952 :
世界@名無史さん:05/02/05 22:46:43 0
まあGrand Princeなるものはロシアとその近辺でしか使われなかったから、
Grand Dukeと同じく「大公」という訳で問題ないと思う。
princeに関しては、結構混乱があるな。
ロシアやポーランドの場合:Dukeに相当するものが無く、Knyaz(Prince)は「公爵」。
ドイツの場合:F"urst(Prince)は、Herzog(Duke)「公爵」どころか
Markgraf(Margrave)「辺境伯」やLandgraf(Landgrave)「土伯」よりも下。
「侯爵」と訳した方が良い。リヒテンシュタイン公(候)がこれに相当する。
英国の場合:Prince of Wales(皇太子)のみで、明らかにDuke「公爵」よりも上」。
「公爵」か「大公」相当。
スペインの場合:Pr’incipe de Asturias(皇太子)とかPr'incipe de la Pazとか、
英国と同様非常に限られた数しかなく、あきらかにDuque (Duke)「公爵」より上。
「公爵」か「大公」相当。
イタリアの場合:どうみてもDux「公爵」やMargravio「侯爵」よりもPrincipeは下なんだが...
神聖ローマ帝国下の北イタリアはF"urstと同じ基準で設けられたし、南イタリアでは
シチリア島だけで120ものPrincipalityが存在した時期もあったらしい。
これらは慣用的に「公爵」と訳されるのか?何か「侯爵」という訳が相応しい気もする。
モナコ公(候)がこれに相当する?イタリア史に詳しい人の解説が欲しいところ...
フランスの場合:Duch’es「公爵」のみ
953 :
世界@名無史さん:05/02/05 23:11:21 0
フランスの場合princeたちはducの称号を欲しがっていたという記述をどこかで見た記憶が。
漢文の「公侯伯子男」をひとまず無視して、現代語的に直訳(意訳?)した上で
その訳を漢文に詳しい人に検討してもらって、
改めて「公侯伯子男ほかの漢字語」を割り振ってもらうのがよいのでは?
トランシルバニアもgrand princeだね。
>>948 Grand Duchy of Warsawってのはかなり広がった間違いであるらしく、
Duchy of Warsawが正しいらしい。
956 :
世界@名無史さん:05/02/06 19:17:48 0
http://www.asahi-net.or.jp/~eh6k-ymgs/etc/deutschland/bayern.htm で最後の方の系図の図をみると、アルブレヒト4世による統一前だが、
下とか上とかなっている。
これは、上バイエルン公、下バイエルン公だと思うが(参考は下記)。
>>672 :659:04/06/07 21:47
兄弟間、あるいは親子間で円満に分割協議が成立すれば
後は皇帝による追認(一旦、返上して再び授与してもらう)という手順を
踏むんですが、これが上手くいかないと私闘になったり、皇帝の介入を招いたりします。
バイエルンの場合、ルートヴィヒ2世が1253年にバイエルン公位を継いでいますが
1255年に上バイエルン公に任命しなおされています。
対してハインリヒは1253年、または1255年に下バイエルン公になっています。
つまり両者の間には領土的な相続争いがあったわけで、上下バイエルン両公という称号は
一種の妥協の産物だと言えると思います。
957 :
つまり、こうです。:05/02/06 19:20:02 0
ルートヴィヒ6世 オットー5世 ルートヴィヒ5世 シュテファン2世
(上,1347-51) (上,1347-51) (上,1347-61) (下ラ,1347-75,63-上)
(下ラ,1376-79) │ │
958 :
世界@名無史さん:05/02/06 19:32:40 0
上は、上バイエルン公のことで、これは皇帝も正式に認めたもの。
でも、オットー5世の下ラ、とか、系図のさらに後をみると出てくる、
下ミや下イは、どういうことか、わかりますか。
バイエルンが上下に分かれたあと、また、争いがあり、
下ミュンヘン公が。皇帝の承認のもと成立したということでしょうか。
それとも、単に、ミュンヘンに宮廷を置いたので、
上バイエルン公の一族(当然、上バイエルン公を称す)ではあるが、
ほかの上バイエルン公特別するために、下ミュンヘン公と称しただけでしょうか。
皇帝側からみれば、あくまで、上バイエルンの一部に過ぎない、
皇帝とは直接の授封関係のない、陪臣のようなものでしょうか
(下の叙述の「部屋住み」という身分に相当します。
もっとも、部屋だけでなく、領土領民家来もいるんですけど。)。
>>638 ドイツはゲルマン古法の影響を強く残していたので兄弟間による分割相続が基本でした。
なので爵位も基本的には兄弟皆が名乗れます。
でも流石に中世以降は分割相続による弱体化を防ぐ目的で
家督相続者(長子とは限らない)に主権を認めた上で、何らかの土地を領土として
相続する方向に変わっていきました。
この点から考えると『部屋住み』的な面もありますが
独立した宮廷も持っているので、面倒な仕事の多い宗家を継ぐよりは気軽な分家が
良いと兄弟間で押し付けあうという事がしょっちゅうだったようで
959 :
世界@名無史さん:05/02/06 20:09:45 0
さかのぼって読むと面白いです。。。。。
>>667 ですが、
バイエルン継承戦争は、カールテオドールの時だけではなく、
それ以前にもあったということ?。
アウブレヒト4世のバイエルン統一は、戦争を伴って成し遂げられたのね。
と、
正しくは、第一次バイエルン継承戦争、第二次バイエルン継承戦争というわけなの。
そういう風に呼ばれているの?
>917
>でもまぁ大筋は
>>915で良いと思われ。
>ようは最初から将軍跡目候補のお家柄じゃなかったって事だな。
確かに日本史板の内容だけど、一応。
水戸家に将軍家継承の権利が無い、という事実は無いらしい。
実際、三家が直接に跡目を争った8代目継承の時に、水戸家の当主も候補と
して上がっているし。
継承順位は低いがあるが実情では。
家格自体尾張・紀伊より一段落ちることは事実らしい。
>>961 > 家格自体尾張・紀伊より一段落ちることは事実らしい。
いえ、らしいのではなく、事実です。代々の当主の官職が違います。
尾張と紀伊は大納言、水戸は中納言ですから。
963 :
世界@名無史さん:05/02/06 22:28:03 0
20世紀のアイルランドの作家にロード・ダンセイニという人がいたが、この人の本名
はエドワード・ジョン・モアトン・ドラックス・プランケット、第18代ダンセイニ男爵
という。
独立後のアイルランドではダンセイニ男爵は英国の貴族として存続しているのだろうか?
それとも独立に伴い称号は公式に廃止、または自然消滅したのだろうか?
フランク王国時代に兄弟相続というものがなければドイツ(東フランク)もフランスになってたのになあ。
965 :
世界@名無史さん:05/02/07 11:27:13 0
>>953 下級貴族がprinceという称号を用いていたことがあるらしい。
神聖ローマ帝国領と被る地域を除けば、基本的にフランスにはprinceがいない。
伯爵以上をまとめると:
ドイツ
Erzherzog (archduke) > Groβherzog (grand duke) > Herzog (duke)
> Markgraf (margrave)等 > F"urst (prince) >Graf (count)
番外編: Kurf"urst (prince elector)
フランス
duc > marquis > comte
イタリア
granduca > duca > march'ese > principe >conte
-------------------------------------
イギリス
prince > duke > marquess >earl
スペイン
prinicpe > duque > marqu'es >conde
-------------------------------------
ロシア
veliky knyaz(grand prince; grand duke) > knyaz (prince) > それ以下は自分は知らない
966 :
世界@名無史さん:05/02/07 11:31:08 0
こうやってみると、イタリアの場合、march"eseもprincipeも「侯爵」と訳してしまうと
混乱が出てくるな。神聖ローマ帝国下ではイタリア半島北部に存在した侯領は、
すべて辺境伯扱いだから、「辺境伯」という訳を導入すれば一応区別はつく。
その場合はドイツと同様、辺境伯>侯爵という逆転現象が出てくるし、
モナコも公国ではなくて侯国扱いになってしまう。
ただ、イタリアのprincipeはドイツのF"urstと違い、ほぼ慣例的に「公爵」と訳されている。
これだとducaとの区別がつかないし、ミラノ、モデナ、マントヴァ公国と、
長らく保護領に過ぎなかったモナコ公国やイタリア半島・シチリア等に沢山存在した
多数のprincipe領とが同格になってしまう。
そういえばアンドラ公国も本当に「公」という訳が相応しいんだろうか?
http://academy3.2ch.net/test/read.cgi/whis/1038230155/867 よりコピペ。
辺境伯ってのはカロリング時代の官職の名前に由来します。
軍事権を併せ持った伯の事で、速やかな軍事行動が必要な区域に
置かれました。(反乱が怖いので、数は絞ってましたが)
で、王命がすぐに届かずなおかつ軍事的脅威に晒される区域というと
国境地帯が多かった為、辺境伯と呼ばれているわけです。
で、この官職ですが、カール大帝以降の混乱時代になると王国内部でも
頻繁に軍事衝突が起こるようになり、その対処として辺境伯管区が設置される
ようになりました。
という説明をしておいてなんですが、中世盛期(10世紀以降)になると
フランク王国の官職的要素の強い伯なんて、いなくなってしまいます。
いくつかの伯管区を兼ねる事で、強大な権力を獲得する事に成功した伯が
箔付けの為に、かつての王国の遺制からそれらしい官職名を引っ張ってきて
名乗る事が多くなりました。(公とか大公とか辺境伯とか)
もちろんアンジュー伯のように、称号に興味の無い上級貴族もいたので
この時代、爵位の間に明確な区別なんてなかったと考えるのが正しいです。
(帝国諸侯制度なんかが整備されてくると、また話は変わってくるわけですが)
イングランドのチェスター伯なんかは、成り立ちの意味合いとしては辺境伯
的存在ってことかな?
969 :
世界@名無史さん:05/02/07 20:38:08 0
ドイツやフランスの公爵って全部で何人くらいいるんでしょうか?
イギリスはマーチ伯が辺境伯みたいな存在だったかな。
ときにそろそろ次スレの相談をした方がよくはありませんか、みなの衆。
972 :
世界@名無史さん:05/02/07 21:15:12 0
フランスの公爵ってうじゃうじゃいるイメージがあるんだが・・・
ドイツの場合は19世紀の初めに神聖ローマ帝国の諸侯だったとこだけ?
973 :
世界@名無史さん:05/02/07 21:19:32 0
フランスの場合、王室メンバーで公爵位を乱発していたからね。
いわゆる昔ながらの封土付きの格式高い公爵領は、ブルボン家が
権力を掌握したころには全て滅んでしまった。
>>973 封を回収しても、それを中央集権的に支配する事が出来なかったが
故の親王領なので、至極自然な話かと。
辺境伯が強大な権限をもってたという意味なら、イギリスの城で巨大なやつは伯爵が築いた
ものが多いんだよね。
住民の反乱に備えるためって理由で作るんだが王室にとっては良い気分ではない。
そこが貴族反乱の根城になりかねないから。
レスター伯の城はすばらしい巨大な城で水面に浮かぶ宮殿のようだった。
ドイツ流に言えばヴァッサーブルクだね。
案の定、そこで謀反がおこり貴族軍がたてこもった。
やっぱり城の大きさは、それを建てた城主の野心を表してるのだろう。
それだったら王のほうで貴族の城を制限してもいいんだろうが、レスター伯爵の壮麗な城
をみた各地の貴族は、それをまねして巨大な水城を作るんだから・・・
個人主義といいうか、ちょっと日本の大名は考え方が違うね。
たかが一伯爵のくせに巨大な城をつくる、どっから金が出てるんだと思うが
王室もそれに無関心。
http://academy3.2ch.net/test/read.cgi/whis/1038230155/890-892 よりコピペ。
890 :世界@名無史さん :05/02/05 19:50:10 0
Vizegraf 子爵( = Vicecountはドイツ史では一部の伯領内でのみ存在。)については、
誰が与えたという形でしょう。Grafがですか?
891 :世界@名無史さん :05/02/05 22:00:56 0
少なくとも神聖ローマ帝国としては子爵位を出していないけど、
まあGrafとかが伯爵領内で出したんじゃない?
vicecountにしてもVizegrafにしても、元来「伯爵の代理人」という意味だし。
892 :勇者トンヌラ ◆CSZ6G0yP9Q :05/02/05 22:34:57 0
>>890 フランク王国の官制上は伯の下級役人という事になります。
なので、当初は国王の選任によっていたはずですが、こちらも世襲化したようです。
年代が降るにつれ、伯が自らの管区の副伯との縁組によって管区を完全に掌握しようと
した事が見られます。
>>963 子孫はアイルランド共和国に居住しながら、
英国の貴族として存続しているようです。
当主 The Rt Hon The Lord Dunsany (Edward John Carlos Plunkett)
住所 Dunsany Castle, Dunsany, Co Meath, Ireland
他のアイルランド貴族も全て英国貴族として存続しています。
978 :
世界@名無史さん:05/02/08 02:23:11 0
>>954 いまさらかもしれないが、たしかにそのとおり。
日本は、便利な漢字を使える訳だし、
また、新規に作らずとも、
漢字を使った名称など、本朝、チャイナ、韓国朝鮮に、
在庫がいくらでもあった訳だし。
プリンスは基本は君で押えておき、実態に応じて大君・国君・君王・君公・君侯・邦君・君等
と訳すといいかも。
そもそも訳すのがおかしい。カタカナ表記でプリンス某でいいじゃん。
実在人物を扱う歴史本などはそうすべき。
そのプリンスの意味を注釈つけて理解を求めればいい。
大公など適当な訳じゃ混乱する。
981 :
世界@名無史さん:05/02/27 13:12:04 0
ハンス・ディートリッヒ・フォン・ゼークト
982 :
世界@名無史さん:05/02/27 13:43:46 0
オランダ人の「ヴァン」というのは、ドイツの「フォン」と同じなの?
983 :
世界@名無史さん:05/02/27 13:47:43 0
984 :
世界@名無史さん:05/02/27 15:48:17 0
さて、以上を踏まえると、
愛子天皇の夫はどんな称号が与えられるのですか?
何とかの宮とか名づけられるのですか?皇王殿下?
985 :
世界@名無史さん:05/02/27 16:53:57 0
江戸時代の徳川将軍はプリンス扱いだったそうだが、白人は日本をジャパン大公国
みたいな考えだったのかもね。
中国皇帝、ジャパン大公みたいな〜。
これでは軽く見られるんで天皇を出してきたような感じ。
明治政府はロシア皇室を視察して皇室典範や豪華な儀礼を制定したといわれてるし
(ほんとは英独を参考にしたかったが、あまり相手にされなかった。露は親切だった)
じつは日本皇室の原点は、いまは亡きモスクワ大公家にあるのであった。
986 :
世界@名無史さん:05/02/27 16:56:24 0
987 :
世界@名無史さん:05/02/27 17:00:13 0
皇婿殿下
988 :
世界@名無史さん:05/02/27 18:06:47 0
平民はどこまでいっても平民。
殿下?・・・プッ
989 :
世界@名無史さん:05/02/27 22:47:16 0
皇配殿下じゃないの?
992 :
世界@名無史さん:05/02/28 17:48:05 0
>>991 皇配っていう言葉、2ちゃんでよく見かけるけど、なんか動物の飼育みたいな響きがあるな。。。
「皇配」って、2ちゃんの皇室オタクや歴史オタクのオナニーくさい言葉だな。
皇后に「陛下」を当てるんだから、普通に考えれば「陛下」になりそうな気が
するが。
>>990 附馬は駙馬の誤記でしょうか。魏晋からこのかた公主に配せられる者を駙馬都尉に
除する例であったところから生まれた称号です。従って女帝の場合にまで適用する
わけにはいきません。
そもそも漢字文化圏においては皇后から登極した事例を除き、女帝が結婚する事態が
発生しませんでしたから、その旦那さんの称謂が準備されてなくて当然なわけです。
「皇婿」というのも「婿」という字にあまり好いイメージがありません。婿が付く熟語で
想起されるのは「贅婿」くらいで、これは貧乏で嫁取りできず労働力として入り婿に
なるとか、借金の質として未亡人や出戻りにくっつけられるとか、奴隷のようにしか
社会で待遇されない人です。
まあ「皇配」あたりが無難でしょう。
>>994 たしかに「陛下」にならないと男女同権論上からも変ですよね。ただイギリスなんかは
女王の旦那さんは「公」ですから殿下が相当となるのでしょう。もっとも「陛下」は
皇帝と皇后にのみ奉られる敬称ですから、本来は女王は「殿下」でなくてはならないと
思います。
>>995 >「陛下」は
>皇帝と皇后にのみ奉られる敬称ですから、本来は女王は「殿下」でなくてはならないと
>思います。
皇太后もですね。
んでもって、外国の王族の敬称は日本の皇室に当てはめたものではなく、
His/Her MajestyやHis/Her Royal Highness の訳語ではないでしょうか。
英王室ではHis/Herの違いがあるとはいえ、男女どちらでも王はHMですから。
女王の旦那さんが公なら,女帝の旦那さんは王とか。
998 :
あやめ ◆C0.O2CxIMg :05/03/01 22:19:54 0
>>996 一応は承知していたんですが、なら「太皇太后」は・・・とか際限がないので両陛下に止めたんです。
後段についてはそのとおりでしょうね。
999 :
あやめ ◆C0.O2CxIMg :05/03/01 22:32:07 0
更に野暮を言えば皇室典範では「三世以下の嫡男系嫡出の子孫は、男を王、
女を女王とする」とあって、外国の王位にある女性を「女王」と称するのも
果たして国際儀礼上の敬礼を失するのではないかという懸念も生じます。
1000 :
あやめ ◆C0.O2CxIMg :05/03/01 22:42:04 0
1000レスになりますが、承継する新スレはどっかに出来てるんでしょうか?
1001 :
1001:
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。