あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……
地球の夏と言うものは暑いものでして、特に今年は記録的な猛暑だったとか。
冷房の効いた部屋ですごしたいところですが、ずっと居ては体に毒と言いますので、
日中は扇風機で涼を取り、冷房は寝る時に少しだけという生活を送っておりました。
いやしくも淑女たる者、このような時期でも長袖のブラウスやロングスカートなどで
肌の露出が少ない格好をするべきなのは分かっておりますが、
今年の暑さには敵わず、キャミソールにショートパンツと言うかなりラフな格好で過ごしておりました。
初めてこの格好を見た時のロランの様子といったら…
「ディ、ディアナ様…なんて格好をなされているんですか……」
「これは最近若い娘たちの間で流行っているキャミソールと言うものです」
「そ、そんな…その…」
「下着みたいな格好?」
「そう、そうです。いくら暑いからと言ってそのようなお召物を着られなくてもいいじゃないですか」
「今年は特に暑いですから、少しでも心地よく過ごす為です。お嫌?」
「嫌とか言う問題じゃなくて、その…」
「ならいいではありませんか」
「その…肩のあたりに見えるのは…」
真っ赤になってそっぽを向きかながらも、しっかり見るところは見ているようです。
「あぁ。これはブラの肩紐ですね。最近は見られる事を前提とした物がありますので、
気にすることはありません」
わざと見せつけるように説明します。
何故か前かがみになりつつも、なお着替えるように言うロラン。
「そういうロランはどうなのです?今はTシャツを着ていますが、
畑に出たときは上半身裸ではありませんか」
「それは…暑いですから…」
「ワタクシとて暑いのです。これが気に入らないと言うのなら"み・ず・ぎ♥"でも着ましょうか?」
「うぅ…」
「それにここに居るのはワタクシとロランだけ。
人目を気にする必要もありませんし、すぐに慣れますよ」
「はぃ…」
こうして快適な生活を手に入れたワタクシ。
秋が近づき日中の気温も下がり始めたある日、ブラウスにスカートと言う出で立ちで
朝食に向かいますと、そこには平静を装いつつも残念そうな目をしたロランが居たのでした。
今年はもうあの姿を見せることはないでしょう。
暫くお預けですが、夏はまた来ますから…ね、ロラン。
あ、来年はミススカートで過ごすのもいいかも知れませんね。