三国志演義・水滸伝・西遊記の登場人物比較

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1幼常 ◆tRipvP/nEw
三国志演義・水滸伝・西遊記には、三国志演義の劉備・水滸伝
の宋江・西遊記の三蔵法師という「お人好しのリーダー」が
共通して登場しますよね。その下で痛快に暴れまくる部下たち
や敵対側の人物にもいろいろ共通点があるでしょう。それを
マターリとsage進行で検討するスレです。

このスレは本板の下記のやりとりから派生したものです。

http://hobby.2ch.net/test/read.cgi/warhis/1042532783/462-467

http://hobby.2ch.net/test/read.cgi/warhis/1042199279/27-31

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陣を構えてみました。http://warhis.easter.ne.jp/
>>1 スレ立てありがとうございます。
念のためリンクを引用しておきます。

462 :元・楊雄@コテハン考え中 ◆CrzA1iYang :03/01/15 02:16
>>461
ただ、三国志演義の劉備・水滸伝の宋江・西遊記の三蔵法師のこの3人は「人がイイだけのナンバー1」って役割を与えられてしまっているんですよね。
お人よしで、ぼんやりしていて、ミスって部下に救われる。これにより部下たちに活躍の場が与えられ、颯爽と登場、大活躍、拍手喝采と
講談師の思う壺なんです。

463 :無名武将@お腹せっぷく :03/01/15 02:20
劉備=宋江=三蔵、張飛=李逵=悟空かなぁ。そうすっと、関羽=魯智深=沙悟浄か。

464(略)

465 :無名武将@お腹せっぷく :03/01/15 02:32
2枚目忠実武勇キャラ:関羽
3枚目暴れん坊キャラ:張飛とすると
関羽=水滸伝該当者多数=悟空
張飛=前半の魯智深・後半の李逵=猪八戒+沙悟浄の気がするが。孫悟空・沙悟浄とも2・3の線かねてるけどね。

スレ違いになってきた? 関連スレは下記。(中略)
えと、西遊記はどこだろう。でも、3作品関連づけるスレも欲しいね…。
32:03/01/18 08:05
>>2の引用元は
http://hobby.2ch.net/test/read.cgi/warhis/1042199279/27
です。続き。
http://hobby.2ch.net/test/read.cgi/warhis/1042199279/28-31

28 :無名武将@お腹せっぷく :03/01/15 02:50
>>27
スレの展開をしっかりする為にはテンプレを練った方がよいかと。


29 :無名武将@お腹せっぷく :03/01/15 02:56
>>27
面白いね。108人まで理由付けで類似キャラつけられたら大したもんだ。


30 :元・楊雄@コテハン考え中 ◆CrzA1iYang :03/01/15 02:58
>>29
そりゃムリでしょう(w


31 :無名武将@お腹せっぷく :03/01/15 03:05
>>30
まぁ性格や見た目などで人格を分散させられた人物も多いでしょうから混乱必至(笑
関羽を例に挙げても名前と系譜が関勝、美髯は朱仝、見た目以外の性格なら↑の通り
綺羅星の如くw 1のお膳立てとまとめ役がうまく合致すれば繁盛スレになる可能性は
あると思うんすけどね・・・
42:03/01/18 08:08
http://hobby.2ch.net/test/read.cgi/warhis/1042199279/27
の引用元
http://hobby.2ch.net/test/read.cgi/warhis/1042532783/462-465
の続き
http://hobby.2ch.net/test/read.cgi/warhis/1042532783/466-467

466 :無名武将@お腹せっぷく :03/01/15 02:40
「善玉主人公の真実の姿を暴くスレ」とか?


467 :元・楊雄@コテハン考え中 ◆CrzA1iYang :03/01/15 02:50
このような「ぼんくら親分と活きのいい部下たち」というのが中国では受けるようです。
これによって、劉備=893という>>461の好む正史のスタイルから、演義の成立までに
変化していきました。
52:03/01/18 08:11
http://hobby.2ch.net/test/read.cgi/warhis/1042532783/465の関連スレ

水滸伝スレ その2
http://hobby.2ch.net/test/read.cgi/warhis/1029852691/l50

中国中央電視台「水滸伝」について語ろう
http://hobby.2ch.net/test/read.cgi/warhis/1042519671/l50

後三国演義・水滸後伝・東周列国志
http://hobby.2ch.net/test/read.cgi/warhis/1042520894/l50

…ということで宜しくお願いします。
6無名武将@お腹せっぷく:03/01/18 10:59
金瓶梅も比較キボンヌ
西門慶=劉備
潘金蓮=関羽
李瓶児=張飛
春梅=関平
長いです。
もう少し文章をうまく・・・ま、いいです。参考になればと思ったんで。

↓レッツゴウ
【三国志演義】120回、作者は羅貫中とされている。
史実との関係:正史三国志に基づく。が、劉備=民衆の同情の対象であるので、史実を曲げないように
物語が進行できる様、手が加えられる。
1)全相平話三国志
転生の説話、漢の成立のころの人物が生まれ変わる
韓信=魏の曹操
彭越=蜀の劉備
英布=呉の孫権
高祖=献帝
呂后=献帝の皇后伏氏
漢の創業の功臣が不当に殺された、と訴えたので、司馬仲相という書生が地獄で閻魔大王に代わって
判決を下す。この功によって、仲相は司馬仲達として生まれ変わり、三国を統一する。

2)三国志演義
通俗小説のなかで人気の劉備=善玉として描かれている。これを支持する思想として、
南宋の朱熹の「通鑑綱目」があり、演義作中では諸葛亮の言葉を借りて強調している。この正統論は
民衆の立場を代弁しているが、歴史的結末は変えられないので、この同情はさらに加速する。
また、上の生まれ変わり説など誇大表現を抑えている。生まれ変わりの説のかわりに、桃園の誓いを
物語の冒頭に持ち込んでいる。これは、金・元の侵略におびえる民衆が現王朝の支持と擬制の
血縁による団結、という当時の時代背景に基づく民衆の嗜好が反映されていると思われる。
【水滸伝】70回・100回・105回・120回と各種の版がある。作者は施耐庵・羅貫中と伝えられる。
1)南宋の小説「酔翁談録」の題目中に楊志・魯智深・武松・孫立などの名前が見える。また、
元曲(元の時代に流行ったお芝居と思ってください)にも李逵・燕青・魯智深なども活躍が仕組まれている。

2)大宋宣和遺事
梁山泊を根城にしていた宋江はじめ36人の盗賊団が官軍に抵抗し、最後には「招安」に応じ、それぞれ
官職について団円する。梁山泊の36人の盗賊団は史実。
孫立はここでは36人の中に含まれていたが水滸伝成立には格下の72人に落とされ、活躍も減らされて
いる。ここに、多くの説話の中に失われたものや改変の際に切り捨てられたエピソードがあったであろう
ことを示している。

3)水滸伝
大宋宣和遺事の登場人物36人に72人を加えて108人が集まる、一貫した物語。
出身階級によって2つの対照的な傾向が書き分けられている。
【1】地主や下級武官など、平和なら平和に暮らしていけた
【2】食いつめものやばくち打ちなど、平和なら平和なりに不満を抱く
上のグループは、悪政に追い詰められ盗賊団に参加するものの、天子の周辺の不正を改正すれば…と考える。
下のグループは、現体制が正しくなければ、「宋江のあにきを押し立てて天子をとっかえよう」ということを
平気で口にする。(周の武王、楚の項羽と同様の抵抗権肯定)
この2者の質的に異なる方向が「忠義」と「替天行道」のスローガンのもと、義兄弟の連帯感によって
奇妙に結び付けられる。
後半、「招安」を享けて国家に帰順したあと、奸を除くという方向ではなく、天子の忠実な軍隊と
なってしまう。ここで三国志演義ほどの壮大なスケールもなく、所詮盗賊、用がなければ…と
物語の結末が急がれ、好漢達があっけなく死んでいく。
(金聖嘆評は108人が揃うまでの70回で締めくくっている)
【西遊記】100回、作者は呉承継。1570年頃完成。
1)大唐三蔵取経詩話と西遊記の成立
時代は玄宗のころ、猴行者(孫悟空の前身、猴は猿)と深沙神(沙悟浄の前身?)が三蔵のお供をするお話。
西遊記では、玄奘三蔵が実在した太宗の時代とし、「太平広記」「永楽大典」などから説話を取り入れている。
また、元曲や雑劇、伝奇の派生などから次第に肉付けされた。これによってお供が増え(朱八戒、朱と猪は同音)
玄奘の役割が分散され(元は玄奘が食いしん坊だった)、玄奘は無欲な高僧になっていった。

2)玄奘
初唐の僧玄奘は仏典に疑問を持ちインドへ向かい、16年の旅と修行の末帰国する。この見聞録を
「大唐西域記」という。これは弟子の慧立の「大慈恩寺三蔵法師伝」にも見られる。

3)西遊記
空間は三国志演義や水滸伝よりもよっぽど広い。それなりの覚悟を必要としているはずだが、物語は
道中加えたお供に能力ごと分担させている。しかし、様式の単純化とともに苦難は単純な繰り返しに
陥っている。これは物語が毎回読みきりのスタイルであるために、キャラが替わってしまわないように
した章回小説の弱点でもある。
孫悟空が三蔵によって解き放たれ、忠実な部下になるところに「招安」以降の水滸伝と共通する。
天宮で暴れていた頃の孫悟空=「天子は天下の回り物、次はオレだ」という考え方は、水滸伝の【2】
のグループと差はない。水滸伝は多くの人物が集まることに力点があり(集団になると個性が発揮
されない)、西遊記では個性的な少数が活躍、水滸伝と補完しあっている。
また、孫悟空を農民反乱の英雄としてとらえたり、妖怪退治をしながら前進するところが人民の力量を
示すととらえたりも出来る。
>>1
ローカルルールくらい読みましょう。

一、歴史上の人物の名前の使用は、なりきりスレ・リプレイスレ以外ではご遠慮願い候。
元・楊雄@コテハン考え中さん、乙です。
言いたいことはあるのですが、短時間にまとめられた
記述の充実ぶりに圧倒されています。
時間がかかりそうです。もう暫くお待ちを。
孔明=呉用=?
意外と悟空かも。
悟空=孔明+関羽・張飛の武勇
八戒=張飛−武勇→単なる三枚目
悟浄=関羽−武勇→単なる律儀者
という感じでは?
もっとも八戒のような女好きキャラは
劉備周辺にはいませんよね。
>>13
かなり乱雑です。一冊の本からしか引っ張ってきてないので、過不足も多分にあるかと。
また、「比較」そのものにはまだ触れていません。こちらももう少し時間を…。
原典:中野美代子著書
18山崎渉:03/01/22 14:32
(^^;
19干将宝剣 ◆Pc3CKansyo :03/01/23 00:41
西遊記は、確かにワンパターンが多かった・・・。

三蔵一行旅に出る→強敵出現→悟空たち戦う→敵の変な武器(もしくは得意技)の前に敗れる
→対策を練る→リベンジして勝利→三蔵一行旅に出る・・・
>>19 「対策を練る→リベンジして勝利」の過程でしばしば神仏の力
を借りる、というのも共通する回が多いですよね。

 水滸伝にも、ワンパターンではありませんが、同じパターンの繰り返し
になっている部分があります。

 前の方では

豪傑が旅に出る→いくつかトラブルに遭う→自力で解決できないトラブル
の時に別の豪傑に助けられる→(新たに登場した)豪傑が旅に出る……

 梁山泊が集団で活動しはじめると、

梁山泊集団と王朝の対立が先鋭化する→王朝側に有能な豪傑(官吏)
が現れる→その豪傑が梁山泊側を苦しめる→梁山泊側が対策を練る
→梁山泊側が勝利、その豪傑を生け捕り、梁山泊集団に加える→
梁山泊集団と王朝の対立が先鋭化する……

単純化しすぎですかね?

 三国志演義は正史による補正のせいか、細かい挿話
はともかく、全体として鼻につくほどのパターン化は
ないように思います。なりたちから考えると全相平話
を読み返して確認した方がいいかもしれませんが……。
西遊記は、はじめ40回程度のお話だった物を、縁起のいい数字とかで9×9=81に、
その後100回にという訳があるみたいです。さらに、かいつまんで講談をするんで、
「今日は第○○回のお話だよ〜。『砂漠の向こうに立ちふさがる魔物たちが〜』」
なんておっぱじめて、キリのいいところで終わらせねばなりません。ですから、
単純化が進むわけです。

水滸伝は>>20のように単純化させていかないと、大人数が出きらないですからね。
元のお話でさえ、36人もいますから。
>>21 章回の数とは別に、物語の中にも三蔵一行が出会う苦難の
数あわせがあるんですよね。似たようなことは水滸伝にも
封神演義にも見られましたけれども。
23山崎渉:03/01/24 01:26
山崎渉
>>17
残念。前野直彬。

登場人物の特徴
【三国志演義】
劉備=「仁」の面を強調。決断と実行力に欠け、周囲によって体面を保つ。
関羽=「信」。忠誠を貫き、赤壁で曹操を見逃し恩に報いる。
張飛=「勇」。猛将でありながら、感情を抑えることが出来ず、部下に寝首をかかれる。
諸葛亮=「智」。人間ばなれの智謀の持ち主。「智多くして妖に近し(by魯迅」)
曹操=正反対の悪徳を一身に背負い、一人で悪役を担う。
孫権=時には蜀的性格、時には魏的性格。対立の中間として位置している。

これにより、三国対立のなかであらゆるタイプの人間性を包み込んでいる。
→宋江・玄奘は劉備的タイプ、儒家的徳目の権化
正反対に位置するのは、張飛・李逵・孫悟空。庶民感覚の自由人。
(皇帝に即位することをすすめる張飛、李逵、次の皇帝は自分と主張する孫悟空。皇帝という権力の
象徴を「天下の周り物」くらいにしか考えていないところでも、共通する)

関羽→処刑されると予測しながら流刑を受け入れる林冲
(但し、関羽は時代が下ることによって神格化するので、別格扱いするほうがいいらしいです)
諸葛亮=呉用と公孫勝で分担。孫悟空も玄奘に提言したりと、「智」の一端をも担っている。
猪八戒=別格。道化役。ただし、利己的・怠惰・貪欲と、人間の弱点を強調。孫悟空の対極。
西門慶=悪役側からの視点で描かれている金瓶梅の主人公。悪役として人間の欲望の充足の典型として、
悪役曹操を強調。

【作品の共通性】
@「楽しみ極まれば悲しみ生じる」歓喜から悲哀への転落
三国志演義の劉備義兄弟の死、西遊記の成仏、水滸伝の招安、金瓶梅の西門慶の死
@義兄弟
金瓶梅の西門慶も10人の義兄弟がいる。
25山崎渉:03/01/25 16:45
(^^;
26山崎渉:03/01/26 01:11
(^^;
27無名武将@お腹せっぷく:03/01/26 01:20
水滸伝も最初は108星が集結するまでの70回の話だったのが
後に遼と方ロウの話が追加され100回本が出てまた後で王慶と
田虎の話が追加されて130回になっていたと思う。

だから王慶と田虎の話では108星は誰も戦死しない。
28山崎渉:03/01/27 16:42
(^^)
29無名武将@お腹せっぷく:03/01/27 22:28

', ',     , -'´ , -、 Vノノ⌒ヽ、   ヽ、)
  ', ',   ,./   ,:'  ) '      \  ':,、
  ', ', //   / ⌒   , ',  ', ,  ':, ':,':,ヽ
  r, '⌒,'   ,'    |  |, l':,', ',, ',.  ', , ', ', ',
  >', ',_|   , |    l ,',. | ! .! ',',. !.',.! } } | |.ノ_j
 ,:' .,'', ',|   | !  i. | !', | l∧、'|ノ リ .ノノ.ノリ'
. !  !. ', ',   ! !', ',、 lj 〉、ト(_,)゙'ー,‐'-'-'ノ'ヽ.
. L!..,|__', ',   ',',ヽ、j_.メ..._、    〃゙゙゙゙ヾ(、 ',':,
    ', ', ',   ヾ‐",;:''゙゙゙゙'ヾ        'ィ' ! !
    ':,', ',   l |', "                ノ !l.! __
.      ', ',.  l !_∧.       ×  ,ィ |l ノノ/,r゙‐‐-、
.       ', ',  ', (_,)-、______、、 イ┐'リ⌒(r‐'    ',
      ', ',ヾ.>ヾ´ ̄入` ̄~゙ ' ' '´ 〈 ノ  r'       |
      ,'-‐<.,-、',  \\     ノ',   {       ノ
     ,:'    、} )',     ヾ、   ノ    人ヽ、___ イ
      i      T  ',           人 ` ̄´ 久
30こおろぎ│・ω・) ◆9FQQQQqqq. :03/01/28 00:44
>>24
『西遊記』の孫悟空にも義兄弟が大勢居ますよ。
牛魔王以外の義兄弟たちは、なんか「おまけ」程度の扱いですが。
31無名武将@お腹せっぷく:03/01/29 13:54
そろそろ山崎
32無名武将@お腹せっぷく:03/01/29 14:06
林沖=張飛じゃないの?
天命のガイドブックかなんかにかいてあったけど
>>32
ちゃんと作品読んでみてもそう思う?
あまりピンとこないけれど。
重なるようなエピソードあったっけ?
34干将宝剣 ◆Pc3CKansyo :03/01/31 00:14
李逵=張飛というイメージならあるけど・・・酒で失敗するし。

ちょっと関係ないけど、三国志4に水滸伝武将のデータも入ってまして、
李逵の武力がMAXの100なんです。なんか納得いかない・・・。
35無名武将@お腹せっぷく:03/01/31 19:37
      r ⌒ヽ
     (´ ⌒`) ポッポー !
         l l
 カタカタ ∧_∧  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     (・∀・#)<  山崎便乗荒らし氏ね!
   _| ̄ ̄||_)_\ついでに半角だけ入力する馬鹿も
 /旦|――||// /| `ー――――――――――――――
 | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄| . |
 |_____|三|/
>>30
義兄弟(姉妹)は中国では今もごく普通にあるので、この3作品
の共通点とみるよりは中国文化の結構普遍的な特徴として考えた方が
いいように思いますよ。中国で友人に「妹」といったら、「それは
実の妹のことか?」と念を押されました。「妹」という言葉が
文脈次第でごく普通に「表妹(従妹)」「学妹(学校の後輩(女))」
「師妹(指導教官が同じ後輩(女))」はたまた同郷とか同室とか
割と親しい年下の女性といった意味ですら使われることがあるの
ですから、念を押さないと分からないわけです。同じ学年でも
誕生日で「大哥(一番上の兄貴分)」「小妹妹(一番下の妹分)」
なんて呼び合ったりしてるのを目の当たりにすると、西遊記や
水滸伝で結構安易に兄弟分になってしまうのもそれほど特別な
ことではない文化なんだな、と妙に納得できたりします。
姉妹を中国語の辞書でひくと、姉妹の意味のほかに、同世代の親しい女性同士の呼称、
とあります。
また、(長くなります)
表妹=父あるいは祖父の姉妹および母あるいは父方の祖母の兄弟姉妹の生んだ子供を示す。
と親族の設定がある場合は非常に細かくややこしくなりますが、実際の使用例では>>36の通り
「年齢の下の女の子」を大雑把にくくる言葉として使用されています。
(辞書には載っていませんでしたが、中国で友人に念を押されたことから、実用性が高く一般に
浸透していることを表し、かつ辞書の古さ・狭義さを示していると思われます。)

ただし、三国志演義の劉備3兄弟が判官びいきによる物語の中心にあって特化され、
三国志の時代にも十分にあった義兄弟の契りがかすんでいるととらまえることが出来るでしょう。

義兄弟とは少し離れてしまうんですが、
主1+従2という構図、よく見受けられると感じました。
劉備+関羽・張飛
呂布+張遼・高順
樊瑞+李袞・項充
呼延灼+韓トウ・彭キ
などなど
(参考:李典スレより、2人セットの話題より)
38無名武将@お腹せっぷく:03/02/04 20:45
>>37
>主1+従2という構図、よく見受けられると感じました。
西遊記も事実上そうですね。
基本はもちろん
三蔵+3
ですが、その従者にもはっきり
孫悟空+猪八戒・沙悟浄
の構図が見て取れます。
(以下、スレ・板から外れますがお許し下さい。)
西遊記説話は、インドのラーマ・ヤナ、日本の桃太郎と
同根といわれています。ラーマ・ヤナについては
ご存じの方があれば補足願いたいのですが、少なくとも
一般に知られる桃太郎の話では、犬・猿・雉に主1+従2
という構図はありませんよね。その意味では西遊記に
見られるこの構図は、説話の中国的な発展を反映したもの
なのかも知れません。

この主1+従2構図は、本スレの主題の核心をついた部分なのかも
しれませんね。ここからいろいろ議論が展開できそうです。
39黄緑 ◆/06cFHuang :03/02/04 21:06
桃太郎の犬・猿・雉は、鬼退治の都合もあります。
というのも、鬼門(北東、丑寅の方角)に対抗するために南西(未申)の動物を連れて
行くんですが、ひつじが日本古来ではないので少しずらしてさる・とり・いぬを
連れて行きます。これに対応して鬼は牛のツノにトラのパンツという出で立ちで
現れます。

さて。
ラーナ・マヤについては寡聞にして存じませんが、桃太郎は干支を取り込み、
日本に居ない動物は形を変えたり(パンツ)現れなかったりと、多分に日本的な
構造で成り立っていると思われます。
逆に、主1+従2というのが、スレタイにある物語に限らず中国作品的といえるのでは
ないでしょうか。
3、5、7が、中国における聖数だから、
……というのは無関係かな。
41黄緑 ◆/06cFHuang :03/02/07 02:28
名前変わりました。元〜

1は2を生み、2は3は生み、3は万物を生む
とかっていうのは荀子かなにかでしたか。
三国志という物語も、これが同時に二国でも四国でもこれほどファンを魅了する
ことはなかったとも言われます。(項羽と劉邦は1vs1になってしまい、どうしても
三国志よりも人気が落ちています)
そんな読み手の読み心地のよさもあるのかもしれません。

また、>>40のように奇数の数字に対する畏敬というか尊重も実際にありますし。



42干将宝剣 ◆Pc3CKansyo :03/02/08 23:21
>黄緑殿
上げ足取りみたいでスマソですが老子かと。
43黄緑 ◆/06cFHuang :03/02/09 16:49
>>42
あ、間違えた・・・
ありがとうございます。
ttp://www.page.sannet.ne.jp/tamura-chi/ramayana.htm

ラーマヤナについてだいたい。
孫悟空ってハヌマーンがモデルらしけど・・・
ってゆうかラーマって重耳っぽい
楊雄様が仰ってる事は猿繋がりって事?
45黄緑 ◆/06cFHuang :03/02/11 10:05
いえ、桃太郎は日本の風土・文化にマッチしたそれはそれは日本っぽいという
感がぬぐえないという気がしていま。しかしながら、猿つながりといわれてみれば
確かにそれも無きにしも非ずで、そのあたりの影響と言うのも吸収しているのかも
しれませんね。
4638:03/02/11 15:18
>>44
もしかして、私と楊雄様をとりちがえられたかと。
3者の共通点はやはり「猿の従者」、それに遠征ないし道連れもの、
という点かと。
ほかに、
ラーマヤナと桃太郎は島への鬼(悪者)退治、
西遊記と桃太郎は主人1人に3匹の異形(動物)の従者、
という共通点があります。

で、この3者を同根とする説は、単なる思いつきではなく、
実際に伝承物語を研究している人たちが言っていることの
はずです。受け売りの受け売りなので、出所不明ですが…。
47黄緑 ◆/06cFHuang :03/02/15 00:25
私の干支の話も実際のところ受け売りです。
482=13=38:03/02/20 19:01
孫悟空とハヌマーンについては他板の西遊記スレで何度か話題に
なっているみたいですね。ざっと見ただけですが、他にも興味深い
やりとりがいくつかありました。

http://academy.2ch.net/test/read.cgi/min/1004995377/

>>47
受け売りなのはお互い様ってことで、あまり気に病まず
話を進めましょう。
進行ゆるやかなれど、楽しみに読んでいます。
西遊記をあまり知らないので、ちゃんとした訳のを読んでみようかな。
ラーマーヤナ起源だったのか…言われるまで気付かなかったよ。
時代によって他国文化の影響度も変わってくるし、物語の類型もまた
それで変わってくるんだなー。

51黄緑 ◆/06cFHuang :03/03/02 12:52
吉川英治の三国志、劉安が劉備をもてなすために妻を殺し肉を饗する場面で、
筆者が筆者として作中にコメントしています。そこに文化の相違について、
(新聞連載として老若男女の目に触れることを踏まえて?)語ってます。
作品は文化の中で常々加筆訂正を施され、その国民性と融合していかなければ
読み継がれる事がなくなってしまいます。
そういえば、イソップ童話もほんとは怖いってのがはやりましたし。
>>51
イソップ童話は教訓性が高いことで有名ですが、語り継がれる話というのには
どれもそんな普遍的な側面があるのかもしれませんね。
そろそろスレ違いっぽいな、失礼。
>>51
スレ違いっぽいツッコミで何ですが、「本当はこわい」で
はやった最初は「グリム童話」だった気が……。
派生して「日本昔話」とかいろいろあったみたいですけれどね。
必ずしも子供の専有物ではない「民話」には結構残酷なものが
あったりして、それを近代的な「無邪気」「天真爛漫」といった
子供観の中で「童話」に「翻訳」する過程でいろいろ「毒」が
抜かれて行くんですよね。
無理矢理スレに戻すと、「三国志(演義)」「水滸伝」とも
いくつかの少年文庫に入っていますし、「西遊記」に至っては
何冊も「そんごくう」なんて子供向け絵本にもなっていますから
それらと原作を読み比べると、これらの作品の「毒抜き」が
わかって面白いかも知れませんね。
54黄緑 ◆/06cFHuang :03/03/05 21:01
…最近、細かいミスが多い・・・
こないだも五胡十六国と五代十国を間違えたし。・・・
おっちょこちょいさん〜
56無名武将@お腹せっぷく:03/03/09 01:40
>>53
実際に現物を見てはいないんだけど、最近の子供向けの本は
ひどいらしいね。桃太郎では最後に鬼に宝を返すとか、
さるかに合戦では猿に謝らせるだけで命は奪わないとか
殺したはずの話は許したことにするわ、仲直りはするわ…。
子供に残忍な話はしない方が良いとか、妙な理屈がついている
そうだけど。今の大人が普通に思っている昔話すら、だいぶ
残酷さが減っているらしいけれど、そのうち、それが
「本当はおそろしい」とか紹介されるのかもね。

…殺しもなく、謝罪して仲直りするような子供向け
「三国志」「水滸伝」「西遊記」なんてものが
作られるとしたら、どんなになるか見てみたい気もするが。
57無名武将@お腹せっぷく:03/03/09 02:28
ジャーンジャーン
軍師「引き上げの時間です。」
兵卒「敵軍乙」
武将「一騎打ち乙」
三蔵自身が書いた大唐西遊記は小説じゃないので無視するとして
西遊記の前身の一つである大唐三蔵取経詩話なんかではキャラの性格は違ったりするよね。
沙悟浄は三蔵の首をスパスパ斬りまくってるし。
59黄緑 ◆/06cFHuang :03/03/09 09:25
>>56を読んでから>>57を読むと確かにむかつきます。
そんなの三国志じゃねぇ!

ところで、日本は「水に流す」文化ですので、敵を寛大な心で許すことが美徳とされる
ことが往々にしてまかり通りますね。その土壌にありますから、「復讐」の物語が
成熟しません。ですから、大陸的執念深さにギャップを覚えることもあります。
単純に、日本=水、中国=土、モンゴル=風と比較され、これが非常に分かりやすくも
あります。
>>58
「大唐三蔵取経詩話」…簡単に入手可能な日本語訳って
出ているものですか? それとも原語で読まれた? 
因みに原語は下記で参照可能…
ttp://www.sinica.edu.tw/ftms-bin/ftmsw3?ukey=-156680124&path=/15

>>59
「日本=水、中国=土、モンゴル=風」これはどなたの所説でしょう? 
単純だけれどこんな節はなかったような梅棹忠夫の生態史観、
頭に入ってこなかった和辻哲郎の風土論などを思い出しましたが、
違いますよね? 
61黄緑 ◆/06cFHuang :03/03/10 00:29
>>60
違いますね。というか、文章で読んだのではなく大学の講義で聞いたのか、はたまた
教授に聞いたのか、…すみません、ソース忘れました。
62山崎渉:03/03/13 15:47
(^^)
今は保守。
今は革新。
今は中道。
今は共和。    
今は労働。
今は民主。
今は昔、
>水滸伝も最初は108星が集結するまでの70回の話だったのが
>後に遼と方ロウの話が追加され100回本が出てまた後で王慶と
>田虎の話が追加されて130回になっていたと思う。

すまんが、事実と違うので。
初めに、施耐庵か羅貫中かよくわからないが、100回本ができた(明中期)。
それが好評なので、やがて対田虎、対王慶が加えられて120回本となった。
さらに、それを招安以降の文章が嫌いだった金聖嘆がちょんぎって70回本とした(明末から清初)。


保守
72無名武将@お腹せっぷく:03/03/29 08:56
保守発見
73黄緑 ◆/06cFHuang :03/03/31 20:22
さーて。久しぶりに受け売りいきますよー。

仏教の中国への伝来に伴い、インドの学術文化も平行して流入しました。これによって、中国文学
の世界に影響が現れます。
1】仏教の説教という、口頭でお話を伝えるスタイル
2】インド説話のフィクションの面白さ
ただし、文学においても文化面においても、中華思想(俺たち中国がbP)によって、従来からある
儒教・道教などの地位を脅かすことはなく、文学も同様にフィクションという小説のスタイルが文学
の世界で受けいれられるのも時間が掛かりました。
中国でもこの「インド文化の影響」という切り口の研究は進んでおりません。ここからも、インド
文化は「添え物」的位置付け、低く見られがちであるということが見て取れます。
(水滸伝の魯智深が仏教徒の位置付けが低い象徴とも)

ラーナマヤが中国文学の世界に影響があったことの参考になりますでしょうか。
74よく教室にある風景:03/04/01 11:23
黄緑先生! ラーマヤナでつ。
75黄緑 ◆/06cFHuang :03/04/01 21:28
いやあ、心底笑いました。やるなあ、おれ。
76無名武将@お腹せっぷく:03/04/02 15:01
やるなあ。
受け売りだが、ユングによると物語の登場人物というのは
1人の人のいろいろな面を表しているに過ぎないのだそうだ。
とすると、割と話のパターンが固定している西遊記はともかく、
水滸伝の108天星+諸脇役、三国志の人々は一体…
78山崎渉:03/04/17 11:40
(^^)
79山崎渉:03/04/20 05:26
   ∧_∧
  (  ^^ )< ぬるぽ(^^)
80無名武将@お腹せっぷく:03/04/20 14:07
確かに黄緑殿のいうとおり寂れているのぉ
>>32-33
林ちゅう(字がない)の綽名が「豹子頭」となってるよね。
そもそも「豹子頭」と言えばすなわち張飛を指すんですよ。
あと例えば林ちゅう初登場時の容貌の描写も張飛のそれとほぼ同じ。

で、林ちゅうのすぐ上の席次(5位。林ちゅうは6位)が関勝。この人は「大刀」という
綽名でしかも関羽の直系の子孫という設定。もちろん容貌も扱う武器も先祖と一緒。

つまりエピソード的にどうだというまえに水滸伝の作者はこの二人を三国志の
関羽・張飛のエピゴーネンと見ているということは明らか。
林沖
>>82
「ちゅう」のへんはさんずいではなくにすい(沖=おき ではない)
林[ン中]
85黄緑 ◆/06cFHuang :03/04/25 22:03
林冲 出ます。コピペして使ってください。

豹子頭だけで「張飛」を指すというのは知りませんでしたね。なるほど。それを、
ご丁寧に一文字ずつ訳するから意味が変わってきてしまうんですか。
>>81
でも、そういうなら朱仝も美髯公、つまり関羽だぜ。
対応が1対1ではないよな。
朱仝に対応する関羽役もいるのかな? 
8786:03/04/26 20:33
>朱仝に対応する関羽役もいるのかな?

違った、「朱仝と対になる張飛役もいるのかな?」だった。
88黄緑 ◆/06cFHuang :03/04/26 20:55
>>86
それも気にはなりました。
張飛の対応は朱仝とセットの雷横でしょうか。

それと。順位と人物像なんですが。
三国志の登場人物を2分割していると勝手に想像。
劉備…宋江(おっちょこちょいなぼんやり君主)
   盧俊義(劉備の「劉」の名門としての位置付け)
諸葛亮…呉用(軍師としての面)
    公孫勝(神がかり的な面)
と。三国志演義の人物まんまではなく、その持っていた役割を分割というか分担を
しているのでは、と考えました。あくまで私の妄想の域を出ませんが。

それと、水滸伝の大本「大宋宣和遺事」に出てくる好漢36名の中の「関羽キャラ=関勝」と
民間伝承の物語から取り込まれた中に居る「関羽キャラ=朱仝」というこれも役割の分担ということが
考えられます。
89黄緑 ◆/06cFHuang :03/04/26 20:57
そうか、林冲といえば棒術なのになんで五虎将なんだろうと思っていましたが、
なるほど納得。


限りなく独り言に近い書き込みスマソ
呉用ってさ、いつも手遅れになったあとに才人ぶりを発揮するよね。
演義の孔明にはとても及ばないような。
正史の孔明に近いんだったりしてw
林冲の獲物は蛇矛だし、
対祝家荘戦で扈三娘との戦いで「小張飛」と名乗っていた気が。
ただ、張飛や悟空的な憎めない暴れ者のイメージは、
李逵あたりに受け継がれていったけど。
林冲って最初に近い見せ場が野猪林だよね。
絡むのが、そこまで存分に張飛キャラぶりを発揮している魯智深。
その対比もあって、林冲が張飛ってのはあまりピンとこないんだろうね。
京劇「野猪林」でも、魯智深が張飛ばりの豪傑風隈取り、
林冲は二枚目風だった気がする…。
94黄緑 ◆/06cFHuang :03/05/01 09:44
先日入手した水滸伝のあだ名についての本によると、豹子頭についての説が3つありました。
(1)張飛を指す。
「三国志平話」の張飛の「豹頭環眼、燕顎虎須」から。(>>81のほうが詳しい)
(2)旧俗による
雑劇に燕子頭、鶴児頭、猪子頭、蛤子頭などなど見られ、豹子頭もここからきている。
(3)武勇から
「頭」をヘッドではなく、「トップ」と訳すと分かりやすい。つまり、豹=武芸に秀でている
者、そのなかでもトップクラスである、というもの
これらの複合条件から「豹子頭」というあだ名が成立してると思えば、「豹のような頭の形」という
字面だけの訳・解釈がいかに単純かつ「翻訳としての不足」があるかが伺えました。

>>93
張飛のお酒を飲んで大暴れキャラは李逵や魯智深達に譲られていますね。この魯智深
のあだ名「花和尚」の「花」も、入れ墨を意味するとか仮を意味するとか花を身に
まとっていたとか(そういう挿絵もある)諸説があるようです。そういった、豪傑像
から京劇でも豪傑隈取が魯智深に与えられているようです。
95黄緑 ◆/06cFHuang :03/05/03 00:54
>>81-84各位

コッチにも入れておきました。追加などあればご随意に。
http://hobby.2ch.net/test/read.cgi/warhis/1041327354/l50
>>95

直接的には
http://hobby.2ch.net/test/read.cgi/warhis/1041327354/294
ですね。
l50だと、今はあのスレの240前後の荒れ気味部分が最初に
出てきてちょっと吃驚しました……が、スレタイの割には
基本的には結構まともな議論スレのようで時間がある時に
ゆっくり読んでみたいと思います。
取り急ぎ、スレ違いスマソ。
>>94
お酒を飲んで大暴れと表現するとある意味では武松も
そうなんだけれど、彼は張飛的ではないよね。
武松タイプは三国・西遊記の主要人物ではピンとくる
人がいないような気がするんだけど、誰かいるかな?
公孫勝はホウ統と被ってるような気がしれり。
呉用が出て来ても作戦が成功するかどうかわからないけど、
公孫勝が出てくればたいてい成功。
てことは[广龍]統より優秀な奴と比較せんと。
100黄緑 ◆/06cFHuang :03/05/10 00:15
水滸伝の操刀鬼曹正

肉をさばく技術が突出しているので「操刀鬼」なんですが、曹操が使者を迎える際に
代役を立てて自らはその横で刀を持ってはべっている、という故事から、替え玉のことを
「曹操捉刀」といったりもします。ここから、水滸伝成立時に「曹」の苗字をつけた
と考えられています。
(替え玉をした曹操と曹正、ともに背が低い)

と、こんな様に細かいところでも水滸伝は三国志演義の影響を受けているようです。
ところで、その三国志演義も他の小説の影響はあるんでしょうが、その辺がよく分かりません。
「花関索伝」の影響がありそうなのは分かるんですが。
>>100
三国志演義よりも三国志平話に他の小説(あるいはその原型となった説話)
の影響が多そう、というのは素人考えでしょうか。
>>100
>水滸伝は三国志演義の影響を受けているようです。
「影響を受けている」ということの前提として、
「三国志演義のほうが水滸伝よりも成立がかなり早く、しかも他の作品に影響を与えるほど膾炙していた」
ということが必要だが、少なくとも「水滸伝」と「三国志演義」の成立自体はそう
離れてはいないはず(明の嘉靖年間)。
それに水滸伝(三国志演義もだが)は元々小説(現代で言う)の形として登場したものじゃなく
講談や戯曲・説話の形で存在したものをまとめたものだから−もちろんその過程で取捨選択や推敲はされている
従って >>101 の言うことのほうが説得力があると思われ。

別に題材とされている時代に前後があるからといって、それに取材した
作品も同じ順番にできた訳じゃないんだよな、当然だけど。
それに有名古典作品の周辺には、そこまで有名ではない古典作品、
準古典作品から、古典にはならなかったけれど同時代には広く知られた
有名作品、一般には有名ではないけれど作品制作者には大きな影響を
与えた作品、果ては駄作だけれどある作者は大きくインスピレーションを
うけた作品とか、潜在意識にはたらきかけていた伝承・伝説などの無名作品
まで、いろいろな作品が存在していたとも一般的には考え得るわけで……。
ま、それを言い出したら際限がないから、さしあたっては「影響」のような
方向を持った言葉ではなく、「共通性」「関連」といった方向を持たない
言葉で括っておくのがいいのかもね。
104黄緑 ◆/06cFHuang :03/05/20 23:33
納得。

水滸伝←【影響】←三国志 これは関勝、呉用、楊雄のあだ名などに見られる

水滸伝←【関連】→三国志、他同時代のいろいろな作品

こうですね。
105山崎渉:03/05/22 02:01
━―━―━―━―━―━―━―━―━[JR山崎駅(^^)]━―━―━―━―━―━―━―━―━―
>>104
その「三国志」が、どの時期の三国志説話なのかが問題かと。

それを細かく議論するには、平話や大宋宣和遺事、あるいは
もっと前の民間説話に遡って比較していかないといけないわけだけど、
さしあたり三国志ネタについて、演義・平話以前のもので正史
ではなく民間説話で残っているものって、何見れば読めるかな? 
今更のように気づいた。
>>58
>大唐西遊記
大唐西遊記
玄奘三蔵が書いた旅行記。

ではないの?
107の「?」ってなに?
109あぼーん:あぼーん
あぼーん
>>108
大唐西遊記と大唐西域記の違いって何?
111黄緑 ◆/06cFHuang :03/06/03 23:42
西域記は初唐の玄奘がインドに修行に行ったときの見聞録です。これが後に
多くの人の手により想像が付加されて、語り物から読み物として変化・成立したのが
西遊記です。
まあ、平たく言えば「正史三国志」と「三国志演義」の関係だと思ってください。

大唐をつけるのは西域記のほうですね。
保全してみる
>>111
検索してみると「大唐西遊記」でもヒットする作品がありますよ…
http://websearch.yahoo.co.jp/bin/query?p=%c2%e7%c5%e2%c0%be%cd%b7%b5%ad&hc=0&hs=0
もちろん「大唐西域記」でヒットする方が多いのですが、
「大唐西域記」と「大唐西遊記」を一緒に入れるとヒットするのがない、
ってことで「別名」なのか「別作品」なのかの確証が…
114無名武将@お腹せっぷく:03/06/13 21:30
ついにどん尻まで下がってしまったので保守あげ
115黄緑 ◆/06cFHuang :03/06/13 22:04
どん尻記念カキコしようと思ってたんですが、先を越されたようです。

まいった。
116114=水滸伝スレの92:03/06/14 15:56
>>115
水滸伝スレでの仇(?)をこのスレで、ってところですかね。やった!
117黄緑 ◆/06cFHuang :03/06/15 08:36
>>116
見事です。では、敗者が勇者をたたえる言葉をお贈りします。


ぎゃふん。
118ぷらっと ◆NrzNAFPLAQ :03/06/16 22:49
そろそろ本編に戻りませんか。
安道全について知りたい。彼のモデルは誰なのかを。華佗以外で。
張角だったり。
120黄緑 ◆/06cFHuang :03/06/19 22:14
安道全
神医…高名な医者の尊称であって、安道全のあだなだけではありません。華佗以外にも
広く使われていたようです。この言葉、古くは列子にも見られます。
苗字の安…黄帝の子孫が北西に移って「安息」という国を興したのが苗字の由来とされ、
シルクロード〜西域にゆかりのある苗字と言われます。

水滸伝では安道全を「太医」とも呼んでいます。太医とは、皇帝(とその家族)の専属の
医者のことで、宋は太医局を設置、皇族と政府高官の治療を担当しました。ここから、
民間では神医と同様高名な医者の尊称としてこれを用いています。実際には安道全は
皇族ドクターとしての太医ではありません。
>>120
若干スレずれ気味ですが…
現代の中国語、特に北方で「医者」のことを「大夫」(dai4fu)というのは
「太医」が訛っていったからですかねぇ?
122テwテモヨ?ポリY:03/06/24 18:03
必ずしもモデルがあるとは限らないのでは・・・
108人の異能の集団。とりあえず、凄腕の医者は入れちゃいますよね?
>>122
そりゃそうだけど、三国・水滸・西遊のそれぞれの
登場人物造形が相互に関連している、っていう仮定が
このスレの議論の前提なわけで。
124無名武将@お腹せっぷく:03/07/09 12:45
age
保守
126山崎 渉:03/07/15 12:27

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄
沙悟浄のキャラって微妙な気がする。
128get
129無名武将@お腹せっぷく:03/08/07 12:04
129get
>>128-129
せめて沙悟浄についてコメントしてくれお…。
沙悟浄の微妙さについては過去ログを読んでもらった方が早い。
>>131
このスレの範囲ではそれほどの議論がないお。
他スレの過去ログのことをいってるなら、どのスレの
ことかちゃんと示してくれお。
133あぼーん:あぼーん
あぼーん
134無名武将@お腹せっぷく:03/08/24 23:40
黒チビage
>実際には安道全は
皇族ドクターとしての太医ではありません。

おや?安道全は『水滸伝』の後半、方蝋攻めの時に
太医に任じられて都に止まっているのでは?
まぁ、それ以前から「太医」と称されていたような気もしますが。

安氏といえば、安史の乱を起こした安禄山が連想されますね。
関係があるのかなぁ。
安道全はなんで安全道ではないのですか?
>>135
>まぁ、それ以前から「太医」と称されていたような気もしますが。
>>120より抜粋
>水滸伝では安道全を「太医」とも呼んでいます。

>>136
君の名前は?その由来は?で、なんで君の名前は安全道ではないの?

>>135
そういえば、安禄山も西洋人のような風貌だったよな。
異民族系統でなにかつながりあるのかも知れんね。
>>136
李きが張大胆でないのと同じ理由ですよ
>>139
君の名前はよくかわってるけどね
141無名武将@お腹せっぷく:03/09/24 11:41
CCTV大富
水滸伝の次は三国演義ってこと?
142無名武将@お腹せっぷく:03/09/30 01:25
>138
どっちも所謂胡人じゃなかった?
ウイグル人とか、当時で言うなら西夏王朝とか、そこら辺では?
143無名武将@お腹せっぷく:03/09/30 10:17
孫悟空と武松がルーツ同じと聞いたことがある。理由はこんなかんじだった。

1、五行山から助け出された悟空は、玄奘から『孫行者』と暫くの間言われてた。
行者は武松の代表的な渾名。

2、虎にまつわる説話。悟空は如意棒で倒した虎の腰巻きを着用し、武松は
景陽岡で酒に酔って虎殺し。

3、容姿の類似点。両者とも行者の姿とされているが、とくに頭にはめた金輪
は特徴的な共通点。
安録山はソグド人
145143:03/09/30 13:02
水滸伝は特にいろんな作品のオマージュ的要素がちりばめられている。
ルーツを分けたらこんな感じ?

『三国志演義』
・呉用:渾名は智多星。作中で加亮(亮に勝る)先生と名乗る。孔明へのアンチテーゼ?
・関勝:渾名は大刀。「関羽もどき」の本家?実は北宋の頃、蒲東に実在した関羽の子孫。
・朱仝:渾名は美髯侯。関羽その2。関羽のスマートな部分担当?
・林冲:渾名は豹子頭。小張飛。「豹頭環眼、燕顎虎須」(燕のおとがい虎のヒゲ云々)etc
・楊雄:渾名は病関索。明〜清初期に関索の説話が民間で流行したのが走りとか。
・呂方:渾名は小温侯。温侯は後漢末の呂布の緯名。赤い鎧に方天画戟に赤兎馬に乗る。
・孔明:渾名は毛頭星。なんか名前あやしくない?(w 諸葛亮の字。
・孔亮:渾名は独火星。なんか名前あやしくない?(w 諸葛亮の名前。
・曹正:渾名は操刀鬼。>>100曹操か〜なるほど。

『西遊記』
・武松:渾名は行者。孫悟空との類似点は上の通り。
・樊瑞:渾名は混世魔王。孫悟空に倒された混世魔王に関連。
・項充:渾名は八臂ナタ。悟空に敗れた方のナタ三太子がモデル?
・李袞:渾名は飛天大聖。悟空の取り巻きにいた魔王の一人の渾名。
146143:03/09/30 13:03
『説唐演義』
・孫立:渾名は病尉遅。隋末唐初の名将尉遅恭がモデル。鞭を得物にする。
・孫新:渾名は小尉遅。兄ちゃんの二番煎じ。
・郭盛:渾名は賽仁貴。唐初・中期の名将薛仁貴がモデル。白い鎧に白い馬。呂方と対。

『楊家将演義』
・楊志:対西夏戦の抗将・楊継業の子孫の設定。楊家将の子孫は不幸な奴らが多い…

その他
・花栄:渾名は小李広。後漢の名将で弓の名手李広がモデル。
・呼延灼:渾名は双鞭。宋初の功臣呼延賛の子孫。
・ホウ万春:渾名は小養由基。春秋時代の著名な弓の達人養由基がモデルらしい。
・包道乙:渾名は霊応天師。モデルは宋北末の方腦に乱に従った仇道人という実在の人物。
・鄭彪:渾名は鄭魔君。モデルは宋北末の方腦に乱に従った鄭魔王という実在の人物。

ほかなんか気付いたらカキコします。
147無名武将@お腹せっぷく:03/10/03 23:22
>>146
うむむ、話についていくには読むべき作品が多数……逝ってくる……。
西遊記の妖怪の登場する順番って何か意味があるって聞いたけど
詳しい人いますか?
楊雄の死に様、背中にこぶって、曹真が諸葛亮に敗れて病を得たときと同じかなあ。
それとも、背中にこぶが出来る病気って結構あるのかな。
150無名武将@お腹せっぷく:03/10/08 20:52
中野美智子さんだっけ?
閑勝って実在の人物?


・・・んなこたあないか。
閑羽の一族はホー徳の息子に皆殺しにされたしな。
152無名武将@お腹せっぷく:03/10/08 22:57
大刀の関勝は実在したらしい。

関羽の一族と自称したかはどうかは知らないが。
>>152
なるほど。ありがとう。

確か風貌は徐寧の方が閑羽に似てるんだよな。
朱仝の間違いか?
宋江・朱仝・雷横は劉備・関羽・張飛と重なる感じ
実は雷横は外見がそれほど張飛に似ているわけではない。むしろ林沖のほうが似ているのだが
林沖は性格的に粗野な暴れん坊ではなかったのと、
雷横の隣にちび関羽の朱仝がいたもんだから、張飛的な役を振られてしまった。
水滸伝の天コウ星36人のほとんどが実在の人物名から。ただし、このなかに
入るべき孫立が地サツ星になってるのが不思議。
あとは楊雄、実在の人物が王雄(あだ名は病楊雄?)らしい??
そしてこの孫立と楊雄のあだ名に共通するのが「病」。
おおまかに、
1、顔色が黄色い
2、準ずる(花栄のあだ名「小李広」の「小」、郭盛の「賽仁貴」の「賽」と
同じような使い方。)
こんな意味。
混同されたのかな?謎だ。
158無名武将@お腹せっぷく:03/10/18 22:38
>>157
大宋宣和遺事では盧俊義が李進義だったりするから、元々は文字より口頭で伝えられるから
そういうこともあるだろう。次は違うが音は似ている(中国での読みでも) >楊雄と王雄。



ちゃんと調べてないけど、学研漢和大辞典の都市名変遷表によると
東晋くらいまでの開封の名前が「俊儀」県になってる。字違うし関係ないか?