切り、砂糖を乗せてテーブルへ。
「ほら、切ったぞ」
「ちょっと待って……良し!」
コマーシャルの隙に大河はテーブルに視線を向け、身を起こす。ソレを確認すると、竜児は襖に背を預け、あぐらをかいてテレビに向かう。
「ったく。ちゃんと綺麗に食べろよ?」
「分かってるわよ、煩いわね」
言って、大河は竜児の足の上に座り、その背を竜児の胸元に預け座り、フルーツ片手に再びドラマに向き合う。
大河はオヤツを食べながらテレビを見る時は、背もたれにもたれながら見るのが好きだ。
自分の家には背もたれ付きの椅子が有るが、高須家には竜児の部屋に1個有るだけで居間には無い。
こんな時、竜児が大河の椅子になる。そしてそれは……
逢坂大河がこの世で一番安らぐ椅子。
懐に座る大河と共にぼんやりとテレビを眺める竜児の耳に、小さな声が届いてくる。
「…幸せの手乗りタイガー伝説。でも一番幸せなのは私ね」
「?ん?」
「家族が居て…やっちゃんと、竜児が居て。こうして竜児と過ごせて…私が一番幸せ」
「そうかい……でもな?大河。だったらソイツは間違いだな」
言って竜児は大河の頭を優しく撫でながらささやく。
「私がじゃないさ。私達が、一番幸せなんだ。そうだろ?大河」
「……うん」
今夜もまた、高須家の夜は穏やかに過ぎてゆくのだった。
終わり。
簡潔ですいません。
ありがとうでした
>>423 いいんじゃなぃ!! ぽわわーんで、GJ!!
「大河……!」
「竜児、りゅう、じっ……!」
竜の角と虎の爪が、同時に相手の血に染まる。
それは生涯を賭けて為された契約の証。
大橋高校の卒業式から早五ヶ月。
アメリカ留学中の北村の一時帰国に合わせて皆で遊ぼうということになり、
「今は夏である。
夏といえば海である!」
という櫛枝実乃梨の一言により、場所はまたもや川嶋亜美の別荘と相成った。
「あれ、高須君どうしたのさその背中。ハハハハハ?」
それに最初に気付いたのは実乃梨だった。
竜児の背中、中央付近から外側に向けて斜め下に走る傷跡が、左右五本ずつ。
確かに片仮名の『ハ』を縦に並べて隙間を詰めたように見えなくもない。
「いや、こ」
「どぉりゃあぁぁぁっ!」
キック一閃。
大河の脚が、発せられかけた言葉を竜児の頭ごと砂浜へと叩き落とす。
「よ、余計なこと言ってるんじゃないわよ竜児!」
「まだ何も言ってねーだろうが!」
流石に竜児は馴れたもので即復活。
「え?なに、それってば大河がつけた傷なわけ?」
墓 穴
「うっわ〜、これ、かなり痛かったんじゃない? 高須君かわいそう〜。
ああでも、大河の方がもっと痛かったのかな?」
浅いわりにはっきりとした傷跡に指を這わせながら亜美がにんまりと笑う。
その言葉にたちまち赤くなる竜児と大河。
「なんだ高須、逢坂に怪我をさせたのか?それはちょっと感心せんな」
「ち、違うの北村君、ケガってわけじゃなくて、その……」
あたふたと大河。だがその語尾はごにょごにょと消える。
「そうよねえ〜。ケガって いうより……マーキング?
これは高須君が大河のモノだって印で〜、大河が高須君のモノだって印は……ねえ?」
「えーとえーと、それはつまり……」
亜美の言葉に考えこむ実乃梨。
ぽく
ぽく
ぽく
チーン!
「おお!そいつはめでたい!
ちいっとばっかり遅いかもしれんが今夜はお祝いだ!赤飯だ!パーティだ!
いや〜、大河もオトナになっていくんだねえ〜」
感慨深げにうんうんと頷く実乃梨。竜児と大河の顔はもはや完熟トマトのように真っ赤で。
「何だ? 何の話なんだ?」
一人事態を理解出来ない北村なのであった。
余談だが、高須竜児のその傷跡は一生消えることが無かったという。
427 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/12(火) 02:20:22 ID:2N2c0GoW
>>426 ノノl∂д∂'ル <えっちだぁぁぁぁぁぁあ
なんかいい感じに投下来てますね
いいぞいいぞ
>>410 そんなところでやめるんですか?
眠れぬ夜を過ごせというんですか?
>>426 その発想はなかったw
GJ!
先だって思いついた妄想を書き散らしてみました。
また三レス使います。
429 :
1/3:2009/05/12(火) 03:04:11 ID:INcdjlBP
「あーあ、背え伸びないかなあ」
だらしなく畳に寝そべった大河がファッション誌をめくりながらひと言。
べったり伸びていてもなおコンパクトな手乗りタイガーを眺め、無理だろ、と言いかけたのを呑みこむ。
「か、可能性はあるんじゃないか……成長期なんだし」
竜児の精一杯の慰めに大河は険悪な表情で応えた。
「でも女子の身長って一次性徴で止まっちゃうんでしょ?
テキトーなこと言って期待させるんじゃない愚犬が」
「ぐっ……いや、確かに女子の方が先に伸びるが、そこでストップってわけじゃないだろ。
たぶん。だからきっとお前も……もしかしたら、たぶん」
ぶつぶつと言いわけがましい竜児に大河は冷ややかな視線を浴びせる。
「ったく……はあ……せめてあと、十、いや二十センチもあれば……」
せめてってレベルじゃねえだろ、と竜児は心の中で野次を飛ばす。
大河はもはや竜児は眼中にないらしく完全に妄想の世界。
「それでね……それで胸は、そう、贅沢は言わない。
B……ううん、Cくらいあったら!」
乙女っぽく手を組んで目をキラキラさせる大河の姿に、竜児は憐憫さえ覚えた。
手を組んでも寄せたり上がったりする部分がないのはさておいても、
ツッコミどころ満載なのに余りにも哀れでつっこめない。優しい竜児くんとしては。
長身で胸もちゃんとある、そして美人。人はそれを川島亜美と呼ぶのではなかろうか。
とは口に出さない竜児。代わりに一六五センチCカップの大河を想像してみるのだった。
大河が気づかないのをいいことに、手で首から下を隠す。
差し当たって亜美をモデルに、何となく気が引けるがその首を大河にすげ替えて。
思春期の男児たるもの脳内コラージュは完璧だ。
そして(竜児の脳内に)生まれたるは一六五センチの虎である。
パーフェクトボディーを得た虎に一切の身体的コンプレックスは存在しない。
(むしろ近づきがたいぞ……)
ただし、中身は大河のままである。
(……つまり、横暴でドジ)
身長一六五センチから振り下ろされる拳は体重が乗ってさぞかし威力を増すことだろう。
全身のバネを使った下方からの一撃とどちらが強力だろうか? 考えたくもない。
でも一応考えてみると、大河の身長が伸びた分だけ竜児の寿命が縮まることは確実だろう。
だってもうそれは手乗りタイガーではない。虎である。美しき猛獣である。
そして大体、そんなに上背があったら、その分長い手足からから繰り出されるドジは、
一体どれだけの被害を竜児にもたらすのだろう。
階段の上から落ちてきたらコブどころでは済むまい。
大河自身だって転びでもしたら今以上のダメージを受けるに違いなく、
危なっかしさはさすがプラス二十センチと言ったところだ。
暴力もプラス二十センチ、ドジもプラス二十センチ。
ああきっと食欲だって一六五センチ相応に増えるのだろう。それも加算ではなく乗算で。
米は俵で買ってくる必要が発生するのだろう。
想像するだに恐ろしい。
430 :
2/3:2009/05/12(火) 03:05:59 ID:INcdjlBP
「……悪夢だ」
「は? 何がよ。……ん〜、せめて胸だけでもあったら、恥らうことなくTシャツを着られるのに!」
竜児は再び逃避の世界に入り込んだ大河ににじり寄り、
よもや押し倒しでもするのではないかと思えるほどのマジ顔でその両肩を掴んだ。
「大河」
「……ッ! ななな何!? やめなさいよ鼻息荒いわよ!」
我に帰って慌てる大河だが咄嗟のことに胸の前で手をぱたぱたさせることしかできない。
「現実を直視するんだ。お前は、一六五センチには、なれない」
美貌が歪む。というか半べそであった。
「……分かってる! そんなの! 何はっきり宣告してくれちゃってるわけ!」
「いや違うんだ大河、よく聞け。背は伸びるかもしれない。けど二十センチは幾らなんでも絶望的だ。
おそらく一生『小柄』からは抜け出せないんだ
……胸は……どうか分からねえが……でもな大河、逆に考えてみるんだ」
「なによぅ」
「お前は一四三、六……ゲフッ! もとい一四五センチだからお前なんだぞ」
「何よそのト、ト、トトロジジーは」
「同語反復のことを言いたいならトートロジーな。つまりだ。
お前はその、ちっこいところも哀れち……胸が控えめなところも、
ドジなところもわがままなところも、全部ひっくるめてお前なんだ。
それがありのままのお前じゃねえか」
「なに当たり前の事実をご大層にご丁寧にくどくどとこの駄犬は……いい?
そんなことはね、あんたにいちいち説明されなくたって
……まあ確かにドジは最近自覚したけど……
とにかく、そんなこたちゃあんと分かってるわよ!
どうせ私は、チビで、貧乳で、わがままです!」
「ああ、忘れてた。そのガキくせえところもな」
「なあ!!」
虎の瞳に殺意が燃え上がり、爪は短いが凶悪なまでの握力を誇る猛虎の前肢が竜児を引き裂かんとした。
が、寸でのところで攻撃は急制動をかけられる。
「でもな大河、俺はお前のそういうところも、全部好きだからな」
いともあっさりと、しかも無自覚に、虎は仕留められた。
竜児の言わんとするところは大体こうである。
何だかんだいって(竜児を含む)みんなはありのままのお前が好きなんだぜ。
以上。
大河の顔が耳まで熟れたトマトみたいに赤くなる。
ちなみに肩を掴まれたままで更に飛び掛りかけたため、彼我の距離は約二十センチ。
竜児は涙目で赤面の大河としばし見つめあった。
そして、やっとのことで気づいた。
「……ああああんた今す、す、すすすす……」
「おうっ! ち、ちがっ、今のはそのっ!」
「私のこと……竜児は……」
「お、落ち着け、いいか、あのな!」
「竜児、私のこと……好き、なの?」
431 :
3/3:2009/05/12(火) 03:08:29 ID:INcdjlBP
それがいじけた涙目だろうが熱っぽく潤んだ瞳だろうがそんなことは関係なく、
事実はただ一つ、竜児の目の前には、ものすごく大切に思っている女の子がいて、
どこかのチワワみたいなウルウルした目で竜児を見つめていることだけだ。
しかもその細い肩をがっちりホールドしているのは他ならぬ竜児の手である。
はたから見れば要するに、マジでキスする五秒前。
『あれ、ほんとにしちゃってもいいんじゃね?』
とどこかでアホの声がする。アホは春田の姿をしている。
『いいわけないだろう。まずは落ち着け。服を脱ぐんだ』
反対側からもアホの声がする。言うまでもなく北村の姿だった。
だめだこいつら、早く何とかしないと。
焦る竜児の脳は、無口ではないが決しておしゃべりでもない竜児に、
ほとんど意味もなく多弁を強いる。
言葉の量が増えればその前の発言を薄めることができる、とでも言うように。
実際は逆で、喋れば喋るほど、根っから正直者の竜児は、
自覚があったりなかったりする心の内をぽろぽろ撒き散らしてしまうのだ。
「その、な。今のはどういう意味かっていうと、その、つまり、
別に今のままだって充分魅力的だと、思うぞ。もっと自信を持っていい。
考えてもみろ、ありのままを曝け出したって、お前が貧乳でも横暴でも、
俺はずっと側に居るだろ? 別に仕方なく側に居るってわけじゃないんだからな。
確かにドジだから放っておけないのもあるけど……それはつまり、お前が大事で、
だからずっと側に居たくて、それに一緒だとすごく居心地がいいし、
素直じゃないところもちょっと可愛いとか思ってたり……、
時々、屈託なく笑ってくれるのが好きで……あれ、ああ、うん、そうか。
えっと……好きです」
*
「……っていうのがきっかけだったわけ」
語り終えて、大河はやれやれとばかりにかぶりを振る。
「ほんとアホくさ……告られたと勘違いさせてからやっと自分の気持ちに気づくなんて。
私も間抜けだけどこいつはもっと間抜けだわ。っつーか失礼しちゃうわよ。
ね、ばかちー」
「知らねーし」
亜美はゴキブリの交尾でも目撃したみたいに心底嫌そうな顔で言った。
「珍しく真剣に『どうやったら背が伸びるの?』なんて来るから、
こっちも真面目に聞いてやったのに……結局ノロケかよ」
「まあまああーみん、よいではないかよいではないか。
素直になれない大河に一緒にやきもきした仲じゃない」
「してねーっつうの」
つうかさ、と亜美。
「その話は高須くんの膝に乗ってなきゃ話せないわけ?」
お目汚しでした。
こっちこそほんとのお目汚し。
ttp://sakuratan.ddo.jp/uploader/source/date110259.jpg
>>431 「えっと……好きです」に萌えてたら最後の絵でクソワロタw
こりゃ1週間で竜児は死ぬな。
http://e.pic.to/11raii 「おい大河、ブレザーくらいハンガーにかけとけ。
スカートも皺になるから脱げよ。」
「やだ。あんたがやれば。」
「…つまりそれは俺に脱がせて欲しいってことか」
「ば、ばかじゃないのこのエロ犬…!何の躊躇いも無くその遠慮無しのイヤらしい発想!ああこわい!」
「お前が言ったんだろ…」
「ったくもーうるさいわね。わかったからどいてよ。」
「………やだ」
「あんたねぇ……」
別にやましい事をしようとしてるんでもした後でも無いですよ。
2人でテレビ見てるだけです。
大河「ねえ竜児ー」
今まで
大河「ねえ竜児ー」
ギシギシアンアン
現在
ギシギシアンアン
大河「ねえ竜児ー」
ギシギシアンアン
竜「あんまり変わってねぇな」
まったくだw
>>431 思いつきで書き散らしてこの完成度なんだ。すごいな。
それぞれのしゃべりの癖なんかほんとよく書けてる。
それぞれのシーンが頭に浮かぶよ。
437 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/12(火) 10:15:58 ID:CzP/FfPJ
最近は挿絵付きが出てきているのか。すばらしい。
438 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/12(火) 10:28:26 ID:CzP/FfPJ
「ねー竜児。私旅行行きたい」
「いきなりなんだよ。つーかそんな金どこにあるんだー??」
「今から貯めれば良いでしょ。そうねー。ヨーロッパとかどう!?ホンモノのシンデレラ城を見に行くの!」
「……はぁ」
「なによため息なんかついちゃって。絶対楽しいんだから!きっとスッゴくキラキラしてて天国みたいな所よ!そこにプリンセス大河様が泊まりに行くわけ!」
「ドンブリ頭に載せて何がプリンセスだ……」
「なによ!気分よ気分!……ねぇ、いこ??」
「ダメだ」
「……なによ夢のない奴」
「そんなお金はウチにはありません。それに、キラキラして天国みたいな所なら……」
「……??」
「その……俺の目の前にあるじゃねーか」
「!!……もう」
「ホント竜児はずるいんだから……」
「りゅーうじ!」
「……?」
「セックスしよ!」
「……!」
ギシギシアンアン
「ずるいのはどっちだよ……」
湧き上がる歓声を他所に、竜児はひたすらに困惑していた。
『エンゲージリング―完結編―』
「おい北村!!」
目の前で観衆を煽っている親友の肩を掴む。
顔が真っ赤になってるのを自覚しつつ。
「ん?なんだ―高須ー?」
こいつ・・・確信犯か。
あからさまにニヤニヤ笑いを浮かべている顔に、剣呑な目を向けた。
「お前・・・大河を晒し者にする気か?」
俺はともかく・・・・と言う俺を片手を上げて制しつつ、北村は小さく笑った。
「なに言ってんだ。皆お前達を祝福しに集まったって言うのに」
そう言って周りを指し示す北村。
確かに周りからはおめでとう!だの、羨ましいぞたかっちゃん(春田後でしめる)だのが聞こえてきていた。
正直・・・嬉しいし、泣きそうだ。
「いや、しかしだな・・・」
大河の気持ちも・・・そう言おうとした俺に、また北村は手を上げる。
「逢坂の為でもあるんだぞ?」
大河の?
困惑気味の俺に、親友の真剣な目が突き刺さる。
「お前の言葉を・・・信じていたんだとさ」
促されて振り向いた背後、両脇に美少女を備えた、小さな美少女が目に飛び込んだ。
「・・・ほら大河」
「言いなよタイガー」
そうして促された大河は、モジモジと服の裾を掴んでいた。
それでも、両脇から肩を押されて決心したように顔を上げた。
「大河・・・?」
「わ、私ね・・・そ、その・・・」
小さくなっていく声。でも、その後ろには親友と悪友。その二人が肩を押してくれて。
そんな風に大河は、決意の篭った目を俺に向けた。
「あ、あんたがあの約束を忘れてるんじゃないかと思ったの!!」
「!?」
言われた台詞。
思いの外にショックが大きい。
言い淀むほどに。
「お・・・お前、俺がこの1ヶ月・・・どんだけ・・・」
そうだ。俺がどんだけこの1ヶ月頑張ったと・・・。
「うん!だから疑ったことはあやまる!ごめん!!」
響き渡る大河の声。
「でも、でも!!あんたなんにも言ってくれないし・・・やっぱりあれはその場の勢いで言っただけなのかなって・・・思っちゃって・・・だから・・・」
徐々に小さくなる声。
そこには今まで押さえてきた不安と、信じきれてなかった罪悪感が見て取れた。
「・・・」
・・・ああそうか・・・そうだった。
今になって愕然と気付く。
こいつは幸せに慣れてないんだ・・・と。
馬鹿か俺は。
今までだって大河は、自分がいたから周りが不幸になったとか思っていたんだ。
不安になって当たり前じゃないか。
そこに気付いてやれなかった。
今更ながらに自分の迂闊さに腹が立つ。
「大河」
一歩踏み出して、その小さな身体を抱きしめる。
「りゅ、竜児・・・」
「ごめんな不安にさせて」
「!!」
一瞬ビクリと震える身体。
大丈夫だ、俺はここにいる。
教えるように、抱く腕に力を込めた。
「お前をびっくりさせたくて凝った演出をしたかったんだ。でもそれが・・・逆にお前を不安にさせちゃったんだな・・・」
「そ、そんなことない!今日、だって、すごくすごく嬉しかったもん!!」
「それでもだ」
軽く身体を離して、正面から大河の目をみつめる。
「俺を信じてくれなかったのは少し哀しいけど・・・それでもお前は待っててくれた。ありがとうな」
「〜〜〜りゅうじぃい・・・」
クシャクシャっと泣き顔になるお前。
それが悲しみじゃない事を心から喜ぶ。
泣きながら飛び込んできた小さな身体を抱きしめる。
もう離したりはしない。絶対に。
「ごめんね・・・ごめんね竜児・・・」
泣きながら、大河が何度も何度も謝る。
その身体を抱き締めながら、俺は言いようのない幸福に包まれていた。
「もういいよ。俺こそごめん」
本当にごめんな、大河。
必ず、幸せにするからな。
「・・・と言うわけだ、高須」
掛けられた声に振り返る。
「ああわかった北村」
笑顔を返しながら、俺は周りにいる奴等を見渡した。
みんな、本当に祝福するために集まってくれたんだな。
それもこれも、この小さな小さな傷ついた子供の為に。
みんなが傍にいるって、教えてやりたくて。
もう幸せは、お前の手の中にあるって教えてやりたくて。
「ありがとな、みんな」
俺の言葉にまた歓声が上がる。
お前等みんな最高だ。
「大河」
「え?」
俺の胸に埋めていた泣き顔を上げて、大河が俺を見る。
ポケットから取り出したハンカチで、涙と鼻を拭ってやる。
「こいつら全員・・・俺たちのために集まってくれたんだ」
「う、うん・・・」
まだ、グスッと鼻を鳴らしながら、大河が小さく頷く。
「それはとてもすごいことだし嬉しいことだ」
振り返り、北村を見る。
目を戻せば、櫛枝と川嶋。見渡せばかつての学友たち。
「だから・・・こいつらが望むなら、俺はここで結婚式をしたいって思う」
本当に感謝してるから。
「おまえは・・・どうだ?」
語りかける声を一音一音聞き逃さないように大河は真剣な目で俺を見上げていた。
そして、その首が「コクン」と縦に揺れた。
「よし!」
俺の快諾の声と共に湧き上がる歓声。
「結婚式やるぞー!!」
一際大きな歓声と共に、俺と大河は小さく微笑んだ。
そっと手を繋ぎながら。
とりあえずここまで。
ちなみに、書き方が変わったのは仕様です。
>>444 仕事抜けてトイレに隠れてたら神ktkr!
おまいさんと竜虎に力を貰って仕事戻るぜ!
顔2828だがなw
エンゲージリング続きktkr
続き期待。やっぱあんた最高だ!!
続きキター!
GJだよGJ!
ttp://minup.s10.x-beat.com/up300/src/MiX300_1566.jpg.html 今回は色塗ってたら時間かかっちゃった
昨日の夜、出先から戻ってきて、3日間見てなかったこのスレを読んで
勢いで描いたが、途中で疲れて寝てしまった。
今回のネタは
>>350 です。
ところで
>>294 にあるうpろだって、使ってもいいかな?
今使ってるとこだと直リンダメって言われて、リンクのわかりにくいページに置かされるんだよね。
あ、リンクの「おにゃのこ(*´Д`)ハァハァ.MoeMiX300_1566.jpg」は「1566.jpg」のトコをクリックしてください。
左隣をクリックすると大河からお仕置きされます。
他の絵師も戻ってらしてるようで、嬉しいです。
>>
絵をかけるやつはうらやましいなぁ。
>>449 可愛い!! 早速落とさせてもらいました。
GJ!
>>449 妄想電波を受信した。
(だ、駄目だ……このままでは理性が持ちそうに無い……)
「あー、大河、悪いんだが、これだけ高さに差があるとやっぱりちょっと、な……
それに方向転換しにくいし、転んだりした時に危ないし……」
「何よ今更……じゃあおんぶして」
「へ?」
「それなら首の高さは同じぐらいになるし、後はあんたが転ばなきゃいいのよ」
「……ハイ、ワカリマシタ」
(……家に着くまでに脳みそが沸騰するかもしれん)
みんな乙だぜ!
なんか最近スレが活性化してるな
大河マフラーは破壊力w
′ 、 ',
', /`l / , \_/ | マフラーかえしてくれ
∧ 〈 ∨ ∨ ヽ冫l∨
', /`| u ヽ
', / /
/  ̄\ 、 -= / __
/ ̄\ `ヽ、≧ー _ /. : : .`ヽ、
/__ `ヽ、_ / 、〈 、 /.:冫 ̄`'⌒ヽ `ヽ、 / 〉ヘ
/ ==',∧  ̄ ∧ 、\〉∨| /.: : :′. : : : : : : : . 「∨ / / ヘ
',∧ | > /│ /: :∧! : : : :∧ : : : : | ヽ ' ∠
',∧ |、 \ 〉 、_ (: :/ ,ニ、: : :ィ ,ニ=、 : : 〉 ,.イ´ やなこった
',∧ |′ ∨ ///> 、 Y: '仆〉\| '仆リヽ:|\_|: :|
/ / | └<//////> 、 八!`´、'_,、 `´イ. :|////7: !
/_/ |、 ` </////>、\ ヽ丿 /. : :|//// : .丶
,' |′ ` <//∧ : > </.: : :////〉: : : . ヽ
,' | / 个:<〉. :〉》《/.: ://///: : : : : : . \
457 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/12(火) 15:23:47 ID:vB8sI/ao
>>431 最後のオチが秀逸だぜ
あと165cmの大河は兄貴って感じだ
458 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/12(火) 15:27:21 ID:vB8sI/ao
459 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/12(火) 15:28:33 ID:vB8sI/ao
***
「あ゛ー、ちょっと調子わるいかねぇー」
ごほごほと数回咳をして、再びベッドに倒れこむ。
無様に泣き叫んだから、と言う訳で無く、多分軽く風邪をひいた。
声の出もいまいちだし、体の節々も少し痛む。加えてなんとなく熱もあるように思われる。
朝っぱらからアクロバティックな技決めなければ良かった、と少し後悔したが、
外に出ては腫れ上がった顔を見せ付けるのは何とも恥ずかしい。
風邪の恩恵としてバイトには休みを賜って、家でゆっくりすることにしよう。
そうして枕に顔を埋めた時、枕元に置いてあった携帯が鳴った。
「あ゛いよーくっせだで――」
「みのりんみのりんみのりんっ!!!!」
何の気なしに通話ボタンを押したところで、聞き慣れた声、というか絶叫が耳をつんざく。
「うおっ!」
乙女とは思えない叫び声を上げ、思わず携帯を手放してしまう。不幸にもその落ちた場所が悪かった。
ベッドのへりにぶち当たって硬質な音と共に装飾のラメを2、3飛ばしたかと思うと、ベキ、と嫌な音を立ててフローリングに落ちた。
携帯はそこで一度バウンドし、その拍子に電池カバーがすっ飛ぶ。
「や、やっちまった!」
慌てて床の上のそれに手を伸ばすが、ここで不思議なことに気が付く。
愛用の携帯をこんな無様な顛末に追いやる元凶となった声は未だ聞こえ続けているのだ。
無論、電池の取れた携帯が発信源であるはずがない。
一度携帯に伸ばした手を引っ込め、窓へとゆっくり歩み寄る。
恐る恐る、カーテンを少しだけ開けてみた。
「大河……」
窓の外に居たのは案の定、携帯を握り締めた親友の姿。
昨夜と同じ、華奢な四肢をほとんど晒した服装で、違いと言えば一応履物を引っ掛けていて、
オプションに"クマのぬいぐるみ"が付いていないくらいか。
「みのりんみのり、ん…みの……」
その彼女は今、声を詰まらせて俯いた。
耳元の携帯の向こうから無機質な電子音しか聞こえてこないことに、今やっと気付いたのだろう。
それを握り締めていた右手を、ゆっくりと下ろした。
460 :
クリスマス〜if story〜:2009/05/12(火) 15:30:38 ID:vB8sI/ao
◇
「たーいがあぁぁ!!」
勢い良く飛び出してきた人影に、大河はびくりと一瞬その身を震わせただけで、為す術無く若干体当たり気味に抱きつかれる。
腫れ上がった目元に先程まで溜まっていた涙も、今ではどこへ行ったやら。
きょとんとした表情で為されるがまま頬ずりされているだけであった。
「み…みのりん?」
その言葉にハゲヅラ&マスク&グラサンの女子高生が、ぱっと顔を上げ、恐らくは微笑んだ。
「そうさ、みのりんさぁ!」
461 :
クリスマス〜if story〜:2009/05/12(火) 15:31:37 ID:vB8sI/ao
「……みのりん」
「んー?どうした大河?」
「みの、り……っ」
相変わらずおどけた様子の実乃梨に大河の表情が歪んだ。
「どーした大河ぁー、そんな顔して、らしくな……およ?」
再び抱き付こうとしたところで、実乃梨が頓狂な声を上げる。
肩口に働く斥力、そこに添えられていた両掌。
つっかえ棒の役割を果たす両腕はこんなに華奢で、今にも折れそうな程弱弱しく震えているのに――
「ごめんね、みのりん……」
ピン、と伸ばされた腕は、思った以上に強く実乃梨の体を押し返していたのだ。
「どうして謝――」
「竜児が好き」
顔を伏せたまま、大河が短く言い切った。
肩に添えた両手を離し、一歩下がる。
「だから、ごめん……」
涙声が朝の冷たい空気に消え入る。
零れた涙の雫は、アスファルトにその痕を残した。
462 :
クリスマス〜if story〜:2009/05/12(火) 15:32:23 ID:vB8sI/ao
◇
「……何が『ごめん』なの?」
掌に、無意識に力を込めている。バカらしくて苛々してんだ。
腫れた目元を隠していたサングラスも、
おどけて見せようと被ったハゲヅラも、
ついでに風邪引きで付けたマスクも、喋りにくいから外した。
「それが、悪いことなの?」
一歩逃げたら、二歩近づいてやる。
離れさせてなんかやらない。
「『誰よりも大切』って想い人に言われて、欲しい言葉を貰って…………どうしてそんなに悲しい顔するの?」
顔を上げた大河が目を見開く。
泣き腫らした目で睨み付けてやる。
「っ――!」
「どうしてッ!」
背中を見せて駆け出す、その腕を捕まえた。
「やだぁっ離してっ!」
半ばヒステリックに叫ぶ声を無視して、その体を近くの壁に押し付ける。
「どうして幸せになってくれないの?!なってよ!じゃないと、私、」
景色が滲む。それでもその霞がかった視界の中心にしっかり相手の顔は見据えていた。
「私、報われない……!」
意味も無く支援して何が悪いっ!
>>448 スレ自体はいつも見てますw
土日丸っと見てなかったりすると、追いつくの結構大変だよね…嬉しい悲鳴だけど!
-----------
いつもどおりの学校からの帰り道。
わざわざ申し合わせる様なこともなく、二人の足は自然とスーパーへ向かう。今日はかのう屋が特売だ。
昨日に比べやけに冷え込み、日が沈んだ夜道はもう5月だというのに少し肌寒い。
そんな気温のせいなのか、竜児は不意に右手を絡め取られ、驚いた。
この時間ではまだまだ同級生らの人目があり、普段なら滅多なことではこんなに擦り寄ってはこない。
左手は竜児の右手としっかり繋がれ、もう片方で腕に絡みつくようにして頬を摺り寄せてくる。
今にもゴロゴロと喉をならしそうだ。
だからといって今更、これしきのことで耳まで赤くするような俺ではない。
恥ずかしながら、人前でさえなければ四六時中くっついているようなものだ。
自分が主導権を握っている状況なら、軽いキスくらいさらりとかましてやる自身はある。
昔は櫛枝の顔さえまともに見られなかった自分が、随分度胸がついたもんだ。
いきなりなんだよ?と余裕の対応をする。
しかし照れこそしなくても、凶悪にニヤついた殺人鬼の表情まではどうしても隠しきれない。
隠しきれなければ当然、道の向かいで見知らぬ奥様が『ひっ!』と小さく悲鳴を上げたりもするが、今の竜児には瑣末なことだった。
このおとなしくしてさえいれば世界一可愛い、腰までふんわりとウェーブを描くけぶる長毛種の猫科に、全神経を持って行かれる。
「あのさ…」
「おう?」
「…竜児。
あの…あのね。お願いがあるの。」
「なんだよ、あらたまって。」
腕に絡みついたまま俯き気味のままぽつぽつと話し出した。
甘えてきたと思ったら、やっぱり何かあったのか。
そういえば今日は昼過ぎくらいから、どうも覇気が無かった。
今日は一日殆ど近くで行動していたと思うが、特別変わったことも無く、川嶋とのバトルだってもいつものじゃれ合いレベルだったはず。
しいて言えば、5時間目の体育。
今日は男女別メニューだった。
465 :
クリスマス〜if story〜:2009/05/12(火) 15:33:09 ID:vB8sI/ao
両手が払い除けられる。
胸にかかる重量に気が付けば、その小さな体は自分の腕の中にすっぽりと収まっていた。
「ごめん、みのりん……今は泣き顔しか見せらんないよ」
弱弱しい声のまま、大河は呟くように言う。
「……いいよ、今日くらい。こっちもお揃いだし。見せ合いっこしようぜ」
「……うん」
ゆっくりと大河が顔を上げた。
そして涙の跡の残る紅い顔のまま、不器用に小さく微笑む。
その潤んだ瞳を見つめ、私も微笑んだ。
これだけで、彼女が笑顔になるだけで……私は幸せなんだ。
「――たいがぁーっ!」
「みのりんっ!」
――こうやってバカみたいに抱き付き合えば、失恋の痛みなんて消し飛んでしまう
466 :
クリスマス〜if story〜:2009/05/12(火) 15:34:33 ID:vB8sI/ao
***
「みのりんはさ、」
二人手を繋ぎながらの帰路、大河は実乃梨の顔を覗き込むように見て尋ねた。
「竜児のこと、好きだったんだよね?」
「おうよ!」
空いている方の手の親指を立て、実乃梨は威勢よく返した。
「……結構あっさり言うんだね」
「ふ、この友情の間に隠し事は無しだからな……それに、」
歩みを止め、大河に向き直る。
「今更、身を引くなんて考えて無いでしょ?」
「……うん」
薄着の肩にかけられた実乃梨のジャージを握り締め、大河は小さく頷いた。
「恋と友情、優劣付けたわけじゃなくってね……私にはどっちも必要だった。
片方無くしただけなのに、こんなカッコで外飛び出して、泣いて、喚いて、縋ってさ」
自嘲的に小さく笑みを零す。
「――なんか、情けないけど」
467 :
464:2009/05/12(火) 15:35:13 ID:3s3wO0PD
マジごめん…かぶった…
先にどうぞ。
468 :
クリスマス〜if story〜:2009/05/12(火) 15:35:19 ID:vB8sI/ao
「情けなくなんかないっ」
顔を上げた大河に、実乃梨は微笑みかける。
「比較しようが無いほど大切だなんてさ、恋愛に関しちゃ少なくとも私には考えられないよ。想いの深さじゃあ私は大河に勝てっこなかった。
……それで自分の恋心に気付く前にそれが見えちゃったからさ、どうにもならなかったんだよね。ぶっちゃけると」
「みのりん……」
「だからこっちはちゃんと割り切れてるからさ、」
大河の両手を取り、実乃梨は続ける。
「縋ってよ。気ぃ遣って変に距離置くなんてさ、こっちとしちゃすげー寂しいことなんだぜ?」
「でも、」
「でももメーデーもワシントン大行進もねぇっ!
大河の気付かないところで私たちはしっかり見返り受けてんだからさ、こっちの顔色ばっか伺うことないんだよ」
まあそんなに伺いたいのなら今回だけ伺わしてやろう、
そう言うが早いか、実乃梨は自分の顔を一気に大河のそれに近づけた。
体を硬直させた大河に、おでこの触れ合うほどの距離で実乃梨は怒鳴る。
「この顔が不幸に見えるかっっ!!」
気圧されるまま「い、いいえ」と答えた大河に、実乃梨は満足そうに微笑んでその首に抱き付く。
「ま、そーいうことだ」
――これに値する代償など、払える当ても無い
抱きしめられる腕の温もりの中で大河はぼんやりと思うが、今はこの一言に精一杯の感謝をこめる事にする。
「ありがと、みのりん」
469 :
クリスマス〜if story〜:2009/05/12(火) 15:36:05 ID:vB8sI/ao
――いがぁ
「大河!」
遠くに聞こえる声。
その聞き覚えのある声に、大河の体はぴくりと反応した。
「お、迎えが来たね」
数百メートル先に高須竜児の姿を見つけると、実乃梨は大河の首に回した腕を解いた。
相変わらず人面熊の体裁でかなり目立っている竜児だが、向こうはまだこちらに気付いていない。
きょろきょろと辺りに目をぎらつかせている(だろう)所で、実乃梨が「おーい!」と風邪気味の声を振り絞って叫んび、片手を振る。
こちらへ振り向いた後一瞬固まった竜児だったが、1秒後にはずんずんとこちらに歩を進めていた。
「……ったくどこ行ってたんだよ!俺がどれだけ探したか分かってんのか?!」
お互いの顔が確認出来るところまで近づいた所で、竜児は言い、二人は、
「……」
「……」
「……二人揃って怪訝な顔で押しだまんじゃねぇ」
470 :
クリスマス〜if story〜:2009/05/12(火) 15:37:26 ID:vB8sI/ao
「あんた、よくその顔で通報されなかったわね……」
元来のヤンキー面に熊のぬいぐるみだけで十分異様さを醸し出していたその体裁は、
昨晩の寝不足による目の充血と隈、更に何故かパンパンに腫らした左頬のオプションで
最早モザイク処理を求められそうなほど異形と化していた。
いつも通り必要以上に棘のある大河の物言いにも、今回は頷かない訳には行かない。
現に実乃梨は、「無修正、25禁……」とぶつぶつ呟いている。
「がーっ!俺をこんな顔にするほど強烈に殴って、軽い脳震盪に陥れたのはどこのどいつだ!言ってみろ!」
「当然の報いじゃないの?
……そうされるほどの事したんだから」
「……ぅ」
「……バカ竜児」
そう切り返されて、またそう切り返して、二人はお互い顔を赤く染めて俯いた。
事情の分からない実乃梨だけが、一人首を傾げる。
「え、何?二人ともどうしたんだい?」
「……これは言えねえよ」
流石に恥ずかしすぎて言えなかった
――キスを拒否されて盛大に殴られた、とは。
471 :
クリスマス〜if story〜:2009/05/12(火) 15:37:46 ID:vB8sI/ao
竜児は最早羞恥の限界値を振り切って、「くぅ…」と喉の奥で唸り始める。
腫れたその頬にひんやりと冷たい手が添えられたのはその時だった。
驚いて顔を上げた竜児の目の前には顔を逸らしながら華奢な腕を伸ばす大河の姿。
「手、かじかんじゃったからさ……ここ、借りるわよ」
半ば自棄気味にそう吐いた後、大河はその俯きの角度を更に大きくする。
そして髪の間から覗いた耳を真っ赤にして、小さな声でこう付け足した。
「追いかけてくれて、ありがと……」
「……おう」
互いの熱で、既に右手は温かい。
それでも大河は頬に触れたその手を動かすことはしなかった。
END
いぁ、すばらしぃ。
473 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/12(火) 15:38:46 ID:vB8sI/ao
クリスマス〜if story〜
お疲れ様でした
また何かあればどうぞ
>>467 気になさらずに
ID抽出機能使えば屁でも無いわ!
失礼しました。言い忘れたけど
>>432です。
>>464続き。
-----------
「……。
怒らないで聞いてくれる…?」
「いや、なんだ?とりあえず言ってみろよ。」
本当に何かあったのだろうか。
大河の言う事なら出来るだけ聞いてはやりたいが、自分の力では解決してやれない無理難題を振られてしまっては困る。
身長がどうとか、哀れ乳がどうとか。
内容を言ってみろよと促すが、どうにも歯切れが悪い。
「うん…ん〜…
…えっと…
あー!どうしよぅぅダメダメやっぱ言えない…!」
「ったく、どうしたんだよ。
ほら、俺に出来ることなら、我が儘くらい聞いてやるって。いくらでもって訳にはいかねえけど、出来るだけな。だからそんな顔すんなよ。な?」
体をうねうねさせながら言い淀み、表情まで曇ってくる大河の手を一瞬振りほどく。
え…と悄気そうになったところを引き寄せて正面からぎゅっと抱きしめた。
今日は散々密着して歩いていたんだから、これくらいはしても許されるだろう。
途端に表情は転じて晴れとなる。
「えへへぇ…怒ったらやだよ?」
「おぅ、わかったって。なんだ?」
また一瞬黙り込む。
緩んだ表情から一転、きゅっと真剣な眼差しで、胸に埋められていた視線を上げた。
http://h.pic.to/yxodb 「夕飯とんかつ食べたい」
「………な……」
…大河さん今なんと……
>>474 -----------
「お、おまえぇぇ〜〜〜!!!」
「あんたがお昼に見てた献立の本あったじゃない!
あれに載ってたとんかつ!ミルフィーユとんかつ!あれ食べたいの、あれ…!チーズ挟んであったの、見た!?
やばい。ちょ〜〜〜〜〜おいしそぉ〜〜〜〜〜〜だと思わない?遺憾よね、チーズはダメよね。反則じゃない?
ね、今日はそれにしようそれに。とんかつ!ねえいいでしょ〜〜〜〜」
「………昨日は夕飯唐揚げだっただろうがぁ!」
俺の気遣いを返せこの馬鹿。
ちょっとカッコつけたさっきの自分もきれいさっぱり無かった事にしてくれ。
騙された、罠だ。
ああ、馬鹿は俺だちくしょう、涙が出ちゃう。だって男の子の純情を弄ばれたんだもん…
そんな潤んだ目でねだられて、本気で却下できるわけ無いだろう。卑怯だ。
「…川嶋にでも入れ知恵されたんだろ」
「へ?何が?」
「いや…なんでも。
その代わり週末まで肉は無しだからな。」
「え〜〜〜」
「えーじゃありません。じゃあとんかつは週末にするか、どっちかにしなさい。」
「致し方あるまい…その条件を飲もう。今日はとんかつは譲れぬ。」
きっとまた懲りもせずに俺はこの罠にひっかかるんだろう。こんなトラップ、どう回避しろと。
そう思うとちょっと凹むが、正直まんざらでもない。
最初は、地の文なんか入れるつもりなくて、会話で5行程度のつもりだったんだ。
こんな落書きとくだらないオチのために…
気がついたらこうなっていた。
自分でも何が起こったのかわからない。
ちゃんとした絵を上げたいとも思うんだけど、時間がとれなくてどうにも質より量になってしまう。
なんというか、サーセン。
SSも書いたことがなかったんで、読みづらいと思いますがお許しをー。
477 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/12(火) 16:08:05 ID:vB8sI/ao
>>476 いやいやいい落書きでございますよ
そしてオチもナイス
竜児はすっかりおかあさんだな
>>476 落書きなんてとんでもない!
あんた絵上手すぎだわ!
挟んでくるタイミングもベストだし
479 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/12(火) 18:30:06 ID:FzboRN+w
SS書ける人間はホントに神だな!マジで尊敬するよ!!
そんな神たちに頼みがあるんだが…竜児達が3年になって1年生が大河に惚れて竜児とライバル関係になるっていうのを見てみたいんだが…
よせ…そんなのみたくないぞ…
482 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/12(火) 19:46:04 ID:l2rsH3P+
483 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/12(火) 19:58:15 ID:l2rsH3P+
>>482 ボーボーの意味わかんないorz
他にもエンゲージリングに感想くれた人達ありがとう。
また少し間が開きますが、気長にお待ちくださいm(__)m
ついでにこれも。
>>333続き。
「聞きたいことってなんだ?告白なら今は受け付けてないぞ?」
すまない北村。
今はお前の下手なギャグに付き合っている余裕が無い。
「なあ北村」
一言前置いてから、俺は直球で聞いた。
「逢坂って、なんであんなに周りを拒絶してるんだ?」
俺の言葉に、驚いたような表情を浮かべる北村。
なるほど。
どうやら俺は間違ってないらしい。
『1話if・6』
「・・・なんでそう思ったんだ?」
数秒の間を置いて、北村が聞いてきた。
やはりそうか。
俺は北村の目を正面から見返した。
「やっぱり、お前は何かを知ってるんだな?」
「!!」
俺の言葉に再度目を見張る北村。
俺は視線を逸らさない。
「・・・なんでそう思う?」
「簡単なことだ」
軽く肩をすくめて、俺は言葉を続けた。
「俺の質問に対し『なんだそれは?』でもなく『そうなのか?』でもなかった。普通知らなかったことならそう聞いてくる。でもお前は、俺がなぜそう思ったかを聞いた。それはお前がその事実を知っていたからだ」
間違ってるか?
視線でそう問い掛けたら、あっさりと北村は両手を上げた。
「まったく。お前の分析能力を忘れてたよ」
そいつはどうも。
真顔のまま言ってのけた俺に対し、苦笑を浮かべつつ、北村は誰にも言うなと念を押してから話し始めた。
「俺も聞いた話だが、どうやら逢坂の家庭は崩壊しているらしい」
・・・崩壊?
いきなり出た単語の重さに、思わず絶句する。
その様子を敏感に察知して、北村が聞いてくる。
「やめるか?今ならまだ平気だぞ?」
思わず頷きそうになる。
でも・・・。
「いや・・・頼む聞かせてくれ」
そう。
俺はとことんあいつに付き合うって決めたんだ。
俺の覚悟を受け取って、北村が話を続ける。
大まかなことしかわからなかったが、どうやらこういった話らしい。
逢坂の両親は、既に離婚している。
原因は父親の浮気。
逢坂は父親に引き取られたが、父親と愛人の3人暮らし。
その愛人との生活に嫌気がさしたらしい。
当たり前だ。
逢坂にしたら自分の家庭を崩壊させた女だ。
そんなのと生活できる方がどうかしている。
それを父親に言ったら、マンションを買い与えられて、家を追い出された。
要するに、逢坂は捨てられた。
父親は実の娘より愛人を取ったというわけだ。
胸クソ悪くて吐き気がした。
「元々、両親の不仲を幼少から見続けさせられてきてのそれだ。一時期は完全に心を閉ざしていたらしいぞ」
北村の言葉に、思わずギリッと歯を鳴らした。
逢坂の心情が手に取るようにわかって。
あいつは庇護されるべき親から捨てられたんだ。
一番傍に居てしかるべき人間から、いらないと言われたんだ。
その時の絶望の深さを想像してブルッと体が震えた。
その時の悲しみの大きさを想像してまた歯が鳴った。
「・・・」
北村は黙ったまま、俺の激情が去るのを待ってくれているようだった。
「・・・話してくれてありがとな、北村」
「・・・ああ」
これで合点がいった。
さっきの逢坂の取り乱し様。あれは・・・。
「高須」
「え?」
ふと北村が俺を呼んだ。
視線の先、どこか真剣な眼差しで俺を見る北村が口を開いた。
「お前は何でそんなに逢坂に思い入れるんだ?」
「え?」
問われている意味がいまいちわからない。
俺が・・・思い入れ?
誰に?逢坂に?
「今までのお前は・・・こういっちゃ何だがその風貌にコンプレックスを持っていて、積極的に他人に関わろうとはしてなかっただろ?」
それが今回はやけに一生懸命じゃないか。
紡ぐ親友の言葉に、確かにそうだと今更ながらに気付いた。
そうだ。今までの俺なら、怯える他人の目が嫌で、極力関わりを避けてきた。
それなのに、なんで俺こんなに一生懸命なんだ?
「同情か?」
北村の台詞に、瞬時に睨みつける。
「だったら止めておけ。それは逢坂に失礼だ」
しかし北村は俺の目を真っ直ぐに受け止めたまま、凛と言い放った。
その迫力に、こっちが逆にたじろぐくらいに。
「俺にもいろいろ事情があってな。逢坂を侮辱するような理由だったら、俺がお前を許さん」
「北村・・・」
有無を言わせぬ言い様に、二人の間に何かあったのかと連想させられる。
何故か胸がちくりと痛んだ。
むしろ竜児に惚れる下級生女子との話が見たい
やきもちタイガー
「そんなんじゃねえよ・・・」
なんとなくやましい事を考えた自分が嫌で、目を逸らして弱々しく呟いた。
でもそれなら何だ?
俺はなんでこんなに・・・あ。
「そうか・・・」
そこまで考えて気付いた。
なるほど・・・そうか。
やっと思い至った答え。それは・・・。
「笑わせてえんだ・・・」
「え?」
独り言のように呟く。
そうだ。そうなんだ。
北村に顔を向け、軽く笑って見せた。
「あいつよ、俺のこと怖がらねーんだよ」
「・・・」
「初対面でこのヤクザ面ぶっ飛ばして、その後自販機んトコで話したときも、あいつ全然怖がらねーんだ」
そう。
あいつは俺を怖がらなかった。
この顔を見て、ぶっ飛ばして、それでも普通に話した。
それが・・・。
「嬉しかったんだな、俺」
「高須・・・」
「でもよ・・・」
そこで一旦顔を上げる。
目に入る太陽がまぶしくて、目を細めた。
「俺にその嬉しいをくれた奴は、何故か怒った顔と泣いた顔しか見せてくれねーんだ」
それが嫌だったんだ。
悔しかったんだ。
だから思わずあの時手を伸ばした。
あいつの苛立ちを解消してやりたくて。
あいつの・・・笑顔が見たくて。
「だから俺、こんなに一生懸命なんだな・・・」
気付いた気持ちは妙に清々しかった。
こんな感情は初めてだ。
誰かの笑顔が見たくて努力する。
それがこんなにも、俺の心を満たしてくれる。
あいつの笑顔を見るためだったら、どんな苦労も厭わない。
そんな風に思える自分が妙に誇らしくて胸を張る。
今まで自分の見た目で悩んでたことなんて、なんてちっぽけだったんだろう。
そんなもん、関係無しに接してくれる奴が居たじゃないか。
見つけたじゃないか。
そいつのために、今度は俺が何かをしてやるんだ。
あいつの笑顔を見るために、俺が俺のために努力するんだ。
「だから北村」
「ん?」
「これは俺のエゴだな」
「・・・聞こえ様はあまりよくないな、それ」
的確なツッコミに二人で笑った。
「そういうことなら、俺もお前を応援する。逢坂の為にも、頑張れ」
「おう。ありがとな」
ゴンと拳をぶつけあって、俺は逢坂の居るであろう教室へ走り出した。
まずはちゃんと知り合いにならなくちゃ。
よし!俄然やる気が出てきたぜ!!
勢いで書いた。後悔はしていない
「ねぇ竜児、どうして
>>449 とか
>>455 はマフラー、マフラーって言ってんの?」
「おう、そりゃお前、作品中でマフラーが重要な意味を持ってるからだろ」
「へ?重要な意味なんてあったっけ」
「おま…あのなぁ。まじで気づいてなかったのかよ。しょうがねぇな。
じゃ説明してやるから聞いてろ」
「なによ、偉そうな顔しちゃって。偉犬」
「なんだそりゃ。いいか?マフラーが出てきたのは6巻の生徒会町戦だ」
「変換間違ってる」
「うるさい。生徒会長戦だ。このとき、登校中に寒い寒い言ってるお前に、
俺がマフラーを巻いてやるのが初出なんだが、結び方が特別だろ」
「ぐるぐる巻きにして殺そうとしたのよね」
「違う!男物が長すぎるから、多めに巻いた後、車に引っ掛けられないように
後ろで団子結びにしたんだよ」
「かっこわる」
「いわゆる大河巻きだ」
「へー。世間ではそんな風に呼ばれてるんだ」
「いや、これ書いてる奴がそう呼んでるだけ」
「…」
「で、このシーンは単にマフラーを貸したってだけじゃない。重要なことがいくつか暗喩されてる」
「ぷぷぷ。あんよだって」
「暗喩だ。とにかく、普通ではなくお前用に気遣った巻き方は、ぶつぶつ言いながら
お前を気遣ってる俺の気持ちを暗喩している。で、マフラーはお前にとって俺を暗喩してるんだ」
「なにそれ」
「5巻の終わりで俺が櫛枝と近づいたことに、お前は気を遣って俺たちから距離をとろうと
するんだよ。で、横にいなくなった俺の代償として無意識にマフラーに顔をうずめてる」
「けなげよねぇ、私って」
「気を遣いすぎなんだよ。もっと素直になれ」
「なによ。でも、考えすぎじゃない?」
「このシーンだけ取り出してそう解釈すれば考えすぎだ。つーか。きもい。だが、夜の土手の上のシーンが続く」
「あんたが北村君殴るって飛び出したのを、私が追いかけたシーンね」
「おう。あんな夜に一人でふらふらしやがって。危ないだろ」
「大丈夫よ。私にかなうものなんかいないわ」
「馬鹿野郎。お前になにかあったら俺はどうやって生きていけばいいんだ」
「えへへ。竜児怒ってる」
「で、追いついたお前は、なぜ飛び出していったのか俺に聞くが、俺は答えない」
「けち」
「普段ならお前の回し蹴りが炸裂しても不思議じゃないんだが、そのかわりにお前は俺をくびり殺そうとする」
「マフラー返したのよ」
「そうそう。そのときに、お前も俺に大河巻きするんだよ」
「普通の巻き方でもいいのにね」
「ここで最初の『気遣い』解釈がやっと成立する。ようするに、普通なら怒るお前が、かわりにマフラーを
巻いてくれてるのは『あんたが何かいえない事を抱えているのは知っている。でも、聞かないことにする』って
いうお前の気遣いの暗喩なんだよ」
「やっぱり考えすぎな気が…」
「そうかもしれない。でも、この巻では初期の能天気設定が薄らいで、俺もお前もそれぞれ壁とか悩みを
持ってるんだよな。そして信頼できる相手としてお互いを大事に思い始めている。互いへの優しい気持ちの
表れとしての大河巻きなんだ」
「ふーん。やっぱりきもい」
「まだある。最初にお前が俺の代償としてマフラーをしていると言ったけど、土手のシーンでは俺が
お前の代償としてマフラーをしている」
「そうなの?」
「この巻では俺もお前も、手すら握れない間柄だ」
「1巻のお弁当シーンで握ってた。ていうか、あんた私が階段から落ちたとき…」
「そういう、当然の状況じゃなくて、お互いの心の交流の結果として手を握るまでいたってないってことだよ」
「考えすぎよねぇ、竜児って」
「うるせぇ。たとえば土手のシーンの前だが、夜中に二人でコンビニに行くシーンがある」
「私が泣いちゃったところだ」
「そう。あの時、俺はお前の袖を引っ張ってる。元気付けてやりたいけど、手までは握れないんだ」
「単に私に冷たかったんじゃないの?」
「馬鹿言え。村瀬から電話もらったあと、俺は『大河は北村のために泣いたんだ』って怒ってたんだぞ」
「…」
「うれしそうだな、おい」
「だって…えへっ」
「とにかく、手も握れないんだ。6巻では。その距離感の中で、お前の香りの移ったマフラーに
くるまれてるってことが、象徴的なんだよ」
「そのマフラーが、私ってことね」
「そういうこと」
「匂いかいでたんだ」
「お、おう」
「竜児のエロ犬」
「うれしそうだな」
「…えへっ」
「マフラーは最後のシーンでも重要な役割をしている。兄貴との私闘に負けて停学くらったお前は、
家に引きこもってる」
「私、勝ったわよ」
「そのとき、お前はベッドの上でマフラーにくるまってるんだよ。毛布じゃなくて」
「私、勝ったのに」
「ようするに、そういうことなんだよ。6巻では俺もお前も壁にぶち当たって、なんやかんや自分の
無力を思い知らされている。その無力で孤独な自分を黙って包んでくれる対象として、互いを無意識に
求め合あってるんだ。その相手の代償がマフラーなんだよ」
「なるほどねぇ。考えもしなかったわ。竜児ってロマンチックね」
「お、おう?そうか?」
「竜児赤くなってる!」
「うるさい。」
「ぷぷぷ。ところで『代償』の使い方おかしくない?」
「面倒だな。心理学用語だ」
「ふーん。で、アニメはどうなのよ?」
「アニメはさすがに尺の問題で心理的な掘り下げが難しいからな。かわりに効果的な演出に使われてる」
「たとえば?」
「後期OPアニメーション、いきなり俺は大河巻きだ」
「そうだっけ?」
「あとでDVD見てみろ」
「まっしろけーなー♪」
「My Silky Love♪な。『オレンジ』のEDアニメーションを見て俺が川嶋を選ばないことを暗示
しているっていった奴がいるらしいが、それを言うならOPの大河巻きは俺がお前を選ぶことを明示してるよ」
「…えへっ」
「それから最終話。2話でお前に『竜として大河の傍らに居続ける』と言った場所に、俺は一人で立って
お前を思いながら『距離も時間も飛び越えて。いつも傍らに』と心の中でつぶやく。そのとき大河巻き
してるんだよ」
「つまり、離れていても私は竜児のそばにいるってこと?」
「まぁそうだな」
「そう考えると素敵よね」
「だろ。さて、そろそろ温まったんじゃないか?」
「うん、もうのぼせそう」
「よし、あがるか。って、おい、あわてるな。ほら、拭いてやるからじっとしろ!」
「ねえ竜児!アイス食べよ?」
「だめだ。昼食ったろ。ほらほら、パジャマ着せてやるからじっとしてくれよ」
「アイス食べたーい!」
「だめだ。そんなにアイスばっかり食べて、体壊したらどうするんだ。さっきも言ったけど、お前が
病気になったら俺は生きていけないぞ」
「うれしい、そんなに愛してくれてるのね」
「当たり前だ」
「竜児、好きよ!」
「おう、俺もお前が好きだ!」
ギシギシアンアン
495 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/12(火) 21:15:42 ID:haFWP9Tu
>>484 深く考えないように
>>492 これはいいメメタァ
どころじゃない分析とそれを二人に語らせてるのとなんだかんだデレデレな大河にやっぱりメメタァ
でやっぱりこういうオチかw
風呂の中だったのかよwww
入浴中だけに
掛け合いがおもしろいwww
498 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/12(火) 22:28:28 ID:haFWP9Tu
誰か、大河巻きを描いてくれ!
もちろん具は大河だwww
500 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/12(火) 22:47:25 ID:haFWP9Tu
>>431 「失礼しちゃうわよ」で、うつむいて自分の両手の人差し指をつんつんつき合わせてる
大河を想像した俺は病気。
亜美の描写うまいわぁ。
>>497 誰がうまいことを言えと(w でもサンキュ!
セクロス三昧で妊娠するだろうと6話ぐらいで思ってたんだが
>>501 マフラーの意味って、ここまで深くは考えてなかったから
原作補完の意味でも新たな気付きを与えてくれたって意味でも
素晴らしくGJでした!
やっぱもうちょっと原作を深く読み直そうかなーと思った。
アニメも見直すと演出とかで後から気付くことが多かったからなー
皆さんお久し振りでございます。私を覚えていますでしょうか?
3スレ目辺りからSSを書かしてもらっていた者です。竜児という存在、Holiday、その他もろもろを書いてましたが、最近仕事が忙しく投下している余裕がありませんでした。もう7スレ目なんですね…書き手の方も増えてるのかと思います。
さて、この度仕事の方が一段落し、また投下したいと思います。
以前は携帯で書き込みしていたんですが、パソコンを購入し今度からはそっちの方で投下していくつもりです。
投下のスピードは遅くなると思いますが、さらっと読んでいただけたら、有り難いです。
皆様の大好きなニヤニヤ満載でお送りしたいと思いますのでよろしくお願いします。
P.S. 書き手の皆さんお疲れさまです。一気に読ませてもらいました、素晴らしい作品の数々でニヤニヤが止まりませんでした。ギシアン氏も相変わらずで(笑)また良い作品をよろしくお願いします。
では皆様長文失礼しました。
明日、明後日には繋がるはずなので、また。
505 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/13(水) 00:03:27 ID:haFWP9Tu
おう期待してるぜ
>>504 竜児という存在って一番好きな作品だったよ
おかえり!俺もゆゆこまとめ読み終えたら
書き始めようかな
>>504 お帰りなさいノシ
あなたのがあったから、俺のが竜児という存在anotherになったんだった。お懐かしいw
また楽しい作品お待ちしてます。
>>473 クリスマス〜if story〜、良かったです
こういうのが読みたかった!
原作にもアニメにもないけど、大河とみのりんの絆の深さを考えたら、
こういう葛藤があって然るべきだとおもう。
なんか自分の中で埋まった感じがする。
代理で投稿の方(でいいのかな?)も乙でした!!
>>504 まとめスレを最初から見てたら、このスレの長編良質作品の流れを
作ったのが 「竜児という存在」だったと思います。
最初の神の投下をまたお待ちしています。
勿論、ギシアンも大好きだー
ああ、あの予言者か
みのりん×あーみんのwww
2828満載だと!?
聞き捨てならねぇな、萌え殺すか住人を!?
耐えてみせるからかかってきてください
>>510 すまん、それ俺の方だ・・・マジごめん・・・orz
>>494 こういうのもいいねぇ。
おち(ギシアン)がまたよかった。
GJです。
>>458 代行、お手数かけました
重ね重ねありがとうございます
ってことで
>>458以下の作者ですが、なんか不意に自分の投稿みるとやたらこっ恥ずかしいわ……
兎も角待ってくれた皆さんありがとう……そしてホントすみませんでした
さて、アクセス制限解除されんうちは暫く読み手に回らせて頂きますよー
取り敢えず
>>494GJ
大河が竜児の匂いをかぎたがっている
「なあ、大河」
夕食の後の片付けを終えた竜児が、テーブルの前に座る。
「なーに?」
返事をした大河が、竜児の姿を見て凍り付く。いつも通りの穏やかな口調だったくせに、
竜児は正座。膝の間を拳5つ分あけて背筋を伸ばしてこちらを見ている。まるで「
なにかあったら俺が盾に」と、若頭の後ろに控えるやくざのようだ。
つられて大河も思わず起き上がる。テーブルをはさんで竜児の対面、枕にしていた
座布団の上で可愛く正座。
「な、なに?」
ただならぬ雰囲気に思わず口ごもる。
「いや、大げさに構えるようなことじゃないんだが。まあいいか。あのさ、俺昨日の
こと考え直したんだよ」
「昨日のこと?」
大河が首を傾げる。
「水着のことだよ」
「あー、あれ」
急に声のテンションが下がる。しつこいなぁという気持ちが声にも顔にもにじみ出ている。
「お前が水着を嫌がる理由は分かっているつもりだ。去年散々話したしな。で、今年は
お前が俺のことを想ってくれているからこそ、水着になりたくないと思ってる。それも
分かったつもりだ」
ストレートに言われて、大河がばつの悪そうな顔で目を伏せる。ちょっと唇を尖らせて
いるのが可愛い、と竜児は思う。
「俺はさ、前にも言ったけど、お前が傷つくのは嫌だ。耐えられない。だから水着の
無理強いはしたくない。だけどさ、もし元々の原因が誤解だとしたら、俺はそれを
解いてやりたい。そうしたら二人で楽しく海で遊べるじゃないか。な」
「…誤解って?」
竜児のテンションに押しきられるように大河が問う。
「俺はお前のことを哀れ乳だなんて思ってないんだ」
「わかってるわよ」
ぷっと膨らむ大河に
「そう、そこだよ」
竜児が畳み掛ける。
「お前は分かっているって言ってるけどさ。こんなことを言うとまた怒るかも
しれないけど、やっぱり分かってないと思うんだ。で、それは多分俺が悪いんだよ」
「あんた…ええ?」
何よっと頬を膨らませた大河の顔が一瞬で間の抜けた顔になり、頭の上に疑問符が
点灯する。あきらかに、今の唐突な話の流れについて来ることが出来ていない。
俺さ、実は昨日読んだばかりなんだけど。と、竜児がコンビニで立ち読みした記事の
話をする。お前が水着になるのをいやがるのは、俺があれこれ言うと思っているからだ。
俺が笑うと思っているからだ。だから、俺のせいなんだよ。30秒前に置いてきぼりを
喰らってしまった大河は、竜児の理屈から遠く後ろの平原でひとりぼっちである。
「ちょちょちょちょっと待ってよ竜児。何いってんのよ?私、訳分かんない」
怒りと言うより、必死の形相で竜児に問う。
「大丈夫。こっからが本論だから」
竜児は顔を赤くして大きく息を吸い込むと、目を丸くしている大河にはっきりと言い切った。
「いまから、俺がどれだけお前を綺麗だと思っているか、ちゃんと分かってもらうから」
「へっ?」
大河が口を開け、そのまま呆けたように固まってしまった。
◇ ◇ ◇ ◇
お前が水着姿を俺に見せたくないというのは、つまりは俺の気持ちがお前に伝わって
いないからだ。だから、お前に俺の気持ちを知ってほしい。それが竜児の言っている
ことだった。
「何から話そう。そうだ。まず、顔だが、お前、すごい美少女だぞ」
「ななななななによ、美少女って。ままんあがとかアンニメじゃなんだから」
「いや、冗談でも何でもない。だいたい俺は気づくのが遅すぎたくらいなんだが、
作りが小さいからと言ってお前は全然童顔なんかじゃないんだよ。恐ろしく美しい」
「う、美しいって、あんた…」
声が出なくなって初めて、大河は自分がとんでもないアウェー戦に放り込まれている
ことに気づいた。
ここでは殴る、蹴る、投げる、ひっかく、噛みつく、頭突きをくらわす、ねじあげる、
踏みつける、つねる、罵倒する、睨みつけるといった大河の得意な戦いかたが一切
許されていないようだった。なにしろ目の前の敵…敵と言っていいのかわからないが…は、
大河の恋人であり、しかもその本人が「俺はお前が好きだ!」と真っ正面から言って
いるのだ。ふざけているならともかく、これだけ真剣な竜児を殴るなどできない。
ずるい!大河はそう思う。これでは文句すら言いようがないではないか。見れば竜児も
顔を赤らめ、目を見開いてこっちを睨みつけている。あれは怒っているのでも冗談で
言っているのでもない。ましてや不動明王が大河のこれまでの悪行を裁くために地上に
降りたったのでもない。竜児とそれなりの時間を共有してきた大河には、わかる。
恥ずかしいと竜児自身が感じながらも、大河のために大真面目に心のうちをさらけ出して
くれているのだ。ちなみに不動明王が大河を裁くために降臨してきたら、竜児は大河を
かばって戦ってくれるだろう。大河にはその確信がある。
だが、その前にこの愛の地獄はどうだ。
「まず輪郭からして素晴らしい。時々、いや、いつも見とれるんだがお前の顎の
ラインの美しさってないぞ。生き物がどうやったらそんな綺麗なラインを持って
生まれてくることができるのか、俺には理解できねぇ。なんというか、ほら、
俺インテリアの雑誌とかよく見るだろ。たまにさ、ものすごく綺麗なガラス細工の
写真が載るんだよ。シンプルなラインのくせに手間がかかっているって一目で分かる
出来でさ。なんというか、無造作に見えるんだけど、いくら考えてもそのラインしか
ありえないものすごく繊細な一本の線が輪郭を作ってるんだよ。お前の顎のラインって
そんな感じだぜ…」
顎だけでこれだ。
当然のことながら、大河に向かってこれほど顎を褒めた人間はいない。というか、
顎って笑い飛ばすものだと思っていた。
ケツアゴ新八とか。
責められる思っていないところから責められて、大河は言葉も発することができない。
一方で竜児が話そうとしている話の全貌を思うに連れ、空恐ろしくなってくる。
「… でさ、ほっぺたがまた素敵なんだ。いや、俺みたいなツラの男が『素敵』なんて
言うと思うとお前は笑うかもしれないけどな、本当にその言葉はお前の頬にぴったりなんだよ。
まず色が素晴らしいだろ。なんていうか、そう、またインテリアの雑誌の話で申し訳ないけど、
ウェッジウッドのティーセットなんかにミルクを入れた写真とかあるんだけど、それだよ。
ミルクを溶かしたような色をしているんだよな。おまけにすごく柔らかそうだし。
で、お前表情豊じゃないか。ぷくっと膨れてみせたり、にこっと笑って見せたり。その度に
そのほっぺたが本当に可愛いんだよ。ああ、すまねぇ。可愛いなんてありきたりな言葉じゃ
ダメなんだけど。自分のボキャブラリーの貧困さが嫌になるな。もっと本を読んで表現を
勉強しなきゃ…」
大河は恐怖に震える。これで褒めた足りない?竜児がより深い表現を身につけたら、
この愛の百叩きはより広く深く長くなるのだろうか。
「…でさ、色がまたいいんだ」
色の話終わったじゃない。ミルク色でいいじゃない…
「照れたときなんかにさっと、淡い桜色に染まるのがほんとによくってさ、その後
真っ赤になっていくのも可愛いんだけど。そうかと思うと、おすまししているときに
ほんのり青みがかかってることもあって、あれって本当に綺麗だぜ」
…助けて…
大河の小さな心臓は壊れてしまったようだ。明らかにおかしなペースでトクトクトク
トクトクトクトクトクトクと血液を全身に送り出している。頭の先からつま先まで真っ赤に
なって、大河はふらふら。顎と頬を褒められただけでどうしてこんなに、というほど
赤面している。腕をつっぱらかして、手のひらは膝の上で握りこぶし。とても竜児の
顔なんて正視できない。視線は目の前のテーブルに釘付けである。
「それからやっぱり目だよ。変な話だよな。目玉なんてみんな丸いし、単にまぶたが
開いて目玉が見えてるだけだろ。みんな同じなのにさ、お前の目ってほんとに魅力的
なんだよ。つぶらな瞳って言うのか?キラキラ星が散りばめてあるように輝いてさ。
目ってほんとに輝くんだな。あれって光が反射してるのか?不思議だぜ。で、瞳が少し
ブラウンだろ。それがまたやさしい色合いなんだよな…」
いっそ竜児がフェチならば…と大河は思う。だったらぶん殴って「このエロ犬!」と
罵倒すれば終わりなのだ。だが、違う。竜児は自分が思っている大河の素晴らしさを、
持てる国語力を総動員して大河のためにつづってくれている。その間、大河にできるのは
羞恥によじれそうになる身をおさえつけて、座布団の上にちょこんと正座して硬直
しつづけることだけである。うつむきながら。
「でさ、まつ毛がまたいいんだ」
まつ毛まで褒めるの!?
「長くってカールしたまつげがさ、お前がちょっと顔を伏せたときなんかに瞳のうえに
かかって見えるんだけどさ。それがものすごく雰囲気があるんだよ。何ていうか、
憂いを帯びたって感じでさ…」
…まつ毛抜こうかな…
誉められているのだから喜んでいいはずだが、大河は素直に喜べない。誉められ慣れて
いないのだ。居たたまれないとはこのことだ。普段より50%能力の落ちた脳みその端で、
改めて亜美のすごさに感心する。よくもまぁ、あれだけ自分の顔かたちの話をされて
平気で居られるものだ。本当に馬鹿なんじゃないだろうか。
「それからやっぱり唇だよ。『薔薇の蕾のような唇』なんて言葉を前聞いたことがあって、
なんてキザな台詞だと思ったんだけどさ、まさにお前の唇がそうだよ。なんていうか、
まず形がいいよな。小さくて上品な感じに薄くて。でもって、色もきれいなんだよ。
なんなんだよその色。地肌が白いからもっと唇の色が目立ちそうなんだけど、そんな
ことないんだよ。桜色ってのも違うと思うけど、もっと儚げな色でさ。それこそ淡い色を
帯びた薔薇の花びらだよ。それでな、またお前の口の動きがかわいいんだよ。微笑んだときの
口の形とかさ、ちょっとすねたときのとんがらせたかたちとかさ。あ、そうそう。
とんかつ食べるときに本当に嬉しそうに口を開けるよな…」
もう、とんかつ食べられない…
そのあと、小さくて形の整った鼻が愛らしいこと、おでこが言葉にできないほど
かわいらしいこと。時折見える耳の形が綺麗で惚れ惚れすること、一つ一つのパーツが
綺麗な上に、それらが奇跡のようなバランスで美貌を構成していることを熱く語った
ところでようやく、
「あ、すまねぇ。茶が空だな。てか、もうこんな時間だったか」
竜児が話をとぎらせた。緊張が一挙に解けて大河が喘ぐように深呼吸する。
そしてお茶を用意している竜児の後ろで
「ひゃぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーー」
素っ頓狂な声を出して体を崩した。
「どうした?!」
足が痺れていることにようやく気がついたのだ。足の痺れに気づかないほど追い詰められて
いたとは。
「馬鹿だなぁ。痺れているなら早く言えよ。ほら、そんな座りかたしていても辛いだろう。
俺の座布団も使っていいから横になれ」
「…うん…」
普段より3割増のやさしい笑顔で座布団に寝かせてくれた竜児は、そのやさしい笑顔のまま、
大河の横にきちんと正座して
「それから…」
大河の髪がいかに竜児の心をとらえて離さないか、切々と語り始めた。
◇ ◇ ◇ ◇
「おはよう竜児…」
「おう…っておい!どうした?」
いつもの時間に図書館に現れた大河は、見るからにやつれていた。熱でもあるんじゃ
ないのかと聞く竜児に、力なく首を横に振る。
「ひょっとして、昨日の話。気分悪くしたか?だったらすまん」
本当に心配そうに話しかける竜児に大河は力なく微笑んで首を振る。大丈夫。ちょっと
眠れなかっただけ。
そう、眠れなかったのだ。あまりにも強烈な愛の言葉にあてられて、興奮状態で
眠れなかったのだ。こんなに興奮したのは、バレンタインデーの晩にプロポーズされた
とき以来だ。あのときは二人で手をつないで、未だ見ぬ未来へと向かってジャンプするような
興奮だった。昨日のは違う。壁際に追い詰められて竜児が運転する愛のブルドーザーで
押しつぶされるような興奮だった。
悪くないんだけど。
と、大河は思う。普段竜児が心に秘めている大河への溢れるような思いがよくわかる。
竜児は本当に自分の事を愛してくれていると思った。だが、大河の心の中で困ったことが
起きてしまった。竜児の目もくらむような言葉の数々が、気持ちを押し込めていた封を
破ってしまったのかもしれない。昨日の晩、大河はベッドの上でひたすら竜児のことを
考えながら3時過ぎまで眠れずにいた。
結局その日、勉強をする竜児の向かいで大河は本を読んでいただけだった。いや、読んでいる
振りをしていただけだった。ページをめくれど文字は目に入らず、瞳は磁石で
吸い付けられるように目の前の竜児の表情を追うばかりだった。
◇ ◇ ◇ ◇
タイトル付け忘れた
>>515-520 が、 You are too beautiful ね
>>428 応援ありがとう。推敲しながら投下してるんで、一気にとはいかない。
すまん。
朝からめちゃ笑ったwww
バツ悪そうな大河の様子がすごいおもしろかったw
今回はここまでですか!?
今後の展開に期待w
>>510 なんか書いたら書きたくなった。以前仕様で書いたから、まとめ人さん、3スレ目の『竜児という存在another』に追加してください。お願いします。
↓
大河「ねえ、竜児!みのりんからエアメールがきたよ!」
ある夏の日、久々のオフの大河が、ベランダへと顔を出した。
『そして続く今』
竜児「へえ!櫛枝なんだって?確か今、海外でソフト連戦中だよな?」
大河「うん!負けてねーぜって写真にも書いてある」
竜児「写真?」
洗濯物を干す手を止めて、竜児が大河の手元を覗き込む。
竜児「!・・・ははっ」
思わず笑いが漏れる。
大きく『負けてねーぜ!!』とマジックでかかれた写真の中、初恋の人は、彼女の今最も大切な人と抱き合っていた。
竜児「・・・川嶋も元気そうだな」
大河「うん」
写真を見て目を細める大河。
その瞳には、親友を託して間違いなかった、悪友の顔が映っていた。
大河「モデルの仕事、1年以上も休んでみのりんに付いていったんだもん。元気じゃなきゃ」
大河が安心したように頷く。二人ともが今幸せなのを確認して。
それでもかつての親友を奪われたのが気に入らないのか、
大河「・・・今度会ったら、『みのりん泥棒』じゃなくて、『みのりん強奪女郎』って呼んでやろうかしら・・・?」
竜児「やめとけ。不穏だ」
そう言って嗜める竜児の顔にも、笑顔。笑顔。
そうして繋がってく今に、喜びを現して。
>>523 『ピンポーン』
そんな中、響き渡る呼び鈴。
顔を見合わせる竜児、大河。
大河「きたかな?」
竜児「多分な」
もう一つの繋がって行く今。
この間の電話で、今日ウチに来ると言った親友。
シーッと二人で口に指を立て、わざと黙っている大河竜児。
そのまま放置したら、案の定、ドンドンと叩かれる扉。
合わせた顔が、思わず苦笑する。
???「開けろ高須ー!いないのかー!?」
響き渡る懐かしい声。
竜児が一呼吸置いてから声をかける。
竜児「開いてるから、乱暴すんな北村!」
北村「なんだ居るなら返事しろ!俺はともかく、彼女を待た・・・」
竜児「つか、お前じゃ壊れそうだから、嫁さんに開けてもらえ!自己紹介つきでな!」
北村「・・・えーと・・・それは本気で言ってるのか?高須?」
数瞬の間を置いた返答。
動揺を隠せない親友に、声を出さずに竜児は笑う。
大河に至っては、痙攣寸前だ。
竜児「当たり前だ!その為にきたんだろ!?」
北村「・・・わ、わかった・・・」
それからしばらく話し合う気配。
北村も苦労するな。
そうだね。
竜児の言葉に、大河も笑う。
暫らくのあと、再び鳴り響く呼び鈴。
竜児「どうぞー!」
狩野「お、お邪魔する。こここの度、北村の嫁になった、かか狩野すみれと・・・」
大河「ぷ!あはははは!!なんだそれ!?あ、あんた緊張しまくりー!」
狩野「て・・・手乗りタイガー・・・」
玄関まで飛び出して指差して笑う大河。
真っ赤になりながら、飛び掛かろうとする狩野を北村が後ろから抱き止める。
竜児が、笑顔をたたえたまま二人を室内へ迎え入れる。
そうして繋がる今を、彼らは生きていた。
大河「そういえばさ、竜児?」
竜児「ん?」
大河「さっき、北村『も』苦労するな、って言った意味、あとでゆっくり話し合おうね?(ニッコリ)」
竜児「・・・」
END
朝から神々が降臨しているぞ、
何かが起こる前触れなんじゃ…?
みんなGJとしか言えない自分が腹立たしい
526 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/13(水) 08:25:53 ID:QFa3RBSt
>>521 2828(*´Д`)ポワワ
竜児すごいよ竜児
527 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/13(水) 08:32:48 ID:QFa3RBSt
ここが神々の住むと言われるところか…
愛のブルドーザーとか凡人には思いつかないフレーズ
色の話終わったじゃないワロタwww
俺は「まつ毛まで誉めるの!?」に吹いたw
本当に文豪だなw
正直、並べるのが恥ずかしいよ(苦笑)
531 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/13(水) 12:16:14 ID:U941a9BH
竜児なら大河のまん毛まで誉めるはず
>>530 私は 「…まつ毛抜こうかな…」 に吹いたw
大河、そこまで動揺しなくても、てか、抜いたらアカン!
>>524 氏の作品も大好きです。楽しげなセリフ・雰囲気の中に、心情が散りばめ
られていて。 またよろしくです!
>>504です。
すまない…明日か明後日と言っていたが、タイミング的な問題で1週間後になってしまった…
ていうか覚えててくれてありがとう。
それまで話の内容をまとめておくので、よろしくお願いします。
シーンとしては夏祭りの一場面を書くつもりです。二番煎じかもしれないけど…書きたいので。
では外回りに行ってきますノシ
>>532 ありがとう。
でもあと1、2作投下したら充電期間に入りますw
『SNOW』を書き込みたいのと、『エンゲージリング』をしっかり書きたいのでw
短編はたまに書くかも知れませんが(苦笑)
あと『1話if』は、あんまり反応よくないので打ち切りでw
>>534 >あと『1話if』は、あんまり反応よくないので打ち切りでw
マジですか!?
自分的には好きな作品なのに・・・
536 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/13(水) 14:10:37 ID:WsoS42Ku
>>534 打ち切りいやあっ!
楽しみに読んでるのに!
>>534 打ち切らないでくれええ
毎日楽しみにしてるんだああああ
>>534 あなたの作品は好きだけど、反応悪いから打ち切りてのが気に入らない。
だったら、他の神で反応が悪い人は書くなってことにならない?
見てくれてる人が少数いたらよくね?
特別荒れることなくみんな仲良く、それぞれの作品を楽しく見てるんだ。
それでよくねえか?
反応悪いから打ち切りって、構ってちゃんもたいがいにしろ。といいたい。
つまり、俺もあんたの作品が好きだ。
だから、自分の書きたいときに書いてほしい。
ってことだ。
お前らもう新スレ500埋めたのか
若いのう・・・
542 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/13(水) 14:58:58 ID:WsoS42Ku
543 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/13(水) 15:00:41 ID:WsoS42Ku
〉〉539
別人だがお前の言葉に目が覚めた。
反応なかったやつだが書ききる!
打ち切りになんだこの反応!?Σ( ̄□ ̄;)
>>539 あー・・・ゴメンナサイ。
えーと・・・反応ないのは悲しいかな?構ってちゃんかもしれないかな?
でも、他にもシリーズ書いてて、なんだか手を広げすぎた感ありありなんで・・・あーもう!!言い訳やめる!
わかりました!何はともあれ自分の蒔いた種だ!たとえ少数でも見ていてくれたことが素直に嬉しい!
この上はきっちりニヤニヤできるように書ききるから、それでFA!?w
546 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/13(水) 15:44:24 ID:WsoS42Ku
>>545 やったぁ♥
どうもありがとう
愛してる♥♥♥
547 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/13(水) 15:45:24 ID:WsoS42Ku
>>544 だからそれだとアンカーにならんちゅーとるやろーが!
>か>を使いやがるれ!
>>545 反応はほしいよな。別にかまってチャンとは思わんよ。
>>539 だって
ツンデレの枠組みの中で書いてるんだろうし。
手広くやりたいのもわかるよ。アイデアに手が追いつかないことも
あるもんな。ROMが多いのは、ネットの宿命だし、商業出版できない
俺たちは、読んでくれてる人が居ることを信じて、好きなペースで
投下すればいいんじゃないだろうか。
「持込する勇気がないやつは、こうやってネットで投下すること
しかできないんだ。でも、俺はそれが恥だなんて思わねぇ」
って、竜児も1巻で言ってた(言ってません)。
いや、それは反応くれなくていいって意味じゃぜんぜんないんだが。
お前らがいちゃいちゃしあってどうするwwwww
ウホッ
>>550 書き方はツンデレっぽかったかもしれんが、俺は本気で思ってるよ。
反応ないからなんだ?とな。
自分もここで何度も書いたが、反応ないことなんてありまくったけど、書いてるのは、叩かれることなく、俺の作品であれることなくスレが進んでいく、それがうれしいんだよ。
確かに反応はあったほうがいいかもしれんが、最大の反応である「まとめサイト」には載っているんだよ。もれなくな。
スレは流れていくが、こうやってページに載っていく。
これを嬉しく思わないでどうすんだよ。
とあるアーティストがいっていたが
「誰か一人私たちを応援してくれる人がいればいい。私たちはその為に歌う。」
反応はなくても、みんなちゃんとみてる。
その気持ちを忘れないでほしいんだよ。
まぁ、ともかく、書いてくれるのは素直にうれしい。
続き、期待してます
スレ進むの早ッ
だいぶ後ろになっちゃったけど
>>460ネタで
http://up2.viploader.net/upphp/src/vlphp249629.jpg ----------------------------------------------------------------
「たーいがあぁぁ!!」
勢い良く飛び出してきた人影に、大河はびくりと一瞬その身を震わせただけで、
為す術無く若干体当たり気味に抱きつかれる。
----------------------------------------------------------------
原文ママだがどこもおかしくはない
// : : /:⌒丶: : : : :_:_: : : : : : : : : : :\
/ : : : : /: : : : : : : \':´: : : : `丶: : : : :\ : :'.
/: : : : : :| : : : : : : : : : : : : : : : : : : \ : : : : : :!
/: : : : : : :|: : : : :| : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ : : | : :|
: : : :/ : |: : : : :| : : : : : : : }: : : : : : : : : '; :│: :|
,′ : : : |: :│ : : : i : : : : |: : /: : : : : : : : : : : : j: : :|
: : : : : : |: :∧:、|: : l: : : : :|: /ヽ: :│: :j : : : : :∨: : :|
,′: : : : /|:/__ ∨ヽ:.: :``ー|/─ヘ: :}\; : : : : : :{: : : :\
/: :.|: : : /∨{{^う_∧: : / /斗テ≦ミx }: : : : : : :} : : : :j:\ 誕生日プレゼントは……
,′:,'|: : : : ∧ ヾVヒリ }/∨ 弋辷ソ}} j: : : : : : : ヽ: : :│ ヽ
{: :/ |: : : :\_ゝ `¨ `¨¨ /: : : /: :∧ : : : : |
∨ ∧ : : {: :人//// ' /////: : : /: :./: :j: : }:.:八 } 赤ちゃんにしてね、りゅうじ
/ ,′ヽ: :∨: : :>_、 r_、 _ >‐ァ´}: : :/: : :|: / : : : \ ノ
{ /: : : : \{: : : } :::::: >r- ‐ ´ {ノ::∨: :l : /: : : :|/: : : : :ト、 \
∨: : : : : : ∧: : :∨:::::{ /:::::/: : :レく_: : :ハ: : : : : | \ \
/: : : ノ!: : :{::::ヽ: : \::::ト、 ∠/:::::/: : : :///:∨ : ヽ : : :│ 〉: :.〉
/: : :/ | : : |::::::{\: : :ニヘ ∠ニ:/: : : :/彡::::::}: : : :i: : : :j__/: /
/: : / _ノ: : : |::::::、 } : }三\/三 /: : : / ,/:::::::::| : : : ! : : : : : /
. (: : : ( /: : : : : |::::::::∨ : {  ̄∨ ̄/: : : //:::::/::::|: : : ノ : : : : く
ノ: : : : ) { : : : : : |:::::::::八: : :)ー─‐/: : : : :/´:::::∨::::::|: /: : : : : : : \
>>553 マジレスするとね、単体ならいいんだよ反応なし。だけど長編だとモチベーション勝負なんだよね。少なくとも俺は。
だから反応無いと、ちょっと俺突っ走り過ぎかなって不安になるんだ。独りよがりなのかな?て。
そーすると書く気が見る見る失せて、書きたくなくなるんだ。
まあでも、今回のはそんなことないみたいだから、楽しく書かせてもらうよw
あとスレの雰囲気悪くして申し訳ない。
身勝手言ってすまなかった。読み手がいての書き手。俺の都合で勝手にやめて良いわけ無かった。ごめんね。
>>550 ありがとう。
557 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/13(水) 17:56:30 ID:FFs+1l+8
558 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/13(水) 17:57:54 ID:FFs+1l+8
>>556 「だいじょーぶ、だいじょーぶだから!!」
いつも楽しませてもらってるので、マイペースでヨロ。
>>558 あっ、グラさんとヅラハゲっすね。
ゴメンゴメン忘れてたわ。
帰りがけにスーパー寄って豚バラと挽肉と豆板醤と味噌と
ネギとみりんと片栗粉買ってきた
これから凶悪な眼差しで夕飯作りますw
562 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/13(水) 18:35:41 ID:FFs+1l+8
563 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/13(水) 18:36:11 ID:FFs+1l+8
>>561 みりんがみのりんに見えた
俺も重体だな
565 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/13(水) 18:38:34 ID:FFs+1l+8
>>555 __
'"´: : : : : : :`丶、
_/: : : : : : : : : : : : : : \
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
ノ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
`^7: : : : : : : : : : : : : : : : : 丶:.::ハ ̄
_イ: :.::_/ : : : : : : : : : : : : : .::|.::::::|
フ::::ハ|: /: . :/l:|:.:. :.:../::∧|:::::::|
´∧:ヽ(|:::/. :::/<|:.:. : : :::斗リ::::ハ! ああ…だがそれは結婚してからだッ!
/|::::Y`!/{::::∧゚ >l:::j:/゚_//:::/_ 俺はッ!卒業するまでッ!お前を抱かないッ!
/::::::|:::: \l小:/  ̄´ |ハ /|::/::::ヽ
__,...イ::::::::::::丶::::::::\\t_、 _′′〈:::::::::}
〃:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::ヽ_>`ー=ニ イ:::::::::::〉::::/
|l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ :::::\/>ー1::::::__/:/
.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::\/ ノ | ̄:::::/
>>559 ありがとう。
お詫びというわけじゃないが、次レスから一つ。5スレ目の『嗜好』/『趣味』の続きです。
わからない方は読み直して頂くかスルーでw
567 :
『趣味』続き:2009/05/13(水) 19:14:55 ID:1utAp5vO
「でもさ、これ洗濯してあるわよね?」
広げた衣服を指差して、大河がみつめてきた。
眼光鋭く。
「あ、ああ。当然だ」
怯みながらもちゃんと答えてやる。
いくら捨てるものとはいえ、最終決断をする前には必ずきれいに仕立て上げる。
それが今まで着た服に対する礼儀だし、愛情だ。
言葉にはしてないはずだが、その辺を感じ取ったのか、「・・・うざ」と小さな呟きが聞こえてきて、少しへこんだ。
>>567 「まあ何はともあれ、これはまだ未完成なわけよ」
「・・・」
・・・なんとなくわかった。気がする。
俺はじりじりと、気付かれないように身体をドアの方へスライドさせていく。
そして気付かせないように質問でカモフラージュ。
「・・・未完成って・・・なんだ?」
まだわかんないの?
言外に小バカにした含みを持たせながら、大河は肩をすくめて大袈裟に首を振って見せる。
いいぞ。そのまま目を瞑っていろ。
少しづつドアへ移動しながら、心で呟く。
>>568 嫌な予感は依然している。
逃げねばと思うほどに。
そして例に漏れず・・・嫌な予感ほどよく当たる。
「つまりこの服達には、あんたの匂いが皆無なわけよ」
目を瞑ったまま、出来の悪い生徒に教える先生よろしく、大河は右手の人差し指をフリフリ説明を続ける。
「でもって、私はあんたの匂いが欲しいの」
恥ずかしい事を、臆面もなく言うな。
逆に俺の方が赤面するわ。
>>569 ったく・・・。
ほだされそうな心を必死で繋ぎ止めながら、俺はまた移動を開始する。
そうとは知らず、大河はますます得意気に話し続ける。
「さて、それじゃあこの服に匂いを付けるには、どうしたらいいかしら?」
ニコリ、と満面に優しげな笑みを張りつけた悪魔が視線を向ける。
馬鹿野郎。
既に距離は充分にとった。
いつまでもお前の思う通りになると思うなよ?
「そこに俺を寝かせる・・・か・・・?」
念には念を。
言いながら、ちらりと視線をベッドに送る。
つられてそちらを向く大河。
「よく分かったじゃない竜児。わかってるなら話は早いわ。さ、ここに・・・」
一瞬目を切った大河の隙を見てダッシュ!!
イニシアチブは十二分。
目指すはあの扉!あそこを抜ければ・・・!
カコン。
え?
>>570 不意に視界が回転する。
縦に。
例えるなら、ジェットコースターで最上段から真っ逆さまに落ちつつ、そのままループに突入した感じ。
もっとも、回転の方向は真逆だったのだが。
それが足払いを食らわされ、前方宙返りをしたのだと分かったのは、床に強かに背中を打ち付けてからだった。
「い、いってぇ・・・グッ!?」
衝撃と痛みにあえぐ俺に、刺されたとどめは腹への蹴り・・・ではなく、足での抑えつけ。
「・・・どこへ行く気なのかしら?ねぇ、竜児ぃ?」
そうして目の前には、ニンマリと張りついた笑顔を向けてくる大河。
顔の上半分に影が差してるように見える。
「もしかしてぇ・・・あんた程度の身体能力で、私を出し抜けると思っちゃったのかしらぁ?」
優しげな表情とは裏腹の、怒気含まれる笑顔。
正直言ってかなり怖い。
なんとかして言い訳を・・・。
「あ・・・いや、い、インコちゃんに餌をやるのを・・・」
「一食位抜いたって死にはしないわよ、あのブサ鳥」
「あ、ある意味病気の母親の為に、帰ってきた時のケアを・・・」
「やっちゃんには、私から連絡しといてあげる。きっと快諾だから安心して?」
他には?
言外に殺意を秘めた問い掛けに、
「・・・ありません」
俺は静かに白旗をあげた。
>>571 とりあえずここまで。続きはまたいずれw
どこに書いてあったか、まとめ見に行ったら、しっかり『続く!』って赤文字があって思わず吹き出したw
てなわけで、まとめ人さん続きですw
「大河の弟だけあって泣き虫だよな、この子」
「なっ、あ、あたしが泣くのはあんたの前だけだからいいで……」
「っそれより、ほら私の弟ならそんなに泣かない、たかいたかいバー」
「…大河」
「なによ」
「なんかこういうの良いよな。俺早くちゃんとした大人になるから…」
「そしたら早めに、つくろうな」
「………エロ犬」
……
……
「…大河」
「こ、今度は何」
「お前の、たかいたかいはたいして高くはな、ぐぇぇ」
「あらっみぞおちにはいっちゃった、遺憾だわ」
了
書き手となると構ってちゃんになるよねw
続きktkr!
楽しみにしてます!
後、竜虎の娘のこととか書きたいんだけどスレチかな?
ゆゆこスレよりこっちに書きたいんだ…
スレチならそういってくれて構わない
576 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/13(水) 19:50:27 ID:FFs+1l+8
577 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/13(水) 19:51:17 ID:FFs+1l+8
>>575 「スレチって何?」
「体伸ばす運動のことだろ」
「それストレッチや」
俺は特に気にはしない
やべぇ良作多すぎw
麻薬竜児中毒書いた者だがクリーム・ソーダの人の新作、大河褒め殺し完璧ツボった。
続きを切に切に願う。ってか文豪とは俺よりあなたに相応しい。
あと服の臭いづけの人楽しみにしてる。大河の笑いが見えるようだ。
それと麻薬の奴で竜児の布団に潜り込むシーンの絵を書いてくれた人ありがとう。思いのほかエロっぽかった。
>>556 実は今俺も一話からのifを書いてみてるのだが、ネタかぶりだし投下はしないほうがいいだろうか?
あなたの許可が降りたら投下し始めようと思う。
嫌ならスルーもしくは止めてと遠慮なく言ってくれ。
>>575 どんどん書いてもいいと思います!
自分も、竜虎?みたいなプロットは完成に近づきつつあるが、ここで書きたいと思ってるので
是非、ここで見せてもらいたい!
待ってます
なるほど。
スレチかもしれませんが、竜虎娘ネタ書き出しますね。
コメありですっ
>>arl
いやホント、こんな暖かいスレはめったに無いよ。
みんな幸せ!を地でいってて最高ですw
>>576 おお、リンク貼ってくれたのか!さっきといいすまない。ありがとう。
>>578 決定権『俺』的なのやめてーっ!!(絶叫)
も、俺なんか気にせず、ドンドン書いちゃってください。俺も楽しみにしてますw
あと匂い付けにコメ多謝♪
久々に来たら神降臨しすぎててワロタ
「ねぇ竜児ぃ、とんかつの脂身っておいしくないけど、今日の豚の脂身っておいしかったよね」
ご飯の後だというのにごろごろと転がっている大河が、洗い物をしている竜児に声をかける。
今日のおかずは絶品だった。竜児から「豚キムチ揚げ」と聞いたときには(なにそのゲテモノ)と
思ったものだが、意外にもというか、竜児のことだからやっぱりというか、とてもおいしかった。
辛いものが苦手な大河のためにキムチからは唐辛子が除かれており、衣の中に閉じ込められた
適度の辛さと豚の脂のうまみが見事なハーモニーとなって、体の中の猛暑の疲れを打ち砕いて
くれるようだった。
「おう、旨かったか。豚の脂は本来旨みが豊かなんだが、とんかつの脂は大きいからな。
しつこすぎるのは事実だな」
「そうよねぇ、何事も適度であるべきよね」
頬杖をついて大河はデニムの脚をぱたぱた動かし、上機嫌に笑っている。洗い物を終えた
竜児は手をふき、エプロンを外すと居間に戻ってきた。その姿を微笑みながら追っていた
大河の表情が凍る。竜児はテーブルの前に正座し、両膝を拳5つ分開いて背筋をぴしっと
伸ばしたのだ。
え?昨日で終わったんじゃないの?そう心でつぶやきながら、悪魔に魅入られたかのように
大河も起き上がって正座。ありがたい愛の言葉を聞く準備をしてしまう。
「えーと、やっぱり照れるな」
と笑いながら、
「お前はとんでもない美少女だぞって話を昨日したわけだが」
と言葉を継ぐ。
「今日はスタイルも実はとてもいいんだって話を聞いてほしい」
ひぃ、と大河はのどの奥を小さく鳴らした。
ここに来て、この愛のガントレットのからくりに大河もようやく気づく。これが去年の
今頃なら、竜児が正座しようが土下座しようが知ったことではなかった。大河様は
お気に入りの座布団に寝そべったまま、「この駄犬」とか「エロ犬」とか「黙れ」など
好きに罵声を浴びせれば良かったのだ。だが、今や形勢は大河にやや不利である。
少々嫌な話であっても、大好きな竜司にこれほど居住まいを正されると、大河としても
正座せざるを得ない。そして、先に脚が痺れるのは大河なのだ。
逃げる手段を真っ先に奪われてしまえば、大河といえども、もはや30ミリ7砲身の
ガトリング砲の前に据えられたフランス人形でしかない。弾体に甘い言葉を仕込んだ
竜児特製の愛の徹甲弾は、どんな心の鎧もバターのように易々と貫通して大河の
心をとろかしてしまうだろう。
そして今日はお待ちかね、体のコンプレックスの話である。
「俺だって、お前の体の事をあれこれ言うのは本当はいい気持ちじゃない。俺は他人の
体の事をどうこう言う趣味はないんだ。でも、やっぱりお前がどれほどすばらしいかってのは、
言っておかないといけないと思う」
大河がゴクリとつばを飲み込む。既に顔が赤い。
「お前、川嶋が転校してきたときに『どうして私はちびなの』って聞いたよな」
「う、うん」
いきなりコンプレックスの中心近くをえぐってくる竜児に大河がたじろぐ。
「お前はちびなんかじゃない。小柄なんだ」
「…い、一緒じゃない…」
「違う!」
ちょっとうつむいて口をとがらせ、弱々しく反論した大河だが、竜児に一蹴される。おまけに
「お前みたいに愛らしいちびが居るものか。ちびってのは蔑称だ。だが、お前くらい
きれいな奴はほめられるべきなんだ。天使をちびって言うか?言わないだろう。天使は
小さいんだ。小柄なんだ。だからお前も小柄だ。天使と言えば、昔の人が描いた絵をみてみろ、
天使はみな小柄だろう。のっぽの天使なんかいない。デカ物には芸術性がないんだよ」
天使まで引っ張り出してきた。昨日より表現が大げさになっている。
「でででででも、私ガリガリだし」
体の特徴を取り上げられる羞恥に、大河は既にろれつがまわらなくなっている。
それでも一所懸命コンプレックスを正当化してみるのだが
「違うな。お前はガリガリなんかじゃない」
これも一蹴。
「お前は華奢なんだ。ガラス細工のように繊細な体つきをしているんだ。その、何度か
お前の手首を掴んだことがあるが…」
と、ここで竜児も赤面。
「びっくりするくらい細い。それは痩せてるとかじゃなくて、華奢なんだよ。ほんとうに、
見ていてそっと優しく包んであげたくなるほどお前は儚い。存在自体が夢のようだ。
まるで重さが無いんじゃないかと思うくらいだ。痛々しさとは別の次元にある壊れ物の
ような美しさなんだ。」
存在自体が夢のようだって…昨日はとんかつ食べる口の形どうのなんて話してたくせに…
突っ込みは入れてみるが心の中だけである。心の外は赤面したまま指一本動かせなくなっている。
「それから…えーと…去年、初めてお前の水着を見たときにな」
「…うん…」
あんたも見ればわかる、とばかりに大河の部屋で竜児相手に独占水着ショーを開いた晩の事だ。
「とても驚いたんだ。あのときまで、正直いっておれもお前は幼児体型だろうと思ってた。
でも、それは俺の思い込みだったんだよ。それがわかったんだよ」
「…思い込み?」
「そうだ。あのとき、口にはしなかったが、俺はお前の体がとても女らしくて驚いたんだ。
腰のラインは…その…すごくきれいにくびれていたし、肩のあたりも骨張っている
なんていうふうには見えなかった。本当に驚いたよ。でも、これは本当に正直に言わないと
いけないけど、俺はそのとき自分がなぜそんなに驚いているか分からなかったんだよ。
妙に罪悪感みたいなものに包まれて、お前の水着姿を直視し続けることができなかった。
いまならわかるけど、あれは自分が持っていた勝手な想像と、お前の本当の姿が違いすぎて
ショックだったんだな。きっとお前に女を感じちゃいけないと思ってたんだ。だけど
目の前に立ったお前の体は、なだらかで、女らしくて、優美で。華奢な骨格が本当に
美しく包まれていたんだよ。ちっとも子供っぽさなんてなかった。もう、妖精としか
言いようが無かったよ。女性の美しさを持っているくせに、小柄で華奢で、ありえないような
姿なんだ、お前は。すごくきれいなシルエットだったんだよ」
…妖精って言った?私のこと?幼少の間違いでは?
大河のほうは正面切って自分の体の話をされているため、緊張が激しすぎて、やけくそ
なのか錯乱しているのか本人すらわからなくなってきている。
一方、今や竜児も火を噴きそうに真っ赤だ。本当は灯りを消して、二人ベッドの中で
愛し合いながら優しく小さな声でささやいてやる方がいいのだが、残念ながら二人は
まだキスまでしか経験していない。そういうロマンチックな場を作るのは竜児には荷が重い。
結果的に、安アパートの中で繰り広げられているのは生々しい少女体型談義である。
可愛そうに、大河ときたら煌々と光る蛍光灯の下、畳の部屋の座布団に正座させられて、
顔は真っ赤、口は真一文字。まぶたをかっぴらいたまま逃げることもわめくことも出来ずに
自分の体に下される評を聞いている。
かろうじて口を開くが、
「…そんな…シルエットがきれいって…。私、真っ平らなのに」
さすがにつらくなってきたのか、大河のつぶやく声にちょっとだけ涙声が混じっている。
(すこし強引すぎたかな)と竜児は後悔しているが、それでもここが肝心なのだと思い直す。
なんとしても、竜児の想いをきちんと伝えて、大河の誤解を解いてやりたい。大河が怒るなら
仕方がない、あとで殴られてやる位の覚悟はある。
すこし声の調子を落として柔らかく話しかける。
「なぁ、大河。俺は見たこと無いんだけど。お前、本当は真っ平らじゃないだろ」
「…………本当は…って?」
ちょっとだけ見上げる目はやっぱり涙で潤んでいるようだ。
「その、たとえばお風呂に入るとき、自分で見るだろ…胸を」
「…………うん」
ようやく意味が通じた。
「お風呂に入るとき見ても、真っ平らじゃないだろ?」
「それは…違うけど…」
「やっぱりな。本当に真っ平らだったら、前から気にしてたろうからな。たぶん、ほかの
奴は気づいてないけど、お前、肉質が柔らかいから水着に押しつぶされてるんだよ」
「…どういうこと?」
「だからさ、その、俺も見たことはないから無責任なことは言えないけど、お前のは
決して真っ平らじゃないと思う。だけど、柔らかいから水着に押しつぶされちゃって、
それで真っ平らに見えるんだよ」
「…どうして竜児はそう思うの?」
小さな声で具体的な事を聞かれて、幾分たじろぎながら
「それは…その。だから水着を初めて見せてくれたときにさ、そう思ったんだよ。
なんだか胸のあたりの肉が水着に外に押し出されてるって言うか…」
口篭もる竜児の言葉を、大河がうつむいたまま懸命に聞いている。昨日に続いて
今日も心音はオーバーペース。医者が聞いたら即入院だろう。というか、入院させてほしい。
救急車呼んだら助けに来てくれるだろうか。愛の病なんです。いえ、病的な愛じゃなくて。
破裂しそうな心臓のせいなのかどうなのか、大河は息苦しくて仕方が無い。
「そんな…でも…でも、ほかの女の子はつぶれてないじゃない」
「それはさ、だから肉質なんだよ。きっと」
竜児はなるべく柔らかい声で、がちがちに緊張している大河に語りかける。話題が
話題だけに緊張しているのは竜児も一緒だが、大河の場合、はじめから顔が赤く
なりっぱなしだし、声も裏返っている。何しろ人一倍傷つきやすい大河に、延々と
体の話をしているのだ。話題的にはものすごくつらいだろう。
「その、手を握ったりしてわかるんだけどさ、お前の肌ってすごく柔らかいんだよ。
赤ん坊みたいにきめが細かくて。そんな肌って、望んで手に入るものじゃないんだろ。
きっとほかの女の子達もうらやましがるぜ。結局そういうことなんだよ。お前の
体が人間離れして、むしろ妖精とか天使に近いもんんだから、そこらへんの水着が
合わないなんて、あたりまえなんだ」
客観的に言ってめちゃめちゃである。しかし、竜児としてはそれほど脚色しているつもりは無い。
「俺はお前の体が哀れだなんて全然思ってないんだ。むしろお前はとんでもない美人で、
きれいなスタイルだと思ってる。嘘じゃない。お世辞でもない。本当にそう思って
いる。心の底からお前に夢中なんだ。そもそも、出会ったときからお前はきれいだと
思っていた。聞くのは照れくさかったと思うけど、それをちゃんとお前にわかって
ほしかった。まして、お前が自分を哀れだなんて思う必要はないんだよ」
少し間があった。竜児は自分の言葉が大河の心に届くのを待つように、じっと大河を
見ている。うつむいたままの大河は、しばらく言葉を探しているようだったが
「私、真っ平らじゃないけど、大きくもないよ」
「いいんだ、大きくなくて」
「ふ、普通サイズでもないよ」
「いいんだ。心配しなくて。お前はとてもきれいなんだから」
「…ちっちゃいよ」
「それがどうした。たとえ真っ平らだとしても、お前の美しさや魅力が変わるわけじゃない」
残っている不安を口にして、それは竜児が優しく手のひらに受けとって、怖がらなくて
いいと言ってくれる。
「ほかの子は…きっと笑うよ」
「それは」
と、竜児はちょっと微笑んで。
「俺だけが、お前の魅力をちゃんと知ってるって事だ」
「…そうなのかな…」
「おう、そうさ」
「そっか」
竜児の言葉をかみしめるかのように間を置いた後、ため息をつくと、大河はそのまま
ぽてっとテーブルに突っ伏した。
「おい、大丈夫か?」
「うん、足が痺れただけ」
よほど緊張していたのだろう。ぐんにゃりとテーブルに伏したままになってしまった。
「悪いことしたな。ほら、座布団使え」
そうやって立ち上がり、テーブルのこちら側に回り込んでくる。自分もあぐらをかいて
ぽんと座布団を叩く竜児に、やおら起き上がった大河が腕を伸ばし、首に絡みつけて
引き寄せた。結果、体重の軽い大河が竜児の体へと引きずられ、竜児の膝の間にぽふんと、
お尻が軟着陸。見事にだっこの姿勢になった。
「お、おい」
「悪いことってわかってやったのか、このバカ竜児」
唐突な大河の行動に狼狽する竜児の唇を、唇でふさぎ、強く吸う。やがて竜児も
大河の体に腕を回す。激しく長い口づけの後、ようやく竜児の唇を解放した大河に、
「…どうした、足が痺れてるんじゃなかったのか」
竜児が耳元でささやく。
「痺れてるわよ。じんじんして歩けない」
「そうか、じゃぁ、ゆっくり休んでいけ」
笑って抱きしめる竜児に、大河もしがみついて
「なによ、悪いって思ってたんじゃないの?ちっとも反省してないじゃない」
息を乱しながら揶揄するのだが
「おう、やっぱり怒ってたか。すまねぇ。ちと、やりすぎたかな」
「………謝らなくていい…嬉しかったから」
結局はトーンダウン。竜児の耳元で大河もささやく。
「でも、恥ずかしかったんだから。心臓が壊れるかと思っちゃったわよ」
「すまねぇ。もう言わねぇから」
「だめ!また言って。でも、今度はもっとロマンチックにお願い」
「お、おう」
◇ ◇ ◇ ◇
夜とはいえ夏真っ盛り。おまけに緊張して心臓フルスロットルだった大河は体が熱くて
仕方がない。それは竜児も同じだろう。抱き合ったまま、二人は汗びっしょりになって
いるが、それでもどちらも離れようとは言わない。
竜児に抱きしめられて、しびれるような幸福感に浸りながら、大河はぼんやりと
昨晩考えたことを思い出していた。
竜児に抱かれたい。
押し倒してほしい。着ているものを剥いで、奪うものを奪ってほしい。この体に傷跡を
残してほしい。竜児のものになったという痕跡を残してほしい。したたる血で消えぬ印を
肌に描き、お前は俺の女だと言ってほしい。なんならそのまま殺してくれたっていい。
ばらばらに体を引き裂き、心臓を取り出してその目で見てほしい。きっとその心臓は
竜児への焼けるような想いで一杯だから。
こんなのは、きっと性欲とは言わないのだろうと大河は思う。
本や雑誌で読むそういった話とは、大河の中の衝動は違うように思うのだ。女の子の
一番大事なものをあげる、などという甘いものとは、自分が抱えている激しい想いは
あまりにも違いすぎた。
「…竜児…」
おもわずつぶやいた名前に、竜児が抱きしめる力を強くする。駆け巡る幸福感に
漏れる声を押しとどめられない。自分があられもない声を上げそうで、竜児を
強く強く抱きしめ返す。
竜児が好きだ。
その気持ちをいったいどう表現したらいいのか分からない。何度か伝えてみようとしたが、
結局複雑で強すぎる気持ちは大河には言葉に出来なかった。自分がどれほど竜児を
必要としているか、どれほど竜児の役に立ちたいと思っているか、どれほど竜児なしの人生が
空虚だったか、たたきつけるように教えてあげたいのに、それができなかった。
伝えることをあきらめて、なんとか心の奥底の引き出しにしまい込んでいたのだ。
この激しい気持ちは伝えられないから。でも、その荒々しい感情を、竜児が引っ張り出して
しまった。早く竜児のものになりたいという乾きに似た気持ちは、自分の体を食い破って
しまいそうにも思える。
「…好き…」
なんて心細い言葉なんだろうと大河は思う。
自分の気持ちを言い表せない苛立たしさにあぶられて、いっそう強く竜児にしがみつく。
こうやって強くしがみつく以外に表現方法がないとしたら、この狂おしい気持ちに焼かれたまま、
自分は死んでしまうのかもしれない。かきむしりたいほどの胸の痛みに声を漏らしそうになる。
竜児の腕の中にいるというのに。
竜児のせいだ。竜児があんなことをするからいけないのだ。あんなことを言われつづけたら、
幸せすぎておかしくなっても仕方が無いではないか。
竜児はこんな自分をどう思うだろうか、と大河は不安になる。狂っていると思うだろうか。
おかしいと思うだろうか。あきれるだろうか。恐れるだろうか。嫌いになるだろうか。
捨てるだろうか。
それとも、変わらず愛おしいと思ってくれるだろうか。
◇ ◇ ◇ ◇
590 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/14(木) 00:34:02 ID:B0KKCvMR
キテター
竜児の愛情誉めまわしタイムは読んでる方もドキドキだぜ
>>522 >>528 >>529 >>530 >>532 >>578 >590
ありがとう。今回はコメディ分を強くしたので、大げさな表現もなりふりかまわずつっこめて
楽しんでる。その辺が喜んでもらえたようでうれしい。
2chはコテハンがあまり発言するとスレが荒れる傾向があるので、今までなるべく黙ってる
ようにしてた。だから、コメントをもらっても礼を言わないままになってしまった人もたくさん
居る。「クリーム・ソーダ」にイラストをくれた人にも礼を言いそびれた。みんなすまん。
そしてありがとう。
本当にコメントはありがたく読んでる。
>>499 のり巻きを想像した。
>>540 うむむ。大河巻きはいいものだよなぁ。絵が描ける人は嬉しいよ。
>>503 「とらドラ!」は二読目でまったく印象が変わるよ。伏線がこまやかで、いろいろ
驚くところもある。ぜひ読み直してくれ。
言い忘れたが
>>493-494 の下手人は俺だ。人生初のギシアン・オチ
>>591 すごくGJ!!
終わったのか分からなかったから、眠れずにまってました。。。。
> 「とらドラ!」は二読目でまったく印象が変わるよ。
逆に、2回以上読まないともったいないよねぇ!!
また、たのしみにしています!!
今推敲したら大した涼じゃなかったので「結」も投下だ。
と、思ったが連投制限に引っかかりそうなので明日にする。すまん。
595 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/14(木) 00:54:56 ID:B0KKCvMR
>>591 文体で下手人はわかる
それにトリップの意味はあくまでID変わっても抽出しやすくするためだと思っている
ID無し板でまとめやってた身としてはトリップ付の方がありがたいと思っている
596 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/14(木) 00:55:55 ID:B0KKCvMR
今日も幸せな気分で寝れるよ、ありがとう!
つーか今日は豊作すぎてホクホクしすぎな俺キモイww
良作の流れの中こんなお目汚し投下を許して下さい
キャラ崩壊しているので、イメージを汚されたくない人は絶対に読まないで下さ
い
【西瓜】
春田「はぁ〜、埋まりながらも西瓜を食べる大河は可愛いなぁ」
北村「おいおい、そんなんじゃ女の子は落とせないぞ、脳みそ春男。変われ」
春田「っ!?」
北村「大河、君はまるで西瓜の精霊と見間違えてしまう程西瓜が似合っているよ」
竜児「駄目駄目。褒め方が遠回りすぎて気持ち悪いし理解出来ない台詞多すぎ。そ
んなんじゃ、女の子どころか友達も去っていっちゃうよ。変われ」
北村「(′・ω・ `)」
竜児「大河。謝って種を飲むんじゃないぞ。…お前が飲んでいいのは俺の種だけ
だからな」
亜美「下ネタじゃねぇか!」
大河「……ぅん」
亜美「頷くんかい!」
【かき氷】
櫛枝「うっひょー!かき氷食べて頭キーンってなってる大河ちゃんマジラブリー
だぜぇ!」
亜美「鼻血垂らしながら言ったって気持ち悪いだけよ。少しは頭の筋肉捻れよ。
変われ」
櫛枝「の、脳みそぐらいあるもん!」
亜美「かき氷食べている時の仕種の一つ一つも愛おしいわよちび虎。このままい
ただいてしまいたいぐらいよ」
竜児「駄目だ。後半が常套句過ぎて、時めきが生まれない。そんなんじゃ、折
角恋人出来ても渇いた会話しか生まれないよ。変われ」
亜美「むぅ…」
竜児「大河、お前の食べてるかき氷練乳かかってないじゃないか。…なんなら、
俺の練乳をかけてやろうか」
能登「下ネタじゃねぇかっ!」
大河「……夜に…下の方に欲しいな…」
能登「さらに下くしてんじゃねぇぇえ!」
>>598 テラフイタwwwwwww
我が家風ですねww
>>591 > 言い忘れたが
>>493-494 の下手人は俺だ。人生初のギシアン・オチ
やはりあなたか!! でも、ギシアン・オチの使い方も上手いね!
今、原作二読目中、こんなにも初回見落としていたのかと、慄然とする
>>591 大河の顎のラインって、ガチできれいだよな・・・と思っていたので、
その描写が嬉しかった。
アニメのマジ作画の時、24話でのやっちゃん&大河母の前から、竜児の手を
引いて、駆け出す時とか、19話の着ぐるみ竜児を送り出した後とか・・・
竜児が語りたい気持ち、凄くワカルぞ!
すごい良作ラッシュ!流れ壊したらすみませぬ。
「Pay of the summer vacation」
割と長編になるかも
序盤ギャク大目なので苦手な方スルーお願いします。
高須竜児、高校3年の夏休みも半ばを過ぎ、まわりも受験色に染まりつつある。
そこで受験一直線になる前の最後の息抜きとして、また今年も去年と同じメンバーで
川嶋家の別荘へ行くことになった。ちなみに誘った当の本人は受験勉強などする気はないらしく、
曰く、「亜美ちゃん、チョーかわいいし〜、どこでも顔パス!みたいな?
あ、そうだ!高須君でも・・・いや、高須君なら簡単に顔パスで入れるとこあるよ!!」
「どこだよ?」
「刑・務・所♪」
「・・・・・。」
そんなこんなで
天気は快晴、絶好の行楽日和
「きたきたきたぁー!また今年も来ましたよ!あーみんの別荘!」
太陽の申し子、櫛枝実乃梨はキラキラと目を輝かせながら別荘の全景を眺める。
「みんな、歩かせてごめんね〜」
亜美が天使の笑顔を貼り付けつつ、心にもないお詫びをいれるのに対し、
「ほんとだよ」と毒づくのは手乗りタイガーこと逢坂大河その人である。
竜児は2人の会話にどこか既視感を覚えるも、すぐに泡となって消えてしまう。
今彼の頭を占めているのは「掃除」ただ一色。なんたって今向かっているのは
川嶋亜美の別荘だ。去年訪れた時の掃除のやり甲斐ときたらもう・・・。ぐふふっ、と口元は
隠し切れない笑みに歪む。竜児の頭の中では花びらが華麗に舞うように高須棒が乱舞している。
「あんた・・・また変なこと考えてる」
「おう!?これはただ掃除のことを考えてただけで」
「ふ〜ん、ほんと竜児はクリ中よね」
「く、クリ中?」
「clean中毒、感染するからあんまり近づかないで」
「くっ!病原菌を憎むこの俺を病原菌あつかいとは!だが・・・・・いやなんでもない」
大河には少し感染したほうがいいのではと声に出さずに思う。
「はははっ!掃除好きというのはいいことじゃないか!なぁ高須」
「「おうっ!?!?」」
2人は声を合わせ驚く。どんなに毒づいてもこれでもフィアンセ。一緒にいる時間が長いせいか、竜児の口癖も移ってしまったみたいだ。
振り向いた先には北村。いやまぁ北村なのだが、
「なんでお前はもう海パン一丁なんだ!?」
驚いた竜児の双眸は目の前の裸族を射殺さんばりに釣り上がるが、慣れ親しんだ北村には
何の効果もない。心なしか今横を通り過ぎた自動車が反対車線にはみ出した気もしたが。まぁ気のせいだろう。
「なんでって決まってるじゃないか!これから海に行くんだろ?
ということは海パンになるのは至極当然のことだ」
北村は男から見てもうらやましいくらい筋肉のついた胸を張る。
「いやまて。確かにもうビーチは見えるしすぐ隣は川嶋家の私有地だ。
だが、今歩いてるのは公道だぞ?おかしいと思わないか!?」
「思わんな」
どこに問題がある?と逆に聞き返してくるような北村の目を見て竜児は、はぁ〜とため息を吐いた。
もう駄目だ。こいつには何を言っても通じない。とあきらめかけたところで、
「竜児、北村君は悪くないよ。露出狂だもん」
大河からの強烈なビンタ☆。しかし大河は全く悪気がないらしく、優しい目つきで北村を見る。
「おー逢坂!何か今さらっとひどいこと言わなかったか!?」
「ううん、一般論を言っただけだよ」
反し手で往復☆ビンタ。にこっと無垢な笑顔を見せる。
「そ、そうか・・・」
さすがの北村も、大河の悪意ない攻撃にショックを受けたみたいだった。
「ほらみんな、祐作なんかにかまってないで行こう!実乃梨ちゃん先に行っちゃったよ」
いつだって亜美は幼馴染には優しくないのだ。
「う〜む、相変わらずいい別荘ですのぉ、あーみんどの。いやてかぶっちゃけここに住みてーー」
「うふ、ありがとう実乃梨ちゃん!部屋は去年と同じく階段から近い順に祐作、高須君、タイガー、実乃梨ちゃん、あたし
でいいよね?」
はーい、とバラバラに了承の声が上がる。
竜児は答えたはいいが、今はそれどころではなかった。
・・・・・ないのだ。シンナーが!なんてことではなく、いつ刺されてもいいように服の中に仕込んでいた週刊誌が!
なんてことでももちろんない。見渡す限りどこにもないのだ。ゴミやホコリが。ありえない。去年はあんなにも可愛らしく
掃除されるのを待っていたのに・・・。・・・・・まさか!!
「か、川嶋、もしかして、掃除したのか?」
まさに恐る恐るといった感じに訊く竜児
「うん、去年掃除大変だったしね。だから今回は昨日のうちにメリーメイドに頼んでおいたの!亜美ちゃんってほんっと
気配り上手♪」
ガクッと竜児は膝から崩れ落ちる。
「ちょ、高須君?」
メリーメイド・・・メリーメイドめぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!一度ならず二度までもっ〜〜〜
「ばかちー、ここは私に任せて」
後ろで事の顛末を見守っていた大河は四つん這いに近い状態になっている竜児に近寄り、
後ろから抱き起こした。そして抱きしめたまま、
「竜児・・・元気出して!」
「大河?」
「今度私の家を隅から隅まで掃除していいから!」
「すみからすみまで・・・?」
「そう!隅から隅まで!!きっとここの別荘とは比べ物にならないくらい
掃除のやりがいがあるわよ」
「・・・・・たいが」
「なに?りゅうじ!?」
「大好きだーーー!たいがーー!!」
「私もよ!愛してるわ!!りゅうじーー!!」
・・・なぁ、あーみん、北村君、これは突っ込んだら負けかね?
まぁこいつらのあれは今に始まったことじゃないけどね。
とりあえず、一言物申したい気分ではあるな。
「「「よそでやれ!!!」」」
その後、2人のアツイ抱擁は5分に渡って続いた。
とりあえず今日はこのくらいにしときます。
>>591 続きがあったか!
しかも大河が童顔でも幼児体型でもないことをフォローしてくださるとは。
そうですよね。大河はロリじゃないですよね。
>>607 真夏でもべったりラブラブな二人がいとおしいです。
既出ネタですが。
四レスで。
609 :
1/4:2009/05/14(木) 03:33:07 ID:iSLWRoS9
食器同士がが当たって起きる硬質な音と、テレビの下らないバラエティの笑い声が混ざり合って、
何やら平和な雰囲気を生み出している午後七時過ぎ。
「大河、お茶とコーヒーどっちがいい?」
竜児は洗い物をしながら、背後の居間でぼけっとテレビを見ている大河に訊ねた。
「『ホットミルクがいい。ハチミツ入れてね。あと何かお菓子を出しなさい』
おう、第三の選択肢かよ……って、あれ?」
違った。今のは竜児の脳内で再生された大河の音声テンプレート「アパート編・夕食後」
に収録されている「パターン・ホットミルクその二」である。
つまり幻聴であった。
「いけねえいけねえ、最近大河の行動がパターン化してるからな、
こう言うだろうなって想定に対して返事しちまったぜ……」
誰ともなしに説明くさいセリフを呟き、竜児は食器を洗う手を止めて振り返る。
「大河?」
果たして大河はいつもどおり、半分に折った専用座布団を枕にだらしなく寝そべってぼけっとテレビを眺めている。
聞こえなかったのだろうか。それとも無視しているのだろうか。後者はたぶんないだろう。
なぜなら今日の夕食は竜児特製ハンバーグで、大河は飢えた猫科動物のごとく鼻を鳴らして貪り、
挙句竜児の分にまで狼藉を働いたからだ。
食べすぎで気分が悪いのを八つ当たりしているのではない限り、機嫌が悪くなる要素はないはずだ。
前者は何となくありそうな気がする。高須家滞在中の大河は近頃特に緩みすぎだった。
はっきり言ってだらけきっていた。
『もぉ大河ちゃんったらぁ、食べてすぐ寝ると、牛さんになっちゃうんだからあ」
『大丈夫よやっちゃん。私太らない体質だから』
『そっかぁ☆ じゃあだいじょぶだねえ〜』
『お前ら……』
というボケ倒しの会話が、竜児の記憶が正しければこの一週間だけで三回は繰り返されている。
お前、太るぞ。と言ってやりたい気持ちもあったが、
それ以前に大河があんまりにもぐでんぐでんのでろんでろんなので、
お脳が衰えてしまうのではないかと言う心配が先行するくらいである。
今でこそ成績は悪くないが、帰ってから勉強している様子もないし、授業中はしばしば居眠りしているし、
自分が甘やかしたがために大河はばかになってしまうのではなかろうかと、
竜児は一抹の不安を抱えているのだった。これが親心というやつか。
そして何より年頃の女の子が一応は異性である竜児の前で、
こんなに油断しきった醜態をさらしてもいいのだろうか。いいやよくない。
醜態と呼ぶにしては随分と可愛らしくはあるのだが。
610 :
2/4:2009/05/14(木) 03:34:22 ID:iSLWRoS9
「おい、大河」
やはり返事はない。竜児は手を拭いて大河に近づく。
「……おい」
うひぇっ、と何だかよく分からない悲鳴を上げて、さすがに大河は反応した。
逆光になった竜児の顔がさかさまに現れたからだ。
その拍子に跳ね起き、額と額が『ごっつんこ☆』ではなく、鈍くくぐもった音を立てる。
世に言う、タイガーヘッドバットである。嘘だが。
目の前に火花が散った二人は言葉もなくその場を転げまわる。
インコちゃんは混濁した瞳で愚かな人間どもを睥睨し……てはいなかった、目を開けたまま眠っていた。
「ってえ……ッ! 何すんだよ!」
「こっちのセリフだ人面犬!
いきなりあんたの顔無修正で見たらびっくりするに決まってんでしょうが!
普段はね! あんたの顔をなるべく正面から見ないように……
どうしても見なきゃいけないときは十回深呼吸して覚悟を決めてから見るんだから!
おー痛っ」
「……の割りにえらく舌が廻るじゃねえか石頭め。お前が返事しねえからだろ」
アルファベットで言うところのオー・アール・ズィーの格好で額をさすりつつ、大河はきょとんとした。
「私、呼ばれてないわよ」
「……二三回呼んだぞ」
「…………」
「今のはほんとに無視だろ」
コブになってねえかな。竜児は額をおさえてやっとのことで起き上がった。
死の危険すら感じた一撃だった。いつか本当に殺されるのではないだろうか。
過失で。
「大体お前なあ、最近気ィ抜きすぎなんだよ。
毎日毎日日付変わるまで何にもせずにゴロゴロゴロゴロと。お前は雷様か」
「だってあんたと居るとなんか落ち着……じゃない!
こっちは毎日駄犬のお守りで疲れてんの! だからゴロゴロしてもいいの!」
「? つったってなあ、限度ってものがあんだろ、
今だってぼけっとして俺が呼んでるのも聞こえてねえし。耳垢でも溜まってんじゃ、な……いか?」
おうっ、と竜児は弾かれたように起き上がった。凶眼がぎらりと見開かれる。
三度までも自分を無視してすっとぼける大河に死の鉄槌を下してやろう。
と思っているわけではない。
「大河、ちょっと耳見せてみろ」
「え? いやよ何で耳なんかあんたに」
「いいから見せなさい!」
「ちょ……やめ……っ! ステイ!」
日常的に駄犬呼ばわりしておいて本当に言うことを聞くと思っているのだろうか。
命令不服従が駄犬のアイデンティティー! 手乗りタイガー頂いた!
と言うわけではなく、竜児の主夫な精神世界は完全に掃除モード一色である。
大橋の掃除マイスターをもって任ずる竜児の魂がレッドアラートを発しているのだ。
「こ、これが人の業か……」
611 :
3/4:2009/05/14(木) 03:35:58 ID:iSLWRoS9
「あ、あのさ……」
「動くなって……ただでさえ狭くてやりにくいんだ」
「あの……ちょっと抜いて……」
「ん? すまん、痛かったか?」
「い、痛くはないんだけど……」
大河は表情を隠すように上気した頬に手を当てた。
き、気持ちいいんだけど……とごにょごにょ口の中で呟く。
「……はっ、恥ずかしいんだってば!」
「だあー! 動くんじゃねえ!」
ttp://sakuratan.ddo.jp/uploader/source/date110362.jpg つまりは耳掻きである。
竜児は失望の声を上げた。
「ああ、もう少しで信じがたいくらい巨大な塊が取れたのに……
ありゃUMAクラスだったぞ。どんだけ溜めてんだよ。何かの願掛けか?」
「そうそう、
『神様、私一生耳掻きしません。だから背を伸ばしてください。ついでに胸も大きく』
……って! んなわけあるかああああ!!!」
空気を切り裂く本気の掌底を紙一重でかわし、竜児は一瞬気が遠のくのを感じた。
ドブ川の向こうで致命的に目つきの悪い男が手を振っているのを幻視した竜児は、
危ういところで正気に返った。
「いや、死んではいないんじゃないかな、きっと」
「何言ってんの? ボケたの? バカなの? バカだから死ぬの?」
「お前と泰子とインコちゃんを置いて先立てるかアホ。今死んだら心配で生き返っちまうぞ。不死鳥のごとく」
「鳥じゃなくてゾンビでしょ……バリイドドッグ……」
「埋めんな」
リンボーダンスよろしく極限まで反った姿勢から、腹筋の力で何とか復帰する。
身体ごと飛びのけなかったのは膝の上に虎が寝ているからである。膝乗りタイガーである。
「つうかほんとに動くなよな? 危ないのはお前の耳なんだからな」
「だって……」
仰向け膝枕状態の大河は唇を尖らせた。どう見てもバカップルであった。
「……仕方ねえ、心残りだが……すごく心残りだが、そんなに嫌ならやめるか」
「えっ、だめよ」
「ん?」
「あ……」
612 :
4/4:2009/05/14(木) 03:37:21 ID:iSLWRoS9
大河は蒸気でも吹き出しかねない勢いで真っ赤になった。
そんな風に照れられると竜児の方も何か収まりの悪いものを感じてしまう。
掃除熱に浮かされて全く忘れていたが、
十六年間女子とキャッキャウフフな展開を経験したことのない竜児の膝の上には、
その性情がいかに凶暴であろうと隠れファンを増やしつづけるほど(見た目は)可憐なミニマム美少女、
逢坂大河の小さな頭が乗っかっているのだ。それも、なんだかんだと言いつつ完全に身を委ねて。
意識しだすと途端に、陶器のような、それでいて温かみのあるミルク色の頬や、
そこに差した鮮やかな朱の美しさやら、通った鼻筋の曲線が作り上げる横顔の完璧さ、
髪をかきあげて現れた小さな耳の愛くるしさやらが竜児の頭の中で渦を巻いて、
じわじわと恥ずかしさがこみ上げてくる。
よく考えなくても、クラスメートの女子に耳掻きをすることなんて、普通ありえない。
そんな竜児の様子など露知らず、大河は頭の位置を直す。
「仕方ないわね、あんた気持ち悪いくらい綺麗好きだから、こういうの放っておけないんでしょ?
とっっっくべつに、我慢してやらせてあげるから、続けなさいよ」
「……あ、そう」
*
「ねえ竜児……帰ったらさ」
甘えたような声を出す大河に、帰り支度をしていたクラス中の耳目が集まる。
もちろん、本人は無自覚であって、聞いている竜児も何のことはない、と言う顔である。
「お前なあ、そんな毎日やってたら傷つけちまうだろ。デリケートな部分なんだから」
「だって気持ちいいんだもん。ちょっとでいいからーねー竜児ー」
「んなこと言って始めたらちょっとで済まさねえだろ、お前は」
「いいじゃん私がいいって言ってんだから。あんただって好きなんでしょ」
「ま、まあ嫌いじゃあねえけど」
「へっへー! じゃあ晩御飯の後にね」
「はいはい……」
二人が後にした教室は、騒然とするクラスメートと、
「え……へへ……おじさんアテられちまったよぅ……うへへへ……」
幸せそうな顔で鼻血を垂らす実乃梨が残されていた。
もまえの耳を掃除してやりたいwww
竜児の左手の位置がおかしかったorz
>>598 みのりんだけキャラ崩壊してない!ふしぎ!
実乃梨は大河にハァハァしてるんだろうな
金も要らなきゃ
男も要らぬ
私ゃも少し
背がほしい
620 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/14(木) 11:47:30 ID:E7FymaSb
大河心の叫び
亀レスだけど
>>493-494面白かったです^^
本編でマフラーって二人にとって重要なものなのはわかってたけど
そこまで深い意味まで考えたことなかったから感動した!
とらドラ!は本当に何回読み直しても面白い。
ここの作品はどれもあったかいものだね
スレの人もあったかい人ばっかり。
GJです!
>>619 違うだろ。
金もいらなきゃ
背丈もいらぬ
あたしゃ竜児が
居ればいい
だろw
623 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/14(木) 12:36:03 ID:CyzqoUP3
>>613 まぎわらシリーズ乙
絵もいいなあ
なんかこの絵柄に最近ハマってきた
624 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/14(木) 12:36:24 ID:CyzqoUP3
幸福屋更新してたー!!
北村×すみれネタだったが竜児のあぐらに座る大河が……ぐふっ!!
あとはタノム……。
627 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/14(木) 14:44:03 ID:E7FymaSb
>>598の同類物
こっちのほうがキャラ崩壊激しいので、御覚悟を
【花火】
大河「はぁ、花火打ち上げたいなぁ」
能登「おいおい、花火ならもう打ち上げただろ?俺と君の恋のやつをさ…」
幸太「臭いって。全く、臭いのは息だけにしろよ影薄。変われ」
能登「か、影薄……」
幸太「ほら、線香花火だ。…打ち上げられる程の花火は用意できない…いや、し
たくない。だって、君の目線が遠くに行ってしまうから」
竜児「だーめ。全然駄目。妬きもちは無機質に向けるものじゃないよ。そんなん
じゃ、デート一日目で別れ話を聞くことになりまちゅよ〜。変われ」
幸太「うっ……」
竜児「花火…打ち上げたいんだろ。ならさ、お前の中で俺の花火を打ち上げない
か」
会長「下ネタじゃねぇぇかぁあ!」
大河「竜児…私もうち――
会長「言わせねぇ!!」
【下ネタじゃねぇか!】
櫛枝「高須くーん。あの、えと…その………縛って欲しいの…」
亜美「SMじゃねぇか!変われ」
亜美「竜児くん……縛っていい?」
大河「SMじゃねぇか!変われ」
大河「竜児……して?」
竜児「おう!」
櫛枝&亜美「ノーマルじゃねぇか!」
竜児「大河…お前もうこんな濡れて……」
大河「だって…最近してくれないから、欲しくてたまらなかったんだもん…」
竜児「大河…ごめんな。もう、寂しくはさせない!」
大河「竜児…優しく…ね」
竜児「よし、い――
櫛枝&亜美「ヤらせねぇよ!?」
【会わなかった一年間】
一年ぶりに『家族』揃っての夕食を食べた。五合炊いた米は冷蔵庫に送られること無く全部片付くし、泰子もとても嬉しそうだ。そしてなにより…
「竜児…美味しい、美味しいよ」
泣きながら俺の飯を食べてくれる最愛の人がいる。本当は俺も泣きそうなんだが、ここで泣いたら男として示しがつかない。
「大河ちゃん会わないうちにまた可愛くなったね〜」
「グスッ…そ、そうかな」
「そうよぉ〜。ね、竜ちゃん」
「お、おう!」
勢い良く肯定したが、恥ずかしくなりちょっと目線を逸らす。一呼吸、二呼吸おいてから大河の方に目線を移すと、真っ赤になりながらも嬉しそうにしている姿が映った。本当にどこまでも愛おしい。
一年間という空白は大きい。そのせいで、仕草一つ一つが輝いて見える大の大河好き…いや、大河フェチになってしまったらしい。
恋は厄介だ、と誰かが言った。そう。まさにそのとおりだ。恋はそれが叶った後に無限に増えていく相手への愛おしさを残してゆくのだから。
「ねぇ、竜児。向うの学校で教えてもらったことがあるんだけど、試していい?」
食後のお茶の席で大河はそう言った。勿論断る道理なんかない。
「おう!」
「じゃぁ、いっしょにやろ」
「あ、待て。まだ飲みかけなんだよ」
「いいから!後ででも飲めるでしょ」
ぐい袖をと引っ張られる。そのとき、大河の手が俺の手とちょっとぶつかった。
「あっ!」
たちまちに体温が上昇する。それは大河も同じなようで、顔を朱に染めて手を離された。
「もう!良いから来い!」
「お、おう」
触れた手を少し見つめてから後を追った。
大河は少し開けた場所まで移動して足を止めた。
「じゃぁ、いくよ」
「おう」
「セット」
「は?大河なにやって…」
セットと言った大河は、半身のような体勢をとり体をゆすり始める。
「ツッチーツッチーツッチーツッチー」
理解が追いつかない俺を無視して大河がくるくると回りだす。掛け声も回り方も奇妙だ。
「ツクダンズンブグン、ツクダンズンブングン」
ツッチーが終わると、今度はこれまた奇妙な掛け声に合わせて奇妙なダンスをしだした。先が見えないというものじゃない。先がないような行動に止めることもできない。
「エショパンポンションペンションパンションタンツンサンパーツン」
「あの…大河?」
一応締めみたいだったので、この終始奇妙な行動が何なのか聞いてみる。
「やれよぉぉぉぉぉお!!!」
「えぇぇぇぇ!!」
一年間の空白は大きい…
>>630 それこの前ゲーセンでDQNが嬉々としてやってたからなんかしんどい
キャラ崩壊しすぎだろwww
まぁ、おもしろいからいいけどね
>>630 ネタがまったくわからねぇ。櫛枝、助けてくれ。
ズクダンズンブングンゲーム
もしくは
はんにゃ
で検索すればおk
634 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/14(木) 19:40:19 ID:Ym8NF5H3
把握した
完全に意味不明…
ss用のオリネタだと思ったオレは今年40…orz
638 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/14(木) 21:02:22 ID:E7FymaSb
>>635 はんにゃが今女子中高生に大人気らしい
たまには地上波のバラエティー見てみよう
639 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/14(木) 21:07:43 ID:nnPBglfw
神降下頼みます!
>>637-638両氏ありがとうございます
ちょっとググってみた
本能寺の変はちょっとおもしろそうだった
ダンスも理解した
スレ違スマソ
夕食の後。
ゴロゴロしている大河を見てお小言を言いつつも、食器の片づけを終えた竜児は
愛用のエプロンで手を拭きながら居間へと戻ってくる。
はぁ、こいつは食って寝て牛になったら、乳も大きくなるのだろうかとか考えながら。
「ねえ竜児」
唐突に大河が話しかける。
「おう?」
「もう夏よね」
「そうだな」
「ねぇ、夏休みになったら、一緒にあれしない?」
「ん?どこか行くか?海か?」
「海じゃないわよ!」
「海じゃない?またみんな誘って川嶋の…」
「別荘じゃないし!ばかちー関係ないし!」
「お、関係ない…?」
「違うわよ!夏になったらみんなやるじゃない、あの遊びよ!」
「遊びか?…何だ?」
「…竜児。ほんとにわかんないの?」
「おう…」
「ズクダンズンブングンゲームよ」
「…聞いたことねえよ」
「みんな知ってるわよ」
「しらねえ」
「本当に知らない?」
「しらねえよ」
「本当に知らないの!?」
「……もしかして知らないの俺だけか?」
「そうよ。知らないのは竜児だけよズクダンズンブングンゲーム!」
「そうなのか?」
「ちょっと信じられないし!ありえないし!たかすりゅうじ!」
「俺かよ」
「いいわ、私が教えてあげる」
「お、おう。頼む」
「じゃ、私が攻めで竜児が受けね」
「誰に吹き込まれた」
「…セット!」
「セット…?」
「ツッチーツッチーツッチーツッチーツッチーツッチーツッチーツッチー」
大河は奇妙なポーズで竜児の周りを回り始める。
北村が見たら間違いなく「ははは楽しそうなことやってるな逢阪ぁ」とか言って一緒に踊り始めるだろう。半裸で。
「はいやる!!」
「お、おう。ツッチーツッチーツッチーツッチー」
とりあえず真似をしてみたが、慣れないポーズのうえ部屋が狭くて動きづらい。
なにより俺は大河みたいにコンパクトじゃない。
「いくわよ!ズクダンズンブングン!ズクダンズンブングン!」
そのあまりの奇妙な動きに思考が停止する。
大股で髪を振り乱すフランス人形はある意味ホラーである。
「待て!ちょっと待て!」
思わず、振り上げたその腕を掴んだ。
「ちょっと何止めてんのよバカ竜児!!」
「待て!わかるように説明してくれ!」
「いいから真似するの!」
大河がこうなったら止まらないのはよくわかっているが、止めずにはいられなかった。
「やりなさいよ…!やりなさいよこのバカ犬…グスッ…」
力比べが暫く続いた後、今にも泣きそうな顔になっている大河の顔に気づき、思わず腕を放す。
「わ、わりぃ…」
「私だって恥ずかしいんだから…バカ竜児…」
「悪い…。お前、俺とそれやりたいのか?」
黙って頷く大河。
「よしわかった。一緒にやってやる。だからもう泣くな」
「りゅーじぃ…」
俺は何を書いているんだ
>>626 この絵好きだ。大河のきりっとした表情がいい。でもよく見るとうっすら頬が
染まっていて、しかも伸びてきた手が頬に触れるがままにまかせている。
見れば見るほど好きになるよ。
>>642 ナイス、バカップル。
大河、恥ずかしいなら竜児を巻き込むなよ (w
さて、明日は用があるから今晩のうちに片付けよう。
「ちょっと竜児!なにそれ」
家に帰る大河を送るために火の点検をしていた竜児を見て、大河が声をあげた。
「なんだ?」
「血が出てるじゃない!背中!」
目を丸くして心配そうな顔で駆け寄ってきた大河に、
「そうか、血が出てるか」
竜児は苦笑い。
「そうかって、こんな怪我いつしたのよ!」
大河はおろおろ問いただすが、竜児は苦笑いしながら大河を見つめるばかり。
「……………………………………へ?」
「わかんないか?」
「わ、私?…嘘…嘘!嘘!嘘!いつ?いつ?」
「だから、さっき。ぎゅっとやったときに」
「!!!」
事態に気づいた大河が両手で口を押さえて、すでに十分見開かれていた目をさらに
見開く。がりっとやっちゃったのだ。狂おしい気持ちに身もだえするうちに。
だが、大河の口から出た言葉は「ごめんなさい」でも「恥ずかしい」でも「
どうしよう」でも「遺憾だわ」でもなかった。
「…大変!なぜ早く言わないのよ。ばい菌が入っちゃう」
心配そうにうろたえる大河に、竜児は優しい笑顔で答えるのだが
「心配するな。たいしたことない。ほら、行くぞ」
「だめよ、ほっとくなんて。ほら、ちゃんと見せて」
大河はそのまま手を引っ張って竜児を板の間に座らせ、Tシャツをたくし上げる。
「っ!」
「ごめん、痛かった?大丈夫」
「心配するな。ほんとたいしたこと無いんだから」
Tシャツに滲んだ血が固まっていたのが、無理やり引っ剥がされて痛みが走った。
たいしたこと無い。痛みより、大河を心配させたことの方が、竜児には残念だ。
「やだ、こんなになって。痛いでしょ」
「大丈夫だって、大騒ぎしすぎなんだよ」
「だって、こんなに…そうだ!」
いきなり駆け出すと、大河は泰子の部屋に駆け込んで、丸い鏡を持って戻ってきた。
竜児の後ろに陣取って、鏡を構える。
「ほら、見える?」
「ああ、ちょっと右向けて。反対、反対。おう、こりゃすげぇーな」
竜児は笑い出す。
なによ、笑い事じゃないわよ、と大河が膨れるのだが、これが笑わずにいられようか。
竜児の背中にはちょうど大河の指を広げたサイズで、がりっと内側から外に引っかいた
ような傷あとがあるのだ。背骨の両側、綺麗なハの字で。すみません、ちょっと気持ちよく
なりすぎちゃいました的な傷あとは、とても世間様にはお見せできない。もちろん、
大河はそんな理由で傷を付けたわけじゃないのだが、よしんば釈明したとして、世間様は
納得しないだろう。
「いやぁ、Tシャツの上からでも見事にえぐれるものなんだな」
「感心してる場合じゃないでしょ!お薬どこっ?」
「いいからほっとけって」
「ダメよ!旅行にいけなくなっちゃう」
「しょうがねぇなぁ」
立ち上がろうとした竜児を押しとどめて大河が場所を聞き出し、薬箱を持ってくる。
「おいおい、いきなり絆創膏貼るなよ」
「え?何?」
「最初に血を拭って消毒しろって」
「消毒?どれ?」
気持ちばっかり先走る大河に面倒そうにあれこれ指示を出しながら、そのくせ竜児は
うれしくてしかたがない。自分の怪我に慌てふためていて、一所懸命手当てをして
くれようとする大河。いいじゃないか。微笑みが浮かぶのを押さえきれない。幸い、
背中を向けているので「何ニヤけてるのよ!」と怒られる恐れはないが、これはこれで
大河の表情が見えないのが不満だ。
次は腕でも怪我をするか、と胸のなかでつぶやく。
◇ ◇ ◇ ◇
痛くない?大丈夫?ほんと?嘘ついてない?痛くない?と、そればっかりだった大河も、
家につくころには落ち着きを取り戻していた。いつもより15分ほど遅い。大河が
しかられなければいいが、などと考える。
「ねえ竜児、私、旅行のときに水着を着るね」
「おう、決心したか。無理に着なくてもいいんだぞ」
「なによ、着ろっていったの竜児じゃない」
「膨れるな膨れるな。最初は一緒に海で泳ぎたかったけどな、そのうち俺の気持ちを
伝えるほうが大事になっちまって」
竜児は苦笑い。大河は少し気勢をそがれたようで。
「そ、そう。でもね。やっぱり水着になる。みんなとも遊びたいもん」
「おう、そうしろ」
「そうよね。せっかく海にいくんだもん」
「そうだそうだ。一緒に入れないのが残念だ」
「…ちょ、ちょっと待って何よそれ!」
大河が大声を出す。
だってこの傷じゃ、と言っても、海に行くころにはふさがっているはずだと言い張る。
それはその通りなのだが、もはやこれは痛い痛くないの問題ではないのだ。世間様で
痛々しく受け取られる問題なのだ。こんな傷、亜美に見られたら何といわれるか分かった
ものではない。そこに来て奈々子と麻耶だ。あの二人は表立っては何も言わない
かもしれないが、その分、噂話が好きそうで恐ろしい。
が、
「さすがにこの傷は他人には見せられないだろう」
「なんで?」
小鳥のように首をかしげる大河を前に、息をのむ。こいつ、本当に理解してないんだ、と。
「いや、やっぱり怪我なんか他人に見せるものじゃないんだよ。ほら、香椎とか木原とか、
お前の傷跡いやがってたろ」
「大丈夫よ。あれはかさぶたを剥いて見せるって言ったから怖がったのよ。竜児のは
さすがにそこまで治らないでしょ。それに、男の子なんだし、怪我なんか当たり前よ」
こんなところ引っかかれる男の子なんかいねーっ!しかし、心の叫びは大河には伝わらない。
つまりは、それがきっかけだったのだ。翌日から2日間、竜児は大変居心地の悪い
思いをすることになった。
(おしまい)
今後投下するにあたり、聞きたいことがある。トリップってなに!?
ようやく投下完了。
最初の投下の後に
>>426 みて心臓が止まりそうになったのは秘密だ。
ナイスねたかぶり。
もうね、夜逃げでもしようかと思ったよ。でも、手をつかんでくれる女の子が
いないのよ。仕方ないので泣きながら全部投下することにした。
タイトルはジャズの名曲のタイトル。いい曲だから聴いてみてくれ。
ほんじゃ、バイバイキーン
スレチだったらすまない。クリスマス辺りの話を見直してどうしても書きたくなった。鬱注意。
『雛鳥』
クリスマスのあの日
私の前から姿を消したあなた
プレゼントは 素敵な思い出と 愛用のマフラー
わたしの声を受け
愛する人のために駆け出すあなた
私の叫びは 多分あなたには届かない 届けてはいけない
私は泣いた それは悲しみの涙
私は叫んだ それは私の産声
産声は夜空を貫き
涙はアスファルトに染み込んだ
やがて朝が来て 太陽が顔を出した時
私の心は灰となって空に舞うだろう
マフラーの香りなんて 知らない
求めれば壊れるのが
私の運命だというのならば
私は天使になろう
幸せを貪る悪魔よりも
幸せを与える天使になろう
私は泣いた それは愛情の涙
私は叫んだ それは愛の告白
告白は少し遅くて
涙はあなたの所に届かない
やがて朝が来て 太陽が顔を出した時
私の心は羽となって空に舞うだろう
幸せをはこぶ天使の羽
やがて朝が来て 太陽が顔を出した時
私の心は鳥となって空に舞うだろう
行き先が分からない 雛鳥
>>582から許可を頂いたので早速投下していこうと思う。
>>649 トリップ自体は旅行という意味だけど恐らくは妄想の世界に入る、自分の世界に入るって意味のほうだと思う。
>>650乙!
できれば旅行中も書いてほしかった。
トリップ=ひとりキャップ ですお
――この世界の誰一人、見たことがないものがある――
「ほら早くしなさいよバカ犬!!」
――それは優しくて、とても甘い――
「わかったからちょっと待て!!もうすぐ弁当詰め終わるから!!」
――多分、見ることができたなら、誰もがそれを欲しがるはずだ――
「本っ当にグズなんだから!!この駄犬!!」
――だからこそ、世界はそれを隠したのだ――
「なっ!?てめこの弁当作ってやってる俺に対して言う台詞かそれ!?」
――そう簡単に手に入れられないように――
「うっさいわね!!遅刻するって言ってんでしょうが!!」
――だけどいつかは、誰かが見つける――
「あぁもう!!お前に弁当やんねーぞ!?ってコラ!!勝手に持ってくな!!」
――手に入れるべきたった一人が、ちゃんとそれを見つけられる――
「ほら、走るわよ!!」
――そういうふうにできている――
655 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/14(木) 22:53:21 ID:E7FymaSb
>>649 名前欄に半角シャープ#と任意の文字列を入れてみな
なりすまし防止措置の機能だ
走る。
何を置いてもとにかく走る。
高校二年生になったばかりの朝、学生である限り、いや、社会人になってからも逃れられない時間という縛り、『遅刻』から逃れるために俺は全力で走っていた。
(全く、コイツがあんなに朝飯食うからこんなことに……)
走りながら隣を走っている自分よりもかなり小さめの同級生を見やる。
すると、視線に気付いたのか、隣を走っていた『見た目だけは美少女』が、その口を開いた。
「何よ!?キリキリ走りなさいよ!!それとアンタのその恐い目でこっち見ないでよね!!気分が悪くなるわ!!」
「ぐっ!!お前人の気にしている事を……」
いきなりの暴言を吐いた少女の名は逢坂大河。
見た目は高校生というにはやや小さいものの、その容姿について10人に尋ねれば、9人くらいは美少女と答えるであろうほどの美少女だ。
ふんわりとした長い茶髪と小さな体躯が特徴的な彼女は、時として『人形』のように綺麗だと思うことさえある。
そんな彼女がたった今吐いた『暴言』は、俺に甚大なるダメージを与えた。
俺は生まれつき目つきが悪い、いや、『恐い』と言うべきか。
父親はいわゆる『ヤ』のつく『そっち系』のお方だったらしく、その遺伝子を『見た目だけ』は十二分に受け継いでしまったわけだ。
と言っても、俺は自分の父親に会った記憶が無い。
物心ついたときには自分の母、『泰子』と二人暮らしだった。
泰子に、何度か自分の父親について尋ねた事はあったが、『パパはね、天国にいるの。いつ刺されててもいいようにお腹に週刊誌入れててね。カッコ良かったわぁ♪』という惚気話しか聞くことは出来なかった。
だが、死因を聞く限り、父親は本当は刑務所にでも入っているのではないかとも思う。
そんな生死不明、身元不明、記憶すら不明瞭な父親に似ているというだけで、俺は散々苦労させられてきた。
初対面の人間は俺を見て、
「うわっ!ヤンキーだ!」「こわっ!不良だ!」
と第一声を上げるのが常だった。
そんな俺だから、いつしか変な癖がついていた。
それは、自分の前髪をひっぱって顔を隠すというようなもの。
あまり人に顔を見られるのは良くないという、苦肉の策でもあった。
そんな俺が何故、この『見た目だけは』美少女の逢坂大河と一緒にいるのか。
(事の発端はコイツだよな……)
走りながらここ数日の事を思い出す。
***
658 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/14(木) 22:54:30 ID:E7FymaSb
>>650 お疲れちん
羞恥に悶える大河良かったあ
始業式。
無事に大橋高校二年へと進級できた俺は、クラス発表がされている掲示板を見て浮かれていた。
あの櫛枝実乃梨と同じクラスだったからだ。
櫛枝実乃梨とは、一言で言って太陽のような奴だ。
あいつは俺の顔を見ても怖がらなかった。
ただそれだけが嬉しくて、気付いたらいつも目で追いかけていた。
こういうのを片思いっていうのかな、とか最近は思っていた。
なにげにうっかり詩を作ってみたり、春夏秋冬ドライブでかけるなら……みたいな曲のリストも作ってみた。
俺は高校生なのでもちろん免許は無いが。
でも、俺に普通に話しかけてくる奴、それも女なんて奇特以外の何者でも無い。
これまでの俺の人生がそうだと告げているのだ。
しかし、そんなことで浮かれていたからか、俺は廊下で『何か』にぶつかった。
『誰か』、ではなく『何か』。
だって正面には誰もいないと思ったから。
いくら俺だって、髪を引っぱって視線を隠してもちゃんと正面は見てるんだ。
だから胸に感じるドンッ!!という鈍い感触は、絶対物だと思った。
だが右を見ても左を見てもそれらしい物は無い。
一応上も確認するがこれも無し。
なら……と下を見ると、茶色一色、ふわりとしたコンディショナーの香り。
途端に暗転。
覚えてるのは、
「人にぶつかったなら謝りなさいよこのクズ」
という暴言。
殴られた、というのに気付いたのはそれから数分して目が覚めた後だった。
一体何だったのか、と疑問に思ったが、すぐに予鈴が鳴り教室へと戻る。
じんじんくる顎をさすり体調を確かめつつ、自分の席に先生が来る前に座れたのはまさに僥倖だった。
最初から遅刻とかは勘弁して貰いたいし。
しかし、思わずホッと一息吐くのと同時、隣から発せられたボソリとした声に心臓が跳ねる。
「……アンタ、同じクラスだったの」
その声に反応して隣を見ると、思わず「ごめんなさい」と謝りたくなるほどの美少女がいた。
「おぅ!?」
だというのに、俺の体はガタガタと震えている。
何処からどう見ても華奢な体つきな彼女は、頬杖ついてこちらを見、つまらなそうに視線を外す。
同時に長くウェーブのかかった茶色い髪がふわぁっと浮き上がり、先程感じたコンディショナーの香りが鼻につく。
肩は小さくスラリとした体型は、小柄というよりは「子供」というのが似合っている気もしたが、しかし纏うその風格と堂々とした出で立ちがそれを感じさせない。
スカートから伸びる二本の足は白く細く美しく。
体を支えるカモシカのような細い足は、何処か儚いという言葉さえ感じさせる。
非の打ち所の無い美少女、だというのに俺の第六感が危険だと訴え続けている。
思わず、自分の顎に手が伸びた。
「痛いの?まぁ自業自得でしょうけど」
興味なさそうなのは相変わらずだが、いつの間にか彼女はこちらを見ていた。
痛いのか痛くないのか聞かれればそりゃあ痛い。
「まぁ気持ちいいくらいに上手く入ったから許して上げるわ」
まぁ……そうじゃないかとは思っていた。
話の流れ、覚えている髪、匂い、そして自分より頭一つ分くらいは低い座高。
決して座高のみが低いわけでは無い。
『全体』が低いのだ。
だから気づけなかったのだろう。
きっと俺は彼女と廊下でぶつかったのだ。
「おぅ、悪かったな」
悪寒の正体もわかったことだし、ここは一応謝っておこう。
許す、という言葉は聞いたものの、ぶつかった事実は消えないワケだし、声にだした謝罪をしておけば後腐れも無いはずだ。
だというのに、頬杖付いていた美少女は、興味なさそうな先程までの態度とはうって変わってじーっとこちらを見ていた。
660 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/14(木) 22:55:54 ID:E7FymaSb
「な、何だよ」
引いてきた顎の痛みの代わりに、嫌な汗がだらだらと背中を伝う。
長い睫の下にあるぱっちりと開かれた瞳でただじっと見つめられる。
頬は同じ人間とは思えぬほど柔らかそうで、薄い桜色が何処か艶めかしい。
「……極悪面。変な目でこっち見ないでよね」
「んなっ!?」
衝撃が走る。
その整った小さな口は、容貌からは想像も出来ない暴言を吐き出した。
「……どうせ、悪いだなんて思ってないくせに」
呟くように言われた一言が、やけに胸に響いた。
***
曰く、「手乗りタイガー」、それが彼女の通り名らしい。
休み時間に簡単に尋ね歩いてみただけだが、それでも彼女は有名らしかった。
ちなみに俺も有名らしく、いろんな意味でこの調査が大変だったことはふせておこう。
その容貌と名前から付いた渾名。
俺も感じたことだが、彼女は背が低い。
聞くところによると145cmを切るそうだ。
そして名前と性格。
彼女は逢坂大河というのだそうだ。
大河=タイガーという安直な流れだが、どうも彼女は気性が荒いらしい。
俺もその片鱗を味わったが、とにかく口調が悪く、気に入らない相手はぶっ飛ばすのだそうだ。
でも、そこにいい知れない違和感を感じた。
確かに俺はぶつかっただけで殴られた。
あれが気に入らないから殴ったまでだ、と言われればそうかもしれない。
だが、
『人にぶつかったなら謝りなさいよこのクズ』
この注意をするような言い方はどうだろう。
口は悪い。
確かに口は悪いが間違ったことは言わず、人を諫める事の出来る人間が、はたしてそこまで酷い奴なのだろうか。
あの容貌から入学当時は告白ラッシュだったということも聞いた。
と同時に、わかった気がした。
聞くのは殆どが、その逢坂大河なる人物の「他人から見た内面」だ。
まぁ逢坂本人に聞いたわけではないのでそれが当然と言えば当然だ。
でも、気になった。
『……どうせ、悪いだなんて思ってないくせに』
あの一言が、胸につかえてムズムズする。
自分の内面を見せても、受け入れられない。
そんな固定観念が見て取れると言えば言い過ぎだろうか。
でも、普段から顔の事で勘違いされる俺だからわかる気がする。
きっと、周りの奴は逢坂の『見た目だけしか見ていない』のだ。
話してみれば、案外良い奴かも知れないじゃないか。
勘違いされる辛さは良くわかる。
明日会ったら、もう少し話しをしてみようか。
***
その日の帰り、学校から駅前まで買い物に出た。
最近はこちらもなかなか見逃せない商品が出そろっているのだ。
問題は時間下校時間はラッシュ時間と重なるという点。
特売などをポロッと持って行かれることもしばしばある。
我が家の家系を鑑みても、今日はなんとしてもタイムセールを制したい。
「ん?この弁当屋つぶれちゃったのか」
いろいろ今日手に入るであろう食材を駆使した献立を考えながら歩いているとシャッターの閉まった店があった。
張り紙には、『経営不振の為看板を下ろします。ご愛顧有難うございました』との文字。
「不況だなぁ」
つくづくそう思う。
俺がこうやってMYエコバック持参で駅前に寄るのも、収入が少ないのも、カビが取れないのも。世界中の熱帯雨林が消えていくのも全て不況のせいだ。
若干誇張が含まれているかもしれないが、結局そういうことなのだ。
あ〜やだやだ。こういう時なんていうんだっっけ?
「……遺憾だわ」
そう、遺憾だ。ん?ちょっと違う気もする……って……え?
聞いたことのある声。
「おぅ!?」
次いで香りと出で立ち。
誰が見まがえようか。
今日一日どれだけこいつのことを聞き回ったか知れないのだ。
「……?何よアンタ……?ああ、隣の席の極悪面じゃない」
ギロリと睨み付けられる。
随分と機嫌が悪そうだなオイ。
極悪面って……いくらなんでも別の覚え方して欲しい。
しかし、明日だと思っていた機会今回って来たと思えばそれでいいや。
「えっと、なにしてんだお前?」
「見てわからない?買い物に来たのよ」
ふん、とふんぞり返りそのフリフリで高そうなって……なんて服着てるんだこいつ。
幾重にもフリフリが重なったその布はしかし、決して皺になることなく彼女の身を包み、そっと下から生える足には学校とは違い真っ白いソックスが覆う。
靴も赤く可愛らしいローファーを履いている。
(まるで、人形のように綺麗だ)
そう思うほど彼女は綺麗で……綺麗すぎて何処か作り物めいたように感じた。
「……何よ?」
「あ、ああ悪い何でもねぇんだ。お前ここの弁当屋に来たのか?」
「そうよ、何か文句ある?」
文句ならあった。
なんで弁当なんだ?とか親に作ってもらえよ、とか。
でも人の家庭環境なんてそれぞれだ。
俺は他人様の事を言えるほど偉くも立派でも無い。
「……お前今日は一人なのか?」
「アンタに言う必要があるの?」
不遜な態度。
当然だろうな。
今日知り合ったばかりの男にそんな事をきかれたらこうなっても不思議はない。
「いや、良かったらついでにお前の晩飯も作ってやろうかと思っただけだ。気を悪くしたならすまない」
俺は軽く手を振って踵を帰す。
タイムセールまでもうあまり時間がないのだ。
逢坂は何も言わなかったし、きっとその気は無いのだろう。
幾ばくかの残念感はあるが、今はそれよりも買い物が大切だ。
***
今日も朝から良い天気だ。
だというのに、カーテンを全開にしてもウチにはちっとも日差しが入ってきやしない。
「くそぉ……」
思わずひとりごちる。
数年前、急にとなりに高級高層マンションが建設された。
おかげで高須家は陽のご相伴にあずかれなくなったのだ。
「あのマンションのせいで毎日毎日カビとかカビとかカビとか……」
段々とイライラが募り始め、
「いやぁん♪竜ちゃんパパみたいな顔してるぅ♪」
爆発した。
「あんな奴と一緒に……!!」
「いやぁん痺れるぅ♪」
そして消沈した。
俺の母、泰子が歳の割に幼い顔と幼い仕草で喜んだ為だ。
肩を落としてゴミ袋を掴み家を出る。
「あれぇ?やっちゃんのご飯はぁ?」
開け放たれた窓から声が聞こえ、
「いつもんとこ!!」
ゴミを投げ、烏よけの網をかけて家に戻ろうとして、前方を歩く茶色いロングの髪の小学生もとい中学生……もとい高校生がいるのに気付く。
(逢坂じゃねぇか)
逢坂はふらふらと体調悪そうに右へ左へ泳ぎながら歩いていた。
(大丈夫かアイツ?)
今にもぶっ倒れそうな足取りで歩……あ、こけた。
「あ、逢坂大丈夫か?」
「……何?またアンタ?」
手を差し伸べるが払われ、機嫌悪そうに立ち上がりまたこけそうになる。
「お、おい!!」
慌てて体を支えてやるが、
「!?触るなこのエロ犬!!」
「おわぁっ!?」
突き飛ばされる。
何すんだこの野郎と怒りかけた時、場を壊す音が鳴り響いた。
ぐぅ〜〜っ♪
「………………」
「………………」
しばし時が止まる。
「……腹、減ってるのか?」
「……アンタには関係ないでしょ」
まぁそうだが、袖振り合うも多少の縁というしな。
「腹へってんなら素直にそう言えよ。ってか昨日あれから飯食わなかったのか?」
「うるさいわね。コンビニ飽きちゃったのよ」
ふん、とそっぽを向く。
そんな仕草が、どこか面白かった。
「コンビニ弁当とか既製品ばっかりだと栄養偏るぞ」
「余計なお世話よ」
「……まぁそうかもしれんがお前さえ良かったら飯食ってくか?ウチはこれから朝飯なんだ」
「………………」
「まぁ無理にとは言わねぇけどよ」
早いところ食べないと遅刻してしまう。
俺は逢坂に背を向け、
「……食べるわ」
もう一度振り返った。
「おぅ?」
「しょうがないから食べてやるって言ってんのよ」
いつの間にか、逢坂は俺の隣に並んでいた。
***
連投規制もあるし今日はここまで。
>>660 すまん。素でそっちだと思ったんだ。
本当にすまん。
665 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/14(木) 23:12:05 ID:E7FymaSb
これは良い第一話畏怖ですね
>>664 このスレではよくあること
test
>>650 お疲れ様〜
ホント表現豊かだよね 読んでて楽しいw
今回は2828しまくったぜwww
気が向いたらまた作品読ませてくださいなw
>>652 だから、俺許可的な言い方やめてったら・・・;;;
>>655 ありがとう!よし、SNOWやエンゲージリングにつけていこう!よく文体変えるから、同一視されないんだよね実は(苦笑)
>>650 >>426 みて心臓が止まりそうになったのは秘密だ。
>>ナイスねたかぶり。
これだけ神が揃っていると、こういうこともあるんだろーなー
でもめげずに書いてくれて有難う!
>>426は、真っ赤になる二人が可愛かったが、
>>650は、大河だけわかってないんだよね。
女子軍団にいじられまくる竜児を訝しがったり、あーみん&みのりんにちくちく攻められて
「???」な大河の姿も2828するぜ!
まずはお疲れ様でしたー
>>650 > タイトルはジャズの名曲のタイトル。いい曲だから聴いてみてくれ。
やっぱりそれかぁ。
タイトル見たときから、頭の中で流れていたよ。
GJ!!!
>>668 そうかな?結構同じ人かなーっておもうけど・・
まぁなんとなくだけどw
672 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/15(金) 01:27:33 ID:S3GTzBji
673 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/15(金) 01:27:50 ID:S3GTzBji
>>641,642
やはり文才の有る人が書くと、同じ題材でもより鮮やかに見えますね
お目汚しを幾つか投下致しましたので、微量ですがお口直しです。個人的にはか
なり甘めに味付けをしたつもりです
【嘘発見ゲーム】
竜児の膝の間にちょこんと収まっている大河。その大河を優しく撫でている竜児
。
穏やかな5月の昼下がり。二人は会話もなくずっとそうしていた。それが二人に
とっての幸せであり安らぎであった。ヤンキー高須も手乗りタイガーもそんなあ
だ名を感じさせないほどに穏やかな顔をしている。
「ねぇりゅうじ〜」
「おう」
「ひまぁ〜」
温かな空気に愛する人の温もりを感じている二人は、眠りに入る手前の声でそん
な短い応答をする。
「ひまぁ〜」
「ん〜」
暇と言う大河だが、それを解消して欲しくてそう言っているわけではない。竜児
もそれが判っているから、答えを出そうとはしない。
「あっ!そうだ!」
いつもならこのまま数語言葉を交わした後、お互い眠りに入るのだが、この日は
違った。竜児が出さないつもりでいた答えを大河が思い付いたのだ。
何かを思い付いた大河は、まずそれを実行しようと立ち上がる。そして、それか
らその事を相手に伝える傾向がある。この時も例外ではなかった。
急に覚醒した声を発し立ち上がった大河の頭が、こっくりこっくりしていた竜児
の顔にガツンとぶつかる。
「あいてっ!」
「ねぇ竜児、聞いて」
人と人がぶつかったら、双方にきちんと痛みが分散する筈だが、今回痛がってい
るのは竜児だけで、大河は顔をしかめることさえしなかった。
この辺りに虎らしさが垣間見える。
「あ゛ー、なんだ大河?」
鼻血の有無だけを軽く確認した竜児が、無邪気な顔の彼女を仰ぐ。
「暇だからさ、ゲームやらない?」
「ゲームってなんのだ?」
「嘘発見ゲーム」
「おう。良いぞ」
この竜児の承諾は当たり前のようで実は結構凄い。というのも、今の会話を大河
が他の人とすると、承諾後にそれは何? と聞き返されるであろうからだ。竜児が
、大河が後で必ず説明を入れる事をきちんと理解していなければ出来ない承諾だ
。
この何気ない会話にお互いがお互いを良く理解している様がわかる。まるで、親
友の関係に愛を加えたような…。まるで、長年付き添ってきた夫婦のような関係
がこの二人なのだ。
675 :
嘘発見ゲーム:2009/05/15(金) 01:39:46 ID:zCoDmwlT
「私が今から言う発言の中の嘘を見つけたらあんたの勝ちよ」
「おう、判った」
「じゃぁ、ちょっと待って。考えるから」
竜児は考えて無いのかよ、という突っ込みが浮かんだが、それを飲み込んだ。言
ったら必ず照れ隠しに怒るだろうからだ。別に怒られるのが嫌な訳ではない。寧
ろ、そうやって照れ隠しに怒る所も竜児は大河の長所として受け止めている。
そう言わなかったのは、必死に考える大河が可愛くて、もうちょっと見てみたい
と思ったからである。
「よし、思い付いた!」
「…じゃ、早速話してくれ」
竜児はちょっぴり残念そうな顔をして大河に聞こえないように「…早いよ」と呟
いたが、直ぐに穏やかな笑顔に戻した。
「じゃぁ、始めるよ」
「おう」
大河が深呼吸をする。その時の平行に延びた両手だとかいつもより大きく振幅す
る胸とかが、これまた可愛くて竜児の顔についつい笑みが零れる。
その顔に竜児は自分で喝を入れる。勝負事には本気でやってあげないと大河が気
分を悪くするからだ。視惚れていて話を聞いてなかったからなんてのは滑稽極ま
りない。
心を頬の痛みに集中させて気を引き締めてから、竜児は改めて大河の方を向いた
。
ぴしっと構えた竜児の姿を見て、大河が口を開く。
「竜児…好き!」
初撃は、今までお互い散々言ってきた言葉だったが、それでも竜児の顔は顔を赤
らみ、心は大河への愛おしさで一杯になった。だが、直ぐにこれはゲームの中の
言葉なんだと自分に言い聞かせた。
「竜児大好き!本当に好き!もう、竜児以外の人を好きになれる気がしない!」
「〜〜〜っ!」
好きの連呼に竜児の体温と愛おしさが限りなく増していく。今や、竜児の顔は赤
ではなく紅に染まっている。
「竜児と離れたくない!いつだって何処でだって離れたくない!私は竜児が居る
だけで幸せになれる!逆に竜児がいなきゃどんな事があっても幸せになれない!
」
竜児は心の中で必死にゲームという単語を反芻し続けた。だが、何分愛おしさが
溢れんばかりに湧いてくるので、その効果も段々と薄くなってきている。いや、
実際もう溢れているのかもしれない。
「竜児…好きだよ。胸が竜児への想いで裂けそうなくらい好き…」
「……おう」
676 :
嘘発見ゲーム:2009/05/15(金) 01:41:59 ID:zCoDmwlT
大河が口を閉じて、期待した目で竜児を見つめる。ゲームは竜児のアンサーター
ンに移ったのだ。
「卑怯だ」
「なにが?」
「だって…嘘を見破れって言ったのに嘘なんかねぇじゃねえか」
「せ〜かいっ!」
大河が満面の笑みで竜児に抱き着く。抱き着かれた竜児はそれよりも強く抱きし
める。抱きしめたまま、二人は異常に熱くなったお互いの体温を感じ合った。言
われた竜児も言った大河も相手への愛おしさが破裂寸前だったのだ。
「竜児…好き」
「俺も好きだ。お前が大好きで堪らない。お前が居て、初めて俺の生活になるん
だ」
「竜児……」
「大河……」
ゆっくりと唇を重ねる。触れるだけの優しいキス。
「竜児…熱いよ。火傷しちゃう」
「お前のだって、凄く熱い」
そう言ってまたキスをする。今度は、深く濃厚なキスだ。二人はお互いの気の済
むまで、唇を重ね舌を絡めあった。
ようやく唇が離れたのはそれから20分経ってからだった。だが、二人にとっては
その何百倍もの時間に感じられた。
「ん……好きだよ」
「俺だって大好きだ」
大河は息を荒げながらも恍惚の表情を浮かべ、竜児は愛惜の目で大河を見つめる
。
二人は時間を気にすることもなくずっと唇を重ね、舌を絡め、互いを愛し、心を
絡め、互いを優しく包み、身体を絡め合った。
そうやって二人の穏やかな午後は過ぎていった
−END−
20分・・・だと・・・?
甘すぎるうう、みのりんが当てられちまうのもわかるって・・・GJ!
個人的には拗ね大河が好きなので「『じゃあ始めるよ』が嘘だな、まだ始まってねえ」とか言って大河をおちょくる竜児もいいなと妄想。
>>614 耳より頭の方がやばいと思われます。
>>617 みのりんといえば鼻血。
>>623 ありがとうございます。結婚してください。
>>650 爪あとをつけてマーキングしてるんですね。ご馳走さまでした。
じゃあちょっと失礼して、四レス使います。
表音文字の発音を日本語で表記するのが難しいのと同じで、擬音や擬態語、
もしくは言葉にならぬ声――悲鳴なども文字として表すのはしばしば困難を伴う。
少なくとも竜児にはそれが、
ほんぎゃああああああああああああああああああああっ!!
と聞こえたものである。
*
「じゃ、そろそろ帰るわね」
「おう。気をつけろよ」
竜児はちらと時計を確認する。午後十一時過ぎに女の子を一人で外出させるのは気の進まないことだが、
たかだか百メートルもない距離を心配して送っていこうとすると、曰く、
うざい。
邪魔。
金魚のフン野郎。
ストーカー。
目障り
子供扱いすんな。
失せろ。
といった無限にも思われる罵声レパートリを数セット頂戴するのは目に見えているので、
と言うか実際何度も拝聴の憂き目にあっていたため、
せいぜい不遜な虎に注意を喚起することしかできない竜児であった。
「あ、そうだ竜児。エアコンのリモコンどっか行っちゃったの。探して」
「リモコンが独りでにどっか行くかよ。お前がどっかやったんだろ」
「あぁん?」
宝石のような目を不穏に眇めて竜児をガンつける姿はヤンキー高須もかくや……といった有様だ。
特攻服とサラシをプレゼントしてやれば立派なレディースができあがるだろう。木刀は自前であるし。
これが大橋高校一の美少女を鳴らしているのだから堪らない。
「つべこべ言うんじゃ……ないっ!」
「って! いってえ! 悪かった、分かったから耳放せ!」
耳をむしりとられそうになり、竜児は音を上げた。
もとより探すつもりではあったのだ。
ただ、何でも人任せにする癖はお前のためによくないぞ、と暗に言ってやるつもりが、この仕打ちである。
竜児は抜き身の刃物のような目つきで前を行く大河を見つめる。
夜陰に乗じて血祭りに上げてやろうと思っているわけではない。
何のかのと理由はあっても大河を送っていけることが単純に嬉しいのだ。
確かに大河の部屋まではひとっ跳び(ショートカットすれば)だし、さほど心配するまでもないように思える。
何より大橋高校最強生物と目される大河のことだ。無用な心配なのかもしれない。
でもだからこそ、大河だから竜児は心配になるのだ。大河に何かあったらと思うと気が休まらない。
ベランダ越しに見える寝室の電気が点いて、やっと人心地つくのである。
だってあいつ、ドジだし。
いささか心配が過ぎるのではなかろうかと竜児は自覚していたが、
それは大河が信じがたいドジだから、人より余計心配になるのだと自分を納得させていた。
しかし竜児は、他の誰よりも、ひょっとしたら実乃梨のことよりも大河を案じているのかもしれなかった。
比較したことがないから、気づいていないのだ。そもそも比べるのは、疑いがあるからだろう。
「お前なぁ、靴くらい揃えろよな。俺お前んちに来るたびに靴揃えてるぞ」
特に会話もなくドアを潜り、第一声がそれであった。言いながら既にしゃがんで靴を揃えている。
大河は心底鬱陶しいといった表情で竜児を見下ろした。
「……じゃあそれはあんたの役目なのよ。私の手はそんな賤しい仕事をするためにはできていないの」
「お前……全国のちゃんと自分で靴を揃える人たちに謝れ。つうか当然のマナーだろうが。
普段からやってねえとよその家とかにお邪魔したときに忘れて恥掻くぞ」
「あーあ。うちの駄犬がなんだか無駄吠えしてるわ。でも犬の言葉は分からないしなあ」
「くっ……!」
竜児はちょっと傷ついた。
「じゃ私お風呂入るから。リモコン探しといてね。あとお風呂上りの私に最良のタイミングで牛乳を渡しなさい」
リヴィングまで来た大河は竜児を置いて風呂へ。一緒に探すという選択肢はないらしい。
そもそも大河は自分でちゃんと探したのだろうか。
右を見て、左を見て、「どっかいっちゃった。遺憾だわ」と簡単に諦める姿がありありと思い描かれる。
「仕方ねえな」
口ではぼやきつつも竜児はどこか楽しげにリモコンを探しはじめる。
この広い床に魔方陣を描き、悪魔を召喚してやろう、と企んでいるわけではない。
やっぱりものを探すのは片づけながらが一番だぜ、とぶつぶつ言いながら、
つい先日自分が掃除したばかりの部屋を改めて片づけるのが楽しくてしようがないのだ。
懐からおもむろに取り出したるは高須棒。重箱の隅をつっつくように新たに溜まった埃やら何やらを掃除しはじめる。
「ったく埃ってのはどうしてこう次から次へと湧いてくるのか……」
言いつつ、その表情は完全にバッドトリップ。この男は心の底から掃除が大好きなのだ。変態なのだ。
そこで、何か、風呂場の方でがたーんと音。
そして冒頭の奇声である。
「なんだ? 生まれたのか?」
足音に振り返るのと、浴室に通じるドアがぶち破られるのとはほとんど同時で。
今度は辛うじて感嘆語の体をなした悲鳴で、
「いやああああああああ!!」
虎がリヴィングに突入してきた。否、逃げ戻ってきたのだった。
ttp://sakuratan.ddo.jp/uploader/source/date110440.jpg 全裸で。
「いやああああああああ!!」
と、これは竜児の悲鳴である。正直なところを言うと、モロに全部見えた。
そのとき味わった気持ちは生半には言葉では表しづらい。
驚愕とか、呆然とか、はしたないぞ、とか、後が大変だ、なんていう冷静な分析もあったが。
ちょっと、ラッキー、と思ったのも事実だったが。
「りゅううううじいいいいいい!!」
「おうっ!」
こちらに向き直った竜児の姿を認めた大河は、駆け込んできた勢いそのままに竜児の胸に飛び込んできた。
突進してきたという表現が正しいかもしれない。虎の体当たりを受けて竜児は数秒呼吸ができなかった。
息を吹き返すと同時に、小猿のように自分にしがみついた大河を直視し、咄嗟に目を逸らす。
髪はまだ濡れていなかったが、シャワーの途中らしく白磁のような肌には冷めゆく湯が滴り、大河の通った後には点々と道ができている。
「なんてこった、床がびしょ濡れじゃねえか……って違あう!」
「いやぁ……やだやだやだやだ……」
正気を失ったとしか思えない大河は一心に竜児に縋りついてる。その様子にまたつい目をやってしまい、竜児の脳は沸騰寸前だった。
かねがね竜児は、全裸には萌えない、と思っていた。風情というものが、そこにはない。
チラリズムなんて俗っぽい表現は余り使いたくないのだが、やはり日本には古来より垣間見の精神が根付いているのだ。
完全に見せてしまうより、少し隠した方がエロいし、何だったら全部隠してしまってもいいのだ。
隠されたものを想像する余地がある方が、よほどロマンがあるではないか。云々。
ところが、今まさに全裸に直面した竜児は、完全にノックアウトされていた。
だってそれは余りにも唐突で、その上その主は余りにも可憐で、それでいて艶やかで。
竜児はもう少しで一歩踏み外すところだった。
「たたたたた大河っ、お前なんつうカッコだよ! どうしたんだ!?」
抱きつかれて、抱き返したほうがいいのだろうかとか悩むが、
その、きっと滑らかで柔らかいであろう肌に触れたら冷静で居られる自信がなくて、宙をさまよった手を大河の頭に置いた。
「で、で、でっ、出たのおッ!」
「何が」
もしや、赤ん坊か。極度に混乱した竜児はこのとき真剣にそんな可能性を思った。
「な、ナメクジが! 私踏んじゃって……ヌメッて……何かなって見たら、でっかいのが足元にぃ……!!」
もおいやあ、と大河は竜児の胸に頭をこすりつける。
「ああ、それは遺憾だな……」
ぐりぐりとされるがままにしておいて、竜児は遠い目をしていた。
真相を知って拍子抜けしたのもあるが、このあと、大河が自分のやらかしたことに気づいたら一体どんな目に遭うのか、
無事に明日を迎えられるのか、インコちゃんにごはんをやれるのか、それどころか当の大河に朝飯を作ってやれるのか。
戦場の兵士が故郷に残した恋人を想うような気持ちで考えているのである。俺、戦争が終わったら朝飯を作るんだ……。
「遺憾じゃない! なんとかしてよ!!」
「なんとか、するのは、お前だ」
言われて大河は「えっ?」ときょとん顔。その顔が羞恥に赤く染まるまでおよそ二秒。
また新たな悲鳴を上げて竜児を虐げる前に、先手を打つべく竜児は、にわかに着ていたTシャツを脱いだ。
「……って何で脱いでんのよ! ま、ま、まさかあんた……!」
やっとこさ事態に気づいた大河は、竜児から離れようとたたらを踏み、尻餅をついた。
襲われるとでも思ったのか、今更のように前を隠す。
「あほ」
よりいっそあられもない姿の大河をなるべくまっすぐ見ないように、脱いだTシャツをズボッと勢いよく被せる。
「く、屈辱だわ……」
うらめしそうに竜児を見上げた大河は、Tシャツの中で体育座りをしてどうにか縮こまろうともぞもぞしている。
「ちゃんと拭いて服着てろよな。ったくナメクジごときでぎゃあぎゃあと……所詮陸棲の貝類じゃねえか」
「何てこと言うのッ! もう貝食べられないじゃない! ……しばらくは」
「たぶん排水溝から上ってきたんだろうなあ。這い出たと思ったら踏まれるなんて、ついてないナメクジだよ」
何やら喚き散らす大河を背に浴室へ向かい、後ろ手にドアを閉める。
途端にしゃがみこむ。
「うああああ……」
聞こえない程度にうめき、頭をかきむしる。冷静な振りをしていたが、正直なところ、かなり堪えたのである。
何といっても、それはもう真っ向から、見てしまったのだ。もう忘れようとしても焼きついてしまって離れない。
何かといえば、普段見えていた部分と違わず、それどころかもっと白いように思われる奇跡的なまでに美しい肌が、
完全に竜児の脳内を席巻している。
くびれから腰骨を通って腿までを描く曲線の複合や、三角筋の下から大胸筋に沿って現れる控えめながら形のよい乳房、
その上にちょこんと乗った果物に例えられたりする部分とか、もっと下を見れば淡い茂みとか。
心拍数が上がりすぎて気分が悪い。その癖身体の一部分はやたらと元気なのだ。
「ナメクジの野郎……いや、雌雄同体だっけ……なんでもいいや」
ふらふらとヤク中のように立ち上がり、ヤク中のような顔で浴室に向かう。
一方で残された大河は床の上に体育座りのまま、頭を抱えていた。竜児が戻ってきたら、どんな顔をして迎えればいいのだろう。
あれは、もう、完璧に見られた。自分から飛び出したのだから見るなと言う方が無理な話である。
車が走ってくるところに突っ込んでいけば、それは轢かれるだろう。例えるならそんな状況だった。
いっそ自分のしでかしたことに気づいたとき、エロ犬、とか何とか言って殴り倒していればよかったのだ。
でももうタイミングを逸してしまった。竜児が思いもよらぬ行動をしたために上手い具合に反応できなかった。
大河は被せられた竜児のTシャツの中で自らをかき抱いた。
見られた見られた見られた。頭の中にあるのはそればっかりである。
しかし、それとは別に何か釈然としないものが首をもたげる。どうして竜児はあんなに冷静だったのだろうか。
確かに最初は驚いていたが、その後はもう、なんでもないような顔で大河にTシャツを被せて行ってしまった。
「何とも思わないのかな……」
引っかかったのはそれである。本来なら、別にそんなことは気にならないはずだ。
お互いに好きな人が別にいるのだから、竜児が大河の裸を見て何とも思わなかったからといって、そこまで深刻になる必要はないのだ。
そもそも二人の馴れ合いは異性として意識していないという前提で成り立っているようなもの、であるはずだ。
そこで意識されないことに悔しさのようなものを覚えるのは、不自然なこと、なはずなのだ。
それなのに。
まだ続くのでトリップつけてみました。途中からですが。
また後日。
>>676 単に本当のことがいいたいだけなんですね!
大河「ねえ竜児」
竜児「ん どした大河」
大河「この前頼んでおいた北村君の写真、撮ってくれた?」
竜児「いやまだだ。なかなかチャンスが無くてよ。明日の放課後、一緒に撮りにいくか?」
大河「早くしてよね。まったく役立たずの駄犬だわ。いいわ。明日一緒に行くから」
竜児「へいへい」
* * * * *
大河「んふふ」
実乃梨「お、たーいがー、なにやら機嫌いいねえ。何見てるの?」
大河「みーのりーん。見てこれ、北村君の写真」
亜美「何?あんた。祐作の写真なんか眺めて顔ニヤニヤさせてんの?しょうもな〜」
大河「うっさいばかちー。勝手に覗くな」
実乃梨「おおー、北村君の顔、よく撮れてるじゃん。大河、北村君の事好きだもんねー」
亜美「趣味わる……」
大河「は!ばかちーなんかには北村君の良さは永遠に理解できないわ」
実乃梨「でもさー大河、いっつも北村君の写真撮るときボケちゃってたけどさ、今回はしっかり撮れたんだねー。おじさん感心したよ」
竜児「ああ、それは俺が撮ったんだよ」
実乃梨「へぇーそうなのか。どうりで!」
大河「まあ駄犬は駄犬なりの役割があるというものよ。ご主人様の役に立てて幸せでしょ?」
竜児「わかったわかった」
亜美「それにしてもまあ……大河あんたさあ、高須君の膝の上に座りながら高須君に別の男の写真撮らせて、その写真眺めてるってどういう事よ」
竜児「いいぞ川嶋、もっと言ってやってくれ。こいつ家でもずっとこの調子なんだ。飯食う時すらずっとこうだ」
大河「ふふん。竜児はあたしの犬なんだから当然でしょ。はー…北村くん……」
実乃梨「あはは、大河はすっかり北村君に夢中だねぇ」
女生徒A「逢坂さん、ずいぶんご機嫌だねー。何見てるの?」
女生徒B「あ、これってまるおの写真じゃない? 逢坂さんってまるおの事好きなの?」
女生徒C「ばっか、見てればわかるじゃない。ていうかさー、うふふ。高須君、お気の毒〜」
竜児「いや、俺は…何か勘違いしてないか?みんな」
女生徒A「高須君ってば、何するにも必ず逢坂さんと一緒で尽くしてるのに。今も人間椅子にされてるのに、すっかりまるおに逢坂さんを取られちゃったね〜」
女生徒C「ねー。かわいそ〜。くすくす」
女生徒B「えー、そういう事になってんの?」
竜児「いや、だから…」
大河「ふふん。ほら駄犬、オレンジジュース買ってきてよ。3分以内よ」
竜児「まったく世話が焼けるな。よし待ってろよ。すぐ買ってくる」
実乃梨「…………」
* * * * *
大河「ねぇ竜児、今日の晩ごはんは何?」
竜児「おう。今日はバイトの給料が出たからな。特別に牛肉だぞ!」
大河「でかしたわ。褒めてあげる」
竜児「んじゃさっそく買いにいこうぜ。お前の好きなプリンも買ってあげられるぞ(なでなで)」
大河「えへへ……」
祐作「みんなおはよう!」
竜児「よう。おはよう」
実乃梨「おっはよー北村君」
大河「お、お、お、お、は、よう、北、北、北むらくん」
亜美「やれやれ…」
祐作「今日も高須と逢坂は一緒に登校か。相変わらず仲がいいな」
竜児「いや、誤解だぞ北村」
大河「ちちちちち、違うの!違うの北村君、こいつはただの犬!犬なの」
祐作「はっはっは、そうか、高須は犬だったのか。いやあ気がつかなかったよ」
竜児「あのな……」
ゆり「さあみんなホームルーム始めるわよ。席についてー」
亜美「…………」
* * * * *
実乃梨「さあお昼だぜ〜 今日のおかずは唐揚げじゃ〜☆」
竜児「お、櫛枝の今日の弁当、すごくおいしそうじゃないか。何だか最近、どんどん料理の腕が上がってないか?」
実乃梨「へっへ〜、実はね、毎日料理の練習してるんだ……………どう?高須君も一つ食べてみない?」
竜児「え、いいのか?悪いな何だか。じゃ、かわりに俺の弁当のおかず、少し分けるよ」
実乃梨「本当?じゃあもらっちゃおうかな。高須君のお弁当っていつも美味しそうで食べてみたかったんだよねー」
大河「ちょっと竜児!あたしの分の弁当早く出してよ!!」
竜児「あ、ああ。悪い悪い。ほら」
大河「まったく…。そんなに鼻の下伸ばしちゃって。みっともないったら無いわ。きもいし。このエロ魔人」
実乃梨「………」
* * * * *
女生徒D「逢坂さん、ちょっといい?」
大河「何?」
女生徒D「話があるんだけど……少しだけ付き合って欲しいんだけど」
大河「別にいいけど。で、何?」
女生徒「ここだとちょっと……(ちらっ)」
竜児「(…?)」
大河「で、話って?」
竜児「あー、ちょっと俺コーヒー飲んでくる。ほら大河、降りてくれ」
大河「さっさと買って戻ってきなさいよ。あんたの膝はあたしの椅子なんだから」
竜児「はいはい」
女生徒D「……………」
大河「あーイス硬い。冷たい。で、何の話なの?」
女生徒D「あのさ、逢坂さんと高須君ってさ、すごく仲良さそうに見える……っていうか付き合ってるふうにしか見えないんだけど……やっぱりそうなの?」
大河「はー?冗談でしょ。竜児はあたしの犬。奴隷みたいなものだから。あたしは人間だしー。犬とは付き合えないわ」
女生徒D「ホントにホント?」
大河「……?本当よ。あたし、他に好きな人いるし」
女生徒D「じゃあ、高須君とは何でもない?」
大河「何かある事なんて絶対ありえないわ。犬だし」
女生徒D「………そっかぁ!よかったぁー!」
大河「…?」
女生徒D「実はさ、別のクラスにね、高須君の事が好きだって友達がいるの。その子に頼まれちゃってさー、高須君の事、紹介して欲しいって」
大河「え?竜児を?」
女生徒D「そう!それでね、その子すっごくいい子でね、高須君の事、一年の時からずっと片思いなんだって。でも高須君っていっつも逢坂さんと一緒にいるでしょ?だから二人は付き合ってるんじゃないかって思って声かけられなかったみたい」
大河「あらそう…」
女生徒D「ほんと、その子すごくいい子でさ、失恋させちゃったら可哀想で。だから逢坂さんと高須君が何でもないって知ったらきっと喜ぶわ。あーよかった」
大河「でも、その女の子とどうなるかは竜児が決める事だと思うけど」
女生徒D「絶対上手く行くと思う。その子、すごく可愛い子だもん。よかったぁ。じゃあね逢坂さん、それだけ確認しときたかったんだ。ありがと!」
大河「あ…」
大河「ねえ竜児、おやつはまだなの?早くしなさいよ」
竜児「今作ってるだろ、おとなしく待ってなさい」
大河「ふん」
竜児「……? 何だ大河、放課後からずっと機嫌悪いみたいだけど。何かあったのか?」
大河「別に」
竜児「ほら、やっぱり機嫌悪いじゃねーか。………よし、できたぞ。俺の特製イチゴケーキだ。食えよ。美味いぞ」
大河「さっさとよこせ」
竜児「まだ機嫌悪いな……。そうだ、ほら大河、お前がこの前喜んでた北村の写真あるだろ。あれ焼き増しして、ラミネート加工しておいたから」
大河「………」
竜児「どこだったっけ……あ、あったあった。これだ。ほーら大河、北村の写真永久保存版だぞ。これ見て機嫌なおせよ」
大河「………」
竜児「な?きれいに仕上がってるだろ。大事にしろよな(なでなで)」
大河「………」
竜児「まだ、機嫌なおらないのか?どうしたんだ?大河」
大河「うっさい。よくわからないけど、とにかくイライラする」
竜児「わからないって……なんだそりゃ。ほーらよしよし。明日はお前の大好きな黒豚のとんかつ作るからさ。な?」
大河「…………」
* * * * *
実乃梨「おはよ大河!」
大河「おはよーみのりん」
竜児「よう櫛枝」
実乃梨「あれ?たいがー、なんか元気ない?」
大河「え?そんなことない。いつも通り」
実乃梨「そう…?」
女生徒D「おはよー。高須君もおはよう」
大河「!」
竜児「(ん?大河が俺の手を強く握ってくるなんて……何だこの反応。昨日、なんかあったのか?)」
女生徒D「ねぇ高須君、ちょっといい? ………実はさ、高須君に会いたいって子がいるの」
実乃梨「……!?」
竜児「……は?」
女生徒D「その子ね、高須君の事、すごく好きだっていうの。だからお願い!会ってあげて欲しいの」
実乃梨「おおう、高須君ってば隅に置けないねぇ〜。おじさんびっくりだよ。あはは」
大河「……」
竜児「え、いやでも」
実乃梨「ねぇ大河、そう思わない?驚いちゃったぜ〜」
女生徒D「逢坂さんには、昨日教えちゃった。ね、逢坂さん。それで逢坂さんからも高須君がフリーだってお墨付きもらってね。こうやってお願いしに来たわけなの。ね、いいでしょ?一度だけでもいいから会って欲しいの」
実乃梨「……!? タイガー…?」
竜児「俺が……女の子に好かれるなんて……初めてだ……信じられねぇ……」
女生徒D「そういうわけだから!放課後、私と一緒に校舎裏に来て!お願いね!」
竜児「え?え? お、おい……まいったな…こんな事生まれて始めてだ…どうすりゃいいんだ」
大河「……」
>>663 なるほど、ラブレター事件が無かったらVer.なんですね♪
被ってないですし、続き楽しみにしてます!
時期設定は文化祭前くらい!?
大河のリアクションが楽しみだwktk
>>682 俺も踏んだことがある orz
こう、張力の高い皮に包まれた柔らかいジェル状の物質が
圧力に負けて皮を破ってプリッと出てくる瞬間が今も足の
裏に!
貝は問題無く食べられるから大丈夫。あと、竜児ラッキーだな。
「ねぇばかちー。ばかちーのお母さんのドラマって『勝ち犬女検視官』だっけ、『負け犬検視官』だっけ」
「はぁ?なんで亜美ちゃんのママが負け犬なのよ。勝ち犬に決まってるじゃん。ばっかじゃねーの?コ・ロ・スよ」
「でもさ、4巻の74ページには負け犬って書いてるよ。見て?」
「ちょ………ま・じ・か・よ。なにやってんだよゆゆこ。てか編集担当ちゃんと校正しろよ。てか死ねよ。てか15刷?
超、むかつくんですけど?マジ、むかつくんですけど?亜美ちゃんのママが負け犬のまま刷りまくってんじゃねーよ。
手前ら左うちわで亜美ちゃんのママ負け犬かよ。あー頭来る、やってられねーっつーの!」
「まぁまぁばかちー、おちついて、私のヨーグルトあげるから」
「いらねーよ。てか飲みかけかよっ!」
「ばかちー、あんまりゆゆこに怒っちゃだめだよ。ゆゆこは神様だから、あんまりわるちーだとバチが当たるよ」
「へっ、バチなら心配ねーっつーの。ゆゆこは亜美ちゃんのこと冷たく扱いすぎて後悔してっから。とらドラ・ポータブル!
作るときに『亜美ちゃんを幸せにしてあげて』って言ってるくらいだから。いやーん、亜美ちゃんかわいすぎて神からも
愛されるなんて。てか罪深すぎ?」
「あんまり調子にのならないほうがいいと思うな。だって、ゆゆこは大神だから、こんな世界の隅っこまで見てないと思うし」
「けっ、こんなにきれいな亜美ちゃんを見捨てられる神なんかいらねーよ」
「でも、ここじゃ本当にゆゆこ神様はばかちーのこと見てくれないのよ」
「ちょっとタイガー、あんた喧嘩売ってんの?亜美ちゃんの美貌に文句あるの?てか、なにさま?世界の何をしってるってーの?
セカイ系?宗教?キモイんですけど、間に合ってるんですけど。勧誘しないでほしいんですけど」
「はー。仕方ないな。ばかちーには恩があるから教えてあげるわ。ここではばかちーはおとなしくしたほうがいいの。
だってここは、私と竜児のための世界だから」
「はぁ?あんたとうとう頭までおかしくなったの?あんたたちの世界?けっ、そりゃあんたたちの頭の中でしょ」
「そうじゃなくて、ここは本当に私たち二人のための世界なの。私と竜児だけの蜜流れる約束の地。
『【とらドラ!】大河×竜児【ドキドキ妄想】Vol7 』スレなの」
「…なによそれ」
「ここでは唯一の物理法則が私と竜児の愛なの。それ以外の物理法則は何もないの」
「…あんた、とうとう薬まで。この前はおふざけでやったけど、ほんとに警察呼ぶわよ」
「しかたないな。じゃ、見せてあげる。竜児〜!」
「おい大河、お弁当持ってきてやったぞ」
「…高須君…、あんた今どこから来た?」
「おう、川嶋。どうした?鳩が豆鉄砲食らったような顔してるぞ」
「…いや、あんた…だって…今…」
「お弁当、ありがとう。竜児」
「おう」
「……ちょっと。何?まじこれ?わけわかんない。なんで出口無いのこの教室!」
「心配しないで、ばかちー。眼鏡の再構成ネタの心配はないわ。スレチだから」
「わけわかんないわよ!」
「本当にごめんね、混乱させる気は無かったの。ただ、ここが私と竜児の『約束の地』だってことを教えてあげたかっただけ」
「…もうやめて」
「ね、竜児。いつもお弁当作ってくれてありがとう」
「なに今更いってんだ。このくらい何ともないぜ」
「ありがとう。竜児のお弁当、本当においしいよ」
「おう、お前がそう思ってくれるなら作りがいがあるぜ」
「高須君!タイガー!何やってんのよ!」
「竜児。好きよ」
「大河、俺もお前が好きだ」
「ちょ!てか、それ『約束の地』、関係ねーし!」
ギシギシアンアン
「『お約束』だっつーの!!亜美ちゃんやってらんねー!」
ギシギシアンアン
>>682 ちょっと質問。陸生の貝類っていうなら、カタツムリじゃ・・・?
692 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/15(金) 09:10:47 ID:X/AAOtld
>>691 ナメクジも陸生の貝類だよ
貝殻は退化してるけどね
たぶん世界でたったひとつの何かを見つけたからに違いない
そういうふうに
(゚д゚)できている(゚д゚)
695 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/15(金) 10:15:07 ID:X/AAOtld
从*` ロ´)<こっちみんな
なんか連投になっちゃうけどいいかw
例の「1話if」の続き出来たから貼りますw
今回は大河パートですw
↓
「何を話してるんだろう・・・?」
開いたドアから聞こえてくる声に耳を傾けながら、私は高須竜児の声を聞き逃さないよう集中した。
「・・・え?」
ふと訪れた驚愕。
気付いて訪れた衝撃。
思わず呟いていた。
なんで?なんで私・・・。
「北村君じゃなく・・・あいつの話を聞きたがってるの?」
『1話if・7』
>>697 動揺は動悸として身体に伝わった。
ドキドキドキ。
なにこれなにこれ?
心臓がどんどん早くなってくよ。
なんで?なんで?
わからない気持ちは顔にも派生してきた。
なんか顔熱い。
北村君がいるからかな?
でもさっきはそんなことなかったのに・・・。
いろいろ考えて混乱してきた頭に、ふと聞こえてきた声。
はっと我に返る。
「・・・うやら、相坂の家庭は崩壊してるらしい」
その内容を理解して。
頭からスッと熱が引いた。
何故か知らないが、彼らの話は私関連のことになってるらしい。
「どうして北村君がその事を・・・?」
思わず呟いて、また耳を澄ます。
それから聞こえてくるのは、私の家庭のこと。
とつとつと語られる家庭事情。
それも全てあっている。
「・・・」
それを他人に知られていたことに、また心が傷ついた。
おそらくはみのりんが話したのだろう。
多分、私を理解してもらおうとして。
でも・・・これは違うよみのりん・・・。
どこか裏切られた気がして、心がチクンと痛くなった。
「・・・」
そして・・・それを高須竜児に知られたことが、何故か・・・哀しかった。
>>698 軽く瞳をグイッと擦る。
そこには引きずられた水の跡がついた。
なに泣いてんだ私は。
あいつは元々なんでもないじゃない。
そうよ。
今日まで知らなかった、ただの他人。
それなら知られたところで・・・。
『何にそんなに苛ついてるかわかんねーけどさ、なんなら相談くらい乗るぜ?』
でも・・・そう思っても・・・涙は止まってくれなかった。
「う・・・うっ・・・」
外に聞こえないように口許を押さえて、私はそのまま泣いた。
なんで哀しいのかもわからない。
何が哀しいのかもわからない。
それでも哀しいのだから、仕方ないじゃないか。
そう思いながら、私はポロポロと涙を流した。
「お前は何でそんなに逢坂に思い入れるんだ?」
その時聞こえてきた北村君の声。
「同情か?」
その言葉に、ザクンと心が抉られた。
その言葉で、全てが一致した。
愕然とする頭の一方で、冷静な心が小さく呟いた。
・・・そか・・・同情・・・されてたんだ・・・私。
高須竜児に。
一瞬目の前が真っ暗になった。
>>699 そして溢れてきたのは涙と・・・渇いた笑い。
「あ・・はは・・あはは・・あははは・・・」
・・・何を期待したんだろうね?
・・・何か期待したのか私は?
ばかみたいばかみたいばかみたい。
私が期待したものは全て私を裏切った。
私が求めたものは全て私を捨てた。
私が好きになったものは・・・全て私から離れた。
だから何も期待しないようにした。
だから何も求めないようにした。
だから誰も・・・好きにならないようにした。
どうせ全て無くすなら。
それなのに・・・それなのに?
「ああ・・・そっか・・・」
思わず苦笑した。
ここで気付くなんてなんてバカ。
でもどうしようもない、気付いてしまったものは。
私は。
私は・・・好きになったんだ高須竜児が。
>>700 殴り飛ばしても怖がらなかった。
普通に話してくれた。
ジュース奢ってくれた。
話を聞いてくれた。
私のイライラを理解してくれた。
そして・・・手を差し伸べてくれた。
本当は嬉しかった。
でも怖くて振り払った。
それでも心は・・・。
「あいつを・・信じてたんだ」
流れる涙は止め処ない。
もはや拭うことすら億劫だ。
裏切られた気持ちは、こうも人の心をたやすく壊・・・。
「・・・笑わせてえんだ」
え?
その時耳に届いてきた言葉。
高須竜児の言葉。
私は思わず顔を上げて扉の隙間を凝視した。
「あいつよ、俺のこと怖がらねーんだよ。初対面でこのヤクザ面ぶっ飛ばして、その後自販機んトコで話したときも、あいつ全然怖がらねーんだ」
・・・なにいってるの?
「嬉しかったんだな、俺」
「高須・・・」
「でもよ・・・俺にその嬉しいをくれた奴は、何故か怒った顔と泣いた顔しか見せてくれねーんだ」
・・・なにいってるの?
わたしのかおが・・・なに?
「それが嫌だったんだ。悔しかったんだ。だから思わずあの時手を伸ばした。あいつの苛立ちを解消してやりたくて。あいつの・・・笑顔が見たくて。だから俺、こんなに一生懸命なんだな・・・」
そこで目に入ったあいつの横顔。
瞬間ドキンと胸が鳴った。
>>701 また心臓が早鐘のように鳴り出した。
ドキドキドキドキ。
「うそ・・・」
思わず洩れた声。
あいつは同情して私に接したんじゃなかったの?
私を哀れんだんじゃなかったの?
「だから・・・こいつは俺のエゴだな」
あいつ自身の意思・・・。
そう思ったとき、心の中に暖かいものが広がった。
なんだか知らない甘酸っぱいような気持ち。
なにこれなにこれ?
また頬っぺたが熱い。
熱くて熱くて火傷しそうだ。
そして込み上げてくる・・・笑い。
さっきの渇いた笑いじゃない、本当に嬉しい時の笑い。
嬉しくて嬉しくて、思わず漏れ出す・・・笑い。
「え・・・えへへ・・・な、何これ・・・えへへ・・・と、止まらないよ・・・」
思わず頬を押さえてしゃがみこむ。
もう涙は流れてなくて、本当に熱い熱が私の両手に伝わる。
嬉しい嬉しい嬉しい。
それだけが私の心を、身体を満たしていった。
その時、
「そういうことなら俺はお前を応援する。頑張れよ」
「おう!ありがとな!」
聞こえてきた声に、ビクンと跳ね上がる。
どうやら話は終わったらしい。
え?え?
そしたらそしたら・・・。
「・・・こ、こんなトコ高須竜児に見られたら、い、遺憾だわ・・・」
私は飛び跳ねたい衝動を押さえながら、静かに階下へと進む階段へ足を掛けた。
顔のにやけを何とかして押さえながら。
※
そして私は一つの決意をした。
「1話if・7」終わりw
>>672 それは俺のことですか?なら、はいそうですwスレには3スレ目位から投稿してますがw
アニメ準拠なら大河は一年不在だったわけだ。
一年間地方にいたなら少しくらいなら方言移りそうだな。
方言話す大河も見てみたいな。
きっと可愛いと思うが、どうだろうか?
駆け落ちしますけん
はかわいかったw
706 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/15(金) 12:42:24 ID:lQjcikNf
707 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/15(金) 12:44:13 ID:lQjcikNf
>>683 髪の毛さん邪魔だーとこのときほど思ったことは無かったぜ!
でもこういうの…いい
708 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/15(金) 12:46:10 ID:lQjcikNf
709 :
●:2009/05/15(金) 12:52:22 ID:lQjcikNf
>>689 すばらしいボキャブラリーの豊富さだな
日本語にすると語彙
>>690 最近のギシアンはいい感じに凝ってるねー
とここまで書いてもう容量が480KB超えてることに気付いた
夕方に次スレ立てますのでスレタイ案何かあったらお願いしますだ
俺案は
【とらドラ!】大河×竜児【アチチチ妄想】Vol8
あとこの板は頻繁にスレが立つわけでもないので500KB埋まってもしばらくdat落ちはしないようです
次スレに新作投下するよりもなるべく作品投下で埋め立てた方がいいなとは思いますが
慎重になる場合が多いので俺も何か作品考えておきましょう
さて午後からもヘレボルスの苗植えやよー
710 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/15(金) 12:54:10 ID:Oid7VILO
>>702 うおおおお超お疲れ!
これのおかげで今日を生きる活力を得られた感じがする
正直、あの「大河が竜児以外と結ばれるのが許せないから大嫌い」って
レスしておいて本当に良かったと思う。
しなかったらこんなにいいの読めなかったんだから…
人生って難しいね、どうせ叩かれると思ってたのに報われちゃったよ
続き楽しみにしてます!
711 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/15(金) 12:55:29 ID:lQjcikNf
712 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/15(金) 12:56:11 ID:lQjcikNf
>>704 西日本なら移りそうだけど東日本は案外そうでもない気がする
仙台とか仙台とか仙台とか
>>709 『アチチチ』よりはこれまでの流れをくんで『アツアツ』と二回反復する方が良いと思う仕事の昼下がり。
アチを尊重して 『アチアチ』にしたらいいんでない?
いやぁ3時間目さぼった甲斐があったぜwww
気づいたらもう次スレか
俺もアチチを尊重して『アチアチ』に一票
ここは『ムラムラ』に一票出すしかないな
「人には、時には甘える事が必要だと思うんだ。
誰かに甘えて、縋って。それで自分の欲求を叩きつけたり…。
もちろん自分の欲望の赴くまま行動してはいけない。だが、人には…
否、男には性欲なる物がある。その不意に来る欲求は、誰しも耐えれるとは
言いがたい。寧ろ耐えられるほうがおかしい。
女もいろいろな欲求があるだろうな、男には理解できない何かが。
例え違えど欲求は欲求、男女の営みって事もあるだろう。
時には普通の人とは違う欲求が芽生え、そして些細な思惑から行動に至り、
取り返しの付かない罪を犯してしまう。しかしそれに耐えてこそ、
真の境地に着き、初めて人を愛せる。
男ってのは女の色気に自然とムラムラするわけだ。その衝動に耐えられるのは
世界からみてもほんの一握りだろう。いや、親指と人差し指と中指で掴める
位の数しかない。つまりほんの一つまみ。そして俺は多分耐える事ができない。
それ故にその衝動に耐える事ができない。どうしたらいいと思う?」
「つまりえっちがしたいって事ね?」
「つまりそう言う事だ」
ギシギシアンアン
719 :
●:2009/05/15(金) 17:02:40 ID:2c/srHgB
>>714-717 みんあありがとう
次スレは語呂も考えて アツアツ にしときます
アチアチ は次々スレあたりでネタにつまったら
ムラムラは…いつか採用せざるを得ないことになるだろう
ということで立ててくるッス
720 :
●:2009/05/15(金) 17:05:30 ID:2c/srHgB
721 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/15(金) 17:13:12 ID:2c/srHgB
ギシアンネタで埋めるの慣習かな?w
色々書いてきたけど、ギシアン実はないんだよなー・・・自身初、書いてみるかw
723 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/15(金) 17:27:59 ID:2c/srHgB
慣習でも無いけど使い勝手のいいネタではあるし
現在のスレ容量486KB
500KBまで残り14KB
半角だと約14000文字分
全角だと約7000文字分だ
>>718 最初の時点でオチが読めたがその通りでワロタwwwwww
『虎に翼』
『竜児ー、入っていいわよー』
「おう。つか、いきなり人を締め出して一体何なん……だ……よ……」
「へへへー、荷物整理してたら出て来たんだ、文化祭の時に使った翼。
手持ちのドレスと合せてみたんだけど……どう?」
「……駄目だ」
「え? どこかおかしかった?」
「……俺が、駄目だ。わりぃ、大河、可愛すぎて……我慢できねえ」
ギシギシアンアン
《虎に翼:強いものがより強くなること。類語は『鬼に金棒』》
『虎穴に入らずんば虎子を得ず』
「ねえ竜児……」
「おう、何だ?」
「私達も結婚してそれなりに経つんだし……そろそろ……ね?」
「……おう」
ギシギアンアン
《読んで字の如し》
>>725 > 『虎穴に入らずんば虎子を得ず』
これ噴いたwww
竜虎は結婚する以前に、
再開してその日のうちに初体験を済ませておきそうだ
しってるかー
とらドラって竜虎睨み合うのタイガー&ドラゴンからきたんだよー
とらが虎で
ドラがドラゴン 龍
知らなかったでしょお兄ちゃん
729 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/15(金) 19:01:18 ID:sWqKh8Ma
>>726 不思議だね
まったく意味が通じているのにw
新スレ乙です!
>>683 絵もストーリーもどんどん上手くなっててすげーね。
特に罵倒の仕方が最高、声出して笑っちまったww
続きを超期待してます!
732 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/15(金) 22:46:02 ID:bzc2HBtm
心が汚いけど竜児が見えます
心が汚いから竜児が真っ先に見えました
>>668 そんなつもりじゃないんだが、気に障ったならスマナイ。
>>731 俺にも竜児がみえた。
>>663続き
ばくばくばく!!
もの凄い勢いで口へとチャーハンが運ばれていく。
腹がすいてるだろうと思い、ありあわせでチャーハンにしてやったのだが、気に入ったようだ。
朝からチャーハンは少々脂っこいかとも思ったが、今のあいつに純和風の朝食を用意しても満足はすまい。
「おかわり」
だってもうチャーハン三杯目だし。
「……お前、どんだけ食うんだ?」
「何よ?食わせてやるって言ったのはアンタよ」
「いや、そうだけどよ」
「まぁまぁ竜ちゃんいいじゃない。大河ちゃんこんなにちっちゃいんだしおっきくなるにはたくさん食べないとね」
「早くよそいなさいよ」
ふん、と偉そうに頬杖をついてこちらを伺う食欲大魔神。
くそぅ、情けは人のためならずを疑いたくなるぜ。
「大河ちゃん、おいしい?」
「……うん、竜児のお母さん」
あれ?
「いやぁん♪やっちゃんでいいよぉ♪」
「うん、やっちゃん」
「うふふ、大河ちゃんいつでもご飯食べに来てね♪」
今、竜児って呼ばれたか?
***
予鈴と同時に教室へと入る。
ふぅ危なかった。
「ちょっと!!入り口の前で止まんないでよ!!」
「おぅ、悪い」
そうだった。
俺の後ろには逢坂がいたんだ。
こいつが随分と食うから今日は遅刻スレスレだった。
間に合って本当に良かった。
HRを前に椅子に座って息を整える。
隣を見ると、逢坂はほとんど息を切らせていない。
あれだけ食ってこれだけ動いてそれかよ。
「おはよう高須、珍しくギリギリだな」
「おぅ北村、おはよう」
「一時間目は体育だ。速めに移動しよう」
「あ、そうだったか。わかった」
この眼鏡をかけた丸い頭の男は北村祐作。
北村祐作は、このクラスの委員長にして生徒会にも所属し、男子ソフトボール部のキャプテンも兼ねているというドラ●もんの『出来杉君』のような完璧さと、
普段からかけている眼鏡のせいか、顔がち●まる子ちゃんの『丸尾君』にそっくりなことから『まるお』と呼び慕われていた。
「おや?逢坂じゃないか。珍しいな、お前等一緒だったのか?」
「おぅ、たまたまな」
「………………」
俺と北村のそんな会話に入ることなく、逢坂は通り過ぎていく。
俺も早く準備をしなければ。
***
「今日は男女混合でバスケットのパス練習するぞー!!」
ムキムキマッスルな体育教師が、黒光りした自らの上腕二頭筋をヒクつかせながら説明する。
男女混合……ウチのクラスは女子が多いから男子があぶれることは無い、はずなのだが。
「まるおー、一緒にやろ♪」「櫛枝、一緒にやんねぇ?」
次々とペアが組まれていく中、俺はぺアがいない。
まぁ俺のこの顔を見ればその理由もなんとなくわかるが。
はぁ、と溜息を吐くのと同時、長い茶色の髪が目に映った。
何人かの男子が周りにいてペアを願いしているようだ。
「……イヤ」
だが、全て一蹴。すごすごと去っていく男子諸君。
なんて哀れ、いや憐れな。
まぁ、逢坂にとっても一見さんお断りってのがあるんだろうけど。
と、ふと逢坂と目が合った。
「………………」
一瞬、時が止まったように静寂が訪れる。
それに気付いたクラスの奴等が、
「手乗りタイガーとヤンキー高須の頂上決戦か?」
などと言い出す。んなわけあるか。
そう思い視線をずらそうとしたところで、逢坂はクイッと首を振った。
……どうやらこちらに来い、ということらしい。
「アンタ、ペアいないのね。まぁその目つきじゃ女子は寄ってこないわね」
「うるせぇ」
分かりきったことを言いやがって。
「まぁいいわ。ほら」
ポン、とバスケットボールを渡された。
なんだコレ、と一般に三白眼と呼ばれてしまう目つきを向ける。
断っておくが俺は別に「何さらすんじゃボケェ!!イてまうぞコラァ!!」とか思っているわけではない。
「パス練よパス練」
ほら、と両手を突き出すようにして離れた位置にいる逢坂はボールが来るのを待っている。
髪を二つにわけてそれぞれ三つ編みにした逢坂は右へ左へ動きながら「パース!!」なんて張り切っている。
「お、おぅ」
ヒュッとボールをくれてやる。
掌を内から外へ押し出すように。
一度地面にバウンドしてからのパス。
逢坂がそれを取ろうと腰を屈めたまさにその時、
「あ……!!」
気付く。
「あ、危ない!!」
誰かが言った言葉は間に合わない。
逢坂の横顔目がけて飛んでいくボール「バン!!」……は?
あいつはサイヤ人か何かなのだろうか。
たいして振り向きもせず、恐らくは感じた気配だけを頼りに片手でボールを打ち払う。
はじかれたボールは弧をを描きながら投げてしまった生徒の元へと戻っていく。
「おお……!!」
歓声があがる。
彼女は今ヒーロー。
そして、ドカッ……ドカッ!?
「あいたっ!?」
俺が投げたボールをキャッチ出来ずにバウンドしたボールが顔面を打ち付け、バタリと倒れ込む。
途端にわき起こる爆笑の嵐。
ヒーローと芸人に同時になるなどそうできることじゃない、お前は凄いよ逢坂……とか思ってる場合じゃねぇ!!
「お、おい大丈夫か逢坂?」
どうやら意識を失って……おぅ!?
は、鼻血が出てやがる。
「ん……あぅ」
あ、目を覚まそうと……ってマズイ。
いくらなんでも女子が顔面鼻血じゃ体裁が悪すぎる!!
「先生、逢坂さんを保健室へ連れていきます!!」
俺は逢坂を抱き上げると一目散に駆けだした。
***
私は今、横になっている。
「……大丈夫か?」
「平気よ」
目の前にいる目つきの悪い男に言葉を返してやる。
実際もう血も出てないし、痛くもない。
「悪かったな」
「そうね、乙女の顔を傷つけたんだから謝るには当然ね」
「……悪かった」
何よコイツ。
なんでそんな普通に謝るワケ?
「全く、昨日もぶつかった瞬間に謝れば殴らずすんだのに」
「……すまん」
イライラする。
アンタここまで言われて何で反論しないわけ!?
「アンタ、何でそんなに簡単に謝れるの?」
「は?」
何よ、その心底不思議そうな目は。
ギラついて、つり上がって、今にも誰かを射殺さんばかりの目つきの瞳にそんな純朴そうな、事実純朴な気持ちを乗せないでよ。
何だか、居心地が悪い。
「アンタ、父親とかとよく喧嘩にならない?」
ふと思いついた事を聞く。
今朝会った母親は、悪いが竜児には似ていない。
ということは父親似なわけだ、コイツは。
それも恐らくはそっち系の。
こんな性格をしていれば普通何度もぶつかりあうものではなかろうか。
それは、その程度の、好奇心だった。
「俺、父親に会ったことがないからわかんねぇ、そういうもんなのか?」
だから、心底後悔した。
普段ならしないような、踏み込んだ質問をしたことに。
「あ、その……ごめん」
「あ、いや、気にしないでくれ。俺は泰子のおかげで十分にやっていけてる」
なのに、コイツはなんでそうやっていられるんだろう。
私なんて親があんなでこんななのに。
だからだろうか。
めったに人には話さない身の上話をしてしまったのは。
「私も似たようなもんよ。アンタよりはマシだろうけど」
親が離婚して、父親に引き取られて、再婚して折り合いが悪くなって。
気付いたら一人でマンション。
いや独りでマンション。
「笑っちゃうでしょ?」
ははっと自嘲的になる。なのに、
「……笑えねぇよ」
コイツはどこまで真面目なのだろう。
「まぁ、アンタに話した所でしょうがないんだけどね」
「俺は……」
「うっさい黙れ、そして腐れ」
「っ!!」
「アンタが気にする話じゃない。アンタは私に気にするなと言った。だからアンタも気にしない。OK?」
「いや、でもよ……」
「何?何か悪いとか思ってるわけ?アンタに同情してもらうほど落ちぶれちゃいないわよ」
「………………」
「まぁどうしても気になるってんならそうね、また私にご飯をご馳走しなさい。本っ当に遺憾だけど今朝は……おいしかったわ」
その日から、私は隣の席の高須竜児の家にご飯を食べにいくようになった。
***
長い回想を終え溜息を吐く。
隣を歩く大橋の虎こと逢坂はあれから毎日毎晩、最近は昼まで賄ってやっている。
あの時は、そんな事でこいつが報われるなら、と思ったが、まさか毎日来るようになるとは想定外だった。
「あ、そうだ竜児」
「おぅ」
「はいこれ」
言われて手渡されたのは……●×□▲!?
「何て顔してんのよ」
「いや、だって……」
俺の手にはかの偉人の人が印刷された紙が乗っていた。
『学問のすゝめ』を著したその人、福沢諭吉が。
なんだこれは?
お巡りさんに届けろとでも言うのか。
俺の手にある一円一万個分、いや十円千個分、いやいや百円百個分のこれを。
「アンタにあげるから」
「はぁ!?」
ナニヲイイダスノデスカアイサカサン。
おぅ!?思わずカタカナになっちまった。
「勘違いしないでよね、やっちゃんに悪いと思って……それは私の分の食費よ」
「おぅ!?なんだそうか……そうか」
思わず二回言っちまった。
しかしなるほど。
こいつはこいつなりに気を使おうというわけだ。
これは助かる。
まぁこれだけあれば一月はいけるだろう。
「それだけあれば十日はいけるでしょう?」
「……何だって?」
俺の聞き間違いか?十日だと?
「あれ?足りない?ちょっと待って今財布から……」
「いや、お前が待て。十日だと!?」
「うん」
「バカモノ!!一月はいけるわ!!」
「ひゃー!!」
逢坂は驚いたように後ずさる。
「い、一万よ?たかだか一万で一ヶ月?」
「おぅ」
「アンタ私に何食べさせるつもり!?黄金伝説でもたてろっての!?」
「お前な……」
「だって一万なんてあっという間よ!?この間買った服なんて三万八千円したんだから!!大体、一日千円で十日って計算でも少し安いかと思ってたのに……」
「三万八千円?一日千円?MOTTAINA〜I!!」
「ひゃー!!」
いや、それはもういいから。
しかしコイツ、いったいどんだけ無駄遣いしてるんだ。
そういや、部屋にこそ入ったことは無いが、コイツの家ってウチの隣のマンションなんだよな。
くそぅブルジョワめ。
「まぁいいわ。足りなくなったら言って」
「おぅ」
「っしゅん!!」
「ん?風邪か?」
「きっと部屋の中が埃っぽいから鼻が」
「ナニ!?」
聞き捨てならない台詞。
頭にかけのぼるのはうふふあははの埃とゴミの世界。
「そ、掃除してぇ……」
ふと漏らした言葉。
「何アンタ、掃除まで好きなの?何処まで主婦なのよ。でも、そうね。今日の放課後、良かったらウチ来てみる?」
俺の、女子の家訪問初体験が始まる。
***
738 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/15(金) 22:59:14 ID:bzc2HBtm
俺の始めての女子のお宅訪問はかつてないほどの衝撃にまみれていた。
最初に気付いたのは匂い。
「なんだこの匂い……!!」
鼻を押さえる。
酢のようなきつく酸っぱい臭い。
まさに『刺・激・臭』だ。
リビングに入って、一面ゴミ屋敷。
これは想像以上だ。
俺はかつて無いほどの強敵を目の前にしている。
そして、ああ、そして!!
シンクが、アイランドキッチンのシンクが!!
「あ、ああああ、ああいあいあいあいあささっさっかか」
「何よ」
「あいさかぁ!!俺に、どうか俺にここんちのキッチンを掃除させてくれぇ!!」
「……そのためにきたんでしょうが」
やれやれ、呆れたように逢坂はリビングの椅子に座る。
「ここで見てる。触られたくないものとかがあったら言うから」
「おぅ……おぅ!!」
俺は腕まくりをした。
ムフフフ、待ってろよキッチンちゃ……おぅ!?水が腐ってやがるじゃねぇか!!このっこのっ!!
「……アンタ、そんなに掃除が好きなんて変わってるわね」
「いや、部屋をここまでに出来るお前ほどじゃ……ん?
俺はボーっと座ったままの逢坂に近づき、「何?きゃっ!?」頭を払う。
「ああ、すまん。ほこり被ってたみたいだったから。せっかく綺麗な髪してるんだ、気をつけろよ」
「……ふん」
逢坂は礼も言わずに手元の週刊誌を読みは始める。
俺は詳しくないが、最近有名な高校生モデルとやらが出てるらしい。
だが、今はそんなことより掃除だ。
恐らくシンク中はぬめりとカビと腐った生ゴミで地獄絵図と化しているはずだ。
ベロリと舌なめずり。
待ってろよ、アイランドキッチン!!
***
竜児って変わってる。
せこせこと人の家を掃除しだして喜んでるし。
差別的な言い方になるけど男なのに料理上手いし。
まぁそれは家庭環境にもよるんだろうけど。
私がこうなのも恐らく家庭環境のせい、ということにしておきたい。
しかし、不思議だ。
何でコイツ他人、それも私なんかとつるんでるんだろう?
まぁ私もなんでこんな目つきの悪い奴となんでつるんでるんだって話だけど。
でも竜児の場合それは誤解だし。
誤解、か。
だからかもしれない。
竜児は上辺だけで私を見ない。
だから、予想以上に心を許してしまうのかもしれない。
と、急に竜児が私の目の前まで来て、
「何?きゃっ!?」
頭を触ったかと思うと笑いながら埃被ってた、なんて言う。
何故かその笑顔にドキッとした。
触られた頭は、今まで誰からも感じたことの無いくらい、暖かかった。
***