【とらドラ!】大河×竜児【ベタベタ妄想】Vol5

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1名無しさん@お腹いっぱい。
ここは とらドラ! の主人公、逢坂大河と高須竜児のカップリングについて様々な妄想をするスレです。
どんなネタでも構いません。大河と竜児の二人のラブラブっぷりを勝手に想像して勝手に語って下さい。
自作のオリジナルストーリーを語るもよし、妄想シチュエーションで悶えるもよし、何でもOKです。
次スレは>>970が立ててください。 もしくは容量が480KBに近づいたら。

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2名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/05(日) 02:23:26 ID:XzEigi63
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3名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/05(日) 02:24:49 ID:XzEigi63
大失態!

前スレ
【とらドラ!】大河×竜児【イチャイチャ妄想】Vol4
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1237819701/
4名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/06(月) 16:00:08 ID:l7WSyVzw
>>1
5名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/07(火) 01:35:58 ID:KtNyK0JP
>>1乙!
6名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/07(火) 06:32:10 ID:Sbm6rump
>>1
7名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/07(火) 17:04:36 ID:1qq37Uud
キスシーンの妄想after

「ねぇ・・・寒いし、もう一度」

「・・・もう一度」





「竜児・・・もう寝ちゃった?」
すぐ隣に敷かれた布団で、背を向けて毛布に包まっている最愛の人に話しかける。
「お、起きてるよ。どうかしたか?」
声が震えている。緊張してるのだろうか。私だって声色が変わるくらい緊張しているのだ。
そうだったらいいな・・・と小さく笑みをこぼす。
「・・・寒いから・・・そっちの布団行ってもいい?」
「おう!?」
竜児は驚いた顔をして大河のほうへ振り向いた。
「おう!ってことはいいんだね」
自分の寝ていた布団から起き上がり、隣の布団に移ろうと
「いや、ちょっとまて大河!こういうのは・・・その」
制止の声がかかる。
「あぁーもう、ピーナッツの小さい野郎だよあんたは!うだうだ言うんじゃない!!」
軽い罵倒(竜児にとっては核に匹敵)で制止を振り切り、もぞもぞと竜児の寝ている布団にもぐり込む。
「あったか〜、生き返るわ」
ひとつの布団で背中合わせにくっつき暖をとる。
「ったく、親父くさいぞ。でも・・・本当にあったかいな」
「ねぇ・・・竜児」
重ね合わせていた背中を離し、竜児の方を見る。
「なんだ?」と竜児もまた大河の方を見る。
目と目、まさに吐息すらかかる距離に内心ドキリとしながらも、大河は言葉を紡ぐ。
「あのさ、竜児。本当に幸せになれるのかな?」
竜児の目を見ながら話すのが辛くなり、また背を向け言葉を続ける。
「も、もちろん今でも十分すぎるくらい幸せよ!ただ・・・みんなに本当のみんなに祝ってもらえるような幸せに・・・」
不意に後ろから腕が回され抱きしめられた。竜児の手。本当に優しすぎる抱擁。
「なぁ大河。俺思ったんだ。逃げてるだけじゃ大人にはなれないって。それと同じで、待ってるだけじゃ幸せにはなれないと思う」
優しく、添える程度だった腕に力強さが宿る。
「だから俺は決めた。この手にある幸せを絶対離さない。守るためにはどんな理不尽にも立ち向かうって!」
ジワッっと目頭が熱くなる。泪が溢れて来る。でもそれを隠そうと
「ププッ!あんたってホントそういうこと恥ずかしげも無く言うわよねー」
笑ってしまった。本当は嬉しくて・・・嬉しくて仕方が無いのに。
「笑うなよな!こっちは真剣なのに・・・。もういい寝る」
そう言い、抱き締めた腕をほどこうとした所を大河はあわてて止める。
「待って!今日はこのまま寝て・・・。私が寝るまででもいいから。・・・お願い・・・」
「・・・おう」


待ってるだけじゃ幸せになれない。その通りだと思う。
竜児は竜児のやり方を見せてくれた。だから次は私の番だ。
ねぇ竜児・・・。怒らないでね・・・。笑わないでね・・・。
私も・・・決めたから!

8名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/07(火) 19:56:13 ID:5YXeOD2G
>>1
乙!!

>>7
神キター!!
キスシーンのあとどうなったか気になってたから読めて嬉しかった
9名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/07(火) 22:19:51 ID:9vFmmxbX
>>1
改めて乙。前スレで長編を書いてた者だが、続きは今度からこっちに投下しようと思うのでヨロシク。
ちなみに次の投下は明日以降で。
>>7
乙!上手く入り込んでるぅー!(アニメへの介入と大河が竜児の布団に入ったことの両方の意味で)
10名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/07(火) 23:14:00 ID:Iix/Sevc
>>7
乙!勝手に続き書きますwww

そしてしばしの静寂。
「あったかい…」
大河は愛する人を見上げ、安心したかのように目を閉じる。
「ねえ竜児……ありがとうね。アンタは私が欲しかったものぜんぶくれたね。」
「………」
「竜児……起きてる?」思わず自分の言葉に赤くなりながら、再び問いかける。
おう、起きてるぞ。そう言いたかったが、竜児は動けなかった。
ここで大河の顔を直視したら、胸の高鳴りがどうかなってしまいそうだった。
いい匂いがする。愛する人がここにいる。あんなに傍若無人だったのに、我侭だったのに、なんでこんなに愛しいんだろう。

きゅっ。

大河を包むその手に力が入り、しっかりと抱きしめる。
「りゅ…ぅじ……起きてるじゃない………」
大河は背を向けて真っ赤になりながら、その大きな両手に身を任せる。
「大河……大河………絶対離さない…」
「うん………大好きだよ竜児………」
鼓動が高鳴る。心臓の音も聞こえてしまいそうな距離。
「大河、顔見せてくれ……」
コロンと転がって仰向けになる大河。
そして、二人の顔がどちらからともなく近づき、唇が重なる。

「んっ…」ちゅっ…
「んあっ…んふ……」くちゅっ……
「大河、好きだよ…」
「んっ、わらひも…んんっ…」んちゅっ…
キスをしながら竜児はそっと大河の顔を撫でる。
もう離さない。離れたくない。
互いの舌が絡み合い、暗い寝室に湿った音が響く。

長い長いキスのあと、離れる二人の顔。
所在なさげな大河の両手を、竜児がやさしく掴む。
「大河の…味がする…。」
「………ばか。」恥ずかしげに俯く大河。
月明かり差し込む寝室で、その顔に涙の跡がキラリと光った。


「ねえ竜児………。」


皆様の偉大なる妄想の泉へと続くw
11名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 00:20:12 ID:S261zWzA
ギシギシアンアン
12名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 00:20:25 ID:Z2jkPuHb
>>10
ありがとうございました。
13名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 00:36:34 ID:4DBAaIFK
>>10
そこで好きって言っちゃ……
14クリーム・ソーダ ◆fDszcniTtk :2009/04/08(水) 00:38:04 ID:kcnmHjwL
「竜司、あのさ、私たち本当に、け、結婚するんだよね」
ゴールデンウィークもまもなく終了の5月のある日、2合作った昼飯の
チャーハンがきれいに婚約者に平らげられたことに気をよくして、鼻歌
交じりに食器を洗っていた高須竜司は、思わず皿を取り落としそうになった。
レーザービームであたりをなぎ払うがごとく振り返りつつ
「何いきなり言いだすんだお前、皿…」
あげた声は尻すぼみになる。振り返ったその先の居間には、テーブルの
向かいに婚約者が…逢坂大河が…ちょこんと正座して、少しうつむき加減で
不安げにこちらを見上げている。さっきまで旺盛な食欲を誇示していたとは
微塵も感じさせない。
「わかった、3分…」
待て、という言葉を飲み込んだ。目の前にはすすぎを待つ皿とフライパンと
スプーン。3分もあればきれいに拭き終わって水きりラックに並べることが
できる。だが、大河の不安げな表情がぐらぐらと頭を揺さぶる。以前には
なかったことだ。誇り高き主婦(?)である竜司は、かつてなら洗いものの
途中でキッチンを離れるなど決してしなかった。が、そんな竜児もいまや
風前の灯。きれい好きのプライドと婚約者の不安げな顔の間でゆれる18歳の
初夏。
そう、竜児は18歳になった。18歳になったら結婚しよう、というのが雪の
聖バレンタインの日に贈ったプロポーズの言葉だった。だが、18歳の誕生日が
来ても入籍はしていない。約束が反故になったわけではない。延期になった
だけだ。
「うん」
わかった、と大河が返事をするのを聞いて、水仕事を続ける。
15クリーム・ソーダ ◆fDszcniTtk :2009/04/08(水) 00:39:27 ID:kcnmHjwL
泰子の18年にわたる家出が幕を引いたことで、竜児の家庭環境は8割方問題が
解決した。いまだに父親の件は泰子に聞いておらず、母子家庭のままだが、
それは問題ではない。泰子はオーナーの意向で昼の仕事になったし、泰子の
両親から竜児の学費も必要なだけ出ることになった。これについては泰子が
異を唱えたが、1秒後には竜児の祖父である精児が却下した。「育ち盛りの
一人娘が急にいなくなったので、蓄えなら十分ある」らしい。
問題は大河のほうだが、これは傲岸不遜、わがまま女王の手乗りタイガーこと
大河が、耐えがたきを耐え、竜児に倣って母親の家で暮らすことにして、鋭意
改善中だ。プライドの高い大河が、一度は自分を捨てた母親と、その母親を
自分から連れ去った男の家で暮らすのは相当抵抗があるはずだが、春休み明けに
再び竜児の前に姿をあらわした大河は、その点について一言も愚痴をもらさない。
竜児に余計な心配をかけたくないのかもしれないが、少なくとも今回の努力は
無駄にならないし、しないという決意があるらしい。
そういうことなのだ。母親と関係修復をはじめたばかりなのだ。その大河が、
「来月、竜児と結婚するから」と母親に言って、はいそうですかと通るわけが
ない。その点は竜児も大河も話し合って合意の上で、「結婚は近い将来に延期」
としている。具体的な日程は決めていないが、竜児は高校を卒業したら進学する
にせよ就職するにせよ、入籍だけでもしたいと思っている。大河の意向ははっきり
聞いていないが、卒業したらいっしょに住みたいとほのめかしていたので、同じ
気持ちだろう。母親のほうには小出しに竜児の話をしており、二人が交際中なのは
すでに知っているはずだ。8月ごろには結婚の意思があると母親に話せるように
持っていきたい、と大河の口から聞いたときにはその計画性の高さに、これが
俺の知っているドジっ子タイガーかと、竜児はたっぷり30秒間口がきけなかった。
だから、結婚は既定路線なのだ。
16クリーム・ソーダ ◆fDszcniTtk :2009/04/08(水) 00:41:30 ID:kcnmHjwL
それをなぜいまさら改めて問い直すのか。無意識の動きですすぎを終え、丁寧に
食器と調理器の水を切りながら考えた。わからない。昼飯の時には元気だった
はずだ。あの後、何か大河を不安にさせるようなことを言っただろうか。タオルで
手をぬぐい、エプロンをはずしながら考える。思い当たる節はない。いまや家族を
持ったことで何かと週末も忙しい大河とも、週一で初々しいデートを重ねている。
寂しくはあるが、ほったらかしにしているとは言えないはずだ。
「高っちゃん、群馬行きなよ、群馬。ターガー連れて行きなよ」と、進級して
別クラスになっても仲のいい春田から猛プッシュを受けた群馬は無理としても、
ゴールデン・ウィーク前半は竜児が腕によりをかけた弁当を持って近所の山まで
日帰りのハイキングに行った。玄関を出て帰ってくるまで二人ともニコニコ
しっぱなしであった。今日は久々に高須家に遊びに来た。竜児と大河は幸せの
絶頂のはずである。なのに、なぜ。
この女は、時々自分に黙って独りで不安を抱え込むことがある。嫌な予感がする。
テーブルをはさんで大河の前に座る。こぶし4個分足を開き、背筋を伸ばして
正座すると、
「ああ、俺たちは結婚する。」
改めて宣言する。頬のあたりに少し熱を感じる。一方の大河は竜児のはっきりと
した答えを聞いても
「うん」
と元気のない相槌を打つだけで、やはり不安そうにうつむいた。竜児の胸に黒雲が
さっと広がる。何があった。なぜそんな顔をする。母親にやはり反対されている
のか。心配するな、2年や3年俺は待ってやるぞ。それとも。
「…」
ごくり、と音が聞こえる勢いで竜児はつばを飲み込んだ。ほかに好きな男でもできた
のか。
17クリーム・ソーダ ◆fDszcniTtk :2009/04/08(水) 00:43:10 ID:kcnmHjwL
思い当たる節なら、ない。大河は一途な女だ。あれほど北村の名前を連呼して
いた大河が竜児を好きだと言ったことには初めこそ戸惑った。しかし、2回目の
デートの最中、下を向きっぱなしの大河から、出会ったときからの気持ちの移り
変わりを詳しく聞かされて、一切の疑問は晴れた。要するに大河も竜児も想い人が
いながら、知らず知らずの内にお互いを大切な人として気持ちを育てていたのだ。
断じて浮気などではない。だから、大河が自分を裏切るなど、爪の先ほども
疑ってはいない。
だが、である。
大河に浮気心はなくても。
ひょっとして猛烈なアプローチを受けているのではないか。
婚約してからこっち、竜児を悩ますのは、大河に交際を求めるライバルが現れる
のではないかという妄想である。そもそも大河は息を呑むほどの美少女なのだ。
プロのモデルの川島亜美こそ参加しなかったが、昨年の校内美人コンテストでは
堂々の優勝、おまけに熱狂的な一部格闘技ファンから神のようにあがめられている。
事実、入学当時には行列ができかねないほどの勢いで交際申し込みがあったと聞く。
それが止んだのは、手乗りタイガーの二つ名を頂戴するにいたった理不尽な
怒りっぽさと、それを裏打ちする、体つきからは想像できない獰猛さなのだ。
竜児と付き合い始めて角の取れてしまった大河は、ひょっとすると単なる
超絶美少女なのではないか、実は自分の知らないところで熱い交際申し込みを
大量に受け取っているのではないか。つら構えのまずさに関しては人後に落ちない
自信のある竜児は、こういう実につまらないことで悶々と眠れない夜を過ごす
ことがある。
18クリーム・ソーダ ◆fDszcniTtk :2009/04/08(水) 00:44:29 ID:kcnmHjwL
大河を信じないわけではない。しかし、しかしだ。押しの強い美少年のプッシュが
続いたならば…
「何か、あったのか」
どうしよう。そういう気持ちを飲み込んで、ようやく一言。
「ううん。何もないよ。何もないけど」
そういって、一度竜児を見上げるが、また視線を落とす。
「ひょっとして、俺と結婚することが不安なのか」
と、内心の恐怖を抑えながら、聞きたくないことを聞く。大河は驚いたように
「違う、違う!そんなんじゃない。竜児とは本当に結婚したいよ。ほんとだよ。
そうじゃなくて…そんなことじゃなくて…」
と、否定した後やはり言葉を濁す。とりあえず、最近とみにかわいさが増して
きた、と婚約者の色眼鏡で内心絶賛している女王虎様に見限られたわけでは
ないらしい。ほっとする。が、しかし。そうなると何を悩んでいるのだ。やはり
「反対、されてるのか」
母親に。しかし大河は違う、とこれも首を振る。お手上げだった。ひょっとして
「金が心配なのか」
と聞いてみた。高卒でろくな収入のない二人が本当に二人で生きていくなら、
確かに不安があっても不思議ではない。いや、むしろ不安に感じるべきだろう。
特に大河は金持ちの家で育った。2DKのアパートで育った竜児とは貧乏に
対する耐性が違うはずだ。しかしその心配も
「そんなんじゃない、竜児と一緒なら、私貧乏でも平気だから」
と、うれしいことを言ってくれる。思わず目頭が熱くなるのを我慢しながら、
竜児は考え込んでしまった。じゃ、何が心配なんだろうか。竜児の胸の中の
疑問符は増えに増え、いまや子供を産み始めて鼠算式に増えている。なんだか
わからないけど、元気を出せよ。などという気休めは、この愛らしくも気難しい
手乗りタイガーには時として危険だ。そんなことは重々承知している。
ここにきて、チェックメイト。打つ手無し。かけることば無し。
19クリーム・ソーダ ◆fDszcniTtk :2009/04/08(水) 00:46:21 ID:kcnmHjwL
たっぷり一分ほど、だまって大河をみつめていた。竜児の胸の内を読んだか、
大河がおずおずと視線を上げる。こういう表情の大河は本当にかわいい。
「あのね、竜児は私のこと、どう思っている?」
そんなこと。まだわからないのか、この脳みそ拳骨バカ女。と頭の中に浮かぶ前に
「好きだ。お前が居ないと気が狂いそうになることがある」
と、言い切っていた。言い切ったあと、胸から頭へと猛烈に血が上ってくるのを
感じる。高須竜児18歳。婚約中とはいえ、ようやく念願の彼女ができたばかり。
デートの最中手をつなぐだけでもがちがちに緊張する青春真っ只中である。
しかし、臆するには及ばない。見よ。正面の大河も見る見る間にミルク色の頬を
真っ赤に染め、ちょこんと正座したまま居心地悪そうに、もじもじし始めた。
不安をたたえていたバラ色の唇は緩んで微笑を浮かべ、左右へ揺らすまなざしは
挙動不審。
「わ、私もね、竜児のこと大好きだよ。デートのあと、さよならするのが、つらいの」
などと言う。いや、俺はあの「さよなら」で毎回死にそうになっているのだが、
とついつい、つらさ自慢をしそうになる自分をおさえて、その先を待つ。浮かんだ
幸せそうな笑みはすぐに姿を消し、
「だけど、そうじゃなくてね。竜児は私のこと、どう思っているのかなって」
振り出しに戻った。
竜児は黙り込み、細めた目にぎらりと切るような光を浮かべる。ええい煮え切らない
女だ、これだから女はだめだ。婚約など解消してやる。北村にでも拾ってもらえ。
と、思っているわけではもちろんない。困っているのだ。ちなみに土下座されたって
土下寝されたって北村どころか世界中の誰にも大河を渡すつもりはない。
20クリーム・ソーダ ◆fDszcniTtk :2009/04/08(水) 00:48:07 ID:kcnmHjwL
「どう思っているって、どういうことだ」
掘り下げてみる。
「あのさ。結婚したら夫婦じゃない」
と、大河が話しにくそうに言葉を搾り出すのを、
「おう」
と、相槌を打ってやる。あたりまえのことだが、ここは言葉を飲んで黙って聞
いてやる。大河はちらちらと困ったようにこちらを見ながら
「そしたらいっしょに暮らすじゃない」
と、続ける。何を言いたいのだこいつは。胸からあふれた疑問符は頭の中まで
侵食し、疑問符超過で爆発しそうだ。爆発をとどめているのはただひとつ、大河の
不安そうな表情だ。早く言え。言ってしまえ。そして俺にお前の不安を解消させて
くれ。ゴー・アヘッド。メイク・マイ・デイ。
「その、竜児は、私のこと魅力的だって…思ってるのかな」
なにをあたりまえのことを、と声をあげた。ああああ、と頭をかきむしる。
「何度も言ってるけどな、俺はお前が好きなんだよ。ぞっこんなんだよ。お前が
横にいるだけで幸せなんだ俺は。お前の笑顔を見るだけでとろけそうなんだよ。
お前が泣きそうな顔すると胸が裂けそうなんだよ俺は。つか、これだけ言わせて
まだ足りないのかよ。どんだけわがままなんだよ。お前は魅力的かって?魅力的に
決まって」
って…あれ?
と、竜児は思わず口を閉じた。大河は浴びせられる愛の言葉に顔を真っ赤に
しながらも、相変わらず竜児のほうを、怖いものでも見るように見上げている。
事実、今の竜児は不動明王の如き顔だがそれは置いといて。あの、ひょっとして、
大河よ、人みな道を譲る手乗りタイガーよ。生徒会長に殴り込みをかけた凶状
持ちよ、俺の婚約者よ、バラ色の唇の少女よ、
「大河、魅力ってひょっとして」
つらそうな顔をしている大河を前に、言葉が続かない。
21クリーム・ソーダ ◆fDszcniTtk :2009/04/08(水) 00:49:41 ID:kcnmHjwL
心やさしく人一倍相手の気持ちを気遣う竜児は、特に他人の身体的特徴をあれこれ
言うようなことが嫌いだ。じゃぁ、俺はいま、いったい自分の心の中に浮かんだ
ぼんやりした予感をどうあらわせばよいのだろう。
思い起こせば1年前のちょうど今ごろだった。清純姫系美少女と世間では認識されて
いる、その性悪チワワが現れたのは。今でこそ川島亜美は竜児と大河の大切な
友達だが、大河にとっては喧嘩友達でもあるが、現れたころには大河の導火線に
むやみに近寄る火遊び常習犯であり、竜児の頭痛の種だった。思いつくだけでも、
大河の前で竜児にいちゃつくは、この部屋でほとんどのしかからんばかりに迫って
くるわ。
水泳で挑発してくるわ。
水泳といえば水着を買いにいったっけ。大河は水着を買うのを嫌がったっけ。
わたしもイソフラボンほしいとか言ったっけ。と、竜児は見えている結論を
心の中で先延ばしにするために、無限連想ゲームをはじめた。いやだ、その話題には
触れたくない。
だって大河が傷つくじゃないか。
「お前は、魅力的だ」
言い切った。本気だ。何の嘘もない。約一箇所、哀れなところがあるのは知って
いる。だが、それが竜児の愛を損ねたことなど真実一度もない。だからそれは
「でもね、あのね、私って、哀れなところがあるじゃない」
やっぱりそこかーっ!苦しげに顔をしかめる大河に、狂おしく目を光らせながら
竜児が言い放つ。
22クリーム・ソーダ ◆fDszcniTtk :2009/04/08(水) 00:51:14 ID:kcnmHjwL
「胸のサイズが何だ。お前は十分以上に魅力的だ。俺がそんなことを気に
していると思っているのか?というか、俺はむしろお前みたいな美少女が
俺みたいなチンピラ面の男と並んで歩いてくれているほうがよっぽと慈悲
深いと思っているぞ。そんなに俺を信じていないのか?」
大河の不安を払ってやろうと思って口から出てきた言葉だが、だんだん怒りの
口調になってきた。今日一日で何回大河のすばらしさを口にしたろう。真昼間
だぞ。やっぱりおかしいだろう。ぐずぐず言いすぎだろう。お前一体どうして、
と聞きかけて竜児は口をつぐむ。
大河が体を震わせている。うつむいたまま、何かを耐えるように肩を怒らせて
それとわかるように体を振るわせている。思わず、身構えた。しまった。きつく
言い過ぎたか。婚約以来殴る蹴るの暴行は受けなくなったとはいえ、それはそれ。
虎は虎。ひょっとしてボタンを押し間違えたか。眠れる虎を起こしてしまったかと
息を呑む竜児の顔は見ずに、大河は右手の手のひらを見せてストップ!のサイン。
「ごめん、竜児。足が痺れた」
どっとため息が漏れた。
あ、あ、あ、う、う、う、あぁぁぁ、と脚を崩した大河が情けない顔をめまぐるしく
変えながら苦しんでいる間に、竜児は立ち上がってお茶と、お菓子の用意をする。
こういうとき、手際のよすぎるのも問題だ。お茶とお菓子を出されても、
「ありがとう」
というのが精一杯の大河は、痺れを克服するのにもう5分を要した。

◆ ◆ ◆ ◆ 
23名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 01:26:05 ID:kTZDz1KJ
>>7です

>>1
乙!抜けてて申し訳ない

>>10
乙!自分なんかの駄文に続きを書いてくれてありがとう!

次は竜児視点を書くかも。
24名無しさん@お腹いっぱい:2009/04/08(水) 02:46:10 ID:VsZeXWnE
>>22
いやぁ、面白いわ。二人が会話してるだけなのに、こんだけ書けるのか。
後こうやってまとめて出してくれると読みやすいNE!
続きがあるなら是非読みたい次第であります。
25作者 ◆fDszcniTtk :2009/04/08(水) 06:10:17 ID:kcnmHjwL
>>24
感想ありがとう。昨日投下したのは全体の1/3くらい。今日中に
全部投下できるかどうかわからないけどがんばってみる。
26クリーム・ソーダ ◆fDszcniTtk :2009/04/08(水) 06:16:56 ID:kcnmHjwL
痺れも収まり、お茶を飲んでようやく人心地ついた大河は、珍しくお菓子には
手をつけず、湯飲みを両手で大事そうに包んだまま、話しにくそうにしている。
「竜児が私のことをす、す、好きだっていう言葉は信じてる。嘘だなんて思って
ない」
ちらり、とこちらを目だけで見上げる。
「私のことを、魅力的だって言ってくれるのもうれしい。嘘だなんて思わない。
でもね、」
そのね、とつなげる。竜児は黙って聞いている。
「心と体は違うのかも、って思っちゃうの」
なんだよそれ、と思ったのは一瞬。心の中に嫌な考えが浮かぶ。慌ててそれを
追い払う。
「その、結婚したらね。ふ、夫婦のね。いいいい営みってのがあるじゃない」
「お、おう」
テーブルをはさんで、二人とも顔を赤らめるのは何回目か。夜になったらさぞかし
ぐったり疲れているだろう。
「そのときに、いくら竜児が私を愛してくれていても、その、いくら竜児の心が
私を愛してくれていても、そのね、あのね…」
これ以上言わせるのは、いくらなんでもかわいそうだ。見ていられない。追い
払った嫌な考えを呼び戻して、渋面のまま大河の言葉を継ぐ。
「俺の体が役に立たないかもしれない、って思うのか。お前の体が魅力的じゃ
ないから」
うん、と大河が心配げに頷く。おいおいおい、勘弁してくれよと、竜児は天を、
いや2DKの天井を仰ぐ。あのアップダウンの激しかったバレンタインデーの
夜に、自分は大河に幸せな未来を見せてやると竜の子の名にかけて誓った。その
誓いに嘘はない。毎日を全力で生き、それが大河の幸せにつながるならと、
どんな面倒なことでも臆せず立ち向かう意思は今も健在だし将来にわたって
維持する気満々なのだ。だが、大河の身体的コンプレックスとなると、話は別だ。
そもそもガールフレンドすらはじめての竜児に、婚約者の体の悩みは荷が重い。
だいたい、自分の心を100%奪い取った女に男の生理の話などしたくないのだ。
だが、この場に及んでは仕方ない気もする。四面楚歌。もう、どうにでもなれ
という気分になる。さようなら、俺のささやかなプライド。
27クリーム・ソーダ ◆fDszcniTtk :2009/04/08(水) 06:19:01 ID:kcnmHjwL
「心配するな、詳しいことは話したくないが、その点には微塵の心配もない」
ほんと?と、心細げに大河が見上げる。嘘偽りなし、と自分の性的健全性を自
白させられた閻魔の表情で頷く。大河は消え入りそうな声で
「じゃぁ、あの、キ、キス、してくれる?」
え?
「待て」
いきなり話題を変えられたので混乱する。いや、変えられたのか?変えられた
よな。うん、変えられた。
「キスしてくれないの?」
「今か」
「うん」
大河は亜美のチワワ目も裸足で逃げ出す、すがりつくような必死のまなざし。
今、ここで下手な断り方をしたら、大河は失意で死ぬんじゃないかと思ってしまう。
「ま、真っ昼間だぞ!」
「それが理由?」
「そ、そうだ!」
「嘘」
つぶやく声は涙声。
「私が、魅力的じゃないから…キスしてくれないんでしょ」
ちがーうと危うく大声で叫ぶ所だった。断じて、そんな、理由ではない。
「そんなわけないじゃないか」
な、な、バカなこと言うのは止せよ。と、なだめるが、
「じゃ、なぜデートしてもキスしてくれないのよ!」
と、こちらに向けた瞳は、すでに溢れそうに潤んでいる。そう、二人は婚約者
なのに、これまでキスした回数は5本の指で足りるほど。1回目はプロポーズ
当日。2回目はその翌日。それを除けばプロポーズから3ヶ月。月平均1回
程度しかしていない。
「私がちびで哀れ乳だから…」
とぽろぽろ涙を流し始めた大河を前に、竜児は再び天を、いや天井を仰ぎ見て
嘆息する。違うんだ、大河。違うんだ。大河が足を崩したときに竜児も胡座に
変えている。その胡座のままぐっと頭を下げる。
「すまん、大河。俺のせいでお前に変な誤解をさせてしまったみたいだ」
くすん、と鼻をすすりながら
「誤解?」
と竜児に聞く。

◆ ◆ ◆ ◆ 
28クリーム・ソーダ ◆fDszcniTtk :2009/04/08(水) 06:20:51 ID:kcnmHjwL

ファーストキスのこと、覚えているか。うん、忘れないよ。びっくりしちゃった。
お茶をすすって、半ばやけくそ気味に腹を決めた竜児は、ゆっくりとバレンタイン
デーの晩、駆け落ち同然に二人で逃げ出したときに思ったことを大河に語り始めた。
さすがに目を合わせるのは面映い。
「俺、お前にキスした後、わめき始めたろう」
「うん。私、あんたが身投げするのかと思ってびんたしちゃった」
あのデンプシー・ロールのどこが「びんた☆」だよ、という言葉は飲み込んで
「あの時、おれ、気が狂いそうになってたんだよ」
「…」
なんで?という表情で大河は黙ったまま首をかしげる。
「俺、その、キスってあんなにすごいものだなんて思ってなくて。なんていうか、
頭も心臓も焼き切れるくらい激しいのに、そのまま蕩けてしまいそうにやさしくて」
今度は大河が顔を赤らめて目をそらす番だ。ざまぁみろ。照れろ照れろ。俺にだけ
こんな恥ずかしい想いをさせて済むと思うなよ。
「だからさ、やばいって思ったんだよ。もう一度その場でキスしたかったけど、
そんなことしたら、もう何も考えられなくなってしまう。逃げなきゃならないのに。
てか、お前わかってたんじゃないの?次の晩、えらくいたぶられた気がするぞ」
というのは、竜児の祖父の家にとまった晩、竜児が畳の上に引いた「俺とお前の
国境線」越しに大河様が投げてくださった、いたぶりの甘い言葉を指している。
「そのときは、そう思ってたよ。竜児は私のことを思って我慢してくれてるんだって、
でも」
どうしてその後もだめなの?という疑問は実にごもっとも。ごもっともとは思うのだが

「その、今でも怖ぇんだよ。お前とキスすると。なんと言うか、気持ちよすぎて」
ええと、大河ってどんな肌の色だっけ。そう思ってしまうほど、大河は顔に血を
昇らせて真っ赤になってうつむいている。竜児は言葉を継ぐ。
「悪いとは思ってる。もっとお前にキスしてやりたいし。俺もキスしたいし。その。
お前のこと好きだから。でも、やっぱ怖ぇってのがある。キスしてると、夢中に
なって、お前に溺れちまって、お前をめちゃめちゃにしてしまいそうな気がする。
怖ぇんだよ」
すまねぇ、とつぶやく竜児も大河同様うつむいて。目なんかあわせられない。
しんと静まった2DKの静寂の中で、大河が身を硬くしたままぽつりと言う。
「い、いいよ。めちゃめちゃにして」
29クリーム・ソーダ ◆fDszcniTtk :2009/04/08(水) 06:23:19 ID:kcnmHjwL
うっ、と喉がつっかえたまま、竜児は目をむく。脳みそは爆沸状態。頭の中が
大河のイメージでいっぱいになる。思考の自由が利かない。初めて部屋に入った
とき、ベッドの上で二度寝していた大河。他人んちに来て図々しくも夜中まで
畳の上で眠りこけていた大河。夜、竜児一人に水着を見せた大河。大河が巻いて
くれたマフラーの甘い匂い。ミルクを溶かしたような頬、ばら色の唇、豊かな髪、
びっくりするほど細い腰、つかめば折れてしまいそうな手首。
なんだって?めちゃめちゃにしていいって?だめだだめだだめだ。
「だって、私、竜児のフィ、フィアンセだもん」
よく言えました、じゃねぇ。だめだーっ! 必死の想いで肺の底の空気まで
吐ききり、新鮮な空気をいっぱいに吸い込む。酸素だ、酸素を頭によこせ。
俺の体がこの女をめちゃめちゃにする前に。しかし大河は目を瞑って必死の表情。
「竜児にだったら、何されてもいいよ」
「だめだっ」
ほとんど叫ぶように言い放った。大河がびっくりした顔でこちらを見ている。
「大河、もうひとつお前に謝んなきゃいけないことがある。俺が勝手に決めた
ことだ。卒業するまで、お前を抱かない」
搾り出すように言ったその言葉が部屋の隅々に染み渡る、無言の間があった。
ようやく、大河が小さな声で
「どうして」
と、聞く。
「お前に、泰子の二の舞をさせたくない」
言った。できれば言いたくなかった。竜児としても複雑な心情なのだ。つい3ヶ月前、
いろいろごたごたしたときに、この件で泰子を傷つけた。何だかんだと丸くは
収まっているが、それでも泰子は自分をこんなに早く産まなければ、やはり
もっと楽な人生だったのだろうと思う。
30クリーム・ソーダ ◆fDszcniTtk :2009/04/08(水) 06:25:14 ID:kcnmHjwL
「竜児。あんた、まだそんな…」
「違う!」
と、今度は竜児が手で「待て」のサイン。
「俺は生まれて来たのが間違いなんて思ってねぇ。金輪際そんなことは思わねぇ。
そうじゃなくて、俺はお前が、その、俺の子供を産むなら俺がちゃんと養える
ようになってからとか…」
喉が渇く。口の中がからからだ。あえぐように言葉を切ると、一方の大河はもう
限界まで顔を赤くして声まで裏返して
「じゃ、じゃぁ、ひひひ避妊すれば大丈夫だと思うよ」
などとのたまう。だーかーらー、と竜児も今や吐血せんばかりの表情
「わかってくれよ、俺はきっとお前を抱けば、もうまっしぐらだよ。落ちていくよ。
前後見境なくなっちまうよ。わかるんだよ。だから、な、察してくれよ。俺だって
苦しいんだよ。あーっ畜生」
錯乱したかのように頭をかきむしる竜児をじっと見つめたあと、うつむいて
しばらくの沈黙。外で聞こえる町の音が遠い世界のそれのよう。窓からは心地
よい風。
「そんなに。そんなに大事にしてくれてるんだね」
くすりと大河が微笑む。ああ、
「わかってくれよ」
お前より大事なものなんてこの世にねえよ。と、うなだれる竜児はすでにぐったりと
疲れきって。それを見ながら大河は
「ばっかみたい、私そんなに弱い女じゃないのに」
と、口ばっかり強がりで、うつむきがちのその笑みは、とても幸せそう。
31クリーム・ソーダ ◆fDszcniTtk :2009/04/08(水) 06:26:48 ID:kcnmHjwL
「わかった、竜児。ごめんね、わがまま言って」
「お、おう、わかってくれたか。俺のほうも勝手にあれこれ考えて心配」
させたな。って、お前何してる。竜児の心をとろかすような笑顔ではにかみながら
立ち上がると、ふわふわスカートを翻して方向転換。大河はテーブルを回りこんで
竜児の右にちょこんと正座。そんなことするとまた痺れますよ、と言うまもなく、
とん、と頭を竜児の腕に預けてきた。当然ながら、細いからだも心もち押し付け
気味で。当の竜児は牢に居るはずの囚人が自分の隣に居るのを見つけた獄吏の表情で
「…なんのつもりだ」
話を聞いていたのかと、聞く。心臓は8ビート。ささやくように
「…練習」
大河が応える。
「何の」
ため息をつくように
「…スキンシップ」
そういって、竜児の顔を見上げた大河は、羞恥に頬を染めながら、くすくすと
悪戯っぽく笑う。顔を隠すように竜児の腕にこすりつけると
「だって竜児が早く慣れてくれないと、キスしてもらえないもん」
と。そして小さな声で
「大好き」
と、そえる。しばし横目で見つめた後
「俺も好きだ」
とささやく竜児の声が聞こえているのやらいないのやら。
「竜児は優しいから好き。いっしょに居ると苦しくないから好き。」
お前だって、優しい奴じゃないか。
「でも、独りで全部抱えこんでいるみたいで、時々、急に不安になる」
と、言ったのは独り言か。大河が寄りかかった腕をゆっくり後ろに回し、肩を抱いてやる。
「…」
小さな声にならない吐息がすぐ傍で漏れるを聞く。
32クリーム・ソーダ ◆fDszcniTtk :2009/04/08(水) 06:28:44 ID:kcnmHjwL
全部独りで抱え込んでいた優しい奴は、お前の方じゃないか。知り合って、
馴れ合って、泣いて、転げまわって、今はこうして二人で体を寄せ合って。
しみじみ幸せだと思う。
体を引き寄せられた大河が、
「竜児」
と、小さな声でつぶやく。
「おう」
なんだ。かすれるような、だけど幸せそうな声で
「なんでもない」
と一言。もう少し抱き寄せると、押し付けていた顔を持ち上げ、上目遣いで見る。
表情はちょっと予想と違って、ほんの少し挑戦的というか、女王虎の威厳みたいな
ものをたたえていて、それでいて優しげに淡く微笑んで。大河は時々こんな表情で
竜児を見上げる。大河にも言っていないが、一番好きな表情のひとつ。
もう少し引き寄せて、顔を近づける。瞳を閉じる大河の上気した頬にキスして
やると、切なげな吐息を漏らす。少し離れて微笑を交わし、今度はばら色の唇に
キス。柔らかくて、はかなげで、壊してしまいそうなのが怖くて。唇から流れ込む
とろけるような感情に頭を焼かれる。ゆっくりと離れると、大河も閉じていた目を
ゆっくりと開き、夢見るようなまなざしで、唇を両手で覆い、
「キス、してもらっちゃった」
と、照れ隠しに悪戯っぽく微笑む。
「おう」
と優しく返事をしてやり、もう一度唇を寄せると、今度は大河も竜児の首に腕を
回してくる。
「竜児…好き…んん…ああ…声が出ちゃうよう」
恥らう大河に何度も唇を重ねる。大河とキスをするようになって、ようやく
「唇を吸う」ということがわかってきた。もっと強く結ばれたい。もっと大河を
知りたい。そういう想いが竜児を駆り立てて、大河の甘い唇を何度も、何度も、
吸わせる。
33クリーム・ソーダ ◆fDszcniTtk :2009/04/08(水) 06:30:51 ID:kcnmHjwL
「ああ…」
深いため息をついて、大河の体から力が抜けていく。そのままずり落ちそうに
なるのを、あわてて支えてやる。
「竜児、私、フラフラだよ…あっ」
拒むひまも有らばこそ、小柄な体を両手で引き上げ、そのままくるっと180度。
すとん、と落とすのはあぐらをかいた竜児の右の太もも。
ぺたん、と横座りさせられた自分を見下ろして、顔を上げるとすぐ傍には竜児の
顔。いつもの並んで歩く位置関係よりぐっと近い距離にさっと頬を赤らめてうつむく。
「重いでしょ」
「ぜんぜん。この方が、大河がよく見える」
「もう」
怒ったような顔を作ってみせて、大河はそのまま竜児の肩口に顔をうずめる。
しがみついてきた小柄な体を強く抱きしめてやる。折れそうな体は熱く火照っていて、
「ああ…嬉しい」
と声を漏らす。
「大河」
と耳元でささやき声。
「何?」
「好きだ」
ちょっと間があって
「私も。大好き」
と顔をうずめたまま。
「竜児、あのね」
「おう」
「私もね、キスすると頭の中が真っ白になっちゃう」
微笑んでいるのだろう。
「そうか」
と、一言。だからね、と大河は続けて
「竜児も同じだってわかって、嬉しい」
最後はかすれるような、喜びを含んだ声で。
34クリーム・ソーダ ◆fDszcniTtk :2009/04/08(水) 06:32:32 ID:kcnmHjwL
ようやく顔を起こした大河と見詰め合って微笑を交わす。ガラス細工のような
あごのあたりのラインにそっと手を触れて柔らかな肌の感触を確かめる。竜児の
手に目をやり、もう一度竜児の顔にまなざしを戻した大河に
「きれいだ」
と。見る見る間に顔が赤くなって、それでも小さな声を漏らすことしかできない
大河を抱き寄せて、もう一度キス。そしてキス。何度も何度も唇を重ねて。
跳ね上がりっぱなしの心拍数にのぼせながら、そのまま大河へのあふれるような
想いの中に溶けていきそうな自分の心にのままに、今日はいつもより少しだけ
勇気を出す。大河の様子を唇で量りながら。ほんの少し舌を。
「!」
ピクリ、と腕の中の小さな体が跳ねるが、抵抗はしない。自信をつけて、そのまま
そっとバラの唇の間へと舌を伸ばす。小さな歯を確かめ、ノックをするように舌で
軽く押す。おずおずと開く歯の間に舌をすっと差し込んでいくと、あった。口の
奥のほうで、こわごわと縮まっている。大河のそれが。
大丈夫、怖くないから、というように優しく触れてやる。さぁ、出ておいで。
おずおずと出てきた大河のそれは、柔らかくて、ちいさくて、熱くて。怖がりの
女の子のようで。まるで大河自身のよう。やがて大河の舌も竜児の舌を確かめる
ように伸びてきて。重ね合わせて、絡めあって、互いの気持ちを確かめ合う。
正しいキスの仕方なのかなんて、わからない。でも、今までよりもまたひとつ、
二人は近ずくことが出来た。熱いキスは、息が切れるまで続く。
「はぁ、竜児…」
「大河…」
「私、もうだめ…」
視線の定まらない大河は、本当に熱に浮かされたよう。竜児の首に回した腕からも
力が抜ける。慌てて抱きしめて
「わかった、少し休め」
と優しくささやく。大河は
「うん」
と、耳元で弱々しい返事。
ゴールデン・ウィークも残すところ2日となった、さわやかなある日の午後。
2DKの安アパートの一角。はたから見れば父親が娘を抱きしめているように
見えなくも無いが、そんなことはどうでもいい。他人からどう見えようが、
どうでもいい。今はただ、互いの体温を感じながら、そっと息を潜めて、
二人抱きしめあうだけ。

◆ ◆ ◆ ◆ 
35名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 06:59:21 ID:HIMAKMQZ
>>34
ぐはっ!朝から俺のライフは0だ。素晴らしすぎるGJ!
地の文がめちゃくちゃ上手くて引き込まれたよ。続きを待望します。
36名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 07:15:57 ID:Srpome1/
あ〜!!
朝からこんなに絨毯爆撃されたら出勤できねえぢゃん!!
読み切りてぇ〜!!
37名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 08:31:13 ID:GIzWfYKJ
朝から素晴らしいもの見て頭の中がとらドラ一色になっちゃったじゃないかw
いや本当に最高!
続きを早く読ませてほしいw
38名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 08:50:22 ID:rjwWznWt
>>34
乙ノシ
朝からテンションあがりすぎてヤバいwwww
39名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 08:59:27 ID:WpR/ymqH
>>34ギシアンよりもマッタリ系の話が好きな俺だが、この話だけはギシアンまでいってほしい!!
お互いが好きって気持ちを確めながらするエッチって気持ち良いよな………
40名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 11:28:22 ID:BIPxxWf8
>>34これヤバいだろ。マジ引き込まれて久々に心臓がヒートアップした
こんぐらいの質と量ならコテ付けても納得
本文以外の余計な作者の言葉とかも入ってないのも見やすいし、あんた完璧だ
胸張って堂々と投下してる様はまるで王者の様だ
41名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 11:37:54 ID:bSPW7mpI
>>34
こういう雰囲気良い。ぐっとくる所を押さえてる。表現も巧い。
42名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 12:27:13 ID:WfDbPzyi
>>34
グッジョオオオオブ!
このスレ時々レベル高い人がポッと出てくるんだよねw
最近連載モノ(?)が多い中で、これだけの量を、
一気に投下してくれるのはホントありがたい&好感度高シ。
時間かかっても全然いいので是非続けてくださいな。
43名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 15:43:55 ID:K4zYNPSl
すばらしすぎる!
大河たんの抱き枕楽しみだぜ!このスレの各ストーリー布団の中で実演しよフヒィ
44名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 17:51:13 ID:L+af+c8+
キモイんだよバカ!!
それじゃおれと同じじゃねえか!!
45名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 17:52:03 ID:0totHT1b
>>34
これ反則だろ…
46名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 18:04:42 ID:DaDKq9Jx
大河ってマンコ舐めただけでイっちゃいそうだね
47名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 18:10:55 ID:Rbwk5K0R
ちょっと出版社と交渉してくるノシ
48名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 19:24:24 ID:K/t6cZRS
>>34
すごすぎw
神だろあんたw

そんな中俺はダシを取りながらシャナを読み始めた
49名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 19:56:12 ID:BIPxxWf8
普段隠れてるROM房が暴れだしやがった!
そんな僕は2周読みました>>34
50名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 20:49:58 ID:Y/ZIumXT
オレも帰宅後、改めて頭っから未読の最終投稿分まで読み返した
思ったより熱っぽい展開なんでびっくり
でも下品な展開でないので・・・
大河x竜児に嫉妬w
51クリーム・ソーダ ◆fDszcniTtk :2009/04/08(水) 21:00:45 ID:n3eJ0e4M
ずっと抱きしめあっていたくても、タイムアウトは必ず来る。それが現実。
夕方になれば、他所様の嫁入り前の娘さんである大河は、自分の家に帰らなければ
ならない。それが現実。でも大丈夫。やがて二人は結ばれるのだから。だから
今は元気を出そう。から元気でもいい。そしてから元気といえば大河は、
「ああ、いい天気。竜児、私おなかすいちゃった!」
と、自分のからっぽのおなかを恥じらいもなく喧伝する。人通りもあるってのに。
「まったくお前はよう。また太るぞ」
と、ちょっと牽制。
「なによ、大丈夫だって。ママがちゃんと栄養管理してくれてるもん」
と、大きく腕を振って元気に歩く大河を見ながら、果たして大河の家族はこの
大食漢のことを、どう考えているのだろうかと心配になる。恋人としてちゃんと
挨拶が終わったら、そこのところを一度じっくりと、未来の義理の母に伺って
みたいものだ。などと考えていると
「ねえ竜児、何か食べようよ」
と、焦れた大河が腕をつかんで揺さぶる。
「わかったわかった。じゃ、夕飯前だからな。飲みものにしておけ。喫茶店どうだ?
スドバ行くか?」
「うん、スドバ行こう!」
夕食の準備の時間とはいえ、さすがはゴールデンウィーク。商店街もいつもより
人通りはまばらで、大声をあげてきゃっきゃと喜ぶ大河に眉をひそめる人も居ない。
いつもどおり、バイトのお姉さんの
「スドーバックスへようこそ!」
と、今にも訴えられそうな声に迎えられて入るスドバも、余裕でテーブル席に座る
ことができる。
「私、クリーム・ソーダ。竜児は?」
ソファに座ってメニューを教科書のように立てて嬉しそうに聞く大河を見ながら、
「飲み物にしろって言ったろう。俺、アイスコーヒー」
と、仁王様の顔でやや説教口調。
「なによ、クリーム・ソーダだって飲み物なのよ。ちゃんとストローついてるもん」
と大河が屁理屈をこねる間に、竜児はお姉さんにクリーム・ソーダとアイス・
コーヒーを注文。
ソーダとコーヒーが来るまで少しある。でも退屈なんかしない。だって二人でいる
のだから。とりとめも無い話をして、話が途切れたら微笑みあって、冗談を言い
あって。今は週に一度しかデートできなくても、やがてはこうして毎日いっしょに
居られる。そう考えれば、寂しくなんか無い。
52クリーム・ソーダ ◆fDszcniTtk :2009/04/08(水) 21:04:56 ID:n3eJ0e4M
「ところでさ、何でいきなり、あんな話はじめたんだ?」
「ん?、ああ、あれね」
大河は困ったように苦笑い。
「お前、ちょっと前まで元気に昼飯食ってたじゃねぇか」
「うん、時々ぐじぐじ考えてたんだけどさ、いつもは忘れてるの。それがあんたの
水仕事する背中を見てたら、やっちゃんの事思い出しちゃった」
「泰子?」
「そ。ほら、去年のプールの頃にベローンて」
「べローンって…、ああ、あれか」
竜児は思わず片手で顔を覆う。昨年の哀れ乳事件のあと、大河が乳に興味があると
勘違いした泰子が、やおらFカップ巨乳を大河に見せたことがある。そういえば
あのとき、自分は台所に立っていたような覚えがある。大河自身トラウマだといっては
いたが
「とんだPSTDだ」
笑うしかない。
ようやく届けられたクリーム・ソーダを前に喜色満面の大河はふと悪戯を思いついた
ような顔をする。
「ね、竜児。ストロー貸して」
「え、なんだよ」
「いいから貸してよ」
と、手を伸ばす。汚すなよ。と、しぶしぶ自分のアイスコーヒーからストローを
抜いて渡すと、大河はそれをクリーム・ソーダに挿し、今にも笑い出しそうな顔で
「じゃーん!」
と、自らの発明になるストロー二本挿しのソーダをテーブルの真中に押しやる。
それはもう、どこからどうみても恋人同士が仲良くちゅーっとやる、アレで。
「って、お前」
と、竜児は真っ赤な顔で思わずうつむく。前髪をいじりながら、
「これ、本気かよ」
と、あたりをはばかるような小声。くくく、と小鳩のように笑いながら
「本気本気」
と同じく赤面の大河はやる気満々。
「しょうがねえな、一回だけだぞ」
と、いいつつも竜児のほうもまんざらでもない。二人でちょっと視線を交わして
身を乗り出すと、テーブルの真ん中のソーダを二人仲良くストローで吸う。口に
広がる甘みは、ソーダの味か、恋の味か。間近にある大河の瞳を見つめながら、
夢のように甘い時間に酔う。永遠にも感じる一口を味わい、ゆっくりと席に腰を
落として、二人とも思わず照れ笑い。
53クリーム・ソーダ ◆fDszcniTtk :2009/04/08(水) 21:06:39 ID:n3eJ0e4M
そして大河が、どう?と首をかしげるのと、台風のようなため息が傍らで起きるのが同時だった。
54クリーム・ソーダ ◆fDszcniTtk :2009/04/08(水) 21:09:00 ID:n3eJ0e4M
思わず首がねじ切れる勢いで横を向く。すぐ横の窓際のカウンターにいつの間に
やらズラリと並んでいるのは、見慣れた旧2−Cの面々。
「ひょーえーっ!高っちゃん、いつもタイガーとこんなあちちなの?いつもあちち
なの?」
「てか、信じられないんですけど。喫茶店だよ、町の中だよ、ありえなくね?」
「うふふ、タイガーったら積極的♪」
「お前達、幸せなのは結構だが場所をわきまえろ。俺はもう暑くて死にそうだぞ」
と、脱ぎ始めた裸族の男の横で、ひときわ不機嫌そうに背中を向けていた少女が
振り返る。うぜぇ、といわんばかりのその口元からは
「あら逢坂さんこんにちは。ついでに昼間っから発情お疲れ様」
と、滴るような毒の言葉。そして最後に控えしは。
こんがり小麦色に日焼けしたその少女は、両足を開いて喫茶店の窓際にすくっと
立っていた。そして目元を片手で押えて天井を仰ぎながら、
「高須君、私はこんなことをさせるために大河を君に譲ったわけじゃないのだよ」
と、突き出した携帯で写真をパシャり。あうあうあう、と言葉も出せずに凍り付いて
いた竜児がやっと
「撮るなよ!」
と搾り出した一言に、
「遅ぇよ!」
と、全員が突っ込む。
「いやー、高須君。さっきからこれで3枚目なんだが、キミ達ぜんぜん気付か
なかったのかい?」
と問われて、竜児は大河を振り返る。大河もふるふると顔を左右に振るばかり。
ぜんぜん気付かなかった。
「てか、店に入ってくるときに手を振ったんですけど。二人ともガン無視だし」
「あーあ、亜美ちゃんやってらんない。どうしてくれるの?この疲労感。どうして
くれるの?ゴールデンウィークの貴重な一日を返せって感じ」
「ねぇねぇ高っちゃん、群馬行った?タイガー連れて行った?」
「なあ逢坂、泰子さんのべローンって、何だ?」
襲いくる波状攻撃に耐え切れず、重力が増大するがごとく、顔をうつむける。
横目で見ると、大河も目を白黒させている。まもなく終わるゴールデンウィークの
後に始まる恥辱の日々の予感に押しつぶされそうなのだろう。
55クリーム・ソーダ ◆fDszcniTtk :2009/04/08(水) 21:12:31 ID:n3eJ0e4M
しかたがない。
「大河」
と、こちらに注意をいったん向け、ここは
「逃げろっ」
と、一声。言い終わるが早いか、立ち上がって、脱兎のごとく大河が飛び出す。
竜児のほうもそれに劣らぬ早業。神速の財布さばきで1300円を抜き出してテーブルの
上に置く。ほとんど飲んでいないソーダと手付かずのコーヒーに罪悪感をあぶられ
ながら、
「お勘定、ここに置きます!」
ここまでわずか3秒。烏合の衆の友人達が反応する前に飛び出して、店の出口へ。
最後に聞いたのは、この期に及んで
「走るな!」
と生徒会長風を吹かせる親友の声。店を出て、いきなりばったり、もうひとつ
見知った(かわいくない)顔と出会う。
「よう、高須。大先生たち中にいる?」
「おうっ、悪い。追われてるんだ!」
「追われてる?」
左右を見る。左30メートルに大河。手をふっている。事態を理解できない能登に
「またな!」と声をかけて全力で走り出すと、大河もさっと左に走り出して交差点の
影に隠れる。交差点にたどりついて左を見ると、10メートルほど先で大河がその場
駆け足をしながら待っている。
「大河、そこでストップ!」
不思議そうな顔をする大河のところまで走り、そのままわき道に連れ込んだ。
そっと頭を出して追っ手を探すが、姿はない。能登と待ち合わせなら追ってはこない
だろう。そもそも、追いかけるほどのものでもないか。と、安心したところで、
はーっと大きく息を吐く。
一息ついて、現実認識の波に襲われたのか、大河が頭を押えて泣きそうな顔になる。
「どうしよう。私どんな顔して学校にいけばいいの?」
「心配するな、どーんと気持ちを大きく持て」
と、頭に手を載せて元気付けてやるが、大河は恨めしそうな顔をするばかり。そんな
顔をしても知るか。そもそも自業自得だ。と、凄みのある笑みを浮かべたところで
携帯のバイブレーターがメールの着信を知らせる。
56クリーム・ソーダ ◆fDszcniTtk :2009/04/08(水) 21:18:10 ID:n3eJ0e4M
「っと」
「誰?」
ま、一人しかいないだろう、と携帯を見ると、ご名答。櫛枝実乃梨から一通着信。
受信して、大河に文面を見せる。
『逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ』
頭を抱えたまま情けない声を出してうずくまる大河はほっといて、添付された写真を
開く。
一枚目はストローで仲良くソーダを飲んでいる写真。角度のせいで竜児の顔は
ほとんど見えないが、くすぐったそうに微笑みながらソーダを飲む大河は本当に
かわいくて
「こりゃ、なんとしても流出は阻止しないと」
本気で大河略奪に走るやつが現れかねないな、と薄く笑いながら独りごちる。
二枚目は飲み終わった後。こちらは大河だけのアップ。頬を羞恥とよろこびで
ほんのり赤く染めて、ばら色の唇にはかすかな微笑み。心持ち上目遣いに竜児を
見つめる瞳はあくまで優しい。まるでフランス人形に命を吹き込んだようなその
写真は、お宝ゲッター櫛枝実乃梨としても会心の一枚だろう。
「大河、いつまでもしゃがんでないで歩くぞ」
と促して、ダダをこねる大河をなだめながら歩かせる。大河を帰したら、すぐに
実乃梨に電話をしなければ、と竜児は思う。まず写真の流出を止める。引き換えに
何を要求されるのやら。こういうときの実乃梨は、なんとなくノリのいい意地悪を
しかけてきそうな気がする。バイト先のラーメン10杯くらいで勘弁してくれる
だろうか。ま、貧乏なのは、とっくにばれているし手加減はしてくれるだろう。
ラーメンで済むなら大河も連れて食いにいこう。
それから、オリジナルの写真をもらわなければ。メールに添付されてきた写真は
縮小したものだ。これはこれで待ち受け画面に使わせてもらうが、大きいほうも
ぜひいただきたい。とくに2枚目。
精緻な人形のように美しい大河のあの微笑を、プリントして写真立てに入れて机に
飾ろう。泰子にも自慢してやる。大河と並んで歩きながら、きちんと片付けられた
机の上の彼女の写真を思い浮かべる。ふ、と笑みが漏れるのを押えきれない。
さわやかな5月のある日。まだ夕暮れというには早い時間。今日も一日幸せだ。
大河と一緒にいれば、きっとこんな幸せがずっと続くだろう。目の前に広がる
大いなる未来が、さわやかな風をともなって竜児の心に広がる。
57クリーム・ソーダ ◆fDszcniTtk :2009/04/08(水) 21:21:27 ID:n3eJ0e4M
だが、しかし。婚約者の精神的ケアを怠ったのは、痛恨のミス。
「竜児、竜児ったら!何ニヤニヤしてるのよ、このキモ犬っ!」
鈍い音を立てて大河のエルボーがわき腹に突き刺さる。
「おぅっ………つー、お前なぁっ!」
青空に覆われた街に、二人の元気な声が響き渡る。

日も、だいぶ長くなってきた。
(クリーム・ソーダ 完)
58名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 21:24:22 ID:NoImzKWu
>>57
乙!
いやあ、すげえのを読ませていただきました!
にやにやが止まりませんよ先生
59名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 21:34:05 ID:pMrjzCNI
>>57
おまいは天才か
60名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 21:37:34 ID:MLdJyxpl
どんどんレベルうpしてくな・・
だからと言って、ギシアンが廃れるわけではないぞ若いの!!!
61名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 21:40:45 ID:Srpome1/
櫛枝センセの会心の一枚
オレも欲しいなあ

脳内補完ですかそうですか

長編乙
次回作も期待して首を長くして待ってます
62名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 21:59:30 ID:PT9xRti2
>>57
頼む、もう筆を折ってくれ書かないでくれ死にそうだwww
63名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 22:07:19 ID:eYq7Paqi
>>62
ツンデレにしてもその言い方は酷いぞ(^^;

>>57
今後も期待していいデスか?
64名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 22:11:15 ID:HIMAKMQZ
>>57
朝ライフを0にされ、昼間に回復したライフも先程使い果たした。素晴らしすぎる!!
なんかこの後に投下ってプレッシャーっていうかあまりのレベルの差に恥ずかしくなってくるな。
しかし今日でクライマックス!良ければお付き合い下さい前スレ868続き

コトン、と茶碗を置く。手はお味噌汁の入ったおわんに伸びる。
「………………」
ずず……、コトン。一口飲んでテーブルに置きなおす。箸がお皿にある卵焼きに伸びる。
「………………」
会話は無い。朝の挨拶だってしなかった。
「………………」
当然だ。今の竜児は私を知らない。そんな奴に急にあんな事を言われてキレられても意味がわからないだけだろう。
「………………」
でも謝罪の言葉は出てこない。
パクリ。口の中に卵焼きを放り込みゴクンと飲み下す。
いつまで経っても出てこない言葉と、同時に。
「あ……」
代わりに出たのは……驚愕。この卵焼き、ミルク入ってる。竜児がミルク入りの卵焼きを作るようになったのは私がお願いしてからだと思ってたのに。
ふと、視線を竜児に送る。
相変わらず、竜児は喋らない。淀みなくテーブルの上のおかずを口に運んでいき、空の茶碗をテーブルに置く。
珍しく、私よりも先に竜児が食事を終えた。

***

「………………」
竜児は喋らない。私も喋らない。これが今の竜児と私の距離。隣を歩いていても初対面の時よりずっと遠い。
『近く見えても実際には凄く遠い。私と竜児はきっとそんな関係』
竜児、アンタは否定してたけど、やっぱり私とアンタはそんな関係なんだよ。
「おっはよー大河!!高須君!!」
「おはようみのりん」
「おぅ」
いつも元気なみのりん。私がいくら気落ちしててもみのりんは元気。
だからきっと竜児もみのりんが……。
「おや?大河どうかしたのかい?」
「ううん、何でもないよみのりん」
「そうかい?悩み事なら相談にのるぜマイハニー」
「ほんと、大丈夫だから」
今の私に、みのりんは眩しすぎるよ……。

***

コトン。
机にお弁当が置かれる。顔を上げるとそこには竜児。
今日も一日の半分が終わった。でも竜児は私と一言も口をきかない。
普段の私ならとっくに竜児を責めているだろう。でも、出来ない。私の中にある罪悪感が、それを許さない。
「………………」
竜児は、少しの間私を見て、教室から出て行ってしまった。
もう、私とは昼食を共にする気も無い、ということだろうか。
目の前には、竜児が置いてくれたお弁当。
『今日もこの時間がやってきました。みんなの生徒会長、失恋大明神こと北村祐作の恋のお悩み相談です』
いつものお昼の放送が始まった。時は確実に動いていくのに……。
今だ私の時間は『あの日』から止まったままだ。
65名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 22:13:25 ID:HIMAKMQZ
>>64続き

『今日の相談者は……』
食欲が無い。竜児もいない。
『えっと、ここにしゃべればいいのか?』
『ええ、そうです』
今日はまだ、一言だって竜児から声をかけられていない。
『実は俺、好きな奴がいたんだ。で偶然その好きな奴の親友と知り合いになって』
もう随分と長い間、竜児と会っていない錯覚さえ覚える。
『その親友ってのが、俺の親友を好きだってことがわかって、お互いの恋を協力するようになったんだ』
『ほうほう』
左手首にはもう手錠の跡は消えてない。残ってるのは指に貼ってるしなびた絆創膏だけ。
『でも、協力関係な筈だったのにそいつと長いこと一緒にいることになってから俺はそいつに惹かれ始めてた』
『手に汗握る展開ですね』
この絆創膏だけが、唯一私の知る竜児とのつながり。でも……もうだめかも。
『とある事情でずっと一緒にいるハメになって、その気持ちが一層強くなった。なぁ北村』
『……なんだ?』
もう、流石に取れかかってるし、あ……ほら、取れちゃった……。
『お前は、前に好きな奴に振られて、その後会長に惚れたって言ってたな。何で、あんな大勢の前で告白したんだ?』
『それは俺がそれだけ会長が好きって知ってもらいたかったからさ。俺を昔振った奴、今は友達にまでなって関係は良好だが……その人がそこにいるってわかっててもそれ以上の気持ちを会長にぶつけたかった』
いつの間にか北村は、生徒会長、としてではなく北村祐作として、返事をしていた。
『それに、それぐらいしないといけない気がしたんだ。あの人に相応しくなるにはそれぐらい出来ないとって』
『そうか』
『……腹は決まったみたいだな』
『おぅ……聞こえてるか、大河』
もう、竜児とのつながりは……って、
「え……?」
何今の?空耳?
大河は椅子から立ち上がって、
『すぅっ……』
放送されているスピーカーの向こうから息を吸い込む音が聞こえ、
『たいがぁーーーーっ!!好きだーーーー!!!』
全校生徒に、大音量の叫びが放送された。
止まっていた時間が、動き出す。
66名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 22:14:23 ID:K/t6cZRS
もう俺ROM厨でいいやw
何度も言うけど神作品乙!
その他の長編作品を書いてる方も期待して待たせてもらいまふ
67名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 22:16:50 ID:HIMAKMQZ
>>65続き

ぼっ!!
一瞬にして顔が赤く染まる。
立ち上がったまま数秒、しかしすぐに我に返った大河は一目散に教室から駆け出す。
『俺は、いつのまにかお前が傍にいるのが当たり前になってた』
竜児の放送は続く。
大河は走る。廊下にいる人間とぶつかりそうになるが走る。迷惑?廊下は走るな?知ったことか!!
『お前はいつも当然のように傍にいて、俺にぶつかってきてくれた』
目の前には階段。一段飛ばし、二段飛ばし、ええいめんどくさい!!こんなのゆっくり降りていられない!!
一気に残りを飛んで降り、足にじぃんとくる痺れも無視。
『大河、お前は自分の思ったことを真っ直ぐにぶつけてきてくれて』
目の前には人垣。廊下にたむろしている生徒の山。
「じゃまだぁーーーっ!!どけぇーーーいっ!!!!」
その生徒達をかきわけ、殴り、蹴飛ばし、足を急がせる。今のでコンマ数秒走るのが遅れた事に苛立つ。
『怒って、泣いて、笑って、たくさんの顔を俺に見せてくれた』
先程の階段を無理矢理に飛んだせいか、足がじんじんする。
でも、そんなことには構っていられない。だって……。
「あいつ、私の事、『大河』って、『大河』って……!!」
目端からキラリと光るものが流れ出る。それでも走る足を止めようとは思わない。
むしろもっと早く、さらに早くと体に鞭打ち命令する。
『水泳では、大変だった』
「……竜児は私のだ」
『夏休みに見た夢、実はまんざらじゃなかった』
「……私だって」
『文化祭、綺麗だった』
「アンタ、頑張って走ってたじゃない」
『俺はそんなお前が……好きだ」
最後の言葉は、放送を通してではなく、先程勢いよく放送室の扉をぶち開けて入ってきた少女、
「はぁ……はぁ……」
肩で息をして、疲れ果てて、足をガクガクさせて、それでもここ数日で一番いい顔をしている、
「大河」
に向けて。
「この……」
真っ直ぐに大河を見つめる竜児に、大河は、
「この?」
大河は、
「このバカ犬がぁ!!主人の顔を忘れるなんてどういう了見だぁ!?」
襲い掛かった。
「え、ええ!?」
「ふざんけんな!!ふざんけんな!ふざけんな、ふざけんな……ふざ、けんな……りゅう、じ」
思い切り掴みかかって、弱弱しくなって、お願いする。
「もう一回、呼んで」
「……大河」
「もう一回」
「大河」
「もう一回」
「大河!!」
「もう二度と、忘れないでよ」
「ああ、残りの人生、ずっとお前をそう呼び続ける」
「絶対だよ」
「ああ絶対だ。ずっとお前だけの俺になってやる」
大河は驚き、でも何処か納得したように頬を染め、お互いに手を絡め合わせていく。
決して、もう二度と離れないように。
その手には、何も無い。しかし、何も無いが故の縛りがある。
今の二人は、目には見えない、恋という手錠で繋がれていた。
世界が隠した、手に入れべきたった一人の為の、その手錠で。

――――おかえり、竜児
68名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 22:19:17 ID:HIMAKMQZ
これで一応終わりです。前スレから毎日長々と書き込ませて頂きました。
お付き合い下さった皆様ありがとうございました。
69名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 22:19:22 ID:fNFL9YgN
とある大学の日常。

「高須君、高須君、昨日なんかすっげぇ美少女と歩いてたけど、
 あれ、カテキョの教え子かなんかなん?
 どこの中学?ひょっとして女子高校生?」

「あ。あれ、俺の嫁。つーか、この前籍だけ入れたばっかで
 一緒に住むのは卒業してからになるけどな。
 つーか、学部違うけどおんなじ大学だぞ。」

工工工エエエエエエェェェェェェ(゚Д゚)ェェェェェェエエエエエエ工工工

なんて後日談も読んでみたい。
70名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 22:25:53 ID:fNFL9YgN
うお、名作キタ――(゚∀゚)――!!の後に
空気読まずに書き込む形になってごめんにょ(´・ω:;.:...
71名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 22:30:24 ID:PyMGfkWO
このスレに作者本人がいると言われたら信じる
72名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 22:35:21 ID:SmPD9/63
>>67
たった一つの手錠…

すごすぎる。そんなところに隠すなよwwww
でも、よかった。

このスレは神が降りてらっしゃる。
ところで、次は何か書いてくれるんですか?

>>57氏も乙です!
めちゃくちゃ面白かった&おっきしたおwwww
でも、よかった。本当に。

また、書いてください!是非!
73名無しさん@お腹いっぱい:2009/04/08(水) 22:38:11 ID:VsZeXWnE
>>57
素晴らしい…。もうね、大河が可愛すぎて久々にツボった。いいモノを読ませてもらった。ありがとう。
74名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 22:55:09 ID:MLdJyxpl
>>67
結構予想をいい方向に裏切られ続けて、まるで本当にスピンオフを読んでるような気がしてた
ご苦労であった!!
75名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 23:11:36 ID:Srpome1/
オレは大河と竜児がやっぱり好きなんだなと再確認しました
放送との掛け合いよかったです
ジンってきちゃいましたw

それにアニメ放送が終わった時の様な寂しさも今感じてます


もうなんかずっとあなたが書く様な大河と竜児のふたりを
見つめ続けたいって思います


なので一刻も早く次回作カモーン



完全にクレクレ厨だなorz

長編完結乙



まとめサイトの人
よろしくね
一気読みできる日を待ってますw
76名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 23:41:01 ID:MLdJyxpl
そろそろまとめサイトの人に、政府から叙勲の知らせが届く筈だが
77名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 23:41:08 ID:AFHH6LNh
実はゆゆぽもこのスレチェックしてたりしてww
78名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 23:45:50 ID:8N71maD6
>>68
10日ぐらい毎日連載お疲れ様でしたw
最後熱いね 結ばれてよかったよww
毎日楽しみだったのにこれからどうすれば…
以前いってた新しい案を期待しますww
79名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 23:46:29 ID:/U8KYAuC
そういやまとめサイトってテンプレに入ってないけど、何で?
80名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/08(水) 23:47:36 ID:/U8KYAuC
ってよくみたら入ってた。スマン
81名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 00:02:29 ID:jwWcPUFv
>>68
二人が自分の気持ちに気づく、もう一つのストーリー、有難う。
乙でした!!
82作者 ◆fDszcniTtk :2009/04/09(木) 00:47:20 ID:np5LKid3
みんな、感想ありがとう。気に入ってもらったみたいでうれしい。

ひとつ、お詫びがある。検索エンジンで、喜んでもらえそうな投下場所を
探してたどり着いたので、最後の最後になるまでココがアニメキャラ板だと
気づかなかった。投下したのは原作ベースなので、原作読んでない人には
わけの分からない部分が多かったと思う。

正直、すまん。
83名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 00:56:01 ID:YgZ6dZ5O
>>82
神キタ━(゚∀゚)━!
いいんでないかな?今までアニメ、原作ってあんま区別してなかったと思う
存分に竜虎で2828させてもらったしww
ぜひ次回作なんて期待しちゃったりww
あなたの作品をまた見てみたい
84名無しさん@お腹いっぱい:2009/04/09(木) 01:02:26 ID:WMTS+jtr
>>82
以前に原作ベースのものも投下されてるし、気にしなくていいと思うよ。
それに多分ここには気にする人もいないんだぜ。
また82氏のssが読めることを願ってる。
85名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 01:06:09 ID:cjN3s+wJ
前スレ>>883
2chにゃサイズ制限もあったのか……
忠告どうもです;
86名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 01:14:19 ID:rU5wmqLN
あまりに原作チックな文章に、ひょっとして
作者自らの投稿かと疑ってしまった‥いや
まだ疑っている。

ほんと、驚いたわ
87名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 02:17:54 ID:eb6sVt0q
前スレ877続き

「おう」
「っうわ!びっくりした……いきなり後ろから話しかけないでよ!」
「おお、すまん」
夕食後、竜児は廊下の窓から月を眺める大河を見つけた。
「ったく……まだ完全に許したわけじゃないんだからね!」
気安く話しかけないでよ!と更に言いたいのであろう。だが何も言わず、月を見る作業に戻る。
食事中、男全員で土下座して謝ったときは、北村たちがいる手前、許さないわけにはいかなかったであろうが、2人きりになるとやっぱり気まずいか……
いままでの竜児ならここで対応に困るところだが、あいにく、そんなことは微塵もなかった。
2年のときにいろいろあり過ぎたせいか、この程度のことでは動揺しない身になってしまった。
こんなとき、竜児は1番の対処法を知っている。
「なぁ大河」
「何よ……」

チュッ

「……!」
振り向きざまに、キスしてやった。
大河は目を丸くする。
完璧な不意打ちだった。
「これで許してくれるか?」
一瞬、何をされたか分からないという表情をした後、大河の顔はみるみる赤くなっていく。
「な、何言ってんのよ!キス1回くらいで許すわけないでしょ!」
大河が目を閉じ、顔を突き出す。
「もっと」
「おまえ……」
「ほ、ほら!部屋に戻ったらみんないるから何もできないでしょ!ね?だから今のうちに?」
「……わかったよ」
月明りに照らされた2つの影が、1つに収束していく。
88名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 02:18:54 ID:eb6sVt0q
>>87続き

「『みんなの不幸も自分が背負っていきます』、か……あいつらしいな」
「そうですね」
「亀の間」の縁側に、大橋高校の元生徒会長が2人並ぶ。
「そうか……わたしのいない間に幸太も成長した……まさか生徒会長になるとはな」
「またまた、最初からそうするつもりで生徒会に入れたくせに」
「ははは、ばれてたか」
「俺のときもそうだったんでしょう?」
2人はその日を思い出す。
北村が大河に振られた日であり、狩野すみれという人物にであった日……
「まあな。不幸な境遇の奴を見ると放っておけなくてな」
「……今でも会長のそういうところ、尊敬しています」
「ん……」
会話にしばらく間があく。
やがて、意を決したように北村が口を開く。
「会長!」
「……みれ」
「はい?」
「すみれ……って呼んれ?」
「会長……」
「ん?」
「お酒、飲んだでしょう」
「飲んれらい」
そう言うすみれの口からは強烈なアルコール臭がした。
89名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 02:19:44 ID:eb6sVt0q
>>88続き

縁側に面するふすまの隙間から、好奇の目が2つ。
「おお!狩野選手、北村選手に絞め技を強行だ!」
「ふふん、どうやら酒に弱いってのも本当のようね」
「ぐーぐー」
「おおっと、絞め技から寝技に入った!北村選手、抵抗できない!」
「さっき、水と称して」
「お酒を盛ったんだね、あーみん!」
「ただの酒じゃないわよ」
「えっ、じゃあ……」
「ぐーぐー」
「あ・わ・も・り?」
「まじでか!」

「こらこら、これ以上は野暮だよ実乃梨ちゃん」
「了解です隊長!」
実乃梨がふすまを閉める。
「さーて、暇な私らはどうしますかなぁー」
「そんなの決まってんじゃん」
2人の視線は足元で就寝体制に入っている春田に向けられる。
「ぐーぐ……」
「なにいつまでも狸寝入りかましとんじゃー!」
「ぐはっ!」
実乃梨の肘が春田のみぞおちに入る。
「った……痛いよみのり〜ん」
「気安くみのりん言うんじゃねーっ!」
「ごばっ!」
次は右の鉄槌が寝起きの頬に直撃する。
「おらおらおらおら!おとなしく彼女の話を1から10まで聞かせてもらおうか!」
「えー、めんどくさいよー」
「あら〜、じゃあ、今度亜美ちゃんが春田君の彼女さんに会ったら『私が浩次の婚約者です!』とか言っちゃうけどいいのかなぁ〜?」
「そりゃないよ亜美ちゃ〜ん」

夜は更けてゆく。
90名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 02:21:06 ID:eb6sVt0q
>>89続き

夜中の1時、すっかり静まり返った「鶴の間」でただ1人、能登久光だけが目を開けていた。
能登は横を見る。
そこには、30センチほど離れて木原麻耶の布団が掛けられている。
そして能登からは木原の背中しか見えない。
「木原……」
相手が寝ていると分かっていても、いや分かっているからこそ言う。
「俺、ずっとおまえのこと……」
鼓動が高鳴る。



1時間後、再び静かになった「鶴の間」
木原は寝返りを打ち、すっかり寝入った能登の寝顔に向き直る。
目は開いている。
「知ってたわよ、バカ」
その声が聞こえたのは、竜児、大河、香椎の3人だけ。
(麻耶ちゃん……)
(……ぷぷっ)
(こら笑うな大河!)

まもなく夜が明ける。
91名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 02:23:39 ID:eb6sVt0q
>>90続き

朝、一行はとある公園に来ていた。

「うわぁ、綺麗」

公園の真ん中には早咲きの桜が、大木で1本だけ植わっていた。
その日、肌寒い冬の空気の中、その桜は見事な満開を見せていた。
「でも、なんだか淋しいね」
亜美が呟く。
「これが終わったら私たち、またこうやって集まることはできなくなっちゃうんだね」
先頭にいる亜美の涙は誰からも見ることができない。

「「そんなことない!」」

断固として言ったのは竜児と実乃梨だった。
「そうだよ!」
大河が続ける。
「会いたければ、会いに行けばいい。集まりたければ、集まればいい。10年後も、20年後も、私たちは、ずっとずっと変わらない友情で結ばれてるんだよ!」



なぜだろう、そのとき竜児には桜の花が笑いかけているように見えた。

END
92名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 02:25:10 ID:eb6sVt0q
最後面倒臭くなって雑になってますがあしからず
93名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 02:30:52 ID:GpQVA9we
良いスレを発見したのでフォルダ作ってお気に入り登録したぜ
94名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 03:19:18 ID:YH7WiBnk
>>82
正直スレ変わってから途中経過がありすぎて読むのがタルかったが全部読んで良かった
放送で告白したシーンは個人的に大爆笑出来たぜ
ラストスパートもかなり良かったよ乙
95名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 03:23:40 ID:YH7WiBnk
>>92
前半どんな内容か分かんなくなっちまったな
長編は特にクォリティ高いの多いから好きなんだ
頼む次からまとめて投下してくれ
96名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 04:21:10 ID:GMgMCXOJ
日付変わってID変わったと思うが>>68だ。
みんなありがとう。
恐らくは二週間近くという多分前代未聞?の長い連載に暖かな目を向けて頂き本当に感謝している。
何人か今後の事を聞いていたので予定を言っておくと、
全く新しい別な奴を書くか、今の話をベースにして修学旅行、バレンタイン編を書くかで少し迷ってる。
どちらにしても、こう日数かけるよりは、出来るだけまとめての方が喜ばれるようなのである程度まとめてから投下するつもり。
だから次まで結構間があるかもしれない。
最後に長い毎日連載見てくれて重ね重ねありがとう。
97名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 05:08:11 ID:P6bPkDzW
まぁ、来週はとらドラ!ナイターな訳だが
確か阪神って中日から移籍した選手多いんだよな?
矢野輝弘、高橋光信とか
98名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 07:45:44 ID:n0Wr8p9k
>>97誰がうまいことをい(ry

>>96楽しみにしてます!とても素敵な作品たちでした。
99名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 09:15:47 ID:arCbk782
>>97
「俺は竜、お前は虎」
野球観戦しながら喧嘩する竜児と大河って面白そうだな。野球に詳しかったら
俺が書くのに。大河って縦縞ハッピに虎縞メガホンが居様に合う気がする。

100名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 10:06:21 ID:cjoqb8JE
みのりんが割り込んでくるんですねわかります
101名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 14:02:31 ID:elXdTB4m
>>57のクリームソーダが凄すぎて…声にならない。
なんかしたいなぁ…この作品に対して…
102名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 14:25:13 ID:iNlGJfvh
「・・・あ」
・・・慣れないな・・・。
思わず手に取ろうとしたカップから手を離して、俺は溜息をついた。
一人分の蜂蜜キンカンを入れて、居間へと戻る。
テーブルの上には飯を食べ終えた俺の食器と、伏せられたままの大河の食器。
未だに作る量は二人分。
またこれも夕飯にまわさなくちゃ。
コクリと一口蜂蜜キンカンを傾ける。
そして気付く。流れる涙に。
大河が逝ってしまってもう8ヶ月。
俺の傷はまだ生々しいままだ。

『愛してる』

「お疲れ様でした」
一言挨拶をして、俺は弁財天国の裏口から外に出た。
「竜ちゃん」
その俺に後ろから声がかかる。
母親の泰子だと分かり、振り返らずに返事をした。
「なんだ?」
「あ・・あのさ・・・」
言いにくそうにしているのは多分聞きたくないことだからだ。
容易に予想がついて、俺は溜息をついた。
「言っとくけど」
「え?」
「俺はあのアパート出る気ないから」
泰子が息を飲む気配。
やっぱりそうか。
「で、でも、お父さん達も心配してて・・・ひ、一人じゃやっぱり・・・」
「俺にもお前みたく逃げろって言うのか?」
「!」
「・・・わりい、言い過ぎた」
正直この話しが出るたびに自己嫌悪に陥る。
心がささくれ立って、誰彼構わず傷つけてしまうからだ。
「・・・でもよ、おじいちゃん達の気持ちは嬉しいって言ってくれ」
「竜・・・ちゃん・・・」
「でも・・・あそこには大河との思い出がある。俺には・・・もうそれしかねえから・・・」
「・・・」
これ以上ここにいたら、もっと泰子を傷つける。
俺はそのまま振り返らずに、家路へと足を向けた。
103名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 14:28:37 ID:iNlGJfvh
>>102

しばらく歩いてから空を見上げる。
冬の空は空気が澄んでいて、空の星も良く見えた。
近くにあった公園を思い出して、自販機でホットコーヒーを買うとそこへ向かった。
案の定、ベンチから見る空は、電線も遮る木もなく、満天の星空を見ることが出来た。
そのまま座るとカシュッと、コーヒーのプルトップを開ける。
一口飲んでから、ハァッと大きく息をつく。
白くなった息が空へと浮かびやがて霧散した。
『正直、忙しく働いてるのは気が紛れて助かる・・・』
心の中でそう思い、自分がまだまだ吹っ切れていないのを再認識した。
『あのときは・・・まだ春だったもんな・・・』
ジンジンとかじかむ手先を、缶を握って暖めながら、俺は思い出したくない記憶に思いを馳せた。



『た、大河が・・・死んじゃった・・・』
最初に電話をくれたのは櫛枝だった。
その時の声が涙声だったのが、リアルに思い出される。
はじめはなんの冗談だ?と思った。
こっちは店が忙しいのに、変な電話してくんなよと。
だって大河は、
「今日はみのりん達と出かけてくるね。竜児に似合いそうなセーター選んでもらうんだ」
そう言って、嬉しそうに出掛けていったのだから。
なのに、
『た、大河、か、買ったもの落として・・・ひ、拾おうと、し、車道に・・・ううっ!!』
電話口から、実乃梨ちゃん、と川嶋の声も聞こえてきて。
それも涙声だった。
冗談だよな?
確かにそう聞いたはずだ。だがそれに答える声は、落ち着いてだの、ごめんなさいだの、こっちが欲しい言葉をいってくれなくて。
とりあえず電話じゃ埒があかないからと、大まかな位置を聞いて駆け出した。
泰子の静止する声が聞こえたような気がしたが、どうでも良かった。
途中でタクシーを拾い、聞いた病院の名前を告げた。
・・・病院?病院になんの用事があるんだ?あいつは買い物に行ったんだぞ?全く櫛枝もそそっかしいやつだ。行き先を伝え間違ってやがる。
とりあえずそこまで行ってみようと、椅子に深く腰掛けた。
その時、手がカタカタと震えているのに初めて気付いた。
いや手だけでなく全身が。
ガタガタとまるでおこりのように震えていた。
大丈夫ですか?と運転手に聞かれた気がする。
大丈夫ですと小さく答えた、気がする。
その辺の記憶は今も曖昧だ。
104名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 14:30:30 ID:iNlGJfvh
>>103

鮮明になるのは、病院に着いて、櫛枝と川嶋が飛んできて、泣き崩れて、そのまま警察の人に連れられて、連れて行かれた霊安室からだ。
簡素なベッドに寝かされた人・・・らしきふくらみ。
顔には白い布が掛けられていて、顔の判別はつかない。
医者らしき人が一度手を合わせてから、顔の布を取り去った。
「・・・大河?」
思わず声が出た。
だってそこに大河が寝ていたから。
櫛枝がいきなりそれに縋りつくように泣き崩れた。
川嶋も櫛枝に倣って大河を掴んで泣き出した。
なんで泣くんだ?
大河は寝てるだけだろう?
それよりもあんまり大きな声を出すな。大河が起きちゃうじゃないか。
こんなに・・・こんなに気持ち良さそうに寝てるんだから・・・。
「・・・奥様には残念なことになり・・・」
話し掛けてきた警察関係者とやらを無言でみつめる。
残念ってなんだ?
何も残念なことなんてないぞ?
「被疑者の確保は済んでいますので、取調べ次第、被害者のご遺族に・・・」
・・・遺族?
誰が?
誰が遺族?
なんの話か全然わからない。
なんだか身体がフワフワする。
体が揺れて芯が定まらない。
そのままぐらりと揺れると、俺は床に盛大にぶっ倒れた。
その後の記憶はない。
起きたのは3日後だった。
105名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 14:31:40 ID:iNlGJfvh
>>104

目が覚めると白い天井がまず目に入った。
そのまま身を起すと、病人が着るような簡素な白衣みたいなものを着ていることに気付いた。
なんでこんなトコで寝てんだ?
そう思ったとき、部屋の扉が開いて泰子が入ってきた。
驚いたようにみつめた後、泰子が俺に縋って泣き始めた。
あれ?
こんなの少し前に見たような気がする。
「なあ、大河は?」
ビクリッと泰子の身体が大きく震えたのが分かった。
のろのろと顔を上げると、メイクの落ちた顔が聞いてきた。
「覚えて・・・無いの?」
言われて首を傾げる。
覚えてる?なにを?ああ。
「あの冗談か」
大河が死んだとかなんとか。性質の悪い冗談だよな。
そう言って笑うと、泰子がゆっくりと首を振った。
「冗談じゃ・・・無いの・・・」
「え?」
「大河ちゃん・・・もういないの・・・」
ポロポロと涙を零しながら、それでもこれだけは自分が言うんだと決めていたように、泰子は気丈にそう言った。
それから大分間を置いてから、聞いた。
嘘だろ・・・?
それだけしか俺の口は紡げなかった
でも泰子は俺の言葉にまたも首を振る。
その仕草が、本当に本当だった。
「・・・マジかよ・・・」
ゆっくりと首が縦に揺れた。
泰子は嘘をつかないとき気配でわかる。
ずっと過ごしてきた母親だ。それくらいはわかる。
今まで間違ったことはない。
だから・・・それを目の当たりにしたとき。
「う・・・わあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
俺は絶叫するしかなかった。
その後の葬式などの覚えはない。
ただ飾られていた大河の写真が、俺の大好きな笑顔だったのだけが鮮明に残っている。
106名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 14:32:59 ID:iNlGJfvh
>>105

そのあと2ヶ月は呆然と過ごした。
3ヶ月目になると、町のあちこちに大河を探すように出かけた。
4ヶ月目に見かねた友人達に一生懸命諭された。
その時の俺の取り乱し方は尋常じゃなかったらしい。
俺には覚えなどない空白の記憶だ。
そして5ヶ月目に全てを受け入れた。

『モウ、タイガハ、イナイノダト・・・』

それからの二月は泣いて暮らした。
泣いて泣いて泣いて。
もうこのまま泣きながら死ねるんじゃないか思うほどに泣いた。
でも・・・。
『俺はこうして生きている・・・大河のいないこの世界で・・・』
滲んだ視界を、擦り飛ばす。
でも、後から後から涙が溢れてきて、俺は結局そのままにしておくことにした。
泣くことはたぶん恥じゃない。
それ程に誰かを思える証なのだから。
なのに・・・俺にはその思う相手に会う術がない。
それが悲しい。
「大河・・・会いたいよ・・・」
『・・・じ』
「え?」
何かが聞こえた気がして俺は立ち上がる。
『・・・うじ・・・』
「・・・大河・・・?」
急いで周りを見渡す。
何もない。
でも今聞こえたのは・・・。
『竜児・・・』
そのまま俺は導かれるように夜空を見上げた。
「・・・大河」
夜空で大河が微笑んでいた。
以前のままの姿で、両手を広げて。
「大河」
『竜児』
そっか。こんなとこにいたのか。
ずっと一人で・・・。
「待たせてごめん」
『ううん』
夜空の大河がゆっくり首を振った。
そのまま浮かんだ微笑みは、あの時のままの笑顔で、俺も自然に笑っていた。
「わかった・・・。今傍に行くよ」
俺はそう囁くと、大河に右手を伸ばした。
大河も手を伸ばして、俺の手を取る。
確かな温もりがそこにはあった。
「愛してる」
『あたしも愛してる』
そうして俺たちはしっかりと抱き合った。
もう離さない。絶対に・・・―――――

『本日未明、○○公園で発見された凍死体の身元が判明しました。被害者の氏名は高須竜児。この町に住む二十歳の男性で・・・』
107名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 14:39:36 ID:hOGFOaXK
>>67
乙過ぎて泣けてきたぜ!
最高でした。

そんな漏れは仕事場で暇を見て細々と執筆中
ちなみに前スレで雷びびりの大河を書いたものですノシ
108名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 14:44:25 ID:hOGFOaXK
>>92
いろんなイチャイチャが見られてよかったす
ごちそうさまでした。
109名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 15:03:16 ID:IiPuz3tC

>>106

話はすごい上手だが 切なすぎるだろ……

泣いちまうよ
110名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 15:13:10 ID:hOGFOaXK
>>106


この発想はなかった
最初から最後までかなり引き込まれた

目から塩水が…○| ̄|_
111名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 15:33:39 ID:iNlGJfvh
>>106

「・・・なにこれ?」
「あ!お前また勝手に!」
夕食の後片付けから戻ってきた竜児の目の前、大河が一冊のノートを握ったまま固まっていた。
「ねぇ竜児?なんなのこれ・・・?」
「あ?知ってるだろ?妄想ノートだ」
「うん。それは知ってる。じゃなくて、この内容・・・」
大河が指差すページを後ろから覗き込む。
すぐに、ああと頷く竜児。
「この間な、もし大河が死んだらって考えたら想像が止まらなくてな。具体的にどうなるか書いたらこうなった」
「・・・へぇ」
「いやあ、我ながら力作だ。書きながら涙が止まらなくなった。ほら、ノートのそこここにある染み。涙が零れた跡だ」
「・・・へぇ」
「どうした大河?なんか震えて・・・ああ。感動して泣いてるんだろ?わかるぜ。これは・・・」
「違うわ・・・」
「へ?」
竜児の言葉を遮って振り返った大河は、久々に見る手乗りタイガーへと変貌を遂げていた。
「これは怒りに震えとるんじゃ!なーに縁起でもないもの書いとんじゃ、このクソボケ駄犬がーっ!!」
「ぎゃーっ!!!」

END
112名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 15:35:27 ID:YH7WiBnk
>>106
最期は結構胸にキタ
ニヤニヤ回想なんかも織り込みつつあのラストを見たら多分泣いてた
113名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 15:37:52 ID:YH7WiBnk
>>111おいwwwwいやスマンwwww
まだ続きがあったのかwwホッとしたよwww
改めて乙
114名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 16:30:52 ID:wNZZnYnN
>>111
俺が望んでいたものはこれだwwwww
115名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 16:33:58 ID:elXdTB4m
前スレで深夜の学校潜入モノと、桜吹雪ネタを投下した者ですが、
SSで凄まじい神降臨が続いてるので臆してますw

>>57のクリームソーダSSに触発されて、下手ですが絵を描いてみました。

モノクロでサーセン。

http://j.pic.to/x1avc

SSも絵もハンパだなぁ、自分w
116名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 16:50:46 ID:wNZZnYnN
>>115
赤くなりながら顔接近も是非!
117名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 17:27:20 ID:hOGFOaXK
>>111
ちょwwwwまじ乙wwwww

こういう引っ掛け嫌いじゃないwwwwwwww
118名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 17:39:58 ID:sNn8XRvB
>>111

 っ
  きゃ
    ろ
     う
      !!!!!!!!!!!!!;;;;;;;;
事務所で仕事中にもかかわらず、滲ました涙を返せ!!!;;;

でも最後妄想オチでよがったあああああああああああああああああ
119名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 17:48:41 ID:XuuO3ttL
アニメでハマって、原作を読んでいたと思ったらこのスレのSSを読みふけっていた
伝説の二首コブラだとか勤労怪奇ファイルだとかそんなちゃちなもんじゃあ断じてねぇ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
120名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 18:31:36 ID:j3TEWNYL
ありのままに起こったことを話してるつもりがそんなことはなかったぜ!
121名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 19:19:40 ID:k24G4ei2
とらドラジオ毎回面白いわw
嫁に来いよ!
122名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 19:47:25 ID:elXdTB4m
>>116
とらドラ!キャラは描いた回数が少なすぎるので
もっと練習してから……見てくれてありがとう。
123名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 19:47:57 ID:HeuzyEoJ
ちょっとまて

とらドラジオってなんだ!?
124名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 19:50:35 ID:sIiHjRjB
アニメイトのインターネットラジオじゃね?>123
上のは誤爆なんじゃないかな。
125名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 20:13:37 ID:HeuzyEoJ
そんなのあるんだ
しらなんだ
126名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 21:15:57 ID:GIuOBtw2
127名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 21:51:55 ID:7b5vpEX7
さすがこのスレだ
有難う!!
128名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 23:00:03 ID:GIuOBtw2
既出かどうか確認せずに燃料どうぞ

【グッズ】水着がほどけて大河がピンチ! 実用性も高い『とらドラ!』プライズ登場
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/moeplus/1238153041/

http://news.dengeki.com/elem/000/000/148/148430/c20090327_tora_01_cs1w1_365x640.jpg
http://news.dengeki.com/elem/000/000/148/148431/c20090327_tora_02_cs1w1_365x640.jpg
▲『とらドラ! ビッグバスタオル』。解けてしまったトラ柄の水着に顔を赤らめる大河と、
白シャツ姿でベッドにちょこんと座る大河の2種が用意されている。

http://news.dengeki.com/elem/000/000/148/148432/c20090327_tora_03_cs1w1_639x640.jpg
http://news.dengeki.com/elem/000/000/148/148433/c20090327_tora_04_cs1w1_640x639.jpg
▲『とらドラ! スクエアクッション』。
絵柄はスク水姿の大河と、大河&実乃梨のツーショットの2種。
ツルツルのサテン生地で手触りもバツグン!
129名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 23:00:38 ID:iNlGJfvh
ナイスな反応ありがとうw
わざわざオチをワンテンポ遅らせた甲斐があったよw
長編は短期投下。踏まえた上でまた書いてきますw
130名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/09(木) 23:02:50 ID:hOGFOaXK
>>129
あんた最高wwwww


さあ、暇見て書くかね
131名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/10(金) 00:06:46 ID:bcZgifeA
難しいかもしらんが、某巨大掲示板ネタを面白く仕上げられたら読んでみたい。
蛇足だが、大橋高校関連だとこんなスレがありそう。
1.大橋高等学校 OB○人目
2.【天使?女神?】川嶋亜美【Can Viモデル】(ただし殆どの読者はその事実を知らない)
132名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/10(金) 00:08:53 ID:EoNiTqs7
>>68
前スレから楽しませてもらってました。
すげー感動したよーあんたもサイコーだ
133名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/10(金) 00:29:09 ID:SRX9Lqd8
>>131
今時なら、いわゆる学校裏サイトになるんじゃない?
高校生だとケータイしか使わないって奴も多そうだし。
【凶暴】手乗りタイガー観察日記【○匹目】
とかありそうだね。
134名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/10(金) 01:14:36 ID:6fV+t/T4
5月のオンリーの参加サークルが確定したようだ
言わずもがなのこのスレの神あり、エロゲの原画家あり、学生時代に買い漁っていたジャンルの元神あり、
結構楽しめそうな顔ぶれだと思う
びっくりするような大物はいないからそれなりにゆっくり回れそうだ
135名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/10(金) 01:22:25 ID:zhITe4Kv
>>875


口を開いて発しようとした拒絶の言葉は、


「――ッ」


喉元でつっかえて外れない。

睨み付けた筈の瞳からはまた新しく涙が零れる。


霞がかった視界、その向こうで竜児は真っ直ぐ自分だけ見てくれている――そんな気がしたのだ。



それが嬉しくて、

辛くて、


「……痛い、よぉ」



絞り出した言葉の後は、両手で泣き顔を隠し、嗚咽を漏らすだけ。

頭の中がこんがらがって、もう何も分からない――――考えたくない。



そして、抱きしめられた。

両腕は反射的に彼の背中に。自分の泣きっ面を彼の胸に押し当てる。



「……ごめん」


――なんであんたが謝るのよ


「もう泣かせたりしない」


――私のことなんて、どうでもいいのに


「誰よりも、何よりも……大河が大切なんだ」



――――……これは、夢だ。


夢に決まってる
136名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/10(金) 01:25:27 ID:nTaiJ8Ip
オンリー豪華過ぎて吹いたw
幸福屋やサトステ来るのか!
マジ混沌としそうだなぁw
137名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/10(金) 01:27:26 ID:zhITe4Kv
だらだら続くよ。収束しないよ(´・ω・)
危うくドロドロ展開に持ち込むところだった…あと2レスくらいで終わります。多分。

>>67
駄目だ、悶え死ぬ…
短編集の出版はまだですかあぁぁ
138名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/10(金) 01:31:07 ID:SRX9Lqd8
関東はオンリーとかあって羨ましす(´・ω・`)
139名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/10(金) 01:35:08 ID:nTaiJ8Ip
>>138
東北民だがこの日のために上京しますぜ(`・ω・´)
140名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/10(金) 01:39:44 ID:SRX9Lqd8
>>139
とらP超弩級とPSP(とメモリスティックとか諸々)で残高が乏しいんだぜ(´・ω・`)
141名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/10(金) 03:26:50 ID:Xz6XsAYO
>>57
今日も読み返した
ほんと引き込まれるな
この表現力の凄さは見習いたい
142名無し募集中。。。:2009/04/10(金) 11:40:25 ID:UpO6CRuY
アニメ関連の板の二次創作はクオリティ高いよなあ
若々しさのなせるワザだよ
143名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/10(金) 12:18:40 ID:OvGuJHPL
ほとばしる熱いパトスって奴かな。
おっさん臭くてすまん。
144名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/10(金) 12:39:42 ID:MZ1C14+j
だいじょうぶ
俺はそれ以上の世代の老人ばかりが幅を効かせてる板にいるので
145名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/10(金) 13:03:36 ID:waCKxy58
    ∩_∩     人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人
   / \ /\   < プーレー プーレパレート 強くなんかないけど           >
  |  (゚)=(゚) |  < プーレー プーレパレート いつか君を捕まえる           >
  |  ●_●  |  < (プーレープレパ×3) (ワレテ パリパリ) (プーレープレパ×3) >
 /        ヽ < 油断したらその指 チクチクアタック覚悟して            >
 | 〃 ------ ヾ | < 小さいけど挟むの ミジンコみたいなあなた            >
 \__二__ノ YYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY
             

    ∩  ∩
    | | | |
    | |__| | 
   / / ヽ \ 
  /  (゚) (゚)  |
  |  _○_  | 
  \__ヾ . .:::/__ノ  
     しw/ノ    

        ___          人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人
  / ̄ヽ/ \ / \/ ̄ヽ   <  恋は甘くて苦いもの 単純明快複雑怪奇な代物の              >
  |   /  (゚) (゚)  |    |  < どーでもいいことばっかり気にしたりするの どんな感じ そんな感じ    >
  |   |   三    |    |  < 温厚篤実エキセントリックなあなた 強がる素振りを全身まとって太刀打ち >
  \_ノ\_   __ノ\_ノ  <  素直なだけだと 刺激が強くてクラクラ 傷ついちゃうの 傷つけちゃうの >
        |  |         <  純情プレパラート 頭の中はいつも一人の 純情プレパレート        >
        |  |          YYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY
        (_,、_)
        しwノ
146名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/10(金) 13:07:35 ID:Ap6P55Wg
頼む 誰か大河×竜児のまとめサイトの
URLおしえてくれ
147名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/10(金) 13:50:47 ID:f/ykkmer
>>146
>>1にリンク貼ってるよ?
148名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/10(金) 14:16:34 ID:WElJBRJb
>>143
思い出裏切っちゃいけねぇよ、とらドラ的には。
149名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/10(金) 20:16:33 ID:m6kaCFU7
亜美という名前で森山塔を真っ先に連想したりするのか
150名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/10(金) 21:08:12 ID:oNvaKgbs
亜美といったら、くりぃむレモンだろう
151名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/10(金) 21:27:53 ID:FS8lcgND
今日の同窓会はここですか
152名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/10(金) 22:37:49 ID:OvGuJHPL
ふと考えたんだが…

大河が進学したとして、卒業してすぐに娘を産んだと仮定しても
異父兄弟の弟と5歳ぐらいしか違わないね。

叔父×姪の禁断シチュかつ妹属性なスパイスも加味されたりして
結構メシウマなのが書けそうな気がするんだがどうだろ?


ちょっとスレの趣旨から外れる気もするけど、
子供談議の延長という事で許して欲しい(_ _)
153名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/10(金) 23:19:42 ID:/yauKs+f
許さんけど許す
154名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/10(金) 23:28:59 ID:BTFZmBIM
>>152
確か原作の設定で考えた場合ですと、下手をすると、高校卒業前に子供が産まれている可能性もあるじゃありませんでしたっけ?
155名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/11(土) 00:16:11 ID:J9X6n95l
>>154
可能性としてはあるんですが、
大河ママがこれ位の条件をクリアしないとまず許さんだろうなー
というのと、
現実問題として在学妊婦は自主退学に追い込まれるケースが
多いらしいので、こうしてみました。
歳近い方が萌え度は上がるとは思うんですがねー
156名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/11(土) 00:41:54 ID:J9X6n95l
あ、一応アニメ関連スレなので
アニメ設定前提のつもりでした。

先のレスは自分でも
ごっちゃになってすみません。

ごちゃごちゃ言ってる間に自分で書ければいいんですけど
致命的に文才が無いorz
157名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/11(土) 00:45:46 ID:be3e2iEh
ここも厳しいスレになったな
158名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/11(土) 01:02:43 ID:O0d0+Pwy
俺はいつも原作の延長線で短編書いてたな〜
もちろんアニメの方も大好きだよ
159名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/11(土) 01:48:11 ID:tDwponBn
なんか急に人減ったな…
160名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/11(土) 01:50:14 ID:xnTRtfhH
続きを妄想するには少しもったいないがとてもキレイに終わって且つセーラー大河が犯罪的に可愛かったアニメ最終回
ちょっとあっさりだったけどスピンオフや二次創作が楽しみで且つアニメ以上のイチャイチャっぷりが楽しめる原作最終巻
161名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/11(土) 02:58:35 ID:xnTRtfhH
大河「なんだか寂しくなったわね」
竜児「まぁ長編いくつか終わっちまったからな」
大河「どれもかしこも気持ち悪いくらいイチャコライチャコラしてたわね」
竜児「まぁそれがこのスレの趣旨だしな」
大河「……ねぇ、その、わ、私たちも、イ、イチャコリャ……!」
竜児「……まぁ……な」


ギシギシアンアン
162まとめの人 ◆SRBwYxZ8yY :2009/04/11(土) 03:20:29 ID:HGXAamk2
【とらドラ!】大河×竜児【イチャイチャ妄想】Vol4 まで保管しました。
4スレ目までのギシアンネタを補足しました。




携帯でまとめサイトを見ると改行がされてないとの事ですが、
ごめんなさい、自分じゃどうしたら直せるかわからないです…
PCしか使わないので、携帯の方はさっぱり…すみません。

その代わりといっては何ですが、まとめサイトのオフライン版を作成しました。
ttp://tigerxdragon.web.fc2.com/matome.zip
ネットにつながらないPC等で楽しみたいとき等にご利用ください。

163名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/11(土) 03:40:16 ID:guRd1N1V
>>162激しく乙!!今後とも宜しく頼むぜ!!
164名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/11(土) 07:45:11 ID:QoQIw2Y0
>>67だが

>>162
乙!そして以前の俺のことばを気にかけてくれたようでありがとう。
こっちとしてはまとめてもらってるだけで有り難いことこの上ないのでお気になさらぬよう。
これで文句などでようものなら神に逆らうがごとき蛮行なので。

>>159
俺も思った。毎日連載を投下してた時はもっと作品投下多かった気がするんだけどなぁ。
ということで、このまま投下が減りそうなら前言のまとめて投下を撤回してまた連載という形で投下してもいいだろうか。ちょうど長編の構成を二つほど練り終わったとこだし。
165名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/11(土) 08:27:41 ID:YAB8PeIp
>>162
まとめの人乙!いつもありがとう。
もちろんオフライン版もDLさせてもらったぜ!

>>164
毎日連載を楽しみにこのスレを見てた自分としては、ぜひお願いしたい。
まとめて投下も良い点はあるけど、そればっかりになると寂しいと思ってたんだ。
あなたの作品好きなので、次のも楽しみにしてます。
166名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/11(土) 08:49:04 ID:I8xXXrv0
>>57
これはいいSS
アニメは綺麗に終わったけど苦労の割りにちょっとあっさりだったので
カタルシスが足りなくてすげー悶えてたらここに辿り着いたw
原作未読だけど原作もあっさり見たいだしな

そうだよ、こういうラブラブっぷりが見たかったんだよw
他のキャラもちゃんと出演させて、皆立ち直ってこれがほんとのラブコメっていう日常の描写もgod
おかげでだいぶ昇華されました。
勝手に俺的公式認定しておこう

他の奴も読んだけど面白いねー
いいスレだ
167ヒサ:2009/04/11(土) 11:37:35 ID:/KjbrI8V
今まで見てるだけだったけど、せっかくなので短編作ってみました。
よろしければお付き合いください(ベタベタとは違うけど)
168ヒサ:2009/04/11(土) 11:41:44 ID:/KjbrI8V
とらドラ!3年生1学期アフターアナザー

語り部が必要なため、上方落語の演目みたくしました。
因みに語り部は櫛枝みのりんです。話している時間列は、原作枠で言う10巻終了後の新学期です。体育館での新入生歓迎会にて上演ってことで。



ショートショート小噺
〜とらドらくご!〜




ようこそのお運びで、厚く御礼申し上げます。

新学期、みんなはどう過ごしてる?新入生は友達100人できたかな?
新しい季節、新しい出会い、あぁ!なんて素敵な響きっ!
いや、わたしゃ振られた?振った?ばっかで傷心なんですけどね、実際……ふふっ……。
はぁっ……あー……勿体無い事した……家事ヨシ、気立てヨシ、理解ヨシ。逃がした恋(鯉)はおおきいなぁー……。
あんな有料物件、そうそう滅多にお目にかかれねーぞ……。
……あ、いかんいかん。せっかく親友のために身を引いたんだ、いまのナシね。

えーと、何が言いたいかっていうとだね、出会いや友達、恋は大事にせーよ!ってこと。
いろんな出会いが人間を成長させるものなのだ!でも、大事なものも手に入れたんだー実際。
恋は逃したけど、新しい親友ができたんだ。

そうそう、その子実はモデルさんでねー。あーみんって言うんだぁ。去年の夏に、その人の別荘へ友達みんなと遊びに行ったのよ。
海辺の別荘でねー。青い空ぁ―広い海ぃ―こんな私の―――……あぁ、ギルガメッシュが出てくる大橋(ビッグブリッヂ)とちがうよ?
わかる人は年代わかるから慎もうね。うん。いやー、心が洗われるってこういうことを言うんだなー
って、…え、なに?言うほど苦労していない?いやいや、こう見えても仕事多いですからねー。部活にバイトに受験。いまだってこうしてしゃべってる。
ポテトフライ盛るだけじゃないんだぜ?バニラアイスだって盛っちゃうぜ!そんな私は差し詰め「盛りの妖精」――――。
あ、いやいやそんな話じゃないんだよ。あ、でもキューピットにはなったかもねー。……なったのか?





169ヒサ:2009/04/11(土) 11:43:01 ID:/KjbrI8V

上手(顔が左向き)=大河  下手(同右向き)=竜児

「つまり、この作戦が終わるころには、あんたはラブラブ両想いなんだから、もっとしっかりしなさいよね。」
「ハイハイ、わかったわかった」
「返事だけじゃなく、態度で示しなさいよ!いい?ばかちーによると、この海岸から1KM先に、小島があるらしいの。先回りして準備しておくのよ。」
「…おぅ……どうやってそこまでいくんだ?」
「ばかちーが水上バイク貸してくれた。」
「良くそんなもの借りれたなー。後でお礼言っとかなきゃな。」
「いいわよ、言わなくても。」
「いやいや、お礼くらい言わなきゃダメだろうが。」
「言う義理無いもの。」
「いや、そこまで仲悪いのか?」
「黙って借りたから。」
「コラ!」
170ヒサ:2009/04/11(土) 11:44:11 ID:/KjbrI8V
そんなこんなで悪巧みが続きますが、当のあーみんは見てました。さすが腹黒r……いや、狡猾t……頭の切れるお人だぁ。


上手(顔が左向き)=川嶋  下手(同右向き)=櫛枝

「あーみん、いいの?」
「竜虎揃って暴走ね。……まぁいいわ。あれ、前に東京から取り寄せたんだ。どうせ後で出して遊ぶ予定だったし。」
「わざわざ取り寄せたんだ?TOKYO特急特別配達!翌朝10時のお約束!」
「いや、多分わかんないから……でも今年メンテしてないのよね。大丈夫かどうか、あいつらで試させてもらおっかなー。」
「なんかあったらどうするの?」
「ここの海岸から島まで、潮が引くと歩いて渡れるの。とりあえず帰れるから問題なーし。」
「そかそか。」
「問題あっても、二人きりならそれはそれで、邪魔者無しで問題なーし。」
「そかそか。……え?」
171ヒサ:2009/04/11(土) 11:45:45 ID:/KjbrI8V
そんなこんなで、島まで渡った二人でしたが、着いたとたん水上バイクが動かない。これはワカメの呪いか、ソニータイマーか。


上手(顔が左向き)=大河  下手(同右向き)=竜児
「何で急に動かなくなるのよ!?」
「うーん、……わかんねぇ。」
「ばかちーの仕業だったらとっちめてやる!」
「勝手に借りてそれはねーだろう!」
「じゃあ燃料切れとか?」
「いや、燃料は入ってる……って、これ、動力、テンプラ油みたいだぞ!」
「そんなんで、動くわけあるかーーーー!」
「ここ、燃料はテンプラ油って。」
「……ほんとだ……書いてあるわね……」
「どうせ取り寄せたって、変なものならしょうがないのにな……」
「わざわざ東京からって言ってたのに。TOKYO特急特別配達!翌朝10時のお約束!……いや、いいわ……。帰ったら、ばかちーと販売会社にクレームつけてやるわ!」
「黙って借りた上にクレームかよ!?まぁ、型式プレートを見ればわかるかな。一応連絡先を調べ――――」
「どうしたの?」
「……あいつ、東京から取り寄せって言ったよな?」
「そうね。」
「うごかねぇのは川嶋の仕業でもねぇ。……マジだ!」
「え?……え!?」
「…取り寄せ元はTOKYOじゃねぇ。TOKIOだ……。」
「ああぁぁ……どうりで燃料がテンプラ油な訳ね……。」
「どーすんだよ?これ?」
「安心して、あんたが動かせばいいのよ。」
「どうやってだよ?」
「燃料は根性。」
「無茶言うな!」
「とにかく原因を調べないと、帰れないわ。由々しき事態よ!」
「うーん、あとは、バッテリーとか……。」
「そんなもの、そのへんに落ちてないものね。」
「いや、櫛枝がいれば問題ない。」
「なんで?」
「ピッチャー櫛枝に代わりまして、クローザー高須!」
「そのバッテリーじゃない!」
「急激に落ちるシンカーが売りなんだぜ!」
「それは高津!」
「じゃあロボット部隊で編成――」
「それはSAGA・2!」
「――その辺がわかるのは、あいつの悪い影響だぞ……。」



続きは今日明日にでも。
172名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/11(土) 11:53:48 ID:Jf2bUQNN
>>171
乙です。

落語調てのはなかったからいいと思うよ。
でも、sageは入れたほうがいいかもしれない
173名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/11(土) 12:24:35 ID:xDYDqLWw
>>171
GJ
新しい切り口だな
174名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/11(土) 14:33:51 ID:A3lazoXY
落語だけにオチに期待wktk
175名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/11(土) 16:01:43 ID:Cy0Jd20B
昔ドラマでタイガー&ドラゴンってやってたの思い出した
176名無しさん@お腹いっぱい:2009/04/11(土) 17:09:12 ID:JA8wpNGw
>>171
小噺ってまたw続きが楽しみだ。

つーか人が減ったっつっても、
長編投稿されてたった一日しか間が空いてないのに
ちょっと騒ぎすぎじゃね?と思った。
SSにGJが付いてレスが増えるか否かの違いだけで、
ID見ても実質的な人の数は変わってないような気がするし、ちょっとは余裕持とうぜ。
177名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/11(土) 20:19:42 ID:V8xs+du+
title:「大河が返り討ちにあう話」

大河は一人、ベッドの上で思案する。
背の高さや、名前のこと、好きな人のこと。そういうことをいつも一人でくよくよと考えているのだが、
今日のテーマは、"あの鈍犬エコ野郎にアルコールを与えたらどうなるのか"、ということだった。
発端は、雑誌に載っていた「私の酔っ払い談義」というワンコーナー。
自分や周りの人の、酒の力で起きた出来事を紹介する投稿型のコラムである。
その中で、一際大河の目を惹く投稿があった。
それはズバリ、28歳女性投稿「酔った彼氏は優しい」という内容。バカップル具合も甚だしい中身であったが、
同時に大河の脳裏には、酔っ払った竜児の姿が浮かんでいた。竜児が今よりももっと優しくしてくれるかもしれない。
そう考えるだけで、彼氏でもないのに何だか嬉しい気分になってしまう。やる価値は十分に、ある。

というわけで、今ここに大河の"飲んだくれ犬作戦"略して、NISが開始した。

さて、まずは酒だが、これは既に泰子の缶ビールがあるため問題ない。
大河が買いに行っても、「小学生には売れません」の一点張りであるため、僥倖である。
加えて今日は泰子が早出なので、ビールを飲ませやすい。
次なる問題はどうやってヤツに飲ませるかだが…大河はポケットに手をいれ、にやりと笑う。
これまた大河にぬかりはなく、そのためのアイテムはもう用意してあるのだ。
怪しい笑みを浮かべつつ、時間は流れ、NIS決行時間は既に目前である。

「竜児、今日は私が手伝ってやるわ」
「お、殊勝なこって。明日は雪でもふるんじゃ?」
「うっさい、あんたは黙って料理しとけばいいの」
背を向ける竜児の後ろで、テーブルに一つずつコップを並べる。
まず始めのポイントはここ。中身がばれないよう、ガラス製でないコップにビールを注ぐ。
音を立てずに行動する今の大河は、獲物に気付かれないようゆっくりと忍び寄る、虎そのものだ。
一方何も知らない竜児は、のんきに鼻歌を歌いながら味噌汁を注いでいる。
「はいよ、落とさないようにな」
「わかってるって」
次のポイントはここだ。こっそりとポケットから赤い粉の詰まった小瓶を取り出す。
ラベルには"激辛唐辛子+α"の文字。プラスアルファの部分にはその他の辛味を増すスパイスが入るらしい。
これを竜児の味噌汁にどばっと投下、かき混ぜる。
竜児はいつも始めに味噌汁に口をつけるのを、大河は知っている。
完璧。まったく気付かれていない。自身の手際の良さに少々感動しつつ、全ての品を運び終え、席に着いて竜児を待つ。
そして、狙う虎と狙われる餌の夕食が始まった。

いただきますの後も大河はご飯に手をつけない。竜児の一挙一動を見守っている。タイミングが肝心なのだ。
「どうした、大河。食わないのか?」
「た、食べるわよ。あ、このお味噌汁美味しそう!」
多少声を上ずらせつつも、あくまで平静を装う。
何も知らない竜児は、そんな大河をみて安心したのか、再び箸を動かし始める。
味噌汁!という大河の心の声が届いたのかもしれない、竜児は左手に味噌汁を取った。
また箸を止めてじっとこちらを見ている大河のことが少し気になりつつも、そのまま竜児は味噌汁を飲んだ。そして動かなくなった。
次第に顔が赤くなっていく。それもそのはず、小瓶の半分は注ぎ込んだのだ。動けなくて当然。
瞬間、竜児が火を噴いた。
虎視眈々とその機を伺っていた大河は、ここだ!といわんばかりに竜児にコップを差し出す。もちろん中身はアレ。
竜児は迷わず一気に、その中身をのどへと流し込む。
期待に満ちた表情で見つめる大河の前で、すべて飲み干して、コップを置いた。作戦成功!
しかし、竜児は先程と違う類の赤い顔をして、急に俯く。少し間を置いて、
「もう一杯!」
「は?」
ビールをもう一杯飲ませろ、という予想の斜め上の要求をしてきた。
しかし大河にとっては好都合。酔ってもらった方が効果が出やすいかもしれない。
隠していた缶ビールを竜児のコップに注ぐ。ぐいっと飲み干す。注ぐ。飲み干す。
勢いに飲まれ、大河は気付いていない。すでに竜児が酔っているのを。
そうして、ついに竜児は一缶空けてしまった。

178名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/11(土) 20:33:21 ID:V8xs+du+
>>177
「竜児、大丈夫…?」
流石に罪悪感を感じつつも、一握りの期待を孕ませた声で竜児に呼びかける。
竜児は動かない。いや、動けないのだろうか、そのまま――大河の意に反して――畳へと倒れこんだ。
突然の出来事に、慌てて竜児のもとへ駆け寄り、
「竜児!?」
焦って声をかけるが、返事はない。まさか本当にただの屍になってしまったのかと、頬を叩いていると、突然竜児がその腕を掴んだ。
続いて、むくりと起き上がって、大河に視線が移る。いやに目が据わっていて怖い。
「は、離してよ!」
本能で危険を察知したのか、急に虎が暴れだした。しかし、時すでに遅しとはまさにこのこと。
「どうしたんだ?大河。そんなに逃げなくてもいいだろ」
いつもと変わらないテンションで、しかし掴んだ腕は離さない。
やばいやばいやばい、こいつはやばい、大河の頭に警鐘が鳴り響く。
早くなんとかしないと大変なことになる、とあたふたする大河を横目に、
掴んだ腕を竜児にしては有り得ない力で、ぐいっと引いて、胸元に引き寄せた。
大河がバランスを崩して、こちらに倒れこんできたのを確認すると、さっと腕を離してそのまま抱き締める。
「あ、あんた、何やって…」
「ああ、大河はやわらかくて気持ち良いなぁ」
逃げられないようきつく背に腕を回して、すりすりと大河の身体に頬を寄せる。
まずはお腹から、次に薄い胸、白い首筋と竜児の顔が上がってくる。
竜児の顔が動くたびに、ひぁ、と変な声が出てしまって、大河の顔が見る見るうちに紅に染まる。
恥ずかしさのあまり目をぎゅっと閉じたまま、大河は軽率な行いを後悔した。
酒を飲ませたら竜児が優しくなるんじゃないかと勝手に決め付けた。そして半ば強引に酒を飲ませた。
明らかに今の竜児はいつもの竜児じゃない。人格が変わったみたいで、大河の話など一つも聞いちゃいない。
必死に抵抗を試みても力の差が有り過ぎて、まったく効果がない。何が優しい彼氏だ、何がNISだ。
これはきっと竜児を嵌めた自分への罰なのだろう。
そこまで考えて、ふと、竜児の動きが止まっていることに気付いた。
恐る恐る目を開けると、竜児は先刻と同じように顔を赤くしたまま、顔を伏せている。
「だ、大丈夫、竜児?」
ほっと安心しつつも、心配になって声をかける。竜児が本当に動かないから。その時、
「シミ…」
「え?」
ゆっくりと竜児が首をもたげて、何か呟いた。
「シミがある」
いつになく低い声で、大河の服をひっぱっりながら、言う。
引かれている部分に目をやって、大河も気付いた。先程暴れたときに、飛んだ味噌汁が大河の服にかかっていたようだ。
いつもならここで竜児がクリーニングセットによる応急処置を行うはずなのだが、今日の竜児はやはり一味違う。
「脱げ」
「は?今なんて…」
「脱げ!脱いで早く洗濯せねば!」
据わったままだった竜児の目が、今はぎらぎらと危険な色を取り戻しつつあった。
大河には、心なしかまた人格が変わったようにも思える。
「何言って…!それは無理!」
「無理じゃない、脱げ!」
一向に言うことを聞かない大河に業を煮やして、竜児は強硬手段に出た。
大河の服はフリフリのワンピースだ。これを脱がせることなど今の竜児にとっては赤子の手を捻るようなものである。
「大河、ばんざーい」
竜児は自身万歳をしつつ、大河にも同じ動作を促す。
え、と疑問に思いつつ混乱した大河は素直に両手を上げた、次の瞬間、
スカートの裾を持って、竜児が一気にワンピースを引き上げる。
するり、と服は見事に大河の身体を抜け、竜児の手に収まった。
「きゃあああああああああああ!!!!」
あっという間に下着姿になって、大河は必死に腕を使って身体を隠そうとしている。
竜児はしかしそんな大河を放置して、よし、と頷いて洗濯機へと向かう。
「ああああんた最っ低!返しなさいよ!」
衣服が無くなるという事態を危惧した虎が、細い体で畳の上を疾走し、竜児の背に突撃。ぐらりと揺れて、再び動きが止まった。
「りゅ、竜児?」
少々嫌な予感がしつつも、そっと竜児の顔を覗き込む。もしかしてまた…。

179名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/11(土) 20:39:35 ID:z3Q8Srej
180名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/11(土) 20:47:05 ID:V8xs+du+
>>178

しかし破壊力のある三白眼は閉じられ、眠っているかのような穏やかな表情。
目を閉じているということに安心しながら、じゃあこれはもらうね、と大河はワンピースに手をかける。
…取れない。竜児が離さない。
先程よりも強く引いてみる。やはり竜児はワンピースを離さない。
早くしないと竜児の目が開いてしまう。この姿をみられてしまう。
焦る大河をよそに現実とは残酷なもので、竜児の目が再び開いた。
飛び込んでくるのは、顔を真っ赤にしたとびっきりかわいい女の子の下着姿。
竜児はにやりと笑うと、すぐに行動に移る。
「きゃっ!どこ触って…」
素早く足と腰に手を回し、お姫様抱っこで隣の部屋へと向かう。
この方向、まさか…。
「竜児、だめ!お座り!」
訳のわからない命令をしつつ、しかし竜児が言うことを聞くはずもなく、腕の中で大河は必死に逃げ出す方法を探す。
しかしすぐにタイムオーバー。大河の悪い予感は的中した。ここは竜児の部屋、そして寝室。
大河をゆっくりとベッドに下ろすと、素早く馬乗りになって、大河の両腕を押さえつけた。
「大河、綺麗だ」
こんな状態になっても竜児はまったく動揺しておらず、薄笑いすら浮かべている。
「あああんた絶対変!っていうか竜児じゃない!」
再び人格が変わってしまったことを感じてわめき続ける大河の首筋に、そっと竜児の顔が埋められる。
ゆっくりと舌を這わせて、大河の敏感な所を探っている。
「ふぁ…ぁっ」
「ここが、弱いんだな、大河」
だめだ、このままだと全部持ってかれる。今の竜児は止められない。
もう殆ど涙目で、竜児の動きに声すら抑えきれなくなってきた大河は、最後の力を両足に込める。
これでダメなら、諦めるしか…そうして思いっ切り暴れさせた両足の左膝が、ほぼ偶然に竜児の股間を直撃した。
苦痛に表情を歪めて、大河の上から竜児anotherが音もなく崩れ去る。
足を絡めたまま倒れている竜児をどかして、フラフラとしながらワンピースを拾う。着る。
シワを伸ばしてから、服についた味噌汁のシミを見つけて、慌ててタオルを持って洗面所へ向かった。
竜児に見つかったらまた…そんな不安を打ち消すために。
不器用な大河の手で10分間こすられて、シミは大分落ち、もう殆どわからなくなっていた。
「私だってやればできるじゃない…」
時間はかかり過ぎかもしれないけど、そう呟いて居間に戻ろうとして、食欲をそそる良いにおいが大河の元へ届く。
つられて向かった台所に、ご飯を温めなおす竜児の姿を見つけて、ギクッとする。が、
「おう、大河、飯も食わねぇでどこ行ってたんだ?」
いつもの調子で話す竜児を見て、ひとまずほっとする。
「あんたがあんなことするから…!」
そして、先程までの行いを責める。自分が酒を飲ませたことは、とりあえず棚上げ。しかし、
「あんなこと…?なんのことだ?」
大河の想像していたのとは裏腹に、竜児はそんなの知らねぇとでも言いたげな表情を浮かべる。
「あんた…!」
忘れたとは言わせない、とばかりに"あんなこと"を説明しようとするが、思い出して、ボッと爆発。。
もしかしたら覚えていない方が都合が良いのかもしれない、そう思い直して
「なんでもない」
と、なかったことにした。

二人は温め直したご飯を黙々と食べた。
先程の竜児の味噌汁は、何故か大河に流しへと捨てられてしまったため、新しく注ぎ直されている。
今日の大河は珍しくご飯のおかわりをせず、食べ終わった後のデザートも要求してこなかった。
ただ、黙って顔を赤くしているだけ。何度か、「本当に覚えてないの?」と問われたが、
すべて「覚えてない」で通した。テレビ番組が一つ終わる頃、
「帰る」
そういって、ずっと静かだった大河は玄関へと向かう。
「そうか」
竜児も見送りに玄関まで出る。
何だか挙動不審な大河は、靴を履くと、怒ったような泣きたいような顔で一度竜児と目を合わせ、すぐに逸らして出て行った。

181名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/11(土) 20:49:37 ID:Jf2bUQNN
>>178
おっと、長編?
wktkして待ってますね
182名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/11(土) 20:54:17 ID:VC9YcNWL
183名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/11(土) 21:08:02 ID:V8xs+du+
>>180

「…」
カンカンと階段を下りる大河の足音が遠ざかっていく。
そうして、完全に大河の気配がなくなったのを確認、
「ぶはぁ!!」
溜め込んでいた息を思い切り吐き出して、深呼吸する。
「危なかった…」
まだ手に残る大河の肌の感触に、ぶるっと身を震わせる。
この男、実の所全て覚えていたのである。もちろん、わかっていてやったわけではない。
ただコントロールできなかった。暴走する別人格を。
何度も止めようとしたが止められず、大河の一蹴りがなければ今頃大変なことになっていただろう。
「…酒は怖ぇな」
酒に流されすぎる己の弱さを、とりあえずアルコールのせいにして、ふぅとため息。
まだ残っている食器に手をかけ、動きが止まる。
思い出されるのは、大河の赤く染まった頬、柔らかい肌、湿った声…。
それらがこのまま洗い物と一緒に流されてしまいそうで、それが嫌で、竜児は手を拭いた。
よろよろとベッドに倒れこみ、天井を見つめる。
明日からのことを考えると重い気分にもなるというものだが、、それならそれでいっそのこと、
"思い出した"って言ってしまって、大河をいじめるのも面白いかもしれない。
言われた大河の反応を想像して、竜児は心がゾクゾクするのを感じる。

その口の端には、先程と同じ、にやりとした危険な笑みが浮かんでいた。

184名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/11(土) 21:12:31 ID:V8xs+du+
大河をいじめたくてやった。今は後悔していない。
>>181すまん、長編ではなかった。
どこまで大河をやっちゃっていいのかわからず尻窄みになっちまったZE!
とりあえずドSな竜児に成すがままにされる大河萌え、と言い残して締め。
読んでくれた方、ありがとう。
185名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/11(土) 21:16:36 ID:sBTUH3jI
これは続編に期待してしまうな
186名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/11(土) 21:35:10 ID:VC9YcNWL
ある夜中   大河「zzzりゅーじ....zzz」                         次の日の夜中 大河「zzzとうま...zzz」                                  竜児「誰?!!!」   おわり 
187名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/11(土) 21:37:26 ID:Jf2bUQNN
>>186はそげぶされました。

同じ会社だからってまぜこぜにしちゃだめだぞ☆
188名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/11(土) 22:17:41 ID:QoQIw2Y0
>>176
人というよりSS投下が減ってた気がしたんだが、今日結構投下されてるし、貴方の言う通り大丈夫っぽいね。
ということでもう少し書きためつつROMることにする。
>>183
こういう話も好きだGJ!
189名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/11(土) 22:32:15 ID:r5dXa/wY
>>186
ある木曜日の夜中

大河「ゴールデンレトリバーのウn(ry」
竜児「それ以上言っちゃらめええぇぇぇぇっ!!」
190名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/11(土) 22:50:44 ID:VC9YcNWL
w
191名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/11(土) 23:07:12 ID:O0d0+Pwy
お月見


大河「ねえ、今日十五夜なんだって」
竜児「十五夜?満月だからお月見するって日か?」
大河「そうそれ。ということでお月見しよ〜!」
竜児「単刀直入だな。お月見か〜…今まで十五夜自体意識してなかったしな」
大河「だからするのよ。風情でいいじゃない、たまには。お月見お月見お月見しよ〜!」
竜児「…まさかとは思うが、無性に団子を食いたくなったから、ってわけじゃないだろうな?」
大河「!…ピュ〜♪;」
竜児「……まあいいや、じゃあ準備するか」
大河「わかればよろしい!」
竜児「へいへい」
大河「あ、そうそう。ここから3駅離れたところに大きな公園があるの。そこ行こう」
竜児「別にわざわざそこまで行かなくてもいいんじゃないか?」
大河「この辺は建物が多くて雰囲気でないのよ。それにお月様が見えないかもしれないじゃない」
竜児「まあ明日は日曜日だし、帰りが遅くなっても問題ないか。しかし、団子食うだけなのに本格的だな」
大河「うるさい!…ふぐっ!」
竜児「ぐぐ…おまえの行動は読めてるんだよ」
大河「…お互いに鼻フック…って…」
竜児「たまにはいいだろ?」
大河「いいわけないでしょ…あんた…やっぱ変態犬?遺憾だわ…」
192名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/11(土) 23:08:16 ID:O0d0+Pwy
竜児「へえ〜…いいとこだな…こんな広々した場所があったとはな」
大河「でしょ?ここならきっとよく見えるわよ……ほら!」
竜児「ああ…まじまじと見てみるとなんかくるものがあるな…」
大河「さあ竜児!お団子!」
竜児「風情はどこいったんだよ…ほらよ」
大河「もち米の神様いただきます!」
竜児「……これお月見か?」

大河「はあ〜…おいしかった♪」
竜児「花より団子、か…まあ大河らしいな」
大河「悪かったわね」
竜児「悪くねえよ、それが俺の好きな大河なんだからな」
大河「//!……よ、よくも恥ずかしがらずもそう…」
竜児「本心なんだ、仕方ないだろ?」
大河「………ばか……」
193名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/11(土) 23:09:15 ID:O0d0+Pwy

竜児「夜風が気持ちいいな…」
大河「きてよかったでしょ?」
竜児「おう、たまにはいいもんだな…にしてもきれいだな…」
大河「うん…」
竜児「大河みたいだ…」
大河「またあんたはそういうことを…」
竜児「満月みたいに存在感があってさ…月光みたいに優しくて心地いい光を俺にくれる…」
大河「…」
竜児「俺を支える俺だけの大切な月なんだ」
大河「//…あんただって」
竜児「?」
大河「……竜児だって同じじゃない。私を支えてくれる…いつだって見ていてくれる…私には竜児が輝いて見える…竜児も私の月なのよ…これからもずっと…」
竜児「…」
大河「…もう離れないよ」
竜児「…もう離さねえよ」

竜児「そろそろ帰るか」
大河「そうね…また来年もしようね」
竜児「おう」


月は二人に光を浴びせ続けた。夜空の月も、二人にしか見えない月も。
とある場所であった、お互いの【お月見】
194名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/11(土) 23:18:07 ID:rdlAnYEL
>>193
GJ!! かわかわーv
秋の夜の大河×竜児もいいなぁ。
195名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/11(土) 23:24:32 ID:z3Q8Srej
いつギシアンが来るか来るかと待っていたおれは重症
196名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/11(土) 23:50:52 ID:rws1rhkV
>>183
ドキドキしたぞ
続き希望
もうちょっと楽しませてくれ
197名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/11(土) 23:51:07 ID:1S3hQarp
>>172
ID強制板ではデフォルトsageにする意味無いのよねえ
198名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/11(土) 23:57:47 ID:VC9YcNWL
誰か大河が酒飲んで酔ったSS書いてください!!                           確か何個か前のスレにもあったんだけど...    お願いします!!!!!!(><) 
199名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/11(土) 23:59:47 ID:be3e2iEh
改行ぐらいしろよ
200ヒサ:2009/04/12(日) 00:06:21 ID:WkVtCCJf
>>171 つづき



とか何とかしているうちに、日も少し傾き始める午後3時。
このままではラチがあかないと、騒いでいると、水上バイクのボックスに非常用セット(そんなもの、ほんとにあるのか?)があるのを発見!
これは渡りに船!いやいや、船は動かなくなったんだが。
兎に角あけてみると――――――

「見た目は防災セットみたいだな。」
「あ、緊急用の携帯ゴムボートがあるわ。後は……ゴーグル?テント?厚手のシート…コップにティーセット……――――」
「――――携帯コンロにフライパン……携帯食料……サバイバルって言うのか?これは。」
「ちがうわ!液体火薬って、こんなものまで!…作為的な何かを感じるわ!
……――――!!――――いま、なにか、頭に電撃が走ったわ!」
「なんだよ?電撃って?」
「電撃よ電撃!――――やっぱりあった。弾薬と拳銃!(注:拳銃は銃火器。この場合、パースエイダーを指す)」
「何でそんな物騒なものまで!」
「決まってるじゃない!」
「わかんねーよ!」
「会ったことがあるからわかるの。ニンテンドーDSで!」
「嘘だろ……。」
「そのうちこのバイク、喋り出すんじゃないわよね……遺憾だわ……」


201ヒサ:2009/04/12(日) 00:07:44 ID:WkVtCCJf
>>200

ともかく、ボートがあったので、何とか帰れることになりました――っと思ったのも束の間。オールが無くていっこうに前に進みません。
ボート!動け!ボート!なぜ動かん!?

「オールが無いから進まないぞ?って、おやつに携帯食料を食べるな!」
「食べれる時に食べておくものです、って彼の人は言ったわ。」
「でもそれ、味無いだろ」
「……うん。」
「まぁいい、なんかオールの代わりになるようなもの、ないのか?」
「今ので閃いたわ!携帯コンロと液体火薬で―――――」
「アフロになるからやめてくれ。」
「いいじゃない。まだ帰れるところがあるのなら。」
「それはアムロだ!」
「じゃあどうするのよ?」
「さっきの荷物の中に、フライパンがあっただろ。それ、オールの代わりにならないか?」

あったまいいー!とハイタッチするも、フライパンを使っても、なかなか前に進みません。
おかしいな?穴でも開いている?いや、穴の開いたフライパンなど、この世にはありません。
えいえいと、漕いでも漕いでも進みません。


「ちょっとあんた、ぜんぜん進まないじゃないの!?」
「おっかしいな?そんなはずはないのに。」
「ちょっとまって、ここ、なんかかいてあるよ?え、と、ティファール…」
「ん?あー…これ、ティファールのフライパンか。……あ、そうか!そういうことか!」
「え?なに?」
「このフライパン、テフロン加工だろ?」
「どういうこと?……あ、まさか……」
「「こげないフライパン」」

―――――おあとがよろしいようで――――
202ヒサ:2009/04/12(日) 00:09:51 ID:WkVtCCJf
あんまりきれいな下げではなかったかな?

大喜利ネタの方がラクだったかも。
203名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/12(日) 00:22:40 ID:BWiPijnF
オチナイスw
ちなみにティファールでも焦げる時は焦げるw
204名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/12(日) 00:23:40 ID:gYTCuHnP
>>202乙!
オチよりも随所にちりばめられた小ネタが面白かったな。(失礼!)

>あ、緊急用の携帯ゴムボートがあるわ。後は……ゴーグル?テント?厚手のシート…コップにティーセット……――――」
パースエイダー

エルメスのことですね。わかります。

個人的には盛りの妖精ってところが面白かった。
あんかけチャーハン盛ってくれるんですよね?

ともあれ、内容的にはテンポよかった。
また書いてください!
205名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/12(日) 00:30:45 ID:HU+aLglS
>>202
何気なく見てたが、かなりの良作
やっぱ日本語はいいやね。
206名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/12(日) 00:34:47 ID:mjQ/mzHx
>>198
読んだことあるかもしれんけど、酒飲みタイガーってやつはいいぞ。大河が可愛いすぎる、書いてた人来てくれないかな…
207名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/12(日) 00:45:40 ID:1M5UmNBX
俺は酒酔いタイガーが今までのSSの中で一番好きだわw
208名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/12(日) 00:58:30 ID:hYV3uYNA
>>162
ファイルシーク通せば普通に携帯で見れるけどね
気になるなら<BR>タグで改行すりゃいいし
209名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/12(日) 01:21:26 ID:FSk9WL+0
ギシアンはいいわw
210名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/12(日) 02:10:00 ID:sL5FX9+B
エロパロは過疎ってまとめスレも壊滅状態
もうここしかないんだ職人さんがんばれ
211名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/12(日) 03:30:39 ID:Xgkl85gb
>>135


***


――目を覚ませば、見慣れたベッドの天蓋が視界を埋めていた。


窓から差し込む光が眩しくて、加えて泣き腫らした目元がひりひり傷んで、どうしても目を開くのが億劫になってしまう。


鼻から微かに上る涙の匂いを感じながら、大河は再び瞳を閉じた。


「……どこまで夢だったんだろ……」



『――大河が大切なんだ』



思い出して急に心臓が大きく跳ねた。

……一気に冴えてくる頭、込み上げる羞恥心。


「ち、違う!抱きついちゃったのはその場の流れで…!」


がばりと半身起き上がり、頭を抱えて悶えながら誰にするまでもなく言い訳を始める。


「というかあんな展開ありえないわ!幻よ、そう幻想!夢!ゆ、め……」




ベッドには無意識のうちに"一人で"戻っていたのだろう


目元の痛みは"孤独"への辛さに泣き腫らしたから


愛しい人の抱擁は――――……"叶わぬ夢"




――急激に熱は冷める。

同時に襲うどうしようもないほどの不安、寂寥感、



「夢……」


、胸の痛み。
212名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/12(日) 04:00:53 ID:fGzw7QAj
絶対エロパロスレの大河派職人がこっち流れてきてるよな
エロパロスレは最近みのりんかばかちーばかりだし
213名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/12(日) 04:03:21 ID:4kEtKIkh
>>210
>>212
ひさびさにエロパロにエロパロらしいエロパロ竜虎SSが投稿されたというのに。
214名無しさん@お腹いっぱい:2009/04/12(日) 04:18:39 ID:SGy8XT4I
別にエロパロ過疎ってなくね??
竜虎モノが極端に少ないだけで。
215名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/12(日) 04:54:14 ID:fGzw7QAj
>>213
ふぅ……

抜いてなんかいませんよええ
216 ◆fDszcniTtk :2009/04/12(日) 06:16:24 ID:33OdBRfE
投下して時間が経つのに未だ感想を書いてくれる人がいて嬉しい。
本当に励みになる。ありがとう。

お礼というわけじゃないけど、新作を投下するぜ。

「天気がいいからピクニックに行こう」
俺は竜、お前は虎。二人が並び立つ運命ならば、必ず二人の歩む道はひとつになる。
たとえ二人が引き離されようとも、お前はきっと俺のところに帰ってくる。

ゴールデンウィーク明けの日曜日、高須竜児はいつもの日曜日より30分早く起きた
。規則正しい生活を身上とする竜児は、日曜といえども朝寝坊はしない。いつも7時
におきて泰子と竜児二人分の朝食を作る。去年は、それに加えて通いの居候となった
同級生、逢坂大河の分の朝食まで用意するのが常だった。今年は違う。大河は竜児と
婚約し、親子関係修復のために今は新しい家族と生活をともにしている。修復には時
間がかかるだろうが、二人ともそれが出来ないこととは思っていない。一足早く家族
関係を修復して軌道に乗せた竜児は、大河がみんなに祝福されて自分のもとに嫁いで
くる日を楽しみにしている。
昨晩仕込んでおいた具を並べ、サンドイッチの用意をする。今日は大河とピクニック
。いつも手抜きはしていないとはいえ、婚約者が人一倍楽しそうに食事をする人間と
あっては料理好きの腕も一段と鳴ろうというものだ。ニコニコ笑いながらサンドイッ
チをほおばる大河の顔を想像して、つい鼻歌など歌ってしまう。
パンの耳を切り落として、パン粉にするために分けておく。自分ひとりならかまわず
食べてしまうが、わがままタイガーはパンの耳が嫌いらしく、あれこれ文句を言う。
そういう、子供っぽいところを見るにつけ、つい説教をしてしまうが、そのくせつい
つもわがままを聞いてやるのだから、竜児も世話がない。
つぶした卵にハム、チキン、とんかつをあわせて少々動物性たんぱく質過剰なサンド
イッチを作る(大河は肉が大好きだ)。それぞれ塩、コショウ、その他スパイスの配
分が大胆に変えてあり、サンドイッチで退屈することはないはずだ。しかしこれだけ
だとバランスが悪いので野菜サラダ(高須スペシャル)とトマトをたっぷり用意する
。水筒に詰めるスープを暖め、食後の果物にオレンジを切って用意したところで、炊
飯器から蒸気がではじめた。炊飯器はマイコン仕掛けだが、竜児のほうも時計仕掛け
であるが如く、ぴったりのタイミングで朝食の味噌汁とハムエッグの用意にかかる。
「竜ちゃんおはよ〜、わ〜、お弁当おいしそうにできたねぇ」
「おう、もうちょっと寝てていいんだぞ」
物音で起きたのだろう、泰子が台所に顔を出す。去年までは水商売をやっていた泰子
だが、オーナーの意向で新しくオープンしたお好み焼き屋「弁財天国」の店長に転職
したため、すっかり生活リズムは普通の人に戻っている。お肌の老化もこれで先送り
になるだろう。
ドンくさい泰子がお好み焼き屋。初めて聞いたときには竜児の胸に一抹の不安が走っ
たものだが、これはまったく杞憂だった。それを指摘したのは親友の北村祐作である

「何言ってんだ高須。お好み焼きを焼くのは泰子さんじゃないだろう」
言われて自分がバカみたいな気分になった。そりゃそうだ。店なんて具を切って混ぜ
て出すだけだ。きちんと食器を洗って材料の鮮度に気をつければ、毒でも混ぜない限
り心配ない。そもそも泰子は雇われ店長とは言え、スナック「毘沙門天国」を切り盛
りしてきたのだ。手際が悪いだけで、時間をかければきちんと仕事はできる。むしろ
自分のペースで出来る分、店長という仕事は合っているかもしれない。
開店当初こわごわ訪れたお好み焼き屋は味もまぁまぁ、今では経営もそこそこ軌道に
乗っている。うわさを聞いて早速下校時の買い食いルートに入れてくれた旧2−Cの
連中もいる。香椎奈々子にいたっては、「高須君、ごめんね。お母さんのお店行きた
いんだけど、ダイエット中なの」と、わざわざ手を合わせて身をくねらせながら、謝
らなくてもいいことを謝りにきた。おそらくは片親同士のシンパシーからだろう。思
わず目頭が熱くなったが、竜児はその話を知らないことになっている。顔を伏せて前
髪をいじり「お、おう。気ぃ使ってくれてサンキューな」と言うのが精一杯だった。
友達には恵まれている。
「もうすぐ朝飯できるからな」
「はーい」
インコちゃんの水を替えていた泰子は、間延びした返事をするとやっこらせと立ち上
がって背伸びをした。
転職に伴い、家事分担も変わっている。洗濯と掃除は泰子の仕事になった。朝ごはん
も作る、と泰子は主張したのだが、これはどう考えても魚が海を泳ぐように自然に炊
事を行う竜児がやったほうがうまくいく。勉強の気分転換にもなるし、と言う理由で
台所は死守した。ついでながら、泰子の言う掃除とは、いわゆる普通の奥さんの掃除
とそれほど変わらない。窓のレールの砂ぼこりとか、TVのコンセントの電極の間の
ほこりとか、絡み合ったコードにこびりつく汚れとか、屑篭の裏に隠れている壁のカ
ビはちゃーんと残してあるので、竜児は心行くまでこれらと戦ってストレスを解消で
きる。
二人でニュースを見ながら朝ごはんを食べる。天気予報のお姉さんも上機嫌で、その
表情を見るだけで今日は一日天気だと分かる。食後のお茶を飲んだ後、さあ片付ける
かと立ち上がった所に、ピンポンピンポンピンポーンと、チャイムが連打されて
「りゅーじーっ!おーはーよーっ!」
と、元気な声が響き渡った。
変われば変わるもんだ。昨年は合鍵でノックもせずに鍵をあけ、どかん!とアパート
ごと壊しそうな勢いでドアを開け放っていた大河が、今では竜児がドアをあけるまで
おとなしく待っている。おとなしく、というのは階下の大家を心臓麻痺で葬り去りそ
うな大音量の呼び声を含まないが。
「おう、早かったな。あがれ」
と、ドアを開けた竜児の前にはコットン・レースを重ねた白いふわふわワンピースに
、これも白いつば広の帽子というお人形ファッションで固めた大河がニコニコ顔で立
っている。今日も元気そうでなによりだ。
「お邪魔しまーす」
と、やはりこれも去年の竜児が聞いたら大河の正気を疑いそうな丁寧語を使って、白
い帽子を手に持ったまま短い廊下をとことこ歩いていく。
「やっちゃんおはよう!」
「大河ちゃんおはよう!今日もかわいいっ!」
同年代かと思わせる挨拶を交わして、二人ともテヘっと笑う。
「すぐに用意できるからな、泰子とお茶でも飲んでろ」
去年からある大河専用湯飲みに茶を注いで出す。
「ありがとう。ねえ、ねえ、今日のお弁当なに?!」
「今日はサンドイッチだ。お前の好きな肉もたっぷりだぞ」
「やったー!」
ほとんど父親と娘の会話みたいだが、そんな二人を泰子は横でニコニコしながら見て
いる。
「やっちゃんも来ればいいのに」
と、実はこのピクニック2回目の誘いをかける大河に
「ごめんね、やっちゃんお掃除とお洗濯があるから」
ニコニコしながら泰子が、これも本件2回目の断りを入れる。仕事が理由ではない。
今日は泰子も休みだ。お好み焼き屋の店長が日曜日に休むのも変な気がするが、オー
ナーのほうは採算が合い始めた段階で、少し肩の力を抜くことにしたらしい。スナッ
ク毘沙門天極時代に泰子が倒れたことに気を使って、お好み焼き・弁財天国では2週
間にいちど、日曜日に店長はお休みとのことだ。その分給料は安いが。
泰子の返事は公式には掃除と洗濯のために一緒に行けない、ということになっており
、非公式には「でもね、ふたりは熱々だからやっちゃん焼けちゃう!」ということに
なっている。この、「やっちゃん焼けちゃう」は結構強烈で、手乗りタイガーのふた
つ名を持つ大河をいまだに赤面させて黙らせる効果がある。だが、公式、非公式見解
が方便だというのは大河も竜児も分かっている。本当は一緒に行きたいのだ。行きた
いが、泰子は我慢している。
竜児と大河を二人っきりにしてやるために。
つらい子供時代を送った大河と、母子二人、支えあって世間の波をくぐりながら生き
てきた竜児は、1年間のあれこれを経て、ついにお互いの心を通じあわせることが出
来た。二人にとってはようやく訪れた青春らしい青春であり、泰子はその二人の時間
を大事にしたいと考えてくれている。その気持ちはありがたい。竜児にとっても大河
にとっても二人でいる時間は大切であり、二人でいるだけで心が温まる。
だが、それとこれとは別なのだ。きっと一生、誰にも愛されないという諦観にも似た
、乾いた絶望の毎日を独りで生きていた大河は、隣のボロアパートに住む高須親子の
家庭に居候同然に転がり込んできた。だが、時に傲岸、ほとんど常にわがままな大河
を泰子は無償の微笑みと抱擁で迎え入れた。それが大河にとってどれほど心癒される
ことだったか。
いまや竜児の婚約者となった大河にとって、泰子の幸せは自分たちの幸せと等しく大
切であり、だからこそ、二人のピクニックにたまには引っ張りだして一緒に楽しいひ
と時を過ごしたいと考えている。
二人の時間を大切にしてあげたいという泰子の想いと、三人で一緒の時間をすごした
いという大河と竜児の想い。浜の砂子は尽きるとも、嫁姑戦争の種は尽きまじ、とい
われるが、この大河と泰子にはそんな心配は無用だ。むしろ気を使いすぎているとい
ってもいい。
竜児のほうは、春のうちは泰子の気持ちをありがたく頂戴する気でいる。でも、秋に
なったら首に縄をかけてでも泰子を引っ張り出すつもりだ。季節のおかずを贅沢に使
った弁当をつくり、電車にでも乗って3人で出かけよう。有名な行楽地でなくていい
。ほんの少し、生活から離れた場所で、シートを広げて3人でおにぎりを頬張ること
のできる場所であれば、それでいい。サンドイッチのパックを風呂敷に包んできゅっ
と結びながら、竜児は微笑をもらす。
「これでよし。大河、準備できたぞ」
「うん。じゃぁ、やっちゃん、次は本当に一緒にきてよ」
「うんうん、次はね。行ってらっしゃい!」
この春3回目の「うんうん、次はね」だ。泰子、覚悟しとけよ。秋には俺も大河も容
赦しないぞ。
「大河、帽子忘れるな」
「うん。竜児、お財布は?」
「財布よし、弁当よし、水筒よし、シートよし、七つ道具よし」
弁当箱の下、風呂敷の中に仕込んだシートと高須ピクニック七つ道具(大河が汚した
ときのティッシュ、大河が転んだときの絆創膏、大河が泣いたときのハンカチ、大河
が破いたときの…)をぽんとたたいて確認する。
「わたし水筒ひとつ持つ!」
と、大河は竜児の手からお茶の水筒を奪おうとするが、
「じゃ、こっち持ってくれよ。スープが入っているんだ」
と、違うほうを袈裟にかけてやる。お茶の水筒を渡すと、勝手に飲んで勝手にこぼし
て服を汚してしまう。と、いうことを大河に言わずに安全策をとる。呼吸をするよう
に無意識に気配りができる竜児ならではだ。大河を略奪するつもりの男がいるならば
、彼は事前に竜児を観察し、大河のメンテナンス・コストをきちんと見積もるべきだ


■ ■ ■ ■ 
二人がピクニックに行くのは、これで3回目。今日は1回目と同じコース。商店街を
抜けて大橋へと出、川沿いの河川敷をぶらぶらと歩く。最初のピクニックの話をした
ら、亜美に「はぁ?あんたたち、ばっかじゃねーの?」と言われた、と大河は笑って
いた。むべなるかな。同コースは実に雪のバレンタインデーにおける二人の逃走経路
そのものである。人生をかけた逃走劇をほんわかピクニック気分でたどるなど、ばか
ばかしいと言われても仕方がないのかもしれない。
だが、二人とも別に感傷に浸っているわけではない。
まず、河川敷のピクニックはタダで済む。次に弁当の持込制限がない。これはつまり
、いまだにバイト禁止に甘んじている竜児にとって、経済力のなさを露呈することな
く、かつ自分の得意なフィールドで目いっぱい婚約者にいいところを見せることの出
来る格好のコースである。大河にとっても、腹の足しにならない足代がお弁当のグレ
ードを下げることのないすばらしいコースである。
次に、商店街を通ることは、なにかを持ってくることを忘れた際ぎりぎりまで補給の
チャンスを確保できることを意味する。そもそも竜児が何かを忘れること自体考えに
くいとはいえ、その忘れ物をしない性格自身が、このパラノイア寸前の用意周到さと
直結しているのだから仕方がない。商店街を通ると遠回りであるが、デメリットはメ
リットで打ち消される。
最後に大河にとっては商店街を通ることで、ぎりぎりまで竜児にお菓子をねだるチャ
ンスが存在することになる。ポシェットにいつもお菓子を忍ばせているとはいえ、そ
れ以上に何かがほしくなれば、竜児にねだることが出来る。竜児はそんな甘えを聞い
てやる気はないが、とにかく交渉の余地があることは大河にとって重要だ。
かように、商店街から大橋、河川敷のピクニックコースは、二人にとって合理的かつ
理想的なデートコースであり、雪の日の逃走経路と重なっているのは偶然である、と
亜美から話を聞いた北村に竜児と大河は力説したのだが。
「まったくお前たちにはあきれるな。逃走経路の下見なら聞いたことはあるが、検分
となると警察の仕事だろう」
と、笑われてしまった。聞いていやしねえ。


■ ■ ■ ■ 
しかしながら、竜児は忘れ物をしておらず、大河もポシェットの中のオヤツ以外にそ
そられるものを思いつかなかったため、二人は商店街で何も買うことなく大橋にたど
り着いた。遠回りだったが、おしゃべりをしていたので苦痛でもなんでもない。
いろいろな意味で命がけのプロポーズを行った大橋にまったく何の感傷も無いという
と、それはそれで嘘になる。が、五月の晴れ渡った青空の下に広がる河川敷は、それ
が少々にごった川の猫の額ほどの広さのものであっても気分を高揚させる。
「ねえ竜児、早く下に降りようよう」
「待て待て、向こうに階段があるからあれを使おう」
「降りようよう」
駄々をこねる大河に負けて、足元のそれほどよくない傾斜を見る。草丈が低いのでそ
のまま下りられればいいが、いかんせん同行者はドジッ子タイガーである。かつては
全校生徒を震え上がらせた歩くミニ爆弾といえども、誰も見ていないところ、あるい
は竜児が見ているところではすってんころりんと転ぶこと多数。こんなところでこけ
たらせっかくのきれいなお人形ファッションも台無しだ。
「じゃぁ、ほら」
手をかせ、と右手を出すと、さっと顔を赤らめて
「なによ、子供扱いしちゃって」
と頬を膨らませつつも、おとなしく手を出す。手をつないだときに小さく「えへっ」
と聞こえたのは黙っておいてやることにして、竜児は足元に集中する。足場のいいと
ころを指示してやり、いざと言うときには力を加えて支えてやりながら、無事河川敷
まで降りることが出来た。
二人顔を見合わせてにっこりと微笑を交わし、もうつないでいる必要のない手をつな
いだまま、歩き始める。心臓の高鳴りを聞きながら、お互いの体温を手のひらで感じ
とる。二人ともちょっとだけ無口になる幸せな時間は、
「すみませーん、ボール投げてください!」
と、キャッチボールをしていた小学生が声をかけてくるまで15分ほど続いた。手を
ほどいて、足元に転がってきたソフトボールをつかみ、投げて返してやる。
「ありがとうございます!」
捕球した後帽子をとってきちんとお辞儀をする子供に手をあげて挨拶してやり、二人
は顔を見合わせて微笑む。再び歩きはじめるが、手はつながない。もう一度手をつな
ごう、と恥ずかしがらずに言えるようになるには、まだ少し時間がかかりそう。


■ ■ ■ ■ 
222名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/12(日) 07:49:07 ID:JcLp0vHV
>>221
感想一番乗りか?
新小説GJすぎる!!!!!面白いです!ありがとー!
細かく散りばめられたネタがいい。やっこらせとかw
223名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/12(日) 08:12:18 ID:wOKvYQvZ
いまさらだが7話のパッド挿入シーンDVDだと延長しててワロタw
224名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/12(日) 08:28:29 ID:r2dr9odr
大河たんの感想を聞きたいもんですな…
感じた?どうだった?
225名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/12(日) 09:43:39 ID:HU+aLglS
「・・ぐちょぐちょだった・・」
226名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/12(日) 09:48:03 ID:rDD2CfXg
ブサ鳥「カ、カ・・・ンジ・・・・・・・・ダ」
227名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/12(日) 12:08:14 ID:BWiPijnF
まったりGJ!
一般人が書いたとは思えんな…
228名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/12(日) 12:29:42 ID:4mzvYYqW
>>221
ミラクルGJ!
これはまだ続きがあると思っていいな?
229名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/12(日) 12:56:21 ID:gYTCuHnP
>>226
インコちゃん!それカビの一種だから!
230名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/12(日) 13:13:47 ID:WYwv1+eK
スレが進まないので、竜児逹が我慢出来なくなった様です

竜児「な、なぁ大河」

大河「なによ」

竜児「俺逹のアフター進まないな」

大河「し、知らないわよ!!!」

竜児「でもなぁ、新しいスレになってから、全然書き込みないぞ?もしかしたら俺逹はもぅ・・・ぐふっ!!!」

竜児「な、何すんだよ!大河!!!いきなり殴らなくてもいいだろ!?」

大河「あ、あんたがいきなり変な事いうからでしょ!?」

竜児「でもなぁ!!!」

大河「うるさい!うるさい!!!ネ申逹は忙しいのよ!ただの駄犬は待つしかないのよ!」

竜児「だ、駄犬って・・・」

大河「だいたい、私は暇潰しに見てただけなんだから、どうてもいいのよ!」

竜児「毎晩、ニヤニヤしながら見てたのは何処の誰だよ!?」

大河「だ!、誰がニヤニヤなんかしてたのよ!!!あんたこそ毎晩、毎晩ニヤニヤしながら見てたじゃない!しかも、くぎゅwwwwww!とか、言ったりして!!!」

竜児「な!?俺はだな!」
大河「なによ?」

竜児「俺はお前が嬉しそうにニヤニヤしてる姿がな、なんだ・・・その・・・」
大河「///!!!」

竜児「と、とにかくだ!俺は心配なんだよ!!」

大河「と、とりあえず待つしかないじゃない!!」

竜児「待つったって何すればいいんだよ!!」

大河「そ、それは・・・///」








ギシギシアンアン
231名無しさん@お腹いっぱい:2009/04/12(日) 13:26:22 ID:SGy8XT4I
>>230
先に書いてくれてる職人達にちょっと失礼じゃね?
もうちっと気遣おうぜ。職人さんが離れてしまう前に。
232名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/12(日) 13:30:07 ID:/farCVQy
AT-Xで再放送始まったので見逃した第一話を見た
このスレ思い出して2828したぜ
233名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/12(日) 14:18:23 ID:sVhSXwFU
2期できんかね?
234名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/12(日) 14:32:40 ID:LsxuvoSy
>>221
GJとしかいいようがない
235名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/12(日) 14:50:11 ID:7AknrvJK
>>221
いいなあ、この「何でもない日常」感。
まったりさせてもらいました。続きも期待のGJ!

>>213
ども、筆者です。宣伝ありがとうございますw
こちらの住人の皆様、エロパロスレにて大河×竜児のお風呂でベタベタSSを
投稿しています。
18歳以上で興味のある方は、是非一度読んでやってみてください。
236名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/12(日) 15:24:39 ID:ecN+yEkc
>>221
お人形さんスタイルとか、ポシェットのおやつとか、何気ない言葉に
可愛さが凝縮されてて日曜にニヤケさせていただいた。
心が暖かくなるなぁ…。
237名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/12(日) 15:25:08 ID:4mzvYYqW
>>235
お疲れさん、ニヤニヤできてよかったよー。
是非また竜虎モノ書いてくださいな。
238名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/12(日) 15:29:24 ID:gQPzCQeL
>>235
GJすぎますた
未だ鼻血がとまらないです
239名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/12(日) 16:46:59 ID:pCd/H0Yl
>>233
ゆゆこにお願いするしか無いな
240名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/12(日) 16:48:27 ID:pCd/H0Yl
>>235
エロパロ板じゃなくて?
241名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/12(日) 17:02:41 ID:BWiPijnF
今高速通ってたら、後ろのガラスにとらドラの絵書いてある車がいた
あんなのもあるんだな〜
242名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/12(日) 17:49:42 ID:yjPBwmqY
>>221

まったり日常物が一番和むわ
これこそとらドラ!の原点な気がす
243名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/12(日) 18:46:37 ID:qO/jJosr
>>241
痛車?
244名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/12(日) 20:02:26 ID:PhsKFj03
ぬるぽ
245名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/12(日) 20:40:41 ID:33OdBRfE
たいがっ
246名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/12(日) 20:46:04 ID:m2eCZlpq
この週末はひさびさにニヤニヤを堪能できました

書き手さん達、此れからもよろしく

まとめサイトの人もがんばってくださいね
247名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/12(日) 21:58:06 ID:r2dr9odr
>>221
細かいとこまで凝っててすごく和みました!
2人の幸せな感じがもう良すぎて頬筋緩みまくりました(#^ω^#)
248名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/12(日) 22:12:05 ID:M0f7SKFj
>>204
貧乳繋がりですね。わかりま……

ぬ?
249名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/12(日) 23:23:50 ID:fGzw7QAj
竜児「その後>>248を見た者はいなかった」
大河「なにバカ言ってんのよ。私がそんなことをするとでも?」
竜児「じゃあその手に持ってる木刀はなんだ」
大河「これ?>>248を血祭りにあげるためよ」
竜児「そういうのはしないんじゃないのかよ……」
大河「こっそり消すんじゃないわ……市中引き回しの上で打ち首の刑!」
竜児「……やめなさい」
大河「その手を離すがいい!人は誰しも一度は殺らねばならぬ時があるのだ!」
竜児「なんだか物騒な字になってるぞ。女の子はそういうこと言うもんじゃありません。……それに、その……お、俺は、大河のその……ひ、控え目な、む、胸も、す、好き……だぞ?」
大河「……え?……あ……あう……」



ギシギシアンアン
250名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/13(月) 00:15:12 ID:XTpxa6ef
事あるごとにギシアンに走る二人であったw
251名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/13(月) 00:18:33 ID:NQ9B22Kj
胸だけでイっちゃう大河萌え
252名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/13(月) 00:24:06 ID:Q7CiOmDQ
>>211


「夢じゃねえよ」


ベッドの傍らから突然聞こえた声に、大河はびくりと身を震わせた。

窓の反対側、声が聞こえた方向に目を遣ると、ベッドが作る水平線にひょっこり飛び出したヤンキー面一つ。


「――残念だったな」


ベッドを背もたれに、そこに座っていたのは言わずもがな、


「りゅ、竜児っ!」


高須竜児、その人であった。


「……ったく、散々人の存在を否定しやがって」


やれやれと小さくぼやいて、竜児は立ち上がる。首から下は依然、クマのぬいぐるみだ。


「あんた……一晩中その格好だったわけ?」


その不恰好さに大河の表情はみるみる呆れへと変わる。


「……仕方ねぇだろうが……昨日、『傍に居る』つったばっかりなのに…………お前、泣いてたし、一人にできねぇよ」


口調は尻すぼみに弱くなり、言い終わるとお互い赤面して目を逸らせた。

昨日は暗がりで誤魔化せたが、朝日差し込む部屋の中、お互い表情が確認し合える状況ではこんな台詞を言うにも恥ずかしくて仕方ない。



暫しの沈黙の後、大河ははっとして呟いた。


「……夢じゃ、なかったんだ」


「だからさっきから言ってるじゃねぇか……」
253名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/13(月) 00:25:08 ID:Q7CiOmDQ

「うぅぅ……」

弱弱しく唸りながら、大河は深く俯いた。


「泣くなよ……そんな認めたくねぇのかよ…………なら、悪かったけど」

「……か」

「は?」



「ばかああぁぁっ!!!」

「ぬおぉっ!!」


大河の突然の咆哮と飛び蹴りをまともに受け、訳も分からないまま仰向けに倒れる竜児。

かなり強烈に後頭部を打ったが、意識を手放さなかったのは奇跡だろう。


「何、俺…何か悪いこと言った?」

「言ったのっ!!」


腹部に跨る馬乗りタイガーは、涙をぼろぼろ零しながら叫ぶ。


「あんたが……あんたが変な誤解して謝りだすから…!」

「ご、誤解?俺には何のことだかさっぱり――」


「――『認めたくない』んじゃなくて安心したのっ!ゆめ、じゃ、なかったからぁっ!」


胸に倒れ掛かってきた大河を受け止め、竜児は苦笑する。


「……悪かったよ。ごめん」
254名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/13(月) 00:27:02 ID:Q7CiOmDQ

「ち…違う、やっぱ夢だ」


今度は急に起き上がり、頭を撫でようとしていた竜児は肩透かしを食らう。


「な…なんで?」

「だって今、私泣いてるっ!」

「は?」

「だって竜児は確かに『もう泣かせたりしない』って言った筈だもん!」

「ちょっと待て、いや言った、言ったけどさ――」

「でも私泣いてるよ?!絶対あの言葉は夢だったんだぁぁ!」

「お、お前混乱しすぎだ!分かった、今タオルと氷もって来てやるから!」

「うわぁぁん!『傍に居る』って言ったぁ!」

「あーもう、めんどくせぇ!じゃあどうしろって言うんだよ!」

「何その言い方!私のこと『大切だ』って言ったのに!」



ぷつーん、と、竜児の中で何かが切れる音がした。


「く…うらあぁぁぁあ!!!」

「ひゃああぁ!」


がばりと起き上がるか早いか、転げ落ちそうになった大河をひしと抱きしめ、自分の唇をその唇に――――


=====

今日で締めるつもりだったけど…無理でした/(^o^)\
なんかgdgdになってきたからガーっとやりたかったんだけど…

も、もっと>>221みたいなほっこりしたのが書きたい…
255名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/13(月) 00:29:14 ID:YbEiQ/5p
>>254
いやいや、十分2424できましたwww

もっと!もっと続きを!!
期待してますね。がんばってつかあさい
256名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/13(月) 00:33:30 ID:TUsivj8l
>>248ヒンヌーとぬ?ってあのスレの住人かよ!>>254じーじぇい
257名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/13(月) 05:35:36 ID:xhQQFr5B
竜児「まさかこの街にこんなに雪がつもるなんて…んじゃ行ってくるな」
泰子「行ってらっしゃ〜い。すごく滑りやすいみたいだから気をつけてねえ〜」


大河「♪」
竜児「よう、おはよう…て、何してんだ?」
大河「あ、竜児!ほら!」
竜児「…手乗り雪だるまか」
大河「いいでしょ〜♪…って…冷た〜い!」
竜児「そりゃそうだ…ほら、これやるよ」
大河「ホッカイロ!(ポイ」
竜児「雪だるま捨てんのかよ」
大河「どうせすぐ作れるもん。あ〜気持ちい〜…」
竜児「…そうだ大河、ちょっとコート上げてみ?」
大河「…何?朝っぱらからセクハラ?」
竜児「そうじゃねえ…よっと」
大河「ちょ…!竜児!?」
竜児「あ〜…やっぱりな…おまえ、ここくるまでに何回転んだ?」
大河「…別にそんな」
竜児「既に青タンになってるぞ…(ペタ」
大河「何それ…シップ?」
竜児「どうせソックスで見えないだろ?今日は体育ねえし、問題ないだろ?せっかくの美脚にキズなんて残すわけにはいかないしな」
大河「///(美脚)…………ていうか…足フェチなの?あんた」


3学期の卒業間近、真っ白な雪道のとある朝



他人から見て面白くもなんともない、日常が好き
「今日も野球してるね」
「おう」

と、二人が目を向けたのは、二つ目の橋の下をくぐったところ、市営の河川敷グラウ
ンドだ。ここには小規模ながら野球が出来るスペースがあり、いつも草野球の試合が
行われている。

「ねぇ、見て行かない?」
「そうするか」

どうやらこれから試合が始まる様子なので、二人とも足を止めて観戦することにした
。特に野球が好きなわけではないが、共通の友人の櫛枝実乃梨がソフトボール少女と
いうこともあって、まったく無関心でもない。なんにせよ、飽きたら観戦をやめてま
た歩けばいいのだ。気楽なもんだ。

「そこでいいか」

護岸ブロックにはでこぼこがあって、贅沢を言わなければ椅子として使える。

「うん、そこで観よう!」

と元気よく大河が護岸ブロックを上り始める。

「竜児!早く早く!」

はしゃいでいる大河に声をかけ、

「いまシートを出すからな」

と、風呂敷を開いて青白赤のビニールシートを広げる。これで即席観客席の出来上が
り。

「私オヤツ食べる。竜児は?」
と、クッキーを取り出した大河から一つ分けてもらう。

「まだ始まらないのかな」
「ほうねえ、ひゃっひほーふがおわっはら?」

お前、口の中にモノを入れてしゃべるなよ、といいつつ、ぱらぱらと落ちた屑を丁寧
に拾って捨ててやる。
グラウンドのほうでは、そろそろ準備運動も終わっているようだが、ベンチのほうで
は何やら不穏な空気が流れている。ユニフォームを着た選手が集まって相談している
。なんだろう、と見ていると

「竜児、あれ、静代さんじゃない?」

と、大河。

「あ、ほんとだ」

ベンチの後ろの応援席らしきところに、主婦や子供に混じってひときわそぐわないミ
ニスカートで座っているのは、スナック毘沙門天国の現ママ、静代だ。彼女とは泰子
がママだったころにバーベキュー・パーティーに呼ばれるなどして、何度か会ったこ
とがある。視線を感じたのか、静代のほうも、護岸ブロックでのんびり観戦を決め込
もうとしている竜児と大河に気がついたらしい。こちらに笑って手を振っている。

二人で手を振り返したのだが…静代は立ち上がって、たったったとベンチに駆け寄り
、相談中の選手たちに声をかけた。とたん、竜児と大河は息を呑む。全員が、一斉に
こちらを見たのだ。
「え、なんだろう」
「なにかしら」

こういうとき、大河は鈍い。こいつは野生の虎のごとく、自分に危害が加わらない場
合には徹底的に鷹揚に振舞えるようできているのだ。他方、気遣い人生を送ってきた
竜児は、何事か社会的な問題が自分たちに発生しつつあることを機敏に感じ取って、
背中に汗をかき始めた。なんだろう、というのは疑問の意味ではない。何かまずいこ
とが起きているぞ、の意味だ。

「なぁ、大河。ここ、やめて歩かないか」
「ん?そう?いいよ」

特に野球にこだわっているわけでもない大河はクッキーの袋をポシェットに戻すが、
残念。遅かった。

「竜児くーん、大河ちゃーん」

静代が、やはりその場にそぐわないピンヒールでこちらに走ってくる。遅かったか、
と顔をしかめながら

「こんにちは」

と、笑顔を返す。われながら器用だ。

「ねえ、ねえ、デート?」

大河と竜児を交互に見比べながら、静代は満面の笑み。その下には何か思惑が見え隠
れしている。しかし大河は片手を、はいっと元気にあげて

「そうです、デートなのです!」

頬を染めて破顔する。学校の外では別に隠すことでもない。のびのびとしている大河
を見ていると、竜児もうれしい。が、

「そっかぁ、やっぱり二人は出来ていたのか、うふふ」

と、静代は目を細めて

「大河ちゃん、竜児君のかっこいいとこ見たくない?」
いきなり絡め手で攻めてきた。勘の鈍い大河が

「かっこいいとこ?」

と首をかしげる横で、竜児の人間関係計算機は計算終了。すでに事態の進展する先が
読めている。

「今日ね、彼氏の野球の応援に来たんだけど、メンバーがひとり急に来れなくなった
の。竜児君貸してくないかな」

計算どおり。竜児は目を細めてぎらりと光らせる。特に意味はない。
それにしてもさすがは接客業。交渉先が竜児じゃないところがすごい。ガールフレン
ドが「私はいいですけど」と言ってしまった後にNoといえる男子高校生がいったい
どのくらいいるだろうか。あまりいないだろう。しかしながら、残念ではあるが、竜
児の答えはNoである。Noと言える男子。

だいたい、竜児は中学生のころ部活でバドミントンをやっていたが、高校に入ってか
らは家事に専念している。その家事の腕前がいくら手芸部相手に指導をするほどとは
いえ、野球の役には立たない。一方、運動能力と言うのは高校時代にスポーツをする
かしないかで大きく差が開くものなのだ。大河?あれは例外。虎と人間を比較しない
でほしい。

グラウンドにいる社会人の皆さんは、学校を出てもわざわざスポーツで汗を流そうと
いう方々である。竜児との差は肉食獣と草食獣くらいある。別々の進化をたどった生
き物といっていい。シマウマがライオンと一緒に野球をするか?しないよね。残念。
だから、大河さえ適当に言葉を濁してくれれば、

「おお!竜児に任せてください!こう見えて竜児はお料理お洗濯なんでもOKです!


期待をした竜児がバカだった。

「ちょっと待てお前、洗濯関係ないだろう」

料理も関係ない。しかし静代には竜児の意志こそ関係ない。

「きゃっはー♪、大河ちゃんありがとう。竜児君借りるね?」
「どうぞどうぞ、こんなのでお役に立てるなら。竜児ーがんばってー!」
「ちょちょちょ、ちょっと待ってください。俺、野球なんかできないですよ。球速い
んでしょ。それにユニフォームもないし」

Tシャツから出た腕に体を絡めて引きずっていこうとする静代に抵抗する。マジで困
る。なんとか断らねば。しかし今度は別方向から弾が飛んできた。

「いや、打席では突っ立ったままでいいから」

ユニフォームに身を包んだ、ひときわ恰幅のいい監督らしい人がいつの間にか竜児た
ちのところまで来ていた。

「人数あわせだからさ。守備も一番球が飛んでこないところに立ってもらうし。頼め
ないかな」

人懐っこい顔で笑いかける。まいったなぁ、と思いつつさすがに断りきれなくなって
きた。大河が乗り気である以上、あまりしつこく遠慮するのもみっともない。じゃぁ
、立っているだけならと渋々返事をしたところで

「え?立ってるだけでもいいの?じゃ、私打ちたいな」

別の爆弾が炸裂した。

■ ■ ■ ■ 
バカ、おまえバッティングセンターじゃないんだぞ。いいじゃない、打ってみたいの
。汚れたらどうするんだよ。走ったり滑ったり出来ないだろうが。えー、だって立っ
たままでいいんだから、走んなくていいじゃない。そうじゃなくて、人間が投げるん
だから何が起きるかわかんないんだよ、わーわー、ぎゃーぎゃーと言い争いをはじめ
た二人を、空気の読めない静代さんと監督さんはニコニコ見ている。

「じゃぁ、こうしよう。二人とも助っ人だしデートの最中の特別参加だから、DPに
してもらうよう相手に頼んでみるよ」
「いやぁ、あのー」

それは困りますと言おうとした竜児を無視して、監督さんはくるりと背を向けると審
判のところまで歩いていってしまった。

「ねぇ竜児、DPって何?」

まったくお前、どうすんだよと思いつつも、説明をしてやる

「たぶん、俺が守備をやって、お前が打つってことだよ。DHみたいなものだろ」
「え、何?野球ってそんな面白いルールあるの?みのりん教えてくんなかったよ」
「櫛枝はソフトだから違うんじゃねぇか?ルールっていっても、DPはあったりなか
ったりだろう。監督さんも『頼んでみる』って言ってたし」

竜児も野球は詳しくないので、説明がグダグダになっていく。だが、大河の耳には入
っていないらしく

「ぷぷぷぷ、信じられない。ドラ焼きのあんこだけ食べていい、みたいな話よね。M
OTTAINAIお化けも出ないし素敵だわ」

独自の野球解釈を展開している。暗然としている竜児に向き直った監督が、大きく腕
で丸印を作ってみせる。どうやら話がついたらしい。あの丸印はチームのものであっ

て、俺のものではないな、とあきらめる。

「大河ちゃん、竜児君、ありがとう。えへっ」

妙に泰子に似た反応に思えるが、水商売の人ってみんなこんなか?

■ ■ ■ ■ 
「いいか、絶対あたっても走るなよ。お前今日スニーカーもはいていないんだから」
「分かってるわよ。私は振るだけ。服汚しちゃうとママに怒られちゃうから」

試合開始の挨拶に並んだ両チームの端っこで、ひときわ異彩を放ちながら小声で竜児
が説教をする。草野球チームのユニホームに身を包んだおじさんたちの端には、Tシ
ャツ、デニム姿の目つきの悪いひょろっとした少年と、コットン・レースを重ねたふ
わふわの白いワンピースを着たお人形さんのような少女。相手のチームのおじさんた
ちも、にやにや笑うばかり。

「お願いします」
「お願いします」

挨拶をして分かれたあと、「がんばるぞー」と声を上げる大河に笑い声が起こる。
竜治たちのチーム、「スーパードライ」は先攻だが、大河の打順は9番だからしばら
く二人とも出番はない。ベンチにピクニック用のシートを引いて、二人とも汚れない
ようにして座って観戦する。

対戦相手の「ヘビースモーカーズ」の左腕投手がモーションに入る。一投目が手から
離れる前から素人の竜児にも、相当できる選手だとわかった。フォームが丸でプロで
ある。ぱーんといい音を立ててミットに収まった球が否応なしに「場違いなところに
来てしまった感」を盛り上げる。苦笑いしながら

「あの、相手のピッチャーさんすごいですね」

横の選手に尋ねると、へらへら笑いながら

「草野球は一番上手い選手がピッチャーやるからね。たいてい高校球児だよ。あの人
は確かピッチャーだったんじゃないか」

などとのんきに答える。おいおいおい。そんなのでいいのか。元高校球児の剛速球の
前にこんな女の子を立たせるつもりなのか。

立たせろと言ったのは当の女の子なのだが、そんなことは横に置いて竜児の方は心配
モード。既に気が気ではない。

そうこうしているうちにバッターはフライに打ち取られる。続く2番3番も内野ゴロ
に討ち取られ、あっという間にチェンジ。内野の送球も結構上手い。草野球を少しだ
け馬鹿にしていた竜児は、一層気が沈む。

1回の裏、竜児の守備はライト。監督さんもキャッチャーの守備についているので、
ベンチには大河が一人ぽつんと座っている。手を振って来たので小さく振り返す。人
数あわせとはいえ、あまり浮ついたことはできない。

気を引き締めて投球の瞬間は膝を軽く曲げて前傾姿勢。グローブは体の前。球が飛ん
できたらすぐ反応出来るように準備する。意気込みだけでも見せようとしたのだが、
結局「スーパードライ」のピッチャーも相手を3人で討ち取り、幸いにもライトは仕
事をせずに済んだ。

「竜児、結構サマになってたじゃない」

と、ベンチで迎える大河は、足をぶらぶらさせてお気楽この上ない。せっかくの婚約
者のお言葉だがいまいち気分は盛り上がらず

「Tシャツだけどな」

と、竜児はつれない返事。
続く2回も同様の展開。どうやら試合は投手戦の様相を呈してきた。草野球の分際で
投手戦なんかがあるのか、というのが竜児の率直な感想。

3回表、先頭バッターが打ち取られ、監督さんが大河に声をかける。

「私?次の次じゃないの?」
「次のバッターはあの円の中で待つんだ」

と、指さしたところは、ネクストバッターズサークル。

「へぇ、じゃ竜児。行ってくるね」

振り返ってにっこりと笑う大河に、手を振ってやる。竜児は内心まだ憮然としている
が、このくらいのサービスはしてやらないと、さすがに男の風上にも置けないだろう
。与えられた大きすぎるヘルメットをかぶって大河が走り出す。
こけるなよ。

実にシュールな風景だ。おっさんたちがヤジを飛ばす草野球のグラウンドを、ふわふ
わコットンのお人形さんのような服を着た少女が、やはり大きすぎるバットを持って
テケテケと駆けていく。ああ、なんと場違いな。サークルに到着した大河はしばらく
ぼうっと立っていたが、様子を見ていた審判に注意された。

「かがんで」

無茶だ。へ?と首をかしげる大河。たまらず竜児がつぶやく。

「いや、服が」
「ターイム!」

大きな声を出して監督さんが立ち上がる。審判のところまで走っていって、二言三言
交わしたあと、大河に向かって声をかけた。

「汚れちゃうから立ったままでいいよ。球が飛んでくるから気をつけて」

もう、何もかもが茶番の様相を呈してきた。結局、8番バッターもあっさり打ち取ら
れ、大河の打順がまわってくる。グラウンドが急に沸き立つ。

「お嬢ちゃーん」
「がんばれ−」

それまで声を出していたおっさんたちに加え、遊びに来ていた家族たちからも熱い声
援が飛ぶ。突然バッターボックスに現れたお人形さんに、相手の家族まで味方をする
。「ヘビースモーカーズ」のピッチャーもあからさまに困った様に笑っている。河川
敷の横の土手を歩いていた人が、何事かと立ち止まって見ている。何というスター性
。一瞬で半径100mの視線を釘付けにした。

「へいへいバッタ人形人形!」

これ以上無いほど的確なヤジが外野から飛び、グラウンドが笑いに包まれる中、大河
だけはバットを正面に突き出すと、かるく腕をまくって振り子のように後ろに引き、
いつか見た鈴木大河、爆誕シーンを竜児に思いださせる。そうなのだ。大河は野球の
経験こそ無いが、北村につきあって行ったバッティングセンターで、マシン相手に恐
るべき打撃力を見せつけている。あの後の大河はかわいそうだったなぁ等と考えてい
る間にピッチャーがモーションに入る。ま、生きた球は別物だろう。

そう、生きた球は別物だった。何しろマシンは人間と違う。マシンは女の子相手に手
加減などしてくれなかった。
広めのスタンスの安定した下半身を土台に一閃したスイングは、ふわふわファッショ
ン用に手加減された夢見るようなスローボールを見事にとらえた。その場に居た全員
が言葉を失ったのは、当然と言えば当然だろう。続いて「おおーっ」とわき上がる歓
声と「ええー?」とわき上がる驚きの声が両陣営を包み込む。

ボールは外野を軽々と越えて、川へと落ちた。ホームラン。

熱狂する観衆と味方の選手をよそに、大河はぽつんとバッターボックスに立ってこち
らを見ている。何してるんだあいつは?と少し考えて、合点がいった。打っても走る
なと言ったのは竜児だ。

「大河!ホームランだ。一周してこい!ゆっくりだぞ!」

こくんとうなずき、大河が走り始める。ふわふわコットンを身にまとった少女が1塁
に到達する頃には、観客の声援も一層熱を帯びてきた。

「お嬢ちゃんすげー!」
「お姉ちゃんかっこいいっ!」

これは小学生の女の子。

「キャーキャー!大河ちゃーん!」

ぴょんぴょん跳びはねてその場にそぐわない乳を揺らしているのは静代。一方、大河
の方は声援を浴びるにつれて、だんだん図に乗ってきた。

「わははははは!私にまかせたまえわーっははははっおーーーっと」

蹴躓いた大河は、きゃーという観客の悲鳴を浴びながら、たたらを踏んでぎりぎりの
ところで踏みとどまる。竜児の背中に冷たい汗が噴き出す。あの馬鹿。

「大河!いい気になるなっ!落ち着いて走れっ!」

竜児の声が聞こえたのだろう、何よっ、といった顔で頬をふくらませるが、声援にす
ぐに気分をよくして帰ってきた。グリコのポーズでホームイン。先取点。ずらっと並
んで待ち構えたユニホームのおっさんたちに次々タッチしていったあと、最後に竜児
ともタッチ。

「まったくお前はつくづくすごいな」
「えっへん。北村君に連れてってもらったバッティングセンターより打ちやすかった
よ」

調子に乗りすぎだ。

しかし、大河が調子に乗り過ぎたせいかどうか、このホームランは幾分騒動を巻き起
こしてしまった。タイムをかけて審判に駆け寄ったのは、三塁を守っていた「ヘビー
スモーカーズ」の監督。続いて審判が「スーパードライ」の監督さんを呼ぶ。とうと
う、竜児と大河まで呼ばれた。両監督が見守る中、審判が訪ねる。

「君たち、野球は素人って、本当?」

そういうことか、と竜児は合点する。素人だからといろいろ勘弁してもらい、ルール
を曲げてもらっていたのだ。実はプロはだしでした、では話が収まらない。
265名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/13(月) 06:41:47 ID:42C0a54r
神の朝は早いんだな
朝早くからいいものに巡り合えたよ、ディ・モールト・グラッツェ
「ええと、俺は。僕は中学校でバドミントンをやってました。少年野球には入ってい
ません。高校では部活もやっていません。こいつは小学校と中学校でテニスをやって
いましたが、野球の経験は無いはずです。高校では同じく部活をやっていません」

と、指さされた大河は

「竜児、バッティングセンター。」

わかってる。

「一度だけ、友達と一緒にバッティングセンターに行きました。大河、あのあと誰か
といったか?」

行ってない、と首を横に振る。

「バッティングセンターではどうだったの?」

相手の監督の苦い顔に正直に答える。

「バッティングセンターでは、結構いいあたりを飛ばしていました。でも、本物のピ
ッチャーの前では手も足も出ないだろうと思っていたんです。こんな格好だし。ちゃ
んと言わなくてごめんなさい」

殊勝に頭を下げる竜児につられて大河も頭を下げる。頭を下げるのは俺だけでいいん
だけどな、と思いつつ、自分の言ったことに小さな嘘があることに思い当たって胸を
痛める。そういえばバッティングセンターでもこんな格好だった。

「いや、高須君と逢坂さんが謝ることはない。お願いしたのは私だしね。もし、問題

があっても私が怒られるだけだから、心配しないで」

監督さんはにっこり笑ってそういうと、二人をベンチに返した。ベンチでは、相手チ
ームに気遣って音こそ立てないが、全員が無音の拍手と満面の笑みで二人、いや大河
を迎える。小声で浴びせられる

「すげぇなお嬢ちゃん」
「こりゃスカウトくるよ」
「ね、本当はどこのチームにいたの?」

といった言葉に、ちょっとだけ気落ちしていた大河も気を取り直したようだ。竜児の
方は審判と監督たちの話し合いが気になって、そちらを見る。もし、二人が出場停止
なら「スーパードライ」は8人になる。その場合8人で試合をするのか、それとも不
戦敗なのか。

結局、監督さんはニコニコしながら帰ってきた。親指と人差し指を丸めてOKのサイ
ン、ベンチと応援席が歓声に包まれ、スコアボードに1の文字が。

「俺たち、どうなるんですか?」

真顔で訪ねる竜司に

「大丈夫。次も出ることができるよ。いや、そうじゃなくて出てもらえるかな?」

と笑みを返す監督さんに、はぁ、と曖昧な笑いを返す。大河の方は相変わらず鼻歌な
ど歌いながら足をぶらぶらさせている。気楽なものだ。ま、いいか、こいつと婚約し
たときに残りの人生の問題は全部自分が引き受けると決めたのだ。草野球の気まずい
雰囲気など、なんてことはない。

なんてことはない、と思いつつ。雰囲気の変化を敏感に感じ取ってしまうのは気遣い
人生の悲しい性だ。相手のチームは、明らかにむっとしていた。特にピッチャー。何
しろかわいそうすぎる。元高校球児が、スパイクすら履いていない、ふわふわコット
ンのちびっ子にホームランを打たれたのだ。「油断してました」でチーム内には通用
しても、自分自身が収まらないだろう。

そして何より火に油を注ぐのが観客。さすがに「ヘビースモーカーズ」の観客は味方
だが、今や何事かと集まってきた人々がさっきまで竜児たちが居たコンクリの護岸ブ
ロックのあたりを埋め尽くしているのだ。大河のホームランを見たのはごく一部だが
、どうやら伝言で「あの白い帽子の女の子がすごかったのよ」的な情報が伝わってい
る様子が、ここからでも見て取れる。18歳にしてはじめて知る真実。野球観戦とは
、ピッチャーが滅多打ちにされるのを楽しみに待つ公開処刑ショーである。ピッチャ
ーの心痛はいかばかりか、と竜児は胸を痛めた。
胸を痛めたのだが。

時として怒りは人を後押しする。竜児なら一発で精神的コンディションを崩す状況の
中、そのピッチャーはこれまで以上に切れるピッチングで続く1番バッターを打ち取
った。チェンジ。どうやら彼の心の中では負の温度の炎が燃えさかっているらしい。

その予想は、どうやら正しかった。4回裏、フォアボールで先頭打者が塁に出ると、
ついに「ヘビースモーカーズ」の監督が動く。2番はバントで走者を送り、3番打者
が打ち取られたところで、4番バッターの登場。件のピッチャーである。冷たい炎を
まとったスイングはセンターとレフトの間を抜き、見事に2塁走者をホームに帰す。

この回、追いついて1対1の同点。

5回は両チーム無得点のまま、6回表、大河の打席を迎える。ここに来て、試合は大
河対元高校球児の様相を呈してきた。うう、胃が痛い。

■ ■ ■ ■ 
268名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/13(月) 06:50:54 ID:xhQQFr5B
野球か〜
やっぱ神はネタ自体も面白いな〜
G・J佐藤
269名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/13(月) 07:04:44 ID:g4Hj3qnm
また朝から連投かw

ただでさえいやな出勤なのに
更に出勤したくなくなる理由ができるじゃないwww


正直野球の助っ人展開になった時
『イチャイチャには邪魔だなぁ』
と思ったけど
どっこいおもしろい展開ぢゃん♪


がんばって大河!!♪
270名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/13(月) 11:15:52 ID:yAt/mzZY
出勤前にPC立ち上げなければいんじゃね
271名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/13(月) 14:17:20 ID:2m4GgMWj
270レスにして183KB…元気な奴らめ

あぁ、俺もか
272エリート王子:2009/04/13(月) 18:06:57 ID:TIB6xZmO
は、早く投下しろぉっ!!
俺が時間を稼いでるうちに!!!
どうなっても知らんぞ!!!
273名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/13(月) 18:27:55 ID:9Lc8ixKY
「なあ大河、このトンカツどう思う?」
「すごく…大きすぎるわよっ馬鹿!!」
「ひと口で食べることが前提なのかお前は?」
「うるさいうるさいうるさーい!!」
「しょうがねえなぁ…じゃあこうやって切ればいいだろう」
「やだ」
「何が不満なんだよ」
「竜児がひと口ずつ食べさせて!」
「やれやれ…」

でも特製ソースをかけたトンカツをひと口ずつ食べる大河が可愛くてしょうがない竜児なのであった
274名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/13(月) 19:05:32 ID:XTpxa6ef
トンカツからギシアンにいくのかと思ったじゃないか
275名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/13(月) 19:42:45 ID:9Lc8ixKY
ギシギシアンアン

「こら大河。あんこつまみ食いするんじゃない」
「だってぇ美味しそうなんだもん」
「おはぎの方が何十倍も美味しいからちゃんと座って待ってなさい」
「ちぇ、しょうがないなぁ」
276名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/13(月) 23:09:39 ID:xhQQFr5B
>>274ギシアン菌に犯されたなw
277名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/13(月) 23:13:59 ID:zJ4A58m3
「りゅ 竜児 痛い のはイヤ…優しくして…」
「駄目だ、こーゆーのは痛いもんだ」
「いや、ダメ、あ!」

ギシギシアンアン

「やっぱ、痛いーーーー!らめぇぇぇーーー」
「こら、暴れるな!ちゃんとできないだろぉが!」

ギシギシアンアン



「これで筋伸びたか?
 大河、おまえ、こむらがえりおこすなんてミネラル足りないんじゃねぇのか?
 ちゃんと野菜食べなさい、野菜を!」
「だって、にくドーンがいいんだもん…」
278名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/13(月) 23:38:24 ID:YwywJZdX
>>275
大河、それあんこやない、ちんこや
279名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 00:35:59 ID:DibWL2lC
>>275
「こらカツオ。あんこつまみ食いするんじゃありません」
「だってぇ美味しそうなんだもん」
「おはぎの方が何十倍も美味しいからちゃんと座って待ってなさい」
「ちぇ、しょうがないなぁ姉さんは」
280名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 00:43:49 ID:JKRiEn9j
まぎらわシリーズや!
281名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 02:55:32 ID:xY6zQwNT
4月、大河と竜児は近所の公園にお花見に来ていた。
公園の桜にはすでに緑の葉が混じっていた。

大河「はあ、今年も桜を見れるのはあと少しね」
竜児「そうだな」
大河「きれいなものはみんなすぐに消えてしまうのね」
竜児「そうか?」
大河「花火や流れ星だってそう。きれいなものはすぐに見えなくなってしまうのよ」
竜児「別にそれでもいいじゃないか」
大河「なんでよ。私はきれいなものをずっと見ていたいけど」
竜児「だって考えてみろ。花火や桜をずーっと見上げていたら首が痛くなるだろ」
大河「はあ…」
竜児「なんだよ、その溜息は」
大河「せっかく人が真面目に話してるのに、興ざめだわ。なにが首が痛くなるよ。
   もっとロマンチックなこと言えないの?」
竜児「うるせえな。どうせ俺にはロマンが無いんだよ」

だが竜児は気付いていた。
決して消えることがなく、見続けても首が痛くならない、きれいなもの。
それがずっと自分の傍にいるんだということに。

一段と気合いの入ったピッチングに先頭打者は三振に倒れ、次は9番バッター大河。

ふわふわコットンがバッターボックスに入っただけで、既に観客席はオーバーヒート
状態。護岸ブロックの特等席はとうの昔に一杯になり、既にグラウンドを取り囲む形
で人垣ができている。当然のように、土手の上にもずらりと人、人、人。ひょっとし
てダフ屋も居るんじゃないか?

ピッチャーが構える。グラウンドを包んでいた声援がシンと静まる。第一球。内角高
めに入ったものすごい速球を、大河が強引に引っ張る。打球は一直線に3塁側ファー
ルグラウンドの彼方に消え、観客をどよめかせる。

第二球。速球が乾いた音を立ててキャッチャー・ミットに収まる。大河はブン、と音
がはっきり聞こえる空振り。ため息に混じって、それとわかる疑問の声が観客からわ
き起こる。ストライクを取ったピッチャーもきょとんとした顔。

キャッチャーは外角にめいっぱい手を伸ばしてキャッチしている。大河、どんだけく
そボール振ってんだよ。

「逢坂さん、ストライク・ゾーン知ってるかな?」
「…知らないかもしれません…」

ターイム!と、監督さんの声が響く。審判がタイムを宣言するのと同時に監督さんが
大河を手招き。トコトコと走ってくる間に選手も招集して大河を囲む円陣が形成され
た。選手には竜児を含まない。思いっきり仲間はずれのまま、円陣内部で小声で話さ
れるのを見ている。

「ストライク・ゾーンって知ってる?」
「へ?名前なら」
「こう、脇の下から膝までで」
「ふんふん」
「ベースの外側と内側の…」
「迷ったら思いっきり振っていいから」
「あと、それから…」
「わかった」

審判にせかされて監督さんが笑いながら手を振る。円陣終了。とことこ駆けていく大
河に再び声援が送られる。

隣に座った選手が竜児に話し掛ける。彼女に手を振ってやんなよ、ほら、ほら、

「はぁ」

脇をこづかれて、こちらを見ている大河に小さく手を振ってやる。わかってる。と、
真剣そうに頷いているが、竜児の方はそろそろ引き上げたいなと思い始めてきた。

どこがデートなんだよ。
しかし、グラウンドの誰一人として竜児の心情を察してなどくれない。敵も味方も野
次馬も、突如現れたスーパースターの一挙一動を固唾を飲んで見守っている。審判の
合図でピッチャーが投球の構えを取る。第三球、見送り。ボール。第四球、高い球を
大河は思いっきりひっぱたく。とりゃーっという声が聞こえるようなひっぱたき方。

鈍い音を立てて高い球があがる。目で追っかけていくのがつらいほど高く上がった球
は、上昇にかけたのと同じ時間をかけて仮設バックネット裏の観客の群れに飛び込む
。悲鳴があがる。

「だいじょーぶー?」

緊張感をそぐ大河の大声に、笑い声があがる。

「大丈夫大丈夫」

観客席の誰かがキャッチしたらしい。拍手と笑い声。

気を取り直して大河がこちらを見るが、監督さんは腕を組んだまま。つーか、ブロッ
クサインなんかわからないだろう、お前。第五球。ズバン、と音を立ててミットに収
まった低い球を大河は最後まで真剣な表情で見ていた。一瞬の間。

ボール。

審判のコールにため息が漏れ、観客席からぱらぱらと拍手がわき上がる。監督さんも
、よし、よく見た、と頷きながら拍手している。

2−2で迎える第六球。なにやらキャッチャーとピッチャーの間でサインが交換され
ている。ピッチャーが納得しないというより、ピッチャーが説得している様に見える
。ようやく振りかぶって脚を上げる。あれ、フォームが違う、と竜児も思った。心持
ち遅い低めの球を引きつけて、大河がフルスイング。

空振りした。

なんと、ボールは大河の手元でワンバウンド。竜児も初めて見る生フォーク・ボール
は大河を見事罠にはめ、そしてキャッチャーも翻弄した。ころころと後ろに転がって
いくボールに観客は大騒ぎ。キャッチャーは弾かれたように後ろにダッシュ。

「走れー!走れー!」
「大河ちゃーん!1塁っ!早く走ってー!」

ベンチも総立ち。全員が1塁を指さして大声を上げているなか、只一人、大河が見つ
めていた少年は首を横に振っていた。

走るな。汚れる。
ボールに追いついたキャッチャーが1塁に送球して、審判がアウトをコール。観客か
らため息が漏れる。ベンチに戻ってきた大河が竜児に聞く。

「あれ何?」
「空振り三振のときにキャッチャーがボールを落としたら、1塁まで走っていいんだ

「何よ!じゃぁ、なんで走れって言わないのよ!」

ぷーっとふくれる大河に竜児も黙っていない。

「お前その格好で全力疾走する気かよ。どんだけ腕白気取りだよ!」
「何ですってぇ!?」

一気に険悪化する二人に、監督さんが、まぁまぁとニコニコしながら割ってはいる。

「逢坂さん、あの球よく見極めたね」
「へ?」
「ほら、ボールだってわかったんだろ」
「あ、あれ?ちょっと低すぎるかなって」

えへへと頭をかきながら照れ笑い。大河の気持ちを掌握できるのは自分だけ、と密か
に自負していた竜児は大人の力を改めて思い知る。さすがロマンスグレー。スター選
手の精神管理にまで気を回すとは。名将の気配すら感じさせる。

「ほら、手を見せてみろ」
「何よ」

振り向きざま頬をふくらませる大河の言葉は無視して手を取る。フルスイングを繰り
返した掌は赤くなっていた。腫れてこそいないが、普段鍛えていない柔らかい大河の
肌には、続けざまのフルスイングは荷が重い。

「痛くねえか?すまねぇな、氷持ってきてないんだ」
「うん…大丈夫」

すっかりおとなしくなって小声になった大河は、されるがまま。いきなり出現した恋
人空間に周りの大人はニヤニヤしているが二人は気づかない。

「俺たち初めっから数に入ってないからな、あんまり気張らずに楽しもうぜ」

帽子をかぶせてやりながら話す竜児に

「そうね、そうよね」

大河が足をぶらぶらさせて微笑む。

しかし、もちろんファンも敵もそんなことは許さない。

■ ■ ■ ■ 
7回裏、再び試合は動く。4番の活躍でさらに1点を追加した「ヘビースモーカーズ
」はついに逆転。1対2。「スーパードライ」の選手も食い下がるが、いかんせん相
手は元高校球児。退屈な投手戦に焦れた観客から「はやくお嬢ちゃんを出せ」オーラ
が噴出しているのが竜児にすら分かる。

9回表。ついに3度目にして、たぶん最後のスーパー対決の時が来る。

先頭打者が三振に倒れて、二番手は大河。バッターボックスに入ると、それだけで大
きな歓声が沸きあがる。

ここまで大河はゆるい球を1本ホームランにしただけである。しかし手加減されたと
はいえ、なんと言っても他の打者をほぼ完全に封じ込めているピッチャーから打った
というのが大きい。さらに、手加減なしの2度目の対決でも矢のようなファールを打
ち返している。否が応にも観客の期待は高まる。いくらか下品な野次を飛ばしている
者までいて、竜児の気分を逆なでする。

竜児が目を眇めてイラついている間にふわふわコットンの大河は外角と内角に散らさ
れた打ちにくい球を打って、ファールグラウンドの彼方に放り込む。そのたびに声援
があがる。実際には臭い球を打たされているのだろうか。さすがに素人の大河にその
手の勝負勘までは無い。あっという間に追い込まれた。

「彼氏君、怖い顔してないで手を振ってやんなよ」

またつつかれて手を振る。三球目、低いボール球を見送って2−1。四球目、手を出
しかけた外角のボールを危ういところで見送る。

ボール。

観客がため息を吐く。2−2。

「大河ちゃん、よく見てるな」

と、自軍ベンチの選手も感心している。馴れ馴れしい呼び方にイラっと来た。俺は彼
氏君であいつは大河ちゃんかよ。

五球目。バッテリーがサイン交換に時間をかける。あ、またフォークか?と竜児は心
配になった。今度は空振りしたら大河は走るかもしれない。汚すなよ、と独りごちる


キャッチャーからのしつこい要求に負けたようにピッチャーが、ようやくうなずいて
振りかぶる。
その瞬間を、後に竜児は何度も夢で見てうなされることになる。見事なフォームから
射出された剛速球が、バッターボックスの大河のヘルメットを吹き飛ばした。
河川敷が悲鳴に包まれ、全員が総立ちになる。ただ一人「大河っ!」と叫んで飛び出
した竜児が、ベンチとバッターボックスの中間で棒立ちになった。

ふわふわコットンのお人形さんファッションに身を包んだ少女は、バッターボックス
にしりもちをついたまま、目を丸くして頭の辺りをぺたぺた触っている。あれ?ヘル
メットどこ?そう言っているのが分かるようなしぐさ。ボールはつばの部分でも弾い
たのだろう。

安堵のため息がグラウンドを包み込んだ瞬間、竜児の心臓が爆発した。後で思い返し
ても、竜児は自分の心がどう動いたのかよく思い出せない。ただ、全身を熱湯が駆け
巡るような怒りとともに、自分の心のなにかがべりべりと引き剥がされたような、そ
んな気分だった。

「何しやがんだてめぇーーーっ!」

その場で絶叫したTシャツの少年は一直線にピッチャーに駆け寄る。事態を察して「
スーパードライ」のベンチから選手が飛び出すが、追いつけるはずも無い。あっとい
う間に竜児はピッチャーに飛びかかっていた。

冷静に考えて、「得意なこと、家事全般」の痩身の男が、元高校球児、現草野球のエ
ースに荒事で勝てるわけが無い。まして竜児は、クラスメイトとの口げんかすら1,
2度しかしてない(しかも相手は女の子)。インパラ対ライオン。体当たりしても跳
ね飛ばされるのが関の山だ。

しかしながら、例によってと言うかなんと言うか、突進してくる竜児の顔が、決定的
瞬間にピッチャーをほんの少しだけひるませた。まずい、あいつソノスジだったのか
、と。

皮肉なことだった。16歳の泰子を捨て、入籍もせずに消えたチンピラ。母と子につ
らく長い苦労をさせた男。その男が、18年前竜児の顔に深々と刻んだものが、今、
大河のために渾身の力で吼える、竜児の小さな背中をほんの少しだけ、押した。

わずかに腰の引けたピッチャーに竜児が吼えながら飛びかかる。二人してもつれ合う
ようにマウンドに倒れこみ、馬乗りになった竜児が顔をゆがめて握りこぶしを振り上
げる。

「ぶっ殺してやるっ!」

生まれて初めて口にする荒々しい言葉と共に振り下ろされるはずだった、そのこぶし
は、いつか見たシーンそのままに、誰かの大きな手のひらにがっちりとつかまれる。

次々とつかみかかってくる大人達の大きな手のひら、太い腕に引き剥がされて、竜児
の足は宙を蹴る。吼え続ける竜児に「高須君、落ち着け。大河ちゃん無事だから」と
声がかけられる。
モヤシ男にかっこ悪く押し倒されて、立ち上がったピッチャーが、ちっと、舌打ちし
た。その彼に「スーパードライ」の監督さんがニコニコしながら声をかける。

「いや、悪かったね。怪我ない?」
「ええ、何ともありません」

そして返す刀で

「逢坂さーん、大丈夫?顔怪我しなかった?」

と大声。心配して駆け寄った大人たちに囲まれていた大河は、はっと顔をあげて首を
横に振る。大丈夫、怪我はありません。

一瞬被害者の仮面をかぶるチャンスを与えられたピッチャーは、これでまた気落ち。
女の子の顔に疵をつけるところだった。大河に向かって帽子を取ると、深々と礼をし
た。

観客はようやくほっとした。よかった。誰も怪我をしていない。バッターの子も、や
っぱり女の子だね。立ち尽くしているところなんか、本当に可愛いよ。

だが、もしその場に逢坂大河のクラスメイトがいたら、なぜ彼女はマウンドを血しぶ
きで染め上げないのかと驚いたことだろう。それは確かに奇異な光景だった。大河は
その場に立ったまま、本当に怪我はないか、頭を打っていないかとあれこれ聞く大人
たちにおとなしく囲まれていた。

そして審判は大人たちに囲まれたままうなだれている高須竜児に退場を宣告し、続い
て大人たちに囲まれたまま竜児を見ていた逢坂大河に1塁進塁を命じた。

ふわふわコットンのお人形さんファッションは、お尻のところが汚れてしまった。だ
が、けなげに1塁まで走る少女に観客から拍手が沸く。やがてグラウンドを覆い尽く
した拍手を浴びながら、その少女はうなだれて観客席に引っ込む少年の方だけを見て
いた。

■ ■ ■ ■ 
289名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 06:34:52 ID:atEjhf5o
オレも河川敷グラウンドにいるかの様に引き込まれました

ニヤニヤしながら読んでましたが
すっかり水がさされちゃいましたね。。。
290名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 06:49:40 ID:Rz0lLu72
大河に猛虎魂を感じる
29197:2009/04/14(火) 09:13:45 ID:HT3JxDkW
とらドラナイター楽しみにしていたのに甲子園雨だってさ
292名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 09:41:35 ID:HT3JxDkW
今日からとらドラ!ナイターやで
みんなで観戦しようぜ!
19:03〜20:54 関西テレビ
プロ野球中継2009 阪神×中日〜阪神甲子園球場〜
阪神×中日1回戦〜甲子園球場〜
4年ぶりのV奪還を誓う新生・真弓阪神の戦いを熱くお送りします!
出演
解説: 田尾安志 金村義明 実況: 大橋雄介(関西テレビアナウンサー)
その他の情報
・おしらせ
『阪神×中日〜阪神甲子園球場〜』が中止の場合は、『東京ヤクルト×巨人〜神宮球場〜』の試合をお送りします。
・音楽
プロ野球中継2009テーマソング 「美しき日々よ」 作詞・作曲:清水翔太

関西地区以外の場合
17:45〜22:00
スカイ・Aスタジアムプロ野球 阪神×中日
生中継/甲子園/18:00 解説:大熊 忠義 実況:寺西 裕一 リポーター:土井 麻由実
18:05〜21:30 NHK BS1
プロ野球「阪神」対「中日」
〜甲子園球場から中継〜 副音声は球場音声のみ (試合開始 後6:00)
【解説】伊東勤,【アナウンサー】小野塚康之
293名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 13:55:58 ID:tSKpjUXZ
スピンオフアニメ化するみたいだな
楽しみだな!
294名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 14:29:35 ID:V+iPC22p
マジか?!
ソースはどこだぁ?!
295名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 14:46:48 ID:tAk40jxd
竜児「戸棚の2段目、右側にある。中濃とウスターがあるから間違えるなよ。」
296名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 15:06:10 ID:V8/M5WxM
大河「間違って醤油かけちゃったぁぁぁぁぁ」
297名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 15:54:26 ID:650yUlBC
竜児「それなら大丈夫だ。砂糖と塩だと取り返しがつかないけどな。」
298名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 16:41:37 ID:SaqZ9VRG
大河「ふんっ、もうそんあ前みたひなドジはひゃあないんらから。」
竜児「食べるか喋るかどっちかにしなさい。」
299名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 17:50:48 ID:650yUlBC
大河「え、何?醤油でもおいしい。あ、ひらめいたかも。竜児、次から私のソースと醤油半分ずつにしてみて」
300名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 17:57:58 ID:FuAuwBrI
これ繋げて短編にしちゃえよw
301名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 18:16:48 ID:YVKfF01x
竜児「そんなことしなくてもさ、ほらよ」
ヒョイ
竜児「俺のと半分こすればどっちも美味いだろ。ほら、口開けろ」
302名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 18:36:24 ID:bD4nC33d
大河「あむっ……ほんとに……おいしい……」
竜児「だろ?じゃあ後は皿に乗せておくからな」
大河「ちがう……」
竜児「……?」
大河「もう一回…あんたの箸から食べさせなさいよ……」
303名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 18:42:56 ID:oI9+YNy1
大河「あーんっ」
竜児「あーん」ヒョイパク
大河「ん…おいしい///……ね、もう一口……」
竜児「……はいはい。あーん」
大河「あーん……ムグムグ……もう一口……」
竜児「なんだよ全部食べる気かー?……ったく……あーん」
大河「あーん……もう一口……」ツンツン
竜児「?」
大河「あーん」モゾモゾ
竜児「!!……あーん」ゴソゴソ
大河「あーん」パクッ
竜児「ああん」





ギシギシアンアン



すまんどうしても書きたかったんだ……煮るなり焼くなり好きにしてくれ……
304名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 18:47:49 ID:qbCzlr1l
最後はギシアンだと確信してたぜw
305名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 18:49:08 ID:M7SEJDvu
大河「……ソースの味がする」
竜児「ばっ……恥ずかしいだろうが」
大河「ロマンもへったくれもないけど、こんな日常、私は好きよ」
竜児「…ああ、俺もだ」
大河「ところで竜児、なんで私たちこんなことしてるの?」
竜児「なんでって、そりゃお前……あれ? あぁ、スピンオフアニメのソースか」
大河「そうそう、それよね? でも主役は私たちじゃないのよね?」
竜児「まぁ、そうだろうな。脇役は脇役らしく、出番待ちしとくか?」
大河「うん……じゃ、もう一度。……あーん」
竜児「お、おぅ。…あーん」
306名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 18:49:46 ID:bD4nC33d
デザートに竜児をいただいちゃったんですね、分かります
307名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 18:52:00 ID:4RVCmn5j
おっと性欲よりソースのしみ抜きが先だぜ
308名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 19:12:48 ID:oI9+YNy1
>>307

竜児「あーん」ポタッ
大河「あー……あっ……もう服についちゃったじゃないバカ犬!大体アンタはいっつも量が多いのよ!!」
竜児「!!すっ……すまねぇ!!すぐに拭くから」ドタドタ
大河「待って、竜児」
竜児「……?」
大河「あーん」ペロッ
竜児「!!」
大河「おいしー」ニコッ
竜児「大河……」




ギシギシアンアン



※こぼれたのはソースです
309名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 19:55:25 ID:XEWivzX7
お前らの息ぴったり具合に全俺が泣いた
310名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 19:55:32 ID:XEWivzX7
                     ───/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄くヾ
                 ────/                       /
               ____ /                       /
               ────/                     ../
                    /                      /
                   /                     /
                  /                     ./
          __   /                      / 
        ──── /                      / 
               /                      / 
            /,_____________ ,,,/

      ミ
     ,--∧-、 ミ
    〔 〔v━ 〕つ  涙はこれで拭いとけ!!
    / つ 丿
  / /) )
 (__) (_)
311名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 20:13:03 ID:G0xxUGns
キンタロス吹いた
312名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 20:19:56 ID:tSKpjUXZ
スピンオフのソースだが、禁書のレールガンとか先バレしてた人の情報だね
313名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 20:27:51 ID:xfP+h2HI
>>165
すまない今回はまとめた。
しかし想像以上に長くなってきたんで一回投下する。
皆さんよければ長編にお付き合い下さいませ。
314名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 20:29:39 ID:xfP+h2HI
小さい頃、クリスマスの晩にうっすらと目を開くと、そこには不思議なサンタさんがいた。
もちろん、ただの夢かもしれないし、見間違いかもしれない。
だってそのサンタさんは、赤い服じゃなくて紫のウェアを着て、黄色いニット帽をかぶってて、ゴーグルを付けてたんだから。
その人に「サンタさん?」って尋ねたら、「……おぅ」って言ってくれた。
おかしなサンタさんだったけど、それでも私を見てくれている人がいるんだって思ったら、嬉しくなった。
その時に何か貰った気がするけど、それが何かは覚えていない。
大事にしてた筈なのに、なくしちゃった。
でも、覚えてる事が一つ。
サンタさんが帰り際に私の頭をぽんと撫でて、
「大河が良い子にしてたらまた会えるよ」
そう言ったのを聞いた。
そんなことがあってから、私はクリスマス限定で良い子になるよう勤めた。
馬鹿らしい、子供っぽい、散々そんな風に言われても、私はクリスマスだけは良い子でいた。
約束だから。
また会えるっていう、約束だから。
だから私は竜児を送り出した。
私はエンジェル大河。
竜児のためのキューピット。
これもクリスマスの良い子の一環。
竜児がこれで幸せになれるんだ。
私は良い子になったんだ。
竜児が喜ぶんだ。
これでいつかサンタさんが会いにきてくれんるんだ。
竜児が報われるんだ。
私は間違ってないんだ。
きっと竜児が私に感謝するんだ。
これで良いよね、サンタさん?
これで竜児の役にたてたよね?
そう思いながら、何度も何度も竜児が……とそう言いながらさっき落としたマフラーを拾おうとして、濡れる。
ポタリと、液体がこぼれ落ちる。
315名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 20:30:57 ID:xfP+h2HI
「あれ……?どうし、て……」
瞳から流れ出る液体。
人はそれを……涙と呼ぶ。
とどまるということを知らないその本流は、次から次へと流れ出る。
「ああ……そうか……」
一人、納得したように涙に触れる。
「私……竜児に縋ってたんだ……」
思い出される日常の光景。
「でも、もう終わりになった……」
隣に立って、大河、と呼んでくれたあの日。
「みのりんはきっと竜児に惹かれてる」
鋭い三白眼を隠そうともせず、私の元に全力で走って来てくたあの日。
「竜児も、みのりんのことが本当に好きだ」
竜児と二人、誰もいない広い部屋でくっつきながらカレーを食べたあの日。
「つまり」
私はもう、
「二人は両想いってコト」
竜児の隣にはいられない。
竜児の横を歩いちゃいけない。
竜児の傍にいるのは、私じゃ、ない。
「それが……嫌……なんだ」
涙が、一層強く溢れかえる。
ポタポタと流れ落ちる涙は、想い人がいつも綺麗にしてくれているフローリングに跳ね返る。
「っ!!」
勢い良く駆け出す。
ドアを無理矢理に開け放ち、上着も羽織らず、クリスマスの夜空の下に、裸足のままでマンションから飛び出る。
右を見る。誰もいない。
左を見る。誰もいない。
「っ!!……りゅうじ……」
溢れる涙が、もうどうにも出来ない。
顔面を両手で覆い、近所の事など考える余裕も無い。
「りゅうじぃーーーーっ!!!」
泣き叫ぶ。
恐らくは人生で初めて。
父親にマンションに放り込まれた時も、学校のほとんどの人間に恐がられても泣かなかったこの小さな高校生は、たった一人の少年がいないために泣き叫ぶ。
「りゅうじ……りゅ……??」
ふと、人の気配を感じる。
慌てて涙を拭う。
「みの、りん……?」
辺りを見回しても誰もいないが、その気配は確かに実乃梨のもの。
自分の親友にして、これから自分の想い人と結ばれるであろう人間の気配だと、鋭敏な自分の感覚が告げる。
そう感じた時、自分の肩にぱふっと暖かいものがかけられた。
316名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 20:32:19 ID:xfP+h2HI
どうしてここにいるの?
そう思う。
みのりんは今頃パーティ会場にいるはずで。
竜児と上手く結ばれるはずで。
でも、お礼を言わなきゃ。
この暖かい、緑のコー……緑?
「全く、何て格好で外にいるんだ、お前は」
どうして、ここにいるの?
先程とは同じで違った驚愕。
「な、んで……アンタここに……」
目の前にいるのは、
「全く、お前風邪引きたいのか?あーあーあー!!裸足じゃねぇか」
目の前にいるのは、
「しかもその格好、外に出るならせめて上着くらい着ろ!!」
目の前にいるのは……!!
「りゅうじ」
「おう、何だ?」
「何だ、じゃなくて……何で」
どうしてここにいるの?
同じ問いが頭を駆け巡る。
「ああ、服装か?流石に動きにくいから着替えた」
「そうじゃなくて」
「ああ、手に持ってるこれか?腹減ってると思って作っておいたの持ってきた」
「……そうじゃなくて」
「ああ、安心しろ。会場にいる奴に電話して、もし櫛枝が来たら俺は帰ったって……」
「そうじゃなくて!!アンタはみのりんのとこに行ったんじゃなかったの!?」
そう、竜児はここにいちゃいけない。
「……俺は家に着替えと携帯取りに行っただけだ。あ、あとコレか」
「何で!?アンタ、みのりんが待ってんだよ?」
なんのために私が……。
「お前はもう行かないのかよ」
「はぁ?」
この期に及んで何を言い出すのか。
「俺は、お前が行かないのなら行かない」
「ちょっ!?アンタ何言って……」
「お前が一緒にいないなら、彼女なんて作らない」
「っ!!」
どうしてコイツはこう「きゃっ!?」……何でも急なのか。
考える間もなく、抱き上げられる。
「ちょ、ちょっと……」
「お前その足じゃ歩けねぇだろ」
竜児は確かな足取りで、大河を抱き上げたままマンションの中へと入っていく。
同時に、そこからゆっくりと離れる満足げな足音には二人とも気付かずに。
317名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 20:33:36 ID:xfP+h2HI
***

「ほら大河、足だせ。濡れタオル持ってきたぞ」
竜児は常時と変わらない態度で語りかけてくる。
「………………」
「黙ってないで足出せって」
仕方なく椅子に座り、足を竜児に向けながら、
「……アンタ、パーティ間に合わなくなるわよ」
言う事だけは言っておく。
「だから、お前が行かないなら行かねぇって」
竜児は、優しく綺麗に足をタオルで拭きながら応える。
「……なんでよ。意味わかんない」
本当に意味がわからない。
聖なる夜、クリスマスイヴの晩に結ばれなくていつ結ばれるのか。
一体自分がどんな気持ちで送り出したと思ってるのか。
「……お前は北村と付き合いだしたら俺とは一切話さなくなるのか?」
「……何の話?」
首を傾げる。
竜児の言いたい事がわからない。
「お前は北村と付き合い出したら俺のことなどどうでもいいと考えてるのか?」
「いや、どうでもいいって……何でそんな話になるわけ?」
「お前が俺に言ってんのはそういうことだ。俺は櫛枝と上手くいくために何処かおかしいお前をほっとくなんて出来ない」
「……でもイヴだよ?」
「イヴでもだ。逆に言えば、お前はもうそれだけ他人じゃねぇってこった。泰子も言ってんだろ?ウチは三人家族だって」
竜児はタオルを一度パンッと伸ばすと、洗濯機へと放り込む。
「……おかしいよ、そんなの。アンタ絶対おかしい。絶対後悔する」
「良いよ別に。後悔なんてもう、何度したかわからねぇくらいしてる。ほっとけないからほっとかない。それで良いんだ」
良くない、即座にそう言い返したかった。
アンタは今すぐにでもみのりんに会いに行くの、そう言いたくとももう言えない。
さっきので、全部勇気使っちゃった。
また、縋っちゃいそうだ、竜児の優しさに。
それは、私だけに向けられる私の欲しいものじゃないのに。
「知らないわよ、私。これ以上のお膳立てなんてそうそう出来ないから」
だから、言えるのはこれが限界。
「おう。まぁ一つだけ解決策が無い事も無いんだがな」
「解決策?この状況でどんなものがあるってのよ」
そんなものがあるなら、こっちが聞きたいと思う。
「そうだな……例えば俺がお前を好きになる、とか」
は……?今竜児は何と言った?
「あと、お前が俺を好きになる、とか。そしたらこの場もそれなりにいい雰囲気になる、なんつってな」
冗談だよ、とばかりに竜児は笑う。
テーブルの上に、先程持ってきた料理をのせていく。
『俺がお前を好きなる、とか』
冗談?冗談でもそんなこと言わないで。
「おい大河、お前大丈夫か?顔色悪くないか?やっぱ風邪でも……」
竜児の顔が近い。
『お前が俺を好きなる、とか』
コツン、と竜児のおでこが私のおでこに触れる。
もう、我慢できない。
「アンタが、悪いんだからね……」
「は?何言って……んっ!?ちょっ!?たい……んんっんん〜っ!!????」
思い切り竜児の唇に吸い付く。
「んっんんっんんんんっ!!??」
首も抱いてやる。どれだけ苦しかろうと離してなんかやるものか。
「あっんっ、んんっ!!?」
もうしばらくはこうさせてもらうからね、竜児。
318名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 20:34:49 ID:xfP+h2HI
***

「ぷはっ」
それからたっぷり五分。
無限とも思える300秒を終え、竜児はようやく口から息をすることを許される。
「おまっ、いきなり何して……」
わかってる。そんな目で見ないでよ。
「……アンタが悪いのよ。今の私に解決策とやらを出すから」
竜児は目を丸くしている。
まさか本気にするとは思ってもみなかったのだろう。
すぐに意味に気付いて顔を真っ赤にした。
コイツ、こんな顔もするんだ。
「……初めてだったのに」
女々しく竜児は呟く。まるで夢見る少女のようだ。
「……私だって初めてよ」
「なっ!?」
鳩が豆鉄砲でも喰らったような顔。竜児が相当動揺してる。
面白い。少しからかってやろう。
「ほら、アンタも私を好きにならないと解決策にならないわよ?ぎゅーって抱きしめてくれたりとかしないワケ?」
あ、竜児が立ち上がった。やっぱいくら自分で言った事とはいえ、もう付き合いきれなくなったのかな、と思い、すぐに驚愕に満ち溢れる。
優しい竜児のことだ。
私からの突然の行為を跳ね除けられないだけだと思っていた。
だから、キスなんてさっきのあれが最初で最後、そう思っていたのに。
今、私は確かに竜児から唇を塞がれている。
腕が体に回されている。
「んっ……りゅうじ、アン……んっんん……」
会話をさせてくれない。
先程とは攻守交替といわんばかりのMOUTH TO MOUTH。
「んっ……はぁ……んんっ……」
重ね合わせるだけのそれから、だんだんとお互いの口腔を埋めるまでになっていく。
「……んっ……んっ……んっ……」
いつしか、竜児は規則的な吐息を繰り返してる。
何だろう?何か、言ってる?
「……んっ……んっ……んっ……」
……たっ……いっ……がっ……?
ぼっと火がついたように顔に熱がさす。
でも、離れられない。離れる気が起きない。

***

そうして、どれだけの時間が過ぎただろう。
気付けば私は眠っていたらしい。
一瞬、今までのが全て夢、という不安にかられたが、そういう訳ではなかった。
唇に残る竜児の感触と、かけられた毛布がそれを物語る。
「竜児……」
竜児は見当たらない。一瞬寒気が背中をよぎる。
ふと、テーブルの上のメモに気付いた。
『お前が眠ってしまったから今日は帰る。今日のことは、その……俺が悪かった。もし、お前が気の迷いか何かで俺にあんなことをしたのなら俺は今日のことを忘れる』
なんだそれは。ふざけるな。気の迷い、なんかじゃ……
『でも、もしそうじゃないのなら、俺は明日の朝もいつもの時間に朝食付きでお前を待っている。お前が本当にその気なら会いに来て欲しい。もし違うなら、一日でいいから俺の家に来るのは待ってくれ』
ビリィッ!!
メモを破る。
「いつもの時間?そんなに待てない」
私は、まだ白ずんだばかりの空に身を投げ出し、隣のボロアパートに向かう。
そこで朝食付き(まだ作ってないかな?)のアイツに会って言ってやる。
責任とってよね、って。
勢い良くドアを開け放ち、竜児!!と呼ぼうとして声が固まる。

――赤い顔をした竜児が、荒い息で床に倒れていた。
319名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 20:36:02 ID:xfP+h2HI
***

「逢坂……?」
神社にいた私は、後ろから声をかけられる。
「あ……北村君」
声をかけてきたのは北村君だった。
「あけましておめでとう」
「お、おめでとう」
「高須は一緒じゃないのか?」
北村君が周りをキョロキョロと確認する。
「あ……」
思い出す、クリスマスのあの日。
竜児はとても苦しそうだった。
額に触れると凄い熱があった。
すぐに救急車を呼んで、入院が決まった。
病名は、
「竜児は年末にインフルエンザで入院しちゃって、年明けてからもまだ寝込んでるみたい」
そう、あれからもう、年まで変わったのにまだまともに竜児と会話をしていない。
「えぇ!?大変じゃないか!!これからでもお見舞いにいって……」
私は北村君の腕を掴む。
「だめ。竜児がだめだって言うの。インフルエンザは感染力が強いからうつったら悪いって」
それが、年があけてからようやく話せた竜児との会話。
「そうか……高須は人一倍気を使うからな。本人がそう言うなら仕方ない。あとで泰子さんに果物でも持っていこう。よかったら一緒に買いにいかないか、逢坂」

***

「ほら、逢坂」
「ありがとう」
須藤コーヒースタンドバー、通称スドバ。
そこで買い物を終えた私と北村君は休む事にした。
「しかし、高須も年末年始にインフルエンザとは大変だな」
「うん。やっちゃんも普段あんまり風邪もひかない竜児のために、心配してお仕事をお休みしようか迷ったみたい」
こうやって、北村君と二人で会話するのが、もっと前だったら私は天にも昇る気持ちだったのだろう。
でも、今頭にあるのは竜児のことばかり。
きっと今も竜児が苦しんでると思ったら、胸が痛くなる。
お参りして、竜児の快復祈願もしてきたけど、何より早く竜児の声が聞きたい。
「……でよー、なんつったっけ?その大橋高校のヤンキー?」
そんな事を思ってると、私たちとは少し離れたところにいる男子グループからの声が聞こえてきた。
「ああ、えっと高須……だっけ?あれヤバいって絶対。中学の時同じ学校だった奴に聞いたら父親はマジモンのヤクザらしいぞ」
ピク。何勝手なこと言ってんの?
「うぇーっ。それマジ恐い。俺は去年の文化祭で福男レースとかいうので勝つために何人も病院送りにしたとか聞いたけど、それも本当っぽいな」
何も知らない奴が、何を勝手に竜児の悪口言ってんの?
「それによぉ、確かその時の生徒会長に殴り込みまでして停学くらったらしいぜ?」
キレた。
私は立ち上がり、ずんずんとそいつらの前まで歩く。
「何?君何か用?」
不思議そうな顔で私を見る男共。
「アンタら、勝手な事言ってんじゃ……?」
そう言って腕を振り上げた瞬間、北村君に腕を掴まれた。
喧嘩はダメだ、という眼差しで。
「君たち、俺はその大橋高校の生徒会長をしているもので、高須とも親友の仲の者だ。そのような根も葉も無い彼の名誉を傷つけるような噂を広げるのは止めてもらえないか」
代わりに、学校では見たことも無い憤怒を撒き散らしながら頭の悪そうな男子グループに告げる。
北村君は返事を待たずに、私に一言「出よう」とだけ言ってスドバを後にした。
320名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 20:37:55 ID:xfP+h2HI
「すまん、逢坂」
スドバを出て、すぐに北村君に謝られた。
「えっ!?いや北村君が謝ることなんて……」
そう、謝ることなんて無い。
むしろ、謝るのは私のほうだ。
あそこで騒ぎを起こせば今頃どうなっていたかわからない。
「しかし、高須の誤解を解くことが出来なかった」
「それは……仕方ないよ」
きっと竜児ならそう言うだろう。
「……変わったな逢坂。高須みたいなことを言うんだな」
少し、微笑みながら北村君が私の心情を指摘する。
「うん、そうかもね」
竜児のことを良く知らない人たちがいくら竜児を悪く言おうとも、私たちは竜児の良さを知っている。
今は、それでいいと思う。
「それじゃあ逢坂、この果物を高須に届けてやってくれないか?」
ポン、とフルーツの籠を渡される。
「え?北村君は竜児に会ってかないの?」
「いや、変な気遣いかもしれんが俺がいないほうがいいと思って」
「……ありがとう」
私は、今日何度目かのお礼を北村君に言った。

***

「竜児」
竜児は眠っている。
呼吸が柔らかい。随分と良くなってきているようだ。
これなら新学期からの学校は大丈夫だろう。
とん、と果物の籠を枕元に置いてやる。
ぼーっと竜児の寝顔を見つめる。
穏やかなその寝顔からは、『ヤンキー』なんて言葉は出てこない。
「竜児」
早くよくなってよ。
私の気の迷いなんかじゃなかったって、早く伝えたいよ。
「竜児」
スッと顔を近づける。
今はこれで我慢するから。
竜児の額に、唇が触れる。
「待ってるからね、竜児」
私は竜児の部屋を後しようと、立ち上がった。

***

うっすらと目を開く。
右手の甲を、額に持っていく。
随分と熱は下がったようだ。
たった今目覚めたような、少し前から起きていたような、そんな不思議な感覚に襲われながら枕元を見ると、果物が詰まった籠が置いてあった。
「……これ、高そうだな、オイ」
熱が下がるのと同時、MOTTAINAI精神が蘇る竜児。
「……竜児?」
声が聞こえる。
どうやら自分はまだ思ったよりも熱があるらしい。
目の前には、身の丈に合わない俺愛用のエプロンを纏い、小皿に不恰好に切り並べられた林檎を持つ大河が立っていた。
321名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 21:02:27 ID:xfP+h2HI
目を閉じる。
闇が広がる。
目を開ける。
大河がいる。
目を閉じる。
闇が広がる。
目を開ける。
大河がいる。
どうやら、間違いでは無いらしい。
いや、これが夢か幻という線も否定できない。
「竜児、起きられる?」
そうだ、大河はこんなに優しそうに俺に話しかけてなんてこない。
「竜児?聞いてんの?ちょっと竜児?」
そうだ、これは夢に違いな……んぐっ!?
口の中に異物を放り込まれる。
シャリシャリ。
それは林檎だった
「起きたなら反応くらいしなさいよ」
少し膨れっ面の大河。
これはもう、疑う余地は無い。
「……悪い。夢でも見てたかと」
「はぁ?どういう意味?」
こういう事だけにはやたら鋭敏な動物的勘が働くのだろう。
「いや、この林檎美味いな」
ここはゴマカシモードしかない。
「まったく……」
ブツブツと何事か言いながら大河は、恐らくは俺へのお見舞い品のリンゴを自らも頬張る。
しばらくぶりに見た大河の顔は、一見何も変わらない。
確か、感染するかもしれないからあまり来るな、と言ったはずだが。
「お前、何でここに?」
「はぁ?まだ寝てんの?このお見舞い品を持って来たからに決まってんでしょ」
「それを何故お前が食べている?」
「アンタにもさっきあげたでしょ」
「一つだけな」
いつもと変わらない空気。
クリスマスイヴの晩の事が夢であったように何一つとして変わらない。
「なぁ……」
聞こうと思って、躊躇う。
俺の朦朧とした意識の中で、救急車を呼んでくれたのは大河だった……はず。
ということは、コイツは本気で俺のことを好きになろうとしてるのだろうか。
聞きたいけど聞けない。
ああ、何とでも言うがいいさ。俺はインコちゃんよりもチキンだ。
見た目と違って度胸なんてさらさら無いんだよ、畜生。
「何よ?」
「……いや、林檎もっとくれ」
「ん」
ん、と言いながら大河は、自らの口から抜いた爪楊枝で刺した林檎を一切れさし出す。
何か、稲妻が全身を駆け巡った。
これは……これはまさか!?いや、いいのか?あの晩のことを考えるとむしろ問題なしか?
俺がそう悩んでいるのが目に入ったのだろうか。
大河は急に俯き、爪楊枝の林檎を咥え、こちらに顔を……、
りゅうじはみのきけんをかんじた。
りゅうじのせんせいこうげき、さらのなかのりんごをがつがつとてづかみでたべだした!!
「あ……」
大河の何処か驚いた声が聞こえる。
驚いたのはこっちだ!!一体お前今何しようとしやがった!?
大河は何処か不機嫌そうに咥えた林檎を飲み込む。いや、噛めよ。
シャリ、と音を立てながら竜児の腹の中に消える林檎は、何処までも甘かった。
322名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 21:03:45 ID:xfP+h2HI
***

「先生、時には人生って上手くいかないなって時があると思うの」
新学期早々、我らが独神(30)はワケのわからない事を言い出した。
竜児は、全快した次の日が学校とあって、全然休んだ気がしなかった。
いや、ある意味ずっと休んでいたんだが。
「そう、恋愛に失敗したり、恋人出来なかったり、独身三十路に突入しちゃったり……でも大丈夫、中止にはならないから……予定通り、ね?」
可愛げのあるような声でみんなに愛嬌振りまく三十路は、今だ状況の説明をしてくれない。
「先生!!意味がわからないのですが!?」
こんな時こそ我らが学級委員、北村祐作。
挙手してから起立、質問と完璧なる優等生ぶりを発揮しつつ核心を尋ねる。
「沖縄で泊まる筈だったホテルが火災で無くなってしまって、修学旅行は二泊三日、雪山スキーに変更になりまーす。わーい良かったねぇ♪」
手を合わしながら笑う独神。一拍の間があり、一斉に、
「「「「えーーーっ!!??」」」」
ブーイングの嵐。
「なにそれー!?超最悪なんですけどー!?」「断固抗議する!!ナンセンス!!」「あー!!何でこんな日に限って亜美ちゃん遅刻してんだよ?亜美ちゃんならきっと何とかしてくれるのに!!」
数々のブーイングに恋ヶ窪さんちのお嬢さん(独身)は、額にビキ!!と四つ角を作り、手入れを怠らない睫毛を吊り上げながら(三十路)黒板にチョークで殴り書きを始め……ガンッ!!と最後に叩きつける。
『人生思いどおりにはなんねーぞ!』
心に染みる先達の言葉(自称お買い得の私、貴方の告白お待ちしてます)に、黙る2年C組一同だった。

***

大河と二人、夕焼けの空を背景に帰途につく。
修学旅行先が変わったからといって、日常に変化があるわけじゃ……。
「ね、ねぇ……竜児」
あるわけじゃ……。
「あの、この前の、林檎食べてた時に言ったこと、覚えてる?」
あるわけ……あるんだよな。
「……おぅ」
「そっか。ならいいんだ。実はまだ熱が酷くて覚えてません、なんて言われたらどうしようかと思った」
大河は俺の方は見ないで、ずっと視線は真っ直ぐ前を向いている。
大河は今、何処を見ているのだろうか。
あの日、あの時、あの場所で、大河は口にした。
『私……気の迷いなんかじゃないから。でも、アンタがみのりんがいいって言うなら諦める。だから私の事は気にしないで』
危うく、新たに手を伸ばした林檎を取り落とすところだった。
その日大河は、俺が何を言う間もなく帰ってしまった。
俺はメモに『お前が気の迷いか何かで俺にあんなことをしたのなら俺は今日のことを忘れる』と書いた。
でも、大河は気の迷いじゃないと言った。
俺はあの晩、どうしても大河を放っておけなかった。
大河に言った言葉は全部本当の気持ちだ。
『お前が一緒にいないなら、彼女なんて作らない』
実際問題、この言葉についてよく考えてみれば、俺は大河以外の女と一緒にいるつもりが無いんじゃねぇか。
解決策、なんて逃げるような言葉を使って自分の気持ちを隠しただけだ。
今でも、柔らかくて甘い大河の唇の感触を思い出す。
大河は一歩を踏み出してきた。北村という好きな奴がいたはずなのに。
そんな大河に、俺がこのままでいい訳がない。
そっと、手を伸ばす。背の違いなんて関係ねぇ。
「……!?」
大河は驚いて手を震わせ、握り返す事で応えてくれた。
「……修学旅行、楽しくなるといいな」
上手く伝わったかはわからない。
そのままの意味に取ったかもしれないし、俺の言いたいことがわかったかもしれない。
大河と繋がった掌は、じんわりと熱を帯びていた。

***

その姿を、たまたま目撃しているクラスメイトがいた。
「ふ〜ん、とうとうくっついちゃった、って奴?」
今日欠席していたモデル稼業の川島亜美は、面白く無そうな声とは裏腹に、晴れ渡った表情をしていた。
323名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 21:05:03 ID:xfP+h2HI
***

「よーし、これで修学旅行の班は決定だ」
我らがまるおこと北村が黒板から振り返り、手についたチョークの粉を払う。
「ちょっと、ちょーっと待って!!いや、この班割りちょっとおかしくね?」
しかし、クラスの中でただ一人、抗議の声をあげるものがいた。
「お前と亜美と香椎、逢坂と櫛枝、高須と能登、春田と俺、男女混合で九人。ウチのクラスは女子が多いし丁度の割り振りだと思うが……」
「でも、これじゃまるおとタイガー……じゃなかった、だってこれじゃあさぁ!!」
幾分染めた長い髪を揺らし、その細身で長身な体を隠そうともせず立ち上がった木原麻耶は自分の思惑と違う班割りに抗議を続ける。
その声に、跳ねた髪に眼鏡をかけた能登は、「嫌なら余所の班に行けばいいじゃん」などとさらに麻耶の思惑とズレることを言い出し口論になる。
「どうだ、高須は?」
キリが無いと思ったのか、比較的中立の立場にいるであろう竜児に、北村は発言を求めた。
「い、良いんじゃねぇか」
ちらりと、大河に視線を送ると、その視線に気付いた大河は挑発的な視線を返してくる。
それだけが、何か嬉しい。
「ちょっ!?高須君も!?」
竜児は自分の味方をすると思っていたのか、麻耶は驚く。
「そんなに嫌なら木原だけ別の班に……」
北村は精一杯の気配りを見せるが、木原はなかなか納得せず、結局、当初の予定通りの班割りとなった。

***

「え?しおりなんて作んの?」
肩近くまである髪の毛と、馬鹿の代名詞たる春田が尋ねる。
修学旅行へ行くのに、各班別にしおりなどを作ることになっていた。
「それなら、日曜日に私の家に来る?私んち割と広いし」
大河の一言で、集まる場所が決まる。

***

「ちょっ!?凄くないこのマンション?」
口々に大河の部屋の広さに驚きの言葉を漏らす。
「適当に座って。竜児」
「おぅ」
勝手知ったるなんとやら。
竜児はそれだけでキッチンへと向かい、紅茶を用意し始める。
「あ、じゃあ私手伝うよ」
竜児のいるキッチンに実乃梨も向かう。
「あ……わた「逢坂、パソコン使いたいんだが電源は……」あ、テレビの裏だよ」
大河は、自分も手伝うために立とうとしたが、タイミングを逃してしまった。
キッチンを覗くと、竜児と実乃梨が並んで紅茶を用意している。
―――ズキン―――
胸が痛い。竜児は、本当はまだみのりんが好きかもしれない。
そんな恐怖が心を埋めつくす。
二人は楽しそうに笑って、私が入る隙なんか無いように見える。
みのりんが怪獣を模したキャラクターの鍋つかみを竜児に向けながら何か言っている。
―――ズキン―――
見れば見るほど楽しそうに見える。
二人に壁なんか無いように。
みのりんもきっと竜児が好き。
もし、みのりんが竜児に気持ちを明かしたら、どうしよう。
私は、潔く身を引けるだろうか。
324名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 21:06:25 ID:xfP+h2HI
***

「ねぇ、今日みのりんと何を話してたの?」
しおりを作り終わってみんな帰って一息ついて、これから晩御飯だ、という頃になってから竜児に尋ねる。
「ん……お前のこと、かな」
「私……?」
これはちょっと予想外。
あの雰囲気で私の話が出ているとは。
「ああ、櫛枝はお前を気にしてたよ。親父さんの事があってからこの部屋に来てなかったって」
「あ……」
思い出す。
一年前、みのりんは割りと私の部屋に来てくれていた。
でも、あの父親のことがあってから私を気遣ってかあまりこの部屋には来ていなかった。
「グッジョブ、だとさ」
「???」
「櫛枝が言ってたんだよ。お前の部屋に使えるお皿があるなんて、とかな」
妙に嬉しそうに竜児は話す。
なんか、気に食わない。
「ふ〜ん、随分と仲が良くなったのね」
「そうか?まぁ話しやすくはなったな」
これ以上はその事を話したくない。
「ねぇ、今日の晩御飯何?」
「おぅ、イキナリだな。んーとコロッケとキャベツ、それに……」
妙に機嫌がいい竜児が、私の胸の痛みを強くする。
「出来たら呼んで」
それだけ言って、私はベッドに向かった。

***

「出来たら呼んで」
それだけ言って大河は居間を後にした。
「?どうしたんだ、アイツ?」
首を傾げながらも手を動かす。
今日は泰子も早出なことだし、ここで飯作って大河といる時間を増やそうと思ってたのに。
じゃがいもを剥いて、茹でる。
今のうちにキャベツを切ってラップしておこう。
テキパキと動いてるうち、昼間見た怪獣の鍋つかみが出てくる。
今日、これを持った櫛枝に言われたのだ。
『つまり君はグッジョブって事だよ高須君』
嬉しかった。大河のことで褒められる自分が。それに、
『大河のこと、宜しく頼むよ』
小さく、聞こえないように言ったつもりだろうが、確かに聞いた。
櫛枝はきっと俺たちのことを気付いてる。
もしかしたら、最初の頃の俺の気持ちも気付いていたのかもしれない。
それでも、若干俺と距離を取ったのは、勝手な俺の考えだけど俺の大河への気持ちの移り変わりに気付いたのかもしれない。
木原にも言われた。大河が他の奴とくっつくのが面白くないよね?と。
正直に言えば、相手が北村なら諦めがついていた、とは思う。
でも、面白くないのは事実だった。
だから今、ようやく俺は自分のために動けると思う。
この修学旅行で、必ず大河に、『あの言葉』を言おう。
ああ、修学旅行が楽しみだ。
325名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 21:07:48 ID:xfP+h2HI
***

辺りは一面白銀の世界。
日差しに反射した銀の輝きが眩しいくらいに瞳に焼きつく。
「うわぁ雪だよ雪!!」「ちょ〜きれ〜い」
口々に雪山の壮大な景色と美しさを言い合う大橋高校2年C組の面子たち。
胸に2−Cと大きく書かれたださいウェアに悪態をつくものもいるが、概ねこの修学旅行を楽しもうという気持ちが広がっているようだ。
「まぁまぁみんな、折角の修学旅行、楽しまなきゃ損ですよー、それじゃあみんな、せーの……ヤッホー!!」
「「「「………………」」」」
ヤッホー……ッホー……ホー……ー……。
独り身担任の声が木霊する。
一緒に叫ぶ生徒は残念ながらいない。
もしかすると、修学旅行を一番楽しみにしていたのはこの担任なのかもしれなかった。

***

スキーとは、簡単に言えばスキー板を履いて雪山の斜面を滑るだけのこと。
「おっおっおおっ!?」
それだけのはずだ。
「こ、これどうしたらいいんだ?」
しかし、竜児が思うほど事は簡単ではなかった。
隣を滑っている北村が竜児にアドバイスをしてくれる。
「いいか、斜面に対して横向きなれ」
「よ、よこ……うわぁ!?」
こけた。盛大に。
「全っ然おもしろくねぇ」
悪態を吐く。生まれてこの方スキーなんかやった事など無い。
上手く出来ないのは当たり前かもしれないが、上手く滑れないのではつまらないだけだ。
「……て!!」
ん?声が……あれは大河?
「……いて!!」
何だ大河。猛スピードのソリで俺に突進してきて。そんなに俺の傍にいたかったのか?
「どいてぇ!!」
って、
「うぉわぁぁぁぁぁっぁぁああああぁあぁ!!???」

***

「ってー……」
鼻が赤い。先程思い切り大河の乗るソリがぶつかってきたのだ。
「ご、ごめん竜児。大丈夫?」
「ああ、なんとか。っつうか何でお前ソリなんだよ?」
「別に、好きでソリに乗ったわけじゃ……」
ピン!と髪の毛の代わりに目が逆立つ。泰子、妖気が!!とか思っているわけでは無い。
「ひょっとして、お前もスキーできないんだな?」
「……何で急に嬉しそうなワケ?」
「ウチの班スキー出来ないの俺だけだと思ったんだよ〜、そうかぁお前も出来ないのかぁ。良かった良かった」
「何で良いのよ?」
「いや、そりゃ、その……お前だけビュンビュン滑ってたらカッコつかないっていうか……寂しいっていうか……」
ええい、何をいわせるかこの野郎。
大河は、はぁ?という顔から一転、徐々に頬をピンクに染め、いや赤に染め、まさに今気付きました的なアレ、そうアレだ、その、恥ずかしがって……ああもう可愛いなくそ!!
そんな、プチ幸せ空間に浸っていると、何やらリフト乗り場から喧騒が聞こえてきた。
「だからなんでアンタがしゃしゃってくんの?マジウザイ!!」
木原の本気で怒ったような顔。
楽しくなる筈の、竜児が決めた大河への「あの言葉」を言うための修学旅行の雲行きに、暗雲が立ち込みはじめていた。
326名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 21:11:09 ID:xfP+h2HI
とりあえずここまで。
途中で連投規制にかかってしまった。
大連投スマナイ。
やっぱ溜めすぎはダメかな?
続きを書いたらもうちょっと細かく投下します。
327名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 21:12:12 ID:7KlQtQrK
>>326待ってるゼ!
328名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 21:23:10 ID:tSKpjUXZ
待ってまっせ!
329名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 21:39:28 ID:FBNzLEX9
読んで、あまりにも大×竜っぽかったので。

260 :彼氏いない歴774年:2009/04/13(月) 04:45:25 ID:H/w67bfF
歩道が狭く、車通りが多いところで手を繋いで前を歩いていた男女
男「お前、もっとこっちに来なさい」
女「はいはい。寒いねえ」
男「風邪が強いな」
女「私アイスクリーム食べたい」
男「おい寒いぞ」
女「家はあったかいじゃない」
男「買って帰るかー」
かなり高齢の老夫婦だった。当たり前のように手繋いでるのが素敵だったー
男女交際とか新婚とか省いて今すぐ老夫婦になりたい。
330名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 21:57:53 ID:DibWL2lC
>>308
大河「ふぉあ、あんはをはえわふぁい(ほら、あんたも食べなさい)」
竜児「ちょ、ちょっと待て?それは何だ」
大河「ふぇ?ほんはつ(え?とんかつ)」
竜児「いやいや、それはわかる。何で俺のをお前が咥えてるんだよ?」
いや、言わなくてもわかる。コイツは俺にトンカツを食べさせようとしてくれている。ちょっと間違った方法で。
いくら食べさせてと言っても、○ッキーゲームじゃねえんだぞ?

大河「……………。」
真っ赤になった大河の顔が近づいてくる。
潤みながらもキッと見据えた瞳が、女の子にこんなことさせておいてアンタは無反応なわけ?と訴えている。
竜児「ちょ………いや、だからだな……。」
思わず右手で顔を覆い、目を逸らす。
ああわかってるさ。ここで拒絶したら、後で泣きながらその可愛いフリルソックスで踵落としを食らわせるに違いない。

目の前には目を閉じて小さな口を差し出している大河。
その目には、うっすらと涙が浮かんでいるようにさえ見える。
コイツの考えることときたら……。
ゴクリと唾を飲み込み、しばしの間をおいて男高須は目をつぶり覚悟を決めた。

うぉぉりゃああああっ………!パクッ!!

かつて、これほどまでに気合いが必要な食事があっただろうか。
その肉切れを大河から奪い取り、俺は元のポジションに………。

………ちょっと待て、ちょっと待て!!離せ!離せって!!

その可愛い口でトンカツをしっかり咥えたまま離そうとしない大河。
思わぬ展開に、高須竜児は思わず目を見開き、もう片方を咥えたまま両手を振り回して暴れる。

大河「ふぉあ!あわえうんひゃあい!(こら!暴れるんじゃない!)」
竜児「わっへおあえあはあはあいはあらお!(だってお前が離さないからだろ!)」
大河「あんはひゃんほひゃいあひょえはあえふぁい!」
竜児「ふおっ……!!!」

ただでさえ不安定な中腰だった竜児はそのままバランスを崩し、
大河の両腕を掴んだまま、彼女に覆いかぶさる形で畳の上に倒れた。
331名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 22:53:24 ID:FuAuwBrI
>>326
another storyか〜
これは面白い!
332名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 23:02:00 ID:aS6n+Yld
>>329
年老いて孫が5人ぐらいいる竜虎を想像してほっこりした。
その歳になっても大河は美しく、竜児は目付き悪いんだろうなw
333名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 23:05:09 ID:atEjhf5o
連投規制か
そんなのもあったわね
しかたない

待つとしますか


明晩くらいですかね!?
334名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 23:21:52 ID:LeXKkRO9
>>326
イイ!続きwktk。
これぐらいまとめて投下だと読みやすくていいね。
335:2009/04/14(火) 23:57:41 ID:XEWivzX7
YOU ●買っちゃいなよ
俺はいったい何をしているんだ。

大河をつれて楽しいピクニックのはずだった。それがなんてざまだ。はっきり断れば
良かったのだ。自分がしっかりしないばっかりに、大河は危険な目に遭い、服を汚し
、おまけに自分は揉め事まで起こしてしまった。落ち着いて考えてみれば、ピッチャ
ーだってわざとじゃないのかもしれない。ちょっと内側に投げたボールの手元が狂っ
たのだろう。

天気の良い日に二人で歩いて、二人でサンドイッチを食べて、二人で帰ってくる。自
分はそんなささやかな幸せすら、大河に手渡してあげることが出来ないのか。それで
いて保護者気取りか。何様のつもりだ。両足の間の土をにらみつけながら、鉄の味が
するほど唇をかみしめる。まったく使えない男だ。何が大河を幸せにするだ。

自省的で頭のいい子ども、いわゆるいい子である竜児は、そのパラノイア気味の性格
もあって、放っておけばいつまでも後悔を続ける。たぶん、マゾっ気も少しある。だ
が、その連続かつ稠密な自己否定は、グラウンドに響き渡った大河の

「たーーーーーいむっ!」

で強制中断された。ふわふわコットンの少女は、その場にいた全員の視線を背負って
まっすぐ竜児のところまで歩いてくる。そして何事か、と顔を上げる竜児の前にすっ
くと仁王立ち。

「ねぇ竜児。後であんたに話があるから。そんな顔してないで。私が帰ってくるまで
しっかり待っていて」

薄い胸を反らせてふんっと見下ろす姿は傲岸不遜。いつもどおりのわがまま大河。人
の気持ちなんか知りゃしない。そう、こいつはいつもこんな感じだ。気に入らなけれ
ば殴る、噛む、蹴っ飛ばす、ひっかく。ご意見無用の手乗りタイガー。

曲がっていた背筋をのばす。そういえば涙にくれる独身(30)の横でもこんな顔し
てたっけ。

両足に力を入れて立ち上がる。こいつに蹴っ飛ばされると不思議なことに元気が出る
。さっきまでの女々しい自己否定はどこへやら。馬上の拳王のごとき表情で大河を見
おろす。

これで文句ないか。
悪くないわね。

にやり、と口許をゆがめて笑顔を交換すると、大河は監督さんに向き直って

「すみません、ユニフォーム借りられませんか」

おお、とチームメイトがどよめく。しかしさすがに手乗りサイズのユニフォームは無
い。と、思いきや、あった。

「うちの子ので良ければあるわよ。汚れてるけど」

応援席にいたお母さんが声をかける。全員が振り向くと、横に小学生らしき男の子。
私服だが、どうやら朝に試合があったらしくお母さんの手には汚れたユニフォームが

「ああ、たけしのユニフォームなら合いそうだな」

チームメイトの一人が言うと、そりゃいい、と声が上がる。

「すみません、ご迷惑をおかけします。必ず洗って返しますので」

そう言って近づくと、親子共々ひっと声を上げて、せっかく立ち直った竜児をプチ・
ブルーに染める。

「たけし君か。ごめんな。ちょっとだけお姉ちゃんにユニフォームを貸してくれるか
?」

顔は北斗神拳だが怖くなさそうだと感じたのか、たけし君は多少もじもじしながら

「いいよ」

と、答える。その場にそぐわないブレスレットで飾り立てた手を振って静代が

「よし、大河ちゃん、あっちのトイレで着替えよう。服持っててあげるから」

声をかけたところで、今日の試合の趣旨を理解していない審判から注意が入った。

「『スーパードライ』、早くしてください!」

たちまちグラウンド全体が怒号に包まれる。

「待ってやれよ」
「いいじゃねぇか着替えくらい」
「ひどーい」
「ひとでなしー!」
「かわいそー!」
「お前の血は何色だ!」

たじろぐ審判の元に監督さんが駆け寄る。3塁の相手チーム監督にも手招き。短い三
者協議がおわり、審判がいつの間にか内野席になった護岸ブロックを埋め尽くす観衆
に向かって、静かに!と手を挙げる。

「15分間中断としますっ!」

今度は審判を褒め称える歓声が上がり、グラウンドが拍手に包まれる。静代と大河は
既に駆けだしている。

「気丈だねぇ、逢坂さん」

いつのまにか近くに立って目を細める監督さんに、竜児は

「俺なんかより、ずっと肝が据わっています」

と、相変わらず拳王の表情。

■ ■ ■ ■ 
ふわふわコットンから動きやすいユニフォームに着替え、髪をまとめた大河は、仮設
トイレから結構なスピードで戻ってきた。着ていた服を持っている静代は置き去り。

まるでよくある漫画の安っぽい設定のよう。お前をなめていたよ。こんなものをつけ
ていたんじゃ勝てそうにないな。とかなんとか。

あつらえたように少年野球のユニフォームが似合う大河に、たけし君が

「スパイク履いてみる?」

と、両手で差し出す。サイズ合うかな?と首をかしげた大河だが、恐るべし手乗りタ
イガー。小学生のシューズがぴったり。

慣れないスパイクの重さに戸惑っている大河に監督さんが声をかける。

「逢坂さん、ちょっと跳ねてみて…そうそう…じゃ、その辺ゆっくり走ってみて…今
度はブレーキの練習…よし、一旦止まってダッシュしてみようか」

静止状態から土煙を上げて猛スピードに加速する大河に、押し殺したようなうなり声
が周囲から上がる。味方を集めて再度円陣を組み、監督さんが大河に2,3指示を出
す。わくわくしながら待っている観衆をよそに、一人、敵陣ベンチのピッチャーもじ
っとその様子を見つめている。

「大丈夫だね」

無言で頷く大河をみて、監督さんが審判に合図をおくる。審判の指示に従い、「ヘビ
ースモーカーズ」の選手が守りにつき、大河が1塁に立つ。9回表。1アウト。点差
1。

興奮状態の観客が見守る中、役者はそろった。


■ ■ ■ ■ 
プロ野球なら緊迫の場面だが、本日「スーパードライ」は「へービースモーカーズ」
に、ほぼ完封を食らっており、1番からの打順など屁の突っ張りにもならない。それ
でも、ピッチャーは両手を前で構えたまま、しばらくじっとしている。バッターとに
らみ合っているのではない。1塁走者の大河とにらみ合っているのだ。

この試合、息詰まる投手戦はいつの間にかふわふわコットン少女対元高校球児になっ
ている。そしてその少女は今や戦闘服に着替え、ふわふわコットンの下に隠していた
爪を剥き出しに、マウンド上のピッチャーとにらみ合っている。

その辺の事情は観客もよく理解しており、「早くしろ!」、などと声を上げる素人は
「黙ってろ!」と観客席から追い出されていく。二重三重にグラウンドを囲んだ野次
馬と、護岸ブロックを埋め尽くす早くからこの対決に気づいた通の人々は、一瞬たり
ともこの対決を見逃すまいと固唾を飲む。

遠くで橋を渡る車の音が聞こえ、風がグラウンドを渡る。風がやんだその時、ピッチ
ャーが視線を打者に戻し、クイック・モーションに入った。

「どーりゃーーーーーっ!!!!」

爪を大地に突き立てて猛然と加速する白い弾丸は、目を疑うような前傾姿勢。瞬く間
に2塁ベースに滑り込んで衝突・停止した。よっこらせと起き上がろうとする頃にな
って、パン、と2塁に送球がくる。

うぉーっ!と歓声が巻き上がる。グラウンドのあちこちで、何人もの人が鳥肌に身震
いする。

「大河ちゃーん!きゃーきゃーっ!大河ちゃーん!大河!大河ーー!」

その場にそぐわない嬌声をあげて飛び跳ねる静代の勢いにつられて、いつの間にか応
援席から大河コールが巻き起こる。それはたちまちのうちに若干の聞き違いを呼び、
河川敷を呑み込むタイガー・コールに変わった。

タイガーッ!タイガーッ!タイガーッ!タイガーッ!

狂喜乱舞の観客から浴びせられる賞賛の嵐にも、2塁上の小柄な少女は至って冷静。
ふんっ、汚れちゃった。とでも言いそうな風情で、ぱたぱたとズボンの土を払ってい
る。さっきのホームランのはしゃぎようとは大違い。勝負の血でもたぎらせているの
か。

いつまでも続くに思えたタイガー・コールは、足場をならしていたピッチャーが構え
ると、奇跡のように収まっていく。

1人悪役のピッチャーもたいしたもので、この完全アウェイ状態の中、マウンド上か
ら2塁にいる少女をにらんでいる。

チーム・メイトが竜児を振り返る。手を振ってやんなよ。

「あいつ見てませんよ」

それでも手を振ってやる。監督さんが一言

「まずいな」

大河はベンチを見ていない。見ていたって、ブロック・サインなんか理解できるはず
も無いけど。
2塁、バッター、2塁、バッター、と小さく首を振ってピッチャーが大河を牽制する
。そして、2塁を見るタイミングと見せてクイック・モーション。

大河が猛然とダッシュし、竜児はあっと声を上げた。キャッチャーが立ち上がったの
だ。3塁は2塁より近く、しかも今度はキャッチャーが立っている。送球はさっきよ
り比べものにならないほど早い。ミットに入ったボールを、滑らかな動作でキャッチ
ャーが3塁に矢のように送球。ボールは大河を確実にしとめるタイミングで…3塁手
の頭上を飛んでいった。

ぎゃーっと悲鳴に近い歓声が上がる中、竜児だけが舌を巻く。さすが大河。たった一
度で滑り込みをマスターした。ベースに衝突する運動量を脚のバネに吸収させ、その
まますくっと立ち上がり、ぱんぱんと土をはたく。あらやだ。また汚れちゃったわ。

「大河ちゃーん走れー!」
「突っ込めー!」

渦巻く歓声と怒号の中で、今度は何?と目を丸くする大河に、飛び出した竜児が腕を
振り回して絶叫する。

「大河ーっ!走れっ!走れっ!走れっ!!!!帰って来ーーいっ!!!!!!」

そうだ、帰ってこい。ここに。

弾かれた様に3塁から飛び出した大河が、瞬時にトップスピードまで加速する。よう
やく球に追いついたレフトが、小娘をしとめんと見事な送球。しかし時既に遅し。

その日誰よりも速く塁間を駆け抜けた小さな白い虎は、ホームベースを踏むと、その
向こうで待ち構える少年の元に一直線に帰ってきた。

「竜児ーっ!」
「大河ーっ!」

びゅん、と踏み切って飛びついた弾丸少女を少年が抱きとめる。誰もが少年は倒れる
だろうと思ったが、その予想は裏切られた。寒い時期、二人が近所の橋のあたりで水
中リハーサルをやったことを知る人は、ここには居ない。

「やったーっ、竜児!私やったよーっ!」
「大河ーっ、あはははは!お前やっぱ最高だよっ!今日二点目だよっ!何て奴だ大河
っ!」
「竜児!竜児ーっ!」
「大河ーっ!」

大河を抱きかかえたまま、竜児は何度も乱暴に揺すってやる。お前は最高だ。ほんと
最高な奴だ。チームメイトに囲まれて感極まって叫ぶ二人は、だから、審判の注意に
気づくのに少し時間を要した。

まだ試合は終わっていません。

■ ■ ■ ■ 
四方からさんざん冷やかされて真っ赤になった二人は、そのままうつむいてベンチに
座っていた。

おそらくは数百人規模にふくれあがった観衆からは、まだクスクス笑いやひそひそ声
が散発的にあがっている。

とはいえ、今日はもう、これで終わりだろうと考える野次馬達は次々にグラウンドを
離れ始めている。ざわざわとした中で集中を欠くも、やはりまだ試合は終わっていま
せん。

ここへ来て、竜児は再びピッチャーの冷静さに舌を巻く。ほとんどの人が試合への関
心を失ってがやがやとおしゃべりをする中、彼は見事な投球で残りの打者を打ち取っ
た。9回表、「スーパードライ」1点追加。2対2。

「じゃ、ちょっくら守ってくるわ」
「うん、頑張って」

役目を終えた大河が、ベンチに座って顔を赤くしたまま小さく手を振る。まるで新婚
夫婦の様に初々しい二人に、応援席の奥さん達も、若き頃の自分を思い出して頬を染
める。

本日2得点の大河を見て発憤した竜児は、よし、俺も、と決意を新たに構える。ここ
で一丁かっこいいところを見せずにどうする。さあ、俺のところに打て。イチロー張
りのレーザービームでお前を射殺してやる。

と、言わんばかりの目つきで打者をにらむが、何も飛んでこなかったし、竜児の目も
レーザービームを撃たなかった。

「高須くーん!君、退場だからーっ!」

観客に笑われながら、顔を赤くして竜児は観客席に戻る。大河だけは笑わず、顔を赤
くしてうつむいていた。本当は罰金ものらしい。

結局その日、竜児は約束通り突っ立ったままでライトの仕事を終えた。試合は2対2
の引き分けで終わった。

■ ■ ■ ■ 
342名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/15(水) 06:31:35 ID:uNrwRtHu
今夜はここまで!?(´・ω・`)
343名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/15(水) 07:47:07 ID:nkCjLyg/
「なにが激安弁当だ、油もんばっかりじゃねぇか」

朝のNHKニュースを見ながら竜児が顔をしかめる。不況の折、激安弁当が
人気というニュースだが、ふたを開ければなんと言うことは無い。野菜があ
きれるほどない。「ご飯つめました。肉、入れました。野菜有りません、それが
何か?」とでも聞こえてきそうなお粗末な弁当。

あーやだやだ、見ているだけで栄養バランスが崩れそうだ。

「まったく、何でみんな自分で作らないんだよ。そうすれば安くてバランスが
って、大河、聞いてんのか、おい、」

声をかけられた大河は画面に向かって呆けたような面をさらしたまま、口を
開けている。お箸は口のところで止まったまま。

「ん?あ、ひゅうひ」
「お前、口にご飯をいれたら、ちゃんと噛めよ。ていうか、食事がおろそかに
なるならテレビ見せないぞ」
「何よえらそうに。あっ、ほら、竜児、あれ!」

と、大河が指差す画面には、さらに安い超激安弁当。

「ああ、あれ。ひどいよな。あんなの食べてたら…」
「鳥どーん、牛どーん…」
「食べながらよだれ垂らすなっ!」
344名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/15(水) 08:28:04 ID:1JwXte2Y
野球面白すぐるw
続き楽しみにしてまつ
345名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/15(水) 11:29:01 ID:INLpJWHd
>>341
微妙に活躍できない竜児、萌え

しかしうまいな。。。。
346名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/15(水) 12:46:48 ID:Aq5PGP0a
「あ」

大事にとっておいたハンバーグの最後の一口を掴もうとして箸を落として
しまった大河が声をあげた。そして箸を拾い上げて、ハンバーグの前で動
作をとめる。

箸を洗わなければならない、でも、ちょっとの間とはいえ、ハンバーグと
お別れなんて耐えられない。あと一口なのに、と、思っているのがはっき
り分かるその表情に竜児がため息をつく。

お前、早く箸を洗ってこいよ、と声をかけようとして言葉を飲み込んだ。
以前の大河なら、そのまま何事もなかったかのように下に落ちた箸でご飯
を続けただろう。自分で洗いに行くようになったのは、ひとえに竜児の教
育のたまもの。

ゆっくりとはいえ、着実に進歩を遂げるわが子、じゃなかった我が嫁の姿
に感動しつつ、一方でその「ハンバーグ…」と聞こえてきそうな口元が竜
児の気持ちを激しく揺さぶる。

「ほら、ぐずぐずするな」

ひょぃっとハンバーグの最後の一切れを掴んで口元に運んでやる。

へ?と見上げた大河が、ほほを染め、うれしげに

「あーん」

放り込まれたハンバーグの味をかみ締めながら、竜児の心をとろかす照れ
笑いで見つめ返す。

「お、お前のために食べさせてやったんじゃないからな。そ、そうだ、二
度洗いすると貴重な水資源の無駄遣いだからな。大体なんだよ、いつまで
箸おとしてんだよ、子供じゃあるまいし」

真っ赤になってつっかかる竜児を、大河がほほを染めて微笑みながら見て
いる。

統計解析を適用すれば、その後、おかずの最後の一切れの手前で大河が箸
を落とす頻度が有意に上昇したことに竜児も気づいただろう。
347名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/15(水) 13:23:12 ID:tyWFNU0Y
じゃ俺も箸落とすぜ!
348名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/15(水) 14:44:41 ID:0b+MDDiL
>>343
ありそうwてかあるw
349名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/15(水) 15:09:33 ID:Aq5PGP0a
>>348
ちなみに朝のNHKニュースは実話
350名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/15(水) 16:03:29 ID:NlUuWpCS
デレたあとの大河がもう可愛すぎておれ死亡

っつうか、元々元気でカワイイ子なんだよな
351名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/15(水) 17:45:47 ID:hJLP+bko
短編も長編も面白いな
にやにやが止まらねぇw
352:2009/04/15(水) 17:57:13 ID:vGrnHJ0L
>>346
つんドラ
353名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/15(水) 18:26:39 ID:JM1AzuUU
>>352
ナンカめちゃめちゃ寒そうだな、それ
354:2009/04/15(水) 19:02:59 ID:vGrnHJ0L
>>353
だが誰よりも大河に対して暖かいのは内緒だ
355名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/15(水) 19:05:21 ID:3s/g42+S
つんドラのタイガ
356名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/15(水) 19:52:14 ID:BtNdm2it
どっかのスレで、構って貰えない子供は無意識にドジをやるという
研究報告を大河にあてはめてた人がいたが、
この調子だと、結婚してもドジは直りそうにないなwww
致命的なのはなくなるかもしれんがー
357名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/15(水) 20:18:22 ID:ozA4PMVx
前から提唱していたが、大河のあのツンデレ的要素はどう考えても後天的なものだろ。小学生くらいまではきっと素直な子だったんだよ。

だって、あんなにも寂しがりやで、あんなにも、泣き虫なんだ。

だから、本当は素直な子なんだよ。

他にもそう思っている人はいそうだ
358名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/15(水) 20:31:24 ID:1JwXte2Y
>>357
原作中だと元々案外素直なとこあるよ。
ツンデレ趣味はないというか
むしろ嫌いな方なんだが、
大河は可愛いげのある
いい娘だと思う。
359名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/15(水) 20:51:00 ID:c168pgIm
いわゆるツンデレではないと思ってたが
チョコのシーンなんか見ると素直な奴なんだと思う
360名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/15(水) 20:57:21 ID:FQlh4XMm
アニメだと、コンビニで自分の金で買うプリンを、買っても良いかどうか竜児に聞いてお願いするシーンとかな
あれは可愛すぎ
まあ原作踏まえてだと、オヤツの喰いすぎで腹痛起こして竜児にも迷惑をかけたから、
間食を勝手に食えなくなってるって事情が有るから、可愛いだけってよりオバカだなってなシーンでもあったが
361:2009/04/15(水) 20:58:59 ID:vGrnHJ0L
実はトゥルトゥル
362名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/15(水) 21:12:22 ID:cd3awwU6
>>325続き

***

結局、あのあと木原は泣いてしまった。
修学旅行初日からこれでは、先が思いやれてしまう。
「はぁ……」
溜息が出る。
本当なら楽しい旅行で俺は大河にこうびしっと……。
「どったの高っちゃん?何か暗いよ?みんな何か今日は変じゃね?」
イマイチ空気を把握しきれない春田が能登と北村を見る。
能登と北村はまるで死んだ魚のような目をしていた。
「……はぁ、俺ちょっとトイレな」
席を立つ。
こんなんで俺、大河に「あの言葉」を言えるんだろうか。

***

「はぁ……」
席を離れ、ロビーの休憩場でも溜息。
だんだん幸福が逃げていく行く気がする。
「溜息、ゲットだぜ」
ふっと暗くなったと思ったら、そこには櫛枝実乃梨がいた。
「櫛枝?どうした?トイレか?」
「違うよ、高須君が一人で出て行くの見えたから……」
そう言いながら実乃梨は正面に座る。
「内緒のお話」
「へ?」
「喧嘩になっちゃったじゃん?能登君と麻耶ちゃん。折角の修学旅行なんだし、私としては仲良くしたいわけよ」
「そうだな」
「だからね、どうにかできないかなって。良ければ二人の仲直り作戦に付き合ってくれないかな?」
櫛枝はこういう奴なんだよな。
だから好きになったんだ。
今の俺は大河のほうが大事だけど、それでも櫛枝の輝きが減るわけじゃない。
「ああ、いいよ」
当然の返事を竜児は返す。

***

あれ?竜児がいない。
気付けば竜児が席を立っている。何処にいったんだろう?
少し気になって探してみるとロビーの休憩場に座っていた。
「りゅ……」
みのりんと一緒に。
何を話してるんだろう?耳を澄ませてみる。
『だからね……どうにか……良ければ……付き合ってくれないかな?』
『ああ、いいよ』
「!?」
今の、竜児とみのりんの会話は、そんな、まさか……。
体が震える。
間違いであって欲しい。
でも、確かに聞いた。
目の前が真っ暗になっていく。
363名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/15(水) 21:13:27 ID:cd3awwU6
***

竜児は部屋に戻っていた。
横になる。
実乃梨には手伝うと言ったが特に出来ることなど無い。
精々能登に注意を促すくらいだろう。
恐らく実乃梨も似たようなもののはずだ。
だから今考えるのは……大河のこと。
ああ、くそ。一体どうすりゃ……。
「あっれー高っちゃん寝てんのー?」「高須?」「どうした?」
そこに、同じ部屋の三人が帰ってきた。
さんざんわめかれ、しぶしぶと起き上がる。
「で?マジ何かあったのか?」
そう尋ねられ、腹を括った。

***

「「ええぇ!?もう付き合ってたのか!!?」」
「いや、その付き合うっていうか……まだその、言ってなくて……ゴニョゴニョ」
竜児は小さくなる。
「そっかータイガーは既に高っちゃんとくっついてたのかー」
「何だよ、なら俺はどうすりゃいいんだ……」
「は?何だって?」
「な、なんでもない」
口々に勝手なことを言っていく。
「あれ?でも初詣で北村とタイガー一緒じゃなかった?」
ふと、思い出したように能登が言う。
「え?あ、ああ、あれか」
「……何だそれ?」
竜児の三白眼がぎらつく。
怒っているのではない、困惑しているのだ。
「いや、たまたま逢坂と神社で会ってな。お前が寝込んでいるというから一緒に果物を買って届けてもらったんだ」
「ああ、じゃああの林檎は……」
「そう、俺と逢坂だ」
「どうりで随分たくさんあると思ったぜ」
しかし大河、北村の事、隠さなくてもいいじゃねぇか。
少しばかりの不満が胸を覆う。
そんなモヤモヤが出始めたところで、いつのまに決まっていたのか、三人は立ち上がり、
「高須、まだ言っていないと言ってたな。よし、じゃあ今すぐ言いに行こうじゃないか!!」
部屋を退出していた。

***
364名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/15(水) 21:15:35 ID:cd3awwU6
「待て待て待て!!」
慌てて止めようとする。こいつら他人事だと思って……。
どうせ昼間木原が泣いた件で行きたいんだろうが!!人をダシにするな!!
「ええい、ここまで来て往生際が悪いぞ高須氏、さぁこの扉を開いて……」
「待てーーっ!!」
必死に止めるが女の園への扉は開かれてしまう。
「討ち入りだ女子共!!いざ神妙に……あれ?」
開かれてしまうが幸いな事に、
「何だ、誰もいないじゃん。鍵も開けっ放し」
そこに女子はいなく、代わりに散乱した着替えやらお菓子やらが竜児たちを迎える。
そう、散乱した着替えやお菓子……酷く汚れ、統一性が無く、清潔ではなく、むしろ無造作に放り投げられている―――ピッカーン!!―――部屋が。
「た、高須?や、止めろ、抑えろ高須!!片付けてはいけない!!」
いち早く、親友の目の光に気付いたのは北村だった。
竜児の主婦スキルA++が特殊効果、綺麗好きを発動させる。
「むっ、靴下が奇数に……許せん!!ああっ!?お菓子こぼしてるじゃねーか!!」
竜児がそんな掃除を始めるのと同時、能登や春田も女子の私物を触り始め……ガチャ……ガチャ?
「「「「!?」」」」
今、この場にいる男子の気持ちはかつて無いほどシンクロした。
ばっと押入れに隠れる。この部屋の人間が帰ってきた―――大河?
帰ってきたのは大河一人だった。頭にバスタオルをのせて。
風呂上りの大河。ああ、なんて愛らしい……いや何考えてんだ俺。
大河は、頭にバスタオルをのせたままジュースを飲み……むせた。
「げほっげほっ『ボタタ……』……あらやだ」
むせた時に畳の上にジュースを零す。
大河はやむなく頭のバスタオ……馬鹿野郎!!それで畳拭く気か!?
大河はゴシゴシと畳を拭いた後そのままそのバスタオルを頭に……「待てぇい!!」
竜児は一人押入れから出る。出てしまう。
「え……竜児?」
「お前、それで頭拭く気か?それ今畳拭いた奴だろ?そもそも畳はな……いや、今はそんなことはどうでもいい!!」
「いや、どうでもいいって……確かにどうでもいいけど……そうじゃなくて何でアンタここに」
尋ねながら頭を再び拭こうとする大河。
「だぁーっ!?それで頭を拭くなって!!確かお前には予備のタオルを持たせたはずだな?それを出せ!!いや俺が出す!!確かこのへんに……あった!!ほら頭だせ!!」
「え……うん」
大河は素直に頭を出す。
「ったく。お前せっかく綺麗でいい髪してんのにそんな乱暴に扱うなよ。畳に零したジュース拭いたタオルなんて論外だ……あれ?この香り」
大河の頭を優しく拭く手を止め、つんと鼻につくいい香りを嗅ぐ。
「あ、気付いた?」
大河はぱぁっと明るく笑う。
「おぅ。これいつもの……」
「そっ。わざわざ持ってきたの。その……アンタがいい香りって言ってくれたから」
「あっ……いやそれは確かに、えっとその……」
手が止まる。久しぶりにお互いの顔が近くにある。この距離は……。
「そういえば、クリスマス以来……だね」
そう言って大河は、目を閉じて竜児の服を掴み、竜児の顔を見上げるように唇を向け……。
「あ……大河」
まずい、マズイ、まズい、マずい、まずイ!!!!!心臓の鼓動よ静まれぇぇ!!
ここには俺と同じ班の男が三人もいるんだぞ?そんな所で……ガチャリ……ガチャリ?
「あれー?鍵開いてる。大河先に戻ってるんじゃない?」
これは女子……ってか櫛枝達の声……!?
「ほら、やっぱり大河……と高須君?」
竜児は何でもないように大河の頭をタオルで拭いている。
「なーに?こんなとこでイチャついてたワケ?」
戻って来た女子4人組。そのうちの一人、亜美が竜児と大河を交互に見つめ、笑う。
「い、いや俺はたまたま通りすがっただけ……あー!?あれは何だ!?」
突如として大声を出し、窓の外を指差す竜児。
「「「「「え!?」」」」」
女子全員が窓の外に釘付けになった瞬間、図ったかのように押入れから男子が出てくる。
「って何もな……あれ?高須君は?」
女子連中が振り返った時には竜児の姿は無く、『何故か』押入れが空きっぱなしになっていた。
365名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/15(水) 21:24:39 ID:BtNdm2it
これはいいif
366名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/15(水) 22:04:20 ID:SbSgoDK4
>>364
神は夜と早朝に現れるんだな。
次回も楽しみにしてます!
367名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/15(水) 23:12:12 ID:NlUuWpCS
if戦記とか鳥肌が立つぐらいキライだったが

このifは イイ・・・!!
368名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/15(水) 23:51:29 ID:MibTKMHV
今日のとらドラナイター初戦
いい具合に燃え上がった
最下位くんが昔仲良しだった(?)大河を引きずりこみそうな展開になってますが何か?
369名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/15(水) 23:59:38 ID:BtNdm2it
>>368
そのむかし竜児に勝てばリーグ優勝だった試合、
仙さんが真ん中ばっかりほったのにキョどって打てずに負けた大河。
なんか、とらドラ!本編を彷彿させますなw

虎と竜は(巨人に向かって)並び立つんだ。
370名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/16(木) 01:20:17 ID:DBVlWUlp
誰かが>>355に「誰がうまいこと(ry」といってあげるべきかと
ホラ、ツンドラもタイガも、両方とも寒い地方のさ、分かるだろ?
371名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/16(木) 01:43:30 ID:mkLGoofk
大河「だが断るッ!」
竜児「やれやれだぜ…」
372名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/16(木) 04:58:18 ID:zgQ3CI5/
あ…ありのまま 今週 起こった事を話すぜ!

『おれは>>97 にインスパイアされて、プロ野球観戦話を
書こうと思ったら、いつのまにか草野球参戦話を書いていた』

おまいらおはよう。今日も異常に早く目が覚めたぜ。これが
世に言う睡眠障害なのか。
ところを変えて河川敷の広場で行われた合同打ち上げは、小さな少女の大活躍の話題
で敵も味方も持ちきりだった。ひっきりなしに知らない人に声をかけられて困った様
に笑っている大河を、竜児は少し離れたところで見守っている。

「竜児君も行ったら?」

静代に言われたが遠慮しておいた。あいつには、あんな風に多くの人の笑顔に囲まれ
る時間がもっと必要だと思う。もちろん、竜児は大河にもっともっと笑顔をあげるつ
もりだが、大河には知ってほしい。竜児以外の人たちも、大河にたくさんの笑顔をく
れるのだと。

「竜児君の活躍も見たかったなぁ」

ビール臭い息を吐いて静代が笑う。竜児はにやりと笑って

「ボールが飛んでこないのはラッキーでした」

ウーロン茶を飲む。

大河を囲む輪に敵のピッチャーが割って入る。笑顔で大河に声をかけ、大きな手を差
し出した。照れくさそうに大河が小さな手で握手をする。握手をしながらそのピッチ
ャーは、ちらっと竜児を見て、大河の耳元に笑いながら何かをささやく。大河が頬を
染める。むかっと腹が立った。お前、もう一度殺してやろうか。さっき殺し損なった
けど。などと考えているわけでは…あまりない。

そのピッチャーは竜児の腹を読んだようにこちらにウィンクを飛ばして去っていった


「あのピッチャー、すごかったですねぇ。高校球児だったんでしょ」

不愉快な奴だが、ピッチャーとしての力は認めざるを得ない。

「ああ、川島君ね。ピッチャーだったらしいね」

ぶほっ、と竜児がウーロン茶を噴いて静代に悲鳴を上げさせる。なんと言うことか。
昨年同時期に続いて今年も大河の前に立ちはだかった名前に、思わず雨雲は無いだろ
うなと青空を見上げる。

■ ■ ■ ■ 
日曜日のお昼過ぎ。

河川敷の土手の上の道を、父親らしい男と少年が歩いている。だが、少し近寄ってみ
ると男の後ろ姿は父親と呼ぶには若いようだし、野球のユニフォームに身を包んでい
る男の子はえらく髪が長い。もしも魔が差して「お子さんの野球の帰りですか?」な
どと声をかけようものなら、「あぁぁ?」っと振り返った若い男の斬りつけるような
まなざしと、フランス人形のように美しい少女の引き裂くようなまなざしに腰を抜か
すことになるだろう。

「あー楽しかった!」

大活躍した大河は、今日何回目かの「あー楽しかった」を繰り返す。そのたびに竜児


「まったく、何度思い出しても今日のお前はすごかったぜ」

今日何回目かの賞賛の言葉を吐いてニヤニヤとしている。途中ひやひやしたとはいえ
、終わってみればハプニングに富む楽しいピクニックだった。楽しすぎてまじめな顔
ができない。

「今日のピクニックは95点だな」
「あら、100点じゃないの?」

何が不満なのよ、とふくれる大河を、きゅっと顔を引き締め

「お前、サンドイッチ全部人にやっちまったろう」

竜児がにらみつける。それは…と口ごもる大河。
打ち上げの後に始まったお昼ご飯では、大河の元に次々「これ食べて」とお弁当のお
かずが差し入れられた。思わぬ好意の嵐に有頂天となった大河は、

「じゃ、これ食べて!」

と、こともあろうに竜児が作ったサンドイッチを次々に人に渡したのだ。
あのサンドイッチは、大河に食べさせるために竜児が心を込めて作ったものなのだ。
大河の奴、肉好きだからな。よし、スパイスを少し変えてやろう、あいつ、違う味だ
から喜ぶぞ。どんな顔するだろう。自分の手料理を愛する人が食べて幸せそうな笑顔
を作る。そのきわめて新婚の奥さん的な幸福を想像して身をくねらせていた竜児は、
最後の一切れがおっさんに渡されたのをみて深い絶望の淵に沈んだ。あの香辛料の大
胆な割り振りは、食べ比べなければわからないのだ。たくさん食べる大河のために工
夫したのだ。それをこともあろうにおっさん共に一切れずつ食わせるとは。豚に食わ
せる方がましだ。

ただひとり、あのたけし少年だけは父親と母親のサンドイッチを自分のと食べ比べて
目を丸くしていた。

「お姉ちゃんの作ったこのサンドイッチすごい!全部違う味がするよ!!」

…お姉ちゃんが作ったんじゃないのよ…

その場で凍り付いて消え入りそうな大河に「いいから黙ってろ。お前が作ったことに
しておけ」と自らの深い傷に耐えて優しい言葉をささやくことが出来たのは、ひとえ
に今日最後まで戦った、あの川島投手の姿から学んだ、なにがしかのおかげである。

思い出しただけで竜児の目は狂おしく光りはじめた。ああ、やっぱりあのサンドイッ
チ。畜生。なんでおっさんなんかの口に。

そうね、遺憾よね。と、例によってまったくもって他人事で片付けようとする大河に
竜児は嘆息する。まぁいい、気分の切り替えがさっと出来ないようじゃ、あの川島投
手のようにはなれねぇや。俺はあんたこそ今日のヒーローだと思ってるぜ。むかつい
たけど。

あ、そうだ。

「なあ大河、打ち上げの時、あのピッチャー何て言ってたんだ?」
「へ?あ、あれ、その」

ちょっと日焼けしたミルク色の頬をさっと染めて、大河がもじもじと

「『彼氏、なかなかやるじゃん』だって」
「そ、そうか」

つられて竜児も赤くなる。

■ ■ ■ ■ 
「ねえ竜児、帰りスドバ寄っていかない?」

土手の上の帰り道、甘えるように見上げる大河を

「だめだ」

竜児が一蹴する。今日は筋を遠さねえといけないことが二つある。さっき言ったろ。

「だって」
「我慢してくれ。わかるだろ」

わかるけど。

「今日は一日竜児と一緒だと思ったのにな」

たけし君から借りたユニフォームは、ちゃんと洗濯して返さなければならない。ご両
親は「どうせ汚れていたからこのままでいいよ」と言ってくれたが、だからといって
お尻の汚れたふわふわコットンを大河に着せて帰るのも酷だ。だからスパイクだけ返
して、ユニフォームは大河が借りたままで、そいういうわけで洗って返さないといけ
ない。早く返すためには、今日洗濯するしかない。

そしてなにより、ふわふわコットンを汚してしまったお詫びを、大河の母親にしなけ
ればいけない。

「私が謝るからいいよ」

と、大河は言ってくれた。

だが、これだけは譲れない。この先、長い人生を大河と共に歩むにあたって、筋を通
さなければならないことが無数に竜児の前に現れるだろう。それを逃げて回ることは
しない。そう決めた。だから、ちゃんとお詫びもする。洗濯もする。それがお前のた
めに俺が頑張ると決めたことなんだ。そう言われると、大河は何も言えなくなって、
小さな声で

「わかった」

とだけつぶやいた。だから、今日は早く帰る。スドバには行けない。土手の上の一本
道、子供達の楽しそうな声が遠くに聞こえる。寂しそうに黙り込む大河に竜児がつぶ
やく。

「すまねぇ。俺のせいで」
「へ?」
「俺がもっとしっかりしていたら、」
「なんでそうなるのよ」
「だって俺が」
「あんたのせいじゃないじゃない」

いつの間にか、せっかくの楽しかった日曜日の気分が消えている。せっかくのいい天
気なのに。せっかく二人っきりなのに。俺がもっとしっかりしていれば、大河は危険
な目にあわずにすんだのに。せっかくの服を汚さずにすんだのに。

夕方まで、二人で過ごすことが出来たのに。

俺さえしっかりしていれば。
「でも、俺さえしっかりしていれば」

大河が大声をあげる。

「だから何でそうなるのよ!あんったってほんっっっっっっとに」

肩をふるわせ、語気を強めていつものように「馬鹿!」とでも言う気だったのだろう
。でも、大河はそこで言葉を切った。

二人きりの土手の上。風が川面を渡る。遠くで電車の音が聞こえる。もうじき、暑い
季節が来る。

ため息をついて再び話し始めた大河は

「竜児、私さ」

つぶやくような口調。

「さっき、話があるっていったじゃない」

竜児はまっすぐ前を向いたまま。

「おう」

心なしか元気がない。

「私あんたが喧嘩してんの見て、頭の中が真っ白になっちゃった」

竜児は立ち止まったまま。土手の上の道が延びていく、まっすぐ向こうを見ている。
大河はうつむいて足下を見ている。

「変だよね。いつもなら私が真っ先に暴れてるのに」

少し、日が強い。ユニフォームに似合わないからと、竜児が持っていてやった白いつ
ば広の帽子を、大河の頭に乗せてやる。

「あんたが私のために飛びかかってくれたのが、すごくうれしくて。でも、喧嘩なん
かして怪我したらどうしようって、すごく心配で」

竜児はまだ、大河に言葉をかけられない。遠くを見ているだけ。そんなこともある。

「そしたら、いつもそうだったって思い出して」

たまには、大河の言うことを黙って聞いていたいこともある。大河の声だけを、こん
な風に聞きたい気分の時もある。
「私は、あんただけは私を助けに来てくれるかもしれないって思ってた。そしたらあ
んたは本当にいつも、私を助けに来てくれた。文化祭の時だって、殴り込みの時だっ
て、雪山の時だって、ママから逃げたときだって」

竜児が空を見上げる。大河はうつむいたまま

「大声を上げてるあんたをみて、そうだ、これからもたぶん、あんたは私のことをこ
んな風に守ってくれるんだって思ったの。なんて私は幸せなんだろうって」

最後の方は、声を少し震わせて。

竜児は青い空を見上げたまま、ようやく一言

「『たぶん』じゃねぇ。『必ず』だ」

と。

「竜児、だから私のことで、あんな顔しないでよ。私はあんたと一緒にいられて、幸
せなのよ」

帽子、かぶせるんじゃなかったな。風呂敷をぽんと道端の草の上に落として、大河の
頭から帽子を取ってやり、小刻みに震える肩を抱き寄せる。涙でぐしゃぐしゃになっ
た顔をTシャツの胸に押しつけて、大河がしがみついてくる。

「ちょっとくらい失敗してもいいのよ。私はあんたと一緒ならいいの。だから、そん
な顔しないで。笑ってるあんたが一番好きよ。あんたがそんな顔してたら、私もだめ
になっちゃう」

泣き虫め。

竜児の顔に、ちょっと困ったような、だけど優しげな笑みがようやく戻ってくる。

「すまねぇ。心配かけたな。俺はもっともっと頑張るよ」
「ばかばかばか!あんたは頑張りすぎだって言ってるのにどうしてわからないのよ」

大河が泣きながらごしごしと顔をTシャツの胸にこすりつける。竜児は、

「そうだな。頑張りすぎないように、頑張ってみるよ」

と、優しい顔で苦笑い。

涙まじりの声で大河がつぶやく。

「ばか」

土手の上。人通りがないこともない。ジョギングスタイルの男性が見ないふりで横を
走って行く。知ったことか。河川敷を渡る風の音、遠くで聞こえる野球の声。車の音
、電車の音。もうじき、虫の声も聞ける季節になるだろう。

もうじき、腕の中の大河も落ち着くだろう。

■ ■ ■ ■ 
五月の優しい風の中、二人で抱き合って立っていた。やっと落ち着いた大河が、小さ
な声で

「竜児」
「おう」
「スドバ連れてって」
「だめだ」
「なによ、乙女の涙をこんなに絞りとったくせに。冷たいんだから」

くく、と竜児がのどの奥で笑ってやり過ごす。腕の中の大河が、もう一度、小さくつ
ぶやく。

「スドバ行きたいな」

ずるい。と、竜児は思う。

わがままなくせに、甘ったれなくせに、泣き虫のくせに、大河は、竜児の心を揺さぶ
る。竜児の心臓を掴んで離してくれない。

日曜日の昼下がり。一本伸びた土手の上の道。遠くにぽつりぽつりと人の影。目の前
の河川敷は、おあつらえ向きに誰もいない。土手のこっちは住宅地だが、まぁいいだ
ろう。大して広くない竜児の背中でも、大河を隠す衝立くらいにはなる。

「お前、わがままだぞ」

精緻なガラス細工のようなラインを描くあごに指をかけて、つい、と上向かせる。さ
れるがままに上を向きながら、頬には涙の跡、瞳には狼狽の色。薔薇の蕾を思わせる
唇から小さく漏れる声を、竜児の唇がふさぐ。

くたっと、力の抜ける大河が崩れないように支えたまま、ゆっくりと口づけを交わす
。心臓がばくばくと跳ねる。頭に血が上る。唇から流れ込む甘い毒が竜児の全身を駆
け巡る。
ようやく解放されて力なく竜児の胸にしがみついた大河が、熱に浮かされたように小
声でなじる。

「昼間っからなによ。まるでバカップルじゃない」

腕の中で2,3度上昇したように思える大河の体温に心臓をどきどきさせながら、竜
児は

「ああ、そうだ。俺はきっと馬鹿だ。お前が愛しくて、愛しくて」

と、遠くを見る。

「お前のことを考えると後先どうでもよくなっちまう。まったく、どうしちまったん
だろう」

つきあい始めたらもう少し慣れるかと思ってたんだけどなぁ。空を見上げて独りごち
る。大河を想う、この苦しいほどの気持ちは、慣れるどころか今でも大きくなってい
く。

「だったら…私も馬鹿なのかな…どうしよう…」

そうつぶやく大河を見下ろす。瞳を見つめて、ゆっくりとその言葉の意味をかみしめ
る。

「俺たち、正真正銘バカップルらしいな」
「遺憾なことよね」

二人見つめ合って、微笑んで。もう一度だけ、白昼堂々の口づけ。
長い髪を束ねて少年野球のユニフォームに身を包んだ少女が、つま先立ちで伸び上が
って恋人に唇をゆだねる。草の香りをはらんだ風が、土手の上の二人を優しく包みこ
む。

この時が永遠ならいいのに、と少女は思う。でも、それは神様にもちょっと難しめの
願いだったらしい。近づいてくる自転車の音に気づいて少女は身をかたくする。

「どうしよう、人が来ちゃう」

恥ずかしさにおろおろする少女に、恋人が優しくささやく。

「隠れてろ」

隠れるところは彼の腕の中しかない。小鳥のように震えながら、ついさっき、自分を
守るために振り上げられていた腕に包まれて少女は目を閉じる。

少年は、何よりも大事な恋人を腕の中に優しく包んでやる。大丈夫だ。俺はいつだっ
てお前を守ってやる。優しげに少女のつむじを見つめて微笑むと、少年は近づいてく
る自転車に、「見るなよ」と、ガンを飛ばす。

■ ■ ■ ■ 
さんざん待たせた後に玄関に出てきた大河の母親は、思ったほど怒ってなかった。着
替えを済ませた大河が、ユニフォームを抱えて後ろで心配そうに見ていた。

「高須君、あなたにはいろいろ言いたいこともあるんだけど、今日はこの後用事があ
るの。あなたにも言い分があるでしょうから、それはまた、機会があったら聞くこと
にするわ」

竜児はきちっと頭を下げて

「はい。今日は申し訳ありませんでした。日を改めて、ご挨拶に伺います」

とそれだけ。

頭の上で漏らされた溜息の後の

「私は『言い分を聞く』って言ったんだけどなぁ」

という独り言は、ちゃんと竜児にも聞こえていた。

■ ■ ■ ■ 
383名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/16(木) 08:17:50 ID:FZUNSQyY
今回はここまで?
いいねいいね、続きも楽しみにしてるよ
384名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/16(木) 10:16:58 ID:AGgsD5GK
大河がチビでトゥルペタなのってまともな食生活してこなかったからだと思うんだ
だから竜児の手料理食べるようになって少しずつ成長するはずなんだよ
でも年齢的に身長はもう伸びないから成長してくるところは限られてくる
つまりどういうことかは書かずとも分かるはずだ
385名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/16(木) 10:26:42 ID:IMxmXfzX
食えばいらぬ所が増え
ダイエットすれば痩せたくない所から痩せていくと
386名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/16(木) 10:47:18 ID:MZ/5i0Bq
「・・・よっと」
粗方詰め込んだ段ボールを2個重ね、フウッと一息つく。
部屋の入り口まで行って、整えられた室内を見やる。
思わず漏れた笑顔を添えて。
やはり・・・いつやっても、大掃除はいい・・・。
「なにしてんの?・・・うっわ、極悪面!!」
「うわ!」
突如掛けられた声に、心臓が飛び出るほど驚いた。
「お、お前いつの間に上がり込んできた!?」
聞き慣れた声に誰何は上がらず、ただ問いただす竜児。
「あん?」
その目の前、不敵に睨むような眼差しで、みつめ返すは小さな少女。
隣のマンション住む、凶暴な手乗りタイガーこと逢坂大河が、いつの間にか自分の背後に立っていた。


『嗜好』


「窓」
簡潔且つ、ぞんざいに言い放ちながら、大河はそちらにクイッと親指を向けた。
見ると確かにカーテンがはためいている。
「・・・ホントにいつの間にだよ・・・」
ガックリと肩を落とす竜児。
それがさっき、笑っている顔を何気なく覗き込んできた大河に『うっわ極悪面!!』と言われたことに所以するのは内緒だ。
「で?なにしてんの?」
「あー。いらなくなったもん捨てんだよ」
それでもなんとか気を取り直して答えてやる。
・・・傷は癒えないままに。
「いらないもんなの?」
テポテポと部屋に入ってきながら、大河が段ボールを指差した・・・のみならず、開けだした。
「おまっ!なにしてんだよ!?」
竜児の抗議をキレイにスルーするのは流石。
開けた箱から物を取り出すのも流石。
そのまま散らかすのまで流石と言わざるをえない。
思わず額に手を当て、竜児が天を仰ぐ。
流石、傍若無人の手乗りタイガー、と。
「いらないの、これ?」
取り出されたのは、Tシャツやらジーンズ、チノパンの類。
「・・・ああ。もう古いし、小さいからな」
おまけにその生地じゃ、雑巾にも出来ないし。
何気、竜児の主婦臭い台詞を全く意に介さず、大河は嬉々として言い放った。
「じゃああたし貰うね」
387名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/16(木) 10:49:17 ID:MZ/5i0Bq
>>386

・・・は?
たっぷり2秒は間を置いてから、竜児は大きな声を出した。
「なんで!?」
「聞きたいの?」
何気なく問い返され、グッと竜児が軽く怯む。
「・・・お前、そんなん貰っても使いどこ無いだろ?普通に捨てさせろよ」
それでも最後の衿恃か、弱々しいながらも、否やを述べてみる。
が、
「いいじゃん、別に。どーせいらないんだから」
ピシャリと言われ、黙り込む竜児。
そしてご機嫌のタイガーは、相手の意見など聞く耳持たず、鼻歌混じりに竜児の古着と戯れている。
「・・・まあいいけどよ」
その、あまりにも嬉々とした態度の大河に、軽く目を逸らしながら、竜児は承諾を表す。
真っ赤になった顔を隠すように。
結局最後には折れるのは自分だ。などと、無理矢理に理由など付けてみたりして。
なぜなら大河の魂胆が分かり切っていたから。
「ふへへー。今日から寝る時は竜児の匂いと一緒だー」
「・・・やっぱりそんなとこか・・・」
・・・まったく。
何でこいつはこんなに恥ずかしいことを、臆面もなく言ってのけるのか・・・?
溜め息を吐いた竜児の顔を、大河が覗き込む。
悪戯な笑顔を浮かべて。
「ん?やきもち?」
「しねーよ。この変態」
「うん。そんで?」
温めていた反撃を、あっけらかんと肯定されて逆に竜児の顔が赤くなる。
「あはは顔真っ赤。竜児は可愛いね」
「・・・言ってろ」
指差されながら笑われて、それでも竜児は、散らかった(された?)衣類を丁寧に畳んでいく。
『表面』は憮然としながら。
「?いいよ畳まなくて。どうせベッドにばらまくんだから」
「持ち運びに不便だろーが。せめて箱に入れさせろ」
そう言って、大河の意見をブッタぎる。
「・・・几帳面て、たまに鬱陶しーわよね?」
「言ってろよ・・・」
辛辣な言葉にも笑みが浮かぶ。
なんだよ?俺こんなにドMだったのか?
そこまで考えて溜め息一つ。観念したように声を上げる。
「・・・なあ、大河」
「ん?」
なによ?と言外に隠した暴君に、上げるは白旗。
「・・・今日、俺も・・・一緒に寝ていいか?」
一瞬呆けたように、竚む大河。
その顔はみるみる砕けていって。
「やっぱヤキモチじゃん。可愛いね、竜児」
勝ち誇ったように言う大河は、蕩けるような笑顔を浮かべていて。
「いいよ。今夜は抱き締めててあげる」
そうして拡げる、両の腕(かいな)。
「・・・うるせえ・・・」言いながらも竜児は、大河の小さな身体に包まれていった。
「・・・今夜は寝かさないかも・・・」
呟いた大河の台詞に、顔を紅く染めながら。

最近、乙女竜児に萌えてますw
388名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/16(木) 12:02:00 ID:OfiPh1gC
新ジャンル「ドラゴンメイデン」
389名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/16(木) 12:09:27 ID:AGgsD5GK
>>386-387
ポワワ
390名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/16(木) 12:36:59 ID:7t8yQFGq
「ところでさ、いくら古着って言っても、ちゃんと洗濯してる
とは思わなかったのか?」
「どういう意味よ」
「だからさ、俺の匂いなんか残ってるわけないだろ。誰が洗濯
したと思ってるんだよ」
「ちょちょちょちょっと待ってよ。最初からわかってて知らな
い振りしてたの?」
「そういうことだ。参ったか」
「…」
「とにかく、今夜行くからよろしくな。あ、それから俺本人が
行くんだから、もうマフラー要らないだろ。返せよ」
「へ…そんなぁ」
「俺だって寒いんだよ。もう、お前の匂いも十分ついたろ。で、
この洗濯済みの古着はどうするんだ?もって帰るか?」
「…いらない…やっぱりいる!今夜もってきて」
「いいけど何に使うんだよ」
「竜児が私の部屋で寝るときに着るの」
「はぁ?」
「そうしたら竜児が帰った後でも私寂しくないじゃない。犬なんだ
からちゃんと匂い付けくらいしなさいよね」
「はいはい、わかりましたよ」
391名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/16(木) 12:51:41 ID:ACU3aPnl
(*´Д`)ポワワ
392名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/16(木) 12:56:23 ID:OJeiVIk6
(*´Д`)ポワワ
393名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/16(木) 13:02:51 ID:OfiPh1gC
(*´Д`)ポワワ
394名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/16(木) 13:12:35 ID:yvwmYCbm
竜児の古着を抱きしめて夜な夜な一人エッふぎゃ



大河「それ以上言うと殺すわよ。」
395名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/16(木) 13:34:15 ID:AGgsD5GK
(*|‖´Д`)ゾワワ
396名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/16(木) 14:45:02 ID:oAXZ0fuz
>>382
うひゃー!素晴らしい!
何度俺を悶え死にさせれば気が済むんだアンタは。
397名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/16(木) 15:42:14 ID:ZX/aTGTy
他スレで既出かもしれんが、
最終回で竜児の言った「デカくなったんじゃないか?」って
ひょっとして乳の事なんじゃないか?w

いあ、そうならここでネタになるんじゃないかと思って(笑)
398名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/16(木) 17:41:48 ID:OR9txcr2
これは…!
なんかイイ!
399ヒサ:2009/04/16(木) 18:17:23 ID:wMyA3uM1
>>201
本当に大喜利作ってみました。とらドラ!で。
400とらドラ!感謝祭 大喜利編:2009/04/16(木) 18:19:17 ID:wMyA3uM1
実乃梨「とらドラ!感謝祭、大喜利始まるよー!」
401とらドラ!感謝祭 大喜利編:2009/04/16(木) 18:21:32 ID:wMyA3uM1
実乃梨「さてさて、おまちかね、大喜利のコーナーだ。司会はこの私、櫛枝実乃梨(着物は紺色)、通称みのりん、がお送りするぜぇー。それではまずは、六名の、解答者メンバーの挨拶から、いっちゃうかー!?」

亜美 「わたしぃーこういうの一度やってみたかったんだぁ。他のみんなにはぁ、かなわないとおもうんだけどぉ、精一杯がんばるから、みんな、応援よろしくねっ!
(さぁ、愚民ども、この私の着物姿をその目に焼き付けるがいい!崇めてひれ伏すことを許可してやるわー!)川嶋亜美(着物は水色)でーす。亜美ちゃんって呼んでね!」

実乃梨「あーみん、なんか、ヘンなオーラでてるよ?……。まぁいいや。はい次。」

北村 「みなさん、恋をしていますか?青春してますか?われわれ去年ソフト部は男女統合しました。
ともに汗を流せば、そこから恋も友情も生まれるかもしれないぞ!ちなみにー部長は、そこにいる櫛枝――「にへへーっ」――がやっている。
頭がちょっとおかしなおねーさんだが―――「なんですと!!?」―――来たれソフト部!北村祐作(着物はピンク)は、あなたの恋と青春を応援します!」

実乃梨「北村君、あとでちょっと部室へ来てくれるかなー?ちなみに知っての通り、私の握力は50キロ(公式設定)だ。
覚悟したまへ。ふふっ……はいっ、次は大河だね。……大河?…大河どしたー?」

大河 「ききききょうは!おおおひがらもももよよく!おまおまおまねきき―――「あーほらほら、そんなに緊張するなって。」
―――そそそうね、えとえと、緊張せず…ね………気軽に…軽々しく…軽率に……尻軽に………、「あーほら、大丈夫か?深呼吸深呼吸。」―――

実乃梨「大河、なんでもいいんだよ?ちょっとした事しゃべって、名前いってもらえればいいんだって。ね?」

大河 「―――そ、そう?えと、ちょっとしたこと………!!……今日はお弁当にお肉が入っていませんでしたっ!!!!!!(赤)
…………いませんでした。……いませんでした(白)。…………あいさかたいが(着物は黄色)ですTT…………。」
402とらドラ!感謝祭 大喜利編:2009/04/16(木) 18:24:18 ID:wMyA3uM1
竜児 「前にも言ったが、いつも冷蔵庫にお肉が入っている家がいいなら、そっちの家の子になりなさい!!
…………あ……えっと、……高須です。自分で言うのもなんだが、俺、料理とかが得意なんだ。ほら、後期のエンディングでオレンジシフォンも作って
……っておい!何でみんな下向くんだよ!そんなに怖がらなくてもいいじゃ―――「高須、みんなが怖がってる、もうその辺にしとけ。」
―――……たかすりゅうじ(着物は緑色)ですTT。怖くない。怖くないんだよぉほんとはよぉ……」
大河 「ぷぷぷっ、アンタって、本当にかわいそうなやつね!」
竜児 「っるさいっ!!」
実乃梨「高須君のいいとこは、きっと、いずれみんなにもわかって貰えるよ!わかって貰えると思う…………わかって貰えるんじゃないかな?
ま、ちょっと覚悟はしておけ!なんてねwあははw」
大河 「ま、でも、いまので緊張解けたわ。……ありがとね、竜児……。」
竜児 「……おぅ///」
実乃梨「あーあぁ、早速いちゃついてくれちゃって、こおのバカップルはー!もー、ほっとこ。はい、次いくよ!次!次!次!」

403とらドラ!感謝祭 大喜利編:2009/04/16(木) 18:25:45 ID:wMyA3uM1
狩野 「狩野すみれ(着物は紫色)だ。私はなぜここにいるのだ?私は確か、アメリカ留学に行ったはずだが?
―――「「まぁまぁ、いいじゃないですか!」」―――ふっ、こういうのも、たまには面白いかも知れん。楽しませてもらおうか。
私が北(アメリカ)で育てたネタと、おまえたちの―――「先輩、意外と漫画読むのね……。」
!!―――まぁいい。ところで北村。おまえ、神様をやっているそうだな?……見ていない間に随分と成長したようだが
……私についてこれるか!?キタムラ!」
北村 「会長に逆らおうなんて、思っていませんよ。」
狩野 「ふん、どうだかな。」

実乃梨「なんか凄みのきいた紹介だったわー。さすがだねぇ。じゃ、最後はこの方、いってみよー。」

木原 「あのー、私もー、何でお呼ばれされたか、全然わかんないんですけどー。でもでもー、きっと、レギュラーとして確立したからなんだよね!?
そうなんだよね!?ね!?―――「多分ねー」―――よかったー!クリスマスのころから、あれこれアピールした甲斐があったわー!香椎には悪いけどさ。
いまどきのヒロインは、黒髪よりも茶髪のほうが多いんだよねー。なるべくしてなったんだよね!木原麻耶(着物はオレンジ)ですっ!よろしくね!」
404とらドラ!感謝祭 大喜利編:2009/04/16(木) 18:27:19 ID:wMyA3uM1
実乃梨「ンな事言うてもね?正規レギュラーはいつもの5人!君は“準”レギュラーですからーーーー残念っ!!!
……あー……はいはい。そんなに落ち込まない。後半結構目立ってたし、もしかしたら、そのうちスピンオフでお呼ばれかもよ?
―――「そう!?」――ね?OKOK!じゃ、解答者が終わったところで、座布団運びはこの人です。どぞー!」


能登 「なぁ、ということは、俺も準レギュラーとして認められたんだよな!?
―――「そうねー。」―――春田より上ってことだよな!よかったー!…いや、失礼!取り乱してしまった。
……でも、しかし、……誰かが見ていてくれる、わかってくれるってことは、救われるものだな。」

実乃梨「コラー!!私の感動の台詞をとるんじゃなーーーーーい!!」

能登 「座布団と、幸せを運ぶ“幸せ配達人”能登久光(着物は赤)だ。よろしく!」

実乃梨「しかもさらりと名古屋ローカルなネタを言いやがった!恐るべし!能登久光!」
「「「いや、わかる方もどうかと思う。」」」


405とらドラ!感謝祭 大喜利編:2009/04/16(木) 18:29:12 ID:wMyA3uM1
実乃梨「ま、以上紹介しました濃ゆいメンバーでお送りします、今回のとらドラ!。
えーとね、とらドラ!も、原作本編も大好評のうちに大団円を迎えて、あ、スピンオフはあるみたいだからねー。
で、TVも無事放送を終了いたしましたー。PSPでゲームまで出してもらえるなんてねぇ。感無量です。これもひとえに皆さんのおかげです。
ありがとうございますーーー!!(ペコり)――――――」
実乃梨「―――――そこで、きょうは特別感謝祭。出演者のみんなでなぞかけ問答などをしてみたいと思います。
いいですかーーみなさんは、最初にヒント、“○○とかけて□□ととく”といってください。私が“そのココロは?”とか合いの手を入れるからさ、
“××”と、最初の2点を結びつけてちょーだい。面白かったら座布団あげやう!ヘボかったら、遠慮なく取り上げるからねー。みんな最初は3枚からだけど、
見事、座布団10枚獲得した人には、豪華特典の用意があります!

―――「えー!?なになに!?」―――

実乃梨「今回の特典キーワードは、んふふーーーっ!
“樋口君を、自由にこき使ってよい権利”ーーーっだぁーーー!ルネッサーーーーーンス!
北村 「よくそんなの頼めたな?」
竜児 「なんか、微妙だけど、買い物とか頼めるってことだよな?」
大河 「犬はこれ以上飼えないわよ?」
木原 「付き人って、ちょっとほしいかもーー!」
亜美 「会ったことあったような……??でも興味ないしー。どうでもいいんですけどー。」
狩野 「……(困った!!?すごく欲しいかもしれん!)」
実乃梨「まぁ、軽く考えてもらっていいよー?なんでもいいからさ、思いついたら手を上げてねー。」




続きは、またー。
406名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/16(木) 18:30:22 ID:OR9txcr2
今日の銀魂、そのまま竜児と大河に当てはめてみても十分イケると思たw
407名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/16(木) 19:05:20 ID:A9I7clEA
>>397
どう考えてもそうとしか思いたくないぜ
408とらドラ!感謝祭 大喜利編:2009/04/16(木) 19:25:30 ID:wMyA3uM1
>>405 続き

実乃梨「―――っと、はい、北村君、早かったー!」
北村 「手乗りタイガーとかけまして、」
実乃梨「うんうん、手乗りタイガーとかけまして」
北村 「山椒とときます」
実乃梨「うんうん、そのココロは?」
北村 「小粒でも、ピリリと辛いです。」
実乃梨「うん、まぁ、きれいにまとめたね。お手本としてはいいかも。
ちょっと無難すぎかな?でも最初だし、1枚あげよう」
北村 「おおっ!」
実乃梨「お?大河、いくのかい?」
大河 「おうよ!」
実乃梨「じゃ、大河、いってみよー!」
大河 「とらドラ!とかけまして、米屋で売ってるものとときます!」
実乃梨「……そのココロは……」
大河 「コメでぃー!」
実乃梨「……着物だけじゃなく、中身まで木久翁さんかい?能登君、大河の1枚持ってって!」
大河 「!!!」
実乃梨「もうちょっとヒネリナサイ。ヒネリナサイ。っと、はい!たきゃすきゅん!」
竜児 「とらドラ!とかけまして」
実乃梨「高須君もかい?はい、かけましてー」
竜児 「プロ野球とときます」
実乃梨「……一応聞こうと思うが、阪神中日戦?」
竜児 「…………………あーその、なんだー。」
実乃梨「あんたたちねー!能登君!たきゃすきゅんは2枚持ってって!」
能登 「なにやってんだーおまえたちー?」
実乃梨「―――はいっ次はー、お、じゃー麻耶ちゃん!」
木原 「高須君とタイガーとかけて」
実乃梨「ほー、たっかす君と大河とかけて?」
木原 「鍋料理とときますー。」
実乃梨「して、そのココロは?」
木原 「似た者夫婦(煮た物フーフー)」
実乃梨「古典的な落語ネタだね!でもうまいうまい!
良かったから能登君、麻耶ちゃんに1枚ねー。」
能登 「へーい」
409とらドラ!感謝祭 大喜利編:2009/04/16(木) 19:27:59 ID:wMyA3uM1
実乃梨「はい、じゃ、つぎはっと、お、狩野先輩!」
狩野 「とらドラ!第1話の、逢坂と高須の出会いとかけてー」
実乃梨「狩野先輩も1巻読んでるんだねー。うん、かけてー」
狩野 「ストリートファイター2のムエタイ戦士ととく!」
実乃梨「意外だ!して、そのココロは!」
狩野 「タイガー(大河)アッパーカット!」
実乃梨「あははははwいいよいいよー!1枚!」
北村 「会長がこんなこと言う人だとは、思っても見なかった……。」
狩野 「面白ければいいんだよ!言うじゃないか!勝てば官軍!」
大河 「ねー、北村君?なんていうか、渡米して、性格少し変わってない?
ヘンな病気にでもかかってなければいいけど?」
北村 「なんか、かわった、よ、な?」
竜児 「あははははははははw」
北村 「どうした?高須?」
竜児 「狩野先輩が病気なら、大河、おまえもおんなじ病気にかかってるぞw?」
木原 「―――!!」
大×北「???」
竜×木「心臓に、毛が生えているっ!!」
竜児 「―――いてっ!」
大河 「あんたねーーーー!」
実乃梨「そこ、勝手に盛り上がらない!wあー、面白かったーwでもさ、
最終的にはやっぱリュウが勝っちゃうんだよねー。
胸の傷は、昇竜拳の痕だからねー。君らはどうなの?」
竜児 「どう解釈すればいいんだよ!?」
能登 「つまりは、キズモノにしたかどうかってことじゃないか?なぁ、高須?」
大河 「ななななななんてことことこというののの!!」
竜児 「能登!!!おまえはー!!!」
実乃梨「えーとね、でもさ、資料ごらんくださいな。原作10巻といい、
アニメ版といい、その辺の描写がいい感じにぼかしてあるのよねー?
ね?大河?実際、どうだったの?おじさん凄く興味あるぜー?
話してみ?話してみ?」
大河 「みのりんセクハラーーーーーーーーーーーー!!!」
亜美 「あー原作10巻といえばさー」
実乃梨「お、あーみん、いくかい?」



えっと、続きはまた明日。
410 ◆fDszcniTtk :2009/04/16(木) 19:49:57 ID:u4DVp5A+
>>382
ありがとう。ほんと、喜んでもらえて嬉しいよ。
力いれて書いたのはいいけど軽く引かれてる気がして

「あれ、俺このスレで浮いてなくね?浮いてなくなくね?あれ?」
「眠れないアル」
「あんた声いっしょだからってナニ他所のスレに殴りこんでるんですか」

てな感じであせってたんで、熱い感想もらえてめちゃめちゃ嬉しい。
明日の投下で終わりなんで、もうちょっと付き合ってくれ。

>>406
ご飯のくだりで番組すり替えられるよな。
411名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/16(木) 20:30:12 ID:LuoOPi7+
いや、オタクでも野球好きはそれなりにいるので心配する事ないと思う。
通勤時に読んでるので明日の朝を楽しみにしてますよん。
412 ◆fDszcniTtk :2009/04/16(木) 20:41:01 ID:u4DVp5A+
>>411
そっか。ちょっと安心だ。つーか、野球好きには粗がたくさん
見つかってそれはそれで。

>>396
前の書き込み、リンク飛ばし間違えていた。つくづく俺はドジだ。
ともかく、感想ありがとうな。
413名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/16(木) 21:36:24 ID:PxwBv8f+
堤防!?のシーン、ヨカタ
テラニヤニヤした
竜児テラコワスw
ユニフォーム姿の大河(きっと)テラカワユス♪

で、結局須藤バ行ったの?
行ったなら、チトイッチャイッチャっぷり見たかったなぁ


大河ママンの言葉の意味はチトわからないorz
どゆこと?
竜児何で怒られる?
言い分聞くって??
414名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/16(木) 21:53:22 ID:8/qiI93E
>>412のは描写も上手いし凄く良いと思う。俺の作品だすのが恥ずかしくなるくらいにイイ!
今日は昼にも良作が投下されてたな。ああいう話も好きだ。やべぇどんどんレベル高くなっていくぞこのスレ。
俺なんかが投下しても大丈夫か?でも一応続き投下
>>364続き
***

竜児は結局キスしてくれなかった。
もちろんみんなが、女子達が来たからかもしれない。
でも……違うかもしれない。
みのりんが来たから、かもしれない。
真っ暗な闇の中、横になったままゆっくりと唇に触れる。
もう夜中。
さっきまでガールズトークで盛り上がってたばかちーたちも寝静まってる。
「……竜児」
もう、あんまり感触が思い出せない。
早く、竜児を感じたい。
「……竜児」
呼吸が出来なくなるほどの口づけを交わしてぎゅーってして欲しい。
唇が、渇く。
欲しくなる。もっともっと竜児が欲しくなる。
「……竜児」
口を開いては閉じて、吸いあって、貪りあって……。
あの晩の、クリスマスの晩の時のように竜児が欲しい。
「……りゅう……じ……」
唇が冷える。求めて開き、虚しく空をはむ。
むにゅむにゅと唇だけを動かす。
何も、感じられないけど。
はぁ……と溜息。
整えた髪から、今日のシャンプーの匂いがする。
竜児が気に入ってくれたシャンプー。
竜児はすぐに気付いて、赤くなってた。
竜児は私で赤くなってた。
「はふん……」
頬が緩む。でも、やっぱり足りない。
寂しい、欲しい、もっと欲しい。
布団の中で自分で自分を抱きしめる。
でも、やっぱり違う。
竜児の中とは全然違う。
唇が飢える。あの、熱を持った竜児を求めて止まない。
体が疼く。腕の中で感じた竜児の熱、竜児の匂い、竜児の息づかい。
竜児の……『だからね……どうにか……良ければ……付き合ってくれないかな』 ……。
ドキッとする。何故今思い出したんだろう。
竜児は、『ああ、いいよ』 って……。
寒い、何だかとっても寒いよ竜児。
毛布にくるまっても、全然暖かく無い。
あの晩、裸足で外にいた時、アンタが抱き上げてくれた時のほうがよっぽど暖かかった。

「竜児……」
竜児は、私が……???
そう言えば竜児はまだ……私に言っていない。
何て事だ。私は聞いていない。どうしよう。
急に不安になる。
嫌な思いばかりが駆けめぐる。
「竜児……」
眠れない夜が明けようとしている。

***
415名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/16(木) 21:55:49 ID:8/qiI93E
「はぁ……」
溜息が出る。
結局昨日は逃げてしまった。
いや、逃げざるを得なかったんだ。
「……カッコわりぃ……」
自分で自分をけなす。
女に、大河にあそこまでさせておいてこの自分の体たらくはどうか。
朝から大河に会おうにもタイミングが合わず、スキーに出ても姿さえ確認出来ない。
「はぁ……」
もう一度深い溜息。
この修学旅行中に言おうと思った「あの言葉」が今だ言えてない。
情けない……。
ホント情けない。
俺ってマジでダメ犬なのか……?
また溜息を吐きそうになって誰かが声をかけてきた。
「おーい高須くーん!!」
ズザザァ!!
目の前に白銀の飛沫が舞い上がり、その人物、櫛枝実乃梨は止まる。
「やぁやぁ、どうしたんだい?不景気そうな顔して」
実乃梨はゴーグルを外して顔を覗き込む。
「あ、いや何でもねぇんだ。そうだ、大河見なかったか?」
「大河?大河なら一緒に降りて……?アレ?別の方に降りてっちゃった」

***

「いくぞぉ大河よ!!」
そう言ってみのりんは勢い良く斜面を滑り降りる。
「待ってよみのりん!!」
すぐにソリに乗って追いかけようと……あれは竜児?あ、みのりんが近づいた。
私はソリを止める。
何か話してる。
笑ってる。
モヤモヤする。
恐くなる。
寒くなる。
私は顔を背け、全然違う方にソリを滑らせた。
何で?竜児がいるのに?
でも、みのりんといる竜児を見たくない。
みのりんが悲しむのも見たくない。
だから勢いよく斜面を降りて……何アレ?金網?ってヤバイヤバイ止まらない!!

―――助けて、竜児―――

***

「!?今……」
竜児は振り返る。
「どうかした?高須君」
「いや、今……」
何かが、誰かが、大河が、呼んだ気がした。

***
416名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/16(木) 21:57:45 ID:8/qiI93E
「今、必死にスキー場の人達が探してくれてる。吹雪がやんだら警察も協力してくれるそうだ……高須!!大丈夫だ、きっと見つかる!!」
「あ……おぅ」
情けない返事。
外を見る。凄い吹雪だ。
吹雪いて1m先がもう見えない。
それに日も落ちた。
俺は今、ぬくぬくとホテルの中にいる。
そう、ぬくぬくと。
でも、大河はいない。
集合時間になっても、叫んでも、探しても、大河は出てこない。
ということは大河は今、この吹雪の中ということになる。
「俺があの時……大河を探していれば……」
拳を握りしめる。
一瞬、確かに聞いた気がしたんだ。
大河の助けを求める声を。
何故、何故俺は大河を探さなかった!?くそっ!!
ギラリとした三白眼で辺りを見回す。不機嫌極まって八つ当たり相手をさがしている……わけではない。
先生は……いない。
「よし」
一旦部屋に戻って紫のウェアに着替える。ニット帽も被ってゴーグル装着。準備はOK。

「で、何処へ行く気だ?」
ぎくりとする。
振り返るとそこには……同じくウェアに着替えた北村と、実乃梨がいた。
「お前等……」
「行くんだろう?俺たちも一緒に行こう」
「大河は私の大事な親友さ!!」
胸に何かが込み上げる。
友達ってのは本当に……良い物だ。
「おぅ!」

***

視界は最悪。足下もおぼつかない。
「逢坂ーっ!!」「たーいがーっ!!」
北村と櫛枝が叫んでる。俺も「大河ーっ!!」叫びながら、声が聞こえた気がする方へ向かう。
「高須、そっちは危ない!!たしか急な斜面で金網があるはずだ」
「おぅ、そうなのか……ん?」
今、金網の下の方が……!?
壊れてる。雪に埋もれてわかりにくいけど確かに壊れてる。
「北村、あの金網が見えるか?」
「金網……?すまん、視界が悪くて良くわからない」
「高須君、私見えるよ、確かに下の方が壊れてる。もしかしたら……」

***

「これは……ニット帽だ。大河のかもしれない」
金網には、帽子がひっかかっていた。
下は丁度人が転がり落ちる程度の大きさの穴。
「私、降りてみ……高須君?」
櫛枝を止める。
「俺が行く。いや、俺が行かなきゃいけないんだ。二人は大人を呼んできて来てくれ」

そうだ。俺が行かなきゃいけないんだ。
あいつは俺に助けを求めてたんだ。俺がもっと早く気付いてやらなくちゃいけなかったんだ。
急な斜面、辺りは暗く視界も悪い。
でも、だから何だと、大河が待っているんだと、自分を奮い立たせながら竜児は金網の奥へと身を投じた。

―――今行くぞ、大河―――
417名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/16(木) 21:59:12 ID:8/qiI93E
***

ゆっくりと斜面を下りながら、下へ下へ。
暗くてよく見えないけど、でもこっちだと思う。
「うぉっ!?」
雪に足を取られる。危なく転ぶところだった。
「あ……!!」
随分と降りたが、そのかいはあった。
「大河……!!」
目の前には大河が雪をかぶって倒れている。
「大河!!大丈夫か!?大河!!」
「う、うう……痛い……ころんじゃった……痛い……」
痛い。何て悲痛な叫び。寝言のように痛いと言い続けてる。
くそ!!大河が痛がってる。何でもっと早く来てやれなかったんだ!!
「待ってろ、大河!!」
大河を背負う。
斜面を、ゆっくりと登る。
「はぁ……はぁ……」
汗が頬を伝う。
息が荒くなる。
降りるのは楽でも登るのは辛い。ましてや今俺は大河を背負ってる。
でも、諦めない。早く大河を安全なところへ。
「フーッ……フーッ……」
息が荒くなって、足に力が入らなくなって……それでも、俺は登り続ける。
今辛いからなんだ。大河のためなら……「うわぁっ!?」
こけた。思いのほか足元は不安て……「ぐぁぁぁあああ!?」
腕が熱い。ドクドクと何かが流れてる。
痛い、痛い痛い痛い痛い痛い!!!!!!
腕に、木の枝が、尖った枝が突き刺さってやがる。
「ぐぁぁぁ痛ぇ……!!!!」
倒れこむ。
「……はぁ……はぁ……」
大河の吐息が聞こえる。
背中から大河の熱を感じる。
くそぅ。倒れて場合じゃ(痛い)ねぇってのに(痛い)早く起き上がって(痛い)大河を(痛い!!)……。
「くそぅ……」
だんだんと瞼が重くなる。
ゆっくりと、意識が刈り取られていく。
「た……いが……」
ふっと、頭が雪の上に落ちた。

***
418名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/16(木) 22:01:25 ID:8/qiI93E
あれ?ここは何処だろう?
真っ白い世界。いや、雪か。
雪が降っているんだ。綺麗な光に照らされて辺り一面眩しい。
でも、寒くないな。
ああ、俺スキーウェア着てるじゃん。そりゃ、寒くないよな。
この光は何だろう?ああ、クリスマスツリーか。ツリー?ってあれ?ここって家の中?
おかしいな。さっきまで外にいたと……。
「サンタさん?」
「おぅ?」
尋ねられた。目の前には小さい女の子。
「ねぇ、貴方サンタさん?」
目をキラキラさせて、傲岸不遜な態度で尋ねてくる小さい女の子。
この子は今、俺をサンタだと思っているのか?だったら……。
「おぅ」
応えてやろう。たとえ本物じゃなくてもサンタはいるんだって言ってやろう。
アイツが信じてたみたいに。
「わぁ!!本当にサンタさんっていたんだね!!私なんかでも見ていてくれたんだね!!」
喜びながらふわふわした髪を揺らして飛び回る。可愛いな。
「何か、大河を小さくしたような感じだな……」
つい漏らす。本人に聞かれたら殺されそうだ。
「呼んだ?」
「え?」
「今大河って……私の名前呼ばなかった?」
「へ?ああ、そうか」
そうか。この子は大河って言うのか。変な偶然もあるもんだ。
「そうだサンタさん!!プレゼント頂戴!!」
笑顔でなんてことを。本当に大河みたいだ。そんなこと急に言われても今持ってるものなんて……ん?
「あ……」
ポケットに手をやると、入っていた。櫛枝にあげるはずだった綺麗な髪留め。
「わぁ!!綺麗!!それくれるの?」
目を輝かせて、目の前の女の子は物欲しそうにしている。なら……いいか。
「おぅ、あげるぞ」
「わぁい!!ありがとう、サンタさん!!」
きゃっきゃっと喜んで飛び回る。まるで、俺が熊の着ぐるみを着て大河のところに行った時みたいに。
「?サンタさん黙ってどうしたの?もう帰っちゃうの?」
「え?あ、ああ」
曖昧に頷く。そもそも俺はどうしてここにいるんだ?
「えーっやだよぅもうちょっと一緒にいてよう!!」
やだやだと、大河のようにこの大河は……大河?そうだ、大河を早く連れていかないと……!!
「わかったわかった。でも俺にも用事があるんだ」
「じゃあ、また来てくれる?」
「来る、来る来る誓う」
「今度会った時私だってすぐわかる?」
「ああ、大丈夫だ」
「じゃあ、今度会った時、私だってわからなかったら、『グーで殴る』からね!!」
無邪気な笑顔でこの子はなんてことを……他人様の子とはいえ将来不安だ。他人に乱暴して迷惑をかけないかサンタとして心配だ。
「ああ……わかった。でも俺はサンタだから……そうだな」
ぽんと頭に手を乗せて軽く撫で、
「大河が良い子にしてたらまた会えるよ」
そう言ってやる。
「うん!!良い子になる!!だからまた来てね!!また会えるよね!!」
「おぅ!!」
そうやって大河の頭から手を離すと……視界が歪んで暗くなった。
419名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/16(木) 22:02:48 ID:8/qiI93E
***

血の臭いがする。
うっすらと目を開けて、あれ?
この人サンタさん?昔見たサンタさん?怪我してるの?
ああ、これはきっと夢だ。私、とうとうやばいのかな?
竜児……どうしてるかな?
あ、だめだ……瞼が重いや。

***

目を開く。どうやら歪んで暗くなったというより、ただ吹雪いて前が見えないだけのようだ。
「う……」
じくじくと腕が痛む。
そっか。怪我してたんだっけ。
さっきのは……少し気でも失って夢でも見てたのか?
でも、今はそんなことを考えてる余裕は無い。
「早く大河を……」
連れていかないと。
まだ出血が続いていることから、大した時間は気を失っていないことがわかる。多分だけど。
「フーッ……フーッ……」
息を吐きながら大河を背負い斜面を登る。
「フーッ……フーッ……」
絶対助ける。雪が、風が、自然がどんなに邪魔しようとも。
「フーッ……フーッ……」
腕が痛かろうと、足がガクガクこようと、汗で視界が滲もうと。
「フーッ……フーッ……」
そんなのに大河を思う気持ちを負けてたまるかってんだ。
「フーッ……!フーッ……!」
辛かろうが知ったこっちゃ無い。
「フーッ……!!フーッ……!!」
大河を助けるんだ!!それだけは他の誰にもゆずらねぇ!!
「……かす、……たかす……高須!!」
声が聞こえる。うるせぇな。
「……すくん……かすくん!!……!!ひどい血!!」
「……るせぇ」
あーもう、うるせぇったらない。俺は大河を助けなきゃいけないんだ。
「……高須!!何してる!!早くこっちに逢坂を……」
「あーうるせぇ!!誰も大河にさわるんじゃねぇ!!大河は……大河は俺が助けるんだ!!」
もう目がぼやけてきた。でも、そんなの関係ねぇ。大河を……。
「……大丈夫だ高須。逢坂は無事だ。良く頑張ったな」
大河を……え?大河が無事?本当か?
「あ……北村?」
いつからいたのか。目の前には北村。
「大河は無事、なのか?」
「ああ、良く頑張ったな。逢坂は無事だ」
「そ、うか……」
良かった。これでようやく一息つ、ける……。
「あっ!?」
竜児は崩れ落ちる。
腕からおびただしい出血を伴いながら。
「高須……本当にお前って奴は……」
北村は、そんな竜児に肩を貸しながら、大河同様、救助隊に竜児の身柄を託す。
すぐに、救急車のサイレンが木霊した。
420名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/16(木) 22:20:00 ID:8/qiI93E
昨日このifはイイと言ってくれた人達ありがとう。
よければもう少しお付き合い下さいませ。
続きは明日だけど。
421名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/16(木) 22:26:52 ID:PxwBv8f+
なんか…えらいことになってきたで。。。

竜ちゃん大丈夫かぇ…
422名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/16(木) 22:53:03 ID:pHiAZ9bE
ifも大喜利もいいねー
続きが楽しみだ
423名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/16(木) 23:09:31 ID:oAXZ0fuz
>>412
全然浮いてなくね?浮いてなくなくね?あれ?

じゃなくて、アナタは自信持っていいと思うんだ。だって上手いんだもの。
これが終わってもまたアナタの竜虎読めたらいいな。
424名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/16(木) 23:11:23 ID:gs+cpiDw
>>420
グジョーブ
待っているよ〜
425名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/16(木) 23:12:33 ID:GVoOHpyW
ここらで埋め
とらドラナイターsecond stageも燃え上がった、いい意味で
すみれ「高須、仙台で会おう」
竜「待ってますよ、狩野先輩」

今日は高須殿下が活躍したし、狩野捕手もレギュラー取れるかも。
可能性は低いが仙台&西宮市で遭遇てなこともあるかもしれん、冗談抜きで。
426名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/16(木) 23:13:10 ID:ZX/aTGTy
>>420
そんなもんで励みになるならいくらでも言うよ!

こ れ は い い if

明日の晩待ってるぜぃ
427367:2009/04/16(木) 23:21:02 ID:3LF6NQgp
このifは イイ・・・!!
428名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/16(木) 23:21:06 ID:OR9txcr2
よし寝るか
起きれば天国だしなw
429名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/16(木) 23:21:42 ID:3LF6NQgp
んだんだ
起きるとプレゼントが届いてるからな!!
430名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/16(木) 23:27:27 ID:MZ/5i0Bq
>>388の『ドラゴンメイデン』やら、ポワワ大量投下やら全然わからんけども(笑)読んでくれた人ありがとw
続き書いてくれた人もいたね。サンキュw
んでいちお続き書いてみたw
>>387続き 

「あ・・・のよ?」
とりあえずオズオズと声を出してみる。
「なによ?明日も学校なんだから、さっさと寝なさいよ」
「お・・・おう・・・」
用件さえ言わせてくれないのか・・・。
仕方がないと、目を瞑る。
しかし・・・これは・・・。
「・・・大河、やっぱさ・・・」
「うるさい」
「・・・」
一蹴されてまた黙り込む。
だがこれは・・・やっぱり無理だ。
そこまで考えて、意を決して起き上がろうとした。瞬間。
「起きたら殺す」
耳に響く抹殺宣言。
しかも本気の。
恐る恐る、定位置となった場所へと戻る。
大河が、不機嫌そうなのは気のせいじゃない。
もう一歩・・・いや半歩、怒らせたなら、明らかに手乗りタイガーへと変貌を遂げるだろう。
しかし。それでもこれだけは・・・。
「・・・た、大河?」
「なによ?」
お願いだ。せめて・・・。
「せ、せめて・・・お前の胸が当たらないように抱きかかえてくれないか?」
がっちりと抱きかかえられ、小さな胸に埋められた顔をなんとか上げながら俺は、それだけは聞いてくれと訴えかけた。


『趣味』


「やだ」
にべもない、取りつく島もない返事。
む、無下に断るにも、もう少し言い方があるだろう。
言い縋るように唱えてみる。
「い、いやだって、これじゃ俺眠れねーよ」
息苦しくて。
ホントの理由は他にあるのだが、それは余りに情けないので隠しておく。
「あたしは眠れる」
お前は暴君か?
あ、今更か。
「いやお前はいいかもだけどよ、せめて普通に腕に抱きつくとかなら・・・」
言っていて思う。それでもかなり厳しいものがある・・・と。
「あたしはこれがいいの」
しかしそんな俺の葛藤など知らず、こいつはこんな事を言う。
チクショウ。
男の純情、簡単に踏み躙りやがって。
しかし本当に困ったことになった。
なぜあの時あんな事を言ってしまったのか?
『なあ・・・。俺も今日・・・一緒に寝ていいか?』
今となっては後悔にしかならない。
いや、後で悔いるから後悔なのか?って、どうでもいい。
あれから、結局ダンボール2個を大河の部屋まで運ばされた。

431名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/16(木) 23:28:51 ID:MZ/5i0Bq
>>430



「ああ。そこに置いてくれたらいいわ」
そういわれて、ベッド脇へと箱を下ろす。
結構重かったので、少し息が乱れ気味だ。
「あち・・・」
額に浮かんだ汗を拭う。
やはり運動不足は否めない。
「なに?この程度で疲れてんの?」
相変わらず軟弱な犬コロねえ?
呆れたような物言いに、カチンときたが、ここで怒ろうものなら大河の思う壺だ。
「あーはいはい、軟弱で悪かったな。んじゃ、犬っころは自分の小屋へ帰るからな」
後ろ手に振りながら、そそくさとその場を後にしようとした。
これ以上つきあわされたら堪ったもんじゃない。
「待ちなさいよ」
ほらきた。
「なんだよ?言っとくがその中身しまえって話なら・・・って、おい!?」
振り返り、体よく断ろうと思ったその目の前、大河が段ボールを逆さにして中身をぶちまけていた。
ベッドの上に。
「・・・なに、してんだ?」
「これでよし」
天蓋付きのベッドの上、余りにも場違いな古びた衣服をまんべんなく広げて、大河は満足そうに頷いた。
そして、二の句が継げなくなってる俺にクルリと振り返りこう言った。
「さ、竜児。この上に寝なさい」
・・・は?
たっぷり5秒は間を置いてから、俺は大声を出した。
「な、なんでっ!?」
「聞きたいの?」
何気なく問い返されるが、当たり前だっ!・・・と、内心で怒鳴って、無言でコクリと頷いた。
大河は呆れたように盛大な溜め息をつくと、呆れたように目を細め、呆れたように言葉を紡いだ。
「・・・今日から、寝るときは竜児の匂いと一緒、って言ったよね、私?」
「あ、ああ・・・」
なんだろう?
なんだか嫌な予感が止まらない。
助けてくれインコちゃん。

※その頃のインコちゃん
「マ・・マ・・マー・・・・・・ケティング?」
惜しい!

続きは明日w
432名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/17(金) 01:37:05 ID:6dzLY8kh
>>412
あなたの作品楽しみにしてる
文章の表現力ハンパないし
ぜひ頑張ってほしい
日曜の夕刻、泰子の食事を作ってやる前に、竜児は自分の部屋にコットン・レースを
重ねた白いふわふわのワンピースと少年野球のユニフォームを並べて、ぎらぎらと怪
しく光る目を狂おしく走らせる。

ワンピースちゃん、今日はお尻のところが汚れちゃいましたね。大丈夫だよ。俺がき
れいにしてあげるからね。このまま洗濯すると砂が取れなくなっちゃうから、まず、
砂を取り出そうね。一粒一粒、きれいにとってあげるからね。それから染み抜きをし
てあげよう。ちゃんと真っ白にしてもとのふわふわにしてあげるからね。君は俺の大
切な大河の体を包むんだから、シミひとつあっちゃいけないんだ。わかるよね。

それからユニフォーム君。君もきれいにしてあげるからね。泥も草よごれもきれいに
落として、大河の香りもきれいに落としてあげるよ。たけし君はいい子だけど、俺以
外の誰にも大河の香りを教えたくないんだ。大丈夫、たけし君も俺の年になったらこ
の気持ちがわかるさ。あ、彼女が出来たらだけどね。

ワンピースとユニフォームが震えたように見えたのは、きっと窓から入ってきた風の
せいだ。

立ち上がると、竜児はスチームと染み抜き道具を出すために押し入れを開ける。今日
は久しぶりに高須流洗濯術の腕を存分に振るうことができる。浮き立つ心に我知らず
、鼻歌など歌ってしまう。

作詞作曲:高須竜児。「お洗濯の歌」

まっ白け〜な〜♪

■ ■ ■ ■ 
未知の惑星に不時着した宇宙船のクルー達による、男だらけの、しかし嫌に思わせぶ
りなサバイバル・ストーリーは、第10話になってもちっとも面白くなかった。

「おい、北村。この放送なんとかならねぇのかよ」

昼休み、机をあわせて一緒に弁当を食べている親友に竜児が愚痴をこぼす。

「まぁまぁ、愚痴るな。週2回の辛抱だ。それに生徒会は演劇部の放送に口を挟まな
いことにしているんだ。やぶ蛇になりかねないからな。なぁ」
「ああ、そうだ。『あなたの恋の応援団』が中止になるのはともかく、俺にお鉢が回
ってくると困る」

話を振られた村瀬が軽口を叩く。北村が少しむっとする。

「馬鹿をいえ、あんな人気番組が中止になったりするものか」

お前、すこしは冗談を流すことを覚えろ。と、竜児は独りごちる。それにしても、こ
のラジオドラマを聞いている生徒なんかいるのやら。潜在的リスナーと言える、かな
り特殊な趣味を持っているらしい女子の一団ですら、

「昨日、妹が友達から聞いたって言ってたんだけどさ、やくざが小学生に無理矢理キ
スしてるのを見た子がいるんだって。小学生の男の子によ!」
「ええー?!何それ任侠なのBLなのショタなの?」
「新ジャンル、キターッ!」

と、いっこうにラジオを聞く気配無し。ま、しんとなってみんなが耳を傾ける北村の
ラジオの方が異常なのだ、と考えていると北村が

「なんだ、逢坂じゃないか」

と、入り口の方に手を挙げる。竜児達をみつけて入ってきた大河は

「北村君、村瀬君」

と、手を振った後、竜児に困った様な顔をして、

「ね、一緒にお弁当食べていい?」

と聞く。かすかにざわっと、教室が揺れる。2月に大エスケープをかましたせいで、
竜児と大河の仲は3年生のほぼ全員にばれているが、ばれているから注目されなくな
るわけでもない。ぽっと顔が赤くなるのを必死で抑えて

「お、おう」

と、椅子を勧めてやる。正面に大河。やっぱいいな。俺の弁当じゃないのは残念だが
、そのお母さんの手作り弁当も気になるぞ。

「どうした逢坂、浮かない顔だな」

大河のミートボールに狂おしい視線を注いでいる竜児をよそに、北村はさすが生まれ
ついてのリーダー資質。大河の表情を読み取ってきちんとケアする。

「あのね、みのりんに追われているの」

はぁ?と竜児もミートボールから視線をあげる。
「いつも追っかけ回しているのは、お前だろ」
「うん、それがね」

ばーん!とすさまじい勢いで入り口が開け放たれ、全員が振り返った。入り口には、
噂をすれば何とやら、櫛枝実乃梨本人が立っている。そして、おぅ、と声をかける暇
も与えず

「逢坂……大河ーーーーーーーーーーーーーーっっっ!」

陽気な笑顔で大音量の雄叫びをかまし、教室にいる全員をだまらせる。続いて、どこ
で仕入れてきたのか

「殴り込みじゃあああああっっ!」

その場にいる数人に強烈なPSTDを揺り起こす一言を発した。

わざとだ、絶対わざとだ。試合で相手の気をそぐ訓練でもした成果だろうか。事実、
北村は胸を押さえて冷や汗を流しながら口をぱくぱくさせ、竜児は顔の右半分だけひ
っぱげそうなくらい引きつらせ、大河は頭を抱えて目を白黒させている。つまり、う
るさそうな3人をひとことで無力化した。事情を知っている村瀬も軽い引きつり笑顔
だ。

教師がやったら解雇モノの酷い仕打ちでその場を制圧し、実乃梨はいい色に日焼けし
た少女を従えてルンルンと教室に入ってくる。そして目を線のように細めて楽しげな
口調で

「逢坂大河ーーー出てきやがれぇ♪ あ、ここにいたのねん」

大河の後ろ襟をぐっと掴んでにっこり。

「さ、部室でお話しよ!」
「竜児〜助けて〜」

いつものまっすぐに助けを求めてくる大河の表情に竜児が我に返る。

「まて櫛枝。いったい何の用だ」
「やぁ、高須君。これから大河とご飯を一緒に食べるのだよ。貸して?」
「大河は俺たちと飯を食ってんだ。一緒にここで食ったらどうだ」

とりあえず下手に出るのは気遣い人生を送ってきた草食系男子ならでは。しかし相手
は前向きエンジン搭載の戦闘的肉食系女子高生である。

「ごめんごめん。でも私の方が先約なんだ。さ、大河、行こう!」

鎧袖一触のもとに竜児を退ける。

「やだやだ、竜児助けて!」
切迫した大河の様子に思わず竜児が立ち上がる。

「おいちょっと待て。らしくねえな。何たくらんでるんだ」

しまった、ちょっと言い過ぎた。

「みのりんは私にソフトボール部に入れって言うの」

全然言い過ぎじゃなかった!

「いやー、大河の運動センスが抜群だって知ってはいたんだけどね、まさか野球セン
スがそれほどいいとは。まったく灯台もと暗しだよ」

あっはっはと笑う実乃梨の後ろで運動部系少女が話を継ぐ。

「逢坂先輩!日曜日の試合、私見てました。あんなスチール見たことありません。惚
れました!ソフトボール部に来てください!」

お願いします!と褐色の少女が頭を下げる。ち、目撃者がいたのか。と舌打ちしてか
らたじろぐ。あの「お前最高だ!」も見られたのか。顔が赤くなった。

「大河、お前はどうなんだ?ソフトボール。したいか?」
「したくないしたくない。部活なんかしたくない。みのりん放してよ。竜児〜」
「じゃ、話は早いな。櫛枝。あきらめろよ」
「高須先輩は黙っていてください」

と、小麦色の少女が言ったのは、きっと予備知識のせいだ。実乃梨に「高須君?やさ
しいよ。全然怖くないよ」とでも普段から吹き込まれているただろう。その上日曜日
のグラウンドで全然活躍しない竜児を見た。なんだ。怖いの顔だけじゃない。見かけ
ばっかり。ある種のスポーツ少女が時におとなしい男子に抱く侮蔑のようなものが、
あるいはあったのかもしれない。

あったのかもしれないが

「ああぁ?」

と、こっちを見た竜児と目があって、反射的に一歩退いた。

目の前の上級生は、かるい前傾姿勢で机に右手をつき、左手はズボンのポケットの中
。怒りに顔を真っ赤にし、ぎらりと光る白目の中で小さな瞳がどす黒い狂気をまき散
らしている。予備知識なんか役に立たなかった。この世には学校が教えてくれないこ
とがあると今知った。乙女の防衛本能は、それまで積んできた修練を軽々と上回り、
日焼け少女に悲鳴を上げさせる。いや〜っ!その悲鳴すら、恐怖で声にならない。

「お前2年か」

ひっ、と喉の奥で音を立てるだけ。

「ここは3年の教室だ。ひっこんでろ」

櫛枝先輩の嘘つき。怖くないだなんて嘘つき!だってあの人、背景ゆがんでるよ。

自分の目が潤んでいることすら気づかないほどびびった可哀想な少女は、そのまま教
室から飛び出していった。
「高須君、うちのかわいい後輩、脅かすのやめてくんないかなぁ」

実乃梨がニカッと笑いながら、目ん球をひんむいて言う。

「なんだ、櫛枝の後輩だったのか。あんまり礼儀知らないんで帰宅部だと思ったよ」

竜児がニタァと笑いながら、目を眇めて言う。

二人とも内心まずい、と思いながら引くに引けない状況になってきた。これじゃ去年
の文化祭の二の舞だ。大河の事となると、いまいちブレーキの効きが悪い二人は、文
化祭の時に大喧嘩をやらかしてしまった。これはその状況そのものである。お互い仲
はいいんだから喧嘩はしたくない。だが、大河のことは譲れない。誰か止めてくれよ


かつての米ソ冷戦時代のごとく、にらみ合って引っ込みが付かなくなった二人を教室
にいる生徒が固唾を飲んで見つめている。パンを買ってきた生徒も教室に入るなり何
事かと目を丸くしている。一触即発。こういうとき、必要なものは両国に伍するほど
の国力と外交手腕をもった仲裁者だ。

「あ、握手ーっ!」

大河が二人の手を握って無理矢理くっける。大河、国力はともかくお前の外交手腕じ
ゃ…。それにその手は去年だめだったろう。が、しかし。と、竜児はコンマ5秒で頭
を切り換える。お前の努力は無駄にしねぇ。見てろ大河。努力ってのは報われるんだ
「そ、そうだな。喧嘩してもしょうがねぇ」

大河に握られた右手のこぶしをぱかっと開く。応じて実乃梨も

「そ、そうねぇ。ははは。おいらとしたことが、つい熱くなっちまったぜ」

二人は握手をする。

実乃梨の手のひらは、昨日の大河の手のひらと大違いだ。いったい何万回素振りをす
ればこうなるのか。実乃梨が行った努力に胸が熱くなり、ぐっと握手の手に力が入る
。しかし竜児の手のひらも、熱い鍋に鍛えられて皮が厚くなっている。負けないぜ。
ぐぐっと握手の手に力が入る。ぐぐぐぐぐ。うぉ。こんにゃろ、ちくしょ。櫛枝、も
ういいから離せ。なにいってんだよ、高須君こそ離しなよ。お前後輩泣いているぜ、
早く行って慰めてやれよ。高須君こそ、こんなに女の子の手を握ってると、大河に嫌
われるぜ。んぬぬぬ。負けてたまるか。ぐぎぎ。

しかし、手の中で何かがごりっと音を立てた瞬間、竜児は走馬燈の前で土下座してい
た。大河、お前の努力、無駄にしちまったみたいだ…

「いってーーーーーーーっ!」

つんざくような叫び声に、うぉっと実乃梨が手を離してバックステップ。それをびし
っと指さした竜児は

「大河!ソフトボールなんかだめだ!こいつみたいに怪力女になるぞっ!」

と、手乗りタイガーの二つ名で知られる学校一の暴れん坊に涙目で力説。にゃにおう
ぅと顔をゆがめた実乃梨があわてて亜美顔負けの仮面装着。ひまわりのごとき笑顔を
まき散らして

「やだなぁ、高須君冗談きついよ。私が男の子に握力で勝つわけ無いじゃない」

と、誰も信じない取り繕いをする。

「まったくお前達と来たら。喧嘩するときはいつも逢坂のことだなぁ」

いつの間にか平静を取り戻した北村が他人事のように言う。

「しかし、食事時に騒ぐのは感心しないぞ。埃が立つからな」
「「だったら早く止めろ!」」

竜児と実乃梨がびしっと北村を指して突っ込む。ぷっと村瀬が吹き出した。

■ ■ ■ ■ 
「ねぇ、竜児。今日たけし君ちに行くんでしょ?」

「おぅ、ばっちり洗濯染み抜き終わったぜ。お前のもな」

「じゃ、私も一緒に行く」

「そうか、じゃぁ俺の家によって洗濯物とってからな」

竜児のアパートは、大河の新しい家からそう離れていない。だから、よく一緒に帰る
。クラスが変わってから、以前のように毎日ではないが、結構待ち合わせをして二人
仲良く帰っている。変わったのは、一緒に買い物に行かなくなったことくらい。

泰子がまだ帰ってきていないアパートに入る。すぐ終わるので大河は玄関で待ってい
る。きれいに仕上がったふわふわコットン・ワンピースとユニフォームの紙袋を持っ
てくる。私もひとつ持つ!と大河。じゃ、こっち持ってくれよ、とユニフォームの紙
袋を渡してやる。

ふわふわワンピースを渡すと、しっかり抱えてぺちゃんこにしてしまうかもしれない
。と、いうことを大河に言わずに安全策をとる。呼吸をするように無意識に気配りが
できる竜児ならではだ。大河を略奪するつもりの男がいるならば、彼は事前に竜児を
観察し、大河のメンテナンス・コストをきちんと見積もるべきだ。

■ ■ ■ ■ 
たけし君はまだ帰ってきていなかったが、お母さんはユニフォームの仕上がりに驚い
ていた。真っ白どころの話ではない。いくらがんばっても落ちなかった草や泥、お弁
当のソースのシミまでもがきれいに落ちている。竜児は黙っているが、ほつれかかっ
ていたゼッケンもきれいに縫い直した。

「クリーニング代高かったでしょ」
「いえ、全部うちでやりましたから」

の一言が、さらに主婦を驚愕させる。竜児はお洗濯が得意なのです、と、日曜日に大
活躍した女の子が満面の笑みで得意げに胸を張る。

「すごいわ、新品みたいよ。たけしも喜ぶわね。ほんとうにありがとう」

借りたものを返しに行っただけなのに、ずいぶん感謝されて竜児は照れくさそうに笑
った。

よかった。喜んでもらえた。頑張って洗濯してよかった。

■ ■ ■ ■ 
だがしかし。

たけし少年は喜ばなかった。チームの中でただひとり新品同様に白く輝くユニフォームを
着て現れた彼は、友達からさんざん冷やかされる事となったのだ。

「お姉ちゃん、洗濯しすぎだよ」

いみじくも逢坂大河が指摘したように、頑張りすぎるのは高須竜児のよくない所である。

(天気がいいからピクニックに行こう 完)
442 ◆fDszcniTtk :2009/04/17(金) 05:41:04 ID:Oda7i+M9
全話投下完了、

みんな声かけてくれてありがとう。無事全部投下できたわ。これで頭の中の
とらドラ祭りも終わって明日からすやすや眠れるといいんだが。

>>413
スドバ行ったかどうかは、ご想像にお任せする。どちらでもニヤニヤできる
話にしたつもり。大河ママは、竜児に対して複雑な気持ちを持っていると思う。

役に立つかどうかわからんけど、リンク集張っとく

クリーム・ソーダ
>>14-22
>>26-34
>>51-57

天気がいいからピクニックに行こう
>>217-221
>>258-264
>>266-267
>>282-288
>>336-341
>>373-382
>>433-441

443名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/17(金) 06:49:27 ID:J0+n1ksp
乙ですぅ
はぁ…また一篇終っちゃった。。。


書き手さん達みなさんお話うまいので
特に長編が終わると寂しい気持ちになるわぁ


素敵な才能とセンスだと思います
いつかまたお話書いてくださいねぇ
リンクは一気読みの参考にします
(まとめサイトの人にも一役!?)





>>429氏だったっけ?
クリスマスイブのIFストーリーの人
続きは投下されてましたっけ!?
待ってますけどねぇ
444名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/17(金) 07:50:27 ID:IBkCcUT4
やはり寝る前と朝イチに来るといいねw
職人様方、竜虎分補充させてもらって、ありがてぇっす!
445名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/17(金) 08:25:40 ID:Xb/PtlYw
まとめサイトの
「いやな夢を見たわ・・」を見て
朝ッパラから会社でボッキしてしまったおれって・・

というかいつのまにか表紙絵が「にゃんにゃん」じゃなくなってザンネン
446名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/17(金) 09:06:12 ID:I5IHt7zw
(*´Д`)ポワワ
447名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/17(金) 09:08:10 ID:I5IHt7zw
>>430
ドラゴンメイデン→ローゼンメイデン
(*´Д`)ポワワ→萌えたの意
448名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/17(金) 09:09:37 ID:DK13QAcE
なじられたい
449名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/17(金) 11:05:07 ID:g0RkHAmD
>>442

ほのぼのしてていいね
450名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/17(金) 11:49:49 ID:F2BA4GFl
>>442
ずっと読んでいたくなるぐらい面白かった。
ゆゆこ本人のスピンオフ読んでるような気分だったよ。
いやしかしホントいいな。楽しませてくれてありがとう。
451名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/17(金) 12:33:50 ID:kSvmofhy
「あ〜〜疲れちゃった」

大きく伸びをして独り言を言った大河が、体を左右にひねってほぐす。日曜日の
午後3時、一緒に宿題を片付けている最中のひとコマ。一緒にといっても、3年
になって二人は別クラスなので、見せ合ってるわけでもない。ただ、朝から雨の
予報だったし、デート替わりに竜児の家で宿題を片付けている。

たとえ宿題でも二人でやると楽しい。

そろそろ眠くなってくるころあいなので、竜児も

「一休みするか。お茶出すぞ。ヨーグルトの方がいいか?」

と、立ち上がる。

「私ヨーグルト!」

ちょっと元気になった大河が明るい声で答える。

「よしよしちょっと待てよ」

と、明治ブルガリアヨーグルトを冷蔵庫から取り出し、買い置きのイチゴと一緒
にガラスのおわんに盛ってやる竜児の後ろで、大河が気分転換のネットアクセス
を始める。

高須家にはPCはないが、大河は一緒に宿題を片付けるため、PCを持ち込んで
時々調べものをしている。近所にアクセスポイントがあって、月々500円くら
いで利用できるらしい。

「ほーら出来たぞ。今日はイチゴだ」

PCの横に竜児がガラスのおわんを置こうとしたときに、

「ひっ」

と、大河が喉の奥で音を立てた。

「どうした?」

大河が凍り付いているのを見て、竜児がスクリーンを覗き込む。

「あ、竜児見ないで!」

しかし、ときすでに遅し。

「おぅ…お前…」

画面を見た竜児もフリーズ。たっぷり30秒間ふたりとも無音状態に陥る。漸く
ぎ、ぎ、ぎ、ぎ、と油がきれた機械のように首をひねって振り返る竜児に合わせ
て、大河も頬を染めて顔を背ける。

「わ、わざとじゃないのよ。ぐぐぐ偶然なのよ。ほんとよ、信じて竜児」
「お、おう。わかるよ。よく、あるよな。偶然、見ちゃうことって」
「そそそそうなの。偶然なの」

気まずい会話を交わす二人の前のスクリーンには、ちょっとだけ下世話なニュー
ス記事があった。


『女性美容師が強盗を店の地下室に閉じこめ数日間レイプする』
452名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/17(金) 13:36:00 ID:cGKE6M8f
>>420
ちょっと読んでいる途中で失礼なんだが…

すごく良いです
竜児の必死さが伝わってきて、気が付いたら目に汗が滲んでたよ
453名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/17(金) 13:55:32 ID:g0RkHAmD
>>451
乙w
それ痛いニュースで知ったわwwww
454名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/17(金) 22:04:20 ID:5thKbJ2k
まとめて見ましたが皆さん神です!
こんなにニヤニヤ癒やされるスレ無いです
細かいとこまで文章化されてるのでとっても読みやすいです!
(#^ω^#)thanks
455名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/17(金) 22:28:49 ID:rRZJ1j5V
とらドラ!第一話


竜児「…始業式までトイレで時間つぶすか」

ガラガラッ


大河「……」


ぶつからない



とらドラ!完
456とらドラ!感謝祭 大喜利編:2009/04/17(金) 22:29:47 ID:99sx4iQ7
名作ぞろいで、なんかちょっと場違いな気がしてきたが、とりあえず続き
>>409


亜美 「山盛りポテトフライとかけましてー」
実乃梨「おー?ポテトフライですかー?」
亜美 「原作10巻の逢坂さんとときますー。」
実乃梨「……あー、…なるほどね(にやり)。いくぜあーみんっ!」
亜×実「「漏(盛)るぜぇーーーーー超漏(盛)るぜぇーーーーーー!!」」
大河 「漏ってない!漏ってないわよ!全っ然っ!ギリギリセーフだったってば!!!
    あああアンタも何とか言ってよ!!」
竜児 「でも確かにアレは危なかった。」
大河 「きーーーーー////」
亜美 「まだあるわよー?ダイエットとかけましてー」
実乃梨「ほほーダイエットとかけましてー」
亜美 「高須君とタイガーの、ちょっと良いシチュエーションとときますー。」
大河 「ここここんどはななななにに!?」
実乃梨「凄いとき方だねぇ……で、気になるそのココロは……?」
亜美 「食べちゃう前に、色々と、セーブしておきたいよねぇー?ね?高須くん?」
実乃梨「ダイエット戦士としては、そのセーブデータは絶対に欲しいわー!うん!
    あーみん座布団あげるから、データよろしく!」
能登 「なんか、話がピンクいな。さっきから高須が下向いてるぞ。」
大河 「七ななにいいってるのかかかしららら!!?!?!//////////」
実乃梨「大河、あんたも茹蛸みたいだよw」
亜美 「あーーーーら?逢坂さん顔真っ赤。どうしたのかしらぁ?何か心当たりでもあるのぉ?
    あ、そっかー?国境線のこと、思い出しちゃった?それともぉー、アニメ版の方ー?」
大河 「うるさいうるさいうるさい!!ばっ、ばかちーのばかーーーーー!!!」
実乃梨「なんてゆーかさ、「瀬戸“際”の花嫁」だよねー?」
457とらドラ!感謝祭 大喜利編:2009/04/17(金) 22:30:31 ID:99sx4iQ7
>>456

竜児 「―――!!―――あーほらほら、さわぐなって!押さえて押さえて!」
実乃梨「お?高須君、大河の変わりに言い返すのだな?
    敵討ちだね?よーし、じゃ、いってみよーかー?」
竜児 「お!おぅ……ほんとは、言いたくなかったけど!……ガラクタの山とかけて!」
実乃梨「ガラクタのやまとかけて?」
竜児 「川嶋のお腹ととくっ!!」
実乃梨「あーみんのお腹?なんだろ?そのココロは?」
竜児 「いつもいっつも!無駄なものばかり溜め込んでるっ!!」
亜美 「!!ってか、ちょーーーっと!!それもセクハラだと思うんですけどーーー!サイテーーー!」
大河 「否定はしないのね?お肉は300円までって夏にあれほど言ったのに、
    ほーんと、聞く耳持たないバカチワワね。はんっっ!私の前に出てくるからそうなるのよっ!」
実乃梨「即座に言い返すとは、高須君もなかなかスペシャルな少年さねー。
    ニュータイプ素養あるかもよ?とりあえず大河と高須君に1枚ずつあげやう。」
能登 「ほれ。」
亜美 「うがーーーーーー!ちょーーーーむかつくんですけど!」
実乃梨「お、第2ラウンド勃発かー?はいっ!あーみん!」
亜美 「チビトラとかけてっ、電柱ととく!」
実乃梨「はいはい、そのココロは?」
亜美 「ムネ無し!尻無し!くびれ無し!スットーーーーン!」
実乃梨「……あのね?あーみん……あーみんは大河のどこを見ているのさ?」
亜美 「え?……なに??え?え?」
大河 「おーーーみのりん、言ったれ言ったれーーー!!」
実乃梨「大河には、ちゃんとくびれがあるんだよ!あの“足首”を見るがいい!」
    「「「そっちかよ!!」」」
実乃梨「あの足首の曲線美とニーソックスの組み合わせは、最早反則だーーーー。
    ……カモシカのような足に、ピタッとフィットした黒ニーソ!
    シンプルにして、なおかつ色気!つまりエロ!!」
大河 「みのりんやめてぇーーー!///」
竜児 「なんか、発言しづらいな///」
北村 「見てはいけないものを見たような――」
能登 「櫛枝氏って、やっぱ変わってるよなー。」
実乃梨「ん?なんか言ったかい?」
竜北能「いえいえ」

458とらドラ!感謝祭 大喜利編:2009/04/17(金) 22:33:45 ID:99sx4iQ7
>>457

実乃梨「おかしいの?っとーーじゃぁ、麻耶ちゃん。」
木原 「生徒会選挙演説のまるおとかけてー。」
実乃梨「かけてー」
木原 「絆創膏とときますっ。」
実乃梨「そのココロはいかに?」
木原 「狩野(化膿)を止めたい!」
狩野 「!!」
実乃梨「やいやい、言っちゃったよーって、ん?はいはい高須君もかい?」
竜児 「生徒会選挙演説の北村の告白とかけまして。」
実乃梨「おーまたまた北村君かい?」
竜児 「児玉清ととく」
実乃梨「なるほどね。(ごそごそ)バゲヅラバゲヅラっと
    ……して、そのココロ、いっちゃうよー!」
竜×実 「「ここはなんとしても、お答え頂きたい! 大事な!大事な!アタック!ちゃーーーーーんす!!」」
実乃梨「狩野先輩、今度はちゃんと答えてあげてよね!?返事返事―っと、はい、狩野先輩キター!」
狩野 「北村祐作とかけて」
実乃梨「うんうん!」
狩野 「スドバコーヒーのミルクととく」
実乃梨「で!そのココロは!」
狩野 「……何も言わなくても、ついて来る!  断!!言!!」
実乃梨「ひゃー、これはとんでもない発言だねぇ!しかも児玉清も絡めるとはうまいよー。
    まぁ、でも文言どうりだと、ちょっと微妙な発言……ねー。」
竜児 「北村……!」
北村 「いいんだ……とりあえず今は……」
実乃梨「そこ、男同士でしんみりしないの!みっともないよ!」
459とらドラ!感謝祭 大喜利編:2009/04/17(金) 22:34:26 ID:99sx4iQ7
>>458

実乃梨「はいはい、どんどんいくぜー。じゃ、次、北村君。」
北村 「逢坂とかけて、パチンコ台とときます。」
実乃梨「ふむ、そのココロは?」
北村 「中に“釘”がはいってます。」
実乃梨「いろいろ入ってそうだよねぇ?女学生剣士とか、貴族とかさ?今は…………タコス?」
大河 「は?」
竜児 「それ言うなら、おまえは東大生とタイヤキ泥棒だろ?」
実乃梨「さーーーて?なんのことやらねぇー?」
460とらドラ!感謝祭 大喜利編:2009/04/17(金) 22:39:27 ID:99sx4iQ7
>>459

実乃梨「じゃ、次!……えーっと、麻耶ちゃん!」
木原 「高須くんとかけてー、ローゼンメイデンとときます。」
実乃梨「はいっ、そのココロとは?」
木原 「高須君はー、キレイなシンク(真紅)が大好きー。」
実乃梨「高須君ってさ、かわいい娘が好きだよねー?大河〜男は狼なのだー。気をつけなさい。」
大河 「みのりんって、時々同年代なのか、わかんなくなるよ……」
木原 「ねぇー?そういう言い方だと、櫛枝自身も入るんじゃねー?すったもんだあったんだしさー。」
実乃梨「あひゃう!!///……いやいやいやいやいやいやいや!それそれそれはだね!一般例であってだ!
    別に私のことがどうとかだね!―――」
竜児 「わぷっ!!―――いってっー!コラ!座布団投げんな!あーもう!ホコリが舞うだろ!」
実乃梨「あ、ごめん!……ごめん…………怪我……ない…っすか……?あ、鼻血……。」
竜児 「大丈夫だよ。鼻血は心の汗だろ?治るから!……ほら、座布団もう投げるなよ?」
実乃梨「…………。///」
川嶋 「あーあ、それで、黙りこくる実乃梨ちゃんなのでしたー。」
実乃梨「麻耶の奴……麻耶の奴……麻耶の奴……!!
    ……はっ!!いやいやこんなのぜんぜん気にしてないから無問題だー!
    さーつぎいこーつぎー?えーっと、はい、そこの腹黒!」
北村 「櫛枝、お前相当混乱してるだろ……。」
亜美 「(腹黒!?いま腹黒って呼んだ!?)私が作る焼き魚とかけてー。」
実乃梨「うんうん」
亜美 「実乃梨ちゃんとときます」
実乃梨「ほへっ?私?そのココロとは?」
亜美 「ときどき焦げ付かせます。」
実乃梨「あーみん、//////いっとくけど!いっとくけどね!!
    えっと、私、そっちの気はないからね!!」
亜美 「わかってるわよー。からかってみた・だ・け!うふw」
実乃梨「うぉぉーーなめんなーーー!能登君、あーみんの2枚没収ーー!」
亜美 「ほーんと、カワイーw」
能登 「亜美ちゃん、……小悪魔?」
亜美 「うふふーw」
実乃梨「次いくよ!次!ほい狩野先輩。」
狩野 「とらドラ!とかけて、麻雀ととく。」
実乃梨「うん、で?」
狩野 「リーチ一発とらド―――!」
実乃梨「―――能登君!1枚持ってって!」
狩野 「な・ん・だ・と!?」
実乃梨「ま、狩野先輩はともかく、あーみんならウラがあって跳ね飛ばしそうだよね。」
亜美 「ちょっとー、聞こえてるんですけどー!」
実乃梨「でもさ、さっきも言ったけど、もうちょっとひねりなさい!たとえアニキといえど、
    ようしゃしねーぜー!?」

461とらドラ!感謝祭 大喜利編:2009/04/17(金) 22:43:42 ID:99sx4iQ7
>>460

実乃梨「はいっ大河!」
大河 「機動戦士ガンダムVSガンダムのサイサリスとかけまして!」
実乃梨「ほほー?2号機かね?ガンVSガンのサイサリスとかけて?」
大河 「休学明けに、私がゆりちゃんに言った言葉ととくー!」
実乃梨「え、ゆりちゃんになんか言ってたの?」
大河 「えー……コホンっ。」


大河 「独(ソロ)者(モン)よ!ぅ私は帰ってキターーーーーーーーーー!」


実乃梨「その発言のどギツさはアトミックバズーカー並みだぜー。ゆりちゃん一発で落ちちゃうよ。
    能登君ーー、大河の1枚持ってって!」
能登 「悪いな。タイガー。」
大河 「えーーー!?なんでーーーー?」
実乃梨「ダメなものはダメ!言うとだね、大河。私の愛機はヴィクトリーなのだよ。
    (ただ作者の愛機です。公式ではありませんので)2号機は対象外なの。
    そういうふうにできてるの。」
木原 「櫛枝ってさ、ほんとマニアックな機体を選ぶんだねぇ……。」
大河 「そんなのって、そんなのって、ないですよ!おかしいですよ!クシエダさん!!」
実乃梨「大河、あたしが、全身全霊で愛してあげるよ!!能登君!やっぱもう1枚持ってって。」
大河 「うあーーーーーーーー!」
実乃梨「抵抗しなければ、取らなかったんだぞ!そういうこと、わかってよ!そういうことー!」
木原 「さっきから思うんですけどー。ガンダムで、よくここまでできるわー。感心しちゃうんですけどー。」



とりあえず、続きはまた。(ちなみに優勝者とオチは出来てます)
462名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/17(金) 22:56:06 ID:0hUfOmIt
前から感心して見てたが、この人天才じゃなかろか>>461
よくもまあ そんなにネタがポンポン出てくんなぁ・・すげえ
いや 感心感心
463名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/17(金) 23:44:51 ID:IBkCcUT4
マジでネタの宝庫だなw
毛色が違うがこんなのもありだね
464名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 00:07:23 ID:bNBBG8rx
ifを書いてる者だが、大喜利盛り上がってるな。ちなみに俺はデスティニー派だ。
そしてスマナイ!口約を果たせなかった。
いろいろ忙しくてこれから続き書くからまだしばらく続きは待ってくれ、いや待ってください!
恐らく今日の昼間、遅くとも夕方には必ず……!
感想くれた人ありがとう!
いくらでもイイと言うと言ってくれた人、胸にマジじんときた。
竜児の必死さが伝わると言ってくれた人、上手く伝わって良かった。ありがとう。
ではもうしばらく待って下され、仮眠ののち書いて投下いたしまする。
465 ◆fDszcniTtk :2009/04/18(土) 00:20:59 ID:kKtxIKqP
>>450
ありがとう!
ゆゆこの文体とか技法とか意識して書いたので、似ていると思ってくれたのなら
すごく嬉しい。
466名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 00:25:29 ID:NgWbylB+
>>464
楽しみに待っていまする!
467名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 00:47:08 ID:mkcHliBZ
しかし このスレには一体何人の神がいるんだ
468名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 00:57:11 ID:IC7O9ajl
>>461
あんた天才だよw
続き待ってるぜwww
469名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 01:40:06 ID:mnh63n7j
ここは職人さんも読み手もいい人ばっかで良いわ〜、癒される。
書き手さん一人一人にレスつけると長くなるので避けるが、
皆さん大好きです(´ω`*)
470名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 01:40:07 ID:RUOsjCei
>>464
無理しないでね!
471名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 02:07:24 ID:mrtxo/pY
>>464
仮眠とか大丈夫か?
素で心配だぜ
無理すんなよ?
少しくらい遅れても大丈夫だから
体には気をつけて

ファンより
472名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 02:13:50 ID:U0Y+AdOb
野球、大河の打球音はグワゴラガキーンだよな。
はっぱと学帽もつけたい気分。
473名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 02:36:21 ID:SejkeeDz
>>464
無理に焦らずゆっくり良いもの書いてくさだい!
何日でも正座して待ってるぜ。



最近、絵師は全く来なくなっちゃったね…
474名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 06:27:08 ID:Z8Dxk8VX
>>473
一番新しい投下絵に反応示した人がいなかったからじゃね?
ちなみにSSのクリームソーダを意識した絵だと記憶してるが。
475まとめの人 ◆SRBwYxZ8yY :2009/04/18(土) 10:05:14 ID:sTFHnXYA
         ,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
         (.___,,,... -ァァフ|          あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
          |i i|    }! }} //|
         |l、{   j} /,,ィ//|       『おれは神たちのSSを読んでいたと
        i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ        思ったらいつのまにかまとめサイトを更新していた』
        |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |
       /´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人        な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
     /'   ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ        おれも何をしたのかわからなかった…
    ,゙  / )ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉
     |/_/  ハ !ニ⊇ '/:}  V:::::ヽ        幸せすぎてどうにかなりそうだった…
    // 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
   /'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐  \    催眠術だとか脳内麻薬だとか
   / //   广¨´  /'   /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ    そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
  ノ ' /  ノ:::::`ー-、___/::::://       ヽ  }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::...       イ  もっと素敵なものの片鱗を味わったぜ…
476名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 10:22:11 ID:SLPIHsua
  ,,⊂⊃.、
 (,(´・ v ・) まとめ乙です
  [U iii )
   UU
477名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 11:10:53 ID:mkcHliBZ
書き手も書き手なら、まとめも神か!!
お疲れ様神
478名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 11:40:23 ID:kKtxIKqP
>>475
まとめお疲れ様です。まとめ読みができると嬉しいですね。

ちょっと提案ですが、
http://tigerxdragon.web.fc2.com/SS/300.html

は、

>>293
>>294

も含めたほうが、スレのノリのよさが出て面白いんじゃないかな?

479名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 12:27:18 ID:mkcHliBZ
プールんときの
何がギシギシいってんだよ
と同じだな!w
480名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 13:40:30 ID:bNBBG8rx
>>419続き

***

「フーッ……フーッ……」
大河を助けなきゃ……腕が痛い。
「フーッ……フーッ……」
大河が苦しんでるんだ……腕が痛い。
「フーッ……フーッ……」
早く大河を……腕が痛い

***

「大河ぁーーーっ!!!!って痛!?」
大声を張り上げ立ち上がり、腕を抑える。気付けば今はHR中。
「あ……すいません。寝ぼけてて……」
ペコと頭を下げ着席する。怪我をした腕がまだじぃんと痛む。
「い、いいんですよ高須君。そうよねぇ仲良しの逢坂さんが大変だったもんね。ウンウン」
竜児の起立から驚いた顔をしていた担任(30)が納得したように頷く。
「そうだぞ高須。仕方ないさ」
親友(眼鏡)もウンウン。
「そうだよね、高須君がんばってたもんね」
男女ソフトボール部部長もウンウン。
しまいにゃクラス全員がウンウン。いや、みんな頷きすぎだろ。
教室に居づらくなった竜児は、HR終了のチャイムと同時に教室を出た。

***

ビュウ!と風が吹く。屋上の給水塔の足場に背中を預けながら自らの右腕を見やる。
制服に隠れて見えないそれには白、い包帯が巻かれている。
「十三針……だっけ」
十三針。それは竜児の腕を縫いつけた針数。
予想以上に複雑に酷く木の枝が刺さっていたらしい。
『君はこれからリハビリしても、重い物……そうだな、80kg以上のものとなると持ち上げられないだろう』
医者の話によると、繋げた神経がボロボロで無理に持ち上げれば腕が使い物にならなくなるということらしい。
けど、別にこれからの人生、80kg以上の物を持ち上げられないからといって特段問題は無いだろう。
「……高須、こんな所にいたのか」
そう、腕を見ながら考えていると、この学校一多忙な男、と言っても過言ではない北村が来た。
「おぅ」
「腕は大丈夫か?」
「ああ、まぁ……何とか。これから先、80kg以上の物は持つなって言われたけどな」
「……そうか」
北村がしゅんと沈む。
「おいおい、北村が気にする事なんてないぞ?俺の不注意だしな」
笑ってみせるが北村は俯いたままだ。
「しかし、俺がお前を一人でいかせなければ「ストップ」」
北村の苦言を止める、正直、そんな風に思われるとこっちが恐縮してしまう。
「止めようぜ、そういうの。俺は無事だったし、大河も無事だったらしい、んだろ?」
「あ、ああ。先生の話だと体調を崩して母親の所で静養しているらしいが……お前は連絡とってないのか?」
意外だとばかりの声色。
「携帯繋がんねぇんだ」
そう、大河は学校に来ていない。連絡も無く、携帯にも繋がらない。
「そうか……」
北村は眼鏡を外してレンズを拭く。吹いている風がだんだん強くなってきた。
「なぁ北村、お前俺の怪我にそんなに責任感じんのか?」
「それはそうだろう?俺は学級委員だし、何よりお前と一緒に一時あの場にいたんだから……」
やっぱりそうか。でも、だとしたら困るんだ。困るから……そうだな。
「北村、お前に一つ頼みがある」
「頼み……?どうした?」
北村は、この時の意外な竜児の頼み、「大河を助けたのは北村」という嘘をきくことにした。
481名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 13:42:04 ID:bNBBG8rx
***

「悪いな、変なこと頼んで」
北村と二人、屋上から出て階段を下りる。外は寒いし、特段いる必要も無い。
「それは構わないが……本当にいいのか?」
「あぁ、そうして欲しいんだ」
なら良い、と北村は再度頷く。
これで大河は……「高っちゃぁん♪」……春田?
階段を降りきったところで、後ろから春田に声をかけられる。
「これからイイトコいかね〜♪いつまでもタイガーのことばっか考え……むぐぅ!?」
「バカ!!ははは……なんでもないなんでもない。一緒にあの行列の出来るラーメン屋、にでも行こうぜ」
春田の口をおさえるようにして現れたのは能登。
どうやら、これは俺に気を使ってるらしい。

***

「うぃー寒っ!!前の奴ら遅すぎじゃね!?」
春田が足を動かし体を温める。俺は能登と春田からの誘いで行列の出来るラーメンを食いにきた。
ちなみに北村は、生徒会があって来られない事に少し残念そうだった。
しかし、かれこれ何十分待っただろう?この寒空の下で待たされるには春田の言うとおり些か長すぎる。
どれだけ美味いラーメンなのかは気になるところ(もちろんその味はばっちり覚えるつもりだ!!)だし、ここまで来て食わずに帰るなんてもってのほかだが、如何せん寒すぎるな。
「はいっ次のお客様どうぞーっ!!」
おぅ、これでやっと中に入れる。店員さんの声で、ぎゅぎゅっと奥に詰めながら座「はぁいご注文!!」りながらメニ「一丁あがりぃ!!」ューを取って、オススメはえ「ありがとうございましたー!!」……どっかで聞いた声だな?
「はい、じゃあ注文を聞こうか!!」
どん、と目の前に水を出され、現れたのはハチマキに黒いラーメンTシャツ(謎?)の……。
「く、櫛枝?また新しいバイト始めたのか!?部活は?」
櫛枝実乃梨だった。
「冬は日が短いから早上がりだ!!さぁ注文とるぜ、超とるぜぇ!!あ、ちなみにイケメンとか言ったら目潰しだから」
いつも元気な櫛枝実乃梨。そんなことを、そんなエサを振りまけば、
「イケメン」「イケメン!」「イッケメーン♪」
プス♪プス!!ブゥスゥ!!!!!
「うぉっ」「いてっ!」「ぎゃああああああっ!!!!!」
当然こうなるわな。しかし春田、可哀想に。
すぐに「すいません、ラーメン三つ」と言い直す。春田の視力保護のためにも。
「うむ良い選択だ。ラーメン三つ!!」「おぅよ!!」
ふぅと一息つく。ラーメン頼むのにも何がしかのハプニングが起こるなんてまるで大河みたいだ。
大河、そう思って心中で再び溜息。なんていうか、数日大河に会えないだけで、寂しいというか、こうも無気力になるものなのだろうか。
モチベーションというか、そういったものが自分に感じられない。
燃え尽き症候群というのは今の俺にこそ相応しい言葉かもしれない。そんな事を思ってたら、珍しくバイトの櫛枝が私用で話しかけてきた。
「高須君、腕は……大丈夫?」
「おぅ?ああ、まぁなんとか。重いものは持てなくなるらしいけど日常生活には支障はねぇよ」
言ってから気付く。しまった。これは北村以外には黙っていようと思ったのに……。
やはり俺は今だ何処か抜けているらしい。
何度も大河の夢を見ては起きる朝に始まり、台所のカビを2mm見逃してたし、今日は高須棒忘れたし、大河の分の弁当はしっかり持って来てるし……。
「そっか。ねぇ、大河は……」
でも、幸いにも櫛枝は流してくれた。いや、この時は流してくれていると思いたい。
「いや、連絡はねぇ。先生によると母親のところにいるらしい」
「なら、きっと大丈夫だよ。大河は母親とは昔から仲が良いって言ってたから……お?そろそろ目が開くぜ?」
しんみりな雰囲気から一転、いつもの櫛枝に戻る。しかしそうか、大河は母親とは仲が良いのか。
一安心した。もし、あの父親みたいな奴だったら実家に乗り込んででも大河を連れてこよう、とまで考えていたが、杞憂だったようだ。
しかし、目が開くとはな……何だあの人?
中央でこっくりこっくり眠ってた店長らしき人が立ち上がって、両手で麺を入れた鉄網を持って……。
「うぉ!?」
秘技!!とか言って振り回し始めやがった!?って熱ぃ熱ぃ熱ぃ!!!ああ止めろ!!そんなことをしたら跳んだ汁が服に染みを……大河は特にこういう染みをつけやすい……そっか。
大河は今、ここにいないんだっけ。
櫛枝が笑いながら接客してて(秘技の時はちゃっかりしゃがんでいやがった)能登も春田も「ぎゃーっ!!」とか言いながらも楽しそうで。
俺も、笑みを見せるけど、心は冷え切ってる。
大河、お前がいないとつまんねぇ。つまんねぇよ。
482名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 13:43:29 ID:bNBBG8rx
***

ラーメンを食い終わり、能登たちと別れてスーパーへ。
あのラーメンの味は覚えたが、大河の好みでは無さそうだ。
そうだな、今日はとんかつにしよう。大河とんかつ好きだからな。
「はぁ……」
思っててむなしくなる。
大河、大河、大河。
俺の日常はこうも大河に埋め尽くされていたのか。
なくなって初めてわかるパズルのピースのように、そこに大河がいないだけで違和感しか残らない。
「ただいま」
いつもの声をかけながら家に入って冷蔵庫へ。
「おかえり」
いつもの返事を聞いて、俺はそのままエプ……?????
「今日は随分遅かったじゃない」
振り返ると、テーブルに頬杖ついてこっちを見てる……。
「あ、……お……おぅ?」
「何よ、幽霊でも見たような顔して?」
幽霊。ああそうだ。お前は幽霊なんだよ。別に死んだ人間とかじゃなくて。見える奴にしか見えない、俺にとって見えるのはお前だけなんだ。
「大河!!」
エプロンも鞄も放り投げて大河に駆け寄る。
「ちょっ!?な、何よ竜児。どうしちゃったの?」
肩に手を乗せ激しくゆすりながら、
「本当に大河だな?今までどうしてた?ってかなんで連絡よこさねぇんだ!!いや、それよりも……」
大河だ。本物の大河だ。おでこにでっかい絆創膏はってるけど大河だ。
このサイズ、この髪、この臭い、間違いなく大河だ!!
「えーいまずは手を離せぇ!!」
「おぅ?……すまん」
ガクガクさせすぎた。既に大河はフラフラだ。
「……私は大丈夫だって。久しぶりにママに会ったからしばらくそっちで過ごしてた。連絡は……あー携帯電池切れてた」
はぁ?なんだとぅ?俺が一体何度お前に電話したと?いやメールもしたけど。
「それより竜児、私お腹すいた」
それより、ときたか。だが、不思議と口元が釣り上がっちまう。別に怒ってる訳じゃねぇ、これが、俺の日常なんだ。
「おぅ、今夜はとんかつだぞ」
「え?ホント?やったぁ!!」
これだ。この顔。この喜び。ああ、やる気が、消えてたやる気が沸騰してくる。
「おし、じゃ早速作るか。ちょっと待ってろよ」
「はーい♪」
両手を挙げて喜んだ後、大河はインコちゃんの籠に指を入れて遊んでる。
ああ、やっぱいいな。こうやって、大河が俺のフレームに収まるこの景色。
483名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 13:45:31 ID:bNBBG8rx
「そういや、ありがとうね」
料理を作り出してすぐ、大河の声がかかる。
「おぅ?何のことだ?」
「今日学校に電話したら丁度担任のところに北村君がいて、修学旅行の時のこと聞いたんだ」
「……おぅ」
「アンタと北村君とみのりんで私を探してくれてたって」
ああ、その件か。北村はちゃんと言ってくれただろうか。
「結局私を見つけて助けてくれたのは北村君だったそうね」
ほっと安堵する。
「おぅ。お前は気を失ってたらしいな」
「うん。でも夢は見た気がする」
「夢?」
「うん、昔サンタに会ったことがあるって話したじゃない?もう忘れかけてたんだけどそのサンタさんが私をおぶってる夢を見たの。なんか、サンタさんは酷いケガしてるようだった」
ドキンと心臓が跳ねる。
酷い怪我。まさか、あの時大河は少し意識があったのだろうか。
「すぐにまた眠っちゃったけどね。あれ?眠ったってことはそれは夢じゃなくて現実?幻でも見たのかな?」
北村君には怪我はなかったって言ってたし、と大河は不思議そうに考え始める。
「……きっと夢を見ている夢をみたんじゃねぇか?ほら、時々あるだろ?寝てる夢を見る、とか」
「ああ、そうかも。でも私のウェアすっごい血まみれだったらしいのよね。私血なんか全然出してなのに」
ぎくり。
「医者がもーたいへんでさー、あんなに出血したんだから!!とか言い出してさーきっとあの医者がおおげさで……竜児?」
「あ、ああ……何だ?……痛っ!?」
フライパンを落とす。幸いまだ何も入れてないけど。
「?アンタがフライパン落とすなんて珍しいわね?」
「ああ、ちょっと腕がいた……鈍ったのかな?ほら、よく言うだろ?弘法も筆の誤りってな」
「アンタ自分で弘法とか言う?」
「それもそうだな」
話題がすり替わっていく。助かった。
「そういやアンタ今日ちょっと遅かったけどどうしたの?」
「おぅ、能登たちに誘われて行列の出来るラーメン屋に行ってきた」
「えー!?あのラーメン屋?私も行きたかったー!!」
ニヤリ、と笑う。
「なら今度作ってやるよ。味なら覚えた」
「えっホント!?作れんの?」
「おぅ、多分。でもどうしてもあそこのスープが美味くいかなかったら櫛枝にでも頼んでみるし」
「……みのりん?」
「ああ、今日バイトしてたんだよ。注文をイケメンって言ったら目潰しされてよー」
「……そっか」
??急に暗くなったな。
「どうした?」
「ううん何でもない。とんかつまだー?」
「おぅもちょっとだ。あとかつは揚げるだけだし」

***

竜児の背中はおっきい。楽しそうに料理してる。
久しぶりに竜児のご飯が食べられる。それだけで嬉しいはずなのに、
『今日バイトしてたんだよ。注文をイケメンって言ったら目潰しされてよー』
何かモヤモヤする。私が見てない所でも、二人は出会ってる。
そういえば、北村君が私を見つけてくれたっていうことは、竜児はみのりんといたんだろうか。
あまり考えたくないや。
でも今日の竜児は凄く機嫌がいい。
これはやっぱりみのりんのお店にいったからだろうか。
竜児……竜児は私よりやっぱりみのりんがいいのかな。

***
484名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 13:46:12 ID:bNBBG8rx
大河がやっと帰ってきた。俺の日常も帰ってきた。
「ほらほらほら、百聞は馬場さんのキックにしかずよ、さぁ、その目で確かめるがいい!!」
大河はそう言いながら、木原や香椎に額の絆創膏を外して傷を見せようとする。
「きゃーっ!!」
逃げ惑う二人。追いかける虎。これが俺の日常。
「良かったな、逢坂が戻ってきて」
北村が、大河を見ていた俺に話しかける。そういやこの間の件では迷惑をかけた。
ここは一つ礼でも……「ちょっと何騒いでるの?」……先生?
担任の未婚女性、恋ヶ窪ゆり先生(30)が教室に現れる。
「って言ってももうすぐバレンタインだものね。浮かれてるヤング(死語)は聞いちゃくれないわよね」
ハッ!!とばかりにそのくぼんだ視線をあたりに向ける。全く、若いってのはいいねぇと言いたげに。
「あ、もうすぐバレンタインだっけ。忘れてたかも」
しかし、木原麻耶の今思い出しました的な発言に、若さという名の武器を持つ教え子に嫉妬を抱く独神の怒りが火を噴いた。
「しらばっくれたって騙されないんだからね!!油断させといて実際にはイチャイチャするつもりでしょ!!校内でどうどうと公然猥褻!!キー!!」
いや、壊れた。
近場の男子生徒の襟首を掴んではひっきりなしにガクガクいわせて回るその様は異様としか言い様が無い。
「あ、そうだ……」
しかし、ふと思い出したように、
「逢坂さん、放課後、面談室まで来てください」
大河にだけ放課後の呼び出しを命じた。

***

「今日も昨日に引き続き無理をしてしまった……」
おなじみエコバックにはブリ。それも天然。
正直高かった。でも、なんか美味い物をあいつにごちそうしてやりたかった。
そのあいつは今、先生に呼び出されて面談室にいるけど。
その間に驚かせてやろう。去年、あいつはブリ鍋の前にドーナツを食った事を後悔していた。
肉じゃないというだけで俺のブリ鍋を見くびっていた。
だが、今は違う。あいつはもう俺のブリ鍋の味を知っている。
「ふっふっふっ……」
舌なめずり。別にこれから誰かをいたぶってやろうってんじゃねぇ、あいつの喜ぶ顔が目に浮かぶだけだ。
「だから取り消してってば!!」
ん?何か揉め事か?あれはこの前のラーメン屋の前……櫛枝じゃねぇか。何か騒ぎが起きてるみたいだな。
「よぉ、どうしたんだ?」
「あ……高須君」
「高須……?げっ!?ヤンキー高須?逃げろ!!」
大橋高校じゃない高校生が、一目散に逃げていく。俺の顔は一体どこまで知れ渡っているんだ。それも悪い方向に。
少なくないショックを受けながらも、櫛枝にもう一度尋ねる。
「おい、どうしたんだ?」
「今の奴らね、別の高校のやつなんだけど大河の悪口言ってたんだ」
「なんだって?」
「大河はほら、少し背が小さいじゃない?だから小学生が親の地位使って高校に来てるとか、性格最悪我が侭で高校の権力を全部掌握しないと気がすまないアバズレだとか」
わなわなとこぶしに怒りが宿る。何て野郎共だ。
「大河はそんなやつじゃねぇ!!」
「うん。高須君、大河はね、あんなだからああいう輩も少なからずいるんだ。だから……大河を護ってやってよ。お願いだ」
「おぅ」
当然だと、頷く。
「じゃ、私バイトに戻るね」
「おぅ。またな」
そうだ。今日は帰って大河のために鍋を用意するんだ。今日こんなことがあったなんてあいつには知られたくないし。
最高に美味いものを食わせてやるか。そうして俺はラーメン屋の前を後にする。
「……良かった。クリスマスの晩からきっと……君ならそう言ってくれると……高須君なら大河を頼めると思ってたよ」
竜児の去った後のそう言った実乃梨の声は、誰にも聞かれてはいない。聞かれてはいないが、
「あれは竜児と、みのりん?どうして?」
青白い顔で見ている者はいた。
485名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 13:49:56 ID:bNBBG8rx
取りあえずここまで。
みんなありがとう。
みんなのおかげで全然気負わずに書けた。
心配してくれた人もいたし。
大丈夫、四時間は寝たから!
さぁてラストスパートは近い、かな?もうしばらく続きます。
486名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 13:52:13 ID:bNBBG8rx
書き忘れた。
まとめサイト乙!
ホント自分のがまとめられてんの見るたびにニヤニヤしてます。
マジありがとう。
アンタ最高だ!
487名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 14:14:07 ID:IC7O9ajl
>>484
(;ω;)

こういう空気がたまらなく好きだわw
続きに期待ノシ
488名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 14:24:02 ID:9gbf7k4B
>>485
本当にこのifはいい・・
続き楽しみにしてます
ただし体には気をつけて!
489名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 15:34:34 ID:9yfI43qu
こんなに竜児は大河のこと気に掛けてるのに…
こんなに周りも大河のこと気に掛けてるのに…


真実を知ったあとの大河が心配だ…



みなに…幸せを。。。
こんなに焦れる空気を作れるとは、あんた本職かい?
490蹴っ飛ばしてやろうか ◆fDszcniTtk :2009/04/18(土) 15:50:31 ID:kKtxIKqP
ばかちーに言わせると、私達はモラトリアムを生きているのだそうだ。

◇ ◇ ◇ ◇ 

夏は嫌いだ。日差しが強くてすぐに日焼けするし、日焼けしないように長袖を着ると
汗だくになる。お気に入りのロングのワンピースも暑くて仕方が無いし。外国には夏
でも涼しい国があるんだって。何それ。不公平よね。

「待った?遅れてごめん」
「なんで謝るのよ。待ち合わせまであと3分あるじゃない」
「はぁ?悪くなくても遅く来たほうが謝るのよ。社会人のじょ・う・し・き」

ちょっとお高く止まった表情を作ってそういうと、ばかちーは注文をとりにきたウェ
イトレスにアイスレモンティーを注文した。

「まだダイエットしてるの?」
「まだ、つーか一生。カロリー制限は亜美ちゃんの天使の笑顔が世界中の男どもに夢
と希望を振りまくために必要な、自己犠牲なのよ」
「ふーん」

ばかちーは面白い。悪口とくるくる変わる表情でいつも自分の本心を隠すことができ
る。苦しくてもつらい顔をしないし、悲しくても悲しい顔をしない。優しくてもやさ
しい顔をしない。それでも竜児は「あいつは変わった。肩の力が取れた」と言ってる
。私も、そう思う。

「あんたのそれナニ?」
「クリーム・ソーダ」

ばかちーが関心を持ってくれたのが嬉しくて、つい笑顔になる。いつもはこんな色の
飲み物を見ると、とても嫌そうな顔をする。

「よくまぁそんなもの飲んで太らないね。うらやましいよ」
「私はそれだけ食べなくて背が高いばかちーのほうがうらやましいよ」
「ま、そりゃそうか。ウェストは努力して維持しているけど、背の高さは努力じゃな
いもんね」

そういうと、ウェイトレスが持ってきたアイスティーにちょっとだけ口をつける。

「にしても、体に悪いんじゃね?そんな色のもの飲んであと60年どうやって生きてく
つもりよ」

そんな色のものを売っているお店で、よくこんなこと言えると思うと、おかしくなっ
た。

「大丈夫よ。みんな飲んでいるんだから。それより素敵な色だと思わない?私こんな
色の瞳だったら良かったな」

うーん、とばかちーは私の顔を覗き込む。

「あんた童顔だからね。碧眼ってつらじゃないし、ブラウンの瞳が一番だと思う。こ
ういうパステルカラーだと強すぎるんだよね」

「そうなのかな。ま、ばかちーがそう言うならそうなのか」

お化粧だとかの話になると、ばかちーは私よりずっと先を行っている。

「で、高須君とは最近どうなの?うまく行ってる?」

◇ ◇ ◇ ◇ 
491蹴っ飛ばしてやろうか ◆fDszcniTtk :2009/04/18(土) 15:52:51 ID:kKtxIKqP
ばかちーの携帯にメールを入れたのは4日前。「元気?」って入れたら忙しいけど時間
が取れるから会おうって返事が来た。私は元気?って聞いただけなんだけど。夏休み
に入ってからばかちーとはしばらく会っていないことだし、スドバでおしゃべりでも
しようってことになった。

「うまく行ってるよ。夏休みはずっと図書館で勉強してる」
「二人で?」
「そ。午前中は受験勉強。午後は竜児が進路の勉強して私は本を読んでる」
「デートとかしないの?」
「図書館でも二人でいられるし」
「えー?信じられんねぇ」

と、ばかちーはせっかくのきれいな顔をゆがめて首をかしげる。

「タイガーちょっと物分りが良すぎるんじゃね?たまにはワガママ言って高須君に遊
園地でも連れてってもらいなって。甘い顔すると男ってつけあがるよ」
「そうかもね」

と、私は言葉を濁してばかちーに笑った。そりゃ遊園地に竜児といけばとても楽しい
だろうけど、図書館で竜児と一緒にいるだけで私は十分。なんて言うと、きっとばか
ちーは怒る。怒ったふりをするのか、本当に怒るのか、面白がって怒るのか、ためし
に言ってみたい気もするけど。

「そんで、高須君進路の勉強って、もう進路決めたんだ」
「んーん。まだ。決めるために勉強してる」
「何それ」
「どんな分野の仕事があるのか、いろんな本を読んで調べてるよ」
「えー?本なんかでわかるの?」
「わかるんじゃない?ものすごくたくさん読んでるよ。今週は原子力の本を読んでた

「はぁ?原子力?似っ合わねー!」
「そうだよね」

けたけた笑うばかちーにつられて私も笑う。竜児が原子力。想像できない。想像でき
ないけど、竜児は今週山のように原子力発電の本を読んでいた。家に帰ってもずいぶ
ん読んでいると思う。暑いのに。竜児のアパート、クーラー無いんだよ。

竜児がいろいろな仕事の本を読んでいるのは、はじめは本当に進路を探そうとしてい
るのだと思っていた。でも、今は違う。竜児は私と一緒に生きるために一番よさそう
な仕事をしている。だって、あの仕事は安定している、とか、この仕事は労働時間が
短いとかばっかり私に説明するんだもん。

いくら私でも気付くわよ。「将来にわたって安定して、家族と過ごす時間が長い仕事
」を、竜児は探している。変よね。笑っちゃう。だって、仕事なんて本当に好きなこ
とを選ぶものだって、みんな言うじゃない。竜児はちょっと頑張りすぎ。何よ、私の
ためって。まるで子ども扱いじゃない。そのうちとっちめてやらなくちゃ。

でも、この夏休みに竜児をずっと見ていて新しいことに気付いた。竜児はああやって
図書館で何かを調べるのがすごく楽しいみたい。それと、調べたことをいろいろ話し
てくれるのも上手みたい。図書館からの帰りに、その日調べたことを教えてくれるん
だけど、すごくわかりやすい。ま、わかるのは最初の日だけで、竜児がどんどん進ん
でいくと、私には話がわからなくなるんだけど。でもいいじゃない。竜児の話を聞く
のは、なに言ってるかわかんなくても楽しい。わかんない、っていうと、一所懸命話
し方を考えて教えてくれるし、すごく楽しそうな顔をしている。竜児のそう言う顔を
見るのが楽しい。

運動部の子の彼女って、こんな気持ちなのかも。
492蹴っ飛ばしてやろうか ◆fDszcniTtk :2009/04/18(土) 15:54:19 ID:kKtxIKqP
「てことは、高須君は進路決めてないのか。でも、大学は行くんでしょ」
「どうだろう。決めては無いみたい。願書を出すまでに決めるって言ってた」
「行けばいいじゃん。高須君に『行きな』って言ってやんなよ。あんたも高須君も大
学に行けばいいじゃん」
「でも…」

すぐ結婚するなら、高校でてから働かなきゃならないじゃない。とは、いえなかった
。だって、あんまりプライベートなことだし。ばかちーは、私達がバレンタインデー
に逃げたときかくまってくれたから、いざとなったら逃げ出す覚悟まであったことは
知ってる。でも、私がすぐにでも一緒に住みたいのをどれだけ我慢しているかまでは
、多分知らない。こうやって別々の家庭に暮らしていると、また引き離されそうで恐
ろしくなる。竜児は私達は逃げちゃダメなんだって言った。私もそう思う。竜児は私
達の将来はみんなに祝福してほしいと言った。私もそう思う。だから私なりに頑張っ
ているつもり。

でも。

「行っちゃいなって。大学。せっかくのモラトリアムなんだからさ」
モラトリアム。
「それなんだっけ」

何かで聞いたんだけど、ぱっと思い出せなかった。大学生のことだったっけ。

「誰もあんた達に期待していないって事」

何よそれ、最近喧嘩してないからって、私がどれだけ怒りっぽいか忘れてない?ちょ
っと気分を悪くした私をほったらかしで、ばかちーは窓の外を見ながら話している。

「今すぐ働かなくてもいいって事。社会がそれを許してくれるって事」

そういってこちらに向き直ると、私を見ながらちゅーっとアイスレモンティーを飲む
。一口飲んで、黙って聞いている私に話を続ける。

「日本の社会はそうなってるのよ。子供は大学を出るまで親のすねをかじっても怒ら
れない。高須君のお母さんも実家と仲直りしたから、前ほどお金に困ってないんでし
ょ?じゃぁ、大学行けばいいじゃない。あんたもだよ。頭いいんだから奨学金でもも
らって大学行きなよ。で、二人でラブラブ・キャンパス・ライフを満喫すればいいじ
ゃん」

ばかちーの言いたいことは分かる。ばかちーは私の言いたいことも分かってるはず。
ほんとに大学にいったら、結婚はずっと後になるかもしれない。

◇ ◇ ◇ ◇ 
493蹴っ飛ばしてやろうか ◆fDszcniTtk :2009/04/18(土) 15:56:02 ID:kKtxIKqP
ママは私に負い目を感じてる。いっしょに住み始めてからそれがわかった。最初は竜
児から引き離されるのが怖くて何も見えなかったけど、引き離されても絶対竜児と一
緒になってやると決めたら、少しずついろいろなことが見えるようになった。

反動なんだろうね。ずっと私をほったらかしにして、パパの手元に置いてたせいで、
私がひどいことになってしまったって思ってる。普通そう思うよね。ほんとのことだ
し。おまけに私、こんなだし。

竜児も知らなくて、ママが…ママと新しいパパが…知ってる私の秘密がある。

私は今でも夜中に大声で叫んで起きることがある。寝ている間に夢の中で泣くことが
ある。竜児の名前を叫んで起きることがある。ばかみたい。独りで住んでいたマンシ
ョンでも、新しい家族と住んでいるマンションでも、私はびくびくしながら寝ている
。そのくせ、竜児とやっちゃんのボロアパートでは一度もそんなことは無かった。な
にこれ。分かりやす過ぎない?

ママは私がこんな風になったのは、自分にも責任があるって感じてるみたい。そりゃ
そうよね。子供を育てるのは親の責任だもの。私はおかげで竜児と出会えたけど、そ
れとこれとは別。とにかく、ママは責任を感じてるらしくて、今度はちゃんとしよう
としているみたい。それで困ったことになった。

多分、ママは私と竜児が結婚するのをすぐには許してはくれない。竜児は働いていな
いから。まだ私を養えないから。それに竜児のことをあまりよく思ってないみたい。
だって、自分の娘を二回も連れて逃げてんだもん。いくら私が自分の意志で逃げたっ
ていっても、親は相手のせいにしたいわよね。

おまけに自分が私をほったらかしている間に竜児が私の世話をしてくれたってのが気
に入らないんじゃないかと思う。誰だって自分の娘を連れて逃げるような男相手に借
りは作りたくないわよ。

多分ママは、本当は竜児を嫌ってない。

でも、すぐには結婚を認めてくれないような気がする。私が竜児をまだママにきちん
と紹介できてないのはそのせい。8月ごろには何とかしたいと竜児には言ったけど、ち
ょっと難しそう。

本当はもっと早く竜児を紹介して、もっと早く友達を紹介したかったのに。なんて愚
図。自分でも嫌になっちゃう。

◇ ◇ ◇ ◇ 
494蹴っ飛ばしてやろうか ◆fDszcniTtk :2009/04/18(土) 15:57:24 ID:kKtxIKqP
ママと新しいパパが竜児との結婚を許してくれなかったらどうなるんだろう。考える
と恐ろしくなる。

「大河、すまねぇ。未成年の結婚には、親の承諾が必要だった」

って4月に竜児に聞かされたときには、何それって思わず竜児をつねっちゃった。だっ
て18歳になったら結婚しようっていってくれたのに。だからOKしたのに。

いまさら親の承諾が必要って、なによ。もう返品不可で私をお届けしちゃったわよ。
どうしてくれるのよ。

私の心は竜児に渡してしまった。返品は不可。返品されても新しいお届け先なんか無
い。子犬といっしょ。最後まで面倒見てもらわないと、私はもうだめ。いまさら捨て
られても、寂しくて死んじゃう。あれ、犬じゃなかったっけ。

◇ ◇ ◇ ◇ 
495蹴っ飛ばしてやろうか ◆fDszcniTtk :2009/04/18(土) 15:58:48 ID:kKtxIKqP
「ねぇばかちー、寂しくて死んじゃうのって子犬だっけ」
「はぁ?あんた何いってんの?私の話聞いてなかったわけ?」
「ごめんごめん、ファンデの話だよね。子犬にファンデ塗ったら死んじゃうかな」
「知らねっつーの。てか、無理やり話し合わせんなよ。寂しくて死ぬのはウサギだろ
、ウ・サ・ギ。てか、あんたなんなの。そんなニコニコして、寂しいとか死ぬとか。
本当に高須君とうまくいってんの?お母さんとちゃんとやってんの?」

ばかちーは色の濃いサングラスを下にずらして私の顔をじっと見た。

「うまくいってるよ。前よりずっとうまくいってる。でも、思ったほど早く結婚でき
ないかも」

融けたクリームとソーダが混ざって、エメラルドみたいなきれいな色は濁ってしまっ
た。時間が経ってしまったから。まだ甘いのにね。

「ま、あんなことがあったからあんた達が早く結婚したいってのはわかるけどね」

ばかちーのアイスティーは氷が融けても色は変わらない。きれいなブラウンのまま。

「あんたたちさ、もうあせる事無いんじゃない?もう誰もあんた達を引き離そうとは
してないんでしょ。それに高須君、3月ごろっていつまでも待つみたいなこと言ってた
よ。再会できて舞い上がってるのはわかるけどさ、そろそろ落ち着きなよ」

そう言って、またちょっとだけアイスティーを飲む。
氷は透明なんだよね。

◇ ◇ ◇ ◇ 
496蹴っ飛ばしてやろうか ◆fDszcniTtk :2009/04/18(土) 16:01:09 ID:kKtxIKqP
ばかちーに言わせると、私達はモラトリアムを生きているのだそうだ。
誰も私と竜児に今働けなんて言わない。誰も私と竜児に別れろなんて言わない。

「私はとっくにモラトリアムなんて終わったけどねぇ。亜美ちゃんが働かないと全国
のかわいそうなファンが寂しくて死んじゃうし」

ばかちーは、みのりんのモラトリアムも終わっているという。みのりんには誰にも言
わない秘密があって、多分その秘密のために一所懸命バイトをしているんじゃないか
ってばかちーは言ってる。加納すみれのモラトリアムも終わってるって言われた。

社会は大学を出るまで待ってくれるけど、中には「もう結構です」って言って、自分
で歩きはじめる子がいる。目標を決めるというのはそういうことだって、ばかちーは
言う。

「私と竜児にだって目標はあるわよ」
「何よ」
「それは…」

言いにくい。

「入籍して、はい目標達成ですってか?お手軽な目標でうらやましゅうござんすね。
で、あんたと入籍するのに高須君はどうするわけ?大学棒に振って就職するの?あん
な頭いいのに。ちゃんとした大学はいってちゃんと勉強すれば、それなりの収入とス
テータスも手に入るのに、あんたと結婚するために高卒で安い給料で働くっつーの?


ばかちー、そんなこと言わないでよ。私、あんたに言い返せないじゃない。だって、
あんたのほうが正しく聞こえる。

「けっ、ばっかじゃねーの?どんだけお姫様気取りよ。誰もあんた達に別れろなんて
言わないのに、あんたは高須君を一日でも早く独り占めしたいばっかりに、安い給料
の仕事に就かせるんだ。高須君はあんなだから文句は言わないよね。てか、おめでた
すぎて文句も思いつかないってか。ま・じ・ば・か・じゃ・ねーのあんた達。二人な
ら貧乏でも耐えられますって?どこのホームドラマよ。もう21世紀だっつーの」

497蹴っ飛ばしてやろうか ◆fDszcniTtk :2009/04/18(土) 16:02:00 ID:kKtxIKqP
言いたいことを言って、ばかちーはアイスティーを飲み干す。いつもは半分くらい残
すのに。

「あーあ、気分悪ッ。私もう帰る」

そう言って伝票をつかむと、ばかちーは立ち上がった。

「ばかちー、ごめん」

立ち上がったまま、ばかちーは「ちっ」と舌うち。

「なんで私に謝んのよ」
「ごめん。竜児に謝ったほうがいいかな」
「だから何であんたが謝るのよ」

ばかちーは唇をかんで外をにらみつけてた。

「あんたたちのことだからさ、私が首突っ込むスジなんかじゃないんだけど」

そこまで言って、ばかちーは急に笑顔にもどった。

「あ〜あ、せっかくのオフが台無し。亜美ちゃん気分悪〜い。ね、タイガー。お店で
て歩こうよ。気分転換しよっ!」
「うん、いいよ」

ばかちーと付き合うには、我慢強さが大切だと思う。わたし、少し我慢強くなったよ
ね。

◇ ◇ ◇ ◇ 
498蹴っ飛ばしてやろうか ◆fDszcniTtk :2009/04/18(土) 16:02:56 ID:kKtxIKqP
「あっちー。なに、これどうなっての。ねぇ。暑すぎね?いくら夏だからってありえ
なくね?神様、私が何か悪いことしました?これは罰?ひょっとして美し過ぎるから
?きれいな亜美ちゃんは存在自体が罪ってか?」
「ばかちーはいっぱい悪いことしてると思うよ」
「何よそれ何よ。私がいつ悪いことしたっていうのよ」
「いつも悪口いってる」
「亜美ちゃんは悪口なんか言いませ〜ん。自分に正直なの。てか、正直者が損をする
世の中なのか。あ、つながった。だから暑いんだ」

自分で外に出ようといったくせに、ばかちーはすぐに暑い暑いと言い出した。ばかち
ーにばちが当たって私まで暑いって、なによそれ。

「そうだ、タイガー私の部屋来なよ」
「部屋?」
「そ。さっき話した奈々子と麻耶に頼まれてた限定版のファンデがあるんだ。ちょっ
とあんたで試させてよ」
「なによそれ、実験台じゃない」
「いいじゃんいいじゃん、あんたみたいな肌の子ってモデル仲間にもいないし。文化
祭のときは最後他人任せだったから不完全燃焼だったんだよね。あ、そうだ。きっち
りメークしてやるからさ、後で図書館に行って高須君びっくりさせてやんなよ」

すっかり機嫌を良くしたばかちーは、楽しそうにひとりでしゃべっている。
499蹴っ飛ばしてやろうか ◆fDszcniTtk :2009/04/18(土) 16:04:09 ID:kKtxIKqP
ばかちーに言わせると、私達はモラトリアムを生きているのだそうだ。

ばかちーも、みのりんも、加納すみれも、自分達の道を決めて歩き出したから、もう
止まることはできない。でも、私達は何かを決めるのを、あと4年待ってもらえる。だ
からばかちーは、私達はあと4年、のんびり楽しめばいいと言ってる。

竜児とあと4年、結婚せずに。

そうすれば、竜児は今就職するよりいい仕事に就ける。そして私達は、多分誰にも反
対されずに結婚できる。それはきっと竜児にも私にもいいことなんだろう。でも、私
は待てるんだろうか。時折心の中に浮かび上がる、やり場のない激しい気持ちをあと
4年も持て余したまま待つことができるんだろうか。

一度は、何年かけてでも竜児のもとに戻ってくるつもりでママの所に戻った。でも、
竜児と再び会うことを許された今、私はそれほど我慢できない気がする。

竜児と一緒になりたい。

いつまでも二人別々なんて我慢できない。私の体を引き裂いて、竜児の体を引き裂い
て、無理やりひとつにしてしまいたい。私の心臓を竜児の体に埋め込んで、私がどれ
ほど愛しているか、竜児に教えてやりたい。

「だからさ、絶対あんたから高須君に『お化粧どう?』なんて聞くんじゃないよ。あ
んたはじっと高須君を見るだけ。正面から、頬杖ついて見るだけなんだからね。ポイ
ントは高須君が視線に気付いたら目をそらすこと。ちょっと微笑むのを忘れちゃダメ
よ。これ1時間やられて正気な男なんていないんだから。あーわくわくする。私もつ
いてって陰で見てようかな」
「竜児がぜんぜん気付かなかったらどうしよう」
「そんときは」

と、ばかちーは真顔になって

「蹴っ飛ばしてやんな」

だって。

竜児は私のことを本当に愛してくれていると思う。でも、私の気持ちをわかってくれ
ているんだろうか。私がどれほど竜児を愛しているのか、わかってるんだろうか。

蹴っ飛ばしてやろうかな。
(完)
500名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 16:30:06 ID:gj+Zk3E6
o
501名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 16:37:08 ID:gj+Zk3E6
ミスったorz

>>484
うおお神!
微妙に原作に沿って、
「もし二人が両思いで、それでいて気付かない」
という設定…だよな?とにかく乙!

>>499
新作?神短編ktkr
本当はもっと続いて欲しかったけど、
クレクレ厨になるからやめておこう。
情景の表現に仕方が凄かった、乙!


なんか原作より面白いのが多いと思うのは俺だけ?
502名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 16:40:26 ID:gj+Zk3E6
sage忘れすいませんorz
503名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 16:57:49 ID:ji3IZRPT
>>485
すごい
504名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 16:58:49 ID:ji3IZRPT
やっべーAT-X見てこよ
505まとめの人 ◆SRBwYxZ8yY :2009/04/18(土) 17:17:00 ID:sTFHnXYA
>>475
まとめサイト更新しました。
指摘ありがとうございます。







スピンオフアニメ化だと!?(遅い)
506まとめの人 ◆SRBwYxZ8yY :2009/04/18(土) 17:18:48 ID:sTFHnXYA
>>478でした…すみません…アニメ化にびっくりだよ…春田の話だといいな(ねえよ)
507名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 17:22:42 ID:JivDHFMO
おれも、春田の話を希望するわ。
あれは、良い話だ
508名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 17:53:27 ID:CPkQwvdn
>>506
専ブラ使ってるならレス番クリックするとアンカーつけられるからやってみ
えまのん以外は標準搭載されてる機能だ
509名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 17:53:34 ID:CPkQwvdn
>>499
ごっつぇ
510名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 18:00:43 ID:CPkQwvdn
>>485
しかし原作を隅々まで把握してないと書けないし
読みながらだとしてもえらい手間ひまかかるわけだし
本当に乙ですよ高須竜児レベルですよ
511名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 18:17:59 ID:gj+Zk3E6
スピンオフがアニメ化?
嘘だろ?
512名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 19:18:25 ID:mkcHliBZ
ソースは!!?ソウスキボン!!!
↓以下いつもの流れ
513名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 19:18:27 ID:9yfI43qu
てっきり新作の長編だと思い読んでたら…
実に読み応えある短編でした

欲言えば先出の方と同じですw


大河の心情がうまく書かれてるし
ちょっと成長した大河と変わっていない大河の対比や
わずかなセリフで呆れるくらい上手に亜美を表現しているに感心しました
飲み物の対比も実にキレーで

大河ママンは前作を受けての書き手さんなりの解説かしら〜!?
なんか一気に作品の懐が深くなった気がしました

オレはもっと軽めにお気軽に足軽に読んでたので


この書き手さんの作品ってそれぞれが独立した読み物じゃないみたいだから
投稿作品をまとめて読むとまた書き手さんのとらドラ!に対する思いが発見できて
こっち(オレ)の世界観も広がりそうだわ



また新作楽しみに待ってますね
514名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 19:20:55 ID:9yfI43qu
>>512スマセン
続けてください↓
515512:2009/04/18(土) 19:24:26 ID:mkcHliBZ
いあ おれこそリロードせずにスマン;忘れてくれ;
516名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 19:25:09 ID:ka66NGsz
>>512
竜児「今度は間違えるなよ、おら」
517名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 19:33:10 ID:RUOsjCei
>>516
「きゃん!」

「ん?どした?っておまっ…」

「蓋取れて、どばぁ〜って…グス」
518名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 19:39:29 ID:wcPQbAnS
「あ〜、こりゃヒドいな。早くしみ抜きしないと」
「これちゃんと落ちるかな?」
「とにかく今すぐ脱げ」
519名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 19:44:09 ID:IC7O9ajl
>>518
ギシ(ry
520名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 20:00:32 ID:sTFHnXYA
>>519
そこでオチをつけてはいけない!!
もっと溜めるんだ!
521名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 20:01:01 ID:IC7O9ajl
>>499
いいねいいね
ありがとう
522 ◆fDszcniTtk :2009/04/18(土) 20:36:27 ID:kKtxIKqP
>>520
大河「はっ、ひらめいた」
竜児「おう、なんだ」
大河「『落ち着け、そこでオチをつけてはいけない!!』って、なんか北村君っぽくない?」
竜児「やめてやれよ。そこまでべたじゃないだろ」

>>501
ありがとう。だらだらと長編を投下してみたので、今回は毛色の違う短編にしてみた。
昨日思いついて、二日で書き上げたぜ。あまり推敲していないのでぼろぼろ。
狩野すみれの苗字間違ってるし。

>>513
うひゃぁ、なんか照れるな。とらドラ!の原作は地の文が特徴的だったり、後半から
暗喩がたくさん使われたりしているて、読むたびに楽しめる。俺の投稿は連作っぽく
書いてるので、その辺の原作のテイストを真似したりして楽しんでるよ。ゆゆこには
遠く及ばないけど、読む側でも楽しんでもらえているのならこんな嬉しいことは無い。
ほんとうにありがとう。

523名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 20:46:30 ID:CPkQwvdn
>>514-515
(*´Д`)ポワワ
524名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 20:49:38 ID:qGKzYRdV
>>499
あなたの作品は全部好きです。
自分もss書こうと思ってるんですが時間が...
525名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 20:53:06 ID:xb/raPW9
大河「…あの雲、とんかつに見えない?」
竜児「…いや…長丸のシルエットってとんかつだけじゃないと思うんだが…」
大河「…あ、あれ肉まんっぽい」
竜児「…ああ、それはわかるな…てことはタマネギにも見えるってわけだ」
大河「…あ、とんかつと肉まんが…」
竜児「…合体したな…」
大河「…まるで…うんk」
竜児「女の子がそういうこと言うんじゃない」
大河「…じゃあ竜児が言ってよ」
竜児「…そういう問題じゃねえ」


平凡な春のとある1日


まあ…でっていう…
526名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 20:58:20 ID:3DDxqt0T
>>525
そのころインコちゃんは・・・
「う・・・う・・・ウンコ!ウンコ?ウンポ?インポ!!!!」
527名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 23:40:10 ID:RuyFiN4A
>>518
大河「ば、バカ!お、乙女に向かっていきなり何言うのよ!」
竜児「見られたって減るもんじゃないだろ?あーもう、早くしないと手遅れになるぞ!ていうか、俺に見られるのそんなに嫌か?」
大河「い、嫌とか嫌じゃないとかじゃなくて!」
竜児「はい大河!バンザイ!」
大河「!?」

シュルリンコ

あれ?どっかで見た流れg
528名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 23:51:14 ID:mkcHliBZ
次におまえはギシギシアンアンという
529名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/18(土) 23:56:35 ID:sTFHnXYA
ギシギシアンアン……ハッ!
530名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 00:17:53 ID:HNqJV1Ci
>>484続き

***

竜児。竜児は私をどう思ってるの?
まだ、私は竜児の気持ちを聞いていない。
唯一あるとすればクリスマスの手紙くらい。
でも、直接竜児の口から気持ちを聞いていない。
ふと、立ち止まる。
『バレンタイン』と書かれた大きな看板。
竜児にチョコをあげたいけど、あげていいかわからない。
竜児はもしかしたら、もしかしたら私を好きではないかもしれない。
好きだったとしても、みのりんの次に、かもしれない。
だとしたら私は……。
「あれ?チビ虎?」
意外そうな声を聞く。
目の前にはサングラスをしたばかちー。
「あんた何してんの?ああ、チョコ買うんだ?高須君は既製品で喜ぶかな〜?」
「うん、そうだね。竜児は喜ばないかもしれないよね」
「は?あんたどうかした?」
ばかちーはサングラスを取ってまじまじと私を見てくる。
「べつにどうもしない」
「いや、絶対変、変だね。普段のあんたならここで絶対癇癪起こしてるじゃん!!」
癇癪って、私は子供か。
「別にあんたには関係ないでしょ。竜児にチョコあげようがどうしようが」
「何それ?あ、わかった。あんた高須君と喧嘩したんでしょ?やっだぁ〜」
「……そんなんじゃない」
顔を背ける。そんな簡単な話じゃないんだ。
「素直になれないんだあ〜?あんなに高須君あんたのために頑張ったのに〜」
「?何の話?」
頑張った?何のことだろう。
「何の話って……聞いてないの?」
「聞いてないって……何を?」
「……や〜めた。ホンットにバカみたい……カッコつけやがって」
「ちょっとばかちー!!何なのよ!?」
「アンタさ、ホントに高須君が好きなの?もしかして、親友に譲ろうとか、思ってない?」
ぎくり、と胸の中に楔が刺さる。
「!!だって……竜児は「ふん!」……」
言い訳を言おうとして、言わせてもらえない。
「だからバカなんだよ。ほんとやってらんねぇ。もしかして向こうが動くの待ってるとか?『自分が動いてない』のに?」
「え……?」
「一つだけ言っておいてあげる。アンタさ、高須君の優しさに甘えてたら、取り返しがつかなくなるよ」
「………………」
「あ〜あ、やってらんない。亜美ちゃん帰る」
ばかちーはもう私には目もくれずに歩いていく。
残された私は立ち尽くして、かすかに鼻腔をくすぐるチョコのニオイに我を思い出す。
『高須君は既製品で喜ぶかな〜』
私に、チョコ作りなんて出来るわけないじゃない。
「いらっしゃいませ。チョコレートですか?おいくつになさいます?」
『あんなに高須君あんたのためにがんばったのに〜』
出来るわけ、ないけど……。
「業務用四つ下さい。あとそのラッピングセット」

***
531名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 00:19:22 ID:HNqJV1Ci
「ふんふんふ〜ん♪」
ガチャリ。
「おっ?大河帰ってきたな。おかえり」
「……ただいま」
「喜べ、今日は何とまたブリ鍋だぞ!?」
「……うん」
「どうした?元気ないな?先生に何か言われたか?」
「ううん、何でもない。座って待ってる」
「お、おぅ……」
私はもう慣れ親しんだこの2DKのテーブルにつく。
「ふんふんふ〜ん♪」
竜児は鼻歌を歌ってる。
よっぽど機嫌がいいんだろうか。
やっぱりそれはみのりんと会っていたから?
「よーし、盛るぜぇ、超盛るぜぇ♪」
竜児は楽しそうに鍋からブリを盛っている。
たしかこの言葉は、みのりんがバイトしていた時のものだ。
やっぱり竜児はもうそうなのだろうと思う。
だから私には何も言ってこないのだ。
でも竜児は優しいから私の傍にいようとしてくれる。
『一つだけ言っておいてあげる。アンタさ、高須君の優しさに甘えてたら、取り返しがつかなくなるよ』
そうだ。それだけのコト。
竜児の優しさに縋って、甘えてたら、竜児までダメになっちゃう。
だから、もう終わりにしよう。丁度バレンタインだし、これで終わりにしよう。
いやぁ良く考えたら丁度いいときにバレンタインが来たもんだ。
ドジな私唯一の完璧さかもしれない。
別に、こんな時は完璧じゃなくてもいいのに。
笑いながら話しかけてくる竜児。
たくさん食べろよってブリをいっぱい入れてくれるけど、味なんて全然わからない。
「どうした大河?美味しくないか?おぅ!?」
竜児が私を心配しながらおたまを落とす。
ここ最近、竜児は物をよく落とす。動揺しているんだろうか。
そんな竜児が作ってくれたブリ鍋は、結局最後まで味がわからなかった。

***

大河の様子がおかしい。
全然ブリを食べないし、おかわりもしない。
「何だってんだ」
机に座って一人ごちる。
今日はせっかく大河のために二日連続の奮発をしたというのに。
ふと、机に置きっぱなしの箱が目に入る。
もともとは櫛枝用に買っていた髪留めの箱。
出した覚えは無いけどしまった覚えも無い。
そういや変な夢で、これの中身見たな。
まぁいい。片付けよう……あれ?
軽いなって……あ?
箱の蓋が開いて……中が出てこない。空っぽだ。
「なんでだ……?」
探してみるが、結局中身が見つかる事は無かった。

***
532名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 00:20:37 ID:HNqJV1Ci
私が望んだものは全部みんな壊れちゃう。
だからまた、そうなっちゃうだけ。
「ヒクッ……グスッ……」
だから、生まれて初めての手作りチョコレートで、全部終わりにする。
そのほうが、きっと竜児のためになる。
「うぅっ……グスッ……」
涙が止まらない。
決意を固めても、とめどなく溢れかえる。
チョコを溶かして、型にはめて……涙をぬぐって無理に笑顔を作る。
きっと竜児のことだから下手でも喜んでくれる。
これで、最後……なんだ。
甘いはずのチョコレートは、いくら味見しても涙でしょっぱく感じた。

***

「で?何のよう?亜美ちゃん忙しいんだけど?」
バレンタイン当日。
夕方の教室には俺と北村、櫛枝と大河と川島が残っていた。
まぁ恐らくチョコだろう。
そうであって欲しい、いやそのはず……だよな?
しかし何せ大河だ。チョコを渡すにもどんなドジをするかわからない。
内心わくわくしながら、ヒヤヒヤする。
「ばかちー、あんたには感謝してるの。私に注意してくれたから。本当にその通りだと思う。だからこれ受け取って」
どうやら既製品ではなく大河手作りのようだ。
不恰好ながらのラッピングは大河の努力を思わせる。
「ふ〜ん」
川島は何でもないようにそのチョコを受け取る。
「みのりんも、いつもありがとう。修学旅行の時も迷惑かけてごめんね」
「いやー大河のためならたとえ火の中水の中、吹雪の中だってへっちゃらさぁ!!」
櫛枝は笑顔でそのチョコを受け取る。
「北村君、私を助けてくれてありがとう。いつもお世話になっているお礼と、助けてくれたお礼として受け取って」
「「え?」」
川島と櫛枝の声が重なる。何よそれ?と言わんばかりの不思議顔で。
「あ、ああ」
北村がどもりながらも頷き、チョコを受け取る。
「ちょっあんた!?意味がわかったんじゃ……」
川島が焦ったように大河に近づく。
「うん。わかった。決心は、多分ついたから」
「はぁ?なにそれ?」
川島が厳しい顔をしているのをおしのけ大河は俺に、
「今までありがとう竜児」
「おぅ」
チョコをくれて、
「私はもう大丈夫だから、もう……私を見なくてもいいよ」
よくわからないことを言い出した。
「え?」
何だよ、それ。
「竜児には私よりもそう、みのりんのほうがお似合いかなって」
まってくれよ。何だよそれ。よりによってなんでこんな日に、チョコ渡しながらそんなこと言うんだよ。
いくらドジっていったってそんな……。
「なんだ、それ……」
でも、俺の気持ちを音として発したのは、俺じゃなく、
「大河、ねぇ、それはどういうこと?」
櫛枝だった。
「ほーんと、マジで取り返しつかないかも」
川島も大河を呆れたような目で見てる。
二人は次いで、やっぱり俺を見た。
533名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 00:21:20 ID:HNqJV1Ci
「高須君、どういうことかな?」
「………………」
俺は何も言う事が出来ない。だって、聞きたいのはこっちだから。
「み、みのりん何怒って……」
「そりゃ怒るよ!!」
櫛枝は大声出して大河を捕まえる。
「ねぇ、大河は高須君のこと好きだったんじゃないの?何でそんなことを急に言い出すのさ!?」
「だ、だってきっとみのりんも……」
「私が何?私が高須君と?いい加減にしなよ大河!!じゃあ高須君の気持ちはどうなるのさ!?」
「竜児もきっとそのほうが……」
「ふざけんなぁ!!彼に聞いたの?彼があんたをどれだけ大事にしてるか聞いたの?彼の腕の怪我も聞いたの?」
あ、ダメだ櫛枝!!それは言わないでくれ!!
「え……?怪我?なんのコト?」
「大河、あんたを雪山で助けたのは高須君なんだよ!!腕を、腕を血だらけにしてさぁ!!」
「血だら……け……」
私の頭にぱぁっと脳裏に医者の言葉が駆け巡る。
『こんなに出血して無事なはずないじゃないか!!』
私は出血なんてほとんどなかった。じゃああれは……。
「そのせいで、高須君はもう重いものも持てないくらいに「櫛枝!!」」
お前流してくれてたんじゃなかったんだな。でもダメだ。それ以上は言わないでくれ。あいつが傷ついちまう。
「ちょっと……なによそれ……ねぇ、何よ?教えてよ!!」
『一つだけ言っておいてあげる。アンタさ、高須君の優しさに甘えてたら、取り返しがつかなくなるよ』
あの時のばかちーの言葉って……もしかして。
「止めるなよ高須君、見せてやりなよ、その十三針も縫った腕を!!」
「十、三は、り……」
目を丸くする。急に最近の事が思い浮かぶ。
竜児は、最近よく物をおとしていた。あれは……。
「毎日痛がって、それでも痛くなんかないふりして!!あんたを気遣うためだけに高須君がやってきた気持ちはどうなるんだよ!!」
「りゅう、じ……?」
信じられないものを見るような目で、大河は俺を見る。
知られちまった。知られたくなかったのに。
「ねぇ、本当なの?ねぇ、その腕、見せてよ」
「っ!!」
俺は教室から出ようとして……北村が立ちはだかった。
「いいのか、高須?」
反対の戸には川島が。
一瞬の遅れ。その間に、小さな掌が俺の腕を掴む。
「痛っ!!」
途端に走る痛み。まだしばらくは痛みが続くと医者に言われている。
「本当、なんだね。ごめん、ごめんね竜児。私のせいで……」
違う。お前のせいなんかじゃねぇ。
俺は、お前にそんな顔をしてほしくなくて……。
いざ、「あの言葉」を言う時に、これに気兼ねしないで欲しくて……それで……。
「竜児、ごめん、ごめんね……」
だから、謝らないでくれ。お願いだから謝らないでくれ。
534名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 00:29:03 ID:HNqJV1Ci
取りあえずここまで。
みんな数々の反応ありがとう。
無理しない程度にがんばります。
そしてクリーム・ソーダから野球、そして短編ときた人、凄い!
あんな朝早くや短時間でよくあれだけの完成度の高いものをつくれるといつも脱帽してる。
次もがんばって。
うおー日曜日中には終わらせたいなー。
535名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 00:31:32 ID:f1xVD3pi
>>534乙!
続きが楽しみじゃないかコノヤロー!俺もなんか書いてみようかな……

536名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 00:43:38 ID:3kdaPE4K
>>534
乙!
毎度wktkさせてもらってますw

って事で漏れも投下



高須家、晩飯後。

「…これかよ…。高けぇ…。」
竜児は一人、近所のコンビニにいた。
どうしても食べたいとせがんできたので、仕方なくカップに入った大きいプリン(\340)を買った。
「仕方ねぇな…。安いのにしとくか」
食後に何か食べたかったのは同じだが、大河が高いものがほしいとかいうから、こっちは\138のゼリーだ。

竜児「ほら大河、お前が食べるっつったやつだぞ」
大河「(〜♪)サンキュ、竜児」
竜児「ほんとにありがたく思うんだったらその代金340円を」
大河「はあ?何言ってくれちゃってるわけ?」
竜児「…」
出た。言い切らないうちに切り返してきた。まあこうなるだろうとは思ったが。

竜児「うちだってぎりぎりまで切り詰めてるんだよ。それくらいわかれ。」
大河「あ〜らよく言うわよ。取っ手が取れる鍋(ティ○ァール)のセット買ってたくせに。」
竜児「うっ…。あ、あれは前から欲しくて貯めてたんだよ!」

そうやって、あーだこーだ言いながら食べているうち、竜児が気づく。
竜児「大河、クリーム付いてる」
大河「え?どこどこ?」
竜児「口の右っ側」
竜児が自分の同じ場所を指差す。そこに人差し指をちょん、と触り「あ、ほんとだ」と大河。
すると、

大河「竜児」
竜児「…?」
そのクリームが付いた部分を突き出すように顔を向ける。
目を瞑ったその大河の表情は、どことなく赤みを帯びているようにも見える。
そして、十秒近くの沈黙が続き。
大河「ん!」
顔を突き出したまま大河がうなった。何かを催促しているみたいだ。
(…ああ、クリームを拭き取れと)
やっと理解した竜児はティッシュを取り、大河に付いた白いクリームを拭き取った。
しかし、大河の思惑とは違ったようで、眉間に皺がよったのがすぐにわかった。

大河「だーっ!これだけ待たせて何してんのよ!この鈍犬野郎!」
大河は有無を言わさず、指でケーキのクリームをたっぷり取り、竜児の口の右にそれをつけた。
竜児「ちょっ、大河おまなにす」
そのとき、そのクリームの付いた部分に暖かく柔らかい何かが触れ、その次にはクリームの感覚が消えた。
ほんの一瞬の出来事。気が付くと、大河は顔を茹蛸のように真っ赤にしてちょこんと座っていた。
大河「こ、こうしてほしかったのに…///」
大河が何をしたのか、竜児に何をして欲しかったのか、ここに来てようやくわかり、竜児も赤面する。

竜児「す、すまねえ。次からそうする。だから、その、お詫びというか」
と言いつつ、今度は竜児が大河に迫り、そして唇を重ねた。

大河「…バカ///」
537名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 00:50:32 ID:3kdaPE4K
>>536
参考画像
ttp://pic.to/ya9u3
538名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 01:09:56 ID:omeCaV4s
>>534
うおお…ドキドキする…
>>536
た…大河たんがべ…ベロんちょウヒョーッ
539名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 02:41:38 ID:87qUWS+S
>>538
春田が降臨したようです
540名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 03:04:51 ID:UBU3ErKj
>>534
乙であります!
あんまりイイ話なんで何回も読み直してる。
続き楽しみだけど無理しないでねん。
541名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 07:27:36 ID:VmPBD1Am
>>537
消えてるお
542名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 08:06:32 ID:bMc3JGpY
>>541
7-11で買った丼プリン(340円)とみかんゼリー(138円)

しかし昼間書いた文章は思えないほど恥ずかしい○| ̄|_
543名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 10:11:55 ID:7II+6vus
「声優ネタ」

竜児「ただいまー…っと大河、何読んでるんだ?」
大河「ん?ああ声優グランプリ」
竜児「珍しいな、お前がそういうの読むの」
大河「釘宮理恵ってどんな顔してるのか拝んでやろうと思ってさ」
竜児「どれどれ…へぇ」
大河「何よ」
竜児「声はお前そっくりだけど外見は全然違うんだな」
大河「何言ってんの 当たり前じゃない」
竜児「ははは、そうだな」
大河「お茶」
竜児「ちょっと待ってな」
大河「…それにしてもあんたのブログが書籍化、そのうえアニメ化されるなんて世もまつだわ」
竜児「それを言うなら よもすえ だろ?」
大河「うっさいわね、こまけぇことはいいじゃない!」
竜児「どこで覚えたんだそんな言葉」
大河「まあおかげで印税も入ってあんたは無事に大学進学、勉強に専念出来るし、
    やっちゃんにも負担はかけなくて済むし、何より今まで通りわたしの世話も出来るんだから文句はないわね」
竜児「正直、あんな普通の日常を書いただけのブログでお金をもらうのは心苦しくもあったけどな」
大河「編集者さまさまね。あと声優の演技のたまものだわ」
竜児「釘宮さんの演技はお前がもう一人いるんじゃないのかって思ったくらいだったな」
大河「なぁに?あんたも釘宮病?キモいわね」
竜児「おいおいそれはいくらなんでも無いぞ」
大河「?どういうことよ」
竜児「俺はもう大河病にかかってるんだ。一生治らない不治の病だ」
大河「…ばっ///// 何言ってんのよアンタ!(ペシッ)」
竜児「はっはっはっ、すまんすまん(ナデナデ)」
大河「…わたしだって…竜児病にかかっちゃったんだから最後までちゃんと看病してよね!」
544名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 10:12:02 ID:7II+6vus
            _,,.. -- 、__,,..,,__ 
         ,. -<.     `ヽァo、`ヽ.
       , '7´    )       ';`ー゚) '、
       ノ !     ;    !    i'´    .i
      ;.'  ';   _!_ ,!  ! /_!_  ,i     ,i
     ,'    ';ゝL./ |__」/!_」__ ソ   ,.イ |
     i ,'   ! ''(◯),  、(◯)` !  /  ,'
     !_ハ_!  ,ハ   rェェェ、    !コ    i  うわぁ何このバカップル
       ソーr' !"   |,r-r-|  ""'r'´二.ヽ ',
      ;'  ノノ>.、.,_`ニニ´_,. イ/´ _iノヽ i
      i   ン´ ,,.ィ`i7こ__ノ こ二、ヽ,ハノ
       ',  ! ァ'レ' レ' i:::::iヽ._/   レ'
      、_)、ノヽ/ /  |:::::! (二`ヽノヽ_
545名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 10:24:48 ID:7II+6vus
大河「でもあの竜児は実物より格好良すぎるわね。遺憾だわ(ムシャムシャ)」
竜児「まあ間島さんが格好いいのは認めよう。ああ、クッキーこぼすな」
大河「(ムシャムシャ)それにわたしだってあんなにドジッ子じゃないし」
竜児「…(いやあれはどう見ても大河そのものだぞ)」
大河「何黙ってんのよ」
竜児「いやいやなんでもない。さて夕飯の支度するかー」
大河「今晩は何?」
竜児「新ジャガを買ってきた。これを使ってハヤシライスだ」
大河「チャーハンも作ってよ」
竜児「おいおいいくらお前でもそんなに食べると太るぞ」
大河「ぜーんぜん平気だモン。最近育ち盛りなんだし」
竜児「19歳になるのにまだ育ち盛りなのかよ」
大河「うっさいわね。さぁ作った作った!」

その夜は特製チャーハンハヤシライスに舌鼓を打つ大河たちなのであった。
竜児が大河の成長を目の当たりにするのはまた別のお話。
そして間島淳司があーゆー人だと知るのもまた別のお話。
546名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 10:29:31 ID:7II+6vus
昨日AT-XでアニメTV見てたら釘宮理恵が出てたので思いついたネタ
実はテレビでは初見だったりする
反省は絶対しない
547名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 10:38:40 ID:GbZpfnnj
>545
「虎肥ゆる秋」のリバウンド編なのか?そうなのか・・・
やはりリバウンドには勝てないんだな
548名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 10:42:54 ID:7II+6vus
>>547
そういうわけじゃないんですけどね
書いてるうちにこうなってしまったのだ
とらドラはまだハマり始めて日が浅いから大河と竜児動かすのが難しい
549名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 11:29:45 ID:qXy3Bffk
>>545
大河&釘宮⇒哀れ乳
ネタだと確信して読んでいた。間違っていた。

それにしても、本アニメは俺の中の釘宮のイメージを天晴れなほど変えてくれたぜ。
プロの技に惚れ惚れしながら聞いていた。
550名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 13:11:59 ID:YbahPvPa
まとめにあったエンゲージリングの完結編ってないの?
凄い気になるんだけどorz
551名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 15:27:38 ID:HNqJV1Ci
>>533続き

***

「……なぁ。やっぱいいよ」
「だめ。私が持つ」
もう空は暗くなりつつある。
俺がお前のせいじゃないと、何度言っても聞きやしないこいつの姿を見るのがもういたたまれなくて、買い物を理由に教室を後にした。
でも、俺はいつものエコバックはおろか、自分の鞄さえ持っていない。
「私のせいだから」
大河は相変わらずそう言って、俺の手荷物さえ奪った。
気持ちは嬉しいが、そんな風に言われるとその嬉しさも半減だ。
オマケに女に荷物を持たせて男は手ぶらなんて状況ではむしろマイナスとなる。
「なぁ、何度も言うけどお前のせいじゃないって。俺の不注意。気にすんなよ」
「……ううん、私が竜児の腕を奪ったようなものよ。絶対そう」
いくら言おうとこの一点張り。
これじゃあ「あの言葉」を言えないじゃないか。
言ったとして、受け入れてもらったとして、それじゃあお情けみたいじゃないか。
まるで、自分のせいだからと自分を責めてる大河の良心につけこんでいるみたいじゃないか。
だから、知られたくなんかなかったのに。
今のままじゃ、俺は「あの言葉」が言いたくとも言えないじゃないか。
「ねぇ竜児」
「おぅ」
「今日渡したチョコ、返してもらってもいいかな」
さらにはとんでもない事まで言い出す始末。
「な、何でだよ!?」
「私、アンタにチョコあげる資格ないと思って。こんな酷い怪我させて、勝手にいろいろやって……ばかちーの言うとおり私アンタに取り返しのつかないこと……」
ふざけんな馬鹿野郎。
「断る」
「で、でもさ……」
「断るったら断る!!俺はお前のチョコが欲しいんだ!!」
ここまできて、お前の、それも手作りのチョコまで逃してたまるか。
「……でも私アンタにこんな怪我させて、アンタのこと好きでいる資格なんて……」
「資格?なんだ資格って。人を好きになるのに、資格なんているのかよ!?俺はお前が……」
危なかった。言うところだった。むしろ言いたかった。でも、今は言えない。
「……チョコを作った時はね、アンタが誰を好きでも、誰と生きていくんでも、それでもいいって思ったのよ。ただアンタを、高須竜児を見ていたかったのよ。でも、その竜児を私が壊しちゃった。だから……」
今は言えないから、行動で示してやる。
「だから……んっ!?」
長かった。何度もチャンスがありながら再びこうする事ができなかった。
一月半とちょっと。およそ52日ぶりの感触。一年の七分の一の期間こうして触れ合う事が出来なかった。
「んんっ、あ……んっ……アン……ふむっ」
何度も何度も想像した。その度にむなしく空をはんで一人で何やってんだろうって自己嫌悪になって。
「んっ……あふっ……んぅ……」
こうやってしたくて、いつだってこうしていたくて、離したくなくて。
ドサリ、とエコバックと鞄が落ち、首に手が回される。
そんなことしなくても離してなんかやるものか。俺だって背を抱きしめてやる。
そうさ、たとえ重いものが持てなくたって、お前を抱きしめるのに、お前を抱えるのに、少しも不自由なんてしないんだ。
552名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 15:28:51 ID:HNqJV1Ci
***



32



どれだけそうしていただろう。
離れたくなくて、今離れたら次にくっつくまでのほんのコンマ数秒が切なくて、息が出来なくなるまで口を塞ぎあって。
気付けばあたりは完全に闇で、街灯の光が俺たちを照らしていた。
しかもこの場所は、見覚えがある。
少し、ほんの少し傾いている電柱。
これには見覚えどころか、蹴った記憶さえある。
そういえばあの時もここって人が通らなかったな。
ここが人通りの少ない場所で良かった。
「竜児、ありがとう。私、ずっとこうしたかった」
ようやく離れた、離れてしまった相手の唇から言葉が紡がれる。
俺の胸に顔をうずめて、離れたくないとばかりに腰に手を回して。
「竜児が機嫌のいい時には、いつもみのりんがからんでた。だから私はきっとみのりんの次なんだって思ってた。相手がみのりんならそれもいいかなって思ってた。でも、でも……やっぱだめみたい」
俺には決して表情が見えないように顔をこすりつけながら、それでも、
「どうしたって、竜児のことが……好きなんだもん……」
言ってくれた。
俺から、今の俺から言うわけにはいかなかった「あの言葉」を。
決して同情や気兼ねからじゃない本心から言ってくれた。
今思えば、『加勢してやる』と、ここで電柱を蹴る大河に言ったこの言葉は、自分に向けられていたものかもしれない。
自分の気持ちへの加勢。大河の思いへの加勢。そして……未来の、今の自分への加勢。
「俺も、お前が好きだ」
長く言う事の出来なかった言葉は、いざ言う時には一瞬にして流れ出る。
「竜児……ようやく言ってくれたね」
「おぅ」
待たせたな、と。
ようやく並ぶべき相手、虎が竜に、竜に虎が追いついた。

***

手を繋いで慣れ親しんだ道を歩く。
町で見かけるカップルがよくあんなにくっついて邪魔にならないな、とか思ってたけど、ようやくその意味がわかった。
こうやって、少しでも竜児の体温を感じられるように傍にいたいと、体がかってにそっちへ寄っちゃうんだ。
『ブブーッブブーッ』
突然、私の携帯が鳴る。でも、今は出たくない。きっと『あの件』だから。
「おい、携帯鳴ってるぞ」
竜児は優しい人。だから、そんな事にも気を配ってくれる。
「いいの。要件はわかってるから」
そう、わかってるから出たくない。
気持ち、報われちゃった。初めて望みかなっちゃった。
だから、チョコを作る時にも思った、望む物は壊れちゃうっていう私のジンクスを壊したい。
竜児が見せてくれた、竜児だけのやり方。
今度は私の番だよね。
ねぇ竜児、笑わないでね。怒らないでよ。

***

大河が電話に出ない。手を離すのを拒むかのように。
普段の俺なら、「出ろよ」とか言うだろうけど、今は俺もこの手を離したくない。
やっと、大河に言えたんだ。俺たちは、ここから始まるんだ。
そう思ったオリオン座が俺たちを照らす夜。
俺は、これから長く続く大河との生活に夢はせていたんだ。

―――次の日の朝、いつまで待っても来ない大河を迎えに、誰もいない大河の部屋に行くまでは。
553名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 15:30:09 ID:HNqJV1Ci
***

なんだよ、なんなんだよそれ。
今日大河は家にいなかった。
ウチに寄りもしなかった。
だから、昨日の事で恥ずかしくなって学校に先に一人で行ったんだと思ってた。
でも、学校に大河の姿は無い。
代わりにあったのは、
「みなさんに大事な話があります」
という担任の言葉。
「逢坂さんは、ご両親の都合で転校されました」
という俺への死刑宣告。
聞いてない、聞いてないぞ大河。
「高須君どういうこと?」「高須?」「聞いてないんですけど〜!?」
口々に俺に聞いてくるクラスの奴ら。
俺に聞くなよ。俺だって聞いてないんだ。
「逢坂さんについては一昨日面談室にて詳しい経緯をお母様に説明されました」
一昨日?あぁ、そういや呼ばれてたな。
「昨日の晩は残念ながら連絡がつきませんでしたが、本日、無事に立たれたとのことです」
そういや、昨日電話取らなかったな。何だよ、それ。聞いてねぇよ。
『ブブーッブブーッ』
携帯が鳴る。なんだよ、こんな時に……メール?

From:逢坂大河
件名:無題
本文:待ってる。

「!!」
あの馬鹿、待ってるって何処か書かなきゃわからないじゃねぇか!!
立ち上がる。先生やクラスの奴らがびっくりしているが知ったことじゃねぇ。
走った。あいつが待っている。場所は書いていないが、きっとあそこだ。

***

「竜児、来るかな」
本当はもっと早く教えたかった。
でも、言葉にしてしまえばそれで二人の時間が終わってしましそうで恐かった。
パタンと携帯を閉じる。
斜めに傾いた電柱に背中を預け、目を閉じた。

***
554名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 15:32:53 ID:HNqJV1Ci
「はぁ……はぁ……」
息が切れてきた。
でも走る。あそこへ。
俺が勇気をもらったあそこへ。
多分あいつは、あの電柱にいる。
「……竜児」
ほうらやっぱり。お前の思ってることなんて丸わかりだ。馬鹿め。
「お前……はぁ……場所くらい……はぁ……書け!!……はぁ……」
膝に手をつきながら息を整える。
大河はしまった!!といような顔をして携帯を見直している。ドジめ。
「で、どういうことだよ、転校って」
聞いてないぞ。本当なのか。
「うん。あのくそ親父事業に失敗して夜逃げしたらしくてね」
マジかよ。
「それで母親が私を引き取るって。あのくそ親父がいないからマンションも近いうちに引き払うつもりだし」
「そんな……」
「ねぇ竜児。私はさ、アンタのこと好きだよ、どれだけ時間が経ってもきっと好き。竜児はさ、私の事……」
「決まってんだろ!!」
「本当に?どれだけ時間が経っても?」
「おぅ!!」
「だったら、だったら待っててくれる?私がアンタのとこに戻ってくるまで待っててくれる?いつまでかかるかわからない、もしかしたらアンタには素敵な女が現れてるかもしれない!!それでも……」
どれだけかかろうと、待っててくれるのか、と問うのか。
「待つよ。お前が、必ず俺のところに戻ってくるってんなら、待つ」
「絶対に?」
「絶対だ!」
大河は少し俯いて、
「……言葉だけじゃ信用できない」
と紙切れを俺に寄こした。
「何だこれ?」
「今朝は、電車一本遅らせてそれを取りに行ってたの。ママにはもう向かってるって言ってあるけど」
なるほど。それで先生は無事に立ったと聞いて……これは!!
「そ、その、誓約書みたいなものよ!!待つっていう」
大河が渡してきたのはなんと婚姻届だった。正確には婚姻届書だけど。で、これに記入しろ、と?
「あ、その、え、えと……」
慌ててる慌ててる。考える暇が全然無かったって顔だ。
「ほら、これでいいのか?」
「え?うん……うん!!」
真面目に書いてやる。胸ポケットにボールペンを入れておいてよかった。
「俺はお前を待つ、それにかけてな。っつうかそれ、本当に提出しちまうか」
「そうしたいけど、まだ竜児は18歳じゃないし、未成年は一方の両親の合意が必要だから。あと二人の成年者の署名、だったかな」
「そうか」
少し、残念だ。
「だ、だからね。えっと、これとは別におまじないをしようと思うの」
「おまじない?」
「うん、アンタが私を忘れないおまじない」
「俺がお前を?忘れるわけねぇだろ?」
「うっさい!!気付いてないでしょうけどね、アンタは結構人気あんの!!アンタの顔が恐いって言ったって少し一緒にいればそんなの気にならないってすぐにわかるの!!私がその証人なの!!」
「お、おぅ」
鼻の頭をかく。大河にそう言ってもらえると、こうむずがゆくなる。
大河は、ポケットから包装されたソレを取りだした。

***
555名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 15:33:52 ID:HNqJV1Ci
私は今朝用意したこれを開封した。
ふわっと甘い香り。これはチョコレート。
バレンタインは一日過ぎちゃったけど、でもみんなと同じじゃないチョコを竜児には食べて欲しい。
だから、ぱくりとチョコを咥えて、
「んっ」
竜児に顔を向ける。
「は?……まさか?」
「んっ!!」
そのまさかだってば。早くしてよ。こっちだって恥ずかしいんだから。
「お、おぅ」
竜児の唇がチョコに触れて、そのまま私の唇に繋がる。
甘く広がるチョコを竜児の中へ。
竜児が舌でチョコを溶かしているのがわかる。
「んっ……むふふぅ……んん……」
竜児とのキスはまだ3度目だけど、どれも長くなる。
今回は特に。
これからしばらく会えないんだ。ずっとキスできないんだ。
もう忘れないように、竜児の唇を、感触を、熱を、臭いを、全てをできるだけ刻み込まないと。
でも、きっと無意味。
どうせ離れた瞬間には寂しくなって欲しくなる。
どんなに覚えようと、この瞬間に勝るものなんて無い。
チョコがトロトロ溶けて竜児の口からチョコの味がしてくる。
「アン……んっ……はぅ……あ、んん……」
何度も唇をはみあって、両手を回して、まるで今生の別れみたいに。
離れるという事をしらないお互いの求め合いは、体がとろけそうになっても続く。
チョコの味がするキスは、私の味なんだから。
竜児、忘れたら許さないんだからね。

***
556名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 15:34:37 ID:HNqJV1Ci
大河、お前がいなくなってわずか一週間。
俺は既に耐えられないと思う。
ついいつもお前がいたところを見ちまうよ。
二週間目に入って、慣れたと思いきや俺はいないお前に話しかけてた。
そこに誰もいないとわかっててもつい言葉をかけちまう。
一ヶ月経って、そろそろお前のシャンプーが切れる頃とついいつもの奴を買っちまった。
どうすんだこれ?俺が使うのか?
二ヶ月経った。ようやくお前がいなくても心が穏やかになってきた、と思いきや、
「竜ちゃぁん〜やっちゃんのストッキングが無いよぉ〜」
とか泰子が言い出して、てんてこ舞いだった。俺に心休まる暇は無いらしい。
三ヶ月経って、「竜ちゃん判子がないよぉ」とか「ふえ〜んボールペンないよぉ」とか言い出す泰子にも大分慣れてきた。
いや、慣れるってのは違うか。
お前がいないで泰子の相手をするっていうのに、昔の生活に戻ったことを体が思い出し始めた。
今だ米は炊きすぎて後悔するけど。
そういやそろそろ、お前の嫌いなプールが始まるころだな。
今俺は教室の窓から外を見てるけど、お前はどうしてるんだろうな?

***

「ねぇ?あれ誰?なんか見たことある気がするんだけど」
「背小さいね。セーラー服だし余所の学校の子?」
そんな噂をされながら、下駄箱に近づくふわりとした長い髪を持つ小さな少女がいた。
二年の下駄箱に入っていって、ふと思いついたようにある下駄箱に触る。
触ったのは『富家』と書かれた下駄箱。
「あの、僕に何か……あ!?」
その下駄箱の使用人であるらしい男子生徒は、恐ろしいものでも見たような顔になる。
「この下駄箱、今はアンタが使ってんのね」
少女は張りのある透き通った声で呟き、下駄箱の使用人には目もくれずつまらなさそうに歩き出す。
止まったのは三年の下駄箱。
ネームプレートには『高須』の文字。
ニヤリと表情を歪ませると、自分の外靴をその下駄箱に放り込む。
長いソックスだけになった足には、来客用の大きなスリッパを履いて少女はその場を後にする。
この学校の制服を着ず、セーラー服の彼女は、まるで知っているかのように廊下を歩き職員室へと消えていった。

***

ガララと教室の戸が開く。
担任の恋ヶ窪ゆり先生(30(今だ独身もうじき31))が出席簿を持って入室する。
今日も一日、お前がいない授業が始まるかと思うと、勉強がはかどりすぎてつまんねぇよ。
はぁと溜息を吐く。
「今日は、みなさんに新しいお友達を紹介します」
「男子ですかー?」「女、女来い!!可愛い娘!!」
クラスの連中が騒ぎ出す。つまらない日常になにがしかの事が起こりそうだぜ大河。
そんな、心の中の大河に話しかけるという危ない(?)癖がついた俺だが、いたって正常に日々を過ごす。
「はい、入ってきてください」
言われて転校生が教室入ってくる。どうやら女のよう……は?
「えーみなさん。挨拶は……いらないかしら?」
入ってきたそいつは、制服じゃなくセーラー服を着ていて、長いふわりとした髪を揺らして小学生かと見まがうほどの背丈で、
「いえ、自己紹介します」
そうよく知ってる声で言って黒板に名前を書き始め、頭には見覚えのある髪留めがしてあって。
もちろん、勘違いかもしれないし、見間違いかもしれない。けど、俺の記憶とそれはピタリと一致して。
随分と古そうだけど、でも輝きは失わずに眩く光って自己主張をし、まるでただいま、と言っているようだ。
カッカッとチョークで名前を書くその後姿はそのただいまにぴったりで。
さっとこっちを振り向いて、そいつ、俺のよく知ってるそいつは笑顔で……は?
「ただいま!!竜児!!」
笑顔をこちらに向ける。その背中にある黒板にかかれた文字は、

――――高須大河――――
557名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 15:41:30 ID:HNqJV1Ci
はい終わりです。
お付き合い頂きありがとうございました。
原作は半分くらしか見てなくて、あとはアニメなんでアニメ主体ですがラストは伝え聞いた原作をもじりました。
一カ所32とかでかく書いてますけど気にしないで下さい。
書くのに話数をつけてたら消すの忘れただけです。
何気に前回の手錠より長くなったし。
とにかく楽しんでくれるといいな。
最後に、心配してくれたり感想くれたりした人本当にありがとう!
558名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 15:43:40 ID:RUt4c3oc
>>557
最高でした
原作をまじえつつってのがすげーよかった。
3年で楽しい生活を送れそうでなによりだー
559名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 15:46:46 ID:+sVBFToQ
>>557
まじおつ
560名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 15:51:42 ID:omeCaV4s
>>557
GJ!!!
凄く良かったです!お疲れ様です、感動しました!
各部アニメとは違く尚かつ深い!動悸かと思う程ドキドキしました(笑)
561名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 16:00:43 ID:l9L+NWmq
>>549

なんという俺w
興味ないね(むしろ好きじゃない)声優→なん…だと…素敵すぐる声優へ。
まあとらドラだけが原因じゃないんだけど、トドメは確実にとらドラだった
562名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 16:06:59 ID:W70NXlNK
>>557
すごすぎるわwwww
それを、同人とかでだしてくれたら絶対買うわ。

こっちがありがとうといいたい。
563名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 17:30:02 ID:wfGfxw1b
最高のオチをつけてくれたなwww
ニヨニヨが止まらないぜ
564名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 17:47:17 ID:qXy3Bffk
>>557
お疲れです。

富家不幸体質過ぎる(w

原作、後半はぜんぜん違うから、前半だけ読むのもったいないよ。
565名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 17:55:06 ID:74RqX9gL
うん。MOTTAINAI!!

それにつけても、>>557は乙でお疲れ様でした。そしてイイ話をありがとう。
566名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 18:01:27 ID:bMc3JGpY
>>557
仕事中なのに涙で顔がぐしゃぐしゃになったじゃねーか(;´д⊂)
567名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 18:04:51 ID:RH2p6srd
>>547
スピンオフネタのことは知らなかった
原作まだちゃんと読んでないのよ
アニメも文化祭のあたりから見始めたし
568名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 18:09:14 ID:TDNDQSXi
>>557
なんだ、ただの神か・・・
お疲れ様でした。ありがとう
569名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 18:21:00 ID:9zKIvrUg
長めのものを一気に投下とか有りか?
20以上レスを占拠するとかやっぱ暴挙か。
そしてそれぐらいの長さになる妄想をする自分の頭は沸いてる。
570名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 18:32:18 ID:5fidh9Xq
人口の少ない時間帯なら有り。午前2時過ぎから早朝までは基本的に誰もいない。
でなければ二つ以上に分割するべきだと思う。
571名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 18:56:40 ID:aUmTIEeW
>>557
乙!アニメの頭突きENDがちょっと残念だっただけに
こんな終わり方だったら思い残すことは無かったのに・・・
と思うくらいいい出来だったよ。
572名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 19:10:09 ID:74RqX9gL
>>569
連投規制は考慮しといた方がいいと思う
573名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 19:10:41 ID:L0DpYPSQ
>>557
長編完結乙!超GJだぜ!!
雪山救出後の竜児の怪我とかオリジナルが光ったと思う
駆け落ちなしでまとめたもんなぁ すげぇよ
手錠も今作も好きだから次回作にも期待!…だが

今はゆっくり休んでくれ!ホントお疲れ様!!
574名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 19:11:43 ID:YbahPvPa
>>557
泣けた

授業中に下駄箱に居る富家は不良
575名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 19:12:57 ID:Otrk2EI4
>>569
連投に関してはわからんので>>570を参照のこと。

妄想に関しては、愛さえあればこのスレでは100%許されるかと。
期待してるぜ!!
576:2009/04/19(日) 19:16:24 ID:RH2p6srd
>>569
バイバイさるさん発動は頭に入れておいた方がいい
Samba24はカウントしてくれる専ブラを使おう
●持ちなら両方無視出来るがバーボンに飛ばされることもある
577名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 20:11:29 ID:9zKIvrUg
みんなサンクス。
とりあえず、さるを気にしつつ、2時以降ぐらいの人いない時間に
おいとくことにする。
578名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 20:12:51 ID:HNqJV1Ci
>>557だがみんなありがとう。まさかこんなにレスくれるとは思ってなかった。
一つ勘違いさせてしまったようなので言っておくと、原作はまだ呼んでる途中なのです。
アニメは全部見てるからストーリーは頭に入ってるんで次々湧くアイデアを文章化してたら読むのが遅れ気味になっただけ。
ちなみにもう現在までのは全巻購入済みでPSPも予約済み(もち限定版)
ゆっくり休んでくれと嬉しい事を言ってくれた人もいるが実はもう新作のネタは二つくらいできてるんでまた書きためたら投下するつもり。
なのでまた読むのが遅くなるがきちんと読みます。絶対!
みんなこのif見てさらに暖かいレスまでくれてありがとう!
>>569
長編楽しみにしてる。
ちなみに一回連投規制に引っかかった身として言っておくと、何時何分の同じ時間中には8回が限度だったはず。
あと、現スレの容量(今433KB)も確認したほうがいいかも。
少し小出しにして次スレで一挙に公開、とか。
579名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 21:05:12 ID:UvsTdasP
>>557
ヤバい、リアルに泣いちまった
580名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 21:10:18 ID:qXy3Bffk
ちょっと質問。
このスレ的には長い段落は改行したほうがいい?それともそのまま書いたほうがいい?

改行:
固まっていたご飯は竜児のお玉さばきの前にたちまち屈服し、おとなしく卵と絡ま
って金色に染まっていく。荒事は苦手なくせに家事に使う筋肉ばかり妙にたくまし
い竜児が、こればっかりは大河も苦笑するほど凶悪な笑みを浮かべて鍋を振り、ご
飯を返す。

そのまま:
固まっていたご飯は竜児のお玉さばきの前にたちまち屈服し、おとなしく卵と絡まって金色に染まっていく。荒事は苦手なくせに家事に使う筋肉ばかり妙にたくましい竜児が、こればっかりは大河も苦笑するほど凶悪な笑みを浮かべて鍋を振り、ご飯を返す。

ブラウザとか、専ブラとか、ケータイとかで変わるんだろうけど。そろそろ長編
投下はできない容量になってきたので、埋めには早いけど質問。
581名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 21:38:43 ID:wfGfxw1b
>>580
単語の切れのいいところで改行しつつ揃えてもらえると嬉しいな。

固まっていたご飯は竜児のお玉さばきの前にたちまち屈服し、おとなしく卵と絡まって
金色に染まっていく。荒事は苦手なくせに家事に使う筋肉ばかり妙にたくましい竜児が、
こればっかりは大河も苦笑するほど凶悪な笑みを浮かべて鍋を振り、ご飯を返す。

これで一行半角80文字くらい。
582名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 21:46:13 ID:qXy3Bffk
わかる、俺も本当は単語のきれのいいところで改行したいし、してた。

けど、無理だわ。最近投下したやつで、原稿用紙100枚分くらいある。
エディタつかってばっさり自動改行して余裕の1000行越え、で、あと
で空行いれてったから、1500行くらいあったと思う。

正直、勘弁してほしい。

ま、ワガママなんだろうけど。
583名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 21:53:47 ID:GEG0/v2k
そんなに書いてるんだ・・
ギシアンとか3行で終わらしてた自分がなんだか逆に、笑えてくるww
584名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 21:56:58 ID:fqwWuue9
ギシアンは大事
585まとめ人 ◆SRBwYxZ8yY :2009/04/19(日) 22:06:05 ID:b+36NVk8
個人的には改行してくれると見やすいけど、それが苦行になっちゃうと本末転倒だし
自分のやりやすいほうで良いと思うます。


ただ、文頭に「、」や「。」が来る場合は、まとめる時にこちらでいじっております。
自分の使ってるテキストエディッタだと改行やタブを指定できるので、
『改行、』→『、改行』のように自動置換できて便利。



つうかもう容量400K超えたんだ…
はえーよちくしょう皆グッジョブだよこのヤロウ!大好きだ!!
586名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 22:09:44 ID:bHrfKNPe
だれかどっかにまとめうpしといて
たのんだわよ
587名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 22:09:54 ID:W70NXlNK
>>585
毎回毎回ご苦労さんとしかいいようがない。
どんな作品でもちゃんと入れてくれてるあたり
とらドラ!やここの職人への愛を感じる。

これからも、よろしくお願いします
588とらドラ!感謝祭 大喜利編:2009/04/19(日) 22:12:36 ID:yhhufEV4
>>461
続きです。アクセス規制のとばっちりのため、携帯からです。


実乃梨「お?大河、連荘とはねーー、リベンジかい?いいよいいよー!」
大河 「1枚しかないし、まじめにやる。国会とかけて、中尾彬のマフラーととく」
実乃梨「ほほぅ?そのココロは?」
大河 「ねじれてます!」
実乃梨「わお!!風刺がきいているねぇー!?そうそう。ねじれてるから、なかなか
政策が通らないのよねぇ。
    ま、麻生首相もがんばってんだし、野党も真面目に仕事をして欲しいですよ
ね。これはうまいわ!
    うん。能登君!大河に2枚やって!」
大河 「えへへー、どうよ?知的な私をアピールできたでしょ?」
竜児 「そういうことは人前で言うな。」
実乃梨「ナイス指摘!特別に高須君にも1枚あげよう。そうだぞ大河?
    私はいつか言おうと思っていたけど、あんたはもっと自重しなさい。」
亜美 「そうそう、言いたくても胸にしまっときなさい。……あればだけど
ねーー。」
大河 「!!」
実乃梨「はい、じゃ、あーみん。」
亜美 「高須君とタイガーとかけて」
実乃梨「やっぱ、そのネタ多いね……まぁ、どうぞ?」
亜美 「磁石とときます」
実乃梨「ふんふん。なんとなくわかるよ。」
亜美 「時に反発し、時にくっつく。」
実乃梨「大河はツンデレさんだからねー?まぁ、そこがいいとこなんだけどさ。」
大河 「ツンデレとか言うなーーーっ!!」
竜児 「こら!暴れるなって!」
大河 「うるさい竜児!!」
竜児 「あーもう!……はぁ…。もうちょっと落ち着きがあってもいいと思うんだけ
どなぁ?」
大河 「……私が寛容じゃないって言うの?へぇーー?それはそれは。
    ……わからないアンタには、主人が誰かってこと、再確認させる必要がある
わね?」
竜児 「え?……ちょっと待て!待て待て待て!髪引っ張るな!」
大河 「いーじゃない!そのゴロツキ目つきが隠れて丁度いいわよ!こうしてこうし
てこうしてやるっ!」
589とらドラ!感謝祭 大喜利編:2009/04/19(日) 22:16:48 ID:yhhufEV4
>>588

竜×大「……!……!……!……!……!……!……!……!……!……!……!」
亜美 「なーにやってんだか。―――でも、一度くっついたら離れません……って、
なにいってんだかねー?私も。」
実乃梨「……あーみん……。」
亜美 「あのさ、実乃梨ちゃん……(小声)私も“途中参戦”じゃなければなーって
時々思うの。
    今更どうしようもない後悔の連続よね。終わってしまったことに執着ばか
り。ちょっと羨ましいのかな?
    タイガーと高須君が。……あーあ……。……本当はね?タイガーを素直に祝
福してあげたいの。
    してあげなきゃって思うの。おめでとうって本心では言いたいの。でも……
それが、
    今のわたしには、とてもつらい……。言いたくても……。……それだけ。そ
れだけよ……。
    ……ふふっ、何言ってるんだろーね?私も。」
実乃梨「…………。」
亜美 「……実乃梨ちゃん?」
実乃梨「……能登君、……ちょっといいかな?」
能登 「ん?」
実乃梨「……あのさ、あーみんと、……1枚しかないけどさ、私の座布団を高須君と
大河に…ね。」
竜×大「……へ?」
能登 「(小声)ふーん……なるほどね。おまえらさ、……おまえら、いいやつだよ
な。」
亜美 「え……?」
能登 「その座布団が、“今の自分に出来る精一杯の祝福”って訳だ?」
亜美 「実乃梨ちゃん……!」
実乃梨「へへーーー。私もさ、あーみんと一緒なんだよね。やっぱり。……ね。」
大河 「みのりん?ばかちー?能登君?何笑ってるの?」
実亜能「「「べっつにーーー?」」」
590名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 22:16:52 ID:wfGfxw1b
そして竜児爆発頭w
591とらドラ!感謝祭 大喜利編:2009/04/19(日) 22:18:45 ID:yhhufEV4
>>589


能登 「ま、とりあえずお前もコイツ敷いとけ。何もないと足痛いだろ?」
実乃梨「お?気が利くねぇーー。能登君のそういうところ、とっても素敵だと思いま
す。」
能登 「脇役生活長いからな。俺もスピンオフ、お呼ばれしないかなー?」
実乃梨「レギュラーは大変だぜ?つらいことも沢山あるし……。」
能登 「その分、良い事も多いと思うぞ?俺は。少なくとも、手前の1人はお前のこ
と理解してくれてる。」
実乃梨「……ん。そだね。救われるもんだね。」
能登 「……ちょっと事情で、俺はお前の隣には立てないけどな。
    それに握力50オーバーは……でもな、隣に立てないからこそ、離れて客観
的にわかることもある。
    そういうのって、大事なことだろ。その人に必要なのは、なにも1人だけ
じゃないってことだ。
    おれもさ、お前は幸せになるべきだって、思ってる。」
実乃梨「……能登君、君は、さ、……やっぱり君はいいやつだ。」
592とらドラ!感謝祭 大喜利編:2009/04/19(日) 22:20:57 ID:yhhufEV4
>>591

実乃梨「さ、気を取り直していこー!10枚目指して頑張ってくれ!」
竜児 「じゃ、次、俺!」
実乃梨「ほいさ!高須君!」
竜児 「プロ野球ペナントレースとかけて」
実乃梨「またかい!まあいいよ。んで?」
竜児 「大河の父親ととく」
実乃梨「ほぅ?で、そのココロとは?」
竜児 「最下位(再会)は、ごめんです!!」
実乃梨「お!以外にうまいねぇ!……まぁ、大河はどう思うかわかんないけどさ、
     やっぱ私たちには受け入れられないんだよ。大河のお父さんは、さ……。
能登君、高須君に1枚やって!」
能登 「はいよ。」
大河 「竜児…………あんた、まだ………。」
竜児 「大河……これからは、大河は、俺が護るから!///」
大河 「っ!!―――竜児…………/////////」
実乃梨「能登君ー、オーダーキャンセルねー!やっぱ高須君の、全部もってってー
!」
大×竜「ええっ!!?」
亜美 「……ばーか。」
実乃梨「あのさ、私は傷心なの。わかるか!?こうも毎度毎度目の前でべったらべっ
たらとー!
事あるごとに、いちゃつくなー!春なのに暑苦しいわ!!(あーみんの気持ちも少し
は考えなって!)」
竜児 「あー……。能登ぉーTT」
能登 「……余計な一言が、人を傷つけるもんだって。
    …………俺の権限で、さっきの櫛枝氏の1枚だけは残してやる。」
実乃梨「……ぅーーー///」
大河 「……竜児……はい……私も、1枚あげるわ///」
竜児 「おぅ!?」
大河 「……気持ち……うれしかったから///その……あ、ありがと……///」
竜児 「お、……おぅ……」
能登 「ホント、高須は幸せ者だな。やれやれ……なぁ?もういいだろ?これで。」
実乃梨「いいよ。……さすがにもう、つっこめねー……。
     もういいもん!所詮私は独りだよっ!……つぎいこー!」
竜児 「……あのさ!ちゃんと言っておきたい!お前にも、また幽霊が見えるときが
来る!
見て欲しいっていう幽霊がきっと出てくる!そうあって欲しいと、俺思うから!本当
に!」
実乃梨「―――!!―――」
能登 「―――!!……だから、おまえそういうのが余計なんだって。」
竜児 「えっ?」
実乃梨「(私の見たかった幽霊は、私を見て欲しかった幽霊はさ、
     やっぱり、君だったんだけどな……うん、君だったんだよ……)」
593名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 22:21:21 ID:W70NXlNK
>>591
まさかの展開ww
このまま実×能が出来上がってしまうのか!?
594とらドラ!感謝祭 大喜利編:2009/04/19(日) 22:23:49 ID:yhhufEV4
>>592


北村 「なんだ?幽霊って?3人だけでナイショ話はズルいな?」
実乃梨「あっそ?へーいへい。へいへーい。じゃ、そこのおまえ。」
北村 「(おまえ!?いま、おまえって呼ばれた!?)えっと、えっと……じゃ、脱
ぎます……。」
実乃梨「―――能登君、北村君の全部持ってけーーー。」
北村 「いや、まて!冗談だって!」
狩×能「北村……勘弁してくれ……。」
実乃梨「“ワカメ”の幽霊はもういいの!トラウマなの!!乙女の純情をなんと心得
る!?」
北村 「いや、ちゃんとやります。やりますから!」
実乃梨「ホントに?嘘だったら原作5巻の“ズドンッ!”だぜぇー?」
北村 「やりますやりますやりますから。」
実乃梨「っっっとに、しょーがないなーーー。はい、どうぞーー?」
北村 「春田浩次とかけて、食べにくいところてんととく。」
実乃梨「ふーん?で?そのココロは?」
北村 「箸にも棒にもかかりません。」
実乃梨「ほ!?ほほう!うんうん!いいんじゃない!?おもしろいよ!
    ちゃんと言葉の意味もきかしてるねー!」
北村 「はははーw」
実乃梨「ま、何もないのはさすがに可哀相か。1枚あげよう。もうオイタはだめだぞ
?」
北村 「ははーっ恐れ入りますーっ!」
木原 「ねぇ?箸にも棒にもって、どういう意味?」
竜児 「なんだっけ?」
狩野 「箸にも棒にもかからない、というのは、どうしようもない、という意味だ。
    ……なんか、ちょっと、かわいそうなやつだな。」
木原 「……そう思っている人間は、多分いないと思います……。」
能登 「―――(まぁ、今はこういうので、いいのかもな……。)」

595とらドラ!感謝祭 大喜利編:2009/04/19(日) 22:28:27 ID:yhhufEV4
>>594


ちょっと箸休め

この感謝祭大喜利のお話は、今日の「櫛枝 川嶋 能登」と「竜児 櫛枝」の掛合い
をしたいが為に創作しました。
竜×大の趣旨とは本来かけ離れているかもしれません。
しかし、彼ら彼女らのように「誰かが幸せになる」ということは、
それを支えてくれる人たちの協力と祝福、あるいは犠牲によって成り立つのだという
ことを、
そして、その人たちも幸せにならなくちゃいけないということを、私なりに伝えたく
て描きました。
おこがましいかも知れませんが、それが裏のテーマです。
でも、会話だけで進めることの難しいのなんの。

まだまだやりたいことはありますが、感謝祭のお話は、次回でおひらき予定です。
よろしければ、最後までお付き合いください。

PS、アクセス規制で携帯から書いてます。
もしも、まとめサイトに載せていただけるのであれば、
改行調整していただけるとありがたいです。

あと、ネタがポンポン出てくる、というコメント頂きました。
頭の中に櫛枝さんが住んでいるので、ネタには尽きないです。
実乃梨「おうよっ!年中無休だぜー!?」

596名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 22:48:33 ID:GEG0/v2k
ポンポン出てきて感心
と書いた本人だが、そうは書いたものの、そこにはやはり産みの苦しみってのもあるんでないかと推察する
それもひっくるめて、やっぱあんたすげえよ。

なんだかんだ言いつつ・感じつつ2chを毎日見てしまうのは、やはりたまに光るあんたみたいな宝石を見つけちゃうからなんだよ
さて おれもそろそろなんか作るか・・ちょうど今日、弟の結婚式だったし
597名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/19(日) 22:50:54 ID:W70NXlNK
>>596
弟おめでとう!
竜虎みたいに互いで高めあってほしいものだよね。
心から祝福します
598:2009/04/19(日) 23:56:14 ID:RH2p6srd
>>580
IEで書いてるの?
俺は文節で改行して欲しい

固まっていたご飯は竜児のお玉さばきの前にたちまち屈服し、
おとなしく卵と絡まって金色に染まっていく。
荒事は苦手なくせに家事に使う筋肉ばかり妙にたくましい竜児が、
こればっかりは大河も苦笑するほど凶悪な笑みを浮かべて鍋を振り、ご飯を返す。

こんな感じ
単語の途中での改行は2chだと違和感ある
599:2009/04/19(日) 23:57:54 ID:RH2p6srd
って書いたら既出だったのでアニキャラ個別板の設定でも

1レスの最大容量は4096byte
最大行は60行

2chの設定ではかなり多い方だぜ
600名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 00:04:52 ID:lKVdqdOw
>>598
いや、書くのはオンラインのワープロを使っている。これだと昼休みにも出張先でも書ける。

全部書き終わった後にエディタにコピーして、適当な長さで改行させている。このエディタ、改行時に禁則を認識しないんだよ。

改行無しで投下してみようかな。
601名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 00:08:43 ID:mEKYLBsX
>>600
まったく改行無しだと

長すぎる行があります!
って警告出るけどね

Jane Styleと併用した方いいよマジで
プレビュー機能もあるしSamba24規制警告機能もあるし
何行まで書けたかってのもわかるしね

参考画像
http://nhkgfile.s4.x-beat.com/cgi-bin/source3/Yellow_2756.jpg
602名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 00:10:16 ID:0YP0AdZm
>>595

面白いんだが、余分な記号とかはない方がいいかなぁ
603名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 01:29:01 ID:LuhB8CLq
>>254

***


「うー、はぁぁ――――」


もごもごと蠢いた布団の中から、ピン、と二本の脚が天井に向けて突き出され、


「――とぅりゃあぁぁぁああ!!」


気合一発、振り下ろされた両足、そして同時に舞ったしなやかな四肢――


髪を乱しながらの一瞬の空中浮遊を終え、ぼふんと音を立ててベッドに降り立つ。


「ふとんが……ふっとんだな」


AM7:00、櫛枝実乃梨が謎の一言と共に覚醒した




――――乱れ髪の下、その目元は真っ赤に腫れていたが




「うおおぉぉぉ、目元が痒いぜこのやろっ!ダンカンこのやろっ!」


失恋直後の女子高生とは思えない叫び声を上げ、両目を擦る。

一度の溜息を挟んで上げた顔は、何故か晴れやかだった。



「……よかったね、大河」



***



大河に"真実"を問い詰めようと向かったのは昨日の晩のこと。

マンションの玄関先に現れたやたらずんぐりした影に実乃梨はぎょっとして足を止めた。


聖夜祭に行っている筈の高須竜児がそこに立っていたのだから。
604名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 01:32:21 ID:LuhB8CLq
>>603

目つきの悪い、もといヤンキー面の青年が首から下だけコミカルなクマに扮している――――



普通であればその不恰好さに笑いが起こる所であろうが、この時はいささか状況が違いすぎた。

腕の中には大河が、しかもぬいぐるみの胸に顔を埋めて泣き喘いでいたのだ。



なんとなく、いや、結構明確には感付いてはいたものの……目の前で見せ付けられるとかなりキツかった。
605名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 01:34:44 ID:LuhB8CLq
>>604

『大河はそれでいいの?』


問い詰めるために用意した言葉は、この時点で全く必要無くなった。


大河には高須君が必要で、高須君は世話好きの域を超えて大河のことを愛おしく思っているはずだ。

自覚が芽生えた二人に、自分が介入できる余地など全く無い。


「……邪魔者は、退散するとしますかね」


二人には聞こえないよう呟いた言葉。ただ居た堪れなっただけだ。

逃げ出そうと、目を逸らそうとした瞬間、顔を上げた高須竜児と目が合った。


「く……」

反射的に開いた両手を突き出し、黙らせる。

一瞬言葉を詰まらせた彼は、視線を落とし、

「……ごめん」

――なんで謝るんだか。


突き出した手を握り、親指だけ立ててやる。

動揺の色を見せた彼に対し、自分は気丈だった。


そしてもう、限界だった。

踵を返して、その場から逃げ出す。


――この恋は、終わった。
606名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 01:47:23 ID:LuhB8CLq
>>605

「もう泣かせないから!」




逃げ出した私の背中に高須君の声が飛んだ。思わず駆け出した足を止めてしまう。


『大河を泣かせたら承知しないから』


思い出すのは昔、二人の仲を"勘違い"して告げた自分の言葉。


「誰よりも、何よりも……大河が大切なんだ」




――そう、それでいい。


私の気持ちは、違う形で報われた。これでよかった。



半回転、敬礼を決めた、再度回れ右をして駆け出す。


======

連作なのにかなり間隔開いた。申し訳ない;
ほんと収集つかんくなった…もうちょいもうちょい言いながら次スレまでいくよなぁ、確実に。

つーか同シチュからの>>556が神過ぎw肩身の狭さを分かってくれw
607名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 02:24:00 ID:r+l/C1b4
こうも出来の良い長編ばかりだとギシアンネタしか書いていなかった俺の錆びれたはずの物書き魂が目を覚ましてしまいそうだ
誰かお題をくれたらもしかするとなんか書くかもしれない
608名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 02:53:19 ID:aIyVbzeI
・大河と竜児、無人島で遭難
・大河のおやつが無くなった。犯人は誰だ?本格ミステリーもの

パッと思い付くシチュはこんなもん
どうやってもイチャイチャに結び付きそうにもないなあ…
上のは非現実的過ぎるし
609名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 06:42:26 ID:PHIKQGWd
>>606
再開乙
おいらは氏のお話も楽しみにしてます
頓挫なんかさせないで必ず書ききってください
待ってます
610名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 08:47:58 ID:9GWZdRvU
竜児「牛乳が切れてる……俺としたことが……」
大河「しょうがないわねぇ……スーパー行く?他なんか買っとかなきゃいけないものある?」
竜児「牛乳とそうだな……まぁそれだけでいいや。すぐ出るか?」
大河「支度するからちょっと待ってて〜」
竜児「ああ。……なぁ、大河」
大河「ん?なによ??」
竜児「あいしてるよ」チュッ
大河「んっ……竜児///」






ギシギシアンアン×2
611名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 10:14:17 ID:lMi+lIOW
>>610
牛乳のくくりいらなくね?www
612名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 10:46:49 ID:9GWZdRvU
>>611
最後の「×2」の意味を探していただきたいと……
613名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 12:28:11 ID:+mnPv0js
>>612

んもぅ♥
614名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 12:31:43 ID:Ebrpka60
竜児「牛乳が切れてる……俺としたことが……」
大河「しょうがないわねぇ……わ、私のでよければ…///」
竜児「!?」
615名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 12:35:26 ID:7lsYqWB3
「搾乳プレイ!? 出るわけ……、つーか搾れるほど胸ないだろ」
「……#」
616名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 12:37:09 ID:9GWZdRvU
>>613 そんなこと考えもしなかったwwww

まぁこんな下らん埋めネタでスレを消費するのも神々に申し訳ないので……




正解は縦読みです
617名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 14:47:32 ID:DU9f22Ps
>>606

敬礼みのりんに泣いた。
言葉が少ない分、じっくりと読ませてくれる。情景が浮かぶ。 

他の神は気にせず、じっくりとお願いします。

楽しみにしています。
618名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 15:59:22 ID:r+l/C1b4
大河「あ、あのね……り、竜児のミルク……飲みたいの……」
竜児「……」


チュパチュパ



あああなにやってんだ俺結局これかよ
619名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 16:24:59 ID:+W/76VCm
だがそれが良い
620名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 16:44:05 ID:5Xes+zc8
>>616
把握した
621名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 18:09:38 ID:etvcoWmJ
禁欲的な竜児は、貯めていた精液の量もハンパなく
小さな大河の口に大量にぶちまけられるが、容量を超えたそれは鼻からも溢れ出し
激しく咳き込む大河を介抱しようとその顔を見るが、
余計興奮して激しくいきり立ってしまう高須棒

む・・あんだこの 股間のテントは・・
622名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 18:22:25 ID:ULnfR+L9
次スレ立てる準備はもう出来てるがまだ早いな
623名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 21:54:03 ID:IEk/uCrE
最近絵師が来ないので自分のSSに挿し絵書いてみた。

http://imepita.jp/20090420/784740

ifのチョコくわえて竜児を待ってるところ。
手錠はめんどくなってやめた。
しかし画力が錆びついているなぁ。昔はもうちょっとは画力があったはずなんだが。
絵の投下は初だがこれって投下OKレベルか?
624名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 22:21:40 ID:r+l/C1b4
「んっ……」
ちゅっ、と大河が竜児の硬くなった高須棒にキスをする。
まるで竜児本人とするときのような、あるいはそれ以上に優しいキスを、その艶やで柔らかい唇を使い何度も何度も高須棒に落とす。
そんなどこかじらすような大河の責めに耐えかねたのか、懇願の涙を流すかのように高須棒の先端から伝いだした透明な液を、今度は舌を伸ばしてペロリと舐めとる。
そんな不意打ちにビクリ、と反応した竜児を上目遣いで見上げると、大河は次に伸ばした舌を使って「それ」を丁寧に舐めはじめた。
先端部分周辺をアイスを食べる時のようにチロチロと舐めたかと思えば、根元から裏の筋にかけてねっとりと舌を這わせる。
その時微かに愚息が触れる紅色の頬の熱さや、栗色の髪の艶やかさが、大河のザラザラしつつも粘りつくような舌の感触をより引き立て、竜児の息を荒くさせ……


ああなにやってんだ俺は
625名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 22:29:55 ID:r0xVZx9c
>>624
君はエロパロにいった方がいいと思う

けどな

俺は好きだぜww
626名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 22:46:24 ID:Ep6UyVph
>>606
いつもはROM専なのだが
みのりんの描写がすっごい切なくて泣いた

突然失礼しました。

627名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 23:09:24 ID:nE7S2DNx
>>623
大河に乳生えてるお
栄養のバランスが取れたおかげか
628名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 23:10:06 ID:nE7S2DNx
>>625
エロパロのまとめ見たが意外にエロが少ない件
だがそれでもいいのだ
629名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 23:29:49 ID:r+l/C1b4
>>625
まだ俺の文章力では全然エロスが足りない
630名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/20(月) 23:42:28 ID:Ebrpka60
>>623
ゴクリ…
631名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 02:55:04 ID:TgdYnDiF
>>627
むしろ竜児が夜な夜な(ry
632名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 03:14:58 ID:S+lEvhIP
竜児×大河じゃないところにワロタ
やっぱそうかw
633名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 03:34:12 ID:4/26GHUr
なんか ここもエロパロ板みたいに口やかましのが出て来たな
ここは何でもアリで楽しかったのに…

エロパロ板みたいに一部の人しか書かなくなるのはイヤだよ
ギシアンもがんばれ〜
634名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 03:52:42 ID:wTXgk9S5
>>633が何にイライラしてるのかが分からない。
635名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 04:27:02 ID:EJ98GOoZ
>>633
口やかましいコメあったっけ?
それより竜虎で一緒に和もうじゃないか
636名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 05:17:28 ID:XMCiecBv
俺はスレが始まった頃のムラムラした感覚が薄れてきて創作意欲が減衰してきたのでどうにかしてくれ
637名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 08:47:39 ID:tlplEVbm
お昼に短編投下予定。。。
638名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 09:43:34 ID:dN+7fb8Z
>>633
まだマシだろ。以前なんて、長編ウゼーとか言うアホな椰子が居たんだから。
639名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 10:07:20 ID:8LPz3Wq4
>>636
>>624を読んでムラムラするといいよ
640名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 10:42:48 ID:6lIIArMH
喧嘩なんかするな。あんまり騒ぐと木刀持った
校内最高ランク危険生物がヤンキー従えて殴り
こんでくるぞ。


「竜児、こいつら殺していい?」
641名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 11:58:57 ID:X+QhlIz8
〉〉637
期待してる
642名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 12:00:23 ID:X+QhlIz8

≫1
643名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 12:34:30 ID:RLTVyGMv
>>641-642
携帯ですか?
もしべっかんこ(http://ula.cc/)でアクセスしてるのならば
アンカーつけたいレス番号クリックしてみてください
また、ポップアップするのは全角の「>」か半角の「>」だけです
644名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 12:35:22 ID:RLTVyGMv
「It's a rainy day」

その日は朝から雨だった
雨音が響くアパートの一室
高須竜児は雨でテンション下がりまくりな幸福の手乗りタイガーこと
逢坂大河の髪の毛を三つ編みにしている最中だった

ふんわりとした栗色ロングの彼女の髪の毛は
雨が降ると結構えらいことになってしまう
いつものようにおろしたままでいるのは正直よろしくない

「ああもう、雨なんか大っ嫌い!(プンスカ)」

ふたつの三つ編みを作った髪形の小さい女の子は
雨が蒸発する勢いでプンプンしながら足を進めていた

彼女が怒るのには理由がある
晴れた日は腕を組んで学校に着くまでの時間を愛する彼氏
すなわち竜児にべったりくっつきながら歩いていける
このときの竜児の羞恥心はもちろん大河の愛情の犠牲になる
もっとも「大河が…好きだ!」という気持ちが羞恥心を上回るのであるが

しかし雨が降っている場合、二人でそれぞれ傘をさしながら歩かざるを得ない
相合傘すればいいじゃん、と思うでしょ?
だが以前実際にやってみたところ、大きめの傘をさしていたにも関わらず
肩口や袖などどこかしら濡れてしまってロマンのかけらもありやしねえ状態

ましてや大橋高校有数の身長差カップル
傘が何十センチも頭上にあるといくら気配り上手な竜児でも
大河が濡れないようにするのは難易度がえらく高いことだった
おかげで学校に着く頃には二人が二人、水もしたたるウホッ!いい男女モードに突入だ

まあ実際は竜児の方が大河よりもはるかにしっとり濡れていたわけだがなッ!
そして大河のふわふわ頭は湿ってぼわぼわ頭へとフォームチェンジしてしまっていたのであった

こういった痛い思い出があるので
雨の日は二人仲良く黒と赤のパラソルをさしながら歩いていくのでございますが
傘の幅だけ開いてる数十センチの隙間が大河にとってはどうしようもなく遠過ぎる
手をつなごうにも雨で濡れてしまうので本末転倒
そういうわけでやり場の無い怒りに満ちあふれている手乗りタイガーなのであった
645名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 12:36:12 ID:RLTVyGMv
「でもさ」
ふと竜児が口を開く

「離れているぶんだけあとで出会えたとき感動は何倍にも何十倍にもなるんじゃないか」
そう言って目付きの悪い彼氏は大河の方に顔を向ける

ああなんてかわいいんだ大河
自分で編み編みしたから、というわけではないけれども
三つ編みが新鮮な彼女はまるでひとつの芸術作品
思わず顔がにやけてしまうぞ大河かわいいよ大河

そんな風にニヤニヤしながら浸っていた竜児に
「…臭いわね」
とグサッとひとこと
畳み掛けるように
「あー臭い臭い まるでクサヤの干物が香水のように感じるくらいだわ」

そのあとも世界の臭い食べ物を並べたて弾幕のごとく言葉を浴びせる大河であったが
それを寸前のところでグレイズするかのごとく受け流す竜児なのであった

そうしているうちに学校に到着
よく水を切るんだぞと言いながら自分も傘を畳み教室へと向かう
鞄を置いて席に着くと大河がやってきて竜児の膝の上に乗った
もちろん周りにはクライメイトが既に何人か登校しているのだが
毎日の光景なので全員スルー状態なのは言うまでも無いだろう

「あんたが臭いセリフ吐いてくれたおかげで寂しくなかったわ」
そう言って大河は竜児の胸に顔をうずめてこう言った

「ありがとね…竜児♥」

続く予定
646名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 13:39:00 ID:EdjlBfjV
毎日の光景なのでスルーw
おまえ等学校では自重しろwwww
ああもうっ!続き期待してるぜ!


俺が学生の頃も、クラスに休み時間に彼女を膝に乗せてる奴いたっけな。
この上なく気を使ったもんだ。
視界に入るけど、見えてないヨってさw
647名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 16:57:27 ID:1Wx3cCz1
DVD4巻はまだかぁぁぁぁぁ尼のバカぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
小説つくみたいじゃないか、早く来い
http://imepita.jp/20090421/533430
648名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 18:47:18 ID:JeT9WvK3
>>647
こ、これは竜虎アフターか?
だとしたら、楽しみすぎるんだが、早くこねぇかなぁ
649名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 19:21:20 ID:JE8AP5xC
>>647
これ何ページ?
650名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 19:27:10 ID:c9ZLWldU
始まりがあれば終わりがある
朝の甘〜い甘〜いひとときは独神こと恋ヶ窪ゆりの襲来と共に始まるHRによってひとまず終了
まあ毎朝のことであるが、二人にとっては少しだけさびしいものである

休み時間
大河の三つ編みは割と好評で、
「やだーかわいいー」
「たまには三つ編みもいいNE!!」
「いいなぁ大河あたしも高須くんに三つ編みしてホシス」
てな具合に女子たちがキャッキャッウフフと騒いでいたのであった
竜児はご満悦である

昼休みもいつもの光景
だって大河がアーンと口を開けるそばから
竜児が手ずから作りあげるお弁当を放り込んでいくだけだもの
もちろん大河は手乗りならぬ竜児の膝乗りタイガーモード
もっとも、最近はおかずを詰める手伝いを大河はするようになった
これだけでもえらい進歩だょあたしゃ嬉しいねぇ、
と櫛枝が言ったとか言わないとか

「まったく…あのヴァカップルどもめ!」
「あーみんあーみん、たまにはヴァカップルもいいよね!!」
「全然たまにじゃねーし!毎日見てるし」
「でも見ないと落ち着かないんだよねぇ〜」
「やれやれだぜ…」
651とらドラ!感謝祭 大喜利編:2009/04/21(火) 19:59:41 ID:REJq4jrQ
>>595
灰汁解禁です。続きです。

実乃梨「っと、つーぎーはーっと。じゃ、麻耶ちゃん!」
木原 「ゆりちゃん先生とかけてー」
実乃梨「ゆりちゃん先生とかけてー」
木原 「地方の新幹線とときます」
実乃梨「そのココロとは?」
木原 「将来に“のぞみ”も“ひかり”もありません」
実乃梨「……ゆりちゃんにそんなこと言っちゃダメだって。大河と一緒。能登君、1枚持ってって。」
木原 「きれいにまとめたのにぃーー!」
能登 「すまんな、麻耶。ほら、どいたどいた。」
木原 「うううぅぅぅぅ……」
実乃梨「あんまりゆりちゃんいじめちゃダメだよ?
    行き遅れーとか独神ーとかもう結婚はできないでしょ?とか、お先真っ暗ーーーとか
    次回予告で三十路になったから誰か貰ってあげてくださいーとかさ。」
「「「「「あんたが一番ひどいよ……」」」」」
652とらドラ!感謝祭 大喜利編:2009/04/21(火) 20:01:28 ID:REJq4jrQ
>>651

実乃梨「はい、高須君。」
竜児 「北村とかけて」
実乃梨「北村君ね。はいはい。」
竜児 「9回裏の攻撃ととく」
実乃梨「好きだねー野球ネタ。そのココロは?」
竜児 「大河アウト!狩野アウト!もう後がありません!」
実乃梨「失恋大明神も崖っぷちだー。」
北村 「うぉーい、高須―……。」
実乃梨「ま、こればっかりはしょうがないよ。でもさー、
    北村君、女子に人気あるからさ、大丈夫じゃない?」
亜美 「そうよ。ねーー?麻耶ちゃんww」
木原 「あぅあぅぁぅぁぅ……。」
亜美 「あーあ、紅くなっちゃって、カワイー!」
木原 「その……そのね?……えと、……あの……ごめんっ!まるお!!///」
亜美 「よかったねーーゆうさ……って!?ええええーーーーー!??」
実乃梨「えーと、………すまん、北村君。スリーアウトでゲームセット、試合終了だわ……。」
北村 「……俺、終わりなのか……?」
狩野 「……延長戦……。」
大河 「え?どういうこと?」
狩野 「……北村、10回の攻防も場合によってはあるんじゃないのか?
    お前が私に追いついてくる気があるなら、の話だがな……。」
大河 「狩野すみれ?あんた……。そうか……。」
実乃梨「はーーーーっ。よかったねー北村君。」
北村 「ありがとうございますっ!!」
実乃梨「意外だったわー。」
亜美 「っていうかー!麻耶、祐作ラブじゃなかったのーーー!!?」
麻耶 「えっと、その…………ごにょごにょ……――――――」
能登 「――――――麻耶は、お、俺と付き合ってるんだ!も、文句あるか!」

   「「「「ええええええっっっっーーーーーーーーー!!!!」」」」

木原 「ぽっ//////」
653名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 20:02:27 ID:c9ZLWldU
放課後
雨足は弱まったもののいまだ止む気配はナッシング
大河と竜児は仲良く下校中なのであった

「大河、今夜はラーメンにしたいんだが」
「肉が入ってるならなんでもいい」
「OK、把握した じゃあスーパーにつきあってくれ」
「プリン食べたい」
「太るぞ」
「平気平気♪」
「ったくしょうがねえなあ」

スーパーに到着すると、さっそく竜児は麺類のコーナーへ
「今日は…よし、喜多方ラーメンにするか」
喜多方ごま味噌ラーメン×3を買い物カゴに入れる
自分と大河と泰子の分だ
そしてネギを二本と大河のリクエストに応えてメイトーのなめらかプリン
最近の大河のお気に入りである

「ねえ、肉は?」
「案ずるな 実は手製のチャーシューが家の冷蔵庫に入ってる」
「ホント!?」
「ああ本当だ」
「分厚く切ってね」
「はいはい」

帰宅して着替えたあとさっそく調理
その間に大河は隣りの部屋でお着替え中
お湯を沸かしてる間にネギを切り刻み下ごしらえをして
沸騰したら麺を茹で3分待機
丼二つに味噌だれとゴマを入れお湯をそそぎ
茹で上がった麺のお湯をジャッジャッと手早く切って丼へGO
一緒に茹でていた卵を二つに割ってトッピング
刻みネギを入れたあとお待ちかねのチャーシューだ

「出来たぞ〜」
「チャーシューは!?ねぇ、チャーシュー!!」
「ちゃんと分厚く切って乗せたぞ しかも6枚入りだ」
「わぁ〜い♪」

竜児特製チャーシュー入り喜多方ごま味噌ラーメンをすする二人
泰子はまだ仕事中
ちょっと寂しいけどそのうち弁財天国にデートを兼ねて食べに行く予定
ちょくちょく顔を合わせてはいるのである
654名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 20:02:39 ID:c9ZLWldU
途中だけど見たい番組があるので行って来る
655とらドラ!感謝祭 大喜利編:2009/04/21(火) 20:04:52 ID:REJq4jrQ
>>652
実乃梨「どうして!?どうしてさ!????」
能登 「バ、バレンタインの後にだな、そ、その、いろいろあって、おっ、おれっ!
    こ、こくはくしたんだっ!」
木原 「……あのね、私ね、どうしていいかわからなかった……。
    だって、スキーの時にすっごいケンカしてたじゃない?
    でも、その、……ケンカして、初めてお互いが大事な存在なんだって気づいたの!
    ――――――そのあと、告白されて、…。……。ひ、久光が!
    私をほんとに大事にしてくれてるって思ったら、
    泣けてきちゃって!!私、私、すっごく!すっごく嬉しかった!」
能登 「大先生に比べたら、俺、全然まだ頼りないけどさ。
    麻耶のこと、大切にするって気持ちは誰にも負けねー!!」
木原 「久光……。久光――――」
大河 「……知らないうちに急展開……まさか、だわ……。」
能登 「そんなわけなんだ///。ちゃんと正式にお付き合いしてる。」
竜児 「……知らんかった……。」
大河 「……ん、でも、お似合いの二人だと思うわ。おめでとう!」
木原 「タイガー……。ありがとね。……うん。ありがと……。」
竜児 「……そうだな。おめでとう。」
亜美 「あーあ。結局私と実乃梨ちゃんだけはぐれ者かぁー。
    ねー、実乃梨ちゃん。…。……?実乃梨ちゃん?」
実乃梨「能登くんっ!麻耶ちゃんっ!わたしは!わたしは今、猛烈に感動しているっ!!!」
能×麻「……え?」
実乃梨「いやーーーまさかそんなことがあっただなんて!嬉しいよー!だってさー?
    高須君と大河くらいしかちゃんとしたカップルいなかったじゃん?ラブ成分なかったじゃん?
    新しいカップルの誕生だよーーー?そりゃー私もいいひとほしいけどさー!でも、
    ……私はさ、まず夢に向かって進むことにしたからさ。だから、他の人が幸せを掴んだのを見ると、
    私もまけてられない!ガンバロー!って気になるんだよ!」
竜児 「お前らしいな!」
狩野 「いい友達を持ってるんだな。お前たちは。(いや?春田という奴はそうでもないのか?)」
実乃梨「そんなわけで、みんなからご祝儀だ!能登君!全員の座布団を麻耶ちゃんに集結させるのだ!!!積め!!積むんだ!!能登―!!」
   「「「「まぁ、しょうがないかw」」」」
狩野 「(樋口君……ジャイアントさらばTT)」
能×木「いいの?」
実乃梨「いいのいいの。おめでたい席だぜ!今回の優勝者は、麻耶ちゃんだー!」
能×木「やった!!!!」


実乃梨「で、お待ちかねの豪華特典!!“樋口君を、自由にこき使ってよい権利”ですなー!!
    ヘイカモン!!」

656とらドラ!感謝祭 大喜利編:2009/04/21(火) 20:06:36 ID:REJq4jrQ
>>655   続き
……いかん、かぶったかな?


木原 「…………金一封って書いてあるね?」
能登 「そうだな?」
実乃梨「あけてみあけてみー。」
能×木「……5千円…………。」
竜児 「おい!オチまで笑点かよ!」
大河 「樋口君って、樋口一葉のことだったのね…………。」
実乃梨「その5千円は、君たちのものだー!!自由に使いたまへ!!」
能登 「……、まぁ。いいか。ありがたくデート資金に使わせてもらうぞ。」
木原 「ありがとね!櫛枝!」
竜児 「おまえ、こないだのことといい、ロクな事思いつかないな……。」
亜美 「なんつーか、あーあ、だねぇ。私たち結局ほんとにはぐれ者かー」
実乃梨「いいじゃんいいじゃん、楽しければ!ねー!」
亜美 「楽しければ……ねぇ?」
実乃梨「私は、あーみんといて、楽しかったよ?」
亜美 「――――!!///」
実乃梨「あっはっはー!顔真っ赤だゾー?さっきのお返しーw」
亜美 「っっっこのっ!」
実乃梨「うあはははははーーー!」

北村 「会長?どうしました?」
狩野 「樋口君…。」
北村 「は?」

実乃梨「といったところで、感謝祭おひらき!!またの機会にお会いしまショー!!ばいばーーい!!」
657とらドラ!感謝祭 大喜利編:2009/04/21(火) 20:10:04 ID:REJq4jrQ
>>656

あとがき

とらドらくご!と、感謝祭大喜利編と、拙い作品に最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございます。
本来、ここで書くようなことではないのですが、せっかくなのでかきます。
私は、イベントなどで作品を発表できたら、などとずっと思っていました。
共感される、非難される、売れる、売れない、は別にして、
1つの作品に対し、たくさんの感情と意見を共有する場が欲しかったのです。
それがイベントだと解釈しています。
自動車会社で販売の仕事をしているため、土曜日曜祭日大型連休と、休みがとれません。
委託しようにもツテなどありません。活動が出来ない環境でした。
しかし、とらドラ!系の掲示板(他の櫛枝、川嶋、竹宮板なども)で、他の方々の作品を見て、
ああ、こういう表現のやり方もあるのか、と思った次第です。そして、その作品のすばらしいのなんの。
そこで、今回こういう作品をカキコミしました。

箸休めにも書きましたが、私の今までの経験上、「誰かの幸せ」は、その2人だけでは、成り立ちません。
周りの人たちの協力や祝福、時には犠牲などで成り立つものと考えています。
そして、周りの人たちも幸せにならなければ、結局は「誰か」も幸せになれない、とも思ってます。
とらドラ!は、私にそれを再認識させた作品だと、そのように解釈しています。
登場人物ひとりひとりも、話の流れも、とても魅力的で、この作品に出会えたことをとても感謝しています。

他にもショートストーリーのコンテは考えています。完成したら、ここか、櫛枝、竹宮板のどこかで、
またカキコミしようかと思っています。
そのときは、また感想をいただけるとうれしいです。

最後になりましたが、読んで頂いた方と、まとめサイトに載せて下さった管理人さんへの感謝の言葉を述べさせていただき、
この作品の締めとさせていただきます。
――――ありがとうございました。
658名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 20:32:19 ID:c9ZLWldU
お疲れさまでした
やっぱりちゃんとした大人はちゃんとしたの書けるんだなあと
659名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 20:35:02 ID:nu+EJ0Z/
いいねぇいいねぇバカップル竜虎w
>>657続きまってますぜ!

麻耶ちゃんは能登とくっついたかw
660名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 20:44:08 ID:nu+EJ0Z/
アンカ間違い>>654
だけど>>657の人もまってますぜ!
661名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 20:44:41 ID:c9ZLWldU
喜多方ごま味噌ラーメンを堪能したあとは
竜児が食器を洗い大河がテーブルを拭く
人心地ついてからはしばし二人でくっつきあう時間
おっと「えっちなのは良くないと思うぞ」ってけーねが言ってたのでギシギシアンアンは無しだぜ

「…ねえ」
「なんだ?」
「わたしのこと…好き?」
もう何度この問いかけをされたことだろう
そしてそのたびに答える言葉はいつも同じ
「…好きだ」
「…私も♥」

何度問答しても答えは同じ
だけど絶対ウンザリしない
むしろ安心出来るQ&A

「そういえば雨音止んだんじゃない?」
「ちょっと見てくるか」

手をつないでドアをガチャリと開ける
雨はすっかり上がっていて空には星のまたたきが

「綺麗だね」
「あぁ」

たとえ雨の日だったって、二人の心はいい天気
そう思って竜児は三つ編みの大河の頭をそっと撫でたのであった

をはり
662名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 20:49:25 ID:c9ZLWldU
竜児「俺…次スレ立てようと思うんだ」
大河「ダメよ竜児!まだスレタイ決まってないじゃない!」
竜児「【スキスキ妄想】なんてどうだ?」
大河「あんたホントにセンス無いわね」
竜児「【ムシャムシャ妄想】なんてのは?」
大河「中の人と一緒で食べ物ネタしか思いつかないのね」
竜児「じゃあ…【ペタペタ妄想】は」
大河「ぉらぁ!!(ボゴッ)」

竜児がピチューンしちまったので誰か考えてくださいませ
もうスレ立てる準備は万端ですがスレタイだけ決まらないのです
663名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 20:52:11 ID:8a3+ii1R
>>658
いい事を言う。
「大人」はとらドラ!の裏テーマ。
664名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 20:53:47 ID:c9ZLWldU
>>663
俺みたいにちゃんとしてない大人には耳が痛いぜ
ゆゆこと同い年なのに
665名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 20:58:49 ID:mk1wT6LD
>>657
最初から最後までお疲れ様です!
いろんなネタがあって面白かったです^^*
またあなたのSSぜひ読んでみたいです。
仕事の方も大変ですが頑張ってください。


666名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 21:15:32 ID:G4FJ+kyk
>>662
いっそのこと1スレ目から平仮名にしたらどうだ?
そうすりゃとりあえずあと5スレはいけるぞ。

それと大喜利乙!
667名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 21:21:24 ID:c9ZLWldU
>>666
さすがにそれだとアレなのでスキスキで立ててきます
668名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 21:23:06 ID:AeRyg6Xm
大河「う……竜…児……私…もう駄目…かも」
竜児「おい大河!」
大河「竜児…」
竜児「…もういい、何も言うな」
大河「……はあ…はあ……」
竜児「…大河」
大河「…苦しいな……ねえ…ちょっとだけ休んでいいかな……すぐに起きるか…ら…」
竜児「…おう……ゆっくり休め…」
大河「…ありがとう…竜児…(ニコッ」






櫛枝「記録108はい!文化祭わんこそば大食い選手権は大河選手の優勝だあ〜!
川嶋「てかタイガー食い過ぎ〜。またムチムチタイガーになっちゃうんじゃないの〜?」
大河「…推薦したの…誰だと思…ウプ」
竜児「だからってこんなに食べなくたって…」
大河「…あんたが賞品の……トイレットペーパー3ヶ月分…欲しいっていうから…」
竜児「いやそりゃ言ったけどよ…」
大河「……ウプッ」
竜児「おい大河!」
川嶋「…まさかリバースなんてしないわよね…?」
櫛枝「やばい!早く保険室…いやトイレに連れて行くべきかあ〜!?皆さん!退場する優勝者に暖かい拍手を〜!!」
大河「…遺憾だわ」


3年生の文化祭


でっていう
669名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 21:34:56 ID:c9ZLWldU
やっぱアニメ・原作ちゃんと把握してる人はキャラがちゃんと動いてる
萌えたぜ
というわけで次スレ

【とらドラ!】大河×竜児【スキスキ妄想】Vol6
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1240317270/
670名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 21:52:46 ID:c9ZLWldU
>>650>>645の続きね
念のため
671名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 21:54:42 ID:ttiSOCPv
>>653
ラーメンとか言ったら

竜児「喜多方、いや待てよ・・・そういやこの間麺棒買ったんだよな・・・フフフ・・・・・・」
大河「?」

になりかねんw
672名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 22:11:23 ID:G4FJ+kyk
麺棒→綿棒→甘い耳かきネタ

と連想した俺は末期か。
673名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 22:14:43 ID:c9ZLWldU
誰かMUGENで大河を作ってくれればMUGENストーリー動画でクロスオーバー出来るんだけどなあ
674名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/21(火) 23:03:36 ID:ttiSOCPv
>>672
竜児の鼓膜逃げてー!!
675606:2009/04/21(火) 23:13:26 ID:SbHkGpix
アクセス規制でちょっとしばらく書けんかも……
今ケータイからだけどPC復活してからまとめて投下します

そしてコメくれた人ありがとー
時間かかりそうだけど頑張ってみるよ
676名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 01:28:00 ID:PwWgj6FM
>>646
男子校だった俺には無縁な光景だったなー
677名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 02:29:27 ID:fBO6jav8
リアルタイムに共学通ってるけど
竜虎みたいなカップルはまず見かけないよ………
ぎりぎり手を繋ぐか腕組んでるぐらいかな…
まぁ大阪のド田舎の高校にロマンチックな光景は無縁だな

そして>>669新スレ立て乙
678名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 07:07:03 ID:FH0ZwRtX
大都市の家と家が近くて窓から隣に移れる環境に憧れていた田舎者です
それで幼なじみ男女とかだったらもうね…
679名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 07:09:19 ID:cteTY4ao
>>678
いや、それ大都市でも幻想だからw
680名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 09:38:10 ID:7CWlvnV8
>>677
共学でもDQN校かどうかで違うし田舎かどうかでも違うし
普通校か実業校かでも違うし教育県かどうかでも違うし
まあ複合的要因だな
それに今の高校生は20世紀末ほど性体験にステイタス感じてないっぽいし
大河のおっぱいが小さすぎてすいませんだしピチューン
681名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 09:49:21 ID:7CWlvnV8
>>679
現実より想像の方が何倍も美しくて調和が取れてるものだ
その代わり現実は想像よりカオスな展開をもたらしたりするがな
682名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 10:16:45 ID:m6F/Z7cR
おまえら、気持ち悪い。
683名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 12:27:48 ID:qO0mutIw
とりあえずフレンチキスは軽いキスのことじゃなくディープキスのこと
これ豆知識だけど覚えておかなくて結構です
684名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 12:39:30 ID:YA9c1xTx
埋めネタ投下

「あっ竜児、そこ……」
「ん、ここか?」
「痛っ、バカ違……あんっ」
「こ、ここか?」
「そ、そこ気持ちい、い……」
「よし、ここから一気に……」
「あっ、あああ……あっあっあっ……」
「ど、どうだ?」
「ん、気持ち良い……」
「そうか、じゃあ今度はこれで中をぐりぐりと……」
「あふん……はぁぁぁ……あっ!?ああぁ……」
「よし、綺麗になった。次逆な」

耳掃除ですよ?
685名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 12:41:54 ID:YA9c1xTx
続、埋めネタ

「あっだめ!!竜児!!」
「何だよ」
「そ、そんなに激しくしたら……」
「お前だって激しい時あるだろ」
「でも、あっ!?」
「何だよ、もうイキそうなのか?」
「イ、イっちゃう……」
「早いな」
「アンタだって……早い時……あるでしょうよ……」
「そういうこと言う奴は、こうだ」
「あ、ああっああっイっちゃう!?」
「おらぁ!!」
「ああーっ!?イっちゃったぁーっ!?」
WINNER竜児!!
「よし、久しぶりにぷよぷよで勝ったぜ」
「くぅ〜もう一回!!」

ゲームですよ?
686名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 13:08:30 ID:7CWlvnV8
まぎらわシリーズきたっ
687名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 13:40:48 ID:D7UiGUoz
>>668
竜児「戻すなんてMOTTAINAI!!」
大河「ちょ、バカっ、やめ…!!」


ぎゃー
688名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 15:59:22 ID:6FJv/asW
いつになるかわからんけどいつか投下予定。
それまで間を持たせるんだ…
689名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 16:02:55 ID:6FJv/asW
あ、ちなみに大河の娘の名前募集。
スレチだったらすまそ
いい名前が思い浮かばなんだ
690名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 16:53:38 ID:yL/kS+ev
大河の娘……

(実乃梨+亜美)÷2=乃亜

プロレス団体が出来たな…。。。
691名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 17:05:03 ID:YA9c1xTx
今更だがとらドラポータブルのメイド大河に胸キュンした。
692名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 18:11:19 ID:sWWSvAy2
大河の娘の名前?

佐紀
えりか
舞美
桃子
千奈美
茉麻
栞菜
友理奈
早貴
梨沙子
愛理
千聖


好きなのどうぞ
693名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 19:02:05 ID:TKhYeXHC
>>690
プロレス団体大いに吹いた

>>692
ありがとう。本当は二人の名前をかけた名前にしたかったんだが、
千聖(ちさとだよな)にひかれたからそれにする。
694名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 19:16:05 ID:cteTY4ao
ティーガーの子はレオパルドに決まっているので

よって、玲緒


マカーではないです(笑)
ただの戦車スキー
695名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 19:17:36 ID:bO/YNIE9
名前といえば昨日テレビで大河って名前の人が出てた
男だったが…
696名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 20:53:07 ID:NKAxDyEL
>>693
元ネタが何かは調べればわかる
697名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 21:06:19 ID:nRa4iA/R
>>689
静虎
698名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 21:12:16 ID:TKhYeXHC
一息ついた。少し先の事を変えると前の内容も変更せざるを得ないから、
結構難しいんだな

静虎…最後の最後にいいの出てきたなぁ。参考にする。
まだまだいいの出てきそうだから、
>>693はキャンセル。まだまだ募集中だZE☆

699名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 21:13:45 ID:kqL8PY6/
ちなみに、虎で終わらせると子の音になるから便利だよな。女の子としてどうかは別としてw
男なら竜の児・・・じゃない字は欲しい
700名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 21:14:13 ID:Q7h8D8B7
>>697
高校鉄拳伝タフじゃねーかwww
701名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 21:14:56 ID:JpmwN7Rg
昔ボンボンでやってたガンプラ漫画の主人公が天地大河だったな

>>697
双子の兄と殺し合いをはじめるので却下
702名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 21:29:17 ID:NKAxDyEL
虎子

龍姫
歩巳
703名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 21:35:00 ID:ClZ3C5LK
>>698
鈴女ちゃん。高校に入って亀梨くんと衝撃の出会い。
のちに大橋一円を配下におさめる朱雀・玄武コンビのなれ初めだった…。

我ながら面白くない。
704名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 22:02:26 ID:auTcaguJ
竜河と書いてルカ。字面が全く女らしくないな
705名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 22:31:36 ID:t4Wd+c+g
ルカ・・・・アンジェロー二?
706名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 22:35:51 ID:NKAxDyEL
ルカっつったらトゥリッリ先生
707名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 22:38:32 ID:6FJv/asW
みんな、色々な意見ありがとう。
竜河でルカか〜!やばいそれ気に入った!
募集終了、みんなセンスのある名前ばかりで凄いわ…。
竜河でルカ。名前にコンプレックス抱えてる小柄て大河に溺愛してる。決定!!
708名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 23:04:30 ID:1rNRK4Y7
涙目のルカ?
709名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 23:05:04 ID:08bmIpXp
他のヒロインを白ブタ呼ばわりしそうな名前ですね
710名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 23:05:26 ID:kqL8PY6/
またそんな仮面ライダーみたいな名前をw
711名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 23:20:52 ID:NKAxDyEL
それ龍騎や
712名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/22(水) 23:53:51 ID:Wx/zsi8O
鬼龍だろ常考
713名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 00:15:20 ID:kEQVHGC7
俺の脳内ではずっと梨美子だった
714名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 01:39:22 ID:8ZzYNFoe
寂しさでひとり泣き崩れる大河の前に現われたのはドーナツとカエルだった
「帽子の中に誰もいませんよ?」

──COMING SOON
715名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 02:15:14 ID:6R8tDrtD
>>706
まーたとぅりりり

ってこの板で俺以外にメタラー見ると思わんかったわw
716名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 09:24:17 ID:BNkrp6X6
自分の名前をコンプレックスに持つ大河とごくごく常識的な感覚を持つ竜児だと至って普通の名前をつけそうだ
717名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 09:33:55 ID:j7CkQkTp
実質初孫の竜児の祖父母が命名したがるだろうな。
とりあえず男なら○児にすると思う。
718名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 10:08:22 ID:Zi+7CxR9
どっかにあったが、虎 と 竜 の間だからウサギ ってネタがあったよ。
順番は干支
719名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 11:06:04 ID:8SJ2txSW
>>718
将来麻布十番に引っ越して美少女セーラー服戦士になるわけですね、わかります
720名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 12:43:36 ID:3Erqyo/x
「やあスタン、いつもの」
「かしこまりました」

ですね、わかります
721名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 12:43:54 ID:3Erqyo/x
>>715
とらドラ!はメタル
722名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 12:58:38 ID:3Erqyo/x
「ちょっと竜児!これ見てよ!」
「なになに…草g剛全裸で逮捕だって!?」
「あんたも気をつけなさいよ身近に裸になりたがる人いるんだから!」
「北村のことか?だからって俺が一緒になってホイホイ全裸になるわけないだろう」
「どうだか。類は友を呼ぶっていうし、絶対アンタが主犯扱いされるわ」
「まったく…だいたい俺がそんな人前で全裸になるわけないだろう」
「?」
「俺の裸を見ていいのはお前だけだよ、大河」
「ばっ…///// (ビシッ)」

はいはいギシギシアンアンギシギシアンアン
723名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 13:55:57 ID:8SJ2txSW
>>722に先手を打たれた○| ̄|_
724名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 14:10:17 ID:8ZzYNFoe
「すまん」
「なんであんたが謝る必要あるのよ」
「いや大したネタでも無いのに投下して申し訳なったというか」
「ネタかぶりなんて気にしちゃいけない。いいなと思ったらガンガン投下すべきなのよ」
「ごめん」
「ああーもう私にも謝らなくたっていいんだから!早く私のためだけにプリン作りなさい!」
「かしこまりましたお嬢様」
「よろしい♥」

これから作るプリンよりもずっとずっと甘々な二人であった
725名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 15:44:32 ID:Z/mPVV83
いつか書こうと思ってるんだが、
・輪投げネタ
・なりすましメールネタ
どっちがいい?
726名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 15:49:00 ID:8ZzYNFoe
どっちも読みたいれすお
727名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 18:11:44 ID:wNlau1QV
                 __/: : : /: : : : ⌒丶 : : : \
                厶/⌒: : : : : : : : : : : \: : : :ヽ
                    /: : ′ : : : : : : : : \: : : :丶: : : :.
               |: : :{: : : : : : : : : : : : :丶: : : : : : : :、
               | : : '; : : : : : : : : : : : : : ヽ: : : :ヽ: : '、
               |: : :l:ヽ : : : { : : : /\ : :ハ : : :│: : :、 全裸になって何が悪いのよ!
              │:八:厶:\:丶:∨/斗 ∨: : l: :| : : : ヽ、 これから竜児と…そ、その
                   |: : :.ヽ代芍\>弋以 _}: : }!:│:丶 : : \  愛し合うんだから!
                 N : : ∧`ー     ー'´厶: :八│: : 丶: : : :\
                ヽ: 、 =-       ィ': :∠j 厂 |: : 丶: : : :.\
                   \_: :> ` _, < /⌒ヽ ̄  ̄} : 丶 : : : : \
                    |: : i:/フ / >|   ∨ \{: : : : : : : : : : :)
                    レヘく   / (: :|    ,∨  \: : : \ : : /
                   {  У´)、 ):|   V \   ヽ: : : :) (
                     {_/   ニ〉(:ハ|   :|   }    〉: :/: : : \
                   /(:{  rく  │  l  │    /: :人 : : : : :\
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                   }_:人:} 丶  `|  ,'    l    { : : : : : :ノ : : : : : : :)
                      ノ:|  }〉、 '  /     |    | : : : : ´ : : : :/: :/
                    /:八  / \__,/    |  \|: :}: : : : : : :人:( _)、
                     (: : : :(`7 |   |     |   ∨ : /: : : : :\`ー―'
                      ̄)ノ |  |  │     |  /: / : : 人:_:ノ
                     / ∠|  l   八i     | (: : :∧ : : /
                       __/ ∧ |  \   丶 \:⌒\(
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              _.  -‐ ´       \∨_」ニ=<___,   〉 ∨     \
           /       _. -‐   ̄\       /   ∨       }
          {    -‐ ´        \___/     ∨      /
           > ´                        \,    ∧
          /   '´ ̄ ̄ ̄ `丶、            _ _ノ}  //
            {             丶、__    -―/  \ 〈  /
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                                     ̄ ̄ ̄ ̄
728名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 18:23:18 ID:N4kb95zj
そうゆう事は公園ではしないでください
729名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 19:54:22 ID:ayQhgoaO
「リュウジー、リュウジー」
730名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 22:00:34 ID:v/63q4Jb
↑此れも今日のアレのパロですか!?www
731名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 23:07:26 ID:z8Ekrxi+
>>720
バーで毎週毎週、痴話喧嘩を繰り広げ、公共の電波で流されるのか。
そうなったら毎週聞くぞ。

>>725
いっそふたつとも織り込めばいいじゃない。
732名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 23:11:54 ID:z8Ekrxi+
すまん、ageちまった。
公園で全裸になってあぐらかいてくるノシ
733名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/23(木) 23:27:18 ID:o+bhbNRN
>>731
そのネタいただき
書くかどうかはわからんが
734名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/24(金) 02:16:02 ID:6SnB4lcx
「さっさと埋めなさいよ!このバカ犬!」
「何焦ってんだよ ゆっくりしようぜ」
「ゆっくりした結果がこれだよ!」
「どれだよ!」
「知らないっ(プンスカ)」
「…(怒った顔はしょっちゅう見るけどやっぱかわいいな…)」
「なに見てんの?いやらしい まさか発情期」
「ちょ…お前何言ってんだよ!」
「あーら顔真っ赤にしちゃって図星じゃない このエロ犬!」
「そ…そんなこと言われたって…お前が…かわいいからしょうがねえじゃねえかよ…」
「知ってる(ニヤピクキラーン)」
「オイ!」

どこまでも上手な大河なのであった
735名無しさん@お腹いっぱい。
    / _         ヽ、
   /二 - ニ=-     ヽ`
  ′           、   ',
  ',     /`l  / , \_/ |
  ∧    〈 ∨ ∨ ヽ冫l∨
    ',   /`|  u     ヽ
    ', /          /
    /  ̄\   、 -= /                   __
  / ̄\  `ヽ、≧ー                    _  /. : : .`ヽ、
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