ディアナ・ソレルのよしなに日記2006〜時代〜

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1通常の名無しさんの3倍
過去ログ
 ディアナ・ソレルのよしなに日記
http://ebi.2ch.net/shar/kako/973/973533577.html
 ディアナ・ソレルのよしなに日記 in2002
http://choco.2ch.net/shar/kako/1009/10098/1009810486.html
 【ディアナ】よしなに日記【Present's】
http://choco.2ch.net/shar/kako/1018/10187/1018718314.html
 【ディアナ】よしなに日記(仮?)【Present's】
http://ex.2ch.net/shar/kako/1020/10202/1020296623.html
ディアナ・ソレルのよしなに日記 in2005
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1124252614/

2002年後半〜2005年中頃までの日記は萌えスレ参照のこと。
関連スレ
全軍をもってディアナ様に萌えるスレッド
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1136643468/
2通常の名無しさんの3倍:2006/05/23(火) 19:56:30 ID:???
AAとかは↓で
∀ガンダムスレ保管庫
ttp://f4.aaa.livedoor.jp/~shar/cocoon/index.html

日記職人様サイト
ディアナ様とロランのマターリよしなに日記
ttp://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Tone/9379/
首吊りディアナ様の日記
ttp://www.geocities.jp/kubitsuridiana/

  .-ー-ーヽ
 /  i_i_i_i_i_i          では、始めましょうか。
 iノ |ノ|*゚ー゚)/ ̄ ̄ ̄ ̄/
 |ノ| リ つ /  VAIO /____
   ̄ ̄\/____/ 
3通常の名無しさんの3倍:2006/05/23(火) 21:09:28 ID:???
>>1
よしなに
4通常の名無しさんの3倍:2006/05/23(火) 21:44:35 ID:???
<丶`∀´>ウリが微笑みの亀甲縛り4様ニダ
5通常の名無しさんの3倍:2006/05/23(火) 21:51:00 ID:???
<丶`∀´>5マキもウリナラ人ニダ
6通常の名無しさんの3倍:2006/05/23(火) 23:18:45 ID:???
>>1
乙なに
7仮面の人:2006/05/24(水) 01:23:59 ID:x3oAvSc8
よしなに。
8通常の名無しさんの3倍:2006/05/24(水) 01:55:45 ID:???
<丶`∀´>ウェーハッハッハ
9通常の名無しさんの3倍:2006/05/24(水) 05:19:02 ID:???
ロラン「ディアナさま〜」
ディアナ「なんですのロラン」
ロラン「こんなもの拾ったのですが」
ディアナ「まあ・・・素敵なペンダントですわね。」
ロラン「どうしましょうか、役所に届けた方がいいですよね」
ディアナ「ええ・・・・あら中に写真がパカッとな」
(いやらしそうな目付きをしているローラ姿のロランとグエンの写真)
ディアナ「・・・・私が預かっておきましょう。どうせこんな下品なペンダントは誰も取りに来ません」
ロラン「え、ええ!?」

10通常の名無しさんの3倍:2006/05/24(水) 16:16:36 ID:???
>>9 そのペンダントを無理やりシュレッダーにかけようとするディアナ様
11通常の名無しさんの3倍:2006/05/24(水) 23:49:39 ID:???
ディアナ「まぐもぐもぐ」
ロラン「ディアナさま!行儀悪いですよ」

ディアナ「バリボリボリ」
ロラン「もうディアナさま!」

ディアナ「ハムッ、ハフハフ!」
ロラン「ディ・・・・」
ロラン(どんな音やねん)
12通常の名無しさんの3倍:2006/05/25(木) 04:06:19 ID:???
ディアナ「う・・・・吐気と腹痛が・・・」
ロラン「食べ過ぎるからですよ、今薬を持って来ます」
ディアナ「うぅ・・・苦しいです・・・・・・」


ロラン「収まりましたか?」
ディアナ「ええ、ところでロラン、今日の夕食は魚介のマリネが食べたいです」
ロラン「あ、はい。でも食べ過ぎないで下さいよ」
ディアナ「分かってますわよ、ロラン」
13通常の名無しさんの3倍:2006/05/25(木) 14:35:04 ID:???
ちぃっ!ついにディアナ様 御懐妊かと思ったら…
14通常の名無しさんの3倍:2006/05/25(木) 20:54:41 ID:Sxh4Lgwe
それをあのトラキチ知ったら(笑)
15通常の名無しさんの3倍:2006/05/25(木) 22:21:02 ID:???
       /                   `ゝ
     /            、       、 ヽ
     /       「 ̄ ̄| ̄ ̄ヽ    λノ  ,ゝ
    /        |、  |    Vレレ' ̄|人ノ
   ノ  ノ     _ζ_|_____| /   /   ゝ
   7  λ    _ゝ ̄        \―/   ミ
  ノ   レ从人√            / |  lヽ)
 λ    \_           ^ ´  λ从ノ
  ノ     ( |       / ̄ ̄7  /
  "ヽ    λ|      / ̄ヽ ̄7  / / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    "ヽノレ  λ      l___|__/  /<   ユニバァァァァァァァス!!!
      /     ヽ    `----'  /  \__________
     /       ヽ   ---  /
 / ̄ ̄ ̄ ̄7――‐---\_______/
/       /      .-/---、
16通常の名無しさんの3倍:2006/05/28(日) 07:37:44 ID:???
このスレもう終わりなんか?
17通常の名無しさんの3倍:2006/05/28(日) 14:11:16 ID:???
>16
職人様次第って言うのが強いスレゆえまったり待つか
自分でネタ考えて書く。
18通常の名無しさんの3倍:2006/05/30(火) 18:36:18 ID:???
デ「なんでも私とアナ・メダイユ姫を比べるスレがあるそうですね」
デ「長きに渡って月に君臨し、幾千万の民を統べたわたくしと
  田舎領主の娘を対比するのも、少々酷な話ですね、ロラン」
デ「……ロラン? ロラン・セアック?」

振返ると、キンゲのOPに見入っているロランの背中
うっとりと弛んだ表情で『キン、キン、キングゲイナ』の部分を巻き戻している

ロ「かわいいなあ〜……」
デ「 Σ(´Д`lll)
  ど、どうせ、私は御歳数百歳のお婆ちゃんですよ!
  そうでしょうね、ロラン・セアック!?
  あなただって、若い子のほうがよろしいのでしょう!?
  わたくしなんて、わたくしなんてーーヽ(`Д´)ノ ウワァァァァァァン 」

ロ「ディ、ディアナ様!? ち、違います! 誤解、誤解ですよぉ!
  僕はただ、リンクスに見とれてて……」
デ「……」
デ「…………ああ、この三匹の鼠ですか」
ロ「リンク、リンナ、リンスっていうんですよ。可愛いでしょう?」
デ「……はぁ〜……ツカレタ」
ロ「いっしょにご覧になりませんか、ディアナ様
  この第11話『涙は盗めない』はとても良いお話で(ry
デ「(よりによってその話かよ)
  ……いえ、なんでもありません、一緒に見ましょうか、ロラン」
ロ「はい、ディアナ様」

差し伸べられたロランの手を取り、その傍らにわたくしは腰を下ろす
そっと身体をロランのほうに傾けると、ロランも同じように肩を寄せる
ーー肩を抱いてくれないのがちょっと不満だけど、今日は大目に見よう
ハイテンションなOPを鑑賞しながら、そう思うわたくしでした
19通常の名無しさんの3倍:2006/05/30(火) 18:40:53 ID:???
保守がわりに書いたが……

ごめんなさい。反省してます
20通常の名無しさんの3倍:2006/05/30(火) 18:59:55 ID:???
ロランには敢えて17話を見せるべきかと思いますディアナ様
21通常の名無しさんの3倍:2006/05/30(火) 19:01:09 ID:???
>>19
GJ!

実は俺もそのスレ覗いて考えたんだけど
真剣に悩んだ挙句、体を2つに割るという答えに辿り着きました
22通常の名無しさんの3倍:2006/05/30(火) 19:43:53 ID:???
>21
望みどおり割ってやろう by ハリー
                  ___
        . -‐- 、   ,-i____l_o`,    _, -―-、
      / ""    ヽ,∠__|\i=|∠`、_√ノ ....::::::`、
     /   ー―-、 |'ー-`、 ̄`、 ̄`、~`、:::::::::;;;;;;;;|
     |´ ,r-――-r、ト、ト、- ―'、‐―'、‐‐', ‐l-<;;;;;;;ノ
     レ´〈, -r‐r-、ト,}ノ レ'ヽ,__'、___'.___',λ,-―-|___
     .ゝ'〈`'ー'r'‐λ人ノレ'´⌒i__|____|_|_l Y⌒'y'´__`i_
    / ___i|'、_ノ/_〉 |//'i.__|,-'i''''ri''i__|  |iレ'7´O〃 `i
    |/, -―-、`''i'''´<||ニニニ==-::[]::::|_  |il/____.、 li |
    ゝ.ヽ,「「「]ノ .-'- 、 \.i~~ト、 .`iUi'ー;`ー、7ミjノ__ノノ ノ
     `'ー--‐‐'′  .>、  __i::〉_√ノノー--、'.Z__Z -‐'
            /    ̄_.-‐'l ̄| ::.   ヽ.
             / , -‐‐i'´   | | ::::.  ヾ ',_
           レ'´  _/   /   '、 :::::.  / ∧
           レ'´ノ//`i .ノ     ゝ,_, -r'|_ノ |
           / // | |'      E|-‐|/  |
           >、`/'' ´_.ノ       .ゝ,=|>ニニ'|
          /|/'ー‐'i´l        l′ ゝ,'ー=,<
         /./| 〃 /| |        |    X´__.|_
        √~7`ー‐i´ | .|      、 |   / /ト. i
       λ / 〃 | 人.|―      .|  /__ノ i '、 '、
    ,'  、 7`'r、___ノ|ll'T´ ―    _ 、〉'´  ト、 .|  '、'、      ,
      ',,/|__l___l__ト、|  =    -= `i―rr'=''、-、---'、,'´ ''
  ゛ ',''. ,,i. l     l ノ=-     ― _| /`'==.=、 `、― \,,' "
    ,,´ ,´`'ー――‐‐'            'ー―‐′ `ー'――' '' ゛.  ''
23通常の名無しさんの3倍:2006/05/30(火) 22:36:54 ID:???
右半身をディアナ様へ
左半身をアナ姫様へちゃんと届けてくれよ?
24通常の名無しさんの3倍:2006/05/30(火) 22:49:56 ID:???
            /           ヘ
             ノ  r‐-⊥   L⊥ヽ_
            {イ l l:::| |:::::VN':::::::::| ト、} 
           Nト、ゝ」_l_:_」 l_::_::::/リレ  >23
                ∨ 〉  ヽ'  ム!イ    上半身をディアナ様に。
      _ i⌒L_  _./  ハ、 ´ ̄ /       下半身をアナ姫殿に送らせて頂いた。
    /:::::::::|  |::::Y:/  /二ァ'う┬L_
.  /:::::::::,ィ ┤ し '  厶/ ,イ| | 「::::::::l    ___
  i:::::::::::L- ^          /:::l l リ:::::::::::ト<::::::::::::\
. |::こ ̄ _,ィ  ー-、    仁 Tヽ l:::r‐ヵ}  |::::::::::::::::::ヽ
  i::::::: ̄::::F     |    イこ⊥_V:::| [. 7  l:::::::::::::::::::::|
.  \::::::::/i    ノ  ¬ `     ノ | r/  /::::::::::::::::::::::|
.     ヽ〈 \ _     ,ィ丁.「::::l /  ∧::::::::::::::::::::::!
.      ヽ_∧ `ー-<::::::::l ゝィ/  /  ト-、::::::::::/
        l:::ヽ___」:::::::::ゝ-ァ'  ∧ ,イ<i^i:::::/
          i:::::::::::::::::::::::::::::::/   /::::〉∧ヽ7/:イ
           i:::::::::::::::::::::::/  /::::/〃 `ー'/「
25通常の名無しさんの3倍:2006/05/30(火) 22:53:13 ID:???
>>18
御歳2019歳
26通常の名無しさんの3倍:2006/05/30(火) 23:01:18 ID:???
>>25
ちょwwそれオルファン
27通常の名無しさんの3倍:2006/05/31(水) 02:13:47 ID:???
ソシエ「カナン・ギモスだって。変な名前!」
ロラン「すみません・・・」
ソシエ「?」
28通常の名無しさんの3倍:2006/05/31(水) 02:26:18 ID:???
ディアナ「これは・・・何かしら・・・?」
ロラン「本当だ・・・これ・・・茸?」
ディアナ「臭いは・・・スンスン」
ロラン「ちょっと生臭いですね」
ディアナ「食べられるのかしら?」
ロラン「ダメですよ!こんなもの食べちゃお腹を壊しますよ!」
ディアナ「えいパクッ」
ロラン「あ、ああ・・・ディアナさま・・・らめれすよぉ・・・・」
ディアナ「モキュモキュ」
ロラン「ハアハア・・・気持ちいい・・・・」
ディアナ「ジュプ・・・ンン、これ、とってもおいしいですわ」
ロラン「ハアハアハア・・・じゃあ僕もこのミルクプリンを食べたいです・・・・」
ディアナ「フフフ、さあどうぞ」
ロラン「ン・・・ムン・・・」
ディアナ「あっ・・・ん・・・」


書いていてネタが溢れだす事にヤバイと気が付いた
29通常の名無しさんの3倍:2006/05/31(水) 23:22:58 ID:???
そのままいっちゃえよ!
30通常の名無しさんの3倍:2006/06/01(木) 04:26:37 ID:???
ディアナ「>>28という夢を見ました」
ロラン「あ………」
ロラン(普段思ってる事とか願望が夢に出てくるとかいうけど・・・・まさかね)
ディアナ「ロランはわたくしの夢を見ますか?」
ロラン「え………あの、草原を一緒に歩いてる夢とか」
ディアナ「はい」
ロラン「なんかあの……て、手を繋いで歌を唄い合ったりとか…」
ディアナ「ウフフ♪ほのぼのとしてますね」
ロラン「いやあ・・・・」
ディアナ「ところで夢の中のわたくしはどのような感じなのですか?」
ロラン「うーん、普段通りですよ?」
ディアナ「なら普段はわたくしはどのように写っているのですか?」
ロラン「え・・・難しいなあ・・・・・」
ディアナ「ワクワク」
ロラン「う・・・・正直に言いますよ?」
ディアナ「はい♪」
ロラン「ふぅー、・・・ちょっと意地悪でわがままで、時々手に負えないんです」
ディアナ「・・・」
31通常の名無しさんの3倍:2006/06/01(木) 04:40:10 ID:???
ロラン「でもちょっとでも落ち込んでる時とかすぐ気が付いてくれて」
ロラン「心が見透かされてる気がしていっつも何かドキドキするけど」
ロラン「でもそれが暖かくて、見透かした心をそのまま包んでくれている気がして安心するっていうか・・・」
ディアナ「・・・」
ロラン「正直わがままも言ってもらうと結構嬉しいんです。」
ロラン「なんか頼りにされてるかなーとか思ったりしちゃったり・・・」
ディアナ「・・・・」
ロラン「ハハハ、そんなに見ないでくださいよ。結構恥ずかしいんですよ?」
ディアナ「ロラン」
ロラン「はい」
チュッ
ロラン「あ・・・ディアナさま・・・・?」
ディアナ「ロランの事がもっと好きになりました。今、ロランの心に触れた感じがします」

前々からそうだった。ディアナさまに対して僕は遠慮していた。
ディアナさまはそれがもどかしかったんだろう。だから僕をからかったり、僕に溶けこもうとした。
僕はそれに気が付かなかった。
なんで今になって分かったんだろう。
きっとそれは・・・

ロラン「ディアナさまも僕に遠慮していたからだ」
32通常の名無しさんの3倍:2006/06/01(木) 04:57:04 ID:???
ディアナ「いきなりどうしたのロラン?」
ロラン「僕はディアナさまに対して遠慮していた。だけどディアナさまも僕に対して距離を置こうとした」
ディアナ「・・・・そうかもしれません」
ロラン「なぜディアナさまが遠慮したのか分からない。」
ディアナ「・・・」
ロラン「僕が、ディアナさまを好きだって分かってるんでしょ?遠慮しないで僕の事を好きに扱えばよかったんですよ」
ディアナ「ロラン・・・」
ロラン「もう一緒に居て暫く経ちます・・・きっと分かっているはずです」
ロラン「ディアナさまが僕に対して何か想っているって事も分かってます。僕だって・・・僕だってそれぐらい気が付きます」
ディアナ「ロラン・・・?」
ロラン「はい」
ディアナ「わたくしからも正直に話してもよろしいですか?」
33通常の名無しさんの3倍:2006/06/01(木) 05:30:54 ID:???
ディアナ「どうしてこんな話をしているか分かりませんが・・・・
     あなたの気持ちを知りながら自分にもロランにも遠慮していました」
ディアナ「でも抑えきれず、あなたに少しでも触れようとして、おかしな話ですが意地悪したりしました。
     ここに連れてきたうしろめたさと、わたくしでいいものかと、自問自答していました」
ロラン「………」
ディアナ「でもねロラン?わたくしはやはりあなたの事が好きです。」
ディアナ「例えあなたを後悔させる事になっても、あなたと離れたくない。あなたと一瞬でも心をかよわせたい」
ディアナ「今、優しい優しいロランを見てそう思いました。」
ロラン「ディアナ・・・・さま・・・・うぅあああ・・・・」
ディアナ「泣かないでロラン?」
ロラン「だっで・・・・ディア゙ナさまが・・・」
ディアナ「よしよしいいこいいこ・・・♪」
ロラン「うああ゙あ゙あ゙ーん!!!ディアナさまーーーー!!!」

ディアナさまをずっと大人だと思っていた
でもそういう先入観が僕らを邪魔していた
全然僕と変わらなくて、僕と同じように悩んで
ずっと
そういう気持ちを自分だけで詰め込むんじゃなくて
共有したり二人で解決することがこんなにも幸せな気持ちになれるなんて思わなかった
だから・・・

ロラン「二人で、幸せになりましょう。今よりももっと」
ディアナ「はい、ロラン」
34通常の名無しさんの3倍:2006/06/01(木) 05:42:28 ID:???
鼻血が出た
35通常の名無しさんの3倍:2006/06/01(木) 10:09:59 ID:???
頭髪抜けた
36通常の名無しさんの3倍:2006/06/01(木) 11:12:05 ID:???
ミルクプリンが出なくてしょんぼりした
37通常の名無しさんの3倍:2006/06/02(金) 02:09:14 ID:???
むひ
38通常の名無しさんの3倍:2006/06/02(金) 15:52:09 ID:???
甘過ぎて砂吐いた
39通常の名無しさんの3倍:2006/06/03(土) 09:11:51 ID:6vIh3Y5S
今夜は珍しくTVを見ておりました。
静かに読書などしてすごすのもいいものですが
たまには違うことをしてみたくなるものです。
ね?ロラン?

ロランは着替えながらわたくしの方に振り向いて
聞きとれないほど小さな声でなにやら不満そうにつぶやいています。
彼が身につけているのは
見事なフリルとレースで飾られ、刺繍も美しい
いわゆるロリータ系ドレス。
スカートに下のつけたパニエが音を立てています。
良く似合っているくせに何の不平があるのやら。
このスカポンタン。

わたくしは、真っ黒なルージュを引き
謎の言語が刺繍されたサテン地の変形学生服を着ています。
ロランがなかなかヘッドドレスをつけようとしないので
思わず
「なめとんのか、コラァ!」と覚えたてのセリフをはいてみました。

ロランが泣きそうな顔をして言います。
「ディアナ様〜、下妻ごっこは似合いませんよお〜〜」

そんなロランを無視して、わたくしは原付きという乗り物を
手に入れねば、と策をめぐらすのでした。
……
あら、いつの間にか5日もたっていますわ、
さすがにお腹がすきました
ロラン、おにぎりを66個握ってください。
それと
クッキー設定って何ですか?食べられるものですか、それ。
パラリラヨシナニパラリラ〜〜〜
40通常の名無しさんの3倍:2006/06/03(土) 09:45:49 ID:???
   .., -ー-、. ゴルァー
  <___,-=◎=〉
  i’ |-|メ゚Д゚)|y━・~~~
41通常の名無しさんの3倍:2006/06/03(土) 09:54:40 ID:???
まだやってるのかこの糞スレ・・・
42通常の名無しさんの3倍:2006/06/03(土) 11:01:53 ID:???
   .., -ー-、.  >>41逝ってよしなに!
  <___,-=◎=〉
  i’ |-|メ゚Д゚)|y━・~~~
43通常の名無しさんの3倍:2006/06/03(土) 12:52:06 ID:Z4LqegaN
 暗い宇宙に浮かぶ月の表面で、シルバーステッチの帯が薄っすらと地球の青
い光を照り返しておりました。黒歴史が語る時代、外宇宙に旅立った人類はき
っとこのような光景を眺めつつ遠い星を目指したことでしょう。しかし行く先
となる宇宙の彼方に同じ青空を見つけられる約束事はどこにもなく、足元には
漆黒の闇ばかり。―そう、ムーンレイスといえども、足元に大地はあったので
す。

 そんな青空の広がる地球で暮らし始めた六年前、ナノマシンによる延命治療
を行わなくなったわたくしは、当初数年も生きられないだろうと聞かされてお
りました。けれど、どうしたことでしょう。兼ねてからの望みどおり、地球で
穏やかな生活を送っているうちに、自分でも驚くほど健康な体になってしまっ
ていたのです。こうなっては流石の月のテクノロジーも形無しというもので、
医者たちは自然の力を前にして、皆複雑な笑顔を浮かべたものでした。
 けれども、自分は本当にこんな幸せを手に入れてしまってよいものか―。今
でもあの戦争で感じた血のにおいは拭いきれません。わたくしは多くの人々の
命を奪った罪深き女王なのです。それなのに自分ばかり生き長らえて、その上
ロランという純朴な青年にまで、無限に広がる青空のような、無償の優しさを
求めてしまっているのかもしれません。このままわたくしがこの環境に甘え続
けていれば、いつか灰色の雲が広がって、二度とあの美しい空は見れなくなっ
てしまうのではないか…。そんなことを思いつつふと足元に感じた暗闇は、いつの間にか底なしの不安へと繋がっていったのでした―。
44通常の名無しさんの3倍:2006/06/03(土) 12:53:54 ID:Z4LqegaN
「お一人で?な…何ゆえ突然そのようなことを。」
ハリーは赤い暗視グラスをかけていてもわかるほどの動揺を浮かべてわたくし
を見やりました。ノックスの郊外、ボルジャーノ家の別荘にある時計は夜中の
十時を回っておりました。数日前からソレイユが女王を乗せて久し振りに地球
に降りていた折、わたくしはリリ様にお借りしたその場所で、忙しい合間に時
間を見つけてくださったキエルさんとハリーに会っておりました。ロランには
執務のことで“呼ばれた”と申しておりましたが…。
「ええ…。当然そのように聞き返されるものと思っておりました。」
わたくしはそう言いながら、テーブルの上の紅茶に映る室内灯の明かりに何と
はなしに視線を落としました。
「そのことはロランも知っているのでしょうか。」
驚いたというより悲痛な表情をしたキエルさんが、女王の出で立ちのまま、
カップの中に小さな波紋を作ったわたくしに視線を向けました。
「いいえ…。ロランは、知りません。」
「なぜです。ロランはディアナ様との生活を、いつも楽しそうに語っていたそ
うですよ。」
悲しい顔をしていても、生き生きと見えてしまう美しいキエルさんの瞳が、わ
たくしのことを心配そうに覗き込みます。この六年間、わたくしよりもわたく
しらしく月の女王を続けられていたその姿を見ていると、なんだか自分が女王
であったことを忘れて、そのあまりの気高さにただただ強い畏怖を感じてしま
います。なるほど、端から見る女王とはこのようなものなのかもしれない、な
どと今更ながらに考えたものでしたが。
45通常の名無しさんの3倍:2006/06/03(土) 12:56:01 ID:Z4LqegaN
「ディアナ様は、ロランがお嫌いか?」
しきりに外を気にしながら窓際に立っていたハリーは、組んでいた腕を解き、
カーテンを引いてそう言いました。
「いいえ。むしろわたくしは、有り余るほどの幸せを頂いております。かつて
のウィルとの生活を思い出すこともありますが、今はそれ以上に人間とは何か、
自然とは何か、そして幸福とはなにかを、この上ないほどに感じながら、望ん
できたとおりの時間を過ごせております。」
「ではなぜ、二度と帰って来れないような宇宙への旅などなさるというのです
か。」
そう言いながらテーブルの上で両手を握り締める女王の青い視線を感じながら、
わたくしはキエルさんよりキエルさんらしいかもしれない自分の表情をカップ
の中に映して言いました。
「わたくしは―、もっとはっきりとした形で、かの戦争責任を負うべきなので
はないでしょうか。」
「そんな、あの戦争は、ディアナ様のご意図に反して起きてしまったことでは
ありませんか。」
「しかし…、戦死者は万を越えたのです。わたくしの年齢よりも、何倍も多く
の方が亡くなったのです。それなのに、わたくしはその痛みすら感じなくなっ
て、自分が女王だなどということからも背を向けて…。それに加えて、のほほ
んと暮らしているばかりか、思いのほか健康にまでなってしまうなど、あまり
にも無責任です。」
ハリーは紅茶を一口してから、ゆっくりと息をついて言いました。
「思いのほかご健康…よろしいではありませんか。いや、むしろそのほうがあ
なた様を女王としてお慕いしている多くの人間にとっては、喜ばしくはあって
も、決して疎ましいことではございません。あなたもそうお思いになられるの
ではないか?ディアナ様の代わりのキエル殿。」
わたくしは溜息混じりに目を開き、目の前のティーカップに手を伸ばすと、相
変わらず窓際に立つハリーに少しばかり反目した表情を向けました。
46通常の名無しさんの3倍:2006/06/03(土) 12:57:02 ID:Z4LqegaN
>投稿者より。
ちょっと長い?スマソ
47通常の名無しさんの3倍:2006/06/03(土) 12:59:34 ID:Z4LqegaN
「そのような言い方…、キエルさんに失礼ではありませんか。」
キエルさんは少し驚いたような表情でわたくしの顔を覗き込みました。
「な…なにをおっしゃるのです、ディアナ様。」
「いえ、キエルさん。あなたは十分立派に女王の責務を果たされております。
地球との安定した関係が築けたのもその功績のひとつでありましょう。わたく
しでは斯様な重責を果たせたものか…。今、わたくしは畏敬の念をもってあな
たを見ております。」
「―わたくしは、ディアナ様がご健在であればこその身代わりです。」
キエルさんはそう言うと、急にわたくしの手を握りました。逆に驚いてしまっ
たわたくしの顔を、じっと女王の顔が覗き込みます。ああ、そうでした。わた
くし自身、女王の責務がいかに重いものか知っているにも関わらず、それをキ
エルさんに押し付けてしまっているというのに…。「―ごめんなさい」と精一
杯の言葉を返したものの、キエルさんは悲しそうな目をしたまま、その両手に
ほんの少し力を込めて言いました。
「ディアナ様…、いえ、キエル・ハイムとして生きていらっしゃるあなた様は、
長い間、誰よりもお辛い想いをしていらっしゃったではないですか。わたくし
はあなた様のそのお痛みを少しでも代わってあげたいと思っているから、この
役を買って出ているのです。それなのにディアナ様ご本人が自分は幸せに生き
てはならないなどとおっしゃられては、わたくしはどうすればよいのですか…。」

キエルさんがそう言って私の手を握っていた両手をテーブルの下にそっと下ろ
すと、その様子を察したのか、ハリーは少し俯きながら、カーテンの隙間に視
線を向け言葉を続けました。
「…わたくしなどが申し上げるのは心引けますが…、その、キエル殿のおっしゃ
るとおりかと。ディアナ様がロランという心優しい青年とお幸せに暮らされて
いるということは、周囲の人間にとってどれほどの救いといえるか。」
ロラン。ああ、わたくしにとって限りなく透明で広い空のような存在―。けれ
どそれは、もしかするとわたくしが求める理想なのであって、ロランその人に
とっては、女王の期待に応えるという重荷でしかないのだとしたら…。
「…けれど、そんな心優しいロラン自身については、どうなのでしょう?」
わたくしはそう言って、伏せ目がちにテーブルの端を眺めました。
「どういうことですか?」
「わたくしは…、まだウィルとの思い出を心に残してしまっているのかもし
れません。ロランにしても、他にもっと幸せになれる方法がいくらでもあるの
ではありませんか?」
「ロランは我慢していると?」
48通常の名無しさんの3倍:2006/06/03(土) 13:01:39 ID:Z4LqegaN
「…そういった選択肢を吟味する機会すら、彼にはなかったということです。
わたくしはロランに心から感謝しております。だからこそもう、わたくしなど
という者から解き放たれて、彼には本当の自分の幸せを掴んで欲しいのです。」
「そう…ですか。でも、ロランが望んでいた幸せは、もともとディアナ様との
生活の中にあったのではないのですか?」
「けれどわたくしは…。毎日毎日、文句一つ言わずに、まるでわたくしの使用
人のように炊事洗濯をしてくれるロランのことがどうしても…」
カーテンが夜風で揺れると、それに呼吸を合わせるように静かな溜息をついた
ハリーが低い声で言いました。
「…やれやれ、ですな。ディアナ様はせっかくご健康になられたというのに、
今度はお心のほうが病にかかられてしまわれたようだ。」
「そ…そうでありましょうか?」
「ロラン君もロラン君かもしれませんが…。ま、彼の場合、態度こそ元来の身
分の違いを意識しているように見えますが、本当はそんなことを気にするよう
な男ではないとわたくしは思っております。だからこそディアナ様をお任せし
たつもりでありますし。」
「わたくしも、そう思います…。」
キエルさんの表情に浮かんだ、ハリーの言葉への穏やかな同調の色は、二人の
間にも他には変えがたい何かしらの繋がりがあることを語っているように見え
ました。ああ、この方々にも幸せになって欲しい―、けれどそのために、わた
くしはどうすればよいのか。そう、それを実行するためにわたくしはお二人を
お呼びしたのです。そしてほんの少し続いた沈黙を破って、僅かに頷いたよう
に見えたハリーが、窓枠の辺りに置いていたティーカップを手にして言いまし
た。
「―しかし、ディアナ様がそうお感じになられるのであれば、少しの間、おっ
しゃるとおり宇宙を見てこられてはいかがか。」
「ハリー!何を言うのです!」
やはりわたくしがいる限りこうなってしまうのかもしれません。キエルさんは
少し荒い調子の声を出しながら背後のハリーを一瞥しました。ハリーはすっと
それを制止するように片手を差し出すと、暗視グラスで隠れた表情を更に無表
情にして言いました。
「いや、そうではない、…キエル。地球圏外に飛び立った人類を見てこられた
いというディアナ様のお望みは、女王としての感慨から来るものでありましょ
う。であるからこそ、我々はそのお考えに異を唱えるべきではないのです。」
「本物のディアナ・ソレル様のご意志は、あくまでも女王の意志、ということ
ですか…。」
「そういうことです…。」
ふと訪れた静寂の中、緩やかな風が部屋の中をすり抜けました。わたくしは深
い溜息とともに、女王としての責務をまっとうすべき時が来たのだと、自分に
言い聞かせました。

49通常の名無しさんの3倍:2006/06/03(土) 13:04:14 ID:Z4LqegaN
 そんなことを思い出している間も、宇宙から見下ろす地球は、以前月から見
上げていたそのままの姿で暗闇の中に浮かんでおりました。出発の時、わたく
しはロランに嘘をついて、キエルさんたちと共に月へ向かうソレイユへと乗り
込みました。そして途中で冷凍睡眠装置付きの小型星間宇宙船に移り、一人ア
ルファケンタウリを目指したのです。だんだんと小さくなっていく地球、そし
てその傍らに輝く月。宇宙船は惑星の重力を利用してぐんぐんとスピードを上
げ、光速に限りなく近い速度で暗闇を突き進んでいくことでしょう。そして、
いずれかのうちに、“女王は月と地球の人々を代表して外宇宙に旅立った人類
の歴史を確かめる旅に出た”と公表されることでしょう。そうすれば、この先
どこにたどり着こうと、わたくしは女王としての最低限の示しをつけ、誰の力
も借りずに穏やかな最後を迎えられるというものです。
「これでよかった…。そうでしょう、ロラン。」
わたくしは窓に向かってそう呟きながら、ロランと共に取った最後の夕食を思
い出しました。暖かい暖炉の光と、白熱灯に照らされる柔らかい笑顔。この六
年間、わたくしは支えられ続けました。もう、十分なのです…。ロラン、あな
たはわたくしにとって…。
「月が綺麗ですね、ディアナ様。」
「え?」と思わず声を出して、わたくしは自分の頬を知らぬ間に伝っていた涙
を拭いながら、つい聞こえてしまった空耳に苦い笑みを浮かべました。しかし
すぐにまた訪れた鼓動は、それが空耳などではないことを、より確信に近づけ
させました。
「あ、地球も…、やっぱり久し振りに宇宙から見る景色は壮観だなぁ。」
わたくしは息苦しい感触を喉の奥に飲み込みながら背後を振り返りました。ソ
レイユの“小亀”ほどの大きさがある船内のスペースは、その殆どを冷凍睡眠
装置と自動解凍装置が占めており、物陰に人が隠れることなど、考えてみれば
至極容易なことであったと、その時初めて気がつきました。わたくしは不安に
感じながらも、なんとか勇気を振り絞って、「どなたか…、いらっしゃるので
すか?」と、薄暗い船内に向かって声を発してみました。
「お一人で遠くへ行ってしまわれるなんて、そんな身勝手な方だったなんて思
いもしませんでした。ぼくは、一生月の女王様を呪うことになったかもしれま
せん。」
地球の青白い光がひどく清廉とした空気を目の前に映しました。いつからそこ
にいたのでしょう。キエルさんやハリーたちと交わした密かな別れの時から?
それともソレイユが地球を飛び立った時から…?わたくしは心に浮かんだその
単純な質問を、足元だけ照らし出された人影に投げかけてみました。
「ふふ…、いつからでしょうね。ハリーさんにも後で聞いてみてはいかがです
か?」
ふわりと浮いた人影がすぐさま目の前に飛んできて、優しくわたくしの背中に
その両手を回しました。
「ロ…ロラン!なぜ…」
50通常の名無しさんの3倍:2006/06/03(土) 13:06:31 ID:Z4LqegaN
目の前に大きく広がるエメラルドグリーンの瞳に、わたくしは瞬時に吸い込ま
れてしまいそうでした。ほんの少しでも動こうとすれば触れ合ってしまうので
はないかと思えるほど近づいたその顔を、わたくしはドキドキを通り越して放
心状態で眺めました。
「わ…、わたくしは…、あの…、その…。」
「どうしたのです?何か不思議なことでもございますか?僕はずっとディアナ
様と一緒だと、六年前に申し上げたじゃないですか。もしや、そのことをお忘
れになったのですか?」
「け…、けれど…。どうしてこんなことをしたのです。この船は、アルファケ
ンタウリ向けて、すでに自動操縦で予定航路を進み始めて、手動では元には戻
れないのですよ?途中で心変わりしてしまわないように、わざとそのようにし
たというのに…。わたくしは、あなたから離れるために、そこまでして…。」
わたくしたちはそのまま無重力の世界の中を、身を寄せ合いながら漂いました。
天が地となり、前が後ろとなり、それでもわたくしはその瞳から目を逸らすこ
とができませんでした。その奥底から発せられる美しい輝きが、わたくしの心
を端から端まで埋め尽くしてしまって、もう他の何ものをも視界に入れること
を許さなかったのです。
「ふー…、そうなんですか。知らなかったなぁ。」
「う、嘘です!」
「ごめんなさい。ディアナ様がそこまでお考えになっていたとは知りませんで
した。けど、もうそんなことどうでもいいじゃないですか。」
「どうでもいい…?」
「だって、ぼくはもうこの船に乗ってしまったんだから。それに、何千年も前
に外宇宙に飛び立った人類を追いかける旅なんて、すごくロマンチックでディ
アナ様らしいじゃないですか。ぼく自身、ここなら誰にも邪魔されずにディア
ナ様を独り占めできるというものですしね。月はもとより地球でも、なかなか
そういうふうにはなれませんでしたから…。」
「そ…、そうですか。いえ、あの、よ…よしなに―。」
わたくしは思わず照れ笑いを零してしまいましたが、すぐ気を取り直して目の
前のロランに真剣な表情を向けて言いました。
「けれど、少なくともアルファケンタウリに近付くまでは十年以上かかるのです
よ?それから人間らしい生体反応を船のセンサーが探し当てるまで、何年、い
や、何十年かかることか…。」
「大丈夫ですよ、そのための冷凍睡眠装置じゃないですか。ぼくも一緒に眠ら
せてください。」
「ロ…ロラン…、なぜ…」
最後と思って一生懸命心に焼き付けた夕食の時のあの笑顔が、急にいたずらっ
ぽく浮かんで目の前に重なりました。けれど、いつもと変わらぬようにも見え
たその表情に両手をあてがうと、すぐに暖かい掌に握り返されて、わたくしは
頬の涙が火照りで乾いていくのを感じました。
51通常の名無しさんの3倍:2006/06/03(土) 13:08:49 ID:Z4LqegaN
「ぼくのことは、弁解致しません。けれど、ハリーさんとキエルお嬢様のこと
は、怒らないで下さいね。」
「…怒るなど。それにもう二度と、あのお二人と会うことだって…、え…?」
「ディアナ様はなぜお一人で行かれようと思ったのですか?」
「それは、その…。わ…わたくしの罪はこうでもしなければ償いきれるもので
はありません。本当は六年前、こうすべきでしたのに…。」
「そんな―」ロランはそう言いながら寂しそうな表情を浮かべ、少し視線を落
としてから言葉を続けました。
「ごめんなさい…、ディアナ様にそのようなことを考えさせてしまって。」
「なぜ?なぜあなたが謝るのです。あなたは…、大切な青春時代を、半病人の
わたくしなどのために六年も無駄にしてしまったのですよ?謝らなければなら
ないのは…、あの…、だから…」
ロランはわたくしの頬を両手で包み込むと、額を合わせてそのままじっとわた
くしの顔を覗き込みました。いつもどこか距離を置いているように感じられた
ロランでしたのに…。思えばこんなことをするロランは、初めてだったかもし
れません。でも、わたくしと同じように恥ずかしいのでしょうか…?なんとな
く、手が震えているように…。
「あ…あはははっ。」
急に笑ったロランの鼻が、私の頬に触れて、思わずびくっとしてしまった私は、
ひとしきり視線を泳がせてから、心臓が飛び出るような思いを押さえて目の前
を見上げました。
「そっか、ディアナ様は、そんなふうにお感じだったんですね。」
「ロ…ロラン!まじめに言っているのですよ?」
「あはははっ、すみません。でもみんな、そんなディアナ様のお優しさに救わ
れてきたと、お気付きですか?」
「え…?」
「ムーンレイスは皆、ディアナ様がそういうとてもお優しいお心を持った女王
様だって、知っていたんですよ。だからこそ、制約の多い月でも、今まで平穏
に過ごせて来れたんです。ディアナ様のような方がいらっしゃるからこそ、み
んな希望が持てるんだって。」
「けれど、わたくしは女王であるにも関わらず、そこから逃げだして、死ぬつ
もりで最後の数年間をあなたと暮らすことを選んだのですよ?ですから、あな
たも今度こそわたくしから解き放たれて、自分の本当の幸せを…、あ…」
ロランの手がわたくしの首の後ろに回されました。耳元に近づけられた唇から、
「好きです、ディアナ様。」と言う声がして、わたくしは戸惑いと安らぎの入
り混じった、けれどとても満ち足りた気持ちで思わずその温もりに身を任せて
しまいました。
「す…好き?」
わたくしの髪に潜り込ませるように頬を摺り寄せてくるロランは、そのまま強
くわたくしを抱きしめて言いました。
「ええ…好きです。こんなことを言っていいものかとずっと考えておりました
けど、ここでならきっと皆許してくれますよね?女王であろうとなかろうと、
ぼくにとってあなたは…」
52通常の名無しさんの3倍:2006/06/03(土) 13:11:41 ID:Z4LqegaN

 まだそれほど離れていない地球の光が、上下左右の区別なく、辺りを照らし
出しておりました。どれくらいそうしていたでしょう。ふと安らぎに満ちた静
寂を割ってスピーカーから音声回線を開く音がしたかと思うと、雑音の混じっ
た声が聞こえました。
〈…ジジ…ロラン君。聞こえているか?…聞こえていたら、返事をしてくれ…〉
ハリー。再びその声を聞くとは、ほんの数時間前まで考えてもおりませんでし
た。わたくしはまた、この方々に迷惑をかけてしまったのでしょうか。ロラン
は「すみません」と小声で言うと、わたくしを抱き寄せたまま、回線を開くモ
ニターセンサーに手をかざしました。
「はい。聞こえます、ハリー大尉。」
〈…ジジ…こちらスモーで近くまで来ている。このまま接触して宇宙船の進路
修正をする。よろしいか…?〉
「はい。そうしてください。」
〈…ジジ…了解…〉
宇宙船の死角に隠れていたのであろう、その金色の機体が左舷の窓に現れるの
を、わたくしはロランの腕の中からほんの少し上目遣いで待ち構えました。太
陽の光を浴びて、眩しいほど輝く装甲に目を細めた瞬間、ロランは窓の外を見
ながら再び回線を開きました。
「すみません…、やっぱり、できればもう少しこのまま…。」
スモーのモノアイからはこちらの様子が見えているのでしょうか。背後に浮か
ぶ地球と月の間で、金色の腕が敬礼をして静かに船の上に移動していきました。
<…ジジ…ディアナ様!…すみません、こんなことをしてしまって…>
「キ…、キエルさんまで?そこに、おられるのですか…。」
ああ、殿方に抱きかかえられている姿など見られてしまっては、本物の女王の
威厳などあったものではありません。けれど本当に、わたくしはこの中で一番
年上なのでありましょうか…。
「ロラン…嘘はよくありませんことよ?」
「―ごめんなさい。でも…、信じてくださいね…。」
ロランはそう言ってわたくしに寄り添ったまま、窓の外の鮮明過ぎるほどくっ
きりとした宇宙空間ならではの光景を眺めているようでした。こうして見ると、
地球も月も、本当に美しいものです。漆黒の闇の中で、掛け替えのない光を湛
えた大地が、ゆったりとそこに佇んでいるのでした。
そのままいつの間にか眠ってしまっていたわたくしがロランの腕の中で目を覚
ますと、同じく船はいつの間にか地球に向けて進路を取るスモーの僅かな振動
を響かせながら、無重力の空間を静かに進んでおりました。
「ロラン…。」
53通常の名無しさんの3倍:2006/06/03(土) 13:13:52 ID:Z4LqegaN
「…おめざめですか?ディアナ様。大気圏突入は心配しないで下さい。この船、
大丈夫ですよ。」
「いえ…そうではなくて…。」
わたくしはロランの瞳を見つめて、夢ではないその奥底の輝きを、しっかりと
心に映しながら言いました。
「ごめんなさい…、わたくし、あなたのことが…」
「大好きです。」
ああ、また先に言われてしまいました。今度こそわたくしが、言おうとしてい
たのに…。
 ロラン、本当にこれでよかったのですか…?わたくしはまた同じような不安
にかられても、生きることから逃げ出さず、自然に過ぎ行く時と共に進んでい
くことなどできるでしょうか。心に浮かんだそんな想いの中を漂いつつ、再び
訪れた心地よい眠気に任せロランの胸に顔を埋めると、次に現れる景色を夢に
見ながら目を閉じました。

 でも。地球に戻った私が見たのは、「ローラ、私のために戻ってきてくれた
んだね!」なんて言って家の前で待っていた、かの御曹司だったりするのです
が。世の中には強い人がたくさんいるようです。いえいえ、さぶいなんて言わ
せません。困った顔をしているロラン、安心してください。愛用のライフルは
まだ部屋に置いてあるはずですから―。

   オワーリ。連続うpで駄文失礼つかまつりました。
54あぼーん:あぼーん
あぼーん
55通常の名無しさんの3倍:2006/06/03(土) 14:14:22 ID:???
ホロン部乙
56通常の名無しさんの3倍:2006/06/03(土) 15:43:27 ID:???
乙、とりあえずageると変なのがくるよ
57通常の名無しさんの3倍:2006/06/03(土) 17:38:26 ID:???
全ムーンレイスが泣いた
58通常の名無しさんの3倍:2006/06/04(日) 00:43:51 ID:???
背景の説明は長くなるから要らん
59通常の名無しさんの3倍:2006/06/04(日) 03:24:50 ID:???
せっかく久々の力の入ったSSに、気分良く「乙!!」って言いたかったのに
心無い馬鹿のせいで台無しだ。職人さんも気分悪かろうに・・・。

変なのが沸いちゃったけど乙でした。
ちょっと目元が潤んでるのはきっと月の光が眩しかったからさ(ToT)
これに懲りずにまた書いてください。楽しみにしてます。
60通常の名無しさんの3倍:2006/06/04(日) 03:26:28 ID:???
変なの乙
61通常の名無しさんの3倍:2006/06/04(日) 03:33:30 ID:???
ロラン「ディアナさま、またミルクプリンが欲しいです…」
ディアナ「ロラン、デザートは最後ですよ?ウフフ」
ロラン「じゃあここにあるワインボトルでも開けましょうか、ねッ!」
ディアナ「あ…だめですロラ……んんあぁ!!」
ロラン「凄い…ずいぶん高級なワインが溢れだしてきてますよ」
ディアナ「もう、ロラン……ん、あふぅん」
ロラン「ンムフ……ディアナさま、おいしいです」
ディアナ「ぁん………やだ………声が出てしまいますわ…………」


定期
62通常の名無しさんの3倍:2006/06/04(日) 04:07:05 ID:???
ディアナ「で、>>61のような夢をまた見たんです」
ロラン「うわぁ・・・僕がディアナさまをいじめてる・・・・っていうかなんで普通にこんな話してんだろ」
ロラン(この手の話を聞いてからディアナさまの視線にいやらしさを感じる…)
ディアナ「ねぇロラン、わたくしには女性的な魅力が無いのでしょうか?」
ロラン「まあ………あまりそういう目で見ないかもしれませんねぇ」
ディアナ「なぜ?」
ロラン「一言で言いますとなんというか絵画に見る聖母のイメージにピッタリというか、
神々しい感じがもう溢れんばかりに全身から放たれていて近付けばなおのこと
遠目からでも分かるぐらいオーラを纏っていてそこで思わずため息が出るぐらい優しくて
甘い微笑からフッと見つめられるとそりゃもううっとりしてとろけて
時間を忘れるぐらい頭の中でその瞬間を回想して回想して回想して
「あ、あの時の笑顔もいいけどあれもいいよなあ」とか妄想しつつ
笑って無くてもちょっと眉間にしわを寄せて頬を膨らませて「もう!」なんて怒られた日にゃ
可愛すぎて怒られてんのに一日中ニヤニヤしてしまってハハハもう何言ってんだか訳わかんないや」
ディアナ「…………」
ロラン「………すんません」

63通常の名無しさんの3倍:2006/06/04(日) 04:28:02 ID:???
>>54-55
自演ゲス、死ね。
64通常の名無しさんの3倍:2006/06/04(日) 04:30:48 ID:???
ディアナ「ロランから見るとわたくしはそんな風に見ているのですね…」
ロラン「もちろんですよ、もうディアナさまの魅力を語らせたら誰も右に出しませんよ。もう見ているだけで………うわあ………何言おうとしたんだろ僕は」
ディアナ(それじゃあダメなのですよロラン!絵画みたいに見られているだけでは…)
ディアナ「もっとこう………ね、あ、ではロランはどんな女性が好きなのですか?」
ロラン「ディアナさまみたいな人ですよ」
ディアナ「…………」
ディアナ(なんでこう……好きと言われてるのに嬉しく無いんでしょうか)
ロラン「やっぱりディアナさまはー…」
ディアナ(飾り物のような………大事にされてはいるけどわたくし自身は愛されてはいないような)
ディアナ「オブジェみたい」
ロラン「え…………?」
ディアナ「いえ、別に」

65通常の名無しさんの3倍:2006/06/04(日) 08:31:11 ID:???
>>60
否定は・・・できんなorz
66通常の名無しさんの3倍:2006/06/05(月) 04:10:01 ID:???
〜夕方〜
ディアナ「ふぅ」
あらかじめ用意された紅茶を飲みながら物想いにふけるこの一時。
ロランは出かけているのです。
窓から見える夕陽を眺めてひたすらソワソワしているわたくし。
ディアナ「昔は…月に居た頃はどうだったかしら」
いつでも忙しくあれこれ考えて何かしていて、
悩んでいて
こういう時間が最高の至福だったように思う。
ディアナ「今は違うのですね」
今はもうこんな時間は暇なだけで、
いつでもニコッと笑顔を絶やさず側に居てくれる彼が居ないと落ち着かなくて、
彼が帰ってきたらお話したい事を考えながら
無限に思える刻に揺られ彼の帰りを待ちわびて。
だけど帰ってきた彼の顔を見たら話したい事を全て忘れてしまって、
走って彼にギュッと抱きつく。そうすると照れたように笑って抱き返してくれる彼。
それがたまらなく嬉しくて嬉しくて嬉しくて
ディアナ「……それだけでいいの?」
この生活に飽きたロランがどこかへ行くのが怖くて、なるべく楽しくて明るくしたくて
そうやってあれこれ考えていた。

―ロラン「あの、えーと……ハハハ、あれー?何か話そうとしてたんですが…………」―

いつしかロランも同じ事考えていたのだと気がついた。
それがおかしくて、ロランが何か話そうとするたびに笑ってしまいます。
ディアナ「なんなのでしょうね。ウフフ♪」

結局、さっきの「暇」っていうのは間違いで
こうして彼の事を考えて帰りを待つのも悪くは無いのです♪
67通常の名無しさんの3倍:2006/06/06(火) 04:23:27 ID:???
ロラン「う・・・ん・・・・・あれ?ここは?」
ピシィッ!
ロラン「あいたっ!な、何するんですかディ・・・なんですかその格好は!!」
ディアナ「女王様とお呼び!」
ピシィッ!
ロラン「いたあっ!確かに女王様だけど止めてくださいディアナさ」
ピシィッ!パシィッ!
ディアナ「女王様よ!」
ロラン「じ、女王様・・・」
ディアナ「・・・うーん、確かに女王様ではしっくりきませんわねえ・・・・」
ロラン「ディ・・・女王様、早くこの縄をほどいてください、朝ごはんが作れません!」
ディアナ「生活感溢れる事を言うんじゃありません!」
ピシィ!バチン!
ロラン「痛い・・・・」
ディアナ「・・・・あれ?ここは・・・ろ、ロラン大丈夫ですか!?綺麗な肌がこんなに赤く腫れ上がって・・・」
ロラン「ディアナさま・・・正気に戻られ」
ディアナ「ディアナじゃないわ、女王様よ!!」
ビシィッ!!
68通常の名無しさんの3倍:2006/06/06(火) 09:47:43 ID:???
(・∀・)イイ!!
69通常の名無しさんの3倍:2006/06/07(水) 00:01:24 ID:/clrA/ys
43-53書いた者です。
すみません、まじめに書きすぎたので、
今度はお笑いネタで。
70通常の名無しさんの3倍:2006/06/07(水) 00:03:20 ID:/clrA/ys
「はぁ、いい天気…!」
初夏の心地よい陽気の中、午前中の空気を吸い込みながら洗濯物を干し終わる
と、わたくしは労働の喜びを感じながらぐっと背筋を伸ばして大きく両手を広
げました。最近、すっかり木こりが板についてきたロランは、家事を私に任せ
るようになり、昼は殆ど毎日森へ出かけております。そのため、週に一度の街
への買出しも、わたくしひとりで行くことが多くなりました。顔なじみの食料
品店に行くと、「よぉ、キエルさん!最近きれいになったね!」などと声を掛
けられて、すっかり所帯じみてきたわたくしは、調子に乗って買い物篭に収ま
らないくらいの野菜を買ったりして、後でロランに怒られたりしています。
 こんなにも充実した毎日。わたくしは今、とても満ち足りた気分で過ごして
おります。ある一つのことを覗いては―。
「またですか…。」
わたくしはいつものように買い物篭一杯の荷物を抱えながら、ポストに入って
いた一通の手紙を手にしました。差出人は…「ホストクラブ 黒歴史」…。宛
名は“ローラ殿”。さすがというかなんというか、いい意味でも悪い意味でも
時代の最先端を行くかの御曹司は、最近すっかり男っぽくなったロランを、あ
ろうことかホストに仕立て上げようと目論んでいるようで、しきりに手紙を送
りつけてきては、目が飛び出るほどの好条件を提示してくるのでした。
「ははは…、グエン様は政治家よりこういうことのほうが向いているのかもし
れませんね。」
なんて照れながら頭を掻いているロラン、まんざらでもなさそうな顔をするの
はよしてください。
「でも、その…ゲイって趣味いいって言うわよね。」
ちょっと、あなたまでなんてことを言うのですか、遊びに来ていたソシエさん
。確かにおっしゃるとおり、グエン殿は単純な猛砲さんというより、むしろそ
ういった方面のお方のようですが、とりあえず、わくわくした様子でロランを
見るのは勘弁してください。世間の色事に免疫のなさそうな彼のこと、まかり
間違ってその気になってしまったらどうするのですか。
71通常の名無しさんの3倍:2006/06/07(水) 00:05:27 ID:/clrA/ys
「そうだ、ディアナさん、一度いっしょに行ってみません?ここ。」
…嫌です。ええ、とても激しく。まあ、行ってはっきりと送り届けられた何通
もの手紙を付き返してくる、というのでしたらいいですけど…。
「よしっ!じゃあ、決まりね!ロラン、いいわね?」
「えぇ…っと、大丈夫ですか?ディアナ様。」
「何言ってんのよ。ディアナさんは女王様よ?まわりにちやほやされるのなん
て慣れてるんだからへっちゃらよ。ねぇ、ディアナさん!」
あの、ソシエさん。というか、その目の輝き、ひょっとしたら凄く興味がある
って感じじゃありませんこと?…好奇心旺盛なことは良いかもしれませんが、
いくら鉱山の経営が忙しいからといって、そんなところへ行かなくてもあなた
なら素敵なパートナーなんてすぐ見つかるはずです。
「ふーんだ、誰かさんがその素敵なパートナー取っちゃったんじゃない!」
あ。ん〜とですね…言葉が見つかりません。けれど、こうサッパリと言い切れ
るソシエさんは、わたくしからみてもとてもかわいらしくて、本当にわたくし
が姉だったら、絶対にいい妹だと思うことでしょう。
「はははっ、冗談はやめてくださいよ、お嬢さん。」
なんて焦って横から口を挟んできたロラン、ちょっと顔が引きつっているよう
に見えるのは、気のせいですか?まあ…、細かい詮索はよしておきましょう。
またいつかのようにライフルで撃ってしまいそうですから。大丈夫です、獣と
化した御曹司のような方ならともかく、あなたには直撃させませんから…。
「とにかく、ディアナさん、明日はちゃんとおめかししてね?その所帯じみた
服装じゃ、逆に目立っちゃうんだからね?」
と言い残し、ソシエさんはいそいそと帰っていかれました。にしてもわたくし
って、そんなに目立つほど所帯じみてますでしょうか?
「え…、いえいえいえいえっ!とんでもないっ!!箪笥の中のお洋服、ぼ…ぼ
ぼぼぼぼく、アイロン掛けますから!」
ちょっと、なにをそんなに怖がっているんですか?ほんとに何かあったと思っ
てしまいますよ?
「だ…大丈夫ですっ!成人式は、ヒ…ヒヒヒヒルが怖いだけですっ!」
そうですか。あーそうですか。どうせ1000歳じゃ成人式もなにもあったもの
じゃありませんからね。全く、楽しんできてしまいますよ、明日のホストクラ
ブ。
「え、あ、はい。でも、気をつけて…ください…ね?」
心配そうな顔でそう言ってもらえたのはちょっとだけ嬉しかったのですが…
言われなくてもわかっております。今あなたが考えているようなはしたない真
似は一切致しません。…はあ、それにしてもなんだか疲れました。今日はゆっ
くり本でも読んで寝ることに致します。おやすみなさいましzzz。

72通常の名無しさんの3倍:2006/06/07(水) 00:07:11 ID:/clrA/ys
 そしてあくる日の夕方、わざわざ遠回りして運転手つきの車で迎えに来てく
ださったソシエさんは、いつもとは想像もつかないほど綺麗なお姿で現れまし
た。というか、ホストクラブというのは、そこまで敷居の高いところなのであ
りましょうか?
「そういうディアナさんも、やっぱ化粧濃いですね。さあ、行きましょう。」
んふふふ。まあ、伊達にあなたより50倍近く年取っておりませんから。という
か、ロラン、今日はしつこいグエン殿を諦めさせるために行って来るのです。
そんなに心配そうな顔しなくても、気楽に待っていてくださいましね。
「はい―、いってらっしゃいませ…。」
そう言って浮かない表情で手を振ったロランを残し、わたくしたちは一路、グ
エン殿からの手紙に同封されていた地図を頼りに「黒歴史」を目指すのでした。

 で、着いたのはいいのですが…。眩暈がします。なんでしょう、この不必要
に絢爛豪華なたたずまいは。かつてイングレッサ領の盟主であったことを考慮
してか、お店の周囲にはグエン殿とつながるようなものが一切なかった点につ
いてはなぜか妙にほっとさせられたものでしたが。わたくしと同じように腰が
引けていた様子のソシエさんが、「いくわよ」と言いながら勇気を振り絞るか
のように店のドアを開けたのに続いて、わたくしも恐る恐る「黒歴史」の中を
覗き込みました…。
73通常の名無しさんの3倍:2006/06/07(水) 00:09:34 ID:/clrA/ys
「ようこそ!月の女王、ディアナ・ソレル様、そしてハイム鉱山の美人社長、
ソシエ・ハイム様!」
「…!」
いきなり動脈をヘモグロビンが逆流しそうでした。なんとそこにいたのは、
景気よくシャンパンを開け放った、かの御曹司ではありませんか…。
「ようこそいらっしゃいました、閣下!さあ、ハイム社長も、どうぞ!」
あの…ソシエさん?何をそんなに目を輝かせておいでですか?美人社長とか
呼ばれたのがそんなにうれしかったのですか?ていうか御曹司はなんでここ
に来ることを知っていたのでしょう。わたくしはなにか黒いものを感じて、
ちょんちょんとその袖の辺りを目立たないように引っ張ってみましたが、ソ
シエさんは「大丈夫よ」といいながらずんずん中へ入っていってしまいます。
―はあ、彼女には逆らえない立場の私ですが…今さらながらに、心配になっ
てきました。
 店内は…、まあ、思ったよりも落ち着いた雰囲気で、ソシエさんがおっしゃ
っていたようにそれなりにセンスのよさも窺えます。でも…、なんだか凄く
気になるんです。たくさん、ホストさんがいらっしゃって、皆さんとてもお
美しいのですが…、その、全員銀髪はいかがなものかと。しかも何でこの場
所で全員ぴちっぴちのタイツ風宇宙服なんでしょうか…。ああ、それに、こ
の中で何人がお釜を…、その、お堀に…なんて、ああ!よしなにっ!
「さ、どうぞ、お好きなものをご注文ください。」
御曹司はその、“さすがの物腰”でわたくしたちを奥のソファー席に招き入
れると、早速注文を促しました。
「お二人は、私たちにとって最高に特別な、世界一VIPなお客様です。お金な
ど、一切頂きません。」
「何言ってるの?いいわ、お金は払いますから。馬鹿になさらないでくださ
い、ラインフォード閣下。」
ソシエさんがそういうと、小指を立てて頭を抱えた御曹司は、どんな「黒歴
史」にあっても必ずやキラリと輝くであろう、その真っ白な歯を覗かせまし
た。
「は…ははは、いや、参りました。さすがはビシニティの盟主ともなられよ
うお方、ハイム社長だ。あなたをお振りになったローラが今は霞んで見えま
す。」
ふん…、調子のいい。というかソシエさん、何こんな奴にいい気分にさせら
れてるんですか?そんなことではいい出会いなど、この先本当にできません
ことよ?わたくしはさっと目の前に出されたシャンパンのグラスを冷ややか
な目で見下ろしたあと、これ以上は時間の無駄と感じて、ハンドバックから
どさっとわざと大きな音を立てて、うっとおしいとこの上なかった手紙をテ
ーブルの上に置きました。
「…これは嬉しい。ちゃんと届いたのを、今まで捨てずに持っていてくださっ
たなんて…。」
いえ、証拠です。なんだか久し振りに血がたぎります。そう、この方と交渉
ごとをするのは、最早わたくしにとって避けられない運命なのかもしれませ
ん。
74通常の名無しさんの3倍:2006/06/07(水) 00:11:56 ID:/clrA/ys
「珍しいというか…月では紙で手紙を送ることなどございませんので。」
「ほほう、そうでありましょうな。確かに、地球もだいぶ発展したとはいえ、
今でも月の技術には遠く及びません。でも、手紙というものは、手で書いて
こそ、心が伝わるというもの。閣下も、そうお感じにはなりませんか?」
「…相変わらず、と申しましょうか、グエン閣下。久し振りにこうやってお
話できたのは嬉しいのですが…。しかしまあ、随分とお住まいは変わられま
したな。」
わたくしは涼しい顔の御曹司に一物持った鋭い視線を投げかけました。ちょっ
とだけ、その顔が歪んだように見えたご様子で。
「は…ははは、私も幾度となくあなた様には目を覚まさせられましたからね。
…撃たれたり…。」
これはまた、お可愛そうに。というか、あなたのその猛々しい砲のほうがよっ
ぽど恐ろしいです。隣で「なんのこと?」とか言いながら不思議そうな顔を
してるソシエさん、あなたはそんなこと、知らなくて結構ですことよ―。
「まあ、以前私が心酔したローラも、最近は随分と大人になったようだ。それ
はやはり閣下のような、万人から愛されるすばらしい女王と一緒に過ごせたこ
とが幸いしていたのでしょう。」
「万人から愛されるとは…、まさかかつてわたくしの嫌う月の荒くれ者と手を
お組みになったラインフォード卿からそのようなお言葉を頂くとは、思っても
おりませんでした。」
「ははは、これはこれは。そうおっしゃられては返す言葉もございません。
しかし―、今では私も心を入れ替えたつもりです。最近では、閣下のすばらしさ
に、改めて気付かされてもいるのですよ。」
「わたくしが?あなたにとってでありますか?」
「―ええ、もちろん。閣下の持つカリスマ性、純粋性、そして万人の心を癒
す宇宙のように広く優しい母性…。そのようなものを同時にお持ちになる方
は、他には到底見当たりませぬ。」
「調子の良い…。わたくしの知る閣下は、政治家としてこの上なく純粋で責任
感のある方でらしたのに。こともあろうか、このような場所でかつての敵に
媚を売られようとは…。残念なことです…。」
ソシエさんは何も言わずに黙ってわたくしたちの会話を聞いておりました。
こういう所で口を出さないとは、やはりその歳でハイム鉱山を経営できる手
腕は、確かなようですね。けれど「…媚ではございません。」と意味深な表
情をして呟いた御曹司は、シャンパンを一飲みすると、手を叩いてなにやら
合図をしたようでした。
「何…?何が出るんですか?」
「ハイム社長。ご安心ください。今から、私が目指す、新たな世界をご覧に
入れましょう―。」
そう言って立ち上がった御曹司は、先ほどの合図で店内に掛けられた黒いカー
テンの前に立っていた、…その、やっぱり気になるのですが、ホワイトドール
のコックピットの部分までぴっちぴちの衣装を着た…ホストたちに目で合図
を致しました。
「ご覧下さい―、じきにローラが店長を務めることになる、私がこの『黒歴
史』に続いてこのノックスに出店する第二号店―」
ロランが?また勝手なことを。などと思っているうちに黒いカーテンが勢い
よく引かれました。なんていうか、無駄に手際が良い…、ていうか、ん…??
んふふ…
75通常の名無しさんの3倍:2006/06/07(水) 00:14:09 ID:/clrA/ys
「どうぞ、『ムーンバタフライ』のキャストたちです―!」
ああ、この世の終わりを見たような叫び声を上げ、思わずつんのめってテー
ブルを蹴り上げてしまったソシエさん、あなたはとても、とても正常な方で
す。ずらりと並んだ女性。ああ、もうわたくし本当にその時死への階段の一
歩手前に来ておりました。揃いも揃って皆で「よしなに」と頭を下げた“わ
たくし”たち…。ぴっちぴちの美少年たちが、横でひらひらと金色の紙ふぶ
きをばら撒いたりしてて、はあ…、はぁ〜〜〜〜!!!!!!!
「私は、閣下のすばらしさに敬意を表したいのですっ!何度も言いますが閣
下のそのカリスマ性、そして溢れんばかりの女性としての魅力…!それは世
の男を最高に幸せにぶべらっ!!!!!」

「う、うわぁぁぁぁ…!!」「…!!!」「イ…イヤァ〜ッ!ディアナさんッッッ!」
「へぶッ!…」

 …やれやれ、です、本当に。帰り道、途中まで迎えに来てくれていたロラ
ンは、まるで月見草のようなその笑顔で手を振っておりました。
「どうだったんですか?楽しかったですか?」
「まあね。た…楽しいっちゃ、楽しかったわ。ね…ねぇ、ディアナさんっ!」
ソシエさん。そんなに怖がらないでくださいまし。あのサッパリとした素敵
な笑顔が、なんだか引きつってしまっておりますよ?「いい?今日は“よし
なに”は禁句よ?」とかなんとかロランに耳打ちしてても、聞こえるものは
聞こえるんです。ああ、ああいう発想をされる方がいらっしゃるというだけ
で(注;コークスクリューであごが砕けた感触がフゥ〜)眩暈が止まりません。
それにしてもなんということでしょう―、凛として望んだ交渉の席で血を見
てしまうなんて。え?わたくしが?ロラン、なにを言っているのか、ちょっ
とよくわかりませんことよ。
「と…とりあえず、今日はお疲れになられたでしょう?ゆっくり、お休みに
なられてはいかがですか?」
はぁ。なんだか、なぜロランがそんなに物腰低くするのかがわかってきてし
まったような気がいたします。けれど信じてください。全てあなたのために、
したことなのですよ―。













「チガウワッ」って、その、ソシエさん…。
76通常の名無しさんの3倍:2006/06/07(水) 00:15:02 ID:/clrA/ys
…すんません。
77通常の名無しさんの3倍:2006/06/07(水) 00:23:30 ID:???
>>76
謝るぐらいなら貼るなよ!

俺はニタニタさせてもらったがなGJ!
78@腹痛:2006/06/08(木) 05:30:40 ID:???
ロラン「これがディアナ様の手料理かー、いただきまーす」
ロラン(食うのがちょっと怖い)
ディアナ「めしあがれ」
ロラン「まぐまぐ・・・あれ?意外に味がしっかりしてる?ぶふうぅっ、う、腹痛が・・・」
ディアナ「わたくしもです・・・」
ロラン「トイレ・・・・先にどうぞ」
ディアナ「大丈夫です、ロランから・・・」
ロラン「いやディアナ様お願いします先にどうぞ・・・」
ディアナ「何を言って・・・ぐはっ・・・・・!!」
ロラン「ディ、ディアナさ・・・ぐえええ」
ディアナ「ぬおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!早く先に入ってええええええええええええ」
ロラン「ずああああああああああ!!!ディアナ様早くお願いしますよおおおおおおおおお」
ディアナ「ふ、二人でしましょう」
ロラン「そうですねハハハ」


ガタン…
79通常の名無しさんの3倍:2006/06/08(木) 09:39:18 ID:???
>>70-76
GJ!また書いてね。

>>78
@か……続きも頼むYO
80あぼーん:あぼーん
あぼーん
81通常の名無しさんの3倍:2006/06/10(土) 08:31:00 ID:???
あたーらしーいーあーさがきたー
きぼーおのあーさーだ

           _/ ̄ ̄ ̄`ー-、                   /
        / , ─‐-、_、_v_ノ人                    /
          / く \>--ヽ, iL`Y,ヘ                 厶、
.      ノ   `7´   ,ィ= 、 `リ ハ                 /,イ !
      / {,ィ廴_フ   `ニヽ ,ハト!                 ///| |
      }ハ  ヽニヘ、     / リ      ____  /// l i
       ヽ、_  _」`ニ_⌒厶ィ′    /:::::::::::::::::>' /
  __     ,r-、r-、::::::::::├┤:::::\   /:::::::::::::::::∠/          //
/::::::\,-、 /  /|  ト、:::::::| |::::::::::├‐く:::::::::::::::::::::::|           //
::::::::::::r'  ノi  / 〉 i} |:::::l l::::::::::::|   }:::::::::::::::::::::i         //
::::::::::::| ィ/   し′〃 「ヽ:V::r _‐ァ'   /:::::::::::::::::::::::ヽ __ ∠ _ニ- ´
::::::::::::|  |′    /  / ,イ:::::::| レ′  ,′::::::::::::::::::::::::::::::::::::::「
::::::::::::| /           / |::::::::レ   /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
/⌒ヽ          凵@l::::::/    /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
- 、 \}         , く_コ  `7    ∧::::::::::::::r-_- 、::::::/
 入 ヽ     /-<´::`7    /  ヽ:::::::// ヽく ̄
82通常の名無しさんの3倍:2006/06/10(土) 09:01:52 ID:???
またハリーは病院から抜け出してきたのか
83通常の名無しさんの3倍:2006/06/10(土) 14:35:16 ID:???
ディアナ「ロラン何を見てるのですか?」
夕ご飯を食べ終わり食器を片付けるとロランはTVを見ていた
ロラン「この番組にボルジャーノンが出てるんですよ」

ディアナ「ボルジャーノン?ああガンダムの再放送ですか」
かつて赤とか黒とか青とか白の角突きとかいろんなボルジャーノンが活躍するのを月の宮殿で毎日見てました。
ロラン「凄いですねボルジャーノンっていつの時代も大活躍ですよ」
ディアナ「そうですね。時代を超え所属を超えて常に皆に愛された存在でした」
私の記憶にロランが同意してくれました。

ロラン「ハイ!このボルジャーノンなんて凄いですよ。空飛んだり斧投げたり大気圏突入『ブチッ』・・・ディアナ様?」
ディアナ「それは黒歴史です!!!」
84通常の名無しさんの3倍:2006/06/11(日) 00:42:02 ID:Gsclv1WJ
 夏の海は爽快なものでした。わたくしは久し振りに水着を身にまとって、
自分でいうのもなんですが、子供のように浅瀬を行ったり来たりしてはしゃ
いでおりました。しかし、地球の海はなんて壮大なものなのでしょう。宇宙
船から眺めたときとは、感じ方が比べ物になりません。
「ディアナ様ぁ〜、あまり沖へ出ないで下さい、危険ですよ〜。」
ロラン、そう、今日は二人きりです。うふふ、けど心配しないで下さい。わ
たくし、水分は得意なのです。伊達に繰り返し何百年も液体に浸かっていた
わけではありません(凍ってましたけど)。
「ばかなこと言わないで下さい!浸かるのと泳ぐのとは違いますよっ!」
そうですか?なら、見せてあげましょう。ざっぱーん。
「ああっ、せ…背泳ぎなんていつ覚えたんです!?」
ふふ、驚いているようですね。こう見えて、幼少の頃から白の宮殿の地下に
あるプライベートプールでしょっちゅう泳いだりしておりました。ほら、バ
サロだって、しちゃいます。
「す…すごい!すごいですっ!サバみたいですっ!」
…サバ?ロラン、んふふ。それは歳のサバ読みに掛けて言ってるんじゃない
でしょうね?冗談じゃありませんことよ。せっかく久々にこんな自由な気分
で海に来たのです。そんなつまらないダジャレなど言わずに、もっと見てく
ださい。上手でしょ?ああ、それにしても、昼の空に浮かぶ月がきれい、て、
あれ、息継ぎが…う…うぶっ、うぶぶぶぶぶぶぶッ!
「ああっ!お…溺れてませんか!?」
うぶっ、うぐ、うふぅ…げほげほげほ!し…潮水とは、辛いものですね…。
というかわたくし、背泳ぎしかできないんです…げほっ、げほ!「大丈夫です
か?」と言って近付いてきたロラン、「背泳ぎしかできないなんて、やっぱ
りディアナ様は普通と違いますね」ってあなた、というより、服を脱いでい
たのを見て今気づいたんですが…普通じゃないのはあなたのほうです。
「どうしてですか?」
知りません。とりあえずなんでふんどしなんか履いてるんですか?しかも凄
いしまり方です、キュキュッと。スモーにデザインが似てるからかっこいい
と思った?そう…まぁ、いいでしょう。
「ほら、咳き込んで顔が赤くなってますよ?あんまり無理されるなら、ぼく
だってその、じ…ジンコウコキュウしなくちゃいけなくなるじゃないですか。」
―はい、来ました。それはわたくしにもっと溺れろと…、何、違う?ま、確
かにそんなことあなたが言うわけありませんものね、おほほ。…。
85通常の名無しさんの3倍:2006/06/11(日) 00:43:39 ID:Gsclv1WJ
 それからしばらくの間、わたくしはふんどしと浅瀬でばしゃばしゃして遊
んでおりました。―あ、ふんどし、じゃなくてロランです。まぁ、最初はちょ
っとアレだったんですけど、結構きりっとした感じで似合っているかもしれ
ません。さすが運河の生まれですわね。
「そんな―。ディ…ディアナ様も素敵です。その―」
あ。何か、見ておりますね。少しばかり刺激が強すぎましたでしょうか。わた
くしは先程より少し強くなった波にわざとよろけたりしながら、胸元を隠して
ロランを見上げました。
「あの…ディアナ様はその…」
なんですか?正直に言ってください。きっとわたくしは、どんな表現でもあな
たの言うことなら、全て快く受入れてしまうことでしょう。ああ、潮風が心地
よくて、とてもわたくしは―。
「あの…、サバっぽくて。」
「…」
…あの…?わたくしって、もしかしてそんなにサバ風なんですか?というか、
あなたはそんなにサバっぽい女がお好きだったんですか?確かにお魚として
はおいしくて食べるのは好きですが…。けれども、そういうお魚をさばいた
こともないわたくしをいきなりサバ呼ばわりされても、その、困ります。
「あ…ディアナ様、サ…サバ、ディ…アナサバっ、サバァッッ!!!」
ロ…ロラン!?なにを…?お…お待ちなさいっ!わたくしはそういうサバでは
ありませんッ!ああっ!だめですっ!!サバとしてあなたにそんなことをっ!
!というか人間はサバにそんなことはいたしませぬっ…!!ふ…ふんどしが
キュッとわたくしをさばいてああっ、よしなにっ…!!!

86通常の名無しさんの3倍:2006/06/11(日) 00:46:38 ID:Gsclv1WJ
「サバッッッッ!!!」
と、わたくしはベッドの上で絶叫して目を覚ましました。
「だ…大丈夫ですかっ?」
「ふんどしっ!?」
「ええっ!?」
「あ、いえ、…すみません、ロラン。ここは…。」
「ふ…ふんどしですよ?」
「ふんどし?“ふんどし”という地名なのですか?ここは。」
「いえ、ビシニティです。」
「ビシニティ…。ビシニティがふんどし…?」
「ビシニティはふんどしじゃありませんっ!」
「…そう、でありますよね。」
とにかく、よかったです。どうやらわたくしは海で溺れて気を失っていたよう
で、ロランはわたくしを助けた後、「医者もすぐ呼べるし、人手もあって安
心だから」という理由でハイム家に連れて来てくださったそうです。それに
しても、随分長い間気を失っていたようですね…、わたくしは。
「はい、もう心配で心配で。でも、よかったです、お元気そうで。」
はい。本当に、ごめんなさい。またわたくし、いろんな方にご迷惑をおかけ
してしまっているのですね。ああ、やっぱりプールでしか泳いだことがない
のにいきなり海でバサロとかしたのがまずかったんでしょうか。
「それはもう、びっくりしました。全然浮かんでこなかったんですよ?」
よかった。いえ、ということはあれはわたくしの夢だったのですね。
「でも、お目覚めになったらいきなり“サバ”と“ふんどし”だなんて。
漁師さんの夢でも見ておられたんですか?」
そ…そう、いえ、そういうことにしておきましょう。要するにわたくしは
ふんどしを履いた漁師のロランが、サバになったわたくしを捕まえて食べ
ようとしたのだ、というふうに自分の見た夢を説明いたしました。
「そうですか。ふふふ、変な夢を見るんですね、ディアナ様は―。あ、すみ
ません、お飲み物を貰ってきます!」
ありがとう。…ん?ちょっとお待ちになって?ということは背泳ぎしていた
わたくしをサバと言ったのは夢ではなかったと?「それも夢だったんじゃな
いですか?」とか怪しいことを言って後ろを向いたロラン、その瞬間、わた
くしは血の気が引きました。…ハーフパンツの裾から白い布が…、それはそ
の、アレですよね?ふ…“ふんどし”?
「い…いえっ!?ち…ちちちち違いますよっ!」
そう言った途端ものすごい勢いで裾の中に布を押し込んで部屋の外に出たロ
ラン、もしかして、もしかしてわたくしは本当にあんな場所であなたに…、
ジンコウコキュウとかされてたんでしょうか。

87通常の名無しさんの3倍:2006/06/11(日) 00:47:42 ID:???
俺はちゃんと見てるからあげない方がいい
変なのが寄ってくる
88通常の名無しさんの3倍:2006/06/11(日) 00:56:03 ID:Gsclv1WJ
m(_ _)m気をつけます。
89通常の名無しさんの3倍:2006/06/11(日) 11:41:56 ID:???
ふんどし祭りか?
某スレのカミーユの再来か
90通常の名無しさんの3倍:2006/06/11(日) 19:51:48 ID:???
ディアナ様のおっぱい
91通常の名無しさんの3倍:2006/06/11(日) 19:57:28 ID:???
ふんどしといえば衛藤ヒロユキ
92通常の名無しさんの3倍:2006/06/11(日) 20:44:51 ID:???
ギップリャ
93通常の名無しさんの3倍:2006/06/11(日) 21:16:51 ID:???
衛藤ヒロユキが描くディアナ様・・・想像出来ねえ
94別人:2006/06/11(日) 21:23:38 ID:Gsclv1WJ
「ロラン、ディアナさんは大丈夫だったの?」
部屋の外からソシエさんの声が聞こえました。ロランはなにやらひそひそと
それに答えているようです。
「…バカッ!わたしたちがあの時カプルで通りかからなかったらどうしてた
つもりなの?」
「お嬢様、お声が大きいですっ!…お嬢様こそなんでカプルなんかで海中を
移動されてたんですか?」
「うるさいわねっ!そんなことどうでもいいでしょ?内緒にしろって言われ
たってそんなことできないわ。言っちゃうわよ?あなたが浜辺で気を失って
るディアナさんに何かしようとしてたって!」
「…サバは、…サバは青くてぴちぴちしてて、とてもきれいでかわいらしい
サバなんですっ!ディアナ様の青い水着姿を見ているうちに、ぼく耐えられ
なくなって…。でもそんなぼくを見て世にも恐ろしいものを目の当たりにさ
れたように気を失ってしまったディアナ様には、絶対に、絶対にそんなこと
言えません。ぼくは、―ぼくはサバフェチなんですよ…!」
「…。ばっかみたい。幻滅だわ。いいわ、勝手におし!」
「…」
なぜ?なぜサバなんですか?わたくしは部屋で一人、窓の外から聞こえる蝉
の鳴き声を遠くに感じながら、溜息を一つついたのでした。
 それからわたくしたちは気まずい雰囲気のまま、心配そうに声を掛けてく
ださったソシエさんに手を振って家に帰りました。ああ、でも聞いてしまっ
たものは仕方ありません。どうにかしてロランに切り出さなくては…。

95別人2:2006/06/11(日) 21:26:20 ID:Gsclv1WJ
 それから数週間が経ちました。相変わらず、わたくしたちは一つ屋根の下
にいながらお互いにまっすぐ目を見れないまま時を過ごしました。この日も
木こりの服を着て森へ行ったロランを見送って、わたくしは一人テラスで紅
茶を飲みました。でも、大丈夫。わたくし、一生懸命考えました。そしてこ
の数週間、通販で探してようやく見つかったアレが、今日届く予定です。こ
れで、きっとロランとわたくしは以前のようにまた打ち解けられるはずです。
「おかえりなさい。」
わたくしは薄暮の空の下、しばらく目を丸くして固まっていたロランを笑顔
で迎え入れました。
「ディ…ディアナ様、その恰好…。」
ふふ、驚いておりますね。わたくしはいつもと同じように用意していたロラ
ンの着替えを手渡しました。むくむくとした着心地がなんだか動きづらくて
仕方ないのですが、半日かけてようやく出来上がった夕食をテーブルに並べ
て何事もなかったかのようにロランを見ました。
「ディアナ様が夕食をお作りになられたんですか?―こ…これ…!」
朝食と夕食はいつもロランが作っておりますからね。自分で食べる昼食以外、
料理の腕ではとても敵わないロランにお任せしてしまっていましたけど、今
日は特別です。見てください、わたくしの努力の結晶を…。
「サ…サバじゃないですかっ!しかもこんなに…。刺身にソテーに塩焼き、
から揚げまで…。」
そうです。今日はサバデーです。たくさんサバ料理を召し上がってから、
おサバさんになったわたくしを…いえ、その、お好きにどうぞ。
「そんな着ぐるみまでお召しになって…!すみませんっ!」
ロラン、土下座して謝ったりしなくていいですから。あなたのことを十分理
解できていなかったことに、わたくしこそ自分の至らなさを痛感したのです。
ですから、教えてください。なぜ、そんなに“サバ”なのですか―?
「覚えていらっしゃいますか…?」
何を?わたくしはサバの着ぐるみの中にしこたま汗をかきながらも涼しい笑
顔でロランを見つめました。
「ディアナ様がマロングラッセ以外で最初に作ってくださった料理…、小サ
バの素揚げ…。」
え?わたくしが?ああ、あれは確か、まだ二人で買出しに行っていた頃、珍
しくサバなんて売っていたので、わたくしがどうしても欲しいと言ったんで
したね。自分でそんなことを言ってしまった以上、料理はしようと思って、
とりあえず簡単に丸ごと素揚げしてみたら、思いのほかおいしかったんでし
たよね。そう、そんなこと、あなたはずっと覚えていたなんて…。それはフェ
チとかいうものではないですよ。わたくしはもう、嬉しさで胸が一杯になりま
した。
「決して、お歳のサバ読みに掛けたわけではありません。」
「…」
ちょっとあの、なに余計なこと言ってるんですか?というかロラン、椅子に座
ったはいいものの、なんだかさっきから何も食べようとしませんね。わたくし
、生れて初めてお魚をさばいたんですよ?ほら、この刺身なんか―。
「ああっ!ダメです、ディアナ様っ!」

…♪メイルシュトローム メイルシュトローム ローリンサンダー
  メイルシュトローム メイルシュトローム ローリンサンダー
  漁師の船が来た 漁師の船が来た♪…

 真夏に時間を掛けて料理するものではないと、いうことですね。
というか、ロラン。サバはわかりましたが、ふんどしは…?スモーに似
てるんでしたよね?でも真っ青な顔でそう聞いてみたら、「趣味です」と
帰ってきました。…わたくし、あなたのことをもうちょっとかわやで考え
て来ることにいたします。
96通常の名無しさんの3倍:2006/06/11(日) 22:12:47 ID:???
ageないほうがいいよとあれほど
97通常の名無しさんの3倍:2006/06/11(日) 22:17:50 ID:???
初心者かも試練
>>94はメル欄に半角英数でsageと書き込んでよしなに!
98通常の名無しさんの3倍:2006/06/12(月) 08:41:45 ID:???
>>94
だがGJ!

ガンガレ
99通常の名無しさんの3倍:2006/06/12(月) 10:26:17 ID:???
____      ________             ________
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 ̄ ̄ ̄ ̄       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄           。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                          ∧_∧__ /   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                         /(*゚−゚)つ./\<. ここに「sage」(半角)と
                       /| ̄∪ ̄ ̄|\/. .| 入れるとスレがあがらないの。
                         |____|/   | そうするとマターリできるの。
                          ,,,,∪∪,,, ,,     \___________
100通常の名無しさんの3倍:2006/06/12(月) 23:54:11 ID:???
そうだったんですね…
教えてくださってありがとうございます。
101通常の名無しさんの3倍:2006/06/13(火) 10:53:58 ID:???
____      ________             ________
|書き込む| 名前:|            | E-mail(省略可): |nurupo         |
 ̄ ̄ ̄ ̄       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄           。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                          ∧_∧__ /   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                         /(*゚−゚)つ./\<. ここに「nurupo」(半角)と
                       /| ̄∪ ̄ ̄|\/. .| 入れるとガッされないの。
                         |____|/   | そうするとマターリできるの。
                          ,,,,∪∪,,, ,,     \___________
102通常の名無しさんの3倍:2006/06/13(火) 12:57:31 ID:HN0OhDBb
>>101 ガッ
103通常の名無しさんの3倍:2006/06/13(火) 13:02:25 ID:???
うあsage忘れスマソ
104通常の名無しさんの3倍:2006/06/13(火) 13:03:06 ID:???
テスト
105通常の名無しさんの3倍:2006/06/13(火) 13:21:53 ID:???
>>104ガッ
106通常の名無しさんの3倍:2006/06/13(火) 16:44:15 ID:???
>>105
ガッ
107通常の名無しさんの3倍:2006/06/13(火) 17:26:22 ID:???
____      ________             ________
|書き込む| 名前:|            | E-mail(省略可): |ヨシナニ        |
 ̄ ̄ ̄ ̄       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.., -ー-、.      。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                       <___,-=◎=〉     / / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                       i’ |-|*゚ー゚)|   / <.  ここに「ヨシナニ」(半角)と
                       ゝ,|,.|()円,こllづ      | 入れるとユニヴァースされないの。
                       |^| ,∪ ==|.        | そうするとマターリできるの。
                       y ゝ、__〉,_〉         \___________
                         ∪ ∪
108通常の名無しさんの3倍:2006/06/13(火) 20:40:13 ID:???
マターリできましたか、ディアナ様?
109通常の名無しさんの3倍:2006/06/13(火) 20:43:34 ID:???
つまりこういう事ですね
110通常の名無しさんの3倍:2006/06/13(火) 22:12:31 ID:???
うぉぉぉ!!
ちょっと見ないうちにSSが大量に投下されてるぅぅぅぅ!!
職人さん達、ありがとう!!

>>95を読んでたら魚のギコぐるみが頭をかすめてメッチャフイタwwwww
111通常の名無しさんの3倍:2006/06/14(水) 07:54:43 ID:???
>>109 やりおる
112通常の名無しさんの3倍:2006/06/14(水) 11:03:25 ID:???
早く閉鎖しろよこの糞スレ。
113通常の名無しさんの3倍:2006/06/14(水) 12:27:09 ID:???
   .., -ー-、. ほほう
  <___,-=◎=〉
  i’ |-|メ゚Д゚)|y━・~~~
          スパー
114通常の名無しさんの3倍:2006/06/14(水) 14:55:09 ID:???
隔離に必要なんだよ
115通常の名無しさんの3倍:2006/06/14(水) 19:29:12 ID:???
基地外女王を信奉する基地外どもを社会から隔離するのだな。
116通常の名無しさんの3倍:2006/06/14(水) 20:35:01 ID:???
この板に居ること自体基地外だと気が付かないのによく言うよ
117通常の名無しさんの3倍:2006/06/14(水) 21:15:33 ID:???
オレは居るんじゃないよ。ただ来ただけ。基地外鑑賞にな。
118通常の名無しさんの3倍:2006/06/15(木) 01:17:21 ID:???
hige
119通常の名無しさんの3倍:2006/06/15(木) 01:56:07 ID:???
>>117
気付いて無いようだけど

君も鑑賞されてるよ
120通常の名無しさんの3倍:2006/06/15(木) 01:58:57 ID:yzPKwR3O
正下

小生、ギム・ギンガナムであ〜る。
最近、触覚がマジン○ーZという黒歴史以前の番組を見て、ロケットパンチの練習を始めたのである。
よしよし。小生も、Xトップに乗りながら、コレン軍曹のカプルを思い出しつつ手伝ってやるのであ…

一瞬、触覚の腕が小生の頬を掠めたのである。
更に繭にぶつかった腕が跳ね返って髭に衝突。
髭、凄く怒っているのである…。

あ、ちょっと待て。お前、月光蝶だけは…


数分後、ドリフのコントで雷に撃たれたみたいな髪の毛の小生が居たのである。
仮面の人、そんなに笑わないで欲しいのである。
「髭もまだまだ坊やだな」って、こっちはそれどころではないのである。


いっそ、パーマでもかけようか。
121通常の名無しさんの3倍:2006/06/15(木) 03:34:34 ID:???
あまり元と変わってないのである
122通常の名無しさんの3倍:2006/06/15(木) 08:53:50 ID:???
ギンガナムは基地外女王を抹殺しようとした英傑として再評価される
必要があるな。
123通常の名無しさんの3倍:2006/06/15(木) 08:57:54 ID:???
狂気の三大虐殺者 スターリン、毛沢東、ディ穴様。
124通常の名無しさんの3倍:2006/06/15(木) 20:51:21 ID:???
ageたら基地外が来る、の典型みたいなレスが来てるなwww
まぁ、こんな感じになるので、みんなsage進行&スルーでね♪
125初夏のある日:2006/06/16(金) 15:27:48 ID:???
私とロランが過ごす湖のほとりにも夏の気配が濃くなってきました。
それでも朝晩は暖炉の火が欲しいほど冷えることもあります。
今夜もそんな夜、私は分厚いガウンをはおり、
ロランが用意してくれたココアのカップで手を温めています。
ロランは暖炉に火を入れながら
「温泉はいいですよ、ディアナ様。きっと温かいままお休みになれますよ」
と、うれしいことを言ってくれます。
温泉…ふと私の脳裏にある光景が浮かびました。
それは今となっては遠い思い出となったウィル・ゲイム3代目にまつわるもの…、
あの方と出会った時は、そうそうロランとシドさんもいっしょでしたわ。
それにテテスさんという、辛い思い出の女の方…。

そこまで思い出して、私はなぜ温泉とロランとテテスさんが結びつくのか
その意味を知ってハッとしたのです。
「ロラン?あなた、なぜ服を直していたのです?」
「ディアナ様、いつの話ですか?」
疑問文に疑問文で答えるんじゃない、と心の中でアッパーカットを喰らわせつつ
私は問い直します。
「テテス・ハレさんと洞窟から出てきた時ですよ、ロラン、覚えていませんか?」
ロランの顔色が一瞬変わりましたが、そこはさすが私の下僕、
いつものように微笑み、何の問題もありませんという顔で
「よく覚えてないんですよ」と、はぐらかしました。
「あの時、たしかロランはテテスさんの後を追うように岩屋から出てきて
しかもシャツの裾をズボンに押し込んでいましたわね…。」
私、ちょっといじわるしたい気分です。
「よ、よく覚えておいでですね、ディ、ディアナ様、
でも、僕、本当に忘れてしまってて…ですね、その、すみません」
よほど後ろ暗いものがあるのですか、その下手な言い訳は。
「温泉に入ったのでしょう?いい湯加減でしたか?」
「あ、ああ、は、入りました、と、とてとてとて、とても気持ちよくて」
何が気持ちよかったのですか?主語が抜けてますよ、ロラン?
「あ、もちろん温泉が、です!」
「ふーーーーーーーーーーーん…」
私が思い切り気のない返事をすると案の定ロランは余計に落ち着かなくなってます。
ふふふ、あなたの行動パターンは知り尽くしていますから
もう少し困らせたところで許してあげます。
ウブだったあの頃のあなたの事ですから、テテスさんとは何もなかったでしょうし。
あら、ロラン、何を正座してかしこまっているのです。
「申し訳ありません、ディアナ様、本当は…僕は…テテスさんと一緒に」
ロランの言葉はそこで途切れました。
私、素早くロランの口をふさいでいました。もちろん手で、ですが。
「申し訳ないと言うのなら、次は私と一緒に温泉に入るのです。
いいですね、ロラン!」
口をふさがれたロランは、目を見開いておどろいています。
「素敵な水着が要りますね、ロラン」
ロランから手を離すと、彼は少しの間、困っているようでしたが、
「温泉に行くのでしたら、どこがいいですか」と
『アメリア日帰り温泉の旅』を持ってきました。

あの、ロラン、せっかくですから、2泊3日にしませんか?

126通常の名無しさんの3倍:2006/06/16(金) 20:25:12 ID:???
>>125
GJ!!(`・ω・')b
しかしディアナ様。せっかくの温泉、水着では勿体のう御座います。
ここは一つ、スパーンとまっぱで!!
それにその方がディアナ様的にも色々と都合が(ry
127通常の名無しさんの3倍:2006/06/17(土) 01:16:46 ID:???
マッパGOGOGO
128通常の名無しさんの3倍:2006/06/17(土) 13:51:54 ID:???
   
     なくなれ糞スレ。
129あぼーん:あぼーん
あぼーん
130あぼーん:あぼーん
あぼーん
131あぼーん:あぼーん
あぼーん
132あぼーん:あぼーん
あぼーん
133あぼーん:あぼーん
あぼーん
134あぼーん:あぼーん
あぼーん
135あぼーん:あぼーん
あぼーん
136あぼーん:あぼーん
あぼーん
137通常の名無しさんの3倍:2006/06/17(土) 14:22:00 ID:???
これが週末厨か
138あぼーん:あぼーん
あぼーん
139あぼーん:あぼーん
あぼーん
140あぼーん:あぼーん
あぼーん
141通常の名無しさんの3倍:2006/06/17(土) 14:31:38 ID:???
病院は何をやっているんだ
142あぼーん:あぼーん
あぼーん
143あぼーん:あぼーん
あぼーん
144あぼーん:あぼーん
あぼーん
145あぼーん:あぼーん
あぼーん
146あぼーん:あぼーん
あぼーん
147あぼーん:あぼーん
あぼーん
148通常の名無しさんの3倍:2006/06/17(土) 19:15:17 ID:???
ディアナ様最高(*´д`*)
149あぼーん:あぼーん
あぼーん
150あぼーん:あぼーん
あぼーん
151あぼーん:あぼーん
あぼーん
152通常の名無しさんの3倍:2006/06/18(日) 19:49:30 ID:???
セ〜イセイセイセイセイセイ!!

小生、ギム・ギンガナムである。
最近暑くなってきたので、アメネットた○たでMS型扇風機を買ったのである。
何でも、黒歴史時代のアッガイとかいうMSをイメージしたものらしいのである。
早速開けてみるのである。



む、むお〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜










    ___
   /: 》:、. ∩ 
   (===○=) 彡 アッガイ!アッガイ!
   / / ⇔ ) 
     ⊂彡






小生、こんなにカワイイ商品は初めてなのである。
いや、一つだけあった。
昔、まだ小さかったディアナにプレゼントされた粘土細工の魔法使いなのである。
あれは、確か小生が修行に使っていた海岸の洞窟に隠してきたんだっけか…。

ああ、何もかもが懐かしいのである。

辛気臭い話になって恐縮なのである。
よし、これからこの扇風機をお隣さんに自慢しに行くのである。
という訳で、髭、コアファイター。

仮面の人、待っているのである。
153通常の名無しさんの3倍:2006/06/18(日) 21:20:41 ID:???
御大将、毎日が楽しそうだな
154通常の名無しさんの3倍:2006/06/19(月) 00:10:42 ID:???
そりゃあもう毎日がエブリデイだからな
155通常の名無しさんの3倍:2006/06/19(月) 16:18:54 ID:???
今日は久々に晴れたのでお散歩です
ロラン「こう・・・ただ目的地に向かって歩くってのはだるいですけど
    『散歩しよう!』って思って休日にただ歩くのは気持ちが良いですよね」
ディアナ「そうですね」
特別な言葉なんていらない。それが分かってるからきっと
短い会話でも、素直に思ったことを言うだけでも
こうやって落ち着いていられるのでしょう。

手に彼の温もりを感じながら歩く。
彼にもわたくしの温度が伝われば良い、そう想って。
でも温度ではなく手の湿度というか、心なしか手がぐっちょり濡れてるような・・・・
気付けば自然に、思うままに彼を見つめていました。
彼も気付いてわたくしを見つめ返して、笑い合う。
でも、
歩くのが遅いわたくしに歩幅を合わせて、ゆったりと足を踏み出す彼。
時折、「辛くないですか?」そう聞いては
ロラン「何でもないですよ」
と。
わたくしはいつでも彼に合わせることができません。
食事のペースもお買い物も、そして今も
わたくしに笑みを返したのもわたくしに合わせたのかも・・・?

そう思うと心が「キューッ」って縮んで、
彼の心をのぞきこめればどんなに楽なんだろうと思えば
同時に彼の心を知るのが怖くて
156通常の名無しさんの3倍:2006/06/19(月) 16:45:03 ID:???
少し疲れたので公園の木陰に座りました。
日差しが柔らかく感じます。
ディアナ「ロラン」
ロラン「はい?」
ディアナ「喉が・・・・」
言いかけてやめました。
「喉が渇いた」そう言えば彼は走って何か買ってきてくれる。
でもそこにはどんな感情が存在してるのでしょう?
ディアナ(普通の関係じゃない。恋人なんか、ううん、もっと遠い存在)
そんなのお互い望んでない。きっと。
だから、これからは
ディアナ「あの、ロラン?」
ロラン「はい」
ディアナ「喉が渇いたから、一緒に何か買いに行きましょ?」
ロラン「うんそうですね、何がいいですか?」
ほんの些細な事ですが彼は気付いてるでしょうか。
でも、一歩、彼に近付けた気がします


ロラン「喫茶店って高いですよねー。僕なんかコーヒー一杯にあんなお金出せませんよ」
ディアナ「あそこは雰囲気を楽しむのですよ?」
ロラン「へえー、大人ですねえ」
ディアナ「すみません、真っ赤な嘘です」
ロラン「・・・・」

どうも意地悪癖が抜けません
またちょっと彼から離れた気がします・・・
157通常の名無しさんの3倍:2006/06/19(月) 21:05:15 ID:???
>>156
>またちょっと彼から離れた気がします・・・
そして御大将に近付くんだな。
158あぼーん:あぼーん
あぼーん
159あぼーん:あぼーん
あぼーん
160あぼーん:あぼーん
あぼーん
161通常の名無しさんの3倍:2006/06/20(火) 22:46:52 ID:???
>>152
最近、御大将が愛しくて仕方ない。貴殿、責任を取ってこれからもよろしくお願いします。
162通常の名無しさんの3倍:2006/06/21(水) 00:36:26 ID:???
御大将は萌えキャラ
163通常の名無しさんの3倍:2006/06/21(水) 13:58:27 ID:???
ちげーねーwww
164通常の名無しさんの3倍:2006/06/23(金) 00:11:10 ID:???
御大将もいいがやっぱりディアナ様(*´д`)ハァハァ
165通常の名無しさんの3倍:2006/06/23(金) 01:32:06 ID:???
御大将「地球に降りられるのか?」
ディアナ「お勤めご苦労様です」



御大将反乱フラグ消滅
166通常の名無しさんの3倍:2006/06/23(金) 01:44:16 ID:???
御大将「地球に降りられるのか?」
ディアナ「べ、べつにあなたのことなんか気にもしておりません………本当ですよ!」


ツンデレフラグ立った
167通常の名無しさんの3倍:2006/06/23(金) 11:04:22 ID:???
ツンデレディアナ様(*´д`)=3ハァハァ
168通常の名無しさんの3倍:2006/06/24(土) 09:04:00 ID:???
       /                   `ゝ
     /            、       、 ヽ
     /       「 ̄ ̄| ̄ ̄ヽ    λノ  ,ゝ
    /        |、  |    Vレレ' ̄|人ノ
   ノ  ノ     _ζ_|_____| /   /   ゝ
   7  λ    _ゝ ̄        \―/   ミ
  ノ   レ从人√            / |  lヽ)
 λ    \_           ^ ´  λ从ノ
  ノ     ( |       / ̄ ̄7  /
  "ヽ    λ|      / ̄ヽ ̄7  / / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    "ヽノレ  λ      l___|__/  /<   福井版 小説ヒゲガンの結末を私は全面肯定する!!!
      /     ヽ    `----'  /  \__________
     /       ヽ   ---  /
 / ̄ ̄ ̄ ̄7――‐---\_______/
/       /      .-/---、























169あぼーん:あぼーん
あぼーん
170通常の名無しさんの3倍:2006/06/25(日) 01:57:40 ID:???
 わたくしは、一人で運転してきた車の運転席に乗ったまま、ロストマウンテンに今も佇むナノマシンの繭を眺めておりました。
ギンガナム…、思えば冬眠と覚醒を繰返していたわたくしにとって、あなたは数少ない時を超えた顔見知りでした。
罪を犯したとはいえ、そのような姿で今もさらし者にされているとは、なんとも不敏でなりません。

「ディアナ姫、こんなところにいらしたのか。」
白の宮殿の庭で見た、大柄でぶっきらぼうなその姿。
子供の頃のわたくしには、怖い人のようにも、頼もしい身内のようにも見えたものでした。
「そうか…。はははっ、さすがはソレル家の姫様。考えることが人並みのそれとは異なります。」
自分が何を話したかは覚えていませんが、
そのときのギンガナムの印象的な声と、以外にも気さくに笑う姿が心に残っておりました。
戦をしたがるギンガナムは、そこさえなければユーモアに溢れていて、根は決して悪い人間ではなかったのです。
アグリッパはわたくしが覚醒して会うたびに人が変わっておりました。
入れ替わり立ち代り、代を引き継いでいたことに気が付いていたのは、
きっと彼の側近以外ではわたくしくらいのものでしょう。
その反面、わたくし同様、冬眠システムとナノマシンを利用して長年にわたり生きてきたギンガナムはとは正真正銘旧知の仲。
地球帰還作戦を発案するまでは、そういった言葉にはできない同類の好が、わたくしたちの間にはあったのです。

 そんなことを考えつつ、近付いてみようかとも思いましたが、
ナノマシンの繭は放射能と同じような理由で危険そうでしたので、
とりあえず遠くから眺めただけで引き返すことにいたしました。
――ふとその時、声が聞こえました。
「……おーい、ディアナ〜!ディアナ・ソレル〜っ!」
まさか。いや、生きているとは。わたくしは車から降りて、精一杯声を張り上げて言いました。
「ギンガナム〜!生きているのですか〜!」
「お〜う!元気だぁ〜!いつか時が来たら、俺をここから出してくれ〜っ!」
「もう、戦争をしたいなどと言わないと約束しますか〜!?」
「約束する〜!すまなかったディアナ〜っ!」
すまなかった――、なんともギンガナムらしい言い方というか。
適当な言い訳をしないところは、やはり計算高いだけの男とは違うところがあるのでしょう。
「わかりました〜!いつかそのようにいたしましょう〜!」
「おうよ〜!待ってるぞ〜、いつまでもな〜!ははは〜っ!」
反省しているかどうか、などとは聞けませんでした。
なぜなら、わたくしが焦らずにもう少し考えてから地球帰還作戦を発案していれば、
彼もあのようなことにはならなかったのですから。
わたくしは大きく手を振って、車を走らせました。
ナノマシンの繭でも、中でああしてギンガナムが生きているということは、
近付いても危険はないのかもしれませんが、今はそうすべきではないと、なんとはなしに思ったのです。
いつか、世情が許してその繭から出て来れた時、旧知の友をわたくしは必ず出迎えに参ります――、ギム・ギンガナム。

171通常の名無しさんの3倍:2006/06/25(日) 08:02:38 ID:???
ディアナ様(*´д`)=3ハァハァ
172通常の名無しさんの3倍:2006/06/25(日) 08:44:55 ID:???
あれなんだよな
コピペ連投で荒らしてるヤツはスレの容量オーバー狙ってんだよな
このペースだとレスが400ぐらいで書き込めなくなるかもしれん

まあそうなったら新しくスレを立てればいいだけだけど


まとめサイトとか作るなら見やすくはなるだろうが
誰かおらんかのう
173あぼーん:あぼーん
あぼーん
174通常の名無しさんの3倍:2006/06/25(日) 11:12:27 ID:???
ホント可哀想な人…
175あぼーん:あぼーん
あぼーん
176通常の名無しさんの3倍:2006/06/25(日) 21:44:39 ID:???
誰か通報汁
177通常の名無しさんの3倍:2006/06/25(日) 22:32:22 ID:???
志の高さで守って見せよ!
178通常の名無しさんの3倍:2006/06/26(月) 00:15:36 ID:???
つ〜きの玉よ〜!!
179あぼーん:あぼーん
あぼーん
180あぼーん:あぼーん
あぼーん
181あぼーん:あぼーん
あぼーん
182ロランの日記:2006/06/28(水) 23:03:19 ID:???
○月×日

テレビを買った。ディアナ様はとても喜んでいらした。奮発した甲斐があったな・・・www


●月△日


ディアナ様が変なアニメにハマったらしい・・・なんか軍人言葉をはなすカエルと地球人のギャグものらしい・・・あ、またディアナ様が真似てゲロゲロと仰っていらっしゃる・・・微妙な気持ちだ・・・
183通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 23:23:40 ID:???
●月△日

ディアナ様が忍者の格好をしだした。
萌え。
184通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 23:28:52 ID:???
ロランは忍者の格好と思っているが実はヤーパン忍法のコスチューム
185あぼーん:あぼーん
あぼーん
186通常の名無しさんの3倍:2006/06/30(金) 14:26:23 ID:??? BE:271065683-
  .-ー-ーヽ
 /  i_i_i_i_i_i          法に従う。時には残酷ではあります。。。
 iノ |ノ|*゚ー゚)/ ̄ ̄ ̄ ̄/
 |ノ| リ つ /  VAIO /____
   ̄ ̄\/____/ 
187通常の名無しさんの3倍:2006/06/30(金) 17:33:33 ID:???
>>186
ロラン「ディアナさまー今日の夕飯は冷やし中華にしようと思うんですがー…
……どうかされましたか?」
188通常の名無しさんの3倍:2006/06/30(金) 20:15:15 ID:???
誰にって訳でもなく「ざまぁぁぁぁみやがれ!!いぃぃぃやっほーーーうっ!!」などと言って見る
189通常の名無しさんの3倍:2006/06/30(金) 21:15:48 ID:???
>>188
「ディアナの法の裁きは受けていただく!」
「ス…スモォォー!」
190通常の名無しさんの3倍:2006/06/30(金) 22:40:23 ID:???
荒らしを誘発するわけじゃないが
なぜ荒らしたんだろうか知りたい。
興味本意にしてはしつこかった。
なにかこのスレに特別な怨念や遺恨があったんだろうか。




もしかしたら御曹司か
191通常の名無しさんの3倍:2006/06/30(金) 23:04:08 ID:???
ソシエ嬢です
192通常の名無しさんの3倍:2006/07/01(土) 01:23:18 ID:???
>>189

ーーライダァアア!!」などと・・・
193通常の名無しさんの3倍:2006/07/01(土) 01:30:04 ID:???
>>192
ソシエ「キャストオフ」
ロラン「そ、ソシエお嬢さ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん(自滅)」
194通常の名無しさんの3倍:2006/07/03(月) 17:47:32 ID:???
いつageようか
195通常の名無しさんの3倍:2006/07/03(月) 23:51:29 ID:???
よ、ヨシナニウムが……。
196通常の名無しさんの3倍:2006/07/04(火) 08:36:38 ID:???
ヨ、ヨチナニウム中毒になったあの頃に・・・
197通常の名無しさんの3倍:2006/07/04(火) 20:01:40 ID:???
ヨシナニウム光線!
198通常の名無しさんの3倍:2006/07/04(火) 20:46:01 ID:???
あが
199通常の名無しさんの3倍:2006/07/04(火) 20:47:15 ID:T0sHY4YJ
月に帰れバカども
200通常の名無しさんの3倍:2006/07/04(火) 20:51:33 ID:O5AAcL3V
200ゲトc
201御大将:2006/07/05(水) 01:43:48 ID:U5+w6uN+
正正正正正正下

あ、暑い…。
日記を書く気にもなれないのである…。
アッガイたんが壊れるのが嫌で、扇風機をただの置物にしてしまったのである。
やはりここは、クーラーが必要なのである。
早速買い出しに…行く気力もないのである。
誰かかき氷を奢って欲しいのである。
202通常の名無しさんの3倍:2006/07/05(水) 01:52:23 ID:???
ギムニウムが補充されますたwwwwww
203通常の名無しさんの3倍:2006/07/05(水) 05:50:45 ID:GC0K8dF0
え?ギンガニウムじゃなかったの?しまった〜、ディアナカウンター試験で書いちゃったw          ともかくGJ!
204通常の名無しさんの3倍:2006/07/05(水) 22:33:50 ID:???
御大将の日記の邪魔してすいません。
以前宇宙船とかホストクラブとか書いた者です。
あんまり自分のは期待してくれてる方いないかもしれませんが、
自分がこのレスに投稿する最後のよしなに日記を性懲りもなくまた
アップさせていただきます。

これからも楽しみに読者させていただきます。
205○月△日:2006/07/05(水) 22:34:59 ID:???
…わたくしは夢を見ておりました。

おぼつかない視界には星の薄光に揺れる宇宙船内の様子が広がっておりました。
やけに古ぼけた宇宙船…。ここはどこ―?
わたくしは、ふと自分が冷凍カプセルの
中にいることに気がつきました。
この解凍液の中にいる感覚―、ああ、そうです。
これから1日か2日の時間を掛け、
凍っていた体がゆっくりと元に戻っていくのです。
ナノマシンが皮膚の下で蠢くのを感じながら、
わたくしは声にならない疑問をただ漠然と脳裏に浮かべておりました。

ここはどこ…?誰もいないの…?ロラン…ロランは…どこに?
206通常の名無しさんの3倍:2006/07/05(水) 22:35:09 ID:???
DC検定5級・設問1「スモーはマワシをつけているか?」
207○月△日 その2:2006/07/05(水) 22:35:49 ID:???
目覚めてすぐに感じたそんな不安な想いを窓の外に広がる漆黒の闇に
滲ませていると、ふと人間らしい影が視界の端のほうに映りました。

ああ、誰かいる…、よかった…けれど、誰?

人影は音もなく近付いてきて、すうっと私の目の前に姿を現わしました。
深く皺の刻まれた老人…。着ている服はぼろぼろで、
背筋は曲がり、長い月日を越えて来たであろうその姿は、
苦労と哀愁に包まれた感触を、心の中に映し出しました。
わたくしが声を出そうにも出せないカプセルの中からじっとその老人を
眺めていると、ふと、その表情に微笑みが零れました。
薄っすらと感慨深げな涙を浮かべた暖かみのあるエメラルドグリーンの視線は、
わたくしの心を大きく揺さぶったのでした。

…ロラン…?
208○月△日 その3:2006/07/05(水) 22:38:12 ID:???
わたくしの口の動きを読み取ったのか、
老人はその温かい笑顔のままゆっくりと頷いたように見えました。
…本当に?本当にあのロランなのですか?
なぜ、なぜあなただけがカプセルの外で
そんなに歳を取ってしまっているのですか?
どうして―。わたくしは解凍液に混ざってしまう涙を感じながら、
笑顔のままじっとカプセルの前から動こうとしない
その老人を見つめておりました。
209○月△日 その3:2006/07/05(水) 22:40:10 ID:???
「ロラン…、ロランなのですか?」
おそらく二日に近い時間が過ぎたでしょう。
わたくしは、ようやくの思いでカプセルの外の空気を吸うと、
その感慨にふけることも忘れて老人のぼろぼろの服に手をあてがいました。
「ディアナ様。お久し振りです。」
「ロラン…、本当に、あなたなのですね…!」
姿こそすっかり深い年輪を重ねていても、
解凍が済むまでの間ずっとわたくしを見守り続けてくれた
その優しい瞳は、何一つ変わっておりません。
「どうして?どうして起こしてくれなかったのですか…!」
「外を見てください。」
窓の外に目を向けると、解凍液を通してではよく見えませんでしたが、
そこには宇宙ではなく、暗い空と砂の大地が広がっているようでした。
210○月△日 その5:2006/07/05(水) 22:42:19 ID:???
「ここは、一日が長いんです。昼が地球の3日分、夜も同じ長さです。」
「着いたのですね…、外宇宙に飛び立った人々が暮らす、太陽系外の惑星に。」
「そのとおりです。ここは、人間がテラフォーミングをして
 なんとか生活ができるようになった星です。でも…」
「でも…?」
「ここでは食料もろくに取れないし、人々は無法に生きて、
 奪い合い、殺し合っています。」
「奪い合い、殺し合い…?」
「はい…。何度もディアナ様をお連れしてこの星から飛び立とうと思いました。けれど、この船では再び地球に戻ることはできそうにありませんでした。
だからぼくは―、そんな連中からあなたを守って、ずっと、待っていました。」
「…待っていた?なぜです!そんな辛い思いをしたのなら、
せめて冷凍睡眠をといてくれれば、わたくしもあなたとその苦労を
分かち合えたというのに…!」
「申し訳ありません。でも、ぼくはディアナ様にこの世界を見せたくは
なかったのです。待てど暮らせど、この星は大地も人の心も、
ずっと荒廃したままでした。ここに比べたら地球や月は天国だと感じました。
そう感じ続けている間に、長い、とても長い年月が経ってしまいました。
だからぼくは途中からこう思ったんです。せめてディアナ様には、
お一人でも太陽系に戻っていただきたい。
211通常の名無しさんの3倍:2006/07/05(水) 22:43:45 ID:???
204さん、最後なんて言わないでくれ〜!
212○月△日 その6:2006/07/05(水) 22:44:54 ID:???
だから今度はぼくは待つのをやめて、作ったのです。
地球までたどり着ける、帰りの船を。」
「そんな無体な…。わたくしは、あなたとともにできる限り長い間
 過ごしたいと思っていたのですよ…?それなのになぜ、
なぜあなたはわたくしを一人にしようとするのですか!」
わたくしは、傷だらけのロランの掌を両手で握り締めると、
そのまま絶え間なく涙を流し続けました。
ロランは私の手を優しく握り返すと、「本当にごめんなさい」と
小さな声で言いました。
「ディアナ様は、今でもぼくにとって掛け替えのない方なのです…。
 宇宙船はできました。でも、残念ながらお一人でしか乗れません。
ぼくはもう長くはないから、ディアナ様に乗って頂きたいのです。
 だから、我侭かもしれませんがせめて最後に一目、
お別れを申し上げたくて…。」
「ロラン!ダメです!ずっと一緒だと、もう一人にしないと
あの時言ったではありませんか!」
「ずっと一緒です…。この星にいる間、ぼくは、寂しくはありませんでした。
お眠りになっていようと、ぼくはあなた様とずっと一緒でした。
それと同じことです。ぼくの居場所は、今はもうあなたのお心の中だけです。」
ロランはそう言うと、目覚めたばかりのわたくしを再び冷凍睡眠装置に
押し戻そうとしました。わたくしはささやかな抵抗の意志を込めて、
その手を強く握りました。
213○月△日 その7:2006/07/05(水) 22:47:23 ID:???
「なぜ…。わたくしは一人でなど地球に帰りたくはありません!
 どうしてもと言うのなら、ここであなたと一緒に死なせてください!」
「…いけません。時間はまだ、一世代分しか、経っていません。
 ディアナ様には地球で本来のお望みであった幸せな時間を…」
「ですから、わたくしの幸せはあなたとともに…!」
「この星の技術は、月や地球よりもはるかに進んでいます。
 超光速で太陽系に向かえば、時間をほんの少し遡ることもできます。
 そうすれば、ハリーさんや、キエルお嬢さん、それにもっとたくさんの
 お知り合いにももしかしたら再開できるかもしれません。だから、
 ぼくのためにも、お願いです。もう一度地球へ戻ってください。」
「嫌です、嫌です、どうしてわたくしよりもあなたが先に死ななければ
ならないのですか…!わたくしの望んだものは、
こんなものではありません!あなたと、一緒でなければ…」
「ディアナ様。ディアナ…ソレル様。」
「ロラン!!」
わたくしはロランを抱きしめると、絶対に放したくないという想いで
その手に力を込めました。
しかし、なぜだかまた急に遠のきはじめた意識に、激しい焦燥と
悲しみを覚えながら、わたくしは再び瞼の裏の暗闇が目の前に広がるのを
感じました。
「なにか…いたしましたか?」
「すみません、睡眠剤を…首筋に打たせていただきました。
感覚はないはずです。とても、高性能ですから…。」
「そんな、お願いです!嫌です、こんな別れ方は、絶対に嫌です!」
「ディアナ様…ごめんなさい…。」
214○月△日 その8:2006/07/05(水) 22:49:38 ID:???
ロランはわたくしのあたまを撫でながら、ゆっくりと呼吸して、
包み込むような暖かい視線を向けました。
どうしようもなく重くなる瞼の隙間からその姿を必死で追いながら、
わたくしは心の中で叫び続けました。

…!ロラン…!!ロラン!!!

「どうなされたんですか?大丈夫ですか、ディアナ様!」
ふと、見慣れた天井の梁が、太陽の光に照らされているのが見えました。
地球の家―。そうです、ここはロランとともに過ごしていた、
あのコテージです。そして目の前に現れたその姿を見た時、
わたくしはなぜか白々しく感じたまどろみの中で、深い溜息をつきました。
ああ、これもまた、夢なのか、と―。
「大丈夫ですか?すみません、お目覚めになるのが遅かったので、
お部屋に入らせていただきました。だいぶ夢にうなされていたようですが。」
「ああ、ロラン―。」
わたくしはベッドから起き上がると、いつも通りの姿で
優しい瞳を見せたロランに抱きすがりました。
「ロラン、ずっと、ずっと一緒だと、わたくしを一人にしないと、
 わたくしが死ぬときまで、同じ朝を迎え、そばにいてくれると、
約束してくれますか?」
「え?あはは、いきなりどうしたんです?ディアナ様。
夢の中で何かあったんですか?」
「ぅぅ…、何かあったかなんて、そんなことじゃありませんっ。
 わたくしは、わたくしは…」
215○月△日 その9:2006/07/05(水) 22:51:27 ID:???
「フフフ、…寝ぼけていらっしゃる。」
ロランはそう言うと私の頬を伝う涙を指の背で拭い、そっと口付けをしました。
この感触―。わたくしはそれを感じてようやく安堵感に包まれました。
「大丈夫ですよ。なにがあっても、
ぼくはディアナ様をお一人になんていたしません。
こんなことを言ったらおこがましいのかもしれませんが、
ぼくにとって、もうディアナ様抜きの生活なんて考えられません。
ディアナ様がお寝坊なさったら、毎日こうやって起こしに参りますよ。
ですからご心配なさらず、眠い時はぐっすりお眠りになって、
いい夢をご覧になってください。」
「ロラン―。」

よかった―。わたくしは心の中に溢れるその思いを噛みしめながら、
恥ずかしさも忘れて、ロランの胸の中で涙を流し続けました。
何が夢で、何が現実だったかなんてことは、今こうしてあなたが
ここにいるという事実だけで、もうどうでもいいことのように思えるのです。
人はいつか死ぬもの―。けれどそうであれば、わたくしは一瞬でも長く、
あなたと一緒に同じ時間を過ごしたいのです。
こうしてあなたとの幸せな生活の中にいるわたくしが
そう思うのは、おかしなことですか?

ああ、だからロラン、どうかこれからもよしなに―。
216通常の名無しさんの3倍:2006/07/05(水) 22:55:30 ID:???
ロラン生きてて良かった!GJ☆
217通常の名無しさんの3倍:2006/07/05(水) 22:58:02 ID:???
>211
あ…途中で気付きませんでした、すいません。
仕事の都合もあり、過去の日記と被ってたり(黒歴史という店とか)
自分自身、横暴になってしまっていたと思います。
ありがとうございます、読んで下さる方がいただけで、
嬉しいです。
218通常の名無しさんの3倍:2006/07/05(水) 23:01:45 ID:???
>216
これからに期待よしなにです。
219通常の名無しさんの3倍:2006/07/05(水) 23:04:58 ID:???
最後ですか。残念ですがお疲れ様です!本当泣けましたo(T□T)o
220通常の名無しさんの3倍:2006/07/05(水) 23:40:35 ID:???
DC検定5級
…むずい。
ヨシナニウムこぉーい!
221御大将:2006/07/06(木) 00:11:25 ID:mxJFkpJK
>>220
正正正正正正

小生、ギム・ギンガナムである。

ん、何をワクワクしているのかって?
仕方がない、教えて進ぜよう。
実は、今日、仮面の人のMSに乗って久しぶりの買い物に行くことになったのである。
小生、初めてゲンガナムの歓楽街シブヤに出かけた時くらいwktkしているのである。


キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン


お、この音は、いよいよ来たようだな。仮面の人、こっちなのであ〜る。























あ、アガーイたん!?

続く
222通常の名無しさんの3倍:2006/07/06(木) 01:38:07 ID:???
ヨシナニウムとギムニウムが補充されますたが…最後なんて…また職人さんが…っ!orz
223通常の名無しさんの3倍:2006/07/06(木) 09:13:17 ID:dafsvW9P
このクソスレまだあったのか。つぶされたのかと思ってたぜ。
つぶされりゃよかったのにな。
224通常の名無しさんの3倍:2006/07/06(木) 09:15:32 ID:???
よしなに
225通常の名無しさんの3倍:2006/07/06(木) 10:27:12 ID:???
この糞すれ逝ってよしなに
226通常の名無しさんの3倍:2006/07/06(木) 13:08:31 ID:???
暑い昼下がり、コテージのテラスではギム・ギンガナムと私が対峙していました。
毎夜毎夜「カキ氷ィィィ!!!」などと繭玉の中から
絶叫されては安眠妨害というものです。
そこで本日は山盛りのかき氷を用意し、ひとときの慰めとしたく
彼を招待いたしました。
横ではロランが「誰のための慰めですか?」みたいな顔をしています。
ほほほ、もちろん、ワタクシのためではありませんか。
さて、ギムはくつろいだ様子で繭玉生活の子細を話してくれます。
月の武人であった頃の彼からは想像もできない暮らしぶりがおかしく
ワタクシ、噴出しそうになるのをこらえていますと
ロランが用意しておいた物をテーブルに出してきました。

「抹茶金時ミルク風味ゴーヤー&ペパーミントアイス添えフラッペスペシャル」
で、ございます、とエプロン姿のロラン。

ギムと私の前には直径45cmガラス器が一つずつ置かれました。
その中にはワタクシの指示でロランが盛り合わせたかき氷が45cmの高さを誇っています。
「さあ、ギム、いただきましょうか」
227通常の名無しさんの3倍:2006/07/06(木) 13:34:41 ID:???
「かたじけない!小生のために心を遣わせたな、ディアナ・ソレル!!
では、早速いただくとしよう!」
ギムは子供のような無邪気さで先割れスプーンをかき氷のどてっぱらに突き刺します。
「ちょっと待って、ギム。」
「な、何でござる」
「せっかくですから、ゲームをしませんこと?このかき氷で」
「ほう、おもしろそうだな」
繭玉暮らしが長いせいか、ちょっとした変化も楽しいのでしょう。
「鏡合わせになって食すというゲームですよ、ギム、やりましょ」
「どちらが鏡になるのだ?」
「あなたですよ、でも、私にハンデをつけます。私は左効きにして、器もこうします」
私は自分のガラス器を180度回しました。
「では、よしなに!」
「いざ、勝負〜〜〜!」

ワタクシはかねての計画通りかき氷の山にトンネルを掘るかの如くスプーンを進めます。
上のほうに盛り付けたゴーヤーアイスが落っこちそうになるのを
なんとか持ちこたえていましたが、ギムのアイスはぼってりと落ちました。
「うぬぬぬ」
ギムが唸っています。
ロランの喉元には「およしになればいいのに」のせりふがこみ上げているようですが
そんなことは無視して
「さあ、ギム、今度はこちらからまいりましょう」
思い切り反対側のペパーミントアイスを一口で平らげにっこり笑うワタクシ。
「おうよ!」
ギムも口いっぱいにアイスを頬張り、小首をかしげてにっこり。
なんて可愛いんでしょう。ギムは今やすっかりワタクシのおもちゃです。
228通常の名無しさんの3倍:2006/07/06(木) 13:54:13 ID:???
こうして一時間と少々、楽しいかき氷大会を過ごしました。
その後、ギムは湖で軽く泳ぎ、すっかり涼しげになって帰っていきました。

「大丈夫でしょうか、ディアナ様」
夕暮れのそよ風の中、いつもより早くロランは私にレースの肩掛けを持ってきました。
それを肩に掛けず、私のお腹に巻こうとするので
「何を考えているのです!私の胃が鉄壁なのは、あなたも承知のはずです!」
「い、いえ、僕が言ってるのはギンガナムのことで」
優しいロラン、かつて剣で切り結んだ相手の心配をするなんて…
…う…
や…やっぱり、その肩掛けをお腹に巻いてよしなに、ロラン。

そのころ繭玉の御大将の腹にはロランが土産に持たせたハラマキが役に立っていた。
「か、かたじけないのであ〜る」
229通常の名無しさんの3倍:2006/07/06(木) 21:08:17 ID:???
肩掛けをお腹に巻こうとしたロランを
一瞬怒るディアナ様、なんかよさげ。GJ!
230通常の名無しさんの3倍:2006/07/06(木) 22:15:30 ID:???
>221
キター!ってギンガニウムじゃんっ!
でもGJ!
231通常の名無しさんの3倍:2006/07/06(木) 22:17:05 ID:???
腹巻きを土産に持たす優しさと
ユーモアたっぷりのロランにGJ!



腹巻き渡されたときの御大将の顔がみたかった


それともラッピングしてあったのかな?
232通常の名無しさんの3倍:2006/07/06(木) 22:21:24 ID:???
 /⌒ ⌒\
 i (i__i__i_i_i!
 ヽ ゝ#゚Д゚ノゝ お勉強中よっ!
  〔 {{只}}]    
 /∪^∪\
 .^と_^^)^^)^
233通常の名無しさんの3倍:2006/07/06(木) 23:52:25 ID:???
>>232

ロランを奪取するためのか?
234通常の名無しさんの3倍:2006/07/07(金) 04:12:28 ID:???
最近つまんなくなったな
235通常の名無しさんの3倍:2006/07/07(金) 07:25:46 ID:???
>>223=225=234
一人寂しくうじうじ言ってて楽しい?
236通常の名無しさんの3倍:2006/07/07(金) 08:57:46 ID:DOUKcT8k

ギム・ギンガナミの日記


小生、繭の中でただ日々を過ごしているだけでは体や精神が鈍る。
そこでだ初心に戻りある武装組織へオペレーターとして入隊した。
そこでは小生は過去を隠すために髪を色を変えてストレートにし若造りをした。
そしてローラの小娘に折られた刀の代わりに繭の近くにあったギターを片手にして組織に入った。こうしてみると案外小生は以外に軟派な軍人である。


そして今は青葉シゲルと偽名を使いネルフとゆう組織で使従と呼ばれる化け物と戦っている。

237通常の名無しさんの3倍:2006/07/07(金) 10:09:00 ID:???
ディアナ「来週も、よしなによしなにぃ♪」
ロラン「ちょっ、ディアナ様!?」
238通常の名無しさんの3倍:2006/07/07(金) 12:56:47 ID:???
>>237


見るしかない(笑)
239通常の名無しさんの3倍:2006/07/07(金) 14:10:40 ID:???
このネルフがピンチになったらターンXが飛んでくるんですねw
240通常の名無しさんの3倍:2006/07/07(金) 14:43:23 ID:???
使徒よりターンXの方が迷惑な気もw
241通常の名無しさんの3倍:2006/07/07(金) 21:19:52 ID:???
3人目のディアナ様と申したか
242通常の名無しさんの3倍:2006/07/07(金) 21:22:37 ID:???
>>241 シグルイっぽい
243通常の名無しさんの3倍:2006/07/07(金) 22:08:53 ID:???
>>242


   .., -ー-、.
  <___,-=◎=〉
  i’ |-|*゚ー゚)| オイチャン ソレナーニ?


244通常の名無しさんの3倍:2006/07/08(土) 00:27:46 ID:???
さーて、来週のよしなに日記は?

ロランです。
先日のかき氷騒動でディアナ様はすっかりお腹……体調を崩されてしまいました。
やっぱり何事もほどほどが一番ですね。

さて次回は
「ディアナ様となべやきうどん」
「御大将、初めてのアガーイ」
「ソシエお嬢さん正座で24時間経過」
の三本でーす。

来週もまたみてくださ…ディアナ様なにをちょやめdrftgyふじこ
245通常の名無しさんの3倍:2006/07/08(土) 14:40:21 ID:???
三本ともSSにしてくれい。特に三話目。
どういうディアナの裁きなのか気になるwww
246通常の名無しさんの3倍:2006/07/09(日) 06:09:24 ID:???
生徒「死のう・・・死んで、生まれ変わるんだ」
先生「やめろ!1階から飛び降りるなんて大怪我じゃ済まされないぞ!」
生徒「先生・・・・」
先生「お前が死んだら親御さんが悲しむぞ!」
生徒「親はもういません・・・」
先生「あ・・・ほらあれだよ、その・・・・飛び降りてみろよ、どうせお前は皆の気を引きたいだけでそんな勇気無いんだよっ!」
生徒「うわあああん!!我、魂魄百万回生まれ変わろうともおおぉぉぁぁっ!! 恨み晴らすからなあああーーーーっ!!」
先生「あ、タンマちょ、やめ・・・・」



ロラン「うわあ、なんだこのドラマ、あれ?ディアナ様?」
ディアナ「・・・・学校へ行きましょう」
ロラン「・・・・・・・・・・・・・・・は?」
ディアナ「学校へ入学するんですよ」
ロラン(まーたこの人は・・・安っぽい学園モノのドラマに影響されちゃって・・・)
学園生活の青春の甘酸っぱい1ページの中で大人の階段を上っていく少年少女たちがそれぞれの苦悩を抱え葛藤して
・・・って僕はなんて恥ずかしいことを言ってるんだ
テレビの中の出来事、現実にはそんなものって無くて、でも惹かれてしまう。
大抵そういうのは「ありない!けどあったらいいな」ってことに憧れるか「身近にありそうでない」ってことに憧れるもので。
ロラン(どうせ、ディアナ様が行くとしたら私立のお嬢様学校だし)
ロラン「行ってはだめです」
ディアナ「なぜです?」
ロラン「無理だからです」
ディアナ「ヤダヤダ行きたいーーーーっ!」


ロラン「ってことなんですよ」
ハリー「・・・・本当に言ってるのか?あのディアナ様がか?」
ロラン「はい」
ハリー「うーむ・・・」
247通常の名無しさんの3倍:2006/07/10(月) 02:05:24 ID:???
あれをなんとかしなさい!
248通常の名無しさんの3倍:2006/07/10(月) 21:53:22 ID:???
 |/⌒ ⌒\
 |i (i__i__i_i_i
 |ヽ ゝ#゚Д゚ノゝ 脚がしびれたわ!
 ⊂   )

 |    サッ
 | 彡
 |
 |

 |/⌒ ⌒\
 |i (i__i__i_i_i
 |ヽ ゝ#゚Д゚ノゝ バカロラン!
 ⊂   )

 |    サッ
 | 彡
 |
 |
249通常の名無しさんの3倍:2006/07/10(月) 23:30:22 ID:???
>>248
ロラン「ソシエお嬢さん>>232から4日間ですか…」
ディアナ「根を詰めすぎてもよくありませんよ。よしなに」
250通常の名無しさんの3倍:2006/07/11(火) 18:36:07 ID:???
ロラン「...って!ディアナ様だってこの前かき氷食べたいだけ食べてお腹をこわshごめんなさいもう言いませdrftgyふじこ」
251あぼーん:あぼーん
あぼーん
252あぼーん:あぼーん
あぼーん
253あぼーん:あぼーん
あぼーん
254あぼーん:あぼーん
あぼーん
255あぼーん:あぼーん
あぼーん
256あぼーん:あぼーん
あぼーん
257あぼーん:あぼーん
あぼーん
258あぼーん:あぼーん
あぼーん
259あぼーん:あぼーん
あぼーん
260あぼーん:あぼーん
あぼーん
261あぼーん:あぼーん
あぼーん
262あぼーん:あぼーん
あぼーん
263あぼーん:あぼーん
あぼーん
264通常の名無しさんの3倍:2006/07/13(木) 00:11:57 ID:???
 /⌒ ⌒\
 i (i__i__i_i_i!
 ヽ ゝ#゚Д゚ノゝ ぬるぽっ!
  〔 {{只}}]    
 /∪^∪\
 .^と_^^)^^)^
265通常の名無しさんの3倍:2006/07/13(木) 00:25:42 ID:???
封印が解かれたのか!?
266通常の名無しさんの3倍:2006/07/13(木) 01:18:37 ID:???
>>265
ディアナ様によってかき氷の封印が溶かれたらしい。
267あぼーん:あぼーん
あぼーん
268あぼーん:あぼーん
あぼーん
269あぼーん:あぼーん
あぼーん
270ノックス崩壊:2006/07/13(木) 23:31:48 ID:???
でてこいぐぅあんだむぃよぉ〜っ!
271通常の名無しさんの3倍:2006/07/14(金) 05:38:58 ID:???
またなの?
272あぼーん:あぼーん
あぼーん
273あぼーん:あぼーん
あぼーん
274あぼーん:あぼーん
あぼーん
275あぼーん:あぼーん
あぼーん
276あぼーん:あぼーん
あぼーん
277あぼーん:あぼーん
あぼーん
278あぼーん:あぼーん
あぼーん
279あぼーん:あぼーん
あぼーん
280あぼーん:あぼーん
あぼーん
281あぼーん:あぼーん
あぼーん
282あぼーん:あぼーん
あぼーん
283あぼーん:あぼーん
あぼーん
284あぼーん:あぼーん
あぼーん
285あぼーん:あぼーん
あぼーん
286あぼーん:あぼーん
あぼーん
287あぼーん:あぼーん
あぼーん
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あぼーん
289あぼーん:あぼーん
あぼーん
290あぼーん:あぼーん
あぼーん
291あぼーん:あぼーん
あぼーん
292あぼーん:あぼーん
あぼーん
293あぼーん:あぼーん
あぼーん
294あぼーん:あぼーん
あぼーん
295あぼーん:あぼーん
あぼーん
296通常の名無しさんの3倍:2006/07/14(金) 18:06:30 ID:???
勘弁してよ
297通常の名無しさんの3倍:2006/07/14(金) 18:21:14 ID:???
しばらく見ないうちにものすごく荒らされてるな。
298通常の名無しさんの3倍:2006/07/14(金) 18:51:07 ID:???
物凄いファビョりっぷりだな。ディアナ様に冷凍刑にされた特定エイジアの半島人か何かか?
299通常の名無しさんの3倍:2006/07/14(金) 18:52:38 ID:???
ただのニートだろ。ほっとけほっとけ。
300通常の名無しさんの3倍:2006/07/14(金) 21:38:49 ID:???
それ以外やれる事も無いのか。歯痒いのぉ(´・ω・`)
301御大将:2006/07/14(金) 22:32:10 ID:NGepkL2n
しょしょhそhそ小生、ギム・ギンガナムなのである。
今、アガーイたんの中から書き込んでいるのである。
アガーイたんに乗れるなんて、夢の様な話なのである。

何より、黒歴史時代のMSに乗れることが、感動なのである。

もうすぐノックスの街に着くのである。
また、書き込むのである。
302通常の名無しさんの3倍:2006/07/15(土) 00:53:17 ID:???
ギンガニウムキタコレwww
wktk
303ソシエ・ハイム:2006/07/15(土) 01:06:33 ID:???
私、ソシエ・ハイムよ。

またノックスの街が荒らされたって聞いて、
知り合いのキースさんやフランさんが大変なことになっていないか、
心配で来てみたの。

でも、思ったよりひどくはなかったわ。
みんな、以前の戦争の時ほど落ち込んではいなかったし、
結構活気があったから。

だけどさ、そこにディアナさんとあのバカロランがいて、
相変わらず見せ付けてくれちゃったりするのよねぇ…。

フランさんたちも元気そうだったし、
そのまま帰ろうと思ったけど、
ミリシャの復興支援で来てたヤーニ軍曹たちとばったり
会っちゃったりして、結局みんなで宴会が始まっちゃったの。

どこに隠れてたのか、久し振りに見たグエン様なんて、酔っ払いながら
次期アメリアの大統領選挙に出るって言い出して
周囲の注目一人でかっさらってたし。

まあ、こういうのも悪いもんじゃないわね。
私もメシェーたちと一緒に盛り上がったわ。
その間もロランはディアナさんにべったりだったけどさー(-ヘ-)

でも、そこにモビルスーツが現れた時は一瞬肝が冷えたわ。
なんだか茶色くて、三頭身ぽくて…
あれ?ディアナさん笑ってる?なに?「アガーイ」って。
304303:2006/07/15(土) 01:12:06 ID:???
ヨコヤリ失礼っす
ほんと大いにスンマソンm(_ _)m
どうか気を悪くしないで!
ギンガニウムよぉ〜い
305仮面の人:2006/07/15(土) 01:43:54 ID:???
正正正正正…これで良いのだろうか。
ギムがアッガイに興奮し過ぎて書き込める状況ではないので、私が代筆する。
我々は今、ノックス付近を移動中である。
何でも今日は、花火大会があるらしいのだ。
男二人で見に行くのもアレだが、奴と見に行ってBL二次小説のネタにされるよりはマシだろう。

ん、接近警報だと。

あれは、見たことのないMSだな。
どこの所属だろうか。乗りたいとは思わないが、金色の機体は遥か昔に乗っていたMSを思い出す。

「ががが…そちらのMSにギム・ギンガナムという男は乗っているか。」
「初めての相手と通信する時は、まず自分から名乗るのが礼儀だぞ、坊や。」
「これは失礼。私はディアナ親衛隊の隊長、ハリー・オードだ。改めてお伺いする。そちらにギム・ギンガナムという男は乗っているか。」
「ああ、今通信に出そう。おい、ギム。来客だ。」
「わ〜アッガイたんすごいのであ〜る。アガーイアガーイアッガイアッガイ!!(以下、読者の精神衛生を配慮して省略する)」
「…ディアナ様がお待ちだ。この先に広い公園があるから、その広場の適当な場所に着陸願いたい。」
「良いだろう。そうだ、申し遅れた。私の名は…がががががが」
通信の状態があまり良くないらしい。まあ、必要であれば後で名乗れば良いだろう。

おお、見えてきた。あの公園だな。
それでは、着陸作業に入るので、読者諸君におかれては暫くお待ち願いたい。
306通常の名無しさんの3倍:2006/07/15(土) 08:18:29 ID:???
ヤーニさんは戦時中に少尉に昇任された…はず
307あぼーん:あぼーん
あぼーん
308あぼーん:あぼーん
あぼーん
309あぼーん:あぼーん
あぼーん
310あぼーん:あぼーん
あぼーん
311あぼーん:あぼーん
あぼーん
312あぼーん:あぼーん
あぼーん
313あぼーん:あぼーん
あぼーん
314あぼーん:あぼーん
あぼーん
315通常の名無しさんの3倍:2006/07/15(土) 19:50:51 ID:???
なんか荒らされてますね。
SSアップしてもダイジョーブ?
316通常の名無しさんの3倍:2006/07/15(土) 20:05:00 ID:???
大丈夫
露骨な嵐はスルーできるフィルターは装備済みだ
317通常の名無しさんの3倍:2006/07/15(土) 20:10:40 ID:???


 
白の宮殿はなんの変わりもないように見えました。わたくしは久し振りに足
を踏み入れたその場所から、ゆらゆらと光を湛える運河の天井を見上げました。
「ディアナ様、お加減はいかがでしょうか。」
ハリーは以前と同じように片膝をついて言いました。しかし、その姿からはじっ
と耐えている心情が痛いほど伝わってきて、わたくしは溜息をついて答えました。
「ええ―。わたくしは十分元気です。それよりも、キエルさんはどうなのですか。」
「…。地球での療養は順調なようです。」
「そう…。」
キエルさんは月での多忙な生活が祟って、体調を崩されてしまいました。月の環境
は地球で生まれ育ったキエルさんの体に、本人も気付かないうちに多大な疲労をも
たらしてしまっていたのかもしれません。少なくとも数ヶ月の療養が必要との診断
結果から、しばらくの間わたくしと入れ替わることになりました。
「ディアナとして地球に行っていれば、あなたも一緒に居られましたのにね。」
「いえ、そんなことをすれば、キエル殿にとっては逆効果であります。せっかく地
球に戻ったのだから、女王のプレッシャーなど感じずに休んで頂きたいのです。」
「確かにそうでありますな。…ふふ、わたくしも久し振りで少しわくわくしており
ます。」
「それは、ディアナ様ご自身がご公務に戻られると…?」
「そんな残念そうな顔をするものではありません。…仮初の間ですよ。」
「残念などと、滅相もございません。」
「…嘘っすね。いえいえよしなに。まあ、それはともかく、キエルさんは
今ビシニティなのですね。」
318通常の名無しさんの3倍:2006/07/15(土) 20:12:07 ID:???
「は…はい。側にロランがついております。」
「ロラン?」
ちょっとお待ちください。それは聞いておりません。なんだか、急に眼鏡の奥が
意地悪っぽくニヤついているように見え始めたのは気のせいでしょうか。
「それではもしかして、ロランがハイム家に…。」
「はい。それが何か…?」
…。それが何かって、まさかロランとソシエさんのよりが戻ってしまうことを心
配してるなどと、言えたものではございませんが。
「…いえ、ロランは正式な親衛隊ではないのですから、誰か他の者をつけたほう
がよいのではありませんか?」
「ご冗談を。地球ではディアナ様の身辺警護を見事にやってのけたではありませ
んか。」
まぁ、御曹司に対しては逆でしたが…。そう、忘れておりました、御曹司です。
ロランが一人でいたら、いつまた御曹司が襲ってくるやもしれませんし、ビシニ
ティにいさせたほうがまだ安全というものかもしれません。
「ご心配なら、様子をお見せしましょうか?」
そう言うと、ハリーは腕に巻き尽きていた3D照射器のスイッチを入れました。
「これは、地球の軌道上にある、停止衛星からの画像です。なんでしたら、もっと
大きな画像が出せるものを、後ほどお持ちいたします。」
「そうですか。頼みます。」
「はっ。」

その後、ハリーの部下が持ってきた照射器の画像を映し出したまま、わたくし
は女王決裁の資料に目を通しておりました。数時間後、一段落したところで、
わたくしは紅茶を飲みながら相変わらずハイム家の屋根を映しつづけている画
像に目を向けました。
319通常の名無しさんの3倍:2006/07/15(土) 20:13:48 ID:???
「はぁ…。屋根ばかり見ていても中の様子がわからないのでは…、ん?」
ふと、ハイム家の裏庭に、妙なものを発見いたしました。なにか、褐色の物
体…、いえ、あれは人です。人が、服も着ないでうずくまっているではあり
ませんか。わたくしは急いで回線をつないでハリーを呼びました。
「何か、ございましたか?」
執務室にやってきたハリーは、わたくしの指し示した画像に視線を移すと、
またも少し動揺したように見えました。
「こ…これは…。もしや。」
「わかりますか。そう、奴…いえ、御曹司です。」
画像には相変わらずうずくまったままの裸の御曹司が映し出されていました。
しかし、何をしているのでしょう。先ほどから動く様子がございません。ま
さか、あんなかっこで寝ているのでしょうか。しかもハイム家の裏庭で。
「すぐに調べさせます。あ…。」
「どういたしました?」
ハリーが指差した先には、裏庭に出てきたキエルさんの姿がございました。
よかった。元気そうです。しかし、そんな感慨をよそに、キエルさんはじっ
と御曹司のほうを向いたまま、動こうといたしません。―次の瞬間、わたく
しはぎょっとして危うく紅茶のカップを落としそうになりました。
「キ…キエル殿!それはっ…!!」
ハリーが悲鳴にも似た声をあげた先で、キエルさんは突然鞭を振り上げて裸
の御曹司をひと叩きしました。思わずよがってのた打ち回る御曹司。なんな
のでしょう、これは―。そうしているうちに鞭は次々と振り下ろされ、その
たびに裸の御曹司がびくっと反応しているようでした。
「はっ、はぅぅっ!…いけません!地球でそんなことなど…!」
ああ、ハリーの動揺する様子が、痛々しくて仕方ありませんでした。でも、
心配することはありません。きっと、御曹司がハイム家に忍び込んだので、
それをキエルさんが懲らしめているのでしょう。体調がよくないといってお
りましたが、あの雄々しいばかりの鞭さばき。地球での療養は順調なようで
すね。…しかし、ハリーの様子が少し常軌を逸してきているのが、気になり
ます。
320通常の名無しさんの3倍:2006/07/15(土) 20:15:25 ID:???
「ああっ、お…御曹司をそんなふうにああっ!!裸にそんな叩きかたをハァゥッ!!」
あの。ここはわたくしの執務室なんですが。キエルさんのことが心配なのはわか
りますが、鞭に呼応して変な声を上げるのはよしてください。そういえばさっき、
妙なコードが、わたくしのデータに入力されておりました。この“SM”とは、
もしかしてモビルスーツの“MS”の間違いでしょうか。
「はっ!そ…そそそそそのコードは、新しく開発いたしました、“スーパー・
モビール”の、こ…ここここここことでありますっ!!閣下ッ!」
どうしたのですか?ものすごい汗をかいておりますよ、ハリー・オード。大丈
夫です、あの様子だと、キエルさんご自身に危害が及ぶことはございません。
ただ単に、わたくしがいつもそうしているように変態御曹司を懲らしめている
だけでしょう。というか、“スーパー・モビール”ですか。そのようなものを
開発して、一体何をするというのですか?
「ハァウッ…!そ、それはウフォッ…!平和のため、花を植えるためのモビル
スーツでありますハゥオォッッ!!!」
―なるほど!それはいい発想です。今まで戦争の道具としてばかり扱われてい
たモビルスーツで花を植えるとは、素晴らしいではありませんか…。それにし
ても、画面では仰向けになってなぜかニタニタしている御曹司が、また裏庭で
一人っきりで寝はじめました。…まったく、素っ裸で仰向けになどならなくて
よいというのに…。
321通常の名無しさんの3倍:2006/07/15(土) 20:17:36 ID:???
 それから数日後、わたくしは月で開発された新しいマシン、平和の象徴と
もいえる“SM”の公表を大々的に行いました。モビルスーツで花を植え、月
にも地球にもきれいなお花畑を増やす、これこそディアナ・ソレルの施政に
とってうってつけのマシンであります―。

…みなさん、わたくしはムーンレィスの長年の夢であった地球での生活を、
多くの方々に体験して頂きたいと思っております。しかし、このディアナ・
ソレルの至らなさが呼んでしまった多くの悲劇、多くの悲しみ。それをわた
くしは決して忘れることはございません。そう、死ぬまでわたくしはその痛
みを背負い、そして皆様にとってのより多くの幸せを、皆様と共に追い求め
る政策を、これからも実施していく所存でございます。そう、わたくしたち
人類のたどり着く先は、幸福なものでなければなりません。この罪深き女王
たる者が背負うべきもの、それは皆様の未来の礎を築くことであり、同時に
過去の過ちに対する最大限の謝罪でございます。わたくしは、多くの悲劇を
代償にして得られたこの尊い平和を、この月にも、そして地球にも永久に残
していきたい。そのために、以前は人を殺す道具であったモビルスーツを、
花を植える道具にしようと思うのです。これが、その新しい時代の道具―、
スーパー・モビール、愛称はモビル・スーツの“MS”を逆さにした、“SM”
です!…

民衆のざわめき、歓喜の声―。わたくしはそれがこの政策に賛同してくれる
人々の賛辞の声であると考えておりました。…ふふ、でもそれから消息を絶っ
ているハリー。あなたはわたくしの知らないところで何を開発していたので
すか?知らないことは罪、というのなら、黙っておくことは罪ではないとい
うことでしょうか。わたくしは、あの時聞いた民衆の歓喜に混じった声を、
今も忘れることはございません。

…千年女王に叩かれた〜い…

ソシエさんが泣きながらテレビ電話をかけてきました。
「お姉さまが、お姉さまが、馬に乗って鞭を振るとおかしくなるの!月の技
術で直してっ!!」

大丈夫です。ただのモビルリブに花植え機能がついただけだったスーパー・
モビールに気付かなかったわたくしもうかつでしたが、とにかく、キエルさ
んをそんなふうにした奴には、鞭打ってでも治療用ナノマシンを開発させる
つもりです―。











「なんと!ディアナ様に叩いて頂ける!?」って、まんまと現れましたね赤
めがね君。覚悟は、よろしいですか?
322通常の名無しさんの3倍:2006/07/15(土) 20:53:37 ID:???
ベルガギロスwww
一つ気になるところはそう、改行がイマイチというところだな
323通常の名無しさんの3倍:2006/07/15(土) 21:53:33 ID:???
(・∀・) イイネ!!!!
324通常の名無しさんの3倍:2006/07/15(土) 21:57:42 ID:???
ベルガダラスwww
ギンガニウムの人キタコレ。
スゥパァ・モビ〜ルの人もお疲れ様。
そして・・・同志>>322に敬礼!!
325あぼーん:あぼーん
あぼーん
326あぼーん:あぼーん
あぼーん
327あぼーん:あぼーん
あぼーん
328あぼーん:あぼーん
あぼーん
329あぼーん:あぼーん
あぼーん
***「だが俺はお前ほど日本人には失望しちゃいない!!」







***「だがその温かさをもった日本人が金を弄び、自然を破壊するのだ・・
ガーガガーピーよ、何故これがわからん!!」

***「わかっている!だからこそ・・」


・・・午前中に一通りの政務をこなしてしまったわたくしは、
午後のお茶を楽しみつつ暇つぶしに黒歴史のデータを覗いていました



これは・・・かつてニュータイプと呼ばれ、
超人的なパイロットだった二人の最後の戦いの会話データのようですが・・・


古いからかそれとも保存段階で何かあったのか所々雑音が入り、
ある所から全く二人の会話データが無く戦艦からの映像しかありませんでした
それにしても今までみたこのニュータイプの記録をみて
検証すると・・・ある恐ろしい考えが頭をよぎっていきました




・・・御曹司はひょっとしたら・・・

そんなまさか・・・いえ、確かにそう考えると納得いく現象は多々あります


例えばライフルで確かに頭に命中したはずなのに
3日後には生きている事・・・

ひょっとしたらあれは紙一重でかわしていたとか・・・
そのあとの悲鳴などは避けたら転けたとかで説明はつきます


そう考えたら急に悪寒が・・・
ロラン・・・早く帰りあなたをハグハグしたいです・・・


よしなに
332あぼーん:あぼーん
あぼーん
333あぼーん:あぼーん
あぼーん
334通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 10:24:46 ID:???
ディアナ様!
「ソシエ・ワールド」なる美容室を発見いたしました!
335通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 11:57:13 ID:???
それは強制的にソシエみたいなおかっぱ頭にされる美容室なのか
336通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 23:39:17 ID:???
木星帰りの客がたくさん来るそうです。
337通常の名無しさんの3倍:2006/07/24(月) 21:33:43 ID:???
保守なに
338通常の名無しさんの3倍:2006/07/28(金) 23:34:33 ID:???
保守
339通常の名無しさんの3倍:2006/07/29(土) 23:04:50 ID:???
こうして日記をつけるのも久しぶりです。ディアナ・ソレルです。
恥ずかしながら私、季節の変わり目のせいか体調を崩してしまいました。
食欲も湧かず、彼を心配させてしまっています。
コンコン…ガチャ
「ディアナさま、お加減はいかがですか?」
ああロラン…心配をかけてすみ
「全く、もうかき氷は控えて下さいよ?」
ま゛
…あのロラン。
「お腹をこわしたまではしょうがないにしても、そのせいで夏バテなんて…」
ロ ラ ン ?
あなたの天然っぷりは愛すべき点だとは思っていますが何というかですね私にも乙女心とかプライドとか女王としての体裁とか
「さっ、頑張ってでも食べて下さいね?食べなきゃあ治りませんよー?」
…うー。
なんだか、ロランがまるっきりおかーさんモードです。
困ったような笑顔でお盆をベッドの上に置くと、そこに乗っていたのは…。

「こ、これは…?」
グツグツグツグツグツ…。
340通常の名無しさんの3倍:2006/07/29(土) 23:36:18 ID:???
まるで溶岩のように鼓動するアッツアツのお粥でございますか?
恐らくそのまま召し上がると口内が火傷で悲惨な状態になってしまいますゆえ
信頼できる同居人にフーフー冷まさせてからお召し上がりくださいませぇぇ
341通常の名無しさんの3倍:2006/07/30(日) 00:13:51 ID:???
>>339の続き

はじめは、シチューか何か?と思いました。
しかしお鍋の中のそれはどうみても麺類です。本当に(ry
いやそうじゃない。
「ロランこれは」
「ヤーパンの麺類、おうどんですよ」
「あの…なんだかグツグツいってますけど…」
「そういう調理法ですからね」
そう言うと彼は手慣れた手つきで器に取り分け、レンゲを添えてくれます。
「本当は寒い時に食べるのが美味しいんですけど、これなら消化もいいですし」うう…しかし悲しきかな、愛しいロランの手料理を目の前にしても今の私は食欲というものが

「ふー、ふー……はいディアナさま、あーん♪」

…。

ロラン。
あなたという人はベッドに横たわった病人に向かって…はふはふもくもく。
そのようなガード不能技を重ねるような真似をはふはふもくもく…。


結局美味しくいただいてしまった私は、このなべやきうどんという料理をすっかり気に入ってしまいました…。
いえ、正しくはロランの「あーん♪」があまりにも強力だったのですが…。
ロラン、今度は私にもあーんをさせて下さいね?よしなに。
342339:2006/07/30(日) 00:15:39 ID:???
>>340
はいお約束♪と。
いい読みだw
343通常の名無しさんの3倍:2006/07/30(日) 00:25:25 ID:???
ぬぅあーにぃー!
保守るつもりできたらなんかいいんでないかー!
ええなぁー!ぐっじょぶ。
344ディアナ様トリビア:2006/07/30(日) 01:40:35 ID:???
ディアナ様のうどん食べる時の音は

ちゅるちゅる
345通常の名無しさんの3倍:2006/07/30(日) 10:51:02 ID:???
根気強くまってればいいこともあるんだな。
346あぼーん:あぼーん
あぼーん
347通常の名無しさんの3倍:2006/07/31(月) 17:26:57 ID:???
ランランララランランラン・・・

ハッ!

ロラン「どうしたんですか!」
ディアナ「いえ・・・コレンを守っている夢を見たんです・・・・」
ロラン「はい?」
ディアナ「それでワタクシは大多数のコレンの暴走を止めるべく…」
ロラン「・・・」
ディアナ「で、コレンに吹き飛ばされてコレンから触手が」
ロラン「もう結構です」
348通常の名無しさんの3倍:2006/08/01(火) 08:48:33 ID:mJQHOeQx
>>347
なにげにワロタ   コレンから触手が(笑(ガクプル
349通常の名無しさんの3倍:2006/08/01(火) 18:15:47 ID:???
>>348
コレン、自分から出ている触手に気付く。

「こ、これ何だーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
350通常の名無しさんの3倍:2006/08/01(火) 20:43:21 ID:???
風が吹いた・・・
351通常の名無しさんの3倍:2006/08/02(水) 05:52:12 ID:???
ロラン「んー、風が気持いいー」
涼しい風の吹く丘でちっぽけな二人が居ました。
今日は森林浴。森をお散歩した後にこの草原の広がる丘にやって参りました。
草の香りと芝生のカーペットさえあればこんなにもくつろげるのですね。
ディアナ「マグマグ…うん、おいしいです」
ロラン「はは、早起きして作った甲斐がありましたよ」
ディアナ「…」
ロラン「…」
会話は要らない、ただこの一時さえあれば。
相手もそう思ってくれればいいと願いながら時を刻む。
ディアナ「ちょっとお昼寝していいですか?」
ロラン「どうぞ」
ディアナ「うんしょっと………頭がゴツゴツしますわ」
ロラン「じゃあ、僕のカバンを下に」
ディアナ「えいっ!」
ロラン「あっ、ちょ、ちょっとヒザまくらですかぁ!?」
ディアナ「うーんロランのヒザ〜♪」
ロラン「もう…」
ディアナ「嫌だったら言ってください」
ロラン(言えないですよ!!)
ディアナ「………ロランのお顔が真上にある」
ロラン「照れますね」
ディアナ「……」
ロラン「寝たんですか?」
ディアナ「…………スヤスヤ」
ロラン「あーあ、寝ちゃった」
352通常の名無しさんの3倍:2006/08/02(水) 06:23:50 ID:???
ロラン「なんか、こんなに近いのって初めてかも。ていうか……」
ディアナ「……zzZZ」
ロラン(こんなにディアナさまをじっと見れたこと無いかも)
近くてもいつも視線は別方向を向いていた。
神聖な何か、見るだけで汚している気がして、彼女を見ている自分が許せなかった。
彼女はじっと自分を見つめてくれたのに。
ロラン「なんか眉毛が凛として鼻がスッとしてて……やっぱりかわいいかも」
ハッと気付いた時、すでに口に出していた。
我ながらバカなんだと思う。そんなこと言うまでも無いのに。
ロラン「聞こえてないよな?」
ディアナ「………」
ただ月の女王になったカリスマはこの顔立ちもあってこそ、と思う。
ロラン「本当に寝てんのかな?」
ディアナ「………」
ロラン「なんか時々顔が歪んでるような」
ディアナ「………プッ(笑)………あ」
ロラン「え?うわっ、あ、ぁああ゙あ゙!!?」
ディアナ「だ、大丈夫です寝てました、はい何も聞こえてません」
ロラン「いや、あの、その、だから…それは忘れてください!!!」
ディアナ「だ、大丈夫です聞こえてませんから…」
聞こえてないなら言わないよ、と言いたかった夏
353通常の名無しさんの3倍:2006/08/03(木) 17:27:36 ID:???
職人さん、乙☆
354あぼーん:あぼーん
あぼーん
355あぼーん:あぼーん
あぼーん
356あぼーん:あぼーん
あぼーん
357あぼーん:あぼーん
あぼーん
358あぼーん:あぼーん
あぼーん
359あぼーん:あぼーん
あぼーん
360あぼーん:あぼーん
あぼーん
361あぼーん:あぼーん
あぼーん
362あぼーん:あぼーん
あぼーん
363あぼーん:あぼーん
あぼーん
364あぼーん:あぼーん
あぼーん
365あぼーん:あぼーん
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366あぼーん:あぼーん
あぼーん
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369あぼーん:あぼーん
あぼーん
370あぼーん:あぼーん
あぼーん
371あぼーん:あぼーん
あぼーん
372あぼーん:あぼーん
あぼーん
373あぼーん:あぼーん
あぼーん
374あぼーん:あぼーん
あぼーん
375あぼーん:あぼーん
あぼーん
376仮面の人:2006/08/04(金) 16:43:27 ID:nEKiRqP0
正正正正正

ギムが相変わらずアッガイにくっついているので、私が代筆しよう。
我々は今、ノックスのとある公園で酒宴の最中である。
だが、この酒宴の主催者たる女王とやらは、とっくにダウンしてしまったし、ソシエとかいうおかっぱのお嬢さんはきし麺頭の少年を側において何やらずっと文句を垂れている。

「すいません。折角来て頂いたのに、このような状態で。」
「いや、皆が楽しければ良い。それが酒宴というものでしょう。」
唯一冷静な赤い眼鏡の男の言葉に、私は思ったままを返した。
「なるほど、それもそうですな。」
赤眼鏡はそれで納得したらしい。少しばかり馬の合わない男だが、見たところ私と同じ阪神ファンのようだし、悪い男ではないようだ。
それから我々は、完全にダウンしていたロランと呼ばれる少年やコレンとかいう男を担いで、とりあえずこの場を片付けることにした。

まさに、その時だった。

「おい、仮面の人!!接近警報であるぞ!!」
何時の間にやらアッガイから離れたギムが、大声で我々を呼んだ。
接近警報…その言葉に、私と赤眼鏡は途端、神経が引き締まる。

「アッガイのレーダーシステムであれば、まだ距離があるはず…。」
そう口に出した私の期待は、最悪の形で裏切られることとなった。いや、正確には裏切られてはいない。
単に、その機体がアッガイのレーダー範囲ギリギリの地点に居ても、我々が肉眼で把握できる大きさをもっていたに過ぎないのだ。

「あれは、もしや…。」
赤眼鏡の声は冷静だ。だが、奴はあれの恐ろしさを生で知らないからこそ、あれだけ冷静になれるのだろう。
大地に沈み行く夕陽。そのオレンジ色に照らされて、どす黒い巨体がきらりと光った。
377あぼーん:あぼーん
あぼーん
378あぼーん:あぼーん
あぼーん
379あぼーん:あぼーん
あぼーん
380あぼーん:あぼーん
あぼーん
381あぼーん:あぼーん
あぼーん
382あぼーん:あぼーん
あぼーん
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あぼーん
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あぼーん
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あぼーん
386あぼーん:あぼーん
あぼーん
387あぼーん:あぼーん
あぼーん
388あぼーん:あぼーん
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あぼーん
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あぼーん
391あぼーん:あぼーん
あぼーん
392あぼーん:あぼーん
あぼーん
393あぼーん:あぼーん
あぼーん
394あぼーん:あぼーん
あぼーん
395あぼーん:あぼーん
あぼーん
396通常の名無しさんの3倍:2006/08/05(土) 09:02:15 ID:???
127回!!!!
397通常の名無しさんの3倍:2006/08/06(日) 06:52:04 ID:???
健やかな時を楽しむわたくしディアナ・ソレルは
最高に至福な一時を過ごすため幻のコーヒーを飲…
ロラン「たかだかスーパーで買ってきた安物に幻も何もありませんよ」
と否定されましたが、
ロランには想像力がありません!
人にはそれぞれ良いところ悪いところがあり、十人十色なのです!
100mを9秒で走れるような人間は一握り、
だからコーヒー豆の一粒一粒にも良いところ悪いところがあり、もしかしたら100mを9秒で走れるような黄金の一粒(謎)が含まれて
ロラン「へー、ディアナ様にはその違いが分かるんですか?」
ディアナ「はうっ……うう………ぅああーーん!ロランに、ロランにいじめられたぁああーー!!!」
ロラン「もう…だって普通に考えてそうじゃないですか」
ディアナ「ロランだけにロマンが無いわ!それじゃあロマンが無いのよぅ!」
ロラン「はあ」
398通常の名無しさんの3倍:2006/08/06(日) 12:18:09 ID:???
そんぐらいのリアリストでなきゃこのディアナとは一緒に居られんわな
399あぼーん:あぼーん
あぼーん
400あぼーん:あぼーん
あぼーん
401あぼーん:あぼーん
あぼーん
402あぼーん:あぼーん
あぼーん
403あぼーん:あぼーん
あぼーん
404あぼーん:あぼーん
あぼーん
405あぼーん:あぼーん
あぼーん
406あぼーん:あぼーん
あぼーん
407あぼーん:あぼーん
あぼーん
408あぼーん:あぼーん
あぼーん
409あぼーん:あぼーん
あぼーん
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あぼーん
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あぼーん
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あぼーん
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あぼーん
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あぼーん
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あぼーん
417あぼーん:あぼーん
あぼーん
418あぼーん:あぼーん
あぼーん
419あぼーん:あぼーん
あぼーん
420通常の名無しさんの3倍:2006/08/06(日) 16:52:16 ID:???
誰か運営行って削除要請と規制に頼んでちょ
携帯からはやるなって言われたんだ漏れ
421通常の名無しさんの3倍:2006/08/06(日) 18:02:18 ID:???
>>420
一応削除依頼出されているみたいだけど。
422あぼーん:あぼーん
あぼーん
423あぼーん:あぼーん
あぼーん
424あぼーん:あぼーん
あぼーん
425あぼーん:あぼーん
あぼーん
426通常の名無しさんの3倍:2006/08/06(日) 23:12:53 ID:???
>>420-421
手続きしてあるなら大丈夫でしょ。
ここまで厨ならアク禁の可能性もあるし。
427通常の名無しさんの3倍:2006/08/07(月) 00:07:54 ID:???
こりゃまた見事な基地外っぷりだなw
まぁ依頼が出されてるんなら待つだけだからいいんだけど
>>376さんが続きを書いてくれるか心配だ。
自分のSSまで荒らしのネタにされて気分良くないだろうし、慣れてないとショックもでかいだろうし・・・。
>>376さん。いつもの御大将のSSの人と同じ人かな?
いつも楽しませてもらってます。
気分悪いと思いますが、足りない子のする事だと思ってスルーしてやって下さい。
もうすぐ静かになると思いますので、そしたらまた続きを書いて下さい。
楽しみに待ってます。
428通常の名無しさんの3倍:2006/08/07(月) 00:36:32 ID:???
>>427
禿同。

前になべやきうどんネタを投下したものですが、やはり∀ちゃんと観ないでこのスレの知識のみで書くのは無理がありますた…w(以前からROMってはいましたが)
良スレをなくしたくなかったものでつい。

∀を愛する職人さんカムヒヤ。
429通常の名無しさんの3倍:2006/08/07(月) 00:42:26 ID:???
一度潰して微妙に違うスレタイで立て・・・



意味ないかな?
430通常の名無しさんの3倍:2006/08/07(月) 01:57:38 ID:???
夏の風物詩だべ。
放置してれば、勝手にくたばるさ。
431通常の名無しさんの3倍:2006/08/07(月) 21:11:28 ID:???
削除人ありがとう!
しかしスッキリするなあ
432通常の名無しさんの3倍:2006/08/07(月) 21:14:05 ID:???
感謝感謝(*´ω`*)
433通常の名無しさんの3倍:2006/08/07(月) 21:59:58 ID:??? BE:406598966-2BP(10)
  .-ー-ーヽ
 /  i_i_i_i_i_i          削除待ちの時はレスアンカー(>>xxx)を控えると
 iノ |ノ|*゚ー゚)/ ̄ ̄ ̄ ̄/   透明削除して頂ける事があります。
 |ノ| リ つ /  VAIO /____
   ̄ ̄\/____/ 
434通常の名無しさんの3倍:2006/08/07(月) 22:21:52 ID:???
削除人さんGJ(`・ω・')b
しかしすっきりというよりスカスカになっちゃったなw
ここからは職人芸でギッチリになる事を切に願う。
435通常の名無しさんの3倍:2006/08/08(火) 00:54:27 ID:???
じゃつなぎに。


…全く一時はどうなることかと思いました。
夏のせいか虫が大量発生し、私たち二人困り果てていたのですが、削除人と呼ばれるプロの方が駆除を行ってくださいました。
ディアナ「ありがとうございました」
ロラン「ありがとうございましたー…」

ロラン「ずいぶんすっきりしましたねー」
ディアナ「これでゆっくり眠れますね」
ロラン「はい」
ディアナ「…♪」
ロラン「ディアナさま?」
ディアナ「わたくしとロランが…安心して眠るためにはー♪(ガバッ)」
ロラン「アッー!」
436通常の名無しさんの3倍:2006/08/08(火) 13:37:35 ID:???
ディアナ様、昨夜はお楽しみでしたか?
437通常の名無しさんの3倍:2006/08/08(火) 22:58:37 ID:???
>>436が野暮な件について

昨夜『も』だろ!?www
438通常の名無しさんの3倍:2006/08/09(水) 20:41:52 ID:???
余計なお世話じゃ
439通常の名無しさんの3倍:2006/08/09(水) 21:05:25 ID:???
下のお世話
440通常の名無しさんの3倍:2006/08/09(水) 23:45:55 ID:???
ディアナ「あらあらこんなに熱くなって」
ロラン「ハアハア…もうダメですディアナさま……」
ディアナ「ウフ♪まだまだよ」
ロラン「が、我慢で…できませんっ…!」
ディアナ「まだ出ちゃだめよ」
ロラン「あっ…あ……!出ます、もう出ます!!!」
ディアナ「だめ、まだ……あっ!」
ガチャ
ディアナ「もう、早いわねえ」
ロラン「すいません…」
ディアナ「たかだか30分で。本当に情けないですわ」
ロラン「いやあ…だって」
ディアナ「これから毎日やるのですよ!」
ロラン「う、キツイなあ。僕サウナの空気が薄い感じって苦手なんですよねえ」
ディアナ「何を仰いますか」




m9(^Д^)
441通常の名無しさんの3倍:2006/08/10(木) 00:33:59 ID:???
敬語というか日本語がおかしいとその時点で萎える
442通常の名無しさんの3倍:2006/08/10(木) 13:59:17 ID:???
>>440


当然お二人は裸なんだな?
443通常の名無しさんの3倍:2006/08/11(金) 01:31:59 ID:???
サウナの中で汗だくセックスしてるんじゃない?
444通常の名無しさんの3倍:2006/08/11(金) 02:44:58 ID:???
夏場にエアコン切って汗だくセックスしてます
445通常の名無しさんの3倍:2006/08/11(金) 16:20:03 ID:???
ディアナ様の汗美味しそう
446通常の名無しさんの3倍:2006/08/11(金) 20:51:09 ID:???
加齢臭が
447通常の名無しさんの3倍:2006/08/13(日) 00:48:01 ID:???
夏、避暑として涼しい草原に来た。
二人はその朝の雄大な景色を眺めていた。
悠然とたたずむ2つの光景、朝焼けの大地と空の色。まばらな雲に鮮やかなオレンジが写る。
自分には絶対にそれを作り出すことはできない。だからこそ自然の理の凄さを噛み締める。
ディアナ「世界が終わったらどうなるのでしょうね」
人間の手をもってすれば、この光景を破壊することはできるかもしれない。
しかし作ることはできない。
ならば、この世界が終わったならば、終わらせたならば、いつ誰がどうやってこれを作るのだろうか?
気が遠くなる、二人はそんな思案を巡らせる。
ロラン「あまり考えたくないですね」
ディアナ「存在そのものが無くなる、それは死しても同じことですが…」
もう人間は地球が無くても生きてゆける。故に幾多もの故人は地球を破壊しようともした。
だが宇宙が無くなったなら?
ロラン「過去様々な偉人がいろいろ考えて結局結論なんて出なかったことを、ちっぽけな僕が考えても」
分からないことは分からない、そう割りきっているし考えないようにしている
448通常の名無しさんの3倍:2006/08/13(日) 01:15:43 ID:???
ほどなくして二人は黙りこんだ。
世界が破壊しなくても、いつかはこんな時間も無くなってしまう。
楽しかった、嬉しかった記憶が蘇る。
昔は死ぬのが恐くはなかった。だから永遠の命など惜しくもなかった。
今は、それが怖い。もっと生きたい。
もっとこの傍らにいる少年を見ていたい
そう思った瞬間、涙が溢れていた。
ディアナ「やだ……なんで…?」
ロラン「ディアナ様?」
漠然とした不安が込み上げてくる。どうやって止めていいか分からなかった。
ディアナ「死にたくない…まだ死にたくないんです」
ロラン「…」
ギュッと肩を抱き寄せられた。もたれかかる壁を見つけたようで不安が薄らいでいく。
だが次第にその行為さえ愛しく思い、また不安になる。
だからこそ、だからこそ今この瞬間と甘い記憶が無くなるのが怖くて
ディアナ(私は泣いているのね)
449通常の名無しさんの3倍:2006/08/13(日) 01:43:04 ID:???
死んだらどうなるのか?
答えは誰も知らない
だが結論は出ている。それを考えない事が一番幸せなのだ。
今を精一杯生きて、誰かと幸せを分かち合うこと。
その中でいつか死ねばいい。
だがこれを考えてしまった時点で一生頭の中で付きまとう苦しみ。
何度忘れても何度も思い出しては泣くのだ。
ディアナ「ねえ、ロラン…」
ロラン「何も言わないでください」
言葉を制した。強く凛とした声。その全てに惹かれもした。
ロラン「僕はディアナさまにそんなこと何も考えさせないぐらい幸せをもらっています。意地悪されたり、からかわれたりするけど…だから、僕も…」
ロラン「ずっと何も考えさせないぐらい幸せにしたいんです」
体が、震えた。何かが胸から込み上げてくる。体の奥底がむずがゆくて、涙が止まらない。
自分が生きてる意味があった、彼に何かを与えられている。
それが分かって
ディアナ「今、凄く幸せかもしれません」
しゃっくりと涙声で言葉という言葉にならない。
それでも聞いてくれるロランが好きで
ロラン「なら…泣かないでくださいよ」
ディアナ「嬉し泣きです!」
うんうんと頷くロランが大好きでしょうがなかった
450通常の名無しさんの3倍:2006/08/13(日) 02:14:00 ID:???
>>447-449
GJ!
こういう話は好きだぜ
451通常の名無しさんの3倍:2006/08/13(日) 02:20:51 ID:??? BE:135533434-2BP(10)
>447-449
。・゚・(ノД`)・゚・。GJ!!
452通常の名無しさんの3倍:2006/08/13(日) 19:52:36 ID:???
夏―またこの季節がやってきました
そして今は海に来ています。
ロランの…引き締まった健康的な太陽の光を浴びて燦然ときらめく素肌を何の疑いもなく拝めるこの瞬間が。
渚でじゃれあい、そしてさりげなくボディをソフトタッチ、そのうち乳首を連打し次第に顔を赤らめるロラン。
二人は時折お互いに濃厚な視線を送り、だけどじらして知らないフリ。そして次に目が合った瞬間に見つめあ
ロラン「ディアナ様鼻血が出てますよ!」
いけませんわディアナ・ソレル!わたくしの妄想パワーは一体どこから…
ともかく鼻にティッシュを詰め込んだままでは濃厚な視線もへったくれもありません!
ロラン「ちょっとこれじゃあ泳げませんよ」
ああなんてことでしょう、せっかくのチャンスだと言うのにこれでは…
しかし妄想を繰り広げ海面が血の海になりかねないのも事実です
ロラン「まあ…そんなに泳ぐつもりは無かったですし、ちょっと落ち着いたら海に足でもつけましょうか」
ディアナ「…はい」
わたくしのしんみりした態度にロランもちょっと眉にシワをよせています。
ディアナ「ロランは優しいのにわたくしはいつもこんな感じ…」

453通常の名無しさんの3倍:2006/08/13(日) 20:13:53 ID:???
ロラン「いや…まあ…」
砂浜、ビーチパラソルの下とは言え蒸し暑いのに
一人で泳ぎに行ってもいいのに海にさえ触れずずっとわたくしの側にいてくれて…
ロラン「まあその…ディアナ様の水着姿を………見るのがあの…」
ディアナ「……ロランのエッチ」
人のこと言えませんが。
ロラン「ディアナ様だってなんだってこんなTバック僕に履かせるんですか!」
小さめの純白のTバック。案の定食い込みが激しく、露骨に前の〇〇〇と後ろの桃を強調しています。
ディアナ「違いますわ!わたくしは『あ、これ買ってきたらどういうリアクションするんだろう』と思い、決してロランのそれを見たかったのでは…!」
ロラン「これしか無かったって言ったじゃないですか!」
ディアナ「すいません、それはアクシデントです」
ロラン「意味分かんないですよ!」

とにかく口論は続いた
454通常の名無しさんの3倍:2006/08/13(日) 20:42:41 ID:???
>>452-453
よいではないか
GJである
455通常の名無しさんの3倍:2006/08/14(月) 19:35:19 ID:???
ロォォオオオオオラァァアアアアアア!!!!!


テレッテレ〜♪

『パツキンの変態が現れた』
456通常の名無しさんの3倍:2006/08/15(火) 18:47:04 ID:???
>>452-453
ロラン!ディアナ様の水着はどんなだったか教えてくれ!!




そういえば去年の夏だっけ?
SSであまりの暑さにディアナ様がキャミソール&ショートパンツで
過ごしてロランを(の目のやりばにw)困らせた事あったなー

今年はどんなお姿で過ごされているんだろうか・・・・
457通常の名無しさんの3倍:2006/08/15(火) 21:36:36 ID:???
>>456
花柄の水着にパレオ

というイメージ
458通常の名無しさんの3倍:2006/08/15(火) 21:45:16 ID:???
>>457
ロラン乙
459通常の名無しさんの3倍:2006/08/15(火) 22:27:39 ID:???
ディッディッディディディのディ〜
夏はビキニでうっふっふ〜♪

地球の皆様こんばんみ。クーラーなんて気の効かない文明の利器のない山荘で
毎日薄着のロランをねぶる様に視姦してテンション上がりっ放し。
ディディディの視姦ババァことディアナ=ソレルです。
誰がババァやねん!!

しかし実際の話、ロランときたらガードが薄くて目のやり場に困ります。
先日など「暑いですねえ、ディアナ様。少し水浴びでもなさいますか?」などと申しますので
以前、ビシニティでこっそり購入した超セクスィなビキニで悩殺してやろうかと画策しておりましたところ
いつものいらない気を回して、わたくしには露出の少ない・・・と、言うか
どこで見つけて来たのか「大正ロマン」な感じのだっさいワンピースを押しつけておいて
自分は「僕はこれで十分ですから」などとパンツ一丁で現れる始末。

パンイチですよ、パ・ン・イ・チ!!

当然わたくし、脳裏に焼き付けてその日のおかずに・・・といきたい所だったのですが
あまりの光景にわたくし・・・その・・・鼻血を噴出しながら卒倒してしまいましたorz
で、でも考えてもみてください!!
鉱山で鍛えられた、しなやかで黒光りするボディに、プラチナもかくやと輝く銀髪。
そして・・・よりにもよって髪よりも白いブリーフで駆けて来るロランですよ?
わたくしに耐え切れる訳が無いではないですか!!

危うく出血多量で他界する所だった訳ですが、このように毎日生と死の狭間で生きてこそ
命は輝き、本当の「生」を感じられるのであります。
これこそが地球降下作戦の真の目的であり、それを達する事が出来たという事実は
わたくし、ディアナ=ソレルの選択が間違いではなかったのだと教えてくれるのです。

まぁ何が言いたいのかと申しますと・・・ロラン、これからもよしなに・・・。
460459:2006/08/15(火) 22:34:47 ID:???
>>456を見て、脳裏にキュピーンと閃いた事を勢いだけで書き上げますた。
正直、携帯でやるべきじゃなかった・・・orz
461453の続き:2006/08/16(水) 00:49:57 ID:???
結局喧嘩してしまいました
さっきから一言も口を聞いてません。
ロラン「…」
まあ可愛いお顔をムスッとさせて。
だけど何するわけじゃないのに隣に居て。
本当にどうでもいいことで意地になって。喧嘩した理由も分からなくて。
だから…どうすればいいのかしら?
ディアナ「あの」
ロラン「なんですか」
ディアナ「いや…その…特には」
ロラン「用がないなら話かけないでください」
ディアナ「あの、ちょっと泳いで来ます」
ロラン「まだ落ち着いてないでしょ?ダメです」
ディアナ「砂でお城でも作って来ま…」
ロラン「日焼けするからダメです。作るならビーチパラソルの中で」
ディアナ(何もできないじゃない!!)
気まずく一時を過ごす夏の正午。
ただ二人で、空と海の狭間を見つめて、海の波音を聞いて、潮風に吹かれて…
でもこれって結構いいかも?

462通常の名無しさんの3倍:2006/08/16(水) 00:58:21 ID:???
いや真夏の砂浜はそんな温い所では無いわ。
暑い、暑いのよ。辺りが熱でモヤモヤして海の向こうに蜃気楼が見えそ
しかも、思えばまだTシャツとホットパンツ着たままです。
ディアナ(ロランは水着姿を見たいって言ってたけど…)
そんなに期待されるほど………鍛えたのよ!
ロ○オボーイを毎日、ジョギングマシーンも欠かしません。
一週間前からたゆまぬ訓練をしていたのよ!
え?短い?
いいの!
よーし、じゃあロラン、見てなさい!
こう華麗にね、Tシャツをぬ…あれ?汗で張り付いて脱げな…
ドカ!
ロラン「イテテテ…」
ディアナ「あ…ごめんなさい!」
ロラン「いや、その…」
ディアナ(ロランが近い…)
ロラン(良い臭い…)
ディアナ「あ、あの…」
ロラン「ななななんですか?」
ディアナ「脱ぐの、手伝っていただけます?」
ロラン「え!?ぬぬぬ脱がせるってことですか?ディアナさまの衣服を剥ぎとり、そ、そそそその素肌を」
ディアナ「?」

まだまだ夏は長い…
463通常の名無しさんの3倍:2006/08/16(水) 01:05:46 ID:??? BE:135533243-2BP(10)
>456
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1115366242/564-565
ですね。


うげ、あれから1年書いてないのか。放置中のネタ再考せねば…
464456:2006/08/16(水) 20:58:39 ID:???
>>463
生憎と私見れませんが

+  ∧_∧ +
 + (0゚・∀・)wkwk
  (0゚∪ ∪ tktk
+/ヽと_)__)_/ヽ+
(0゙  ・ ∀ ・)
(0゙   ∪  ∪ +
と____)___)

してお待ちしております
よしなに・・・
465某月某日:2006/08/16(水) 23:00:50 ID:??? BE:135532962-2BP(10)
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……

地球の夏と言うものは暑いものでして、特に今年は記録的な猛暑だったとか。
冷房の効いた部屋ですごしたいところですが、ずっと居ては体に毒と言いますので、
日中は扇風機で涼を取り、冷房は寝る時に少しだけという生活を送っておりました。

いやしくも淑女たる者、このような時期でも長袖のブラウスやロングスカートなどで
肌の露出が少ない格好をするべきなのは分かっておりますが、
今年の暑さには敵わず、キャミソールにショートパンツと言うかなりラフな格好で過ごしておりました。

初めてこの格好を見た時のロランの様子といったら…

「ディ、ディアナ様…なんて格好をなされているんですか……」
「これは最近若い娘たちの間で流行っているキャミソールと言うものです」
「そ、そんな…その…」
「下着みたいな格好?」
「そう、そうです。いくら暑いからと言ってそのようなお召物を着られなくてもいいじゃないですか」
「今年は特に暑いですから、少しでも心地よく過ごす為です。お嫌?」
「嫌とか言う問題じゃなくて、その…」
「ならいいではありませんか」
「その…肩のあたりに見えるのは…」
466某月某日:2006/08/16(水) 23:01:03 ID:??? BE:45178122-2BP(10)
真っ赤になってそっぽを向きかながらも、しっかり見るところは見ているようです。
「あぁ。これはブラの肩紐ですね。最近は見られる事を前提とした物がありますので、
 気にすることはありません」
わざと見せつけるように説明します。
何故か前かがみになりつつも、なお着替えるように言うロラン。
「そういうロランはどうなのです?今はTシャツを着ていますが、
 畑に出たときは上半身裸ではありませんか」
「それは…暑いですから…」
「ワタクシとて暑いのです。これが気に入らないと言うのなら"み・ず・ぎ♥"でも着ましょうか?」
「うぅ…」
「それにここに居るのはワタクシとロランだけ。
 人目を気にする必要もありませんし、すぐに慣れますよ」
「はぃ…」

こうして快適な生活を手に入れたワタクシ。
秋が近づき日中の気温も下がり始めたある日、ブラウスにスカートと言う出で立ちで
朝食に向かいますと、そこには平静を装いつつも残念そうな目をしたロランが居たのでした。


今年はもうあの姿を見せることはないでしょう。
暫くお預けですが、夏はまた来ますから…ね、ロラン。

あ、来年はミススカートで過ごすのもいいかも知れませんね。
467某月某日:2006/08/16(水) 23:03:13 ID:??? BE:451776285-2BP(10)
>465-466は>463の再掲載。

書きかけのネタがどれも長めの上に序章程度しか出来ていない件。。。orz
468通常の名無しさんの3倍:2006/08/16(水) 23:51:50 ID:???
おお、dクス!
ロランに意地悪するディアナ様はやはり(・∀・)イイ!!
ホントにディアナ様が使いそうな言い回しに萌えさせていただきまし
た(*´Д`)


新作はマターリと待たせていただきますよ
469通常の名無しさんの3倍:2006/08/17(木) 13:20:49 ID:???
自画自賛
いや自画持参か
470通常の名無しさんの3倍:2006/08/17(木) 15:10:01 ID:???
おっぱいが邪魔で足の爪が切りにくいディアナ様
そこにロラン君が
「僕が胸を抑えておきますからその間に」
「気が利くわねロラン」
めでたしめでたし
471通常の名無しさんの3倍:2006/08/17(木) 19:11:53 ID:???
などときょにう好きの>>470が妄想しておりますが、いかが致し
ましょうか、ディアナ様?
472通常の名無しさんの3倍:2006/08/17(木) 19:24:39 ID:???
冷凍刑500年ぐらいですね・・・
473通常の名無しさんの3倍:2006/08/18(金) 15:34:11 ID:???
>>470はコレン(覚醒前)みたくなっちゃうのか・・・
474通常の名無しさんの3倍:2006/08/18(金) 23:18:02 ID:???
ロランはディアナ様の爪を切ってあげる。
お礼にディアナ様は耳掃除してくれる。
475通常の名無しさんの3倍:2006/08/19(土) 19:20:06 ID:???
はあん
476通常の名無しさんの3倍:2006/08/20(日) 19:08:09 ID:???
>>474
ロランがディアナ様に耳掃除して差し上げたSSならあったぞ

これのどこが耳掃除だ?
って内容だったがw
477通常の名無しさんの3倍:2006/08/21(月) 05:23:33 ID:???
未だ夏、暑さ消えぬ今日この頃
とくに何をするわけでもなく、何があるわけでもなく―
ロラン「あ、そうそう。今日はお祭りらしいですよ」
ディアナ「あら、どんな祭りなのですか?」
ロラン「さあ…最近出来た祭りらしいです。一風変わった祭りだと聞きました」
地球の祭りというのは様々。
恐ろしいことにトマトをぶつけあったり、殴りあったりするお祭りもあるらしいのです。
いかんせんゴミゴミした所は嫌いではあるけれど、祭りの活気というのがなかなか趣きのあることで
ディアナ「雰囲気は好きなんですよね」
ロラン「そうですねぇ。田舎に居た頃は祭りで裸になったこともあったり」
ディアナ「詳しく」
ロラン「え?いやまあ…その…」
ディアナ「詳しく!」
ロラン(………なんでそんなに真剣な眼で聞くんですか)



ともあれ祭りに行くことになりました。
478通常の名無しさんの3倍:2006/08/21(月) 20:52:02 ID:???
ソシエに嫉妬するフラグきぼんぬ
479通常の名無しさんの3倍:2006/08/22(火) 19:09:15 ID:???
浴衣のディアナ様、色っペーだろなー

そしてディアナ様のうなじのラインにドキドキするロラン






俺は(;´Д`)ハァハァするが
480通常の名無しさんの3倍:2006/08/23(水) 02:12:14 ID:???
浴衣を登場させてロランがディアナさまにはにゃーんさせるつもりで書いたんですが…

ん?
∀に日本人系キャラ居たっけ?ギンガナム?
どのようにして浴衣の登場を説明しよう?

と悩み

祭り自体も日本の屋台が立ち並ぶ祭りにしないといけませんし


そんな日本色を一気に無理矢理浴衣登場させるの萎えるなぁ
って思ったら書けませんでしたょ(泣
481通常の名無しさんの3倍:2006/08/23(水) 06:16:23 ID:???
ロラン達の時代なら月光蝶以前の記録はほとんど失われ、文化や風習も
曖昧なままいろいろな地域に分散していてもおかしくないと思います

ロランとディアナ様が暮らしている土地の近くに日本の文化が流れて
きていても良いと考えますが、どうでしょう
482通常の名無しさんの3倍:2006/08/23(水) 12:57:41 ID:???
ラーメンあったしな
483通常の名無しさんの3倍:2006/08/23(水) 14:10:34 ID:???
>>482
世界第一位の人口を持つ中華の料理ジャン
484通常の名無しさんの3倍:2006/08/23(水) 14:16:36 ID:???
>>483
ラーメンの原型自体は中国だが、実際ラーメンに昇華したのは日本。
というのを美味しんぼで読んだことがあった気がする。
485通常の名無しさんの3倍:2006/08/23(水) 16:30:58 ID:???
ラメーンを思い出すな…

ttp://www.geocities.jp/kubitsuridiana/
486通常の名無しさんの3倍:2006/08/23(水) 20:51:36 ID:???
>>484
いわゆる「支那そば」ですね
今の日本のラーメンは日本人好みに作られてる料理ですよ
ディアナ様
487通常の名無しさんの3倍:2006/08/24(木) 13:51:21 ID:???
いや問題は作中に出てきたのは日本のラーメンだったかだろ
488通常の名無しさんの3倍:2006/08/24(木) 14:05:27 ID:???
>>487
何話ぐらいに出てきたっけ?
489通常の名無しさんの3倍:2006/08/24(木) 16:12:38 ID:???
知らん
言い出しっぺに聞いてごらんよ
490通常の名無しさんの3倍:2006/08/24(木) 16:58:14 ID:???
>>488-489
落ち着いて、
ラーメンの噺はTVの∀本編じゃなくて、>>484のリンク先のSSだよ。
491通常の名無しさんの3倍:2006/08/24(木) 17:00:38 ID:???
>>485だった…ちょっと酒樽で大気圏突入してくる…
492通常の名無しさんの3倍:2006/08/24(木) 19:01:20 ID:???
>>491
ィ`
493通常の名無しさんの3倍:2006/08/24(木) 19:10:18 ID:???
ディアナ様の行きつけオキニはバリバリ博多風トンコツとして、だ。
ロラン謹製のは何にあたるんだったか…
醤油ベースに魚のダシを利かせたあっさり仕立てというと…
尾道あるいは喜多方、それとも京風とかかな?
494通常の名無しさんの3倍:2006/08/24(木) 19:24:59 ID:???
ロランのは薬膳の効果もあるようで・・・ロラン、ウチに来て作って
くんないか?
最近胃が重くってさ…
495通常の名無しさんの3倍:2006/08/24(木) 20:41:39 ID:???
味は極上で、薬膳効果も満点の中華風スープ…まるで仏跳醤のようだ。
…いや、ロラン手づくりならば御曹司も海を乗り越えて食いに来かねんから、
曹跳醤とでも呼ぶべきか…
496通常の名無しさんの3倍:2006/08/24(木) 21:16:35 ID:???
>>493
ディアナ様は、実はうまい豚油ぎっとり
横浜家系がお好みのようで
497通常の名無しさんの3倍:2006/08/24(木) 22:18:31 ID:???
>>496
二郎や天下一品が好きなディアナ様というのも捨てがたい。
498通常の名無しさんの3倍:2006/08/25(金) 10:29:57 ID:???
>>493
鰹節で出汁をとったラーメンを出しているお店があるんだが、特に○○風というのは付けていなかったな
多分、そのお店のオリジナルなんだろう
499通常の名無しさんの3倍:2006/08/28(月) 18:13:57 ID:???
保守なに
500通常の名無しさんの3倍:2006/08/29(火) 06:46:36 ID:???
>>493,498
ロランを出汁に…
501通常の名無しさんの3倍:2006/08/29(火) 20:47:41 ID:???
よちなにー^^
502通常の名無しさんの3倍:2006/08/30(水) 21:46:25 ID:???
ょぅι゙ょなディアナさまも萌え
503通常の名無しさんの3倍:2006/09/02(土) 07:45:35 ID:???
何千年前前の話だ。
504通常の名無しさんの3倍:2006/09/02(土) 23:23:42 ID:???
日本語で(ry
505ほしあげ:2006/09/03(日) 05:37:51 ID:???
秋風がほのかに漂い、私の体にまとわりついては離れていく。
夏から秋の境目。
今はシドおじいさまの紹介で高原の別荘に来ています。
今はまだ陽射しも強く、まだ夏を感じさせました。
ロラン「涼しぃー。もっと早く来ればなー」
ディアナ「まあまあ」
ロラン「でも……いいんですか?」
ディアナ「ええ、信じてますから」
ベッドは2つですが部屋は同じ。
そう、今まで寝るときは別々の部屋だったのです。
ロラン「……ディアナさま」
ディアナ「え、な、なんです?」
そう言ってわたくし肩をガッチリ掴み、顔を近付ける…
荒い吐息がわたくしの顔にかかり、血走った眼が光る。
まさかロランが、という、こういった現実から目を背けるようにロランから目をそらす私。
なぜ一緒に暮らそうと思ったの?
こういう日が来るのを待っていたの?
いくら思案を巡らせても、取り留めのない不安が襲う。
ロラン「ここに来たってことは…」
再び唇を動かす彼。
ディアナ「そんな……まだっ…!」
ロラン「釣りに付き合ってくれるってことすよね!?」
ディアナ「…」
さ、最初から彼はそんな人では無いと分かってました!ホントですよ!
506通常の名無しさんの3倍:2006/09/03(日) 06:32:28 ID:???
釣り…それは男のロマン。

らしいです。わたくしには全く。
ロラン「魚とのかけひきなんですよ。生か死か、食わなきゃ生きられない両者の魂と魂のぶつかり合い、己のプライドを…」
ディアナ「はいはい」
ロラン「聞いてくださいよ〜」
川釣り、本物の魚に見せかけて釣るルアー釣りというものです。
ロラン「このルアー、引くと水の抵抗で左右にブルブル震えて手に伝わってくるんですよ!」
ディアナ「ふぅん」
ロラン「やってみます?」
ディアナ「いえ……別に」
興味が無いと言えば興味が無いんですが
自分でも驚くぐらいに露骨に興味の無さが溢れ出しているのが……
だから彼は一生懸命楽しさを分かってもらおうと必死になって。
釣りに興味なんかありません。だから釣りの説明なんかされても困るんです。
…私は、あなたの頑張ってる姿を見ているだけで良いのです。
どんな結果でも、何があっても、
ずっとずっとあなたの頑張りを見ていてあげます
あなたを一番分かってあげます
釣れなくたって構わない。だから…
ディアナ(だけど、せっかくなら大物を釣ってよね?)
そう思い、彼を見つめる
507通常の名無しさんの3倍:2006/09/03(日) 13:17:24 ID:???
ロラン・・・なんて罪な子!!
508通常の名無しさんの3倍:2006/09/04(月) 05:42:18 ID:???
ディアナ「惜しかったですね」
ロラン「大物だったんですけど…」
突然来た大物に釣竿が折られて、結局その日はおしまい。
今夜はその前に釣った幾らかの魚と持ち込んだ食材でバーベキューです!
と言っても川辺に穴を掘って炭と、適当に拾ってきた枝を放り込むというものです。

火を調節しようと腰を屈ませて突き出したお尻をフリフリするロラン…
ムダの無いその…お尻にかぶりつきたくなるというか
なんかこう…今にも吸い込まれそうで
この手に持ったにんじんがお尻に入ったらどうなるとか
卑猥な事を考えてしま…
ロラン「炭に火がつきませんねえ。ちょっと枯れ葉でもあ、ああアッー!」
ディアナ「あ、すみません、にんじんがっ!にんじんが勝手に!」
ああ、願望が現実に!
…じゃなくて間違ってカンチョーを!!
ロラン「ぃいい、いつまで、さささ挿し込んでるんですか!」
計算してやったわけじゃありませんが目の前に火があり、手に火を持っているロランは逃げられません。
これでは背水の陣ならぬ背水のにんじんですね
ププッ
ハッ、いけないわディアナソレル!
509通常の名無しさんの3倍:2006/09/04(月) 06:11:35 ID:???
不機嫌なロラン。
ふくれっ面が似合わないですよ?
ロラン「危ないですし、もうやらないでくださいよ?」
ディアナ「あれはアクシデントです」
アクシデントで強引に済ませようとするわたくし。
さすがに不満なロラン。
それでも適当に焼いたお肉や野菜をほお張る際には笑顔がほころびますね♪
ディアナ「おいひぃえふえぇーうひひ」
ロラン「何て言ってるか分かりませんよ(笑)」
ディアナ「お肉はまだカナー?」
ロラン「野菜も食べてくださいよ」
ディアナ「はーぃ」
汗だくになりながら一生懸命火を調節したり焼いてくれる横顔。
最初は慣れない手付きで心配だったけど、やっぱり…
ディアナ「やっぱり、ロランは優しくて頼りになりますね」
ロラン「ハハハ…」
「これぐらい何でも無いよ」とばかりに一生懸命余裕を見せてるけど、
火が熱くて肉を落としちゃったり跳ねた火で飛び退いたり
丸分かりなぐらい照れながら作業をして
おかしいですね(笑)

後片付けは分担でした。
心なしか、
わたくしがロランの背後を通るたびにチラ見して背後に気をつかっていましたね

もうやりませんよ!

たぶん。
510通常の名無しさんの3倍:2006/09/05(火) 23:29:17 ID:???
お茶目なディアナ様もいいね
511通常の名無しさんの3倍:2006/09/06(水) 17:43:56 ID:???
地球と月を巻き込んだ忌まわしい大戦から約2週間が経過しました。
わたくしは女王の権限と責務をキエルさんに任せて、今はロランと一つ屋根の下で生活をしています。
ロランはわたくしのためにと家事全般をこなしてくれており、とても感謝しています。
そんな彼ばかりに任せるのは悪いと思い、今夜はわたくしが夕食の準備をすることにしました。

「気持ちは嬉しいのですが、大丈夫ですか?何か困ったことがあったらすぐに呼んでくださいね?」
「大丈夫です。わたくしだって、料理の一つや二つぐらいは作れますから。」
と意気込んでみたものの、本当はあまり料理の経験はありませんでした。
でも、一度あれだけ自信満々に言ってしまった以上後には引けません。
「じゃあ僕は隣の部屋で本でも読んでますから。」
「わかりました。そんなに心配してくれなくても、大丈夫ですよ。」
とりあえず、作るメニューはカレーライスにしました。
カレーなら嫌いな人はそんなにいませんし
料理慣れしていないわたくしにもおいしく作れると思ったからです。
512通常の名無しさんの3倍:2006/09/06(水) 17:44:49 ID:???
(まずは…お肉と野菜を食べやすい大きさに切るんですよね。)
大きめの玉ねぎを一つ取って皮をむき、まな板と包丁を使って切り始めました。
が、ここで思いもよらない事態に直面してしました。
(なんだか目が痛い。涙も出てくる。玉ねぎを切ったから?)
普段から料理をロランに任せているわたくしには野菜一つ切るだけでも大仕事です。
時間はかかったものの、なんとか玉ねぎを微塵切りにすることが出来ました。
切り終えた玉ねぎを見て満足しながらも、次に豚肉を細かく切り始めました。
(なかなか切れない…。目も痛いし…ロランはいつもこんな大変なことをこなしているのですか?)
そんなことを考えていたせいでしょうか?
自分の視界が涙でぼやけていくことに気づきませんでした。そして…。
「痛っ!!」
それは一瞬の出来事でした。わたくしは自分の人差し指を切ってしまったのです。
(血が…まず血を止めな)
「ディアナ様!!」
私が思考をめぐらせる間もなくロランは台所に駆けつけていました。
「指から血が…!すぐに手当てをしましょう!こちらに来てください!」
「だ、大丈夫です…ほんのかすり傷ですから…。」
「冗談言わないでください! ばい菌でも入ったらどうするんですか!?」
そう言うとロランはすぐさま救急箱を持ってきてわたくしの指の手当てを始めました。
513通常の名無しさんの3倍:2006/09/06(水) 17:45:43 ID:???
「…はい、これで終わりです。またお風呂上りに消毒しますからね。」
ロランには医術の心得でも持っているのでしょうか?
以前野戦病院で働いていたことがあるわたくしでも舌を巻くほど
ロランの治療は手際がよく鮮やかなものでした。
「そんな。大丈夫ですよ。そこまで大げさにならなくても。」
「何かあってからでは遅いんです。それと…夕食の準備の残りは
僕がやっておきますから、ディアナ様はそれまで休んでいてください。」
わたくしはロランの言葉に反発しました。
「そんな!たいした傷ではありません!最後までわたくしがやります!」
「その指で、どうやって包丁を使うおつもりですか?
今の指では切り傷を増やすだけです。」
…たしかに、ただでさえ料理が出来ないわたくしなのに、指が使えないとなれば
ロランの仕事を増やすだけかもしれません…。
「…分かりました、後はお任せします…。」
ロランにそう伝えるとわたくしは自分の部屋へと戻っていきました。
(…わたくしは、大切な人に、料理一つまともに作れないのか…。)

ロランの作ったカレーの味とは裏腹にわたくしの心は沈んでいました。
(料理を作るどころか逆にロランに迷惑をかけただけだった…。
こんなことになるなら最初からわたくしは何もしなかった方が良かったのでは?)
「ディアナ様、お味はいかがでしょうか?辛くはありませんか?」
わたくしはその問いかけに対して
「ええ、おいしいです。」
と返すのがやっとでした。
食欲は無いものの、残せばロランに余計な心配をかけると思い
なんとかのどの奥にカレーを流し込みました。
「ごめんなさい。今日はお風呂は結構です。先に休ませてもらいますね。」
「ディアナ様?どうかされたんですか?」
「すみません、しばらく一人にしてください…。」
ロランにそう告げるとわたくしは部屋に戻りました。
そして、ベットの上で怪我した指をしばらく眺めていました。
514通常の名無しさんの3倍:2006/09/06(水) 17:47:13 ID:???
今日は早く寝床に入ったにもかかわらず、なかなか寝付けませんでした。
物事を悪い方向へ考えてしまうことは悪い癖だと自覚しながらも、
夕食の支度のことばかり考えていました。
(ロランはソシエさんではなくわたくしと一緒にいることを選んでくれたのに、
わたくしは何もして上げられない。わたくしが今でも月の女王だったならば
ここまでロランに苦労をかけることもないのに、豪華な食事を
ご馳走してあげることだってできたのに…今はもう月の女王ではない…。
だからこそ、こんどこそわたくしが彼を支えてあげたいのに、
支えてあげなくてはいけないのに!
…ディアナ・ソレルから女王を取り除いた結果がこれでは、
ただロランの人生を縛り付けてるだけではないのだろうか…。)
そんなことを考えながら、ようやく眠りにつくことができました。

次の日の朝、朝食をとり終えたわたくしたちはロランを呼びました。
「ロラン、話があるのですがよろしいでしょうか?」
「どうしたんですか?改まって。」
できることなら、こんなことは話したくない…。でも、わたくしのせいで
ロランを不幸にすることだけはしたくない。…わたくしは覚悟を決めました。
「ロラン…貴方とわたくしはもういっしょに暮らすべきではないと思うのです」
「ど、どうしたんですか?突然そんなことを…」
「…」
わたくしはロランの問いかけに答えることが出来ませんでした。
515通常の名無しさんの3倍:2006/09/06(水) 17:48:06 ID:???
「…本気…なんですか…。…ディアナ様は…僕のことが嫌いになったんですか…?」
「それは違います!」
わたくしは悲鳴のような声で叫んでいました。
「…ロラン。貴方はわたくしにとって、心から信頼できる数少ない
大切な人の一人です。貴方には、言葉では言い表せないほど感謝しております。」
「だったら!どうしてそんなことを仰るんですか!」
ロランの疑問は当然だと思います。わたくしだって、本当は…。
「貴方が大切だからこそ言うのです!…貴方は民間人であるにもかかわらず、
わたくしの至らなさで戦いに巻き込ませてしまい、∀のパイロットとして
常に最前線で戦わせてしまいました。そして、貴方がいたからこそ、
ギム・ギンガナムとターンXを倒し、地球と月に友好の橋を築くことが出来たのです。」
「…」
ロランも黙ってわたくしの話に耳を傾けていました。
「貴方にはわたくしのせいで迷惑ばかりかけてしまいました…。
だから、戦争が終わった今こそ貴方には幸せになってもらいたいのです。」
「そんな…僕は今十分幸せですよ。」
あぁ、ロラン。何も出来ないわたくしに何一つ文句も言わないで、
その上今の生活を幸せだといってくれる貴方には言葉もありません。
そんな貴方だからこそ、わたくしもここまで感情的になっているのかも知れませんね。
「わたくしは、もう月の女王ではありません。月の女王でない今のわたくしは
家事一つまともに出来ません。そんな女のために、貴方の人生を縛りつけて、
貴方の幸せを奪いたくはないのです!」
「ディアナ様!」
「ですから!…ですから、今からでも遅くはありません。これからは、
わたくしなどではなくソシエさんと暮らしなさい…そのほうが、貴方にとって
幸せな人生を歩んでいけるでしょう…。」
わたくしは自分が泣いていることに気がつきませんでした。
これでいいんです、ロラン。わたくしなどよりソシエさんと暮らす方が
貴方にとって幸せなのです。私と一緒にいてくれるのは
とても嬉しく思います。でも…これでいいんです…これで…。
516通常の名無しさんの3倍:2006/09/06(水) 17:49:32 ID:???
しばらくの間、重い沈黙が続きましたが、
ロランがわたくしにこう言いました。
「…僕にとって、ディアナ様も、キエルさんも、ソシエさんも
みんな大切な人たちです。そんな中で、ソシエさんと別れて、ディアナ様と
一緒に生きる選択をした時は、正直辛かったです。でも、後悔はしていません。」
わたくしには彼の言葉の真意が分かりませんでした。
ソシエさんと決別させてしまったのに、後悔をしていないという言葉に…
わたくしがこの疑問をぶつけると、ロランはこう答えてくれました。
「僕は、自分が一番傍にいたいと思う人を自分の心で決めたんですから。」
「ロラン…。」
わたくしは、彼の誠意に答えるだけのことをしてきたのだろうか?
いつも、どこでも、わたくしはロランに迷惑をかけてばかりだった。
わたくしはそんな彼にいままで何をして上げられたのだろうか?
なにもしていなかった。してあげられなかった。わたくしはそう思っていました。
なのに、目の前にいる銀髪の少年はわたくしと一緒にいたいと言ってくれている。
「それに、すごく嬉しかったんですよ。僕がずっと尊敬し、
憧れていたディアナ様と一緒にいられることが。…ですから、
ディアナ様が僕のことを嫌いになったので無ければ、これからも、
貴方のそばにいさせてください。たとえ貴方が月の女王でなくても、
僕はディアナ様と一緒に生きたいんです!」
「ロラン、本当にわたくしでよろしいのですか?
何一つ取り柄の無いこんなわたくしなんかで…。」
「僕はディアナ様のことをお傍で見てきました。貴方が誰よりも
優しいことは良く知っています。そんなディアナ様のことが…僕は大好きです…。」
「ロラン…ありがとう…。わたくしも同じ気持ちです…。」
わたくしはロランの胸の中に飛び込みました。
ロランもわたくしをやさしく受け止めてくれました。
517通常の名無しさんの3倍:2006/09/06(水) 17:50:44 ID:???
「ディアナ様…。」
「ロラン、これから先わたくしはきっと貴方にたくさんの迷惑をかけてしまうでしょう。
それでもわたくしからは貴方に何もして上げられないかもしれません…。
そんなわたくしでも、これからも一緒にいてくれますか?」
「もちろんです。僕の方こそこれから先ディアナ様を傷つけてしまうことも
あると思います。それでも僕と一緒にいてくれますか?
「もちろんです。ありがとう、ロラン。本当にありがとう…。」
「僕の方こそ、ありがとうございます。ディアナ様…。」
わたくしは彼の胸の中で泣いていました。
その姿はかつて月の女王だった者の姿とは思えなかったと思います。
それでも、わたくしは感情の赴くままに声を上げて泣いていました。

どれくらい時間が経ったのでしょう?
ようやく落ち着いてきたわたくしにロランは外を見ながら言いました。
「天気もいいですし、湖に散歩にでも行きませんか?」
わたくしも顔を上げて外を見ると、明るい日差しがリビングに差し込んでいました。
「そうですね。行きましょうか?」
「じゃあ準備をしますので待っててくださいね。」
そう言うとロランはわたくしから離れて台所へと向かっていきました。
きっと昼食にサンドイッチでも作るつもりなのでしょう。
怪我した指の痛みは残っていますが、対照的に私の心はとても晴れやかでした。
(ありがとう、ロラン。今のわたくしは幸せです。これから先どれだけの間
貴方と一緒にいられるかは分かりませんが、一日でも多く貴方と
笑って過ごしたいと思います。それに、今は無理でも…いつかきっと、
わたくしが自分で料理して貴方においしいものを食べさせてあげますからね。)

「ディアナ様―!紅茶を切らしてしまっているのでコーヒーでもよろしいですか?」
「よろしくありません!今すぐ買ってきなさい!」
「そんなの無理ですよ!」
「ふふふ…冗談ですよ。コーヒーで結構です。」

ロラン、これからもよしなに。
518通常の名無しさんの3倍:2006/09/06(水) 18:00:49 ID:???
全ディアナカウンターが泣いた
519通常の名無しさんの3倍:2006/09/06(水) 19:30:32 ID:???
ゲーーッ原点回帰の超人!!
520通常の名無しさんの3倍:2006/09/06(水) 21:20:45 ID:???
イイネ(゚▽゚)/~ ホロン部乙

>519 まさにターンエーってとこか。

にんじんはにんじんでわるくはないがなぁ〜
521通常の名無しさんの3倍:2006/09/06(水) 21:44:36 ID:???
正統派GJ!
522通常の名無しさんの3倍:2006/09/07(木) 20:15:02 ID:???
全アメリアが泣いた。そして俺も。GJ!!!
523通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 12:16:16 ID:???
初めてターンA劇場版を見たがめちゃめちゃ面白いな>ターンA
でもエロたりねえよママン
TV版でディアナ様のエロある回おすえて
524通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 12:32:11 ID:???
最高傑作ですから
525通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 15:50:37 ID:??? BE:180710382-2BP(11)
       /                   `ゝ
     /            、       、 ヽ
     /       「 ̄ ̄| ̄ ̄ヽ    λノ  ,ゝ
    /        |、  |    Vレレ' ̄|人ノ
   ノ  ノ     _ζ_|_____| /   /   ゝ
   7  λ    _ゝ ̄        \―/   ミ
  ノ   レ从人√            / |  lヽ)
 λ    \_           ^ ´  λ从ノ
  ノ     ( |       / ̄ ̄7  /
  "ヽ    λ|      / ̄ヽ ̄7  / / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    "ヽノレ  λ      l___|__/  /<   ディアナ様のエロと言ったか、おのれ〜!
      /     ヽ    `----'  /  \__________
     /       ヽ   ---  /
 / ̄ ̄ ̄ ̄7――‐---\_______/
/       /      .-/---、








ないよ。
526通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 20:09:55 ID:???
キエルお嬢さんのエロなら2回ほどあったか
527通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 22:34:15 ID:???
わたくし、一人丘の上で夕陽を眺めておりました。
青い着ぐるみの中で待ちつことを日課にして、一体何日がたったでしょう。
「はぁ…、ロラン。やっぱり着ぐるみはサバではダメなのですか?」
そんな独り言をこぼしてみても、赤い夕陽は徐々に遠くの山々の陰に
隠れていってしまいます。

ふとその時、背後から誰かの声が聞こえてまいりました。
「あのー、お一人でなにやってらっしゃるんですか?」
誰ですか?んーと、見覚えがあるような、ないような。
金髪頭の男性は、山仕事の帰りか何かのようで、
肩に斧とリュックを抱えてそこに立っておりました。
「そのカツオ、似合ってますぜ。」
いえ、その、似合ってるとか言われましても。カツオに見えるくらいなら、
いっそのことイワシと言って欲しかったものです。
「ああ、そうでしたか、サバ、サバだったんですか。」
余計なお世話です。なんなんでしょうか。やっぱり、
世間一般には、サバでは何か悪いんでしょうか?
マグロよりはいいと思うんですが。
528通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 22:35:57 ID:???
「い、いえいえ、そんな。サバ、サバはいいです。自分も昔サバでしたから。」
へぇ。
サバだったんですか。いえ、まぁわたくしもサバと言えばサバですけど。
別にいいじゃないですか、サバ。
「つ〜きのサバよぉ〜って、これ、エヘヘッ、エヘヘッ!」
…。ああ、もう、日も暮れたことですし、そろそろ帰る時間かもしれません。
「ああ、ちょっとお待ちになってぇっ!
いや、その、サバは、その、群れて暮らしてるもんです。
 でもここ何日か、あなた様はなんだか寂しそうに一人でそこにいたもんですから。
 …しかも着ぐるみで…。
昔のあなた様は、いつも周りにだれかいたじゃないスか。」
一人…。そういえばわたくし、最近一人のことが多くなりました。
まるでコールドスリープを繰り返していたあの頃のよう…。
はぁ、でもあなたはそんなわたくしをあまりよく知らない方のようですね。
とはいえ、会ったことがあるのならもしかすると思い出すかもしれません。お名前は?
「あたし?え〜っと、も、元ギンガナム隊所属、
シッキネンとかなんとか、であります!以上ぅっ!」
ギンガナム隊?って、すみません、やはりわかりません。
というか、もしや“ディアナ暗殺”とか、まだやっている訳じゃありませんよね?
「あ、暗殺なんてっ!滅相もございませんっ!あたしは、あたしはっ!」
男性はそう言うと、「つ〜きのサバよ〜」とさっきの唄を口ずさみながら
まだ赤い夕焼け空の下をいそいそと立ち去って行ってしまいました。
けれど、本当に誰でしょう?わたくし、こんなに物忘れが激しかったでしょうか。
529通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 22:37:33 ID:???
ああ、それにしてもサバの着ぐるみを着ていても、やはりもう9月。
11月には雪に覆われるこの辺りの風は、もうだいぶ涼しくなってきております。
「ディアナ様〜っ!」
は…、その声は、…ロラン。いえ、わたくしはサバです。
夏にキャミソールすら着れなかった、おサバな1000歳なのです。
「もう、何拗ねてるんですか。またそれ着てらっしゃるんですか?
それにもう、サバじゃなくたっていいじゃないですか。」
いいの。いいから放っておいて!わたくしはディアナではありません、サバです。
サバディアナですっ!通販で苦労して探しあてたこの着ぐるみの中が、
わたくしの今の居場所なのです!
「そんなことないですよ。…そういえばさっき、ディアナ様がここにいるって
 教えてくれた人がいたんですけど、誰ですか?」
え、ああ、あの、なんていいましたっけ?シッキ…、いえ、シッケナイさんでしたね。あの、大門グラスをかけていて、どことなくうなぎ犬っぽい方。
「…うなぎ犬?」
――はっ、いけない、わたくしったら!つい黒歴史よりも前のことを
口走ってしまいました。やっぱり、やっぱりわたくしはサバですっ!
「ええっ!知らなかった、黒歴史よりもっと昔のことを知ってらっしゃるんですか!?
 すごいなぁ、ディアナ様、やっぱりディアナ・ソレル様だ!」
ま、まぁ、そんな事知っていても、何がどうなるということでもございません。
というか、大門グラスは知っているの?別にそれはどうでも構いませんが。
それにしてもロランの“すごく尊敬してます”みたいなまなざし。
ああ、まっすぐで、とても綺麗な瞳。
でも、なんで憶えてたんでしょう?
うなぎ犬なんて。

それからロランはサバのわき腹から突き出ている
わたくしの手を引いて丘の道を下っていきました。
「あ、ディアナ様、月ですよ。」
そういえば、今は月が一番大きく見える時期でしたね。
わたくしは空に浮ぶ銀色の光を眺めながら、なぜかふと、ものすごく唐突ですが、
ミスルトゥの爆発のことを思い出しました。
すこし笑ってから「ありがとう」と小さな声で呟くと、
ロランの耳に入ってしまったのか、「なにが“やべっ!”なんですか?」
と真顔で尋ねられてしまいました。

「残酷なものです…。ディアナ様は、あたしの顔を覚えていらっしゃらなかった!」
「ばかねぇ、ディアナ様はあたしたちが死んだと思ってらっしゃるだけなのよ。
 それか本当にキエル・ハイムだったってだけでしょ。
第一、なんでシッキネンだなんて名乗ったのよ。」
「だって、だって…、そんなことどうでもいいじゃない!あねさぁ〜〜〜ん!!」

ムロンさん、ごめんなさい…。
530通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 23:07:52 ID:???
>>527-529
職人さん乙です
以前サバネタを書いた人ですかね
忘れられてるムロンかわいそうw
531通常の名無しさんの3倍:2006/09/10(日) 00:03:28 ID:???
着ぐるみディアナ様の画像きぼんぬ
532通常の名無しさんの3倍:2006/09/10(日) 12:57:10 ID:???
サバイバル

サバだけにサバ威張る
533通常の名無しさんの3倍:2006/09/10(日) 17:38:34 ID:???
そんなにディアナが好きかー!
534通常の名無しさんの3倍:2006/09/10(日) 18:13:50 ID:???
(,,゚Д゚)∩ハイッ!!大好きです
535通常の名無しさんの3倍:2006/09/10(日) 18:28:39 ID:???
よちなにー
536通常の名無しさんの3倍:2006/09/11(月) 03:49:47 ID:???
>>525
わたくしめは薄いスカートの上から分かるおみ足のラインだけで。。。。
537通常の名無しさんの3倍:2006/09/11(月) 21:16:37 ID:???
萌えスレの荒氏あぼーんよしなに
538通常の名無しさんの3倍:2006/09/14(木) 22:27:40 ID:???
御大将日記の続きが気になりつつ保守
539通常の名無しさんの3倍:2006/09/17(日) 00:16:44 ID:???
お前保守する気ないだろ
540通常の名無しさんの3倍:2006/09/17(日) 00:36:19 ID:???
>>539
sageでも保守は出来るよ。
保守ってのはdat落ちを防ぐ手段だから、定期的に書き込みがあればsage進行でも保守可能。
変なのが流入しやすいスレではsage保守の方が望ましい事もあるよ。
541通常の名無しさんの3倍:2006/09/19(火) 22:45:11 ID:???
保守します
よしなに
542通常の名無しさんの3倍:2006/09/23(土) 01:33:40 ID:???
保守
543通常の名無しさんの3倍:2006/09/23(土) 01:42:32 ID:???
わたくしはそこにいました。
その様に表現する以外表現しようのない。
例えるなら、まるで砂の無い砂漠いるような、空の無い空間にいるような
そんな場所にわたくしはいました。
そしてそこには、わたくしがよく知っている人たちがいました。

「ロラン、それにキエルさんにソシエさんにハリー。
お久しぶりですね。どうしたんですか?」
キエルさんたちと会うのは久しぶりのはずなのに
彼らの表情がなんだか悲しんでいるように見えました。
「ディアナ様、お別れを言いに来ました。」
「お別れ…?どういう意味ですか?」
わたくしはキエルさんの言葉の意味が分かりませんでした。
お別れ…?いつ?何故?どうして…?
そのようなことを考えてるところに続けてこう言われました。
「キエル嬢、そろそろ時間です。では、ディアナ様。月のことは私たちにお任せください。」
「さようなら。ディアナ様。あなたのことは一生忘れません。」
「どういうことですか!キエルさん!ハリー!」
二人は詳しい説明もなく光の中へと消えていきました。
畳み掛けるようにソシエさんもわたくしに別れを告げてきました。
「さようなら。もう一人の私の姉さん。貴方のことは嫌いじゃなかったわ。」
「ソシエさん!待ってください!ソシエさん!」
ソシエさんも2人の後を追って消えていきました。
あの3人には私の言葉は届いていないのでしょうか?
そのような行為を目の当たりにしたわたくしにある不安が襲ってきました。
まさか、ロランも…。
544通常の名無しさんの3倍:2006/09/23(土) 01:43:33 ID:???
「それでは、ディアナ様。僕ももう行きます…。」
それは最悪の形で的中しました。
言い方も同じ、継げる言葉も同じ。だとすると、おそらくは私の前から消えてしまう
ということも…。わたくしは必死に縋る(すがる)思いでロランに訊きました。
「待ってください!ロラン、説明してください!お別れとは何のことですか!?」
「だって…ディアナ様、もうすぐ冬眠されるじゃないですか。」
「冬眠…?」
冬眠…。わたくしがこの言葉から思いつくものは一つしかありませんでした。
人口冬眠。わたくしが今までに経験してきたもの。
そしてもう二度と経験したくないと思っていたもの。
キエルさんたちが言っていた「お別れ」とはこれを指していたのでしょう。
「冬眠って…どういうことなのですか!?
わたくしはもう人口冬眠するつもりはありません!
貴方たちと共に生きて、共に死にたいのです!」
「仕方がありません。そういうシステムなんですから。
それでは、ディアナ様…。貴方に出会えて本当に嬉しかったです。…さようなら…。」
「待ってください!ロラン!わたくしを…わたくしを一人にしないでください!
嫌です!もう嫌なんです!目覚めたときにはみんな
消えてしまっているあの体験をするのは!」
そんな私の言葉など彼の耳には届いていなかったのでしょう。
ロランもキエルさんたちと同様に光の中に消えていきました。
それから周りの空間が闇に覆われていくのが分かりました。
この闇は少しづつ、しかし確実にわたくしの命を、心を、精神を蝕んでいく。
そう告げているような感覚に襲われていきました。
わたくしは心の底から恐怖を感じていました。
立っている事さえ出来なくなったわたくしは
その場に座り込み、大粒の涙を流していました。
やがて周囲は漆黒の闇が包み、わたくしの心は絶望のどん底に叩き落されていました。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
わたくしは絶叫していました。
545通常の名無しさんの3倍:2006/09/23(土) 01:44:24 ID:???
「…!!はぁっ!はぁ、はぁ…。ここは…わたくしの部屋…。」
目覚めたわたくしの目に映ったのは自分の部屋、白い布団、自分の指先でした。
目をこすると暖かい水が付着していました。それはわたくしの涙でした。
(夢…だったのか…。)
わたくしは今ここに存在する自分こそが真実なんだと確信し安心しました。
夢を見ること自体は珍しいことではありませんでしたが
ここまで嫌な夢を見たことは無かったかもしれません。
時計は午前2時を指しており薄暗い部屋の中に月の光が差し込んでいました。
(ロランは…?)
わたくしは自分のベットから身を起こすと真っ直ぐに
ロランの部屋を目指して歩いていました。
他意はありませんでした。ただ、ロランを見たい。
その思いだけが私を動かし、気づけばロランの部屋の前にいました。
この向こうにロランがいる。彼に会いたいという
焦る気持ちを抑えて慎重にドアを開けました。
しかしわたくしの期待に反してそこに存在するはずの
彼は部屋のどこにもいませんでした…。

(?…いない…?)
わたくしは自分の目が信じられなくなり電気をつけました。
しかし、ロランは寝室にはいませんでした。
「嘘、そんな…。」
まさかあれは正夢だったのではないか?
そう思った瞬間再びわたくしは恐怖を感じました。
「ロラン、どこですか!ロラン!」
わたくしは叫んでいました。深夜だということを忘れて
喉が痛むほどの大声で叫び続けていました。
546通常の名無しさんの3倍:2006/09/23(土) 01:45:21 ID:???
「本当にいなくなってしまったのですか!?ロラーン!!」
「どうされたんですか!?ディアナ様!」
「!ロラン…。」
声の先にロランはいました。
良かった…。正夢なんかじゃなかった…。
銀髪の少年は今ここに存在するわたくしと同様に、たしかにそこにいました。
「大丈夫ですか!?具合が悪いんですか!?病院へ行きましょうか!?」
そう言って私に駆け寄ってくる彼の姿に安堵したわたくしは
その場に膝をついてしまいました。
「ディアナ様!しっかりしてください!今すぐ車の準備をしますから!」
わたくしの姿を見て体調が悪いと思ったのでしょう。
彼に無用な心配をかけたくなかったので健康であることを説明しました。
「いえ、違うんです!体は大丈夫です!」
「本当ですか!?立ってられないほど辛いんでしょう!?」
「そうじゃないんです!なんと言いますか…その…
安心したら急に体の力が抜けてしまって…。」
「…?とにかく、体に異常は無いんですね?」
「それは大丈夫です。心配をかけてしまってごめんなさい。
それより、どこに行っていたのですか?」
「どこって…トイレに行った後に水を飲んでました。」
…なんだか自分のしたことがあまりにも幼稚で情けない気分になってきました。
「どうされたんですか?こんな時間に大声で叫んだりして?」
体に異常が無いと分かってくれたのは良いが、どう説明したらいいものか…。
とりあえず、言葉の思いつくままに話していました。
「それは…ロランが、寝室にいなかったものですから…
消えてしまったのではないかと思いまして…。」
「?僕が消える…?何故そのようにお考えになったのですか?」
「その…恥ずかしい話なんですが、夢を見たんです。」
「夢?」
「はい…。ロランだけでなく、キエルさんもソシエさんもハリーも
みんなわたくしの傍からいなくなってしまう夢だったんです。」
「…。」
わたくしはロランに自分が見た夢の説明を始めていました。
547通常の名無しさんの3倍:2006/09/23(土) 01:46:22 ID:???
「…人口冬眠…冬眠と覚醒…僕も想像したことはありますけど、
自分にとって大切だった人たちが、みんな死んでしまっているというのは
たしかに怖いことかもしれませんね。」
以前のムーンレィスにとって人口冬眠とは珍しいことではありませんでした。
人口の増加を防ぐ一端として、あるいは病気の治療のため、はたまた犯罪者の刑として
それはごく普通に存在していました。
そして、わたくしが地球帰還作戦を急いでしまった理由もここにありました。
「わたくしも冬眠は幾度となく行なってきましたが、あれは本来の人の
生き方ではありません。人はやはり、自然のままに生と死のある
普通の生き方をすべきだと思うのです。」
「そうですね。冬眠を行なってきたディアナ様がそのような結論に
行き着いたのは僕も間違ってはいないと思いますよ。」
そう。わたくしは地球で暮らしたかった。
普通に生き死にをする真の生き方をしたかった。
そして多くの人の助けがあってわたくしはそれを手に入れられました。
それなのに…。
「はい。頭では分かっているんです。わたくしはそのために地球に下りてきました。
でも…今でもあの感覚を思い出すと体が震えるんです…。」
わたくしは恐れていました。孤独というものを。
以前のわたくしにとっては人口冬眠も、死も、そう変わるものではなく
また、それほど恐れを抱くものでもありませんでした。
しかし、今回の地球帰還でわたくしは人の温かさというものを知りすぎてしまいました。
それは間違ったことだとは思いませんが
時間が経てば経つほどに、今はもう起こりえない人口冬眠や
決して逃れることの出来ない死というものに恐怖を抱いていきました。
そしてその恐怖の根源にはかならず孤独が存在しました。
「ディアナ様…。大丈夫です。ここは地球です。もう誰もディアナ様に
冬眠を強要させたりしません。それに僕はいつでもディアナ様の傍に
いて差し上げます。絶対にディアナ様を一人にはしません。」
「ロラン…そうですね。わたくしのそばには、いつもロランがいてくれますものね。」
人は時に死や孤独に苛まれます。
でも、人の暖かさを知り、いつも傍に大切な人がいるわたくしには
その恐怖を克服することが出来ます。
それはとても幸せなことだと思います。
548通常の名無しさんの3倍:2006/09/23(土) 01:47:11 ID:???
「…眠れそうですか?」
「そうですね…先ほどのような恐怖が襲ってくるような感覚はもうありません。ただ…。」
「ただ?」
今考えると、この時のわたくしはすこし大胆だったと思います。
でもそれは素直な感情だったのでわたくしはその感情に従いました。
「あの、ロラン。貴方にお願いがあります。」
「なんでしょう?」
「今夜だけ、今夜だけでいいですから…あの…。」
「はい。」
「わ、わたくしと一緒に寝ていただけませんか?」
「僕が…ディアナ様とですか!?」
「あ!別に変な意味で言ったつもりは無いんです!ただ…その…。」
やましい気持ちなどはありませんでした。
いや、わたくしとて一人の人間である以上微塵も無かったと言えば嘘になると思います。
でも、今は純粋にロランと一緒にいたいと思いました。
「…わかりました。ディアナ様がそうしたいと仰るなら。」
「すみません、ロラン。」
「いいんですよ。ディアナ様の手助けをすることが僕の幸せなんですから。」
549通常の名無しさんの3倍:2006/09/23(土) 01:48:01 ID:???
ロランにはわたくしのベットで寝てもらうことにしました。
一人用ですから少しきつかったですけど
たまにはこういうのもいいかな、なんてことを考えていました。
「こうやって二人一緒にいるのって、初めてかもしれませんね。」
「そうですね。さすがにこんな間近にディアナ様の顔があると…。」
「あると?」
「…緊張します。」
「ふふふ。慣れてください。」
「…努力します。眠れそうですか?」
「はい、大丈夫です。今はとても落ち着いています。」
「それは良かった。もう遅いですからお休みください。」
「こうして貴方と二人で話しているのも悪くありませけど?」
「駄目です。夜更かしは体に毒です。肌にだって良くないし、今日はもうお休みください。」
「あ、ロラン!今わたくしを子ども扱いしましたね。」
「してませんよ。ソシエさんみたいなことを仰らないでください。」
「まぁ。せっかくいい雰囲気なのに他の女性の名前を出すなんて。
本当はロランもこんな数百歳のお婆ちゃんより若くて綺麗な
キエルさんやソシエさんのほうが良かったんでしょう?」
「そ、そんなわけないじゃないですか!ディアナ様は僕にとって一番大切な人です!」
「ロラン。もう深夜なのです。大きな声を出さないように。」
「んー…。なんか納得いきません…。」
「ふふ、では、ロラン。」
「はい、なんでしょうか?」
「おやすみなさい。」
「はい。おやすみなさい。」
550通常の名無しさんの3倍:2006/09/23(土) 01:49:06 ID:???
明るい日差しがわたくしの部屋に射していました。
わたくしは悪夢にうなされることなく暖かい気持ちで熟睡できたようです。
(…朝…か…。ロラン…は…?)
目が覚めるとそこにロランの姿はありませんでした。
(いるわけありませんよね。貴方はいつもわたくしより
先に起きて朝食を用意してくれますものね。)
着替えてから居間にいくと既に朝食の準備がされていました。
「おはよう、ロラン。」
「あ、おはようございます。朝食はもう出来てますのでいつでも食べることが出来ます。」
今日の朝食はトーストにベーコンエッグに野菜サラダのようです。
栄養バランスも考えてあるおいしそうな朝食だと思いました。
「いつもありがとう。ところで…寝不足なんですか?」
「え!?ど、どうしてそう思われるのですか?」
「目の下にくまが出来てますよ?」
いつも見ているロランの顔とは違うのがはっきりと分かりました。
「あ…そうですか…。ま、まあ!大丈夫ですよ!それなりに睡眠時間はとってますから!」
笑いながらそう話す彼の顔がとても愛おしく思えてきました。
「…ねぇ、ロラン。」
「はい、なんでしょうか?」
「ときどき…で良いですから、またわたくしと一緒に寝ていただけますか?」
「え!?えぇ…それは…。」
「すいません、迷惑ですよね。忘れてください。」
「ディ、ディアナ様がそうしたいと仰られるなら…僕はいいですよ…。」
「本当ですか!?ありがとうロラン!」
「は、はは…。」
ロランの返事が空笑いなのも考えず私は喜んでいました。
「嬉しいことは嬉しいん…このままじゃ…寝不足で…僕の体がいつま…
それ以前に…僕の…理性がどれだけ…。」
「ロラン?何ぶつぶつと独り言を言っているのですか?」
「!い、いえ!何でもありません!」
「?…そうですか?ならいいんですけど。」
551通常の名無しさんの3倍:2006/09/23(土) 01:49:52 ID:???
「このベーコンエッグ、少し焦げてますね。」
「あ!すいませんでした。」
「いや、咎めようと思ったわけではありません。ただ、ロランが料理で失敗するのは珍しいですね。」
「ええ。寝不足が原因かもしれません。」
「ロラン。夜更かしは体に毒ですよ。」
「僕が寝不足になっ…因はディア…様にあるん…。」
「なにか言いましたか?」
「い、いえ!次からは気をつけます!」
「そんなに畏まらないでください。わたくしは貴方を使用人としてみているわけじゃないんですから。」
「はい。ありがとうございます。」
「…このトーストはおいしいですね。」
「そのパンはですね。ノックスの…。」

今日の風は涼しく過ごしやすいです。
これから秋が深まり、冬が来て、また春が来る。
わたくしはそんな季節の変化に心躍らせながら今を楽しく過ごしています。

ロラン、これからもよしなに。
552通常の名無しさんの3倍:2006/09/23(土) 02:50:58 ID:??? BE:225888454-2BP(21)
       /                   `ゝ
     /            、       、 ヽ
     /       「 ̄ ̄| ̄ ̄ヽ    λノ  ,ゝ
    /        |、  |    Vレレ' ̄|人ノ
   ノ  ノ     _ζ_|_____| /   /   ゝ
   7  λ    _ゝ ̄        \―/   ミ
  ノ   レ从人√            / |  lヽ)
 λ    \_           ^ ´  λ从ノ
  ノ     ( |       / ̄ ̄7  /
  "ヽ    λ|      / ̄ヽ ̄7  / / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    "ヽノレ  λ      l___|__/  /< >543-551ユニヴァァァァァァァァス!!
      /     ヽ    `----'  /  \__________
     /       ヽ   ---  /
 / ̄ ̄ ̄ ̄7――‐---\_______/
/       /      .-/---、
553通常の名無しさんの3倍:2006/09/23(土) 04:18:21 ID:???
GJ
554通常の名無しさんの3倍:2006/09/23(土) 12:15:15 ID:???
>>553
その通りです。失礼いたしました。
他にもいくつかミスがありましたが
この程度の駄文しか書けない奴だと思って
勘弁してください
555通常の名無しさんの3倍:2006/09/23(土) 21:30:42 ID:???
>>554
GJ以外に何と言えばいいのかユニバース!
556通常の名無しさんの3倍:2006/09/23(土) 23:58:06 ID:???
ユニヴァァァァァス!!
ユニヴァァァァァス!!
557通常の名無しさんの3倍:2006/09/24(日) 00:15:15 ID:???
(*^-^)bGJ
これで後10年は戦える
558通常の名無しさんの3倍:2006/09/27(水) 01:21:10 ID:???
とりあえず保守
559もし、あの時、〜だったら1/4:2006/09/27(水) 18:29:48 ID:???
今日はディアナ様が食事の準備をしてくれている。
楽しみである反面不安な気もする…。
一体どんな料理が出てくるのだろうか…?

「さぁ、ロラン。出来ましたよ。」
「へぇ、鍋を作ったんですか。何を入れたんです?」
鍋には蓋がしてあって中は見えないようになっている。何が入っているんだろう…?
「実は、ただの鍋ではありませんよ。」
「へ?どういうことです。」
「こういうことです!」
そう言うと、ディアナ様は部屋の明かりを消してしまいました。
「ディアナ様、どうして明かりを消すのですか?」
「慌てる必要はございません。これは闇鍋という料理で
真っ暗な所で食べる鍋なのです。何が入ってるか分からないスリルと味わいながら
食べる料理なのですよ。また、一度箸で掴んだものは鍋に戻してはいけない
という暗黙の領域がある食べ物なのです。」
「は、はぁ。」
そんな説明を受けながら鍋の蓋が開けられる。
色や形での判別は殆ど出来ないが、ぐつぐつと沸騰していることだけは分かった。
「さぁ、いただきましょう。」
これはまずい。ディアナ様には余り料理の経験が無い。
出てくる料理次第では食べない選択肢も考えていたのに
この状況ではその判別も出来ない。
少し考えた結果、いま僕が出来ることは

1、覚悟して食べる
2、腹痛が起きたとごまかす
3、暗闇なのを利用してわざと鍋を引っくり返す

ぐらいだろう…。さて、どれが一番良いだろうか?
560もし、あの時、〜だったら2/4:2006/09/27(水) 18:30:49 ID:???
1の場合
「いただきます。」
「どうぞ、召し上がってください。」
「ぱくっ…もぐもぐ…なんか、変わった味がしますね。」
「そうですか?ちゃんと洗剤とたわしを使って洗いましたよ。」
「ぶっ!洗剤って、食材を洗剤で洗ったんですか!?しかもたわしって…」
「だって、綺麗に洗うには一番じゃないですか。
念には念を入れて塩素もたっぷり入れてありますから安心してください。」
「……なんか…おなかの調子が…はぅ!!」
「ロ、ロラン?どうしたのですか?」
「こ、この鍋は絶対に食べてはいけませんよ!いいですね!?」
「どうしてですか?あの、ロラン。どこにいくのです?」
「トイレですー!」
561もし、あの時、〜だったら2/4:2006/09/27(水) 18:31:57 ID:???
…絶対に有り得ないと言い切れないのが怖いな…。

2の場合
「あ、すいません。いまちょっとお腹が痛くて…。」
「まぁ!大丈夫ですか!?痛み止めをお持ちしますか?病院へ行きましょうか??」
「いえ!そこまでひどくは…。」
「何を言うのです!重い病気だったらどうするのですか!?
そうだ、キエルさんに連絡をとってゲンガナムで診てもらいましょう。
すぐに良くなります。」
「ちょ!ディアナ様!落ち着いてください!」
「離してください!ロランに万が一のことがあったら、わたくしは…!」
「嘘です!腹痛なんて起きてません!ですから落ち着いてください!」
「…嘘?」
「ごめんなさい。ディアナ様の料理を食べるのが怖くて嘘をついてしまいました。」
「…いです…。」
「え?」
「ひどいです!一生懸命作ったのに!そこまで言わなくてもいいじゃないですか!!」
「す、すみません!たしかにそうなんですが…。」
「もういいです!ロランの気持ちはよく分かりました!わたくし、月に帰らせてもらいます!」
「すみません!ごめんなさい!もう二度とこんなことはしません!考え直してください!」
「言い訳無用です!!いままでお世話になりました!!」
バタン!
「そんな…ディアナ様ー!」
562もし、あの時、〜だったら4/5:2006/09/27(水) 18:34:09 ID:???
冗談じゃない!とんでもないバットエンドだ!
下手したらハリーさんから法の裁きを受けるかもしれない…。

3の場合
「じゃあ、いただきま…あ!」
「きゃあ!」
「す、すみません!お鍋をこぼし…ディアナ様…?」
「う…うぁ…くっ!……。」
「ディ、ディアナ様!!た、大変だ…。すぐに病院へ!
いや、地球での治癒じゃ無理だ!今すぐ月に連絡します!」
「ま…て、くださ…い…はぁ、はぁ…。」
「ディアナ様!何故ですか!?今すぐ治療しないと…!!」
「も…う…手遅…れ…です…。ロ…ラン…。」
「そんな!大丈夫です!絶対助けます!!しっかりしてください!!」
「ロラン…いまま…で…ありがとう…。あなた…に…であ…えて…本当に…よか…」
「ディアナ様!ディアナ様!!頑張ってください!!」
「だいす…き…です…ロ……ラ………。」
ガクッ
「ディアナ様…?…ディアナ様―――!!!」
563もし、あの時、〜だったら5/5:2006/09/27(水) 18:36:57 ID:???
却下却下!2つめどころじゃない!
こんなことになったら死んでも死にきれない!!

選択の余地なんて無い。
ディアナ様と一緒にいられるなら腹の一つや二つ、安いものだ。
僕は、心を決めた…。

「い、いただきます、ディアナ様。」
「どうぞ、召し上がれ。」
「ぱくっ…もぐもぐ…おいしい…。おいしいですよ!」
「それは良かった!頑張った甲斐がありました!」
「でも、以外だったなぁ。ディアナ様の料理だからもっとすごいものだと思ってたんですが…。」
「…ロラン。もしかして貴方、わたくしが料理オンチだと考えてません?」
「あ!い、いやその…。」
「もういいです!せっかくロランのために作ったのに!もう食べてくれなくて結構です!」
「ごめんなさい!私が悪うございました。ディアナ様の料理を食べられる僕は
世界一の幸せ者です。こんなにおいしい料理は食べたことがありません。」
「調子のいい事を…そうやっておだてれば許してもらえると考えてるのでしょう?」
「滅相もございません!ディアナ様の料理は世界一、宇宙一です。」
…こうしてディアナ様に謝罪を続けること1時間、
なんとかお許しをもらえた僕はディアナ様と楽しい食事を取ることが出来た。

…しかし一歩間違えれば僕の傍からディアナ様がいなくなってしまったのかもしれない
と思うと、今の僕が世界一の幸せ者だというのは言いすぎではないだろう。

ディアナ様、こんな僕ですが、これからもよろしくお願いします。
564通常の名無しさんの3倍:2006/09/27(水) 19:15:39 ID:???
同じ場面のディアナ様バージョンキボンヌ
565通常の名無しさんの3倍:2006/09/27(水) 20:21:39 ID:???
間違えて、箸でディアナ様を掴んだバージョンを…
566通常の名無しさんの3倍:2006/09/28(木) 01:01:40 ID:???
闇に紛れて生きるグエン卿が闇に乗じてロランを箸で掴みに来るバージョンをお願いしたい
567通常の名無しさんの3倍:2006/09/28(木) 11:45:35 ID:???
つ暗視装置付きダムダム弾仕様スナイパービームライフル(愛称:ガンド・ロワ)
568通常の名無しさんの3倍:2006/09/29(金) 00:47:38 ID:eNcjqEo6
よ、読み切れねー
もちょとマターリキボン




でもage
569通常の名無しさんの3倍:2006/09/29(金) 01:08:33 ID:eNcjqEo6
570通常の名無しさんの3倍:2006/09/29(金) 01:18:16 ID:???
>>569
419 :通常の名無しさんの3倍:2006/09/29(金) 01:06:29 ID:eNcjqEo6
ディアナ様ディアナ様ディアナ様ディアナ様ディアナ様ディアナ様ディアナ様ディアナ様ディアナ様ディアナ様ディアナ様ディアナ様ディアナ様


投票しすぎw
571通常の名無しさんの3倍:2006/09/29(金) 17:58:21 ID:??? BE:711547597-2BP(21)
>563
乙です乙です。


  .-ー-ーヽ 同一事象を多視点で書くのは難しいのですよ。。。
 /  i_i_i_i_i_i
 iノ |ノ|*゚ー゚)/ ̄ ̄ ̄ ̄/
 |ノ| リ つ /  VAIO /____
   ̄ ̄\/____/



〜〜予告〜〜
星の動きが風を生み、育む。
星が止まった時、風はどうなるのか…
次回、ディアナ・ソレルのよしなに日記番外編「決意」
もうあの声は聞こえない。
572某月某日:2006/09/29(金) 21:59:21 ID:??? BE:135532962-2BP(21)
1/3
#登場人物
#キエルのディアナ様:月の女王
#ミラン:執政官
#ハリー・オード中尉:ディアナ親衛隊隊長
#フィル・アッカマン少佐:ディアナカウンター・アメリア駐留部隊指揮官


ディアナ「移動の手はずは整っているのですか?」
ハリー 「隠密の移動ですので、車は1台、供も私を入れて3名になります。」
ミラン  「少なすぎはせんかな?」
ハリー 「出発時は3台になります。」
ディアナ「3台?」
フィル  「移民局が使用しているアメリア製の同型車を3台用意しました。」
ハリー 「3台にて出発、途中で分かれ尾行を撒きます。ですので、向こうへ着くのは1台になります。」
ミラン  「ふむ。」
ディアナ「分かりました。そのようにおこなってください。」
ハリー 「はい。」
フィル  「では、準備がありますので失礼します。」

ミラン  「フィル少佐、ハリー中尉。少し宜しいかな?」
ハリー 「はい、何でしょう?」
573某月某日:2006/09/29(金) 22:02:53 ID:??? BE:225888645-2BP(21)
2/3

ミラン  「少佐、ビシニティの治安はどうなのだ?」
フィル  「かなりいいですな。」
ミラン  「しかし、ホワイトドールが発見されたのはあの町だろう?」
ハリー 「はい。戦争初期の戦場に近い町です。」
フィル  「わだかまりや反感が全くないと言えば嘘になります。ですが…」
ミラン  「やはり、護衛を増やすべきではないかね?」
フィル  「ですが。あの町の有力者はハイム家、当主はソシエ・ハイムです。」
     「彼女はディアナ様と個人的な信頼関係にあり、さらに月に行った経験もある。」
     「その彼女の影響であの町はこの付近では一番の親月派です。」
     「実際、他の町で起きたような事件は発生していません。」
ミラン  「…」
ハリー 「まぁ、何とかなるでしょう。」
     「ここだけの話。我が隊員を数名、昨夜のうちにハイム家周辺に潜入させています。」
     「彼らにはスモーとワッドも与えていますから、過激派が動いたとしても対処できます。」
フィル  「聞いてないぞ!」
ハリー 「言ってまわる事ではなかろう?」『実際にはさらに一個小隊が常駐しているとは言えんな』
フィル  「ふん」『どうせ10名単位で送り込んだのだろう?』
ミラン  「護衛の件、治安の件は了解した。」
ハリー 「では、私も着替える必要があるので失礼。」
ミラン  「中尉。」
ハリー 「はい?」
ミラン  「くれぐれもよろしくな。」
ハリー 「はっ!」
574某月某日:2006/09/29(金) 22:05:14 ID:??? BE:406599449-2BP(21)
ミラン 「少佐はお会いした事は?」
フィル 「大統領府で何度か御眼に掛かったことがありますが、会話と呼べるような事は…」
ミラン 「ご尊顔を拝謁できただけでいいではないか。」
フィル 「本当によいのですか?今ならこちらにお出でいただく事も可能。そうすれば…」
ミラン 「いや、これでいいのだ。お会いすれば決意が鈍る…」
フィル 「決意?」
ミラン 「あの日…」
     『先の戦争の折、ディアナ様への忠誠を改めて誓った時』
     『この身命を賭して、ディアナ様の意志を形にすると…』
     「ふ…」
     「そろそろお見送りに行くとしよう。」
フィル 「…」


#END
575通常の名無しさんの3倍:2006/09/30(土) 00:02:20 ID:???
>>572-574
職人さん乙です
しかしこの二人のやりとりを見てると
どうしても劇中での描写不足を改めて感じさせられる

最後に、ハリーは中尉じゃなくて大尉だよね?
576某月某日:2006/09/30(土) 00:07:36 ID:??? BE:542131968-2BP(21)
おおぅ。昇進したの忘れてたよw

今回はネタ書いてると途中に曾我部さんの訃報を聞いたので、ミラン主役です。
577通常の名無しさんの3倍:2006/09/30(土) 00:30:19 ID:xsUAClU/
hage
578食いしん坊なディアナ様1/2:2006/10/02(月) 17:51:30 ID:???
「ロラン!これは一体どういうことですか!?」
「どうかしましたか?ご飯にはまだ早いですよ。」
「そういうことではありません!一昨日も昨日も今日も雨ばかりではありませんか!」
「それは仕方がありませんよ。ここは地球なんですから。」
「それは分かっています!でもこんなに雨ばかりだと頭からキノコが生えてきてしまいます!」
「それは面白そうですね。食用のキノコなら食費も浮くし、最高じゃないですか。」
「ロラン!わたくしはまじめに言っているのです。こんな天気ばかりじゃ散歩にも行けません!」
「(要するに、散歩したいけど外に出られないから退屈なんですね)
天気ばかりはどうしようもありませんよ。このチョコパンでもつまんでいてください。」
「食べ物だけで機嫌が良くなるほどわたくしは食いしん坊ではありません!」
「いりませんか?」
「…欲しくないとは言ってません。」
そう言ってロランから貰ったパンにかぶりつくディアナ様。
「うん。おいしい♪」
「(なんだかんだ言っても、機嫌がよくなるんだよな)
それで夕食まで我慢してください。」
「一つじゃ足りません。もう無いのですか?」
「そんなにありませんよ。それに晩御飯が食べれなくなりますよ?」
「ご心配なく。甘いものは別腹です。」
579食いしん坊なディアナ様2/2:2006/10/02(月) 17:52:58 ID:???
「…太りますよ?」
「余計なお世話です!ロランにはレディーに対する気遣いが足りません!」
「ディアナ様の健康のためを思って心を鬼にして申しております。」
「わたくしの体内にはいくら食べても太らないナノマシンが投与されているので心配要りません。」
「(キエルさんと入れ替わっていた数ヶ月で2kgも太ったって騒いでたじゃないですか…)
はぁ…そういうもんですか。」
「そういうもんです。そういえば、わたくしはまだキエルさんの手作りの
マロングラッセを食べたことが無いんですよね。」
「そういえばそうですね。とっても美味しいんですよ。」
「…よし!今から会いに行きましょう!」
「会いに行く…って今からですか!?どうやって会いに行くんですか!?」
「リリ様に月に連絡を入れてもらって、ソレイユで迎えに来てもらえれば今日中には会えますよ。」
「…それって、ものすごく迷惑じゃないですか?」
「かつての月の女王として、キエルさんのアドバイザーとして行けばいいんです。
そうと決まればすぐに支度をしましょう。ロランはリリ様に連絡してください。」
「…はい…(キエルさん、ハリーさん、リリ様。申し訳ございません。
僕には、もうディアナ様の突撃を止めることは出来ません…)。」
「ふふふ…実に素晴らしいアイディア…待っててくださいね、キエルさん手作りのマロングラッセ!」
「(…キエルさんじゃなくて、マロングラッセなんですね…。)」

その後、大至急ソレイユを呼んでもらったリリ様にロランは謝罪し
女王の職務を中断してまでマロングラッセを作らせてしまったキエルさんにロランは頭を下げ
かつての女王の暴走に激怒しているハリー大尉をロランがなだめました。

そんなロランの苦労など知らずにキエルさんの手作りマロングラッセを味わうディアナ様でした。
580通常の名無しさんの3倍:2006/10/02(月) 18:36:43 ID:???
一言だけ言わせてもらおう

GJ
581通常の名無しさんの3倍:2006/10/03(火) 19:42:23 ID:???
>かつての女王の暴走に激怒しているハリー大尉

ベルガバロスwwwwwwwwwwwwww
582通常の名無しさんの3倍:2006/10/06(金) 21:52:57 ID:???
ネタを考えながら保守
583通常の名無しさんの3倍:2006/10/08(日) 01:05:10 ID:cBmqSPj5
あげとくぞ
584ロランだけど…:2006/10/08(日) 01:20:28 ID:???
 最近、ディアナ様は読書がお好きらしい。
夕べも夕食の後、部屋で音楽をお聞きになりながら、
お気に入りのロッキングチェアーにずっと座ってらっしゃったようだ。
しかも相当熱中しているご様子で、深夜までそのロッキングチェアーの揺れる音が
聞こえてきていた。
そのせいか、今日はずいぶんとお寝起きが悪いようだ。
時計が9時を回って仕事に出かけなければならなくなったぼくは、
一応、ディアナ様のご様子を伺いに寝室へと向かった。
「ディアナ様…。」
ドアの向こうからは物音一つ聞こえてこない。
ぼくは少し不安になりながらもう一度ドア越しに尋ねてみた。
「ディアナ様…、ぼくはこれから仕事に出かけます。
朝ごはんはサラダを冷蔵庫に入れておきましたので、
トーストを焼いて食べてください。」
…。おかしい。いつもなら何かしらお返事をしてくださるはずなのに、
なぜかドアの向こうからは物音一つしない。まさか―。
まさか、ディアナ様の身に何か…。焦燥を覚えつつ、ドアを開けようとした瞬間だった。
「ん〜、おひげ…。」
ぼくはドアノブに手をかけながら生唾を飲み込んだ。
今のは確かにディアナ様のお声だった。しかし、なんなんだろう。
ひげがどうかしたのだろうか?
ぼくは何も聞こえなかった振りをして「すみません、入らせていただきます」と言いながら
ドアノブをゆっくりと引いた。
585ロランだけど…2:2006/10/08(日) 01:23:25 ID:???
 部屋の窓にはカーテンが引かれていて薄暗かったが、
漏れてくる光でその様子はすぐにわかった。
ディアナ様は、よほど本に熱中されていたのか、ロッキングチェアーにお座りのまま
むにゃむにゃと何か寝言のようなことを言いつつすーすーと寝息を立てておられた。
「ディアナ様、そんなところでお休みになられていては、イテッ。」
部屋の中に入っていくと、足に何かがぶつかった。
本が山積みになっていた。
すごい、さすが月の女王様だ、ぼくはつま先の痛みより先にすぐにそう思った。
本の題名は、『宇宙英雄伝』。しかも、見たところ10冊はある。
女王様は、やっぱり“英雄”とかについて勉強しなきゃならないのだろうか。
とりあえず今は女王ディアナ・ソレルにお戻りになられるおつもりはないだろうけど、
なんというか、ディアナ様がそんな本を夜通しお読みになっているというだけで、
ぼくは改めて畏怖の感情を目の前に向つつ、
足元の本を拾って中を見てみた。
…。
…なんだこれ?…マンガ?
しかも、なんだろう、すごい、劇画だ。しかも…幼稚だけど濃いな。ヒゲが…。
この主人公、なんでこんなに青ヒゲが濃いんだろう。ん、まてよ、ヒゲ…?
ぼくはふとあることを思い出した。ウィル・ゲイムさん…?
なんてことは―。
586ロランだけど…3:2006/10/08(日) 01:25:24 ID:???
ふとその時、「んん…。むにゃむにゃ。」と言いながらディアナ様がこちら側を向いた。
まだ眠ってらっしゃる。とてもきれいなお顔立ちから、
すーすーと無邪気な寝息がぼくの頬を掠めた。
ぼくはその顔をじっと眺めた。ほんのちょっと手を伸ばせば触れられる。
ほんのちょっと、勇気を出せば、ぼくは、ぼくはもっと…。
けれどぼくは、ああ、ディアナ様…!
「んん〜、おひげ、待って、ウィ…ル。」

「…!ディ…ディアナ様!」

ぼくはふと、体中から血の気が引いていくのを感じた。
いや、そうだ。そうなのだ。ぼくは何を考えていたんだ。
ディアナ様は月の女王様で、ぼくはただ護衛と執事を任されただけの
いちムーンレィスでしかないというのに…。

どうしようもなく打ちひしがれた気分だった。
そんな胸の内を自分自身で必死になだめつつ、
ディアナ様のひざ上にかけられている毛布に視線を落とした。
毛布をゆっくりと肩まで上げつつ、ベッドまで抱きかかえて行って
差し上げたほうがよいのかどうか考えて、少しの間固まってしまっていた。
そのときだった。
ディアナ様の手が伸びてそっとぼくの手を握った。
白いきめの細かい手がぼくの手の甲を包み込んだ。
ぼくは芯まで固まって、まるで石のように動けなくなってしまった。
そして、ディアナ様は目をおつむりになったまま穏やかな口調でおっしゃった。
「ロラン、…ありがとう。」
途端にぼくの体温が上がったからなのかもしれない。
以前と同じ、少し温度が低めの手だと感じた。
ディアナ様はなんとなく微笑を浮かべて、相変わらずすーすーと寝息を立てておられた。
夢の中に、ぼくも出てきたのだろうか。
そして、そんな夢を見ながら、こんないいお顔をされているんだろうか…。
ぼくはなぜかほっとした胸を小さなため息に換え、
ディアナ様の目が覚めないようそっとその手を握り返すと、そのまま毛布の中に戻した。
587ロランだけど…4:2006/10/08(日) 01:28:12 ID:???
 帰ってきて、ディアナ様に聞いてみた。
「ああ、あのマンガは、ソシエさんからお借りしたものです。なんだか読み出したら
 止まらなくなってしまって。」
ソシエお嬢さん。そうだったのか、ああいうのがお好きだったのか。
どうやらディアナ様はほかにもいろんなマンガをソシエお嬢さんからお借りになって
読んでいらっしゃったらしく、ぼくはちょっとだけ苦笑いした。
結構、劇画調の少年漫画ばかりだったし…。けれどなんとなく、ぼくは満足だった。
あの時、確かにディアナ様の夢の中にはぼくがいた。
それに、あの微笑みはぼくがディアナ様にとってどういう存在なのかということを
確信できるもののようにも見えた。
 以前、ハリーさんが言っていた。“ディアナ様の悲しみは誰よりも深い”、
ウィル・ゲイムさんとの100年越しの恋を、ディアナ様は今でもちゃんと
お心に残しておいでなのだということに、ぼくはかえって心が温かくなるのを覚えた。
嘘偽りない、飾り気一つなく、それでいて純粋で、たまに子供っぽいところを
お見せになりながらも、やはり気品にあふれていらっしゃる、
そんな表情をされる方はきっとどこにもいないだろう。
 夕食のテーブル越しに見るディアナ様は、いつものディアナ様だった。
とてもやわらかくて、自然な感じのする笑顔が折に触れて覗く。
「あ、もしロランも読みたかったら、貸してさしあげますよ。
 ソシエさんにお返しするのはもう少し先ですから。」
ぼくはうんうんと頷きながら、「聞いているのですか?」と怒ったようなことを
言いつつも楽しそうにしていらっしゃるディアナ様を、しばらくの間見つめていた。

 月明かりの差し込む部屋で、ぼくは明かりを手元に持ってくると、
ベッドに横になりながら久しぶりに読むマンガのページを一枚一枚めくっていた。
しかし、それにしても、である。まさかウィルさんって…。こんな顔だったのだろうか?
ぼくはなんとなくうなりたくなる様な疑問を抱きつつも、ま、そんなことどうでもいいか、
と考えながら、あの時のディアナ様の微笑みばかり思い浮かべていた。
588通常の名無しさんの3倍:2006/10/08(日) 01:59:07 ID:???
>>584-587
GJ!
ロランってかなり人間できてるから
ロランが悩むイメージてあんまり無いけど
実際には結構身分とかに劣等感抱いていたかもしれないんだよな
周りにいる人は女王に主人に領主の跡継ぎだし
またネタがあったら書いてくれ
589通常の名無しさんの3倍:2006/10/10(火) 22:31:49 ID:???
>>588
ありがd
実は俺は>>582じゃない。
ネタがしばらく浮かびそうにないので保守
590588:2006/10/10(火) 23:16:23 ID:???
>>589
>実は俺は>>582じゃない。
それはそうだろう。
だって>>582は俺だしw
まあ俺も完成したら駄文ながら載せさせてもらいます。
591通常の名無しさんの3倍:2006/10/11(水) 00:26:23 ID:???
>590
レスサンクス
592二人の関係 1/10:2006/10/11(水) 16:51:25 ID:???
ここで隠棲するようになってからわたくしの時間はゆっくり流れるようになった気がします。
以前の1分単位で、時には100年単位で時間に縛られていた以前の生活からは嘘のようです。
中でも本を読みながら過ごす午後のティータイムは至福のひと時です。
「ディアナ様、紅茶をお持ちしました。
今日はクッキーを焼いてみましたのでよろしかったら食べてください。」
ロランは今日もわたくしのために紅茶を用意してくれます。
忙しそうに家事をこなすロランに少し休むように言いました。
「ありがとう、ロラン。貴方も無理をしないで休憩を取ったらどうですか?」
「ですが、まだ掃除が終わっていませんので…。」
わたくしが手伝おうとしても『ディアナ様は休んでいてください』
と言うだけでわたくしはあまり家事をやらせてもらえません。
わたくしを気にかけくれるからなのでしょうが、わたくしにとっては心苦しいことでした。
ですから、せめて休憩ぐらい適度に取ってほしいと思いました。
「ロラン、そこまで丁寧にしなくても結構ですよ。休むことも大切なことです。
…それに一人でティータイムを取るよりロランが話し相手として
いてくれた方が楽しいですしね。駄目ですか?」
「…じゃあ、お言葉に甘えさせてもらいます。」
「そうなさい。いま貴方のカップを持って来ますから。」
そう言ってロランを休ませると、わたくしはロランのティーカップを用意して紅茶を注ぎました。
「ありがとうございます。…本を読んでいたのですか?」
「はい。まぁ、本と言うよりはわたくしが今までに書いた日記なんですけどね。…読んでみますか?」
「えっ?よろしいんですか?」
「構いませんよ。でも、笑わないでくださいね。」
「笑うなんて。じゃあ、失礼します。」
わたくしはロランに、今自分が見ていたページを開いたまま日記を渡しました。
「…このページは…ディアナ様とキエルさんが入れ替わった時の事ですか?」
「はい。正確に言うなら、わたくしとキエルさんが入れ替わった次の日のことですね。」
593二人の関係 2/10:2006/10/11(水) 16:52:29 ID:???
1年前

「行ってきまーす。キエルお嬢さん!」
「ちょっと!お弁当!」
「すみません、ジェシカさん。」
「行ってまいりまーす。お嬢さん!」
「気をつけて行っといでー。」
「ロランはどこに行くのですか?」
「マウンテンサイクルですよ。」
「…そう。」

わたくしはディアナ・ソレルです。だけど悪戯心からキエルさんと入れ替わって
今はキエル・ハイムを演じています。
墓参りの後、すぐにミリシャの襲撃に遭遇してしまい
キエルさんとは元に戻れぬまま分かれてしまいました。
そのことを誰かに相談するわけにも行かずに今はこんな状況になってしまっています。
まぁ、今は停戦中ですからキエルさんの身が危険にさらされることは無いとは思いますが
少々迂闊だったと反省しております。
今度グエン閣下がディアナ・ソレル(今はキエルさんですが)と交渉する時にこそ
元通りに戻らなければいけないと考えていますが
それまではキエル・ハイムを演じているのも面白いと思い
すぐにソレイユに戻ろうとは思いませんでした。
…その考え方がいかに甘かったかその時は考えもしませんでした…。

わたくしは入れ替わったときに出会ったロラン・セアックという名の少年に興味を持っていました。
彼は地球帰還作戦の先遣隊に選ばれた一人。
そして、ムーンレィスであるはずのロランが地球の人たちと普通に暮らしている
彼の生活はわたくしの目指すところでもありました。
また、ロランが悪意を持たない少年であることはすぐに分かりました。
少なくともあの少年なら、わたくしの正体がばれたとしても命の危険は無いだろう。
そう判断したわたくしはロランを追ってマウンテンサイクルへ向かいました。
594二人の関係 3/10:2006/10/11(水) 16:53:31 ID:???
マウンテンサイクルはわたくしの想像以上に広く
徒歩でロランを探していたら1日かかっても見つからないような大きさの山でした。
そこでわたくしはここで発掘をしていると思われる一人のおじいさんに尋ねてみました。
「あの、ちょっとよろしいでしょうか?」
「はいはい?おや、キエルお嬢様。どうしてこんなところに?」
(なるほど、このご老体はキエルさんの知り合いなのか。)
そう察したわたくしは以前からの知り合いのように尋ねました。
「ロランがどこにいるかご存じですか?」
「ロランの奴なら向こうで発掘作業をやってます。ホワイトドールを使ったほうが
MSの発掘は効率的ですからね。」
「?…ちょっと待てください!ロランがホワイトドールを使って発掘しているのですか?」
「前々からホワイトドールの操縦はロランが行なっていたじゃないですか。
お嬢様はご存知ありませんでしたかな?」
(どういうこと?ホワイトドールのパイロットはローラ・ローラのはず…。
どうしてロランがホワイトドールを…?)
わたくしが思考を廻らしているとおじいさんがわたくしにこう言いました。
「ロランに用があるんじゃったらトラックで送りましょうか?
途中までは同じ道ですし。」
「お願いできますか?」
「じゃあ乗ってください。10分もあれば着きましょう。」
トラックで移動中もホワイトドールのパイロットについて考えていました。
(ローラがホワイトドールのパイロットでロランもホワイトドールを操縦している…?
ムーンレィスならMSを扱えることは不思議なことではないが、このおじいさんは
『以前からロランが操縦している』と言っていた…。
じゃあ、新聞の記事になったムーンレィスのローラ・ローラって何者…?)
595二人の関係 4/10:2006/10/11(水) 16:54:28 ID:???
「キエルお嬢様!?どうしてこんなところに?…シドさんが送ってくださったのですか?」
(なるほど、この人はシドという名前なのか。それにしても…。)
ロランはホワイトドールのコクピットから出てきました。
(少なくともロランがホワイトドールを扱える以上パイロットは最低2人か…。
もしかしたら、ホワイトドールも2機以上存在するのかもしれない…。)
ここまで考えて、わたくしはとりあえずこれ以上考えることを辞めました。
キエル・ハイムとしてこのMSやロランの近くにいれば
答えは自然に分かるだろうと思ったからです。
「お嬢様がロランに用があるらしい。それでワシがお送りしたというわけじゃ。」
「そうだったんですか。ありがとうございました、シドさん。」
「ありがとうございました。わたし一人では迷子になってました。」
「なんのなんの。途中だったから送っただけじゃよ。じゃあな。」
そう言うとシドさんはトラックに乗って行ってしまいました。
「それにしても、お屋敷で何かあったんですか?キエルお嬢様がこんなところまで来るなんて?」
「いえ、今日は秘書の仕事はお休みですから、ロランが普段どんなことをしているのかと思いまして。」
「…そうなんですか。珍しいですね。お嬢様が僕の仕事に興味があるなんて。」
(たしかに、主人と使用人という観点から見ればこんなことはありえないか…。
でもキエルさんの妹のソシエさんとは仲がよさそうに見えたけど…。
…キエルさんはソシエさんの様に必要以上にはロランに接してこなかったのだろうか…?)
「…そうかもしれませんね。まぁちょっと興味があったものですから。」
「なるほど。とりあえず12時ですしお昼ご飯にしませんか?」
596二人の関係 5/10:2006/10/11(水) 16:55:18 ID:???
ロランの言葉を聞いてわたくしはお弁当を持ってこなかったことに気がつきました。
ロランもわたくしが昼食を持ってない(と言うより何も持ってきてない)
ことに気がついたようです。
「あれ?キエルお嬢様、お弁当持ってこなかったんですか?」
「はい…。用意してきませんでした…。」
「…だったら、僕のお弁当でよかったらどうぞ食べてください。」
「そんな!これはロランの昼食でしょう?貴方はどうするのですか?」
「一食ぐらい食べなくても大丈夫ですよ。朝食だって食べてますし。」
「何を言うのですか!これは貴方の昼食です。ロランの昼食を頂いておいて
わたしだけが食事をするなんてことできるわけありません!」
「じゃあ…半分づつしましょうか?」
「えっ?」
「そうすれば二人とも食べれるじゃないですか?」
「でも…本来は貴方の分なのですよ?ロランの昼食が少なくなってしまうではないですか。」
「かまいませんよ。それよりも、キエルお嬢様が僕に気を使って下さったことの方がずっと嬉しかったです。」
「じゃあ…一緒に頂いてもよろしいですか?」
「はい。量が少ないのは我慢してくださいね。」
「そんなこと!…ありがとう、ロラン…。」
597二人の関係 6/10:2006/10/11(水) 16:56:14 ID:???
(おいしい…。)
地球の食べ物は何を食べても美味しく感じました。
お弁当の中身は昆布のおにぎりが2つ、から揚げが4つにポテトサラダという
比較的簡素なものでしたがどれも美味しいものでした。
調理する人の腕もあるとは思いますが、もっと根本的に
地球と月の食べ物は違う気がしました。
紅茶もなかなかのものでした。
カップが一つしかなかったのでわたくしがカップを使わせてもらいました。
ロランは水筒に口を付けない様に器用に紅茶を飲んでいます。
「美味しいですか?」
「えぇ、とても。」
「よろしかったら僕の分も食べてくださって構いませんよ?」
「そこまで気を使っていただかなくても大丈夫です。」
この少年は優しい。主人と使用人という立場的な関係もあるのだろうが
これだけ気遣ってくれるのは彼の本質的な性格や思考からくるものだろう。
わたくしの周りの人は女王として扱ってはくれているが
まるでガラス細工でも取り扱うようにわたくしに接する人が多い。
そういう意味では『純粋な意味で心配してくれる人』がいるキエルさんが羨ましく思いました。
「あれを掘り出していたのですか?」
わたくしたちの近くに緑色で丸い形をしたMSらしきものが3つ
その横に黒い楕円型の板のようなものが1つありました。
「はい、カプル3機とホワイトドールのシールドらしきものを発掘しました。
午後からはシールドの様な物の周りのナノスキンを剥がして調べてみようと思ってます。」
あれがミリシャのカプルですか…。ウォドムやスモーと比べるとなかなか愛敬のある姿です。
598二人の関係 7/10:2006/10/11(水) 16:57:16 ID:???
「キエルお嬢様が直接ここまで来られたのを見たときにはグエン様からの
命令でも伝えに来られたのかと思いましたよ。」
「今日は非番ですから。それに命令を伝えるだけなら電話でも構いませんよ。」
「それもそうですね。」
普段の食事は一人で摂ることが多く、また誰かと食事をする場合でも
会食のように気を使いながらの食事が多かったわたくしにとって
雑談しながらする食事は久しぶりに感じました。
できることならキエルさんとしてではなくディアナとして
話をしてみたかったのですが、さすがにそれはできませんでした。
「それにしても…。」
昼食をとり終えたロランがわたくしに言いました。
「いくら任務とはいえあの舞踏会には参りましたね。グエン様の命令とはいえいくらなんでも
ローラとしてパーティーに参加するなんて考えてもいませんでしたよ。」
わたくしはその言葉を聞いてハッとしました。
(ローラとしてパーティーに参加した…?)
畳み掛けるようにロランは続けます。
「まあ、そのおかげでディアナ様主催のパーティーに参加できたわけですから
そういう意味では嬉しかったんですけどね。」
わたくしはこの発言でようやく理解できました。
ローラとロランは同一人物だったのです。
…たしかに、美しい銀色の髪、褐色の肌、緑色の瞳、身体的な特徴は良く似ております。
背丈も同じぐらいですし、声色も似ているように感じました。
(美しい女性だと思っていたら実はロランだったとは…。)
そう考えると舞踏会でロランに美しいお嬢様なんて言ってしまった事と
まじめに女装しているロランの姿を思い浮かべてしまったわたくしは
なんだか可笑しく思えて笑ってしまいました。
「いきなり笑い出だしてどうしたんですか?」
「いえ、ロランの女装も可愛かったのになぁ、と思いまして。」
「お嬢さま!からかわないでくださいよ。結構恥ずかしかったんですよ!」
「うふふ…。ごめんなさい。」
599二人の関係 8/10:2006/10/11(水) 16:58:08 ID:???
ロランとローラが同一人物だと言うことがわかった
わたくしにはある一つの疑問が浮かびました。
「ねぇ、ロラン。」
「…なんでしょうか?」
まだ怒っているのでしょう。ちょっと不機嫌そうに答えるロランでしたが
ふてくされてるロランの顔もなかなか可愛いものですね。
しかし今回は気持ちを切り替えてまじめに訊きました。
「ロランは何故戦っているのですか?」
今までのロランとのやりとりを思い返してもロランは戦争を望んではいない。
決して戦いを好む人ではないことは分かりました。
ロランがミリシャの軍人ならばおかしな話しではありませんが
ソシエさんとは違い彼は軍人ではないように見られました。
「…そうですね。」
そう呟いたロランは考え込んでいるように見られました。
やがて意を決したようにこう答えました。
「僕は…僕は地球人とムーンレィスが仲良く暮らせるようになってほしいと思っています。
そう考えている僕がホワイトドールに乗ってディアナカウンターと戦ってるのは
矛盾しているのかもしれません。」
わたくしにはロランの顔が悲しんでいるように見えました。
「僕は当初、ディアナ様が地球に降りてきてくださればこの戦争はすぐに
収まると思っていました。でも、僕の考えは甘かったようです。
停戦協定が結ばれている中でディアナカウンターのウォドムが
マウンテンサイクルに奇襲をかけてきました。」
「…」
「その時に気づいたんです。今回の戦争は今日明日に終わるものではないと。
今回の戦争で旦那様は死に、奥様もそのことで心に深い傷を負われました。
…だから、もう誰にも傷ついて欲しくないんです。僕にとって大切な人たちには、
これ以上悲しい思いをして欲しく無いんです。」
600二人の関係 9/10:2006/10/11(水) 16:59:05 ID:???
わたくしは何も言えませんでした。わたくしの発案した地球帰還作戦は、
地球人とムーンレィスの新たなる一歩となるはずだったのに
どうしてこんなことになってしまったのか…。
ロランは続けます。
「僕が舞踏会でディアナ様に直訴をした時、ディアナ様はこう言ってくれました。
『誰も戦いなどは望んでいません。貴方とわたくしは、立場は違いますが
思いは同じと感じました。お互いに頑張りましょう。』と…。
ディアナ様は戦いを望んでおりません。旦那様を殺されたお嬢様には
信じていただけないかもしれませんが、これだけはたしかです。
そして僕は、ディアナ様とグエン様が交渉を続けてくだされば
必ず平和な世界を作ってくれると信じています。
だから、僕は戦います。誰もが笑顔でいられる世界が出来るまでの間、
地球人もムーンレィスも、一人でも多く犠牲者を減らせるように。」

わたくしは自分の胸が抉れる思いがしました。
この少年はこれほどまでにわたくしのことを信じてくれているのに。
少年は自らの命を賭けて戦っているのに…。わたくしはなにをしているのだろう…。
ソレイユに戻るのは次の機会で良いなどとなんと浅はかな考え方だろうか。
…わたくしはこのような所で遊んでいて良いはずが無い。
キエルさんだって、今頃わたくしのせいで大変な思いをしているでしょうに。
何よりも、わたくしが今ここで職務を放棄しているこの瞬間にも人は死んでいるのだ…。
わたくしは、一刻も早く、地球と平和条約を結ばなければならない。
これ以上犠牲者をださないために。
ハイム家の人たちのような不幸をこれ以上起こさせないために。
そして、こんなわたくしのことを信じてくれている人たちのためにも…。
わたくしは自分の心にそう誓いました。
601二人の関係 10/10:2006/10/11(水) 17:00:16 ID:???
現在

「…どうかしましたか?」
「途中まで読んでみましたけどこの時の僕、すごい恥ずかしいことを言ってる様な…。」
「そんなことありません。あの時、いえ。あの時以来わたくしの傍に
いてくれたのがロランで本当に良かった。」
「そんな…。僕の方こそ、ディアナ様が傍にいてくださって
毎日が楽しかったし、嬉しかったです。感謝したいのは僕のほうです。」
「ありがとう、そう言ってくれて。そして、今でも一緒にいてくれて…。」
「やめてください、僕の望んでいたことでもあるんですから。」
考えると不思議なものです。3年前、フラットで地球に降下した少年と
当時の月の女王が一緒に暮らしているのですから。
今のような状況を想像できた人は多分一人もいなかったでしょう。
「あ!もうこんな時間ですね、夕食の準備をしてきます。」
いつもなら、ロランに任せてしまっているのですが
今回はわたくしの思いを伝えることにしました。
「ロラン。わたくしにも手伝わせてください。」
「そんな!ディアナ様の手を煩わせるなんて。」
「…わたくしは、いつもロランに助けられてきました。出会ってから今もずっと…。
わたくしだって、ロランの助けになりたい…。」
「ディアナ様…。」
「…わたくしだって、貴方の力になりたいんです。助けられてばかりなんて…そんなの嫌です…。」
ロランはわたくしの部下でも使用人でもない。そんな関係を望んでいたんじゃない。
わたくしだって、いつかロランと…。
「…わかりました。じゃあ手伝ってもらえますか?」
「はい。おねがいします。」
「それは僕の台詞ですよ、ディアナ様。」

わたくしは、貴方からたくさんの楽しみと、希望と、幸せを貰い続けています。
だから、ロランに負けないぐらいわたくしも貴方を幸せにしたいです。
…だってわたくしの恩返しは、まだ始まったばかりなのですからね。

ロラン、これからもよしなに。
602通常の名無しさんの3倍:2006/10/11(水) 17:29:54 ID:??? BE:158122627-2BP(21)
GJ!!
素晴らしい(;´Д`)ハァハァ


1つだけ言わせて貰うと、お弁当はおにぎりではなくパンの方が自然かと。
603通常の名無しさんの3倍:2006/10/11(水) 17:59:57 ID:???
>>592-601を書いたものです。
いまさら手遅れですがとんでもない誤字があったので訂正しておきます。
>>600のロランのセリフで

×地球人もムーンレィスも、一人でも多く犠牲者を減らせるように
○地球人もムーンレィスも、一人でも犠牲者を減らせるように

よりによってなんでこんなところでorz
その他不適切な表現などあると思いますが脳内で正しく直しておいてください。

>>602
パンでも良かったんですが、著者の好みでおにぎりにしてみました。
まあぶっちゃけパンでもいいですw
604通常の名無しさんの3倍:2006/10/11(水) 22:10:39 ID:???
>>592-601
原作の画像が頭に浮かんでくるようでした。
GJ☆
605通常の名無しさんの3倍:2006/10/12(木) 19:38:44 ID:???
>>602-603
まあかつて、「二人のログハウスには立派な掘りごたつがある」という設定での
傑作SSもあった事だし、ハイム家のライフスタイルは部分的にエイジア…
もっと言えば案外ヤーパン志向だったのかもしれないと考えてみるのも一興かと。
606通常の名無しさんの3倍:2006/10/13(金) 21:06:26 ID:???
それを含めてGJ
607通常の名無しさんの3倍:2006/10/15(日) 01:43:39 ID:???
ユニヴァァァァァス!!
ユニヴァァァァァス!!
608通常の名無しさんの3倍:2006/10/18(水) 22:41:43 ID:???
4472
609通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 18:55:22 ID:fbllUmfz
ゆにばす
610ロランの憂鬱な一日 1/2:2006/10/22(日) 00:06:46 ID:???
今日は僕の元主人だったソシエさんが遊びにきました。
それだけならば歓迎すべきことだったのですが、ソシエさんが
退屈しのぎにとゲームを持ってきたことが不運の始まりでした。
「軌道戦士ガンダムSFFD 連邦VSZAET」 というそのゲームは
早い話が黒歴史時代のガンダムを操作して戦うゲームのようです。
そのゲームでディアナ様とソシエさんが対戦することになったんですけど…

「それ!この!当たれ!」
「あまい、そこ!」
「……。」
「くっ!やりましたね!」
「貰った!!」
「そこで覚醒!そんな…。」
「……。」
どうやら勝負あったようです。くわしいルールまでは分かりませんが
ディアナ様が負けたことだけは分かりました。
「ふふん♪38戦38勝0敗ね。」
「も、もう一回お願いします!」
「いいですよ。」
「……。」

と、昼食以降この調子で困っています。
僕はお茶の準備をしながら2人の様子を見ていることしかできません。
全く辞めようとしないディアナ様も凄いけど
ソシエさんも手加減する気は無いようで、まるで恨みでも晴らすかのように
容赦なくディアナ様の操縦する機体を破壊していきます。

「こんどこそ…必殺ハイマットフルバースト連射!」
「かわいそうなディアナさん…。」
「なんですって!」
「それだけであたしに勝てると思うなんて笑止。今、楽にしてあげる。」
「そんな!横からビームが!後ろからも!?」
「さようなら、ディアナさん。」
「!!…そんな…レーダーにも横にMSの反応が無かったのに。」
「ドラグーンはいろんな方向から攻撃できるのよ。」
「くっ!もう一回!!」
611ロランの憂鬱な一日 2/2:2006/10/22(日) 00:08:12 ID:???
「その前に、お茶でも飲みながら休憩しませんか?」
口を挟むならここしかないと言うタイミングを見計らって二人に提案しました。が…
「駄目です!今は女同士の意地を賭けた真剣勝負なのです!
お茶を飲んでいる暇などありません!!」
「で、でも…。」
「あたしは貰うわ。ありがと、ロラン。」
「ソシエさん!?今は勝負の最中なのですよ!?」
「せっかくディアナさんのためにお茶を入れてくれたのにその行為を一蹴された
ロランがかわいそう…。こんな人のところじゃなくて家に来ない?
ここよりはいい生活させてあげるわよ?」
「いや、僕は…。」
「ソシエさん!こんな人とはなんですか!?わたくしの前でロランを誘惑するなど、
万死に値する行為です!!」
「そうは言ってもね〜。どうせ生活無能力者のディアナさんは
ロランと一緒にいても1日中ゴロゴロして食べて寝るだけでしょ?」
「くぅぅ!!間違っていないとはいえ、かつての女王に対する侮辱の数々!
もう許せません!コントローラーを取りなさい!ディアナの法の裁きを受けていただきます!」
「いいわよ。やれるものならね♪」
「……はぁ…。」
と、こんな様子で今日一日が過ぎていきました。
結局ディアナ様は一度もソシエさんに勝つことができず
248戦248敗という不名誉な連敗記録を打ち立ててしまいました。
心身ともに疲労していたディアナ様はソシエさんの
「置物の方が、マシだったわね。」
という止めの発言を聞いてついに倒れてしまいました。
そんな泡を吹いて気絶したディアナ様の様子に満足したのか
「新作が出たらまた相手してあげるからそれまでCPU相手に特訓しておいて。」
という伝言を僕に聞かせると満足そうに帰っていきました。

…なんか疲れた…。

追伸
ディアナ様が風邪をひかないように寝室に運んだときに
ディアナ様がまた重くなっていることに気がついた。
もう少しディアナ様の生活態度について考えた方がいいのかもしれないな…。
612通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 10:05:08 ID:???
GJ!


そうか・・・またかロラン・・・



頑張ってこれ以上ディアナ様がふt(ディアナの法の裁きを受けました。続きを読むにはここを押してください)
613通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 10:30:21 ID:???
ユニバースユニバース
614通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 10:49:27 ID:???
>>611
GJ!
そのうち
「重い!しかし、ディアナ様一人僕の力で持ち上げてみせる。
ロラン・セアックは伊達じゃない!」
が、見られるのをwktkしながらまってます。
615通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 13:41:54 ID:qnct8zf2
「軌道戦士ガンダム」よりも「機関士ゲソダ6」の方がよかった気が
616通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 13:18:10 ID:???
うるおぼえスレの誤爆か?


それだけ








・・・はっ!俺は今何を口走ったんだ!?
617ディアナ様歯医者に行く 1/4:2006/10/25(水) 01:14:44 ID:???
「そんなにチョコばっかり食べてると虫歯になりますよ?」
「大丈夫ですよ。ロランは心配性ですね。」
「どうなっても知りませんからね?」

次の日

「うぇ〜ん…歯が痛いです…。」
「だから言ったじゃないですか。とりあえず歯医者に行きましょうね。」
「はい…でも、歯医者は痛くないはずですよね?」
「…何を言ってるんですか?」
「え?だって、月では虫食ったところ部分を光で焼いて終わりでしょう?」
「…はぁ。ディアナ様、ここが何処だかお忘れですか?」
「どこって、地球ですけど?」
「地球が月の科学技術を取り入れ始めているとはいえ、まだまだ地球と月では技術に差があるんです。」
「…じゃあどうやって直すんですか?」
「削るんですよ、ドリルを使って。」
「ド、ドリル…嘘でしょう?」
「嘘じゃありませんよ。1mはあるドリルを使って歯をガシガシ削るんですよ。
だから関係ない歯を削ってしまったり、治療前より治療後の方が歯が無くなって
いるなんてことは良くあることなんです。治療中あまりの痛さに失神してしまうこともあり
待合室では子供が泣きながら許しを請うんですよ。」
「嫌です!そんなことになるなら、歯医者なんて行きません。」
「どうしてそんな結果になるのにみんな歯医者に行くのか知っていますか?」
「ど、どうしてなんですか?」
618ディアナ様歯医者に行く 2/4:2006/10/25(水) 01:15:55 ID:???
「最初の虫歯ができてから3日で歯が全部腐ってしまいます。」
「嘘…。」
「5日後には虫歯毒が回って体中に激痛が走り1週間で死んでしまうんです。
だから子供でも歯医者に行くんですよ。」
「だったら、だったら!月で治療すればいいじゃないですか!?
次の月行きの宇宙船はいつですか!?」
「残念ながら、次は5日後ですね、そのころには体中に毒が回って手遅れになっています。」
「そ、そんな…。」
「さぁ、瞬間の激痛を選ぶか死を選ぶか、どうしますか?」
「…こんなことになるなんて…。」
結局歯医者に行くことになりました…。

「さぁ、付きましたよ。」
「ここが歯医者ですか、見た目は普通の建物なんですね。」
「そう思っていられるのも今だけです。」
「え?」
「覚悟を決めて、入りましょうか?」
「……。」

「ごめんください。予約したキエル・ハイムですけど。」
「少々お待ちください…。お連れの方がキエル・ハイムさんですね。待合室でお待ちください。」
「ありがとうございます。さ、キエルお嬢様」
「は、はい…。あの、このキュィィィンという耳が痛くなる音は何ですか…?」
「やだなぁお嬢様、ドリルの音ですよ。前に説明したじゃないですか?」
「こ、これが1mあるというドリルなんですか?」
「そうです。この部屋の向こうで、今も誰かの歯が削られているんですよ。」
「……。」
「あれ?キエルお嬢様、どうかしたんですか?」
「いえ、ちょっと気分が…。」
619ディアナ様歯医者に行く 2/4:2006/10/25(水) 01:17:03 ID:???
欝になっていると、わたくし以外にも親子と思われる2人組みが
先客として待っているようでした。
「あの子も治療できたんでしょうか?」
「たぶんそうでしょうね。見てください。あの子、下を向いたまま一言も喋ってませんよ。
自分がこれからどうなるのか小さい体で理解しているんでしょうね。」
「うぅ…逃げたいです…。」
「次は○○ △△さん」
どうやらあの子が呼ばれたようです。
「ほら、入んなさい。」
「……。」
「…どうしたの?」
「…いやだぁぁぁ!!!痛いの嫌だぁぁぁ!!!」
そう叫びながら子供が外へ逃げ出してしまいました。
「コラ!待ちなさい!」
母親らしき人が後を追いかけます。
そんなに痛いんですか…。
「ほらね、子供はああやって逃げるんです。これにこりて、次からは
虫歯にならないように気をつけてくださいね。」
「もう手遅れです…。」
「大丈夫、まだ手遅れじゃなりませんよ。」
「……?」

「キエルハイムさん、診察室にお入りください。」
「さ、キエルお嬢様の番ですよ。」
「うっ、うぅ…。」
「大丈夫です。痛くありませんから。すみません。お嬢様は歯の治療が初めてなので
なるべく優しくしてあげてください。」
「ではキエルさんはムーンレィスですか?痛くないから大丈夫ですよ。」
「お嬢様、怖くありませんから。」
「は、はい…行って来ます。」
実際に治療が始まるとロランの言ってた1mのドリルなんて使われずに
痛みもほとんど無く治療も数分で終わりました。
わたくしはようやくロランに騙されたことに気づきました。
620ディアナ様歯医者に行く 4/4:2006/10/25(水) 01:18:25 ID:???
「もう!ロランのバカバカ!」
「痛い!痛いですよ、ディアナ様」
「何が『1mもあるドリルですか!?』わたくしが知らないのをいい事に嘘ついて!
他の歯が削られるだの、3日後には腐ってしまうだの、全部嘘じゃないですか!?」
「こう言えば少しは食生活を改めてくれるかと思いまして。
でも最後はちゃんと励ましてあげたじゃないですか?」
「最後だけじゃないですか!?わたくしが歯医者に行くのにどれだけの決心をしたことか!」
「すみません!本気で怖がるディアナ様があまりにも可愛かったもので。」
「やっぱりそんな理由で!もうロランなんか知りません!!」
「ごめんなさい。ディアナ様に虫歯の怖さを知ってもらうためとはいえ
やりすぎました。もう二度としませんから許してください。」
「本当にそう思ってますか?わたくしには反省の色が見えませんが?」
「このロラン・セアック。月の女王ディアナ・ソレル陛下に対して決して嘘は申しません。」
「さっきまで嘘をついていたじゃないですか!」
「…もしかして、本気で怒ってるんですか?」
「当たり前です!」
「…たしかに少々ふざけすぎました。本当にごめんなさい。」
「…今回だけですよ?」
「ありがとうございます。ディアナ様。」
「罰として、ケーキを買いなさい。」
「まぁ、そのくらいなら。」
「キースさんのパン屋さんの特製ケーキですよ。」
「そんなにお金ありませんよ!」
「…やっぱり許しません。」
「…じゃあ今回は特別サービスということで。でも、また虫歯になるんじゃないですか?」
「歯医者が痛くないと分かれば後は体重さえ気にすればいいことです。」
「はぁ、結局食生活は変えられそうもありませんね…。」
「そうと決まればドンキーのパン屋さんにゴー♪」
「わかりましたよ。」

ロラン、今日のことは復讐日記に記しておきますからね。
621通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 02:17:32 ID:az9na9eH
後日、チョップ(法の裁き)を喰らう事になるロランたん
622通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 22:30:39 ID:???
ほのぼの
623通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 00:58:27 ID:???
のほほん
624通常の名無しさんの3倍:2006/10/31(火) 00:26:29 ID:???
ぽかぽか
625通常の名無しさんの3倍:2006/10/31(火) 17:03:45 ID:???
   .., -ー-、.
  <___,-=◎=〉
i’ |-|*゚ー゚)| ニヤニヤ
626通常の名無しさんの3倍:2006/10/31(火) 19:51:31 ID:???
>>625
ずれてますよ
627625:2006/10/31(火) 20:15:56 ID:???
えろうすんませんですorz
628通常の名無しさんの3倍:2006/10/31(火) 22:13:55 ID:???
>>627
ディアナの法の裁きを受けたくなければ何かSSを書くのだw
629通常の名無しさんの3倍:2006/11/01(水) 20:00:03 ID:???
>>628
「えいっ」とかチョップなさるディアナ様萌え w
630命の灯火 1/13:2006/11/02(木) 00:06:07 ID:???
「おいしかったですね。ディアナ様。」
「そう言っていただけると頑張った甲斐がありますね。」
ロランは今日で20歳の誕生日を迎えました。
このあたりは今の時期でもかなり寒くなりますが
雪が降り積もるほど気温が低くなることは滅多にありません。
わたくしは寒いのが苦手なのですが
ロランの誕生日に雪が降り積もり、一面が銀色の美しい景色を見ると
まるで神様が祝福でもしてくれているような気がしました。
わたくしは普段の感謝をこめて夕食はご馳走を作りました。
ロランの料理の腕には及びませんが、それでもわたくしの料理の腕を考えれば
大成功と言えるほど美味しくできたと思います。
「ロランに誕生日のプレゼント、と呼べるほど出来が良くありませんが、
ロランに見てほしいものがあります。」
「ディアナ様が僕のためにプレゼントを?」
「はい。ケーキを作ってみたのですが、お口に合うかどうか…。」
「わざわざ作ってくださったのですか?ありがとうございます!
よろしければ持って来ていただけますか?」
「キッチンに用意してありますので、ちょっと待っていてくださいね。」
ケーキを取りにいこうとキッチンに向かおうとした時、わたくしの視界が突然歪み
まともに立っていることが出来なくなりました。
631命の灯火 2/13:2006/11/02(木) 00:07:00 ID:???
「……?」
「ディアナ様!!」
その時のわたくしには何が起こったのかを瞬時に理解することは出来ませんでしたが
次の瞬間にはロランがわたくしの体を支えてくれていたことは分かりました。
「大丈夫ですか?やはり無理をしすぎたのではありませんか?」
どうやらわたくしは疲労のせいかバランスを崩して倒れそうになったようです。
わたくしはロランに支えてもらいながら言いました。
「ごめんなさい。少し疲れただけですから…。」
「どうして倒れるまで何も話してくれなかったんですか?
また、入院することになったらどうするおつもりですか?」
「貴方には普段から頼ってばかりなのです。せめて今ぐらいは、
ロランに休んでもらいたいと思いまして…。」
「そこまで気を使ってくださらなくても良かったのに、
ケーキは僕が持ってきます。ソファで休んでいてください。」
ロランはわたくしを抱き上げるとソファに座らせてくれました。
「すみません。今日は貴方の誕生日だと言うのに。」
「謝らないでください。僕のために準備して下さったことでしょう?
感謝はしても、謝られる理由なんてありませんよ。」
ロランはそれだけ告げるとわたくしの代わりにケーキを取りに行ってくれました。
「ふぅ…入院か、あれから一月も経つのか…。」
632命の灯火 3/13:2006/11/02(木) 00:07:58 ID:???
1ヶ月前

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

わたくしは1ヶ月前に40度近い高熱と吐き気に襲われて月の病院で入院しました。
直接的な原因は疲労でした。しかしそれは、常人ならばそのようなことは
決して起こらないほど軽いものでした。
わたくしは月の女王として千年の時を生きてきました。
月にいたころは冬眠と共に行なってきた延命処置によって
健康面では不自由無く生活してきましたが
地球に降下して以来、延命処置は行なってきませんでした。
それでもしばらくは体内に残っていたナノマシンのおかげで
生活してこられましたが、いまのわたくしの体内のナノマシンはこの数年間で
ほとんど消滅しているらしいのです。その副作用が原因で体力、抵抗力が常人より衰えており
普通の生活を行なうには時間をかけて
少しずつ体力、抵抗力をつけていくしかないようです。
今回は1週間ほどの入院で良いそうですが、また無理をすれば、
今度は命の保障はできないというのがゲンガナムで治療を受けた結果でした。
医師たちはわたくしに延命処置を再び行なうように勧められましたが
それだけは頑なに断りました。

わたくしが倒れたと聞きつけて忙しい中キエルさんにハリー、そしてソシエさんが
駆けつけてくれたことはこんな状況でも嬉しく思いました。
特に、ソシエさんにはわたくしのせいで辛いことばかりさせてしまっていたので
申し訳ないという罪悪感もありました。

「ディアナ様、お体は大丈夫ですか?」
久しぶりに見たキエルさんは以前の美しさと気品を保ちながらも
女王としての威厳を一層身に付け、貫禄を感じさせられました。
「はい、おかげさまで。忙しい中わざわざ来ていただいてありがとう、キエルさん。」
「ロラン君、君にディアナ様を任せたのはこのような事態にならないためなのだぞ。
君がついていながらどうしてこんなことに…。」
「申し訳ありませんでした、ハリーさん…。」
633命の灯火 4/13:2006/11/02(木) 00:08:55 ID:???
ロランは申し訳なさそうに謝っていましたが、わたくしはハリーの言葉に反発しました。
「ハリー、ロランはよくやってくれています。今回の事態はわたくしの責任です。
ロランを責めるのはやめてください。」
「ですが…。」
「これから先もわたくしの傍にいて欲しいとロランに頼んだのはわたくし。
地球での生活で延命処置を断ったのもわたくし。そんな体で無理をしたのもわたくしです。
ロランには責任はありません。」
「はっ!…その、すまなかったな、ロラン君。怒鳴ったりして。」
「いえ、本当のことですから…。」
それでもロランはハリーに謝り続けていました。
ロランは責任感が強すぎるのでしょう。本来ならば彼に責任など無いはずなのに
それを自分の責任だと言い張るロランの姿に胸が痛みました。
「まぁでも、ディアナさんが無事でとりあえず一安心ね。
最初にロランから電話が来たときは何事かと思っちゃったし。」
「すみませんでした。ソシエさんがリリ様に連絡を入れてくださったおかげで
ディアナ様を月まで送ることが出来たんですから。」
「いいのよ、長い付き合いなんだし。あたしじゃなくてリリ様に
お礼を言った方がいいんじゃない?宇宙船の手配をしてくれたのはリリ様だし。」
ソシエさんもとても生き生きとしているように見られました。
今ではハイム鉱山を継いでキエルさんの代わりに経営を行なっているようです。
もし、わたくしがソシエさんの立場だったらここまで立ち直ることはできていなかったでしょう…。
「ロラン君。すまないが、医師たちがディアナ様の今後の
体調管理のことで話があるらしい。私が案内するからついて来てもらえないか?」
「わかりました。じゃあディアナ様。ゆっくり休んでいてくださいね。」
「頼みます、ロラン。」
「ディアナ様、わたしもまだ職務が残っていますので失礼させてもらいます。
明日、またお見舞いに来ます。」
「ありがとう、キエルさん。貴方も無理をしないでくださいね。」
「お気遣いありがとうございます。では、失礼します。
ソシエ。貴方とはなかなか会えないけど、たまには会いにきてね。」
「姉さんこそ、女王の仕事頑張ってね。」
634命の灯火 5/13:2006/11/02(木) 00:09:53 ID:???
3人がいなくなった後、病室にはわたくしとソシエさんだけが残りました。
いい機会だったのでわたくしはソシエさんにあるお願いをしました。
「実は、ソシエさんに頼みがあります。」
「どうしたんですか?改まって?」
「わたくしの命は、もう長くないのかも知れません。
わたくしが死んだその時にはロランのことをお願いしたいのです。」
「と、突然何を言いだすんですか!?」
ソシエさんは驚きを隠せないといった表情をしていました。
ソシエさんの反応は当然かも知れません。
「ごめんなさい。いきなりこんなことを話して驚くでしょうが…。
わたくしとロランの間には子供がいません。もし、今わたくしが死んだら、
ロランは一人になってしまいます。でも、ソシエさんにはわたくしと違って未来があります。
他の方では不安ですが、ソシエさんになら安心してロランを任せられます。
以前、ギャバンさんとの結婚を不純だと言ってソシエさんを非難し、
あげくソシエさんから最愛の人を奪った張本人であるわたくしに
本来このようなことを頼む資格があるとは思っていません。
ですが、この様な事態になったのも全てわたくしの責任でありロランに罪は無いのです。
わたくしのことは傲慢だと思っても結構です。自分勝手な女だと見下してくれてかまいません。
でも…わたくしが死んだその時にはロランのことを幸せにしてあげて欲しいのです。」
「……。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「どうされたんですか?」
635命の灯火 6/13:2006/11/02(木) 00:11:00 ID:???
「……。」
「…ディアナ様?」
「え!?あ…はい、なんでしょう?」
わたくしが月で入院したときのことを思い返していると、
既にロランはわたくしが作ったケーキをテーブルに置いて
ロランもわたくしの隣に座っていました。
「いや、呼んでも返事がなかったものですから。ケーキってこれですよね。」
わたくしが作ったバースデーケーキはスポンジの間にイチゴと生クリームを挟んで
回りを生クリームでコーティングしたものに小さい家の形をした
チョコレートが乗っかっているだけという代物です。
改めて見るとバースデーケーキと呼ぶにはお粗末なものだと思いました。
「そうです。たいしたものは作れませんでしたけど…。」
「そんなことありませんよ。綺麗にできていると思いますよ。」
ロランはそう言ってくれますが、お菓子を作るのが上手なキエルさんが作ればもっとおいしそうに
いえ、比べることさえ出来ないぐらいのものが作れたことでしょう。
そう考えると見た目はそっくりなのに現在月の女王であるキエルさんと
ロランの介護無しではまともな生活さえ出来ない今のわたくしを比べた時、
わたくしがキエルさんに勝っている点が一つも無いことに気づきました。
「…あの時は、迷惑をかけてしまってごめんなさいね。」
「あの時?…あぁ、1カ月前に月で入院した時ですね。いいんですよ。ディアナ様が悪いわけではありませんし、
ディアナ様と一緒にいられることが、僕の幸せなんですから。」
わたくしだって貴方が傍にいてくれるだけで幸せです。
できることなら、わたくしがロランを幸せにしてあげたかった。
もし、今わたくしの寿命が尽きるとするなら、それが出来ないことだけが唯一の心残りです。
「ロラン、もしわたくしが死んだら、貴方は貴方の幸せを探しなさい。」
「ディアナ様!何を仰るのですか!?」
わたくしはロランを宥めながら続けました。
「聞いてください。わたくしは、いつ死んでもおかしくないのです。
…貴方は、わたくしが死んだら、今度は貴方自身のために生きるのです。
わたくしのためではなく、貴方自身の幸せを見つけるために。」
636命の灯火 7/13:2006/11/02(木) 00:11:56 ID:???
「やめてください!縁起でもないことを言うのは…。」
「貴方には、迷惑ばかりかけてしまいましたね。こんなわたくしのために今日まで尽くしてくれて
本当にありがとう。地球と月の戦争も終わり、わたくしよりも優秀な後継者がいて、
わたくしの傍にはいつもロランがいてくれる。わたくしは、いつ死んでも悔いはありません…。」
今までのわたくしの人生を振り返ってみても
今のわたくしはこれ以上無い幸せを感じて生きていました。
『いつ死んでも悔いはない』
これは本心ではありませんでしたが嘘でもありませんでした。
わたくしは、この言葉でロランに感謝を伝えたつもりでした。
しかし、わたくしの思いとは裏腹に、この一言が
ロランに耐え難い苦痛を与える結果になってしまいました。
「…と仰らないでください…。」
「え?」
「『いつ死んでも悔いは無い』なんて…そんなこと仰らないでください!!」
「ロ、ロラン?」
ロランは激昂していました。
その普段のロランとはあまりにも違う姿を見たわたくしは驚きを隠せませんでした。
「ディアナ様はご自分が亡くなられた時、残された人たちがどんな思いを
するのか考えたことがあるんですか!?キエルさんだってソシエさんだってハリーさんだって、
もちろん僕だって…残された人がどれだけ辛いか、どれだけ悲しいか…。」
「…わたくしの死が、どんな思いをするか…。」
「人は、この世界に生きる全ての生き物は、いつか必ず死にます。それは分かっています。
だけど…だからこそ、人は後悔しないように精一杯生きているのではないのですか!?」
ロランは泣いていました。
わたくしはロランと知り合ってから彼が泣いたところなど一度も見たことはありませんでした。
ロランは跪きながらわたくしに懇願していました。
「お願いですから…お願いですから、そのようなことだけは仰らないでください…。
ディアナ様が死なれたら僕は…僕は…!!」
わたくしは…。
637命の灯火 8/13:2006/11/02(木) 00:12:55 ID:???
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「…わたくしのことは傲慢だと思っても結構です。自分勝手な女だと見下してくれてかまいません。
でも…わたくしが死んだその時にはロランのことを幸せにしてあげて欲しいのです。」
「…それは、あたしにだって無理です。」
「…ソシエさん!?」
「だって、ロランはこの世界の誰よりもディアナさんを愛している。あいつの一番の幸せなんて
ディアナさんと一緒に生きること以外ありえないの。少なくとも、あたしじゃ
ディアナさんの代わりはできない。あたしの思いなんて入り込む余地が無いほど
ロランはディアナさんのことが好きだった。そんなロランの想いに応えられる
ディアナさんが羨ましかった。…ディアナさんはさ、ロランのことをどう想ってるの?」
「どうって…今はもう月の女王ではないわたくしのために尽くしてくれてとても感謝しています。」
「そうじゃなくて!ディアナさんは一人の女として、ロランをどう想ってるのか?って訊いてるの。」
「え…その…それは…。」
「何?まともに答えることさえできないほど、ちっぽけな想いだったの?」
「…わたくしは、ロランのことを誰よりも愛しています。
この想いだけは、ソシエさんにだって絶対に負けません!」
「そう、それよ。」
「…え?」
「ディアナさんがロランを大切に想ってるのと同じように、あいつだって
ディアナさんのことが好きなのよ。だから、あいつの気持ちに応えてあげて欲しいの。」
「ロランの気持ちに応える?」
「ロランにとっての一番の幸せが何かを考えれば分かることよ。…あたしも、もう帰ります。」
「ソシエさん?待ってください!まだ話は終わっていません!」
「あたしの用事はもう済んだし、後はディアナさんが自分で考えてください。失礼します。」
ソシエさんはそれだけ言うと病室を出て行ってしまいました。
「ソシエさん…。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
638命の灯火 9/13:2006/11/02(木) 00:14:26 ID:???
わたくしはとんでもない思い違いをしていたのだと、今になって気づきました。
ソシエさんはわたくしにヒントをくれていたのに、わたくしは今まで気づきませんでした。
わたくしは、たとえわたくしが死んでもロランにはソシエさんがいてくれる。
キエルさんだってハリーだって生きているし、フランさんやキースさんだって生きている。
だからわたくしが死んでも、ロランはわたくしの死に囚われずに生きていける。
そう思っていました。でも、違ったのですね。
貴方はこんなにもわたくしを愛してくれている、大切に思ってくれている。
貴方にこんなにも愛されて、わたくしは本当に幸せです。
それなのに、わたくしはロランの好意を裏切ろうとしてしまったのですね…。
貴方の気持ちも考えずに、わたくしは…。
「ロラン…ごめんなさい、ごめんなさい…。」
ロランの嘆き悲しむ姿を見たわたくしはロランの手を取り、泣きながら許しを請いました。
「ディアナ様…。」
「わたくしは、貴方の気持ちも考えずにこんな馬鹿なことを言ってしまって…。
そのことで貴方がどれだけ苦しむかなんて…考えもしなかった。
ごめんなさい。本当にごめんなさい…。」
わたくしは床で跪いていたロランを抱き締めました。
ロランもまた、わたくしを抱き返してくれました。
「ディアナ様…僕は…。」
「ロラン、大好きです…。」
639命の灯火 10/13:2006/11/02(木) 00:15:34 ID:???
「…先ほどは大声で叫んだりして申し訳ありませんでした。」
「貴方が謝る必要なんてありません。悪いのはわたくしなのですから。でも、嬉しかった…。」
わたくしはロランの背中に回している手に力を入れました。
「?…どうしてですか?」
「ロランが、わたくしのことを大切に想ってくれているのが伝わりましたから。」
「あ…いや、その…はい…。」
「わたくし、もう二度と『いつ死んでも悔いは無い』なんて言いません。貴方と共に
いつまでも生きたいと思います。ロランと、ずっと一緒にいたい…。」
「僕もです、ディアナ様。」
そう言いながら、ロランもわたくしを強く抱き返してくれます。
「少しずつ、少しずつ体力を取り戻して、貴方の伴侶として、家事をこなしたい。
仕事もしたいです。わたくしはそんな未来を生きたい。」
「大丈夫です。希望を捨てないで、諦めなければ、きっとそうなりますよ。」
「そして、健康になったら…いつか貴方の子供を産みたい…。」
「そうですね、いつか僕と…ディアナ様の子供ですか!?」
どこからそんな声が出るのか?と思うほど高い声を上げながら
ロランは一瞬でわたくしから離れました。かと思ったらバランスを崩したらしく
尻餅をついて倒れていました。ロランは肝心なところで臆病なようですね。
「あら、女として最愛の人の子を産みたいというのはおかしなことではないでしょう?」
「い、いや、そそそうかもしれれませんけどど…子供を産むということは…その…あの…。」
「ロランは初心なのですね。そういうところが可愛いんですけど。」
「もう!からかわないでください!」
ロランの顔はこれ以上無いぐらい真っ赤でした。
ぜひ写真にして残しておきたいと思ったのは内緒です。
「子供も10人は欲しいですね。」
「…10人も産むつもりなのですか?」
「目標は高い方が良いでしょう?たくさんいた方が楽しい生活を送れると思いませんか?」
「そうですけど、大変ですよ。出産する体力をつけることも、子供を育てることも。」
「もちろん、わたくし一人では無理でしょう。でもロランがいるじゃないですか。
貴方がいてくれれば必ずうまくいきます。」
「いや、そうかもしれませんけど。」
「それとも、やはりわたくしには無理だと思いますか…?」
「…そんなことはありません!僕が精一杯、ディアナ様の手助けをします。
いつか必ず、10人の子供たちと生活できますよ!」
ロランは笑顔でそう答えてくれました。
貴方の優しさがわたくしには一番の活力になるような気がします。
640命の灯火 11/13:2006/11/02(木) 00:16:37 ID:???
「ケーキ、食べましょうか?」
「あ、そうですね。でもちょっと待ってください。」
そう言ってわたくしは、ポケットからこの日のために用意した
2本の蝋燭(ろうそく)を取り出しました。
「その蝋燭は?」
「20歳の誕生日ということで青と赤の2本の蝋燭を用意しました。」
わたくしは青色と赤色の二つの蝋燭をケーキに挿します。
「わざわざありがとうございます。でも、この蝋燭…。」
「蝋燭がどうかしましたか?」
「この生クリームといい、お菓子の家といい、そしてこの青と赤の蝋燭といい…。
なんだか今の僕とディアナ様みたいじゃありませんか?」
「…なるほど、それは思いつきませんでした。」
生クリームが雪の大地で、その雪の大地の上に小さな家があり、そこ住むわたくしとロラン、か。
この蝋燭がわたくしたちだとするなら、この2人はどんな毎日を
過ごしているのだろうか?周りには雪以外は何も無い完全に閉じられた世界。
そこには小さな家が一つあるだけで二人意外は存在しない世界。
でも、不幸ではない。幸せだろう。
愛しい人がいつも傍にいるのだから。この赤い蝋燭だって、きっと幸せだろう。
そう思うと胸が一杯になってきました。
「…アナ様…ディアナ様?」
「え?は、はい。」
「どうかしましたか?さっきからボーっとして。まさか、また熱でもあるんじゃないですか?」
「ね、熱なんてありませんよ!お気遣い無く!」
「でもお顔が真っ赤ですよ?ちょっと失礼…。」
「え?ちょっ!ロラン!?」
ロランはわたくしの頬を両手で抑えると、自分の額をわたくしの額に当ててきました。
ちょっとでも動けば口付けしてしまいそうな距離にあるロランの顔、
そしてその澄んだ瞳にわたくしは吸い込まれるような感じがしました。
わたくしは自分の脈拍が上がり体中が熱くなっていくのが分かりました。
頭の中が真っ白になってしまったわたくしは、指一本動かすことが出来ませんでした。
641命の灯火 12/13:2006/11/02(木) 00:17:35 ID:???
「…高熱ってほど熱があるわけじゃ無いみたいですけど、本当に大丈夫ですか?」
そう言いながらロランがわたくしから離れた時、ようやく声を上げることが出来ました。
「あ、貴方のせいです!!」
「?…そうなんですか?まあ大丈夫ならそれでいいんですけど。」
ロランは平然とそう言いました。わたくし、ロランに押されてる…?
先ほどまでわたくしの前で何も出来ずに顔を真っ赤にしていたあのロランを
目の前にして身動き一つとれなかったのかと思うと
わたくしも同じなんだと自覚し、嬉しいやら悲しいやら複雑な気分になり、
そんな自分自身がまた可笑しく思えてきました。
どうやらわたくしたちの間には問題が山積みのようですね。
「どうしたんですか?」
「いえ、わたくしも変わらないんだな、と思いまして。」
「はぁ、なんかよく分かりませんけど。じゃあ蝋燭に火をつけますね。」
ロランが蝋燭に火を灯したので、わたくしは部屋の明かりを消しました。
青と赤の蝋燭の炎は小さいながらもわたくしたちの周囲を明るく照らし出しました。
「ディアナ様、この蝋燭、こんなに力強く光っていますよ。」
この蝋燭たちは自分自身が強く光りながらもお互いを照らしあっているように見えました。
わたくしは、まず自分自身が強く光れるようにならなければならない。
そして、何かのきっかけで青い蝋燭の炎が弱まったときには、
青い蝋燭の分までわたくしが周りを明るく照らせるようになりたいと思いました。
「えぇ、綺麗ですね。わたくしもこの蝋燭のように力強く光りたい。」
「できますよ、ディアナ様なら。そして、いつか小さな10本の蝋燭たちも
立てられると思います。」
「そうですね。そのためにも頑張らなければなりませんね。」
「僕もお手伝いします。では、火を消します。」
そう言ってロランは蝋燭の火を勢いよく消しました。
「ロラン、誕生日おめでとう!」
わたくしは精一杯の感謝と思いをこめて伝えました。
部屋の明かりをつけた時に恥ずかしそうに照れていたロランの笑顔が印象的でした。
「ありがとうございます、ディアナ様。でも、この蝋燭に息を吹きかけたのはもう一つの意味もありますね。」
「もう一つの意味?」
「蝋燭の炎が消える時は…二人一緒です。」
「ロラン…はい…。」
わたくしはロランの言葉に目頭がまた熱くなってしまいましたが
笑顔で答えたかったわたくしは、なんとか涙を堪えました。
642命の灯火 13/13:2006/11/02(木) 00:18:38 ID:???
その後は2人で楽しくケーキを頂きました。
味には自信がありませんでしたが、今までで1番美味しいケーキでした。
「でも、今は2人だからいいですけど10人も子供がいたら
ケーキを12等分しなければいけなくなりますね。」
「子供がたくさんできたらキースさんのパン屋さんで大きなケーキを作ってもらいましょう?
3年前の舞踏会で出てきた地球と月のケーキぐらいの大きなケーキを。」
「そんな大きさのケーキを食べたら、いくら12分割でも太りますよ?」
「体力の基本は食事だから良いんです。いっぱい食べて体力をつけるんですから。」
「じゃあ明日からは辛いものが嫌だとか生臭いものは嫌いとか駄目ですからね。」
「え!?いや、それは…。」
「お母さんになるんでしたら、好き嫌いなんかしないでくださいね。
それから、今日はそれ以上ケーキを食べちゃ駄目です。明日にしましょう。」
ロランは残ったケーキを取り上げながら言いました。
「…ロランはいじわるですね。」
「誰のためだと思っているんですか?はぁ…。
これでディアナ様みたいな子供が10人も生まれたら大変だな…。」
「ロラン。今何か失礼なことを言いませんでしたか?」
「気のせいですよ、気のせい。」
「…なんか納得いきませんね…。」

今のやりとりだけを見た人がいるなら、わたくしたちを不幸だと思う人はいないでしょう。
だからこそ、わたくしは不安に襲われる時があります。
わたくしは、後どれだけ生きていくことができるのだろうか?
未来は誰にも分からない。わたくしだけでなく、ロランだってもしかしたら
明日死んでしまうことだって有り得るのですから、わたくしがいつ死ぬかなど分かるはずありません。
でも、もしわたくしの寿命が短命であったとしても、努力することでそれを先伸ばすことはできます。
だから、ロランの想いに応えるためにも、わたくし自身のためにも生き続けたいと思います。
あの赤い蝋燭のように、輝き続けられるように。
青い蝋燭の炎が消えるその時まで、共に輝いていられるように…。

ロラン、これからもよしなに。
643通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 00:26:26 ID:???
よしなにGJ
644通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 00:30:30 ID:???
泣いた
645通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 03:58:55 ID:???
GJ!

なんかロランとディアナと子供の話とか見たくなった

自分で作ってみるかな


あと気になったんだがキエル別荘での暮らしを支えてる収入はどこから?気になるぜ
646630-642:2006/11/02(木) 21:50:14 ID:???
>>643-645
レスどうもです。

>キエル別荘での暮らしを支えてる収入はどこから?
今回の場合に限り、ディアナ様の介護のためロランは外に働きにいけないので
事情を知っているキエル嬢とリリ様から生活資金を支援してもらっている
という設定にしています。
647age:2006/11/04(土) 23:06:16 ID:???
age
648通常の名無しさんの3倍:2006/11/04(土) 23:07:01 ID:???
前にSSでハイム家の運転手やってるらしいことがソシエの口から出た気が・・・




気のせい?
649通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 18:23:13 ID:???
>648
ロランの仕事(収入源)はSS職人さんによって違う。
ディアナ様がアルバイトするSSもあった。
それらも含めて楽しむのがよしなに日記。
650通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 23:40:39 ID:???
ディアナ様のアルバイトか。
以前ウェイトレスのバイトをしたのとかあったな。
ディアナ様萌えスレのほうにあったSSだと…まあ色々あった。
651通常の名無しさんの3倍:2006/11/07(火) 20:36:01 ID:???
表向きハイム家の長女だからハイム鉱山の収入から賄えるんじゃ。ソシエに遠慮して
その援助を断ってるかも知れないか・・・
652通常の名無しさんの3倍:2006/11/07(火) 23:30:17 ID:???
エピローグでのロランとディアナ様の生活でディアナ様が不健康だから
ソシエが生活資金を援助してくれるっていうならそれを受け入れると思うな。
むしろその好意を断ったりしたらそれこそ失礼なような気もするが…。

でも、2人が健康で普通に働いて生活してるなら誰からの援助も受けなさそう。
653通常の名無しさんの3倍:2006/11/11(土) 17:46:15 ID:???
保守するんですよーっ
654小ネタ 1:2006/11/12(日) 23:33:19 ID:???
雪の降る夜、ソシエと別れた車の中での2人

「ソシエさん…辛そうでしたね…。」
「…そうですね…。」
「ごめんなさい、ロラン。わたくしなんかのために…。」
「違いますよ、僕が自分で決めたことなんですから。ディアナ様の責任はありません。」
「…そう言えば、これからわたくしたちが暮らすコテージはどんな所なんでしょうか?」
「山の中にある小屋で緑にあふれた場所らしいです。僕も直接見に行った
わけではありませんが、近くにある湖がとっても綺麗なんですよ。」
「それは楽しみですね。」

それから車で移動すること数時間

「地図によると、このあたりなんですが…あ、あれですよ!」
「あれですか…。」
「はい、ね?綺麗なところでしょう?」
「それはそうなんですが、でも…。」
「でも?」



「ずいぶんこじんまりとしたコテージですね。」



「…へ?」
「中は…嘘でしょう?5つしか部屋がありませんよ!暖房器具は居間にしかありませんし、
しかも何故かコタツだし!2階でさえありませんし!」
「……。」
「ベットは安物もいいところだし、ベランダは狭いし、他にも…。」
「……(さすが月の女王様…。う〜ん、選んだ人を間違えたかな?)。」
655小ネタ 2:2006/11/12(日) 23:34:37 ID:???
衣替えをしていたある日

「あら?このドレスは…。ロラーン!」
「どうかしましたか?…あ!その衣装は!!」
「覚えてますか?貴方が舞踏会で着たときのドレスですよ。」
「何でこんなものがまだ残っているんですか…?」
「わたくしは知りませんよ。こっちに引っ越すときの荷物にまぎれていたんじゃないですか?」
「懐かしいと言えば懐かしいですけど…女装したときの衣装ですからね…。
見て嬉しいものではないですね。」
「そうですか?綺麗な衣装じゃないですか。これ、わたくしが着たら似合いますかね?」
「え?そのドレスを着るんですか?」
「捨ててしまうのももったいないですし…。ちょっと待っててくださいね。」

5分後

バタン!

「うわっ!ビックリした!!あれ?着替えたんじゃないんですか?」
「ロラン…。お腹を出しなさい…。」
「…へ?」
「今すぐ、服を脱いでお腹を出しなさい!!」
「は、はい!」
ロランに服を脱がせると巻尺を取り出すディアナ様。
「あの…いったい…。」
「動かないで!ウエストのサイズ…58センチ!…58センチ、58センチ…。」
「あの〜…ディアナ様??」
「…ぐすっ!うわぁぁぁん!!ロランのばかーーー!!!」
そう言ってローラの衣装を投げつけるディアナ様
「ディアナ様!」
「いいんです!わたくしが悪いんです!わたくしが運動もしないで食べて寝てばかりだったから!
でも、でも…この傷つけられた乙女心はロランには分かりません!!」
「どうしたんです!?何があったんですか!?」
「放って置いてください!!わたくしはランニングに行ってきます!!夕食もいりません!!!」
そう言って逃げるように外に行ったディアナ様。
「…どうしちゃったんだろう…ディアナ様。」
656小ネタ 3:2006/11/12(日) 23:36:39 ID:???
食事の準備をしているロラン

「ううっ…。寒いですね。ロラン、今日は何を作っているのですか?」
「今日は寒いのでおでんにしようと思っています。」
「おでん?どんな料理なのですか?」
「元々はエイジアの料理で大根や卵を鍋で煮込んで食べるんですよ。」
「それはおいしそうですね。…はぁ、それにしても寒いですね。」
「これからもっと寒くなるんですよ。大丈夫ですか?」
「どうしてこの間ストーブを出しておいてくれなかったんですか?」
「まさか今日こんなに寒くなるとは思わなかったんですよ。
もう少しでできますから我慢してください。」
「我慢できそうにありません…。そうだ!」

ピタッ

「暖かい♪」
「…なにしてるんですか?」
「抱きついてます。」
「そんなのわかりますよ!」
「行かないで、貴方!」
「なんのドラマですか…。これじゃ料理が出来ませんよ。」
「気合で頑張ってください。」
「無理ですよ!お願いですから離れてください。」
「ロラン、貴方はいつから女王に口出しできるほど偉くなったのですか?」
「…ずるいですよ、ディアナ様…。」
「ほら、頑張れ頑張れ。」
「くっ!切りずらいっ…。あっ!」

ブシュ!

「っっっっったぁぁぁ!!」
「ロラン!!大丈夫ですか!?すぐに救急箱を持ってきます!」
結局指を切ってしまったロラン
「お願いですから、台所でふざけるのは辞めてください。危険なんですから。」
「はい…ごめんなさい。」

刃物の扱いには気をつけましょう。
657通常の名無しさんの3倍:2006/11/13(月) 18:03:59 ID:???
ディアナ様ワラタ
658通常の名無しさんの3倍:2006/11/15(水) 06:43:03 ID:???
とてもおもしろい
659ディアナ様の幸せ 1/6:2006/11/15(水) 22:41:44 ID:???
ある晴れた日の午後

ピンポーン♪

「あら、お客様ですか?」
「こんなところまでどなたでしょうね?ソシエさんが遊びに来たのかな?」
玄関に向かうとそこにいたのは
「ごきげんよう、かつての大戦の英雄ロラン・セアック。そして、月の女王ディアナ・ソレル閣下。
いえ、元女王と言った方が正しいかもしれませんわね。」
「あ、貴方は…。」
「リリ・ボルジャーノ様!?」
「と、とりあえず中へどうぞ。」

「…久しぶりにお会いしたのに、お二方とも変わりませんわね。」
「このようなところまでわざわざご足労頂いて。本日はどのような御用でしょうか?」
「別に用があって来たわけではありませんわ。キエルと2人で今後のことを話したときに、彼女が
『ディアナ様とロランは今頃どうしてるのでしょう?』
なんて言うものですから私が直接見に来たというわけですわ。
それと、ロラン。これ、お土産のココアなんですけど、せっかくですから
いれていただけませんか?」
「あ…はい、わかりました。」
そう言ってリリ様が持ってきたココアを持ってキッチンへ向かうロラン。
「そうですか、キエルさんがそんなことを。」
「まだまだ問題は山積みですからね。今後のムーンレィスの地球移民。
それに伴う領土問題、食糧問題。戦争が終わって未だ続く地球人とムーンレィスの小競り合い。
月では月で問題があるようですし、大変ですわ。」
「は、はい…。それは本当にご苦労様です。」
「それに比べて、ディアナ様が羨ましいですわ。私だって休日らしい休日なんて20日ぶりですし、
キエルも寝る間も惜しんで公務に勤めてますし、ハリー大尉も一時も離れずに女王の警護をしているとか。
それと比べて殿方と一つ屋根の下でのほほんと暮らしている
ディアナ女王様が羨ましいことこの上ないですわ。」
「うぅ…相変わらずリリ様は手厳しいですね。」
660ディアナ様の幸せ 2/6:2006/11/15(水) 22:43:01 ID:???
「…で、実際のところどうなのです?」
「…何がですか?」
「何がって、彼との生活はどうなのです?」
「どうと言われましても…ロランはとても良くしてくれています。」
「そういうことではなくてですね、…彼とはどこまでいったのです?」
「え!?その…。」
「お子さんの予定とかあるのかしら?」
「いえ、わたくしたちは…。」
「あら、お二方とも子供はお嫌いでしたかしら?まぁ2人だけの
生活も良いとは思いますけれど。」
「いえ、そうではなくて…。その…まだ…。」
「…ま、まぁそうですね。物事には順序というものがありますし。
でも、キスぐらいはしたのでしょう?」
「いえ、その…あの…。」
「…へ?」
「わ、わたくしとロランは別にそのような関係ではないので…。」
「嘘…本当に?その手の話は全然無し?」
「はい…。」
「こんな何も無い山の中に若い男女が2人だけで暮らしてるのに?」
「そうです…。」
「……。」
「そ、そこで沈黙されるとすごく辛いんですけど…。」
「あ…ご、ごめんなさい。いや、奥手な方だろうとは思ってましたが
私の予想を超えていたものですから…。」
「……。」
「…向こうからそういうアプローチを受けたことってあるのですか?」
「いや、特にそのようなものを受けたことはありませんけど。」
661ディアナ様の幸せ 3/6:2006/11/15(水) 22:44:15 ID:???
「……(よく彼も我慢していられるわね。
もしかして、本当にロランじゃなくてローラなのかしら?)。」
「…リリ様?」
「あ、ごめんあそばせ。ディアナ様はこのままで良いのですか?」
「…別にわたくしは今の生活でも十分幸せですし、
でも、もしロランがそれを望むのなら、わたくしはかまわないとは思ってますけど…。」
「もう一度聞きます、本当にこのままで良いのですか?」
「は、はい…。」
「はぁ、それでは駄目なのです!いいですか?男が女を、女が男を求めるのは
自然の摂理なのです!黒歴史が始まる前からあったことなのですよ!?」
「そ…そうですけど…。」
「…彼の性格上向こうからの誘いは絶望的なのですからディアナ様が誘わないと。」
「ですけど…。」
「このままですと、50年経っても進展がありませんよ?」
「50年…。」
「えぇ、他の皆さま方は子供や孫に囲まれてるのに
未だに二人しかいないこの家の50年後が手に取るようにわかります。
それでもよろしいのですか?それがディアナ様のお望みなのですか?」
「…さすがにそこまで考えたことはございませんので…。」
「一度、きちんと考えた方がよろしいと思いますよ、お互いのためにも。」
「…はい。ご忠告、ありがたく承りました。」
「どういたしまして。」

「大変お待たせしました。リリ様から頂いたココアをお持ちしました。」
「ご苦労様。しかし、貴方も罪な人ですね。」
「…どういう意味です?」
「それが分からないから、罪な人だというのですよ。」
「??」
662ディアナ様の幸せ 4/6:2006/11/15(水) 22:45:36 ID:???
リリ様が帰られてからお風呂にて

(ふぅ、疲れが取れますね…。)

「彼の性格上向こうからの誘いは絶望的なのですからディアナ様が誘わないと。」
「このままですと、50年経っても進展がありませんよ?」
「一度、きちんと考えた方がよろしいと思いますよ、お互いのためにも。」

(リリ様はあんな風に仰られてましたけど、わたくしだって
どうしたら良いものか…。でも、今は良くてもたしかにずっとこのままというのは
寂しいかもしれませんね…。)

ガチャ

「ふぅ、今日も疲れって…………。」
「ロ、ロラン!?」
「!!うわー!!すみません間違えましたごめんなさいーー!!」

バタン!

「……。」
(あれではロランに期待はできませんしね。なにか良い方法は無いものでしょうか…。
そうだ!あれがあるじゃないですか!)

お風呂から出た後

「本当に申し訳ございませんでした!!考え事をしていてディアナ様が
入浴していることに気づきませんでした!!」
「そのことはもう良いのです。それより、ロランに頼みがあります。」
「はい、ディアナ様の頼みでしたらなんでも致します。」
「そんなに畏まらないでください。貴方がお風呂から出たら、
わたくしとお酒を付き合っていただけませんか?」
「お酒ですか?珍しいですね。どうしたんですか?」
「なんだか急に飲んでみたくなりまして、一人で飲むよりは
ロランと一緒に飲んだほうが楽しく飲めそうですし、よろしいですか?」
「そんなことでよろしければ、お付き合いさせていただきます。」
「じゃあロランはお風呂に入ってください。その間に準備をしておきますから。」
「分かりました。」
(お酒を使うのは少々卑怯なのでしょうけど、こうでもしないとね。)
663ディアナ様の幸せ 5/6:2006/11/15(水) 22:46:40 ID:???
「じゃあ乾杯といきましょうか。」
「はい。頂きます。」
「ロランはお酒は強いのですか?」
「分かりません。いつもお酒飲むと記憶が無くなっちゃってるんですよね。」
「そうなんですか、まあこれからわかりますよ。」

30分後

「ロランはお酒に強いようですね。」
「そんなことありませんよ。もう頭が回ってませんもん。」

さらに30分後

「ははは、おいしいれすね。ディアナ様もいかがれすか?」
「わ、私はもう結構です…。ロランもそろそろ辞めておいた方が…。」
「何言ってるんれすか。まだまだこれかられすよ。」

さらに1時間後

「…なんですよ、うぅ。ソシエお嬢さんは本気で叩くし
グエン様もローラローラうるさいし…僕はローラじゃないってのに!!うぅ…。」
「ロラン、これで涙を拭いてください。」
「ずびばぜん、ディバナざま。うぅ…。僕だって、僕だってムーンレィスなんですよー!」
(はぁ、どうしてこんなことに…これじゃ当初の予定と全然)
「ディアナ様!!ちゃんと聞いてるんですか!!!」
「は、はい!ちゃんと聞いてますよ!!」
「…でね、きえるおじょーさまだってほんとーは…」
「……。」
664ディアナ様の幸せ 6/6:2006/11/15(水) 22:48:28 ID:???
さらに1時間後

「zzz…。」
「…ふぅ。やっと眠ってくれた…。見事に失敗しましたね、はぁ…。」
「う〜ん…。ディアナ様…。」
「え!?」
「zzz…。」
「なんだ、寝言ですか…。」
「ふふ…。」
「?」
「ディアナ様…れからも、一緒に…。ずっと…緒に…。」
「ロラン、貴方…。」
「zzz…。」
「うふふ、当初の目的とは違っちゃいましたけど、可愛いから許してあげます。」
(でも、このままだと風邪を引いてしまいますね。でもわたくしの力では
ロランを寝室に運ぶことなんてできませんし…。布団を持ってきましょうか。)
ロランのために布団を用意してロランを起こさないように
布団に寝かしつけるディアナ様。
「これでよしっと。」
「zzz…。」
「寝てるときに無理矢理というのは卑怯ですよね、でも…。」
ロランの布団の中に入るディアナ様
「このくらいならバチは当たりませんよね、ロラン?」
「zzz…。」
「ロランの抱き枕…温かい…。
おやすみなさい、愛しいロラン。これからもよしなに。」
「zzz…。」

次の日の朝、にわとりの鳴き声よりも早い時間に
ロランの大声が山のふもとまで聞こえたとか聞こえなかったとか。
665通常の名無しさんの3倍:2006/11/16(木) 01:17:14 ID:???
ロラン!俺と代われぇ!
666通常の名無しさんの3倍:2006/11/16(木) 12:31:37 ID:???
よしなに
667通常の名無しさんの3倍:2006/11/16(木) 18:04:25 ID:EflE7zYm
よしよしなになに
668zash:2006/11/16(木) 22:28:07 ID:???
ナニが良し
669通常の名無しさんの3倍:2006/11/18(土) 23:55:57 ID:???
よしなに
670通常の名無しさんの3倍:2006/11/19(日) 02:47:16 ID:???
よちなに
671通常の名無しさんの3倍:2006/11/19(日) 13:50:44 ID:???
ロランの日記

○月×日

朝、いつまでたってもディアナ様が起きてこられない。まぁそれは何時ものことだったので、ディアナ様の部屋にいったら
既に目を覚まされていたようだったんだけど『入ってこないでください!!』と部屋の中から叫ばれていた。声からして、
なにか尋常でないことを悟った僕は無理矢理部屋に入ると…そこには確かにディアナ様がいた。でも、ディアナ様は
僕の知っているディアナ様じゃなかった。 豊満なバストも、抑揚のあるボディラインも消えうせた…幼い少女がそこにいたんだ。
…なんだか文章を書いていたら、また頭の中が混乱してきた。明日、もう一度状況を整理してみようと思う。
672通常の名無しさんの3倍:2006/11/19(日) 22:09:01 ID:???
ロリ娘ディアナ様ハァハァ
673通常の名無しさんの3倍:2006/11/20(月) 20:06:49 ID:???
実はロランの願望に、ナノマシンが反応したのか?!
674通常の名無しさんの3倍:2006/11/21(火) 15:45:34 ID:???
ああーあれかキスしないとどんどん若返る病気だな
675通常の名無しさんの3倍:2006/11/21(火) 18:07:24 ID:???
  .., -ー-、.
 <___,-=◎=〉
 i’ |-|*゚ー゚)|  ヨチナニ
 ゝ,|,.|つ円こllつ
 (⌒).,_,.⌒^) 

     川   ぼいんっ
   ( (  ) )
676通常の名無しさんの3倍:2006/11/22(水) 00:25:32 ID:???
      .., -ー-、.
     <___,-=◎=〉
     i’ |-|*゚ー゚)|  ヨチナニ
     ゝ,|,.|つ円こllつ
     (⌒).,_,.⌒^) 
≡ヘ( `Д)ノ
≡ (┐ノ  ディアナ様げっと!
≡  /
677通常の名無しさんの3倍:2006/11/22(水) 01:25:08 ID:???
             ノ∩
           ⊂>>676
            /( 。A。 )っ
            U ∨ ∨
   __    ・@;∴‥
  //ヽヽヽヽ∩  :: :.
  川 ´∀`)/  :: :: <ディアナ様はわたしません!
  (つ 》 》/  :: :'
  人⌒l ノ  :: ::
  し(_)
678小ネタ 4:2006/11/22(水) 01:34:52 ID:???
「さて、朝食の準備もできたし、ディアナ様を起こしに行くか…。」
ディアナ様の寝室のドアの前でロランの見たものは



『ただいま冬眠中。起こしたものにはディアナの法の裁きを受けていただきます。』



「はぁ…昨日の夜、一生懸命何を作ってるのかと思えばこんなものを…。」
一つため息をついた後、勢いよくドアを開けるロラン
「ディアナ様!朝ですよ!起きてください!」
「…うぅ…。」
「ほら、朝ですよ!朝食が冷めてしまうので早く起きてください!」
「…ドアの前の札が読めなかったのですか?今女王は人工冬眠に入っているのです。
邪魔しないでください…。」
「馬鹿なこと言ってないで、起きてください!!」
無理矢理布団を引き剥がすロラン。
「寒いです…。寒い…。」
「ほら、早く起きて着替えてください。今日もいい天気ですよ。」
「天気はどうでもいいので後5分だけ寝かせてください…。」
「駄目です!言うこと聞かないと朝食抜きにしますよ!?」
「わかりました…。着替えますから部屋を出てください。」
「最初からそうしてください。下で待ってますから。」
そう行って部屋を出て行くロラン。
「…後5分だけ寝させてもらいましょう。」
…結局そのまま眠ってしまうディアナ様。
数分後にどこからともなくシンバルを取りだしたロランが寝室に向かったとか。
679小ネタ 5:2006/11/22(水) 01:36:48 ID:???
ロランたちの住む小屋に遊びに来たソシエとの3人の様子

「この家って暖炉があるのね。初めて見たわ。」
「ディアナ様の強い要望がありまして、この小屋の完成間際に急遽作ってもらったんです。」
「へ〜。どうしてディアナさんは暖炉が欲しかったの?」
「だって暖炉には煙突があるでしょう?煙突がないとサンタクロースさんが
入ってこれないじゃないですか?」
「…は?」
「……。」
「もうすぐクリスマスですよね。プレゼントには何をお願いしましょう?」
「…ひそひそ(ねぇ、ディアナさんって、もしかしてサンタクロースが本当にいると思ってるの?)。」
「…ぼそぼそ(そうみたいなんですよ。本当のことを言おうと思ったんですけど
ディアナ様の嬉しそうな顔を見ると言うに言えなくて…。)。」
「…ひそひそ(馬鹿ねぇ…。信じたままでプレゼントが貰えなかったら
それこそ本人が傷つくだけなのよ。それでもいいの?)。」
「ぼそぼそ…(僕も少しは貯金がありますので、そんなに高いものじゃなければ
なんとかなるとは思ってるんですけど…。)」
「何がいいかしらねぇ…。ダイヤの指輪、じゃあ夢がありませんし…。
一面のお花畑とか良いかもしれませんね…。地球と月の平和とかも良いですね!」
「…ぼそぼそ(既にプレゼントって次元のものじゃないわよ?)」
「…ひそひそ(最低ラインがダイヤの指輪なんて…僕はどうしたらいいんですか?)。」
「ロランは何か欲しいものとかあるのですか?」
「え!?い、いや…。僕はディアナ様やソシエさんが健康でいてくれれば…。」
「ロランは無欲ですね。クリスマスまでに欲しいものを考えておきましょう♪」
「…ぷくく(あたしは知らないわよ。頑張ってね、ディアナさんのサンタクロラン。)。」
「…しくしく(はぁ…。僕はどうしたらいいんだろう。)。」
680小ネタ 6:2006/11/22(水) 01:38:42 ID:???
「…ところでさ、なんでこの家ってテレビが2台あるの?」
「…色々あったんですよ。」
「はい…あの時のロランは忘れもしません。」
「どういうこと?」
「以前なんですけど…。」

テレビが一つしかなかったころ

「今日はついにドラマ『千年の恋』の最終回なんですよ!?
千年間、愛する人を想い続けてきた悲劇のヒロインがその生まれ変わった人を失って、
絶望しているところに主人公の男の子がどうするのか?この二人の恋の行方は?
ついに今日決まるのです!これを見ないわけにはいきません!」
「いいや、特番の『衝撃!黒歴史の真実に迫る!』です!いままで禁忌とされていた
黒歴史の真実を徹底的に明かそうと製作スタッフが1年の年月を掛けてきたものなんです。
これを見ないわけにはいきません!」
「ロラン!貴方は女王に逆らおうというのですか!?」
「今はもう女王ではないでしょう!?そんなことでは譲れません!」
「ならばチェスで勝負をつけましょう!勝ったほうが見たい番組を見る!!」
「その勝負、受けましょう!」

こうしてみたいテレビ番組を掛けてチェスで戦うこと3時間

「これで…チェックメイトです!」
「そんな…千年の恋が…愛の行方が…。」
「さぁて、テレビテレ…あぁ!!」
「…うぅ…恋の行方が…って、どうしたのですか?」
「…勝負に集中しすぎて、時間を忘れてました…。」
「そういえば…わたくしのほうも終わっているようですね。
仕方ない、3日後にやる再放送で我慢しますか…。」
「そんな!僕の方は今日限りだったのに!!だったら譲ってくれてもいいじゃないですか!?」
「分かっていませんね。ドラマと一緒にパソコンで実況chで他の人と
泣き、悲しみ、笑うのが良いんじゃないですか?」
「そんな、僕は…。うあぁぁぁぁぁ!!!」

「…それからはそんなことが無いようにとテレビをもう一台買ったわけなんです。」
「あのときの悲しみを僕は忘れません!過ちの歴史は繰り返してはいけないんです!!」
「…どっちも馬鹿じゃない?」
681通常の名無しさんの3倍:2006/11/22(水) 23:52:11 ID:???
よしなにうむ補充完了
682通常の名無しさんの3倍:2006/11/23(木) 17:31:26 ID:???
ユニヴァース!!
ユニヴァース!!
683通常の名無しさんの3倍:2006/11/25(土) 19:45:33 ID:???
684通常の名無しさんの3倍:2006/11/25(土) 23:41:42 ID:???
>>683
ローラに投票すればいいんでしょうか
685通常の名無しさんの3倍:2006/11/26(日) 05:46:45 ID:???
よしなに
686通常の名無しさんの3倍:2006/11/26(日) 14:49:54 ID:???
∀ガンダムキャラ人気投票で一位を獲得したディアナ様なら何とかなる
687時の人、ローラ・ローラ 1/5:2006/11/26(日) 23:33:47 ID:???
ビシニティまで買い物に来ていた二人。

「今日もいっぱい買いましたね。」
「普段は町まで来れませんからね。せっかくですから本屋によってもよろしいでしょうか?」
「良いですよ。何か欲しい本があるのですか?」
「特に欲しい本があるわけじゃないですけど、なかなか本屋にも来れないので
何かめぼしい本はないか…あっ、この本は!」
ロランが一冊の本を手に取る。
「この雑誌がどうかしたのですか?タイトルは…『大戦の記録』?」
「フランはご存知ですよね?以前今回の戦争を本にして纏めたいと
言ってたんですが、これがそうなんですよ。」
「そうだったんですか。どれどれ…。」
その雑誌にはミリシャとディアナカウンターの戦争の経緯、
戦争をした兵士の写真、戦争で逃げ惑う人々、
カプルやボルジャーノンといった機械人形の説明などが掲載されている。
そして…。
「この記事、ロランのことじゃないですか?」
「そうですね。…なんだか恥ずかしいな…。」
そこには∀ガンダムのパイロットであったローラ・ローラの舞踏会での写真や
∀の戦闘の写真が掲載されている。
「でも、どうしてロランじゃなくてローラの名前なのでしょうか?
フランドールさんは貴方の知り合いでしょう?」
「僕がフランから取材を受けたときにローラの名前にして欲しいって頼んだんです。
僕は有名になったりするのって好きじゃないですし、以前新聞に掲載された時も
ロランじゃなくてローラにしてくれましたし。」
「なるほど、フランさんの計らいですか。他にも似たような雑誌がいくつ…。え…これは…?」
「…どうされたんですか?」
「あの、この雑誌…。」
そう言ってディアナ様が手に取っていたのは
「この雑誌がど…『月刊ローラ・ローラ12月号』!?」
そこにはドレスを着たローラが表紙の雑誌が一冊だけある。
「ど、どんなことが書いてあるんでしょう?」
「嫌な予感が…。」
688時の人、ローラ・ローラ 2/5:2006/11/26(日) 23:35:11 ID:???
ディアナ様が1ページ目を読み上げる。
「えっと、
『地球と月の戦争から早一年。今回の戦争で町は焼かれ、
多くの人が血を流した。戦争当初は停戦協定によりイングレッサ領を除けば被害はほとんど無かったが
かつてのイングレッサ領のミリシャを率いていたグエン・サード・ラインフォード卿
がギンガナム軍と地球に降下してから状況は一変。アメリアは戦火に飲まれた。
かつて無い大戦によって誰もが絶望する中で、この戦争に終止符を打ったのは
ローラという名のムーンレィスの少女だった。
戦争終結後には完全に表舞台から姿を消してしまった彼女だが、
そんなローラを知った人々は『平和の女神』として崇める者も多く、数多くの伝説を残している。
そんな多くの謎を残すローラ・ローラの真実に迫る。』
…だそうです。」
さらにディアナ様がページをめくると舞踏会でのローラの写真や
建国宣言でのローラの写真が掲載されている。
「この本はどちらかというと戦争よりもローラその人を中心に載せていますね。
読者の感想まで載っていますよ?」
「…どんなのがあるんですか?」
「14歳の女性の方から。
『ローラさんって本当に美しい。私もいつかローラさんみたいになりたい!』
41歳の女性の方からは
『今回の戦争が伸びていたら私たちの家族の誰かを失っていたかもしれません。
ローラさんには本当に感謝しています』
20歳の男性の方から、
『ローラはなんで私の側にいようとしないのだ!私は、私は!ローラ!!』
他には…。」
「もう結構です…。なんだか、頭が痛くなってきました。」
689時の人、ローラ・ローラ 3/5:2006/11/26(日) 23:36:50 ID:???
そう言って本を置くディアナ様。
「ロラン、大丈夫ですか?」
「はい、はい…大丈夫です。でもあんな本買う人がいるわけ」
そんな僕たちの前に若い男女がやって来て、
「おい!見てみろ!『月刊ローラ・ローラ12月号』があったぞ!」
「マジ!?やったじゃん!!10件以上回って見つかったのここだけだよ!速く買おうよ!」
「あぁ俺たちは運がいいな。オークションで定価の数十倍の値段で買う奴もいるのに!」
「今じゃ老若男女問わず大人気だもんね〜。早く買おう!!」
そんな男女のやりとりを見た2人は
「どうやら今の男女のやりとりから見て、ローラ・ローラは時の人のようですね。
わたくしが女王の時でもあそこまでの人気はありませんでしたよ。」
「……。」
「落ち込んでますか?」
「…あたりまえでしょう…。僕は男なんですよ…。」
「…帰りましょうか。今夜はわたくしが食事の準備をしますから。」
「すいません、ディアナ様。お願いします…。」

落ち込むロランをディアナ様が慰めながら車まで向かっていると…。

「ロラン、今気づいたのですけど、なんだかローラと同じ
ファッションをしている人が多くありませんか?」
「ディアナ様もそう思いますか?僕の銀色の髪なんてそうあるものじゃないのに
髪型も、服装も、肌の色まで同じ格好の人がこうゾロゾロいると…。嫌でも目に付きますよ。」
「しかもあれ…。ローラの銅像ですよね?」
商店街の中心地にはローラの像が建っている。
「もう言葉もありません…。」
「ロラン、本当に大丈夫ですか?どこかで休みましょうか?」
「いや、ここにいると余計具合が悪くなりそうなので早く帰りたいです。」
「分かりました。もう少しですから、頑張ってください。」
690時の人、ローラ・ローラ 4/5:2006/11/26(日) 23:38:27 ID:???
ようやく駐車場の側まで来るとそこには

「ロラーン!」
「あ…フラン!」
「フランドールさん?」
「久しぶりね、ロラン。キエルさんもお変わりなく。」
「こんにちは、フランドールさん。」
「どうしてここに。仕事はどうしたの?」
「取材でここに来たのよ。で、今は休憩中だったんだけど
たまたま2人の姿を見たものだったから。」
「そうだったんだ。大変なんだね。」
「ロランだって、普段は畑で野菜作ったり、材木を売ったりしてるんでしょ?
仕事が大変なのはみんな同じよ。」
「それもそうだね。」
「あっそうそう!ちょうど良いから今渡しておくわ。
あたしが預かってたんだけど、この間の雑誌の報酬ね。」
「あ、ありがとう。え…?こんなに貰ってもいいのかい?」
「なんでもローラの記事を掲載したせいか飛ぶように売れてるらしいわ。
そんなつもりでロランの記事を載せたわけじゃないのに…。皮肉な話よね。」
「まあ、しかたないよ。」
「ごめんね、ロラン。あたしがロランの記事を載せようなんて考えちゃったから…。」
「フランが悪いわけじゃないさ。それに、フランがしなくても他の出版社はそういった
本を出してるだろうし、その言葉だけで十分だよ。」
「ほんとにごめんね。今度時間ができたら一緒に食事でもしない?キースたちも呼んでさ。」
「それはいいね。お嬢様もよろしいですか?」
「はい。その時を楽しみにしています。」
「じゃあ、あたしはそろそろ仕事に戻るね。」
「うん、フランも頑張って。」
「ありがとう。じゃあね!」
立ち去るフラン。
「フランさんって優しい方なんですね。」
「そうですね。でも、ディアナ様だって優しいですよ。」
「ふふ、ありがとう。ロラン、笑顔が戻りましたね。」
「あぁ…。そうかもしれませんね。」
691時の人、ローラ・ローラ 5/5:2006/11/26(日) 23:39:31 ID:???
帰り道の車の中で

「しかしこんなに報酬が出るとは思わなかったな…。
ほんのちょっと質問に答えただけなのに。」
「フランさんが飛ぶように売れたと仰ってましたし、特別報酬なのでしょうね。」
「そうですね。このお金、どうしましょうか?」
「そのお金はロランが稼いだお金です。貴方の好きに使いなさい。」
「よろしいんですか?」
「えぇ。貴方は休むことなく頑張っているのですから、たまには贅沢してください。」
「じゃあ…2人で旅行にでも行きませんか?」
「それはいいですね。でも、わたくしに気を使わなくてもいいのですよ。
本当にそれでよろしいのですか?」
「はい。僕としては、このお金はディアナ様にも使っていただきたいですし、
2人で遠出することってあんまりないじゃないですか?
だからどこか旅行にでも行きたいなぁ、と思いまして。」
「そうですね、2人で旅行なんて初めてですね。」
「今の時期なら温泉とか良いんじゃないですか?体も温まりますし。」
「そのあとは美味しいお酒を飲みながら食事ですね。」
「食べ過ぎてお腹を壊したりしないでくださいよ、ディアナ様?」
「わかってますよ。いつごろ行きましょうか?」
「せっかくだから速いほうが良いですよね。家に帰ってからゆっくり決めましょう。」
「旅行に関して言うならローラ・ローラ様様ですね。」
「まあ、発想の転換ですね。」
「これだけのお金が手に入るなら、もう一回ローラになりますか?」
「それは絶対に嫌です!」
692通常の名無しさんの3倍:2006/11/26(日) 23:41:05 ID:???
なーんつってなwwwwwwwwwwwwwwwwww
693通常の名無しさんの3倍:2006/11/28(火) 23:03:14 ID:???
アゲ
694通常の名無しさんの3倍:2006/11/29(水) 00:47:17 ID:???
痔穴・外出(ディアナ・ソレル)
695通常の名無しさんの3倍:2006/11/29(水) 07:54:53 ID:???
イボ痔が悪化して眠れなかったのですか?
696通常の名無しさんの3倍:2006/11/30(木) 02:36:32 ID:???
中の人のお誕生日記念パピコ。

   .., -ー-、.
  <___,-=◎=〉
  i’ |-|*゚ー゚)| よしなに
  ゝ,|,.|()円,こllつ
  |^| ,∪ ==|  
  y ゝ、__〉,_〉
    ∪ ∪
697通常の名無しさんの3倍:2006/11/30(木) 04:02:54 ID:???
中の人も外の人も、ぼちぼち年齢の話題は厳しs
698通常の名無しさんの3倍:2006/12/02(土) 22:14:02 ID:???
そろそろちょっとエッチなよしなに日記もキボンヌ
699通常の名無しさんの3倍:2006/12/03(日) 08:49:06 ID:???
ディアナが孕んじゃうお話キボンヌ
700通常の名無しさんの3倍:2006/12/06(水) 01:02:58 ID:???
保守
701通常の名無しさんの3倍:2006/12/10(日) 00:50:20 ID:???
ロラン「保守します、ディアナ様。」

ディアナ「よしなに。」
702通常の名無しさんの3倍:2006/12/13(水) 23:15:40 ID:???
ディアナ様!そろそろクリスマスですよ!!
703通常の名無しさんの3倍:2006/12/17(日) 20:15:22 ID:uCjfU67+
保守あげ
704通常の名無しさんの3倍:2006/12/21(木) 00:54:14 ID:???
定期的に保守
705通常の名無しさんの3倍:2006/12/21(木) 01:54:25 ID:???
冬眠中です
706黄昏のスナイパー:2006/12/23(土) 11:33:55 ID:???
ソリ年 トナカイ月 エントツ日・・・プレゼントではなく漆黒の相棒を携えて。


明日は年に一度のクリスマスイブ。
そろそろ例のごとく「奴」が活動し始めるころでしょう。

目的が健全な事であれば歓迎いたしますが、何せ相手は「奴」。
本人にとっては健全でも目的の人物及びその周辺の人たちには
ただの迷惑です。いえ害毒です。

今年も2、3発撃ち込んで来ましょう。


よろしくお願いしますね、相棒。
あなたとも長い付き合いですね。来年こそは、壁に置かれて安眠して頂きたいものです。

さて、そろそろ出かけますか。どっこいしょ・・・・・・



あらやだ!!

よ、よしなに
707通常の名無しさんの3倍:2006/12/23(土) 21:33:15 ID:???
ちょwwwww『どっこいしょ』ってwwwww





(゚Д゚;)マサカデンセツノ[ヨッコラショット]ヲツカウノカ!?
708通常の名無しさんの3倍:2006/12/23(土) 22:24:28 ID:???
多分その相棒は一生手放せないでしょうw

これからも書いてくれ
709通常の名無しさんの3倍:2006/12/24(日) 05:50:37 ID:???
 雪が降って、溶けて、水になり、大地に吸収されて生命を育む。結局、ただ大空をさ迷う雲も地に足を着けなければならない運命を持っている。
 美しい鳥も、七色の蝶も、大地を這い、空を飛び、また大地を這う・・・
 ずっと空にいることなど不可能なのだ。
「だからわたくしはこうしてお空から地球に帰ってきたのね」
 雪が一面に振り積もる白銀の世界を悠然と見つめる金髪の少女。
 いつかこの白銀の景色も消える。そして自分も。
 だが、そんなことはどうでもよかった。
 自分の前を歩く銀髪の方が美しく、愛しく、自分が消えてもいつまでも側にいてくれるように思えたから。
「しかし寒いなー」
 やや黒みがかった銀髪を振り乱し、雪路を踏み固めながら進路を作る少年が、誰に言うわけでもなく呟いた。
「慣れないんですよね、この寒さだけは」
「そうみたいね」
 そう言って少女は銀髪の少年に身をすくめ寒そうなそぶりをして見せた。
 つられて少年も苦笑する。
「ねえロラン?寒いですよね?」
「そうですね、ディアナ様」
「じゃあ人肌で温めて♪」
「さ、さささあ行きましょうか・・・」
「もう、冗談ですよ」
710通常の名無しさんの3倍:2006/12/24(日) 06:18:29 ID:???
 身内でクリスマスパーティをやる予定で、そのためにロランと二人でパーティ会場となる街に向かっていた。
「まさかこんなに降るとは・・・」
「予想外でしたね」
 ロランの言うように昨日の昼まではそこまで降って無かった。どうやら夜のうちに積もったらしい。今では膝まで深く入るぐらい積もっていた。
「パーティまでに着くかしら・・・」
 普段なら街までに半日かからない。せいぜい3時間程度である。しかし慣れない雪に足を奪われ、吹雪いてはいないが、今なお降り続く雪に視界を奪われ方向感覚に狂いが生じる。
 しかも大雪に備えた行軍の準備のために、出発するまでに予想以上の時間を奪われた事も計算外だった。
 時刻はとっくに正午を過ぎていた。
「・・・お腹減りましたわね」
「そうですね」
 疲れも溜っている。
「ディアナ様、もう少ししたら休憩しましょう、確かいつもの道にコテージがあったはずです」
「分かりました」
 間に合うのか、いやそもそも無事に着く事が出来るのか。
 一抹の不安を振り払うかのように笑顔を作って見せた。
 間に合うとは思うが、あまり良い状況では無かった。

711通常の名無しさんの3倍:2006/12/24(日) 07:21:30 ID:???
 どれくらい歩いたのだろうか。
 風が強くなり、大分視界が遮られている。
 道は平地から森の中に入った。道なき道、道しるべとなるものが無いが、いつも街へ行くときの通り道。いつもの感覚から言えば道中のコテージに着いていてもおかしくない。
 迷ったか?いやそんなはずはない。
「ディアナ様!」
「大丈夫です、追い付けます・・・」
 ロランが必死に道を作る。その後を数歩歩く。それだけなのに・・・
 不甲斐無い。本当に足手まといだ。こんなことならパーティに行かなければよかった。
 いや、ロラン一人でも行かせてもよかったのだ。それならとっくに着いていたはずだ。
 自分なんかどうでもいい。ロランだってわたくしを置いてさっさと行きたいはずだ。
「ディアナ様!聞こえてますか!ディアナ様!」
「・・・」
 疲れと寒さで意識が朦朧とする。普段考えないことが頭をよぎる。
「ロラン・・・わたくし・・・」
そこからの記憶は無かった。
ただ、ロランの温もりをずっと感じていた気がした。
712通常の名無しさんの3倍:2006/12/24(日) 22:15:46 ID:???
>>709-711
乙です。
乙なんですが…。
このあとディアナ様疲れて倒れたのか?それとも…。
なんだか>>709の最初の文を見てるともう一つの予想もできるんだが…。
713通常の名無しさんの3倍:2006/12/24(日) 23:06:47 ID:???
>>706
乙です。往年の首吊り氏のネタの続編ですな……もしや御本人で?

>>709-711
乙。とりあえず続きplease!
714通常の名無しさんの3倍:2006/12/25(月) 03:10:21 ID:???
「ロラン・・・」
 意識がハッキリしない、ただ、光の先にあるようなものを呟いた。一言。それは呪文?
 とにかく、それを唱えればきっと、光が見えてくる気が――
「ディアナ様?」
 光の先、目に写ったのは暖炉に薪を投げ入れる少年。炎に照らされて揺らめく銀髪。神秘的というより、なまめかしく、艶やかな光景に見えた。
「・・・・気を失ってしまったのですね」
 ここはどこだか分からない。ただきっとロランが、気を失った自分を先ほど言っていたコテージに運んだというのが容易に想像できる。
「こんな生に意味があるのかしら」
 命拾いをした。決してそうは思わなかった。ただ単純にまだ生きていたのだ、そう感じた。
 かたや疲弊した顔。自分に悟られないよう必死に作り笑いを浮かべる美しい顔。
 なのに命が惜しくないという自分。
「ロラン?」
「なんですか?」
「わたくしは罪深い女ですね」
「・・・そんなことは無いですよ」
 言葉の意味は分からなかったが、なんとなく否定したくなった。
715通常の名無しさんの3倍:2006/12/25(月) 03:25:11 ID:???
「パーティは無理ですね」
 窓をのぞく。だいぶ風が強くなり吹雪いている。
「とにかく、ここに来て正解でしたね」
 行軍を休止し、湖の近くにある人里離れた貸しコテージ群に居る。ここは夏は観光客で賑わう。冬も湖に張られた氷が絶景で、やはり観光名所となっている。そのため、なかなかコテージの空きが無い。
 だがダメもとで先ほどコテージの管理者に訪ねたら、たまたま空いていたというコテージを1つ借りる事ができた。
「暖房もガスもありますから、死にはしないでしょう」
「・・・残念なことにね」
 聞こえないように呟く。
 もともと納屋のようなを空間を改造し、トイレや暖房設備を増設した(ように見える)、粗末な部屋。
 なんとなくたまたま部屋を借りられた理由が分かる。
 とにかく二人でも狭い。というより
「ベッドが1つしかないのね」
 既に起き上がり、ベッドに腰かけてロランと対峙している。一方ロランは地べたに座り、暖炉の管理をしている。
 自分としては一刻も早くロランを横にさせたい。
「大丈夫ですよ、ディアナ様」
「でも・・・」
 腕を引っ張っても動こうとしないロランをどうすることもできなかった。
716通常の名無しさんの3倍:2006/12/25(月) 03:52:28 ID:???
「パーティ」
「はい?」
 ふいに出た言葉、そして事の発端。うつ向いた顔が自分を見上げた。
「皆さん心配してないかしら」
「うーん、まあ招待状が来ただけで行くとは言ってませんからね」
「そう・・・ですね」
 あまり深くは考えないことにした。どのみち何も出来ないのだ。
「・・・」
「・・・」
 ロランと一緒に居て、かつてこんな状況があっただろうか。意味のある事も、意味のないことも言えない。言葉に詰まるというのはこんな気分だろう。
 ただ明らかにロランは疲弊している。それだけはどうにかしたかった。
 だがあらゆる思考を探っても気のきいた良い言葉が見つからず、何を言ってもロランは座り込んで動こうとしない。
 ならば・・・・
717通常の名無しさんの3倍:2006/12/25(月) 04:04:32 ID:???
「ディアナ様?」
 ロランの隣に座り込んで寄り添う。ロランの顔が近いため、余計にロランの疲労を色濃く感じる。
「迷惑かしら?」
「ベッドがあるんですから・・・」
「ロランがベッドで寝るまでこうしてます」
「そんな・・・」
「ロランがこうしていたいなら別ですけど?」
 ちょっと困ったように、恥ずかしそうに頬をかいてみせた。後者を選択したのか、或いは自分が折れるまで待つ気だろうか。
 しばらく二人で炎を見つめていた。会話は無い。ただ、時折強く吹く風の音に驚いて、それがおかしくて笑いあう。
 そのうちロランもうとうとし始め、遂には目を閉じて体を預けてきた。静かに寝息を立てて頭をもたれかける。
「やっと寝てくれたわね」
 頭を撫でてギュッと抱き寄せる。素直な良い子だけれども、自分のこととなると融通がきかなくなる。
 出来るならもっと甘えて欲しかった。出来ることなど限られてるけれど。
 それからロランを担いでベッドに寝かせた。恐らく先ほど自分がされたように。
「今は何時かしら」
 時計は無く、外も吹雪のせいで暗くよく分からない。ただ何となく夜中だという事は分かった。
718通常の名無しさんの3倍:2006/12/25(月) 04:31:20 ID:???
「世の中に意味の無いことなどない。無いなら作ればいい」
 月の女王をやっていた時は自分をそう諭して激務に励んでいた。「こんなの、自分じゃなくてもいいのではないか?」と頭によぎる度に。
 だが月の女王から解放された瞬間、それは180゜反転した。
 自分には何も無くなったから。自分がいなくても月は上手くやっていけていたから。
 今ではただロランに迷惑をかけてるだけの存在。そんなもの、意味はあっても価値が無い。
 それを確認するために地球に降りてキエル嬢と入れ変わったのでは無いかと思う。
「わたくしって意外とネガティブですね」
 自嘲する。最近何もかもどうでもよくなった。むしろ、自分を傷付けたいぐらいに思う。
719 ◆5v8kXRSJdY :2006/12/25(月) 04:56:23 ID:???
「うぅん・・・ィア・・・さま」
 ロランの寝言。疲れているだろう、まだ起きてほしくない。同時に起きて話相手になってほしい。
「罪深いどころか、単なる嫌な女よ」
 何百年と月の女王をやれていたのが嘘のようだ。もっとも、自分でなくてもよかったかもしれないが。
「もっと違う形で出会いたかったよね」
 そう言って静かに眠る美しい顔に手を当てた。
 ロランは自分を敬愛している。元月の女王として。
「でもそれだけなの」
 もっと別の形で出会えれば自分の意味や価値は違ったかもしれない。
 だが月の女王でなければロランとは出会えなかった。なにより月の女王でなければ見向きもされなかったかもしれない。
 自然と頬を伝う水分の塊。
 もどかしい。どうにもならない。きっと、この関係は自分が果てるまで続く。
「なんで・・・」
 自分はこんなに女々しかっただろうか。こんなことで簡単に泣く人間だっただろうか。
「・・・ディアナ様?」
「ロラン?ごめんなさい、起こしてしまったかしら」
 必死で笑顔を取り繕うが涙が止まらず、ひたすら目をこすった。
 わけも聞かず背中をさすってくれるロランが優しかった。
720 ◆5v8kXRSJdY :2006/12/25(月) 05:20:26 ID:???
「落ち着きました?」
「もう大丈夫です」
 ベッドに腰をかけて寄り添う。泣いてる間、ずっと背中をさすってくれていた。
 疲れていたせいかもしれない。泣きやんでしばらく経つと今度は上手く笑えた。そして先ほどまでの考えなどどこか脳の淵に追いやれた。
「それよりロランこそ大丈夫ですか?」
「うーん、体は疲れてますけど頭は大丈夫です」
 そう言って伸びをする。
 ロランが寝てからどのぐらい経ったか分からないが、ずいぶん顔色は良い。
 傍目、華奢に見えてロランがタフだったという事を思い出した。
「頼もしいわね」
 クスリと笑う。
「とは言え、パーティに行く気はしませんけどね。とっくに終わってるだろうし」
 外を見やると吹雪すら見えないぐらい漆黒につつまれていた。
「・・・」
 また沈黙した。あれだけ大泣きしたのだ。訳を知りたいだろうし、こっちも胸がつかえる気がして、出来るだけ話したい。
「ロラン」
「ディアナ様」
 ほぼ同時に発声した。
「先ほどの泣いてた理由ですね?」
「無理には聞きませんが・・・」
「・・・」
 事の一抹を話した。正直怖くもあった。だがどのみち避けられない事だったと思った。
721 ◆5v8kXRSJdY :2006/12/25(月) 05:45:40 ID:???
 言葉は便利だ。「好き」と言えば好きであるとされる。「嫌い」と言えば嫌いであるとされる。
 ただ、言葉が全てではない。時には思っている事とは逆の言葉も発する事があるし、言葉では言い表せられないぐらいに思う事もある。
「ディアナ様・・・」
 この少年に限れば従順に想いを言葉にする。それだけに、怖い。恐ろしい。
 けれど事の全てを打ち明けた。
 自分のせいでこれからもロランに迷惑がかかるのではないか、
 まるで今の自分に生きる意味や価値がないのではないか、
 いつまでこの関係は続くのか。
 ロランにとって自分はなんなのか。
「・・・」
 返答に窮しているわけでは無い。ただ深く考えているようだ。
「僕は・・・」
 しばらくしてから重い口を開いた。







722 ◆5v8kXRSJdY :2006/12/25(月) 06:34:34 ID:???
 朝焼けが眩しい。東の方からもうしわけなさそうに太陽がのぞく。
 朝になり、吹雪が嘘みたいに晴れあがっていた。
「湖は雪で埋もれちゃってますね」
「はい。でも」
 二人で湖のほとり(らしき場所)に立っていた。まだ疲れは残っていたが
「こんなの見たら疲れなんて吹き飛びますよ」
 銀色の大地がオレンジに染められ輝く様は絶景だった。
「なんだかお腹が空きましたわね」
「もう、絶景が台無しですよ、って僕もなんだか・・・」
 思い出したかのように腹を抱える。実は昨朝から何も口にしていない。
 彼女は「自分だって」と言わんばかりに凄んで、そんな仕草に笑いあう。
「管理人さんに言って食材を拝借しましょう。朝ご飯は僕が作ります」
「ありがとう」
 そうやって二人で歩き出す。
 自分は始めから空など飛んでいない。大地に帰ってきたわけでもない。
 ずっと、心はずっと大地にあった。森の樹のように地に根を張り、天高く伸びて、そして地上を見つめていた。それだけだ。
「ロラン?」
「はい」
「大好きです」
 恥ずかしそうにうつ向いてから、顔を上げた
「僕も大好きです」

 やっと生きる意味を見つけた気がした
723 ◆5v8kXRSJdY :2006/12/25(月) 07:27:08 ID:???
初めてこんな長編書いたからちぐはぐしてるのにツッコミは無しでおながいします
724通常の名無しさんの3倍:2006/12/25(月) 11:17:31 ID:??? BE:406599449-2BP(22)
       /                   `ゝ
     /            、       、 ヽ
     /       「 ̄ ̄| ̄ ̄ヽ    λノ  ,ゝ
    /        |、  |    Vレレ' ̄|人ノ
   ノ  ノ     _ζ_|_____| /   /   ゝ
   7  λ    _ゝ ̄        \―/   ミ
  ノ   レ从人√            / |  lヽ)
 λ    \_           ^ ´  λ从ノ
  ノ     ( |       / ̄ ̄7  /
  "ヽ    λ|      / ̄ヽ ̄7  / / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    "ヽノレ  λ      l___|__/  /<   ユニバァァァァァァァス!!!
      /     ヽ    `----'  /  \__________
     /       ヽ   ---  /
 / ̄ ̄ ̄ ̄7――‐---\_______/
/       /      .-/---、
725通常の名無しさんの3倍:2006/12/25(月) 21:34:44 ID:???
>>714−722
心理描写が、ベリーよしなに。
グッジョ〜ブ
726通常の名無しさんの3倍:2006/12/26(火) 00:43:51 ID:???
新作ktkr
ぐじょぶ。
727通常の名無しさんの3倍:2006/12/26(火) 06:01:54 ID:???
「ハアハア・・・」
薄暗い闇に、わずかな吐息。
「こんなところ見つかったら、絶対に嫌われちゃう・・・・」
 だが手が止まらない。金髪を振り見出し、手を激しく上下に動かす。彼を想像するだけであらぬ妄想が溢れだす。
「ダメ、止まんないよぅ!」
 徐々に自分が高まりつつあるのが分かる。
「ローラ、ん、ンギモヂィィ!!」

 御曹司だった
728通常の名無しさんの3倍:2006/12/26(火) 08:24:58 ID:???
高まってますね
729706:2006/12/26(火) 15:25:21 ID:???
先日はつたない日記に暖かいレスをいただき、ありがとうございました。
実は一つお断りしますが、私はかの「首吊り日記のディアナ様」の作者様ではありません。
あの日記が書かれた当時にRomしていた人間の一人です。
ネタをぱくったことを深くお詫びします。
お詫びついでに、本当は続きは無かったのですが、707氏のレスをみてちょっとネタが思いつきました。
かなり長くなってしまいましたが、良かったらみてやって下さい。

707氏、無断ですみません。708氏、713氏、レスありがとうございました。
730暗黒戦士 その1:2006/12/26(火) 15:35:14 ID:???
『・・・先日、お伝えしたガリア大使暗殺(ガガッ)事件についての続報ですが・・・・(ガガッ)』

電波が良くないですね。
「そうですね、外のアンテナを見てきます。ちょっと待ってて下さい。」

ロランが外に出かけました。その隙に、これまでの出来事を報告致しましょう。
ご挨拶が遅れましてすみません。ディアナ・ソレルです。

テレビでもお伝えしているように、海を越えた大陸の大使が一人、亡くなられたようです。心から、心からお喜びを申し上げます。
私も昨日の深夜に帰ってきたものですから、事の顛末を見るのは今日が初めてです。
(ロランには、ちょっと遠くのケーキ屋さんに買い物と伝えてましたので、遅くなったことに対して大変叱られてしましました。実は、予定よりかなり手こずってしまったのです。でも、ケーキと一緒にお土産を渡しましたので、機嫌をなおしてもらいました。)

さて、クリスマスイブの私は、奴の屋敷の見取り図を携えガリア大陸に渡り、大使館にまず向かったのですが、予想通り5日ほど休暇を取っているとのことでした。
でもまだガリアから出ていないようなので、報道記者を装い自宅を教えてもらい訪問、奴と対峙する前にちょっとおトイレへ。

そしていよいよグエン卿との面会が出来ました。

731暗黒戦士 その2:2006/12/26(火) 15:37:06 ID:???
『久しぶりだねえ、女王さん。座んなよ。すごい荷物だね?』

お元気そうで、メリーベルさん。今は報道記者ですから。機材が多くて。

「や、やあようこそガリアへ。久しぶりですね、キエル・ハイム。また突然のご訪問で・・・」

あなたも、しょっちゅうアメリアへ来ているじゃありませんか。お互い様です。

「それは、私はガリア大使ですからね、アメリアだけでなくあちこちの国にも行ってますよ。失礼な!」

大使として?

「も、もちろん。」

では公務でわざわざ山奥の、何にも視察する必要が無い我が家へ来たのですか?

「それは公務と別ですよ!古い友人に逢いにいって何が悪いんです?」

私は外出していましたが。家にいたのは留守番のロランと、万が一を考えての用心棒、コレンだけでしたよ??

『御曹司!聞いてないぞ!?』

「ばっ、、何を言っているんです!ローラは私の友人じゃないですか!メリーベルも落ち着け、何も無かったんだから。」

『落ち着けるか!お前があのロランを友人として見ているなんて誰が信じると思ってんだ!?』

「違う、誤解だ・・・」

なにやら痴話喧嘩をはじめてしまいました。こうしてみると、グエン卿も普通の男なんですがね・・・

732暗黒戦士 その3:2006/12/26(火) 15:38:05 ID:???
『だいたいな、諦めてないんだろ?ガリアの大使にしたって、もっと上位の職につけたのを元アメリアの一領主だった立場を利用して、ちゃっかりアメリア専任の大使に収まったじゃないか。それもこれもみんなあのロランの為だろうが!』

ありえそうですが、いくらグエン卿といえどねぇ、優秀であることは間違いないですから、外向的に有利かも・・・

『正直に言え!!まだ好きなんだろ!?』

「ポッ」

殺す。ぜったい殺します。それどころか産まれてきた事実そのものを消滅して差し上げます!

『〜〜〜〜っ!』

「ちょ、違う!最近の私は変わったんだ。見てくれこれを! パチン!」

グエン卿が指を鳴らすと、扉から5,6人のメイドが入ってきました。でも、私を見る目が何かおかしい・・・

『メイドじゃないか。それがどうしたんだ?』

「以前の私なら、女のメイドなど雇わずに、少年でそろえていた!それを全員女にしたんだぞ。私は普通だ。」

『あのな、世間ではそれをカモフラーj・・・』

ちょっと失礼。その掛け合いも楽しいのですが、私も忙しいのです。こちらの用を済まさせていただきます。

733暗黒戦士 その4:2006/12/26(火) 15:42:09 ID:???
「フン!」

鼻を鳴らすやいなや、メイドたちが私を囲むように展開しました。グエン卿、これは?

「用心のためにね。私を狙う輩もいるものですから。特殊訓練を受けていますから、抵抗は無駄ですよ?」

『全面的に見て狙われるのはお前が悪いと思うぞ、私は。』

なるほど・・・私の目的などお見通しということですか。

「絶対に目を離すな。妙な動きをしたらかまわず取り押さえろ。」

[ガデッサー!]

なんですか、その黒歴史的な返事は!?

「いや、昔のアニメを見てて、これ面白いなぁって。」

いよいよ生かしてはおけません。早く始末を・・・

[左手、15゚傾斜。30cm先の包みに向かっている。]

[[[[警戒!]]]]

くっ、このメイドたちにはまったく隙が無く、このままでは本当に取り押さえられてしまします。何とか注意をそらさないと・・・

[両脚の力み、及び上半身5゚傾斜。立ち上がる可能性大。]

[[[[警戒!]]]]

〜〜〜っ、身動きが出来ません。

734暗黒戦士 その5:2006/12/26(火) 15:43:16 ID:???
「無駄ですよ、キエル・ハイム。いくら貴女といえど、この人数相手には無力です。おとなしく帰られた方がよろしいのでは?フフン。」

この男に勝ち誇られると非常にムカつきます!いいでしょう、戦術の不利は戦略で補えます。人数の絶対数が戦力の決定的な差では無いことを教えて差し上げます!

[標的、腕組みを実行。・・・グレートホーン?]

[[[[警戒!!]]]]

『御曹司、実はバカだろ、こいつら?何だよグレートホーンって??』

(恥ずかしいですが仕方ありません。あの伝説の奥義を見て無事に立てた者はいないのです!)

「観念したようですね。では玄関までお見送りを・・・」

そうですね。どうやら今回は私の分が悪いようです。お邪魔いたしました。【ヨッコラショ・・・】

[[[[[ププッ!!?]]]]]

『ぶはっ!!』

「!? ヨッコラショ???  ちょwwwww『ヨッコラショ』ってwwwww」

・・・ット!!!】  ターン

「はぉうっっ!!」

『御曹司!?』
735暗黒戦士 その6:2006/12/26(火) 15:44:32 ID:???
[[[[[ご主人様!?オノレ!!]]]]]

遅い。カチッ

ドカーン!!!

『うわっ!!ば、爆発!?・・・灯りが!!』

[[[[[ミエナイ!!]]]]]

『お前ら早く御曹司を・・・』

ターン、タタタタタタタターン!!!! カチャ、カラーン

『お、御曹司!?大丈夫か・・・』

スチャ、ドン! ドンドンドンドンドン!!!!! ポイ、

[女子トイレから爆発だと!?くそっ、目標を消失した!]

[早く灯りを!]

『それより御曹司だろ!!いくらしぶとくてもこれだけ撃たれたら・・・』

736暗黒戦士 その7:2006/12/26(火) 15:52:21 ID:???
チャキッ、ズドーン、ガシャッ ズドーン、ガシャッ ズドーン、ガシャッ ズドーン、ガシャッ ・・・ちっ、ポイ

『ちょっと、女王さん!!お願いだからやm・・・』

ジャキッ、ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!! カチャ、カラーン
ガチャン、ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!! カチャ、カラーン
ガチャン、ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!! カチャ、カラーン
ガチャン、ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!! カチャ、カラーン
ガチャン、ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!! カチャ、カラーン
ガチャン、ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!! カチャ、カラーン
ガチャン、ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!! カチャ、カラーン
ガチャン、ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!! カチャ、カラーン
ガチャン、ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!! カチャ、カラーン

[[[[[『ガクガクブルブルガクガクブルブル(((( ;゚Д゚))))』]]]]]







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

みなさん。

[[[[[『ガクガクブルブルガクガクブルブル(((( ;゚Д゚))))』]]]]]

私の用は済みました。そろそろおいとまさせて頂きます。ごきげんよう。

[[[[[『ガクガクブルブルガクガクブルブル(((( ;゚Д゚))))』]]]]]

返事。

[[[[[『はいっっっ!!!』]]]]]

よろしい。ではお元気で。

737暗黒戦士 その8:2006/12/26(火) 15:55:22 ID:???
その後、急ぎウィルゲムに乗ってアメリアに帰還いたしました。せっかくのクリスマスを潰してしまいましたが、ロランの身の安全を思えば、多少日にちがずれても構いません。
これから二人で祝えば良いのです。

『・・・犯行現場にいたメリーベル・ガジットさんと使用人5人に怪我はありませんでした。ガリア連邦公安局は、すぐに非常線を張りましたが、いまだ犯人は捕まっておりません。
メリーベルさんたちの証言は支離滅裂で、医師団は現場の惨状を目の当たりにした事による、一種の錯乱状態にあったと発表しております。・・・』


あ、ロランが直してくれたようです。先ほどより鮮明に映るようになりました。

「ディアナ様、いかがですか?」

よく映っていますよ。いつもありがとう、ロラン。

「そんな、ディアナ様。僕なんかにもったいないです。そ、それにしても、グエン様が暗殺だなんて、ガリアという国も争いがあるんですね。」

人はいつも上を見ます。見通すためには、その目に映る人や物が邪魔で、取り除こうとするんでしょうね。

「争いを無くす方法は無いんでしょうか。」

今、目の前にある幸せをきちんと受け止めること。そして、美味しい食べ物を頂くことじゃないでしょうか。ふふ。

「目の前の幸せ、ですか。そ、そうですね・・・えへへ。」

(あ、ちょっといい雰囲気。)


・・・年に一度あるかないかの絶好のチャンスを活かせるかもしれません!

そう思ったのもつかの間、テレビから聞こえたアナウンスが、私を奈落へ突き落としました。

738暗黒戦士 その9:2006/12/26(火) 15:56:11 ID:???
『現在、集中治療を受けているグエン氏ですが、先日峠を越してからの経過は順調です。2、3日中には歩けるほどの回復も見込めるとのことで、大使館サイドでは安堵の声が・・・』

なんですって!!!?

「あれ?亡くなったんじゃなかったんですか!?」

さ、先ほどは確かに・・・

『くりかえしお伝えいたします。先日のガリア大使暗殺「未遂」事件についての続報です・・・』

・・・・・・・・未遂!?

「そうか、音がとぎれて「未遂」って聞こえなかったんですね。」

ありえない・・・あれほどの弾薬を撃ち込まれて、、、原型すら留めてなかったのに、、、

「ディアナ様???」

マグナムも、、、散弾も、、、無力・・・

「ディアナ様、ディアナ様ー!?」



私が意識を失っていたころ、グエン卿による「逆襲」が表ドアの前に立っていたとは、私は知るよしもありませんでした。

そのお話はまたいずれ。



次はありませんよ、御曹司!!


よしなに。
739706:2006/12/26(火) 16:05:13 ID:???
以上です。

お目汚し、失礼しました。今後の参考に、意見あったらよろしくです。
740通常の名無しさんの3倍:2006/12/26(火) 17:31:31 ID:/tw50p/8
つまんね
741通常の名無しさんの3倍:2006/12/26(火) 18:43:16 ID:???
>>740はツンデレ
742通常の名無しさんの3倍:2006/12/26(火) 18:47:27 ID:???
>>729-739
乙です。
御曹司とメリーベルのコンビって久しぶりですね。
ただ、何か元ネタがあるのでしょうが
>>734-736あたりで
大体何が起こってるのかは分かるんですが
ちょっと自分には分からなかったのが残念でした。
こんな感想しか書けませんが
これからもネタがあったらまた書いてください。
743706:2006/12/26(火) 19:16:07 ID:???
>>742
申し訳無い、説明不足でした。あの場面は、ものすごく長くなってしまったので、
状況説明を省いたのですが、やりすぎました。

ディアナ様腕組み(707氏考案のヨッコラshotを使うのに躊躇)
   ↓
それを見たバカメイドが勘違い
   ↓
ディアナ様決断。ヨッコラショ・・・で、グエン達を笑わせ、隙を作る。
   ↓
ヨッコラショット成功後、最初にトイレに行ったときに仕掛けた爆弾を爆破。
   ↓
部屋の灯りをショートさせ、暗闇に。
   ↓
その暗闇に乗じて最初の一撃で(一時的に)死亡したグエンに持ってきた火器を次々発射。
   ↓
メイド達は暗闇のためディアナ様を捕捉出来ず。
   ↓
最後の連射を聞き、メイドとメリーベルはもはや手遅れと悟る。
   ↓
ディアナ様、ミッション完了し、悠々とウィルゲムへ。

てな具合です。

ちなみに、火器は相棒のライフル、マグナム、ショットガン、マシンガンの順です。
一応、リリ様の力を借りて報道機材として持ち込みました。

>>740-742
どうもありがとう。よっしゃ、次はもうちょっと上手くまとめるようがんばります!


744通常の名無しさんの3倍:2006/12/27(水) 02:08:51 ID:???
706氏GJ!!
よしなに。
745通常の名無しさんの3倍:2006/12/27(水) 07:19:37 ID:???
 冬。もはや冬としか言いようがない。家の周りを雪が埋め尽し、なにより
「み、水がギンギンに冷えきっています・・・」
 手を洗おうとして、水を出した瞬間、痛みを伴い、自然の水攻めが炸裂した・・・。
 残念ながら温かいお湯が出る設備は外の雪で凍結してたらしい。
「水のくせに0℃を越えてます!ええ、絶対にマイナスの世界です!自分で言うのもアレですがわたくしはSなのですからこのような仕打には耐えかねます!」
 ん?お待ちになられて?
 とりわけロランは毎日こうやって冷水で自らの手を痛めてるという事は・・・
「ロランはMなのでわ?」
「違いますよ・・・ていうかSとかMの問題じゃなくてですねえ」
 いつのまにやら後ろに居た呆れ顔のロラン。
「でも困っちゃいましたね。確かに冷たくて手を洗うのも難儀ですよ」
「でもロランにはそれが良いのでしょ?」
「・・・とにかく、どうしましょう。今日明日はお風呂も使えないかもしれませんね」
「えーっ!ロランは冷水を浴びて快感に打ち震えるかもしれませんが、わたくしには困ります!」
「じゃあふざけてないで何か考えてくださいよ」
746通常の名無しさんの3倍:2006/12/27(水) 07:58:38 ID:???
「とりあえず、いつも通り生活する分に困るのはお風呂とかぐらいですか」
 とうとう水道から水が出なくなった。しかし水の結晶、雪なら外に幾らもあるわけで、別段水不足を心配する必要は無い。
「ロラン、ならば銭湯に行きます?」
 言うなれば大衆浴場。
「そ、それは断じてなりません!ディアナ様の服の上からでも分かるしなやかなラインと大きさはまあまあですけど整ったバストにまるで透き通るような艶のありそれでいてモッチリとした裸体を女同士とはいえ好奇の目にぶはあぁっっ!!!」
 なんだかお腹に膝蹴りをかましたくなりました。
「うぷっ・・・ぼ、僕は一日二日ぐらい大丈夫なんですが・・・・」
「んー、わたくしはお湯を沸かして、タオルで体でも拭こうかしら」
「それは名案です!」
 満面の笑みを浮かべるロラン。当然ながら(?)つい意地悪したくなる。
「・・・・やっぱりコインシャワーで」
「そ、それは断じてなりません!ディアナ様の服の上からでも分かるしなやかなラインと大きさはまあまあぶはぁっっ!!」
「そこが余計ですのよ!」
 話は進まなかった。
747通常の名無しさんの3倍:2006/12/27(水) 16:59:26 ID:???
>>745-746
乙〜。
ロランって劇中でも結構女性の体のラインを見て
見とれてたりするシーンが多いんだよね
748通常の名無しさんの3倍:2006/12/27(水) 20:59:29 ID:???
職人様方、乙ガレオン!!
なんだか俄に活気づいてきて実にありがたい。
これからもよしなに。
749通常の名無しさんの3倍:2006/12/28(木) 00:47:28 ID:???
>>748
スレタイ通り2006年までに終わらせないとならないからな
750通常の名無しさんの3倍:2006/12/29(金) 00:26:41 ID:???
さすがにそれは無理w
でもこのまま行くと1000まで一年はかからなさそう
751通常の名無しさんの3倍:2006/12/30(土) 05:42:36 ID:???
 人は、誰かになれない。
「もう、帰らないと・・・」
「待って、もう少しだけ・・・お願い」
 別れ際、静かに抱擁されていた。いや、自ら懇願した。
 彼は頷き、自分を抱き締めた。それが何かの償いであるかのように。
「ダメ?」
「でも、ディアナさまが―」
 その言葉を聞きたくなかった。
 同時に、聞きたかった。
 決して揺らがない心。だから、今でも彼を信頼しているのだと思う。
「うん・・・そだね」
「すみません」
 謝りながら苦しそうに顔を歪ませる。
 抱き締められた自分が苦しめているというのに。
「・・・・あー、もう暑苦しいからとっとと離れなさいよ!」
「え?あ・・・」
 抱き締められた手を強引に振りほどいた。
 別れ際に後腐れないよう、図々しくて嫌味な女を演じる。
 いや、元からそうだったかもしれない。 「ディアナ様を大事に、ね」
「言われなくても」
「フフ、頼もしいのね」
「ソシエお嬢さまもお気を付けて」
「・・・うん」
「では」
 彼は去った。
 負けじと自分もその場を去る。
「泣かないから」
 自分もあれぐらい大事にされたかった。
「絶対、泣かないから」
 涙は止まらなかった。
752通常の名無しさんの3倍:2006/12/30(土) 23:06:59 ID:???
>>751
かわいそうなソシエお嬢様のためにこれをあげます

つ小説版∀
753通常の名無しさんの3倍:2007/01/01(月) 12:42:38 ID:???
ロラン「あけましておめでとうございます、ディアナ様。」

ディアナ「おめでとう、ロラン。今年もよしなに。
      ロランは新年の抱負とかあるのですか?」

ロラン「いえ、特に何も。今年も健康に過ごす事ができれば十分です。
     ディアナ様はなにか目標があるんですか?」

ディアナ「今年こそは5kg痩せます。」

ロラン「…あまり無理のない程度にお願いします。
     急激な体重の変化は体に良くありませんから。」

ディアナ「わかっています。それよりロラン。
      昼食はまだですか?」

ロラン「あ、すいません!正月なのでお雑煮とおせち料理でよろしいですか?」

ディアナ「よしなに。お餅は10個入れてくださいな。」

ロラン「良いですけど、ディアナ様さっき5kg痩せるって…。」

ディアナ「今年の目標ですから今年中に痩せればよいのです。
      せっかくのお正月料理なのに今食べなくてどうするのですか?」

ロラン「は、はい…(ディアナ様、今年もダイエット失敗しそうだな…)。」
754通常の名無しさんの3倍:2007/01/01(月) 16:58:43 ID:???
展開とオチが弱い
755通常の名無しさんの3倍:2007/01/03(水) 12:43:50 ID:???
>>751
昔あった、失恋したらしき女の人が涙をこらえて
「絶対キレイになってやるっっ」と誓うエステのCM思い出した。
756通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 22:10:01 ID:???
今更だがよっこらSHOTに爆笑した。
ディアナ様には故意なんだか天然なんだかわからない
微妙なラインの脱力系ユーモアがとてもよく似合う。
757通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 22:26:39 ID:???
年なので
758通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 22:40:30 ID:???
あれか、縁側で昼寝してるおばあちゃん猫に萌える様なもんか
759その1:2007/01/05(金) 22:41:02 ID:???
「お嬢さん、クリスマスってなんだか知ってますか?」
久しぶりに訪れたビシニティ。わたくしは12月の薄い陽の光を見上げながら
ひとり離れを歩いていました。地球でロランと共に生活するようになってから
一年以上の月日が経ち、今年も寒い冬がやって参りました。空を見上げ、頬を
掠める風に目を閉じると、改めて月の閉鎖された環境にはない、生きた自然の
息吹を感じずにいられません。12月とはいえ、この辺りの木々からは、まだ
ひらひらと紅い葉が落ちてきていて、わたくしは足元に舞い落ちてきたその葉
を拾いあげると、しばらく眺めたりしておりました。そうやって何とはなしに
歩き回って、やがてハイム家の庭に戻ってきたとき、わたくしはふと、ロラン
とソシエさんが少し距離を置いたようにしてベンチに座っている後姿を見かけ
ました。
「クリスマス?なぁに、それ?」
「あ、いえ、昔地球にはそんな習慣があったんだって、この間ディアナ様がおっ
しゃってたんで…。」
「ふ〜ん、知らない。ていうかそれより、あんたは今何やってるの?」
「え?何って、何についての何ですか?」
「別に、毎日毎日、何やってるのかなって、ちょっと気になっただけ。あんた
のことだから、気の利かない世話ばっかしてるんじゃないかってさ。」
「いえ、そんな、ディアナ様はお元気ですから。ぼくのするお世話なんて、そ
もそも大変なものじゃありませんよ。」
760その2:2007/01/05(金) 22:42:32 ID:???
「ふ〜ん、いいわね、暢気でさ。」
「暢気?何が暢気なんですか?」
「だって、ディアナさん、元気なんでしょ?要するにあんたは楽ばっかしてるっ
てことじゃない。」
「ま、まぁ、そういうことになるかもしれませんね…。」
黄金色の落葉が舞い落ちる中に座っている二人の後姿は、なんとはなしに遠い
記憶の中の光景に重なるようなものがありました。それがいつの事だったのか、
誰の姿だったのかはわかりません。もしかすると映画か何かの一場面だったか
もしれませんし、わたくしの中の漠然とした感覚がそう感じさせただけだった
のかもしれません。コートの肘に手を擦りながら、ほんの少し小さな溜息をつ
くと、先ほどからずっと前ばかり見ているソシエさんに向かって、ロランが微
笑みながらまた話し掛けました。
「あ、さっきのお話なんですけどね、クリスマスって、要するにお祭りみたい
なものらしいんですよ。どういうお祭りなのかは知らないんですけど、ほら、
最近たくさんの人たちで集まって何かするってことなかったじゃないですか。
ちょうど、クリスマスってもうすぐなんですよ。それで、もしよかったらって、
思ったんですけど。」
「ふ〜ん、そう。でも私たちはこの間ノックスでキースさんとこの子供の誕生
日やったばっかりだけどね。みんな楽しそうだったなぁ、フランさんもジョゼ
フさんも、相変わらず仲よさそうだったし。」
「あー、そっか…、はは、ぼくたちは呼ばれなかったんですね。なんでかなぁ
…。」
「ばっかじゃない。ディアナさんの具合が悪いんじゃ呼べるわけないじゃない。
いいわ、それじゃあ、年が明けたらどうせなんかするんだろうし、その時に来
れば?なんかあったら連絡してあげるからさ。」
「ほんとですか?うれしいなぁ、ディアナ様もきっと喜ぶと思います。」
ロランはそう言うと、満面の笑みをソシエさんに向けました。ソシエさんは身
動き一つせず、ハイム家のお屋敷の屋根を見上げて小さく溜息をついて言いま
した。
761その3:2007/01/05(金) 22:43:45 ID:???
「あーあ。でもこんな時期だっていうのに、うちは去年と同じで、やること決
まってるっていうかさ。なんかつまんないのよねぇ。」
「そ、そうですか。あ、でもキエルお嬢さんとは最近お話とかされてるんです
か?月との交信も、最近は設備がしっかりされてきて、結構頻繁にできるよう
になったって聞きますけど。」
月と地球の間の通信衛星が整備されたうえに、ほぼリアルタイムで交信できる
技術がそこに用いられたため、今はコンピュータノート一つあれば地球上のど
こからでも月と通信ができるようになっていました。キエルさんは、通信網が
開通してすぐに地球の知り合いに最新型のコンピュータノートをお送りになり、
わたくしやロランのところにもそれは届きました。
「でも、お姉さまは今忙しい身だからねぇ。それに、あっちのことのほうが大
変で、ハイムの家のことなんてそれほど気に掛けていらんないって感じでさ。
いつもは年末っていうと、お父様が私たちをいろんなところに連れて行ってく
れたりしてたんだけどね。あーあ、そろそろ私にも、なんか楽しい出来事とか
振ってきたりしないかなぁ。」
ひらひらと舞う落葉が、ソシエさんの肩を掠めて二人の間に落ちていきました。
わたくしは寒さも忘れて、ただなんとなく、二人の間に開いた空間を自分なり
の想像で、心の中に思い描いていました。

“サンタクロース”の話をロランとしたのは、オーバニーに戻ったその日の
夜のことでした。
「…要するに、クリスマスにプレゼントをくれるのがサンタクロースというわ
けですね。」
「まあ、そう考えてよいでしょう。でも、大人は貰うことができません。」
「なぜですか?」
「さぁ、なぜでしょうね。きっと、大人はサンタクロースを信じられないから
でしょう。」
762その4:2007/01/05(金) 22:45:02 ID:???
「なぜ、信じられないんですか?」
「サンタクロースは、子供にしか見えないからです。」
ロランは最初、訳がわからないといった様子でしたが、夕食の後片付けをしな
がら突然「あー、わかりました!」と大きな声を上げて頷きました。ロランが
その時どういうふうに納得したのかは、彼も何も言いませんでしたし、わたく
しもあえて聞こうとはしませんでしたが、とにかくわたくしは、その時考えて
いたことを実行に移すべく部屋に戻ってキエルさんからもらった自分専用のコ
ンピュータノートを開きました。

 そして数日経ったクリスマスの日の夕方、ロランは一人テラスに出て、空に
上った月を見上げていました。
「どうしたの?ひとりで。」
「ああ、ディアナ様。大丈夫ですか?寒いですよ。」
「ええ、大丈夫です。あれ?何を持ってるんですか?」
「あ、これですか?」
ロランは手に持ったワインボトルを見ながら言いました。
「これ、今日お嬢様に貰ったんです。」
「お酒ですか?どうしてまた?」
「実は、お嬢さんのところに、サンタクロースが来てくれたんですよ。」
「サンタクロースが?それは本当ですか?」
「はい。プレゼントが届いたそうです。」
「プレゼントですか。……まさかそれを貰ったんですか?」
「あ、いえ。これはお嬢さんがご自分でお買いになったそうです。」
「そうですか。でも、なぜワインなんですか?」
「ハイムの旦那さんが、ソシエお嬢様が成人なさったら栓を切って飲もうとおっ
しゃって大事に取っておいたワインがあったそうなんです。あの時の爆撃でな
くなってしまっていたんですが、それと同じものを、お嬢様のところに届けて
くれたんです。これと同じ銘柄かどうかは知りませんけど。」
そう言うと、ロランはまた月を見上げて大きく深呼吸しました。わたくしはそ
の後姿を眺め、彼が次に何を言うか少しドキドキしながら待っていました。
763その5:2007/01/05(金) 22:46:18 ID:???
「今朝、お嬢様から電話があったんです。お嬢様は誰が届けてくれたのか気に
しているようでしたけど、ぼくは知らないって答えました。そしたらお嬢様は、
なんとなく暖かいお声でこうおっしゃったんです。自分はまだこれを飲むこと
はできないけど、いつか自分は、その時が来たら旦那さんのことを思いながら
これを飲むことができるかもしれない、今日は不思議とそんなふうに思えるん
だって。それで、運転手さんに頼んでこれを届けてくれたんです。」
ふーん…。冬の夕焼け時は短く、ロランと話しているうちに空には数えきれな
いほどの星が輝き始めました。わたくしはその傍らに肩と肩が触れ合うほどに
近寄って、一緒にその満天の星空を見上げました。
「あ、ディ、ディアナ様……。」
「ふふ、クリスマスなんて、もう誰も知らないかもしれませんし、今日が何の
日かなんて、誰も気にしていないことでしょうね。でも、そんなこと関係あり
ません。大切なその日、その時を一緒にすごしたいと思える人がいること、きっ
とそれが大事なのです。必ずしも、側にいられることはないかもしれません。
けれどそれでもあなたには今、そう思える人がいますか?」
肩越しのロランは、白い息を吐きながらほんの少し笑ったようでした。遠くの
山の影を浮かび上がらせた月は、湖面にゆらゆらと揺れて、先日降った雪がま
だ残る辺りに淡い光を滲ませていました。
「今日は月が綺麗ですね。こんな光景をぼくは…」
ぼくは?ぼくは、なんですか?まったく、はっきりと言ってしまいなさい。誰
と?誰とですか?…まぁ、わたくしの耳が受け付ける答えは一つなんですが。
わたくしは痺れを切らして聞いてみました。
「『ぼくは』、なんですか?」
「い…いえ。」
764その6:2007/01/05(金) 22:47:15 ID:???
なんでしょうか?そのどぎまぎした目は。まさか、その先は言えないなんてい
うことは……。そうですか。せっかくキエルさんにまで相談して考えたサプラ
イズでしたのに、まさか敵に塩を送ることになってしまったとは。
「ふふ。では、飲みましょうか、それ。」
「え…?なんか眉間にシ…」
「なんですか?」
「い、いえいえいえぇっ!というか、こ…これをですか?」
「ええ。グビっと。」
「ええっ!?グ、グビっとって、いや、でもこれはお嬢様から……」
「よしなに。」
「…。そんな、いきなり女王の威厳でごり押しされても。」
「――『よしなに』。」

そうですか、あー、そうですか。
……。

一体どれくらいの時間そうしていたでしょう。わたくしたちは延々と口論を
繰り返し続けました。だって、それを根回ししたのは誰だと思っているんで
すか?まさかマル“ソ”の奴、そんなものをロランによこすだなんて。元月
の女王ともあろうわたくしとしたことが……、考えが甘かったようです。


「そんな、そういうことじゃありませんっ!僕はっ、ただ…」
「言い訳はいりません。わかりました。要するにあなたの言いたいことという
のは、わたくしもワインのように寝てしまえということなのですね?」
「だから、そうじゃなくて、これはまだ飲むべきじゃないって!」
「この浮気者。」
「だーっ、ディアナ様、だからそうじゃないって、言ってるじゃないですか!」
ふとその時、室内においてあったコンピュータノートに通信が届く音が聞こえ
ました。
部屋に入っていってコンピュータノートを開いたロランは画面を見て「あ。」
と大きく口を開けてこちらを見ました。
「ディアナ様、これ……。」
わたくしも、その画面を見て「あ。」と大きく口を開けてしまいました。

『あけましておめでとうございます』

「有り得ないだろ!」ってこれは明けましてよしなに、ハリー大尉。
コンピュータノートの前でロランが平謝りしております。楽しみにしていた年
末年始のイベントはすべておじゃんとなってしまいましたが、おかげさまでま
た体調を崩してしまったわたくしは、ロランに手厚いお世話をしてもらうこと
になり、新年早々から独り占めです。

本年もよしなに。
765↑の筆者:2007/01/05(金) 22:56:59 ID:???
すまん、これ、つまらんって貼ってから気がつきました。
もっと面白いの、プリーズ。
766通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 03:14:39 ID:???
エロゲじゃないけど、
音声付けて喜怒哀楽の描画が変わったりしたらまた違ったんだろうなーってオモタ

まあ君は気付いてるかも試練が
思ってるより文章で各々の感情を表現しきれてないからさ



俺が言えたことじゃねえけどさw
767通常の名無しさんの3倍:2007/01/08(月) 13:33:21 ID:???
書こうと思ったけどシーズンがシーズンだけに難しいな

海外の正月なんて知らんし
日本と組み合わせようとすると、いらん説明が多くなって、こじつけっぽくなってしまう
768通常の名無しさんの3倍:2007/01/10(水) 00:29:16 ID:???
>>767
参考にならないと思うが、自分が書きたい様に書くのが一番じゃないかな?
見る人のことを考えすぎて書くと
自分が書きたかったものが書けなかったりするし
書く本人だって楽しくないだろうし

と、職人とはとても呼べない職人見習いが言ってみる
769年末の大決戦 その1:2007/01/11(木) 20:02:38 ID:???
―――年末、大晦日。今日は年に一度の大掃除を行う日であった!―――

「供用の部屋や台所は終わりましたね。あとは2階だけです。」

そうですね。2階は部屋数も少ないですし、早速取り掛かりましょう。

「はい。ただ、あの『ディアナ専用小部屋。入ったら冷凍刑ですよしなに。』のお部屋は・・・」

その名の通りです入ったらロランといえど冷凍刑に処しますよしなに。

「ですが、そう言って昨年もあの部屋に入らせて頂けなかったじゃありませんか。ディアナ様ご自身のプライベートは尊重いたしますが、この家の部屋に何があるかぐらいは把握しておきたいのです。どうか、お部屋を見せてください。」

なりません。

「では部屋の中には入らず、入口から見ます。それならばよろしいでしょう?」

なりませんったらなりません。何なら意識を保ったまま冷凍刑にして、その上で悪戯しちゃいますよ?

「いーえ、そんな脅し文句をおっしゃってもダメです。今年はそうは行きませんよ。何としても、お部屋に入らせて頂きます!」

うぅ、いつものロランらしくない、男らしく力強い言葉です。ですが、この部屋にだけは何としても入らせる訳にはいかないのです!

「さぁ、観念してお部屋に入れてください!!」

くっ・・・こうなったらやむを得ません、出でよ、ディアナカウンター!

「「「ガチャ!」」」

770年末の大決戦 その2:2007/01/11(木) 20:03:41 ID:???
空き部屋1からポゥ・エイジが現れた!

空き部屋2からコレン・ナンダーが現れた!

空き部屋3からハリー・オードが現れた!

「ええーーっ!?」(いつの間に???)

私の掃除が終わるまでに、この三人の護りを突破することができたら、考えてもよいです。

「見せる、とは断言はしてくれないんですね(汗)」

さあ、みなさん!ロランを痛めつけず、平和的、かつ迅速にあの部屋を諦めさせるのです!

ポゥ「む、難しい注文ですね。」

コレン「なーに簡単。ロランが拙僧と共に旅立ち、世の中を見て回れば、その間に姫さまのお掃除も終わるってもんだ。」

ハリー「何日連れ出す気だ。それではディアナ様の生活に支障が出るではないか。こっちは3人いるんだ。数の力で今年は諦めさせればよかろう。」

「ズルいですよ!三人がかりだなんて!!」

ハリー「悪いが、これも任務なのでね。諦めたまえ、ロランくん。」

「そうはいきませんよ、よーし!」

―――ロラン、納屋へ退却―――

ポゥ「諦めたんでしょうか?」

いいえ、ロランは必ず戻ってきます。決して、この部屋に近づけてはなりませんよ!
771年末の大決戦 その3:2007/01/11(木) 20:04:47 ID:???
ハリー「お任せ下さい。必ずや、ロランくんを説得してみせます。」

頼みましたよ、ハリー。その間に私は掃除を終わらせます。

ハリー「はっ!」

パタン、ガチャリ、ジャラジャラ、ガキン!ガチャ、ガコン、ごそごそ・・・

ハリー・ポゥ「・・・このお部屋には何があるんだろう・・・?」

コレン「姫さまを困らせる奴は許せねぇ!!骨の2、3本は覚悟しやがれ!!!」

ハリー「そんなことしたら、ディアナ様にどんな目に遇わされるか(;´Д`)」


―――20分後―――

「よーし、準備完了だ。行きますよ、ディアナ様!」


(ドラクエ風にお楽しみ下さい。)


ロランは、入口のドアを開けた。

ポゥが現れた!!
ポゥはロランの前に立ちはだかった。

ロランは説得を試みた。
「邪魔しないで下さい。今年こそはあの部屋の秘密を暴きます!」

ポゥ「ディアナ様が嫌がっておられる。そうはさせない」
説得は無駄だった。

ロランはしつこく説得した。
「ディアナ様のお部屋が原因で、何かがあったら大変じゃないですか。僕はそれが怖いんです!だいたい、ポゥさんはディアナカウンターじゃ無くて、シド爺さんの助手でしょ。いいんですか、こんなことしてて!?」

ポゥ「ディアナ様とて子供では無い。れっきとした女性だ!見られたくない物のひとつやふたつ、あるに来まっている。・・・それに、シド爺さんはギックリ腰で療養中だ。私が稼がなければいけない時に報酬をちらつかせられたら、飛びつきたくもなる。」

772年末の大決戦 その4:2007/01/11(木) 20:07:03 ID:???
「あのシド爺さんが?、、、山歩きはポゥさんに任せて、引退した方がいいんじゃないんですか。」

ポゥ「別に山を歩いて腰を痛めた訳じゃない。」

「え?それじゃ何で・・・」

ポゥ「・・・イヤソノ、ツマリ、、、ベッドデガンバリスギタ、、、ゴニョゴニョ(真っ赤)」

「ベッド??(寝相が悪くてベッドから落ちちゃったのかな?)」

ポゥ「そ、そんな不思議そうな顔してこっちを見るんじゃない!仕方なかったんだ、私もディアナカウンターを出奔してから行くところも無くて、、、そんな時に優しい言葉をかけられて、それでなんとなく・・・」
(←どなたか、ポゥがシド爺さんの助手になった経緯をご存じの方、教えていただけませんか?)

ポゥ「私だって女だし、でもディアナカウンターにはロクな男はいないし、野蛮人なんてもってのほかだし、そもそも男にはいつもおちょくられたり虐められたりして酷い目にあわされているし、、、ブツブツ」

「つまり、いつも虐められていた職場を失職して、あてもなく途方に暮れていたところをシド爺さんに慰めて貰ったんですね。それで結婚退職したジョセフさんに替わって助手を引き受けた、と。」

ポゥ「初めは私が慰めてあげるつもりだったんだ!あの年齢で独りだし、山師なんていつも外に出てばかりで家族の団らんなんて知らないだろうし、
きっと寂しいんだと思って添い寝でもしてあげようかと・・・そしたら・・・まさかこんなことになるなんて、、、うわーん!!!(大泣き)」

773年末の大決戦 その5:2007/01/11(木) 20:08:14 ID:???
「・・・添い寝してあげたら、シド爺さんが(ベッドから)落ちちゃった、ってことですか?」

ポゥ「落ちたのは私の方だ!!」

「え!?だって今、、、」

ポゥ「言いたいことはわかっている!自分だっておかしいと思うさ。あんな老人にこの私が、、、でも、たとえ寂しい者同士の傷の舐めあいだとしても私は・・・ブツブツ」

「(要するに、二人してベッドから落ちたけど、怪我したのはシド爺さんだけで、無事だったポゥさんは生活費を稼ぐためにディアナ様に雇われた、ということかな?)」

ポゥ「ブツブツ・・・全部、鼻デカ(フィル大佐)が悪いんだ。いつもいつもバカにして、、、優しくしたのは最初だけで、そのうち出世の邪魔モノ扱い、、、シド爺さんはああ見えてヨルは・・・ブツブツ」
結局、二人の会話はかみ合わず、ポゥは体育座りで壁に向かって独り言を言っている。

「あーもう訳わかんないや。この隙に行っちゃおう!」


ポゥを倒した!!


774年末の大決戦 その6:2007/01/11(木) 20:09:42 ID:???
ロランは階段を駆け上がった。

階段の踊り場でコレンが待ちかまえていた!

コレン「ここは通さないぜぇ、ガンダム!!」
コレンはいきなり襲いかかって来た!!

ロランは紙一重でかわす事が出来た。
「僕はロランです!!コレンさん、話を聞いてください。」

コレン「問答無用!!姫さまは宇宙に住む人間達のために、尽力をつくしたお方。そのお方を困らせる奴と言えば昔からガンダムしか居ねぇ!僧だからって殺生をしないとは限らないぜぇ〜。」
コレンがにじり寄ってきた!

「うわわわ、ま、待ってください、(ヤバい、絶対にヤバい!)ええと、、、コレンさんに渡したい物があるんです、裏の山で見つけました。これ、どうぞ!!」
ロランは良質の樹を差し出した。

コレン「おお!?これは・・・」
コレンはその樹を手に取り眺めた。

コレン「なんという色つや・手触りだぁ。大きさもいい。創作意欲が沸くぜぇぇぇ!!!」
コレンは木彫り像を造り始めた!

ロランは木彫りに熱中しているコレンの横をそ〜っと通過した。

「危なかった、、、でも何であんなにガンダムにこだわるんだろう。最初に登場した時のコレンさんの格好の方が、よっぽど・・・」

コレン「ブツブツブツブツ・・・」
コレンはつぶやきながら、危ない目で木を彫っている。

「・・・関わらないようにしよう。」


コレンを倒した!!(?)
775年末の大決戦 その7:2007/01/11(木) 20:26:10 ID:???
「さあ、あとはハリーさんだけだ!」

ロランは階段を上りきり、ディアナ専用の小部屋へ向かった。
案の定、部屋の前にはハリーが腕組みをして立っていた。


ハリー・オードが現れた!!


ハリー「フッ、上からお手並みを拝見していたよ、ロランくん。なかなかの手腕だった。だが・・・」
ハリーはゆっくりと組んでいた腕をほどいた。

「(この人には『あれ』しか通じない!)」

ハリー「この私は他の二人とは違う!」


「どうしても、僕の邪魔をするんですね。ハリーさん!」
ロランは持っていた袋の中に手を入れた。

ハリー「ここまでだ、ロランくん。何を企んでいるか知らんが、ディアナ様の掃除が終わるまで大人しくしていた方が身のためだぞ。」
ハリーの上体がゆらりと揺れ、ロランを取り押さえようと一歩を踏み出した。

ロランは袋の中身を取り出した!

ハリー「それは、、、まさか!」
ハリーの目がロランの持つモノに釘付けとなった!
776年末の大決戦 その8:2007/01/11(木) 20:27:15 ID:???
ハリー「そ、それは、かの○神タイ○ースが○十年ぶりに優勝した時に制作された、パレード専用のユニフォーム!!!レギュラーの人数分しか無いため超激レア扱いされているモノではないか!!!」
ハリーの目から涙がこぼれた。

ロランはユニフォームをヒラヒラさせて挑発している!

ハリー「ばかもの!!乱暴に扱うんじゃない!!!それは人類の至宝だぞ!?そのユニフォームの皺ひとつにも歴史が込められているんだ、やめないか!!」
ハリーはもはやロランでは無くユニフォームを追い掛けた。

ロランは闘牛士のように、ユニフォームをヒラヒラさせてハリーを翻弄した。

ハリー「やめろというのに!!・・・それより誰のユニフォームなんだ。番号がよく見えない。」

ロランはうまく立ち回り、番号を手で隠してハリーに見せようとしない。

ハリー「ええい、ロゴはいい、ロゴは!!背番号だ。背番号を見せろ!」
ハリーは必死だ。

ロランはハリーを翻弄しながら微妙に位置を変え、窓際に移動し、ゆっくりとユニフォームを回転させた。

ハリー「そうだ、それでいい。何をやっている、早くその手をどかしたまえ!」

ロランは、ユニフォームを回転させつつ突然、窓の外に放り投げた!!

ハリー「はぅあ!!??」
ハリーはロランに目もくれず窓をぶち破り、ユニフォーム共に地上へ落下していった。

ハリー「ユニバーーーーース!!!!!」

グシャ!!
近くて遠い場所でニブい音がした。



ハリー・オードを倒した!!
777年末の大決戦 その9:2007/01/11(木) 20:28:44 ID:???
―――ロランは、ディアナカウンターを撃退した!!―――

「ディアナ様!ハリーさん達は倒しました!今年は僕の勝ちです!!」

ごそごそ・・・ガコン、ガチャ、ガキン!ジャラジャラ、ガチャリ、パタン

あの三人を倒すとは、、、ロラン、さらに出来るようになりました!

「ありがとうございます、さっそく・・・」

ですが、一足違いでした。掃除は終わりましたよ?今年も私の勝ちです。

「えーーーーっ!?そんなバカな!ディアナ様がこんなに早くお掃除が終わるなんてこと信じられません!!」

どういう意味ですか!私だって、やるときはやるのです。残念ながら、お部屋は諦めてくださいな。

「そんなぁ〜〜〜(泣)それなら、普段からもっとそのやる気をお出しになってくれれば・・・」

あら、やる気はありますよ?行動と結果が伴わないだけで。ウフフ。

「・・・ご自分で言ってしまったら、元も子もないですよ?、、、えへへ。」


(ロラン、ごめんなさい。この部屋にある物は貴方には必要の無い物です。これは、、、)

778年末の大決戦 その10:2007/01/11(木) 20:29:51 ID:???
―――部屋の中には、武器・弾薬がズラリ。―――

(これは、貴方を手に入れた、ゴホン。貴方と共に生きていくことが出来る、罪深い私が背負わなければいけない『業』です。ロラン、貴方を護るためとはいえ、人を傷つける道具を持つ私をお許し下さい・・・)

「ディアナ様・・・?」

貴方にはず〜っと見せてあげません(笑)・・・・・・って、ロラン?

「じ〜〜〜っ」

え、あの、どうしたんですか急に?そんなに見つめられたら、、、わ、私はまだ心の準備が・・・

そのままロランと見つめ合うこと10秒。おもむろにロランが口を開きました。

「ディアナ様、、、お顔にススが付いてますよ(笑)」

ロ〜〜ラ〜〜ン!!貴方という人は・・・
言いかけた私のほほに、指を滑らせるロラン。硬直する私。

「動かないでください。もう少しで取れますから。(微笑)」

ろろろろ、ロラン、貴方はいつそのような上級テクを身につけたのです???
いえ、そんなことはどうでも良いのです、今までのあやふやな関係を一気に深める、これは千載一遇の大チャンスです!!
私の顔を滑らすロランの指に、私は手を添えました。

ロランはビックリしたのか少し目を大きくし、私を見返しました。そして・・・

「ディアナ様、」 ロラン、

お互いの視線が絡まり合い、名前を呼び合ったその瞬間、
779年末の大決戦 その11:2007/01/11(木) 20:31:21 ID:???

コレン「ひぃ〜めぇ〜さ〜ま〜〜!!!」
ドタドタドタ!!

コレン「姫さま、出来ました出来ました!これをご覧下さいこの木彫りを!姫さまそっくりでしょう?このコレン、魂を込めて制作いたしました!!どうぞお納め下さい・・・んあ?姫さま??」

光の速さでロランとの距離を2m確保した私はこめかみをヒクつかせながら、コレンに向き直りました。
なんでもありませんよ、コレン。本当に、良く出来ていますね。ですけど・・・(怒)

メリメリ・・・ビキ!(木彫り像にヒビが入る音)

コレン「あっ!!」

あらあら、ヒビが入ってしまいました。コレンの魂を受け止めるには、この樹では器が小さかったのかもしれませんね(怒怒)

コレン「そ、そうですか、、、先ほどロランから貰いまして、なかなか良い樹だと思ったんですが・・・」

落ち込むことはありませんよ、貴方は旅人ですもの。これから先、きっと良い樹に巡り会う事が出来るでしょう(怒怒怒)

コレン「ありがとうございます!では早速、旅に出て良い樹を探します!・・・あの姫さま、何か怒っておられますか?」

いいええ、怒ってなどいませんよ。気のせいです、気のせい。(黒いオーラが漂う。)

コレン「は、はぁ、さいですか。では、これにて!!そこで寝ているロランにもよろしくお伝え下さい。」
ドタドタ・・・

780年末の大決戦 その12:2007/01/11(木) 20:36:45 ID:???

うう、せっかくの好機を・・・しくしく。で、でも取りあえずあの状態まで持って行けたのですから、これから詰めていけば良いのです!ファイトです、私!!

ろ、ロラン。何だかお腹が空いて来ちゃいました。食事でもしながら、二人の今後についてのお話を・・・

ピクピク⊂⌒O。A。)⊃ ←ロラン

ろ、ロラン!大丈夫ですか!?どうしてこんな事に!!

―――ロランが倒れているすぐ上の壁には、人型の深い凹みがあった―――

まさか、先ほどロランと離れたときに突き飛ばした勢いが強すぎて壁に叩きつけられ気絶したなんてベタな展開じゃないでしょうね!!ロラン!?ロラーーーーン!!!

ピクピク⊂⌒O。A。)⊃トキガミエル・・・



―――二時間後―――



「うーー・・・ん」

ロラン!気が付きましたか!?

「ディアナ様?僕は・・・」

ごめんなさい、ロラン。私が加減を間違えて突き飛ばしてしまったばっかりに・・・

「何だか頭がボ〜っとしてて、、、」

吐き気はありませんか?目が霞んだり、蚊が飛んでいるように見えたりしていませんか??

「大丈夫です、ディアナ様のお顔がはっきり見えます。」

よかった。貴方にもしもの事があったら・・・

「ご心配をお掛けしてすみません。もう夕方ですね。大変な一日だったなぁ。ええと・・・」

本当に。でも、私たちには得る物がありましたよ?お互いの気持ちを理解しあえた・・・

「えーと、ディアナ様。僕はどうして気を失っていたんですか?」

781年末の大決戦 その13:2007/01/11(木) 20:38:09 ID:???

・・・はい?

「どうもよく思い出せなくて・・・」

まっ、まさか、、、記憶が無いんですか!?(どこまでベタなんですか貴方は!?)

「確か供用の部屋は終わって、後は2階だけになって・・・」

そこからですか!?

「それで、『ディアナ専用小部屋。入ったら冷凍刑ですよしなに。』のお部屋を今年こそ見せて頂こうとして・・・」

そうそう、そうです。

「そこからはっきりしてなくて、、、確かコレンさんやハリーさんに邪魔されて・・・」

いいですよ、ロラン!

「でも、なんとかディアナ様のお部屋の前まで来て、二人きりになって・・・」

そうです!そこからが重要なんです!!

「あ、そうだ、思い出しました。他にポゥさんもいました。」

そ ん な こ と は ど う で も い い の で す ! !その先は!?

「す、すみません。ええと〜・・・」

その続きが私たちの今後の運命を決定つけるのです!!ロラン、よく思い出してください!

「う〜〜〜ん・・・・・・ダメです、思い出せません。」

(;゚д゚)ガビーン!!

「おかしいなぁ、そこから先がポッカリ抜けているんですよ。どうしてだろう・・・」

(。・д・)アウ・・・

「コレンさんは木彫りを始めて、ハリーさんは窓から落っこちて、そのあと、、、う〜ん、思い出せないなぁ・・・」

(。・д・)(。・д:;.:... (・:;....::;.:. :::;..::;.:.....

「・・・こういうのは、時間が経つと思い出すことがあるって言いますからね。そのうち、思い出すかもしれません、、、って、ディアナ様、ディアナ様ー!?」
782年末の大決戦 その14:2007/01/11(木) 20:39:30 ID:???

すっかり燃え尽きた私が意識を取り戻したのは、新年の昼でした。年越しそばを食することもなく、今年こそは新年を迎える瞬間を起きて過ごすという目標すら達成出来ず、初日の出を見ることも叶わず、、、まるで良いことが無い年越しでした。厄年なのでしょうか・・・

ご挨拶が遅れましてすみません。ディアナ・ソレルです。

新年、明けましておめでとうございます。
新年の抱負は
「今年こそ、ロラーンを、落として見せーる!!」です。

本年もどうぞ、よしなにお願いいたします。

783通常の名無しさんの3倍:2007/01/11(木) 20:47:36 ID:???

前回よりも、さらに長くなっているし、、、(-_-;)


正月前のネタなのに、今さら投下してすみませんでした。

指摘等ございましたら、どうぞよろしくです。
784通常の名無しさんの3倍:2007/01/11(木) 21:05:25 ID:???
指摘はできるけど

ハードル上がって皆投下しなくなるから敢えて言わない
785通常の名無しさんの3倍:2007/01/11(木) 22:45:35 ID:???
>>769-783
長編GJですよ。
ニヤニヤしながら楽しませてもらいました。

指摘とは違うけどもっと自信もって書いていいと思う
どうもこのスレは他のシャア板のスレより住民の求めている
SSのレベルが高すぎる気がするからさ
786通常の名無しさんの3倍:2007/01/12(金) 03:07:44 ID:???
良いものを見たいって思うのは当然なわけで、
指摘される事で良くなるならばそれ自体は間違いではない。
787某月某日:2007/01/12(金) 18:52:16 ID:??? BE:135533726-2BP(22)
ポゥがシド爺さんとこに行く事になった経緯と言うか設定はないんじゃないかな。

て事で以下妄想。

ディアナ・ソレルのよしなに日記番外編「行き先」



月と地球の戦争が終わり、人々が復興へと向け動き始めたある日の事。

「ポゥ中尉入ります!」
「なんだ?」
返事をするより早く部屋へと入ってきたポゥに対し、生返事を返す。
相手が他の者なら叱責する所だが、彼女の場合はいつもの事だ。
机に向かったまま視線を上げることもしない。
「少佐は私を見捨てるのですか!?」
「何の話しだ?」
「じゃあこれは何なんです!?」
目を通していたバインダーを閉じ、顔を上げるとポゥが差し出した1枚の書類が目に入る。
そこにはポゥを大尉に昇進すると同時に除隊とする辞令が書かれていた。
「書いてある通りだ」
書類の向こうにあるポゥの顔を見ながら答える。
「だから、何故です?」
「戦争は終わった。ディアナ・カウンター(D.C.)も規模を縮小せねばならん。
 これから必要なのは警察力としてのD.C.であって大規模なMS部隊やそのパイロットは要らんのだ。
 先日説明しただろうが」
「私が聞きたいのはそういう上辺の事ではなく、少佐の本心です」
788某月某日:2007/01/12(金) 18:53:09 ID:??? BE:135532962-2BP(22)
「いいか、ポゥ。私はクーデターを起こした張本人だぞ。終戦処理が終わり次第何らかの処罰がある」
「しかし、ディアナ様は…」
「確かにディアナ様はお赦し下さったが、組織としての理(ことわり)はある。
 いずれ上層部が何か言ってくるのは目に見えている。
 その時、お前がD.C.に居てはお前にまで累が及びかねん」
「私は構いません!」
「それでは私が構うのだ!私が始めた事だ。私が終わらせねばならん」
「少佐…」
「除隊後の支給では生活は苦しいだろうが、大尉であれば一時金で暫くは何とかなろう。
 幸か不幸か今の地球には求人が多くある。民間人としてお前はお前の道を進め」
「私が言いたいのはそういうことではなく…」
「ポゥ。私がお前を見捨てるのはない。お前が私を捨てれるかどうかが問題なのだ」
「私は…私は…」
「泣くな。どうしても私がいいと言うなら、もっと世の中を知ってその泣き癖を直して来い」
涙をぬぐい暫く逡巡していたが、ポゥは搾り出すように返答をした。
「分かりました。しかし、私には行く宛などありません」
「シドと言う男を知っているか?」
「シド?ミリシャにいた老人のことですか?」
「そうだ。助手として機械工学に明るい者を探している。行く宛がないと言うなら斡旋してやる。
 それに山師なら大陸中を歩き回る事になる。世の中を知るにはいい仕事だ」
「機械工学など詳しくありません」
「ムーンレイスにとっては普通の事でも地球人にしてみれば十分詳しい事になる。どうだ?」
「少佐がそう言われるのなら…」
789某月某日:2007/01/12(金) 18:54:14 ID:??? BE:237183337-2BP(22)
「失礼しました」
「うん」
扉の前で最敬礼をするポゥに同じく最敬礼で答える。少し迷ったがポゥが部屋から出る寸前で声を掛けた。
「ポゥ」
「はい?」
「今までご苦労だった。礼を言う」
「少佐…」
また涙目になっているポゥに出かけた苦笑いを隠し、殊更真面目な顔つきを作る。
「行け」
扉が閉まり、ポゥの姿が消えると同時に椅子に座りなおす。
あれでは戻ってくることはあるまい。そんな事を思いながら、バインダーに手を伸ばした。


#END


#フィルとシド爺について補足
#直接のやりとりはなさそうだけど、49話で戦後の農業政策云々の会話があったので
#その辺の繋がりから助手を欲しがっている程度は知っているかなと。
790769:2007/01/12(金) 20:30:14 ID:???
みなさんレスどうもです!

>>784-786
レスありがとうございます。

いやハードルが上がるなんてことないですよ。今回や前回も
ネタを何回も読み直しては直しを繰り返してやっとこさ投稿した
ものです。でも、そう言ってもらえるなんて、嬉しいです。
ありがとうございます。

Romは長いんですが、ネタを投稿したのは706が初めてなんです。
正直、自信はありませんでした。(^_^;)これからも頑張ります。ほんと、どうもです!

何とか、住人のみさなんに笑ってもらえるようなSSを書きたい
です。意見・ご指摘がありましたら、よろしくお願い致します。

>>787
ポゥがシド爺さんの助手になった経緯、無いんですか、、、
アニメでは、エンディングでいきなりそんな描写が出てきたので、
不思議だったんです。教えて頂いて、ありがとうございます。
SSのフィル、格好いいですね!原作でもそうであったら良かったのに・・・
指揮官、とは言えないような気がしてたので、新たなフィルを見ることが
出来て良かったです!捕捉、GJ乙でした。
791通常の名無しさんの3倍:2007/01/13(土) 19:26:00 ID:???
 年も明けて、にわかに騒がしい時期も終わった。と言っても、最近はちょっとしたご馳走を食べたぐらいで、世間が騒ぐほど変わりはなかった。
 ロランは買い物。寒いのでと一人で行ってしまった。
「ふあーあ」
 大きくあくび。暇なわたくしは、はしたなくソファで寝転がって、天井を見上げて物思いにふけるだけ。
「何してるんだろうなー。早く帰ってこないかなー」
 こういう時は親の帰りを待つ子供の心境に近いかもしれない。
「ハッ、まさか事故にあってないかしら!・・・ハアハア、大丈夫、落ち着くのよ」
 血相を変えていきなり子供の帰りを待つ親の心境に。
「あ、でもロランが帰ってきたらぁ、チューしてぇ、
ご飯にする?お風呂にする?それとも・・・とか何とか言って♪キャッ♪」
 体をくねくねさせて若妻モードに入る。
「・・・わたくしは何をやってるのかしら」
 こういう時、我に返るとかなり恥ずかしい。
「ふあーあ・・・ヒマ」
 掃除洗濯も済ませ、特にやることは無い。夕飯まで時間もある。
 そう思うと瞼が重くなる。このまま目を瞑れば意識が飛びそうだった。
「寝ようかしら」
 しばらく暗闇に身を預けた。
792通常の名無しさんの3倍:2007/01/14(日) 12:08:18 ID:???
「ん・・・あ・・・」
 かなり深く寝入ってしまった。カーテンは開けっぱなしだが辺りはかなり暗い。冬だから陽が落ちるのが早いせいではなく、わずかに光る時計の針も7時をとっくに過ぎていた頃だった。
 とはいえ、いつもの光景では無い。そそくさとカーテンを閉めて、電気を付けて、いつものあの少年を探す。
「ロラン?」
 最初は自分が寝ているのを気づかい電気を消していてくれたのだと思った。きっと彼ならばそうするに違いない。
 しかし、予想は外れた。
「本当にいないわ、何をやってるのかしら」
 寝起きということもあって気が立っていて何をするにも億劫に感じたが、やむなくキッチンの前に立つ。
 ロランは出かける前に遅くなる時は必ず遅くなると言う。普段はロランが料理を作るが、そういう時は自分なりにご飯の用意をしたりするのだ。
「もう・・・」
 エプロンを締めて野菜を切る。時間が時間だけに簡単なものしか作れないし、ロランが何か買ってくるかもしれないので何ともしがたい。
(帰ってきたらお説教ね)
 意識がハッキリしていくにつれ機嫌がよくなっていた。
 料理を作ってると、疲れて帰ってきて申し訳なさそうな顔をしながら喜ぶ、そんなロランの顔が浮かんだ。
793通常の名無しさんの3倍:2007/01/14(日) 13:00:11 ID:???
 人の一生は限られている。だからこそ人は今を大事にする。
 そんな言葉をどこかで耳にした。全くその通りだと思う。少なくとも今は。
「とにかく、時間がありませんわ!」
 自分でも信じられないほどのスピードで野菜を小刻みに切る。
 とはいえ、焦って指を切って「キャッ!」などと情けない悲鳴をあげる。
「ぅ〜、わたくしは何をやっているのでしょうか・・・」
 指をくわえて天を仰く。
 いつ帰ってくるか分からない相手との格闘。だが苦痛ではない。
「これが・・・これが『愛』のなせる技ですのね!!」
 包丁を強く握る。・・・同時に手に持ったトマトを握り潰す。
「はわわ・・・(汗)」
 とにかく気合いがあれば何とかなる。と思う。
 あとは缶詰を開けて盛り付けて
「終わり!」
「ただいまー!」
 お約束のようなタイミングで帰ってくるロラン。
 パタパタと玄関に急ぎ足で向かう。
「ろーらぁーん♪」
「うあっと、ディアナ様!?」
 思いっきり甘い声を出してロランに飛び付く。顔も思いっきり緩んでいた。
「た、ただいまです」
「・・・・」
「ディアナ様?」
「え?あ・・・おかえり・・・・なさい」
「?」
 急に熱が冷め、抱きついた手を離す。
「手を洗ってきますんで」
 言い残し、洗面所へ向かっていった。
「女の人の匂いがした」
 間違いでなければ。
「誰と?どこで?何を?」
疑念だけが広がっていった。
794通常の名無しさんの3倍:2007/01/14(日) 13:44:41 ID:???
 予想通り、ロランは温めるだけのピザなど、簡単に食べられるものを買ってきていた。
 多少バタバタしたが、一通り用意していつもより遅めの食事にありつく。
「本当に遅くなってすみませんでした!」
「はい」
「でもちょうど帰ったらサラダでも作ろうと思っていたんですよ、
さすがディアナ様ですね、先に作ってくれてるなんて」
「・・・・はい」
「ディアナ様?」
「・・・・はい?」
 食べている間も上の空だった。味など分からない。ただ栄養を摂取しているだけのように思う。
「あまり美味しくないですか?まあ、言ってもレトルトですけど」
「・・・・今日はどうして遅くなったんですか?」
 自分でもよく分からない感情だった。全く整理がつかない。
 とにかく、何の感情も存在しない。その問いを投げ掛けた時、驚くぐらいポーカーフェイスだったに違いない。
795通常の名無しさんの3倍:2007/01/14(日) 13:52:55 ID:???
「え?あ・・・・アハハ、なんだ、えっとですねえ・・・・」
 なんだ、そういう事か、と言わんばかりに今日の出来事を話す。
「買い物に行って、いろいろ回ってたら疲れたんで
ちょっと喫茶店に行って休んでたら、帰りが遅くなってしまったんです」
 違う。そんなことは聞いていない。
「他には?」
 自分が間違ってなければ
「いえ・・・特には」
 他にもあるでしょ?
「女の人に会ってきたでしょう?」
 言葉を発した途端、ビクンと体を震わせた。自分ではなく、目の前の少年が。
 少年は顔を伏せ、遠慮がちに自分をのぞきこんでいた。
「ロラン、誰かと会ってきたのですね?」
 ただ、機械的に知りたいだけだった。
「・・・そ、ソシエお嬢様と偶然会いました」
 大体予想はついた。何となく知っている匂いだったから。
 ただ何をしたかなど言うまでもない。触れなければあそこまで匂いがつくわけがない。
「何で言ってくれなかったのですか?」
 そんなの些細な事かもしれない。だけど言えない事だろうか。
「すみません」
「何で謝るのですか?」
「・・・すみません」
「謝らないでよっ!!」
 気付くと怒鳴っていた。もう自分を制御できなかった。
796通常の名無しさんの3倍:2007/01/14(日) 15:19:08 ID:???
ディアナ様の口調に違和感…
「謝らないでよっ!!」 なんてディアナ様は言わないよ…

797通常の名無しさんの3倍:2007/01/14(日) 18:52:21 ID:???
まあそう言うな。まだ話は途中のようだし
感想は完結してからでもいいだろう
798通常の名無しさんの3倍:2007/01/14(日) 20:09:15 ID:???
※ディアナ様の激しい口調=更年期
799通常の名無しさんの3倍:2007/01/14(日) 23:29:35 ID:???
ディアナ様って料理出来たっけ?何か、家事とか出来るイメージがわかないな。
800通常の名無しさんの3倍:2007/01/14(日) 23:50:18 ID:???
洗濯したり、ギャロップの掃除を手伝おうとしたり
「ハリーの災難」だと料理してるようだったからそれなりにはこなせると思う
ただ、料理の最中に指を切ったり
最終話の最後でロランが料理をしているあたり
特別に家事が得意というわけじゃなさそうに見える
801通常の名無しさんの3倍:2007/01/14(日) 23:56:57 ID:???
書き終えて無いのに言い訳したくないんですが・・・
確かにちょっと不可解なので訂正したいと思います

>>796
やっぱり言われたナア………

実はそこはかなり迷いました。一番迷ったと言ってもいいです。

激昂するような勢いが欲しかったんですけど、ディアナ様の口調は活字だとどうも勢いが足りなく感じちゃって。
「何で謝るんですか・・・!!」とかいろいろシミュレーションしたんですけど今一つしっくり来なくて。
でもやっぱり合いませんよね。せめて
「謝らないでって言ってるでしょうッ!!」
ぐらいで脳内変換してもらえると嬉しいです・・・

802通常の名無しさんの3倍:2007/01/15(月) 00:20:33 ID:???
>>801
まあ、あまり気にしないで気楽に書いていいと思うよ
続き待ってます
803通常の名無しさんの3倍:2007/01/15(月) 13:47:43 ID:???
同意。
続きプリーズ!!
804通常の名無しさんの3倍:2007/01/17(水) 19:01:22 ID:???
>>791-795
結末がどういう風になるか、楽しみです。
ぜひ続きをお願いします!
805通常の名無しさんの3倍:2007/01/17(水) 23:02:33 ID:???
すっかり人が居なくなってしまったな・・・
806通常の名無しさんの3倍:2007/01/18(木) 01:32:11 ID:???
見てるヨノシ
807隠れた挑戦状 その1:2007/01/18(木) 12:19:28 ID:???

郵便配達員「ハイムさーん、年賀状でーす!」

はいはい、いま行きます。

郵便配達員「いやー、今年は雪が少なくて助かりましたよ。いつもなら、こんな朝には来れなくて、夕方に届けていましたからね。」

本当に良かったです。いつもご苦労様です。

郵便配達員「いえいえ、仕事ですから。それでは。」

去っていく郵便屋さんに手を振りながら、扉を閉めた私。
ふう、そうは言っても、やはり外は寒いですね。


ご挨拶が遅れましてすみません。ディアナ・ソレルです。

今年も元旦から今日にかけて、たくさんの年賀状が届きました。
といっても、今日は5日。おそらく年賀状は今日届いた分で終わりでしょうね。
それを示すように、届いたのは3枚だけです。どれどれ・・・・・・


「新年、明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしく。
キエル嬢(ディアナ様)、月に何か強めの精りょfgきdw、あhふぃspt(ペンでかき消されたように塗りつぶされている)
気にしないでください!よろしくお願いいたします、ディアナ様!
                          シド・ポゥ」

あらゆる意味でお元気そうですね、シド爺さん。ポゥもお体に気をつけて・・・それと、年賀状なのですから、私の名前に気を付けてください。私は、公的にはキエルさんなのです(汗)
808隠れた挑戦状 その2:2007/01/18(木) 12:21:19 ID:???

「謹んで初春のお喜びを申し上げます。
本年も、どうぞよろしくお願いいたします。
今年は私たちの店(パン屋)を軌道に乗せられるよう、頑張りたいと思います。
応援してくださいね。
お久しぶりです!キエルお嬢さん、そしてロラン!お元気ですか?
今年も、試作のパンやケーキを送りますので、どんどん意見をお願いしますね。
(最近は、なかなかベルネールお嬢さんが試食してくれないんだ。頼みますよ!)
●  ●    ●           キース・ベルネール」
↑血痕

相変わらず、キースさんはケーキ造りに余念が無いんですね、、、多分、試食のことでベルネールさんに殴られたのか、血痕がついてます。気持ちはわかりますよ!
おかげで私も一時期3kg増えてしまいましたからね!!戻すのに、どれだけ苦労したことか・・・私の分もお願いしますね!



そして、最後の一枚は・・・・・・ソシエさんからでした。
今年は来ないのかと一瞬思いましたが、そんなわけ無いですよね。

さて、見せて頂きましょうか、我が宿敵の年賀状の内容とやらを!

809隠れた挑戦状 その3:2007/01/18(木) 12:22:49 ID:???

「新年、明けましておめでとうございます。」

はい、おめでとうございます。

「今年もどうぞよろしくお願いいたします。」

こちらこそ、よしなにお願いいたします。

「取りあえず、どうにか年越しをすることができました。」

それは良かったですね。でも、昨年は事業が危ないなんてお話は聞きませんでしたよ?

「新年はいかがお過ごしですか?」

いつものように、食っちゃ寝です、、、というか、ずいぶん普通ですね?

「コタツに入り浸っているんじゃないの?(笑)」

・・・よくお解りで。

「底冷えのする寒さだから、関節痛や冷え性にお気を付けてね。」

どういう意味ですか!私は肉体年齢はまだかなり若いですよ!?

「老人のような扱いをしてしまい、ごめんなさい(ププ)」

前言撤回します、やっぱり貴女はソシエさんですね。

「乱雑な生活してたら、あっという間に老けるわよ。」

だから、歳の話はしないで下さいと何回言わs(ry

810隠れた挑戦状 その4:2007/01/18(木) 12:23:55 ID:???

「遅ればせながら年始のご挨拶をと思い、筆を、、、取ったわ。お姉様(ディアナ様)からの年賀状も楽しかったわよ。」

珍しく、遅かったですね。私の年賀状は一言です。『よしなに』と。シンプルが一番です。

「立春まで待ち遠しいわね。」

そうですね、寒いのは苦手ですから、早く暖かくなって欲しいものです。

「もうじきのことと考えてはいるんだけど、」

そうそう。

「どうしても、心がはやるのよね。」

焦ってはいけませんよ。寒いですが、雪には情緒があります。そして、春が来る。その過程を楽しみましょう。

「素敵な一年を過ごせますように。」

ありがとう、私もそう願っています。

「私はお姉様(ディアナ様)よりもっともっと、すてきな一年にするから!!」

ソシエさんらしいですね。ですが、負けませんよ!

「じゃあね。ロランによろしく!!」

親愛なるお姉様へ。ソシエ・ハイム

811隠れた挑戦状 その5:2007/01/18(木) 12:25:23 ID:???

・・・・・・これだけ?

怪しい。ものすごく、怪しいです。あのソシエさんが、こんな普通の年賀状を送ってくるなんて。ましてや、ロランにはよろしく、の一言だけ・・・
絶対、何かあると思って目を横に滑らし、もう一度読み返しましたが、何も見つけられませんでした。


・・・・・・ひょっとして、ロランを諦めた?


思った瞬間、苦笑してしまいました。それこそ月光蝶で地球が灰燼と化してもありえないことです。
やっぱり、何かある。確信した私はまた目を横に滑らしました。何度も何度も。
一つ飛ばしで読んだり、果ては逆から飛ばして読んだり。延々30分ほど格闘しましたが、結局わかりませんでした。

しいて言えば、全体的にソシエさんらしくない文体だということと、改行がおかしい所があることくらいでした。

どうにも納得いかず、顎に手を当てて考えていると、

「ディアナ様ー、朝食の用意が出来ました。ダイニングへお越し下さい。」

はーい、今行きます。今朝のメニューは何ですか?

「今朝はですね・・・・・・」

ロランから朝食の声が掛かると2秒で年賀状のことなど忘れ、食事モードになってしまいました。
頭を使うとお腹が空くのです。
そろそろおせち料理にも飽きましたし、今朝は洋食だったら嬉しいです!
私は年賀状をリビングのテーブルに置き、ダイニングに向かいました。

812隠れた挑戦状 その6:2007/01/18(木) 12:26:51 ID:???

今回は意識を失うこともなく何だか拍子抜けしましたが、たまにはいいでしょう。
それではみなさん、よしなに!!
パタパタパタ・・・・・・



―――デーブルの上には、ディアナ様が置いた年賀状が・・・―――





@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

新年、明けましておめでとうございます。



今年もどうぞよろしくお願いいたします。
取りあえず、どうにか年越しをすることができました。
新年はいかがお過ごしですか?
コタツに入り浸っているんじゃないの?(笑)
底冷えのする寒さだから、関節痛や冷え性にお気を付けてね。
老人のような扱いをしてしまい、ごめんなさい(ププ)
乱雑な生活してたら、あっという間に老けるわよ。
遅ればせながら年始のご挨拶をと思い、筆を
取ったわ。お姉様(ディアナ様)からの年賀状も楽しかったわよ。
立春まで待ち遠しいわね。
もうじきのことと考えてはいるんだけど、
どうしても、心がはやるのよね。
素敵な一年を過ごせますように。
私はお姉様(ディアナ様)よりもっともっと、すてきな一年にするから
!!



じゃあね。ロランによろしく!!

親愛なるお姉様へ。ソシエ・ハイム

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@


813通常の名無しさんの3倍:2007/01/18(木) 12:34:00 ID:???
以上です。

流れを無視して投下してしまいました。
791氏、どうもすみません。

ちょっと強引な箇所もありますが、ソシエの今年の抱負です。

ご意見、どうぞよろしくです。
814通常の名無しさんの3倍:2007/01/18(木) 12:37:49 ID:???
乙です
もしかして>>812には縦読みとかありますか?

だとしたらワカンネ
815通常の名無しさんの3倍:2007/01/18(木) 12:59:11 ID:???
>>812
GJ!!だがこの縦読みはちょっと無理があるなw
816通常の名無しさんの3倍:2007/01/18(木) 13:37:58 ID:???
>>814
はい、実は縦読みです。それも強引な縦読みです。もし、携帯からでしたらわかりにくいかもしれません。
すみませんです。(^^;)

>>815
ごめんなさーい、どうしてもうまく出来ませんでした・゚・(ノД`)・゚・
ロランの名前にしたのが悪かったです。いま思えば「あいつ」でも意味が
通じたのに・・・もっと頑張ります。
817通常の名無しさんの3倍:2007/01/18(木) 16:49:20 ID:???
その強引さもソシエらしさと言えなくもないかなw
一応解読成功
818zash ◆H8s.SckvxY :2007/01/18(木) 21:03:42 ID:ZWdfJv1B
去年はざんねんでしたね、ソシエさん。
819zash ◆H8s.SckvxY :2007/01/18(木) 21:11:51 ID:???
サゲてるんですね。
820814:2007/01/19(金) 11:40:30 ID:???
解読成功!無理矢理杉ワロタ
821通常の名無しさんの3倍:2007/01/19(金) 18:40:50 ID:???
 『優しい』という表現がよく似合っていた。
 笑って顔をのぞき込めば微笑みを返し、いつでも話相手をしてくれる。
 そんなちょっとした気遣いから慈愛の心を感じ、時に厳しい事も愛の鞭と捉えていた。
 ただ、言うまでもなくその優しさを誰に対しても同じだけ与えるのである。彼は。
「わたくしだけが特別に与えられていたのではありませんでした」


 怒鳴ってから、無意識に逃げるように部屋に帰ってきていた。何か言いたげなロランを残して。
 部屋に帰るなりほとんど無造作にベッドに体を放り投げ、枕に顔を埋め身動き1つしなかった。
 まもなく全身に疲労を感じた。さっきまで寝ていたというのに、体が重い。
(走ってる時はまだ大丈夫ですのに、一度休むと立ち上がりたくなくなる)
 そんな考えに自嘲する。寝起きの自分はあれで走っていたというのだろうか。

「男のためにお料理を作って待っていて、その男は他の女と遊んでいて遅く帰ってきました、
・・・・なんて、怒らない方がおかしいです」
 誇張したが、言ってしまえばそんなものだ。自分からすれば。
822通常の名無しさんの3倍:2007/01/19(金) 20:18:00 ID:???
 窓を向くとカーテンの隙間から朝陽が差し込んでいた。しかし部屋の雰囲気はいつもと違った。
「朝?」
 パッチリ目が覚めた。昨夜は熟睡出来たようで、寝起きは良い。
「うーん、良い朝」
 それから拳を天に向けて突き上げ、体を震わせて口を開けて大きくあくび。自分なら人前ではこんなことはできない。
「あ」
 急に恥ずかしくなってうつ向いた。


 いつもより早めに寝て、いつもより早めに起きた。今日はちょっとだけ自分の方が早く起き、朝支度も済ませて既に着替え終わっていた。
 そして特に何をするわけでもないので自分で朝食を作った。2人分。
 いつまで続くか分からないが、出来る限りこれからはそうしよう、と思いながら。
「わたくしが作れるのはこの程度ですけど・・・」
 メニューはハムエッグとトースト。それからコーヒー。
 いつもは銀髪の少年が作ってくれるのだが・・・
「食べてくれるでしょうか」
 不安になる。
 昨日の今日である。いささかギクシャクはするだろうが、時間の問題と思いたかった。
 足音がパタパタと近付いてくる。緊張は募る。
 そしてドアが開かれ――
「あ、ディアナ様が作ってくれたんですか?美味しそう!」
 突き抜けるような明るいその声で、不安はすぐかき消された。
823通常の名無しさんの3倍:2007/01/19(金) 21:34:29 ID:???
 理由が無ければ怒れないという事は無い。
 よく分からないうちに、むしゃくしゃすることがあるから。
 それを制御出来ない人間を、「子供」と言う。



 あの日、ロランに飛び付いた時、女性の香りがして気持ち悪くなった。臭いが嫌だった、というわけではなく。
 あれは良い香りだった。
「ああ、ロランが惹かれる理由も分かるな、と思いました。
もしかしたら何かの間違いかもしれないのに、勝手に思い込んで」
 ロランがその女性と何をしたかは分からない。
 だが聞きたくても聞けない。
 何だかむしゃくしゃして、あれこれ理由をつけて自分を納得させてみても、気持ちは晴れなかった。
「そしてその疑念を真っ直ぐロランにぶつけました。皮肉にも、結果は予想と同じでした」
 別にソシエさんと会っていたなら最初からそう言えばいい。なぜ言えない?
 何も言わないロラン、それが本当の怒りの着火点だった。


 朝食を作ったものの、半分も手をつけなかった。手に持ったコーヒーも冷めている。
「そうなんだ・・・何だかごめんなさい、誤解されるような事して」
「いえ、別に」
「でも本当に何もしてないですよ?・・・ちょっとハグしたぐらいで」
 すでに目の前の女性は食事を終えていた。
「信じます」
「っていうか、やっぱりディアナ様ってロランの事を好きなのねぇ」
 からかうよう声、屈託の無い笑み、今、ソシエさんとの会話が何よりの癒しだった。
824通常の名無しさんの3倍:2007/01/19(金) 22:36:25 ID:???
「大胆な事をする女王様だとは思っていたけど、家出とはねえ」
 あの日、書き置きを残し夜中に家を飛び出した。
「ディアナ様もこんな町外れの一軒家、よく見つけたわね。どうやって見つけたの?」
 家を出た後は、しばらくはホテルに泊まっていた。運良くそのホテルの支配人からここを教えてもらい、借りる事ができた。
 町外れの一軒家、家もまばらにあるぐらいで人気も少ない。家具は必要最低限は備え付けで置いてあったので、後は住むだけで良かった。
「本当に運が良かったと思います」
「そうね、ディアナ様って世間知らずっぽいし」
 少しムッとしたが、彼女は悪気があって言ってるわけではない。・・・と思い込みたい。
「でも昨日ソシエさんが来られた時は驚きました」
「そうそう、すっごい苦労したのよ!?実は」
 朝食を終えて一段落ついた。二人ともソファに腰をかけてくつろいでいる。
 ホテルに住んでいた時は穏やかに、つつましく暮らそうと思い、ただ都会の喧騒も雑多な迷い事をかき消すのに
「ディアナ様聞いてんの?」
「も、もちろん聞いていますよ?」
「・・・いいけどね。で、良いんですか?」
「何がですか?」
「アタシもここに住んでも」
「構いませんよ、ソシエさんなら」
 ・・・・理由は分からないが、どうやらソシエさんとの共同生活が始まろうとしている
825通常の名無しさんの3倍:2007/01/20(土) 15:10:45 ID:???
>>824
呉越同舟ワロタ
826通常の名無しさんの3倍:2007/01/20(土) 19:34:37 ID:???
>>825
ほんっっとにすみませんでした
実はこれ長くてつまらないけど前置きです


ソシエさんとの生活を書きたいがための・・・
まさかこんなに長くなるとは思いませんでした
827通常の名無しさんの3倍:2007/01/20(土) 22:15:37 ID:???
>>826
お疲れ様。
長くなりそうならタイトルつけるかトリップつけて欲しいな
そのほうが他の人の作品が間に挟まれても
ああ、いつもの人の続きだ
ってわかるし
まあ、無理にとは言わないけれど
828通常の名無しさんの3倍:2007/01/20(土) 22:33:01 ID:???
>>826
乙です。
というか、今までの前フリだったの!?
これは久しぶりの長編だな。ガンガッテクレ
829zash ◆H8s.SckvxY :2007/01/20(土) 22:33:27 ID:???
よしなに。
830通常の名無しさんの3倍:2007/01/21(日) 21:15:07 ID:???
やばい、よしなに日記を最初から見てたら恋に落ちた。

何をするにしてもディアナ様のことが頭に浮かんで集中できない
ロランと幸せにしてる所を想像してるだけで気づいたら一時間たってた。

もうどうしたらいいかわからない
誰かたすけてくれええええええええええええええ

ああ、ディアナ様に会いたい
831通常の名無しさんの3倍:2007/01/21(日) 21:18:46 ID:???
つ∀ガンダムDVDボックス
832通常の名無しさんの3倍:2007/01/21(日) 21:26:05 ID:wzPG7d+n
>>830
そんなにディアナが好きかぁ!!
833通常の名無しさんの3倍:2007/01/21(日) 21:46:25 ID:???
このスレを見ている人はこんなスレも見ています。(ver 0.20)
高橋理恵子様 Part2 〜永遠のお嬢様〜 [声優個人]
【GF】種死の世界にドモンが来たら【第六回】 [新シャア専用]
ウッソとキラが出会ったらpart4?【落下で?】 [新シャア専用]


萌えスレの方もたまには来て下さい
834通常の名無しさんの3倍:2007/01/21(日) 22:13:13 ID:???
>>832
この世の真理ですよ

>>833
以前と比べるとずいぶん人が減ったよね
時間が経てば仕方ないのかもしれんが少し寂しいな
835通常の名無しさんの3倍:2007/01/22(月) 10:15:44 ID:???
         .., -ー-、.
        〈=◎=-,___>
        |(゚ー゚*|-| `i,
  (´・ω・`) ヽ( 円   )ノヨチヨチ、ヨチナニ
    ↑>>830
836通常の名無しさんの3倍:2007/01/22(月) 16:44:54 ID:???
このスレの始めの方のSSって展開がキモいなあ




俺が書いたんだから当然かw
837通常の名無しさんの3倍:2007/01/23(火) 02:18:00 ID:???
>>2002年後半〜2005年中頃までの日記は萌えスレ参照のこと。
関連スレ
全軍をもってディアナ様に萌えるスレッド
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1136643468/

2002年後半〜2005年中頃までのよしなに日記が見たいのですが、見つかりませんorz
どこに日記を隠したんだディアナ様は。
全くかわいいことをするなぁー

一日一時間よしなに日記を読まないと平常心が保てない俺を誰か救ってください
838トリップ付けました ◆q8XqzeUfCY :2007/01/23(火) 06:53:37 ID:???
 日が暮れて夜になった。
 ソシエさんが昨日の夜に訪ねてきたから、一緒に暮らして一日が経ったことになる。
 わたくしは家にいましたが、ソシエさんは昼間からよく分からないけどバタバタと家を行き来してました。
「一応、ロランには伝えておいたから。結構心配してましたよアイツ」
「・・・そうですか」
 たぶん、ソシエさんはわたくしを心配してくれている。ロランの代わりに面倒を見よう、なんて思っているのではないでしょうか。
 思えば昼間の喧騒は何も知らないわたくしを気遣いこの家の環境を整えていたのでしょう。気付けばいろいろと家の設備が潤っている。
「あの、ソシエさん!今日は本当に・・・」
「あーこれで屋敷のいらないもの整理できたわぁ。で、なにディアナ様?」
「き、きょうは本当に良い運動になりましたね!」
 一体なんだこのお嬢様は。
「しっかし誤解なんだから戻っても良いと思うんですけどねー」
「そうですけれど」
 自分は嫌な女だ。たぶん・・・・
「まあ、気まずいのは分かるんですけどね」
「しばらく考えたいんです」
 別にロランとは恋人でも何でもない。このお嬢様と会おうが目くじら立てる意味が分からない。
「ロランはそう思ってるの?」
 どこかで確かめたかった。
839通常の名無しさんの3倍:2007/01/23(火) 12:24:03 ID:???
>>837
このスレをみてその状態なら、6、7年前くらいのあの小説読んだら
萌え氏ぬんじゃないかw
840通常の名無しさんの3倍:2007/01/23(火) 14:08:55 ID:bN/CRPGT
あげます

後閉鎖まで三時間です。
誰かよしなに日記のまとめサイトでも作ってくれ!!
今仕事中だから誰か頼みます;;
841通常の名無しさんの3倍:2007/01/23(火) 21:07:00 ID:???
よしなに
842通常の名無しさんの3倍:2007/01/23(火) 21:27:52 ID:??? BE:361420984-2BP(122)
纏めサイトと言うか過去ログ保管庫あったほうがいいのかねぇ?
843通常の名無しさんの3倍:2007/01/24(水) 12:05:14 ID:???
まだHTML化してないのもあるしねぇ
844某月某日:2007/01/25(木) 00:52:34 ID:??? BE:914846999-2BP(122)
作りかけで放置してたのにとりあえず最近の分加えた。
ttp://dianna.fcpo.net/

ログはDAT2HTMLでHTML化してるんで携帯では読めないけど。。。
845 ◆q8XqzeUfCY :2007/01/25(木) 01:33:29 ID:???
>>844
うあー久々に見た


かなり萌えた・・・

己の無力さを痛感した・・・

そりゃ方向性が違うけどさ・・・
846通常の名無しさんの3倍:2007/01/25(木) 09:11:43 ID:???
>>844
GJ乙です!!

ほんと、懐かしいですね。
自分も頑張らねば!
847通常の名無しさんの3倍:2007/01/25(木) 21:58:20 ID:???
>>844
乙です。
これも次のテンプレに加えてもらいたいです。
848通常の名無しさんの3倍:2007/01/28(日) 14:13:27 ID:??? BE:135533243-2BP(122)
>844
互換スクリプト経由で携帯からも見れるようにした。>ミラーログ
ディアナ様スレは結構AA多いので、AASに対応できるか調査中。
849通常の名無しさんの3倍:2007/01/28(日) 14:55:09 ID:??? BE:338832465-2BP(122)
AAS入れました。パケ死にはご注意を。
ttp://example.ddo.jp/aas/
850通常の名無しさんの3倍:2007/01/31(水) 01:04:07 ID:???
保守
851もう一人の彼女 1/5:2007/02/01(木) 22:14:13 ID:???
僕がディアナ様の変化に気づいたのはディアナ様との生活からしばらくしてからだった。
よくよく考えれば思い当たる点はいくつかあったが、その時には考えもしなかった。

当初の僕とディアナ様の生活は特に変わりなく今までどおりだった。
この当時の僕は、今後の生活をディアナ様がキエルさんと入れ替わった時と
同じように進むのではないかと考えていた。また、実際に最初はそうだった。
だって僕は、運河人で、ハイム家の使用人でもあって、∀のパイロットでしかなく
またディアナ様のことも、以前ハイム家のお嬢様を演じている時と
同じような感じなのだろうと考えていたからだ。
だからディアナ様と2人だけの生活と言っても、以前のギャロップで
二人一緒だったときのように暮らしていくのだろうと僕は考えていた。

ディアナ様の僕に対する接し方が変わってきたのは一週間ぐらいたってからだったと思う。
最初に感じた違和感は言葉遣いだった。
ディアナ様とキエルさんでは僕に対する言葉の使い方が違う。
キエルさんと僕の関係は主人の娘と使用人であったので、当然キエルさんは
いや、ソシエさんも僕に対しては主従関係的な命令口調が必然的に多くなる。
一方のディアナ様は女王であったせいか名前こそ呼び捨てであるものの、
僕のような運河人に対しても敬語を使って話してくださることが多かった。
それは僕とディアナ様が親しくなってからも変わることはなかった。
ところが、最近のディアナ様は僕に対しての口調が変わったのだ。
この変化はディアナ様とずっと一緒にいた僕だから気がついたのかもしれない。
うまくは説明できないが、以前のような女王としての言葉の『硬さ』が
無くなったとでも言えばいいのだろうか。なんだかディアナ様の言葉一つ一つに
『親しみやすさ』のようなものを感じ取れた。
僕は、ディアナ様が僕に対して一層親しく接してくれるようになったのだろうか
と勘違いをしていた。いや、完全な的外れではないかもしれないが。
852もう一人の彼女 2/5:2007/02/01(木) 22:15:29 ID:???
僕がはっきりと以前のディアナ様と違うと感じたのは一月後のことだった。
その時、僕は風邪にかかってしまいディアナ様に看病してもらっていた。
なんとか完治できた僕は、せめてものお詫びにディアナ様にプレゼントをしたのだ。
そこで僕とディアナ様でこんなやり取りがあった。

「ロラン、渡したいのもがあるとはなんですか?」
「実は、これをディアナ様に…。」
「これは…!わたくしがずっと欲しかったネックレスじゃないですか!?
これをわたくしに?」
「以前ディアナ様がこれをご覧になられていたのを思い出しまして。
この間の看病のせめてものお返しにと思いまして。」
このネックレスも僕の収入から考えれば決して安いものではなかった。
それでも僕は喜んでくれるディアナ様を見ていると買って後悔したとは思わない。
が、驚いたのはこの後だった。
「ロラン…。ありがとう!嬉しいー!!」
「ぅわっ!ディアナ様、苦しいですよ!」
なんとディアナ様が僕に抱きついてきたのだ。
いきなり2人分の体重が足にかかった僕はなんとか倒れそうになるのを堪えた。
「ディアナ様、落ち着いてください!危ないですから!」
「あ…そうですね、ごめんなさい。でもありがとう♪」
ディアナ様は満面に笑みを浮かべながらそう答えてくれた。
「でも、抱きつかれるほど喜んでくださるとは思いませんでした。」
「あら、わたくしとロランは家族じゃないですか?
いや、この場合は夫婦と言う方が正しいかもしれませんね。」
「夫婦…!僕とディアナ様がですか!?」
「他にこの家に誰がいるのですか?わたくしはロランのことを愛していますし
ロランだってわたくしのことを大切に思ってくれているのでしょう?」
「え、えぇ…。それはもちろん。なんか面と向かって言われると照れますね…。」
「ふふふ。だったらやっぱりわたくしたちは『夫婦』じゃないですか。」
「まあ、そうかもしれませんね…。」
853もう一人の彼女 3/5:2007/02/01(木) 22:16:43 ID:???
この時のディアナ様の笑顔はいままでディアナ様とずっと一緒にいた僕でも
とても素敵だった。同時に、ディアナ様がさらりと
『愛している』とか『夫婦』という言葉を口にしたことが不思議だった。
僕とディアナ様の付き合いは長いけれど、僕は一度だって僕の想いをディアナ様に
直接伝えたことは無いし、なるべく悟られないようにしてきた。
それは僕が、心のどこかで身分の差を感じていたからなのかもしれない。
あるいは僕自身が自分の価値を自分で定めてしまいディアナ様に
相応しい男だとは思えなかったのかもしれない。
また、ディアナ様からも終戦後に一緒にいて欲しいとは言われたが
はっきりと愛の告白を受けたことはなかったし、今までも無かったように思う。
だから、僕はディアナ様から『夫婦』と言われたときには
喜びの感情よりも驚きのほうが強かったような気がする。

ディアナ様が僕に対して積極的(という表現が正しいかは分からないが)に
なりだしたのは最近のことだ。
思い返せばディアナ様は女王なのにキエルさんと入れ替わったり、戦場に自動車で乱入したり、
野戦病院で働いてたり、銃を乱射したり…。
と思い返せばとても女王様とは思えない行動の数々で
僕はいつもディアナ様に振り回されていたような気もする。
そんな僕とディアナ様の関係はハラハラすることも多かったけど
楽しかった思い出がたくさんあるもの間違いの無いことだ。

もしかしたらディアナ様は本来女王としての資質を持っていなかったのかも知れない。
もちろん女王であったディアナ様にも、女王に必要なリーダーシップや決断力、
合理的なものの考え方とか、統率者として必要なものも当然あった。
しかしそれは、ディアナ様に先天的に身に付いていたものではなく、
後天的に身に付けざるを得なかったものなのかもしれない。
何か確証があるわけではないが、今までのディアナ様の生い立ちを考えたり、
ディアナ様の話を聞いているとなんとなくそう思うのだ。
そしてディアナ様は女王としての自分をキエルさんに引き継いでもらったことによって
いままで女王ディアナ様の陰に隠れていたもう一人のディアナ様が現れたのかもしれない。
854もう一人の彼女 4/5:2007/02/01(木) 22:17:59 ID:???
以前の僕の中でのディアナ様は、とても理知的で、威厳があって、
その絶大なカリスマによって僕たちのようなムーンレィスを導いてくれる
神様のような存在だと思っていた。
でも僕が見てきたディアナ様は、怒りっぽくて、おっちょこちょいで、
トラブルメーカーで、毎日を楽しそうに生きているのに、いつも何かに苦しんでいて、
それでも前を見据えていて、誰よりも平和を望んでいる心優しい方だった。
僕はディアナ様が神様のような崇高な存在ではなく、
僕たちと同じように普通に笑って、怒って、泣いて、喜ぶディアナ様の姿が嬉しかった。
それは僕もディアナ様も一人の人間で、どこにも違いは無いことが分かったからだ。

そして同時に護りたいとも思った。
ディアナ様が悲しい思いをしておられたのは、ディアナ様が優しすぎるからなのだと思う。
優しさは一人の人間としてはとても魅力的なことだ。
けれど、月の統治者であられたディアナ様にとって
それは自分自身を傷つける諸刃の剣にもなる。

人は間違える生き物だ。
この世に生を受けて今まで一度たりとも間違えたことの無い人間など存在しない。
これはディアナ様とて例外ではなく、ウィル・ゲイムさんとのこと、
地球帰還作戦のこと、月での造反を見抜けなかったことなど
多分僕の知らないこともたくさんあると思う。
でも、それは人が人である以上仕方の無いことだと思うし
これらの件に関してもディアナ様に全ての責任があるとはとても思えない。

それでもディアナ様は悲しんでいた。
僕はディアナ様が笑っている笑顔の裏で一人自責の念に駆られ
大きな闇を抱えていることを知っていた。
だから僕はディアナ様に笑って欲しかった。
仮初めの笑顔ではなく、心の底から笑って欲しかった。
以前の僕にそれができていたのかはわからないし、
今でもそれができているかどうかは明確にはわからない。
855もう一人の彼女 5/5:2007/02/01(木) 22:18:58 ID:???
それでも僕は僕のできる範囲で、ディアナ様と一緒にいて、
時にからかったり、からかわれたり、
周囲から見れば明らかなほどに馬鹿なことをしたり、されたり、
そして、ディアナ様と共に笑って、怒って、泣いて、喜んでいる。
それが、僕がディアナ様にできる唯一のことだと思うからだ。
もう、かつての戦争でこの世界の誰よりも悲しい思いをしたディアナ様に
これ以上悲しい思いはして欲しくない。
これから先は、この世界の誰よりも幸せでいて欲しい。
それは僕のエゴなのかもしれない、当人には余計なお世話なのかもしれない。
それでも僕のこの思いも、偽りの無い事実だから。
そして、ディアナ様が心から笑ってくれることが、僕の幸せでもあったから。
だから僕は今ディアナ様と共にいる。
ディアナ様が心から笑ってくれるように。
少しでもディアナ様の手助けができるように。

「ロラン!早くしてください!急がないと間に合いませんよ!」
「大丈夫ですよ、そんなにあわてなくても。数はたくさんあるんですから。」
「なにをいうのですか!?限定30個ですよ!
そんな悠長にやってて、『イングレッサ復興記念特製パフェ』が
売り切れていたら、法の裁きを受けてもらいますからね!!」
「ディアナ様、なんか恐いですよ…。」

ディアナ様は生き生きとしている。
最近は以前より一層振り回されていて、以前の御淑やかなディアナ様は
どこに行ってしまったのだろうと思う時もあるけれど、
それでも僕は今の元気なディアナ様のほうが好きだ。
そんなディアナ様の姿がいつまでも見られるように
僕は今できることをするだけだ。
それが僕にとっての幸せでもあるのだから…。
856通常の名無しさんの3倍:2007/02/02(金) 09:18:01 ID:???
>>851-855
GJ!!超GJ!!!
ディアナ様とロランが夫婦なのは確定だな?確定なんだな!?
劇中のディアナ様のイメージにピッタリだから、めちゃめちゃ萌えたわ(`・ω・´)ムフー!
857通常の名無しさんの3倍:2007/02/02(金) 09:44:28 ID:???
実に自然にディアナ様の声で再生できた
心から感謝します、ありがとう
858通常の名無しさんの3倍:2007/02/08(木) 01:34:23 ID:rl63S9Pe
保守あげ
859通常の名無しさんの3倍:2007/02/08(木) 09:12:31 ID:???
真面目に面白かった
キャラを壊さず成長させた気がする
余計な心配かもしれんがエロには走らないで欲しい
860通常の名無しさんの3倍:2007/02/09(金) 21:41:37 ID:???
でも微エロは大好き
861通常の名無しさんの3倍:2007/02/11(日) 00:07:26 ID:???
その辺は職人さんしだいだな
862通常の名無しさんの3倍:2007/02/14(水) 20:34:30 ID:???
おっぱお
863通常の名無しさんの3倍:2007/02/14(水) 21:03:59 ID:???
>>862
バレンタインネタのSSが投下されてると思いきや
おっぱお…orz
864通常の名無しさんの3倍:2007/02/14(水) 22:57:54 ID:???
>>863
自分で書くしかないね
期待してるから頑張ってw
865通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 18:21:41 ID:???
ところで、未完の作品はどうなった?
866通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 19:44:35 ID:???
往年の名SSで、タイトルが確か「寒い夜」「かがみ」辺りだったと思うけど、
今読めるところ無いのかしら? あったら是非見てみたい!
867通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 21:11:50 ID:???
リンクはもう切れてるよね

他に「さま」と「ソシエ」がある

確かに神だった。続きを読みたいな……無理なねはわかっているが
868通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 22:10:19 ID:???
>>866-867
何それ?
新参の俺にも教えて欲しい
869通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 23:40:05 ID:???
つ過去ログ

確か、2001年くらいだったと思う

この板の住人なら誰か保存していると思う

ウププリーズ
870通常の名無しさんの3倍:2007/02/18(日) 00:11:58 ID:???
>>869
見れなかったけど
何を指しているのかだけはわかった。
dクス
871通常の名無しさんの3倍:2007/02/18(日) 18:19:57 ID:???
872通常の名無しさんの3倍:2007/02/18(日) 20:16:22 ID:???
>>871
良い物を見させてもらいました。
でも一番感情移入したのがソシエだったのが
自分自身ちょっと意外だった
873通常の名無しさんの3倍:2007/02/21(水) 23:46:53 ID:???
ほす
874残酷な贈り物 (1/19):2007/02/22(木) 17:47:37 ID:???

『せんせー、さよーなら!おねーさんもさよーなら!!』

先生「さようなら。気を付けて帰ってね!」

さようなら、明日もよしなに。

先生「さあ、最後の園児が帰ったわね。後かたづけして、私たちもかえりましょうか、
キエルさん?」

そうですね・・・バイバイ

母親に手を引かれて、振り返りながら手を振る幼稚園児に私も手を振り返し、園内に戻り
ました。

ご挨拶が遅れてすみません、ディアナ・ソレルです。

私はいま、街の中にある幼稚園にアルバイトに来ています。
何故かというと・・・生活無能力者である私は、せめて家計の助けになろうと街でアルバ
イトをしようと思い、たまたま買い物に来ていたときに募集の張り紙をみて、応募したら
採用された、というわけです。

先生A「本当にねぇ〜、職員の一人が出産するから休暇を取ったから、人手不足だったのよ。
キエルさんみたいな、子供が好きな人が来てくれて助かったわ。」

いいえ、そんな。私ごときでお役に立てるなら、いくらでも。

先生B「それに根性もあるしね。見た目より大変な仕事だから、アルバイトが来てもすぐ
辞めちゃう人が多いのに、キエルさんはもう10日も続いているんだから、立派よね。子供
達にも大人気じゃない。」

そんなことありません、私こそ、いい運動になります。それに・・・・・・
(根性ならありますとも。普段、あのニブチンと一緒に生活すれば、どんな女性でも
忍耐力がつくというものです。ロラン、いい加減に気付いてください(泣))

875残酷な贈り物 (2/19):2007/02/22(木) 17:48:52 ID:???

先生B「それに、何?」

いいええ、こちらのことです。ええと、ダイエットには良いですね!

先生A「そうね(笑)ここの職員が細いのは、仕事で子育てダイエットが出来ちゃうからか
もね。」

ぜひ、私もあやかりたいです。

先生B「大丈夫、一ヶ月もすればみんな同じ体系に・・・・・・」


などと談笑しつつ、本日の仕事を終えました。
帰りはいつもロランが自動車で迎えに来てくれます。そして、車内で今日一日起こった
ことの話をしながら、別荘へと帰るのが日課になりました。

ロラン「お疲れ様でした、ディアナ様。お疲れでしょう?」

うふふ。働いたあとの疲労感は、少し心地よいです。ロランも毎日働いているでしょう?私より疲れているはずですよ。

ロラン「そんなことありません!僕はディアナ様のお世話が出来るのが嬉しいんですから。」

・・・ありがとう、ロラン。

ロラン「(微笑)今日のご飯は、シチューですよ・・・・・・」


876残酷な贈り物 (3/19):2007/02/22(木) 17:50:05 ID:???

そうして、別荘へと戻り、夕食を食べたあとの台所では入口にバリケードと張り紙が・・・

『入室禁止。入った者は冷凍刑です。よしなに』

ロラン「ディアナ様、これはどういうことですか?どうして入室禁止なんて!?」

ロラン、明日が何の日か知っていますね?そう、聖バレンタインデーです。全世界の乙女
が男性へチョコレートを贈る、必須イベントのうちの一つです。そしてこれは女の戦いで
もあります。私は、負けるわけにはいかないのです!!

ロラン「ディアナ様、よくは判らないのですが、僕はそんな勝ち負けなんて気にしません!
それより、ディアナ様が刃物で怪我をされる方が心配です!どうか台所に入れてください。
せめて、おそばに・・・」

なりません。

ロラン「ディアナ様!」

優しいロラン、ありがとう。どうか見守っていて下さい。この作業を一人でこなしてこそ、
貴方にチョコレートを渡す資格を持つことが出来るのです!!

ロラン「いや、そうではなくて、、、あのですね、ディアナ様ぁー・・・・・・・・・」

877残酷な贈り物 (4/19):2007/02/22(木) 17:51:24 ID:???

―――台所の中―――

ええと、まずはチョコレートを溶かさなければいけませんね。これは知っています、湯煎
というものをするのですね・・・
グツグツ

甘さを引き立てるには、お塩を入れると聞きました。
ザバー

ちょっと入れすぎましたか、、、でもチョコレートはもともと甘いから多少は大丈夫です!
そして、秘密兵器!「カカオ100%」の粉末。これで大人の風味が出るのです!!
ドサドサ

なんだか水気が無くなって来ました。どうしましょう?・・・バニラエッセンスを足しま
しょうか。
ドバドバ

なんて甘い香り。これならきっと美味しくできることでしょう!!
そして次は隠し味第2弾、お酒です・・・・・・・・・


その様子をバリケードの隙間から覗き見たロラン、見えるのはディアナ様の背中だけで手
元は見えていない。しかし、セリフからは真っ当な材料が聞こえていたことからホッと一
安心し、その場を後にした。











・・・・・・後にしてしまった。

878残酷な贈り物 (5/19):2007/02/22(木) 17:52:27 ID:???

―――数時間後、一つの仕事を終えた職人、のような顔をしたディアナ様が台所から出て
きた。―――


ロラン、明日を楽しみにしていてくださいね。やりましたよ、私は!!

ロラン「ディアナ様、、、とにかくご無事でなによりです!」

大げさですよ。さあ、今日はもう遅いです。休みましょう!

ロラン「はい。」


―――次の日、アルバイト先の幼稚園の前で―――

それではロラン、行って参ります。

ロラン「ハンカチとティッシュは持ちましたか?お弁当はその手さげ鞄の中にあります。子供
達に渡すチョコレートも、です。エプロンは鞄の横のポケットの中です。ディア・・・お
嬢様、相手は幼稚園児なのですから、ケンカしてはいけませんよ。それから・・・」

ロラン、私は子供では無いのですから、毎日同じ事を言わなくても大丈夫ですOrz

ロラン「す、すみません。」

いいのです。気を付けて、帰ってくださいね。帰りはいつもの時間にお願いします。

ロラン「かしこまりました、お嬢様もお気を付けて。」
ブロロロロロ〜

ふう、ロランは心配性過ぎます。まるで私が幼稚園児みたいではないですか。

先生A「おはよう、いつも仲が良いわね?」

おはようございます。・・・そう見えますか?(照)

先生A「ええ、とっても。」

ありがとうございます!!さぁ、今日も頑張りましょう!!!

879残酷な贈り物 (6/19):2007/02/22(木) 17:54:05 ID:???

午前中の仕事は滞りなく終わり、昼食の時間となりました。仕事といっても私の場合は
子供達に群がられて遊ぶことです。それは、とても楽しいのですが、無限にあるかのよう
な子供の体力には驚かされます。一緒になって遊んでいると、確かに痩せるかもしれませ
んね。

そして、15時のおやつの時間です。今日はバレンタインデー。おやつの時間は私たちが
用意したチョコレートを配りました。その時のことです。

女の子「おねーさん、はい。」

一人の女の子に、小さなチョコレートを渡されました。

私にですか?

女の子「うん。いつもあそんでくれるから。せんせいもあそんでくれるけど、おねーさん
のほうがすき。」

まぁ、ありがとう!いただきます。

女の子からチョコレートを貰うなんて、産まれて初めてのことです。私は感動し、美味し
く頂きました。

他の子供達は、その女の子に「ずるい!」とか「わたしもあげたかったけど、おかあさん
にへんだっていわれた!」とか言いながら、私の周りに集まり、子供たち同士で言い合い
を始めました。
その様子を少し離れたところからクスクス笑う先生たち。お願いですから、何とかしてく
ださい(泣)

私の涙目の訴えが効いたのか、先生方が参入してどうにか騒動は治まりました。

880残酷な贈り物 (7/19):2007/02/22(木) 17:55:03 ID:???

そして、本日のお仕事は終わり、いつものように迎えに来てくれたロランと帰りの車の中
でそのときの事を話すると、

ロラン「子供達はディアナ様がお優しいことが判るんです。それは、とても素晴らしいことで
すよ!さすがです!!」

などと言ってくれるのです。ほんとうに、、、、カワイイです(照)

ロラン「そういえば、ディアナ様が働きに出ている間に郵便でチョコレートが届いていました。
、、、僕宛てに。」

(#゚Д゚)クワッ!!・・・・・・そうですか。

ロラン「といってもソシエお嬢さんからだけです。」

そのソシエさんが問題なのです。後から月にいるキエルさんに教えて頂いたのですが、
今年送られてきた年賀状にあんな意味があったなんて。絶対に油断出来ません!!私は
思わず腰を浮かせてロランの顔を凝視してしまいました。

ロラン「どうも手作りらしいんです。今年は2つも手作りチョコが当たるなんて、僕は幸運
かもしれません。」

(#゚Д゚)ビキビキ・・・・・・

ロラン「まだ食べてはいませんけどね。」

え・・・食べてないんですか。どうして?

ロラン「ディアナ様が先ですから。」

・・・・・・・・・ストン
ロランのその言葉に、私は浮かせた腰を下ろし、恥ずかしくなって顔を窓へ向けました。

ロラン「ディアナ様のチョコ、楽しみです!」

・・・よしなに(赤)

そして、別荘に着き食事を済ませた後、いよいよチョコレートを渡すこととなりました。

881残酷な贈り物 (8/19):2007/02/22(木) 17:55:49 ID:???

ロラン「これがソシエお嬢さんが送ってくれたチョコレートです。」

どれどれ、ちょっと拝見。

・・・・・・なるほど。確かに、包装紙は手作りのようですが、このチョコレートは違い
ます!これは、ノックスを少し離れた所にある街の、有名なお菓子屋さんの名物チョコレ
ートです。私の目は誤魔化せませんよ!!

ロラン「そうなんですか?ディアナ様、よくお解りになりますね。(汗)」

今はインターネットが普及していますから。(このチョコは私も狙っていました。ですが、
お店の場所が遠いので今回は諦めていたのです。これに目をつけるとはやりますね。
それでこそ私のライバルです!)

ロラン「そうなんですか。そういえばキースのパン屋さんもHPとか作ってましたね。この
お店もHPでお知りになったんですか?」

・・・いえ、このお店はHPを持っていませんでした。

ロラン「えっ?それではどうやってこのお店を?」

・・・某巨大掲示板です(赤)

ロラン「・・・・・・(汗)」

い、いけませんか!?(真っ赤)

882残酷な贈り物 (9/19):2007/02/22(木) 17:56:49 ID:???

それより今度は私のチョコレートを見てくださいな。はい、どうぞ。

ロラン「ありがとうございます!うわぁ、角切りにして、カカオをパウダーにしているんです
か。いい香りです。まるでお店で売っているみたいですね。ではさっそく・・・」
(大丈夫、昨日聞いてたあの材料なら、どうしたってチョコレートにしかならない。ディ
アナ様はやる気になったら凄いんだから(※年末の大決戦を参照)、きっと大丈夫・・・)

ロラン「いただきます、ぱく、モグモグ・・・」

どうですか?ワクワク

ロラン「ぐほっ!!!・・・ゴクン」

え?

ロラン「ディアナ様、z、材料の分りょ・・jwんlrpbx・・・!!!」

ちょ、ロラン、どうしたのです!?

ロラン「あ、味m、、、lksjんbあw背drftgyふじこlp;@:「・・・ウィック!!」
バターン!

ロランが、ロランの顔色が白→青→紫→赤と変わり、泡をふいて倒れてしまいました。
いったいどうしてこんなことに!?
・・・やはり、私のチョコが原因なのでしょうか。材料に間違いは無かったはずです。
あとは、、、太ってしまうと困るので、味見を怠ったことが、、、まさか、、、

ほんの一かじり、パク


883残酷な贈り物 (10/19):2007/02/22(木) 17:58:11 ID:???


に、苦っ!、しょっぱっ!!甘気持ち悪っ!!!・・・また苦っ!!!!・・・・・・
お酒きつっ!!!!!


―――自主規制―――


ゲホゲホ、うう、あきらかに材料の配分を間違えてしまいました。自分で言うのも何ですが
、殺人的不味さです。私はこんな劇物をロランに食べさせてしまったのですか。うう、
気持ち悪い・・・



今年のバレンタインデーはこうして幕を閉じました。己を知って既製品のチョコを送って
きたソシエさんは正しかったのです。手作りチョコを作っても、食べてもらえなければ何
の意味もありません。
またしても、またしてもソシエさんに敗北しました。

私はロランを背負い、どうにか部屋に運び入れ、私も自室に戻って休みました・・・


884残酷な贈り物 (11/19):2007/02/22(木) 18:00:52 ID:???

―――次の日―――

ロラン「おはようございます、ディアナ様、、、ウプッ、昨日は寝室まで運んで頂いて、ありがと
うございました。」

いいえ・・・ウプッ、元は私のチョコが原因ですから、、、それよりロラン、ごめんなさい。
生きていてくれて良かった。もう起きてこないかと思いましたよ。大丈夫ですか?

ロラン「あは、あははは・・・・・・・・・orz」


以降、チョコの話題には触れぬよう、今日も幼稚園でのアルバイトに向かいました。


それではロラン、行って参ります。

ロラン「ハンカチとティッシュは持ちましたか?お弁当はその手さげ鞄の中に(以下ry)」

大丈夫です、毎日(同じくry)

先生A「おはようございます。ニヤニヤ」

おはようございます。・・・どうしました?

先生B「昨日はどうだったの?ニヤニヤニヤニヤ」

はい?

先生A「昨日の夜、チョコ渡したんでしょ?そのあとよ。」

ええ、大変でした。一生忘れられない味でしたよ。

先生B「へ?ひょっとしてチョコ食べただけ!?」

はい。二人して死にかけました。

先生AB「「なーんだ、、、」」

・・・なぜ死にかけたのか、についてはスルーですか、そうですか。

885残酷な贈り物 (12/19):2007/02/22(木) 18:02:41 ID:???

その後、子供達に群がられてのアルバイトに精を出し、おやつの時間。いつものように
子供達におやつを配ろうとしたところ、何故か私の周りに数人の子供達があつまりました。

み、みなさんどうしたんですか?

子供達「せーの、はい、ちょこれーと!!」

え??

子供A「あのね、きのうわたしがおねーさんにちょこあげたでしょ?BちゃんとCちゃん
もあげたかったんだって。」

まあ!ありがとうございます、嬉しいです!!

他の子供「・・・キラーン!」

先生「ほんと、すごい人気ね?」

ありがとうございます、自分でも信じられません。ホクホク

私は頂いたチョコを頬張り、その日を上機嫌に過ごしました。


886残酷な贈り物 (13/19):2007/02/22(木) 18:03:26 ID:???

―――次の日のおやつの時間―――

子供達6人「わたしたちももってきたの。たべてー。」

へ?・・・あ、ありがとうございます(汗)


―――次の次の日のおやつの時間―――

子供達12人「わたしたちのもおいしいよ!たべてー。」

え、いえ、その、、、こんなにですか?・・・(汗汗)


―――次の次の次の日のおやつの時間―――

子供達24人「おかあさんとかいものにいったときにみつけたの。たべてー。」

あ、あの私、ちょっと用事を思い出しまして・・・(焦)

子供達24人「たべてーたべてーたべてーたべてー×24」

いただきます・・・・・・(泣)


―――次の次の次の次の日のおやつの時間―――

子供達48人「おんなのこばかりずるい!ぼくたちもかってきたの。たべてー。」

ちょっと待ってください、男の子は違うでしょう!?というか、こんなに子供達がいまし
たっけ???

子供達48人「たーべーて!たーべーて!たーべーて!たーべーて!(大合唱)」

・・・orz

887残酷な贈り物 (14/19):2007/02/22(木) 18:04:40 ID:???

子供達は、純粋な瞳で私が食べるのを見ているので、逃げられません。泣く泣く全ての
チョコレートを食べ尽くしたとき、他の先生方が見かねて子供達に言いました。

先生「あのね、みんな。こんなに毎日チョコレートを食べたらお肉がついちゃって、
キエルお姉さんがまん丸になっちゃうのよ!?もうやめなさい!!」

子供「まん丸・・・?じゃあ、『もっと』柔らかくなるの!?ウワーイ!!」

(;゚Д゚)ナンデスト!?

先生「コラーーーーー!!(笑)」





先生「・・・あのねぇ、正直に全部食べちゃうからダメなのよ。『もうお腹いっぱーい』
って残りはしまっちゃわないと。子供達は容赦ないからね。」

わかってはいるのですが、、、あの純粋な瞳で見つめられると、可哀想になって・・・

先生「キエルさんらしい(笑)」

888残酷な贈り物 (15/19):2007/02/22(木) 18:05:54 ID:???

やっとアルバイトが終わり、いつものようにロランに迎えに来て貰っての帰り道。

ロラン「ディアナ様、今日はどうだったのですか?」

過去最高の人数でした。男の子を含めて48個です。

ロラン「48個!・・・男の子も持ってきたんですか!?・・・・・・・・・それを全部?」

ええ、食べました。でも先生方の説得によって、今後は大丈夫です。心配をおかけしまし
た。

ロラン「い、いえ、、、(・・・48個のチョコを食べられるディアナ様も凄いかも(汗))」

ロラン、ダイエット食をお願いします。

ロラン「かしこまりました。ディアナ様、頑張ってください!!」

よしなに!




・・・あれ?そういえば、バレンタインデーといえばソシエさんの他にもう一人いました
よね。害獣が。

ロラン「害獣・・・グエン様のことですか?」

そうです。毎年必ずチョコレートを送ってくるのに、今年は来ていませんよね?

ロラン「はい。来ていません。・・・でも、それが普通なんですけどね(苦笑)」

グエン卿に常識は通用しません。ひょっとしたら、今年は自分自身を送ってくるかも
しれませんよ?

キキキーーーッ!!

ロラン「ディアナ様!!!」

ご、ごめんなさい。冗談です、冗談。(でもそうなったとしても安心してください。私が
必ず護りますからね。)

889残酷な贈り物 (16/19):2007/02/22(木) 18:06:50 ID:???

―――別荘にて―――

ロラン「では、ディアナ様、お食事の用意が出来ましたらお呼びします。もう少しお待ち下さ
い。」

よしなに。

さて、ロランは夕食の準備に取り掛かりました。私はその間にやらなければならないこと
が・・・・・・



私は、目の前にある平たい四角形の台の前で緊張していました。この台には不思議な能力
があって、台の上に乗った人物の質量を数値化する、という女性の大敵の能力です。
ですが、これは逃げられない現実でもあるのです。


とはいえここ数日の子供達からのチョコ攻撃によって、私の質量(あえて体重とは言わな
い)は激増していることでしょう。怖いです、現実が(泣)

・・・ええい、(数値が)上がらなければ、どうという事はない!!
意を決して、台の上に乗りました!

ぎし。

ピピピピピ・・・

くっ!なんてことでしょう、、、アルバイトを始める前の体重を軽く突破してしまいました。

ピピピピピ・・・

あ、あ、あ、、、、、、まだ上がっていく、、、、、、と、止まってください!

890残酷な贈り物 (17/19):2007/02/22(木) 18:07:47 ID:???

ピピピ・・・ピーーーッ(過去最高記録を更新した音)

ひゃーーーっ!!私の最高記録までもが突破ですか!?

ピピピピピ・・・

そんな、、、今まで何度か危なかった時はありましたが、どうにかその記録だけは超さなか
ったのに、、、(泣)

ピピピピピ・・・

え?、え?、、、まだ上がるんですか??

ピピピピピ・・・

ちょ、ちょっと待ってください!その先には限界点が、、、阻止限界点が!!!
(阻止限界点=それ以上ふくよかになられますと、もう元の体重には戻れませんよ!
:ロラン談)

ピピピピピ・・・

何ということですか!ダメです、絶対ダメ!!そこだけは超えないでください!超えたら
冷凍刑ですよ!?ディアナの法の裁きを受けて頂きます!!あわわ・・・(両目を手で覆う)

ピピピ・・・ピピッ、ピピッ、ピピッ(測定終了の音)

・・・止まった、、、止まってくれました(涙目)。胸の鼓動を静め、そ〜っと指の間から
覗くと、数値は阻止限界点の手前で止まっていました!!

891残酷な贈り物 (18/19):2007/02/22(木) 18:10:28 ID:???

良かった、、、(涙)



いえ、良くはありません!そもそも阻止限界点とは、絶対到達してはならない数値なの
です。私は改めて自分の質量を確認しました・・・・・・・・・チラ


―――検閲削除―――


その夜、この別荘に越してきてから最大の悲鳴が、山々にこだました・・・・・・・・・



悲鳴を上げた私は例のごとく気を失い、気が付いたときには自分の部屋でした。またもや
ロランに運んで貰ったようです。ありがとう、ロラン。






・・・と言いたいところですが、私を部屋まで運んだということは、気を失った部屋に
あったあの装置の数値を見られたかもしれない、ということ。
それを確かめに、これからロランの部屋に行って尋問してきます。場合によっては・・・・・・



『簡単! 三日で出来る催眠術』の本はどこへしまいましたっけ。



それではみなさん、よしなに!!

892残酷な贈り物 (19/19):2007/02/22(木) 18:11:41 ID:???

<遡ること数日前、海を越えたある大陸でのバレンタインデー・・・>


メリーベル「御曹司、ほらよ、チョコレート。今年は手作りだから、ありがたく食べろよ?(笑)」

グエン「おや、ありがとう。手作りチョコなんて久しぶりだ。」

メイド達「「「「「ご主人様、どうぞ。」」」」」

グエン「お前たちもか(苦笑)、ありがとう。」

メリーベル「いつもはバレンタインデー近くになると御曹司に台所を占領されていたからな。
今年はチョコ作らなかったのか?ローラに。ウシシ」

グエン「ああ、そうだったな。そうか、だから今までは既製品だったのか。」

メリーベル「気付くのが遅いよ、御曹司。それよりやっとローラを諦めt・・・」

グエン「今年はチョコをやめて、ジャムにしようと思ってね。」

メリーベル「あ゛あ゛!?」

メイド達「「「「「ジャム、、、ですか?」」」」」

グエン「そう。白ジャムと言う名前だそうだ。エイジアに伝わる究極のグッズらしい。
ところがそれを溜めるのは大変でね・・・あ、そうだ。メリーベルに頼みがあるんだ。
(ゴソゴソ)はい。」

メリーベル「なんだよ、これ。」ワナワナ

グエン「銀髪のカツラと靴墨。これを付けて今夜、寝室に来てくれないか?やはり妄想だけ
では・・・」

ガシャーーーーン!!

メリーベル「てめぇ!ブッ殺す!!!!」

グエン「いや、あともう少しなんだ、ちょっと瓶が大きかっt・・・・・」

メリーベル「死ねやぁぁぁあああ!!!!」




その日、ある地方筆頭大使館員が着任後、何度目かの重傷を負ったそうな。

よしなによしなに。

893通常の名無しさんの3倍:2007/02/22(木) 18:18:04 ID:???
あの・・・すみません、本当にすみません。

長すぎです。しかも、内容に白ジャム・・・orz

不快に思った方には深くお詫びします。すみませんでした。


ご意見ありましたら、どうぞよろしくお願いいたします。



894通常の名無しさんの3倍:2007/02/22(木) 19:33:29 ID:???
希望を捨てないでちょくちょく覗いてた甲斐があった・・・
もうねGJとしかいいようがない。職人さん本当に乙です。
あと、ここは某巨大掲示板なんだからある程度黒い下ネタでも個人的にはOKだと思う
895通常の名無しさんの3倍:2007/02/22(木) 20:12:28 ID:???
>>894
ありがとうございます。OKと言ってくれる住人さんが居てくれて良かった。
正直、ドン引きされたらどうしよう、と緊張してました。


それと、一箇所訂正させてください。
(7/19)の、ロランに届いたチョコですが、郵便ではなく宅急便に脳内変換お願いします。


今後も頑張ります!
896通常の名無しさんの3倍:2007/02/22(木) 20:40:11 ID:???
>>895
GJです。
一週間遅れの長編バレンタインSS楽しく読ませていただきました。
特にディアナ様が子供たちから貰うチョコレートを
断りきれない所とかはすごく良かったと思います。

そのお礼とは違いますが、自分も職人見習いとしてたまに
SSを書いています。もし暇があるなら見てやってください。
897僕と月の女王様 1/16:2007/02/22(木) 20:41:46 ID:???
「…はい、そうです。次に砂糖と卵黄を加えてよく混ぜてください。」
「こ、こうですか?」
「そうですね。大丈夫だと思います。」

いつからか、僕はディアナ様と一緒に料理を作るようになっていた。
と言っても実際に調理するのはディアナ様で、僕は横で見ているだけなのだけれど。
僕の目から見て、ディアナ様は決して料理が出来ないわけではない。
しかしディアナ様にすれば、僕のように料理が出来ないことに劣等感を感じていたらしい。
それで、最近では料理の腕を上げるために、食事の準備はディアナ様が行うことが多く
僕は横から指示をする様になっている。
今日はおやつにクッキーを作ることになったのだけれど
いつもの様に僕は横で見ているだけである。

「そうしたら、薄力粉を加えてさらに混ぜてください。」
「はい。…意外と力仕事なんですね。」
「慣れてないとそう感じるかもしれませんね。…手伝いましょうか?」
「大丈夫です。わたくしだって、料理の一つや二つぐらい…!」
「…そうですか、わかりました。」
普段なら、この後ディアナ様が作った料理を僕が試食して
感想を述べた後に(と言っても不味かった時なんてほとんど無いんだけれど)
二人で食べて終わりなのだが、今日はいつもと違っていた。

ピンポーン♪

「あら、お客様かしら?」
「僕が見てきます。」
僕が玄関まで行くと、よく聞きなれた声が聞こえてきた。
その声からソシエさんが来たことはすぐに分かったが、
礼儀として、とりあえず玄関で誰が来たのかを尋ねた。
898僕と月の女王様 2/16:2007/02/22(木) 20:43:16 ID:???
「どちら様ですか?」
「あたし、ソシエよ!今日は珍しいお客を連れてきたわ。開けて!」
「珍しいお客様って?…あっ!」
「久しぶりね、ロラン。元気そうで何よりだわ。」
「キエルさんが、どうしてここに!?月のほうは大丈夫なんですか??」
僕が玄関のドアを開けると、そこには月にいるはずのキエルさんがいらっしゃった。
女王の正装ではなく、白いドレスに白い帽子とハイム家の
お嬢様だったころのごく普通の服装だった。
ハリーさんは一緒にいなかったけれど、今は月の女王で在らせられる
キエルさんが何故ここにいるのかを考えると不思議でならなかった。
「まあ大丈夫でしょう。詳しいことは後で話しますよ。
ディアナ様はいらっしゃらないんですか?」
「あ、はい!でも今ディア…。」
「ロラン、どうしたのですか?聞いたことのある声がし…キエルさんですか!?」
ディアナ様は今手が離せないと伝えようとしたその時には
既にディアナ様は僕の後ろに立っていた。多分、僕が変に
甲高い声を上げてしまったために、ディアナ様が不審に思ったのだろう。
「ご無沙汰しております、ディアナ様。お変わり無い様で何よりです。」
「どうしてキエルさんが今ここに…!?月は大丈夫なのですか?」
「積もる話もあるだろうけどさ、とりあえず中に入れてよ!
せっかくお姉さまもいるんだしさ。」
「そうですね。お二人とも、中へどうぞ。」
色々と疑問に思うところはあったが、たしかに長い話になりそうだったので
僕はお二人を居間へとご案内した。
899僕と月の女王様 3/16:2007/02/22(木) 20:44:41 ID:???
ここで僕はキエルから簡単にいきさつを説明された。
今回のキエルさんの訪問はハリーさんと喧嘩したことが原因のようだ。
ハリーさんは、月の女王に成られたキエルさんに対して
護衛も無しに外に出てはいけないとか、無闇に人ごみの中に入ってはいけないとか、
公務、プライベートを問わず安全のためにとあれこれ言うらしい。
僕にはハリーさんが親衛隊長であるということ、ハリーさんはキエルさんの
ことを大切に思っているからこそ、色々と言うことは想像に難くないが
そのことでちょっとした口喧嘩になってしまったとのこと。
そのことで落ち込んでいるところを執政官のミランさんという人に
気分転換と休暇をかねてキエルさんに故郷である地球に帰ることを薦めたようだ。
僕も詳しいことは知らないけれど、月の戦後処理等については大体の問題は片付いたようで
細かい事務的な処理はその執政官の人がやってくれるようだ。
で、数日間の臨時休暇を貰ったキエルさんはお忍びで地球に帰ってきたようである。

「…それで地球に来られたんですか?」
「そう!あたしも姉さんが一人で家に戻って来たときは本当に驚いたわ。
今姉さんは女王なのに護衛もなしに降りてきちゃったんだもの!」
「護衛を数人つけて欲しいと頼まれましたけどね、月にいる間だけにさせたのよ。
地球なら私が普通の格好で街中を歩いても問題ないでしょう?
それで、ディアナ様は何を作っていらっしゃるのですか?」
「クッキーを作っています。僕も手伝おうとしたんですけど大丈夫だと断られてしまって…。
時間的にもうできるころだと思うんですけど…。」
「へー、ディアナさんが料理なんかしてるんだ?ちゃんと食べられるものが出てくると良いけど。」
「ソシエ、ディアナ様に対してなんという言い方ですか。」
「まあ、ディアナ様とソシエさんはいつもこんな感じですけどね。」
そういえば、キエルさんはディアナ様とソシエさんが地球で
どんな関係なのか知らないんだった。
お二人のやりとりを見たらさぞ嘆かれるだろうなぁ…。
「お待たせしました。完成しましたのでぜひご試食ください。」
900僕と月の女王様 4/16:2007/02/22(木) 20:46:44 ID:???
「見た目は普通のクッキーね。よく真っ黒にしなかったわね。」
早くも始まったか。僕は回りに悟られないように一つため息をついた。
「わたくしには『いつどんな時もロランがいてくれます』から。
ロランの助言があってこそです。」
「くっ、言ってくれるわね…。今に見てなさいよ!」
二人を中心に部屋全体のボルテージが上がっていくのを感じた。
キエルさんはいったい二人に何が起こったのかわからず落ち着かないようである。
まあ、依然の二人と比べると、キエルさんが今の状況に不安を
抱いてしまうのも仕方が無いのかもしれない。
僕は一瞬即発な二人に注意を向けながらキエルさんにクッキーを勧めた。
「ま、まぁこの二人は無視してどうぞ食べてください。」
「は、はい…。頂きます。…おいしいですね。」
「嘘?どれどれ…本当だ、悔しいけどおいしい。」
どうやらディアナ様お手製のクッキーは好評のようだ。
「やりましたね、ディアナ様。二人ともおいしいですって。」
「ロランのおかげですよ。貴方のアドバイスがあったからこそです。」
「これを作られたのはディアナ様ですよ。僕はただ横から口を挟んだだけです。」
僕も小さめのクッキーを一つ、口の中へ運ぶ。
なるほど、柔らかすぎず、硬すぎず、甘さも控えめで初めて作ったにしては
上出来である。僕が作ったとしてもそう変わらないだろう。
「これは負けていられないわ。他の人ならともかく、ディアナさんに負けることだけは
あたしのプライドが許さない!」
「わたくしは逃げも隠れもしません。いつでも勝負して差し上げますわ。」
「…ヒソヒソ(ロラン、ディアナ様とソシエに何かあったの?以前とだいぶ違うような
気がするんだけど)。」
「…ボソボソ(よく分からないんですけど、ディアナ様とソシエさんが二人一緒だと
いつもこうなるんです。原因もよくわかりません)。」
いつまでもこの状況では精神的療養のために地球に帰ってきたキエルさんに
逆に精神的負荷を与えかねないので、何とかこの状況を打破するために
僕はお茶を差し出したり、トランプやチェスを持ってきたり、肩を揉んだりと
なんとか場の空気を和ませた。
本来この三人は強い繋がりを持っており、一度会話が弾めば
後は僕が気を使うまでもなかった。僕は時々会話に参加する程度だったけど、
和やかな雰囲気に包まれた中で、こういうのを幸せと言うのだろうなと感じていた。
僕は今夜の食事は腕を振るわないと怒られそうだな、
などと他愛も無いことを考えながら夕食の準備を始めていた。
901僕と月の女王様 5/16:2007/02/22(木) 20:49:39 ID:???
夕食後、ソシエさんは明日の仕事があるのでハイム家へ帰っていった。
本当ならキエルさんがハイム鉱山を告ぐ予定だったらしいけど
戦後のドタバタで急遽ソシエさんが継ぐことになり大忙しらしい。
一方のキエルさんは、今日は家に泊まることになった。
僕とディアナ様の寝室が別だったことをキエルさんに突っ込まれ
僕とディアナ様の間に何ともいえない空気が流れた。
ただ一つ救いだったのは、この時には既にソシエさんがいなかったことである。
もしソシエさんが未だにこの場にいたらどのような状況に
なっていたのかと思うと考えたくも無い…。
結局キエルさんはディアナ様と同じ部屋で寝ることになった。

僕とディアナ様二人だけの夕食後は、テレビを見たり、音楽を聴いたり、あるいは談笑したりと
それぞれが好きなことをして過ごすのだが、基本的に寝る時間は世間より早いと思う。
時間は午後11時を過ぎており、普段ならとっくに就寝時間のはずなのに
隣の部屋から聞こえてくる声が収まる気配は無い。
「…すから、ディア…が…そって…。」
「わたく…れとい…うなったの…ランが…。」
きっと久しぶりの再会で色々と話したいことがあったのだろう。
時々僕やハリーさんの名前も聞こえてくるが会話の内容までは聞き取れない。
周囲が山でなく民家だったらきっと苦情の電話が来るだろうな
と思う時があるほどに会話が弾んでいるようである。
僕はその声を聞いて微笑ましいと思っても、うるさいとか不快とは感じなかった。
やっぱりあの二人にはいつも笑顔でいて欲しい。
あの人たちの笑っている姿は本当に素敵だし、
そのような姿を見ていると僕も幸せになれる気がするからだ。
僕はお二人が寝不足で体を壊さないことを祈りながら眠りに着いた。
902僕と月の女王様 6/16:2007/02/22(木) 20:51:33 ID:???
僕とディアナ様の朝食はどちらか先に起きたほうが担当することになっている。
二人で生活するうえで、明確にルールとして決めたものではなく
気がつけば自然とそのようになっていた。
朝食を作る割合はおおよそだが僕が九割でディアナ様が一割である。
だから実質的には朝食の準備はほとんど僕が行なっているのだが、
たまに寝坊して、僕が起きたときには既にテーブルに朝食が準備されていると
すごく嬉しかったりもする。
明るい太陽の日差しの中、今朝もいつも通りに目が覚める。
いつもなら布団から出るのが辛いぐらいの寒さだが、
今日は起きるのに気合を入れるほどの寒さではなかった。
もし、ディアナ様とキエルさんが夜通しで、起きておられたらどうしようかと
心配もしたが、隣が静かなのを確認して安心した。
僕は着替えを済ませて、三人分の朝食を何にするかを考えながら台所に向かった。
しかし、僕の考えが纏まる前に台所から聞こえてきた音に僕は神経を集中させた。
どうやら誰かいるらしい。でも時間的にはまだディアナ様は普段眠っていらっしゃる時間だ。
キエルさんはお客様だし、でもキエルさんは料理をするのが好きだったっけ。
少なくとも、二人のうちのどちらかがいるのは間違い無いようだ。
僕が台所を見渡すと、朝食の準備をしてくれている女性がいた。
彼女もこちらに気がついたようだ。
「おはよう、ロラン。」
「おはようございます…。」
…駄目だ、見た目だけでは全く見分けがつかない。
昨日は服装の違いで簡単に判別できたが、ディアナ様の私服を借りていると思われる
今朝はそうはいかない。なにより、この二人が本気でどちらかを演じれば
ディアナカウンターをはじめとする多くの人たちを騙しきってしまうのだ。
早々簡単に判別できるものではない。
「朝食の準備をされていたのですか?」
「えぇ。なんだか早く目が覚めてしまったので。ロランももう少し寝ていても良いですよ。
今朝はわたくしが準備しますから。」
訊いてみるほうが早いと判断した僕は彼女に訊いてみた。
「は、はい。ありがとうございます…。ところで…貴方はキエルさんですか?」
「いいえ、わたくしはディアナですよ。
ロランたらわたくしとキエルさんの区別もつかないのですか?」
「い、いえその…。申し訳ありません。」
「ふふ、良いのですよ。ロランもまだまだですね。」
903僕と月の女王様 7/16:2007/02/22(木) 20:52:55 ID:???
ディアナ様、か。でもなんだか違う気がする…。
結局目の前の『ディアナ様』を名乗る人からの答えにも何か違和感を
感じながら僕は暖炉の準備をした。その時にある違和感に気がついた。
(そうか、暖炉に火がついてないんだ。)
いつもなら今の時期は寒いので、先に目覚めた方が朝食の準備と並行して
部屋を暖めておくようにしている。
寒いのを苦手としているディアナ様が暖炉に火を灯していなかったことが違和感の正体だった。
やはり目の前にいる女性はキエルさんではないかと思いながらも自分の中でそれを
確信へと導くものが無い。僕はもう少し様子を見ることにした。
「…何を作っていらっしゃるのですか?」
僕は朝食の準備をしている彼女の後ろから覗き込むと
切れているきゅうりやトマトが目に入った。多分サラダでも作っているのだろう。
「朝食ですから、作ると言うほどではないですけど
トーストに卵料理と、後はサラダでもあればと思いますがいかがでしょう?」
キエルさんがディアナ様の女王のころの記憶を持っていても
戦後のディアナ様のことは知らない。
だから僕はいつものように質問してみた。
「…そうですね、いいと思いますよ。…僕も何かお手伝いしますか?」
「そうですね、じゃあわたくしがサラダを用意しますのでオムレツか何か
作っていただいてもよろしいですか?」
「!…はい、わかりました。」
やっぱり彼女はキエルさんだ。そう導きだした答えは物的証拠には
ならないけれど、僕を納得させるには十分すぎる答えだった。

その後数分で朝食は完成した。こうして出来た簡素な朝食でも、見栄えなどの点で
やはりディアナ様が作られたものよりはレベルが高い。
やはり外見がどれほど似ていたとしても、
元々は別の人である以上必ず違いは生じるのである。
「お疲れ様でした。『キエルさん』。」
僕はキエルさんの部分を強調して話した。
904僕と月の女王様 8/16:2007/02/22(木) 20:54:39 ID:???
「あら、わたくしはディアナだと申したでしょう?聞いていませんでしたか?」
「いいえ、貴方はキエルさんですよ。外見がどれだけ似ていたとしても
その人の本質までは絶対に真似ることはできないんですよ。」
「…わたくしがディアナだと名乗っているのにわたくしをキエルさんだと思うのは何故ですか?」
「一言で言うと、心が違うんですよ。」
「心?」
「そうです。キエルさんがどんなに顔や体格や声が同じで、女王であったディアナ様の
記憶を持っていたとしても、それだけなんですよ。」
僕はキエルさんに種明かしを始めた。なんだか探偵にでもなったような気分がする。
「色々おかしな点はありましたよ。僕より早く起きていたり、寒がりのディアナ様が
暖炉を準備してなかったり。でも、たまにはディアナ様も僕より早く起きる時もありますし、
僕が寒いと思う以上にディアナ様が寒いと思わなかった可能性もあるわけですから
それだけだったらやっぱりどちらか断定することはできなかったと思いますけれど。」
「では、ロランがわたくしをキエルさんだと断定したのはいつですか?」
「朝食の準備を手伝おうとしたときですよ。
僕はあの時貴方に『手伝いますか?』とお伺いしましたよね?」
「はい、それでわたくしはロランにオムレツを作ってもらいました。」
「…もし、料理を作っていたのがディアナ様だったら、僕に手伝わせることはしませんよ。」
「…何故ですか?心許す人が手伝ってくれると言ってくれるのです。
その誘いを受ける方がお互いの為ではないのですか?」
「一般的にはそうなんでしょうね。でも、僕とディアナ様の場合は違うんですよ。」
「その理由を訊いてもいいですか?」
「キエルさんもご存知の通り、ディアナ様は長い間女王として月を統治されていました。
そのためにディアナ様は人の上に立つ者として、政治的判断とか統率力とか黒歴史とか
普通の人が持たないものを持っている代わりに、普通なら誰もが知っていること、
あるいは普通なら誰もが出来ることをディアナ様はできないんです。」
「……。」
キエルさんは黙って僕の話に耳を傾けていた。
ここで口を出さないということは、ここまではキエルさんも
僕と同意見なのだろうと解釈した。僕は話を続ける。
905僕と月の女王様 9/16:2007/02/22(木) 20:56:40 ID:???
「ここからは推測ですが、以前のディアナ様は自分が女王であることによって、
自分の中で心のバランスを保っていたんだと思います。
『自分には知らないことが多いが、自分にしかできないこともある』と。
ところが今のディアナ様の生活では、女王として培ってきた知識や経験は生かせないんです。
変わりに、以前は必要としなかった誰もが普通にできることを求められてしまった。」
この時は淡々と話していたが、今考えると、とても悲しい話だと改めて思う。
自分は女王など望んでいないのに、女王以外は取り柄の無い
おとぎ話のようでおとぎ話でない悲しい女性の物語。
ディアナ様の記憶を持っているキエルさんはこの時の話を聞いてどう感じていたのだろう…。
「だからなんでしょうね。ディアナ様が以前より僕に助けを求めなくなったのは。
ディアナ様は、自分のせいで僕に迷惑を掛けることを極度に嫌っているんです。
だから僕がディアナ様の手伝いをしようとしても、大概断られてしまうんですよ。
一日でも早く、僕の手を煩わせないようにしようとして…。」
「そうだったんですか…ディアナ様は私なんかが考えている以上に苦労されていたのですね…。
私はそれを理解できたつもりだったけど、考え方が甘かったかしら…。」
「そんなことは無いと思いますよ。キエルさんがいてくれたおかげで確かに
ディアナ様の悲しみは減りました。僕もディアナ様の悲しみを少しでも
背負うことができたらいいなと思うのですが。」
「大丈夫よ。ロランは今でも十分ディアナ様の心の光になっていると思うわ。」
「そうだと良いんですけれど。…でも僕はディアナ様の気持ちを弄んでいるんじゃないか?
って思う時があるんです。」
「弄ぶ?何故今の話からそのように繋がるの?」
「僕はディアナ様が僕に迷惑を掛けないように頑張ろうとしている姿を見てきました。
僕がディアナ様に手を差し伸べれば断ることは分かっています。
それでも、僕はディアナ様に『お手伝いしましょうか?』と聞いてしまうんです。
そう言うことでディアナ様を焦らせて、ディアナ様の心に余計な負担を掛けるだけかもしれないのに、
言わずにはいられないんです。」
906僕と月の女王様 10/16:2007/02/22(木) 20:59:25 ID:???
そう、今の僕はディアナ様に情けを掛ければディアナ様がどんな対応を
とるのか知っている。でもやっぱり僕としはディアナ様には無理しないで頼ってもらいたい。
それが自己満足でしかないのは自覚している。
が、僕にとって、大切な人が困っているならやはり力に成りたい。
その一方で、僕がディアナ様に情けを掛ければ掛けるほどにディアナ様を
苦しめているのではないかと思うと気に掛けない方がいいのかも知れない。
そんな相反するどうしようもない矛盾を抱えていた僕は
ディアナ様にどう接していくのが一番良いのか分からず、
そんな自分自身の悩み、不安を誰かに聞いて欲しかったのかもしれない。
もしかしたらキエルさんには、ハリーさんとうまく行ってなかった現状
この話は幸せな悩みでしかなく、嫌味に聞こえていたかもしれない。
それでもキエルさんは、不快感を表すことなく僕に温かい言葉を下さった。
「ロラン、それは違います。貴方はただ、ディアナ様が困っているとき、
苦しんでいるとき、悲しんでいるときにその助けになりたいと思うからこそ、
本当にディアナ様を大切に思っているからこそ出る言葉でしょう?
ディアナ様も、きっとそんなロランに感謝していると思うわ。」
「そうでしょうか…?僕はディアナ様の力に成れているのでしょうか?」
「現にディアナ様は今後の人生をロランに預けたんだから。その現実が何よりの証拠でしょ。
それに、昨日の夜のディアナ様は貴方のことばかり話していたわ。」
「僕のことを…。」
「そう。ディアナ様はね、既に女王から身を引いた自分のために
これだけ良くしてもらって本当に嬉しい。時には甲斐性の無いロランに
思わず大声をあげたくなるような時もあるけれど、今のわたくしはロランと出会えて、
今一緒にいられる自分が本当に幸せだってね。」
「ディアナ様、僕は…僕も…。」
キエルさんのその言葉に僕の胸は熱くなった。
僕と一緒にいることでディアナ様が幸せを感じてくれている。
それは僕にとってこれ以上無い言葉だった。
「だからしっかりしなさい。これから先もディアナ様を支えていくのは
他でもないロランなのですから。」
「はい、ありがとうございます。」
ディアナ様はこれから先を僕と共に歩むことを選んでくれた。
だから僕は、その想いに応えたいと思う。
907僕と月の女王様 11/16:2007/02/22(木) 21:00:58 ID:???
「ディアナ様は幸せね。」
「僕としては、そうあって欲しいと思います。」
「幸せよ。いつも自分のすぐ側に自分を理解してくれる人がいるのだから。
ハリーは私にこれは駄目、あれも駄目と注意ばかりですもの。」
僕がディアナ様にとって、自分を理解している人になれているのかは分からないが、
そういう点においてはキエルさんとハリーさんだって良い理解者を持っているのと思う。
キエルさん自身が気づいているかは知らないが、ハリーさんの話をしている時のキエルさんは
とても素敵な笑顔を見せてくれる。きっと僕以外の人が見てもそう感じるだろう。
「それは、ハリーさんにとってキエルさんが掛替えのない人だからですよ。
もし、ハリーさんがキエルさんのことを何とも思ってなければ
注意も心配もしないでしょう?」
「たしかに、その通りね。」
「キエルさんはハリーさんがお嫌いですか?」
「…そんなことはありません。」
「きっとハリーさんだって同じ気持ちですよ。もし、僕が今ハリーさんの立場だったら
きっと心配でおちおち眠ることもできないと思います。
キエルさんにあれこれ言うのは、それだけキエルさんに自分の体を
大切にして欲しいからだと思うんです。
キエルさんは現在月の女王で、誰からどんなことで狙われるか分からないんですから。」
「そうね…。ハリーが親衛隊長ということを考えればある程度は
仕方ないのかもしれないわ。」
「きっとハリーさんだってキエルさんと仲直りしたいと思っていますよ。
もう一度、きちんと話し合ってみたらどうですか?」
「そうね、そうする。ハリーだって、私のためにしてくれたことですものね。」
「そうですよ、キエルさんが帰ってくるのを心待ちにしていると思いますよ。」
この二人ならきっとすぐに元の関係に戻れるだろう。
僕は未来が分かる予知能力者でも、恋をつかさどる神様でもないがこれは断言できる。
お互いを大切に思う心があるかぎり、きっと幸せになれるはずだ。
僕は、そう信じている。
908僕と月の女王様 12/16:2007/02/22(木) 21:02:29 ID:???
「おはよう、ロラン、キエルさん。キエルさんは早起きですね。」
時計を見ると既に起床から1時間以上経過しており
結構長いこと話をしていたんだなと今更ながらに気づいた。
「おはようございます、ディアナ様。」
「おはようございます。今日の朝食はキエルさんが作ってくれたんですよ。」
僕がそう告げると、ディアナ様はまじまじと朝食を見ている。
「そうなんですか?おいしそうですね。キエルさんは料理が得意ですものね。
その才能は少し羨ましいです。」
「そんなことありません。それに、私にはディアナ様のほうが羨ましく感じます。」
「どうしてですか?」
「それは、秘密です。ね、ロラン?」
「そうですね。」
「??」

「色々ありましたけど、月に帰ります。ハリーにいつまでも心配を
掛けるわけにも行きませんし、ミランに任せっぱなしというのも気が引けますから。」
三人で朝食を摂りながらキエルさんはそう決断する。でも、もう心配ないだろう。
「そうですね、きっとハリーもキエルさんの帰りを心待ちにしているでしょう。」
「色々迷惑を掛けてしまったようでごめんなさい。
でも、久しぶりにお二人の顔が見れて嬉しかったです。」
「またいつでも遊びに来てください。キエルさんならいつでも大歓迎ですから。」
「月に帰っても体に気をつけてください。空港までは僕が車で送ります。」
「わたくしも同行します。そこまでは見送らせてください。」
「ありがとうございます。では準備ができし…何かしら、この音…。」
キエルさんを地球と月を行き来する空港まで送ることが決まった矢先に
以前聴いたことのあるような大きな機械音が聞こえてくる。
「これは…外からですよ!」
909僕と月の女王様 13/16:2007/02/22(木) 21:03:57 ID:???
僕たちが外に出ると、そこには太陽の光を浴び全身を光らせ
長距離飛行用のブースターを装着したスモーが着陸しようと構えていた。
「ゴールドタイプ!?もしかしてハリーさんが?」
「キエルさんを地球まで迎えに着たようですね。
MSで迎えに来るあたりよほど慌てていたのでしょう。」
「ハリー…。」
スモーの動きが完全に止まるとコクピットからは
親衛隊の制服を着たハリーさんが出てきた。地球では目立つその服装で
来るあたりよほど慌てていたことが伺える。
「やはりこちらにいらっしゃいましたか。
ディアナ様、ロラン君、お久しぶりです。この度は私のせいでキエル嬢のことを
見えていただいて申し訳ありません。」
「わたくしたちのことはよろしい。それよりも先にキエルさんに伝えることがあって来たのでしょう?」
僕がハリーさんに事情を説明する前にディアナ様がそう仰った。
僕とディアナ様はお二人の話の邪魔をしてはいけないと思い
少しだけ距離を開けて、様子を見守ることにした。
「どうしてここに?地球にいることはハリーには秘密で来たのに…。」
「ミラン執政官に貴方がどこにいったのか問いただしました。苦労しましたよ。
ようやく居場所を教えてもらったと思ってソシエ殿のところに言ったら
今はディアナ様のところにいらっしゃると教えてもらい今に至ります。」
910僕と月の女王様 14/16:2007/02/22(木) 21:05:33 ID:???
どうやらスモーに乗ったままソシエさんのところまで行ったらしい。
僕は二人には聞こえないように小声で呟いた。
「と、言うことはスモーでハイム家に行ったんでしょうね。
ソシエさん驚いたでしょうね。」
「戦時中でもないのにMSで地球の町を飛び回るなど、地球にだって自動車ぐらいあるのに。
まあハリーらしいと言えばらしいですけど。」
「そうなんですか?」
「わたくしが女王のころからハリーはいつもこんな感じでしたよ。」
「ディアナ様、意外なところで苦労なさっていたんですね…。」
僕がディアナ様に同情している間にも二人の会話は進む。
「キエル嬢…いや、キエル。本当にすまなかった。私が君の事を考えていなかったばかりに…。」
「ハリー、頭を上げてください。良いのです。貴方は親衛隊隊長の身。女王を護るのは
当然のことです。貴方は悪くありません。」
「そんなことはない。私は君を護ると言いながら、ただキエルを押さえつけていただけなのだ。
本当にすまなかった…。」
「貴方がそこまで私を気にかけるのはハリーが私を大切に思っているからこそです。
そのことに気づけなかった私の方こそ許してください…。」
「キエル…では私と月に帰ってくれるのか?」
「もちろんです。これからも私のことを護ってください。」
「ありがとう、キエル。このハリー・オード。これからもキエルのことを、
いや、ディアナ様の身は命を賭して護ってみせます。」
「あてに致しております、ハリー。そして帰りましょう、月に。」
愛おしそうに抱き合う二人の姿を見て仲直りできたんだなと察した。
僕にはとてもお二人のような真似は恐れ多くてできないなと思う。
それでも今の僕は間違いなく幸せなのだからそれはそれで構わないんだけど。
ただ、お二人の姿を見ていたディアナ様が
何か言いたそうに僕を見ていたことが少しだけ引っかかった。
911僕と月の女王様 15/16:2007/02/22(木) 21:07:41 ID:???
結局、ハリーさんが直接キエルさんと月に帰ることになったので
僕とディアナ様はここでキエルさんの見送りをすることになった。
まあ地球とはいえ月の女王様をお連れするのだから安全面から考えても
僕なんかよりハリーさんと行く方が安全なのは言うまでも無い。
「ディアナ様、ロラン、色々ありがとう。楽しかったです。」
キエルさんはスモーの手の上からそう僕らに話しかける。
日が完全に昇る今の時間にはすっかり暖かくなり
今の時期には少し早い春日和といってもいいのかもしれない。
これならスモーの手の上でも寒いことは無いだろう。
「今度は二人で来てください。僕もディアナ様も、ずっとここでお待ちしています。
ね、ディアナ様?」
「そうでありますな。ハリー、もうキエルさんを悲しませてはなりませんよ。」
「承知いたしております。それではまたお会いしましょう。」
「それではお二人とも、お元気で!」
別れを告げるとスモーのスカートから大きな音と共に、僕たち人の大きさでは
突風と呼べるほどの風を巻き起こしたかと思うと、すさまじいスピードで飛び去っていった。

「行ってしまいましたね。」
「風のように現れて、風のように去っていくとはこういうことを言うのでしょうね。
でも、二人が仲直りするのを見届けられて良かった。」
「そうですね。…ディアナ様。」
「なんですか。」
「幸せになるのって、難しいんですね。
あの二人は、お互いにすごく大切に思っているはずなのに
その二人でさえ、ちょっとしたことですれ違ってしまうんですから。」
「そうですね、でも、すぐに元通りに成れたではありませんか。
それは二人とも、本当の気持ちは同じだったからだと思いますよ。」
「本当の気持ち…か。」
僕にとっての本当の気持ち、それは今回のことで少し、
そう、ほんの少しだけ分かったような気がする。
だから僕は、少しだけ勇気を振り絞って訊いてみた。
「ディアナ様、一つだけ訊いてもよろしいでしょうか?」
「なんでしょう?」
「ディアナ様は今、幸せですか?」
912僕と月の女王様 16/16:2007/02/22(木) 21:09:42 ID:???
「…多分わたくしの気持ちは貴方と同じだと思いますよ。」
「…え?」
「ロラン、貴方は今、幸せですか?」
「僕は…僕は今、世界で一番幸せな人間だと思います。」
「それはすばらしいことです。でも、ロラン。貴方の言っていることは
一つ、間違いがあるも知れませんよ。」
「え?どうしてですか?」
「世界で一番幸せなのは、わたくしだと思うからですよ。貴方のおかげでね。」
「ディアナ様…。」

「中に入りましょうか?」
「はい。今日はどうしますか?」
「そうですね…。久しぶりにビシニティへ買い物にいきたいですね。」
「いいですよ。準備します。」
「その帰りにハイム家にお邪魔してソシエさんの生意気な鼻をへし折ってやりたいです。」
「ディアナ様、同じ姉妹のキエルさんとは仲が良いのに
どうしてソシエさんとは衝突してばかりなんですか?」
「何故でしょうね?他の人ならともかく、ソシエさんに負けることだけは
わたくしのプライドが許さないのですよ。」
「…何も起こらなければいいけどなぁ…。」

もうすぐやってくるであろう春の足音が聞こえる。
しかし春の風でもいつも暖かいとは限らない。
春の風は気まぐれで、時に冷たい風を運んでくる。
そんな中で、僕はディアナ様には冷たい風はできるだけ当たらせたくない。
ディアナ様には僕のできる限りでいつも暖かい風を運びたい。
それが、数ある選択肢の中で、僕との未来を選んでくれた
ディアナ様への、精一杯の感謝と、不器用な僕なりの愛情表現だと思うからだ。
だから僕は今日も願う。
これから先も、ディアナ様に春の暖かい風が吹き続けますように…と。
913通常の名無しさんの3倍:2007/02/22(木) 21:54:15 ID:???
なんか突然2作品も長編が来るとは、>>895>>896の両氏ともGJ
突然(でもないか?)盛り上がるもんだから見てる人少ないのかもしれないが
自分はかなり楽しませてもらいました
914通常の名無しさんの3倍:2007/02/23(金) 01:22:55 ID:???
えらくスレが伸びててビックリ

見続けてて良かった

職人さんGJ!
915通常の名無しさんの3倍:2007/02/23(金) 01:33:21 ID:???
職人さんGJ!
あとは投稿前に誤字脱字をチェックすれば申し分ないかと
思います。
916通常の名無しさんの3倍:2007/02/23(金) 10:10:44 ID:???
>>896氏、ロランのディアナ様に対する想いのところ、魅入ってしまいました。それと、ハリーって実はロランより不器用かもしれませんねw
長編GJ乙でした!

>>913-915
ありがとうございます。いつもいつも、長くてすみません(^_^;)
ストレス解消に、笑って頂けたら光栄ですw
917通常の名無しさんの3倍:2007/02/24(土) 01:32:12 ID:???
良いですな
おっぱお!
918通常の名無しさんの3倍:2007/02/26(月) 02:49:04 ID:???
キャラが生かされてないけど
ストーリーは良いよね。
919通常の名無しさんの3倍:2007/02/27(火) 11:36:26 ID:???
詳しく
920通常の名無しさんの3倍:2007/03/03(土) 05:24:38 ID:???
ほしゅなに
921通常の名無しさんの3倍:2007/03/03(土) 12:29:45 ID:???
誰か久々にコメディ路線のやつ書いてくんね?
922通常の名無しさんの3倍:2007/03/03(土) 15:15:38 ID:???
なんでそんなにぞんざいなんだ
923通常の名無しさんの3倍:2007/03/03(土) 21:55:55 ID:???
どのみち容量的にも最近の2作ほど長いものはもう無理だろうね
短ければ問題ないと思うけれど
1000が先か500KB到達が先か
924通常の名無しさんの3倍:2007/03/05(月) 00:53:01 ID:???
SSを投下する前に一つお願いがあります。
これから投下するものは
完全にギャグで、ネタで、パラレルワールドです。
以前の職人さんからのネタをお借りして書いてますので
気を悪くされた方には申し訳ありません。
ギャグだからと割り切って読んでいただければ幸いです。
925新たなる戦いの日々 1/4:2007/03/05(月) 00:55:08 ID:???
わたくしは食べることが好きです。ロランとの隠棲以来、それしか能が無いのかと言われそうですが、
ロランの料理を一度でも口にすれば、みなさんわたくしの考え方に賛同してくれるでしょう。
月の女王としてこの世に生を受けて、長い長い時間をすごしてきましたが
ロランの作る料理は本当に世界一だと思います。
わたくしがこう発言すれば、わたくしがロランに対して特別な想いがあるからだと
返す人もいることでしょう。それ自体は否定しません。
が、それを差し引いてもロランの作る料理は本当に絶品なのです。
長くなってしまいましたが、要するにロランの料理はすごく美味しいのです。

「ディアナ様ー!食事の準備ができましたので降りてきてください!」

愛するロランがわたくしを呼びます。今日は何を作ってくれたのでしょう?
食事の準備ができたというその一声だけで気分が高揚してしまったわたくしは意気揚々と階段を下りていきます。
ここで、二つの不幸がわたくしを襲いました。
一つ目に、不覚にも階段から足を滑らせて転げ落ちてしまったのです。

「ディアナ様!大丈夫ですか?お怪我はございませんか?どこか痛いところはありませんか?」
ロランが捲し立てるように言葉を投げかけてきます。
「えぇ、大丈夫です。足が少し痛みますが、たいした怪我ではないと思います」
「良かった……」
ロランはわたくしのことになるといつも気にかけてくれます。
少々度が過ぎると感じるときもありますが、それでもわたくしはロランのそう言うところが大好きです。
決してそれを直接は言いませんけどね。
「立てそうですか?」
「はい、そんなたいしたこ――うっ!」
たいしたこと無い、そう言おうとした時には右足首を抑えて床に座り込んでいました。
「大丈夫ですか!?無理しないでください。僕がディアナ様を負ぶいますので
どうぞ僕の背中に乗ってください」
「ごめんなさい。よろしいですか?」
「かまいませんよ。以前ソシエさんにも似たようなことをしたことがありますしね」
926新たなる戦いの日々 2/4:2007/03/05(月) 00:56:28 ID:???
…ロラン、遠まわしにわたくしとソシエさんが同レベルだと言ってませんか?
それに、こういうときはわたくしの背中と足に手を回して
何も言わずに抱き上げてくれるほうがロマンチックだと思わないのですか?
貴方は優しいし、気が利くし、料理上手で文句のつけるようなところは一つもない人ですけど
そういうところはいつまでたっても本当に(ry

と、言い出せば止まりそうも無い愚痴を飲み込んだわたくしは
結局ロランの背中に身を預けることにしました。実際今のわたくしが歩くのは少々困難ですし、
そういうところに気の利かないロランもロランですけど
それを言うことができないわたくしにも、きっと問題があるのでしょう。

これで終わっていれば、なんだかんだ言ってもいい話として終わっていたことでしょう。
しかし、人生とは決してそう甘いものではありません。
ここで二つ目にして、一つ目とは比較にならないほどの耐え難い不幸がわたくしを襲いました。

「……」
「ロラン、どうしたのですか?わたくしはよろしいですよ」
「…い…です……」
「――え?」
「ですからっ、重くて……動けません!」
「……」
927新たなる戦いの日々 3/4:2007/03/05(月) 00:57:50 ID:???
先に述べたようにわたくしは長い長い時間を生きてきました。
しかしわたくしはこの瞬間ほど恥ずかしく、穴があったら入りたい気分になったことはありません。
同時に、ここまでわたくしに恥をかかせたロランに対して怒りを覚えたこともありませんでした。
それから食事の時間も忘れてかなりの時間、おそらく2時間以上ロランに対して
怒りと罵声をぶつけていたような気がします。そのたびにロランは
『すいません、申し訳ありません』と謝っていましたが、謝られると
自分が惨めに思えて余計にロランを怒鳴りつけていたと思います。
結局、ロランは物置から車椅子を持ってきて
わたくしはしばらくの間これで生活することになりました。

「……まったく、ロランが今日ほど頼りなく、失礼だったとは夢にも思いませんでした!」
「は、はい、本当に申し訳ありませんでした」
「もういいです!まったく、わたくしがいつそこまで太ったと言うのですか!?」
「それは……いえ、なんでもないです」
「なんですか、その女々しい態度は!言いたい事があるならはっきり言いなさい!」
「あ、あの……ディアナ様は今回の件に心当たりがないのですか?」
「どういうことです?」
「だってディアナ様、以前と比べて格段に太……ゴホン!ふくよかにな」
「おだまり!いつ!どこで!わたくしがそんな生活をしてきたと言うのですか!?」
「だって、ディアナ様はいつも>>11のような生活をしてるじゃないですか?」
「そ、それはたまにですよ。たまに!」
928新たなる戦いの日々 4/4:2007/03/05(月) 01:00:30 ID:???
「それだけじゃないですよ。
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>>630-642でも僕の口にはケーキなんてほとんど入らなかったし、
>>656では無理矢理材料追加しちゃうし、
>>730-738では10件ものケーキ屋を回ったんでしょう?
>>753の抱負だって3日と持たず、
>>791-795では食べながら怒るという荒業をやりますし、
>>807-812でもおせちは飽きたといいながら3人前を平らげて、
>>821-824でも自分の分の朝食は僕の分の何倍もありましたし、
>>851-855では無理言ってパフェを3人分も頼んでますし、
>>874-892で阻止限界点を超えそうになって、
>>897-912ではキエルさんも真っ青の食べっぷりでしたよね」
「……ちょっと待ってください。たしかにわたくしにも非はありました。それは認めましょう。
でもなんだか話が事実よりも誇張されていると思うのはわたくしの気のせいですか?」
「気のせいです。とにかく、今後はもう少し食生活というものを考えてください」
「わ、わかりました……」
なんだか腑に落ちない点も多々ありましたが、完全な間違いでもないので
今回は引き下がりました。見ててください。次スレまでには必ず元の体型に戻って見せます。

ロラン、その時までよしなに。
929通常の名無しさんの3倍:2007/03/05(月) 01:06:15 ID:???
>>って使いすぎると駄目なんですね
改変ならぬ改悪とも言える内容になってしまいましたが
上記で設定をお借りした職人の皆様、すいませんでした。
930通常の名無しさんの3倍:2007/03/05(月) 09:27:38 ID:???
>>929氏、乙です。
よくぞ、、、よくぞそこまで纏められました。GJでした!!

こうして見ると、ディアナ様の食事ネタって結構あるんですね。(どれもこれも尋常な量ではないですが)
たまにはこうしてスレ内で纏めてみるのも面白いかと想います。
自分的にはめちゃめちゃワロタwww

あと、>>についてですが、半角で使用すれば大丈夫だと想いますよ。
これからもどうぞよろしく。


それと、住人のみなさんに教えて頂きたいのですが、「コメディ」というのは、「軽いギャグ」みたいな感じなんでしょうか?
良く聞く言葉なのですが、いまいちわかりませんでした。
どうぞよろしくお願いします。
931通常の名無しさんの3倍:2007/03/05(月) 17:11:19 ID:??? BE:90355924-2BP(123)
>>は11個以上でエラーだったかな。http://もですね
ブラクラ・広告対策だった気がする。



ここ最近の流れに触発されて…

〜〜次回予告〜〜
季節は巡りこの山間にも雪融けが訪れ、草木が芽吹きはじめています。
春の訪れと言うものは大変嬉しいものですが、同時に戦いの日々が来ると言うことでもあります。
そして敵はワタクシの予想よりも早くこの家のドアをノックしたのでした。

次回、ディアナ・ソレルのよしなに日記「春一番」
932某月某日:2007/03/05(月) 17:12:39 ID:??? BE:304948793-2BP(123)
それはまだ森の奥に雪が残り、木々の芽が膨らみかけていた頃。
ワタクシの予想よりも10日、例年に比べ2週間も早く敵は仕掛けてきたのです。

ロ「ディアナ様、今日のおやつはチョコレートクッキーを焼いてみました」
デ「いい香り…では早速いただきます」
ロ「いかがですか?美味くできてますか?」
デ「えぇ。とても美味しいですよ♥見ていないでロランもお食べなさい」
ワタクシ達が暖かい春の日差しが差し込むリビングで幸せな時間を送っていたまさにその時!
ソ「ロラーーン!」
ロ「ソ、ソシエお嬢さん」
デ「!?」
ソ「久し振りね、元気にしてた?」
ロ「それはもう…お嬢さんもお元気そうで何よりです」
訂正いたします。敵はノックすらせず強襲してまいりました。
デ「今年は随分と早いですわね、ソシエさん。」
ソ「途中の泥濘(ぬかるみ)の所為でこんな時間になっちゃったけどね」
ワタクシは泥濘が収まった後と予想しておりましたが、強行突破を果たしたようです。
デ「悪路が収まってから来ればよろしいのに」
ソ「今年は暖冬だったら、うちの方は殆ど雪が降らなかったのよ。こっちもそうだと思ったけど違ったようね。
 あ、そうそう年賀状読んでくれた?」
デ「えぇ、ご丁寧な挨拶ありがとうございました」
ソ「そういうわけでよろしくね!」
ロ「丁度お茶の時間だったんですよ。お嬢さんもクッキーいかがです?」
あのような難解なものは送らないで頂きたいものです。
そして、いつもの事ながら本人のこの反応には軽い頭痛を覚えます…
933某月某日:2007/03/05(月) 17:13:57 ID:??? BE:225888454-2BP(123)
その後は今年最初の戦闘と言う事もあり、近況を話し合い互いの様子を伺う程度で終わりかけた頃。
ソ「…?ディアナさん、ちょっと立って貰えません?」
デ「それは構いませんが」
ソ「んー」
ソシエさんはワタクシの体を様々な角度からじっくりと見て回っていましたが、やがて…
「そんな……」「まさか…でも…」「ありえない…」
ワタクシとロランの顔を何度も見てはなにやらブツブツと言っています。
デ「ソシエさん?」
ロ「お嬢さん?」
ソ「…ディアナさん」
デ「はい?」
ソ「もしかして…その…おめでた?」
デ「はひ?」
不可思議な行動の後の突拍子もない一言に思わず声が裏返ってしまいました。
ソ「だってディアナさん、去年よりずっとお腹周りが膨らんでるし、雪国では冬は他にやることがないって言うし…」
デ「えっと…」
ロ「???」
デ「それなら嬉しい限りなのですが、生憎とそれではなく…」
ソ「それじゃあ?」
この時、嘘でもそうだと認めていれば戦いに終止符を打てたのかもしれません。
しかし、突然の事でもありワタクシは否定してしまったのでした。
ソシエさんの暗く沈んだ表情が一転にんまりとした笑顔に変わります。
それはワタクシにとっては悪魔の笑顔に見えました。
ソ「ははーん。なるほどね。そういう事」
934某月某日:2007/03/05(月) 17:15:38 ID:??? BE:225888645-2BP(123)
ワタクシに身を寄せると耳元で囁き始めました。
「要するに太ったんだ。」
「うぅ…」
「ま、このクッキーもロランが焼いたんだろうし、外に出て運動もできない状況で
 毎日こんなに美味しいのを食べてれば仕方ないわねぇ」
「…」
「今xxsくらいでしょ?」
「!?何故それを」
「お姉さまの体形と比べれば大体分かるものよ。ロランはアレだからあまり口には出さないだろうけど
 このままじゃ私の物になるのも遠くはないわね」
「くっ…」
「今はいいけど、直に衣替えして薄着を着た時にロランがどう思うかしらね?」
「な、夏までには元に戻して見せます」
「無理だと思うけどなぁ」
「元女王の威信にかけて」
「ま、精々頑張ってね。ディ・ア・ナ・さ・ま」

ソ「ロラン、私帰るね」
ロ「え、もうお帰りになるんですか?」
ソ「日が沈む前に帰らないとサムやジェシカが五月蝿くってね」
ロ「そうですか、また来てくださいね」
ソ「もちろん!じゃ、ディアナさんもお元気で」
935某月某日:2007/03/05(月) 17:17:18 ID:??? BE:395304375-2BP(123)
かくして今年最初の戦いは完敗に終わったのでした。
「ロラン、散歩してきます」
「え?今からですか?まだ泥濘が危ないですよ?」
「だからこそです。その方が足腰を鍛えるにはいいのです」
「はぁ…日没までには帰ってきてくださいよ」

3ヶ月。3ヶ月で戻して見せましょう。
そしてロランと二人で海へ行くのです。
                    よしなに、よしなに。




#年賀状は>807-812から拝借
936通常の名無しさんの3倍:2007/03/05(月) 20:20:52 ID:???
>>931氏、GJでした!私のネタを使って貰って光栄です。

これはあれですか、いずれディアナ様のダイエット成功の吉報(SS)を期待してよろしいのでしょうかwww




>>930について、知ったかぶいて適当な事を言ってしまい、申し訳ありませんでした。
ちょっと吊ってきます。
937通常の名無しさんの3倍:2007/03/06(火) 00:13:37 ID:???
>>930
わざわざ返信ありがとうございます。
でも、やっぱり以前自分が書いたものを笑いのネタにするのはともかく
>>928はやりすぎだったと少々後悔しているので
こういう形ではもう書かないで他の書き方を模索しようと思います。

俺が思うにコメディというのは色々あるのでしょうが
どんな形式であれ作者がコメディだと思って書けば
それはコメディになるのではないかと思っています。
正しい意味では俺も知りません。

>>931
GJです。
ディアナ様今年の夏は水着を着て海にいけるのでしょうかねぇw

それと>>がブラクラ・広告対策というのは知りませんでした。
以後覚えておきます。
938通常の名無しさんの3倍:2007/03/06(火) 00:17:38 ID:???
ソース見れば分かるけど、アンカーになるとhref文になって容量食う&重いというのもある
939某月某日:2007/03/08(木) 02:00:26 ID:??? BE:135532962-2BP(123)
「ゼロからの再出発。これを実現するというのは非常に困難な事だ。
 見知らぬ人、違う文化、風習…成功を収めるのは並大抵のことではない。
 だが!愛する者を想えば何だってできるものさ。そうだろう?」
「ぼんぼんにしちゃ頑張ったんじゃないかい」

次回、グエン・ラインフォードのローラ、私は!日k…何をする放あqすぇdfrtgyふじこlp;
次回、ディアナ・ソレルのよしなに日記「CherryBlossom」
春の風は気まぐれ…
940通常の名無しさんの3倍:2007/03/09(金) 12:14:55 ID:???
乙です

気まぐれでよかです。投下されるのを正座して待っとります!
941通常の名無しさんの3倍:2007/03/11(日) 23:56:54 ID:???
ソシエ「――で、ディアナさんは今ダイエット中なわけ?」
ロラン「はい。ただ、食事の制限が厳しく、もう一週間おかゆしか食べてないんです。
しかも一日一食だけで、僕としては体格よりも健康に気を使って欲しいのですが、あのままだと……」
ソシエ「まあそのうち体を壊すわね。減量に食事制限は効果的だけどそんな食生活だと体がもたないわよ」
ロラン「ですから僕と一緒にディアナ様を説得してほしいんです。
ダイエットよりも健康に気を使っていただけるように」
ソシエ「わかったわ。でも、あたし一人で説得するからロランはいいわ」
ロラン「説得できますか?」
ソシエ「だいじょぶでしょ。そのかわり、ロランにはやって欲しいことがあるの」

これはチャンスだわ。あたしのロランセアック奪還作戦の
大いなる第一歩となるんじゃないかしら?

ソシエ「は〜い、ディアナさん。減量中なんだって?」
ディアナ「あぁ……ソシエさんですか……。元気そうですね……」
ソシエ「ディアナさんはとても元気そうには見えないわね(笑)。で、ダイエットの効果はあるの?」
ディアナ「いいえ……最初の数日は効果があったのですが……それ以降は……」
ソシエ「そう、まあ当然の結果ね」
ディアナ「……どうしてなんですか……?」
ソシエ「人間は急激に減量を行なうと、体内で飢餓が起こったと勘違いして
体全体のエネルギー消費が減るの。ディアナさんの体重が減らなくなったのは
飢餓に対する防衛反応のようなものなのよ」
ディアナ「……そうだったんですか、道理で体重が減らなくなったわけですね……」
ソシエ「でもね、そうやって体を維持するのも限界があるのよ。
今のディアナさんが行ってるのはダイエットじゃなくてただの栄養失調よ。
このままじゃいずれ体を壊してロランに手間をかけさせるだけだわ。それでもいいの?」
ディアナ「……じゃあ……わたくしはどうしたら良いのですか……?」
ソシエ「簡単な話よ。運動して痩せるの。ちゃんと食べて、いっぱい食べて、もっと食べて
それで運動して痩せればいいのよ。」
ディアナ「……そ、それでいいのですか……?」
ソシエ「そうよ、だから、ちゃんと食べるの。たくさん食べて、動けなくなるぐらい食べて
それから運動すれば良いじゃない。ロランに迷惑かけたくないんでしょ。」
ディアナ「……そうですね……。わたくしのわがままでロランに迷惑はかけられません……」
ソシエ「それでいいのよ。ロラン!食事の準備はできた!?」
942通常の名無しさんの3倍:2007/03/11(日) 23:58:32 ID:???
おお!ずいぶんたくさん作ったわね。予想以上!
さすが、元うちの使用人だわ。

ロラン「できましたけど……こんなに食べられたら今までの苦労が水の泡になってし」
ソシエ「馬鹿ね。ディアナさんに倒れられてもいいの?今は体力をつけさせることが第一でしょ?
あんたも言ってたじゃない」
ロラン「そうですけど、これじゃ量があまりにも多すぎて返って体に毒ですよ」
ソシエ「いいのいいの。まずはディアナさんに食事を取らせるのが先。
さ、ディアナさんに食べてもらいましょう」

ソシエ「ディアナさん、食事の準備ができたわよ。早く食べましょう」
ディアナ「……で、ですけど……こんなに食べては……」
ソシエ「その分動けばいいの!さあ、食べた食べた!」
ディアナ「……そうですね……おいしそう……」

うふふ、大成功ね。これだけの量を食べれば絶対にリバウンドを起こして
以前より体重が増えるはずよ。ロランがあたしの元に帰ってくるまで
手加減は一切無しよ。これからもよろしく、ディアナさん。

ディアナ「うぅ、また太ってしまいました……。痩せるのは本当に大変ですね……」

ロラン「――と、言うわけなんです。お忙しいとは思いますがキエルさんから
アドバイスを頂けないでしょうか?」
キエル「分かりました。それで今ディアナ様は?」
ロラン「今は自室に篭ってます。一度に体重が増えたことが相当応えたようです」
キエル「そうですか……今ディアナ様と話すことはできますか?」
ロラン「今日はちょっと無理かもしれません。相当応えたようです」
キエル「分かりました。後日こちらから連絡させていただきます」
ロラン「すいません、よろしくお願いします」

きっと今頃ディアナさん部屋の中で蹲ってるでしょうね。
ディアナさんも単純よね。腹いっぱい食べて痩せられるわけないじゃない。
見てなさいよ。あたしたちの戦いはまだ始まったばかりなんだから!
943通常の名無しさんの3倍:2007/03/12(月) 00:08:59 ID:???
×ロラン「今日はちょっと無理かもしれません。相当応えたようです」
○ロラン「今日はちょっと無理かもしれません」

だった。スマソ
944通常の名無しさんの3倍:2007/03/13(火) 18:17:12 ID:???
乙です!続きが気になります(;´д`)
945通常の名無しさんの3倍:2007/03/18(日) 18:57:30 ID:???
946通常の名無しさんの3倍:2007/03/19(月) 23:20:43 ID:???
だんだん陽も長くなり季節外れになってきているけど
最近、暇をもて余しては教本を見ながらマフラーを編んでいます。
「まあ、次の冬に使えればいいです」
最近始めた割にサマになってきている。
しかし出来栄えがいかほどでも、しばらくすれば使う機会も無くなるだろう。
…という事をあれこれ考えて一回止めたが、
ソファに腰掛けてくつろいでいると、なんだか手が寂しい感じがして
結局また編むようになっっていた。
「まだ編んでらっしゃるのですか?」
「ええ、これがなかなか止められなくて」
「気持ちは分かります。ってなわけでハイ、息抜きの紅茶です。甘くしときました」
「まあ!ありがとうロラン」
満面の笑みをたたえる。
さすがはロラン、こういう気遣いは天才的ですね。
「やってる時は分からなくても、ふと気付くと体のどっかが調子悪いんですよね」
「うぅ、言われてみると肩凝りが…目と腰もなんだか痛いです……」
「い、言わない方が良かったですか?」
…若干、お節介過ぎるかもしれませんが。
947通常の名無しさんの3倍:2007/03/19(月) 23:44:55 ID:???
ものは考えようで、邪だろうが何だろうが
(この機会を利用しない手は無いんですょ)
「ああ何か、言われたら肩が凄く凝ってますわ」
白々しく肩をさするわたくし。
「申し訳ありません…」
真剣に謝り始めるロラン。
予想通り過ぎて今にも吹き出してしまいそうですわ。
「誰か肩でも揉んで下さらないかしら。…まあそんな人いるわけないですよねえ」
ため息をつきながら皮肉たっぷりにロランをチラ見しつつ言ってみせる。
「ぜ、是非やらせてください」
「あら?良いのですか?嫌ならばいいんですよ?」
「嫌だなんてそんな…」
「そうですよね、わざわざこんな女のために揉むなんて徒労に過ぎませんよね…」
「そんなわけない!ぼくは、真剣にディアナ様を揉みたいんです!!!」
「……ロランのえっち」
「あ…いえ……その」
「初めてだから優しくしてね?」
「んああもう!」
少々からかい過ぎましたか。
948通常の名無しさんの3倍:2007/03/20(火) 01:07:50 ID:???
ほのぼのとしてて良いですな

ところで次スレどうする?
萌えスレと統合しても良いんだろうが
やっぱり別スレを立てるべきかね?
949通常の名無しさんの3倍:2007/03/20(火) 02:24:24 ID:???
小説はいろんな人が書いてゴチャゴチャになるから
分けた方がいいに一票
950通常の名無しさんの3倍:2007/03/20(火) 09:16:08 ID:???
>948
ノシ 別スレに分けるに一票


951通常の名無しさんの3倍:2007/03/21(水) 08:59:09 ID:???
晴れが続き雪も無くなりもう春という感じが漂う今日。
洗濯物を干しながら早朝に所用で出ていったロランの帰りを待つ健気なわたくし。
「ディーアーナーさまーっ!」
自転車に乗り髪をなびかせ爽快に駆けるロラン。
自転車・・・自転車?
「お疲れ様でした」
「ハアハア・・・お待たせしました!今帰りました!」
「はい・・・」
「ディアナ様?」
「じーっ・・・」
そう、これは自転車。両足でぐるぐるとタイヤを回して進む、
何度見ても不思議な乗り物。
コインを立てておくというのも難しいのに、
こんなものでどうやってバランスを取ってるのだろうか。
「だ、ダメですよ!危ないから乗せませんよ!?」
わたくしの視線を遮り自転車の前に割り込むロラン。
そうまでして乗せたくないのだろうか。
「なぜ?みなさんは乗ってらしてるのにわたくしだけ危ないのですか?」
街中で子供はおろか老人でさえ乗り回している。
「う、そういうわけでは…」
「ではわたくしが運動音痴だから乗れないと?」
「あ、アハハ・・・そんなこと思ってるわけないじゃないですか・・・」
「目が笑ってませんよロラン」
「はあ。分かりましたよもう」
とりあえず乗せてはもらえるみたいです。
952通常の名無しさんの3倍:2007/03/21(水) 09:25:13 ID:???
「いいですか、自転車の事故ってのは多いんです」
「はい」
「大した交通の知識が無くても誰でも乗れてしまうからです」
「はい」
「何より生身で走るから事故にあった時の衝撃も凄まじいんです」
「だからこの重装備ですか」
ヘルメットにヒジとヒザにプロテクター、そしてゴーグル。
ロランはわたくしを支えるために自転車には乗らず、横から指示。
思っているより自転車とは難しいようですね。
「ロラン、なんか動きにくいです」
「慣れます、最初は転んでしまって危険ですから付けてください」
そこまでは良かった。
「では足をペダルに乗せて交互に前に踏み出す感じでどうぞ!」
「はい・・・こ、こうですか」
「そうです上手いですよディアナ様!もうお1人でも乗れるじゃないですか!」
「いえ、ロランのおかげですよ」
「そんなこと無いです、ディアナ様が上手いんですよ!」
「でもロラン」
「はい?」
「なぜタイヤが後ろに3つもあるのですか?」
「さ、さあ余計な事は考えずにそのまま進んでください!」
「ろーらーん?」
転ぶわけないじゃないですか。
953通常の名無しさんの3倍:2007/03/21(水) 09:50:29 ID:???
「ハア・・・では補助輪抜きましたよもう・・・」
「なんであからさまに嫌そうな顔をしているのですか?」
抵抗していたが、遂に折れて後輪の横に付いている余計なタイヤを取ってくれた。
こういう時は往生際が悪い。
「いいですか、もう自分のバランス感覚だけで支えるんです!」
「はい!」
「傾いても右か左にしか倒れないんですから、足を出して支えて下さい!」
「はい!」
「スピードが出てる方が安定しますが出しすぎないで下さい!」
「はい!」
「じゃあ今日は終わりにしましょう!」
「はい!・・・ってロラン?いい加減に怒りますよ?」
「わ、分かりました・・・」
954通常の名無しさんの3倍
「では後ろから支えてますから御自分のタイミングでこいでください!」
「はい、行きます!」
ギー・・・
地面から足を離して素早くペダルをこぐ。
ちょっとふらつくが、ロランの支えもあって倒れない。
「どうですかロラン!?」
「なかなか良い感じです」
「でしょう?わたくしだってやればで・・・あっ!」
ガシャ
バランスを失った自転車ごと右に倒れこむ。
少し傾いて、と思った瞬間にはもう倒れていた。
「いたた・・・」
怪我は無かった。というより
「だ、大丈夫ですかロラン?」
「なんとか」
ロランが自転車を足で止め、地面と割り込むように体全体で自分を受け止めていた。
一度バランスを失った後の立て直しは予想以上に難しいようだ。。
「ごめんなさいロラン・・・」
「いえいえ」
ここは踏み固められた土の地面。石畳よりは固くは無いが、やはり衝撃は強いだろう。
「でもロラン・・・その・・・ベタ過ぎてあまり言いたくないんですが」
「は・・?」
「胸、あんまり触らないでくださいね?」
倒れたまま胸を後ろからわし掴みにされていた。
「はわわ!き、ききき気をとりなおしてもう一度行きましょう!」
心なしか、(いろんな意味で)立ち上がったロランは前屈みになっていました。