【2次】漫画SS総合スレへようこそpart43【創作】

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440スターダスト ◆C.B5VSJlKU :2006/10/30(月) 00:03:01 ID:Xxc45b750
>>375さん
難しいところですね。興味は持っていそうなんですが。

>ふら〜りさん(噂であり18歳であり30歳であり)
どうも自分の描く男女の関係の雛形になっているのは、「燃えよ剣」の土方とお雪さんのよう
です。カッコいい男性を、ただの色香ではなく柔らかな諧謔で崩して戸惑わせて、けれどどこ
か深い信頼で繋がっているような。……あぁ。自分の感性って中年っぽい。

>銀杏丸さん
正に「熱く燃やせ奇跡を起こせ」。創痍を物ともせず立ち向かう二人は熱い!
星矢キャラではありますが、どこかリンかけに通じる熱さを感じました。
対するポセイドンの老成した佇まいもまた。敵のままでもカッコいいかも!

神話は楽しみにしております。想像してたよりドロドロしてそうですけど、そこがまたw
パピヨンは根底の部分じゃ鬱屈の人だと思うのです。まぁ、その辺りはおいおい描写して
いきたいトコロですが、登場がずっと先…… 前倒しも検討中。

あ、>>432最後の一行の「コーフレーク」は「コーンフレーク」の間違い……
折りを見つけて修正分をまとめサイトへ。
441作者の都合により名無しです:2006/10/30(月) 10:41:32 ID:nIQyGaHc0
バキAAはよく見るけど、スカートのAAはどこで見つけられたんだw

スターダストさん乙です。
他人の恋愛にはきゃあきゃあ言ってるけど自分には奥手なまひろと
普段冷静なくせに色恋沙汰には免疫が足りない秋水は微笑ましいですな。
よりによってデートの場が変人バーガーですがw

栴檀香美とかは知らなかったなあ。

442作者の都合により名無しです:2006/10/30(月) 17:23:28 ID:tSeAe1U40
秋水もまひろも異性と一対一のデートは初めてだろうな
集団や兄姉ならともかく。初々しいな。
キャラも増えて賑やかになってきたね。
俺もドラマCDキャラはまったく知らんけどw
オリジナルキャラとして楽しませてもらいます。
443作者の都合により名無しです:2006/10/30(月) 22:52:41 ID:8V0AmxJl0
スターダスト氏お疲れ様です。
まひろと秋水のデートもいいけど、
直情径行のトキコと腹黒い桜花のやり取りも楽しいな。
444ふら〜り:2006/10/31(火) 08:25:42 ID:bTgaBbR20
>>昼休みさん(おいでませ、でしょうか? 次回作完成の折には、ぜひお見せくだされっ)
詩的だったり電波飛んだり人情入ったり……和んで吹いて感動して。言葉通り、笑いあり
涙ありでした。つーか奈津子さん、勇ましい(?)男気と女らしい優しさとを持ち合わせ、
ちょっとボケたりもして、かつ美人。何気に凄くいい女。ひと時の幸せでしたねキャプテン。

>>NBさん
>彼女もまた、心のどこかで思っている事なのだ。
うぅ……仕方ないこととはいえ、これは結構コタえます。もはや誰の過去も未来も、強敵も
裏切りもどうでもいいから、とにかく二人に仲直りしてほしいというか。でもイヴはともかく、
スヴェンは命懸けで確固たる決意してるしなぁ。焦土作戦、地を固める雨となってくれるか。

>>銀杏丸さん
とてつもなくレベルの高い戦いをしている。が、まだまだ海皇には余力がある、というより
遊んですらおらず、遊べるようになるのを待っている。「星矢」はまず青銅になる為に苦労
してそこからランクアップしていく物語でしたが、本作は黄金がデフォ。やっぱり高い…

>>白書さん(おいでませ。当地でも存分に腕をお振るい下されぃ!)
さくらですかっっ。んで時は既に「小狼くん」状態であると。しかし言われてみれば確かに、
さくらのバトルは派手ながらも穏やかでしたね。殺意ありげなのもゼロではなかったですが。
ともあれ、科学と魔法のヒーロー&ヒロインたちのクロスオーバー、楽しみにしてますぞっ!

>>スターダストさん
AA使用とハンバーガーショップ舞台裏。スターダストさんの得意技(?)、久々炸裂ですな。
緊張しつつも気配りのできるまひろ、本人の気持ちはともかく結果的に家事能力の高さを
披露してる斗貴子、あの総角の部下らしく、人道弁えたる香美。各方面に百花繚乱です。
445作者の都合により名無しです:2006/10/31(火) 10:21:53 ID:1v6EUTT/0
ふらーりさんもそろそろ・・
446作者の都合により名無しです:2006/10/31(火) 22:35:52 ID:1v6EUTT/0
バレさんは忙しいのかなあ・・
447虹のかなた:2006/11/01(水) 15:57:15 ID:tTPDCHhR0
ごきげんよう。皆様。お久しぶりです。
今更ですが   http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/niji/34.htm の続きです。



ジュネが飛び出していく斗貴子を止めなかったのは、アテナに制されたせいであった。
緊迫した二人の空気に割り込んでいった斗貴子を横目で追いながら、その理由を問う。
「アテナ……?なぜ……」
「これをあなたに」
私の問いにスッと笑みを消し、こちらを真っ直ぐに見据えたアテナが右手を差し出した。
「これは……!」
見覚えのある六角形の物体。
表面に何も記されていない――――本物ならばナンバーが刻まれているはずのソレは、数日前にアテナがジュネに託し、斗貴子との接触のきっかけとして使わせたモノ。偽の、核鉄。
何故今になってこんな物を……。
困惑気味にアテナを見返した私は、その瞬間息をのんだ。
瞬く間に膨れあがる――――神の小宇宙。
目前の少女が、“城戸沙織”から“女神アテナ”へと変わる。
「女神アテナの名の下に……カメレオン星座の聖闘士、ジュネに命じます」
アテナの声は決して大きなものではない。
なのに圧倒的な威圧感を持つその声に、知らず知らず冷や汗が頬を伝う。
なおも膨らみ続けるアテナの小宇宙が雨を弾き、側に立つジュネの髪や衣服の湿り気までもを蒸発させる。
その強大な小宇宙にやっと我に返った私は、慌てて自分の唯一神へ跪き頭を垂れた。
「私はこれから紅薔薇さまと共に瞳子様の元へと向かいます。あなたに与える命令は三つ。一つは、これから現れるホムンクルスをこの学園内で殲滅すること。二つ目は、あなたはあくまでも斗貴子さんのサポートに徹すること。三つ目は」
そこで言葉を句切り、アテナは偽の核鉄を私に握らせた。
「三つ目は、先程の二つが終わったのなら……コレを持ってお聖堂へお行きなさい。わかりましたね?」
「はい」
「それと……」
アテナが指先が私の頬に触れ、緩やかに導かれるままに顔を上げる。
「あなたがこの試練を無事に乗り越えることを信じています。……死んではなりませんよ、ジュネ」
「……はい」
アテナの言葉の真意はわからない。
だが、その声音からアテナの真剣さを、視線からわずかな憂いを感じ、この命令の意味を問うことは憚られた。
448虹のかなた:2006/11/01(水) 15:58:08 ID:tTPDCHhR0
「……来ましたね」
僅かに眉間を寄せたアテナが唐突に呟く。
この言葉の意味はわかるので、私はしっかりと頷き返した。
先程から自分の感覚に引っかかるものが、こちらへと近付いてきている。
「はい。…………四人……四体と呼ぶべきでしょうか。恐らくホムンクルスだと思いますが異常な小宇宙が近づいています」
明らかに人間が持つモノとは違う小宇宙を纏った何かは、もうすぐそこまで来ている。

「嘘つき!!」

ヒステリックな声に視線を戻す。
例の少女が斗貴子と紅薔薇さまに背を向けて走り出す。
投げ捨てられた傘を蹴飛ばし、斗貴子が走り去る少女を追いかける。が……。
足を止められた斗貴子と紅薔薇さまの前には、走り去ったはずのあの少女がいた。
しかも四人。違うのは髪の長さだけで後は全く同じ容姿だ。
「アテナ、あれは……」
「恐らくは……人に在らざる者……。“オリジナル”の萌奈美さんは行ってしまわれたようですね」
私の問いに少しずれた答えを返し、アテナは潜んでいたお聖堂の影から足を踏み出した。
紅薔薇さまと斗貴子、ホムンクルス達との距離は数メートル。
その短い距離を一歩進む毎に、小宇宙を高まらせていくアテナの後を慌てて追いかける。
「紅薔薇さま」
「沙織ちゃん?!ジュネさんも……!どうしてここに……」
振り向いた紅薔薇さまが驚いた声を上げた。だが。
「……そうか……沙織ちゃん……」
アテナを見つめ、一人納得したような言葉を漏らす。
ホムンクルス達から目を逸らさない斗貴子とは対照的に、紅薔薇さまは完全にアテナと向かい合う。
人食いの化け物を目前にし、それらに背中を見せるという行為は自分には理解できるかねるが、紅薔薇さまは真っ直ぐにアテナを見つめている。
一体何を考えているのだろうか。
「沙織ちゃん、瞳子の居場所を知っているよね?」
紅薔薇さまの口調はとてもはっきりしていた。
私にもわかる。
紅薔薇さまのこの言葉は……“質問”ではなく確信を持った“確認”だ。
449虹のかなた:2006/11/01(水) 15:58:46 ID:tTPDCHhR0
「ええ。……共に来てくださいますか?」
「もちろん」
紅薔薇さまの言葉に訝しむことなく返答するアテナと、危険を伴うだろう行動に即答した紅薔薇さまの間に、目には見えない、だけど確かに感じられる小宇宙の風のようなモノが吹いた。
「では参りましょうか。ジュネ、斗貴子さん。後はお願いします。頼みましたよ」
アテナが紅薔薇さまに触れる。
一瞬、小宇宙が弾けたかと思ったらもうその場にアテナと紅薔薇さまの姿はなくなっていた。
「……どこに行ったんだ?」
相変わらずホムンクルス達から視線を外さない斗貴子が低い声を発した。
「瞳子の救出に向かわれた。私達のやるべき事はこいつらを倒すことだ」
完結に事実を伝えると、斗貴子はチラリとこちらに視線を向ける。
「……大丈夫なのか?」
「あちらは心配ないだろう。シャイナさんも行っているし、恐らく魔鈴さんも……」
魔鈴さんの今回の任務は紅薔薇様の警護だ。
魔鈴さんならアテナの小宇宙の後を追うことなど容易いだろう。
アテナも紅薔薇さまと共にいるのであれば無茶はしないだろうし。
それに…………アテナの護衛として彼もいる。
心配はいらない。
私は、与えられた命令を果たすことだけを考えればいい。
「ここで始末をつけるぞ」
「言われなくてもそのつもりだ」
低い声で告げた宣言に予想通りの答えが返ってくる。
少しだけ笑ってしまった口元をすぐに引き締め、私は四人……いや、四体のホムンクルスを睨み付けた。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

咆吼。そして、斗貴子が跳ぶ。
四本の死神鎌が細雨の中で閃く。
その切っ先が四体のホムンクルスを捉え――――一直線に向かう。
だが。
「なっ……!」
斗貴子はかなりのスピードで突っ込んでいったはずだ。
だが、地面と水平に振るわれた四本の刃が、一本ずつ四体のホムンクルスに取り押さえられている。
450虹のかなた:2006/11/01(水) 15:59:20 ID:tTPDCHhR0
「うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ――――――――」
邪気のない、四つの同じ笑顔。
「お父様から聞いたの」
「斗貴子さんが、いい物を持っているって」
同じ声が同じ呼吸で同じ言葉を紡ぐ。
四人の少女は同じ瞳で斗貴子を見つめる。
「ね、斗貴子さん」
「核鉄持っているのでしょう?」
「核鉄」
「ちょうだい――――――――」
クスクスクスクスと耳障りな笑い声が響く。
一体から伸びた大きな食物がこよられ、鋭い錐となり斗貴子へ突きつけられる。
(どうする……?助けにはいるか?)
シュル、と鞭を手にし、少し迷う。
そのまま右手を挙げ鞭を振るおうとした私は、中途半端な体勢で動きを止めた。
真っ直ぐに敵を見据える斗貴子の瞳は、状況を何一つ諦めていない。
(もうちょい様子を見るか……)
私がその気になれば手助けなど一瞬で出来る。
だがそれは、本当にそれが必要な時だけしかしてはいけない。
でなければ……斗貴子の戦士としてのプライドを傷つけるばかりか、「強くなりたい」という彼女の願いまで砕くことになってしまう。
「強くなるために必要なモノは……信念と、基本。そして…………実戦だ」
だから、実戦を経て一段上に昇ろうとしている斗貴子を邪魔してはいけない。
私に出来ることは彼女を見守り、必要なときに必要なだけ手助けをすることだけだ。
(彼女を信じろ!)
瞬の時にはできなかった、信じたいと思う人を信じること。
あの頃より少し強くなった私なら――――――――出来る。
(斗貴子はきっと……もっと、強くなれる……!こんなところで負けはしない!)
「核鉄ちょうだい!!」
葉の錐が斗貴子の額に突き立てられ、思わず自分の拳に力を込めたその時。
「……武装練金、解除!!」
予想外の言葉が発せられた。
451虹のかなた:2006/11/01(水) 16:00:07 ID:tTPDCHhR0
斗貴子の声と共に処刑鎌はその姿を元の核鉄へと変え――――――――斗貴子の掌に収まる。
突然に掴んでいた物を失い、ホムンクルス達がバランスを崩す。
上半身を捻り錐をかわした斗貴子が、再び叫ぶ。
「武装練金!」
その言葉が終わる頃には、再度武器と化した核鉄がホムンクルスの一体を貫いていた。
しかも心臓を貫くと同時に額の章印を突き刺している。
「無音、無動作の武装練金の発動は戦士の必須条件。そして」
一体の額に突き刺した刃をそのまま横にスライドさせ、すぐそばのもう一体の首を刎ねる。
首だけとなったホムンクルスが上げる悲鳴を踏みつぶすように、四本の鎌が転がる首の脳天に突き立てられた。
「……バルキリースカートの特性は高速な精密機動……。得意な戦闘は対多人数、だ」
「……なるほどねぇ」
思わず納得してしまうのは、誤解とはいえ一度戦闘を交わしたからだろうか。
それとも――――“対多人数”が自分の鞭の特徴と一致するからか。
「……後、二体」
斗貴子の鋭い瞳に捉えられた残りのホムンクルスが息をのむ。
(この分だと私の出番はなさそうだな)
明らかにホムンクルスを上回る斗貴子の戦闘力に、安堵のため息をつこうとした時。
「――――っ!」
振り向いた拍子に揺れた三つ編みに、何かがかする。
(飛び道具……。この前のアイツか?)
あのお茶会の日の戦いで逃がしてしまった、もう一体のホムンクルス。
確かアイツは遠くから何かを跳ばす力を持っていたはずだ。
間髪入れずに襲ってくる弾丸をかわしながらぐるりと周囲を見渡す。
(敵の居場所は……わかる……!)
異常な小宇宙が、私の感覚に引っかかっている。
「……上!」
飛んできた弾丸を拳で叩き落とし、私はお聖堂の屋根まで一気に跳躍した。
「なっ……!どうして……?!」
お聖堂の屋根に立つ十字架を背にした彼女――――“上原萌奈美”がその顔を驚愕に固まらせる。
「傷一つついていないなんて……!あなた一体何者なの?!それにどうしてここがわかるの?!」
「あんなスピードの弾丸を避けるくらい、聖闘士にとっては朝飯前さ。私は」
驚愕から立ち直り、美しい顔を台無しにするような憎悪の表情となった彼女を真っ直ぐに睨み付ける。
452虹のかなた:2006/11/01(水) 16:08:12 ID:tTPDCHhR0
「私はアテナの聖闘士……カメレオン座のジュネ。地上の正義と平和を守る戦士だ!」
ヒュン、と雨を切り、鞭が私の両手に収まる。
「オマエには色々聞きたいことがあるんだ。捕獲させてもらう」
なぜ、このホムンクルス達は皆同じ顔をしているのか。
今、この学園内に何体のホムンクルスが侵入しているのか。
目的は。
組織に属しているのであればその規模は。首謀者は。
そして…………瞳子の安否は。
「セイント……?自分のことを“聖人”だなんて……随分とおこがましいこと」
「そっちの“セイント”じゃないんだけどね」
チラリと眼下に視線をやると、斗貴子が二体のホムンクルスを相手に雄叫びをあげている。
(錬金術とやらがない状態でどこまでやれるかわからないけど……)
戦闘能力は私の方が圧倒的に上だ。
だが私には錬金術の力はない。
それはつまりホムンクルスに致命傷を与えることが出来ないということだ。
目的は捕獲だが……このハンデはかなりこちらに不利となるだろう。
(だけど、それでも)
――――――――――――斗貴子の戦いの邪魔はさせない。
水分を含んだ金色の三つ編みがゆらりと持ち上がる。
ゆっくりと、だが確実に、私は私の中の小宇宙を燃やし始める。

453ミドリ ◆5k4Bd86fvo :2006/11/01(水) 16:09:54 ID:tTPDCHhR0
今回はここまでです。
ご無沙汰して申し訳ありません。
展開はできているのに文章に行き詰まってしまっていたのと、私生活・仕事の忙しさが原因です。
生まれて初めて円形脱毛症になりました……。
職人様方のSSもしばらく読めずにいたので、これから読ませて頂きますね。

それではごきげんよう。
454作者の都合により名無しです:2006/11/01(水) 18:27:39 ID:G1tola9V0
やったー!ミドリさん復活された!!!!!!!!
これでテンプレ作るのにもリキ入るってもんだ。
私生活と仕事が忙しいのは充実している証拠だとは思いますが、
ストレスが溜まっちゃうほどになると考えものですね・・。お体ご自愛を。

>虹のかなた
ご復活にふさわしい急展開かつスピーディなバトルですね。
その中でもやはり高潔なアテナと凛々しいトキコ。次回が待ち遠しいです!
お体に触らぬ程度に、1、2ヶ月に1度位でいいのでお待ちしてます。
ミドリさんファンとして、もうテンプレからは外したくないんですよ。
455テンプレ1:2006/11/01(水) 19:03:38 ID:G1tola9V0
【2次】漫画SS総合スレへようこそpart44【創作】

元ネタはバキ・男塾・JOJOなどの熱い漢系漫画から
ドラえもんやドラゴンボールなど国民的有名漫画まで
「なんでもあり」です。

元々は「バキ死刑囚編」ネタから始まったこのスレですが、
現在は漫画ネタ全般を扱うSS総合スレになっています。
色々なキャラクターの新しい話を、みんなで創り上げていきませんか?

◇◇◇新しいネタ・SS職人は随時募集中!!◇◇◇

SS職人さんは常時、大歓迎です。
普段想像しているものを、思う存分表現してください。

過去スレはまとめサイト、現在の連載作品は>>2以降テンプレで。

前スレ  
 http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1158949830/
まとめサイト
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/index.htm
456テンプレ2:2006/11/01(水) 19:04:22 ID:G1tola9V0
ほぼ連載開始順 ( )内は作者名 リンク先は第一話がほとんど

オムニバスSSの広場 (バレ氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-short/bare/16.htm
AnotherAttraction BC (NB氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/aabc/1-1.htm
上・ドラえもん のび太の超機神大戦 下・ネオ・ヴェネツィアの日々(サマサ氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/tyo-kisin/00/01.htm
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-short/samasa/05.htm
聖少女風流記 (ハイデッカ氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/seisyoujyo/01.htm
やさぐれ獅子 (サナダムシ氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/yasagure/1/01.htm
鬼と人とのワルツ (名無しさん)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-short/waltz/01.htm
Der Freischuts〜狩人達の宴〜 (ハシ氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-short/487/03-01.htm
シルバーソウルって英訳するとちょっと格好いい (一真氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/silver/01.htm
戦闘神話 (銀杏丸氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/sento/1/01.htm

457テンプレ2:2006/11/01(水) 19:04:56 ID:G1tola9V0
バーディと導きの神 (17〜氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/birdy/01.htm
MUGENバトルロイヤル (コテ氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-short/mugen/01.htm
フルメタル・ウルフズ! (名無し氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/fullmetal/01.htm
永遠の扉 (スターダスト氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/eien/001/1.htm
ダイの大冒険アナザー (オタク氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-short/otaku/00.htm
WHEN THE MAN COMES AROUND (さい氏)
 http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1158949830/218-225
『絶対、大丈夫』  (白書氏)
 http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1158949830/418-424
虹のかなた (ミドリさん)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/niji/01.htm
超格闘士大戦 (ブラックキング氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/tyo-kakuto/01.htm
458テンプレ屋:2006/11/01(水) 19:06:21 ID:G1tola9V0
しぇき氏・41氏・全力全快氏が約3ヶ月連絡がないのでテンプレより外れました。
ご復活かご連絡おまちしてます。
私も大好きなかまいたちさんが連載終了でテンプレから外れます。
ぜひ、新作を引っさげてご復帰してください。お待ちしてます。

サナダムシさんは、やさぐれ獅子は一時休止と言うことですが、
短編を精力的に書いてくれているのでとりあえず残しました。
サナダさんの名前がテンプレに無いと寂しいので・・。

あと、>>129でブラックキング氏のレスがありましたので特別に
テンプレに超格闘士大戦を載せました。ご復活の願いを込めて。
でも、次スレテンプレまでにご連絡が無い場合はまた外します。

今回、ちょっとテンプレの変動が多かったのでもしかしたら間違いがあるかも。
なんにせよ、ミドリさんの復帰は嬉しい!!
459テンプレ屋:2006/11/01(水) 19:13:38 ID:G1tola9V0
ごめんなさい、早速ミス。

Der Freischuts〜狩人達の宴〜 (ハシ氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/fullmetal/01.htm

名前を変えた時に長編の移行も直したと思ったけど、直ってなかった・・
460作者の都合により名無しです:2006/11/01(水) 23:08:15 ID:Q27OhNN50
ミドリ様、復活お待ちしてました!
今回はバトルシーンなので展開が激しいですが、
それでも高貴な雰囲気が漂ってきますね。
でも、いつものほんわかした日常も懐かしい。
仕事とプライベートの合間にまたお願いします!
461作者の都合により名無しです:2006/11/02(木) 08:41:13 ID:J9Gspcdm0
ミドリさんお久しぶりです。
今回は斗貴子が華麗に戦いましたけど
次回はジュネが魅せてくれそうですね。
原作に確かジュネの戦うシーンは無かったと思うので
(アニメは知りませんけど)楽しみです。

また、期待してます!
それと仕事疲れに気をつけてくださいね。
462作者の都合により名無しです:2006/11/02(木) 10:25:48 ID:S0oLqcY/0
ミドリさんキターーーーーーーーーー!!!!!!!!
嬉しいです。ジュネのエロいクロスが目に浮かぶようだw
463作者の都合により名無しです:2006/11/02(木) 14:08:11 ID:o3+DGETh0
>テンプレさん
いつもお疲れ様です。ブラキンさん帰ってくるといいですね…

>ミドリさん
ずっと待ってました。復活を心から喜んでいます。
ジュネとトキコとの奇妙な友情がいい感じですね。
464作者の都合により名無しです:2006/11/02(木) 21:46:58 ID:K+O6yhdL0
ミドリさんも復帰したし、俺もそろそろ復帰しようかな
465ワン・ハンドレッド・ミリオン:2006/11/03(金) 00:17:56 ID:iPqf6rwh0
 ドラゴンボールの伝説は真実だった。
 天は暗黒に染まり、巨大な龍が七つの球から生み出された。
「さぁ、願いをいえ。どんな願いでもひとつだけ叶えてやろう」
 じわじわと心に染み込むような、渋い声が発せられる。
 緊張がピークに達し、私は粘っこい唾液を体内にごくりと押し込んだ。
 ドラゴンボール探しを本格的に始めた頃から、何を願うかは決めていた。
 答えはずばりマネー、お金だ。私が生まれる数百年も前に確立された資本主義という世
の中では、金がなければ何もできない。逆にいえば、金さえあれば何でもできるというこ
とだ。
 多かれ少なかれ、物には値段がついている。地位や名誉、愛でさえ思いのままだ。
 私は結論として、一億ゼニーもあれば残り数十年の人生を不自由なく暮らしていけるだ
ろうと踏んでいた。
 ならば今すぐ頼んでしまえばいいのだが、このとき私の中である考えが浮かぶ。
 だれでも子供の頃に一度くらいは「どんな願いでも叶えてやろう」という問いに対して、
空想をふくらませる。オーソドックスな回答としては私のように金、あるいは美女、不老
不死などが挙げられよう。特定の人物に恨みを晴らしたり、世界平和を願う者もあるかも
しれない。
 だが、おそらく究極の回答はこれのはず──。
「あ、あの……叶えられる願いを増やすことは可能なのか?」
466ワン・ハンドレッド・ミリオン:2006/11/03(金) 00:18:46 ID:iPqf6rwh0
 期待はしてなかった。断られたら、すぐにでも一億ゼニーを頼もうと考えていた。むや
みにチャンスを増やすなど、ルール違反もいいところだ。
 ところが、この思惑はいい方に裏切られる。
「可能だ。ただし、同系統の願いを叶えることはできないがな」
「……えっ!? ほっ、ほ、ほ、本当にっ!?」
 目を輝かせる私とは対照的に、淡々とした態度の神龍。この願いが許されることの重大
さなど、まるでおかまいなしといった風に。
「で、いくつにするのだ?」
 さて、いくつに増やそう。金や筋力と同じく、多くて越したことはないはずだ。
 ならば──ついさっきまで一番叶えたかった願いを使ってやろう。
「一億……」
「ん?」
「叶えられる願いを一億に増やしてくれっ! ……あ、俺以外が頼むことはできないよう
にな!」
 瞬間的に浮かんだ卑しい考えをあわてて付け加えたが、どうやら無事ひとつの願いとし
て受理されたようだ。
「よし、増やしたぞ。あと一億個、願いをいえ」
 突如開けたバラ色の人生に対し、私は満面の笑みで応えた。
467ワン・ハンドレッド・ミリオン:2006/11/03(金) 00:19:24 ID:iPqf6rwh0
 私はさっそくありったけの欲望を開放した。
 まずは金、ついで美女。豪邸を建て、ずっと欲しかった高級スカイカーもたやすく手に
入った。さらに健康にしてもらい、どうせ健康になるならばと不老不死も頂いてしまった。
ペットも飼ったし、長年コンプレックスだった悪筆も直してもらった。
「ふははははっ! 最高の気分だぜっ!」
 美女を助手席にスカイカーを乗り回す。葉巻を吸い、十指全てに似合わない指輪をつけ
た。どうしようもない俗物根性だが、今の私に立ち向かえる人間などいない。紛れもなく、
私は全世界でナンバーワンの人間となった。
 ところが、百個ほど願いを叶えたところでだんだんと様子がおかしいことに気づく。
 まず、空がずっと暗いままだ。
 また、どこに行こうと神龍はしつこくつきまとう。やたらに大きい彼の声は、とても無
視できるものではない。
「あと九千九百九十九万九千八百九十六個、願いが残っているぞ」
「ちっ、うるせぇなぁ。少し黙ってろよ!」
「……よし、少し黙ったぞ。あと九千九百九十九万九千八百九十五個、願いを叶えてやろ
う」
 こんな調子である。
 私もこの頃になりようやく、自分の過ちに気づいた。
468ワン・ハンドレッド・ミリオン:2006/11/03(金) 00:20:18 ID:iPqf6rwh0
 催促は現在も続いている。眠ることすら許されない。ちなみに「眠らせてくれ」はとっ
くの昔に使ってしまった。その時は一分ほど寝かせてもらえ、すぐに大声で起こされた。
 他にも、もう願いはいらないと頼むと、
「ダメだ。願いの増減は初めの願いと同系統だから叶えられない」
 と冷たく断られてしまった。
 また、通常は神龍は叶える願いがないと消えてしまうそうだが、私によって増やされた
一億個の願いは“願いの結果”であるため、全てを叶えない限りいなくなることはないそ
うだ。
 ちなみに、ごく初期に叶えられたオーソドックスな欲望たちはとうに私の手から離れて
いる。財産は尽き、美女にはふられ、豪邸もだれかの手に渡った。何も考えず「○○が欲
しい」とだけいったので、吸着力がまるでなかったためだ。むろん、健康も今の私にはな
く、不老不死だけはしっかりと機能してくれているから始末が悪い。
 最近では、新しい願いを叶えることさえ難しくなってきた。
「さっき食った刺し身が古くてよ、下痢を治してくれねぇか」
「ダメだ。それは以前叶えてやった健康と同系統だから叶えられない」
「じゃあ、せめてオムツを出してくれ」
「ダメだ。以前叶えてやった新品ブリーフと同系統だから叶えられない」
「オムツとブリーフは別物だろうがぁぁっ!」
 今年で、私は若い肉体のまま百歳を迎える。空は当時と変わらず暗く、近くにはこれま
た変わらず神龍が佇んでいる。
「さぁ、願いをいえ。どんな願いでも九千九百九十九万四千二百五十三個だけ叶えてやろ
う」

                                   お わ り
469サナダムシ ◆fnWJXN8RxU :2006/11/03(金) 00:21:48 ID:iPqf6rwh0
ドラゴンボール短編です。
もう新スレですが、よろしければ読んで下さい。

ミドリさん復活おめでとうございます。
また、『やさぐれ獅子』をテンプレに残しておいて頂きありがとうございます。
470作者の都合により名無しです:2006/11/03(金) 10:23:32 ID:J/AEJKGQ0
すごいなサナダムシさん。よくこんなアイデア思いつく。
「願いを増やす」ってのは誰でも思いつくけど、そこからネタにまで広げるとは。
お見事です。
471作者の都合により名無しです:2006/11/03(金) 15:53:09 ID:XHbFEtAw0
お疲れさんですサナダムシさん。
最近、短編専属になっちゃいましたね。
やさぐれ獅子の続きかまた長編が読みたいなー

でも、短編もさすがにうまいですね。
人間の欲深さとか、間抜けさとかw
よくこんなアイデア沸くなー
472作者の都合により名無しです:2006/11/03(金) 17:03:31 ID:oJOHP4uQ0
>サナダ氏
感動した
あいかわらず
短編なのに構成力や発想がすごいよな
473作者の都合により名無しです:2006/11/03(金) 23:39:18 ID:KmH9lcVj0
やさぐれのテンプレを気にしてるって事は、次スレで復活ありかな?
あいかわらず短編でも良い仕事してんなあ。
474作者の都合により名無しです:2006/11/04(土) 00:50:40 ID:J72fiRay0
長いのあと1本かそこそこの長さの2本くらいで次スレか。
バレさんお仕事忙しいのかな・・
475ドラえもん のび太の超機神大戦:2006/11/04(土) 17:15:44 ID:KaATT8h50
第九十三話「ラグナロク・前編」

そこは宇宙。数多の星々が煌く漆黒の世界。
だが、それは贋物の輝きだ。自然に生まれたものではなく、人為的に造られたもの。
それを造り出した男が、その人工宇宙の中心で佇んでいた。
彼は待っている。己の敵が、ここまでやってくるのを。
―――宇宙に乱れが生まれた。乱れの中からやってくる。彼の敵が。彼を打ち滅ぼさんとする者たちが。
「・・・待っていましたよ、皆さん」
ならば自分はそれに応えよう。その全身全霊を持ってして、全てに終止符を打とう。

「・・・で、どうしよう、ドラえもん」
いざ決戦の地へ、と意気込んでやってきたものの、以前経験したグランゾン・Fの戦闘力を思い出すと、とてもじゃ
ないが勝てるものではないと思ってしまうのび太であった。
そして、ドラえもんの回答は―――
「あいつは、合体することであれほどの力を手に入れたんだ。なら・・・対抗策は一つしかないよ」
ダイザンダーの腹部に取り付けられた巨大四次元ポケット。そこから取り出したる物。
「合体に対抗するには・・・合体しかない!<ウルトラミキサー・改良型>!」
ダイザンダーが掲げたそれからチューブがその場の全ての機体に伸びていく。ミキサーの中でそれらは掻き混ぜられ、
合わされ、新たな形を取っていく。
この間、ほんのコンマ数秒。そしてグランゾン・Fにも劣らぬ超存在が顕現した。
「融合機神―――<バキスレイオス>!」
476ドラえもん のび太の超機神大戦:2006/11/04(土) 17:16:17 ID:KaATT8h50
バキスレイオス―――
ダイザンダーを始めとして、全ての機体が融合した姿。融合した機体の全ての特性、武装を備えた上で、オリジナルを
遥かに凌駕した性能を有する機神。
パイロットも融合し、一人の人間になっているが、人格は全て独立して存在している。
それはもはや機械の領域を超えた存在。グランゾン・Fをデウス・エクス・マキナと評するならば―――
バキスレイオスもまた、デウス・エクス・マキナだ。
グランゾン・Fとバキスレイオス。二対の超存在がしばし睨み合う。
「・・・こうして顔を突き合わせているだけでは、話も進みませんね」
グランゾン・Fの右手が黒い光に包まれた。その光は形を取り、巨大な剣に変形していく。
「―――<グランワームソード>!」
その感触を確かめるかのように、一振り、二振り。そして、構える。
「では、行きましょうか―――」
それに呼応するように、バキスレイオスが虚空に手を伸ばす。
「憎悪の空より来たりて―――」
それは、言霊。それは、祈り。
「正しき怒りを胸に―――」
それが呼ぶのは、魔を断つもの。
「我等は魔を断つ剣を取る!」
無から現れた穢れなき刃を、バキスレイオスは掴み取った。
「―――汝、無垢なる刃―――<デモンベイン>!」
同時にバキスレイオスが疾風の速さで駆け抜けた。グランゾン・Fとの距離は一瞬で零となり、同時に互いの斬撃が
交錯する。
一閃。互いに受け止めあう。
二閃。デモンベインがグランゾン・Fの胸部を僅かに斬り裂く。
三閃。グランワームソードがバキスレイオスの顔面に一筋の傷を付けた。
477ドラえもん のび太の超機神大戦:2006/11/04(土) 17:16:48 ID:KaATT8h50
しかし、その程度の傷はどちらにとってもダメージとは言えない。瞬きすらできぬほどの間に自己修復が完了する。
やがて高速の剣戟が光速の剣戟に変わり、それすら凌駕し神速へと至った。
数千数万の斬撃の応酬の果て、押し勝ったのはバキスレイオス。グランワームソードを弾き飛ばし、グランゾン・Fに
力の限り斬りかかる!
グランゾン・Fの右腕が断ち切られた。次いで左腕。更にデモンベインを振り翳したところで、凄まじい衝撃が襲った。
バキスレイオスの装甲が、大きく抉り取られている。
「ふっ・・・惜しかったですねえ、今のは」
一瞬にして再生を終えた両腕を誇示するように掲げて、シュウが嘲笑する。
「では、反撃といきましょうか」
グランゾン・Fが掌に重力場を発生させた。そしてそれを撃ち出すのではなく、掌に宿したまま殴りかかる。
重力波を纏った掌底による一撃で、バキスレイオスの装甲がひしゃげた。
<グ・・・グラビティ張り手って奴か!?>
マサキが彼独特の妙なネーミングセンスを発揮するが、それにツッコミを入れる余裕などない。連撃に次ぐ連撃に
翻弄されつつも、距離を取って態勢を立て直す。それと同時にバキスレイオスの全身から砲門が展開した。
そして、その砲撃に敵を撃ち貫く強固なイメージを与える。搭載されたラムダ・ドライバによってそれは物理的な力に
変換された。そして、閃光!
「―――フルバースト!」
幾条もの閃光がグランゾン・Fを貫く。装甲が焼け、溶け、爛れる。それから回復する一瞬の隙を見逃さない。
加速。加速。さらに加速。
「バキスレイオスの機動性なら―――こんなことだってできるんだ!」
バキスレイオスが最大速度に達した瞬間、その姿が三機に増えた。本当に分身したわけではない。あまりの速度に、残像が
発生したのだ。そして一気に襲い掛かる!
「―――<ジェットストリーム・アタック>!」
ありえるはずのない単体での連携。本来ならば三機で行う攻撃を、たった一機で行うことすらバキスレイオスには可能だ。
だがこれでも、グランゾン・Fに与えたダメージはそこまで大きくはない。じきに修復を終えてしまうことだろう。
さらに追い討ちをかけようとしたところで、動きが止まった。その理由はグランゾン・Fから放たれる、凄まじい鬼気。
478ドラえもん のび太の超機神大戦:2006/11/04(土) 17:17:18 ID:KaATT8h50
「確かにあなたたちは強い・・・しかし、それでも私に勝てる確立など、万に一つもありません」
グランゾン・Fの両掌から溢れる、膨大なエネルギー。
「あなたたちの存在を、この宇宙から抹消してあげます」
それをバキスレイオスに向けて、一気に撃ち出す!
「<縮退砲>―――発射!」
「!?くっ・・・!」
回避は、間に合わない。咄嗟にデモンベインを掲げ、防御結界<旧神の印>を発動させる。同時に、縮退砲が直撃する。
世界すら破壊せんばかりのその威力―――<旧神の印>でも防ぎきれず、バキスレイオスは大きく弾き飛ばされた。
ボディから黒煙が吹き上がり、内部動力系が異常をきたす。
だが、バキスレイオスとて並の機体ではない。これほどの損傷でも、ほとんど一瞬で回復可能だ。
一瞬。それはすなわち―――
この戦闘においては、あまりにも度し難い、間抜けなほどに大きな隙だった。
その一瞬で再びグランワームソードを手にしたグランゾン・Fが肉薄する。そして、コクピット目掛けてその切っ先を
突き出し―――そこで、バキスレイオスの拳に打ち払われた。
「なに!?」
「これ、物凄く疲れるからあんまりやりたくないけど―――そうも言ってらんないか」
そう言って、さらに連続で殴りつける。たまらずグランゾン・Fは飛び退き、バキスレイオスの様子を伺った。
既に損傷は全快している。そして機体を包む、神々しいまでの光。
「ちっ・・・<ポゼッション>を使いましたか。しかし、それもその場しのぎにしかなりませんよ」
「だよね・・・」
強力だが、パイロットの体力を容赦なく奪ってしまうポゼッションは長期戦にはまるで向かない。短時間で効果が切れる
上に、切れた後はまるで余力が残らない。敵を倒しきれなければ、そこで終わりだ。
「だけど・・・このまま行くよ!」
「むっ!?」
バキスレイオスが右手にデモンベインを持ち、さらに左手にもう一振りの剣を出現させた。
「デモンベイン、ディスカッター・・・」
479ドラえもん のび太の超機神大戦:2006/11/04(土) 17:17:50 ID:KaATT8h50
同時に、その姿が掻き消える。あまりの速度に、視認ができなくなったのだ。
そしてグランゾン・Fに放たれる、超神速の剣技。
「―――<二刀流・乱舞の太刀>!」
「くっ・・・!」
態勢を大きく崩したところに、更に攻撃を仕掛ける。
「まだ終わりじゃない・・・!」
距離を取り、両腕を大きく開く。両掌に宿る、莫大なエネルギー。掌を合わせ、それを突き出す姿勢で、突撃する!
「―――<ヘル・アンド・ヘヴン>!」
エネルギーの余波で周りの星々を打ち砕きながら、グランゾン・Fに全力でぶつかっていった。エネルギーの奔流が
グランゾン・Fを包み、破壊していく。
だが、荒れ狂うエネルギーが不意に止んだ。バキスレイオスはといえば、両手を突き出した姿勢のまま硬直している。
ポゼッションの副作用―――あまりにも激しいエネルギーの消費のせいだった。そして、パイロットの体力も、底を
尽きている。
今のバキスレイオスは、まさに鋼鉄の棺桶と化してしまっていた。
「ククク・・・残念でしたね」
ゆっくりと態勢を整え、バキスレイオスを遠巻きにする。もはや、勝利は揺ぎ無いものとなった。
パイロットの体力も、機体のエネルギーも尽きた今、それが当然の帰結―――だが。
「・・・そうでも・・・ないよ・・・」
僅かに残った力で、腹部の巨大四次元ポケットの中身をまさぐり、何かを取り出した。デフォルメされたカエルだか何か
の絵がプリントされたシップ薬のような物体だ。そしてそれを自らのボディに貼り付ける。
「―――<ケロンパス>!」
瞬時に機体のエネルギーが全快した。続けて、パイロットの体力も完全回復する。
ケロンパス。一瞬にして全ての疲れを取り去る道具であり、機械に使えばそのエネルギーも回復する。そして、もう一つ
の効果がある。
「一度使ったケロンパスを他の奴に張ると―――そいつに全部の疲労を渡せる!」
480作者の都合により名無しです:2006/11/04(土) 17:26:39 ID:G3hHT7+S0
規制かな?
頑張れサマサさん
481ドラえもん のび太の超機神大戦:2006/11/04(土) 17:31:41 ID:LdgwQCjH0
言って、ケロンパスを投げつけた。重力や空気抵抗があればそんなシップなど飛ぶはずもないが、それらがない宇宙では
問題がない。投擲されたケロンパスはグランゾン・Fに向かって、勢いよく飛んでいった。
「ちっ!こんなものを喰らうと本気で思っているのですか!?」
避けるまでもなく、ケロンパスは粉々に吹き飛ばされた。しかし、それは計算の内だ。ほんの少し隙ができれば、それで
よかった。
グランゾン・Fと逆方向に推進し、大きく距離を取った。そして、デモンベインを構える。
「デモンベイン―――姿を変えろ!」
それに応じるかのように、デモンベインが―――魔を断つ剣が、その姿を大きく変化させる。そしてバキスレイオスの手に
現れたのは、二丁拳銃。
一つは紅色の銃。即ち、全てを焼き尽くす業火。
「炎の魔銃―――<クトゥグア>!」
もう一つは銀色の銃。即ち、全てを凍て付かせる絶対零度。
「冷気の魔銃―――<イタクァ>!」
同時に、トリガーを引き絞る。クトゥグアからは灼熱の弾丸が、イタクァからは冷気の弾丸が放たれた。
対極の二つの力が、グランゾン・Fに容赦なく襲い掛かる。
「この程度の攻撃など・・・!」
シュウはそれを完全に見切り、あっさりとかわす―――だが、イタクァの弾丸は軌道を変化させ、再びグランゾン・Fに
向かう。
「これは・・・追尾弾か!」
思わぬ攻撃に、動きが乱れる。そこに、再び放たれたクトゥグアの弾丸が次々と炸裂した。
直線的で見切られやすいが、その威力はグランゾン・Fの装甲を易々と破壊するほどだった。
「ちいっ・・・やってくれますね」
流石に息を荒くし、シュウが呟く。そして、縮退砲の構えに入った。
「今度は完全に直撃させる―――そうなれば、如何にバキスレイオスといえど、破壊することは造作もありません」
「それは、どうかな?クトゥグア、イタクァ―――<神獣形態>!」
482ドラえもん のび太の超機神大戦:2006/11/04(土) 17:32:13 ID:LdgwQCjH0
二丁の拳銃が姿を変えた。
獄炎を纏う巨大な獣―――クトゥグア。
氷雪を纏う巨大な竜―――イタクァ。
二対の神獣が、グランゾン・Fに向かって突進する!
「<縮退砲>―――発射!」
そして二体を迎え撃つ、破滅の一撃。
絶大な力がぶつかり合い、そして―――
宇宙が、歪んだ。
「え・・・?」
比喩表現でもなんでもない。文字通り、宇宙が歪んでいるのだ。
「どうやら今の衝撃で、次元震を引き起こしてしまったようですね・・・」
「じ、次元震!?」
「時空間が歪んで、別の世界への扉―――次元断層に飲み込まれるということですよ。つまり、異世界に飛ばされる
ということです!」
「な、何だって!?ちょっと、どうにかならないの!?」
「どうにもなりませんよ。ククク・・・まあいいでしょう。どこで戦うにしろ、結局同じこと―――」
その言葉を、最後まで聞くことはできなかった。バキスレイオスとグランゾン・Fは次元断層に飲み込まれ、別次元へと
消えていった。
483サマサ ◆2NA38J2XJM :2006/11/04(土) 17:39:29 ID:ksalxbdz0
投下完了。前回は>>356から。
ちょいと間が空きましたが、その分だけ投下量もやや多いのでカンベンしてくだされ。
スパロボネタとかデモベネタとか多くて一般読者には分からないものも多いだろーなー・・・
と不安になってみたり(今回のサブタイからしてスパロボネタだし)。

>>358 なんとか期待に添えるように頑張ってみます・・・

>>359 戯言原作における彼の本名です。

>>360-361 本当に長い二年間とちょっとです。

>>ふら〜りさん
正義は勝つ。やはりこれです。

>>白書さん
僕のアホなSSを楽しみにしてくださるとは恐縮です。
新人のうちは大変でしょうが、頑張ってください。

>>480 規制の支援ありがとうございます。
484作者の都合により名無しです:2006/11/04(土) 17:46:38 ID:G3hHT7+S0
新スレ立てました!

http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1162629937/l50

サマサさんへの感想は新スレで書きます。
485作者の都合により名無しです:2006/11/06(月) 10:39:12 ID:vBCWzBYs0
バレさんの保管の為に保守あげ
486作者の都合により名無しです:2006/11/06(月) 23:23:00 ID:/O8fXgbq0
487作者の都合により名無しです:2006/11/08(水) 00:38:41 ID:i6qGd9eq0
保守
488作者の都合により名無しです:2006/11/08(水) 17:50:19 ID:qkMDDcfe0
バレさんのために、取りあえず保守アゲしとこ
489バレ ◆sssssssDAo
永らく空けてしまい、申し訳ありません。
引越し後のネット環境復帰に予想外に時間がかかってしまい(私の我儘が原因なのですが)、
昨日午後からやっと現役復帰です。
今からすぐ外出しなければなりませんので、更新作業は今夜か明日夜からになります。

>>485
>>487
>>488
保守ありがとうございます。スレの保管作業自体は今夜中に行ないますので、明日以降の保守は
大丈夫です。