【トヨタ】 「大型リコールの原因は部品共通化」のウソ,真因は“手抜き”=製品の品質検証の不十分さにあり…品質問題・識者の見方 

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★【トヨタ品質問題・識者の見方】「大型リコールの原因は部品共通化」のウソ,真因は製品の品質検証体制にあり

2010/02/12 14:15 日野 三十四=モノづくり経営研究所イマジン 所長

 トヨタ自動車の一連の品質問題においてリコール台数が数百万台規模に上ったことを受け,
その原因を「部品の共通化」に求める報道や論評がみられる。そうした見解を,
モジュラーデザインの第一人者で“トヨタウォッチャー”でもある日野三十四氏は「表層的な見方」と切って捨てる。
品質問題の真因はどこにあるのか,そして部品共通化はどのように進めるべきなのか,同氏に解説してもらった。(日経ものづくり)

 最近,トヨタ自動車の品質問題に関して「過度な部品共通化によってリコールの規模が拡大した」といった論評が横行している。
こうした論評は,地震で生産ラインがストップすると「(部品在庫を持たない)トヨタ生産方式の欠陥だ」などと
訳知り顔に言うたぐいで,話にならない。「製品ごとに固有の部品を多数用意したり,平時でも地震に備えて
工場に在庫の山を持ったりした方がよいのか?」と自問すれば分かりそうなものだが,割と高名な知識人が
有名なメディアで発言するものだから,筆者にも各メディアの記者や講演の聴講者などから同じような質問がよく来る。

 部品共通化が大量リコールの背景にあったとしても,部品共通化は表層的な原因にすぎない。
真の原因は,品質を保証した部品共通化ができていないことである。
部品共通化は,必ず進めなければならない製造業の基本命題である。
特に,地球環境の保全が最大の課題になった21世紀においては,無駄な部品を造らないことが絶対条件である。
無駄な部品を生めば,大量の製造機械/金型/治具/検査具/工具/専用材料などの生産機材が生まれ,そしていずれ廃棄される。
それらが廃棄されるときには大量のエネルギが消費され,それは全部地球にストレスを与える。
評論家は,「部品共通化のやり過ぎが大量のリコールの原因である」と論評するのではなく,
「品質保証と両立する部品共通化を進めよ」と指摘しなければならない。

●製品品質の確認は完成品メーカーの責任

 品質保証の基本は,第一に部品単体で品質が保証されていることであるが,部品単体で品質が
保証されていても部品を組み合わせた製品の状態で品質が保証されているとは限らない。
完成品メーカーは部品メーカーに対し,各部品について,外気温や湿度などの大気状態や,
運転時間などの規定条件下で機能維持性や耐久劣化性などの品質基準を満たすように要求する。
一方で,部品を組み合わせた製品の状態で品質を確認することは完成品メーカーの責任である。

 トヨタのアクセルペダルがフロアマットに引っ掛かって暴走するという問題は,
アクセルペダルとフロアマット単独ではそれぞれ品質が保証されていても,
それらを組み合わせた製品の状態では品質が十分に確認されていなかった典型例である。
アクセルペダルのフリクションレバー部が摩耗したところにエアコンの氷結が付着して戻りが遅くなる問題もそうである。
「プリウス」などのアンチロック・ブレーキ・システム(ABS)の利き不良問題は,
自動車の使われ方の想定とその評価が不十分だった結果である。

 アクセルペダルやブレーキペダルは,大衆車でも高級車でもドライバーの体型はほとんど変わらないので,
部品共通化をするのが当たり前の部品である。しかし,製品の状態では車格によって
ペダル周りのスペースなどが大きく異なるので,製品の状態での品質検証も手を抜けない。
過去の製品やほかの製品で実績がある部品だからといって安易に部品を流用すると,想定外の品質問題が起きる。
トヨタの一連の品質問題は,いずれも技術的に品質保証が難しいとか品質検証が難しいということではなく,
完成品メーカーとしてやるべき評価の手抜きを感じさせられる出来事である。
トヨタの品質問題は,「部品共通化のやり過ぎ」などという表層的な次元に落とすべきではなく,
製品での品質検証の不十分さを指摘すべきである。(続く)

Tech-On http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20100212/180166/

続きは>>2-4
2ポーク‥‥φ ★:2010/02/12(金) 17:40:56 ID:???
>>1の続き

●他社よりも進んでいるトヨタの部品共通化

 トヨタ自動車は,部品共通化については,もともと他社に比べても大幅に進んでいた。
トヨタの場合,フルモデルチェンジにおいて構成部品のうち 50%程度を現行部品から流用するが,
他社はせいぜい25〜30%である。さらに2000年7月に,「製品に合わせて部品を造るのではなく,部品に合わせて製品を造る」
ことを理念に掲げたCCC21(Construction of Cost Competitiveness for 21th Century)活動に取り組み,部品共通化を一層進めた。
その成果によって,年間の原価低減額をそれまでの1000億円を2倍の2000億円に押し上げた。

 だがトヨタは「CCC21は部品アプローチであったため,期待したほどの成果が出なかった」と反省し,
2005年からさらに乾いたタオルを絞るべく,システムアプローチで部品共通化を実現する
「VI(Value Innovation)活動」に取り組んだ。VI活動の中身はベールに包まれていてよく分からないが,
「設計のやり方を根本から変えて部品共通化を進める」という理念であり,このアプローチ自体は正しい*。
* トヨタはCCC21活動やVI活動の具体的な内容や成果を公表してしない。自動車の購入者は常に,
製品も部品も“オールニュー”であることを期待するので,部品共通化の成果を公表することは,
販売・営業戦略上好ましくないとの判断かもしれない。また,部品共通化は技術的に非常に難しい事業なので,
それを公表しては自社の強みが薄れると考えた可能性もある。

 部品の共通化には,次の3段階がある。

(1)既存の部品の中から今後の製品でも流用できそうな部品を抽出して標準部品に設定する。
どの製品で,どのようにして,どの部品を選ぶかは設計者に任される。
(2)部品ごとに,事前に一定の品ぞろえをし,それらを今後の標準部品に設定する。
どの製品で,どのようにして,どの部品を選ぶかは設計者に任される。
(3)設計パラメータ(品質やコストの製品仕様を含む)と部品の仕様との関係を明らかにした上で部品の品ぞろえをし,
それらを今後の標準部品に設定する。どの製品で,どのようにして,どの部品を選ぶかは,
設計パラメータと部品仕様の関係から品質・コストの条件に合う標準部品を設計者が判断する。

 当然のことながら,第3段階まで行って,初めてQCD(品質/コスト/納期)を保証した部品共通化が実現できるようになる。
第3段階に到達するには,上述の設計パラメータと部品仕様の関係を見据えながら設計する「設計手順書」の整備が不可欠となる。
設計手順書のイメージを図に示す。

図●設計手順書のイメージ http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20100212/180166/100212hn_t.jpg

ちなみに,これは自動車のワイパーシステムの例。
(画像のクリックで拡大)

 設計手順書とは,製品企画書や製品仕様書といった設計へのインプットを基に,図面や部品表といった
設計からのアウトプットを出すまでの設計の方法を,設計の手順に従って記述した文書である。
特許情報/他社製品データ/品質基準/コストテーブルなどのような既存の設計根拠情報は,設計手順の各段階で引用する。
このような設計手順書を作っておくと,設計パラメータと部品仕様についてそれぞれどのように
モジュール化するべきかが見えてくるので,「モジュールテーブル」としてまとめる。
こうして作った部品仕様モジュールテーブルが,部品共通化の第3段階における標準部品である。
新モデルを開発する場合は,この設計手順書に従って設計を進めることによって,他社の特許を回避し,
他社の製品を上回る商品力を持ちつつ,品質基準を満たし,最もコストが低い標準部品を選択できるようになる。

 約9割の企業は,第1段階にとどまっている。そもそも既存部品は,ほかの製品に転用されることを考えずに,
個別の製品に向けて,個別の条件で,限界設計(極限まで無駄がないように設計)されたものなので,
転用の可能性は本質的に低い。無理して転用すると品質問題を起こす。

 トヨタ自動車のCCC21は第2段階と考えられる。品ぞろえするときは,部品に一定のロバスト性を持たせるので,
採用の可能性は高くなる。しかし品ぞろえされた標準部品には,どういう場合に,どれを選択すればよいのか
ということに関しての手順や基準がないので,誤認が発生しやすい。 2005〜2006年にトヨタで多発した
品質問題の背景には,こうした事情があると考えられる。

続く
3ポーク‥‥φ ★:2010/02/12(金) 17:41:09 ID:???
>>2の続き

●“手続き”ではなく“手順”が重要

 CCC21が完了した2003年には以上の問題が既にある程度見えていたはずなので,
2005年からはその問題を解決するために第3段階の部品共通化を目指したVI活動に取り組んだ。
VI活動ではトヨタグループをあげて設計手順書作りが推進されたが,設計手順書を作るべき設計者が
前向きになれなかったので,思うように進まなかったもようだ。

 トヨタで推進された設計手順書は,設計時における組織間の情報の流れを示した
“設計手続き”(Design Procedure)であり,実践的な設計の手法そのものを設計の手順に従って明文化した
本来の“設計手順”(Design Manual)ではなかった。設計者は,技術の本質にかかわる
“設計手順”の作成には意欲的に取り組むが,事務的な“設計手続き”の作成には前向きになれないものであり,
それがうまくいかなかった原因ではないかと筆者はみている。

 VI活動は,その経過や総括が社外に公表されていないので,開始から5年が経った今でも継続しているのか,
既に終わっているのかは分からない。 2008年以降,インドTata Motors社の低価格車「Nano」が
発表されたことによるナノショック,原材料の高騰,急激な円高,リーマンショックなどが次々と製造業を襲った。
そうした中で,トヨタは2009年末から3年間でコストを30%低減する「RR-CI」(良品廉価-コストイノベーション)
活動を新たに始めた。上述の第3 段階の部品共通化が未完成のままで終わり,目先の原価低減に走って
同じ品質問題が繰り返されることを筆者は懸念している。

●部品共通化は避けられない道

 今後,製品の多様化は必ず進む。それに対して手をこまねいていれば,部品の種類もなし崩しに進んでしまう。
成長のカギは,製品の多様化を進めつつ部品の種類の増加を抑制し,しかも当然のことながら
品質保証を確実に行うことにあると,製造業各社は肝に銘じなければならない。

 トヨタはどこでどう道を間違えたのか,そしてこれからどうすべきか,そしてこの件で製造業各社が学ぶべきことは何か。
それらは,次回以降に述べたい。

以上
4名前をあたえないでください:2010/02/12(金) 17:44:41 ID:D3o+8VOK
品質検証部門をリストラでもしたか、何か起こってから品質検証部門の価値がわかるとは
5名前をあたえないでください:2010/02/12(金) 17:45:02 ID:Z62lDq51
>>1
やれば出来るじゃないか。
6名前をあたえないでください:2010/02/12(金) 17:53:15 ID:FcORLEgm
得意になって「合理化」を繰り返しているとコスト縮減は出来る半面リスクは高まる結果になる。
その結果結局今回のように高いツケを払わされるという落ちが待っているというわけだ。
7名前をあたえないでください:2010/02/12(金) 18:03:31 ID:m3T7Efa8
安全第一 (safety-first)は、アメリカ合衆国で誕生した標語である。

1900年代初頭、アメリカ国内では不景気のあおりを受け、労働者たちは劣悪な環境の中で危険な業務に従事していた。
結果、多くの労働災害に見舞われていた。

当時、世界有数の規模を誇っていた製鉄会社、USスチールの社長であったエルバート・ヘンリー・ゲーリーは労働者
たちの苦しむ姿に心を痛めていた。
熱心なキリスト教徒でもあった彼は人道的見地から、当時の「生産第一、品質第二、安全第三」という会社の経営方針を
抜本的に変革し、「安全第一、品質第二、生産第三」としたのである。

この方針が実行されると、労働災害はたちまち減少した。 品質・生産も上向いた景気の波に乗り、この安全第一という標語は
アメリカ全土に、やがて世界中に広まった。



http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%89%E5%85%A8%E7%AC%AC%E4%B8%80
8名前をあたえないでください:2010/02/12(金) 18:03:57 ID:dDGneWik
>トヨタの場合,フルモデルチェンジにおいて構成部品のうち 50%程度を現行部品から流用するが,
>他社はせいぜい25〜30%である。

新車と言いつつ半分は古いってことか?
買った人は殆どが新設計とか信じてるんだろうな
9名前をあたえないでください:2010/02/12(金) 18:19:34 ID:yEhMjzRA
トヨタのホームページワロスwwwww
10名前をあたえないでください:2010/02/12(金) 18:33:18 ID:wl3v3lkt
>>8 そんなに信頼性の薄いものが買いたいのか?
11名前をあたえないでください:2010/02/12(金) 18:52:01 ID:r3OY08ym
牛がトヨタスレばっかたててるwwww

さすが民主党の支持者wwwwwwwww
12名前をあたえないでください:2010/02/12(金) 18:53:48 ID:MCAsExwH
原因は隠ぺい体質じゃないの?
13名前をあたえないでください:2010/02/12(金) 18:55:03 ID:cz3E+TyN
下請けも苦労するね。

コストダウン品質ダウン。
14名前をあたえないでください:2010/02/12(金) 19:32:35 ID:SBSZM6+A
「乾いた雑巾を絞って無駄を出す。」という標語の元に、改善をしてきたトヨタ生産方式だが
絞りすぎてボロボロになた雑巾を絞ったからこんなことになったのではないのか。
15名前をあたえないでください:2010/02/12(金) 19:33:49 ID:9w57gh2y
星新一は父星一がアメリカでの安全第一の標語からヒントを得て
星製薬の標語親切第一を作り、そこから星親一と名付けられたんだな。
16名前をあたえないでください:2010/02/12(金) 19:47:46 ID:F+2NgDGN
レクサスの部品もプリウスの部品も同じなのか。
それなら値段も同じにしろよw

17名前をあたえないでください:2010/02/12(金) 20:14:34 ID:Iu+drD99
部品製造から総組み立てまで
全部「夜勤」で作った車と「昼勤」のみで
作った車。。。どっちに乗りたい?


18名前をあたえないでください:2010/02/12(金) 20:17:30 ID:Nn7fklKR
トヨタの下請けやってるが結局は品質より値段だもんw
19名前をあたえないでください:2010/02/12(金) 20:32:40 ID:sQgrJd2j
DRBFMもベースがGoodDesignじゃなきゃ意味がないし、そもそも時間の無駄
20名前をあたえないでください:2010/02/12(金) 20:35:59 ID:zg2DVk2o
>>1
日野三十四氏って有名人?
21名前をあたえないでください:2010/02/14(日) 16:59:38 ID:B85xe9CZ
部品共通化はやってるよね。コスト削減のため。

それと品質問題は無関係じゃないとは思うけど、共通化だけが原因じゃ
ないし、品質検証だけでもないと思う
22ポーク‥‥φ ★:2010/02/18(木) 06:58:17 ID:???
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