【2次】漫画SS総合スレへようこそpart18【創作】

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1作者の都合により名無しです
元ネタはバキ・男塾・JOJOなどの熱い漢系漫画から
ドラえもんやドラゴンボールなど国民的有名漫画まで
「なんでもあり」です。

元々は「バキ死刑囚編」ネタから始まったこのスレですが、
現在は漫画ネタ全般を扱うSS総合スレになっています。
色々なキャラクターの新しい話を、みんなで創り上げていきませんか?

◇◇◇新しいネタ・SS職人は随時募集中!!◇◇◇
SS職人さんは常時、大歓迎です。
普段想像しているものを、思う存分表現してください。

過去スレや現在の連載作品は>>2以降テンプレで

前スレ
【総合】漫画SSスレへようこそpart17【SSスレ】
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1093994320
まとめサイト  
http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/index.htm


2過去ログなど:04/09/19 21:20:26 ID:prMUUIIH
俺達で「バキ死刑囚編」をつくろうぜ
http://page.freett.com/dat2ch12/030718-1040997079.html
俺達で「バキ死刑囚編」をつくろうぜ 2
http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/kakorogu/02.html
俺達で「バキ死刑囚編」をつくろうぜ 3
http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/kakorogu/03.htm
俺たちでオリジナルストーリーをつくろうぜ
http://1983.rocketspace.net/html/20030806/44/1054870798.html
「バキ」等の漫画SSスレPart 5
http://comic.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1057568892/
バキスレだよ!! SS集合! Part 6
http://comic.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1060014208/
バキ小説スレ Part7
http://comic.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1061813099/
【総合】バキスレへようこそ Part 8【SSスレ】
http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/kakorogu/08.htm


3過去ログなど:04/09/19 21:21:50 ID:prMUUIIH
【バキ】漫画SSスレへようこそpart9【スレ】 (「少年漫画板」移転)
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1065104594/
【バキ】漫画SSスレへようこそpart10【スレ】
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1068742694/l50
【バキ】漫画SSスレへようこそpart11【スレ】
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1072026298/l50
【バキ】漫画SSスレへようこそpart12【スレ】
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1075538328/l50
【総合】漫画SSスレへいらっしゃいpart13【SS】
http://comic4.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1079281359/l50
【総合】漫画SSスレへいらっしゃいpart14【SS】
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1084370711/
【バキ】漫画ネタ2次創作SS総合スレP-15【ドラえもん】
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1088986819/
【2次】漫画ネタSS総合スレ16【創作】
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1091431809/


4作者の都合により名無しです:04/09/19 21:23:10 ID:prMUUIIH
現在、連載中のSS目次
※ほぼ連載開始・復活順 ( )内は作者名 リンク先は第一話がほとんど

ドラえもんの麻雀教室(VS氏)
 http://park14.wakwak.com/~usobare/dora/gateway.html
ドラえもん のび太の地底出来杉帝国(うみにん氏)
 http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/ss-long/dekisugi/01.htm
しけい荘物語(サナダムシ氏)
 http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/ss-long/sikei/01.htm
4×5(ユル氏)
 http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/ss-long/4x5/1-1.htm
ラーメンマン青年記(パオ氏)
 http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/ss-short/ra-men/01.htm
ザク(ザク氏)
 http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/ss-long/zaku/01-raou.htm
超格闘士大戦(ブラックキング氏)
 http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/ss-long/tyo-kakuto/01.htm
AnotherAttraction BC (NB氏)
 http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/ss-long/aabc/1-1.htm
ドラえもん のび太の神界大活劇(サマサ氏)
 http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/ss-long/sinkai/01.htm
リ・バース(フンコロガシ氏)
 http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/ss-short/hun/01.htm
AoB(仮)(ユル氏)
 http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/ss-short/yuru/03-1.htm
ディオの世界(殺助氏)
 http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/ss-long/dio/2-01.htm 
5作者の都合により名無しです:04/09/19 21:26:33 ID:C6tn0OML
1さんお疲れ様ー。
あとは作品を待つだけか。

しかし、このスレも過去ログ2つにわけなければ
ならないほど歴史を積んだんだな。
パート1からの住民としてはしみじみする。

しかし、連載数、今こんなにあるのかよ!
6作者の都合により名無しです:04/09/19 23:00:32 ID:H28aMLIp
>>1
スレ建て乙!

誰が新スレ一番乗りかね。
でも日曜は職人ズあまり来ないからな。
7作者の都合により名無しです:04/09/19 23:08:50 ID:GFG0bXXl
7get
>1さん乙
たぶん今日は作者さんこないから明日におい丼は作者さん降臨期待する。
8作者の都合により名無しです:04/09/20 01:54:30 ID:Qcu7E+OR
乙かれ
9作者の都合により名無しです:04/09/20 08:27:37 ID:FPtK/C6y
1さん乙。
今スレも盛るといいですね!
10作者の都合により名無しです:04/09/20 09:52:00 ID:fayDt7Nz
>>1乙。
何気に麻雀教室はすごい長期連載なんだよね
11ザクUVSデビル勇次郎(一):04/09/20 09:53:07 ID:fayDt7Nz
12ザクUVSデビル勇次郎(一):04/09/20 09:53:44 ID:fayDt7Nz
『どうやら無事ザクUへと進化したようですね』
 香港を目指して飛行するザクに、ディスティ・ノヴァからの通信が入る。
 ザクの体内にはノヴァの研究所との通信機器が組み込まれている。通話の他、ザクの視界に入った
映像をリアルタイムでノヴァの元に送信する機能等がある。
――31年もかかっちまったけどな。
 ザクはそう答えた。
『進化の際に体験したようですが、ザクTからザクUにバージョンアップしたことで再生能力が格段にあ
がりました。ザクTの時は下半身のみの再生にも数日を要しましたが、ザクUとなった今では全身が破
壊されたとしても数分で完全に修復してしまいます。さらに装甲自体も厚くなったようです』
 ノヴァ教授は手にした皿にのったプリンをスプーンですくい、口に運ぶ。『おいちい!』
『そして新たな武器としてバズーカ砲が創りだされたようですね。これは自己増殖機能を持ったイマジノス
ボディの一部として生まれたものですから、弾薬は無限に装填されます。まぁ、これからの闘いにおいて
はバズーカなど牽制程度にしか使えないかもしれませんがね』
――マシンガンも、もう役には立たんかもな。
 ザクUは香港の新界北部地区、上水に降り立った。かつては高層マンションの連なっていた居住区も
いまや瓦礫に埋もれた廃墟と化している。
 索敵。気を探り、強大なものがあればそれをモニター上に映し出す。今までに強者達を探し飛び回った
際にも用いた技術だ。
 南西10km。巨大な気が3つ集まっている。内2つには身に覚えがある。範馬勇次郎と範馬刃牙のも
の。だが、勇次郎の気が心なしか微弱に感じられる。残りの1つ、これは東方不敗の気であろう。
――なんで刃牙がいるのか知らんが……勇次郎と東方不敗の二人を相手に闘えるのだろうか、俺は。
『ああ、言い忘れていました』
 突然ノヴァが切り出す。
『偵察としてコロ助君を東方不敗らの所へ遣ったのですが、どうやら範馬勇次郎は東方不敗と接触した
際、デビルガンダムに取り込まれてしまったようです』
――なんだと!
13ザクUVSデビル勇次郎(一):04/09/20 09:54:44 ID:fayDt7Nz
『さらに、デビルガンダムはその自己増殖機能をもって範馬勇次郎のアンドロイドを大量生産している模
様。確認できる範囲では、少なくとも……100体はいますね。しかも、まだ生産は続いているようです』
 唐突に、ザクの脳裏に江田島平八の言葉がよみがえった。
「『真苦露西手意』が起きてしまえば、貴様らファミコンウォーズのような悲劇が世界各地至る所で引き
起こされるのだぞ!!」
 勇次郎が100体以上。これが世界に散らばっちまったら、悲劇どころじゃない。
――冗談じゃない!俺がこの地で勇次郎もデビルガンダムも全部まとめて叩き潰してやるッッ!!
 ザクはデビルガンダムを目指し、再び地を蹴って飛んでいった。

「マジかよ」
 範馬刃牙は目の前の光景が信じられなかった。脳が事実を拒絶する。
 両側を断崖に挟まれた峡谷で、巨大なガンダムの下半身から次から次へと勇次郎が出てくる。
 今やその数も200を超えようとしていた。
「親父……」
 意味も無く、ぽつりとこぼれた。
 刃牙は大擂台祭終了後、勇次郎と決着をつけようと、姿をくらました彼の後を追った。ようやく勇次郎を
探し当てた時、ちょうどそれは勇次郎がデビルガンダムに飲み込まれる瞬間であった。
 さらにそれから、デビルガンダムはその居場所を今の峡谷へと移した。人に姿を見られぬようと、東方
不敗が考慮してのことだった。
 だが今、岩に隠れてデビルガンダムの姿をみつめている刃牙がいる。もし彼がこの場を離れ、全世界
にデビル勇次郎軍団の存在を明るみにしたらどうなるであろうか?
「ふん、問題無いわ」
 デビルガンダムの頭部に腕を組んで立っている東方不敗がつぶやく。刃牙の存在には気づいていた。
「おそらく彼奴はこの場を離れられん。畏怖か驚嘆か、あるいはその両方に心を支配されてな。そもそも
全世界の軍隊が集結しようともこの勇次郎軍団にはかなうまい。それよりも注意すべきは――」
 刃牙の隠れている岩のすぐ横に、空から巨大な何かが降り立った。刃牙はそれを見上げつぶやいた。
「……ザク?」
14ザクUVSデビル勇次郎(一):04/09/20 09:56:04 ID:fayDt7Nz
 ザクUが峡谷へと姿を現した。デビル勇次郎軍団およびデビルガンダムとの距離は約200m。
――胸糞の悪くなる光景だぜ。
 ザクは勇次郎の群れを見、それからデビルガンダムを、そしてその上に立つ東方不敗を睨んだ。
「ザク……あんた一体……」
――下がっていろ刃牙。
 話しかけてくる刃牙を制し、ザクが信号を送る。
――俺1人でカタをつける。
「何か言ってるみたいだけど俺には何がなんだか……」
「ザクさんはここで闘いを見ていろと言ってるナリ」
 突然、背後から話しかけられ刃牙はビクッと振り返った。そこにいるのは、
「ロボッ……ト?」
 キテレツの助手、コロ助だった。
「わがはいはコロ助ナリ。詳しい説明はザクさんが闘ってる間にするナリよ」
 ザクは岩から離れ、二歩前進した。そして両手を胸の前に上げ、構える。
「あいつ、親父の群れと闘うつもりなのかッ!」
 ザクは勇次郎軍団向けて走り出した。

『デビルガンダムを倒せばアンドロイド勇次郎を構成しているDG細胞は活動を停止させるはずです。適
当に勇次郎軍団をあしらってデビルガンダム本体を叩いて下さい』
――うるさい!あんたの指図は受けん!
 ノヴァの通信に対し、ザクはそう答えた。ノヴァは「やれやれ」といった風に溜め息をつく。
――怒りが脳内を真っ白にする。全身が熱い。俺は……俺は……
 デビル勇次郎軍団もまた、デビルガンダムを守らんと本能的に走り出した。ザクの、勇次郎達の足音
が大地を揺るがす。
――てめぇら全員踏み潰してやるッッ!!
 ザクUと勇次郎軍団が激突した。
15作者の都合により名無しです:04/09/20 10:03:23 ID:fayDt7Nz
今回up分終了。
10月からは事情により更新が滞る可能性有り。
16作者の都合により名無しです:04/09/20 15:15:15 ID:aN31xmJ/
まずはザク氏か。
作品どんどん来てくれよー。
17超格闘士大戦:04/09/20 17:18:26 ID:KRvgYVYu
ちょっと急いで仕事に出かけなければならないので投下させてもらいます。

http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/ss-long/tyo-kakuto/14.htm
の続き。
18超格闘士大戦:04/09/20 17:21:53 ID:KRvgYVYu
第15話「魔界からの凱旋」

地獄の大陸オーストラリアに、突如現れた範馬勇次郎。
うっすらと笑みを浮かべながら、大きなドラゴンの頭の上にガッシリとした肉体を乗せている。
頭に乗る妙な異物に気づいたドラゴンが、勇次郎を振り落とそうと首を振り始めた。
「シュッ」と軽く息を吐く勇次郎。そしてふわっと10メートル程飛び上がると
ぶらぶらと揺れる地面…ドラゴンの脳天に向けて上空からかかと落としをかます。
重力がプラスされ、凶器と化したかかとが命中し、ドスン…という鈍い音を発すドラゴンの頭部。
衝撃が、鋼鉄の皮膚を通り越して頭蓋骨を破壊したのだろうか。ドラゴンは言葉を発すこともなく
ゆっくりとうつ伏せに倒れこんだ。力なく開いたドラゴンの手の平から、
布団圧縮機内の布団状態だった本部が、ふーふーと息を切らせながら這い出てきた。
両手と膝を地面につき、下を向いてゴホッゴホッとせきをしている。
顔から流れ落ちる脂汗が、砂地の地面にポツポツと水の跡を作った。その少し前のあたりから
クスクスというすすり笑いが聞こえる。勇次郎だ。
 「…ゆ、勇次郎… なぜ、貴様がここにいるのだ…?」
本部が顔をあげて勇次郎にそう尋ねた。
 「愚問だな本部よ。今この地球で最も過酷な戦場と化している場所…。それがこの大陸。
 いわば第2のベトナムよ。それに、暴れてるのはどぶ臭い軍人や傭兵なんかじゃなく、
 未知の魔物だとよ…クックック そんなおいしそうなごちそうに溢れてるレストランを見つけて
 俺が黙って日本でくすぶっていられると思うかい…?」
この男…。やはり器が違う。正義の心を持った戦士としての技量の高さではない。
魔物の攻撃に苦しむ人々の苦悩の心などいざ知らず。全てを通り越してただ自分の欲望の為だけに行動する。
その恐ろしいまでの戦いに対する自己中心的感情。いやしかし、それがこの男の強さの源なのか…。
本部は、そんなことを思いながら勇次郎の顔を見つめる。
 「最も、大陸上陸後初の食事は、前菜にもなりゃしなかったがな…」
白目を向き、口から泡を吹いて伸びているドラゴンに対して勇次郎がそう吐き捨てた。
19超格闘士大戦:04/09/20 17:24:45 ID:KRvgYVYu
「君が…オーガ。範馬勇次郎か…」
少し離れた所から、一連の様子を見ていたアバンが勇次郎に近づきながらそう言った。
 「…世界の孤児を救う為、そして悪に立ち向かう為、日々闘っているそうじゃねえか。アバンとやら。
 その心意気。尊敬に値するぜ。あんたの内に秘めている真の実力にもな…。だが…」
言葉をやめると、勇次郎はそばで腰を抜かしてペタンと座り込んでいるポップのほうに顔を向けた。
突然、ビクンッと身体を強張らせるポップ。鬼のような勇次郎の形相を見て、思わず「ヒイッ」と
情けない声を出す。勇次郎はぺっと唾を吐き捨てると、再びアバンのほうを向いた。
 「だが1つ忠告しておくぜ。連れと共に旅をするのはいいが、ちゃんと厳選した奴を選んだほうがいい。
 ましてや敵でもない男の顔に睨まれただけで、しょんべんをちびる奴なんざ、論外だぜ。
 クックッケックッケ…」
複雑な表情を浮かべるアバンの顔をしばらく見つめた後、勇次郎は何も言わずにその場を去っていった。
台風の目に入った街のように、静けさを取り戻す一帯。しばしの沈黙の後、アバンが座り込んでいる
ポップのもとへと走っていった。
 「ポップ!大丈夫ですか!?怪我は!?」
 「せ…先生…うっうっ…」
間近でアバンの顔を見たとたん、目に大粒の涙を浮かべるポップ。その涙が落ちた法衣の下半身と
地面は、すでにびしょびしょに濡れていた。

翌日…。
当初の予定通りキャンプを張り、休息をとったアバン達はキャンベラに向けて歩き出した。
2人の中にちゃっかり紛れ込んでいる本部。アバンの使う回復呪文によって、バラバラになった
身体を回復してもらった彼は、目的地も同じであるアバン達にお供を願い出たのだ。
果てしない砂漠地帯に、高貴な青年とやんちゃそうな少年。そして汚らしい中年が共に歩く。
はたから見れば若干奇妙な光景に見えるだろうが、通行人もいない今3人は特に気にすることもなかった。
軽い自己紹介や雑談などをかわしながら、3人はキャンベラに向けて歩き進んでいく。
数時間後…。かつての首都、キャンベラに到着する3人。足を棒にして立ち尽くす。
20超格闘士大戦:04/09/20 17:26:12 ID:KRvgYVYu
「か…壊滅している…」
首都キャンベラはモンスター軍団の攻撃を受けて、一度壊滅した。その後、各国の軍隊が
この場に集結して、即席の軍事基地を建設したとの情報がアバン達には届いていた。
だが、その基地はモンスター達の格好の的になってしまったようだ。簡単なキャンプやプレハブなどが
あちこちに存在しているが、全て無残にも破壊されている。
簡易な作りの基地では、ひとたまりもなかったのだろう。
アバン達は、焦げ臭い匂いの立ち込めるその基地の跡地の捜索を開始した。
まだ生きている人間がいるかもしれない。そんな小さな可能性に期待していた。
 「生きている人がいたぞッッ」
捜索開始から数分後、コンクリートの残骸を持ち上げた本部が中から生存者を発見した。
アバン、ポップは急いでその場に走る。生存者はどうやら兵士のようだ。軍服はすでにボロボロになり
腹部に、大きな傷が出来ている。その傷にそっと手をかかげるアバン。回復呪文を唱えると同時に
兵士に向かって問い始めた。
 「私は援護要因として呼ばれたアバンという者だ。一体何があったのだ?」
アバンの問いに、兵士が顔をしかめながら答える。どうやら腹部の傷が相当痛むらしい。
 「…あ、あんたがアバンか。そんな名前の援軍が来ると聞いていたが…。
 数日前の事だ…。今までこのあたりには現れなかったドラゴンが、群れをなしてこの基地を襲った。
 一匹ならともかく、数十匹のドラゴンが一気に襲撃してくるとなると、もはや対抗出来なかった。
 恐らく生き残った者はもうほとんどいないだろう…」
一通りの説明を終えた後、兵士の目には薄っすらと涙が浮かんでいた。アバンは考える。
 「やはり、今までとは桁違いの強力なモンスターが現れるようになっているようだ。
 やはりここの数日間…大陸全土にただよう瘴気が増大していることに関係があるのか…」
 「で、でもこの大陸の邪悪な力は、先生のマホカトールで抑えられているはずじゃあ…」
深く考え込んでいるアバンに、ポップが問いかけた。
21超格闘士大戦:04/09/20 17:29:06 ID:KRvgYVYu
「私の破邪呪文マホカトールは、この大陸から魔物が他の大陸に出て行くのを防ぐ為のもの。
 最も、その魔法陣も先日強力な魔力を持つ者によって、一部破られてしまったようですが…
 その者は極東方面に向かったようです。日本には、重要な人物や拠点がいくつもある…」
アバンはオーストラリア到着後、大陸の海岸線にそって巨大な魔法陣を引いていた。
それこそが彼の十八番の破邪呪文、マホカトール。魔法陣内の邪悪を若干抑え、外部に
漏れるのを防ぐ効果がある。だが、一定以上の魔力を持つ者であれば魔法陣の聖なる力を破って
外部へ抜け出すことも可能であった。
少しして、回復呪文が効いてきたのか兵士が少し大きめな声で話始めた。
 「この大陸の南のほうに、「ギアガの大穴」という巨大な穴がある。
 かつて冥竜王ヴェルザーが魔界から出現した時に開けた穴だ…。数日前、この穴を偵察に
 行った我々の仲間から連絡が入った。「穴から大量の化け物があふれ出てきている。
 中には人間のような格好をした奴もいた…」と。その連絡以来、彼の消息は途絶えてしまったが…」
兵士が言葉を終えると同時に、腹部の傷もアバンの呪文によって完全にふさがっていた。
「これでもう大丈夫ですよ」と兵士に告げると、アバンは基地内にあるありったけの食料をかき集め始めた。
 
22超格闘士大戦:04/09/20 17:30:02 ID:KRvgYVYu
「ど、どうする気ですか先生!まさか…「ギアガの大穴」の方へ行く気じゃあ…」
ポップが明らかに焦りの混じった声でアバンに尋ねた。アバンはその問いに黙って頷く。
 「そ…そんなぁ…。今の話だと、まさに化け物の巣ですよ!そんな所に行くなんて…」
 「誰かがやらなくてはいけないことなのです。不幸にも、この大陸で戦うことの出来る人間は
 もう我々しか残っていない。我々が逃げ腰になっていては、一体誰が魔物を退治するんですか?」
下を向くポップ。しばしの沈黙の後、ポップは「わかりました」とアバンに答える。
そして黙ってアバンの手伝いを始める。にこっと笑うアバン。様子を見ていた本部が、アバンに突然しがみついた。
 「ア、アバンどの!聞いた話によると、あなたはアバン流刀殺法という剣技を極めているとのこと。
 この私に、その剣技を伝授してもらえんだろうか?頼むッッ!この通りじゃッッ!」
何度も何度もアバンに土下座をする本部。日本人でないアバン達には、土下座という風習は
わからなかったが、本部が相当の思いを込めて頼んでいるということは悟ったようだ。
 「仕方ありませんね。この先、強くなって損は無い。それでは本部さん、そしてポップも。
 この場で1日だけ私が稽古をつけてあげましょう」
23超格闘士大戦:04/09/20 17:32:20 ID:KRvgYVYu
同じ頃…「ギアガの大穴」からは、兵士の話通りに化け物達が次々に現れていた。
ドラゴンやガーゴイル等のモンスターはもちろんの事、日本や中国の昔話に出てくる「妖怪」の
ような化け物も混じっている。そして両者は互いに対立しているようだ。穴から出てくる途中で
取っ組み合いの戦いをしている。
大穴の周りには、穴から出たと思われるモンスター、妖怪の類が数百、いや数千単位の群れを作っていた。
そしてその群れ同士も、争いを繰り広げている。

それは、突然の出来事だった。
ギアガの大穴から、プラズマ状の黒い龍のような物体が突如飛び出して近くにいた化け物集団を
一瞬にして消滅させた。
それに続いて穴から出てきた4つの光。人間…のようだ。
 
 「ふー。久々の人間界の空気がやっぱ気持ちがいいぜ!」
 「フッ。幽助、のん気な事を言ってる暇はないようですよ。周りには我々の敵が数千単位で
 存在している。ほら、すごい視線を感じるでしょ?黒龍波で吹き飛んだのはほんの一部のようだ…」
 「フン、所詮雑魚の集まり。貴様1人で十分だろう。なぁ桑原」
 「て、てめえ飛影!いくらなんでも俺1人じゃあ…」
 「なんだ?いつになく弱気だな」
 「お…おのれ〜!!」
 「2人共、おしゃべりはここまでです。来ますよ…」

大穴を出て、地上に降り立った4人。目の前にいるのは数千単位の魔物の群れ。
その全てが4人…。浦飯幽助、桑原、飛影、蔵馬の事を睨みつけていた。そして一斉に飛び掛っていく。
 「やれやれ…久々に地上に出られたと思ったら、やっぱりこうなるのか…一服ぐらいさせろってんだ…」
浦飯チーム、魔界から堂々の帰還。
かつて地上を救った英雄達を歓迎するは、凱旋パレードではなく悪に満ちた魔物達だった。
24超格闘士大戦:04/09/20 17:36:47 ID:KRvgYVYu
続く。
前スレ452の続き

絶句する一同。その中で最初に口火を切ったのはジャイアンだった。
「な、なんだよ、それ!どうしていきなりそんな話になるんだよ!」
興奮するジャイアンとは対照的に、アザミは冷たく答える。
「そこまで説明しなければいけませんか―――簡単に言いますと、彼女が人間界にいることを許されていたのは、
そうすることで感情の発露を促し、その結果魔法を制御することが可能になれば・・・ということでした。
彼女が魔法制御に成功することこそが、今行なっているとある研究に絶対に必要な条件ですからね。
魔法が使えるようになった今となっては、これ以上人間界にいる理由はありません―――
今すぐ、この場で帰ってもらいます」
「そ、そんな・・・今すぐなんて、酷すぎるじゃないですか!」
静香はそう言ったが、やはりアザミはにべもない。
「下手にお別れの時間などを作っては、余計悲しくなるでしょう。―――さあ、分かったら黙っていてください」
「やかましい!何が黙ってろ、だ!」
耐え切れずにジャイアンがとうとう吼えた。そして、神王と魔王の方を見て言う。
「おっちゃん・・・おっちゃんたちも、何とか言ってくれよ!」
だが、二人はその言葉に対して―――悲しそうに、顔を背けただけだった。それを見て、ジャイアンは
呆然とした表情になる。
「おっちゃんまで―――プリムラを連れてこうとしてんのかよ・・・!」
それに対する返答は無言。それは―――明らかな肯定だった。
「おっちゃん・・・」
詰め寄ろうとするジャイアンを、アザミは肩を掴んで止める。
「もういいでしょう、下がりなさい。お二人に無礼な口を利くことは許しません」
「てめえっ・・・!」
「下がれ、と言ってるんです。この件については、たとえ神王様と魔王様といえど、
文句はつけさせません」
そう言ってジャイアンを睨むアザミ。その冷たい眼光に―――ジャイアンは立ちすくみ、
一歩下がる。
「ようやく分かりましたか?これはもう<決定>なんです。覆すことは出来ません」
そう言ってアザミはプリムラの方へ向き直り―――眉をひそめる。
「おやおや―――これはどういうおつもりですか?」
プリムラの前には、彼女を護るようにして稟とのび太、そしてドラえもんが立っていた。
「やれやれ、お姫様を護るナイトたち、ということですか?・・・あまり聞き分けのない子は、
好きではありませんが・・・。一応、言いたいことがあれば聞きますよ。言うだけならタダですから」
「プリムラはもう、俺たちの家族同然なんだ。家族を連れてこうってんなら―――
相手が誰でも、知るもんか。家族は―――俺が護る」
稟は、そう言い放つ。
「僕だって!プリムラは、大事な友達なんだ!友達を、見捨てられないよ!」
のび太は恐怖をこらえ、アザミを睨みつける。
「ぼくはまだ、彼女とそんな付き合いがあるわけじゃないけど―――だけど、
こんなやり方、納得できません!」
ドラえもんは、ポケットに手を入れて、次の行動に備える。
アザミはそんな三人を見つめて―――不意に、プリムラに語りかける。
「プリムラ―――あなたは、どうなんです」
「え・・・?ど、どうって・・・」
それまで、事の成り行きに呆然としていた彼女は、突然の問いかけに混乱する。
「この三人は、あなたを助けたいようですが―――下手に抵抗すれば、無駄に傷つくだけです。
けれどあなたが大人しく研究所に戻れば、私は彼らに危害を加える気はありません。
―――さあ、どうすべきか、分かりますね?」
「・・・・・・」
プリムラは、その言葉の意味を考えているようだった。
「プリムラ!あんな奴の言うこと、聞くんじゃない!」
稟は、叫ぶ。必死に、叫ぶ。まるで、血を吐くような悲痛な叫びだった。
しかし―――プリムラは、アザミのもとへ進む。
「プリムラ・・・」
のび太たちは、呆然と彼女を見つめる。そんなのび太たちに、プリムラは向き直って、微笑む。
それはまるで―――お別れの場面のように悲しい微笑み。
「りん・・・のび太・・・青玉・・・みんな、今までありがとう。私、今まで本当に楽しかった」
そして、彼女はアザミに告げた。
「研究所に、戻ります」
「よろしい―――賢明な判断です。そうそう、神王様、魔王様、我々は一足先に帰りますが、あなた方もすぐ
神界に来てください。色々手続きもありますから」
そしてアザミはプリムラの手を引き、リビングから出て行く。
それを―――のび太たちは、見送るしか出来なかった。

「なんでだよ・・・なんでこんなことするんだよ!」
二人が去った後、ジャイアンはやるせなさそうに叫んだ。
神王はそんなジャイアンに語りかける。
「タケシ・・・すまねえ。仕方ねえんだ。こればっかは・・・」
「仕方ねえ、だと!?」
ジャイアンは、神王の胸倉を掴む。
「仕方なかったら、友達をこんな風に連れてってもいいのかよ!」
「タケシちゃん・・・分かってくれとは言わないが、我々の研究は、今更中断には出来ない。
君たちの気持ちも分かるが・・・」
魔王の言葉が、更にジャイアンの逆鱗に触れる。
「他人の気持ちが分かるような奴が、こんなことするもんか!くっそお!」
そしてジャイアンは、神王の顔面を殴りつける。何度も何度も―――
泣きながら、殴りつけた。
神王が本気になれば、ジャイアンを振り払うことは簡単だった。だが彼は、あえて殴られ続けた。
それが償いになどなりはしないと彼自身分かっていたが、それでも黙って殴られ続けた。
「タケシさん!もう、やめて!・・・みんな、もう、やめてよ・・・」
静香は顔を覆って泣き出す。それを見たジャイアンは荒い息をつきながら、ようやく手を止めた。
しばらくして、稟は言った。まるで別人のように冷たい声で。
「二人とも・・・もう出てってください。これ以上あなた方がここにいたら・・・
俺は、何をするか分かりません」
「・・・稟ちゃん・・・」
「稟殿・・・すまねえ」
そして二人もまた、この家から出て行った。
「・・・くそっ、なんでこんなことになるんだよ!」
稟は彼らしからぬ乱暴な声で毒づいた。その胸に去来するのは悲しみ、怒り―――
そして無力感だった。
「・・・稟さん・・・」
声に振り向くと、そこにはのび太がいた。のび太は泣きそうな顔をしていた。
二人の心を締め付けるのは―――プリムラとの約束。

<なんだかあの人たちを見てると、わけもなく不安になってくるの。
いつか、あの人たちが、私をどこか暗くて怖い場所へ連れて行ってしまいそうで・・・>
<・・・大丈夫だよ。もしそんなことになったら、きっとぼくらが助けに行くよ。ね、稟さん>
<ああ―――そうだな。絶対に助けてやるさ。俺たちは、友達で―――家族なんだからな>
<二人ともありがとう。嬉しい。―――じゃあ、約束してくれる?もし私がどこかへ連れ去られたら、
絶対に助けてくれるって>
<うん―――じゃあさ、3人で、指切りしよう>
<指切り?指を切るのは、痛い>
<そうじゃなくて、ほら、こうやって小指を絡めて・・・そう、それで、こう言うんだ。
指切りげんまん、嘘ついたら針千本のーます、指切った。・・・これで、その人と、大事な
約束をしたってことなんだ>
<大事な・・・約束>
<ああ、俺たち三人の、約束だ>
<そう。僕たち三人の>
<・・・三人の、約束。・・・じゃあ、私も、約束する。のび太やりんが困っていたら、きっと
私が助けてあげる。これで、おあいこ>


「僕・・・約束、守れなかったよ・・・。プリムラはぼくを助けてくれたのに・・・
僕、プリムラを助けられなかったよ・・・」
のび太はだんだん涙声になり―――最後は、泣いた。
「僕は・・・嘘つきだ」
己の無力さと情けなさに、のび太は涙した。
「のび太・・・俺も一緒だ。俺だって・・・何も出来なかった」
そして―――稟もその場にしゃがみこみ、声を殺して泣いた。
「のび太くん・・・稟さん・・・」
ドラえもんは二人を見守ることしか出来なかった。
30サマサ ◆2NA38J2XJM :04/09/20 17:55:34 ID:HuY6DZAF
割と早く続きを投下出来ました。
次はちょっと更新遅れるかもしれません。
31作者の都合により名無しです:04/09/20 18:20:46 ID:FPtK/C6y
>ザク氏
勇次郎が100人か。考えるだけで恐ろしい。勇次郎軍団にザク2は勝てるのか?
元がスペランカーだからなw難しいだろうなwバキはちゃんとこれから絡むのだろうか?
ところで、100人勇次郎で1000人ヤムチャを思い出したのは俺だけ?

>ブラックキング氏
勇次郎ドラゴン一撃か。本部との対比がすごいwアバンとの2ショットもすごい絵だなw
アバンの指導によってお荷物本部が成長するか否や?無理だろうな、本部じゃw
個人的に烈と飛影に活躍させて欲しいな。あと、ギアガの大穴懐かしい。ドラクエ3好きだ。

>サマサ氏
ジャイアンが劇場用の男気バージョンでよかった。のび太も、臆病さを振り切って勇気を
振り絞る様子がよかった。しかし、実質アザミ>神王・魔王なのかー。プリムラがどんな秘密を
隠しているか、これからの鍵になりそうですね。約束を守るために、のび太&稟がどう動くか楽しみ。

しかし、ザク氏とブラキン氏とサマサ氏は月曜掲載なのかなw
32作者の都合により名無しです:04/09/20 20:28:43 ID:NAuYXspn
今日は3連星で投下ですか。

ザクが次回一大決戦になりそうで、個人的には一番期待。
でもザクUではデビルガンダムはおろか、量産勇次郎に勝てないっぽいなあ。
バズーカ効きそうに無いし。
ブラックキングも浦飯の登場で話が大きく動きそうですね。
浦飯はもう魔界の血は目覚めてるのか。

ドラえもんはいまいちアザミの立場、というか素性が
分からないので、何となく消化不良です。
たぶん、これから明らかになるんだろうけど。
ジャイアンが漢気出ているのは同意。これこそ映画版のジャイアンだ。
33しけい荘物語:04/09/20 21:00:01 ID:VKxoXFu3
第二十五話前スレ>>383
34しけい荘物語:04/09/20 21:00:47 ID:VKxoXFu3
最終話「変わらぬ日常へ」

 三勝二敗。およそ半日に渡ったスペシャルマッチ。しけい荘の勝利で決着となる。
 異論を挟む者はなかった。しけい荘はもちろん、ホームレスたちも満足そうに死闘を終
えた勇者を称えている。
 吼え尽くしたシコルスキーに、ゆっくりと手が差し伸べられた。オリバである。
「立てるかね?」
「……ありがとう、大家さん」
 オリバに支えられ退場するシコルスキーへ、惜しみない拍手が送られる。
 公園外で待っていたのは、いつものメンバーであった。スペック、柳、ドイル、ドリア
ン。彼らもまた戦ってきたのだ。応援者として、格闘士として、そして同じ屋根の下で生
活する仲間として。
「ヤッテクレタゼ。今日ノ主役ハ間違イナク、シコルスキーダロウナ」
「片腕を失ったにもかかわらず、怯むことなく快勝。お見事でした……」
「コンテストでも感じたことだが、君は天性のエンターティナーだよ」
「おめでとう、シコルスキー。最高の結末を見られ、実に幸せな気分だ」
 温かい祝福によって力みが抜けたのか、シコルスキーは涙を流してしまう。満身創痍の
西洋人が感涙する。実に不釣り合いな光景であるが、微笑ましくもあった。
「さぁ、シコルスキーを胴上げしよう」
 手を叩いてオリバが合図すると、皆が一斉にシコルスキーを持ち上げた。
「いっせいの……せッ!」
 凄まじいスピードで、上空へ打ち上げられた。ぐんぐんと速度を増し、シコルスキーが
地上から離れていく。
「すげぇ、世界一の胴上げだな……」
 電柱を軽々と越えた。天空に浮かぶ雲にさえ、手が届きそうだ。
「ちょっと飛びすぎじゃないか……?」
 若干の不安がよぎる。心なしか、軌道がずれているようにも感じる。
「ヒイィィィィィッ!」
 もう遅かった。放物線を描き、まもなくシコルスキーはしけい荘の屋根に墜落した。
 ──意識は途絶えた。
35しけい荘物語:04/09/20 21:01:38 ID:VKxoXFu3
 目を覚ますと、シコルスキーは見知らぬ部屋の中にいた。自らを包む純白の布団、全身
に巻かれた包帯、右腕を保護するギプス。ここは病院だった。
「おはよう、気分はどうだね」
 ベッドの横にはオリバが座っていた。ずっと看病していたのだろう。
「どのくらい……私は眠っていたんだろうか」
「三日間かな。君は勝利した瞬間に、出血多量で気を失ってしまったのだ」
 多少の情報操作が加わっていたが、シコルスキーも試合後の記憶が殆どない。そのため、
オリバを疑うことはなかった。
「そうだったのか」
「あと、君の右腕のことなんだが……」
 シコルスキーの右腕は、肘から下を日本刀で斬り落とされた。ギプスの中には短くなっ
てしまった腕が眠っているはず。きっと退院後、義手に生まれ変わるのだろう。だが、思
惑は外れた。
 確かに失われたはずの手指の感覚が、微弱ではあるが戻っている。絶対にあり得ないこ
とであった。
「ま、まさか……」
「ここの医者は腕が立つと評判でね。その右腕も接合手術で復活したんだよ」
「ハ、ハラショー……。でも、治療費とかが大変だろう」
「心配するな、私がちゃんと便宜を図っておいた。君は一銭も出す必要はない」
 寝ている間に全ては終わっていた。シコルスキーは改めて、オリバの心遣いに感謝した。
「ありがとう。この借りは必ず返したい」
「いや、返すのは別の人物にしてくれ。鎬君、入ってくれたまえ」
 ドアが開く。現れたのは、白衣に身を包んだ端正な顔立ちをした男。整った長髪や、顔
に似合わぬ筋肉質な体格が、その存在感をいっそう引き立てている。
「初めまして、鎬紅葉です。君の手術を担当させてもらいました」
「治療費を免除する代わりに当分の間、君は彼の実験台になってもらうことになった」
「え、ちょっと……話が見えない……」
「さぁ、行こうか」
 紅葉に引っ張られ、どこかへと連れ去られるシコルスキー。オリバは祈った。彼の無事
と、さらなる医療の進歩を。ファイトだ、シコルスキー。
36しけい荘物語:04/09/20 21:03:03 ID:VKxoXFu3
 スペシャルマッチから二週間が経過し、重傷を負った面々も無事に退院することが出来
た。もっとも、シコルスキーだけは実験のために通院する日々が続いている。
「……今日も儲からなかったよ」
 ぼやきながら、背広姿でドリアンが帰ってきた。自らをアメリカの大型新人歌手と偽り、
あらゆるレコード会社に売り込んだらしいが、全て門前払いだったという。彼とは対照的
に、柳は明るい口調で答える。
「それは残念でしたな。我が社では、新製品が驚異的に売り上げを伸ばしてますよ」
 株式会社クードーの新製品、鞭打ロープ。一見ただのロープだが、素人でも鞭打のよう
な一撃を繰り出せるという強力な武器だ。猛獣使いがライオンを調教する時に使うアレと
そっくりだが、そこに触れてはいけない。

「明日ハ絶対ニ払ウゼッ! アバヨッ!」
 ひたすら家賃を滞納し続け、相変わらずスペックはオリバから逃げていた。202号室
の前にて呆れるように、ため息をつくオリバ。
「おや、大家さん。またしても払ってもらえなかったのかい」
 横からドイルが話し掛けてきたが、オリバは無視に徹した。今のドイルは上流貴族のマ
ダムに扮しており、少しでも反応してしまうと強制的にコスプレ自慢ショーが始まるから
だ。それだけは避けねばならない。
「やぁ、オリバ君にドイル君。僕と一緒に世界平和について語らないか?」
 不幸なことに、シコルスキーまで登場した。鎬紅葉による実験で、少々おかしくなって
しまっている。頭痛の種が倍になり、オリバは頭を抱えてうずくまる。
「この衣装はね、我が祖国イギリスから直輸入したものなんだ。特に日傘なんかは……」
「二十一世紀になっても、戦争が消える気配は全くない。各地域のイデオロギーが……」
 好き勝手に演説を行うドイルとシコルスキー。
 オリバは黙って二人を殴り飛ばした。青空へ吸い込まれるように吹き飛ぶ二人を見なが
ら、オリバが微笑んだ。
「いい天気だぜ」
 しけい荘は今日も平和である。

                                  お わ り
37サナダムシ ◆fnWJXN8RxU :04/09/20 21:04:42 ID:VKxoXFu3
「しけい荘物語」これにて完結です。楽しんで書かせてもらいました。
まだやりたいエピソードもあるにはあったのですが、全く具体的には出来ておらず、
直前が二十五話+団体戦終了とキリも良かったのでケリをつけさせてもらいました。

番外編やら続編やらで、また書きたいなぁとも思っています。
(オリバのバトル、一話もなかったスペックの主役パート……etc)
無理かもしれませんが。

しかし、最初から出来ていた「アパートVSホームレス団体戦」を書き切れて大満足です。
本当にありがとうございました。
38作者の都合により名無しです:04/09/20 21:15:32 ID:fayDt7Nz
愛のフィナーレ!さよならしけい荘!
完結おめ!闘いが終わって日常にかえり、ハッピーエンド。
しまりのあるストーリー展開は非常に良かった。

番外編・続編、構想が練られたらぜひ書いてください。
39作者の都合により名無しです:04/09/20 21:26:17 ID:KujbR/jS
ザクはなんか一大決戦になってきた感じがするなあ。大詰めか。100人勇次郎軍団大暴れか。
超格闘士大戦、アバンと勇次郎と飛影のコラボが楽しみだ。ここに烈たちが加わるのか。
神界大活劇。今これが一番好き。どこかほのぼのとして、しかも物悲しい。いよいよ冒険か。

でも、今回一番のショックはしけい荘の最終回だ。毎回本当に楽しみだった。悲しい・・
最後まで主役シコルはシコルらしかった。でも、オリバの戦いとかも見たかったなあ。
サナダムシさん、お疲れ様。本当に楽しませてくれてありがとう。
願わくば、続編か新作にて、またお会いできたらと切に願います。最後にもう一度、ありがとう。
40作者の都合により名無しです:04/09/20 22:03:40 ID:NAuYXspn
しけい荘、大団円ですね。
一話の頃は、まさかこんな大作になるとは想像もしていませんでした。
サナダムシさん、アリガトオォッ
41作者の都合により名無しです:04/09/20 23:33:32 ID:Usj0JKjA
ザク・超格闘大戦・神界大活劇、それぞれ大変面白かった。
ザクはザクとデビルガンダムがいよいよぶつかりそうだし、
超格闘士大戦はアバン先生とゆうすけパーティが活躍しそうだし、
神界大活劇はジャイアンやのびた・稟が健気で愛らしいし・・。

しかし、やはり今日はしけい荘の完結ですね。
正直俺は寂しい。大団円のハッピーエンドだが、それでも寂しい。
サナダムシさん、充電してまた力作をお願いします。待ってまっせ!

ザクさんや、ブラックキングさん、そしてサマサさんも
頑張って完結させて欲しいな。多分、その度に寂しくなるんだろうけど。
42作者の都合により名無しです:04/09/21 00:19:36 ID:wUblUI7e
ザクさん、ブラックキングさん、サマサさん、グッジョブ!
ザクさんやブラキンさんの熱さもいいけど、俺は特にサマサさんの暖かさが好きだ。

そして……

サナダムシさん、ナイスエンディング!シコルやドリアンの笑顔が浮かんできそうだったよ。
これからもまた快作で楽しませて下さい!頼みましたぜ!

しかし、うんこ物はライトなやつでねw 本当にお疲れ様でした!
43作者の都合により名無しです:04/09/21 08:27:32 ID:B+dey51/
ザクは盛り上がってきたし、格闘大戦はクライマックスが近そうだし、
神界大活劇はのび太とプリムラの約束とジャイアンの男気が良かったけど。

ああ。しけい荘が終わってしまった。みんな言ってるように寂しい。
でも、いい終わり方だ。サナダムシさん、またね!きっとだよ
44作者の都合により名無しです:04/09/21 18:45:43 ID:NLi5hMkx
しけい壮終わったのか。サナダムシさんおつ。またがんばれ。

あと、1985さん、ザクのフラッシュもよかった。おつ。
45作者の都合により名無しです:04/09/21 19:01:54 ID:Z0Xx5dUN
語ろうぜスレの新スレはまだですか?
46作者の都合により名無しです:04/09/21 19:52:23 ID:w47sEnX7
>>45
ここで言うなよ。
つうかスレが欲しかったら自分で立てたら?
47作者の都合により名無しです:04/09/21 21:03:17 ID:Z0Xx5dUN
俺立てれなかった。
正直、語ろうぜスレ見てない住人および職人なんていないだろ。
48作者の都合により名無しです:04/09/21 21:06:35 ID:OzAgWH6U
見てたけどもう特に興味もない
49DIOの世界:04/09/21 22:04:46 ID:YJPZORH+
http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/ss-long/dio/2-01.htm

俺は盲いた、最早、光陰すら掴めぬ両の眼で、その真理をしっかりと見据えていた。
人間、詰まるところ総て悪。そして差別心は、人の真なる感情。

目が潰れた事で、おれはやっと当たり前の真理に気付いた。世の馬鹿共よりは幾分早いが。
この世に、他者への愛などは無い。
あるのはただ自己愛と自己満足、ただ己のみへの利益。この世はエゴのみが満つる世界。
もう一度繰り返す。この世に、他人への愛などは無い。

世の良識派、と言われる底浅い連中は、即座に否定するだろう。
やれ、人間には弱い者に対しての慈悲の心がある。やれ、人間には無償の愛がある。
だが、おれは知っている。そいつらの世迷言は、結局、自分たちが安全圏にいるから言える言葉だと。

日々の生活に支障無く、好きな時に好きな物が喰え、身に火の粉が降り掛かることも無い。
そんな、安全圏にいる者の傲慢が言わせる似非の言葉。上から見下ろす者の哀れみの声。
奴らは、本質的に下にいる者を自分たちと「同じ」人間とは思っていないのだ。
そこには確実に「差別」が存在する。決して、それは「愛」などではない。

たとえそれが愛だとしても、それは自分への愛なのだ。
下の人間を、私は助けてやっている、自分はなんてすばらしい人間だ。
そう、奴らは心底では思っている。畢竟、動物へエサをやる行為となんら変わりは無い。
もっとも、奴らが無意識に盲信している「安全圏」。これも、砂上の楼閣に過ぎないのだが。

もう一度だけ繰り返す。
人間、詰まるところ総て悪。そして差別心は、人の真なる感情。
そして差別とは・・、おれにとって、教師だ。憎しみを燃え滾らせ、おれに素晴らしい能力を授けてくれた。
50DIOの世界:04/09/21 22:05:56 ID:YJPZORH+
差別心とは、人間の奥底に眠る最も正直で、そして曇りの無い感情のひとつ。
そして差別心は、真摯な侵す事の出来ない領域からいずる、純粋な人の核。
つまりは差別とは、ごく自然な人間として当たり前の行動なのだ。
人が苦境を心的に凌ぐ最速の方法は、自分より苦境の人間を蔑む事だ。即ち他への差別。

特に、おれの育ったこんな街ではそうだ。
五体満足な健常者すら、日々の生活が死と飢えに直結しているような、腐った最果ての街では。

その街では、死んだ犬はご馳走だった。道端の草を常食していたからだ。
おれの母親のような小汚い中年売春婦ですら、この街ではステイタスは上の方だった。
まだ、売れる物が多少は残っているからだ。

物乞い、ギャング、売春婦、ヤクのバイ人、スリ、バクチ打ち・・。
道を歩くと、他ではクズと称される連中が次々と横切っていく、そんな終わった街だった。
クズだらけのこの街は、やたらガキが多かった。おれもその一人だが。
娯楽がヤクとバクチとセックスしかない街だ。避妊の余裕などある訳は無い。

客にスペルマを放出された売春婦は、客が帰った後に急いでおまんこを奥まで水洗いする。
それがそこの売春婦にとっての避妊だった。無論、そんなものがろくに利く訳は無い。
必然的に、街には父親の判らないガキどもが溢れかえる事になる。

母親が違うのに、向かいの家のガキと、隣の家のガキの顔がそっくりというのはよくある話だ。
51DIOの世界:04/09/21 22:06:32 ID:YJPZORH+
そんなところで育ったガキどもが、真っ当に育つ訳は無い。

人間が本来心に押しとどめる闇を、ガキながらギャングよろしく解き放った奴らばかりだ。
おれはいつも、無明の闇の中、サッカーボールのように蹴られ続けた。
奴らにとっては遊び、気軽なストレス解消の手段だっただろう。
だが、このタガの外れた街では、ガキが遊びで他のガキを殺すなど珍しい事ではなかった。

おれは必死で自分を守った。
体を丸め、観えない目からダラダラと涙を流しながら、止めてくれ、止めてくれと叫び続けた。
奴らはいつも、その無様ないおれの姿を見て満足する。下には、下がいると。
こんなクズみたいな貧しい境遇の俺たちでも、体が満足な分こいつよりはマシ、だと。
多分、もう少しこいつらが年かさなら、おれはケツの穴を犯されていただろう。

人間は総て悪。まだ、その真理をすんでのところで拒否出来ていた、愚かな日々。
そしてあの日がやってきた。おれが、悪に染まった日。

母親を、殺した日だ。
52殺助:04/09/21 22:09:34 ID:YJPZORH+
サナダムシ様、連載お疲れ様でした。
さわやかな大団円よかったです。
僕の作品もそんな終わらせ方をしたいです。

今回短いですが、毎週書きます。

53作者の都合により名無しです:04/09/21 23:15:53 ID:tcv9YE0a
殺助氏、えぐいな。
「愛」というものを否定しながら生きるンドールが、
どのような経緯でディオにたどり着くのかが楽しみだ。
毎週書いてくれるのは嬉しいけど、もう少し分量が欲しいな・・。
ワガママすまん。
54作者の都合により名無しです:04/09/21 23:43:22 ID:Z77yrbcf
相変わらずのダークさだな。
母を殺したという事は、その時にスタンドに目覚めたのかな。
55作者の都合により名無しです:04/09/22 00:08:29 ID:cTE7xLCO
面白かったけど、差別についての考察はいかがなものか。
でも、殺す助氏はこの暗さが魅力なんだよね。頑張れ。

>さわやかな大団円よかったです。
>僕の作品もそんな終わらせ方をしたいです

無理だろw

56作者の都合により名無しです:04/09/22 08:37:19 ID:AuVyHXHQ
まとめBBS見て不安になった。
ちょっと書き込みテスト
57作者の都合により名無しです:04/09/22 14:05:57 ID:/rsQCpyl
うんこおおおおおおおおおおおおおおおおおっっ!!
うん・・・うんこ・・・うんこ・・・!!
ウンコオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!
58作者の都合により名無しです:04/09/22 17:29:45 ID:6Tx6eXQu
公開PROXYの事か。
ふらーりさんの作品と感想しばらく見られないのかな?
残念。

遅れたけど、サナダムシさんお疲れ様。次回作待ってます。
59作者の都合により名無しです:04/09/22 19:36:19 ID:ZpfgUK3A
皆さん読んでる作品にだけ感想を書けばいいんですよ。
無理にふらーりさんっぽくしなくてもいいと思います。
60作者の都合により名無しです:04/09/22 19:55:50 ID:fXB0F4KH
>>59
ハゲドー
最近の感想は、なんというかヘタクソ。ふら〜りさんの劣化Verばっか。
61某SS書き:04/09/22 20:13:09 ID:Rebu1g9r
うーん、感想は自由に書いてくれたらいいと個人的には思うけど。
SS書きの立場で言えば、へたな感想でもつけてくれたら嬉しいしやる気でる。
ただ明らかに中身読んでないだろ、みたいな感想だけは勘弁してほしい。
62作者の都合により名無しです:04/09/22 20:47:20 ID:fXB0F4KH
名前も出せないヘタレはひっこんでなよ
63作者の都合により名無しです:04/09/22 21:21:01 ID:cTE7xLCO
>>61
誰だか知らないけど、がんばれ。
感想は出来るだけ付けるようにしてます。

でも、やっぱり多くの職人さんが来る日は
感想がふらーりさんの真似みたいになる。
あの人はすげえや。
64作者の都合により名無しです:04/09/23 10:32:03 ID:0njAaIIk
ジャイ「いいかげんにしろ・・・・・・。このクズやろう・・・・・・・・・。
    罪もない者をつぎからつぎへと逆立ちで町内100週させやがって・・・・・・・・・
    し・・・しずちゃんまで・・・」
のび「く・・・!!な・・なぜきさまにそ・・・そんな正義が・・・
   ま・・・ま・・・まさか・・・き・・・きさま・・・・・・」
スネ「ジャイアン・・・ボクにはわかったよ・・・
   出来杉のいってたことはほんとうだったんだね・・・
   ジャイアンはなれたんだ・・・・・・・・・きれいなジャイアンに!!」
ジャイ「オレはおこったぞ―――!!!!!のび太―――ッ!!!!!」
のび「えらそうなことをいいやがって・・・・・
   キサマは罪のない者をいじめなかったとでもいうのか?」
ジャイ「だから母ちゃんに殴られた・・・・・・」
のび「オレが告げ口したんだ
   キサマはなんとなく気にいらないんでね。」
ジャイ「こんどはこのオレがきさまを殴る」
のび「こののび太を?くっくっく・・・
   図にのるのもそれぐらいにしておくんだな・・・
   ドラえもんの道具に勝てるわけがない
   も・・・もしほんとうにき・・・きさまが
   きれいなジャイアンであったとしてもだ・・・!」

キャスト
フリーザ・・・のび太    悟空・・・・・・・・ジャイアン
クリリン・・・しずか    御飯・・・・・・・・スネオ  
ピッコロ・・・スネ吉兄さん べジータ・・・・出来杉
チチ・・・・・・・ノン子    コルド・・・・・・ドラえもん
界王様・・・・・ドラミ    ヤムチャ・・・・ころばしや
天津飯・・・・・やすお    餃子・・・・・・・・はるお
神様・・・・・・・スネパパ   Mr.ポポ・・・・・スネママ
65ふら〜り:04/09/23 18:37:28 ID:xCFHqnkE
>>1さん
前スレでも申しましたが、おつ華麗様です。テンプレを見るたびに思い出される、
過去のあれこれ。積んできた歴史。出会った人々。……なんかこう、良いものですな。

>>ザクさん
いやぁ、はははは。冗談じゃなかったんですね勇次郎軍団。200越えてる、って。
そら確かに、全世界の軍隊が集結してもどうにもならんわな。どないしはりますっ?
でも、ザクもザクでパワーアップ&使命感に燃えてますし。あるいは、やれるかも。

>>ブラックキングさん
勇次郎が、アバン先生を認めているというところ、凄く嬉しいというか楽しいというか。
さすがアバン先生、そしてさすが勇次郎、という感じです。本部も期待通り、再起して
くれそうで。開眼せよアバン流+本部流っ! そして幽白。広がりますねぇどこまでも♪

>>サマサさん
こんな時まで「青玉」なプリムラがお茶目。らぶりぃ。……とか思ってる間に、完全に
捕らわれのお姫様となってしまいました。ジャイアンに見損なわれて、も何も言えない
おっちゃんがまた、痛々しい。ここから立ち上がりの鍵は、漢気か、約束か、それとも? 
66ふら〜り:04/09/23 18:38:42 ID:xCFHqnkE
>>サナダムシさん
……考えてみれば。ドタバタギャグに始まり、シリアスバトルに移行し、序盤では一番
情けなかった奴が、終盤主役を張ってヒーローとなる。最大の黄金パターンですね、これ。
最後まで可愛くカッコ良かったシコル、どこまでもいつも通りの住人一同&大家。帰って
きた、そしてこれからも続くしけい荘の日常……サナダムシさん、お疲れ様でした。
本っっ当に、感動しましたよっ! 
ので。番外編でも続編でも何でも、彼らの物語をまた読ませて下さい。……特に、
>一話もなかったスペックの主役パート
私がスペック好きだと知ってのことですかこれはっ? ぜひぜひぜひぜひっっ!

>>殺助さん
いつもながらの濃密な闇、ですね。今回は特にその……性的な単語が多かった分、
特殊な生々しさがあったというか。「ガキが多い理由」、単純明快でした。ガイルとは
少し違った性悪説、ここからどう発展していきそしてDIOにいきつくのか?

>>まとめサイトでアドバイス下さった方
魂の奥底から、感謝! ありがとうございましたっっっっ!
67作者の都合により名無しです:04/09/23 19:17:23 ID:5HWyIkmu
ふら〜りさん キタ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!
しばらく来れないって聞いてたけど意外と早く来てくれて乙!
しかし相変わらず素晴らしい感想だ。    







68作者の都合により名無しです:04/09/23 19:22:19 ID:zngJ/0Pe
ザクのフラッシュ見たが、明らかに手抜きだろ。
「死刑囚編」「ドラ麻雀」とは格下だ、と言わんばかりの手抜きぶり。

曲もイマイチ(SSに合ってない)だし、構成も盛り上がりに欠ける。
1985がフラッシュ職人としても活動したいならば勝手だが、それなら全力注いで作ってくれよ。
69作者の都合により名無しです:04/09/23 19:57:05 ID:kALOMitt
ふら〜りさん、書き込めるようになったんですね。
70ザク ◆3JowPutE8k :04/09/23 19:59:47 ID:idwnqCig
>ふら〜りさん
復帰おめ。書き込めないってのは結構なストレスになったでしょうね。

>>68
曲がいまいちだとか盛り上がりに欠けるだのは主観でしょう。
応援Flashとしては十二分な出来だと思います。
作っていただいて本当にうれしかったし。
71作者の都合により名無しです:04/09/23 20:05:39 ID:bOS6pS+a
おお、ふらーりさん復活か。感想だけじゃなくてSSも宜しくね。

ザクさん、俺も1985さんのフラッシュ見たけど、
死刑囚編や麻雀に負けず劣らずの素晴らしい出来だと、本当に思ったよ。
だからあまり気になさらず、これからも頑張って下さいね。

あ、最後に1985さん、フラッシュ3つも製作お疲れ様です。
ご自分の作品より他職人さんの作品を優先するなんて、本当に偉いと思う。
でも、今度はSSを読みたいなあ。バキの次回作、期待しています。
72ザクUVSデビル勇次郎(二):04/09/23 20:12:10 ID:idwnqCig
>>12-14より
73ザクUVSデビル勇次郎(二):04/09/23 20:13:19 ID:idwnqCig
 50人の勇次郎を踏み台として30人が跳躍し、さらにそれらを足場として20人超が跳ぶ。一気に、ザク
の頭部の高さまで。
『チェリャッッ!!』
 ザクの単眼を狙った、20人同時の飛び蹴り。だが既に勇次郎達の『機兆』を読んでいたザクはカウンタ
ー気味に頭突きを繰り出し、勇次郎軍団を跳ね返す。その際頭頂部が大きくへこんだが、ものの数秒で
元に戻る。
――読める。範馬勇次郎の『機兆』が読めるぞ!
 50人が一斉にローキックを放つ。ザクは上へ跳ぼうとするが間にあわず、足部を破壊されて尻餅をつ
く。その隙に勇次郎の群れが胸部へと飛びかかってくるが、ザクはバーニアを噴かして後方へと逃れる。
 50m程後退し、大地に立つ。その頃にはもう足の修復は完了していた。
――だが、スピードもパワーも勇次郎の方がまだ上。『機兆』が読めたところでスピードが伴わなければ、
今のように攻撃を受けてしまう。
 ザクUは素早くバズーカを構え、撃つ。勇次郎達が迫ってくる、わずかコンマ1秒の間の早撃ちだった。
 勇次郎軍団はバズーカ砲の発射口の角度から弾道を予測し、それをかわす。――はずだった。
 散弾。巨大な弾が破裂して無数の小弾が飛び出し、勇次郎1人1人に降り注ぐ。それに次ぎ、爆発。
 狭い峡谷という地形が災いし、全てのコピー勇次郎が爆炎に巻き込まれた。黒煙が広がり、ザクの視
界を妨げる。ザクは2、3歩下がり、煙が晴れるのを待った。そしてバズーカを腰に収める。
――これに勝る武器は無いんだ。立ってくれるなよ……。
 ザクはじっと待った。もしこれが効かなかったら、俺に勝ち目は――
 後方から突風が吹き、煙がかき消される。
 無傷の勇次郎軍団の姿が露となった。DG細胞によって生み出されたためか、衣服さえ燃えていない。
 ザクは内心ぞっとした。そこには少なからぬ落胆も内包されている。
――くそったれが。
 デビル勇次郎軍団が足並みを揃え向かってくる。各々のこぼす含み笑いが重なり、谷間にこだまする。
『あきらめろザクよ。てめぇじゃあどうひっくり返っても俺には勝てん』
 全員が同時に言葉を発した。あえて勇次郎達が『俺達』と言わなかった所に、ザクは微笑した。
74ザクUVSデビル勇次郎(二):04/09/23 20:14:45 ID:idwnqCig
――同じ人間の集団だってのに、仲間意識は無いんだな。
 ザクの信号を受け取った勇次郎達が、同時に『ケッ』と漏らす。
『貴様ごとき、俺1人で倒せる。本来ならこいつらなんかは必要無いんだぜ』
 同時に口にし、勇次郎達は一斉にこめかみに青筋を浮かべた。そして互いに向き合い、怒鳴る。
『挑発するにも言葉を選べッッ!!貴様ッッ!!』
「やめんかコピーども!」
 東方不敗が勇次郎軍団のはるか後方から戒めた。
「お前らはもはや一個人ではなく軍隊なのだ!自意識を抑制し――」
『黙ってろ東方不敗ッ!俺は好きなようにこいつとやらせてもらう。貴様の言いなりにはならんッッ!!』
――これは勝機かもしれない。
 勇次郎達の諍いを眺め、ザクは思う。
――奴らにチームワークは存在しない。初撃で互いを足場として跳躍したのも、実の所互いを蹴落として
いたに過ぎないのだろう。
『それからマスターアジアよ、二度と俺をコピーなどと呼ぶなッッ!!』
 勇次郎達全員が東方不敗へと向き直っている隙に、ザクは群れに突っ込んでいった。
――勇次郎ども!素手で殺ってやる!
 殺気を感知した勇次郎達が振り返るが、その時既にザクは拳を振り下ろしていた。
 密集していたために、ほとんどの勇次郎が攻撃をかわす中、1人がもろに打撃を受け地面に叩きつけ
られる。が、その勇次郎は何事も無かったかのように砂埃を払って立ち上がった。全くの無傷で。
『不意打ちたぁやってくれるじゃねぇか』
 ザクは唖然とした。
――全力で叩き込んだのに……こいつらは素手でもバズーカでも倒せないのか……
 百数十の勇次郎が同時に攻撃をしかける。拳、脚、肘、膝、頭が無数の矢のようにザクの胴体に突き
刺さる。『機』を読み、衝撃を和らげようと後ろへ跳んだもののダメージは大きく、ザクは刃牙達の隠れる
岩まで吹き飛ばされ、仰向けに倒れた。追撃しようと勇次郎達が向かってくるが、その時、ザクは暗雲
のたちこめた空を呆然と見上げていた。そして闘いの最中、ふと思いにふける。
――俺は、なんて弱いんだろう。
75ザクUVSデビル勇次郎(二):04/09/23 20:15:55 ID:idwnqCig
「ザ、ザク!俺もたたか――」
「刃牙さんじゃ歯が立たないナリよ!」
 飛び出そうとする刃牙をコロ助が制する。
「ザクの事情は今聞いて理解できたけどな、アイツは、勇次郎は俺の仇でもあるんだぜ!?」
「でも今はザクさんの闘いナリよ。……かと言って、ザクさんにも勝ち目はありそうに無いナリが……」
 二人のやりとりはザクの耳には入っているものの、心には届いていなかった。ザクの意識は体を離れ、
宙を彷徨っていた。
――31年も修行を重ねた。ただただ勇次郎を倒すために。それなのに、奴の劣化コピーにさえ及ばな
いと言うのか。
 無意識の内に立ち上がり、ザクは勇次郎軍団に向かっていった。魂のこもっていない拳はかすりもせ
ず、自身は滅多打ちにされる。脚を折られ、胴を殴られ、胸を蹴られる。
 ザクは打撃の嵐を前に、無防備な体を晒していた。
「反撃しろ!ザク!」
 刃牙が叫ぶが、やはりザクの心には届かなかった。
――ガリィ、ラオウ、ヤムチャ、ガッツ、江田島塾長、範馬刃牙、葉隠覚悟。いろんな奴と闘ったなぁ……
それも全部、この時のためだった。範馬勇次郎を倒すためだった。
 ザクの体を駆け上った数人の勇次郎がザクの横っ面を蹴る。ザクは蹴られるままに、無抵抗に崖に
叩きつけられる。今や自己修復も勇次郎の猛撃には追いつかず、所々損壊したままになっている。
――どんな時も、いつでも俺にはヒートホークがあった。真っ赤に燃えるあの武器は、俺の復讐への情熱
の象徴とも言えるものだった。だが、今はもうヒートホークは無い。もしかして俺の復讐の炎はヒートホー
クと共に消えてしまったのだろうか。宿敵を目の前にして闘いを諦めて、一体俺は何を――
 膝をついたザクに、勇次郎が6人飛びかかった。最早ガラクタ同然となったザクに、とどめの一撃をくわ
えようとしたのだった。だが。
 飛びかかった勇次郎達が突如、煙を残して消えた。
76ザクUVSデビル勇次郎(二):04/09/23 20:17:09 ID:idwnqCig
 ザクは右手を前に差し出していた。ちょうど勇次郎達が消えた場所に。
 右手五指の先から青いプラズマジェットが円錐状に伸びている。勇次郎達は消えたのではない。
 蒸発したのだ。
 ザクはゆっくりと立ち上がった。損傷が次々と修復され、元の姿へと復元されていく。
――違う。俺の復讐の炎は消えちゃいない。ヒートホークが無くなったのなら、新たな炎を燈せばいい。
諦めるな、スペランカー・ザク!俺の闘いはこれからだ!

「ついにプラズマ技を使えるようになりましたね」
 ザク視点のモニターを眺めながらディスティ・ノヴァがつぶやいた。キテレツがそれに口を挟む。
「あれもイマジノスボディの変形機能の一種ですよね」
「その通りです。おそらく危機に身をおき生存本能を呼び覚ますことで、死すことなく進化を遂げることを
可能としたのでしょう。プラズマ技をもってすればクローン勇次郎達とも互角か、あるいは――」

――プラズマクロー。これが俺の新必殺武器だ!
 ザクはプラズマ炎の伸びた手を振り下ろす。その様子を見る勇次郎達の顔は、歓喜に満ちたものだ。
『ヘッ、この局面に来て新技を生み出すたぁやるじゃねぇかッッ!!』
「おいおい、ザクのやつ盛り返しやがった!こりゃあもしかして……」
「勝てるかもしれないナリ!」
 刃牙とコロ助は手を合わせて喜んだ。勝負を諦めたと思っていたザクが、息を吹き返した。
 だが、高みの見物をきめこむ東方不敗は余裕の表情を崩さない。
「なるほど、高温プラズマならばDG細胞で構成された勇次郎をも倒すことができるであろう。だがな」
 デビルガンダムの下半身からは今もデビル勇次郎が産生され続けている。ザクは6人の勇次郎をほふ
ったが、その間に24人の勇次郎が増えていた。
「デビル勇次郎は絶え間なく増え続けるのだ。しかも、彼奴らは馬鹿ではない。プラズマをかいくぐって闘
うことも出来ようぞ」
 ザクの高感度聴覚センサーは東方不敗の声を拾っていた。だが、心は怯まない。
――かまわん。1人残らず焼き尽くしてやる!
77作者の都合により名無しです:04/09/23 20:23:49 ID:idwnqCig
今回up分終了。1985氏、Flash製作本当にありがとうございました。
78作者の都合により名無しです:04/09/23 20:42:49 ID:kALOMitt
乙。
何か、ヤッターマンの敵メカを連想してしまいました>勇次郎軍団
79作者の都合により名無しです:04/09/23 20:51:34 ID:bOS6pS+a
勇次郎軍団(西部警察みたいだw)対ザクの死闘。
ザクはさすがに苦戦していますね。一対一でも危ないのに。
塾長なら勇次郎が何人いても勝つけど、スペランカーザクじゃなw
でも、プラズマ使用可能でほんの少し勝率が上がったか。
あと黒幕の東方不敗は塾長が倒して欲しいなあ、一撃で。
80作者の都合により名無しです:04/09/23 21:43:32 ID:i4Ka9fkW
ヤッターマンとか西部警察とか、
ここの住人はやっぱり年上が多いなw

ザク氏おつ。
勇次郎100人対ザク、佳境ですな。
まさか100人いる勇次郎に
ザクが勝てるとは思えないけど、
男塾軍団が加勢でもするのかな?
なんかそのチーム戦見てみたい。

あと、フラッシュよかったよ!>1985氏
81作者の都合により名無しです:04/09/24 01:45:09 ID:Cjko4PDm
明日も作品来〜い!
82ドラえもん のび太の地底出木杉帝国:04/09/24 19:32:13 ID:XFFPPIEX
「な・・・・・!?」「こ、これは・・・!?」
「いったいぜんたい・・・!?」
モニターの前に集まった面々が、口々に絶句する。

バンホーが偵察兵からの報告を受けたのは夜中であった。
受けた報告内容はたった一言だけ。
―――“帝国が変貌した”―――

ドラえもんとドラミまでもが叩き起こされ、急遽、帝国を映すモニターを監視
することになった。しかし、しかけた赤外線カメラは、夜の間はあまりの闇の
濃さに、いや、それともなにかの力で受信を妨害されているのか、ことごとく
機能していなかった。要塞に近いカメラほど本来の機能を発揮できていない。

朝になり、光りゴケが光を発し始めてから、ようやく軍事都市の外部に
取り付けたカメラだけは、機能を回復し、モニターに画像を送り始めた。

写っているのは、薄紫色に染まった不気味な空。昨日まではなかった
いびつな岩場が、各所にせり上がっている。そのあちこちから吹き出す瘴気。
目の前のモニター内に広がるのは、おどろおどろしい歪んだ負の空間。
まるでCGで作られたファンタジー映画を見ている気分にさえなってくる。

遠くの空を巨大な――いや、不自然なほどに巨大すぎる――翼竜が、列を
なして巡回している。都市部にはこちらも不自然に巨大な竜に乗った人影
が多数うろついている様子だ。

人影をアップして見る。すると、竜人と思っていたそれは、竜人ではなかった。
良く似ているがどこか違う。そう。鋭く尖った耳、突き出た牙、あさ黒い体色、
青白い顔色、まるで神話に出てくるような悪魔そのものの姿である。不気味な
道化師のような仮面の者もいる。その口元が歪む。なにかまわりの悪魔どもに
指示を出しているようだ。つまり、その能面のような顔は、仮面ではなく素顔。
帝国に突如として、竜人でも地上の人間でもない謎の集団が出現したのである。
「なな、なんだよ?なにがあったってんだ?」
「これは・・・夢でも見てるのか・・・?」
むにりと、頬をつねりながら、ジャイアンとスネオが呆然と呟く。

「なんか、これと同じような光景見たことあるんだけど・・・」
「なんだ?のび太。心当たりあるのか?」
「実は僕もたぶんのび太くんと同じことを考えてた・・・。」
「ドラえもんも!?」

「ジャイアンたちも思い出さない?」
のび太の問いかけに、ドラミが待ったをかける。
「のび太さん。たぶん、無理よ。あれは、パラレルワールド。
あのときの剛さんたちは、パラレルワールドの住人だったんだから。」
「あっ、そうか。こっちの世界のジャイアンたちは知らないんだよな。」

「・・・ドラミちゃんもかよ!?
パラ・・・なんとかとか、あっちの世界とか・・・なんなんだよ。一体?」
バンホーさんたちはもちろん、ジャイアンたちさえわけがわからず混乱している。

ドラミが言葉を発した。誰に説明するともなく。
「・・・“魔界”・・・・!」

――――――“魔界”―――――――

かつて、のび太は魔法世界に憧れて「もしもボックス」を使い、既存の科学に代わって
魔法文明が発展したパラレルワールド、魔法世界を生み出した。しかし、その世界には
邪悪な悪魔どもがひしめく惑星、“魔界星”が存在し、地球侵略を狙っていたのだった。
そこで知り合った美しい天才魔法使い美代子らと共にドラえもん、のび太、ジャイアン、
スネオ、しずか、ドラミの6人は強大な魔力をもって魔界を統べる魔王に戦いを挑んだ。
広大な星の海に隠された魔王の心臓を見つけ出し、銀の矢で射抜いたドラえもん一行は、
ついに魔法世界の平和を守りきり、魔王の心臓は火の玉となって魔界星を滅ぼした。
「魔界!?」
「もしもボックスで生み出されたパラレルワールド、魔法世界。
科学と魔法が入れ替わったその世界に存在していた・・・・“魔界”・・・!
でも、確かに魔界は魔王といっしょに滅びたはずなのに・・・!?」

ドラミは考え込んでいる。
「それ以前に、パラレルワールドはパラレルワールドでしかないはずよ。
・・・こっちの世界にも人知れず、魔界が存在していたってこと・・・?」

しばらく考え込んでいたドラミであったが、やがてポソリと呟いた。
「唯一・・・この世界とあっちの世界とをつなぐものがあるわ・・・。」
「え?」

「“時空間”・・・・。」
ドラミの発したその言葉にドラえもんが思い当たる。
「そ、そうか!のび太くん。覚えてないかい?」
「・・・?」

「“魔物は時を超える”・・・」
「僕らを石に変えた、あのおっそろしいやつだよ。」
「あ・・・・。」
その瞬間、目を見開いたのび太の脳裏に、醜悪な魔物の姿が、咆哮が甦った。
頭部に無数のヘビが蠢く石化の化物。時空間を生身で悠々と泳ぐ不気味な怪物。

―――― ウオオ・・・〜ン ――――

「・・・あ――――――――――――――――っ!?」

記憶の中に鮮明に蘇った魔物の姿の恐怖に、のび太はその場に昏倒した。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「のび太!大丈夫か!?しっかりしろ!!」

突然倒れたのび太を心配してみなが駆け寄る中、ワンダー・ガールが叫んだ。
「これは・・・?思念波!!強い想いがのび太くんに流れ込んでいるわ!」
「な、なんだって!?大変だ!起こさなきゃ!!」

「待って。悪意のようなものは感じられないわ。強くて、暖かくて、優しくて、
そして真剣な想い・・・。」
少女は目を閉じ精神を集中させ、なにかを感じとっているようだ。

「・・・これ・・・なにかのメッセージみたい。みんな、目を瞑って。」
「えっ?目を・・・?」
「・・・このイメージを映像化してみんなに伝えてみるわ。」
「そんなことが出来るのかね!?」

ワンダー・ガールはみんなに向って、にっこりと微笑んでみせた。
「うふふ、言ったでしょ。私は“エスパー”だって。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

目を瞑った一同。そのイメージの世界の暗闇の中にのび太が倒れている。

―――のび太さん・・・のび太さん・・・!――

どこからともなく声が聞こえてくる。少女の声だ。透き通るように美しい。
しずか?リルル?・・・違う。その声は二人よりも、もっと大人びて聞こえた。
いつか聞いたことのある懐かしい声。凛々しさと優しさが同居したような・・・
そして・・・のび太は目覚めた。
「ハッ!?ここは・・?この声は・・・?」

暗闇にぼんやりと淡く美しい緑色の光が現れる。その中からおぼろげに
浮かび上がってくる人影。それは次第にはっきりとした人の形をなす。
幻想的な光に包まれたその姿はまるで妖精。意思の強そうな凛とした瞳。
端正な整った顔立ち。それは、のび太の知る顔であった。

「あ―――っ!?み、美代子さん!?」

「久しぶりね。のび太さん。」
そこには、美代子と呼ばれた美しい少女が優しい微笑みを浮かべながら立っていた。
その芯の強そうな顔立ちは大人びて見えるが年のころは、まだ10代半ば程度だろう。
幻想的な輝きに包まれたその姿は、よりいっそう神秘的で美しい。

「な、なんでこんなところに?」
のび太の問いに美代子の笑顔が曇る。
「ごめんね。再会を懐かしみたいところだけど、私には時間がないの。
この姿はただの思念体。私は今、キスギーの中に閉じ込められてるの。」
「キスギーの!?え?え?それはどういう・・・」

「正確にはキスギーの中にいる・・・“魔王”の中に・・・ね。」
88ドラえもん のび太の地底出木杉帝国:04/09/24 19:46:54 ID:XFFPPIEX
今回分終了です。

【補足】
複数の人間にイメージを伝える能力ですが、原作の「エスパー魔美」作中では使われていません。
ただし、下記のような能力は有しています。それらの複合技と考えてもらえればと思っています。

・相手の考えを読み取ったり、自分の考えを言葉を発することなく相手に伝える能力(テレパシー)
・相手の体にそっと手を触れるなどして、心の中を読みとる力(接触テレパシー)
・風に乗せて遠く離れたところに居る人へ意志を送るテレパシー能力(遠距離テレパシー)
・遠く離れた場所のイメージを読み取る能力(遠隔視)
・自分が頭の中で思い浮かべたイメージを写真に写す能力(念写)
・その物体にまつわる過去のイメージを頭の中に取り込むことができる力(過去認知)

☆サナダムシ様。遅くなりましたが、しけい荘物語、堂々の完結おめでとうございます。
前半のギャグがあってこそ後半の盛り上がり、感情移入につながったような気がします。
前半のシコルスキーのキャラからして、大将戦はどっちが勝つか全く読めませんでしたし、
それもまた、前半部が後半に生きた感じですね。まだ、続き書いてもいけるんじゃないか?
と惜しまれつつの大団円。羨ましいくらい理想的な終わり方かもしれませんね。ああ・・・
同時期に連載開始されたものが次々に終わっていく・・・。出木杉も早く終わらせねば。
89殺助 ◆oIVyz8LOXE :04/09/24 19:51:23 ID:TbC8R/rM
うみにんさんお疲れ様です。
物語急展開ですね。ワンダーガールもエスパー魔美も正直知りませんが、
それでも楽しめるのはさすがです。クライマックス近そうですね。

ごめんなさい。俺も作品投下します。1レス空けます。
90DIOの世界:04/09/24 19:52:07 ID:TbC8R/rM
>>51
なるほど。人生とは永久(とこしえ)の闇か。この世は不破の獄か。

俺は目が盲いてから、次々と真理に気付き始めた。
元々この世には光などはない。目の前には空漠とした虚像が広がっているだけなのだ。
おれたちが日常見ている風景。それは、眼球が脳内に作り出したイメージ映像に過ぎない。
そこにいるのが家族であれ、恋人であれ、どんな美しい佳人であれ。
本当にそこに、目の前いるのは、脳内に在る映像とは違う、化け物かもしれないのだ。

恋人と触れ合っている時。家族と馴れ合っている時。
目の前にいる者は愛に満ち、輝きを纏った宝石に写っているのだろう、愚か者には。
哀れな事だ。
愚か者はほんの一瞬の些細な出来事で、「心が通じ合った」と錯覚する。
だが在り得ない事だ。たとえ共に1000年暮らそうが、人と人が通じ合う事は無い。
人間など、さざ波のような小さな感情の揺れで、幾らでも変わる不安定な生き物。
数分前に裸で抱き合い、繋がっていた恋人同士が殺し合うなんて事は珍しくも無い。

おれは自分と自分以外の人間は、まったく違う生物と考えている。
遺伝子的な事ではない。生き抜くための術から結論した事だ。
相手の思考が完全には分からない以上、そう思った法が安全だ。目の前にいるのは怪物。
表面上の言葉しか意志の疎通の叶わぬ、未知の異邦人。
優しい言葉を掛けながら、自分の利益の為なら平気でおれを売り飛ばす奴隷商人。

簡単な結論だ。ごく自然な、当たり前の。
信じるな。自分以外の物を、一切すべて。何も信じず、何も頼らず、何も希望を持たない。
それが生き抜く為の鉄則だ。おれはずっとそう思っていた。十数年、ずっと。

闇の帝王者、悪の救世主のあのお方に出逢うまでは。
91DIOの世界:04/09/24 19:53:00 ID:TbC8R/rM
皮肉な事だ。
眼が煌々と視界を捉えている時には、こんな当たり前の事にも気付かなかった。
近所に住まう薄汚いババアがくれる貧相な菓子に、下らない悦びを感じて
あろうことかそのババアに好感を持ってしまうような愚かなガキだった。

そんなほんの数週間前の思い出に唾を吐いて、また繰り返す。自分しか信じるな。
だがガキの頃のおれには、闇を振り払う矛も、己を守る盾も持ち合わせていなかった。
力が欲しかった。ただただ自分ひとりで生きて行く為の、力が欲しかった。
そして運命は流転する。
獄の底から這い上がる事を約束された、あの日がやって来た。母親の命と引き換えで。

おれはその日もサッカーボールのように蹴られながら、涙を流し絶叫していた。
だが泣き喚く事は、この街では更にいたぶってくれとお願いしているようなものだ。
強烈な蹴りが腹部を直撃する。うずくまる俺。
悪ガキどもは暴力行為に満足したのか、次々にズボンを脱ぎ、下半身を露出していく。
おれはその小さなペニスを口に含み、奴らの欲望を呑み込んでいく。

母親の商売を横目で見ながら、おれは性の仕組みを早い段階で学んでいた。
まさかこんな事が己を守る事に繋がるとは思わなかったが。
悪ガキでもにフェラチオする事で、少しだけ日々の拷問が軽くなるのだ。
殴られるより、奴らのペニスを咥えるのを選んだ。プライドより、肉体を取ったのだ。
目の前の者をすべて殺せる力をくれ、と悪魔に祈りながら。

背後から、下卑た笑い声が木霊した。邪悪な、身も凍るような老婆の笑い声だった。
92殺助 ◆oIVyz8LOXE :04/09/24 20:01:02 ID:TbC8R/rM
今回2レスだけ。
レスは少ないけど週2回ペースで書きます。

93作者の都合により名無しです:04/09/24 21:09:48 ID:RiFs7IZ1
>>パオ
まとめサイトの方にも一言書いておけ。
94ドラえもんスレの住人:04/09/24 21:31:05 ID:p9lOivdD
>うみにん氏乙です。
前スレにて若干ネタバレさせてたみたいです。ごめんなさい。
素直にROMして静かに見てます。
最後にですがキャラの名前は、美夜子です。美代子は変換ミスですねw
95作者の都合により名無しです:04/09/24 22:05:19 ID:FqtVqYy0
>出来杉帝国
時空間に魔物に魔王と謎を解く重要なキーワードが出揃ってきたって感じですね。
この壮大な物語にどう決着がつくのかいよいよクライマックスの予感。期待してます。

>DIOの世界
エンヤ婆の登場で大きく運命が変わるのですね。しかしダークだw
できればもう少しまとめて読みたいかな。
96作者の都合により名無しです:04/09/24 22:24:25 ID:8chymHTE
うみにん氏
・いよいよ最終局面が近づいてきたって感じ。主要キャラが出揃って、
 最終?目的が見えてきて。でも、まだまだ続いて欲しいな。ゆっくりと頑張って下さい。
殺助氏
・元いじめられっこの俺には痛い内容だなw確かに無意味に殴られたり蹴られたりすると
 世の中すべてが敵に見えるんだよね。エンヤが出てきて、いよいよ覚醒か?
 あとさ、










 魔界編とラーメンマン早く更新して下さいよ。しかしパオ氏とは思わなかった。
 人魚姫はなんとなくわかったけどな。
97作者の都合により名無しです:04/09/25 00:13:00 ID:4ZkFCXza
>ドラえもん のび太の地底出木杉帝国
物語が少しずつ収束していっているな。それに伴って密度も増している。
少し唐突なところもあるけど、うみにん氏の判り易い筆致でカバーされてる。
まだまだ先は長そうだけど、頑張って欲しい。

>DIOの世界
一人語りのような技法を上手く使って、独特の「間」を生み出してるね。
その間が世界観をより暗くさせて、登場人物の「闇」をより濃く投影させている。
一部もそうだったけど、キャラの少なさが逆に効果的だね。
98作者の都合により名無しです:04/09/25 15:05:39 ID:YRPijUqz
>ドラえもん
壮大な展開が急展開でクライマックスを感じさせますな。いよいよ後半か?
できるだけ長く続けて下さいな。あとたまのまとめ補足も親切。
>ディオ
ドス黒いなあ。黒さ(ンドール)と黒さ(エンヤ)が交わって
さらに黒くなっていく感じだ。ンドールがどうディオに心酔していくのか楽しみ。
99二人の絆:04/09/25 16:19:11 ID:JdmGq5HS
真夜中。けたたましいサイレンの音と共に、いつもの倍のサーチライトが辺りを照らした。
収容所のあちこちで爆発音、怒号、悲鳴、そして銃声が響く。
《A−3棟にて被検体による暴動が発生! Aブロック警備隊員は第一種武装の上、
直ちに応戦、鎮圧せよ! 繰り返す、A−3棟にて……》
重武装した軍人たちが、機関銃や手榴弾を携えて収容所を駆け巡る。そんな彼らは
明らかに『表』の任務に携わる顔をしていない。
敵対国の、それも戦闘員しか相手にしない者を軍人と呼ぶのなら、彼らは確かに
軍人ではない。彼らは、上からの命令とはいえ、母国の非戦闘員を専門に相手にして
いるのだから。それも殆どはまだ幼い、少年や少女を捕獲しては、この収容所で…………

収容所の中庭。木陰に、白い髪の少年と、金色の髪をした少女がいた。少女の方が
少し年上、と言ってもまだ十代半ばである。二人とも、手術着のような白い布を素肌に
かけている以外、何も身に着けていない。小枝のようにやせ衰えた手足は傷だらけで、
新しい傷からは生々しく血が流れている。無数にある古い傷は、もう何年分も
重なっているらしく、傷跡に傷跡が交差し、刀傷と銃創と注射の跡とが連なっている。
二人は息を荒げながら、木に背を預けて座り込んだ。二人とも、重傷と極度の疲労で、
もう立っていることも辛いのだ。
「……みんな……だめ、みたいね……」
少女が、収容所の方を見てぽつりと言った。収容所の騒ぎは徐々に静まってきており、
それはつまり暴動の鎮圧、『非検体』側の敗北を意味していた。
いや。正確には、『非検体』たちの声が聴こえないから、彼らの死を二人は知る
ことができるのである。なぜなら二人は、どんなに遠く離れていても、彼らの声を
聴くことができるから。なのに今は、一人、また一人と、断末魔を残してその声が
消えていくのである。
二人のいる木陰。そこから少し行けば、収容所の門がある。そこさえ突破すれば、皆が
文字通り「死ぬほど」思い焦がれた、外の世界。家族や親友、恋人のいる外の世界なのだ。
だがここまで辿り着けたのは、たった二人だけ。
「お姉ちゃん、ほら、立って。早く逃げないと」
100二人の絆:04/09/25 16:20:10 ID:JdmGq5HS
少年が、少女に肩を貸して立ち上がらせた。そして引きずるようにして、少女を連れて
いこうとする。本当の姉ではないが、彼にとってはそれ以上に大切な少女なのだ。
「わたしは、もう、だめ……キース、あなただけでも逃げて……」
「だ、だめだよ、そんなの! 約束しただろ? お姉ちゃんの国に行って、お姉ちゃんの
家で、お姉ちゃんがアップルパイを作ってくれる、って! 絶対、一緒に外へ出るんだ!」
少年と少女は、『同じタイプの被検体』として、隣り合った房に入れられていた。
だから、壁越しによく話をした。よく励まし合った。
二人の目の前で、二人と同じ年頃の男の子が女の子が、凄惨な人体実験の果てに
命を落としたり、発狂したりするのを見てきた。無論、二人も同じ目に遭ってきた。
そんな中で、二人は互いに支え合って、今日まで生き延びてきたのである。
「……ごめんねキース。その約束は、もう……」
その時。
「いたぞ、あそこだ!」
「2032号と2033号か! 捕獲を考えるな、こっちがやられるぞ!」
防弾装備に身を包んだ男たちが、機関銃を構えて殺到してきた。その数は二十数人。
一瞬、息を飲んだ少女の行動は素早かった。キースを門の方へ突き飛ばすと、全身を
貫く激痛に耐えて立ち上がり、男たちの方へと向かったのだ。
「お姉ちゃんっ!」
キースは少女に追いすがろうとした、が、その声に振り向いた少女が、キースを
思いきり張り倒した。
「バカ! あなたは、まだ解っていないの? こんな収容所が、世界中に無数に
あることを! わたしたちみたいな子が、何百……いえ、何千人もいるのよ!?」
「お姉ちゃん……」
「聞きなさい、キース。このままじゃいけないの。あなたは生きて、ここを出て、
そしてわたしたちの未来を築く使命があるの。あなたなら、きっとできる」
男たちの声と足音が、近づいてきた。少女が振り向くと、男たちは一斉に銃を構え、
狙いをつける。
101二人の絆:04/09/25 16:21:25 ID:JdmGq5HS
少女はキースに背を向け、男たちに向かって走っていった。一瞬、ちらりとキースの方を
振り向いて、最期の言葉を口にする。
その言葉を、耳ではなく胸に突き刺したキースは意を決し、門に向かって走った。そして、
「撃てええええぇぇっ!」
「許さない……あなたたちは、殺しても許さない……ぅわああああああああぁぁぁぁっ!」
少女の咆哮と共に、男たちの半数が猛烈な吹雪を浴びて凍結し、砕け散った。だが同時に、
少女の体は蜂の巣に、というより数万匹の白アリに食い荒らされた枯れ木となった。恐怖に
かられた男たちの機銃掃射が、少女の全身をくまなく貫いたのである。
身にかけていた白い衣は弾け飛び、それよりも白かった素肌は真紅に染まり、
人体の原型を留めぬ醜いゴミとなって。少女は倒れ、絶命した。
その直後、一瞬だけ出現した氷の龍によって収容所の門が叩き潰され、『被検体
2033号』が逃走したのだが、警備隊員たちにそれを追う力は残っていなかった。

…………アナタハ キボウナノ…………

『氷界の帝王』キース・エヴァンスはこの日、この言葉によって誕生した。数年後、
成長した彼は世界中のサイキッカーたちにテレパシー放送で呼びかけ、
サイキッカー集団「ノア」を設立。自分たちを虐げ、兵器として利用しようとした人類を
相手に、真っ向から戦う意志を明らかにする。
キースよりも遅れてサイキッカーとして覚醒した親友が、彼を止めようとしたが敗北。
キースの冷たい憎悪の前に、なす術もなく敗れ去った。
各国の収容所を襲ってサイキッカーたちを開放していくキースは、戦闘経験を積み、
人類への憎悪を募らせていくことで、ますますその力を高めていく。


そして彼は、知った。地上最強の生物と噂されている男の存在を。
102ふら〜り ◆XAn/bXcHNs :04/09/25 16:23:27 ID:JdmGq5HS
『サイキックフォース』です。もっと続けて欲しかったなぁ……。
最後の一行でお解かりの通り、次からはちゃんとバキが絡みますので。宜しくです。

>>ザクさん
ただ互いを蹴落しただけ、けどそれが偶然にもチームプレイになって敵を追い詰めて
しまう。そんなところにも、勇次郎の強さというか恐ろしさが出てる気がします。
でもそんな相手に対して、文字通り燃えてますスペランカー・ザク! 頑張れっっ!

>>うみにんさん
実は私、自分で観た限りのドラ映画の中では、魔界大冒険が一・二を争ってますので。
美夜子の登場はかなり嬉しいです。しかも思いっきり捕らわれのお姫様してますし。
あと言われて思い出しました、「あの時のジャイアンたちは別人」。何だか寂しい。

>>殺助さん(としておきます)
>目の前の者をすべて殺せる力をくれ、と悪魔に祈りながら。
……来ましたねぇ、悪魔。私も>>96さんに通じるモノがありますので、こんな状況で
覚醒させて貰って一気に復讐逆襲達成、となったらその恩だけで充分、忠誠誓いそうです。
彼の場合はそれプラス、DIOの哲学と魅力に惹かれて、ですかね。その辺楽しみです。
103作者の都合により名無しです:04/09/25 21:02:33 ID:+1QM9AfP
ふらーりさんキター
しかし元ねたさっぱりわからんW
サイキックですか。超能力者が
地上最強の生物と邂逅してどうなるか。
まだまだ序章ですね。
104作者の都合により名無しです:04/09/25 21:14:48 ID:ozibrsyN
サイキックフォースですか。
コミック(小説?)の方が元ネタなのでしょうか。
私はゲームの方でしか知りませんが、キースの過去物語のようですね。

そういえばキースで思い出しましたが、去年「ギース対勇次郎」書いてましたね。
あの時は勇次郎はやられ役でしたが、今回は超能力者相手に善戦できるのかな。

105作者の都合により名無しです:04/09/25 22:38:15 ID:o8fSgqGj
懐かしいなサイキックフォース
つーか、もうバーンは敗北済みですかい・・・・
ウェンディとか出てくんのかなあ

あとできればガデス登場キボン(当時、持ちキャラだった)
NBです皆さん。
第三話「二局」始めさせていただきます。
―――スヴェン=ボルフィートは走っていた。夜の町を、全速力で、独りで。
呼吸の乱れは疲労からではない。この程度の酷使に耐え切れぬ体力なら、今現在に到る前に急所に穴が数十単位で
開いている――――――…では何を焦るのか。
「……トレイン、居たか!?」
抜き撃ちの早さで取り出した携帯電話が繋がると同時に通話者に訴えた。血を吐く様に。
《………駄目だ、こっちにも居ない》
その返答にスヴェンの気が一層重くなる。
完全に自分のミスだった。…よりによって一番状況を左右するものを読み違えるとは。


―――十分前、宿の一室。
スヴェンは闖入者の顔面に閃光弾を投げ付け、掴まれる前に撃った。同時に真昼よりなお明るい闇が展開する。
いくらギャンザが道士でも生体限界まで強化された訳ではない、一瞬で両目を封じられその場に怒号と共に蹲る。
「逃げるぞ!!」
イヴを抱えたまま窓から飛び降りた。二人もそれに続く。
二階程度なら無傷で飛び降りる事は充分可能だ。少女一人の重量が増えても全く苦にせず鮮やかに着地した。
「―――三十分後にK−8地点に集合、それまで見つかるな」
二人にそれだけ告げて彼はイヴを連れて走った。
「畜生………畜生! 逃がさねェぞ手前ェ等!!!」
未だ視力を回復しないギャンザが夜の静寂を切り裂かんばかりに吼える。
スヴェンは走りながら鼻で笑う。あんな簡単な手に引っ掛かる奴に誰を捕まえられるのか、甚だ疑問だった。
―――どれだけ走っただろうか。
元が元だけに、イヴはスヴェンから離れる事無く走る。
安心した、このペースなら道を何度か変えるだけで奴は追いつけまい。他の二人ならなおさらだ。
……それにしても、潜伏のセオリーを無視する速さで見つけ出す情報収集能力に彼は驚嘆していた。
間違いなく“星の使徒”を嘗めていた、連中は予想を越える完成度を持っている――それが若い組織だと言う事は、
勢いも有るという事だ。………道(タオ)の事を差し引いても性質が悪い。ならばますます生餌に食い付く訳にはいかないのだ。
不意に、足音が自分独りだけなのに気付く。振り向けばイヴが足を止めていた。
「―――イヴ?」
疲れたのか、と思ったが、
「…スヴェン、やっぱり……わたし、戦う」
言うと同時に髪が上に向かって伸び、ビルの壁面に突き刺さった。
「イヴ!!」
「ごめん…わたし、あの人ゆるせない」
――そう、許せない。あんな悪意の存在が。自己満足だけで他者の命を食い潰す傲慢が。
苦しめなくては自己を確立できない度し難い脆弱さが。何より、過去の自分を思い出させて。

髪の束を握ると同時にイヴの体が舞い上がる。一気に髪を縮めたのだ。
伸縮の勢いは凄まじく、彼女は夜空に飛んだ。そこで髪を引き抜き、別の壁面に打ち込む。
今度は振り子の要領で飛び、同じ事を繰り返す。…見る間に彼女は遥か遠くに飛んでいった。
―――スヴェンは本当に焦っていた。
別にイヴが弱いとは思っていない…むしろ戦闘能力だけならギャンザより上だ。
だがしかしそれでも、彼女がギャンザに勝てるとは思えなかった。
あくまで、“戦闘能力だけなら”なのだ。
だからこそ急いで探さなくてはならない、そのために逃げているトレインとリンスにまで捜索を頼んだのだ。
………もし、手遅れの時は、
(……殺す、生まれた事も後悔する様な殺り方で!)
静かな、だが獰猛な殺意が隻眼の奥に熾き火の如く燃え上がった。


「―――嬉しいねェ、お嬢ちゃん。自分から来る奴は初めてだぜ」
大通りは時間帯と殺人犯のお陰でほぼ無人だった。
ギャンザ=レジックは自分の前に立つ少女の敵意を受けながらも、嘲笑(わら)った。
「何して遊ぶ? 〔手足バラバラごっこ〕なんてどうだ、楽しいぜ(オレが)」
ケーキを食べる子供の心境でイヴの体を嘗め回す様に見る。
どこから千切れば長持ちするか、どう毟ればいい声で鳴くか、彼の頭に有るのはそれだけ。
だが、そこで予想外の事態が起こった。

少女の髪が地面に付くほど…いや、付いてもなお伸びていく。
そして全て舞い上がり、形作るのは二つの大きな腕。但し指は鋭い刃そのもので。
「な……何だァ?! そりゃあ!!!」
驚愕した。聞いてない、そんな話は。この小娘はあの女の後のデザートだとばかり思っていたのに。
「……あなたは、許さない」
イヴの口から緩く重く怨嗟が零れ落ちる。…それは今の彼女のあらゆる怒りを内包した言霊。
その声で、今更彼女の怒りの嵩の大きさを知った。
――同刻、町外れの墓地。
「…シャルデンさん、ここにあの人が来るんですかぁ?」
乱立する墓石の一つに腰掛け、キョーコは足をばたつかせる。
「ええ、デスのであと十分程待っていたダケれば………おや?」
側に立つシャルデンを見上げれば、彼が見るのは自分の背後の遥か彼方。となればキョーコも後ろを見る。
――向こうから男が一人歩いてきた。
全身を包む仰々しい黒服は騎士の甲冑か軍服の様相。然るに手に持つ長い包みは、武器の気配を布越しでも鮮烈に匂わせる。
そして何より男の双眸。白刃の如く鋭い眼は獲物を見据える猛獣そのもの……更に言えばその眼は二人を見ていた。
やがて男は二人の前に立つ。
「星の使徒の道士……だな」
声はギロチンの様に鋭く重い、込められているのは間違い無く殺気だ。周囲の空気が次第に張り詰めていく。

だが二人はまるで意に介さなかった。
「わお、渋いオジサマ」
「こらこら、彼が例ノ〈時の番人(クロノナンバーズ)〉なんデスよ。馴れ合ってハいけまセン」
…もう自分の素性がばれているのか。ベルゼーは少なからず驚嘆した。
「ならば話が早い……訊きたい事がある。内容は“星の使徒に関する知っている限りの情報”だ。
 ……話さぬと言うのなら排除する」
あらゆる遊びを排した簡潔極まる言葉だった。それだけに自信と殺意が強調されて、緩い空気を引き締める。
連投規制のため今はここまで。
バレさん、あんなに格好良くしていただけて光栄至極です。
112作者の都合により名無しです:04/09/26 00:15:52 ID:zXR1wNWl
NBさん
いきなりハードですね。
逃亡劇からイブ・スヴェン対ギャンザ、ベルゼー対キョーコ・シャルデンですか。
文章がうまいから臨場感があるのにサクサク読めます。羨ましいなあ。
お世辞でもなんでもなく原作よりずっと緊張感があるわ。原作がアレだけどw
また今夜か昼にでも更新して頂けるのかな?楽しみにしてます。
突然キョーコが挙手した。教師に質問する様に。
「シャルデンさん、私がやってもいいですかぁ?」
声が軽い――どうやら彼女には言葉の意味は伝わっても、周囲の空気は伝わらないらしい。
「いいデスが…一人でデスか?」
「ええ、あのアフロの人のお陰でちょっと暴れたくなってきちゃいました。……いいですよねぇ」
猫撫で声でシャルデンを見上げる、いかにも問い掛ける様な笑顔で。
シャルデンは肩をすくめて後ずさった。無言の了承に彼女はますます破顔する。
キョ―コは勢い良く立ち上がり、ベルゼーと対峙する。

したたかに滑稽だ、女子高生と武人然とする男が墓場で決闘する様など。されどこれは見た目以上に剣呑な状況なのだ。
――道士とナンバーズの殺し合い―――
今この場は、巻き込まれれば瞬殺確実の嵐の前の凪に等しい。
「……退いても、追わんぞ」
唐突にベルゼーが沈黙を破った。
彼を知る者なら耳を疑う台詞だ―――何せ彼の渾名“眠れる獅子”は相手に対する苛烈さから付いた名だ。
「あれれ? ひょっとして“女子供には手出ししない派”ですかぁオジサマ」
そう思うのも無理は無い、先刻の言葉をいきなり撤回とは。正直拍子抜けした。………だが、
「いや、お前に死ぬ覚悟が無さそうなので……つい、な」
――明らかな嘲弄だった。表情を変えない所が余計に怒りを誘う。
「…ムカツク」
キョーコの顔から一切の表情が消失した。
いちおうここまで。
皆さんの応援のレスが俺への何よりの褒美です。
言葉少なで済みませんが今日はこれでお終いです。
ではまた。
115作者の都合により名無しです:04/09/26 01:05:48 ID:uExjiMUW
>AnotherAttraction BC

原作は俺にとって「絵本」だったので、NB氏の作品を読みながら
それに合わせた映像を頭に浮かべて楽しんでる。

それにしても緊張感をぶち壊しにするキョーコタン可愛いw
どこか武士然としたベルゼとの対比が面白い。
イブタンとギャンザの戦いもいいな。2つの戦いの同時進行は
難しいと思うけど、NBさんの筆力なら安心だな。
でも、原作最高のキャラのセフィリア様の登場はいつだろう?w

116作者の都合により名無しです:04/09/26 02:09:00 ID:Yi0dVPkk
>NB氏

イブvsギャンザは嬉しいね
原作だとトレインが凍らせて勝ってたからなw

ベルゼーvsキョウコは原作通りだな
原作のベルゼーは「槍の達人」という設定だったのに、
槍の基本である引き戻しもしないで、素手で槍捕まえられるアホだったから、この点を改善してもらえたら幸い
117作者の都合により名無しです:04/09/26 02:23:37 ID:C5C8aVD2
・ふらーりさん
いよいよ新作開始ですか。頑張って下さい。
原作知りませんが、勇次郎大暴れを期待します。
・NBさん
個人的にベルゼーのシブさが好きだったから、
活躍しそうで嬉しいな。原作では結局フェイドアウトしたし。
118作者の都合により名無しです:04/09/26 10:49:23 ID:z935P1o0
一昨日、昨日と小粒しか来なかったか。残念。
119作者の都合により名無しです:04/09/26 12:19:44 ID:z935P1o0
と思ったら出来杉が来てたな。すまん。
120作者の都合により名無しです:04/09/26 14:17:47 ID:XPyoJ3FM
ふらーりさんNBさんお疲れ様です。
お2人とも絶好調な様子で嬉しいです。
これからも頑張って下さい。

ID:z935P1o0さん、あまり人間性を疑われる様な事を
書かない方がいいですよ。
121作者の都合により名無しです:04/09/26 15:43:59 ID:tkU4xjvU
>>120
ID:z935P1o0じゃないが、その様なレスが荒れる要因になると思わない?
122作者の都合により名無しです:04/09/26 15:59:24 ID:VfZBid7w
どっちもどっちですな
123作者の都合により名無しです:04/09/26 16:10:35 ID:YXZTjLwp
何だかんだ言って、
パオさん、VSさん、ふら〜りさん、うみにんさんがいないとバキスレは始まらない。
四人がいないバキスレなんて、スープと麺がないラーメンのようなもの。
124作者の都合により名無しです:04/09/26 16:25:50 ID:VfZBid7w
何だかんだ言って、
パオさん、VSさん、ふら〜りさん、うみにんさんがいないとバキスレは始まらない。
四人がいないバキスレなんて、スープと麺がないラーメンのようなもの。

>>534か?
125作者の都合により名無しです:04/09/26 19:41:24 ID:Vdud7VKg
>>123
VSと、パオやうみにんなんかを同格にするなよ。失礼だぞ。
126作者の都合により名無しです:04/09/26 19:47:32 ID:VfZBid7w
>>125
意図的に一人無視するほうが失礼だ。
というか、こういうことはよそでやりましょうや。
127作者の都合により名無しです:04/09/26 19:53:09 ID:Vdud7VKg
>>126
無視したわけじゃないんだ。

>ふら〜りさん
ごめん。
128作者の都合により名無しです:04/09/26 20:12:35 ID:zXR1wNWl
また語ろうぜスレから荒らしに来たか。
困ったものだ。
せっかくこのところ雰囲気良かったのにな。残念だ。

 

   何事もなかったように再開
     ↓   ↓   ↓
129作者の都合により名無しです:04/09/26 20:54:02 ID:pA4SKFi/
ふらーり氏の新作は嬉しいが案の定元ネタがさっぱりわかんねえw
切腹してくる。
130作者の都合により名無しです:04/09/26 21:10:11 ID:zXR1wNWl
>>129
俺もだ。だがそこがいい。
ふら〜りさんらしくて、いい意味でマニアックで。

ちなみにNBさんがセフィリアを描いてくれるのを
ひそかに今一番心待ちにしている。
>29の続き

―――その日のちょうどその時間。
時雨亜沙は、買い物帰りの道を歩いていた。その時だった。
「―――あ」
意識が朦朧として―――その場にへたり込む。
「あっちゃあ・・・またかあ・・・」
呟きながら、症状が治まるのを待つ。
―――彼女のこの症状の原因は、彼女の身体に宿る膨大な魔力が原因だった。本来人間の身体には、魔力などない。
だが彼女はとある理由から、その例外的存在であった。
人間の身体でありながら、膨大な魔力を宿す。その魔力に、彼女の身体は耐えられない。―――正確には、魔法を使って
魔力を定期的に消費させていれば、この症状も治まるのだが―――彼女は魔法を、決して使おうとはしない。
それは―――母親、亜麻のためだった。亜沙が魔法を使えば、彼女は昔を思い出してしまう。
「・・・そうだよ。ボクが我慢すればいいだけじゃない」
ようやく意識がはっきりしてきたところで、そう呟いて立ち上がり、多少ふらつきながら歩き出す。
家はもう目の前だった。玄関の戸を開けて、家の中に入る。
「ただいま・・・」そう言いかけた時だった。
「駄目!入ってこないで!」
その声は―――紛れもなく、母親の声だった。
「・・・!どうしたの、お母さん!」
叫びながら走り、リビングへと入った彼女が見たのは、縛り付けにされている亜麻と―――
白衣を着た、初めて見る男だった。
「貴様が、こいつの娘かな?・・・私は、グロキシニアというものだが」
男は、亜沙に語りかける。身体にへばりつくような、陰湿な声だった。
「・・・誰だか知らないけど、お母さんを放してよ」
その言葉を無視して―――男は喋り続ける。
「初めて知った時は驚いたぞ。実験中の魔力の暴走で行方知れずになっていた人工生命体の一号が人間界に飛ばされて、
そこで家庭を持ち、娘を産んでいたと聞いた時にはな。そしてその娘が、強大な魔力を受け継いでいるとも聞いた
―――そう、お前たちのことだ」
「・・・・・・!!!」
男の言葉に―――亜沙は顔面蒼白になった。
「どうやら亜麻のほうにはもはやロクな魔力は残っていないようだが、貴様にはそっくりそのまま人工生命体の
強力な魔力が宿っている。だがどういうわけか貴様、魔法を使わないそうではないか。それでは宝の持ち腐れだ。
それを、私が有意義に使ってやろうというのだ。―――どうだ、私に協力しないか?」
「・・・ふざけないでよ。お母さんをそんなにしといて、協力なんて出来るわけないでしょ」
それに対し、くっくっくと男は笑う。
「母親がこうなっているからこそ、貴様は協力せざるをえんだろう。―――母親を、死なせたくはあるまい?」
「な・・・!?」
「あーちゃん、駄目!ボクはどうなってもいいから―――すぐに逃げて!お願い!」
亜麻は叫んだ。自分が死ぬことよりも、娘がなにか恐ろしいことに利用されるほうが、
彼女にはよほど耐えがたかった。
「・・・お母さん・・・」
「さあ、どうする?貴様の返答次第で、母親の命が紙切れのように吹き飛ぶぞ」
亜沙は一瞬ほども迷わなかった。
「分かった。あなたについていく。それでいいんでしょ?」
その言葉に亜麻はがくりとうなだれ―――男は笑う。
「ククク・・・よかろう。母親は解放してやる」
パチン、と男が指を鳴らすと同時に、亜麻の身体に巻きついた縄が一瞬でほどける。
「おかあ・・・」
駆け寄ろうとした亜沙を、男の手が遮る。
「貴様は私についてくると言ったはずだ・・・もはや、母親には二度と会えまい」
そう言って男が亜沙の顔の前に手をかざしたその瞬間、亜沙は眠りに落ちた。
床に手をついてうなだれる亜麻を男は亜沙を抱えたまま一瞥し―――その姿を消した。
その数日後―――芙蓉家。
ドラえもんはふさぎ込んでいるのび太を心配しては、あれこれ話し掛ける。
「のび太くん・・・のび太くんってば!」
「ん・・・ああ、ドラえもんか・・・」
「・・・気持ちは分かるけどさ、しっかりしなきゃ・・・」
「ほっといてよ・・・お願いだから」
そう言うと、のび太はまた頭を抱えてうずくまる。ドラえもんはため息をついた。あの日から、ずっとこの調子だ。
稟も今ここにいるが、のび太と似たようなものだった。じっと黙り込んで、なにか考え込んでばかりいるのだ。
ジャイアンやスネ夫、静香にしても、部屋に閉じこもったまま、ほとんど顔を見せないらしい。
「どうすればいいんだろう・・・」
ドラえもんがやるせなく呟いたその時だった。楓が血相を変えてリビングに入ってきたのだ。
「た・・・大変!大変なことになってるんです!」
「ど、どうしたんですか!?」
驚いて聞き返すドラえもん。楓は答えるのももどかしい、といった様子で、テレビの電源を入れた。
そこに映っていたのは―――アザミだった。
「こ、この人は・・・!」
驚愕するドラえもん。のび太と稟も、反射的にテレビに目を向ける。
「―――突然ですが、我々の発表を聞いていただきたく、このような形を取りました。回りくどい言い方は抜きにして、
単刀直入に本題に入りましょう」
テレビの中の彼女は淡々と喋り続ける。ドラえもんたちは息を呑んでそれを見守る。
「我々は神界と魔界に対しクーデターを決行しました―――既に二界の軍は崩壊し、魔王は我らの手にあります。
神王についても、間もなく捕縛されるでしょう」
「な、なんだって――――――!?」
「そ、そんな・・・一体、何が・・・!?」
ずっと死人のように生気のなかったのび太と稟も、さすがに声を上げる。
そしてアザミは宣言する。
「神界と魔界を手中におさめた後は―――人間界へと侵攻を開始します。その日まで、せいぜい楽しく過ごして下さい。
戦うもよし、降伏するもよし―――それでは、ごきげんよう」
そして―――彼女は消えた。人間界に、大いなる衝撃を残して。
ほとんどの人間は、この放送に驚愕し、恐怖し、混乱に陥った。
だが―――その放送を見届けたのび太と稟の目には、もはやいじけた色はなく、強い決意の光が宿っていた。
その決意が―――世界の運命を、大いに変えていくことになる。
135サマサ ◆2NA38J2XJM :04/09/26 21:34:44 ID:M29Fub3s
さて、これにて日常は完全に崩壊。
あと二、三回ほどで、いよいよ本格的な活劇編に入ります。
ようやくここまで来たなあ・・・。
136作者の都合により名無しです:04/09/26 21:46:51 ID:zXR1wNWl
サマサさん
プリムラの魔法騒動に続き、亜沙の魔力のスタンピードですか。
そして亜沙も連れられていった。黒幕のところへ。
ほのぼのとしていた日常がガラガラと崩れ、クーデターが発動!
いよいよのび太が映画版の勇者っぷりを発揮するんですね。

それぞれの運命の糸が大きく絡まっていく活劇編、期待してます!
137作者の都合により名無しです:04/09/26 22:29:59 ID:uExjiMUW
>ドラえもん のび太の神界大活劇 

いよいよ壮大な冒険オペラが本格始動始めたか。
プリムラタンに続き亜沙タンにも「魔法」をキーワードにした過酷な運命か。
冒険ファンタジーの王道、しかも日本漫画の王道のドラえもんを
サマサ氏がどう料理してくれるか注目してる。クーデーターか。
柔らかい日常を崩壊させる大事件を、ドラえもんチームがどう救っていくか
楽しみに更新を待ってますよ。
138作者の都合により名無しです:04/09/27 08:37:16 ID:fY6DsU2u
>サマサ氏
友情を見せたプロローグぽい日常編が終結して、とうとう活劇編ですか!
(まだ2、3回あるようですが)

ドラえもんの道具とのび太の勇気、ジャイアンの男気などが
どうクーデターを覆していくか。文字通り「大活劇」に期待してしまいます。

プリムラと亜沙、大丈夫かな。
139作者の都合により名無しです:04/09/27 08:50:17 ID:iefwepZv
サマサ!サマサ!サマサ!
140作者の都合により名無しです:04/09/27 15:48:01 ID:iefwepZv
Samasa! Samasa! Samasa!
141作者の都合により名無しです:04/09/27 18:30:48 ID:iefwepZv
303! 303! 303!
142作者の都合により名無しです:04/09/27 19:42:30 ID:rPLH0lwt
サマサさん、いよいよ大冒険の始まりですね。
ドラチームの活躍期待しております。
143作者の都合により名無しです:04/09/27 21:52:59 ID:iefwepZv
様差!様差!様差!
144作者の都合により名無しです:04/09/27 23:43:49 ID:IyFTi9Dy
連載ってスローペースじゃ駄目ですかね・・・
ここの職人さんたちの神ペースについていけません。
週一とかそれ以上とか・・・・・・
145作者の都合により名無しです:04/09/27 23:47:16 ID:kt95Sjs9
何も書いてすぐアップしないで書きためて週一で公表でも良いんじゃないでしょうか?
146作者の都合により名無しです:04/09/28 00:39:55 ID:uBfXcmAQ
別に自分のペースでいいと思いますよ。
間が空いてもサイトで確認できますし。

それにペース速い人もいますが、○さんは週一くらいのペースですよ。
(最近姿が見えませんが)
4×5とか魔界編とか、もっとスローペースの連載もあります。

ただ、間が空き過ぎてモチベーションが下がらないように気をつけて。
147アナスイの奇妙な:04/09/28 00:55:09 ID:4B1uYMmK
『水族館』のある一室に彼は居た。
正確に言えば投獄されていた訳であるが、彼にその意識は全く無い。
あくまで彼が自主的に留まっているのであって、
彼が『外』を望むなら周りが何をどう強制しようと脱獄するに違いない。
彼が留まっている理由は至極簡単だ。
―――『外』にはもはや彼の興味を引くものが無いから、である。

ナルシソ・アナスイは『分解』するのが好きである。
何故好きなのかは自分でもよく分からない。
だが、『分解』すること自体も好きだし、
何よりも己が興味を引くモノの『仕組み』を知りたくなるからではないかと、
自分の思考回路を『分析』している。
ちなみにここで『分解』では無いのが非常に残念である。
148アナスイの奇妙な:04/09/28 00:55:51 ID:4B1uYMmK
古くは玩具や車……彼は何かに魅力を感じると無性に『分解』したくなった。
何故自分がソレに惹かれるのか。
ソレの何処に魅力が隠されているのか。
ただ其れが知りたくて、彼は『分解』した。
それだけの事なのだがそのうち彼は病院に入れられた。
どうやら彼が『異常』だかららしい。
他の人間たちは自分が魅力を感じるものが如何なっているのか、
全く気にならないのであろうか。
解明しようとは思わないのだろうか。
むしろその方が異常なのでは無いかと彼は思った。

そして浮気をした恋人と間男を『分解』するに到り彼は逮捕された。
彼はただ、彼が居ながら浮気をする恋人の精神構造も
彼氏が居る女に手を出す間男の精神構造も全く理解できず、
本当に不思議だったから『分解』してみたのだけれど。
―――どうやら今度は周囲が彼の理由を理解できなかったらしく、
適当な理由をでっち上げたら本当の理由よりはまだ納得していたようだった。
本当に世間というものはよく分からない。

かくてナルシソ・アナスイは『殺人鬼』の烙印を押され
『水族館』行きになったのである。
149アナスイの奇妙な:04/09/28 00:56:31 ID:4B1uYMmK
そこで彼は世界で三番目に興味を引くものと出会った。
ウェザー・リポートという一見何の変哲も無い男である。
ところがこの男、記憶喪失だという。
記憶喪失者に初めて出会ったアナスイは大いに興味を引かれた。
記憶を失うとはどのようになっているのだろうか。
記憶というのは脳に仕舞われていることくらいアナスイも知っている。
脳を欠損したならばともかく、脳が存在しているのに記憶は何処へ消えたのだろう。
自己を無くした者は他のものと何が違うのだろう。

なによりもアナスイの気を引いたのは彼の『眼』だった。
気に食わない看守や受刑者の何が気に食わないのか『分解』してみようとした時、
彼はアナスイを静かにじっと見つめ静かに諌めた。
アナスイは自分のやりたいことをやっているだけだから、
普段は他人が何を言おうと聞かないのだが、その時は何故か彼の瞳に惹かれて従った。
それ以後、彼の『眼』には従っている。
その『眼』が見たくてたまにわざと騒ぎを起こしてみたりもする。

久々に分解したい、と思った。
彼の記憶は何処に行ったのか。
なぜ彼の『眼』に惹かれるのか。
その内分解する時が有ったら、『眼』は特にじっくりと『分解』してみようと思う。
150アナスイの奇妙な:04/09/28 00:57:37 ID:4B1uYMmK
ちなみに。
世界で二番目に彼の興味を引くものは、アナスイ自身である。
小さいころから己が不思議で仕方が無い。
自分という存在が何処に『在る』のか分からない。
脳みそだという人もいるだろうが、そんな小さい部分に自分が居るとも思えない。
他人と同じ肉と骨で出来ているはずの自分が何故異常扱いされるのかも分からない。
とにかく自分が不思議で不思議で、
分解したくて分解したくて仕方が無かった。

残念なことに自分を『分解』すれば途中で意識を無くすことは分かっているので、
今のところやらないけれども。
特に脳の『分解』なんてほとんど進まぬうちに動けなくなるだろう。
折角の自分を『分解』するという素晴らしい出来事が途中で終わるのは耐えられない。
その内、最後まで意識を無くさずに自分で自分を細かく『分解』する技術が生まれたら。
その時は絶対に自分を『分解』してみようと思っている。


そして、或る日。
それまで世界で一番と二番めだったアナスイ自身とウェザーを押しのけて
彼の興味を引くものランキング一位にいきなり躍り出る人物と彼は出会った。

ほんの短時間の出会いにも拘らず一瞬で彼の心に入り込み、
強烈な魅力を振りまいて立ち去った、『水族館』の新入り女囚。
―――空条徐倫である。
151ぽん:04/09/28 01:02:40 ID:4B1uYMmK
以前もうちょい長いの書いてみろとの嬉しい言葉を頂いたので
連載なるものにチャレンジしてみます。

といってもほんの数回だと思いますが。
しかもペース遅いと思いますが。
つーか皆さんあんな長いのどうやってるのですか・・・

ちなみにジョジョの連載が多いので非常に迷ったのですが、
ジョジョでラブコメやろうという無謀なことを思いついてみました。
でも全くかけ離れてます・・・・・・

とりあえずほんの数回ですがお願いします。
152作者の都合により名無しです:04/09/28 06:44:59 ID:xyVd+Rvb
おお、ぽんさんお久しぶり!そしていらっしゃい。
数回の連載という事ですが、これが書いているうちに膨らんでいって
長編カテゴリに行ってしまうのでは、と密かに期待しております。

出だしは、考察系っぽい感じでいいですね。
アナスイの「業」というか、偏った好奇心というか、
そんなアナスイの内に秘めた異質な感じがよく書けてます。
そして最後に徐倫登場ですか。
アナスイメインになるのか、徐倫メインになるのか
わかりませんが期待たっぷりの出だしですね。

自分のペースで頑張って下さい。ゆっくりとで構いませんから。

153作者の都合により名無しです:04/09/28 12:38:48 ID:4diqhkZP
>>144
助言されていた通り、ある程度書き溜めておいたほうが良かったんじゃないでしょうかね?フンコロガシさん。
154作者の都合により名無しです:04/09/28 18:41:11 ID:uOaIC9rm
サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!
155二人の絆:04/09/28 20:57:50 ID:kWjw7Hua
>>101
ストリートファイト。ルール無用の、路上の賭け試合のことである。
アメリカ某所のスラムに、連勝無敗のストリートファイターがいた。それもまだ
十代前半の、小柄な東洋人なので、彼はちょっとした有名人である。
が、当の本人にはそれに浮かれた様子は全くない。むしろ失望しているように見える。
「ここにもいないのか、オレを驚かせるほどの男は。……アイツに匹敵するとまでは
いわない。だがアイツの半分、いや三分の一ぐらい強い奴はいないのかよっ」
夕刻。当座のねぐらにしているボロアパートへと向かう彼の名は、範馬刃牙。
父親に母親を殺され、その父親への復讐を誓った少年である。
身長こそどちらかといえば低めだが、黒く薄いタンクトップに包まれたその体躯は、
年齢不相応なほどに筋骨隆々である。しかも隅々まで傷だらけで、今までの人生が
いかに過酷なものであったかを物語っている。
だがその顔は、そしてその目は、体と違って「凶相」ではない。熱い怒りともに、
悲しさと優しさを湛えている。
そんな刃牙が、不意に足を止めた。酒とタバコ、そして小便の臭いが漂ういつもの
汚い路地に、五人の男たちが倒れていた。
全員、一度は刃牙に挑んで敗れた連中だ。刃牙からすればザコだったが、ルール無用で
さえあれば、並のプロ格闘家にもひけをとらない連中である。
それが五人、呻き声を上げて倒れている。そしてたった一人、見知らぬ少年が立っている。
「アンタが、やったのか?」
聞くまでもないかと思ったが、刃牙は一応、訊ねてみた。
刃牙より少し年上のその少年は、予想通り頷いた。オレンジ色のジャケットを着て、
前髪を派手に逆立たせたこの少年は、刃牙に比べれば体格は勝っている。が、
スポーツマンではあっても格闘士の顔ではない。刃牙は、そう見抜いた。
しかし、何やら得体の知れない、不思議な力を感じる。筋力でも技術でもない戦闘力を。
「バキ・ハンマってのはお前か。こいつらが、常識外れに強いって言ってたが」
少年が、刃牙の顔を見つめて言った。
156二人の絆:04/09/28 20:58:38 ID:kWjw7Hua
「でも、どうせ普通の人間なんだろ。そうでないなら、嬉しいんだが。こいつら程度
に恐れられてるってだけじゃ、お前の強さを信用できなくてな」
「ふうん。普通の人間じゃないほどの、強い相手を探してる、ってことか?」
「ああ。俺の敵は、普通の人間じゃないんでな。普通じゃない相手と戦いまくって、
もっともっと強くなる必要があるんだ。でないと勝てない。……あいつを殺せない」
「なるほど。それは、奇遇だな」
刃牙が、静かに構えをとった。
「オレも同じだよ、それは。オレ自身はまだまだ普通の人間だけど、オレの狙ってる
相手は、普通の人間の枠を遥かに超えている。オレも、その域に達する必要がある」
「それで? 悪いが、普通の人間だと自分で認めてるような奴に用はないぜ」
「そこまで言うからには、アンタは普通の人間じゃないほど強いんだろ? だったら、
オレの修行相手にもってこいだ。アンタがいくら強いっていっても、アイツほどじゃ
ないだろうし。アンタ自身も、アンタの敵さんもな」
少年が、ぴくりと表情を変えた。怒っているらしい。
「普通の人間に、俺の……俺たちの何が解る。俺がこの手で殺してでも、止めて
やらなきゃならないあいつのこと……何が解るってんだ!」
「何も解らないさ。アンタも、アンタの敵とやらも、アイツよりは弱いってこと以外はね」
「! いいだろう、やってやる!」
少年も、刃牙に向かって構えをとった。両腕を前後に広げた、見慣れない構えである。
「普通の人間でも、ちょっとしたトレーニングになるかもしれないから、な!」
「やっとその気になってくれたみたいで、嬉しいよ。アンタ、名前は?」
少年は、右拳を握り締めると、
「バーン・グリフィス。この通り、炎のサイキッカーだ……フレイムシュート!」
刃牙に向かって、炎の玉を撃ち放った。
157二人の絆:04/09/28 20:59:55 ID:kWjw7Hua
刃牙とバーンが戦いを始めたのと同じ頃、イギリスにて。時差があるのでこちらは
真夜中である。
人気のない丘の上に、勇次郎がいた。そして、その勇次郎に向かって、一人の少年が
歩いていく。勇次郎が、その少年に向かって言った。
「この範馬勇次郎を呼びつけておいて、待たせるとはな。いい度胸だぜ」
「指定した時刻には遅れていないはずだが。そちらこそ、噂と違って随分と律儀だな」
「律儀というより、意地汚ェんだよ俺は。うまそうなご馳走の匂いを嗅ぐと、
大人しく待っていられなくてな。早めに来ちまった」
「ご馳走、か」
白い髪に白い肌、蒼いスーツを纏った儚げな面差しのその少年は、ぽつりと言った。
「聞いていた通りだな。闘争を何よりも好む、と。理解できないな、僕には」
「はんっ、お前の噂も聞いてるぜ。表沙汰にはなってないが、世界中で暴れ回ってる
そうじゃねェか、ええ? サイキッカー集団ノアの総帥、キース・エヴァンス様よ。
俺を倒してサイキッカーの強さを証明し、虐げられてるお友達に希望を与えるってか?」
「……そこまで察しているのなら話は早い」
キースの、冷たい闘気が高まった。
「間もなく始まる人間対サイキッカーの全面戦争に備え、各国の同胞には自信を、
人間どもには自分たちの無力さを刻み込む必要がある。君に恨みはないが……いや、君も
所詮は人間側につく者。いずれは倒さねばならない相手だな、ユージロー・ハンマよ」
「あ〜鬱陶しい! 無駄なお喋りはその辺にしておけ、俺は待ちくたびれてるんだ!」
勇次郎が、拳を振りかざしてキースに襲い掛かる。キースもそれに応じ、
「フリジットランス!」
凍気を高めて凝縮し、鋭い氷の槍を放って迎撃した。
158ふら〜り ◆XAn/bXcHNs :04/09/28 21:03:14 ID:kWjw7Hua
>>104
さすがと申しましょうか、覚えていて下さったとは光栄の行ったり来たり。
……え〜、とりあえずアレとはまた別の世界、別の勇次郎とお思い下さい。

>>NBさん
イヴの髪アクションはなかなか爽快。「悪意の存在が許せない」ってカッコいい。
対して、緊張感ブチ壊しのキョーコ。「ですかぁ?」をどこまでも貫く態度、良し。
ダーク&スプラッタな中、看板娘(?)二人の対照的な華やかさが映えておりますな。

>>サマサさん
捕らわれのお姫様は二人となり、世界規模での戦禍がのび太たちを包み……大活劇、
いよいよ本番という感じですね。のび太たちのここからの奮起・活躍も期待ですが、
ひそかに亜麻に注目してます。残された魔力で、母の愛で、何かやってくれるかも?

>>ぽんさん
殴るとか斬るとか流血とか、そういう直接的なもの(単語)は全然出ていないのに、
読んでて「うぅ」と来る不気味さ。生臭さ、ではなく冷たい不気味さ。ぽんさんお得意の、
深いけど読み取りやすい心理描写が生む味ですね。でもここからラブコメ……どうなる?
159作者の都合により名無しです:04/09/28 21:54:33 ID:CbTS5v7c
・ぽんさん
前回のトランクス俺のお気に入りでしたよ。
今回はジョジョに挑戦、しかも連載ですか。嬉しいっす。
アナスイのクールでどこか偏狂的な部分をどう出していくか?
そしてジョリーンとの恋愛物になるのか?w期待してます。
のんびりと自分のペースで連載して下さい。でも完結だけはお願いね。

・ふらーりさん
サイッキク軍団対バキ親子ですか。興味あるカードだな。
ハンマ一族なんて、超能力者みたいなものだしwダブルカード開始ですね。
しかし、元ネタ知らないからバーン・グリフィスと聞くと
大魔王とベルセルクを思い浮かべてしまう。有名な漫画なのかな?

>>153
フンコロさんはどうしたんでしょかねえ。
サマサさんやNBさんたちが素晴らしい仕事をされてるから、余計目立っちゃう。
師匠のサナダムシさんがまた連載してくれて、少し怒ってくれればいいかもw

でも、連載なんて自分のペースでやればいいと思いますけどね。
それでも間が一ヶ月開くと少し厳しいかな。
ところで○さんはやく帰ってこないかなー。
160作者の都合により名無しです:04/09/29 13:20:27 ID:zZgrRtGe
ところでさ、最初のバキSSと同じノリで「俺たちでからくりサーカスを創ろうぜ」って誰か言ってくれるのを
希望してるのは俺だけかな?作者の勝びいき・漫画のネタ化を見てると職人さんに鳴海中心の熱い奴を作ってもらいたくなる。
161作者の都合により名無しです:04/09/29 14:05:26 ID:lWpuI7B1
からくり途中までしか読んでないけど
そういうのは読んでみたいね
162作者の都合により名無しです:04/09/29 18:54:24 ID:/tacrSHn
ふらーりを俺は許さない。
163作者の都合により名無しです:04/09/29 19:27:56 ID:jV3LsE5t
>二人の絆
巨凶親子 対 超能力者! こういう対決はあんま無かった(かも)。

しかしキースもバーンも飛べるし、遠距離攻撃持ってるからなあ。
空中からエネルギー弾打ちつづけられたら分が悪いかも。
>>82-88
「ま、ままま、“魔王”!!?」
魔王。美夜子の口から洩れたその名は・・・頭の片隅で予想は出来ていた。
しかし、帝国の変貌からある程度推測は出来ていても、実際にはとても信じられない。
いや、信じることを本能が拒否している、とでも言った方が適切だろうか。

「地底帝国の変化を見たでしょう?」
「う、うん。そ、それじゃやっぱりあれは・・・“魔界”なの?」

「正確に言うと違うわ。“擬似魔界”とでもいうべきかしらね。」
「ギジマカイ?」

「限りなく魔界に似て否なるもの。キスギー・・・いや、その中に潜む“魔王”は
“魔法”に変わるこの世界特有の強大な力、“科学”の力を使って魔界を復活させた!
この地底世界に帝国を築き、そっくりそのまま転生させるという手段を使ってね。」
「“科学”の力で!?」

「魔王は滅んだんじゃなかったの?」
「あの時、あなたのお友だち、ジャイアンさんの投げた銀の矢は確かに魔王の心臓を貫いた。
炎に包まれ落下したそれは、魔界と共に確かに滅びた・・・はずだった!・・・でも・・・
魔王の精神は完全に滅びてはいなかった。」

美夜子の口調は次第に早まっていく。
「魔王は時空間に逃げ込み、器となるべき優れた頭脳の持ち主を探した。そして、見つけた。
それがキスギーという名の・・・・いえ、魔王が彼の存在を見つけたとき、彼はキスギーと
いう名ではなかった。絶望にうちひしがれ、名を捨てた一人の人間。過去に何があったのか。
心は深く、暗く閉ざされ、私にもその真の名はわからない。でも、それほどに大きな絶望が。
心が。弱りきった魔王につけいる隙を与えてしまった。」

「つまり、キスギーの正体は魔王だったの・・・!?あれ?でも・・・キスギーは・・・」
「その通りよ。キスギーは魔王であり、そして魔王に魅入られた憐れな犠牲者でもある。」
165ヤムチャのお話 毘沙門食堂:04/09/29 19:55:24 ID:/tacrSHn
書くー。
「だけど・・・美夜子さんは・・・美夜子さんはなんで魔王の中にいるの?」
「魔王の生存を知ったわたしは、今度こそ完全に滅ぼすべく奴を追った。そして、弱り
きった魔王を私は追い詰めた。でも、奴にはまだたった一人強力な部下が残っていたの。
あなたも知っているはず。蛇と石化を司る恐ろしい魔物“メジューサ”!」
「メジューサ・・・!」
不気味な雄たけびをあげるその姿を思い出し、のび太は身震いした。時を超えて執拗に追われ、
なすすべもなく石化させられた。石となっても意識は残り、雨にうたれながら恐怖し続けたのだ。

「魔王を時空間に導いたのも、奴の仕業だった。メジューサの魔力によって石化した私は、
魔王と同じ精神体になって魔王を追跡した。不思議な空間――今ならわかる――“時空間”と
呼ばれる時の流れの中を泳いで、私は魔王を追った。そして、魔王がキスギーに乗り移るべく
無防備になった一瞬の隙をついて、私は魔王の精神の奥底に潜り込んだの。」

「なんとか魔王の野望を食い止め、あわよくば内部から滅ぼそうと頑張ったんだけど・・・
キスギーの中で徐々に力を回復させていった魔王の前に、私は急速に力を失っていった。
・・・ごめん!ごめんね・・・。あの時、わたしがメジューサなんかに負けないで魔王に
止めをさせていれば・・・こんなことには・・・!」
自らを責める美夜子にのび太は必死にかぶりをふった。
「そ、そんなことないです!だけどあの後、美夜子さんがそんなことになってたなんて!」

「キスギーの中で私は、魔王がキスギーの類まれなる頭脳を利用して様々なものを研究し、
吸収していく様をずっと見てきた。遺伝子の研究、妖精と呼ばれる存在の研究・・・
“科学”と“魔法”、そして“魔界”とをつなぐ研究分野は数多くあったわ。科学文明と
魔法文明。全く異なるようで、実は表裏一体のものだったのかもしれない。」

「キスギーの肉体に入り込み魔族の体でも精神体でもなくなった彼は、人間の肉体に時空間を
乗り越えさせる方法さえ確立させてしまった。」
「ひょっとして、それが・・・世界で初めてのタイムマシンの正体・・・!?」
「そして、研究の果てに偶然か、魔王の執念か、それとも運命だったのか、キスギーは
地底世界を発見した。私達の体とは全く別の、恐竜からの進化という特殊な過程を踏んだ
竜人族の遺伝子は魔族の持つそれにそっくりだったの。魔王はそれを利用した。」
「・・・イデンシとかヨウセイとか難しくて、よくわからないよ。」

「う〜ん。わかりやすく言うと、とにかく、たまたま魔族に似た体を持っていた竜人たちを、
都合がいいからって言ってそのまま魔族に改造しちゃったわけ。」
「そんなのって・・・酷いよ・・・!」
「そう。酷いことよ。しかし、魔力を充分に発揮できない“魔王”にはそれが必要だった。」

「キスギーを利用し、魔界を復活させた魔王の最終目標は、魔王自身の復活。
そして、今度こそこの星、つまり地上世界を完全に征服すること。」
「そんなこと・・・できるもんか!」
「いや、その目的はほぼ完遂されつつあるわ。・・・すでに魔界は復活した。
地上世界の者にはいまだ気付かれていない。野望の達成は、このままでは時間の問題・・・。」

美夜子の体の光が、急速に薄れ始めた。
「美夜子さん!?」
「魔王は帝国を転生させるため、少しずつ回復し、蓄えていた巨大な魔力を放出して、
ひとときの眠りについた。だから、その間だけこうして思念を飛ばすことができたの。
こうして話していられるのは、あとわずか・・・。」
「そ、そんな・・・」
ふいに美夜子はあたりを見回してそっと微笑んだ。
「ふふ、この感覚・・・どうやら、この意識は、のび太さん一人のものではないようね。
あなたと意識を共有している者たちがいる。それは、きっとあなたの大切な仲間たち・・・。」
「え・・・?」
のび太は、わけもわからずキョトンとしている。
「のび太さん。そして、ドラえもん。ジャイアンさん。スネオさん。しずかさん。ドラミさん。
魔王は・・・きっと貴方達の力を恐れている!かつて自らを滅ぼしたあなたたちの存在を・・・!
運命に選ばれし勇士たちの力を!!」
「ぼく達の・・・“力”・・・!」

「もう一つ言っておかなければならないことがあるわ。あなたたちは“魔王の名”を
知っている。だけど絶対にその名を呼んではいけない。絶対に。」
「・・・? なんで呼んじゃいけないの・・・?」

「“言霊”って知ってる?」
「言霊?」
「言葉には力があるの。魔法世界における言葉の力が絶大なことは知ってるわよね。
魔王の完全復活には、名前が必要なの。魔王の名には強力な言霊が宿っている。」

「キスギーと戦うそのとき・・・決して“魔王”の名を呼ばないこと。
力あるその名を呼べば、奴はその時こそ真の復活を遂げる・・・」
「戦うったって・・・勝ち目はないよ。心臓をまた星の中に隠されてたりしたら・・・」
「この科学の支配する世界に現出した魔王の心臓は星の海になど隠されてはいない。」
きっぱりと言い切り、さらに美夜子は続ける。
「魔王といえど、異世界の常法則を大きく覆すほどの力は持ち合わせていない。
だからこそ、絶大なる魔力に代わる“科学”の力を欲した。」

「だけど、もし魔王が絶大な魔力を取り戻してしまったなら、科学と魔力が最高の水準で
融合してしまったとしたら・・・魔王は異世界の常法則さえも打ち破るほどの、完全無欠の
力を得ることになってしまう。それだけはなんとしても避けなければならない!」

「でも・・魔王を倒すには銀の矢が必要なんじゃ・・・」
「魔王を倒す武器はここにあるわ。」
美夜子の手から白く輝く小さな筒が現れた。いや、筒ではない。
それは美しい装飾を施された銀の銃。

「魔法銃“銀の戦車”シルバー・チャリオッツ。そして・・・」
もう片方の手が輝く。やはり銃と同じく白い聖なる輝きを放つそれは、光の粒。
「撃ち込む弾丸はたった一つ。“星の白金”スター・プラチナ。」
「た、たた、たった一つ!?じゃあ、それが外れたら・・・・」

「あなたならきっと使いこなせる!」
その力強い言葉には不思議な説得力があった。のび太は心に勇気が漲ったような気がした。

「魔王は弱っている。この魔力のない世界で彼が存在を保つには受け皿が必要なの。
肉体という器が・・・。しかし、肉体の器は老い、朽ち果てていく。命ある肉体は、
永遠ではありえない。そのために魔王は若き肉体、そして頭脳を必要としている。
自らの器となるにふさわしい頭脳を・・・。」
ふさわしい頭脳。その言葉を聞いたのび太の脳裏に、ある一人の人間の顔が浮かんだ。
勉強もスポーツもなんでもできる、いけすかないやつ。でも、かけがえのない友達。
「その若き頭脳って・・・ひょっとして・・・」

『出木杉のことか!?』
空間に、ジャイアンの大きな声が響いた。美夜子の姿がかき消える。
のび太が意識を取り戻したのだ。

「・・・夢?」
「まさか・・・私たちの・・・同朋が・・・そんなことに・・・・!」
謎の異形の者どもの正体が帝国の竜人たちであることを知った兵士たちは大きく動揺して
いる。そんな中、皆を率いるバンホーだけは努めて冷静に状況を把握すべく口を開いた。
「信じがたい話だがここにいる全員が同じイメージを見た。しかし、話が本当ならば、
突然現れたキスギーがあっさりとこの国を手中におさめてしまったことにも説明がつく。」

「でも・・・あれって、気絶したのび太の夢の中のイメージなんだろ?単なるのび太の
妄想ってことだって充分考えられるぜ。そのミヨコさんとかいう人だってな。」
「妄想だなんて!あれは間違いなく美夜子さんだったよ!」
ジャイアンの発言にのび太は必死に反論しようとしている。が、うまく説明できない。
「だけど、バカのび太の妄想なんかであんな話が生れるかなぁ。」
スネオの言葉に(肯定の意ではあるのだが) 一瞬、ムッとするのび太であった。

―――が、刹那―――その手元に白い光が輝いた―――!
目覚めたのび太の手のひらに、しっかりと握られていたそれは―――――――

「のび太!それ・・・!?」
それは、白昼夢のようなイメージの中で、のび太が美夜子の思念体に渡された白銀の銃!
「あ―――っ!?銀の魔法銃!!」
「そして・・・光の弾丸!」

白く輝く美しい銃身を、静かに力を放つ聖なる弾丸を眺めながら、のび太たちは確信した!
「美夜子さんは・・・やっぱり、本物だったんだ!」
のび太は決意した。
「・・・出木杉も美夜子さんも大切な友達だ!ぼくは戦う!」
ジャイアン、スネオ、しずか。3人の友だちは目覚めたのび太を取り囲み、
バンホーたちに向って力強く宣言してみせた。

「・・・私も!」
しずかは小さくコクリうなずくと、控えめに、しかし強い決意を秘めた口調で呟いた。

「美夜子さんか。その魔法世界とやらでは随分お世話になったみたいだな。なら、オレ
だって、もう他人じゃねえよな! 魔王。おもしれぇじゃん!相手にとって不足はねぇ!!
それに、どうやらあっちの世界で魔王に止めをさしたのはこのオレ様みたいだしな。」
ジャイアンはニヤリと不敵に呟いた。敵が強ければ強いほど燃える男である。魔王と
呼ばれるほどの強敵が相手となると、恐怖よりも喜びが先に立ってしまうようである。

「チェッ。結局こうなっちゃうんだよな。」
「そう言うなって、スネオ。」
「わかってるよ。こうなりゃヤケっぱちだ!・・・いつも通りね。」
いつもならここで尻込みしてしまうスネオだが、今回はやけに強気である。
きり丸との温泉の脱衣所の件で吹っ切れてしまったのだろうか。

仲間たちの力強い言葉を聞いたのび太は、さらなる自信に満ち溢れ、高々と宣言した。
「そうさ!いつだって、どんな絶望的な冒険だって僕らは5人力を合わせて
乗り越えてきた。だから・・・今度だって、きっと大丈夫さ!」

「私も協力します。」
「もちろん、ボクも!」
ドラミが、ドラえもんが、みなに賛同する。
「みんな!敵の正体はわかった。“魔王キスギー”! かつてない強大な敵だ。
勝ち目は薄いかもしれない。しかし、絶対に倒せない相手じゃない!」
ドラえもんの言葉にのび太たち全員が団結し、叫ぶ!
『おお!!』
「バンホーさん・・・今度は止めても無駄だぜ。」
無言で事のなりゆきを見守っていたバンホーに、機先を制すようにジャイアンが告げた。
それを聞いたバンホーは、瞑っていたまぶたを開くと静かに口を開いた。

「・・・わかった。なるべく犠牲者を出したくないと思っていたが・・・どうやら、
そんなことも言ってられない状況のようだな。・・・同朋たちのためにも!ここまで
巻き込んでおいて今更だが・・・改めて頼む。我々に力を貸してくれ!みんな!」
ドラえもん一行は全員、子どもとは思えないほどの頼れる笑顔で声を合わせて即答した。
『もちろんです!』

バンホーは周囲にいる竜人の兵士たちを見回して告げた。
「ここにいる者たちはもうわかっているな。宿舎にいる者たちにも伝えてくれ!」
そのまま静かに、淡々と、強い決意を言葉に込めて宣言した。
「・・・最終決戦だ!!」

続いてのび太がバンホーに向って手をかざした。強い意思を込めた表情で!
「・・・その前にちょっとトイレ・・・。」
バターン!派手な音を立てて一同は全員その場に顔面から倒れこんだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そのころ、美夜子は外界から隔離された精神の迷宮の中に一人佇んでいた。
「あなたたちなら・・・きっとここに辿り着けるわ。だけど・・・」
再び外界から閉ざされた美代子は独りごちる。
「のび太さん。あなたに伝えられなかったことがある・・・。あなたに渡した
魔王を滅ぼすための武器“シルバー・チャリオッツ”と“スター・プラチナ”。
創り出した者の名は・・・“アーサー・D・キスギー”!!」

人前ではめったに見せない少し哀しい表情を見せながら続ける。
「・・・なぜならキスギーの精神もまた、“魔王”の邪悪な意思と戦っている。
彼の求めるもののために・・・! わたしは、このことを伝えるべきだったの・・・?
わからない。でもわたしは、最後まであなたたちの力を信じているわ。」

美夜子はかつて共に戦った5人の勇士の姿を思い浮かべた。
「キスギーは決して、心の奥底を見せない。でも、時折垣間みせる記憶の断片には
なぜかいつもあなたたちの姿が・・・」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
174ドラえもん のび太の地底出木杉帝国:04/09/29 20:18:59 ID:U/LEWEyR
>>165
VS様、かぶってしまい申し訳ありません。これで今回分終了です。
キリのいいところまで一気に投下させていただきました。

>ドラえもんスレの住民様
いえいえ、むしろ大いに助けられております。そういったご指摘の中からアイディアが
わくこともありますので、またなにかあったら遠慮なくご指摘等よろしくお願いします。
(特に今回はなにかとアラが多いかも・・・。)美夜子さんの字は素で間違えてました。
書くにあたって魔界大冒険も何度か読み返したのですが、我ながらダメダメですねぇ。
175作者の都合により名無しです:04/09/29 20:31:20 ID:2ohu1H9J
うみにんさん今回も力作お疲れ様です。
いよいよ謎もあらかた明かされて、最終決戦編突入ですね!
最後のドラチームのキャラ「らしさ」が良かったです。
団結の雄叫びも映画版見たいでいい。クライマックス頑張って下さい。

176作者の都合により名無しです:04/09/29 21:00:05 ID:2ohu1H9J
VSさん来ませんね。165は騙り?
あの人トリップつけないから見分けがつきませんね。

バキスレと週間少年漫画バキスレ以外にも
ちょくちょく出没するし。

伝説のドッポ(略
その日は世界中が騒然となり、混乱に陥ったが、それでも日は沈んで夜が訪れれば、人は眠りにつく。
そんな時間に稟は用意を整えると、書き終えた手紙を持ってそっと部屋を抜け出した。
リビングのテーブルにそっと手紙を置いておく。明日の朝には、楓が見つけるだろう。最後まで彼女には
面倒と心配ばっかりかけてしまったのがやや悔やまれるが、もう決めたのだ。
「神界に―――行かなきゃ」
行ってどうする、という考えがあるわけではない。しかし、プリムラが連れて行かれた矢先にクーデターだ。
何か関係があるに違いないと、彼は思った。ならば、行かなければ。行って、事の真相を確かめたい。
そして神王と魔王の事もある。あんな形での別れとはなったが、それでも稟は、彼らを憎んではいない。
彼らが好き好んであのようなことをする人ではないことは十分理解していたし、何よりも、
彼らにもしものことがあれば、シアやネリネがどれだけ悲しむか。稟は、人が悲しむ場面が、なによりも苦手だった。
取り留めなく渦巻く思考をなんとか整理して、稟は玄関のドアを開けて外へ出た。
もう―――ここには帰れないかもしれない。
最後に、残していく親しい人たちを思う。
楓。こんなろくでもない奴と今まで一緒にいてくれて、ありがとう。
亜沙先輩、カレハ先輩。馬鹿な後輩をあんなにも可愛がってくれて、ありがとう。
シア、ネリネ。短い付き合いだったけど、楽しかった。ありがとう。
樹、麻弓。馬鹿ばっかやってたけど、いい友人を持てて、幸せだった。ありがとう。
ドラえもん、ジャイアン、スネ夫、静香ちゃん、それにのび太。
どうか無事に元の世界に帰って、御両親を安心させてあげてくれ。皆がいてくれて、
少しだけお兄ちゃんの気分を味あわせてもらえた。ありがとう。
みんな―――ありがとう。さようなら。
そして門から一歩踏み出して―――
「―――稟さん」
そこで、後ろから声をかけられた。慌てて振り向くと、そこにはのび太とドラえもんが立っていた。
「一人で行くなんて、ずるいよ」
「のび太・・・」
「僕たちも、行く」
断固とした口調でのび太たちは言った。
「僕たちに何が出来るか分からないけど―――このままじっとしてなんかいられないんだ!」
「・・・け、けどな、どう考えたって危険だし・・・」
「分かってるよ・・・。けど・・・けど!」
のび太たちは言葉を詰まらせるが、稟には二人の気持ちが分かった。彼らもきっと、自分と同じなのだ。
苦笑して、稟は言う。
「そうだな・・・。一緒に頑張ろうぜ、二人とも」
「そう来なくっちゃ!よし、じゃあさっそく・・・」
「俺たちも、行くぜ」
またもや突然声をかけられる。そこにいたのは、ジャイアン、スネ夫、静香の三人だった。
「みんな!」
「色々考えたけどよ・・・やっぱ納得いかねえことばっかなんだ。だから、納得するために行きてえんだ」
ジャイアンは力強く語る。
「怖いけど・・・このままにしておけないじゃない」
静香は優しい声に、決意を秘めて語る。
「ぼ、ぼくはあんまし気が乗らないけど・・・それでもみんなが行くんだったら・・・」
スネ夫は緊張した声で語る。
「・・・全く、お前ら全員、すげえ子供だよな・・・」
稟は呆れたように言いながらも、顔は笑っている。さっきまでの悲壮感は、どこかへ吹き飛んでしまった。
客観的に見れば、一人から六人に増えただけだというのに―――まるで、負ける気がしない。
この五人と一緒なら、きっと何とかなる。そう思えてくるのだった。
「よーし、それじゃあ神界に殴り込みだ!」
「オーーーッッ!」
全員で手を挙げての決意表明。と、そこでドラえもんが言った。
「ところでさ・・・神界へはどうやって行くの?」
手を挙げた体勢のまま、稟は固まった。
「・・・どう行くんだろ?」
「あらら〜・・・」
全員、ずっこけた。行く前の段階でつまずいてしまった。しかしながら、こういった時に導いてくれる存在というものは、
割と都合良く現れるらしい。
「・・・ボクが、知ってる」
その声に一同が振り向くと、そこにはリボンと帽子が印象的な美少女―――のような一児の母、時雨亜麻が立っていた。
稟とのび太以外は初対面だったため、それぞれ軽い自己紹介をしていった後に、稟は話を切り出す。
「けど亜麻さん、なんでここに・・・」
「・・・あーちゃんが、神界へと連れて行かれたんです」
「な、何ですって!どういうことなんですか、それ!」
「・・・話すと長くなるけど・・・」
そう前置きして、亜麻は話し始める。
彼女がかつて、魔力を人工的に強化された人工生命体であったこと、魔力が暴走し、人間界へと飛ばされ、そこで一人の
男性と出会い、結ばれ、亜沙を生んだこと、そして―――亜沙が自分の魔力を受け継いでしまったこと。それを狙った人物に
よって、亜沙が連れ去られてしまったこと―――。
その話を一同は驚きながらも聞いた。のび太が稟に聞く。
「どう思う、稟さん」
「・・・どう考えたって、今回のことと無関係とは思えないよ。ちくしょう、先輩まで・・・!」
「こうなったら、意地でもそいつらぶっ飛ばさねえと気がすまねえよ!」
ジャイアンは鼻息荒く言う。亜麻は続けた。
「・・・ボクがここに来たのは、単なる偶然なの。どうすればいいのか途方に暮れて、当てもなく歩いてたら、
あなたたちがここで話してるのが聞こえたから・・・」
「神界に行く方法を知ってるって言いましたよね。教えてくれませんか」
「うん、そのつもり。じゃあ、まずは神界への<門>に行かないと・・・ちょっと遠いよ」
「遠いのか・・・。急がないと。ドラえもん、どこでもドアは使えないの?」
「うん、一応この世界の地図を貰ってインプットしといたから、いけるはずだよ。
<どこでもドア>!」
ドラえもんはポケットからお馴染みの大きなドアを取り出す。
「これも未来の道具なのか?」
「はい、地図さえインプットしてればどこへでも。それじゃあ、神界への門へ!」
言いながらドアを開けると、その先は何かの遺跡のような場所へとつながった。
「はあ〜・・・こりゃすごいや・・・」
稟は感心したように言った。
「本当・・・。すごい道具を持ってるんだね、タヌちゃん」
亜麻も言った。そのあだ名が何から来ているのかについては、ドラえもんはもはや聞こうとはせずにやけ気味に元気よく言う。
「さあ、行こう!」

どこでもドアをくぐって神界への門へと辿り着いたのび太たちは、門を前に立ち止まる。
見たところ、単なる石で出来たアーチのようだ。亜麻が説明を開始する。
「これはこのままだと単なる石のかたまりだけど・・・魔力を込めることで、神界への門が開く。
それはボクがやる。・・・けど」
「けど?」
「魔力を込めている間しか門は開かない・・・。ボクは・・・向こうに行けない」
悔しそうに亜麻は唇を噛む。稟は彼女の気持ちが痛いほど分かった。実の娘の無事が懸かっているのだ。
本当は自分で神界に行って、自分で助けたいに決まっている。亜麻は続けた。
「それに・・・今のボクじゃみんなが向こうに行く時間くらいしか、門を開けられない。行ったら
しばらく行きっぱなしってことになる。それでもいい?」
「はい。覚悟は決めています」
「この期に及んでビビッちまうような奴は、ここに来てねえよ、なあ」
稟とジャイアンの言葉に、全員が力強く頷く。亜麻はそんな彼らを眩しそうに見つめる。
そして、稟に語りかける。
「りっちゃん・・・あーちゃんに会ったら、どうか伝えてほしいことがあるの。少し、耳をかして」
「はい、なんでしょうか?」
亜麻は稟に何事か耳打ちした。稟はそれを受けて頷き返す。
「・・・分かりました。必ず、一字一句間違いなく伝えます」
「ありがとう。みんな、じゃあ準備はいい?」
おう、と全員が声を上げるのを確認して、亜麻は石のアーチに手を触れる。その手が、白く輝きだした瞬間、
アーチの中心に虹色の光の乱舞が生まれる。
「これが・・・神界の門・・・!?」
「さあ、みんな早く!」
亜麻の声を受けて一同は光の中へ駆け出す。その先にある困難から、目を逸らすことなく、力強く。
全員の姿が消えた後、亜麻は一人呟く。
「・・・みんな・・・どうか、無事で帰ってきて」
182サマサ ◆2NA38J2XJM :04/09/29 21:37:19 ID:bpaH+qJy
二、三回かかるかと思ったら、一回でここまで書ききれました。
次回からいよいよ神界での大活劇というところです。果たしてのび太たちは世界を、
そしてこの地で巡り合った友達を救えるか。
・・・こう書くと大作っぽいのに、ヘッポコな内容なのはどうしたことか(笑)

あ、前回の続きを書き忘れてたので、ここに。
前回分>134より
183作者の都合により名無しです:04/09/29 21:39:50 ID:jV3LsE5t
出木杉と神界と、今日はドラえもんの日ですね。
双方とも、いよいよ一大決戦という感じ。
これでドラ麻雀が来れば完璧なんだけど‥
184誘導コピペ:04/09/29 21:49:20 ID:TPanTEEn
アナスイの奇妙な
アナスイの「興味」の話は良いと思った。
肉やカバーを分解して、中身の魅力を掘り出したい、という設定は説得力もある。
(、俺は原作で「関節や接続部分を外す分解」だと俺は思ってたので、SSでの「臓物や中身を引きずり出す分解」
にはちょっと食い違ってたが、それはそれで面白い)
ウェザーと対面時の記憶喪失についてのも好き。
彼の眼についてもう少し掘り下げてくれてるともっとよかった。
他人の考える精神論を読むのは楽しい。
ただ「自分を分解したい」という点がえらく陳腐だったのが残念。やらない理由が薄い。

>それまで世界で一番と二番めだったアナスイ自身とウェザーを押しのけて
ちょっと考えれば済むのだけど、ウェザーが3位、自分が2位と前述してるのでややこしい。
「ウェザーは2位だった」「そして自分が一番だ」「しかしそれを押しのけて一位に踊り出る・・・」
としたほうが綺麗。
185作者の都合により名無しです:04/09/29 21:51:08 ID:TPanTEEn
俺のID、Tパンティーン
186作者の都合により名無しです:04/09/29 21:54:58 ID:8RRUpr4m
>うみにん氏
乙!なかなか燃えたーよ。謎が一気に解ける瞬間って気持ちいい!
魔法銃の登場で完全にのび太に主役フラグ立ったみたいですね。
のび太のくせに生意気なw

>サマサ氏
まだタイトル通りの活劇らしいシーンが出てきてないからこれからが
長いのかな。期待してるのでがんばれ!
187作者の都合により名無しです:04/09/29 22:11:22 ID:j11eexzn
今日はバキスレ三大ねたのひとつ、ドラ祭りか。(他はバキとジョジョ)
うみにんさんとサマサさん、GJ!

・出来杉
最終決戦前に解けた謎、そしてみんなの決意の声。いよいよって感じですね。
正直、中盤で少しダラけた感じはあったけど(本当に申し訳ない意見ですが)
読み続けて良かったと思ってます、本当に。最後まで頑張って下さい。
・神界
こちらはいよいよ運命に巻き込まれていくって感じですね。活劇スタートって感じ。
囚われの姫2人を助けにいくナイトって感じの稟とのび太一行って感じがいい。
神界の門を潜り抜けた一行に何が起きるのか、「大活劇」に期待してますよ。
188ぽん:04/09/29 22:19:09 ID:90xLFDde
他の方に感想や批評を頂くのは勉強になりますね。
皆さんありがとうございます。
184氏もコピペありがとうございました。
具体的な指摘を貰うとわかりやすいですね。
113から
儚そうな少女が異形に変貌――ギャンザは生まれて初めて獲物に戦慄した。
いや、それだけならここまで驚きはすまい。
一番の驚愕は―――己の体に付けられた無数の切り傷。
何故だ、何故こんな事になる? 自分は最強の道士の筈だ。自慢の体には銃弾でも傷一つ付けられない筈だ。
なのに何故あの小娘のブロンドの鉄爪には面白い様に傷を付けられる?
…所詮彼は只の弱い者虐めだけが取り柄の殺人犯に過ぎなかった。
強い相手に出会えば“倒そう”だの“燃える”だのとは考えられず、“怖い”、“逃げよう”が精一杯。
今も、相手が少女でなければ一目散に逃げていた。

―――そう、だからこそ彼の一山幾らの矜持が許さない。

「うおおおぉぉぉぉぉぉおお!!」
怒号と共に街燈を引っこ抜き、イヴに向かって投げ付けた。
素人丸出しの投擲だが、質量・速度・威力の全てが常識を逸脱した一投。
しかし、旋回しながら飛んでくる鉄柱を前にしても、彼女は平静を崩さなかった。

伸びた副腕が旋回に逆らわず街燈を掴み、本来の力に自分の力を加えて投げ返した。
ベクトルを真逆にされたばかりかさらに力が加わった鉄柱が、避ける間も無くギャンザに命中する。
小気味いい、だが鈍い音が周囲に響き渡った。
「んごぉああぁぁぁぁ!!!!!」
顔面を押さえてくぐもった絶叫を撒き散らした。指の間から零れる血の量から察するに、鼻でも折れたのだろう。
流石は道士、常人なら首から上が無くなる威力がこの程度とは。
それはさておき、ギャンザは顔を押さえたまま少女を睨み付ける――が、居ない。
彼女は跳んでいた。少女には、否、人間には不可能な高さで。彼女の運動能力は人間の比では無いのだ。
例の髪の両腕がまるでアズラエル(死告天使)の翼を思わせる。―――翼が空中で組み合った。

反射神経――ではなく恐怖でギャンザは後ろに引いた。
転瞬、スレスレで落ちた金髪の鉄槌が石畳を粉砕した。
尻餅を付きながらギャンザは恐慌に陥っていた。明らかに破壊力が自分より上なのだ。
避けなかったら、当たったら、そう思うだけで四肢から力が抜けていく。
怖い、どうしようも無く。その恐怖が検察には当てられなかった少年時代を思い出させる。
――自分は大物になると判り切っていた。根拠は無いが兎に角自分はそうなる運命にある人物なのだ。
だからそれらしく振舞ったと言うのに、周囲の凡俗共は何を勘違いしたのか自分をよってたかって殴りつける。
偶に優しくする「判っている奴」もいた。だからちゃんと顎で使ってやったのに、やがてイジメのグループに加わる恩知らず振り。
最早許せぬ、と凡俗共のリーダーの少年をナイフで刺しに行こうとしたが、怖いし、強いので止めた。
そして彼は悟る――「ならもっと弱い奴にしよう」と。
八年後、最初に優しい言葉を掛けて裏切った少女を殺した時、ああやっぱり自分は大人物なんだ、と確信する。
何故なら、人の命を好きに出来てるじゃないか。今殺したコイツの生殺与奪権は疑う余地無く自分に有った。
しかしこいつだけでは足りない、何より短い。一回刺した位ではいまいち充実に欠ける。
だから殺す。もっともっと殺す。己の力と素晴らしさを世に知らしめてやる。
全世界よ、このギャンザ=レジック様にひれ伏せ!

さっきまでそう信じて疑わなかったのに、今は獲物の筈の少女に怯える有様。
月光を背負う少女の髪が、槍の様に長く鋭く尖っていく……戦闘はいよいよ止めの段に入っていた。
「た………っ、助けてくれェ――――ッ!!!!!!!」
恥も外聞も矜持も無く、彼は無様に叫んだ。これまでやってきた全てを棚に上げて、築いたものをかなぐり捨てて。

――――――それは、全てを質草にした結果なのだろうか。

少女の動きが止まっていた。大剣を思わせる髪も、手も足も眼も全て。
機械の様に、では無く躊躇と戸惑いで。
――これこそがスヴェンの危惧した彼女の敗因、「戦いへの無知」だった。
過去のイヴは確かに普通に人を殺した―――それと言うのも自分を“兵器”と断じていたから。
だが今は違う、今の自分はあらゆる主張を許され、感情も許された人間なのだ。それは、「イヴ」と言う人間を一から始めたに等しい。
故に、悪党善人誰の命乞いであろうと未熟な防壁を突き抜けてそのまま心に突き刺さった。

そして不幸は続く。
横殴りの巨腕がイヴに炸裂し、彼女の矮躯はライナー打球の様に地面と平行に吹き飛んだ。
力無く転がる少女を見て、ようやくギャンザの心から恐怖が払拭される。
「……ど…ど、ど………どうだ!!!! ザマァ見やがれ!!!!
 テメエなんかが勝てる訳無ェんだよ、こぉのメスガキがァ!!!!!」
己の意気を鼓舞するかの如くギャンザは吼えた(内心では必死に死んでいる事を願っていたが)。
「………う」
生きていた。完全に手加減無しだったのに。一瞬慌てた、が良く見れば殆ど動けていない。
そう言う事なら恐れる事は無い、相手はいつも通りの無力な獲物なのだ。下衆の微笑が零れ落ちる。
「……安心しなお嬢ちゃん、オレは約束を守る性質なんだ。〔手足バラバラごっこ〕でじっくり遊んでやるぜ」
そう言って近付き少女を拾い上げようとした瞬間――――

何かが少女の向こう――つまりギャンザの前方から飛ぶが如く走ってきて、過ぎ去った。
振り返って見ればそこに居たのは、少女と一緒に居たもう一人の女。
彼女はぐったりした少女を抱えて怨み骨髄でギャンザを睨み付けていた。
「何だ、探す手間が省けt―――」「アンタ」
ギャンザの言葉を絶対零度の怒声が無理矢理中断した。
「……知らないの? 女の子に暴力振るう馬鹿は殺していいって決まってんのよ?
 こんなちっちゃな娘に暴力振るうなんて…アンタ」
イヴをひとまず安全な端の方に横たえて、改めてギャンザに向き直る。
「…死刑台の方がマシ、って目に遭わせてやるわ。例えばこんな風に」
リンスは古式豊かな懐中時計を取り出し、リュウズを押した。
それをへらへら笑いながら見ていたギャンザだったが、ふとある異変に気付いた。
妙な匂いがする、何か焦げ臭いような。しかも何か熱い様な―――自慢のアフロが燃えていた。
「うおおおおォおおオオぉぉぉぉぉおおぉお!!!!!!!!!!」

大慌てで頭を叩く、だが火はなかなか消えない。それどころか火が手に燃え移る。
「ナパームオイルよ。水とかでも消えない上にべた付くから、早くしないと首から上がバーベキューよ」
リンスは愉しそうに笑った。だがギャンザにそれを見る余裕は無い。
髪を引き毟り、両手を散々に踏みつけ、ようやく火が消えた。
「あっははははははは!!!! そっちの方が似合ってるわ、アンタ!」
顔中煤と火ぶくれだらけになり、自慢の髪型は申し訳程度に点在するだけだ。
ギャンザの怒りは瞬時に頂点に達した。
「こ…の……アバズレがあああぁぁぁ――――ッ!!!」
叫び、踏み出した右足が地面に着いた瞬間、ぱん、と乾いた音が鳴った。同時に怒りも弾けて消えた。
何せ右足の甲に何故か知らないが穴が開き、そこから煙がたゆたっているのだ。
「あぎゃああああああぁぁあああぁあぁぁぁ!!!!!」
絶叫し、倒れると、今度は着いた左手に破裂音――そして穴。
「ひぎいああぁぁああぁぁ嗚呼アアアアぁぁぁぁぁぁぁああぁぁ!!!!!」
「……うっさいわね。叫ぶしか能がないのかしら、このデカブツは」
リンスの嘲弄を聞く余裕もなくギャンザはのた打ち回る。……ようやくアスファルトに寝転がったまま
落ち着いてみれば、地面に垂直に立つ蛍光ピンクのカプセルが彼の周りに乱立していた。
「……な、何だァ……?」
「そいつの中にね、コレが入ってるのよ」
彼女が誇示する様に持っているのは、彼女の愛銃にも使用する高性能徹甲弾。
「対人地雷“アンブッシュ(伏兵)”。回収も設置も極めて簡単なスグレモノよ」
極小口径だが防弾車も撃ち抜く貫通力の前に、彼の道は無力に等しかった。
それよりもこの女、いつの間にここまで仕掛けた?……まさか、通り過ぎた一瞬で…………?
「ク……ク………ク…クソアマァァァ―――ッ!!」
甦りそうな恐怖を払わんばかりに吼え、地面に立つ無数のカプセルを掴めるだけ掴み、リンスに向かって投げ付けた。
しかし、飛来するそれを事も無げに避け切り、彼女はギャンザに向かって走った。
―――チャンスだ。まず逃げられない様に足を折って、それから、それから――――
そこまで考えた時点で、右手の可動域にまで入ったリンス目掛けて腕を薙ぎ払った。
しかし、それより早くリンスの手がギャンザの肩に置かれ、彼女はそこを支点に一回転し、彼の背後に着地した。
慌てて背後に裏拳を振るうが、彼女はとうに制空圏を逃れていた。そして、悪魔の微笑で時計のリュウズを押す。

―――右足のアキレス腱が破裂した。

「……………………ッッッッッッッツツッッツッ!!!!!!!」
激痛の余り絶叫は声に成らず、のた打ち回る事さえ出来ない。
「……ちょっといいかしら?」
…突然発した彼女の声には先刻までの嘲りが無い、寧ろ殺気に凍っている。
「アンタの被害者の写真見たんだけど、そんなモンじゃ無かったわ。…それに比べりゃ今この状況なんて、お尻叩く程度よ。
 それなのにアンタって奴は赤んぼみたいに泣き喚いて………皆もそうだったんでしょ?」
――当たり前だ、それを聞きたくて今まで殺してきた――…などとは口が裂けてもこの状況では言えないが。
「まあ、それを二割、イヴちゃんの事を八割でアンタの事殺す訳だけど―――
 凄いでしょ、ソレ。金庫破壊用の指向性爆弾(衝撃を一方向にのみ送る爆弾。高威力)だから人間には防げないわ」
当然だ、物によっては戦車並の堅牢を誇る物も在るのだ。それを壊す物なら道士であろうと防げない。
しかもこの女には、あの少女の様な油断も隙も慈悲も無い。ただただ自分を殺す気だ。
その事に気付いた時、初めて自分の歯の鳴る音に気付いた。そして――――

「ところで――気付いた? もうアンタ、逃げられないわよ」
NBです。
なんか予想以上に筆が進んでしまいました。
なので今回はここまで。
いやー、しかし…他の皆さんの作品は面白くなってきてるのに、
俺は序盤をまごまごしてますね。
急がないと置いてかれそう……早くセフィリア出さなくちゃな………
ではまた。
195作者の都合により名無しです:04/09/29 23:00:09 ID:j11eexzn
ぽんさん、俺は楽しませて頂きましたよ。続き期待してます。
NBさんまでいらっしゃいましたか!月曜が寂しかったので嬉しいです。

・BC
儚げな美少女対凶悪殺人者の戦い。相変わらず戦闘描写美味いですねー。
ギャンザの過去話もほどよく織り交ぜながら、テンポ良く読めます。
そしてリンスがオイシイ場面で登場ですね。主役はこの2人の方がいいかもw
ビジュアル的に。あと、セフィリア様とキョーコがいればトレインいらないなw
196作者の都合により名無しです:04/09/30 00:53:39 ID:FX9y31gH
出来杉は広げた風呂敷をたためるか心配してたんだがうまくまとめてきたな。
でもまだ敵が強過ぎるからわからんな。
197作者の都合により名無しです:04/09/30 08:24:28 ID:PFv90DLC
NBさん、リンスとイブのダブルビューティが素敵杉。
アクションの描写、躍動感が素晴らしいですね。女性キャラのつかみ方うまいな。

サマサさん、いよいよ本編「大活劇」突入っすね!
男前過ぎる稟とドラチームがどう目の前の冒険を突き進んでいくか、楽しみです。

NBさんといい、サマサさんといい、ぽんさんといい、
バキスレの新人さんのレベル高っけーな。文章力も内容も構成力も更新速度も。
でもNBさんとサマサさんを新人呼ばわりはもう失礼か。
十分過ぎるほど第一線で活躍してるし。ぽんさんも、頑張って下さい!!
198作者の都合により名無しです:04/09/30 09:47:07 ID:Ha2x2x+X
ものすごく下品なうんこSSを読みたい
199作者の都合により名無しです:04/09/30 21:12:01 ID:+TDE2Qgq
人減ったな
200作者の都合により名無しです:04/09/30 22:10:25 ID:ci+QurFS
昨日はどっと来て今日は来ない(多分)のか。
出来杉、神界、ブラックキャットみんな好きだから
昨日は嬉しかったけどな。
俺は特にNBさんの軽やかなアクションの描写が好きだ。
女の子のアクション書くのが特にうまいね、この方。
201作者の都合により名無しです:04/09/30 22:36:53 ID:DzSORs1U
以前が増えすぎだったのでは?

NBさんの作風は好きですね。
最初のトレインの戦いもそうでしたが、確かにアクションが上手い。いい意味で
ライトノベルの雰囲気。
>>190のギャンザの少年時代のシーンもいいですね。最後の「全世界よ、〜」の一行は
無い方が良かったような気もしますが。

202作者の都合により名無しです:04/10/01 00:50:55 ID:TvzgfYiS
ザクと出来杉だけが楽しみ
203DIOの世界:04/10/01 08:17:44 ID:X9vzTYrq
>>91
愚か者どもに神と呼ばれる輩は、おれは確かに存在していると感じている。

だが、おれは思う。そいつは残酷でつまらない奴だと。
生まれた場所がどぶの底のような連中には、奴らは目もくれず通り過ぎる。
そう、おれ達のようなゴミどもに神たちは興味を示さない。
貢ぎ物や寄付金を贈る金持ち連中にしか、神は慈悲を寄越さないのだ。

地獄の沙汰も金次第、だが天国への切符も金次第だ。
俺たちがどれほど祈ろうが、身を削って僅かな金を贈ろうが、奴らは一顧だにしない。
現金で残酷な連中だ。この世に最初に罪を創り出した、つまらない奴だ。

いつもそうだった。泣いて加護を祈っても、奴らは貧乏人には応えちゃくれない。
幸運の女神はいつもおれを跨いで遠くへ歩いていった。
賭けるチップを持たない連中には、神はギャンブルすら赦さない。
赦されるのはただ野良犬のように生き、薄汚いブタのように死んでいくだけだ。

だからおれは神には祈らない。祈るのは別のものだ。
そしてその時も、悪ガキどものボスのペニスを巧みに舌で転がしながら祈っていた。
悪魔よ、目の前の者をすべて殺せる力をくれ、と。
力をくれるのならば、おれは何もかも差し出してみせる。魂でも、命でも。

老婆のしわがれた哄笑は、そんな時に鳴り響いたのだ。
204作者の都合により名無しです:04/10/01 08:18:22 ID:X9vzTYrq
 「たまんねえ。俺もう我慢出来ねえよ。後ろから姦る」
性的興奮の絶頂にいるのだろう。順番待ちしていた悪ガキがついにそれを叫んだ。
老婆の哄笑は続く。だが、悪ガキどもの行為は止まらない。
この街では、ヤク中や精神に疾患を持つ人間は売るほどいるのだ。
急に笑い出しながらナイフを振り回す連中なんて、ここではまだ一般人の範疇に入る。

おれは2つの恐怖に来るわんばかりに泣き叫んだ。
ひとつは肉体的な恐怖。最後の一線を超えてしまい、陵辱され慰み物にされる事。
もうひとつは未知の恐怖。得体の知れないものが近くにいる、という精神的恐怖。
おれはパニックに堕ち、暴れ狂った。必死で悪ガキどもに抵抗した。

目が見えない事がこんなに恐ろしいとは思わなかった。
今まで盲目に恐怖を感じた事はそれほど無かった。
むしろ、己の目の前にある醜い物全てを、これで見なくて済むと達観していたほどだ。
だが、その考えを吹き飛ばすほど2つの恐怖は恐ろしかった。

小便を漏らしながら、必死で懇願して暴れるおれ。その場から離れようとするおれ。
我ながら愚かだ。抵抗や懇願が通用しない事は、とっくに知っているはずなのに。
老婆の哄笑は爆笑へと変わる。おれの肌を寒気と恐怖で鳥肌が包む。

死神のような不吉さと悪魔のような邪悪さを、その爆笑に感じたからだ。
205作者の都合により名無しです:04/10/01 08:19:24 ID:X9vzTYrq
蟷螂の斧のようなおれの抵抗を、悪ガキどもは余興でも楽しむように軽く組み伏せ、
いよいよ下半身の着物をすべて剥ぎ取った。
ケツの穴が無様に露出された。フェラチオをしていたボスも、今はケツを弄っている。
順番的に、やはりボスが一番という事らしい。おれは内心で奴らを罵る。

(クソ童貞どもが、初めての穴が男のケツで嬉しいのか?)
だがその内心の罵りは言葉にはならない。代わりに出てくる言葉はこうだった。
「お願いだ、何でも言う事を聞くからそれだけは止めてくれ」
そんな言葉はまるきり効果が無いと知りながら、おれは延々と懇願した。
つくづく染み付いている負け犬根性。生まれついての脆弱な性根。

奴らのボスが、おれのアナルを指で撫でる。
屈辱感と奇妙な快感に、ビクリと震えるおれ。好色そうにボスは微笑んだ。
「案外、喜んでいるじゃねえか。ここは処女みたいだな。おれも初めてだ。
 初めて同士、宜しくやろうぜ」

涙が止め処なく溢れ、声にならない叫びが辺りに響き渡る。
無論、誰もおれを助けない。そんな暇な善人はこの街にはいない。
どころか、一番下っ端の悪ガキが寄って来た野次馬に商売を持ち掛けている。

一発どうだ、今から開通する未開発品だから具合は最高だと思うぜ、と。
206DIOの世界:04/10/01 08:20:35 ID:X9vzTYrq
悪ガキどものプランは決まったらしい。勿論そのプランにおれの意思は必要無い。
おれは既に奴らの中では、「快楽玩具」にして「商売道具」なのだ。
おもちゃに意思は必要無い。おれはもう奴らの持ち物なのだ。
奴らは散々おれを犯して愉しんだ後、売春させおれからすべてを搾り取る気らしい。

絶望の中、死のうと思った。舌に歯を食い込ませ、力を入れようと試みた。
が、余程の精神力が無ければ己の舌など噛み切れる訳が無い。
薄く唇に血が付いただけだ。半端なおれに相応しいといえば相応しい。
おれはすべてを諦めて体から力を脱いた。
すべて、とはこの場の事だけではない。これからの人生すべてをだ。

おれは決めた。もう何も望まない人形になろうと。
なんの感情も持たず、ただ内心憎しみだけを燃え滾らせるだけの存在になろうと。
憎しみ? 何に? 決まっている。何もかもにだ。
憎んで呪って恨んで、この世の破滅のみを願いながら死んでいく。
無力なおれがこの世に出来る復讐は、唯一その程度のものだろう。滑稽で虚しいが。

「お、観念したか? それとも欲しくなったのかよ?」
ボスが涎を垂らしながら、四つん這いに組み伏せたおれに後ろから迫る。
奴のちっぽけな性器が、おれの体の中で2番目に汚い場所の入り口に当たった。
一番汚いのは、俺自身の存在だ。

不意に気付いた。悪魔のような哄笑が、消えている。
おれの背後から悪ガキどものざわめきが聞こえてきた。なんだ婆ぁ。文句あるのか、と。
観念したはずのおれの心に、再度原始の恐怖が沸く。

おれは直感した。そこに、いる。『魔』が。
おれが必死で祈った、神以外の、神の力を持つ存在が。そしてそれは厳かに言った。
 「力が欲しいかえ? 力が欲しいのならば、くれてやろうか、ヒィッヒッヒッヒ」
207殺助:04/10/01 08:26:06 ID:X9vzTYrq
なかなか場面が進まないなあ。
スタンド発動まで書きたかったけど。
週末にまた書きます。
208作者の都合により名無しです:04/10/01 08:33:02 ID:DA80qtzn
殺助氏乙!
すげえエグイ話だなこりゃ・・・。
次回以降のスタンド発動が楽しみ。
209作者の都合により名無しです:04/10/01 18:12:27 ID:uP0wnpjl
パオキター!
210作者の都合により名無しです:04/10/01 18:19:35 ID:2ikxxjMg
>ディオの世界
うーん。エグくてグロくて面白い。
話に動きが全然ないのに引き込まれるものがある。
こういう猟奇物書かせたらさすが狂人、誰も真似できないな。
もしかしたら実体験を元にしてるのか?w

冗談はともかく、今一番気になる作品(気に入っているではない)なので
頑張って連載して下さい。
あと魔界もいい加減に書いてよ。前回から2ヶ月立つぞ、もうすぐ。
211二人の絆:04/10/01 19:10:43 ID:Mql9vplB
>>157
炎の玉が着弾し、轟音とともに爆発した。アスファルトを砕いて、バスケットボール
ほどの穴を空ける。
だがそこに、刃牙はいない。
「何っ?」
とバーンが驚いた時には、もう刃牙はバーンの背後に回り込んでいた。そして、ムチの
ようにしならせた脚で、ナタのように重い回し蹴りをバーンの延髄に叩き込む。
バーンは不自然なほどの勢いで前方に吹っ飛び、だがきちんと着地した。
刃牙が、目を見開いてその背を見ている。
「何なんだ、さっきの火の玉は。アンタ、人間じゃないのか?」
「……驚くのは反撃してから、か。格闘士としてはなかなかだが、頭は良くないみたい
だな。お前、成績表に書かれただろ。『人の話を聞かない』って。言ったはずだぜ? 
俺は普通の人間じゃない、って。俺も、俺の敵も、サイキッカーなんだ」
バーンが、後頭部を摩りながら振り向いた。咄嗟に自分から前方に跳んだのだが、
そこはさすがに刃牙の蹴り、完璧には威力を殺せなかった。
「けど、さっきの言葉は当たったな。バキ。お前は確かに普通の人間だが、
俺のトレーニング相手としては充分そうだ」
「言葉が当たった、のはこっちも同じだぜ!」
刃牙が、バーンに向かって突進した。
「やっぱりアンタは、アイツには遠く及ばない! この分じゃアンタの敵も、な!」
212二人の絆:04/10/01 19:11:47 ID:Mql9vplB
「! まだ言うか! ならこいつはどうだ、エクスプローダーっ!」
バーンが、今度は両手を交互に素早く突き出して、無数の炎の玉を放った。一つ一つは
先程のものより小さめだが、それでもアスファルトを次々と砕き、穴を穿っていく。
が、刃牙はそれらを軽快なステップを踏んでかわしながら、どんどん間合いを詰めていく。
「そんな、派手なだけの手品はオレには通用しないぜ!」
最後の一歩を大きく跳んで、刃牙が後ろ廻し蹴りを放つ。と、
「かかったな! トライアングルヒート!」
バーンが腕を大きく振り回す、と、バーンや刃牙の倍ほどの直径がある、巨大な炎の
紋章が現れた。そのまままっすぐ、のしかかるように刃牙に向かって飛んでいく。
今まで紙一重で炎の玉をかわしていた刃牙は、この攻撃に完全に意表を突かれた。
紋章の大きさもあってかわすことができず、まともに喰らってしまい、キリストよろしく
紋章に貼り付けにされてしまう。両手両脚を広げたまま、身動きができない。
「な、何なんだこれは?」
「思い知ったか、バキ! これがサイキッカーの戦いだ!」
バーンは己の拳を燃え上がらせ、矢のように、いや銃弾のように跳んだ。
狙いは、炎の紋章に捕らわれて全く身動きの取れない刃牙。
「トドメいくぜっ! バーニングトレイル!」
炎を纏ったバーンの拳が、刃牙の胸板に命中! 刃牙は炎の紋章を突き破って
吹っ飛び、後方の壁に激突、背中でそれを打ち砕いた。
213二人の絆:04/10/01 19:12:30 ID:Mql9vplB
氷の槍が空気を切り裂いて、いや空気を貫いて飛来する。が勇次郎は一歩も動かない。
一歩も動かずに、口を開けた。ニヤリと笑って、首をちょい、と動かす。照準修正。
その、大きく開かれた勇次郎の口の中へ、氷の槍が銃弾のように突っ込んでいき、

ガリガリガリガリッ!

「な、何ぃっ!?」
キースが、滅多にみせない驚愕の表情を見せた。
勇次郎は、自分の身長ほどもある氷の槍を、一瞬で食べきってしまったのだ。さながら
電動鉛筆削り機のように。そして、ぺろりと口の周りをひと舐めすると、
「戦場格闘技においては、噛み付きなんぞ基本の一つに過ぎん」
「そそそそそういう問題かっ」
「ま、うまいカキ氷だったぜ。イチゴシロップがありゃもっと良かったんだが」
と、のたまって涼しい顔をしている。実際涼しいのだろう。口の中が。
あからさまに侮辱されたキースが、その冷たい顔にほんの少し、怒りを浮かべた。
「ならば、これはどうだ! フリジットプリズン!」
キースが大きく腕を振ると、そこから霜が発生して霧のように広がった。その一片が、
勇次郎の腕に触れる、と、瞬く間に霜が広がって、勇次郎の全身を氷漬けにしてしまった。
氷の塊と化した勇次郎の前に、キースが立つ。
「どうだユージロー。君がいくら強いといっても、所詮は普通の人間だ。
腕力や瞬発力に少々優れていたところで、我々サイキッカーの前では……って」
ピシピシッ、と氷にヒビが入った。
「ま、まさか」
「……お前の今のセリフは、『ま、まさか』だっっ!」
キースの不安を裏切らず、氷の塊が豪快に砕け散って勇次郎が跳び出してきた。
「フ、フリジットシェルっ!」
慌ててキースは凍気のバリアを張った。が、、
「そんな、涼しいだけの手品がこの範馬勇次郎に通用するかああああああああぁぁっ!」
あっさりと勇次郎の廻し蹴りに蹴り潰され、そのまま脇腹に喰らって蹴り飛ばされた。
214ふら〜り ◆XAn/bXcHNs :04/10/01 19:16:10 ID:Mql9vplB
>>163
やはり来ましたか……サイキッカーが空飛べるコト。刃牙・勇次郎には遠距離攻撃は
通じなさげだったり、本来飛び道具なのを体当たり技に変えたりと、努力はしたのですが。
結局、「このSSでは空は飛べない設定」と思って頂いた方がいいかも。我未熟也。無念。

>>うみにんさん
決戦前夜、にふさわしい盛り上がりっぷりですね。明かされていく謎、皆の戦意も高まり
固まり、「いくぞ!」「おーっ!」と。ちょいギャグも忘れてないところがまたグッド。
で。魔王の名前(素で気づきませんでした)……記憶の底にのび太たち……てことは!?

>>サマサさん
こちらは「出陣!」ですね。亜麻の戦線離脱は少々残念なれど、「タヌちゃん」がヒット
したのでとりあえず満足。「青玉」に続いてドラ哀れ。慣れてるところがまた、哀れ。
ともあれ。稟を加えたドラチームの活躍と、多彩なヒロインたちの見せ場に期待! です。

>>NBさん
うぁ……ギャンザ凄い。惨め。酷い。一方的。当初からやられ役っぽいとは思って
いましたが。イヴとリンス、ある意味対照的な二人両方に、ここまでやられるとは。因果。
前回のぽんさんとは逆に、容赦の無い血生臭さがいい味出てます。これもまた、爽快です。

>>殺助さん
男性、というか男の子オンリーでここまで……しかも受け側が盲目。これはもう凄い惨め
と書いて凄惨、ですな。こういう経験をして、冒頭の神についての云々に見られるような
マイナスの悟りを開いた結果、あの落ち着いたンドゥールになった、と。妙に納得。
215作者の都合により名無しです:04/10/01 19:21:23 ID:2ikxxjMg
ふらーりさん乙。
勇次郎強いなさすがに。サイキッカーでもやはり勝てないか。
しかし、相変わらず神業のような感想だ……。
216わってむ ◆WAMUTEuPBU :04/10/01 20:09:16 ID:SCdhPPnH
なんて良スレなんだあああああぁぁぁぁぁ!!!
217作者の都合により名無しです:04/10/01 21:01:56 ID:DA80qtzn
ふら〜りさん乙です。
勇次郎強いなやっぱ。どんな無茶な描写しても納得しちまう。
氷の槍を一瞬で喰うってのがらしい。
しかし感想と作品一緒にこなすのってすごいと思う。
218作者の都合により名無しです:04/10/01 22:01:21 ID:qX7etQjO
>ふら〜り氏
サイキッカーの強さを見せつけるバーンと比較して、勇次郎に手も足も出ないヘタレキース……
まあ、所詮はウォン(サイキックフォースの真のラスボス。時を操るサイキッカー)の掌で踊っていた程度の男だから仕方ないかな

ところで勇次郎や独歩あたりなら、相手が空飛べても、
「おめえほどの対空時間はないが、空飛ぶのはサイキッカーだけの専売特許ってわけじゃねえやな」とか言って勝ちそうではあるが(w
219作者の都合により名無しです:04/10/01 22:09:12 ID:QN8L1eV9
>DIOの世界
なんとなく「殺し屋1」を思い出した。面白い。しかしえぐい。
>>210の「一番気になる作品(気に入っているではない)」は同意。
私は今の連載群でサマサ氏とNB氏の作品が特に気に入ってますが、
気になるのはこの作品ですね。怖いもの見たさみたいな。
魔界編ともどもラーメンマンともども頑張って下さい。

>二人の絆
サイキックフォースって有名なんですか。検索して調べてみよう。
超能力者といっても、勇次郎もそうですからね、ほとんどw
表題はバキとの絆なのかな?その辺も楽しみに待ってます。
あと、いつも見事な感想お疲れ様です。
220作者の都合により名無しです:04/10/01 23:41:43 ID:SCdhPPnH
>>殺助氏(いちおうこの名前で)
1985氏からのフラッシュにも一言も言わず。
魔界編は書き溜めしてるらしいが、1話ぐらいはuぷできるのでは?
書き溜めしてるのが本当なら、DIOよりも魔界を優先すべき。
とりあえず本スレかまとめサイトに一言ぐらいなんか書いてくれよ。
221作者の都合により名無しです:04/10/02 00:03:43 ID:FXOvlpO8
>>220
魔界とかはウンコだし、もういいよ
222作者の都合により名無しです:04/10/02 00:09:26 ID:UIuSXBF4
別にそう思うならあなたが読まなきゃいいだけ。これはパオ氏の作品に限らずみんな。
楽しみにしてる人もいるんだし、今のスレのいい雰囲気を壊さないでくれ。

最近変な奴が混ざるね。
223作者の都合により名無しです:04/10/02 00:58:05 ID:Cl/tzUTC
>>222
そういう222も雰囲気こわしてないか?
ツンツンせずにマターリいこうよ
224222:04/10/02 01:31:36 ID:UIuSXBF4
>>223
ごめん。
好きな作品けなされて感情的になっちゃったな。
特に最後の一行は大人気なかった。
職人さん、住民さん、221さんすまない。
でも、やっぱりパオ氏にはなんか応答して欲しいな。

  
  じ ゃ 、 ま た 〜 り と 再 開
   ↓       ↓       ↓
225真・うんこ:04/10/02 01:32:34 ID:R5NLTsez
新作を近日中に投下いたします。
今回はうんこを脇にもってきました。期待に答えます。
226マルチメディアinユーラシア:04/10/02 12:37:22 ID:VwNqUY0N
2004年、地球はフランスによって支配された。
しかも、国王ルイ14世は世界中から優秀な人材をフランスへ次々に集め、
その絶大な権威を絶対的なものとしていた。「太陽王」の誕生である。
もちろん反乱なども起こったが、全て国王直属の「四天王」によって鎮圧された。
四天王とは坂本竜馬、天内悠、キュイ、アイシールド21である。
彼らに率いられるフランス軍はあまりに強大かつ凶悪。
しかし、諦めない者もいた。
モンキー・D・ルフィを船長とする「麦わら海賊団」である。

 「俺は絶対にルイ14世を倒す!」
決意表明を行う船長を、頼もしい仲間が心から称えた。
神心会館長、愚地独歩。伝説のギャンブラー、伊藤カイジ。
二物を与えられた天才少年、夜神月。強さを追い求める最終兵器、完全体セル。
 「でも、まずはアイツをぶっ飛ばす!」
ルフィが指さした先には、海堂薫が立っていた。
 「国王に逆らう奴らは死んでもらうぜ」
 「ここは私がやろう。完全体のパワーを試してみたい」
前に出たのはセル。海堂薫は臆することなくサービスを打ち込んだ。
 「ぐわぁ…!」
テニスボールはセルの腹を貫通した。攻撃はまだまだ終わらない。
 「ポール回しだと!?」
曲線を描いたテニスボールはセルの顔面を直撃した。屈辱にまみれるセルの精神。
 「ちくしょおおおおお………!」
セルの筋肉が膨張する。それに合わせ、気も爆発的に上昇していく。
しかし、百戦錬磨の独歩は見抜いていた。
 「パワーを気にしすぎた変身だ。あのヤロウ、逆上してやがんな」
227マルチメディアinユーラシア:04/10/02 12:37:52 ID:VwNqUY0N
独歩の不安は的中する。セルの攻撃が全く当たらない。
海堂に次々とポイントを決められ、ついにゲームセット。
 「ゲームセット、6−1! ウォンバイ海堂!」
 「くっ……!」
セルの敗北によって、麦わら海賊団はもはや一敗も出来ない状況となってしまった。
独歩がセルを叱咤する。
 「何年空手やってるンでぇ、セル」
 「すまん………」
 「気にしないでいいですよ。仇は取ります」
月は怪しげなノートに何かを書き込んだ。すると、海堂が心臓麻痺で死んでしまった。
 「それじゃあ出発しましょう」
最初の刺客、海堂を葬った麦わら海賊団。いよいよフランスへ向かう。

フランスへ行くには、まず日本海を越えてユーラシア大陸へ渡る。
そして中国を経て、シルクロードを横断しなければならない。
シルクロードはフランス進撃へ向け、もっとも大きな障害となる場所である。
何とかシルクロードを攻略しても、ヨーロッパには列強が勢揃いだ。
イギリス軍、イタリア軍、ドイツ軍がフランスを守護している。
これらを撃退して、ようやくフランスの大地を踏めるのだ。
228マルチメディアinユーラシア:04/10/02 12:39:33 ID:VwNqUY0N
今日はここまで。
次回へ続く。
229作者の都合により名無しです:04/10/02 12:47:33 ID:8nWkttKq
>マルチメディアinユーラシア
>四天王とは坂本竜馬、天内悠、キュイ、アイシールド21

まずこの組み合わせに笑った。
正直、訳のわからない出だしだがパワーは感じる。
230作者の都合により名無しです:04/10/02 13:10:37 ID:6iaOx2x5
電波な感じでいいね、ユーラシア。
まずキャラクターの選び方からしてただものじゃない。しかもセルあっさり負けてるし(笑)。
231作者の都合により名無しです:04/10/02 23:47:22 ID:zdcOr1H2
VSさんっぽいSSですな。多分違うと思いますが。
232作者の都合により名無しです:04/10/03 00:14:13 ID:d6OGhF3E
こーいうのが一番いい

つまらなかったり、途中で投げ出されたり、ただの冷やかしならば
惜しげも無く見捨てられる。
うまくいけば大化けして、不世出の大作に発展するか
とんでもないギャグになる潜在能力を秘めているようにも見える。
つまり読者的にローリスク・ハイリターンだからだ。
233作者の都合により名無しです:04/10/03 14:18:52 ID:ldHmLP6H
土日は伝統的に来ないね。
平日は作品まとまって来るのに。

ところでブラキンさんとザクさんが
最近来ないけれど、どうしたのだろう?
お二人とも投げ出し歴があるから心配。
234漫画@作者の都合により名無しです:04/10/03 14:25:52 ID:88ktO3U+
           /⌒丶         /⌒\
           /´    ヽ       /、   ヽ
           | /    |     /  /    |
       .    |     .|_lヽlヽ, | ,/ .    |
           |      |  ´Д`ヽ/ ノ    ,|
       .    |     |     |      丿
           ノヽ`   ノヽ      `   /
          /   ,/ソ         \ /
         (       ,/    `´   |
          \   イ  ´         |
           \  ヽ \    八  ノ
             ヽ    ` ー ´人` /
              \     / ´,、ヽノ
             ノ⌒    /      |
            /            ノ_
            | ノ     ヽ    丿 \
         /⌒l |.          /     \
         /  l,丿 ,       っ     .  \
        |  /  ´      /⌒`l        \
       丿 /   ,     ./   ヽ   ヽ    |
      /  |,   |    /      )\      ヽ
      ヽ ノ    ヽ__,/      . (  _\_     |
      (_)__)|___,/          (__)_)_)ヽ、__/
新しい漫画は辛ひ。。。
>181より
神界の門を通り抜けたのび太たちは、見晴らしのいい丘のような場所に出た。
人間界は真夜中だったが、こちらとは時間軸が異なるらしく、太陽がまだ高い場所にあった。
「ここが、神界かあ・・・」
「緑が一杯できれいなところねえ・・・」
辿り着いた神界の様子に、口々に感想を漏らす一行。
神界は人間界よりも自然は豊かであるようで、見渡す限りの緑があった。―――いや、よく見ると、
明らかに人為的に木々を切り倒したような場所も僅かにある。
「神界ってのは魔法が発達してるかわり、科学技術についてはさっぱりだったらしいんだけど、人間界と
繋がってからは多少文明が流出して、開発が進められるようになったらしい。そのせいで神界でも自然破壊が
問題になってきてるって聞いたことがあるな」
「へえ・・・どこの世界でもそんな話があるんだね」
「生活が便利になる代わりに、自然が犠牲になっちゃうってわけか・・・」
稟の解説に頷くのび太たち。痛々しげに切り倒された一角をしばし眺める。
「とにかく、のんびりもしてられない。とりあえず、神王さんはまだ捕まってないみたいだから、
探して、詳しい話を聞きたい」
うん、と頷く一同。
「そこでぼくたちが取るべき方法は・・・まず、たずねびとステッキで行き先を決めて、
タケコプタ―で進む」
「いつものパターンじゃないか」
のび太が不満の声を上げる。
「それ以外にある?」
「・・・・・・もっとこう、ひねりを効かせられないかなあ・・・」
のび太はブツブツ言いつつも、いつも通りにステッキを使い、タケコプタ―で進む。
どんどんと、木々の深くへと入っていく。
「こっちで本当に大丈夫なの?なんだか、どんどん森が深くなってくよ」
「そう言われてもしょうがないだろ。ステッキに頼るしかないんだから・・・」
そう言いかけた時だった。ドラえもんのポケットから、けたたましい音が響いたのだ。
これは・・・<虫の知らせアラーム>だ!なにか危険が迫ってるぞ!一旦下に降りよう」
一同は地面に降り立ち、辺りをうかがう。その時、静香が小さく悲鳴を上げる。
「ど、どうしたのしずかちゃん!?」
「あ、あれ・・・・・・」
「え・・・あれって・・・!」
静香が指差す方には、奇妙な人型の物体があった。だが、それらは人間ではない。
例えて言うなら、土でできた2メートルほどの大きさの人形たちだった。それがまるで、生き物のように動いている。
「ま、まさか・・・ゴーレムって奴か!?」
「知ってるの、稟さん!?」と、のび太。
「ああ、魔法学の授業で習ったことがある。土や石から造り出す人形で、しかも自分で動き回るんだ。
今ではほとんどないけど、昔は戦闘目的で造られてたって・・・」
どこかの漫画のキャラのように解説する稟だったが、唐突に口をつぐんだ。
ゴーレムがこちらに気付いたのだ。そして、腕をこちらに向ける。その腕の先は、まるで銃口のようだった。
「・・・・・・!みんな、よけろ!」
ドラえもんの声に、一同はその場から飛び退く。その瞬間、ゴーレムの腕から光の玉が飛び出し、さっきまで
一同がいた場所が吹き飛んだ。ジャイアンが苛立たしげに叫ぶ。
「くそったれ、やっぱ敵ってわけかよ!ドラえもん、武器を出してくれ!」
「よ、よし・・・<空気砲>!」
ドラえもんは人数分の空気砲を出して、皆に渡す。稟は当然のことながら使ったことがないので、
ドラえもんに聞く。
「お、おい、どうやって使うんだ!?」
「腕にはめて、ドカーンでもなんでも掛け声を上げるんだ!それだけで使える!」
「よ、よーし・・・ドカーン!」
稟はゴーレムの一体に狙いを付けて空気砲を撃つ。それは見事にゴーレムの腕を一本吹き飛ばしたが、ゴーレムは
気にしたようすもなくこちらに近づいていく。
「くそっ、なんてタフなんだ!」
「こうなったら手当たり次第に撃つしかねえ!」
稟たちは空気砲をガンガン撃っていく。ゴーレムのタフネスにはとんでもないものがあった。
文字通り、粉々になってしまうまで前進をやめないのだ。
それでも敵の数が少ないのが幸いして、六人がかりの攻撃の結果、ゴーレムたちは全滅した。
「まったく・・・こんな奴らがウジャウジャいるんだとしたら、厄介だぜ」
稟は荒く息をついて言う。
「ほんとにね、なにか弱点でもあれば・・・」
そう言ったのび太の身体が突如浮き上がる。驚いて背後を見れば、ゴーレムがのび太を持ち上げていた。
「う・・・うわあっ!放せコンニャロ!」
「のび太!くそっ、のび太に何すんだ、この土ダルマ!」
ジャイアンがゴーレムに殴りかかるが、びくともしない。空気砲を撃とうにも、のび太に当たってしまっては
取り返しがつかない。
「な、な、な、何かないか、何か・・・!」
ドラえもんはポケットから盛大にガラクタを放り出すばかりだ。
「ポケットの整理しとけよ!」
宙吊りにされながらも、いつものツッコミを入れるのび太。さすがと言えばさすがだが、間違いなくピンチであった。
しかし、そこに突如巨体の影が踊り出る。
「おらあっ!」
気合の入った飛び蹴りが、ゴーレムの顔面を軽々と破壊する。その勢いでゴーレムはのび太を取り落とした。
地面に落下するところだったのび太を、巨漢が逞しい左腕で抱える。
そのまま、残された右腕でゴーレムの頭があった場所に手を置き、地面に向けて手を振り下ろす。
ゴーレムはその圧力に耐え切れず、粉々になった。
その恐るべき戦闘能力に、一同がため息を漏らす。そこでようやくのび太は地面に下ろされた。
「あ、ありがとう・・・」
礼を言いかけて、その巨漢がよく見知った人物であることに気付いた。
「お前ら―――なんでここにいるんだ?」
そこにいたのは―――神王だった。

「お前ら―――なんでここに来た?」
神王がもう一度聞き返す。
「へん、俺らがどうしようと関係ねえだろ!」
ジャイアンが食って掛かるような口調で言った。彼の中では、まだあの時のことがわだかまっているのだ。
これには神王も渋い顔をするしかなかった。
「ジャイアン、ちょっと落ち着け。・・・実はですね・・・」
稟はジャイアンを制して、これまでの経緯を話す。
「・・・だから、俺たちは、亜沙先輩や・・・プリムラを、それに、おじさんたちを助けに来たんです」
「そうか・・・」
神王は得心いった様子で頷いた。だが、返答は実にそっけないものだった。
「わりいこたあ言わねえ。今すぐにでも、帰るんだ。ここはもう戦場だ。お前らが来るような場所じゃねえ」
「・・・分かってるよ、そんなこと」
ジャイアンは、激情を秘めて語る。
「けど、散々世話になった人たちが大変なことになってんのに、このまま黙って見とけってのかよ!ふざけんな、
何をやるかやらねえかくらい、自分で決めさせろ!」
「タケシ・・・」
「ぼくだって、ジャイアンと同じ気持ちです」
のび太が言った。
「今更何を言われても、みんなを助けるまで、絶対に帰りません!」
「・・・・・・のび太」
「おじさん・・・。俺たちだって、そこまで馬鹿じゃない。よく考えもせずにこんなところへなんか来たりしません。
みんな、決死の覚悟でここまで来たんです」
「稟殿・・・・・・」
神王はのび太たちの目をじっと見る。そこに僅かでも迷いがあるようなら、ぶん殴ってでも帰らせるつもりだったが―――
彼らの目には、迷いなどなかった。
「しかしなあ・・・お前らだって、命が惜しいだろうに・・・く、くっく、はっははは!」
困り果て、つまらない一般論に逃げようとしたが、もはやそんな自分が馬鹿らしくなって、声を上げて笑った。
まったく―――なんてとんでもないガキどもだろうか。
甘っちょろくて世間知らずで向こう見ずで青臭くて―――こんな素晴らしい連中が、どこにいるってんだ。
「やれやれ・・・俺も年寄りになっちまったってことか・・・」
そして、もう一度のび太たちを見回し、答える。
「敵はもうこの近くだ―――そこにまー坊は捕まってる。亜沙って娘や、プリムラもいるかもしれねえ」
「神王さん・・・」
「野垂れ死んでも骨を拾ったりしねえぞ。それが分かってんなら、ついて来い」
「そう来なくっちゃ!」
のび太たちはこんな時だというのにはしゃぎまわる。それは単に能天気というだけではなくて―――やはり、
強さと呼ばれるべきものなのだろう。
「―――おっちゃん」
ふと気付くと、隣にジャイアンが来ていた。
「俺はまだ、プリムラのことで、おっちゃんたちを完全に許したわけじゃねえ・・・けど・・・」
一旦言葉を切るジャイアン。
「けど・・・受けた恩だって、忘れたわけじゃねえ。家に置いてくれたし、ケンカのやり方だって教えてくれた。
俺はそれを―――忘れてねえ」
「タケシ・・・」
「だからよ・・・頼りにしてるぜ、おっちゃん!」
ジャイアンはそう言って、実に誇らしげに笑ってみせた。つられて神王も笑顔を浮かべて言った。
「こっちだって、お前らを頼りにしてるぜ。―――おっしゃ、みんな。そうと決まれば善は急げだ。
とっとと奴らの根城に殴りこもうぜ!」
「おーーーーっ!」
全員で天高く手を上げる一行だった。
240サマサ ◆2NA38J2XJM :04/10/03 14:48:09 ID:B1T3nvjC
投下完了。
今回は本作品で初めて戦闘場面を書きました。
戦闘シーンって結構難しい・・・。
では近いうちにまた投下します。
241作者の都合により名無しです:04/10/03 15:17:31 ID:ldHmLP6H
>のび太の神界大活劇
神界への門を潜り抜けて、いよいよ文字通りの「神界大活劇」の始まりですね。
いきなり現れたゴーレム集団に、敵の巨大さを感じさせます。
ジャイアンと神王は、似たもの同士って感じですね。いいコンビって感じだ。
これから戦闘シーンも多くなってくるんでしょうが、サマサ氏の筆力なら大丈夫。
期待してますが、ゆっくりと自分のペースで頑張って下さい。

>>234
誰?職人さん?
それとも今から書こうとしてる人?
とにかく頑張れ。
242作者の都合により名無しです:04/10/03 15:46:30 ID:Mwh6jbq6
>ドラえもん のび太の神界大活劇 
ジャイアンと神王、とりあえず仲直りってとこか。
ぶつかる〜こと〜で 深く〜結びつく友〜情〜♪
あと稟、お前は雷電かw
243作者の都合により名無しです:04/10/03 16:04:58 ID:Gjd9dMhh
サマサキター!
サマサ!サマサ!サマサ!
244作者の都合により名無しです:04/10/03 16:48:56 ID:vGuejVP3
SSまとめサイトから、ゲーム発売元HPのキャラ紹介ページへいって
調べたら、なるほどジャイアンが大人になった感じだ。>神王
ルックスはぜんぜん違うけどw
いよいよ大冒険だね。しかも活劇編に入ってすぐアジトへ突入か。展開速いな。
頑張れ、サマサ!サマサ!サマサ!
       ↑
ところでこれ、流行ってんのか?w

>>233
確かにこないな、ブラックキングさん。
ザクさんは一週間空いただけだが、ブラキンさんは結構空いてる気が。
フンコロガシ?知らん。しょせんあのスレの出身者。 
245作者の都合により名無しです:04/10/03 17:19:44 ID:Mwh6jbq6
>>244を見てSHUFFLE!の紹介ページ行ったけど、キャラ紹介重い。ナロバンにはきつい。
もうちょっとがんばって見るけどね。

ブラックキング氏とフンコロガシ氏の最終書き込みはほぼ同じ日にちっぽいね。2週間近く前。
○氏のような事態に陥っているのかもしれん。さもなければ生存確認のためのレスが欲しい。
246α:04/10/03 19:34:05 ID:+5IjX+bC
 2

 決して清潔とは言えない部屋だった。灯りが無いというだけでなく、部屋そのものが薄暗かった。
 くすんだ白の椅子に、やはりくすんだ四足のテーブル。そしてテーブルの上に置かれたワイングラス。
 形だけのランプ。洋風の模様が美しい、だが中身の無い花瓶。
 家具と言えるのはそれくらいで、あとは、蜘蛛の巣や溜まった埃、そして血の香りが残りの空間全てを占めていた。
 全てのものに冷たい影が下りていた。
 だが、完成した部屋だった。ここにあるからこそ、全てが引き立っていた。破れかけた蜘蛛の巣も、洒落たインテリアに見える。
 不自然の美。この部屋の主はそう呼んでいた。
 魅力の満ちた部屋だった。
 その軸は椅子に座っている男だった。男こそがこの部屋の主役だった。
 この男の行くところ、全てがそうなるに違いない。皆、男の引き立て役に過ぎなくなるのだ。
 惹きつけるような魅力は、椅子の脇に倒れこんでいるものの存在を、ほぼ打ち消してしまっていた。
 女の死体だった。
 着衣の汚れや腐敗がまるで進んでないあたり、死後、それほど経ってはいないのだろう。
 たった今死んだ、そんなような死体だった。
 恍惚の表情を浮かべていた。大きく開かれた瞳と三日月のような笑み。彼女の美しい表情はまだ生きているかのようにも思える。
 頬がこけていた。酷く痩せていた。まさしく血の気が無い。青白くなった肌が暗闇に目立っていた。
 それでも、もしこの部屋へ誰かが入ってきたとしても、まず眼に入るのは椅子に座る男である。
 一瞬ではない。一目として眼を離せなくなる。何秒、何十秒と魅了され、ふと我に帰ればようやく、
 椅子の脇に何かあるな、と初めて思うのだ。
 それも、ただ思うだけに終わるであろう。興味と言う興味は全て男に引きつけられるのだ。
 男、ディオ・ブランド―が一人座していた。
247α:04/10/03 19:36:46 ID:+5IjX+bC
 男は上半身を露わにしていた。はちきれんばかりに肉の詰まった胸。均等に六つに割れている腹筋。
 筋肉の溝に下りた陰影が妖しげな雰囲気を醸し出している。
 骨ばった間接部分すら美しい。
 男は両性的な雰囲気を持っていた。鍛え上げられた肉体は強く、しかし美しく。
 無垢な少年のように若くも、全てを知り終えたような酷く年寄りにも見えた。
 純金色の髪が天へ立ちあがり、闇中で眩しいほどだった。
 薄く朱を引いたように唇が紅い。唇の端と端は、くい、と釣りあがっていた。常に笑みが男の顔に浮かんでいる。
 テーブルのグラスを唇へ運ぶ。
 真紅の液体は甘美なワインのような喉越しを残すと、男の嘗ての友だった体へと染み込んでゆく。
 男は血に火照りを感じた。首の疵はすでに消え去り、旧友との結合は確かなものになっていた。
 20年前に得た、最後のジョースターの血によって同化は完了したのだ。
248α:04/10/03 19:38:23 ID:+5IjX+bC
「失礼いたします」
 ワイングラスを手で振り楽しんでいると、戸の向こうで声がした。
 観音開きの戸が軋んだ音を立てながら開くと、そこには中年の男がいた。
 短くまとめた黒髪。細く、少し垂れ気味で、病的な目をした男だった。日本人である。
 黒のスーツをきっちりと着こなしていた。
「御子からお預かりものがあります」
 中年の男はそう言って部屋へつつ、と入ると戸の脇にずれた。
 中年男の後ろには二人の若者がいた。二人掛りで黒い箱を抱えていた。人一人入れるほどの黒光りする棺である。
 二人は棺を部屋へと運び入れると、深深と礼をし、また出ていった。
 ディオ・ブランドーは二人の若者に視線を向け、二人が完全に退室してから口を開いた。
「そろそろ、お前の息子どもに経験をさせてやってはどうだ?」
「……許可を頂ければ明後日にでも。ダービーを殺した奴を探させましょうか?」
 テレンス・T・ダービーの死体がロンドンの町外れで発見されたのは、ニ年以上も前のことだった。
 ダービーもスタンド使いである以上、殺害にいたったものもスタンド使いなのであろう。
 危険な芽は早々に摘むべきだと、那由汰は思っていた。
「あいつはもういいさ。飽きた」
 ディオがまたワイングラスを傾ける。
「ロンドンにいくつか中小のキャンプがあったな。適当に一つ許可する。ついでに何人か新人を連れていってくれないか」
「了解しました」
 深深とした礼を最後とすると、虹村那由汰(なゆた)は部屋を後にした。
 戸が再び低い音を立てて閉まった。闇に静寂が戻った。
249α:04/10/03 19:40:02 ID:+5IjX+bC
「聞こえたな」
 虹村那由汰は、きびきびと歩きながら言った。大人5人は横並びで歩けそうな、広い廊下だった。
 那由汰の後ろには、さきほどの二人若者が、やはり早歩きでついて行っていた。
 石造りの廊下に、三人分の足音が軽く響く。
 那由汰が声をかけたのはこの二人である。
「はい」 、と二人がほぼ同じに返事をした。
 若者の一人は虹村形兆と言った。きち、と固められた髪が殆ど円柱形をしていた。
 着ている服も同じである。ボタンにしろポケットにしろ、全てが完全に整っていた。
 ショーウィンドウに飾られたスーツのように皺一つ無かった。
 几帳面で、つねにきち、としていなくては気が済まないのだ。
 やや上目がちの視線を前を行く父親に向けながら、背筋を伸ばしたまま歩いている。
 その歩にある一定のリズムが先程から崩れていない。
 もう一人の若者は形兆の弟で、名を億泰と言った。
 背格好や顔つきを見るに、年齢はさほど離れていない。
 振るまいは兄とは対称的であった。
 首もとのボタンは幾つか外されていた。首をやや前に突き出した、風を切るような格好で歩いている。
 口が不機嫌そうに捻じ曲がっていた。鼻も低く、美男子とは言えない。
 もっとも印象的なのはその目だった。暗い双眸はまさしく父親のそれを継いでいた。強暴な目だった。
250α:04/10/03 19:40:50 ID:+5IjX+bC
「なあ億泰」
 しばらく歩いていると、形兆が口を開いた。小声で弟へ呼びかける。
「おまえ、どう思う?」
「……」
 億泰は答えなかった。黙って歩いていた。
「明後日のことだ。おまえ、どう思ってる。本当にやりたいと思うか?」
「……」
「聞いてんのか、億泰――」
 形兆は弟の名を最後まで言えなかった。
 二人の足が止まった。
「兄貴が何を言いてえのか全然わからねえけどよお、親父やディオ様には逆らうなってことくれえはよーくわかるぜ」
 億泰が言う。
 形兆の顔の前には億泰の右手が迫っていた。弟のスタンドの掌だ。
 形兆は息を呑んだ。
 この掌は、触れたもの全てを消し去ってしまう。文字通りこの世から消してしまうのだ。
 眼前の空気が音を立てて消滅してゆくのがわかる。億泰がちょっと手を傾ければ、形兆の顔面はこの世のもので無くなる。
「ええ? まだなんかあんのかよ?」
「俺が悪かった」
 そう形兆は場を流すことしか出来なかった。億泰はそれで満足したか、兄に背を向け再び歩を進めた。
 あのままだったら弟は自分を殺していただろう。なんの躊躇いも無く、手を振り下ろしていただろう。
 億泰の忠誠心は確かなものだった。幼児期からすり込まれ、心に深く根付いている。
 弟の能力は、まさに殺しの原石だった。父と、そしてディオによる教育は、弟を黒光りする刀へと変えた。
 馬鹿だが素直だった幼い弟を思い、虹村形兆はただ歯を噛み鳴らした。
251α:04/10/03 19:43:54 ID:+5IjX+bC
 暗い部屋の中、ディオ・ブランドーは棺の蓋を開けた。
 蓋がずれるなり、部屋には緑の香りが漂いだした。庭園のような香りだ。
 棺の中には一人の女性が横たわっていた。真っ赤なドレスを身に纏った、若そうな女性だった。
 赤い布の下に覗く白い肌が艶かしい。両手を胸の上に重ねていた。
 ただ、彼女の顔がすべてのイメージを打ち壊す。
 彼女には眼が無かった。あるべき場所に、真っ赤な薔薇が生えていた。
 薔薇を眼に刺してあるのではない。眼窩に直接根を張っているのだった。
 茎の下部は、肉とも植物ともわからない、緑色が混ざり合っていたた。
 眼球が廻りを捕捉するように、花がくるくると蠢いていた。
 微動だにしないが、確かに生きている。ゆっくりと呼吸をしていた。
 彼女の胸の上、重ねられた手の下に、やはり紅いカードが添えられていた。
「――なかなか良いのが出来たので、差し上げます ジョルノ」
 そう、書いてあるのが読める。
「フフン」
 軽く鼻を鳴らすと、ディオは、唐突にその手を女の胸へと突き刺した。
 面白いほど簡単にディオの四指が潜り込んだ。
「ぎっ」
 女が唸る。その間も胸から純血が漏れて行く。それでも彼女は微動だにしなかった。
 そしてディオは吸血を始めた。
 ディオの腕がドクリと波打った。それが定間隔で続く。波打つたびに、女から生気が失われて行く。
「ぎっ、ぎっ」
 同じリズムで女のうめきが漏れる。
 ディオは、その指から血を吸い取っているのだった。
 血を吸われ、女の体は乾いてゆく。だが、彼女の目の薔薇は違っていた。
 血が失われるのに反比例し、花はより赤く、より濃く染まっていった。
 どのような仕組みかはわからないが、彼の息子の仕業に違いない。
 ジョルノは人の心を揺らすのが好きなのだ。
「枯れても美しいわけか」
 何時しか女の顔には恍惚の笑みが現れていた。女は絶命していた。
 ディオは両目の薔薇を摘みとり、絞り粕を放置し、再び椅子へと向かった。
252α:04/10/03 19:46:07 ID:+5IjX+bC
 緑の匂いはかき消され、先程よりも濃い血の香りが充満していた。
 深く椅子に持たれかかると、材料の灰白の人骨がカタカタと擦れ乾いた音をたてる。
 摘んだ花をテーブルの花瓶へと差してやった。また美が空間に追加された。
 ディオ・ブランドーは20数年前を回想する。
 幸運だった、とでも言うのだろうか。
 いいや違う。自分こそがこの世界に導かれたのだ。そう思う。
 ジョースター。
 心の中でその名が残響する。
 ジョースター。
 不死人にとっては1ページにも満たない記憶。
 ましてや彼の記憶に残る人間など皆無。だが白金製のその一項はディオの心に大きな物を残した。
 そうしてジョナサンの血統は絶たれ、このDIOが生きた。
 ジョナサンの手で体を起こし、ジョナサンの足で立つ。
 そして露台へ出た。
 空には灰色の雲がかかり、どんよりとした黄昏を作り出していた。
 人を照らした陽光はもはや過去の物だ。淡い青の光の心地が良い。
 遥か下界では卑屈な猿どもが蠢いている。虐遇のゴミだめの中で、もがき生きる人間に対し艶笑が零れた。
 ここまで来るのに、実質四年。
 時代が幕を空けたのだ。
 このDIOの時代が。
 帝王の譏笑が空を裂いた。

 End
253ストーリー補足:04/10/03 19:47:08 ID:+5IjX+bC
【ジョルノ・ブランドー】
 DIOの実子。日本人のハーフであり、日本名は初流乃(はるの)。母はすでに死亡している。
 サディスティックな性格で、未知への挑戦と銘打ち、今日も人体実験を続ける。
スタンド名「ゴールド・エクスペリメント」
 命無き物体に歪んだ魂を与えるスタンド。おかげでジョルノは実験材料には事欠かさないが、人そのものを作るのはまだ無理らしい。

【ブラック・サバス】
 自動操縦型のスタンド。神出鬼没で世界各地の影から出現する。
 通りかかる人間を見境無く襲い、試練の矢で魂を貫くのだ。
 ブラックサバスの仕事の後にはゾンビが集まる。死者は食われ、力を得た生き残りはディオの元へと運ばれる。
本体名「ポルポ」
 ジョルノ・ブランドーに脳を弄繰り回され、複数体のブラックサバスを勝手に発現してしまうようになった。
 脳改造はスタンドの特性そのものも改変し、自動操縦型であったにも関わらず、スタンドのダメージが
 そのまま精神への苦痛となってポルポへフィードバックしてくる。
 生かさず殺さずの拘束生活を送るポルポは、各地のブラックサバスから送られる精神ショックに四六時中その巨体を捩じらせている。

【ゾンビ】
 吸血鬼の忠実なる僕。昼無き今、屋外問わず24時間活動可能! 各地を闊歩している。

【DIO】
 本名ディオ・ブランドー。
 帝王。 
254Age of Brando:04/10/03 19:49:07 ID:+5IjX+bC
        特異点

    ┌─ Walk in the Nocturne ─┐
    │                      │
    ├─ Under Dreams     ─┤
    │                      │
α→┼─ フー・ファイターズ! . ─┼→ Ω
    │                      │
    ├─ 「D」 for the …      ─┤
    │                      │
    ├─ 未定            ─┤
    │                      │
    └─ 未定            ─┘

        Q → QII
255ユル ◆jxmVRmKxVc :04/10/03 19:49:49 ID:+5IjX+bC
今回分終了。
要するにジョジョの世界観でAoAってことですの。
256作者の都合により名無しです:04/10/03 19:56:27 ID:Mwh6jbq6
空けます










257作者の都合により名無しです:04/10/03 19:56:30 ID:EN7N2r1P
おおっ、人物のつながり方がいい。
4×5でも思っていたが、さすが。
虹村にもこっそり感動。
ゴールドエクスペリメントというアレンジもいいねい。

ところでユルさんは○さんですか
258ザクUVSデビル勇次郎(三):04/10/03 19:57:39 ID:Mwh6jbq6
>>73-76より
259ザクUVSデビル勇次郎(三):04/10/03 19:58:33 ID:Mwh6jbq6
『おめでとうザク君。ついにプラズマ技を会得しましたね』
 ディスティ・ノヴァからザクへ通信が入った。
『ですがザク君、プラズマクローでいくらコピー範馬勇次郎を倒したところで、その何倍もの数のコピーが
リアルタイムで生産され続けるのです。やはりここは本体を叩くしか方法は無いかと思いますが』
――あんたが正しいってことは分かってる。だがな、俺は勇次郎の形を成したものを無視することは――
 ザクは勇次郎軍団を見下ろす。皆が皆、一様ににたにたと邪悪な笑みを浮かべている。
 畜生。ザクはプラズマを発していない左の拳を握った。
 俺は、奴ら全員を叩きのめしたい。だが!
 バーニアを噴かせ、ザクは飛んだ。そしてオリジナルの勇次郎が捕らわれているデビルガンダムへと
一直線に向かう。
――それでも!やはり本体を叩くほかに奴らを倒す術は無い!コピーどもは無視して――
 突然、ザクは静止した。ザクが自身の意思で止まったわけではない。その証拠にバーニアは依然として
噴出され続けている。
――まさか……
 ザクは足元を見た。
 右足の膝から下に、二人の勇次郎がとりついていた。足場の無い空中で踏ん張りを効かせ、バーニア
の出力に見合うだけの力をもってザクを制止させているのだ。
――化け物か!
『チェリャッッ!!』
 縦方向にジャイアントスイング、手を離す。ザクははるか後方まで投げ飛ばされるが、バーニアを逆噴
射させてなんとか空中で停止し、ゆっくりと大地に降り立つ。ザクは心の中で舌打ちをした。
――おそらく、最初に攻めてきたような方法で飛行する俺にとりついたのだろう。あの手段がある限り、
空を飛んでもデビルガンダムの下には到達できまい。コピー勇次郎軍団を全滅させるためにはデビル
ガンダム本体を叩かなければならない。だが、デビルガンダムを叩くためには先に勇次郎軍団を倒さな
ければならない。くそっ、どつぼに嵌っちまったか……
「あきらめんでもええよ、お若いの」
 不意に、左手の崖の上からしわがれた声が聞こえてきた。
260ザクUVSデビル勇次郎(三):04/10/03 19:59:40 ID:Mwh6jbq6
――誰だ!
 ザクは音源をサーチする。人影があった。四人。カメラをアップさせ、突然の来訪者の姿を確認する。
 サングラスをかけた老人が二人。片方はチャイナ帽をかぶったしわくちゃの黒い肌の老人、もう片方は
禿げ頭で紫色の大きな亀の甲羅を背負っている。見覚えのある鎧姿が1人。これは新宿で対決した葉隠
覚悟の装着していた生きた鎧『零』と似たものだが、微妙に異なっている。最後の1人は髑髏の仮面を
被った黒い馬に乗った、髑髏頭の騎士。
「ぬぅ、よもや貴様らがここに現れるとは思いもせなんだわ!」
 東方不敗も四人に気づき、驚きの声をあげる。
――東方不敗の知り合い?四人?……まさか!
「クイーン・ザ・スペード、郭海皇!」
「ジャック・イン・ダイヤ、武天老師!」
「クラブ・エース、葉隠朧!」
「ブラック・ジョーカー、ガイゼリック!」
『我ら、シャッフル同盟!』
 四人が声を揃えて叫んだ。
――シャッフル同盟……江田島塾長から聞かされたことがある。
 ザクは昔、江田島平八から聞いた話を想起した。
――シャッフル同盟とは、はるか昔から戦いの秩序を守ってきた五人の戦士の集団。シャッフルの紋章
を持った戦士たちは、これまで歴史上のありとあらゆる戦いを監視し続け、幾度となく人類の滅亡を防い
できたのだという……
「その通りじゃよ」
 クイーン・ザ・スペード、郭海皇が言った。
「じゃがな、キング・オブ・ハート、マスターアジアは何を血迷ったかデビルガンダムなどを持ち出し世界を
混沌の渦に陥れようとしておる」
261ザクUVSデビル勇次郎(三):04/10/03 20:01:19 ID:Mwh6jbq6
「よくぞ我が同盟の名を汚してくれたのう、東方不敗よ」
 ジャック・イン・ダイヤ、武天老師が言う。
「お前のような馬鹿はシャッフル同盟にはいらぬなり!」
 クラブ・エース、葉隠朧が叫ぶ。
「それが数年ぶりに出会ったわしに言う言葉か!貴様らのかしらを張るキング・オブ・ハート、東方不敗に
向かっていう言葉かぁッ!」
「その通り。シャッフルの仲間として忍び難き想いもあるが、その罪、貴様の命で償ってもらおうぞ」
 東方不敗に対し、ブラック・ジョーカー、髑髏の騎士が剣を鞘から抜いて答えた。
「ぬっはっはっは!片腹痛いわぁ!」
 東方不敗は両手を広げて笑った。
「わしを倒そうにも、わしの前にはデビルガンダムより生成されしデビル勇次郎軍団がおる!貴様ら四人
とザクとのたった五人でこれがどうにかなるとでも思っておるのかぁッッ!!」
 シャッフルの戦士四人はそれを無視し、ザクに向き直った。
「おぬしも気づいておるじゃろう。勇次郎軍団、奴らにチームワークは存在せん」
 と、郭海皇。
「ならばわしら五人がチームを組んで挑めば勝機は見えてこようというもの」
 亀仙人が続けた。そしてシャッフル同盟の面々は崖を滑り降り、ザクの足元へと集結する。
――この上ない援軍だ。
 ザクの心に希望の光が宿った。
――これなら勝てるかもしれない。道が開けるかもしれない!
「かも、ではない。勝つのだ、我らは」
 葉隠朧がザクに言う。
――ああ……分かった。この闘い、勝つのは俺たちだ!
 シャッフルの戦士四人とザクは勇次郎軍団目指して走り出した。
『シャッフル同盟とあらば相手にとって不足無し。全力で迎え撃ってやるぜッッ!!』
 コピー勇次郎全員が、同時に両手を掲げて全力の構えをとった。
262作者の都合により名無しです:04/10/03 20:03:36 ID:Mwh6jbq6
今回up分終了。
263作者の都合により名無しです:04/10/03 20:55:36 ID:6HVPc4yr
シャッフル同盟に笑わせてもらった(特にダイヤ)
主役のはずのザクが完全に喰われてる。
264ところで:04/10/03 21:10:52 ID:6HVPc4yr
>ユルさん
AoAって何ですの?(エイジ・オブ・アポカリプス ?)
265作者の都合により名無しです:04/10/03 21:27:11 ID:PLpZvJdh
>「ブラック・ジョーカー、ガイゼリック!」
>『我ら、シャッフル同盟!』

ここに無茶苦茶ワラタw
想像すると壮絶すぎる違和感がある
266作者の都合により名無しです:04/10/03 22:12:54 ID:vGuejVP3
おお、ザクさん>>244で心配してたらすぐ復活してくれた!嬉しい。
シャッフル同盟まじで笑ったwどんな面子やw
しかも、サマサさんの作品の元ゲー「シャッフル」を思い出して2重に笑った。
急展開だな、頑張って下さい。

ユルさん、実力は素晴らしいと思う。まさかオムニバス形式とは。面白かった。
ジョジョ詳しくないので分からないけど、補足があるという事はオリキャラだろうか。
あと、あのスレに本当に出張は止めた方がいいよ。(あれが騙りならすまん)
己の価値を下げるだけ。能力はすごく高いんだから。返事はいりません。
267作者の都合により名無しです:04/10/04 00:59:09 ID:35D8tAcM
ザク氏、ユル氏乙。

何か凄まじいことになってきたな。
ジジィに勇次郎軍団、ついでにザク。
想像するだけで笑える。
268作者の都合により名無しです:04/10/04 01:06:01 ID:RlqAWXoE
>>ザク
毎回楽しみにしてます。投げ出しちゃったのかと心配したじゃないっすか。
次のシャッフル同盟VS勇次郎軍団が楽しみです。
269作者の都合により名無しです:04/10/04 06:21:25 ID:lOdX6ACZ
この
270作者の都合により名無しです:04/10/04 06:23:13 ID:lOdX6ACZ
途中で送信しちまった

この面子(シャッフル同盟)って、何気にザクが戦った相手の関係者だよな。
271作者の都合により名無しです:04/10/04 08:03:13 ID:BtSIEWoN
ありゃ、日曜日が珍しく開放日だったんだ。
サマサ氏、ユル氏、ザク氏お疲れ様でした。
会社休みだしこれからゆっくり読むかぁ〜。

しかし、なぜバキスレって投稿連なるのかね。
一日3、4本ドバッと来て、翌日0の事多い。
職人同士でライバル心みたいなのあるのかな?
それともライバル心でなくて連帯感だろうか?
まあいいや、とにかく皆様頑張って下さい。
272ブラックキング ◆vI/qld5Tcg :04/10/04 17:53:30 ID:VSZO9CDG
>>245
9日から2連休なので、書けると思います。
今ほとんど休みがないので。
273作者の都合により名無しです:04/10/04 18:17:34 ID:MTx5LLpZ
ヤムチャのタイムスリップネタのやつどうなった?
274作者の都合により名無しです:04/10/04 18:29:31 ID:H1t5b8gI
ブラキン氏連絡レスおつ。
仕事なら仕方ないなー。ま、書ける事が分かって良かった。
楽しみに待ってます。245さんじゃないけどね、俺。


ところでここは強力な職人さんが集まるんで、
厚かましくもリクエストをひとつ。
どなたか「バスタード」を元ネタに書いてくれませんかね。

ウルトラジャンプで連載再開したけど
グダグダもいいところ。がっかり。
外伝とか書きやすいと思うけどな。ガラ主役とか。
パオさんとかNBさんとか、こういうの書くの得意そうだ。
でも皆さん連載あるから無理かー。
275作者の都合により名無しです:04/10/04 21:29:53 ID:AUhqw6IO
バスタードのSS読みたいけど
戦闘が呪文の詠唱で半分終わる悪寒。

あと、ブラキン氏復活おめ。
フンコロはやっぱり投げ出しか。
しょせんあのスレ出身者だな。
師匠のサナダムシ氏はファンだがね。
276作者の都合により名無しです:04/10/04 22:24:03 ID:ooWRMQ4x
書くのが遅いって言ってたから、まだ続きが書けていないだけでしょ。>フンコロガシ氏
そう信じる。
277作者の都合により名無しです:04/10/04 22:52:30 ID:sf5fxoIq
NBさんか殺助さんかうみにんさんが来てるかなと思ったけど、着てないか。
さすがに今日はお休みかな、皆さん?
ブラックキングさんももうすぐ復活みたいで嬉しいね。○さんはまだかな?

フンコロガシ氏は、どうしても色眼鏡で見てしまうな。いけない事だけど。
しかしこのスレはまた〜りSS楽しめていいな…

ところで「バキの奇妙な冒険」が長編カテゴリで「連載中」になってたけど、
あれはもう完結と思うけどな。世界さんどうしてるんだろう?復活しないかな。
278マルチメディアinユーラシア:04/10/04 23:28:12 ID:4GY3o7iq
船を出すために港へ足を運ぶ一行。しかし、またもや妨害が現れた。
仙水忍とコロンブスである。
 「死んでもらうよ、麦わら一味」
 「ユーたちは日本から出られない………!」
二人とも間違いなく戦闘力10000以上の強敵である。
まともな戦闘では、ルフィたちの勝ち目は薄い。そこで、カイジはある提案をした。
 「ここにナイフがある。ジャンケンで負けた方が、これで自殺する……ってのはどうだ?」
 「面白い、受けて立とう」
向き合うカイジとコロンブス。
 「じゃーんけーん……」
 「ぽんっ!」
コロンブスが先に手を出し、三秒後にカイジも手を出した。
カイジはチョキ、コロンブスはパーだった。
 「バカな…」
 「俺はアンタがパーを出すのを見てからチョキを出した……」
 「そんな手があったとは!」
 「アンタの負けだっ……!」
 「国王陛下、お許し下さい」
コロンブスは自分の首にナイフを突き立て、その生涯を終えてしまった。
仙水が激怒する。身体中から聖光気を爆発させる。
しかし、月にノートに名前を書かれてしまい心臓麻痺で死んだ。
279マルチメディアinユーラシア:04/10/04 23:28:54 ID:4GY3o7iq
強敵を倒し、どうにか船を出した麦わら一味。
天気は良好、海も穏やかだ。このまま大陸を渡れるかに見えたが……。
 「おい、上から何か降ってくるぞ!」
空から飛来したのは、妖霊大帝オドローム。全てをチリと化す妖術を使う夢宇宙の支配者だ。
 「フハハ、ルイ14世には指一本触れさせんぞ!」
 「面白いジッちゃんだな。こいつァ俺がやるぜ」
独歩の構えは、船の上での闘いで最適な三戦立ち。
空飛ぶオドロームは船の揺れでバランスを崩してしまう。
 「うわっ!」
 「チェイッ!」
独歩は倒れたオドロームに腕ひしぎ逆十字でダメ押しする。
 「うぎゃあああッ!」
右腕が折れたオドローム。もはや試合続行は不可能である。
あまりに残酷な攻撃に月が抗議する。
 「腕を折るのはやりすぎですよ」
280マルチメディアinユーラシア:04/10/04 23:29:28 ID:4GY3o7iq
オドロームを捕えたものの、船に流れる空気は重かった。
相手の腕を骨折させるという、常識外れにも程がある極悪非道な仕打ち。
独歩と他のメンバーに、透明ながらも厚い壁が出来てしまった。
 「空手やってりゃ、腕が折れるなんて日常茶飯事なんだよ」
 「僕達がやってるのは空手じゃないんですよ。ルイ14世を倒す旅です」
 「ルイ14世は、そんな甘い相手じゃないんだぜ!?」
 「しかし、僕は敵であろうと犠牲は出したくない!」
月は言い切った。他のメンバーからも拍手が起こった。独歩も黙って頷いた。
 「すまなかったな………大人気ないコトしちまってよ」
 「分かってくれればいいんです」
二人は固い握手をした。船には再び和やかな空気が流れ始めた。
航海はまだまだ続く。
281マルチメディアinユーラシア:04/10/04 23:29:57 ID:4GY3o7iq
同時刻、フランス─────
玉座に座るルイ14世に、部下から報せが舞い込んで来る。
 「国王陛下、麦わら一味が日本を脱出しました」
 「ほう」
 「海堂、仙水、コロンブスは既に殺され、オドロームも消息不明です」
 「ほう」
 「このまま野放しにして、他の反乱分子と手を組むと厄介です」
 「ふむ…では悪魔軍団を出陣させるか。奴らならば、確実に殺せるだろう」
悪魔軍。フランス軍きっての精鋭が集められた、これまで温存されてきた特殊部隊である。
悪魔の実能力者で構成され、しかも全員が能力を極めている。
「バラバラの実」バギー。「オラオラの実」空条承太郎。
「テロテロの実」ビン・ラディン。「ガリガリの実」ガリガリ君。
「プルプルの実」ところ天の助。「ドロドロの実」巨神兵。
たった六人ではあるが、一人につき水爆と同等の危険度と認定されている。
国王ルイ14世がついに本腰に上げ出したのである。
282マルチメディアinユーラシア:04/10/04 23:31:34 ID:4GY3o7iq
今日はここまで。
次回はおそらく死闘。
283作者の都合により名無しです:04/10/04 23:46:13 ID:AUhqw6IO
>マルチメディアinユーラシア
ある意味、VS氏以上のデンパかもしれない。
タイトルからして訳分からんしw
いったい何人登場キャラがいるんだよ?w
ラディンはともかくガリガリ君ってアイスでしょw
思いつきだけでないのを祈るw

ひとつお願いです。
出来れば前のうぷ分へのアンカーを付けて欲しいのですが。
分かりにくいし、何よりバレさんが困ると思います。
284作者の都合により名無しです:04/10/04 23:55:23 ID:Nd0tkKKq
>「ドロドロの実」巨神兵

待て。これは「人」なのか?w
285作者の都合により名無しです:04/10/05 00:12:14 ID:DmUeJpAa
「シンイチ・・・きみは最近村野とセックスをしていないようだな」
「な、なんだよいきなり・・・」
「もっとセックスをしろ。我慢すると健康にも悪いぞ」
「そんなコト言ったって、相手の気持ちもあるしさぁ・・・」
「気持ちなど関係ない。村野なんて女の形をした肉だ。」
「そんなひどい言い方するなよ!大切にしてる人なんだからな」
「うむ。それはわかる。私も村野の裸を見たときはこう思ったさ。『うむ、この体型グッド』」
「そりゃ地形だろ!ていうか俺のセックス中に冷静にそんなこと考えてたのか?」
「いや、セックス中は私も忙しいのだ。2パターン以上で攻めているからな・・・」
「は・・・?おまえ愛撫に参加してんのか?勝手なことすんなよ!!」
「・・・・・・コトバ…マダ…スコシ…デキナイ…」
「なに急にカタコトになってんだ!ごまかすな!」
「オシエテ…Mr.Sky・・・」
「なんだよMr.Skyって・・・俺の名前はシンイチだ!」
「シンイチか・・・新ちゃんだね」
「なんで急に馴れ馴れしくなってんだよ!それ美津代さんのセリフだろ」
「最近、私の中で美津代のセリフが流行っている。甥もいません。」
「いや、それ文脈を完全に無視してるから。使うべきときに使えよ。」
「そういえばあの加奈というナオンもハクいスケだったな。目が合った時すこし胸キュンした。」
「ミ、ミギー・・・いくらなんでもキャラ変わりすぎだろ」
「あいつの体内にもきっとグッドな地形が・・・」
「地形はもういいって。でも、いい娘だったよ・・・純粋だった」
「やったのか!?新一!!」
「だから美津代さんのセリフはもういいよ!それにやってない!」
「やらないか?」
「それ漫画違う!」
286作者の都合により名無しです:04/10/05 00:28:11 ID:goQBOs9q
マルチっていうのはたくさんという意味です。よ。

VSさんのは電波のようでいて計算されてますね
マルチメディアは人名などの要所を押さえておいて
あとは思いつくままアドリブでやってますね
その気になれば良作に化けそうな余地がある
287アナスイの奇妙な:04/10/05 03:22:29 ID:dzB4eMKC
>150続き  二話

『好きなものを先に食べるか後に食べるか?』
ナルシソ・アナスイにそれを問うたならば、間違いなく後者と答えるだろう。
好きなものを先に食べてしまったら、あとは興味の無いものだけになってしまうのだから、
好きなものは出来るだけぎりぎりまで取って置きそして最後に味わうべきである、
とアナスイは思っている。
『好きなものを食べる』だけではなく『好きなものを食べるまでの過程』も楽しむべきなのだ。
食べたい気持ちをグッと堪え、また眼で愛でる事でその魅力が増すのだ。
先に食べる人間の気持ちが全く分からない。

もし、彼が好きなものを先に食べる人間だったならば。
―――間違いなく、空条徐倫に出会った瞬間に『分解』していただろう。


徐倫と出会ったのはほんの僅かな間である。
なのに彼はその一瞬で徐倫に惹かれた。
その一瞬に何が起きたのかアナスイには分からない。
多分徐倫の何処かに強烈な『何か』が有って、それが彼を惹きつけたのだとは思うけれど。
それは空条徐倫を『分解』してみないと分からない。
ソレが何なのか、
何故他の人間には無いのか、
何故徐倫には有るのか、
そして何故徐倫の『何か』にアナスイは惹かれているのか。
久々に大きな疑問を抱いて彼の心は躍った。
288アナスイの奇妙な:04/10/05 03:23:30 ID:dzB4eMKC
早く徐倫に再会して『分解』しなければならない、と考えて
アナスイははたと止まった。
もし。もしも。
―――もしかしたら。
空条徐倫と再会し、コミュニケーションをとったら。
徐倫と接触し会話し声を聞き、表情を見仕草を見たら。
彼女の魅力が、『何か』がより強烈になるということはないだろうか。
徐倫の魅力が最大限に高まったときに『分解』すれば、
アナスイを惹き付けるものが何であるのか分かるかもしれない。
彼にはそれは間違いないように思われた。
……彼は好きなものは最後に食べるタイプなのである。
289アナスイの奇妙な:04/10/05 03:24:08 ID:dzB4eMKC
徐倫との再会を思い描く内に、彼は素晴らしいことを思いついた。
―――空条徐倫と結婚すれば良い。
夫と妻とは一心同体なのだという。
アナスイが世界で二番目に興味のある自身と一番興味のある徐倫が同体に、
『一つのもの』になるのだとしたら。
どれだけ彼にとって魅力的なものになるのだろう。
それに、『他人』という関係はもともと『分解』されているけれど、
夫婦という『一つのもの』になればアナスイが『分解』することも出来るのである。

その上。
一心同体ということになれば、徐倫を『分解』するの自身を『分解』するのと同じことなのである。
徐倫に惹かれ始めてからというもの、アナスイは自分への興味もどんどん増して来ている。
こんなにも徐倫に惹かれる自身が興味深いのである。
何故徐倫なのか、以前と何が変わったのか。
徐倫と一心同体になり彼女を『分解』することで自分を『分解』すると言うのは中々良い案である。
徐倫と結婚すれば様々な方面から徐倫の魅力を『分解』出来るのだ。

まあ元々、徐倫を丁寧に、ゆっくりじっくり『分解』したら、
自分の肉体も『分解』するつもりなのだけれど。
一心同体の徐倫を『分解』してアナスイを『分解』しないというのは道理に合わないし、
世界で一番の徐倫を『分解』してしまえば今度はアナスイ自身が繰り上がって一番になるのだ。
だから、世界で一番の徐倫の次は世界で一番のアナスイである。
幾ら好きな物は最後まで残す主義だといってもそろそろ食べてもいいだろう。
実に論理的な考えだとアナスイは思う。
290アナスイの奇妙な:04/10/05 03:24:41 ID:dzB4eMKC
こうしてアナスイは徐倫と結婚することに決めたのだが、
次に考えなければならないのはその方法である。
これは映画や小説に前例が山のように有るのだから考えることは無い。
「結婚してくれ」とアナスイが言い、
「まあ嬉しいわ」と徐倫が言えばいいのだ。簡単である。
勿論婚約指輪も忘れてはいけない。
プロポーズの必須アイテムであるから、本来なら給料三か月分のアレとやらが欲しいのだが、
残念なことに『水族館』に居る身では入手の見込みは無い。
しかしそこのところは徐倫とて同じなのだから事情は酌んでくれるだろう。

そしてなにより大切なのが、周囲からの『祝福』である。
映画にはよく『祝福』されない結婚が出てくるけれど、あれは良くない。
あれでは歪な結婚だ。歪な結婚で一心同体になれるわけが無い。
アナスイの場合は是非とも『祝福』された結婚をせねばならない。

だから、アナスイの前に徐倫の知り合いだとか言うFFとかいうミジンコが現れたときに言ったのだ。
―――祝福しろ、と。
291ぽん:04/10/05 03:28:57 ID:dzB4eMKC
二話目を書いてみました。
相変わらずエグいです。電波です。
書いているうちに
アナスイがおかしいのか荒木がおかしいのか自分がおかしいのか
訳分からなくなってきました・・・・・・

次あたりにはジョリーンを出して動きをつけてみたいです。
どうなるか分からないですけど。


・・・目指せラブコメ・・・・・・
292作者の都合により名無しです:04/10/05 08:22:34 ID:gGfdqrKp
ぽんさんお疲れ様です。
どこかネジがぶっ飛んでるアナスイ、よかったですよ。
徐倫とのラブコメですか。ラブコメはこのスレでも初めてじゃないかな。
人魚姫とかの恋愛ものはあったけど。
このペースくらいで構わないので、がんばって下さい。

ところで>>285はコピペ?藁たがW
293作者の都合により名無しです:04/10/05 09:52:31 ID:keMh/uGs
>>285
激ワロタ
294作者の都合により名無しです:04/10/05 09:54:03 ID:gRglkOW4
すげーデムパミギーが笑える
続きキボン
295二人の絆:04/10/05 16:40:00 ID:C9l0USQ4
>>213
自分の背中で砕いた壁の瓦礫に埋もれて、刃牙がアスファルトに倒れ伏す。バーンは
それを確認すると、クルリと背を向けた。
「普通の人間にしては強かったぜ、バキ。おそらくお前は、俺の対サイキッカー
バトルの中で、多くのサイキッカーたちの上にランキングされ続け……えっ?」
牙を剥いた猛獣のような殺気を感じて、バーンは振り向いた。すると、
「どこ行く気だい、炎のサイキッカーさん。闘いの真っ最中だってのによォ」
刃牙が、体と頭についた砂を払いながら、ゆらり、と立ち上がった。
「そ、そんな。バーニングトレイルをまともに喰らったのに!?」
「これが格闘士ってやつさ。そして格闘士だから……それとも、アンタがサイキッカー
だからかな。今、アンタの全力の拳から、伝わってきたぜ。アンタの思いが」
刃牙の目が、バーンの目を見据える。
「アンタは今、迷い、苦しんでる。多分さっき言ってた、アンタの敵のことだな」
「な、何だと」
「アンタは、殺してでも止めるとか言ってたけど、違う。殺したくないと思ってる。
殺さずに止められるのなら、そうしたいと思ってる。というか願ってる。だろ?」
年下の少年にズバリと言われて、バーンが初めて、少し弱気な顔を見せた。
「……そうかもしれない。いや、その通りだ。あいつは、俺の親友なんだからな。
考えてみりゃ、迷って当然だ。だがな、それじゃ駄目なンだよ」
バーンが、無念そうに拳を握り締めた。
「俺は一度、そのつもりであいつと戦った。殺さずに止めよう、とした。だが、まるで
歯が立たなかったんだ。あいつが何を見てきたのかは知らないが、昔の優しかったあいつ
とは、まるで別人だった。冷たい氷みたいな目をしたあいつに、俺はボロボロに負けた。
そして、言われた。『次、会った時にまだ僕の邪魔をするようなら、殺す』と」
キースとの戦いを思い出し、バーンの顔には敗北の悔しさよりも悲しみが浮かんでいる。
そしてそんなバーンを、刃牙はじっと見つめている。バーンの瞳の中の、悲しい殺気を。
「けど、絶対にあいつは止めなきゃならないんだ。このままじゃ本当に、人間と
サイキッカーの全面戦争になっちまう。だから、俺はあいつを……」
296二人の絆:04/10/05 16:40:56 ID:C9l0USQ4
「殺すしかない。そしてその為には、親友に対して本物の殺気で挑むしかない、と?」
バーンが、辛そうに頷く。すると刃牙が、言い切った。
「違うな。それじゃ、ますます勝てない」
驚いて顔を上げるバーン。その目の前には、年下の少年……違う。一人の格闘士が、いた。
「オレも、ただひたすらに強さを求め、やれる限り何でもやってきた。けど、その中で
気付いたんだ。オレが血みどろになって求め続けた『最強』への解答は、血や憎しみの
中にはない。命の削り合いの中からすら見い出せる、『絆』の中にあると」
「絆、だと?」
「ああ。本当の強さは、そこにこそある。オレの戦いは、それを証明する為のものさ。
アイツに、そのことを思い知らせる為に」
バーンがキースなら、刃牙は勇次郎。今度は刃牙が勇次郎のことを思い出し、拳を握った。
だがバーンは、認めない。絆という言葉に一瞬揺らぎかけた思いを、頭を振って元に戻す。
「甘いな。甘いぜ、バキ。俺には、お前やお前の敵のことは何も解らないがな。けど、
これだけは言える。今のあいつ……キースには、もう『絆』なんて暖かい感情は、
残っちゃいない。あるのは、人間に対する憎しみだけだ。そんなあいつに勝つには、俺も
心を捨てなきゃだめなんだ。人の心を捨てて、鬼にならないと、絶対に勝てない」
ぴくり、と刃牙の顔が少し、歪んだ。
「……鬼になる、か。そう言われちゃあ、オレは絶対、アンタには負けられないな」
刃牙が、低く腰を落として、右拳を深く引いて構えた。
「オレの最高の技で、アンタに教えてやる。だからアンタも、最高の技で来な」
「何だと?」
「解らねぇかな。でもこれが格闘士のやり方なんだよ、サイキッカーさん。とにかく、
本気でオレをブッ倒してくれればいい。オレはそれを、正面から打ち砕く。鬼になる、
だなんていうアンタの曲がっちまってる思いごと、な」
バーンの目に、刃牙の周囲の空間が歪んで見えた。まるで陽炎のように。
こいつ相手には、全力でやらないと、やられる。バーンの本能が、そう伝えた。
297二人の絆:04/10/05 16:41:35 ID:C9l0USQ4
「……いいだろう、バキ。教えて貰おうか、俺が曲がってるって言うんなら。但し、
お前が黒コゲの炭にならなければの話だが」
バーンのサイキックパワーが、高まった。バーンの周囲も、陽炎のように揺らぎ、歪む。
刃牙が、低く深い構えのまま、ニヤリと笑った。
「そうこなくっちゃあな。矛盾してるようだけど、オレはこの、生死ギリギリの
緊張感ってやつが、嫌いじゃないんだ」
「そうか。じゃ、お喋りはこの辺で終わりにしようぜ。……おおおおおおおおぉぉっ!」
バーンのサイキックパワーが文字通り燃え上がり、バーンの全身が分厚い炎に包まれた。
「いくぜバキ! これが俺の切り札、ゴッド・フェニックスだああぁぁぁぁっ!」
炎の不死鳥と化したバーンが、拳を構えた刃牙へと突っ込んで行く。その凄まじい高熱は
足元のアスファルトを溶解させ、その強烈な熱風は不死鳥を中心に旋風を巻き起こす。
対する刃牙は、どっしりと構えたまま、動かない。
「光栄に思いな、バーン・グリフィス。今オレは、オレの切り札をここで完成させる。
つまりアンタが、オレのこの技を喰らう、地上最初の相手ってワケだ」
刃牙が、全く何の変哲もない正拳突きを、真っ直ぐに突き出した。
いや、何の変哲もないのは、外見のみ。その実は、インパクトの瞬間に身体を極限まで
硬直させて放つ、一撃必殺の拳。
「これがオレの切り札、剛体術だああああぁぁっ!」
刃牙の拳が、燃え上がる不死鳥と真っ向から激突した。一瞬、両者の動きが止まる。
が次の瞬間には、不死鳥を形作る炎が炸裂四散し、顔面に拳を炊き込まれたバーンが、
後方へと吹っ飛んでいた。
298ふら〜り ◆XAn/bXcHNs :04/10/05 16:42:59 ID:C9l0USQ4
幼年編末期の刃牙なら、これぐらい言いそうですよね。……いい子でした、あの頃は。

>>ユーラシアさん
捻じくれ且つ壮大……というかなんというか。フランス軍、がそもそも全然フランス
じゃない時点で、もうこの先何がどうなるやら。予想&期待としては、このノリで
料理対決やミスコンなど、ワケの解らない連戦になるとか。楽しませて頂きますぞ。

>>サマサさん
やはり今回は、ジャイアンとおっちゃんが良い感じですな。こういう雰囲気は男の子
らしい男の子の専売特許。おっちゃんのおかげで、ジャイアンのそういう魅力(劇場版
仕様ですが)が存分に引き立っております。「SHUFFLE!」側の女の子たちも負けるなっ。

>>ユルさん
毎回思いますが、ユルさんの文章は本当に詩的ですね。冷たく暗いポエム。例えば
「蜘蛛の巣がインテリア」って、この文章の中でこういう表現されたからこそ、すんなり
と受け入れられた感じです。……あと蛇足ですが。「ですの」は何気にかわゆいですぞ。
299ふら〜り ◆XAn/bXcHNs :04/10/05 16:43:33 ID:C9l0USQ4
>>ザクさん
うむむむむ。シャッフル同盟の登場は「おおっ」でしたが、しかしそれでも、
>コピー勇次郎全員が、同時に両手を掲げて全力の構えをとった。
これ……今までも充分脅威だった勇次郎軍団なのに、それが三桁の鬼の貌、三桁の
全開オーガとなるとさすがに……チームワークで越えられるか、ザク&シャッフル?

>>285さん
超時空感性なミギーのキャラもさることながら、掛け合いのテンポがいいですな。
完全にボケとツッコミが確立してて、それが交互に隙間無くたたみかけてくるから、
サクサク読めます。間延びしてしまうことの多い私としては、見習いたいところです。

>>ぽんさん
前回から引き続き……奇妙な恐怖を感じます。惹かれるだの結婚だのと言っている
中、相変わらず分解を追い求めてて。でも祝福に拘っているところ、ちょっとずつ
コメディになってきたかな、とも感じます。それが徐倫登場で、どう発展するか?
300作者の都合により名無しです:04/10/05 17:31:14 ID:mh9TMXZO
今日はサマサ来るかな。
サマサ!サマサ!サマサ!
301作者の都合により名無しです:04/10/05 17:50:06 ID:mh9TMXZO
samasa! samasa! samasa!
302作者の都合により名無しです:04/10/05 18:03:35 ID:vjLP9Cj4
ふらーりさん乙!SSに感想にと大活躍ですね。
最近良作多いから、俺は嬉しいけどふらーりさんは大変だぁ。
しかし「剛体術」って久しぶりに聞いたな。板垣はきっと忘れてるw

あとぽんさん、にじみ出る殺気みたいな静かな恐怖ですね。
前回よりも、そして短編の時よりも腕が上がってるのが感じられていい!
断然応援しますよ。頑張って下さい。

そういえば、みゅうさんどうしたんだろ…

>>300-301
いや、俺もサマサさんの神界好きだけどコールに2レス使う意味ないしw
しかもこの前サマサさん来たばっかりだしw
303作者の都合により名無しです:04/10/05 23:43:21 ID:SEYKMP+j
良スレ発見記念足跡ペタペタ

いいスレだな。サイトを3時間以上読み込んだよ。
金曜までちびちび読んで週末に一気に読もう。

304作者の都合により名無しです:04/10/06 00:22:41 ID:ZzsvsPZe
ふら〜りさんの感想見るとSSが二度おいしい。
ふら〜りさんも乙です。

>ですの
ですの(お嬢様版)
ですの(関西版)
ですの(老人版)
などのニュアンスが考えられる
305作者の都合により名無しです:04/10/06 00:57:17 ID:TvmR+VNJ
とりあえずサイト90000ヒット超えおめ
306空手小公子愚地克己:04/10/06 01:19:20 ID:h8wMjO2O
第一話

東京ドーム。アスリート達の憧憬を集める戦いの聖地。
今ここではある一つの頂点をめぐる戦いが行われていた。
キング・オブ・ストライカーズ、通称KOS。キックの頂点を決める大会である。

「ドンヤスキーもう後がない!!あと一回のダウンでTKOとなります!!」
リングの上では二人のファイターが壮絶な戦いを演じていた。
一人は褐色の黒人で、今大会の優勝候補筆頭レミー・ドンヤスキー。
もう一人は常に優勝候補と言われながら、運に恵まれずにいまだ無冠の男。今大会ではつい一ヶ月前に出場したある空手の大会のダメージが回復しきってはおらず、半ば強引な出場となった。額の傷跡がいまだ生々しい。
「ドンヤスキー飛んだぁ――っ!」
ドンヤスキーの天を突く膝蹴りが、男の顔へめがけて放たれた。
――――刹那
男のカウンターがドンヤスキーの顎をとらえていた。
「撃墜―――――ッ!」
「ドンヤスキー3度目のダウン!これにより!」
「ベルトラン優勝!!」
男の名はジェラール・ベルトラン。
毎回KOS優勝候補と言われながら、ただの一度も戴冠できずにいた無冠の帝王が
ついに頂点に君臨したのである。
リング上ではベルトランと彼の娘、アネットと喜びを分かち合っている。
その様子を二人の男が観客席で見ていた。
307空手小公子愚地克己:04/10/06 01:23:02 ID:h8wMjO2O
「ふ…武藤竜二に負けたくらいでえらい変わりようや…お前も負けとけばよかった
かもな。なあ里見」
一人目の男の名は和泉光章。言わずと知れた空手道講壇会館館長である。
そしてもう一人…同じく講壇会館の人間で、日本最強の称号を持つ空手家、里見雅廣。その額には生々しい傷跡が残っていた。
「いえ・・・あの試合は私の負けです・・・」
「わかっとるならええわ・・・それがわかっとるなら来年あそこに立っとるのはお前や」
「あいつは・・・武藤はこっちの世界は来るのでしょうか?」
「まかせておけ。このわしが引きずりこんだるわい・・・」
この二人にはそれぞれある目的があった。
和泉の目的は、この里見やベルトランと五分以上の戦いを演じた武藤竜二を手に入れること。
そして里見の目的は武藤ともう一度試合をし、KOSの頂点を勝ち取ることである。
「まあお前はあの鏑木流を潰した男やからな。KOSもすぐ頂点取れるわ。精進を怠るなよ」
「押忍」
(もっともその鏑木流はボンボンの二代目の所為でホンマに潰れたがな・・・。ところであの流派・・・
うちとタメをはるくらいの規模のあの流派・・・
たしか館長が行方をくらましたらしいな・・・まったく、あの男はいつまでも変わらんのう・・・)
「神心会・・・愚地独歩か・・・」
308メカタラちゃん:04/10/06 01:28:19 ID:h8wMjO2O
はじめまして。「空手小公子愚地克己」作者メカタラちゃんです。
今回ここにSS投下するのは初めてで、ちょっと緊張しました。
初回分の投稿は少ないですが、次回はがっつり投下したいと
思ってますのでよろしくお願いします。

ユーラシア最高!!
309作者の都合により名無しです:04/10/06 02:19:19 ID:TvmR+VNJ
また期待の新人さんが現れたか。乙。
ヤンマガとチャンピオンのコラボか。
主人公のかつみんは次回大活躍かな?
とにかく、ゆっくりと頑張れ。
310作者の都合により名無しです:04/10/06 05:28:43 ID:rvdI1gV7
【カメハメ】ドラゴンボールZを語る 超4【(゚Д゚)ハァ?】
http://comic5.2ch.net/test/read.cgi/ranime/1093095342/l50
>>814=>>816=>>847、布教に精を出すのはいいが自演を認めちゃいかんだろw
311作者の都合により名無しです:04/10/06 08:21:34 ID:YLOIr1PC
ユーラシアって受けてるんだw
俺は「妙な作品だな」と思って読んでいたが、
なるほどこれまでに例が無いほど無国籍な作品だなw

メカタラちゃんお疲れ様。そしてようこそ。
空手小公子ですか。これはまたシブいな。
しかしいくら克己でも、武藤には圧勝だと思うけど。
だがカツミンの事だから、へたれるのかなw

312作者の都合により名無しです:04/10/06 19:03:49 ID:1ay3ctUj
サマサ!サマサ!サマサ!
313DIOの世界:04/10/06 19:41:46 ID:7E+dliKA
>>206
四つんばいで尻の穴を曝け出した、獣のような格好でおれは震えていた。
まさに獣が、本能的に炎を恐れるそのものの感覚だろう。
ぶるぶる、がくがくと肉体が哭く。ばくばく心臓が鳴り響く。ちろちろ小便を垂れ流す。
ほんの少し残っていた人間らしい羞恥は、野太い恐怖に押し流されたのだ。
悪ガキどもに味あわされた恐怖とは、別次元の茫漠とした恐怖。それがそこにいる。

想像出来るだろうか。
喩えるならば、一瞬にして棺桶に閉じ込められ、身動き取れないような息苦しさ。
喩えるならば、視覚聴覚嗅覚を強制的に奪われ、泣き叫ぶしか出来ない木偶の坊。
喩えるならば、死神にのど元へカマを突き付けられ、身動き一つ取れない死刑囚。
どんな比喩が当て嵌るか分からない。
純度の高い恐怖には、ありがちな比喩など無意味に過ぎないからだ。

ほんの数メートル離れていた時には、悪ガキどもに弄ばれる恐怖と等価だった。
だが、いつ、の間にか、そ、こにい、る。今、と、なっ、て、は、違う。
恐怖。闇。想像の埒外の存在。人間以外の魔物。
その得体の知れない存在を傍らに感じる今は、恐怖のケタと質が違い過ぎた。
目が見えない事が、殊更その恐怖を増幅していたのかも知れない。

見えていれば、人間は錯覚するからだ。
どれほど本能が危機を訴えていても、「視覚」により人間は錯覚する。
目に映る虚像を信じ、擬態を見抜いている生存本能のアラームの方を錯覚と考えるからだ。
おそらく、悪ガキどもにとってはただの君の悪い婆さん、くらいにしか映ってないだろう。
本能に身を任せれば、その場で取る方法はただ一つ、逃げる事。それだけが正解だろう。

314DIOの世界:04/10/06 19:43:03 ID:7E+dliKA
この瞬間こそ、盲目である事に感謝した事は無かった。
逃げよう。とにかく遠くへ脱出しよう。この場から、少しでも遠くへ、遠くへ。
だが、愚かな悪ガキはおれを解放しようとはしなかった。
下っ端がしっかりとおれの脚を掴んでいたからだ。
愚かな悪ガキのボスが、老婆をギャングスターよろしく余裕気に威嚇する。

「おいおい婆あ、いい年して欲情したのかい? 金次第で、こいつに相手させるぜ?」
おれを無理やり引き摺り起こし、縮み込んだペニスを老婆に見せ付けた。
「童貞で後ろはまだ処女だ。調教しがいあるぜ。おれ達が楽しんでから売ってやるよ」
恥知らずで命知らずな台詞が、三下DJ並にポンポンと口から吐いて出る。

だが、老婆の視線はまっすぐおれを向いているらしい。視線が矢のように痛く感じる。
「こりゃまた好き物の婆さんだな。プレイのご想像に我を忘れてやがる」
老婆の不気味な沈黙を、下品に茶化す悪ガキたち。
だがおれは見抜いている。それは恐怖からの強がりだと。
こいつらも10年以上、伊達に最下層で蠢いてはいない。深層では気付いているのだ。
老婆を、只者ではないと。
馬鹿、感じているなら、さっさと逃げろ。下手すれば殺されるぞ、格が違い過ぎる。

老婆はしばらく閉ざしていた口を、重々しく開いた。預言者のように厳かに。
「なんとか、第一試験は合格のようじゃな。うまい具合に濁っておるわ。
 この世に対する恨み辛み、己に対する無力さへの怒り……。ヒッヒッヒ」
老婆は一頻り笑ったあと、もう一度先ほどと同じ言葉を言った。
「力が欲しいかえ? 力が欲しいのならば、くれてやろうか?」
まるでその場におれと老婆しかいないような宣告。悪ガキどもはついにキレた。
315DIOの世界:04/10/06 19:43:46 ID:7E+dliKA
「婆あ、老い先短い命が大切なら、おれの商売道具に手を出すんじゃねえ」
ボスが、老婆に怒鳴りつける。その瞬間、おれの脳裏に強烈なイメージが弾けた。
悪ガキのボスの性器が、得体の知れない力によりエグられる場面。
くっきりと明瞭に、まるで視力を取り戻したかのように絵が浮かんだ。
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
そして絶叫が響き渡った。おれには、なにがどうなっているのか分かった。
「ほう、分かるかえ。第二試験も合格じゃの、ひゃっひゃっひゃっは」

「お、おれ、俺の、大切な、おれの、まだ、使った、事が、無いのに」
狂ったように叫びまわるボス。だがボス以外、粛として声が出ない。
聴覚を研ぎ澄ませ、野次馬の声を拾い集める。どうやら、血まみれになって落ちた。
突如として根元から性器が切れ、地面にである。

グシャ、と嫌な音が響いた。ボールが破裂するような音だ。泣きながら叫ぶ悪ガキのボス。
「て、てめえ、おれの大事なペニスを、踏み潰し…」
それを遮るように老婆は言う。あくまで静かに、だが死を紡ぐように恐ろしく。
「去ね(いね)」
裁判官の死刑宣告にも等しい絶対的な響きに、悪ガキどもも野次馬も一瞬で消え去った。
その場に残ったのは、おれだけだった。

静寂の中、老婆はゆっくりと同じ台詞を囁いた。愛撫するように優し気な声で。
 「力が、欲しくは無いかえ、小僧。ヒッヒッヒッヒ」
腰を抜かしてガクガクと震えたまま、おれはその魅力的な言葉を咀嚼する。

力。何者にも束縛されない、力。
力。自分独りで生きていけるだけの、力。
力。己を害する者を総て排除する圧倒的な、力。

無明の暗闇の中、燭光が差した気がした。初めて手を差し伸べられた気がした。
喩え、その相手が悪魔だったとしても。
316DIOの世界:04/10/06 19:44:40 ID:7E+dliKA
「どうした? 何時までもだんまりかえ? ひゃっはっはっは」
老婆のカン高い声が木霊する。おれは呼吸する事すら忘れたように黙りこくっている。
頭の中で幾度も反芻する、「力」という魅力的な言葉。
老婆は契約を申し出ているのだ。魂を売れ、と。それと引き換えに力をやる、と。

おれは懊悩している。心に残っている僅かな「善」が、契約の前に立ち塞がっているのだ。
脳裏に浮かぶは母の記憶。必要とされずとも、確かにおれはあの女から生まれた。
この契約を受け入れれば、おれは途切られる確信があるのだ。
人間らしい、「絆」から。 …が、老婆は見透かすように嘲笑しながら言った。
「守るほどの、ものかね。そんな下らない物が。ひゃっはっ」
醜い、と思った。目は見えずとも、本能がこの老婆を醜いと告げている。
だがその醜さに、おれは阿(おもね)ようとしている。悪魔の力と引き換えに。
葛藤していた。人間の醜悪さを具現させたような老婆の魅力的な申し出と、
無様ながらも、確かに生きてきたこれまでの「生」が天秤にされ揺らめいていた。
だが、老婆の最後の一言が決定的だった。
「この申し出を断るのはお前の勝手さね。だが、一生骨の髄までしゃぶられるな。
 ケツの穴まで差し出しても、誰もお前を人間扱いしちゃくれないよ、ヒッヒッヒ」

震えが止まり、涙が止め処なく溢れ出してきた。
考えたくなかった、今のままでは確実な未来を提示され、おれの心は脆くも折れたのだ。
おれは叫んでいた。醜い老婆の足にすがり付いて泣いて頼んだ。

何を失ってもいい。ただ、力が欲しい、と。

317DIOの世界:04/10/06 19:45:34 ID:7E+dliKA
老婆は満足げに一笑いすると、ゴソゴソと奇妙な物を取り出し始めたようだった。
鮮烈なイメージがまた脳裏に閃く。古ぼけた、弓と矢。
その姿が浮かんだのだ。やがて音が聞こえた。キリキリと、弦を引く音だ。老婆は言った。
「これが、第三試験じゃ。今までのものとは、次元が違うぞ。1000人に、一人」

すぐそこから、異様な2つの「気」が発散されている。
老婆の醜悪な気と、どこか崇高ささえ感じられる無機質なオーラ。おれは分かった。
そのオーラは、弓と矢の奇妙なオーラが矢先に集中しているものだと。
「この矢に射たれた者のほとんどは死ぬ。だがごく稀に生き残り、選ばれる物がいる。
 そして選ばれた者は、凡俗を支配する力を得る。どうじゃ、乗るかのこの賭け?」

挑発的な言葉に、おれは薄く笑う。どうせこの世に未練などは無い。頷いた。
老婆はけたたましく笑い、無造作に引いた弦を放す。ひゅるる、と風の音がした。
次の瞬間に、胸に太陽が堕ちて来たかのような熱さを感じ、地面にのた打ち回った。
やがて痛みが引いていった。射られた場所を擦る。 …なんの怪我もしていない。

「ひょひょひょひょ、合格じゃ、目出度いのう。また一人揃ったわ。
 いずれ黄泉返る、この世の帝王になられる方の尖兵がのう」
老婆は訳の分からない事を喚きながら笑い狂っている。
やがて老婆の気配が遠ざかる。捨て台詞のように、呆然としているおれへ言った。

「10年後、またわしはお前の前に現れる。お前の救世主に引き合わせてやろう。
 その時までに、たっぷりと磨いておくがええ。やがて現れる、人外の能力をな。
 ひゃっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは」
318殺助:04/10/06 19:49:32 ID:7E+dliKA
進まないな展開。アクションとか入れたいんだけど…。

あと>>310見たけど、それやったのは私じゃないですよ。
念のため。人魚姫に今はそれほど思い入れはないですの。
319作者の都合により名無しです:04/10/06 20:20:09 ID:rvdI1gV7
>>318
      / ̄ ̄\
      |,-n‐‐n-、|
      〔i:( )=( ):i〕  < いちいち断らんでもえーよ
 o99,6  l`i 心 i1
  ヽ__,._9´`ヾ.iー'j」'´―-、
         ~´
320作者の都合により名無しです:04/10/06 20:21:56 ID:1ay3ctUj
新人さん乙。
ユーラシアは意外と人気あるみたいですね。
明日は誰が来るか楽しみ。
321作者の都合により名無しです:04/10/06 21:00:30 ID:5b4HVexc
>ディオの世界
むしろこの作品はスローペースがいい味だな。
心理描写や残酷描写が核になっているから、
あっさりしてたら暗さみたいなものが書き切れないと思う。
そろそろ能力発動ですか。ディオとの邂逅が楽しみだ。

それからまた18号のss書くって他板で言ってたよね?
楽しみにしてるんだけど、無かった事になったの?
322作者の都合により名無しです:04/10/06 21:45:13 ID:TvmR+VNJ
>DIOの世界
目の不自由な人に少し失礼かな?と思う表現はあるけど、面白い。
ちょっと表現がくどいところも、逆に雰囲気出してますね。
アクションという事は、戦闘シーンも出てくるのかな。
>18号のss書くって他板で言ってたよね
これ、本当ですか?だったらここで書いてくれれば、と思うのですが。

323作者の都合により名無しです:04/10/06 23:33:21 ID:5b4HVexc
>>322
エロパロ板の18号スレで言ってた。「いつかここで書く」って。
人魚姫の続きか違う作品かは明らかにしてなかったけど。
たぶん、もう忘れてるんじゃないかな。>殺す助氏(一応なw)

あそこで人魚姫をマンセーされた勢いでつい言ってしまっただけか
本当にいつか書くつもりかは知らないけどな。期待はしてる。
324作者の都合により名無しです:04/10/07 08:09:50 ID:ZouzrxVb
殺助氏乙。
相変わらずダークな雰囲気で良かった。
他の作品もがんばってくれ。
325作者の都合により名無しです:04/10/07 18:15:15 ID:n38g/bSA
殺助氏、普段こんなことばかり考えてるのかなw
おつ。面白かった。

ところでフンコロガシ氏はどうやら投げ出し確定みたいだね。
あそこのスレ出身者らしいなと思うだけで別に驚かないけど。
326作者の都合により名無しです:04/10/07 18:32:38 ID:GatxrV/l
正直、こないだからフンコロガシ氏を叩いてるのは何様なのかと。
お前らこそ、このスレは語ろうぜスレじゃないってのを自覚しろ。
327作者の都合により名無しです:04/10/07 18:53:40 ID:k+pmPG7t
>>326
自分で自分のこと「氏」なんてつけて呼ぶなよw
328作者の都合により名無しです:04/10/07 19:03:57 ID:89nvft0d
みんな氏ねばいいのに
329325:04/10/07 19:15:26 ID:n38g/bSA
>>326
いや、君の言う通りだ。
俺の発言が悪かったな。すまん>住民オール
330作者の都合により名無しです:04/10/07 21:59:40 ID:mP8yoXly
どうやら今月末か、来月頭にサイトが10万ヒット超えそうだな。
バレさんのゲーム、間に合うだろうか。

今日は来ないのかな、誰も。
順番的にNB氏やうみにん氏とかが来そうなんだが。
VSさんどうしたのかな。
193から
―――墓場の惨状は凄まじいの一言に尽きた。
墓石は砕け、木々は折れ、地面は抉れ………さながら巨獣の暴威を思わせる。
だがその惨状を成したのは巨獣ではなく只二人の人間―――

「あははぁ、凄い凄いオジサマ。ぜぇんぜん当たんないですねぇ」
一人は十代半ばの少女。笑顔とソプラノを振り撒いて、人外の速度で駆け回る。

「………」
対するは四十がらみの黒服の男。只黙し、顔と同様その場を全く動かない。
しかし異様が一つだけ――――――手に持つ大きな双頭槍。
柄の両端に付いた分厚い両刃も、頑丈そうな柄も、全てがトレインが持つハーディスと同じ漆黒。
シンプルの中に溢れんばかりの獰猛さを併せ持ち、優美な装飾がこの凶器に却って異様な華を添える。
――時には構成員への制裁をも行うナンバーズ副官、ベルゼーのオリハルコン武装“タルタロス”――

疾風の如く駆けるキョーコがベルゼーに向かって何かを投げ付けた。……幾つかの小石だった。
―――――来たか。
心の中でそれだけ呟き、反撃度外視で大袈裟なほどに跳ぶ。彼なら弾丸とて叩き落すと云うのに。
   
その理由は直ぐに起きた。
弾丸並の速度で飛来する小石群が速度を保ったまま空中で溶解……平たく言えば溶岩の散弾と化した。
それらが本物よりも凶悪な範囲と威力で墓石も木々も薙ぎ払い去る。
――――――これが彼女の道。氣を通した万物を任意に高熱化させる。…その威力は見ての通り。
或いは溶かし、或いは燃え、何であろうと彼女の掌中の得物に変わるのだ。

「むうー、当たんないな………じゃあこれならどうかな?」
業を煮やし、まだ無事な墓石に手を置く。するとそれを、まるで空き箱の様に片手で持ち上げる。
高々と持ち上げた石――どころか岩を、ベルゼーに向かって軽々と紙屑よろしく放り投げた。

―――だが溶解より早くベルゼーが動いた。
飛来物に向かって奔り、大剣を思わせる穂先の峰のフルスイングで叩く。
まだ赤熱の段階の岩が全く同じ軌道で、且つ前以上の速度でキョーコに襲い掛かる。その頃には溶岩の砲弾になっていた。
「わっと」
事も無げに伏せて避ける、それはいい。
問題はその後に続き走って来るベルゼー=ロシュフォール。
タルタロスを掲げ、黙したまま疾駆する様は戦鬼そのもの、溢れる殺意は射抜くが如く。
しかし、それを見てキョ―コは何故か微かに喜色を浮かべる。絶対絶命にも関わらず。
……そして不可解はもう一つ起こった。

ベルゼーがいきなり槍を地面に突き立てた。そして穂先を踏み台にして地面と平行に跳ぶ。手には短く握ったもう一端。
何故そんな事をしたかは判らないが、とにかく今度こそキョーコの顔から余裕が消える。
「こん………のぉっ!!」
手から放たれたのは愛用の携帯ゲーム機。宙を飛ぶと同時に溶解し、高温の可燃液体に変わる。
顔を背けるだけで避ける。そしてそのまま穂先をキョーコへと振り下ろした。
……が、一歩届かず。避けた隙を見逃さず一瞬早く刃圏を逃れていたが、制服の上着の背中が縦に切り裂かれていた。
「…いい反応だ、機転も悪くない」
勢い余って地面に突き刺した槍を抜き、更に勢い余って必要以上に遠くに跳んだキョーコに告げた。
「………そして驚いたぞ、こんな事も出来るのか」
今し方突っ切った背後の地面を見やる。
草が焼け焦げ、そこに降りた小虫が一瞬で燃え尽きる―――地面が高熱を発する焦土となっていた。
あちこち走り回るついでに足から地面に氣を送っておき、それを彼が踏み込む瞬間に発動させたのだ。
離れてもなお焼く様な熱が、踏み込んでいたらどうなるかを雄弁に物語っていた。
「……ムカツク」
評価を真っ向から無視して、これまでで一番の怒りが零れ落ちる。
ざっくりと斬られたブレザーを脱いで投げ捨てると、足元で燃え尽きた。
「………あのゲームお気に入りだったのに。オジサマ、こうなったらもー手加減無しですからね。
 ……シャルデンさん、アレ使うからもうちょっと離れた方がいいですよ」
その言葉と同時に、彼女が歪んで膨れ上がった様な気がした。
いや、実際に歪んで見える。キョーコの周囲の草が焦げる所か燃え出した。そして、
「そおぉ………れいっ!!!」
右手を投げる動作で薙いだ瞬間、見えぬ何かがベルゼーに向かって飛んで来た。
回避、次いで灼熱の突風。
先刻までベルゼーが居た場所を不可視の業火が焼き払う。
空気に氣を通し、膨張を利用して投げ付けていた。

――何と厄介な物を――
何せ見えない火炎放射器に等しいそれは、非常識な火力と尽きるかどうか判らない弾数で彼に迫る。
その上長引けば間違い無く吸い込むだけで死に到る灼熱の空気に囲まれる。
並の人間なら百人居ようとこの危機を逃れることなど出来はすまい。

「……まだ当たんない。じゃあ………これなら、どうかなっ!!!」
見えぬ業火を己に纏わせ、彼女は奔った。バックドラフトにも及びかねない熱量が渦を巻いてベルゼーに迫る。
余波だけで草木が燃え、墓石が砕け、あらゆる熱破壊を生み出しながらさらに熱風を撒き散らす。
最早一軍に匹敵する火力だった。

――――――だがその窮地に在っても、ベルゼー=ロシュフォールは冷静だった。
横殴りの熱風―――跳んで回避。
一点集中の熱風―――体反らしで回避。
灼熱の体当たり―――槍で跳んで回避。
全てを涼しい顔で危な気なく避ける事に、そして全く攻撃に及ばない事にキョーコは益々苛立った。
「だったら……これでどうだっ!!!!!!!!」
声に激しい激怒を漲らせ、自分の周りの熱気さえも攻撃に回して撃ち出した。
―――それは突風どころか竜巻レベル。さながら走る溶鉱炉がベルゼーに襲い掛かった。
それを確認した彼は避けるのをやめた。勿論恐怖ではなく冷徹な思考で。
そしてその冷徹な思考が導き出した状況打破の手段。それは―――

大槍を剣道の上段に構える。いや、断頭処刑人に近いか。
ともあれ迫る熱波のタイミングを、焦げる草と肌に感じる熱気で測り――――――…その時は来た。
「おおおおぉぉおおおぉぉぉ雄雄雄雄ォォォオオォ!!!!!!!!!!」
激しい雄叫びと似て非なる精妙にして豪快なる一刀両断。刃の先端が亜音速に達し、地面に突き刺さる。
……彼の背後だけが道の様に草を残した。
道士二人が目を疑った、まさか熱風を両断するとは。
当然状況はそれだけに留まらず、ベルゼーがこれまでを凌駕する速度でキョーコの前に立つ。
逃げよう、と思った時は遅過ぎた。何せ槍の刃先が喉に触れているのだから。
「……あ」
動けない。どう動こうと首が落ちる。
「……これで最後だ。星の使徒の情報…話すか、否か」
声には何の感情も無い、ただただ事務的な無機質音程。だが与える重圧は凄まじい。
「むうー、やりますねぇオジサマ。道士とアレ以外でここまで出来る人初めて見ました」
……全く持って状況を理解しない小娘だ、と思ったが、
「“アレ”? 何だそれは?」
敢えて気軽に話す事にした。どうやらこの少女、こうした方が易々情報を引き出せそうだ。
「ええ、それはですねぇ――――……へ?」
現状も忘れ、得意げに話そうとしたキョーコだったが、何故か急に言葉を閉ざす。
――――――そして、ベルゼーの背後から幽かに、だが突き刺さる様な冷たい殺気。
いや、本当に刺されたと錯覚し、思わず本気で飛び退いた。

「な………に……?」
先刻まで自分が居た場所を見て驚いた。すぐ後ろだった所にあの黒服が平然と佇んでいるではないか。
「……シャルデンさん、なんで……」
「キョーコ」
咎める様な口調に表情を曇らせる。
「キョーコ貴方、そんなスグ喋ってハいけまセンよ」
「あう……」
柔らかくも厳しいシャルデンの言葉に、キョーコが力無くうな垂れる。教師に注意される生徒そのもので。
「……まア、いいデショウ。私も手を貸しマスから早目に彼を殺しまショウ。……そろそろ時間デスシね」
そう言ってベルゼーに向き直る。黒眼鏡の下の眼は、氷の刃の様に鋭く冷たかった。
336作者の都合により名無しです:04/10/07 22:30:09 ID:mP8yoXly
区切りかな?投稿規制に引っ掛かってるのかな?
NBさん、お疲れ様です!俺の予想当たったw(>>330

キョーコとベルゼー=ロシュフォールの戦い、白熱してますな!
気まぐれな炎のキョーコと、冷静な水のベルゼーの戦い。
躍動感がありますね。こういうテンポいいアクション書かせたら、
強者揃いのバキスレの中でも、NBさんが一番じゃないかな。お世辞じゃなく。
文章量は多いのにストレスを感じさせず、一気に読ませる筆力は流石。
そしてシャルデンとの2対1になりますか。いよいよ、セフィリアが来るかな?
大長編になりそうですが、頑張って下さい。
原作読んでて思ったんだけど…
背後組織の援助も無いのに、何故トレイン達はアジトなんて持ってるんだろう(しかも世界中に)。
以上を挨拶として、こんばんわ皆さん、NBです。
なんか知らない内に色んな方々に置いてかれてますね、俺。
274さんの言ってたバスタードSS、ちょっと書いてみたい気もしますが……
あの世界観、俺良く理解出来ないんですよね(今なんぞ見てらんねェし)。
ま、そんな事よりスピードアップしないとなぁ……
今日はここまで、ではまた。
338作者の都合により名無しです:04/10/07 22:54:40 ID:HSh1fOW0
それを言っては、仮面ライダーのおやっさんも、只の市民のはずなのに
店の奥に秘密基地をもってるぞ。複数。

そんな事はおいといて、今回のベルぜーの闘い、面白かったです。
自分は原作未読派ですので、勝手に「ベルぜーは弱い」と思い込んで、
結構ハラハラして見てました。(でも次の奴に負けそうだな…)

339作者の都合により名無しです:04/10/07 23:26:33 ID:7XHTk7Ab
ベルゼーといい、キョーコといい、原作の十倍は強いな
特にキョーコの攻撃方法が実に多彩で面白い(原作だと火を吹くか、直接触れて溶かすくらいしかなかったし…)

>>338
原作のベルゼーは作者がアレなせいもあるがはっきり言って弱い
「槍術を極めた者」という設定なのに、身体能力だけのキョーコに簡単に槍を掴みとられたり(材質がオリハルコンじゃなかったら溶かされてた)、普通に爆弾使ったりしてるし
シャルデンと二人がかりでこられるや殺されそうになってたりで、ダメぽでした
340空手小公子愚地克己:04/10/08 01:50:34 ID:sFo3H54N
>>307
東京ドームに限らず、おおよそ全ての会場ではVIPルームが存在する。
今、この東京ドームのVIPルームでなにやら退屈そうな表情で一人の老人が眼下で行わ
れているKOS表彰式を見つめていた。
「ふむ・・・終わってみれば下馬評通りの結果じゃったの。まったく、優勝者が前もって
予想ができるトーナメントというのはつまらぬものじゃ・・・そうおもわんか?アントン」
「ハハ・・・このイベントはご老公のお眼鏡にかないませんでしたかな」
「よく言うわい。おぬしも一枚噛んでるんじゃろが」
VIPルームにいる老人、名を徳川光成と言いこの日本において彼の影響力が及ばない
物などない、まさに日本の影のドンである。そして世界中の超一流のファイター達が戦う、
この東京ドームの地下闘技場のプロモーターでもある。
そしてもう一人。光成が話しかけたその男は穏やかな、それでいて静かな殺気を
感じさせる闘気を纏っていた。
燃える闘魂、アントニオ猪狩である。
341空手小公子愚地克己:04/10/08 01:52:00 ID:sFo3H54N
「私の所の選手を何人か出しただけですよ。もっとも全員一回戦、よくて二回戦止まり
でしたが」
「まったく・・・おぬしといい和泉といいなぜ格闘団体の長というものは物事をはっきり
言わぬのかのう・・・。今日、おぬしがわしをここに呼んだわけはなんじゃ?まさか
KOSを見るためだけじゃあるまいて・・・」
二人は窓際から離れ、VIPルーム中央のソファーに腰掛けた。
「ええまあ。そろそろ来る頃だとおもうのですが・・・」
「ん?おぬしがわしを呼んだのではないのか?」
と、光成が言った直後。VIPルームの扉が開かれた。
「待たせましたかな」
342空手小公子愚地克己:04/10/08 01:53:05 ID:sFo3H54N
「和泉か」
VIPルームに現れたのは講壇会館館長和泉光章であった。
「お久しぶりです。ご老公」
「ひさしいの。あいかわらず景気はよさそうじゃな。今回のKOSもまあまあ
楽しませてもらったぞ」
「恐縮です。ご老公、じつは本日ここへ来ていただいたのはぜひご相談したきこと
があってのことでしてな」
「ふむ。相談とな」
入ってきた和泉は光成と猪狩の向かいのソファーに腰を掛けた。
「ええ・・・その前に一人会っていただきたい者がいましてな・・・入ってこい」
再びVIPルームの扉が開かれる。入ってきた男は陰気な雰囲気を纏っていた。
「この男は大日本TV『ファイティングBJ』というTV番組のディレクター清水良治と
いう者で、このKOSのTV中継も彼の仕事でしてな。実に有能な男です」
「お初にお目にかかります、徳川翁。清水です」
「TV屋か・・・おぬしらは一体何の相談をする気なのじゃ」
和泉はニヤリ、と顔を歪ませた。
343空手小公子愚地克己:04/10/08 01:54:02 ID:sFo3H54N
「実はこのたびそこにおられる猪狩氏と協力してある格闘技興行を企画していましてな。
それにご老公にも協力をしていただきたいのです」
「協力?」
「いかにも。まあ端的に申し上げますと、地下闘技場の選手を何名かお借りしたい」
「!!・・・おぬし、なぜ地下闘技場のことを・・・」
和泉は肩をすくめるような動作をし、テーブルに置いてあった茶を一口すすった。
「この日本、武に生きる者にとってそれを知らぬ者などありますまいて」
「クス・・・」
和泉のその言葉を聞いた猪狩は可笑しくてたまらない、といった感じで失笑した。
「武に生きる、ねえ・・・アンタほどこの言葉が似合わん男はおらんよ」
「ほっとけ」
和泉は猪狩を一瞥した後、再び光成に視線をもどした。
「つまり、地下闘技場の選手とウチのもんやKOSの選手、猪狩さん所の選手、
さらには何人かの格闘家とで一大興行を打ちたいのですよ。すでにこの大日本TVの
協賛は取り付けております」
「この企画が通れば格闘技史に残る最高の大会が開けます。ぜひご協力ください!」
和泉の言葉に乗せて清水もたたみかける。
光成は一呼吸置いた後、ゆっくりと口を開いた。
「・・・断る。というより地下格闘技選手はわしと金銭的な契約などは一切
交わしておらん。戦う場所を提供しておるだけじゃ。故に出場を決めるのは選手
の意志による。わしがどうこう言って出場させる筋合いはないわい。それに・・・」
光成は何かを懐かしむような口取りで言った。
「格闘技史に残る大会ならもう十分堪能したわい。それも一月前にな」
344空手小公子愚地克己:04/10/08 01:54:41 ID:sFo3H54N
一ヶ月前・・・ここ、東京ドームの地下闘技場において36名(プラス3人と一匹)
のエクセレントファイター達による空前のコミュニケーションが演じられた。
それはまるで一つの芸術作品を見るかのような、なんとも形容しがたい
濃密な時間であった。
「最大トーナメントでしたかな・・・たしかその優勝者は若干17歳の少年だとか」
「おぬしは何でも知っておるんじゃな。なら、おぬしにはわかるじゃろ。現時点で
最高のファイター達を集めたつもりじゃ。あのトーナメントを超えられる大会は
なかろうて」
和泉はなおも口元に笑みを絶やさなかった。
「たしかに私のコネクションを駆使してもあれほどのファイター達は集められない
でしょうな。しかしご老公、私はなにも地上最強を決める大会を開くつもりでは
ないのですよ」
「なにぃ?」
「地上最強に挑む大会を開きたいのです」
光成は驚愕の表情で和泉を見つめた。
「おぬしは・・・まさか・・・オーガを・・・!?」
345メカタラちゃん:04/10/08 02:01:28 ID:sFo3H54N
今回分の投下はこれにて終了。
かつみんがなかなか出てきませんね。
次回から大暴れ・・・するかも。

>>NBさん
私はブラキャでは断然ベルゼー派だったので
ここで活躍してる姿はなんともいい・・・
原作のベルゼーさんは確か私が記憶する限りでは一、二回しか戦わなかった
と思うのでこれからの活躍に期待です。
346作者の都合により名無しです:04/10/08 08:17:52 ID:5HdLJ705
>NB氏
相変わらずアクションが素晴らしいですね。
原作では雰囲気だけでヘタレだったベルゼーがかっこいい。
あといつか、バスタもお願いします。
>メカタラちゃん氏
いよいよトーナメント開催か?どんなメンツが集まるか期待。
主役の(たぶん)かつみん出てきませんね。引っ張りますなw
俺は達人が好きなので、渋川先生をリクエストしときます。
347作者の都合により名無しです:04/10/08 17:42:36 ID:/nWkmpmE
ユーラシアの仙水Vsライトは
仙水の多重人格って設定を使って
「本名と顔の一致」が条件のデスノートと上手く絡めれば面白いなぁと思ったけど
どうでもいいや。
348作者の都合により名無しです:04/10/08 18:24:18 ID:WcClk8Ay
メカタラちゃん氏の作品のトーナメントが意外と楽しみ。
トーナメントやるのかな?いやきっとやるでしょう。
349二人の絆:04/10/08 20:37:08 ID:vEdhw3G3
>>297
勇次郎に蹴り飛ばされたキースは、吐き気を堪えながらよろりと立ち上がった。
勇次郎が、ゆっくりと近づいてくる。
「噂に尾ひれはつきもの、か。期待外れだったぜ。何が氷界の帝王だ」
勇次郎はつまらなさそうな顔をして、つまらなさそうに言った。
「お前、人類を叩きのめしてサイキッカーの世界を築く、とか吠えてるそうだな。
が、ハッキリ言ってお前じゃ無理だ。弱さもそうだが、何より甘過ぎる」
「な、何だと?」
キースが、聞き捨てならないとばかりに勇次郎を睨みつける。
「君に、僕の……僕らの何が解る。僕は絶対に、人間たちに負ける訳にはいかないんだ。
その為に僕は、全てを捨てた。君の言う、僕の甘さを信じ続ける親友さえも、この手で」
「戦いはSEX以上のコミュニケーション、ってのが俺の持論でな」
勇次郎が、小バカにした仕草で鼻の頭を掻く。
「お前の技を受けてみて、お前に技を叩き込んでみて、その時その時のお前のツラを見て。
それで充分、お前のことは理解できたぜ。例えば今お前が言った、親友とやらのことだ。
大方、戦って勝ちはしたんだろうが、殺さずに見逃しただろ? 『次は許さない』とか
何とか、もっともらしいこと言って」
「……っ」
まともに図星を突かれてキースは、反論できない。
「で、自分が親友を殺さなかったことに、安堵してる。その親友が、自分の目的の障害に
なるのは明らかなのに、だ。全てを捨てた、だと? はん、片腹痛くて正露丸だぜ」
へらへら笑う勇次郎に、キースは言い返せないでいた。キースはキースで、勇次郎の
蹴り脚に込められた念から、読み取っていたのだ。この男は世界中の誰に対しても、
愛や友情といった『絆』を持っていない。完全に徹底的に、妻や子に対しても同様、と。
350二人の絆:04/10/08 20:37:55 ID:vEdhw3G3
「もう一度言うぜ。お前程度の甘さじゃ、サイキッカーの世界を築くなんてな無理だ。
親友君との絆なんぞをいつまでも引きずってるような、お前じゃあな。大人しくそいつと
仲直りして、二人で遊んでな。それがお似合いだ。……なぁ、被検体2033号よ?」
その数字を聞いて、キースの顔色が、変わった。
「き、君は……知って……」
勇次郎が、ニヤリと笑う。
「米軍にコネがあるんでな、各国の軍事情報は結構入ってくるんだ。今、核に替わる
新たな兵器としてお前らが注目されてるとか。それでお前らが捕獲され、人体実験
されてるとか。あと、お前は2032号ちぁんのアップルパイを食うのが夢だったとか」
「っっ!」
勇次郎に飲み込まれつつあったキースの心が、一気に蘇った。
あの夜の、あの言葉が、キースの胸に再び響く。

…………アナタハ キボウナノ…………

「……礼を言おう、ユージロー。おかげで大切なことを思い出せた」
キースの胸の中で、氷の闘志が、サイキックパワーが、冷たく燃え上がる。
サイキッカー収容所で、心も体も蹂躙され尽くして、無残に殺されていった仲間たちの
顔が、声が、キースの力に変わっていく。
「僕は絶対に、負けられない。僕の甘さが弱さに繋がるというのなら、今ここで捨てよう」
勇次郎が、ほくそえんだ。
「ほう、いいツラになってきたな。なら、見せて貰おうか。お前が最初に言ったように、
俺はサイキッカーじゃないんでな。つまり人間側の戦力だ。今の内に殺しておかないと、
後々大きな障害になるぜ?」
キースのサイキックパワーに反応して、勇次郎も闘志を高める。
351二人の絆:04/10/08 20:38:38 ID:vEdhw3G3
「ほら、来いよ。お前の最高の技で、俺を殺してみろ。できるものならな」
「言われるまでもない……僕は、決して、人間どもを許しはしないっ!」
極限まで高まったキースのサイキックパワーが莫大な凍気となって膨れ上がり、
キースの身を包み込んだ。それは巨大な龍の形となり、恐ろしげな咆哮を上げると、
大きく口を開け牙を剥いて、勇次郎を噛み砕かんと襲い掛かっていく。
「死ね、ユージロー! これが僕の奥の手、ブリザード・トゥースだっっ!」
勇次郎は、迫り来る氷の巨龍の顎を、嬉しそうに楽しそうに見つめて、
「待ってたぜ、コイツを……お前の、本気の殺気をな!」
勇次郎の上着が、千切れ弾け飛んだ。膨れ上がった筋肉が、背中に鬼の貌を浮かび
上がらせる。勇次郎が、本気の殺気を出した証しである。
氷の巨龍、ブリザード・トゥースが眼前に迫る。勇次郎は大きく上体を捻って、
右拳を限界まで引き、そして突き出した。何の変哲もない正拳突きである。
が、本気になった勇次郎の拳は、もはや人の域ではない。それこそ超能力レベルと
言ってもいいほどの、悪魔の如き威力を発揮するのである。
「邪アアアアアアアアァァァァッッ!」
勇次郎の、オーガの一撃が、氷の巨龍に真正面から激突した。
……龍が、鬼に抗し得たのは、瞬く間、ほんの瞬間だけだった。その次の瞬間には、
氷の巨龍はコナゴナに砕け散り、キースは血を吐き散らしながら吹き飛ばされていた。
352ふら〜り ◆XAn/bXcHNs :04/10/08 20:41:09 ID:vEdhw3G3
意外とサイキックフォースをご存知の方が多かったのは驚き。……私としては、
ジャンルが違うとはいえ、パトレイバーの方がメジャーだと思ってたんですが。むぅ。

>>メタカラちゃん
はじめまして! 原作は未見ですが、それだけにキャラもストーリーも予測がつかないのは
ある意味魅力。トーナメントの開催、楽しみにしております。あと、投稿の量やペース
などはあまり堅苦しく考えずに。ご自身が、ちゃんと楽しんで書かれるのが一番です。

>>殺助さん
おぉついに覚醒。次回はとりあえず復讐大暴れ殺しまくり、それからDIOとご対面、
ですかね。見所山盛りな予感。……で。「正義」は直接攻撃力はないわけですから、
やはりエンヤ婆は持参したハサミか何かでやったのでしょうね、アレ。さすがというか。

>>NBさん
ふ〜む……「炎」を使って戦うキャラは数多くいますが、純粋に「高熱」そのものを
武器にして、というのは珍しい。目に見えぬ灼熱。キョーコの口調も相まって、迫力
あります。で、このアイデアはNBさんのオリジナルだそうですね。お見事ですっ!
353作者の都合により名無しです:04/10/08 21:28:58 ID:MUgXKtYY
ふら〜りさん乙。
どんなハードな決闘シーンでもほのぼのしたところがあるのは
ふら〜りさんらしいですね。勇次郎はやっぱり強いですな。

サイキックフォースって、メインはゲームみたいですな。
ググって調べてみたらゲーム情報が多かった。
354作者の都合により名無しです:04/10/09 13:41:45 ID:K1qIZ2wJ
>>ふら〜り様
鉄拳シリーズも次回の構想にでも混ぜてください。
>239から

「ところでおじさん、今の状況を詳しく教えてくれませんか?」
木々の枝を掻き分けながら稟が言った。前を歩く神王は立ち止まらずに答える。
「ああ、そうだな・・・。あれはつい昨日のことだ。研究所の一部の連中が、突如として反乱を企てたんだ。
中心にいるのはグロキシニアと、そして・・・」
「アザミ・・・ですか」
「そうだ。その二人が密かに造りだしていたゴーレムの大軍を使い、あっというまに神界と魔界の軍を制圧
しちまった・・・。あのゴーレムってのはやっかいでな、魔法がまるで効かねえんだ。こっちの軍隊ってのは攻撃を
魔法に頼ってるから、まさに天敵ってわけさ。奇襲を受けたってこともあって、ロクな抵抗も出来なかった。
―――そして、まー坊は捕まっちまった」
「それで、一人で助けに?」
「そうだ。―――あいつだけは、ほっとくことは出来ねえ」
「無茶するなあ・・・・」
稟は呆れ顔で呟く。くっくっと、神王は笑う。
「お前らだって同じじゃねえか。こんなヘンピなとこまで普通は来ねえ」
それはまあそうだった。稟はポリポリと頭をかく。
「けどよ、おっちゃん」
ジャイアンが口を開く。
「いくらなんでもあいつら考えなさ過ぎじゃねえか?確かにあのゴーフルってのは・・・」
「ジャイアン、ゴーレムだよ」
スネ夫が訂正する。
「そう、ゴーレムってのは、確かにすげえけど、あれで人間界まで攻め入ろうってのは無理ねえか?こっち側にゃあ
戦車とかミサイルとかだってあるんだぜ?」
ジャイアンの疑問に、神王は難しい顔で語る。
「確かにな・・・。俺から見ても無理がある。どう考えたって無謀だ。だが・・・あいつら、やけに余裕たっぷりって
態度だった。まるで、ゴーレム以外にも切り札がある、とでも言いてえみたいにな・・・」
そこで、神王は言葉を切る。森を抜け出したのだ。その先には、巨大な建造物が建っていた。周囲には、かなりの数の
ゴーレムたちが見える。
「あれが、研究所だ・・・。あそこにゃあ敵がうじゃうじゃいるぞ。気ぃ張っていけよ、みんな!」
「よし!突入だ!」
ドラえもんの掛け声とともに、七人は敵陣へと飛び出していった。突如現れた彼らをゴーレムたちは敵と認識したようで、
一斉に腕をこちらに向ける。
そこから放たれた光弾をなんとかかわしながら、ドラえもんたちは空気砲でゴーレムを各個撃破していく(約一名は
素手でガンガンやらかしていたが)。しかし、敵の数が多いこともあり、かなり苦戦していた。
「くそお、数が多すぎる!ここは・・・<スモールライト>!これで一気に小さくしてやる!」
ドラえもんはポケットから電灯型の道具を取り出し、手近のゴーレムに向かって光を浴びせる。かくしてゴーレムは小さく・・・
ならなかった。かわりに、まるで崩れ落ちるように土へと戻ってしまったのだ。
「あれ・・・?これは、<もどりライト>だ!・・・そうか、あいつらもどりライトで土に戻っちゃうんだな!よしみんな、
これを受け取れ!」
「了解!」
のび太たちはもどりライトを受け取り、次々にゴーレムを土にしていく。実にあっさり、ゴーレムたちは全滅した。
「へへっ、なーんだ。弱点が判ればこの程度かよ!」
「ドラえもんのドジが役に立ったね!」
「そんな誉められ方、嬉しくないぞ!」
ドジの代名詞たるのび太に言われて、ドラえもんはむくれた。
「ほれお前ら、気を抜くんじゃねえぞ。まだまだ玄関に立っただけなんだからな」
素手で約十体程のゴーレムを破壊し終えた神王が一同の気を引き締めるように言った。
「そうですね・・・。まだまだ、戦いは始まったばかり、か・・・」
稟は厳しい表情でそびえ立つ研究所を見据える。
これから始まる激しい戦いの予感に、一同は身を震わせた。
少女は目の前の光景に愕然とし、その場に膝をついた。
その場所は少女が幼い頃、友人たちと駆け回り、獣たちと戯れた、豊かな森のはずだった。
少女は山村の生まれだった。暮らしは貧しかったが、豊かな自然に囲まれた実りある毎日。そんな中で少女は美しく、
優しく、聡明に育った。
勉学のため故郷を離れた後も、暇を見つけては森へと足を運んだ。森の木々の優しい腕に抱かれている間が、少女の
至福の時だった。少女にとって、故郷の森は世界のすべてと言っても過言ではなかったのだ。
だが今その森は、姿を消してしまっていた。まるで―――最初から存在しなかったかのように。
理由は人間界の文明の、神界への流出だった。開発と称した自然破壊によって、少女の<世界のすべて>は無惨に消え去った。
少女にとってそれは、自身の存在そのものを否定されたも同然だった。
自分の愛した世界を、他の者たちは愛してくれなかった―――いや、そうではない。愛する愛さないではなく、単に
<どうでもよかった>のだ。少女は悲嘆に暮れつつそう信じ込んだ。
―――なぜこんなことになった?人間族の文明が、そんなに素晴らしいとでも?人間―――人間が、憎い。
少女は慟哭した。少女は絶望した。少女は―――破滅した。自らの壊れた心が語りかける。
―――ニンゲンヲ―――コロセ―――
―――ヒトリノコサズ―――ネコソギニ―――
―――ニンゲントイウニンゲンスベテヲ―――ホロボセ―――
少女はその声に、身を委ねた。そこにはもはや、かつての純粋な少女はいない。
復讐のみを胸に生きる、一人の悪魔がいるだけだった。
「・・・最悪の目覚めですね」
アザミは苛立ちを隠そうともせず吐き捨てた。自室で仮眠して疲れを取っていたというのに、台無しだった。
また―――あの日の夢だ。あの日の光景が、未だに自分を苛む。
「滅ぼす・・・人間を、滅ぼす・・・。滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす
滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす・・・」
まるで呪うように、その言葉だけを呟き続ける。約百回ほど繰り返して、ようやく落ち着く。
「そう・・・そうです。私の成すべきは、ただ一つ。人間に、滅びを。そのために、わざわざ<あんなもの>を
探したのですから・・・」
その時、ドアが激しくノックされた。ドアを開けると、そこには血相を変えた部下がいた。当然のことながら、今この
研究所にいるのはクーデターを起こしたメンバーだけだ。
「たたた・・・大変です、アザミ様!」
「落ち着いて、要点だけ話しなさい」
「はっはい!・・・し、神王が・・・こ、ここに、突入してきまして・・・」
「一人でですか?」
「い、いえ・・・。神王と一緒に、人間族の青年一人と、子供が四人・・・それと、妙な青ダヌキが一匹・・・」
「なるほど・・・大体、分かりました」
アザミは報告を聞き、合点がいったというように頷いた。
「さっさと捕らえなさい。神王以外は殺して構いません」
「し、しかし・・・。奴ら、奇妙な兵器を持ってるようでして・・・。ゴーレムが、まるで役に立たないのです」
「ゴーレムを全部投入しても構いません。数で押し切れるでしょう」
「は?し、しかし・・・」
「構いません」
もう一度低い声で命ずると、部下は青い顔をしながらも返事を返して走っていった。
一人になって、フウっと息をつく。
「・・・あの子供たち、ですか。まさかここまでやってくるとは・・・。目的は、我々を倒すことと―――
時雨亜沙、そしてプリムラを連れ戻す、といったところですかね。やれやれ、ゴーレムが全滅させられることも
一応計算に入れなければなりませんか。時雨亜沙の方は・・・今ちょうど、洗脳準備をしているところですが、
奪還される可能性も大いにありますね。その二つが実現すれば、こっちには最悪の展開ですが―――
最悪でその程度なら、どうということもないでしょう。いざとなったら―――」
そこで突然押し黙り、咳き込む。大量の血が、喉から吐き出された。ぜいぜいと息をつく。
「・・・ここまで体調が酷くなるとは・・・。しかしまあ」
血に塗れた顔で、凄絶な笑顔を作る。
「人間を滅ぼす時間だけは―――充分、残っていますがね」
360サマサ ◆2NA38J2XJM :04/10/09 14:25:41 ID:Aur7yuEW
投下完了。
敵サイドを書くのは重くてしんどい。
次回はドラサイドでテンポ良く行きたいです。
361作者の都合により名無しです:04/10/09 15:49:09 ID:gufG4Xfp
サマサ!サマサ!サマサ!
362マルチメディアinユーラシア:04/10/09 16:28:15 ID:EAzzlzFs
>>281
航海から三日後、ようやく大陸が見え始めた。
 「やったぞー! ついにここまで来たぞー!」
大声で叫ぶルフィ。他のメンバーも同じ気持ちなのは言うまでもない。
急いで上陸しようとする彼らだったが、海上には悪魔軍が待ち受けていた。
しかし、巨神兵の重量で船が沈み、一人残らず溺死した。

いよいよ中国、もちろん観光に来たわけではない。
五人は緊張した面持ちで、中国をひた進んでいく。やがて黄河に到着する。
 「ここで一休みしましょう」
月の提案で、皆が水浴びを始める。ただしルフィは入らなかった。
しばらくして、セルは五つの巨大な気を察知した。いずれも劣らぬ凶悪なもの。
 「みんな、どうやら敵のお出ましだ」
 「ルイ14世の命令でな。ここで死んでもらおうかの、ヒャッヒャッヒャ」
郭海皇率いる悪名高き中国連合軍。
ここ中国でフランスに対して起こった反乱は、全て彼らによって壊滅されている。
中国拳法界の長老、郭海皇。中国が生んだ秘密兵器、王ドラ。
中国ナンバー1軍師、太公望。中国を統一した猛者、始皇帝。
中国を代表する料理、北京ダック。
 「まずは俺が行くっ……!」
カイジはEカードを始皇帝に投げ付けた。始皇帝はそれを簡単に受け止めた。
 「ふっふっふ、Eカードか…」
始皇帝はカードのイラストを確かめた。カードは奴隷だった。
 「ぐはぁぁぁ!」
始皇帝は死んだ。皇帝なのに奴隷カードを手にしたのがショックだったのだ。
カイジは息を切らしていた。よほど消耗したのだろう。
 「気高き男だった…だからこそ、全力で倒したっ………!」
 「流石ですね、では私が相手です」
王ドラが動いた。
363マルチメディアinユーラシア:04/10/09 16:30:53 ID:EAzzlzFs
王ドラの直突きで、カイジは一撃で戦闘不能となった。
 「手応えがありませんね、この程度ですか?」
麦わら海賊団に諦めのムードが漂ってくる。王ドラはあまりにも強すぎる。
あの独歩ですら、王ドラの殺気に気圧されている。
 「ここは僕に任せてくれ」
月がデスノートに王ドラの名を書くが、何の反応もない。
 「デスノートが効かない!?」
 「私はロボットでしてね。生物に対する道具は完全に無意味ですよ」
切り札であるデスノートも通用しなかった。すると、今度はセルが動いた。
 「私はこれから出産をする! ラマーズ法を頼むっ!」
ヒッヒッフー。麦わら海賊団はこれを繰り返した。そして、セルはジュニアを生んだ。
生まれたばかりのジュニアは愛しかった。しかも凶暴だった。
 「よし子供よ。敵を倒すのだ!」
 「ギギー!」
 「ぐわっ!」
いきなり親であるセルを殴り飛ばす。
攻撃衝動を抑えられないのか、次々に見る者を攻撃していく。
 「仕方ありませんね、私が………ひでぶっ!?」
王ドラも殺害された。皆がセルを見るが、完全に失神してしまっている。
 「どうやら、わしの泥酔拳を披露するしか………あべしっ!!」
太公望までもが殺されてしまった。魂魄が宇宙へ飛んでいった。少し綺麗だった。
独歩も菩薩の拳で抵抗するが、セルジュニアに圧倒されている。
 「ウキャー!!」
 「空手が通じねぇ……!」
独歩が膝を折られた。すると、セルジュニアが勝ちを懇願し出した。
 「愚地先生! どうか私の勝利を認めて下さい!」
 「この腑抜けがッ!!」
回復したセルが背後からセルジュニアを破壊した。何とか場は収まった。
364マルチメディアinユーラシア:04/10/09 16:33:49 ID:EAzzlzFs
郭海皇はタコ殴りで片付け、北京ダックは美味しく食した。
黄河を抜ければ、シルクロードの入口はもうすぐだ。
シルクロードには関所が設けられている。そこでも戦闘は避けられないだろう。
 「みんな、気合い入れて行くぞ!」
ルフィが皆を奮い立たせる。シルクロード、間違いなく最大の難関である。
 「あれが関所っ…!」
頑強な石造りの関所。これから始まる激しい戦いを予感させる。
関所の主は山口六平太。金太郎をも凌ぐと言われるサラリーマンである。
 「ようこそ、大日自動車へ」
 「ここを通せ!」
怒鳴りつけるルフィだが、六平太は一切動じない。
 「噂は聞いてます。ルイ14世に逆らう愚かな海賊集団でしょう?」
 「チェリアッ!」
激怒した独歩は六平太を一撃で殴り殺す。
 「……すまねぇ、やっちまった」
 「いいんじゃないですか、戦争に犠牲はつきものです」
月は微笑んでいた。独歩もまた微笑んでいた。セルもついでに微笑んでいた。
365マルチメディアinユーラシア:04/10/09 16:36:57 ID:EAzzlzFs
 「しかし、関所の主を殺したとなったら………」
警報音が鳴り響く。まもなく、関所を守る衛兵が周りを囲み始めた。
その中でも特に危険な存在感。魚沼宇水。盲剣の名で恐れられる剣客だ。
 「ククク、お前らの墓場はこの関所に決定だな」
「心眼」と書かれた眼帯を両目に巻き、自ら完全に視界を塞いでいる。
 「私はルイ14世と決闘し、敗れ、両目の視力を失った。
  しかし、私は異常聴覚に目覚めた。相手の心音まで聞き取るほどのな!
  相手の心理を読める私に、敵はなかった。だが…」
 「だが…?」
 「私の視力を奪ったルイ14世が目を治してやると言うではないか!
  もちろん私はそれを承諾し、今や両目ともに視力5・0を誇るまでになった。
  その代わり、異常聴覚はすっかり退化してしまったがな。つまり…」
 「つまり…?」
 「今の私は何も見えていないということだ! ハッハッハッハッハ!」
宇水は周りの衛兵により銃弾の集中砲火を受け、そのまま帰らぬ人となってしまった。
衛兵の一人がルフィに言った。
 「どうぞ、お通りください」
 「いいのか?」
 「いいんです。もうどうでもいいんです」
366マルチメディアinユーラシア:04/10/09 16:39:39 ID:EAzzlzFs
中国&関所編終了。
シルクロード編スタート。

次回へ続きます。
367作者の都合により名無しです:04/10/09 16:42:43 ID:eY0bnLxQ
>マルチメディア

展開が早すぎてクラクラしてきたw
368作者の都合により名無しです:04/10/09 18:11:56 ID:Ckq8CkRK
>ドラえもん のび太の神界大活劇
人間界に押し寄せるつもりなのか。壮大な敵、みたいですね。
なにか敵に隠し玉があるみたいですね。それが決戦の鍵となるみたい。
十分テンポ良く楽しめましたよ。頑張って下さい。サマサ、サマサ!

>マルチメディアinユーラシア
訳わかんねえwまさかこのスレに山口六平太が出てくるとは。
しかし妙なパワーが心地いい。展開も速くて楽しい(速過ぎだがw)
更新ペースも速くて色々と目をつぶって一気に楽しみます。頑張れ! 
369作者の都合により名無しです:04/10/09 19:17:50 ID:gufG4Xfp
samasa! samasa! samasa!
370作者の都合により名無しです:04/10/09 22:29:41 ID:kec8wgXp
>サマサ氏
少しずつ核心に迫りつつある感じだな。少女時代の悲哀が、人間まで滅ぼそうとするのか。
シリアスな敵側に反して、ドラたちはどこかほんわかしてていいw 正にドラ映画っぽいな。
次回は研究所へ突入か。魔法対ドラの道具の戦いが見られるのかな?ゴーレム軍団とかな?

>マルチメディア作者氏
始皇帝だの北京ダックだのラマーズ法だの、思いつきでだしてるだろ、絶対w
でも面白いからいいや。このいい意味で滅茶苦茶な話がどういうラストになるか見物。
サイトで長編カテゴリに行ったら、バレさんどんなイラストこの作品に付けるんだろう?
371作者の都合により名無しです:04/10/09 23:43:01 ID:LtmwYtLf
「VSさんではない人が表面的にVSさんのマネしてみた」ようなノリだ。
372ブラックキング ◆vI/qld5Tcg :04/10/10 00:38:23 ID:gqPaDPCs
>>23の続き
373超格闘士大戦:04/10/10 00:39:37 ID:gqPaDPCs
第16話「戦士達の出会い」

首都、キャンベラで「ギアガの大穴」なる場所の情報を得たアバン達。
本部とポップの特訓を終えたアバンは、生き残りの兵士達に手持ちの食料のほとんどを手渡した。
そして特訓終了まもなく、疲労も限界に達しているポップと本部の身体を引っ張りながら
首都、キャンベラを出発する。
向かう先はもちろん「ギアガの大穴」。目的は穴から現る魔物達を一網打尽にする為。
 「せ…先生…最後のメニューが終ってから、まだ30分しかたってないですよ…少し休憩したって…」
着ている法衣の後ろ襟をつかまれ、身体ごとアバンに引きずられているポップが愚痴をこぼした。
 「ぬう…文句を言うなポップよ。これも世の中のためだ」
ポップと同じように、ボサボサの髪の毛をつかまれて引きずられている本部がそう言った。
いつの間にか、ポップに対するしゃべり口調がまるで兄弟子のように偉そうな雰囲気になっている。
 「ポップ、本部さん、休んでいる暇はありませんよ。何か…何か嫌な予感がするのです」

さらに1日後、ギアガの大穴…

 「あらかた片付いたようだな…この辺にいた妖怪、モンスターの群れは」
穴からの魔物の流出はすでに止まっていた。いや、浦飯チームの4人が強引に止めたと言っても過言ではない。
出る度に浦飯チームの力によって消し飛ばされてしまっては、危険を冒してまで人間界に出てくる意味がない。
ひとまずは小康状態に入ったようだ。大穴の近く…荒れた大地にポツンそびえる大岩の上に、4人は立っていた。
 「さすがに、俺達が1日かけて大暴れすれば、雑魚妖怪どもはひとたまりもなかったようだな」
大量の汗で崩れたリーゼントを手で整えながら、幽助がそう言った。
 「だが俺達が人間界に出る前に、この大陸各地に散らばってしまった魔物達もいるようだ…
 いや、むしろそちらのほうが多い。俺達は少し遅かったみたいだね…」
対照的に、冷静な意見を述べる蔵馬。桑原は疲労の為か大の字に寝転がってダウンしていた。
 「取り逃がしたとは言え所詮はアリの群れだろう。あとで皆殺しにすればいいこと…」
幽助達とは少し離れた所に立っている飛影が、そうつぶやいた。
374超格闘士大戦:04/10/10 00:42:22 ID:gqPaDPCs
それぞれの口調だけを見ると、チームワークの欠片も感じられない4人である。
少しして、幽助は「腹減った〜」とつぶやきながら、立っている岩場に寝ころび始めた。
それを見て「フッ」と笑う蔵馬。少し離れたところにいた飛影は、いつの間にか3人の
近くに来ていて、寝転がり爆睡している桑原の顔を足で蹴り飛ばしている。
飛影の蹴りによって自身の顔が血で赤く染まってきた頃、桑原が突然目を覚ました。
 「何かが来る…」
神妙な顔つきと口調でそうつぶやく桑原。
 「真っ赤な顔でマジな事いうなよ桑原〜」
幽助が腹をかかえて笑いながら、間髪入れずにそう突っ込んだ。もちろん桑原の頭をどつきながらである。
 「うるせえ!この近くに、何かが近づいてるってんだよ!」
 「桑原君の霊感は並じゃない…俺もかすかに感じる。敵ではなさそうだが…何かが近づいている…」
蔵馬の言葉を聞くと、ふざけていた幽助も真剣な表情になりあたりを見渡し始めた。
少し盛り上がった岩場の上に立つ4人。あたりの様子がよく見える。
程なく、「ギアガの大穴」に近づく3人の人影の存在に気づく4人。
キャンベラから歩いてきたアバン、ポップ、本部の3人であった。もちろん幽助達はアバン達を知らない。
岩場から降りて、アバン達のもとへ近づく幽助達。
アバン達も、接近する大きな力の存在に気づき身構える。程なく間近で対峙する両陣営。アバンが声をあげた。
 「君達は…浦飯チーム!?」
暗黒武術会や仙水忍の事件の詳細は、一部の人間の中ではかなり知られていた。アバンもその1人だ。
顔写真などで、幽助達の顔は知っていたのだ。
 「ああ、俺が浦飯幽助。こっちが桑原一真。そして蔵馬に飛影だ。あんた達は?」
 「私はアバン。またの名を、勇者の家庭教師…なんて言われてますが…
  こちらは弟子のポップ。そして押しかけ弟子の本部以蔵氏。」
 「名前は存じてますよ。勇者の家庭教師、アバン・デ・ジニュアールV世…噂通りの実力者のようだ…」
そう言ったのは蔵馬。どうやらアバンのほうも、一部の世界の人間の中ではそれなりに名のしれた
人物のようだ。
375超格闘士大戦:04/10/10 00:45:37 ID:gqPaDPCs
それぞれ簡単に自己紹介を始める。飛影だけは断固拒否した為、蔵馬がかわりに紹介した。 
その途中、飛影には雪菜という妹がいる…と口を滑らせてしまい、飛影は激怒。
蔵馬は「不可抗力ですよ」などとよくわからない適当な言い訳で、飛影の怒りを流した。
横では桑原があっけにとられている。雪菜というのは、飛影の妹であり桑原が想いをよせる人。
そして桑原は雪菜の兄が誰かを知らなかった。相当のショックなのだろう。
 「今のは、蔵馬が必死で考えたジョークだ。気にすんな」
幽助が桑原にそう耳打ちした。
 「な、なんだ!そうだろうと思ったぜへへへ。こんな無愛想な奴が、雪菜さんのお兄さんのはずねー」
桑原のその言葉に、再び頭に血をのぼらせる飛影だったが、蔵馬と幽助の「まぁまぁ」という
押さえ言葉に、しぶしぶ握っていた拳を開き始めた。 
 「話はかわるが…あなた達は今までどこへ行っていたのですか?1年前、仙水忍の開けた
 魔界と人間界をつなぐトンネルに入ってから、行方不明と聞いていたが…」
蛇行した流れを元に戻すように、アバンがそう尋ねた。
話は1年前に遡る。
仙水を追って、魔界へと突入した浦飯ら4人。苦戦しながらも仙水を倒して人間界へ帰ろうとするも
すでにトンネルは塞がってしまったあとだった。
人間界へは偶然に開く小さなひずみをとらえて、それに瞬時に入り込むしかない。
だが広大な魔界に比べたら、針の穴程のひずみをたまたまとらえることなど不可能に近い。
浦飯達は、魔界でしばらく生活することを余儀なくされる。最も蔵馬、飛影は元は魔界の住民。
数々の妖怪と闘ってきた浦飯、桑原も魔界の人間界離れした環境を特に意識することはなかった。
だが、そんな彼らに安息の時はなかった。
魔界では丁度全土を2分した大戦争が行われていたのだ。
1つは大魔王バーン率いる魔王軍。もう1つは黄泉率いる妖怪軍団。
兵の数も、支配地もほぼ互角の両陣営の戦争は浦飯らが魔界へ来た時点で、すでに100年程続けられていた。
両陣営の目的は同じだった。魔界全土を支配し、そして人間界…地上をも支配すること。
目的が同じ両陣営が、争うのは必然であった。
376超格闘士大戦:04/10/10 00:50:03 ID:gqPaDPCs
大魔王バーンと黄泉が地上を欲する理由。それは魔界に伝わるある伝説がもとになっていた。
数万年に一度、聖なる封印がとけて世の中の全ての悪の力が一気に増大する暗黒期が訪れる。
そして暗黒期のピークを迎えた時、魔界と人間界の間の結界が消滅し、自在に出入りが可能になる。
その伝説にある暗黒期が、まさに今。伝説を知る大魔王バーンと黄泉は、この時を待っていた。
そして悪の力が次第に強まり始めたおよそ100年前から、互いの戦力を削るために争いを始めたのだ。
大魔王バーンと黄泉の目的を知った浦飯達は、それを阻止するために活動を開始する。
とは言っても、所詮は4人のみ。強力な力を持つとはいえ、巨大な大勢力に戦いを挑むにしては
数が少なすぎた。
情勢を見ながら、黄泉の率いる妖怪軍団が優勢と見た浦飯達は、黄泉に協力すると見せかけて
大魔王バーンの居城である「鬼眼城」へと攻め込む。せめて2つの勢力の1つでも潰しておけば
人間界へと影響も少なくなる。そう思っての行動であった。
戦いは、大魔王バーンの死によって黄泉の勝利に終った。
天下分け目の決戦に勝利した黄泉は、人間界制圧に向けての準備を開始する。
だが、バーンの部下である魔軍司令ハドラー、ミストバーンをはじめとする魔王軍の主要な
重鎮達は生存しており、残党軍としての活動をはじめつつあった。
黄泉のもとを離れた浦飯達は、レジスタンスとして両陣営の戦力を少しずつ削る活動を、密かに続けていた。
そんな中、魔界と人間界のトンネルが再び開いたとの情報が入る。
暗黒期の最中、次第に強くなる邪悪な力に呼応して。ポッカリと開いたその穴からは
黄泉軍の妖怪軍団、魔王軍残党のモンスター軍団が群れをなして人間界へと飛び出していった。
穴の大きさもまだ小さく、強大な悪の力を持った者は今だに人間界へ行くことが出来なかった。
だが、浦飯達には穴の大小は関係ない。人間界を守る為、浦飯達は魔界の空に開いたその穴に突入する。
そして出た先はオーストラリア、「ギアガの大穴」。周りに群れる魔物を一掃し、そして今、
アバン達に出会ったのだ。
377超格闘士大戦:04/10/10 00:56:27 ID:gqPaDPCs
「なるほど…そんな事情がありましたか…。魔界ではそんな大勢力が2つも…。
 そしてそれぞれに人間界を狙っているとは…」
浦飯達の1年間の話を聞いたアバンは驚きの表情を見せる。ポップ、本部も同じ表情。
 「魔王軍の奴らは、バーンが死んだことによってより一層結束が強まったようだ。
  死んだバーンへの忠誠の証として、地上征服を成功させようと躍起になっている。
  話によれば、奴らにはバーンと入れ替わりで入ってきた新たな幹部がいるとの噂もあるが…」
 「いやまてよ…君達が魔界へ行ったあと、冥竜王ヴェルザーという魔物が魔界から現れた。
  かなり強い魔力を持った奴だったはず…ヴェルザーは何故地上に出て来れたんだ?」
アバンが、浦飯達の中で一番頭がキレそうだと判断した蔵馬に問いかけた。
 「仙水が少し大きな穴を開けた影響で、魔界と人間界の間のバランスが一瞬崩れたんですよ。
  その隙をついてヴェルザーは人間界へ飛び出した…。運がよかったようですね。
  最も、彼は魔界の3巨頭の1人と言われていたようですが、他の2人に比べてその力は
  かなり劣っていたようです…」

 「そういえば、バランのおっさんは今何してんのかな〜」
蔵馬の返答後、幽助がそうつぶやいた。
 「そのバランというのは?」
 「ああ、竜の騎士のバラン。今話に出た冥竜王ヴェルザーを倒した人だよ。
  そして、魔界では俺達と共に戦った仲間さ…」

アバンの問いに、幽助がそう答えた直後…。一行の近くにある「ギアガの大穴」から突然
大きな力を持った者が2人、雷鳴と共に飛び出した。その2人の顔を見て、声をあげる幽助。
 「へっ、噂をすればなんとやらってやつだ」
人間界へ出ると同時に、戦いを始める2人。
竜の騎士、バランと魔王軍の魔軍司令ハドラーであった。
378ブラックキング ◆vI/qld5Tcg :04/10/10 01:02:03 ID:gqPaDPCs
続く。
少し間が空きましてすいません。
379作者の都合により名無しです:04/10/10 03:10:21 ID:tCAAnyEc
ブラックキング氏御疲れ様。復活してくれて嬉しいよ。
ゆうすけチームとアバン一行が合流しましたか。
この強力チームに見合うだけの敵、誰になるか楽しみです。
今回は話があまり動いてなかったですが(失礼)
次回からの激闘、楽しみにしてます。
380作者の都合により名無しです:04/10/10 09:14:41 ID:Ck5/ECCW
雪菜の話は伏線かな?
381ドラえもんの麻雀教室 最終回:04/10/10 12:14:00 ID:l9BOpmX/
382ドラえもんの麻雀教室 最終回:04/10/10 12:14:49 ID:l9BOpmX/
===================================================================
【何を切る?】東四局 東家 六巡目
二二二四七九(2)(3)(7)(9)579 六←ツモ
===================================================================

 モニターに表示された画面を見て、ISAMIとHAJIMEの脳裏に京都での悪夢が
甦った。幕末史上に燦然と輝く何を切る対決によりISAMI組は崩壊、二人は銅
像となって変わりゆく日本を見守ってきた。幕府亡き後の新政府は諸外国と手
を結び、文明開化という名の欧化政策を強行した。デーブ・スペクターが日本
にやって来て、東京ディズニーランドが完成して、訳の分からないホームレス
に豚の丸焼きを投げつけられた。幕末から今日までの百数十年間は、二人にと
ってはまさに敗残と屈辱の歴史であった。
「またこれかー!」
 近藤は頭を抱えて絶叫した。対するHAJIMEは懐手をして悠然とアゴをなでて
いる。幕末の対決では最後に出てきてぶっ飛んだだけの楽な仕事だったので、
ISAMIほどの衝撃はない。
「おはんら、何を切るは初めてではないようでござるが、一応ルールを説明す
るでごわすぞ」
 モニターに手を伸ばすSAIGOの後ろで、ドーンという大きな音が鳴った。ド
ラえもんの放ったバズーカ弾が窓の外の東京タワーに命中して、くの字に折れ
曲がって大爆発した。東京タワーは空間から消失した。
「先生やりもしたぞ! 不肖ドラえもん、幕府の居城を打ち倒しもしたぞ!」
「あっそ」
 SAIGOはもはや倒幕なんぞに興味はなかった。なでてもらいたくてデカい頭
を押し付けてくるドラえもんには見向きもせず、目の前の麻雀バトルに集中す
る。
「ルールとは言っても、まあ見た通りでごわす。問題の手牌と状況から正しい
手筋を推測して、捨て牌を一枚選ぶでごわす」
 そう言って、コントロールパネルの九萬のボタンを押した。
383ドラえもんの麻雀教室 最終回:04/10/10 12:15:24 ID:l9BOpmX/
「ピンポーン」

===================================================================

===================================================================

「正解ならばセーフで次の人間と交替でごわす。しかし間違えれば」
 SAIGOは画面を戻して、今度は七索を選択した。
「ブー」

===================================================================
×
===================================================================

「あ、間違えた」
「世にも恐ろしい罰ゲームが待っちょりもす。ほんのこつ生まれてきたことを
後悔しもすぞ」
「SAIGOさん、今間違えたよね? 罰ゲームは?」
「今のは単なる説明だからいいんでごわす。さあ、覚悟はよろしいか?」
 のび太の指摘には構わず勝負を始めようとするSAIGOだが、のび太は決して
納得しない。
「えー。だって今ムチャクチャ間違えたじゃん。ISAMIさんもHAJIMEさんも見
てたよね?」
「うむ。間違えましたな」
「じゃな」
 頷いたHAJIMEとISAMIを、SAIGOは豪快に笑い飛ばした。
「わはははは。許せ許せ、ルールのためのやむを得ない誤答とはいえ、SAIGO
一世一代の大不覚じゃ。それでは早速始めるでごわすぞ」
 くじ引きの結果、一番手はHAJIMEと決まった。日本の命運を賭けた天下分け
目の大一番が、今ここに幕を開けた。
384ドラえもんの麻雀教室 最終回:04/10/10 12:15:55 ID:l9BOpmX/
「幕ったって、もうSAIGOさんが間違えてるじゃん。ねえHAJIMEさん」
「そうでござるな。拙者は絶対に間違えないでござるよ」
 のび太に相槌を打ちながら、HAJIMEはスタートボタンを押した。モニター
に新しい問題が表示される。

===================================================================
【何を切る?】南三局 北家 九巡目 ドラ七萬
三四五七七九(7)(8)67889 8←ツモ
===================================================================

「うーむ。三色は諦めて、タンヤオとドラをからめた方が攻め手も広がります
な。打九萬でしょう」
「ピンポーン」

===================================================================

===================================================================

「ほら。SAIGO殿はブーでしたが、拙者はピンポンでござる。次はISAMIの番で
ござるよ」
「おうよ。ワシの次はいよいよSAIGOのお出ましじゃな」
「いや、SAIGOどのはさっき答えて間違えたでござる」
「そういやそうだ。ところでワシの問題はなんぼのもんじゃい」

===================================================================
【何を切る?】東二局 南家 五巡目 ドラ九筒
(4)(5)(5)(6)(7)(8)(8)(9)334556
===================================================================

「知らん。分からん。ドラは切れん。打八筒じゃボケ」
385ドラえもんの麻雀教室 最終回:04/10/10 12:16:37 ID:l9BOpmX/
「ピンポーン」

===================================================================

===================================================================

「よーし! 次はボクの番だぞー!」
 部外者ののび太が割り込んできた。ISAMIもHAJIMEも黙っているのをいいこ
とに、勝手にスタートボタンを押して次の問題に移ってしまった。

===================================================================
【何を切る?】東一局 東家 一巡目
一九(1)(9)179東南西白発中 北←ツモ
===================================================================

「こんなの簡単簡単。北をツモ切りして字牌整理だ!」
「ブー」

===================================================================
×
===================================================================

「あ、間違えちゃった。これじゃボク、SAIGOさんとおんなじ負け犬だね」
「いやいや大丈夫。のび太殿は超が百個はつく下手くそゆえ、こんなの間違え
た内には入らんでござる」
「そうじゃな、クズのお主にしては頑張った方じゃな」
「わーい!」
 HAJIMEとISAMIに褒めちぎられて、のび太は心の底から嬉しくなった。この
幸せをアカギにも分けてあげたくて、アカギにも問題を出してみた。
「ここまで間違えたのは、実質SAIGOさん一人だよ。アカギさんもカッコいい
ところを見せておくれよ!」
386ドラえもんの麻雀教室 最終回:04/10/10 12:17:24 ID:l9BOpmX/
===================================================================
【何を切る?】東三局 南家 八巡目
三五六八(4)(5)(6)(7)12235 1←ツモ
===================================================================

 アカギの選んだ答えは五筒。
「ピンポーン」

===================================================================

===================================================================

「ククク……」
「わお! メンツの中抜きなのに正解だなんて、イカサマばっかやってるペテ
ン師だけのことはあるよね! ところでHAJIMEさん、間違えたのは誰だっけ?」
「SAIGO殿でござる」
「そーそー、SAIGOさんは間違えたんだよね。ドラミちゃんにも問題出すよ」
 のび太は熟睡中のドラミにも声をかけた。ドラミはこちらに背中を向けたま
まで返事一つないが、そんなことはお構いなしに問題の手牌を読み上げた。

===================================================================
【何を切る?】南一局 南家 三巡目
二二二八八九555西西北北 西←ツモ
===================================================================

「えーと。ドラミちゃんの問題は、二萬と二萬と……」
「左から六枚目の牌よ」
 全ての牌を読み終わらない内に、ドラミから答えが返ってきた。
「え? 左から六枚目ってことは、九萬?」
387ドラえもんの麻雀教室 最終回:04/10/10 12:19:09 ID:TSsKDFrh
「ピンポーン」
===================================================================

===================================================================

「すごーい! ロクに手牌も分からないのに、どうして正解できるのさ?」
「答えが全部左から六枚目になるように改造したのよ」
「なるほどねー。ドラミちゃんの出した道具だもんね、これ。ドラミちゃんは
間違えたSAIGOさんをどう思う?」
「痴漢に間違えられて死んじゃえばいいのに」
 何のためらいもなく言い放って、ドラミは再びいびきをかき始めた。結局一
度ものび太の方を振り向かなかった。
「みんな正解しちゃったね。こうなると、ただ一人間違えたSAIGOさんが逆に
凄みを帯びてくるから不思議だよね」
「そうでござるな。間違えたSAIGOさんは見上げたものでござるな」
「ワシは京都にいたころから見抜いておったぞ。あいつは将来必ずでっかい間
違いをしでかす男だって」
「ね、ね。アカギさんもそう思うでしょ?」
「ククク……」
「いよっ! SAIGOさん、奇跡のミステイク!」
「ミステイクでござるな」
「ミステイクじゃな」
「(ミステイ)ククク……」
「じゃかーしゃーい!」
 堪えに堪えていたSAIGOがついに爆発した。怒りに任せてテーブルをひっく
り返して、太鼓腹を突き出して吼え散らした。
388ドラえもんの麻雀教室 最終回:04/10/10 12:20:58 ID:TSsKDFrh
一応ここまで。
何を切るは色んなとこからパクりまくりました。興味のある方は
パクり元を探してほくそ笑んで下さい。ミス報告大歓迎。
389作者の都合により名無しです:04/10/10 12:49:37 ID:N1hJkmZU
390マルチメディアinユーラシア:04/10/10 15:45:41 ID:4iCgq2Go
>>365
関所を強行突破し、ルフィらはとうとうシルクロードを歩き出した。
シルクロードなだけあって、三割くらいが絹で出来ている。
だが、早速フランス軍は刺客を送り出してきた。
 「何だ、あのラッコは?」
 「こんにちは、ぼくはぼのぼのだよ。あなたたちはここで終わりだね」
 「なるほど…勝負というわけか」
セルの学習能力は半端ではない。一度見た技は完全に再現することが出来る。
 「ダイナマイトキック!」
セルの放ったダイナマイトキックに、ぼのぼのは合気で応じる。
セルは吹き飛ばされ、しりもちをついてしまった。
 「くっ…!」
 「アンタじゃムリだ、俺が代わる」
交代を要求したのはカイジだった。セルは喜んでバトンタッチした。
 「ぼのぼの…だったな? ギャンブルをしないか?」
 「いいよ」
 「オセロをしよう。俺は黒で、お前は白っ……! 負けた方が自殺だっ……!」
 「いいよ」
十分後、オセロの盤上は真っ白になっていた。カイジの頭も真っ白だ。
 「ぼくの勝ちだね」
 「くそっ、俺は敗北を受け入れるぞ!」
カイジが自殺しようとしたが、それは独歩によって止められた。
 「アンタはまだ若い。自殺なんてしちゃあいけねぇよ」
 「分かったっ……!」
カイジは自殺を止めた。当然ぼのぼのが抗議するが、独歩は反論する。
 「ちゃんと自殺してよ」
 「へっ、空手家が空手を使っていいように、ギャンブルってのは勝った方が損をすべきだ。
  ………ワカるかい?」
 「なんとなく」
ぼのぼのは投身自殺した。独歩の心臓も停止したが、月の適切な応急処置によって回復した。
391マルチメディアinユーラシア:04/10/10 15:48:35 ID:4iCgq2Go
シルクロードをさらに進むと、殺人事件が起こっていた。
とある企業の社長が刃物によって殺害されたというのだ。これは一大事。
江戸川コナンと名乗る少年が、ルフィらに協力を求めてきた。相当の難事件らしい。
容疑者はA、B、C、Dの四人。
Aは25才のフリーター。現在はシルクロードのコンビニでフリーターをしている。
将来の夢はミュージシャン。路上ライブでこつこつ知名度を上げているようだ。
Bは43才の会社員。大手食品メーカーに勤めており、役職は部長である。
その温厚な人柄で部下からも上司からも評判がよく、確実に専務までは昇ると言われる。
Cは38才の殺し屋。手には血まみれのナイフが握られている。
念のためナイフの血液を照合したところ、被害者の血液と完全に一致していた。
Dは15才の中学生。バスケ部に所属し、レギュラーではないが頑張っている。
好きな女性のタイプは年上とのこと。被害者の養子でもある。
 「これは難事件だな…」
現役東大生の月もお手上げだ。結局、事件は迷宮入りした。
392マルチメディアinユーラシア:04/10/10 16:01:35 ID:4iCgq2Go
今日はここまで。
次回という名の未来へ。
393作者の都合により名無しです:04/10/10 17:04:51 ID:m5EcYvCB
祝!ブラックキングさんとVSさんの復活。
特にVSさんはマジで麻雀投げ出しと思ってた。感想行きます。

>超格闘士大戦
大物チーム同士の邂逅、そしていよいよ激しくなりそうな魔界との決戦を感じさせるな。
このチームの中でリーダーシップ取れそうなのは、やはり大人で賢いアバンだろうか?
最強の男バランも出現して、でも白熱してきたね。このチーム果たしてまとまりあるのか?

>麻雀教室
何切るですか。出典はスーパーヅカンか何かかな?ちょっと真剣に考えちゃったよ。
3問目まで考えて全問正解だったけど(申し訳ないけど、あんまり問題になってない)
ちゃんと問題に成ってるのここまでかよ!w しかしこの板で何切るを見るとはねw

>マルチメディアinユーラシア
一見、勢いだけで書いているような感じだが、実は奥が深い・・のか?異世界のSSだ。
ぼのぼのが合気って、しかもセルに勝つのかw何の脈絡もなく殺人事件が起きて、
しかも迷宮入りしてるし。だが面白い。ところで、サナダムシさんではないですよね?

しかしVSさん、出張から帰ってきたらまた更新大変だな。お体に気をつけて。





394作者の都合により名無しです:04/10/10 18:16:49 ID:YTTNOZbA
マルチメディアすげえワロタw
いっそ清々しいまでに話に脈絡がない。
395ザクUVSデビル勇次郎(四):04/10/10 21:23:41 ID:zDSGoAAe
>>259-261より
396ザクUVSデビル勇次郎(四):04/10/10 21:24:27 ID:zDSGoAAe
「かぁ〜めぇ〜はぁ〜めぇ〜……」
 ジャック・イン・ダイヤ、亀仙人は走りながら腰の横に両手をあて、気を溜める。他の3人及びザクは、
そのすぐ後方を走っている。
――ジャック・イン・ダイヤ、気を使えるのか!
 ザクが感心している間に充分な気が溜まり、亀仙人は両手を前方にかざす。
「波ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 ザク頭部大の気弾が放たれた。江田島の千歩気功拳には及ばないものの、その威力は直撃すれば
コピー勇次郎を十分に破壊しうるものだ。
 だが、勇次郎達は避けようともしない。かめはめ波は真っ直ぐに勇次郎の群れへと突き進む。
――どうするつもりだ、勇次郎!
『チェリャッッ!!』
 1人の勇次郎が掲げた右手を振り下ろし、かめはめ波を地面に叩きつけた。同時に爆風が土埃を巻き
あげ、峡谷を覆いつくす。土煙が晴れ、そこに現れたのは――
 全くの無傷である勇次郎軍団だった。
――あれだけの気功波が効かないのか!
 ザクは唖然とした。コピーといえど、やはり範馬勇次郎は地上最強の生物なのか。
 だが、亀仙人はどこか手加減しているような風にも見えたような……
 ふと気がつくと、勇次郎軍団は珍しく、落ちつきなさそうに辺りの様子をきょろきょろとうかがっていた。
何か探しているのか。不審に思いながらも、ザクは足元を見てはっとする。
 シャッフルの四戦士がいつのまにか姿をくらましていたのだ。
『どこ行きやがっ――』
 た、と発すると同時に1人の勇次郎の首が落ちた。頭を失い倒れた勇次郎の後ろに立っていたのは、
クイーン・ザ・スペード、郭海皇だった。
「ここじゃよ、マヌケ」
 土煙に乗じ、勇次郎軍団の只中へと姿を現したのだ。
「所詮はコピー。弱っちい奴がより弱っちくなっただけのようじゃな」
397ザクUVSデビル勇次郎(四):04/10/10 21:25:21 ID:zDSGoAAe
『てめぇッッ!!』
 四人の勇次郎が同時に郭海皇に飛び掛ろうとしたその時、上空から三つの影が舞い降りた。そして
四つの煌めきが迸ったかと思うと、四人の勇次郎は縦に一刀両断される。ブラック・ジョーカー、髑髏の
騎士ガイゼリックの華麗なる剣技によるものだった。他の二人、亀仙人と葉隠朧も仲間たちと背を合わ
せて拳を構えている。
「奇襲で倒せたのはたった五人か。さて、ここからが正念場じゃぞい」
 亀仙人がつぶやくと共に、200を超える勇次郎軍団がどっと押し寄せてきた。
 クラブ・エース、葉隠朧は範馬勇次郎の鬼哭拳を左腕でいなし、カウンターの右拳でその頭部を吹き飛
ばす。
「大威力核ミサイルを保有している大国が今まさにそれを射出せんとゲートを開いた刹那、レーザーの
様な小威力で信管を打ち抜いたならば、その国は自らの兵器の威力にて滅びる。これぞ零式防衛術、
因果なり!」
 互いに背を預けて闘うことにより、シャッフルの四戦士はその戦力を最大限に開花させていた。気功波
が飛び、剣が舞い、手刀が奔り、拳が放たれる。最初の奇襲ほどではないが、勇次郎軍団は着実にそ
の数を減らされている。そしてザクは……
 その闘いを傍から眺めていた。
――こりゃ俺の出る幕じゃあなさそうだな。
 ザクは排気口から溜め息を漏らし、視線をデビルガンダムへと向ける。
――と来りゃあ、俺はデビルガンダムを叩くとするか――
 だが飛び立とうとした瞬間、ザクの足元にデビル勇次郎十数人がざっと立ち並んだ。
『シャッフルのじじい共を相手にするのも面白ぇだろうが』
『てめぇを喰うってのもなかなかオツなもんだろうからな』
 ザクは左右の手からプラズマクローを放出する。失いかけた戦意がふつふつと沸き立つのが分かる。
――そうだ、そうこなくっちゃ……
 体勢を低くとり、両手を大きく広げる。
――なぁッッ!!
 勇次郎十数人が跳び、ザクはそれを迎え撃った。
398作者の都合により名無しです:04/10/10 21:28:21 ID:zDSGoAAe
今回up分終了。少ねぇ。
399作者の都合により名無しです:04/10/10 21:34:43 ID:N1hJkmZU
400作者の都合により名無しです:04/10/10 22:10:57 ID:y/c8qB0A
>ブラックキングさん
嵐の前の静けさですね。このチームが魔界との戦いの最前線に挑むのか。
バキや烈たちもどう絡んで決戦になるのか、見物。バランをかっこよくお願いします。
>VSさん
お久しぶりです!麻雀はあまり知らないけど、VSさんの行間の愉しさみたいのが
大好きです。SAIGOとアカギとドラミの絡みは、麻雀知らなくても面白い!
>マルチメディア作者さん
いや、ここまで話に何の繋がりも無く、それでいて面白いとは一種の芸ですね。
コナンは幾らなんでも無能すぎw知ってるキャラクターをみんな出しちゃう気かな?
>ザクさん
シャッフルのメンバー強過ぎるw特に郭。原作ではもうすぐ勇次郎に瞬殺されるのに。
流石にコピーじゃ大して強くない様子ですね。その分デビルガンダムが強いのか?


それにしても、今一体何本連載あるのかな?
いや、多いのはとっても嬉しいけど、バレさんが大変そう。
401作者の都合により名無しです:04/10/10 23:53:57 ID:N1hJkmZU
サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!
402作者の都合により名無しです:04/10/11 03:04:26 ID:Fght3+tH
漏れも新しい作品始めて良いでつか(´・ω・`)
403作者の都合により名無しです:04/10/11 06:43:38 ID:3zwphr+r
(´・ω・`)つ良いでつよ .│
      └─────┘
404作者の都合により名無しです:04/10/11 08:37:07 ID:OM3ZaEtH
ザク最高
405作者の都合により名無しです:04/10/11 11:54:05 ID:MnFRQp98
サマサ!samasa!303!
>359より

「ええい、まだ連中は見つからないのか!」
白衣を着た研究員が怒鳴る。しかしながら怒鳴っている相手は自分たちが造ったゴーレムであり、
それらは命令に従っているだけである。そんな連中にわめき散らしている時点で彼が非生産的な人種
(とは言うものの彼は魔族だった)だというのは明らかである。
「とにかく見つけろ!部外者が七人で、しかも青ダヌキなんてのもいるんだ、見つからんはずがない!」
もう一度怒鳴るとゴーレムたちはあちこちへ散らばっていった。
「まったく・・・どこに隠れやがった、あいつら・・・」
ふと、壁に目をやると、そこには家が描かれた妙なポスターが貼ってあった。なんとなくそれを覗き込む。
「なんだこりゃ・・・こんなポスターあったか・・・」
最後まで言い終えることは出来なかった。そのポスターから短い足が伸びてきて、彼の顔面を蹴り飛ばしたのだ。
やたらと重い一撃(具体的に言うと129・3kgほどの体重を乗せた蹴り)を受けて、その哀れな男は気絶した。
その上に青い物体が乗っかる。もちろんドラえもんであった。
「タヌキとはなんだ、タヌキとは!」
「おい、何してるんだよドラえもん!さっさと隠れろって!」
のび太がポスター―――<かべ紙ハウス>から手を伸ばしてようやくドラえもんを制止したのだった。

「やれやれ・・・まさかあそこまで敵が多いなんてなあ・・・」
のび太がため息とともに言った。研究所に突入したはいいものの、余りの敵の数に、一旦避難したのだ。
ゴーレムの弱点を見つけたとはいえ、数を頼りに攻めてこられてはたまったものではない。
「だけどあまりのんびりもしてられないよ。いつあいつら人間界に攻めてくるか・・・」
スネ夫は悲観的な意見を放つが、正論ではあった。
「それに、亜沙さんやプリムラも心配だわ。酷い目にあわされているんじゃないかしら」
静香はもっぱら連れ去られた二人の心配をしている。のび太もそれに続いていつになく力強く言った。
「そうだよね・・・いつまでも隠れてるわけにはいかないよ。行動を起こさなくちゃ」
「しかし実際どうする?このまま突っ込んでいくのは無謀だよ」
「だけどさあ・・・」
「・・・一つだけ、作戦・・・てほどじゃねえが、俺に考えがある」
腕を組んで座っていた神王が言った一言に、全員が注目する。稟が一同を代表するように問うた。
「なんですか?それって」
「簡単だ。俺が囮になって、奴らを掻き回す。守りが手薄になってるその間に、お前らが頭の連中を叩いて、
まー坊たちを助けるんだ」
その提案に、一同がざわめく。
「そんな!あんな大勢が相手じゃいくら神王さんが脳味噌まで筋肉の体力バカのゴリラ男だからって危険すぎます!」
思わず本音が出てしまったドラえもんだったが、神王はそれには特に頓着せず、静かに言った。
「確かにな、ドラ助・・・。けど、このままじゃジリ貧だ。いちかばちかやるのも悪かねえ。なーに、俺なら
大丈夫。あの程度の連中、食前の運動にもならねえって」
にやっと笑ってみせる神王。そんな彼の様子に、ドラえもんたちも覚悟を決めた。
「分かりました・・・。じゃあ、せめてこれを持っていってください」
そう言ってドラえもんが差し出したのは<スーパー手袋>だった。神王はそれを黙って受け取り、装着した。
「じゃあ俺は行く。タイミングを見計らって、お前らもここから出るんだ。・・・俺の方を、振り返ったりするんじゃねえぞ」
そして、ドアの方へ歩いていく。その背中にジャイアンが声をかける。
「おっちゃん・・・死ぬんじゃねえぞ!」
その言葉に神王は振り向き、自信に満ちた顔で笑い、外に出て行く。
やがて、ドアの外から怒号、爆砕音、爆発音が聞こえてくる。
「みんな、僕らも行くぞ!」
「おう!」
ドラえもんたちはドアから一気に駆け出し、爆音とは正反対の方向へと向かう。言われたとおり、何があってもそちらの
方を絶対に振り向いてはいけない。振り返ればきっと、そっちへと向かってしまう。
それは駄目だ。
それは、神王の想いを踏みにじるだけだ。
今はただ―――振り向かず、前へ。前へ進めば―――きっと、道は開ける。
「く・・・くそっ!何をやってるんだ!敵はガキがたった六人だぞ!」
そう怒鳴っているのはまだ年若い研究者だった。見るからに性格が悪そうな人相で、実際性格が悪かった。
強いものに媚を売り、弱いものは虐げて、自分は甘い汁を吸うことしか頭に無いような男だったが、
その分状況を見極めて立ち回ることは非常に上手かった。
今回のクーデターにしても、こっちについた方が勝算が高く、しかも成功すれば自分にもその後のおこぼれがある。
そう思ったから参加したのに、目の前の状況はどうしたことか。
神王の方に人員と兵力を裂いているとはいえ、数の上ではまだまだこちらが圧倒的に優位なのだ。それなのに、たった六人を
止められない。連中は奇妙な道具を使う上に、なぜか異様に士気が高いのだ。
「こ、こんな・・・。こんなはずが・・・」
自分は間違ってない。自分は最良の道を選んだはずなんだ。彼は自分に言い聞かせる。そうこうしている間に、六人は
ゴーレムを全滅させ、彼の前に立った。
「く・・・来るなあっ!」
怒鳴りつつ、こっそり練り上げていた攻撃魔法を放つ。それは巨大な光の弾となって六人を襲う。当たれば間違いなく対象を
完全に消し去る―――はずだった。しかし、青色のタヌキのような物体が腹のポケットから風呂敷のようなものを取り出し、
光弾に向けて振りかざした瞬間、光弾は自分の方へ跳ね返ってきた。
「ひいっ!」
情けない悲鳴を上げてなんとか避ける。ゼイゼイ息をついて、相手を罵る。
「ち・・・畜生!この青ダヌキがあっ!」
それが、よくなかった。その瞬間、<青ダヌキ>は鬼の形相となったのだ。
「タヌキじゃないって―――何度言えば分かるんだ!こうしてやる、<無生物催眠メガフォン>!」
そして、ポケットから妙な機械を取り出し、ただの土と化したゴーレムの残骸に向けてなにか喋った。その瞬間、
大量の土が集まり、再びゴーレムの形を成していく。何体分もの土が集まっているので、目をみはる巨大さだった。
「あ・・・あああ・・・な、何を・・・」
「あいつを踏み潰せ!」
巨大ゴーレムは言われたとおりに研究者に向けてその足裏を持ち上げる。
「お、おい、待て!ちょっと待て!そこまでしなくても・・・」
彼は結局、自分がどこで失敗してしまったのか気付くことは出来なかった。
合掌。
「おいドラえもん!こいつまだ動いてるぞ!」
ジャイアンは巨大ゴーレムに踏みつけにされた研究者を見て声を上げる。確かにそいつはボロボロになりつつも、
意識はあるようだった。
「縛り上げてほっとこう。この様子ならもう何も出来ないよ」
ドラえもんは一応溜飲を下げたのか、やけにさっぱりした表情で言った。
「ちょっと待った、こいつから何か聞き出せないか?このまま闇雲に走り回ってても埒があかないぞ」
「そうだね・・・。ちょっと聞いてみようか」
稟はそう提案し、のび太たちも同意したが、研究者は苦し紛れに笑う。
「ふ・・・ふふふ。馬鹿が。本当のことを喋るとでも思うか?」
しかしドラえもんは特に気にした様子も無く、ポケットから錠剤のようなものを取り出す。
「<ジャストホンネ>!これを飲むと、本当のことしか喋れなくなるんだ」
「そうか!それがあったね!」
「いやいや、ちょっと待て!」
のび太は歓声を上げるが、稟はドラえもんを押しとどめた。
「どうしたの、稟さん?」
「い、いや・・・。それは要するに・・・自白剤ってことじゃないのか・・・?」
それを聞いたドラえもんは一瞬無表情になり、ポツリと言った。
「その辺は気にしちゃダメ」
「・・・・・・」
稟は未来世界の恐ろしさを垣間見た気がしたのだった・・・。
410サマサ ◆2NA38J2XJM :04/10/11 12:27:39 ID:w4Qlyngn
投下完了。
今回はドラがちょっとハジケすぎました(笑)
411作者の都合により名無しです:04/10/11 14:09:56 ID:9naIfikq
ついにドラえもんが殺人兵器モードに目覚めたかw
誰にも止められないな、こうなると。
一気にプリムラたちを取り返せるかというところですが、
まだまだ波乱がありそうですね。

412作者の都合により名無しです:04/10/11 16:30:28 ID:MnFRQp98
サマサ!サマサ!サマサ!…

サマサキター!
サマサ!サマサ!サマサ!
413作者の都合により名無しです:04/10/11 16:33:19 ID:ICnqR/Xi
>ブラキンさん
お久しぶりです。今回は少し静かな展開ですが、次回へ繋がる
キーといえるお話ですね。浦飯チーム&アバンチームに、
バランが絡む。強力な面子ですね。揉めたりしないだろうか。
しかし、どんどんお話が膨らんでいきますねー。

>VSさん
復活おめでとうございます。短編では活躍されてたみたいだけど、
麻雀は投げ出しか?とも思ってました。何切る楽しめましたよ。
難しかったけど。(麻雀初心者なので)
相変わらずのギャグセンス、流石ですね。これからも頑張って下さい。

>マルチメディアINユーラシア作者さん
いや、マルチメディアですね正にwこのお話の展開が予想付く住人は
バキスレの中に一人もいないでしょう。展開が急過ぎて凄いw
びっくり箱みたいなSSですね。一気に楽しめるというか。
コナンやぼのぼのってこれからの重要キャラですか?違うだろうなw

>ザクさん
三つ巴の決戦ですか。ザクと勇次郎軍団、シャッフル四戦士との。
これにデビルガンダムも加わって、更にミスターアジアや男塾軍団が
加わったらバトルロワイヤルですね。塾長参加しないのかな?
物語りも大詰めの様子、気合を入れて頑張って下さい!

>サマサさん
大活劇モード全快ですね。しかしドラが強過ぎ。しかも黒いしw
でもドラを脅かすほどの敵も現れるんでしょうね、今後。
もちろんのび太やジャイアンの大活躍も。のび太の銃対魔法とか期待。
あと、静香よりしずかの方が良いと思います。
414作者の都合により名無しです:04/10/11 18:09:03 ID:CXNPJh1G
サマサさん乙華麗!
ドラ強え。本気出せば宇宙最強だしな。敵の魔法使いたちの逆襲が楽しみだ。
しかしサマサさんとNBさんはすっかりバキスレの主力だな。頑張ってくれ。

>>402
がんがれ。楽しみにしてるよ。
しかし住人は楽しいけどバレ氏は大変だな。
415二人の絆:04/10/11 18:47:57 ID:eK6SkFHn
>>351
顔の真ん中を腫らして、鼻血を流しながら、大の字になって横たわるバーン。その傍らに、
刃牙がしゃがみ込んだ。その拳は、火傷を通り越して少し焦げている。
その刃牙を見上げて、バーンがぽつりと言った。
「お前の拳からも、感じたぜ。お前の背負ってきた辛さ、悲しさ。それと、怒り」
「……」
「けどそれ以上に、お前の言う『絆』もな。お前がそこまで強くなれたのは、
決して怒りや憎しみだけを糧にした訳じゃない」
バーンが、鼻血を手の甲で拭いながら体を起こした。そして、刃牙に手を差し出す。
「何だか、解った気がするぜ。お前の言ってた、『絆』の強さってやつが」
「それじゃあ」
「ああ。あいつのこと、もう一度信じてみようと思う。俺のこの手で、あいつを止める。
そして、昔のあいつを、取り戻してみせる」
刃牙が微笑んで、バーンの手を握った。がっしりと、握手を交わす。
「勝ってくれよ、バーン・グリフィス。アンタの親友も、アンタに止めて貰うのを、
きっと待ってる」
「……ありがとう、バキ・ハンマ」
刃牙を見つめるバーンの瞳から、悲しい殺気が消えていた。
416二人の絆:04/10/11 18:48:49 ID:eK6SkFHn
口の端から血を溢れさせて、倒れているキース。それを見下ろして、勇次郎が立っている。
「そのキレイな顔を、グチャドロのシチューにしてやろうと思ったんだが」
と言いながら、自身の拳を見た。凍傷、を通り越して薄く凍り付いている。
「お前は、今はまだ未熟だ。だが見所はある。俺が言った通り、甘さを無くせ。全ての
絆を捨てろ。そして鬼になってみろ。そうすれば、お前は今よりもっと強くなる」
「……」
「旨く熟したら、喰ってやるからよ。じゃあな、ノアの総帥様。また会おうぜ」
クルリと背を向けて、勇次郎は去っていった。その姿が見えなくなってから、キースは
体を起こす。ぷっ、と折れた歯を吐き捨てて、口の中の血を噛み締めた。
「……君の言う通りだ。僕はまだまだ、甘かったよ。こんなことでは、人間どもに
打ち勝つことなどできやしないな」
キースも、勇次郎の拳から深く感じ取っていた。勇次郎の強さを支えているもの、
それは筋力や反射神経や格闘センスなどではない。最初の蹴りの時にも感じたもの……
妻や子すらゴミのようにしか思っていない、圧倒的な自己中心さ。すなわち、非情さだ。
「捨ててみせよう、全ての絆。なってみせよう、鬼に。それが、僕にとって必要ならば」
ゆっくりと立ち上がったキースの瞳に、冷たい殺気が宿っていた。
417二人の絆:04/10/11 18:49:33 ID:eK6SkFHn
ノアのサイキッカーたちとの戦いの中、バーンは着実に成長していった。殺す為ではない、
護り救い信じる為の炎が、ノアからの刺客を次々と打ち倒していく。
一方キースは、前にも増してサイキッカー収容所を精力的に襲っていた。以前は見逃して
いた研究員・警備員の家族たちすら皆殺しにして、その氷の力を更に冷たく高めていく。
……そして一年。二人は、ノア本拠地の最深部で再会した。
「キース、お前は間違っている! 俺は、力づくでもお前を止めてみせる!」
「言ったはずだよバーン。これ以上僕の邪魔をするなら、殺すと」
キースを信じるバーンと、バーンを躊躇なく殺そうとするキース。今や世界の頂点レベル
となった二人のサイキッカーが、真正面からぶつかり合った。
『見ててくれよバキ・ハンマ。お前が教えてくれた絆の力、俺も証明してみせるぜ!』
『待っていろユージロー・ハンマ。僕はこの手でバーンを殺し、鬼となって君を超える!』

絆を信ずる炎の不死鳥と、絆を滅そうとする氷の巨龍による、壮絶な死闘。
その陰に、世界最強の格闘士父子がいたことを、知る者はいない。
418ふら〜り ◆XAn/bXcHNs :04/10/11 18:52:31 ID:eK6SkFHn
これにて終わりです。読んで下さった方、感想下さった方、ありがとうございました!
前言通り、しばらくは感想のみとなりますが、またいずれ書かせて頂きますので。
その際には宜しくです。

>>サマサさん
そういうことでしたかアザミ嬢。敵サイドにこういう話があると、簡単にボコッて
終わりにはならないな、と期待が高まります。ギャグ方面ではドラのキックが豪快
でしたね。129.3`の跳び蹴り→踏みつけのコンボはさぞ強烈かと。強いぞ青タヌキ。

>>マルチメディアさん(←どっちにしたものか。できれば、名乗りぷりぃず)
中国連合軍の潰れっぷりに笑い、宇水と衛兵たちでコケ、迷宮入り殺人事件で脱力して
突っ伏しました。しかし何より六平太! 対抗して、私は純平でも出そうかと企んで
しまいましたよ(未定)っ。本っっ当に展開も登場キャラも予測不可、楽しみです!

>>ブラックキングさん
話が大きくなった、というか背景が明かされてきましたね。バーンはもうやられていて、
でもハドラーは健在で……その他諸々。原作を知っていると却って先が見通せないです。
で。こうゾロゾロと大物が揃ってきた中での、本部の活躍を私は期待。してますからねっ。

>>VSさん
お久しぶりの麻雀教室。相変わらずのキレっぷり、お変わりないようで何よりです。
>「(ミステイ)ククク……」
今回はこれが良かったです。誰も何も言ってくれず突っ込んでくれない辺り、密かに
「あの」アカギがしょんぼりしているかと思うと楽しくて可愛くて(最近読み始めました)。

>>ザクさん
うじゃうじゃコピー軍団とはいえ、勇次郎がサクサクやられている光景というのは……
何とも言い難いものがあります。今頃オリジナル勇次郎は、デヒルガンデムの中から
「えぇい、ふがいない! あんなのが俺のコピーとは認めんっ!」ってもがいてたりして。

>>402さん
ぜひとも、なにとぞ。乞われずとも期待っ。
419作者の都合により名無しです:04/10/11 19:00:23 ID:CXNPJh1G
ふら〜りさん乙華麗でした。
余韻たっぷりの終わり方だな。次回作も期待してます。

それにしても、ここ2日くらいは大漁だな。
でも、週中は結構来ないんだよねw
420作者の都合により名無しです:04/10/11 19:14:21 ID:MnFRQp98
様佐! 様佐! 様佐!
421作者の都合により名無しです:04/10/11 21:21:20 ID:WIrLoMBg
ふら〜りさん、サマサさんお疲れ様です。

ドラえもん暴走してますね。無生物催眠メガホンは結構好きな道具なので、
今回は特に楽しませてもらいました。
他にも原作で余り日の目を見てない道具とか使ってくれると嬉しいです。
(まあ、ネタとしてやばい道具もありますけど。死の灰をモデルにした奴とか)

ふら〜りさんも完結乙です。あの攻撃喰らって薄皮一枚焦げた(凍った)くらいで
済んでる範馬親子は凄いな。(というかありえないし)
また近いうちに新作書いてくれることを期待しています。
出来れば上の方のレスにあったバスタードなんかで。



422ドラえもんの麻雀教室 最終回:04/10/11 23:36:19 ID:pHWOao3A
>>387
「ルールの説明でわざと間違えたって、何度言わせたら気がすむんじゃい! お
んしら揃って地獄に落ちんしゃい!」
「なんだとコラ」
 HAJIMEが日本刀でSAIGOのへそを突っつくと、SAIGOは華麗なバック宙で後方
に飛びのいてそのまま土下座した。
「おいどんが悪かった。HAJIMEどん、刃物なんてポイしてたもっせ。の」
「テメーの間違いを棚に上げて、いい根性してんじゃねーか。俺の刀でテメー
がまず地獄へ落ちろ」
「地下駐車場ぐらいでカンベンしてくれでごわす。の」
「ふん」
 HAJIMEは日本刀を鞘に収めた。途端にSAIGOは威勢のよさを取り戻して、怒
髪天をついて立ち上がった。
「とにかくおんしらは許せん! 天下のSAIGOの罰ゲームを喰らいんしゃい!」
「ブヒーン!」
 SAIGOの号令一下、厨房のドアが勢いよく開いて馬が走ってきた。二頭並ん
だ馬の背にはセワシが胡坐をかいていて、大きな寸胴鍋を抱えている。
「答えを間違えたバカはどいつだー!」
 セワシが鬨の声を上げると、白い手がSAIGOを指さして元気よく叫んだ。
「コイツでーす!」
 叫んだのはドラえもんだった。
「貴様かー!」
 乾坤一擲、セワシはSAIGOに寸胴鍋の中身をぶち撒けた。
「非常に熱ーい!」
 鍋の中身は熱したコールタールだった。七転八倒するSAIGOを冷たく見下ろ
すセワシに、のび太は尋ねた。
「お前、今までずっとコールタールを煮込んでたんじゃねーだろーな」
「カレーは別の鍋で作ってるから安心しろ」
「そうか。それならよろしい」
423ドラえもんの麻雀教室 最終回:04/10/11 23:37:00 ID:pHWOao3A
 SAIGOはどぶねずみみたいな黒い塊になって、ギャースカ言って床を転げま
わっている。ドラえもんはSAIGOにバズーカ砲を向けてトリガーに指をかけた。
「先生、往生際が悪いでごわすぞ! 先生の見事な死に様、ドラめがしっかと
この目に焼きつけもす!」
「ドラどん、ワシ熱い。バズーカ嫌い。の。バズーカ引っ込めて。の」
 SAIGOは急におとなしくなって、床に額をこすり付けて命乞いをした。その
ままコールタールが固まって、世にも珍しい土下座のSAIGO像が完成した。
「先生ー! ドラも先生と麻雀を打ってカモにしたかったでごわすー!」
 ドラえもんがSAIGOに抱きついて泣いているのを目の端に止めて、ISAMIとHA
JIMEはそれぞれの馬に跨った。
「あれ、帰っちゃうの?」
「拙者どももSAIGO殿と同じく、この時代に生きているべき人間ではござらぬ。
諸国を旅して回って、拙者どもにふさわしい死に場所を見つけとうござる」
 のび太の問いに、HAJIMEは馬上から答えた。ひとたび決すれば鉄石の如し、
もはや引き止めることもかなわぬ武士の面だましいであった。
「ふーん。頑張ってね」
 今日あったばかりの人間など赤の他人も同然である。のび太は別に引き止め
ようともしなかった。京都で二人と死闘を繰り広げたセワシも黙っていたが、
やがて口を開いた。
「行くのか」
 HAJIMEはじっとセワシを見つめ、そして破顔した。
「セワシ殿とは、またどこかで牌を交えるような気がいたす。その時は決して
負けませんぞ」
「ああ」
「黄色いのに伝えておけ。攘夷が恋しくなったら、ワシはいつでも飛んでくる
から覚悟しておけ、とな」
 ISAMIもまた笑っていた。怒るか喚くかのどちらかだった剣呑なISAMIの、最
初で最後の笑顔だった。
「分かった。伝えておく。馬も元気でな」
「ブヒン!」
424ドラえもんの麻雀教室 最終回:04/10/11 23:37:43 ID:pHWOao3A
 馬のいななきを合図としてセワシは厨房に戻り、ISAMIとHAJIMEは出口へ向
かった。ドアの手前で振り返って、最後に大きな声で別れを告げた。
「それではおさらば。皆さん、どうぞお達者で!」
「ちょっと待った!」
 セワシが戻ってきた。先ほどと同じ型の寸胴鍋を抱えている。
「餞別のカレーだ。受け取ってくれ!」
 セワシはHAJIMEに鍋の中身をぶっかけた。それはカレーではなくコールター
ルだった。
「あ、間違えた」
 もう一度厨房に駆け戻って、別の鍋を持って帰ってきた。
「こっちが本物のカレーでしたー!」
 今度はISAMIに洗礼を浴びせかけた。これもまたコールタールだった。のび
太が厨房の中をのぞいて、小首をかしげながら言った。
「あれ? 他の鍋は全部からっぽだよ?」
「そうか。結局俺はカレーなんか作ってなかったってことだな。ははは」
「ははは。セワシくんはそそっかしいなあ」
 HAJIMEとISAMIと馬はカチンコチンに固まった。時空を超えてやってきた江
戸の幕末三人衆は、夜明け前の雀荘で再び永い眠りについた。
「ははははは。カレー食わせろってんだよコンニャロ」
「ははははは。作ってないんだからあきらめろってんだよバカチン」
「せんせーい!」
 のび太とセワシの笑い声に、ドラえもんの慟哭が重なった。駅前雀荘ノース
ウエストに、悲喜こもごもの人間模様の花が咲いた。
425ドラえもんの麻雀教室 最終回:04/10/11 23:38:12 ID:pHWOao3A
 冷たく湿った公園の明け空に、無数の鳥が羽ばたいた。緑の葉の生い茂った
樹木が大きく傾いて、その根元から男の声が聞こえてくる。
「ホームレスは公園から出て行けー!」
「いやだよう。オイラ住むところがなくなっちゃうよう」
 木の幹にしがみついて泣き叫ぶホームレスの俊郎を、役所の職員とおぼしき
数人の中年男性が数珠繋ぎに組み付いている。どんなに引っ張っても俊郎は幹
から離れず、ついに木の方が根負けした。みりみりと音を立てて大きく傾いで、
木は完全に横倒しになった。離れた所に立っていた男が片手をあげてホイッス
ルを吹いた。
「鈴木さん、デビルウッドバスター! ハワイペア旅行獲得!」
「いえー!」
 職員の一人がガッツポーズをして大きく飛び跳ねた。これが鈴木さんらしい。
俊郎は鈴木さんの肩に手を置いて、笑顔で祝福の言葉を贈った。
「おめでとう。奥さんと二人でバカンスを楽しんでくれたまえ」
「はい! すべて俊くんのおかげです! ありがとうございます!」
 涙ぐんで何度も礼を言う鈴木さんの後ろから、別の職員が走ってきた。息を
整えるのももどかしく、俊郎に報告した。
「俊くん、大変です!」
「例の銅像か!」
「はい!」
「よし。野郎共、俺について来い!」
「ラジャー!」
 便所の裏の銅像は、昨晩未明に謎の光を発して消失した。その銅像が一夜明
けて帰ってきた。しかも、である。
「うーむ」
 俊くんは腕を組んで銅像を睨んでいる。二頭の馬と二人の武士が雀卓を囲ん
でいた筈の銅像は、武士が馬に跨って空を仰ぎ見る武士然としたものに変わっ
ていた。しかも台座の傍に、亀のように縮こまったもう一つの銅像が転がって
いる。
426ドラえもんの麻雀教室 最終回:04/10/11 23:40:02 ID:pHWOao3A
「俊くん、これは一体……」
「うーむ」
「台座の横の銅像ですが、邪魔なようなら叩き壊してしまいますが」
「うーむ」
 職員が何を言っても、俊郎は唸るばかりである。台座の上と下の銅像を交互
に見て、そして結論を下した。
「銅像の謎は後回しだ。さあ、ゲームの続きだ!」
「おー!」
 俊郎達は公園の森に戻ってきた。俊郎はまだ倒れていない木にしがみついて、
その後ろに職員達が金魚のフンみたいにひっついて一生懸命引っ張った。
「公園はみんなの憩いの場だー! ホームレスはホームレスの国に帰れー!」
「やめてくれよう。オイラの思い出がいっぱい詰まった公園だよう」
 ゲームのルールはやっぱりよく分からない。





ドラえもんの麻雀教室最終回 その2 了
427作者の都合により名無しです:04/10/12 00:07:32 ID:eAy/xZyE
大好きだよ俊くん。こうきたか。
428作者の都合により名無しです:04/10/12 00:17:25 ID:ak4SGOPj
完結お疲れ様〜
SAIGOが小者すぎるのがイイ。
429作者の都合により名無しです:04/10/12 01:21:33 ID:OLlkOV4R
ジョジョ版AoAみたいなのがあったと思うんだけどどうなったの?スゲー面白い話になりそうだったのに。
430作者の都合により名無しです:04/10/12 01:35:19 ID:rb7U9Q7j
ユル乙
431作者の都合により名無しです:04/10/12 01:42:18 ID:BNopvPfx
アンチのわりにちゃんと読んでる>>430萌え
432作者の都合により名無しです:04/10/12 05:47:37 ID:GXAboqRr
マルチメディアはいろんな意味で凄過ぎ。さっぱり展開が読めん。
どこまでも節操無く登場する多彩なキャラクター、脈絡の無さ過ぎる話の流れ、そこはかとない電波臭・・・。
全てが相まって独特の空気を生み出している。まさしくトリックスターといったかんじだ。
NB氏とサマサ氏が正統派直球投手なら、この作者は魔球使い。
またも楽しみな新人が出てきた。

神界はブラックなドラえもんにワロタwしかしみんなしてタヌキタヌキ言い過ぎ。
ドラが強すぎって意見が多いけど、雑魚相手ならこんなもんだと思う。
常識人の稟がカルチャーショック受けてる姿も面白い。
みんなを先に進ませるため単身敵に立ち向かうおっちゃんもいい。これでもかってくらいおいしいタイミングで
再登場してほしい。
しかしこの作品ってわりときちんと伏線張ってるな。敵側の話もいきなり持ってこられると
「ハア?」ってかんじだけど、アザミが山村出身とか、自然破壊の話とかちゃんと以前の話で言及されてたりするし。

ふら〜りさんは作品と感想の二足のわらじを完全にはきこなしているのがすごい。
「二人の絆」は地上最強親子と戦った二人がそれぞれ正反対の結論に達し、それぞれの道を貫くって
展開はオーソドックスだけどきっちりまとまってた。
感想も相変わらずの職人芸。

433作者の都合により名無しです:04/10/12 07:45:33 ID:9NKsKlcs
VSさん乙。
ひょっとして麻雀は、俊クンシリーズと関わりがあるのか?
しかし、やっと最終回その2が終わりですかw
全部終わるのは来年いっぱい掛かりそうですね、マジで。
434サマサ!:04/10/12 14:48:38 ID:rb7U9Q7j
サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!
サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!
435作者の都合により名無しです:04/10/12 15:44:45 ID:BNopvPfx
>>432
こんな感じの感想がいいんじゃないか?
最近の行数合わせてる感想は、そっちに気が行ってろくな内容じゃないし。
436作者の都合により名無しです:04/10/12 16:13:44 ID:sL4JYaDQ
まあ、感想なんて好きに書けば良いんじゃない?
自分の書き易いように。
しかしこの頃のバキスレは鬼のようだな・・。
437作者の都合により名無しです:04/10/12 17:25:44 ID:w9CtMXFU
俺的には黄金期と言っていいかも知れない。
438作者の都合により名無しです:04/10/12 22:34:10 ID:dlTKk3R9
5月くらいからずっと調子いいな。黄金期というより王朝時代みたいだ。

何より、今ほとんどの作品が高いレベルの物を読ませてくれる。
しかもジャンルがバラエティに富んでいるからな。
冒険物、ギャグ、アクション、ホラーなど。
この調子出来る限り続いて欲しい。バレさん大変だろうけど。
439作者の都合により名無しです:04/10/12 23:56:19 ID:rb7U9Q7j
サマサ!サマサ!サマサ!
440空手小公子愚地克己:04/10/13 01:59:57 ID:kyTuilNs
第二話

――――なんだ――――

闇――――

暗い――――

――――拳が見える――――

まっすぐこっちへ来る――――

よけなきゃ――――

――――動け


動け―――――

拳が―――――

――――――――自分の腹へ
441空手小公子愚地克己:04/10/13 02:00:44 ID:kyTuilNs

「うわぁっっ!!」
都内某所にある高層マンション・・・
高所得者ばかりが住む、高級分譲マンションである。
ほとんどの部屋が3LDKで構成されている。
マンションは朝焼けに照らされ、ほんのりとその表情を朱に染めていた。

その一室・・・
部屋の主はベットから跳ね起きた。
肩で息を切らす。
見れば、身に着けている寝具(といってもTシャツに短パンだが)は彼の汗で
相当の湿気を含んでいた。
ああ、もう。またか。畜生。これで何度目だ?一回?二回?それとも十回?
いったい自分はいつまでこの悪夢にうなされなきゃならないんだ?
夢の内容はいつもと変わらず、褐色の拳が自分の腹に当たる所で終わる。
「・・・くそ・・・」
あれから一ヶ月が経つというのに・・・
442空手小公子愚地克己:04/10/13 02:01:56 ID:kyTuilNs

「・・・ん」
のどの渇きを癒すため、部屋の主は立ち上がって台所へ向かう。動作はひどく緩慢だ。
冷蔵庫から水を取り出す。ボトルに入った水を一気に飲み干す。
一息ついて、テーブルに置いてあるデジタル時計を見る。
時刻は午前6時を指していた。

しばらく時計を見つめたあと、近くにあった椅子に座る。
いつもならば彼の日課であるところの毎朝のロードワークを始める時刻なのだが、
彼は椅子に座ったまま身じろきもしない。
あの悪夢の後は何もやる気が沸かなかった。
妙な怠惰感がつきまとい、体を動かすのがひどく億劫だった。
故に、ここ一ヶ月において、彼がこなすはずだったロードワークは
ほとんど消化されていない。

しばらくぼんやりした後、電話機の留守録のランプが点滅している事に気づく。
ああ・・・またあいつ、あいつか。
いいかげん、うんざりだった。
話す内容は言葉こそ違えど内容はいつも一緒で、それを聞くたびに彼の機嫌は
悪くなる。
まったくいつもいつも・・・。どうせ昨日の夜に電話してきたのだろうが、
あいにくその時間は家にいない。飲み屋で酒を仰いでいたんだ。
誰が聞くものか・・・
443空手小公子愚地克己:04/10/13 02:03:00 ID:kyTuilNs

しかし彼は結局再生のボタンを押した。なぜかは分からない。
一つ言えることは、彼の毎朝のロードワークは留守録再生ボタンを押す
行為へと変化していたことだ。

ピ―――
無機質な機械音が、静寂につつまれた彼の部屋に響く。後に聞こえてきたのは、
やはりというか、いつも通り、野太い声が聞こえてきた。
『押忍、師範代。末堂です。留守電にて失礼します』
聞こえてきたのは神心会空手三段、末堂厚の声であった。

『師範代、そろそろ道場に来てください。皆待ってます』
末堂の野太い声が続く。
これもいつもと同じだ。師範代と呼ばれた彼は、留守録を終わりまで聞かずに
停止ボタンを押した。ふっ・・・と、ため息がでる。
本来なら館長不在時である今、
師範代であるこの俺が道場の監督をしなきゃならないのに・・・
444空手小公子愚地克己:04/10/13 02:04:12 ID:kyTuilNs

なにが空手界のリーサルウェポンだ。なにが空手を終わらせた男だ。
なにが天才か。そんなものは本物の天才の前には何の価値も持たない。
自身の鍛錬の結晶である奥義も、本物の天才にとっては一度見ただけで
習得できる児戯に等しかった。

偉大なる父を追い越そうと日々の鍛錬を欠かさなかった。
父を追い越し、父を倒したあの地上最強の生物を倒し、己の空手道の完成を夢見た。

しかし、近代空手の完成という彼の夢は、文字通り夢となって終わった。
過去からもたらされた技術を昇華し、発展させ、完成させたと思っていた。しかし
昇華させたと思っていた技は、その実、ただの過去の反芻だった。
彼の誇りと自信は、塵芥となって消え去った。それは一月前の出来事だった。

彼の名は愚地克己。

天才空手家の、現在の姿であった・・・
445メカタラちゃん:04/10/13 02:16:15 ID:kyTuilNs
今回のお話はえろ動画をダウンロードしている間に書き上げました。

>>ふら〜りさん
「二人の絆」非常に楽しませていただきました。
サイキックフォースという題材を目にし、懐かしい思いになりました。
>>352あと私は「メタカラちゃん」ではなく「メカタラちゃん」です

>>サマサさん
深海もいよいよ佳境といったとこでしょうか?私の希望は
もっとはじけたドラがみたいです。

>>マルチタソ
なしてあげにおもろい文章書けるのですか?
次回も期待してます。正直、予想できないから
446作者の都合により名無しです:04/10/13 15:05:42 ID:5tosD+C0
メカタラちゃん、乙!
ようやく主人公の降臨か。
舞台設定がカツミンが烈に一撃KOされた後になってるんだね。
いわばカツミンの失地回復の物語?
これからのカツミンとメカタラちゃんの活躍、期待してます。
447作者の都合により名無しです:04/10/13 17:08:10 ID:Fb1ZI1oL
サマサ!samasa!303!様佐!サマサ!
448作者の都合により名無しです:04/10/13 18:11:16 ID:i9UAiTcS
空手小公子かつみん、乙。
かつみんの絶望っぷりが上手く表現できてるな。
バキや烈は出るのかな?
449作者の都合により名無しです:04/10/13 22:34:36 ID:Fb1ZI1oL
メカタラちゃん! メカタラちゃん! メカタラちゃん!
450作者の都合により名無しです:04/10/13 23:58:31 ID:vP+oOqSi
【青島企画】羽ばたく「少年嗜好」【Presents】
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1097225071/l50
451作者の都合により名無しです:04/10/14 00:42:18 ID:yPl8IIx9
ダリオ・ブランドーage
452作者の都合により名無しです:04/10/14 00:56:23 ID:47fG6mok



      【続きが書かれるまで、しばらくムヒでお待ちください】



          ,.-‐''"´`゙゙'''‐- 、
         /         ヽ
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       ::::::::::::::::       チューブ100本分

  〜 スチール・ボール・ラン 〜

・・・・・・来ちまった・・・こんな・・・得体の知れないところまで・・・
優勝賞金X億円・・・これだけあれば・・・借金とは無縁ッ・・・一生働かなくたってイイッ・・・
夢にまで見た億万長者ッ・・・・・・!

だが・・・これもどうせ・・・一筋縄ではいかないんだろう?
人間ってのはいつもそうだ・・・口じゃ真面目に働いて暮らすのが一番とか言いながらッ・・・
いざ簡単に大金が手に入るとなれば すぐに横道にずれるッ・・・!

結局のところ人間は・・・成長しない生き物なのさ・・・いつまでもガキのままッ・・・
そう・・・・・・ドラえもんとか正義の味方とか・・・足長おじさんを信じる・・・・・・クソガキッ・・・・・・!

「・・・クク・・・アンタも出場者かい・・・」

「え・・・・・・あ、ああ・・・アンタは?」
「なーに、俺も同じさ・・・とりあえずアンタが一番先に目に入ったんでアイサツしたまでのこと・・・」
「アンタは・・・・・・名前は?」
「・・・・・・赤木しげる・・・・・・」
「あ、ああ・・・お、俺は、カイジ・・・伊藤開司だ・・・」



アカギとカイジ・・・・・・この二人の“天才”の出会いが・・・
これから始まる死闘 そして悲劇の始まりであった・・・・・・
454スチール・ボール・ラン 1st stage:04/10/14 02:32:59 ID:pyxXTsEc
一方ここはとある屋敷。
このレースの主催者、スティール氏の屋敷の一室である。

「うわあぁああああ〜〜ん。 どおおおおおしよおおお
 不安だよォオオ〜、ねえええ〜〜ッ
 失敗したらどうおおしよお〜〜
 このレースがぶっつぶれたら、どおおしよおお〜〜」
「大丈夫よ、スティーブン。 あなたは40年間プロモートをして来た男でしょ
 自身を持ちなさい・・・・・・ガンバルのよ、あたしのカワイイ人」
「うん、ボクがんばる」
「よちよち」

そこには泣き叫ぶ老人と、彼をあやす親子・・・いや、下手すると孫ほども離れた年齢の少女がいた。

数時間後。
「彼」は少女とともに、記者会見の場にいた。
455作者の都合により名無しです:04/10/14 02:43:46 ID:Hs+7RRM2
456スチール・ボール・ラン 1st stage:04/10/14 02:50:26 ID:pyxXTsEc
この「スチール・ボール・ラン」レースは、2004年10月X日X時、
ここ「始まりの地」(※)をスタートし、ゴールを「天竺」とする、
全漫画・アニメキャラクター初のバーリトゥード(なんでもあり)による長距離レースである。
総距離約Xkm(※)。このルートを通り、優勝者には賞金X億円(※)が支払われる!
参加者は18禁作品以外なら、少年・少女・青年・アニメ化の有無・ネットは問わない。
参加料が必要で、ひとりX円(※)である。

優勝候補を何人か紹介しよう。

麻帆良学園の魔法先生、ネギ・スプリングフィールド。
彼は31人の美少女を連れて広大な麻帆良学園を駆け巡る。
ルックスも婦女子好みだ。

古き良き昭和30年代から、金田正太郎は巨大ロボットでの参加!
リモコンを操りどんな難事件をも解決する!

青春学園から来た若きテニスの王子様は、越前リョーマ!
彼は世界のテニスを震撼させた「サムライ南次郎」の息子だ!

そして、朱沢財閥の出身だが、地下闘技場で鍛えられ、
史上最年少のチャンピオンとして君臨する天才格闘家、範馬刃牙!
地下闘技場チャンピオンが、この長距離レースで通用するのか・・・・・・

(※の部分は適当にご想像ください)
457スチール・ボール・ラン 1st stage:04/10/14 02:54:26 ID:pyxXTsEc
「距離がすごすぎます・・・・・・公開できないほど長いなんて・・・
 もしゴールまで・・・・・・天竺まで誰ひとり到達できない事態が起こったとしたなら、レースは大失敗!
 出資者たちは怒るだろうし、スポーツ大会自体の信用の失墜になる!
 その時、あなたはどう責任をとられるつもりですか?」
「・・・・・・消されるかも・・・・・・」

・・・・・・

「・・・・・・なんちゃって・・・・・・
 失敗というのは・・・・・・

 いいかよく聞けッ!
 真の失敗とはッ!開拓の心を忘れ! 困難に挑戦する事に、無縁のところにいる者たちのことをいうのだッ!
 このレースに失敗なんか存在しないッ!存在するのは、冒険者だけだッ!
 この『スチール・ボール・ラン』レースは、世界中の誰もが体験したことのない競技大会となるだろうッ!!」

「もうひとつ・・・うしろにいる方は、奥様ですか?
 14歳とききましたが」
「関係ねーだろ、レースとは。 記者会見はおわりだ」
458スチール・ボール・ラン 1st stage:04/10/14 03:07:47 ID:pyxXTsEc
舞台は戻り、二人の男の出会いの場。

二人の周囲は、異様な空気に包まれていた。
まるで、あたりの景色が「ぐにゃあ・・・」と歪むような、異様な雰囲気。
死と隣り合わせの、修羅場をくぐり抜けてきた者達だけが持つ、獣の気・・・・・・

先に沈黙を破ったのは、アカギ。

「オイあんた、マシンは?」
「え?」
「まさかこんな長距離を、歩きで行くわけじゃないだろう? まぁ中には物好きもいるみたいだが・・・」
「あ・・・・・・」

カイジは気付く。そういえば、高額の賞金につられ、準備を何一つしないままこの場に来てしまった事を。

「やれやれ・・・・・・オイ、そこ見ろ」
アカギが指した方向には、バイクが2台。
「右側の赤いバイクは俺のだが、アンタには左の白いやつをくれてやるよ」
「え・・・い、いいのか・・・・・・タダ・・・?」
「構わねぇよ、どうせもともと俺のじゃないからな、2台とも・・・」
「え・・・・・・そ、それって、パク・・・」
「人聞きの悪い事言うなよ? 落ちてたやつをちょっと拝借してきただけさ」

自らのバイクに乗り、早々にその場を立ち去るアカギ。慌てて問いただすカイジ。
「ま、待てッ・・・・・・お、お前一体何なんだよッ・・・何故俺の事をそんなに構うッ」
「アンタには・・・・・・俺と同じニオイを感じるのさ」
「えッ・・・・・・」
その場に立ち尽くすカイジ。彼をよそに、アカギは吐き捨てる。
「このレース、妨害はもちろん、前に進むためなら協力も自由にしていいそうだ。
 手を組もうぜ。まぁ、仲良くやろうや・・・・・・じゃあ、スタート地点でな」

奴は走り去っていった。タバコをふかしながら。
459作者の都合により名無しです:04/10/14 06:55:25 ID:9dG+xPPV
おお、誰かがやるかと思ってたスティールボールランが来た!
しかもカイジとアカギが主人公ですか。
2大濃い漫画家の福本の主人公を荒木の舞台設定でどう活かすか?
ネギまとかのキャラも参加していよいよヴァーリトゥードですね。
自分のペースで完結するように頑張って下さい。

ところで「スチール」なの?w
460作者の都合により名無しです:04/10/14 20:25:41 ID:krITTWiq
投げ出し臭がプンプン
461作者の都合により名無しです:04/10/14 20:30:57 ID:Pd62VKX7
>スチール・ボール・ラン作者氏
お疲れ様です。そしていらっしゃい!
バキスレで大人気のジョジョねたでも、スティールボールランねたは初めてですね。
アカギとカイジがこの世界一過酷なレースをどう乗り切るか?
しかもゲストキャラまで沢山でそうですね。楽しみにしてますので、頑張って下さい。

それにしても、ぽんさんどうしちゃったのかな?
好きだったのにな、あの方の作風。どんどん伸びそうだし。あと、みゅうさんも。
462作者の都合により名無しです:04/10/14 20:52:44 ID:hsvOj47R
どうしちゃったかなレスすると余計に出にくくなる。
執筆が進まないことくらいあるのに、>>461みたいなこと言われると
「ちゃんと書いてますよw」とかいちいち挨拶しに来なきゃいけなくなる。
正直、もっとよく考えろ。
463作者の都合により名無しです:04/10/14 21:30:32 ID:Hs+7RRM2
前から言いたかったのだが、職人をせかすようなレスが多すぎ。
ぽん氏だってブランクそんなに空いてないだろ。
464スチール・ボール・ラン 1st stage:04/10/14 22:13:14 ID:pyxXTsEc
2004年10月14日 スチール・ボール・ラン スタート地点

大会メインスポンサー代理 徳川財閥当主 徳川光成
「地上最強最速のキャラを見たいか―――ッ」
「オ――――――――――!!!!」
「ワシもじゃ、ワシもじゃみんな!!」

「さぁ大会メインスポンサー代理の光成氏の開会挨拶が終わったところで、実況は不肖ながらこの私が務めさせていただきます。
 地下闘技場最大トーナメントに続きッ・・・この『スチール・ボール・ラン』でも実況を務める事ができようとはッ!!
 私ッ! 非常に感激しッ・・・・・・涙が・・・涙が止まりませんッ!!
 そしてここで、解説者をご紹介致しましょう!
 かの事件で苦渋の日々を味わいながら、奇妙なスポーツ漫画で不死鳥のごとく復活ッッ!!
 ご存じ、『世紀末リーダー伝たけし!』『RING』の作者・しまぶーだぁぁッ!!」
「ワ――――――――――!!!!」
「さぁしまぶーさん、ここにいる錚々たる顔ぶれ、どのあたりの選手に注目でしょう?」
「あー・・・・・・そもそも俺がこうして漫画界に復帰するまでには長い道のりがあったわけよ。
 そもそも何故俺が
「さぁ! スタートまでもう間もなくですッ!」
465スチール・ボール・ラン 1st stage:04/10/14 22:21:48 ID:pyxXTsEc
参加者の喧騒・・・運営者の野望・・・観客の欲求不満・・・
そんなカオスの渦巻く中に・・・・・・その男は、いた。

「・・・・・・・・・・・・」

「よう・・・来たな」
「あ・・・あんたは・・・・・・赤木、しげる・・・」
「アカギでいい」
カイジとアカギ。二人は、再び出会った。

「・・・・・・気付いたか」
「え・・・・・・」
「クク・・・アンタが今何考えたか当ててやろうか・・・
 ・・・・・・自分の想像していた世界とは違う・・・本来ならばここはこんな和やかな場所じゃない・・・
 自分はもっと腐った臭いにつられてやって来た・・・こんな場所では・・・俺は・・・場違いッ・・・・・・!」

・・・・・・ざわ・・・ざわ・・・ざわわ・・・・・・

カイジの表情が凍りつく。

「ア、アンタ、なんでッ・・・!」
「クク・・・やっぱりな・・・・・・俺も今そう思っていたところでね」
呆けたような表情のカイジ。
「やはり・・・俺とアンタは気が合うようだな・・・ククク・・・クククククッ・・・」

ぞく・・・・・・
466スチール・ボール・ラン 1st stage:04/10/14 22:28:40 ID:pyxXTsEc
カイジは突然息巻き、アカギに怒鳴る。
「おっ、俺はっ! オマエのような奴とは、組まないッ!」
「ほう・・・何故?」
「お、オマエはッ・・・お前は・・・・・・」
最初の勢いが無くなるカイジ。
「な・・・・・・なんか、ムカつく・・・」

「クク、そうかい・・・・・・クククク・・・」
笑うアカギ。
「な、何が、おかしい・・・」
「・・・同じだよ・・・・・・アンタは、俺と・・・同じ穴のムジナッ・・・・・・!」
「・・・おッ・・・お、同じなんかじゃ、ないッ!!!」
再びカイジは激昂する。
しかし、アカギはそれを意にも介さず、さらりと受け流す。

「まぁ、いいさ・・・・・・どのみちアンタは俺と組む・・・必ずな・・・クク、クククク・・・・・・!」

(不気味な奴・・・)
そう思いながらも、カイジはアカギに、何か、引き込まれるようなものを感じていた。
467スチール・ボール・ラン 1st stage:04/10/14 22:35:21 ID:pyxXTsEc
「さぁ! それではいよいよスタートですッ!
 参加者の大半がスターティンググリッドについた模様!!」
「そして俺は再び集英社に拾われたわけよ・・・これも俺が
「それではッ!! スタート、お願いしますッ!!」

実況の呼びかけに応じ、スターターがコールを始める。小指が立ったその手に、しっかりマイクが握り締められ。

「えー、それでは、ガンダムファイトォー・・・・・・」
「ガンダムファイト!? 競技違うよ!!」
すかさず桃色の髪をした少女からツッコミが入る。しかし、スターターは意に介さない。

「レディー・・・・・・ゴ――――――――!!!!」

こうして、様々な者の思いを乗せ・・・・・・史上最大のレースが、始まった!!



スチール・ボール・ラン
1st stage「崩壊への博打」

To Be Continued・・・
468スチール・ボール・ラン off stage:04/10/14 22:43:54 ID:pyxXTsEc
皆さんどうも、スチール・ボール・ラン作者です。
誠に勝手ながら、昨日から新しいSSを始めさせていただきました。

タイトルがタイトルですが、正直「スティール・ボール・ラン」とはまったく別物です。
だから、SBRと同じレース系の話でも、一部を除きSBRの世界観が出てくる事はあまりないかもしれません。
もともと「カイジとアカギを主人公とした話をやる」ぐらいしか考えてなかったので。

一応「1st stage」と銘打ってますが、1st stageとはコースの中のワンセクションではなく、大きなエピソードの単位です。
つまり、カイジ・アカギ達がゴールするまでが1st stageになります。

なお、メインとなるキャラは、カイジ・アカギだけでなく、あと二人ほど追加となります。
また、最初のエピソードで「死闘と悲劇」とあるように、この話自体はかなり重い話になります。
カイジ・アカギが勝つのかもわからないし、ハッピーエンドになるかもわかりません。
またこの話、キャラクターがバンバン死にます。
原作・アニメでの健在・不在を問わず、最強のキャラがあっけなく消える事も多々あるので、ご了承ください。

まぁぼちぼちやっていきます。
469作者の都合により名無しです:04/10/14 22:50:14 ID:Pd62VKX7
>スチール・ボール・ラン作者氏
いよいよ大レースが始まりましたね!
バキの最大トーナメント風味のスティールボールランレースと
といった所でしょうか。
アカギとカイジでは勝負にならないほどアカギの方が上と思いますが、
カイジがどう天才に対抗するか楽しみです。

>>462-463
そう言われればそうですね。すみませんでした。

バキスレのサイトの1日のヒット数、なにげに500以上ですね。
すごい。この分だと10万ヒットもすぐですねぇ。
470作者の都合により名無しです:04/10/14 22:50:40 ID:rUYlww5S
471作者の都合により名無しです:04/10/15 00:48:29 ID:P+Vm8SlP
ぽんです。
生きてます。
出来るだけ週初めに来るよう心掛けていたのですが、
もともと速くないのと今週忙しかったのでズレました。

ペース速い神職人さん多いんで埋もれてるかなと思ってましたが
気に掛けてくれる方々がいるみたいで申し訳なくも嬉しかったです。

近いうちにまた来ます。
投げ出すつもりは有りませんので生暖かい目で見守ってやってください。
>409より
自白剤・・・もとい、ジャストホンネによって情報を聞き出した結果、亜沙と魔王それぞれの居場所を
聞き出すことが出来た。
「けど・・・プリムラのことは何も知らなかったね、あいつ」
「まあ、下っ端がそこまで全部知ってるとは期待できないよ。とにかく、亜沙先輩はもうすぐそこにいる。
あいつの話じゃ、洗脳される間近だとか言ってた・・・急がないと!」
のび太と稟は会話もそこそこに、息せき切って走る。
稟にとっては彼女は昔から世話になった先輩で、のび太にとっては付き合いは短いが、あの日出会ったばかりの
自分に気さくに声をかけてくれた優しいお姉さんだ。
それを助けることに、何の疑問を抱く余地もない。ただ走る―――走る!

時雨亜沙は、朦朧とした意識の中で、昔のことを夢を見るように思い出していた。
子供の頃から彼女の宿す魔力は、彼女を蝕んだ。
人間の身体に、強大な魔力。こんな症状を持った人間など、他にいなかった。それゆえに、誰にも治すことは
出来なかった。
彼女のやり場の無い気持ちは、母親に向かった。そして、彼女は母親に向けて言った。
<あなたのせいで、ボクは死ぬんだ!あなたが普通じゃないから、ボクは死ぬんだ!>
当然、後悔した。
なんて馬鹿な子供だったのか。自分のことで一番悲しんでいたのが、母親だったのに。
誰よりも自分を愛してくれたのが、母親だったのに。
本当に―――どうしようもない子供。
だから、魔法を使って魔力を消費すれば身体への負担を抑えられると言われても、
彼女は頑なに魔法を使うことを拒んだ。
自分が魔法を使わなければ―――自分は、人間のままでいられる。
自分が人間のままでいれば―――お母さんだって、つらい過去を忘れられる。
だから、魔法を使わない。だから、魔法は嫌い。それならずっと―――お母さんは、普通の人間のままだ。
そのままで、ずっといられる―――
だけど自分はもう、お母さんに会えないかもしれない。
ああ、会いたいなあ・・・。会って、謝りたいなあ・・・。
「先輩!亜沙先輩ってば!」「亜沙さん!」
・・・声が聞こえる気がする。お母さんの声じゃないけど、自分のよく知っている人たちの声だ。ああ、でも夢だ。
こんなところに稟ちゃんたちが来るはずない―――
「・・・あれ?稟ちゃん、それに、のびちゃんも・・・」
「よかった!無事みたいですね」
亜沙の目の前にいる稟とのび太は、亜沙が無事なことに心底安心したようだった。
寝かされていたベッドから起き上がって周りを見回すと、他にも見知った顔が並んでいる。
「みんな・・・ひょっとして、ボクを助けに?」
「そうですよ。心配しました」
「おいのび太、稟さん。せっかくの再会だけど、今は急ごうぜ!魔王のおっちゃんだって助けなくちゃ!」
ジャイアンは多少の無礼を承知でのび太たちを急かす。
「・・・なんだか大変なことになってるの?ボクは、連れてこられてから今まで気を失ってたから、
今の状況がよく分からないよ」
「ええ、実は・・・」稟は手短に今の状況を話した。
「うわあ・・・。なんか、すごいことになっちゃってるね・・・」
「ええ・・・。俺たちはまだ、やらなくちゃいけないことがたくさんあります。亜沙先輩も、今は俺たちと
一緒の方がいいけど、魔王のおじさんを助けて神王のおじさんと合流したら、一旦亜沙先輩は人間界に帰って―――」
「・・・ううん、ボクも、ずっとみんなと一緒に行くよ!」
「え!?で、でも・・・」
「ボクだって、ほんとは今すぐにでも帰りたいよ。けど、こんな目に合わされたってのにあっさり帰ったんじゃ、
悔しいじゃない。帰るんだったら、悪い奴らみんなやっつけて、胸を張って帰りたいよ」
「・・・そうですか・・・みんなはどう思う?」
「いいじゃない。むしろ今の状況だったら、ぼくらの側にいる方が安全だよ」
「そうそう。それに悪者をやっつけたいって言ってるんだ。心強い味方じゃねえか」
ドラえもんとジャイアンも後押しする。稟は苦笑して頷くしかなかった。
「よし、そうと決まったら今度は魔王のおっちゃんだ!早く助けてやろうぜ!」
ジャイアンの声と共に、みんなは駆け出していく。亜沙も駆け出そうとしたが、稟は彼女を呼び止めた。
「亜沙先輩。亜麻さんから、伝言を頼まれました」
「お母さんから・・・?」
「はい。こう言ってました―――<あなたに何か出来ることがあるのなら、どうかボクのことは気にせずに、
自分自身の心に従ってそれを成し遂げて欲しい。たとえあなたが何者であっても―――あなたはボクの、
一番大切な宝物です>―――と。確かに伝えましたよ」
「・・・・・・そっか。分かった」
亜沙はそっけなく言ったが―――母の言葉を、心の中で噛み締めながら、稟と並んで駆け出した。
「くっ・・・くそっ!ガキどもめ、調子に乗りおって!」
グロキシニアは口汚く毒付きながら、魔王のいる地下牢へと向かっていた。
すでにこちらの被害は甚大だ。ゴーレムは約半数を失い、部下たちもほとんど全滅している。
しかも、時雨亜沙までもいなくなっていた。
「ええい、かくなる上は魔王を人質に取って、それから・・・」
ブツブツと呟きながら、地下牢のドアを開け、その先の階段を下りていく。
牢と言うにはやたらと広い空間の奥で、魔王は鎖に繋がれていた。グロキシニアの姿を見ると、
彼は憔悴しながらも確かな声色で問い掛けた。
「・・・上の方が騒がしいね。何かあったのかい?」
「うるさい!貴様の知ったことではない!」
苛立たしく言ってみせるグロキシニアに、魔王は苦笑する。その態度に、グロキシニアは頭に血を昇らせる。
「何が可笑しい!貴様といい神王といいあのガキどもといい・・・何様のつもりだ!」
「・・・あのガキども?」
「ああ、あの土見稟とかいう男と、間の抜けた顔の眼鏡のガキとそのお仲間だ。どういうつもりか、
神王とともにこんな所まで来おった」
「・・・そうか、神ちゃんに、稟ちゃんたちが・・・」
魔王は呟き―――そして、実に楽しそうな笑顔を浮かべる。
「貴様・・・何を笑っている!」
「いやいや、別にあなたを馬鹿にしてるわけじゃないよグロキシニア。ただ、安心しただけさ。神ちゃんと
あの子たちならきっと、あなたがたの野望を打ち砕いてくれるからね」
「な・・・馬鹿を言うな!奴らに何が出来ると言うのだ!何を根拠にあんな連中を信じておる!」
「根拠?根拠なんていらないさ。神ちゃんは私の親友だし、稟ちゃんはいずれネリネちゃんと結婚するだろうから、
私の息子と言ってもいい。のび太ちゃんやドラちゃんも、私にとっては大切な友人さ。
―――友人や息子を信じない馬鹿がどこにいる」
「――――――!ざ・・・戯言を抜かすな!貴様は人質だ。余計な口を開くな!」
「だからそう大声で怒鳴らなくても聞こえるよ。ちょっと静かにしてくれないか。今、すごく気分がいいんだ」
「気分がいい―――だと?」
「ああ。気分がいい。私に万一のことがあっても―――彼らのような者がいれば、世界は全く安泰だ」
「だ・・・黙れえっ!」
グロキシニアは魔王を殴りつけた。魔王は口に血を滲ませながらも―――笑顔を崩さない。グロキシニアは
思わず後ずさった。
「貴様―――そんな目で、私を見るんじゃない!」
「仕方ないだろう。目は取り替えられない―――おや」
魔王は視線をグロキシニアの後方に移す。グロキシニアも反射的に振り返ると、そこには。
「魔王のおじさんを離してもらうぞ・・・グロキシニア!」
土見稟と―――のび太たちがいた。
476サマサ ◆2NA38J2XJM :04/10/15 01:16:29 ID:BVA0RcYS
サマサです。とうとう作品投下レス数で100の大台に乗りました。
ここまで続けられたのもこの拙い作品を読んでくださる皆さんのおかげです。
ドラチームと稟たちの大活劇もいよいよ中盤戦終了間近といったところ。
ラストまでガンガン突き進んでいきたいと思います。
477作者の都合により名無しです:04/10/15 01:48:04 ID:pSMx6D+7
サマサさん乙。
神界もいよいよ終盤に差し掛かりつつありますな。
これからどんな展開なるのか非常に楽しみ。
478作者の都合により名無しです:04/10/15 06:33:08 ID:qlwwVgAu
サマサ!サマサ!サマサ!
479作者の都合により名無しです:04/10/15 07:33:50 ID:mcf2VrOc
>スチール・ボール・ラン
カイジとアカギが主人公だから、心理戦が多くなるのかな。アカギが負けるところは見たくないけど、
この2人って絡みそうであまり絡んだSS見た事ないので、期待してます。ゆっくり続けて下さい。
最初の2回見た限りでは、ネタSSになるかと思ったら、テーマ重くなるのか。楽しみだ。

>神界大活劇
サマサさんは絶好調ですな!強大な魔力と、人間のと狭間に葛藤する亜沙がいい。「ボク」もツボw
囚われながらも魔王の威厳の前に(キャラ紹介ページみたら神王の方が魔王って感じだけどw)
グロキシニアは気圧されてますね。そこへドラオールスターズの登場。いよいよエンジン全開ですね。

>ぽんさん
頑張れー。俺も気長に待ってるから。ストレス溜まらない程度にのんびり続けてね。
480作者の都合により名無しです:04/10/15 18:17:44 ID:EZC2gb+2
・スチールボールラン作者さん
アカギファンなので、彼をカッコよく書いて欲しい。
個人的には老アカギが良かったけどなw
しかしまた期待の新人さんが誕生したね。本当に嬉しいよ。
サマサ氏・NB氏・ぽん氏・マルチメディア作者氏に続いて。
あ、サマサ氏とNB氏を新人扱いはもう失礼か。
題材も構想も、期待感一杯だ。頑張って下さい。
・ぽんさん
自分のペースでがんがれ。オーバーぺースだと
嫌になっちゃうかもしれないからね。楽しんで書いて下さい。
・サマサさん
サマサさんのどこかほのぼのとした中にも寂しげな感じもある
文体好きだけど、日常編から活劇編に移って緊張感も出てきたね。
亜沙やプリムラをのびたがどう救い出すのか、そして悲しさから
どう救われるのか。イイヨイイヨー

481作者の都合により名無しです:04/10/15 18:23:21 ID:qlwwVgAu
サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!
サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!
サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!サマサ!
482ふら〜り:04/10/15 20:18:45 ID:2zS78jaa
>>VSさん
さすがノースウエスト以来のカレー職人セワシ。そこまで徹底してコールタールに拘るか。
つーかカレーだとしても、ぶちまけるのはどうか。でもそのお蔭でタイムパラドックス風
オチで完。味深し。真・完結への道はまだ長〜いですが、この調子でよろしく! です。

>>メカタラちゃん(←御名前を間違えるとは、ご無礼をば致しましたっっ)
天才克己の挫折姿……良いですな、こういふものも。何だか彼が身近に感じられるような。
元気だせよと肩を叩きたくなるような。こうなるとこの物語の終了後、立ち直って烈を
招いて、となって貰いたいところ。でもそれだと刃牙キャラが出にくくなる……どうなる!?

>>ランさん
またスケールの大きそうな作品が来たなぁと思っていたら。バンバン死ぬだの、あっけなく
消えるだのと、期待と不安を同時に抱かせる予告が。うぅ、一体誰がどうなるのやら。
とりあえずこの熱い世界観で、あのアカギがどう駆け抜けていくか、見守らせて頂きますっ。

>>サマサさん
一気呵成、とは正にこのことですね。今のところ怒涛で破竹な進撃のドラたちですが、
このままでは終わらないでしょうな。あと今回は魔王の、のび太や稟たちに寄せる信頼が
良かったです。私に万一のことがあっても……そこまで言える、思えるか。カッコいいぞっ。
483スチール・ボール・ラン 1st stage:04/10/15 21:31:20 ID:+XFhGPIk
「さぁーいよいよ始まりましたねしまぶーさん。
 この中にはしまぶーさんの知ってるキャラも多いと思いますけど誰か注目はいますか?」
「ねぇあのさぁ、今ワイド版で出てる『たけし』のラストどうしようかと思うんだけどさぁ何かいい手ある?」
「いやそんなもんここで聞かないでください」

ついに天竺に向けてスタートした大集団。参加者は数千とも数万とも思われる・・・
自らの足、馬、車、飛行機、戦車、ロボット、UFO、人力車・・・数々の乗り物が、広大な大地を疾走する。
スタートも実に様々だ。最初からいきなり突っ走る者、後方で様子を伺う者・・・・・・
そして、後者の中に、カイジとアカギは、いた。

「クク、なんだかんだ言って、結局ついてくるのか」
「し、仕方ないだろ・・・近くにいたし、こうして同じペースで走ってりゃあな」
「クク、まぁな・・・だが、さすがにアンタの判断は正しい」
「ああ、先は長いからな・・・飛ばしすぎると後がきつい」
「まぁ、それもあるが・・・・・・半分正解ってところだな」
不敵に笑いながら、アカギは続ける。
「先頭に行くってことは、それだけ目立つって事だ・・・それだけ他の奴らに狙われる可能性も高くなる・・・
 こいつは・・・レースという名を借りた・・・潰し合い・・・・・・『邪魔』と認識された奴から先に、死んでいく・・・」

・・・・・・ぞく・・・・・・
カイジの頬から汗がつたう。

「まぁ、今の俺達はまだほとんどノーマークの段階だ・・・・・・
 戦闘能力が高いわけでもなし、レースというイメージからも程遠い・・・
 しばらくは前を行く奴らの見物でもしてようぜ」
「・・・あ・・・・・・ああ・・・」
「ほら、見てみろ。今の先頭は面白い奴らが仕切ってるぜ」

アカギが指した先、現在のトップは・・・・・・

リヤカーを引く、緑色の髪をした、女子高生!?
「とぉぉりゃああああぁぁぁぁ〜〜〜〜〜!!」
484スチール・ボール・ラン 1st stage:04/10/15 21:47:57 ID:+XFhGPIk
少女はモップをかけていた。この、埃まみれの大地に。
モップをかけながら、物凄いスピードで、疾走していた。
少女の身体にくくりつけられたロープ。その先には、人を数人乗せた、リヤカー。
少女の耳には、インカム。

彼女の名前は、マルチ。来栖川エレクトロニクスが誇る、最新型家庭用ロボット。

「とぉぉりゃああああぁぁぁぁ〜〜〜〜〜!!」
「ようしいいぞ、行けーマルチー!!」
「ねぇ浩之ちゃん、大丈夫かなぁ、マルチちゃん・・・・・・」
「大丈夫、この日のために芹香に頼んで色々強化してもらってるし、エネルギーのほうも充電に至るまで保証済だっ!」
「行け行けマルチー! ゴーゴーマルチー!!」
「ひ、浩之ちゃん、志保ぉ・・・・・・」

トップを走るマルチ達に、実況と解説者も興奮気味!!
「こっ、こんな展開を誰が予想したでありましょうかぁぁッ!!
 スタートダッシュを決めたのは、まさかまさかの萌えロボット、マルチィィ!!」
「ほっちゃーん! ほ、ほーっ、ホアアーッ!! ホアーッ!!」
「いやアンタそれが言いたかっただけだろ」

しかし、そこに背後から迫る、黒い弾丸!

「リヤカーを引っ張る女子高生がトップだなんて・・・・・・おふざけは、許さなぁぁぁい!!」
「ゲッ、な、何ィッ・・・・・・」

ドガァッ!!
485作者の都合により名無しです:04/10/15 21:49:31 ID:Fcx4K28J
>>480
メカタラちゃんを無視すんなよくズ
486作者の都合により名無しです:04/10/15 21:56:44 ID:qlwwVgAu
全ての作品を読んでるわけじゃない。
感想書くときは読んでない作品にもレスしないとダメなのか?
だめぽ
487スチール・ボール・ラン 1st stage:04/10/15 21:58:35 ID:+XFhGPIk
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
あっけなく吹っ飛ばされるマルチ達。
薄れゆく意識の中で、浩之は、呟く。

「・・・・・・み、ミサイルに乗った・・・・・・ウンコ・・・・・・」

マルチ・浩之・あかり・志保 魚雷に吹っ飛ばされてリタイア

マルチ達に代わりトップに立ったのは、魚雷ガール&ソフトンのコンビ!
「魚雷殿、あまり飛ばしすぎるのは危険だ・・・この先何が起こるかわからない、もっと注意して進んだほうが」
「いえ! 私、愛のために走ります! どんな敵が来ようと、私の愛があなたを守るから!」

「オルァー!! 走れ走れぇーい!!」
「ニャイーン!!」
やや後方にいるのは、ボボボーボ・ボーボボ一行。首領パッチネコとところ天の助ネコが、ボーボボ達を乗せたリヤカーを乗せ疾走する。
「でも良かったねー、魚雷さんが仲間になって」
「ああ、OVERが来て一時はどうなるかと思ったけど・・・」
488作者の都合により名無しです:04/10/15 22:02:40 ID:Fcx4K28J
>>486
違う。ここだ

>しかしまた期待の新人さんが誕生したね。本当に嬉しいよ。
>サマサ氏・NB氏・ぽん氏・マルチメディア作者氏に続いて。

489スチール・ボール・ラン 1st stage:04/10/15 22:07:57 ID:+XFhGPIk
〜回想〜

スタートを待つボーボボ達の前に、仇敵・マルハーゲ四天王のひとり、OVERが立ち塞がる。
「また会ったなテメーら・・・今度こそ俺様のハサミで切り刻んでやる」
「ひぃぃぃぃぃぃぃ」
凶悪なOVERの前に泣き叫ぶボーボボ達。そこに立ち上がったのは・・・・・・

「下がっていろお前達。こいつの相手は俺がする」
「ウンコさんキタ━━━━━━━━!!」
「ああ、ウンコかよ!? いいだろう、テメーから切り刻んでやる!」
「全てはバビロンの御心のままに・・・・・・」

ソフトン VS OVER、激突!!
だがその瞬間、OVERが突如苦しみだした!!

「ぐあああ!! う、うぐぐ・・・・・・あ、頭が・・・痛ェ・・・・・・」
「・・・大丈夫か?」
手を差し伸べるソフトンを振り払うOVER。
「おっ、俺に、さわる・・・な・・・・・・おぉ・・・オォォォォォォ!!」

「・・・・・・おふざけは許さない・・・なぜなら私は魚雷だから」
「魚雷先生!」
「あらアナタ達久しぶりね・・・・・・って・・・ソ、ソフトン様!」
「久しぶりだな魚雷殿・・・そういえば、OVERはどこに・・・」
「え? 知りませんわそんな人」
(いや同一人物だって・・・気付けよ・・・)

かくして、魚雷ガールもまた、参戦を決意したのだった。
賞金で、お目当てのブランド物やアクセサリーを揃えるために。

〜回想 終わり〜
490スチール・ボール・ラン 1st stage:04/10/15 22:23:40 ID:+XFhGPIk
レースは進んで早くも10km地点を突破。
相変わらず魚雷とウンコはトップを走り続けていた。

「私とソフトン様の愛の力があれば無敵無敵ィィィィ!!」
「ちょっと待ったぁぁぁぁ!!」
「何ですって? おのれ、何者!?」
「とこ屁組見参!食らえ、合体奥義・こき逃げジェット!!」
「ぎゃあああああああ」

天の助とヘッポコ丸のコンビが、トップ争いに参戦していた!
凶悪奥義「こき逃げジェット」が、ソフトン・魚雷の最強タッグに炸裂! しかし、魚雷もこの程度では引き下がらない!
「優勝は俺達とこ屁組のもんじゃあ!」
「上等よ!魚雷の恐ろしさ、とくと味わいなさい!」

ズギュゥゥゥン!

その時、一発の銃声が響き渡った

ガィィィン!
しかし、魚雷のボディには傷ひとつつける事ができない。
「なっ? こ、この弾、どこから?」
「焦るなヘッポコ丸。魚雷殿の方角からの狙撃だから、お前に当たる事は無い」
「ソフトン様、ご安心を。この魚雷の鋼鉄のボディが、あなたを守りますわ」

しかし次の瞬間、魚雷達のほうに新たな攻撃がしかけられてくる・・・・・・

「な・・・・・・こ、これは・・・・・・爆弾!?」

爆弾は魚雷の噴射口に着弾。
「し、しまった・・・こんなところに爆弾がついたら・・・・・・」

・・・・・・ドガァァァァン!!
491スチール・ボール・ラン 1st stage:04/10/15 22:34:49 ID:+XFhGPIk
その大爆発は、周囲数百メートルに大規模な被害を与えた。
先頭集団の大半は大幅な停滞を余儀なくされ、中には死傷・リタイアを余儀なくなれた者も。

ボーボボ達が到着した時、そこには、ほうほうの態でうずくまるヘッポコ丸・ソフトンの姿が。

「大丈夫か、ソフトン、ヘッポコ丸?」
「ゴホゴホ・・・・・・な、なんとか」
「それより、魚雷殿は・・・・・・あ、ああ!」

そこには、ボロボロになって倒れる魚雷と、無残に飛び散った天の助の姿が
「魚雷さん!」「魚雷先生!」「魚雷殿!」
口々に魚雷を案ずる一行。もちろん、天の助は完全無視だ。
「あ・・・・・・あなた達に、最後に・・・・・・
 ・・・・・・ギョ・・・魚雷ング・・・・・・マイ・・・ウェ・・・イ・・・・・・」
「魚雷先せーーーーーーーーーーーーい!!!!」

魚雷ガール、ここに、愛に散る。
魚雷の思い出を胸に、ボーボボ達は、先に進んでいった。


「ククク・・・このところ天の助様が、この程度で死ぬわけが・・・」
ボーボボ達が去り、既に大半の参加者に取り残された後、天の助はようやく再生した。
「見てろボーボボ!すぐに追いついて・・・」
「・・・ガタガタうるせーよお前・・・」
「ああ? うるせーのはそっちだ
「ああ!?」(ギロ)
そこには、魚雷から元に戻ったOVERの姿が。
「ひいいいいいいいい」
「極悪斬血真拳 カボス!!」
「ギャアアアアアアアア」

OVER&ところ天の助 リタイア
492スチール・ボール・ラン 1st stage:04/10/15 22:46:41 ID:+XFhGPIk
ところ変わってここは、選手達を上空から見守る飛行船。
この中には、主催者スティール氏と、今回のスポンサー達が集まっていた。

スティーブン・スティール(スチール・ボール・ラン 主催者)
徳川光成(徳川グループ 当主)
ネテロ(ハンター協会 会長)
ゴルドバ(パッチ族 酋長)

「早いもので、もう20kmか・・・・・・どれ、そろそろ脱落者も出てきてる頃かのお」
「いや、さすがに腕に覚えのある者たち。“不慮の事故”を除いては、なかなか脱落しないものですなぁ」
「すべては、グレートスピリッツの御心のままに・・・」
「ふむ、なかなか血がたぎるわい」
「ときにスティール氏、“彼”の姿が見えんがのう」
「今回のレースの運営資金の80%を出資し、発言権はスティール氏をも上回る力を持つ“彼”か・・・」
「“彼”ならばゴール地点で待つと言っていましたが・・・・・・正直、私は“彼”があまり好きではないですな・・・
 “彼”は金の事しか考えていない、欲の亡者だ・・・・・・反吐が出る・・・」
「すべては、グレートスピリッツの御心のままに・・・」
493作者の都合により名無しです:04/10/15 22:48:45 ID:cbpgEQTe
魚雷先生と天の助かよw
いきなりこのコンビで重い話になるのか?w
しかしハイペースですな。嬉しいけど、心配。
次の新登場キャラは誰になるのか?
これからも頑張ってくれな。

>>488
メカタラちゃんも面白いな。かつみん好き。
つい書きそびれただけだろ。許してやれ。
494スチール・ボール・ラン 1st stage:04/10/15 23:00:42 ID:+XFhGPIk
「しかし、“不慮の事故”も予想以上に多くなりそうじゃのう・・・いくら妨害自由なレースとはいえ」
「そうか? 少しぐらい闘いがあっても良いと思うが」
「あんたのような格闘バカと一緒にせんでくれ」
「その点は問題ありません・・・過度の戦闘行為に備え、大総統キング・ブラッドレイ氏に依頼し、軍に介入を要請しておりますので」
「軍、か・・・・・・そういえば、今回のレースの参加者の中に、軍の関係者がいるそうじゃのお」
「おお、確かに・・・スタートの時にはいなかったようじゃが」
「まぁ少しぐらいなら遅刻も認められていますから」
「しかし、なぜ軍の関係者がレースに・・・」
「いや、彼は軍に所属しているとはいっても、現在は旅から旅からの根無し草で、いてもいないようなものだとか。
 名前は、確か・・・・・・」
「すべては、グレートスピリッツの御心のままに・・・」



いっぽう、スタート地点。
数人の役員以外ほぼ無人となったこの地点に、新たな来訪者がやってきた。

「急げよアル、もうレースは始まってるぞ」
「そんな事言ったって、もとはといえば兄さんがパン買うのに時間食ってるから」
「お前だって列車に乗るのに手間取ってただろ」
「君達、参加者か? もうとっくにスタートしてるから、これをつけてスタートしなさい」
「アル」と呼ばれる大柄の鎧と、兄と呼ばれた小さな体躯の少年に、参加者証代わりのオラクルベルが手渡される。
「よし、急ぐぞアル! おっさん、どっかに鉄クズある?」
「ああ、あそこに、廃材があるが・・・」
「じゃあついでにガソリンくれ。金ならこれ。ツリはいらねーから」
「こ、こんなに・・・・・・って、き、君・・・」

少年が手をたたくと、鉄クズとガソリンは、あっという間に車になってしまった。あっけに取られる役員達。

「よし、んじゃ、一気に行くかぁ!」

最後にやってきた参加者、エドワード・エルリック。通称、「鋼」の錬金術師。
495スチール・ボール・ラン off stage:04/10/15 23:23:43 ID:+XFhGPIk
今回はスタート直後の攻防から、もう一組の主役の登場まで一気に書きました。
今回はカイジ・アカギ・エド・アルの4人を軸に進んでいきます。
なにげに敵キャラのヒントまで書いてますが、1st stageにおける主な敵キャラは3組を予定してます。
もちろんメインキャラの直接の敵(アカギなら鷲巣、エドアルならホムンクルス)とは限らないので、そこも期待しててください。

ゴールまでの大まかな流れは決まってますが、なにぶん勢いだけで書いてるので、作品としてはダメダメになってます。
が、それも味だと思っていただければ。

>459
スチールですw まぁ名前だけで話書かないキャラもたぶん多数になるかと
>461
こういうネタ書いときながら、SBRはジャンプで読んでるだけで単行本は持ってないんですが。
たぶん世界観だけの拝借になるかと思いますんで、ご了承下さい。
>469
バキ風味になるかどうか・・・手に汗にぎるバトルは書いてきたいですが。
この作品においてはカイジとアカギはライバル関係になると思います。アカギがカイジに対して持つライバル意識を描いていければいいかな、と。
>479
自分ネタ好きなんでネタも多く盛り込まれてますが(しまぶーとか)、最終的には重い展開にしていく予定です。
>480
アカギは逆境でも「クク・・・」とか笑ってる人間なんで、たぶん、負ける時もカッコ良く。
老アカギはこの後・・・・・・ゲフンゲフン。
>482
殺して欲しくないキャラがいたらリクエストはある程度聞く予定です。まぁメインの4人は当分死なないと思いますが。
とりあえずマルチ達やボーボボキャラは死んでません。天の助はバラバラにされたけどw
>493
ボーボボキャラの話はもっとシンプルにするつもりだったんですが、まとまりがつかず結局作り込みました。
この後再登場させるかどうかは作者のノリ次第ですw
496作者の都合により名無しです:04/10/15 23:31:14 ID:IA2/0red
バキスレでハガレンキャラが出たのは初めてだな
個人的には結構好きな作品だが、バキスレの住人とは趣味が違うと思ってた
正直言うと、たまに誰が喋ってんのか分からなくなるのが気になるが、長いスパンで楽しませてもらうよ
497スチール・ボール・ラン off stage:04/10/15 23:34:43 ID:+XFhGPIk
>496
すんません、次回からセリフ前にキャラ名つけます _| ̄|○
498作者の都合により名無しです:04/10/15 23:37:15 ID:sqoQnlJ1
盛況なのはいいが出来杉とかザクとかDIOとかブラキンが全く来ないな
499作者の都合により名無しです:04/10/15 23:40:04 ID:qPOmRQDq
>>497
>次回からセリフ前にキャラ名つけます

いや、それだけはやめた方がいい。キャラ名がなくとも誰のセリフか
分かるような性格付けをすべき。てゆーか。その点はうまくやってると
思うんだけど。キャラの数が増えてセリフが入り乱れるのはある程度
仕方ないことだから。
500メカタラちゃん:04/10/15 23:57:01 ID:pSMx6D+7
>>485サン
わざわざ気に掛けて下さってありがたいことです。
でもスレ住人がどの作品を読むかはその人の趣味もありますし、
私としてはスルーされてもまったく気にしてません。
せっかくマターリしてる雰囲気のよいスレだから、この雰囲気
を守っていきやしょー

>>スチールさん
マルチが出てくるとはw
あと「ほっちゃーん! ほ、ほーっ、ホアアーッ!! ホアーッ!!」に禿藁w
てゆうかこれが書きたかったからマルチ出したんでしょうか?w

>>サマサさん
深海いよいよラストスパートといった所でしょうか?
前から思ってたのですが、しずかちゃん影薄いような・・・
のびやジャイに負けじと活躍してほしいです。
あと私としては黒ドラをもっと出してほしいです。
501作者の都合により名無しです:04/10/16 00:01:53 ID:Lm24Rj8x
>スチール・ボール・ラン off stage
コテをつけて見たらどうです?正直、オフステージさんでは呼び難い。
あと、律儀ですね。全てのレスに返答するのは大変でしょう。程ほどで良いよ。
ただ、キャラ名「〜台詞〜」だけは止めて欲しい。今のままでも十分ですって。
ハガレンと天の助ってなんか会いますなw

>メカタラちゃん 頑張れ。克己をカッコよくね。原作では禿げた上忘れられたからw

>>498
ザク氏はこの前きたばかり。ブラキン氏はそのちょっと前に来た。
DIOはしばらく休んでるけど、サイトの方で連載してるから大丈夫。
ユル氏はしばらく見ないな。NBさんもちょっと更新ペース落ちたね。
心配はうみにんさん。しばらく来てない。ま、また〜り待ってようよ。
しかし、今一体何本連載あるんだ?次スレテンプレ大変だなw

ところで、新スレは450KB超えたあたりで立てれば良いよね。
502作者の都合により名無しです:04/10/16 00:09:03 ID:+WCJ5hR3
文章に自信が無いのならカッコの前に名前を付けるべき。
1985だってやってたんだし、特に問題はない。
503作者の都合により名無しです:04/10/16 01:49:39 ID:/m5eq02P
べき、って…
504輪廻転生  :04/10/16 08:32:35 ID:YztNMj6n
その光景は誰が見ても気にもとめないような光景だった。猫がとある雑誌のページをめくっていた。
大半の人はネコが雑誌にいたずらしていると思うだろう。だがこの場合は違っていた。ネコがそばにいる人間にたいして言葉をしゃべったのだ。
普通はネコが言葉を話すなどありえない。動物が人間の言葉を理解するという事はあってもだ。普通の人なら気絶するか、幻聴を聞いたかと思うかのどちらかだろう。
だが、ヤムチャは違っていた。普通にそのネコが話す言葉を聴いていた。
 「見たまえヤムチャ、とある学者が人が死んだらその魂は他の異次元の世界へ行くと述べている。丁度君のその能力のように。
私は今は魂のみの存在。だから私は今ネコに憑依している。動物ならまだましだがね。人間となるとその人間の魂の方が強い場合があるのだよ。
精神と心のシンクロ率が一番安定するからというのが私の論理なのだが。君たちの世界でいうと「心技体」というんだろう?」
 ヤムチャはネコを、いや性格には別の世界から来たという男、ディオ=ブランドーの言葉を聴いていた。
 「聞かせてもらえないかね?君がどの様にしてその能力を手に入れたのか。普通の人間ができる事ではないぞ。」
ヤムチャは語りだした。ほんの一週間前、自分が抱いた願いをかなえるために手に入れた、この能力の事を。
505輪廻転生  :04/10/16 09:09:05 ID:YztNMj6n
孫悟空が神龍と共に消えてから一週間後、 ヤムチャは占いババの宮殿の前に立っていた。プーアルは付き添いできてはいない。
彼は長年付き添った相棒にも言えない計画を推し進めるためにえここに来ていたのだ。「何の様だ。ヤムチャ。」占いババは落ち着いて質問した。
ヤムチャは緊張していた。この計画を話して相手が賛成してくれるかどうかがかかっているのだ。
緊張しないはずがない。「俺に3つの能力を与えてください。」「何のためにだ?」占いババは厳しい口調で質問した。一神龍の脅威が去った直後だから、警戒するのも無理はないなとヤムチャは思った。
「若いやつらを鍛える為です。これからの地球の未来を背負えるだけの力を与えるための力を。」ヤムチャは物悲しげに言った。
「いいだろう。どんな能力がほしいんだ?」「時間を問わずに異世界へと移動する力、相手の能力をコピーする能力、そして瞬間移動の能力です。」
「いいだろう。じっとしていろ。」占いババは呪文を唱え、ヤムチャの足元に魔方陣を描くと気合をこめた。煙が出て、そしてそれが晴れた時、ヤムチャの姿はそこに消えていた。「どこに消えたというのだ。あんな物悲しい顔をして願いをいうやつは初めてみたわい。」

 数時間後、ナメック星ではポルンガが呼び出されていた。「ドラゴンボールを使うのもこれが最後だろう。最長老さん。願いを言ってくれ。
一つは、俺の体を再生能力のある不老不死の体にする事。二つ目は俺を18歳前後の肉体に戻すこと。それで全部だ。」
 数時間後 ヤムチャは40歳から18才前後の体に若返っていた。だが彼は物悲しい顔をしていた。「じゃな、また会う日まで。

ヤムチャの体は次元を超えた。
506輪廻転生  3:04/10/16 09:49:49 ID:YztNMj6n
その男がまだ高校生だったころは、周囲の人間からは不良というレッテルを貼られる存在であった。
活気がない生徒や先生に対して渇を入れたり、あまりにもまずいメシを出す店に対しては金を払わなかったりする事は日常茶飯事だった。
そして10年後、彼は海洋学者になっていた。そして彼は仕事の帰りにバスにのっていた。その日は偶然彼一人しかバスに乗っていなかった。
突然、バスの車輪がパンクし、バスは大きくスリップした。そしてバスの前面が崖の上に乗り出す形となった。
彼は腕を折っていた。利き腕てなかった事とまだ両足が無事だった事を考えると助かる可能性が出てきた。
脱出を考えた直後、彼は窓の外に信じられないものを見た。人間が空に浮いていたのだ。海面からざっと6メートル以上はある崖だ。そんな事ができるはずがない。
彼はパニックにこそならなかったが、ある一つの可能性を考え始めていた。不意にガソリンの臭いが鼻をついた。
空に浮かんでいた人は運転手を肩に担ぐと彼に対して手を差し出してきた。190CMもある男が自分よりすこし慎重が低い男に助けられているのだ。
滑稽な図だった。だが今はそんな事を気にしている場合ではなかった。

 彼らが脱出した直後、バスは爆発し、海の中へと落下していった。
「礼を言おう。君の名は?」「俺の名は ヤムチャです。」
「そうか。なにかあったらここに連絡してくれたまえ。」彼は命の恩人に名刺を渡した。

名刺にはこう書かれていた
海洋学者  空条承太郎
507作者の都合により名無しです:04/10/16 10:46:02 ID:HF0YWus6
ヤムチャイラネ
508アナスイの奇妙な:04/10/16 15:36:47 ID:MDI4eEKi
「絶対に、親父のディスクを取り返す」
空条徐倫がまた呟いた。
まるで自分の意思を確認するように、あるいはそう言えば叶うというように、
徐倫はその言葉を繰り返す。
ナルシソ・アナスイにとって空条徐倫の父親は興味の対象外だったけれど、
そう呟く徐倫には興味が有った。
徐倫がそう言う度、彼女の『眼』に強い光が宿るからである。

どうもウェザーといい徐倫といい、アナスイは『眼』が好きらしい。
人間の眼球なぞ硝子体と水晶体から出来ているだけでどれも大差ないと思うのだけれど、
何故彼らの『眼』は魅力的なのだろう。
全く興味を持てない奴らも多いのだから、やはり彼らの『眼』が特別製だからに違いない。
彼らの『眼』を『分解』する時は、
比較対象として興味を持てない奴の『眼』も用意したほうがいいのかもしれない。
509アナスイの奇妙な:04/10/16 15:37:32 ID:MDI4eEKi
空条徐倫に再会してからというもの、アナスイは『基本的に』満足していた。
予想通り徐倫の魅力がどんどん増してゆくからだ。
『完全に』満足していないのは、勿論空条徐倫とまだ結婚していないからである。

プロポーズは既にした。
「結婚してくれ」と、しっかりと彼女の手を取って『眼』を見つめて言った。
映画や小説に良くあるような実に完璧な段取りを踏んだはずである。
が、返ってきた言葉は「まあ嬉しいわ」ではなく、
「―――ハァ?」
だった。
―――おかしい。
何故「まあ嬉しいわ」ではないのか、アナスイには全く分からなかった。

アナスイは空条徐倫に興味が有る。
興味が有るからもっと近くで観察したい。
だから空条徐倫と結婚する。
……何度考えてもやはり完璧な論理で何処にも破綻は無いのだが、どうして巧くいかないのだろう。
510アナスイの奇妙な:04/10/16 15:38:14 ID:MDI4eEKi
散々頭を捻って、アナスイは大変なことを忘れているのに気が付いた。
プロポーズには『シチュエーション』と『タイミング』が重要なのだ。
映画でもよく言うではないか。「女はそういうことに拘る」と。
徐倫にも好みの『シチュエーション』や『タイミング』が有るのだ。
ならばアナスイはそれを尊重しなければならない。
夫婦とはお互いを尊重しあうものなのだ。

しかし徐倫の好みはさっぱり分からない。
かといって本人に訊いてはいけない。こういうことに頭を捻るのは男の役割なのである。
だから色々な『タイミング』で言ってみたのだが、
「は?」
「何言ってんの?」
と非常に思わしくない返事だ。

進退窮まったかと思われたとき、彼は素晴らしい天啓を得た。
何故空条徐倫は父親を助けたいのか。
何故その言葉を何度も繰り返すのか。
―――そういうことか。
きっと、それが彼女の『タイミング』なのだ。

確かに、花嫁の父親を救出しその眼前でプロポーズというのは、
これ以上無いくらい素晴らしい『タイミング』であり『シチュエーション』だ。
完璧といっても良い。
その上、父親を助け出せば結婚の許可を求めることもできる。
『父親の許可』というものは結婚において重要なファクターであり、
『祝福』される結婚をするためには欠かしてはならないものである。
『祝福』はウェザーとFFとかいうゾウリムシにさせる気だが、
『父親からの祝福』というのも必要不可欠だ。
511アナスイの奇妙な:04/10/16 15:38:51 ID:MDI4eEKi
ならば、ナルシソ・アナスイの取るべき行動はたった一つだ。
空条徐倫の父親救出を助ければ良い。
神父の刺客とやらが居れば『分解』すれば良い。
興味の無い奴だから直接手でする気はないけれど、
彼のスタンドでバラバラに『分解』すれば良い。
徐倫の目的の『障害』は皆『分解』すれば良い。『障害』は『分解』するために有るのだ。

「空条徐倫」
アナスイは、彼の隣の徐倫を呼んだ。
彼女は刺客だとか言う目の前の男を睨みつけていたが、
ちらりと『眼』だけアナスイに向けた。
「俺は、君が父さんを助けるのを手伝おう。―――何が有っても」
アナスイは今の今まで男に全く興味が無かったから無視していたのだが、
徐倫の『障害』は『分解』すると今決めたので男を『分解』しなければならない。
すると、空条徐倫が口の端を少しだけ上げてにっと笑った。何だか非常に漢らしい。
「ありがとう、アナスイ」

その笑った『唇』が『分解』したくなるほど魅力的だったから口付けようと思ったら、
何故か見事な左アッパーを食らった。
何故なのか、アナスイには全く分からなかった。
512ぽん:04/10/16 15:48:25 ID:MDI4eEKi
新スレ近いんでどうしようかと思いましたが
折角書いたので投下させていただきます。

アナスイの電波臭はちょっと薄まってしまった気はしますが
とりあえずラブコメには近づいたかもしれません。
そんな気がします。

鬼のようなペースの職人さんたちを見習えるようになりたいです。
コメントくださった方々ありがとう御座いました。
513作者の都合により名無しです:04/10/16 17:15:38 ID:RQAuyXGm
>輪廻転生作者氏
最初、しゃべるネコはカリンさまだと思ったw
ヤムチャと丞太郎のダブル主人公制でいくのかな?
若いヤムチャと30前のシブい丞太郎のコンビどうなるか楽しみだ。
>ぽんさん
お久しぶりです。次スレものんびりと頑張って下さい。
アナスイの異様な所は確かに消えたけど、意外と純粋で純朴なところは
よく書けてると思います。アナスイの徐倫へ対するいびつだけど
一途なところが特に。一風変わった恋愛物になりそうですね。
  
514作者の都合により名無しです:04/10/16 19:42:20 ID:527wGPPU
ヤムチャネタも受け入れてくれるみたいだし、ヤムスレはつぶすべきだろうな。
515作者の都合により名無しです:04/10/16 19:48:20 ID:VUMfqj9K
>>514
受け入れるも何も、どんな否定意見もまかり通らないのがバキスレですよ。
内容について意見言いたくてもできんのが現状。
516作者の都合により名無しです:04/10/16 22:22:29 ID:ChrWKS3y
・輪廻転生
まず、文章がまとまってるのに感心した。どこか他スレで書いてた人かな?
ドラゴンボールの設定でいくのか、ジョジョでいくのか分からないけど、
完璧超人の空条承太郎とヘタレの代名詞のヤムチャのコンビは新鮮。
最後まで頑張って欲しい。タイトルはラストへの伏線かな?
・アナスイの奇妙な
アナスイの捻じ曲がった恋愛感情が作品にアクセントを与えていて良い。
アナスイが前面に出すぎてて、まだジョリンがキャラ立ちしていないけど、
これからの展開で承太郎とともに際立って来ると思う。テーマは『分解』かな?
恋愛物にらしからぬテーマだが、文字通り奇妙な恋愛譚を期待しています。

517作者の都合により名無しです:04/10/16 23:38:33 ID:Lm24Rj8x
>輪廻転生
ヤムチャと丈太郎。この2人が喧嘩したら普通に丈太郎が勝つなw
なんとなくジャッキーの映画「ラッシュアワー」を思い出した。

>アナスイ
アナスイ、なんとなくかわいいな。恋愛(女)慣れしてない感じで。
コイバナはバキスレみたいな男話や冒険話が多い所では珍しいね。

>ぽんさん
>鬼のようなペースの職人さんたちを見習えるようになりたいです
いや、自分のペースでやれば良いと思う。多少肩の力を抜く位で。
自分のペースを崩してまで書くと、きっと嫌になるからね。
ゆっくりでもいいから完結させて下さる方がずっと嬉しいです。
大丈夫、サイトにバレさんがちゃんと保管してくれるし。がんがれ。
518作者の都合により名無しです:04/10/17 00:59:59 ID:UGQFemtu
ぽん氏、輪廻転生作者氏乙!
新人さんがまた活躍してくれそうで嬉しいよ。頑張って下さい。

ところで、次スレのテンプレ支援も兼ねて現在連載中の作品を
まとめてみた。なんと16本。(連載開始順)
更にもうすぐ○氏が復活すると17本になるな。凄い。


・ドラえもんの麻雀教室(VS氏)
・ドラえもん のび太の地底出来杉帝国(うみにん氏)
・4×5(ユル氏)
・ラーメンマン青年記(パオ氏)
・ザク(ザク氏)
・超格闘士大戦(ブラックキング氏)
・AnotherAttraction BC (NB氏)
・ドラえもん のび太の神界大活劇(サマサ氏)
・リ・バース(フンコロガシ氏)
・AoB(仮)(ユル氏)
・ディオの世界(殺助氏)
・アナスイの奇妙な (ぽん氏)
・マルチメディアinユーラシア (名無し氏)
・空手小公子愚地克己 (メカタラちゃん氏)
・スチール・ボール・ラン 1st stage  (名無し氏)
・輪廻転生  (名無し氏)


やっぱりフンコロガシ氏が心配だな。
ラーメンマンも前スレから来てないけど、
DIOが連載されてるから心配ないだろうけど。
519輪廻転生 4:04/10/17 02:37:20 ID:47Y4InBf
承太郎がヤムチャと出会ってから2週間後、承太郎は血縁上は叔父にあたる青年に伝言を伝えるために日本のS市にある社王町という場所に
行くことになった。「ジジイの代わりに・・か。殴られるつもりでいった方がいいな。自分が私生児だと知ったら誰だってショックを受けるだろうし。ましてや相手は14歳の子供だ。」
承太郎は空港でチェックインを済ませると飛行機に乗り込んだ。そして離陸と同時に彼は眠りについた。

 承太郎がヤムチャと出会った時と前後するが、自称ミュージシャン 音橋明は最近と、ある奇妙なクセがついていた。
彼は弓と矢で人をいることが日課になっていた。奇妙な事にその矢で体を貫かれた人間はある特殊能力を身に着けることがあるのだ。
彼はその特殊能力を「スタンド」といった。「フハハハ!今!この俺が世界を変えようとしている。手始めはこの町からだぜぇぇ!」
彼はふと空を見上げると、そこに人影がある事に気づいた。空中に人影・・・・なにかの幻か? 数秒後には空中の人影は消え去っていた。


 ヤムチャは承太郎のスタンド能力のコピーに成功した。だが彼の能力だけでは強くなることができない。そこで彼は承太郎の血縁者達を探すことにした。
血縁者というのは気の性質が似ている。人格まではわからないが、存在する事は気を探ればわかる。 強さとはパワーだけではない、技術とスキル、そして理性的な判断力 そういったものがあって
初めて強いというのではないか?力の理性的な使い方がわからなければ宝の持ち腐れだ。ヤムチャはそう考えていた。
520作者の都合により名無しです:04/10/17 05:27:05 ID:OdPoB9sy
仲々良い。
>>505
>>513のカリン様
>>519
521輪廻転生 5:04/10/17 08:09:59 ID:47Y4InBf
ぶどうが丘高校1年生、東方丈助はガラの悪い上級生に絡まれていた。彼が何かをしたわけではなく、ただ彼が単純にぶつかっただけなのだが。
「おい、お前そこでなにしてんだよ。一年生のクセにそんな格好しやがって!」普通ならここで怒るだろうが、なんと丈助はお辞儀をして「はい!すみませんでした。」と謝った。
「それになんだよ。その髪型ぁ〜。」鋭い人間なら次の瞬間なら丈助の雰囲気が違ったのを察したかもしれない。だが不運な事に丈助の周りに立っていた不良共は凡人だった。
「ダサイだとぉ!俺の髪型をバカにするな!」丈助は上級生の一人に「スタンド」で攻撃を加えた。クレイジー・Dの拳が相手の鼻にあたる。
潰れたと思った鼻は次の瞬間、へこんで広がった鼻になっていた。他の上級生はそれを見て走って逃げていった。
  「やれやれだぜ・・・」呟いた後丈助は背後に気配を感じて振り返った。そして彼は身長190CMはある男、帽子とスーツにスラックスを着た男を見た。
「スタンド使いか。」男は聞いた。「はぁ、そうですけど。」「丈助君かっこよかったよ〜!髪型もね!」不意に複数の女性の声がした。それは制服を着た3人の女子だった。
「話がある。来い。くだらない髪型の話なんてなしでな。」丈助は振り返ると男にスタンドの拳を当てようとした。
だが気づくと男は離れており、彼の帽子は奇妙に変形していた。「10年ぶりに0.5秒巻だけ時を止められたぜ。」男は呟いた。
 
522作者の都合により名無しです:04/10/17 11:35:34 ID:cx0wVftP
>輪廻転生
ジョジョの4部が舞台か。
2人にじょうすけがメインで加わるんだな?

>ヤムチャは承太郎のスタンド能力のコピーに成功した
ただちょっとこれが↑わからない。次回以降で明らかになるのかな?
まったくヤムチャ今のところ役に立ってないけど、活躍に期待します。
523作者の都合により名無しです:04/10/17 12:52:31 ID:vsuDr3yd
輪廻転生氏乙。ヤムチャ最初から時を止める最強能力手に入れたか。
このヤムチャはひょっとすると強いなw
524作者の都合により名無しです:04/10/17 14:47:49 ID:c6t4xr+X
>>522
>>505あたりに
>相手の能力をコピーする能力
とある。
525作者の都合により名無しです:04/10/17 16:30:43 ID:doAWlnGT
新作が順調だな。いいことだ。

それにしてもぽんさんはどうしたんだろう。
フンコロ氏、みゅう氏も。
526作者の都合により名無しです:04/10/17 17:29:18 ID:pSh0vHFC
おまえわざと言ってるだろう
527ザク ◆3JowPutE8k :04/10/17 18:14:01 ID:c6t4xr+X
土日に書こうかと思ってたけどだめでした。
もう1週間お休みです。
528作者の都合により名無しです:04/10/17 20:12:38 ID:doAWlnGT
自分のペースでやってくれい。
うちらは待つだけなんで。
529ふら〜り:04/10/17 21:12:27 ID:q/dd9jVp
このところずっと調子いいなぁ、と思っていたら更にもうワンランクアップ、
という感じですね。質量共に素晴らしいの一言です!

>>ランさん(御名前を〜何卒〜)
更新ペースも速ければ話の流れも速いですな。マルチが出てきて「おぉっ」と思ってたら、
光の速さで吹っ飛ばされてますし。ちらちらと出てくる情報も気になりますが、前回にも
増してアカギが心配になってきました。こんなツワモノ揃いの中で、大丈夫かククク!?

>>ぽんさん
なるほどなるほど。仰る通り、コメディタッチになってきましたね。ともすれば、と
いうかいつでも吉良以上の猟奇殺人鬼になれるのに、妙ぉ〜なコダワリのおかげでコメディ
キャラに。緊張感の無い綱渡りというか、アナスイ君のコダワリ人生、楽しいです。

>>輪廻さん
これ以上ないってくらい豪華絢爛百花繚乱な能力をぶら下げてますね、輪廻さんの
ヤムチャ。これでどうやって、誰と勝負らしい勝負になるのだ? とか思いましたが、
>技術とスキル、そして理性的な判断力 そういったものがあって初めて
>強いというのではないか?
……自分で解っているご様子。でもこのヤムチャはヘタレそうにないですし。どうなる?

>>ザクさん
どうぞごゆっくり、ご自分のペースで。しっかり練られた力作、お待ちしております。
530作者の都合により名無しです:04/10/17 22:40:28 ID:+2Nm+rLy
輪廻転生氏お疲れ様。ヤムチャとダブルジョジョのトリオ、期待してるよ。
ザク氏、ご自分のペースで頑張って下さい。待ってますので。

>ふらーりさん
多分スティールボールラン読んだ事ないでしょ?
ちょっと前の漫画は詳しいけど、最近の漫画はあまり知らないみたいだから。
面白いよ。読んで見て。ジョジョ好きじゃないと厳しいかも知れないけど。

あと、まだバキスレではネタになってないけど、少年サンデーの剣道漫画で
「旋風の橘」って傑作があります。これはぜひ全巻新刊で買って読んで下さい。
それだけの価値はきっとありますから。スポーツ漫画の名作です。
ふら〜りさん大好きだから、特別にお勧め漫画を紹介♪
531マルチメディアinユーラシア:04/10/18 01:16:45 ID:JVyx9kUA
>>391
事件は迷宮入りして一件落着と思いきや、Dが怒り出した。
 「コナンさん! 父さんの仇を取ってくれるんじゃなかったのかよ!」
 「あぁ…ゴメンな。でも調査費はもらうぜ、一千万円な」
 「そ、そんな大金払えるわけが……」
すると、コナンは無言でキック力増強シューズを履き始めた。
どうやらDを殺すつもりのようだ。
ルフィ達は全員で阻止しようとしたが、凄まじいキックにより返り討ちにされた。
 「真実はいつも一つ、お金はいつもたっぷり………これが俺のやり方さ」
そう言うとコナンがDに蹴り込もうとする。しかし、足にナイフが刺さった。
殺し屋Cの投げ付けたナイフだった。
 「バーロー! 痛ぇじゃねえか!!」
 「痛いのはお前さんだよ。悪いことは言わん、それ以上は止めとけ」
 「ふざけんな!」
コナンが飛び掛ろうとした瞬間、その肉体は木っ端微塵となった。
 「ありがとう、おじさん」
 「礼はいらん。これからは父ちゃんと呼んでくれ」
 「分かったよ、父ちゃん」
この事件の被害者である社長の裏の顔、それは人さらい。
DはCの実子だったのだが、まだDが幼い頃に社長に連れ去られてしまったのだ。
Cは死に物狂いでDを探し、社長と一緒にいるDを見つけた。
すぐさまCは、社長への報復と息子の奪還を決意した。そして待ち伏せる。
しかし、社長はAとBによって殺されてしまった。
実はAは作曲をする時は、誰かを殺さないと気が済まないという性癖の持ち主。
Bも理想的な上司を演じる傍ら、ストレス解消に殺人をするのが日課であった。
目標を見失ったCは、持っていたナイフで社長の死体を滅多刺しにしたのだった。
真犯人AとBは帰宅。CとDは再び親子関係をスタートした。
532マルチメディアinユーラシア:04/10/18 01:17:26 ID:JVyx9kUA
どうにか事件を解決に導いたルフィ一行。
だが、そこへ陣内流柔術の使い手である真島零が現れた。
 「世界最強の格闘家。俺様に勝てると思う奴はかかってきな!」
 「デカいクチ叩くじゃねぇか、ここはオイラがやるぜ」
 「開始めィッ!!」
三本勝負の一本目。開始直後、独歩はマシンガンを乱射した。勝負あり。
533マルチメディアinユーラシア:04/10/18 01:19:42 ID:JVyx9kUA
誇りを捨て去った独歩は強かった。マシンガンで柔術を完封してしまった。
 「どうでェ…。女房を質に入れてまで手に入れた、マシンガンの味は……?」
すると、そこへ真島を超える闘気を放つ四人が現れた。
範馬勇次郎、砦一馬、宮沢鬼龍、聖徳太子。
 「オーガ君、まずは君に借りを返しておこう」
 「人喰いオロチも堕ちたもんだぜ。マシンガンで俺を殺れるつもりか?」
独歩がマシンガンを構える。しかし、勇次郎は目の前から消えていた。
上空だった。上からのカカト落としで、独歩は気絶した。
 「くそっ、完全体の私が相手だ! かめはめ波!!」
セルのかめはめ波で、勇次郎は一瞬で蒸発した。今度は砦である。
セルは砦のタックルで倒され、チョークスリーパーを極められた。
必死にセルもタップしたが、あっけなく意識を断ち切られた。
 「ふん、他愛もない」
すぐさまカイジが殴りかかるが、殴られて失神した。
 「まるで怯えた草食獣だな。国王はこんな奴らに苦戦していたのか」
鬼龍が邪悪に微笑む。すると、聖徳太子が激怒した。
 「国王の悪口を言うでないわッ!!」
 「ギャッ!?」
まず、鬼龍が秘奥義「毒蛭観音開き」で肋骨を開かれてしまった。
さらに、砦も秘奥義「キャノンドライバー」によって殺害された。

聖徳太子が渋い表情で、ルフィらを睨みつける。
 「あの三人など最初から不要………君と勝負がしたい」
534マルチメディアinユーラシア:04/10/18 01:20:55 ID:JVyx9kUA
聖徳太子が指名したのは夜神月。天才は天才を求めるものなのだ。
 「いいだろう」
月はデスノートに名前を書こうとしたが、その前に腕を掴まれた。
 「ノートに名前を書く瞬間、一瞬ではあるがタイムラグが生じる………。
  デスノートは格闘技として不完全だッ!」
月は腕をへし折られ、ボディブローを喰らい倒れてしまった。
 「さて、あとは君だけだルフィ君。安心しろ、痛みもなくそれゆえ恐怖もない」
 「ゴムゴムの逃走!」
ルフィは逃げ出した。聖徳太子は追いつけなかった。
 「逃がしたか…まぁいい、この四人は捕らえた。ヤツは必ず助けに来るはずだ。
  そこを捕らえる。これで麦わら一味は全滅だ! フォッフォッフォ!!」
535マルチメディアinユーラシア:04/10/18 01:24:28 ID:JVyx9kUA
シルクロード殺人事件〜聖徳太子戦まで。
536作者の都合により名無しです:04/10/18 01:38:01 ID:EVqEUGw1
リアルタイムで読ませていただきました、乙!

聖徳太子、強すぎw
537作者の都合により名無しです:04/10/18 01:53:45 ID:ps01Cu0D
もうなにがなんだか・・・w
538スチール・ボール・ラン 1st stage:04/10/18 02:34:42 ID:gy0KuIF9
レースは進み、スタートから既に500km。しかし、未だレースは序盤戦である。

数千・数万といわれていた、その総数はスティール氏ら運営側しか知らない凄まじい数の選手たち。
ここに至って既にその3割以上が、選手同士の小競り合い・殺し合いにおいて戦線離脱を余儀なくされた。
その中には、百戦錬磨で知られる屈強の戦士たちも数多く含まれている。
こういった場においては・・・・・・戦闘能力を持たない者、戦士として名を馳せていない者のほうが、かえって生き残るものである。

広大な砂漠を疾走する、群れの中の2台のバイク。

「なぁアカギ・・・・・・いったい俺たち今何位ぐらいなんだ?」
「気になるか?」
「そりゃ気になるだろう・・・一応レースなんだし」
焦りをみせるカイジに対し、周囲を見渡しながら彼に並走するアカギには、未だ余裕があふれている。
「スタートで渡されたコイツ・・・オラクルベルっていうらしい・・・本人達は伝統工芸って言い張ってるがな・・・
 コイツで今の順位を見ることができるようだぜ」
慣れた手つきでオラクルベルを操作するアカギ。
「ふぅむ・・・・・・どうやら俺たちの今の順位は・・・中の下の、さらに下ってところだ・・・」

「ふざけるなよテメエッ!!」
余裕の表情を見せるアカギに対し、カイジは激昂する。
「お前やる気あるのかッ!? いったいいつまでこうしてじっとしてりゃいいんだ!?
 誰かがゴールするまでかッ!? ええッ!?」

しかし、アカギはむしろ笑いを返す。
「お前、何熱くなってんだ? 俺とは組まないんだろ?
 なら俺なんてほっといて先に行けばいいのに・・・ククク・・・」
「な・・・・・・ッ」
カイジは返す言葉もなかった。
539スチール・ボール・ラン 1st stage:04/10/18 02:50:10 ID:gy0KuIF9
「だが、そうだな・・・そろそろ頃合ってとこだな」
アカギはさらにオラクルベルを操作する。
「な、なんだそれ・・・?」
「コイツでコースの地図を見ることもできるのさ。いいかげん勉強しといたほうがいいぜ」

レースの全長はXkm。しかし、そのコースは一定ではない。
ゴールとなる天竺までの道程の中に数ヶ所設けられたチェックポイントを通過すれば、どんなルートを通るのも自由。
ただし、通ったルートにおける命の安全までは保証しないものとする。

「こっちだ」
「え・・・・・・」

突如脇道にそれるアカギ。慌ててカイジも追随する。
「ちょ、ちょっと待て、どこ行くんだお前・・・・・・」
「近道さ」


「さぁレースも500kmを越えたところで集団にバラつきが見られますねー
 どうですかしまぶーさん・・・・・・って、あ、あれ?」
そこにいたのは・・・・・・変なおっさんだった。とまどう実況。
「えー・・・あ、あのー・・・・・・
 ・・・・・・え? なに? ああ、あんた、オバケなんだ・・・そう・・・うん」
必死にオバケを名乗るおっさんとコミュニケーションを計る実況。
「えーと・・・・・・なになに、しまぶーは・・・原稿落としそうなんで帰った?
 まったく・・・いざとなればどこぞの漫画家みたいにネームでも載せときゃいいのに・・・で、帰ってくるんでしょうねこれ?」

解説者はいなくなっても、レースは続く。
540スチール・ボール・ラン 1st stage:04/10/18 03:07:22 ID:gy0KuIF9
「・・・うう・・・ぅぅぅぅ・・・さ、寒・・・い・・・」

カイジとアカギは、雪山にいた。
集団からも抜け、今周囲には二人以外の人影は見えない。

「クク・・・まぁ少しは我慢しろよ、なんたって近道だからな」
(これで近道でなかったら、俺が殺したいところだぜ・・・まったく・・・)
「・・・・・・オイ、来るぞ」
「え? 何が・・・・・・」

ドォォォォォン!!

突如、カイジとアカギを襲ったロケット弾。
間一髪、二人はバイクを飛び降り難を逃れる。
「やれやれ・・・早速足を失っちまったな・・・」
「ゲホ・・・・・・誰だこんな事する奴ぁ・・・」

「外したか・・・」
「しぶとい奴らですねヤムチャ様」
二人の前に現れた、長髪の少年と、ネコのような生き物。
「だっ誰だっテメーらッ!」
541スチール・ボール・ラン 1st stage:04/10/18 03:12:25 ID:gy0KuIF9
「フッフッフッ、いいだろう、教えてやる・・・俺様は荒野を根城にするヤムチャ様だ!」
「そしてボクはその相棒プーアル!」
「今回この『スチール・ボール・ラン』に出場して大金とお宝を手に入れるつもりだったが、
 それにはどうしても貴様らがジャマでね・・・・・・どうやらおまえら、タダ者じゃないと見たぜ」

「ククク・・・・・・また変なのが出てきたな」
(お前もじゅうぶん変だ・・・・・・)
心の中ですかさずツッコミを入れるカイジ。
だがしかし、彼はこの後、さらに大きなツッコミをする事になる・・・・・・

「おとなしく金目の物を置いてリタイアするなら・・・・・・」
「・・・・・・って・・・・・・オイ、アンタ、後ろ後ろォォォォォ!!」
「あ? 何? うし・・・ろ・・・・・・」


ザシュゥゥブシュゥゥゥゥゥ!!


「ヤッヤムチャ様ァァァァァァァァ!!!」
なんと、ヤムチャは巨大な熊に一瞬で食われてしまった!
「クク・・・・・・せっかく一番輝いていたハイエナヤムチャ時代の姿で出てきたのに、所詮ヤムチャはヤムチャだったな・・・」

ヤムチャ 巨大グマに食われて死亡
542スチール・ボール・ラン 1st stage:04/10/18 03:28:48 ID:gy0KuIF9
その熊は、巨大だった。

頭から背中まで生えた赤毛。
一見ヒグマのようだが、大きさは普通のヒグマの比ではない。10メートルは軽くありそうだ。
片目は隻眼。どうやら、誰かにつけられたものらしい。

奴はヨダレと荒い息、そして、ヤムチャを食い殺した血と肉をたらしながら、アカギとカイジのもとに歩を進めてゆく。

「手負いの熊・・・か・・・」
「ど、どうする・・・・・・死んだフリでもする、か・・・?」
「フン・・・・・・カイジ、そんな迷信信じてると、死ぬぜ・・・とにかく走れ」

バイクを失った今、二人に残されたのは己の足しかない。二人は、あさっての方向に走り出す。

・・・ふしゅる・・・・・・ふしゅる、ふしゅ・・・・・・
熊は二人をとくに追うわけでもなく、ただ、不気味な咆哮を漏らすのみだった・・・

「・・・追ってこないな・・・・・・諦めたのか?」
「クク・・・・・・何かあるに決まってるだろう・・・
 あれほどのデカブツとはいえ相手は熊・・・俺達に追いつくなんてのは、赤子の手をひねるぐらい・・・」
「・・・・・・どうした?」

走るのをやめるアカギを不審がるカイジ。彼がアカギの視線の先に目を移すと・・・・・・そこには・・・・・・

・・・・・・禍々しい赤い目が・・・映っていた・・・・・・
543スチール・ボール・ラン 1st stage:04/10/18 03:37:40 ID:gy0KuIF9
・・・ざわ・・・・・・ざわ・・・・・・

「な・・・・・・なんだ、あれ・・・・・・あの熊の、仲間・・・?」
「さあな・・・・・・」
冷や汗が止まらないカイジに対し、なお、アカギの表情は崩れない。

そして・・・・・・赤い目の主が、そこに現れた。

「・・・・・・イタチ・・・・・・?」

カイジたちの目の前に現れたのは、体長が人間くらいはあろうかというイタチ。
もちろん、これもただのイタチではない。新雪のように美しい白い毛並と・・・まるで何か魔力を秘めたような、血の色をした瞳。

「・・・・・・ま・・・まぁ・・・あ、あのでかい熊よりかは、マシ、かな・・・・・・ハハ・・・」
「・・・・・・どうかな・・・」

次の瞬間、カイジ達の目の前を、白い閃光が、閃いた。

「どけっ!」
ドンッ!!
カイジの体が、後ろに飛ぶ。アカギが、突き飛ばしたのだ。

「な、何しやが・・・・・・あ・・・アカギ・・・・・・!」

「・・・クク・・・クククク・・・・・・やはりな・・・・・・どうやらコイツも、好物は・・・人肉らしいッ・・・・・・!」

その時カイジが目にしていたのは・・・・・・右手の甲を見事にえぐられたアカギの姿だった。
544off:04/10/18 03:57:06 ID:gy0KuIF9
今回はここまでです。早速カイジとアカギコンビに試練を与えてみました。
録画したアニメ見ながら書いてたため、多少注意力が散漫になりがちだったんで、もしかしたら多少キャラが変かもしれませんが(;^^)
今回登場した熊は名前こそ書きませんでしたがまぎれもなく○○○○であり、また、イタチは○○○です。
しかし、それぞれ原作が「仲間が力を合わせて巨大な敵を打倒する」話なのにもかかわらず、
「スチール〜」においては瞬殺扱いのキャラなので、原作の雰囲気を大幅に壊すためあえて名前を書きませんでした。
○の中身、相当ネタが古いです。元ネタがわからない人は、単にでかい熊と白いイタチに襲われてるってことでいいです。

次回はいよいよ、「あの人」の登場です。果たして今回は何人壊して帰るんでしょうかね。

>499、>501
というわけで、もうしばらくセリフの前にキャラ名入れるのは控えてみます。
とりあえず序盤から中盤にかけては カイジ=弱気、アカギ=強気 で分けてます。終盤は・・・?

>500
序盤の展開で「マルチがスタートダッシュ→魚雷に潰される」というのは決めてましたが、ホアーネタはその場のノリですw
しまぶーが解説だったら何か叫ぶだろうと思って、その時に思いつきました。
これからも話の随所に小ネタを混ぜていきたいと思います。そういえば、あの近辺にガンダムネタが・・・

>504-506、>519、>521
GTかよw 確かGT時のヤムチャって60前後・・・・・・いやすんません、聞き流してください。

>529
今回アカギをふら〜りさん好みの展開にしてみましたw

そういえばもう一組の主役とか言ってた兄弟はどうしたんだろな( ´―`)y-~~
545作者の都合により名無しです:04/10/18 04:29:50 ID:wCba0tPc
○○○トと○○イか
546輪廻転生 6:04/10/18 08:20:11 ID:fLnH6UIT
 改めて話を聞くと丈助は屈託なく話し始めた「そういうことだったんですか。親父に伝えといてください。
俺は今元気に暮らしてますよって。」承太郎は少し驚いた。ジジイの代わりに殴られるつもりで来たのだ。なのに
これほどまで気にかけないとは。

数週間後、丈助は友人となった広瀬康一と共に虹村という男の家に出かけた。だが、門に入ろうとした直後異変は起こった。
康一が矢に射られたのだ。幸い致命傷にはいたらなかったが、丈助は今から起こる事を予想していた。
と、その時虹村慶兆の足のそばにあった石が破壊された。その場にいる丈助、康一、虹村兄弟以外の誰かによって。
「スタンド攻撃か!?」虹村慶兆は叫んだ。億安も同様していた。スタンドの姿すら見えない、それに気づかれずに攻撃を加えられるのは
遠距離射程スタンドか狙撃型スタンドのどちらかだ。もしスタンド攻撃であるとするならばだが。
 「こいつらの仲間かも知れんな。痛めつければおびき出せるかもしれない。」慶兆は彼のスタンド「バッド・カンパニー」で丈助に対して一斉射撃を加えた。
が、突然人影が飛び出し、丈助を突き飛ばした。「グフっ!ヒーローっていうのは・・・・遅れて登場するもんなんだろう?」 胸部が穴だらけになっていても立っていたのは・・・
カーキ色の上着に同色のズボンを着たヤムチャであった。「仲間を助けたが自分は瀕死の状態・・・賢いとはいえんな。防御も考えてからの行動なら英雄ぽかったけどな。」
が、慶兆の顔色が変わった。ヤムチャの体から玉が抜き出て傷が見る見る内に治癒していくのだ。「再生能力を持つならば再生が追いつかないように粉々に粉砕する!!

今、死闘が幕をあげた。
547作者の都合により名無しです:04/10/18 08:22:30 ID:H8pNXHtD
>>530
お前!ロジック&マトリックスを見ているな!!
548作者の都合により名無しです:04/10/18 08:45:39 ID:3YB/TJED
>マルチメディアinユーラシア
時代考証や舞台設定など、そんな物が小さく見えるほど気持ちイイくらい
むちゃくちゃだなW 聖徳太子強すぎるW 展開予想不可能な作品、マジで好きだ。
>スチール・ボール・ラン 1st stage
アカギとカイジのコンビが呼吸あってきたな。アカギが一撃食らわされたのか。
少し原作よりスキがあるアカギだな。どう逆襲していくか楽しみだ。
>輪廻転生
いよいよヤムチャとジョジョオールスターズとの共闘が始まるのか。
相手は初戦にうってつけの相手だな。バトルが多くなりそうで、楽しみだ。
ところで毎日連載大丈夫?
549age:04/10/18 19:03:58 ID:Awo+bNZh
・マルチメディア作者氏
いっそこのまま突き抜けて欲しい。この無計画ぶりが大好きです。
・スチール作者氏
ヤムチャはやはりヤムチャですか。赤カブト?の大暴れ期待です。
・輪廻転生作者氏
4部が舞台みたいですね。ヤムチャは丈助の能力も吸収するのかな?

ところでこの方々、みんなコテハン名乗りませんねw
335から
―――ニ対一。
常識で言えばそれは圧倒的不利にして圧倒的戦力差、なのだが…………ベルゼーはむしろ勝機と判断した。
黒服はどうだか判らないが、あの少女の技は桁外れの高威力。上手くすれば同士討ちを狙えるのだ。
喋る口は一つでいい。重そうな方よりは軽い方を残すべきだ、と方針が帰結する。

ベルゼーの思考が目まぐるしく動く一方、三人は対峙のまま寸毫たりとも動かなかった。
「……攻めないのデスか?」
「………時間が無いのだろう? 譲ってやる」
たった二言の会話なのに、場の空気が鋭く張り詰めていく。……動ける訳が無い。
今この場で先に動いた者の前には、死神が抱擁せんと両手を広げて待っている。達人の戦いとはそういうものだ。

だが、その場の状況を判っていない者が居た。それは―――

「そうそう、一つ言っておく事ガ有りマシタ。……私の道についてデス」
「…何?」
シャルデンから漂う空気にブラフ(はったり)は感じられない。
全神経を針にして、大気の流れはおろか己の背後さえも知覚したがまるで攻撃が伺えなかった。
…と言うより、素直に面食らった。あの小娘とて攻撃で教えたというのに。
シャルデンが無言で右手を無事な墓石にかざすと、何かが掌から次々と滴り落ちた。それが墓石を紅く斑に染めていく。
―――血だった。傷も無いのに伏せた掌から雨の様に血が滴るのだ。
異変はそれだけに留まらない、墓石が血を浴びた上部から徐々に変形していく………いや、溶けている。
血が沸騰するかの如く沸き立ち、煙を放ちながら蟻の貪りの如く侵食する。
勿論、さして驚く内容でもなかった。道士ならこの位の非常識など却って常識の範疇だ、警戒にも値しない。
それをあんな自慢げに見せびらかすこの男は何を考えているのか。つまるところ返り血に注意すればいいだけの話だ。
――――と、そこまで考えていた時、ある匂いに気付いた。
(血臭…?)
うっすらと、だが確かに香るそれは何時の間にかベルゼーの周囲に立ち込めていた。
よく眼を凝らせば、足元の草と言わず地面と言わずかなりの量の血の滴で斑に染まっている。
「……血にね、種々の性質を付加出来るのデスよ。例えバ、この様ニ強酸性…………」
はっとしてシャルデンを仰ぎ見れば、顔に張りつくのは酷薄な微笑。
「そしテ、揮発性ト可燃性……」
その言葉が発せられたと同時に、ベルゼーの視界の端に何か小さな白いものが飛来する。紙飛行機だ。

戦慄した。それ其の物にではなくそれを投げた人物―――キョーコに。
そして悟る。状況を理解していなかった事に。
何たる驕慢。何たる愚昧。背後に来てすぐ攻撃しなかったのも、道を見せたのも、確実に殺すための布石だった。
殺気を叩きつけてここへ誘導し、道を見せる事でキョーコへの注意を反らさせた。
…この黒服、動く事無く攻めていた。それに対して「譲ってやる」とは何と悠長極まる言葉か。
「ばいばい、オジサマ」
――――――紙飛行機が燃え上がる。

閃光、そして轟音。死者も目を覚ましそうな大爆発だった。
爆風も凄まじく、その全てが墓石に、木々に、二人に襲い掛かる。
いつ止むとも知れぬエネルギーの奔流が思う存分にそこいらを薙ぎ倒し、蹴散らし、ようやく収まった。
「……シャルデンさん………凄いですねぇ」
「…ふ、ふ。これが戦闘と言うモノデスよ」
キョーコは改めてシャルデンを見る。未だ煙たなびく爆心地を見る両目は昏い満足に翳っていた。
「…どうやったらこんな事できるんですかぁ?」
「所謂詰め将棋デスよ。“相手に殺し易い位置に行ってもらう”、これが………………おや?」
唐突にシャルデンの言が止まった。
「…どうしたんですかシャルデ」
皆まで言わさずシャルデンは彼女をいきなり胸の中に抱き寄せた。……それと同時だっただろうか。

ほぼ無傷のベルゼーがキョーコが居た空間を槍で叩き斬ったのは。
つまりはこうだ。
あの一瞬、槍を墓石に突き立て腕の引き上げと足腰のバネで跳び上がる。
後は爆風が彼を安全域にまで押し上げ、槍と共に六階辺りの高さまで山なり放物線を描いて飛来、斬撃。
……言葉にすれば酷く単純なそれは、達人を通り越して人外の絶技。
しかも最後の斬撃は、重量と速度によって対戦車兵器にも勝る一撃なのだ。

「……相変わらずお強いデスね、まさかアレで生きてイルとは…」
「……生け捕りは無理らしいな。せめて動くな、苦痛無く死ねる」
ふとシャルデンの言葉に違和感を覚えたが、構う暇など無い。囀らぬ鳥は食らうのみ、手を突付くならなおさらだ。
タルタロスを高く掲げた両手に持ち、相手向きの穂先を地面に垂らす構え――滴水勢(てきすいせい)――を取る。
攻防一体のこの構えは、静やかな名とは裏腹に獰猛苛烈。二人の前に大砲の筒先が出現したに等しい。
本格的な構えを執った以上、これまでが遊びだと言うのは明白だった。

しかし、戦闘の火蓋は別の形に切って落とされた。
ベルゼーに後ろからいきなり襲い掛かった闖入者――大型犬ほどもある異形の肉食昆虫によって。
だが彼も冷静なもので、振り向きもせず食い付かんとする甲虫の口内に槍のもう一端を叩きこんだ。
「GISYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!」
耳障りな奇声を発して甲虫がのた打ち回る。しかし死ぬ気配は無い、すぐに起き上がりまたも彼に襲い掛かる。
――明らかに尋常の虫ではない。大きなカマキリなのだが、口に放射状に広がる大顎を持ち、その全身が硬そうな黒光る外殻に
覆われているばかりか、節々から鋭い突起がせり出している。
「“汎猟蟲(はんりょうちゅう)”。…さっさと食われてしまうがいい」
その声と共に現れたのは矮躯の覆面男、シキ。
「…あれぇ? ファルさんじゃないんですかぁ?」
「その筈だったが、奴は急遽あの無礼者の方に行くことになってな」
「ヤレヤレ、大変デスねぇ彼も」
ベルゼーと魔蟲の死闘を完全に無視して三人は会話に花を咲かせる。さながら仕事帰りのバーラウンジの様に。
「クリードと合流するぞ、乗れ」
シキの体から這い出した一際大きな甲虫が羽根を広げた。そしてもう食われたものかと向こうを見れば―――
蟲が縦に両断されていた。その観音開きの奥で、鬼神の殺気を放つベルゼーが斬った態勢のまま三人を見据える。
「逃さん」
一にて十なる殺意の言葉は射抜く目線よりなお鋭かった。

「……悪いが我々も暇では無くてな。もう少し遊ばせてやる」
言い終えるが早いか、シキの体から次々と先刻のカマキリが飛び出し、ベルゼーに襲い掛かった。
「これでしばらくは持つだろう。行くぞ」
三人が乗った巨蟲が羽を震わせ、ふわりと舞い上がる。そして空の彼方に見る間に小さくなっていった。
―――蟲共を切り刻み、叩き潰し、数匹まとめて貫き、或いは一匹を掴み、もう一匹に叩き付け、彼らを成す術無く見送る
憎悪の全てを蟲共にぶつけ、ベルゼーは夜空に吼えた。
しかし、木霊しても彼らも時間も戻らない。後に残るのは悔恨と消え逝く蟲共の躯のみ。

――――――敗けたのだ。
待ってた皆さん済みません!
ようやくスランプから脱出したNBです。
さて、今回ベルゼーの槍の形状と名前、二人の道を変えてみました。
彼の武器銘はギリシャ神話から取ってみました。良ければ探して見て下さい。
そして形状。原作のは槍じゃなくて薙刀なので、使いこなせりゃメチャ強い双頭槍です。
次で第三話終了です。
これからはバリバリ書きますので宜しくお願いしますね。
ではまた。
すみません、551と552の間にこれを忘れてました。

「え………ええええぇぇぇぇえ!!!???」
素直に驚愕する。当然だ、あの爆発の中心に居たにも関わらず生きているなど有り得ない。
だが彼は火傷一つ無く立っている。先刻と変わらぬ様相で。
「……跳んだのデスね」
シャルデンの問いかけにも全く応じず、ベルゼーは地面に食い込んだ槍を引き抜いた。

…あれ? 無くてもいいかな?
556作者の都合により名無しです:04/10/18 22:42:26 ID:EVqEUGw1
無くてもいいね。普通に読める。
ともあれ、乙!
数多ある作品のなかでこれが一番好きだなー
次は、ギャンザの最期かな?
楽しみにしとります
557作者の都合により名無しです:04/10/18 22:43:50 ID:Awo+bNZh
NBさんは相変わらずアクションの鬼だなあ。
ベルゼー負けたけどカッコよかったよ。
2人どころかシキまで来たんじゃ負けても仕方ないか。
あと作中に滲み出る豊富な知識にも感心しました。
滴水勢(てきすいせい)の構えって実在するんですか?
それにしてももうすぐ2部終わりですかー。
セフィリアは3部で出陣かな?楽しみにしてますよん。

>>555
俺は無い方がテンポがあっていいような気もします。
でも、キョーコの反応が可愛いからどうすかね?
558作者の都合により名無しです:04/10/18 23:10:00 ID:ATLWe7eB
セフィリア人気あるなw

ともあれNBさんお疲れ様。描写うまいな本当に。
ベルゼの凄みとタオ軍団3名の個性が際立ってる。
次はイブ他vsギャンザか。楽しみだ。  
559ユーラシアinマルチメディア:04/10/18 23:35:23 ID:JHRE1Ude
>>534
捕らえられた四人は、SOUKYOKUと呼ばれる処刑台に連行された。
シルクロードで逮捕された反仏勢力は、全てここSOUKYOKUで処刑されている。
SOUKYOKU管理人であるリュークに、聖徳太子が報告する。
 「今回の処刑、妨害が入るはずです。モンキー・D・ルフィ…ゴム人間です」
 「ウホッ、妨害だと? ククク………人間って面白ッ!」
 「ヤツは只者ではありません。死神とは言え、油断は禁物…」
 「安心しろ。選りすぐりの死神を警備につかせてある。だからリンゴ食わせろ」
死神だけで構成された、少数精鋭の警備隊。
SOUKYOKU警備隊員は四名。キルバーン、ぼたん、朽木白哉、レム。
ぼたんが色気で誘い、キルバーンが罠にはめ、白哉が重症を負わせ、
レムがデスノートでトドメを刺し寿命を丸ごと頂くという黄金パターンを持つ。
560マルチメディアinユーラシア:04/10/18 23:36:57 ID:JHRE1Ude
いよいよ処刑当日。独歩らはSOUKYOKUに吊り上げられた。
そんな中、リュークが厳かに言い放つ。
 「あの矛が火の鳥となって、お前らを殺す。四人いるから四台用意した。一つ30ドル。
  何か言い残すことはあるか?」
まずは独歩。
 「完成したんだよ…愚地流が」
次にカイジ。
 「お前ら…それでも人間かっ………!」
三番手は月。
 「ルイ14世に伝えておけ。たとえ僕らが死んでも、必ず誰かがお前を倒すとな!」
最後にセル。
 「鏡をくれ! 恐怖に引きつった自分の顔を見てみたい!!」
リュークは余裕たっぷりに、四人の言葉を聞いてやることにした。
まずは独歩。適当な兵士と対戦させ、完成した空手を披露させてやるのだ。
十秒後、独歩は兵士によって倒された。
次にカイジ。カイジの「人間か」の問いに、リュークは「死神ですよ」と答えた。
カイジは納得した表情だった。
三番手は月。リュークは携帯電話でルイ14世に言葉を伝えた。
ルイ14世は「どうもありがとう。今度メシでもおごるよ」と言った。
最後にセル。渡された万華鏡を見て、うっとりしていた。
561マルチメディアinユーラシア:04/10/18 23:37:51 ID:JHRE1Ude
処刑前の儀式も終了し、ついに処刑時刻となった。
するとそこへ、リュークに兵士から報せが舞い込んだ。
 「警備隊が全滅しました!」
 「ルフィが攻めてきたか!」
 「いえ、ゴルゴです」
 「マジ!?」
独歩はそれを聞き、ニヤリと笑った。
 「考えやがったな、ルフィのヤロウ。ゴルゴ13に俺達の救出を依頼しやがった」
月もルフィの作戦を絶賛する。
 「確かに。彼本人が救出に来るより、遥かに確実だ」
予想外の事態。苦し紛れに、近くにいる兵士にリュークが命令する。
 「おいお前、ゴルゴを倒してこい!」
 「分かりました!」
十分後、兵士はゴルゴの死体を持ってきた。
 「倒しました!」
 「よくやった!」
 「しかし、肝心のルフィの姿はありません…」
 「ククク、どこにいると思う?」
突然リュークは自分の顔を剥がし始めた。すると、出てきたのはルフィの顔であった。
実はリュークはルフィだったのだ。
 「ゴムゴムの救出!」
四人を救出し、ルフィはSOUKYOKUからの脱出を図る。だが、逃げられなかった。
聖徳太子、現る。
 「死神などには期待していなかったが……まさか、ここまで役立たずとはな。
  十七条拳法で私が相手をしよう」
562マルチメディアinユーラシア:04/10/18 23:41:20 ID:JHRE1Ude
処刑編〜聖徳太子戦(二回目)。
あと、>>559のタイトルはミスです。
563作者の都合により名無しです:04/10/19 00:06:16 ID:z/XHizBX
>十七条拳法

人を笑い殺す気か!w
SOUKYOKUといい、ここんとこの切れ味がヤバすぎる
564作者の都合により名無しです:04/10/19 06:35:14 ID:tkqeZRaO
>マルチメディア
正直、最初はアホな作品ですぐ投げ出しかと思ってたが、面白い。
登場人物は全員いい感じに壊れてるし、殺人事件編の展開も電波入りすぎでワロタ。
あと十七条拳法てなんだよマジでw
聖徳太子がなんでここまで強いんだ。あほらしすぎて面白い(誉め言葉)。
565作者の都合により名無しです:04/10/19 08:14:25 ID:TiJhzG8m
>AnotherAttraction BC
矢吹の絵で戦ってる所が浮かぶ。躍動感とテンポが相変わらず素晴らしいですね。
ところで1対1ならベルゼー勝ってたな。原作では後半全く活躍しなかったですが。
>マルチメディアinユーラシア
良い意味で狂ってますねw こんなに弱いゴルゴも始めて見たし。死神軍団は一応、
本当に死神でまとめてあるんですね。最強の聖徳太子とルフィたちはどう戦うやら。


ちなみに十七条拳法は、「陸軍中野予備校」という安永航一郎の漫画に出てくるよ。
566のび太と大ローマ 導入1:04/10/19 08:57:21 ID:gAX336MT
「ワアアア!!」

真っ赤な空の下、男が二人、円形闘技場にて、剣戟の音を激しく響かせながら
戦っている。周囲の観客席には数え切れない程の人。闘技者達の戦いに皆、
歓声を上げる。

「キーン、バキーン、ガキーン!」

闘技場中央、剣を交えている男達の力量はほぼ互角。先ほどから一進一退の
攻防を繰り返している。お互いの剣が相手の肉を削り、血潮を噴出させるが
両者、戦いを止める様子は無い。繰り返される剣戟。

「ハァハァハァ・・・」
「ゼェゼェゼェ・・・」

やがて、長い戦いで力を使い果たしたのか、戦士達は肩で大きく息を
し始める。睨みあう両者。途端に「ポタリポタリ」と汗が体から噴出し始める。
沈黙する観客。闘技場の時間がわずかな間、止まる。

「ガッ!!」

突如、片方の男が鋭い突きを放つ。それを受ける側、奇襲を予想していたのか、
難なく攻撃を受け止めることに成功する。が、一撃と共に繰り出された激しい
足払いをまともに喰らい地面に「ドゥ」と倒れ込んでしまう。

「ザザザッ」

奇襲に成功した男、この機を逃さず、止めを刺そうと相手に素早く詰め寄る。
しかし、いざ剣を振り上げ、突き刺そうとする段、その男の手にためらいが
生じ、剣が止まる。両者、見つめ合う・・・・・・・・・暫しの沈黙の後、やられた方が
ほんの少しだけ笑う。相手を打ち倒した男もそれにつられて微笑みかける。
567のび太と大ローマ 導入2:04/10/19 09:00:27 ID:gAX336MT
「殺せ!」

微笑みにより場の緊張が緩みかけようというその瞬間、競技場の何処
からか矢のような一声が上がる。

「コロセコロセコロセコロセコロセ・・・・・・」

たった一人の声から始まった「殺せ!」のコールが瞬く間に闘技場全体に
伝染してゆく。男達、うろたえる。

「何故だっ!?」

勝利した男が巨大なコールの中に対し、抗議の声をあげる。が、その声は
闘技場ではあまりにも小さく、誰の耳にも届かない。コールは無論、
止まらない。

「コロセコロセコロセコロセコロセ・・・・・・」

男、観衆たちに見切りをつけ、最後の手段とばかりに席場下段にいる
司宰者らしき人物に視線を送る・・・司宰者は首を横に振り、親指を下に
向けている。男、絶望する。

「コロセコロセコロセコロセコロセ・・・・・・」

止まないコール、冷徹な司宰者、堅牢な闘技場。何処にも救いが無い
ことを悟った男がふと対戦者に目を向けると、敗者は既に覚悟を決め、
静かに目を瞑っている。その敗者の様子を見て、男の顔になんとも
言えない表情が浮かぶ。しばしの沈黙。やがて男、意を決し、剣を
振り上げ、今度は一切のためらいを持たず相手に振り下ろす。
568のび太と大ローマ 導入3:04/10/19 09:01:54 ID:gAX336MT
「ワァァァァァ!!」

闘技場の至るところで勝利者を讃える歓声が湧き上がる。その様子を見、
司宰者は満足気に頷く。

「ワアアアアアアアア・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

場内に響き渡る歓声を他所に男は空ろな顔で赤い空を見上げている。
男の見つめる空は円形闘技場の縁に切り取られ、まるで巨大な月のよう。

空を見上げる男を中心に捉えながら画面は徐々に高度を上げて行く。
画面は歓声で揺れる闘技場を映し、やがてローマ全体を見渡せるまでの
高度に達する。
ローマの町並みと真っ赤な空。その真っ赤な空を印象的に映しつつ、
画面はフェイドアウト。
569輪廻転生 7:04/10/19 10:06:07 ID:v1Vv6512
慶兆は困惑していた。彼のスタンド「バッドカンパニー」には人の体を粉々に粉砕するほどのパワーはない。
頭を粉々に吹き飛ばせば勝機があるかもしれないが、相手の頭が再生しないという保証はない。父親から聞いたDIOという男は
上半身を粉々にされて死んだらしい。だから彼は最もオーソドックスな方法で、相手の戦闘力が未知数である以上多少のリスクを負うのは仕方なかったが、彼の弟を使うことにした。
「億安、お前がやつをひきつけろ。そして俺がやつの動きを一瞬だけ止める。その隙にお前は「ザ・ハンド」の右手で奴の体を消滅させろ。」「OK!アニキ!」
 「康一の傷は俺の「クレイジー・ダイヤモンド」が治した。ヤムチャさん、アンタはあいつを頼む。近距離パワー型スタンドじゃ2対1ではつらい。」
 「仲良くお話してるねぇ。あの世にもお手手つないで仲良く逝きな!」直後、ヤムチャ達の周りを銃撃が襲った。ヤムチャは人質をとるつもりだった。
だが、億安が左にずれる。「ヤムチャさん、銃弾は俺のスタンドが全部はじき落とすからそいつを頼む!」
ヤムチャの上段回し蹴りが億安の頭を掠める。丈助のクレイジーダイヤモンドが銃弾を叩き落す。
そして慶兆はヤムチャに対して別働隊による機銃掃射を加えた。命中。血が滴り落ち、ヤムチャの体が一瞬止まる。「お逝きなさい!!」まったく柄に合わない言葉を吐きながら億安は
「ザ・ハンド」の右手で攻撃を加えた。そして・・・ヤムチャの姿は消えた。

 「ああ、ヤムチャっていう人が!!消えた!」「そうだよぉ。俺の「ザ・ハンド」の右手に触られらどんなモノでも消えちまうんだよぉ!」億安は笑った。まるで一番楽しいものを見たかのように。
「康一・・・、逃げて大人になって必ずこいつらを倒せ。お前を逃がすのは、承太郎さんであり、ヤムチャさんであり、そして俺だ。」「はっ?何いってるの、僕は・・・・」
 


570輪廻転生 8:04/10/19 10:17:23 ID:v1Vv6512
丈助は絶望したが、覚悟を決めた。空条承太郎、彼の叔父にあたる男に連絡をもつ術は今はない。
だから、康一をスタンドで投げ飛ばすしかない。そして彼のスタンド能力が目覚めてくれれば占めたものだ。
「心配するな、お前たちもすぐに会える。殺すのは近距離パワー型スタンドを持つお前からだ。」丈助のスタンドが康一の体をつかもうとした瞬間、億安は首に衝撃を覚え気絶した。
彼は気絶する瞬間、地面が立ち上がるような感覚を覚えた。「おっ、お前は!!」

「銃弾で動きを止め、その隙に攻撃・・・瞬間移動ができなかったら危なかったかもな。」 丈助と康一は希望を見た。消されたと思っていた人間が再び目の前に現れたからだ。
「覚悟しろ。」その声はなによりも低く、厳しいトーンを持った声だった。「おまえの寿命はあと何分あるかどうかだ。」慶兆は必死に対抗策を考えると同時に、原始的な恐怖を感じていた。
571作者の都合により名無しです:04/10/19 10:43:20 ID:zqu75pfA
読みづらいから間をあけろ馬鹿者
572作者の都合により名無しです:04/10/19 11:03:52 ID:J1nyjg+w
最近は投下ラッシュだな。
嬉しいが、いつか反動がきそうで怖い。

あと、作品と作品の間に一レス空けてくれた方が読みやすい。
573作者の都合により名無しです:04/10/19 13:12:48 ID:HcKa+2nE
>マルチメディア
この聖徳太子はひょっとして夜叉鴉のラスボス?

574作者の都合により名無しです:04/10/19 17:27:56 ID:Q8ApAjzz
ドラえもんとローマって組み合わせはどこかでみたことがあるな。
まあ、あれは冒頭部分しか書いてなかったけど。
575作者の都合により名無しです:04/10/19 17:31:41 ID:xINWKHew
俺も見覚えがある。コピペだな
576作者の都合により名無しです:04/10/19 18:00:14 ID:Q8ApAjzz
コピペではないと思うよ。
だって前に見たのは闘技場のところはすぐにおわって
のび太の話しになってたから。
577作者の都合により名無しです:04/10/19 18:42:45 ID:zqu75pfA
ザクさん、ブラキンさん、ぽんさんはどうしたんだろう。
みゅうさんは投げ出しかな。残念。
578作者の都合により名無しです:04/10/19 20:09:01 ID:OUyiGjlg
>>577
とりあえず上記2名に関しては「スレをちゃんと読め」としか言えない
579作者の都合により名無しです:04/10/19 20:26:35 ID:vGnwjww5
>>572
まあいつか絶好調モードも終わるわな。半年位続いているし。
この状態がデフォになるとありがたいけどね。
職人さんたちがんがれとしかいいようがない。
ところで次スレは450KB超えたあたりでいいよな。
前スレ立てるの早すぎたしな。
580ふら〜り:04/10/19 20:43:40 ID:GxkKyPOc
>>マルチメディアさん
勇次郎まで瞬殺とは……容赦ないですな。独裁スイッチ並の強さを誇っていたデスノート
まで封じた聖徳太子強し。と思ってたらゴルゴ弱し。次々出ては次々消えて、人数過多の
混乱を回避。というか消えっぷりが気持ちいい。そこを楽しむのが正しい鑑賞法なのかも。

>>ランさん
アカギとカイジ、「会話するコンビ」としてピッタリいい感じですね。強気と弱気、
慌てと余裕、作者側と読者側。まだ肉弾戦はしてませんが、今後はどうなりますやら。
あと、こういうレースで真っ先に思い浮かぶのは、私の場合両さんなんですが。出ます?

>>輪廻さん
遂にヤムチャが本格的にジョジョバトルに参戦してきましたね。でも、いくら能力的には
豪勢とはいえ、丈助も条太郎もいる中でどれだけ活躍できるか? そもそもこの
ヤムチャの真意・目的は? 戦いについてもそれ以外についても、興味が尽きませぬっ。

>>NBさん
ふ〜む。本人は不満たらたらというか「敗けた」と思ってるんでしょうが。私はてっきり、
ベルゼーのオジサマはここで殺されるかと思っていたので。むしろ、あの二人(途中から
三人)相手に、よく生き残ったものだと。生きてればリベンジの機会も……ありますかね?

>>ローマさん
とりあえず「セスタス」が思い出されました。戦ってる二人のどちらかがのび太だったり
するのかな? と思っていたらそのまま終わりましたね。あるいはのび太が見た悪夢とか?
まだ導入とのことですが、情景・情感描写はかなり綺麗だと思いましたよ。乞う、続き!
581作者の都合により名無しです:04/10/19 21:28:06 ID:z/XHizBX
ふら〜りさん、セスタス知ってんのか
ますます、この人の守備範囲が分からなくなってきたw
582テンプレ1:04/10/19 23:28:35 ID:4QBUDI32
元ネタはバキ・男塾・JOJOなどの熱い漢系漫画から
ドラえもんやドラゴンボールなど国民的有名漫画まで
「なんでもあり」です。

元々は「バキ死刑囚編」ネタから始まったこのスレですが、
現在は漫画ネタ全般を扱うSS総合スレになっています。
色々なキャラクターの新しい話を、みんなで創り上げていきませんか?

◇◇◇新しいネタ・SS職人は随時募集中!!◇◇◇
SS職人さんは常時、大歓迎です。
普段想像しているものを、思う存分表現してください。

過去スレや現在の連載作品は>>2以降テンプレで

前スレ
【2次】漫画SS総合スレへようこそpart18【創作】
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1095596371/
まとめサイト  
http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/index.htm
583テンプレ3-1:04/10/19 23:31:37 ID:4QBUDI32
現在、連載中のSS目次
※ほぼ連載開始・復活順 ( )内は作者名 リンク先は第一話がほとんど

ドラえもんの麻雀教室(VS氏)
 http://park14.wakwak.com/~usobare/dora/gateway.html
ドラえもん のび太の地底出来杉帝国(うみにん氏)
 http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/ss-long/dekisugi/01.htm
しけい荘物語(サナダムシ氏)
 http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/ss-long/sikei/01.htm
4×5(ユル氏)
 http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/ss-long/4x5/1-1.htm
ラーメンマン青年記(パオ氏)
 http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/ss-short/ra-men/01.htm
ザク(ザク氏)
 http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/ss-long/zaku/01-raou.htm
超格闘士大戦(ブラックキング氏)
 http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/ss-long/tyo-kakuto/01.htm
AnotherAttraction BC (NB氏)
 http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/ss-long/aabc/1-1.htm
ドラえもん のび太の神界大活劇(サマサ氏)
 http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/ss-long/sinkai/01.htm
584テンプレ3-2:04/10/19 23:33:34 ID:4QBUDI32
リ・バース(フンコロガシ氏)
 http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/ss-short/hun/01.htm
AoB(仮)(ユル氏)
 http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/ss-short/yuru/03-1.htm
ディオの世界(殺助氏)
 http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/ss-long/dio/2-01.htm 
アナスイの奇妙な(ぽん氏)
 http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/ss-short/pon/04-1.htm
マルチメディアinユーラシア(名無し氏)
 http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/ss-short/multi/01.htm
空手小公子愚地克己(メカタラちゃん氏)
 http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hinomoto/baki/ss-short/mekatara/01.htm
スチール・ボール・ラン 1st stage(名無し氏)
 http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1095596371/453
輪廻転生(名無し氏)
 http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1095596371/504
のび太と大ローマ(名無し氏)
 http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1095596371/566
585テンプレ作った奴:04/10/19 23:41:31 ID:4QBUDI32
あ、完結したしけい荘を削るの忘れた。スレ立てする方頼みます。
ここ最近まったく連絡の無いフンコロガシ氏のリバースと、
2スレ以上掲載されてないパオ氏のラーメンマンはどうしようか
迷ったけど、取りあえず入れますた。

スチールボールラン以下はまだサイトにまとめられていないので
現スレ一回目へのリンクとなります。

ちなみにテンプレ2は過去ログなので、現スレの過去ログテンプレに
パート17のを貼っ付けておしまいです。

470KB位で新スレ移行でしょうか。前スレ早すぎたので。
あと作品が2個くらい来たらちょうどいいんじゃないのかな?

誰も立てなければ、自分が立てます。ホスト規制怪しいけど。
586スチール・ボール・ラン 1st stage:04/10/20 01:00:12 ID:gg5Gfg3Q
「ア・・・アカギ・・・・・・俺をかばって・・・」
見るも痛々しいアカギの姿を見て、呆然とするカイジ。
「心配するな・・・大した問題じゃないさ・・・・・・それより、ここからだ、問題は・・・」
「え・・・・・・」

あたりを見回すと、既に二人は、無数の白イタチに囲まれていた。
その総数、実に数十。目前には、アカギの手を食いちぎった血まみれの口から、涎を垂らす白イタチ。

「絶体絶命・・・ってやつか・・・・・・ククク・・・クククク・・・・・・」

カイジには理解し難かった。
この期に及び、奴は・・・・・・アカギは、笑っていたのだ。
「オイッ、どうした、どうしちまったんだ、アカギィィッ!」

カイジの言葉にも耳を貸さない。自分が危機の渦中にいる事をまるで理解していないッ・・・
その汗一つかかない余裕の表情・・・まるで、先程のダメージすらまるで無いような・・・そんな、余裕の表情ッ・・・・・・!

そして・・・・・・一匹のイタチの合図を機に、数十の白イタチは、一斉に二人に飛びかかる!

「アカギィィィィィィィィッ」
カイジの絶叫が、猛雪吹きすさぶ雪山の中にこだました。
「ローマへ」

前場面の真っ赤な空と対比するような青空の下、ジャイアンとスネ夫が空き地で
チャンバラごっこをやっている。ジャイアンの頭には鍋、スネ夫の頭にはバイク
のメット。両者とも何処で見つけたのか変なトサカを頭にくっつけて、ローマの
剣闘士に似せようと努力している。「カーン、キーン、ドターン」ジャイアンの
攻撃に尻餅をつくスネ夫。剣をスネ夫につきつけ「ニヤリ」と笑うジャイアン。

スネ夫:「ま、まいった!降参です」
ジャイアン:「ガハハ、参ったか!俺様はローマの勇者、ジャイアヌスなるぞ」
スネ夫、剣を捨てジャイアンに平伏する。
スネ夫:「ああ、貴方には敵いませぬ。ハハ〜、ジャイアヌス様〜」
のび太が空き地にやって来る。
のび太:「あ、ジャイアン、スネ夫〜、何やっているの〜?」
スネ夫:「お、のび太・・・おい!失礼だぞ。この方を誰だと思っているんだ!」
のび太:「(スネ夫の発言にたじろいで)え、ジャイアンでしょ?」
スネ夫:「い〜や、違う。(ジャイアンの方へ手をやって)このお方は、
     ローマ剣闘士チャンピオンのジャイアヌス様だ!頭が高い、控えよ!」
ジャイアン:「そうだ、俺様はジャイアヌス様だぞ!ガハハハ!(と威張る)」
スネ夫:「ハハ〜、ジャイアヌス様〜(ジャイアンに拝す)」
のび太:「ハハ〜(スネ夫の真似をして)・・・ん?でも剣闘士って一体何?」
スネ夫:「(あきれた顔をして)本当に何も知らないんだなあ、のび太は。
      いいか、剣闘士ってのは昔、ローマのコロシアムで戦い合っていた
      強い兵隊達のことを言うんだ」
ジャイアン:「そうそう。で、俺がその男達のチャンピオン、ジャイアヌス様って
      ことだ!分かったか!分かったんなら、すぐ俺に土下座しろ!
     (さっきより要求がエスカレート)」
のび太:「そんな無茶な。でも、剣闘士ゴッコってなんか面白そうだね。
ねえねえ、僕も仲間に入れてよ」
スネ夫:「え〜、でものび太は弱いからなあ。屈強な剣闘士役はやらせ
られないよ」
ジャイアン:「そうそう、のび太は滅茶苦茶弱いからな。剣闘士役でなく奴隷役
ならやらせてやっても良いぞ」
スネ夫:「ジャイアン、それ傑作!そうだ、のび太は弱いから奴隷だ!」
ジャイアン:「ガハハ・・・」
スネ夫:「ワハハ・・・」

笑っている二人を背後に、のび太すねた顔をして空き地を立ち去る。
589スチール・ボール・ラン 1st stage:04/10/20 01:11:03 ID:gg5Gfg3Q
白イタチに襲いかかられ・・・・・・自らの身を守る事だけで精一杯のカイジ。
彼はこの時、死を覚悟していた。アカギの死、そして、自らの死も。

だが、いつまでたっても二人にイタチの攻撃が来ることは、無かった。

「・・・・・・・・・・・・?」
おそるおそる目を開けるカイジ・・・・・・すると、そこには・・・・・・
微動だにしていないアカギ・・・・・・そして、吹っ飛ばされた一匹のイタチと、もう一人、大男がそこにいた。

ぞく・・・・・・・・・・・・!

カイジは何故か悪寒を感じた。
何故か、あの巨大な熊より圧倒的に小さいはずの男に、熊やイタチ以上の、恐怖を感じていたのだ。

だが、それも一瞬だった。
「オイ」
男がカイジ達に指し示した場所・・・そこには、小さな洞穴があった。
「な・・・何してやがるアカギッ、行くぜ」
「・・・ん・・・・・・ああ」
ボーッとしていたのか、カイジの声にようやく反応するアカギ。相変わらず余裕だ。

こうして、大男が退路を切り開きながら、三人は洞穴に逃げ込んだ。


一部始終を眺めていた巨大熊。その表情には、明らかに面白くなさそうなものが浮かんでいた。

ウゥォォォォォォォォォォォ・・・・・・ォォォォ・・・・・・

雪山に、強烈な唸り声が、響いた。
のび太、泣きながら部屋に駆け込んでくる。鼻水も出ている。

のび太:「ドラえも〜ん!」
ドラエモン:「どうしたんだい、のび太くん」
のび太:「剣闘士、1ダース出して〜」(と泣きつく)
ドラエモン:「何を突然、分らないことを。ちょっとは落ち着いて話しなよ。
・・・フンフンフン、エッ!ジャイアンとスネ夫がのび太くんを
奴隷呼ばわり!そりゃ、酷い!よし、ちょっと待ってな」
ドラえもん、四次元ポケットをごそごそやる。
ドラエモン:『即席剣闘士セット〜!』(と、剣、盾、鎧、兜、サンダル、
etc・・・剣闘士の格好になれそうなものを一式出す)
のび太:「何これ?」
ドラエモン:「未来の変身セットの一つだよ。見かけはただのおもちゃ
だけど、これを付けるとのび太君みたいな運動音痴でも
実際の剣闘士と同じぐらいの強さになれるんだ」
のび太:「へぇ〜、そりゃ凄い。貸して貸して〜(ベロが出ていて凄く
もの欲しそう)」
ドラエモン:「(少し困った表情で)うん、そりゃ良いけど、君は本来、
こんな未来の道具に頼ってちゃ駄目なんだよ、今まで何度も
言っているけど。そもそもだな、君は今まで僕の出した道具で
何回失敗した?懲りるとか、自分の力なんとかするとか、
少しは考えたりしないと・・・」
ドラえもんが「ハッ」と気づくとのび太の姿は既にない。道具も無く
なっている。ドラえもんが二階の窓から外を覗くと道具を装着した
のび太の後ろ姿が見える。
ドラエモン:「ああ、まったくもう!のび太君たら!」
591589:04/10/20 01:18:17 ID:RbmPlo4x
>>589
すいません。かぶってしまいました。今日の投稿はこれで終わりなんで
続きがあればどうぞお願いします。
592587:04/10/20 01:21:33 ID:RbmPlo4x
重ね重ねすいません。間違えました。上記のレスは587です。
593スチール・ボール・ラン 1st stage:04/10/20 01:23:12 ID:gg5Gfg3Q
「まったく、無茶しやがって・・・・・・」
カイジは手持ちの治療用具を使い、アカギの傷を治療する。
とはいえ、二人ともロクな医療用具を持っていないため、包帯を巻くぐらいの簡単な治療しかできないが。
「・・・・・・痛くないのか?」
「痛いさ・・・怪我して痛くない人間なんていないだろ?」
「・・・・・・ああ・・・・・・」
そう言いながらまったく痛そうな素振りを見せないアカギ。カイジはつくづく、この人間が理解できなかった。

「・・・ア・・・アンタも・・・・・・ありがとう・・・な・・・」

結果として二人を助ける事になった男にも、カイジは礼を言う。
が、しかし・・・男はカイジの礼などまるで無視し、いつまでも外を見つめていた。
(・・・コ・・・コイツ・・・・・・一体何者だ?)

ウォォォォォォォ・・・ォォォ・・・

外は相変わらず、巨熊の唸り声が鳴り響いていた。

・・・・・・雪山の、さらに奥地。
そこに、熊が倒れていた。
カイジ達が遭遇した巨大熊に比べれば、その体躯は半分以下。しかし、それでもカイジの数倍の大きさを誇る。

やがてその熊の肉は、一匹の白イタチに捕食されてゆく・・・
そう、この熊は、この白イタチに・・・・・・わずか一匹のイタチによって、蹂躙されたのだ。

・・・・・・ゥォォォォォォォ・・・・・・

ピクッ、と、白イタチは反応した。
先程カイジ達と遭遇した、あの熊の声だ。
白イタチは、食事を途中で切り上げ、声に導かれるように走り出した。
594スチール・ボール・ラン 1st stage:04/10/20 01:36:56 ID:gg5Gfg3Q
「・・・・・・そろそろ頃合か・・・・・・」
男はポツリと呟くと、カイジ達を残し、洞穴を出てしまった。
「アッ、ど、どこ行くんだッ」
カイジが制止するものの、やはりこれも無視。
「ククク・・・・・・やっぱり、噂通りだな・・・」
「なッ・・・ア、アカギッ、奴を知っているのか?」
「ああ・・・俺のいる裏の社会じゃ、アイツは有名人でね・・・・・・」
アカギはそのまま、奴の正体を語った・・・・・・

・・・・・・地上最強の生物・・・・・・範馬勇次郎・・・・・・


「ひぃふぅみぃ・・・・・・結構集まったじゃねぇか」

勇次郎をとり囲むのは、先程とは比較にならないほどの数の白イタチ。
勇次郎は面倒臭くなったのか途中で数えるのをやめてしまったが、その数は優に百は越えている事だろう。

勇次郎は熊に話しかける。
「お前もとんだお山の大将だなァ・・・頭数は揃っててもよォ、手下がたかだかイタチってのはなぁ・・・
 まぁ、てめぇみてぇな熊ッコロには何言ってもわからねぇだろうがなぁ、プッ、クククククク」
含み笑いが止まらない勇次郎。

しかし、その発言を理解したのか、巨熊は明らかにそのプライドを傷つけられたようだ。
「グオオオオオオオン!!」
熊の号令に伴い、数百という数の白イタチは、一斉に勇次郎に襲いかかる!

「阿呆が」
先陣を切った一匹のイタチは、勇次郎の踵落としにより、一撃でその頭部を粉砕される!
「全ッ然足りんわッ! この勇次郎を満足させるにはッ!」
595スチール・ボール・ラン 1st stage:04/10/20 01:48:29 ID:gg5Gfg3Q
ズガッ! ドカッ! バキィ! ドガァァッ!

四方から襲いかかる獰猛な白イタチ達。
しかし、その全てが、一撃のもとに勇次郎に吹っ飛ばされ、叩きつけられる。
ある者は頭部を粉砕され、ある者は胴体を両断され、ある者は腕で腹部を貫かれ・・・・・・
その圧倒的な数をもろともせず、勇次郎は次々白イタチを倒してゆく。

「・・・・・・あと一匹」

あれだけいた白イタチは、わずか一匹を残し全滅していた。
血まみれになった勇次郎。しかし、その血の全ては、イタチどもの返り血である。

一瞬たじろぐ最後の白イタチだったが、それでも獰猛なイタチは、勇次郎に向かってゆく。
「馬鹿がッ」
しかし、イタチはその頭を勇次郎に掴まれ、地面に叩きつけられる!
「怯えを覚えた貴様にッ、獣たる資格はないッッ!!」
掴んだ頭を、地面に激しく擦りつける! イタチの逃避が、脳髄が、周囲に撒き散らされてゆく・・・・・・!

最後の白イタチは、無残に地面にめり込んでいた。あたかも、地面にできた渦に、飲み込まれるように。

「グゥゥオオオオオオオオオオオオオッ!」
部下を殺された恨みからか、巨熊の様子からは明らかに「怒り」が感じられていた。
「フン」
しかし勇次郎は、それにすらも侮蔑の表情を浮かべていた。
596スチール・ボール・ラン 1st stage:04/10/20 02:00:09 ID:gg5Gfg3Q
「・・・・・・ア・・・・・・ア・・・・・・」
カイジは絶句していた。

洞穴から出てきたカイジ達が目にしたのは・・・・・・
百以上にも及ぶ白イタチの死体。そして、素手で10メートル以上はあろうかという巨大熊を圧倒する、一人の男の姿。

「微温いな」

発したその言葉とともに・・・・・・勇次郎の廻し蹴りがが、巨熊の首を両断した。

一匹でも銃火器を使っても命の保証があるかどうかわからないイタチや熊を百匹以上、たった一人で、素手で倒した勇次郎。
全てを終えた勇次郎は、カイジ達の元に歩み寄ってくる。
「てめぇには用は無ぇよ、どけ」
カイジを退け、勇次郎はアカギの前に対峙する。

「怖くないのか・・・貴様・・・」
アカギに話しかける勇次郎。
「怖いさ・・・・・・
 常軌を逸した怪物を事もなげに退ける超暴力・・・・・・そんなのを目の前にしちゃ、な・・・」
しかし、アカギの表情は、相も変わらず余裕である。
「その割には、あんまり恐れているようには、見えねぇな・・・」
「悪いな・・・表情が乏しいもんでね・・・」

勇次郎の顔に笑みが浮かんだ。
その瞬間、勇次郎は拳を構え・・・・・・アカギの顔面に叩き込もうとする!
「アカギィィィィィッ!」
カイジの絶叫が、雪山にこだました。
597スチール・ボール・ラン 1st stage:04/10/20 02:11:19 ID:gg5Gfg3Q
その瞬間、カイジのもとに、雪山の吹雪とは異なる突風が吹いた。

次の瞬間カイジが目にしたのは、アカギの顔面の寸前で拳を止めた勇次郎の姿だった。
振りかぶる風圧で突風すら巻き起こす勇次郎の拳だが、それはアカギの顔面にヒットしてはいなかったのである。

「・・・・・・助かったとでも、思ってるか・・・?」
勇次郎はなおもアカギに問う。
「俺はこの距離からでも、てめぇの頭なんざタマゴみてぇに簡単にコナゴナにできるぜ・・・?」
笑みを浮かべながらアカギに言い放つ。

「やれよ・・・・・・」
アカギの一言に、勇次郎の笑みが、消える。
「俺はアンタみたいに格闘に長けてるわけじゃない・・・むしろ、身体能力も普通より下だろう・・・
 その気になれば俺を殺すのなんて、アンタなら赤子の手をひねるようなモンだろう・・・
 もっとも・・・・・・それでアンタが満足すればの話だがな・・・・・・」
アカギの態度は、強気でもなんでもない。勇次郎の暴力を前にしても、彼は汗ひとつかく事は無かった。
「・・・ククク・・・『鬼(オーガ)』ってのは案外おしゃべりなんだな・・・」
「・・・・・・アカギ・・・・・・」
実際に勇次郎と相対しているアカギより、見守るカイジのほうが神経をすり減らしていた。

勇次郎は、構えていた拳を、戻した。そして・・・・・・

「ウハハハハハハハハハハハハハハハ!」
タガが外れたように、『鬼』が、笑った。
598スチール・ボール・ラン 1st stage:04/10/20 02:23:21 ID:gg5Gfg3Q
「気に入った、気に入ったぞ、貴様ッ!」
勇次郎がアカギを称える。
「よし、俺はお前と組むぜ!」
「ハァ?」
呆気に取られるカイジ。
先程まで自分達を殺そうとしていた相手が、掌を変えて協力を提案してきたのだから、たとえ相手が勇次郎でなくとも不可解であるのも無理はない。

だが、アカギはあくまで自分の道を貫いていた。
「断る」
きっぱりと答える。
「悪いが俺はアンタの力を必要とはしていないんでね・・・・・・行くぜカイジ」
「え・・・・・・あ、ああ・・・」
彼は「必要とする人間」であるカイジを呼び戻し、勇次郎に背を向け歩き去ってゆく・・・

「断っても無駄だぜ! 無理にでもついていくからなァ!! ワハハハハハハハハハッ!」
勇次郎はその場で笑い続けていた・・・・・・


「オイいいのか? 断ったら後がヤバいんじゃ・・・」
「さっきも言ったろ? このレースで勝つのにアイツは必要ない・・・お前は別だがな、カイジ」
「でも、アイツが味方なら、他の敵に襲われた時だって・・・」
「その時はその時だ、自分達で何とかするさ」
「でもアイツ、無理矢理ついてくるって言ってるぞ?」
「ついてきたきゃ勝手についてくればいいさ・・・お前もアイツはいないものと思って無視してりゃいい」
カイジが何度問いただしても、アカギの態度が変わる事は無かった。

「それにしても・・・・・・無くなっちまったな、バイク」
「構わないさ。どうせもうすぐ乗り捨てようと思っていた所だったからな。
 この山さえ越えればもうすぐ海岸だ。第一のチェックポイントに行くには海を越えなきゃならない。どの道バイクじゃこれ以上は無理だ」

こうして、カイジとアカギに、新たな仲間(ストーカー?)が加わったのであった。
599off:04/10/20 02:47:53 ID:gg5Gfg3Q
勇次郎登場編。
勇次郎や白イタチ、巨熊の強さ、アカギの余裕さを出したかったのですが・・・なんか中途半端な気もしないでもない。
本当はこの後もう少し書きたかったのですが、一人で10レス分以上続けるのも何なので次回回し。
ひょっとしたら、このスレでは最後で、次回以降は次スレかもしれないですねぇ。
次回は久々に主催者・スティール氏が登場し、ある事件が発生。クク、人間って面白っ。

>548
少しぐらいスキ作らないと今後カイジの必要性が・・・今のカイジがヘタれ杉ってのもあるけど。

>549
熊に食われる人間がどうしても必要だったのですが、彼しか思い浮かびませんでしたw
○○○トは鬼の生贄になりますた(つд`)が、その分勇次郎にはかなり暴れさせました。内容が内容だけに、今後彼が本領発揮できるかどうかわからないので。
そういえば、プーアルはどうなったんでしょうか? 雪山で遭難でもしてんじゃないですかw

>580
両さん・・・・・・正直、考えてなかった(ぉ
序盤と終盤は考えてるんですけど、中盤は実はまだうまく考えてないんで、出演の候補には入れとくかな。もしくは2nd stage以降に。
そういえば両さんって夏のジャンプのイベントでエネルと戦ったんですよねぇ。見てないけど。

>587
いやこっちが被りますた orz

他の作品の感想も書かないとかな。なんかやたら聖徳太子が大人気ですねw
聖徳太子を越えるキャラといえば・・・・・・奴らしかいないか・・・・・・って誰。
600作者の都合により名無しです:04/10/20 03:08:12 ID:tBx4OAMX
ついにやってきたサイヤ人。
地球を守るため、Z戦士達は集結!サイヤ人2人との長い戦いが始まった。
 「さあて…どいつから片付けてやるかな…」
大地が揺れる程の気を発しながら、構えをとるナッパ。
怯えるZ戦士達。ボロクズになってしまったヤムチャ。
 「はああああああ…」
弾かれたゴムのように、勢いよく飛び出すナッパ。
狙いは天津飯だった。すさまじいスピードに反応の遅れた天津飯は
ナッパのパンチによって左腕を失ってしまう。
 「うおおおおおっ!!」
難を逃れたクリリンが、天津飯を守ろうと飛び出す。
 「ほっとけ!奴はもうダメだ!」
 「うるせえっ!」
ピッコロの精子も聞かず、天津飯のもとへ向かうクリリン。
上空から様子を見ていたナッパは、そのクリリンに向かってエネルギー波を放った。
轟音と共に地面に空いた大穴。エネルギー波のとてつもない威力を物語っている。
 「ちゃ…餃子は!?今のでやられちまったのか!?」
あたりを見渡して、餃子を探すクソソソ。
 「ナッパ、後ろを見てみろ」
餃子はナッパの後ろに回りこんでいた。べたっとナッパの背中に張り付く餃子。 
 「何をする気だ!逃げろ餃子ああああああああ!!」
 「天さんさようならどうか死なないで」
 「まさかお前 やめろー餃子ー」

ドウグオオオオオン!!!

餃子は自爆した。誰もが餃子の死を悲しんだ。しかし…
 「へっ無駄なことしやがって。俺達の恐ろしさをまだよくわかっていないようだな…」
生きていたナッパ。本当の恐怖の時間はこれからだった…
そしてヤムチャは右手にそうき弾のエネルギーを溜め込みながら、死んだふりをしていた。

続く。
601作者の都合により名無しです:04/10/20 03:09:38 ID:tBx4OAMX

はじめました皆さん。
このたびこのスレでSSを書くことにしました。
題名はそうきだんです。そのままです。
完結だけはぜったいにさせるので奇態していてください。
どうかよろしくおえんがしいましす。
602輪廻転生 9:04/10/20 05:48:06 ID:BstBVzs5
虹村慶兆は5つの部隊を作っていた。彼の前方に2つ、後方に一つ、斜め前に2つ。
全方位から攻撃が可能だったはずだった。そして、銃口は火を噴いた。が、肝心のヤムチャがそこにいなかった。
慶兆はヤムチャの体が完全に吹き飛んだものと錯覚していた。が、彼は直後背中に鈍器で殴られたような衝撃を覚えた。
「このくらいの事は時を止めなくてもできる。瞬間移動を使わなくてもな。」もともとヤムチャは地球人の中では強いほうだ。ただ彼のいた世界では他に強い人間がいっぱいいて
彼はただの脇役でしかなかったという事だ。純粋な地球人限定の格闘大会を開いたらたぶんヤムチャはいいところまでいけるだろう。

 ヤムチャの右回し蹴りが上段、中断、下段とヒットする。続いて今度は左。骨にヒビが入る音が響き、慶兆は意識がめまいがしてきていた。
そして、踵落とし。慶弔の左肩にヒットし、彼の左腕はもう使い物にならなくなった。「なぜ、お前をすぐに殺さないかわかるか?お前達がいままで痛めつけてきた弱者の苦しみをお前に味わわせるためさ。」
傍から見ればただなぶっている様にしか見えない攻撃だった。しかも、パワーとスピードを兼ね備えた攻撃だから、むごいとしかいいようがない。慶兆は部隊をヤムチャの後に集結させた。「バッド・カンパニー!!」
慶兆の後ろから部隊が攻撃を仕掛ける。一秒遅れてヤムチャの後ろからも攻撃が加わる。そしてヤムチャの斜め、上空、左右からも攻撃が加えられた。が、ヤムチャは高速で床を突き破り屋敷の中へと逃げた。
「何っ!」慶兆は自分のスタンドが撃った銃弾に体中を貫かれた。そして、彼は落下し、二度とさめぬ眠りへとついた。



603作者の都合により名無しです:04/10/20 07:50:40 ID:pCJhGlvk
【2次】漫画SS総合スレへようこそpart19【創作】
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1098225785/l50

ちょっと早いかな?と思ったけど一応立てました。
604作者の都合により名無しです:04/10/20 09:47:16 ID:WkTAhryi
>>603
お疲れ様です。バレさんが家の都合で10日くらい更新できないそうなので
保守の為に今回は早めに移行でいいと思います。

>のびたとローマ
ジャイアヌス様笑った。しかし即席剣闘士セット強すぎないか?
相変わらずのび太は成長しないなあwバトルとかあるんでしょうか?
>スチールボールラン
この勇次郎は「バキ」の勇次郎ですね。グラップラーの方じゃなくて。
どこか優しい。アカギの揺れない心がらしくていいけど、カイジ役立ないなw
>輪廻転生氏
新スレの方に感想書きますね。

605作者の都合により名無しです:04/10/20 15:51:20 ID:zWR2aTBo
ドラ・ローマってだけで既知感を覚えてたのに
ジャイアヌスで確信した。これコピペだ。
大長編ドラを作るスレとか言うので書いてあっただよ。
606作者の都合により名無しです:04/10/20 21:21:24 ID:ujjN3mm6
今スレも好調でよかったな。
最後で変なの着たけど。
607作者の都合により名無しです:04/10/20 21:53:00 ID:jCrf7f1F
今容量どんくらい?
608作者の都合により名無しです:04/10/21 13:59:13 ID:SniIsAmn
453KB。
609作者の都合により名無しです:2005/03/21(月) 21:31:20 ID:+djpcB+S0
tes
610作者の都合により名無しです:2005/03/28(月) 19:54:19 ID:cCpibLCc0


611作者の都合により名無しです:2005/03/30(水) 06:30:56 ID:GUp7Qrsm0
test
612 ◆lngA9V.VTI :豆つぶドチビ暦2001年,2005/04/02(土) 15:55:44 ID:oBf1d1gr0
 
613 ◆Hr2XzXnnsg :豆つぶドチビ暦2001年,2005/04/02(土) 15:57:05 ID:oBf1d1gr0
 
614 ◆7yYhBHUEoQ :豆つぶドチビ暦2001年,2005/04/02(土) 15:58:11 ID:oBf1d1gr0
 
615 ◆qDaKtkosCQ :豆つぶドチビ暦2001年,2005/04/02(土) 15:59:36 ID:oBf1d1gr0
 
616 ◆4pO0./8NKY :豆つぶドチビ暦2001年,2005/04/02(土) 16:00:49 ID:oBf1d1gr0
 
617作者の都合により名無しです:2005/04/03(日) 16:54:12 ID:6HEONCsC0
as
618作者の都合により名無しです:2005/04/17(日) 17:49:54 ID:GTU0OghnO
619作者の都合により名無しです:2005/05/04(水) 02:15:16 ID:yg0Sferd0
age
620作者の都合により名無しです:2005/09/12(月) 21:58:25 ID:6t5DFQjS0
ここは?
621作者の都合により名無しです:2005/10/01(土) 21:33:15 ID:zA+ODI7N0
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622作者の都合により名無しです:2005/10/01(土) 21:34:37 ID:zA+ODI7N0
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623作者の都合により名無しです
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