荊州四英欠の一人韓玄を初めとして、あまたの名将・知将(迷将・痴将)の活躍が続く
三國志リプレイスレ。今日も群雄達の奮闘は続く・・・
密偵「韓玄様!敵軍は
>>2-3に過去スレ、関連スレを伏せているようです!」
韓玄「行け!突撃じゃ!!」
諸将「伏兵がいるってのに・・・」
過去スレ・関連スレ「ここが韓玄の墓場だ!」
韓玄「ワシの志はここで果てるのか・・・」
諸将「あんたが突撃するからだ!」
4 :
無名武将@お腹せっぷく:02/09/29 02:36
お疲れ様です
スレ立てお疲れ様です。
6 :
無名武将@お腹せっぷく:02/09/29 11:32
関連スレに無理矢理マルチプレーがないのはなぜ?
>>6 マルチプレイスレはなりきりの進化系だからじゃない?
>>6 呂公も「マルチプレイもど記」って言ってるし。
ま、別にここに載ってようがいまいが、別にいいんじゃない?
あっちはあっちで、呂公がハイペースで進めておもしろいし。
新スレお疲れ様です
しかしリプレイを行うのに必要なモノは、高い文章力、まとまった時間
そして気合!だと思います
まあ、私は最初の高い文(以下略)は全くありませんでしたが・・・・・(;´Д`)
>>9 文才はなくてもいいと思うよ。書く気があればある程度はなんとかなる!
無粋ながら六代目韓玄殿こと朱儁殿。
切れ者呂布スレの職人をやっておられるのは
貴公ではありませんか?
呂布のリプレイ記ってあったっけ?
>>13 お、そんなスレがあったのか。
ありがと、ゆっくり読んでみる。
ご無沙汰しております。新スレ立てお疲れさまです。
この2ヶ月間、公務ばかりに忙殺されておりました
(私的な時間は皆無というわけではないのですが)。
>>11 ええと、私はその中に加わっておりません。
>>1殿
スレ建てお疲れ様です。
それでは始めさせて頂きます。
『PS2版三国志7 シナリオ3 張魯 上級』
のリプレイです。
自分ルールは以下の二つ。
・斬首禁止
・落雷、仙術禁止
劉g内政フェチリプレイのような更新スピードは無理だと思いますが、
どうか生暖かく最後まで見守って下さいまし。
なお、名前を「二代目劉g」から「語り部」に変更します。
―鬼道志演義ー
『大いなる野望を持った男がいた。
名を劉焉と言った。
劉焉は朝廷に働きかけ、「牧」という官職を創らせると、自らは益州の牧と
なった。
そして、宗教勢力五斗米道に積極的に支援をし、漢中に置いて益州と中央と
の連絡を遮断させ、独立は図った。
結果的にこれは成功した。
益州は半ば独立した国となり、米道も漢中を中心に着実に信者を増やした。
しかし、益州と米道との蜜月は長く続くことは無かった。
米道の師君(注1)張魯の母は、年齢を重ねても外見は少女のようであった。
屋敷を成都に構え、劉焉と深い関係であったとされている。
しかし、劉焉の息子劉璋は米道を忌み嫌っていた。
劉焉が死に、跡を継ぐと張魯の母とその屋敷にいた一族、益州中の米信徒を
処刑、弾圧し、そのまま漢中に兵を向けた。
漢中は元々非常に守るに易い土地である。
官軍との戦いに備えてあった米道軍にとって、突如の侵攻だったとはいえ、
益州の軍勢を追い払う程度は造作も無いことであった。
そしてそのまま、漢中の諸県を接収することもまた、漢中の民のほとんどが
米道信者となっていた状況では、非常に簡単であった。
以降、米道はさらに武装を強化していく。
黄巾という、良い見本があることは大きかった。
大司祭閻圃、祭酒長楊松は中央から学者を招き、黄巾を研究させ、良部分は
積極的に取り入れた。
張魯を神格化することも忘れない。
本読(注2)を執り行うのも閻圃に代わるなど、一般の信者の前には滅多に姿
を見せなくした。
兵に志願した者、物資を献上した者などにのみ姿を見せ、呪(まじない)をす
るためである。
漢中、もはやそこに在るのは黄巾のような『反乱軍』ではなく、『国』であ
った。
強烈な信仰心によって支えられた国家である。
見た目以上の国力を有していた。
そう、それこそ「群雄」並に。』
ほうほう、なるほどなるほど。
講談を書に纏めていると。
『私』に「歴史」を語って欲しいと。
良きかな、良きかな。
『私』ほど上手くあの時代を語れるものはおらぬじゃろうて。
何?
長くなるのか?
じゃと?
気にしてはいかんぞ。
「歴史」を語るに時間は無限。
聞くは一瞬、理解る(わかる)は死ぬまで――――
何を言っているかわからんじゃと?
まあ、気にせぬがよいぞ……。
さて、では語るとしよう。
うむ、主の書いているところ辺りだと百九十四年頃じゃな。
「〜続く〜」
「注」の説明忘れてました^^;
注1「師君」:教祖のこと
注2「本読」:米道の本部の執り行う、正式な読経のための儀式。
一日に朝夕の二回行われた。
これに参加する信者は数百人ずつ毎回代わる。
すげえ…「本読」(ほんどく?)なんて全く知らなかった。
二代目劉g様こと語り部様のリプレイ見て、一時張魯リプレイやってみようかと思った
自分が恥ずかしくなったよ…
前作もすごく面白かったけど、今回も大いに期待sage
北方三国志みたい
>>21 米道に関しては私も正史以上の事は知らなかったのですが、ネット巡って資料
探しました。
怪しげーな中国語のサイトも日中翻訳使ってチェックしてみたり・・・・
米道は今でもあって、張魯の子孫さんが台湾にいらっしゃるそうです。
「本読(何て読むんでしょうか^^;)」は今でも行ってるらしいですよ。
なお、リプレイ中の米道は、話の都合上私が創ってる部分が多いです。
米道以外の宗教ネタも入れていく予定ですし(^^;
一応役職の説明しときます。
「師君:教祖」「司祭:参謀」「大司祭:参謀長(軍師)」
「祭酒:内政官」「方士:武官、将軍」「大方士:司令官、軍団長」
「道士:学者、儀式の補佐も兼ねる」「侍女:巫女、(実際はほとんどが
教祖や幹部の側室、愛人代わりだったらしいです(ーー;」
こんな感じです。
何となく覚えておいてくださいまし^^;
(ちなみにこの役職も「本物」では無く、あくまで「リプレイ内」の話と
いうことで・・・・。まさか現代に米道が残ってるなんぞ思わなかったので。
なーんかやっぱし色々まずい可能性もありますし、「宗教」だし・・・
まあ、光栄が訴えられてないなら全然セーフなんでしょう・・・)
上の書き込みは私です、失礼^^;
>>22 北方三国志ですか^^;
あれは張衛が何故かそこそこカッコ良く書かれてますねえ・・・
個人的には北方張衛は袁琳タンに手を出してるので却下ですが。
まあそれはともかくとして、北方三国志は、北方謙三氏曰く「正史基準」
なので、「ところどころ」史実が混ざってます。
劉焉が米道を漢中に置いたことや、張魯の母との深い関係、劉璋が張魯母や
一族、益州内の信者を惨殺した事などは史実みたいです。
最終的に、張魯は曹操に降伏することになるのですが、極めて幸いなことに
曹操は宗教にかなり慣用なので米道の存続は許されます。
それどころか、撤退するときに米倉を焼かなかったことを評価され、
張魯と閻圃には爵位まで与えれられてます。
現教祖さんが何故台湾にいるかまでは調べがおよびませんでした。
リプレイの続きですが、明日の深夜(24時過ぎると思います)に載せる事が
できそうです。
またーりお待ちくださいませ。
>>25 三 国 志 プ レ イ 日 記 そ の 3
を立てりゃいいんだよアフォは(・∀・)カエレ
なるほど!
だがこのまま沈黙が続けば本家であるこちらが滅亡してしまう罠。
誰かはじめろ。
今更、劉封はつまらないだろうし…。
>>28なんかリクエストしてみたら?
こいつでこんなプレイして欲しいって。
わしはへたれプレイヤーなんで、ハイレベルなものは無理だけど。
30 :
無名武将@お腹せっぷく:02/10/08 22:45
いったんあげ
じゃあリクエスト。
事あるごとに吐血する周瑜リプレイ。
PS2三国志8で一番遅いシナリオにて94歳の廖化プレイ。
どこまで生きれるか(w
>>31 それはどんなハンデでしょうか…。
>>32 PS2三国志8は持ってないです…。
だいぶ間があきましたが、久しぶり、そして新スレおめでとうございます。
>32
私は98歳で終りました。ちなみに戦争はなし。
続き
劉備の要望に応え、永安から出陣し、江州を占領した魏延。
続けざまに、法正等と共に成都をする為、出陣した。
そして、劉備対劉ショウ最大の激戦が繰り広げられる・・・。
魏延「むう、流石は劉ショウ軍の居城成都。なかなか攻めこめぬ・・・。」
法正「魏延殿。先陣のそなたがそのような事を申せば全軍の士気に・・・」
兵卒「申し上げます!劉ショウ軍全軍の8割を率い、突撃して参ります!」
魏延「くっ・・・。味方は敵より少ないと言うのに・・・。よし、それがしが出る!!」
法正「し、しかし魏延殿!敵に突撃すればそなたが危ないぞ!」
魏延「法正殿!!総大将たる貴殿がそのような態度でどうします!かつての班超
も虎穴に入らずんば虎子を得ずと言っております。ここはそれがしに任されたい!!」
法正「あっ!魏延殿!!」
魏延は前線の廖化・張翼を救うため、突撃を開始した。
続く
35 :
無名武将@お腹せっぷく:02/10/13 18:36
誰か劉度か趙ハンで旗揚しる
いくらかリクエストが挙がっておりますが、その中で
>>35にて言及されている趙範でもやってみようかな、と思っています。
またもやWin版の7で。
公務と私事のはざまで細々と書くことになるかもしれませんが。
>>36 はう。私も趙範やり始めた所ですがかぶってしまいましたw
六代目韓玄殿では勝ち目がなさそう…
六代目韓玄殿の露払いの意味を込めてやってみますか。
で、拙作でお目を汚した後は、六代目殿の名リプレイを堪能していただくとしてw
では、賈[言羽]にお尻を叩かれる張繍をリクエスト
ってもう遅いか…
趙範楽しみにしとります。
>>39 やっぱり問答無用で曹操に喧嘩を売らないといけないんでしょうなあ。
シナリオ6 臥竜飛翔し赤壁に長江燃ゆ
趙範 年齢36
戦闘43 知力36 政治58 魅力56
面白くないようでしたら途中で撤退しますのでご安心を。
207年7月 桂陽
「今年の実りは平年通りか」
楼台から望む桂陽の地は、お世辞にも肥沃とは言い難かった。
桂陽は孫家が有する南海に位置し、いつ戦争が起きてもおかしくない最前線にある。
「もう少し実り豊かなものにしたいものだが……それも叶わぬな」
最前線にあるが故、桂陽の方針は治政ではなく、軍備にあった。
駐留する武将も自分を除くとみな武官である。太守の任を帯びている身ではあるが
部下たちの自分を見る目は冷たい。戦闘では役に立たないからだ。
「劉表様……」
何もかも華やかな襄陽が懐かしかった。
「襄陽が恋しいですか」
振り向くと鮑隆が報告書を持って立っていた。
鮑隆「年末に刑道栄殿と劉賢殿が赴任してくるそうです」
「孫権が桂陽を攻めると?」
鮑隆「そのような情報は得ていませんが、防備を盤石にしたいのでしょう」
「永安への備えは良いのか?」
鮑隆「さあ。劉表様が考えられたことでしょうから、俺にはわかりませんね」
「……わかった。では、2将の受け入れ準備を」
鮑隆は一礼をして去っていく。
「劉表様の考えとは思えないのだが……」
呉巨「太守殿! 太守殿は何処に?」
遠くから呉巨の大声が響く。己の腕っ節を鼻にかける嫌なやつだ。
「だからといって合わぬ訳にもいかぬか」
桂陽の刻は静かに過ぎていった。
208年5月 桂陽
劉賢「太守様、お聞きになられましたか?」
執務室に若者が入ってきた。武陵の太守、劉度殿の子息の劉賢だ。
まだ若い知勇に目を見張るものがあると聞く。
「いかがした?」
劉賢「ホウ統と申す者が新しく軍師になられたそうです」
「……初めて聞く名だな」
劉表様を補佐していたのはカイ良殿だった。老齢とはいえ、衰えをみせずに
いると聞いていたが、ホウ統なる者はカイ良殿を凌ぐ切れ者なのか。
劉賢「劉表様が見いだして抜擢したと聞きます。なかなかの知恵者だそうです」
新参者が荊州の舵取りを行うことに対し、不満に思う者もいるだろう。不覚にも
自分の心にもトゲが刺さったような感覚がある。
「一度、新しい軍師殿にあいさつをしておこうかな」
劉賢「あまり目立たぬ行動はされない方が良いと思います。
蔡瑁殿から目を付けられるとあとあと難儀では」
劉賢の言葉にも一理ある。しかし、自分の目でどのような人物か見てみたい。
心のトゲを抜き取るためにも。
「いつも通り、練兵を頼む」
劉賢を執務室に残し、旅支度をすることにした。
「久しぶりの襄陽……」
行き交う人でにぎわう襄陽の繁華街。道の真ん中に立っていると、左右を大勢
の人が通り過ぎる。雑踏を眺めながら昔を思い出していた。
「楽毅殿の故事に習われておられるか?」
想いをかき消す不意の声を耳にし、振り返った。いつの間にか赤ら顔の男が立っ
ている。
「趙範殿ですな?」
うなずくと男は酒屋へ向かって歩き出す。
男は空いていた席に座ると、正面の席を指し示した。
「手紙は拝見しました。私がホウ統です」
新しい軍師。自分よりは若いようだ。カイ良殿から見ると青二才にしか過ぎな
いだろう。
ホウ統「趙範殿も私の軍師就任を疎ましく思うお一人かな?」
「……それを確かめるためお会いしようと思った」
ホウ統「素直な方だ。で、会ってみた私の感想は?」
「残念ながら私は人相見なるものを知らない。拝顔しただけでは、あなたが趙
高なのか張良なのか判断しかねる」
赤ら顔の男は笑みを浮かべ、運ばれた杯を一気に飲み干した。
ホウ統「まあ、呑みましょう。話はそれからです」
おお、
>>37さんも趙範リプレイですね。
早速のうぷ、お疲れさまです。展開を楽しみにしております。
私はというとまだ殆ど進んでいないので、今すぐにはうぷできない
模様。しばしお待ちを。。。(汗
保守。
私は37さんの趙範リプレイの進行を妨げないよう、
コソーリと書き溜めしておきます。
48 :
無名武将@お腹せっぷく:02/10/17 16:33
6代目殿に代わって保守あげ
49 :
無名武将@お腹せっぷく:02/10/17 18:51
i-mode三国志やってて韓玄軍団(傭兵団)に属してたんだけど、
ついに念願の旗揚げに成功。ま、都市は楽浪だけど。
そしたら隣接する勢力は公孫度の陣営。
そこの軍団のひとつがなぜか韓玄の永遠のライバル金旋の軍団だったんだよ
すわっ!「韓玄VS金旋の夢の対決」なるか、
と思いきや、攻めてきたのは韓玄じゃなくて公孫康の軍団。
そこでほろぼされて傭兵団に逆戻り中
208年7月 桂陽
劉賢「それで、新しい軍師殿はどのような御仁でしたか?」
桂陽の執務室。目の前には劉賢が立っている。
目を閉じてあの夜のことを思い出してみた。ホウ統の口から出てくる言葉、考
え、何もかもが斬新で驚きの連続だった。あのような男がまだいるとは世は広い
とつくづく感じたものだ。
「劉表様の慧眼には恐れ入るしかない。
あれほどの人物は、孫権どころか曹操の元にもいないのではないか」
劉賢「それほどの大人物ですか」
若い劉賢は素直な驚きをみせている。劉賢が続けて何かを言おうとした時、鮑
隆が駆け込んできた。
鮑隆「劉表様が亡くなられましたぞ」
「なんだと!」
劉表様が亡くなられたのは7月に入ってすぐのことだった。
ホウ統殿を訪ねたとき、顔を出しておくべきだったか……。
襄陽ではすぐに後継者選びが行われ、劉キ様、黄祖殿、蔡瑁の中から蔡瑁が選
ばれた。おそらくホウ統殿の抜擢を面白くなく思っている重臣の支持を得たのだ
ろう。
「……ホウ統殿を推挙したのは蔡瑁なのか?」
ひとつの疑問がわいてきた。
劉賢「何かおっしゃいましたか?」
「いや、何も。劉表様の訃報で住民たちは動揺してるかもしれぬな。
巡回に行く。劉賢、供をせよ」
劉賢「ひどいものですね。劉表様が亡くなられたばかりなのに、このような災害
が荊州を襲うなんて」
巡回中、劉賢が辺りを見回してつぶやいた。
劉表様が亡くなったとの報告を受けた直後、疫病発生と一報を聞いた。
見渡すと道端に多くの死体が倒れている。助けを求める途中、力尽きたのだろう。
これでは劉表様が亡くなられたとはいえ、それどころではあるまい。
劉賢「……蔡瑁殿が不忠を成したために起きた災害との噂もありますが」
「あくまでも噂であろう」
自分も聞いたことがある。中には蔡瑁が劉表様に毒を盛り、殺害したという物
騒な話もあるほどだ。
城へ戻ると鮑隆が待っていた。
鮑隆「噂を流していた男を捕まえました。しかし太守殿の言う通り、ノコノコと昼間
から城内へ入ってくるとは思いませんでしたぞ」
「執務室へ。私が話を聞く」
諸葛亮孔明との出会いだった。
208年7月 桂陽
「あなたが諸葛亮殿か。ホウ統殿から話を聞いている」
私の言葉に、目の前の若者の表情が和らいだ。
諸葛亮「なるほど。ホウ君の言っていたのはあなたのことだったか。
まさか、こんなにも早く拘束されるとは思っていなかったからな」
若い。ホウ統も若かったが、この男はさらに若い。
諸葛亮「で、あなたはいつまでここにいるのか」
「……どういう意味だ?」
諸葛亮「蔡瑁の上に天はない。劉表殿亡き後、荊州南部を襲った疫病をみれば
明らかだ。それでもあなたは蔡瑁に従おうと言うのか。……何がおかしい」
いつの間にか自分は笑っていたようだ。
なるほど。若者らしいまっすぐな性根の持ち主らしい。
「しかし話に聞く伏龍とは大違いだな。世をはかなんで隠匿生活を楽しんでいる
と思っていたが」
諸葛亮「降りかかる火の粉は払わねばならない。ましてあのような下郎に邪魔され
るなどもってのほかだ」
「で、君は私に何をさせたいのかね?」
諸葛亮「蔡一族を抹殺し、荊州を治めること。そして私に安息の地を提供することだ」
「すると君の安らぎのため、私は反乱者の汚名を着ることになるのかな?」
諸葛亮「蔡瑁が曲げた荊州を正すのだ。別に悪いことではなかろう」
「ふん。大義名分は立つとして、やはり私が君のために動く必要性が見あたらぬ」
諸葛亮「今はまだ若輩の身だが、やがて私の名は天下に轟くだろう。その私を助ける
のだ。あなたの名も青史に残る。悪い話ではないと思うが」
ホウ統から話を聞いていなかったら、
この男の言うことは気が触れているとしか思わなかっただろう。
諸葛亮「あなたはこのまま荊州の片田舎で終わっていいのか?
男子たるもの善しにつけ悪しきにつけ歴史に名前を残そうと思うはずだ」
確かに。歴史に名を刻むことは男子の本懐である。
10年前の自分も同じような野望を抱いていなかったか?
「しかし私は非才な身だ。そのようなたいそれたことはできぬ」
諸葛亮「私があなたの頭となろう。それで全て事足りる」
「ひとつ聞こう。なぜ私なのだ? もっと力のある太守も武将もこの広い荊州にいる
だろう」
諸葛亮「あなたはホウ君が劉表殿の軍師となったとき、まっさきに駆けつけた。
ほかの臣がだんまりを決め込む中だ」
このまま座して桂陽の太守でいてもいずれ失脚するか孫権軍に蹂躙されるだけだろう。
破天荒なこの若者の口車に乗ってみるのも面白い。
「君が晴耕雨読する所とは違って何もないが、ゆっくりしているがいい」
さて。劉賢はどこへいるかな……。
趙範は蔡瑁に反旗を翻し、独立勢力となった。
改行が・・・見にくい・・・
>>54 申し訳ない……。
やはり趙範の台詞も
趙範「の形がいいですかね?」
>>55 趙範さん
戯曲風に進めていく場合は、
趙範「○○」
諸葛亮「××」
のようにした方が良いと思います。
もっとも、私も韓玄リプレイをしていたときは途中で戯曲風から
小説風に切り換えており、偉そうなことはいえませんが。。。
独立後のさらなるご活躍、陰ながら見守りまする。
208年8月 桂陽
諸葛亮「誰もいなくなったな。
思ったほどあなたの人望が無かった……ということか」
趙範 「……今回の件は私と君のわがままだ。
乗り気しない者を無理に巻き込んでも上手くはいかないだろう」
諸葛亮「それはそうか。
しかし、人手は必要だ」
当たり前のことを言く。しかし、ここで言葉を返すのも大人げないと思い、うなずいた。
諸葛亮「襄陽に私の知人がいる。彼を連れてこよう」
視線で促した。どのような人物か、と。
諸葛亮「白眉と巷では言われている」
趙範 「……ほう。高名な馬良殿か」
正直、そのような有名人の名が出てくるとは思ってもいなかった。
ホウ統殿との関係といい、この男の交友関係は……。
私の心を読んだのか、目前の若者は笑みを浮かべている。
諸葛亮「近日中に連れてくる」
諸葛亮は言葉通り、5日後には桂陽へ戻ってきた。1人の若者を従えて。
馬良 「馬良にございます。今後は天下のため、貴殿に忠誠を尽くしましょう」
天下のためか……。
趙範 「馬良殿。私が決起した第一の理由は、劉表殿の仇を討つことだ。
主家をないがしろにする蔡一族の抹殺だ」
馬良 「巷に流れている噂ですな」
趙範 「私は噂と思ってはおらん」
馬良 「まあ、いいでしょう。
諸葛亮殿が重い腰を上げたのです。私も行く末を見たくなりました」
諸葛亮「さきほど早馬が到着したようですが」
諸葛亮が口を挟んできた。馬良がいるためか、多少言葉遣いが改まっている。
この男なりの気配りか。
趙範 「目ざといな。零陵の劉度殿が我らに同調するとの連絡だ」
反乱を起こすに当たって、劉度殿と金旋殿、韓玄殿に密書を送っていた。
その結果なのだが……金旋殿と韓玄殿の腰は重かったようだ。
諸葛亮「それは上出来。なかなかよい門出となりましたな。
ではその後の策を馬君にご教授願いましょう」
この男。人の能力を測ることを好むようだ。認めるのは、唯才なのか。
馬良 「僭越ながら。
未だに趙範様の勢力は脆弱にて2郡を支配する力はありますまい。
まずは桂陽に全ての物資、兵を移し、時を伺うべきかと」
諸葛亮「さすが」
兵力の集中。それぐらいは私にもわかる。
趙範 「そちの言う通りだな。劉度殿にはこちらへ向かうよう指示を出しておく」
今回から変更してみました。
今後も改行に気を付けます。
54じゃないが、セリフは改行しない方がいいんじゃない?
文全体で凸凹が激しすぎるように感じる。
208年9月 桂陽
劉度「ううむ。我が零陵もお世辞には豊かとはいえぬが……桂陽の荒れようはひどいな」
諸葛亮「どうせ一時的に手放す土地。あまり気になさらぬな」
劉度「……ふん。それでは民が困るではないか」
諸葛亮「民は生活が今以上悪くならない限り、上に立つ人間が誰であろうと関係ない。
それよりも劉度殿。あなたは兵の訓練をお願いしているはずだが」
劉度「ああ、やっている。ちと苦手だがな」
諸葛亮
私が執務室に入るとき、劉度殿とすれ違った。何かを眼で訴えている。
趙範「何かあったのか?劉度殿は苛ついていたようだが」
諸葛亮「何も。して、後ろの御仁は?」
魏延「魏延と申す。今後、趙範殿の世話になる」
諸葛亮「……無骨者ですな」
魏延「……何か言ったか? 若造」
趙範「やめい。今は同じ旗の下に集った同志だろう。魏延殿も大人げないではないか」
魏延「……かたじけない」
諸葛亮「しかし現段階では好都合。劉度殿は無能故、練兵が進んでおらぬ。
魏延殿にその力を発揮していただきましょう」
魏延「俺を試そうというつもりか? まあいい。俺が鍛えた兵がどのようなものか見せてやる」
諸葛亮「期待せずに待っています」
魏延は肩を怒らせ、執務室を後にした。
何やら先が思いやられる展開だ。己の能力を誇るが余り、無用な敵を作るのは賢明とはいえまい。
少し、この男の評価を見誤ったか……。
しかし一度はこの男を私の頭脳と決めたのだ。今更、後戻りはできまい。
せめて言葉遣いだけでも何とかさせねば。
諸葛亮「殿。先日お渡しした報告書は見ていただけたか?」
趙範「報告書? ああ。すでに彼らには手紙を送っている」
諸葛亮「それだけでは足りませぬ。殿自身で説得するべきです」
趙範「軍師殿がそう言うのなら、明日にでも出かけるとしよう」
諸葛亮「留守中は馬君に任せておけば問題はないかと」
趙範「君はどうするのかね?」
諸葛亮「零陵に沙摩柯と劉巴という傑物がいると聞きます。
彼らを私たちの陣営に引き込むため、足を運びましょう」
かえって他国へ走らせなければいいが……。いや、任せておけばいい。
そして失敗すれば責任を問うだけだ。
趙範「万事頼む。ああ、その前に、言っておくことがあった。君の言葉遣いなんだが……」
63 :
無名武将@お腹せっぷく:02/10/23 16:29
放置プレイをくらっているリプレイのあるスレは
こ こ で す か ?
209年8月 零陵
郭淮「大原の郭淮です。趙範様に忠義を誓います」
全軍を零陵に移動させて半年が過ぎた。その間、劉賢、沙摩柯、劉巴、金旋、馬忠、
トウ芝……そしてこの郭淮と人材が充実している。
趙範「曹操殿ではなく、私を選んだのは何故かね?」
郭淮「曹操様の勢力は華北を制し、大陸の大部分を手にしています。
私は自分の可能性を試したく、趙範様に仕えたいとするものです」
趙範「私の目標は、逆賊蔡瑁を討ち果たすこと。
いわば私怨で兵を挙げたのだが」
郭淮「大儀がある戦いになることでしょう。何も問題ありません」
趙範「わかった。活躍を期待している」
諸葛亮「あとは兵ですね。全軍合わせて4万弱では心もとありませんな」
馬良「残念ながら、大軍を養うだけの金や兵糧はございません」
トウ芝「加えて零陵、桂陽ともに荒れており、すぐに大軍を養う体制にはなりますまい」
魏延「だったら蔡瑁から奪えばいい」
目前で諸将が意見を出し合っている。活発な議論だ。
諸葛亮「魏延殿の発言が理にかなっている」
諸葛亮の発言に誰もが驚きの表情を浮かべた。皆、この男と魏延の仲の悪さを知っ
ているが故だ。
沙摩柯「敵から奪う。強者が一番、正しい」
劉巴「それが正しいかは別にして、現段階ではそれしか方法はないでしょう。
それがしも魏延殿の意見に賛成です」
趙範「旗揚げして1年が過ぎた。そろそろ行動を起こしても良いだろう。来月、武陵へ向けて出陣。
劉表様亡き後、荊州を我が物顔に専断する蔡瑁を討つ!軍師、陣容を」
諸葛亮「はい。総大将は殿、参軍は私が務めます。
先陣は魏延殿、2番手に郭淮殿、3番手……」
趙範「あれでよかったか?」
諸葛亮「上出来でしょう」
軍議のあとの執務室。私とこの男しかいない。ほかの者は出陣の準備に駆け回っているのだろう。
趙範「それにしてもどうして出陣先は武陵なのか? 長沙の方が人口も多く、豊かであろう」
諸葛亮「長沙の防備は堅く、寡兵で打ち破ることは困難。
また孫権の勢力と接しており、苦労して手に入れても奪われる可能性があります」
趙範「では放置するというのか?」
諸葛亮「まさか……。長沙の件は全て任せして欲しい」
趙範「……今は周りに誰もいないから不問に付すが、言葉遣いには気を付けるよう言っていたはずだが」
諸葛亮「申し訳ありません」
趙範「長沙の件は君に任せる」
諸葛亮「ははっ」
趙範「……孔明」
諸葛亮「はい?」
趙範「……勝てるだろうか。蔡瑁に」
諸葛亮「もちろん」
私としても武陵攻略は初陣だ。あとはこの男に任せ、私は出陣の準備を整えることにしよう。
こちらは寡兵。生きて帰れる保証はないのだから。
趙範殿、面白いリプレイ期待しておりますぞ。
あ、それから郭淮の出身地は「大原」ではなく「太原」ですね。
209年9月 武陵攻防戦
劉表様が亡くなられ、1年余を経過した。まぶたを閉じると劉表様の姿が浮かぶようだ。
落ち着いたら劉表様の墓を訪ねることにしよう。
まぶたを開くと、眼下には武陵の平野が続いていた。
諸葛亮「伝令によるといくつかの丘を越えた向こうに敵本陣があります」
趙範「そうか」
諸葛亮「……敵の総大将は蔡瑁のようで」
趙範「私はなんと運が良いのか。初戦にして劉表様の仇を討てるのだからな」
諸葛亮「軍議にしましょう。皆、待っております」
諸葛亮「……以上が敵の陣容です」
いずれの諸将の顔に緊張の色が見える。初陣を迎える若い将が多いのだ。
郭淮「敵軍は4万7000……我が軍5万7000より少ないな……」
魏延「だが江陵にも長沙にも8万を超える軍勢が駐留していたはずだ。
援軍は5万から下ということはあるまい」
諸葛亮「作戦は正面突破」
魏延「正気か! 正面突破など無謀すぎる! 敵の援軍に側面を突かれたら我が軍は壊滅ぞ!」
郭淮「なぜ正面突破なのか教えていただきたい」
諸葛亮「敵の総大将、蔡瑁を捕らえれば我が軍の勝ちとなるからだ」
魏延「そんなことはわかっている! もっと細かい説明を求めていると言っている!」
諸葛亮「細事は行軍していれば自ずと見えてくること。みなは私の指示で動けば良い」
劉賢「我が軍の総大将は趙範様ですぞ」
趙範「良い。軍師の言葉は私の言葉だ。軍師の作戦が時間との戦いである以上、もう時間を無駄に
はできまい。みな、進軍だ」
魏延「……御意に」
武陵の蔡瑁軍は精鋭揃いとはいえなかった。名の知れているのは司馬徽殿ぐらいだろう。
あとは廖立といった文官のみ。我が精鋭の敵ではあるまい。
劉賢「趙範様、こちらにいらっしゃいましたか」
趙範「砦の占領は済んだのか?」
劉賢「はっ。抵抗は受けましたが、ほぼ無傷で占領を終えております」
趙範「では、ここを我が軍の本営とする」
劉賢「前線はどのようになっておりますでしょうか」
趙範「さあな。負けるとは思っておらぬよ」
魏延「ちっ。沙摩柯の馬鹿めが。また混乱しておるわ」
廖立「おお、そこにいるのは裏切り者の魏延ではないか。ほいほいと主を変えるとは犬以下だな」
魏延「なんだとっ! 貴様、首を洗って待っていろ!」
馬良「こうも敵の計略に引っかかるとやりにくくて仕方ありませんね。収拾しますか?」
諸葛亮「その必要はない。その分、こちらは自由に動ける」
馬良「そのようなことを言っていていいのですか? 敵の援軍が到着しましたよ」
諸葛亮「ふん。予測できたことだ。馬君。打ち合わせ通り、諜者を」
馬良「……」
諸葛亮「ん? 怖じ気づいたのかな?」
馬良「いえ。あなたの考えたことです。きっとうまくいくでしょう」
諸葛亮「だったら、さっさと趙範殿の位置を敵に教えてやれ。
あと、郭淮と馬忠に蔡瑁を包囲するよう伝令を」
馬良「はい」
諸葛亮「司馬徽先生にはもう少し、魏延たちと遊んでいていただこう」
劉賢「趙範様、大変です!」
趙範「どうした?」
劉賢「大軍がこちらへ向かってきます!」
趙範「敵の援軍か?」
劉賢「そのようです。その数、6万を超えております!」
趙範「困ったなあ。私は戦闘の経験がない。劉賢、君だけが頼りだ」
劉賢「はっ! では、まず砦に籠もり、味方の助けを待ちましょう」
魏延「軍師殿! 軍師殿はいるか?」
諸葛亮「何事ですか、騒がしい。あなたほどの将が隊列を乱すとは」
魏延「気取っている場合か。趙範様の部隊が敵援軍に囲まれたというではないか」
諸葛亮「そのようで」
魏延「なにをグズグズしている。救援の部隊を差し向けるよう指示せぬか!」
諸葛亮「それはいけません」
魏延「なに?」
諸葛亮「せっかく敵援軍が一カ所に集中し、我らの後背を脅かすことがなくなったのです。
殿には敵を引きつけていただき、我らは蔡瑁を捕らえましょう」
魏延「馬鹿な。趙範様を囮にしたというのか!」
諸葛亮「どうでしょうか。さあ、時間は鉄よりも貴重なものです。急いでくださいよ」
魏延「くっ……」
馬良「第一の戦功は魏延殿です!」
初陣は厳しいものだった。砦に取り付く敵軍の数が増えていく中、何度慣れぬ矢を射ったことか。
蔡瑁が討ち取られた報を聞き、敵軍が撤退するまでの時間が永遠に続くかとも思った。
魏延「恩賞などいらぬ。趙範様を危険な目にあわせた軍師殿の処分をお願いしたい!」
諸葛亮「全ては作戦のうち。寡兵である我が軍が勝つためには、多少の危ない橋を渡る必要が
あったのです」
魏延「多少だと? 趙範様が討ち取られたかもしれない戦いを、多少と言うか」
諸葛亮「もとはと言えば、あなたたちが司馬徽や廖立の計略に踊らされたことが原因でしょう。
きちんと部隊を掌握していれば、もっと早く蔡瑁の首級を挙げることもできたのです」
魏延「貴様、言わせておけば!」
郭淮「魏延殿、落ち着きなされ。殿の御前ですぞ!」
魏延「離せ、郭淮! こいつを斬らせろ!」
趙範「もう良い、魏延。そなたのその気持ちだけで私は嬉しい」
魏延「趙範様……」
趙範「前線ではみなが死と隣り合わせで戦っているのだ。私は危険な目にあうことを恐れはしない」
魏延「……」
諸葛亮「では、趙範様。捕虜の検分を」
捕らえた将は、司馬徽殿と廖立殿だった。司馬徽殿は忠を貫き、廖立殿は我が陣営に降った。
翌日、武陵の城門に蔡瑁の首が晒されるだろう。
劉表様。仇を討てました。
趙範「しかし……まだ立ち止まるわけにはいかぬな」
蔡瑁の跡をついだのは、蔡和だった。劉表様の遺児はまだ、蔡一族の手にある。
>>66 面白いってとこが一番難しかったり……。
どこかのサイトで「大原」と見たような気がしたのですが……「太原」と見間違え
ましたかね。ご指摘、感謝します。
韓玄@三国志8のスキル
武力50:611人中453位
知力19:611人中603位
政治19:611人中601位
魅力13:611人中609位
総合101:611人中609位
成長型:平凡
覚えやすい戦法:無し
特技:無し
最初から覚えている戦法:突撃(初)
義理:0
野望:10
冷静:0
勇猛:3
確かにある意味人をひきつける何かがあるな(w
209年10月 武陵
兵の再編成を終えた時、長沙の韓玄が桂陽を攻め落としたと報告を受けた。
劉賢「韓玄がそのまま桂陽にとどまり、李厳という者が長沙の太守となりました」
趙範「李厳? 聞いたことがないな」
諸葛亮「なかなかの良将ですよ。韓玄なぞ足下にも及ばないほどの」
気が付くと執務室に諸葛亮の姿があった。
趙範「諸葛亮……執務室には黙って入るなと言ったはずだが」
諸葛亮「これは私の趣味ですので、お気になさらずに」
劉賢「……」
趙範「ふん。……しかし、それほどの将ならば、ますます長沙攻略が難しくなるか」
諸葛亮「蔡瑁亡きあと、蔡和が君主だと動揺する者も多いと聞きます。
幸い我が陣営には優秀な策士が揃っております故、李厳が蔡和の陣営に長く留まることはありますまい」
劉巴「失礼します。霍峻殿と向朗殿をお連れしました」
諸葛亮「やはり蔡瑁が死に、荊州の多くは動揺しておりますな」
趙範「そうだ。ホウ統殿はいかがした」
劉巴「なかなか意志が固く……」
諸葛亮「でしょう。あの人らしい。
さて、殿。新たに降った2将のお披露目を兼ねて軍議を開きましょう」
75 :
趙範@露払い:02/10/26 15:46
なんでわざわざ上げるかねぇ・・・
>>1に代わってオシオキよ氏も「なるべくsageで」って言ってるのに。
いや、すまそ。職場のパソだったんで、sage忘れた……
ちょっと言い方がきつかった。
こっちこそすまん。
79 :
無名武将@お腹せっぷく:02/10/28 12:23
から揚げ
保守します。
>>47で「書き溜めしておきます」と書き込みながらも、
そんなに書き溜めできていない状況っす。。。
81 :
無名武将@お腹せっぷく:02/11/03 00:15
韓玄スレと金旋スレと趙範スレはあるのに劉度スレはないのか・・・
(金のは落ちたけどどもかく)
82 :
無名武将@お腹せっぷく:02/11/04 18:04
四人の中で一番扱いがマトモだからなあ…
面白くないんだろ、きっと。
84 :
無名武将@お腹せっぷく:02/11/05 15:46
>>82 >四人の中で一番扱いがマトモ
えっ!? そうなの?
>>85 ご随意になさってください
リプレイヤー諸兄の応援も兼ねてsage
>>85 正直、初期の作品は恥ずかしかったりしますが、
転載についてはご自由にどうぞ。。。
穴埋めでちょっとだけうぷします。
三國志7 シナリオ4(207年10月 臥竜飛翔し赤壁に長江燃ゆ)
史実・上級モード
使用武将:趙範
戦闘43 知力36 政治58 魅力56
36歳 四品官 名声500 功績500 仕官5年
特技→火矢、虚報、罵声
所属都市:桂陽
金3000 兵糧50000 人口158000 開発68 商業44 治安54 技術160
防御200 兵士3000 民心掌握30
〜序章・荊南冬〜
建安十二年(二〇七)十月、桂陽太守趙範は城下の将を集め、
評定をおこなっていた。
「趙範殿、何があったというのですか」
鮑隆は欠伸をしながら太守を窺った。
「孫権の魔手が迫っているというのに、呑気だな」
反り上がった口髭をしごき、呉巨が溜息をついた。
「呉巨のいうとおりだ、鮑隆。南海郡が孫権に占拠された。これで仮に
北上されてしまっては、まっさきに標的となるのはこの桂陽だ。安閑と
してはいられないのだぞ」
「それよりも殿、虎を狩りにいきましょう」
「人の話を聞け。虎を狩ったところで天下は狩れん」
趙範は眉間を険しくして鮑隆をたしなめた。
「そうだ、虎よりもまずは碧眼児だ。彼奴ら一族の所為でどれだけ
わが君の版図が危機に晒されたかわからぬのか」
孫権の異名を、呉巨は忌々しい口調で言い放った。
趙範はじめ桂陽の将らは荊州刺史の劉表に仕えている。趙範と鮑隆は
劉表に見いだされてから五年弱で、新参に類する。呉巨はというと、
孫権の父・孫堅と劉表が交戦していたときから既に刺史の幕下にいる、
いわば古参の将である。
「うむ。孫権と対抗するには、強兵を養い城を固くする必要がある」
「ちょっとお待ちください」
唾を飛ばしながら、呉巨が太守の言を遮る。
「後手後手に回ってはなりませぬ。いち早く碧眼児に一泡吹かせるべきです」
「……南海を攻めよというのか」
「その通りです」
「勝てる見込はあるのか」
趙範が冷淡に問いかける。
「勝つしかありません」
呉巨は一呼吸ついてから答えた。
「根拠はないのか。それでは軽佻に事を動かすわけにはいかんな」
「根拠は……」
呉巨は途端に俯きはじめ、口ごもる。
「もうよい。試しに密偵を放ってみる。それで決めよう」
趙範は南海に密偵を送り込み、内情を調べさせた。
数日後、密偵は戻ってきた。それによると、南海を守るのは文官たる
陸績ただひとりであり、駐留せる兵も500人に過ぎないという。加えて、
南海には港湾があり、海路も確保されているともいう。
城邑を押し潰すかのごとき曇天のもとで、趙範は諸将に告げた。
――すみやかに軍備を整え、南海を陥落せしめん。
〜鮑隆様の訓練は楽でいいね〜(207年10月)
趙範は呉巨をして徴兵せしめ、鮑隆に命じて訓練をさせた。お世辞にも
精鋭とはいえない状態では、千に満たぬ敵兵を相手にするといえども、
苦戦を強いられることは免れない。
一方で太守自らは治安強化のために市中を回ったが、武官ふたりが
どうしているか、気にせずにはいられなかった。
練兵所のあたりで、彼は足を止めた。そして、ひそかに様子を窺う。
隊列が乱れていた。汗を流しながら打ち込んでいる者もいるが、
だらしなく棒を振る者や動きを休めている者の姿が目立った。統御すべき
将は、見あたらない。これでは訓練とはいえない。
「おい、これはどういうことだ」
趙範は練兵所に入り込み、入り口に最も近かった兵に対して問い詰めた。
「い、いや、その……」
「鮑隆は何処へいった」
「し、知らぬ間に何処かへ消えてしまいまして」
「消えただと」
そこへ、後ろから足音が耳に入った。
「いやあ、参ったなあ」
鮑隆が、頭を掻きながら現れた。頬の辺りに、爪痕が赤く刻まれている。
「参ったのはこっちだ。何処へ行っていたのだ」
趙範は、鮑隆の胸倉をつかみにかかる。
「虎を狩ろうとして山中へ行っておりましたが」
「任務を放って出歩くな」
押し出すようにして、趙範は鮑隆から手を放した。しかし、動じない
鮑隆とは逆に、趙範がよろめいた。
「趙範殿、お気を付けください」
「まったくもって、世話の焼ける奴だ」
鮑隆の肩を叩くと、趙範は照れながら練兵所から立ち去った。
>>86五代目韓玄殿
>>87六代目韓玄殿
転載許可ありがとうございます。
html化作業を鋭意進めているのですが、一つの作品の長さがかなりのもののため、
苦労してます。
リプレイヤーさん方はこれを「執筆」していたかと思うと、その大変さが理解できました。
>趙範@露払い殿
>六代目韓玄殿
どうかお体に気をつけ、マターリ書き進めてくださいませ。
〜閉ざされた茅門〜(207年11月)
趙範は、ともに天下を語ることができる知将を欲していた。仮に呉巨の
妄言が功を奏したとしても、その後をどのように治めていくべきか、
茫洋として定まっていない。東に孫権、西に士燮が控えているからには、
腰を落ち着けて城を固めたほうが良いだろうか、と思ってはいる。
しかしながら、それが自分にとって正しい道であるのか判然としていない。
呉巨に問うても孫一門憎しの感情ばかりが吐き出され、鮑隆からは
進言自体が出てこない。
桂陽の市中で、見所がありそうな者を一日かけて探し回った。
見あたらなかった。ただ、志学にして茂才に挙がりながらも、
隠遁をしている劉巴という者が零陵にいる、という話が聞けたこと
だけでも趙範にはありがたいことであった。
日を改めて、彼は零陵を訪れた。城邑から離れた鬱蒼たる山中に、
草庵が溶け込むかのごとく建てられていた。
門を叩くが、反応はない。ひそかに開けようとするが、門の軋む音が
草庵の主人に来客があることを知らしめてしまった。
「仕官を勧めに参ったのですか」
やや面長の青年書生が、物憂げな様子で立ち上がった。
「そなたが劉巴殿ですな」
「いかにも。あなたは」
「桂陽太守の趙範という。桂陽でそなたの高名を聞き、ここまで来た」
「なるほど、太守殿ですか……」
そういって劉巴は髪をかき上げた。
「桂陽ということは、ご主人は劉表殿ですね」
趙範は軽く頷いた。
「私はこれまで、劉表殿から幾度かお誘いを受けておりますが、
すべて断っております。ましてや太守殿では」
「いや、仕えよとまではいっておらぬ。天下について語りあえる相手と
して、そなたと接したいと思っている」
「ううむ……」
劉巴は趙範の貌をじっと見る。
「あなた、劉表殿から独立する気があるのですか」
「そ、そのつもりで言ったわけではない」
趙範は慌てて首を小刻みに振った。
「そうですか。天下というからには、君主たらんと欲する英傑かと思って
おりましたが」
「む」
「趙範殿のお気持ちはわかりました。今のあなたと私とでは天下を
語り合えないと思います。申し訳ありませんがお引き取りください」
会釈を交わすと、劉巴は客に退出を促した。
「ちょっと待て。ここまで来たわしの苦労はどうなる」
「また、時をおいてからお越しくだされ。英傑のご来訪、お待ちしております」
茅門が、閉じられた。
「なんということだ」
趙範は呆然として茅門を眺め、しばし立ちつくした。山を下りていく
道すがらで、覚えず土を蹴った。
趙範は初期のリプレイスレ、本スレとで2回の前例がありますので、
>>94-95において三代目趙範と名乗らせていただきました。
>>93 "管直"入@有さん
いえいえ。
リプレイをアップするのもhtml化するのも、かなりの作業時間を
要するかと思います。とはいっても、伝えたいことがあるので
合間を縫って書き連ねてます。
お互いに、気張りすぎず進めてまいりましょう。。。
〜無血〜(207年12月)
「趙範殿、南海へ出陣いたしましょうぞ」
呉巨が息せき切って太守を訪れた。
「準備は整ったのか」
「いや、兵の鍛錬は済んでおりませんが、もたもたしていると孫権が
南海に兵を集めてくる懼れがあります」
「よかろう。わしも暴れ回りたいと思っていた」
趙範は右手で拳を作り、左の掌でそれを受け止める。
「頼もしうございます。鮑隆も既に奮然として殿の命を待っております」
「ふふ、江東の青二才に手痛い挨拶をしてくれよう」
趙範、呉巨、鮑隆の三将は、全軍をもって南海へ進撃した。城には、
敵兵の気配がない。
「碧眼児め、怖じ気づいたな」
無血開城に、呉巨は鼻で笑った。
「道すがら、迎撃を喰らうかと思ったが、拍子抜けしたわい」
趙範の貌には安堵が浮かぶ。しかし、それも刹那に過ぎなかった。
「さあ、このまま会稽まで攻め入りましょう」
とっさに、大声を発した呉巨を睨みつける。
「戯れ言もたいがいにせい」
「俺は本気です。いま攻め入らなければ碧眼児に付け入る隙を与えて
しまいます。なあ、鮑隆」
呉巨はそういって鮑隆の肩を叩く。
「お、俺は虎を狩ることさえできれば構いません」
あわてふためきながら、鮑隆は口を開いた。
「われわれは流賊ではない。せっかく交州を得たのだから、それを
足がかりにせねばならん。いいな」
怒気を交じらせて、趙範は二将を諭した。鮑隆が粛然として姿勢を
正す一方で、呉巨は憮然とした表情を露わにしていた。
ホゼーン
〜忠告〜(208年1月)
年が明け、荊北より将軍ふたりが南海城を訪れた。
「劉表様の命を受け、やってまいりました」
そのうちのひとり、王威がまず礼を交わす。
「南海を死守することが、われらの役目です」
もうひとり、李厳が続いて頭を垂れた。
趙範は嬉々たる様を明らかにしてふたりを迎え入れた。いずれも
智者であり、殊に李厳は内治および武勇においても衆に過ぎたる
将として、趙範もその名をしばしば耳にしていた。
その夜、趙範はひそかに李厳のもとを訪ねた。
「おや、これは太守殿。どうなされましたか」
「おぬしと語りたいと思うて、やってきたまでだ」
「わざわざご足労いただき、恐縮です」
李厳は趙範を快く客間に通した。
「ご存じの通り、わしの許にいるのは腕っ節こそ強けれども、頭が足りない
者ばかりだ。つねづね、おぬしのような知謀の士と話がしてみたいと思っていた」
「何をおっしゃる」
「いやいや、正直この先が不安でな。城邑を治めるにも一苦労で、東には
孫権が控えている。わしらだけでは限界があるのだよ」
趙範は盃を片手に、破顔しながら語る。
「ふむ……」
「李厳殿、深刻そうな顔をしておるな」
「いや、なに、太守殿が気の毒に思えてしまいまして」
「む」
趙範の顔が強ばる。
「私と王威は、表向きでは南海を防備するためにやってきたことに
なっておるが、実は」
「実は?」
「あなたたちを監視するために派遣されたのです」
趙範の手から、盃が放たれる。盃は音を立ててその姿を崩した。
「驚かれるのも無理はありませんか」
「何故だ。何故、わしらは監視されねばならぬのだ」
「劉表様の命なくして兵を出したことに、襄陽の君臣から不信が
醸されました」
「あの劉表様が、不信とな」
「劉表様は、うわべは長者ですが、心中に濃い猜疑心を宿しております。
病がそれを助長させております。荊州人士も、荊州が分解してしまうという
危機感が先立っているようで、こたびの無断出兵を快く思っていないようです」
「なんということだ。わしは劉表様のために孫権の勢力を交州から掃討
しようとしたまでのこと」
「趙範殿がよかれと思ってしたことが、劉表様にとっては迷惑ということも
往々にしてございます。あのお方とその周りは気難しい」
李厳は一呼吸おいて、盃を一気に呷った。
「わしはいったいどうすればよいのだ」
「おとなしくしていることです。要するに、出兵などの派手な行動は控える
べきですね。それが嫌ならば、独立したほうがよろしい」
「独立、とな」
趙範は身を乗り出した。
「ただし、その場合は王威も私も、趙範殿と刃を交えることになるかと
思いますが」
李厳の指が趙範に向けられた。趙範はすぐさま、もとのとおり坐した。
「それにしても、よくぞそのような話をしてくれたものだ」
「襄陽のことをよく知らぬ趙範殿が哀れでな。それと、無用な内紛は避けたい
ものです。なに、趙範殿さえ変な気を起こさなければよいのです」
淡々と、李厳は己が頬をさすった。
”管直”入@有殿の三国志リプレイ集を見ましたところ
趙範@露払い殿は3代目
六代目韓玄殿は趙範4代目ですね。
”管直”入@有殿
最初から書きこみ直してるようですがコピペが無理なんでしょうか?
”管直”入@有殿とリプレイヤ―の皆さん応援sage
>>103殿のおっしゃるとおりです。
申し訳御座いません。趙範でいえば私は四代目でした。
自決。。。
;y=ー( ゚д゚)・∵. ターン
>>103殿、応援ありがとうございます。
引き続き、リプレイをうぷします。
今回は2レス使用。
〜畸人にはまみえず〜
年が明けると、趙範は城内の将とともに南部の要衝たらんとして
商埠を富ませ、荒れ地を切り開かせ、不逞なる輩を厳しく取り締まる
こととした。
建安十三年(二〇八)夏五月、襄陽の内情が、李厳から趙範のもとに
もたらされた。
「趙範殿、古参衆の動揺がみられるようです」
「何があったというのだ」
「ほう統という者が、わが君に仕えるや否や軍師に取り立てられました」
「ほう統……聞かぬ名だな」
「無理はありません。私もじつは存じなかったもので」
李厳は苦笑いを浮かべた。
「どんな奴かの」
「よからぬ相談をしにいくつもりですか?」
「わしを疑うな。そんな気はないぞ」
「行かぬ方が身のためです。彼は放言を憚らぬ畸人です」
「畸人、とな」
趙範の脳裡に、零陵の隠士の姿が焼き付く。深山に分け入り訪れた
にも関わらずあしらわれた、苦き昔日がもたげてくる。
「ああ、それは近づかぬほうがいいな」
彼は思いきり首を振った。ほう統に対する関心が、霧消した。
>>103 もちろんコピペしてますよ。
それでも、
『103 :○○○◆・・・・ :02/11/17 22:23』
↑この部分を削除したり、改行を直したり、改行タグ入れたり、
結構時間かかります(^^;
一日一本くらいはupしたいのですが、最近微妙に忙しく・・・←言い訳
一応目標の『年内に現在進行中のリプレイに追いつく』
を実現すべく頑張ります(^^;
>>107 亀レスですが、三国志8プレイ日記内の私のも転載可です
載せるレベルにないかもしれませんが^^;
>>108袁熙氏、
>>110二代目袁尚氏
転載許可ありがとうございますm(__)m
>リプレイヤー諸氏及びリプスレファンの方々
『三国志リプレイ集』の掲示板にて、
「もう少し宣伝すべきではないか」という意見を頂きました。
私は他人の作品を纏めているだけにすぎないため、
2ch外への紹介に躊躇いがあり、今まで2chにしかアドレスを晒しておりませんでした。
友人がリプレイヤーをしているので(名前は伏せといてくれと言われております)
意見を聞いたところ、
「リプスレを紹介するのは意味があることだし、
纏めてあるサイトがあるということは宣伝もしやすいし、
スレの活性化にもつながる。
リプレイヤーとして言わせて貰うと、自分の作品をせっかうだからもっと多くの人に
見てもらいたい」
との事でした。
皆様にも意見が聞きたいです。
検索サイトやウェブリンクに登録すべきか、否か。
お願いいたします。
>>111 特にかまいません。
登録して頂いても結構です。
当方のは愚作ですが(;´Д`)
最近、またリプレイをやってみようかと思っております・・・・・・が
大したものを書ける筈もなく・・・・・・
どうしようかな。
>>111 ”管直”入@有 ◆Ko6hC9mnzcさん
宣伝しても良いと思います。
私はみなさんのリプレイを拝見しているうちに自分でも書きたくなった
くちですし、それでリプレイ人口が増えればますます盛り上がるかと。
リプレイを広くご覧頂ければ、とも考えておりますし。
>>112 弐代目袁尚 ◆AiESN/MJysさん
期待しても良いですか?
私の分のうぷはしばらくお待ちください。すみませぬ。。。
114 :
”管直”入@有 ◆Ko6hC9mnzc :02/11/23 17:17
全てのリプレイスレを代表してここに書き込みます。age。
検索サイト、三国志系ウェブリンク、などのいくつかに登録してきました。
急激に閲覧者が増えるということもないでしょうが、少しでもリプレイスレの活性化に
繋がるようなサイト運営をしていきたいと思います。
これからもよろしくお願いします。
>掲示板で意見を下さった名無し氏、リプレイスレで意見を下さった諸氏
ご意見ありがとうございました。
これからも、少しでも気になる点がございましたらご指摘お願いいたします。
とりあえず始めてみます。が、まだ執筆どころかゲームすら始めてないので
うぷは当分先になってしまいますが・・・・・・・・(;´Д`)
とりあえずキャラクターは雲玲で。
「雲玲」
人物自体はフィクション。ゲーム中では結婚イベントに登場。
賊に両親を殺され、武芸にいそしみ敵討ちを試みるが逆に罠にはまってしまう。
賊を退治した武将が嫁にしようかと考える。
武将に頼らず敵を討とうとする娘の物語・・・・・・・・のつもりです。
〜病床六酌〜
秋七月、趙範は桂陽城郊外の村にて、民と宴会を楽しんでいた。
日は高きに在りといえども、太守は既に酒精に魅入られており、
体を落ち着かせることなく左右に揺り動かしていた。
「趙範殿!」
重く、太い声が太守の耳を突く。
「何だ、鮑隆」
趙範は酔眼を以て鮑隆に顔を向けた。
「李厳殿が、怪我されました」
「あの李厳殿が、怪我だと? 嘘はつくな」
「いや、本当なのです」
「それは誇張だろう、鮑隆。せっかくこの場に居合わせたのだから、まあ飲んでいけ」
「あ、ちょっと」
鮑隆は言葉では断りを入れながらも、ひそかに微笑を覗かせた。
「お、若いのが来たな。ささ、一気に飲まれよ」
そして鮑隆は民に勧められるまま鯨飲をなしていった。
半刻の後に、趙範のもとへまたひとり駆けつけてきた。王威である。
「趙範殿、早急に城へお戻りください」
そういうや、彼は太守の腕を掴んだ。
「わかった。わかったからその手を離せ」
趙範は煙たそうな表情で杯を置き、腕を振り払う。立ち上がろうとするが
よろめき、王威に支えられながら村を後にした。
「さあ、こちらです」
王威に案内され、趙範が目にしたのは、臥牀に横たわっていた李厳であった。
「どうした」
趙範はよろめきながら臥牀に近づいた。
「太守殿、これはかたじけない」
李厳はゆっくりと首を動かし、趙範を見据える。
「襄陽で武術大会があったのは、ご存じかな?」
「武術大会……ああ、そういえば」
「私は劉表様に招かれ、参戦いたしました。一戦こそ勝利を収めたものの、
次の戦いで不覚にも相手の強打を肩に受けてしまったのです」
自嘲を浮かべながら、李厳は負傷せる左肩をちらと見せつけた。
「ううむ、相手はなかなかの強者のようだな」
「ええ、魏延殿といえば、我が陣営においても勇名を馳せたる猛将です」
「魏延、か。ふむ」
趙範は腕を組んで考えるふりをし、すぐさま大声を上げた。
「よし、魏延殿にひとこと話をしてこようではないか」
「! 何をお考えで」
李厳は顔をひきつらせた。
「決まっているではないか。李厳殿をこのような目に遭わせた彼にきつく
いっておかねばならぬのだよ」
「そのような気遣いはいりません。というよりも、余計なまねはおやめ
くだされ」
「いいや、余計ではない」
「魏延殿は本気でぶつかってくれたのです。それを諭すならば、項王が
義帝を立てて覇道を進むに等しいことかと」
「良いから、李厳殿は安静になされよ」
茶番を奨励するようなものだ、と李厳はたしなめたつもりであった。
しかし、太守はそれを解することもなく、足早に去っていった。
三代目の趙範殿はつつがなくお過ごしでしょうか。
最近姿を見かけないので気がかりです。
>>114-115 ”管直”入@有 ◆Ko6hC9mnzcさん
お疲れさまです。
こちらこそ、よろしくお願いします。
>>116 弐代目袁尚 ◆WBRXcNtpfさん
結婚イベント、ということは8のリプレイでしょうか?
マターリとお待ちしてます。
〜大振り角だくで〜
趙範は勢いを以て南海城を出でたものの、肝心の魏延がどこにいるのか
見当もしていなかった。戻って李厳に聞くわけにもいかず、ただなんとなく
桂陽嶺を越えて北へと向かった。
彼の故地桂陽においては、襄陽より派遣されし伊籍がひとり固守するに
過ぎなかった。しかし、伊籍に伺ったところ、長沙太守韓玄のもとに
遣わされていることが判明した。彼は嬉々として伊籍に路銀を渡し、
湘水を下り、長沙の城邑に入った。
片隅に追いやられていた記憶が、目覚めた。
魏延とは一度だけ、顔を合わせる機会があった。趙範が劉表によって
桂陽太守に任じられたとき、堂々たる体躯を有するこの豪傑と面会を
していたことが思い起こされた。五年も前のことである。
「李厳殿が負傷するのも、無理はないか……」
魏延を見るや、趙範は心中思っていたことを口から漏らした。
「は?」
魏延は首を傾げた。
「いや何、李厳殿が大怪我を負って南海に戻ってきたのでな、どうしたのだと
半刻ほど問い詰めたところたどり着いたのがおぬしというわけじゃな」
「で、それは俺が悪いといいたいのですか?」
「そ、そんなことはありません。ただ、やりすぎかなあ、と」
「おめでたいですな、南海の太守殿」
焦燥する趙範に、魏延は哮るよりもむしろ呆れた。そして、己の懐を
探った。
「これを差し上げますから、これ以上この件に関わらないでください」
魏延の掌には、200ほどの金が載せられていた。訝りながらも、趙範は
その山吹色の塊を手にした。
「武術大会ってものは、児戯じゃないんですよ。もっと殺伐としているべき
ものです。人馬が横並び出来ないほどの狭い道で向かい合っている奴と
殺し合いになってもおかしくない、殺るか殺られるか、そんな雰囲気が
いいんですよ」
魏延はそこまでいいながらもなお口を開けたままであった。言葉を継ぎたい
ように見えたが、そこでとどまった。
>> 「武術大会ってものは、児戯じゃないんですよ。もっと殺伐としているべき>>
>>ものです。人馬が横並び出来ないほどの狭い道で向かい合っている奴と
>>殺し合いになってもおかしくない、殺るか殺られるか、そんな雰囲気が
>>いいんですよ」
ワラタ
とりあえずさわりだけですがうぷします。
三国志8 上級 仮想モード
208年10月 曹孟徳 威を以って江南を脅かし 周公キン 火を以って赤壁を焼く
使用武将 雲玲 説明は>116
序章
・・・・・・・・・・・・・ただ、逃げていた。
闇雲に。
暗闇の、木々の間をすり抜けて。
ふと、立ち止まり、振り返る。
遠くには炎。
生まれ育った村。両親と共に過ごした村。
そんな思い出を全て焼き尽くす炎。
遠くに罵声。
追っ手がいる。
逃げなければ、あの方の所まで・・・・・・・・。
父は強い人だった。武術に優れ、その名は近隣諸県にも伝わっていた。
そしてその名は乱世の魔王、曹操の耳に届くのにさほど時間を要しなかった。
しかし、父は仕官の招きを断った。
武に優れてはいたが、優しい人だった。戦を好まない人だった。
そしてもう一つ、病。
だが、幸いなことにこの地には「神医」華陀(本当はにんべんですな、漢字)が訪れていた。
一時は余命まで宣告されていた父も、華陀先生の的確な治療により徐々に快方へと向かっていた。
しかしそんなおり、村に野党が襲い掛かる。
快方に向かっているとはいえ、父はまだ病人である。更に多勢に無勢。
母は焼け落ち、崩れ落ちてきた家屋に巻き込まれ・・・・・・・・・・・・・・・・。
虐殺、強奪の挙句村は火に焼かれ、私はこうして逃げている。
どこをどう逃げたかわからない。だが目的地には着いたようだ。
庵の戸を叩く。
華ダ「・・・・・・・・・・誰じゃ、こんな夜遅くに」
雲玲「私です。雲玲です!」
華ダが戸を開ける。
華ダ「なんじゃ?父の容態に変化でもあったか?最近は安定していた筈じゃが・・・・・・・」
だが私の姿を見て表情が鋭いものへとかわる。
華ダ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何があった?」
雲玲「それが・・・・・・・・」
これまでの事を語る。
雲玲「・・・・・・しかし、近隣の野党は父を中心に結成された自警団のお陰で殆ど壊滅していたと聞いていたのですが。」
華ダ「うむ。そうじゃ。それにそんじょそこらの野党にやられるような連中でもなかったのう」
しかし現実に自警団は敗れ村は焼け落ちた。
華ダ「・・・・・・・・・・最近、お主の家にやたら良い身なりの連中が度々訪れておったのう」
雲玲「あれはたしか北の曹操様の使いの方で、父を召抱えたいと・・・・・・・・・・・・・」
華ダ「自警団を苦も無く葬りさる組織された兵たち・・・・・・・・か」
雲玲「まさか!」
華ダ「確証は何一つ無い。だが」
雲玲「そんな・・・・・・・・・・」
雲玲は力なくうなだれた。
長年野党から村を守り続けてきた自警団。それをあっさり破った洗練されていた賊の動き。
招聘を拒み続けてきた父への報復である可能性は十分にあった。
雲玲「おのれェ!」
華ダ「何処へ行くのじゃ!!」
雲玲「!」
華ダ老師に一喝され、沈黙する。
華ダ「ワシはおヌシが父親思いのいい娘であった事は知っておる。おヌシが幼き頃から父から武術を伝えられ、
並みの男どもが束になっても敵わない程の強者である事も知っておる」
雲玲「・・・・・・・・・・・・・・・・」
華ダ「じゃが、一人で何が出来る?」
雲玲「しかし!」
華ダ「・・・・・・・・・・・時を待つのじゃ。時間は全てを癒してくれる」
雲玲「そんな事を言われても納得できません!!」
華ダ「死んだ者が望むのは、後に残る者の幸せじゃよ」
雲玲「・・・・・・・・・グッ!」
華ダ「泣きたいのなら泣け。叫びたいのなら叫べ!
それすらも出来ない人間は、悲しすぎる」
雲玲「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッ・・・・・ッッッッ」
私は泣き声とも叫びともつかない声を上げた。
しかし、私は知っていた。どれだけ泣いてもこの悲しみが癒される事は無い事を・・・・・・・・・・・・・・・・。
そして私は華ダ先生の下で医学を学んだ。女一人でも生きていけるように。
しかし一年が過ぎようとする頃、私は旅に出た。
華ダの庵には書置きが残されていた。
その書置きを読み、一人ごちる
華ダ「・・・・・・・・・・やはり、ここに留めておくのは無理じゃったか。
おっと、こうしてはおれん」
華ダは手近な竹簡に筆を走らせ始めた。
とゆー事で、まだゲーム開始にすら至っとりません。
御目汚し、お許し下さい。
>>120四代目趙範(六代目韓玄) ◆.36thCiL5Uさん
共に頑張りましょう。宜しくお願い致します。
四代目趙範殿、弐代目袁尚殿頑張ってください。
序章 その弐
あれから二年が経った。私は住み慣れた故郷を離れ、今だ戦乱から逃れているこの地、永安に来ていた。
私が武に長けている事が幸いした。
戦乱から免れているとはいえ、敗残兵、逃亡兵らからなる野党は国境を荒らし、それに対する警備の募集は多く
女の私にも働き口には困らなかった。
だが、ある日
兵士「おい、女!」
いつもの通り警備の募集を受け、とある屋敷に行ってみるとなんだかやたらとゴツイオッサンに呼び止められた。
何を言いたいかはそのニヤついた汚い顔を見ればわかる。
兵士「警備長!なんでこんなトコに女がいるんだ?野党どものエサにでもするつもりかい?」
しかし私は何度もこういった任務をこなしている。屋敷の警備、野党の討伐・・・・・・・・・
ここじゃ結構名前も顔も売れてきた。
私を知らないって事はコイツ、新参だな。
警備長「こうみえても、彼女は男数人がかりでも敵わない程の実力者だ」
そーです、そーです。アンタなんかより私の方がよっぽど有名なんです。
ゴツイ兵士「はあ?こんな貧相なヤツが?それに女だぜ、女」
貧相とは失礼ね・・・・・・・・・・・・私だって出てるところは出てます。・・・・・・・・・・・・・・・論点が違うか。
ゴツイ兵士「俺様はかってジョ南でも活躍した歴戦の兵士だぞ!?その俺様がこんなチンチクリンと共に賊と戦わにゃならんのか!」
チンチクリン・・・・・・・・い、いいかげんにしろい。
雲玲「ゴチャゴチャ五月蝿いわね。自分で活躍とか歴戦とか語ってんじゃないわよ!」
ゴツイ兵士「なんだとゴラァ!」
雲玲「だいたいジョ南からに逃げて来たってことはあの劉備様の元から逃げて来たって事でしょ。
どうせアンタも曹操が怖くて逃げ出したんだろ」
ゴツイ兵士「アアン?!」
雲玲「逃げ出すのは勝手ですけどそのイライラのはけ口を私に求めるのはやめてくんない?」
ゴツイ兵士「こ・・・・・・・このクソアマ!!」
言葉が終わらないうちに拳を振りかぶってくる。
・・・・・・・・・・・・・・ってゆーか振りかぶってくる時点で「起こり」がまる分かりなんだよね・・・・・・・・・・。
相手が接近する直前に体を相手の右手側にズラし、左手で捌き、受け流す。
更に残った足を相手の足に絡める。
ズドオォォォン!
相手は目標とバランスを失い壁に激突した。
ゴツイ兵士「ぐ・・・・・・・・ぐへ」
ゴツイヤツは倒したけど・・・・・・・・・・人ん家の塀に大穴が。しかも
官吏「おい!何やってる」
ヤバイ、官吏だ。えーい、トンズラ!
官吏「お、おい。待て!」
官吏のお世話になるなんて笑えない。どうせまた袖の下を要求されるに決まってる。
更に私は女だから要求も更にスケールアップして・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・笑えない笑えない。
いくつもの角を曲がり、徐々に疲れてきた。
振り返ってみると・・・・・・・・・・・・・マダついてきてやがる。こんなトコに無駄な根性注ぎ込んでんじゃないわよ。
ふと前を見ると先の角からほっそりした手が伸びてる。女性の手のようだ。手招きしている。
角を曲がると小さな扉。鍵は開いているようだ。
とりあえずそこに飛び込む。他に選択の余地は無い。
バタム!!戸と、鍵を閉める。
フウ・・・・・・・・・・・一息つく。
??「大丈夫ですか?」
雲玲「はい!」
突然話し掛けられたのでビックリした。目の前には無表情な一人の女性。
??「追われていたようでしたが」
雲玲「え・・・・・ええ。まあ」
適当な返事をしてから周りを見渡す。
どうやらここは倉庫のようだ。無造作に積み上げられた竹簡、引き出しのたくさんついた大きな棚が並ぶ。しかしこれは・・・・・・・・
雲玲「これは、薬?」
??「ええ。私の名は蔡蘭。ここで医者をしています。ちなみに今私達がいる所は倉庫兼書斎といった所でしょうか」
雲玲「私は雲玲」
蔡蘭「貴方が・・・・・・・・・・そうでしたか」
雲玲「知ってるの?」
蔡蘭「仕事柄、争いで傷ついた方の話もよく聞きます。その中で」
雲玲「ふうん。」
どうせロクない言われかたはしてないだろう。ま、そんな事はどうでもいい。
どうやら官吏はまいたようだし、いつまでも此処にいる理由は無い。
雲玲「じゃ、そろそろ私は」
蔡蘭「これからどうされるおつもりですか」
雲玲「別に、今までと同じ暮らしを続けるだけよ」
蔡蘭「そんなことで御両親の仇を討てると思っているのですか?」
雲玲「・・・・・・・・・・・!!」
記憶が甦る。全身が強張る。今、私はどんな顔をしているのだろう?
つとめて平静を装い、話す。
雲玲「・・・・・・・・・・・・・・・・何故、その事を?」
蔡蘭と名乗った女が一つの竹簡を差し出す。
中身に目を通す。これは・・・・
蔡蘭「大恩ある師より便りが来たのは1年前。まさかこんなに早く会えるとは思ってもみませんでしたが」
この竹簡を記したのは自分の師でもある華ダであった。
その蔡蘭への便りには、「もし雲玲に出会う事があれば力になるように」
要約すればそのような事が書かれていた。
雲玲「先生・・・・・・・・・・・」
蔡蘭「さて、打倒曹操についてですが」
雲玲「あの」
蔡蘭「いくら貴方が武芸にいそしんだところで敵は強大すぎます」
雲玲「あのー」
蔡蘭「そこで私は考えました」
雲玲「おーい」
蔡蘭「こうなれば、貴方も一大勢力を率いて真っ向から曹操に対峙するのです」
雲玲「だから!」
蔡蘭「・・・・・・・・・・・・何か?」
雲玲「私、今、師の心遣いに感動してる所なんですけど」
蔡蘭「そうですか。さて続けます。先ずはこの土地の政庁を抑えます。
まあ戦火を逃れ惰眠を貪っている役人を何とかしてしまえばいい訳で、金で兵を雇い入れましょう」
雲玲「・・・・・・・・は、はあ」
蔡蘭「そしてその後・・・・・・・・・・・・・」
その後もえんえんと講釈は続いた。
蔡蘭「・・・・・・・・・・です。それで・・・・・・」
すでに殆ど聞き流していたが一つ腑に落ちない点がある。
雲玲「あのさ」
蔡蘭「何ですか?」
相変わらずの無表情で答える。
雲玲「どうして貴方はそんなに親身になって私を助けようとしてくれるの?」
返ってきた答えは実に簡単なものであった。
蔡蘭「私は、国を動かしてみたいのです。私の、この手で」
その後、永安にまた一つ新たな勢力が誕生した。
時は208年、また新たな乱世の始まりであった。
蔡蘭「初めまして。新登録武将その弐 蔡蘭です。宜しくお願い致します」
雲玲「
>>130様。駄作ですがどうかお付き合いの程を。こういった声援は本当にありがたいですね」
蔡蘭「しかし序章1と2で貴方の口調がかなり変わっているようですが何故ですか?雲玲様」
雲玲「そりゃ私は武で身を立ててきたんだもの。回りはゴツイ奴ばっかりよ。
多少口調が荒々しくなっちゃうのもしょうがないよね。これは」
蔡蘭「次回からやっとゲーム開始です」
雲玲「ではまた来週」
蔡蘭「一週間も間を空けるつもりですか?!」
>131-136
な お
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>>136 も 無
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>137だった
【初陣】
軍師に就任した蔡蘭は多忙を極めていた。
蔡蘭「まず近隣諸県の偵察をして、兵も集めねばならないし・・・・・・内政で国力も高めなくては」
雲玲「頭数が二人しかいないものねえ・・・・・・・」
蔡蘭「とゆう訳であっとゆう間に数ヶ月が過ぎ去ってしまいました」
雲玲「そうね」
蔡蘭「ちなみに貴方はこの間、何をやっていたのですか?」
雲玲「私?えっと怪しいヤツとっ捕まえたり、悪い役人ひっと捕らえたり、山賊討伐してたりしました」
蔡蘭「ずっと「治安」を実行してたとゆう事ですね。良いコトです。では報告します」
雲玲「はい」
蔡蘭「まず仇敵、曹操がすぐ隣の江陵に居ます」
雲玲「・・・・・・・・!!」
蔡蘭「すぐに兵を集めますか?ちなみに江陵に駐屯している兵の数は約25万です」
雲玲「・・・・・・・・勝てる訳ないじゃないの」
蔡蘭「そうですね」
あいかわらず無表情で答える蔡蘭に少々イラ立ちながら会話を続ける。
雲玲「じゃ、どうするのよ!」
蔡蘭「土地、人材、兵力、全ての面で、我々に到底勝ち目はありません。
先ずは視点を別の場所へ向けてみましょう」
そして視線を壁に掛けてある地図へとうながす。
蔡蘭「とりあえず他国の土地を奪い、国力を増強しましょう。高祖の例に習い益州を狙うのも良いですが・・・・・」
雲玲「でも私、劉姓じゃないし」
蔡蘭「そうですね。それに今の我々では劉璋すら遠く及びません」
雲玲「とすると・・・・・・・・・」
蔡蘭「やはりここは荊州南部に目を向けるべきかと」
雲玲「あの名高い荊州弱四英傑を相手にする訳ね」
蔡蘭「まずは金旋です」
雲玲VS金旋
金旋「フン!あの突如永安を支配したという新興勢力か。所詮は弱小勢力だ。
兵力はほぼ互角。畳んでくれるわ!」
キョウ志「自分も弱小勢力のクセに」
金旋「ム?何か言ったか?」
キョウ志「あ、あれを!」
キョウ志の指し示す先には既にもうもうと砂塵が上がっていた。敵である。
キョウ志「先ずは我が軍が先行いたします」
敵の先行軍とキョウシの軍とが激突する。
・・・・・・・・・・やがて伝令が届く。
その中に気になる情報が含まれていた。
金旋「先陣の敵将は女だと?」
伝令「そのようです」
金旋「よし!ワシが出よう」
伝令「は・・・・・・はあ」
半眼になって返答する伝令兵の顔を見る間無く、金旋は軍を前進させていた。
既にキョウ志の軍と激突していた敵軍の横腹に突っ込む。
金旋自らも馬上で矛を振るう。敵将の顔を見るためである。が。
キョウ志「おかしい・・・・・・・・」
キョウ志は気づいたのである。
キョウ志(我が兵とご主君の兵数を考えればこの突撃をかけてきた敵兵数を軽く凌駕する筈。
なのに今や兵力差は殆ど無く、むしろ逆転されつつある)
キョウ志「それ程優秀なのか?敵の将は。・・・・・・・・・・・・・いや、違う?」
減らないのだ。敵の数が。
別に敵兵に刃が通らない訳でも矢が効かないわけでもない。
金旋「て、敵将(の女)は何処〜」
ふと気づけば、敵兵に囲まれている。
金旋「何故だ?我が軍は何処へ行った」
??「己の兵を只塵芥の如く浪費するだけの将に出来る事は此処までです」
金旋「ぬう?!誰じゃ、名を名乗れ」
??「人に名を聞く時は自分から名のるものですよ」
サラリと答えた相手はどうやら女の様だ。
金旋「女?では貴様が敵の大将か!丁度良い、討ち取ってくれる!」
蔡蘭「違います。私は蔡蘭。因みに我が軍の総大将は・・・・・」
金旋が間合いを詰めているにもかかわらず蔡蘭は平然と話し続ける。
金旋(何だこの女は?肝がすわっているのか馬鹿なのか)
そのまま蔡蘭は、すっ、と目前に迫った金旋を指す。
蔡蘭「あ、そこ飛んでる」
金旋「は?」
雲玲「呀ァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
ゴスッ!!
後頭部に鈍い痛みを感じる暇もなく、金旋はそのまま伏した。
蔡蘭「見事に初陣を飾られましたね」
雲玲「なら、もうちょっとメデタイ顔してくんない?」
蔡蘭「そうですね」
とか言いながら相変わらずの無表情で続ける。
蔡蘭「とりあえず、我が軍の勝利です」
武陵を落としました。
登用
金旋 キョウ志
ほぼ週に一回の更新となっておりますが、雲玲(弐代目袁尚 ) ◆WBRXcNtpf.さん、
>>123さん、
>>130さん、ご声援ありがとうございます。
これより3レスほどうぷいたします。
〜客が主を喰らわんと欲す〜
建安十四年(二〇九)春正月、未統治の状態にあった上庸が劉表によって
占拠された。また、北方では、幽州襄平にあって独立を保っていた公孫康が
曹操に降伏した。
かかる変容が、粤湘の間に屹立する五嶺を破って南海に押し寄せるとも
限らない。趙範は南海の城邑を開発する一方で、隣国、すなわち東の孫権や
西の士燮の勢力が不穏な動きを示していないか否か、間諜を放って探らせていた。
彼らは概して、戦力を多く抱えている。ただし、南海に駐留せる兵三万に対して、
彼らは五万から六万の兵を擁している。境を侵すというよりは寧ろ城を
固くする、といった風が趙範には窺えたが、さりとて内政に傾倒して防備を
等閑にするわけにはいかない。兵を鍛え、蒙衝などを作りて備えることとした。
夏六月、劉表領内に異変が生じた。新野にて劉表の客将となっていたはずの劉備が、
南下して江夏に兵を進め、これを占拠した。劉備に捕らわれた者の中には、
かつて零陵の逸士であった劉巴の姿も見えたという。
執務室でその報せを受けた趙範に、二重の衝撃が走った。仇で以て恩を
返すというような劉備の挙動と、己を軽くあしらってその変節者に従っていった
劉巴の態度が、趙範をして狂飆に変ぜしめた。
彼の行き届くところにある調度品のことごとくが、狼藉となった。
〜客が主のものを喰らう〜
翌七月においては、劉表が新野を攻めて反撃を試みたが、劉備の
麾下にいる猛将らによってかえって撃退されてしまった。劉表勢力に
対する不安が、趙範の心中に積もり始めていた。
そんな中で、趙範はいつものように諸将へ命を下していた。
「趙範殿、最近機嫌がよろしくないですな」
治安強化を己に課する面貌を見て、鮑隆は太守に話し掛けた。
「そう見えるか?」
「ええ、以前よりも険しく感じられます」
「そうか」
見透かされたかと思い、趙範は苦笑した。
「どうですか、今晩は憂さ晴らしにでも」
「憂さ晴らし?」
「ええ、良い酒楼を見つけて参りましたので」
鮑隆は盃を手にするかのような仕草で趙範を誘う。
「ふむ、それは悪くないな」
趙範の口元が綻んだ。
「……というわけでな、どうも納得がいかんのだよ」
酒精に誘発され、趙範は体内に鬱屈せる気を吐き出していた。
「ほう、そうですか。まあ、そういうときは旨い酒肴にありついて、忘れましょう」
そういいながら鮑隆は目の前に並べられた料理を次々とむさぼる。
「お前は本当にわしの話を聞いているのか?」
「聞いてますよ、すぐに片方の耳から流れていってしまいますが」
「それではいかんではないか」
頭を垂れて、趙範は目頭の辺りを掌で覆った。鈍痛が頭に響く。
翌月、鮑隆から手紙が届いた。文面にいわく、
――この前、口にした酒は格別でしたな。それでついつい馬銜(はみ)を
外してしまいましたわ。
趙範は反射的に返信をしたためた。
――お前はもとから馬銜をつけていないだろう。
と。
【二強 手を結び 二弱 相争う】
蔡蘭は再び内務に追われていた。とりあえず金旋を太守として永安に派遣。残りを武陵に残す。
そんな人事案の要項に筆を動かしている時、信じられないような情報が飛び込んできた。
ソレを耳にした蔡蘭は一目散に駆け出した。
主、雲玲に伝えるためである。
金旋「な、なんですと?!」
雲玲「なんでアンタが一番驚いてんのよ?」
蔡蘭「はい、事実です」
皆を驚嘆させたその情報とは「曹操と孫権が同盟を結んだ」
という事であった。
蔡蘭「現実には連合という形ですが」
金旋「れ、連合?!」
雲玲「だからアンタうっさい」
金旋「は、はあ・・・・・。シカシ、ソノフタツノクニガ、レンゴウヲクマナケレバ、タオセナイテキナド・・・・」
雲玲「別に無理に小声にならなくてもいいんだけど」
金旋「在るのですか?」
蔡蘭「どうやら目標は我々と同じように突如現れた新興勢力のようです
間者の情報によると突如、何処からともなく現れ瞬く間に広陵を支配したそうです」
雲玲「・・・・・・・・・・・・まだまだ野には化け物が居るようね」
蔡蘭「広陵は曹操領、孫権領と隣接していましたから。連合ということはそのうち我が軍にも誘いがあるでしょうが
我々には関係無い事。断りましょう」
雲玲「結局私達に出来る事は兵力と国力の充実。これぐらいね」
蔡蘭「そうですね」
その後
江夏陥落 劉備 野に下る
金旋 永安へ移動
金旋「ふ。統べる者、太守こそがワシに最も相応しい」
キョウ志「厄介払いとも言えますが」
金旋 物資の輸送に失敗する
金旋「金3000が金3になってしまいました。手屁」
眼前には拳を握り締めて妙な笑顔の雲玲。
雲玲「はーい。歯を食いしばらないで力を抜いて〜」
零陵攻略
登用
劉度 刑道栄 劉賢
劉度「ワ・・・・・・・・ワシとの戦、これだけ?」
その頃・・・・・・・・・・・。
韓玄「荊南を支配するのはこのワシじゃ!」
趙範「フン、やれるものならやってみるがいい!」
韓玄が桂陽へ進行。
城門前には桂陽守護軍、鮑隆、陳応。
鮑隆「韓玄軍など蹴散らしてくれるわ!」
ドスッッ!
突如右肩に痛みが走る。
視線をそこに移すと深々と矢が刺さっている。
鮑隆「な・・・・・・・・何だと?」
韓玄軍
黄忠「ヌ。外してしまったようじゃな。眉間を狙ったのじゃが」
魏延「いや、この距離で敵将に当てるなど黄忠殿以外には出来ませぬ。
次は某の出番ですな」
やがて城門は開かれ、趙範は韓玄に下った。
韓玄「ワシが何もせずとも城門は開かれる。我が天命は何者にも阻めぬのじゃ!」
【雲玲の奇妙な冒険】
零陵
雲玲「よしよし。我が軍も将兵が増えて嬉しい限りだわ」
蔡蘭「永安に敵襲です」
劉度「なんですと!」
雲玲「だからうるさいって」
蔡蘭「報告によりますと敵軍は劉璋の兵だそうです」
雲玲「へえ。益州に篭ってるだけのビビリかと思ってた。やるときはやるのね」
風聞はそれ程当てにならないのかも、そう雲玲は一人ごちた。
だが我々のような弱小勢力にとって、領地を奪われたのは痛い。
蔡蘭「将兵は先ず勝ちてしかる後に戦いを求め、敗兵は先ず戦いてしかる後に勝ちを求む、
といいます。戦の準備もまだの上、こちらの将は金旋一人です。速やかなる撤退を進言致します」
雲玲「そうね。伝令に撤退を・・・・・・・・・・・・・・・・」
金旋「危いところでした」
その言葉を吐き、部屋の入り口で肩で息をしていたのはまさしく、永安太守 金旋であった。
雲玲「何故アンタがここに居るのよ?!」
金旋「速攻で逃げてきました」
蔡蘭「伝令を受ける前の敵前逃亡ですね。軍規違反です。尉綾子の重刑令に照らし合わせれば
首を撥ね、家財没収、身分剥奪の上・・・・・・・・・・」
金旋「ヒ、ヒィィィ!」
金旋の背筋に冷たいものが走る。
金旋「し、しかし私もかっては武陵を治めておりましたし、え、永安の内政も特に問題は無かったでしょう?
これは私が配下の者を適所に移した結果です。まだまだ将兵が少ない我が軍で、人を見抜くこの眼力はひ、必要ですぞ!」
蔡蘭ボソッ・・・・「以前輸送していた金3000を野党どもに奪われ、金3にしてしまった事もありましたよね」
雲玲「許すか、許されないか。ご自慢の眼力で見てみたら?」
金旋「・・・・・・・・・・・・・・・・」
雲玲をじっと観察してみる。
雲玲(NO!NO!NO!NO!)
金旋「ドヒィィィィ!」
雲玲「質問よ。敵前逃亡と輸送失敗、どっちの事の方が怒っているのか当ててみて」
金旋「て、敵前逃亡?」
雲玲(NO!NO!NO!NO!NO!)
金旋「ゆ、輸送失敗?」
雲玲(NO!NO!NO!NO!NO!)
金旋「り・・・・・・りょうほうですかぁぁぁぁ?」
雲玲(YES!YES!YES!YES!)
YES!
金旋「もしかして、永安を奪われた事の腹いせも入ってますか・・・・・・・ァ?!」
蔡蘭「YES!YES!YES!」(”OH MY GOD”)
雲玲「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!!!!!!」
ドーン!
金旋 全治3ヶ月(リタイヤ)
←TO BE CONTINEUDO
石の上にも韓玄
〜節を変ずる者たち〜
建安十五年(二一〇)夏四月、荊州牧劉表に対する訃報は、襄陽より跡を発し、
俄爾として荊北荊南そして南海を揺蕩せしめた。
趙範のもとには、李厳が慌ただしく駆けつけてきた。彼の言によると次の通りである。
劉表の後を継いだのは劉gでも劉jでもなく、荊州人士たるかい良であるという。
襄陽にておこなわれた群臣の協議では、殆どの者がかい良の襲継を勧め、
かい良自身も乗り気であった。劉gを推した者は諸葛亮ただひとりで、
劉jの伯父である筈の蔡瑁はかい良派に変じてしまった。
趙範の頭は混乱していた。
「もう、何が何だかわからぬな」
「いかに荊州の名士とはいえ、実子をさしおいて後を継がれるとは……。
継承を勧める方々も、それを受けた子柔殿、いや、子柔様も何か変ですな」
李厳は、やや俯きながら溜息を漏らした。そして、言を続ける。
「ですが、私は子柔様より襄陽太守に任じられた身。私欲ではなく普率の
ために継がれたことを信じ、謹んでその任を承るのです」
没前、劉表は襄陽の太守も兼ねていた。かい良は江陵の太守であり、
江陵をそのまま本拠と定めているため、襄陽太守は空位になっていた。
「趙範殿、お世話様でした。私はこの地を離れさせていただきます」
「む。……そうか。太守ということは、その地にいなければならぬからな」
「では、襄陽の民も待受けているかと思いますので、これにて」
李厳は趙範に背を向けて立ち去ろうとした。
「ちょっと待て」
趙範の声に、李厳は振り向く。しかし、趙範の口は半開きのままで、
言が発せられない。
「どうしました」
「……達者でな」
「ありがとうございます」
謹厳を崩さずに、李厳は一礼を交わした。
南海の諸将の様相にはさしたる変化が見られなかった。呉巨は、かい良が
劉表の後継になったことを受け入れている。それは、嘗て彼の献策によって
孫権の父たる孫堅を落命させたという一点による。君主・かい良を受容する
というよりは、孫氏に反する者であれば誰でも良いといった風である。
鮑隆は誰が継いだということよりも、どの猟場が鳥獣をよく狩れるかと
いう方に注力しているし、王威は目付という立場もあってか、明言を避けている。
趙範自身はというと、諸手を挙げられずにいた。劉姓にあらざる者が
荊州牧を継ぐこと、劉姓の片棒を担いでいた者がその手を放したこと、
劉姓同志が相争い、己が君となっていた側が劣勢に立っていたことなど、
腑に落ちてこない。さりとて、孫権や士燮に寝返ろうとも思っていない。
――いっそのこと、わしが君主に
なろうという気が起こってきた。喪に乗じて独立するとは、との謗りも
免れないが、それであればかい良こそが真っ先に責められるべきだ、
と己を正当化した。
建安十五年(二一〇)夏四月、南海太守趙範は、かい良の支配下から
脱し、南海の君主となった。しかしながら、彼に賛同し、付き従う将は
誰もいなかった。
四代目趙範(六代目韓玄)さん
遂に独立ですね。頑張って下さい。
では、本日分、うぷします。
あと保全あげ。
【下らぬ男】
蔡蘭「韓玄が空白にした長沙を奪いました」
雲玲「これで残るは荊南に残る敵勢力は・・・・・・・・・・・」
蔡蘭「桂陽の韓玄軍のみ」
雲玲「出陣!」
雲玲VS韓玄
将 雲玲 蔡蘭 沙摩カ(登用した) 劉賢 兵47000
敵将 韓玄 魏延 黄忠 趙範 鮑隆 陳応 陳式 兵 54000
蔡蘭「素早く敵城門に迫るため今回は(疾風)で行きます」
雲玲「先ずは砦を落とすのよ!」
蔡蘭「砦に敵軍を確認」
雲玲「さて、砦を守る敵将は誰かな?」
蔡蘭「旗印を確認。あれは・・・・・・・・・・」
雲玲「か・・・・・韓玄?!」
蔡蘭「報告します。我が軍の左翼より鮑隆、趙範。右翼より陳応、陳式。正面に魏延をを確認」
雲玲「へえ・・・・・・・・篭城しないって訳ね」
今回は韓玄軍の方が兵数は上である。城門に近づける前に叩こうというのだろう。
雲玲「上等!」
蔡蘭「先ずは我が軍を前進させます」
最も厄介を思える魏延の足止めのためである。
魏延「む、兵の足並みが乱れていく・・・・・・・」
蔡蘭「(混乱)は成功」
韓玄「ほう、あの敵将は女ではないか。なかなか美しい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どれどれ」
蔡蘭「では、我が軍は後退します」
韓玄「む!逃げるではないか。ま、待て〜ぃ!!」
蔡蘭の軍を追う様に(実際追っかけているのだが)韓玄の軍が前進してくる。既に砦は後方にあった。
韓玄「待て、まて〜ぃ」
蔡蘭「しかし、荊南の将はこんなのばかりなのでしょうか・・・・・・・・」
零陵
金旋「・・・・・・・・・フ・・・・・ブァックショイ!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・風邪かのう?」
キョウ志「大丈夫ですか?」
金旋「・・・・・・・・・・大丈夫な訳無いわい」
座臥の上から情けない声で返事をする。
金旋は雲玲に半殺しの目に遭い、まだ座臥から起きる事もままならなかった。
キョウ志「今ごろ敵軍も慌てふためいている頃でしょうね
何しろ我が軍は・・・・・・・」
キヨウ志は格別、武に優れているわけでは無かった。
だが、雲玲軍の恐ろしさは身に染みてわかっていた。
金旋「・・・・・・・・・・・・そういえば、雲玲殿に降伏する事を勧めたのはお主じゃったな」
キョウ志(私以外に誰がいるんですだれが)
金旋「ん?何か言ったか」
キョウ志「いえ、別に」
キョウ志は雲玲の勝利を疑ってはいなかった。
再び桂陽
韓玄「あ・・・・・・・・・あれ?」
既に韓玄は包囲されていた。
雲玲「よし!各将に伝達。徐々に包囲の輪を狭め、敵将韓玄を捕らえよ」
蔡蘭「兵は(言危)道なり。兵法の基本ですね」
(総大将)韓玄を撃破
蔡蘭「劉賢が敵に捕まったそうです」
雲玲「たった一軍であれだけの将を抑えろっていうのが無理な話ね
・・・・・・・・・・・・・すぐに助けてあげるから」
蔡蘭「では、いつもの様に」
雲玲「ええ、後方は任せる!」
趙範 鮑隆軍
趙範「な・・・・・何故だ」
敵兵が減らない・・・・・・。
以前キョウ志が受けた脅威を再び趙範、鮑隆は味わっているのである。
二将が相手にしているのは蛮勇を誇る沙摩カ、そしてその後方に蔡蘭。
沙摩カの軍は時に後退し、我々との間合いをはかる。と、思ったら再び前進。また後退。
その繰り返しであるが遠目にみても兵がなかなか減らないのである。
我が兵は沙摩カの軍との激突のたびに減っているというのに。
鮑隆「趙範様!左手を」
趙範「ぬうううううう!」
雲玲の軍である。陳応、陳式を相手にしながらこちらにまで向かって来たのである。
雲玲「呀ァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」
趙範 鮑隆軍を撃破
続いて魏延を包囲。
魏延「ぬ、ぬう!こう四方八方から攻められては・・・・・・・・・」
蔡蘭「えい」
無数の(金皮)刀を魏延の眼前に投げる。
魏延「チィィィィ!」
片手でそれを跳ね飛ばす。
魏延「この魏文長を嘗めるなぁ!」
あたりの兵を激するような咆哮が響く。が、一瞬の隙さえつくれれば良いのだ。
無数の兵に囲まれ、魏延の姿はその中に埋没していった。
陳式「韓玄殿が捕らえられ、今や我が軍は完全に瓦解しております」
陳応「ぐぬうううう!そこな敵将、一騎打ちを所望する!!」
陳式「陳応殿?!」
陳応が一人陣を離れ、兵を掻き分けながら叫ぶ!
雲玲「上等!」
雲玲は憂いを帯びた目で、その叫びに一人応答していた。
名のある武将との一騎打ちは初めてである。
一合、二合、三合。
刃を打ち合う雲玲は喜びに満ちていた。
そこらのゴロツキ供ではない一人の将と戦い、自分の力を試してみたかったのだ。
四合、五合、六合。
陳応「な・・・・・・・・何故笑っている」
雲玲は相変わらずの笑みを浮かべながら跨っていた馬の背に立った。
陳応「ぬう、その様な曲乗りに惑わされるか!」
そのまま手綱を放し、陳応に飛び掛る!
陳応「ぬおおおおお!」
ドオッ!
大地へ叩きつけられる。
落馬した陳応はまず獲物を確認した。が、それは確認するまでもなく目前にあった。
相変わらずの笑みを浮かべながら。
雲玲「破ァァァァァァァァ!!」
ドクン!!
記憶が甦る。
遠いあの日。憎しみだけに支配されていたあの頃。
華ダ(よいか雲玲。人には108の経穴が3巡り、合計324ある。そしてその繋がりを経絡というのじゃ。
この経穴、経絡を良く知る事が鍼には重要なのじゃよ。
だが、人を生かすツボがあれば殺すツボもある。それぞれ生穴、麻穴、死穴に分類される。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・よく学びなさい、雲玲)
相手は素手ではないか!
雲玲は拳を打ち込む動作をしていた、人差し指を多少起こした妙な拳だが。
刃でなければ素手でも防げる。陳応は両手でガードをするつもり・・・・・・・・・・だったが
ガードの体制が整う前に拳が左腕に打ち込まれる。左手首か?
陳応「ガッ!」
ビキィ!
左腕が硬直し、妙な痺れが走る・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・元々こちらに打ち込むつもりだったのだ、拳を。
一撃を受けた左腕が使い物にならない。そして再度拳が打ち込まれる。
陳応、陳式を撃破しました。
雲玲「・・・・・・・・・・・フゥ」
息を整え、武具を拾う。
と、眼前を何かが突如横切る。
殆ど反射的に顔をズラすと、ソレをかわす。
矢である。今だ砦に篭る敵残存勢力から放たれた矢であることは間違いない。だが、ここから砦はあまりにも遠い。
だが矢には明らかに殺気のようなものが込められていた。頬に冷たいものがはしる。が、
手近な馬に跨り、兵達に激を飛ばす。
雲玲「さあ、敵軍が崩壊したといっても気を抜くな!死に物狂いの兵ほど恐ろしいものは無いぞ。
砦を包囲せよ!!」
??「・・・・・・また外してしまったか。腕が落ちたのか、天命が働いたのか・・・・・・・・・・・・・・。
出来れば後者の方がいいのう」
砦の中で黄忠は寂しそうにそう呟いた。
だがすぐ表情を切り替え、残りの兵に叫ぶ。
黄忠「此処から先は主君も、栄誉も、命も無き戦場ぢゃ!
ワシについて来れる者のみついて来い、これぬ者は投降せい!」
そのまま敵陣に突撃をかけた。
その後、此度の戦で雲玲軍が一番てこずったのは魏延でも陳応でも、ましてや韓玄でもなく、この黄忠であった。
既に勝敗が決していたこの地にこそ、黄忠の潔さが輝いていたという。
桂陽を落としました。
登用
鮑隆 陳応 陳式 魏延
解放
黄忠・・・・・・・・・・・・・・・
韓玄「ワシはお前なんかに仕えてやらん」
趙範「同じく」
額に手を当て答える。
雲玲「・・・・・・・・・・・・じゃ、どっかいけば」
韓玄「・・・・・・・・・・・・ひきとめないの?」
雲玲「うん」
>>155 誇り高き将、韓玄は野に下ってしまいました。
168 :
無名武将@お腹せっぷく:02/12/17 06:53
久しぶりに来てみたら
見事にマイナーな武将のリプレイばかりが進んでいますな。
素晴らしい。
保守。
あと2,3日したら次回分を更新しようと思います。
1だけどまだ続いていたの!?
単発冗談スレのつもりだったのに(ガクガクブルブル)。
昔の勢いは、なくなりましたが私的にはお二人とも良質なリプレイスレだと、
思います四代目趙範殿ついに独立おめでとうございます、
誇り高き将、韓玄は野に下ってしまいました。(藁)
雲玲殿頑張ってください。
草葉の影から応援してます。(使い方が・・)
〜伏したる蛇たちの群像・其之壱〜
王威、呉巨はともかくとしても、桂陽太守着任の頃より五年ほど苦楽を
共にしてきた鮑隆くらいは自分についてくるだろう、と趙範は思っていた。
ところが、鮑隆は己に従わず、野に下ることもなく、呉巨らについていって
は[萠リ]良に身を寄せた。
「[萠リ]とか蔡とかいう虚名に騙されおって」
重くのしかかる自責をはねのけようとして、趙範は北の空に向かって
悪態をついた。萠良の承継というものは古参や寵臣ら一部の者の恣意で
あり、それに反感を抱く者も少なくなかろう、と彼はなおも思いこんでいる。
ただし、誰が趙範の思惑に叶っているのかを手当たり次第に調べるには、
時間があまりにも足りない。このままひとり孤立していれば、萠良や孫権が
攻め寄せてきてもおかしくはない。まずは頭数を揃えるべく、自分に近い
存在の者から声をかけてみることにした。
四月のうちに、趙範は荊州南部の武陵郡に赴き、太守の金旋を訪ねた。荊南は荊州牧の版図といえども、劉表ならびに荊州人士から受ける影響力は荊北より弱い。
「金旋殿、ご無沙汰しております」
「おお、趙範ではないか。いや、趙範殿、か」
金旋は慌てて威儀を正した。
「汝が独立するとは思いもよらなかったわい」
「まあ、いろいろありましてな。で、早速ですがわしに仕えてみませんか?」
「本当に早速だな」
苦笑いを、金旋は隠さなかった。
「要するに、金旋殿の力を一刻でも早くお借りしたい、ということです」
「わしを見込んでくれる、いや、頂けるとは有難いが……平気かのう」
「平気にするのは我々です。年長の金旋殿が助力していただければ、
荊南太守の同胞たる韓玄殿や劉度殿も我らがもとに駆けつけるでしょう。
襄陽やら江陵やらの温室にいる者どもには負けませぬぞ」
「いやに強気だな。そんな趙範殿を見るのははじめてだ」
「自分から士気を高めていかないと、潰れてしまいます」
「面白い、汝に賭けてみるとしよう」
「有難うございます」
趙範は金旋に深々と頭を下げた。ここにおいて、荊南四太守のうちで
もっとも若い趙範が、最年長の金旋を従わせることになる。
翌五月、武陵は劉璋に攻められ、陥落せられた。
「面目ありませぬ」
劉璋軍に捕らわれた金旋は解放され、傷を負って南海に姿を現した。
「気になさいますな。武陵と南海は隔絶しております。かえってこの方が
連携をとりやすいというものです」
金旋を支えながら、趙範は慰めた。
>>170 なんとか懲りずに続けております。
>>171 ありがとうございます。ようやく独立しました。
頻繁な更新ができておらず何ですが、気長によろしくお願いします。
君主:趙範
配下:金旋
不安だ(w
>>171 有難う御座います。見ている方がおられてホッとしております。
駄作ではありますがお付き合い頂ければ幸いにと存じます。
【困惑】
寿春
かって帝位を僭称した袁術の本拠であったこの土地も、今や対孫呉の最前線・・・・・・・・・・・・・であったが
孫権と同盟を結んだ現在、広陵を支配した新勢力に対しての最前線であった。
間者からの報告によると、広陵の地では昼夜関わらず人々は働き続け
今では想像もつかないほどの発展を遂げているという。
??「・・・・・・・・・どうゆうことなのだ?」
既に夜の帳が降りた自室から広陵の方角を睨み、思索に耽っているこの男は寿春太守 曹休。
曹休(報告によると駐屯兵力は約12万。これほどの兵数を一体いつの間に集めたのだ?)
ワイ南の人々は何かに導かれるが如く広陵の地へと集まり、そこで暮らしているという。
既に民草の間では偉大なる仙人が住んでいるとか良くわからない噂がたっている。
だが、真実を知る事は出来ない。何故ならその地に行って再び帰った者が一人もいないのだ。
間者も、この報告の文による便りを最後に消息を絶った。
曹休「・・・・・・・・・・・・・・」
しかし、一人で黙考した所で回答が得られる訳が無い。
それに既にここ、寿春には約6万の軍勢が駐屯していた。
下ヒの7万、ここの6万。そして今や同盟国となった孫呉の支配地、
マツ陵からは太守孫朗を総大将とした5万の兵が、既に総攻撃を待つのみの姿でそこにあった。
曹休「・・・・・・・・・・・・・まあ良い。叩き潰してくれる」
憎憎しげに一瞥をくれた後、背を向け、寝室に入る。
??「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ス」
座臥に体を傾けようとしたその時、何か聞こえたような気がした。
曹休「?」
あたりに注意をはらってみるが何も聞こえない。
明かりを消し、眠る事にする。
??「・・・・・・・・・・・・・・・・・クスクスッ」
今度は何か聞こえた。笑い声の様な小さな声。
曹休「何だ?」
体を起こし、耳を澄ませる。
何も聞こえない。
曹休「空耳か。明日は戦だからな。気が高ぶっておるのかもしれん」
??「クスクスクス・・・・・・・」
聞こえた。今度は確かに。
女の含み笑いのような声。
曹休「・・・・・・・・・誰だ」
静かに、用心深く声の主を探す。
??「クスクスクスクス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
曹休「答えんか!!」
部屋の中では女の笑い声が続くばかりである。
曹休「ぬう・・・・・・・誰か、誰か居らんか!!」
声を張り上げる!だが返答する者は誰も居ない。
??「フフフフフフフフフフフ・・・・・・・・・・・・・・・」
曹休「この曲者がぁ!」
手短な剣を手に取ると、とりあえず部屋から出ようと体を出口へと向ける。
が・・・・・・・・・・・・・・・・・今度は体が動かない。
曹休「グッ」
体全体に妙な痺れがはしり、曹休はその場に突っ伏した。
曹休「おのれ面妖な!刺客か?姿を現せ・・・・・・・・・・・」
今度は自分の放った声が遠く聞こえる。
曹休(一体どうした事・・・・・・・)
今度は徐々に視界がぼやけてくる。
部屋の中が霧がかったようにぼやけて見えない。
変わって睡魔が襲ってくる。
曹休「おの・・・・・・・・・・・・・・・・れ・・・・・・・・・・」
曹休は完全に動かなくなった。
その途端女の声はピタリとやみ、あたりは静寂につつまれていった。
その静寂の中、部屋に二つの姿が現れる。
??1「どうやら今度は上手くいった様ね」
??2「そ〜ね。下ヒじゃえらい目に遭ったもんねマジで〜」
??1「姉様の幻術が効かないなんて思いもしなかったわ」
??2「あの片目チョ〜ムカツクし!姉様に報告しなきゃ」
??1「・・・・・・・・・・・・・そうね」
やがて二人の姿は輪郭をぼやけさせ・・・・・・・・・・・そして消えていった。
床に突っ伏していた曹休の姿さえも。
孫権領 柴桑
??「・・・・・・・・・・・でな、孔明の奴がそう言うんだよ」
女「ウンウン」
もうずいぶんな時間、二人は話しこんでいる。
男は劉備元徳。
遠めに見れば酒家で酒を飲んでいる只のおやぢである。
だが、眼前の女は違った。一目で男を劉備と見抜いたのである。
女曰く「耳、デカ過ぎ」
強引で極端な物言い。だが劉備は今日初めて会うこの女を気に入ってしまったようだ。
そしてこの酒家で延々と話続けている。
劉備「まあ、その策が成る前に私は敗れ、結局孫権の配下になってしまったがな」
女「いやいや・・・・・・やっぱりスケールが違うわ!流石よね」
劉備「そうか?だが今は皆ちりぢりになってしまった。元気でいると良いのだが」
女「うむ。有意義な時間を過ごさせてもらったわ」
じゃらり・・・と机の上に銭を置く。
女「じゃ!」
劉備「?」
瞬く間に女は繋いであった馬に跨りさっそうと駆けていった。
劉備「やれやれ。忙しい人だ」
しかしあの女、只者では無い。馬術に優れ、その仕草には隙が無く何処か武を感じさせた。
誰か名のある方の娘か何かか・・・・・・?そういえば今や我が主、孫権の妹も・・・・・・・・・・
使い「劉備様、大変で御座います!!」
だが劉備の黙考も、使いの報告の前に霧散した。
翌日 桂陽
雲玲「とゆう訳で時代は天下三分なので次は益州を狙いたいと思います」
蔡蘭「意味がわかりません」
蔡蘭は頭を抱えたかった。早朝一番、告げられた言葉がこれである。
蔡蘭「それよりもまず伝えたい事があります。これを御覧下さい」
手に持っていた書簡を渡す。
雲玲「・・・・・・・・・・・・・・・・・・へえ」
中身を一瞥し、書簡を軽く巻き直しながら軽く返答しておいた。
他の者には蔡蘭が口頭で説明する。
「寿春の曹休、マツ陵の孫朗がそれぞれ離反し、独立した」という知らせである。
すかさず雲玲が劉度の口を塞ぐ。
劉度「何です・・・・・・フグ!ムグググ・・・・」
雲玲「黙ってなさい。五月蝿いから」
蔡蘭「広陵の攻撃のため、結構な兵力が駐留していたと聞きます。
それをそっくり奪われた形になったようです」
腑に落ちない。何故ワザワザ離反しなければならないのか。
孫朗は故 孫堅の息子の一人。孫権の兄弟として国を支えていた筈。
孫権に歯向かわなければいけない理由が分からない。
蔡蘭「しかし、曹操、孫権陣営が混乱する事はむしろ好都合です」
雲玲の思索は蔡蘭の声に遮られた。だが蔡蘭の言う通りである。
雲玲「でも孫権は曹操と同盟中だからこちらから手を出す訳にはいかないじゃない?」
蔡蘭「ええ。そうですね」
雲玲「消去法により次の標的は益州に決まり」
蔡蘭「まあ、そうなりますが・・・・・・・・それよりさっき何て言ってたのです?天下三分?」
雲玲「だから時代が旬であって・・・・・・・」
蔡蘭「さっきと言ってる事が違います。・・・・・・・・・・・・・・・・・実は言った本人も良く解っていないのでわ?」
雲玲「なななな何を言うのよ。いい?良く聞くのよ?要わ・・・・・・・」
蔡蘭「要わ、で、答えない」
次回は益州攻略です。
【暴走する歴史】
小ハイ
??「私はここで何をしているのだろう?」
陰鬱な面持ちで一人ごちてみたものの、自分の置かれた状況が好転する筈は無い。
男は険しい顔で城壁に立っていた。
無駄なく鍛え上げられた四肢。そして、胸の前を流れる美髯。
敵味方問わず恐れられ、称えられる武。
だが、その後姿からはその誇るべき武ですらも多少色褪せてしまったように思える。
達成すべき目標。守るべき契り。そして最後に残った誇りすらも失いそうな日々。
今の彼の成すべき事はこの土地を守る事。
かって掲げていた大義も、もう無い。
漢寿亭候。
折角賜った爵位ですらも、空しさを増すばかりである。
小ハイ太守。
男の名は関羽といった。
だが、静寂とは破られるためにあるのかもしれない。
物見の兵「た・・・・・・・・たたた大変です!」
関羽「・・・・・・・・・・何事だ騒々しい」
鬱陶しそうに答える。
物見の兵「は・・・・・・はあ、あの・・・・・・・・その」
関羽の威風に一瞬たじろぐ。だが直ぐに気を取り直して言葉を続ける。
物見の兵「下ヒの方角からものすごい数の兵がこちらに向かって来ています!」
関羽「味方では無いのか?」
下ヒは今や我が主、曹操の領地ではなかったか。広陵に現れた新勢力打倒のための軍が駐留していた筈。
物見の兵「そ、それが・・・・・・・・」
兵士がふと視線を関羽から外す。が、すぐさまその表情は驚愕のそれへと変わり地平を指差す。
物見の兵「あ、あれを御覧下さい!」
兵士が指し示した方角を見やる。無数の小さな何かが蠢いている。
ここからは距離が離れすぎていて良く解らないが、人の様である。
問題はその数が一人や二人ではない事。既にソレは地平を埋め尽くさん限りの数に膨れ上がっていた。
関羽「な、何だあれは?」
流石の関羽も驚きを隠せないでいた。
だが今の関羽のすべき事は一つ。
関羽「すぐにこの地の文武所官、兵を招集せい!ここまで接近を許してしまった今
城門前に陣を張るしかない。疾く行動せよ!」
物見の兵「は、ハッ!」
この地を守る事である。
たとえ棄民であったとしても、この地にあれほどの人の数を留めておく力は無い。
しかし、前線の砦から何の連絡もないのはどういう事なのだろうか?
腑に落ちない疑問を抱えながらも数刻後、驚異的な速さで城門前に陣を敷く。
だが、敵(?)も、目前へと迫っていた。
先遣隊の静止を振り切りこちらへと向かってくるその群集に小ハイの兵士達は只々驚愕していた。
多くは兵士のような身なりをしていた。だが中には農夫や年老いた老人も含まれていた。
そしてその多くが桑や鋤、鎌など農具ではあるが物騒なものを手に携えていた。
兵士「い、いいかげんにせんか!」
素通りされた先遣隊の一人の兵士が近くの棄民に切りつける。
斬り付けられた男は無表情のまま己の胸を見る。無論、血で朱に染まっている。
男の目の色が変わり、斬り付けてきた兵士へと襲い掛かる。
兵士「ぐ、グギャァ!」
その断末魔を合図としたが如く一斉に群集が暴徒と化した。
陣を敷いたといっても、数が違いすぎる。次々とこちらの兵士が暴徒に呑み込まれていく。
このままでは城門が破られるのも時間の問題である。
暴徒達は淡々と虐殺を繰り返している。
関羽「・・・・・・・・・・・・仕方あるまい」
赤兎馬に跨り単騎で前線へと踊り出る。
関羽「関雲長である。お前達の身の上に何があろうとも、それ以上の狼藉は許さん!
静まれ、静まるのだ!!」
民を傷つけるのは好ましくない。だが我が兵の被害は増える一方だ。
近寄る者に斬り付けながら関羽は敵を観察していた。
いくら斬り付けても何の反応も返ってこない。無表情のまま次々と倒れていく。
しかしまた次々と迫ってくる。命を失う事を問題としていない。
関羽はかってこの様な軍勢を相手にした事があった。
関羽「黄巾党・・・・・・・・・・・・・・・」
しかしソレも今は曹操の手の内にある筈である。
ならばこ奴等は何者だ?
音に聞こえた関羽の武といえども一人の人間に出来る事には限界がある。
ただの暴徒と思い、単騎で密集に足を踏み入れたのは関羽の失策であった。
かなりの時が経った。陽は既に落ちている。自分を取り囲む敵の数は相変わらず減らない。
むしろ増えているように感じられる。
関羽「ぬん!」
正面の男の右腕が天に舞う。さしもの青龍エン月刀も血と膏で切れ味が大分鈍ってきた。
その上疲労も限界である。
男「・・・・・・・・・・・・・」
右腕を失ったとゆうのにあいかわらずの無表情で再び飛び掛ってくる。
その男の脳天にエン月刀を叩きつける。
嫌な音と共に男の頭蓋が砕け散りあたりに散乱する。も、その血飛沫を受けながらも他の者が襲い掛かってくる。
関羽「ぐうううううう!」
体中が疲労に悲鳴を上げている。逃げるにも十重二十重に囲まれている。
??「・・・・・・・・・せめて最後は、美しく観念なさい」
背後から突然呟きが耳に届く。と同時に耳を劈く様な激突音が響く。
関羽「ぐ、グァァ!!」
気が遠くなっていく・・・・・・・・・・・・後頭部を打たれた様だ。
最後にこの関羽を捕らえた将の顔を見てやろうと首を動かすが・・・・・・
関羽「お・・・・・・・・お前・・・・・・・・は」
この男の顔は、見た事がある。
「民」でも「暴徒」でもなく、その武は四海に知れ渡っていた紛れも無い「将」である。
関羽「何・・・・・・・・・・・・・故」
だが考える間もなく視界が完全に奪われ、何も聞こえなくなった。
ギ・・・・・・・・・ギィィィィィィィィィィィィィィィィ。
重々しい音と共に城門が開く。
雲玲「よし!残存兵の掃討、投降兵の確認を怠るな!!」
諸将に激を飛ばす。
雲玲の軍は益州へと侵攻。
巴、成都を落とし。劉璋の領土を真っ二つに切り裂いた後、ここ建寧をも手中に収めた。
劉璋「か、感謝する」
劉璋の解放も、もう三度目だった。
息子の劉循に付き添われ、この地を去って行くかっての益州の支配者の姿。
それを見た誰しもが、時代の移り変わりというものを感じていた。
そしてこの土地で、かって戦場で相対したあの老将と出会う。
その男は城門前に一人、座していた。
その報告を聞き、急ぎ現れた雲玲にぽつりと言葉を漏らす。
黄忠「腕は錆付いてしまったかもしれん。だが、このワシに再び戦場を与えて下さらんか?」
隠遁していたせいか、どこかみすぼらしいその姿。
だが、胸に秘める野心、鍛え抜かれた武を象徴するかのような強靭な体躯。
数多くの戦場で培った威風は、まるで色褪せていなかった。
雲玲「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・歓迎するわ」
黄忠を登用しました。
韓玄「あと、わしも歓迎して( ゚д゚)/」
雲玲「アンタもいたの」
韓玄も登用しました(;´Д`)
その後、建寧の目標を南中の残る二拠点の制圧とし、成都へと帰還。
しかし巴太守、韓浩が独断で最後の劉璋領、フへと進行。
蔡蘭「巴の兵力だけでフを落とすのは無理です」
雲玲「疲れてるんだけどな、まったく。独断で無茶されると困るわね」
黄忠「では、私が行きましょう」
雲玲「・・・・・・・・・・任せるわ。あと数名、将を付けます。韓浩を助けてあげて」
黄忠「ハッ!」
雲玲「しかし、この微妙に駄目なあたりは血筋なのかしらね?」
半眼になって韓玄を軽く睨む。
韓玄「およよ?ワシが何か?」
雲玲「韓浩はアンタの弟でしょうが!」
バキィ!
韓玄「およよ〜」
八つ当たりの蹴りが韓玄の顔面にHITする。
再び韓玄が目を覚ましたのと、劉璋の勢力の滅亡の知らせがここ成都に届いたのは、ほぼ同時刻であった。
おそらく年内最後のうぷとなります。
このスレを御覧の皆様。どうぞ良いお年を。
〜鍛錬は独学に限る〜
秋七月、趙範は南海の練兵所にてひたすら槍を振るっていた。
[萠リ]良の幕下にありて主君に不満を抱く将を収攬する一方で、
かかる鍛錬にも努めるようにしていた。いかに良将を麾下に組み入れたと
しても、いざというとき最も頼りになるのは自分以外にいない。独立の際に、
彼はそう痛感した。
「趙範様、精が出ておりますな」
聞き覚えがある声を、趙範は耳にした。目を向けてみると、金旋であった。
「おお、金旋殿」
趙範は手を休め、金旋とむかいあった。
「このとおり、武術の鍛錬をしておった。自分が強くなければ、生き残れまい」
己が手にしている槍を、趙範は金旋に示した。
「良い心がけですな。わしも手助けしましょうか」
「いや、金旋殿の手を煩わせることはせぬ」
「なんと、わしは不要ですか? ついこの間までは、『金旋殿の力を
一刻でも早くお借りしたい』とおっしゃられていたではありませんか」
皺が深く刻まれた金旋の顔が、趙範に迫る。
「興奮しなさるな、金旋殿」
己の首をやや退け、掌で顔を防ぎながら、趙範は弁解する。
「鍛錬は独学に限るものなのだ。この前、南海の城邑を巡察していたら、
街の若い者から聞いたのだ。独学によって何か特技が身に付くことも
ある、と」
「そうですか……それならば、好きなだけ独学で鍛錬してくだされ」
釈然としない表情を残しながら、金旋は練兵所から立ち去った。
〜空の知嚢、膨脹せり〜
秋九月、劉備が新野および江夏の二方向より襄陽を侵した。精強なる
将らに率いられたその軍勢は、荊州一の都城を陥落させ、太守李厳を
屈服せしめた。
翌十月、趙範は襄陽に赴き、李厳を訪ねた。
「李厳殿、劉備の軍門に下るとは……貴公はやはり[萠リ]良に信服して
いなかったようですな」
趙範の口元が歪んだ。
「……私を誘っているつもりですか」
「ご名答。さすがは李厳殿」
「残念ながらその期待には」
「お待ちくだされ」
趙範は冷淡なる李厳の言を遮り、己が熱弁を流す。
「劉備のもとにいても枢要につくことは望めぬぞ。古くからの勇将能臣が
ひしめく中で、閑職に追いやられるのが精一杯だ」
「……」
「その点、我が陣容はまだ熟しておらぬ。活躍の場はいくらでも与える。
というよりも、おぬしのような知将が私は欲しい。そして、あわよくば
天下をものにしたい。どうか、どうか我がもとに」
頭を下げる趙範に、李厳はいささか困惑した。しばらくして、口を開く。
「……趙範軍の枢要、欲してもよろしいのですか」
「ということは」
「趙範様について参りましょう」
そういって李厳は完爾とした。それにつられて、趙範は勝ち誇った。
〜伏したる蛇たちの群像・其之二〜
襄陽より南帰する道すがら、趙範は湘北の要衝たる長沙の城に「趙」と
書かれた旗が翻っている様をみかけた。姓が己と同じくしているのみならず、
その旗色までもが、南海に立てた己のものと狂いはない。
訝りながらも、彼は城邑に入った。
「これは趙範様、ご無沙汰ですな」
嘗て、ここの城主であった筈の韓玄が、趙範を迎えた。
「韓玄殿、いつの間に我が陣容へ加わったのですか」
「金旋殿から、趙範様に仕えるよう説得を受けましてな、承知したわけですよ」
「そうか、金旋殿が……」
「前々から思っておりましたが、劉表も[萠リ]良も信用ならなくてな。
とはいっても事を起こすほどの勇気はなく、現在に至ってしまいましたが」
「よくぞ決心してくださいました。あとは劉度殿を迎えれば、不遇にありし者
たちの逆襲ができるというものです」
南海の君主は、嬉々として長沙の壮年太守の肩を叩いた。
翌十一月、孫権の軍勢が長沙に襲いかかった。昔時、この城では
韓玄のほか、魏延と黄忠が守りを固めていた。しかし、ふたりの猛将は
現在江陵に逃れてしまい、[萠リ]良の息がかかった伊籍が湘南を封鎖
している以上、城主韓玄ひとりでこれに抗わねばならなかった。その術
なくして韓玄は孫権に捕らえられ、南風を待つ程もなく徒花と化した。
>>175 何とか、有能な将をひとり登用できました。
滅びないよう頑張ります。
今年最後のうぷは、ちょっと残念な結果となってしまいました。
あと1時間ちょっとで踰年しますが、みなさま良いお年を。
〜西進への野望〜
「韓玄殿が斬られただと」
南海の城中にて激昂したのは、金旋である。
「落ち着いてください、金旋殿」
李厳が冷静に宥める。しかし、韓玄を荊南の同胞とみなす元武陵太守の
青筋は消えない。
「これが落ち着いていられるか。軍師殿とて、自分の妻子が殺されたら
黙っていられまい」
「ええ。ですが、現況を鑑みるに、今の我々では孫権とまともに対抗する
ことはできません。いや、対抗してはなりません」
「わしの悔しさが、おぬしにはわからぬのか」
今にも李厳の襟を掴みそうな勢いを、趙範は金旋から察知した。そして、
止めにかかる。
「金旋殿、抑えてくだされ」
「わが君も仇討ちをやめろというのですか」
「今は、の話です。だいいち、兵力に差がありすぎます。弔いの戦は後で
からでも遅くないでしょう。貴公が無駄に命を散らせたのであれば、わしは
これからどうすればよいのですか」
「……」
金旋は口を結び、俯いた。
「趙範様、金旋殿の願いを叶えるのであれば、西へ向かうべきでしょう」
傍らより、李厳が趙範に進言する。
「西?」
「はい。まずは士燮を屈服させ、交趾より雲南に入り、しかるのちに入蜀
するのです。益州は天府でありますが、益州刺史の劉璋はそれを有効に
生かし切れていないようです。従いまして、これを打ち破るのは困難では
ないでしょう。ここで地盤を固めれば、[萠リ]良や孫権に対抗しうると
考えられます」
「なるほど。それは良策だな」
趙範は微笑を浮かべる。
「というわけで金旋殿、いましばらく辛抱してくだされ」
「……そうしますか」
金旋は言葉でこそ肯んじていたが、その表情から陰は残っていた。
あけましておめでとうございます。
相変わらずの進行具合ですが、本年もよろしくお願いします。
あけましておめでとうございます。
毎度ながら頑張ってください。いつも見てます
〜伏したる蛇たちの群像・其之三〜
冬十二月、趙範は零陵太守劉度とまみえた。彼は「荊南の同胞」の
ひとりである。
「韓玄殿が孫権の手にかかって殺されたようです」
元長沙太守への同情を、趙範は零陵太守に訴える。
「ふうむ……」
嘗ての桂陽太守の目論見に反して、劉度は冷淡に言をこぼした。
「どうしました」
「いや、それもやむないことかな、と思うてな。長沙における韓玄殿の
統治は、残念ながらあまり褒められたものではない。孫権殿の挙措は、
長沙の民の声を反映したものじゃろうて」
「ですが、韓玄殿は荊南の同胞ではありませんか」
「そうかといって、すべてを共鳴できるわけじゃのうてな」
溜息をつきながら、劉度は趙範に語った。
「韓玄殿の仇討ち、というのであれば、わしは断る」
「そんな……」
趙範は大きくうなだれ、嗟嘆した。
「お待ちくださいませ」
趙範は失意のうちに零陵を去ろうとしたところ、ひとりの青年に
呼び止められた。
「劉賢、か」
「趙範様……父上との話を……こっそりと聞いてしまいました」
息を切らしながら、劉度の息子はいった。
「で、どうした」
「韓玄殿の仇討ちをするそうですね。私を加えていただけませんか」
「なんと」
陰鬱な趙範の表情が一転、煌々と変じた。
「本当にいいのか」
「はい。韓玄殿は怒りっぽくてすぐ殴るし怖いけど、いろいろと世話に
なったし、無視するわけにはいきません」
「父と戦うことになってもよい、というのか」
劉賢の視線がやや下向きになるが、やがて趙範の貌をまっすぐに
見据える。
「それも、やむを得ません」
「心強い。よろしく頼むぞ」
趙範は劉賢の方を思い切り叩いた。
〜版図を失えども百官を得たり〜
建安十六年(二一一)春正月、趙範は己の後釜として桂陽の太守に
居座っていた伊籍を登用した。彼のもとには、文治に優れた蒋[王宛]が
おり、彼もまた[萠リ]良に背いて趙範に下った。すぐさま、長沙より孫権の
軍勢が南下してきたが、ふたりはつとめて抗戦することなく南海まで
逃れてきた。ふたりとも戦慣れしていない文官であり、加えて桂陽には
五千の兵しか配備していない。これに十倍する軍に抗うのは無謀である
と判断したことによる。
獲得してきた領土をたびたび失陥しているものの、この一年で趙範は
陣容を強化してきた。[萠リ]良あるいは劉備のもとから蔡勳や蔡和、
蘇飛、黄忠を登用し、九万の兵を南海城内に常駐させた。趙範自身も
乱射の特技を新しく身につけ、民から太史公書――いわゆる『史記』――
を授かりもした。
西のかた交趾では、士燮が八万強の軍勢を従えている。士燮軍は
文官揃いであるが、兵数を侮ってはならぬという李厳の進言を容れた
趙範は、蒋[王宛]をして士燮に間諜を忍ばしめ、戦時に軍を混乱させる
よう仕向けた。
次回、士燮と干戈を交える予定です。
>>196 ありがとうございます。励みになります。
〜先ず交州に覇を争う〜
建安十七年(二一二)春正月、趙範は李厳、黄忠、蔡和を従え、六万の
兵を率いて交趾を攻めた。参軍の李厳は、中央突破を主張した。彼我の
兵数を鑑みると敵軍に分があるということ、総大将の士燮を討ち取るか
生け捕れば、他の将は士気を喪って抵抗しなくなるだろうという目論見による。
「良策だ。しかし、他の者が本陣に集結してはこないか?」
趙範は、いささかの不安が拭いきれなかった。
「どこから襲来されてもいいように、兵を各拠点に分散してくると思います。
士燮の堅実が仇となることを見せつけましょう」
己が真剣なる貌を崩すことなく、李厳は君主の後押しをした。ついに
趙範は諾として西へ進軍していった。
趙範軍が設けた本陣と、交趾城との中間にある砦には、士燮の麾下に
ある陳震と士匡が守っていた。趙範らはこれを囲繞せんと欲すれども、
蔡和が陳震の偽報に惑乱せられ、陣を崩弛した。しかし、趙範、李厳、
黄忠の三将はこれを収拾する余裕もなく、敵将を攻め立てた。李厳と
黄忠で敵将を挟撃し、趙範の援護射撃によって屍山を築いていく。
「蔡和、わしらはさっさと士燮めの部隊を強襲させてもらうぞ」
「殿。お、お待ちください」
「合流したければ、自分で陣を立て直せ。悪いが、このままおまえに
構っている時間はない」
なおも蒼惶とする蔡和をよそに、趙範、李厳、黄忠は先を急いだ。
交趾城の周りには、程秉と参軍の薛綜が士燮の部隊を翼蔽していた。
趙範らは、守兵寡なき彼らを軽く蹴散らして士燮を急襲する。ここで
趙範は、あらかじめ埋伏させておいた間諜を内応させた。士燮の固い
布陣が崩潰する。旬日も経たずして士燮は縛執せられた。
「わしをどうするつもりだ」
白髪の老君主が、捕縛の憂き目にありて趙範に向かって叫ぶ。
「士燮殿、わしに手を貸してはくださいませんか」
「いきなり我が領を侵して何をいうか」
「まあ、そうでしょうね。当然ですよね。しかし、外交の場で威儀を正して
望んでも、あなたは肯わないですよね」
「それは、おぬしに従え、ってことかな。それであれば、従わぬわ」
「だからこそ、このような手段をとらざるを得なかったわけです。もう一度
伺います。天下一統のため、わしに手を貸してくださいませんか」
このときの趙範からは、鄭重な姿勢が抜け落ちていた。
「断る。おぬしに降るくらいなら死んだほうがいい」
「わかりました。お望み通りに致しましょう」
趙範の命により、士燮は市中にて斬首せられた。彼の一族についても、
残党となって反撃されることを恐れる余り、ことごとく鏖殺し、その兵を
己のもとに収めた。
>>201 おお、これは懐かしい。ダウソさせていただきました。ありがとうございます。
〜虎を調いて洲より離れしむ〜
もともと士燮に所属していた兵を組み入れることによって、趙範軍の
総勢は、南海の守兵含めて十万まで増大した。このまま止まるはずも
なく、夏四月に至り、趙範は交趾の留守に鞏志を残し、ふたたび六万の
兵を以て西進した。雲南は劉璋の麾下にある張嶷が占拠していた。
「兵数では彼我ともに互角です。が、劉璋はどうやら成都より援軍を
遣わせているようです。彼らとまともにぶつかることは避けたいものです」
軍議において、李厳が発言する。
「では、交趾での戦いと同じようにしていけばよいかの」
「わが君、こたびの戦は本陣を衝いたところで決まるとは思えません。
とくに、西南夷の者たちはなおも牙を剥いてくることでしょう」
「西南夷?」
「土着の民ですな。彼らは壮士ではありますが、概して純朴です。
従いまして、ここで勝敗を決することにいたしましょう」
李厳は己の頭を指さした。
「ふむ。で、援軍はどうするかの」
「雲南の将らを殲滅させれば、彼らは算を乱すことでしょう。ですから、
あしらう程度で良いと思います。どうしても鋭鋒を避けたければ、
秘策はございます」
「ほう」
「要するに、虚報を流して戦場にいられなくなるようにすることです」
「ふふ、なるほど。その手の策はおぬしの得意とするところじゃな」
趙範はにやりと笑った。
「お任せくだされ」
主君に応えるかのように、李厳も微笑を湛えた。
峻険なる山岳地帯を抜けると、眼前には河が行く手を遮っていた。
河には中州があり、陣が布かれている。
「おお、あれに見えるは巾幗の英傑か」
将と思われるひとりの女性を見いだし、趙範は勇んで跋渉せんとする。
「お待ちくだされ、わが君」
「何だ李厳。足止めしてくれるな」
趙範は振り向いて不快を明らかにした。
「ますます敢戦できるよう、援護しますぞ」
澄ましながら、李厳は応える。趙範の貌から、苦渋の皺が消えた。
「わが君は、河での白兵戦を苦にしておりませんよね」
「いかにも。南海で鍛えてきた」
「彼女はおそらく慣れていないでしょう。ですから、河におびき寄せます」
そういうと李厳は、中州に向かって罵詈を吐いた。
「この祝融を侮辱するとは、許せません!」
中州の軍団から怒号があがるや否や、李厳の軍勢に向かって渡河
せんとしていた。
「お、おい。かなり怒っているぞ奴ら」
「気にすることはありません。彼女たちの標的はあくまでも私です。
さあ、その間に彼女たちを側面から衝いてくだされ」
「お、おう」
かくて李厳は祝融率いる軍団と正面から対し、趙範はその左舷を
襲った。その包囲により、祝融は自壊していった。
水戦に長ける蔡和を河上に布陣させ、趙範は李厳、黄忠とともに
対岸へ上陸し、山林に入った。罠を警戒しながら進んでいったところで、
陳式率いる援軍が立ちはだかった。李厳が虚報もてこれを成都に
退却せしめた後、西南夷の勇士孟獲と孟優の兄弟を擒捉した。趙範軍が
雲南城に迫った頃には、太守張嶷の軍も及び腰となっていた。
雲南を制圧した趙範は、孟優を軍門に下した。他の将は孟優に倣って
趙範に仕えることを潔しとしなかったが、彼らを斬り捨てることなく解き縦った。
【三皇五帝】
「パチン!」
乾いた音が響く。盤上には黒と白の駒が並ぶ。
そして碁盤に向き合う二人の老人。
老人1「むう・・・・・・・・・・」
苦悶の相が浮かぶ。こちらは劣勢のようだ。起死回生の手を捜し視線を巡らせる。だが、それは盤上には無いように見えた。
フゥ・・・・・・・とため息をつくと向かいには笑みを浮かべる老人の姿が見える。
フ・・・・と視線をずらしそのまま左へと目を向ける。と、こちらに頭を深々と垂れる人の姿が目に入った。
老人1「おお元放!良く来たな。もっと此方へ来い。下界の様子を聞かせてくれい」
手招きをして近くへと誘う。
老人2「こりゃ北斗!誤魔化そうとするでないわ。次はお前の番じゃぞ」
北斗「ぐっ・・・・・・・」
元放と話し始める事によって、勝負をうやむやにしてしまおうとした策は瞬時に破られた。
だがその元放が救いの主となった。
元放「本日は人の生と死を支配する北斗聖君、南斗聖君。お二方にお伺いしたい事がありまして参りました」
その言葉を聞き胸中で安堵した。これで今回の勝負はお流れだ。
だがその安堵を悟られぬように口を開く。
北斗「なななななんじゃ?何でも聞くが良い」
南斗「・・・・・・・・・・動揺がまるわかりじゃのう。
まあ良い。左慈元放。お前が知りたいのは今の下界の事じゃな?」
左慈「その通りです。広陵に突如現れた新勢力が中原を荒らしております。
新勢力は南にもありますがこちらはソレと違い、何やら禍々しさが伺えます」
南斗「ホッホッホ・・・・・。『仙人』左慈元放にも解らんか。アレが」
左慈「・・・・・・・・解りませぬな。アレとは一体?」
北斗「我々に出来る事はせいぜい人の生き死に。宿星を支配する事くらいじゃ。
彼奴らにはワシ等とて、手が出せん」
左慈「・・・・・・・・・・・・・人では無いのですか?」
南斗「左様。ワシ等は只、ここから眺めておるくらいしか出来ぬ」
左慈「ではこのまま人の世は彼奴らに蹂躙されていくだけなのですか?」
左慈の叫びも二柱には届かない。
北斗「人の世がどうなろうと正直ワシ等は何もしない」
南斗「最後の一人が生き絶えるまでここから眺めているだけじゃよ」
左慈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
北斗「じゃがそう心配する事もないのじゃよ?」
南斗「人の世の乱れは人が正す。人の世を人でない者が乱せば人でない者が正す」
北斗「まあ見ておるが良い。お主も俗世に関わり過ぎん様にな」
その言葉を最後に二人の姿が徐々にもやがかかったように薄れていく。
やがて視界には何も無くなった。
二柱の神の姿も、碁盤さえも。
>>196 おめでとうございます。よかったら私のリプレイも見て下さいね。
>>201 私もダウソさせて頂きました。有難う御座います。
保全アゲもかねて。
と、思ったらageてませんでした。
失礼致しました。
【暗愚の相】
曹操「いったい如何した事なのだ!」
江陵にいる諸官の前で曹操の怒号が響く。
ここにきて天下を併呑する計画は大幅な軌道修正を余儀なくされた。
江陵より南の孫呉を睥睨し、次いで涼州、益州へ進行する筈であった我が軍は、相変わらずここに駐留したままだ。
原因は只一つ。突如広陵に出現した新勢力の存在である。
瞬く間に広陵を大城塞都市へと変貌させたこの存在を見逃す事は出来ず、国境を共にする孫呉を巻き込み
兵力を浪費させ、返す刀でそのまま南へと進行をするつもりであった。
だが、そんな時に曹休、孫朗の造反である。
これにより広陵進行はままならず、混乱したまま24ヶ月がすぎ連合は解散となった。
そしてその隙を縫うように新勢力が進軍。
曹操の下には下丕β、小沛の陥落が伝えられた。
予想だにしなかった事態。急遽集められた諸官達も只、沈黙するばかりであった。
曹操「どうした?誰も語らんのか。少しでも現実が自分の想像の上を行くと何も語れない。
そんなものなのか?この曹操の軍師は!」
沈黙を前にして益々曹操の怒気が強まる。このまま黙っていれば首でも撥ねられかねない勢いだ。
荀ユウ「恐れながら申し上げます」
一歩前へ出て献策を述べる。
荀ユウ「小沛の先は(言焦)、または陳留。その先は天子のおわす許昌です。
この新勢力が天子簒奪を目論んでいるのは明らかです。
ここはこの勢力を朝敵とみなし、勅命を奉じ再び連合を組み・・・・・・・・・」
そこまで語った所で曹操が手で言葉を遮る。
曹操「流石この曹操の軍師。天子に泣きつけと申すか」
何処か遠くを見つめながら感想を漏らす。
荀ユウ「そうではございませぬ。以前のように孫家を巻き込めば我が軍の浪費は・・・」
曹操「我が軍だけでは既に倒せぬ存在へと成り上がった。と、軍師は判断するのだな。
つまりこの曹操と同等に天を争う存在だと」
相変わらず何処か遠くを見ているような・・・・・・何も見ていないような冷めた表情で言葉を続ける。
先程の怒気がまるで嘘の様だ。
荀ユウ「我が軍は質、量、共に最強で御座います。ですが眼前には下丕β、小沛を落とされた現実があります。
最速で覇業を達成するには全てを支配し、利用する事が重要ですぞ。
兵は国の大事にして、死生の地、存亡の道なり。と申しまして・・・・・・・・・・・」
曹操「俺に孫子を語ってどうする」
注釈まで付けている曹操に孫子の一説を語っても無為な事だ。
勿論荀ユウもそんなことは解っている。孫子の一説は軽い冗談のつもりで付け加えたのだ。
「ソレ」が効をそうしたのか、曹操の表情が徐々に柔らかいものに変わりつつあった。が
曹操「その最強とやらの上で胡坐をかく者はこの曹操には必要無い」
突如鋭い視線を荀ユウの隣に居並ぶ文官達へと向ける。
曹操「・・・・・・・・・・・お前達は何故何も語らない」
再び曹操の威を前にして沈黙が始まる。これでは他の者も、献策もままならない。
それまで話していた荀ユウも語りを止めてしまう様な重い空気が漂う。
そして再び曹操が口を開く。先程よりか幾分、明るい口調で。
曹操「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わからんな」
荀ユウ「・・・・・・・・・・・・・・・・は?」
曹操「何故この状況を喜ばんのだ、お前達は」
文官達「??」
文官達は先程とは別の意味で固まってしまった。
何も語れない。
曹操「質と量で勝てる戦ならばお前達に出番はなかろう?」
荀ユウ「は・・・・・・・・・・・・・・はあ」
曹操「戦は正を以って合し、奇を以って勝つ。だが故劉表の勢力は「正」のみで我が軍に帰順した
だが、ここに「奇」を持たねば勝つことの出来ない存在が現れた。
奇を生み出すのは誰の仕事なのだ?」
荀ユウ「それは我々の・・・・・・・・・」
曹操「そうだ。以前のまま孫呉まで「正」で睥睨してしまえばお前達の仕事など限られたモノだ。
だがここで「奇」が必要な瞬間が現れた。その「奇」を生み出す事がお前達が一番胸が躍る仕事では無いのか?」
荀ユウ「・・・・・・・・・・・・・・」
曹操「なのに俺の元には今朝から誰一人献策に訪れん。武官達にしたってそうだ。
地を奪われた謝罪や弁解の書状ばかりが目に付く。
自分の理解の届かないモノ、ソレに対して沈黙しているだけなら何のための智だ!何のための武なのだ!」
広間に再び曹操の怒声が響く。
曹操「俺は何もしていないお前達が気に食わんのだ!」
何もしていない訳ではない。だが先程からの曹操の言を辿ると・・・・・・・・・・・・・・・・何もしていない事になる。
曹操「もういい。今日は参会だ」
興味を無くしたように皆に背を向ける。だがその後でポツリと漏らした曹操の言を荀ユウは聞き漏らさなかった。
曹操「やはり郭嘉を失ったのは大きいか・・・・・・・・・・・」
荀ユウの体が強張る。奇妙な震えがはしる。
貴方の前には無数の軍師が在る。私もそうだ。許昌の伯父も程イク殿も、他にも才溢れる優れた人材が多数に。
それでも、この状況で貴方が必要とするのは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
たしかに我々は少し増長していたのかも知れない。
だが、曹操のその一言はその事以上に荀ユウの肩に重くのしかかっていた。
(^^)
連休中にうぷできませんでした。すみません。
今日のところは保全書き込みのみで失礼します。。。
【困惑の都市】
雲玲「やっと着いたようね」
蔡蘭「左様で」
御車から顔を出す。許昌の城壁は既に目前まで迫っていた。
二人は蜀公の公位就任のため、ここ許昌を訪れていた。
二人がここを訪れるのは初めてではない。以前州牧に就任する際、一度訪れている。
以前訪れた時と同じように、多くの人々が労働に精を出している。が、何か妙な違和感に包まれている。何かが不自然だ。
蔡蘭「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
雲玲「どしたの?」
蔡蘭「雲玲様、妙です」
雲玲「?」
蔡蘭「先程城壁にも無かったのですが、曹旗がどこにもありません」
雲玲「・・・・・・・・そういえば。おかしいわね?支配地に旗の一つも立っていないなんて」
ここは曹操の本拠地の筈。なのに城門にすら曹操旗が掲揚されていない。
女性「雲玲様ですね?」
雲玲「はい?!」
驚き振り返ると背後に二人の女性が立っている。
使いの女性1「我々が謁見の間まで、ご案内致します」
雲玲「あ・・・・・・はい」
数年前まで一平民であった雲玲が、天子様に謁見出来るのだ。二度目とはいえ、そう簡単に慣れられる事では無い。
徐々に緊張してきた雲玲の頭の中から先程の疑問などは瞬時に霧散した。
雲玲「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・暇ね」
元々無口な蔡蘭は元より、道案内の女性二人も、只々歩き続けるだけで雑談の一つも無い。
退屈になった雲玲は町の様子を眺めて見る事にした。相変わらず人々が所狭しと働き続けている。
雲玲「な・・・・何よこれは」
多くの人々を眺めている内に気づいたのだ。
籠に入った野菜を運ぶ女性。壁を塗り直しているいかつい男。四つ角の店の主人。たった今我々と逆方向に走って行った若者。
皆、一様に表情が無いのだ。
重い物を運ぶ時の苦悶の相、道行く客に見せる柔和な笑顔・・・・そういったものをまるで何処かに置き忘れてしまったかの様に。
蔡蘭「・・・気づかれましたか」
雲玲以外、誰にも聞こえないような小声で蔡蘭が語りかける。
蔡蘭「以前、訪れた際には、もっと町に活気がありました。
不思議な話ですが許昌の民は変わってしまった様です。
曹操への畏怖の念。それならば人々に恐怖や怯えの相が見えてもおかしくありません
ですがココの人々にはそれすら無いのです」
その奇妙な感覚はやがて不快感へと変わっていく。宮殿の入り口に差し掛かった頃・・・・・・・・
その入り口でも職人とおぼしき男達が修繕に懸かっていた。かなり高い梯子に上り壁を修繕している。
その高い梯子はかなりグラついていたようだ。雲玲も見ていながら倒れやしないかとヒヤヒヤしていたのだが。
細かな揺れは徐々に大きなものになっていく。
雲玲「あ・・・・・・危な・・・・・・・・・・ち・・・・・・ちょっと!」
やがて危惧した通りの結果になった。
グラッ・・・・・・。
梯子がバランスの限界を超え、倒れていく。
雲玲「クッ!」
瞬時に落下点へ手を差し伸べるが・・・・・
ドオッ!
間に合わなかった。初老の男が顔面を抑え、蹲っている。痙攣も起こしている様だ。瞬時に石畳が血に染まる。
雲玲「ち・・・・・・・ちょっと、誰か!医者を!!」
使いの女性1「どうされました」
雲玲「梯子が倒れたの!あんな高さから落ちたんじゃ、怪我どころじゃ済まない!早く医者を」
蔡蘭「診せて下さい」
蔡蘭が駆け寄る。
使いの女性1「医者を呼ぶ必要はありません」
入り口から出てきた女性が冷たく言い放つ。
雲玲「どうして!?」
落下した男の傍に跪いていた蔡蘭が無言で立ち上がった。小さく頭を左右に振る。
使いの女性1「もう、死んでいます」
使いの女性2「すぐに運ばせます。折角の日に大変申し訳ありません」
深々と頭を垂れる。やはり無表情で。
確かに彼女らにとって平民の一人や二人、死のうが生きようが関係無いかもしれない。
ましてや雲玲は戦場で命のやり取りをしているのだ。
だからといって何も感じないわけではない。戦場と、医療の場で人の「死」には慣れている蔡蘭ですら多少表情を曇らせている。
だが彼女らは眉ね一つ動かさない。周りで働く人々も誰一人こちらに注目すらしない。
使いの女性1「では、ついて来て下さい」
だが、目前の「死」に対して人はこうも無表情でいられるものなのだろうか。
雲玲「な、何なのよこいつ等・・・・・・・」
蔡蘭「行きましょう」
蔡蘭が先へと促す。普段無表情の蔡蘭にすら困惑の相が見える。
ここでずっと立っているわけにもいかない。先では先程の使いも待っている。
雲玲は歩を先へ進めた。
>>216四代目趙範(六代目韓玄) ◆.36thCiL5U殿。
慌てず、自分達のペースで進めていくのがよろしいかと。
共に頑張りましょう。
〜湘南の草民ずれ〜
西漸を続けていた趙範は、覚えず路上の礫石に躓いた。
夏五月、金旋が趙範の陣営を脱し、劉璋に身を寄せたのである。
劉表によって荊南の統治を委ねられた荊南四徒のひとりであり、
反[萠リ]良の旗幟を明らかにしてからはじめて従えた将の離反は、
南中の君主をして甚だしく狼狽せしめた。
「金旋殿、なにゆえ我がもとを離れてしまわれたのですか」
報を受けるや否や、彼はすみやかに建寧へ急行した。
「貴公はわしを冷たくあしらったではないか」
「何をおっしゃりますか」
「一度ならず、二度までも戯れ言を申されるか」
金旋の剣幕に、趙範はたじろいだ。
「はじめは『金旋殿の力を一刻でも早くお借りしたい』といっていたではないか。
それが、鍛錬のときは断られ、こたびの西征には加われず……。
結局は、はじめの一言は甘言か」
「金旋殿、お待ちあれ。それは思い違いでござる」
「もうよい。放っておいてくれ」
貌に棘を残したままで、金旋は身を翻した。
【怪しげな傘の下へ集まる者達】
謁見自体は、実につつがなく終了した。何事も無く。
既に二人は帰宅の途についている。
その道中・・・・・・・。
蔡蘭「雲玲様、気づかれましたか?天子様への謁見の際、我々の左右に居並ぶ武官、文官の相」
雲玲「天子様のご尊顔を拝見できたのは二度目だけれど、なんか以前より生気に満ち溢れておられたわね。
やっぱり曹操の下よりも今の方が気楽なのかしら?」
蔡蘭の先の発言を打ち消すような雲玲の返答。雲玲も気づいていたのだ。
許昌、そして天子が既に曹操の庇護の下から離れてしまっている事を。
蔡蘭「そうです。やはり許昌を支配している勢力は、曹操ではないようです」
雲玲「と・・・・・・いう事は」
蔡蘭「おそらく広陵に現れた新勢力でしょう。しかし旗の一つも揚げないとは・・・・・」
雲玲「それより重要なのは曹操に敵対しても朝敵にならないという事。これじゃない?」
蔡蘭「!?」
蔡蘭は思考を中断した。
今まで曹操に手出しできなかった理由は二つ。国力の大幅な差と大義である。
まあ、最もな理由は一つ目であったが既に雲玲が蜀公におさまるほど国力は増大している。
先の新勢力に圧されている孫呉と互角かそれ以上にまで。
蔡蘭「ではいよいよ、ですか?」
己が君主に視線を向けるが雲玲は黙ったままである。まだ迷っているのだろう。
雲玲「そういえば謁見の時私たちの左右にいた武官が何とか言ってたわね?」
少しの沈黙のあと、それを自ら破り蔡蘭に問い掛ける。
蔡蘭「は・・・・・・はい。実は」
雲玲「スゴイのがいたわね」
蔡蘭「凄い、と申されますと?」
突如雲玲の視線が鋭いものへと変わる。何処か嬉しそうにも見える。
雲玲「隠してるみたいだったけど内に凄まじい殺気を溜め込んでる奴がいたのよ。
私も今や幾多の戦場を駆けて来たけどあれほどの殺気を感じたのは初めてだった」
蔡蘭「・・・・・・・・そこまで申されるのも不思議ではありません」
雲玲「貴方も見た?あれ程の威風はそんじょそこらの男に培えるものじゃあない。
そういえばその隣に立っていた奴も只者じゃなかったわね
二人揃って似たような殺気を振りまいて。他にも色々化け物みたいな連中がいたみたいだけど」
蔡蘭「特に気になったのがさっきから話されている・・・・・」
雲玲「そう、ソイツ。なんかやたら長い髭なんて生やしちゃって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・髭?」
動きが止まった雲玲の思考を補うように蔡蘭が口を開く。
蔡蘭「そう、その男こそが漢寿亭候・・・・」
雲玲「関羽?」
ひとつ大きく頷き言葉を続ける。
蔡蘭「その隣にいた男も張飛でしょう。恐らく。それだけではありません。
私が確認しただけでも曹仁、周泰、徐晃、張(合β)、甘寧、陸ソン、大史・・・・・」
そうそうたる顔ぶれである。
蔡蘭「今のうちに知っておけて幸いです。これほど良将が揃っているとは思ってもみませんでしたから」
御者「雲玲様、そろそろ国境に差し掛かります」
雲玲「まあいいわ、とりあえず後の事は後で考えましょ」
蔡蘭「・・・・・・・・・・・そうですね」
また、あの忙しい日々が戻ってくる。
考えてみればこの数日はいい気分転換になったのかもしれない。旅行にでも出たかのようだ。
少しこそばゆいようなまどろみの中、とりあえず蔡蘭は見慣れない外の景色を楽しむ事にした。
【今はただ、望むものを】
雲玲領 永安
雲玲「留守を良く守ってくれた様ね。ご苦労様」
法正「ハハッ! 」
法正 孝直
雲玲の蜀侵攻の際、劉璋を見限り投降した。
蔡蘭「何か問題はありませんでしたか?」
法正「内政も滞りなく進んでおります。特に今年の収穫は雲玲様の蜀公就任を祝うが如き豊作でした。
只一つ、問題というか、何というか・・・・」
徐々に目線を下げ、言葉を濁らせる。
雲玲「何?」
法正「韓玄殿が上庸へ略奪を繰り返しておるのです。今は曹操と事を構えるにはまだ早いと再三注意しておるのですが」
額に手を当て深々と嘆息を漏らす。
雲玲「わかった。私から言っておく」
法正「あとは他国から流入する棄民についてですが・・・・・・・」
法正が資料を手に報告を続けてゆく。
その夜、韓玄は硬直していた。眼前には憤怒の形相の我が君。
雲玲「・・・どういう事かしら?」
口調は平静を装っていたが、さり気無い怒気が部屋の中に充満していた。
韓玄「そ、それはその。我が軍は既に沸騰寸前でして」
雲玲「あら奇遇ね。私もよ」
と答え拳を握り締める。とりつくシマもないとはまさにこの事だ。
だが曹操は我が君の父の仇と噂で聞いた事がある。コレを利用しない手は無い。
戦がしたいのだ。
手柄が立てたいのだ。
時間が無いのだ。
韓玄「我々はあの憎っくき曹操を討ち果たすのを今か今かと待ちわびておるのですぢゃ」
雲玲「曹操が天子様を失った事は、この地にも伝わっているようね」
・・・・・・・・・・・・・・・・知らなかった(;´Д`)
韓玄「・・・・・そ、そうです。曹操が守るべき大義を失った今こそが好機。これを見過ごす手はございませぬ」
雲玲「で、下の者に突き上げられて仕様が無く略奪を行なった、と?」
韓玄「そうなのです、魏延など好戦派がそれはもう凄い勢いで」
雲玲「まあいいわ。しかし今後は略奪などという恥ずべき行為は慎みなさい。
次があれば、軍法にかけます」
韓玄「およ?お許しくださるので?」
助かった。胸中で韓玄は叫んだ。以前は蹴り飛ばされ座臥から起き上がるのにかなりの時間を要した。
もうあんな目はごめんだ。
雲玲「ただし!略奪した金品などは民に分け与えなさい。一つ残らず」
退室しようとした韓玄が振り返り答える。
韓玄「ふっふっふ。ご安心ください我が君。幾度となく略奪に挑戦しましたが、米粒一つ奪えませんでした」
振り返り歯を輝かせ、笑顔でそう答えた。
雲玲は再び額に手を当て大きく嘆息する。
雲玲「ダメじゃん」
とぼとぼと一人、歩く。
劉表亡き後、天下を夢見て旗揚げするも今は相変わらずの日々。
そして・・・・
「ゴホッ・・・・・・ゴホゴホ」
激しく咳き込む。その咳を受けた手は・・・・
韓玄「ワシもそろそろかの」
朱に染まっていた。
韓玄「ワシはこの人生、何の為に生きてきたのぢゃろう」
一生を忠義に捧げてきたわけでは勿論なく、かといって天下にこれといった功績を残した訳でもない。
在野に埋もれ人生を終えるのを避け、何かを世に残そうと雲玲幕下に加わったのだが・・・・。
「韓玄殿!」
自室に戻ろうとした韓玄は自分を呼ぶ声に足を止めた。
魏延「大丈夫ですかな。なんでも激しく叱責されたとか」
韓玄「大丈夫ぢゃ」
魏延「韓玄殿?」
いつもの無駄に溢れる覇気がまるで無い。
韓玄「すまんが一人にしてくれ」
魏延をその場に置き去りにして、韓玄は自室に戻っていった。
(^^;
(^^;
231 :
無名武将@お腹せっぷく :03/01/24 17:35
マトモに続いてるリプレイが少ない昨今。
お二方がんがれ。
232 :
無名武将@お腹せっぷく:03/01/25 22:08
age
公孫リプレイとここだけか?
〜失われた蛇を求める〜
金旋の離脱は、他将の逃遁をも惹起せしめた。夏六月、蔡和が劉璋に
寝返ったのである。
「まことに困った。どうしたものか」
群臣に対して、趙範は献策を求めるかのように呼びかける。
「金旋殿と蔡和殿をふたたび登用したいのですね」
蒋[王宛]が趙範の面前に進み出た。
「うむ」
趙範は深々と首肯する。
「私はまず金旋殿にあたるべきと考えておりますが」
「わしもそう思うておる。そのためにはどうすればよいのじゃ」
「今はまだ時宜に叶っていないと存じます。狙うならば収穫を迎えてからですね。
我々にも関わってくることですが」
そういって蒋[王宛]は群臣を眺め回す。
「どういうことだ」
「俸禄です。劉璋が金旋殿を高禄で誘ったのであれば、当然のことながら
金旋殿はそれを期待しているはずです。当てが外れるようであれば……」
「そこにつけ込むわけだな」
「左様です。むろん、それだけでは再発もありえます。重用も確約する
べきですね」
「重用か……。わし自身は金旋殿を冷たくあしらった覚えはないのだが」
「殿がそう思っていても、相手には通じていないことは往々にしてありえます」
「ううむ」
趙範は口を結び、腕を組んで遠くに視線を向けた。
翌七月、趙範は蒋[王宛]を遣わして金旋を登用せしめた。はじめは
君主みずから訪ねようとしたが、軍師の李厳は蒋[王宛]に説得させる
ことを勧めたのである。趙範は、李厳と蒋[王宛]を信じた。
雲南から戻ってきた蒋[王宛]は、金旋を従えていた。
「よくやった、公[王炎]」
声を裏返して、趙範はふたりを迎えた。
「金旋殿、よく戻ってきてくださいました」
「趙範様、劉璋は口だけでした。貴殿以上に」
「おいおい」
趙範は苦笑を禁じ得なかった。
「ところでお願いがございます」
金旋は姿態を改めて、趙範と向かい合った。
「わしも西征に加えてくだされ。劉璋の内情、多少はわかりますし」
「ふむ……あいわかった」
しばし考えたのち、趙範は答えた。これを聞いた金旋は破顔した。
実世界の方でばたばたしていることもあり、十日以上も空けてしまいました。
すみませぬ。
>>231 ありがとうございます。がんがります。
age
238 :
無名武将@お腹せっぷく:03/01/27 20:33
age
239 :
無名武将@お腹せっぷく:03/01/28 21:27
DAT行き阻止age
(^^)
【漢中侵攻戦 前編 〜武勇を知らしめる それは誇りか 驕りか〜】
士気がやたらと高まってしまった雲玲軍。雲玲もそれを押し止める事は出来ず。侵攻を決意した。
だが、相手は曹操ではない。漢中に独立勢力を築く張魯である。
雲玲軍(兵力約五万)VS張魯軍(兵力約四万)
正面の山頂に敵軍の砦。山間に迂回路として間道があるがその入り口で補給限界点を越えてしまう。
蔡蘭「速攻をかけましょう。地道に山を登り砦を落とすしか手は無いです」
雲玲「その様ね」
韓玄「案ずるよりうむが易し。というわけで突撃ぢゃ」
蔡蘭「あっ」
勇ましく先陣をきった韓玄軍は
ホワンホワンホワン(効果音)
韓玄「およよ?お前達、何処へ行くのぢゃ(゚д゚;≡;゚д゚)」
やっぱり混乱していた(;´Д`)
混乱した韓玄の所為で後続の兵達が思うように動きが取れない。
魏延「ええい!これでは敵のドの的になるだけではないか。我々はこちらの間道を行くぞ」
黄忠「魏延殿。何処へ行かれる」
魏延「『君命に受けざる所あり』よ!我らはこちらを行く。皆の者、この魏延について来い」
魏延の兵達が間道へなだれ込み、張任の兵もこれにならう。
この時点で雲玲の軍は二つに裂かれた事となった。
魏延「どけどけどけぇい!!」
戟を振り回し敵兵を駆逐する。張魯の手の者に魏延の突撃を防げる者はいなかった。
ある者は首を獲られ、又ある者は受けた戟ごと吹き飛ばされた。
魏延「漢中の腰抜けどもに我が一撃が受けられるか!」
ドウッ!
叫びながら敵の中隊長らしき武将を打ち倒す。
魏延「フン!我が武に相対するどころか受ける事もままならんのか」
己の武を見せつけ、補給限界点を越えているとは思えないほどの士気の高さで砦の背後を突く。
が、張任が左手を指差す。
張任「魏延殿。あれを」
張任が指差した先にはまた新たな敵兵が姿を現していた。
魏延「フン!武都からの援軍か?まとめて叩き潰してくれる」
馬首を切り返し軍をそちらへと向ける。
目を凝らすと砂塵の中に単騎でこちらに向かってくる敵将がいる。
魏延「上等だ!この魏延に仇為した事。あの世で悔やむが良い」
既に多くの敵将の首を獲った戟を今までと同じように横へ薙ぐ。
ガイィィィィィィン!!・・・・・
乾いた音が響き渡る。敵将が戟を受けた音だ。
平然と。
敵将「南の将の一撃とはこんなものか。まるで涼風のようだな」
その呟きを聞き、魏延が激昂する。
魏延「だ・・黙れェ!」
再び戟を振るおうとするが・・・・
敵将「おおっと。今度はこっちの番だろう!!」
正面から縦に一閃する。
ガオォォォォン!!
魏延「ぐぬぅ!」
なんとか受け止める事が出来た。だが、腕が痺れている。
魏延「なんとか、だと?」
自問する。
魏延「認めるかァ!」
半瞬の間、魏延の出した答えは極めてシンプルなものであった。
再び切りかかる。頭上から、肩口から、脇腹から。
だが悉く弾き返される。既に片腕が痺れてしまっている。魏延本来の一撃ではない。
にしても一撃も入れる事が出来ないとは。
魏延「貴様、何者だァ!」
遠くで魏延の叫び声が聞こえる。
張任は硬直していた。
魏延の後を追い、砦の裏側まで兵を進めたはいいが敵に囲まれている。
張魯の援軍の様に見える。見事なまでに騎馬を乗りこなすよく訓練された軍だ。
その騎馬軍の旗印が視界に入る。旗には大きく一文字。
「馬」
張任「り、涼州の騎馬軍団が何故此処に?」
敵将「涼州が勇。馬騰が一子、馬 孟起推参!」
魏延「馬超だと!何故貴様らがここに?!」
馬超「張魯殿との約定でな。身の丈以上のものを望むお前達が悪いンだよぉ!!」
魏延「黙れ!」
張任「魏延殿、西の方を!」
魏延「ぬう」
砦を挟んだ反対側に火の手が見える。あれは本隊がいた辺り・・・・・・・・。
馬超「余所見してる暇があんのかァ!」
再び馬超の猛攻の前に晒される。
馬超「休、鉄。生かして返すなよォ!」
将である魏延が馬超の前に釘付けにされている今、魏延の軍は風前の灯であった。
久々のうぷとなりました。
>237-239
保全ありがとうございます。
〜ひとたび擒じて〜
金旋戻りし後も、趙範は将官の収攬に努めた。秋七月、趙範の交趾
占領によって江南へ逃れていた許靖を登用し、九月には宛の戦いで
劉備に捕らえられた、もと曹操麾下の呉質を引き抜いた。
その一方で、自分の許から離れた蔡和を誘おうと画策していたが、
軍師李厳は肯んじなかった。それは、軍師が蔡和を好んでいないと
いう私情の問題ではなく、蔡和自身が趙範に身を寄せる気はなかろうと
踏んでいることによる。他将にも意見を諮ったが、色好い返答は得られ
なかった。業を煮やした君主はひとたび彼を訪ねたが、諸将の進言どおり
であったことを知った。
「こうなると、捕虜にして我らの威を知らしめねば目が覚めんかもしれないな」
徒労にして雲南に戻ってきた趙範は、諸将に言を洩らした。
「建寧に兵を進められるのですか?」
李厳が、いささか驚いたような面持ちで趙範に尋ねた。
「ああ、場合によってはな」
「そのためだけにですか」
「いずれにしても劉璋の息がかかったところは攻めるつもりでいる。
早いか遅いかの違いだ」
趙範の鼻息は荒い。
「それであれば、私が建寧の内情を探って参りましょう」
そういって李厳は間諜を建寧に放った。しばらくして戻ってきた間諜の
報告によれば、建寧の太守はケ芝で、そのもとには蔡和以外に張嶷と
祝融、兵は一万八千程度という。また、建寧の北、江州は太守のみ
存しているという。
「建寧には雲南の敗残兵が居座っている、という感じか」
「外敵の憂いがない、と思っているのでしょうね、劉璋は」
「なめられたものだな。だが、かえって都合はよい。劉璋の領を蚕食して
くれるわ」
かくて冬十月、趙範は黄忠、許靖、金旋を遣わして建寧を攻めさせた。
総勢四万の趙範軍は、建寧の正規軍のみからなる兵一万八千の劉璋軍
を軽く蹴散らした。
張嶷と祝融は、先の雲南における戦いで趙範に抗ったが、こたびは
身を屈した。しかし、蔡和は頑として降る素振りを顕さなかった。
――ひとたび我が許を離れ、虜となった後も肯んぜざる者は、
その頸を斬るべし。
趙範は、蔡和の斬首を命じた。人心掌握のためにはみだりに害せぬ
ほうがよい、として伊籍が助命を乞う。しかし、己が武威を高からしめる
ためにも恕すわけにはいかない、と、趙範は斥けた。
四代目趙範さん、雲玲さん、とても面白いです
これからも頑張って下さい
保守しつつ・・・
保守
【漢中攻略戦 中編 〜その意味を〜】
辺りを覆う茂み。そして計画的に配置された油を染み込ませた草。
それらを触媒とし、火は大地を嘗め上げる。
荒れ狂う炎の前で、雲玲ら本隊は総崩れの様相を呈していた。
「あ、あの辺りにはまだ炎は来ていないぞ」
一人の兵士が指した先には、果たして炎はまだ到達していなかった。
ドヒュヒュヒュヒュヒュ!!
だがそこに無数の矢が打ち込まれる。
「ギャァァァァァァァァァ!!」
本隊らの位置する窪地は張魯軍の弓の絶好の的。
全て張魯の計算どおりであった。
張魯「ホホホ・・・悪しき兵どもが。地獄の炎に焼かれるが良い。そして我ら五斗米道に仇為した事を永遠に悔やむのじゃ!」
進めば無数の矢が頭上より降りかかり、退けば炎にその身を焼かれる。
雲玲「進退窮まる、とはまさにこの事ね。良く解ったわ。別働隊が砦を落とす前にコッチがやられそうね」
状況に反して、まるで余裕のあるような軽口。だが余裕など無い。ある筈が無いのだ。
そこに伝令より最悪の情報がもたらされた。
蔡蘭「伝令によると別働隊はほぼ全滅。張任、魏延両将も敗走中とのことです」
報告を聞き空を見上げ・・・・・・きゅっと口と目を閉じる。
一瞬の後、カッ、と目を見開き何かを決意する。
蔡蘭「恐れながら進言致します。既にこの地に・・・・」
それを手で制し、全軍に命を飛ばす。
雲玲「全軍に伝えよ。この地には最早、掴むべき勝機は一片たりとも見当たらない。よって撤退する!!」
逃げ惑っていた。炎から、敵兵から。
そして、「死」から。
韓玄「ヒィ・・・・走れ、もっと速く走らぬか」
馬に激を飛ばしても無為な事。だが今はそうせざるをえない。
勇み、敵陣に突入したはいいが己の軍を思うように動かせず、挙句の果てには敗走。
5000いた兵はちりぢりになり、共に逃げる兵もほんの僅かになっていた。
「いたぞ!追え!!」
背後より喧騒が聞こえる。確認するまでも無い。追手だ。
ヒュヒュヒュ・・・・・・・・・・・・
無数の矢が自分をかすめていく。だが配下の者がやられたようだ。数名、落馬した音が聞こえる。
それらを省みずにひたすら逃げる。
ドオッ!
突如馬がよろけ・・・・・・倒れた。
韓玄「ガハァッ!」
当然それに倣う形で落馬する。
韓玄「ツッ・・・・・・・・・・・」
背中をしこたま打ちつけたようだ。呼吸がままならない。
韓玄「ヒュー・・・・ヒュー・・・」
か細い呼吸をしながら上体を起こし、倒れた馬を確認する。
後ろ足の膝に矢が突き刺さっている。これではどんな馬も走れない。
「いたぞ、囲め!」
瞬く間に数名の追手にに囲まれるも、後ずさりながら逃げようとする。
ゴツッ。
韓玄の後頭部が何かと接触した。
振り返り「それ」を確認する。
目を見開いた血まみれの死体。しかも半身は焼け焦げている。特に左半身の先端は原型を留めてはいない。
韓玄「ひ・・・ヒイッ!」
驚き視線を前に戻しても状況は好転しない。追手が既に目の前に立っている。
人は「死」を普段からことさら意識しない。だが目を逸らしているだけでそれは確実に存在する。
目に写らない訳ではない。
だが、一度瞳がそれを捉えると人は恐れる。
目の前にある「モノ」の仲間入りをする事を。
自分という存在が無くなる事を。
明日を奪われる事を。
「へっへっへ・・・・・大将首いただきだ」
「ああ、見たところ周りには誰もいない。コイツ一人だ」
こちらへにじり寄ってくる。
嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ。
「俺達の手柄だ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッツ!?」
共にいた兵に再度話し掛けた男の表情が硬直する。何が起こったのかまだ理解出来ていない。
ただ解るのは話し掛けた相手の額から矢が飛び出しているという事。
その男は、二度とこちらからの呼びかけに答えてはくれない。そんな事実。
そのままうつ伏せになって倒れた「死体」を目の前に半狂乱になって叫ぶ。
「わ・・わああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!何だよこれ?どうなってんだ?!」
黄忠「韓玄殿ー!!」
ドドドドドドドドド・・・・・・・・・無数の蹄の音が聞こえる。
「クッ、さ、下がれ」
追手が慌てて後退していく。
黄忠「韓玄殿、御無事でしたか」
黄忠だ。助かった。
立ち上がる。
黄忠「既に大勢は決しておるようです。本隊も撤退し始めております故、我らが後詰めを務めます
さあ、韓玄殿も疾く」
配下の者が馬を一頭牽いてくるのが見える。これに乗って逃げろというのだろう。
安心した気の緩みからか
韓玄「ゴ・・・ゴホゴホゴホッ」
突如咳き込んだ。
咳を受けた左の掌には、やはりべっとりとした血が付いていた。
韓玄「!?」
驚いたのではない。ある事に気づき、先程あった死体に目を向ける。
年のころはまだ若い。この戦場に出なければ保障された明日が待っていただろう。彼にも。
自分には?
もう長くない自分には保障された明日など待ってはくれない。
助かった?何から?
ここで命が助かっても、もう自分は長くない。そしてまたもや戦場で、これといった功を立ててはいない。
惨めな時が残るだけだ。
自問自答の果て、以前に自分に聞いた問いかけを最後に問う。
韓玄「ワシはこの人生、何の為に生きてきたのぢゃろう」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・分からない。
問いかけをもっと簡単にしてみる。
韓玄「ワシは何故、ここにいるのぢゃろう?」
その答えは簡単に出た。
「敵」を一兵でも多く討ち果たすため。
既に我が軍の殆どが敗走していてもその目的は変わらない」
答えが、出た。
>249-250
保全ありがとうございます。
何よりも励みになります。
多忙ゆえ更新頻度は落ちておりますが、
宜しくお付き合いください。
〜多士済々として南中に集う〜
淮水のあたりでは、魏王となった曹操と、江南に拠有せる孫権とが
相争っていた。曹操が寿春を奪えば、孫権が下[丕β]を占拠すると
いった風に、一進一退の攻防が続いた。また、荊州では建安十八年
(二一三)五月、かい良が失地を恢復せんとして長沙を攻めるも、
孫権の前に敗績した。
かかる中で趙範は、俘獲せられた者を説き伏せ、自らの陣営に
引き入れようと画策した。丁奉、牛金、黄祖、虞翻、馮習、文聘、蔡瑁、
霍峻といった将らが南中へ馳せ参じた。
秋七月、趙範は張嶷と虞翻を遣わし、永昌に兵を進めしめた。
永昌には厳顔と孟獲が籠もっていた。これまでは、さしたる脅威には
ならぬ、として放置していた。しかしながら、軍師李厳が、今後成都へ
攻めるにあたって、後顧の憂いを絶たねばなりませぬ、という思惑を
そこに孕ませた。
総大将張嶷から、敵陣を包囲した後にこれを撃滅した、との捷報が
もたらされた。厳顔、孟獲の両将が、趙範の誘進に応じた。
>249
応援ありがとうございます。
毎度のことながら、遅筆ですみません。
>250
保全ありがとうございます。
いまいち人気のない劉度でやってみました。
三国志6 シナリオ5 臥龍と鳳雛
群雄:劉度 レベル:上級 史実モード
208年3月
いきなり劉表との従属関係を破棄して趙範に攻め込んだのじゃ。
趙範は劉表と接していないから援軍の心配はないから安心じゃ。
鮑隆がわしに一騎討ちを仕掛けてきたのじゃが、「交替」を持っているので
途中で刑道栄に代わればよいと受けたら、2ターン目にいきなり生け捕られてしもうた。
刑道栄も敗走するところを追撃されて、とっつかまり、二人一緒に斬られてしもうた。
一応後は劉賢が継いだのですが劉度のリプレイ記は1ヶ月で終わってしまいました;
【漢中攻略戦 後編 〜武勇〜】
手短な馬に跨り腰に備えてあった剣を抜き放つと黄忠に問い掛ける。
韓玄「本隊の位置は?」
黄忠「敵の追撃部隊と炎の所為で撤退に手こずっておるようです。
しかし、ここにいるよりは安全です。さあ、韓玄殿も」
韓玄「では黄忠、お主はこれより本隊の援護に回ってくれ」
黄忠「それは出来ませぬ」
韓玄「ワシが後詰めを務めよう」
喧騒が近づいて来る。先程の者が呼んだのだろう。かなりの数だ。
韓玄が己が左の掌を黄忠に向ける。
先程の咳を受けた掌・・・・・・血がこべりついている。
黄忠「か・・・韓玄殿?!」
韓玄「ワシはもう長くない。本隊の退却の時間はワシが稼ごう」
黄忠「何ですと?!」
韓玄「短い付き合いであったが・・・楽しかったぞ、黄忠!」
馬首を切り返し、喧騒へと向かってゆく。たった一人で。
黄忠「韓玄殿ォ!」
貴方はたった一人で数百、もしくは数千の兵に立ち向かおうというのか。
貴方は頼るべき武勇など、お世辞にも持ち合わせていない。
だが貴方は向かって行く。己の誇りに懸けて。
兵士「黄忠様、どう致しましょう?」
黄忠「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
韓玄殿は本隊の援護に回れといった。しかし!
黄忠「天下の武、この黄 漢升の精兵達に申し渡す。
あのお方をここで死なせてはならん!我に続けィ!!」
兵士達「応!!!」
「敵将だ、首を奪え!」
「たった一人で何が出来る?!」
正面より向かってきた敵兵が刃を振りかざす。その刃がこちらに届くや否や右手を大きく前へ突き出す。
こちらの刃が相手の喉を突き刺した時、敵の戟は、頬を掠めていった。
「おのれ、やっちまえ!」
相手の命を奪う。最も純粋な、シンプルなやりかた。
韓玄「・・・忘れていた」
初めて馬を乗りこなした時のあの感動。
初めて戦場に繰り出し敵の首を獲った時の驚き。
韓玄「戦場とは、こうも心躍る場であったのだな」
遅れ、黄忠も名乗りを上げる。
黄忠「雲玲様が腹心、黄 漢升推参!我らを抜けるモノなら抜いてみよ!!」
それを横目でチラリを見るが即座に敵へと向き直る。
韓玄「余計な事をしおって・・・・・・」
信頼できる者達に囲まれ、思う存分己の武を振るう。
韓玄の人生において初めての経験であった。
韓玄「・・・・・・・・・・・・・・・・フン」
これも、悪くない。
韓玄かっこいい
>>259です。劉度リプレイ2度目の挑戦です。
(前回のリプレイでの208年は207年の間違い)
劉度リプレイ2回目
三国志6 シナリオ5 臥龍と鳳雛
群雄:劉度 レベル:初級 史実モード
207年3月現在
※※※※※※※※※※※※※※※※※烏丸☆━┳━∀襄平※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※┃※※※※※ ■=曹操
※※※※※※※※※※※※┏━━━■━━┳━■北平※※※ ◎=劉備
※※※※※※※※※※※※┃※※※薊※※┗━━┓※※※※ △=孫権
※※※※※※※※※※※※┃※※※┏━━━━━■━┓※※ ●=劉表
※※※※※※※※※※晋陽┃※※※┃※※※※南皮※┃※※ ◇=劉璋
※※※※※※匈奴☆━━━■※※※┣━━■━━━━■北海 ★=馬騰
※※西涼★━┓※┃※※※┃※業β┃※平原※※※※┃※※ Ω=張魯
※※※※※※┃※┃安定※┣━━━■━━┓※※※※┃※※ ∀=公孫康
※※天水★━┻━□┓※※■河内※┃※※■濮陽※※┃※※ π=士燮
※※※※┃※※※※┃※※┃※※┏┛陳留┃※※※※┃※※ ξ=韓玄
※羌☆━┫※┏━━■━━■洛陽┃※■━┻┓小沛┏□下ヒ Ψ=金旋
※※※※┃※┃長安┃※※┃※※┃※┃※┏┻□━┫┃※※ Σ=趙範
※※※※┃※┃※※┃※※┣━━■━╋━■━┓※┃┃※※ Θ=劉度
※※※※┃※┃※※┃※※┃※許昌※┃言焦※┃※┃┃※※
※※武都□※┃※※┗━━□━┳━━□━━━△━┛┃※※ ☆=異民族
※※※※┃※Ω漢中※※宛※※┃※汝南※寿春┃※※┃※※ □=空白地
※※※※┗┳┛※※※┏━━◎┛※※※※※※┣━━△建業
. テイ ☆┓※┃※※※※┃※新野※※※※廬江※┃※※┃※※
※※※┣━◇梓潼※※●━┓江夏●━┳━△━┛※※┃※※
※※※┃※┃※※※襄陽※┃※※┃※┃※※※※┏━△呉※
※成都◇※┃┏━◇━┳━●━━╋━△紫桑※※┃※┃※※
※※※┣━◇┛永安※┃江陵※※┃※※※※※※┃※┃※※
※※※┃江州※※※※Ψ━┳━━ξ長沙※※※※┃※△会稽
※建寧□※※※※武陵※※┃※※┃※※※※山越☆※※※※
※※※┃※※※※※※※※Θ━━Σ桂陽※※※※┃※※※※
※南蛮★┓※※※※※※零陵※※┃※※※※※※┃※※※※
※※※※┗━━π━━━━━━━□━━━━━━┛※※※※
※※※※※※交趾※※※※※※南海※※※※※※※※※※※
前回はちと性急すぎて不覚にも1ヶ月という最短記録を作ってしまったのじゃ。
配下も2人(刑道栄、劉賢)いるし周りは荊州弱小四君主で囲まれているのじゃから
もう少しゆるゆると攻めていくかの。しかし寿命が心配じゃ……(207年現在63歳)
207年6月
幸運にも金旋領から流れてきた在野武将2人(潘濬、廖立)を登用できたのじゃ。
金旋も鞏志しか配下がいないくせにみすみす見逃すとは阿呆じゃのう。
207年7月
隣の趙範領にいなごが発生したようじゃ。ふう、危ないとこじゃった。
めったに発生しないいなごにピンポイントで襲われる趙範もつくづく不運じゃのう。
同じ荊州弱小四君主として同情するわい。
207年8月
またまた金旋領から流れてきた在野武将(謝旌)を登用じゃ。
つくづく思うが、鞏志しか配下が(以下略
207年10月
疫病が孫権領で発生したようじゃ。
大抵わしら荊州弱小四君主は孫権にこてんぱんにされて滅びるのが常じゃから
これは幸運じゃのう。
207年11月
劉表との従属関係を破棄して趙範領の桂陽に攻め込んだのじゃ。
今回は前回とは逆に一騎討ちで刑道栄が鮑隆を仕留めたのじゃ。
配下の数も兵力もこちらが上だったし、まぁ楽勝じゃ。
趙範には同じ荊州弱小四君主として
わしに協力してもらいたかったのじゃが登用を断り野に下ったのじゃ。
それならせめて韓玄か金旋の下について彼らの力になってくれればいいのう。
207年12月
翌月には税の徴収があるのですぐ南にある南海も占領したのじゃ。
山越に接しているから一時的な領有になるじゃろうな。
207年終了時
※※※※※※※※※※※※※※※※※烏丸☆━┳━∀襄平※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※┃※※※※※ ■=曹操
※※※※※※※※※※※※┏━━━■━━┳━■北平※※※ ◎=劉備
※※※※※※※※※※※※┃※※※薊※※┗━━┓※※※※ △=孫権
※※※※※※※※※※※※┃※※※┏━━━━━■━┓※※ ●=劉表
※※※※※※※※※※晋陽┃※※※┃※※※※南皮※┃※※ ◇=劉璋
※※※※※※匈奴☆━━━■※※※┣━━■━━━━■北海 ★=馬騰
※※西涼★━┓※┃※※※┃※業β┃※平原※※※※┃※※ Ω=張魯
※※※※※※┃※┃安定※┣━━━■━━┓※※※※┃※※ ∀=公孫康
※※天水★━┻━★┓※※■河内※┃※※■濮陽※※┃※※ π=士燮
※※※※┃※※※※┃※※┃※※┏┛陳留┃※※※※┃※※ ξ=韓玄
※羌☆━┫※┏━━■━━■洛陽┃※■━┻┓小沛┏□下ヒ Ψ=金旋
※※※※┃※┃長安┃※※┃※※┃※┃※┏┻■━┫┃※※ Σ=趙範(滅亡)
※※※※┃※┃※※┃※※┣━━■━╋━■━┓※┃┃※※ Θ=劉度
※※※※┃※┃※※┃※※┃※許昌※┃言焦※┃※┃┃※※
※※武都□※┃※※┗━━■━┳━━■━━━△━┛┃※※ ☆=異民族
※※※※┃※Ω漢中※※宛※※┃※汝南※寿春┃※※┃※※ □=空白地
※※※※┗┳┛※※※┏━━◎┛※※※※※※┣━━△建業
. テイ ☆┓※┃※※※※┃※新野※※※※廬江※┃※※┃※※
※※※┣━◇梓潼※※●━┓江夏●━┳━△━┛※※┃※※
※※※┃※┃※※※襄陽※┃※※┃※┃※※※※┏━△呉※
※成都◇※┃┏━◇━┳━●━━╋━△紫桑※※┃※┃※※
※※※┣━◇┛永安※┃江陵※※┃※※※※※※┃※┃※※
※※※┃江州※※※※Ψ━┳━━ξ長沙※※※※┃※△会稽
※建寧□※※※※武陵※※┃※※┃※※※※山越☆※※※※
※※※┃※※※※※※※※Θ━━Θ桂陽※※※※┃※※※※
※南蛮★┓※※※※※※零陵※※┃※※※※※※┃※※※※
※※※※┗━━π━━━━━━━Θ━━━━━━┛※※※※
※※※※※※交趾※※※※※※南海※※※※※※※※※※※ 今回はここまで
おお、久し振りに覗いたら劉度殿が頑張っておられましたか。
趙範への同朋意識が泣かせてくれるじゃありませんか。
自分もPC8PUKで結婚相手を登録したはいいが、やる時間がない…。
ヒマになったらリプレイ挑戦してみたいものです。
208年1月
帝の勅使がきて『曹操と同盟せよ』という勅命が下りたのじゃ。
曹操と盟を結べるとはありがたやー これでわしも州刺史じゃ。
ところでわしは何故か金旋に一番憎まれているようじゃ。(敵対度55)
別に金旋に対して直接何もしていないのじゃがのう。何かショックじゃ。
208年4月
士燮が自ら南海に攻めてきたのじゃが、返り討ちにし首を斬ってやったわい。
弟の士壱が後を継いだようじゃがこの戦いで軍の大半を失って満身創痍じゃ。
翌月に交趾に攻め込んで滅ぼしてやったわい。
この後は金旋、韓玄を滅ぼして南荊州全土を手に入れたいところじゃが
そうなると二人を従えている劉表はおろか、劉璋や孫権とも争わなくちゃならん。
そうなったら兵力、武将数共に劣るわしはとてもじゃないが対抗できん。
(金旋や韓玄、およびその配下が全員配下になっても使えるのは黄忠だけじゃしのう)
ここは従属国は遠征できないことを利用して、金旋と韓玄を壁として使い
零陵と桂陽は内政に専念させて全兵力を山越討伐に向けようぞ。
その後盟友の曹操と連携して孫権の背後をつく形になれば理想的じゃ。
208年10月
今年2度目の勅使がきて『金2000よこせば州牧にしてやる』という勅命が下りたのじゃ。
えーーい、税徴収前で財布が寂しいときにくそったれめ!
しかし官職はほしいのでしぶしぶ払うしかないのう。
208年終了時
※※※※※※※※※※※※※※※※※烏丸☆━┳━∀襄平※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※┃※※※※※ ■=曹操
※※※※※※※※※※※※┏━━━■━━┳━■北平※※※ ◎=劉備
※※※※※※※※※※※※┃※※※薊※※┗━━┓※※※※ △=孫権
※※※※※※※※※※※※┃※※※┏━━━━━■━┓※※ ●=劉表
※※※※※※※※※※晋陽┃※※※┃※※※※南皮※┃※※ ◇=劉璋
※※※※※※匈奴☆━━━■※※※┣━━■━━━━■北海 ★=馬騰
※※西涼★━┓※┃※※※┃※業β┃※平原※※※※┃※※ Ω=張魯
※※※※※※┃※┃安定※┣━━━■━━┓※※※※┃※※ ∀=公孫康
※※天水★━┻━★┓※※■河内※┃※※■濮陽※※┃※※ π=士燮→士壱(滅亡)
※※※※┃※※※※┃※※┃※※┏┛陳留┃※※※※┃※※ ξ=韓玄
※羌☆━┫※┏━━■━━■洛陽┃※■━┻┓小沛┏△下ヒ Ψ=金旋
※※※※┃※┃長安┃※※┃※※┃※┃※┏┻■━┫┃※※ Σ=趙範(滅亡)
※※※※┃※┃※※┃※※┣━━■━╋━■━┓※┃┃※※ Θ=劉度
※※※※┃※┃※※┃※※┃※許昌※┃言焦※┃※┃┃※※
※※武都Ω※┃※※┗━━■━┳━━■━━━△━┛┃※※ ☆=異民族
※※※※┃※◇漢中※※宛※※┃※汝南※寿春┃※※┃※※ □=空白地
※※※※┗┳┛※※※┏━━◎┛※※※※※※┣━━△建業
. テイ ◇┓※┃※※※※┃※新野※※※※廬江※┃※※┃※※
※※※┣━◇梓潼※※●━┓江夏△━┳━△━┛※※┃※※
※※※┃※┃※※※襄陽※┃※※┃※┃※※※※┏━△呉※
※成都◇※┃┏━◇━┳━●━━╋━△紫桑※※┃※┃※※
※※※┣━◇┛永安※┃江陵※※┃※※※※※※┃※┃※※
※※※┃江州※※※※Ψ━┳━━ξ長沙※※※※┃※△会稽
※建寧◇※※※※武陵※※┃※※┃※※※※山越☆※※※※
※※※┃※※※※※※※※Θ━━Θ桂陽※※※※┃※※※※
※南蛮★┓※※※※※※零陵※※┃※※※※※※┃※※※※
※※※※┗━━Θ━━━━━━━Θ━━━━━━┛※※※※
※※※※※※交趾※※※※※※南海※※※※※※※※※※※
209年2月
昨年末から2月連続で攻めてようやく山越を落とせたわい。
蛮族はやはり強く万単位で死者がでおったわい。とほほ…
占領直後いきなり叛乱を起こされるしほんと厄介じゃ。
209年4月
なんと汝南で傅士仁が謀叛を起こし独立しおった。自殺行為も同然の所業じゃのう。
こんな馬鹿に着いてくる酔狂な奴などいるものか…いた。その名も陳登。
よもや陳登ともあろう者がこんな愚かなことを…父ちゃんもあの世で嘆いていよう。
結局今月の内に曹操が攻めてきてあっけなく滅んだのじゃ。
同盟を結んだ孫権にも見捨てられ陳登はあっさりと曹操の配下になりおった。
傅士仁、あはれなり。
209年7月
また勅使きたのでお金をせびられるかと思っとったら
『孫権と盟を結べば羽林中郎将にしてやるよ』というありがたい仰せ。
同盟なんぞ好きなときに破ればいいだけなので二つ返事で承諾したのじゃ。
その直後孫権から『長沙の韓玄を一緒に攻めようぜ』と持ちかけてきおった。
ひょっとして先の勅使は孫権の策略かのう?
しかし韓玄と孫権どっちと仲良くする? と言われれば当然孫権をとるわい。許せ同志。
黄忠はとっくの昔に孫権の捕虜となっていたので
当然のごとく韓玄は敗れて首を斬られてしもうた。南無。
それにしても韓玄一人に張昭だの魯粛だの呂蒙だの周泰だのひきつれて
2倍以上の軍勢で攻めるとはえげつないのう。
209年終了時
※※※※※※※※※※※※※※※※※烏丸■━┳━∀襄平※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※┃※※※※※ ■=曹操
※※※※※※※※※※※※┏━━━■━━┳━■北平※※※ ◎=劉備(滅亡)
※※※※※※※※※※※※┃※※※薊※※┗━━┓※※※※ △=孫権
※※※※※※※※※※※※┃※※※┏━━━━━■━┓※※ ●=劉表→劉g
※※※※※※※※※※晋陽┃※※※┃※※※※南皮※┃※※ ◇=劉璋
※※※※※※匈奴☆━━━■※※※┣━━■━━━━■北海 ★=馬騰
※※西涼★━┓※┃※※※┃※業β┃※平原※※※※┃※※ Ω=張魯
※※※※※※┃※┃安定※┣━━━■━━┓※※※※┃※※ ∀=公孫康
※※天水★━┻━■┓※※■河内※┃※※■濮陽※※┃※※ π=士燮→士壱(滅亡)
※※※※┃※※※※┃※※┃※※┏┛陳留┃※※※※┃※※ ξ=韓玄(滅亡)
※羌☆━┫※┏━━■━━■洛陽┃※■━┻┓小沛┏△下ヒ Ψ=金旋
※※※※┃※┃長安┃※※┃※※┃※┃※┏┻■━┫┃※※ Σ=趙範(滅亡)
※※※※┃※┃※※┃※※┣━━■━╋━■━┓※┃┃※※ Θ=劉度
※※※※┃※┃※※┃※※┃※許昌※┃言焦※┃※┃┃※※
※※武都Ω※┃※※┗━━■━┳━━■━━━■━┛┃※※ ☆=異民族
※※※※┃※◇漢中※※宛※※┃※汝南※寿春┃※※┃※※ □=空白地
※※※※┗┳┛※※※┏━━■┛※※※※※※┣━━△建業
. テイ ◇┓※┃※※※※┃※新野※※※※廬江※┃※※┃※※
※※※┣━◇梓潼※※●━┓江夏△━┳━△━┛※※┃※※
※※※┃※┃※※※襄陽※┃※※┃※┃※※※※┏━△呉※
※成都◇※┃┏━◇━┳━●━━╋━△紫桑※※┃※┃※※
※※※┣━◇┛永安※┃江陵※※┃※※※※※※┃※┃※※
※※※┃江州※※※※Ψ━┳━━△長沙※※※※┃※△会稽
※建寧◇※※※※武陵※※┃※※┃※※※※山越Θ※※※※
※※※┃※※※※※※※※Θ━━Θ桂陽※※※※┃※※※※
※南蛮★┓※※※※※※零陵※※┃※※※※※※┃※※※※
※※※※┗━━Θ━━━━━━━Θ━━━━━━┛※※※※
※※※※※※交趾※※※※※※南海※※※※※※※※※※※ 今回はここまで
諸般の事情で2月中はうぷできないかも。すみません。
とりあえず存在確認まで。
【眩い元から 去る者達】
曹操軍 胡班「報告によると、雲玲軍は退却していったそうです。軍師殿のおっしゃった通りですな」
軍師「・・・・・・・・・・・・・そうですね」
胡班「では今度はこちらの・・・・・・」
軍師「まだ兵を動かすには早すぎます。まだもう少し時を稼ぐ必要があります」
胡班「しかし・・・・・・・」
軍師「攻めるのは涼州の馬一族が帰った後にしましょう。犠牲は小さい方が良い」
胡班「確かに」
漢中と上庸と国境付近、既に数万の兵が待機していた。勿論、漁夫の利を得るためである。
軍師「再度確認します。馬一族が漢中を離れたのを確認してから兵を進めてください
くれぐれも功を焦らないように」
胡班「は・・・・はあ」
軍師「私は命により上庸に戻らねばなりません。指揮を宜しくお願いします」
胡班「畏まりました」
軍師「あと、これを上庸の程イク殿に渡してください」
懐から書簡を取り出し、胡班へ手渡す。
軍師「私はこれで」
馬を上庸へ向ける。
胡班「これからも、殿(曹操)の為に頑張りましょうね」
軍師「ええ。では」
軍師と呼ばれたその男はそのまま、蹄の音と共に夜の闇へと消えていった。
上庸
書簡を持った手が小刻みに震えている。額には血管が浮かび上がっていた。
程イク「あの若造!命を助けてもらった恩を忘れおって」
程イクが怒りのあまり床に叩き付けた書簡にはこう記されていた。
辞めます 諸葛亮孔明
殆どの兵が出払っている今、捜索隊を出す訳にはいかない。今更国境を封鎖しても後の祭りだ。
程イク「やはり殿でも、あの男を飼いならすのは不可能であったか・・・・・・」
雲玲軍の損害はけして小さなものではなかった。
将も、敵陣の奥深くまで入り込んでしまった張任を除いて全て無事に退却した。
犠牲が思ったより少なかったとはいえ、負け戦である。
憂鬱な気分を隠しきれない雲玲の眼前には蔡蘭が座していた。
責任を感じているのだろう。蔡蘭の表情にも多少、影が見える。
蔡蘭「緊急の報告があります」
雲玲「それは良い知らせ?それとも悪い知らせ?」
蔡蘭「両方です」
雲玲「じゃ、悪い方から」
蔡蘭「我々が退却した直後、上庸方面より曹操軍が侵入、漢中を奪われました」
雲玲「・・・・・・・・・・・・やられたわね」
蔡蘭「先の敗戦、そして今回の件に関しましての処罰は如何様にも・・・・」
雲玲「それはまた後で考えるわ。報告を続けなさい」
蔡蘭「仕官の申し出がありました」
雲玲「・・・・・・・・・・・・・それが、良い知らせ?」
それから少し後、雲玲は心中で少なからず驚いていた。
仕官というより投降の方が言葉としては相応しいかもしれない。
雲玲軍の諸将に囲まれた部屋で中央に座するその男は、
元曹操軍筆頭軍師・・・・・・・・
荀攸「荀 公達と申します。雲玲様の軍の端にでも私を加えては頂けませんか」
新リプレイ応援sage。
私も>275劉度 ◆w8jvdSSbYM様に倣い現在の状況。
武田騎馬軍団氏製作、三国志8簡略マップ
※※※※※※※※※※※※※※※※※※薊※※※※※※※※※※※※※※※※※
※※※※※※※※※※┏━■━━━━━■━━━┳━━━━■━━━○遼東※※
※西涼●┓※※※上党■┓晋陽※業β┏━━━┳■渤海┏━┛北平※※※※※
※※※※┃※弘農※※┃┗━━━━━■━━┓┗━━━■平原※※※ ※
※※※※┃※┏■━┓┃洛陽※※陳留┃※※■━━━■┻━┓※
※西平●┫※┃※※┗■━━━━┳━□━━┫濮陽※済南※┃※
※※※※┃※┃長安※┗┓宛┏━□許昌※※┃※※※┏━■┛※※
※天水┏●━■━━━━□━┛※┣━□━━□小沛※┃北海※※※※※
※※※┃※┏┛※※※※┣━━━□━┓言焦┃┏━━┛※※※
※武都◎━■漢中※※※■新野※汝南┃※※┗□下丕β※
※※※┃※┃上庸※襄陽┃※※※※※┃※※┏┛※※※※
※※フ ☆━┻■━━━━■━┓※※※┃※※◇広陵※※
※※※┃※※┗┓永安┏┛┏■江夏※◇寿春┃※※※※
※※※┣━┓※☆━┳■━┫┗━┓┏┻━━□┓抹陵※
※※※┃巴☆━┛※┃江陵┃※※┗◇廬江※┃┃※※※
※成都☆━┛※武陵☆※※◇━━━┫※┏━┛┗□呉※
※※※┣☆建寧※※┣━☆┛柴桑※◇━┛※※┏┛※※
※永昌☆┃※※零陵☆※┃長沙※※翻陽※※※┃※※※
※※※┃┃※※※※┗☆┛※※※※※※※※※◇会稽※
※三江☆┛※※※※桂陽※※※※※※※※※※※※※
※※※※※※※※※※※※※※※※
公孫康=○ 馬騰=● 張魯=◎ 曹操=■ 孫権=◇ 新勢力=□ 雲玲=☆
281 :
無名武将@お腹せっぷく:03/02/26 15:17
リプレイスレがsage進行というのはもう古いのでageで行きましょうよ。
いやいや、まだまだ。
【違ったやり方】
勅使が雲玲の元に訪れたのは荀攸との会談のすぐ後であった。
天子直々の書状を携えて。
勅使「雲玲様には日々健やかに・・・・・・・・」
雲玲「前置きはいいわ。ご用件を」
年のころは二十を過ぎた辺りだろうか。女性であった。うやうやしく礼をはかるその勅使に用件を急がせる。
許昌を訪れ天子を囲む内情を目にした雲玲は、少なからず心中に不信感をもっていた。
天子にではない。天子をも手にした勢力に。
用件は簡単であった。「街道整備のために金2000を献上せよ」とのことである。
不信感をもっているとはいえ、それだけでは勅使の願いを断る理由にはならない。
雲玲「わかりました。天子様じきじきの御言葉。断るわけにはまいりません、直ぐに用意させましょう」
勅使「流石若くして蜀公に就任されただけのことはありますね。決断が早い。天子様もお喜びになるでしょう」
(喜ぶのはアンタ達の勢力の長だろうが)
雲玲は心中で毒づいた。勿論表面には一切出さないが。
勅使「この混沌とした世においても天子様への忠義を忘れないその清らかさ。貴方様にはきっと良い事が訪れるでしょう」
その後も謝辞をダラダラと述べる。だがこれ以降の言葉は雲玲の耳には届いてはいなかった。
勅使を城門まで見送って後、ふとした事から雲玲は酒家に立ち寄ってみた。
酒はあまり飲む方ではない。が全く飲まない訳でもない。家臣と親交を深めるために酒宴を催すことも度々あった。
しかし、酒家で一人飲むのは久しぶりである。
雲玲「最後に酒家で飲んだのは・・・・・・・・・・・・そう、劉備様と飲んで以来ね」
ふふ・・・・・。自然と笑みがこぼれる。劉備様が元気だろうか。
雲玲「天下三分とか聞いたんだっけ。懐かしいわねぇ。あれは良く出来た策だったわ」
男「ええ、本当に懐かしいですねぇ」
雲玲「はい?」
即座に隣を見るといつの間にか知らない男が座っていた。
半眼になり半ば脅している様な口調で話し掛ける。
雲玲「何勝手に人の隣座ってんのよゴラァ」
男「まあまあ、おちついて ( ゚д゚)_旦~ ハイ」
雲玲 ( ゚д゚) ポカーン
男「よかったらツマミもありますよ」
言われるがまま差し出されたツマミを食べながら再び問う。
雲玲「アンタ誰?」
男「美味しいですか?それ」
先程雲玲に勧めたツマミを指す。
雲玲「ああ、なかなかいける・・・・・・・・いや、じゃなくて」
男「この土地だけでなくこの周辺は見事な発展を遂げてみえますね。これは貴方の指示ですか?」
雲玲「土地と民を大切にしなければ我々は生きていけないわ。
民は発展の基礎を作り我々がそれを守る。・・・・・・・・・・・いや、だから」
男「それが貴方の都市発展の基礎ですね」
雲玲「まあ、あんまり人には言わないでね。こんな些細なことでも機密漏洩とか言われるから・・・・・・・・・・・・そうじゃなくて!」
バン!と机を叩き会話を仕切りなお・・・・・・・・・・・・・すつもりが・・・・・・・・。
男「見ず知らずの私の質問にも真剣に答えてくださる・・・・・・噂通り真面目な方ですね」
意に介さずに言葉を続ける。
男「あ、ちなみにソレ」
雲玲が食べ続けているツマミを指す。
雲玲「これが何よ?」
男「毒、入ってます。死にますよ」
ぶーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!
盛大に口から吹き出す。
男「はっはっは、汚いなぁ」
咽る雲玲を横目に男はカラカラと笑い続ける。
雲玲「ゲホッゲホ・・・・・・・この」
男「ちなみに冗談です」
雲玲「冗談で済むかぁ!もう殺す!たたっ斬ってやるこん畜生!!」
男「いけませんよ、女性がそんな汚い言葉使っちゃあ」
雲玲「五月蝿――――――――――い!最後に言い残したい言葉はあるかぁ!!」
男「天下三分は私の発案ですよ」
雲玲の動きが止まる。
男「私がやろうとしていた事を実行している勢力があったので見に来て見れば・・・・・そうですか。劉備様に聞いたのですね」
雲玲「・・・・・・・・・・・・じゃ、じゃあアンタは」
突如男の目が鋭いものに変わる。
男「雲玲様、どんな些細な事でも秘密ならば慣れあいを信用しないこと。機密漏洩は主導権を相手、又は敵に奪われますよ」
雲玲の表情も厳しいものへと変わる。
雲玲「フン。勉強になったわ。でも、やり方が気に入らないわね」
男「正攻法だけではどうにもならないのが世の常。そのために私のような者がいるのです」
雲玲「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
完全に黙る。今まで会ったことが無いタイプの人間を目にして少々混乱している様だ。
男は正面で相変わらず座っている。口元に涼しげな笑みを浮かべて。
先に口を開いたのは雲玲だった。
>281-282
保全ありがとうございます。
私個人の見解といたしましては、従来通りのsage進行でよろしいかと・・・。
では、次回を楽しみにsageで。
細々と保守
御三方ともがんがれ
【用意された幸運】
曹操領 上庸
おおよその将と兵は漢中の奪取のためここ上庸は多少手薄となっていた。
が、明日にでも数万の兵と数人の将が補充される・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・筈であった。
太守 呉蘭の寝室に、一人の女性が現れなければ。
呉蘭は目の前の女性に戦慄を覚えていた。
年のころは二十を過ぎた辺りだろうか。まだ若い。
女「上庸太守 呉蘭ね」
女は口元に妖艶な笑みを浮かべながら・・・・・・・・・・・立っていた。
雲玲領 酒家
雲玲「その口ぶりから察するに、我が軍に加わってくれるということなのかしら?」
男「さて、それを今考えているところなのです」
ガタン!
席を立つ。
雲玲「じゃ、考えがまとまったらでいいわ」
男「お帰りですか」
雲玲「ええ」
机に勘定をじゃらり・・・・と置く。
男「そういえば雲玲様は漢中にて大敗をされたばかり。さぞかしお忙しいでしょうね」
雲玲(ムカツク・・・・・・)
男「それだけでなく曹操に奪われてしまいましたものね」
雲玲「ああ!そうね!!」
荒々しく答える。
男「実はあれ、私の指示でして」
雲玲「!」
男「以前は曹操に仕えておりました」
それを聞いて雲玲の目が妖しく輝く。
雲玲「じゃあ未だに曹操と繋がっている可能性も否定出来ないよねえ・・・・。ひっ捕らえてやろうかしら」
殺気を放ちながら顔の下で指を組む。ゴキグキ・・・・・と骨と骨とがぶつかり合うなんだか不吉な音が聞こえる。
それらを全く意に介さずに男が言葉を続ける。
男「では雲玲様。漢中を奪ってください」
雲玲「ハァ(゚д゚)???」
男「どのような手を使ってもかまいません。漢中を奪ったその時、この 諸葛亮孔明。貴方の元に、はせ参じましょう」
うぷ遅れて申し訳有りません。
>289-290
保守有難うございます。
がんがります。
続きキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!!
いい所でヒキが来てますね。わくわくわくわく。
〜蜀都の陣〜
冬十月、趙範は丁奉、文聘、厳顔、張嶷、李厳、馮習、虞翻、金旋を従えて
成都へ進軍した。兵数にして十二万。成都には十万の兵が常駐されており、
その北にある梓潼には兵八万が守りを固めていたから、成都で戦うにあたり、
最低十二万の兵力が必要である、と李厳は君主に示唆していた。
進路に横たわる河を渉り、趙範軍は正面突破を狙った。第一目標は、
――君主劉璋を生け捕る。
ことである。
「躍起として劉璋を狙うとなりますと、後方に隙が生じ、我が兵站が絶たれる
こともありえましょう。本陣にも兵を備えておく方がよろしいかと存じます」
趙範自身はひたすら本拠地を衝かんと欲していただけに、李厳の進言が
いささか煙たくも感じた。
「だが、我が方の兵は劉璋めよりもまだ寡ない。全軍を以て速攻で劉璋に
あたらねば勝利はおぼつくまい」
顔をしかめて、趙範は言を返した。
「それが危険なのです。兵站の杜絶は、すなわち食を断たれること。それは
誰も耐えられません」
「……そうだな」
これには趙範も観念し、本陣の守備を引き受けることとした。
諸将を前線に向かわせている間、趙範は本陣に待機していた。何事も
なければ良いが、と思っていたが、旬日を経たところで、劉璋の援軍、
呂義・陳式・費詩が押し寄せてきた。その数は趙範率いる兵二万に倍して
いる。
趙範は、本陣からもっとも近い場所に陣を布いている将に対し、
戻るようにと急ぎ指令を下した。敵の包囲を抗い続けていくほどの
統率の才は、趙範には欠けていた。兵らが、矢の雨と剣の風とで
つぎつぎと倒れていく。
五日ほど後、李厳が救援に駆けつけた。彼は劉璋の援軍を挑発し、
注意を主君よりそらせしめた。包囲が解かれ、趙範は安堵の息を
吐いたがそれも束の間であった。劉璋軍は平静を取り戻すと、
ふたたび本陣へ肉薄する。趙範率いる兵のうち十に七、八は負傷して
いったが、趙範が総崩れするよりも早く、前線の友軍より捷報が
もたらされた。
――劉璋を捕らえたり。
執拗に本陣を囲んだ援軍は撤兵したが、趙範は疲労の色を隠せずに
成都へ入城した。劉璋の処遇については、斬首することなく梓潼へ解き放った。
これは趙範の温情というよりも、劉璋より将兵の統率に秀でる者が跡を
継ぐことになれば、後の禍根となるという打算が多分に含まれていた。
ほぼ1ヶ月ぶりの更新となってしまいました。すみません。
>290
保守ならびに応援ありがとうございます。
>>298 お疲れさまです。いつも楽しみにしています。
(^^)
そういや9でも韓玄リプレイ誰かやるのかな
302 :
無名武将@お腹せっぷく:03/03/14 15:08
三国志9
名前 統率 武力 知力 政治
韓玄 10 29 8 4
金旋 44 65 22 38
趙範 18 20 35 61
303 :
無名武将@お腹せっぷく:03/03/14 15:10
304 :
無名武将@お腹せっぷく:03/03/14 15:15
金旋がなにげに強いかも
武力65は過去最高?
韓玄は頼みの武力も29と救いがない・・・
305 :
三国志9の韓玄 :03/03/14 15:26
ワシで全国統一できる者はおるか!!
ワシで全国統一できる者はおるか!!
ワシで全国統一できる者はおるか!!
306 :
無名武将@お腹せっぷく:03/03/14 15:30
金旋>>>韓玄
三国志9
名前 統率 武力 知力 政治
韓玄 10 29 8 4
金旋 44 65 22 38
307 :
無名武将@お腹せっぷく:03/03/14 17:31
劉度は?
劉度「独立するね、俺」
劉賢「マジで?無理だって」
劉度「だっておもしろくないじゃんかよ」
劉賢「親父・・・わーったよ。勝手にしな」
こうして劉度は劉表から独立したのであった
劉度「さてと・・・おい我が息子よ」
兵卒「殿、城内に劉賢様の姿がありません」
劉度「・・・・」
兵卒「・・・・」
劉度「・・・・マジ?」
兵卒「マジです」
劉度「今ならウソって言っても怒らないよ」
兵卒「いや、本当です」
劉度「一応、俺の息子なんだけど」
兵卒「でも居ないんです」
劉度「・・・・」
兵卒「・・・・」
これから劉度の険しく長い道のりが始まるのであった
兵卒「殿、ご子息劉賢様からのお手紙が届いております」
劉度「ふむ」
兵卒「お返事を出しますか?」
劉度「めんどくせーからいいや。だりーもん」
兵卒「畏まりました」
劉度「じゃあ、徴兵するわ」
劉度の兵が2万に膨れ上がった
兵卒「劉表様が崩御なされました」
劉度「ふーん」
兵卒「・・・劉埼様がお継ぎになられたようです」
劉度「あの軟弱者がか」
兵卒「劉埼軍からは内応者がこぞって出る可能性もあります」
劉度「わーったよ。うっせーなお前。」
兵卒「しかし殿・・・殿は天下を平定する為に独立したのでは」
劉度「は?ちげーよ。なんとなく独立したんだよ」
兵卒「・・・・」
劉度「下がっていいよ」
兵卒「・・・御意」
誰にも攻め込まれず劉度の安穏な生活は約1年続いたのであった。
兵卒「劉埼軍が攻めてきました!」
劉度「あいよ」
兵卒「劉埼軍の数・・・」
劉度「いいよ。どーせ負けるしさ」
兵卒「・・・はぁ」
劉度「さて奇襲でもかけるか」
黄忠「はっはっは!そんなものに引っかかるか!」
劉度「混乱中」
黄忠「魏延!一斉攻撃じゃ!」
魏延「了解!」
劉度「混乱中」
黄忠「もっと攻めよ!」
劉度「混乱中」
兵卒「兵がおりません」
劉度「捕まったか」
劉埼「余に仕えよ」
劉度「嫌じゃ」
劉埼「そうか・・・仕方あるまい」
劉度が死亡しました。
こんなにやる気のない君主つーかリプレイ初めて見たw
たまにはいいな。
こういうのも。
【歴史をあざ笑う者 それに便乗する者】
蔡蘭「雲玲様!」
法正「蔡蘭殿、以前から気になっていた事だが・・・・・・その呼び方は何とかならぬのか?」
蔡蘭「?」
法正「仮にも蜀公という重職に就いておられるお方をそのように軽軽しく呼ぶのはいかがなものかと」
蔡蘭「・・・失礼しました。では、閣下。上庸に潜ませておいた手の者から報告が」
雲玲「・・・・・・・・呼び名なんて今まで通りでいいわよ」
二人のやり取りを見て、軽く嘆息する。
法正「そんなわけには参りません。私めが軍師に就任した以上、まずは内規の規律から・・・・・・・・・・・」
蔡蘭は漢中での敗戦の責任をとり軍師の座を自ら辞し、後任には元益州の法正が就いた。
法正「で・・・・・・・・・・・・です」
雲玲「で、報告は?」
法正が一息ついたところを見計らって蔡蘭に問い掛ける。
蔡蘭「法正殿、失礼致します」
聞こえるように数歩雲玲に近づく。
蔡蘭「上庸の太守、呉蘭が造反。独立致しました」
ガタン!
椅子を飛ばし立ち上がる。
好機である。またとない。
雲玲「直ぐに出陣の準備を!曹操に取り返される前に奪うわよ」
法正「曹操は襄陽に上庸へ輸送する兵を揃えておりました。それを討伐隊にするだけですな」
雲玲「フの李厳に伝達、こちらに兵を回すよう伝えなさい」
蔡蘭「上庸を奪った後は対曹操領の最前線、駐屯している兵も多くに越した事は無い、ということですね」
雲玲「諸将を集めなさい!急いで」
家臣達を急かす雲玲の脳裏には、以前聞いたある言葉が浮かんでいた。
(勅使「この混沌とした世においても天子様への忠義を忘れないその清らかさ。貴方様にはきっと良い事が訪れるでしょう」)
良い事はしておくものだ・・・・・・・・と一人ごちる。
用意された幸運に感謝しながら。
〜臥床偃息を求めるひとびと〜
成都に入城してからというもの、趙範はつねに苦悶を浮かべながら
参内していた。先の戦による刀傷がこたえていた。白昼に牀に臥せる
ことをせず、一月あまりも痛みをこらえる有様が続いてか、見るに堪え
ざる将もいた。
「趙範様、無理はなさいますな」
口火を切ったのは、金旋であった。
「無理はしていない」
「その貌の、どこが無理していないのですか。安静になさいませ」
「そうはいかん。今、私がのうのうと臥せってしまっては、わが領を指揮
する者はいなくなるのではないか」
「一時であれば軍師殿やわしがなんとかしましょう」
名指しされた李厳は、驚きながら自分を指さした。
「私は、人の上に立つ器ではありませんぞ。補佐こそが私の役柄ゆえ」
「あくまでもたとえ話ですよ、軍師殿」
「そうか……」
決まり悪そうに、李厳は苦笑いをした。
「それはそうと趙範様、あなたはこの国になくてはならないお方です。
一時の傷を隠して一生の傷を負い、最悪にも亡くなられてしまわれた
ならば、戦乱は収まりませぬ」
「な、私が死ぬとでもいうのか」
「あくまでもたとえ話ですよ、趙範様」
「金旋殿のたとえ話は、洒落にならんわ」
眉間を押さえて、趙範は嘆息した。
「金旋殿がいうように、少しは休みなされ」
傍らから、虞翻が赤ら顔で割り込んできた。
「ふむう、しかしのう……」
「何が気にかかるのですか」
「涼州の馬騰じゃ」
趙範が成都を占拠してからまもなく、涼州の馬騰は、曹操が支配せる
武都を攻めた。しかし返り討ちに遭い、首と胴体とが別離してしまった。
「案じなさいますな。馬騰は戦陣に立って死ににいったようなものです。
我々が勧めているのはその逆ではありませぬか」
「……」
「殿が全快にならなければ、それこそ示しがつきませぬ。さあ、あとは
我々にお任せあれ」
「……わかった。そうさせてもらおう」
趙範は観念し、金旋や虞翻、李厳らに従われるまま、自室に閉じこもった。
>299
お楽しみいただき、感謝であります。
こちらこそ楽しませていただいているばかりなのでヽ(´ー`)ノ
ずいぶん下がっているので、一度上げたいんだけど、連休終ってからの方が
いいかな…
【三歩進んで二歩進む】
飛び交う怒号、剣戟。
男「ぐぬううう」
騎上にて、男は歯軋りを続けていた。
しかし、自分のおかれた状況がどうあれ、今は前進するしか無い。
男の名は曹洪子廉。丞相 曹孟徳の従弟である。
上庸太守呉蘭の造反により、曹洪が太守を勤めるここ漢中は完全に孤立していた。
予想外、いや完全に予想の範囲外の出来事である。
更に雲玲軍が上庸へ進軍。今やフと上庸の二面攻撃の真っ最中である。
曹洪は優秀な武人である。だがあまりにも数が違いすぎるのだ。
漢中が落とされるのも時間の問題である。
だが、一縷の望みを懸けて曹洪は疾駆する。
――――――――――――旗が見えた。
李厳「そこな敵将、名を名のれぃ!我が戟の錆にしてくれる!」
曹洪「我が名は漢中太守、曹 子廉!我との一騎打ちを所望するか?下郎め!」
ほぼ勝ち戦となっている雲玲軍の将に、一騎打ちをしなければならない理由はない。
しかし李厳には曹洪の吐いた言葉の最後がどうしても聞き捨てならなかった。
李厳「下郎だと!良く聞けぃ!!我こそは雲玲様より第弐軍団を預かる軍団長、李 正方なりぃ」
曹洪「ほう、ならば口でもなく、位でもなく、ただ武のみで勝敗を決さん!」
李厳「望むところよ!」
かかった。当初、漢中に攻め入ってきたのは「フ」からの軍勢であった。
後に上庸から現れた兵は所詮援軍である。軍団長であるこの李厳とやらを打ち破れば敵軍の指揮を大幅に下げる事が出来る。
雲玲「コラァ!勝手な事するなぁ」
何処からか声が聞こえる。女の声のようだ。
一騎打ちを止めようというのだろう。
――――――――もう遅い。
「ふううううぅぅぅぅぅ・・・・・・」
遠目で一騎打ちを眺めながら雲玲は深々と嘆息を漏らしていた。
雲玲「何でここに来て一騎打ちするかなぁ?!必要ないのに」
蔡蘭「馬鹿だからでしょう」
サラリと非道い事を言う。
雲玲「李厳、勝てると思う?」
蔡蘭「正直、無理でしょうね」
舞う砂塵。時に近づき、時に間合いをとる。まさに一進一退の攻防である。
最早何合目の打ち合いか、数えるのもあきた。
雲玲「いい勝負してると思うんだけど」
蔡蘭「漢中全体における我が軍の戦況は完全に有利です。最早漢中は陥落寸前ですね」
雲玲「そうね」
蔡蘭「だから勝てるとは思いません」
雲玲「・・・・・・・・つまり」
蔡蘭「油断です」
ドスッ!
鈍い音と共に李厳が落馬する。
蔡蘭「ホラ」
雲玲「ホラ・・・じゃない!これで我が軍の指揮はガタ落ちよ」
蔡蘭「早いトコ敵将を捕らえましょう」
その後、予想外に手間取ったものの雲玲軍は漢中の奪取に成功した。
雲玲「・・・・・・・・・・・・・・・・李厳は軍団長、クビね」
現在の状況
※※※※※※※※※※※※※※※※※※薊※※※※※※※※※※※※※※※※※
※※※※※※※※※※┏━■━━━━━■━━━┳━━━━■━━━○遼東※※
※西涼●┓※※※上党■┓晋陽※業β┏━━━┳■渤海┏━┛北平※※※※※
※※※※┃※弘農※※┃┗━━━━━■━━┓┗━━━■平原※※※ ※
※※※※┃※┏■━┓┃洛陽※※陳留┃※※■━━━■┻━┓※
※西平●┫※┃※※┗■━━━━┳━□━━┫濮陽※済南※┃※
※※※※┃※┃長安※┗┓宛┏━□許昌※※┃※※※┏━■┛※※
※天水┏●━■━━━━□━┛※┣━□━━□小沛※┃北海※※※※※
※※※┃※┏┛※※※※┣━━━□━┓言焦┃┏━━┛※※※
※武都◎━☆漢中※※※■新野※汝南┃※※┗□下丕β※
※※※┃※┃上庸※襄陽┃※※※※※┃※※┏┛※※※※
※※フ ☆━┻☆━━━━■━┓※※※┃※※◇広陵※※
※※※┃※※┗┓永安┏┛┏■江夏※◇寿春┃※※※※
※※※┣━┓※☆━┳■━┫┗━┓┏┻━━□┓抹陵※
※※※┃巴☆━┛※┃江陵┃※※┗◇廬江※┃┃※※※
※成都☆━┛※武陵☆※※◇━━━┫※┏━┛┗□呉※
※※※┣☆建寧※※┣━☆┛柴桑※◇━┛※※┏┛※※
※永昌☆┃※※零陵☆※┃長沙※※翻陽※※※┃※※※
※※※┃┃※※※※┗☆┛※※※※※※※※※◇会稽※
※三江☆┛※※※※桂陽※※※※※※※※※※※※※
※※※※※※※※※※※※※※※※
公孫康=○ 馬騰=● 張魯=◎ 曹操=■ 孫権=◇ 新勢力=□ 雲玲=☆
訂正×指揮→○士気
現在、頭痛で思考がまとまりません。
お許し下され。
┏━━━━━┓
┃わ〜い325 !┃
┗━━┳━━┛ ニコニコ.......
┃ ∧ ∧
⊂( ^∀^ )⊃
\ /
( )
∪∪
仕事が忙しくてなかなか書き出せませんが・・・
近いうちに孔融でリプレイ書こうかと思います。
その時にはよろしくお願いします。
【ある門番の一幕】
雲玲領 上庸
漢中をも得た雲玲はここ上庸でしばしの休息を楽しんでいた。
だが、曹操領と隣接しているため警備は厳重を極めていた。
上庸 正門
門番1「油断は出来んな」
門番2「そ、そ、そうだよな。あの曹操がここ、ここを狙っているんだからな」
門番1「何だお前?ビビッてんのか?」
門番2「そ、そんなわけな、ないじゃないか!?」
門番1「・・・・・しょうがない奴だな」
門番2「あ、あれは何だ!て、敵じゃないのか?」
突然正面を指差す。指差した先には成る程、御車とそれを守る数名の護衛が見える。
門番2「て、敵じゃないのか?」
とりあえず殴っておく。
門番2「痛い!」
門番1「今夜、宴席が催される話を聞いただろう?その参加者だろう」
門番2「痛い・・・・・・」
門番1「御偉方だ。粗相の無いようにしろよ」
門番2「あ、ああ」
御車は門から少し離れた所で停止する。
門番1「まあ、誰であれ確認は取っておかなくてはな。いくぞ」
門番2「お、おお」
従者らしき者が書簡を携えてこちらに近づいて来た。
従者「お役目、ご苦労。本日我々は蜀公閣下の腹心。荀攸様のお招きで参った。開門なされい」
うやうやしく書簡を開き、門番達に見せる。
門番1(でも俺達下っ端にこれが本物かどうかなんてわからないし。どうしようか・・・・・)
ふと気づくとその従者の後ろに若者が立っている。だがこの者は目の前のこの従者と一緒に来た訳ではない。順番待ちをしている様だ。
その者の顔に見覚えがあった。文官の下働きをしている若者だ。
門番1「一寸失礼」
目の前の従者にことわりを入れた後、若者に話し掛ける。
門番1「お前、たしか城内の者だったよな」
若者「ええ、そうですけど・・・・・・・いいんですか、順番?何か偉い方みたいなんですケド」
きまりの悪そうな顔でポツリと答える。無論、他の者には聞こえない様に。
門番1「書簡とかまとめたりしてるって言ってたよな?以前」
彼は上官からの指示、報告等を文にまとめる仕事をしていた。
若者「え、ええ」
門番1「筆跡って判る?」
若者「はぁ?筆跡ですか」
門番1「実はあの従者殿が荀攸様直筆の書簡を携えて来たみたいなんだけど、俺らにはどうにもわからんのよ」
若者「その前に、事前に誰が門を通るとか聞かされてないんですか?普通は・・・・」
門番1「ア・イ・ツ、が、しっかり聞いて、しっかり忘れやがった」
親指で指し示した先にはどうしていいのか解らず、オロオロしているもう一人の門番の姿が見えた。
門番1「あんまり待たせておくのも悪いし・・・・・・判らないか?」
若者「ああ、荀攸様の字ならわかります。独特なんですよ、筆跡が」
門番1「そうか。頼む」
若者の助けを得て、何とか事なきをえた。
従者「では、失礼する」
御車を再度前進させようとする。
門番「お待ちください。御車の中も改めさせて頂きますぞ」
従者「どうぞ」
何か言われるのかと思っていたが、何も言われなかった。
御車に近づき、簾をずらす。
御車の中には小柄な男が一人、文官の様だ。穏やかな顔で座っている。別段、怪しい所は無い。
ちなみにさっきまでオロオロしていた相棒には上司への確認をとりに行ってもらう事にした。
やがて、確認がとれたようだ。入城の許可が出た。
門番1「お待たせして、申し訳ありませんでした。どうぞ、御入城下さい」
門番2「ど、どうぞ」
従者「いや、お役目ご苦労」
御車が門をくぐり、距離が離れた所で相棒に毒づく。
門番1「お前の所為でかなり手間取ったな。今日に限って何で忘れるかな」
門番2「ス・・・・スマン」
裏拳でどつきながら御車を見送る。
門番1「しかし、今みたいな客が何人も通るんだろうな、今日は」
門番2「痛い・・・・・・」
門番1「忙しそうだな、今日も」
門番2「そ、そうだな」
季節は夏へと変わろうとしていた。鎧を着るのが少しづつ辛くなってくる。
だがそんな兵士達の思いを意にも介さず、太陽は眩い光を照らし続けていた。
【明るい喧騒の中で】
上庸
法正「ここに先の戦での大勝と、更に新たな優秀な人材を得る事の出来た事を祝して、ささやかながらここで酒の席を共に出来る事を
喜びまして・・・・・・・・・」
黄忠「前口上がやたらと長いのう」
魏延「始めてしまいましょう」
法正「思えば私が蜀公様の幕下に加われるという喜びに満ちた出来事はかって蜀の地平定と民草の安寧のために益州へ参られた・・・・」
雲玲「いいわ、杯も皆に行き渡ったみたいだし。始めてしまいましょう!」
法正「まったりとしていて、それでいてしつこくない絶妙な・・・・・・」
蔡蘭「何気に関係無い事話してませんか?」
雲玲、蔡蘭、軍師である法正、魏延、黄忠、荀攸。そして諸葛亮。これだけの人数が酒の席を共にするのは初めてである。
漢中を攻略し、一段落ついた所で労いの意を込めて酒宴が開かれていた。
魏延「そこで拙者が張魯の兵をちぎっては投げちぎっては投げ・・・・」
黄忠「投げてはおらんじゃろう」
魏延「そこで馬超の頭を引っ掴みヒザを奴の側頭部へ・・・・」
蔡蘭「シャイニング○ィザード?!」
荀攸「私は曹操という人間を良く知っております。これからは戦場だけでなく様々な所で心理戦が・・・」
諸葛亮「ふむ。興味深いですね」
法正「であるからして皆様のための政治を・・・・・」
雲玲「まだ続いてたの?!」
〜君は奇言の士を好めるか〜
建安十九年(二一四)三月、趙範は漸く全快し、再び政務につくや否や、
建寧太守蔡瑁をして江州を攻めしめた。成都からは文聘、張嶷、李厳、
虞翻、金旋を援軍として差し向けた。その兵数は十五万に達する。
二旬の後に、捷報がもたらされた。張松、陳式、呂義、張翼、秦ふくの
五将を降伏させた、と聞き、趙範は雀躍を抑えることができなかった。
殊に、劉璋の知嚢として重きを成していた筈の張松を得たことが、
彼を衝動せしめた。
南中の地より劉璋軍侵略の憂いを絶った、と称し、趙範は饗宴を催した。
病床におりしときの憂さを晴らすかのように、自ら酣謔を為すと、殿に
続けとばかりに将らも騒ぎ立て、設えられた杯盤は狼藉と化した。
「我が君も変わりましたな」
酩酊せる李厳が、觴を片手にしながら耳打ちした。
「何がじゃ」
「張松殿を得たことが、我が君にとってかくも嬉しきこととは思いもよらず」
「ほほう、さてはおぬし、妬んでおるのか」
趙範の目は泳ぎ出し、両手で波を打ちだす。
「な、何をおっしゃいますか。軍師の座を取られてなるものか、などと
思ったことは毫もございませぬ」
趙範がつくりだした海に溺れまいと、李厳は目を見開いた。
「それは偽りじゃろ」
「いいえ。私がいいたいのはそういうことではありませぬ。嘗ては奇言の士を
煙たがり避けていた我が君が、今となっては彼らを歓待している。それが
私には望ましいのです」
「軍師が取って代わられてもか」
「ええ。我が軍の天下一統のためならば、それも辞しません」
そういってから、李厳はうなだれて、ぼそと呟いた。
「……本当は悔しいですがね」
>雲玲(弐代目袁尚 )殿
割り込んでしまったようですみませぬ。。。
>333四代目趙範(六代目韓玄) ◆.36thCiL5U殿。
同時刻に書き込んでしまった様ですな。
驚きました( ;゚Д゚)
私めは何処かで時間を潰してからうぷさせて頂きます。
どうぞお先に。
私は今回、
>>332だけですので(^−^; スミマセヌ
どうぞうぷしてくださいませ。
大騒ぎである。
戦場での武を誇る者、来るべき曹操との決戦を前に策を語り始める者、様々である。
雲玲「ああっ!蔡蘭、服を脱ぐのはやめなさい」
蔡蘭「誤解を招く発言はやめて下さい」
諸葛亮「私の出番ですね」
雲玲「アンタはやめとけ」
諸葛亮「『君命に受けざる所あり』!!さあ、皆さん。注目」
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
■□■□■□■□■■□■□■□■□■■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
蔡蘭「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・素敵」
魏延 黄忠 荀攸「!!!」
小間使い「荀攸様、荀攸様」
荀攸「な、何じゃ?」
小間使い「知人を名乗られる方がお見えです」
荀攸「そうか。目出度い宴席じゃ。こちらに来てもらえ」
小間使い「では、こちらの部屋にご案内致します」
こんなに楽しいひとときは久しぶりだ。曹操軍から雲玲軍へと参加した荀攸は、内部で明らかに浮いていた。
しかし、地道な仕事をいくつもこなし、やっとの事で信頼を得ることが出来た。
何より有り難いのが投降の理由を詳しく聞かれなかった事。
荀攸「嫉妬・・・・・・・・・・・だとは言えんよなぁ」
杯に映る己の顔に静かに語りかける。
だが自信もある。
これから曹操との戦において、自分程曹操を知る者は雲玲旗下にはいない。
必ずや自分の存在が重要になってくる筈だ。
くい・・・・と一気に飲み干す。
韓玄「およよ?荀攸殿。杯が空いておりますぞ。さささ」
荀攸「韓玄殿!御主、傷は良いのか?」
韓玄「このような楽しそうな喧騒を耳にして、座臥の上で寝てはおられませぬ」
荀攸「・・・・・・・・・・・・・・・・・そうだな」
韓玄「それより荀攸殿の知人を連れてまいった」
荀攸「おお、入ってもらって下され」
韓玄「では」
合図を送る。
そしてその者も宴席へ加わった。
>336-337
無名武将となっておりますが私のカキコです。
失礼しました(;´Д`)
【好まられざる客】
荀攸「さささ。どうぞ」
荀攸は新たな宴席への参加者に酒を振舞おうとした。
来客「・・・・・・・・・・・・南の気候には慣れたようだな。元気そうではないか」
その声を聞き、荀攸の動きが止まる。
その顔を見て、荀攸の体に震えが走る。
知人として、この部屋へ韓玄が案内した人物。
成る程、確かに私はこの人物を知っている。知人には相違ない。それを先程反芻したばかりだ。
荀攸「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・丞相」
荀攸の隣に座し、酒を勧められた人物こそ、漢の丞相。曹 孟徳であった。
チラリと雲玲の方を盗み見る。
ここは大広間だ。雲玲が座している所まで多少距離がある。
雲玲が曹操を父の仇と見ているのは周知の事実。
ここで二人を遭わせてはならない。
荀攸「しかし、供の者一人も無しで見えるとは・・・・・相変わらず大胆な事をする御方だ」
韓玄「およよ?そちらの御仁、拙者にも紹介してくだされ。荀攸殿?」
荀攸「!!」
とりあえず間合いを計り、時を稼ごうとした荀攸の計は儚く霧散した。
曹操「フン。『とりあえず』で編んだ計の効力はせいぜいその程度だな」
荀攸の心を見透かした様にポツリと呟く。
いや、今の私の表情を見ればなんとなく解るか。
丞相の声は良く通る。
曹操「私は曹 孟徳。南の諸将の顔を拝見しにこの地に参った」
部屋の中の時が止まる。
誰しもが目を見開いてこちらを見ている。表情も皆、一様に同じ。
雲玲様も・・・・・・・・・・・・・・・
荀攸「?」
いない。
つい先程まで座していた席に雲玲がいないのだ。
そのかわり床スレスレをこちらに向かってくる『物体』が一つ。
驚異的な速度でこちらとの間合いが詰まっていく。
その『物体』を表現するならば
『驚愕』 『憤怒』 『殺意』 『怨念』 『歓喜』
それらがない交ぜになった物体が迫る。
ソレの瞳が見える。獣の目だ。
ガシィィィィィィィィィ!!
すんでのところで黄忠が立ちはだかる。が、なおもソレは前進を続けようとしている。
黄忠「ぎ・・魏延殿、お力を!」
魏延「お、応!」
雲玲軍が誇る威丈夫二人がやっとのことで前進を食い止める。
いや、
黄忠「ぐぬうぅぅぅぅ・・・・・」
魏延「し、信じられん?!」
まだ、前進を止めていない。
その獣は前進を止めることは無いのだ。目標の喉笛を食いちぎるまでは。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・獣の名は雲玲といった。
とりあえず保全あげ。
生ぬるく保守下げ
(^^)
【忠義】
雲玲領 上庸
諸葛亮「ここで曹操を殺して、誰が喜ぶのでしょうね?」
その言葉を聞き、唐突に獣は前進する事を止めた
その獣=雲玲の表情は憤怒のまま凍りついたままだが。
法正「そ、そそっ・・・・そうですぞ!」
ようやく状況を理解し法正も口を挟む。
法正「酒宴とは、別勢力の者と顔を合わせる事の出来る唯一の機会。つまり取り巻く環境がどんな状況であっても不義、不殺。
非暴力の場で無くてはなりません。この暗黙の理を破ることはあらゆる不仁、不孝を上回ります。つまり・・・・・・」
雲玲「わかったわよ・・・・・・・」
表情が人のソレへと変わる。いや、戻ると言うべきか。
そして諸葛亮へと向き直る。
雲玲「ここで私が曹操を殺しても誰も喜ばないものね」
諸葛亮「御意。自分という最大のエサをチラつかせ、状況を支配する。それがこの男の目的ですから・・・・」
横目でチラリと曹操を覗き見る。
曹操「・・・・・・・・・・・・・・・・・フン。久しぶりだな孔明」
諸葛亮「お久しぶりです。丞相殿」
サラリと。しかし挨拶を口にする間は曹操へ一瞥もくれず孔明が答える。
曹操「・・・・・・・・・・・・・・・・・・嫌われたものだ」
雲玲「歓迎されるとでも思ったのですか?」
吐き捨てるかのように雲玲が言葉を続ける。
曹操「いや、それでも一つ伝えたい事があってな」
その鋭い視線を雲玲へと向ける。
曹操「蜀公殿の御父上の事だ」
ビクッ!
雲玲の体が細かく震える。ソレに反応した黄忠、魏延、法正を手で諌めた。自らの手で。
曹操「貴方の父上を殺したのは私ではない」
淡々と。然し冷静に続けて語る。
雲玲「・・・・・・・・・・よくもぬけぬけと。そのような世迷言を」
震える自らの体を抱くように、自らの体を押し留めるように、だが小声で雲玲が答える。
曹操「信じてもらおうとは思わん。私の部下が先走ってやった事なのかも知れんしな」
座より立ち上がる。
曹操「言いたい事はそれだけだ」
硬直する諸将の脇をすり抜けるように曹操は一人、部屋から出て行った。
上庸 城門
御車が出て行く。
それを横目で盗み見ながら向かい側にいる相棒へと目をやる。
門番1「ん?誰と話してやがる」
相棒は若者と何やら話をしている。あの若者は・・・・・・・・
視線に気づいたのか、若者がこちらへ来た。
若者「お役目、ご苦労様です」
そうだ。荀攸様の筆跡を読み取ってくれた若者だ。
門番1「ああ」
若者「あの御車に乗ったお客人を国境まで案内せよとの役目を仰せつかりました」
門番1「それはご苦労な事だ」
若者「それで・・・・あちらの方と共に行くように言われましたので・・・・・・・」
そこまで話し、視線を相棒(門番2)の方へ向ける。
門番1「了解した」
若者は軽く礼をすると再び向かい側の門番へと向かっていった。
門番1「しかし・・・・・ヌケたアイツに案内なんて出来るのかよ?」
若者「丞相がお帰りになられます。我々の役目も終わりです。とっとと退散しましょう」
門番2「そ・・・・・・そうだな」
視線の下方では御車が門をくぐり、去ってゆく姿が見える。
遅れ、御車を追って二頭の馬が走ってゆく姿も。
諸葛亮「・・・・・・・・どうやら城内に曹操の手の者が紛れ込んでいたようですね」
法正「酒宴とはいえ、そうも簡単に潜り込まれるとは・・・・・・・」
混乱する家臣を尻目に大きな声で言い放つ。
雲玲「諸将を召集しなさい。軍議を行います!議題は曹操領の制圧!!」
蔡蘭「私は反対です」
数刻後、集められた将達の前で平然と反論を口にしたのは蔡蘭であった。
蔡蘭「天下を目指す者が私怨で兵を動かすなどもっての他。蜀公という地位に就いておられる方なら尚更です」
法正「そ、その通りですぞ。ここで挑発するという事は曹操も何やら策あってのことかも知れませぬ」
雲玲「旗揚げ時より辛苦を共にしてきた蔡蘭にまで反対されるとはね」
韓玄「・・・・・・・・・・・・・困った。皆が何を言っているのか全然解らん」
黄忠「韓玄殿?どうされた」
韓玄「あああい、いや、何でもござらん。そそ、そうだ!諸葛亮殿はどう思われるのでござる?」
諸葛亮「(・・・・・・・・ござる?)私は・・・・・・・・いや、我々は」
途端に場内がしんと静まりかえる。
法正(諸葛亮殿、お手並み拝見・・・・・・・)
魏延(噂の伏龍とは・・・・・・どのような者か?)
蔡蘭(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
韓玄(な・・・・・なんで皆黙るのでござる?)
黄忠(・・・・・・ござる?)
皆、一言一句逃すまいと耳を澄ます。
諸葛亮「我々は、閣下の手となり足となり働く者です。ですから私は閣下の命に従うだけです」
諸葛亮の口から出た言葉は、平凡な、しかし雲玲の意向を肯定するものであった。
法正「しかし私怨で兵を動かすなどと・・・・・・」
諸葛亮「我々は閣下の手となり足となり働く者です」
法正「それはさっき聞い・・・・・・・」
諸葛亮「手足が己の思うがまま動かない。それは異常な事です」
蔡蘭「・・・・・・・・・・・!」
諸葛亮「手足を動かす意思が、怒りに満ちているものならばそれは更なる力となり敵を駆逐し、只々地を行くのみです」
魏延ら武官の視線が鋭いモノへと変わる。
諸葛亮「君主の命は何よりも優先されるものです。それが信なる忠義というものなのではないでしょうか?」
法正「・・・・・・・・・・・・・・・・」
諸葛亮「曹操領の江陵、江夏、襄陽、新野は現在補給路が絶たれ孤立しています。
これほどの好機を逃してまで他にする事があるのでしょうか?騙されてはなりません」
黄忠「騙される?」
諸葛亮「そう、この混乱した軍議。それこそが曹操が望んだものだったのではないでしょうか?」
雲玲「・・・・・・・・・・・・・・・!!」
諸葛亮「・・・・・・・・・・・・・・以上です。新参が出すぎた真似を致しました」
部屋の中は静まりかえっている。
雲玲「・・・・どうやら決を採るまでもないようね」
そのまま議題は襄陽の攻略へと移っていった。
∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
過去のリプレイ見てきたんですが。
なんで陳羣は悪魔だの何だのと苛められ役が定着してしまったのでつか?(・ρ・)
>351
リプレイを書かれている方にもよるかと思います。。。
劉備→曹操という士官経歴を経ているから?(それはあまり関係ないかな?
久しぶりに登場してまたも1レスのみで難ですが、
>353にリプレイをうぷさせていただきます。
〜主は濫りに督戦すべからずか〜
中原において、曹操が魏皇帝の位に即いた。しかしその威は華夏の
全土に及ばず、抗う者もすくなくない。殊に、かねてから攻防を繰り返し
ていた孫権は、すぐさま反魏の旗幟を明らかにした。簒奪許すまじ、
すみやかに曹賊を掃討して漢の御世を恢復せん、としてまずは陳留、
ついで濮陽を占拠し、関東に深く入り込んでいく。
しかし、曹操はすぐに反撃へ転じた。夏四月、陳留を奪回し、その城に
駐せる孫権を捕らえて斬首に処した。群臣協議の末、長子の登はいまだ
幼学の身にて、曹賊と争うにはいささか荷が重いということから、弟の匡が
跡を継ぐことになった。趙範のもとには使を経てかくのごとく伝えられた。
「孫討虜は己を過信したようですな」
細い口ひげをしごきながら、張松は趙範に話しかけた。
「あ、ああ。孫権は今や江東に根ざしているのだから、わざわざ険を冒して
まで前線に突出することもないというのにな」
趙範はそういって落ち着かなくなった腰を浮かせ、ふたたび坐り直した。
「そういう主は、成都に腰を落ち着けるおつもりですか」
「交州と南中は掌握したからな。益州の平定はこれからが本格的になろうが、
できるならばそうしたいものだな」
「ふむ。主は、よほど成都が気に入られたようですな」
「山がちなところは桂陽と似ているが、成都の方が賑やかで居心地よく感じるな」
「そうはいってもまだ日は浅いことでしょう。益州のことは私にお任せくだされ」
微かに開く張松の口より、黄色を帯びた前歯が覗く。
「何か企みでもあるのか」
「そうですな……今宵は成都でおすすめの酒楼へご案内いたしましょうか」
「ほう。それはおもしろいな」
張松に誘われ、趙範は日暮れと共に成都の城内から姿を消した。
【忌み嫌われた王朝】
とある国境
曹操「我が宿星は何処へと向かうのか・・・・・・・・・」
風に揺らぎ、木々のこすれる音。それを除けば静かな夜。そんな中、断崖の前で一人星空を見上げる男。
漢の丞相 曹 孟徳である。
彼は時に、孤独を好んだ。だが、彼の立場がそれを許してはくれなかった。
しかし今は限られた供と共に旅の途中。
一人思索にくれる時間をつくる事も出来る。
だがその静寂は簡単に破られた。
背後からする木々の枝、草をより分ける音を耳にし、振り返る。
曹操「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・誰だ?」
??「あっ、人がおられたのですか?」
年のころは二十を過ぎた辺りだろうか。まだ若い。女性であった。
供の中にあった顔ではない。
なにより女性の顔を忘れる筈が無い。
女「一人旅の途中ですから」
曹操の心中を読み取ったかのように女がサラリと答える。
曹操「女性が一人旅とは・・・・・。何処へ行くのだ」
女「上庸で所用を済ませまして、徐州へ」
そこまで聞いたあたりでフン・・。と鼻で笑う。
このような人里離れた場所に女が一人。不自然極まりない。
曹操「茶番はそのあたりでよかろう。貴様は何者だ?」
二、三歩後退しながら問い掛ける。寄りかかった木の向こう側には――――――。
女「・・・・・・・・・・・・・私は災厄を振りまく者」
災厄。いやに間接的な物言いだ。
曹操「その災厄とは私にとって。か?」
女「フフフ・・・・・・。どうでしょうね」
曹操「用件を言え」
口元に笑みを浮かべながら曹操の目前をスタスタと横切る。断崖を背後に背負う位置まで。
女「既に天子は我が懐に御座います」
曹操「ほう、誰かと思えばあの新勢力の手の者か」
女「闘争と狂乱の果てに、やがてこの大地で最も忌み嫌われた王朝が復活致します」
曹操「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
女「私はそれを伝えに来ただけの者です」
口元に涼しげな笑みを浮かべたその女はそのまま―――――――――――――――――背後の断崖へその身を投げた。
曹操「!!」
曹操が崖に近寄るよりも早く、背後より飛び出した手の者が断崖を覗き見る。
真っ暗だ。何も見えない。
女『闘争と狂乱の果てに、やがてこの大地で最も忌み嫌われた王朝が復活致します』
曹操「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・フン」
曹操は御車を新野へと向けさせた。
GWにつき保守ヽ(´ー`)ノ
【別れ】
(諸葛亮「手足を動かす意思が、怒りに満ちているものならばそれは更なる力となり敵を駆逐し、只々地を行くのみです」)
魏延「新参が・・・・言ってくれる」
だが、それも間違ってはいない。
魏延「ならば我が手足は憤怒に満ちておる!下郎は寄るでないわ!」
ドオウッ!
魏延は目前に迫る敵将を片手で吹き飛ばした。
雲玲軍 曹操領 襄陽 攻略
(諸葛亮「主君の命は何よりも優先されるものです。それが信なる忠義というものなのではないでしょうか?」)
黄忠「新参が忠義を語るか・・・・・・・・・。まあ良い。ワシは死ぬまで雲玲様につき従うだけじゃ」
ズドドドド!
数本の矢を神業の如き速さで射る。
接近してきた敵将の顔面が吹き飛んだ。
黄忠「接近すればこのワシを倒せるとは思って欲しくないな。貴様等が槍を突くのとワシが弓を放つのと・・・・・どちらが速い?」
だが、その問いに答える者は誰もいない。黄忠を取り囲んでいた敵兵は全て射抜いてしまったからだ。
雲玲軍 曹操領 江陵 攻略
(諸葛亮「手足が己の思うがまま動かない。それは異常な事です」)
韓玄「そりゃ、あたりまえの事なんぢゃないかのう?」
戦場の最中(さなか)、韓玄は一人思索に耽っていた。
韓玄「難しい事は良く解らんのう。戦とは所詮、殺し合いの陣地取りぢゃろうに・・・・・・・・・・・・って御主ら何処へ行くのぢゃ(゚д゚;≡;゚д゚)」
兵士「し・・・・しかし伝令で・・・・」
韓玄「ぬうう。我が陣は早速混乱しておるのか!」
(韓玄殿、危ない!!)
韓玄「む?」
声の聞こえてきた方に首を傾げる。その瞬間、頬を一本の矢が掠めていった。
韓玄「うひょ?!」
恐る恐る頬を指でなぞってみる。ヌルッとした感触。遅れて無数の矢が韓玄の頭上に飛来した。
韓玄「ふ・・・・・・伏兵ぢゃ。下がれ、下がれ!」
慌てて後退した韓玄の心中に先程の声が反芻される。
韓玄「確か・・・・・あの声は・・・・・」
雲玲領 零陵
キョウ志「かっては、貴方の無能ぶりに腹を立てて、射殺してやろうと思った事もありました」
座臥では零陵太守 金旋が横たわっていた。
キョウ志「しかし、今は貴方と共にこの地を守れた事を誇りに思っておりますよ」
手から下げた純白の布を金旋の顔にかける。
キョウ志「さらばです」
予想以上に長い付き合いとなった上司に別れの言葉を告げる。
そう、金旋はもう目覚める事は無いのだ。
二度と。
雲玲軍 曹操領 江夏 攻略
現在の状況
※※※※※※※※※※※※※※※※※※薊※※※※※※※※※※※※※※※※※
※※※※※※※※※※┏━■━━━━━■━━━┳━━━━■━━━○遼東※※
※西涼●┓※※※上党■┓晋陽※業β┏━━━┳■渤海┏━┛北平※※※※※
※※※※┃※弘農※※┃┗━━━━━■━━┓┗━━━■平原※※※ ※
※※※※┃※┏■━┓┃洛陽※※陳留┃※※■━━━■┻━┓※
※西平●┫※┃※※┗■━━━━┳━□━━┫濮陽※済南※┃※
※※※※┃※┃長安※┗┓宛┏━□許昌※※┃※※※┏━■┛※※
※天水┏●━■━━━━□━┛※┣━□━━□小沛※┃北海※※※※※
※※※┃※┏┛※※※※┣━━━□━┓言焦┃┏━━┛※※※
※武都◎━☆漢中※※※■新野※汝南┃※※┗□下丕β※
※※※┃※┃上庸※襄陽┃※※※※※┃※※┏┛※※※※
※※フ ☆━┻☆━━━━☆━┓※※※┃※※◇広陵※※
※※※┃※※┗┓永安┏┛┏☆江夏※◇寿春┃※※※※
※※※┣━┓※☆━┳☆━┫┗━┓┏┻━━□┓抹陵※
※※※┃巴☆━┛※┃江陵┃※※┗◇廬江※┃┃※※※
※成都☆━┛※武陵☆※※◇━━━┫※┏━┛┗□呉※
※※※┣☆建寧※※┣━☆┛柴桑※◇━┛※※┏┛※※
※永昌☆┃※※零陵☆※┃長沙※※翻陽※※※┃※※※
※※※┃┃※※※※┗☆┛※※※※※※※※※◇会稽※
※三江☆┛※※※※桂陽※※※※※※※※※※※※※
※※※※※※※※※※※※※※※※
公孫康=○ 馬騰=● 張魯=◎ 曹操=■ 孫権=◇ 新勢力=□ 雲玲=☆
>356
保守有難う御座います。
とりあえず見てみえる方が居られる様でホッとしております。
いやいや、開始当初に比べ、随分面白くなってまいりましたぞ。
〜蛇は翼を得んと欲す〜
成都の酒楼に屯していた荒くれ者から、趙範らは梓潼の内情をつぶさに
聞き出した。それによると、永安に兵を集めているせいか、梓潼城内を護る
将は文官多く、防備が薄くなっているという。梓潼唯一の武官たる雷銅も、
攪乱には弱いという。
趙範は、梓潼攻略を思い立った。しかし、君主自らが兵を繰り出すつもりは
なかった。先陣切って梓潼を攻める意のある者がいるか、百官に問う。
「わしにお任せあれ」
我先にと、金旋がまず口を開いた。
「ふむ」
「と申しますか、わしに任せていただけませんか。今は韓玄殿なきといえども、
湘南四傑の魂を絶やすわけにはいかぬのです」
金旋の弁に熱が入る。
「その心意気や良し」
趙範は欣然として席を立ち上がった。
「そ、それでよろしいのですか」
慌てだしたのは、張松であった。
「何じゃ、永年」
「いささか軽佻のきらいがあるように思いますが」
「おぬしはずっと益州におったから知らぬであろうが、わしも金旋殿も、
かつては湘南にて不遇の身であった。いずれは大業を成さんと
語り合ったものだ」
趙範なりの誇張が、そこには含まれていた。
「むう」
「情熱が心を動かし、勢を操ること、永年も知らぬ訳ではあるまい」
「ううむ……あいわかった」
釈然としたわけではない。しかし、言を翻すことはあるまい、とふんでか、
張松は歯を隠した。
成都から梓潼へ向かう道には、要害たる綿竹関が横たわっている。
迂回するならば、険阻な山道を旬日ほどかけて往かねばならない。
「さて、どうしたものかのう……」
「金旋殿、威勢は成都城内に置き忘れましたか」
参軍の虞翻が放つ言は、憚りない。
「いや、そういうわけではないのだが……うまく梓潼を占拠する方法は
何かないかと考えるほど、行き詰まってしまうのじゃ」
「余計なことは考えずともよろしいかと。金城を生かすも殺すも将次第。
幸い、梓潼にはそれを使いこなせる者はおりません」
「だといいがな」
「ふむ……総大将は陣頭へ立たずに本陣を護り、兵站を確保すべき
ですな。前衛には用兵に優れ、益州の勝手がわかる者……張嶷殿と
厳顔殿を遣わしましょう。陳式殿に丁奉は遊撃ですかね。打って出て
くるであろう、ちょろちょろとやかましい鼠を追い払いましょう。文聘殿と
私は、前衛を支えます」
虞翻が金旋を一瞥したとき、視線にあった総大将は睡魔をかみ殺して
いた。
「……総大将」
「う、うむ。良い策じゃな」
金旋を本陣に残し、将軍らは北へ進発した。
沱江を越えた砦にて、敵将の[广龍]義が守りを固めていた。先鋒に立った
張嶷と厳顔は、軍を左右へと展開させ、突撃をかけた。恐慌を来した
[广龍]義の陣は崩れ、[广龍]義は縄中の人となった。
砦を占拠するや否や、彼らはすばやく綿竹関を攻めた。その間、敵軍が
本陣へ肉薄しているという報告が前線にもたらされる。遊撃を任された
陳式と丁奉が、急ぎ軍を戻らせる。沱江のあたりにて追いつき、背後より
兵を突っ込ませた。敵将の劉循とケ賢を捕らえる。
綿竹関では、張嶷が全面に立ち、厳顔が後方より援護射撃するという
形で攻撃が続けられていた。関の守将ケ芝には策による攪乱が通用
しないため、地道に押していった方が良いと両将はふんでいた。壁を
よじ登り、矢の雨を浴びせること旬日にして、ケ芝の軍は力つきた。
関を突破された後の劉璋軍には、すでに戦意が失せていた。
君主は逃亡し、主人がいなくなった梓潼城に、「趙」の旗が翻った。
366 :
無名武将@お腹せっぷく:03/05/01 08:30
あまりに下がりすぎなのでage。
【タイミリミット】
諸葛亮「さて、これで荊州における曹操の領地は荊北の孤立した新野だけとなりました」
襄陽、零陵、江夏を攻略した喜びに浸るのもつかの間。雲玲幕下の将達は再び軍議の真っ最中であった。
雲玲「で?ワザワザ将を集めての緊急の軍議。何か言いたい事があるんでしょう?」
諸葛亮「ええ。今後の方針についてです」
魏延「方針も何も、あとは曹操を捕らえるだけでは無いのですか?」
何をいまさら・・・・・とあからさまに不快感をあらわにして魏延が答える。
諸葛亮「その先は?」
魏延「?」
突然質問を質問で返され魏延が戸惑う。
諸葛亮「新野を攻略して後、隣接するは謎の新勢力」
魏延「しかし、荊州の殆どを得る事になるのではないのか?」
諸葛亮「得た土地を守る事が出来れば・・・・・です」
その言葉に黄忠も反応する。
黄忠「ワシ等では、土地一つ、守る事もできぬのか?」
諸葛亮「あの新勢力を甘く見てはなりません。曹操と孫権が連合を結んでも倒せぬ相手ですよ」
魏延「・・・・・・・・・・・・・・・」
諸葛亮「曹操は天子を奪われ、孫権は抹陵を奪われました。今、我々が相手にするのは得策ではありません」
荀ケ 「連合に加盟するのはどうでしょう」
横から突然口を挟んだ荀ケに皆の視線が集まる。が
ビリィッ!
突如部屋の中の空気が硬直した。
怒気とも殺気ともとれる気配が部屋の中を充満する。
雲玲である。我らが主君がいかに曹操を嫌っているか。それは先の一件で思い知らされた。
諸葛亮「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・という事です」
孔明が半ば諦め気味な視線を荀ケへ向ける。
荀ケ「で・・・・・ではどういたそうか?」
諸葛亮「放っておきましょう」
蔡蘭「つまり?」
諸葛亮「斥候の報告によると新野の兵力は約5万。であればここ襄陽に7〜8万の兵力を駐留させておけばまず大丈夫でしょう。
丞相殿には防波堤になって頂きます」
蔡蘭「その後は・・・・・・・」
諸葛亮「益州、涼州を先に平定するというのはいかがでしょう?」
話しを続けさせた蔡蘭に視線を向ける。
諸葛亮「涼州の騎馬軍団と将を手にし、質、量を充実させてからでもあの新勢力を相手にするのは遅くはないでしょう。
まあ、攻略にあまり時間は割けませんが今の我が軍ならそれも可能な筈です」
かって漢中の攻略に失敗した蔡蘭の前で、諸葛亮はサラリと言ってのけた。
目が霞む。動悸がおさまらない。今自分が立っているのか座っているのか・・・・それすらも理解できない。
「ゲフッ・・・・・・ゲフゲフ・・・・・」
バッ・・・と床にドス黒い血が模様をつくる。
(諸葛亮「手足が己の思うがまま動かない。それは異常な事です」)
韓玄「軍師殿の言った通りぢゃのう・・・・・・フフフ、そろそろか」
血まみれの口元を抑え、韓玄は一人自嘲気味の笑みを浮かべていた・・・・・・・・。
ワシ、韓玄だけども7まで来たが、今が一番楽しいですね。
キョウ志のとこ泣けた・・・。
韓玄逝きそうなとき泣けたのはこれが最初だな。
〜忠臣死すべきか〜
晩秋の風が、成都を寒からしめていた。
魏帝曹操の攻勢は、なおも熾烈であった。東では孫匡領の濮陽を、
西では劉備領の漢中をそれぞれ己が手中に収め、武威の太守で
あった董允を馬超より寝返らしめた。
ただし、猛攻は必ずしも堅守につながらない。漢中攻めにより手薄と
なった武都は、馬超によって奪われた。今の段階ではまともに曹操とは
ぶつかりたくない、と思っている趙範にしてみれば、曹操領に隣接しなく
なったことは安堵の息が漏れるものであった。
金旋に北を固めさせている一方で、趙範は江州の軍を永安へ往かせ
ようと企てていた。まず平らげるべきは劉璋と、その先の江陵にて
不気味にも不動の姿勢を顕しているかい良である。
「趙範殿、ちょっと気になることがありますが」
執務室に、張松が入ってきた。
「言うてみよ」
「梓潼の捕虜を、みな解放させたようですな」
趙範の首が縦に振られた。
「仁慈なる君主の様を示そうとしておられるわけですな」
「いかにも」
「それ自体は悪くありません。ですが……」
「何だ、気になるな」
「みながみな、それに感化されるとは限りません。いくら放とうとも、
牙を剥いて襲いかかる輩は少なくありません。余所の君主に烈しき
忠誠を誓っている者と、殿を心底憎んでいる者がその類でしょうな」
「何、わしを憎んでいる奴? それは聞き捨てならぬな」
趙範は鼻で笑った。
「まあ、それは少数でしょう。問題は、忠義の士です。ひとたび主君に
仕えれば、二君にまみえようとしません」
「ふうむ、ではおぬしは忠義の士でないわけだな」
「痛いところを衝きますな。私の場合は仕える主君を誤ったのです。
今は趙範殿に忠誠を尽くしておりますゆえ」
張松は咳払いをした。
「戯言じゃ。気にするな」
「と、ともかくも、永安の太守張任は、今でも劉璋を唯一無二の主君と
みなしております。彼を自陣営に引き込もうとしても、おそらくは拒絶
することでしょう」
「張任か……名は聞いたことがある」
「劉璋軍中において、彼に比する猛将はおりません。彼を再び放とうと
すれば、間違いなく刃を向け続けます。捕縛してもなお靡かないと
わかったら、思い切って処断なさいませ」
「ううむ、そうはいっても惜しいな」
「情けをみせてはなりません。我が軍はますます精強になっております
が、ふとしたことで足下をすくわれかねない状況にあることもお忘れなく」
「……わかった」
趙範の下唇は、前歯に押しつぶされていた。
冬を迎えずして、江州に駐していた蔡瑁は十四万の兵を率いて永安へ
進攻した。本陣より城邑まで、立ちはだかる敵将をつぎつぎとなぎ倒し、
正面を突破していく。太守張任が籠もる城は、左に黄忠、右に張嶷、
正面に文聘で囲ませる。
「黄忠! 弓の名手とたたえられて満足だろうが、それも終わりだ。
もう老いぼれの時代ではない。これからは、この張任が楊由基たりうる
べきなのだ」
太守が、城壁より身を乗り出した。
「生意気なっ、この青二才が!」
黄忠が、張任を射んとして弓を振り絞る。
「黄忠殿、挑発に乗りなさるな」
「そうはいかん。目にものみせてくれるわ」
李厳の制止を振り切り、黄忠は弦から手を離す。黄忠率いる兵もまた、
大将に従う。放たれた矢は張任の兵を傷つけたが、その倍の矢雨が
すぐさま黄忠軍を襲いかかった。
「落ち着いてください。我々はすでに城を囲んでいるではありませんか。武勇ではなく、用兵を以て彼奴を倒しましょうぞ」
「軍師殿、わしはまだ、武勇でも若い者には負けんぞ」
「いずれが優れているかは、後世において青史が証明してくれるでしょう。ここで勢いに任せて強襲し、返り討ちに遭ってしまう方が一生の恥として刻まれはしないでしょうか。じっくりと、張任を苦しめてやりましょう」
黄忠はようやく首を縦に振り、持久戦の構えをとった。七日の後、永安は
落城した。捕虜となった張任は、李厳の説得に屈せず、趙範に降る様を
毫も顕さなかった。
「今や大勢は定まったも同然。それに我が主趙範は、貴公のような名将を
厚く遇する。このまま劉璋殿に従って塵埃を被るよりも、我が主のもとで
前線に立って勇名を馳せていった方が、貴公のためにも華夏のためにも
なると思うが」
「私を二君に仕えさせるよりも、潔く散らせてくれ」
「……揺るがぬな。さすがは尽忠の士。やむを得ん。従わねば斬れ、
と主より達しがあるのでな」
無念の表情を浮かべ、李厳は張任の斬首を命じた。亡骸は、永安城
郊外の丘へ葬らせた。
>>374訂正
×楊由基
○養由基
失礼しました。
6代目様復帰sage
【武都攻略 上】
博望(土皮)
強固に固められた陣の中央で、その男は自らの髭を弄びながら遠目で戦場を眺めていた。
近くの兵に手招きをする。
兵士「何でしょうか軍師殿?」
軍師と呼ばれた男は口の端に弛緩を漂わせながらポツリと呟いた。
軍師「そろそろ城も落ちる頃だろ。酒を持って来い」
兵士「は・・・・・・・ハッ」
去ってゆく兵士の後姿を少しの間眺め、視線を再び戦場へと戻す。
既に城から火の手が上がっていた。
軍師「なんだ、予定より少し速かったな」
ぐっ・・と背伸びをして軽く嘆息する。
すると一人の兵が陣に飛び込んできた。
伝令兵「伝令!新野の城が落ちました」
軍師「見りゃ判るよ。ンな事。で敵将は?」
伝令兵「どうやら曹操は長安方面に逃走したようです」
軍師「逃げられたか・・・・・・・・。まあ良い。引き続き残存兵を掃討せよ」
伝令兵「ハッ!」
やがて届けられた杯を片手に――呟く。
軍師「曹操を壁にする・・・・・・・・孔明の考えそうな事だ。時を稼いで何を企んでいる?」
クックック・・・・・・と殊更愉快に笑みを浮かべる。
軍師「まぁ、壁は取り除いてやった。直ぐに暴いてくれる」
――――――――――男の名はホウ統士元。今や天子をも手中にした新勢力の軍師であった。
武都 雲玲軍(約9万)VS張魯軍(約5万)
斥候「砦に集結している張魯の軍勢は約5万です」
雲玲「篭城するつもりはではなさそうね。兵力ではこちらが勝っているのに・・・・・・・」
諸葛亮「馬騰をアテにしているのでしょう」
蔡蘭「恐らくは」
雲玲「では馬騰が来る前にカタをつける!先陣は黄忠と李厳」
黄忠 李厳「ハハッ!」
雲玲軍の動きは素早かった。瞬時に砦を包囲すると徐々にその包囲の輪を狭めていく・・・・・・・が
山頂に位置する砦。それを取り囲む狂信的な結束を見せる張魯の軍勢にてこずっていた。
雲玲「クッ・・・・・・・・これでは」
蔡蘭「後方の山を」
雲玲「!!」
既に無数の旗が翻っている。旗印は「馬」。
蔡蘭「・・・・・・・・・・・・・・・・どうやら馬騰自ら兵を率いている様です。報告によりますと兵力は約5万」
雲玲「これで数の上では互角になったわねぇ」
蔡蘭「どうなさるおつもりで・・・・・・・?」
雲玲が馬首を馬騰の軍勢の方へ向ける。
蔡蘭「お待ちください!まさか・・・・・・」
雲玲「私が最も多くの兵を率いている!馬騰は私が引き受けます。各将に伝令を!」
伝令兵「ハッ」
雲玲「寸分違わず伝えなさい。『後顧の憂いは私が絶ちます。各隊は収束し鋭く尖った陣を構え張魯の陣をブチ抜きなさい』以上!!」
恐らく、雲玲軍の将として参加できる戦はこれで最後なのだろう。
やや後方より戦場を眺めながら韓玄はソレを悟っていた。
やがて味方の陣に変化が起きる。
諸葛亮「馬騰の援軍のお陰で兵数は互角。ならば出来るだけ早く張魯の首を獲る為、我が軍の兵を一所に収束し
これを張魯へ打ち込む楔とします」
韓玄「了解した。孔明殿には我が隊の後詰めをお願いする」
諸葛亮「はい」
黄忠「ぬうううぅぅぅぅ・・・・・・・・」
先陣の二将はこう着状態に陥っていた。張魯の前に次から次へと兵が現れるのである。
だが、意外なところからソレは破られる事となった。
韓玄「どけどけどけぇい!我が前に立ちはだかる者は全て死だ」
韓玄の隊である。狂ったように刃を振り回しながら突撃をかけてくる。
韓玄の武など世辞にも褒められたものではない。だが張魯の兵は明らかに困惑している。
韓玄の中に宿る目に見えぬ何かに。
その様を後詰めの位置から寂しそうな視線で孔明は見つめていた。
李厳「軍師殿、どうなされた?」
諸葛亮「・・・・・・・・・韓玄殿に死相が見えます」
黄忠「何じゃと?!」
諸葛亮「いまの韓玄殿は消える直前の炎の、一瞬の瞬きに過ぎません・・・・・」
黄忠「戦の最中に何と不吉な言を・・・・・・・・・・。軍師殿といえど言って良い事と悪い事がありますぞ!!」
諸葛亮に詰め寄ろうとした黄忠を李厳が諌めようとしたその刹那・・・・
張魯「放てィ!」
ドドドドドドドド・・・・・・・・・・・・!!
凄まじい数の矢が陣の先鋒に射掛けられた。
巻き上げられた砂塵によって視界が失われる。
黄忠「韓玄殿ォ!!」
李厳「お待ちくだされ。視界がほぼ完全に失われたこの状況で、下手に動いては自らの首を締めるだけですぞ」
黄忠「しかし!」
砂塵は黄忠をあざ笑うが如く、その場にもうもうと立ち込めていた・・・・・・・。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※薊※※※※※※※※※※※※※※※※※
※※※※※※※※※※┏━■━━━━━■━━━┳━━━━■━━━○遼東※※
※西涼●┓※※※上党■┓晋陽※業β┏━━━┳■渤海┏━┛北平※※※※※
※※※※┃※弘農※※┃┗━━━━━■━━┓┗━━━■平原※※※ ※
※※※※┃※┏■━┓┃洛陽※※陳留┃※※■━━━■┻━┓※
※西平●┫※┃※※┗■━━━━┳━□━━┫濮陽※済南※┃※
※※※※┃※┃長安※┗┓宛┏━□許昌※※┃※※※┏━■┛※※
※天水┏●━■━━━━□━┛※┣━□━━□小沛※┃北海※※※※※
※※※┃※┏┛※※※※┣━━━□━┓言焦┃┏━━┛※※※
※武都◎━☆漢中※※※□新野※汝南┃※※┗□下丕β※
※※※┃※┃上庸※襄陽┃※※※※※┃※※┏┛※※※※
※※フ ☆━┻☆━━━━☆━┓※※※┃※※◇広陵※※
※※※┃※※┗┓永安┏┛┏☆江夏※◇寿春┃※※※※
※※※┣━┓※☆━┳☆━┫┗━┓┏┻━━□┓抹陵※
※※※┃巴☆━┛※┃江陵┃※※┗◇廬江※┃┃※※※
※成都☆━┛※武陵☆※※◇━━━┫※┏━┛┗□呉※
※※※┣☆建寧※※┣━☆┛柴桑※◇━┛※※┏┛※※
※永昌☆┃※※零陵☆※┃長沙※※翻陽※※※┃※※※
※※※┃┃※※※※┗☆┛※※※※※※※※※◇会稽※
※三江☆┛※※※※桂陽※※※※※※※※※※※※※
※※※※※※※※※※※※※※※※
公孫康=○ 馬騰=● 張魯=◎ 曹操=■ 孫権=◇ 新勢力=□ 雲玲=☆
>370
ありがとうございます。
どうぞこれからもよろしくお付き合い下さい。
>>384 ありがとうございます。
続きはもうしばらくお待ちくださいませ。すみません
【武都攻略 下】
雲玲「呀ァァァ!!」
裂帛の気合と共に敵将を両断する。
馬騰「我こそは涼州牧 馬 寿成!女ながら見事な将よ、名を名のれぃ!」
己が幸運を感謝した。いきなり大当たりだ。
雲玲「我が名は雲玲!武都と張魯の首の序に馬騰、貴方の首も頂こうかしら?」
馬騰「ワシの首をついでなどど申すか!面白い、かかって来るが良い」
雲玲「上等!!」
黄忠「韓玄殿ォォォォォ・・・・・・・・・!」
李厳「黄忠殿・・・・・・・・・ムッ」
ゴヒュゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・・・・・・・・
その時、一陣の風が戦場になだれ込んだ。
これで視界を遮っていた砂塵は吹き飛ぶ筈だ。
韓玄も、韓玄の隊も、数はかなり減ってしまっていたが無事であった。
だが、その左肩には深々と矢が突き刺さっている。
更に多数の兵が狂信的な敵兵と、先程の打ち込まれた無数の矢によって戦意を喪失。
逃亡し始める者も現れた。
しかし矢など意にも介さずに韓玄は己の兵を叱咤していた。
韓玄「動ける者は聞けィ。確かに戦場で最も恐ろしいのは『死』である。だがこの場から逃げ出して、平和な土地で安穏と暮らす・・・・・
それが本当の『生』なのか?!」
前線から逃げ出そうとしている兵士達が足を止める。
韓玄「それは、只『死んでいない』だけではないのか?一生、臆病者と罵られかって戦場を共にした仲間達の亡霊に怯えながら生きるのだぞ!」
兵士「・・・・・・・・・・・・・・・・」
韓玄「本当に恐れるべきなのはそういった選択をしてしまう自分なのではないか!!」
この瞬間。張魯軍の攻撃は止んでいた。先程の砂塵が風に流され今は張魯の陣中に流れ込んでいるからであろう。
だが、それは僅かな時間に過ぎない。
韓玄「まぁ・・・・この様な事をワシが言っても説得力はないぢゃろう」
手短な馬に跨る。
韓玄「よってワシについてきたい者だけついてくるが良い。行くぞ!!」
単騎でも張魯の陣に向かって行くというのだ。この男は。
黄忠「か・・・・韓玄殿!?」
韓玄は馬を走らせながら黄忠にすら檄を飛ばす。
韓玄「黄忠、お主ともあろう男が何をやっておるか!」
黄忠「お・・・・・応!皆の者、我に続けェ!!」
雄雄雄雄雄雄雄雄雄雄雄雄雄雄オォォォォォォ!!
雲玲の残存兵が一斉にときの声を上げる。
その声に後押しされるかの如く、韓玄は一心不乱に馬を走らせていた。
兵士「わ・・・・・・・わああぁぁぁぁぁ・・・・・」
張魯の軍勢は大混乱に陥っていた。
砂塵により行動できず、やっと視界が開けたと思えば眼前には憤怒の形相の敵将と恐ろしい数の敵兵。
張魯「ヒ・・・・・・ヒイィィィィィ。こ、後退しろ。後方には馬騰がいる。お前ら、道をつくれ!」
兵士「教主様を守れェ!」
兵士2「そ、そうだ。侵略者より教主様をお守りするのだ!!」
再び張魯の前に人垣が出来上がる。
兵士3「こ、この。侵略者が!我らが聖地をを血で汚しおって」
兵士4「穢れた殺戮者どもめ!!」
次々と張魯の兵士達が迫り来る雲玲軍に罵声を浴びせ掛ける。
彼らは張魯の兵であるが、五斗米道の熱心な信徒でもあるのだ。
兵士5「立ち去・・・・・・・・・・・・グハァ!」
その喉元が刃で貫かれていく。雲玲軍。特に先頭の将は罵声を意にも介さず進んでくる。
韓玄である。矢の突き刺さった左肩から多くの血を失い、既に本当に耳が聞こえなくなっているのかもしれない。
韓玄「貴様らの声など最早聞く気もせん!此処は戦場だ。殺せ!もしくは殺されろ!!」
絶叫する。
諸葛亮「己で考える事を放棄し、他者に依存するだけの者にあの韓玄殿を押し留める事は出来はしないでしょう」
ドヒュヒュヒュヒュ・・・・・・・・・・・・・・・
再び無数の矢が雲玲軍に打ち込まれる。
だが、韓玄とその後を追走する兵達の足を止める事は出来ない。
諸葛亮「本当に只の宗教ならば、人目につかぬ山奥にでも篭っていればよいのです。
漢中を占拠し、独立勢力。そして「群雄」の一人として名乗りを上げた時点で
お前達は只の宗教団では無い、一つの『国家』なったのです」
ドウッ!
韓玄が再びその身に矢を受ける。だが、足は止まらない。
張魯の本陣も瓦解寸前である。
諸葛亮「それは、漢王朝のみならず各地でその牙を研ぐ者達への挑戦です。
この大地に只々平穏無事に暮らせる場所なんて既に在り得ません」
本陣に掲げられていた「張」の旗が崩れ落ちる。
諸葛亮「相手を亡ぼすか、滅ぼされるかのどちらかです」
諸葛亮が左手で敵陣を指し、弓兵に指示を出す。
諸葛亮「終わりです。火矢を射掛けぃ!!」
遂には張魯の本陣も炎に包まれ戦は集結した。
>384
ありがとうございます。
更新遅れて申し訳有りませんでした。
〜縦横の名家は杜絶す〜
「蔡将軍を総大将として三峡を下らせようとするとは、主も罪なことをされる
ものだ」
過日、趙範のもとに馳せ参じた[广龍]統が、悪戯っぽく呟いた。
「かい良をすすんで見限り、趙範殿に身を投じているのだ。何を後ろめたい
ことがあろうか」
剣を磨きつつ、蔡瑁が答えた。
冬十一月、永安では江陵攻略の命令が成都より下された。江陵が陥落
すれば、かい良はすべての領土を失うことになる。自分は腰を上げず、
旧主の枢要にいた者に旧主の流れを汲む勢力を攻めさせる恰好が、
[广龍]統には可笑しく思えた。
「[广龍]統自身も、以前はかい良の麾下におらんかったかな?」
「いかにも。劉荊州の後を継がれてからのかい良は、どこかおかしいと
思っておりました。だからこそ、今ここにいるのです。私も別にこたびの
遠征に反対しているわけではありませんので、念のため」
不敵な笑みが、痘痕顔にかたどられる。
蔡瑁は、引き連れてきた十五万の兵を二手に分けた。己や黄祖、文聘と
いった水練の士は蒙衝を以て長江を下り、黄忠や[广龍]統ら水戦に不慣れ
な者は陸路を行かせた。
いずれの道にも、因縁の士が臨戦の陣を構えていた。中州は鮑隆、
陸の砦は王威である。
「趙範殿と行動を共にしていたはずのおぬしがかい良に縋り、このわしが
先に離反するとはな」
「……」
水上より、蔡瑁が鮑隆に攻撃を仕掛けた。さらに黄祖を回り込ませて
挟撃をはかるが、鮑隆の陣は崩れない。
「鮑隆よ、陸の方が楽しくはないか。虎が暴れ回っているかもしれぬぞ」
「何」
李厳が、蔡瑁の後方より飛語を流す。ひとり勇む鮑隆に、中州の指揮は
乱れた。蔡瑁らはすかさず包囲し、鮑隆を捕らえた。その頃、陸路では
王威、呉巨をうち破り、敵本陣へ兵を進めている。
敵本陣では、君主であるかい良が守りを固めていた。嘗ては劉表に
仕え、今は趙範に身を寄せる将軍たちが殺到する。
「お前ら、よく私の前に姿を現せるものだな。荊州の秩序を乱す
裏切り者めが」
砦の上より、かい良が罵声を飛ばす。
「お前こそが裏切り者ではないのか。己の恣に政をなし、義兄の名声を
汚しおって」
蔡瑁が進み出て、これに抗う。
「劉表様が亡くなられたとき、私を推挙したのは誰だったかのう」
「あのときのお前であれば、荊州は安泰と思っていた。だが実際はどうだ。
孫権や劉備にいいように蚕食され、安寧どころか、混乱をもたらしたでは
ないか。まったくもって、我ながら失策を犯してしまったものだ」
「よくいうわ。忠義よりも面の皮の方が厚い奴めが」
弩が、包囲せる趙範軍に放たれる。蔡瑁らは、それを振り払いながら
かい良軍に群がっていく。数では、敵君主に倍している。一騎を以て千に
当たる武勇をもちあわせていない策士あがりの君主は、この軍勢の前に
瓦解した。
鮑隆は帰順してきたが、かい良に仕えていた他の将は首を縦に
振らなかった。趙範はこのうち、嘗て関わりを持ちながらも降伏を
拒んだ呉巨や王威、君主であるかい良とその弟の越を見せしめと
して斬首した。
━―━―━―━―━―━―━―━―━[JR山崎駅(^^)]━―━―━―━―━―━―━―━―━―
☆PO
【韓玄 昇天】
武都 雲玲軍 幕舎
兵士「出血が止まらない。蔡蘭様!」
蔡蘭「ささった矢はそのままで。ここで出来る限りの事をするの!」
全身に無数の矢を受け、瀕死の韓玄の手当てを続けている幕舎。
その周りを雲玲軍の将達が囲んでいる。無論、君主である雲玲も。
諸葛亮「閣下、畏れながら申し上げます」
雲玲が韓玄のいる幕舎から視線を孔明へと向ける。
諸葛亮「馬騰の軍は混乱しております。援護する筈の張魯の軍勢は全滅。自らの兵もかなり削られました
急ぎこの地を出立し敗走する馬騰の軍を追えば、更なる戦果を得られる事間違い有りません」
魏延「では韓玄殿はどうする?」
李厳「医術に優れた蔡蘭様にお任せするより他、無いでしょう」
諸葛亮「蔡蘭様には追撃に同行して頂きます」
李厳「では韓玄殿はどうなる?」
李厳の隣で諸葛亮の発言に誰より憤慨したのは黄忠であった。
黄忠「貴様、韓玄殿をムザムザ見殺しにするつもりか!」
孔明に掴みかかるような勢いで反論を挙げる。
諸葛亮「ですが、蔡蘭様がいるのといないのとでは兵士の犠牲に大きな差が出ます」
黄忠「貴様の言う『戦争』とは数字で決まるのか?!」
怒気を孕ませ怒鳴り続ける黄忠を李厳が止めに入る。
李厳「黄忠殿、落ち着いてくだされ」
黄忠「所詮机上の推論のみで『戦』を計り知ろうとする軍師殿には判らんのじゃ!」
諸葛亮「では、韓玄殿が我らの足手まといになる事を望んでいるとでも言うのですか?」
黄忠「な・・・・な・・・・・・・・・・・・・・・・・」
黄忠の言葉が止まる。
だがそれはほんの一瞬の事であった。
黄忠「その言葉を貴様の口から聞くというのが気に要らんのじゃ!」
兵士「目を覚ましたぞ!!」
幕舎から聞こえてきた兵士の声に一同の視線が集まる。
その少し後、入り口の幕をずらし蔡蘭が姿を現す。
蔡蘭「黄忠殿。あと雲玲様、中へ」
既に座臥はドス黒い血に覆われていた。素人目に見ても(命が)助からないのは明らかである。
韓玄「黄忠・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ヒュー、ヒューとか細い呼吸と共に微かな声が聞こえる。
韓玄「ワシが病に冒されている事、御主も知っておろう」
雲玲の表情が硬直する前で、黄忠が首を縦に振る。
韓玄「じゃがワシは戦場で死ぬのじゃ。病などに負けた訳では無い・・・・・・」
黄忠「・・・・・・・・・・・・・・・そうで・・・・・・・・そうでござるな」
韓玄「将として・・・・・・・男として最高の死に様じゃ・・・・・・・・。羨ましかろう?黄忠」
黄忠「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・誠に」
韓玄「この幕舎の中まで御主の声が聞こえた。最後まで苦労をかける」
黄忠「・・・・・・・・・・・・」
韓玄「じゃが、ワシは戦場で散るのじゃ・・・・・・・。幕舎の中では無く」
韓玄の声に力が篭る。
韓玄「幕舎を退けい!そして馬騰を追撃し手柄を立てよ。黄忠。これはお前へのせめてもの餞(はなむけ)じゃ」
黄忠「!?」
韓玄「いつか夢の・・・・・・・・・話をしたのう」
黄忠「夢・・・・・・・・・・」
韓玄「夢の中で・・・・・ワシは様々な未来を歩んでおった。天下を手にした事も・・・・・・・あえなく滅ぼされた事も」
黄忠「そんな話もしましたな・・・・・・・・」
韓玄「じゃが、ワシ程満ち足りた最後を得た『韓玄』もそうはおるまい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
雲玲領 桂陽
ケイ道栄「どうなされた?趙範殿」
食事中であった趙範の瞳が突然外を凝視している。
ケイ道栄が視線を追ってもその先には青空が広がるばかりである。
趙範「そんな・・・・・・・・・・・・・・まさか!」
雲玲領 長沙
沙摩柯「さあ、ここはなんと言っても対孫権軍の最前線!『武』を鍛えなくてはならん。
劉度殿もサボってないで素振り開始!」
劉度「ワシはこういう事向いてないんじゃよ」
沙摩柯「何か仰いました?」
劉度「あああ・・・・・・・だからそのなんかゴツゴツしてトゲトゲした武具を振り回すのは止めるのじゃよー」
沙摩柯「さあ、一、二。一、二・・・・・・・・・・・・」
ふと気づけばまた劉度の手が止まっている。
沙摩柯「劉度殿・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ってえ?」
気づけば劉度の頬を一筋の涙がつたっている。
沙摩柯「劉度殿?どうなされた??」
劉度「わからぬ。わからぬが・・・・・・・・・・・・なんだかとても悲しい気がするのじゃよ」
北西の空を凝視した劉度の頬を、再び涙がつたっていった。
幕舎の外には兵たちが草花を携え並んでいた。
直ぐに幕舎は片付けられ、兵達は馬騰追撃の準備にかかる。
雲玲軍の武都出立の準備が整った時、韓玄の座臥は草花によって色とりどりに飾られていた。
その中央には実に満ち足りた顔の韓玄が横たわっていた。
雲玲軍は馬騰軍を追走し天水を攻略するに至った。
これにより涼州の平定も時間の問題となった。
>395
早速利用させて頂きます。ありがとうございます。
龐統等に関してはメモ帳で文字化けしてしまうのでそういった漢字については
カタカナでの表記となります。
あらかじめご了承下さい。
進行が徐々に遅れつつありますがこれからもお付き合いいただければ幸いです。
>403
うう・・・・韓玄カコイイ!。
がむばってね。
保守
>403
日本人というのは、得てして散り際の美を言祝ぐ物です。
それからすると韓玄殿は実に美しき終わりを飾ったかと。
つーかぶっちゃけお見事です!
是非頑張ってくださいまし。
407 :
無名武将@お腹せっぷく:03/05/28 15:23
アゲ
あぼーん
409 :
無名武将@お腹せっぷく:03/05/29 21:55
終わりじゃないよね
誰か間を埋める人居ないかな?
他に面白いリプレイスレはないですか
【狂】
パチパチ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
足元で炎が燃える音がする。
徐々に遠ざかっていく自らの体を眺めながら微かに理解できた。
ああ・・・・・・・・・・・・・・・・これは自分が燃える音だ。
孔明の案により韓玄の躯は火葬とされた。
野党等に汚されるのを恐れたからである。
満足そうな笑みが炎の中に包まれていく。
美しい草花と、夜の帳の中、炎に集まってきた虫達と共に。
そこに一人の人影が現れた。突然その場に現れたが如く。
年のころは二十を過ぎた辺りだろうか。まだ若い。女性であった。
女は只、燃え盛る炎を眺めていた。口元に不吉な笑みを浮かべながら。
そんな間にも暗闇の中、光を求めた羽虫達が次々と炎の中に身を躍らせて行く
「クスクスクス・・・・・・・・・・・・・・こんな感じで」
女が口を開く。無論、周りには誰もいない。
「光を求め、自らを焼く炎の中に飛び込んでくるがいい・・・・・・・」
口元には笑みを絶やさない。不吉な笑みを。
「最後は皆、その身を焼かれ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・消えてなくなれ」
女はその後も炎の前に立ち続けていた。
韓玄の死を、穢し続けていた。
その後、新勢力は手中に収めた天子を軟禁。そして新たな国号「殷」を名のる。
これは事実上、漢王朝の滅亡である。
勢いづいた「殷」はまず孫権領である寿春、廬江、柴桑、翻陽を驚異的な速さで攻略。
更に曹操領である長安、弘農をも攻略するに至った。
現在の状況
※※※※※※※※※※※※※※※※※※薊※※※※※※※※※※※※※※※※※
※※※※※※※※※※┏━■━━━━━■━━━┳━━━━■━━━○遼東※※
※西涼●┓※※※上党■┓晋陽※業β┏━━━┳■渤海┏━┛北平※※※※※
※※※※┃※弘農※※┃┗━━━━━■━━┓┗━━━■平原※※※ ※
※※※※┃※┏□━┓┃洛陽※※陳留┃※※■━━━■┻━┓※
※西平●┫※┃※※┗■━━━━┳━□━━┫濮陽※済南※┃※
※※※※┃※┃長安※┗┓宛┏━□許昌※※┃※※※┏━■┛※※
※天水┏☆━□━━━━□━┛※┣━□━━□小沛※┃北海※※※※※
※※※┃※┏┛※※※※┣━━━□━┓言焦┃┏━━┛※※※
※武都☆━☆漢中※※※□新野※汝南┃※※┗□下丕β※
※※※┃※┃上庸※襄陽┃※※※※※┃※※┏┛※※※※
※※フ ☆━┻☆━━━━☆━┓※※※┃※※□広陵※※
※※※┃※※┗┓永安┏┛┏☆江夏※□寿春┃※※※※
※※※┣━┓※☆━┳☆━┫┗━┓┏┻━━□┓抹陵※
※※※┃巴☆━┛※┃江陵┃※※┗□廬江※┃┃※※※
※成都☆━┛※武陵☆※※□━━━┫※┏━┛┗□呉※
※※※┣☆建寧※※┣━☆┛柴桑※□━┛※※┏┛※※
※永昌☆┃※※零陵☆※┃長沙※※翻陽※※※┃※※※
※※※┃┃※※※※┗☆┛※※※※※※※※※◇会稽※
※三江☆┛※※※※桂陽※※※※※※※※※※※※※
※※※※※※※※※※※※※※※※
公孫康=○ 馬騰=● 張魯=滅亡 曹操=■ 孫権=◇ 新勢力「殷」=□ 雲玲=☆
廬江
ホウ統「フン・・・・・・・。『殷』じゃと?じゃあ帝位は『紂王』のものかい?」
自室でポツリと独りごちる。
新野を攻略し、机を並べて学んだ諸葛亮との戦を望んだホウ統の目論見はあえなく霧散した。
今、彼がいるのは廬江である。
寿春、廬江、柴桑、翻陽の攻略は彼の力に寄る所が大きい。
孔明のいる雲玲軍の領とは確かに隣接してはいるものの無論、江夏に孔明はいない。
更に今回の件である。
ホウ統「ワザワザ古代の暴君の代名詞である「桀紂」を名のるとは・・・・・・・・それで果たして民はついてくるのか?」
現実に罪も無い人々が次々と処刑されていくところをホウ統はその目で見ている。
だが民達は一心不乱に働き、兵達は己が臓物が飛び出そうが目前の敵兵を薙いで進軍する。
狂っている。
何かが。
ホウ統「いや、全てが・・・・・・・・・・か」
自らも最近、戦場において奇妙な眩暈をおぼえていた。
自分もいつか、彼らのように己を見失い暴虐に走ってしまうかもしれない。
それにこの場所では『あの御方』を支援するのにも限界がある。
ホウ統「それならば・・・・・・・・・いっそ」
男は静かに決意をした。
>404
せっかくの韓玄スレなので、彼が活躍出来る様無理矢理前線に引っ張り出して
頑張ってもらいました。
>405>407
保守ありがとうございます。
>406
こういった感想入りのレスを頂くのは何よりも励みになります。
稚拙な文で申し訳無いです。
>408
このスレも応援してくださいね。
>409
多忙ゆえ、更新が遅れてしまいご迷惑をおかけいたします。スイマセン(;´Д`)
正直、韓玄スレで韓玄が亡くなってしまったので続けようかどうしようか悩んでおります。
>410
三 国 志 プ レ イ 日 記
異世界系リプレイスレ 〜武田騎馬軍団vs三國志 その2
等は私も見ております。
検索でどうぞ( ゚д゚)/
>>雲玲殿
統一目指してプレイするとよく韓玄死ぬし
あんまり気にする必要はないと思う
梅雨になって気分が滅入ることもあるだろうけど
またーり、ご自分のペースで頑張ってヽ(´ー`)ノ
釈由美子スレもよろしく
418 :
無名武将@お腹せっぷく:03/05/30 08:46
なにそれ????
新勢力・殷(宗教国家?)との対決楽しみにしてます
がむばってください
〜梓潼の蛇は卒然として〜
蔡瑁らが江陵を陥落させた頃、梓潼では、太守金旋が主君趙範より
送られてきた手紙に目を通していた。
――今日は馬超軍より使者が来て、友好のしるしにと金品を持って
きた。馬超も曹操が怖いとみえる。もしかしたら、金旋殿が睨みを
利かせたおかげで、わしらと手を組もうとしているのかもしれぬな。
金旋から、微笑がこぼれた。
「こほん。世辞がうまいのう」
益州の北部は、馬超が武都を、曹操が漢中をそれぞれ支配している。
駐留せる兵はいずれも八万程度である。馬超は雍州に曹操と争戦
しているから、益州まで食指を伸ばして敵を二つ作るつもりはあるまい。
金旋はその気になっていた。
しかしながら、翌十二月、馬超がみずから兵を率いて梓潼へ向け
南進している、という報告がもたらされると、梓潼城内の空気は一変した。
「おのれ、弱輩の分際で生意気な!」
激昂した金旋は、梓潼にいる諸将を呼び寄せ、軍議を開いた。
「馬超は羌からも畏敬される驍雄です。正面から対峙して潰そうとすれば、
いたずらに損害を被るばかりです。一方で剣閣を固守させ、もう一方で
深森に分け入って背後に回りこみ、挟撃するのが最良でしょう」
梓潼周辺の地貌が描かれた地図を広げながら、虞翻が話す。
「剣閣はわしにお任せあれ」
厳顔がそういって、地図の中央を指差した。
「では、俺らが森を抜けて敵本陣へ」
次いで孟獲が口を開いたが、それを金旋が遮る。
「お待ちあれ。貴殿ら夫婦はわが本陣を守ってはいただけぬか。この
わしが、背後に回って廉恥を知らぬあの男を蹴散らしてくれよう」
「金旋殿ひとりでか?」
「わしがやらずして誰がやりえるというのだ、ごほっ」
「咳か、金旋殿。無理はなさらぬな」
「頼む、わしにも華を」
かかる金旋の懇願は、虞翻によって却下された。
「こたびの戦は、馬超軍を倒す、ないしは追い払うことですが、それよりも
重要なのは梓潼を敵の手から死守することです。華というならば、打って
出るよりも守りぬくほうこそ、それにふさわしいのではありませぬか」
「ううむ」
「太守の本分は、領内の民を安んじること。それをお忘れなきよう」
こういわれては、金旋も引き下がらざるを得なかった。
ここにおいて、厳顔が剣閣を守り、虞翻がその背後より支援、孟獲と
その妻祝融とで別働隊を率いて馬超軍の本陣を急襲、太守金旋が城を
固めることにより、馬超を迎え撃った。梓潼の兵は七万三千、馬超軍も
それをやや下回る六万九千である。
寒空の中、金旋は剣閣の方角を眺めていた。敵軍が此方まで攻め
寄せる様子は、今のところうかがえない。厳顔らがよく守ってくれて
いるのだろう。それに感謝しながらも、自分が目立って功を挙げられ
ないことには、やりきれぬ思いがあることは否定できなかった。
喉が何やら詰まる。それを取り除かんとして、彼は手のひらで口を
覆い、咳をした。軽く、こほんとする程度のつもりであった。口の周りが、
生暖かい。顎へと何かが流れていくようだ。
手のひらに目を遣ると、鮮やかに泡沫を帯びる紅によって浸されて
いた。息苦しい。さらに咳をすれば、鮮血がほとばしる。
――わしもここまでなのか。
覚えず、彼は寒波に屈し、その場にへたりこんだ。
>>395 情報ありがとうございます。
必要に応じて活用させていただきます。
惜しいかな韓玄
哀しいかな金旋
元リプレイ作者なんだけど、ものすごくひさしぶりに覗いてみたら
リプレイまとめてくれたサイトがあって感謝。
保守sage
【涼州制圧】 〜反骨の漢〜
その男の顔に刻まれているのは無数の傷。そして皺。
普通であれば、後者のソレは老い。そして衰えを語るもの。
だがその男にとってのソレは、威風をより深く漂わせるもの。
堂々とした体躯。鋭い眼光。
拘束されている今も、少しも曇ってはいない。
遠く、視線の先には女。
涼州を得た蜀公、雲玲。
女性ながら先陣に立つ度胸。素早い判断力、決断力。
刃をかわしたその男は誰よりもその女を気に入っていた。
魏延「涼州州牧 馬騰です」
雲玲「知っているわ。戦場で相対したもの」
そう。武都で、そして涼州で。我らは相対した。
馬騰の口の端に薄く笑みがこぼれる。
思ったよりこの女は我々に近い存在なのかもしれない。心の内に響きあうものを感じずにはいられない。
馬騰「この立場が逆のものであったならな・・・・・・・」
ポツリを言葉が漏れる。
諸葛亮「逆であったらどうなのです?」
言葉に一番興味を示したのは軍師らしき男。
馬騰「嫁に請う」
諸葛亮「それは閣下の事をそれほどまでに認めていると解釈してよろしいのですか?」
荀攸「認めているというのはおかしな話ではないですか?蜀公閣下に対して」
雲玲「まあいいわ。そういうこと?」
死地にて、この者を検分し至った結論を口にする。
馬騰「超、休、鉄!お前達は以後終生を懸けてこの方に仕えろ」
馬超「親父殿!?」
馬騰「そして、この地とこの地に生きる者の安寧を保障してくれ」
雲玲「承認する」
間髪をいれず返答が返ってくる。この清々しい声。疑う余地も無い。
諸葛亮「では・・・・・・・・・・・・・」
馬騰「そして」
自らの首を差し出す。
馬騰「この首を刎ねられよ」
馬超「?!」
馬騰「軍を率いるという事はこういう事だ」
馬休「・・・・・・・・・・・・・・・・」
馬騰「時代の礎になれるのならワシも本望だ」
馬鉄「では我らの首も・・・・・・・」
馬騰「黙れ!!!!!」
馬騰の怒声が響き渡る。とても敗軍の将とは思えない。張りのある声だ。
馬騰「涼州人の灯火を消してはならぬ」
馬休「父上・・・・・・・・」
馬騰「さあ」
馬騰が雲玲に促す。自らの首を刎ねるように。
雲玲の視線が動き、数人の兵士がその場を去っていった。
それから、その兵士達は一頭の馬を引いて来る。
馬騰「馬?」
彼らが私の首を刎ねるのではないのか?
それより、その馬は・・・・・・・・。
兵士達が引いてきた馬は忘れよう筈が無い。馬騰の愛馬であった。
馬騰「・・・・・・・・・・・・・・・・どういう事だ?」
雲玲「私のつくる時代に、礎なんて必要とはしていないの」
瞬時に頭に血液が上る。これは侮蔑か?嘲笑か?
このワシの命では不服と抜かすか。
雲玲「そうではないわ」
表情を見て理解したのか。雲玲が言葉を濁す。
雲玲「貴方に戦乱の無い大地を創る気は無いのか?と問うているのよ」
馬騰「・・・・・・・・・・・・安心して下され」
雲玲「?」
馬騰「涼州の騎馬軍団は既にワシ一人のものでは無くなっておる。ここでこの首を落としても精強な軍を再編成するのに如何程も・・・・・・・」
雲玲「何処までも駆けて行きたいと思った事はないの?」
馬騰「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!」
雲玲「私が築くのはそんな国」
魏延「閣下・・・・・・・・・・・・・・・・・」
雲玲貴下の将達は感嘆した。
胸の奥が打ち震えている。
ここにして初めて、雲玲の口から新たな『国』に対する言及がなされたのだ。
雲玲「だから貴方にも協力して欲しい。これは蜀公としてでは無く私個人としての願い」
馬騰「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
雲玲「答えは直ぐに求めないわ」
そこまで語り、席を立つ。
雲玲「今は好きなだけ故郷を駆けるのも良いかもね」
馬騰に背を向け立ち去ろうとする。
が、足が止まる。
雲玲「故郷の大地にその問いかけをして欲しい。答えが出たら、再び顔を見れれば嬉しく思う」
そう言い残して軽い靴音とともに蜀公はその場を立ち去っていった。
雲玲 涼州と、その武を得る。
現在の状況
※※※※※※※※※※※※※※※※※※薊※※※※※※※※※※※※※※※※※
※※※※※※※※※※┏━■━━━━━■━━━┳━━━━■━━━○遼東※※
※西涼☆┓※※※上党■┓晋陽※業β┏━━━┳■渤海┏━┛北平※※※※※
※※※※┃※弘農※※┃┗━━━━━■━━┓┗━━━■平原※※※ ※
※※※※┃※┏□━┓┃洛陽※※陳留┃※※■━━━■┻━┓※
※西平☆┫※┃※※┗■━━━━┳━□━━┫濮陽※済南※┃※
※※※※┃※┃長安※┗┓宛┏━□許昌※※┃※※※┏━■┛※※
※天水┏☆━□━━━━□━┛※┣━□━━□小沛※┃北海※※※※※
※※※┃※┏┛※※※※┣━━━□━┓言焦┃┏━━┛※※※
※武都☆━☆漢中※※※□新野※汝南┃※※┗□下丕β※
※※※┃※┃上庸※襄陽┃※※※※※┃※※┏┛※※※※
※※フ ☆━┻☆━━━━☆━┓※※※┃※※□広陵※※
※※※┃※※┗┓永安┏┛┏☆江夏※□寿春┃※※※※
※※※┣━┓※☆━┳☆━┫┗━┓┏┻━━□┓抹陵※
※※※┃巴☆━┛※┃江陵┃※※┗□廬江※┃┃※※※
※成都☆━┛※武陵☆※※□━━━┫※┏━┛┗□呉※
※※※┣☆建寧※※┣━☆┛柴桑※□━┛※※┏┛※※
※永昌☆┃※※零陵☆※┃長沙※※翻陽※※※┃※※※
※※※┃┃※※※※┗☆┛※※※※※※※※※◇会稽※
※三江☆┛※※※※桂陽※※※※※※※※※※※※※
※※※※※※※※※※※※※※※※
公孫康=○ 馬騰=滅亡 張魯=滅亡 曹操=■ 孫権=◇ 新勢力「殷」=□ 雲玲=☆
>416
今回も更新遅れてスイマセン(;´Д`)
とりあえず終わりまで続けるつもりです。
これからもよろしくお願い致します。
>421
温かい応援ありがとうございます。がむばります。
>426
ゲームの進行上、徐々にネタがなくなっていくのでそういった意味でも
彼の死は非常に惜しいです。
>427
私の昔の作品も収録されてました。
保守ありがとうございます。
生暖かく保守
生暖かく保守
∧_∧
ピュ.ー ( ^^ ) <これからもぽっくんを応援しするばーい(^^)。
=〔~∪ ̄ ̄〕
= ◎――◎ おぼっ茶魔
【二つ目の鬼謀(希望)】
朗報は突然もたらされた。
諸葛亮「第二軍団が新勢力「殷」の領地、柴桑を落としたそうです」
雲玲「マジで!?」
諸葛亮「既に捕縛されし敵将はここ、天水に輸送されております。検分をお願い致します」
雲玲「驚いた・・・・・・。因みに捕虜の輸送は誰が?」
諸葛亮「劉度殿です」
雲玲「ある意味それも驚きだわ」
おもだった敵将の前に雲玲が姿を現す。
捕縛された敵将の中には許 仲康、周 幼平といった剛の者の姿も見受けられる。
雲玲「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・よく輸送できたわね。アンタに(;´Д`)」
劉度「はっはっは・・・・・・・・。実は軍師殿のお陰なのですじゃよ?」
諸葛亮「第二軍団の軍師?」
実に興味深い。誰なのだろう・・・・・・・・・・・。
孔明は心中で予想を立ててみる。だが、敵将の中に知った顔を見つけた途端、その予想は儚く霧散した。
劉備「はっはっは。やられてしまいました。流石ですな蜀公閣下」
束縛された身の上でありながら実にカラカラと愉快に笑っている男。
その男こそが――――――――――――
諸葛亮「り・・・・・り、り、り、り・・・・・・・・・・・・・・・・・」
雲玲・諸葛亮「劉備様!?」
劉 玄徳その人であった。
劉備「いやはや。孫権の将として戦っておりましたが結局捕虜になってしまいましてな
配下の者や家族を人質とされてしまい仕方なく従っておった次第」
??「ご安心下さい。今ごろは私の手引きで国境を越えておるところでしょう」
諸葛亮「お前は・・・・・・・・・」
ホウ統「久しぶりだな。孔明」
諸葛亮「士元殿?!」
劉備「博望(土皮)以降・・・・・・・影となりよく助けてくれた」
諸葛亮「まさか・・・・・・・士元殿が劉備様を助けていてくれたとは・・・・・」
もし、劉備が未だに一大勢力を保っていれば孔明は劉備にホウ統を紹介していただろう。
だが、孔明無しでも運命は二人を引き合わせてくれた。
諸葛亮「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・これ程嬉しい事は無い」
ホウ統「一度お主の操る軍と相対して見たかったのだが・・・・・・・・・・・劉備様を陰ながら支援していたのがばれそうになって
敗戦を利用して逃げて来た」
諸葛亮「・・・・・・・・・・・・そうですか・・・・・・・」
運命とは皮肉なものである。
既に天下取りからは程遠い場所にいる劉備の目の前に、こうして臥龍と鳳雛が共に並んでいるのだから。
だが、こうして無事再会出来た事を喜ばずにはいられない。
まるで夢現の中にでもいるかの様だ。
雲玲「あのー。」
諸葛亮「は・・・・・・・・ハハッ!」
雲玲「盛り上がっているトコ邪魔するようで悪いんだけど・・・・・貴方はウチの軍師よね?」
劉備「その通りです」
劉備が突然雲玲の方へ向き直る。
劉備「この劉玄徳。貴君の軍の端にでもお加え下されば、是程幸いな事御座いません」
ホウ統「どうか我らをお加え下さいませ。身を粉にして働き尽くす所存!」
雲玲「了承」
>435-436
保守ありがとうございます。
どうぞこれからも生暖かく見守っていただけたら幸いです。
生暖かく保守
どうも、昔のスレで荊州四人組、韓馥リプレイを書いていた者です。
遅ればせながら(ホントに遅れてるな)三国志7を友人から入手しましたので、
久々にリプレイを始めようかと思います。
「PS2版三国志7 シナリオ2 初級 韓武(登録武将)」
主人公の韓武が登場する以外は全て史実モードです。
他の皆様に比べると拙い文ですが、保守代わりと思って見守っていただければ幸いです。では。
権力を握った董卓の暴政、群雄の台頭によって混迷の度を増していた中華の地・・・
ここ、韓馥が治めるギョウに、一人の若者が居た。
性は韓。名を武。字を孟節といった。
この韓武、今年で齢20になる若者。
気は優しく、(母方の血のおかげか)才覚もそれなりにあるようだったのだが、
いささか酒癖が悪かった。
今日もまた・・・
189年12月
ここは業βの街のとある酒屋、「小楽楼」
店主「韓さん、それくらいにしておいた方が・・・」
韓武「そういわずにもう一杯、うぃ〜」
店主「もう12杯目ですよ。お代の方はしっかり払っていただけるんでしょうね」
韓武「今日はある!心配すんな!」
チャリーン。
店主「これでは半分にもなりませんが」
韓武「あれ?そうなの?」
店主「ふざけんな!ツケも溜まってんだろ!金払えこの野郎ヽ(`Д´)ノ」
韓武「Σ(゚д゚|||)あわわ、暴力は止そう暴力は!」
・・・一刻後。
店主「いいですか、今日は勘弁しますけど、一ヵ月後までに全部払ってもらいますからね」
韓武「(+д(#)ふぁ〜い」
◆韓武は今日の酒代の内、払えなかった9杯分店主に殴られて解放されました◆
190年1月
韓武「さて、約束の期限が近づいたが無職(在野)の私には金が無い。どうしたものか・・・」
そんな韓武があてもなく街を歩いていると、とある立て札の前に黒山の人だかりが出来ていた。
韓武「なになに・・・」
『業βの発展のため、広く遺賢の士を求む。身分・出身・経歴は問わず。
我こそはと思うものは業βの城へと来られたし 城主・韓馥』
韓武「そうだ!親父のところへ行けば用立ててくれるかもしれぬ」
・・・この韓武、性が示すとおり業βを治める韓馥の息子である。
しかし酒癖の悪さと放蕩三昧がたたって勘当同然で家を飛び出すことになったのである。
それでも息子がかわいい母親からこっそりと仕送りを貰っていたが、
元来病弱であった母親は一昨年亡くなり、仕送りも途絶えた。
それゆえに酒代にも困窮するような暮らしぶりになっていたのである。
韓馥「沮授よ、かような立て札で本当に人が集まるのであろうか?」
沮授「大丈夫です、才覚や力はあれども、機が無く世に眠っておる者は沢山おります。
そういった者を取り立てて我らの力とするのです」
韓馥「うむ・・・」
近衛兵「申し上げます!韓馥様の息子と名乗る男が謁見を求めておりますが・・・」
韓馥「何?息子?・・・・・韓武のことか!
あやつめどういうつもりでここへ・・・まあよい、通せ」
近衛兵「はっ!」
韓馥「武よ、おぬしどういう了見でここへ来た」
韓武「ウィ〜…実は城下で立て札を見まして」
・・・どうやら気が強いとはいえない韓武、しらふで勘当された父親に会うのは気後れし、
気付けに一杯引っ掛けてきたようである。ただ、気付けにしては量が多いような気もするが。
韓馥「おお、それではおぬし心を入れ替えて、わしのもとで働いてくれるというのか!」
・・・勘当したとはいえ実の息子がかわいい親心。つい都合の良い方に解釈したがります。
韓武「そう!そのとうり!ヒック!!」
泥酔した韓武、もう自分が何を言っているのかわかりません。
というか自分がなぜここに居るのかも理解していない様子。
韓馥「ではおぬしに支度金を渡そう。これで準備を整え、明後日出仕するがよい」
韓武「はい!はい!ワカリマシタ!!(゚∀゚)」
とりあえず導入部、といった感じです。
余り頻繁な更新は出来ないかもしれませんが、よろしくお願いします。
>450
「他の皆様に比べると拙い文ですが」とか、
「余り頻繁な更新は出来ないかもしれませんが」とか予防線張るくらいなら、
おとなしくただ「保守」と書いておいたほうが良い。
書くなら気合いれてチョンマゲ!。
>>451 まったくもって言われるとおりです(´д`;)
リプレイ保管サイト読んでたらレベルの高さにちょっと怖気づき気味になってました。
気合入れ直して書いていきますね。
翌日。
韓武「(;´Д`)アイタタタ、頭が割れるように痛い。それに吐き気もする・・・ん?何だこの金?」
それは韓馥から手渡された支度金です。
韓武「なぜあるかはわからんがこれでツケを払おう」
それはまずいです。
〜小楽楼〜
韓武「これで文句無いだろう!」
店主「韓さん、毎度あり!」
店主「しかし羽振りが良くなるもんだねえ、仕官して宮仕えをするようになると」
韓武「仕官?誰が?」
店主「とぼけちゃって・・・まさか韓さんがあの韓馥様の息子だったとは思わなかったよ」
どうやらおぼろげな記憶と店主の話を合わせると、私は父の下で働く事になったらしい。
私は金の無心に行ったはずだったんだが・・・どこでどう間違えたのか(;´Д`)
うむむ、支度金も使ってしまったし・・・
まあ俸禄が入れば酒代にも困らなくなるし、しばらくは宮仕えも悪くないか。
ここで韓武の能力値の紹介です。
年齢20
タイプ 平凡
戦闘48 知力42 政治41 魅力46(韓馥のそれぞれの能力値に+5です)
技能(選び直し無しで最初についていた物そのままです)
諜報・応射・偵察・突撃・強行・虚報・罵声・穴攻・行動・占ト
190年2月
父から商業の育成を頼まれる。
しばらくは真面目に仕事をこなさねば化けの皮が剥がれそうだ。
君主の息子とはいえ、陣営の中では新参者。
これから同僚となる皆に、挨拶の手紙を出した。
◆張コウ・沮授・潘鳳との親密がアップ◆
190年3月
街の治安を高める事に努力し、その後効果のほどを見るため巡察。
すると・・・
民「不正に密造酒を造って私服を肥やしている役人が居るそうです」
韓武「なに!それはうらやまし・・いやけしからん。早速摘発しよう」
韓武は不正を働いていた役人を摘発し、密造酒を証拠として没収、着服しました。
◆業βの人心掌握度が上がりました◆
190年4月
先月に続いて治安維持に努める。
巡察にでた時、街で宴会に誘われたので先月手に入れた密造酒を皆に振舞う。
◆業βの人心掌握度が上がりました◆
ほろ酔い気分で手紙を出す。
◆張コウ・沮授との親密がアップ◆
190年5月
開墾の仕事を指揮した後、家で一杯引っ掛けていると父が面会に来た。
いわく「陳留には天下無双の豪の者が居るらしい」とのこと。
これは遠まわしに私に探しにいけといっているのだろうか。
まあ、陳留は業βからそれほど離れているわけでなし、探訪に出かけることにした。
190年6月
情報収集の基本はまず酒場から。
酒を奢って話を集めると噂の豪傑の名は、典韋というらしい。
別の酒場で酒を飲んでいるというので見に行くと、店が半壊していた。
なんでもちょっとしたイザコザから、かの典韋が8人ほどを相手に大暴れしたらしい。
・・・腕はたつようだが、酒癖も私並みに悪そうな男だ。
190年7月
典韋を私が推挙する事が出来れば、父に功績を認められ、俸禄が増えるかもしれん。
典韋殿に手紙を送ると、会いたいと返事がきたので酒場で会う。
席には他に男がおり、典韋殿から紹介された。名を陳宮といった。
三人で思う存分痛飲した。典韋殿と私は気が合うようだ。
これなら仕官も・・・
◆典韋・陳宮との親密がアップ。韓武の魅力+1◆
190年8月
典韋殿に仕官を薦めようとしたら、すでに陳宮殿の薦めに乗って曹操へ仕官したとのこと。
ああ、これで増禄もダメになったか・・・(´д`|||)
と、思ったら威西将軍任命された上、俸禄があがった。
どうも典韋殿の登用の為に努力した(ただ飲んでいただけ)のが認められたらしい。
190年9月
商業の育成に努める。
街の様子を見るため巡察。
途中で困っている親子がいたので金を渡したところ、有り金の半分を失うはめになった。
◆業βの人心掌握度が上がりました◆
190年10月
先月の巡察中の一件で金が無い。こういう時は人の家で飲むのが一番だ。
張コウ殿を訪問。一杯やる。
◆張コウとの親密がアップ◆
190年11月
開墾の仕事の後、沮授殿のところへいって一杯。
◆沮授との親密がアップ◆
190年12月
治安維持の仕事は神経を使って疲れる。
張コウ殿・沮授殿の家をそれぞれはしご酒して帰宅。
◆張コウ・沮授との親密がアップ◆
190年のまとめ
戦闘48 知力42 政治41 魅力47(+1)
所持金197 名声348 功績348
階級 五品官 威西将軍
〜蛇はまた逝く〜
病床に臥せる金旋のもとへ、厳顔らが捷報を携えて戻ってきた。
「おお、無事だったか。あの若造は討ち取ったのか」
「いや、剣閣を抜けられぬと悟ったのか、退却していった」
「そうか、逃げられたか。口ほどにもないな……ごほっごほっ」
金旋は激しく咳き込んだ。
「金旋殿、安静にされよ」
「どうせならば、この手で討ち取りたかったものだ」
「金旋殿!」
虞翻が、太守の枕元に寄る。病の様子を探っているが、
面持ちは次第に悲辛を増していく。
「……重いな」
そして目を瞑り、長大息した。
「何ということだ。なぜここまでの状態を見定められなかったのだ」
「よい、虞翻殿。これが天命なのだろう。悔しいがな」
金旋の目線が、あさっての方向へと浮き始める。
「もう一度、武陵の土を踏みたかった……」
そう言い残して、金旋は息を引き取った。
沈雲が、梓潼の城市を押さえつけていた。
〜疾雷は耳を掩うに及ばず〜
金旋の死は、趙範を驚倒せしめた。彼が疾に侵されていることは
知らなかった。つい先日まで、盛んなる血気を現してはいなかった
であろうか。
――葬るべき場所を、早く抑えておかねばなるまいな。
金旋の悔恨の句を聞き、趙範は荊南の恢復を思った。
かい良を滅ぼした軍勢を以て、まずは長沙を攻めた。孫匡麾下の
猛将が、広大にして辺無きがごとき湿地を守っている。
参軍の[广龍]統が、軍を二手に分けるべきと献言した。一方が
猛攻を食い止めている間、このあたりの地勢を多少なりとも
解している文聘と丁奉に別働隊を率いさせ、本陣を衝かせた。
行軍は難渋したが、激しく争った末に本陣を占拠し、孫匡の軍を
四散させた。
次いで、南海より桂陽へ軍を進めた。七万強の兵を束ねているのは
劉賢である。彼は趙範より、桂陽の城市を渡り歩いているという
劉度を陣容に迎えるよう、命じられている。
「今度こそ、父を我が君に引き合わせないとならぬな」
劉賢が、行軍中に呟く。
「ううむ……気を悪くしたら申し訳ありませんが」
参軍の郭淮が、不安を面貌に現した。
「郭淮殿、どうされました?」
「貴殿のご尊父は、もともとかい良に仕えていた身ではありませんか」
「確かに」
「我が君は、その主君を滅ぼした張本人ということになりはしませんか」
「それはそうですが……今の我が君は交州を掌握し、益州を纏めんと
しているではないですか。天下の趨勢は、父にもわかることでしょう」
「しかし、それならば江陵を落としたときに帰順してくるかと思うのですが……」
「父は体面を気にしていたのでしょう」
劉賢は、何とか不安を振り払わんとしていた。
桂陽は孫匡の領内であるが、南北を趙範に挟まれ、西に劉璋が
控えている。孤立しているが、太守の程普が城を固く守っており、
容易に落とすことができずにいた。攻略には旬日を要した。我軍の
損害も少なくない。
程普は、投降を肯んじなかった。用兵に長ける古参の将軍を放せば、
後の禍根にもつながる。無言のまま、程普の頸は胴体と別れを告げた。
無念ながらも程普を屠った後、劉賢は桂陽の街衢を歩き回った。
しかし、父は既に桂陽から姿を消していた。
【表舞台へ】
ここ天水では降将らを中心とした雲玲軍の再編成の会議が行なわれていた。
そんな中―――――――――
諸葛亮「それでは第二軍団は劉備様を軍団長とし、軍師にはホウ統殿を・・・・・・」
??「意義あり!」
居並ぶ文官らの中に一際大きな声が上がる。
??「劉備殿の元にホウ統殿を就けるのは危険なのでは無いでしょうか?」
諸葛亮が言葉を続けさせる。
??「叛意が無いとは言い切れないからであります」
ホウ統「何ィ?」
ホウ統に叛意の危は見当たらない。根拠は無いが。
だが言っている事も解る。
徐々に部屋の中の空気が緊張しつつある中で、対照的に雲玲は軽く頷きながら満足そうな笑みを浮かべていた。
雲玲「我が軍の軍議も、それらしくなってきたわねぇ。蔡蘭と二人だけで話していたあの頃がまるで嘘のようだわ」
蔡蘭「しかし、そんな昔の話より今、問題なのは第二軍団の軍師です」
雲玲「相変わらずの無感動ね・・・・・・・・。じゃ、ホウ統と先程異議を唱えた文官。ここへ」
二人が他の者より一歩前へ出てくる。
雲玲「では我が軍の今後の行く先を語りなさい。私だけでなくここにいる皆を納得させた者を第二軍団の軍師として用います」
ホウ統「・・・・・・・・・・・・では」
更に一歩前へ出る。
ホウ統「我が軍の前に立ちはだかるは『殷』、曹操、そして孫権です。この三勢力の中で一番劣るのは言うに及ばず
孫権であります」
確かに、最早孫権の領地と呼べる場所は地図の端にしか存在しない。
ホウ統「しかしその元には先々代よりしつこく侍る優秀な人材が無数に存在いたします。
まずは揚州制覇を目標とすれば、我が軍は更に精強なものとなるでしょう」
??「然り。しかし時は我々の想像を絶する速さで進んでおります。
『兵は拙速を聞くも今だ功の久しきを賭ざるなり』と申しまして只徒に時間をかけるのも愚の骨頂。
それよりもかっての都。長安、洛陽を手中にし帝位につかれるのはいかがでしょう?」
一同「帝位?!」
思ってもみない提案に室内はざわめいた。
ホウ統「それこそ只徒(いたずら)につけば良いというものでは無かろう。それに今や帝位は・・・・・・・」
??「しかし天子様から禅譲の詔が出されたという話も聞きません。今の『殷』とやらは
かっての袁術と同じ。ただの自称では無いのでしょうか?
そこで洛陽、長安を再建し民の心を捉えるのです」
ホウ統「民意が天子を決めるというのか?」
??「大義がどちらにあるのかを考えればおのずと・・・・・・・」
結局結論は出ず、次回へ持ち越しとなった。
だが諸葛亮への反論、そしてかの鳳雛にも一歩も退かなかったその男に興味を持ったのだろう。
参会後、雲玲はその男を呼び止めた。
??「蜀公閣下。見苦しいところをお見せ致しました」
雲玲「かまわないわ。いつも孔明の独壇場というのもつまらないもの」
??「左様ですか・・・・・・」
雲玲「内容はともかく、実に興味深い。名前を覚えておきます」
??「この上ない光栄であります」
劉度「柴桑を落とした手柄も八割がた、実はこの男のものなのですじゃよ?」
いつのまにか劉度が加わっている。
雲玲「へぇ」
??「滅相も御座いません」
劉度「あの曹操からの招聘をも頑なに拒み続けた男なのですじゃよ?」
??「いえいえ・・・・・・・・・・・・」
謙遜し続けるその男の瞳は鋭い。だがこの男の瞳の奥にも、文字通り何千何万もの詩や策が隠されているのだろう。
そして、ようやく男は名乗る。
??「名を、司馬仲達と申します」
>442
再び生暖かい保守。ありがとうございます。
>443韓武◆HH4DQNYqjQ殿
新リプレイ歓迎sage
共に頑張りましょう(゚∀゚)
仲達キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
がんがれ仲達、超がんがれ。
新リプレイ旗揚age
>>451 保守のみの糞コテ偉らぶんな
そうそう、せっかーくの人材のやる気を無くすようなことは言ってはいかん
どちらもコテハンなんだから、
気に入らなければあぼーんの設定にしておけば?
頑張りますので皆さんどうかマタ-リと・・・
自分のせいでスレ内で戦が起きるのもどうかと思いますので。
さて、続きです。
191年1月
董卓が王匡の治領である河内を電撃的に蹂躙する。
王匡はくびり殺されてしまったらしい。
業βは河内に隣接している。
董卓がその気になればここへも手勢が殺到するだろう。
・・・新年早々まわりがきな臭くなってきた。
事態を重く見た父より、一軍を預かることとなった。
しかし召集されたばかりの予備兵なので、練度も士気も高くない。
不安なので訓練を行う。
また、自身を鍛えるため、すっかり打ち解けた張コウ殿と沮授殿に教えを請う。
◆王匡の勢力が滅亡しました◆
◆韓武の率いる兵の練度が50→58になりました◆
191年2月
商業の育成をする。
本当は有事に備えて練兵を行いたかったのだが・・・叶わなかった。
しかし弩を配備してもらうことが出来た。これはありがたい。
今年の目標は「健康増進」なので鍛錬に努める。
今日は魅力の鍛錬。鏡にむかって笑顔の練習。(゚∀゚)ニヤニヤ
街へ巡察に出ると、泣いている赤子を抱いて困っている若い母親がいた。
赤子「ほぎゃあ、ほぎゃあ。゚(゚´Д`゚)゚。」
どれ、ここはにこやかな笑顔で泣き止ませてやろう・・・
韓武「ベロベロバー(゚∀゚)」
赤子
↓
/\___/ヽ ヽ /ヽ /ヽ
/ ::::::::::::::::\ つ / ヽ / ヽ
. | ,,-‐‐ ‐‐-、 .:::| わ /U ヽ___/ ヽ
| 、_(o)_,: _(o)_, :::|ぁぁ / U ::::::U::::\
. | ::< .::|あぁ // ___ \ ::::::::::::::|
\ /( [三] )ヽ ::/ああ | | | U ::::::::::::| ←韓武
/`ー‐--‐‐―´\ぁあ .||U | | ::::::U:::::::|
| ├―-┤ U.....:::::::::::::::::/
ヽ .....:::::::::::::::::::::::<
◆韓武の魅力が1上がりました◆
190年3月
・・・私の笑顔はそんなに変なのだろうか。
先月の事をひきずって悩んでいると、沮授殿が家に訪ねてきた。
早速酒を酌み交わす。
沮授「どうしたのです、韓武殿。思い悩んだ顔をされて」
韓武「実はかくかくしかじか」
沮授「ほう、そんなことが。どれひとつ自然な笑みをやってみてください」
韓武「(゚∀゚)ニコー」
沮授「・・・ま、まあ私には自然に見えますがねえ」
韓武「やっぱり?そうですよねえ!」
気分よく巡察にむかう。続けさまに二回、民の宴会に混ざり、民達に酒を振舞う。
◆人心掌握度が上がりました◆
190年4月
袁紹が劉備の治めていた平原へ出兵。
軽々と劉備の軍を粉砕した。
さしもの関羽・張飛を有する劉備軍とはいえ、やはり多勢に無勢だったらしい。
業βで疫病が流行。その対策に追われる。
>>470,471,472
文句つける時だけ出てくる藻前らも同罪
いいから黙って名
>>473 荒れと叩きは2chのデフォルトだからね〜
気にすんな
困ったときだけ名無しで反論とは
人間の屑極まりない奴だな
>>479 自分のこと棚に上げて言いたい放題かよ(ワラ
皆の衆、とにかく、もちつこうな…。
だいたい保守だけでトリップって厨房丸出しだすよ?
>480
>481
>483
あんたら邪魔(w
皆の衆、お願いだから、もちついて…。
451=479=484
ウザすぎ
451=479=484
他から見ればどっちもうざいのに
自分の番号は入れたくないもんだから自作自演がバレバレw
488 :
(´-`)oO(勃起します) ◆boczq1J3PY :03/06/23 21:18
勃起age
>>485 落ち着くとかじゃないだろう、これは「祭り」という名の荒らしなんだから。
>>487 荒らしが正義ぶるんじゃねえよ(ゲラゲラ。
>491
いいから荒らしボウヤは黙って名(ゲラゲラゲラ。
!。
黙って名
(ゲラゲラゲラ。
厨房の特色あふれる記号の使い方だな。感心した
494 :
無名武将@お腹せっぷく:03/06/25 23:41
揉め事なぞどうでもいい、リプレイ更新まだー
>>493 消防が、てめえのたわ言読むためのスレじゃねえんだゼ。
目障りだ、もう来るなよ。
〜驕兵滅せずとも崩れたり〜
夏五月、趙範は永安太守馬良をして武陵を征討せしめんと欲した。
「武陵には十三万ほどの兵が常駐しており、背後に控える零陵からも
援軍が繰り出されると予想されます。激戦は必至でしょう。我が軍は
孫権や劉備にもそなえなければならないゆえ、大軍を差し向けて
守りを薄くするわけにはいきますまい」
成都に居りし費文偉が、東征に反対を唱えた。
「だが、永安や江陵には、誰の許にも就かせていない待機兵が大勢いる。
多少の犠牲は気にせぬ」
「人の命を軽々しく扱うおつもりですか」
「だが、彼らを帰農させることができるというのか」
「それは」
「できぬな。それに、武陵は金旋殿のゆかりの地。亡骸をきちんと
葬りたいのだよ」
趙範は出征を止めるつもりはなかった。費文偉の諫止を聞かず、
長沙より援軍を遣わせ、十五万の兵を以て十九万の劉璋軍にあたらせた。
南より押し寄せてくる敵救援軍を、河岸にて食い止める。その一方で、
永安正規軍の馬良と鄂煥が本陣に向かう。長沙からの援軍を中心と
して、本陣に群がる敵兵と争うが、その戦果ははかばかしくない。
本陣に隣接した黄祖は、ひたすら乱射を繰り返していた。
「黄祖殿、すみやかに本陣を衝くべきではございませぬか」
馬良が、見るに見かねて黄祖の軍と接した。
「白眉殿、周りを見るがいい。これだけの敵を一度に掃蕩するので
あれば、乱射するに如くはない」
「今はむしろ太守を一気に倒すべきです。相手は文官ではありませぬか」
武陵を守っているのは、益州人士の王甫である。桂陽の戦いにおける
程普よりは、御しやすいはずであった。
「腐れ儒者を倒したところで手柄にはならん」
しかし、黄祖は馬良を斥けた。己の弓術を恃んでなおも乱射する。
その間に、鄂煥や援軍の丁奉の軍は、魏延や木鹿大王の猛攻を前に
して崩れた。
さらに、後方の砦を守っていた高翔が、敵救援軍に囲まれて捕縛の
身に遭ったという報せが前線に齎された。兵站が断たれ、我軍が倉皇と
した。先刻まで勇んで弓を放ち続けていた黄祖も、勝ち目なしとして
長沙へと逃げ帰る。
「私としたことが……。これではいかんともしがたい」
もはや交戦することあたわず、と、馬良も敵兵の間隙を縫って永安まで
退いた。仲夏の炎暑が、重くのしかかる。
捕虜となっていた鄂煥、高翔は解放されたが、丁奉はそのまま劉璋に
身を屈した。
リプレイキタ〜
生暖かく保守 ◆5rewaqHuUQが名無しで必死に自己弁護するスレか
みんなにばれてるのにまだ名無しとは恥を知らないのかね(p
もし、そこな方。私もリプレイを書きたいのだが
七代目韓玄でよろしいかの?
>>500
新たなリプレイ頑張ってください〜。
自由にやっていいと思いますよ
韓玄飽きたよ
投稿名は韓玄でいいけど使用する武将は韓玄以外をキボン
まぁ無理なら韓玄でいいけど…
>499
いいから黙ってろ厨
う〜ん韓玄は飽きられたのか?
9でやろうと思ってるんだがリクある?
>505
いいからだまってな消防
劉度いいねぇ。
息子に兵法覚えさせたり、刑道栄に軍任せて命令無視されたり
いろいろ面白そうだ。
>>506やってみてよ。
【長安攻略 上】
長安 陳倉 殷軍
遠目に敵軍が集結しているのが見える。報告では敵総数は約6万。
に対し弘農、宛よりの援軍らを含む我が方の総数は約12万。
その上、強固な砦により防備は完璧である。
漢中より進軍してきた敵将は李恢。かって劉璋の配下であった将である。
無能では無いが飛び抜けた武威の持ち主でも無い。
だが、このまま只城壁の上から眺めているだけで滅ぼせる相手でもない。
男は兵をまとめ打って出ることにした。
無論、敵の殲滅のためだが、兵数で圧倒的有利な我が方に漂う弛緩を引き締めるためでもある。
かって四海随一といわれたその武によって。
張合β「開門!」
雲玲軍 本陣
敵の抵抗は思った以上に凄まじいものであった。
数で負けている上に強固な砦。
李恢「むう・・・・。このままでは持たぬ・・・・・・。孟起殿は間に合わぬか」
渋面で呟くこの男は漢中より進軍した雲玲軍 李 徳昂である。
馬騰が去り、自らもこの地を立ち去ろうとした馬超を説得し、味方に引き入れたのが彼である。
と、突如伝令が届く。
伝令兵「我が軍の先鋒が突破されました。此処に到達するのも時間の問題です。後退を!」
李恢「先鋒を抜いた敵将は誰だ?」
伝令兵「張合βかと」
李恢「よし、後退する!陣をまとめ疾く行動する様各将に伝達せよ!」
伝令兵「御意!」
小走りで幕舎から出て行く兵を見送った李恢の表情にもう渋面は刻まれていない。
状況はむしろ悪くなっているのだが。
李恢「下調べによれば、張合βは長安の兵をまとめる最重要人物・・・・・・・・。この男を抑えられるかでこの戦は決まる
・・・・・・・・・・・・・・・・頼みましたぞ、孟起殿」
やがて李恢が陣を張っていた場所に張合βの兵が姿を現す。
張合β「この陣から察すれば・・・・・・・・・そう遠くには行ってはおるまい」
しかし張合βの軍もかなりの速度で進軍したため前線で孤立してしまっている。
さて、後続の軍との合流を待つか、孤軍で追撃を続けるか・・・・・・。
張合β「砦にはまだかなりの数の兵が残っているはず。只待っているのも芸が無い。
敵将の首一つくらい揚げねばな・・・・・・・・」
孤軍での追撃を決意し更に兵を進めようとする。
だが、早くもその行動を嘲笑するかのような一筋の煙が空に揚がっていた。
張合β「あれは砦の方角!まさか!?」
ジャーン!ジャーン!ジャーン!
兵士「敵襲!」
砦とは別方向からありがちな銅鑼の音が聞こえる。
右手の山頂から敵兵が逆落としをかけてきたのだ。
張合β「な・・・・・・・このような断崖から逆落としだと?!しかしッ!!」
冷静になり今の自分の状況を確認する。
位置から察するにこの敵軍は李恢の兵では無い。恐らく。
馬超「涼州が雄!馬 孟起。推して参る!!」
・・・・・・・・・・・・・やはり。ならば・・・・・。
張合β「矛を構えィ!騎兵どもを串刺しにするのだ」
瞬時に陣が形成され、長物を構えた兵達が突進していく。
よく観てみれば数は大差無い。更に・・・・・・
張合β「我が武をもってすれば騎兵など恐るるに足らぬ」
手綱を握り自ら敵騎兵の前へ躍り出る。
張合β「遅い!」
瞬時に敵将の首が舞う。
速いのではない。無駄が無いのだ。
張合β「山騎を得たとて・・・・・・・簡単に抜けると思って欲しくないな。若造!」
雲玲「全く動揺していないわね。これが百戦錬磨っていうヤツなのかしら」
反対側の崖の上より戦場を覗き見ているのは蜀公 雲玲であった。
砦から煙が上がったとはいえ、砦を落としたワケではない。
黄忠の兵達が放った火矢が壁を少し焦がした程度のものである。
だが遠目に観れば砦から火が上がっている様にも見える。
孤軍となった張合βの兵達が動揺しない訳が無いのだ。
帰る所が無くなるのだから。
しかし、張合βの陣には少しの乱れも見当たらない。
諸葛亮「噂には聞いていたものの・・・・・・まさか此れ程とは」
雲玲「あら?珍しい。己が失策を口にするなんて」
扇を口元にあて、諸葛亮が涼しい顔で答える。
諸葛亮「まだ大勢は決してはおりません。張合βが私の予想の少し上を行ったまでの事。
予定内の範疇ですが」
孔明の背後からおそらく指示を受けた伝令が走り去ってゆく。
諸葛亮「張合βは馬超殿。に加えホウ悳殿に抑えていただきます。別働隊が砦を落とすその時まで」
雲玲「でも張合βを取り除いても、かわりに砦を守っている者も中々の剛の者だと聞いたけど」
諸葛亮「・・・・・・・・・・・・その事についても問題はありません。代わりに砦を守る者が誰なのか・・・・・・・・既に調べはついております」
諸葛亮はニヤリ、と意味深な笑みを浮かべた。
諸葛亮「さあ、ここはあのお二方にお任せして。我々も前線へ」
ここにきて戦況は大きく変わろうとしていた。
190年5月
命じられた開墾の仕事を監督した後、疲れを癒すため久々に「小楽楼」へ行ってみると・・・
店の入り口からいきなり椅子が飛んできた。
韓武「うわっ!!」
店主「あ!韓さんいいとこに来た!あの暴れてる大男を取り押さえて!」
みれば、あの典韋にも負けない巨躯を持った大男が暴れているではないか。
韓武「そりゃ無茶だよ」
店主「頼む、取り押さえてくれたら飲み代半年タダにするから」
韓武「なに飲み代タダ!?それならまかせろ!」
とは言ってみたものの・・・
大男「うがぁぁぁぁ!!!」
韓武「ひー」
ボグッ!!
韓武「⊂⌒~⊃。Д。)⊃キュー」
韓武「う〜ん・・・」
店主「おっ!気がついた。大丈夫かい韓さん?」
韓武「さてここは・・・どうなったんだっけ?」
体があちこち痛い。頭には大きなこぶが出来ていた。
店主に事の顛末を聞いたところ、私が気絶してすぐ騒ぎを聞いた衛兵隊が駆けつけて来たらしい。
ところがあの大男は、三十人いた衛兵隊を一まとめに叩きのめすと、逃げてしまったらしい。
・・・そんな豪傑なら最初から手を出すんじゃなかった。
なんだか怪我をした私は馬鹿みたいだ。
190年6月
家で養生していると、張コウ殿が書簡を持ってやってきた。
張コウ「韓武殿、怪我の具合はいかがですかな」
韓武「まあまあ、といったところですかな・・・ところで今日は何のようで?」
張コウ「韓武殿が四品官になられたので、その旨を伝える書簡を・・・」
韓武「ほう」
張コウ「あと見舞いを兼ねて一杯」
韓武「おお、よいですな」
◆韓武は四品官に出世しました◆
酒が進み、酔いがまわると、話は先月末にあった一件のことになった。
張コウ「あの衛兵は私の部下で、かなり腕の立つ者ばかりだったのですが・・・」
韓武「それを三十人いっぺんにねえ・・・」
張コウ「それほどの豪傑ならば、少しは名が知れていてもおかしくないような気が・・・
そうだ!その男の人相を覚えておられますかな?」
韓武「ええと、たしか立派な髭にあと顔に傷が・・・あとはどうも」
張コウ「ふむ、まさか・・・」
張コウ殿はしばらく考え込んだのち、席を辞し帰っていった。
190年7月
最近、山賊が活発に活動するようになり、街の者から苦情が多発していると聞いた。
早速、根拠地になっていそうな近くの山へ調査に出かけると案の定・・・
山賊「そこを行く者待てい!命がおしかったら金目の物をおいてさっさと失せな!」
韓武「出たな賊徒め!貴様らごときに遅れをとる韓武ではないぞ!」
それほど腕が立つといえない私でも、たかだか山賊ごときに負けはしない。
ニ、三人を切り倒し、逃げごしになった山賊達を弓で射倒していると、
賊の大将らしき者が馬に乗ってこちらへ打って出て来た。
大男「そこの野郎!名を名乗れ!」
韓武「我こそは韓孟節!町を騒がす賊徒ども・・・ん?」
と、名乗りを途中まであげて気付いた。賊の大将、どこかで見た顔である。
Σ(゚д゚|||)ありゃ小楽楼で暴れていた大男だ!
逃げようにも距離が近すぎる・・・もはやこれまでか!?
生暖かく保守だって(プ
黙ってろとか厨房とかでしか反論できないなんて脳味噌腐ってんな
522 :
無名武将@お腹せっぷく:03/07/03 20:41
age
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524 :
無名武将@お腹せっぷく:03/07/03 20:51
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526 :
無名武将@お腹せっぷく:03/07/03 23:07
↑暇人
↑も↓も漏れも暇人。
↑というこいつが一番暇人
〜最後の「盟友」〜
劉度の姿は、長沙にも南海にもなかった。そこで零陵に密偵を放ったが、
このとき既に劉璋の麾下に加わっていた。
趙範は、劉賢を零陵に遣わして父と対面させた。
「久しぶりだな、賢よ。これまで以上に元気そうで何よりだ」
感慨深く、劉度はいった。劉賢からみれば、父は何やら脱力しているかの
ようであった。
「で、今日は何だね? 劉季玉様に仕えにきたのか」
「何をとぼけていらっしゃるのですか。その逆です」
「おお、そうか。……だが、その気にはなれん」
溜息が、劉度の口から漏れる。
「何故ですか? 趙範様は父上の同志ではないですか。それも、
一地方太守にとどまらない、西方の雄となっているのですぞ」
「……わしはもう疲れた。覇権には関心ない。季玉様の庇護の下、
この零陵で余生を過ごせれば、それでよい」
「平穏に暮らしたいのであれば、我が君のもとの方がより確実です。
そもそも、これまでの恩義は、劉璋殿よりも趙範様の方が重いこと
でしょう」
「……」
「韓玄殿も金旋殿もいなくなった今、ただひとりの同志となった父上を
ぜひとも迎え入れたいと、我が君は仰せられています。どうか、
よろしくお願いします」
劉賢は膝を折り、叩頭した。
「……ふふ、まさか息子に口説き落とされるとは思わなかったわ」
「では」
「成都にでも行くかの」
ゆっくりと、劉度は立ち上がった。微笑が、しわがれた顔よりこぼれた。
激しく保守
【長安攻略 下】
将「ぬえええぃ!」
かなりの重量であるその得物を馬上にて軽がると振り回し眼前の敵を駆逐していく。
将「知れ者が、どけぃ!」
砦に迫る兵達を次々と薙いでゆく。
敵将張合βを砦から遠ざけたと思えばまだこんな将が、やはり砦を守っている。
黄忠「やはりそう簡単にはいかんものよのう・・・・・・・」
遠目に戦況を見つめながら黄忠はため息混じりに呟く。
魏延「どれ、拙者が片付けてきましょうか?」
得物を手にした魏延を黄忠が遮る。
黄忠「まずは徐々に敵の兵を削いでいけとの『お達し』じゃ。下手に動かないほうが良い」
魏延「しかし、このままでは消耗戦に持ち込まれますぞ。そうなれば遠征している我が軍の不利は必死」
黄忠「確かに」
戦場の不確実さ。それは前線で戦い続けた者しか知りえない。
後方で策を練るだけの若造どもにそれを知る事は出来ない。
だからといってあえて前線を乱す必要も無い。
黄忠「まあ、とりあえず軍師殿を信頼してみよう・・・・・・・」
魏延「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
黄忠「じゃが、このままでは埒が開かん。いつでも砦に突撃出来る様、用意をしておいてくれ」
魏延「まあ・・・・・・・黄忠殿がそうおっしゃるのなら・・・・・」
渋々魏延が自らの陣へ戻る。兵をまとめておこうというのだろう。
視線を魏延から砦へと戻す。
(諸葛亮「黄忠殿。張合βを誘き出して後、砦を守るのは恐らくあの男でしょう。
彼奴であれば簡単です。
良いですか?必ず敵の前線は崩壊します。黄忠殿が何もなさらずとも。
その時を待つのです・・・・・・・・・・・・・・・・!」)
出陣前に諸葛亮に聞かされた言葉を信じて黄忠はその時を待ち続けていた。
将「・・・・・・・・・・・・・・おかしい?」
敵軍の動きが変わりつつある。
戦場から見回してみれば徐々に砦から遠ざかっているかのように見える。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
将「あきらめたか?」
しかし、それならばとっとと撤退すればいい筈である。だが敵兵達は遠巻きにこちらをとりまいている。
・・・・・・・・・・ァ・・・・・・・・・・・・ハ・・・・・・。
兵糧を絶とうというのだろうか?
しかし、遠征して来たのは雲玲軍の方である。
対してこちらには砦にも城にも豊富な備蓄がある。
考え付いた策はいずれも意味を為さない。
・・タ・・・・・ァハ・・・・・・・・・・・ハ・・・・・。
まあいい。このまま30日も過ぎれば連中も撤退して行くだろう。
・・タン・・ハァ・・・・・ァ・・・・・・ハァハ・・・・。
将「・・・・・・・・・・何だ?」
先程から奇妙な声が聞こえる。何やら男の吐息の様な・・・・・・?
兵士「徐晃様?どうされました」
近くにいた兵士が心配そうに駆け寄って来る。
徐晃「・・・・・・・・・・・何でもない。空耳だ」
兵士2「徐晃様。これを使うと良いです・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・のじゃよ?」
徐晃「すまんな」
兵士に渡された布で顔を拭く。自らの汗や返り血などでかなり汚れていた様だ。
一通り拭った後、布に目をやる。染みこんだ汗、血、そして刻まれた文字。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・文字?
その布には、こう刻まれていた。
徐晃タン(;´Д`)…ハァハァ
徐晃が驚愕したのと、徐晃の傍に侍る兵士達が一斉に徐晃を捕縛しようと駆け出したのはほぼ同時であった。
振り下ろされる刃を己が得物で必死に受け止める。
徐晃「き・・・・貴様、いつの間に我が軍に潜り込んだのだ?!」
徐晃に刃を振り下ろしたその男こそ・・・・・・・・・・・・
劉度「徐晃タン(;´Д`)…ハァハァ」
荊州弱小四英傑が一人 劉度であった。
雲玲「(((((( ;゚Д゚)))))ガクガクブルブル」
諸葛亮「どうされました?」
砦を囲む前線が見える位置まで進軍してきた雲玲は硬直していた。頬に冷汗をたらしながら。
諸葛亮「張合βと徐晃さえ抑えればあとは有象無象。
おや、黄忠殿が攻勢に転じましたぞ」
雲玲「え・・・・え〜と。これは・・・・・」
諸葛亮「埋伏の計は大成功ですね」
雲玲「いや。普通有り得ないし」
味方のの軍勢が砦へとなだれ込んで行く。
諸葛亮「大勢は決した様ですね」
雲玲「 ( ゚д゚) ポカーン」
劉度「徐晃タ〜ン!!(;´Д`)…ハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァ・・・・・・・・・・・・・・・・・」
雲玲軍 長安を攻略。
現在の状況
※※※※※※※※※※※※※※※※※※薊※※※※※※※※※※※※※※※※※
※※※※※※※※※※┏━■━━━━━■━━━┳━━━━■━━━○遼東※※
※西涼☆┓※※※上党■┓晋陽※業β┏━━━┳■渤海┏━┛北平※※※※※
※※※※┃※弘農※※┃┗━━━━━■━━┓┗━━━■平原※※※ ※
※※※※┃※┏□━┓┃洛陽※※陳留┃※※■━━━■┻━┓※
※西平☆┫※┃※※┗■━━━━┳━□━━┫濮陽※済南※┃※
※※※※┃※┃長安※┗┓宛┏━□許昌※※┃※※※┏━■┛※※
※天水┏☆━☆━━━━□━┛※┣━□━━□小沛※┃北海※※※※※
※※※┃※┏┛※※※※┣━━━□━┓言焦┃┏━━┛※※※
※武都☆━☆漢中※※※□新野※汝南┃※※┗□下丕β※
※※※┃※┃上庸※襄陽┃※※※※※┃※※┏┛※※※※
※※フ ☆━┻☆━━━━☆━┓※※※┃※※□広陵※※
※※※┃※※┗┓永安┏┛┏☆江夏※□寿春┃※※※※
※※※┣━┓※☆━┳☆━┫┗━┓┏┻━━□┓抹陵※
※※※┃巴☆━┛※┃江陵┃※※┗□廬江※┃┃※※※
※成都☆━┛※武陵☆※※□━━━┫※┏━┛┗□呉※
※※※┣☆建寧※※┣━☆┛柴桑※□━┛※※┏┛※※
※永昌☆┃※※零陵☆※┃長沙※※翻陽※※※┃※※※
※※※┃┃※※※※┗☆┛※※※※※※※※※◇会稽※
※三江☆┛※※※※桂陽※※※※※※※※※※※※※
※※※※※※※※※※※※※※※※
公孫康=○ 馬騰=● 張魯=滅亡 曹操=■ 孫権=◇ 新勢力「殷」=□ 雲玲=☆
多忙故、当分うぷ出来そうにありません。
次のうぷ迄少々間をあけます。
申し訳有りません。
劉度が復活したよ・・・
>>雲玲殿
頑張ってください。待ってます
韓武様
趙範様
雲玲様
応援sage
540 :
ぬめりとり:03/07/12 12:22
排水溝がこんなにきれいに!
__∧_∧_
|( ^^ )| <寝るぽ(^^)
|\⌒⌒⌒\
\ |⌒⌒⌒~| 山崎渉
~ ̄ ̄ ̄ ̄
__∧_∧_
|( ^^ )| <寝るぽ(^^)
|\⌒⌒⌒\
\ |⌒⌒⌒~| 山崎渉
~ ̄ ̄ ̄ ̄
激しく保守
〜荊南に覇を唱える〜
劉度を迎えた一方で、趙範は魏呉蜀相争う最中に身を屈した将らを
次々と自陣容に引き入れていた。陸遜、魏延、諸葛亮、張允、廖化の他、
仲夏の武陵にて劉璋に捕縛された丁奉も、その中にいた。殊に陸遜は、
孟秋の酒興として催された漢詩大会において、居並ぶ古参の文官の
心胆を寒からしめる名吟を披瀝し、主君の耳目を鋭敏にさせた。
同月、趙範は再び武陵を攻めた。二月前の、事実上の敗戦を省み、
黄忠ら長沙に駐留せる猛将を主戦にして挑んだ。捷報は、半月後に
成都までもたらされた。劉璋配下の文官であった費詩は帰順してきたが、
節を曲げることを潔しとしなかった法正や呉懿、劉循は斬首に処した。
――これでようやく、金旋殿を葬ることができるわい。
趙範は安堵の息を漏らし、梓潼へ殯していた亡骸を武陵の郊外へと
移した。
秋九月、武陵の軍勢が、永安より移動してきた将らを伴って零陵まで
南下した。劉璋の版図は、ここを残すのみとなっていた。
「敵には逃れるべき場所はありません。しかしながら、徐々に締め付け
ようとしては、相手の抵抗をいたずらに増大させるばかりかと存じます。
ここはひとつ、正面から干戈を交え、これを劇はするべきです」
参軍の陸遜が、軍議にて将兵に説いた。異を唱える者はいない。
「これで劉璋との戦いは終わりにしよう。各員、慢心することなく奮闘せよ」
黄忠が全軍を鼓舞すると、将兵は勇み立った。
邀撃してきた雷銅、張南、孟達をことごとく倒し、敵本陣へと殺到する。
前線に繰り出した将がみな捕らえられたと知ってか、劉璋の戦意は
失せかけていた。もとより、血を好む漢ではない。
しかし、屈することはしなかった。嘗て益州に割拠していたという矜持が
あったろう。あくまでも抗戦を望み、数で圧倒していた趙範軍の前に
斃れていった。
劉璋軍滅亡の報は、成都にいる趙範の耳にも届いた。趙範は目を瞑り、
感慨に耽った。
荊南の一地方太守に過ぎなかった己が、転戦の末に交州、南中、
益州の南部、そして荊南を手中に収めた。ここに至るまで、鬢は
霜降るがごとくなり、刻まれた皺も深みを増していった。今となっては
もう戻ってこない同志――韓玄や金旋――の、せめてもの餞がまた
ひとつできた。荊南に屯する愚鈍な者ども、とはもう呼ばせない。
この日、成都を始め、趙範領の各郡の城市では、君主の命により
長夜の飲をなしたという。
この三連休特にやることもなく[クリアしたので
とりあえずリプレイかかせていただきます。
それでは197年 4月 袁術でスタートします。
??「ふぅ、やっと抜け出せたか、」
「皇帝になったのはいいがやたらと仕事が増えた。」
「こうやってたまには息抜きしないとな」
この男つい最近皇帝を詐称し偽帝と呼ばれる袁術というものである。
皇帝になったものの何をするかもわからない愚か者であった。
今日も宮殿を抜け出し街をぶらついていた。
城門の当たりをぶらぶらしていると強盗に絡まれてしまった。
強盗「おい、そこの猿!!命が惜しかったら有り金をすべてよこせ!!」
袁術「ひぃい!!門兵!!門兵はどこじゃ!!賊が現れたぞ!!」
強盗「だまれ!!お前の選択肢は金を渡すか死かどちらかひとつだ!!」
袁術「払います!!払います!!だから命だけは〜(涙)」
周辺には人が集まりその光景を見ていたが誰も助けようとするものはいなかった。
その中から一人の男が歩み出た。
強盗「なんだおめぇわって!!あっ!!あなた様は!!」
男 「ここは私の顔に免じて引いていただけませんか?」
強盗「は、はい!!そ、それでは!!」というが早いか強盗はその場を立ち去った。
男 「大丈夫ですか?怪我もなくてよかった。」
強盗「なんだおめぇわって!!あっ!!あなた様は!!」
男 「ここは私の顔に免じて引いていただけませんか?」
強盗「は、はい!!そ、それでは!!」というが早いか強盗はその場を立ち去った。
男 「大丈夫ですか?怪我もなくてよかった。」
「この辺は物騒ですから気をつけてくださいよ。」と言うと男は去ろうとした。袁術はあっけにとられていたがすぐ正気に戻ると
袁術「ま、待て!!助けてもらったのだから礼ぐらいさせろ!!」
男 「ふむ、ではあそこの酒屋で一杯おごっていただけますかな?」
二人は酒屋に入ると酒を飲み始めた。
袁術「そういえばまだ名前を聞いていなかったな?」
男 「私の名前は魯粛です。そういうあなたは?」
袁術はあっけにとられていたがすぐ正気に戻ると
袁術「ま、待て!!助けてもらったのだから礼ぐらいさせろ!!」
男 「ふむ、ではあそこの酒屋で一杯おごっていただけますかな?」
二人は酒屋に入ると酒を飲み始めた。
袁術「そういえばまだ名前を聞いていなかったな?」
男 「私の名前は魯粛です。そういうあなたは?」
袁術「袁術だ!!この国の皇帝だ!!」
魯粛「ははは!!冗談がうまい!!ははは!!笑いが止まらん!!」
袁術「本当だ!!失敬な奴だ!!」と怒鳴ると顔を背けてしまう。
魯粛「ははは、まあまあ、酒でも飲んで機嫌を直してくださいよ。」
こうして袁術と魯粛は出会った。
この出会いが大きく運命を変えるをことをまだ袁術は知らない。
197年四月のことであった。
ミスった。すんません
その中から一人の男が歩み出た。
強盗「なんだおめぇわって!!あっ!!あなた様は!!」
男 「ここは私の顔に免じて引いていただけませんか?」
強盗「は、はい!!そ、それでは!!」というが早いか強盗はその場を立ち去った。
男 「大丈夫ですか?怪我もなくてよかった。」
「この辺は物騒ですから気をつけてくださいよ。」と言うと男は去ろうとした。袁術はあっけにとられていたがすぐ正気に戻ると
袁術「ま、待て!!助けてもらったのだから礼ぐらいさせろ!!」
男 「ふむ、ではあそこの酒屋で一杯おごっていただけますかな?」
二人は酒屋に入ると酒を飲み始めた。
袁術「そういえばまだ名前を聞いていなかったな?」
男 「私の名前は魯粛です。そういうあなたは?」
袁術はあっけにとられていたがすぐ正気に戻ると
袁術「ま、待て!!助けてもらったのだから礼ぐらいさせろ!!」
男 「ふむ、ではあそこの酒屋で一杯おごっていただけますかな?」
二人は酒屋に入ると酒を飲み始めた。
袁術「そういえばまだ名前を聞いていなかったな?」
男 「私の名前は魯粛です。そういうあなたは?」
袁術「袁術だ!!この国の皇帝だ!!」
魯粛「ははは!!冗談がうまい!!ははは!!笑いが止まらん!!」
袁術「本当だ!!失敬な奴だ!!」と怒鳴ると顔を背けてしまう。
魯粛「ははは、まあまあ、酒でも飲んで機嫌を直してくださいよ。」
こうして袁術と魯粛は出会った。
この出会いが大きく運命を変えるをことをまだ袁術は知らない。
197年四月のことであった。
197年7月 宮中にて
急使「大変でございます!!曹操を盟主とした反袁術連合が結成されました。」
楊弘「何!!してその加盟者たちの名は!?」
急使「はっ!!曹操を筆頭に袁紹、呂布、孫策、馬騰、劉備、劉ショウ、劉表など
そうそうたる顔ぶれです!!」
袁術「おのれ!!皇帝にたてつく逆賊め!!楊弘!!これに対する策は!!」
楊弘「はっ!!まず連合の盟主である曹操の領土と隣接するジョ南に兵と将を集結させ
広陵にいる紀霊殿に指揮をとってもらい連合軍に対する備えとしたく思います。」
袁術「おお、それは名案じゃ!!早速そのようにいたせ!!これで勝ったも同然じゃな」
というと宮中を笑いながら袁術は退出していった。
閻像「見事な策でございますな!!楊弘殿!!紀霊殿ならば連合軍を必ずや撃退してくれましょう。」
楊弘「・・・おぬしまでそのようなことを、焼け石に水じゃよ、時間稼ぎぐらいにしかなるまいて」
閻像「・・・やはりそうですか」
楊弘「・・・こんな時あのものならどんな策を出してくれるであろうな」
閻像「あのものとは?」
楊弘「寿春の鬼才・・・その名を魯粛」
夏休みにリプレイ読みを楽しみにしているので保守。
197年4月
場所は変わりここは酒屋
袁術「待たせたな、魯粛!!」
魯粛「いえいえ、今きたところですから」
といいながらもすでに顔は赤く机の上にはからの酒杯が並べられすでに出来上がっているようだ。
それを見て苦笑しながらも席につく袁術。
強盗から絡まれて助けてもらって酒屋に行って以来すっかり意気投合し事あるごとに理由を付けては
街に繰り出しこうして一緒に飲むようになった。
魯粛「ささ、袁術殿早速飲み比べと行きましょう!!」
袁術「まあ、待てその前に遅れたわけを聞いてくれ!!」
魯粛「飲みながらでも聞けますから、まあまず、一杯!!」
そんなこんなでくだらない話をしながら盛り上がりながら閉店近くの時間になった。
袁術「もうこんな時間か、さてそろそろ帰る時間のようだ、それではまたな、魯粛」
席を立ち、帰ろうとするが魯粛が腕をつかみ離さない。
魯粛「逃げるんですか〜袁術殿、今夜は帰しませぬぞぉ〜!!」
袁術「わしもまだ飲んでいたのだが皇帝ともなると時間がそれを許さぬ。許せ!!」
魯粛「わはは!!またまたご冗談を!!」
袁術「何度もこれまで飲んでるとき言って聞かせてるではないか!!」
「さてはまったく信じてないな、おぬし!!」
魯粛「いえいえ、信じてますってば!!袁術皇帝陛下」
袁術「いいや、その顔はまったく信じておらん!!」
「よかろう!!私の屋敷について来るがよい!!証拠を見せてくれるわ!!」
魯粛「おぉ!!袁術殿の屋敷で飲み直しですか!!行きましょう行きましょう!!」
酒屋を後にし袁術の屋敷に向かうことなったが途中で魯粛は酔いつぶれて眠ってしまった。
仕方がないので魯粛を背負い屋敷に向かった。
袁術「・・・・・何で皇帝のわしが」
屋敷に着くなり酒も回っていたせいか、床に倒れそのまま袁術は眠ってしまった。
〜遺児〜
冬十一月、長沙に駐留せる十万の兵が東進し、孫匡領の柴桑を攻め
落とした。このとき、旧主劉表の遺児であり、孫匡の許に身を寄せていた
劉jを保護した。いやに従容としている。
「ずいぶんと落ち着き払っているな」
目を光らせているわけでもなく、恐れおののいてもいない。諸将が訝る
中、先に彼へ口を開いたのは陸遜であった。
「おぬしは自分が置かれた身をどう思うか」
「よもや、私が趙範様を恨んでいるとお思いで」
「我が君はおぬしの父から独立して、その勢を呑噬した。思うことなど、
いろいろとあろう」
「それについて恨むつもりはありません。趙範様は天の時を得て、
父上はそれを得ようとしなかったのですから。それよりもむしろ、
後嗣の座を奪った蒯良や、それを支持した伯父上らの方が
許せません」
「なるほど」
陸遜は唸った。対面する者の口調や顔色は、変わるところがない。
「では、劉j殿は今、自ら君主たらんと欲しているのか」
「もはやその気はありません。孫匡の勢は既に衰え、天命は曹操か
趙範様のもとにございます。それにあえて抗うつもりはないのです。
それと、私の後ろ盾となる者もいませんからね」
「む……いささか引っかかるところがあるな」
李厳が横槍を入れる。
「天命は曹操か趙範様のもとにあるといったな。もし、先に曹操が柴桑を
占拠していたら、おぬしは曹操に膝を屈していたのか」
「おそらくはそうなっていたことでしょう」
「そ、そうか……」
李厳は髪をかき上げた。なおも、劉jは淡々として感情を表にしない。
李厳が劉表に仕えていた頃は、有徳にして美貌たりという劉jの良い
面ばかりを耳にしていた。劉j自身にまみえたことはあまりないから、
実際にどうであったかは定かでない。
今、ここにおいて彼と向き合い、蔡瑁や張允らを通してのみ知り得た
評価は、中らずといえども遠からずと思った。この図太さは、凡人に
無き才であろう。ただし、それは風向きが従えば、の話である。少しでも
思惑通りにいかねば、誤って己が同胞や盟友を犠牲にしかねない。
「では、おぬしがそのような態度を取るのは、民の安寧のためか?
劉家の存続のためか? それとも、己の保身か?」
陸遜が劉jに問うた。
「それは、劉家の存続のためです」
「ふむ。ならば誤った選択ではあるまい。我が君・趙範は、牙を剥かぬ
者に手をかけはしないからな。ただ、我々は民を安んじることも務めと
考えておる。ゆめゆめ忘れなきよう」
劉jは、無言で頷いた。
六代目殿、なぜこちらで…w
もとから私はこのスレで書いておりますので問題はないと思っています。
リプレイをうぷする間が2〜3週間等あいてしまうため、混乱を招いて
しまっていたらすみません。
次のリプレイは今週末を予定しております。本来であれば日を置かずに
更新すべきかとは思いますが、諸事ありてなかなか手をつけることが
出来ずにいます。申し訳ありません。
落ち着いて気長にご覧いただけると幸いです。。。
>>558 偽物が過激な発言をするなw
と言う事で真性556でつ。
上の「袁術皇帝」殿の名前を見て陛下のスレと勘違いいたしますた。
ごめんなちぃ…。
夏だなあ。と、待つ。
朝、屋敷にて
魯粛「う、ううーん、頭が痛い・・・・・・ここはどこだ?」
「昨晩、袁術殿と一緒に飲んでいたのは覚えているのだが・・・・」
ふと隣を見ると床に袁術が眠っていた。
魯粛「袁術殿!!袁術殿!!起きてください!!袁術殿!!」
袁術「う、うぅ〜ん、なんじゃ?わしはまだ眠い」
魯粛「ここはどこなんですか!?袁術殿!?」
袁術「わしの屋敷じゃ、昨晩飲んでいてわしの屋敷に行こうということになったではないか」
魯粛「・・・・そうでしたっけ?」
袁術「せっかく起きたことだしわしは仕事に行こうと思う。おぬしも着いてくるがよい」
魯粛「はっ!?なんでわたしが?それにまだ昨日飲んだ酒が残ってるせいか頭も痛いし
まだねむってたいのですが・・・・」
袁術「わしが皇帝である証拠を昨日見せるといったであろう!!いいから来い!!」
魯粛「わかりました、わかりましたから大声を出さないでください
昨日の酒が残ってるせいかまだ頭が痛くて・・・・」
有無を言わさず袁術は魯粛を宮殿に引っ張っていった。
宮殿に着くと家臣たちが出迎え一斉に袁術に朝の挨拶をする。
家臣一同「おはようございます!!袁術陛下!!」
袁術「うむ、大儀である」
玉座に座ると隣でうずくまっている魯粛に話し掛ける。
魯粛「どうじゃ?これでわしが皇帝であるとわかったじゃろ?」
魯粛「・・・・・・」魯粛は押し黙ったままぴくりとも動かない。
びっくりして声も出せぬかと思いその様子を見て満足げに袁術は笑みをこぼす。
楊弘「陛下、所で隣でうずくまってる御仁は誰なのでしょう?」
袁術「うむ、わしの客でな、わしの仕事を見たいというので連れてきた、魯粛という」
楊弘「魯粛ですと!!」言うが早いか楊弘は魯粛に駆け寄ると肩をつかんだ。
「魯粛殿!!これも何かの縁でございます!!どうぞ私たちの陣営に入ってくだされ」
肩をゆすり楊弘は興奮気味に懇願した。魯粛は涙目になりながら、ただ頷いた。
楊弘「おお、入ってくださるか!!ありがたい!!」
魯粛「・・・・・(頼むから揺らさないでくれ、頭が・・・うっぷ、気持ち悪い)
(私の前にいる男が何を言ってるかわからないが頷けば納得するであろう)
こうして魯粛は袁術に仕えることとなった。197年7月のある日のことであった。
あぼーん
〜惑乱の君、眩暈の宰〜
建安二十一年(二一六)正月、襄陽に拠っていた劉備が楚王を自称した。
漢王室に連なる者といって憚りなかった男が、漢の建国者劉邦に敵した
猛将項羽の王号を名乗っている。趙範はじめ諸将には、滑稽に思えた。
「老いたか劉備」
成都にいる趙範は、費文偉に向かって鼻で笑った。
「いや、もしかしたら目覚めたのかもしれませんぞ。大義に拘っていては
滅びの道を進むばかり、と悟ったかと」
「そこまで考えているのか? しかし、襄陽と上庸の二郡だけで『王』か。
面白い。会猟を誘ってみるかの」
「いや、時期尚早と思われます」
「何故だ」
「いま、襄陽を攻めるならば、援軍は期待できません。それどころか、
上庸より敵の救援を繰り出され、戦況不利になることは否めません。
江夏を落とし、援軍を差し向けることができるようになってから、襄陽に
進撃すべきと考えます」
「ううむ、わかった……。まあ、劉備がいきなり大進攻を仕掛けてくる
ことはあるまい。まずは曹操を荊州から追い出そう」
そういって、趙範は江夏に斥候を放たせた。
十万に満たない江夏の将兵を掃討せんと欲し、柴桑より北西に兵が
進められた。
「敵陣を一気に崩し、江夏を占拠するとしよう」
軍師李厳が正面突破を主張する。諸将もおおむねそれに同調した。
ただ、陸遜は異を唱えた。
「軽佻に攻め入るのは危険かと存じます」
李厳は、慍容を明らかにした。
「軽佻ではない。速攻だ。援軍が来襲する前に決着をつけねばならぬのだぞ」
「それを、曹操が先読みしている可能性があります。ましてや敵には、
夏侯淵や張飛ら猛将が控えております。山林に兵を伏せられていたら
たまったものではありません」
「我が軍の士気を萎えさせるつもりか」
「いえ、そのつもりはございません」
「もう良い。これ以上口出ししてくれるな」
追い払うような手振りで、李厳は陸遜の言を止めた。
果たして、廬江と江夏の間に屹立する西塞山において、柴桑の軍は
曹操軍の奇襲を受けた。軍中が蒼惶とする。兵は逃げまとうか、
さもなくば夏侯淵らの干戈の餌食となっていく。陸遜が収拾に努めるも、
士気の壊滅は免れなかった。這々の体で柴桑に逃れたが、逃げ遅れた
廖化は曹操の軍門に下った。
ようやく時間が取れそうです。
今週末にうぷ再開の予定です。
大きく間を開けてしまい大変申し訳ありません。
とりあえず次回予告。
家柄も、血筋も頼る所の無い只の女の身でありながら、
一勢力の長となり、荊南、蜀の地を支配、蜀公の地位を手にいれ
更に北伐を開始。
遂には長安まで支配することとなった雲玲。
しかし、時は流れまた一人の男が人生の幕を下ろす時が来た。
そして、次に立ちはだかるは、かって雲玲軍に所属していたあの男だった。
次回 【何の為】
今週末UP予定・・・・・・・・・・・・・・・・・・多分!(;´Д`)
お疲れ様です、弐代目袁尚様。
雲玲りぷに触発されて結婚相手軍団で遊び始めてしまいましたよ…w
楚王劉備応援sage
へ、陛下…。
あっちのりプレイは?
書いてくれますよね?
三国志[プレイ日記の袁術と、
こっちの袁術が同一人物だと思ってる奴はDQN。
たしかに…文体みれば一目瞭然。
まぁ、コテか否か、で、すぐにわかるんだけどね。
570殿<中の人が違います(w
197年10月
袁術「さてこれから評定を始めるが誰か意見はあるか?」
楊弘「恐れながら陛下、私の軍師の任を解いていただきたく思います。」
「そしてこちらに居られる魯粛殿を後任として推薦いたします。」
袁術「ふむ、そうか。では魯粛を軍師といたす。」
魯粛「ありがとうございます。では早速軍師として意見したくございます。」
「汝南にて曹操に対する備えとしておりまする軍勢を劉備に向けていただきたくございます。」
袁術「なに!?それでは汝南が手薄になるではないか?それに何故曹操ではなく劉備を?」
魯粛「話しを最後までお聞きください、汝南が手薄になった分は寿春の兵を裂いて補充いたせば問題ありません。」
「劉備を攻めるのはいまはまだ小勢ですが放っておくと侮れない勢力になると考えられます」
「またこれは反袁術連合に対する牽制の意味もございます。」
袁術「ふむ、偵察のものの話によるとでは劉備の兵は2万ほどだから4万で責めれば楽勝であろう。」
魯粛「陛下!!私たちの陣営の無能さをなめてはいけません!!4万では足りませぬ!!」
「汝南にいる全軍8万で攻めてください!!」
袁術「・・・・そうか、そうであったの、それにしてもいくら本当のこととはいえはっきりと言うのう。」
魯粛「恐れ入ります。(苦笑)」
【何の為】
「叔父上か・・・・・・・・」
薄暗い部屋の中、座臥にて臥せっている男がポツリと漏らす。
荀ケ 「久しぶりだな。公達」
答える筈の無い誰かが答える。
座臥にいる男は荀攸。かっては曹操で筆頭軍師として活躍した。
しかし、今彼がいるのは長安。
蜀公 雲玲の支配する領地である。
彼は実に個人的な理由で曹操の下を去り、今ここにいる。
荀攸「叔父上・・・・・・・・・・・。お知らせしたい事が」
荀ケ 「何だ?」
荀攸「推挙するに十分な才を持った、優れた者を沢山見つけましたぞ・・・・・・」
荀ケ 「そうか。丞相にお知らせしなければならんな」
荀攸「丞相に・・・・・・・か。フフフ・・・・・・・」
痩せこけた頬に乾いた笑みが浮かぶ。
もう、そんな事は出来ないからだ。する必要が無いからだ。
荀攸「結局。私は勝てなかったのかな?『彼』には」
荀ケ 「そうか?私も公達も・・・・・・・よくやったさ。必ずや後人に伝えられる」
だが、荀攸の乾いた瞳は虚空をみつめ続けている。
荀攸「私が丞相の下を離れたのは、このままでは『彼』に絶対に敵わないと思ったから」
荀ケ 「そうか?皆はそうは思わないと思うが」
荀攸「私が思うのです」
かすれた声で、しかしハッキリと荀攸は答えた。
荀攸「今でも丞相は『彼』を最も信頼しているのでしょう」
荀ケ 「まるで亡霊だな」
そう。もう『彼』はいない。
この大地の何処にも。
荀攸「だから私は此処に来た。だが、何も変わらなかった。何も出来なかった」
寂しそうに独りごちる。
荀攸「死者に勝つことは出来ん」
荀攸「最後に認めよう。私は嫉妬していた。郭嘉奉孝!お前にだ!!」
荀攸以外、誰もいない部屋の中に声が響き渡る。
今わの際、幻となって現れた荀ケも彼の慰めにはならない。
やがて彼は静かに目を閉じた。
そしてその瞳が開かれる事は二度と無い。
荀 公達。皆が知るその名のわりには、あまりにも寂しい最後であった。
雲玲「私は大義のために此処にいるのです」
献帝の使者と重臣達の前で、雲玲は己が行く先を語った。
皇帝の擁護を宣言したのである。
漢王朝のために、民草のために、この大地のために。
荀攸「私は、何の為に生きた?」
とりあえずボチボチうぷしていくつもりなので
これからもよろしくお願い致します。
>568
面子は雲玲、林芝、将容、翠蘭、胡姫、徐堅、趙儀。
ですかね。
今から思えば胡姫が主役でも面白かったかも知れませんね。
皇族ですし。
568でつ。
まさにその面子ですよ。
主君は胡姫でやってます。
いろいろと妄想の余地があっておもしろい…w
おっと、途中で送信してしまった。鬱。
荀攸も正史と演義では随分と最期の違う人ですよね。
何とも切なげです儚げです。
【神出鬼没 上】
殷 寿春
張任「長安が落とされたか・・・・・・」
寿春太守 張任はその報告を聞き嘆息を漏らした。
とは言え最前線ではないこの地の太守の仕事と言えば内政くらいである。
対雲玲軍の最前線は翻陽、廬江。
自分には関係無い。
かっては蜀の地で劉璋に仕えていたあの頃も、今は昔の話。
各地を転々とし、前線で矛を振るう事も許されない退屈な毎日。
そんな日々に張任は正直ウンザリしていたのだ。
文官「たたた大変です!」
張任「・・・・・・・・・・・何だ?」
かっては暴帝、袁術によって荒らされたこの地も民達の尽力によって再開発が進み大都市へと変貌を遂げていた。
高い人口密度のわりには野党等も少ない。
こんな退屈な土地における『大変』とは一体どんな事であろうか。
文官「敵襲でございます!!」
張任「・・・・・・・・・・・・・・ほう」
張任は心中で歓喜した。戦である。
敵軍は何処の勢力だ?孫権か?雲玲か?
いや、只の反乱や野党の類でも構わない。我に武を振るう機会さえ与えてくれれば。
文官「敵軍はおそらく廬江からの兵でしょう」
張任「反乱か?」
文官「いいえ。物見からの報告によれば敵兵は荊南から・・・・・・・」
張任「ふむ。柴桑を落とした別働隊か?」
文官「恐らくは」
備蓄も、兵数も充分過ぎるほどだ。篭城の必要は無い。
張任「城門開け。敵軍を迎え撃つぞ!!」
別働隊如き野戦で十分。
少なくとも彼はこの時点ではそう思っていた。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※薊※※※※※※※※※※※※※※※※※
※※※※※※※※※※┏━■━━━━━■━━━┳━━━━■━━━○遼東※※
※西涼☆┓※※※上党■┓晋陽※業β┏━━━┳■渤海┏━┛北平※※※※※
※※※※┃※弘農※※┃┗━━━━━■━━┓┗━━━■平原※※※ ※
※※※※┃※┏□━┓┃洛陽※※陳留┃※※■━━━■┻━┓※
※西平☆┫※┃※※┗■━━━━┳━□━━┫濮陽※済南※┃※
※※※※┃※┃長安※┗┓宛┏━□許昌※※┃※※※┏━■┛※※
※天水┏☆━☆━━━━□━┛※┣━□━━□小沛※┃北海※※※※※
※※※┃※┏┛※※※※┣━━━□━┓言焦┃┏━━┛※※※
※武都☆━☆漢中※※※□新野※汝南┃※※┗□下丕β※
※※※┃※┃上庸※襄陽┃※※※※※┃※※┏┛※※※※
※※フ ☆━┻☆━━━━☆━┓※※※┃※※□広陵※※
※※※┃※※┗┓永安┏┛┏☆江夏※□寿春┃※※※※
※※※┣━┓※☆━┳☆━┫┗━┓┏┻━━□┓抹陵※
※※※┃巴☆━┛※┃江陵┃※※┗□廬江※┃┃※※※
※成都☆━┛※武陵☆※※☆━━━┫※┏━┛┗□呉※
※※※┣☆建寧※※┣━☆┛柴桑※□━┛※※┏┛※※
※永昌☆┃※※零陵☆※┃長沙※※翻陽※※※┃※※※
※※※┃┃※※※※┗☆┛※※※※※※※※※◇会稽※
※三江☆┛※※※※桂陽※※※※※※※※※※※※※
※※※※※※※※※※※※※※※※
公孫康=○ 馬騰=滅亡 張魯=滅亡 曹操=■ 孫権=◇ 新勢力「殷」=□ 雲玲=☆
・・・・・・・・・・・・・・・風邪ひきました。
咳が止まりませぬ。
本日はこれにて・・・・・・・。
>578-579
>妄想の余地があっておもしろい…w
主役の選択を間違えましたかな(藁
これからも宜しくお付き合い頂けたら幸いです。
季節外れの風邪は治りにくいものです、お大事に。
張任、廬江に流れ着いていたんですか。
あいつっていつの間にか強くなってるんですよねw
雲玲軍団の侵攻をどう捌きます事やら、お手並み拝見。
そしてまだ孫権勢力が残っている事にささやかな驚きを禁じえない罠。
>主役選択
敵討ち物語は王道にして、安心して読んでいられます。
胡姫主役物語も妄想するだけなら自由ですが、文章にするとなると辛いものですよw
あぼーん
〜軍師交代〜
信頼していた軍師による大敗は、趙範をして溝壑に落としめた。
これにより、李厳は軍師の職を解かれた。混乱の最中、督戦した
陸遜がその後任に据えられた。
三月、柴桑から江夏へふたたび軍が繰り出された。黄忠を総大将とし、
陸遜が参軍となり、以下、魏延、文聘、張嶷、鮑隆がそれに続いた。
呉牛の如く、軍が進められる。遅々として進まぬ様に、諸将は
怪訝を覚えていた。
「軍師さんよ、江夏までこのままだらだらと行軍するつもりかい」
痺れを切らした魏延が、陸遜に絡み始めた。
「西塞山あたりで曹操が兵を伏せている恐れがあります。慎重に事を
進めなければなりませぬ」
「また伏兵か? 奴らは同じことを繰り返すほど愚か者なのか」
「深山を進むにあたっては、敵が兵を伏せて奇襲の時を窺っていると
考えるべきでしょう。同じことを繰り返すという愚を犯さぬよう、心がける
ことが肝要です」
「うむう……」
魏延は唇をかみしめ、拳で自分の腿をしきりに叩いていた。
軍中にも緊張が漂う。
牛歩を以て、西塞山に入った。
「敵の気配だ。燻り出すとするか」
軍師が山に火をつけしめた。しばらくして、曹操軍が慌てて出てくる。
「今だ、大いに敵を撃ち破れ」
飢えたる虎が放たれた。殊に魏延は、目をむき出しにして突撃していった。
「待たせたな。存分に暴れてやれい」
混迷せる曹操軍は、算を乱していた。趙範軍の猛攻の前に壊滅していく。
かくて趙範軍は西塞山を突破し、声高らかに江夏へ入城した。賈逵及び
潘璋が、刀の錆と化した。
>569
よりによって、楚王になるとは思っていませんでした。
旧楚の領とはいえ、版図も小さいので。
今のところ、動きは見せていないようです。
劉姓失格w
【神出鬼没 下】
寿春
兵士「報告いたします。こちらに向かっている軍はやはり柴桑にいた雲玲軍の別働隊の様です
先陣の将の旗印は「劉」!」
文官「劉備が蜀公についた、ということですかな?」
張任「いや。劉備は長安にいる聞く。先陣の将はおそらく劉カイだ・・・・・・・」
彼のことは良く知っている。共にかっては劉璋の元で仕えた身だ。
柴桑を落としたのも彼と聞く。
どうやら雲玲の陣営はかって自分が所属していた頃とは全く違うものになっている様だ。
だが、私は自分の役目を果たすだけだ。
張任「我に続け!」
開門を促し、先陣をきるため張任は愛馬に鞭を入れた。
砦にて、味方の兵を展開させる。
数的には勝っている自軍の弛緩を正す為に、篭城ではなくわざと砦まで進軍させた。
背後は湖。敵軍を殲滅出来なければ逃げ場は何処にも無い。
慌てて形成した割には陣の編成は極めて上々。
張任「さあ、片付けてくれる!」
大将である張任自らも前線にて剣を振るっていた。
沙摩柯「オオオオオオオオオオオオオッ!!」
ゴビュウ!
凄まじい音と共に沙摩柯の得物が頭上を掠める。
が、張任は冷静に馬の足を薙ぐ。
沙摩柯「ウグッ!」
当然、バランスを崩し落馬した沙摩柯の周りを味方の兵が取り囲む。
張任「さあ!沙摩柯の次は誰だ?魏延か?黄忠か?それとも劉カイか!」
大音声にて味方の戦意の向上を促す。
劉カイ「大将殿はワシの首を御要望かい?」
劉カイの軍が反応し、こちらに向かってくる。
しめた。
張任は胸中で一人ごちた。
おそらく総大将である劉カイを捕らえられれば戦況はこちらの有利へと大きく変化する。
張任「行くぞォ!」
大きな獲物を捕らえようと張任が兵を動かそうとする・・・・・・・・が。
兵が思う様に動かない。それどころか背後から喧騒が聞こえる。
振り返れば敵軍の旗印。自軍の後続が騎兵によってズタズタにされている。
張任「な・・・・・・・・いつの間に?」
兵士「張任様、危ない!」
反射的に得物をかざす。
ガオォォォォォン!
やたら重そうな轟音と共に戟が張任に振り下ろされていた。
剣を真一文字に構え必死になって防いだが・・・・・・・・・・両腕が使い物にならない。
張任「ヌグゥッ!」
苦悶の表情をうかべながらそれでも自分に一撃をくれた者に一瞥をくれる。
単騎でありながら此処まで敵陣の中に進入する技量と度胸。
一撃で両腕を使い物にならなくする程の膂力の持ち主。
昔、見たことがある。
馬超「馬 孟起参上!」
張任「貴様かァ!」
かって張任が雲玲の元を離れる原因をつくったのは他でもない。馬超である。
その男が再び私を捕らえようとしている。
張任「またお前は、私の邪魔をするのか・・・・・・・」
だが気づけばおかしな話しだ。馬超は長安にいたのではなかったのか?
劉カイ「さあ、どうした?!」
考える暇は無い。
馬超とは入れ違いになって今度は劉カイがこちらを攻め立てる。
劉カイ「さあ、そろそろ蜀公閣下の元へ戻られてはいかがですかな?」
突如現れた騎馬兵等によって戦況は完全に覆された。
城に戻り篭城をしようにも背後には湖。弓の的になるだけだ。
背水の陣が完全に裏目に出た。
張任(今更蜀公の元に戻るだと?)
張任「ああ!いいだろう。今すぐこの私の首を獲れるのならいくらでも使えてやる」
腕が殆ど使えない。剣を握るのもやっとだ。
だが、気力で劉カイに斬りかかる。
張任「ぬうううううう・・・・・・・・」
一合、二合、三合切りかかった所で・・・・・・・・・。
劉カイ「・・・・・・・・だ、そうです!」
劉カイが大声で誰かに呼びかけている。
??「そう。わかった」
その声は張任を硬直させた。
張任「い・・・・今の声は・・・・・。そんな。何故此処にいる?!」
その瞬間、劉カイの馬を踏み台にして何者かが跳躍した。
高い。大空を背後に天空に舞うその姿を見て張任は単純に感想を洩らした。
張任「・・・・・・・美しい・・・・・・・」
ドガッ!ドシャァ・・・・。
耳に届くは激突音。そして多分自分が落馬した音。
視線が捕らえたものは大空に舞う一人の女性、足の裏、そして覚えのある女の将の顔。
そして最後に見慣れた「雲」の旗。
張任「蜀公になっても相変わらず、自ら先陣に立たねば気が済まないのですなァ・・・・・・・・」
そして、何も見えなくなった。
寿春 攻略
現在の状況
※※※※※※※※※※※※※※※※※※薊※※※※※※※※※※※※※※※※※
※※※※※※※※※※┏━■━━━━━■━━━┳━━━━■━━━○遼東※※
※西涼☆┓※※※上党■┓晋陽※業β┏━━━┳■渤海┏━┛北平※※※※※
※※※※┃※弘農※※┃┗━━━━━■━━┓┗━━━■平原※※※ ※
※※※※┃※┏□━┓┃洛陽※※陳留┃※※■━━━■┻━┓※
※西平☆┫※┃※※┗■━━━━┳━□━━┫濮陽※済南※┃※
※※※※┃※┃長安※┗┓宛┏━□許昌※※┃※※※┏━■┛※※
※天水┏☆━☆━━━━□━┛※┣━□━━□小沛※┃北海※※※※※
※※※┃※┏┛※※※※┣━━━□━┓言焦┃┏━━┛※※※
※武都☆━☆漢中※※※□新野※汝南┃※※┗□下丕β※
※※※┃※┃上庸※襄陽┃※※※※※┃※※┏┛※※※※
※※フ ☆━┻☆━━━━☆━┓※※※┃※※□広陵※※
※※※┃※※┗┓永安┏┛┏☆江夏※☆寿春┃※※※※
※※※┣━┓※☆━┳☆━┫┗━┓┏┻━━□┓抹陵※
※※※┃巴☆━┛※┃江陵┃※※┗☆廬江※┃┃※※※
※成都☆━┛※武陵☆※※☆━━━┫※┏━┛┗□呉※
※※※┣☆建寧※※┣━☆┛柴桑※□━┛※※┏┛※※
※永昌☆┃※※零陵☆※┃長沙※※翻陽※※※┃※※※
※※※┃┃※※※※┗☆┛※※※※※※※※※◇会稽※
※三江☆┛※※※※桂陽※※※※※※※※※※※※※
※※※※※※※※※※※※※※※※
公孫康=○ 馬騰=滅亡 張魯=滅亡 曹操=■ 孫権=◇ 新勢力「殷」=□ 雲玲=☆
>584
今年の夏風邪はかなりタチが悪いです。このスレを御覧の皆様もお気をつけ下さい。
孫権は会稽にて何とか頑張ってます。
偵察してみた所、
何故あそこまで押し込まれたのか不思議なくらい将、兵数ともに充実してました。
その内再起を図るでしょう。
では。
【狂 其の弐 上】
雲玲軍 翻陽
「寿春攻略」
早馬の報を聞き、にわかに陣に緊張が走る。
ケイ道栄「状況を開始する」
ケイ道栄が右手を大きく掲げた瞬間、森林の中から突如姿を現した兵士達が砦へと進んで行く。
ケイ道栄「これで宜しいですか?」
視線の先には涼しい顔で立っている軍師。諸葛 孔明の姿があった。
満寵「しかし驚きましたな。ついこの前まで長安にいたお方がこうして翻陽にいるのですから」
孔明「貴方々の驚きは、敵陣にとって数倍のものとなるでしょう
『奇』を使うのは戦の常道。出来る事ならば早いうちに揚州をこの手にするのがこの策の最上の結果です」
寿春とはまた別の方向から進軍してきた雲玲軍を推し留める力を持った将は、翻陽にはいなかった様だ。
呂範、夏侯徳、朱然・・・・・・。次々と敵将捕縛の報が知らせられる。
翻陽の攻略も時間の問題のように思えた。
少なくとも、まだこの時点では。
満寵「よし、後は砦の中だけだ。各将、慎重に進軍せよ」
号令をかけた後、満寵自らも砦の中へと進入していった。
寿春を落とした時点でここ、翻陽は孤立している。
駐留している兵は約2万。
増援を送る間も与えずに進軍した結果だ。
満寵「・・・・・・・これが『策』か」
柴桑を瞬く間に落としたのもかって第二軍団に所属していた司馬懿とかいう軍師の手柄だ。
満寵「もう戦場は『武』のみで決する場では無いのかも知れぬな・・・・・・」
少し寂しそうに満寵は一人ごちた。
そんな満寵の目前を何かが通り過ぎる。
敵兵か?!
いや人影には違いないがあまりにも小柄だ。
「クスクスクス・・・・・・・・・・・・・」
笑い声?
しかしその声はあまりにもか細い。
幼子の声だ。
満寵「何故こんなところに・・・・・・・?」
不信感を感じずにはいられないが放っておくわけにも行かない。
「カタッ・・・」
物音がする。
満寵「そこにいるのは誰だ?」
満寵が今いる廊下のような所は正面で左へと曲がっている。
物音はその先から聞こえてきたように思えた。
こちらの呼びかけには何も答えない。
満寵「我々は女子供、非戦闘者に危害は加えない。此処は危険だ・・・・」
??「コッチだよ・・・・・」
再びか細い声が聞こえる。
満寵がそちらへ身を向けた瞬間。
ゴオッ!
重い轟音が鼓膜をたたく。
ドオォォォォォォォォォォォォォン!!
何があったのか判らない。
あたりを粉塵が漂っている。
ひとまず視界の中にあったのは――――――――――――矛であった。
左手の壁を突き破り、右手の壁に突き刺さっている。
粉塵は壁を突き破った際に発生した様だ。
だが、そんな事はどうでもいい。
やがて、硬直している満寵の元にも時間が戻ってくる。
二三歩後退し眼前にある矛を凝視する。
??「グルゥオォォォォォォォォォォォォォ!!」
化け物じみた叫び声と共にソレは姿を現した。
つい先程まで眼前にあった矛の持ち主だ。
満寵の前に立ち、真一文字に矛を薙いでくる。
ズドォ!!
満寵「グゥッ!」
満寵の身体は棒切れの如く、簡単に吹き飛ばされた。
満寵「グフゥ・・・・・・」
背中を打ちつけたようだが呼吸は何とか出来る。
着込んだ鎧のお陰だ。
満寵は上半身を起こしあたりを見回した。
とりあえす、まだ生きているようだが・・・・・・・。
??「グウゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・・・」
正面に化け物。いや、敵将。
やっぱり化け物か。
手にした得物が大きく『く』の字にひん曲がってしまっているのを見て、改めて感想を洩らした。
??「グオオオオオォォォォォォォォ!!!」
満寵「クッ!」
すんでの所で身を躱す。
ドォン!!
今度は床に大穴が空く。
(もう戦場は『武』のみで決する場では無いのかも知れぬな・・・・・・)
満寵「前言撤回だな・・・・」
頬に冷笑を浮かべながら独りごちる。得物はもう使い物にならない。
満寵はとりあえず逃げる事にした。
月替わりなので保守。
何かと忙しい時期やね。
【狂 其の弐 中】
殺戮が始まっていた。
目標は一人。
砦から出てきた大柄な男一人。
そして再び十数人もの兵士達が群れをなして襲い掛かる。
だが、その大柄な男が腕を一閃する度に兵士達の手が、足が、胴が、首が、宙に舞っていく。
ソレによって発生する返り血が、その男の異形さを更に色濃いものにしてゆく。
諸葛亮「な・・・・・・・あれは・・・・・・・」
遠目ながら、その男の脅威は良くわかる。
浴びた返り血によって変色した赤黒い、しかし尋常ではない体躯。
そして狂気の笑み。
ケイ道栄「あれは・・・・・一体?」
諸葛亮「楊脩殿、ケイ道栄殿。こちらをお任せ致します」
ケイ道栄「軍師殿?」
突如孔明は馬を走らせ単騎で先陣へと駆けて行く。
楊脩「軍師殿?!え・・・ええい、護衛兵は何をしておる。軍師殿を守れ!!」
慌てて兵士達が孔明の後を追ってゆく。
ケイ道栄「一体、如何されたんでしょうか?」
本陣に残された二人は盛んに首をかしげていた・・・・・・。
満寵「・・・・・・・・何なのだ。これは」
眼前で、次から次へと兵士が蹴散らされてゆく。
何も出来ない。
満寵「これは『武』ではない。『暴』だ・・・・・・・」
諸葛亮「お待ちください!!!」
普段の諸葛亮からは想像出来ないほどの大音声があたりに響いた。
満寵「軍師殿・・・・・・?」
何故こんな最前線に。わからない。
諸葛亮「我々は敵では有りません!!」
どうやら正面に立つあの化け物に向かって叫んでいる様だ。
しかし敵ではない・・・・・・?
満寵「どういう事だ?」
諸葛亮「劉備様も今はこちらの陣営に加わっております。我々が戦う理由は無いのです!!」
??「・・・・・・・・・・・・・」
男の動きが止まる。
満寵「劉備・・・・・・?」
諸葛亮「矛をお収めください、張飛殿!!」
満寵「?!」
楊脩「ち・・・・・」
ケイ道栄「張飛?!」
兵士「あ・・・・・あれが『燕人張飛』?!」
兵士「万夫不当の武・・・・・・あれがそうなのか・・・・」
満寵「我々では相手にならないわけだ・・・・」
満寵は心中で深々と嘆息した。
だが、あの『暴』が味方になるのであれば非常に心強い。
張飛「・・・・・・・・・・・・」
ドォン・・。
手にした蛇矛を大地へと降ろす。それだけでも重そうな激突音がした。
ケイ道栄「一時はどうなる事かと思いましたが・・・・・・」
ホウ悳「いや・・・・・・・まだ終わってはいない」
楊脩「?」
諸葛亮「劉備様を主君として盛り立てられない貴方の無念さは良くわかります。
しかし劉備様の目的は民の安寧と漢王朝復興の大義。
今はその目的の為、『蜀公』雲玲様と共に手を携えておられます。
張飛殿が生きておられる事を知れば劉備様もどんなに喜ばれる事か・・・・・・・・・・」
張飛「しかし・・・・・・・」
ここにきて初めて張飛が口を開く。
諸葛亮「はい?」
夏侯徳「・・・・・・ヘッヘッヘ」
拘束されている夏侯徳が嫌な含み笑いを洩らす。
ホウ悳「・・・・・・・・・何だ?」
夏侯徳「アイツを説得しようとしてるのか?無駄だなァ」
ホウ悳「どういう事だ」
夏侯徳「昔の仲間だか知らねぇが・・・・・あのバケモンを言葉で御出来るものか・・・・」
その言葉を聞かぬ内にホウ悳は駆け出していた。
ホウ悳「間に合ってくれよ・・・・・・・・軍師殿、その男は危険だ!」
張飛「あのよォ・・・・・・・」
諸葛亮「はい?」
張飛「誰だ?お前」
諸葛亮「!?」
張飛「知ったような口をベラベラ叩きやがってよォ。誰なんだよ手前ェ・・・・」
諸葛亮「わ・・・・・・・私です。孔明です!!」
張飛「・・・・・・・・・・・知らねぇなァ」
徐々に張飛の肉体に『氣』が充満してゆく。
その先にあるものは『死』だ。
諸葛亮「張飛殿?!」
張飛「ウゼェ・・・・・・死ねよ」
ゴォウッ!!
孔明の頭上に蛇矛が振り下ろされる。
孔明(どうして・・・・・・・・・)
時間がやたらゆっくりと感じられた。
だが実際はあと一秒にも満たない時間で自分は死ぬ。
張飛の手で。
それが悲しかった。
とても。
>保守ありがとうございます。
諸葛先生、さり気なくでも何でもなくさも当然のように大ピンチ!?
hosyu
〜伐楚〜
夏四月、趙範は張松を成都に呼び寄せ、互いに酒を酌み交わしていた。
「永年よ、楚をそろそろ平らげたいと思うのだが」
「といいますと」
「おぬしが知らぬなんてことはあるまい。漢室復興を掲げておきながら
楚王を自称した奴じゃよ」
「わかっておりますよ。劉備でしょう」
張松は跳ね上がった口髭を引っ張りながら、赤ら顔で笑みを浮かべた。
「相変わらずだな。荊州にいてもそんな調子なのだろう」
「いかにも」
「まあ、その方がおぬしらしくてよい」
趙範はそういって、酒肴に箸を進める。
「江夏は既に占拠した。そこから新野、宛へと攻めあがっていくには、
襄陽に彼奴が居座られると邪魔だ」
「匕首を突きつけられるわけですな」
「そうだ。その後はできるならば上庸にも兵を進めて、一気に滅ぼしたいと
思っているが」
「それが賢明でしょうな。今の上庸は物資に富んでいる。かい良のごとく、
一城に兵を集結させてしまいかねません。張飛が曹操に奔ったといえ、
あの髯将軍はいまだ健在ですから、なおさら脅威になるでしょう」
「そうじゃそうじゃ。おぬしならばそういうと思っていたわい」
趙範は上機嫌で家僮を呼び、酒を持ってくるようにいいつけた。
「して、指揮はどうなさいますか」
「ああ、それは将らに任せるとしよう。わしがあれこれと口出しすることも
あるまい」
天を仰ぎつつ、趙範は扇を振るって涼を取った。
「趙」の字を染め抜いた旗幟が、江陵より北へ向けて動き出した。江夏を
占拠した後、趙範軍進撃の障壁となったのが、襄陽に籠もる劉備の軍勢で
ある。江陵の部隊は精兵でなかったが、陸遜や魏延らが率いる江夏の
援軍を以て襄陽を占拠した。しかしながら、その損耗は甚だしく、翌五月に
新野より曹操軍の攻めるところとなった。相手は正規軍のみ八万である。
援軍あわせて十三万を以て、趙範軍は曹操軍を追い払った。これにより
新野は手薄になった。江夏より進攻をかけた趙範軍は、難なく新野を
手中に収めた。
六月、襄陽の太守となった郭淮は、黄権や参軍の諸葛亮とともに
十二万の兵を以て上庸を攻めた。十万弱の劉備軍が、これを邀撃した。
半月余、捷報が成都に届いた。捕虜となった者たちが、桎梏を
はめられて成都の城内に姿を現した。このまま身を屈するならば、
将および家族の身を保証する、と趙範は伝える。しかし、彼らは
肯んじない。殊に、髯を長く蓄えている将軍――劉備の旗揚げより
付き従ってきた義弟・関羽――は、眼光鋭く趙範を捉えていた。
615 :
無名武将@お腹せっぷく:03/09/14 18:36
保守、浮上するか。
【狂 其の弐 下】
突然視界を何かが遮った。
激突音。
後方へ吹き飛ばされる。
いや、誰かに突き飛ばされたのだ。
誰に?
ホウ悳「我は『蜀公』雲玲様の腹心、ホウ令明。ここからは私がお相手しよう!」
諸葛亮「ホウ悳殿?」
張飛「こっちの方が歯ごたえがありそうだなァ!」
ホウ悳「腹を壊しても知らんぞ!」
挨拶代わりに一撃を食らわす。
だが張飛も簡単にソレを弾く。
張飛「グウゥゥゥゥゥゥゥゥ!」
蛇矛を上段に構え、振り下ろす。
ガオォォォォォォォォン!!
ホウ悳も負けてはいない。角度をずらし力を逃がしながら再び一撃を食らわす素振りを見せる。
楊脩「その絆は何よりも厚く、いかなる苦境においても常に『仁』の劉備の元には関羽、張飛が侍る・・・・・」
ケイ道栄「所詮は民草の噂に過ぎない・・・・・ということなのか?」
諸葛亮「そんな訳は無い!」
そう信じたい。だが、現実は違う。
何故だ?何かが違っている。何処かで間違っている。
ホウ悳(一撃一撃が必殺の威力を備えている。更に一見、我武者羅に振り回しているようでまるで隙が無い)
「これは厄介な相手だ・・・・・・・」
一方、張飛の方は心中穏かでは無かった。
先程眼前に現れた男は、戦場に似つかわしくない清んだ瞳をこちらへと向けていた。
只、一方的に此方を信頼しているような。
張飛「ウゼェ・・・・・」
だが、似た様な瞳を何処かで見たような気がする。
あれは何処だったか・・・・・・・・・・・・・・・・・。
大切な何かを何処かへ置き忘れたような感覚。
大切な誰かを忘れてしまったような感覚。
心にぽっかりと穴があいてしまったような感覚。
それらが張飛の一撃を鈍らせる。
ホウ悳「フン!」
張飛「グッ・・・・・」
張飛の巨体が揺らぐ。
張飛「ウゼェって言ってんだコラァ!」
だが、伊達に万夫不当とまで称えられてはいない。一撃で状況を五分に戻した。
ホウ悳「フン。そう簡単には倒せんか」
張飛「あたりまえだろォが!」
このホウ悳とかいう男。強い。
これまでの相手は蛇矛の一撃でカタがついたはずだ。だが、コイツはまだ倒れない。
こんな男、初めてだ――――――――――――――――
バッ!
突如、張飛の視界に桜の花弁が舞い散る。
張飛の脳裏にとある景色が浮かび上がる。
立っている男、その前に仰向けになって倒れている男。
張飛(倒れているのは――――――――――俺?)
峠のような場所。二人以外には此処には誰もいない。
これは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・誰の記憶だ?
立っている男「お前は只、勘に頼って振り回しているばかりだ。もっと考えなければな・・・・・・」
張飛を打ち倒した男はそのまま去って行く。
男「尤も・・・・・お前はその『勘』が恐ろしいのだがな」
堂々とした体躯。この男も只者ではない。
男「さあ、いつまで寝ている?長兄がお待ちだぞ」
そう言って男が張飛に向けた視線―――――――――――
張飛(これだ!!)
先程の軍師らしき男が俺に向けた視線。
まるで信用しきった視線。
これは―――――――――
ガィィィィィィィィィィィィィン!
もう何度目かの、重そうな激突音が木霊する。
だが、ホウ悳は気づいている。
刃を付き合わせる度に、得物を振るう徐々に張飛の膂力が落ちている事を。
ホウ悳「・・・・・・・・・・・どうしたのだ?」
張飛(コイツ・・・・強ぇえ・・・・)
だが、いつもの自分なら互角以上に戦える相手の筈。
だが、現状は膠着したままだ。
張飛「・・・・・・・・・・・・・・・・・・いつもの俺って何だ?」
いつもの俺・・・・・・・・・・。
いつも俺がいた場所・・・・・・・・・・。
いつも張飛に向けられた視線―――――
バッ!
再び視界を桜の花弁が埋め尽くす。
張飛(俺は・・・・・・・・・・・・)
そうだ。そういえば・・・・・・・若者を助けた事もあった。
若者「母親にお茶を飲ませてあげたいのです」
張飛(俺は・・・・・・・・・・・・)
呂布「この城は、俺が貰う」
張飛「兄者、すまねぇ・・・・・・・!」
張飛(俺は・・・・・・・・・・・・)
劉備「関羽の事だ。余程の事情があるのだろう」
張飛「長兄・・・・・・」
張飛(俺は・・・・・・・・・・・・)
そうだ。その瞳は俺を見守ってくれていた。守っている様で、逆に守られていたのだ。
そう、あの桜舞う、あの場所から全ては始まったのだ――――――――――――――――
三人「生まれし時は違えども・・・・・・・・・・・・・・・・」
張飛「・・・・・・・・兄者」
涙が頬をつたう。自分は今、何をやっているのだろう?
ホウ悳「隙あり!」
ドゴッ!
どうして忘れてしまっていたのか。ぽっかりと穴が空いた?否。
失ってしまった何か、それが自分の全てだったのだ。
張飛「兄者に、会いてぇなぁ・・・・・・・・・」
ドォッ。
そのまま張飛は前のめりに倒れた。
諸葛亮「・・・・・・兄者ですと?張飛殿?!」
ホウ悳「こんなタフな奴は初めてだ。出来れば、二度と戦りたくないな」
翻陽 攻略
623 :
無名武将@お腹せっぷく:03/09/15 19:39
うんこノベルさらしあげ
保守
〜楚滅亡〜
「な、なかなかの壮士だな」
眼光に怯えながら、趙範は関羽に声をかけた。
「それは褒め言葉のつもりか」
「も、もちろんだ。その胆力を、我が軍の為に振るってはみないか」
「断る」
縄の中の士は微動だにしない。
「そ、そのようなつれないことを」
「殿」
焦燥せる主君の肩に、張松が手をかけた。趙範が振り向くと、彼は軽く
目を瞑りながら首を横に振っていた。
「諦めろと、いうのか」
「あの者の意志は固うございます。猛き虎は野に放つべきではありません」
「し、しかし」
「一時の情に絆されることが、一生の仇となりうるのです」
「……わかった」
趙範は、目を背けながら関羽を刑場へ連れしめた。
次いで、劉備が趙範の許に引き立てられた。傲然ともいえる涼しさが、
彼の貌に顕れていた。
「おぬしは何故、漢朝の復興を掲げておきながら、楚王などと僭称したのだ」
趙範は、威儀を正して劉備に向かった。
「今の皇室は、果たして正統な血胤でしょうか」
「は?」
「いささか疑問がありましてな。ところで、漢の宗族が楚王となっては
いけないとは誰が決めたのですか」
「楚といえば、漢朝を成した高祖の敵が名乗った王号ではないのか」
「いやいや、趙範殿は楚王戊をお忘れです」
西漢景帝の治世において、呉王劉[シ鼻]に呼応して反乱を起こした
者である。
「その、楚王戊とは何のつながりがあるのだ。おぬしは中山靖王勝の
末裔ではないのか」
「そのような話、もうどちらでもいいではありませんか。もう、関羽を
斬ったのでしょう? ならば、私が生きている意味などないのですから」
「ふん……まあいいだろう。おぬしの変節など」
問いただす気が失せていた。劉備は従容として刑場へ歩んでいった。
関羽斬首
寿命が心配だ
hosyu
ほ
しゅ
ほっしゅ。
632 :
無名武将@お腹せっぷく:03/10/17 08:04
【虎伏 上】
会稽
周瑜「今となってはこの地で募兵を募り、武を磨き、雌伏の牙を研ぐより他手はありますまい」
眼前に座する我が主君に対しこんな答えしか出せない自分が歯がゆく思えた。
此処は会稽。孫権陣営の唯一の領地である。
広陵より端を発した新勢力の台等により最も大きな被害を受けているのは曹操ではなかった。
既に(当時)大地の半分近くを領地としていた曹操に対し、
孫権の陣営はもとより、それほど大きな版図をもっていた訳ではない。
更に孫朗の造反等により次々と地と将兵らを奪われ、孫権等はこの僻地にまでおいやられていた。
孫権「う〜ん。もう駄目なのかねぇ・・・・・・・・・」
兄弟の裏切り、将兵達が次々と奪われてゆく中で精神的にも疲弊しているのだろう。弱気な言葉が漏れる。
軽口ではあるが。その発言は。
周瑜「将の弱気は配下の者に伝染いたします。その様な発言は御控えられますよう」
その言葉に孫権が反応する。
孫権「・・・・・・・・・そうだねぇ。兄上が聞いてたらブン殴られるなぁ」
周瑜「・・・・・・・・・・・・・・・・」
孫策 伯符
彼が今のこの現状を目にしたら何と言うだろうか。
私を叱責するだろうか?
それとも只、嘆くだろうか
孫権「兄上は弱音とか吐かなかったからなぁ」
心中を読み取ったかの様な孫権の発言に今度は周瑜がビクッと反応する。
周瑜「・・・・・・・・・・・・・・確かに、そうでしたね」
孫権「ま、いい。これまでと同じように周瑜に任せる」
周瑜「・・・・・・・・・・・・・・・・ハッ!」
〜周瑜の自室〜
しかしこの様な状況においても孫権の言葉には何処か余裕を感じさせる。
表情も切羽詰った自分とは全く違う、落ち着いたものであった。
あの余裕は何処からくるのであろうか。
周瑜「私も見習わなければならんな・・・・・・・・・」
静かに独りごちる。
義兄弟である孫策と共に幼き日に見出した大器は、今やこんな僻地で燻っている。
何故だろう。
答えは簡単に出る。
周瑜「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・私の所為か」
孫権の勢力が此処まで削られたのは軍を預かる自分の所為だ。
そして現状を打破する為には最早孫権とゆう人物に賭けるしかない。
いつか、孫 仲謀の咆哮が唸りを上げ、この大地に響き渡る日がくる筈だ。
周瑜「・・・・・・・・その為に一番不要な者」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・その回答も直ぐに出た。
周瑜「私は孫家に忠誠を誓った身。しかし・・・・・・・・・」
見てみたいのだ。孫 仲謀が天下へと名乗りを挙げるその姿を。
それに――――――――――――
周瑜「ゴフッ・・・・・ゴフゴフ・・・・・・・・・・・・・」
突如咳き込んだ周瑜の口元から赤い液体が滴り落ちる。
周瑜「私に残された時間は少ない。許してくれ、伯符・・・・・・・・」
その夜、周瑜は会稽の地を後にした。
【虎伏 下】
キイィィィィィィィィィィィィィィィィン・・・・・・・・・・・・・。
甲高い、しかし静かな音を孫権は自らの寝室で耳にした。
孫権「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何だ?」
床につこうとした孫権は手短な燭台に火を灯した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
何も聞こえない。
孫権「気のせいか」
燭台の火を消し、再び座臥に戻ろうとする・・・・・・・
キィィィィィィィィィィィィィン・・・・・・・・・・・・・。
また、聞こえた。
鐘の音、より甲高い何処か悲しげな音。
孫権「・・・・・・・・・・・・・・・・」
再び座臥から身を離す。だが今度は火を灯さない。
寝室を出、音に導かれるように廊下を歩く。
キィィィィィィィィィィン・・・・・・・・・・・。
辿り付いた場所は会堂。
軍議等に用いられる一室である。その最奥に主たる孫権の座すべき場所があるのだが・・・・・・・。
何者かがそこに座っている。
口元に笑みを浮かべながら。
キィィィィィィィィィィィィィン・・・・・・・・・・・・・・。
その男の顔を見、孫権は硬直した。
文字通り、金縛りにあったかのように・・・・・・・・。
先程から続く甲高い音は、男が持つ、剣から聞こえているようだ。
??『久しぶりだな。仲謀』
孫権「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・兄者」
孫権が座すべき将の座。そこに座っていたのは死んだはずの兄、孫策伯符であった。
孫権「兄上・・・・・・情け無い弟に呆れ果てて迷って出たかぃ?」
自分でも驚くほどスラスラと言葉が出る。
身体は相変わらず硬直して動けないが。
孫策『・・・・・・・・・・・・・そうだな。それもある』
ユラリ・・・・・・・・・・・・・と孫策が立ち上がる。そして音を立てず孫権の眼前にまで移動した。剣を抜き放ち。
孫権「!」
ブワッ!
大上段から剣が振り下ろされる。が、刃は孫権の額の直前で止まっていた。
憤怒の形相の、孫権の前で。
目を大きく見開き、口元から血がこぼれそうなほど歯を食いしばる。
その表情は、人というより獣のそれに近い。
その表情を見、フッ・・・・・・と孫策から笑みがこぼれる。
孫策『まだ足らん・・・・・・・・・・・・・・・・が全く足らない訳でもない。安心した』
刃を鞘に収め、孫権を見つめる。孫権の表情は変わらぬままだ。
孫策『まだ足らん』
先程と全く同じ言葉を口にする。
孫策『もっと飢えろ。武に、学問に、力に、智に、大地に、己に』
言葉を続ける。
孫策『全てを奪い、喰らい、飲み込め!他を見、他が持つものを全て己のものとしろ!!他者を認めるな、それは敗北を意味する』
死んだはずの兄が何故此処にいるのか?
だが、そんな疑問を今は浮かべる時ではない。
孫権は孫策の言葉を一つ一つ噛み締めるように聞き入っていた。
孫策『私はお前を認めてしまった。それは一つの敗北』
再び孫策の表情から力が抜ける。
孫策『天下に名乗りを上げ、敗北を味わった者に天は容赦はしない。あらゆる手段を以って天命は己を焼き尽くす』
孫策『・・・・・・・・・・・・・・お前は私の様には、なるな』
ゴオッ!
突如強風が二人の間を吹きぬける。
孫策『忘れるな・・・・・・・・・・・・・』
突如視界が開ける。
孫権が最初に目にしたものは―――――――――――――――――天蓋だった。己の坐臥の。
身を起こしてみる。
左右に広がるは見慣れた寝室。
孫権「・・・・・・・・・・・・・夢、だったのか?」
だが、厳しくも心地良い夢であった。
一人笑みを浮かべ、再び座臥へ身を降ろす。
ギシッ・・・・・・乾いた音を立てて身をよじらせた孫権の眼前にあったのは・・・・・・・
忘れもしない、兄が持っていたあの剣だった。
翌朝、会稽に駐留する孫権勢力の将、誰もが動揺を隠せないでいた。
軍の最高指揮官である周瑜が失踪したのだ。
孫権の命により会堂に召集された誰もが孫家の終わり予感していた。
孫権「これより軍議を始める。議題は呉、それに抹陵の攻略だ」
周瑜の失踪などまるで気にも止めないようにサラリと言い放つ。
文官「し・・・・・・・しかし周瑜殿が」
突如孫権は懐より剣を抜き放ちその切っ先を文官へと向ける。
孫権「お前が仕えているのは周瑜か?」
文官「い・・・・・・いいえ・・・」
ズガァッ!
返す刀で目前の机を叩き切り、大音声にてこう言い放った。
孫権「軍は私自らが見る。そして、我はこれより乱世の修羅と化す。我が命にそぐわぬ者は皆悉く眼前の机となる事を皆、心せよ。
良いな!」
一同「ハハッ!」
天下へは、自らの足で歩まねばならないのだ。それがどんな過酷な事でも。たとえ志半ばで敗れようとも。
心が折れない限り、それは敗北ですらない。
もう、父はいない。
兄もいない。
黄蓋も、魯粛も、陸遜も。
―――――――――――――――――――――――そして周瑜も。
643 :
無名武将@お腹せっぷく:03/10/31 01:31
韓玄太郎
【優なるは将のみにあらず】
早朝、長安に早馬が届く。
その報を聞き口元に笑みがこぼれる。
司馬懿「・・・・・・・・・・・・良し。軍議だ」
その少し後、長安に駐留する将が一堂に集められた。
召集者は司馬懿。長安の軍師である。
劉備「一体如何されたのだ?いきなり召集とは」
魏延「この地は退屈すぎて腕が腐りそうだ」
劉度「(´・ω・‘)ショボーン」
先ずはかってのの大都市、この長安を守る事を第一に諸葛亮は考えた。
地の重要さもさることながら、何といってもこの地は最前線。
ドウ関、武関を越えれば謎の新勢力が支配する地である。
それに対抗する為この地には名の通った将が揃えてある。
魏延、黄忠ら古くからの将から劉備、司馬懿、そして先の攻略戦で雲玲に下った張合βである。
・・・・・・・・・・・・あとは徐晃が降らなくてガッカリしてるあの人とか。
もとい、これだけの面子を揃え、最前線の防備を強固なものとしている。
が、防備を強固にしているだけである。
いつまでもこの地に篭っているのは魏延ら好戦派な将にとっては退屈すぎた。
司馬懿「議題は新勢力が支配する弘農の攻略です」
魏延「そうか!久々に戦場で己が武を披露する時が来たのだな?!」
劉備「しかし、孔明はこの地を守る事を第一と考えていた筈だが・・・・」
黄忠「何より主君の意に背く事にならんのか?我々が勝手に動いては」
劉度「(´・ω・‘)ショボーン」
司馬懿「ご安心ください。蜀公様に御伺いを立て、その回答が先程届いた所です」
魏延「そうか!雲玲様が良いというのなら問題は無いな」
劉備「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
黄忠「確かに。ならば我等も気兼ねなしに武を振るえるというものだ」
劉度「(´・ω・‘)ショボーン」
司馬懿「この攻略戦には張合β殿にも加わっていただきます」
張合β「・・・・・・・・・・・・わかった」
司馬懿「異論はございませんね。あと、紹介いたします。私の推挙でこのたび軍に加わった者がおります
紹介いたします」
司馬懿の言葉が終わらぬうちに一人の男が立ち上がり、皆にその姿を見せる。
劉備「・・・・・・・・・・・・・・・あの男は・・・・・・」
劉備は驚愕していた。見た事がある。下丕β城で、許昌で。そして虎牢関で。
張良「張 文遠と申します。お見知りおきを・・・・」
司馬懿「我等が一丸となれば弘農攻略など容易い事・・・・・・・。では具体的な策を・・・・」
軍議はつつがなく進行していった。
軍議が終了し、将達が退室していく中、劉備は一人座し続けていた。
殆ど人がいなくなってから、改めて劉備は口を開いた。
劉備「司馬懿殿、何をそんなに急がれる。まずはこの地を守れば良いと孔明は・・・・」
司馬懿「孔明、孔明孔明孔明・・・・・・・・・・・劉備殿の諸葛亮殿における信は相当のものの様ですな」
劉備が語り終わらぬうちに司馬懿が身を乗り出して反論する。
その言葉に多少ムッ・・とした劉備が言葉を返す。
劉備「こんな事は言いたく無いが、先程の張良殿も張合β殿もついこの前まで曹操の配下であった者・・・・・・・」
司馬懿「彼らが再び曹操に寝返ると?」
劉備「そう言う訳では無い・・・・。少し急ぎすぎてはいないかと・・・・」
司馬懿はダン!と両の手の平で机を叩き顔を劉備の目前にまで近づけた。
司馬懿「では劉備殿にだけ教えてあげましょう・・・」
司馬懿は劉備の眼前で不敵な笑みを浮かべた。
司馬懿「ハッキリ言っておきます。私はいつまでも諸葛亮殿の後塵を拝するつもりはありません」
劉備「・・・・・・・・・・・」
司馬懿「私はいつか、第一の軍師である彼の地位を奪い取るつもりです」
劉備「・・・・・・・・・地位?」
司馬懿「そうです。私は名を残したいのです。天下に名だたる名軍師として!当代随一の名軍師として!
私にはそれが出来る」
劉備「名を・・・・・・・・残す?」
司馬懿「その為には実績が必要なのです。万人が認める結果が!
だから私は急ぐのです」
気圧されて劉備が二、三歩後退する。
笑みを浮かべ司馬懿が締める。
司馬懿「いつか、貴方の口から先程の諸葛亮殿の名を口にした時の様な信を込めて・・・・・・・・・・・・・・・私の名を言わせて見せますよ」
満足げに劉備の脇をすり抜け退室しようとする。
が、その首が、首から上だけが突然180度回り再び劉備に語りかける。
司馬懿「弘農攻略には劉備殿にも参加していただきます。宜しくお願い致します」
それだけ言うと司馬懿は部屋と出て行った。
結果から語れば弘農攻略は雲玲軍の大勝利に終わった。
現在の状況
※※※※※※※※※※※※※※※※※※薊※※※※※※※※※※※※※※※※※
※※※※※※※※※※┏━■━━━━━■━━━┳━━━━■━━━○遼東※※
※西涼☆┓※※※上党■┓晋陽※業β┏━━━┳■渤海┏━┛北平※※※※※
※※※※┃※弘農※※┃┗━━━━━■━━┓┗━━━■平原※※※ ※
※※※※┃※┏☆━┓┃洛陽※※陳留┃※※■━━━■┻━┓※
※西平☆┫※┃※※┗■━━━━┳━□━━┫濮陽※済南※┃※
※※※※┃※┃長安※┗┓宛┏━□許昌※※┃※※※┏━■┛※※
※天水┏☆━☆━━━━□━┛※┣━□━━□小沛※┃北海※※※※※
※※※┃※┏┛※※※※┣━━━□━┓言焦┃┏━━┛※※※
※武都☆━☆漢中※※※□新野※汝南┃※※┗□下丕β※
※※※┃※┃上庸※襄陽┃※※※※※┃※※┏┛※※※※
※※フ ☆━┻☆━━━━☆━┓※※※┃※※□広陵※※
※※※┃※※┗┓永安┏┛┏☆江夏※☆寿春┃※※※※
※※※┣━┓※☆━┳☆━┫┗━┓┏┻━━□┓抹陵※
※※※┃巴☆━┛※┃江陵┃※※┗☆廬江※┃┃※※※
※成都☆━┛※武陵☆※※☆━━━┫※┏━┛┗□呉※
※※※┣☆建寧※※┣━☆┛柴桑※☆━┛※※┏┛※※
※永昌☆┃※※零陵☆※┃長沙※※翻陽※※※┃※※※
※※※┃┃※※※※┗☆┛※※※※※※※※※◇会稽※
※三江☆┛※※※※桂陽※※※※※※※※※※※※※
※※※※※※※※※※※※※※※※
公孫康=○ 馬騰=滅亡 張魯=滅亡 曹操=■ 孫権=◇ 新勢力「殷」=□ 雲玲=☆
>643 半ば終了状態であるこのスレの保守。
ありがとうございます。
〜中道に斃れる〜
七月、秋風が蕭々と吹くある夜のことである。
趙範は寝床にあって、悪夢に魘されていた。その翌朝から、彼は廟堂に
姿を現さなくなった。体どころか、声までも自由に動かすことが出来ずに
いた。
――趙範、病篤し。
の報が領内を駆け巡る。領内にいる、医に長ける者をして君主の病を
診しめたが、快方の兆しは一向に顕れない。
「趙範様、費文偉に華佗を捜させております。もうしばらくの辛抱ですぞ」
張松が、目を虚ろにしている君主を揺さぶった。
もはや、領内には拘っていられなかった。望み薄きことと思えども、
領外に赴き、名医の誉れ高き士を説き伏せんともしていた。
しばらくすると、虞翻が梓潼より綿竹関を越え、成都の寝室に姿を現した。
「おおお、これは痛ましきことになっているではないか」
覚束ない足下で、赤ら顔をした「名医」は趙範に近づく。
「虞翻殿、また呑んでいたのか」
「看病するのに、飲酒は関係ないではないか。ひっく」
張松を意に介する様子はない。病床の君主の様子を、戦場にて傷ついた
兵を診るが如く手当を施す。
「う……」
体を震わせながら、趙範は喘いだ。苦悶の表情は晴れない。
「む、これは考えたくないことだが……」
「どうした」
「殿の病は……膏肓に入ったかもしれぬ」
「なんと」
「いや、病というのも違うかもしれない。どういえばよいかわからぬが、
病を越えた何かであろうか」
虞翻は頭を抱え、座り込んだ。
「君に……叛き……」
趙範が、譫言を発した。丹田に残った、最後の気を振り絞るかの如く。
「趙範様!」
「士を……戮した……罪は……これなのか……」
その言が最後だった。虚ろだった趙範の目は、
二度と開かれることがなかった。
物語の成り行き上、関羽を斬首したためにこのような結果となりました。
私の趙範リプレイは、これで終了させていただきます。
ここまでくるだけでも一年をかけてしまいました。
いろいろと怠ってしまい、申し訳ありません。
それでもここまでお読みくださったみなさま、感謝いたします。
この場で四度もリプレイを書いていったのは、ひとえに
みなさまのご声援のおかげです。重ねてお礼申し上げます。
Σ(゚Д゚) 趙範殿!
乙ですた…しかし関羽の呪いはオソロスィ……。
>652
趙範も結構な歳とはいえ、関羽を斬首した翌月に逝ってしまうというのは
もの悲しいですね。
書き込みありがとうございました。
【すれ違い】
張良、張合β。共にその名に恥じぬ大活躍であった。
寝返るかも・・・・・と思われた劉備の心配も杞憂に終わった。
軍師である司馬懿はワザと彼らの隊を最前線に置き、あえて孤立させたのである。
劉備「虎穴に入って虎に力水を与える・・・・・・・・とはな」
二人の隊はそんな中においても屍と、投降兵の山を築いた。
だが彼等はたった一人の敵将の前に足止めを喰らう事となる。
『趙』の旗の前に。
趙雲「我は趙子龍!命惜しくば道を開けい」
連戦連勝であった二軍も趙雲相手では今までの様にはいかなかった。
寡兵でありながら張良、張合βの指揮する部隊を一手に引き受けた趙雲の所為により、雲玲軍は一時撤退の危機にさらされたのだ。
しかし、結果は雲玲軍の勝利に終わる。
劉備は急いでいた。
遠目ながら、彼の目は「趙」の旗を捕らえていたのである。
その旗を支える支柱がヘシ折れ、人の波に埋没していった様を。
面会は司馬懿に止められるかもしれない。
だが、会わない訳にはいかない。
一目見るだけでもいい。
司馬懿が自ら、雲玲の書簡による指示の元捕獲した敵将の処遇を降している。
縄によって捕縛され居並ぶ将の中、劉備が見つけたのは・・・・・・・・・・・・・・・。
『趙』範であった。
魏延「・・・・・・・・・・・・・なにやってんだアンタ」
趙範「いやぁ。参りましたな」
荊南に赴任していた趙範は曹操軍をへて、今は新勢力の元にその身をおいていた。
ずぶずぶずぶ・・・・・・・・・・・・・。
劉備の肩が落ち、力なくその場にへたり込む。
捕らえられたのは趙雲では無かったのだ。
結局、下らぬ者以外は全て解放された。
趙範も。
>653四代目趙範(六代目韓玄)殿。
思えば同時に書き込んでしまったりとかありました。
氏の様な深みのある文は私には書けませぬ。
勉強させて頂きました。
そして、お疲れ様でした。
こちらの趙範は・・・・・・・・・・。
「趙」違い激しくワロタ
劉備の寿命が縮まんといいのだがw
659 :
無名武将@お腹せっぷく:03/11/11 15:28
ウンコ
【広陵攻略戦 上】
翌月より曹操の反撃が始まった。新勢力下にあった下丕β、広陵を一気に奪ったのである。
これにより抹陵、呉が孤立。
その直後、雲玲は、呉を攻略した孫権陣営を牽制するために驚異的な速さで軍を進め、
遂には抹陵の攻略に成功する。
〜抹陵〜
孔明「好機ですね」
雲玲「何が?」
今更何を言ってるんだか・・・・・。と言いたげな雲玲に対し、孔明が続ける。
孔明「広陵です。曹操は広陵に十分な兵力を駐屯させておりません。
更に寿春からの援軍にも期待できます。今なら・・・・・・・」
雲玲「でも我々が進軍すれば曹操も兵を回すんじゃないの?最前線になるワケだし」
孔明「最前線であるからこそ、隙の見える今が好機なのです。日がたつにつれ、広陵の攻略が難しくなります。そして・・・・・」
サッ・・・と扇を馬超らへと向ける。
孔明「幸いにも我々には速さと強さを同時に併せ持つ、この大地に比類無き騎馬軍を保有しております。
『兵は拙速を聞くもいまだ功の久しきをみざるなり』と申しまして・・・・・・・」
雲玲は孔明を手で制すると馬超等に問い掛けた。
雲玲「軍師殿はああ言ってるけど・・・・やれる?」
「やれる」と聞いて「やれません」などとのたまう将はいない。
雲玲軍 兵約10万(援軍込み)VS曹操軍約5万(+援軍?万)
馬超、ホウ悳等が中心となり驚くべき速さにて城門へと迫る。
敵である曹操軍は元より雲玲の兵等ですら驚く早さだ。
馬超「援軍が来る前にカタをつける!」
ホウ悳「御意」
于禁「調子に乗るなぁ!」
正面には歴戦の兵(つわもの)于禁と許チョ等が指揮する部隊が並ぶ。
並みの者なら恐れおののくこの二将の兵等に嬉々とした表情で馬超は飛び込んで行く。
馬超「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・親父殿」
敵味方入り乱れる乱戦でも、馬超の武は一際に目立つ。
暗闇の中の灯明の如く。
(馬騰「涼州人の灯火を消してはならぬ」)
馬超「涼州を遠く離れたこの地でも、我とゆう灯火を吹き消す者はおらん!」
手を薙ぐ、足を薙ぐ、馬を薙ぐ、胴を薙ぐ。
馬超「この涼州の武をとくと見よ!」
武具を薙ぐ、首を薙ぐ、命を薙ぐ・・・・・・・・・・・・・・・そして心を薙ぐ。
既に広陵守備軍はズタズタにされていた。
兵士「馬超様を中心とした我が軍の戦果は著しく・・・・・・」
しかしその報告を聞く雲玲の顔には渋面が刻まれている。
後続の軍が続いていない。そしてその理由も明らかなのだ。
??「道を開けい!開けぬ者は我が前に立て、一撃で沈めてくれる
・・・・・この様にな」
その前に血まみれの将が落馬する。
厳顔「おのれェッ!もう少しワシが若ければ・・・・・」
??「老体である事を敗戦の理由にするとはな。雲玲軍は舌だけは達者な様だな。
何より隻眼である我を前においてはどんな理由も言い訳にすらならん。
さあ、皆殺しにするぞ!!」
夏侯惇である。
彼に率いられる下丕βからの増援の所為で後続、及び寿春からの援軍は使い物にならなくなっていた。
雲玲「こうなったら私が・・・・・・・・」
孔明「いけません!」
雲玲の前に立ちはだかり静止する。
孔明「あの夏侯惇を中心とした援軍の強さは異常です」
雲玲「しかし、このままじゃ・・・・・」
孔明「・・・・・・・・・・・・前線の将達を信じるしかありません。
元から今回は時との戦いでもあります。城門、又は総大将の撃破が先か」
雲玲「後続をブチ破られ、我が軍が瓦解するのが先か・・・・・・・」
ふりかえり、戦場を凝視する。
孔明「・・・・・・・・・・・馬超殿。急いでください」
現在の状況
※※※※※※※※※※※※※※※※※※薊※※※※※※※※※※※※※※※※※
※※※※※※※※※※┏━■━━━━━■━━━┳━━━━■━━━○遼東※※
※西涼☆┓※※※上党■┓晋陽※業β┏━━━┳■渤海┏━┛北平※※※※※
※※※※┃※弘農※※┃┗━━━━━■━━┓┗━━━■平原※※※ ※
※※※※┃※┏☆━┓┃洛陽※※陳留┃※※■━━━■┻━┓※
※西平☆┫※┃※※┗■━━━━┳━□━━┫濮陽※済南※┃※
※※※※┃※┃長安※┗┓宛┏━□許昌※※┃※※※┏━■┛※※
※天水┏☆━☆━━━━□━┛※┣━□━━□小沛※┃北海※※※※※
※※※┃※┏┛※※※※┣━━━□━┓言焦┃┏━━┛※※※
※武都☆━☆漢中※※※□新野※汝南┃※※┗■下丕β※
※※※┃※┃上庸※襄陽┃※※※※※┃※※┏┛※※※※
※※フ ☆━┻☆━━━━☆━┓※※※┃※※■広陵※※
※※※┃※※┗┓永安┏┛┏☆江夏※☆寿春┃※※※※
※※※┣━┓※☆━┳☆━┫┗━┓┏┻━━☆┓抹陵※
※※※┃巴☆━┛※┃江陵┃※※┗☆廬江※┃┃※※※
※成都☆━┛※武陵☆※※☆━━━┫※┏━┛┗◇呉※
※※※┣☆建寧※※┣━☆┛柴桑※☆━┛※※┏┛※※
※永昌☆┃※※零陵☆※┃長沙※※翻陽※※※┃※※※
※※※┃┃※※※※┗☆┛※※※※※※※※※◇会稽※
※三江☆┛※※※※桂陽※※※※※※※※※※※※※
※※※※※※※※※※※※※※※※
公孫康=○ 馬騰=滅亡 張魯=滅亡 曹操=■ 孫権=◇ 新勢力「殷」=□ 雲玲=☆
>658
正直、趙範はてっきり自軍にいるものとばかり思っておりました(;´Д`)
また再び敵として現れるなどとは思いもしませんでしたよ・・・・・・。
小渕優子ってかわいいね
【広陵攻略戦 下】
王朗「い・・・・・急げ、城門は目の前だぞ!」
王朗の軍がようやく城門に辿り着こうかという所で騎馬の一団が眼前を遮る。
しかし、数はそんなにいない。王朗の部隊の3分の1も。
傷と血にまみれた甲冑を着込んだ一人の大柄な男が問い掛ける。
馬超「広陵太守 王朗だな」
王朗「ヒイィィィィ・・・・・・」
鋭い視線に射抜かれたように王朗は硬直した。
馬超「かかれ」
瞬時に牙狼が王朗の軍に牙を向いた。
・・・・・・・・・・・が王朗は直ぐに気づいた。
数の上では圧倒的に有利だと。
王朗「おおおおおおおお、落ち着け!所詮は手負い。数ではこちらが圧倒的に有利だ」
その通りである。徐々に馬超の兵が圧されていく。
王朗「・・・・・・・・・・・驚かせおって。生け捕りにして手土産にしてくれるわ!」
伝令兵「太守様、後方より新たな兵が」
その報告を聞き王朗の顔が綻んだ。
王朗「おお、下丕βからの援軍であろう。我等の勝ちじゃ」
伝令兵「いや・・・・・そうではなく」
王朗「では于禁か?許チョか」
ドオッ!!!!
後方で衝突音。
王朗「何事だ?」
ホウ悳「広陵太守 王朗だな!」
王朗「な・・・・・・・・・・・・・」
更に別の方角からも怒声が聞こえる。
張飛「ったく梃子摺らせやがって。燕人張 益徳推参!広陵太守 王朗はドコだゴラァ!!」
王朗「馬鹿な?于禁は許チョは・・・・・・・」
狼狽し続ける王朗の背後にはもう、無数の蹄の音が鳴り響いていた。
夏侯惇「チィッ・・・・・。ここまでか」
城から火の手があがっている。大勢は決してしまった様だ。
夏侯惇「持ちこたえられなかったか。意外と脆かったな」
ならば再び奪還すればいい。
自分にはそれが出来る。
夏侯惇「撤退する!」
後退する夏侯惇の軍を遠目で見ながら雲玲は安堵のため息をついた。
雲玲「・・・・・・・・・・・・・・・何とかなったみたいね」
孔明「とはいえ、最初からあれだけの数が駐留していたら攻略は更に難しくなっていたでしょうね」
雲玲「そうね。それに・・・・・」
孔明「?」
雲玲「あれが夏侯惇・・・・・・か」
孔明「ご感想はいかがなものです?」
険しい表情で孔明に向き直る。
雲玲「何ってゆうか・・・・只強いだけじゃないわね。アレは
最初からいたらヤバかったでしょうね」
孔明「しかし、いつか相対することがあるでしょうね」
雲玲「・・・・・・・・・・・・・・・・」
話をしたからといって、刻まれた渋面が消える訳ではない。
険しい表情のまま雲玲は下丕βの方角を見つめ続けていた。
孔明「ご主君、その時のため、我等はいるのです」
雲玲「・・・・・・・・そうね」
下丕β
夏侯惇「そろそろ城が見えてくる頃だ」
(急いで雲玲軍に対する対策を練らねば・・・・孟徳に援軍も頼むか)
だが、目の前に広がる光景は夏侯惇の思索を瞬時に打ち消した。
城下に広がる「殷」の旗。そして炎。
夏侯惇「・・・・・・・・・・・・・な、なんだと」
瞬時に眼前の全方向より旗が立てられる。
兵士「あの旗は新勢力の・・・・・・・」
兵士「左右にも、後ろにもいるぞ!」
兵士「囲まれているぞ!」
兵士「な・・・・・・・なんて数だ?!」
夏侯惇(・・・・・・・・・・・・・・・・・孟徳!)
こちらへと殺到してくる敵軍を前に、真っ先に浮かんだのは驚愕の悲鳴でも、怨嗟の声でもなく
・・・・・・・・・・・・・主君の名であった。
感想と保守
弐代目袁尚殿、更新楽しみにしています。
なにやら曹操軍がピンチみたいで。今後の展開にも目が離せません。
>672
感想と保守。ありがとうございます。
が、今週はうぷ出来そうにありません。
大変申し訳ありません。
ふと気づけば明日で1周年。
遅筆ながらなんとか最後まで書ききろうと思っております。
愚作ですがどうか温かい目で見ていただければ幸いに存じます。
これからも宜しくお願い致します。
謝辞と保守あげをかねて。
今更読んだんだけどさ。
八第目韓玄(本当は九代目)の作者の方って他に書いてないの?
曹操韓玄の方。凄い面白かったんだけどさ。
知ってる方いたら教えて欲しいんだ
教えて厨でごめんな。何て検索したらいいかも分からなくてさ。
675 :
無名武将@お腹せっぷく:03/12/02 20:00
サーチage
676 :
無名武将@お腹せっぷく:03/12/05 15:44
勃起age
【穿】
下丕βをめぐる混乱。
これを諸葛亮が見逃す筈は無く、再び軍を進めた雲玲軍は下丕β、そして北海をも攻略するに至った。
そして、これ以上軍を進めるには新勢力「殷」を無視できない場所へと来たのである。
雲玲軍第一軍団に所属する将は現在会堂に集められていた。
敵勢力「殷」攻略の軍議の為に。
諸葛亮「・・・・・・現在我等の領に接する敵勢力の領土は洛陽、宛、新野、汝南、小沛。
いずれも援軍の送り易い・・・・・・・・・・・我々には攻略困難な地であります」
馬超 「先に曹操の軍から叩くってのはどうだ?」
諸葛亮「下丕β、広陵、このあまりにもか細い補給線を便りにする訳にはいきません
万が一、いずれの地を奪われた場合、その先は孤立してしまいます。
それに、沈黙を保ち続けている孫権も気になります。孫権領、呉、にも我等の領は隣接しております。あまり得策とは言えません」
張飛 「小沛から攻めるってのはどーだ?他の地はいずれも二ヶ所からの援軍の派遣が可能。
だが、ココに援軍を送れるのは・・・・・・・言焦。ここだけだ」
フン・・・・・・と、得意げに張飛が鼻を鳴らす。
だが
諸葛亮「我々が下丕βにまで兵を進めた事で最前線たる小沛にはかなりの兵力が集められております。
我々が討たねばならぬ兵の数にさしたる差は御座いません。
更に付け加えるならば曹操の軍が・・・・・」
張飛 「じゃあどうしろって言うんだ?!」
ホウ悳「落ち着かれよ。張飛殿」
己の発言を却下されイラついてきた張飛を遮ぎったのはホウ悳であった。
ホウ悳「軍議の最中ですぞ。発言は建設的なものでなければならん」
張飛 「ケッ!結局結論は『何処を攻めればいいのかわかりません』じゃねえか。そんな軍議、大した意味無ェなぁ!」
雲玲「じゃ、私が決めよう」
ザワッ。
会堂の最奥より静かな、だが誰もが聞き逃さない声に座する将達は反応した。
諸葛亮「・・・・・・・・・・・・どうされるおつもりで?」
雲玲は静かにその問いに答えた
雲玲「新野」
諸葛亮「それは?」
雲玲「何とな・・・」
蔡蘭「新野を攻略すれば長安方面に駐屯する第二軍団と合流できます。それに・・・・・・・・」
諸葛亮の問いに再度答えようとした雲玲の口を塞ぐが如く、蔡蘭が悠長に語りだした。まるで代弁しているが如く。
いや、代弁しているのだろう。
雲玲は黙ってしまったのだから。
蔡蘭「天子様に近い」
ザワッ!
再び会堂がざわめく。
馬超「・・・・・・・・・確かに。天子様は今、宛にて軟禁されていると聞く」
ホウ悳「天子様を救出出来れば」
諸葛亮「世は雲玲様へと一斉に傾く。今まで背いて来た者、目を逸らしてきた者も含めて」
張飛「第二軍団と合流できれば長兄にも会える!」
雲玲「どうやら私の案で決定みたいね」
コホン・・・・と胸元で軽く咳払いをして雲玲がまとめに入る。何故か釈然としない表情に見えるのはきっと気のせいだろう。
諸葛亮「では次の攻略は新野で決定致します。襄陽へ赴任する者は追って伝えます」
雲玲「今回の攻略を敵勢力に打ち込む楔とする。皆、心せよ!では、参会!!」
一同「ハハッ!」
将達が退室してゆく。だが、諸葛亮は座を離れようとしない。
蔡蘭「ん?どうされました」
座を離れようとした蔡蘭だが、雲玲も座から腰をあげようとしない。
雲玲が軽く手招きをする。
蔡蘭「?」
怪訝な顔で近寄ってきた蔡蘭に静かに雲玲は耳打ちした。
雲玲「あじがじびれでだでない」(足が痺れて立てない)
蔡蘭「・・・・・・・・・・」
頬に冷笑をたらす蔡蘭。
そんな蔡蘭の表情を知ってか知らずしてか、突然諸葛亮が背後から声をかける。
諸葛亮「策が御座います!」
ビクッ!と二人の体が跳ね上がる。
当然その振動は雲玲の足にも届く。
雲玲「あ”あ”あ”あ”あ”―――――――――――――――――――ッ」
まだ、雲玲領は平和であった。
現在の状況
※※※※※※※※※※※※※※※※※※薊※※※※※※※※※※※※※※※※※
※※※※※※※※※※┏━■━━━━━■━━━┳━━━━■━━━○遼東※※
※西涼☆┓※※※上党■┓晋陽※業β┏━━━┳■渤海┏━┛北平※※※※※
※※※※┃※弘農※※┃┗━━━━━■━━┓┗━━━■平原※※※ ※
※※※※┃※┏☆━┓┃洛陽※※陳留┃※※■━━━■┻━┓※
※西平☆┫※┃※※┗□━━━━┳━□━━┫濮陽※済南※┃※
※※※※┃※┃長安※┗┓宛┏━□許昌※※┃※※※┏━☆┛※※
※天水┏☆━☆━━━━□━┛※┣━□━━□小沛※┃北海※※※※※
※※※┃※┏┛※※※※┣━━━□━┓言焦┃┏━━┛※※※
※武都☆━☆漢中※※※□新野※汝南┃※※┗☆下丕β※
※※※┃※┃上庸※襄陽┃※※※※※┃※※┏┛※※※※
※※フ ☆━┻☆━━━━☆━┓※※※┃※※☆広陵※※
※※※┃※※┗┓永安┏┛┏☆江夏※☆寿春┃※※※※
※※※┣━┓※☆━┳☆━┫┗━┓┏┻━━☆┓抹陵※
※※※┃巴☆━┛※┃江陵┃※※┗☆廬江※┃┃※※※
※成都☆━┛※武陵☆※※☆━━━┫※┏━┛┗◇呉※
※※※┣☆建寧※※┣━☆┛柴桑※☆━┛※※┏┛※※
※永昌☆┃※※零陵☆※┃長沙※※翻陽※※※┃※※※
※※※┃┃※※※※┗☆┛※※※※※※※※※◇会稽※
※三江☆┛※※※※桂陽※※※※※※※※※※※※※
※※※※※※※※※※※※※※※※
公孫康=○ 馬騰=滅亡 張魯=滅亡 曹操=■ 孫権=◇ 新勢力「殷」=□ 雲玲=☆
>675-676
保守ありがとうございます。
>674
私は知らないです。申し訳無い。
683 :
無名武将@お腹せっぷく:03/12/15 08:04
最近このスレ人気ないんだな?
保守
【支払うべき代償】
「雲玲・・・・・・・・・・」
「雲玲よ・・・・・・・・・」
私は夢を見ている。
何故だかそう思った。
雑務を終え(その殆どは諸葛亮と蔡蘭の手で行なわれたのだが)坐臥に入り目を閉じた。
何処からか呼ぶ声が聞こえ、私は再び目を覚ます。
でも、ここは座臥の中じゃない。
気づけば目の前に二人の老人が立っている。
私を呼んだのも、この二人の老人のようだ。
老人1「我はこの大地に生きる者の生を支配する神、北斗聖君」
老人2「我はこの大地に生きる者の死を支配する神、南斗聖君」
二人の声が響く。私の中に、直接。
北斗聖君「人の身でありながら理を捻じ曲げ、大きく飛躍せし者」
南斗聖君「人の身でありながら強く輝く陰と陽をその身に持つ者」
北斗聖君「お主にはこの地に太平の世を築くという大いなる陽と」
南斗聖君「仇、とゆう名の私怨を晴らそうとする悪しき暗き陰が」
北斗聖君「例えるなら大極図、陽の中の陰」
南斗聖君「例えるなら大極図、陰の中の陽」
北斗聖君「それぞれが強く」
南斗聖君「輝いている」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はぁ。
意味がわかんない。
北斗聖君「陰と陽」
南斗聖君「陽と陰」
北斗聖君「お主はそれが人並みはずれて強大じゃ。故に大事を成す」
大事を成す。コレはもしかして良い夢なんだろうか?
南斗聖君「だがお主の中には人並みはずれた陰と陽が常にせめぎあっている」
北斗聖君「陰と陽の中立が乱れし時」
南斗聖君「お主は大事を為さん」
大事を為さん。やっぱりあんまり良くない夢なんだろうか?
北斗聖君「陰と陽の中立が乱れし時」
南斗聖君「お主は絶望の淵に立たされる」
絶望・・・・・・・・・・。やっぱり良くない夢か。
北斗聖君「その時、お主は何を望む?乱世を忘れ、平穏に生きるか?」
南斗聖君「更に深い、絶望が待っているとしても、修羅となり事を成すか?」
北斗聖君「どちらを望む?」
南斗聖君「どちらを望む?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え、え〜と。問いかけなのね。これは。
よくわかんない。
蔡蘭、要約して。
蔡蘭「はい」
雲玲「って居たの?いつの間に?」
蔡蘭「所詮は夢現の出来事ですから」
雲玲「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まあいいわ。とりあえず何が言いたいの?この老人達は」
蔡蘭「やがて貴方を絶望させる様な出来事が起こるかもしれない。
そんな時、貴方はどうされるのか?それを問うておられるのです。この二柱の神は」
雲玲「そんな仮定で質問されても」
蔡蘭「どうされます?全てを捨てて、平穏に生きるか。
更に深い絶望が待っているとしても、戦乱に再び身を投じるか」
雲玲「何があっても私は当初の志を変えるつもりは無い。父の仇を討る為に、太平の世を得る為に、私は戦い続ける」
これだけは、胸を張って言える。
例え夢現の中でも。
北斗聖君「お主を取り巻く全ての者を失っても?」
南斗聖君「同じ事が言えるかね?」
全ての者を失う?
皆が死ぬって事?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それは。
聞いてみないと判らない。
皆に。私の為に命を捨てろって事でしょ?
そんな事簡単に・・・・・・・・・・・・・・・決められない。
蔡蘭「何を今更言っておられるのです?」
蔡蘭が不思議そうな顔でこちらを見ている。何が?
蔡蘭「我々は皆、貴方の為、貴方に命を預けて、貴方の元で戦っています。命が惜しくて、誰が戦場に出ましょうか?」
雲玲「・・・・・・・・・蔡蘭」
蔡蘭「ご随意に」
蔡蘭から回答を待つ、二人の老人に視線をずらす。
ならば回答は決まっている。
雲玲「たとえ深い絶望が待っているとしても、私は戦乱に再び身を投じる。皆を失ったとしても、その先に乱の無い平穏な世があるのならば」
北斗聖君「誓うか?」
雲玲「ええ」
南斗聖君「ならば契約だ」
雲玲「契約?」
北斗聖君「この大地の歴史は狂っている」
南斗聖君「人ならぬ者の手によって」
北斗聖君「誰かが戻さねばならん。元の流れに」
南斗聖君「その為に、この契約は必要になる」
雲玲「まぁ、そんな契約。効力を発揮しない事を願うわ。私は絶望せず、皆、太平の世を生きる」
今の我々なら、それも可能な筈。否、出来ない筈が無い。
北斗聖君「契約は締結された」
南斗聖君「陰と陽。陽と陰。これらが乱れた時」
北斗聖君「効力は発揮される」
南斗聖君「それを忘れるな」
瞳を開く。眼に映るは
雲玲「悪趣味な天蓋・・・・・・」
思わず口に出してしまう。
雲玲「やたらヒラヒラとかつけて、意味あるのかしら?」
独りごちながら寝台を降りる。
寝室を出ると・・・・・・・。
蔡蘭「おはようございます」
蔡蘭がいた。
何かを思い出しそうで、つい凝視してしまう。蔡蘭の顔を。
蔡蘭「?・・・・・・何か」
雲玲「何でもない」
思い出さない方がいいのかもしれない。
新野攻略を目前に控え、余計な事は考えない方がいい。特に私は。
強引に結論付けた雲玲は、とりあえず湯浴みをすることにした。
>683
私の力不足はもとより、新規のリプレイヤーさんが現れないのも要因の一つかと。
どなたか・・・・どなたかおられぬか〜!?
【新野攻略 上】
ズシィィン・・・・・・・・。ズシィィィン・・・・・・・・・。
地響きを立て進軍するソレは敵だけでなく、味方すら近寄るのは容易な事ではなかった。
雲玲「まるで人が蟻の様・・・・・・」
何故かウットリした表情で雲玲が呟く。
今回の決戦の為、南蛮より輸送されてきた象兵である。
雲玲「さあ、このまま砦を潰してしまえ!」
陳到「了解!」
先見軍である陳到が砦にさしかかろうとした瞬間。
ズバァ!!
突如鮮血が舞う。
砦へ侵入しようとした兵数名が倒れていく。
陳到「な・・・・・・・・?!」
視界を覆う赤い霧の中、兵達の五体が切り裂かれていく。
敵兵どころか人一人見当たらない。だが、切り裂かれていく。
腕が、足が、首が。
陳到「何があったのだ?!」
判らない。砦の入り口にはもの言わぬ屍が並んでいる。
キラッ・・・・・・。
何かが陽光に反射している。
陳到「これは・・・・・・・糸?!」
よく目を凝らして見れば入り口に無数の糸が張り巡らされている。この糸に兵たちは切り裂かれたのだ。
陳到「・・・・・・・・・罠か。しかしこれほどの強度を保つ糸とは・・・・・・・」
ドオッ!!
後方で衝突音。
敵軍の砦を目の前にして、驚いている暇など与えてくれない。
陳到「何事だ?!」
兵士「我が方の後曲に敵軍が」
クスクスクス・・・・・・・・・。
陳到「?!」
女である。
無数に張り巡らされた糸の向こう。美しい女が静かな含み笑いを洩らし、立っている。
陳到「女ァ!貴様の仕業か?!」
女「・・・・・・・・・・・・・」
陳到「おのれ・・・・・・」
恨めしそうに女を一瞥すると
陳到「一度、後退する。この入り口は駄目だ!」
幾重にも重ねられた重厚な鎧をまとった重装歩兵。
これを槍一本で簡単に屠っていく。
兵士「ええい、あの将を討てばこの部隊は総崩れだ。我等の鎧なら生半可な刃は通らん。
一斉にかかれぇ!」
馬上に跨るその一人の将に一斉に襲い掛かって行く。
が、重装備の兵士の視界は狭い。
スッ・・・・・・、と瞬時に敵将の姿が視界より消え去った。
兵士「ぬ?何処に消えた」
振り返った瞬間
ドスッ!
その兵士の喉元を槍の穂先が貫いていた。
兵士「よ・・・・鎧の継ぎ目を・・・・・」
ドウッ
敵将「・・・・・・・・・・・・・・・・」
何も語らない。只々目前の敵を屠るのみ。的確に、迅速に、急所を突けば人は終わる。
殷軍兵士「将軍、新たな敵軍が」
砦より後退してきた陳到の軍である。
その兵に一瞥もくれず、再び敵軍へと向かって行く。
そして再び屍の山を築く。
敵将「趙 子龍である!張飛殿は何処に!!」
陳到「行けば地獄、退いても地獄・・・・・・か」
陳到は己が不幸を呪っていた。
最早そのくらいしか自分に出来る事はなかったから。
子龍が来る……ガクガク((((((゚Д゚;))))))ブルブル
>>690 ひっそりとリプレイヤーやってみていいですか、とか言ってみるテスト。
夏頃に結婚相手プレイやってるとか抜かしておった者でつw
書いてもいいんでないの?
【新野攻略 中】
伝令「陳到様、拘束されました!」
伝令「右翼は趙雲軍により瓦解寸前」
伝令「左翼が動けません。このままでは本隊と切り離されます」
伝令「殷軍、援軍が到着。これによる前線における兵力差は増大」
伝令「本隊正面に閻圃と孫朗の軍が出現。援護を!」
伝令「左翼が破られました。殷の援軍として曹洪が!」
蔡蘭「全てこちらまで後退させよ。雲玲様の軍を中心として陣を組め。君主を守れずして何の為の重装兵か?!」
雲玲「苦戦しているわね」
蔡蘭「その様で。しかし兵達は良くやってくれている様です」
雲玲「・・・・・・・・・そうね」
チラリと視線を動かす。
そこには巨大な動物が横たわっていた。
象である。
序盤戦において象兵はその巨体の優位性をいかんなく発揮し、敵兵を蹴散らしていたがいかんせん大きすぎるのだ。
弓の絶好の的となり、今は既に沈黙している。
ドヒュヒュヒュヒュ・・・・・・・・・。
再び雲玲陣営に無数の矢が放たれる。
雲玲「・・・・・・・・・クッ!」
蔡蘭「もう少し後退しましょう」
雲玲「砦からは一定の距離を保つだけでいい」
蔡蘭「しかし」
雲玲「今回の攻略戦は最初から博打のようなもの。ある程度の損害は仕方ない!」
ズガァ!
そうこうしている内に矢が雲玲の頬をかすめ後方の岩壁へと突き刺さった。
だが雲玲は口元に笑みすら浮かべている。
雲玲「・・・・・・・・・・・・・やるじゃない?」
殷軍
??「ホウ・・・・・。かわしたか」
曹洪「外れたのではないのか?」
??「否、かわされた」
再び引き絞るべく矢を探しながら男は答えた。
曹洪「何故か嬉しそうに聞こえるんだがな?妙才」
??「フン。獲物は簡単に獲れる狩はつまらんだろう?」
雲玲軍兵士「オオオオオオオオオ!」
二人の間に突如一人の敵兵が割って入ってきた。が、次の瞬間矢は眉間を貫いていた。
曹洪「ホウ、この乱戦で我等を捉えていたか。名前くらい聞いておけば良かったかな」
??「もう少し近寄って(弓を)打ってみる」
言うやいなや男は前線へと更に進んでいった。
曹洪「あ、オイ?!単身は危険・・・・・」
言葉を終える前にもう、4〜5人の兵士が飛び掛ってきた。
曹洪「言わんこっちゃない!」
手綱に力を込める。
??「ヌン!」
ブァッ!
瞬時に5本の弓を撃つ。そしてその矢は向かってきた兵士のいずれかの身体を貫いた。
コレを行なうには正確な腕、判断力、更に人並みはずれた膂力が必要である。
??「我は夏侯 妙才!邪魔だ、賊軍どもォ」
雲玲軍 前線 麋竺軍
麋竺「隊列を乱すな!敵を倒そうとするな!ここを通さなければ良いのだ!」
命の元に重装歩兵が並ぶ。文字通りブ厚い壁のように。
だが、その壁の中を一陣の風の如くすり抜けてくる敵将が見えた。
麋竺「な?!」
その将の持つ槍の穂先は正確に鎧の継ぎ目を狙っていた。これでは折角の重装甲も意味を為さない。むしろ・・・・
麋竺「彼の目には我々が止まって見えるのかもしれない・・・・」
頬をつたう冷汗をみとめながら麋竺は独りごちた。
だが本当に止まっている訳にはいかない。
我々の後方には雲玲様の軍がいるのだから。
麋竺「オオオオオオオオオオオオオオオオ!」
お世辞にも上手く使えるとは言い難い、槍を振り回し敵将の前に立ちはだかる。
敵将「貴方、元は只の商人でしょう?出来ない事は無理にやらない方がいい。特に戦場では」
麋竺「あ、あなたは・・・・・」
この顔は知っている。忘れる筈が無い。
麋竺「・・・・・・・・・・それでも、此処を通すわけにはいきませぬ」
この男の実力は良く知っている。
なまじ近くで見ていた分、必要以上に。
震えを隠しながら麋竺が構える。
敵将「それでもこの趙雲の道を塞ぐか。ならば・・・・・・」
その名を聞き、グッ・・・と麋竺の槍を握る手に余分な力が篭る。
麋竺「貴方程の将が何故?」
趙雲「此処は戦場です。貴方と問答している暇は無い」
麋竺「劉備殿への忠義を忘れたのですか?」
趙雲「・・・・・・・・あの御方は漢室復興を放棄した。ならば私の手で葬り去るのがせめてもの情け」
麋竺「違う!劉備殿は・・・・・・・・」
ドヒュヒュヒュヒュヒュ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
突如趙雲の陣の頭上に無数の矢が降りかかる。
趙雲「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・な?」
劉度「うひょひょひょひょ!撃て撃て―!!」
雲玲「あれは・・・・・・・」
蔡蘭「とりあえず面倒くさいから『委任』で放っておいたら本陣から一歩も動かず、雲玲様が危機に晒されてからやっと前線に出てきた
劉度殿の兵ですね」
雲玲「・・・・・・・・・・・」
>694-695
いつも保守ありがとうございます。
694殿、期待してよろしいでつか?
【新野攻略 下】
殷軍
曹洪「遠目に見えるアレは敵の援軍か?」
夏侯淵「その様だ・・・・・・。だが腑に落ちん」
曹洪「何だ?」
夏侯淵「我々の目的は新野の防衛。だが、私は名のある将との対戦も望んでいた」
曹洪「そうだな。私もだ」
夏侯淵「そして我々は雲玲軍の本陣の旗が黙視できる位置にまで接近している」
曹洪「うむ。我等の軍は数の上でも圧倒的だ。このまま数的優位を保ち、徐々に包囲の輪を・・・・・・・」
夏侯淵「私は未だ雲玲軍で慣らした名のある将が率いた軍と相対していない。君主の咽元に迫りながら!」
曹洪「・・・・・・・・・?」
夏侯淵「馬超も!ホウ悳も!張飛も!諸葛亮も!」
曹洪「そういえば・・・・・・・・」
夏侯淵「前線にいる雲玲軍の兵力も、伝え聞いていた数の約三分の二程だ。防衛線であるはずの我等が圧倒しているのだぞ!」
曹洪「何故・・・・・・?」
夏侯淵「残りの三分の一は?前述の将達は?!」
曹洪「・・・・・・・・・・何処にいる?」
奴等は・・・・・・・・・・・・何処にいる?
殷軍 前線砦(防衛軍本陣)
美しい女性が前線を睨んでいる。
彼女は気づいた様だ。
彼女の背後から遥か遠く、新野を防護する城。
其処から既に火の手が上がっていることを。
伝令兵「た・・・・・・大変です!」
女性「・・・・・・・・・・・・・・・黙れ」
射殺されるような視線に、兵は思わず口をつぐむ。
永遠に続くかと思われた沈黙。だが実際は数秒の間であろう。整った口元から女が言葉を紡ぐ。
女性「私の名において全軍に伝達せよ」
伝令兵「は・・・・・・はあ」
女性「宛へと撤退する」
伝令兵「は・・・・・・・・はあ」
女性「復唱!!」
伝令兵「ハハッ、将、王貴人様の名においてこの地より全軍、宛へと撤退いたします」
復唱を終えて後、即座に彼は部屋を飛び出していった。急いで皆に伝えようとしたのか、部屋に満ちた殺気から一刻も早く逃れたかったのか。
王貴人「・・・・・・・・・・・・・・・・人間の分際で」
女は名を、王貴人といった。
ガキィィィン!
乾いた金属音と共に槍が宙を舞う。
趙雲「此処までだ麋竺殿!」
麋竺「グッ・・・」
麋竺の咽元に突きつけられた穂先が鈍い光を放っている。相手にもならなかった。
麋竺「・・・・・・此処まですか」
趙雲「張飛殿は何処です?」
麋竺「わかりました。お教えしましょう。張飛殿は・・・・・・・・」
何故か麋竺の口元が緩んでいる。
「死」を前に開き直ったのか。
しかし趙雲には何故かそうは思えなかった。
彼の命を握っているのは趙雲の持つ、槍の穂先だというのに。
微かな笑みを浮かべる麋竺の口元に何か含まれているように思えてならない。
ザワザワザワザワ・・・・・・・・・・。
周囲の兵が動揺している。皆一様に遠くを見上げて。
趙雲「?」
つられて同じ方角を趙雲も見やる。
その先には一筋の煙があがっていた。
趙雲「狼煙・・・・・・・・いや、煙の帯が太すぎる」
麋竺「張飛殿はあの煙の元におられますよ」
趙雲「まさか・・・・・・・」
麋竺「別働隊の城攻めが終わったようです」
新野の城は攻略されていたのだ。
殷軍伝令兵「趙雲殿、撤退命令です!」
趙雲「?!」
麋竺「グウッ・・・・・」
咽元に突きつけられた穂先が重さを増す。
必要とあらば己が主君をも策の一部とする。
この様な非情にて大胆。
・・・・で、ありながら相手にとって最も致命的な策を練る男。
そんな男は趙雲の知る限りたった一人しか思い当たらない。
趙雲「しょ・・・・・・諸葛亮ォォォォォォォォ!」
趙雲の無念の咆哮が戦場に響く。それは戦の集結と、殷軍の敗戦を意味していた。
このスレを御覧の皆様。あけましておめでとうございます。
今年も宜しくお願い致します。
できたら私もリプレイを書きたいのですが…
プレイヤーは韓玄で…
韓玄は7のシナリオで君主になっているやつを選ぶ。
その上で黄忠、ギエンに兵力マックスで劉備を攻めさせれば劉備は滅ぼせます。
ただし開始直後にやること。
城にもちこまれて負けますが何回かやれば勝利できます。
あとは劉備軍の武将をもらうだけ。
某攻略本より、何となくかいてみる。
>708
それより何のゲームの話なのかワカランのだがw
【選択】
ここで、話は少し、遡る。
〜206年〜
元直「我が天命は此処で尽きたのか・・・・・」
目の前には墓標。刻まれしは母の名。
魂魄を懸けて、従うべき主を得たのも束の間。
元直「文字通り、夢、幻のようであった」
男は一人、墓の前に立つ。
従うべき主も、従えるべき一軍も無く、一人で。
元直「このまま私は一人、喪に服して一生を終えるのか・・・・」
男の心中にあるは絶望。
孝を尽くすべく馳せ参じた母親は、地の底にて眠る。
喪に服す。それ以外にするべきことが無い。
元直「水鏡庵で学んだ事、全ては無駄に終わるという事だ」
軍師として手腕を振るいたいのであれば、曹操幕下に加わるしかない。だが、そんな事は出来ない。出来るはずはない。
自分がここで絶望しているのは全て彼の所為だからだ。
ならば如何する。
曹操に刃を向けるか?仇を討つ為に。
元直「届くはずが無い」
当然である。が
こんな状況であっさりと非情な回答が出せてしまう自分が、少し憎らしく思えた。
元直「・・・・・・・・・・・・・・・ムッ」
思索を止め、周りに目をやる。あたりに奇妙なもやの様なものが立ち込めている。
元直「霧・・・・・・・か?だがこんな季節にここまで濃い霧が・・・・・・・」
不思議そうにあたりを見回す。
そんな間にも霧は徐々に濃くなってゆく。
あっとゆう間に視界を奪われる。自分の周りに写るのは己の体と、墓標だけになってしまった。
季節外れの濃霧に疑問を覚えながらも、とりあえず墓の隣に仮組みした庵に足を向けた。
粗末な小屋だが自分には相応しい。最早何も無い自分には。
これから一生ここで喪に服して暮らすのだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・一生?
仕方が無い。最も愚かなのは自分だ。
偽手紙に騙され、主の下を去った己が。
曹操には敵わない。
仇すらも、討てない。
??「そうかしら?」
元直「?!」
再び、あたりを見回す。誰も居ない。
自分の思索に割り込む者も。
元直「空耳まで聞こえ始めたか?」
自嘲気味にそう呟く。精神に異常をきたしてしまったのかもしれない。それでもいい。
いっそ、狂ってしまった方がどれだけ楽か。
??「でも、これは現実」
元直「?!」
また聞こえた。空耳ではない。しかも、これは言葉に反応して返答をしているのではない。
思索に回答しているのだ。
元直「・・・・・・・・・・フフ、フハハハハハハハ・・・・・・・・・・」
乾いた笑い声があたりに響く。どうやら完全におかしくなってしまった様だ、自分は。
元直「これは良い!こんな男を配下にしようなどと曹操も思うまい。これは愉快だ!ハハハハハハハハ・・・・・・・・」
??「曹操が憎い?」
元直「憎いかだと?ああ、憎いね。だが一番憎いのはこの私自身。騙され、絶望しているこの私自身だ!!
主の為に策を挙げる事も、軍を率いる事も出来ん。この様な境遇を作り出した私そのものが一番憎い!!」
??「軍を率いたいの?戦をしたいの?」
元直「ああ、したいね。曹操の総兵力の半分、いや三分の一でもいい。
私に与えてくれるのであれば、奴の軍を大混乱に陥れてみせる!」
既に違和感無く「空耳」と「会話」している。それでもいい。私の無念を聞いてくれ。此処には存在しない誰かよ。
??「ならば、与えよう」
唐突に回答が現れた。与える?何を?
??「貴方が率いるべき軍を、土地を、曹操への匕首とすべく」
元直「そうか。それはありがたい。何処にあるのだ?」
??「此処には無い。だが貴方が望めばそれはある場所に現れる」
元直「そうか。では私が其処に出向こう」
??「私は貴方に手足を与える。屈強な軍、肥沃な大地。それを使いこの地に再び戦乱を起こすのです」
元直「ああ、見せてやる。与えてやる、絶望を」
??「そう、この大地にもっと戦乱を、もっと絶望を。それこそが私の願い」
元直「フフフ・・・・・・・・・・・見ているがいい、曹操!いや、伏龍、鳳雛。私とゆう存在を。
目を逸らしてもその眼が私を捕らえるように、無理矢理こちらに向けさしてやる」
只の妄想だ。
絶望のあまりおかしくなってしまった男の独り言だ。
そう思う事が正常と感じる神経すら何処かに置き忘れ、男は迷走を始める。
その後、彼の姿は広陵にあった。
後にこの大地を更なる戦乱の渦へと巻き込んだ勢力の軍師として。
彼は絶望する事より狂う事を選択した。
それは、人をやめる事にも少し似ている。
男の名は徐庶元直。
水鏡庵で学び、劉備からの信頼も厚かった当代随一の智と策を持つ男である。
>707殿
>694殿と同じくお待ちしております。
>708-709
とりあえず、三国志7における韓玄の攻略法といった所でしょうか?
【本当の目的】
新野を攻略した事によりこれ以降、宛、汝南のいずれの攻略にもそれぞれ長安、寿春より援軍が期待できる。
雲玲軍は重要な橋頭堡を得た事となった。
雲玲「孔明、まだどちら(宛、汝南)を攻略するか決めてないけど、これからは時間との勝負になります
一ヶ月以内にどちらに攻め込んでも勝てる様、用意を万事整えよ!」
だが、口を開いたのは蔡蘭だった。
蔡蘭「一ヶ月以内ですか?それは少し厳しいのでは。ここ新野は攻略しましたが敵将の殆どはまだ健在です。
更に今回の攻略戦で我が軍にも相当の被害が出ています。
兵数の減少に加えて残った者もかなり疲弊しています。そう簡単に攻略出来は・・・・・・・」
雲玲「孔明なら出来るよね?」
蔡蘭の発言を遮るように雲玲が身を乗り出して孔明に再度問い掛ける。
諸葛亮「・・・・・・・・・・・・・・・・御意。万事整えましょう」
少し躊躇したのか、珍しく少しの沈黙の後に帰ってきた回答は雲玲の期待に添うものであった。
諸葛亮が部屋を出た後、蔡蘭が再び口を開いた。
蔡蘭「流石の諸葛亮殿とは言え、一ヶ月は厳しいのでは?」
雲玲「でも、それでもやってもらわなくちゃ・・・・・今は一時でも時間が惜しい」
蔡蘭「何故そんなに焦っておられるのです?」
雲玲「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・焦ってる?」
予想外の言葉に雲玲は硬直した。
自分としては、特に焦っているつもりは無い。だが、蔡蘭の言葉に体がに反応してしまった。
これは無意識に認めてしまったのと同じ事だ。
雲玲「・・・・・・・・・・・・・・・私が?」
蔡蘭「ええ、特に殷を名のる新勢力が当面の目標になった頃から・・・・・・」
雲玲「・・・・・・そうかしら?」
蔡蘭「丁度、長安を攻略したあたりからでしょうか。その後、揚州に突如拠点を移し南から攻め上り始めた頃からです
確かに常に好機を逃さず驚異的な速さで我々は軍を進めました。まるでかっての曹操の様に」
雲玲「・・・・・・・・・」
蔡蘭「ですが、その実は紙一重の勝利の積み重ねの様に私には思えてなりません。いつ、足を止められてもおかしくなかった」
雲玲「でも結果的に見ればいずれも勝利を収めて・・・・・・・」
蔡蘭「確かに。しかしこれ以降も大勝出来るとは限りません。広い領土を誇っていた曹操も、今は北へと追いやられております」
雲玲「じゃ、どうすればいいの?」
蔡蘭「私は、宛、汝南の攻略に反対している訳ではありません」
雲玲「・・・・・・・・・・・・・・つまり」
蔡蘭「問題は雲玲様の心胆にあります」
雲玲「・・・・・・・・・・・・・よくわからない」
蔡蘭「雲玲様は出来るだけ早く、『殷』を滅ぼしたいと思っておられませんか?」
雲玲「その何処が悪いの?」
蔡蘭「そうなれば当面の我々の敵は・・・・・・・・・・・・・いや、はっきりと申しましょう」
蔡蘭「そんなに早く曹操を殺したいのですか?そんなに早く仇を討ちたいのですか?」
蔡蘭「将が私怨で軍を動かしている事を民が知れば、人心は離れていくでしょう。我々も殺人を行なっているのです
我々を仇敵とみなしている者も沢山いるでしょう。憎悪の連鎖は終わりません
更に仇を討つのが真の目的であったのならば『貴方は己の私怨の為だけに我々を利用している』という反論を敵に与える事になります」
まるで見えない矢に胸を打ち抜かれた様だった。
戦乱の無い太平の世を築く。けして軽い気持ちで口にした言葉ではない。本当にそう思ったのだ。
それに自分にはそれが出来るとも信じて、ここまで軍を進めてきた。
だが、今になって、それが『第一の目的』ではない事を思い出してしまった。
『仇を討つ』事が『本当の目標』だったのだ。
蔡蘭「『報仇雪恨』仇を報い恨みを雪ぐ。『孝』の心。それが間違っているとは言いません。
その為に私も協力してきました。ですが、二人だけで軍議をしていたあの頃とはもう違うのです。
私怨の為だけに軍を動かしているのであれば我々はここまで来れはしなかった。
只、仇だけに走るのはもうお止めください。旗下の将達は貴方を信じてここまで来たのです」
それだけ言い残して蔡蘭は部屋を後にした。部屋の中に残されたのは雲玲だけとなった。
雲玲「・・・・・・・・・・・・」
わかっている。蔡蘭の言っている事は間違ってはいない。
元々、目的は父の仇を討つことであった。
蔡蘭も最初は協力してくれていた。
(二人だけで軍議をしていたあの頃とはもう違うのです。)
そう。わかっている。
だが、私は変わっていなかった。
(『貴方は己の私怨の為だけに我々を利用している』)
だからその言葉も間違ってはいない。
つまり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
雲玲「只只恨みの念でこの大地に生きる多くの人々を更なる戦乱に巻き込んでしまった」
もう、多くの将が雲玲の為に命を落としている。
雲玲「酷い女だ・・・・・・・・・・・・・」
『蔡蘭「まず仇敵、曹操がすぐ隣の江陵に居ます」
蔡蘭「土地、人材、兵力、全ての面で、我々に到底勝ち目はありません。
先ずは視点を別の場所へ向けてみましょう」
そして視線を壁に掛けてある地図へとうながす。
蔡蘭「とりあえず他国の土地を奪い、国力を増強しましょう。高祖の例に習い益州を狙うのも良いですが・・・・・」
雲玲「でも私、劉姓じゃないし」
蔡蘭「そうですね。それに今の我々では劉璋すら遠く及びません」
雲玲「とすると・・・・・・・・・」
蔡蘭「やはりここは荊州南部に目を向けるべきかと」
雲玲「あの名高い荊州弱四英傑を相手にする訳ね」
蔡蘭「まずは金旋です」
雲玲「よし、がんばろー!!」』
たった二人での軍議。人材も、兵力もまるで乏しかったあの頃。
なのに何故か、今の雲玲には眩しく思えた。
もう二度と、あの頃に戻る事は出来ないのだから。
年末年始やらでばたばたやってました。申し訳ない。
遅ればせながら、三国志8PKの208年韓玄でやらせて頂きます。
お目汚し失礼致す。
西暦208年、建安十三年。
ついに天下を統合すべく、曹操孟徳が荊州へ向けて侵攻を開始する時が訪れた。
騒然と沸き立つ荊州。だが、その南部では人知れず会合が催されていた。
劉度「これでようやく丞相の天下となりますなあ」
金旋「いやはや、まったく。我々も肩の荷がおりる思いですな」
ここは荊州南部、某所。
韓玄、金旋、趙範、劉度の4名が極秘に集い、ささやかな酒宴を開いていた。
曹操軍の大挙侵攻の前に障害となり得るのは、もはや孫権・劉備連合以外に存在していない。
それすらも曹操軍による怒涛の侵攻が開始されれば、長江の流れよりも疾く押し流されてしまうであろうと思われていた。
席にある面々の様子を見るに、どれも上機嫌の様子である。
しかし、その中に一つだけ不機嫌の空気を惜しみなく発散している姿があったのだった。
韓玄「つまらぬな……」
金旋「何がつまらぬのだ。これから天下が定まろうという時に」
韓玄「だからこそつまらぬと言っている」
金旋「何と…それはどういう意味だ?」
韓玄「男児たるもの、この手で天下を手中に収めんと志すものであろう。それを他人の手に委ねる事になるとはな」
趙範「戯言を。貴公程度の小人物が天下を夢見るなど、笑止。やれるものならばやってみるがよい」
韓玄「ふん。小人物の目にはそうとしか映らぬのであろうな」
劉度「やめなされ、お二方。趙範殿も韓玄殿も落ち着かれよ」
趙範「私は冷静だ。平静さを欠き狂気に狩られておられるのは、お一人だけではないのかな」
韓玄「なるほど、平静さに欠くと仰せか。よろしい。それでは、これがただの狂気ではない事を見せてご覧に入れよう」
金旋「待たれよ、韓玄殿。どちらへ参られる」
韓玄「知れた事よ。私の行く先は、天下だ」
後世の研究によれば、韓玄の突如とした軍事作戦の展開はこの会合の後に開始されたと言われている。
208年10月。
黄忠「おお、太守様。お帰りなさいませ。酒宴は思ったより早く終わったようですな」
韓玄「うむ。ある意味では有意義であったと言えるだろう。私に一つの方向性を与えてくれた酒宴となった」
黄忠「はぁ。何の事でございましょうか」
韓玄「何、深く気にする必要はない。ただ、卿には今まで以上に働いてもらわねばならぬという事だ」
黄忠「ちと表現が婉曲に過ぎますなあ。つまるところ、何なのです?」
韓玄「解った、率直に言おう。天下を手に入れるぞ」
黄忠「……は。それは冗談ではございませぬので?」
韓玄「むろん本気だ。手始めに桂陽を陥とす。ただちに出撃態勢を整えよ」
黄忠「いや…しかし。それにもまずは兵を集めませぬと」
韓玄「今しがた徴兵の触れを出してきたところだ。その点については安心してよい」
黄忠「……解りました。太守様のお言葉に従いまする」
韓玄「よし、それでは魏延と陳式を連れて行くがいい。全兵力を以って桂陽を陥落せしめるのだ」
黄忠「長沙の備えは要らぬのですか?」
韓玄「長沙などくれてやればよい。南郡の太守どもを攻め滅ぼしてから考えても遅くはないぞ」
黄忠「左様なお考えで…。しかしこの老体が桂陽攻めをしくじった場合には、どうなさるのおつもりです?」
韓玄「ふむ、その時は……。その時は、我が夢もそこまでであったという事だな」
黄忠「なるほど。それではその夢、散らせぬよう尽くさねばなりますまい」
韓玄「そういう事だ。期待しているぞ」
黄忠「ははっ」
こうして韓玄の集めた新兵9千を含めた2万4千の韓玄軍は、一路桂陽を目指して南下するのであった。
趙範軍は桂陽城外で迎撃するも、韓玄軍の猛攻を支えきれず敗北。
中でも魏延は黄忠や陳式の支援を受けながら敵部隊全てを撃破するという活躍を示していたのである。
韓玄「意外と早い再会であったな」
趙範「……そうだな。不本意であるが」
韓玄「私は天下を取る。貴公の力を貸してはくれぬか」
趙範「済まぬが、滅び行く者に手を貸してやるほど私の手は余っておらぬのでな」
韓玄「私を、滅び行く者と言うか?」
趙範「一応、自覚はあるようだな」
韓玄「…どうやら、互いの道は交わっておらぬようだ」
趙範「そういう事だ。…さて、そろそろこの胴とも別れを告げる頃合かと思うのだが」
韓玄「たわけ。言い逃げなど許さぬ。どこへなりとも立ち去れい。その目で私の行く末をしかと見届けるがいい」
趙範「……ふん」
【軍事法廷】
解放→趙範
登用→鮑隆、陳応
韓玄「ご苦労だったな」
黄忠「いえいえ。この程度では訓練代わりにもなりませぬわい」
韓玄「それは頼もしいな。魏延共々、零陵戦での活躍も期待してるぞ」
黄忠「はは、お任せ下され」
韓玄軍は桂陽の攻略に成功し、荊州南郡制圧の第一歩を踏み出した。
趙範軍の将を配下に加え、ささやかながら陣容を強化した韓玄軍は南郡制圧に向けて意気上がるのであった。
725 :
健斗 子竜:04/01/26 05:09
>>709 三国志7(PS2)ですが何か?
気まぐれてきにかいただけなので無視でも結構でしたが何か?
>>708を明確に欠くと、
三国志7で、君主になっている韓玄を選ぶ。
直後に韓玄で撤兵、配下二人の兵力をMAXにする。
直後に二人に攻めさせる。
始めの家は城戦に持ち込まれ負けることがあるが毎月やればそのうち勝つことが可能となる。
あとは劉備軍の将を登用するのみ。
関羽、張飛は登用できなければ処断するのが良作
関羽を殺すと呪い発動でマスクデータの寿命(最大7)が3か4減るらしい
寿命0だと36歳から死ぬ可能性が出てきて年を追うごとに死ぬ確率は高くなり、
最大でも60台後半までしか生きられない
ちなみに韓玄の設定寿命は3
シナリオ7だともうすでに47歳なので寿命0になるとかなり危ない
【新野防衛 其の壱 〜心 此処にあらず〜】
政庁の周りを武官、文官のみならず町民までが忙しそうに走り回っている。
先手を打たれたのだ。
汝南より敵襲の報が新野領内を駆け巡っていた。
だが幸い、兵の数は足りている。
本当は攻略の為に用意した兵だが。
諸葛亮「伝令によると兵力はほぼ互角。ですが私や、張飛殿は以前この土地にいた事があります。
故にこの地の事は知り尽くしております。恐るるに足りません」
諸将の前で平然と諸葛亮は言い切った。
先手を挫かれた訳だが皆の表情も明るい。
負ける要因は何処にも見当たらない。
諸葛亮「これより我々は砦へと進軍。博望(土皮)を越えてくる敵軍を迎え撃ちます。
攻略経路は二つ。街道に沿い進軍してくるか、博望(土皮)の険しい崖を越えてくるか、です。
逆にいえばこの二ヶ所を抑えれば、こちらの勝ちです。ですので・・・・・・・・」
ここで用意された地図の上に幾つか模型を置く。手前の赤い模型が我が軍。黒い模型が敵軍を表しているのだろう。
赤い方の模型の一つを崖の下。そしてもう一つを街道の出口へと移動させる。
諸葛亮「先ず、騎兵が選択せざるをえない街道。こちらには馬超殿にあたって頂きます。
ですが、この時点で敵軍とまともにぶつかっても消耗戦になるだけです。
馬超殿の真の目的は索敵にあります。
ここで馬超殿には敵軍を確認次第、我が方の砦へと後退して頂きます。
そして、本隊と左右から挟み、撃退致します」
馬超「むう・・・・・・」
彼の性格上、やはり正面から敵軍を力技で押し切りたいのであろう。だが、彼は孔明の案にしぶしぶ頷いた。
蔡蘭「敵軍が、歩兵を中心とした構成であったら?
目立つ街道をあえて避け、崖を越えて進軍して来る可能性も・・・・・・」
諸葛亮「その為に此方にもう一隊用意します。此方には張飛殿にあたって頂きたい。歩兵を用意いたします。
行動内容は基本的には馬超殿と同じです。敵を確認次第後退する事。
後に本隊と共に攻め手に転じていただきます」
孔明が崖の下に用意したもう一つの模型を差す。
張飛「ぬぅ」
先陣を任されることの嬉しさと、いちいち後退しなければいけない煩わしさの狭間で、張飛が微妙な返事を返す。
諸葛亮「では、参りましょう」
諸葛亮が振り返り主である雲玲の回答を待つ。が・・・・・・・・・・・・・・・・
(『貴方は己の私怨の為だけに我々を利用している』)
確かにその通りかもしれない。それを認めながら、再び私は皆を戦に投じる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・本当にそれでいいの?
諸葛亮「・・・・・・・・・玲様?雲玲様?!」
雲玲「・・・・・あ、はい?!」
蔡蘭「?!」
蔡蘭は雲玲の様子がおかしい事に少し前から気付いていた。
諸葛亮が発言している間も、まるで耳を傾けている様には見えなかった。
視線は虚空を見上げ、何か考え込んでいる様だ。
蔡蘭「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
雲玲の指示の元、諸将が我先にと会堂を後にする。開戦である。
だが、蔡蘭は雲玲の表情を眺め続けていた。
まるで覇気の無くなった主の顔を。
>721
新リプレイヤーさんキタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!!!
共に頑張りましょう。
>726
本当に関羽の呪いが存在するとは(((((( ;゚Д゚)))))ガクガクブルブル
731 :
無名武将@お腹せっぷく:04/01/31 12:51
age
732 :
無名武将@お腹せっぷく:04/01/31 22:28
なんかこういう話しを作れるのって凄いと思う
【新野防衛 其の弐 〜再び〜】
諸葛亮「それでは馬超殿、張飛殿、宜しくお願い致します」
馬超「御意」
張飛「まっかせときなァ」
予定より砦の到着が少し遅れてしまった。だがまだ修正範囲内だ。
砦内に主、雲玲の兵を。その周りを蔡蘭、張合β、劉度等の兵で固める。ぬかりはない。
涼州子飼いの騎馬軍によって編成された馬超の軍は驚異的な速さを誇る。
中原の騎馬兵に速さで敵う者はいない。
それにこの地の知り尽くしている。布陣にも問題はない。
だが、もし敵軍に馬超に匹敵する速さと強さを誇る騎馬軍がいたら?
もし、孔明に匹敵する程この地に詳しい識者がいたら?
この二つの疑問は現実のものとなった。
雲玲 張飛の軍
張飛「・・・・・・・・・・・・・・ヒマだなオイ」
山裾の森の中に布陣した張飛だが、今のところ山を越えてくる敵兵は見当たらない。
張飛「馬超の方にいっちまったのかね?」
視線を馬超が布陣した方に向ける。木々に遮られ、見える筈もないが。
パチン!
頬に止まった虫を叩く音だ。
張飛「あー!森ン中は虫とかいっぱいでウゼーウゼー!!」
兵士「張飛殿!そう大声を出されますと敵兵に我等の存在を悟られますぞ」
張飛「いーぢゃねぇか。どーせ人っ子一人見あたらねぇ。馬超の方に行っちまったんだろ?」
・・・・・・ド・・・・・・・・・ドドド・・・・・・・・ドドド・・・・・・・。
張飛の愚痴を遮るかの様な蹄の音。どちらの軍だ?音は聞こえども森の中、視認出来ない。
兵士「どうされます?」
張飛「とりあえず森を出るぞ。こん中じゃ、この蹄の音が敵か味方か確認も出来やしねぇ」
張飛が先頭に立ち森をひとまず抜ける。森を抜けてすぐ、蹄の音の主は眼前にあった。
兵士「こ・・・・・・・・これは」
旗を立てていない。速さを最も重要視したのであろう。だが、張飛にはソレが敵か味方か直ぐにわかった。
知った顔が先陣を切ってこちらに向かってくる。
それを見た張飛の口元がニヤリ・・・・・・と歪んだ。
張飛「成る程ぉ・・・・・・手前ェが先陣かよォ」
頭上で蛇矛をグルン・・・と一回転させる。
そしてそのまま遠心力を利用し、目前に迫る敵将へと叩きつける!
張飛「久しぶりだなァ、子龍!!」
グァイィィィィィィィィィィィィィン!!!
馬上にてそれを華麗に受け流したのは旧知、趙 子龍であった。
趙雲「趙 子龍、推して参る!!」
張飛「知ってるよ。イチイチ名乗ンな」
再び乱暴に振り回すかのように趙雲に斬りかかる。
だが趙雲も一合一合、きれいに受け流す。
そして二人の周りでは兵達がぶつかり合った。
騎兵と歩兵、に加え不意を突いたという点で趙雲の方に多少分がある。
幾合目かの得物の打ち合いの後、蛇矛が受け流され張飛の体が右へと流れた。
趙雲「勝機、もらったぁ!」
趙雲が張飛の左の肩口に打ち込みを入れる。
張飛「ぬありゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
趙雲「?!・・・・・・・・・・・・・クッ」
趙雲が打ち込みの手を止める。
張飛「アア?!ビビッたのかぁ?趙雲サンよォ!!」
隙のあった張飛の肩口に槍を打ち込む事は可能であった。深く打ち込めば左手の動きを完全に封じる事が出来たはずだ。
だが、槍を張飛の左肩に突き立てた瞬間、趙雲の右手首から先は失われていただろう。蛇矛によって。
やはり一筋縄ではいかない。味方であったときは頼もしいが一度敵にまわすと・・・・
趙雲「厄介な事この上ない」
張飛「どぉした?もっと楽しもうぜェ?!」
狂喜の表情で打ち込んでくる。だがこれ以上相手にしていられない。
カカッ!
趙雲は馬首を無理矢理、張飛とは別の方向に向けた。
張飛「アアン?逃げんのか!」
フゥ・・・・・・・と一息つく。その一瞬の空白の後
趙雲「全騎、二次行動に移れ!」
指示を飛ばし、張飛とは別の方向に駆け出してゆく。
張飛「何だと?!」
趙雲「今日は此処までです」
張飛「ふざけんなゴラァ!」
徐々に張飛の野次が遠ざかっていく。
趙雲「あのまま続けていたらどれだけ日数があっても足らない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・全く、恐ろしい人だ」
不思議と、趙雲の口元には笑みが浮かべられていた。
張飛「ええぃ!とっとと追え!」
兵士「敵襲です。山を越えて敵軍が殺到しています」
兵士2「ならばそちらに向かわなければ!」
兵士3「いや、ここは逃した敵将を追撃するべきでしょう!」
兵士4「一端後退してはとの指示が」
様々な伝令が張飛の前で飛び交っている。
どうやら混乱させられたようだ。趙雲の軍に。
張飛「只戦うだけでなく、こんな置き土産まで置いていきやがって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・全く」
山を越えての敵襲というのは多分偽伝だろう。
という事は敵兵の殆どは騎馬、又は山岳を越えるのにかなり時間がかかる兵によって構成されているという事。
街道を選択したという事だ。
作戦によれば馬超は後退する事となる。そして趙雲が向かった方向。
つまり
(張飛の簡単な脳内考察)
「敵軍→馬超(後退)→←趙雲 張飛」
張飛「馬超がヤベェ!」
だが自分はすぐに動く事もままならない。
張飛「クソッタレェ!」
張飛の無念の咆哮が響く。裏をかかれてしまったのだ。
>731
保全ageありがとうございます。
>732
その様な言葉を頂き光栄の至り。
遅筆ですが、これからもお付き合いいただければ幸いです。
後世の歴史家の中には、韓玄の軍事行動開始を人格交代に求める者も存在している。
何らかの原因により、韓玄の人格に変異を生じたという説である。
しかしこの説には反対が多く、軍事行動開始以後に人格を変異したという説が有力だ。
彼らがその根拠として挙げる故事が、以下のものである。
208年11月。
長沙城内にて江夏に賢人ありとの噂を聞きつけた韓玄は、江夏出向を決意。
誰にもそれを知らせぬまま、お忍びの形で一路江夏へと足を運んでいたのだった。
「しまったな。名前も知らないで来てしまったが…さて、何から探してよいものか」
取り敢えず江夏に到着したものの、韓玄は捜索の手がかりを掴めずにいた。
如何すべき、と思案していると、どん、と肩口に衝撃が走る。
何奴、とこちらが振り返るよりも先に、
「おっと、こいつは失敬。おっちゃん、よそ見してると危ないぜ」
「……律儀なんだか無礼なのか、いまいち掴めん奴だな」
振り返ると、一見風采の上がらない男である。
このまま通りすがりの一人としてしまおうかとも思う。
しかしこれも何かの縁だろうと思い直し、韓玄はこの男に賢人とやらの噂を尋ねる事にした。
「この辺りに賢人がいるという話を聞いたのだが、卿は何か知っているか?」
「賢人ねぇ。知らん事もないが」
「それは真か」
「ここで嘘を言って何になる。で、情報料なのだが……」
そこまで言うと、男は一度言葉を区切った。
ちらりと視線を向ける。
そちらには一軒の酒場がある。
「仕方あるまい。行くぞ」
「ほ。話のわかる奴だねぇ」
男がにやりと口元を歪めるのを横目に、韓玄は諦めの溜息と共に酒場へ向かった。
「さて、情報料は払った。今度はそちらの番だ」
「解ってるって。慌てるな」
男は卓上に並べられた酒を美味そうに煽っていく。
それを苛立ちながら眺める韓玄の指が、とんとんと小刻みに卓を叩いていた。
少し酒が回ったようで、男が上機嫌といった表情を浮かべながら口を開く。
「で、何だったっけか」
「賢人についてだ。いきなりとぼけるんじゃない」
「お前さん、突っ込み厳しいぞ」
「だったらボケるでない」
「解った解った。まずは名前だが。恐らく探し人はホウ統、字を士元という奴だ」
「……誰だ、それは」
「知らないのかよ」
男はがくりと首をもたげた。
落胆の色を隠せないらしい。
「どうした?」
「いや、何でもない。それより、ホウ統といえば鳳雛の通り名を聞いた事がないか?」
「ああ、それなら辛うじて覚えがない訳ではないな」
「それでもその程度なのか……」
今度は男の肩が落ちて、溜息までもが紡がれる。
少しばかり元気を失いかけているようだ。
しかし韓玄はそんな様子を気に掛けるでもなく問いを重ねていく。
「そのホウ統とやらの居場所はわからんのか?」
「……ああ、知っている」
「それは僥倖。教えてはくれぬか」
「ここだ」
「…私の理解が正しければ、この酒場の中にいるという事になるのだが」
「その理解でいい。その中でも、ここだ」
「…私の理解が正しければ、私とお前の二人の中にホウ統がいる事になるのだが」
「その理解でいい。お前さんはホウ統か?」
「…私の理解が正しければ、ホウ統なる賢人がお前である事になるのだが」
「その理解でいい。私がホウ統だ」
沈黙が降りる。
韓玄は口を噤み、ホウ統は酒を煽る。
この不遜な男に何か言ってやろうと思っていた韓玄だったが、ややあって、ふぅと小さな吐息を零した。
僅かに首を横に振ったところをみると、言う気も失せてしまったらしい。
代わりに、大人しく彼を口説く事にした。
「そなた、私に仕えてみる気はないか?」
「お前さんも唐突な人だな。まずは自分の身分を明かしたらどうだ」
「……これは失敬。私は長沙の韓玄という者だ」
「韓玄……お前さんが?」
にわかには信じ難い、というような顔でホウ統が驚きを顕わにした。
が、すぐに元の飄々とした表情に戻り、
「生憎だが、丁重にお断り申し上げる。まだ誰に仕えるべきか決めかねているのでな」
「そうか……それは残念だな」
最後に一口、ホウ統が酒をぐいと飲み干すして、会見はそれでお開きとなったのだった。
翌日、ホウ統がまた酒場にいるという話を聞いた韓玄は、彼に会おうと酒場へ足を運ぶ。
店先で店員にその旨を伝えたが、その店員はすぐに帰ってきて、
「申し訳ありません」
「なぜお前が謝るのだ?」
「はい。ホウ統様が韓玄様の如き悪名高き人物とはお会いしたくない、と仰られまして……」
「…………左様か」
これには韓玄も衝撃を受けたようだった。
江夏を去り、長沙へ戻ると半ば放心した心持ちで城下を歩く。
すると、浮浪者らしき男が韓玄へ近付いてきた。
「暮らしに難渋しておりまする…何卒、お恵みを……」
これを見ていた町人たちは、何という無謀、と思ったに違いない。
相手はあの韓玄である、首が飛ばねばよいが、と案じる者もあっただろう。
しかし長沙太守は民衆の予想を覆して、
「ああ……そうか。ならばこれで飢えを凌ぐがいい」
そう言うと、懐から金の入った袋を一つ取り出して男に渡すのだった。
この日以降、韓玄はたびたび城下に赴いてこのような活動を行っていったという。
そしていずれは韓玄の悪名も鎮静する時を迎えるのだろう。
しかしこの逸話も正史に残されているものではなく、韓玄伝に記されたものである。
それ故に後世の創作ではないかという指摘も多い。
依然、韓玄の行動についてその発端は謎に包まれたままである。
>>730 どうもー。遅筆の者ではございますがよろしくお願いします。
文体を試行錯誤中……何を書いてもしっくり来ません(´・ω・`)
745 :
初代劉王奇:04/02/05 23:38
劉王奇「もはやあんな奴父ではない、劉表よ!この劉王奇ぼ剣を受けよ!」
反乱は失敗し、劉王奇は処断されました
劉王奇伝 糸冬了
韓玄が慈善事業まがいの行動に走っている間も、黄忠らは南郡制圧に向けて休む事を知らなかった。
翌一月には桂陽から零陵へと兵を進め、劉度軍と矛先を交えている。
この戦闘には黄忠、魏延に加えて降将の陳応が参加していた。
桂陽戦に従軍した陳式は鮑隆と共に残り、補充兵力の確保に余念がない。
零陵での戦いは、韓玄軍の優勢に終始した。
城の前に展開していた劉賢隊を発見した黄忠が、これに矢嵐を浴びせる。
並んで行軍していた魏延が続いて乱撃を叩き込むと、劉賢隊は敢え無く壊滅。
何の抵抗も示さない内に劉賢は囚われの身となったのだった。
我が子を救えと意気揚がる劉度隊だったが、後続の陳応から奇襲を受ける。
これにより恐慌状態に陥った劉度隊は行動の自由を奪われ、韓玄軍の袋叩きに遭ってしまう。
間もなくして劉度隊は戦闘力を喪失し、劉親子は檻の中に再会を果たすのだった。
ほとんど何もしない内に孤立した刑道栄に、もはや抗う術はない。
城内へ退く余裕も与えられないまま、彼もまた旅愁となるのであった。
三名の処遇については、韓玄から極めて単純な決定が下されていた。
我に与するならば従え、さもなくば去れ。
この言葉を聞いた劉度は、
「韓玄殿には参り申した。まさか本当に事を起こそうとはな。しかし敗れて儂の覚悟も決まった」
そう言うと黄忠の前に膝を付き、韓玄の大志の一翼を担わせて欲しいと恭順を誓った。
父がそう言うのであれば、と息子劉賢も従う。
刑道栄も命救われるのならば、と韓の旗の下に名を連ねる事となった、
南郡のうち3つを手中に収めた韓玄軍は、いよいよ最後の仕上げに取り掛かる。
長沙、桂陽で集めた兵を零陵へ送り、そこから主力が武陵の金旋へ向け駒を進める。
作戦経過は順調で、進撃は秋の収穫を待って行われる予定となっていた。
えらい短いですがキリがよかったので乗せてみますた。
会話文削ってプレイに忠実な書き方するとミニミニ。
>>745 終わってないYO!
今は周瑜が死にかけてるそうです。
>>746 誤字ハケーン(;´Д`)
第二パラグラフ最終行。
×城内へ退く余裕も与えられないまま、彼もまた旅愁となるのであった。
○城内へ退く余裕も与えられないまま、彼もまた虜囚となるのであった。
>>745 初代の劉g殿はその活躍の場所を2chの外に移して現在もご壮健にあらせられます。
二代目の劉g殿は内政フェチプレイを貫いた挙句、皇帝になってその人生を終えました。
(孫の代に中国統一)
・・・・・・ちなみに「g」は出ますよ。
>>749 私のパソコンでは出ませぬ
「王宗」や「言羽」も出ませぬ
>>750 「出ない」とは、変換候補として出ないということかな?
そういう場合はコピペしる。
ちなみに、「j」は出ますが、「?」(言羽)が出るかは微妙なところ。
「g」や「j」が表示もされない場合は、私には対処方法はわかりませぬ。
さて、スレ違いにてそろそろ失礼。
jって出るから無理
753 :
無名武将@お腹せっぷく:04/02/08 19:27
うわーこういうの読んだら自分もやりたくなってくる
でもこういうの書く能力ないし。今やっても自分のくだらん話しで韓玄殿や袁尚殿の話しが書き込めなくなるしのう。
どなたか、二代目の劉g殿はどこに乗ってるのか教えてください。
756 :
無名武将@お腹せっぷく:04/02/09 10:19
あげるのか?
【新野防衛 其の参 〜旧知〜】
街道出口
馬超「・・・・・・・・・・・・・・・おいでなすった」
眼前に殺到する敵襲を認めながら馬超は一人ごちた。
明らかに馬超一軍では手に余る大軍が接近してくる。
敵の弩の射程内に入るや否やその瞬間。
馬超「まずは先制と行こうか!」
兵士「オオオオオオオオオオオオオオオオ!」
一斉に兵士達がときの声を上げ、前進する。
雲玲軍最速を誇る馬超軍が瞬時に間合いを詰め「殷」軍へとその牙を向けた。
馬超「オオオオオオオ!馬 孟起参上!」
中原の騎馬とは決定的に違う。まるで獲物を狩る狼の如く自在な動きを見せ、敵軍の先鋒を乱していた。
が・・・・・・
馬超「チッ!」
自然と舌打ちが出る。
思ったほど敵軍の前線は混乱していない。むしろ時間が経てば経つ程落ち着きを取り戻しているように見える。
何やら今回の敵には、今までには感じなかったモノを感じる。
まるでこちらの動きを知っているかの様な。
だが、前線にこれといった強靭な将は見当たらない筈。
敵兵から幾重にも向けられた刃をいなしつつ、馬超は前線をぐるりと見渡した。
馬超「?!」
視線が一人の敵将を捉えた。その瞬間、馬超はその将へと馬首を向け、走らせていた。
その将は最前線に出て来ているのではない。が前線の騎兵等にさかんに指示を飛ばしていた。
馬超「どけどけどけィ!」
纏わりついてくる敵兵を蹴散らし、間合いを詰める。どうやら向こうもこちらに気付いた様だ。
馬超「るぅああああああああ!」
殷軍兵士「こ、これ以上近づけるな」
馬超「もお、遅せェ!!」
敵将「グウッ!」
十重二十重に囲む敵兵の間を縫って、一撃を食らわす!
だが目標となった敵将は寸前で身を躱す。
馬超「チィ!」
再び舌打ち。
馬超はその敵将を捉え憎憎しげに語りかける。
馬超「そうかい。アンタなら涼州の戦にも詳しいよなァ」
この男の事は知っている。正直馬超はあまり好きではなかった。打算的な所とか。
かって中原で猛威を振るった覇王 曹操。
もし彼の手が涼州にも及んでいたならば、この男は間違いなく「降伏」を選んでいただろう。
そんな男だ。
馬超「元韓遂旗下八将が一人。楊秋!」
楊秋「お久しぶりで。まさかこんな場所で再開できるとは思っても見ませんでした」
馬超「だが、再開を祝っている暇は無ぇ。邪魔者には消えてもらう!」
楊秋「出来ますかな?」
ヒュヒュヒュヒュヒュ・・・・・・・・
馬超を目標とし、無数の矢が飛来する。
馬超「クッ・・・・・・・・・」
やがて矢を落とす事にかかりきりになった馬超の前から楊秋は静かに姿を消した。
馬超「おのれぇ!」
楊秋の軍だけではない。敵軍は後曲にまだかなりの兵を温存している。
このままでは楊秋を捉えるどころか馬超自身の逃げ場すら無くなってしまう。
敵将を前に下がるのは気に入らないが・・・・
潮時だ。
馬超「後退する!」
とりあえず、前線として最低限の役割は果たした筈。
あとはこのまま策に従い後退し、二次作戦に移行すればいい。
思索をめぐらし、馬超軍は後退していった。
だが馬超は気付いていなかった。
今馬超がいる。まさにこの場所。
彼の率いる軍がこの場所に到着するほんの僅か前。
駆け抜けて行った一軍を。
その軍は馬超軍と接触する事無く、そのまま南下。張飛軍と相対する事となった。
そう、趙雲率いる一軍である。
>749
初代、二代目、お二方には上質な文で楽しませて頂きました。
私も初代劉g殿のサイト見てます。
>753
いやいや。そう仰らずに是非。
>756
保全ageありがとうございます。
【長沙四季報】 二〇九(建安一三)年・夏
■韓玄軍、南郡制圧
今年春までに長沙、桂陽、零陵を支配下に収めていた韓玄軍が、武陵の攻略に成功した。
零陵を進発した黄忠軍四万は武陵城前にて金旋軍と激突。黄忠隊の矢嵐が機能しないなど、緒戦においては数
に劣る金旋軍がほぼ互角の戦いを見せた。しかし敵中に飛び込んだ魏延文長が乱撃を成功させると、形成は一気
に黄忠軍の優位へと傾く。次第に金旋軍を圧倒し始めた黄忠軍は、最後に?道栄が金旋を生け捕りにして勝利を
収めたのである。
これにより韓玄軍は荊州南郡を完全制圧下においた事となり、今後の動向に注目が集まる。
尚、秋に予定されていた武陵攻撃が急遽前倒しされて行われた。これについて韓玄は本紙記者の取材に対し「誤
って攻撃命令を下してしまった」と答え、自らの失策を認めた。その上で同氏は「作戦上の齟齬を誰も気に留めぬ
ほど戦意が高揚していた事の顕れでもあり、喜ばしい事」としながらも「今後はこのような失態を繰り返さぬよう細心
の注意を払いたい」と新たに気を引き締めた様子だった。
【長沙四季報】 二〇九(建安一三)年・秋
第一面<韓玄に”待った!”/華北最新情報>
■反韓玄連合結成
南郡を制圧し勢いに乗る韓玄軍に対し、孫権を盟主とする連合軍がこの度結成された。しかしこれに追随した
のは劉璋のみで、他の諸侯は参加を見送った模様。孫権は「酷政に喘ぐ民を救い、天下の敵たる韓玄を討たん」
と檄文を発している。しかし現在の韓玄勢力下では、軍事力の増強に力点が置かれているとはいえ、その統治は
概ね順調である。これには政治的意味合いが強いと見られており、打倒韓玄を掲げる事で荊州に大軍を駐屯させ
ている曹操の鋭鋒を交わそうという思惑が見て取れる。表面上は劉備との協力姿勢を打ち出しているものの、戦
端を開きたくないというのが孫権の本音であるようだ。
○韓玄軍に激震 動向や如何に
東西に難敵を迎える事となった韓玄は、閣議の席上で劉璋攻めを公言した。その内容は驚くべきもので、近頃
手中に収めたばかりの南郡を放棄し、全兵力を益州へ投入するというものだ。これには反対意見が相次いだが、
韓玄の「兵力を分散して勝利を窺えるほどに我が軍は強固ではない」との言葉に諸将の了解を取り付け、益州攻
略作戦を採択したようだ。
既に韓玄軍は主なき永安への進出を果たし、全ての資材を運び込んで仮の拠点と定めている様子だ。韓玄自身
も永安に乗り込み、虎視眈々と益州を狙っている。南郡で見せた電撃作戦が再び見られるのであろうか。
第二面<コラム/お知らせ>
・コラム:韓玄の益州攻め、その真相は?
益州侵攻に向けて動き始めた韓玄軍だが、その真意についてささやかな噂が飛び交っている。その中心となっ
ているのが南方に存在するとされている”象”という動物である。韓玄がこの動物の噂を耳にして、これを欲しがっ
ているというのだ。事実、関係者は「近頃の殿は南方を眺めては象、象と呟かれる事しきりである」と証言している。
この事について質問を受けた韓玄は「仮に戦場での運用が可能であれば、大きな戦力となり得る」と象への関心
を認める発言を行った。しかし極めて私的な興味の有無について尋ねられると「わし、韓玄だけど」ととぼけて見
せる一面も。
果たして、この象なる動物が私たちの前に姿を現す日は来るのだろうか。益州の戦況と併せて着目してみる価
値はありそうだ。
☆お知らせ
・ワレ コンキュウス シキュウ カネ オクレ ――――江夏・劉備さん
・内政官急募。涼州の荒野が君を待っている! ――――西涼・馬騰さん
・暗愚な上司に代わり国を取って頂ける方を募集。連絡は
[email protected]まで ――――匿名希望さん
・インテルぶるのはもうやめ。これからは先代よりのテンションに倣うぞい ――――第弐周波数帯・十代目韓玄さん
書く度にスタイルの変わる十代目です。
てか、今回のは調子乗り過ぎだ(;´Д`)
>>753 そんな事はありませんよ。
寧ろリプレイヤーさんは沢山いた方が競争意識を煽れてイイという説も。
読者の皆さんも複数の作品があった方が楽しめると思いますし!
>>756 ageたなっ、親父にもageられたk(ry
保全に感謝致す。
しかし拙文につきageは恥ずかしいものがありますなw
>>757-761(弐代目袁尚殿)
お疲れ様です。
しかし趙雲はどこにでも湧いて出てきますねw
神出鬼没だ…。
このスタイルいいなあ。
もっと誉めるからどんどん調子に乗ってください。
【新野防衛 其の四 〜局面打開〜】
砦 雲玲軍本陣最前線
ここではホウ悳、そして張合βが陣を張っている。
二将、そして全ての兵が厳しい視線を自ら前線。
否、その遥か先へと向けている。
そう、既に馬超が敵軍の先陣に抜かれたことはこの場所に伝わっている。
兵士「敵襲ーッ!!」
蹄の音が地面を揺るがしている。
最も早く視界に捉える事が出来たその敵軍は、
この地に自らの存在を見せ付けるかのように、一度降ろした旗を再び翻らせ徐々に接近して来る。
雲玲の領土であるこの地で、「趙」の旗が翻る。
諸葛亮「・・・・・・・・・・・・・・・・馬超殿の伝令によると先陣は楊秋の筈。それに、早過ぎる」
ホウ悳「だが、我々は眼前に捉えし目標を駆逐するだけだ。続け、張合β」
張合β「応!」
諸葛亮はホウ悳と張合β。そして彼らの率いる軍がどれだけ強固なものであるか。
よく理解しているつもりだ。
かっての劉 玄徳は負け戦続きであった。
だが、彼の傍には常に関、張。そして趙雲の姿があった。
劉備は常に彼らに守られていたのだ。
だが、今の趙雲に守るべきものはない。
何も無い。だからこそ、恐ろしく思えた。
・・・・・・・・・嘗めてかかったわけではない。
以前、張良と二軍がかりで苦戦させられた事は苦渋の記憶。
だが、今回はホウ悳と組んでの一戦。
同じ敵に、二度も翻弄される訳にはいかない。
しかし趙雲軍は二軍の隙を突き、射抜くかのように的確な攻めをみせた。
張合β「・・・・・・・・・・速い。そして上手い」
張合βが苦戦しつつも何処か感心している素振りを見せる。
だが前線が膠着している事に変わりは無い。
そんな中、張合βの元に朗報が届けられた。
兵士「我々の軍より趙雲軍を挟んで反対側、我が方の援軍です」
張合β「そうか」
前線にて、数の上ではまだこちらが上回っている。これに援軍を加えれば趙雲を捕らえる事も容易になろう。
趙雲軍兵士「右翼より敵軍の増援です。旗印は・・・・・・・・・・・劉!」
趙雲「・・・・・・・・・・・・・・・・・・な、何ィ?!」
珍しく趙雲の表情が歪む。
趙雲「とうとう来たか」
皇帝旗である劉旗。それを掲げる将は趙雲が知る限り一人。ためらう必要は何処にも無い。
趙雲はそちらへと軍を向かわせた。
張合β「砦から離れていく?否、あの援軍に吸い寄せられている・・・」
だが好機には違いない。
我が方の援軍、これが現在の状況を打破する鍵になるかも知れない。
張合β「追撃だ!」
張合β、ホウ悳両軍が趙雲軍の背後を突く。
これが、今回の戦闘の決定打となった。
劉旗の元、援護に馳せ参じたこの軍。
将は勿論・・・・・・・・・・・・・・・・
劉度「おひょひょひょひょ・・・・・。数の上ではこちらが有利。蹴散らすのじゃよー!!」
張合β ホウ悳「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・『劉』度かよ」
雲玲軍本陣
蔡蘭 ( ゚д゚) ポカーン
そんな表情の隣で諸葛亮は一人ほくそ笑んでいた。
諸葛亮「かかりましたね!さあ、追撃です」
蔡蘭「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・恐ろしい男」
前線
劉度「およよ?何故か皆こちらに来るのじゃよ?」
兵士「やはりいつもより大仰に掲げた劉旗がマズかったのでは・・・・」
劉度「軍師殿がそうしろって言ったのじゃよ?それにあの趙 子龍を討つ好機!逃してはならんのじゃよー!」
劉度と張合β、ホウ悳に囲まれ流石の趙雲も風前の灯火。
更に付け加えれば今回の攻略戦。総大将は趙雲なのである。
つまり、趙雲さえ捕らえれば戦は集結する。
多少のズレが生じたものの、孔明の描いた計画通りの結果であった。
少なくとも此処までは。
【新野防衛 其の伍 〜裏の裏〜】
??「全く面白い事を考える。軍師の言った通りだな」
男はそれだけ呟いて、軍を前進させた。
目標は――――――――――――――――
兵士「てててて・・・・・・敵襲!」
劉度「何じゃとぉ?!」
只でさえ正面に趙雲を相手にしているのだ。
それだけでも手に余るのに更に敵襲などとのたまう。
劉度「誰じゃ?何処からじゃ?!」
??「雲玲軍の援軍が誰であれ関係無い。誰であろうと潰す!」
先ずは劉度からだ。
伝令「劉度様、捕縛」
蔡蘭「・・・・・・・・・・・・・・・・・早」
諸葛亮「確かに。早過ぎます。どういう事です?」
珍しく諸葛亮の表情が気色ばんだ。
明らかに動揺している。
自らの策が破られようとしている。
否、もう破られているのだ。
前線
張合βが軍の足を止める。
張合β「・・・・・・・・・・・・・・・・・・まさか貴方々まで鞍替えしているとは」
正面には趙雲軍。そして・・・・・・・・・・
??1「なぁに。少し間借りしているだけだ」
多数の弩兵を従え、自らも弓を携えたその将は平然と答える。
??2「人のことは言えまい?袁紹、孟徳と来て遂にはそんな所にいるのか」
隻眼のその男は口元にニヤリと歪ませ、涼しい顔で語った。
張合β「な・・・・・・」
この地でこの男達と相対するのはあまりにも不自然。だが彼らはごく自然に雲玲軍の前に立ちはだかっていた。
??2「立ち話している暇は無い。とっとと帰りたいんでな。孟徳の元に」
彼らが立ちはだかるのは初めてではない。
夏侯惇「夏侯 元譲の兵等に告ぐ。眼前に捕らえし者共を皆殺しにするぞ!」
夏侯淵「連弩を前へ。打って打って打ちまくれ!!」
張合β「クッ・・・・・・・・・かかれ、かかれェ!」
夏侯惇 夏侯淵 趙雲 に対し疲労した張合β、ホウ悳軍。
勝敗は明らかである。
孔明、蔡蘭。そして雲玲等本陣の軍が前進する。
が、その動きに呼応するかの様に敵軍の後曲に新たな援軍が現れた。
馬超が引き付けていた軍だ。
馬超もなんとか本陣の前線へと合流するもそれ以上の数の兵が敵軍に合流する。
状況は変わらない。
蔡蘭「・・・・・・・・・・何て事」
ここまで我が軍が崩されたのはいつ以来の事だろうか?
流石の蔡蘭にも頬に冷汗がつたう。
蔡蘭「・・・・・・・・しかし!」
この地へと進軍してきた軍の総大将は趙 子龍。
彼の軍さえ崩せばまだ勝機はある。
だが「趙」の旗は敵軍の人波の遥か奥へと姿を消している。
弩を撃っている暇などない。
夏侯惇、淵の二将に加え楊秋も前線に出てきた。
そしてその後続、恐らく敵軍の軍師が率いていると思われる軍からは絶え間なく弩が撃ち込まれる。
そしてそれらの猛攻により確実に我が軍の兵が削られていく。
我が方の軍師を仰ぎ見る。
その瞳は驚愕に大きく見開き、青褪めている。
いかに伏龍と言えどここまで苦戦するとは思ってもいなかったのであろう。
否。
諸葛亮は全く別の事で驚いていた。
自分の策がここまで見事に破られた。その事も彼に十分な驚愕を与えていたが、それ以外に気付いた事がある。
趙雲の使い方を良く知り、此処の地理にも詳しい。
そして何より孔明という男を良く知るかのような軍略。
これらを瞬時に策として昇華させ、行使出来る人物。
・・・・・・・・該当する人名が瞬時に脳裏に閃く。
歴史の表舞台から姿を消したはずのあの男。
孔明「単福・・・・・・・・・いや徐 元直」
信じたくは無い。数奇な運命に翻弄されたとはいえ
かって劉備の信頼厚きあの男が敵に回ったとは。
だが、仮にそうであっても現状から目を背ける訳にはいかない。
この地で大敗をきっしそうな我が軍から。
今袁尚でプレイ中。北平だけのシナリオだけど最初かなりきつかったよ…
保守
777ゲト
779 :
健斗 子竜:04/02/28 15:45
まだ人気があるこのスレに乾杯。
雲玲(弐代目袁尚 ) ◆WBRXcNtpf. 殿頑張れ。
780 :
今から袁術で始めます:04/02/29 21:20
私は袁術である。これから兄を潰し、更に儂を死に追いやった劉備を滅す。
>>780 皇帝がんが!
ちなみにIX?シナリオの年代も教えてほすぃ。
>>781 しようと思ったがまた新スレが出来た時にやります。すんまへん
ちなみに7でシナリオは3でつ・・・
そのスレの1ですが、そろそろ次スレの準備した方がいいのでしょうか?
良ければ、私が再びスレ立てしてみようかと思います。
そのスレじゃなくて、このスレでした_| ̄|○
785 :
袁術で始めたいと思いましたが:04/03/01 21:29
まあいきなり君主でやるのも話し作るのも無理だと思いますので
まずは一般か在野で始めたいと思います・・・。
786 :
袁術で始めたいと思いましたが :04/03/01 21:31
初心者ではありません。
787 :
無名武将@お腹せっぷく:04/03/02 21:52
やっぱりリプレイって君主でやった方がおもしろいのですかね?
いやいや
一般武将の成り上がりプレイやダメ君主お助けリプレイも魅力的な物かと
【新野防衛 其の陸 〜一瞬の静寂 一瞬の勝機〜】
軍師は自問自答を繰り返し、総大将には覇気というものがまるで見当たらない。
不安要素は確かにあったのだ。
蔡蘭は一人、冷静に状況を分析していた。
自陣より敵軍を眺めてみても、仮に天からこの地を覗いてみても、
本陣に敵軍が現れるのも時間の問題だ。
蔡蘭「・・・・・・・・・・・・・・・ふぅ」
今日何度目かのため息をつく。
再び顔をあげた瞬間、彼女は気づいた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
一瞬の静寂。
この地に在る全ての者。
いや、この大地に在る全てのモノ。
それらが同時に、ほんの僅かな時間、動きを止めた。
まるで時間が止まったかの様に。
何があったのか?
少なくともこの地に居る者の殆どが、その問いに答える事は出来ないであろう。
雲玲にも、孔明にも、蔡蘭にも、馬超にも張合βにもホウ悳にも楊秋にも趙雲にも徐庶にも。
蔡蘭「・・・・・・・・・・・・・・・何だ?」
わからない。
兵士達も只その場に立ち尽くし、困惑の表情で互いの顔を覗き首を傾げている。
敵味方の区別無く。
徐庶「・・・・何をしている?動け、殺せ!」
敵軍の軍師と思われるその男の檄により、止まっていた時間が動き出した。
そう、何も変わっていない。
我が軍の絶望的状況も。
しかし、一度冷静に前線を眺めてみる。
蔡蘭「ん?」
最前線には歴戦の猛将夏侯惇、その背後、夏侯淵より豪雨の如き矢が降らされている。
そして合流した楊秋、徐庶ら後続軍。
だがその更に後方、恐らく趙雲の軍がいると思われる場所。
敵軍の最奥に多少の乱れが見える。
蔡蘭「・・・・・・・・・・・」
何かを感じ取った蔡蘭は、即座に自軍の一番近くにいた将。馬超へと伝令を走らせた。
「殷」軍 最後方
孫朗「ええい、数ではこちらが遥かに上だ。嬲り殺せ!」
だが言葉とは裏腹に、その頬には汗がつたう。
我が軍の背後を衝く兵団。その存在は軍師殿から聞いており、存在自体は作戦の範囲内であった。
だが、問題はその兵団を止められないという事だ。
特に将と思われる先陣の騎兵。
人並外れた膂力を振るい我が方の兵士達を蹴散らしていく。
否、視界に移るあの敵将は人間なのだろうか?
そんな疑問すら浮かぶ程、人垣を当然の如く掻き分けてこちらへと向かってくる。
止められない。
殷軍の背後を衝いたその軍は寡兵ではあったが敵軍を混乱させるには十分であった。
貴様は今何処に居る?
貴様は今何を見ている?
貴様のその瞳は今や誰も捉えない。
大義も、長兄も、この俺ですらも。
貴様の目は濁った。
貴様はここで死んでゆけ。
張飛「子龍ゥ―――――――――――――――――――――!!」
憤怒の形相で蛇矛を振り回す。
その度に人垣が崩れていく。
受けきれず吹き飛ばされる者。
逃げ遅れた者。
逃げる者。
皆、等しく死ね。
誰も彼に近寄る事すら出来なかった。味方ですら。
劉備の元に帰らぬ事。罠にはめられた悔しさ。旧友と戦わねばならぬ苛立ち。
様々な感情をない混ぜにして彼は趙雲を追い続けていた。
遠目から覗けばまさに暴風。
誰もその圏内に立ち入る事は出来ない。
ソレを遠目に眺めながら男は静かに呟いた。
趙雲「退却します。軍師殿にそうお伝え下さい」
孫朗「・・・・・逃げるのですか?敵将を目の前にして」
趙雲「では、貴方はあの軍を止められるのですか?」
横目でこちらとの距離を着実に縮めてくる張飛を見やる。
張飛「子龍ゥ―――――――――――――――――――――!!」
軽くうめき思わず数歩下がる。
視線が合っただけでも睨み殺されそうな気がする。
嬲り殺されそうなのはどちらか?
十重二十重に張り巡らされた陣が次々と抜かれていく。
孫朗「ち・・趙雲殿であれば!」
趙雲「無理です」
一縷の望みをかけ、縋ってみるも、つれない回答が即座に帰ってきた。
趙雲「私の軍は張飛、張合β、ホウ悳、劉度等と相対しております。数も減り、かなり疲弊している。
孫朗殿と私の軍が抜かれれば前線は敵軍本陣と挟まれ・・・・」
その瞬間、自軍の後方より鈍い衝突音が聞こえた。
孫朗「な・・・・何だ?」
孫朗の疑問に答えるが如く、怒号が響き渡る。
馬超「馬 孟起参上!」
孫朗「な・・・・何だと?!」
趙雲「対応が早い。窮地にありながらこの苛烈な軍の進め方・・・・・。
流石と褒めるべきか」
張飛「子龍ゥ――!逃げる気かァ?!」
孫朗「ち、趙雲殿!」
趙雲「軍師殿に宜しくお伝えください」
振り返り軍をまとめ、撤退の準備を始める。
彼が張飛を見るその瞳は何処か寂しそうであったという。
>776
確かに序盤は辛いです。
私が行なったリプレイでは「連合を組む」という卑怯な手に走りましたが(;´Д`)
>777
保守ありがとうございます。
>778
残念でした。
>779
応援レスありがとうございます。頑張ります。
>780
新リプレイヤーキタ━━━(゚∀゚)━
期待しております。
>783
御判断に委ねます。宜しくお願い致します。