「泉こなたを自殺させる方法」を考える28

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1名無しさん@お腹いっぱい。
■前スレ

「泉こなたを自殺させる方法」避難所
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1222491571/
※↑実質27スレ

■保管庫等
こなた自殺Wiki
http://www34.atwiki.jp/konataowata/

つかさビッチWiki
http://www10.atwiki.jp/tsukasa-bocchi-owata/

VIPのらきすたSSまとめ
http://www34.atwiki.jp/luckystar-ss/

らきすた呼称リスト
http://www.syu-ta.com/luckystar/luckystar-namecalled.shtm
2名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/22(土) 00:15:06 ID:qpRyhDwH
時間なかったんで、ここに立てました。
んでは、グレゴリーさんどうぞー
3「人肉食」4:2008/11/22(土) 00:17:10 ID:nV6hTcfI
のどかな山中にあるペンション。

裸のまま向き合った二人の男女がいた。

「そうくん。もっとずっと一緒に居たかった。ごめんね。

こんな形でしか、償うことはできないけど...」

医者から余命数ヶ月の宣告を受けた。かなたはそうじろうの究極の愛を受け入れようとしていた。
そうじろうは目の前に立つ愛しい妻の消え入りそうな姿を見つめ
頬を涙に濡らしながら準備に取り掛かった。

「かなた、俺は約束するよ。こなたを立派に育ててみせる。そして天国で再会しよう。
そのときが来るまで、俺は、今日のことを永遠に忘れない」

言いながら、かなたの両腕をロープで縛り、天井のフックに引っ掛ける。

両足は金具で固定する。

「生体的な反応で君の体は拒絶するかもしれない。でも、これで僕は君のすべてを受け入れることが
できるんだ」


麻酔を使うことを進めたが、かなたは拒否した。

手術台のようなものが傍らに置いてあり、その上にメスやらノコギリやら....

そうじろうはメスを手にとった。

「そうくん、ごめんね。ごめんね...」

かなたは目を閉じてひたすらつぶやいている。

横隔膜の部分にメスを入れたとき、かなたは「うっ」と小さな悲鳴を上げた。



///////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
4「人肉食」5:2008/11/22(土) 00:18:21 ID:nV6hTcfI
こなたは気が付くと、両手と両足をロープで縛られて吊るされていた。

ここは父の書斎だ。そして服は剥ぎ取られ全裸だった。

眼下には手術で使うような台が置いてあり、その上に鋭利な刃物がいくつも置いてある。

こなたの顔から血の気がみるみる引いていった。これは夢なのか?

だが、目の前に全裸のそうじろうが現れた。

こなたは恐怖のまなざしで父の裸体を見つめた。筋肉は極度に興奮し盛り上がっている。

皮膚の下に浮き出た静脈が波打つ。こなたが知らない父の姿だった。


「俺は、あの後ペンションを焼き払った。ろうそくを持ち歩いていたかなたが発作を起こして
倒れこみ、近くを散歩していた俺は焼け落ちるペンションからかなたを助けられなかったという
ことになった」

「なに言ってるの?お父さん、やめてよ。これ、解いてよ」

こなたは青ざめた。

そうじろうは力なくうなだれつぶやく。

「こなた、天国でお母さんに会ってこいよ。俺は1人、地獄で永遠に苦しむことになるだろうから」


そうじろうは台からメスを取ってこなたに近づいていった。こなたは四肢を拘束されているので
抵抗すらできない。どうしようもない恐怖心が心を満たし、こなたはありったけの大声で
叫ぼうとした、と、そのとき.....


「本性を現したね。この、チンカス野朗」

背後から女の声が聞こえてきた。

そうじろうは振り向いた。こなたは驚きに目を見張った。


ライフルを構えたゆうちゃんが立っていたのだった。

「私がこの家に来た理由を知っているかい?私のお父さんから頼まれたんだよ。テメエを監視しろってな」


そうじろうとこなたはあまりの出来事に絶句する。

「テメエのどてっぱらに風穴開けてやるよこのウジ虫が」

ゆうちゃんのライフルが火を噴いた。
5「人肉食」6:2008/11/22(土) 00:20:22 ID:nV6hTcfI
そうじろうは横ざまにぶっ倒れた。いつの間にか背後に忍び寄っていたゆたかは、そうじろうのライフルを拾って
構えていたのだった。

こなたは救出された。

全裸のこなたをゆうちゃんは優しく抱きしめる。

「落ち着いて聞きなよ、おねえちゃん。そうじろうが証拠隠滅できたのは、当時、刑事だった私の父の協力のおかげなのさ」

「でも、父はそうじろうを信用していなかった。おねえちゃんが成長していって、かなたさんの面影に近づけば
そうじろうの人肉嗜好が再燃するんじゃないかって。だから、最初はゆい姉を頻繁に監視に行かせていたが、
確実にするために私をこの家に住まわせることにしたのさ」

こなたは何も言うことができずに、身体をゆうちゃんの抱擁に任せていた。

母親が父親に食べられていた...そして自分も食べられるところだった....

この事実を、これからどう、受け止めていけばいいのだろう。


だが、倒れたそうじろうがゆっくりとVAT69のボトルに手を伸ばしていることに2人は気がつかなかった。

バリーーーーン!!!

ゆうちゃんの頭の上でボトルが粉々に破裂する。頭から血を噴出しながらゆうちゃんは倒れた。


そうじろうは恐ろしい力でこなたを羽交い絞めにした。

こなたは目の前に転がっているライフルを手に取った。


だが、二人の体格差ゆえに、こなたはライフルを後方のそうじろうに向けることができなかった。


恐ろしい力はこなたの華奢な身体を締め付けていく。

こなたは最後の駆けに出ることにした。


3D戦争ゲームを長年やってきたこなたにとっては常識だった。


拳銃弾と違って、ライフル弾の貫通力はずば抜けて大きく、並んだ人間2,3人なら容易に貫通してしまう。


こなたは長いライフルの銃身を自分の右肩のほうに持って行く。手を伸ばして先端の銃床の付け根の引き金に
指をかけた。

こなたの右肩に押し付けられた銃口から弾丸が発射された。

そうじろうの肝臓は粉々に砕け散って、そして体外に吹っ飛んでいった。

そして、こなたの小さな身体は大口径で高威力のライフル弾に耐えることができなかった。



6グレゴリー:2008/11/22(土) 00:22:49 ID:nV6hTcfI
ども、スレ立ての節目に投稿してしまうという愚挙、ご迷惑を
おかけしました。スレを立てて下さった>>1氏に感謝します。
7グレゴリー:2008/11/22(土) 00:32:47 ID:nV6hTcfI
最低の作品やわ。寝ますノシ
8名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/22(土) 00:45:12 ID:0nuKqX51
             \、
           ___>` ー---|`ー -- 、
         ,ィ´ ァ:.: : : : : : : :.:.:.:|: : : : : : : \
        / / : /:.: /: :.,イ: :./|:.!: \: .: : : : :<⌒ヽ
         /:/: :/: :./___/ !: / .|:.|l: .:__ヽ: :.\:.:ヽ\ \
         /イ: :/: :./´:./` |/  |:.||ヽ: :`ヽ: : :.ヽ: :} \{
          /: :.': :.:i: :./  |   Y  \: :|: : : :.∨ /
         .': : { : : |:./ /・\  /・\ ヽ!:.:: :.|:.:|ィ´
         |: :/|: : :|イ  ̄ ̄    ̄ ̄  } : : ト、!:|
         |;イ: ! :./`|   (_人_)   .ム : : |:/: |
           |:|.:V:l`ri^i.  \   |  .rvィヘ : |: : :|
           |:|: : :l: :〉、`ー-、..\_|-‐' /:.:.:V: : : |
           |:|: : :l:/ `ァ  〉r‐┤  r‐':./}:!: : : :|
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  ─┐||┌─┐ l ─  ‐┼‐   ‐┼‐ヽ l  ノ │ .|  |   ‐┼‐ ‐┼‐
        日  フ 口  メ   __|__  フ |┬   |  |   ‐┼‐  d
  (__   .六  ↑ .田  (___  (丿 ) ↑.ノ│  ノ  ヽ__ノ (丿\ ノ
9名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/22(土) 00:49:58 ID:ZQxRcdTh
>>7
まあまあ
そう自虐しなくても…
10名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/22(土) 00:50:53 ID:ZQxRcdTh
おっと、>>1

         / /         |    ヽ   /      , ´
 楽 楽 は 弋´  /     ___| \  〉-/_,. -‐     /
 し  し  ぁ   .> /   /――-ヽ__Y^y      /
 い い は  (_ /   /-―- ./ /   爪     /
  l !! っ  (/   /´ // /`/  /://:::|`―< ヽ
 よ    は   \ /  //_∠__/  /://::::,' |l \〉 .ハ
  l     っ /⌒ 7 /ィ≠''''ニミヽ/:://::::/ /l l:| |‖ |
!!      |   //_イ/ /  ', }}::::::〃::::/./:/ヽl:| | l| |
         弋 //::::  /  / / ::::/::::::/厶〈 ハ | | ‖
         /⌒,/:::::::  l   /.::::::::::::::::/,イΞミ〈// 人_人||人_ノ
ヽ/⌒ヽ(⌒Y  /:::::::::::ヽ _ー::::::::::::::::::::::::: / } |l<
   | .|| | |l  |       ::::::::::::::::::::: / / / jj::::::} は は あ
   ヽ|| | |l ∧   ト⌒\   ::::::::: し _〃:<  は は っ
     ヽ从ハ | ヽ   |  \ ` 、 ′ ヽ..::::::::::/  ) ぁ. は は
   _ /ヘ| \ ヽ   `ヽ、__フ   :::::::/<   l   は は
         |   \   _)/      / / ヽ !! は は
            l:::>  __,   -‐ ´ /_ノ     は は
            l:/ =ニ二三≠イ //  `ヽ
11名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/22(土) 01:04:06 ID:Wk9MIgns
>>6
普通に悪くない作品だったと思います。
元々このスレはこういう感じのネタが多かった気がするしw
12名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/22(土) 03:21:00 ID:qpRyhDwH
>>6

ゆーちゃんカッコヨス
13名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/22(土) 04:41:42 ID:jXGNC3vW
      |
   \  __  /
   _ (m) _
      |ミ|
   /  .`´  \
     ∧_∧
    <`∀´ ∩
    (つ  丿
    <__ ノ
      レ
14ガンガン福岡:2008/11/22(土) 16:53:44 ID:YLAmUHYz
やっと元の軌道スレに戻ったか
>>1乙 >>6も乙

ttp://uproda11.2ch-library.com/src/11136528.jpg
15名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/22(土) 20:29:35 ID:bbm0ijYN
ついにお星様に
16名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/22(土) 23:28:02 ID:hKBngwcs
ガンガン乙
17名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/22(土) 23:50:58 ID:Q5dC7TCd
>>6
グレゴリー氏ライフル自殺、人肉GJですw

>>14
ガンガン氏恒例のWIKI絵おつです!
18名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/23(日) 01:13:34 ID:iPQGenRn
こなた本スレに迫る勢いですなw
19名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/23(日) 04:33:05 ID:B6RAXCsO
(U≡ω≡.)
20名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/23(日) 15:44:32 ID:NqmhJ/mR
こなたに
メラミ
21名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/23(日) 20:09:55 ID:MpOHlK+l
こなたに
メラミン
22名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/23(日) 20:31:25 ID:E9gp3xx6
こなたにメラニン
23名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/23(日) 23:53:23 ID:EAC3K6Wp
24名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/24(月) 00:28:09 ID:x6K9kf5+
(U≡ω≡.)
25名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/24(月) 00:39:42 ID:fZR2rqul
見られない
26JEDI_tkms1984:2008/11/24(月) 00:44:22 ID:dVivOmPh
前スレの
>>691

オオハシカオル調のイラストが素敵です。
みさおが恰好いいですね。


前スレの
>>694

いじめは大人の世界にも子供の世界にもありますからね。
恐ろしい世の中です。


>>6

カニバリズムですね。
かなたはそうじろうの中に永劫、生き続けるのですね。
そういえばある国のある寒い地方では老衰間近の家族に1本の蝋燭を持たせて遠地に置き去りにするとか。
家族は遠くからその蝋燭の火が消えるのを待ち、消えたと同時に駆け寄ります。
するとそこには血まみれのクマが居て、家族はそのクマを狩猟して食べるそうです。
蝋燭を持たされた老人はもちろんクマに食べられています。
家族がそのクマを食べることで間接的に老人を食べることになります。
血族の命が血族の中に戻る、こういう供養をする文化がある。
……という話をかなり前に聞いたことがあるのですが本当でしょうか?
27名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/24(月) 01:36:23 ID:bCgCyX64
シュールな絵を描く人、文章も書く人だったのか
28グレゴリー:2008/11/24(月) 09:51:55 ID:jpYOyPVB
JEDY氏よ。その話は知りませぬが、カニバリズムに対して深い造詣をお持ちのご様子。ぜひともカニバ作品にチャレンジを!ちなみに私はカニバリズムを行うことで人間性を失い人間であることを止めてしまうということを強調しております。
れっきとしたアンチカニバリズム作品として、小さな子供でも安心して読めるでしょう。また、カニバリストを目指すものにとっての抑止力となれば幸い
私はこの世に在るものは必ず消えてしまうという理に抗う人間の滑稽さ愚かさを愛情を込めて見つめて作品に投影していきたい。だが、人間性というものがいかに尊むべきプライドであるかということも
29名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/24(月) 09:58:36 ID:khPyvtfX
このままこなたスレぶち抜いてしまえよ
どうせあっちはスレの流れ死んでるしなwww
30名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/24(月) 10:34:01 ID:khPyvtfX
こなたスレより下がってるから上げといてやるよ
31名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/24(月) 11:30:01 ID:qu96YEdn
避難所2->>710>>714
ご近所さんがいたとは。
京王いいですよね。
http://uproda11.2ch-library.com/src/11136989.jpg
32名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/24(月) 11:44:54 ID:Tb58PeMz

KOってwwwwwww
>>29
この勢いだとまず間違いなくぶち抜くだろうな
33名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/24(月) 20:46:50 ID:3UEnOK0O
>>31
サイリスタとはマニアックなwww
34JEDI_tkms1984:2008/11/24(月) 20:54:41 ID:dVivOmPh
>>28

僕にはまだカニバリズム作品は早いというか、そのレベルに達してません。
また僕自身がそれに対して特段の考えを持っていないので難しいかと。
ただ人間の愚かさを書く、という点は僕も意識しているところなので、そことカニバを
うまく融合させられれば鑑賞に堪えうる程度のSSは書けそうな気がします。
35名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/25(火) 02:04:58 ID:OURx+1U8
カニバル以前に、グレゴリーさんのは奔放なノリが堪らなく好きだ
ナードVSジョックスという階級闘争を、
その爽快感と諧謔溢れた文章で、
自虐交じえて鼻歌混じりに書いたものが読みたい
36グレゴリー:2008/11/25(火) 22:25:09 ID:U+hj2v5E
>>34
JEDY氏よ。冗談ですよ。私ごときが氏に対して何かを示唆するわけ
ないじゃないですか。あなたには私とは違う期待がかけられております。
どうぞ、ご自身の道を貫きたまへ
>>35
スクールカーストシリーズですな。私がとあるスレで投稿した一連の作品が
そうですが、皆の絶賛を期待していた私は見事に裏切られましたわい。
ですが、今、ここで、そのシリーズに対して賞賛してくださっていたお方の
存在を知りました。涙で目の前が曇ってキーボードもまともに打てないです。

久しぶりに酒屋でVAT69(誰も手をつけておらず、ホコリを被っていた)
を見つけて購入し、ベロンベロンでございます。
今、史上最低の作品を作成してますが、十八禁なのですが、性的な表現は
このスレでは許されるのですか?速ければ明日にも投稿できそうですが。

37名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/25(火) 23:40:36 ID:Ix2SrCEJ
                __
       _,,ィ=、    ,ィ=ニ――`-、
     /'               `ヽ、
    ,/                    \
   /  __          ィニ===-、    \
    /:;;;;::::下        イ:::;ィニヽ:::::::ヽ
    /:::(●) ! i       !' ((●))  :i!
    :::::`ー' , _,-         ` ̄    !
    `ー '"          ヽ、__,,
        ハ  -、
          〉   `
       /
       /~⌒ヽ                クソスレ・・・・・
     ( r' ̄^ヽ、               
      く ̄ ̄ ̄`                     
      ` ー―-、

38名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/25(火) 23:45:09 ID:aw58dTQh
な、何だこの狂ったスレは……
39名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/25(火) 23:47:02 ID:X0N+QU8L
こんな基地外みたいなスレタイで28スレも続いてるなんて
40名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/25(火) 23:54:12 ID:FGFftBGh
何ですか?ここ…
41名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/26(水) 00:18:13 ID:rBckJyhe
またこなたスレにちょっかい出して来やがって。
自重しろよ。マジで。
42グレゴリー:2008/11/26(水) 00:50:43 ID:Pc1P21O1
お前ら、本当に狂っている男を見たことあるか?

ちなみにちゃんと自殺するラストなのでご安心を。

「いいグレゴリーは死んだグレゴリーだけだ」
43楽しいお泊り1:2008/11/26(水) 00:52:43 ID:Pc1P21O1

「それじゃあ、土日は泊まりで夜通し遊ぶか!
 ん?そういえば遊ぶときはいつもうちだけど、こなたの家はダメなの?」

かがみの一言で、こなたの家に泊まることになった。
だが、こなたは念を押した。

「うちのお父さん、職業柄、家に居ることが多いし。だから..
だから、私も、責任を負いきれなくなると困るし...」

かがみとつかさは凍りついた。なんてことを言うのだ。

しかし、二人のこなたに対する信頼は郡を抜いていた。

なんだかんだ言っても3人は親友同士なのだ。

そうじろうは見た感じは悪くなかった。以外とハンサムでフランクなおじさんだった。

「家が神社で、巫女さんやってるんだってええ」

初対面でそのセリフかい!とかがみは心の中で突っ込んだが、あえて二人の緊張をほぐすために

フランクに振舞っているのかもしれない。

かがみとつかさはそうじろうに対しておおまかには好意を抱いていた。


こなたの部屋でマニアックなゲームをやったり、豊富なコミックを読んだりとかがみとつかさはそれなりに
楽しんだ。

こなたは内心、心配していた。父であるそうじろうのことだ。

そうじろうはマジだった。こなたは知っていた。自分の下着や衣類で時々、マスをかいているそうじろう。
女子高生モノのAVを隠し持っているそうじろう。
ネットで専門学校生を装って女子高生とチャットしているそうじろう。

あるときなど、そうじろうの居るチャットに忍び込んで都内の女子高生を装っていたら、
プライベートメッセージで非常に卑猥なメッセージを受け取った。
44楽しいお泊り2:2008/11/26(水) 00:54:18 ID:Pc1P21O1
だが、こなたは父を信頼していた。

こなたはいろいろ考えごとをしながら料理をしていた。今日は4人分の食事を作らなければならない。
いつも、かがみとつかさに見せるものとは違うこなたの顔だった。

かたわらで、つかさが目を輝かせながら見つめている。
料理に参加したいのがバレバレだ。

「ねえ、何か手伝おうか?」

つかさがついに口を開いた。

「んー、、じゃあ、サラダ盛り付けて」

こなたはつかさに料理のメインディナーを任せることにした。
ホスト役は常にゲストを立ててやらなければならない。

つかさは嬉々として、作業に取り掛かった。


4人の人間が食卓を囲む。いつも父と二人きりで夕食をとっているこなたにとって

それは喜ばしいことだった。こなたはかがみとつかさに感謝した。

こなたは父を愛している。だが、最近は父に対してなにか近寄りがたいものを感じている
ことは確かだ。

年を降るにつれ、そうじろうの身中に得体の知れないエネルギーがみなぎってきていた。

「いただきまーす」

食卓に4人の明るい声がこだまする。

「おいしーい」

「確かに!上出来じゃない!」

つかさとかがみが歓声を上げる。こなたは飛び上がるほどのうれしさを隠して
余裕を持って答えた。

「これくらいなら、いつも家事してたら出来るよ。かがみも家事したら少しは上達するかもよー」

「余計なお世話だ!」

期待していたどおりの突っ込みが返ってくる。

と、テーブルを通してかすかな振動が伝ってくる。そうじろうがプルプル震えているのだ。

3人はそうじろうを見つめる。
45楽しいお泊り3:2008/11/26(水) 00:55:55 ID:Pc1P21O1
「観てみろ、こなた。完璧だ。夢にまで見た光景が広がっているぞおおおおお」

そうじろうはいきなり立ち上がり、怒涛の涙を流し絶叫した。

「男1人に女子高生3人が食卓を囲んでいるなんて、ギャルゲーでは不自然によくあるシュチュエーションだもんね」

こなたは急いでフォローする。かがみはそうじろう流のフランクな対応だと思って
「ああ。そうですかい」と適当に相槌を打った。

だが、テーブルに力なく座りなおしたそうじろうの身体の震えは止まらない。

3人はいいかげんに不安になってきた。と、「う、うおお、うああ、あ」

そうじろうは情けない声をあげると、テーブルに液体を射出した。

テーブルの真ん中に置いてある、つかさの自信作、サラダの盛り合わせにその液体はジャストヒットした。

こなたはそうじろうの股間を見つめた。ズボンを突き破って、まるでヘラクラスのように威風堂々とした

ものが聳え立っていた。ヘラクレスはピクンピクンと派手に痙攣している。

そして、ヘラクレスから射出された液体は白く、ネバネバしていて、まるでフレンチソースのようだった。


「あああああ、私の作ったサラダがああ」

つかさが涙ぐみながら立ち上がった。見事に盛り付けられたサラダにかかったその液体はまるでソースのようだ。

こなたは必死でフォローした。

「だ、大丈夫だよ。丁度、フレンチソースを切らしていたところだし」

http://uproda11.2ch-library.com/src/11137359.jpg


そういいながら、かがみとつかさの目のまえで、液体のかかったサラダを箸でつかみ、口に運んだ。

温かく、粘ついたそうじろうの精液はサラダの野菜にからみつき、独特の風味を与えていた。

「うん。おいしい。いい調味料だよ」 こなたは口をモグモグしながら、満足そうに振舞う。

こなたの行動を見つめていたつかさは、恐る恐る、そうじろうの精液のたっぷりかかったサラダを自分の皿にとって

味わってみる。
46楽しいお泊り4:2008/11/26(水) 00:57:25 ID:Pc1P21O1
「あ、本当だ!酸味があってなんだかフレンチソースみたい」

つかさがサラダを食べたのをみて、かがみもいやいやながら、サラダを食べた。

こうして、こなたの必死のフォローによってその場は丸くおさまった。

お風呂に入る時間になった。父親想いのこなたは、先にそうじろうを風呂に入れることにした。

なぜなら、つかさとかがみの入った後の残り湯を飲んでしまう可能性があったからだ。

身体に悪いことを自分の父親にすることはできない。こなたなりの思いやりだった。しかし、

風呂場からつかさの悲鳴が上がった。

急いで風呂場にかけつけたこなたとかがみが見たものは....

白いネバネバとした液体を体中から垂らしたつかさの姿だった。

「おねえちゃーーん、お風呂、入浴剤だと思ったんだけど,,,これって」

こなたは風呂桶を確認する。それは、風呂桶一杯に入ったそうじろうの精液だった。

風呂のお湯をも駆逐して、そうじろうの妄想は、風呂桶を自分の精液で満たしたのだった。


かがみと二人がかりで、つかさの身体からそうじろうのザー○ンを洗い流すのに30分くらい要した。

http://uproda11.2ch-library.com/src/11137360.jpg

「ほんと、男性のザー○ンってこんなにしつこいのね」

かがみはつかさの髪にからみついたゲル状の液体を必死に洗い流そうとしている。

「まあ、ザー○ンってほとんどがたんぱく質らしいから、お湯で凝固したんだと思うよ」

「こなちゃん、意外と物知りだね」

3人は同時に笑い出した。結局、箸が転げてもおかしいお年頃、友人3人がそろえばすべての現象を
笑いに転じることができる。

こなたはかがみとつかさに感謝した。

つづく


47グレゴリー:2008/11/26(水) 00:58:52 ID:Pc1P21O1
んじゃあ、寝ます。まあ、たまにはこういうのもいいんじゃない?
大作が連投されたことだし、息抜きということで。また、明日
続きを投稿しますわい。では、おやすみ
48名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/26(水) 01:30:56 ID:z14gaune
ドレッシングwww
絶対おいしくないwww
49名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/26(水) 02:02:08 ID:0EgFAMXX
サラダのくだりがとてもエロい
箸休め的な意味で、たまにはこういうのもいいね
50名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/26(水) 02:26:58 ID:D0PuQ2XD
笑った。大いに笑った。
下ネタ嫌いなはずなんだけど、こなた達のシュールともとれる無邪気な反応が最高に面白い。
つーかそうじろう人間辞めてやがる。
これが、本当に狂っている男ってやつか。
見させてもらいましたよ、アッパー系のマジキチ。

「いいグレゴリーはSSや絵をかいているグレゴリーだ」
51名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/26(水) 02:28:33 ID:D0PuQ2XD
つーか、
>>38-40
どっから誘導されて来たんだ?
52名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/26(水) 04:05:21 ID:CQb+qkss
萌え?何時の時代の話だよ。今は鬱の時代です。
その牽引役が僕らがグレゴリー様だ。
時代遅れの萌えを放逐し、オタワールドをグレゴリズムに染め上げろ。
byグレゴリスト
53名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/26(水) 11:45:48 ID:Dp821Kr+
一瞬ここが自殺スレであることを忘れてしまったwww
てかサラダ食うなよwwwww
54名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/26(水) 20:19:23 ID:SvaBm4jY
風呂桶いっぱいの精液…出し過ぎだろ
55名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/26(水) 22:51:04 ID:tAbgJG0v
どこに貯まってたんだろう。
56名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/26(水) 23:06:03 ID:lfsInK23
つーかグレゴリー氏のキャラ好きだw
俺が京王線沿線住みじゃなかったら、せめて九州北部住みだったらオフ行ったのに。
57名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/26(水) 23:12:25 ID:v9kpcxX2
せめてって離れ杉だろw
58グレゴリー:2008/11/26(水) 23:28:43 ID:cGAu4fND
むむ、袋叩きに会うことを期待していたのですが
意外な好評ぶりに驚いております。

応えまして、続きは挿絵を充実させたいのでしばしお待ちください。
次こそは常人にはついて来れないようにがんばりますw

>>京王線ってどこです?
59名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/26(水) 23:43:15 ID:v9kpcxX2
青森県だったはず
60名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/26(水) 23:49:08 ID:EGL6X/iN
>>58
ttp://www.keio.co.jp/

>>59
そりゃ津軽鉄道やw<青森
61名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/26(水) 23:49:21 ID:lfsInK23
東京多摩南部だよw
62名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/27(木) 01:59:21 ID:lonkjiNg
どうでもいいよ出身地なんて
63名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/27(木) 02:14:45 ID:rr//3ddX
>>58
>応えまして、続きは挿絵を充実
期待してます。
64名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/27(木) 02:24:06 ID:qs5TXqJC
>>62
どうでもいいんなら黙っててくれ
青森県
65名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/27(木) 04:00:05 ID:iJmamPeU
京王の笹塚の塚の字って点が付くんだよね。
66名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/27(木) 14:35:42 ID:qs5TXqJC
>>65
本当だw
67(≡ω≡.):2008/11/27(木) 22:26:26 ID:ioqazsAc
酷いスレタイですね…。
68名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/28(金) 04:49:56 ID:4InBL10M
その顔文字を見ると、こなたより先に神奈川思い出す俺はもう末期
69JEDI_tkms1984:2008/11/28(金) 21:28:06 ID:6paPU97H
 みなさん、こんばんは。
明日夜より、おそらく今年最後の投稿をするかもしれませんが宜しいでしょうか。
70名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/28(金) 22:22:35 ID:gZJHqY2K
お願いします
71名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/28(金) 23:49:47 ID:iMdCV4O9
72名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/29(土) 00:32:39 ID:Q5gnsBiu
執筆ペース速すぎワロタw
俺は大・歓・迎です。
一足早いクリスマスプレゼントですな。
73JEDI_tkms1984:2008/11/29(土) 01:18:46 ID:zFbxN7wE
 申し訳ないのですが、実は元々書き溜めておいた惨劇館の続きなのです。
タイミングを逃してしまったというか、思うところがあって控えてました。
続きといってもこなたはちゃんと自殺しますのでご安心ください。
74JEDI_tkms1984:2008/11/29(土) 21:21:09 ID:zFbxN7wE
 みなさん、こんばんは。
ただいまより投稿いたします。
75惨劇の後に……1:2008/11/29(土) 21:22:37 ID:zFbxN7wE
”なんだか胸騒ぎがして……”
そう切り出したのはあやのだった。
みさおほど能天気に構えない彼女は、ちょっとした事にもいちいち反応する。
特に気に留めるようなことでもない。
何となく後味は悪いが、それでも人によってはさらりと流せる程度の話だった。
「なあ、あやの。ほんとに行くのか?」
何を今さら、という顔であやのが頷く。
「もうここまで来たんだから。何もなければそれでいいし、何かあったら――」
「何かあったら……どうすんだ?」
「…………」
みさおの問いにあやのは沈黙を返す。
「ああ、もう、分かったよ!」
自分と違い、いちいち不安げな顔をするあやのに向かって手をパン! と叩く。
その音に現実に引き戻されたように目を丸くする。
「行くって言ったのはあやのだし、私も止めないで一緒に来たんだ」
「う、うん……そうだけど……」
「さっさと行くぞ」
みさおが大股で歩き出し、あやのがその後に続いた。





連休を翌日に控えた放課後。
珍しい顔が珍しい場所に姿を現した。
教室の入り口から覗くように中を見回し、目的の人物を見つける。
「あ、あの――」
「高良ちゃん」
先に名前を呼ばれ、みゆきは少しだけ慌てたように顔に手を当てる。
「どうしたの? 私に何か用?」
奥ゆかしいみゆきは他のクラスに足を踏み入れることを躊躇っているのだろう。
そう察したあやのがみゆきの元へ小走りで向かう。
「すみません。用というほどでもないのですが……」
遠慮がちに、ゆっくりとみゆきが言葉を繋げていく。
「…………?」
「どした? って、あれ高良さん……だっけ」
みさおも寄ってくる。
親友のあやのとはまた違う、物腰優雅なみゆきに対してどう呼べばいいか思案しているようだ。
「柊ならもう帰ったぜ。いつも一緒に帰ってるんじゃないのか?」
一瞬だけ、みさおが怪訝な顔をした。
「いえ、今日はかがみさんではなく――」
みゆきは一呼吸置いてから続けた。
「お二人は明日からの連休に何かご予定はありますでしょうか?」
「…………?」
「…………?」
みゆきに問われた瞬間、2人は思わず無言のまま顔を見合わせた。
これは何かのお誘いなのだろうか。
確かにかがみを通して知り合いはしたが、まだそこまでは親しくはない。
「いや、私は別にないけど?」
「私も」
みさおに続き、あやのもかぶりを振った。
「そう……ですか……」
予定はない、と答えているのにみゆきは何故か表情を暗くする。
それが2人には分からなかった。
互いに顔を見合わせる。
「あの、本当に何もご予定はないのですか?」
再度の質問。
さすがにこうなると少し不気味だ。
76惨劇の後に……2:2008/11/29(土) 21:23:33 ID:zFbxN7wE
「ううん、何もないよ?」
あやのが念を押すように言い、みさおが頷く。
みゆきは困ったように視線を彷徨わせている。
「どうしたんだ?」
いまだ困惑した様子のみゆきに、堪らずみさおが声をかける。
彼女は視線を左右に動かして確かにかがみがいないことを確かめると、
「実は…………」
かがみさんにはくれぐれも黙っていて下さい、と前置きした上で彼女は話し始めた。


授業終了とともにいつものメンバーで帰ろうと、かがみがB組にやって来た。
しかしどうしても気になる事があるみゆきは、所用があるからと2人を先に下校させた。
ヘンに義理堅いこなたは終わるまで待つと言ったが、みゆきが頑なに拒んだ。
3人が教室を出て行くのを確認したみゆきは、みさおとあやののいるC組へ。
わざわざそんな回りくどい手を使ってまで2人と接触したみゆきが語ったのは。
次の連休にかがみの知り合いの別荘に遊びに行く、というものだった。
メンバーはかがみ、こなた、みゆき、ゆたか、みなみ、ひよりの6人。
「別荘?」
あやのが間抜けな顔で問うた。
「ええ、お知り合いに資産家の方がいらっしゃるそうで、私たちも招待されたのですが――」
そこでみゆきは言葉を切った。
ただの遊びの誘いならここまで疑念を抱くことはないのだが――。
「つかささんが亡くなってから、まだ日も経っていませんし……それに……」
「柊も寂しいんじゃないのか? みんなと一緒に過ごすほうが気も紛れるかもしれないし……」
「でしたらお二人を誘わない理由が説明できないのです。ましてや予定があるなどと――」
みさおが言い終わらないうちにみゆきが押し止めた。
大勢で遊びに行くのなら、みさおとあやのも誘ってはどうかとこなたが提案した。
それに対してかがみは、”2人とも予定があるから”と返している。
だが実際には2人に予定などない。
それどころか、かがみが小旅行を計画していることさえ知らされていない。
みゆきに今、こうしてこっそり教えられてようやく知った事実だ。
「私たちが来ちゃいけない理由でもあるのかしら?」
呟いてあやのは寂しさを覚えた。
「冷たいよなー。私たちはしょせん背景かよ〜」
みさおが口を尖らせた。
おどけた仕草で寂しげなあやのを慰めるつもりだったが、この試みはうまくいかなかったようだ。
みゆきが続ける。
「もうひとつ気になるのはメンバーなんです」
「私たちが入ってないってこと?」
「いえ、それもありますが。招待を受けているのはあの……つかささんが……」
最後まで聞かずとも2人には分かった。
つかさの死に関してはみさおもあやのもかがみ自身から詳しく聞いている。
こなたとひよりに誘われて行ったゲームブランド主催のイベント。
そこでゆたかが倒れ、駆けつけた救急車に付き添いとして同乗したつかさ。
その帰りに車に撥ねられたこと。
別荘に誘われたのはそのイベントに参加したメンバーと同じだった。
みさおとあやのはそれには参加していない……。
「みんなで一緒にっていうのなら分かるけど、それだとちょっと違うかもな」
つかさが死んだ時のメンバーをわざわざ選んで旅行などするだろうか。
普通なら集まったその顔を見るだけでつかさを思い出し、余計に傷が深くなるのではないか。
「なんだか厭な予感がするんです。思い過ごしならよいのですが……」
そう言うみゆきの顔は心なしか青白い。
先ほどまで疎外感を味わっていたあやのも、今は別の意味で塞ぎ込んでいた。
つかさが亡くなってからそう時間は経っていない。
そこに本来ならあまり居合わせたくない顔ばかりを揃える……。
最愛の妹を喪った悲しみでおかしくなってしまったのだろうか?
あやのはそこまで考えた。
しかし普段のかがみを見る限り、そこまで思いつめたような様子はなかった。
「その別荘ってのはどこにあるんだ?」
77惨劇の後に……3:2008/11/29(土) 21:24:39 ID:zFbxN7wE
突然の、しかしある意味では当然の質問にみゆきはやや間をおいて、
「それが場所まではまだ……」
聞いていない、と尻すぼみに答える。
本州から離れた孤島とまでは言っていたが、具体的な位置は話題にのぼらなかった。
「すみません……私としたことが……」
みゆきは平謝りに謝った。
かがみを少しでも疑うならその程度の情報は仕入れていて当たり前だ。
「いいっていいって。教えてくれてサンキュ」
「いえ、お役に立てず申し訳ありません」
ぺこりと頭を下げながら、みゆきは後味の悪さを感じた。
これでは悪戯に2人の不安を煽っただけではないか。
今さらながら自分の不手際が呪わしい。
「ねえ、高良ちゃん」
何か思いついたようにあやのが顔を上げた。
「今度、柊ちゃんに聞いてくれないかな」
それだけでみゆきは分かった。
「はい……えっと……」
「これ、私の携帯の番号」
あやのが向けたディスプレイを見て、手間取りながらもそれを登録する。

”登録37 峰岸さん”

間違いなく記録されたことを確かめ、みゆきは携帯を閉じた。
「ごめんね、手を煩わせちゃって。でも私も気になったから……」
「場所が分かりましたら、こちらの番号におかけすればいいのですね?」
分かりきったことを訊ねる。
こくんと頷くあやのを見て、みゆきは不意に不安に駆られた。
あやのは――。
それを知ってどうするのだろう?
行き先によっては出発前に止めに入ったりするのだろうか?
分からない。
分からないが、あやのもみさおもかがみを心配しているのだ。
何となく胸に閊えるものがあったが、みゆきは彼女を信じることにした。


 しかし、あやのの携帯にみゆきから電話がかかることはなかった。
ついに何の連絡もないまま当日。
あやのの心を蝕んでいた真っ黒な不安がどんどんと膨れ上がってくる。
(高良ちゃん……どうしたのかな……電話してくれるって言ったのに……)
ハッとなって顔を上げる。
そうじゃない。
かがみが心配なら。
少しでも気になる点があるなら。
自分から行動するべきなのだ。
それをみゆきに押し付け、自分は報告を待つだけ。
そんな安易な道を選んでいて友だちの心配をしているなんて言えたものではない。
携帯を取り出す。
「…………」
迂闊だった。
みゆきの携帯番号を聞いていない。
別荘の場所を知ることばかりを考えていて、自分からみゆきに連絡を取ることまで頭が回っていなかった。
完全にあやのの落ち度だ。
「どうしよう……」
こうなると不安は恐怖に変わってくる。
だんだんかがみの心配をしているのか、ただ自分が不安になっているだけなのか分からなくなってくる。
開いていた携帯を閉じ、またすぐに開いたあやのはアドレス帳からよく知っている名前を呼び出す。
ちょうど7コール目で、
『んあ? どした?』
失礼な第一声が聞こえた。
寝ていたらしい。
78惨劇の後に……4:2008/11/29(土) 21:26:10 ID:zFbxN7wE
そんな間抜けな親友の声に若干イライラしながら、
「高良ちゃんから何の連絡もなかったの! ねえ、どうしよう!?」
こちらは悲壮感たっぷりに、伝わらない激しい身振りもつけてみさおに泣きついた。
『ん〜〜……』
半分も聞いていないのか、みさおはくぐもった声を返す。
(もうっ!!)
こんな時に呑気に寝ている彼女を、本当に親友として見ていいものか。
あやのは大きく息を吸い込んだ。
「みさちゃん、聞いてるのッ!?」
受話器の向こうで何かが倒れる音がした。
『お、お〜……ビックリさせんなよ。ちゃんと聞いてるって』
「ほんとに?」
『ほんとだってヴぁ。そんなに気になるなら直接柊に電話すりゃいいじゃん』
「あっ……」
小さく声を上げてあやのが顔を赤くする。
「み、みさちゃんは気にならないの?」
照れ隠しにやや強引に質問を投げかける。
う〜ん、とうなり声を発してみさおは、
『気にならないって言ったら嘘になるかもな。でも柊も冷たいよなー、私らだけ誘ってくれないなんてさ』
不貞腐れるようにこぼした。
だからそれが気にならないのか、とあやのはもう一度訊こうとしたが、
「ちょっと電話してみるね」
返事を待たずにかがみにかけなおす。
みさおの言うように本人に訊ねてみればいい。
(納得のいく答えだったらいいし、そうでなくても柊ちゃんが無事なら……)
キーを操作するあやのの手が止まった。
(無事…………?)
引っかかっていたのはそこだった。
親しい間柄であるハズの自分たちをかがみが誘ってくれない理由。
陵桜に入ってからはつかさの教室に入り浸っていたから、まずそちらから声をかけるのは分かる。
問題は嘘をついてまで自分やみさおを呼ばなかったことだ。
「………………」
意を決してコールしたが……。
電源を切っているのか電波状態が悪いのか、一向に繋がる気配がない。
「お願い、出て――!」
空虚に向かって祈るも、結果は変わらなかった。
再びみさおにかけなおす。
先ほどは失礼な切り方をしたが、相手はあのみさおだ。
いちいち怒ってはいないだろう。
「もしもし、みさちゃん」
すぐにかがみと連絡が取れないことを伝える。
その声が切羽詰っていたのと、実際にかがみに繋がらないという事実が重なったからか、
『――分かった。すぐに行くから待ってろ』
みさおらしからない真剣な口調でそう言った。



 2人は近くの公園で落ち合った。
着いたのは以外にもみさおの方が早かった。
「ごめんな、急に呼び出して」
肩で息をするあやのに詫びを入れる。
「ううん、私のほうこそ折角の休みなのに」
今さら遠慮しあう間柄でもないが、それでも互いに時間を割かせてしまったことには変わりない。
その辺りは親しき仲にも礼儀を弁えているらしい。
「でも、どうして急に――」
「ん? まあ、私も引っかかってたっていうかさ……妹があんな事になっただろ?
それで柊のことは見てたつもりだったけど、あいつ、なかなか本音とか話さないじゃん」
「う、うん……」
「私バカだからさ、柊になんて声かけたらいいか分からなかったんだ。
下手に慰めるのも違う気がしてな。だったら向こうから言ってくるまで待ってようって考えたんだ」
79惨劇の後に……5:2008/11/29(土) 21:27:21 ID:zFbxN7wE
妙にしんみりと、搾り出すようにみさおが言う。
「私たちを誘わなかったのも柊なりの考えがあるんじゃないかってさ。
正直言うとさ、眼鏡ちゃんが相談持ちかけてきた時はちょっとだけイラッときたんだ」
「……どうして?」
「それって柊が選んだメンバーじゃん? せっかく誘ってくれたのにそれを疑ってるみたいでさ。
ほんとは柊が一番つらいハズなのに、さらに追い討ちをかけてるみたいな気がしたんだ」
あやのは自分が恥ずかしくなった。
みさおは何も考えていなかったわけではない。
彼女は彼女なりのやり方でかがみを気遣っていたのだ。
必要以上に心配する自分に比し、さして気にも留めていないようなみさおだったが。
これが彼女の優しさなのだと漸く気付く。
「でも今は眼鏡ちゃんに感謝してるんだぜ。連絡がとれないって普通じゃないもんな」
携帯電話というものは早朝だろうが深夜だろうが、基本的に繋がるものとみさおは思っているらしい。
律儀なかがみが携帯を家に忘れてきたとも思えないし、何分経ってもかけ直してこないのも妙だ。
あやのとはまた違った不安をみさおも抱くようになった。
ただ自分たちがのけ者にされているだけなら、ここまでの恐れはなかった。
悔しいがこなたやみゆきとの方が楽しいのなら。
それがかがみにとって慰めになるなら甘んじて受け容れるつもりではいた。
しかし、みゆきから聞く話は少し違う。
かがみは敢えて自分たちを遠ざけた。
予定があるから行けない、と勝手に理由をつけてだ。
考えるまでもなく不自然な行動ではある。
だがそれでも、まだかがみを信じていたみさおは追及しようとは思わなかった。
詮索するのは嫌いだ。
だからあやのが何か言ってきても、軽くあしらうことにしていたのだが……。
どうも様子がおかしいらしい、とみさおも訝るようになってきた。
あるいはあやのの心配性に当てられたか。
「とりあえず柊ん家に行ってみようぜ」
こうなるとみさおは考えるよりもまず行動だ。
「うん、そうね」
今はその行動力が頼もしい。


『どちら様でしょうか?』
インターフォン越しにただおの声が聞こえる。
「こんにちは。あの、峰岸です」
『え――? 峰岸さん…………?』
名前を聞いた途端、ただおが訝るように声を落とした。
「はい。あの…かがみさんは……?」
あやのがおずおずと訊ねるが、向こうからは、”おかしいな”と小さく声が聞こえる。
ただおがドアを戸を開けて出てきた。
その姿を認めた2人がぺこりと会釈する。
ただおもそれに倣って頭を下げるが、やはり怪訝そうな表情だ。
「すみません、突然お邪魔して」
このあたりは礼儀正しいあやのが当然の口上を述べる。
「いや、それは構わないんだが。峰岸さんと日下部さんだよね? きみたち――」
キョトンとするあやのに対し、
「かがみと一緒じゃなかったのかい?」
首を傾げながらただおはそう言った。
みさおもあやのも、この言葉の意味を理解するのが恐ろしくなったのか、
「どういうことですか?」
質問に質問をかぶせることで時間を稼いだ。
「きみたちも別荘に行ったと思っていたんだが……」
「それ、柊……かがみさんが言ってたんですか?」
みさおが思わず身を乗り出した。
その様子にただならぬ雰囲気を感じ取ったらしいただおが、
「あ、ああ。かがみが友だちを連れて知人の別荘に遊びに行くと話していたからね。
その中にきみたち2人の名前もあったけど、中止にしたのかい?」
より詳しい状況を教えてくれた。
かがみは別荘に泊りがけで遊びに行くことをきちんと家族にも話していたらしい。
80惨劇の後に……6:2008/11/29(土) 21:29:11 ID:zFbxN7wE
いつ出かけ、いつ戻るのか。何人で行くのか、メンバーは誰なのか。
やはり律儀なかがみは詳しく述べていたという。
ただおはそのメンバーに、古くからの付き合いであるみさおとあやのの名前も聞いている。
「よかったら上がっていかないかい?」
玄関先で話すのも失礼だと思ったのか、ただおは2人を家内に招いた。
(どうする……?)
(せっかくだし)
わずか1秒、視線でやりとりをした2人。
「すみません、お邪魔します」
何か手がかりを得られるかもしれないと上がりこむ事にした。
居間に通された2人は、なぜか何度もお邪魔している家にもかかわらず正座してしまう。
いつもはかがみに誘われて遊びに来ているが、今日だけは違う。
ハッキリ言えばかがみがいない柊家に上がる理由はない。
しかも今は状況が状況だけに、肩や背中になぜか重みを感じてしまうのだ。
「いらっしゃい」
お茶を持ってまつりが入ってきた。
顔つきはつかさに似ているが性格はかがみに近い彼女と、2人は互いによく知っている。
かがみに呼ばれて部屋に遊びに行くと、こうしていつもお茶を持ってきてくれるのだ。
「ありがとうございます」
「いただきます」
澄んだ緑色のお茶を喉に流し込む。
「ねえ、2人とも今日はどうしたの?」
そのまま立ち去るかと思いきや、まつりが2人に向かい合うように腰をおろした。
「かがみと遊びに行ってると思ってたけど?」
ただおと同じ事を言う。
「そのことなんですけど――」
あやのが細かく説明した。
「ふうん。じゃあ、その高良さんって子が教えてくれなかったら、2人とも知らなかったってことね」
「そうなんですよ。それでちょっと気になるっていうか……」
みさおが腕を組んでうなった。
事実は見え始めてきたが、かがみの真意がまるで分からない。
「でも私たちは峰岸さんと日下部さんも誘ってるって聞いたよ? いのり姉さんも聞いてる。
気分転換にはいいかなってその時は流してたけど。たしかに気になるね」
まつりは小さく息を吐いて天井を見上げた。
かがみは意地っ張りで素直ではないが、嘘をつくような子ではない。
それに態度とは裏腹に思い遣りがあって優しい性格の持ち主だ。
みさおやあやのを騙す様が想像できない。
「でもそうなると、泉さんや高良さんを誘った理由は何なんだろう……」
つかさが亡くなった時、彼女が誰といたかをまつりは知らない。
かがみがそこまで話していなかったからだ。
家族にはただ、”友だちと遊びに行っていた”とだけ伝えてある。
「あの……つかささんに手を合わせてもいいですか?」
意外な言葉が意外な人物から出た。
あやのはビックリしたようにみさおを見る。
「うん……ありがとね……」
笑顔で返すまつりの瞳は潤んでいた。
不幸な事故で命を落としたが、こうして妹を慕ってくれる人がいる。
それが堪らなく嬉しかった。


つかさへの黙祷を捧げた後、ただおが別荘の場所を教えてくれた。
教えてくれたというより、みさおが執拗に食い下がって聞き出した恰好だ。
父親としてはやはり娘の意思を尊重したかったらしく、場所を知らせることに抵抗があったようだ。
そこに助け舟を出したのはまつりだった。
彼女にしてもかがみの真意が知りたかったようで、2人にその代役を委ねたのだ。
”船頭さんに頼めば送迎船を用意してくれると思う”
というただおの言葉を受けて、2人は港に向かった。
「まつりさんが協力的で助かったな」
またひとつ手がかりを得られたみさおは楽観的になって言った。
そうね、と相槌を打ってあやのは少し前のやりとりを思い出す。
81惨劇の後に……7:2008/11/29(土) 21:30:38 ID:zFbxN7wE
『この2人はかがみのこと心配してくれてるんだよ?』
渋るただおにまつりが強い口調で言ってくれた。
心配しているのは間違いなかったが、改めて言われるとむずがゆい気持ちになる。
「私たちって親友みたいね」
頬をほんのり朱に染めてあやのがぼそりと言った。
みさおが頭上に「?」マークを浮かべた。
「だってほら、普通ここまでしないし……」
ああ、と納得したようにみさおが手を打った。
「ま、柊がウチらのことどう思ってるかは知んねーけどな」
「ふふ、そうね……」
拗ねるようなみさおの変貌ぶりが可笑しく、あやのは小さく笑った。
港が見えてきた。
大小さまざまな漁船が繋留されている。
途端に磯の香りが鼻を衝く。
「頼んだら船出してくれるんだよな?」
漁師らしき人はあちこちにいるが、誰を見ても頑固で気が強そうだ。
こういう時はみさおの行動力に頼るに限る。
2人の間ではもう役割が決まっているようで、交渉はみさおが行うことにした。
「すみませーん!」
元気のいい声にさっそく何人かが注目する。
「この先の島まで行きたいんですけど、誰か船を出してくれませんか?」
かなり勝手な申し出だ。
ほとんどは漁師だから、海に出るのは魚を獲るためである。
それを送迎船代わりに出してくれというのだから、普通なら引き受け手はいないハズだった。
ところが、
「おーい、ガンさん! お呼びだぞー!!」
近くにいた漁師が小屋に向かって怒鳴った。
わけが分からず目を白黒させている2人の前に、体格のいい中年男が姿を現した。
「なんだなんだ?」
真っ黒に日焼けした顔をぐいっと近づけてくる。
「あ、あの……ここに連れて行ってほしいんですけど……」
ただおから受け取った地図を見せる。
それを覗き込んだ男は顎に手をあてて唸った。
「う〜ん、またか……」
思わず口に出してしまったのか、
「あ、いやいや、すまん。今朝もここに連れて行ってくれってお客さんがいたもんでね」
2人は顔を見合わせた。
間違いない。かがみたちだ。
「何人だったか覚えてますか?」
あやのが訊いた。
「5人……いや、6人だったかな? そのうちの1人は何度か送迎したことがあるんだがね。
気分が悪いって横になってた子もいたから……6人だ、間違いない」
(6人……柊ちゃんも入れて全員が向かったことになるわね……でも……)
男の記憶に間違いがないという前提であやのは考えた。
(それだと高良ちゃんもいたハズよね。どうして連絡をくれなかったのかしら……)
また分からなくなる。
今となってはかがみだけでなく、みゆきも疑惑の対象だ。
「で、きみたちもそこに行きたいわけだな? きみたち、あの子らの友だちかい?」
「あ、はい、そうです」
急に問われ、みさおは思わず間抜けな声を出してしまう。
「うーん…………」
なぜか男は腕を組んで難しい顔をした。
「あの……あの、お金ならありますから。あんまり高いと払えないですけど」
みさおがポケットをまさぐる。
計画性のない彼女は、小遣いを貯めると言うことを知らない。
出てきたのはしわくちゃになった千円札が2枚だけだった。
「うん? いや、お金のことは気にしなくていいんだ。先に送った子からも取ってないしね。
しかしなあ……う〜ん……」
男はまたしても難色を示す。
82惨劇の後に……8:2008/11/29(土) 21:31:58 ID:zFbxN7wE
「あの、なにかご都合の悪いことでもあるんでしょうか?」
泣きそうな顔であやのが訊ねる。
あまりに不安そうな顔に男は、
「天気がな、あまり良くないんだな。荒れる恐れがあるんだよ」
海の向こうを指差して言った。
からっと透き通った青い空がどこまでも続いている。
荒れるどころか小雨すら降りそうにない。
「それにいちおう約束もしてるからなぁ……」
遠い目をしながら男が気になることを言う。
「約束…ですか……?」
しっかり聞いていたあやのがすかさず割り込む。
男は困ったように頭を掻いた。
「うむ、うん……まあ、気にするようなことじゃないんだがね。今朝、送った子に言われたんだ。
もしかしたら自分の友だちが来るかもしれないが、船には乗せないでくれって」
十分気になることじゃないかと、みさおは突っ込みかけた。
「それって髪の長い子でしたか?」
レポーターみたいにあやのが身を乗り出して問いただす。
「ああ、眼鏡をかけてる子だな」
「えっ!?」
みさおもあやのも驚いたように男を見た。
てっきりかがみが自分たちを近づけさせない目的で言ったのかと思っていたが。
あの中で眼鏡をかけているのはみゆきしかいない。
「高良ちゃんが……」
あやのにはもう何も分からない。
連絡をよこさないどころか、自分たちを別荘に近づけさせないなんて考えられない行動だ。
「それでも行きたいんです。お願いできませんか?」
みさおの声にあやのはハッとなった。
肝心なことを忘れるところだった。
あの島に行かなければ意味がない。
連れて行くなと約束しているらしいが、何の強制力もない。
「お願いします」
あやのも深々と頭を下げる。
男は小さく息を吐いて腕時計を見た。
「もう6時だからなぁ。行って帰ってくるので精一杯なんだよ。どうだろう? 明日――」
「明日じゃ遅いんです! できるなら今すぐお願いします!」
「…………」
しばらく押し問答が続いたが、男がついに折れた。
「分かった分かった。そこまで言われちゃな。しかし何かあってもわしは責任はとれんぞ。
島に着いたらその子たちが言ってた別荘に泊まりなさい」
男は苦笑交じりに一銭の儲けにもならない送迎を買って出た。





島に着いた時にはすでに時刻は午後7時を過ぎていた。
無秩序に張り出した岩肌が黒く不気味だった。
近づいて見てみるとじっとりと濡れた跡がある。
ここだけではない。
注意深く観察すると砂浜にも無数の小さな穴が空いている。
どうやらスコールのような強い雨が降ったらしい。
「海の天気も変わりやすいんだな」
薄暗い空を仰いでみさおが言った。
「よく考えたら私たち、かなり無茶してね?」
言うまでもない事だ。
かがみの家に押しかけて別荘の場所を聞き出し、無料で船頭に送迎を頼む。
そのうえ誘われもしないのにやって来るとなれば、横暴以外の何物でもない。
「柊のやつ冷たいからなー。行ったはいいけど泊めてくれなかったらどうする?」
今さら何を不安に思うのか、みさおが大袈裟に嘆いてみせた。
83惨劇の後に……10:2008/11/29(土) 21:33:41 ID:zFbxN7wE
「大丈夫よ。柊ちゃんは優しいもの」
あやのは特に気にも留めていないらしい。
彼女が不安に思っているのは、自分たちが道具らしい道具を何一つ持っていないこと。
街灯も何もないこの島では、陽光だけが唯一の光源だ。
しかしその太陽もほとんど地平線の向こうに沈みかけている。
先を急いだばかりに2人はほとんど丸腰だった。
「ま、何とかなるよな」
これまでの危機を全て”何とか”してきたあやのが屈託なく笑った。
だが…………。
「あやの〜〜、どっち行けばいいんだ〜〜?」
道に迷ってしまった。
「ごめんね、みさちゃん。私にも分からないわ」
船を下りてすぐか、別荘まで一本道だと思っていた2人はあてもなく山道を歩く。
懐中電灯もないから、目先はほとんど闇に覆われている。
(ん……?)
あやのがみさおの手をぎゅっと握った。
ああ怖いのか、と彼女は瞬時に理解する。
弱音を吐くわけにはいかない。
「ん〜、たぶんこっちだな」
と、適当なことを言ってどんどん歩き出す。
根拠はないが、あやのを不安にさせたくないみさおはその手を握り返し、草花を掻き分ける。
「あっ!!」
目を凝らして暗闇の向こうを覗き見たあやのが声をあげた。
生い茂っていた草木がなくなって視界が開け、広い空間に放り出されたような感覚。
こげ茶色の外壁が見えた。
「きっとこれよ」
先ほどまでの不安はすっかり霧散したらしいあやのが、小走りで無機質な外壁に近づいていく。
遅れてみさおもその横に立つ。
ハッキリとは見てとれないが、これが件の別荘であることには間違いなさそうだった。
外壁を左手になぞるように歩く。
「すげぇな」
全容を見てはいないが、外壁だけでもこれだけの大きさだ。
別荘というものがどれほどの大きさかはある程度想像がつく。
「あ、そうだッ!!」
耳元で突然みさおが叫んだため、あやのはビクンとなってしゃがみこんだ。
「これがあるじゃんか!」
みさおがポケットから携帯を取り出す。
指先でサイドキーをまさぐってぐいっと押し込む。
すると本体から小さいが強い光が真っ直ぐに伸びた。
「もう、ビックリさせないでよ!」
胸元に手を当ててあやのが怒鳴った。
「ごめんごめん。こういう機能があるの忘れてたよ」
あやのの携帯にはライトは付いていないらしい。
再びみさおが先頭に立って外壁をつたう。
今度は光源があるから歩調も速い。
ほどなくして外壁の切れ目、続いて鉄扉が見えてくる。
(…………?)
あやのが首をかしげた。
みさおは鉄扉を開けて、躊躇うことなく歩を進めていく。
じゃりっと靴底が砂を噛む音。
「おかしい……」
あやのがぐいっとみさおの腕を引いた。
「ん? どした?」
「暗すぎる……」
「あっ」
言われて気付く。
かがみたちが宿泊しているハズの別荘なのに、窓が仄かに照らされる程度の光しか見えない。
「もう寝てたりして」
みさおは笑ったが厭な予感がしていた。
84名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/29(土) 22:06:19 ID:AjQ4t4mU
支援
85惨劇の後に……11:2008/11/29(土) 22:19:20 ID:zFbxN7wE
背中にじっとりと不愉快な汗が流れる。
2人は寄り添うように門をくぐる。
ぐるりと携帯の光を周囲にばら撒いた時、
「――――ッ!?」
みさおは思わず声を上げそうになった。
その変化を感じ取ったあやのが疑問を投げかける。
光の輪に浮かび上がった洋館。
その一瞬に見た窓をみさおは記憶から消し去ろうとした。
が、あやのが執拗に食い下がってきたために、
「見間違いだと思うけど」
前置きをしたうえで光輪を窓のほうに向ける。
「…………!」
間違いではなかった。
嵌め殺しの荘厳な窓が並ぶそのひとつだけが――。
ペンキを塗りたくったように赤黒く染まっていた。
どうする、という意味の視線を投げかけるみさお。
あやのは無言で頷く。
ここまで来て引き返すわけにもいかない。
それに船頭には明日、かがみたちを迎えに来るときに一緒に帰ると言ってある。
立ち止まる理由はない。
砂礫に躓かないように気をつけながら、一歩一歩と進む。
わずかな段差の先に頑丈そうな扉が見えた。
憚りながらノックする。
「おーい、柊ー!」
叫び声がわずかに遅れて返ってくる。
「開けるぞー!!」
自分を奮い立たせるようにそう言い、そっと手をかける。
扉は呆気なく開いた。
途端、生温かい風が内側から吹き込んでくる。
肌に纏わり付くような不愉快な空気だ。
今まで嗅いだことのない臭いが立ち込めている。
鼻腔を貫くような強い刺激臭。
さらに以上なのはこのロビー。
何がどうなったのか、高級そうなシャンデリアが無造作に投げ出されていた。
あやのは天井を見上げた。
ぷっつりと切られた支えがある。
もう一度下を見る。
バラバラになったガラス片は黒い染みの上で儚げに輝いている。
その染みが血液だと2人にはすぐに分かった。
扉を開けた瞬間から鼻を突く臭いの正体は血だ。
しかし彼女たちの経験した血の臭いとは違う。
体内の、体の奥深くを流れていた大量の血液。
体温とともにぶちまけられたそれらの臭いは、平凡な生活を送っている者には想像すらできない。
「な、なに……何なの……」
現実離れした様相にあやのが座り込んだ。
みさおはかろうじて踏み止まるが、内心はこの場から逃げ出したかった。
「柊たちは…………」
辺りを見回す。
すぐ近くに棺を思わせる大きな箱があった。
できるだけそちらを見ないようにと、みさおが顔を上げた。
「………………!!」
不気味なものを見た。
暖炉の上に置かれた5本の蝋燭。
その全てに火が灯っている。
左端の火が消え、続いて真ん中の火が消えた。
やや間隔を置いて残りの火が小さく揺らめき、右から2番目の火が消える。
だがしばらくすると消えたハズの火が灯り、今度は右端の火が消える。
「………………」
消えては灯り、揺らめいてはまた消えを繰り返す蝋燭を、みさおは魅入られたように見つめていた。
86惨劇の後に……12:2008/11/29(土) 22:20:56 ID:zFbxN7wE
「そ、それ……!!」
あやのも気付いたらしい。
床一面に広がる血溜まりよりは遥かにマシだが、この雰囲気から受ける恐怖の種類に差異はない。
「な、なんだよ……どうなってんだよ……」
みさおは冷や汗を拭って首に力を入れた。
魔法か何かをかけられたみたいに、視線が蝋燭に釘付けになっていたからだ。
無理やり視線を落とした先に、今度はオルゴールを見つけてしまう。
(なんでこんなとこに……)
ごく一般的な透明のプラスチックケースに収められたシリンダー・オルゴールだ。
普通なら手を出さずにおくべきところを、みさおは湧き上がる好奇心を抑えられずに手に取った。
どんな曲が流れるのだろうか。
これでももう十分に恐怖を堪能したというのに、ネジを回す指を止められない。
「みさちゃん……?」
その様子を訝しげにあやのが覗き込む。
突起のついたシリンダーがゆっくりと回転を始める。
無数の突起がコームを弾き、記録されていた旋律を物悲しげに奏でる。
単調で退屈な音楽だ。
突然あやのがそれを払いのけた。
「あ、何すんだよ」
みさおの手から滑り落ちたオルゴールが床を叩き、その衝撃でか演奏はぴたりと止まった。
「それ……葬送行進曲よ!」
あやのが青ざめた顔で言った。
ガタン、と物音がした。
「な、なんだ!?」
みさおが辺りを見回す。
ソファの後ろでがさがさと何かが動く気配がする。
「た――ッ!?」
ぬっと姿を現したそれを見て、あやのは気を失いそうになった。
みゆきだった。
頭部の左半分が陥没しており、鼻骨から顎にかけてが大きくひしゃげている。
華麗だった薄桃色の挑発も血と砂塵にまみれて黒く変色していた。
「みねぎしさん…………」
奇妙に歪んだ口が小さく動く。
「高良……ちゃん……?」
無意識に後ずさる。
立て続けに飛び込んでくる現実に理解が追いつかない。
「どうして来たんですか……」
「…………?」
「お2人が来ないように手を打ちましたのに……」
喋りにくいのか、みゆきの声は低くくぐもっている。
信じがたい光景だが、柔らかな口調は間違いなくみゆきのものだ。
とうてい直視できるものではないが、しかしあやのは少しだけ落ち着きを取り戻す。
「私こそ教えて。高良ちゃん、どうして連絡くれなかったの?」
ごく普通に話しかけるあやのを見て、みさおは妙に感心してしまった。
みゆきのこの姿を見ていながら。
逃げ出すどころか当たり前のように声をかけるなんて、とてもできない。
「厭な予感がしていたんです。漠然とですが、何か良くないことが起こるかもしれないと。
ですから敢えて知らせなかったのです。なのに……なのにどうしてですか…………」
ぐるんと白目を向いた瞳の隙間から土色の涙が流れた。
「島の場所も教えず、船頭さんにもお断りするよう伝えておきましたのに。
どうして来たんですか……どうして……どうして…………」
勝手に調べ上げて乗り込んできた2人を責めるようにみゆきが繰り返した。
「厭な予感って……高良ちゃん、何があったの!? 何が起こったの!? みんなは――」
「お、おい、あやの!!」
取り乱すあやのを押さえつける。
しかし自分も真相を知りたいみさおは、じっとみゆきの言葉を待った。
87惨劇の後に……13:2008/11/29(土) 22:22:12 ID:zFbxN7wE
「悪霊の……せいですよ――」
皮肉めいた笑みを浮かべてそれだけ言うと、みゆきはその場に倒れた。
「高良ちゃんッッ!!」
みさおの制止を振り切ってあやのが駆け寄る
すでに意識のないみゆきの肩を掴む。
抱き起こそうとしてその手が止まった。
間近に見てしまったのだ。
髪の生え際辺りがぐちゃぐちゃに潰れてしまったみゆきの頭部を――。
「で、電話!!」
飛び上がるようにしてみさおが、ロビーにあった電話に駆け寄る。
受話器を耳に当てて110番を押す。
「なんでだよ……」
駄目だった。
「携帯も圏外になってる」
みさおの行動を理解したあやのが歩み寄ってくる。
彼女の言葉通り、ディスプレイの上部に”圏外”と赤字で表示されていた。
みさおも自分の携帯を取り出すが、やはり状態は同じだった。
「あれ?」
ある事に気付き、みさおが情けない声を上げた。
「あやの、いま何時だ?」
「えっ? 何時って9時24分でしょ? みさちゃん、携帯持ってるじゃない」
何を言ってるんだ、という顔であやのが首を傾げる。
「本当か?」
「嘘ついてどうするのよ、ほら」
呆れ口調でみさおの携帯を覗き込む。
その顔が凍りついた。

『 22:11 』

自分の携帯をもう一度見る。

『 21:24 』


1時間以上ずれている。
2〜3分の誤差はあったとしても、ここまでのずれはあり得ない。
(どういうこと……?)
寒気を感じてあやのが視線をそらした瞬間、柱にかけてある時計が目に入った。
年季の入った木製の時計は午後9時ちょうどを指していた。
「どうなってるの? 時間がバラバラ……」
あやのは頭を抱えた。
ここに来てからおかしな事ばかりだ。
「と、とにかく警察に電話しないと!」
かろうじて意識を保ったあやのが携帯を頭上に掲げた。
こうすれば電波を拾ってくれるかも知れないと期待していたが、
「あ〜、無理っスよ」
間の抜けた声が聞こえ、あやうく落としそうになる。
声のした方を振り向いたあやのは、今度こそ気絶しそうになった。
「通報とかできないんスよ。何度か試してたみたいですけど」
両手で自分の首を抱えたひよりが東側の廊下から歩いてくる。
すでに凝固しているのか、切断面に黒色の血液がべっとりと付着している。
「あ、あ、あっ…………!!」
一瞬遅れてそちらを見たみさおも、驚愕と恐怖で倒れそうになる。
この顔には見覚えがある。
いつか学校内でこなたと喋っているのを見た。
88惨劇の後に……14:2008/11/29(土) 22:24:10 ID:zFbxN7wE
「でも先輩方も帰れなくなりましたね。せっかく高良先輩がよくしてくれたのに……」
首だけのひよりがため息をついた。
「な、何の話だよ……てか、何なんだよ!! どうなってんだよ!!」
蝋燭の火がひときわ強く揺らめいた。
それに合わせるようにひよりの体も左右にぶらぶらと揺れる。
「歩きづらいんスよ。頭って結構重くて……」
そんな事訊いてない、という言葉すら出ない。
常識を遥かに超越した光景に、みさおもあやのも凍りついたように動けなかった。
「峰岸……日下部…………?」
2階から呼ぶ声が聞こえ、それと同時にひよりが頭部を抱いたまま崩れ落ちた。
格調高い木製の階段をゆっくりと降りてくる。
「ひいら――――!?」
かがみだった。
「…………ぎ……」
腹部をどす黒く変色させ、喘息混じりで。
喜ばしい再会ではないと一目で分かった。
すでに見たみゆきやひよりのように…………。
彼女もまた、現実では生きているハズのない姿で現れた。
「柊ちゃん……」
不思議と恐怖はない。
が、その痛々しい姿に思わず目をそむけてしまう。
「なんで来たのよ……」
苦悶の表情でかがみが吐いたのは、みゆきと全く同じ台詞だった。
「なんで来たの……」
「わ、私たちは柊のことが心配で……! 確かに呼ばれてないけどさ……でもさ!
何となくほっとけないだろ!? あやのだって――!!」
かがみは一歩、一歩とゆっくりと階段を降りてくる。
その顔に羞恥心を抱いた時特有の赤みがさす。
「バ、バカ……何言ってんのよ……」
ふらふらになりながら、それでもかがみは生前と同じ反応をした。
それが2人には堪らなく嬉しかった。
みゆきもひよりも。
そしてこのかがみも、恐らく死んでいるのだろう。
なぜか2人は冷静にその事実を受け容れ始めていた。
最初にみゆきを見た時は認め難かったが、ひよりを見て考えは変わった。
彼女はどう考えても生きているハズがないのだ。
普通なら発狂してしまいそうな現実の連続にもかかわらず、2人はどこか冷めていた。
それともただ理解が追いつかなかっただけなのか。
ともかくも、こうして冷静にかがみと話ができる点は好都合だった。
しかし当のかがみ自身は2人と会話する気はないらしい。
「2人とも、今すぐ帰るのよ」
真剣に、突き刺すような目でそう言い放つ。
「な、なに言ってんだよ! 帰るったって……」
送迎船は明日まで来ない。
かがみの様子を見に来たのだから、一応これで目的を果たしたことにはなるのだが……。
「ねえ、みんなどうなってるの? 高良ちゃんもさっきの子も……何がどうなってるの!?」
あやのが真相を聞きだそうと踏み出した時、
「来ちゃ駄目ッ!!」
かがみの怒声にびくんと竦みあがる。
「いいから帰って! 早く!」
「おい、柊……」
「早くしないとあんたたちまで数に入れられる……!!」
そう叫び、かがみは蝋燭を見た。
5つの火が激しく揺れている。
「なぁ、柊。いったい……いったい何なんだよ? 何がどうなってんだよ!?
なんでそんなケガしてんだ!? 誰にやられたんだよ!!」
みさおが近づく。
来るなと言われても向かう足は止められなかった。
89惨劇の後に……15:2008/11/29(土) 22:26:22 ID:zFbxN7wE
「来ちゃ駄目っつってんだろ!!」
顔を歪めてかがみが怒鳴る。
だが止まらない。
「バカッ!?」
みさおはかがみの両肩をしっかりと掴む。
その瞬間、生暖かい風がどこかから吹き抜けた。
「ひいらぎ…………?」
鬼のような形相で睥睨するかがみに、みさおは思わず後ずさる。
「来ないでって言ったでしょ……あんたたちは関係なかったのに…………。
さっさと…帰らないから……数に入っちゃったじゃない…………」
声も口調もかがみなのに、みさおには目の前の彼女が全くの別人に見えた。
ドサッ、と2階で何かが倒れる音がした。
反射的に2人は頭上を、かがみは蝋燭を見やる。
火がまたひとつ消えた。
……が、しばらくするとまた灯る。
「…………」
かがみはため息を一つつくと、みさおの脇をすり抜けて玄関扉に向かった。
無駄だと知りながらも取っ手を掴む。
「やっぱり…………」
押しても引いても開かない。
落魄した様子でかがみが振り返った時――。
今度は西側の廊下の奥で悲鳴が聞こえた。
「何よっ! 何なのよっっ!!」
突然、あやのが頭を抱えて蹲った。
駄々をこねる子供のように首を左右に振る。
「…………あやの」
みゆきとは違う意味で優雅なあやのが、理解できない現実を拒絶するように耳を塞いだ。
何も見たくない、何も聞きたくない、何も感じたくない。
「夢よっ! 夢なんだわ! 夢に決まってる。あり得ないあり得ないありえない――」
ぎゅっと目を閉じて、まるで呪文のようにぶつぶつと繰り返す。
取り乱したあやのを見て、みさおは逆に冷静になった。
ここで自分が慌てふためいても仕方がない。
「柊、さっき私たちは関係ないとか言ったよな? あれって何のことだ?」
「………………」
「教えてくれよ。せっかくここまで来たんだ。それに――」
「…………?」
「うちら、友だちじゃん?」
場違いな笑みを浮かべるみさお。
「日下部……」
こんな姿になってもなお、自分を友だちだと言ってくれる彼女に。
5年間も同じクラスでありながら、高校では蔑ろにしてきた彼女に。
かがみは申し訳なさでいっぱいだった。
「そんな顔すんなって。な?」
みさおはもう一度笑った。

90惨劇の後に……16:2008/11/29(土) 22:29:27 ID:zFbxN7wE
 その後。
泣きじゃくるあやのを引きずるようにして3人はかがみの部屋に入った。
『多分、私の部屋なら大丈夫だと思う』
ロビーを離れる際、かがみがそう呟いたのをみさおは聞き逃さなかった。
「笑わないで聞いてくれる?」
2人は小さく頷く。
笑えるような状況ではない。
腹部を血液で染め上げたかがみを前に、誰が笑うものか。
普通なら何とかして警察か救急車を呼ぶべき状態なのに、みさおもあやのもそうしなかった。
今はそれよりもかがみの話を聞かなければならない。
この超常現象の真相を知りたい。
「あのね――」
かがみがゆっくりと口を開く。





「……まさか」
聞き終えた2人の第一声はそれだった。
つかさの死……それが動機であることは分かるが、悪霊という部分が理解できない。
いくら動機があるとはいえ、こなたたちを殺すことに躊躇いを感じないことにも。
「こ、こんな事して――」
その後はどうするつもりなの、という言葉をあやのは呑み込んだ。
しても意味のない質問だ。
「悪霊ってほんとにいるんだな」
顔面蒼白のあやのとは対照的に、場違いなほど呑気な声を出すのはみさおだ。
「2人とも疑わないんだな」
呆れるような顔でかがみが呟く。
「信じるしかないだろ。あんなの見た後なんだからさ」
みさおが口をとがらせた。
「みゆきは最期まで信じようとしなかったけどね」
今度は冷笑。
みゆきは頭が良すぎた。
だから自分が知っている常識の中でしかものを考えられなかった。
「でもそうすると柊は……もう死んでるってことなのか……?」
言ってからみさおは恐ろしくなった。
「そうなるわね……」
かがみが忌々しそうに頷いた。
「それで柊ちゃん……私たちまで数に入ったっていうのはつまり……」
「うん…………」
あやのの問いにかがみはすまなそうに頭を下げた。
「私たちもあんな風になるってこと……?」
「うん……」
「………………」
”関係ない”の意味がようやく分かった。
2人はつかさの死に直接絡んでいないのだ。
(…………)
みさおは今になってかがみが怖くなった。
もしあの場に自分たちがいたら……?
ゆたかを介抱する、救急車を呼ぶ等してしまっていたら……?
かがみはやはり、つかさが死んだ理由を自分たちにも転嫁しただろうか?
「でもそんな事させないから」
顔を上げたかがみが凛とした口調で言った。
「2人は関係ないから。悪霊に捧げるのは罪を犯した人間の命だけよ。
あんたたちには何も罪はないし、すぐにここから出れば大丈夫なハズ」
(罪……か……)
みさおが小さく息を吐いた。
(なあ、柊……その罪って妹を殺したって意味だよな? 今でもそう思ってるのか?
柊には悪いけど、聞いた限りじゃ事故だと思うぜ。そうは……考えられないのかよ……?)
91惨劇の後に……17:2008/11/29(土) 22:30:34 ID:zFbxN7wE
全ては事故だ。
偶然が折り重なって起こった不幸な事故。
かがみ以外の全員がそう思っている。
”あんたたちには罪はない”
そう言った。
つまり彼女は今でもこなたたちには罪があると思っている、ということになる。
「冗談じゃないわ!!」
突然、あやのが鬼のような形相で叫んだ。
「なんでそんな事に私たちが巻き込まれなくちゃいけないの!?」
「お、おい、あやの……どうしたんだよ?」
「悪霊だか何だか知らないけど、あんな目に遭うなんてごめんだわ!」
「ちょっ……!」
「私は死にたくないの! みさちゃんだってそうでしょっ!?」
ヒステリックにあやのが怒鳴る。
その剣幕にかがみもみさおもしばらく呆気にとられた。
「ま、待てよあやの。そんな言い方ねーだろ?」
それでも制止するのは自分の役目だと、我に返ったあやのが強い口調で言った。
「柊は私たちは関係ないって言ってるんだ。だから誘わなかったんだろ?
それなのに私たちが勝手に来たからこうなってんだ。そうだろ?」
みさおに反発されたことで彼女はさらに激昂する。
「押しかけた形になったのは柊ちゃんが心配だったからよ! 分かるでしょ!!
最初からこうするのが目的だって知ってたら、わざわざここまで来なかったわよ!」
勢いづいてまくし立てる彼女は、
「柊ちゃんが教えてくれてたらそれで済んだ話なのっ!!」
ついにそこまで吐き捨ててしまった。
「あ、あやの……!!」
額にじっとりと厭な汗を浮かべ、みさおが横目でかがみの様子を窺った。
(――――!?)
だが視界にまず捉えたのは柊かがみではなく、その向こうにある時計だった。
棚の上にある小さな置時計だ。
黒い2本の針は9時22分を指している。
「わ、分かってる! だから私が何とかするって言ってるでしょ!」
「当たり前よ! さっさと私たちを帰して! こんな所、1秒だっていたくないわ!」
あやのが立ち上がった。
ドアノブに手をかけようと踵を返したところで、その動きがぴたりと止まる。
「……あやの?」
厭な予感がしていた。
温厚で面倒見のいいあやのの変貌ぶりが、みさおには怖かった。
いつものあやのではない。
強引にアプローチしてかがみの安否を確かめに来た、あの凛として優しい彼女は――。
「ひとつ、ふたつ、みつ…………」
再びゆっくりと振り返り、ドアを背にしてそんな事を呟き始めた。
「駄目! 駄目よ、峰岸っ!!」
かがみが立ち上がった。
それと同時にパキンとガラスが割れるような音がした。
みさおの眼前を何かがかすめた。
「よつ、いつ…つ……」
あやのの喉に黒い2本の針が突き刺さっていた。
それが時計の針だとみさおが理解するまで数秒。
「血の大河ながぜ……ぼねのやば…き…ずげ……」
どくどくと流れる血を見てみさおが悲鳴をあげた。
「ひ、柊……ッ!!」
裏返った声で助けを求める。
こっちも血まみれだ。
「遅かった…………」
かがみがうな垂れる。
「い、今のなんだよ! 時計……時計の針が!!」
「言ったでしょ。悪霊の仕業なのよ。このままじゃあんたも――」
言いかけて口を噤む。
それを防ぐのが自分の役目だと言い聞かせる。
92惨劇の後に……18:2008/11/29(土) 22:33:10 ID:zFbxN7wE
「日下部、これで分かったでしょ? ここにいたら殺される。あんたも数に入ってるの。
来てくれたのは嬉しいけど、私はこの通りだし、目的は果たしたでしょ?」
もうここにいる理由はないだろう、とかがみは言った。
しばらく逡巡した後、みさおは小さく頷いた。
かがみを見捨てるような形になったが、彼女自身が自分は死んでいるといっているのだ。
それにここに留まればあやのと同じ目に遭う。
「柊…あやのは……」
血溜まりの中に横たわるあやのに、みさおは短く黙祷を捧げた。



 2人はロビーまで戻ってきた。
みさおが玄関扉に手をかける。
が、やはり押しても引いても扉は熔接されたみたいに動かない。
「無理か……」
入る時はすんなり開いた扉が、今ではビクともしない。
(これも悪霊がやってるのか……?)
思いながら、自分がおかしくなる。
かがみほど冷めてはいないが、18にもなって悪霊を信じている自分が滑稽だった。
「窓からなら出られるかも」
あやのが一歩踏み出した時、
「窓は駄目よ」
かがみが制した。
「なんでだよ。開かないんだぜ、これ。もう窓しかないだろ」
「日下部、ちょっと待って!」
なおも止めようとするかがみに、みさおは少しだけイラついた。
「柊先輩の言うとおりです……窓は…駄目です……」
不意に足元でそんな声がし、みさおが視線を下に向けた。
「あ、あ…………!?」
目が合った時はそれが何か分からなかった。
知らない顔だ。
寝起きのような目でじっとこちらを見上げている。
「こんな風になりますから……」
抑揚のない声で語りかけるそれは腰から下がなかった。
ズル…ズルッ……と、布擦れの音を響かせながら両腕で這い寄ってくる。
「こ、これもっ……!!」
悪霊の仕業なのか、と言いかけてみさおは口を噤む。
訊くまでもなくそうなのだ。
さらに言うなら、これこそかがみの望んだ結果なのだ。
「岩崎さん、日下部から離れて」
怯えるみさおを背後に庇うように、かがみが前に出た。
みなみはしばらく憎々しげにかがみを睨みつけていたが、やがてふいっと視線をそむけると、
「………………」
何か言いたげに口を開いてすぐに廊下の奥に消えた。
「なあ、柊……」
吐き気を堪えてみさおが呟いた。
「死なせ方も柊が決めたのか?」
口にしてから、なんと無意味で恐ろしい質問をしたんだと後悔する。
その問いにかがみは、
「違うわ。私はあいつらを連れてきただけ。後は悪霊が全部やったことよ」
淀みなく答える。
その言葉にみさおは安堵する。
もしそうだったとしたら、かがみほど残酷な人間はいない。
ほとんど逆恨み同然の理由で人を殺させる時点で心優しい人間とはいえないが、
それでもかがみが彼女たちに直接手を下していないことがせめてもの救いだった。
それに見方を変えれば、かがみはつかさに対してこれ以上ないほどの深い愛情を注いでいるのだ。
(良かった……って思っていいのかな……)
陰惨な現実に変わりはないのに、みさおは必死に光明を見つけようとする。
今はそんなことをしている場合ではない。
93惨劇の後に……19:2008/11/29(土) 22:35:01 ID:zFbxN7wE
早く館から出なければ、あやののように何時どこで殺されるか分からない。
ふいに柱の時計が目に留まる。
9時44分を指している。
(…………ッ!!)
何を思ったか、みさおは急に床に伏せた。
その姿勢のままソファにはりつく。
「……なにやってんだ?」
呆れ顔のかがみに、
「い、いや、あそこの時計の針が飛んでくるんじゃねーかと思って」
冷や汗を拭ってみさおが答える。
あやのの死を見ていた彼女からすれば、時計ひとつも恐ろしい殺人の道具だ。
この程度では悪霊の手からは逃れられない。
館を離れない限り、どんな方法を用いても死を免れることは不可能だ。
「そんなことしても無駄だって。何とかしてここから出ないと」
小さくなって怯えるみさおを尻目に、かがみは脱出の方法を考えた。
正面の扉は開かないし、窓を使えばみなみと同じ末路を辿るハメになる。
「日下部!」
突然、かがみが手を打った。
「ここから出られるぞ!」




「ほんとにいいのか?」
みさおがおずおずと訊いた。
「もうこれしかないのよ」
かがみの部屋に戻ってきた2人は、窓に向かった直立した。
みさおが傍にあった椅子を持ち上げる。
「だって人ん家だろ? 壊したら怒られないか?」
今さらになって惚けた発言のみさおに、かがみは呆れたように笑った。
これだけの惨状になっているのだから、もはや窓一枚などどうなっても変わらない。
持ち主には悪いが、これもみさおを助けるためなのだ。
「早く!」
かがみの怒声に急かされ、みさおは覚悟を決めてその椅子を――。
力いっぱい窓に叩きつけた。
耳を劈(つんざ)く音と手に伝わる衝撃。
窓ガラスが粉々に砕け散る。
「よっしゃっ!!」
吹き込む冷たい風に、内と外が繋がったことを実感する。
「まだよ、窓枠も全部壊して」
かがみは決して油断しない。
ガラスを粉砕しても、あの窓枠の開閉に体を挟まれたら終わりだ。
なかば自棄になってみさおが椅子を振り上げた時だった。
突然、外から何かが飛んできた。
「うわっ…………!!」
目では追いきれない速度で飛んでくるそれらが、みさおの頬や腕をかすめていく。
ひときわ大きな塊が右肩を食い破った。
直後に襲ってくる痛みにみさおが振り上げた椅子を落とす。
ガラス片だった。
砕け散ったガラスが館から出ようとするみさおを狙ったのだ。
それに手を貸したかがみもまた、同じ様に体を貫かれていた。
「日下部!!」
駆け寄ったかがみが見たのは、ぱっくりと割れた肩の傷口から溢れる血液。
もう飽きるほど見てきた赤黒い液体だ。
「ひ、柊ッ!!」
心配をかけまいと傷をかがみに見せないようにして、
「いま何時だ!?」
問いながら自分も時計を探した。
94名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/29(土) 22:35:31 ID:AjQ4t4mU
支 援
95惨劇の後に……20:2008/11/29(土) 22:37:32 ID:zFbxN7wE
「…………は?」
なぜここで時間を知りたがる?
かがみはつい情けない声を出してしまった。
「いま何時だッ!?」
だがみさおは真剣だ。
信じられないくらいに怖い顔をして部屋中を探っている。
「……10時前よ。そんなのどうだっていいじゃない」
血糊で表示窓が固まった腕時計を見てかがみが言った。
みさおの表情が凍りついた。
「じ、時間がないんだ! もうここから――!!」
窓のへりに手をついたみさおを、かがみがしがみつくようにして制止する。
「は、離せよっ! もう時間がないんだってヴぁ!!」
「何の時間よ!? 窓枠を壊さないと岩崎さんみたいになるだろ!」
かがみも必死だ。
手を拱いていては彼女の言うように、みさおも体を真っ二つに切断される。
「後で聞くから! それよりさ、柊! ちょっと支えてくれよ! 窓が高くて――」
かがみの制止を無視してみさおが上体を持ち上げる。
「おわっ!!」
開いていた窓枠が恐ろしい勢いで閉じた。
間一髪、持ち前の反射で難を逃れる。
みさおを引きずり降ろそうとしていたかがみもろとも、翻筋斗(もんどり)打って倒れた。
「だから言っただろ!」
みさおの下敷きになったかがみが怒鳴る。
が、その声すらも通り抜けてみさおは慌てて立ち上がる。
「早く……早くしないと――!!」
みさおはこの館に流れる時間と、携帯が指し示す時間の秘密に気付いていた。
あやのの死の直前、たまたま見た時計。
そこで知ってしまったのだ。
自分の携帯とあやのの携帯で示す時間が異なっていた理由。
あれは持ち主が死ぬ時間だ。
(もう時間が…………)
この推理はあやのの例、たったひとつしか判断する材料がないが間違いないとみさおは見ている。
「無駄だよ」
甘ったるい声がドアの方から聞こえ、振り向くとこなたがいた。
腹部が黒く変色しているが、もはやみさおは驚かない。
これでうろたえるようなら、みなみを見た時点でショック死している。
「こなた…………!!」
その姿を認めたかがみはすぐさま不愉快そうな顔をする。
「無駄だよ、みさきち。可哀想だとは思うけどもう逃げられないよ」
今度は抑揚のない声でそう言う。
「な、なんだよチビッ子……11分までまだあるぞ!」
「11分?」
問うたのはかがみの方だった。
「……!! 日下部、携帯貸して!!」
貸してと言いながら、かがみが強引に携帯を奪い取る。
焦る手で開いた待ち受けには、

『 22:11 』

と表示されている。
「これって……!」
かがみはすぐにみさおと同じ考えにたどり着く。
その様子をやや離れて見守るこなたは、全てを見通しているように笑んだ。
「その時間どおりに死ぬんだよね?」
「…………ッ!!」
みさおが驚いたようにこなたを見た。
「峰岸さんの時もそうだったんでしょ?」
まるで見ていたように言う。
「こなた!!」
怒りに目をつり上げて、かがみがみさおを押しのけるようにして前に出た。
96名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/29(土) 22:58:33 ID:KvX2FpKK
sien
97惨劇の後に……21:2008/11/29(土) 23:14:54 ID:zFbxN7wE
「あんたと話してる暇はないわ。さっさとそこ…を…………」
生前の最期のシーンが繰り返された。
こなたの肩を掴んだかがみは瞬間、彼女が携えていた果物ナイフに腹部を貫かれた。
するりと刃先が滑り込んだのは、そこにすでに皮膚がないからだ。
「ひぃ、ひいらぎ――!!」
みさおがほとんど言葉にならない声を上げる。
崩れ落ちたかがみはピクリとも動かない。
「な、なんだよ! なんで柊を――!!」
もうすぐ自分が死ぬかもしれないという恐怖は、かがみが刺されたことで吹き飛んだ。
考えるまでもなくかがみはもう死んでいるから、厳密には今、こなたに殺されたことにならない。
しかしその点を差し引いても、こなたの行動はみさおに怒りを抱かせるに十分なものだった。
「かがみから聞いてるよね?」
「ああ」
「かがみはね、つかさが事故で死んだのを私たちのせいだと思ってるんだ」
「知ってる」
「じゃあこれは? 私たちをこんな目に遭わせたのは悪霊の――」
「それも聞いた」
怒気を露にしていたみさおが冷静に受け答えしているのは、こなたの様子が違うからだ。
自分が知っているこなたとはまるで異なる。
生死の差はあっても、かがみを見れば生前と死後では性格が変わらないことは確認済みだ。
「それで妹を生き返らせようってことだろ?」
「そうだよ。私たちが死んだらつかさは生き返るハズだったんだ」
その計画が失敗に終わったこともみさおは知っている。
もったいぶるように順序だてて説明するこなたに、彼女はイライラした。
どれも既にかがみから聞いている話だ。
未だ現実として受け止めきれない部分があるが、かがみを信じているからこの話も信じられた。
「でもね、失敗したんだ。つかさは確かに生き返ったんだけどね。ゆーちゃんやみなみちゃん……
って、みさきちは知らないかな。とにかく皆、かがみのことが許せなかったんだよ。
つかさが死んだのは事故だって。なのに、逆恨みされてこんな目に遭わされたんだから――」
「お前はどうなんだよ? やっぱり妹が死んだのは……」
「事故……だけど、私はそうは思わなかったよ。イベントに誘ったのは私だしね。責任は感じてた。
だからこれは償いなんだって――皆は巻き込まれた形になったけど、私は償いがしたかった」
「チビッ子……」
「ずっとそう思ってたから、私だけは自分から死んだんだ。その時は悪霊のことなんて知らなかったから、
もしかしたらかがみが死ぬかもしれない…そうなる前に償おうと思って」
「自分から……じさ……?」
「まぁ結論を言えば、何もしなくても私が死ぬことには変わりなかったんだけどね。
ただ悪霊に殺されるよりは自分から死んだほうが償いになると今でも思ってるよ」
こなたは”償い”という言葉を繰り返した。
それがつかさへの贖罪の念からなのか、かがみへの当て付けなのかは分からない。
「でも皆は納得しない。それでね、皆でかがみの邪魔をしたんだ。つかさに乗り移ってね。
つかさが生き返らないようにしたんだ。結果的にそれがかがみへの仕返しになるから」
みさおがかぶりを振った。
邪魔とか乗り移るとか、そういう理解できない話を淡々とするこなたが不気味だった。
「柊を刺したのもその為か?」
何とか精神を保って訊ねる。
そうでもしなければ本当におかしくなってしまいそうだ。
「あれは私の考えだよ。私は償いができればそれでいいと思ってたけど、皆は違うからね。
皆がかがみの邪魔をするのを止められなかった。人の念って結構怖いんだなって。
この場合はどっちが逆恨みなんだろうとか思ったよ」
「それで……?」
「5対1で皆の勝ち。つかさは生き返らなかった――っていうか、かがみの思い通りにはならなかった」
「なっ……どういうことだよ?」
「ほら」
こなたが自分の足元を見る。
奇妙なものが這いずってきた。
墳墓から掘り出された首のないミイラのような。
「そ、それ……!!」
かつて彼女が”妹”と呼んでいた人物を”それ”と指差してみさおが後ずさる。
98惨劇の後に……22:2008/11/29(土) 23:16:25 ID:zFbxN7wE
「つかさだよ。こうなったらもう”生き返る”なんて無理だもんね」
自分の体重を支えられないつかさは、こうしてみなみのように床を這っての移動しかできない。
「つかさはもう生き返らない。でもかがみはつかさと一緒にいたい。だから思ったんだ。
逆のことをすれば2人一緒にいられるんだろうなって」
「ぎゃ、逆って――柊が死んだら妹と一緒だってことか!?」
首のないつかさから視線をはずせない。
「うん。勝手な話だと思うだろうけど、かがみとつかさの為だから……」
こなたは寂しそうに顔を伏せた。
そんな事しなくても、かがみならつかさの後を追って自殺したかも知れない。
みさおは一瞬だけそう考えたが、すぐにその思考を頭の隅に追いやる。
「だけど悪霊の方はそれではすまなかったんだ。5人の命はもう捧げた後だったからね」
深夜アニメを野球中継の延長で潰された時のように、こなたは聞く者を陰鬱な気分にさせるため息をついた。
何となく。
何となくだが話が見えてきたみさおは、
「柊の計画が成就するまで繰り返すとかじゃないだろな?」
半分笑いながら訊いた。
もちろん冗談であって欲しいとの願いが込められた問いだったが、
「よく分かったね」
返ってきたのは一縷の望みをも粉々に打ち砕く辛辣な一言。
「かがみはそこまで話してなかったのかな。悪霊がやってること。
つかさが生き返るまで私たち、何度も何度も死に続けるんだよ」
死に続ける、という言葉にみさおは矛盾を感じたが、目の前で起こっているこれは紛れもなく真実だ。
こなたの言うように”死の繰り返し”が行われている証拠だ。
(ゴールのないレースってことかよ……)
みさおは身震いした。
「つかさはこんな状態だから……生き返るわけがない。だからずっとこれの繰り返しなんだよ」
”だから”の部分があまりに強引過ぎる気がしたが、そこでみさおはある疑問にぶちあたる。
「ちょっと待てよ。それじゃなんで私たちが数に入るんだよ?」
「それも聞いてないの? さっきも言ったけど、成就のためには私たちが死ぬことが条件なんだ。
でも、これもさっきも言ったけどつかさがこんな風だから絶対に叶わない。だからだよ。
みさきちと峰岸さんも巻き込んで、成就させようとしてるんだと思う。
人数が多いほうがたくさん死ぬし、それが悪霊の考え方なんじゃないかな」
「何言ってんだよ。10人いようが100人いようが一緒じゃねーか。
妹は助からないんだろ? いつまでもこんな事してたって無駄――」
「そう……よ……」
かがみがゆらりと立ち上がった。
「私のせいよ……私のせいであんたたちまで巻き込んで……ごめん、日下部――」
彼女もまた、死を繰り返しているのだと分かる。
「でも、どうしてもつかさを助けたかった。こいつらのせいでつかさは死んだんだから……」
涙こそ流れていないが、かがみは泣いているようだった。
その様子を見てみさおは同情しかけたが、ちょっと待てと自分の思考に歯止めをかける。
いくら妹想いだからといって、こんな理不尽なやり方で友人を殺すような人間に同情などできない。
「みさちゃん、もう時間よ」
こなたの後ろからひょいっとあやのが顔を出した。
「あっ……あやの…………!!」
彼女だけは死にたてだけあって、他の誰よりも血色がよい。
喉から流れる鮮血は凝固しかけていて、赤いネクタイをしているように見える。
「高良ちゃんにいろいろ教えてもらったわ。私たち、どうやっても死ぬみたいね」
すでに死んでいるあやのは、もちろん死に対する恐怖など持っていない。
それどころか、
「みさちゃんもこっちに来たら?」
気味の悪い笑みを浮かべてこんな事を言い出す。
「私たち、友だちじゃない。それにみさちゃんだって独りだけ生き残るなんて寂しいでしょ?」
「なに言ってんのよ!」
かがみが怒鳴った。
99惨劇の後に……23:2008/11/29(土) 23:18:57 ID:zFbxN7wE
「あんたたちは関係ないって言ってるでしょ!? 峰岸には本当に申し訳ないと思ってる!
でも日下部はまだ助かるのよ? 峰岸も手伝ってよ!」
「知らないわ。柊ちゃんのせいでこんな目に遭ったのに、手伝ってほしいなんて虫が良すぎるわよ」
あやのがすっと前に出てきた。
「ほら、もうすぐ11分」
かがみの腕を掴んで、巻かれていた時計をみさおに見せつける。
2本の針が指し示す時間にみさおは戦慄した。
「じょ、冗談じゃないぞ!!」
ほとんど涙目になったみさおが走り出した。
かがみを押しのけ、あやのの脇をすり抜け、こなたを突き飛ばした。
(窓が駄目なんだったら、やっぱり玄関しかない!!)


みさおは今までで一番速く走った。
時間がない。
シャンデリアを回り込んだ時、厭なものが視界に入った。
頭部と胴体が離れてしまったひよりだ。
最後に見た時と同じ恰好で床に伏せっている。
こんな風にはなりたくない。
みさおは玄関扉に飛びついた。
やはり押しても引いても微動だにしない。
「くそっ!! なんで開かねーんだよっ!!」
渾身の力を込めて取っ手を引っ張ってみたが、まるで手ごたえがない。
ならば、と数歩下がってタックルの要領で肩から扉にぶち当たった。
その瞬間、館内の全ての照明が消えた。
「な、なんだ!?」
暗闇にみさおが情けない声をあげる。
恐怖のためか彼女は玄関扉を背にして立った。
だがそれがまずかった。
ガシャン! と音を立てて何かが飛来する。
視覚を奪われたみさおは代わりに聴覚を鋭敏にして、周囲の変化を感じ取った。
しかし何が起こったのかまでは分からない。
「なん――――!?」
みさおが喉に焼けるような痛みを感じたその時、ロビーに光が戻った。
魚の小骨が引っかかった時のように、喉の奥に奇妙な違和感があった。
「…………ッ!!」
反射的に唾液を飲み込もうとしたが、逆にごぼごぼと熱いものがこみ上げてくる。
そこでようやく自分があやのと同じ恰好をしていることに気付く。
少し違うのは刺さった針の大きさだ。
口の中に鉄の臭いが広がる。
たまらずそれを吐き出すと床は赤く染まった。
「やっぱり駄目だったんだね……」
がっかりした口調でそう言いながら、こなたがゆっくりと歩み寄ってくる。
「ごぼ……びいだぎ…………」
声を出そうとするが、みさおの口から出てくるのは腥(なまぐさ)い血液だけ。
すぐに全身から力が抜け、彼女はその場に崩れ落ちた。
その衝撃で刺さっていた針がさらに奥に押し込まれる。
(ひい…ら……)
最後の力を振りしぼってみさおが顔を上げたその先では――。
黒く変色した果物ナイフを振り上げては、何度も何度も自分の腹部を貫き続けるこなたの姿があった。







  終
100JEDI_tkms1984:2008/11/29(土) 23:23:00 ID:zFbxN7wE
 以上です。
一日のうちに全て投稿するのはこれが初めてです。
支援して下さった方、ありがとうございました。
101名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/29(土) 23:25:11 ID:AjQ4t4mU
乙でした
102名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/29(土) 23:30:12 ID:KvX2FpKK
>>100
こっちまで悶絶させられたよ
臨場感あるなあ
103名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/30(日) 03:01:32 ID:4yEiNm+1
>>100
久々に背筋が震えるほどのホラー物読んだ。
描写が凄くて鳥肌だった

104名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/30(日) 03:17:49 ID:Dlkdky6r
>>100
いてえ…
乙ですー
105名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/30(日) 05:46:21 ID:rS7T0rQR
>>100はうっ…気になって前作から読み始めたらこんな時間に……取り敢えず乙です。
106名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/30(日) 06:33:26 ID:14l3zRqQ
>>100
血が…乙です。
107名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/30(日) 06:34:45 ID:14l3zRqQ
108名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/30(日) 08:22:46 ID:x33249TF
>>100
おお、投下されている…
乙乙
109名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/30(日) 23:43:48 ID:zI9TnK2x
かがみ→妹の恨みを晴らした結果、つかさを永遠に失う+関係無い背景コンビまで巻き込んでしまう
他5人→かがみに仕返しをした結果、ゴールド・エクスペリエンス・レクイエムを食らったディアボロと化す

……人を呪わば、穴二つか
110名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/01(月) 02:01:20 ID:epkfSy/M
今年中に自殺させるように
111JEDI_tkms1984:2008/12/01(月) 12:23:45 ID:HgzNAH81
 お読み下さりありがとうございます。
ホラー物など本来は夏にやるべきでしょうが、今年最後の投稿ということで年末の挨拶旁ご笑納ください。
いつも僕の拙いSSをwikiに上げてくださり、ありがとうございます。
この場を借りて御礼。
112名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/01(月) 20:56:14 ID:zNW45R5w
113名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/01(月) 22:22:34 ID:gdWaoT3l
>>112
それ俺の絵だ…
いまだに貼ってくれる人がいるってのがなんか嬉しい
描くか…
114名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/02(火) 00:09:14 ID:fGccQKVK
止めとけ異脳者
115名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/02(火) 01:07:26 ID:yHMZzy5d
俺は応援する
116名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/02(火) 01:24:40 ID:fGccQKVK
自演乙
117名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/02(火) 01:32:57 ID:DRkmUFwz
監禁してレイプしまくれば誰でも自殺したくなる
118名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/02(火) 01:45:22 ID:1m+0uIpW
ぼっちスレみたく専用ロダ作りますのが良いですか?
119名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/02(火) 01:46:42 ID:euvA88UX
(≡ω≡.)あと何回自殺しなきゃいけない?
120名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/02(火) 06:48:05 ID:6G9qDT5T
このスレが存続する限り、何度でも
121名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/02(火) 09:10:03 ID:fGccQKVK
お前等が死ぬネタに書き換えればいいのに。
122名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/02(火) 15:19:25 ID:NP5c943s
こなたの内臓丸見え画像くれ
123グレゴリー:2008/12/02(火) 20:33:30 ID:hFZ1CSXm
どもー今日の10時くらいから前作の続きを投稿します。

なお、文章、挿絵ともどもかなり18禁の表現がありますので

ご注意を
124名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/02(火) 21:20:08 ID:euvA88UX
>>100
要約するとミイラ取りがミイラになったのですね。乙です。

>>123
エロシーン歓迎。グロシーンはもう嫌。
125グレゴリー:2008/12/02(火) 21:21:48 ID:hFZ1CSXm
では、行きます。
126楽しいお泊り5:2008/12/02(火) 21:22:57 ID:hFZ1CSXm

そうじろうの様々な失態も、こなたの献身的なフォローによってなんとかカヴァーされた。

風呂桶の栓を抜き、そうじろうの精液を排水し、残ったゲル状のものはゴミ袋に入れて処理した。

3人がかりで風呂場を清掃して改めて入浴を済ませた。

ご機嫌なかがみとつかさは無邪気にも、互いの髪型を入れ替えたりして遊んでいる。そして、

みゆきとのメールによって宿題の存在を思い出したり、流れ星を見たり。

まさに、この時期、この3人にしか体験できない青春。

就寝時間が訪れた。こなたはかがみとつかさを前にして

いきなり二人の手を取った。「ん?どうしたこなた」

かがみが怪訝な表情をしている。こなたは少し弱気な笑顔で言った。

「ねえ、もしもさ。私たちがこの先、別々の道を歩もうと約束して欲しいんだ」

「こなちゃん...」

普段とは様子が違うこなたを気遣ってつかさは心配そうにこなたの顔を覗き込む。

http://uproda11.2ch-library.com/src/11138926.jpg


「かがみ、つかさ、約束して。この先、10年たっても20年たっても、今、この瞬間の気持ちを...」

「絶対に忘れないって」


普段のマイペースで飄々とした人柄とは違う一面を見せたこなたを前に、二人は戸惑っていた。

「オッケー、分かったよ。つかさ、ほら!」

かがみはつかさに手を差し伸べる。3人は手をつなぎあって輪になった。

こなたは目を閉じ、二人の手のぬくもりを感じる。だが、目を開いたこなたはふと、ベッドの真ん中に不自然に

聳え立った塔のようなものに気がついた。


ベッドのシーツを剥がしてみると、聳え立っている塔は、そうじろうの巨根だった。


3人がかりでベッドを裏返しにしてみる。そうじろうはベッドの裏に張り付いていた。

ベッドの真ん中に穴を開け、そこに巨根を通してずっと待ち構えていたのだった。


http://uproda11.2ch-library.com/src/11138925.jpg
127楽しいお泊り6:2008/12/02(火) 21:24:43 ID:hFZ1CSXm
こなたは恐怖した。かがみかつかさが犠牲になっていたかもしれない。

こなたの恐怖は怒りに変わった。大切な、大切な友人を父は欲望のはけ口にしようとした。

裏返したベッドを元通りにすると、真ん中に聳え立つ塔を乱暴につかんだ。

「お父さんを返せ!お父さんを返せ!!!」

こなたは大声で叫びつつ、つかんだ巨根を乱暴に握り締める。

いつの間にか目から涙があふれていた。だが、握り締めたそれは、ますます堅くなっていくばかりだった。


「こなた、落ち着きなさい!!!」「こなちゃん!!」

二人は、錯乱するこなたを落ち着かせる。ベッドから脱出し、トボトボと自分の部屋に向かうそうじろう。

こなたは肩を震わせ、1人、泣いていた。

すると、背後から二人の優しい抱擁がこなたを包んだ。


「お前らしくないぞ、こなた。私たちは大丈夫だって。」

「そうそう。こう見えても結構しっかりしてるんだから。自分の貞操は自分で守れるよ」

なんという姉妹だ!このような事態でも二人は自分に気をつかってくれている...

こなたの背にじんわりとした2人のあたたかみが染みこんできた。

こなたはこの一夜、絶対に2人を守ってみせる!と決意を固めた。




二人が就寝したのを確認し、こなたは携帯電話でゆい姉を呼び出した。

一族の恥は身内で解決しなければならない。絶対に他人を巻き添えには出来ない!

事態を把握したゆい姉は、すぐに車を飛ばして家に来てくれた。

意外なことにゆうちゃんも一緒だった....


こなたとゆい姉、そしてゆうちゃんはそうじろうの部屋にいた。

そうじろうは座布団をしっかりと抱きしめ、必死に顔を隠していた。

父に残された人間性ゆえに、わが身を恥じているのだろう。
128楽しいお泊り7:2008/12/02(火) 21:29:35 ID:hFZ1CSXm
だが、むき出しの下半身から突き出た武蔵棒弁慶はまるで、死してもなお、威風堂々と立ちはだかっていた

かつての英雄のように、自身を誇示している。

中学3年のゆうちゃんはそうじろうの弁慶をまじまじと見つめて驚きの声を上げた。

「ねえ、これって、一体なんなの?」

ゆい姉は慎重に答えた。

「これはね、男性が男性であるためにもっとも重要な体の器官なのよ。でもね、ゆうちゃん。
理解して欲しいの。
そうじろうおじさんみたいに温厚で優しい人でも、常に戦っているのよ。
こいつとね..。だから、時々、私たちが手助けをしてあげないといけないのよ」

まだ何もしらない純粋無垢なゆうちゃんはゆい姉の言葉をそのまま受け取った。

「手助け?そうじろうおじさんのためになら何でもするよ!私は何をしたらいい?」

こなたは心配になってゆい姉にこっそりとつぶやく

「ねえ、なんでゆうちゃんを連れてきたの?まだ、早すぎると思うんだけど」


警察官であるゆい姉は一種のシニカルな思考を持っている。

「こなたちゃん。人生で学ぶ瞬間ってのは貴重なものなのよ。それはあなたにも言えるわ。見てなさい!」

そう言うと、ゆい姉は服を脱ぎ始めた。


http://uproda11.2ch-library.com/src/11138928.jpg


成熟した力強い肉体を晒して、ゆい姉は慎重に、ゆっくりとそうじろうの武蔵棒弁慶に手を差し伸べる。

手で包みこんだそれを、ゆいはゆっくりと上下させる。

129楽しいお泊り7:2008/12/02(火) 21:32:23 ID:hFZ1CSXm
だが、むき出しの下半身から突き出た武蔵棒弁慶はまるで、死してもなお、威風堂々と立ちはだかっていた

かつての英雄のように、自身を誇示している。

中学3年のゆうちゃんはそうじろうの弁慶をまじまじと見つめて驚きの声を上げた。

「ねえ、これって、一体なんなの?」


ゆい姉は慎重に答えた。

「これはね、男性が男性であるためにもっとも重要な体の器官なのよ。でもね、ゆうちゃん。
理解して欲しいの。
そうじろうおじさんみたいに温厚で優しい人でも、常に戦っているのよ。
こいつとね..。だから、時々、私たちが手助けをしてあげないといけないのよ」

まだ何もしらない純粋無垢なゆうちゃんはゆい姉の言葉をそのまま受け取った。

「手助け?そうじろうおじさんのためになら何でもするよ!私は何をしたらいい?」

こなたは心配になってゆい姉にこっそりとつぶやく

「ねえ、なんでゆうちゃんを連れてきたの?まだ、早すぎると思うんだけど」

警察官であるゆい姉は一種のシニカルな思考を持っている。

「こなたちゃん。人生で学ぶ瞬間ってのは貴重なものなのよ。それはあなたにも言えるわ。見てなさい!」

そう言うと、ゆい姉は服を脱ぎ始めた。

http://uproda11.2ch-library.com/src/11138928.jpg

成熟した力強い肉体を晒して、ゆい姉は慎重に、ゆっくりとそうじろうの武蔵棒弁慶に手を差し伸べる。

手で包みこんだそれを、ゆいはゆっくりと上下させる。

いつの間にか、ゆいの顔は熱気で赤く、妖しげに染まっていた。

こなたとゆうちゃんは息を飲んでその光景を眺めていた。

すると、ゆいは武蔵棒弁慶のほうに顔を近づけていき...

http://uproda11.2ch-library.com/src/11138929.jpg

こなたはゆうちゃんにそっとつぶやいた。「これが例のへらひほって奴だね。結構腕が試されるらしいよ」

ゆうちゃんはなんだか分からない感じだったが、ゆいが先っぽに舌を這わせると、その滑らかな舌使いに感心したように

うなずいていたが、びっくりして言った。 「お、おねえちゃん、口の中に入れたよ!」

「あわわ、大変だよ。食べちゃうつもりなの?」
「いや、見てみなさいゆうちゃん。ゆい姉のリズミカルな頭の上下に反応して、お父さんが...」
130楽しいお泊り8:2008/12/02(火) 21:33:29 ID:hFZ1CSXm
こなたの言葉どおり、そうじろうは顔を隠していた座布団を投げ捨て、股間で上下させているゆいの頭をつかんだ。

そうじろうがゆいの頭を動かしているのか?それともゆい自らが動きを変えたのか?

ゆいの上下はしだいに激しくなっていき、ついに残像を空間に残すまで高速になった。


「んぐ、んんん、んぐ」 ゆいは結構つらそうな嗚咽を漏らしている。

「ゆいねえさんを助けなければ!」たまらずに駆け寄ろうとするゆうちゃんの腕をこなたは引き止めた。

「だめだよ、ゆうちゃん。ほら、もう...」

二人が見つめる中、そうじろうとゆいの動きは止まった。そうじろうは背筋をうねらせ長い痙攣の後、

ゆいの口の中にスペ○マを放出した。ゆいはそれを教科書どうりに一滴もこぼさずに受け止めた。

http://uproda11.2ch-library.com/src/11138931.jpg

やがて、こなたとゆうちゃんのほうを向くと、手を突き出して親指を立て、二人にウインクした。



口内のスペ○マをごくりと飲み干すと、ゆいは明るいいつもの調子で得意げに話す。

「まあ、これが一番オーソドックスな方法だね。口内に出された精液は慣れたら飲み干しても大丈夫さ」

だが、ゆいは目の前の二人の驚きの視線を感じると、後ろを振り向いた。

そうじろうの巨根は無傷だった。一回の射精ではビクともせずに、凶暴な痙攣を規則正しく繰り返しながら

まるで動かぬ決意の元、船べりに立つ英雄、レイフ.エリクソンのようにしっかりと直立していた。

こなたは心の中で観念した。 .....長い夜になりそうだ。


131グレゴリー:2008/12/02(火) 21:35:25 ID:hFZ1CSXm
今日は以上でございます。
ありがとうございました。では、またノシ
132名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/02(火) 21:35:50 ID:6G9qDT5T
なんか妙に笑える
133グレゴリー:2008/12/02(火) 21:43:24 ID:hFZ1CSXm
うっわーーー!むちゃくちゃですやん。

補足
>>127 の挿絵

http://uproda11.2ch-library.com/src/11138927.jpg

>>128 は投稿ミス。無視してください。
しっかりしてくれよ俺。
134名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/02(火) 21:44:52 ID:DKOxoyPe
>>131
実に面白い!

・・・しかしどうやって自殺するんだ、これwww
135JEDI_tkms1984:2008/12/02(火) 22:00:28 ID:FFLDsPT2
>>131

 くすりと笑わせるメタファーが随所に鏤められていて面白いです。
このテンポは好きですが、果たしてこなたの死にどう繋がるのか。
続きを待っています。

136グレゴリー:2008/12/02(火) 22:04:32 ID:hFZ1CSXm
>>134
>>135
>>・・・しかしどうやって自殺するんだ、これwww

私を信じて欲しい。
137名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/02(火) 22:36:14 ID:u+5KMuGM
そうじろうシュールすぐるww
138名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/02(火) 23:00:39 ID:XIyWHBw8
2児拉致事件、工作員の女に逮捕状 近く国際手配へ

 昭和48年に失跡した埼玉県上福岡市(現ふじみ野市)の主婦、渡辺秀子さん=当時(32)=の
子供2人が北朝鮮に拉致された事件で、警視庁と兵庫県警の捜査本部は26日、国外移送目的略
取と国外移送の容疑で、現在北朝鮮で生存しているとされる犯行グループのリーダーだった工作員、
「洪寿恵(ホン・スヘ)」こと木下陽子容疑者(59)の逮捕状を取った。

 警察庁はこれを受けて、国際刑事警察機構(ICPO)を通じて国際手配の手続きを取るとともに、
外交ルートを通じて北朝鮮側に身柄の引き渡しなどを求める。北朝鮮による拉致事件で逮捕状が
出たのは9人目。

 捜査本部によると、木下容疑者は、北朝鮮の対日工作活動拠点とされる貿易会社「ユニバース・ト
レイディング」(東京、既に解散)に所属していた工作員グループのリーダー。韓国籍だったが、その
後日本国籍を取得。54年に出国している。

 調べでは、木下容疑者は49年6月中旬ごろ、東京都品川区内で、渡辺さんの長女、高敬美ちゃん
=当時(6)=と長男、剛ちゃん=同(3)=の2人を車に乗せ、同日午後10時ごろ、福井県小浜市の
海岸から工作船で北朝鮮に拉致した疑い。

 一方、渡辺さんは木下容疑者の指示で、工作グループのメンバーらに殺害された疑いがあり、
引き続き捜査する。

ttp://www.sankei.co.jp/shakai/rachi/070426/rat070426003.htm

>「洪寿恵(ホン・スヘ)」こと木下陽子容疑者(59)の逮捕状を取った。
139名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/02(火) 23:01:41 ID:BwR8ZZPd
遅れたけどあやのの豹変が良かった
140名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/03(水) 17:01:23 ID:e22hz/hB
こなた監禁レイプって話はpink池って感じかな?
141名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/03(水) 17:10:48 ID:e5SAPhpc
>>140
過去にもたくさん投下されてきたがな
142名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/03(水) 18:12:35 ID:tsj/TX9i
>>141
kwsk
143名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/03(水) 20:50:47 ID:IRppbEt4
>>140
その論理だと、つかさビッチはとっくにエロパロに追放されてるよ。
自殺するなら、遠慮なくどうぞ。
144名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/03(水) 21:51:51 ID:rUOYEJJv
自殺スレの作者様の内の誰かー!(アルバイトの人以外)
つかさビッチにも目を向けてくれーw
145名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/03(水) 23:51:19 ID:IRppbEt4
>>144
そもそもアルバイトの作者が怠慢だからね、盛り上がらんよ(ボソッ...
146名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/04(木) 09:48:02 ID:zjBeOBsx
>>144
つうか、いい加減びっちは分離しろよ
いつまでここにいるんだ??
147名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/04(木) 13:17:07 ID:MQqZao8F
>>146
びっちは一瞬で落ちるからなぁ
148名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/04(木) 13:33:39 ID:iWc63sML
黒みさおは?
149名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/04(木) 15:02:09 ID:jJ5nYInf
みさおもだけど
どちらかというとあやのの方が自己中っぽくていい
誰かに鬼のような形相のあやの描いて欲しいな
150名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/04(木) 21:13:14 ID:TmBVg8HW
>>136
>私を信じて欲しい
かっこよすぎ
151名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/04(木) 21:44:05 ID:02YL7RAC
短編「死なないこなた」


或る田園調布の富豪の家で、ひさしい間、
貧相な泉こなたが飼はれていた。
地下の薄暗い檻の中で、青ざめた少女の瞳が、
いつも悲しげにただよっていた。

やがて富豪は没落し、逃げるやうにその家から出て行った。
金目になる貴重品を持つて、或るいは家財道具を持つて。
けれどもこなたは連れて行かれなかった。
こなたは地下に置き去りにされて居たのだ。
そして彼女が目を覚ました時、不幸な、忘れられた檻の中で、
幾日も幾日も、おそろしい飢餓を忍ばねばならなかった。
どこにも食物がなく、口に出来る物が全く尽きてしまった時
彼女は自分の足をもいで食つた。まづその一本を。
それから、最後に、それがすつかりおしまひになつた時、
内臓の一部を食ひはじめた。
少しづつ他の一部から一部へと。順々に。

かくしてこなたは、彼女の身体全体を食ひつくしてしまった。
外皮から、脳髄から、胃袋から。
どこもかしこも、すべて残る隈なく。完全に。

或る朝、ふと債権者がそこに来た時、
地下の檻の中は空つぽになつていた。
曇つた埃つぽい地下室の中で、淀んだ空気と、
弱弱しい光に照らされた影とが動いていた。
そして地下の檻の隅々にも、もはや人間の姿は見えなかった。
こなたは実際に、すっかり消滅してしまったのである。
けれどもこなたは死ななかった。

彼女が消えてしまった後ですらも、
尚ほ且つ永遠にそこに生きていた。
古ぼけた、空つぽの、忘れられた地下の檻の中で。
永遠に――――おそらくは、
幾世紀の間を通じて――――或る物すごい欠乏と不満をもつた、


人の目に見えない人間が生きて居た。

                 
                  「死なない蛸」より引用
152名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/05(金) 00:38:20 ID:5o3NSKOn
>>131
やっと見つけた
やっと出会えた
僕等の時代の
自殺エンタメ
153名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/05(金) 01:08:13 ID:a6pzCLIN
>>146
ttp://uproda11.2ch-library.com/src/11139300.jpg

絵描いてないで、やることやらないと・・・。
154名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/05(金) 06:52:52 ID:2uTpZSnq
皆様のご理解とご協力をお願い致します(國鐵廣嶋)
155名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/05(金) 16:45:38 ID:gNmb8KXX
>>154
このスレでこのネタが出て来ようとは・・・。

そういや徳山から下関までトイレが無い車両に当たった時に
「この列車にはトイレがありませんが、
 ご理解とご協力をお願い致します」
って放送があった時は参ったわ。
156名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/05(金) 22:58:45 ID:CwyOGvZh
>>142
監禁だけなら、
中尉作品、みゆきの想いとかのマッド系やサイコ系。

レイプは多分ほとんどない。
157グレゴリー:2008/12/05(金) 23:25:12 ID:chEADtVT
最終章を投下します。今回は文章だけで、しかも前作とは違い
シリアスになっております。
最後までお付き合いくださってありがとうございます。
>>130
の続きです
158楽しいお泊り9:2008/12/05(金) 23:26:26 ID:chEADtVT
そうじろうの上にまたがって、ゆいは激しく腰を動かしている。「ん、んあ、ああ、いく、いくうう」

ゆいの声だけが室内にこだましている。

やがて絶頂に達したゆいは弓なりに体をしならせ数回痙攣すると、同じく絶頂に達したそうじろうのエリクソンから

射出されたスペ○マが体内に流れ込んでくるのを感じた。

力なくそうじろうの体にもたれながらも、ゆいは愛おしそうにそうじろうの胸に顔をうずめて彼の肉体を愛撫する。

だが、こなたは分かっていた。もう、ゆいは限界だ。これで何回目だろう?

胸の間にエリクソンを挟んだり、そうじろうの上になったり下になったり四つんばいになって後ろから突かれたり。

様々なことを試みてきてそのつど勝利した。だが、エリクソンは未だに船べりに立って薄霧の中、ヴァイキングの船団を指揮した
かつての英雄のように威風堂々と直立している。

だが、ゆいは健気にも再び立ち上がると、再び勝負に挑もうとした。しかし、ふらふらと床にへたりこんでしまった。

力尽きたのだった。ゆうちゃんは居ても立っても居られなかったみたいだ。ついに言った。

「お姉ちゃん、もういいよ!今度は私が、私がやる」目に涙をためながら、愛する姉のためついに決心したのだ!

ゆいは何も言えなかった。もう自分ではどうすることもできない。

だが、こなたはゆうちゃんの決心にびっくりしていた。自分の父のために体を投げ打ってまで尽くしてくれる従姉妹たち。

そして、父の変態ぶりを眉ひとつひそめずに受け入れてくれ、責めることなく温かく自分を抱擁してくれた姉妹。


自分はどれだけの人たちに包み込まれているのだろう。このような事態になって初めて気がついた。

こなたは無言でそうじろうの元に歩み寄っていく。二人の従姉妹が見守る中、こなたは父の股間のエリクソンを

そっと手で包んだ。

「こなたちゃん..」 ゆいは心配そうに声をかける。だが、こなたは手の中に確かに感じる凶暴で脈打つ

破壊的でかつ誘惑的なそれを上下させる。

上下させるたびに、まるで応えるように手の中を暴れまわるエリクソン。

こなたはそっと口を近づけ、舌で先端の突起の根元を舐めてみる。

磯辛いような味がした。ずっとゆいの体内に入っていたせいだろう。しばらく舐め続けていると

無味無臭な本来の味に戻っていった。

こなたはそうじろうの股間の間に正座して、チロチロとエリクソンを舐め続けていた。ふと気がつくと、

ゆうちゃんが無邪気に寝そべりながら、反対側から同じく舌を這わせていた。
159楽しいお泊り10:2008/12/05(金) 23:27:39 ID:chEADtVT
そうじろうは上半身を少し持ち上げ、二人を見下ろしていた。ゆいはそうじろうの背後に回り、

後ろから両手をそうじろうの乳首にまわして、つまんだりなでたりコリコリしたり。


3人の女性に責められる1人の男。もしもこの光景を誰かが見たならばうらやましいと思うだろう。

実際にうらやむがいい。


唐突にすさまじい爆発が股間の二人を襲った。反射神経にすぐれたこなたは無意識のうちに

その場から飛び退った。だが、ゆうちゃんは....

そうじろうに体をしっかりと押さえつけられ、ゆうちゃんは爆発的な射精を浴びせられ続けていた。

..射精時間はゆうに30秒は超えただろう。

あまりにも大量の精液だった。ゆうちゃんは情けない腹ばい姿で精液の海に漬かっていた。

こなたは急いでゆうちゃんを起こし、その口を自分の口で塞いで人工呼吸を行った。

粘ついたそうじろうの精液が口の周りにまとわりついてくる。

しばらくすると、ゆうちゃんの口の中から精液の塊がこなたの口に流れ込んできた。

気道をふさいでいたものが取れて、ゆうちゃんは息を吹き返した。

こなたは口の中の精液を飲み干す。

「ゆうちゃん。ダメだよ...お父さんは、私が、私が何とかするからさ」



「こなたちゃん、分かってるの?」

ゆい姉は神妙な顔でこなたを諭す。

「これは曲りなりにもあなたの父親なのよ。今は巨根に精神を支配されて理性を失っているけど,,,でも、でも

これをやってしまうと、今後、あなたとお父さんの関係が違ってきてしまうわ」

だが、こなたはすでに気がついていた。そうじろうの射精量について。

相手が女子高生以下のときの場合、その射精量は恐ろしいほどに増大する。

しかし、それが成熟した大人の女性の場合だと、それは極普通であるということを。

「ゆい姉では...お父さんは....今の射精の量で分かったでしょ。だからこれしかないんだよ!!」

この一言はゆいにとっては強烈なパンチだった。

ゆいは一言、二言、何かを言い返そうとしたが、結局、言葉が出ずにうつむいてしまった。


こなたはゆっくりと身に着けた服を脱いでいく。

自分ではそうじろうの射精量は怪物的になるだろう。だが、ゆい姉では普通。
160楽しいお泊り11:2008/12/05(金) 23:30:12 ID:chEADtVT
こなたは自分の中に生まれた複雑な気持ちに気がついた。ちらりと横目でゆいを見る。

なんなんだろう、これは競争心..それとも嫉妬心?

今までゆいに対して年上の従姉妹として無邪気な親近感を抱いていた。

だが、今生まれたこの気持ち..何で私はゆい姉に対して優越感みたいな気持ちを感じて

それに喜びを感じているのだろう。お父さんを取られたくないから?それとも女性としての

対抗心?

こなたは全裸になると、そうじろうの上にかぶさった。そして

自分でも驚くほどの積極性と大胆さで攻めていった。

そうじろうの乳首を舌で円を描くように舐めまわし、時々、吸い上げながら

片手を使い、まるで帝政ロシア末期の怪物、グレゴリー=エフィモウィッチ=ラスプーチンの

ごとく、不気味にそそり立つ巨根をしごく。やがて、遂にこなたはラスプーチンを受け入れる覚悟を

決めた。そうじろうの上に馬乗りのようにまたがると、腰を少し浮かし、ラスプーチンを

エスコートしていく。18禁のエロゲーをやりまくっていたこなたにとって知識だけは豊富だったが

いざ、やるとなると自分でもよくわからない。どうしたらいいんだろう?

と、そうじろうは遂にアクションを起こした。

ゆい姉とゆうちゃんがじっと見守る中、唐突にそうじろうはこなたを貫いた。

「んんあああああ!!!!」

こなたの全身に戦慄が走った。耐え切れず、こなたは倒れこむ。だが、ラスプーチンは

容赦なく貫いていく。そしてピストンをはじめるのだった。

こなたは涙を流していた。自分の体内をえぐるように貪り、暴れる侵入者。

だが、その侵入者は同時に、そして少しずつ、快楽という贈り物を与えていった。


ゆいは見守る二人に神を見た。そうじろうの動きはあまりにも神に近かった。

高速でかつ、ゆっくりと、大胆な変化を交えつつ、それでいて控えめでしつこくなく

暴挙の中に厳粛をたたえ、愚鈍でいて賢明な動きだった。
161楽しいお泊り12:2008/12/05(金) 23:31:46 ID:chEADtVT
自分には与えられなかった。自分では導き出すことができなかった....。

ゆいは誰にも気がつかれることなく服を着た。

時々、振り向くその表情は、無表情の中にかすかな哀愁を漂わせていたのだった。


...

「ねえ、おねえちゃん。気がついてる?」

「ん?どうしたつかさ」

「うん。さっきから、遠くの部屋で...」

かがみは上半身を起こした。隣のベッドのつかさも起き上がったみたいだ。

他人の家を勝手にうろうろするのは気が引けたが、かがみとつかさは

身を寄せ合いながら、振動と声のするほうへ向かっていった。



ゆうちゃんは目の前の光景に見入っていた。

「ゆい姉さん、私、今までエッチなことはいやらしくて汚らしいものだと思ってた。

でも、本当はこんなに神々しいものなんだね。私、愛というものを誤解してたみたい」

ゆいはゆうちゃんの肩にポンと手を置いた。

「私じゃあ、そこまでゆうちゃんに教えるのは無理だったみたいね。私じゃあ...」

ゆうちゃんは姉の顔を見上げた。

「泣いてるの?」

ふと、部屋のドアが少し開いているのに気がついた。

そして、そうじろうとこなたの合体を身じろぎひとつせずに見守る柊姉妹がいた。


そうじろうの理性はすこしずつ戻ってきていた。体内に充満していた精液が

ラスプーチンに向かって総集結していったからだ。

「こなた、こなた、お父さんは、もうすぐイクぞ」

「うん、わかった。私も、もう少しで...」

こなたは理性を取り戻した父の頬をなでる。これからどうなっていくのだろう?

父とも、ゆい姉とも、ゆうちゃんとも、そしてドアの隙間からじっとこちらを覗いているかがみとつかさとも

今までのような関係はもう戻ってこない。むしろ今までがあまりにも無邪気すぎた。

そうじろうとの合体はおそらく、聖書に書かれたパンドラの箱のようなものなのだろう。

ゆい姉に感じた複雑な感情。嫉妬、競争心、憎悪、優越感。これらが生まれていくのだろう。
162楽しいお泊り13:2008/12/05(金) 23:32:48 ID:chEADtVT
突然、ゆい姉が叫んだ。

「こなたちゃん!ダメ、今すぐにそうじろうから離れなさい!!!」


ゆいは恐ろしいことに気がついたのだ。

密閉されたこなたの体内にそうじろうの全精力が注ぎ込まれるとどうなるのか。

ゆいは仕事柄、拳銃を扱う。簡単に言えば、密閉された薬きょうに弾丸と発射薬が入っており

密閉された薬きょうの中での発射薬の爆発は弾丸に恐ろしいほどの運動エネルギーを与え

弾丸はかなたへ飛んでいく。

「こなたちゃん、このままだとあなたは吹っ飛ばされるか、最悪の場合、体が耐え切れずに破裂するわよ!」

全員、ゆいのほうへ顔を向けた。

巨根は、こなたの体内に隙間を与えずに埋め込まれている。そして、先ほど見せた爆発的な射精力。

今回はそれに比較にならぬほどの射精がこなたを襲うに違いない。


「ゆい姉さん。分かってるんだ。お父さんの射精に耐え切れる保障はないってね。」

こなたは上下に揺さぶられながらもゆいに答えた。

「でも、いいんだ。ごめんね」


「そんな...それは、まるで...自殺行為よ!」

こなたは分かっていた。でも、止めることができなかった。自分は父と合体するという背徳を犯し、

それを友人たち、従姉妹たちに見せ付けた。ゆい姉に対して無邪気な好意以外の感情をむき出しにした。

自分は取り返しのつかないことをしてしまった。


だが、根底にあるのは極限の快感を求める渇望だった。そうじろうとこなたは、それを止めることができなかったのだ。


「うおおおおおおおおおおおおおおおお、いくぞおおおおおおおおおおおおおおおお」

そうじろうの絶叫と同時に、こなたもイッた。

こなたは宙を飛んでいた。重力がなくなり、魂が肉体の束縛から解放されて、無限の快楽の海に沈んでいったような気がした。

163楽しいお泊り14:2008/12/05(金) 23:33:24 ID:chEADtVT
屋根に空いた大きな穴から、建材の破片がポロポロと落ちていく。穴からは星空がのぞいていた。

そして穴の真下にそうじろうの死体があった。そうじろうは射精にすべてを注ぎ込み、それは命も例外ではなかった。

そうじろうの死体の周りには、なすすべもなく立ちすくむ4人がいた。


長い時間がたったような感じがする。こなたは目覚めた。なにか雲のようなフワフワしたものに包まれている。

こなたが居るのは見渡す限りの美しい草原だった。花は咲き乱れ、そよ風が優しく頬をなでる。

こなたは遠くに人影を認めた。...長髪の小柄な女性みたいだ。

「お母さん?」こなたはふとつぶやいた。

とたんに、記憶が堰を切ったように戻ってきた。あの後、私はどうなったんだろう?

「!!これはもしかして!!」

自分を包み込む雲のようなもの。それはそうじろうの精液が凝固したものではないのか?

こなたは推測した。あの時、自分は家の屋根を突き破って宙へ飛んでいったのではないか。

そして、そうじろうの精液とともに成層圏まで飛ばされて、そのうち、空気との摩擦熱によって

こなたを包んでいた精液はたんぱく質の性質上、凝固し、落下とともにひろがりをみせ、故にパラシュートのように

ゆっくりと地上に降下し、地面に落ちた衝撃をやわらげたのではないか。

とすれば、自分は死なずに生きていることになる....

こなたは頭をブンブンと振ってその考えを隅に追いやった。そんなにうまくいくはずはない。

遠くの人影はおそらくお母さんに違いない。人影はどんどんこちらに近づいていく。

「もしも、お母さんだったらどうしようかな?お父さんを盗っちゃったこと、怒ってるんじゃあ」

こなたはバツの悪そうな顔をした。だが、もうすぐ分かるだろう。



164グレゴリー:2008/12/05(金) 23:35:56 ID:chEADtVT
以上、私には珍しい感動大作をありがとう。
これで、再び元のキモグロ作家に戻れるわい。ノシ
165名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/05(金) 23:44:31 ID:qa4tmmr6
ハラショー!
オーチン・ハラショー!!
166名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/06(土) 00:07:38 ID:8BjdgN/S
グレゴリーさん、あなたは天才です。僕の今までのらき☆すたへの見方が
変わってしまいました。こなたはやはり鬼畜だったのですね…
167名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/06(土) 00:35:43 ID:JW8GalBc

楽しみました
168名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/06(土) 00:54:58 ID:lBoJdcN2
>>157の注意書きに見事に釣られましたw
169名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/06(土) 01:29:13 ID:yQ8spDcA
>>164
こなた、そうじろうの射精で逝ったか。
射精とは、せいをいる、と書く。
文字通り、生を射たね。

それにしても、生を産む為の儀式で二人とも死んでしまうなんて、
なんというアイロニカルな結末なんだろう。
こういうアイロニーは美しい。
AIDSもまた、生を発生させる行為によって感染する。
だから、あの病気にも美しさを感じてしまうよ。

ともあれ乙です。
性交渉なんて汚いはずなんだけど、死が絡むと美しくなりますね。
「生は汚く、死は美しい」というテーマが浮き彫りにされた文学でした。
170名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/06(土) 08:43:11 ID:PxzehPk0
次の時代の息吹が…
171名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/06(土) 13:28:22 ID:n2kVnWkj
なんという狂気
172名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/06(土) 20:43:24 ID:Z5W6mdC9
今までも狂ってるSSは沢山あったけど、
これほど痛快に狂っているSSがあっただろうか・・・。
173名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/06(土) 20:46:11 ID:yTzF0Jh9
駄作という意味でな
174JEDI_tkms1984:2008/12/06(土) 21:56:39 ID:8C7MmEWB
>>164

 生と死が同じ程度に尊いものである事を体現するかのような作品でした。
この死に方は案外、かなたも経験したのではないかとさえ思います。
それにしてもこの弾けた文章は面白いです。
僕には到底真似できません。
175グレゴリー:2008/12/06(土) 22:04:51 ID:z9vnnh1S
ご感想、ありがとうございます。
>>166
>>170
ちょww背中がむずがゆくなってしまいます。今まで、迫害されたり叩かれた
りという経験しかないのでwともあれありがとうございます。
>>169
文学というジャンルであらわすならば「射精文学」とでもいえるでしょう。
射精という行動に価値がないと思われている世論に対する警鐘として
この作品を作りました。
>>168
今回は、自分なりに文章の中の人物描写や心理描写をシリアスに書くように
勤めたという意味でこの注意書きを表示しました。

シリアスな文章に対して、繰り広げられているシーンのあまりものアホらしさ
に笑いを感じていただけると光栄であります。

ただひたすらヤッテルだけじゃん!そうじろうがずっと射精してるだけじゃん!

と、繰り広げられているシーンはあまりにもアホらしいのです。







176グレゴリー:2008/12/06(土) 22:12:57 ID:z9vnnh1S
>>174
ども、Jさん。

>>この死に方は案外、かなたも経験したのではないかとさえ思います

ワロタ。そのネタ、いただき!!
ラストシーンをごらんになればお分かりのとおり、あえて、二つの分岐が
成り立つようにしております。もしもこなたが死んでいた場合、
かなたから衝撃の事実を聞かされるのでしょうw

>>僕には到底真似できません

真似しないでください。するべきではありません。

177名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/06(土) 22:37:01 ID:6LV6Uth+
>>172
今までのは狂ってはいたけど、何処か上品だったよね。
今回のは、見栄も外聞もかなぐり捨てた、赤裸々でストレートな狂気。
ある種の爽快感さえ覚えるよ。
178名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/07(日) 03:36:24 ID:66Ox7/5+
>>113
お願いします。
貴方のリアリティのある絵、好きだ。
179名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/07(日) 04:44:10 ID:vmdq+zT8
>>113の絵がどことなく激烈バカ風だなと感じた俺は完璧なヲサーソ
180名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/07(日) 20:41:53 ID:1chtj8FF
あげましておめでとう
181名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/07(日) 21:18:27 ID:PUaowV83
      _「Yフ
     :'´ /⌒ ヽ
     !  / ハヽ !
     .iヘ| ゚ ヮ゚ノリ_
     r'⌒と、j    ヽ こなちゃん臭いよ
    ノ ,.ィ'  `ヽ. /
  /       i!./
 (_,.         //
 く.,_`^''ー-、_,,..ノ/
   `~`''ー--‐'
182名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/07(日) 21:53:16 ID:dvL0vZLQ
グレゴリー、文才あるな
面白かった
183名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/07(日) 22:39:45 ID:yqNdm23T
僕達は神が産まれる瞬間を目撃した
184名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/07(日) 22:46:26 ID:2yGMWVnC
らきすた関連スレ(みゆき×つかさスレとか)で荒らし扱いされてたなw
185名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/07(日) 23:08:29 ID:U93B6Evv
>>184
荒らしとして一番叩かれてたのはこなかがスレだったな
186名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/07(日) 23:10:21 ID:xLL/fXTe
天皇陛下に慇懃無礼な口をきいた石井慧はチョンとズブズブの名誉朝鮮人
187名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/08(月) 04:39:57 ID:2dDatS/M
どんな人材も有効活用。それが自殺スレクオリティ
188名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/09(火) 03:22:21 ID:jBHzuXFV
JEDISSのななこの台詞って、紛いじゃなく本場の関西弁なのな
189名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/09(火) 16:21:36 ID:az2mTSHU
>>188
どちらかというと神戸方言っぽい
190名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/09(火) 20:12:34 ID:pFrOQRqL
mixiにぼっちコミュがあるので自殺コミュも立てようかと思うの
191JEDI_tkms1984:2008/12/09(火) 20:20:43 ID:WyQklj51
>>188

 関西弁にもいろいろありますが、本場と言えば本場でしょう。
そのおかげでななこの台詞は関西弁としては正しいのですが、本来のらきすたのななこからは
逆に遠ざかってます。

>>189

 大正解です。
生まれも育ちも現住も神戸です。
関西弁=大阪 のイメージが多分強いと思うので、神戸弁は違和感があるかも知れません。
ちなみに僕は関西弁(神戸含めて)がハッキリ言って嫌いです。
192名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/09(火) 21:20:33 ID:az2mTSHU
>>191
俺も大阪生まれ大阪育ちだけど関西弁は嫌い
193JEDI_tkms1984:2008/12/09(火) 21:47:12 ID:WyQklj51
>>192

奇遇ですね。気が合いそうです。
おそらく嫌いな理由も僕と同じでしょう。
194名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/09(火) 23:21:06 ID:8ZZgKOn1
うつ☆すた読むと、ああいう美しい最後に憧れちゃう不思議。
これがウェルテル現象ってやつか。
195名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/11(木) 17:19:39 ID:BpQxzRVV
こなたは中学のときはブレザーだったの?
196名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/11(木) 17:32:15 ID:OBDs2MGp
>>195
セーラー服との対比で皆それに設定してるみたい
197名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/11(木) 22:45:13 ID:MRaul8lz
まだまだ自殺してもらうからな
198名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/11(木) 23:19:53 ID:aOorUVIR
こなた「まだまだイキたりないよ。不幸にも賢く産まれてしまったその頭脳を駆使して、
     幸運にも悪趣味に育ってしまったその性格イカして、満足させてね^^」
199名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/12(金) 00:34:18 ID:abGgDiLi
楽しいお泊り追加したけど、画像保存してねーや
誰か補完よろ
200グレゴリー:2008/12/12(金) 18:32:17 ID:RdrFZwF4
>>199
ありがとうございました。補完はわたくしがいたしました故。
>>194
自己愛ゆえの自殺というのもおもしろいですね。
ゲーテは、作品を書くことによってそれを昇華させましたが、
影響を受けて自殺していった追従者たちはおそらく、自己愛ゆえだと
思います。
私のようにすでにいろんなものをあきらめている人間にとって
は自殺するほどの価値すら自らに見出せないで惰性で生きているような
ものです。生物的な本能とでも申しましょう。
201名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/13(土) 01:58:24 ID:8gJrynAK
若きウェルテルのオマージュ作品がまだ無いことの方が、驚きだな。
邯鄲の夢やらはあるのに。つーか何気に教養深い神奈川氏に敬礼(召還の呪文ですw)。
202名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/14(日) 00:46:56 ID:IiCc/VuO
>>200
生物的な本能に、俺達は生かされているんですね。
ああでも、死への恐怖という本能を突き破った人間は、やっぱり美しいな。
203グレゴリー:2008/12/15(月) 11:14:27 ID:OqBHqwZM
自殺は理性の成せる技だと思いますよ。誰もが持つことのできる選択肢でありながら、実行し難く、世間ではタブーと見なされる。
だが、性欲食欲睡眠欲につながる本能的な行動よりはるかに理性的なのだ!
204名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/15(月) 14:48:26 ID:GKhWK0XS
>>200
>私のようにすでにいろんなものをあきらめている人間にとって
>は自殺するほどの価値すら自らに見出せない
寂しい事言うなよ
貴方には秋葉原で拳銃自殺という素晴らしい夢があるじゃないか
205グレゴリー:2008/12/15(月) 14:49:15 ID:OqBHqwZM
にしても過疎化杉にもほどがあるだろw
来るタイミングが遅すぎたか...orz
206グレゴリー:2008/12/15(月) 15:03:58 ID:OqBHqwZM
>>205
まあね。だが、私が見苦しい死に様を見せつけるほどの価値のある人間が果たしてどれくらい居るのだ
207グレゴリー:2008/12/15(月) 17:44:20 ID:8GKanfsP
とりあえず、このスレをDAT落ちさせることだけは避けたい。
なぜなら、クリスマスまでに君たちにプレゼントしたいssの
構想があるからだ。
クリスマスを1人で過ごすことが誇らしくなる作品だ。
だから、せめて、せめてそれまでは存続してほしいw
208デフォ北:2008/12/15(月) 17:49:24 ID:CFVz1mhN
自分も一応ss構想中ですが
クリスマス後になると思います
209名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/15(月) 20:02:31 ID:b68emcIX
過疎ってないよ
みんな寒くてなかなか書き込めないだけだよ
210名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/15(月) 22:44:37 ID:nSHLZXxb
211名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/15(月) 22:55:27 ID:m+z6BHGd
グレコリー氏の楽しいお泊まりはなんか違うくね?
wikiに注意書きしておくべきじゃ。
212名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/15(月) 22:57:39 ID:k0Wvy4Wf
>>210
妙な凄味があるなぁ
213名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/15(月) 22:58:27 ID:OvEhA23S
んな細かいこと
214名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/15(月) 22:59:27 ID:OvEhA23S
>>213>>211へね
215JEDI_tkms1984:2008/12/15(月) 23:16:38 ID:8Ou2Cwdr
 僕はただ御両名のSSを待つだけです。
216名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/16(火) 00:53:09 ID:iVDge3nT
>>210
怖っ。
やっぱり凄いや。
>>211
死ぬと分かっていて、そうじろうとの交わりを続けた。
これ、自殺として扱ってもいいと思うんだけど。
217名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/16(火) 11:08:24 ID:jlY7NX67
18禁って事かな?
218名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/16(火) 19:02:35 ID:zzjG3aXr
結構前に「こなたの恐怖 」のハッピーエンドじゃない展開みたいという
声が出てた時に、書いてみたけどイマイチで投下しなかった物がフォルダ整理してたら見つかったw

せっかくだから投下しても大丈夫かな…?
219名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/16(火) 19:13:49 ID:irmt70HJ
>>218
ぜひしてくださいー
220名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/16(火) 19:49:23 ID:zzjG3aXr
それではせっかくだから投下w

大事な事を言い忘れてたけど自分はこなたの恐怖の作者じゃないです。
別の人が続きを書く事がここでは結構あるみたいですがそういうのが苦手な方
&こなた以外を含めて後味かなり悪いのでそういうのも嫌いな方はスルー推奨です。

こなたの恐怖
ttp://www34.atwiki.jp/konataowata/pages/218.html
のパラレル後日談

多分7レス位
221名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/16(火) 19:49:44 ID:zzjG3aXr
「もう来るんじゃないぞ」

久しぶりに私服に袖を通し少年院の門をくぐる俺に、見送りの刑務官がそう声を掛ける。
そう、今日は待ち望んでいた出所の日だ。

1年数ヶ月前のあの時。
元クラスメイトの高良みゆきに弱みを握られ、泉こなたへのイジメをさせられてた俺は
同じ境遇の仲間達と友に、高良みゆきとグルになってた柊つかさを拉致って
根源である柊かがみを呼び出した。

だがそこをいつの間にか和解していた泉こなたによって撃退され
俺たちは全員誘拐、傷害等の罪によって警察のお世話になるハメになってしまった。


あの事件から1年と数ヶ月。
執行猶予は付かなかったものの未成年だった事もあり俺は比較的早く出所できたものの
泉こなたにナイフで切りかかり殺人未遂に問われた友人の出所はまだあと何年も先だ。


……ふと視界を下げ今着ている私服……つまり泉こなたに撃退され警察に逮捕された時の服を見下ろすと
当時の憤りが鮮明に蘇ってくる。

本来なら卒業を目前に控えていただろうに、あの事件のせいで学校は退学になり
高卒の資格を取りたいのならどこかで前科持ちの過去をひたかくしにしながらまた1年生からやり直さなければならない。
そしてそれは仮に卒業できた後も一生続く。

……正直、発端は高良みゆき、柊かがみに指示されたせいだけど自身もイジメを楽しんでた感は否定できない。
そして脅されてた仕返しだったとはいえこちらもやりすぎたとは思っている。

だけどあいつらは……
俺達がこんな人生を送る発端を作ったあいつらは……
散々脅迫したあげく最後は一方的に被害者ずらしていたあいつらは……
一切の罪に問われず4人揃って何事も無かったようにのうのうと学校生活を満喫しているそうだ。

………あいつらが……憎い! 散々脅迫したあげく俺たちだけを悪者扱いしたあいつらが……!

それから数日語、俺は既に釈放されてた他の仲間の内の1人と合流した。
222名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/16(火) 19:50:09 ID:zzjG3aXr
『こなた、つかさが帰って来ないんだけどそっちに行ってない?』

陸桜大学への進学が既に決まり卒業式を目前に控えたある日の事。
受験勉強が終わり再開したアルバイトから帰宅したこなたの元に
少し慌てた様子のかがみが電話を掛けてきた。

「いやぁ こっちには来てないけど……つかさまだ帰ってきてないの?」
『そうなのよ。全く、どこをほっつき歩いてるんだか……。携帯に掛けても全く出ないし』
「うーん 時間が時間だけにちょっと心配だねー 私からも掛けて見るよ」
『そうしてもらえると助かるわ。もし繋がったらお父さんがカンカンに怒ってるって伝えといて』
「りょうか〜い」

一旦電話を切ったこなたは改めてアドレス帳からつかさの番号をクリックするものの
呼び出し音だけが空しく何度も繰り返されるだけだった。
「うーん 私から掛けても出ないか……ちょっと心配になってきたよ」

こうやってつかさの身を案じるこなただったが
1年ちょっと前にはそのつかさやかがみ、そしてみゆきから酷いイジメを受けていた時期があった。

自分の過剰なKY(空気の読めなさ)でかがみを怒らせたのが原因で
かがみに影響されつかさとみゆきもそれに加わり、しまいにはみゆきの指示により
それに逆らえない10人近くのクラスメイトにまで暴行を受けていた。
だけどそれはもう昔の事。

暴走したクラスメイトを目の当りにした3人は元に戻ってくれ
勢いで他の連中を一網打尽にした今となってはそれを責める気はさらさ無い。


〜〜♪
過去の事を思い返してるうちに数分経ってる事に気づいたこなたは再びつかさにかけてみようかとした時、
ちょうど着信音が流れディスプレイに「みゆきさん」と表示される。
「みゆきさんの所にもつかさの件で連絡がいったのかな? ……(ピッ)もしも〜し」

本人がつかさの行き先を知らないか聞くために掛けてきたんだろうと思いながら電話に出るこなた。
だがそこから聞こえてきたものは予想だにもしない物だった。

『……泉だな?』
「……誰?」



223名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/16(火) 19:50:42 ID:zzjG3aXr



「妹の柊つかさの身が心配なら泉こなたと二人で指定した場所に来いよ」
『あんた達っ! 今更一体何の用なのよっ! つかさは無事なんでしょうね!?』
「さーな。 警察にチクったら無事では済まない事だけは確かだけどな」

夜も大分更けてきた郊外の工事現場。
みゆきとつかさはあの時のメンバーのうちの2人に再び拉致されてそこにいた。
だがあの時とは決定的に違う事がある。


「お、お願い……もう……許して……」
「知るかよ!」
バコッ!
十分勢いを付けてフルスイングしたバットがつかさの顔面に直撃し折れた歯が散乱すると、
つかさ鼻と口から帯ただしい量の血が流れ出る。
「ヒッ! ヒフゥ!」
言葉にならない悲鳴を上げて何とか逃げようと這いずるがそれでも攻撃をやめない。


「や、止めてくださいっ」
自身もボロボロになりながらも止めに入ろうとしているみゆきにも同様にお見舞いし
メガネのレンズが砕け散る。
「ぎゃああっ!」



「……泉と柊かがみへの連絡は済んだ。、だけど一応クギを刺して置いたけど通報される可能性もあるかもな……」
「まあ、どの道こんな事をしてる時点で俺たちはまた警察行きだって。だからその分しっかり痛ぶってあげないと……な!」

バキッ!!
「ギャアアア!!」
「お前らが……お前らが俺たちを脅迫したせいで俺たちは……あいつは……」
「どうせ俺たちの人生はもうおしまいだ! だからその原因のお前らにもしっかり償って貰うぜ!」
ボゴッ!!


自分達がこうなったのは全て4人のせいと言わんばかりに恨みを込めた攻撃を容赦なく繰り返す2人。
他人から見れば行き過ぎた逆恨みにすぎないものの、当人達にとっては罪を償わせるのを兼ねた正当な報復処置に過ぎず
実際はどうであろうとその思い込みが一切の手加減を無くすのだった。


224名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/16(火) 19:51:07 ID:zzjG3aXr



「つ、つか……さ」
「み、みゆき……さん……?」

電話で呼び出され共にやってきたこなたとかがみが見たものは信じられない光景だった。

二人で囚われているつかさとみゆきの所に乗り込むという所までは1年数ヶ月前のあの時と同じだが
あの時とは決定的に違う部分があった。

あの時の二人は拘束されてはいたものの、まだ露骨な暴行を受けていなかったのに対し
今目の前にいるつかさの首はありえない方に曲がって息をしておらず
みゆきはかろうじて息はあるものの目の周辺からおびただしい量の血が流れ落ちている。

一度犯罪を犯し逮捕され、警察のお世話になるという未知の体験をし
『犯罪を犯すこと・逮捕される事に慣れてしまった』故のいきすぎた犯行だった。

「あんた達……つかさとみゆきに一体何をしたのよ……」
「見ての通りの事だけど?」
震える声で問いかけて来るかがみの質問に悪びれた様子もなくそう答える男達。
「今更もう終った事の復讐でもしたつもり……? そんな事してどうするのさっ!
 つかさもみゆきさんもせっかく心を入れ替えてがんばってたのに!」

「うっせーな! 勝手に自分達だけ被害者になって勝手にもう終った事にしてんじゃねーよ!
 お前らのせいで少年院行きになったのに、お前らは知らん振りしてぬくぬく過ごしやがって!」
「こいつらは散々俺たちを脅迫してたのに罪を償おうともしなかったから俺たちが償わせてやったのさ!」

「だからってこんな事していいと思ってるの!?」
「うっせー! そもそもこいつらが俺たちを脅迫しだしたのもお前達が原因だろう!?
 諸悪の根源が何偽善者ぶっていやがるんだ!」
225名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/16(火) 19:51:31 ID:zzjG3aXr
「うわぁああああ!!」
全く悪びれた様子のない男達に我慢出来なくなり、構えながら男達に突進していくこなた。
相手のうちの一人がそれに反応して、自身も体勢を低くして体ごと突撃して来るものの
更に体勢を低くしたこなたはそれを避けつつすれ違いざまに腹に一撃を入れる。
「グッ」
深刻なダメージを受けてる男だったが積年の恨みを思うとこの程度で倒れてはいられない。
一旦距離を取ろうとするこなたの髪を必死に掴みあげ動きを封じ
その頭にもう一人のバットが命中する。

「あぐっ」
「こなた!」
直撃を喰らいあえなく地面に倒れるこなたに2人で一斉に攻撃を加えられる。
ドガッ バキッ!

「あ、あんた達! 自分達が何してるのか分かってるの!? 止めなさいよ!」
「お前らだって十分酷い事してたじゃねーかよ」
「か…かがみ、来ちゃダメ……!」
「心配しなくても次はお前の番だよ」


致命傷とまではいかないもののこなたを十分に袋叩きにした男2人は
最後にかがみに狙いをつけようとした、その時……

「うわあああああ!」
残された力を振り絞って立ち上がったこなたは近くにあったつるはしを掴むと
男の後頭部に全力で振り下ろした。

ガスッ!
「ぐがっ!?」
後頭部が陥没し口から血を吐き奇妙な声を上げながら崩れ落ちる男。
「て、てめぇ! ぐふっ!?」
突然の事に呆気に取られてたもう片方の相手にもすかさず追撃し倒れた所を何度も何度も手に持った凶器で打ち据える。
「私たちが一方的に被害者ずらしてるって言うのなら今のあんた達だってそうじゃないのさっ!」
ガスッ! ドスッ!
「や、やめ、悪かっ……ぐほっ!」
「いくら巻き込まれたからってつかさとみゆきさんをあんな目に合わせてまだ被害者ずらするなんて…!」
「こなた! ダメ! こいつ死んじゃうよぉ!」
「あんた達が私達を許せないように、私もこんな事したあんた達が許せないんだよ!!」
ガスンッ!!
「ぐぽぉおお!」
つるはしをより一層大きく振り上げたこなたはそう言いながら最後の一激を振り下ろし……そして男は絶命した。

226名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/16(火) 19:52:26 ID:zzjG3aXr


「こなた……」
「あはは……私こいつらと同じ犯罪者になっちゃったよ……」
「………」
救急車を呼んだ後、冷静さが戻ってきて頭を抱えてるこなたを前に掛ける言葉が見つからず
途方にくれるかがみ。

「……何でつかさ達がこんな目に会わないといけなかったんだろうね……」
「……あの時みゆき達がこいつらを脅迫しなかったらこんな事には……」
「……そもそもかがみがみゆきさん達にけしかけたんじゃないのさ!
 大体あの時かがみが私をイジメなければこんな事には……っ」
「あ、あんたが空気読めなさ過ぎなのも一因でしょうが! それまで散々ウザいことしておいて!」
一旦頭は冷えたものの惨劇に巻き込まれてしまった故の混乱は拭いきれず不毛な口論を始めてしまう二人。


……確かにこの元クラスメイト達の行動はともかくとして、言う事には一理あった。
一番の被害者のこなたが許したからと、イジメに参加する様にけしかけて
巻き込ませてしまったクラスメイトらへの償いは一切せずむしろ加害者扱い。
そしてその事件の事は極力触れない用にタブーにして仲良しゴッコ。
……所詮何か切欠があれば全て崩壊する、危うい友情しか結び直す事が出来なかったのだ。


そうこうしているうちにサイレンの音が近づいてくる。
音から察するにどうやら救急車と一緒に警察も来ている様だ。

「……かがみ……結局私たちの友情は去年のあの時に終ってしまってたのかな……」
口論が一旦収まり、工事現場の中をゆっくりと歩き回りながらそう言うこなた。
「そ、そんな事は…… !? こなた!? 何をする気!?」
いつの間にかこなたの手には工事で使っているのであろう刃物が握られていた。
「私ね、本当はあの時死ぬつもりだったんだよ。かがみ達が友達に戻ってくれたから生きる希望が持てたんだけど
 それが信じられなくなったあげくに殺人者になってしまった以上生きる気になれないよ……」
「こなた! バカな事は止めてちゃんと償いなさいよっ!」

「キミ! 何やってるんだ!」
「さよなら、かがみ……みんな……」
「やめてええええーー!」

ザシュッ!!

救助隊と警察が現場に駆け込んで来ると同時にこなたは自分の首筋に刃を突き立てた。


227名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/16(火) 19:52:53 ID:zzjG3aXr
――――――――――――


あれから私以外の、あの場にいた5人全員は病院へと運ばれたものの
元クラスメイトの2人は既に死亡……そしてつかさも既に息を引き取った後で
こなたも数時間後に死亡した。
みゆきは幸い命に別状は無かったものの障害が残ったらしく病院に入院したっきりだ。

私はというと5人が死傷したこの事件の事情を唯一聞ける人物として警察から事情聴取をされる毎日で
去年の事件の経緯に至るまで改めて全て話す事になり、マスコミは私達の落ち度も含めたそれを大々的に報道した。

去年私がこなたを階段から突き落としたりしてた事も誰かが話したらしく明るみになり
今回の事件の被疑者は全員死亡してる分、その人らに集るはずだった批判も私に集まった。

ただでさえつかさを失って沈んでいた私の家族は、かつて私達がこなたへのイジメに加担してた事に
かなりショックを受け、家での私の居場所もほとんど失ってしまった。
とうぜん頑張って合格した大学への進学どころではなくなり、世間体の影響が強く出やすい神社の見通しもかなり
危なくなってるらしい。

……こなたは許してくれてはいたものの、実際は私達の罪は消えてなく、また償いきれていなかったという事なのだろうか……

ならばどう仲直りしようとも、最初に私がこなたへのイジメを初めた時点で
もうこんな運命が私達に待ち受けてた事が確定してたのだろうか……
それとも1年数ヶ月前のあの時、最後はつかさ達を誘拐するという愚行を犯したとはいえ
あのクラスメイトらを、本人達が行ってた様にもっと私達がやった事の被害者として見るべきだったのだろうか……

……いずれにせよ今の私に罪があるというのなら償うべきなのだろう。
それがあの世へと旅だった、一番の被害者であるこなたや巻き込んでしまったみんなへの弔いになると信じたい。

その時、玄関のチャイムがなり下から慌しくなる。
こなたの父であるそうじろうさんが愛娘を失った怒りと悲しみから、被害届を出す方向で考えてるという話を耳にした時点で
予想はしてた。
覚悟を決めていた私は呼ばれるままに玄関へ降りていった。

「柊かがみさん 昨年された、泉こなたさんへの傷害容疑で逮捕します」


おわり
228名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/16(火) 19:56:20 ID:zzjG3aXr
以上です。

そういえばタイトルとか全く決まってなかったw

えっと・・・「過去の清算」 …?
229名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/16(火) 21:18:19 ID:RXXkHv8E
乙でした。
やっぱかがみ逮捕は良い
230名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/17(水) 01:28:49 ID:QFnBhdgn
>>207
すげー期待。wktkが止まらない。
期待に高鳴る胸の鼓動も止まらない。いや、止まったら困るけど。
困らねーか。早く止まれ。
231名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/17(水) 13:59:24 ID:s/LFi+OL
救い皆無…
鬱だ…
232JEDI_tkms1984:2008/12/17(水) 21:50:36 ID:SCzaBkhF
>>228

 閉塞感がいいですね。
この場合、つかさやみゆきはそれぞれに悲惨な結末を迎えましたが、生きて苦痛をその身に味わう
かがみに比べればその方が幸せなのかもしれません。
233名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/18(木) 02:35:43 ID:sXmLpgIx
>>228
かがみ…
234名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/18(木) 18:36:49 ID:TEJPgjjF
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235名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/18(木) 18:54:36 ID:TEJPgjjF
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236名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/18(木) 20:24:22 ID:QJUHhMHV
>>217
言われてみれば18禁だわw
コミカルなノリで気にしてなかった
237グレゴリー:2008/12/18(木) 22:43:49 ID:3WeVDLgO
ちょっとクリスマスまでには早かったけど。
自殺スレの寂しい男たちにクリスマスプレゼントです。

なお、クリスマスを1人で過ごさない方は、暇つぶしにでも見てください。
かなり病的な作品ですけど苦情、お問い合わせは受け付けておりますw
238女たちの陰謀1:2008/12/18(木) 22:47:31 ID:3WeVDLgO
黒井ななこは教室に残った女子生徒全員を前に声を張り上げた。

「よっしゃー。男子は皆、帰ったな。ええか!今から先生が話すことはひじょーに重要なことなので
 一字一句、聞き漏らさんようにな」

ななこの言葉に、B組の女子生徒全員はいやおうなく聞き耳を立てた。


「今から話すことはな。おそらく人類の歴史が始まって以来、ずっと、ずーーーっと、女性だけの
 秘密として守られてきたことなんや。
 日本に限って言うと、戦前は、母から娘に直接に伝授されてきたんやけども、戦後の教育改革うんぬんで
 今は学校で教えとる」


女子生徒たちは息を潜めて聞いている。一体何がはじまるというのだ?
黒井ななこは一息つくと、無言で生徒たちを眺め回した。
含み笑いのような笑みを浮かべてはいるものの、その目は今まで見たこともないほどマジだった。


「今から教えることはな。歴史上、いかにして女性は男性を吸い尽くし、支配し、寄生してきたかということや!!!」

ななこの言葉に女子生徒たちはびっくりしてざわつきはじめた。
これは何かの冗談なのか?ななこに一体何があったというのだ?
だが、黒井ななこは黒板を思いっきりぶったたいた。

ドーーーン!!!という強烈な音に女子生徒たちはとたんに静まり返る。ななこはマジだった。

「静かにせいよ。お前ら、これは命に関わることやで。この秘密を漏らしたらな、ほんまに消されるんやで」

「思春期の少女に謎の自殺が多い理由をしっとるか?大半はな、地球人口の半分を占める女性を敵に回したからなんや。
 秘密を漏らそうという愚行を犯してな」

やがて、黒井ななこは、人類の半数の者が残りの半数の者を利用し、支配し、搾取し、ボロボロにしていくという
歴史上、延々と続いてきた恐るべき所業の秘密を話し始めた。


学校からの帰り道、いつもの4人は一言もしゃべることなく、うつむいたままトボトボと歩いていた。
話すべきことは一言もなかった。あの後では....

やがて、泉こなたは1人になると、やはりうつむいたままだった。....これから、どうすればいい.....


食卓を5人の女が囲む。父親は風邪をこじらせて入院してしまった。一言も話さないつかさとかがみを
姉たちと母親は心配そうに見ている。4人の娘の母であるみきは、年長のまつりといのりのほうに視線を配る。
二人は了解したという風な視線を返してくる。そして、みきは口を開いた。
239女たちの陰謀2:2008/12/18(木) 22:48:34 ID:3WeVDLgO
「かがみ、つかさ。ついに今日、黒井先生から秘密を明かされたのね」

双子は同時に顔を上げた。

「分かってるわね。この秘密は絶対に男性に明かしてはダメよ。命に関わることなんだからね」

かがみは溜まり溜まっていたものを吐き出した。

「お母さん!お姉ちゃん!なんで平気なの?意味がわかんないわよ。だったら、お父さんって一体なんなのよ」

かがみの隣でつかさが目に涙を浮かべている。かまわない。ショックは吐き出したほうがよっぽどいい。
みきは冷静だった。いのりとまつりの時も乗り越えてきているのだ。

「あの男はね。私たちに楽な生活と金を与えてくれる。私たちの代わりに働いてくれる。あなたたちも、同じことが
 できるようになるし、しなければならないのよ。周りを見てみなさい。ボロボロにこき使われるサラリーマン。
 必死に稼いだ金を惜しみなく女性に捧げる奴隷男」

母は父を「あの男」呼ばわりした。娘たちの目の前で...

「かがみ、つかさ、そういう男たちみたいになりたい?あなたたちには女性に生まれるという幸運を与えたつもりよ」

みきはぴしゃりと言った。

「これからは黒井先生とお母さんの指導の元、女性が人類の長い歴史で築きあげてきたその技を完璧に受け継ぎなさい」

丁度同じ頃、みゆきも母から同じようなことを聞かされていた。。


だが、こなたには家庭でサポートしてくれる母親が欠けていた。それが他の3人と違うところだった。
こなたは目の前で無邪気に食事に没頭している父の顔を見つめた。

父は知るまい...この世界は、史上最古にして最大の秘密結社によって支配されている。
”女性”という名の、その秘密結社が、男たちをいかに扱ってきたか。

世論が導いてきた「男のあるべき姿」、つまり、男はなんの疑問ももつことなく、女たちに尽くし、身を削って働き、
その機嫌をとるために願いをなんでも聞いてあげ、高価なプレゼントを買い、そうすればするほど、立派な男として
評価される。つまり、それは「女の幸せ」という呪文であり、それを叶えるために男は存在するのだ。

男が何の疑問も持たず、当然だと受け入れているそれは、すべて”女性”という名の史上最古で最大の秘密結社に
よる洗脳だったのだ。

こなたは父にすべてをぶちまけたかった。無邪気な顔の父が憎かった。
だが、黒井先生は言った。

....「ええか、思春期の少女がいきなりふさぎこむようになり、謎の自殺を遂げることがあるやろ。
 だがな、それは思春期の悩みとして大概は処理されるんや。秘密を守るためにな。忘れるなよ」

黒井先生は何度も念を押した。秘密を男性に漏らすものは、結社の手によって抹殺される....

食後、こなたは力なく、自室の机の椅子に座った。何気なくパソコンのスイッチを入れて、
インターネットを起動させる。

トップページを飾るのは、女性向けのスイーツやブランドもののハンドバッグ、アクセサリーなどの広告。
画面には、イケメンの男性が、それらを女性にプレゼントし、その女性が喜んでいる姿が映っている。
240女たちの陰謀3:2008/12/18(木) 22:49:39 ID:3WeVDLgO
”彼女に喜ばれる””今年のクリスマスはこれで決まり””男のポイントがぐんとアップだね”

どこを探しても、女性が高価なプレゼントを当然のように男性に捧げる図柄は見つからなかった。

泉こなたの中には、「男性のほうが自分に何でもしてくれて当然だ」という考えはなかった。
だが、同級生の子の中には、確かにそういう考えを持っているものが多数いる。
なんでだろう?多分、早くに母親をなくし、父の手ひとつで育てられ、早くからネットなどで男性中心のオタク文化に
染まってきたからだろう。同年代のそういう女子よりも、オタク男の気持ちのほうが良く分かるような気がしていた。

ふと、こなたはネトゲ仲間のある男のことを思い出し、ネトゲを起動させるとログインした。

彼は自らをグレゴリーと名乗っていた。プロフィールで自分の顔を晒していたが、ひどい顔だった。
自称、都内の専門学校生(美容師)だったが、どこからどうみても、三十路近いおっさん。
その風体は、美容師を目指す青年ではなく、九州あたりの低所得の肉体労働者であることがバレバレだった。
そして、グレゴリーは最近、その長い人生の中で初めて彼女が出来たとかなんとか言っていたような気がする。

ゲームの中の街中を歩いていると、グレゴリーを見つけた。
こなたは彼に話しかけてみる。

「やあ、コナコナ。俺は最近、リア充で忙しいけど、久しぶりに来てやったぜ!」

グレゴリーは聞かれもしないのに、自分のリア充ぶりを得意げに話す。
クリスマスプレゼントのことで頭を悩ませているグレゴリー
彼女のわがままをツンデレだと言うグレゴリー
自分は幸せだというグレゴリー

だが、こなたは分かっていた。そのからくりを。
こなたはグレゴリーの話に食いつくフリをしながら、巧妙に真実を暴き出す。

どうやら、最初はグレゴリーのプレゼントを喜んでいた彼女だが、だんだんとそれが当たり前のような
態度になり、しまいには高額なプレゼントを脅迫まがいに要求するようになってきたらしい。

黒井先生が言っていた、恋愛市場の最低ヒラエルキー、通称 「カモ」 と呼ばれる存在。

女性にとってひたすら搾取する対象でしかなく、搾り取るだけ搾り取った後、「カモ」はボロ雑巾のように捨てられる。
グレゴリーの彼女は、まさに教科書どおりのことを実行していた。

恋愛市場という、秘密結社”女性”がつくりあげた巧妙な男性搾取システム。その最下層にいるグレゴリーを
こなたは心から救いたいと思った。

「ねえ、グレゴリー、グレゴリーは本当に、今の彼女が自分を好きだと思ってる?」

こなたの放った一言に、グレゴリーはしばらく無言だった。
おそらく、モニターの向こうで、九州の惨めな男は唐突の一言にあわてふためいているのだろう。

「な、なにを言うんだ?」 返ってきたのはおおよそ飾り気のない単純なものだった。

「グレゴリーが彼女からねだられたものをもしも、買ってあげないとしてだよ。その場合、彼女はグレゴリーに
 ついてくるの?言われてるんでしょ、買ってくれないと別れるって!それって、グレゴリーのことを単なる財布だと
 思ってるからじゃない?」

「そ、そんらことない」

こなたは心が痛んだ。グレゴリーは今、苦しんでいるのだろう。こなたのことをひどい女だと思っているのだろう。
だが、誰かが言ってあげないと、気分が浮ついている自分では気がつかないものなのだ。
これはこなたなりの贖罪だった。今まで漠然と気がついていたことが、今日、確実に計画されたものだと気がついた。
こなたはトドメの一言を放った。
241女たちの陰謀4:2008/12/18(木) 22:51:07 ID:3WeVDLgO
「ねえ、彼女とはキスまで行った?」

グレゴリーの沈黙は長かった。あまりにも...そして

「いや、指一本触れさせてくれない」

と言い残し、グレゴリーは再び長い沈黙に陥った。
と、突然、会話に割り込んできたものがいた。

!!!!黒井先生!!!!!

こなたはハッと気がついた。そういえば黒井先生もネトゲ仲間でグレゴリーと知り合いだった!

「おう、お前らどないしたんや!ウチも話に混ぜたらんかい!」

うかつだった!こなたは自分のうかつさを呪った。
グレゴリーはこなたに言われたことを黒井に説明する。黒井のこなたに対する殺気がモニター越しに伝わってきそうだった。

「おまえなあ、もうちっと彼女を信用したれよ!そんなことでウジウジするなんて、そんな情けない男だから
 彼女も怒ってるんとちゃうか?」


黒井先生は”男としての在り方”という呪文をグレゴリーに唱え、そしてグレゴリーを思考停止状態にする。
こなたは改めて感じた。自分が敵対しているものは、地球人口の半分を擁する、史上最古で最大の秘密結社
”女性”であるということを。


翌日、学校に集まった女子生徒たちの様子は様々だった。割と平気そうな顔をしているもの、少し落ち込んでいるもの。
だが、特にB組に集まった4人は深刻だった。

つかさとかがみ、みゆきは昨日の食卓で、母親からしっかりと教育を受けていた。
この3人の目にともるのは、もはやあきらめのようなものだった。しかし、こなたは違った。
その目には恐怖が灯っていた。4人は、まるで一応の礼儀のように、おざなりな会話を続けている。

「そういえば、音楽の教科書を忘れたんだけど...」

つかさの言葉に、かがみが力なく応える。

「ほら、貸してあげるよ。よかったわね。私のクラスも偶然、今日、音楽の授業だったんだ..」

「音楽と言えば、今、ショパンのピアノ曲を習っているのですが、そのワルツは愛の...」

みゆきは途中で言葉に詰まった。....愛って一体なんなんだろう?

ふと、黒井先生が4人に向かって歩いてきた。こなたは顔を上げると、ピクンと体を震わせた。
黒井先生は4人の目の前まで来ると、ぶっきらぼうに言った。

「泉、ちょっと、職員室まで来い」

そして去っていった。無言で立ち上がるこなたの姿を、かがみとつかさ、みゆきは心配そうに見守っていた。
242女たちの陰謀5:2008/12/18(木) 22:52:10 ID:3WeVDLgO
職員室に来たこなたは、さらに別室の「進路指導室」に連れて行かれた。
この個室は生徒のプライバシーを守るためか、防音に優れ、また、その狭い部屋にこなたは圧迫感を感じた。

「さてと、お前、ワシをなめとんちゃうか?」

黒井ななこは目の前にしょんぼり座るこなたを見下ろしている。

「言うたやろがい、秘密を漏らしたらどうなるか」

ななこは懐からナイフを取り出した。ビビッて身動きひとつ出来ないこなたの頬に、ナイフの刃を当てる。

「教えてやるわ。ウチはな、表向きは私立高校の教師やけどな。実は結社の中で役目いうんを持っててなあ」

ナイフの刃をゆっくりと動かして、ななこはこなたの頬をナイフでなでる。

「ウチの役目いうんは、処刑人や」

こなたは恐怖のまなざしでななこを見つめた。ななこは片足をそっと持ち上げると、こなたの前の机に置く。
なまめかしい太ももがあらわになり、そして、ななこは上半身を倒し、顔をこなたの直前まで持って来る。
ななこの息がこなたの顔にかかる。

だが、こなたは勇気を振り絞って初めて口を開いた。

「先生、先生が初めてこの話を聞いたとき、どう思いました?」

ななこは上半身を起こし、片足を戻すと、こなたに背を向けた。

「ええな。次はお前は自殺として処理される。結社の力をもってすれば容易なことや」

それだけ言うと、ななこは去っていった。
しばらく経ってこなたは進路指導室を出て行った。


埼玉県にある小さな会社の所有する小さな工場。
そこが、人類の歴史を塗り替えるほどの大発明をしたとは信じがたいだろう。
工場内にずっしりと並ぶそれは「ダッチワイフ」だった。


かつて人類が手にしたものとは比べ物にならないほどの高性能で完璧なダッチワイフだった。
使命に燃えた技術者と社長のあまりにも熱い熱意が、遂にこの偉業を成し遂げたのだ。
だが、小さな会社ゆえに、宣伝のやり方も拙く、世間での注目はほとんどゼロに等しかった。

それも製品が世間に出回るまでのことだ。
これほどの偉業が埋もれることは絶対にない。すでに少数の受注が入っていた。
いずれ、その製品の評判が瞬く間に世界に知れ渡ることを、技術者と社長は確信していた。
だが、彼らは知らなかった。世界最古にして最大の秘密結社の存在を....

その結社の名は”女性”
情報を入手した”女性”は、工場を破壊する指令を埼玉県支部に伝えていた。
243女たちの陰謀6:2008/12/18(木) 22:53:10 ID:3WeVDLgO
黒井ななこによって呼び出されたメンバーは、こなた、つかさ、かがみ、みゆき だった。
なぜこの4人なのか? こなたは結社への忠誠を疑われて。

だが、つかさとかがみ、みゆきはなぜなのだろう。しかし、黒井の指定した待ち合わせ場所に
到着した4人は目を見張った。黒井ななこの横に並ぶ2人の女性。
それは、つかさとかがみの母親であるみき、そしてみゆきの母親のゆかりだった。

「びっくりさせてすまんかったな。ウチの両隣の御大はな、結社の支部長なんや」

あまりの出来事に4人の表情は固まったまま動かなかった。
今明かされた恐るべき真実。

「おまえらも支部長どののご令嬢として、将来、結社の中で責任ある地位を任せられるやろう。そのためには経験をつまんといかん。
 ま、泉は例外としてな」

こなたは黒井の不気味なまなざしを受け、うつむく。
そして、黒井は、ダッチワイフ工場爆破計画を淡々と4人に説明しはじめた。

こなた以外の3人は、ここ数日、唐突に目の前に展開していった事実を淡々と受け入れはじめている。
無理もない。彼女たちには母親のサポートがあった。ずっと母親を見てきて、心の奥底で
真実を感じ取っていたのだろう。
だが、こなたは違う。ずっと父だけがすべてだった。


そうじろうは間抜けな顔でTVを見ていた。
家事を済ませたこなたは、父の隣に座った。


そうじろうはチラリと娘を見て、また、TVに戻っていった。
だが、こなたは改めて父の姿を見つめる。

...どれだけあなたのことを誇りに思っているか。どれだけ愛しているか....

こなたは言葉で言うかわりに、そっと、両手でそうじろうの顔を包み込み、こちらを向かせる。
いきなりのこなたの行動に、そうじろうは分けの分からない顔をした。

しばらく時が止まった。こなたはそうじろうの頬を両手でなでるように愛撫する。

そして、一瞬、その唇を自分の唇でふさいだ。

......


やがて、こなたは急いで父の元から離れると

「きょ、今日だけだからね。じゃあ、おやすみ!」とだけ言うと、自分の部屋に走っていった。

顔を赤くして、あっけらかんとしたそうじろうだけが取り残された。
そして、こなたは、全世界の虐げられている哀れな生き物、”男性”のために立ち上がることを決意したのだった。

244女たちの陰謀7:2008/12/18(木) 22:54:51 ID:3WeVDLgO
ダッチワイフ工場爆破計画決行の日が訪れた。
こなたは、ななこの黒いワゴン車の助手席に座っていた。

「今日は、お前をしっかりと見張るで!結社への忠誠を証明してもらうからな」

ななこは、隣のこなたにしっかりと釘を刺す。今日、それを証明できなければこなたは消される。
集合場所には、すでに実行要員たちが到着していた。

工場のそばの空き地に、フォルクスワーゲンのカブト虫みたいな車と、ピカピカのメルセデスが止まっている。
そして、その傍らには、鷲宮市支部長の柊みきと、東京第三支部長の高良ゆかりが、それぞれの前に娘たちを立たせて
待ち構えていた。


「支部長どの、到着しました!」

ななこはこなたを連れて、彼女たちのほうへ向かう。
こなたは母親たちを見つめた。
美人だと評判の、友人の母親二人。だが、今やそれは世界最古で最大の秘密結社”女性”の主要構成員、
血も涙もなく、男たちを搾取する鬼だった。

ゆかりは、メルセデスのトランクを開けると、中から、何かが入った大きなずた袋を二つ取り出し、かがみとつかさ、
みゆきとこなたにそれを運ばせる。

実行要員たちは工場内の隅にある、小さな物置部屋に向かった。
そこには、準備要員たちによって、すでにガスボンベが手配されている。

物置部屋の中には他に、試作品であるダッチワイフが数体並んでいた。
彼女らは、その中の一体に目が釘付けになった。

.....なんという醜悪なダッチワイフだろう....


それは女ですらなかった。男型のダッチワイフ、いや、ダッチマンと言うべきか。
その姿はあまりにも醜悪だった。ひどい顔に突き出たビール腹、新品の合成樹皮特有の、表面の
テカりがなければ、それはまるで生きた人間そのものだった。
だが、テカテカとまるでワックスのように光るその肌は、醜悪さと不気味さをますます引き立てていた。

みきがたまらず声をあげる

「こんな気持ち悪い人形、一体、どんな需要があるのかしら?」

ゆかりは吐き気をこらえながらも答えた。

「世の中には特殊な趣味もありますのよ奥様...多分。 それにしても、こんな醜い男、まさに
 恋愛市場のカモにしかなりませんわね。
 搾れるだけ搾って、後は樹海に行くなり、秋葉原で拳銃自殺なりしてこの世から消えて欲しいわ」
245女たちの陰謀8:2008/12/18(木) 22:56:09 ID:3WeVDLgO
みきは二人の娘に言って聞かせる。

「いい、あなたたちもこんな醜い男なら、搾取するだけ搾取して、ボロ雑巾のように捨てても良心のかけらも痛まないでしょう。
 でもね、たとえ、どんなイケメンであっても、私たち”女性”にとっては性欲と物欲を満たすための道具でしかないのよ。
 私たちは男性に寄生することによって進化したといっても過言ではないわ。
 寄生虫は宿主がいないと死んでしまう...自分の力で生きようなんて馬鹿なことは考えないでね」

とくにかがみに視線を注ぐ。かがみはどちらかというと、他人に頼る傾向が妹のつかさに比べてうすい。
かがみは力なく「うん。分かったわお母さん」とだけ言った。

その醜悪なダッチマンは、醜い全裸を晒しながら、無表情で虚空を見つめていた。

ズタ袋の中には、さるぐつわをかまされロープでぐるぐる巻きにされた、社長と技術者がいた。
袋から出したその二人を、邪魔にならぬように入り口付近に置く。

ななこは言った。

「ええか、この二人が残業して、溶接機器用のガスタンクを交換してるときに
 くわえタバコで作業していたせいで引火し、工場は爆発するということになっとる。さてと、お前ら、
 このガスボンベを工場の中へ運びい」

皆が、ガスボンベのほうへ向き作業に取り掛かった。そして、こなたはついに行動を起こした。

こなたはガスボンベのひとつに飛びつくと、そのバルブを空ける。
そしてポケットからライターを取り出した。

こなたのいきなりの行動に皆、狼狽した。

「なにしとんねん!お前、なに考えとんねん!」

ななこの目に怒りの炎が燃える。

このままでは爆発する!皆、こなたから逃げようと後ろを振り向いた。
だが、後ろに立ちはだかっていたものは。

あの醜悪なダッチマンが、入り口のドアをふさぐように立っていた。
ダッチマンの後ろには、解放された社長と技術者が心配そうにこちらを見ている。

こなたはダッチマンに向かって叫んだ。

「グレゴリー!!!ドアを閉めて鍵をかけるのよ!!そして二人と一緒に逃げて。遠くまで」

体中にワックスを塗りたくり、ダッチマンを演じていたグレゴリーは
躊躇することなく、物置倉庫のドアを閉めた。そして南京錠をかけた。

話はすべて聞かせてもらった。こなたの言ったことは本当だった。
この世界は”女性”という世界人口の半分を擁する恐るべき秘密結社に支配されている。

わざわざ九州から埼玉へ来た。それはこなたの熱意の説得ゆえだった。
黒井先生の監視があるので、わずかしか話す機会はなかったが、実際に目の前で
真相を聞いた。

全裸のワックス男、グレゴリーは、社長と技術者をうながし走りに走った。

さよなら、コナコナ。君の勇気は絶対に忘れない。
246女たちの陰謀9:2008/12/18(木) 22:57:17 ID:3WeVDLgO
外から鍵をかけられた物置倉庫に、ガスのにおいが充満していく。

こなたは不気味な笑みを浮かべていた。

「どうせ、自殺に見せかけて殺されるくらいなら、お前らを道連れにして、世の中の役にたつ!
 この工場のダッチワイフは世界を変えるよ。
 こんな陰険で汚らわしい結社の時代はもう終わるんだよ」


ななこは震えていた。

「な、なあ。落ち着きいや。なんで、結社の一員ではいかんのや?これほど楽な人生はないで」

こなたの答えはわかりきっていた。

「こんな後ろめたいことを、こんなに卑しいくて汚らわしいことを背負って生きたくはないよ。
 この世界には価値がない。どうせ私が生き残ったとしても結社の追手から殺される。
 なら、私は世界に輝きを残して栄光のうちに死ぬ」

みきは顔を歪めながらも笑みを浮かべ、そして耳障りな高笑いを発した。

「きゃはははははーあんた、母親と一緒だね。やっぱり親子なんだね!あんたの母親はね、
 私が殺したのさ!当時、私は結社の処刑人だったのさ!きゃははははははは」

やっぱりそうだったのか。こなたは母親を心から誇りに思った。
やっぱり、お母さんはこの世界に耐えられなかった。結社の秘密を暴こうとして消されたのだった。

「お母さん、私を褒めて。私はあなたと同じことを感じ、同じ選択をした。それは正しかったんだよ」

充満したガスのせいでくらくらする。
ななこは絶叫した。

「ウチはまだ死にたくない!年収4000万以上、イケメンで高学歴、高身長の旦那を見つけるまで
 ウチは死ぬわけにはいかんのやあああああああああ」

すでに観念して、みゆきとつかさを抱きしめていたかがみは後ろからボソッとつぶやいた。

「地獄でもその夢を追ってなさい、このババア」


こなたはライターのスイッチを入れた。

247名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/18(木) 22:59:13 ID:nDGvtl+p
シェン
248グレゴリー:2008/12/18(木) 23:05:15 ID:O+DLruGl
ああ、連続投稿規制かかった。12時過ぎてから再開します。あと1章なのにぃ
249女たちの陰謀10:2008/12/18(木) 23:24:30 ID:3WeVDLgO
爆発は、工場の隅の部屋で起きたおかげで、工場内のダッチワイフはほとんど無傷だった。
そして、ダッチワイフは予定通り、出荷を開始した。


ダッチワイフの性能は驚くべきものだった。そして、それは拡張性を備えていた。
学習型コンピューターを搭載し、思考することができた。
また、出産機能も備えていた。
今はまだ実装されていないが、そのうちに遺伝学の研究がすすみ、2組の遺伝子が
あればそのダッチワイフは出産ができるだろう。

それが男同士の遺伝子でもかまわない。X染色体とY染色体をもつ男は
たとえ同性同士の結合であってもまったく問題はなかった。

そして、ダッチワイフは主人の愛と、この世から学ぶ喜び以外に何も要求することはなかった。
つまりこれは、男性が女性を必要としなくなるという可能性だった。

世界は、”女性”という秘密結社の束縛から逃れるための第一歩を歩みだしたのだった。

その第一歩から生み出された光明は、九州の哀れな男の元にも訪れた。

クリスマスを少し過ぎてしまったが、九州のグレゴリーの元に、こなたからのクリスマスプレゼントが届けられた。
こなたは死ぬつもりだったので、すべての貯金をはたいて、1人の哀れな男を救ったのだった。

大きな箱を空け、包装をはがすと、現れたのは青い長髪の小柄な少女だった。
頭のてっぺんに間抜けな癖毛と、目の下にホクロがあった。

ダッチワイフ会社の社長と技術者が気を利かせて、自分たちの救世主そっくりに作ったのだった。
人類を陰険な支配から救い、男性に光明を与えた英雄。

グレゴリーは、そのダッチワイフに迷うことなく 「こなた」 と名づけた。






250グレゴリー:2008/12/18(木) 23:27:02 ID:3WeVDLgO
なんとか一日で投稿できました。
支援乙です。

ななこの登場シーンが多いのですが、大阪弁が良く分からないため
不正確かもしれませんがご容赦を。

では、またノシ
251名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/19(金) 00:03:46 ID:JGYAlD/Z
>>250
お前はほんと奇才だなwww
面白いわ
252名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/19(金) 00:56:39 ID:qm9xzAJw
>>250
逝かれてるぜ!うん、あんた、最高だ。

個人的に黒井先生ネタで記憶に残ってるのは、
Wikiにも保管されてる『ちょい悪黒井先生』だけど、
ある意味あれのインパクトを越えたわwww
253名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/19(金) 11:00:17 ID:GBYUQe8j
>>250
不覚にもほろりと来てしまったw
254名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/19(金) 12:39:36 ID:tqohYIQl
面白かった…
すげぇなぁ…
255名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/19(金) 14:31:42 ID:DCZuZbmW
外界は内界を映し出す鏡なんですってよ奥様ご存じ? [主義・主張]
http://society6.2ch.net/test/read.cgi/shugi/1227188377/l50x
256名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/19(金) 17:25:53 ID:qzyewNB/
すげえ、ちょっと泣いてしまったわ。
257名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/19(金) 22:30:49 ID:tqohYIQl
って待て
ダッチマンかがつかみゆきだけは助ければ良かっ…なんて無粋か
258名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/20(土) 00:36:32 ID:tNMVJXXb
>>250
笑ったわw
自分を登場させるSSってのは叩かれる率高いんだが、これは許さざるを得ない。だって笑ったし。
あれか、「才能ある者は、全ての行為が許されている」って奴か。
罪と罰で、主人公が辿り着いた思想か。すげーよ、あれを見事実行してのけやがった。
ナポレオンになったグレゴリー氏。ここに敬意を称しよう。
主人公と同様、老婆も殺っちまってるし。
…いや、例えみきさんでも、老婆ってほど歳は喰ってないのか。
まぁいいや、誤差の範囲内。
259名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/20(土) 08:36:21 ID:taf2ZNmE
清原選手への恐喝 組員ら逮捕

 プロ野球・巨人の清原和博選手(三一)が暴力団関係者と一緒に
ゴルフをしていた写真を材料に脅されていた事件で、警視庁捜査
四課は十一日、恐喝未遂の疑いで神戸市須磨区須磨寺一ノ九ノ二六、
指定暴力団山口組系組員で韓国籍、山下勇こと金準坤容疑者(三一)
ら三人を逮捕した。清原選手は暴力団関係者との明確な認識はなか
ったとしているが、プロスポーツ選手と暴力団との“黒い交際”は
依然絶えない。改めて選手のモラルが問われそうだ。

ttp://www.sankei.co.jp/databox/paper/9905/12/paper/today/national/na1/12na1001.htm

>韓国籍、山下勇こと金準坤容疑者(三一)
260グレゴリー:2008/12/20(土) 12:14:35 ID:TbVRVPF+
>>258
罪と罰は、作者の明らかな投影である主人公が、イケメン設定であることを笑う作品です。
作中にグレゴリーを登場させたのは、らきすたの中に、彼に相当するような惨めなキャラがいないがゆえの、苦渋の決断。決して、作中で自らを貶めるのが趣味だからではありません。
261グレゴリー:2008/12/20(土) 12:48:22 ID:TbVRVPF+
>>257
ダッチマンが急にヒーロー的な活躍をするのはちと方向性がちがうと思うし。
何よりも自己礼賛として叩かれますわい。
262名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/20(土) 22:43:44 ID:gPCmLKsm
グレ氏は新しい時代の旗手の一人
263名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/20(土) 23:08:57 ID:7Jkh6aTn
そういや一昔前に筋肉っていう職人が居たっけ
264名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/20(土) 23:50:17 ID:8f3cDagO
彼もまたアッパー系だったな。
>>260
ていうか作中グレゴリーのキャラ面白いんで、これからもSS登場希望。
俺の中でグレゴリー氏は自殺スレのマスコットキャラです。
265お漏らし中尉:2008/12/21(日) 01:09:33 ID:EFoAF3US
>>261
いやあ、凄い面白いですよ!
発想がとっぴなのに綺麗にまとめちゃう辺りが感動します。
哲学的なのか自虐的なのか・・・・とにかくGJです!

グレゴリー氏の後で恐縮ですが、病気のこなたのSSを投下します
暇つぶしにどうぞ
266お漏らし中尉:2008/12/21(日) 01:10:03 ID:EFoAF3US
【サンタの鎮魂歌】

「世間はすっかり、クリスマス一色ねえ・・」

道行く道に流れるクリスマスソングを聞きながら
白い吐息が乾いた空間を淡く染める
クリスマスの文字が眩しく光るウィンドウでは
今では現実には積る事の無い様な雪化粧が誇らしげに輝いていた
もっとも、祭りに浮かれた人間達には関係の無いことだ・・・
こなたは少し疎ましげにかがみの言葉に相槌を打つ

「そだねぇ・・」

こなたとかがみはとある理由で、商店街をうろついていた

それは、かがみの彼氏へのクリスマスプレゼントを買う為だ
そう、かがみには彼氏がいる
二ヶ月前に出来た年上の男で、現在は大学生・・・・しかも、かなりの秀才だそうだ
こなたはその男の情けない顔を思い浮かべ
何度も心の中で打ちのめす

頭の中で、こなたが放つ容赦ない鉄槌は確実に男に命中する
かがみの目の前で男は聞いた事も無い声で嗚咽を漏らし
頭を抱えては許しを乞うのだ

しかし、こなたは許さない
何度も何度も必要以上に頭へと鉄槌を振り下ろしていく

もはや声を上げる事もままなら無い男は、醜態をさらし
赤く染まっていく地面の上で小刻みに踊るのだ

「もうやめて!」と飛び掛ってきたかがみは男に被さり、こなたを睨むが
次の瞬間、その額がパックリと割れて中から血液が噴出す
そして、血だまりが広がっていき二人が静かになる頃には
一面が真っ赤に染まっているのだ

こなたは心の中の映像を何度もループさせると
自らの女性器が知らぬ間に蜜を垂らしていることに気が付いた

「ほらほら、こんなのどうかな?★」
「喜んでくれるんじゃない?・・・・・・・」
267お漏らし中尉:2008/12/21(日) 01:10:45 ID:EFoAF3US

男性ものの手袋とマフラーのセットを持って跳ね回るかがみは
今まで見たことも無いほどの笑顔でこなたに問いかける
紅潮した頬からは、相手への愛しい気持ちが見て取れる
きっと、あの男に抱かれている時は体中を紅潮させて
快楽で解けてしまいそうな程に踊り狂うのだろう

こなたはもう一度、頭の中の世界に潜り込む
そして、血にまみれた男を完全に葬り去ると
息も絶え絶えのかがみの腕を掴み上げ、乱暴に血だまりに押し倒した
上気したかがみの肌は、憎らしい男の鮮血に染まって淫らに揺れる
こなたは
もはや抵抗の意思を失い、虚ろになったかがみの体を味わうように嘗め回す
血液の鉄の味と純潔を失ったかがみの甘美な舌触りがこなたを熱くした

こなたはかがみの髪を掴み、唇を重ねると
何時の間にかこなたに生え出た男性器を強引にかがみの口にねじ込んだ
言い知れぬ快感がこなたの全身の血液を逆流させる
かがみは苦悶の表情を浮かべながらも、嗚咽交じりにこなたをしゃぶる
純潔を失い、汚れた乙女にはもはや抗う術など無い
たとえ悪魔とでも、甘美な快楽を見出せる肉欲の奴隷は
何時の間にか自らの意思で、恋人の敵を受け入れる

かがみの舌はこなたの男性器を愛撫し、
苦悶の表情が恍惚とした色香を発し始めた頃、こなたの血流はある一点にめぐり
かがみの唇を、まっ白な白濁液で染めた

夜空がネオンで照らされて
プレゼントのリボンが交差点で揺れる

「ふふ♪プレゼントも買ったことだし・・・彼、喜んでくれるかなぁ・・・・?」
「かがみんのプレゼントだもん、きっと喜んでくれるに決まってるよ☆」

きっと、かがみはプレゼントを渡した後で、あの男の性欲の捌け口になるのだろう
何度も愛撫され、全身を使って男を喜ばせる親友
なんとも滑稽で、汚れた『性夜』なのだろうか?

こなたの頭の中のかがみは既に我慢できなくなって
悪根を蕾に導こうとしている
こなたはかがみの頭を掴み、床に押し付けると蕾ではなく
受け入れるべきでない汚れた穴を、自らの怒張で押し広げる
「いぎい!」というかがみの悲鳴と共に、この世のものとは思えない快楽が
こなたの頭を支配した
268お漏らし中尉:2008/12/21(日) 01:12:52 ID:EFoAF3US

何度も揺れるかがみの体は、淫らな液体を散らす音でさらに汚れを帯び
淡く染まった紅色が親友の涙で染まっていく
知らぬ間に増えた自分の分身はかがみの口と蕾を塞ぎ
嗚咽と荒い息が空間を支配する
何度も繰り返される贖罪を経て、こなたの白い血で染まっていく肢体には
恋人の血など一滴も残ってはいない

あるのは色と性欲の果てに堕ちた雌犬の性のみだ・・・・

愛しかった柊かがみは死に耐えて
変わりに生まれた汚れた女
この女がかがみのふりをし続けて生きていく様など
私には耐えられない

この女の特別な日を、私が血で染め上げてやる・・・・
私の命にかえてでも



夜空には無数の星たち
今日という聖夜を怪我す愚か者どもを見下すようにして、彼らは微笑んでいる
あざ笑っているのは月・・・・
空は人間を凍えさせ、死に至らせる為に雪を降らし
木枯らしが吹く

愚か者どもはそれをロマンチックなどと勘違いしては色に埋もれるのだ
友人を殺した魔物は、この世の中に無数にいる影の欠片だ
私なんかじゃどうすることも出来ない
でも、友人の死を弔うことは出来る

こなたは躊躇う事無く、空に近いこの場所から地面に舞い降りると
真下に見える友人に声を掛けた

「かがみいいいいいいい!!」
「・・・・・え?」

彼女が上を見上げた瞬間、私と彼女の眼が合う・・・・
雪も風も時間も・・・完全に止まった無音の空間

私は友人の魂を浄化することが出来た・・・・
きっと、かがみも喜んでくれることだろう

私の思いが愚か者達の心に大きな傷痕を残す様に
雪は赤く染まった

かがみ・・・、私のプレゼント喜んでくれたかな?

メリー・クリスマス





おしまい
269お漏らし中尉:2008/12/21(日) 01:13:48 ID:EFoAF3US
不快に思った方は申し訳ありません
では、みなさん良いクリスマスを〜
270名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/21(日) 01:18:29 ID:2HcgOlrr
>>269
珍しくお漏らししなかった!
でも乙です。
271名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/21(日) 01:30:12 ID:oarb2Al7
>>269
中尉乙
中尉といいグレゴリーといい濃いなwww
272名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/21(日) 02:00:22 ID:Qz8TJqh2
>>269
乙乙
やっぱ中尉好きです
273名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/21(日) 02:01:44 ID:q0WY86Hy
>>272
あんたなんか嫌いだってよ!
274名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/21(日) 14:01:29 ID:5zW5ASZp
>>269
中尉乙!
俺にフタナリ思想は毛頭ないが、中尉の文章で
ちょっとオッキしかけた俺がいる。
275グレゴリー:2008/12/21(日) 14:33:26 ID:lxmAg7bz
>>269
やっぱ、すげーなwこの流麗な文章は私では逆立ちしても真似できない。
ストーリーのほとんどがこなたの妄想で成り立っているという構成も
面白い。てか、かがみの彼氏の秀才っていうのは中尉ご自身か?
276お漏らし中尉:2008/12/21(日) 22:16:01 ID:EFoAF3US
>>270

>何度も揺れるかがみの体は、淫らな液体を散らす音でさらに汚れを帯び

実はここでお漏らししちゃってますw

>>271

自分的には薄口にしたつもりなんですがw
濃くしちゃうと収容されてしまいます・・・

>>272

ありがとうございます
僕も好きです!

>>273

え!?

>>274

僕もフタナリには興味無いんですが、何故かオッキしながらタイピングってました・・・・
これって究極の愛なんでしょうか?w

>>275

毎度、お褒めに預かりましてw
結構な駄作のつもりだったんですが、思わぬ反響にびっくり・・・・
ちなみにかがみの彼氏はチャラチャラした大学生なのでフルボッコにしちゃいました
秀才になりたい
277名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/21(日) 23:43:36 ID:/1OEF72u
ホランド「ガキはすっこんでろ!!」
278名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/21(日) 23:45:04 ID:cPAcAgdB
かがみの彼氏はチャラ男かい
それならこなたの気持ちもわかるね
279名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/22(月) 00:03:04 ID:UXnuxdLO
280名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/22(月) 00:49:44 ID:jWW+Fw2k
何か書いてくれないと
ただの転載なのかこのスレのために描いてくれたのか分からんだろw
281名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/22(月) 00:52:34 ID:v4Wio4FM
ちゅーい乙!
282JEDI_tkms1984:2008/12/22(月) 12:03:31 ID:zoBMkGoe
>>250

 勢い凄まじい展開なのに、こなた自殺の動機に矛盾がないのが素晴らしいです。
愚直で蒙昧な男は……税金から何から、あらゆる存在によって全てを搾取されるのか……。
文字通り搾りカスになってしまいそうです。
グレゴリーさんのSSを読んでいると、大好きだったホラー漫画家を思い出します。

>>269

 こなたはかがみが好きだったのか、それとも性行為や色恋沙汰を穢れしと見ていたのか。
特に思想を持たないくせにクリスマスだのハロウィンだのと洋の西の文化を曖昧に受け入れ、
形だけのお祭りで浮かれ躍るこの国の人間性を痛切に皮肉った作品と言えるでしょう。
ところで文体が素敵過ぎます。
この語彙力は見習いたいところです。
283お漏らし中尉:2008/12/23(火) 00:27:04 ID:FnCnsrWo
>>281
ありがちゅー!

>>282
毎度ご丁寧な感想を有難うございます!
なんだか壮大な作品になったような気がしますが、全然w
ただの文字遊びが好きな男のSSですよ
しかし、こう褒められるとものすごく照れてしまいます。
ほんと、有難うございます!!
284お漏らし中尉:2008/12/23(火) 00:27:54 ID:FnCnsrWo
>>278
僕の気持ちわかってくれますかw
あ、いやこなたの気持ちでしたw
285お漏らし中尉:2008/12/23(火) 00:31:00 ID:FnCnsrWo
ところで、実は結構時間が余ってまして・・・・
でもPCの前から動けない、という半端なこの状況を打破する為に
SSを書こうと思ったのですが・・・・いいネタがなくて

誰か「こんなの書いて!」ってのありませんか?
早いもの勝ちって事で一つ
286名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/23(火) 00:47:16 ID:9ja/Jj9c
もらせ
287名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/23(火) 00:48:49 ID:GJJx4TfR
いつも通りで吹いたw
288名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/23(火) 00:50:15 ID:n9U1K+f6
とりあえず漏らせ
289お漏らし中尉:2008/12/23(火) 00:59:52 ID:FnCnsrWo
逆に難しいw
290お漏らし中尉:2008/12/23(火) 01:57:36 ID:FnCnsrWo
若干グロになりそうですが、ユックリ投下します

【こなた狩り】

冬を月が照らす
12月のこの時期は空気が澄んでいて、夜が美しい
美しいその夜道をかすかに照らす街灯に映し出されて
少女の吐息は何ものよりも白く、闇を曇らせる

「はあ・・・はあ・・・はあ・・・・」

その息遣いたるやまるで、草食動物がハンターから逃れるような
そんな緊迫感が伺える程に震えを纏っていた


世の中には・・・・狩るものと狩られる者の二者がいる


どれくらい走った?
どれくらいの時間がたった?

いくら走っても、いくら息を切らせても少女は安息にたどり着けない
ただ響く足音が、この暗闇に木霊する

いつも見慣れた公園のベンチ
並木道の中にぽつんと光る街頭には冬だというのに虫がたかり
不快な羽音の協奏曲を奏でている

気に留めたこともなかったがこの空間は広いようで狭い
閑散とした空間だからこそこだろうか?
まるで一面が自分を飲み込む渦の様に網膜へと投射される

「あ!?」

不意に何かが自分の足を掴んだ様な気がして少女は体を捩る

291お漏らし中尉:2008/12/23(火) 01:58:46 ID:FnCnsrWo
足に絡んだのは自分の靴紐・・・・
視界は知らぬ間に星空を見上げ、幼さの残る膝小僧からは真っ赤な液体が流れ出す

少女は「うう・・」という微かなうめき声を上げて賢明に立ち上がろうとしたが
足を捻ってしまったらしく思うように立ち上がれない

言い知れぬ恐怖が少女を襲う
暗闇からは足音
そのリズムから、相手は男だとわかる
大人の男だ・・・・

鈍く光るその輝きはゆらゆらと闇を泳ぎ出て
少女のいるそこへと迷いなく歩み寄る
暗闇に光る眼光は感情なき・・・
いや、感情を読み取れないその視線で少女を射抜いた

「・・・やめて・・・どうしちゃったの?」
「・・・・・・」

少女の瞳からは大粒の涙が溢れ、懇願の声が乾燥した空気に消える
男はそんな事、意にも介さず少女へと近づいてきた
やがて月を覆う雲が僅かに月光を地上に注いだ時
その男の顔が闇を切り取って浮かび上がった

青い髪、やや頬のこけた無精ひげ
目元に黒子が特徴的な高身長の男
血に濡れた作務衣には見慣れた赤色の髪とリボンが付着している
おそらく先にやられた少女のものであろうが
少女は未だにその現実を受け入れられないでいる

少女は消え入りそうな声で再び届かぬ哀願を音にした

「・・・やめて・・・お父さん・・・・」
292名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/23(火) 02:14:19 ID:GJJx4TfR
早くも規制か。解除支援
293お漏らし中尉:2008/12/23(火) 03:08:00 ID:FnCnsrWo
>>292
ありがとうございます
でも規制じゃなくて、リアルタイムで書いてるので遅くなってしまうんです
申し訳ありません

>>291
12月22日 夕刻

その日、こなたが目にした光景は異様なものだった

春日部の道路にひしめく沢山のトラック
そこに群がる大人たち
その中にはかがみやつかさの両親、みゆきの母親の姿もある
大人たちは番号札の様な物を受け取りにこやかに会話をしていた

「こんにちわ〜☆」

こなたは好奇心に駆られてか、友人の両親達に挨拶を投げかける

「あら、こなたちゃん こんにちは♪」
「娘がいつもお世話になって・・・・」

「あら、こなたちゃん。元気にしてる?」

みんなはこなたの挨拶に快く応えてくれる
和やかな雰囲気に絆されながら
自分達がいかに恵まれた環境にいるかを確認した気持ちになる

「いえいえ、こっちこそ皆と仲良くしてもらって・・・・」

こなたがそう答えようとしたその時、こなたの目にとまったものがあった
それは大人たちが持っている番号札だ・・・・

その番号札には『柊かがみ』『柊つかさ』と他の姉の名が書かれていた
気になってゆかりの番号札も見せてもらったがやはり『高良みゆき』と書かれている
一体なんなのだろうか?
何の為にこんな札を大人たちが持っているのだろうか?
それに大人たちはどこか楽しそうにお互い言葉を交し合っている

「いやあ〜ついにこの日が来ましたなぁ」
「この日が来るのが本当に待ち遠しくて、娘も程よく発育しましたしねぇ」
「いいですなぁ、池田さんのところは・・・うちなんか男ばかりなので・・・・」
「何を言いますか、ここはビシッと父親の威厳を見せるのがいいんじゃないですかw」

みんな何の話をしているのだろうか?
こなたは不思議になってゆかりに聞いてみた

「皆さん、今日は何かあるんですか?」
「ええ、今日はすっごく特別な日なのよ〜♪」

ゆかりはそう答えるとみきに「ネ〜☆」と相槌を求めた
みきもニンマリ笑って「ホント、その為に今まで苦労してきたんですもの★」
と楽しそうに両手を組んだ
ただおは「ウンウン」と嬉しそうに頷くとこなたにニッコリと微笑む

「きっとこなたちゃんのお父さんも今頃、こなちゃんの帰りを楽しみに待ってるんじゃないかな?」
「え・・・・?」
294お漏らし中尉:2008/12/23(火) 03:15:31 ID:FnCnsrWo

「そうよね、だって今日は特別な日だものね♪」
「・・・・」

「でも、そうじろうさんの事だから教育上良くない事までしちゃったりして☆」
「・・・・何・・・?それ・・・」

「うふふふふ」
「あはははははは」
「ぷぷぷぷ」

三人は大きな声で笑い出した
それはいつも見る穏やかな三人とはかけ離れた異様な雰囲気をかもし出している

「何?何なの!?・・・・一体、今から何が始まるの!!?」

こなたの怒声に三人の笑い声は止み
かわりに無音の静寂がこなたを襲う

「・・・・・」

空気に呑まれて動けなくなったこなたに近づくのはゆかり
普段は閉じられているように見える瞳は薄っすらと開き、眼光はこなたの両眼を射抜く

「ふふ・・・今からね・・・狩りが始まるのよ?」
「狩り・・・・って」

「狩りは狩りよ、獲物を追うの」
「・・・・え?」

「もう、察しが悪いのねぇ・・・・ホラ、ここになんて書いてある?」

295お漏らし中尉:2008/12/23(火) 03:16:14 ID:FnCnsrWo
ゆかりは自分の持っている番号札をこなたの目の前にかざした
そこには見知った友人の名前が先ほどと同じく書かれている

「高良みゆき・・」
「そう・・」

ゆかりは満足そうにその札をヒラヒラさせると、今まで見せたことの無いような
強烈な笑みをこなたに向けた

「これが私の獲物よ・・・・ふふ」
「獲物って・・・・自分の娘じゃん!?」

「そうよ、自分の娘・・・・17年間大切に育ててきた愛娘・・・・」
「だったら・・・」

ゆかりはウットリとした顔でみゆき名を指でなぞると
今度はその札を思い切り握り閉める

「愛娘を私がこの手でしとめるのよ・・・・17年の愛の結晶を私がこの手で・・・」

周囲を見回すとみきやただお・・・その他の大人たちも札の名前を見て恍惚とした表情を浮かべている
もはや冗談などというレベルじゃない
こなたは怖くなってその場から走り去る

すると、後ろから声が聞こえた
声の主はゆかりだ

「そうじろうさんはもう帰ったわよ!こなたちゃんもせいぜい気をつけてね♪」

こなたはその声を振り切るようにして、この異常な空間を後にした

296お漏らし中尉:2008/12/23(火) 03:39:24 ID:FnCnsrWo
つづく

予想以上にグロなのでどうしようか悩みます
おやすみなさい
297ヤク中大分:2008/12/23(火) 15:02:46 ID:hv6x4c22
http://upload.jpn.ph/upload/upload.php?id=31388
クリスマスの鎮魂歌 こなたの中のかがみ
白いのも描いてみたけど潰れてしまった
298ヤク中大分:2008/12/23(火) 15:07:38 ID:hv6x4c22
sage忘れすいません
299名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/23(火) 18:47:47 ID:VL05UIkz
相変わらず神入ってるな。
絵も素晴らしいけど、
軽々しさや気取りのない、シンプルな態度も素晴らしい。
馴れ合いが悪いとは言わないけれども。
300グレゴリー:2008/12/23(火) 21:59:24 ID:2Iv6rsms
>>298
良く見たらザーメン、結構リアルだしw
>>296
そうじろうによる父子相姦&カニバル希望。
301名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/24(水) 00:57:26 ID:DuU681NN
>>296
いいぞ、もっとやれ
302名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/24(水) 02:30:35 ID:L7m1mu8p
おまえらメリクリ
303名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/24(水) 02:39:08 ID:nRoYMh73
あぁ?
304お漏らし中尉:2008/12/24(水) 02:57:48 ID:/jWtIiEm
>>297
大分さんの有難うございます!大分さんの描くらきキャラは大好きです。


昨日の続き(グロ、性描写注意)


ひとしきり走ったこなた
見慣れた帰路をまるで逃げ惑うかのようにして駆けていく
いつもの角を曲がり、真っ直ぐ走って三番目
左脇に見えるのは17年間過ごした思い出の我が家

日は既に沈みかけており、普段では感じなかったおどろおどろしい空気に息を呑んだ

こなたは緊張しながら外門をまたぎ
家のドアに手をかける

人の気配は感じるが、物音はしない・・・・

「・・・・お願い・・・・」

少女は何かを天に祈るようにして扉を開ける
隙間から漏れる廊下の照明
そっとドアを開いていくと、そこにはいつもの我が家が目に映る

「・・・・はは・・・なんだ・・・」

一気に緊張が解けた
そうだ、そんな筈は無い
あれはきっと何かの間違いか、大人たちの軽い冗談か何かだったのだろう

そういえばあのトラックも普通の工事現場になるような外装だったし
宣言車だって、選挙か何かの人間がたまたま止めていたに違いない

こなたはそう思い、一度大きく深呼吸をした後帰宅の挨拶をした

「お父さん、ただいま〜」

ガタン!!

「え!?」

突然、奥の方から大きな音が聞こえる
それとほぼ同時に「ぎゃうう!!」という悲鳴が聞こえた
女の子の声だ・・・この家にいる自分以外の女の子といえば・・・

「ゆーちゃん!?」

こなたは急いで台所へ駆け込んだがそこには誰もいない
台所に入ってすぐ、こなたは硬いものが足に刺さる感じがした
気になって足を上げてみると、そこには血のついた白いものがばら撒かれている
それを手にとった瞬間、少女の鼓動は途端に早くなった
305お漏らし中尉:2008/12/24(水) 02:58:22 ID:/jWtIiEm

それは『歯』である

良く見てみると、台所のいたる所が何かで壊された後があり
椅子は倒れ、整頓されていた食器も調理道具も床に散乱していた
そして、テーブルには血液の様なものが付着している
こなたが割れた食器を踏まないように隣の部屋へと行こうとした時
あるものが目に飛び込んできた

「なんなの・・・・これ」

摘み上げたソレは、血と何か粘液の様なものが付着した女の子物の下着だ・・・・
ソレは無残に破られており
周囲には自分が着ている制服と同じものであろう残骸が散らばっている
こなたはゆかりが言っていた事を思い出す

『愛娘を私がこの手でしとめるのよ・・・・17年の愛の結晶を私がこの手で・・・』

まさか・・・・・
良く無い光景が思い浮かぶ、それと同時に強烈な眩暈がする
少女の小さな胸は今にも引き裂かれてしまいそうだ

しかし、コレは現実に起こっていることだ

「いひゃあ!もう・・やべ!んああああ!!・・・ごふ・・・」

立ち尽くしていると、ゆたかの物であろう声が再び聞こえた
どうやらそうじろうの書斎から聞こえるようだ
こなたは万が一に備えてフライパンを手にとって書斎へと進んだ

書斎に近づくにつれて、そうじろうのものであろう荒々しい息と少女の苦しそうな声が
臨場感を増して、こなたの鼓膜を振動させる
それを感じるたびに、ここが現実の世界であることを認識させられるのだ

書斎にたどり着いたこなたはそっと扉の隙間から中の様子をうかがった
薄っすらと明かりのついたその部屋の中、こなたの目に飛び込んできたのは
半裸のゆたかを羽交い絞めにし、快楽をむさぼる実の父・・・・
そうじろうの姿だった

ゆたかの可愛かった顔は見る影も無いほどに赤く染まり
まともに喋れるかどうかも危ういほどに、口から鼻から血と涎を流している
細い首筋や発育しきらないその体はそうじろうから受けたであろう暴行の後が
はっきりと見て取れる

「おじざん・・・やべ・・てえぇぇ・・ふっぐう!?・・・」
「ああ、もう少しで・・はあ・・・はあ・・終わるよ・・はあ・・・・はあ」

両手を大人の力で掴まれたひ弱な少女は、逆らうことも許されず
ただただ、その体を弄ばれている
306お漏らし中尉:2008/12/24(水) 03:01:23 ID:/jWtIiEm

「うううう・・・・ぎっふう・・・・あええ・・・!んん!」
「はあ・・・・しかし・・・ゆたかちゃんも運が無いよね・・・はあ・・はあ・・・」

バシ!

そうじろうはそういってゆたかの顔面を思い切り弾いた

「ぎゃぶうう!?」
「もっと、大きな声で・・・」

ガス!!

今度はゆたかの顔面に向かって拳を振り下ろす

ゆたかは「ぎいいい!?」と言う声を上げて両足をバタつかせるがまったく身動きが取れない
床の上にはゆたかの鼻血が舞い、抜けた歯が散らばる

「おひしゃん・・・・ひゃべ・・てえ・・・いたひいよお・・・ひゃべて・・・」
「そう、その顔・・・その声・・・あ・・・沸くんだよアイデアが!いい!!いい!!」

そうじろうはそういうと、今まで律動的だったその腰の動きを野生じみたものへと変化させる
ぱちゅぱちゅという液体音と床の軋む音が木霊する部屋の中
ゆたかは更に苦しそうな声をあげ、顔を歪ませる

「おじひゃ!たふけてへ!!たふけへえええ!!?」
「きたきたきた・・・あああああああああ!!!」

そうじろうの絶叫が最高潮に達した後
実の父親は幾度かの痙攣と「あ・・ああ・・・」という情け無い声を絞り出している
それでも尚、そうじろうは ぱちゃ・・ぱちゃと体を揺らしゆたかの中に欲望を垂れ流す
その姿は普段の父親からは想像もできない程の猟奇的なもの
こなたは従姉妹が酷い目にあっている事を知りながらも動くことすら叶わない
まるで、何者かに手足をもぎ取られてしまったかの様に体が重い

ひとしきり行為を終えた、けだものは穏やかな顔つきでゆたかの根の前に顔を持っていく

「どうだいゆたかちゃん?気持ちよかった?それとも痛かった?」
「・・・・たしゅけへえ・・・」

「・・・ふー・・」
307お漏らし中尉:2008/12/24(水) 03:05:21 ID:/jWtIiEm
そうじろうは小さくため息を付くとゆたかをユックリとおこし
肩を担ぎ上げた
ゆたかは何処となく安堵したのだろう、恐らく自分の願いがそうじろうに伝わったのだと


そう、錯覚した


ガツ!!

「いぎゃ!?」

書斎のテーブルが顔面を捉える
そうじろうはゆたかの体を部屋の中の物にぶつけ始めたのだ

「気持ち良いか?って聞いてるだろ!?痛いかって聞いてるだろ!?ええ!?」
「ひぎゃあ!」

そうじろうはゆたかを打ち付けた、壁に、柱に、ガラス戸に、机に・・・・
小早川家から預かった大切な大切な子供、ゆたかをあらん限りの非道を繰り返した末に
それ以上の暴力を加えようとしている

「いぎゃああああ!?があ!!」
「どうなんだい!?ゆたかちゃん!泣いてちゃ解らないだろ!?」

「いひや!!?」

ゆたかの体が宙を舞う、その小さな華奢な体はこなたのいる方向に飛んできた
ドゴン!!というもの凄い音と共にドアの金具は外れ、従姉妹は木の床に倒れこんだ

「・・・・おで・・・ちゃ・・・」
「ゆーちゃん!」

こなたはゆたかに駆け寄ろうとしたが、体が動かない

「なんだ、こなた帰ってたのか・・・どうだった?学校は?」
308お漏らし中尉:2008/12/24(水) 03:06:23 ID:/jWtIiEm

そうじろうはいつもの様に優しい目でこなたに話しかけてくる
しかし、目の前のゆたかはどうだろうか?
弱りきって、傷付いて・・・・この娘が何か悪いことをしたのだろうか?

「ゆー・・・・」

ゴチャ!!

再び従姉妹の名前を呼ぼうとしたこなたは、目を疑った
今までゆたかの頭があった場所には大きな四角い鉄の箱がある・・・・

ああ・・コレはお父さんが印鑑やカードを入れるのに使っている金庫だ
近所のナホコで買ったんだっけ、鉈買ってって言ったけど却下されたんだよね・・・

金庫の下からは赤黒い液体が滲み出る
髪の間からは原型をとどめていないゆたかの顔が半分見え
そのはみ出た眼球は顔とは違う方向を眺めて泣いていた

「・・・・ゆーちゃんが・・・・」

あれほど可愛かったゆたかが目の前で動かなくなったのだ
逸し纏わぬ幼い体には痣や痛々しい傷痕・・・純潔まで奪われてしまった
きっと想像を絶するほどの恐怖だっただろう

そして、それの恥辱と凶行を行った人間が今、こなたの目に前に佇む

「お父さん・・・・」

そうじろうは餌を見つけた獣の様に、穏やかな瞳で愛娘を見下ろしていた

「・・・こなた・・・お前はどんな味がするんだい?」





つづく
309名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/24(水) 16:18:49 ID:hLcIraaJ
>>308
中尉にとってのゆたかは弄ばれ役ですねw
310グレゴリー:2008/12/25(木) 20:07:50 ID:6WsH1ts7
>>308
やべえー血が沸いてきたwさすが俺のパイオニア!
目も当てられないほどの惨劇を望むぅ心から望むぅ
311名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/25(木) 21:56:38 ID:WCKXMZYo
SS、落 とします。
中二病入ってる上に長いので、嫌いな方はNGお願いします。
312審判:2008/12/25(木) 21:57:36 ID:WCKXMZYo
 いつもと変わらない風景だった。
「でね、渚っていう触覚キャラがメインキャラなんだけど…」
 いつもと同じように、こなたがつかさ達の前でアニメの話をする風景。
「他のサブキャラの方が、キャラ立ってるんだよね〜」
 けれども、破綻は唐突に訪れる。
「光の玉を集める目的で、女の子を使い捨てるやり口は疑問だな〜」
 日常なんて、誰かの匙加減一つで簡単に覆るものだから。

「あはは、確かに話だけ聞いてると酷い気もするね」
 つかさは困惑気味に笑った。
女の子を使い捨てる、そのやり口の酷さに共感したが故の表情だとこなたは解釈し、
話を続けようとした。
しかし、喉元まで出かかった話の続きは、冷ややかなかがみの声によって止められた。
「つかさ、無理して話合わせる必要はないわ」
「お、お姉ちゃん…」
「かがみさん?」
 かがみがこなたに食ってかかるのは日常の光景の一コマだが、
今回はいつもと様子が違う。
いつもなら、かがみは吠えるような勢いでこなたに食ってかかっていくのだが、
それは漫才のような一種の遊びめいたやり取りでしかなかった。
だが今回は、冷たく突き放すような色が声に漂っていた。
それを敏感に感じ取ったのか、みゆきは訝しげにかがみを見つめた。
 こなたとて、鈍感ではない。
いつものようにからかう事はせず、珍しく真剣な声音でかがみに問いかける。
「かがみ、いきなりどうしたの?」
「どうしたもこうしたもない。つかさ、嫌なら嫌とはっきり言ったほうがいいわ。
こいつは鈍感な人間だから、はっきりと指摘されるまで相手の痛みに気付けない」
 こいつ、それがこなたを指している事は、かがみの視線を辿れば一目瞭然だった。
「お姉ちゃん、ちょっと言いすぎ…」
 つかさはかがみとこなたを交互に見ながら、気弱な声でかがみを嗜めた。
しかし、かがみの口は止まらなかった。
「つかさ、アンタがはっきりと言えないなら、私が代弁してあげる。
こなた、つかさはね、迷惑してるのよ、アンタの下らない秋葉系の話に付き合わされて」
 こなたはつかさを見つめた。かがみの発言に反論しない所を見ると、
どうやらかがみの言っている事は真実らしい。
それでも、確認の意味を込めて一応訊いた。
「そうなの?つかさ」
 つかさは気弱にこなたを見返すと、小さく頷いた。
肯定の仕草を見てもなお、こなたには納得がいかなかった。
今までもアニメやゲームの話題をつかさに対して振ってきたが、
拒絶のサインをつかさが示した事はなかった。
何より、つかさはそういった話題を嫌悪する人間だろうか。
ひよりに対して、同人誌のネタを提供した事さえあるのだ。
313審判:2008/12/25(木) 21:58:14 ID:WCKXMZYo
 けれども、確かにつかさは首を縦に振った。
こなたはつかさを見つめたまま、信じられない思いに囚われていた。
「こなた、つかさを脅かすの止めろよ」
 守るようにつかさの前に立ちはだかりながら、
厳しい口調でかがみが言った。
「脅かす…って?」
 こなたの口から、意図せず素っ頓狂な声が飛び出していた。
脅かした覚えなどない。かがみの発言の意図が掴めず目を白黒させるこなたに向かって、
かがみは怒気を露にしながら迫った。
「今、つかさを睨みつけてたじゃない。
脅かして、つかさの意見を翻らせようとしてたんでしょ?」
「ちがっ」
 こなたは慌てて否定した。脅かす意図があったわけではない。
つかさが首肯した事が信じられず、思わず見つめてしまっただけなのだ。
「何が違うって言うのよ。怖い顔して睨みつけちゃって。
アンタ、反省なんてしてないでしょ。つかさを今まで散々困らせてきた自覚もないでしょ」
「つかさがそこまで嫌がってたなんて、気付けなかったし」
 かがみの剣幕に押され、こなたの声は自然弱弱しくなり、
また発言の内容も言い訳めいたものとなった。
「ここまでつかさを苦しめておきながら、気付けなかった、じゃないわ。
本当に、鈍感ね。そのくせ人を嫌がらせる行為はナイフのように鋭いんだから」
「お姉ちゃん、流石にちょっと言いすぎだよ」
「つかさ、この際だから全て言い切ってしまった方がいいわ。
つかさもみゆきも聞いたでしょ?こいつ、全く反省なんてしてないのよ。
それも、気付けませんでしたー、なんて言い訳しだす始末」
「言い訳じゃなくて、本当に気付けなかったんだよ」
 こなたは蚊の鳴くような声で反論したが、火に油を注ぐ結果となった。
「本当に気付けなかったのなら、尚の事はっきりと言わなきゃ駄目ね。
そこまで人の痛みに鈍感なら、はっきりと言い切って自覚させないと」
 かがみは憤怒の形相でこなたを睨みつけると、声を大きくして続けた。
「アンタのやってる事はね、れっきとした虐めなのよ」
 クラスの視線が、自分達のグループに集中したのをこなたは敏感に感じ取った。
「いじめって…。かがみ、何を言っているの?」
「実際、いじめでしょ?つかさが嫌だ、って事を態度で今まで示してきても、
アンタは構わず下らないオタク系の話題を振り続けたんだから。
つかさはね、つかさはね…」
 かがみは声を詰まらせると、瞳に涙を浮かべながら嗚咽交じりに言葉を紡いだ。
314審判:2008/12/25(木) 21:59:04 ID:WCKXMZYo
「本当は、嫌がってたのよ。アンタの下らない話題に巻き込まれて、
自分まで腐女子に見られる事が。その苦痛のせいで、
アンタがつかさに味あわせた苦痛のせいで、学校行きたくないって言いだした事まであるのに」
「お、お姉ちゃん。いいよ、そこまで言わなくても」
 つかさが慌てたように割り込んだ。
「学校行きたくないって確かに言ったけど、それは喩えみたいなものだし。
そこまで苦痛ってわけでもないよ」
「それよりかがみ。私は腐女子じゃないよ、おたくだよ。
腐女子っていうのは、男同士の」
「それよりだってっ?」
 ヒステリックにかがみが叫んだ。
その叫び声により、クラスの注目がより一層こなた達に集中する。
「それより、ってどういう意味よ。
つかさの苦痛よりも、そんなどうでもいい言葉の定義の方が重要だって言うの?
全然反省してないじゃない。つかさ、こんな奴庇う必要ないわ」
 こんな奴、かがみはその言葉と共にこなたに人差し指を突きつけた。
「いや、ちょっと気になっただけで…。反省はしてるよ。
ただ、ちょっと気になったから、指摘しただけだよ」
 こなたとしては、勿論おたく界の用語が誤った意味で用いられている事も耐えがたかったが、
もう一つ、話題を逸らそうという意図もあっての指摘だった。
だが、後者の狙いは見事に裏目に出てしまった。
苦境に立たされながらもかがみに言葉を返したが、その言葉は弱弱しく震えていた。
「ちょっと気になった程度の事が、つかさよりも大事なのか。
本当に、反省の気ゼロね。アンタ、人を虐めておきながら…
反省の欠片も見せないなんて、本当に許せないわ」
 逐一言葉尻を捉えて攻撃してくるかがみに、こなたは次第に腹が立ってきた。
「許せないって、なんでかがみが許す、許さないの権利を持ってるのさ。
かがみの論理で言えば、虐めにあったのはつかさでしょ?
だったら、許す許さないを決めるのはつかさのはずじゃないの?」
「直接アンタにそういう事言えないつかさの優しい性格、分かって言ってるの?
分かってないのか。だってアンタ、鈍感だものね。
いや、そもそも被害者じゃなくてもこう言うわ。
虐めは許せない、ってね。まぁ加害者のアンタから見れば、
傍観者で居てくれた方が有利って訳か」
「そりゃ、虐めは許せないけど…」
 その部分には、同意せざるを得ない。
「どの口が言ってんだ、加害者」
「だから、そんな自覚無かったんだってば」
「自覚がないから、反省もしないと。なら、また同じこと繰り返す可能性があるわね。
また、つかさを苦しめる可能性が」
「いや、もう、マニアックな話はしないよ。
それで、つかさが苦しむ事もなくなる」
315審判:2008/12/25(木) 22:00:07 ID:WCKXMZYo
「本当に、アンタって鈍感なのね。それで終わりだと思ってる。
マニアックな話をしている事だけが、つかさを苦しめる要因だと思ってる」
 かがみは肩を竦めながら、大仰に溜息をついた。
「つかさを今まで散々馬鹿にしておきながら、マニアックな話さえしなければいいと思ってる。
マニアックな話をしなくなった所で、つかさをこれからも馬鹿にし続けるんでしょ?
馬鹿繋がりとか何とか言って」
「それは…友達同士の軽い冗談のつもりだったんだよ」
「アンタにとっては軽い冗談のつもりでも、つかさはどれだけ苦しんだか…」
 かがみは目元を拭うと、そこで言葉を切った。
教室は水を打ったように静まり返り、二人のやりとりに注目していた。
「確かに、泉さんに反省すべき点は多いと思います。
何気ない一言が他人を傷つけてしまう事が多々ありますし」
 静寂に耐えられなくなったのか、みゆきがおずおずと言葉を挟んだ。
「そんなの分かってる、分かってるよ…」
 どうやらみゆきも、かがみの側らしい。
状況が悪くなるのを肌で感じ取りながら、
こなたは何とかこの状況を脱しようと必死で考えを巡らせた。
「だから、これからは気をつけるよ」
 必死で頭を働かせたのにも関わらず、口から出てきた言葉は結局月並みの謝罪文句だった。
「そんな言葉、信用できると思うか?」
 暫く黙っていたかがみだったが、突き刺すようにこなたを睨んだ。
「そもそもアンタ、つかさに一言も謝罪してないじゃない。
そんな人間の言葉、信用されるとでも思ってんの?」
 かがみは表情をますます険しくしながら、こなたに詰め寄った。
(謝る?だって私、わざとつかさを苦しめ…もとい、困らせたわけじゃないよ?
ああ、そうか。それでもつかさが苦痛を感じたというのなら、
わざとじゃなくても謝った方がいいか)
「あー、つかさ、色々と気付かないで迷惑かけちゃってたみたいで…その、ごめんね」
 いざ謝るとなると、中々照れ臭い。
はにかんだように笑いながら、こなたはつかさに謝った。
「何なのよ、その態度はっ」
 つかさが何かいいかけたが、かがみが口を開く方が早かった。
「笑いながら…しかも、かけちゃったみたいで、って何?
みたい、じゃない。アンタはつかさに迷惑をかけたんだ。
それを、よくもまぁ笑いながら、みたいで、なんて言葉吐けたもんだ」
 かがみの呆れたような怒ったような声が、再びこなたを襲った。
(いざ面と向かって親友に謝るのって、照れ臭いものなんだよ。
それにしても、かがみ突っかかり過ぎだよ。
いや、それ以前に、そこまで深刻な話なの?これ。そもそも、つかさはどう思ってるの?
確かにつかさは迷惑に感じてるかもしれないけど、虐められてるとまで思ってるの?)
「悪かったよ、かがみ。でも、本当に反省はしてるんだよ。
かがみにはそう見えないだけで」
 かがみに対する苛立ちからか、こなたのかがみに対する返答は刺々しいものとなった。
316審判:2008/12/25(木) 22:01:06 ID:WCKXMZYo
「謝ってるようにさえ見えない謝罪なんて、何の意味がある?
大体、その不貞腐れたような態度は何よ?」
「それだよ」
 こなたはここぞとばかりに、言葉に力を込めた。
「謝ってるように見えない、ってそれかがみの主観でしょ?
大切なのは、つかさの認識じゃん。つかさがどう思ってるか、それが問題でしょ?
そもそもの前提として、つかさは虐められてるっていう認識あるのかな?」
 こなたはつかさに視線を移すと、語勢を強めて言葉を放つ。
「ねぇ、つかさ。私の今までの行為、虐めだと思う?」
 こなたはつかさの目を覗き込むと、固唾を呑んでつかさの返答を待った。
(実際のところ、どうなんだろう。私がやった事は、つかさは虐めだと思っているんだろうか。
それが全てなんだよ。どっちに、秤は傾くのかな)
 こなたの表情は、自然と強張る。
つかさの返答次第では、土下座すら辞さない覚悟だった。
 つかさは、こなたから視線を逸らすと、小ぶりの唇から小さな声を途切れ途切れに吐き出した。
「そりゃ…オタク話されたり、馬鹿にされたりするのは、嫌だったけど…」
(けど?けどって事は…)
「けど?何?」
 こなたは身を乗り出しながら、続きを急かした。
「けど…虐めとまでは…」
「うん、うん」
(いい流れだ)
 こなたは内心ほっとしていた。
この話の流れでは、虐めとまでは思っていないと続くだろう。
「思ってないかな」
「やっぱりっ」
 こなたは喝采をあげた。その小さな身体に、喜びが駆け抜ける。
「何がやっぱり、よ」
 しかし、こなたが喜んでいられたのも束の間だった。
冷ややかなかがみの声が、こなたの心に冷たい針を放っていた。
「やっぱりってアンタね…。仮に、仮によ、つかさが虐めとまでは思ってなかったとしても、
嫌だと思っていた事は事実じゃない。それなのに、何喜んでるんだ?
虐めじゃなかったら、嫌がらせしていいとでも思ってるの?
まぁ、その虐めじゃない、っていう前提自体怪しいけどな」
「いや、そんな風に思ってるわけじゃないよ。
ただ、ニュアンス的に虐めって酷すぎるじゃん。
それと、虐めじゃないっていう前提が怪しいってどういう事?
実際つかさは虐めとまでは思ってないって言ってたよ」
「アンタが脅して言わせたんじゃない、今」
「えっ?」
 こなたは素っ頓狂な声を上げると、まじまじとかがみを見つめた。
317審判:2008/12/25(木) 22:02:22 ID:WCKXMZYo
「まさかアンタ…、つかさ睨みつけながら、
つかさが発言する度に一々言葉を挟んでおきながら、
脅してないなんて白々しい事言うわけ?」
「脅かしたわけじゃなくて、興奮しちゃってたから自然と…」
「下手な言い訳ね。それでなくても、アンタはつかさが嫌だ、
という事を言ったのに喜んでた。最低じゃない」
「いや、だから虐めじゃない、っていうのを喜んだだけで、
つかさが嫌がる事をやってしまったという点については反省してるよ」
「ふん、所詮アンタにとって虐めなんて、ニュアンスの問題でしかないのね。
虐めという言葉が持つニュアンスは残酷だけど、
嫌がらせならまだ可愛げがある、と。
被害者の苦痛こそ問題にされるべきなのに、アンタにとってはニュアンスの問題、と」
 蔑むようなかがみの視線が、こなたを射抜いた。
「一々言葉尻捉えて、屁理屈言ってこないでよ。
そうじゃない、って言ってるでしょ」
 売り言葉に買い言葉、こなたの語勢も強くなる。
「屁理屈?虐めを止めるようにアンタを説得してるのに、屁理屈扱いか」
「そもそもこれが虐めと言えるの?」
「つかさが嫌がってるじゃない。それでもアンタはまだその自覚が無いの?」
「あの、泉さん」
 ヒートアップする二人の舌戦に、みゆきが割り込んできた。
「かがみさんの言葉は厳しいようですが、やはり泉さんは少し反省されるべきだと思いますよ。
つかささんも可哀想ですし。
先ほどのつかささんに対する態度が脅しかどうかはともかく、
泉さんの行為を虐めと捉えるかどうかはともかく、
泉さんの言動を見る限り、反省している素振りは見受けられません。
曲がりなりにもつかささんに苦痛を与えてしまったのですから、
誠心誠意謝罪して、反省するのが筋だと思います」
「みゆきさん…」
 諦めたように、こなたはみゆきを見やった。
みゆきが鮮明にかがみ支持を示した以上、孤立無援状態のこなたに勝ち目は無い。
(二人相手じゃ、勝ち目ないよ。二対一、か。続けても不利になるだけ…。
って、二対一?)
 こなたは、その時初めて気付いた。二対一、などという生易しい状況ではない事に。
その事を気付かせたのは、周囲から届く囁き声だった。
こなたは驚愕の眼差しで、クラス中を見回した。
 クラスメイト達は親しいもの同士で肩を寄せ合い、囁くようにひそひそと話し込んでいた。
そして彼等彼女等の蔑みの色を持った視線は、こなたに向けられていた。
318審判:2008/12/25(木) 22:03:43 ID:WCKXMZYo
(まるで私を責めるような視線、囁き声…。
まさか…皆、私が虐めたと思ってるの?
私の行為を、虐めだと思ってるの?かがみの論理を正しいと思ってるの?)
 こなたの背筋に、冷たい汗が伝った。
(何これ…。何この空気。まるで私が悪者みたいじゃん)
 四面楚歌の様相を呈してきた教室の中で、こなたは木偶のように立ち尽くした。
背筋が酷く冷たい。その冷気が、心からさえ熱を奪っているように感じられる。
「って、そろそろ次の授業ね。みゆき、つかさの事お願いできる?
私C組に戻らなきゃならないんだけど、こなたから守ってあげてくれる?」
 みゆきは力強く頷いた。
「任せて下さい」
「ありがと。ホント、ごめんね。面倒な事頼んじゃって」
「いえ。友達じゃないですか」
(友達、友達か。その言葉の中に、私はもう含まれていないんだろうな。
だって、もう、みゆきさんの中でも、私は悪者みたいだから)
 こなたはおぼつかない足取りで自分の席に向かった。
その間の時間さえ、クラス中の蔑みの眼差しを一身に浴びていた。
 こなたは席に着くと、脱力したように腰を下ろした。
実際、立っているのもやっとだったほどに、こなたの体から力は抜けてしまっていた。
 こなたはB組の教室を出て行くかがみの背中を力なく見送ると、
机に顔を突っ伏した。
涙を誰にも見られたくなかったのだ。
319名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/25(木) 22:04:34 ID:WCKXMZYo
>>312-318
今日はキリいい所まで。
また。
320名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/25(木) 22:06:12 ID:zfuQjnqG
>>319
こ、ここで止めるのかー!
読んでて続きが非常に気になる
期待してます
321グレゴリー:2008/12/25(木) 22:53:14 ID:6WsH1ts7
>>319
頼りない糸でつながった危うい人間関係が
らき☆すたの魅力のひとつでありますが、その魅力を再発見させてくれる
ようなワクワクする作品です。続きが楽しみですよ。
322名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/25(木) 23:06:34 ID:/2akVDLX
>>319
ちょwwここでストップかww
続きはいつだー!w
323名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/26(金) 07:23:21 ID:Z9Ejcgxk
かがみうぜぇ
もっとやれw
324JEDI_tkms1984:2008/12/26(金) 12:12:50 ID:mu3QtpeP
>>319

 執拗に食い下がるかがみの悪辣さと、窮地に立たされたこなたの心情の機微が丁寧に描かれていると思います。
実に続きが気になるSSです。
325名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/26(金) 16:26:35 ID:qtUdDv5S
>>319
最後はかがみにも鉄槌を!
326名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/26(金) 16:52:56 ID:EhEea4MM
いつも人を馬鹿にした態度を取る奴は嫌われて仕方ない
というか空気読めないのは原作アニメも同じなのによく友達やってると思うよ
327名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/26(金) 19:21:53 ID:AfwbF3dK
そろそろ投下します。
>>312-318の続きです。
328審判:2008/12/26(金) 19:22:58 ID:AfwbF3dK

*

 こなたはオンラインゲームにログインすると、黒井にコンタクトを取ろうとした。
「まだログインしてないのか」
 こなたはがっかりしたように独り言を漏らした。
パーティーメンバーリストの黒井の欄には、オフラインと表示されていた。
「オンライン状態のまま、放置しとくか」
 他のメンバーとも話す気にはなれず、こなたはPCから離れるとベッドに身を投げた。
天井の木目を数えながら、こなたは再び溜息を吐いた。
散々な一日だった。今日、かがみ達と仲違いしてからの教室は、
こなたにとって針の筵と化してしまった。
周囲のクラスメイトの、冷え切った瞳が痛かった。
そしてまた、クラスメイトのつかさに対する態度もまた、
こなたに強烈な疎外感を与えていた。
『柊さん、負けないでね』
『私達、柊さんの味方だから』
『なぁ、柊さん。先生に相談した方がいいんじゃね?』
『虐めなんて、本当に許せないよね』
『貴方は一人じゃないよ。あまり思いつめないでね』
(何あれ。いつの間にか私が虐めっ子みたいになってるよ)
 こなたは憤懣やるかたない表情で心中呟いたが、
すぐに別の考えが頭をもたげた。
(いや、実際虐めなのかな。虐めになっちゃうのかな。
私、本当は凄く悪いことしたのかな。
てか、気付かなかったとはいえつかさを傷つけちゃったのは確かだし。
いずれにせよ、明日改めて謝ろう。それで皆、許してくれるよ)
 こなたは自嘲めいた笑みを浮かべ、自らのその思考を嘲った。
(皆許してくれる、か。つかさを傷つけたからじゃなくて、
皆に許してもらいたいから謝るってのが私の本心か。
かがみの言うとおり、反省してないのかもね。嫌な女だ)
 こなたの表情が徐々に暗くなる。
こういう時は、誰かに話を聞いてもらいたい。
誰かと、現実逃避できるような話に興じていたい。
それが、こなたにとってはアニメやゲームの話だった。
(でも、黒井先生はまだオフラインか)
 ひよりとは携帯電話の番号を交換していない。
そうじろうは執筆中だ。そうじろうは普段はいい父親で、こなたの良き理解者だが、
執筆作業中に話しかけると露骨に嫌な顔をされる。
集中力やその時の気分こそ執筆に一番大切な要素であり、
それを害されると執筆のテンポが狂うという信念をそうじろうは持っているらしい。
 こうなると、黒井しか居ないのだが、生憎オフラインだ。
「ついてないな」
 こなたはパソコンのディスプレイに目を走らせながら呟いた。
と、その目の色が変わった。
「あ、インしてる」
 黒井の欄は、オフラインからオンラインへと表示が変わっていた。
こなたはパソコンまで走りよると、すぐに黒井に話しかけた。
329審判:2008/12/26(金) 19:23:40 ID:AfwbF3dK
『せんせ、こんっす』
『おーう、こんー』
『今日は遅かったんですね』
『人身事故があって電車遅れてなー』
『災難でしたね』
『全くや』
 社交辞令の挨拶を終えると、こなたは訥々とアニメやゲームの話を話しだした。
黒井も乗ってきてくれた。
もはやゲームというより、チャットルームである。
 しかし、話が白熱するにつれて、徐々にこなたは不安になってきた。
(もしかしたら、先生も本当は嫌なんじゃないのかな。
こんなオタク話に付き合わされるの。つかさの時みたいに、
先生も不愉快にさせてるんじゃないのかな。
そりゃ先生はネトゲなんてやってるし、オタク話にも付いて来れるくらいだから
オタク趣味はあるんだろうけど、だからと言って話すのが好きって限らないし)
 そろそろ別の話をするべきだろうか。
こなたは話の切れ目を見計らって、別の話題に切り替える事にした。
この上黒井さえアニメ等の話で不快にさせては、
かがみのこなたに対する不名誉な評価『鈍感』『人の痛みに気付けない』『反省してない』等を
自ら証明付けてしまう。
『先生、そういえば先生って関西出身じゃないのに関西弁なんですね。
どうしてですか?』
 いつか、かがみが黒井に向かって質問した事だ。
あの時黒井は一拍置いた後、結局かがみの質問をはぐらかしていた。
 この時もまた、黒井からのレスポンスがかなり遅れた。
(これ、本当は聞いちゃいけない事なのかな?)
 こなたは少し不安になる。
『臥薪嘗胆、や』
 暫く経ってから返ってきた答えは、おおよそ答えとは呼べないものだった。
(臥薪嘗胆…。意味は確か、復讐或いは成功の為に耐え忍ぶ事か。
それで確か語源は…中国の戦争で、敗れた方が敗戦の悔しさを忘れない為に薪の上で寝続けた。
その後、もう一度戦い、今度は勝つ。するとその戦いで敗れた方は今度、
やっぱり敗れた悔しさを忘れないために、苦味を堪えて胆を舐め続けた。
そして更にもう一度戦い、今度はこちらが勝った。
っていうんだったけな)
 小学校の時に呼んだ熟語の漫画を思い出しながら、こなたは黒井の発言の真意を考えた。
330審判:2008/12/26(金) 19:24:24 ID:AfwbF3dK
(語源こそ復讐の為、なんだけど…。
復讐は先生にとって縁のないものだろうから、成功の方の意味、かな。
昔お笑い芸人目指してた時期があったのかもしれない。
その時の初心を忘れない為に、今も関西弁使い続けてるのかな)
 ただ結局こなたは、その推理を黒井に披露する事はしなかった。
もし、黒井にとって触れられたくない話であるのならば、
適当にお茶を濁してこの話題は早々終わらせた方がいいだろう。
そう判断して、こなたはすぐに次の話題を探そうとした。
『そや、泉。レアアイテム、ゼウスの杖の取り方なんやけど…』
 しかし、次の話題など探す必要は無かった。
黒井から既に、次の話が振られていた。
 こなたは安心して、黒井の話に乗った。
(ナイスタイミング。ていうか、このタイミングで話を切り替えてくるって事は、
やっぱり触れられたくないんだろうな…)
 こなたは地雷を踏まずに済んだ事にほっとすると、
黒井との話に興じた。

*

 次の日、教室の扉を潜ったこなたはクラスメイト達の冷えた視線に迎えられた。
クラス一丸となって、こなたに対する敵意を露にしている。
それでもこなたは、快活に朝の挨拶を口にした。
「おはよう」
 誰一人として、挨拶を返してこなかった。
こなたは視線をみゆきに向けるが、みゆきは気まずそうに顔を伏せた。
つかさの席を見ると、つかさはまだ登校してきていない。
(朝一で、改めて謝ろうと思ったのに)
 こなたは落胆した。つかさに謝って仲を回復するまで、この針の筵状態は続くだろう。
(でもまぁ、私にはいい薬か。つかさを傷つけちゃったんだし、
少しくらい私にも頭を冷やす薬が必要だよね)
 こなたは椅子に座ると、ホームルームが始まるまでの時間を睡眠に充てる事にした。
どうせ誰かと話せるような雰囲気ではない上に、
クラスメイト達の間接的な圧力を受け続けるのも辛かったのだ。
 だが、結局眠れなかった。クラスメイト達の囁き声が気になって、
眠りに落ちる事ができない。
(何を話してるんだろう。やっぱり、私の悪口かな。
いや、悪口というより、私に対する怒りといった方がいいか)
 こなたは耳を澄まして彼女達の言葉を聞き取ろうとするが、
相当小さい声で話しているのか、意味のある言葉は聞き取れなかった。
331審判:2008/12/26(金) 19:25:19 ID:AfwbF3dK
(早くつかさ来ないかな…)
 こなたはそれを強く祈った。早くつかさに謝って、この気まずい雰囲気から開放されたい。
勿論つかさに対する贖罪の念もあったが、
謝罪という行為に、クラスメイトとの和解という効果も期待している点は否定できない。
 しかし、結局つかさが来ないままホームルームの時間を迎えてしまった。
そしてそのホームルームの中で、つかさは体調不良により休むという話が
黒井の口からなされた。

 次の休み時間、かがみがB組を訪ねてきた。
とはいっても勿論、こなたを訪ねてきたのではない。
みゆきの机を目指して、かがみは迷いを感じさせない堂々とした足取りで歩いた。
(分かってたけどさ…)
 こなたは内心強がったが、本当は期待していた。
かがみが自分に謝りに来たのではないだろうか、と。
昨日は言い過ぎた、悪かった、と。
だがかがみがすぐにみゆきの席を目指したのを見た途端、
その期待は音も無く砕け散った。
「かがみさん、どうされたのですか?」
 つかさが居ないのにも関わらず、かがみがB組に来た事を訝る様な反応だった。
C組にも友達が居るにも関わらず、かがみが頻繁にB組を訪れるのはつかさが心配だからだろう、
というのがみゆきやこなたの認識だった。
「ちょっと、みゆきに話があって来ただけよ。
つかさの事なんだけど、相談に乗ってもらえる?」
「ええ、いいですけど」
 こなたは耳をそばだてる。
クラスの視線も二人に向かったのを、こなたは敏感に感じ取った。
どうもクラスメイトにとっても、つかさの件は注目に値する重要な話題らしかった。
「実はね、つかさが今日休んだのって、具合が悪いからじゃないの」
「え?」
「ほら、昨日あんな事があったじゃない?だから今日は大事をとって休ませたの。
母さんには具合が悪い、って言わせてね。
翌日だと、ほら、復讐とか怖いじゃない」
「少し、警戒しすぎでは?」
「いや、しすぎ、って事はないわ。何しろ、虐めをやるような奴の事だし。
何をするか分からない」
(まるで化け物扱いだ)
 こなたは溜息を吐きたい気分に駆られた。それも、大きな大きな溜息を。
皮肉の意味を込めて、かがみに聞こえるくらいの溜息を吐いてやりたかった。
 それでもこなたは踏みとどまった。クラスメイト達が一瞬、
こなたに鋭い視線を送ったのが分かったからだ。
こなたへの敵意溢れる教室の中でそのような態度を取れば、
尚一層こなたに対する風当たりが強くなるだろう。
332審判:2008/12/26(金) 19:26:12 ID:AfwbF3dK
「それでね、つかさ、先生に相談するのは嫌みたい。
表向きは事を荒立てなくない、って事だけど、
本心はアレを庇ってるんでしょうね。つかさ、本当に優しいから。
自分に危害加えた人間相手であっても、情けが湧いちゃうみたいで。
何であんな優しい子が、そこまで追い詰められなきゃならないのかしら」
(アレって…。化け物扱いの次は、物扱いか)
 怒りよりも、悲しみが心を支配する。
かつての友人が遠くに行ってしまったような感覚に、こなたは危うく涙を零しそうにさえなった。
「先生に相談しない、というのは賛成ですね。現状、特段危害は無いわけですから。
この後も同じ事が繰り返されるとは思えませんし」
「どうかしら。ただ、先生に相談しないというのは私も賛成よ。
だって、アレとつかさを近づけなければいいだけなんだから」
「確かに、つかささんとの接点が無くなれば問題はなくなりますが」
「それで、相談っていうのはその事なんだけど」
 かがみはそこで言葉を切ると、みゆきに頭を下げた。
「かがみさん?」
「明日から、つかさを登校させようと思うの。でも、私はクラスが別だから、
何時も側に居て守ってやる事はできない。だから、みゆき。
つかさの事、守ってあげて…下さい。アレが近づかないよう、協力して下さい」
 最後のほうの言葉は濁っていた。
泣いているのだろうか。
「かがみさん、安心して下さい。昨日も言ったじゃないですか、
つかささんの事、守りますって」
 みゆきの語調は力強さを感じさせるものだった。
かがみにとっては頼もしい語勢なのだろうが、
翻ってこなたにとっては自分を貫く弾丸だ。
かがみは顔を上げると、お礼の言葉を述べた。
「ありがとう、みゆき」
 やはり泣いていたのか、かがみの瞳は赤く染まっている。
 かがみの、妹を守りたいという健気な姿勢に打たれたのか、
一人の生徒が感極まったような声を上げながら二人に割り込んだ。
「私も、協力するよ」
「いいの?」
「うん。だって、やっぱり、虐めが行われているのに傍観者のままでいたくないし」
「ありがとう」
 かがみはその生徒に向かっても、頭を下げた。
「私も」
「俺も」
 次々と立ち上がっていく生徒達。
気勢を上げ、かがみ協力の姿勢を表明していく。
こなたはその様子を、恐怖を持って眺めていた。
かがみにとっては、見も知らない生徒がつかさの為に立ち上がってくれたという感激すべき光景だろうが、
こなたから見ればただの包囲網でしかない。
「ありがとう、皆」
 かがみは恭しく頭を下げた。
こなたは力なく頭を垂れた。
(虐めっ子の烙印が、押されてしまったんだ。
ああ、それと…)
 こなたは自分の計画が霧散していくのが手に取るように分かった。
333審判:2008/12/26(金) 19:27:22 ID:AfwbF3dK
(つかさに謝る事は無理っぽいな。だって私、もうつかさに近づく事さえ許されない)
 諦念に囚われながら、この教室で繰り広げられている感動的な劇を見つめた。
クラス一丸となって、虐めに立ち向かっていくという感動的で啓蒙的な劇を。
しかしこなたにとっては、感動どころではない。
事実上の死刑宣告のようなものだ。クラスのほぼ全てが敵に回ったのだから。
(本当に私が悪者だ。虐めっ子みたいだ。
いや、もしかしたら本当に私は悪で、虐めっ子なのかもしれない)
 こなたは”もしかしたら””かもしれない”という考えに、苛まれた。
彼女達の認識を間違っていると切って捨てる事もできなければ、
自分を責める事もできない。
”もしかしたら””かもしれない”という未確定な状態を表す言葉さえ付かなければ、
こなたは自分を責める事ができた。
それで、かがみ達の認識や行為を正当化し自分を納得させる事ができた。
また、そもそも『もしかしたら自分は虐めっ子かもしれない』という考えさえ浮かんでこなければ、
こなたはかがみ達の認識を誤りだと切って捨て、自分を正当化する事ができた。
 どちらつかずの心理状態の中で、そして四面楚歌の包囲網の中で、
こなたは思考の闇に沈んでいった。

*

 次の日、学校に向かって歩くこなたの足取りは重い。
まるで靴の中に鉛でも入っているかのようだ。
状況は昨日一日で相当悪化した。
つかさに謝る事はおろか、近づく事さえできなくなったのだから。
逃げ道のない包囲網が完成してしまった。
 実は昨日、こなたはつかさの携帯電話に電話をかけて、それで謝ろうかと考えた。
しかし、ディスプレイを見つめるばかりで時が過ぎ、
結局電話をかける事ができないままに昨日を終えてしまった。
こなたには恐怖があった。拒絶されたらどうしよう、という恐怖が。
(電話も出来ないんじゃ、近づけた所で謝れるかどうか怪しいよ。
やっぱり私、謝る気なんてなかったんじゃないのかな。
いや、電話で謝らなかった判断は正しいよ、きっと。
直に会って頭を下げた方が誠意が伝わるし、
何よりクラスメイトの前で仲直りを演出しないと意味がない)
 こなたの口元が、自嘲気味に歪んだ。
(仲直りを演出しないと意味がない、か。
ああ、結局私は自分が置かれた状況を改善したいだけで、
つかさに対する罪悪感なんてないのかもしれない。
その点では、かがみが正しいのかもしれない)
 こなたは結局、いつもの所に思考が戻ってくるのを感じた。
何遍も何遍も考え続けた一つの疑問。
──果たして私は、悪いのか?
いや、こなた自身、つかさに不快な思いをさせた事に関しては、悪いとは思っている。
ただ、クラスメイトやかがみの反応は、過剰反応なのではないか、
という疑問も胸に抱えてはいた。
334審判:2008/12/26(金) 19:29:35 ID:AfwbF3dK
(いや、少しでも悪いと思っているのなら、謝るべきだ。
直に会えないのなら、やっぱり電話か何かで。
仲直りを演出しないと意味がない、なんて考えるべきじゃない。
電話が気まずければ、メールでもいいんだから。
とにかく、謝ろう。私の状況はさておき、悪いことは悪いことだ。
クラスメイトやかがみの過剰反応は、つかさに対する罪悪とはまた別の問題だ)
 こなたがつかさに謝る決心を固めた時、既に昇降口まで着いていた。
考え事に没頭していたせいで、校門を潜った記憶さえ無かった。
(取りあえず、家に帰るまでに謝る方法を考えよう。
電話か、メールか。電話だと、そもそもとってもらえないかもしれない。
かといってメールだと、誠意に欠けるかもしれない。一長一短だ。
どちらにせよ、内容も吟味しなくちゃいけない)
 学校が終わってから謝る、それが実は致命的な時間のロスを意味していた。
一日に満たない時間であっても、それは時として致命的なロスとなりうる。
特に、下り坂は転がれば転がるほど、転落物の加速度は増していくのだ。
間違いなく、こなたは奈落へと向かって加速しながら転がっていた。
 こなたは下駄箱へと靴を収めようとして、はたと気付いた。
便箋が一通、下駄箱の中に入れられていた。
(何だろう…)
 こなたは便箋を取り出すと、広げて文面に目を走らせた。
『悪魔。恥知らず。稜桜の恥。人の心がない。虐めをすぐに止めろ。T・Hさんが可哀想』
 びっしりと、こなたに対する非難の文句で埋め尽くされていた。
こなたは暫く固まっていたが、苦笑混じりに便箋をポケットに押し込んだ。
(どっちが虐めっ子だか)
 ここまで非難されると、逆に自分が虐められているような気分にさえなる。
筆跡が二種類、つまりこれを書いた人間は二人いるらしい。
(ワードで打ち込んでプリントアウトするとかさ、新聞の切り抜き文字使うとか、
もうちょっと誰かやったか分からないように気を使いなよ)
 こなたはこれを下駄箱の中に入れた人間の浅知恵を心中笑ったが、
一つ気になる事があった。
この手紙は、こなたに対する非難の言葉で埋め尽くされているとはいえ、
ただの中傷文句が一つとして書かれていないのだ。
例えば、『死ね』『消えろ』と言ったお決まりの文句や、
こなたの身体的特徴をあげつらった『ちび』『貧乳』と言った文句が一つとして書かれていない。
こなたに対する害意よりも、書いた人間の怒りが伝わってくるような文面だった。
(これ書いた人、悪いことやったっていう自覚あるのかな)
 沸々と怒りが込み上げてきたが、つかさを害意無くして不快にさせた自分が怒れる義理ではない、
そうこなたは思い当たった。
(これ書いた奴等と私は同レベルって事か)
 やるせなさに囚われながら、こなたは教室へと向かった。

 教室に入る時、もう挨拶はしなかった。
どうせ挨拶など返って来ないのだ。
無理に明るく振舞っても痛々しいだけだ。
 クラスメイトも、こなたの姿を認めても挨拶はしてこなかった。
代わりに、冷ややかな視線を送ってきた。
クラスメイトの他にもう一人。
かがみもまた、冷ややかな視線でこなたを迎えた。
(かがみ、またB組来てるんだ。そして、つかさ…)
 かがみの宣言どおり、つかさは登校してきていた。
こなたの視線からさえつかさを守るように、かがみが立ちはだかっているので
つかさがどのような表情をしているのかは分からない。
335審判:2008/12/26(金) 19:31:20 ID:AfwbF3dK
 こなたは席に着くと、机に突っ伏した。
寝ているよう装うか、携帯電話を操作するかしかやる事はない。
(明日からは、もっと遅刻ギリギリに来た方がいいのかな)
 気まずい時間を多少なりとも短縮する事ができる。
そうこなたは考えた。
「柊さん、負けないでね」
「私達が協力するから」
「酷いよね」
「あまり話したことないけどさ、困った事あったらいつでも相談してよ」
 つかさの席の方から、聞きたくもない声がこなたの耳に届いてくる。
つかさに対する励ましの言葉は、こなたにとっては攻撃の矢となって心に突き刺さる。
(早くホームルーム始まってよ。早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く
早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く
早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く
はやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやく
はやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやく
はやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはやく)
 壊れたように狂ったようにひたすらひたすらホームルームの開始をこなたは望んだ。
ホームルームさえ始まれば、彼女達の口は止まる。
 ようやくホームルームが始まったのは、こなたが机に突っ伏してから10分後の事だった。
こなたにはこの10分が、ひどく長く感じられた。



 その後の休み時間も、こなたは寝て過ごすか、教室から逃れる事で過ごした。
つかさの机の周りには人だかりが出来ており、そこで交わされている会話は容赦なくこなたを貫いた。
単にこなたに対する非難の声やつかさに対する励ましの声だけが痛かったのではない。
何気ない雑談ですら、苦痛を与える毒となってこなたに襲い掛かった。
(ちょっと前まで、つかさの席でああいう無邪気な話題で笑っていたのは私だったのに)
 昼休みなどは、仕方なく食堂を利用したほどだ。
一人で利用する食堂が、ここまで心細いものだという事をこなたはその時に初めて知った。
(戻れるかな。皆で笑いあってた日に)
 あの関係が瓦解したのは僅か二日前の事のはずなのに、
遠い昔のようにさえこなたには感じられた。
 学校が終わると、こなたは足早に昇降口に向かった。
教室に居場所がないのなら、早く帰ってしまうに限る。そして、つかさにメールを送るのだ。
 電話よりもメールで謝る事にこなたは決めていた。
電話では出てくれない恐れがある上に、
かがみがつかさの側に居た場合横槍を入れられかねない。
メールの文面も、授業中に考えを巡らせたお陰で既に固まっていた。
 逸る心を抑えながら、こなたは下駄箱を開いた。
と、また便箋が入っていた。
こなたは溜息を吐きたい衝動に駆られながら、便箋を手に取った。
やはり手書きで、朝入っていた便箋と同じ筆跡でこなたへの非難やつかさへの同情が書き連ねてある。
内容こそ朝と多少変わっていたが、単なる中傷の言葉が入っていない点は同じだった。
(一々書いてるのか。律儀だね、その努力、別の方面に向けなよ)
 こなたは内心呆れながらも、これからも毎日こんな事が続くかもしれないと思うと胃が重くなった。
(やっぱり明日は遅刻ギリギリで来るんじゃなくて、朝早くに来て下駄箱に張り込んでいようかな)
 現場を押さえて、直接対決してもいいかもしれない。
少し好戦的な気分になりながら、こなたは考えた。
(いや、朝入れられるとは限らないか。放課後に手紙入れてから、下校するつもりかもしれない。
部活組以外が居なくなるまで、張り込んでから帰ろうか)
 そう決めたはいいが、何処に張り込むべきか迷った。
この時間帯は人通りが多い。校舎内から下駄箱が見える位置に居ては、
犯人に姿を見られ、現場を押さえる事ができない。
かといって、外からでは見辛い。
(放課後に入れる可能性が高いよね。だって、筆跡見る限り犯人は二人だ)
336名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/26(金) 19:39:31 ID:oBHI7Ubl
解除
337名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/26(金) 20:05:34 ID:kvxgnggt
支援
338名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/26(金) 20:09:11 ID:kvxgnggt
そういえば今はもう避難所おちてるのか
339審判:2008/12/26(金) 20:34:02 ID:AfwbF3dK
 二人という事は、学内で手紙を書いている可能性が高いという事。
まさか下校後、この手紙を書く為に友人の部屋を訪れるとは考えにくい。
(でも…)
 こなたは少し、その事に考えを巡らせた。
(今日、手紙は朝と今で計二通入っていた。一通は昨日の放課後に書いて下駄箱に投函して、
もう一通は今日書いて昼休みにでも投函したのか。それとも二通とも昨日の内に書いていたのか。
何れにせよ、これ以上こんな手紙をストックしてるって事はないよね)
 昨日の内に三通以上書いた、とは考えにくい。
また、今日この手紙を含めて二通も書くような時間的余裕があっただろうか。
誰にも見られずに書いた、とすれば、一通が限界ではないだろうか。
(今教室に戻れば、手紙を書いてる現場を押さえられるかな)
 その考えが一瞬頭をもたげた。
しかし、すぐに思いなおす。
(いや、この時間はまだ人が居る。そもそも、自分のクラスで書いたと決まったわけじゃない。
他の空き教室利用したのかもしれない。書いてる現場を押さえるのは、非現実的か)
 こなたは少し迷った末、書いている現場も投函の現場も押さえるのは諦めて、
防止策に努める事にした。即ち、下駄箱の前で張り込み続ける、という手である。
犯人を突き止める事はできないが、便箋の投函を阻止する事はできる。
今日防いだら、改めて明日の早朝張り込んでいればいい。
 そう決めたこなたは、下駄箱の近くで携帯電話を操作しながら人待ちを装って過ごした。
途中つかさとかがみが目の前を横切ったが、こなたは見ないふりをした。
視線を合わせるのが、恐ろしかった。もしつかさが蔑みの眼差しでもってこなたを見つめてきたら、
謝罪のメールを送るという決意が粉々に砕け散ってしまいそうだったから。
 結局こなたは、18時まで待ってから下校した。
この後下校するのであれば、どうせ部活組だ。もし明日の朝来て手紙が入っていれば、
犯人を絞り込む事ができる。
(さあ、早く家に帰って、つかさにメールを送ろう)
 こなたは家路を急いだ。
別に今からメールを送ってもいいが、なるべくなら落ち着ける部屋でメールを送りたかった。
 
 家に着いたこなたは、そうじろうやゆたかへの挨拶も程々にして、
すぐに部屋に篭った。
制服すら脱がずに、すぐに携帯電話を開く。
柊つかさのメールアドレスを呼び出し、文字を入力していった。
『突然メールしちゃってごめんね。
この前の件なんだけど、私が悪かったよ。
私、鈍感だから気付かないうちにつかさを傷つけちゃってた。
本当にごめん。これからは気をつけるよ。
もし、何か気に障る事があったら遠慮なく言ってね。』
 考えていた文面を入力した後、少し考えてからこなたは一文節最後に付け加えた。
それは、こなたの素直な気持ちだった。
『本当にごめんなさい』
 こなたは満足したように、送信ボタンを押した。
(返事、返って来るかな。つかさ、許してくれるかな)
その日の間中、入浴の時間を除いてこなたは片時も携帯電話を肌身離さなかった。
340審判:2008/12/26(金) 20:34:41 ID:AfwbF3dK
>>328-339
漸く投稿できた。支援感謝。
今日はここまでです。
341名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/26(金) 20:35:26 ID:AfwbF3dK
>>337
どうもです。
342名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/26(金) 21:26:51 ID:Z9Ejcgxk
つかさ不在のまま、いじめとの闘いは更に続いていく…
343名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/26(金) 23:03:10 ID:atbnJH0q
>>338
避難所1が残ってるよ
344名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/27(土) 00:34:31 ID:PEYG9BgC
     /|               |\| ヽ
           / |/|           __ \  /
           \ 丿 __     '"ゞ'-'  | |
            | | '"-ゞ'-'____| | __//
            \\| | ̄ ̄ ::::::::   ̄ ̄\/
          /\/     ( ,-、 ,:‐、    |/\
          /\|               |/\
          /\|     __,-'ニニニヽ .   |/\
          /\|      ヾニ二ン"    |/\
             \_________/
345名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/27(土) 01:21:06 ID:+QtRsHKK
もうすぐコミケか。
自殺扱った本そろそろ出るかなー。
346名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/27(土) 09:23:49 ID:BF4gVQft
347ヤク中大分:2008/12/27(土) 10:33:08 ID:V4Mrlv4K
ttp://www.uploda.org/uporg1887255.jpg
旬ネタ?
続かない
348名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/27(土) 11:05:37 ID:E4DUC2Lu
かわええ
349名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/27(土) 11:37:22 ID:7O0TE1/T
かわええ
350名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/27(土) 14:45:40 ID:/h9Kgz04
期待
351名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/27(土) 16:22:33 ID:8oHaMkDs
352名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/27(土) 16:59:03 ID:rAk2fTiO
>>351
凄く上手いんだがこれじゃ殺人だ
353名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/27(土) 21:44:17 ID:/e/UPxN8
昨日の続き投下します。
>>328-339の続きです。
354審判:2008/12/27(土) 21:45:10 ID:/e/UPxN8

*

 つかさは着信音でメール受信に気付き、携帯電話を開いた。
(こなちゃん?)
 急いで内容を確認した。そこに書かれていた文面を読んだ途端、
発作的に今すぐこなたに電話したい衝動に駆られた。
本当は大して気にしていないという事、こなたに伝えたかった。
こなたは今まで通りでいいという事、伝えたかった。
 けれども、その手は止まる。
(許されるのかな、そんな事)
 事の発端は、つかさがかがみにこなたへの不満を漏らした事だった。
こなたの事は友人だと思っていたが、所構わずアニメ等の話をするのは止めてもらいたかった。
人目も気になったが、それ以上にひよりやパトリシアと居る時には決まって疎外感を味わう為、
寂しかったのだ。尤も、寂しいという話をするのは恥ずかしかったので、
かがみには人目が気になるとだけ話した。
 その事を話した時、かがみは猛然と怒り出した。
許せない、と。また、前々からこなたがつかさの事を悪し様に言うのも気になっていたらしかった。
つかさも少々癇に障る事があったので、自分もそれは気になっていたとかがみに伝えた。
この時のつかさは、友人への不満を姉に漏らすというただそれだけの軽い気持ちでしかなかった。
 ただ、かがみは軽くは受け止めなかった。
『つかさが傷つくのは許せない』そう怒り出し、次の日にはこなたに食ってかかっていった。
 つかさはこなたに虐められたとは思っていない上に、
こなたの態度をそこまで気にしているわけでもなかった。
しかし、かがみとこなたの仲違いの原因は自分にあるのだ。
なのに、こうも易々とこなたと仲直りしてしまっていいのだろうか。
かがみやみゆき、そしてクラスの優しい面々は梯子を降ろされた格好になるのではないだろうか。
(クラスの人たち、優しかったからな)
 思い出すだけで、胸が熱くなった。
つかさを守るように励ますように話しかけてきてくれたクラスメイトの顔が、
心の中に浮かんでいく。色々な人に想ってもらえるという事、
その暖かさがつかさを包んでくれた。
 だからこそ、裏切れない。
クラスメイトはつかさを守りつつも、こなたに対する敵愾心を剥きだしにしていた。
この状況下で勝手に仲直りなどしては、彼女達に対する裏切りになるのではないだろうか。
クラスメイトは優しい。だからこそ、つかさを苦しめる。
本心は虐められてなどいない、こなたと仲直りしたい。
でも、クラスメイトの優しさを無碍にもできない。
そのダブルバインドにも似た心理状態が、こなたに対する電話や返信を躊躇わせていた。
 一日休んでいた内に、状況は思いも寄らなかった方向へと変化していた。
つかさ一人の判断で事を進めるのが躊躇われる程に、
かがみとこなたの諍いは大きな問題へと発展していた。
355審判:2008/12/27(土) 21:46:10 ID:/e/UPxN8
 もし、関わっているのがかがみ一人であるならば、何とか言いくるめる事もできたかもしれない。
自分から火種を蒔いておきながら勝手な話かもしれないが、
そこは腐っても血の繋がった姉妹だ。
何とかなったかもしれない。
 しかし、クラス全体が関わっているとなると話は変わってくる。
つかさ一人の判断で、あれだけの人数を振り回すわけにもいかない。
ましてや、自分を慮ってくれている優しい人達なのだ。
(もうちょっと、様子を見てからのほうがいいよね。
こんなすぐに仲直りしたら…って喧嘩してるわけじゃないんだけど、
仲を回復したら、クラスの人達はいい迷惑だよね)
 つかさはもう少し時間が経ってから、こちらからこなたに謝る事に決めた。
つかさは携帯電話を名残惜しそうに閉じた。
結局、電話も返信もしなかった。

 もし、つかさがクラスメイトの優しさに触れる前、或いはつかさが問題の大きさを認識する前に、
例えば朝の段階でこなたがメールを送信していれば、つかさは返信していたかもしれない。
それも、相当の蓋然性を持って。
それで、こなたはクラスでの地位を回復していただろう。
 だが、こなたは朝の段階では何もしなかった。夜にメールしようと決めてしまった。
その僅か十数時間の内に、事態は悲劇的な方向へと突き進んでしまったのだ。

*

 眠っている時に見る夢には、幾つかのパターンがある。
理想の自分になりきっている夢や、現在の不満や楽しみを反映した夢。
或いは、未来の不安や希望が表現された夢。
そして、過去の記憶を再現する夢がある。
黒井が毎晩のようにうなされる悪夢は、そのうち、過去の記憶が見せるものだった。

「この丸付けてある化粧品、パクって来てよ」
 身なりこそ真面目だが気の強そうな少女が、気弱そうな少女にチラシを差し出しながら言った。
そのチラシの中の化粧品に、赤いペンで丸印が付けられている。
「え…?」
「え?じゃないよ。聞こえなかった?あの店って、ガード固いらしいじゃん?
そのガード破って、ななこのかっこいいトコ見せてよ?」
 ななこ、と呼ばれた少女は卑屈な笑いを浮かべた。
「高道さん、冗談キツイよ」
「冗談じゃないって」
「私、捕まる方に2000かけるわ」
「じゃ、私親やるわ。下は1000から上は5000までトトカルチョ。
高道は幾らいくらかける?」
「私も捕まるに2000。てゆーか、5000かけれんなら化粧品パクらせたりしねーよ」
「金欠なら化粧品パクってもらうより、漫画持ってきてもらう方がよくね?
古本屋持ってって金に換えようよ」
「小島頭いいー。でも別に金欲しいわけじゃないしー。
ななこのかっこいいトコ見たいだけなんだよねー」
「あ、あの」
 自分を抜きに話が進む中、ななこはおっかなびっくりといった風に口を挟んだ。
「きょ、今日は下見だけで勘弁してもらえないかな?
ほら、この格好だと仮に逃げ切れても学校に連絡いっちゃうし。
防犯カメラはついてるんだし」
356審判:2008/12/27(土) 21:47:09 ID:/e/UPxN8
 自らの制服を指し示しながら、ななこは言った。
彼女達の通う高校は、その店からさほど遠くない所にある。
「それに明日は祝日だし。ほら、祝日の方が混むだろうから、
他の客がカモフラージュになるし」
「ふーん、じゃ、明日はちゃんとやってくれるんだー」
「分かってると思うけど、人数分、3つ持って来んだよ?」
「ななこも欲しけりゃ、4つになるけどね」
 3人の少女はけたたましく笑った。
ななこは恐怖に凍りついた笑みを返すと、店の中へと足を踏み入れた。
目当ての商品はすぐに見つかった。
(4980円もするんだ、コレ。てゆーか、こんな目立つ所においてある商品、盗れるわけないよ)
 ななこはその後軽く店内を見回った後、3人の下へと引き返した。
「もういいの?まぁ、明日よろしくねー」
「明日は昼の13時にここ集合ね」
「どうせ明日うちら暇だしね」
「うん、頑張るよ…」
 力なく3人を見送ると、力の抜けた足取りでななこは家路についた。

「3つで15000円か」
 ななこは呆けたように呟いた。盗める訳がないのに、停学を覚悟してまで万引きするつもりはなかった。
また、万引きという行為そのものに罪悪感を覚えてもいた。
だから、直接商品を買ってそれを渡そうと彼女は考えた。
そうすれば、彼女達は満足するかもしれない。
 しかし、その15000円が捻出できない。
(どうしよう…)
 約束の時間は、刻一刻と近づいている。
(もし、約束をすっぽかしたりしたら…)
 考えただけでも恐ろしい。隣のクラスのとある女子が、
誰からも口を聞いてくれなくなって既に1年が経つ。
きっかけは、クラス内で強い影響力を持った女子に嫌われた事にあるらしい。
何故嫌われたのかまではななこの知るところではないが、
嫌われた方の女子が孤立してしまうのは早かった。
まずはクラスの主流派に属する女子達から無視され、
比較的地味な女子や真面目な女子まで次第に彼女を無視するようになった。
彼女と仲が良さそうに振舞っていた人々でさえ、彼女を遠ざけるようになった。
また、男子もその空気を敏感に感じ取ったのか、彼女に声をかける事は一切無くなった。
 体育の授業は隣のクラスと合同で行われていたが、
『組を作れ』という体育教師の指示がある度に孤立している彼女を見ているのは辛かった。
誰からも組んでもらえず、途方に暮れたように周囲を見回していた少女。
その姿が脳裏に蘇り、自分と重なった。
高道達はななこのクラスでは、強い影響力を持っている。
もし、高道達から嫌われれば、ななこもまた隣のクラスの無視されている女子と
同じ道を歩みかねない。
今までも散々からかわれたり、道化を演じることを強要されてきたが、
それでもクラス全体から無視される事態は避けたい。
(と、なると…)
 ななこは耳を済ませた。浴室の方から、母の鼻歌が聞こえた。
浴槽の掃除をしている時、鼻歌を歌うのが母の癖だった。
ななこは足音を殺して、母のバッグに近づいた。
心臓が破裂しそうな程の勢いで、高鳴り出す。
(ごめんね、お母さん)
357審判:2008/12/27(土) 21:48:12 ID:/e/UPxN8
 バッグに向けて指し伸ばされた手は、バッグの口直前で止まった。
(本当に、私はやるの?)
 母の財布から金を抜き取るという事、その行為の重さが、ななこの手を止めていた。
(でも、でも、やらないと私は…)
 商品を買って高道達に引き渡さねば、
万引きという罪を犯さずに彼女達を満足させる事はできないだろう。
そして手持ちの金が足りない以上、母の財布からお金を抜き取る以外に買う術はない。
(いや、私が持ってる漫画とかCDとか売れば…。駄目だ、二束三文だ…)
 必要な金の額は、万単位だ。とてもではないが、私物を売って手に入れられる額ではない。
(大丈夫、大人になったら出世払いで返す…)
 自分を無理矢理鼓舞して、震える手でバッグの口を広げた。
茶色い柄の、シンプルな母の財布が目に入った。
お守りが一つチャックに結わえ付けられただけの、シンプルな安物の財布。
ななこの動きは、そのお守りを見つめてまた止まる。
(本当に、やるの?お母さんを裏切るの?)
 そのお守りは、小学校の修学旅行でななこが買ってきたものだった。
もうあれからかなり経つのに、未だに財布に付けられている。
クリアケースに入れて、大切に大事そうに取り付けられている。
(お母さん…)
 涙が溢れてきそうだった。
 その時、浴室の方から水しぶきの音が響いてきた。
浴槽についた洗剤を、シャワーで洗い流しているのだろう。
もう、時間的な猶予はほとんどない。
(やるしかないよ。万引きして捕まれば、どうせお母さんを悲しませるんだし)
 高道達の前で堂々と断れよ。心の底から響いてくるその声は、
彼女達に対する恐怖によって掻き消された。
 ななこは、母の財布から1万円札を1枚と5000円札を1枚抜き取った。
盗むという行為を終えても、まだ心臓の高鳴りは止まらなかった。
むしろその脈動は勢いを増し、ななこを責めるように太鼓の如く胸を内部から叩いた。
 ななこは汗の浮き出た額を拭うと、ゆっくりと立ち上がった。
荒々しい呼吸を沈めるように数度深呼吸すると、玄関に向かう。
 靴を履いて玄関の扉を開けたとき、母に呼び止められた。
どうやら、風呂掃除が終わったらしい。
「ななこ、何処か行くの?」
「うん、ちょっと友達と遊んでくる」
 母の方を見ずに、ななこは答えた。
母の顔なんて、見れやしない。
母の顔を見たが最後、何もかも吐き出してしまいそうだった。
「そう。あ、そうだ。ついでに買い物頼もうかしら」
 母がバッグの置いてあるキッチンに向かおうとしたのを見て、
ななこは慌てて声をかける。
358審判:2008/12/27(土) 21:49:03 ID:/e/UPxN8
「無理無理。友達と一緒に居るのに、買い物なんてやったら友達に迷惑だよ」
「遊び終わって別れてからでいいのに」
 今、財布を取り出されたら全てが終わる。
握り締めた拳に汗が滲んだ。
「それが何時になるか分からないから。悪いけど無理」
「そう?残念」
 ななこは胸を撫で下ろした。
(本当は…何もかも露見した方が良かったのかも)
「じゃ、今度こそ行ってくるね」
「あ、そうだ、ななこ」
「なに?」
「気をつけてね。最近、物騒な事件多いから」
 優しく気遣うような母の言葉が、ななこの胸を撃ちぬいた。
(何で…優しくするかな。私、お母さんのお金盗ったんだよ?)
 母の優しさが痛い。
涙が零れそうになる涙腺を堪えながら、全てを話してしまいそうになる衝動を抑えながら、
胸を締め付ける良心の痛みに耐えながら、
ななこは言葉を放った。
「分かってるよ」
 扉を潜った後、ななこは泣いた。
高道達にからかわれたり、尊厳を傷つけられたりした時も泣かなかった。
けれど、この時ななこは泣いた。


 指定された集合場所には、既に高道達3人が待っていた。
まだ、指定された時間の30分前だというのに、だ。
「随分早く着たんだね」
「そりゃ」
 小島が笑いながら答えた。
「楽しみだもん。逸る気持ち抑えきれずに、早く来ちゃったよ」
(楽しみ、かよ。私を苦しめるのがそんなに楽しいのかよ)
 胸に芽生えた殺意を隠すように、ななこは媚びるような苦笑いを浮かべて返答する。
「期待されちゃってるよ、私」
「そーそ。期待してんの。ちょっと早いけど、早速持ってきてもらいましょーか」
「持ってくる商品、憶えてるよね?」
「うん、憶えてるよ。ちょっとここで待っててね」
 ななこは毅然とした態度で、店に向かった。
店に入ると、脇目も振らずにお目当ての商品を手に取り、レジに持っていく。
会計が済んだ後、店員が袋に入れようとしたがそれをななこは慌てて制した。
「あ、いや、そのままで」
「恐れ入ります。では、シールをお貼りしてもよろしいでしょうか?」
「いや、シールもちょっと…。レシートだけもらえれば、いいです」
 盗んできたように装うという、ななこなりの考えだった。
購入した化粧品をバッグの中に納めると、ななこは店を出て3人の下へと向かった。
「はい、持って来たよ」
359審判:2008/12/27(土) 21:49:56 ID:/e/UPxN8
 ななこはバッグから化粧品を取り出すと、高道に差し出した。
高道達は面白くなさそうにななこを見据えると、言った。
「はい、じゃねーよ」
「何やってんの、ななこ」
「うちら見てたんだけどさー、アンタ普通に買ってんじゃん」
 見られていたらしい。けれど、買おうが盗もうが彼女達にはお目当ての物が手に入るのだ。
だから、高道達も口では不満を言いつつも、満足するだろうとななこは思っていた。
「いや、警戒厳しくて」
 しかし、それは甘い見通しだった。
「言い訳してんじゃねーよ」
「化粧品が欲しいんじゃなくて、ななこがかっこよく脱走決めるトコ見たかったんだっての」
「そーそ。或いは、ななこが捕まって抵抗するトコでも良かったんだけど。
でも普通に買ったら意味無いじゃん」
 少女達は、口々にななこを責めた。
「でも…」
「でも、何?」
「化粧品は手に入ったでしょ?それ、高かったんだから、それで許してよ」
「は?たかが5000円で恩売った気になってんの?」
「たかが5000円って…。3つだから、15000円だよ」
「大して変わりねーよ」
(たかが、か。果たしてお母さんにとって15000円は、たかが、なんだろうか。
しかもその”たかが”のお金を盗る為に、私がどれだけ苦しんだか…)
「それ以前にななこって、私達はお金貰えれば満足するような即物的な人間だと思ってたんだ。
ふーん。そーなんだー。じゃ、私達もその認識通りに行動させてもらっちゃおうかな」
 3人のうちの一人、瀬尾が卑しい笑いを浮かべながら言った。
その笑みに、ななこは底知れぬ恐怖を覚えた。
「何すんの?」
 小島が瀬尾に向かって尋ねた。
(聞きたくない…)
 ななこは耳を塞ぎたくなった。瀬尾が何を企んでいるかは分からない。
何を企んでいるかは分からないのに、本能が警鐘を鳴らし始める。
「まぁ、こっち来なよ」
 瀬尾に導かれるままに、ななこ・高道・小島の3人は歩いた。
嬉々として歩く高道や小島と違い、ななこの足は重かった。
やがて4人は、繁華街へと辿り着いた。
「で、ここで何すんの?」
 今度は高道が尋ねた。
「こうすんの」
 瀬尾は意地悪く笑うと、近くを歩いていた男に声をかけた。
「ねーねー、この娘8万でどう?」
 ななこを指差しながら、瀬尾は軽い口ぶりで言葉を放った。
その男性は一瞬驚いたように瀬尾とななこを交互に見つめた後、急ぎ足で立ち去っていった。
 ななこは茫然とした。
(う、嘘でしょ?)
 茫然と瀬尾を見つめるななことは対照的に、高道と小島は下品な高笑いを炸裂させていた。
「8万はないべー。ななこなんて、精々1万5千円くらいの価値しかないって」
「でもいい考えだよねー。面白いよ、それ」
「こうやってさ」
 瀬尾は満足そうに二人を眺めながら、ななこにとっては身も凍る提案を口にした。
「少しづつ値段下げてって、幾らでななこが買われるか勝負しない?」
「最高だよ、それ」
「うちらの小遣い稼ぎにもなるしねー」
「ちょっ、冗談でしょ?」
 慌ててななこは割り込む。
「冗談なわけないじゃん。第一、これを望んだのってななこだよ?
ななこってさー、私達の事、お金さえ貰えればそれで満足しちゃうような
即物的な人間だと思ってるんでしょ?だからその認識通りに、
お金の為なら性も売る、っていうキャラ演じてあげてるんだよ?」
 至って真剣な表情で瀬尾は語ると、
悪戯っぽい笑みを浮かべて続けた。
360審判:2008/12/27(土) 21:51:12 ID:/e/UPxN8
「まぁ、性を売るのはななこなんだけどね」
「そんな、やだよ、私…」
 ななこの声など聞こえないかのように、高道は目の前を通った男に声をかけていた。
「あ、すいませーん。この娘、7万5千でどうですかー?
女子高生ですよー?どうですー?」
 その男性は、汚いものを見るような瞳でななこを一瞥すると、
怒ったように立ち去っていった。
(違うんです、私は売りたくなんてない、売りたくなんてないんです)
 ななこは酷く惨めな思いで、心中呟いた。
「あ、そこの人ー?どうです?この娘。7万でやらせてくれるそうですよー」
 小島が声をかけた男も、舌打ちをすると立ち去っていった。
「やっぱまだまだ高いよねー」
 笑いながら高道が言う。
「でもさ、このまま5千円単位で値段下げてけば、5万から3万くらいで客は付くんじゃん?」
「うんうん、付くよね、そのくらいの値段なら」
 彼女達の無邪気さが、ななこにとっては恐ろしかった。
「嫌だよ、私、売りたくないよ」
 ほとんど涙声になりながら、ななこは高道達に縋りついた。
「許してよ、別にお金さえあれば、なんて思ってあんな事言ったんじゃないよ」
「だってさ、どうする?」
 高道は小島と瀬尾に視線を送った。
「ねぇ、私達が本当はななこに面白いことやって貰いたかっただけだって事、理解してくれた?
お金が欲しかったんじゃないって事、分かってくれた?」
 瀬尾の言葉に、ななこは激しく頷いた。
「うん、分かる分かる。理解してるよ」
「分かってくれたみたいだし、援交ごっこはここらで止めにしておくかー。
その代わりななこには、私達を笑わせてもらおうかな?」
「笑わせるって、どうやって?」
 ななこは再び不安に顔を曇らせながら、瀬尾に問いかける。
「自分で考えなよ」
 瀬尾は冷たく答えた。
「え…?」
 いきなり「笑わせろ」と言われても、ななこにはどうすればいいのか分からなかった。
助けを求めるように、小島と高道にななこは視線を送る。
「何?考えつかないの?なんならウチらが考えてあげようか?」
 小島が底意地の悪そうな笑顔でななこに告げた。
(冗談じゃない。こいつらに任せたら、何をやらされるか分かったもんじゃない)
 恐怖に駆られたななこは、大して考えもしないままに言葉を放っていた。
「一人漫才っ。一人漫才やるよ」
 途端に、高道達は弾けたように嬌声を上げながら笑いだした。
「最高、それ。見てみたーい」
「でもこんな人通り多いところじゃ、可哀想だからねー。
裏通りの人通り少ない所行こうか。人目を大して気にしないで済むから、
思う様に自分を解き放ってね」
「言っとくけどウチら、笑いに関してはうるさいからね。
半端な漫才じゃキマれないしイケないんで、そこんトコよろしくぅ」
 ななこは引き攣った笑みを無理矢理頬に浮かべた。
「任せてよ」
 高道に導かれるように、裏路地へとななこは歩みを進めたが、その足取りは重く、そして鈍い。
これから尚もピエロを演じる気の重さだけが、ななこの歩みを遅らせているのではない。
漫才のネタを考える為の、時間稼ぎの意図もあった。
(笑わせる宣言をしてから人を笑わせるのって、本当に難しい…)
 牛歩戦術を取りながら、必死に漫才のネタを考える自分が酷く惨めに思えた。
(駄目だ、何も思いつかない…)
 思いつかないままに、高道の指示した場所へと到達してしまった。
ななこは恐怖を隠しながら、もったいぶった態度で高道達を見据える。
「ほら、早く始めてよ」
「うん」
361審判:2008/12/27(土) 21:55:30 ID:/e/UPxN8
 ななこは、3人を笑わせようと必死になって冗談を飛ばし、身体をくねらせた。
3人は、そんなななこの態度を何処か冷めた面持ちで見やっていた。
ななこは鼻を持ち上げたり、唇の両端に指を入れて引き伸ばしたりと、
見栄も外聞もかなぐり捨てて躍起になるが、それらの行為全てが徒労に終わった。
「つまんなくね?」
「私達に期待もたせたんだからさ、責任とって笑わせてよ」
 いよいよ野次が飛んできたが、
ななこは焦るばかりで、思いつく行動や言動の一つ一つが空回りしてゆく。
「つーかマジつまんないんですけど。何なら、もう一回援交ごっこに戻ろうか?」
 小島の言葉は、ななこを心胆寒からしめた。
(冗談じゃない、どうしたら、どうすれば…)
 ななこは、殆ど思いつくままに言葉を放っていた。
特段、計算しての言動ではない。
だが、放たれた言葉は意外な効果を持って3人に笑いを提供する事になる。
「ウチ、人笑わせる自信あってんのに、笑ってくれへんのはショックやわー」
 途端、3人は弾かれたように笑い始めた。
「ちょっ。そこで関西弁すか、ななこさん。ベタ過ぎて逆にツボったわ」
「やっぱりななこは面白いね。才能あるよ、笑いの。
嘲笑誘う技量なら、世界目指せんじゃん?」
「関西弁って、ウケルー」
 息も絶え絶えに笑う3人を見たななこは、一筋の光明を見た気がした。
「自分ら笑いどこ間違えてまっせ。言葉やのーて、顔や。
ウチのブサイクな顔見て笑ったってや」
 3人の笑い声は一層高まった。
愉快そうに笑う高道達の姿に、一瞬でも満足感を得てしまった自分をななこは心底軽蔑した。
「ななこー、それマジ面白いからさー、明日からそのキャラでいきなよ」
「素晴らしい提案だね、高道。ななこ、明日から関西弁以外使用禁止ね」
「さんせー」
 ななこは屈辱を覚えながらも、それを顔に出す事無く朗らかに答えた。
「承知しとりまんがな」
 この日から、ななこの関西弁は始まる事になる。
「あ、そうだー。いい事思いついた」
 高道はバッグからヘアスプレーを取り出すと、小島に尋ねた。
「確か小島って、煙草吸う人だったよね。ライターある?」
「えー、高道マジー?」
 苦笑しながらも、小島は高道にライターを手渡した。
 ななこは凍りつく思いに囚われた。
 3人の中では最も思慮深い瀬尾がとりなす様に口にした。
(瀬尾さん…)
 ななこは期待に満ちた眼差しで、瀬尾を見つめた。
この3人に対しては、悪魔のように思ってきたななこだったが、
瀬尾はまだまともな倫理意識を持ち合わせているらしい。
(今まで死ぬほど嫌いだったけど、少しだけ見直したよ)
 瀬尾の言動に、優しさの欠片をななこは見たような気がした。
そして、矯正の可能性も。
 しかし、ななこのその評価は残酷にも裏切られることになる。
「外傷残るような事しちゃうと、後々不味いよ?」
(結局、自己保身の為か…。外傷残らなければいいとでも思ってるのか…。
心になら幾らでも傷を付けてもいいと思っているのか…)
 ななこはがっくりと視線を落とした。
この女に優しさを期待した自分が馬鹿だった。
少しでも目の前の女を見直した自分を、罵倒してやりたい衝動に駆られる。
「大丈夫。パーマかけるだけだから、外傷は残んないよ。
多分ね」
 高道は笑いながらななこの後ろに回ると、告げた。
「やっぱりお笑い芸人にインパクトは基本だよねー。
髪にパーマかけてあげるよ。あ、顔に火傷負いたくなかったら、動かないでね」
(嘘だ。冗談で言っているんだ、本当に、やるわけがない)
 心ではそう思うものの、身体は恐怖に竦む。
362名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/27(土) 22:04:48 ID:/e/UPxN8
>>354-361
キリはよくないけど、連投規制入りそうなんで撤退します。
また。
363名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/28(日) 00:41:18 ID:Te4K16MJ
>>347
乙gj
初オリジナルか?
364名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/28(日) 20:16:20 ID:PehOT5XF
こんばんは、投下します。
>>354-361の続きです。
365審判:2008/12/28(日) 20:17:02 ID:PehOT5XF
「ファイヤー」
 その掛け声とともに、ライターを鳴らす音が聞こえた。
直後、スプレーの噴射音。
(狂ってるっ)
 ななこは咄嗟に炎から逃れようと、前方に向かって跳躍した。
(加減を…知らないの?)
 たんぱく質を焦がしたような嫌な匂いが、ななこの鼻腔を刺激した。
逃れきれずに、髪を少々焼かれてしまったらしい。
 憎悪の面持ちで振り返ったななこが見たのは、笑い転げる高道と小島の姿だった。
「あーあー。本当に怖いね、高道は。面白いけどさ、こういう目立つのは止めなよ」
 瀬尾は幾分呆れた顔で高道を見やると、ななこの髪の毛を観察し始めた。
「あー、焦げちゃいるけど、髪の先端の方か。切ればそんなに目立たないね。
ななこー、悪いんだけど、髪、ショートにしてくれる?」
(なんであんた達の為にそんな事しなくちゃいけないの?)
 ななこは3人を殴りつけたい衝動に駆られたが、ぐっと堪える。
(いや、焦げた髪を見せたら、お母さんもお父さんも心配しちゃうし、
切ってから帰った方がいいかもしんない。百均で手鏡と鋏でも買おう。
床屋は恥ずかしいし、美容院行くお金ないし予約してないし)
 トイレの個室に篭って髪を切る自分の姿を想像すると、涙が溢れそうになった。
「おー、流石に瀬尾は気が利くねー」
「ウチらも見習うべきだねー。なんなら、私が切ってあげようか?」
「小島なんかに任せたら、本当に芸人街道一直線な髪型になっちゃうじゃんよ」
「なんか、て、ひどっ」
 惨めな思いに心囚われたななことは対照的に、
高道達は無邪気に笑いあっていた。
(こいつらみたいな連中でも、そんな人間らしい笑い方するんだ…)
 蹲ったななこは、笑い続ける3人に対する殺意をどうにか押さえ込んでいた。


 家に着いたななこを迎えたのは、母の悲しそうな顔だった。
「ななこ…ちょっとお話があるんだけど。って、どうしたの、その髪」
「ウザったくなってきたから切った。話って、何?」
 白々しい、と我ながら思った。
ななこが盗んだ金の話に決まっている。
「ちょっとこっちに来て」
 導かれるままにキッチンに向かい、母と向かい合うように食卓の椅子に腰を下ろす。
母の顔をまともに見れず、ななこは自然俯き加減になった。
「ねぇ、正直に話して欲しいんだけど…」
 母はそこで言葉を切ると、告げる言葉を捜すように押し黙った。
どう切り出せばいいのか、迷っている様子だった。
「私のお財布から1万5千円無くなっているんだけど、ななこ知らない?」
 母の震えた声と曖昧な表現に、自分を必死に信じようとしている心の葛藤を感じ取り、
ななこは思わず泣きそうになる。
「知ってる」
 嘘なんてつくつもりはなかった。
正直に盗った事を話すつもりだった。ただ、盗んだ理由まで告げるつもりはない。
万引きを強要されたことまで話せば、母を余計に心配させる事になる。
「知ってるって、どういう事?」
 母の声は、いっそう震えをました。泣きたいのを堪えているのは自分だけではないという事を、
ななこは今更ながら自覚する。
「私が、盗ったから」
「っ」
 ななこの母は絶句すると、押し黙った。
予想していた答えだろうが、改めて告げられるとやはり衝撃は大きいらしい。
366審判:2008/12/28(日) 20:17:51 ID:PehOT5XF
「どうして…そんな事…。ねぇ、お小遣い足りない?
あんなにいい子だったななこが1万5千円も盗…勝手に借りるなんて、
お母さん信じられないわ」
 盗む、という表現を避けたのは、まだ娘が金を盗んだ事が信じられないからだろうか。
娘を信じようという母の愛情故に、心が軋む。痛みに、軋む。
「別に…」
 ぶっきらぼうに、ななこは答えた。
「別に、じゃないでしょうっ。答えにもなってないっ」
 母の怒声に、ななこの身体はびくりと跳ねた。
「ねぇ、ななこ。貴方分かってるの?自分が何をしたのか。
貴方はね、お金を…盗んだのよ?」
 今度は、盗んだという表現を避けなかった。
その言葉を使うときに一瞬躊躇いを見せこそしたものの、避けはしなかった。
「もしこれが…私のお財布ではなくて、他人の財布からだったら…。
それは窃盗なのよ?いや、例え親の財布であっても勿論許される行為じゃないんだけど。
これがエスカレートしていったら、本当に赤の他人の物を盗る行為さえ罪悪を感じずに
行ってしまうかもしれない。私は…それが怖い」
 事実、母のななこを見る瞳には、恐怖の色がうっすらと浮かんでいた。
(でもね、お母さん。もし、私がお母さんの財布からお金を盗らなかったならば、
私は”本当の意味で”窃盗犯になっていたよ。それこそ、お母さんの恐れる。
だからといって、自分の行為を正当化するつもりまではないけど)
「それとね、ななこ。私は…」
 母はそう継げた後、暫く黙っていた。
その沈黙があまりに長く続いたので、ななこはそれまで伏せていた顔を上げた程である。
顔を上げたななこは、母の顔を真正面から見る事となった。
その時ななこの瞳に映った母は、泣いていた。
「悲しい。あんなに信じていたのに、裏切られて…」
 消え入るように口にすると、席を立った。
その手には、財布が握られていた。財布をバッグに放置せずに手で持ったのは、
もう信頼しないという証なのだろうか。
 そして、ななこは見た。その財布から、かつてななこがプレゼントしたお守りが外されていた事に。
(本当に、裏切ってしまったんだ…)
 ななこは部屋に戻ると、その事で酷く苦しめられた。
悲嘆に暮れながら、頭を抱え込んだ。
(ああ、でも、どうすれば良かったの?
あいつ等の言うとおり、万引きしてくれば良かったの?
いや、成功するわけない。見つかれば、母を苦しめる事になる。
仮に成功したとして、やっぱり気が引けるよ。
というか、何で私があいつ等の為に犯罪に手を染めなきゃいけないの。
…我慢して私がいじめられれば、良かったのかな。
クラス全体から無視される事を恐れずに、あいつ等に立ち向かえば良かったのかな。
それを実行できなかった、私がやっぱりいけないのかな)
 沸々と、その思考を否定する心の声が沸きあがってきた。
やがてその声は、ななこの抱いている感情を悲しみから怒りへと、急速にシフトさせた。
(違うっ。そうじゃない。私が悪いんじゃない。あいつ等が、あの3人が悪いに決まってる。
私に母を裏切らせたのも、私を苦しめてるのもあいつ等だ。
どうしてあんなのがのさばる?ああ、だからこの国には無神論が蔓延っているんだ。
あんな連中でさえ罰を受けないなら、神の存在を否定したくもなる)
367審判:2008/12/28(日) 20:18:27 ID:PehOT5XF
 怒りに任せて、拳を強く握りこんだ。
もし爪を短く切り揃えていなかったのならば、
皮膚を切り裂き鮮血を滴らせたであろう程に、強く強く握り締めた。
(あいつ等が、あいつ等が、あいつ等が全部悪い。あいつ等が悪い。
いじめた連中が悪いに決まってる)
酷く蒸し暑い。ねっとりとした汗が、背中を伝っていくのが分かった。
(あいつ等が悪い。許せない)


「そうや!あいつ等が悪いんや!許せへん!」
 黒井はそう叫びながら飛び起きた。
呼吸音は荒く、身体は酷く汗をかいていた。
「今、何時や?」
 日の出の時間にさえなっていないのか、部屋はまだ暗闇が支配していた。
「4時か。お陰さまで、目覚しいらずの身体になったもんや」
 二度寝する気を無くし、今日はこのまま出勤しようと決めた。
あの事はもう10年以上も前になるのに、唐突に夢に見ることが度々あった。
そして、決まってうなされて飛び起きる。
どれだけ時を経ても、風化しない怒りの炎と共に、彼女の安眠を奪ってきた。
 あの日以来、学校でななこは関西弁を使う事を強要された。
しかし、高校卒業後もななこは関西弁を使用し続けてここまで来た。
それは、あの日の屈辱や怒りを忘れない為である。
いや、夢に出てきたあの日に限った事ではない。
それまでの高校生活、そしてその後の高校生活で受け続けた苦痛と恥辱も忘れない為である。
勿論、それはあの日々にいつまでも付き纏われ続けるという事も意味していたが、
どうせ忘れる事はできないのだ。だからこそ、薪に寝て胆を舐めるような決意で以って、
関西弁を使用し続けてきた。臥薪嘗胆、である。
 大学で彼女が教職課程を取ったのも、全てはいじめへの怒りからだった。
いじめを絶対許さない、その情熱…いや恨みとも言える執念が、彼女を教職の道へと進ませた。
そのいじめを許さないという決意には、
自分と同じ思いをする人を減らしたいという意味が殆ど込められていない事に、
彼女は気付いていただろうか。実際には、過去のトラウマへの強烈な怒りが、
原動力となっていた事に、彼女は気付いていただろうか。
「さて、汗でべっとりしとるし、シャワーでも浴びるか」
 恐らく、気付いてはいないだろう。
もし、気付いていたのなら、彼女は教師にならずに早々とあの決断を下していたかもしれない。

*

 二人組みの女子が、下駄箱の中に手紙を投函するのを視認すると同時に、
こなたは足早に近づいていった。
 こなたの予想通り、手紙を使って嫌がらせしてきた生徒はかなり早い時間帯に登校してきた。
まだ、この二人の他に登校してくる生徒はほとんど居ないような時間帯である。
たまに通りかかるのは、朝練のある運動部くらいだろうか。
(こんなに朝早く、ご苦労かつ迷惑な事だね)
 この現場を押さえる為に、今日は普段では考えられないような早い時間に起きてきた。
そのくせ、昨夜はつかさからのメールが気になって中々寝付けなかったので、
こなたの睡眠不足は相当深刻なものへとなっていた。
実際、身を隠していた柱に寄りかかったまま、危うく眠りそうになった事も何度かある。
だが、その苦労がたった今報われた。
368審判:2008/12/28(日) 20:19:45 ID:PehOT5XF
「ねぇ、今何を入れたの?」
 その二人は、突如現れたこなたを驚愕の表情で迎えると、顔を見合わせた。
気まずそうに視線を交し合う二人を尻目に、こなたは自分の名前が書かれた下駄箱から
一通の便箋を取り出し、広げて見せた。
「昨日入れたのも、君達だよね?筆跡、同じだし」
 刺々しい口調で、こなたは二人を詰問した。
「そうだよ、悪い?」
 往生際がいいのか、開き直っただけなのか、二人組みの内一人がふてぶてしく応じた。
(確か、この女子は平井。もう一人が新見だっけか)
 今まで言葉さえほとんど交わした事のない生徒だ。
こなただけではなく、つかさともほとんど言葉を交わした事はないだろう。
「悪いに決まってるよ。私、不快だったんだから」
 不遜な態度に幾分腹を立てながら、こなたは吐き捨てた。
「へぇ。イジメやるような奴でも、不快なんて人間じみた感情抱けるんだ」
 新見が蔑むような眼差しでそう口にした。
「まるで反省してないね」
 こなたは怒りを通り越して呆れてきた。
「反省?反省するべきはアンタでしょ?」
 せせら笑いながら平井が言った。
「反省はしてるよっ。ただ、いじめたとは思ってない」
「そうやって開き直って認めないところが、反省してないって言ってんだよ」
 平井の口調には、明らかに怒気が含まれていた。
(怒りたいのは私の方だよ)
 怒鳴りつけたい衝動を抑えながら、努めて冷静を装ってこなたは返答する。
「確かに私は、気付かないうちにつかさを不快にさせてた。
それは、イジメだと表現されても仕方ないかもしれない。
でも、君達は何の関係もないじゃん。私とつかさの問題なんだから、放っといてよ」
 これは、かがみに対しても言いたい事だった。
「関係ない?クラス内でいじめが行われてるのに、気付かないふりはできないよ。
傍観することだって、ある意味、いじめに加担しているようなものだし。
クラス全体でいじめには立ち向かっていくべきだと思ってるし。
それとも、泉さんはいじめなんて個人間の問題でしかないと思っているの?
ああ、個人間の問題であった方が、都合がいいのか。
だって、いじめる側だもんね、泉さん」
 新見の発言は、仮に正論でなかったとしても、理想的とも言える論理だった。
『気付かないふりはできない』『傍観もいじめに加担しているようなもの』
『クラス全体でいじめに立ち向かっていくべき』
これらの言葉を、覆す事は難しい。
「そりゃ、実際いじめが起こったら、そういう風に対応していくのが一番いいんだろうけど…」
 手紙を投函した現場を押さえて、有利な立場に立っているはずなのに、
こなたの語勢はどんどん弱弱しいものへとなっていった。
「実際いじめが起こったんじゃん」
 平井が呆れたように口にした。
こなたが何を言おうとも、『お前はいじめを行った』という言葉でもって、
あっさりと反論も返答も無効化される。
 ならば、『こなたがいじめを行った』という前提を突き崩せばいい。
そうこなたは考えた。
369審判:2008/12/28(日) 20:20:59 ID:PehOT5XF
「いじめって言うけど、私はいじめてるつもりなんてなかったし。
そりゃ、不快な思いはさせたけど…」
「相手が嫌だと思えば、それはもう立派なイジメだよ。
ああ、イジメが立派って意味じゃないからね。
言い訳ができない、っていう意味」
──相手が嫌だと思えば、その行為はいじめ
 どうやらそれが世間で罷り通っているいじめの定義という事らしい。
「随分と乱暴な認識だね。相手の心が弱いかどうかで、
イジメかイジメじゃないかが別れるんだ。
幾らなんでも、イジメの範囲が広すぎるよ」
 こなたは食ってかかった。
その定義では、友達同士のじゃれ合いですらいじめとして認定されかねない。
そもそも、一切相手に不快な思いを抱かせずに生きていく事など不可能に違いないのだ。
「はは、出たよ。イジメッ子お得意の言い訳が。虐められるほうが悪い、って言いたいわけだ。
虐められる人の、心の弱さが問題だと言いたい訳だ。
本当に、クズなんだね」
 そう発言した新見の瞳には、怒りの炎が宿って見えた。
(だから、何で君が怒るの?怒りたいのは私だよ。
大体、今回の件では私が被害者じゃん。ふざけた手紙投函しときながらよくもそんな事…)
 その時、こなたは気付いた。もし、新見や平井の言うとおり、
『相手が嫌だと思えば、それはもう立派ないじめ』だとするのならば───
「ねぇ、っていうかさ、二人とも気付いてないの?」
 こなたは低い声で囁いた。
「何に?」
 平井が訝しげに訊き返してきた。
その怪訝な表情に向かって、こなたは言葉を突きつけた。
静かに、けれども力強く。
「二人とも、既にイジメを行っているって事にさ」
 平井と新見は顔を見合わせた。
大きく見開かれた二人の瞳は、こなたの言葉が想定外だった事を彷彿とさせていた。
「何、言ってんの?」
「言ったとおりだよ。二人は立派にイジメを行っている、って事さ。
それとも何?こんな手紙投函しておきながら、これはイジメじゃないって開き直るの?
私が不快に感じてるのに?」
 人に問い詰められた時の切り返しの一つに、鸚鵡返しというものがある。
『私を悪だと責めたけど、お前達だって似たような事やってるだろ』というものである。
時と場合によっては屁理屈にしかならないが、
この場面においては有効な切り返しだろうとこなたは確信していた。
気まずそうに口を噤む二人の表情を想像し、こなたは少しだけ愉快な気分になった。
 しかし、こなたの確信に満ちた表情は、そう長くは続かなかった。
「あのさ、注意や制裁と、イジメは違うものだと思うけど」
 こなたが想像していたような気まずさなど微塵も表情に浮かべずに、平井がそう言い放った。
むしろ何処か呆れたような色が、表情と声に表れている。
(制裁だって?)
 こなたは面食らった。
しかし、こなたの困惑など全く気にも留めずに、新見が平井の後を継いで発言した。
「例えば泉さんはさ、悪い事をして先生や親から注意されて嫌な気分になった時、
それをイジメだと認識するの?イジメとは全く違う種類のものだよね?
混同するのは、幼稚な屁理屈でしかないって」
(どっちが屁理屈を言ってんの)
 こなたは心の中で吐き捨てた。
370審判:2008/12/28(日) 20:21:54 ID:PehOT5XF
(確かに、注意とイジメは違う。でも、これの何処が注意なんだ?
こっそりと、文句を書き連ねた手紙を投函しておきながら、
嫌がらせではなく注意だと言い張るつもりなの?
そういうのこそ、屁理屈だって言うんだよ)
 心の中に浮かんだ言葉を、声にして伝えようとこなたは口を開きかけた。
しかし、新見を見た途端、こなたが声にしようとした言葉は喉に詰まってしまった。
こなたが見た新見は、至って真面目な表情をしていた。
屁理屈を言ったのではなく、自分はあくまでも正論を言ったのだという自信が、
その真面目な表情に漲っていた。
(この人、苦し紛れの屁理屈じゃなく、本気であれが注意だと思いこんでるんだ。
ああ、そういえば…)
 こなたは、手紙の文面に対して覚えた違和感を思い出していた。
そう、手紙にはこなたに対する非難の言葉こそ所狭しと並んでいたが、
単純な中傷文句は一つとして書かれていなかった。
(本当に、あれは、注意や批判、非難のつもりだったんだ。
嫌がらせという意図なんて、心底無かったんだ…)
 この二人に、悪意はない。
その事に思い至ったとき、こなたは背筋が凍りつきそうな程の恐怖に襲われた。
自分は今、悪の立場に立っているという事を、心底痛感させられてしまったのだ。
 そして、もう一つ。平井の放った制裁という言葉もまた、
こなたのその悲観的な思考に拍車をかけていた。
(私が糾弾される悪の側で、この二人は悪を糾弾する正義の側なんだ…。
悪だとか正義だとかいう言葉は大げさかもしれないけど、
少なくともこの二人は自分達の行為に、
非難の言葉を書き連ねた手紙を投函した行為に一切の罪悪を感じていないんだ。
それどころか、正当な行為であるとすら信じ込んでいるんだ…)
 こなたは、とあるテレビ番組を思い出していた。
殺人加害者の実家が映されたニュースだったが、塀には落書きがなされ、
また、時折投石を受け窓ガラスも割れるという事だった。
そのニュースはこなたに一つの衝撃を与えていた。
世の中には、悪というレッテルを貼られた者に対しては
何をしてもいいと思いこんでいる輩が居るという事。
それが、こなたには薄ら寒かった。けれども、その時は遠い世界の話のように思えてもいた。
 しかし、そういう思考をする輩は、案外と身近な所に居た。
それがこの二人、平井と新見だ。
「虐めっ子」というレッテルを貼られたこなたに対し、
正当性を確信した嫌がらせ──二人に言わせれば、注意或いは”制裁”──を行ってきた。
(あの時のニュースの、加害者家族の立場に、私は今立たされているんだ。
レッテルを貼られた者、という意味で)
 こなたはこれ以上ものを考えるのも億劫になったが、すぐに別の思考が頭をもたげた。
(いや、でも、この二人、本当に自分達の行為を正当なものだと思っているんだろうか。
もし、正当なものだと思っているのなら、隠れてこそこそと手紙投函なんて真似するだろうか。
もし、心底正しいと確信していたのなら、
こそこそせずに堂々と私に絡んでくれば良かったんだ)
 一条の光明を見たような希望と、一筋の蜘蛛の糸でしかない頼りなさの同居を感じながらも、
その思考にこなたは状況好転を委ねた。
「ねぇ、本当に、自分達の行った事は注意だと思っているの?
注意だと言うのなら、どうして匿名の手紙を投函するなんて陰険なやり方をしたの?
自分達が正しいと思っているのなら、正々堂々と正面切って言えなかったの?
後ろめたいところがあったから、嫌がらせ、つまりはイジメだという認識があったからこそ、
こんな陰険な事したんじゃないの?」
371審判:2008/12/28(日) 20:22:43 ID:PehOT5XF
 それに対し、新見は怯む事無く返答してきた。
こなたを睨みつけている平井の表情にも、一切の翳りは感じられない。
「怖かったんだ。泉さんってさ、格闘技やってるって話聞いたから。
だから、こそこそと隠れてやる必要があった」
 新見はそこで言葉を切ると、瞳と声に力を込めて続けた。
「でも、もう安全な場所から、なんていうのは終わり。恐れていたら、柊さんが救われないから。
泉さんの暴力なんて、もう恐れない。私は」
「私達、だろ」
 平井が口を挟んだ。その言葉に勇気付けられたのか、
なお一層新見の言葉に力が篭った。
「私達は、正々堂々と泉さんを糾弾する。
イジメを、B組から根絶させる。貴方なんかに、負けはしない」
 そう言い切った新見の表情も、また力添えをした平井の表情にも、
威風堂々としたある種の清々しさがあった。
また、二人の瞳には、同じ種類の炎が燃えていた。
自らの正当性を確信し、敵と認めたものに対する一切の配慮を無くさせるあの炎。
そう、こなたは二人の瞳に、揺らぐ事のない正義の炎を感じ取った。
(私は…そこまで悪いの?
そこまで私は、悪いことをしたの?
もしかして私は、到底許されないような事をしてしまったの?
現に、つかさからのメールは返ってこないし。実際に私は、
途方もない悪行を働いてしまったのかな。
許されるの事のない、イジメをしてしまったのかな…)
 こなたは呆けたように考えた。
止む事のない疑問が、こなたを苦しめていた。
 気が付けば、既に新見の姿も平井の姿も眼前にはなかった。
代わりに、昇降口は登校してくる生徒でごった返していた。
 こなたはあまりにも長い時間放心してしまった事に気付くと、
足早に教室へと向かった。
(早く授業始まってよ…)
 考えを紛らわす事のできるタスクを渇望しながら、こなたは階段を駆け上がった。
372名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/28(日) 20:25:23 ID:PehOT5XF
>>365-371
今日はこれで終わりです。
また。
373名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/28(日) 20:56:49 ID:xOA1j3J7
とんだ友情ごっこだ
374グレゴリー:2008/12/28(日) 21:04:17 ID:KE473srj
お前ら、なんで今まで友人やってたのかとw
こなたの怒りの暴走を期待!
375名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/28(日) 22:25:26 ID:tvkbdCAy
平井&新見ひでぇwww
376名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/28(日) 23:54:46 ID:QymI0sIG
GJ。楽しみにしてるよww
377名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/29(月) 03:42:46 ID:2lEUd6+f
       \  黙れ! カス共! 鼻ぴーでも付けてやる!  /

      \   ゝ‐<::./::./ .::.::.::.::\/  | .::.::.::.::.::.:: /::.::.:|::.::.::.::.::.::.::.:::
      \ 〃 / _  ヽ:/::.::.::.::.::.:/\  |::.::.::.::.::.:: /::.::.:: |::.::.::.::.::.ヽ::.::
      {{ / / __ ヽ ',.::/::./   `ー |::.::.::.::.:: / |::.::.:/|_::.::.::.::.:l::.::
.   ──  |  ! /●) } |イ斤テ左≡ォz /::.::.::.::/ 斗七 !::.::.::.::.::.::.|::.::
.         ∧ ヽヽ _/ /::! レヘ :::::::::/ /::.::. /    j /  | .::.::.::.::.:: |::.::
.     , -―ヘ  `ー   /.::.| rー'゚:::::::/ /::.:/   テ左≠=ヵ::.::.::.::.::. |::.::
____/   {     /.::.::.| ゞ辷zン //    う。::::::7 /イ .::. |::.::.::.|::.::
彡_/     ヽ    イ ::.::. |             /ヘ:::::::/  |.::.::.:|::.::.:∧::.
〃   V    ヽ    ヽ.::.: |              ヾ辷:ン /:l::.::./!::.:/
 l    {      ∨  }__.::.|\     <!         ・ /::.l::|::./│/
 ヽ   ヽ     {      ̄ ̄ ̄`ヽ _         イ::.: l::|:/ j/
、 \   \    }           ) / ̄ ̄ ̄l7::.:|::.::.j::l′ /
378名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/29(月) 09:20:05 ID:0v64Wcmc
後2日しかねーぞ!
早く自殺させるんだ!
379名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/29(月) 11:08:35 ID:BKBMGAzn
こなたが自殺した後つかさを含めた他の奴らに過ちに気づいて欲しいな
380名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/29(月) 18:36:21 ID:IRDaWaFL
>>379
どうかね
この人のSSには、
『自殺に追い込んだ側はクラッカーの歯クソたりとも反省しない』が共通してるから
381名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/29(月) 18:48:23 ID:+h73/40g
こんばんは。
>>365-371の続きを投下します。
382審判:2008/12/29(月) 18:49:08 ID:+h73/40g

*

 昼休みになると同時に、こなたは教室を出て食堂へと向かった。
ここまでの半日は、散々だった。
針の筵なのは相変わらずだが、昨日よりも確実に今日の方が辛い。
どんな最悪な環境でも、慣れてしまえばどうという事はないらしいが、
慣れる前に病んでしまうような気さえした。
また、慣れというものはその環境が持続するからこそ生ずるのであって、
日に日に環境が悪化していくのなら慣れる余地なく壊されるしかない。
 実際、あれ程苦痛を感じていた昨日に比べてさえ、
今日のこなたを取り巻く状況は悪化している。
こなたがそう感じた大きな要因は、二つある。
一つは勿論、朝の出来事である。新見や平井との間で交わされた口論は、
こなたの心に元からあった猜疑心をより一層大きなものへと育て上げていた。
即ち、『私は本当に許されない事をしたのかもしれない』という疑念である。
こなたは、授業中もその事について考えを巡らせていた。
いや、考えを巡らせていた、という表現は正確ではない。
実際、無自覚に発せられてくる心の声に抗っていただけなのだ。
心はこの問いを発し続けていた。
『私は本当に許されない事をしたのかもしれない』という、問いを。
それに対し、こなたは必死になって否定し続けた。
しかし、否定すれば否定するほど、別の声がこなたを刺したのも事実だった。
『反省していないね』という、かがみからも今朝の二人からも言われた、
その言葉が、彼女達の声で心に響き渡った。
朝のやり取りは、確実にこなたの心に包囲網を形成し、
徐々に、だが確実にこなたの精神を追い詰めていたのだ。
 そしてもう一つが、昨夜つかさに向けて送ったメールである。
そのメールに対する返信が未だないだけならまだしも、
当のつかさは、そのようなメールを受け取った覚えがないかのような風体で今日を過ごしている。
(何らかのリアクションがあってもいいはずなのに。
もしかして、虐めだと思っていないのは世界中で私ただ一人だけで、
当のつかさもイジメを受けたものだと思っているのかもしれない。
だから、私を許す気になれずにメールに対して何の反応も示してこないのかな)
 こなたは不安に駆られながら、重い足を引きずるようにして歩いた。
その二つの要因は、確実に昨日よりも今日を辛いものへと変貌させていた。
(でも、今日さえ乗り切れば明日は土曜日。休みを二日程度挟んだからといって、
クラスメイトの態度が軟化するとは思えないけど、学校から逃れてはいられる、か)
「おー、ちびっ子ー。暗い顔して歩いてんなー」
 明るい声で、こなたは我に返った。
「みさきち…」
 振り向けばそこには、場違いな程の明るい笑みを顔に浮かべたみさおの姿があった。
(いや、この場所では、学校ではそれが正しいんだろう。
場違いなのはむしろ、私のほうか)
 あやのもみさおの近くに居たが、
携帯電話を操作していて、話に加わってこようという態度は感じられなかった。
(どうせ、かがみから何か良からぬ事聞かされてるんだろうな。
私と話すのは嫌だから、携帯電話を操作するフリしてるだけなんだろうな)
 気まずい雰囲気の元では、よくある光景である。
383審判:2008/12/29(月) 18:49:56 ID:+h73/40g
「なー、ちびっ子ー。柊と喧嘩したんだって?」
 無遠慮に、みさおは尋ねてきた。
「関係、ないじゃん」
 こなたは吐き捨てるように言った。
「関係ないって言えば関係ないけどな。
でもなー、どうせお前が悪いんだろうから、早いトコ謝っとけよ」
 こなたは無言でみさおの顔を睨みつけた。
みさおはこなたの剣幕に驚いたのか、二、三歩後ずさった。
「いや、柊から聞いたところだと、お前に原因があるみたいな言い方だったからな。
まぁ双方共に言い分はあるだろうさ。
でもさ、柊ってプライド高いじゃん?自分から謝るなんて事、しないと思うんだよ。
だからまぁ、ここはお前が折れといた方がいいと思うぜ」
「かがみからは…何を聞いてるの?」
 探るように、こなたは尋ねた。
みさおは困惑気味に視線を逸らして沈黙した。
「ねぇ、何を聞いてるの?本当にかがみは、私と喧嘩してるなんて言ってたの?」
 こなたは重ねて問いかけた。
観念したように、みさおは重々しく口を開いた。
「いや、柊が言っていた事、丸々信じてるって訳じゃねーんだけど、
柊は、お前が柊の妹を虐めてるって言ってたな。
それが原因で、交戦状態にあるみたいな事も、言ってたな」
「そう」
 こなたは言葉短く呟くと、背中を向けた。
「どうせみさきちも、私が悪いと思ってるんでしょ。
って、さっき言ってたね。どうせお前が悪い、って。
はいはい、どうせ私は虐めっ子だよ。
好きなだけ後ろ指刺してればいい」
 こなたは自棄気味に吐き捨てると、そのまま歩いていこうとした。
しかし、みさおがその肩を強く掴んでこなたを引き止めた。
「ちょっと待てって。さっきのは軽い冗談だよ。
私は、別にちびっ子だけが悪いとは思ってないって。
ほら、柊って妹溺愛してんじゃん?
だからさ、少なからず妹を贔屓目に見ちゃってると思うんだよ。
それで、上手く言えないけど、お前だけが悪いわけじゃないと思うというか…。
柊や妹の方にも、反省すべき点があるんじゃないかというか」
(軽い冗談か。それで済めば、私は何も苦しまなかったよ。
軽い冗談のノリでつかさに向けて発言していた事が、
イジメっ子として糾弾される原因の一つになったんだから)
「軽い冗談?そうは聞こえなかったけど」
 苛立ちを隠そうともせず、こなたは怒気を露にして言い返した。
みさおの言った事を軽い冗談と受け止めて水に流せば、
水に流してもらえなかったこなたとの間に不公平が生じる、そうこなたは考えた。
自分が言った時は許されなかったのに、自分が言われたら許すのか、と。
(そんなに聖人君子じゃないよ、私は)
「いや、謝るって。な。だからさ、ちびっ子も柊に謝れよ。
また皆で仲良くやろうぜ。こんな刺々しい空気に巻き込まれてんの、ごめんなんだよ。
私が仲介役買って出るか」
「うるさいっ」
 こなたは振り向き様にみさおを突き飛ばした。
不意を衝かれたみさおは勢い余って、廊下に尻餅を着く格好になった。
384審判:2008/12/29(月) 18:51:20 ID:+h73/40g
(仲介だって?余計話がこじれるだけだ。
かがみはどうあっても、私を許す気はないよ)
 みさおを見下ろしながら、こなたはかがみの激怒した表情を思い出していた。
 その時だった、あやのが割り込んできたのは。
あやのの顔にもまた、怒りが漲っていた。
その表情が、かがみの激怒した表情と被ってこなたの瞳に映った。
「ちょっと、次はみさちゃん虐めるつもりなの?」
 みさおの前に立ちはだかりながら、あやのは強い口調で詰問してきた。
(次は、か。本音が出たよ。みさきちはともかく、峰岸さんはかがみの言った事信じてるんだね。
私がつかさを虐めた、そう思ってるんだろうね)
 何の反応も示さないこなたに構う事無く、あやのは続けた。
「みさちゃんまで虐めようとするなら、私絶対に泉ちゃんの事許さないから」
 そこに居るあやのは、普段の淑やかな彼女ではなかった。
みさおを守るように立ちはだかり、こなたに立ち向かうその姿は、
雛鳥を守る親鳥の姿を──
否、”つかさを守るかがみの姿を”連想させた。
「勿論、イジメだってそれだけでもう許せないよ。
だって、虐めた方はすぐ忘れるというけど、虐められた方は一生涯忘れないって言うし」
(誰かの受け売り、か。よく聞く言葉だね)
「一生とは、大袈裟だね」
 こなたは揶揄するように、頬に歪んだ笑みを浮かべて言葉を放ったが、
そのふてぶてしい態度とは裏腹に心は震えていた。
みさおを守るように立ちはだかるあやのの姿が、
あまりにもかがみに似ていた為に、
かがみと対立した時の記憶が唐突にフラッシュバックしたのだ。
「大袈裟なんかじゃない。きっと、大袈裟なんかじゃない。
生涯消える事のない傷を負わせる、最悪の大罪なんだ」
(最悪の大罪は、果たしてイジメだろうか。例えば殺人よりも、罪なんだろうか)
「それを、しかも、みさちゃんに矛先を向けようだなんて、私は絶対に許さない」
「ねぇ、訊きたいんだけどさ」
 本当は、かがみにもう一度尋ねたい事なのかもしれない。
ただ、この際あやのでも良かった。かがみを彷彿とさせる今のあやのならば、
かがみの代役は充分務まるようにこなたには思えた。
「私がやった事って、果たして虐めなのかな?」
「決まってるじゃないっ」
 あやのは即答した。
「みさちゃん突き飛ばしておいて、虐めじゃないなんて言うつもりなの?」
(ああ、そっちか)
 本当は、つかさに対するこなたの行動は虐めとなるのかどうか、それを訊きたかった。
しかし、あやのが答えたのは、こなたのみさおに対する行動を指してのものだった。
 幾分こなたは拍子抜けしたが、あやのの次の言葉は充分にこなたの興味を引いた。
「それだけじゃない、みさちゃんを今まで散々馬鹿にしてきたじゃない。
あれも、虐めじゃないとでも言うの?」
(ああ、これは、かがみに言われた事だ。
冗談のつもりだった、と言ったらかがみは激怒したっけ。
虐められた方が苦痛を感じたのなら、加害者に故意はなくとも虐めは成立するって、
激怒したんだっけ。峰岸さんは、どう答えるんだろう)
「私さ、軽い冗談のつもりでバカキャラだとか形容してきただけで、
みさきち虐めてるつもりは無かったんだよねー。
それでも虐めになっちゃうのかな?」
「ふざけないでっ。みさちゃんが嫌だと思ったら、
それは立派なイジメじゃない。
加害者が鈍感かどうかで、虐めかそうでないかが決まるなんておかしいに決まってる。
第一、虐めっ子に虐めの意識があったかどうかを問題にしたら、
それは虐めっ子に言い逃れの余地を与えるだけじゃない。
私は虐めをやっているつもりはありませんでした、
そんな軽い一言でみさちゃんの感じた苦痛は済まされてしまうものなの?」
385審判:2008/12/29(月) 18:52:17 ID:+h73/40g
「もういいって、あやの。私は別にそこまで不快に思ってた訳じゃないし。
それに、ほら。さっき突き飛ばされたのだって、私がしつこ過ぎただけだし」
 みさおがとりなす様に間に入ってきた。
(ああ、言われてみればそれもそうか。私が鈍感過ぎるだけなのかもしれない。
かがみや、平井さん新見さんの論理は、正しいものなのかもしれない。
ああ、でも、まだ認めた訳じゃない。
峰岸さんが言った事は、それなりの説得力はあったけど、まだ私は認めない。
尤も、かがみに言わせても平井さん新見さんに言わせても、
認めないっていうのは反省してない証拠って事になるんだろうけど。
それは多分、峰岸さんに言わせても同じ事なんだろう。
でも多分、反省していないのとは違う。本当は、認めるのが怖いだけだ。
反省してないわけじゃない、私が無二の親友であるつかさに虐めを行っていた事を認めるのが、
怖いだけなんだ。だから私は、彼女達の論理を認めずに抗ってるんだ、多分)
 こなたはあやのにもみさおにも何らの返答をせずに、
背を翻して歩き去った。
食欲などとうに失せてしまっているので、食堂は目指さずに図書室を目指した。
騒音から逃れられる場所が、こなたには必要だったのだ。


 午後の授業も、どうにか乗り切ったこなたは家に着いた。
すぐに入浴を済ませると、夕食も程ほどにこなたは眠りに就いた。
そうじろうやゆたかが心配そうにしていたが、
こなたには二人に対して配慮する気力も無くなっていた。

*

 こなたは闇夜の中を走って逃げていた。
何に追われているのか、いつから追われているのか、そして此処は何処なのか。
それさえ分からなかったが、無我夢中で走り続けた。
必死になって両足を動かしているのに、もどかしいくらいに速度が出ない。
まるでプールの中を歩いているような感覚だった。
「助けてっ。助けてっ」
 叫び声を上げても、掠れた声しか出てこなかった。
「助けて欲しかったのは、私の方だよ」
 低くうねった声が、こなたに耳に響いた。
この声は、何処から聞こえてきたものだろうか。
こなたの遥か後方からなのか、或いは耳元で囁かれた声なのか。
まるで判別がつかない。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」
 呪われたように謝罪の言葉をひたすら並べ立てながら、なおもこなたは走った。
(誰に何を謝っているんだろう?)
 一瞬、その疑問が脳裏に浮かんだ。
その声に呼応するように、こなたの心の中で誰かが…いや、自分が囁いた。
分かりきった事を聞くなよ、と。
「謝ったって、許さない」
 低くうねるような声の主が何処にいるのか、はっきりと分かった。
間違いなくその声は自分の耳元で囁かれたものである、と。
「っ」
 こなたは恐怖のあまり、声を無くした。
その恐怖はこなたから声を奪っただけではなく、双眸から涙を溢れさせた。
そのせいで視界が霞んだが、構う事無く走り続けた。
声の主はすぐ近くに、こなたのすぐ後ろに居る。
涙を拭っている暇などなかった。
 突如、こなたは転んだ。
(早く、立ち上がらないと。捕まっちゃうよ)
目元を拭う暇さえ惜しんだせいで、小石にでも躓いたのだろうか。
こなたは急いで体勢を立て直し、立ち上がろうとするが再び転んだ。
(違う。躓いたんじゃない。何かに、引っ張られているんだ…)
 恐る恐る、こなたは後ろを振り返った。
386審判:2008/12/29(月) 18:53:15 ID:+h73/40g
「っ」
 その瞳に映った景色に、こなたは絶句した。
こなたの右足首を、深い皺が刻まれた手がしっかりと掴んでいた。
「離して…はなして…」
 声を振り絞って懇願するが、足首を掴んだ手は拘束を解く素振りを見せない。
むしろその手は、掴む力を増していった。
この老人の手の何処にそんな力があるのか、不思議ではあるがそれどころではない。
こなたは身を捩って逃れようとするが、圧倒的な握力から自由になる事はできなかった。
「痛いっ。痛いよっ」
 万力で足首を締めつけられているような痛みが走り抜け、
堪らずこなたは悲鳴を上げた。
「いいザマだね」
 もがき苦しむこなたを嘲笑いながら、声と手の主は身を乗り出してきた。
(なんで、お婆さんにこんな力が…)
 瞳に映った老婆の顔に、初対面のはずなのに何処か懐かしさを覚えた。
恐怖を惹起させる老婆の声にも、何処か懐かしい響きがあった。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」
 こなたは再び謝罪の文句を繰り返した。
同じ言葉を繰り返すその哀れな姿は最早、
人というよりも音楽プレーヤーと言った方がいいのかもしれない。
『ごめんなさい』という言葉だけがデータとして取り込まれている、単なる機械。
ただ一つ、機械と彼女に違うところがあるとすれば、
声に心が込められているかどうかだろうか。
こなたは心の底から、老婆に向かって謝罪していた。
罪悪感を空気の振動に変換して、相手に伝えたかった。
「許さないって、言ったよね?10年20年の単位じゃない。
50年も60年も、いやいや死ぬ間際のその時まで恨んで来たんだから」
 そう口にした老婆は、突如としてその姿を変えた。
みるみる内に若返っていく老婆は、こなたにとって良く知る人物の面影を表出させ、
やがてこなたの記憶と合致する少女となってその姿を留めた。
「つか…さ…?」
 こなたの足を掴んでいる人間は、最早老婆ではなく柊つかさその人だった。
「虐めた方は…」
 驚愕に囚われたこなたの背の方から、別の声が響き渡った。
咄嗟に振り返ると、そこにはあやのが居た。
「峰岸さん?」
「すぐ忘れるというけど、虐められた方は一生涯忘れない」
 既に一度言われた言葉だが、今度はこなたの精神を深い所まで抉り抜いた。
実際、つかさは一生涯忘れていなかった。
「そんなつもり、なかったんだ。まさかつかさがここまで、
一生涯傷を負うことになるなんて、予想もしてなかったんだ。
ごめんなさい、本当に、ごめんなさい。
許してください。反省してるから、本当に」
 自分の行ってしまった罪悪の重さに、こなたの身体が激しく震えた。
しかし、満身創痍の様相すら呈してきたこなたに対し、
情けや容赦を微塵も感じさせない、鉄のような冷たい言葉が襲い掛かった。
「泉さんの言動を見る限り…」
「みゆきさん…」
 こなたが視線を転ずると、そこにはみゆきがいた。
普段温厚な彼女からは想像も出来ない姿が、そこにはあった。
蔑むような表情と、炎すら凍りつかせるような冷たい声。
「反省している素振りは見受けられません」
 こなたは必死になって頭を振った。
「そんな事ないよ。本当に、本当に反省してるんだ。
本当に、悪かったって、思ってるんだよ…」
 縋るようにみゆきに言い寄るが、みゆきは蔑みの表情を崩さず、
突き放すような瞳でこなたを見つめていた。
387審判:2008/12/29(月) 18:54:01 ID:+h73/40g
「私は…」
 そこに、新見が姿を現した。
「新見さん…」
「私達、だろ」
 平井も、続いて姿を現した。
「私達は、正々堂々と泉さんを糾弾する。
イジメを、B組から根絶させる。貴方なんかに、負けはしない」
 新見がそう言い切った途端、B組のクラスメイト達が続々と姿を現した。
彼ら彼女らは、こなたを取り囲むように円陣を組んで、新見に同調の声を上げ始めた。
一斉に、高らかと。
「私も、協力するよ」「傍観者のままでいたくないし」「私も」「俺も」「私も」
「私も」「私も」「私も」「私も」「私も」「私も」「私も」「私も」「私も」
「嫌っ」
 こなたは耳を塞ぐと絶叫した。
「ほら、目を開けて、こなちゃん」
「つかさっ。本当に、ごめんなさい」
「嫌だよ。謝ったって───」
 つかさは、携帯電話を取り出して、ディスプレイをこなたに見せた。
そこには、つかさに対して送った謝罪のメールが映し出されている。
「───許してあげない」
 つかさは、そのメールを消去した。
「そん…な…」
 こなたの体が、ゆっくりと崩れ落ちる。
もう、重力に逆らうだけの力なんて今のこなたには無かった。
重力に全てを委ねるように、空気に押し潰されるように、
こなたは地面に突っ伏した。
 そのこなたの瞳に、もう一人、見知った人間の顔が映った。
それは、黒井だった。
「せんせい…」
 黒井もやはり、こなたを糾弾するのだろうか。
もうこれ以上、抗う力はおろか言葉を受け止める力も残ってはいないというのに。
しかし、黒井は何も言わなかった。ただ寂しそうにこなたを一瞥すると、
何事か囁いてその姿を消した。
聞き取れなかったが、こなたの視力は明瞭に唇の動きを読み取っていた。
『さようなら』と、そう唇が動いたようにこなたには見えた。
それは幻想かもしれない、思い込みかもしれない。
 ただ、黒井の儚げな姿に、こなたは胸騒ぎを覚えた。
「こなちゃん、さようなら、だね」
 未だ胸騒ぎは去っていないが、その声に導かれるようにこなたはつかさを見上げた。
細い腕の何処にそんな力があるのか分からないが、或いは恨みの為せる業なのか、
つかさは大きな岩を持ち上げていた。
(早く、振り下ろしてよ…)
388審判:2008/12/29(月) 18:54:56 ID:+h73/40g
 つかさは、こなたの願い通りに岩を振り下ろした。
こなたの頭部を目掛けて。頭部が押し潰される瞬間、つかさが再び姿を変えたような気がした。
少なくともこなたには、そう感じられた。


 こなたは飛び起きた。
顔に手をやる。別に何とも無い。勿論潰れてなどいないし、傷一つ付いていない。
次いでこなたは、辺りを見回した。暗闇の中だが、窓から差し込む月や街灯の光が、
ここがこなたの部屋である事を証明していた。
また、つかさの姿も何処にもない。他の人間の姿も。
「夢…か。当たり前だよね」
 こなたは大きな溜息をついた。
決して安堵の溜息ではない。重苦しい、沈鬱な溜息だった。
 この夢は、こなたに対して大きな疑問を投げかけていた。
『本当に、つかさに対して一生涯消える事の無い傷を負わせてしまったのではないか』
という、重く苦しい一つの疑問を。
「そんなわけ、あるはずないじゃん」
 こなたは頭を振った。心の中で、数々の疑念が大きくなり、
それは罪悪感と呼んでも差し支えないほどにまで育っていた。
罪悪感を抱く、という事はつまり、自分の今までの行為は悪だ、
という事をこなたは認め始めている事の証明ともいえる。
それを自覚していながらも、こなたはなおも抗っていた。
自分が虐めをやるような人間だという事も、
また親友であるつかさに生涯消える事の無い傷を負わせてしまったという事も、
こなたにとって受け止めるにはあまりにも重過ぎたのだ。
こなたは、繊細過ぎた。
「まだだ、まだ私は認めない。まだそうと決まった訳じゃない。
つかさが大きすぎる傷を負ったと決まったわけでもなければ、
私が虐めをやったと認めたわけでもない。
そもそも、つかさがメールを返してこないのは、
メールに事故があったのかもしれないし、
返信できない事情が、例えば携帯料金使いすぎて親に携帯止められちゃったとか、
そういう事情があるのかもしれないし。
それに、つかさに悪い事しちゃったな、って反省はしてるんだ」
 虚空を睨みながら、こなたは誰に言うでもなく呟いた。
まだ、こなたはトドメとなる一撃に見舞われていなかった。
精神はズタズタに切り裂かれていたが、まだ認めるわけにはいかなかった。
もう認めたらそれが最後、彼女は存在している勇気すら無くしてしまうだろう。
充分に傷を負いながらも、どうにか致命傷だけは辛うじて避けていた。
(それよりも…)
 こなたには二点、気になる事があった。
一つは、夢に出てきた黒井の表情だった。
寂しげな、もの悲しい表情。まるで、死を選んだ人間のように深く沈んでいた。
虫の知らせとも言うべき不安は、夢から覚めても未だ消えずにこなたの心に残っている。
もう一点は、夢の最後に出てきたつかさの変身だった。
夢から覚める間際に、こなたはつかさがかがみへと姿を変えたような気がしていた。
最後に岩を振り下ろしたのは、つかさではなくかがみだったような気がしていた。
こちらは何を意味するのだろうか。
「ふんっ。馬鹿馬鹿しい。所詮夢だよ」
 こなたは吐き捨てると、立ち上がって部屋の照明を灯した。
まだ外は暗いので、もう一度寝るつもりではあるが、寝汗が酷い。
ねっとりとこなたの身体を湿らせ、シャツを肌に貼りつかせている。
この汗に塗れた服と身体のまま眠るのも、気持ちが悪い。
寝る前に一度シャワーを浴びる事に決めると、こなたは浴室へと向かった。
389名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/29(月) 18:56:35 ID:+h73/40g
>>382-388
今日はここまでです。また。
390名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/29(月) 20:16:26 ID:QW4mivSD
支援
391名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/30(火) 08:11:09 ID:W/MmvkAG
毎回いいとこで終わりやがる…
続き楽しみにしてるよ
392JEDI_tkms1984:2008/12/30(火) 10:06:32 ID:cCNKLw/+
 はぁ、やっと地獄のような納会が終わり……。
ジョックの低劣嗜虐なノリにはついていけません。

>>389

 いじめの定義について熟考したくなる展開ですね。
あれこれ先を予想したりせず、純粋に続きを楽しみにしております。
393名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/30(火) 18:55:45 ID:LeEa41fv
今晩は、今日はお疲れさまでした。
>>382-388の続き投下します。
394名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/30(火) 18:56:54 ID:LeEa41fv

*

 黒井は自宅最寄の駅に着くと、溜息を一つ吐いた。
毎日の事ながら、神奈川にある自宅から埼玉にある高校まで通うのは骨が折れる。
(今週もごくろーさん、ってか)
 金曜のアフターファイブに浮かれる人々を横目に見やりながら、
黒井は自宅への帰り道を急ごうとした。
「あれ?もしかしてななこ?」
 しかし、その足は止まる事になる。
聞き覚えのある声が、
(いや、たとえ10年はおろか20年30年過ぎようが、忘れるものか)
その足を止めさせていた。
「あー、やっぱりななこだよねー。あんまり変わってないねー」
 強張った表情を、声のする方へと向けた。
その瞳には、高校時代のクラスメイト、高道が映されていた。
時の流れが多少姿形を変えていようとも、黒井はこの人物を間違えたりはしない。
かつて黒井を虐めていた3人組の内、主犯格の女なのだから。
「久しぶり、やな」
「あー、相変わらず関西弁なんだー。てか覚えててくれて嬉しいなー。
昔私達、よくつるんでたよねー」
(つるんでた?虐めてた、の間違いやろ)
 黒井は心中毒づいた。10年以上の時を経ても、
色褪せないどす黒い怒りが心の中で渦を巻いている。
「ああ、そうやったな」
「今ななこはさー、何やってんの?」
「教師。そっちは?」
 今すぐにも踵を返してやりたいが、大人気ない対応をするのも自尊心が傷つく。
疼くトラウマにどうにか耐えながら、黒井は努めて冷静に聞き返した。
「私?テキトーにパン事務。いやー、つまらない人生歩んじゃってるよー」
(それは、いい気味や)
 そう言ってやりたかったが、別の言葉に歪曲して伝えた。
「つつがないなら、何よりやな」
「そうは言ってもねー。教師ってぶっちゃけ、勝ち組じゃん?
羨ましいよ。てか私だけ負け組っぽいし」
 そうは言うものの、声は明るさを感じさせた。
平凡ながらもそこそこ楽しい日々を送っている事が垣間見えて、
黒井は少しだけ不快な気分になった。
「私だけ?」
「そ。あの頃のメンバーの中で、私だけ負け組。
瀬尾も小島も、勝ち組めいた人生送ってんだよねー」
(メンバー?ウチを勝手に組み入れて欲しくはないで)
「例えばさ、小島はもう結婚してるし。お相手は商社マンだって。
それも、旧財閥系の総合商社だってさ。
ああそうそう、瀬尾はなんだかんだで頭良かったから、
国T本省に行っちゃったよ。確か文科省、だったかな」
(虐めやっとった癖に、随分とまぁ幸福そうな人生歩んどるな)
 かつて自分を虐めた人間達が、幸福になっているという事実は黒井の怒りに油を注いでいた。
虐められた方は一生涯忘れない、その典型例が一つ此処にあった。
(それにしても、瀬尾のやつ、文部科学省やと?
教育のハイエンド機構やないか。虐めやってた奴が、
教育機関のトップにキャリアで入省やと?世の中、どうなってんや)
「それにしても、ななこに会うなんて、本当に偶然だよ。
ちょっと今日は仕事休んで、こっちの方までぶらぶらしてたんだけど。
そしたら愛しき旧友に出会っちゃったよ。懐かしいなー」
(愛しきだとか旧友だとか、舐めとんのか?)
 黒井は心中穏やかではなかった。
395審判:2008/12/30(火) 18:58:00 ID:LeEa41fv
「そうやな、懐かしいな」
「だよねー。いやー、あの頃に戻りたくなったよ」
(ふざけんな。絶対に、戻りとうないわ)
「いや、今を生きるのみ、やろ」
「あはっ。良い事言うねー。でもね、またあの頃みたいに無邪気に笑いあいたいよ」
(無邪気?あの悪魔の何処が無邪気や?
大体笑いあいたいって何や?お前等がウチ一人を笑いものにしてただけやないか)
 沸々と、怒りが滾る。
「まぁ、確かに高道さんようけ笑っておったな」
「でしょ?また皆で遊びたいよね」
 怒りとは別に、黒井の心の中で一つの疑惑が湧いた。
(こいつ、まさかウチを虐めっとった事、忘れとんのか?)
 高道のあっけらかんとした態度は、
過去に虐めていた相手に対して取る態度にはとても見えなかった。
罪悪感はおろか、気まずさすら感じさせない。
「そんなにウチら、仲良かったか?」
「酷っ。仲良かったじゃん。私と、小島とななこと瀬尾の4人で、良く遊んだじゃない」
(遊びって、万引きゲームや援交ごっこの事か?
それとも、トイレの便器の中に髪垂らさせて水流した事か?
いやいや、人の生理用品隠して、慌てふためくウチを見て大笑いしとった事か?
或いは、ウチにずっと関西弁使わせて学年中の名物にさせた事か?)
 黒井から冷静さが、少しづつ失われていった。
「なぁ、一つ、訊いてええか?」
「何何?何でも訊いてよ」
「ウチ、虐められてへんかったか?」
 一瞬高道は呆気に取られた様に黒井を見つめると、弾けたように笑い出した。
「ちょっ。何言ってんの。ななこだって楽しんでた癖にー。
ま、虐めといじりは違うよ。ちゃんと、対等の付き合いしてたよ」
「…そうか」
「そうそ。実際、楽しかったよね。あー、またあの頃に戻って色々遊びたいなー」
 高道の表情に、言い訳めいた影は一瞬たりとも窺えなかった。
本当に、心の底から、高道は虐めていたつもりなどないらしい。
(すると何か?ウチが感じていた地獄は、こいつにとってはただの遊びだったってわけかい。
反省してれば許す事はなくとも、多少は見直したかもしれん。
反省せずとも虐めをやっとった事を認めていれば、今まで通り恨んでおれば良かっただけや。
やけど、虐めしとったつもりさえなかったとは、どういうこっちゃ?)
 黒井の中で、怒りが性質を変えていく。
別種の、救いようもないほどの暗く黒い感情へと、その姿を変貌させていく。
「あんなに仲良かったのに、高校卒業してから離れ離れになっちゃったよね。
瀬尾や小島とは頻繁に連絡取り合ってたのに、ななこはメール入れても返してくれないし。
てかななこ、高校の同窓会にすら来なかったしね」
(当たり前やろ)
「ねぇ、今度皆で飲みにでもいかない?
小島は日程の都合付きやすいんだけど、瀬尾は多忙だからいつになるか分からないけど。
まぁあの頃の友情を復活させよう、って事で」
「どうやろな…。いかへんかもしれん…」
「何いきなりブルー入っちゃってんのー。あの頃の、猪突猛進だったななこは何処行ったの。
またあの頃みたいにさ、私達に笑いをプレゼントしてよ。
そーいう役回りだったよね、ななこ。
結構遊んではきたけど、やっぱりあの頃のメンバーが一番無茶効いたメンバーだったな。
特にななこ、身体張ってたし。てっきりお笑い芸人の道に進むかと思ってたよ」
(笑いだとか遊びだとか…。
ウチはお前等のせいで高校生活が地獄へと変わった上に、母親の信頼まで失ってもーたんやで。
あの母親の悲しみに暮れた顔は、お母さんの悲しい顔ですら、
こいつにとっては笑いの種だったって事か)
 暗雲立ち込める思考に憑かれた黒井の瞳に、消火器が映った。
この駅ビルの、火災対策にでも置かれているのだろうか。
黒井は、その消火器から目が離せなかった。
心の闇を切り払うキーが、その消火器であるような気がした。
396審判:2008/12/30(火) 18:59:15 ID:LeEa41fv
「ななこ羽振りもよかったよね。確か、化粧品プレゼントしてくれた時もあったし。
あー、後、夏休み明け初日に私服で登校するようにお願いしたら、
実際にその要望聞き届けてくれたし。ほんと、ノリ良かったっけね」
(ウチの苦痛が、全て楽しい思い出に変換されとる…)
 唖然としながらも、黒井は消火器から意識を外さなかった。
「なー、高道さん、当時、ウチの事どう思っとった?」
「どうって。ノリのいい友達、だよ」
(虐めてるつもりは、あくまでも無かった言う事か。
ならウチの地獄は何やったんや?あれだけ虐めておきながら、遊びのつもりでした、か。
なら、母の涙は…
お母さんの涙は、何処で誰が償ってくれるの?
あの悲しい表情は、誰が…)
 あのやるせない想いが、10年以上の時を経て再び黒井の胸に去来した。
いや、今までも悪夢に魘される度に、この想いは去来してきた。
やるせなさに囚われつつも、視界の端にはしっかりと消火器が収められていた。
「ななこ、ちょっと変だよ。飲みに行こうか。
なんかブルー入っちゃってるんでしょ?分かるよ、モンペアだっけ?
ああいうのが教育現場で問題になってるんだよねー」
(モンスターは、貴方だよ。人の心を無くした怪物)
 まだ、黒井は消火器を見つめていた。
「ほら、飲みいこ、飲み。この辺の居酒屋とか知らないけどさ。
女二人で入っても変じゃないトコ、探そうよ」
 高道は、黒井に背を向けて歩き出そうとした。
その瞬間、黒井は消火器を静かに持ち上げた。
(何で私、消火器なんて持ったんだろ?ああ、そうか。
そうだよね。10年以上も人を地獄の中に拘束しておきながら、
自分は虐めなんてやったつもりさえなく、飄々と生きてきたなんて、
許せないよね。ああ、あの頃それに、気付けていたらな。
こいつ等が虐めをやっているつもりさえないって事に、気付けていたらな。
そうすれば、高校生の時に、私がまだ”未成年だった時に”これを実行できた)
 黒井は、自分がどうするべきか、一瞬で理解した。
ゆっくりと高道の背に近づいてゆき、消火器を後頭部目掛けて振り下ろした。
ボウリングの玉をフロアに落としたような重く鈍い音が、心地よく黒井の耳を刺激する。
「うぇっ?」
 高道は蛙が轢き殺されたような情けない叫び声を上げると、
咄嗟に黒井を振り返った。驚愕に見開かれた瞳は、
未だ何が起こったのか分からないとでも言いたげだった。
 その顔目掛けて、黒井はもう一度振り下ろした。
再び、鈍い音。高道は赤い川の流れる頭を抑えて蹲ったが、
容赦なく黒井は脳天目掛けて振り下ろした。
黒味を帯びた血が、噴出してくる。それでも尚も黒井は、情けの素振りも見せなかった。
錯乱したように頭部を消火器で乱打した。
化粧の代わりに、赤い液体が高道を彩ってゆく。
化粧が人を美しく見せるものであれば、
この赤い液体は人を人では無くしていく為のものだ。
人でなくなるのは、流血した方か、させた方か。
 周囲の人間は、恐ろしげな眼差しで狂気のノックを見つめていたが、
その内屈強そうな一人の人間が駆け寄っていった。
397審判:2008/12/30(火) 19:00:46 ID:LeEa41fv
「お、おい。何をしてるんだ?」
 しかし、時既に遅かった。高道の頭部は陥没し、
もう生命体としての機能は停止し尽した事が窺えた。
ななこは男の声で我に返ったように、消火器を床に下ろした。
鈍い金属音が悲鳴でざわめく空間に響き渡る。
「なーんだ」
 黒井は、清々しささえ漂う表情で呟いた。
「初めっから、こうしておけば良かったんだ。
教師目指して虐め撲滅した所でどうせ、私の闇は晴れなかったよ。
こうでもしない限り、晴れなかったよ」
 実際、黒井の顔は晴れ晴れとしていた。
「あーあ、どうせなら、あの時に、虐められてた時に気付いていたらな。
そうすれば、まだ未成年だったから、罪も軽かったし、実名報道もされなかったのに」
 そう呟いた黒井は、少女のようにあどけない笑みを浮かべた。
 復讐に満足した黒井は、もう悪夢を見る事も無いだろう。
彼女は、10年以上経って漸く解放された。
自らの社会的な生命と引き換えに。
高道の生物的な生命と引き換えに。

*

 こなたは目を覚ますと、時計を見た。
既に正午を過ぎている。昨夜はシャワーを浴びた後、
8時頃起きる予定でもう一度眠りに就いたが、寝すぎてしまったらしい。
(今日は土曜日か。別に学校ある日に寝過ごしちゃってても、良かったんだけど)
 学校には行きたくないから。こなたはそう呟くと、ベッドの上で上半身を起こした。
が、やけに身体が気だるい。頭も重く、すっきりとした目覚めとは到底言えなかった。
(昨日、よく身体拭かずに髪の毛も殆ど乾かさずに寝ちゃったから、
風邪でもひいたのかな)
 もう一度眠りに就こうか。こなたの中で、甘い誘惑が囁かれた。
こなたは上半身を起こしたまま逡巡していたが、結局起きる事にした。
 手鏡を手繰り寄せると、寝癖が酷い。
(やっぱり、髪の毛は乾かすべきだったな)
 この状態では、一旦寝癖を直さないととてもではないが外には出られない。
(朝ごはん…もとい、お昼ご飯は、冷蔵庫にあるもので適当に済まそう)
 そう決めると、こなたは立ち上がった。
(どうせ一人だし、手抜きでも構わないよ)
 そうじろうは取材の為、ゆたかはみなみとの約束があるという事で、
今日この家にはこなた一人しかいない。
 こなたはキッチンにある冷蔵庫まで、重く気だるい身体を引きずるように移動すると、
ヨーグルトを取り出して食べた。
栄養を考えれば他にも何か食べるべきなのだろうが、あっさりとした物以外は
胃が受けつけようとはしないので、昼食はヨーグルト一つで済ませる事にした。
 そのまま居間に移動すると、こたつに突っ伏して何の気なしにテレビを付ける。
いつもなら、部屋に篭ってパソコンのディスプレイと睨めっこをするか、
或いはかがみ達と出かけるのだが、今日はネットもゲームもする気にはなれなかった。
ましてや、絶縁状態のかがみ達と出かけられるわけもない。
 テレビの画面には、ニュースが映し出された。
そのニュースを見ている内に、こなたは気だるさも眠気も吹き飛んだ。
そのニュースでは、殺人事件の報道がなされている。
殺人事件の報道など良くある事だ。こなたにとっても、それだけなら特段驚くに値しない。
しかし、その殺人事件に自分の良く知る人物が関わっているとなると、
話は俄然別のものとなる。
今まで対岸の火事のように見ていた殺人事件が、
今はごく身近なものとしてお茶の間に流されている。
398審判:2008/12/30(火) 19:01:53 ID:LeEa41fv
 こなたは、食い入るようにテレビ画面を見つめた。
そこには、こなたの良く知る人物の顔写真が写されており、
下に書かれた名前も一致していた。
(同姓同名のそっくりさん…なわけないよね)
 そのテレビ画面に写された人間は、こなたのクラス担任、黒井ななこだった。
それも、被害者として公共の電波に乗せられているのではない。
殺人事件の加害者として、だ。
(嘘だよ。黒井先生がそんな事するわけないじゃん。
まさか、これも夢?或いは…冤罪って事はないのかな?)
 しかし、そのニュースでは現行犯逮捕、として紹介されている。
冤罪の可能性は、殆ど無きに等しい。
こなたはこのニュースをもっと見たかったが、
すぐにキャスターは別の事件に切り替えてしまった。
こなたにとっては重大かつ身近な事件であっても、
世の中の人々にとっては取るに足らないものらしい。
 こなたは急いで朝刊を持ってきた。
ニュースによると、昨夜の21時過ぎに起きた事件らしい。
ならば、載っている可能性は高い。
 こなたのその予測は当たったが、期待は外れた。
その新聞では、社会面の隅の方で『高校教師、旧友を撲殺』という表題で
狭苦しいスペースの中にシンプルな説明がされているだけだった。
さっきのニュース以上の情報は得られない。
 他にも情報は無いか、こなたは社会面を眺めたが、
黒井の事件はその狭いスペースで片付けられていた。
 その社会面の中に、黒井の事件とは別にこなたの気を引くものがあった。
『高校教師、痴漢で逮捕』という記事である。
別段、この記事内容それ自体がこなたの興味を引いた訳ではない。
こなたが気になったのは、この記事が占めるスペースの大きさだった。
明らかに、黒井の事件よりも大きな扱いがなされている。
(殺人事件より、痴漢の方を大きく扱うだって?)
 何処まで自分の周囲が軽んじられているのか、その事を思うとこなたは眩暈に襲われた。
399審判:2008/12/30(火) 19:02:46 ID:LeEa41fv
 その時、玄関が開く音が室内に響いた。
「お姉ちゃんっ」
 ゆたかが、居間に駆け込んでくる。
頬を上気させ、肩で息をするその姿はただならぬ事情を抱えている事を彷彿とさせた。
尤も、こなたはゆたかのそんな態度を見ても特段驚きはしなかった。
ゆたかが取り乱した原因の予想はついている。
「お姉ちゃん、ニュース見た?」
「黒井先生の事?」
「うん」
 ゆたかは小さく頷いた。
「みなみちゃんの家で、そのニュース聞いて、すぐに帰ってきたんだ。
お姉ちゃんのクラス担任だから、お姉ちゃんの事心配だったし」
「私は大丈夫だよ」
「でも、顔色悪いよ?」
「朝起きた時から、風邪気味なんだ」
 答えながら、こなたは昨夜の夢を思い出していた。
黒井の寂しそうな表情と、あの唇の動き『さようなら』は、
この事を暗示していたのだろうか。
(下らない、偶然だよ)
 こなたはその思考をばっさりと切り捨てた。
「風邪?大丈夫?寝た方がいいんじゃない?」
「充分過ぎるほど寝ちゃったよ。起きたのお昼過ぎだったし。
これ以上寝ちゃうと、生活リズム崩して月曜日の学校大変だし」
 そう答えながらも、このまま生活リズムを崩して学校に行かないというのも魅力的に思えた。
何せ、クラスでは虐めっ子というレッテルを貼られ、
視線で言葉で空気で責められ続けているのだ。
 と、その時こなたの頭に一つの考えが閃いた。
閃いた瞬間に、吐き気が込み上げて来るほどのどうしようもない考えだった。
『黒井先生が殺人犯になったのなら、その話でクラスはもちきりだし、
混乱もするだろうから、私に対する風当たりは和らぐかな』
という、人の死すら自己に利させる穢れた思考だった。
 こなたは頭を振ってその考えを頭の片隅に追いやると、ゆたかに向き直った。
「大変な事になっちゃったね」
「うん。月曜日、やっぱり臨時休校になるのかな」
(そうなってくれると、有り難いね)
 再びこなたが吐き気を催したのは、決して風邪のせいだけではなかった。
400名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/30(火) 19:04:30 ID:LeEa41fv
>>394-399
ここまでです。漸く全ての駒の配置完了。
次で、こなたはエレクトします。
401名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/30(火) 19:07:41 ID:30JjbzJC
支援
402名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/30(火) 19:08:28 ID:30JjbzJC
っと思ったらオワタw
続き楽しみにしてます
403名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/31(水) 00:36:13 ID:PS+Vb4TB
かーっかっかっかっかっ!こなたをいじめる奴等は
このアシュラマンがまとめて地獄へ送ってやるわ!!
404名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/31(水) 02:04:58 ID:MibMUmyI
すっげーどきどきする
405JEDI_tkms1984:2008/12/31(水) 10:19:42 ID:En76FLyE
 今年1年、このスレ並びに住人には大変お世話になりました。
思えば夏頃に突如SSを投下した僕を心温かく迎え入れて下さり、その後も度々
投稿するSSに筆削褒貶を戴きました。
2chのルールにも暗く、掲示板には滅多に書き込まない自分にとっては大きな変化でした。
そんな中、拙い作品に沢山の反応を戴いたことは誠に望外の沙汰であります。

 まもなく外出します故、少し早めに年末の挨拶とします。
では皆さん、1年間ありがとうございました。
2009年も皆さんに幸多いことを切に希うものであります。
406名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/31(水) 11:53:51 ID:MibMUmyI
>>405
来年も期待してます
407グレゴリー:2008/12/31(水) 12:14:58 ID:cjAWzsoh
>>405
律儀な方ですな。
それにしても、ジョックスのうざさは万国共通ですな。
408名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/31(水) 19:53:43 ID:EjE/M6Xi
>>394-399の続き投下します。
409審判:2008/12/31(水) 19:54:45 ID:EjE/M6Xi



 夜のニュースで、もう一度黒井の事件は取り上げられていた。
やはり扱いは小さかったものの、
今度は動機面や背景事情にまで話は及んでいた。
 黒井が旧友である高道を殺害した動機は、こなたに途轍もない衝撃を与えた。
ふらつく足場の上でどうにか持ちこたえていたこなたの精神を、
確実に砕く一撃が、遂に放たれてしまったのだ。
 その動機とは、過去の虐めが原因という事だった。
だが、直接黒井を殺害という衝動に駆り立てたのは、
高道が黒井を虐めたつもりさえなかった、という一点らしい。
自らを地獄へと突き落としておきながら、虐めていたという意識さえなかった高道を、
黒井は許せなかったという事だった。
自分にとっては精神を蝕まれつくされる程の仕打ちなのに、
相手はただの遊びとしか思っていない。
それは被害を受けた方に取っては、何よりも憎しみを増幅させる加害者の態度だった。
こちらの苦痛をまるで分かっていない、という点においては、
苦痛を与える意図でもって虐めを行う人間よりも遥かに憎らしく、
そして何よりも人間らしさがない。虐められた方には、自分とは別種のモンスターにさえ映る。
(ああ、私と似ている…)
 こなたは、殺害された高道と自分が重なって見えた。
虐めをしておきながらも、虐めの故意がないという点が、
自分と酷似しているように感じられたのだ。
 『虐められた方は、一生涯忘れない』
 こなたの頭に、そのフレーズが再びリフレインした。
あの時は一笑に付したが、今のこなたには下らないと笑い飛ばせるだけの精神はない。
今のこなたはそれが真実である事を知っている。虐められた方は一生涯忘れないという事を、
黒井が証明付けたのだから。
(私は、やっぱり、つかさに一生涯消えない傷を負わせてしまったんだ…)
 もう、認めざるを得なかった。今回の黒井の件は、今までこなたが抗っていた
『虐められた方が虐めだと思えば、それはもう虐め』
『虐められた方は一生涯忘れない』
『こなたがやっている事は、れっきとした虐めなのよ』
『反省してない』
『人の痛みに気付けない鈍感な人間』
というフレーズの正当性を証明づけてしまったのだから。
こなたは最早、これらのフレーズにひたすら打たれまくるサンドバッグと化した。
(そりゃ、つかさもメール返してくれない訳だよ。
許す訳ないもんね、こんな極悪人。
どうやってつかさに償えば…)
 こなたは思いを巡らせた。この時、既に黒井が過去にどのような虐めを受けていたか、
という背景事情の説明にニュースは入っていたが、
思考に没頭するこなたの頭にはキャスターの声など入ってこない。
(ああ、そうだ。もしかしたらこの高道って人、本当は気付いてたんじゃないかな。
自分が、過去虐めをやっていた事に。それで見つけた償いの方法が、
黒井先生に殺される事だったのかも。だから、黒井先生を挑発して自分を殺させた…
そうだよね、償うのなら、被害者が心の傷を癒せるような方法でなきゃ駄目だもんね。
いっその事つかさに、殺してもらおうか。そうすれば、私の罪も消えるのかな…)
 俯き加減で思考し続けるこなたを余所に、ゆたかは黒井が過去に受けた虐めを流している
テレビ画面を食い入るように見つめていた。その瞳には、うっすらと怒りが点っていた。
静かに堕ちて行くこなたの瞳の色とは、真逆の色が、ゆたかの瞳に宿っている。
410審判:2008/12/31(水) 19:55:36 ID:EjE/M6Xi
(駄目だ。そんな事したら、つかさの未来も闇に閉ざさせる事になる。
いくら今未成年だからといって、殺人をした者がそう簡単に社会復帰できるとは思えない。
それでなくても、殺人者というレッテルをつかさに貼らせる訳にはいかないよ。
私は虐めっ子というレッテルを…私の場合はレッテルじゃなくて、
真実を表すラベルだったけど、ともかくレッテルを貼られた人間は周囲の人間に迫害する正当性を
与えてしまう。そんな状況に、つかさを追いやる訳にはいかないよ。
…やっぱり、自分でケリを付けなきゃ駄目だ。
誠心誠意、反省しているという事を分かってもらう方法で、つかさに謝らなきゃ駄目だ。
うん、命を懸けても、つかさに理解してもらえるよう努力しよう。
どうせ、今の私には生きていく気力はない。つかさに生涯消えない傷を負わせたという事を自覚しながら、
その重過ぎる十字架を背負いながら生きてくような精神力は私にはないよ…)
 こなたは震えた。死、その考えは背筋を凍りつかせた。
恐怖から逃れるように、別の道を模索する。
(ああ、そうだ。死は逃げでしかないのかもしれない。
いや、これは死を選ぶのが怖いから、私が都合よくそう思っているだけなの?
いや、重い十字架を背負いながら生きていく、それが贖罪になるのかもしれない。
悪い事をした、という事を思い詰めながら生きていく事が、最大の謝罪になるのかもしれない。
やっぱり、死は逃げでしかないのかもしれない)
 そう思い直したこなたの脳裏に、かがみの言葉がリフレインした。
『謝ってるようにさえ見えない謝罪なんて、何の意味がある?』
(ああ、そうだよね、かがみ。
十字架を背負いながら生きていくだとか、罪を自覚し思い詰めながら生きていくだとか、
そんなの、つかさから見たら分からないよね。私がどんな事思っているのか、なんて。
だから、無意味だよね。
やっぱり、外部から見ても反省している事が分かるような方法で償わなきゃ駄目なんだ…)
 こなたはそう思いながらも、逡巡していた。
まだ、それを選ぶ事を決断できなかった。
自分を虐めっ子と認めてなお、つかさに重大な傷を負わせた事を認めてもなお、
生に対する執着や死に対する恐怖は根強く粘っていた。
「可哀想だよね…」
 その時、ゆたかが唐突に口を開いた。
こなたは我に返ったように、ゆたかを見やった。
「何が?」
 こなたはテレビを見たが、既に黒井の事件は終わり、次のニュースに映っていた。
「何がって、黒井先生が、だよ。本当に、酷い虐め受けたんだね…」
 『黒井先生』という名詞を『柊つかさ』という名詞に変換すれば、
ゆたかの発言はこなたを責める言葉となる。
その事に、こなたは気付いた。
人名をAやBという記号に置き換えれば、ゆたかの発言は行為を断罪するものとなる。
「やっぱり、黒井先生が可哀想に見える?」
「それは、そうだよ…人を殺しちゃうのは良くないと思うけど」
 こなたは、ゆたかに訊いた。
否定してもらいたいのか、裁いてもらいたいのか。
どちらを望んでいるのか分からないままに、こなたは訊いた。
「ねぇ、ゆーちゃん。この高道って人は?殺されちゃって、可哀想だと思う?」
 ゆたかは返答を躊躇わなかった。
思ったままに、故に残酷に、
ゆたかは高道を──そしてこなたを───裁いた。
「思わないよ。こんな事言っちゃっていいものか迷うけど、
高道って人は殺されても仕方ないだけの事を、
命を失っても仕方ないだけの事を、やっちゃったと思うし」
 こなたは心の中で、『高道って人』という言葉を『泉こなた』という名詞に変換した。
(ありがとう。最後に、背中を押してくれて)
 遂にこなたは、決意した。
「そうだよね。命を失っても、仕方ないだけの事をやっちゃったよね」
 こなたはそう呟くと、立ち上がった。
411審判:2008/12/31(水) 19:56:28 ID:EjE/M6Xi

*

 月曜日。マスコミ対応も殆ど沈静化していたにも関わらず、稜桜高校は休校となった。
大事を取っての事だろう。授業は、月曜日から始まるとの事だった。
 この臨時の休みとなった月曜日、
みゆきとかがみ、つかさの3人は、こなたの家を訪れていた。
日曜日の内に、こなたの訃報は予め作成されていた連絡網を介してB組の全員に伝えられていた。
その連絡の中では、単に泉こなたが死亡した、という事しか伝えられていなかったが、
みゆきは事故死の類ではない事を確信している。
それは、つかさやかがみも同じだろう。
その理由として、こなたからつかさに送られた電子メールが挙げられる。
土曜日の深夜、こなたからつかさに対し一通のメールが送られていた。
その文面はたったツーセンテンスで構成されていたが、
尋常ならざる気配を存分に窺わせる内容だった。
『ごめんなさい。これで償いきれるとは思っていないけれど』
 そう、メールの本文には入力されていた。
そして夜が明けた日曜日、つかさはこなたの訃報を知った。
嫌な予感に駆られたつかさは、かがみにこのメールを見せただけではなく、
みゆきにも連絡を取ってきた。
そして、みゆきとつかさの提案により、こなたの家にお悔やみに行くことに決められたのだった。
かがみは当初渋っていたが、つかさがどうしても行く、という態度を崩さないので、
一緒に来てくれる事になったらしい。
みゆきにはそのかがみの態度が、何処か訝しく映った。
かつての親友が死んだというのに、お悔やみを渋ったというその姿が、
奇異なものに思えたのだ。
 予め連絡してあったので、
こなたの家に着いた3人はそうじろうとゆたかに快く迎えられた。
3人は、こなたの亡骸が納められた棺の前で、静かに手を合わせた。
みゆきは、自分の頬に涙が伝っていくのが分かった。
最近こそ仲違いの様相を呈していたが、
やはりこなたは彼女にとってはかけがえの無い親友だったのだ。
 それは、つかさにとっても同じ事だったらしい。
手を合わせ終わった後に見たつかさの頬には、
くっきりと涙の跡が残っていた。
「ごめんな。うちの娘が、馬鹿な事をしてしまって…」
 そうじろうは、3人を前に感極まったように声に詰まった。
「いえ…」
「本当にあの馬鹿娘、命を粗末にしやがって…。
こんなにも友達に思われてるのに、自殺なんて…」
 3人は言葉を失った。こなたは、やはり自殺していたらしい。
つかさに送られたメールから想像していた事ではあるが、
事実を突きつけられると改めて衝撃が身体を走り抜ける。
 それともう一つ。みゆきの身体を貫いたフレーズがそうじろうの発言の中にあった。
『こんなにも友達に思われてるのに』という、部分だ。
果たしてそういう風に言われるほどに、自分達はこなたに対して優しかっただろうか。
みゆきは自問した。
(最近は、避け気味でした…。クラスの人達と同じように、泉さんを虐めっ子として扱い、
避けていました。それなのに、私は友達と言われるだけの資格はあるのでしょうか…)
 そう棺の中のこなたに問いかけてみたかったが、
問いかけた所でこなたはもう返答しないのは明白だった。
もう、遅い。
412審判:2008/12/31(水) 19:57:44 ID:EjE/M6Xi
「でも…何でこなたは自殺なんてしちまったんだろう…。
ごめんね、君達も辛いだろうに、こんな事零しちゃって…」
 そうじろうからは、威厳の欠片も失われていた。
ただひたすらに悲嘆に暮れる弱弱しい哀れな男の姿が、そこにはあった。
「いえ、確かに辛いですが…、私達でよければ幾らでも」
「いや、いいんだ。あいつ、遺書にもたった一言しか書いていなかった。
『ごめんなさい』とだけ。結局何が原因で自殺したのかさえ、
分からないままだ…」
 そうじろうは遠くを見つめるように、呟いた。
いや、そうじろうは決して遠くを見つめていたのではない。
そうじろうの視線を追ったみゆきは、その事に気付いた。
そうじろうは、かなたの遺影に視線を投げかけていた。
「ごめんなさい、ですか」
「ああ、そうだ。そして、土曜の深夜、庭の木に縄を括って、
首を吊っ……っ…」
 そうじろうは最後まで言葉を発する事ができず、嗚咽を漏らし始めた。
「あの、ご無理をなさらず…」
 堪らずみゆきは話しかけた。自分よりも遥かに、
文字通り親と子ほどの年齢差があるにも関わらず、
今のそうじろうは幼子のようにさえ見える。
心の拠り所を完全に失ってしまった人間の弱さが、そこには垣間見えていた。
「いや、ごめん、取り乱してしまって。
それで…皆傷心の所悪いんだが、何かこなたが自殺するような心当たりはないかな?
どうしても、納得いかないんだ。自殺を選んだ動機も分からないまま、
終わってしまうのが。何に対して謝罪しているのかさえ、分からない」
 そうじろうは頭を振ると、頭を抑えて俯いた。
 みゆきが口を開きかけたが、かがみが言葉を発する方が早かった。
「いえ、普段のこなたさんの生活を見ている限り、思い詰めているような素振りは何も。
私達も、分からないくらいです。自殺する程思い詰めていたのなら、
私達に相談してくれても良かったのに。親友だったろ、こなた…」
 かがみは悔しそうに唇を噛み締めた。
(かがみさん…?)
 かがみのその姿は、傍目には親友の死を悼む友人の姿として映るのだろうが、
みゆきは釈然としない面持ちでかがみを横目に見やった。
こなたに思い詰めている素振りはない、そう言い切った所が、
みゆきにはどうしても気になった。
どう見ても、こなたはクラスで孤立していた。
みゆきの中で、かがみへの不信感が芽生え始めていた。
「そうか。ごめんな、変な事訊いちゃって…」
「こなちゃんっ…っ…」
 唐突に、つかさが嗚咽を漏らした。
堪えきれなかった悲しみが、瞳の水嵩を増していく。
「私が…悪かったのかなっ。私が、こなちゃんを追い詰めちゃったのかなっ」
 瞳に溜められた悲しみで彩られた水は、遂に溢れ出した。
ダムが決壊したように、つかさの瞳から悲しみが雨となって滴り落ちていく。
「何を言うんだっ」
 そうじろうが言葉厳しく、つかさを遮った。
「君は、君達はあんなにもこなたと仲良くしてくれたじゃないか。
君が悪いなんて、そんな事は絶対に有りえない。
悪いのはむしろ…いやきっと…俺の方なんだろうな。
男手一つで育ててきたつもりだったが、
きっと至らない所だらけだったんだろう。
こなたの事、何も分かってやれなかったんだろう。
もし、かなたが生きていれば、こなたは死ななかったはずなのに。
ごめんな、こなた。俺が不甲斐ないばっかりに…。
かなたっ、やっぱり俺、お前が居ないと、駄目だったよ…」
413審判:2008/12/31(水) 19:59:05 ID:EjE/M6Xi
 そうじろうはかなたの遺影に向かって、土下座した。
見栄も外聞も捨て去った哀れな男の姿に、みゆきは心を打たれた。
(全て言ってしまった方が、いいのでは…。
泉さんがクラスで孤立していた事、そしてそれに加担していたのが、
他ならぬ私達だって事、言ってしまった方がいいのでは…)
 みゆきは口を開こうとした。それはつかさも同じだったらしく、
つかさもみゆきに先んじて口を開いていた。
「そんな事ないですよっ。きっとこなちゃんは」
 しかし、つかさの言葉もかがみによって遮られた。
「つかさ、顔色悪いけど大丈夫?
やっぱり、黒井先生の件と、今回の件が重なった事が、心労になっているのかしら」
(かがみさん?)
 再び、みゆきの頭に疑念がもたげた。
かがみに対する不信感が、抑えきれぬほど大きく育っていくのが自分でも分かった。
「ああ、そういえば、そうだったな。黒井先生の件も、あったんだな。
ああ、被害者の親御さんも可哀想に。
それと、君達には済まなかった。色々と心労多い中で、
変な事訊いてしまって」
「いえ、構わずに。ただ、つかさが心配なので、今日はこれでお暇させて頂きます」
 かがみは言葉短く対応すると、つかさの肩を叩いて立ち上がった。
「お邪魔しました」
「いや、気をつけて帰るんだよ」
 そうじろうに見送られながら、みゆき達は玄関へと歩を進めた。
途中通った居間では、ゆたかがテレビを見ていた。
「ゆたかさん、お邪魔しました」
 かがみとつかさは既に玄関へと進んでいたが、みゆきは律儀にゆたかにも挨拶した。
「いえ」
414審判:2008/12/31(水) 20:00:02 ID:EjE/M6Xi
 暗く沈んだ声で、ゆたかは返答してきた。
精神的疲労が大きいのか、テレビの内容はおろかみゆきにも気が届かない風体である。
そのテレビでは、黒井の事件が報じられていた。
もう既にその事件がニュースで報じられる事は無くなっていたが、
ワイドショーでならば取り上げられる事もあるらしい。
テレビでは、一人のコメンテーターが今回の事件について一家言述べていた。
みゆきは、そのコメンテーターの発言に足止めされた。
そのコメンテーターは、訥々とこう語っていた。
「今回の事件ですが、私には色々と世論に対して腑に落ちない点があります。
今回の加害者、黒井容疑者に対しては、世論は同情的です。
虐められて可哀想、と。また、容疑者を責める意見にしても、
『教師という道徳を含めて生徒にモノを教える立場に就いていながら、
殺人は頂けない』という内容が主です。
私はこの考え方に、心底ぞっとさせられます。
もし、容疑者が教師でなかったのなら、この殺人は肯定されるとでも言いたいのでしょうか。
いや、実際に匿名掲示板や雑誌の投書等で、そういった意見も見ています。
『教師を辞めてから、殺すべきだった』という意見です。
どうして、殺された被害者の事に想いが至らないのか、不思議でなりません。
確かに、高道さんは過去虐めを行いました。
それも相当酷いもので、虐めの故意がなかったという点に容疑者が怒りを抱いた点についても
私は共感できます。ですが、だからといって殺してもいいはずがない。
単にそれは、殺人は違法だから、という意味に留まりません。
高道さんを慮っての考えでもあります。
確かに高道さんは虐めを行いましたが、それはもう10年程も過去の事。
にも関わらず、今まで積み上げてきた10年間も、
そしてこれからの人生も、10年程前の過去の件で今更奪われても無念でしょう。
いや、そもそもだ、そもそもですよ。虐めは確かに酷いもので、
断罪され根絶されるべきものでしょうよ。ですが、命まで取る必要はありますか?
殺されなきゃいけないほどの、大罪なのでしょうか。
殺人は虐め以上の最悪の大罪です。
虐められた事の苦痛と命を奪われた事では、法益の均衡すら保てません。
別に容疑者の不遇な過去に同情するな、とまでは言いません。
虐めを肯定もしません。ですが、被害者は殺される必要はなかった。
高道さんこそ、同情されるべきだと私は思っています」
 みゆきは呆然と、コメンテーターの意見を訊いていた。
気がつくと、後ろにそうじろうが立っていた。
「みゆきさん、だったかな。外でお友達が待ってるみたいだけど」
「あ、すいません」
 みゆきは一礼すると、玄関へと急いだ。
足が震えていたが、かがみとつかさの待つ道路まで進むにはそれ程の不便はなかった。


「ごめんなさい、遅れまして」
 みゆきは、かがみとつかさに頭を下げた。
「いいわよ、別に」
「気にしないで、ゆきちゃん」
 そう言葉を交わすと、後は無言のまま三人は歩き始めた。
みゆきは、何か話しかけようと思うのだが、上手く言葉が出てこなかった。
5分程も無言の行進が続いた時だろうか、つかさが唐突に口を開いた。
「ねぇ、お姉ちゃん、ゆきちゃん。
私達が、いけなかったのかな」
 何に対して悪かったと言っているのか、勿論みゆきは理解していた。
それはかがみも同じだろう。
「それは、あるかもしれませんね。私達は、泉さんを孤立させてしまいました。
その後のフォローもしなかった。もしかしたら、泉さんはその事を気に病んで…」
 それ以上、みゆきの言葉は続かなかった。
その先を口にするのが恐ろしかった。自分達が親友を死に追いやったかもしれないという事を、
口にするのが怖かった。
415審判:2008/12/31(水) 20:01:51 ID:EjE/M6Xi
「そうだよね…。私達、こなちゃんに酷い事しちゃったよね。
あれじゃまるで私達がこなちゃんを虐めてるみたいだったよ」
「クラスの人たちは、泉さんの自殺をどう思っているのでしょうね…。
やはり私達と同じように、悔やんでいるのでしょうか」
 実際虐めを行っていたのは、虐めっ子として糾弾されたこなたではなく、
糾弾したこちら側なのではないか、と、苦悶しているのだろうか。
みゆきは思った。
「あのね、アンタ等何言ってるのよ」
 かがみが呆れたような声で割り込んできた。
「こなたのクラス内での孤立と、自殺の件はどう考えても無関係よ。
虐めっていうけど、実際には虐めを行っていたのはこなたの側だったわ。
私達は、結束して虐めに立ち向かったに過ぎない」
 かがみはそこで言葉を切ると、続けた。
「大体、クラスで多少孤立した程度で自殺なんてするものでもないでしょ。
気に病みすぎよ、二人とも」
 確かに、かがみの言う事にも一理ある。
取り立てて、こなたに具体的被害を及ぼすような事をしてきた訳ではない。
例えば黒井が受けた虐めと比べれば、
こなたの受けた仕打ちは虐めとは到底呼べないものかもしれない。
虐めだとしても、自殺する程のものだとはみゆきには思えなかった。
ただ、それでも引っかかる点はあった。
もし、クラス内での孤立が自殺と無関係だとするならば、
こなたはどうして唐突に自殺などしたのだろうか。
 それに、かがみはこなたが虐めを行ったと言ったが、
果たしてこなたがつかさに対して行った事は虐めと呼べるのかどうか、
みゆきは未だ疑問であった。
また、かがみはこなたに対する仕打ちが虐めではないと言っていたが、
クラス中で無視をする、というのは立派な虐めではないのだろうか。
確かに共謀などはしていない。示し合わせた訳でもない。
しかし、これこそかがみがこなたを責める基幹となった、
『虐めているつもりのない虐め』に該当するのではないだろうか。
「でも、お姉ちゃん。私ね、こなちゃんから土曜の夜以外にも、
一度、メール貰ってるんだよ。色々思うところがあったから、
返信しなかったけど…。もしかしたら、その事も原因になっちゃったのかも…」
「だから、つかさは気に病み過ぎだっての。
今日はもう家に帰って休みなさい。
私も送るから」
「それが、いいようですね」
 みゆきも同調し、帰路の途中、柊姉妹と別れた。

416名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/31(水) 20:02:53 ID:EjE/M6Xi
>>409-415
ここまでです。エピローグは後一回で、終わると思います。
417名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/31(水) 20:12:41 ID:EW5bfJe9
>>416
乙。
かがみがウザすぎるからぼっちスレ見てくるwww
418名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/31(水) 20:28:54 ID:Z1TzWLU3
なんだか色んな事が複雑に絡み合ってるな・・・
マジでこういう切り口は斬新だ
419名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/31(水) 20:44:55 ID:sYpsMaDA
>>416

よいお年を
420名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/31(水) 23:23:15 ID:fWTV9b9/
>>416
乙です
かがみさんパネェっすww
421名無しさん@お腹いっぱい。:2008/12/31(水) 23:47:06 ID:AQy8uXq8
久しぶりに来たら、まあ…
それはそれと、お別れに、こなたに一言。
『よいお迎えをお迎えください!』
422名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/01(木) 00:20:30 ID:pRhXvbr0
かがみうざいよかがみ
423 【大吉】 【566円】 :2009/01/01(木) 00:26:33 ID:9ynioKil
ここはおめでたくないな
424名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/01(木) 00:44:19 ID:GXS4Qn6v
ごめん、後一回じゃ投稿数制限値的に厳しいかも。
今、キリが良くなるように落としときます。
>>409-415の続きです。
425審判:2009/01/01(木) 00:45:03 ID:GXS4Qn6v




 別れてから2時間程経った時、カラオケボックス内からみゆきはかがみにメールを送った。
『二人で話したい事があるから、鷲宮駅前のカラ館に来て欲しい』
という旨の、メールを。
 みゆきには、かがみと二人っきりで話したいことがあった。
つかさが居てはかがみの口が堅くなるかもしれない。
だから、かがみのみを呼び出した。
例え相手がみゆきであっても、かがみは取り繕うかもしれない。
彼女の本音は、聞き出せないかもしれない。
 それでも構わなかった。こちらの疑問をあらかたぶつけるだけでも、
少しは胸のつかえが取れるだろう。
 程なくして、かがみからメールが届いた。
今から向かう、との事だった。
 みゆきは、部屋番号を教えると、一人考え込んだ。
その脳裏に過ぎっているのは、泉家で見せたかがみの不審な態度だ。
そうじろうが、こなたの自殺について思い当たる節がないかどうか尋ねてきたとき、
かがみは率先して『ない』と断言した。
また、つかさが発言している時に、遮ってもいた。
(確かに、泉さんのクラス内での状況を伝える事は、
私達にとって好ましくない状況になるかもしれません。
ですが、少し冷たすぎはしませんか?
あんなにも、仲が良かったのに)
 それともかがみはもう、こなたを糾弾した段階で、
こなたとの関係を心底から断ち切ってしまったのだろうか。
そんなにも簡単に、友情を断ち切れるものだろうか。
 暗い面持ちで、みゆきはかがみの到着を待った。
 30分程も経ってからだろうか。
かがみがみゆきの居る室に姿を見せたのは。
「お待たせ」
「いえ。急に呼び出して、申し訳ございませんでした」
「で、こんな所に呼び出したからには、
何か人に聞かれたら不味い話でもするの?」
「或いは、そうかもしれません」
 みゆきは一拍置くと、要件を切り出した。
「かがみさんの率直な意見を聞きたいと思います。
先ほどつかささんに、私達の泉さんに対する対応は虐めに当たらない、
と断言されていましたが、本心からそう思っているのですか?
それとも、つかささんの心労を軽くする為の詭弁ですか?」
 かがみは表情に余裕を漲らせながら、断言した。
「本心からに決まっているじゃない」
「ですが…。泉さんは、クラス全体から無視されていた、
そう言っても言い過ぎではない程に孤立されていました。
あれは、虐めに当たるのではないですか?」
「当たる訳ないじゃない。大体、クラス中で示し合わせた訳でも、
こなたを無視するように無言の圧力をかけた訳でもない。
一人一人が、それぞれの判断でこなたのつかさに対する虐め行為を断罪した。
それだけの事でしょ」
426審判:2009/01/01(木) 00:46:37 ID:GXS4Qn6v
「ですが…。気付かない内に私達は泉さんを追い詰めてしまいました。
確かに、虐めようという意識は無かったかもしれません。
ですが、あれは行き過ぎでした…。
泉さんにとって、酷い苦行だった事でしょう。
なのに、虐めではない、と自信を持って言えるのですか?」
 そのみゆきの言葉に対し、かがみは表情を崩さずに答えた。
「言えるわ。私にせよ誰にせよ、こなたを虐めている、という故意は無かった訳でしょ。
虐めている故意のない虐めなんて、存在すると思う?
確かにやり過ぎだったかもしれないわ。でも、こなたに対する対応が過剰だった所で、
それが即いじめって事になる訳ないでしょ。
過失による危害、って所じゃないかしら」
 みゆきは、そのかがみの発言が信じられなかった。
かがみの意見内容が信じられないのではない、
かがみがその意見を述べた事が信じられなかったのだ。
(そういう考えもあるかもしれません。
ですが、もし、かがみさんの発言が正しいのだとしたら…)
「かがみさん、その意見が正しいのだとしたら…。
泉さんのつかささんに対する行為、からかいの言葉やいわゆるおたく系の話は、
いじめに当たらないのではありませんか?」
 かがみがこなたを糾弾した論理は、
故意のない虐めが存在する事を前提としていた。
だからこそ、こなたが『虐めていたつもりはない』と抗っても
かがみは責め立て続けたはずだ。
あの時のかがみは、
被害者の認識を問題とし、加害者の認識を問題にしていなかったはずだ。
 しかし、みゆきのその言葉にもかがみは眉一つ動かさずに返答してきた。
「そうね。っていうか、当たる訳ないわね。
当たる余地が無いと言っても過言ではないわ」
 みゆきは絶句していた。
(ですが…貴方は泉さんの行為を虐めだとあげつらって、
泉さんを責めていたではないですか)
 唖然とするみゆきをよそに、かがみは言葉を続けた。
「大体、こなたのやった事って、虐めって言える程酷いものじゃないしね。
つかさに対する揶揄の言葉だって、友達同士のふざけ合いの範疇に収まるでしょうね。
まぁそれでも、聞いてるこっちは不快だったけど。
秋葉系の話にしたって、こなたが空気読めない、それで本来なら済む話よね。
何よりね、つかさはそんなこなたの態度を多少不快に思いつつも、
虐められてるとまでは思ってなかったわ。
加害者にも被害者にも虐めという認識が無いのに、虐めが成立する訳ないわ」
 みゆきはかがみを睨みつけた。
「何を言っているんですか。
貴方は、泉さんのつかささんに対する行為を虐めだと言い切り、
弾劾したではないですか」
「ああ、あれね。あれは、あれこそ詭弁よ」
 飄々と返答してきたかがみに対し、熱く激しい感情がみゆきの心を駆け巡った。
この熱を持った激しく燃えるような思いは、紛れもなく怒りだった。
「はー、みゆきでもそんな顔するのね。
訳を話すから、睨むの止めてよね。
別にこなたを追い詰めようと思って、あんな詭弁弄した訳じゃないわ。
ちゃんと、理由があったのよ」
「どんな、理由があったんですか?」
───その理由は、人を死に追いやるに足る理由なんですか?
命との衡量が図られる程の理由など、存在するのだろうか。
みゆきは興味半分、憎悪半分に心を支配されながら、かがみの口が開くのを待った。
427審判:2009/01/01(木) 00:47:48 ID:GXS4Qn6v
「こなたを糾弾した前日の夜にね、つかさがぽつりと言っていたのよ。
こなたが所構わずオタク話をするのを、止めさせたい、って。
ああ、それと、こなたが時々からかってくるのも、
実は少し傷ついているとも零してたっけ」
 みゆきは苛立った様に声を荒げた。
「誰もそんな事は聞いていません。泉さんの行為を虐めに仕立て上げ、
糾弾した理由を聞いているんです」
「だから、今話したじゃない」
 みゆきの顔は驚愕に見開かれた。
「まさか…、それが理由ですか?それだけの事で、泉さんを追い詰めたのですか?」
「何よ、その顔。私は別にこなたを追い詰めようとまでは思って無かったわ。
ただ、こなたに虐めだという意識を植え付ける事で、
つかさに対する謝罪の念を抱かせ、
また二度とつかさに不快な思いをさせないように気を付けさせる意図があっただけなのよ。
そしたら、B組の人達私の話に好意的に反応してきたじゃない?
だからまぁ、次の日に一芝居打ったって訳。
まさかあそこまで、過剰に反応してくるなんて思いも寄らなかったけど」
「なら、一日目の段階で充分に目的は果たしていたじゃないですか。
何故、次の日に涙を見せてまで、泉さんを追い詰めたんですか?」
「一日目では目的を果たせていなかったわ。
こなた、虐めだとは認めずに反抗してきたし。
あの分だと、またつかさに対して似たような事繰り返しそうだったしね」
「だからと言って、あそこまでやる必要はあったのですか?
つかささんの受けた苦痛と泉さんの受けた苦痛では、
度合いが違うとは思いませんか?秤に掛ければ、傾くのは明白ですっ」
 先ほど、泉家のテレビから流れていたコメンテーターの話を思い出しながら、
みゆきは言った。
「そうかもしれないわね。でもね、人間そんな単純には出来ていないわ。
秤の均衡が取れるように振舞える訳じゃない。
人には感情、っていうものがあるから。
こなたに対する友情よりも、つかさに対する愛情の方が強いんだから、
秤が傾くのは当然じゃない」
 一旦言葉を切ったかがみは頬を朱に染めると、続けた。
「この際だから言っちゃうけどね、私はつかさが好きよ。
それも、姉妹愛としてじゃない。れっきとした恋愛感情を、
つかさに対して抱いているわ。
だからこそ、そんなつかさを苦しめたこなたが許せなかった」
「貴方の同性愛趣味や近親相姦嗜好なんて、どうでもいい事です。
単につかささんが可哀想、という感情しか抱けません」
 敵愾心を剥きだして、みゆきは吐き捨てた。
「貴方が恋愛感情に衝き動かされていたとしても、です。
泉さんに対する態度が許される訳がありません。
貴方の芝居のせいで、クラス中から無視されていたんですよ、泉さんはっ」
「いやー、まさかあそこまで過剰反応するとは思えなかったし」
 かがみは苦笑いを浮かべると、頭を掻いた。
かがみのその仕草は、幼子が悪戯が露見した時に見せる態度を連想させた。
「かがみさん、貴方は…事の重大さを分かっていらっしゃるんですか?
泉さんは、自殺されたのですよ?
そんな冗談めかした態度で、済むような問題ですか?」
「あのねー、みゆき」
 些かうんざりした表情を浮かべながら、かがみは返答してきた。
428審判:2009/01/01(木) 00:49:01 ID:GXS4Qn6v
「こなたの自殺と、クラス内での孤立に因果関係があるなんて、まさか本気で信じてるの?
あの程度で自殺する人間が居るわけないじゃない。
こなたに対するクラスメイトの態度が硬化して、一週間も経ってないのよ?
私はC組に居るからB組の内情まではよく分からないけど、
こなたは一週間足らずで死を選んでしまうような、
そんな酷い仕打ちをクラスから受けていたの?」
「それは…。精々、無視をしていた、という程度でしたが…」
 因果関係を仄めかしたみゆきにとっても、かがみの意見の方が正当なものに思えた。
みゆきが、こなたの自殺とクラス内での孤立を関連付けて考えている根拠など、
”それ以外に自殺した理由が思い当たらないから”という一点でしかないのだ。
「それとね、みゆき」
 かがみは悪戯っぽい笑みを浮かべると、
精神の深い所まで抉るようにゆっくりと言葉を放った。
「みゆき、丸で私だけ責めてるみたいだけど、もしこなたに対する態度が虐めだと言うのなら、
加害者は私だけじゃないのよ?アンタも、B組のクラスメイトも、
全員が加害者なのよ?
もし、こなたがそれを苦に自殺したというのなら、
アンタも、B組のクラスメイトもこなたを死に追いやった一員なのよ?
私だけ責めるの、止めてくれない?」
「そうですね…。ですから、私は気が病んで仕方が無いのです。
ですが、かがみさん。貴方からは、その事を気に病む様子がまるで見当たりません。
本当に、良心が咎めないのですか?」
 かがみは迷いの素振りを見せずに断言した。
「咎めないわ。本心を言うとね、実は少しほっとしてさえ居るのよ。
こなたが死んだ事で、もうつかさはこなたに苦しめられる事は無いんだ、って」
「つかささんは、泉さんが亡くなったことを苦しんでおいででした」
「その傷は、時が癒してくれるわ。私も癒すわ、つかさの傷を」
「それはそうと、かがみさん。泉さんが死んでほっとした、
という暴言は聞き逃す訳にはいきませんよ?
私にとって、泉さんは親友です。それを貴方は」
 みゆきが言い切らない内に、呆れたような声でかがみが遮った。
「どの口が言ってるんだか。アンタはこなたを親友だ、と言ったけど、
こなたにとってはどうだったかしら?
アンタもこなたを責めた一員なのよ?
親友だと言うのなら、庇えば良かったじゃない」
 みゆきは強く唇を噛んだ。
かがみの言うとおりだ。私には、こなたの親友を名乗る資格などないのかもしれない、と。
「確かに、私が親友を名乗るのはおこがましいのかもしれません。
ですが…それでも、泉さんが死んでほっとした、という暴言は許せないものなんです。
大体、かがみさんも見たではないですか。
あの、泉さんの父の状態を。娘が死んで、精神崩壊寸前の、姿を。
あれを見て、何も感じなかったのですか?
あれを見ても、なおもそんな暴言吐けるのですか?」
「感じたわ。愛しき存在を失った人間の末路、それをあの姿に垣間見たわ。
だから、私は改めて誓う。つかさを絶対に失ったりはしない、
これからも守り続けるって。だって、つかさに万が一の事があった時、
あのおじさんみたいな生ける屍になるのは私だろうし」
 みゆきは額に手をやると、仰け反った。
これ以上何を話しても無駄だ、とでも言いたげに。
「呆れてるみたいね。でもね、その内みゆきにも分かるわ。
今アンタ、好きな人居ないでしょ?
好きな人が出来れば、私の気持ちも分かってくれると信じているわ。
自分の全存在を賭けられる、価値判断の基準となる、
そういう愛しい人が居ればね。
その人の為なら、どんな障害も跳ね除けたいと思わせる程に、
この恋愛感情ってヤツは強烈だから」
429審判:2009/01/01(木) 00:51:47 ID:GXS4Qn6v
「価値判断の基準となる、ですか…。
かがみさんは、つかささんを中心にして地球が回ってるとでも思っているんでしょうね」
「実際、つかさを中心にして地球は回るべきだと思っているわ。
ただ…みゆき。アンタも、そういう存在に巡り合うべきよ」
 みゆきは憎々しげにかがみを睨むと、顔の前で手を振った。
「冗談は止めて下さい。貴方みたいになりたくありません」
「でもね、価値判断の基準となる存在は欲しいんじゃない?
アンタ、自分一人の力では答えを出せない問題にとり憑かれているでしょ?
果たして私は泉さんを虐めたのか否か、私は許されるべきか否か、という問いにね。
それで私を呼んだけど、私の答えでも納得はしなかった。
でも自分でも答えを出せない。そういう、宙ぶらりんの状態でしょ?」
 確かに、そうだ。
こなたを虐めてはいないと言い切ったかがみに反駁してきたものの、
ではこなたを虐めたのかと問われると、素直に頭を縦に振れなかった。
「だから、その答え、その人に出して貰えばいいじゃない。
自分が愛する人に、さ」
 みゆきは黙った。
かがみの提案は、甘美な色気を帯びて、みゆきの心を揺らした。
答えの出せない堂々巡りの迷宮の中で、一人彷徨うよりも、
誰かに鶴の一声で決してもらった方が幾分か楽だ。
自分は許されているのか、それとも許されざる者なのか。
ひと思いに裁いてもらって、楽になりたかった。
「ああそうだ、話は変わるけど、もしかしたらこなたが自殺した原因って…」
 みゆきは顔を上げた。
気になっていた事だ。もしかしたら、クラス内での孤立以外の原因が見つかるかもしれない。
そうなれば、多少は気が楽になる。
こなたの自殺に加担していないかもしれない、
という方向に自分の意識を僅かでも傾かせる事ができる。
「つかさに対する謝罪の念があったのかもね。
ごめんなさい、って遺書に書いてあったし、つかさにそうメールも送っていたし。
だとしたら、私少しだけこなたを見直すわ」
「確かに、『これで償いきれるとは思っていない』とも書かれていましたね…」
430審判:2009/01/01(木) 00:52:17 ID:GXS4Qn6v
 だが、かがみの言う通りにつかさへの贖罪の念からの自殺だった所で、
話は劇的には変わらない。そこまでこなたを思いつめさせてしまったのは、
こなたの行為を虐めとして糾弾したこちら側のせいでもあるのだから。
 かがみの提案は、みゆきの心を軽くする役は果たさなかった。
「尤も、それで自殺するような殊勝なヤツには見えなかったけど。
まぁ、いいわ。話は終わったみたいだから、帰るわね」
 かがみは立ち上がると、財布を開いた。
「結構です。こちらが無理を言って付き合ってもらったのですから」
「流石お金持ちね。助かるわ。今月お小遣いピンチだったし」
 赤い舌を出すと、かがみは去っていった。
 かがみが立ち去った後も、みゆきは室を去らずに暫く考え込んでいた。
隣の部屋から歌声が響いてくるが、みゆきには気にもならなかった。
 かがみの意見は、正しいのかもしれない。
かがみの行為もみゆきを含むB組の人間の行為も、虐めではないのかもしれない。
ただ、それでもみゆきにはかがみが許せなかった。
こなたの命を極限まで軽んじているかがみが許せなかった。
 しかし、みゆきが何を言ってもかがみは揺らがないだろう。
飄々と振舞い続け、その心に些かの罪悪感も抱かないだろう。
だが…
(かがみさん…。貴方はつかささんが価値判断の基準になると仰っていました。
でしたら、つかささんが泉さんに対する私達の仕打ちを虐めだと認定したのなら、
貴方は意見を翻すのですか?いえ、翻さないかもしれませんね。
つかささんも虐めを行った人間になってしまいますから。
ですが、もし、つかささんがかがみさんの行為を悪だと認定し、
罰を与えようと思い至ったら、貴方は甘んじて罰を受けますか?)
つかさの言葉ならば、かがみも屈するかもしれない。
暗く沈んだ瞳で、みゆきは室内の薄暗い照明の中、考えに耽っていた。
431名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/01(木) 00:53:40 ID:GXS4Qn6v
>>425-430
不手際あって申し訳ないです。
次の投稿で、今度こそ終わらせます。
432名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/01(木) 01:05:45 ID:43+uXLD4
リアルタイムで投下に遭遇して今読み終わった。
新年早々欝だぜ……
433名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/01(木) 01:21:58 ID:Nrf1tNG6
>>431
新年早々乙です
434名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/01(木) 11:26:59 ID:BnSyhGQK
>>431
乙です。
もうかがみも殺してくださいwww
435名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/01(木) 17:59:11 ID:xN4018YV
もしもアラバマ氏が「こなたの恐怖」をコミカライズしたら
かがこな物になりそうだな。
436名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/01(木) 18:57:29 ID:dsPvMpVQ
今晩は、いよいよ終わらせます。
>>425-430の続きです。
437審判:2009/01/01(木) 18:58:21 ID:dsPvMpVQ

*

「もしもし、ゆきちゃん?どうしたの?」
 つかさの声が、携帯電話を介して伝わってくる。
声は沈んでいたが、もう泣いてはいないようだった。
みゆきは、近くにかがみが居ないかどうかをつかさに確認すると、話を始めた。
 みゆきは、カラオケボックスの室内で考えた末、
つかさに対しかがみとの会話の全内容を話すことに決めていた。
つかさなら、かがみを断罪し罰を与える事ができるだろう、と。
自分もまた、いつか愛する人に裁かれるかもしれないのだが。
 一字一句違える事無く話す事など勿論不可能なので、
要旨だけ伝えた。
 つかさは、みゆきの話を聞き終えた後、暫く黙っていた。
あまりにもその沈黙が長いので、みゆきは少し心配になった。
何か、語りかけるべきだろうか。そう思い、
口を開きかけたみゆきの耳につかさの声が届いた。
普段の彼女からは想像も出来ないほどに、
低くうねる様な声にみゆきは背筋が凍った。
こんな凄惨な声を、あの可愛らしいと形容すべきつかさが吐いているのだろうか。
「お姉ちゃん、こなちゃんの事、そういう風に言ってたんだ。
確かに、こなちゃんの死を悲しんでるようには見えなかったね」
「ええ…」
 気圧されたように、みゆきの声は自然小さくなる。
自分の部屋に居るというのに、
まるで雪吹雪く高山の山頂に一人佇んでいるような錯覚にさえ陥る。
つかさのおぞましい声は、みゆきを東京の暖かい部屋から北国の雪山へと心を連れ去っていた。
「そうなんだ…。それで、ゆきちゃんはどう思ってるの?」
「どう、と仰いますと?」
 何を指して、どう思っているのか問うているのだろうか。
心当たりが多すぎて、みゆきはどれについて答えるべきか迷った。
「こなちゃんに対する私達の仕打ち、だよ。
ゆきちゃんは、どう思ってるの?虐めだと思ってるの?」
 みゆきは取り繕うべきか迷ったが、結局本心を打ち明けた。
438審判:2009/01/01(木) 18:59:17 ID:dsPvMpVQ
「虐めかもしれないし、虐めではないのかもしれない、と、どっちつかずの状態です。
かがみさんが仰っていたように、私がいつか、愛する人が出来た時に、
聞いてみるのが一番いいのかもしれませんね。
結局私には、この答えは出せません」
「ふーん」
 つかさの声色は、何処か突き放すように冷たかった。
「あ、あの、つかささんは、どう思ってるんですか?」
 みゆきの問いかけに対し、つかさは躊躇う素振りを見せずに返答してきた。
「今思えば、あれは虐めに当たるんじゃないのかな。
こなちゃんが私に対してしてきた事は虐めじゃないと思うけど、
私達がこなちゃんにしてきた事は虐めだと思う。
難しい事はよく分からないけど、そう思うよ。
虐めじゃなかったとしても、こなちゃんに対して悪い事しちゃったな、って思ってる」
 つかさは、私達、という言葉に特に強く力を込めていた。
「そう…ですか」
「ねぇ、ゆきちゃん。お姉ちゃんは要するに、私を好きだ、って言ってたんだよね?
私の価値観に合わせる、みたいな事も言ってたんだよね?」
「ええ、恋愛感情を抱いている、とも言っていました。
そして、つかささんが価値判断の基準だ、とも」
「例えばさ…」
 つかさの声は、一層凄惨味を帯びてみゆきの心を震撼させた。
「私が死んで見せれば、お姉ちゃんも考え改めるんじゃないかなぁ。
こなちゃんを虐めた事を後悔してるって内容の遺書でも書いて、
目の前で自殺してやればお姉ちゃんも少しは悔やむんじゃないかなぁ。
こなちゃんを死に追いやった、罰を与える事ができるよね」
 みゆきは心底から震え上がった。
軽い眩暈に襲われ、鳥肌が両腕を覆ってゆく。
「つかささん…何を…」
 絞り出すように、みゆきは声を出した。
「冗談、だよ。そんな事、する訳ないよ」
 明るい声が届いた。普段の、いつも通りのつかさの声だった。
凄惨な声でみゆきを震え上がらせていた人間とは、同一の人物だとは思えない程の、
可愛らしい少女の声。
439審判:2009/01/01(木) 18:59:54 ID:dsPvMpVQ
 だが、みゆきの心は相変わらず雪山に囚われたままだった。
(冗談には…聞こえませんでした…)
 みゆきはつかさに話してしまった事を、後悔しかけていた。
もしかがみとのやり取りを話さなければ、つかさのこんな一面見る事もなかっただろう。
パンドラの箱を開けてしまったような気分にみゆきは襲われた。
「つかささんは…
やはり、私達の行為が泉さんを死へと追いやったと思っていらっしゃるんですね…」
「うん。故意だとか認識だとか、そういう難しい話は分からないけど、
こなちゃんの精神を追い詰めていたのは確かでしょ?
やっぱりね、ゆきちゃん、私は、私を許せないよ。
喩え虐めてるつもりが無かったとしても、こなちゃんを追い詰めちゃったんだから。
虐めじゃなかったとしても、ね。
こなちゃんは私の、大親友だったから…」
(そういう理由で自身を許さないのであれば、私の事も、かがみさんの事も、
許してはいないのでしょうね…)
 そう思ったが、結局その考えは口に出さなかった。
つかさの口から、肯定されるのが怖かったのだ。
「そう、ですか。夜分遅くに、電話してしまって失礼しました」
「んーん、いいよ別に。あ、そうだ、ゆきちゃん。
黒井先生の事件なんだけど…」
「はい、何でしょう?」
「あの高道って人、殺されちゃって可哀想だと思う?」
 唐突な問いかけだった。
みゆきはコメンテーターの発言を思い出しながら、答えた。
「そうですね…。確かに虐めを行っていた事は、酷い事かもしれませんが…。
殺される程の事は無かった、と思います。
同情、します」
 つかさは何処か愉しげに応じてきた。
「ふーん、やっぱり」
 何がやっぱりなのだろう。みゆきにはつかさの意図がよく呑み込めなかった。
「でも、ちょっと意外だな。高道って人の行為、いじめだとゆきちゃんは思ったんだ」
 何処が意外なのだろうか。
「それは…あそこまで酷い事をやっていれば、虐めだと認定されるべきでしょう…」
「あー、程度の問題かー。でもやっぱり、同情はするんだね」
「ええ、それは当然。何年も前の事ですし、
今更殺されるのも無念でしょうし。殺人という大罪を犯してしまった黒井先生…
黒井容疑者は軽蔑していますが、
高道さんという方には同情を禁じえませんね」
「やっぱり、やっぱりね」
 つかさの声は、本当に楽しそうだった。
「あの…何が『やっぱり』なのでしょうか?」
 みゆきは堪らず問いかけた。
つかさの愉しげな態度に対する、不安と不審を抑えきれなかったのだ。
440審判:2009/01/01(木) 19:00:39 ID:dsPvMpVQ
 それに対し、つかさは一字一句明瞭に発言して答えた。
笑いを含んだ声で。声こそ笑っているものの、
電波の向こうに居るつかさは、微笑みという類の表情を浮かべていない事が何となく分かった。
みゆきの頭の中で構築された電波の向こうのつかさは、嘲笑を浮かべていた。
「だってさ、あの高道って虐めっ子、ゆきちゃんの同類だからね。
庇う、って信じていたよ」
 愕然とした思いに、みゆきは囚われた。
違う、と反論したかった。
「虐めたかもしれない、と疑ってはいても、
虐めた、とまでは思ってないんでしょ?
結構被ってるよね、ゆきちゃんと。
お姉ちゃんとは、完璧に被ってるよね」
 苦しげな声で、みゆきは反論した。
「いえ…確かに虐めだったかもしれませんが、あの方とは違います。
少なくとも、つかささんを守ろうとする、大義名分はあった…。
あの高道という方は、ただの遊び心から、虐めを行った…」
「ああ、大義名分があれば、虐めってしてもいいんだ?
正義の御旗があれば、何をしても許されるんだ?」
「それは…っ」
「冗談だよ。だってゆきちゃん、まだ虐めっ子かどうか、未確定だもんね。
好きな人に判定してもらうんでしょ?
その時を、楽しみにしてるね。
ああそうだ。私はね、こなちゃんへの私達の行為が虐めかどうかなんて、
そもそも問題じゃないと思ってるよ。
だって、こなちゃんを不必要に追い詰めていた事は確かだもんね。
それって虐めに当たろうが当たるまいが、やっちゃいけない事だよね。
ゆきちゃん、虐めという言葉に囚われすぎなんじゃないのかなぁ。
虐めに当たらないのなら、他人に苦痛を与えてもいいって事にはならないよね。
でもゆきちゃんは、虐めかどうかに拘った。
虐めに当たらなければ、自分を許すつもりなんでしょ?
言葉遊びで、逃げられると思ってるのかな?
一生忘れないでね。私達はこなちゃんを

 こ ろ し た ん だ っ て こ と

じゃあね、ゆきちゃん。おやすみ。良い眠りを」
 つかさは一切の容赦をせずに、裁きの雷を降り注いだ。
携帯電話は電波を飛ばすが、みゆきに直撃したのは断じて電波などではなく、
紛れも無く雷だった。
 みゆきの顔から、みるみる内に血の気が引いていく。
つかさの言葉はみゆきの顔を蒼白に変えていた。特に唇は紫色を帯び、
みゆきの受けた衝撃の深刻さを物語っている。
かがみを断罪させる意図の電話であったが、
つかさはみゆきをも、そして自分自身も容赦なく裁いていた。
みゆきは、何も言い返せなかった。
 言いよどむみゆきをよそに、つかさは一方的に電話を切った。
交信が途切れても、
みゆきは携帯電話を握り締めたまま、呆けたように視線を虚空に漂わせていた。
「泉さん…」
 みゆきはその視線の先に、こなたの姿を見たような気がして呟いた。
それは、スタンドミラーに映ったみゆきの姿でしかない。
鏡に映った皮肉めいた暗示は、みゆきの呟きに呼応するように消え去った。

<FIN>
441名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/01(木) 19:02:26 ID:dsPvMpVQ
>>437-440
以上で終了です。長期連載にお付き合い頂き、有難うございました。
では、本年もよろしくお願い申し上げます。

>>419
どうもです。
442名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/01(木) 21:17:24 ID:43+uXLD4
うーん
かがみに鉄槌が下る所見てみたかったかも
443グレゴリー:2009/01/01(木) 22:08:29 ID:v5veZPnc
>>440
うーん、最後の電話のシーン、つかさの隣でかがみがほくそ笑んでいるのかな?
結局、勝ったのは黒姉妹だってことか?

どうでもいいことだと思いますが、久しぶりにシングルモルトのラフロイグを
飲んで最高の気分ですw金がないので今までサントリーの「膳」だったんですよ
高価なシングルモルトはいい酔い方ができますありがとうございます。
え?テメエのことなんてどうでもいい死にやがれだって?失礼しましたw
444名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/01(木) 23:26:28 ID:ajx7OBFJ
>>440
乙ッス
ふんっとに人間って誰も罪を犯さずに、それを善行だと信じて善人を殺せるのね

>>442
そっちの方が想像掻き立てられていいけどね俺は
445名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/02(金) 00:09:10 ID:Qb7ndvAH
>>441
乙です
かがみは放置プレイですねw
年をまたいでの大作でしたね
446名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/02(金) 01:17:50 ID:iOf+zxkI
「世の中の善と悪とを比べれば、恥ずかしながら悪が勝つ。神も仏もねえものか」

まさにこの通りの事態になりますたな・・・・・

「正直者は阿呆鳥」ともよく言ったもので・・・・・
447名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/02(金) 02:18:16 ID:L0xyjRMP
つまり、らき☆すたを純粋に好きな人達がいくらアンチやグロ好きの基地外と戦っても
ここの奴らがちょっとグロネタ書くだけで、純粋なファン達は抵抗出来ずに
泣き寝入りするしかないっていう事ですね分かります

このスレの人が、新年早々こなたスレにグロネタ書いて
人の心をズタズタにして喜んでるのを見てここに記念パピコ
448名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/02(金) 02:54:04 ID:dtdRjzJM
ついにこの時が キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
偉いぞ俺! すごいぞ俺! 抜かず5日間・・全てがピンク色に見えて辛かった・・(*;´Д`*) ハァハァハァ
良く耐えたものだ、よく女児を襲わずにすんだものだ・・フレッシュプリキュアのタルトの細長い体
がコケシに見えた時はもうダメかと思った・・(*;´Д`*) ハァハァ・・我慢汁が糸を引き、もう少しで発射
するところであったが何とか持ちこたえた・・・
心配していた夢精も同時敢行した減量の空腹感のおかげで何とか抑えられた・・この五日間殆ど何も食
べてない・・おかげで4kg軽くなった・・・
前回失敗の反省から朝晩眠い時間帯にSSの観賞も怠らず行った・・これで別のオナペットが出てくることは
無いだろう・・・

今夜は安眠のために酒はなし、眠くならないと困るので、また10kmランニングして疲労感も貯めた・・
枕の下に美翔舞のエッチな画像の打ち出しも敷いた・・いよいよ今夜だ! ピンク色の初夢だぁぁぁ!!(*;´Д`*)
ハァハァハァ
449名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/02(金) 03:31:35 ID:+HKhMAy7
こなたの恐怖の続編はそれだけ見ると可愛そうになるけど
前作を読んだ後だとスッキリするんだよな
450名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/02(金) 11:31:01 ID:dtdRjzJM
こなたぁ〜!! まだ出しちゃ駄目だぁ〜!! 頑張れ!俺!!(*;´Д`*) ぉぉおぉぉ!!
いいかぁ〜!! 初夢は12/31→1/1の間の夢じゃないんだぞぉ〜!! 1/1→1/2の間の夢が初夢なんだぁぁ〜!!
あと二日頑張れぇぇ〜!!

もうイブの日のような失敗は許されないんだよぉ!!
今度は大丈夫だぁ〜!! 性欲に加えて食欲も絞ったぁ! 一昨日から一日の摂取は、蜜柑一つ+缶ビール一つ
寒いせいか1.5kgしか体重おちねぇ〜!! 今日は仕方ないから10km走ってきたぁ!!

新年から俺はオナニストとしてステップアップするんだよぉぉぉ〜!!
451名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/02(金) 19:42:31 ID:NlD6BeDi
【三重】「職もなく、息子に迷惑をかけた」韓国籍の無職男が旅館で従業員に包丁を突きつけ立てこもり[01/02]
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1230890072/
452グレゴリー:2009/01/02(金) 20:36:40 ID:K1KuBruV
>>447
少なくともここに1人、ここで心を癒している人物がいるぞ。
一方的な見方はいわゆるパラノイアと呼ばれる精神病だ。
病院に見てもらうことをお勧めする。
453名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/02(金) 23:34:13 ID:TF46A9Ww
かがみ「こなたが自殺したんですって」
みゆき「それは…どうしてまた」
かがみ「遺書があるわ。ふざけた理由よ」
つかさ「どういう理由?」
かがみ「読み上げるわ。

     私は別に、私が一番不幸であるとは思っていない。
     別にアフリカの例を挙げずとも、国内、いや県内、いやいや校内においてすら
     私より不幸な人間は数多居るだろう。
     私は不幸故に死を選んだのではない。
     私より幸福な人間が、世界にただ一人でも存在しているという事、
     それが許せないのだ。

     ですって」
つかさ「…」
みゆき「…」
454JEDI_tkms1984:2009/01/03(土) 00:02:29 ID:1b85PqLg
 出先から帰宅。 
「審判」を拝読しました。
いじめの切り口と発展が目新しく、僕としても大いに参考にすべき展開でした。
ラストのみゆきとの会話、つかさはかがみに自身の考えを予め吹き込まれていたのでしょうか。
それとも隠していただけでつかさも最初から腹黒く、みゆきの追及に詭弁で躱したのでしょうか。

それにしてもこなたとみゆきの心理面は地文で描写をし、かがみとつかさに関しては、
行動や様子の変化に留めるという使い分けが見事でした。
その結果、ラストシーンを数通り想像させるに至りました。

>>407

 律儀な性格だからジョックとは相容れないのです。
455名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/03(土) 02:04:14 ID:2JPryZ0f
こなたは中学の頃からいじめられてそう
http://image.blog.livedoor.jp/news4wide/imgs/4/9/499ea852.jpg
456名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/03(土) 02:16:31 ID:do0JMpUv
ついにこの時が キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
偉いぞ俺! すごいぞ俺! 抜かず5日間・・全てがピンク色に見えて辛かった・・(*;´Д`*) ハァハァハァ
良く耐えたものだ、よく女児を襲わずにすんだものだ・・フレッシュプリキュアのタルトの細長い体
がコケシに見えた時はもうダメかと思った・・(*;´Д`*) ハァハァ・・我慢汁が糸を引き、もう少しで発射
するところであったが何とか持ちこたえた・・・
心配していた夢精も同時敢行した減量の空腹感のおかげで何とか抑えられた・・この五日間殆ど何も食
べてない・・おかげで4kg軽くなった・・・
前回失敗の反省から朝晩眠い時間帯にSSの観賞も怠らず行った・・これで別のオナペットが出てくることは
無いだろう・・・

今夜は安眠のために酒はなし、眠くならないと困るので、また10kmランニングして疲労感も貯めた・・
枕の下にこなたのエッチな画像の打ち出しも敷いた・・いよいよ今夜だ! ピンク色の初夢だぁぁぁ!!(*;´Д`*)
ハァハァハァ
457名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/03(土) 10:41:02 ID:2mfFsGtn
カラコンに染髪ありえねぇ
458名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/03(土) 16:17:21 ID:f+u0J3ef
むしゃくしゃした日はブックオフに行く
そして本棚の陰に隠れてでかい声で「いらっしゃいませー!!」と叫ぶと、
フロアにいる店員が一斉に「いらっしゃいませー!」とつられて言う
これを2、3回繰り返し、気が済んだところで店を出る。
459名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/03(土) 19:04:59 ID:pRAwnP3L
>>455
どっちも可愛いじゃねえか、馬鹿やろう
460名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/03(土) 23:25:54 ID:fIQoOwGd
>>455
こなた高校デビューおめ^^
461名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/03(土) 23:58:18 ID:do0JMpUv
(*;´Д`*) ハァハァ・・・気持ち良かったが、今年も失敗だぁ・・・扱けど抜かず、三日間禁欲して寝る前には
チーズの匂いを嗅ぎ、90分サイクルで鳴る目覚ましをセットし・・・

だが・・目覚ましは無意識のうちに全部止めていた・・・ひょっとしたら予定通り
に橇を引かせる夢も見ていたのかもしれないがぁ、全然覚えてない・・(*;´Д`*) ハァハァ

もっとも、幸いなことに起きる直前に眠りが浅くなるタイミングで、ピンク色の夢を見たので、これは鮮明に覚えていた(*;´Д`*)
起床する直前のまどろみの中でピュッピュと夢精するのはすぅごく気持ちえがったぁ・・ハァハァ
問題は夢の中で犯したのが、つかさでもかがみでもなくこなただったということだぁ(*;´Д`*)
全裸に四つん這いにしてソリを引かせるのではなく、入浴中のこなちゃんに、バスタブの上を四つん這いでまたがせ、
バックで突きまくったのだぁ・・(*;´Д`*) ハァハァ こなちゃんは犯されるのが嫌なのか、全然喘いでくれないし、自分から動こうとも
しなかったが、それでも時々我慢できずに体内をきつく収縮させたり、ヒップをしゃくりあげたりしてくれて
スゥゴク気持ちえがった、そして熱かった(*;´Д`*) ハァハァ 必死にマグロを装っていたが、エクスタシィーの発汗をうっすらと白い肌に浮かべていて、
すぅごくソソラレタ・・・ぅうっ!

ある程度狙った絵は見れたがぁ、脳が寝ているのに近い
状況で普段見ている絵の方を選択して夢に出してしまったようだなぁ・・・(*;´Д`*) ハァハァ
462名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/04(日) 01:34:42 ID:YGsgEeHm
そういやオフってどうなったんだ?
463名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/04(日) 10:42:26 ID:Svq7r8fS
スイッチオフになったんでは?
464名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/04(日) 10:46:56 ID:9eFYtFZB
また失敗したぁぁぁ〜!!!! orz
もう断食は解いて、入れ替え時期の防災グッズ、缶パン(プレーンのパン、菓子パンで美味しい)
を食したのにぃ〜、三日も食を抜けば空腹感はほとんど抜けるのにぃ〜、早朝2:00に目が覚めた
ときにおぼろげに覚えていた夢はぁ・・何かを必死にパクパク食ってる夢だったぁ〜!!!
つまりコレが今年の初夢だぁぁぁ〜!!orz

おぼろな夢はノーカウントだと気を取り直してもう一度寝た・・・今度はエッチなピンク色の
照明の夢が出てきた・・(*;´Д`*) ハァハァ
同じテーブルに向かい合って座った女の子と談笑 していた・・・ただし相手はこなたじゃなくて
ひよりちゃんだった・・(*;´Д`*) ハァハァ・・・・しかも制服を着ていた・・・・
もちろん飛び掛っていったが、激しく抵抗され、揉み合っているうちに我慢できずにドクドク
やってしまった(*;´Д`*) ・・ぅううっ!!
そして、余りの興奮にまず相手の両手の自由を奪わなければ成らないという基本を忘れ、のしかかった
だけの状態で服を引きちぎるのに夢中になってしまった(*;´Д`*) ハァハァ
ひよりんは流石だ、この隙を見逃さず、両手を平手にして俺の両耳を同時に思いっきり叩いた!
(コレをやられると相手の鼓膜は思いっきり破れ、衝撃でしばらく行動不能になる・・orz)
のた打ち回っているところを更に持ち上げた椅子でもう一撃喰らい、ひよりんに逃げられた
ところで目が覚めた・・・・

気持ち良く夢精はできた(*;´Д`*) が・・また失敗だぁぁ〜!!!orz
しかもこなたが出てこなかったばかりか、女の子と行為にも及べなかったのだぁぁぁ〜!!

後から気付いたのだが、別に服なんか脱がせなくても パンティさえ下ろしてしまえば
ひよりを犯せたではないかぁ?orz

しかし良かった・・鼓膜は勝手に再生するけど、あの体勢なら目に指を入れるぐらいのことはできた筈だ・
夢の中のこととはいえ幸いであった・・orz

・・・コレで新年の計は決まった・・・それは

@如何なる時にも焦らず冷静に行動する。

A(特に満員電車の中等で)片手で女の子の自由を奪い、片手でパンティをずり下げる方法を必死に考える(*;´Д`*)
465(≡ω≡.)神奈川:2009/01/04(日) 13:45:02 ID:wEqbcGuz
あけおめ、ことよろ(≡ω≡.)/~~~

インフルエンザにやられて少し直ってきたのに、
こなたの高校デビュー画像見て熱出てきた・・・・・・

もう原作でもこなたが出なくならないかな〜
466名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/04(日) 16:58:22 ID:YBYc+ygD
462 :(≡ω≡.):2009/01/04(日) 01:34:42 ID:YGsgEeHm
らき☆すたキャラを歴代スカイラインで例えると

こなた:ケンメリ
かがみ:ハコスカ
つかさ:R30
みゆき:ジャパン

だと思う。異論は抜きの方向で。

463 :こなきも委員会書記長:2009/01/04(日) 10:42:26 ID:Svq7r8fS
違うよ、こなちゃんは歴代最低のR31だよぉ〜

あははははははははははははははははははははははははははははははははは
467名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/04(日) 17:11:38 ID:YBYc+ygD
462 :(≡ω≡.):2009/01/04(日) 01:34:42 ID:YGsgEeHm
らき☆すたキャラを歴代スカイラインで例えると

こなた:ケンメリ
かがみ:ハコスカ
つかさ:R30
みゆき:ジャパン

だと思う。異論は抜きの方向で。

463 :こなきも委員会書記長:2009/01/04(日) 10:42:26 ID:Svq7r8fS
違うよ、こなちゃんは歴代最低のR31だよぉ〜

あははははははははははははははははははははははははははははははははは
468グレゴリー:2009/01/04(日) 18:24:29 ID:Yl4Q7iw4
いつのまにかスポーツカーがオタク(ナード)に侵食されて、
それを嫌ったジョックスがRVに流れていったのが良く分かる。
469名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/04(日) 22:33:48 ID:lExhXVKy
神奈川とか何ヶ月振りだよwwwwwwwwwww
いやいやwwwwwwwww相変わらずパネェアンチっぷりで安心したzewwwwwwwww
その熱を創作モチベに向けて下さいねー?マジ頼みますわー!!
470名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/05(月) 00:34:39 ID:EYdVoz5W
つーかこのスレ、2007年から続いてるのなw
今2009年っすよ?このネタは人を惹きつけてやまないのね
471名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/05(月) 00:45:33 ID:0I+wg9yz
それ考えたらこのスレ1の>>1は偉大だな
472名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/05(月) 02:54:33 ID:dJWckV0H
>>471
1乙
473名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/05(月) 06:48:17 ID:4O4HpunB
自称初代の1がふたばにこのスレの絵転載してたよ
474名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/05(月) 07:01:56 ID:eU8TEi7S
ついにこの時が キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
偉いぞ俺! すごいぞ俺! 抜かず5日間・・全てがピンク色に見えて辛かった・・(*;´Д`*) ハァハァハァ
良く耐えたものだ、よく女児を襲わずにすんだものだ・・こなたの細長い体
がコケシに見えた時はもうダメかと思った・・(*;´Д`*) ハァハァ・・我慢汁が糸を引き、もう少しで発射
するところであったが何とか持ちこたえた・・・
心配していた夢精も同時敢行した減量の空腹感のおかげで何とか抑えられた・・この五日間殆ど何も食
べてない・・おかげで4kg軽くなった・・・
前回失敗の反省から朝晩眠い時間帯にSSの観賞も怠らず行った・・これで別のオナペットが出てくることは
無いだろう・・・

今夜は安眠のために酒はなし、眠くならないと困るので、また10kmランニングして疲労感も貯めた・・
枕の下にこなたのエッチな画像の打ち出しも敷いた・・いよいよ今夜だ! ピンク色の夢だぁぁぁ!!(*;´Д`*)
ハァハァハァ
475名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/05(月) 14:18:18 ID:fhBTa9BW
初代1は、まさかここまでスレが存続するとは思ってなかっただろうな
476名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/05(月) 23:14:34 ID:VBA45LJN
>>462
水面下で計画進行中
リアル受験生とかいるんでないか?
477名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/05(月) 23:32:39 ID:P6pQkYw/
スイサイド
478名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/06(火) 01:15:40 ID:V6v1bn5Q
今更だが禁断の扉は良かった。
479名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/06(火) 06:34:16 ID:tM3MHcBD
ごめんよぉ〜こなたんっ!
自分の性奴の誕生日を忘れちゃうなんてご主人様失格だねぇぃ!
お詫びに今日はとぉぉぉぉぉ〜っても、こぃぃぃぃぃぃ〜のを
沢山ぶちまけてあげるからねぇ〜(*;´Д`*) ハァハァハァ

一昨日から忙しくてしてないからぁ、すぅぅぅぅぅぅ〜ごく粘っこくてこぃぃぃぃ〜
から一発で孕むことができるよぉぉぉ〜!!!!(*;´Д`*) ハァハァ

ハァハァハァハァ・・・・ぅぅうぅうううぅぅぅぅぅ・・・ぅう!?・・・ぅぅううう・・ぅうっ!!(*;´Д`*)
480名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/06(火) 08:33:59 ID:FyDvRWcs
なんでキャラスレってここまでキモイ奴しか沸いてないんだろうか。
変態は別に許容範囲だがここまでキモイと正直引きまくる
481名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/06(火) 09:59:51 ID:ZilwD+HE
お前に許容されるいわれはない
482名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/06(火) 11:40:16 ID:Oyj7I3gI
イミフなコピペに対するレスじゃね?
483名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/07(水) 02:23:07 ID:xa3qlilW
こなたスレ30スレ目に突入か
追いつけるのかね
484名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/07(水) 10:01:43 ID:T2psyv5J
こなたで”イク(*;´Д`*) ”とし来る年・・・ぅああぁぁぁぁ我慢汁がぁぁ〜!!!
た、耐えるんだぁ〜俺!
今夜耐え抜けばごぉぉぉ〜るいんだぁぁぁ!!
485名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 00:24:37 ID:o8dz15mr
地球の未来と女児の未来は任せたぞぉ〜、こなたー!!!
そのムチムチした肢体でロリペドたちの欲望を搾り取ってくれぇ〜!!!
486名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 00:30:14 ID:NThnkEJz
           -==ニ´ ̄ ̄ ̄ `ヽ、
           r ´/ /     ヽ~ヽ
         //// / / // .イ ヘ ヘ   
          {/ /// イ /| /l /リ| .|.ヘ |
          | /// X,リ レ/_ ヘレリ ノ             こなちゃん!君を・・・
          リレレヘf rミ  /._zrラ  f^}    r―、_      
             |  ̄ノ      レ    /   / ¨ヽ    助 け に 来 た ! !
             ヘ ` _    ノ     と´ヽ_',   ヘ
              ヽ   `  ./ |    l 、_ノ ',....ノ }    
               `>、_/   }     ヽ    (   ヘ
           /ーー/  /      } ー 、  ゙ー-┐    |
          // -` 、ノ-         `ヽ   |    |
          /./    |!        |     ヽ  「    | 
          |/      |        {      ヽ|     | 
           |,| o;    |   o;    ヽ     |     | 
   /`ヽ、   /人,,_    ハ,,__      /ヽ    l     l
 /__  /l /  i              /  \  {      |
..{    `〈 .レ   |    ......;:......      |    \      /
ヘ  ヽ__/ ̄|  / |    ......;:......      |     \     /
 ヘ       /  |   ■■■.     |       \__/
  `ー- ´- /   |   ■■■      | 
              ■■■
              ■■■  グググ!!
              ■■■
              ■■■
487(≡ω≡.):2009/01/08(木) 00:59:01 ID:mSw0Fkkj
お断りします。
488名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 02:01:50 ID:uh/aAqe3
一週間ほど静かだな
489JEDI_tkms1984:2009/01/08(木) 12:06:02 ID:0BDBlw9t
 来週あたりにひとつ、投稿させていただく予定です。
490名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 22:27:54 ID:+QtT5cnL
ほう、早くもゴッドクラスが出撃表明か。
491名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 23:16:21 ID:0u3UfRPN
就職したらスキャナー買って漫画うpするんだ
492名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/08(木) 23:36:46 ID:kugflTe5
こなたを苛めるのは止めてくれ!!可哀相だ…
493名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/09(金) 00:46:12 ID:/3PHniOU
>>491
そういや、SF655とかいうコテ居たっけなw
494名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/09(金) 06:45:01 ID:RJVwdEX6
こなたで妄想してタクサン白い液を出していなかったら、今頃小中学生の女児を
全裸にして全身なめまわして、あちこちにキスマークをつけていたに違いない・・・
ぅぅぅうぅぅっぅぅぅ〜!!! ぅうぅぅぅっ!!!! (*;´Д`*) ハァハァ

舞ちゃん・・・今夜は妄想の中でこなたを全裸にして後ろ手に縛り、アソコに
奥の奥まで、たっぷりとトロロを塗りこんであげるからね(*;´Д`*)
清純なこなたでもこれには堪らず、顔を真っ赤にして
「かゆぃ・・・かゆぃわぁ・・・・あぁぁ・・たすけてぇ〜・・」ともどかしげに腰をくねらせながら
思わず身もだえしてしまうんだろうねぇ・・・ハァハァハァハァ・・・ぅぅぅううううっ〜!!(*;´Д`*) ハァハァ
495名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/09(金) 14:01:08 ID:nPPSyIaf
>>494
こいつ頭逝ってる
キ メ エ
496名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/09(金) 15:29:13 ID:Fsgmwxb8
舞ちゃん?
なんだ、改変コピペか。
497名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/09(金) 18:01:43 ID:tJesEkdi
チームの皆に相手にされず、立ちつくす
ttp://uproda.2ch-library.com/src/lib088362.jpg
                ↓
チームの皆が相談する中、のけものにされる
ttp://up2.viploader.net/pic3/src/vl2_091634.jpg
                ↓
チームの皆が笑う中、ひとり伏し目がち
ttp://up2.viploader.net/pic3/src/vl2_091635.jpg
                 ↓
テレビ映りなど完全に放棄して、うつむいて一人遊びを始める
ttp://up2.viploader.net/pic3/src/vl2_091636.jpg

ttp://blog.excite.co.jp/shokotan/2869131/
ちなみにブログでは・・・

これを見てたらふとこなちゃんが頭をよぎった
こんなのは嫌あああああああ!!!
498名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/09(金) 18:12:16 ID:k4swM2Er
おい、泉こなたってなんだ?
アニメのキャラか?
なら、生きてないんだから
意味ないだろ
確認のために言っとくぞ
499名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 01:03:43 ID:xj2u5f2b
筋肉、顔芸、ヤケクソ、大阪の復活が待ち遠しいぜ
500名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 07:40:13 ID:roZZaZes
これは変態ではない・・・これは愛だぁ・・・
妄想の中で毎晩すぅぅごぉく嫌らすぃことをされ続けているこなたんは少しやつれた
ように見える・・・が・・それがまた妖しい魅力をかもし出している・・・・
乳房や双臀は度重なるハードでねちっこ色責めで、かえって肉付きがよくなり、ムチムチ
になっている(*;´Д`*) ハァハァハァ

こなたん・・・・犯せば犯すほど魅了される肉体だぁ・・・・ぅぅうっ!!!
501名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 12:06:40 ID:/KT3a34t
東洋一のアホであるこなたは、蝋の羽根で空を飛ぶことを思いついた。

¬「そんなこと可能なのか…?」
∞「物理的に無理かと思います」
ω「やってみないとわからないよ。まあ、体重増加気味のかがみんと
  胸が重いみゆきさんは無理かな。ゆーちゃんかみなみちゃんが適役だね」
Δ「お姉ちゃんひどい…」
↓「……傷ついた…」

みんなに怒られたこなたは、自分で飛んでみたら飛べた。

ω「ハーハッハッハ!どう?私に不可能はないのだよ!」
ф「こなちゃーん、みさおちゃんとあやのちゃんも連れてきたよ」
▽「本当に飛んでるヴァ!」
⌒「すごいわね」

つかさがあやのを連れてきたのが、こなたの死を招いた。

ω「うわー!日光がデコに蓄えられて!!羽根が溶けるぅ〜」

翼奪われこなちゃんは、落ちて命を失った

¬「あーあ…ぐっちゃぐちゃだわ」

死体は山に捨てました
502名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 17:15:01 ID:8XZNJay9
北大阪まだかよ
503名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/10(土) 17:31:34 ID:menpwSVH
>>502
多忙が重なりなかなか執筆が捗らず、自分でももどかしい状況です
以前クリスマス後と予告しましたが、すみませんがもう暫くお待ちください
504名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 01:29:01 ID:tXVfzNGo
>>501
記号にワロタw
505名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 02:30:52 ID:8xN2RBOH
;;;;;;;;;;;;;;;;/_ 、- ':i´  |:::::::| |::::::  i::     .: !:   ..   ̄Tー、\;;;;;;;;;;;;;
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 :  :::| ::::::! !::|r''',ニニ!::::|ミ、l:::||::::::!::|:. i:: .:::::: l::::::: :::!:::. :::::: l.    l
...::  ::| ::::::レ' !:| / ,-、!:::| _l:::| |:::::::i!::. |:: ::::::: !:::i::: .:::l::::: :::::::: l::  .:i l:
::: . :::| :::::!ー!:|┴┴┴',:|´ {:| !:::::||::::|:::::::::: l::::|::: ::::l:::::::::i:::i: !:::  .:l l::
::: ::::::|::::::! "i|"" "  i!  i!  !:::| l::|i::::::::::i!::::!::::::::i!::::::::!:::l: :l::::. ::l l:::.
:::: ::::::::i!:::!   !          !::l !||:::::::::| i::li::::::/l:::::::i!:::i!:::l::::: .::l: !:::: 
::::i::::::::ハ::!              'i! i!l::::::::i! |:!|::::/ l:::::/!::/!:::!:::: ::l::: l::::::::
:::::|::::::| i!                ┃!::::/ リ !:/ i::::/j:/ l:::l::::::::l:::i:l:::::::i:
:::::|::::::|                .:::ヽl::/ ´ j:/  l::/〃 l::!::::::i!::l:::l::::::l:!
::::::|::::::!                _ l/   i/  l/   l:::::::/l::l:::l:::::/:|
::::::i!:::::|、            - ' ´ __` ` ヽ        l:::::/ l::!l::!:::/:::|
::::::|i!:::|::',                           l::::/ !:l !:::/:::::|:

                楽しいかい?
506名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 03:24:42 ID:UPCXssUy
         / /         |    ヽ   /      , ´
 楽 楽 は 弋´  /     ___| \  〉-/_,. -‐     /
 し  し  ぁ   .> /   /――-ヽ__Y^y      /
 い い は  (_ /   /-―- ./ /   爪     /
  l !! っ  (/   /´ // /`/  /://:::|`―< ヽ
 よ    は   \ /  //_∠__/  /://::::,' |l \〉 .ハ
  l     っ /⌒ 7 /ィ≠''''ニミヽ/:://::::/ /l l:| |‖ |
!!      |   //_イ/ /  ', }}::::::〃::::/./:/ヽl:| | l| |
         弋 //::::  /  / / ::::/::::::/厶〈 ハ | | ‖
         /⌒,/:::::::  l   /.::::::::::::::::/,イΞミ〈// 人_人||人_ノ
ヽ/⌒ヽ(⌒Y  /:::::::::::ヽ _ー::::::::::::::::::::::::: / } |l<
   | .|| | |l  |       ::::::::::::::::::::: / / / jj::::::} は は あ
   ヽ|| | |l ∧   ト⌒\   ::::::::: し _〃:<  は は っ
     ヽ从ハ | ヽ   |  \ ` 、 ′ ヽ..::::::::::/  ) ぁ. は は
   _ /ヘ| \ ヽ   `ヽ、__フ   :::::::/<   l   は は
         |   \   _)/      / / ヽ !! は は
            l:::>  __,   -‐ ´ /_ノ     は は
            l:/ =ニ二三≠イ //  `ヽ
507名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 07:43:21 ID:7WYZSigG
今夜もこなたでハァハァハァハァ・・・(*;´Д`*)
茂みに連れ込みハァハァハァ・・・・・

久々の野外夜間観察で・・・かなり冷え込んでるのに
公園で行為に没頭ご苦労さん・・・(*;´Д`*) ・・・・せめてカーセックス
にしたらと余計な心配ハァハァハァ・・・・

季節外れの行為・・・・寒空での青姦・・・炎天下の暑苦しいゴスロリ服・・
はどちらも興ざめ・・ハァハァハァ
508名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/11(日) 22:29:14 ID:RqtbC1MN
それ、どちらかというとキャラスレ向きの内容じゃね?
こなた本スレでどーぞ
509名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 01:56:11 ID:H3I3islp
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1231572077/
パロスレがw
このスレの影響力は大きいな
510名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/12(月) 02:15:07 ID:B8Zzfkps
       ?./::::::::?/?、:::::::::::::::::::::::::::ヽ、:::::::::::<:::::::::::::::::::::::::::::::::::::\?
       /:::::::::::?/::::::::>?、::::::::::::::::::::::>‐-?、_``‐-、:ハ::::::::::::::::::::::::::l?
      ./:::::::::::::/:::::::::::::::::::::>?、::::::::::<;;;;;;;;;;;;;;;``丶/;;;「―‐-?、?_?」    _?
      f:::::::::::?〈;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;>?、?};;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;?|``ニ‐z-?、_人? ?/;;/?
      l:::::::::::::::}::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〉;;;;;;;;;;;;;;;;;;;〈;;;;;;;j;;;;;;;;;;;;;;;`;;;―‐レ';;;;;;/?
      |:::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::>-=ヽ、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ-'′;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;{;;;;?/?
      |:::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::r' fl:?:?∠、?_ゝ、_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|/  ?
      }:::::::::::/‐-::::::;;;;;;;;::::::| ?|ト |.{、 ?Cヽ、マ」‐-?、_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|?
     ./:::::::/::::::::::::::::::::::::::`┘ ||?\_ヽニ¬'":?:ヽレ:?:l?ノo>、_;;;;;;;;;;;ノ?
     {:::::::::ゝニニz?、::::::::::::::::::\{\ヽ、ニィ:?:?:-='ノイl:`ヽ-}?ヽニ‐┘?
     ヽ:::::::{:::::::::::::`?ミヽ、::::::::::::ヽ?ヽ_?ノ-、:?:?_:?:.?:|.|:?:.?:イ.厂?/?
      ト、:::',:::::::::::::::::::::`い:::::::::::::| ?|ノ/ ?``┘ `ヽ、,ィァ?|リ /?
      ゝ\ヽ::::::::::::::::::::::い::::::::::::| .|r'?,____?´?'´/// /?貴様等、覚悟しろよな!
      /:::::::\::::::::::::::::::::::い:::::::::::| |?`丶――‐‐'?/?.// /? 
    _」::::::::\?`丶、::::::::::::.い:::::::::ヽ、丶、    /__?./ノ/?
  <::::::::{:::::::::::::?\:::::>?、:::::::ヽヽ、:::::::`丶、?――' ?>イ?
/:::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::?\:::::::::`?―ヽ?\::::::::::::::>―r―'?/-?、____?
511名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 01:27:46 ID:h+rkbAVW
ガンガンさんってまだ見てるのかな?
512名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 02:00:59 ID:fkHczAjw
513名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 18:24:45 ID:k/P36nJ/
↑グロ注意

今週はJEDIさんか
楽しみだぜ
514名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/13(火) 21:52:21 ID:l7DxhBb7
やっと規制解除された…
515ガンガン福岡:2009/01/13(火) 22:50:37 ID:76SMu1+r
|д゚) ジー
516名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 00:55:59 ID:8Y3ow1Ct
>>515
仮面少女、続編書いていいですか?
プロットは出来上がってる状態です。
517SF655:2009/01/14(水) 02:04:59 ID:WAFZjqIs
センター試験後、投下予定……
518名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 16:51:28 ID:vAt/fQ8A
続々と投下宣言がw
519名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 20:09:10 ID:vAt/fQ8A
>>517
高3だったのか…
頑張ってくださいね
520SF655:2009/01/14(水) 22:42:41 ID:WAFZjqIs
ここは60行までだっけ?
521名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/14(水) 23:29:58 ID:tAGM0OE8
そ、60行まで
522ガンガン福岡:2009/01/15(木) 00:13:05 ID:SL7XtoX7
>>516
続きですかい!?Σ(゚д゚)
そりゃ構わないけどどう続けるんだろう…
と、思ってたらよく考えたらあの話、こなた死んでなかったなそういやw
523名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 01:21:11 ID:6uB/cUwT
524名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 01:22:09 ID:vC6v/BTk
おまんこのわれめを、ナイフできりさきたいつつああああああああああああああ
525名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 13:16:41 ID:lJxtMc/D
薬でもキメてんのかよ
526名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/15(木) 20:34:29 ID:NQ/hCEyZ
>>522
許可、有難うございます。
しばしお待ち下さい。
527グレゴリー:2009/01/16(金) 13:19:13 ID:dEFx61Lb
>>517
センターがんばって下さい。輝ける未来を掴むのだ!
若き人に伝えたいのはたった一つ。
私のようにはなるな...
528名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 00:50:21 ID:sl+7HVUq
新青春エンタメ
その名も自殺スレ
西尾も清流院も山田悠介も裸足で逃げ出すぜ
529名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/17(土) 23:56:41 ID:iYi4OQzI
悲壮なるこなた
530名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 01:09:05 ID:OKAFDZ/V
続々と投下宣言が
嵐の前の静けさですな
531名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 02:08:12 ID:vsC53OG8
>>667
クロシコJシリーズ(KRPW-J)、コルセア450W以上、江成PRO82+の中から選べ。
532あの子のメル友がブレーンバスター:2009/01/18(日) 02:10:55 ID:rA9Zmic6
都内IT企業Mの未払い問題は悪質。

低賃金で負のスパイラルから抜け出せない製造業派遣が社会問題化してるけど、

Mはそもそも1円も払わん。
中には百万ケタの業者報酬、90万近い賃金をシカトされてる香具師もおる。

カネを払えないことを最初から分かっていながら、仕事を外注して
仕事するだけさせて、支払わずにナシノツブテ。

会社に尽くしてきた人に、明日にでもホームレスに転落する
リスクを押し付けて生きのびようとしてる。

怒り狂った下請けがこの会社に仕事を出してる会社に凸ったこともある。
告訴されるのは茶飯事。絶対にここの仕事を請けてはいけない。

こーんだけ多くの人の憎しみを買った会社がこれからも生きていけると
本気で思ってるのなら、おめでたい限り。

社長の夢は「会社を上場させて浜崎あゆみと結婚する」。
こんな夢を持つ社長の会社が成長するわけがない。

会社の経理は社長が握って離さない。その中身はずさんの一言。
社長はハッタリが得意なだけで教育の仕方を知らない。現場の業務レベルは悲惨そのもの。
中間搾取に依存してきたせいでノウハウ蓄積がほとんどない。
派遣から引き抜いた人材を業務委託で雇って労基法逃れ。要らなくなったら
ちゃんと給料も出さずに明日からポイ捨て。労基法適用外だから泣き寝入りするしかない。
派遣村も真っ青の悪質な使い捨てっぷり。
キャバクラ・風俗接待がデフォ。失敗する会社の王道パターン。
533名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/18(日) 23:45:34 ID:mfKgqn9G
過疎ってきたな
SSや漫画の感想会でも開くか?
534名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 01:25:45 ID:QG5YVOP+
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535名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/19(月) 14:31:40 ID:ERgwCjNz
JEDI神アク禁か?
536名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/20(火) 00:43:39 ID:8hsHWoQm
デフォ北先生はアクセス禁止か。
ウィキで連載されてるジレンマ、楽しみにしてます。
537名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/20(火) 13:30:19 ID:57HcSqVu
>>527
>私のようにはなるな..
kwsk
538名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/20(火) 22:46:25 ID:NCOJjUKN
おのれアク禁
職人の足を引っ張りやがって
539名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/21(水) 01:00:03 ID:XXTaOy6N
中尉の続きが気になる
540グレゴリー:2009/01/22(木) 00:12:43 ID:/C1KH3z5
俺が心から憎む2月14日が近づいてきましたな。
とりあえず、その日を冒涜するような作品を書いていますが
なんとか当日に間に合わせるようにがんばります。
2月14日を俺のひねり出した糞で汚してやりたい。乞うご期待。


541グレゴリー:2009/01/22(木) 00:15:50 ID:/C1KH3z5
>>537
ご容赦を。たんに私のような糞にはなるなということです。
542名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/22(木) 00:47:44 ID:BaEkC8Jv
>>540
期待
しかしアレッすね、恋愛に対する憎悪がパネェっすね
543名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/22(木) 05:06:27 ID:EuwD0Q4H
かがみ:最近エコとか流行ってるわよね〜
こなた:でもさ、結局人間の活動が一番環境に悪いんじゃないかな?
みゆき:確かにそれはありますね
つかさ:じゃぁさこなちゃんCO2出すのやめなよ!
こなた:え・・・w
かがみ:そうね、たまには環境に貢献しなさいよ
みゆき:あれ、どうしたんですか泉さん。
こなた:いやいや冗談だって…みんな…

(つかさ、かがみ、みゆき):ギラギラ

こなた:え・・・ちょ・・・うっ・・・… ・  ・。
544名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/22(木) 06:59:40 ID:WbtXf8o6
北大阪まだ?
545JEDI_tkms1984:2009/01/22(木) 12:25:03 ID:1WF758ef
 先週での投稿を予定しておりましたが少々込み入った事情があり、まとまった時間がとれません。
数日内にはあらかた片付き予定のSSを投下致しますので今しばらくお待ちください。
報告が遅くなったことをお詫び致します。
546sf655:2009/01/22(木) 21:39:04 ID:LR6czJuH
今まで隠していたわけだが、連載途中のものは受験勉強により途切れ、また途切れ…。
完成したものを上げたのは初期のend of the worldのみ。
だが、センター試験終わった今、やっと解放された。

ってわけで明日休みなんでネットカフェで一気にあげちゃおうと思います。
547名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/23(金) 01:34:56 ID:DjPwwIPL
>>545-546
心配したZe
期待しつつ寝るrrrrrrrrrrr
548名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/23(金) 07:08:34 ID:nvLUiE7Z
>>546
高校の入学したかがみが様子のおかしいこなたと同じクラスになる作品書いてた人だよね?
続き楽しみにしてます
549グレゴリー:2009/01/23(金) 12:03:04 ID:sdHD3RXv
>>542
憎悪だけが私にモチベーションをくれるのです。
逆に私から憎悪をなくしたら何も残らない廃人になるという恐怖に苛まれております。
550JEDI_tkms1984:2009/01/23(金) 22:44:35 ID:1ZeMJ9ZV
 いよいよ明日です……。
551名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/24(土) 01:44:39 ID:MYG+xIS1
楽しみすぎる
552名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/24(土) 16:36:01 ID:ITnUmX0O
投下宣言はかなりの量になってるな。
楽しくなってきたぜ、カカ。
553名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/24(土) 19:18:43 ID:9tbA/xzc
開戦当時は日本の勝利に万歳を叫んでいた韓国人が、敗戦が濃厚になる
に従って反日を叫び始め、敗戦後は自分たちは被害者と言いはじめた。
第二次世界大戦で、もし日本が勝利していたなら韓国人は、
自分たちは戦勝国だと言い張ったのではないだろうか。
通名も同じで都合の良いように使い分けてる、そんな韓国人の汚さが
今日まで韓国人が嫌われる理由である。
554名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/24(土) 19:19:56 ID:HNF2Lut6
2次元ならいじめを楽しんでも良いのか…
555名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/24(土) 19:45:07 ID:Y+WoQSY1
人権の無い記号相手に、何やっても文句言われる筋合いはないね。
556名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/24(土) 22:24:22 ID:pdGNN5rU
単純に暗い
557名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/24(土) 22:58:15 ID:goLY/oR6
そうじろう「もう終わりにしましょう、ね?、皆さん?」
558JEDI_tkms1984:2009/01/24(土) 23:16:16 ID:kOlZV2J+
 大変遅くなりました。
今日、上司に退職を願い出ました。
この時勢に愚行とも思いますが後悔はしていません。
結局4時間話し合ったものの、時間切れで決着しませんでしたが……。
週明けにこそ受理してもらいます。

というわけで私事で投下が遅れに遅れましたがただいまより投下いたします。
559閻しき貴女よ1:2009/01/24(土) 23:18:10 ID:kOlZV2J+
 寒さが厳しさを増す2月。
都市部からやや離れた山間に、かがみとつかさの姿があった。
年頃の娘には似つかわしくない清楚な衣に身を包み、墓前に立って静かに手を合わせた。
(こなちゃん……)
合わせた掌にじわりと熱を帯びるのを感じながら、つかさが哀悼の意を捧げた。
すでにそうじろうが墓参りを終えているらしく、墓石は綺麗に磨かれており、花も供えられている。
かがみは持ってきた少しばかりの米を捧げた。
「こっちより漫画でも持ってきたほうが良かったか?」
つかさにさえ聞こえない声で、揶揄(からか)うように囁く。
不謹慎な冗談ではない。
こうでも言わなければ、こうでもして誤魔化さなければ、こみ上げる感情に忘我してしまいそうになる。
こなたが死んだあの日のように、泣き喚いてしまいそうになる。
冷たい風が容赦なく2人をなぶった。
「寒くない?」
ねぎらいの言葉はつかさから放たれた。
彼女自身は厚着してきたこともあり、さほど寒さは感じていないようだ。
「平気よ。つかさは?」
「私は大丈夫」
つかさが気遣ったのは、丈夫そうに見えてかがみは風邪をひきやすいからだ。
しなくてもいいダイエットに挑んで、栄養バランスを崩すことが多いからだとつかさは考えている。
彼女が料理の勉強に意欲的に取り組む理由のひとつは、かがみにあった。
いつも助けてもらっている自分が、唯一誇れる分野。
それを伸ばして、かがみを喜ばせたい。
カロリーが低く、栄養バランスのよい料理を食べさせてあげたい。
恩返しをしたいという意識が、つかさの調理の腕を上達させた。
「もう4年も経つのね――」
白い吐息が中空に溶け、その言葉の意味がつかさの心に深く刻み込まれる。
「そう、だね……」
天を仰ぐ。
この時期の空は暗く、淀んでいる。
せめて晴天ならこの陰鬱な気持ちも少しは和らいだかもしれないのに、とつかさは思った。
かがみはもう一度、手を合わせた。
宗派や思想に差異があっても、死者を悼む気持ちは誰もが同じように持っている。
(こなた…………)
彼女の記憶の中の”泉こなた”の姿は曖昧になりつつある。
最後に姿を見たのが4年前。最後に声を聞いたのも4年前だ。
思い出そうとして貌も声もどこか霞みがかったようでハッキリしない。
「かがみさん…………?」
山道の下から声がし、振り向くとみゆきがいた。
もともと長身だった彼女はその細みのスタイルと相まって、モデルのような体型を今も維持している。
「ゆきちゃんっ!」
それまで暗かったつかさの顔がぱっと明るくなる。
「お久しぶりです」
みゆきが恭しく頭を下げた。
その仕草があまりに華麗で、つかさもついそれに倣ってしまう。
「ゆきちゃん、きれいだね……」
つかさの口から思わず正直な感想が漏れた。
優雅な彼女にしては珍しくカジュアルな格好だったが、そのギャップがまた別の種類の美しさを醸していた。
「久しぶりね。大学院に進んだって聞いてたけど?」
「ええ、個人的に取り組んでみたい研究課題がありまして。ちょうど休暇がとれたものですから……」
「なるほどね」
「かがみさんはいかがですか? やはり就職はこちらで?」
「私の通ってた大学は田舎だからね。資格とったら地元の事務所を探すつもりよ」
みゆきが美しさに磨きをかけたように、かがみもまた一段と凛々しくなった。
あらゆる意味で”強さ”を感じさせる立ち居振る舞いに、みゆきはしばし見惚れてしまう。
560閻しき貴女よ2:2009/01/24(土) 23:19:18 ID:kOlZV2J+
「つかささんは?」
「私も……って専門も実家から通ってたから」
「つかさは一人暮らししたら朝起きられないからね」
「そ、そんなことないよ! ちゃんと起きてるもん」
したり顔で笑うかがみに、つかさが頬を膨らませた。
微笑ましいやりとりを見ながら、みゆきが思い立ったように墓碑に近づいた。
「もうお墓参りは終えられているのですね」
供えられた花を見て呟く。
墓前に跪き、彼女は静かに黙祷を捧げた。
「………………」
わずかに口唇を動かして何かを囁く。
小さく息を吐いてみゆきが立ち上がった。
無言。
久方ぶりの再会で喜ぶべき場面だが、揃ったのがこの顔ぶれでは思い出すのは厭でも――。
「あれからもう4年ですか……」
みゆきが顔を伏せた。
視界の際に映るのはこなたの墓碑。
「私ね――毎年、この時期になるとお参りに来てたんだ」
つかさが言う。
「でもどんなに早く来てもいつも綺麗なんだよ。おじさん、いつお墓参りに来てるんだろ」
「私も…………」
みゆきが搾り出すように言った。
「私もこちらに向かって手を合わせていました。本当は直接、お参りするべきなのですが……」
遠く離れた大学に通うみゆきは、専攻する分野の性質もあってなかなか時間が取れなかった。
かがみも同様で、地方〜実家の往復は旅費がかさむ。
4人の子を養っている柊家には経済的な余裕がない。
自分の使う分は自分で。
法学部で学びながら彼女は時間を工面してバイトもしたが、1年経たずにやめてしまった。
学業との両立が難しいのだ。
結局、帰省は年に一度。
年末から年始にかけての数日を家族と過ごすのみとなってしまう。
「私だって同じよ」
かがみが力なく言葉を添えた。
「………………」
またも沈黙。
こうして顔を合わせる機会は滅多にないのだから、お茶でも飲みに行こうか。
3人ともがそう思っているのに、誰もそれを口にできない。
こなたを悼んでいる最中に、自分たちだけが楽しんでいるような罪悪感を覚えるからだ。
「みゆきはこの後どうするの?」
会話の糸口をつかもうとかがみが問うた。
みゆきは頬に手をあてしばらく考えてから、
「そう……ですね……特に予定はありませんね。2、3日はゆっくりできますから――」
日を改めてお茶などいかがですか、と言いかけて口を噤む。
(…………?)
妙な言葉の切り方にかがみが首を傾げる。
「…………あの」
逡巡した様子のみゆき。
「泉さんのお宅に行きませんか?」
「…………!!」
「…………!!」
突然の誘いに2人がほとんど同時に体を震わせた。
つかさが返答に窮したか、かがみに視線を送って助けを求める。
「……えっと、それはどういう…………」
「こうして私たちが揃う機会もあまりありませんから。御仏前に拝したいと――」
みゆきの殊勝な心がけにかがみは感服した。
同い年でここまでの考え方ができる人間など、彼女の周りにはまずいなかった。
大学では志を同じくするも、遊ぶことにばかり執心する腑抜けばかり。
真面目な話や深刻な話をしようとしても、かったるいと一蹴する頭の弱い者ばかり。
561閻しき貴女よ3:2009/01/24(土) 23:20:21 ID:kOlZV2J+
「………………」
数年ぶりに逢ったみゆきに、かがみは何度目だか分からない尊敬の念を抱いた。
どうでしょうか、と訊ねてくるみゆきに、
「うん、いいと思う。おじさんにも挨拶したいし」
自分なりに考えての結論か、つかさが大きく頷いた。
「でももう4年近くも行ってないのに、いまさら……」
そうするべきだと分かっていても、かがみには承服する気にはなれなかった。
そういう挨拶をするタイミングをすっかり逃してしまっているのだ。
彼女の言葉通り、いまさらどんな顔をしてそうじろうに会えばいいのか。
(それに…会って何を言えばいいのよ……気まずくなるだけじゃないか…………?)
みゆきの考えも、それに同意するつかさの考え方も分かっている。
2人とも優しいから。
形だけの社交辞令ではなく、本当にこなたを想っての行動だとも分かっている。
しかし――。
「お姉ちゃんも行こうよ」
つかさが袖を引っ張った。
今すぐに、という意味らしい。
「で、でも……」
「気になさる必要はありませんよ。きっと迎え入れてくださると思います」
みゆきが微笑した。
(そうかな?)
かがみの疑念は晴れない。
そもそもみゆきはそうじろうと面識がないハズだが……?
迎え入れてくれる、というのはまず間違いないだろう。
自分の娘に手を合わせに来てくれるわけだから、門前払いはありえない。
かがみが気にしているのは、
「おじさん、私たちの顔を見るとつらいんじゃないかな?」
こういうことだ。
みゆきはともかく、かがみ、つかさともそうじろうとは何度か顔を合わせている。
2人がこなた宅へ遊びに行ったこともあれば、逆に泉家のほうから初詣に参ったこともある。
接点はそこそこ多かったのだ。
となると、どうしても自分たちの傍にこなたの影を思い浮かべてしまうのではないか。
「それは…………」
そこまで考えが至らなかったことを知り、途端にみゆきの声が凋む。
自分たちの勝手な想いで押しかけてよいものだろうか。
そっとしておくべきではないのだろうか。
みゆきは考えた。
「でもそれじゃ、いつまで経ってもこなちゃんの家に行けなくなるよ?」
つかさの一言にかがみがはっと顔を上げる。
確かにそうだ。
同じ理由でずるずると先延ばしにしては、ますます行くタイミングを失ってしまう。
(一度も行かないわけにはいかないわよね)
これではあまりにも失礼だ。
いつかは――。
いつかは仏壇に手を合わせなければと思っていた。
「行こうよ」
つかさが柄にもなく強い口調で言った。
今が大事な時だと悟ったのか、じっとかがみを見据えている。
しかしその視線に気圧されたのは、どちらかと言えばみゆきの方だった。
「そう……ですね……私たちは泉さんのお友だちです。行くべきだと思います」
死んでもなお、相手のことを友だちだと言い切れるみゆきに、かがみは彼女の強さを感じた。
「泉さんのお父様には……苦しめる結果になるかもしれませんが、私たちの偽りのない気持ちを伝えたいのです」
この子には敵わないな、とかがみは内心で苦笑した。


562閻しき貴女よ4:2009/01/24(土) 23:22:22 ID:kOlZV2J+
 3人で懐かしい道を歩いていると、ふとあの頃を思い出してしまう。
進路、将来、受験、卒業…………。
楽しかった高校生活も残りわずかだと思い知らされる12月。
自分も受験生だというのに、相変わらず遊んでばかりだったこなた。
5分そこらで終わるような宿題をいつものように甘え声で写させてと言ってきたあの時。
私は本気で怒ってしまった。
『いつまでも私に頼ってないでいい加減、自分でやれ!』
乱暴だった。
もともと喋り方がキツイと言われていたけど、あの時だけは頭で考えるより先に言葉に出していた。
ただ理由もなく突き放したわけじゃない。
あの頃は――。
本格的に料理の勉強をしたい、とつかさが熱心に進路を考えていた時期だった。
私に似ず、学ぶことが苦手そうなこの子が、目の色を変えて取り組みだしたのだ。
昔の教科書を引っ張り出して復習したり、学校の進路指導室にも頻繁に通ったりするようになった。
何がこの子をここまで真剣にさせたのかは分からない。
周りが着々と準備を進めているから、自分も焦って……というのも理由かもしれない。
私は料理なんてほとんど出来ないに等しいから、そういう才能を持っているつかさを羨ましく思った。
同時に応援したいとも。
ずっと私にべったりだったつかさが、自分で選んだ道を自分で歩もうとしてる。
どことなく寂しい感じはしたけど、それが好ましい変化だと言い聞かせて見守ることにした。
勉強を教えてほしいと言ってきた時は自分の時間を割いてでも付き合った。
調理師にしろ栄養師にしろ、普通科の知識なんてほとんど要らないんじゃないか。
ベクトルだの関数だの化学式だの……。
将来をその方向で定めたつかさにとっては不要な勉強だと思った。
どうせやるなら保健や家庭科に絞ったほうがいいんじゃないかと。
でもこの子は、
『何が役に立つか分からないから。今のうちにやっておきたいんだ』
そう返して机に向かった。
ああ、つかさはとても努力家なんだ。
甘えたがりの妹がカッコよく見えた。
必要な分野だけ勉強すればいいのに、と思った自分が恥ずかしくなった。

そういうつかさの頑張りを見ていたから、あの時ばかりは怒鳴ってしまったんだ。
言い方は悪いけど、つかさにとってこなたは悪い虫だった。
せっかくこの子が努力しているのに、楽ばかりしようとするこなたを私が甘やかすわけにはいかない。
厳しい口調になったけど、あれはこなたの為でもあったんだ。
世の中は壁だらけだ。
ハッキリ言って自分の思い通りにならない事の方が多い、といのり姉さんも言っていた。
壁にぶつかった時、まずどうにかしなければならないのは自分だ。
もがいて足掻いて、それでも駄目だったら誰かに頼ればいい。
こなたにとっての私のように、社会に出て”この人に頼れば大丈夫”なんて都合の良い人間がいるハズがない。
親や教師のつもりじゃない。
ただ一般論として、こなたにも厳しさに適応する力を持たせたほうがいいと思っただけだ。
何かと守られていた学生という身分ももうすぐ終わるのだから。
大学生もいちおう学生なんだろうけど、ここまで来たら社会人と同じだ。
もしつかさがこなたのようにいつまでも甘えるようなら、同じように言ったと思う。
「………………」
いや……違う…………。
それだけじゃない。
自分を良いように見せてどうするのよ…………。
私がこなたにきつく当たったのは――。
たぶん、自分の勉強が捗らなかった所為もあったと思う。
私が志望した地方の大学は、全国的にもレヴェルが高いことで有名だった。
入るのも出るのも難しく、成績はもちろん、その成績を維持するモチベーションも求められていた。
担任にも当時は五分五分だと言われていたから、自分の努力ひとつで合否が決まる瀬戸際だったと分かる。
自分で言うのもおかしいけど、高校での成績は上のほうだった。
みゆきには到底敵わなかったけど、それでも彼女に迫る好成績を叩きだしたこともある。
その私でも危ういと言われた。
563閻しき貴女よ5:2009/01/24(土) 23:23:40 ID:kOlZV2J+
堅実に行くならレヴェルを落として、近くの大学にしてはどうかとも勧められた。
それが悔しくて、一生懸命に勉強した。
大好きなラノベも封印して、受かることだけを考えた。
思えばヘンなプライドがあったのよね。
自分は賢いんだっていうつまらないプライド。
自信過剰になってたのかもしれない。
こういう言い方は失礼だけど、こなたやつかさ、日下部を見ているとそう思えてたんだ。
みゆきを追い越してやろうなんて競争意識もあった。
ムキになってたのかな。
『かがみ〜ん、たまにはアキバ行こうよ〜』
私が突き返しても、こなたは頻繁に遊びに誘ってくるようになった。
今は大事な時期なんだって私も最初は諭してた。
もちろん遊びたいって気持ちはあった。
根っから勉強が好きなわけじゃないし、将来のための義務みたいなものだったから。
でもそれに流されちゃ駄目だってブレーキかけてた。
だって大事な将来がかかってるんだから。
一時の誘惑に負けてふいにしたら勿体無いじゃない。
苦しいのは、つらいのは今だけだから。
受験が終わったら――それがどんな結果であっても――思いっきり遊べたんだ。
「こなた…………」
無意識に名前を呼んでいた。
あんたももう少し辛抱したら……。
そうしたらゲームだってアニメだって好きなだけ付き合ってあげたのに……。
「こなた…………」
今もってあいつが死んだ理由が分からない。
日下部に劣らないくらい勉強嫌いで遊ぶことにかけては全力を傾ける……といえばただのグータラか。
といって困難全てから逃げていたわけじゃない。
あいつの場合はできる限り楽をしたいというだけで、勉強そのものはちゃんとやっていた。
一夜漬けが”ちゃんと”にあたるかは分からないけど、そこそこの成績はとっていたらしい。
多分、ゆたかちゃんが来てから変わったのよね。
あいつも一応、”お姉ちゃん”だから、示しがつかないと思ったのかも。
やればできる。
中学生の頃の担任が口癖のように言っていた言葉。
それがこなたにも当てはまっていた。
陵桜に入れたあいつのことだから、たとえ一夜漬けだろうと大学受験に取り組むものだと思ってた。
なのに…………。
まるで自分には関係ないみたいに、”いつものあいつ”のまま3年を過ごしていた。
もしかしたら”いつも”より酷かったかもしれない。
まるで今しか遊べないと言わんばかりに自分の思うままに行動してた。
そうじゃないだろ。
遊べないのは”今だけ”だったんだ。
勉強して大学に入ってしまえば、それからはいくらでも遊べるんだ。
それをあんたは……。
「なにやってんのよ…………」
どう考えても納得がいかない。
受験勉強が厭で死を選ぶなんて――。
そんなハズがない。
あいつはいつも楽しよう楽しようと動いてたけど。
だからってそんな理由で自殺するなんて思えない。
そんな理由で――。
たしかに受験シーズンになるとノイローゼになって早まった行動をとる人が出てくる。
絶対に受からなければならないというプレッシャーに押し潰されて……というのが大半だそうだ。
中には予備校に通い、何度も試験を受けてそれでも落ち続け、自棄になって……というのもある。
こなたはそうじゃない。
そこまで進学に意欲的じゃなかったし、そういう理由で思いつめるような性格でもない。
グータラなオタクだったのはもしかしたら私たちの前でだけだったのかもしれないけど……。
それにしても…………。


564閻しき貴女よ6:2009/01/24(土) 23:25:18 ID:kOlZV2J+
 横を歩くお姉ちゃんが時折、無意識にこなちゃんの名前を呼んでる。
双子だからどんな事を考えてるかくらいは私にも分かるよ?
そんなに苦しそうな顔しないで。
あの時は私も……ううん、私が悪かったんだから――。

調理師になりたいっていう夢は中学生くらいから持ってたけど。
あの頃は漠然とした夢であって、本格的に考えるようになったのはたぶん高校生になってから。
キッカケはすごく些細なことだった。
中学2年の家庭科の授業。調理実習で作ったホワイトシテュー。
みんなで作ったそれがとても美味しくて、家に帰ってすぐに披露したんだっけ。
材料も自分で揃えて、お母さんには台所を借りて……。
初めてなのにとても上手にできたね、ってみんな褒めてくれた。
かがみお姉ちゃんも、まつりお姉ちゃんも、いのりお姉ちゃんも。
すごく美味しいって言ってくれた。
それが嬉しかったんだよね。
いつもお姉ちゃんの陰に隠れて、守られてばっかりだった私が唯一誇れるところだった。
ううん、もっと言えばお姉ちゃんに勝てる分野……かな。
我ながら単純だと思う。
小さい子がたまたま小火(ぼや)を見つけて通報して、消防師とかマスコミに褒められついでに、
『将来の夢は?』なんて聞かれた時に得意げに、『消防師です』って答えるような。
その程度のキッカケだった。
でも私にとっては大きな出来事だった。
もっと褒められたい。もっと美味しいって言わせたい。
そんな気持ちが確かにあった。
料理の腕だけなら誰にも負けない。
お姉ちゃんと張り合う気はなかったけど、これだけはお姉ちゃんにも負けないから。
もっともっと自分の長所を伸ばしたかった。
だからいろんな料理にも挑戦したくなったんだ。
料理関係の本もよく読むようになったし、料理番組もチェックした。
有名な講師が来るセミナーに出たこともあるし、調理師学校のパンプレットを取り寄せたりもした。
それから説明会にも積極的に参加するようになったかな。
とにかく自分の意識が変わったんだなっていうのはハッキリ分かった。
遅すぎるってお姉ちゃんには言われちゃうかもしれないけど。
勉強嫌いの私でも、料理に関する勉強だけは全然苦じゃなかった。
苦しいどころか楽しかった。
新しい調理法や知らなかった食材に触れるたびに、わくわくするのは今も昔も同じだった。

いつからだったかな――。
なんとなく、こなちゃんの事が鬱陶しいって感じるようになったのは。
どっちかって言うと、私はお姉ちゃんよりもこなちゃんに似てたと思う。
勉強できないのもそうだけど、将来にあまり危機感を持ってなかったのも同じだった。
さすがにこなちゃんほど遊びに耽ったりはしなかったけど……。
だからじゃないけど、私が宿題忘れててこなちゃんもそうだった時は仲間だ、なんて思ったりもした。
良くない事だって分かってるけど、こなちゃんがいるから――なんて安心感があったのかもしれない。
だけど心のどこかでは”このままじゃダメだ”って思ってた。
高校生にもなってそう思うのは遅すぎだけど、私だっていつまでもお姉ちゃんに甘えていられないから。
自分の力でちゃんとしようって。
いきなり難しいのは無理だけど、料理関係なら何とかできるかなって。
自分を変えたくて始めた勉強だった。
それがとても面白かった。
誰かに頼りきって生きるなんて無理。
ゆっくりでもいいから自分のできることをしよう。
私はそう思ったけど――。
でもこなちゃんは違った。
まるでいつまでも今が続くみたいに、何も変わろうとしなかった。
こなちゃんにはこなちゃんの人生があるから、私がどうこう言える立場じゃないけど。
でもずっと変わらず、ってわけにはいかないんだよ?
こなちゃんからすれば、私に置いてけぼりにされたって思うかもしれないけど。
私もようやくやりたい事を見つけたんだ。
565閻しき貴女よ7:2009/01/24(土) 23:27:40 ID:kOlZV2J+
なりたい自分に向けて勉強するようになったんだよ。
お姉ちゃんみたいな大変な努力はできなかったけど。
それでも自分なりに頑張ってたと思う。
だからこなちゃんがいつものように、遊びに行こうって言ってきた時、つい言っちゃったんだよね。
『こなちゃんも遊んでばかりいないで何かやってみたら?』
すごく冷たい言い方しちゃったのを今でも憶えてる。
別に悪気があって言ったわけじゃない。
本当にそう思ってたから。
こなちゃんのことが心配……というよりも、半分は自分に言い聞かせていたようなものだったと思う。
ずっと遊んで暮らせるならそれはそれでいいと思う。
でもこなちゃんの家はそうじゃない。
いずれはお父さんを支えていかなくちゃいけないから。
”何かやってみたら?”
突き放したように言ったけど、本音は違うんだよ?
こなちゃんはアニメとかゲームが好きだから。
そういう方面で興味のある仕事とかないのかな、っていう意味だったんだ。
よく知らないけど声優とかアニメーターの学校だってたくさんあるみたいだし。
そういう進路もあるんじゃないかなって思っただけ。
だって自分が好きなことを仕事にできたら楽しそうだもん。
だから私も調理師になりたいって強く思えた。
こなちゃんは…………?
こなちゃんはそうじゃなかったのかな…………?


566閻しき貴女よ8:2009/01/24(土) 23:29:17 ID:kOlZV2J+
 今日は少し冷えますね。
もう少し厚手の上着を着てきたほうがよかったかもしれません。
ようやく人気のある街まで来たものの、寒さはさらに厳しさを増したような気がします。
でも寒く感じるのは――。
この気候の所為だけではないのでしょうね…………。
辛苦を伴う時間は永く感じるのに、楽しい時間はすぐに過ぎ去るように感じられるのはどうしてでしょうか。
「こなた…………」
かがみさんが不意にその名を口にしました。
やはり考えることは同じですね。
私にとっての楽しい時間――。
すぐに思い出せるのはやはり陵桜での3年間ですね。
皆さんと過ごす時間はとても有意義で楽しいものでした。
中学校までの私には泉さんやつかささん、かがみさんのようなお友だちはいませんでしたから。
周囲にいたのは、やはり類は友を呼ぶというのでしょうか。
淑やかで物腰が柔らかくて、口数の少ない方ばかりでした。
いえいえ、決して私が淑やかだと言うつもりはありません。
ですが、やはり雰囲気は私に似た方が集まるのですね。
良く言えば安定した間柄……悪く言えば単調でつまらなく、刺激のないお友だち……なのかもしれません。
思い返せば交わす会話も無難で当たり障りのない、談話というより面接に近い感覚でしたね。
ですから皆さんのような方とお知り合いになれたことはとても新鮮でした。
かがみさんのように美辞麗句で飾らずに、肯綮に中った意見をずばりと仰る方とお近づきになれた事、誇りに思います。
必要以上に気を遣わなくて済みますし、垣根も感じませんでした。
私と対等に付き合って下さるのがどれほど嬉しかったか。
時たまついていけない話題もありましたが、不思議と取り残されたという気にはなりませんでした。
きっと4人がいつも一緒だったからなのでしょうね。
その関係が崩れだしたのは――やはりあれからでしょうか。
受験を意識するようになった3年の終わり。
泉さんは以前にも増して遊ぶことに傾倒するようになりました。
それをかがみさんが強い口調で窘められたのですよね。
いつもの掛け合いとは明らかに様子が違いました。
私とつかささんが苦笑してそれを見守る――というのが当たり前のようになっていましたが……。
それができなくなった瞬間を今でもハッキリと憶えています。
かがみさんの怒気が空気を凍りつかせるほど熱く、冷たかったのです。
それにつかささんも……。
彼女も以前のような関係に戻りたいとは思っていらっしゃらなかったようで、取り繕うこともしなくなりました。
そうなるとフォローするのは私だけになるのですが……。
すでにバラバラになり始め、つかささんの協力も得られない状態では取り繕うにも限界があります。
それにこう言っては言い訳がましくなりますが、私も受験勉強にとりかかっていましたから。
医学部への道は遠く険しいとよく言われていました。
陵桜で上位にいても、決して油断してはならないとも。
何度もそう聞かされていましたから、私も必死で勉強しました。
今のままで満足してはいけないと戒めながら。
いつの間にか私もつかささんと同じになっていました。
泉さんとかがみさんの険のあるやり取りを見て見ぬ振りをしました。
いつまでも4人で一緒にいられるわけがない。
進学して就職して、やがてはバラバラになるのだから。
今にして思えば、あのとき勇気を出して止めればよかったのです。
泉さんが悪いともかがみさんが間違っているとも思いません。
お二人にはお二人の考え方、将来がありますから。
受験に専念するのも当時の生活スタイルを崩さずに貫くのも正しいと思います。
567閻しき貴女よ9:2009/01/24(土) 23:30:10 ID:kOlZV2J+
ただ――。
かがみさんとつかささんは……私もですが将来に向けて取り組む必要がありました。
それぞれ進む道は違っても決して平易ではないハズです。
泉さんの目標をとうとうお聞きすることはありませんでしたが、彼女にしても夢があったと思います。
その進み方が私たちと泉さんとでは大きく異なった……ということなのでしょうか。
かがみさんにしても法学部を希望されるということで、艱難辛苦が待ち受けていると聞きました。
つかささんの調理師への道は、豊富な知識だけでなく実技も必要とする特殊なものです。
皆が皆、それぞれに困難を乗り越えていく――。
そこにあって泉さんの緊張感のなさに、多少の苛立ちを覚えたのも確かです。
私ですらそうでしたから、かがみさんはなおさらでしょう。
ですが私もかがみさんも、少し様子の変わってしまったつかささんも――。
泉さんを嫌っていたわけではないと、自信を持って言えます。
私たちはお友だちですから。
あの頃は誰もが自分のことで手いっぱいだっただけですから。
「そうですよね?」
私の呟きは立ち上った白い湯気と一緒に消えてしまいました。


568JEDI_tkms1984:2009/01/25(日) 00:08:11 ID:g2KpJ7OB
 以上、今夜はここまでにします。
帰宅してから妙な虚脱感に苛まれています、
それではまた明日。
569名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/25(日) 02:26:16 ID:DEMFK3cR
これは…wktk
続きが気になる。というか、自殺の原因が気になる。
>>558
退職ですか。妙なフラグ立てる前に新しい道が見つかるよう、応援してます。
570グレゴリー:2009/01/25(日) 03:50:00 ID:PpbOaUDO
>>558
人生万事塞翁が馬と申しますからな。私も今日、
3車線道路のど真ん中の車線でいきなり車のエンジンが止まって
立ち往生、隣を通りかかった警察はこちらを一瞥して
事故とかじゃないことを悟って助けてもくれずそのまま走り去り、
結局、親切なタクシーの運ちゃんに端っこまで押してもらって
運ちゃんに感動した散々な一日を過ごしました。

いや、警察よ。曲がりなりにも車線のど真ん中で駐車してる車なんて
違法なんだから、事情聴衆くらいしろってww
なにをあきらかにめんどくさがって去っていくんだと!
レッカー代も莫大な金額がかかり散々でした。

でも、いつの日か、私にもJ氏にもいいことがあることを願っております。

571JEDI_tkms1984:2009/01/25(日) 22:07:11 ID:g2KpJ7OB
 皆様、おこんばんは。
昨夜の交渉がうまくいかないので疲れたか、なぜか節々が痛いです。
ちょっと熱も出てきました。
遅くなりましたが本日分を投下します。
572閻しき貴女よ10:2009/01/25(日) 22:08:06 ID:g2KpJ7OB
「え、なにが?」
かがみが虚を衝かれたように間抜けな声をあげた。
その疑問の先にはみゆきがいる。
「……はい?」
視線を投げられたみゆきもよく分からない顔をした。
「いや、さっき、”そうですよね?”って言わなかった?」
「あ…………」
かがみに言われ、みゆきは恥ずかしそうに顔を伏せた。
思っていたことを口にしていたと気づき、
「いえ、何でもありません」
彼女にしては珍しく拗ねたような顔をする。
(………………?)
普段見せない仕草にかがみは訝ったが、敢えて追及はしなかった。
妙な沈黙が流れ、3人はそれぞれに違う方向に視線をやったまま歩く。
誰も言葉が出ない。
すれ違う人々の笑顔がなぜか腹立たしく思える。
吹きつける風が妙に冷たく感じる。
「久しぶりだね。こうやってみんな揃うのって」
気を利かせてつかさがおずおずと切り出した。
何とか会話のキッカケを作りたかった彼女は、
「あっという間の4年だったね」
どちらへともなく声をかける。
大学生だったかがみとみゆきには4年間という感覚があるが、つかさにはない。
特に節目を感じなかった彼女だけが、なぜかこの時間の流れを早いと感じた。
おそらくずっと家族と過ごしていたからだろう。
家でも交わす会話の多かった彼女には、楽しいと思える時間が長かったに違いない。
対照的にかがみたちは地方で刻苦勉励を重ねてきた。
どちらかというと苦しい時間が長かった2人には、孤独も相まって気苦労が絶えなかった。
時間の流れを永く感じるのも当然だ。
「そうね……」
つかさの期待も虚しく、返ってきたのはかがみの素っ気ない一言。
”4年”
3人にとってこの言葉の持つ意味は大きい。
泉こなたが亡くなってから今までの時間を表す、最も端的な表現だからだ。
「泉さんは――」
遠くに目をやってみゆきが吐いた。
「もし生きていらしたら泉さんはどのようになっていたでしょうね……」
しても仕方のない”もしも”の話だ。
誰の頭の中にも、オタクだった頃のこなたしか記憶にない。
「声優になってたかもしれないね」
つかさが言った。
想像してみて一番に思いつくのはそれだった。
「そうね。さすがにイラストレータとかは無理だろうな」
今度はかがみも乗ってくる。
会話の取っ掛かりを見つける作戦は、みゆきの方が巧かったようだ。
あの甘ったるい声で美少女を演じる。
マイクに向かって真剣に発声するこなたを想像して、かがみは小さく笑った。
「案外クリエイターとして活躍されていたかもしれませんよ?」
その方面に疎いみゆきが何とか知っている言葉を駆使して話を繋げる。
創造する意味では声優も同じだ。
どうあれ3人の中では、オタク以外の分野にいるこなたを想像できないようである。
事務机に向かって書類を捌く様など到底思い描けない。
「………………」
しかし会話が弾むのもここまで。
泉こなたが話題の中心に来ると、どうしても陰鬱な気分になってしまう。
「こなちゃん……なんであんなこと……」
誰にも答えの分からない問いだった。
真実は4年前、泉こなたが誰の手も届かない世界に持ち去ってしまった。
「分かりません……」
つかさの呟きにみゆきが律儀に答えた。
573閻しき貴女よ11:2009/01/25(日) 22:09:15 ID:g2KpJ7OB



 4年前。
受験を目前に控えたある日。
こなたは薬物自殺した。
どこから手に入れたのか、市販されていない劇薬を呷ったのが直接の死因だという。
何の兆候もない、突然の死だった。
遺書も遺しておらず、いつも一緒だったゆたかでさえ、彼女が自殺した理由は分からなかった。
いじめられてもいなければ、生活が困窮していたわけでもない。
ななこもこなたの死に疑問を持ち、たびたび生徒を呼び出しては情報を得ようとした。
だがクラスの誰もが心当たりがないという。
つかさもみゆきも、かがみも思い当たるところはない。
ネトゲを通じて会話をしていたななこは、チャットの履歴を遡ったりもした。
兆候があればどこかで自殺を匂わせる発言があるかもしれない。
しかしこれも無駄に終わった。
会話履歴を見ても自殺に繋がる発言はない。
まるで急に思いついたような突発的な行動――。
誰もがそう判断せざるを得なかった。


「私が突き放したりしたから――」
分からないというみゆきに、かがみは自分なりの推測を吐いた。
「もっとちゃんと話を聞いていればよかった! そしたら、こなたは……」
「違います! かがみさんの所為では……!」
「言い訳みたいになるけど、あの時は必死だったから……つい厳しいこと……」
「私も! 私もです。誰もが自分の事で手いっぱいだったと思います」
思いつめるかがみを慰めながら、その慰めが自分にとっても言い訳だと気づいたみゆきは吐き気がした。
誰のせいでもない。
そう言うのは簡単だ。
ではこなたが自殺したのは何故?
誰かの所為ではないのか?
誰かが死ぬように仕向けたのではないか?
そうでなければ、あのこなたが自ら死を選ぶとは思えない。
「もしかしたら、こなちゃん……進路のことで悩んでたのかも……」
時期的にもそう推理するのが妥当だ。
「それで誰にも相談できなくて……」
「私たちにも?」
「うん……たぶん……」
言ってからつかさは俯いた。
こなたが馴れ合いを必要以上に求めてきたのも、ちょうど受験の頃だ。
(私たち……こなちゃんの声…ちゃんと聞いてなかった……?)
先ほどのかがみの一言が木霊する。
こなたは何か訴えたかったのだ。
それがタイミングが悪かったばかりに、怠けていると捉えてしまい邪険に扱った――。
その報いが――。
「――やめましょう」
つかさの瞳が潤んでいるのに気づき、みゆきが凛とした口調で言った。
「憶測で話をしても悪い方向に進むだけです」
かがみが驚いたようにみゆきを見た。
彼女らしくない強い口調だ。
みゆきもまたこなたの死に疑問を抱くひとりだが、妄想の上塗りが絶望を呼び寄せることを知っている彼女は、
2人の先行した思考を現在に引き戻す。
悪循環を断ち切るようにみゆきが顔をあげた時、懐かしい風景が視界に飛び込んできた。
「雰囲気変わったわね」
こなたの家まで数百メートルにまで迫った時、かがみが呟いた。
「ここってカフェがあったよね?」
きょろきょろしながらつかさが問う。
574閻しき貴女よ12:2009/01/25(日) 22:11:45 ID:g2KpJ7OB
高校生当時、こなたの家に遊びに行く際に通ったこの道にはカフェやファンシーショップが並んでいた。
近くに学校が多かったために、下校する生徒をターゲットに商店を開いていたようである。
が、その様も4年でがらりと変わった。
スーパーなどに押され、小さいが趣のある店はほとんどが閉めてしまっている。
代わりにマンションが建てられ、殷賑だが温かみのない通りが出来上がってしまっている。
「なんだか寂しいね」
つかさが正直な感想を口にする。
そうですね、とみゆきが相槌を打った。
こうして知っているものがどんどん失われていく。
常なるものはないと分かっているが、理解はしていても納得できるものではない。
(………………)
すっかり変わってしまった町並みを見て、みゆきは目を伏せた。
(いつまでも同じ……というわけにはいきませんものね…………)
それを強く感じたのはこなたが死んだ時だけではない。
(………………)
みなみの飼っていたチェリーが去年の冬に亡くなった。
そのことをゆかりから電話で聞いたみゆきには、チェリーの死はすぐには受け容れられなかった。
最後に見たチェリーはみなみと楽しそうに庭を走り回っていた。
人懐っこくて気分屋で、相手によっては甘えたり威嚇したり。
ころころと変わる仕草は見ていて楽しかった。
たまたま予定が空き、帰郷したみゆきの前に現れたのは憔悴しきったみなみだった。
もともと無口な彼女が、言葉を忘れてしまったように表情を翳らせていた。
獣医の話では肺水腫が原因だという。
家族のひとりとして愛されていたチェリー。
みゆきは人間と同じように供養されたその御魂に手を合わせた。
その瞬間の――。
取り乱したみなみの様子を彼女は忘れられない。
合掌したみゆきの横で、一度は踏ん切りをつけた悲しみが再び湧き上がってきたのか。
突然、大声をあげて泣き出したのだ。
”岩崎みなみ”という人物からはとうてい想像もつかないような取り乱しぶりに、みゆきも声をかけられなかった。
悲しいのだ。
寂しいのだ。
こなたが死んで自分が悲しかったように、彼女も愛するチェリーを喪って悲しみに暮れているのだ。
その気持ちが痛いほど分かるみゆきでさえ、その場を収めることはできなかった。



 こなたの家の前まで来て、誰がインターフォンを押すかで少し揉めた。
「お忙しいところすみません。柊です。あの……こなたさんの……」
逡巡している2人に代わってかがみが押すことになった。
こういう役は苦手だと思いながら、インターフォン越しの会話をあれこれ考える。
そうじろうが出てきたら何と言おうか。
事前の連絡もせず、突然やって来たことを不快に思わないだろうか。
手土産のひとつでも用意するべきではなかったか。
『はい? ……かがみちゃんかい?』
寝起きのような声が返ってきた。
「は、はい、そうです! あの、突然お邪魔してすみません……あのっ……!」
言葉を用意していなかったかがみがしどろもどろに繕う。
その横からさっとみゆきが割って入るように、
「事前にご連絡もせずに申し訳ございません。実は――」
4年越しだが改めてこなたに追悼の意を捧げたい、という旨を伝える。
数秒の沈黙の後、
『いま開けるから』
抑揚のない返事とともに通話が切れた。
「怒ってる……ってことはないよね?」
ぶっきらぼうなそうじろうの声を聞き、今になってつかさがそんな言葉を吐く。
「大丈夫だと思いますよ」
みゆきがにこりと笑った時、玄関のドアが開いた。
575閻しき貴女よ13:2009/01/25(日) 22:14:36 ID:g2KpJ7OB
三様に向きなおって深く頭を下げる。
そうじろうもそれに倣い、
「わざわざすまないね」
照れたような笑いを浮かべて、家に入るよう促した。
「お邪魔します」
妙な違和感を覚えた3人がしずしずと玄関の門をくぐる。
(………………)
失礼にならないようにかがみが見回した。
この家にはつかさと一緒によく遊びに来た。
記憶をたどってもテレビゲームをした憶えしかないが、楽しい時間を過ごしていたのは事実だ。
(ここは変わってないのね)
玄関からリビングに続く廊下まで、あの時と同じだ。
「適当に座ってくれ。お茶を淹れてくるから」
「あ、いえ、お気遣い――」
言いきる前にそうじろうの姿は廊下の向こうへ消えた。
「………………」
部屋の中央を占める炬燵に3人それぞれが入り込む。
電源を入れっぱなしだったのか、足先を通してじわりと熱が伝わってくる。
「懐かしいですね……」
沈黙に耐えかねたみゆきがぽつりと言った。
かがみたちほど頻繁には遊びに来なかったみゆきは、より強い懐古の情を催した。
”そうだね”と誰も相槌を打たない。
様相は同じなのに、そこにいるべき人物だけがいない。
5分ほどしてそうじろうが人数分のお茶を持って戻ってきた。
「寒かっただろう? こんな物しか用意できないけど」
照れ笑いを浮かべて出したのは”お徳用”と書かれたおかき。
来客用の湯飲みは一度も使っていないのか妙に艶っぽかった。
「すみません、わざわざ……」
かがみが恭しく頭を下げる。
(…………!)
ゆっくりと面を上げた彼女は思わず息を呑んだ。
目の前にいるそうじろうが幽霊のようにゆらりと体を揺らしながら腰をおろす。
(おじさん……こんなに細かったっけ…………?)
彼女が知るそうじろうは、横にいたこなたのせいもあってかかなりの長身に見えた。
すらっとした体躯で健康そうだった彼も、今は猫背気味で小さく見える。
「きみたちはもう大学を卒業したのかな? えっと、たしかつかさちゃんは専門学校だったと思うけど?」
明るい声で話題を提供してくれたことが3人にはありがたかった。
ここでそうじろうが何も言わなかったら、きっと気まずい空気が流れていただろう。
「あ、はい。資格の勉強を続けながら地元の事務所を探そうと思って……」
まずかがみが答える。
「私は必修課程は卒業したんですけど、もう1年延長して特別コースを受けるんです」
続いてつかさ。
「私はこの春から大学院生になります。個人的に探究したい分野がありましたので」
最後にみゆきが締める。
そうじろうが会話のキッカケを作ってくれたことは幸いだったが、3人にとってこの話題は好ましくない。
自分たちはそれぞれに4年を歩み、学び、成長してきた。
だがこなたは陵桜を卒業することさえなく夭逝したのだ。
それが自殺という形であっても、彼女だけが4年前から存在しない点に変わりはない。
(………………)
心苦しかった。
皆が皆、将来の夢に向けて順調に進んでいる。
かがみにしても、つかさにしても、みゆきにしても。
方向は全く異なるが未来に挑もうとする姿勢は同じだ。
料理のレパートリーが増えたこと、法曹界に近づいていること、医学の知識を深めたこと。
そのどれもが尊くて、誇るべき過程と成果である。
しかしそれはできない。
576閻しき貴女よ14:2009/01/25(日) 22:18:29 ID:g2KpJ7OB
彼女たちの成長を祝うのは彼女たちの親類縁者であって、そうじろうではない。
ここで意気揚々と4年間を語れば彼は表面では喜んでも、心に深い傷を残すことになる。
こなたと同い年――こなたと仲の良かった――のこの娘たちはこんなに成長しているのに。
今もこうして元気でいられるのに。
なぜ自分の娘だけが――。
きっとこう思ってしまうに違いない。
だから3人は彼の問いに簡潔に答えた。
話せば話すほど、今を生きている自分たちと4年前に死んだこなたとの差が広がってしまう気がした。
「そうか…………」
そうじろうは腕を組み、目を閉じた。
彼は自分を呪った。
幸せそうな彼女たちを素直に祝福できない自分が悔しかった。
この娘たちは今もこうしてこなたを悼んで来てくれたというのに。
険しい顔で迎えるべきではなく、彼女たちの心の温かさに感謝するべきなのに。
(………………)
それができない自分が憎い。
「こなたに……手を合わせてやってくれないか……?」
こう言うことでかろうじて意識を保つ。
彼の中でも、彼女たちの中でもまだこなたは生きている。
それを確かめ、互いにそれを意識し合うために、
「――はい」
元よりそのつもりだった3人がゆっくりと立ち上がった。



 仏間に通されたかがみたちは、空気が変わったのを感じた。
軽はずみな気持ちで敷居を跨ぐことはできない。
3人は敬虔な気持ちでそうじろうの後に続いた。
仏壇にかなたとこなたの遺影が置かれている。
傍目には双子かと思えるくらいそっくりな2人の写真。
「泣いてるみたいだろ? 写真を撮るとなぜかいつもこんな顔になるんだ」
そうじろうの声は暗く沈んでいる。
彼の言うように、遺影のこなたは微笑んでいるように見えるが、目元には何かを諦めたような寂しさが漂っている。
(ほんと、泣いてるみたい…………)
つかさが手を合わせた。
かがみ、みゆきもそれに倣う。
「こなた……かがみちゃんたち、来てくれたぞ……」
遺影に向かって呟くそうじろうの目には涙が溜まっていた。
それを気付かれないようにそっと拭う。
(ごめんね、こなちゃん……)
つかさは内心で懺悔した。
彼女との最後はほとんどケンカ別れ同然だった。
学ぶ楽しさに気付いたつかさは、前にも増してべったりとしてくるこなたを冷たく遇(あしら)った。
『いつまでも遊んでいられるわけじゃないの』
『こなちゃんもちょっとは勉強したら?』
こういう類の言葉を投げつけて遠ざけたのだ。
あの時は自分のことで精一杯だったから――。
そんな安っぽい言い訳をするつもりは彼女にはない。
ただ、生きていく上でケジメをつける必要があることは、小学生の頃から教えられてきた。
それが高校生の――しかも受験を間近に控えているこなたがまだ心得ていないことに苛立ちを覚えたのは確かだ。
つかさにしては珍しく強い口調で突き放したのも、その苛立ちとこなたへの想いがあったからだ。
苦しいのは今だけ。
それが過ぎればまた4人で遊べばいい。
時間はいくらでもある。
つかさはそう思っていた。
(こなちゃんには伝わらなかった……のかな…………)
顔を上げた時、彼女は自分が涙していることに気付いた。
577閻しき貴女よ15:2009/01/25(日) 22:20:45 ID:g2KpJ7OB





再び客室に戻ってきた4人は湯気の昇らなくなったお茶で渇いた喉を潤す。
淹れなおそうとそうじろうが立ちかけたところを、みゆきがやんわりと断る。
「おじ様……本当に申し訳ありませんでした」
育ちの良いみゆきは頭ひとつ下げるだけでも、その動作に気品が溢れている。
逆にこれまで人を避けるように生きてきたそうじろうは、久しぶりに柔らかな声を聞き、
「え、いや? どうしてきみが謝るんだ……?」
年甲斐もなく動揺してしまう。
「本来ならば泉さ……こなたさんの命日にこうして毎年お手を合わせに伺うべきなのですが…………。
こちらの勝手な都合とはいえ、ご挨拶が遅くなりまして申し訳ございません」
しばらく見ないうちに、みゆきは大人としての振る舞いを身につけていたようだ。
つかさは気後れした。
過ごした時間は同じなのになぜこうも差が開いてしまうのだろう。
(私にはとてもできないよ……)
こんな挨拶ひとつできない自分が情けなかった。
同じ時間を過ごしたといえば、つかさとかがみほどこの言葉が当てはまる関係はない。
少なくとも陵桜を出るまでの18年は一緒だった。
その姉とさえ自分は大きく違う。
朝が苦手な自分はよくかがみに起こしてもらっていたし、勉強も教えてもらうばかりだった。
このままではいけないと唯一誇れる料理の腕を磨くことにしたが、それでもかがみとの差は埋まらなかった。
彼女は法学部に進み、しかも独り暮らしを始めた。
料理が苦手なハズなのに、自炊もそこそこにやっていたとメールや電話のやりとりで知った。
比して自分は実家からの専門学校通いだ。
家族がいるから衣食住は困らないし、皆がいたから寂しさもなかった。
それに末っ子ということもあってか何かと守られていた気もする。
(………………)
久しぶりに会ったかがみとみゆきは大人だった。
自分だけが温かい場所にいて、2人との差が一気に広がってしまったのだと感じた。
料理に関しては誰にも負けない自信があるが、それだけだ。
「とんでもない。きみたちにはきみたちの生活がある。その中でこうしてわざわざ来てくれたんだ。
謝るのは俺のほうだよ……本当にすまなかった…………」
慇懃なみゆきにあてられ、そうじろうも卑屈なくらい頭を垂れた。
「お頭をあげてください――」
お辞儀をしたことでさらに小さく見えるそうじろうが、みゆきには痛々しかった。
同時に今の言葉に疑問が湧く。
(どうしておじ様が謝るのでしょう……?)
どこかおかしい。
この場合、彼が口にするのは謝罪ではなく感謝ではないだろうか。
(お礼を言われるのなら分かりますが…………!)
みゆきは慌ててその思考を振り払った。
これでは自分はお礼を言われて当然だ、と考えているみたいだ。
彼女の思考がそうじろうに伝わっているハズがないが、それがたとえ思いであっても傲慢で失礼な女にはなりたくない。
(お礼、だなんて……恥ずかしいことを考えてしまいました……)
そうじろうがおもむろに顔を上げた。
深く息を吸ってかがみたちを順番に見つめた後、
「4年も経ったのに、こうして来てくれる……こなたは……幸せだな……」
目尻に溜まった涙を拭う。
「あいつの周りにはこんなに良い友だちがいたんだな……」
かがみは無意識に顔をそむけた。
そうじろうの呟きが痛い。
自分は……決して良い友だちなんかじゃなかった。
受験勉強が忙しいから、つかさに示しがつかないから、と勝手な理由でこなたを遠ざけてきたのだ。
甘えたがりのこなたを、たとえどんな状況であっても受け止めるのが友だちではないだろうか……。
578閻しき貴女よ16:2009/01/25(日) 22:24:16 ID:g2KpJ7OB
(そうよ……私はこなたの友だちなんかじゃ……ない……)
かがみが拳を握り締めた。
(ここにいる資格さえないんだ!)
自棄になったワケではない。
どう考えてもこの結論に達してしまうのだ。
「こなたには黙っていてくれと頼まれていたが……もう話してもいいかもしれないな…………」
そうじろうが天井を見上げた。
「どういうことですか?」
秘密めいた口調につかさが身を乗り出した。
みゆきもかがみも無言のままそうじろうの次の言葉も待つ。
先ほどの彼の発言もあって、かがみは体を固くした。
「うん――」
つかさの促しにそうじろうは一瞬だけ躊躇った。
だが彼が視線を前に戻した時、固唾を呑む3人の真剣な眼差しが自分を捉えているのに気づき、
「あんな最期になってしまったけど、どのみちこなたの命は永くはなかったんだ」
声を震わせながら打ち明ける決意をした。
「そ、それはどういう…………?」
「こなたはな――病気だったんだよ」
「…………ッ!!」
そのたった一言が、3人を震撼させた。
語り口から重度の病であったことはすぐに分かる。
「かなた……妻と同じ病気さ。あいつはこなたを産んだ時の負担がたたって亡くなったが…………。
こなたの場合はそこまで持たなかったんだな……」
そうじろうが遠い目をして言った。
告白している、というより口をついて言葉が自然に出てきているような感じだ。
「でもあんなに元気に……スポーツだって得意だったのに」
記憶をたどってかがみが反発するように言った。
「無理にそうやって振る舞ってたんだろうな、それは。あいつは……こなたは…………。
何もしなくても20歳の誕生日すら迎えられなかっただろうから――」
「そんな…………ッ!!」
みゆきは生まれて初めて大声をあげた。
突飛なそうじろうの独白に性質の悪い冗談を感じた。
こなたが病気?
誰が聞いても信じられない話だ。
(あの泉さんが……ですがおば様のことを考えると……)
呼吸を落ち着け、彼女は姿勢を正した。
「医者はこなたは成人する前に死んでしまうと言ってたんだ」
「ウソ…………」
「もちろん激しい運動をしたり不摂生をしたりすれば寿命はさらに縮まるとも言ってた」
「ウソですよ、そんなこと……」
明かされる辛辣な事実につかさが抗おうとした。
ウソだと言い切ることで、こなたの病をなかったことにしてしまいたかった。
”彼女が自殺をしようがしまいが、どのみち生きられなかった”
この残酷すぎる”もしも”を少しでも変えたかった。
「ウソじゃない! ウソじゃないんだ!」
そうじろうが声を荒らげた。
「あいつの病気は見た目には全然分からないんだ。一緒にいた俺も、こなた自身でさえ自覚できなかったんだ」
先ほど怒鳴った自分を恥じるように、今度は聞き取れないほど小さな声で、
「でも半年ごとの検査で心臓や肺がどんどん縮んでいくのが分かるんだよ。認めたくなかったけどね。
最後に見た時は半分くらいの大きさになってた。俺もこなたも覚悟したのはその時だったな」
告白を続けた。
「だから残りの人生、こなたの好きなようにやらせたんだ。ゲームもアニメも、欲しいものは何でも買った。
学校をサボるのも黙ってたし、バイトも許した。本当は親としてやっちゃいけないことなんだけどな」
彼は照れ笑いを浮かべるでもなく、ほとんど無表情に当時を振り返った。
「甘やかしてるって分かってたよ。でもだからって厳しくしてどうする? こなたは…………。
あいつは何も悪くないんだ。なのに成人式にも出られないんだぞ? どんなに頑張ったって…………。
どんなに頑張ったって数年しか生きられないんだ。だったら――!!」
そうじろうは血走った目でかがみを睥睨した。
「好きなことをさせたいじゃないか!  勉強したって何も残らないんだ!
せめて……好きな事を好きなだけさせてやりたい! 俺にはそれくらいしかしてやれなかったんだっ!」
579閻しき貴女よ17:2009/01/25(日) 22:27:02 ID:g2KpJ7OB
かがみは困ったように俯いた。
彼の言っていることは痛いほど理解できる。
仮につかさがこなたと同じ境遇に置かれていたら、彼女もそうじろうと同じ考えに至るだろう。
「……いや…怒鳴ったりしてすまなかった…………こなたのことになると、つい…な…………」
ばつ悪そうに顔を伏せるそうじろうを見て、みゆきは深い家族愛を感じた。
こなたはこんなにも父親に愛されていたのだ。
他人のことではあるが、彼女は心が温かくなるのを感じた。
今は亡きこなたがより尊く感じられる。
彼女と友だちであった自分を誇ることができる。
「情けないよ……俺は……妻も娘も助けられなかった…………ッ!!」
そうじろうの嗚咽を聞くたび、つかさは胸に痛みを覚えた。
(泉さんが……では、自ら死を選んだのは…………)
「耐えられなかったんだろうな。かなたと同じ病気で自分がいつ死んでしまうか分からない。
だからあいつは……こなたはそうなる前に自分から生きるのをやめたんだ……」
みゆきの疑念に答えるようにそうじろうが吐いた。
「俺はこなたの自由にさせてやりたかったが…………今にして思えば、あれもあいつのやりたかった事なんだな」
残された短い時間の中で、彼女が望んだのが命を捨てる選択だったとすれば。
これほど皮肉なことはない。
その短い時間すらこなたは放棄してしまったのだ。
「何のために…………ッ!」
そうじろうが拳を握り締めた。
「何のために産まれてきたんだよ……たった20年すら生きられないのに…………。
こなたは何のために産まれてきたっていうんだ。かなたはなんで死んだんだ…………?」
暗く、淀んだ声が客室を這うように流れた。
「神様は……かなただけじゃ足りなかったのか? だからこなたも連れていったのか…………?」
呪詛の混じったその言葉はかがみとつかさの心を深く抉剔した。
人間は困ったり悩んだりすると、信仰心に関係なく神や仏に縋ろうとする。
普段は意識もしない雲の上の存在に、時に憧憬の念を抱き、時に畏れ慎み、時に呪う。
”神”という言葉を出され、2人は互いに顔を見合わせた。
彼女たちは幼い頃から”死”を、”天に召された”という言い方で教えられてきた。
死生観をどう持とうと個人の自由だが、2人の家柄はそうは言えない環境にある。
現実的でクールなかがみでさえ、誰かが死ねば、”神様の元へと旅立った”と思う事がある。
ゆたかがこなたの受験の成功を祈願してお守りを買いに来た時、
『受験は自分の力で頑張るものだ』
と、どこか冷やかに健気な少女をかがみは見ていた。
それほど神の存在は儚く、脆い。
祈願などそれほど役に立たない、と。
かがみはどこか冷めたようにそう思っている。
しかしだからといって神の存在を否定しているわけでもなかった。
彼女も願ったのだ。
”次はつかさやみゆき、こなたと同じクラスになれますように”
その祈りはとうとう通じることはなかったが、都合のよい時だけ神を頼るのは彼女も濁世の人々と大差なかった。
だからかがみは神の存在について肯定も否定もしない。
人の死に対し、神の元へ逝けたと喜び送り出すべきか、生ある者との永遠の別れだと嘆くべきか。
柊家に生まれ落ち22年経った今でも答えは出せないでいる。
(………………)
3人はそれぞれに死の直前のこなたを想い起こす。
差し迫った状況にありながら、今を楽しもうとしていた彼女の行動が――。
4年越しのそうじろうの告白で全て説明がつく。
彼女は遊びたかったのだ。
残り僅かな時間を意味のない勉学にあてるより、友人と楽しく過ごしたかったのだ。
かがみにも、つかさにも、もちろんみゆきにだって未来はある。
未来があるからこそ、その未来をより輝かしく、実りあるものとするために勉強した。
しかし、こなたにはなかった。
時間を削ってまで懸ける未来がなかった。
誰もが等しく持っているハズのそれが、彼女の場合だけ短すぎたのだ。
580閻しき貴女よ18:2009/01/25(日) 22:28:42 ID:g2KpJ7OB
「こなたぁ…………ッッ!!」
――あの時。
つかさの意欲を妨げるとこなたを遠ざけた自分を、かがみは激しく憎悪した。
こなたの病を知らなかったと開き直りさえすれば、悔恨の念に囚われずにすむ話である。
「うっ……く…………」
だが彼女にはできない。
むしろ病羸(びょうるい)を隠し通してきた健気なこなたを想えば……。
それに全く気付けなかった自分が呪わしい。
「おじ様――もしよろしければ……」
みゆきだ。
そうじろうが視線だけを向ける。
「こなたさんのお部屋に上がらせていただいてもよろしいでしょうか?」
何を言い出すんだ、と言いたげに2人がみゆきを見た。
しかし何か考えがあるようで、彼女は凛とした表情でそうじろうの答えを待っている。
そうじろうはすぐには返事をしなかった。
みゆき同様、彼にも考えるべきところがいくつもあった。
(この娘たちはこなたを慕ってくれてるんだ。拒む理由なんかないよな……)
そうじろうは答える代わりにゆっくりと立ちあがった。
その背中に、”ついて来てくれ”と語らせ――客室を後にした。
「……なんでこなたの部屋に?」
数秒待ってからかがみがそっと耳打ちする。
「憶えておきたいんです、泉さんのこと。泉さんがいらした部屋に――」
自分も立ち入ることで、より強くこなたを記憶に残せる気がする、とみゆきは言った。
2人に比べてこなたと接していた時間が少なかった彼女は、今になってその存在を近くに感じたいと思ったようだ。
「もし形に残るものがあれば……どんな小さな物でもいいんです……譲り受けることができれば…………」
人間の記憶は曖昧だ。
どんなに鮮烈な印象をもって刻み込まれた記憶も、時間が経てば霧の向こうに隠れてしまう。
忘れまい、忘れまいと想い続けても、磁気テープに記録されたデータのようにどこかに綻びを生じる。
人間は忘れる生き物だ。
無理に記憶を繋ごうとすると、彼女たちの中のこなたは現実とかけ離れてしまう。
少しずつ、少しずつ美化されて……自分にとって都合のよいこなたに成り果てるのだ。
「ゆきちゃん…………」
「泉さんは泉さんです。なのに…私たちの中でまるで違う人になってしまうみたいで……」
みゆきが声を詰まらせた。
3人の中に生きるこなたが別人であってはならない。
彼女はそう言った。
「そう、ね……そうよね……」
意図を理解したかがみがしきりに頷く。
互いに顔を見合わせ意識を共有させると、3人はそうじろうの後を追った。



581名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/25(日) 22:29:45 ID:zng7gGKF
支援
582名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/25(日) 23:00:08 ID:zng7gGKF
も一つ支援
583JEDI_tkms1984:2009/01/25(日) 23:12:06 ID:g2KpJ7OB
 本日は以上です。
いつもいつもこの最後の書き込みで規制にかかるのです。
明日は(出社できたら)もう直接社長に言おうと思います。
憤懣で爆発寸前ですが利害を説いて受理してもらいます。
SSですが明日は月曜のためお休みし、火曜夜に投下させていただきます。
(ありがちな自殺理由で申し訳ないです)
ではおやすみなさい。

支援くださった方、ありがとうございます。
残念ですが今日はここまでです。

>>569

 まさか自ら死のうなどとは思いませんがこの景気。
次が見つかるかが心配ですね。

>>570

 警察はあまりアテになりません。
数年前、自宅に小指のない男(ちょっとだけ勤めていた会社々長)が怒鳴り込んで来たので警察を呼びましたが、
民事不介入だとか言って静観しているだけでした。
刺されでもしたら動いてくれるのでしょうが、なんとも頼りない話です。
584名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/26(月) 01:15:32 ID:cKRCea+j
乙です。
そういえばまだ、不治の病により…っていうのはありませんでしたね。
日本における自殺原因1位が健康上の理由(不治の病等)なのに。
続き期待してます。
585名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/26(月) 15:30:47 ID:wahrjPgg
気付けば容量的に次スレの時期か
586名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/26(月) 18:06:27 ID:wLAwUtCF
>>583
規制空けて乙です
587名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/26(月) 22:20:09 ID:72aCH3zx
こなた「あ〜早く帰って寝よ。」
こなたが帰路に向かう途中、数人の男たちが立っていた。
伊達邦彦「諸君 私は泉こなたが嫌いだ 諸君 私は泉こなたが嫌いだ 諸君 私は泉こなたが大嫌いだ
     おたくが嫌いだ 口が嫌いだ 体格が嫌いだ 平野綾が嫌いだ コスプレが嫌いだ
     アキバが嫌いだ アホ毛が嫌いだ 萌えが嫌いだ オタトークが嫌いだ
     公園で 市役所で コンビニで スーパーで ツタヤで 宮脇書店で 公衆トイレで
     吉野家で 学校で 幼稚園で
     この地上に存在する ありとあらゆる泉こなたが大嫌いだ
     M16ライフルの一斉発射が 轟音と共に泉こなたを吹き飛ばすのが好きだ。
     空中高く放り上げられた泉こなたが ダムダム弾でばらばらになった時など心がおどる
     俺の操るトヨタコロナが泉こなたをひき逃げするのが好きだ。悲鳴を上げて 這いずり出てきた
     泉こなたをナイフで刺し殺した時など胸がすくような気持ちだった。
     AK47を持った俺達が泉こなたを撃ち殺すのが好きだ
     恐慌状態のハルヒが 既に息絶えた泉こなたを 何度も何度も刺突している様など感動すら覚える
     秋葉原のオタク共を街灯上に吊るし上げていく様などはもうたまらない
     泣き叫ぶ泉こなたが俺の降り下ろした手の平とともに金切り声を上げるシュマイザーに
     ばたばたと薙ぎ倒されるのも最高だ
     哀れな泉こなたがトカレフで健気にも立ち上がってきたのをウージーが 泉こなたに粉砕した時など
     絶頂すら覚える
     レイプ魔に滅茶苦茶にされるのが好きだ
     諸君 私はこなた虐殺を 地獄の様なこなた虐殺を望んでいる。
     諸君 私に付き従う大藪小説の主人公諸君
     君達は一体 何を望んでいる?
     更なるこなた虐殺を望むか?情け容赦のない 糞の様なこなた虐殺を望むか?」
朝倉哲也、西城秀夫、石川克也、北野晶夫、高見沢優「こなた虐殺!!こなた虐殺!!こなた虐殺!!」
伊達邦彦「よろしい、ならばこなた虐殺だ。我々は満身の力をこめて今まさに振り下ろさんとする握り拳だ
     だがこの10年もの間 マイナー扱いされた我々に ただの虐殺では もはや足りない!!」
朝倉哲也、西城秀夫、石川克也、北野晶夫、高見沢優「こなた大虐殺を!! 一心不乱のこなた大虐殺を!!」
伊達邦彦「征くぞ 諸君」
6人の男たちが一斉にこなたに襲い掛かった。
こなた「ぎゃああああああああああああ!」

次の日、ドブ川にこなたのバラバラ死体が見つかったという・・・
588名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/27(火) 01:33:12 ID:fojKp2cW
↑お前が死ねよ、人間の屑
こなたを虐めるな
589名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/27(火) 02:28:05 ID:CKp2xJoU
>>587
他殺はスレチだ
(・∀・)カエレ!!
590JEDI_tkms1984:2009/01/27(火) 20:52:39 ID:QUIgm6F0
 皆さん、こんばんは。
一日越しです。
交渉決裂……というか保留みたいな扱いになりました。
僕は3月で辞めたかったのですが、決算業務にどうしても抜けられては困るから8月までいてほしいと。
その間で気が変わってくれればいいと言われました。
もちろんそんな事はあり得ませんが、とりあえずではその期間までと承諾はしました。
『己の性慾に忠実で、頭ではなく下半身でモノを考えるような陋劣嗜虐な猴なんかと仕事できるか』
という意味の言葉を遠回しに言いすぎて伝わらなかったのかもしれません。
8月まで……はこちらの大幅な譲歩なのでその時が来たら如何なる引き止めがあっても辞めます。
この考えに至るまでにはジョックが引き起こしたいくつかの事象があるのですが、スレの趣旨に反するのでブログにでも書き散らします。
それでは悲憤慷慨で始まりましたが、本日分を投下いたします。
591閻しき貴女よ19:2009/01/27(火) 20:54:23 ID:QUIgm6F0
 散らかっているけど、と恥ずかしそうに前置きしてそうじろうがドアを開けた。
足を踏み入れた瞬間、かがみは4年前に戻ったような錯覚に陥った。
あちこちに貼られたアニメのポスター。
棚に飾られているフィギュア。
ほこりを被っているパソコン。
今となっては時代遅れだが、ここにこなたがいた証としてどれもが輝いて見える。
「あの日からほとんど手入れしてないんだ。このまま……残しておきたくてな」
そう言う彼自身もこの部屋にはあまり入っていないのだろう。
懐かしそうに室内を見渡した。
「特にこれが好きだって言ってたな」
ポスターの1枚を見ながらそうじろうがため息まじりに言った。
宇宙を背景に2人の巫女が玉串を掲げている絵だ。
突如現れたエイリアンに対抗するため、日本政府が対エイリアン戦力として抜擢した巫女。
エイリアンとの戦いを通して、家族愛や平和について考えさせるという昔流行ったアニメだ。
みゆきは呆然として棚のフィギュアを眺めた。

”ほらほら、ここがこうなっててね……けっこう細かいでしょ?”

こなたの声が聞こえてくるようだった。
まるで子供みたいに趣味に彩られた内装。
学生であったことを微塵も感じさせない物品の数々が――。
泉こなたの存在をよりハッキリ意識させるようで――。
みゆきは落涙した。
もし、そうじろうの許しが出るなら、どんな物でもいいから手元に置いておきたかった。
鉛筆の1本だってかまわない。
こなたを身近に感じたかった。
(ワガママですよね…………)
そう思う一方で、彼女はその考え方が自分勝手だとも感じていた。
今になって虫の良すぎる頼みごとだ。
それにそうじろうにはこの部屋をこのまま残しておきたいという気持ちがある。
みゆきの願いは彼の意思に反することだ。
(………………)
一度は拭った涙が再び溢れてきた。
こなたに対してそれだけの想いを寄せるのであれば――。
なぜ彼女が生きている時にそうしなかったのか。
なぜ今なのか――。
同じように想いを馳せる2人を見て、みゆきは自分が憎くなった。
こなたを忘れないように彼女の遺品を譲り受けたい。
みゆきはそう考えた。
592閻しき貴女よ20:2009/01/27(火) 20:55:09 ID:QUIgm6F0
だが、それは…………。
死者を弔う気持ちをアピールしただけの、単なるエゴなのではないか。
そうじろうやかがみたちの手前、慈悲深く優しい自分を映したかっただけではないのか。
そもそも遺品を受け取って、それをどうしようというのか。
ただそれだけでは何の贖いにもならない。
(泉さん…………)
――自分を憎む。
形ある物がなければこなたを忘れてしまう自分に、こなたの遺品を預かる資格があるのだろうか。
そうすることでしか記憶を保てない自分には、もはやこなたを偲ぶことすら傲慢なのではないか。
遅すぎた。
何もかもが遅すぎたのだ。
後悔するのが人間の悪い癖だが、もっと悪い癖は何度後悔を重ねてもその経験を次に活かせないことだ。
「ん…………?」
閉め切った部屋の中、空気の流れを肌に感じたそうじろうが不意に天井を見上げた。
反射的にかがみたちもそれに倣う。
「あっ……!」
3人がほとんど同時に声をあげた。
何の前触れもなく空間から白い物体が現れた。
ぽとり、と小さな音を立ててそれがこなたの机の上に落ちる。
「な、なんだ?」
そうじろうがおそるおそるそれを摘みあげた。
瞬間、彼の顔つきが変わった。
「あの…それは……?」
みゆきがおずおずと訊ねる。
しかしそうじろうはその問いを無視し、震える手つきでそれを愛撫した。
「手紙だ――」
「…………えっ?」
「手紙だ……これは…これは……こなたからの手紙だ!」
熱くなった手で封を開ける。
出てきた便箋には見紛うことなき丸みのある文字が並んでいた。
彼女と親しかった者には分かる。
この乱雑な字体は――。



593閻しき貴女よ21:2009/01/27(火) 20:56:20 ID:QUIgm6F0
『久しぶりって言ったらいいのかな。気の利いた出だしが思いつかないよ。
かがみ、つかさ、みゆきさん、来てくれてありがとね。それからお父さん。
内緒にしててって言ったのに、なんで喋っちゃうのさ? まあいいや。もう時効みたいなもんだしね』


手紙の始まりを声に出して読みながら、そうじろうはすでに落涙していた。
内容にではなく、真っ白な便箋に書き並べられた愛しい娘の文字に。
誰にも真似のできないこなたの字にそうじろうは涙した。
彼は目頭を押さえると、濡れた便箋をかがみに差し出した。
「…………?」
怪訝な顔をしてそれを受け取る。


『かがみん、卒業おめでとう。
毎日勉強がんばってたもんね。
かがみんは努力家だからきっといい就職先が見つかるよ。
やっぱり将来は弁護士か。でも普通の弁護士じゃつまらないから、”ツンデレ弁護士”なんてどう?
最初はつれないけど、裁判に勝ったらデレになって依頼人と付き合うとか。
まあそれは冗談だけどさ。
そういえば一緒に勉強してた佐伯さん、元気なかったでしょ?
なにか悩みがあるみたい。よかったら相談に乗ってあげて欲しいな。
私が言うのもおかしいけど、かがみは面倒見がいいからさ。
きっと佐伯さんを助けてあげられると思う。
ごめんね、せっかく来てくれたのに勝手なお願いしちゃって。
でも見ててつらかったんだ。
かがみ、佐伯さんと仲良かったから。
余計なお節介かもしれないけど、あの人が私の代わりにかがみの傍にいてくれたから』


2度、3度――。
繰り返し読んだ彼女はいつの間にか、そうじろうと同じように涙を流していた。
(バカ……何が”私の代わり”よ…………)
ぼやけた視界の中に、”佐伯”という文字が浮かんだ。
大学生活の中で昵懇の間柄だった少女の名前だ。
一緒に講義を受け、学び、時に持論を戦わせたある意味では親友でライバルのような存在。
互いの寮に泊まりに行ったこともあるほど親しい仲だった。
その存在をこの手紙の主は知っている。
気味が悪い、とは思わなかった。
自分を”かがみん”と呼ぶのは後にも先にもこなただけだ。
(あんたは…………)
かがみは涙を拭った。
(あんたは…こんな私をずっと見てくれてたのね……こなた…………)
もう一度読み返す。
やはり間違いない。
こなたはずっと傍にいてくれたのだ。
佐伯の機微にも気付けるほど、こなたはすぐ傍にいたのだ。
「こなた……こなたぁ…………!!」
彼女は自分を見ていてくれたのに。
その存在も気配も感じることができなかった。
(バカは私よ……! 自分のことしか考えないで……!)
悔恨の念に囚われたかがみは、打ち震えながら4年前を思い返す。
受験で忙しかったから、つかさの為にならないから、と悉くこなたを蔑ろにしてきた自分がいた。
今さら後悔しても遅すぎるが、彼女にはもう後悔しかできなかった。
「…………?」
虚ろな瞳で文面をたどっていたかがみは、2枚目の便箋があるのに気づいた。
その冒頭の部分を読みかけ、
「つかさ…………」
力の抜け切った右手でそれを差し出した。

594閻しき貴女よ22:2009/01/27(火) 20:57:50 ID:QUIgm6F0
『つかさはすごいね。
あんな難しいメニューなのに誰よりも上手に作ってたね。
洋食より和食の方が得意なのかな。
私も料理にはちょっと自信があったけど、あっという間に追い越されたよ。
将来はいいダンナさんと巡り合って毎日おいしいご飯を作ってあげるのかな?
私もつかさの作った料理を食べてみたかったな。
横で見ててヨダレが出てきそうなくらいだったもん。
きっとおいしいだろうな。
でもまさか本当に料理の道に進むなんて思わなかったよ。
どっちかっていうとお菓子職人とかをイメージしてたから。
ごめんね、勝手な想像だよね。
つかさは将来、どんな人と結婚するんだろうね。
優しい人かな。カッコイイ人かな。
つかさの事、ちゃんと支えてくれる人がいいな。
あ、でもちょっとだけその人にシットしちゃうかも……』


読み終え、つかさはしばらく虚無感を味わった。
これを本当にこなたが書いたのか。
内容を見てもすぐには信じられなかった。
つかさがその目で見てきたこなたの中に、この手紙を書く彼女を想像できない。
どちらかというと自分に似ている泉こなたの姿しかない。
面倒なことから逃げてゲームやアニメに興じ、成績も良くなく、かがみに比べて料理の腕はある少女。
そういう見方をすれば、つかさとこなたはほとんど同じ種類の人間だった。
だからこそ、この手紙を書いたのがこなただと即座に理解できない。
自分には――。
自分にはこんな文章は絶対に書けないからだ。
ここまで高尚な考え方はできない。
「これ……こなちゃんが…………?」
誰にも聞こえないくらい小さな呟きに、そうじろうがはっきりと頷いた。
そこでつかさはようやく気付いた。
こなたはいなくなったのではない。
目には見えないだけで彼女はずっと生きていたのだ。
死んだ、と思っていたのは自分たちだけだったのだ。
こなたは4年前から今日までをちゃんと生きている。
成長している。
(こなちゃん……こなちゃん…………)
つかさは心の中で何度もこなたの名を呼んだ。
真っ赤になった目でもう一度文面を追い――。
その下にあった便箋をみゆきに手渡した。


『みゆきさんは本当にすごいね。
何の勉強してるのかさえ分からないくらい。
博士って感じだよ。
でもすごく難しい勉強してるな、すごく頑張ってるなっていうのは分かるよ。
みゆきさんはまだ医師になるのか、調剤師になるのか迷ってるんだよね。
ここはひとつ苦手な歯医者になるのも面白いかも。
って将来の話を軽々しくするのは駄目だよね。
でもさ、今でも歯医者を怖がってる人っていっぱいいると思うんだ。
みゆきさんはそういう人の不安を和らげてあげられると思う。
ウソじゃないよ。
人の将来だから私が口出しできることじゃないけど、そういう考え方もアリかなって。
みゆきさんは何でもできるし、何にでもなれると思うから。
応援してるよ』


595閻しき貴女よ23:2009/01/27(火) 21:07:01 ID:QUIgm6F0
「泉さん…………」
クセのある字体をなぞりながら、みゆきはこなたの声を聞いた気がした。
4年前の記憶からこなたの容姿や声色を引っ張り出す。
やる気のなさを感じさせる甘ったるい声。
霞の向こうの記憶だが、今でもまだ思い出せる。
この特徴的な文字は――あの時から全く変わってはいない。
「こんなことが…………」
昂った感情が落ち着きを取り戻し始めた時、彼女は稀有な現象を目撃していることを自覚した。
そうじろうが最初に読み上げた内容からして、この手紙は自分たちがここに来てから書かれたものと分かる。
丁寧にも一人ずつに便箋を用意し、封筒に収めるという手順まで踏んで。
それをこなたがやったことは間違いない。
中空にこの手紙が現れた瞬間も目撃している。
(あなたはずっとここにいらっしゃったのですね……)
寒気がしそうな出来事なのに、胸のあたりが熱くなるのをみゆきは感じた。
彼女が自分たちを見守っていてくれたことが何より嬉しく、それと同じだけ申し訳なさも感じた。
生前、こなたに冷たく振る舞っていた自分を――。
今も応援していると言ってくれた。
恨んだり憎んだりするどころか、未来ある自分を祝福してくれる。
みゆきにはこなたが天使に見えた。



そうじろうは静かに息を吸い込んだ。
こなたの姿は見えないが、ここにいるのは間違いない。
だから彼は五感を研ぎ澄ませた。
目を瞠(みは)り、耳を欹(そばだ)て、一分の感覚も損ねないように努めた。
そうすれば視覚や嗅覚のどれかがこなたを感じてくれそうな気がした。
(こなた……お前はどこにいるんだ……なあ、こなた…………)
空気の流れが変わったことは感じているが、こなたの存在そのものまでは感じられない。
「おじ様、これを……」
みゆきがおずおずと便箋を差し出した。
「うん……あ、ああ……」
ワケが分からずしかし手は自然とそれを受け取っている。
導かれるように彼はそれを開いた。


『それとお父さん。皆には黙っててって言ったのに、なんでしゃべっちゃうかな。
恥ずかしいじゃん。まあいいけどさ。
あ、そうそう。私ね、お母さんに会えたよ。
写真で見るよりずっとキレイだったから最初は誰だか分からなかったけど。
私もお母さんも元気でやってるよ。
死んでるのに元気なんてヘンな感じだけどね。
お母さんね、ずっとお父さんのこと見てたんだよ。
ほら、ずっと前に写真撮った時に後ろに影が写ってたでしょ?
あれってやっぱりお母さんだったんだって。
ビックリだよね。
本当はさ、こうやって手紙書くこともお母さんには反対されてたんだ。
死んだ人が生きてる人にしちゃいけないことだって。
お母さんも本当は私たちに手紙出したかったんだって。
私たちみたいに死んだ人が生きてる人に言葉を伝える方法は手紙しかないらしいんだ。
アナログだよね〜。メールとかできたらいいのに。
それでね、お母さんが反対した理由なんだけど。
お母さん、お父さんを悲しませたくなかったからなんだって。
いつまでも自分のことに捕らわれてほしくなかったみたいだよ。
忘れろっていう意味じゃないよ。
でもひんぱんにそうやってやりとりしてたらお父さん、いつまで経ってもお母さんのこと追い続けるだろうって。
だから見守ることにしたらしいんだ。
私はそれができなかっただけ。
でもこれで最後にするよ。
596閻しき貴女よ24:2009/01/27(火) 21:08:31 ID:QUIgm6F0
やっぱりルール違反みたいだから。
できるけど本当はしちゃいけないって。
天国も決まりごとが多くて嫌になっちゃうよ。
あ、でもルール破ったからって地獄行き……なんてことはないから安心してね。
ちょっと怒られるだけだから。
だからこうやって言葉を伝えることはもうしないけど。
私もお母さんもゆーちゃんも、ちゃんとお父さんのこと見てるからね。
もちろん3人のことも。
私たちはこんな風になっちゃったけど、みんなには幸せになってほしいな。約束だからね』


そうじろうは涙を拭うことも忘れて、その便箋を3人に見せた。
冒頭には自分のことが挙がっているが、これは3人に宛てた文面だ。
みゆきはこの読みにくい字を夢現で追っていた。
これを見ているとやはり死後の世界は存在しているのだと認めたくなる。
実際に天国や地獄という単語もここにあるから、それらの世界もやはりあるのだろう。
「きみたちのおかげだな……」
そうじろうが深く深く頭を下げた。
その行動の意味が分からず目を瞬かせる3人。
「きみたちが来てくれなかったら、俺はずっとかなたやこなたが見守っていてくれたことに気付かなかっただろう。
こうして手紙を受け取ることもなかった……本当に感謝してるよ」
感謝の意を表すように彼は垂れた頭を上げることをしなかった。
こなたからの手紙を受け取るキッカケを作ってくれたことだけではない。
4年経った今でも娘を忘れず、追悼に来てくれる3人の慈愛が沁みた。
「そんな、私たちはなにも……」
かがみが俯いた。
何もしていないどころか、身も心も窶れていたこなたに辛辣な言葉を浴びせてきたのだ。
そうじろうに頭を下げられる資格など微塵もない。
「いや、きみたちのおかげだ、本当にありがとう」
3人は困ったように顔を見合わせた。
それぞれに想うところはあるが、共通しているのは後悔だ。
(…………………)
複雑な想いを抱えたまま、4人はこなたの部屋を後にした。


597JEDI_tkms1984:2009/01/27(火) 21:14:20 ID:QUIgm6F0
 本日はここまでです。
熱に加えて腹痛と痢まで起こしてしまいましたが、もう少し頑張ります。
明日には最後まで投下できそうですが、容量を超えてしまいそうです。
いかがいたしましょうか。
598名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/27(火) 23:14:04 ID:Xo0xG7lX
>>597
乙!
588じゃないが俺もこなたが虐められて自殺する話は余り読まない。
虐め(・A・)イクナイ!!
続きの3人の葛藤?を楽しみにしてます。

>容量を超えてしまいそうです。
次スレ立てて誘導すれば良いのでは?
他の人の意見求む。
599名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/27(火) 23:37:29 ID:CKp2xJoU
>>598
乙!
俺も虐め系は苦手だな
ありきたりだしな
そういった意味でこの作品は俺的にすごい評価できます。
600名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/28(水) 01:33:24 ID:7rYsEJZa
スレキャパパンク宣告出てんだから、新しいスレッド建ててくるわ。
>>598
乙!
JEDIさんといえば、虐めのパイオニアってイメージあったが、
こういうほんわかと来る話もいいですね。
あと何気に、SFチックなところもw
601名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/28(水) 01:36:57 ID:7rYsEJZa
立ててきた。
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1233074167/

こっちが埋まり次第、次スレへ投下どぞー
602名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/28(水) 04:12:44 ID:WbzzPf8O
>>601
スレ立ておつあり
603名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/28(水) 16:44:00 ID:3S/F5aTG
604JEDI_tkms1984:2009/01/28(水) 21:13:47 ID:lOWelDwo
 皆さん、こんばんは。
狙ってそうするわけではないのですが、僕が投稿する時はいつもスレを跨ぎます。
スレを立てて下さった方に感謝するとともに、続きを投下させていただきます。
いっぱいになったら次スレへ。

>>598
>>599

 いじめが僕の十八番というかそれしか書けないもので、内心ハラハラです。
今年は毛色の違うSSにも挑戦します。

>>600

 パイオニアなど身に余りますよ。
そんな大層な者ではありませんゆえ。
605閻しき貴女よ25:2009/01/28(水) 21:14:47 ID:lOWelDwo
 客室に戻ってきたかがみたちは、そうじろうが淹れなおしたお茶で喉の渇きを癒した。
「すみません、わざわざ……」
「俺こそ申し訳ないよ。せっかく来てくれたのにこれくらいしかできないんだから」
そうじろうが照れ隠しに頭を掻いた。
そのちょっとした仕草を横目で見ながら、かがみは安堵した。
来た時とは違い、今の彼には明るさがある。
こなたの手紙を受け取ったことで、失っていた精気を取り戻したのかもしれない。
良い兆候だ、とかがみは思った。
しかしどうしても気になることがある彼女は、それを訊くべきかどうか逡巡した。
答えを得たところで自分にはどうにもできない。
ただの興味本位でそうじろうの傷を抉るくらいなら、訊かないままのほうがいいのではないか。
「おじ様――」
ぐるぐると定まらない思考を続けていた時、不意にみゆきがそうじろうに声をかけた。
「あの、これは決して興味本位ではありません……もしお気に障るようでしたらどうか聞き流してください」
前置きとしてはどうかと思うが、さすがの彼女にも適切な言葉が見つからなかったらしい。
まさか、とかがみは思った。
この逆立ちしても敵わない聡明なお嬢様は、自分と同じ疑問を持っているのだろうか。
淑やかな彼女が、自分が口にすることを躊躇った問いを投げかけるのだろうか。
かがみが見守っていると、
「あの……小早川さんは…………?」
消え入りそうな声でみゆきが訊ねた。
かがみは冷や汗をかきながら、内心ではホッとしていた。
これは自分も訊きたかったことだ。
そうじろうの心傷を汲めばそう簡単には口にできない問いかけだが、その役目をみゆきが担ってくれた。
彼は永いこと押し黙った後、
「亡くなったよ――」
誰にともなく言った。
(やっぱり、ゆたかちゃんも……)
かがみはうな垂れた。
そうじろうが最後に見せた便箋。
天国や地獄という言葉が記されたあの手紙に――。

”私もお母さんもゆーちゃんも、ちゃんとお父さんのこと見てるからね”

という一文があったのをかがみもみゆきも見逃さなかった。
まさかという想いが2人の頭をよぎったが、文面通りに解釈すればゆたかの死に考え至る。
かがみはちらっとみゆきを見やった。
質問した本人はそうじろう以上に塞ぎ込んでいるようだった。
(みゆきも知らなかったってことよね?)
小さな疑問が湧く。
ゆたかとみなみは親しかったし、みなみとみゆきも近しい間柄にあった。
ゆたかの死はみなみを通してみゆきには伝わらなかったのだろうか。
「あの娘も体が丈夫なほうではなかったからな。まさかとは思っていたが……」
重苦しい沈黙を破りたくてそうじろうが呟いたが、その内容は沈黙よりもさらに陰鬱だった。
「肺炎だったんだ。熱を出すのはよくある事だったし、いつもは薬を飲めばすぐに治まってたんだ。
でも、あの時だけはそうじゃなかった。熱は下がらないし、呼吸も荒かった…………」
情景を思い出したのか彼は声を詰まらせた。
「慌てて救急車を呼んだが……遅かったよ……。ゆーちゃんは……あの娘はな…………!」
そうじろうの震えは悲しみによるものというより、行き場のない憎悪を内包しているようだった。
「どこも診てくれなかったんだ。どこも満床だといって断られた…………。
1時間ほどしてようやく受け入れ先が見つかったが――その時にはもう…………」
一度は涸れた涙がまた滂沱として流れる。
残酷なゆたかの最期に、つかさは顔を手で覆った。
みゆきは問うた事を悔いた。
606閻しき貴女よ26
かがみはその時の様子を思い浮かべて落涙した。
こなたと違い、ゆたかの死は彼女自身の意思ではない。
もっと生きたいと願っていたハズだ。
(ううん、こなただって…………)
こなたにしても同じだ。
結果的に自ら命を絶ってしまったが、それも重い病に罹っていたからだ。
誰もが生を求めているのに、誰にもどうにもできない病気の所為でそれが叶わない。
そこまで考えたかがみは、自分が今こうして生きていることにしてもし足りない感謝をした。
こなたやゆたかのお陰で生の尊さがやっと分かった気がした。
「どうしてみんな――」
そうじろうが中空に向かって呟いた。
放心したような彼を見て、つかさはこの場から逃げ出したくなった。
自分だけが親元でぬくぬくと育ってきたという負い目があった。
かがみやみゆきのようにたったひとり、遠地で勉学に励んだわけではない。
それにどちらかといえば体が丈夫な彼女は、これまでも大きな病に罹ったことはない。
結局、こなたやゆたかのつらさは自分には分からないのだ。
分かりたくても想像の域を出ず、分かろうとすればするほど却って2人に失礼ではないか。
(戻りたいよ…………!!)
4年前に戻りたいという、無駄な願いをつかさした。
神がいるならそうして欲しいと祈った。
祈りは通じなかった。
それどころか神は何の罪もない2人の少女の命を奪ったのだ。
「どうして……どうしてみんな…………」
つかさが声を上げずに慟哭する。
その姿が痛々しく、かがみはそっとつかさを抱いた。





「すまなかった。大したもてなしもできなくて」
そうじろうが余所を向いて言った。
「お気になさらないでください。私たちが勝手にお邪魔したものですから」
意外なことに、こう答えたのはかがみだった。
たった数十分のうちに彼女は自分でも驚くほど大人としての振る舞いを身につけていた。
「今日はありがとう。きみたちのおかげでこなたたちに逢えた。本当に感謝してるよ」
彼はもう聞き飽きるくらい同じことを繰り返し言った。
この言葉に偽りはない。
かがみたちがこなたやかなたと引き合わせてくれたのだ。
彼の中で止まっていた時間を再び動かしてくれたのだ。
「おじ様」
胸元に手を当ててみゆきが言う。
「来年……来年もまた3人でお邪魔してもよろしいでしょうか?」
毎年同じ日、同じ時間に手を合わせたいとみゆきは付け足した。
かがみやつかさの都合も確かめずに。
そうじろうは何も答えなかった。
(………………?)
訝しげにつかさが首を傾げる。
感極まって言葉が出ないのかと思ったが、どうもそうではないらしい。
何か考えるように彼は目を伏せていたが、やがてパッと顔を上げ、
「あ、ああ……きみたちさえ良ければ……お願いしてもいいかな」
妙に歯切れの悪い答え方をした。
「はい。必ず伺います」
ほぼ同時に頭を下げたみゆきとかがみは、そうじろうの不自然さには気付いていないようだ。
つかさも慌ててお辞儀をしたが、やはり彼の様子が気にかかり上目遣いに見やった。
そうじろうはバツ悪そうに視線を逸らしている。
何かを隠していそうな表情だ。
が、もちろんつかさにはそれが何かは分からない。