【2次】漫画SS総合スレへようこそpart57【創作】
レーザー照準により地上に向かって撃ち出されたカプセルには、五体ないし十体の量産型アルトリウスが格納されており、
地上着弾と同時に量産型アルトリウスをばら撒く。
先ほど、ドイツのシュバルツバルトに量産型アルトリウスを送り込んでみせたのが好例だ。
聖域侵攻に当たっては更に地上のギガースがあらかじめマーカーを仕込んでいるため、誤差はo以下にまで狭められていた。
そして、一人の男がふわりと、自宅の階段でも降りるかのように宙に身を躍らせた。
彼の名はブリッツ・ウィング。
アルトリウス式サイボーグ術によって現役復帰した戦士であり、公式には三十年以上前に死亡している。
ただ大空を翔ることだけを望んだ彼は、悪魔の取引に応じたのだ。
ロケットブースターの武装練金・ジェットファイアが彼の背で起動した際の発光は、
聖域地上からでも確認することは出来たが、
今の聖域住人にそんな余裕のあるものなど一人も存在しなかった。
レーザー照準にと同調したゴーグルには、気流、大気圧変化、湿度、温度、対地距離等の複雑な情報が流れている。
半ばまで機械化したお陰でこうした情報を不足なく読み取ることができ、高高度から地上へとダイブしたところで、
鼓膜がやぶれたり、気圧の変化で気を失ったりしない。
便利なものだ。人間であることなど、大空を翔ることに比べたらなんともくだらない。
そう思うブリッツ・ウィングもまた、いびつなのだ。
戦闘員・非戦闘員の区別も無く、ただ殺戮を目的として送り込まれた量産型アルトリウスは、聖域人口を確実に削っていた。
聖域は、確実にすり潰されていった。
ドラゴン紫龍役の鈴置氏が亡くなられてから8/6でちょうど二年になります。
破嵐万丈、ブライト・ノア、ドラゴン紫龍、伊達臣人、スタースクリーム、パワーグライド
色々なキャラクターに命を吹き込む声優という人をはじめて意識したのが星矢のアニメでした
映像ソフトや映像配信サイト全盛の今、
亡くなられてしまった声優の声を聞けるというのは悲しくも嬉しいものがあります
それに捕らわれることなく前に進んでいけるのが人かもしれませんが、
それでも少しばかり振り返ってみたくもなるのが人情かもしれません
>>221さん
黄金時代書いていた時期には「LC」が連載されていなかったこともあり、
「俺前聖戦」や「俺アフター星矢」、「再構成星矢」を書きたいなと漠然と考えていましたので
実はけっこう伏線じみたものが存在します
具体的にいうと、シオンの遺髪やアドニスや前の回でだしたエウロペなんかは…
まぁ、LC設定と食い違う場所が増えてきてるので似たようなことがあったんだよ的に捉えていただければ幸いです
>>222さん
すみません、いわれたそばから…
いかんせん最低でも月イチで投下していきたいなとおもっております、申し訳ないっす
とはいえ、好不調、ムラッ気のあるのが僕なので、いかんともしがたく情けなく…
まぁ、今月はあと一回くらい投下したいです
>>223 まだ辞めてねぇよ!
スターダストさん
武装錬金といえば変態大行進なんですが、どーも僕が書くと陰湿な方向へ行ってしまうのが困りもの
ちなみに今回登場したオリキャラ、アルトリウス以外の元ネタは全部トランスフォーマーからです
ドレッドウィングはトランスフォーマーG2ないしパワーマスター、ハイテストは海外版TF、
ブリッツウィングは初代TF、日本版ではブラボー役の江原氏が演じていたりします
ジェットファイアはマクロスのスーパーバルキリーをTFとして売ったというdでもないキャラクター
そのおかげで日本ではもちろん未発売なので、マニア垂涎の代物であったり
ま、ヴィクターの武装錬金がシャドウホークのエナジーライデンなのでその繋がりでありますw
どっちかというと模型・トイ系のオタな自分としては、聞かれなくともヤるのがどうしようもねーw
こういう点で遊んでしまうのが僕の欠点のようにも…
孔雀はギリシア神話よりも仏教系のほうが派手なのは実に地域性がでていて面白いです
方や怪物の目玉、方や神様の乗り物…
さいさん(前回は感想わすれて申し訳ないです)
なんというか、こう、好きだからこそイジめてみたいというか、イジりがいがあるというか
そんなサディスティックな気分にさせてしまうキャラクターというのがありますが
ええ、その下品なはなしですが『勃起』してしまいましてね、といった風に
こう、邪な意味での征服欲に駆られそうなキャラクターというのは、ええ、いいもんですね
なんか変態ですね僕orz
婦警、ヘルシング劇中じゃ体格面じゃ目立たないですが、そういやたしかにみんなけっこう背丈大きい
アーカードやアンデルセン神父など2mオーバーな連中が多いだけに目立たないですが
でも、おんなのこが二人で相合傘っていいもんですよね
ハシさん
ブレイドは回を重ねる事に駄目になっていくような気がしますです、ハイ
テレ東で昔やった大塚父子競演バージョンはウィスラの最期のシーンと、
その銃声を聞く哀愁の滲んだブレイドが重厚に演じられていて、円熟した声優の素晴らしさを感じられました
物語後半でフロストによって母までも奪われていたという「家族」というものが背骨にあって実によかった
それだけに回を重ねることに「家族」観がうすれているのがなんともはや…
オリキャラのナンバーズの活躍、期待しております
ふら〜りさん
前作はぶっちゃけていうと、黄金聖闘士という偉大なキャラクターに
おんぶに抱っこといった風が拭えずじまいでした(すくなくとも僕の中では)
星矢が世に出てから20年、その間にファンに愛され育まれたキャラクターイメージに
胸を借りた、とまぁそんな風におもっております
今、エピソードGやロストキャンパスといったまさしく星矢世界の広がりを描く漫画がある以上
軒先から一歩でてみたいと思い今作を書いているわけですが、やっぱり自分の力量不足を実感する日々
週刊であんなすばらしい作品を生み出せるプロ漫画家のなんと素晴らしいこと、と思うことしきり
ふら〜りさんはじめ、皆さんを満足させることの出来るものを書きたいな、と思う毎日です
では、またお会いしましょう
387 :
作者の都合により名無しです:2008/08/12(火) 12:56:11 ID:3GxZKXw90
銀杏丸さんおつ
錬金サイボーグってのがちょっとわからないけど
大決戦ぽくなって着たので期待しております
ムーンフェイスは人気あるな、どのSSでも
>45分の人
話題の克己対ピクルの決着を1早く見られて良かったです
郭がいいとこ取りでしたけど。ヤクバレの人?
でもだんだんタイムがあがってきてますねw
>銀杏丸氏
お久しぶりです。今回はセイント側は出番なかったけど
敵側に強力さを感じますな。
聖域殺戮はグルジアみたいなもんかなー
389 :
ふら〜り:2008/08/12(火) 20:01:46 ID:uKqVK3Y60
>>さいさん
こんな子がいてくれたら私の中学時代も……とか思わせてくれますまひろ。そしてセラスとの
出会いを見て思い出すのは、彼女の兄が斗貴子と出会った時のこと。目の前に傷ついた人、
危難に襲われてる人がいれば、手を伸ばさずにいられない。あの兄にしてこの妹あり、ですね。
>>スターダストさん
>流石に剣呑な目つきが少年らしい丸みを帯びて、生白い肌がますますきめ細かくなって
そりゃあもう流石に小学生まで来たら、いくら根来でも立派に子供ですよ子供。中身どうあれ。
そう、中身は変わらない。剛太は知らねど読者は知ってる、根来だから千歳を助けるのである。
にしてもこの人数相手に、未だ攻勢でいられる鐶は凄い。充分立派に、副長の面目躍如。
>>御名前何卒。VSさんっぽいですけどHPにも変化なく……
>30分!
この試み自体が凄く、実際できたのはもっと凄い。笑えたのはもちろんですが、今思えば
プーアルってあの外見で敬語喋りで時々ちょい怒る、なかなか萌えキャラだったんだなと。
>45分!
普通(?)は「ケツの穴から手ぇ突っ込んで奥歯ガタガタ」でしょうが、上下と前後を両方
逆にしたところが新たな試みというかオリジナリティですな。結果の悲惨さは圧勝してますし。
>>銀杏丸さん(どーでもいいですがいつもいつも「銀杏○」と変換されてから書き直してる私)
原作ではメイン禍の源に戦団あり、でしたが本作もなかなか。ヴィクター然り本作のピット、
つーかクリエーション・メイトリクス然り……こんなとんでもない危険物を野に放つんじゃねえ!
と名もなき一般人なら叫びたくもなりますよこれ。そしてそれだけに、攻略過程が面白そう。
銀ちゃん元ネタわかんねえw
どれだけの原作が元になってるんだ?
あと、30分&45分さんはVSさんじゃないでしょ。
でも短編得意な感じで面白い。
えなりスレはなあ……。
SS専門スレにはさすがに及ばないけどリレー小説としては規格外な質だし大化けする余地は十分にあると思うが、
やっぱり読み手が少ないっぽいのが最大の問題。
まずスレタイがどう考えてもナンセンス系にしか思えないし、それを越えても漫画キャラじゃなく漫画家ってのは結構敷居が高い。
新規参入があんまり期待できないんだよ。
バキスレのふら〜りみたいなやる気を出させる面白い感想が書ける人が一人かできれば二人ぐらいいれば
かつての黄金期レベルも夢じゃないと思うけど、まあ難しいだろうな。
よりによってここに誤爆かよ……。
失礼しました。
393 :
作者の都合により名無しです:2008/08/14(木) 16:32:20 ID:JGh1+1YJ0
まだえなりってやってたのかw
第八話「宴」
ソムリエ五人衆のテレビ出演は驚くほどあっさりと決定してした。
「ソムリエ五人衆!?」
「えぇ、実は我々しけい荘の住人は大家さんから日頃からワインについて教えてもらって
ましてね。資格こそ持ってませんが、ワインの知識には自信がありますよ」
「……面白い。いいでしょう、是非あなた方で特集を組ませて下さい!」
テレビ局のプロデューサーと熱い握手を交わすドイル。
こうしてしけい荘が誇る手品師の野望の第一歩がようやく幕を開けた。
「ここからだ……。ここから私はスターダムに駆け上がるッ!」
テレビ収録はちょうど一週間後。しかも生放送。ドイルの報告を受けた他の四人も闘志
をあらわにする。
「決まりましたか。これでもう引き返せませんな」
「ふむ……面白くなってきたな」
「ウォッカで鍛えた俺の舌を披露する時が来たか」
「ジャア、サッソク特訓ト行コウゼ!」
特訓用に近所の酒屋で安ワインをいくつか購入し、いよいよ特訓開始。が、まずドイル
が改めて皆に語りかける。
「ソムリエというのは、つまるところ“ワインのプロ”だ。ワインの知識などろくに持た
ない我々が、一週間でプロに肉迫するのは難しい。しかし、ワインのプロを演じることは
できる」
ワインの歴史は紀元前に遡るほどに古く、単なる酒というカテゴリーを飛び出して一つ
の文化に数えても差し支えがないほどだ。しかし逆に日本のテレビ番組の視聴者に、この
文化(ワイン)を熟知している者などほとんどいないともいえる。ならばにわか仕込みで
も短時間『ワインのプロになりきる』ことができたならば、少なくとも公衆の面前で大恥
をかくことはない。これがドイルの戦略であった。
「要ハ堂々トシテロッテコトカ」
「演じるということであれば、私に一日の長がある。やらせてもらおうか」
嘘、演技、騙し合いならばしけい荘にも右に出る者なし。ペテン師ドリアンが名乗りを
上げた。
395 :
しけい荘戦記:2008/08/15(金) 00:52:52 ID:GObFymDU0
グラスに半分ほど注がれた赤ワインを品定めするドリアン。
「グラスの中が燃え上がっていると錯覚させるほどの鮮烈な赤。着色料などではない。葡
萄という自然の果実のみで生成された純粋な赤──あまりに原始! あまりに本能的(リ
アル)!」
今の台詞を要約すると「このワインはとても赤い」となる。
ドリアンはそっとグラスに唇をつけ、原始かつ本能的な液体を口に含んだ。数秒間舌で
転がした後、ゆっくりと喉の奥へ旅立たせる。
「味の五種──甘味、酸味、旨味、塩味、苦味。唇から喉までの短距離で全てを感じ取れ
た。この絶妙にコントロールされた味(テイスト)に、私は心に感謝すら覚えてしまった。
ワイン職人の知謀と情熱が体中を駆け巡るかのようだ。
こう飲んだ方が美味かった、あれを飲めば良かった、などという疑問が入る余地は一切
ない。ベストオブベスト。古より脈々と受け継がれてきたワインという名の伝統──その
完成形がまさにここにある! では、これほどのワインと私を引き合わせてくれた神への
感謝の印として歌わせてもらおう。オトワラヴィ──」
すかさず柳が空掌でドリアンを気絶させる。
396 :
しけい荘戦記:2008/08/15(金) 00:53:25 ID:GObFymDU0
「危ないところでしたな」
「でもさすがはドリアンだな。こんな千円もしないワインであそこまでベラベラ喋れるん
だから」
感心するシコルスキー。たしかに実際に通用するかはともかく、雰囲気とオーラは十分
及第点を出せていた。
「この調子で我々も続くぞ。特訓開始だッ!」
ドイルが吼える。皆がワインを飲み、能書きを垂れる。他に方法がないのならば、やる
しかない。
あっという間に五人は当日を迎えた。
浴びるようにワインを飲み続けたその身体は、傷をつければ血ではなくワインが噴き出
すのではないか。こんな冗談も若干の信憑性を持つほどに彼らは本気であった。
「大家さんも明日にはアパートに帰ってくる。あの人に恥をかかせてはならない。ソムリ
エ五人衆、出陣だ!」
ドイルを筆頭にスタジオに向かう面々。交通手段はむろん、足。
彼らは走り出した──栄光に向かって。
第七話
>>121 繋ぎの回です。
間違えて1レス目にコテハン入れてしまいました。
範馬刃牙は克巳の大金星に期待です。
398 :
永遠の扉:2008/08/15(金) 03:31:10 ID:DcbU/dop0
第069話 「滅びを招くその刃 其の漆」
キジ科キジ目ニワトリ。
祖先は諸説あるが、現在ではアジア南部〜東南部に生息する「セキショクヤケイ」が有力視
されている。(秋篠宮文仁他 「ニワトリの起源の分子系統学的解析」など)
紀元前七〜六世紀にはすでに家禽化されたものがメソポタミアに渡来し、紀元前六世紀頃
にはエジプト人の遠征から置き去りにされる形でギリシアへ、日本へはこの島国らしく大陸を
経由し、縄文時代後期〜晩期(紀元前二十〜十世紀)ごろ伝来。
ニワトリといえば「鶏鳴狗盗」の故事で孟嘗(もうしょう)君の食客が真似たような、夜明けに
高く鳴く姿が印象的であるが、その姿は古代、闇を制する光を持たなかった頃の人類によほど
鮮烈であったらしい。古代西洋のほとんどの国で太陽神がらみの「聖鳥」として、また中国にお
ける陰陽説では「陽」の存在として、何かと恭しく扱われている。
ゾロアスター教において雄鳥は「悪党から善を守るシンボル」であり、ローマにおいては戦争
の行方を占う大事な役目を課され……
ライオンさえこの鳥を恐れる。
とまでいわれていた。
さて、そんなニワトリを前漢期の「韓詩外伝」評して曰く……
「鶏に五徳あり」
直撃・ブラボー拳。鐶が攻勢に転ずると見るや防人は一気に踏み込み殴りかかった。
「頭に冠を頂くは文なり」
鐶はその拳に頬をすりつけるようにして飛び込んだ。ちりちりと火花が散り金属の焼ける匂
いが立ち込める中、ふくよかな頬を削ぎ落された少女は正に防人へと密着した。
「足に距(けづめ)を持つは武なり」
伸びきった腕。それを肩口の辺りで掴んだ鐶は無造作に防人を放り上げ、そのまま上段後
ろ回し蹴りを敢行していた。ただの蹴りならばまだいい。しかしの彼女の膝の裏には三十セン
チはあろうかというおぞましい距(けづめ)が生えており、しかもその軌道は如実に防人の目を
狙っていた。絶対防御のシルバースキン。しかしその顔面は視界を確保するためのわずかな
隙間が開いている。よしんばそこに当たらずとも距(けづめ)一点に集中した力はそれなりの
打撃を防人にもたらすであろう。
399 :
永遠の扉:2008/08/15(金) 03:32:24 ID:DcbU/dop0
それを見過ごす防人ではない。投げられた衝撃で悲鳴を立てる肩に脂汗を流しながら無数
の拳打で迎撃に映った。粉砕・ブラボラッシュ。先ほどと違い足一本に集中したせいか、鐶の
くるぶしからアキレス腱、膝裏、大腿部の中ほどまでが粉々に砕け、その音に促されるように、
斗貴子と根来が斬りかかり、剛太と桜花の手元から円や線の光芒がきらきらと放たれた。
「敵前にあって敢えて闘うは勇なり」
防人は覆面の下で愕然と目を剥いた。
鐶は片足の破壊に怯むどころかその衝撃を利して右足による飛び後ろ回し蹴りを放ってい
た。蹴り自体の威力はシルバースキンを突き破るほどではない。だが、防人の脇腹に接触し
た足は鋭い爪も露な猛禽類のそれになり、筋骨隆々の戦士長をまるでウサギ扱いのようにわ
しりと握りしめた。同時に鐶の両手は翼へと変じ、短剣を掴んだまま大きく羽ばたき舞いあが
る。そこへ躍りかかった斗貴子と根来、弾丸のような飛翔の強烈さになすすべなく吹き飛ばさ
れ、地上へと落下した。矢と戦輪に至っては、風圧で地面に叩きつけられたから問題外。遅刻
組二人はただ茫然と鐶の垂直飛翔する見送るばかりである。
「食を見て相呼ぶは伝なり」
周囲にまとい攻撃加えるカラスを「かぁかぁかぁ」と何やら呼びかけながら鐶は垂直に飛び、
二、三度周囲を見渡すと高層ビルに突進。防人を斜め下へ突き出すような格好をしながら、
外壁に押しつけ屋上から地上に向って一気に落下を開始した。防人の自重と鐶の膂力、そし
て重力。遠景は彼を起点にすれば高速エレベーター顔負けの速度で上に流れゆき、金に輝く
硝子とくすんだ灰塵が外壁滑る銀の肌から交互に舞いあがる。 ビルの外壁はダンゴムシの
背筋のような破壊痕と半透明のささくれに彩られ、シルバースキンは墜落途中の飛行機のよ
うに揺れに揺れ。
「夜を守って時を失わぬは信なり」
やがて防人は地面に叩きつけられた。
「私が……裸足の理由。それは変形の……ためです。靴を履いていると……破れます」
突っ伏す銀の防護服を足元に一度人間形態に戻った鐶は、がくりと左へよろけた。見れば
先ほど粉砕された左足はまだ回復しておらず、鳥の彼女としてはやや皮肉だが「カカシ」のよ
うな状態である。
400 :
永遠の扉:2008/08/15(金) 03:33:08 ID:DcbU/dop0
そのカカシから道路一本挟んだ向こうはどうやら色欲絡みの繁華街らしく、色とりどりのビル
袖看板が見えた。毒々しいそれらを邪魔そうに斗貴子が雑居ビルの間隙を飛び交い接近中
なのも見えた。彼女の足元で手を取りあい疾走する剛太と桜花も。昼時というコトもあり、他に
はほとんど人がいない。居ても斗貴子の形相に怯えて逃げ去っていくから、実質的に一般人
は皆無といえた。
少し考えた鐶は左手だけを鳥の足へと変形させ、それで地面を削るように斗貴子たちへ疾駆
した。身が震える思いをしたのは桜花だ。御前に至っては艶やかな黒髪の背後で魂の汗を股
ぐらの付け根からほとばしらせた。
左足欠損による左手右足の疾駆。それは異常過ぎた。たおやかな少女の裸足が泳ぐように
地面をぺとつく一方、機械のような左手の禍々しい爪がアスファルトの破片を後方へ巻き上げ
ながら轟々と運動する。かといって鐶はあくまで人間が走るような姿勢であって四足獣の走行
はしていないのである。左手は直立不動で掌が地面につくほどに伸び、松葉杖の代用品程度
の淡々さでアスファルトに爪痕をつけ、砕き、黒い破片を巻き上げている。
淡々というが証左は何か。少なくても桜花はそれを鐶の無表情に求めた。鐶はあくまで蒼い
スターサファイアを思わせる瞳に一切の感情を浮かべず、バンダナにも「絵に描いたような」ニ
ワトリの顔しかなく、ただ赤い三つ編みを風になびかせながら走っている。いかなる喜怒哀楽
もそこにはない。ないからこそ御前は身震いした。鳥というが鐶の瞳はまるで鮫。表情がない。
人形の目そっくりだ。
「忍法月水面。……」
赤いつぶてが雷光とともにばっと放たれたのは、斗貴子たちと鐶がちょうど道路一つ挟んで
向いあった時の話だ。爆走する鐶が「?」と首を傾げた頃には半紙大の赤紙に展開したつぶ
てが無表情にべちゃりと接着し、目と鼻を塞いだ。
さしもの爆走もなりを潜め、鐶は突如として深黒晦冥に陥った世界への戸惑い赴くまま、顔
に貼りつくその紙を引っ張ったり端をつまんだりして剥がそうと試みた。だが剥がれない。恐る
べきコトにホムンクルスの高出力を以てしても剥がれないほどの粘着力を帯びているらしく、
鐶が短剣を握ったまま手指を動かそうとも剥がれない。
401 :
永遠の扉:2008/08/15(金) 03:33:59 ID:DcbU/dop0
その足元ににゅっと忍者刀が飛び出たのと、鐶が短剣を喉首に運んだのはまったく示し合
わせたのではないかと思えるほど同日同刻の出来事である。
まず鐶は白い顎に短剣を押し当てたとみるや、すぅっと垂直に撫で斬った。
「外れなければ……顔ごと落とせばいいだけ…………です」
地面に落ちた顔の一部は無表情も相まりまさしく能面。やや厚ぼったく、ともすれば外装の
みならずその骨格部さえも切断されているかも知れなかった。
(た、確かに正論だけど……)
桜花が身震いしたのは麗しい女性だからだろう。斗貴子は特に何の恐怖もない。
そして顔面が地に落ちる前にはすでに根来が鐶の残る右足を大腿部の中ほどから断ち切っ
ていた。そして緩やかに前傾しゆくは鐶光──…
「流星・ブラボー脚!!」
自重と加速と重力がたっぷり乗った防人の蹴りが、倒れゆく背中にクリーンヒットした。
哀れ両足なき鐶は先ほどの意趣返しとばかりに成す術なく地に叩きつけられ、蜘蛛の巣の
のヒビをアスファルトを走らせた。
シオマネキのように左右まちまちの両手が異常な角度に折れ、背中にだらりと乗っているの
は半ば少女の容姿を持つ鐶であるからいたましい。防人は疲労とダメージと共にに嘆息した。
ふと剛太が上空を見れば千歳が瞬間移動していた。つまりそこまで彼女が運んだのだろう。
とにもかくにも生じたこの隙、なんとか追撃をと踵の戦輪の回転数を高める剛太だが、その
眼前で鐶は前述の姿勢から背筋と腹筋の力で二メートルばかり跳ね上がり、左手一本で妖怪
のように跳躍しながら道路を横断、一気に眼前に迫ってきたからたまらない。
「びょいん。びょいん。くけーっ」
ホムンクルスには「体の一部だけをホムンクルス化」する者がいるのを剛太は知っている。
斗貴子からかつてそういうオオワシのホムンクルスがいたと聞いているし、剛太自身も栴檀
香美というネコ型ホムンクルスが耳や爪、しっぽを生やしているのを見た。
それ自体はまだ納得できる範疇の話だ。オオワシのホムンクルスは手を翼にしていたが、そ
れも人間の腕と鳥の翼に形態の相同性(指骨の癒合の有無や上腕骨の湾曲の有無以外、実
402 :
永遠の扉:2008/08/15(金) 03:36:13 ID:DcbU/dop0
はほとんど同じ構造)があるのを踏まえればあながち不思議な話ではない。翼の先に爪をあ
しらっているのも二足歩行の都合上、本来癒合すべき鳥の指骨が攻撃のため人間の指骨に
沿う形で爪になったと考えられなくもない。そして鐶。
「ホムンクルスが人間形態から原型へ変身する際の細胞変化」
を意図的に操り、沙織よろしく他人へ化けたり、もしくはあらゆる鳥に変身できるという。
(鳥の能力の行使は、その特異体質と部分変化の合わせ技、か。それならありえ……)
そう思う剛太に、顔を鳥とカエルの相の子みたいにした鐶が大きく口を開き、斜め上方から
飛びかかった。
(ねェよ!! なんなんだコイツは!!)
桜花が一瞬何事かをいいかけたが、剛太はその掌を一段と強く握りしめ、フロスロットルで
疾走。肩を行き過ぎた鐶が手近な建物の壁を大口で削り喰うのを横目で認めた瞬間、嫌な汗
がぶわりと全身を濡らした。
一方、鐶は口からぼろぼろと破片を取りこぼしながら、「ぐべっ? ぐべっ?」と辺りをぶんぶ
か見渡し、たまたま近くにいた斗貴子に飛びかかった。
「つくづく化物だな貴様」
「くけーっ。化物違う。化物違う」
無感情な叫びを漏らす、扁平で横にざっくりと裂けた口と鉤状の嘴は、なまじ肢体のほとん
どがなよついた少女の物であるから不気味極まりない
目はフクロウのように二つちょこりと前を向き、色はバンダナに浮かぶ物と同じく黄色に黒。
嘴の周囲にはヒゲさえ生え、側頭部の羽毛のもじゃもじゃは不気味さを倍加している。
これが「ジャワガマグチヨタカ」という樹上生活を好む夜行性のヨタカだとは流石の剛太にも
分からない。ちなみにガマグチヨタカのラテン語の属名はバトラコストムス。ギリシア語の「カエ
ル」と「口」を合わせた名前である。
主食は甲虫やバッタ、クモなど。樹上から飛びかかり、大きな口で堅い殻を叩き割るように
して食べる。
果たしてその顔は数合撃ち合った後、斗貴子に外科手術のような鮮やかさで切除されたが
「もしも力尽きて……闘志の刃砕けても」
鐶の体がぱあっと光を帯び、傷も欠損した両足も物の見事に回復。人間形態で立った。
「また回復」
「一体なんなんだコイツは……?」
403 :
永遠の扉:2008/08/15(金) 03:37:30 ID:jiCLU9A70
桜花と剛太は口々に唖然を述べながらも顔を合わせて同時に頷き後方支援を開始した。
そして矢と戦輪が雨あられと着弾する中、間合いを詰めた防人が手刀を振りあげ──…
「両断! ブラボ……」
びたりと止まる我が肉体にうすら寒い思いをした。
見れば鐶は軽く伸びをして、指をそっと手刀に当てている。それだけなのに防人は動けない。
「馬鹿な。戦士長の攻撃を指二本で防いだだと……!?」
(コレは俺の攻撃力が落ちているせいか? それとも──…)
「……あ。さっきの話ですけど…………」
指は手刀を少し深く挟むと、そこを起点に防人を投げ捨てた。
行く手には斗貴子。彼女は防人を見捨てるコトも出来ず迎撃するコトも出来ず、しかしすっか
り華奢になった体では受け止めるコトも出来ず。
「く」と、ただ成すすべなく防人ごと手近な建物の壁に叩きつけられた。
「てめェ!! よくも先輩を!!」」
「対拠点殲滅用重戦兵器」
円盤に細いワイヤーがついたような尾羽。それが鐶の周囲を舞い狂い
「私の…………設計思想だそうです。それ……から」
数本の電柱を根元から、手近な建物を斜めから。
それぞれ鐶は寸断。ある一方向に向って倒した。
すなわち、激高して飛び込んできた剛太と、彼に期せずして連れられてきた桜花の方へと。
上方から迫る瓦礫と電柱に二人は身を竦め──…地響きと土煙に飲まれた。
「無銘くん曰く…………『破砕の光』『鳳雛』『言論遅滞』『滅びを招くその刃』とも」
「……恥ずかしくね? そのネーミング」
御前の突っ込みに鐶がさあっと赤面したところを見ると、いちおう恥ずかしいらしい。
「む、無銘くんが……つけてくれたから……いいのです。そして」
瓦礫の上へいつの間にか現れた根来が珍しく微笑を浮かべた。
「奴の誘いにまんまとはまったな」
「くそ。瓦礫は囮かよ。とりあえず助けてくれたのには感謝するけど……さっさと放せって」
根来に猫掴みにされ口をへの字にする剛太はやや幼い。
「やられた。逃走経路は予測済み。真の狙いは年齢吸収。あ、でもこれで先輩とお揃い?」
ちょっと嬉しそうな剛太に、根来は露骨に白けた。
「短剣を巻きつけた長い舌で、瓦礫を縫うように攻撃してくるなんて……」
404 :
永遠の扉:2008/08/15(金) 03:38:42 ID:jiCLU9A70
「うぅ。すぐに瞬間移動で桜花さんをさらったのに、なんで間に合わなかったの〜〜」
泣く千歳に支えられた桜花もまた幼い。
剛太と桜花は瞳がまるまると大きくなり身長が縮み、中学生程度までに退行していた。
(また……! ところで大丈夫ですか戦士長)
(あ、ああ。シルバースキンのおかげで何とか。そうだ。キミに話しておきたいコトがある)
緩やかに立ち上がった斗貴子はその言葉に思わず短髪を揺らめかしながら防人を見た。
「ま、待って下さい戦士長。今の話は本当なんですか……?」
「断言はできないが、千歳の例もある。くれぐれも気をつけてくれ」
一足先に戦士へ向かう防人の後姿を、斗貴子はしばし呆然と眺め、
「……全ての時局を熨(の)せる。それこそがクロムクレイドルトゥグレイヴ……!!」
鐶は真紅の短剣を振りかざし、四人へ斬り込んだ。
(以下は本来の年齢 → 現在の年齢)
防人 27 → 27
根来 20 → 12
千歳 26 → 06
斗貴子 18 → 15
桜花 18 → 14
剛太 17 → 13
「キミが始めて武装錬金を発動し、戦う意思を得たのは10歳の頃」
それまでの斗貴子は故郷の赤銅島で、普通の暮らしを送っていた。
「──つまり、年齢が9歳以下になれば千歳同様精神が退行し」
防人はこう指摘した。
「キミは戦士として最も重要な、『戦う意思』を失くすかも知れない」
そうなれば五体満足であろうとなかろうと戦闘不能。10歳未満は即・戦闘不能。
(まさか……そんなコトが……)
冷たい感覚を脊髄に感じながら、斗貴子も遅れて走った。
余談ながら円盤に細いワイヤーがついたような尾羽はヒヨクドリの物である。
ゴクラクチョウの仲間の中でも最も小さい種類であり、ニューギニアなどの熱帯地方に生息。
漢字で書くと比翼鳥。伝説上の「片翼しかなく雌雄が揃わねば飛べぬ」鳥。
やらねば分からぬコトもある。
ところでメルブラのネロ・カオスみたいに胸からジャワガマグチヨタカの顔がばーっと出てくる!
……ってのも考えたというか描いたんですが、それやると本当に際限がなくなるのでボツ。
それからターミネーターのT−1000はカッコいい。今の鐶のイメージソースはこれとネロ・カオス。
>>358さん
ぬったりw そんな千歳ですが、もうずっと前からこう描いてるようで不思議な感じです。
本当はクールなお姉さんなのに。でも昔の千歳も頭自体は良かったように思います。
潜入捜査を任されてますし、//のP50でも「優等生の学級委員長」ですし。
>>359さん
考えなしにがーっと行くとまずいですね。そもそも斗貴子さん、自分のペースが通じないと考
えるのをやめてますます攻め一辺倒になっちゃう(桜花戦とか)人。スイッチ入らないと冷静なんですが。
>>360さん
原作で一回、ボトムズの「炎のさだめ」の歌詞を言って(ややこしい)ましたが、まさにブラボー
のテーマはこれじゃないかと。あと、指揮能力については真希士の件やら何やらでちょっと……
な部分が。「兄貴」ならすっごい頼りになる人。でも、「上司」には不向きな人なのかも。
>>361さん
調べると面白いので、ついw なるべくサクっと描いて長くならぬようにはしますよ!
ふら〜りさん
根来は生まれた瞬間からあの顔あの目あの性格だったように思いますw そんな彼が千歳に
接する態度、たとえば子供ジョルノを見守るギャングみたいな。踏み込んで行かないけれど見
捨てもしない。……今思いついたんですが。で、鐶は今回ようやく暴れさせれて大満足。
406 :
作者の都合により名無しです:2008/08/15(金) 12:14:43 ID:whkooCOl0
サナダさん、お盆中にダストさんお疲れ様です。
>しけい荘戦記
ドリアンは確かにこういう語りさせたら上手そうだなあw
オリバならもっと上手そうだけど。克己勝つといいっすねw
>永遠の扉
鳥の異能を使い尽くした強さですなあ。しかしえらい知識あるなw
しかし千歳がどんどん若くなっていくw
サナダムシさんとスターダストさん乙です
・しけい荘
こいつらで何故ソムリエなのかわからんですがw
対戦相手と対戦が楽しみです。かつみんはこのSSに出ないの?
・永遠の扉
なんか若返って変わる人大して変わらない人と面白いなあ。
防人は大変だな、元からある意味問題児揃いなのに。
408 :
作者の都合により名無しです:2008/08/15(金) 22:54:18 ID:F0VHNf1b0
意外と面白い今回のオリンピック
サナダムシさん、スターダストさん乙です。
お2人が来ているとバキスレって感じがしますな
江田島平八は男塾の塾長になる前、雀荘の店長をやっていた。高田馬場のノース
ウエストという雀荘だ。ある日の夜、この雀荘で究極の闘牌が行われた。
「わしゃ打たんぞー!」
江田島は最初、対局を嫌がった。他のメンツはのび太、ドラえもん、アカギとい
う顔ぶれで、みんなマナーのマの字も知らない迷惑千万な客だった。江田島も客を
いじめるのが趣味だったのでそこに文句はないのだが、アカギにさんざんカモられ
たのはショックだった。最後にもう半荘やりましょう、と誘われているのだが、も
うアカギとは打ちたくない。始めに10万点もらったとしても絶対に打ちたくない。
「じゃあ100万点あげる」
「そんなもんはいらんわー!」
江田島は雀卓にどっかと座ってサイコロを回した。起家は江田島になった。点箱
にはのび太からもらった100万点分の点棒が山盛りになっている。
「あ、100万点もらったからやる気になったんだ」
「貴様らがピーピーうるさいからしょうがなく混ざってやるんじゃ! 100万点なん
ぞなくったって、ワシが本気で打ったらどいつもこいつも犬のクソじゃい!」
「じゃあ100万点返して」
「それとこれとは話が別じゃー!」
東1局、親の江田島の第1打、西。
「貴様らさんざんワシを侮辱しおって、もう許せん! 本気の本気で実力で勝つ!
そして100万点は絶対に返さん!」
気がついたら対局が始まっていた。東1局にして江田島が100万点のトップという、
圧倒的な展開だった。
「ねえねえドラえもん。江田島さんはトップを取れると思う?」
「思う思う。それロン」
一二二三三四(999)77西西
「ふーんそっか。アカギさんも江田島さんがトップだと思う?」
東2局、江田島の第5打、二筒。
「ああ。ロン」
(1345556789)中中中
アカギとドラえもんは、江田島から暴風のようにアガりまくった。そしてオーラ
スが終了した。
「結果」
江田島 350,100点
アカギ 350,000点
ドラえもん 349,900点
のび太 25,000点
アカギとドラえもんの猛追及ばず、江田島が辛くも勝利した。
「わーい! やっぱり江田島さんの優勝だー! さっすがー!」
のび太は江田島に抱きついて喜んだ。アカギとドラえもんも江田島に拍手を送っ
た。江田島がんばった! 江田島えらい!
「全然嬉しくないわー!」
江田島は全身から怒りの炎を吹き上げて厨房にかけ込んだ。厨房から猫の鳴き声
みたいな絶叫が聞こえてきて、少しして江田島が戻ってきた。体中に茶色と赤の染
みがついている。厨房ではセワシが夜食のカレーを作っているはずだった。
「100万点もらって100点差のトップってなんじゃそれ! わしゃどんだけカモにさ
れとんじゃ!」
「わかったらそこに座りなさい」
のび太は静かな口調で言った。しかし江田島の怒りは収まらない。
「貴様はこの半荘、なーんもできんかっただろうが! 偉そうにすんなボケ!」
「座りなさい!」
のび太はもう一度、少し厳しい口調で言った。アカギとドラえもんも黙って江田
島を見ている。江田島はなんだかいたたまれなくなって、おとなしく席に座った。
「江田島さん、100万点あるから少しぐらいふっても大丈夫とか思ってたでしょ」
「おす」
江田島はしょげかえってうなずいた。蚊の鳴くようなか細い声だった。
「ズルしてこの程度しか勝てないのって、すごく恥ずかしいでしょ」
「おす」
「最初からちゃんとした点数で打ってたら、油断しないから勝ってたかもよ」
「おす」
のび太の説教に、江田島は返す言葉もなかった。アカギが江田島の肩を叩いて優
しく言った。
「正々堂々とやろう」
「おす! わし正々堂々とやる!」
「よし。この半荘はなかったことにして、最初からやり直そう」
「おす! わし正々堂々とやる!」
仕切り直しの東1局、起家はアカギ。点棒はみんなキッチリ25,000点で、のび太だ
け万点棒が500本多い。
「いやいやいやいやのび太さん」
江田島は笑いながらのび太の万点棒をへし追ってゴミ箱に捨てた。ドラえもんは
変なサングラスをかけている。
「いやいやいやいやドラえもんさん」
江田島は笑いながらサングラスをひったくって、自分でかけた。麻雀牌が透けて
見える未来のサングラスだった。アカギの手を見るとすでに国士無双をアガってい
る。
「ククク……」
「いやいやいやいやアカギさん。クククじゃなくて」
江田島は笑いながらサングラスをひねり潰して窓から捨てて、アカギの手牌を頭
突きでこっぱみじんに砕いた。
「さあみんな! 正々堂々と闘おう!」
「いえー!」
答え。ムリです。
60分になりました。しかもその4に続く。
413 :
作者の都合により名無しです:2008/08/16(土) 12:59:22 ID:jCQOJN3A0
少しずつ伸びてる・・
でも麻雀ってことはVSさん?
「わーい」ってのもVSさんっぽい
やっぱりVS氏か?
麻雀の描写とかドラえもんの麻雀教室見たいだ
文体も確かにそっくり。でもHP変化無いからな・・
本当にVSさんなら週間少年漫画板のヤクバレも復活させてください
違ってたらごめんなさい。
次、誰か来たらそれが最後で次スレくらい?
ホームページは画像をあらかた削除されてしまったので
非常にやる気がなくなりました。
あと、これが麻雀教室最終回その5ってことにします。
VSさんか!こりゃ嬉しい。
出来ればウソバレやHPのブログも復活させてほしい
でも麻雀はSSごと消えてるんだよね。マジ残念
あと簿記3級合格おめでとうございます。多分。
ハロイさんも復活せんかな
銃創がまだ真新しい壁に、優は拳を叩きつけた。
「くそ……また間に合わなかったか……!」
硝煙と鮮血の匂いが、優の苛立ちを煽り立てる。
地面にこびりつく血痕、転がる無数の死体、無惨に破壊された建物。
すべて鉤十字騎士団の仕業だ。
奴らは大胆にも憲兵隊の基地を襲撃し、殺戮の限りを尽くしたのである。
「……親衛隊は相変わらずのようね。半世紀の時を経てなお、いまだに血を求め続けている」
ティアもまた優の傍らで基地の惨状を見つめていた。
常に冷静さを失わない彼女も、このときばかりは怒りを隠せずにいた。
憲兵隊の基地が鉤十字騎士団の奇襲を受けている。
待機していた二人に、切迫したその通信が飛び込んできたのは、ほんの数分まえだ。
優とティアは現地に急行したが、時すでに遅し。
親衛隊の姿はなく、後には殺戮の爪痕が虚しく広がっていた。
基地の状態は、惨憺の一言に尽きた。
生存者は皆無。将兵から新兵に到るまで、徹底的に殺しつくされていた。
誰とでも打ち解ける人となりの優は、まだ出会って間もない憲兵隊とも友好を深めていた。
気のいい奴らばかりだった。
一人も死なせることなく、任務を終えることが出来ればいいと思った。
だが、無駄死にをさせてしまった。悔しさに腹が煮えくり返りそうだ。
そんな不甲斐ない自分に腹が立っている優を、さらに逆なでするものが壁に残されていた。
血文字で描かれた「のろま野郎」と「次はお前達だ」というメッセージ。
いうまでもなく鉤十字騎士団が自分らに残したものに違いない。
「これで、何度目だ」
「三度目よ。同時に二箇所で襲撃が起きていることから、どうやら敵は複数でことに当たっているようね」
此処以外のいくつかの基地も、鉤十字騎士団によって、壊滅的な被害を被っていた。
早急に人員の補充が為されているが、すぐに元の態勢に復帰するのは難しい。
これではナチ残党に何か動きがあった時に、まともな対応がとれない。
鉤十字騎士団だけならば、スプリガンで対処できる。
だが、奴らがネオナチを率いて、ウィーン全土で大規模なテロを仕掛けてきたとしたら。
一騎当千の実力を持つスプリガンといえど、広範囲に渡る敵の活動を抑えることは不可能だ。
奇しくもこの戦略は、鉤十字騎士団に対する優達のそれと似通っていた。
武装した憲兵隊を容易に殲滅する戦力。そして機を正確に見極め、撤退する判断力。
あまりの素早さに満足な対応がとれぬまま敗れ去ってしまう。
半世紀前に連合軍を苦しめた電撃戦のやり方だ。
その見事なヒット&アウェイに、優達は翻弄されていた。
優は、苦悶の表情のまま死んでいる憲兵隊の兵士を見た。
機関銃で蜂の巣にされた死体。太い槍のような何かで急所を穿たれた死体。
中には、命乞いの末に嬲り殺されたような死体もあった。
――へどが出る。
優とて、人間が戦場という極限状態の中で、いくらでも非情になれることは知っている。
そして、昨日まで生きていた人間が、次の日に物言わぬ屍と化すことも、痛いほど理解している。
その不条理さを軍人は日常として受け止める。
だが、優は違う。理屈では分かっていても、それを許容することができない。
良くも悪くも彼は若かった。そしてなまじ力を持つが故に、悩む。
他に方法があったのではないか。
もし自分がもっと速く辿り着いていれば、こんな殺戮は起きなかったのではないか。
一人でも多くの人間を助けることが出来たのではないか。
任務で仲間が傷つき死んでしまうたびに――優はそんな葛藤に陥り、自分を苦しめる。
「くそ!」
再び拳を叩きつける。焦燥と苛立ちばかりが募る。
ただ時間だけが浪費されていく。何か対策を立てねばならない。
さらに犠牲者が増える前に――
「落ち着きなさい、優」
穏やかな――怒りで目が曇っている優にとっては憎らしくなるほどの――口調で、ティアが言った。
「そんな調子じゃあ、返り討ちにあっちゃうわよ。冷静になりなさい、冷静に」
何を悠長な、という言葉が喉から飛び出そうになったが、すぐに飲み込んだ。
優は自分を取り巻く状況について頭をめぐらせた。
思い出す。ロンギヌスが奪還された夜、自分と相対した剣士のことを。
まだ刃を交えてすらいなかったが、彼女の実力は痛いほどわかる。
心臓を締めつけられるような殺気。全身から放出される剣気。
背中に冷たいものが流れるのを、優は感じた。自分にこれほどの戦慄を覚えさせる者は、そうはいない。
おそらく、憲兵隊の基地を襲った連中も、同等の実力を備えているだろう。
苦戦は免れない。
だがそうだといって、自分は奴らを好きにさせておけるのか?
答えは否だ。
鉤十字騎士団を野放しにしておけば、いずれ、全世界に騒乱を引き起こすに違いない。
そんなことは絶対にさせない。
どんなに困難なことだろうが、知ったことではない。
自分の無力さ故に死なせてしまった人達のためにも。
日本にたくさんいる、自分の大切な人達のためにも。
必ず鉤十字騎士団を斃し、ロンギヌスを奪い返す。
不意に優は、自分の頬をぱん! とひっぱたいた。
痛みで頭がクリアになり、すっきりとした表情でただ一言、
「すまん」
と、謝った。
「気にしないで」
ティアは満足げに笑った。
――もう、大丈夫ね。
優がいつもの調子を取り戻したのを見て、ティアは安堵した。
確かに鉤十字騎士団は強敵だ。
だが彼は、これまでにも多くの修羅場を潜り抜けてきた。
今回も見事困難に打ち勝ってみせるだろう。
だがウィーンで勝利を収めたとしても、それで戦いが終わるわけではない。
先を見据えねばならない。鉤十字の亡霊を退けた後には、あの魔女が控えている。
グルマルキン・フォン・シュティーベル。
ティアの古代高等魔術とは違う、ルーン魔術を得意とする魔術師。
蛇のように狡猾で、野獣のように獰猛な、強敵だ。
彼女は手段を選ばない。障害があれば、いかなる方策を駆使してでも排除する。
それに、決して浅くない因縁が、自分らにはある。
おそらくグルマルキンは、自分を殺すためにあらゆる策略を巡らしてくるだろう。
万全な状態でなければ、彼女を滅するまえに、不覚をとりかねない。
準備が必要だった。グルマルキンを完全にこの世から抹殺するための準備が。
――そのためにアーカム本部へ、自分の装備の用意を打診しておいた。
地下"遺跡"倉庫に封印してある、スプリガンになる前に彼女が使っていた魔術礼装。
普段のティアは、コーリング・ビーストのための召喚符しか携行していない。
古代高等魔術に精通する彼女ならば、召喚符のみでも十分な戦力を誇るが、今回だけはそうはいくまい。
自分のカードをすべて切る覚悟でなければ、鉤十字の魔女を完全に滅するのは不可能だ。
ウィーンでの戦いには間にあわないだろう。だがグルマルキンとの決戦では、心強い味方となってくれるはずだ。
ともかく、今の翻弄されている状況をどうにか打開しなくてはならない。
まだ襲撃を免れている憲兵隊の基地は複数存在しているが、おそらくそのすべてを同時に襲撃できる
ほどの機動力を、鉤十字騎士団は持っている。
つまり、次にどの基地が標的なるのかまったく予想がつけられないのだ。
憲兵隊が歯が立たない以上、スプリガンが相手をしなければならないのだが、人数が二人しか
いないため限界がある。
だが、敵が憲兵隊を狙っている以上、その対策を取りやすいのもまた事実であった。
「さっき、まだ無事な憲兵隊の基地のすべてに、転移魔法陣を刻んできたわ。
これで親衛隊が次に襲う基地の予想が外れても、奴らが退却する前に辿り着くことが可能よ。
あとは複数の襲撃に備え、二手に別れて敵の出方を待ちましょう」
敵が憲兵隊の基地を襲撃している理由は、血のメッセージからも明らかだ。
奴らはスプリガンを抹殺しようとしている。
自分らをおびき寄せるためだけに、憲兵隊を血祭りに上げたのだろう。
ならば、その考えが変らないうちに――標的を一般市民に変更する前に、鉤十字騎士団を
待ち構え、打ち倒す。
たとえ別の基地に鉤十字騎士団が現れたとしても、一度でも奴らの姿を確認できれば、どんなに
距離が離れていても一瞬で目的地に移動できる転移魔法陣で不意を突くことができる。
だが、この作戦は様々な危険性を孕んでいた。
その一つは戦力の分散だ。敵の人数がはっきりしない上に、相手がどれほどの手合いかわからない
この状況では、二手に分かれるのははっきりいって得策ではなかった。
もう一つはこれが受身的な作戦であることだ。
防衛戦は常に意識の緊張を強いられ、そしてその状態が長期間続けば、確実に心身に悪影響を及ぼす。
何より敵の狙いがその心理的な揺さぶりであるかもしれないのだ。
そういった諸々の要因もあり、欲を言えばこちらから先手を打ちたかった。
だが、状況がそれを許さない。
ウィーンは広大であり、編成の真っ最中である憲兵隊抜きに二人だけで敵を探し出すのは困難であり、
何より探索中に再び奇襲が起こった場合、また同じことの繰り返しになってしまう。
ティアが得意とする古代高等魔術も、鉤十字騎士団を探し出すには決定的な手段とはいえなかった。
神秘の一端に触れたことのない人間の目には、魔術は底無しの深淵のように映るものである。
だが彼女の言葉によれば、魔術は決して万能なものではなく、きちんとした理論体系が存在し、
最適な条件と環境が揃わなければ、数々の奇跡を実現するそれも、無用の長物に成り下がるという。
今から探索のための術式を組み立てるには、あまりに時間が足りなすぎる。魔女はそう結論付けた。
ということで、殆んど苦肉の策に近いものであっても、この方法を取るしかなかった。
しかしこれでいくらかの光明が見えてきたのも、また事実であった。
明確に目標が定まれば、兵の士気はあがる。
士気は戦いにおいて重要な要素だ。戦場の趨勢を決めてしまうほどに。
「やっと、あいつらをぶっ飛ばせるってわけだな」
優は不敵な笑みを浮かべながら、両の拳を突き合わせる。
確かに状況から言えば、こちらが不利だ。
だがたとえほんの僅かな勝機しかない窮地においても、最後に勝利を掴むのが御神苗優という人間であった。
連中に思い知らせてやる――スプリガンを敵に回したことが、どれほど恐ろしいことなのかを。
すっかり覇気が戻った優を見て、ティアは苦笑いを浮かべながら付け加えた。
「予想外の事態が起こらない限り、ね」
「ま、予想外っていったら、初めからそうだけどな。まさかナチ残党が絡んでくるなんてよ」
そもそも、最初にロンギヌスを狙っていたのはナチ残党ではなく、武器商人<トライデント>であった。
鉤十字騎士団に敗れ去って以降、彼らは沈黙を守っている。戦力を建て直し、息を潜めて機会を窺っているのかもしれない。
もしその推測が正しければ、鉤十字騎士団との戦いの最中、背後からの伏兵に討たれる、という可能性が浮上してくる。
だが、もはや<トライデント>にそれだけの力は残されていないだろう。もとより組織としては死に体であった上に、
虎の子であった<COSMOS>の残存部隊を鉤十字騎士団に駆逐されてしまったのだ。
スプリガンと鉤十字騎士団との戦闘に割り込もうとしても、両者の挟撃に合い再び脱落するのが落ちだ。
だから優もティアも、さして危機感を抱いていなかった。
「ま、もう一度動こうって胆力は、もう<トライデント>にはないだろうぜ。きっと今頃、指でもくわえて
地団駄してる最中だろうよ――」
グラウサム・ヴァルキュリエ隊に不意打ちを食らいました。
スタッフは彼女達とテンさんのスピンオフ作品を作るべき。
>>320 ありがとうございます。
戦闘はまだですが、ヴァチカンとトライデントの状況の描写が終われば、
各勢力の衝突が始まります。
スプリガンもたくさん活躍してくれるでしょう。
>>330 実はアリスはアームズのオマージュではなかったり。
オリキャラは好きに動かせる分、さじ加減が難しいです。
>>344 御伽噺部隊はみんな仲良し、でも敵には容赦しない、みたいな感じで考えました。
>>346 予定としては別SSを連載しようと考えていましたが、ロンギヌスが終わったあと、
朧を主役にしたSS書きます。今決めました。
舞台は日本か中国かまだ決まっていませんが、スプリガンを抜けた後の彼を主軸にした、
キョンシーや仙人が出るバトル物です。
>>347 ペースは体調に左右されるので、どうしても不定期になってしまいますね。
SS作家さんには一日20キロバイト書ける人もいるので、その境地まで達したい
と思ってはいるのですが……
ふら〜りさん
御伽噺部隊は自分の好きな要素を詰め込んだので、原作キャラと一緒に
楽しんでもらえれば幸いです。
オリキャラは自由に設定できるのが楽しいのですが、
どこで線を引くべきかが難しいです。
設定段階ではまだまだ他にもメンバーがいたのですが、話の都合上、
お蔵入りにしました。
さいさん
ヒロイン二人がついに出会いましたね。
見ず知らずの人間にここまで優しくできるまひろ。
吸血鬼は強いように見えて弱点だらけ、何より見知らぬ土地で心細かったセラスにとって
心強い味方になるはず。
でも宿舎に連れ込むとなると、なかなか問題が山積みのよう。
ブラボーは彼女の存在を知っているようですが……
銀杏丸さん
ホムンクルスもそれと戦う錬金戦団も、一般人からすればどちらも大差ない
存在じゃないか、と思いました。
錬金術を駆使する魔人達。
数で劣っている聖域が危機を脱するには、一筋縄じゃいかなそうですね。
スターダストさん
年齢退行能力ですらやっかいだったのに、超再生能力まで備えているとは。
これまでのホムンクルスの中でも、最強クラスですね、鐶。
でもどこか抜けたところがあるのも可愛いですw
425 :
ふら〜り:2008/08/16(土) 23:00:32 ID:Y9SnP4yI0
>>サナダムシさん
しけい荘では柳に次ぐ社会適合者(ナンボのもんじゃい、ですが)のドイル、流石に言ってること
はまとも。意外なほどスジが通ってる。ドリアンの舌先もそう、これなら充分視聴者をケムに巻け
そうな。柳もまぁ演技ぐらいはできそうですが、後の二人……対策は用意できてるのかドイル?
>>スターダストさん
鐶、凄すぎる。自分の長所短所を見極めて最善の戦法をとるタイプと思ってたら、それプラス
単純に素で強い! パワー、スピード、耐久(回復)力、我が身まで巻き込んでのスプラッタ
な強さの魅せ方は、さいさんのアンデルセンを思い出しましたよ。外見は対極なのに劣らず!
>>VSさんっ! (お互い、ここで取った歳はゴマかせませんね。でもそれが嬉しくもあり)
変わらぬキレ味が楽しいです。ドラとアカギと男塾のコラボ、そして麻雀勝負、だけど全然勝負
になっちゃいねぇ、なんて作品を描けるのはVSさんだけ。とんでもない長時間の半荘だったはず
なのに、のび太が無傷ってことは延々と江田島へのロン……神域の男とネコ型ロボ、容赦なし。
>>ハシさん
前回→今回の流れが好きです。強力無比な敵の暴れっぷり、犠牲となった人々、そしてそれに
怒りを燃やすヒーロー。萌えヒロインも複雑な超能力戦も好きですが、本業(?)が特撮ヲタの
私としては、やはり上記のような燃え土台があると物語にノれます。活躍を期待してるぞ優!
426 :
テンプレ1:2008/08/17(日) 00:37:53 ID:MlPOy7jF0
427 :
テンプレ2:2008/08/17(日) 00:49:32 ID:MlPOy7jF0
428 :
テンプレ3:2008/08/17(日) 00:50:09 ID:MlPOy7jF0
429 :
ハイデッカ:2008/08/17(日) 00:54:29 ID:MlPOy7jF0
鬼平さんと流花さん現スレで復活して現スレで完結してしまったんだなあ…w
しかしVSさん復活は嬉しいですな。
あと、ハロイさんと邪神さん、次スレ中には復活して下さい…。
人のことは言えんけどなw
ちょっと今回駆け足で作ったんで、もし間違ってたらごめんなさい。
480KB超えるとちょっとまずいので時間を少し置いて
明日の昼あたりに誰か新スレお願いします。
ハシさんスプリガン毎回楽しみにしております。
皆川作品大好きなので。優&ティアも現在進行形で楽しんでますが
朧編も楽しみですな。スプリガン最強は絶対彼だと思う。
430 :
作者の都合により名無しです:2008/08/17(日) 12:32:54 ID:BfPurKuq0
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