いつものように、のび太のわがままで過去にやって来たドラえもん達。
やって来た時代はあの三国時代。宦官の台頭により後漢が腐り、多くの英雄達が立ち上がった時代。
そこでドラえもん達が見るものとは・・・・・。
壮大なドラえもんワールド、再開なるか!?
2
誰か書いてくれねえかなー意外と好きだったのよこのスレ
5 :
無名武将@お腹せっぷく:03/09/30 19:16
ドラえもんは秘密道具使って太平道の親玉だろ
余裕で統一できるな
空気砲が呂布に効くとは思えん
やってもいいけどリアリティーが無いよね。
8 :
無名武将@お腹せっぷく:03/09/30 23:00
今までの作品をまとめるかもしれない。
少年Aと少年Bは生き延びることができるか!?
あれ、何気に見たい気がするぞ
11 :
無名武将@お腹せっぷく:03/10/02 01:33
12 :
無名武将@お腹せっぷく:03/10/02 22:00
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13 :
サポートBBS”管理”人:03/10/02 22:10
復活していたので背景画像を修復したりしてみた(w
14 :
無名武将@お腹せっぷく:03/10/02 22:11
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「何でこんな事になってしまったの?」
―夏休み、のびたの「三国志の時代に行こう」の一声から始まったタイムマシンの旅。
しずかには三国志の事は名前ぐらいしか解らなかったが、みんなが賛成したし、
楽しそうでもあったから、しずかもみんなの意見にならったのだ。
―しかし一たびタイムトンネルをくぐったその世界は、人々が殺しあう世界。
黄色い布をつけた者達の略奪、厳めしい武将たちの姿。
少女であるしずかには衝撃的で正視に耐えないだった。
けれども男たちは違うようだった、特にジャイアンは目を血走らせ高揚し、
珍しく参加した(歴史に興味があったのだろう)出来杉は何かしらぞっとするような
冷静な学究的とも言える眼差しでこの世界を眺めていた姿がしずかの脳裏に残っていた。
―そして急き立てられるように時間を移動した先では…
それを思うとしずかは震えが来る、大きな都のような場所、逃げ惑う人々。
悪鬼の如き容貌の男たち、そしてその男たちに見つかり散り散りになるしずかたち。
しずかは自分でどうやって逃げたのか思い出せない、それこそ死に物狂いで走った
記憶しかない、そして途中で力尽きたのだった。
そして今はここに居る、大きな屋敷だ、どうやら助かった事は確かなようだった。
しずかはある老人に助けられたのだ。
―その老人は王允と言った…
うおー、はじまってるぅー!
このスレは何が何でもsageで行くべし!
荒らされて作者の意気を削ぐのだけは避けねばならんゆえ。
新しい話書いていい?
>>18 いいにきまってんじゃん!
ガンガン頼みますえー!!
時空犯罪者(ギガゾンビみたいなの)書きたいんだが、
それやるとどうもオリジナルキャラを使わなきゃならなくなる・・・。
それでも良い?
面白ければなんでもありよ
よーは三国志でのびたなら
燃え盛る炎。
逃げ惑う人々。
振り下ろされる剣。
飛び散る血。
悲鳴。
怒号・・・。
その中で、眉ひとつ動かさぬ男がいた。
「殿!」
前線からの連絡兵が、その男にひざまずく。
「敵軍はほぼ壊滅!北門より逃亡兵が続出しております」
周囲の者は大小の差こそあれ、その勝利の報に安堵なり歓喜なりの表情を受けべた。
しかし、
「将来の禍根はすべて断て」
男は、やはり表情を変えず冷徹に言い放った。
連絡兵は直ちに命令を施行すべく前線へ戻る。
周囲にもまた緊張が戻ってきた。
「孟徳!」
投げかけられた自分を呼ぶ声に、男は振り向いた。
そこには、屈託なく笑う己のいとこ。
「この戦、勝ったな」
その言葉に、男は初めて穏やかなほうに表情を崩した。
「違うさ、夏侯惇。これは戦ではない」
「はぁ?じゃあなんだってんだ?」
男は空を仰ぎ見る。
赤く染まっているのは、今が夕暮れ時だからというだけではないだろう。
「これは覇道だ」
突然、空にシミのような黒い点が浮かび上がり、それがだんだん広がってゆく。
「妖しの類か!!殿をお守りしろ!!!」
兵たちは男を守るように剣を抜く。
夏侯惇もまた同じように。
そして男は、曹操は、眼を見開き・・・、
風が吹く。
血を伴って。
ドラえもーーーーーーん
とりあえずOPだけ書いてみた。
まだドラえもん出てきてないけど。
期待大
保守
その日、のび太のクラスでは、歴史研究のレポートという宿題が出されていた。
「それで、ドラえもんに力を貸してほしくて」
そういってきたのは秀才の出来杉である。
のび太にしずか、スネ夫にジャイアンを加え、彼らはタイムマシンに飛び乗ったのだ。
「ピピッ、行き先を指定してください、ピピッ」
どこに行くか、大体のことは決めている。
場所は中国。時代は三国時代。
のび太がパパから借りた漫画のおかげで、男子達の間では三国志がブームになっていたのだ。
「やっぱり劉備に会いたいな」
「何言ってんだよ。三国志最強の曹操に会いに行くに決まってんだろ」
「いーや、ここは渋く孫権に・・・」
劉備を支持するのび太。曹操だと言い切るジャイアン。孫権を推し進めるスネ夫。
妥協という言葉を知らないかのように、口論、睨みあいだけではすまなくなる。
特に、口で論破できなければ暴力に訴えることを否としないジャイアンがいるものだから、
狭いタイムマシンの上は大混乱である。
「もう、なにもこんな所で喧嘩しなくたっていいでしょ。
だいたい、ちゃんと三人の希望場所には全部まわる予定なんだから!!」
操縦桿を握っているドラえもんの剣幕に固まる三人。
「三人で一票ずつなら、あとはしずかちゃんか出来杉君に決めてもらえばいいじゃないか」
三人は、まったくだと頷いて、一斉ににしずかを見るが、彼女は苦い顔をして首を横に振っていた。
実は、一人だけまったく話しについていけてなかったのだ。
その静かの様子を見て、出来杉は心なしか前に出て言った。
「三国の中で最大勢力だった曹操のところに行くのが妥当じゃないかな」
この意見にガッツポーズのジャイアンと、落ち込むほか二名。
「でも、時期はどうするんだい?」
「曹操が最大勢力になった、ちょうどそのときに行って見たいと思ってるんだけど」
ジャイアンに異論のあろうはずがない。
これで行き先は決定した。
ときは西暦200年、場所は官渡。
いつもの五人に、結構ノリノリな出来杉を加え、タイムマシンは時の壁を越える・・・。
新作だー
うひょーめでてー!
30 :
無名武将@お腹せっぷく:03/10/15 04:22
v
31 :
のび三 ◆jBpmUeoWek :03/10/15 04:25
初めまして。ドラファンで三国志ファンのものです。
駄作ですが、書いてきますね。
32 :
のび三 ◆jBpmUeoWek :03/10/15 04:26
それはいつもの様に始まった。
スネ夫の家に呼ばれた三人は、例の如くスネ夫の自慢を聞かされることになる。。
ス「どうだい、これはパパが中国の偉い人と知り合いだから手に入った、秦の始皇帝の頃の青銅の剣だよ。まぁ、普通は博物館でも行かないと見れないものだろうね。」
ジャ「なんでい、錆びまくってるじゃねーか。」
ス「当たり前だろ。秦の時代っていったら紀元前221年だよ。なんと今から2200年以上前に作られたものが、今僕たちの目の前にあるんだよ。古代のロマンだね。」
し「素敵ね。でも、この剣で人が殺されたのかもしれないんでしょ。なんだか怖いわ。」
ス「ハハ、でもね、これはお祭りの時に祭器として使ったものだってパパが言ってたよ。」
ジャ「なんだ、使えねぇのか、つまんねーの。」
の「そうだよ、使えない剣なんて、面白くないよ、ねぇ、しずかちゃん。」
し「私は…」
ス「なんだよ、のび太の癖に。要は古代のロマンなんだよ。大体、のび太なんかにあの時代の良さが分かるとは思えないけどね。」
ジャ「ちげえねぇ。のび太じゃ剣も振れっこないしな。」
ス,ジャ「ハハハ」
33 :
のび三 ◆jBpmUeoWek :03/10/15 04:27
の「なんだい、なんだい、使えないものは使えないくせにー。僕は、宣言する。僕はその時代の戦争してた所で、使いたての本物の武器だって行って、持って帰ってやるさ。」
ジャ「ドラえも〜ん、って泣付いてか?」
ス「やだねぇ、自分で何もできないやつのひがみって。」
の「ド、ドラえもんになんか頼らなくても行けるさ。ついでにその時の戦争の様子だって、話してやるから、待ってろよなー。」
し「のび太さん…。」
の「しずかちゃん、止めないでくれ。男には引きさがれない時があるんだ。」
し「でも、のび太さん中国語しゃべれるの?」
の「へ?チュウゴク?」
ス「無理無理。それにのび太じゃ、秦ってのが中国だということすら分かってなかったんだから。」
ジャ「ハハハ(中国だったんだ 汗)。おい、のび太、中国地方にでも行って、物干し竿とか持ってかえって、行ってきたよとか言うのはなしな。」
の「くぅーー」
走って家へと帰るのび太。「ドラえもーーーーん」
オープニング終了。
34 :
無名武将@お腹せっぷく:03/10/15 06:05
のび三さんの続きに期待(゚▽゚)
再開してたのか。
いつぞやの軍師スネ夫が良かったけど…。
俺も何か書いてみようかな…。
のび三さんこんにちは、
ワラシは遅筆なもんであんまり新作あげられないんですが、一緒に頑張りましょう。
37 :
のび三 ◆jBpmUeoWek :03/10/15 21:44
18さんこんにちは。楽しみにしてますv
なんか、ワタクシめは話が横道にそれてく傾向があるので、
がんばって立て直します。
>>35 是非書いて下さいな♪
38 :
のび三 ◆jBpmUeoWek :03/10/15 21:58
あれ、ドラえもん出かけてるのかぁ。部屋の中でひとりごちるのび太。
ドラえもんが居なけりゃ何もできないと言ったジャイアンとスネ夫の言葉が耳に残る。
確かこの辺に…押入れからスペアポケットを取り出すのび太。(ってか、置き場所変えようよ、ドラさん)
しずかちゃんの言葉を思い出して、とりあえず「ほんやくこんにゃく〜」(←ドラ風に読む)。
これで、良し。スペアポケットをつけてタイムマシンに乗り込むのび太。
えっと、行き先は2200年前の中国で良いのかな。よし、レッツゴー。
タイムマシンが例によって例の如く故障中なのをのび太は知らない。
がんばれー
40 :
のび三 ◆jBpmUeoWek :03/10/15 22:23
気が付くと、のび太はどこかの寝室にいるようだった。
「イテテテ…」、えっと、秦っていう時代に行こうとしたら、タイムマシンが物すごい速さで飛んで、途中で振り落とされたんだっけ…で、ここはどこ?
とりあえずは真っ暗だし、夜なのは分かるんだけど…。
「誰?」
人が入ってきた。まだ少年のようだが、背はのび太よりかなり高い。驚いているようだ。
そりゃそうだろ。突然、知らない子供が寝室にいたら誰だって驚く。
「僕?、野比のび太」
なんとも間抜けな答えである。
少年も少し困ったようだ。
「えっと、どうやってここに入ったの?」
のび太は聞かれるままに答えていく。
少年が灯をともしたらしく、急に周囲が明るくなった。
目をパチパチさせながら、のび太は声の主を見た。のび太と同じ、いや、3つほど上の歳だろう。
少年は鋭い声に似合わず結構整った顔立ちをしている。(この状況で声も態度ものんびりなのはのび太くらいという考えもあるが…)
41 :
無名武将@お腹せっぷく:03/10/15 22:47
第一話:そう、ここは三国時代。
気付くとジャイアンは草原のどまん中にいた。
のび太の提案により、自由研究の課題として三国時代を調べるためにタイムマシーンで
移動して来たのだ。あれ?のび太がいない・・・スネオも、しずちゃんも、ドラえもんまで!?
しかし、彼にそれ以上考える事は出来なかった。
草原を駆け抜ける一騎の士。それは一頭の獣と呼んでもかまわなかった。
ジャイアンが見た事もない深い赤の毛並みを持つ馬、馬上には黒い具足を着けた巨大な男。
「呂布だ・・・。呂布奉先だ!!」
ジャイアンは膝が震えているのが分かった。
呂布。ジャイアンが知識と知っている呂布は天下に名だたる豪傑で
裏切りを繰り返したという残忍な男というイメージでしかない。
呂布は数百歩先にいるジャイアンを見つけたようだ。驚くべき速さで馬首を返したかと思うと、
ジャイアンのいる方向へ一直線に差を詰めた。
「殺される!」
ジャイアンは三国時代に来て早々に死を覚悟しなければならなかった。
呂布と赤兎はジャイアンをあっさりと飛び越えると背後に忍んでいた賊の集団を蹴散らした。
「怪我はないか?少年。」
第2話:呂布はどうやらジャイアンを助けてくれたようだ。ジャイアンは馬上の呂布に声を掛ける。
「呂布さん、ありがとう・・・命拾いしたぜ。」
呂布は訝しげな顔をする。
「少年。お前は見たところ、ここ徐州の民でもあるまい。
こんなところで何をしている?そして何故お前は俺の名を知っている?」
ジャイアンは戸惑った。そう言わればそうだ。服はドラえもんの提案により着せ替えカメラによって当時の服装をしているし
ほんやくこんにゃくにより会話こそ出来るものの、やはり現代に生きる子供である。
こんな賊の溜まり場になるようなところにいるのも呂布にしたら不審だろうし、そんな不審な少年から自分の名前が出たら
おかしいと思うのは当たり前だ。
「んん・・・。それより呂布さん、良い馬だね!」
呂布は突拍子もない答えに呆気にとられ、そして笑いだした。
「面白い少年だ!どうだ、この赤兎に乗って遠駆けするか!」
ガッっとジャイアンの首根っこを引っ張りそのまま駆けだした。徐州の中心から300里ほど離れた海西という町に
来た。呂布は好んで海西を調練の場にしていた。
日はもう暮れていた。男と一人の少年には友情が芽生え始めていた。幾千の語らいより共に過ごす時間の方が価値がある。
ジャイアンと呂布にはどこか共通するものを肌で感じとったのだろう。
日はもう暮れていた。真っ赤に燃える夕日、反射して輝く海。
それらは男と一頭と少年を包みこんでいた。
初なんで不安なんですが・・・。
もう少し資料をまとめてから書きますね〜
45 :
のび三 ◆jBpmUeoWek :03/10/17 22:47
ジャイ安さん良い感じ☆
46 :
のび三 ◆jBpmUeoWek :03/10/17 22:51
>>3238>40
「えーーっと、タイムマシンから落ちたんだと思うんだけど…」
ここで、ようやくのび太はスペアポケットがないことに気付く。流石に青ざめる。
「ね、ねぇ、そこら辺にスペアポケット落ちてない?」
少年はポカンとしながら、何かのび太が懸命に探しているのを見て、とりあえずなにかを探してみた。
な、なんなんだ?一体。とりあえず、のび太とかいう子供の体格や顔を見る限り、強盗の類ではなさそうである。
まぁ、のび太はどちらかというと人に安心感を与えるキャラではある。
47 :
のび三 ◆jBpmUeoWek :03/10/17 22:54
>>32>>33>>38>>40>>46 「えっと、野比太君って言ったっけ?」そう広くもない宿屋の寝室を探しながら聞く。
「少なくとも漢人ではなさそうだね。」
「漢人?」
「うん、ええっと、漢人っていうのは、まぁ、この国の人って考えてもらったら良いかな。」
「うん、僕、日本からタイムマシンで秦の始皇帝とか見にきたんだ。」
少年は、この子、可哀相に気狂いかと思った。それでも、親切に相手をしてしまうのは、のび太の人格が為せる技か、少年の妙な真面目さか…。
…まぁ、のび太の言動が突飛ではあっても、常軌を逸した感じは見受けられなかったからと言って良いだろう。
「秦の始皇帝って言ったら今から400年以上前の人だよ。今はその後にできた漢、それを受け継いだ後漢の王朝、結局は漢が続いてるんだけど…。」
のび太は、後漢末期の時代に来てしまったというのは認識していないが、少なくとも秦の時代とは随分外れてしまったという事は分かったようだ。さらに、タイムマシンも道具もなく、誰も自分の行き先を知らないのかと分かり、涙顔。
「と、ところでさっき言ってたタイムマシンっていうのは…??」少年は慌てて話題を変えた。
「えっとね、僕、未来から来たんだ。」ちょっと気を取り直したのび太。
「未来?」
「うん、秦が2200年ほど前ってスネ夫が言ってたから、えっーと、…えーっと、…」
ちょっと、少年は苛立ったらしい。
「おいおい、1800年ほど先の未来から来たっていうのかい!?」
「うん、でもタイムマシンが壊れてたみたいで…」
「タイムマシンというのは…時空間移動装置か…」
少年は、のび太が狂っているのか、自分が狂っているのか、それとも悪い夢でも見ているのかどれだろうと、本気で考えた。
良いね。今までのスレの雰囲気を取り戻そうとしている。
>>18さん、のび三さん、ジャイ安さん。みんなガンガレ!
第3話:呂布は気付く。「そういえばお前、赤兎に乗れておるな。赤兎は普段、俺以外の人間は乗せないのだが。」
赤兎馬。馬の王とも言えるこの馬は、孤高なまでに気高く安々と人を近づけない。
赤兎の反応を見て、呂布は確信した。この少年は悪い奴ではないと。
ジャイアンはジャイアンで気付いていた。呂布奉先という男はイメージよりも残忍なだけの男ではない。
もちろん人に左右されない激しさは少年であるジャイアンにも感じとれるが、
この多感な時期の少年には「憧れるべき男」として、もっと分かりやすく言えばこの男の事を好きになっていた。
二人に無言の時が流れた。やがてこの無言は闇を連れてくるであろう。
沈黙を破ったのは呂布だった。
「そういえばお前、何をしてたんだ?あんな草原のしかも賊どもの溜まり場に。」
ジャイアンはもう返答に困らなかった。
「俺は未来から来ちまった。呂布さんの事も知ってるし、この乱世がどうなるかも知ってる。
一緒に未来から来た友達と離れ離れになったんだ・・・。友達に会いたい。」
呂布はごく普通の様相で話を聞いていた。
それもジャイアンにとっては、もはや意外な事では無かった。
第4話:呂布は突然立ちあがった。辺りには男の長い影ができる。
「そうか。知ってると思うが俺の名は呂布奉先。今は曹操と戦っている。いずれ俺は曹操を倒すだろう。
天下を獲ろうとは思わんが、お前の友達を探すために戦を続けようと思う。
今は乱世だ。お前の友人の知識はいくらでも利用できる。きっと何処か有力な豪族のところにでもいるだろう。」
ジャイアンやドラえもん達、「未来人」は歴史を知っている。
未来人を得た者が天下人を担えるほどの重要な存在になってくるだろう。
おそらく曹操やその他数多くの将が「未来人」を得ようとするだろう。
しかし呂布はその「未来人」としてジャイアンを見てないなかった。
一人の男が一人の少年を「男」として認めた。それだけであった。
「言っておくが、俺はお前の力を借りようとは思わん。何故なら戦は俺の命だからだ。
誰の指図も受けんぞ。」
いつもより真剣な面持ちのジャイアンは答えた。
「分かったぜ、ありがとう呂布さん。」
呂布はハッと何かに気付く。
「そういえばお前の名すら聞いていなかった。大事な事を今決意した気がするが、
名すら聞いていなかったな」
そう言うと二人はおおいに笑った。藍色の空が二人を包み始めていた。
51 :
無名武将@お腹せっぷく:03/10/20 00:29
ところで不二子F氏は三国志詳しかったんですか?
52 :
のび三 ◆jBpmUeoWek :03/10/20 23:56
>>32>>33>>38>>40>>46>>47 ふいに見慣れないものが目に入った。
「あ、君の探してるのってこれ?」
で、落ちてたのは…
「よりによってこれかーーーー。」BYのび
夢たしかめ機。ご存知ドラえもんの道具の中でも最も役に立たないものの一つだ。
その後も探してみたけれど、結局ポケットはどこにもなく、落ちていた道具もこれ一つのようだ。
のび太はボーゼン。
しかし、少年は興味津々といった様子だ。夢たしかめ機をひっくり返したり、撫でて感触を確かめたりしている。
「これ、なんなの?」
「うん、それはね、えっと、今の状況、どう思う?」
「うーん、とりあえず夢みたいかな。」
結果は…、まぁ、ご想像にお任せして、とりあえず少年は、のび太が彼の知らない世界から来たのかもしれないということは理解したようだ。
次にのび太のかけていたメガネにも着目した。のび太はやたら説明を求められるのに辟易しながら、未来の話。ドラえもんの話をした。
53 :
無名武将@お腹せっぷく:03/10/21 14:18
ドラえもん のび太の星落つ五丈原
54 :
無名武将@お腹せっぷく:03/10/21 21:28
何だ、このキモい同人的なノリなスレは
>>22-23>>27 たどり着いた先は、どうやら林の中のようだった。
「ドラえもん、ここが官渡なの?」
もう少し戦場然としたものを予想していたのび太は、明らかに不振そうな声を出した。
「タイムマシンの出入り口は、出来るだけ人気の少ないところにしておかなければならないんだよ。
この頃、タイムパトロールの警戒が強化されてるみたいだし」
「何かあったの?」
タイムパトロールという言葉は、のび太たちに馴染み深い。
時間犯罪者を取り締まるだけではなく、
時間旅行者の安全も担っている彼らに、何度も助けられたことがあるのだ。
「ギガゾンビがいたでしょ。
あいつが作った亜空間破壊装置の予備が、まだ各地各時代に点在してるって、最近になって判明したんだ。
今、躍起になってタイムパトロールが探してるんだよ」
出来杉を除く4人は、それぞれに思い思いの表情を作り、ドラえもんの言葉を聞いた。
ギガゾンビの亜空間破壊未遂事件では、彼らは当事者だった。
その、未来人が作った傷跡が、まだいろいろな時代に影響を与えている・・・。
感慨に耽る仲間達の中で、唯一当事者でなかった出来杉は、最も冷静だったといえる。
地面を駆ける足音、鎧や得物の擦れる音。
何者かの接近に、仲間達の注意を促そうとしたそのとき!!!
一斉に、ドラえもんらを取り囲むように現れる、数十人を数える兵士。
それぞれに得物を構え、子供達が日常生活において、まず感じることのない殺気を漂わせている。
そのうち、隊長格と思われる男が兵士達になにやら命令を与え、
輪の中央、ドラえもん達のいる方へ歩み寄った。
ドラえもんは急いで全員に『ほんやくこんにゃく』を渡した。
「貴様等、敵の間諜だな」
低い、どすのきいた、それでいて大きな声に身を振るわせる6人。
「そんな、間諜だなんて、僕等はただ見学に来ただけで・・・」
何とか分けを説明しようにも、男の眼光の鋭さに圧倒され後が続かない。
「見学だと?嘘はもう少しまともなのをつくんだな」
我が袁紹軍の兵糧庫を見られたからには、生かして帰すわけにはいかん」
男が片手を挙げ、それにあわせて兵達の手に力が入る。
次に来る瞬間を、目をつぶり、体を硬直させて待つ。
だが一人、出来杉だけは、その場にいた誰もが想像していない行動をとった。
一直線に兵の一人に向かい駆け出す。
子供相手に油断していた兵士は、素早い飛び回し蹴りを避けきれず、もろに顔面に食らう。
だんだん状況を把握しだした兵士達が、出来杉を囲むが、
そこに申し合わせたかのごとくジャイアンが乱入。
「お前一人に、イイカッコさせてたまるかよ」
出来杉は槍を、ジャイアンは直刀を、それぞれ兵士から奪い構える。
主に手足の関節を狙い、ほとんど外さない出来杉と、
直刀をでたらめに棒のように振り回して、打撃力のみで対抗するジャイアン。
二人の活躍は、その場の兵すべてを相手して、なお互角といってよかった。
本来なら訓練された兵に敵うはずもないのだが、
隊長の男が、突きつけられた現実に対応しきれず、冷静な判断の怠ったことが大きかった。
「ドラえもん、なんか道具出してよ」
二人の活躍をはらはらしながら見守っていたドラえもんは、
のび太のいつものセリフに我を取り戻し、慌てて四次元ポケットに手を突っ込む。
「『まあまあ棒』 と 『ネムケスイトール』」
スネ夫は兵士達の死角から『まあまあ棒』を使ってなだめすかし、
その様子を見てやる気を出したのび太も『ネムケスイトール』を構え引き金を引く。
が、
「ドラえもん、これ、中身空っぽじゃない」
「あーーー、ゴメンゴメン。じゃあ、ボクが持ってるからのび太君。ちょっと寝てくれないかな」
「んもう」
その気になればどんな場所でも3秒で寝付けるのび太である。
『ネムケスイトール』の中身は瞬時に満タンになり、
眠気を吸い取られたのび太は気分爽快でみんなのところへ走っていった。
のび太が着いたときすでに大勢は決まっていたが、
のび太の『ネムケスイトール』の眠気ダマは残った敵すべてを眠りの底に叩き落す。
戦意を持っているものは、彼ら以外誰もいなくなった。
「なんだ、もう終わりなの?」
「相変わらずのろまだなぁ、のび太は」
安全を確認してドラえもん共々駆け寄るしずかは開口一番、
「出来杉さんに剛さん、素敵だったわ」
と、まさに勝利の女神の微笑である。
当然、それなりに活躍したスネ夫とのび太はふて腐れる。
「まぁまぁ、とにかく、すぐにここを離れよう。
戦場の真っ只中はやっぱり危険だよ。もう少し落ち着いた時期に行こう」
「えーー、もう別のトコに行くのかよ。せっかく面白くなってきたのに」
戦いの緊張感の中に何か感じるものでもあったのか、ジャイアンをスネ夫はこの意見に反対した。
「これは遊びじゃないんだ。下手すれば死んでしまうかも知れないんだよ」
危険を理由に引かないドラえもん。
出来杉やしずかも賛同する。
「でも、もうっちょといてもいいじゃない。危険になったら逃げればいいんだし・・・」
のび太がジャイアンたちと同じ意見を言っていたそのとき、
う・・・、ううっ・・・
六人の声以外聞こえなかった林の中に、不気味なうめき声が響く。
その声のほうに視線を移せば、それは、出来杉に腕を貫かれ、ジャイアンに気絶されられた兵の一人が、
痛みに意識を取り戻しかけている兵の一人であった。
少しずつまぶたを開け、視界が開けてくる兵士。
その瞳に映ったのは、倒され傷ついている味方と、無害な顔をして傷一つ負っていない子供達である。
「う・・・、うわっ、うわあああぁぁあーーーーー」
恐怖に駆られ、血を滴らせつつそれを気にかける余裕もないように、兵はその場を走り去った。
恐慌状態に陥り歪み醜くなった兵の顔を見て、その恐怖はのび太にも伝染してしまった。
「や、やっぱりもう少し安全な時期に行こうか」
のび太の変心をなじるジャイアンとスネ夫。
「けっ、なんだよなんだよ。のび太の弱虫」
「のび太の臆病虫」
「二人とも、とにかく多数決で決まったことだよ。早くタイムマシンの出口にいったいった」
ドラえもんは、とにかく二人をはやし立てる。
だが、ドラえもんが避けようと思っていた事態は、六人がタイムマシンに乗り込む前に起こってしまった。
作者およびこのスレを楽しみにしている人へ
荒らしやへんな挑発の相手をしないようにしてください。
前スレはそれが原因で無くなってしまいました
悲劇を繰り返さない為にも無視と放置をお願いします
特に作者方、批評と荒らしは違います
批評は受け止め荒らしは放置で頼みますいやマジで!
昨年より引き続きのファンより
60 :
のび三 ◆jBpmUeoWek :03/10/23 23:34
少年は暫くのび太の言った内容を頭の中で反芻した。
「で、タイムマシンは壊れちゃったけど、その銅鑼衛門っていうからくり細工の召使いが探しにきてくれるってことなのかな?」
「ドラえもんは召使いなんかじゃないよ!」のび太はそこの質問の時は真剣に怒った。
「短足で、融通がきかなくて、タヌキそっくりだし、肝心な時にはいつも役に立たないけど、…でも、一番大切な友達だよ…」
ちょっと、少年は驚いた。
いや、もはや全てに驚きっぱなしだったのだが、のび太という子供が怒ったという事自体に驚きと、一種の感動を感じた。
空が白みはじめた。
少年はようやく、最初の驚きと興奮がおさまった。
自分は眠れそうもないが、のび太を少しは寝かせてやらねばなるまい。
それにしても…
「あのさ、のび太君はこれからどうするつもりなの?」
「どうするって?」
61 :
のび三 ◆jBpmUeoWek :03/10/23 23:40
忘れてた…
>>32>>33>>38>>40>>46>>47>>52>>60 「君の話を聞いてみると、ドラえもんっていうのが助けに来るのには少し日にちがかかりそうだよね。
もし、さっさと来れるなら、タイムマシンということから考えて、このしゃべってる間にも来なきゃおかしいことになる。
のび太君がここにきてから何時間も経つけど、それでも迎えに来れないっていうことは…」
のび太のまたもや泣き出しそうな顔をみて、慌ててつけたす。
「勿論、今聞いたようなからくりがたくさんがあるなら、迎えには来れるだろうけど、
何時間か何日か、ひょっとすると何年か、ともかく君はこの時代で暮らすことになるわけだよね。
はっきり言って、今の君がそのまま外に出ることはそれだけでかなり危険だと思う。」
ここで、少年は息を継いだ。チラッとのび太の表情を窺う。
ちょっと、のび太の視線を外すように言った。。
「もし良かったら、しばらく私と一緒に行かないか?」
まぁ、のび太に否も応もない。
他の手段ものび太の頭では考え付かないし、この少年から受ける感じは決して悪い感じではない。
「う、うん、よろしく。でも…」
62 :
のび三 ◆jBpmUeoWek :03/10/23 23:43
>>32>>33>>38>>40>>46>>47>>52>>60>>61 「ん?」
「あのさ、どうしてそんなに、僕に良くしてくれようとするの?」
「うーんと、まぁ一つには、のび太君のいたっていう社会と技術に興味があるから。
二つ目に、弟の均が君と同じくらいの歳でさ、それに、のび太君って、妙に度胸あるよね。
面白いなぁと思って。
三つ目に…のび太君の話が本当なら、僕がたまたま宿屋に泊まった日にその宿屋の寝室に来ちゃったってことだよね。
これはスゴイ確率だよ。
僕は運命というのをそんなに信じてる訳じゃないけど、こういうのを運命って言うのかなって思う。」
のび太は、なんか、ちょっと二つ目に引っかかった。面白い??度胸あるって言われたの初めてだし…?
でも、ま、良いやと思った。とりあえずは何とかなりそうである。
色々と悩まないのものび太の長所(短所?)である。
なんと、なつかしい・・・。いまだに作品を覚えててくれてる人がいて
非常に感激です。
うをーーーー!前スレ職人様降臨だーーーーーー!!!!!!
のび三氏も18氏いい作品でございますなぁ
末永く続けてくださいいやマジで
出来ればのびたの成長を書いていただければ思い残すことなどありませんわい
スネ雄さん、続きまだ?
もう1年くらい待ってるんですけど、まさか顔を出しただけ・・・なわけないっすよね
あまり催促せずに、気長に待とう!>65
>>65 まさか1年も続きを待ってくれてる人がいるとは・・・。
中途半端な形で終わってしまって申し訳ありませんでした。
ただ連載途中だったジャイアン編については後でよく構想を考えた時
話が暗すぎてドラえもんの雰囲気にはそぐわないと思い、もう一度話を
考え直していましたがリアルで色々と忙しくなり結局発表しないまま
となりました。今もまだゴタゴタしており前のように気軽にうpする
ことはできませんが、なるべく時間を作ってまた話を続けたいと思います。
期待しつつ、気長に待ちまする>スネ雄殿
なんのために保守するかと聞かれれば
面白いからという他はあるまい、
続きかまーん!
遅いテンポで書いて申し訳ないです。とりあえず出来る限り今日は書きます。
第五話:ジャイアンは目が覚めた。館の中だった。「ここは?」 昨日の記憶を辿っていく。
思えば、昨日の夕方のび太達と三国時代に来ると決めてから実にたくさんの事があった。
のび太達とはぐれる。呂布との出会い。赤兎との出会い。
そして、呂布と共に海から館に向かう途中。
恐らく呂布に恨みを持つ豪族の徒党であろう。50名ほどいるであろうか。当然、50の徒党は戟や弓など武器を持っている。
ジャイアンは震えた。知識として知っていた事だが、戦いとは「殺し合い」なのだ。
さて、馬上の呂布。ジャイアンをそっと赤兎から降ろすと顔つきが変わる。
そして彼特有の武器である方天戟を頭上にかざすと、50名の真ん中に突っ込んでいく。徒党が割れる。
それらは呂布に触れるやいなや吹き飛ばされるか、首を飛ばされていた。
返り血を浴びて、さらに赤くなる赤兎と顔の周りに付いた血を舌で舐めている呂布。
情景、無惨である。
50名は呂布の最初の一撃で、過半数の命と戦闘意欲を失っていた。
しかし。
その中の1名がジャイアンの方へ向かう。ジャイアンはただ呆然としていた。このままでは殺される。
呂布は異変に気付き、豪族から短戟を奪うと「これを使えー!!」と短戟をジャイアンの方に投げる。
その短戟を掴む。そして知らぬ間に身体が躍動する。間合いを詰めてきた豪族は剣を振りかざす。「死ね!!」
ジャイアンは無意識の内に豪族の最初の一撃を戟で受け止めると、更に間合いを詰める。そして戟を振り下ろしていた。
一撃で豪族の倒れていた。即死であろう。
呂布はその光景を見て舌を巻いた。短戟は短いので扱いやすいが剣や槍を相手にする時は困難である。間合いが短いからだ。
そのため短戟で立ち向かう時は、間合いを詰め相手の懐まで詰めて斬らなければならない。これは一朝一夕で出来るものではなく調練を重ねなければ不可能だ。
この少年、戦で使える・・・。呂布はそう考えていたのだった。
当の少年は豪族を倒したショックであろうか、意識を無くし卒倒していた。
第六話:ジャイアンは昨日のことを思い出した。とすると、ここは呂布の館か。
それより何より自分のした事に愕然とした。人殺し。それだけではない。ジャイアンは気付いている。短戟を持った瞬間、自分の血は明らかに高揚したのだ。
もちろん無意識に身体は動いたが、自分の中には殺しを良しとする血が流れている・・・。
そこまで考えると、ジャイアンは涙を流した。「かぁちゃん・・・ゴメンよ・・・。俺、人殺しになっちまった」
そこに呂布が部屋に入ってきた。「何を泣いている、剛田?」
ジャイアンは言う。「俺がいた世界では人殺しってのは犯罪なの!刑務所ってところに入れられて罪を償わないといけないの!それぐらい酷い事を俺はした・・・。」
呂布は当惑した。が、この少年の言わんとすることは理解できた。この少年は乱世において優しすぎる。
「この俺は今まで、それこそ何千人という人を己の手で斬ってきた。すると、俺はとんでもない罪を背負った犯罪者だな。お前は人殺しである俺は嫌いか?」
ジャイアンは激しくかぶりを振り、「呂布さんは仕方ないよ、だってこの時代の人間だし・・・。」
「お前も今は俺と同じ時代の人間なんだ。そしてこの時代は殺さなければ殺されるんだぞ?」
ジャイアンはうつむいた。やがて意を決したようにはっきりした口調で言う。
「でも・・・確かにあの時殺されなければ殺されてた・・・。でも、でも、それでも殺しはしたくないし認めない!
この乱世では仕方ないなら平和な世の中にしたいよ!」
呂布はニヤッと笑う。
この愚直なまでの熱さ・・・あの劉備にも似てるな。だが、あの男はまだ腹の底は黒いであろう。虎視眈々と俺の命と徐州を狙ってるだろう。
が、この少年。一切の欲もなく乱世を終わらすと。
面白い、俺は今まで自分のためにしか戦はしてこなかったが・・・。
今はこの少年を担ぎ上げて戦をする気になっている。
呂布はまたニヤッと笑う。この少年と出会ってから自分という者が変わってきている事に気付いたからだ。
この少年に賭けてみるか・・・(続く)
ジャイアンと呂布ってすごいな
ジャイアン成長すれば最強コンビだよ
まだかまだかまだかー!
うう、心配になってきたよ・・・。
遅くそして拙い筆ですが、書きます。何かご意見ありましたら是非言ってください。
第7話:その日からジャイアンは呂布による調練に参加していた。人を殺しあう世の中はゴメンだが、やはり殺さなければ殺されるという戦場の論理は絶対なのだ。
ましてやジャイアンはスネオのような弁舌や知識がある訳でもなく、ドラえもんのように未来の道具がある訳でもない。ただ並外れた体力があるだけだった。
そういえばあいつら元気でやってるんだろうか・・・。
だが、それ以上現代の仲間について考える余裕はジャイアンには与えられなかった。なにしろ呂布の調練は尋常ではない。
最初、一頭の馬を与えられた。栗毛の堂々たる馬体だ。呂布が赤兎に出会う前に乗っていた馬の一頭であるという。
「その馬を乗りこなしてみよ、まずはそれからだ。」と呂布は言ったが・・・。
この栗毛の馬、名を「流星」というがとんでもない暴れ馬であった。ジャイアン自体、馬に乗る事が初めてで当時、鐙(あぶみ)はまだ開発されていない。何度も地面に振り落とされた。
手はマメでぼろぼろになり、手綱は血で赤くなっていた。ボロボロになりながらも流星に乗るジャイアンを見て呂布は、あと数日で乗りこなすだろうと思った。
果たして、ジャイアンは三日後には流星を完全に乗りこなしていた。
馬術は現代で言えば自転車運転のようなものだ。身体で感覚を覚えるしかない。しかし、それだけでは完全に乗りこなしているとは言えない。
馬には気性がある。馬の要求も聞きつつなおかつ自分の命令は絶対であると教え込まねばならない。これは簡単には出来ない。馬を完全に乗りこなしている者は名将であったり豪傑であることが多い。
呂布はこの調練を通して、馬術はもちろんのことジャイアンの将としての才能を見ようとしたのだ。
荒馬「流星」を乗りこなし、大声で笑うジャイアンを見て呂布は「こいつは一国を統べるのではないか」となかば本気で思ってしまう。
呂布の感じた事はあながち間違いではなかった。武器を持たせるとジャイアンは才覚を発揮し始めた。
なにしろ力がある。槍など長柄の武器を扱わせると、呂布の直属の精鋭ですら押され気味になる事がある。
こいつは面白い。呂布は短期間でめざましい成長をみせるジャイアンに更に激しい調練を課すのだった。
さすがザイアソ筋肉馬鹿は伊達じゃ無いって感じだな
やっぱり大長編で槍の訓練してたのがきいたのか?
ジャイ安氏、マッタリ頑張ってくれー
>>75 ありがとうございます。書くのが初めてなので不安だらけですが、何とかテーマである「漢の友情」と「少年の成長」を書きたいと思います。
第八話:ジャイアンが三国時代に来て3ヶ月が過ぎた。未だに、のび太達との再会は果たしていない。しかし、この3ヶ月がジャイアンを変えた事は確かだった。
頬がこけ、目付きが鋭くなった。呂布に言わせると良い顔になったそうだ。
調練以外では呂布の従者をやっていた。自然、軍議などにも参加するようになった。
どうやら曹操が攻めてくるようだ。曹操というとジャイアンには強い男程度の知識しかない。
あの有名な劉備や関羽や張飛は現在、曹操に従っているというから相当なものなんだろう。
夕刻になるときまって呂布はジャイアンを呼び出しては遠駆けをした。
馬は戦場以外でも走らせないと、走る事をしなくなるからだ。
そこでは、とりとめもない会話が多かった。
「なぁ、剛田。俺は天下が獲れると思うか?」
「呂布さんなら獲れるんじゃないかな。なんとなく、だけど。」
二人の男は遠駆けが終わると城に戻る。
場内はあわただしい雰囲気に包まれていた。
「何事だ?」呂布が問うやいなや陳宮と呼ばれる男が駆けよってきた。
「呂布様、大変です。間者を放って調べたところ、曹操軍が17万の大軍で進軍中との事です!」
呂布は考える間もなく、「出兵する。」とだけ言った。
「17万ですぞ、篭城の方が安全なのでは?曹操は殿と長い滞陣は避けたいはずです」
呂布は鼻で笑って「曹操など、俺の騎馬隊で簡単にひきちぎってくれる。何より、この呂布奉先の戦に篭城はない。」
具足を身に付ける呂布。ジャイアンもそれにならう。「魚鱗甲」と呼ばれる鎧だ。
呂布は付けながら言う。「剛田、死にたくなかったら絶対俺の元を離れるなよ。」
が、ジャイアンもこの数ヶ月で強くなった。笑いながら「うん、負ける気がしないけど。」と答えた。
(続く)
第9話:曹操軍は原野に陣をしいていた。さすがに曹操だけあって隙がない、見事な堅陣である。
しかし17万という大軍を率いる場合どこかに緩みがあったりするものなのだ。
一方、呂布は動員兵力のほぼ半分である3万しか率いていなかった。
寡兵ながら、激しい調練に耐え抜いた精鋭だ。互角以上の勝負が出来るだろうと呂布は考えていた。
先鋒は呂布が率いる騎馬隊だ。全軍黒づくめの兵装である。ジャイアンもこの中に入っていた。
曹操は歩兵部隊を出してきた。動きは凡庸だ。
呂布の騎馬隊は精強である。大将自ら先頭に立ち方天戟を掲げ、1度叫ぶと騎馬隊は歩兵部隊の真ん中へ突っ込んでいく。
ぶつかる。刹那、敵の歩兵部隊は崩れに崩れる。脆いな、勝てる。
呂布はふと気になり後方を見る。ジャイアンはついてきている。
勝てる・・・。もう1度そう思った。
ジャイアンは必死だった。騎馬隊は全体の動きが一番大切だ。あの激しい調練から学んだものは大きかった。
そして、槍を振りまわす。叫ぶ。「曹操、出て来い!俺が相手だっ!」
思った以上に曹操軍は脆かった。その事がどうしても気になった。まるで調練積んでいないような兵だ。
崩れると、皆一目散に逃げていく。しかし、逃げていく方向がどの兵も一緒なのだ。
嫌な予感がした。気付くとジャイアンはもう1度叫んでいた。
(続く)
頬のこけたジャイアンはいまいち想像できぬ・・・でもイィ!
17万対3万、果たして勝つのは呂か曹か
ま、どう考えても曹操有利なんだけど
発展途上のジャイアンが化ければあるいは?
79 :
無名武将@お腹せっぷく:03/11/04 23:15
素晴らしい名スレじゃのう
第10話:曹操軍は散を乱して逃げていた。たまらず、後続が出るが呂布の騎馬隊にはかなわない。
圧倒的な力なのだ。この国で一番強い騎馬隊とも言えるだろう。一つに固まり突き進むその姿は美しいとさえいえた。
呂布は相変わらず先頭で突き進む。勝てる。
その時だった。地面から歩兵が現れた。「しまった、拒馬槍か!」
さすがに赤兎が気付き反転する。が、並の馬を扱う兵士は馬が驚いてしまい身動きが取れなくなってしまう。
「全軍、引け!とにかく下がれ!」叫ぶ。
そこに先程、逃げていた歩兵達が弓をかけてくる。拒馬槍に気付き反転した者も弓隊によって次々に命を落としていった。
呂布は引きながらとにかく声を出して兵をまとめようとしたが、集まる兵はごく少数だ。
敵の兵卒は呂布に向かって次々に矢を放つ。流石に豪傑として名を馳せた男だけあって全ての矢をかわすか、戟で払っていた。
下披まで逃げよう。そうすれば活路は見えてくるはずだ。
呂布に多数の兵士が突っ込む。その度にはじき返されるが、呂布も疲れが見え始めた。
後方、追ってくる兵は曹操軍の中でも特に精鋭の軽騎兵だ。ここで死ぬのか・・・。
一騎、呂布の隣りに現れる兵がいた。槍を振りまわす。敵はその圧力に動揺した。
「剛田!?」
「呂布さん、大丈夫?とにかく下披まで引こう。曹操なんて態勢を立て直せば片手でひねりつぶせる」
ジャイアンは力強く言った。怪我こそしていたものの軽症だ。
呂布は数ヶ月前まで人を殺した事で泣いていた少年の変貌ぶりに思わず笑みがこぼれた。
「何笑ってるんだい、呂布さん。」
「いや、お前の言う通り曹操を倒すために撤退だ。下披に戻ろう。」
呂布は相変わらず笑ったままだった。(続く)
下披(カヒ)って地名が変換できないっす・・。仕方ないのでこの表記で書きます、ごめんなさい。
第11話:下披に戻った呂布とジャイアンは負傷兵の治療と、逃げてきた兵を城に収容し編成し直す作業に追われていた。
いかんせん、兵が少ない。先鋒として活躍した呂布の騎馬隊は半分もいなかった。
「呂布さん、曹操軍は下披城を包囲しているみたいだ。どうする?」
曹操軍は先のぶつかり合いでは兵をあまり消耗してない。士気の高いまま、下披城を包囲している。
「剛田、よく聞け。」
呂布はいつになく真剣な顔でいった。この男のこの顔を見るのは初めてかもしれない。
「俺は曹操を倒す。だから今からまだ元気のある兵と奴の本陣を攻めたてる。」
「無理だよ!今すぐ出せる精鋭は数百人しかいないし。本陣に辿りつく前に殺されちゃうよ!」
呂布は穏やかにうなずきながら言う。
「俺達が今取るべき最良の手段は篭城だろうな。だが、男には死んでも守らなければならないものがある。」
「死んでも守るものって?そんなもんあるのかよ!死んだら終わりじゃないかよ!」
「守るべきものを守る。俺にとっては誇りだ。戦う誇りだ。そして・・・友もだ。」
呂布は今まで見せた事がないような沁み通る笑顔を見せた。
「剛田、お前は生きろ。お前と共に生きた数ヶ月、初めて友を得たと思える日々だった。」
呂布は続けた。
「俺が曹操軍に突っ込む間に城から逃げろ。逃げたらお前は未来の友達を探すんだ。」
ジャイアンは泣きながら呂布の話を聞いていた。「駄目だ・・・死んだら駄目だ、呂布さん・・。」
呂布は笑いながらジャイアンの涙を手で拭う。「戦場で泣いたら駄目だ。男だろう?」
凄惨な笑顔だった。ジャイアンも無理矢理笑う。
「あぁ、流星は借りてくぞ。代わりに赤兎はお前に預けておく。」
ジャイアンは、くしゃくしゃな顔で呂布を見る。
呂布は最後にいつものニヤッという笑顔を見せると素早く立ち上がり指揮を出していた。(続く)
最終話:呂布は城門を開けると、精鋭中の精鋭である400騎の騎馬隊と曹操軍に突っ込んだ。
曹操軍は乱れに乱れた。まさか打って出てくるとは思わなかったのと、死を覚悟した兵の強さだろう。
曹操はさすがに落ちついていた。死を覚悟した兵と争うと無用の損害を出す。幸い、数では圧倒的なのだ。
じわじわと追い詰める策をとった。やはり、呂布の騎馬隊は少しづつ数を減らしていった。
「曹操、出て来い!この呂布奉先に臆したか!!」
呂布は叫ぶが、寄ってくるのは雑兵ばかりだった。やがて弓が放たれた。
降り注ぐ矢の雨。それは本物の雨のように見えた。身体に無数の雨が突き刺さる。
「曹操、お前の戦はまるで誇りがないな!はははははッ、まぁ宦官の子に誇りを求める方が無駄か。」
怒り狂った曹操軍は呂布の元に一斉に駆け寄る。
その風景を楼閣で見る男がいた。ジャイアンである。
「呂布さんは・・・最後にあんな事を言って、城からの脱出を楽にしてくれたんだ・・・。」
事実、曹操軍のほとんどが下披城への警戒を怠っている。
一代の英雄は最後まで、自分の命を守ってくれた。
ジャイアンは涙を拭いた。声を上げた。
「今から俺は下披城から逃げる。共に生き抜きたいものはついてこい!」
300名程の雄叫びが上がる。
赤兎に飛び乗り、駆けた。どこに行くのか見当もつかない。
が、今は生きねば。
外はまだ暗い。しかし明けない空はないのだ。
ジャイアンは力強く駆けていた。(第1部:完)
駄文、長文におつきあいありがとうございました。
とりあえず第一部「呂布編」は完結ということで。
正史をしっかり読んだ事がない上、書くのが初めてなので不安です。
これから乱世へ屹立していくジャイアンと仲間達との再会をテーマに構想を練りたいので、ご意見ご感想お願いします。
ジャイアンはどこへ行くのかな、北か南かどっちやろ?
えんしょーと組んで曹操を討つか?
85 :
無名武将@お腹せっぷく:03/11/06 10:06
エンショウに行くのは個人的にやだな〜。曹操が共通の敵ってことになるけど、なんか利用されそうで…天下無双のジャイアンの成長を楽しみにしています。ジャイ安さんがんばって!
それじゃ南の孫の客将になるか?
それともそれとも・・・うおー、どうなるんだジャイ安殿!
87 :
無名武将@お腹せっぷく:03/11/06 22:09
ケイシュウに行ってマッタリするとか(笑) それじゃあ無双から遠くなるしな
88 :
無名武将@お腹せっぷく:03/11/12 07:34
新作かもーん
89 :
無名武将@お腹せっぷく:03/11/12 15:31
昭和中期の紙芝居を待つ子供たちって、こんな気持で待ってたんかな?
90 :
無名武将@お腹せっぷく:03/11/12 16:47
ふえー、おもしれー(*´д`)
ジャイ安さんがんがれ!
>>83 細かい突っ込みだがね、普通名乗り上げる時はさ、
「呂奉先」って名乗ると思うよ。
>>91 ご指摘ありがとうございます!自分は知識と誤字脱字などを見つける注意力が不足しているのでこういう指摘は非常にありがたいです。
今後も何かありましたらお願いします(なるべく気をつけますが)
新作ですが、最近ちょっと忙しいので今日明日は無理なのですが近日中には仕上げる予定です。
第2部にはもうちょっとドラえもんらしい雰囲気を出せたらなぁと思います。
>ジャイ安さん
面白い!
ただ、本当に「殺し」たのは賛否別れるかも。
藤子なら、あの場面は殺さずにジャイアンの三国時代への
適応を上手く描いたんじゃないかな。
んで、無敵の武将になっても敵は殺さない、「殺さずの剛田」なんて通り名もらったりして・・・
いらんこと言いましてすいません
なんにしろ、続き楽しみにしてます。がんがってください。
94 :
無名武将@お腹せっぷく:03/11/13 18:57
落ち着いたら新作たのんます!
/⌒ヽ⌒ヽ
Y
八 ヽ __________
( __//. ヽ,, ,) /
丶1 八. !/ < イイ!!イイ!!イイ!!イイ!!イイ!!
(・∀・) \
| ! i 、 |
| i し " i '|
|ノ ( i i|
( '~ヽ ! ‖
│ i ‖
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_ | | ‖
新作かもーん!
>>93 そうですね、超人的な小学生になってしまって反省です。今後はもう少し藤子的要素をいれてきますね。雰囲気を出そうと海援隊のCD買ってきましたので聞きながら書こうかなと。
落ちついたので書きます。
二部。第1話:流浪の軍を率いていた。
ジャイアンが呂布の元を去って半年が過ぎた。この乱世で半年生き延びたのは、幸運であった。
各地の客将になった。ついてきた兵300人を維持しなくてはならなかったし、のびた達との情報を集めたかった。
しかしどんなに困窮しようとも賊にだけはならなかった。それが呂布と共に生きてきた自分の誇りであった。
そして、生き延びる事にくじけそうになる自分を支えるものだった。
戦では必ず目立った働きをして「剛田」の名は各地に広まっていた。
全てを破壊し尽くす戦ではなく、圧倒的な力の差を見せつけ相手の戦意を奪うような戦だった。
降伏を申し入れた将に対しての扱いも寛大で、乱世においては珍しい英傑になりつつあった。
呂布の元を去ってから曹操とエン紹の対決は避けられぬ情勢になっていた。
ジャイアンはなんとなく曹操が勝つだろうと思った。曹操の力、怖さはあの戦い以来、忘れたことがなかった。
そして今、ジャイアンはもう1度、徐州に戻りつつあった。
呂布の思い出が多すぎるこの地に戻るのは辛いことであったが、今現在はあの劉備が統治しているという。
劉備は「徳の将軍」だという。ジャイアンも二十世紀で見た三国志の本を思い出してみても、やはり劉備は人徳ある将軍だった。
そして呂布と出会った、あの原野に着いた。頬を涙が流れた。
そこへ一騎駆けてくる兵がいた。(続く)
第2話:一瞬、呂布かと思った。
が、すぐに思い直した。呂布は死んだのだ。
駆けてくる兵は見事な兵装だった。おそらくは将軍であろう。
「誰だ!」ジャイアンは叫んでいた。
将は、なおも無言で馬を進めてくる。やがて、ゆっくりと口を開いた。
「おぬし、その馬は赤兎ではないか?」
ジャイアンはうなずく。
「そうか。ということはおぬしは呂布殿の遺臣だな。確か・・・剛田とかいう。」
髭の立派な将だった。そして巨体である。おそらくは2メートル近くあるだろう。
「そういうあんたは誰なんだよ!」
将は闊達に笑う。
「私は関羽という。字は雲長。徐州を治めている劉備玄徳の元で将軍をやっておる。」
ジャイアンは震えた。あの、関羽である。
まさか、いきなり関羽と出会うとは思っていなかった。
そしてわずかこれだけの会話だが、どこか呂布に似ていると思った。
「どうだ、私の馬と駆けないか。赤兎馬の走りを見てみたい。」
関羽はそう言うと、ジャイアンの返事も聞かずに馬を出す。
ジャイアンも、すぐさま赤兎を走らせた。(続く)
第3話:ひとしきり馬を走らせた後、関羽は言った。
「さすが、馬中の馬である赤兎馬だな。並の馬では影さえ踏めない。」
赤兎は老いてきてこそいたが、今でも誰よりも速く駆ける。
ジャイアンはニッと笑う。ところで、と関羽に聞く。
「関羽さん、なんで俺を疑わなかったんだ?徐州を狙っていると思ってもおかしくないだろう?」
関羽は考え込む表情になった。しばらく沈黙が続いた後、
「なんでだろうな。私にも分からん。ただおぬしは賊の類には見えなかった。」
と言った。ジャイアンは思わず笑う。
「どうだ、剛田殿。我が主の劉備玄徳に会ってみないか?殿は人材を欲しがっている。おぬしの部下の面倒も見る。」
あまり、考えずにジャイアンは答えた。「会いましょう。」
城に着いた。関羽はしばらく待たれよ、じきに殿はみられるだろうと言った。
ジャイアンの境遇は目まぐるしく変わっていた。部下達は兵舎を一つ与えられそこで休んでいた。
影が見えた。顔を上げると、そこに劉備と思われる男がいた。
「私が劉備。字は玄徳。関羽から話は聞いている。呂布殿の遺臣だそうだな?」
ジャイアンの想像通り、耳たぶの大きい男だった。どこか茫洋としていて、漠然とした器の大きさのようなものは感じられた。
ただ、眼だけはひどく優しい。ジャイアンの境遇が気になるのだろう。
ジャイアンは信頼の置ける人物だと思った。やはり、一州を治めるだけのことはある。
かいつまんで、今までの事を話した。
未来から来た事。一緒に来た友達とはぐれた事。呂布と出会い、曹操と戦った事。半年の間、流浪を続けた事。
そして今も友達を探していること。
劉備は一つ一つ、大きな耳を傾けて聞いていた。その動作一つとってみても、いかにも頼り甲斐がある。
「ほぉ。実は私も1年程、前に未来から来たとか言う少年と会ってな。力はさっぱりないんだが、張飛の奴が気にいってしまってな。
今は張飛の従者をしている。確か・・・のび殿とかいったかな・・・。」
のび太だ!!
ジャイアンはほとんど無意識の内に叫んでいた。(続く)
ジャイ安キタキタキター!
ちりぢりになった仲間を集める、長編ドラの王道!
いいねー。
キャー!!新作キタ━(゚∀゚)━!!
優しさがちからになる、そんな話を期待しています。
がんがって下さい!
103 :
無名武将@お腹せっぷく:03/11/20 14:00
うおーっ!!!きたぞーっ!!!涙でた(T_T)
のび太は活躍するのか、それとも永遠のへたれか?
しかしとりえがあるわけもなく・・・うむむ。
のび太が活躍しなきゃ大長編じゃ(・∀・)ナイ!
106 :
無名武将@お腹せっぷく:03/11/21 11:15
のび太は人を引きつける魅力があると思ふ。
のび太は射撃の名手だYo!!
のび太
武42 知40 政49 魅92
人徳 弩兵
斉射 乱射 矢嵐
(三国志8参考)
三国志シリーズに当てはめるとしたらこんな感じか。スレ違いスマソ
のび太が活躍する予感!!(・∀・)
110 :
無名武将@お腹せっぷく:03/11/21 21:23
>>108 いや、いいとこついてるだろw ジャイアソは武92くらいかな?
111 :
無名武将@お腹せっぷく:03/11/21 21:27
ノビ太=劉禅
第4話:ジャイアンは劉備との挨拶もそこそこに駆け出していた。
のび太は張飛の調練に参加しているという。
あの、のび太が。その思いは消えなかった。
勉強はもちろん、運動はまるで駄目。特技といえば寝ることくらいなのび太が。
そしてそんな愛すべき友達とようやく再会できる。そんな思いがジャイアンを駆けさせていた。
原野に張飛の叫び声がこだましていた。騎馬隊の調練だ。
ジャイアンは張飛に近づき話しかけた。
「張飛さん、ですよね?のび太がここにいるって聞いたんですが・・・。」
張飛はギロリとジャイアンを睨み付ける。そして叫ぶ。
「よし、今日の調練はこれで終わりにする。各自、兵舎に戻り休め!」
その声を聞いた兵達は安堵の顔を見せた。おそらくジャイアンが来るずっと前から激しい調練が積まれていたのだろう。
「剛田、とか言ったな。のび太はもうすぐここに来るはずだ。」
ジャイアンは思った。のび太は兵達と調練に参加した後、更に張飛の従者をしているようだ。
果たして、のび太は来た。農耕馬のような小さい老いた馬をたどたどしく扱いながら。
「のび太!!」ジャイアンは叫んだ。
「ジャ、ジャイアン!?ジャイアンどうして!!」
二人は抱き合い、再会を喜びあった。
二人とも顔は涙でぼろぼろであったが、それは決して汚いものではなかった。
張飛はその光景を見て、少し涙ぐんでいた。が、慌てて眼をこすり
「おい、のび太!お前みたいな出来そこないは、しばらく剛田に鍛えてもらう!俺はもう面倒みきれんぞ」
と言った。
のび太は泣きながら「ありがとう、張飛さん。」と答えた。(続く)
第五話:その夜、ジャイアンとのび太は語り合った。
のび太は心なしか痩せた程度で目立った変化は無かった。どの時代に来ても「のび太」のままだった。
「ジャイアンはあの呂布のところにいたの!?」
「あぁ。そういうのび太はどうしてたんだよ?」
のび太は言う。
「みんなとはぐれた時、僕は張飛さんの騎馬隊の調練の最中にいたんだ。当然、突然現れた僕は敵かと思われて張飛さんに斬られそうになったんだ。」
ジャイアンは息を呑んだ。「・・・で、お前はどうしたんだよ?」
のび太は下を向き、くすくすと笑いながら、それはねと言った。
「僕はドラえもんから探検セットを借りたまんまだったんだよ。そこから空気砲を出して撃ったんだ」
ジャイアンは呆然としていた。確かに一騎当千の豪傑も22世紀の科学には勝てないだろうと思った。
「張飛さんは、自分が一騎打ちで負けたと思って降伏してきたんだよ。その時に自分の事を話したら僕の面倒を見てくれるようになったんだ。」
「面倒見てくれるって・・・のび太、お前従者だったんだろ?お前が面倒みてるじゃねぇかよ」
のび太らしい発言だった。従者をしていながら、守ってもらっていると思える感性。お人好しも過ぎるというものだ。
ただ、それはのび太の身をずっと救ってきただろう。乱世では武力以上に張飛のような豪傑を繋ぎとめる魅力も必要なのだ。
そしてジャイアンはそれは自分に欠けたものだと思った。100万の兵の心を掴むよりも、戦場に一騎駆ける方が向いていると思った。
ただ、張飛は優しさのある男であるだろう。実際に、のび太に騎乗や弓や槍を教えてくれたのは張飛だった。
きっと死なせたくないのだろう。まぁもっとも、怠け者ののび太に鞭をくれてやる意味だったかもしれないが・・・。
ジャイアンがふと横を見るとのび太はもう寝ていた。思わず苦笑した。
が、三国時代に来て一番心強い夜だった。
空気砲とはこれまたオーバーテクノロジー!
でもこの時代からすりゃ幻術みたいなものかもね。
そういやのび太はジャイアンとガチでケンカして1度勝ってんだよな。
何気に強いのかもしれん・・・ついでに何浪したものの大学もいってるわけだし。
もしかしてのび太最強説?
116 :
無名武将@お腹せっぷく:03/11/22 12:46
うぅ…ジャイアン…よかったなあ(;_;)
大将ジャイアン
副将のび太
うおーこの勢いで昔のジャイアン伍長とかにも復活してもらいてえー
作家がんばれ!
保守
第六話:その朝、久しぶりに安心したジャイアンはかなり遅くまで寝ていた。
起きた時、既にのび太がいなかった程だ。
のび太とは偶然の再会だった。ドラえもん、スネオや静香ちゃんも幸運な再会を果たしているだろうか。
友と再会した今、ジャイアンの思いは一つ「20世紀に帰りたい」という事だった。
あまりにもたくさんの死を見過ぎた。と同時に、何か大事なものを得たという気もする。
その時、のび太が大声を挙げて駆けよってきた。
「ジャ、ジャイアン、大変だ!ドラえもんが見つかったみたいだ!!」
どうやら張飛の野営で獣でも焼いて食べようと、森で獲物を探していたところを発見されたようだ。
ジャイアンとのび太はお互い無言のまま、張飛の元へ向かった。
ドラえもんと会えば、未来に帰れるかもしれない。その思いが彼らを突き動かしていた。
「張飛さん!人の言葉を話す青いタヌキがいるって聞いたんだけど!」
「あぁのび太か。見てくれよ。訳のわからんことばかり言ってやがるんだ、お前の飼い狸か?」
果たして、その視点の先には縄でくくられてはいるが、紛れもないドラえもんの姿があった。
「だから、僕は狸じゃなくて猫型ロボット!!」
「ドラえもん!!!!」
ドラえもんは二人に気付いた。
3人とも溢れる感情を言葉に出来ずにいた。美しい朝だった。
第7話:全く、幸運である。
ここにきて、ジャイアンは自分に運が向いてきた事を確信した。
そしてやはり、三国時代に来てからどうやって生きてきたのかということをドラえもんに話した。
「ひとまず、良かったよ。のび太君もジャイアンも良い武将さん達に保護されてきたんだね。」
そう言い終わると、ドラえもんは考え込む表情になった。
「どうしたの?ドラえもん?」のび太は暗い顔をするドラえもんに尋ねた。
「実はね、僕は三国時代でみんなとバラバラになってから何度も22世紀のタイムパトロールやドラミにSOSの信号を送ったんだ。」
ジャイアンは安堵した。そして言う。
「じゃあ、俺達助けてもらえるんだな?」
「ところが、SOSの信号が何度送っても妨害されてしまうんだ。だからこの半年の間、僕らは22世紀の人達に気付いてもらってないんだ。」
3人は黙りこんでしまった。未来へ帰れる唯一の希望だったドラえもんの言う言葉には重みがあった。
「おかしい事は他にもある。歴史は、いないはずの人間が一人現れただけで大きく狂ってしまう。僕らが三国時代に迷い込んだせいで、この時代の歴史は大きく狂うはずなんだ。」
例えば、とドラえもんは続ける。
「呂布軍でジャイアンが斬った人間は本来、ジャイアンには斬られるはずもないのに死んでいったんだよ?歴史はこんな事で大きく狂うんだ。」
のび太は慌てる。「じゃ、じゃあ僕が張飛さんに撃った空気砲は!?」
「当然、この時代にはあるはずもない武器だよ。何かが変わるはずなんだ。」
「おかしいじゃねぇかよ、ドラえもん。俺達がこんだけやって来てるのに三国時代は歴史通り進んでるじゃないか」
ジャイアンは軽く苛立ちながら言った。
ドラえもんは頷き、つまり、と言った。
「僕らはこの時代に飲み込まれかけている!!」(続く)
ごめんなさい、もうちょっと書こうかなと思ったのですが時間がないです。
話的には、これから盛りあがっていこうかなというところなんで、もうしばらく拙い筆に御付き合いください。
ご意見ありましたらお願いします。
秘剣電光丸で武力100のび太希望
125 :
無名武将@お腹せっぷく:03/11/27 14:16
ここへきて『ドラえもん』らしくなってきたな〜。いい感じでふ。
電光丸なら人も氏なないし、イイ(・∀・)ね。
盛り上がってきたー楽しみ!
127 :
無名武将@お腹せっぷく:03/11/30 13:57
楽しみage
128 :
無名武将@お腹せっぷく:03/11/30 15:13
:::::::::::/ ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::| テ な 闘 i::::::::::::::::::::::::::::::
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:::::::::::/ と。 ゃ イ:::::::::::::::::::::::::::::
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――--、..,ヽ__ _,,-''
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/. ` ' ● ' ニ 、 ,-、ヽ|:::::::::
ニ __l___ノ |・ | |, -、::
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`ー---―' / '(__ ) ヽ 、
====( i)==::::/ ,/ニニニ
:/ ヽ:::i /;;;;;;;;;;;;;;;;
age
変なのが来るからあげないで欲しいと思ったり
みんなに見てもらいたいから下げないでと思ったり。
ホッシュ
こらしょ
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!
まてまて焦るな!
ワロタ(w
作者かもーん
鬱
ホッシュ!
あげなくて大丈夫かん?
スマン、ageるぞ!心配だ!
100万の曹操軍に包囲されたのび太たち。頼みのドラえもんも既に弱点を曹操に看破され、ネズミ攻撃でどうにもならない。
曹操「のび太よ。長く激しい戦いであったが、それも今終る。死して歴史に名を残すがよい」
絶対絶命!
そのとき、意を決したようにジャイアンがのび太らの前に立つ。
のび「…ジャイアン?」
ジャ「ここは俺に任せろ」
のび「ジャイアン!」
ジャ「俺がヤツらを抑える。その隙にみんな逃げるんだ」
静香「そんな…剛さんだけおいて逃げるなんて…わたしたち、生まれた日は違えども、死す時は同じ日と誓ったはずよ!」
ジャ「馬鹿野郎!おまえが死んだら、お腹の子はどうなる!」
静香「!………」
ジャ「のび太、元気な子に育てるんだぜ」
のび「ジ…ジャイアン」
ジャ「知らないとでも思ったのかよ。まったくおまえは憎らしいヤツだぜ」
その時のジャイアンの表情を、のび太たちは一生忘れないだろう。それは漢≠フ微笑みだった。
ジャ「タケコプターが外れた時…おまえ、最後まで俺の手を離さなかったもんな」
記念すべき映画第1作「のび太の恐竜」のエピソード(原作より)を今更ながら持ち出したジャイアンは、そう言って的櫨の手綱を握り直した。
ジャ「さらばだ!」
一同「ジャイアーン!………」
ジャ「曹賊ども、ごろうじろ!我こそはのび太軍が将、鎮西将軍ジャイアンなるぞ!最初に死にたいヤツは誰か!相手をしてやる!」
夏侯淵「オウ、ジャイアンか!赤壁の決着、今こそつけん!勝負!」
曹操軍の猛将・夏侯淵が名乗り出た。彼我の距離が縮まる。
頃合良し。ジャイアンは槍をひっさげて『叫んだ』
ジャ「おぅれぇはジャイアァン ガァキだいしょぉぉぉ」
大地がいななき、天が引き裂かれた。しかし…夏侯淵はビクともしない。
ジャ「な…なんだとー?」
夏侯淵は哄笑しながら耳を見せた。しっかり耳詮がしてあった。
夏侯淵「同じ手を二度も食うか!今日が卿の命日ぞ!」
ジャ「お…おのれー!」
策は破れた。しかし、ジャイアンは引かなかった。なぜなら彼は「ガキ大将」だから。
「ガキ大将」―ジャイアンはその一点において、愚劣なほどの漢≠セった。
NEW作者来た!
141殿、続きをたのむ!
141は昔のスレにあったような・・・。
また止まった。
「ハイ、500メートル。じゃ、のび太君。よろしくう」
「…わかったよ。まったく、どうして僕がこんなことしなくちゃならないんだよお」
ぼやきながらゼンマイを巻くのび太。
原子力潜水艦型ゼンマイ式潜地艦の内部。ドラえもんが操縦し、のび太がゼンマイを巻く潜地艦は、のんびりペースで地中を進む。
のび太は後悔していた。
「敵を知り、己を知れば百戦危うからず、って言うからね。大切な偵察任務なんだから、僕が行くべきだな」
したり顔で語ったスネ夫。そんなに乗りたいのなら、意地を張らずに乗せれてやれば良かった。
曹仁軍を偵察する。それはいい。
敵軍に見つからないよう、地中を進む。それもいい。
だが、なぜに500メートル進むごとに、えっちらえっちらゼンマイを巻かねばならない?
原子力潜水艦型ゼンマイ式潜地艦の欠点―航続距離が呆れるほど短い―を忘れていた自分を、のび太は呪った。
一方、ドラえもんはご機嫌だ。ようやく自分の道具が役に立つ時が来たのだ。
「おもうかぁじいっぱあい」
艦長気取りで舵輪を回している。
それでも、曹陣軍が見えてくると、さすがに緊張の色を浮かべた。
「…見えてきたよ、のび太君」
声をひそめてドラえもん。のび太もグチを言う余裕が吹き飛び、ゴクリと唾を飲み込んだ。
原子力潜水艦型ゼンマイ式潜地艦は曹仁軍陣中をゆっくりと進む。ゼンマイをキコキコ巻きながら。
やがて曹仁の本陣が見えてきた。
「総大将がいるのはあそこだね」
潜望鏡で覗きながらドラえもん。
「ついでだから、敵の大将の顔を見ておこうよ…あ、また止まった。ハイ、のび太君。ゼンマイ!」
「わかったよぅ…」
力を込めてゼンマイを巻くのび太。
その時、「ブチッ」と何かが切れる音がした。「あれ?」と思うヒマもなかった。
突如として制動が効かなくなった潜地艦は、猛烈なスピードで突進、そのまま地表に飛び出していた。
「うわああああああああああああ……」
………ドスン
「い…痛ぁ…」
よろめきながら潜地艦から這い出てきたドラえもんとのび太。着地場所は、よりによって本陣の天幕の中だった。
周りには数人の武将が目を丸くして突っ立っていた。その内の何人かは、今にも腰の剣を抜こうとしている。
艦首がめり込んだすぐ近くで、ヒゲ面の武将が腰を抜かしていた。身なりからして、総大将―曹仁―らしい。
2人とヒゲ面の武将の目が合った。
「え、えーと…ニーハオ」
出来る限り友好的な笑顔で、ドラえもんとのび太はあいさつした。
age
148 :
無名武将@お腹せっぷく:03/12/27 12:58
曹豹「私の名前は曹豹と申します。曹操とは親戚にあたりまする。」
149 :
無名武将@お腹せっぷく:03/12/27 13:06
のび太「あ、あなたが天下の天才軍師と呼ばれた曹豹様ですか!?」
ドラえもん「いやー、曹豹様に比べたら僕なんかただのタヌキッス!」
曹豹「ははは、よしてください。
ただ、私の能力が人より優れているだけですよ」
しずか「あー、そんな曹豹様に処女をささげても良いですわ」
150 :
無名武将@お腹せっぷく:03/12/27 14:59
曹豹「なに!?まことか!!では・・・ぐへへへへへェ!!!」
ずぶっ
こうして、しずかは処女を喪失した・・・
151 :
無名武将@お腹せっぷく:03/12/27 21:31
148−150
サムイやつ晒しage
152 :
無名武将@お腹せっぷく:03/12/28 15:34
ジャイ安殿こないのかな(´・ω・`)ショボーン
あぼーん
パク・ヨンジュン揚げ
155 :
望月亀弥太:03/12/29 18:58
だが自分の女が目の前で犯されていることに、のびたは堪え難かった。
気づいたときには秘剣電光丸の匕首を抜き、快楽に浸っている曹豹の右腕を真っ向から斬り落としていた。
『ぐわあああ!!』
曹豹を無い右腕を抑えながら地面でのたうちまわっている。
それを呆然と眺めているドラえもんとスネ夫、そして曹仁とその部下達が居た。
『のび太君・・・』
のび太が我にかえって顔を青くするのと、曹仁旗本のひとりが声を荒げて斬りかかってくるのと、同時だった。
が、スネ夫の空気砲がそれを捉えた。
『・・・!!』
空気砲に当たった兵士は声も発さず地に倒れた。
息をつく暇もなかった。新手が前から迫って来る。
のび太は
『ここで、雌雄を決す』
とは言わない。無言で裸の静香を抱える。しかし、勃起はしない。していられない。今はそれどころではない。
『偉いぞのび太くん!よく迫る性欲心を抑えた!』
ドラえもんはそう言いたいところだったが、状況を見、そのふっくらした感触を持つポケットから、『こけおどし手投げ弾』を10発余り取り出し、不器用な手つきで、追ってくる曹仁軍向けてがむしゃらに投げまくった。
敵に、隠しきれない動揺が走った。
そこを利用して、一行は退却した。
156 :
望月亀弥太:03/12/29 19:02
ミスが多かったので、修正しますた。
だが自分の女が目の前で犯されていることに、のびたは堪え難かった。
気づいたときには秘剣電光丸の匕首を抜き、快楽に浸っている曹豹の右腕を真っ向から斬り落としていた。
『ぐわあああ!!』
曹豹は、無い右腕を抑えながら地面でのたうちまわっている。
それを呆然と眺めているドラえもんとスネ夫、そして曹仁とその部下達が居た。
『のび太君・・・』
のび太が我にかえって顔を青くするのと、曹仁旗本のひとりが声を荒げて斬りかかってくるのと、同時だった。
が、スネ夫の空気砲がそれを捉えた。
『・・・!!』
空気砲に当たった兵士は声も発さず地に倒れた。
息をつく暇もなかった。新手が前から迫って来る。
のび太は
『ここで、雌雄を決す』
とは言わない。無言で裸の静香を抱える。しかし、勃起はしない。していられない。今はそれどころではない。
『偉いぞのび太くん!よく迫る性欲心を抑えた!』
ドラえもんはそう言いたいところだったが、状況を見、そのふっくらした感触を持つポケットから、『こけおどし手投げ弾』を10発余り取り出し、不器用な手つきで、追ってくる曹仁軍向けてがむしゃらに投げまくった。
敵に、隠しきれない動揺が走った。
それを利用して、一行は退却した。
もしもしずかが、彼女の男友達と同じ程度にこの時代の知識を持っていたなら、この後起こる悲劇を防ぐことができたかもしれない。
少なくとも、そうするための行動を起こすことはできただろう。しかし、彼女にはそれがなかった。
のび太、ジャイアン、スネ夫、彼らが高揚しながら語り合う血生臭い物語にもっと耳を傾け、知っておくべきだったと彼女は心底後悔した。
「お姉さん!」
寝室に踏み込んだしずかが見たものは、白い寝具と、同じくらい白い肌を鮮血で染める貂蝉の姿だった。
「どうして……、どうして……」
力の抜けた貂蝉の手に残る短剣は、彼女自身の頚動脈を切断していた。もう助からないことはしずかにもわかった。
「どうして……」
しずかはただそう繰り返した。貂蝉の行動は彼女の理解を超えていた。
愛する呂布が董卓を討ち、二人は障害を乗り越えて結ばれたはずだった。それがなぜ自ら命を絶つ必要があるのか。
「しずか……、ごめんね」
弾かれたようにしずかが顔を上げた。まだ息がある! 死なないで、お姉さん!
「この乱世はね、あなたが思っている何倍も……何十倍も汚いものなの……」
「喋らないで! すぐに誰か呼んでくるから!」
「聞いて、しずか。私はね、呂将軍に……董卓を殺させるために、彼に近づいたの……」
「嘘よ!」
しずかは震えながら頭を振る。
「本当よ……。だから私の役目は終わったの……」
「嘘!」
「しずか……」
白い寝具が朱に染まっていく。まるで貂蝉の命を吸い取っているようだった。
「羨ましかったわ……、恋人に抱かれながら、赤兎に乗って笑っているあなたが。
素敵な恋をしてる女性って、なんて綺麗なんだろうっていつも思ってた……」
しずかはまだ弱々しく鮮血を噴出す貂蝉の首に顔をうずめた。
「呂布さんに近づいた目的がそのとおりだったとしても、あなたは彼を愛していたはずだわ。その気持ちまで嘘だったというの!?」
貂蝉が顔を歪めた。その頬を涙が伝う。
「私には……、私にはその資格はないわ……」
しずかは姉と慕う女性の手を握り締めた。細く、だがしなやかだったその指から力が抜けていくのがわかる。
「ごめんね、しずか……。お願い、私の代わりに、あの方を見届けて……。
そして……素敵な恋をしてね……。私みたいには、ならないで……」
貂蝉の指から全ての力が消えた。あんなに活き活きとしていた美しい瞳がゆっくり閉じられ、そして二度と開くことはなかった。
***************
随分長い間貂蝉の屍を抱いていた気がするが、ほんの5分程度だったかもしれない。
しずかは貂蝉の手からこぼれた短剣を拾った。
歴史を知らない彼女だが、漠然とした、しかし確信めいた予感があった。
貂蝉の自害を知った呂布は狂乱し、それが彼を死に向かわせることになるだろう。しずかにはそれがはっきり見えた。
(そうはさせない)
呂布を死なせはしない。それが歴史に逆らうことだったとしても。
貂蝉の気持ちを呂布に伝える。それからどうするかはわからない。どうなるかもわからない。
ひとつ言えることは、親しい人間の死が、幼い少女にかつてない決意をもたらしたことだった。
彼女は貂蝉の命を奪った短剣を右手に握り、左の手の甲に突き立てた。愛らしい顔が苦痛に歪む。
剣を置き、指先で溢れた血をすくう。そしてそれを貂蝉の唇に塗った。
(呂布は、私が守ります)
End 続きません
>157,158
ナイス。
ワンシーンだけでも、いろいろ妄想できて
たのしい。
一方、夏侯淵と激しく戦いを繰り広げていたジャイアンは、続々と現れる曹操の後続に
焦り始めていた。
旗色の悪さははっきりと見える程に酷かった。
ジャイアン『く・・・母ちゃん・・・すまねえ、俺、ここで死ぬかもしれねえ』
彼は、とても大好きだった自分の家族のことを思った。
たった一度、家族皆でディズニーランドに行ったこと・・・
ジャイ子の漫画が大ヒットして、盛大なパーティを開いたときのこと・・・
ちょっと厳しかったけど、とても頼りになった父ちゃん・・・
いつも怒られてばかりだったけれど、暖かかった母ちゃん・・・
そして、お兄ちゃん、と笑顔を作る、妹。ジャイ子・・・
それらが、一緒に浮かんできた。涙が溢れてきて、ジャイアンは始末に困った。
夏侯淵『名将ジャイアン、お命頂戴仕る!』
夏侯淵がそう言って馬を旋回させたときのことである。
ジャイアンの周りに、眩い光が発生した。
彼を取り囲んでいた曹軍と夏侯淵は、目を瞑った。
その光が、六つに分かれ即座に曹軍に突っ込んだ。
そこから切れ目が発し、やがてそれは大きくなり、遂には曹軍の彼方此方に大きな穴を作ってしまった。
ジャイアンはこれ幸いと見、ゆっくりと馬腹を蹴った。彼の旗本が続く。
ジャイアン(それにしても、あの光は何なんだ・・・?もしや・・・)
第8話:「飲みこまれかけている!?」
ジャイアンとのび太は二人共、ほぼ同時に叫んでいた。
ドラえもんは二人の驚きを抑えるように淡々と言う。
「そう。僕らは未来の人間なのに、このままだと、三国時代の人間になってしまうんだよ。」
のび太は慌てて言う。「じゃあ、僕達はこのまま誰にも気づかれずに三国時代で生きるしかないの!?」
「いや、方法はある・・・。でも・・・。あまりにも危険だよ?」
ジャイアンはこらえ切れず立ち上がった。「危険かもしれないけど、何もやらないよりはよっぽどマシだ!」
「どういう方法なんだ?ドラえもん。」
一瞬、場がシーンとなった。
ドラえもんはジャイアンの勇気ある発言に感銘を受けていた。少年達は確実に成長していた。
「ジャイアン。のび太君。歴史は今その通りに動いている。だからタイムパトロールも僕らが迷子になっている事に気づかない。
こうなったら、歴史に僕達が現れた事による誤差を生じさせるしかない!」
再び、辺りは静かになった。朝という事もあり、兵達の声が聞こえる。
のび太は少し考えている表情だった。
「あれ?でもドラえもん。歴史を変えるっていうのは未来では犯罪になるんじゃないの?」
その通りだった。時間旅行が一般化した22世紀の社会において歴史を変えるという時空犯罪は大罪のはずだった。
ドラえもんは頷く。そして、だけどね、と続けた。
「こうなった今、僕は犯罪者になってでも君達を現代に帰す責任があるんだよ。」
(続く)
すいません、年末進行でかなり忙しかったです。
とりあえず今日はもうちょっとアップします。続きは夜にということで。
9話:のび太とジャイアンの二人は黙りこんでいた。
それで、とドラえもんは続ける。
「具体的には、このまま劉備軍にいたら、それこそ歴史に飲み込まれてしまう。まずは劉備軍をこっそり抜け出してスネオとしずかちゃんの救出にあたろう。
のび太は口を挟んだ。「で、それからどうするの?」
「歴史をどうやって動かすか・・・これは正直、僕にも見当がつかない・・・。」
「じゃあ駄目じゃないか!ドラえもんの役立たず!」とのび太。
「待てよ、のび太。先の事を考えるより今はスネオやしずちゃんが心配だ。それより何より」
ジャイアンは立ち上がって「今は行動だと思うぜ」と言った。
ドラえもんも続いて立ち上がる。
「よし!じゃあ、荷物やら何やらを整理しておいてくれ、出発は夜だ!」
ジャイアンは二人と別れた後、呂布の元からついてきた兵に解散を命じた。
兵の大多数は猛反発した。それはジャイアンが兵に慕われる大将であったという事を証明する形になった。
だが、最後はジャイアンの言い分を聞き納得したようだ。兵の多数はそのまま劉備軍に編入する形となった。
ジャイアンは槍を担ぎ赤兎馬を駆って、関羽の元へ向かった。
果たして、関羽は居た。
「どうした、剛田殿?そんな慌てた顔をして。」
ジャイアンは大きく息を吸った。そして言った。
「実は・・・どうしても関羽さんにだけ言っておこうと思って。」
ジャイアンは、今日の夜に劉備軍を去ること、それは未来に帰るためということを一気に話した。
関羽は特に驚いた様子もなく、微笑んでいた。
なにもかも分かっていたのだ。
「剛田殿。気をつけてな。」ただそれだけを言って、また微笑むだけだった。
ジャイアンは庭につないでいた、赤兎馬を指さした。
「関羽さんに乗ってもらいます。俺のこれからの戦いには必要ではない。そして何より俺には過ぎた名馬です」
関羽は流石に驚いた表情をして、何かを喚いていたが、ジャイアンはさっさと去ってしまった。
夜。三名が全軍の少年達はタケコプターで空に舞った。
夜空には、興味などないはずの関羽と張飛がこの宵だけは空を見上げて酒を飲んでいた。
(続く)
164 :
無名武将@お腹せっぷく:03/12/31 03:02
ジャイ安殿!お待ちしてました(T_T)
165 :
無名武将@お腹せっぷく:04/01/01 06:28
きたいage
age
保守?
168 :
無名武将@お腹せっぷく:04/01/12 12:15
aaaaggggeeee
170 :
無名武将@お腹せっぷく:04/01/18 22:25
保守age
age
ジャイ安どの最高!!
続き楽しみに期待してまふ
173 :
無名武将@お腹せっぷく:04/01/23 16:09
ナイス
ジャイ安さんの作品は本当に最高です。
保守サゲ
うう…更新されてない…
177 :
ファンサイト:04/02/07 11:15
忙しさにかまけて放置気味だったけど、
スレがまだ続いてるなら再開しようかと…
age
ほしゅ
age
ドラえもんにせがんで連れてきてもらったのび太たち。
しかし到着時に起きた時空乱流により、タイムマシンから落ち、みんなはぐれてしまった。
ドラえもんは曹操が出陣してる際、近くの茂みに落ちたのを曹操軍に発見されたため、魏に登用された。
のび太はその優しさを劉備に認められ、関羽や張飛、諸葛亮に武術や兵法を教えてもらい、
立派な武将として頭角を現していた。
一方、ジャイアンもその強さを呂布に認められ登用。呂布と共に独立勢力を広大なものとしていた。
スネ夫は、塾や家庭教師に教えられた現代の知識により魏で宰相として素晴らしい力を発揮。
しずちゃんは、呉で姫の従者として、みんな無事に生き延びていた。
数年後、呂布は曹操に捕らえられ、遮断される。ジャイアンもその時に捕まり、
遮断されそうになるが、呂布討伐軍に参加していた劉備軍のび太により助けられ、
ジャイアンは劉備軍に参加することとなる。
彼らが三国時代についてからさらに数年後、赤壁の戦いが起きる。
その時に彼らは対峙するのだが、それと共に再開のチャンスも訪れる。
そしてドラえもんによって知らされる真実。
タイムマシンの出入り口は、魏の領地内にあるということ。
曹操は敵国の武将であるのび太たちの領地内への進入は断固として許さないということ。
四次元ポケットの道具は、文明の発展を滅茶苦茶にするという理由から使ってはいけないということ。
無事に帰るには只一つ、三国統一し平和な世を造ることである。
数年が経過して彼らはそれぞれの領主や武将との信頼関係、領民との主従関係を築いていた。
それらを裏切ることはできない。彼らは敵同士として正々堂々と戦い、
三国を統一して無事に帰るという誓いを交わし、一時の再開は終わった。
更に数年後、しずちゃんは政略結婚という形で結婚する孫夫人を見過ごすことができず、
自らが代わりに蜀との橋掛けになると決意。人質として蜀へと渡る。
こうして、彼らは魏と蜀の二国に。そして、様々な想いを背景に、五丈原にて彼らは再び対峙する……
ドラ『遂にここまできたね、のび太くん。』
のび『うん、ここまで長かったね。ぼく、初めは一人でどうしようと思ってたけど、
がんばったおかげでなんとか生き延びてきたよ。』
ドラ『ちょっとのび太くんとの距離が遠いけど、のび太くんが成長した姿ははっきり見えるよ。
ぼくも、ここまですごく長かったと思ってる。…やっと、やっと終わるね。』
のび『うん、終わるんだ。ぼくの兵力は…どうやらドラえもんより少ないみたい、でも…負けないよ!』
ドラ『ぼくだって!今まで魏で暮らしてきていろんなことがあった。曹操さんも見た目は怖いけど、
いい人だった。その人たちのことを考えると、ぼくは負けるわけにはいかない!』
のび『ぼくも蜀の人たちのことを考えると負けるわけにはいかない。勝負だ!ドラえもん!』
二人が片腕を天にかざすと、幾千もの人間が走り出した。それと同時に戦いが開始、幾千の矢が空を舞う。
184 :
無名武将@お腹せっぷく:04/02/25 16:10
新作きてたー!
>184
ドラえもんと三国志ならなんでもいいのか・・・
186 :
無名武将@お腹せっぷく:04/02/29 10:10
しずか『…のびちゃん、ドラちゃん。実は私、隠してたことがあるの…。』
ドラえもんとのび太はゴクリと生唾を飲んだ…。
しずか『私、現代の人ではないの…。私はそう、周喩様の妻、小喬の娘
メイリンよ。』
しずか『えぇー!?何で?何で?何で?』
のび太はビックリした。ドラえもんも続いて
ドラ『じゃあ、どうやってのび太くんの住んでいる現代へ行くというんだい?』
しずか『…私は、呉の反戦派から曹操へ政略結婚させられようとしたわ…。
そこを陸遜様が救ってくれたの。』
のび太とドラえもんは真面目に聞いている。
しずかはポケットからある鏡を出した…。
しずか『これは時空を越える鏡です…。この鏡に太陽エネルギーを貯めて
時空転送装置に乗ると、好きな世界、時代に行けるのです。』
陸遜『そういうことだ。ドラえもんとやら』
ドラ『…陸遜さん!?』
陸遜『私は時空犯罪を起こし、24世紀からから左遷された未来人だ。
今の三国志では、魏の後、晋が統一したことになってただろう?
あれは全くの出鱈目だ。史実では…』
のび『史実では一体どうなってるの?
陸遜『…三国時代など存在しない。』
のび『えー!?』
陸遜『群雄割拠していた頃、シベリアの遊牧民族によって後漢はかいめつ
させられたのだ!!!』
ホッシュホッシュ
ジャイ安さん期待
呂布陣営に拠っているジャイアンとスネ夫は、城が望める場所まで進行してきた曹操軍に、兵を率いて退かせろと君主呂布に命ぜられた。
ジャイアンは先鋒で敵兵を蹴散らし、スネ夫は後方より弓を射る手筈だった。
城を出た剛田隊はすぐさま曹操軍と交戦し、ジャイアンは出過ぎて隊が囲まれない程度に突っ込み、敵を蹴散らしていく。
剛田軍は調子に乗り、兵の士気も高まってきた。
そのとき、スネ夫が率いていた弓隊が、背後より剛田隊に向けて無数の矢を放った。
ジャイアンはこれに困惑し、無惨にも味方の矢で倒れていく兵士を次々と目の当たりにした。
「ス、スネ夫!計ったな!」ジャイアンはスネ夫が曹操と内通していることに気づき、叫んだ。
「日頃の行いを正さなかった報いだよ、ジャイアン」
気づいた時は遅く、スネ夫は後方から、前方の曹操軍と剛田隊を挟撃する。
スネ夫の裏切りによって剛田隊は四散し、完全に包囲され、将であるジャイアンは無念にも後ろ手に縛り上げられた。
ジャイアンは曹操の陣中に連れて行かれた。彼の前で跪き、頭を垂れて無念の表情を顕わにしていた。
曹操は言う。
「剛田よ、お前の武勇は天下に知れ渡り、私も聞き及んでいる。顔を上げたまえ。君を処断するつもりはない、どうだ、私に仕えてみないか?
私は呂布のように有能な将をむざむざと死地に追いやるようなことはしない。彼は武勇には優れるが、将の用い方は知らん。
私は彼ほど武芸に精通していないが、君のような将を手厚くもてなし、相応しい仕事を与えることを約束しよう。どうじゃ、繰り返して聞くが、私に仕える気はないか?」
ジャイアンは曹操の言葉を、姿勢を変えず聞いていたが、仕官の決意をして顔を上げた。今までずっとふさいでいた眼も開いた。
彼に見えたのは、曹操の横にいるスネ夫だった。
「スネ夫、てめぇ、この裏切り者が!ギタンギタンにぶっ殺してやる!」
捕縛されているにもかかわらず、ジャイアンはスネ夫に突っかかっていく。だが、護衛兵らに取り押さえられ、顔を地に這いずらされた。
「暴言は慎みたまえ。私は曹操様に仕える者、言うならば将軍の手足。私を貶すことは曹操様を貶すことに等しいのだぞ。」スネ夫は一喝した。
「黙れ、裏切り者め。曹操殿、こいつは私欲に駆られて君主を裏切る最低の鬼畜。このような輩を配下にしておくと、足下をすくわれますぞ!」ジャイアンはスネ夫を下から睨み付け、目を曹操にやった。
「双方、言いたいことがあるようだな。おもしろい、この場で論戦いたせ。私が正しいと判断した者には禄を与え、負け犬はこの場で斬首いたす。」曹操は余興を楽しむような表情で二人を見ている。
最初に口火を切ったのはスネ夫だった。
「曹操様、私がなぜ呂布とこの下郎を裏切ったかと言えば、彼らは天下を見渡す目もなくば、先を見る目もございません。その証拠に、仕掛ける戦はいつも一時の欲に目がくらんだもので、すべて成功とはいえない結果に終わりました。
このような者どもと命を共にすれば、いくつあっても足りませぬ。その点、曹操様は鷹のような目を持ち、先を予測され、用兵を知り、天下を手に入れられるお方。奴らになげうつ命は惜しいですが、曹操様になら惜しくありません。
両方を比べたとき、曹操様に仕えなければ、天下を乱す国賊と後世罵られるでしょう。
私は天下の太平のため、拙い力ながらも、曹操様にお貸ししようと決めたのです」尚、スネ夫は続ける。
「むしろ、裏切り者は剛田の方。彼は一日も早く平和をもたらすという、何よりも優先される大儀を裏切り、曹操様に牙をむいたのです。
こんな不義があっていいのでしょうか。彼を配下におけば、再び大儀に背き、世を乱します。この場で首をはねるが後世のためかと」
「黙れ、スネ夫!貴様、悠々と詭弁を弄しているが、とどのつまりは恩を仇で返したってことじゃねえか。呂布殿は、飢えて野を彷徨っていた我らを助け、今日まで養ってくださった。
恩義に背くやつが、天下の太平のために仕えるだと?笑わせるなよ。お前は、恩を忘れて自分が有利になる方へつく不忠者よ!片腹痛いわ!」ジャイアンは続ける。
「もしも、曹操殿が私を救ってくださるのなら、それは呂布殿より与えられた恩より重いもの。なぜなら、呂布殿に救われた時と今、どちらが死地に近いかと言えば、それは今です。
もしも救われたなら、私はあの不忠者とは違い、恩を裏切るようなことはいたしませぬ。恩には相応の働きで報いるつもりです」
「では聞くが、今まで僕が与えた恩に報いたことが、一度でもあったかい?飢えた時には米を与え、水を与えたりした。おもちゃや漫画も貸してやった。
だが、一度たりとも報いてもらったことがない。いや、それどころか仇で返されてる、脅しや暴力でね。貴様の拙論、嘘八百の戯言。恩を忘れ、主を裏切るのはお前の方だ!
君の長所は正直なところだと思っていたが、僕の目が狂っていたようだな」
曹操は言った。
「剛田よ、お前は恩義を貴ぶかの如く口ずさんでおるが、スネ夫の言うことは真実なのか?」
ジャイアンはうなだれて、何も言わなかった。
「曹操様、この論戦、私の勝ちかと。当人もわかっているはずです。して、出過ぎた願いですが、彼の首を私に斬らせてくれませんか?」スネ夫は淡々と言う。
「ス、スネ夫…冗談だろ」目を潤ませて、ジャイアンは言う。
「ジャイアン、僕はこの日のために生きてきた気がするよ」
かすかに、スネ夫が笑った。ジャイアンは戦慄した。
曹操の表情は、彼が酔狂から現実に戻ったことを知らせていた。
「スネ夫よ、承知した。そちに斬らせよう。剛田を手放すのは惜しいが、これは決まり事。剛田よ、出会う時を間違えたな」
スネ夫は曹操に頭を下げた後、ジャイアンの横に立ち、懐にある刀を抜いた。見下し、じっと刀を振りかざしている。
「君を殺しても、コレクションが帰ってこないのは残念だ。さぁ、覚悟!」
「か、母ちゃんっ!」
銅から離れた彼の面には、涙があふれ続けていた。
195 :
無名武将@お腹せっぷく:04/03/18 13:25
落ち杉
触発されて書きたくなったが…
三国志詳しくない…・OTL
こんばんは、牛金です。
キタイ
のび太「ドラえもん、タイムマシンで三国時代に行ってみないかい?」
のび太「ねえ、ドラえもん」
のび太「ドラえもんってば」
のび太「ドラえ……」
のび太「ドラえもぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!!!!!!」
ネタは出来た問題はかきつづけられるかなぁ
<200
書けるだけでもお見せくだせぇ