→日本社会の変革と創造、その方向↑

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1名無しさんの主張
小泉内閣は「改革なくして成長なし」、「民間にできることは民間に」、
「地方にできることは地方に」などの基本理念を掲げ、いくつかの
構造改革を進めてきた。
これらは成果において不十分だとの批判も多いし、また、構造改革の
方向性についても疑問を持つ人も多い。
21世紀の日本は、一体いかなる方向へ変革、創造されるべきなのか?
どのように国を想い、どちらへ国を創るべきか?

2名無しさんの主張:04/07/25 22:06
2?
3名無しさんの主張:04/07/25 22:11
全く不十分だ。

「民間にできることは民間に」 というのだから、

一刻も早く、N H K は 廃 止 し て く だ さ い 。
4名無しさんの主張:04/07/25 22:16
コネズミ政権の間に自殺者が増えた。
これはコネズミ改革のせいだ。
コネズミ、退散汁!
5名無しさんの主張:04/07/25 22:24
武士の心を取り戻し、素晴らしい江戸時代の日本へ戻したい。
みんなで、新しい武家社会を創造しよう。
6名無しさんの主張:04/07/25 22:34
まだ痛みの時期は来てなかったりして。これからだったりする。
バブルが壊れてから痛手を蒙ったのは投資者。株価が下がったので
資産がシュンと縮んだ。普通の労働者は逆。デフレで生活面では
実は楽になった。物が簡単に買えるようになって、生活は悪くなか
ったのだ。国力は相当落ちてきてるのに餓死者が出なかったのは、
紙幣を大量に発行したためだ。そのツケはこれからやってくる。
痛みはこれからなのに、生活が苦しいとほざくのは一体誰なのか?
これから、中国人並みの生活を送る者がどんどん増えるだろう。
7名無しさんの主張:04/07/25 23:20
朝日新聞は不当な反日報道を繰り返し、
日本人に多大な犠牲を強いてきた。
8名無しさんの主張:04/07/26 01:23
>>7
朝日新聞は読むのが楽。でも本気にするヤシなんているのか?
報道ステも在日番組。
9名無しさんの主張:04/07/26 12:15
痛みに耐えて国を造る。
作詞:保富康午・作曲:平尾昌晃


世界の海は 俺の海
俺の果てしない 憧れさ

日本の歌は 俺の歌
俺の捨てきれぬ ふるさとさ

友よ 明日のない 国と知っても
やはり 守って戦うのだ
命を捨てて 俺は生きる


世界の闇は 俺の闇
俺の果てしない 戦場さ

ドクロの旗は 俺の旗
俺の死に場所の 目印さ

友よ 明日のない 国となっても
君は 日本を愛していた
この国捨てて 行きはしない
11名無しさんの主張:04/07/27 22:05
国産志向をもっと広げていけばいいと思う。
無論、食料だけじゃなくて「観光」もね。
12名無しさんの主張:04/07/27 22:23
財政破綻、少子化が進む中では経済的、物質的向上は不可能。
これからは、物ではなく精神的なゆとりを求める為に価値観を
変える必要がある。
戦後の高度成長時代を通して染み付いた価値観を変えないと
希望も未来もない社会になる。
経済的に貧しいがゆとりがあり、生活を楽しむ人間的が幸せであると
考えるようになる。まーならざるを得ないからともいえます。
13名無しさんの主張:04/07/29 19:21
精神的な豊かさを持つには、多様性を自己責任が必要。
精神力で耐え忍ぶとか、仕事に全生活を捧げるとか、
そういうのにも価値があるのは認めるけど、それを他人に
押し付けられてはたまらない。
共通の部分はルールとして守ってそのほかの価値については、
人それぞれ、のんびり豊かに生きる人、耐え忍んで結果を出す人、
自己責任で多様な生き方を選べるのをキボンヌ。
14名無しさんの主張:04/07/31 12:19
 ミミ彡ミミミ彡彡ミミミミ
,,彡彡彡ミミミ彡彡彡彡彡彡
ミミ彡彡゙゙゙゙゙""""""""ヾ彡彡彡
ミミ彡゙         ミミ彡彡
ミミ彡゙ _    _   ミミミ彡
ミミ彡 '´ ̄ヽ  '´ ̄` ,|ミミ彡
ミミ彡  ゚̄ ̄' 〈 ゚̄ ̄ .|ミミ彡
 彡|     |       |ミ彡
 彡|   ´-し`〉  /|ミ|ミ   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  ゞ|     、,!     |ソ  <    この国を  想い、
   ヽ '´ ̄ ̄ ̄`ノ /     |   
    ,.|\、    ' /|、     \     この国を 創る。
 ̄ ̄| `\.`──'´/ | ̄ ̄`     
    \ ~\,,/~  /  
     \/▽\/


15 ◆z0ldaqsUxc :04/08/06 21:37
16 ◆z0ldaqsUxc :04/08/06 21:40

/// 最適工業社会の繁栄と限界 1 ////

堺屋太一著 「日本とは何か」 1991年 講談社発行より

・・・・・
第六章 最適工業社会の繁栄と限界
    最適工業社会への道
        「豊かさ」への仕組みとは

 これまで五章にわたって「日本とは何か」を論じてきた。
 日本には世界に類のない数々の特色のあることを述べ、その由来を風土と
歴史とから語ってきた。そうした特色が、今日の「豊かな日本」を築くうえで大いに
役立っていることをいいたかったからである。

//// 「日本とは何か」 ///
17 ◆z0ldaqsUxc :04/08/07 19:26

/// 繁栄と限界 2 ////

 しかし、それだけでは日本が豊かになった説明にはなっていない。日本の風土は有史
以前からのものであり、日本人が実際主義の気風を持ったのは千四百年も前からである。
この国に共同体への帰属意識の強い集団主義の気性が生まれたのも、情報共通性が
でき上がったのも、大昔のことだ。比較的新しい石門心学的勤労観や細部重視の
美意識が確立されてからさえ二百年以上も経つ。それにもかかわらず、長い間、日本は
貧しかった。この国が世界一流の豊かさを誇るようになったのは、二十世紀の後半、
とくに一九七〇年代からである。

//// 1991年刊 ///


18名無しさんの主張:04/08/07 23:40
>>17
いつも思うんだが、あんたの書き込みは著作権法でいう「引用」のレベルを超えてるぞ。
捕まるぞ。

ダラダラと人の思想を紹介するのもいいが、はっきり言って目障りでもある。
19 ◆z0ldaqsUxc :04/08/08 20:01

/// 繁栄と限界 3 ////

 したがって、日本の風土や歴史文化は、この国を豊かにする潜在的な要素では
あっても、直接的な原因ではなかったのは明らかである。一九七〇年代以降の
日本が大いに豊かになり得たのには、これらの諸要素を結合して生まれた
「豊かになる仕組み」があったからだ。この最終章では、その仕組みについて論じ、
それと風土や歴史文化との関わりをまとめることにしたい。
 だが、その前に、いま一度、日本の現状に立ち戻って日本社会の構造と体質
および気風と気性を明確にしておく必要があるだろう。正確な現状認識がなければ、
正しい結論には達しないからである。

//// 講談社文庫 ///


20 ◆z0ldaqsUxc :04/08/09 21:47

/// 繁栄と限界 4 ////

        生産者の天国、消費者の地獄

 いま、日本がたいへん豊かな国であることは、誰もが認めるところだろう。第一章で
述べたように、一人当たりの国民所得は世界最高の水準に達し、一人当たりの資産は
世界断トツになり、国際収支は大幅な黒字をつづけている。外国に対する投資も世界一
なら、経済協力金額も世界一(一九八九年、ただし九〇年にはアメリカに次いで二位)だ。
しかも物価は安定し、失業者は少なく、犯罪件数も事件発生率も少ない。このような
豊かさを生み出したのは何かを一言でいえば、「最適工業社会」である。つまり、
近代工業の特色である規格大量生産に最も適した世の中を、この国がつくり上げる
ことに成功したのである。

//// 購入しましょう!///

21 ◆z0ldaqsUxc :04/08/10 20:53

/// 繁栄と限界 5 ////

 ところが、日本人一人一人の実感として、世界一の豊かさが信じられるかといえば、
必ずしもそうではない。確かに、戦前や終戦直後よりははるかに豊かになったことは、
誰もが認める。十年前に比べても豊かになった、という人は多いだろう。だが、「世界一」
といわれると首をかしげたくなるに違いない。
 「日本人の所得はアメりカを上回っている」といわれても実感がない。「君たちは世界に
稀なる資産家だ」といわれても白けた気分になる。「日本の住宅は世界一流の広さ」
といわれると、疑わしい気分になってしまう。われわれの生活は、「豊かさ」とは無縁な
不安と苛立ちに満ちているのである。

//// 絶賛発売中 ///


22 ◆z0ldaqsUxc :04/08/14 07:55

/// 繁栄と限界 6 ////

 何故に日本人は、世界一豊かな状況にありながら、これほどまでに余裕と安心のない
生活に追われているのだろうか。それを一言でいえば「最適工業社会」、つまり誰もが
選択の余地の少ない規格品で暮らさなければならない世の中だからである。
 人間は生産者であり消費者だ。生産者(稼ぐ人)として見れば、今日の日本人は
まことに幸せである。給与も高いし失業の心配も少ない。企業の経営も商店の営業も
保護されている。生産の現場は安全で清潔、労働秩序もきわめて厳格、そのうえ相当数の
人々は、会社の交際費でかなりの娯楽まで楽しむことができる。日本の交際費は年間
約五兆円、GNP比率で見れば、アメリカ、イギリスの六倍、旧西ドイツの八倍にもなり、
株式総配当額をはるかに上回っている。

//// 堺屋太一著 ///

23 ◆z0ldaqsUxc :04/08/15 10:41

/// 繁栄と限界 7 ////

 その半面、消費者としての日本人はいたって不幸だ。物価は高いし家賃も高い。
電車も飛行場も満員だし、病院のベッドを取るのもコネがいる。役所の手続きは
やたらに複雑で書類の数は多い。何よりの不幸は選択の自由が乏しいこと、
小・中学校は厳格な通学区域で縛られていて、居住地によっていやな学校でも
強制的に入学させられる。病院の種類も少ないし、商店の種類も少ない。遊びも
安全基準と各種規制でがんじがらめ、ちょっと気の利いた買い物や遊びのためには
何十万円もかけて海外に行かざるを得ない。お金はあっても好きなことができない、
それが日本の現実である。

//// 「日本とは何か」 ///


24 ◆z0ldaqsUxc :04/08/17 19:39

/// 繁栄と限界 8 ////

 要するにこの国は、「生産者の天国、消費者の地獄」なのだ。そうなったのも、
最適工業社会のせいである。
 では、何故に日本は最適工業社会になったのか、世界百数十ヵ国のなかで、ただ
日本だけが、最も厳密な最適工業社会をつくり得たのか。いま日本でまた世界で
論じられている日本論や日本人論は、結局のところこの問題に帰結するだろう。
 それだけに、この問題の解答には、これまで論じてきた日本的特色のすべてが
絡んでいる。この国の風土、牧畜と都市国家の経験を欠いた歴史文化を体系として
考えない実際主義、稲作農業の永い伝統から生まれた集団主義、初等教育を
広めるために便利な「型の文化」、そうしたもののすべてが、今日の最適工業社会の
形成に重大な影響を与えていることは間違いない。

//// 1991年刊 ///


25 ◆z0ldaqsUxc :04/08/19 22:23

/// 繁栄と限界 9 ////

 しかし、日本が古くから最適工業社会であったわけではないのも事実だ。この
国が規格大量生産型の工業において巨大な生産力と高い技術力を持ち、自動車や
電気製品の分野で世界を席巻せんばかりの勢いを示すようになったのは、一九七〇
年代から、たかだか二十年ぐらい前からである。そのことを思えば、日本の風土や
伝統が、日本人の集団性や実際性が、それに役立っているというだけでは十分で
ないことは明らかだ。

//// 講談社文庫 ///

26 ◆z0ldaqsUxc :04/08/21 19:50

/// 繁栄と限界 10 ////

 そこには、長い歴史のなかにつちかわれてきた日本社会の伝統的気風と気性を、
最適工業社会の実現に向けて働かせる決定的要素があったはずである。そして
それは、この国が飛躍的な産業発展を遂げる時期、つまりこの二十世紀において
起こったことでなければならない。
 そのようなものを探すとすれば、やはり一九四一年(昭和十六年)に確立された
政策体系、いわゆる「官僚主導型業界協調体制(官導体制)」に行き当たるであろう。

//// 購入しましょう!///


27 ◆z0ldaqsUxc :04/08/22 08:49

/// 繁栄と限界 11 ////

        産業革命の本質

 周知のように、近代工業は産業革命によってはじまった。そしてその産業革命とは、
十八世紀後半にイギリスではじまり十九世紀前半のうちに西ヨーロッパやアメリカに
拡がった産業経済の変革現象を指している。日本にこの現象が波及したのは、
十九世紀末から二十世紀初頭、明治維新によって欧米の近代工業技術と近代的
制度が流入、それを完全な模倣で学びはじめて三十年ほど経った頃であった。

//// 絶賛発売中 ///


28 ◆z0ldaqsUxc :04/08/24 21:41

/// 繁栄と限界 12 ////

 前述のように、欧米人が近代工業技術を発明し利用し、それに適した制度や組織を
つくり出すまでには、三百年にわたる精神的遍歴と社会的葛藤があった。その成果を
たった三十年で受け入れたのだから、日本の速度は驚異的である。だが、それだけに
日本の「近代」の受け入れ方はごく表層的だった。その日本が、七十年後にはどこの
国よりも完全に近い近代工業社会(最適工業社会)を築き上げたのだから、不思議と
いえば不思議である。
 しかし、そこには不思議ばかりではない理由もあった。日本は後進工業国であったが
故に、諸外国が経験した戸惑いや妥協なしに純粋な近代社会をつくり得た面も多い
からである。

//// 堺屋太一著 ///


29 ◆z0ldaqsUxc :04/08/25 20:57

/// 繁栄と限界 13 ////

 産業革命は、現象的に見れば、蒸気機関で動く大型機械群を使った工業生産が
社会の主要な生産形態として確立される現象、つまり、一連の技術革新現象だった、
といってよい。
 しかし、単なる技術革新ならそれ以前にもあったし、その後にも起こっている。その
なかで、「十八世紀の後半にイギリスではじまり十九世紀のうちに西ヨーロッパや
アメリカ、日本に広まった蒸気機関で動く大型機械群の導入現象」のみを、とくに
「産業革命」として特記するのは、これを契機として、産業のみならず、経済社会の
全般が変革したためだ。つまりこの時期の一連の技術革新によって近代工業社会が
出現したのである。

//// 「日本とは何か」 ///


30 ◆z0ldaqsUxc :04/08/26 21:37

/// 繁栄と限界 14 ////

 蒸気機関で動く大型機械群を備えた工業が登場すると、そのための生産設備を
一人一人の個人(労働者)が持つことはできない。また、一人(または一家族)で、
そのような生産設備を操業し運営することもできない。このため、生産設備
(生産手段)を持つ「資本家」と、生産手段を持たず労働力のみを提供(販売)する
「労働者」とに分かれることになった。

//// 1991年刊 ///


31名無しさんの主張:04/08/26 23:00
今のマスコミが変わらないと、日本は変わらない。
32 ◆z0ldaqsUxc :04/08/27 21:13

/// 繁栄と限界 15 ////

 産業革命以前の社会においては、働く者はそれぞれに生産手段を持っていた。
農民は耕作する土地の権利を持ち、スキやクワを持っていた。鍛冶屋は道具を持ち
仕事場を備えていた。馬車屋は車を持ち馬を飼っていた。商人は商品と屋台と
商売をする権利を持っていた。ところが、工場制工業生産がはじまると、生産手段を
持たない労働者が大量に発生した。彼らは、何の生産手段も持たないが故に、
どこででも働けたし、どこにでも居住できた。力ール・マルクスが、「自由なる労働者」
と呼んだ人々の群れである。近代工業社会とは、こうした「自由なる労働者」が
多数を占める社会なのだ。

//// 講談社文庫 ///


33 ◆z0ldaqsUxc :04/08/28 21:30

/// 繁栄と限界 16 ////

 一方、機械が発達してくると、人間を機械に置きかえるほうが有利になる。機械は
人間よりもはるかに強力であり動きが正確だ。だが、機械は動きが単純で判断能力が
ない。したがって、人間労働を機械に置きかえるためには、単純な動きで生産できる
ように製品を定形化し、判断が要らないように材料と完成品を規格化しなければならない。
 つまり、規格化が大量生産には不可欠なのである。すべての製品を単純な形態の
部品に分解して規格化し、大量に生産して、それを一定の順序で組み立てるように
すれば、機械化の応用範囲は広まり、人間労働の必要量は減少する。つまり、労働
生産性が向上し、製品の品質と均一性が高まる。したがって、こうした規格大量生産に
適した社会こそ、近代工業に適した社会ということができる。そしてそれを最も徹底
させたのが最適工業社会である。

//// 購入しましょう!///


34 ◆z0ldaqsUxc :04/08/29 18:12

/// 繁栄と限界 17 ////

 日本が最適工業社会をつくったというのは、「規格大量生産に最も適した世の中に
なった」ということだ。現在、日本が世界に誇る国際競争力を持っている分野は、
規格大量生産が可能な分野に限られている。工業のなかでも規格大量生産ができない
伝統工芸品や一品生産的な大型航空機、原子力機器では、日本の生産量と競争力は
けっして強くない。コンピュータでも、規格大量生産になじみ難い大型機器が志向されて
いた間は、日本の競争力は弱かったが、八○年代に入って小型量産機器が普及すると、
たちまちにして日本の独壇場と変わってしまう。農業やサービス業、知価創造的な
分野などで劣るのも、規格化と大量生産化ができないからだ。

//// 絶賛発売中 ///


35名無しさんの主張:04/08/30 20:30
原爆落とされてから60年・・・・60年でこんなもん?ここまできた?

国民の多くに市民意識がないのは、変革を敗戦で肩代わりさせたからだろう。

国の展望を長期的に見れない底の浅さは、直らないと思う。
36 ◆z0ldaqsUxc :04/08/31 20:16

/// 繁栄と限界 18 ////

 明治以来日本は、欧米列強に劣らぬ近代工業国家をつくろうとした。それは、
とりもなおさず、規格大量生産に適した世の中をつくり上げることであった。日本が
量、質ともにそれに成功したのは戦後、とくに一九七〇年代以降である。戦後の
日本は、そのためにすべての政策を動員したばかりでなく、情報機関と教育と
生活規制によって、それが当然と信じるような社会環境をつくり上げたのである。

//// 堺屋太一著 ///


37 ◆z0ldaqsUxc :04/09/01 21:55

/// 繁栄と限界 19 ////

        「安定」から「効率」へ − 正義の転換

 前述のように、近代工業社会を生み出した精神は、合理主義、つまり物財の
多さを幸せと感じる美意識と、効率を正義と信じる倫理観だ。それが日本に
定着したのは、けっして古いことではない。
 徳川時代の日本では、最大の正義は「安定」であって「効率」ではなかった。
成長志向を弾圧した徳川家康の築いた政権・徳川幕府は、どれほど「効率」を
犠牲にしても「安定」を追求してやまなかった。あえて大井川に橋をかけなかったのも、
複数帆柱の船舶の建造と運航を禁止したのも、人と物との移動が容易になる
(効率がよくなる)ことで、人口の均衡と地域市場が崩れて安定が損なわれるのを
恐れたからである。

//// 「日本とは何か」 ///


38ミネ:04/09/03 06:01
守旧か改革かという論点はいかがでしょうか
日本が1000兆の債務を抱えるのも間もなくです
全ては官僚と献金組織の意向に逆らえない議員という人々のみで立法を
する結果、役人天国---規制改革ができずにいるからではないでしょうか

全ては 一括一任の間接政治の持つ欠陥に起因しているものと考えています

司法は裁判員法により 国民の常識と正義感を参加させます、

政治にこそそれは重要ではないでしょうか

直接間接併存政治構想
http://www2.osk.3web.ne.jp/~mine2/
39名無しさんの主張:04/09/03 11:55
かくまうのも決死
 記事によると、6000人以上とも言われる朝鮮人が殺された関東大震災当時、
東京の下町でも、一般市民までがデマに躍らされ、凶行に及んだ。
だが、「自分が盾になる」と避難してきた朝鮮人一家をかくまった、勇気ある日本人もいた。
それから78年、当事者は既に故人となっているが、双方の親族や友人が集まり、
彼の勇気をたたえる記念碑の贈呈式が行われた、ということである。
 勇気をたたえるとあったが、実際、その当時日本人が朝鮮人を助けるのには、命賭けの勇気が必要だった。
震災の恐怖と流言により暴徒化していった自警団は、かくまうものへも凶器の刃を向けていったからである。

神奈川では同じように関東大震災当時、避難してきた朝鮮人の命を、自分の命を賭けて守り抜いた勇気ある警察署長がいた。鶴見警察署長、大川常吉である。
このところ神奈川県警は不祥事が続いていて、あまり褒めたくはないのだが、こんな立派な人もいたのだ、
という事実は決して忘れてはいけないと思うのでとりあげてみた。
 朝鮮人が日本に渡ってきた事情については先月号に書いたが、大震災当時、神奈川県にも多くの朝鮮人が住んでいた。
彼らは京浜の工場地帯の造成や職工、鉄道の建設工事などに従事していた。
大震災の直後から「朝鮮人暴動」の流言は広がり、混乱のなかで警察の機能もほとんどマヒ状態に陥っていた。
赤池警視総監は軍隊の出動と戒厳令の発令を要請。
これを受けて水野内務大臣は、2日に東京市と府下5郡に戒厳令を発令、3日には神奈川も戒厳地域となった。
40 ◆z0ldaqsUxc :04/09/03 19:39

/// 繁栄と限界 20 ////

 勤勉と倹約とをともに強調して、マクロの均衡とミクロの安定を両立させる一方、
労働を人格修養の手段と考えて労働の効率を無視するようにと説いた石田梅岩の
石門心学が、人々の共感を得たのも、安定を第一とする社会コンセプトがあった
からである。
 ところが、アメリカからきた「黒船」は、「安定」よりも「効率」を重視する近代思想を
提示した。このことは、日本社会を一変させるに十分だった。これによって、
それまでの最大正義だった「安定」が否定され、すべてを革新する効率追求が
正義になってしまう。いわゆる「尊皇攘夷」から「文明開化」への転換である。

//// 1991年刊 ///



41名無しさんの主張:04/09/03 23:17
コピペの内容はいい内容なんだが、もはや荒らし行為と認定する。
削除依頼を出す。
42ミネ:04/09/05 08:59
>周りの皆が自動車にはハンドルとブレーキが必要だといくら説明しても聞き入れない。
>平和な地域で意味不明の人権なるものを振り回す気違いは信用してはいけない。


    国民の8割りが「もはや政治からは何も期待していない」と考え、義務観から投票する人さえ半数になってしまいました。
    しかし為政者や役人は 気付くことはありません
    
    体制内部の人々は、立派な建物の職場 そして高い俸給に安住し、国民がいくら「修正が必要だと
    いくら説明しても聞き入れません
    すべてのものは変化するものです  この一世紀、激変したものは、教育と情報手段です
    さらに大きな変化は、若い人々の意識でしょう
    しかし、政治は、人々の意思を吸収しきれていません
    「オレは若い、オレはできる、オレに任せろ」という人々にしか、票を投ずる事ができない
    こうした選挙制度を墨守する限り政治不信はなくなることはありません
    歴史は、体制の不条理でハラワタのネジ切れる経験をした人々のみが書き換えてきたのです

    体制のぬるま湯におられる人々が「改革の必要性」に気付かれた例はほとんどないと言えるのではな
いでしょうか
 
    ハンドルとブレーキが必要だといくら説明しても聞き入れない人々とはどなたでしょう
http://www2.osk.3web.ne.jp/~mine2/
43 ◆z0ldaqsUxc :04/09/05 19:48


/// 繁栄と限界 21 ////

 この変化の激しさは世界史上にも例を見ないほどであった。それというのも日本人
には、そのときその場の多数の意見を正義とする相対的正義感が定着していたから、
日本の伝統的な気風と気性が、明治維新では見事に発揮されたわけである。
 一方、これに対する抵抗はいたって弱かった。「黒船」が現れるまでは圧倒的な
権威と権力を持っていたはずの徳川将軍も、それに忠誠を誓っていたはずの諸大名も、
たった十年のうちに自ら進んで権力を放棄した。「三河以来三百年」の天下の旗本
たちも、幕府を擁護しようとはしなかった。このとき、あくまでも徳川家と徳川幕府に
忠誠であろうとしたのは、会津・桑名などの大名とごく少数の旗本御家人、および
新撰組のような臨時雇いのガードマンだけだった。
 それというのも、この国にはみんなと違うことを恐れる集団主義の気性があった
からである。

//// 講談社文庫 ///




44 ◆z0ldaqsUxc :04/09/06 21:42

/// 繁栄と限界 22 ////

        死よリ怖い仲間はずれ

 人間は誰しも他人に好かれたいと思う。だが、その度合が日本人ほど凄まじい
民族はいない。とくに日本人が、自分の属する集団のなかで嫌われることを恐れる
のは、極端である。日本人が恐れる死以上にこわいのだ。外国人は(ときには
日本人自身も)、日本人は死を恐れぬ民族だと思い込んでいるが、これほど大きな
誤解はない。むしろ、他の民族以上に死を恐れる。

//// 購入しましょう!///



45ミネ:04/09/07 06:46
>デフレ経済下での緊縮財政は本当に正しいの

    まさに甲論乙駁でしょうね。時代も条件も異なりますから過去の事例が
    持ち出される事は適当とは思えませんし
    しかし不況下に放慢な財政出動はまさに「振興券」と似ているように
    感じますね
    結果として構造転換も進捗しないことになりますが・・・・・
    さて、並存構想はこうした個々の政策を論じるものではありません
    基本は、他人に自己表現を委任しなければならない間接政治の修正です
    ネット時代は政治参加の機会を増やせて当然です、さらに、
    外交政策は与党を支持し、教育政策は野党を支持したいと考えるケース
    の解決手段でもあります。
    さらに言えば、献金組織や役人に遠慮せざるを得ない人々の議決の中に、
    国民の常識を参加させるという意味も含まれます。
    参政員の多くが公共事業を賛成する場合もあり得ます。でどうなるか***
    国民が「偉い人に任せる」か「自己責任で決める」かを選択したのです。
    結果については、当然に国民の責任です
    「あのような選択は誤りだった、今後は改めよう」という成長が始まるの
    です。
     一括一任政治によっては、相変わらず、役人と献金に振り回された人々
    が責任を持つ????????民度の成長も幸福感もあり得ないでしよう
    なぜなら、未来は誰にも分からず、外見と言葉では人の真実が見抜けないからです
   
http://www2.osk.3web.ne.jp/~mine2/
46名無しさんの主張:04/09/08 07:22
「どのような政治の体制を望みますか」・・という投票箱があります
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
政治体制投票箱      6月22日現在 2505名投票
http://vote.mallkun.com/cgi-bin/27/vote.cgi?id=seijian
47 ◆z0ldaqsUxc :04/09/08 21:38


/// 繁栄と限界 23 ////

 たとえばガンと診断したときに、患者本人に告げるべきかどうか、日本の医学界では
しばしば問題になる。日本では多くの場合知らせないが、外国では成人の場合は
たいてい本人に知らせる。
「あなたはガンです。あと三ヵ月の寿命でしょう。いまのうちに遺言を書き、牧師を
呼んでお祈りをしなさい」というわけだ。キリスト教の終油の秘跡は、死ぬ前に行う
儀式であり、「お前はこれから死ぬぞ」といって額へ十字に油を塗る。

//// 絶賛発売中 ///




48名無しさんの主張:04/09/09 07:05
官製情報のみの時代にできた間接政治
今は議員も国民も同量の情報
献金と役人に判断が狂う可能性の高い人々による議会に、国民の常識の参加を
49名無しさんの主張:04/09/10 06:15
多額の献金が問題化していますね
西洋の諺に『笛吹きに金を与える者が曲目を決定する』というのがあります、
献金により国の意思形成が左右されかねない、一切の献金は国民の参政権の侵害ではないでしょうか。
見返りを期待してなされる多額の献金は公職者の腐敗を 招く、それが政党であっても同じことです。
献金は選挙と政治過程に影響を与え、選挙や政治に対する国民の平等な影響力行使を妨げ政治的不平等
を招くも のです
さらに言えば、献金の使途は政治活動とは無縁な政治家個人の再選目当ての票田維持・開拓費、さらに
は政用族としての自家消費(政用にかこつけた遊興飲食費)となっています
献金に替わる政党助成法も違憲の疑いの極めて強い法です。すなわち、同法では市民の納付する税が当
該市民の支持しない政党にも交付される点において、市民個々人が有する自己が支持しない政党や政治
的意見への支持を 国家によって強制されない自由を侵害します。

助成法は議員によるお手盛り法であり合法ではあっても違憲と考えられます

一括一任間接政治も、教育政策はA党を支持し、経済政策は B党を支持したいという中間意思が表現で
きないという理由で、合法であっても違憲で、人権を侵害するもの と言ってもいいでしょう
重要法案は選挙か、国民投票によるか、並存構想による べきかと考えます
50名無しさんの主張:04/09/10 06:57
     (⌒Y⌒Y⌒)
    /\__/
   /  /    \
   / / ⌒   ⌒ \
(⌒ /   (゚)  (゚) |
(  (6      つ |
( |    ____ |
   \   ι_/ /  < 年金制度が崩壊したら私たちの老後が危ないわ!
    \____/   
      /     \
    /  / ̄⌒ ̄\
   /   / ⌒  ⌒  |
   | /  (゚)  (゚) |
/⌒  (6     つ  |
(  |  / ___  |  < そうよサザヱ 何が何でも自民保守よ!
 − \   ι_/  /      私たちの運命がかかっているんだから! 
      \___/ 
   ∩___∩
   | ノ      ヽ/⌒) 
  /⌒) (゚)   (゚) | .|
 / /   ( _●_)  ミ/   あばばばばばば
.(  ヽ  |∪|  /
 \    ヽノ /      
  /      /     あばばっあびゃばびゃばば
 |       /   
 |  /\ \           
 | /    )  )        小泉閣下マンセー
 ∪    (  \    
       \_)
51 ◆z0ldaqsUxc :04/09/10 20:09:33

/// 繁栄と限界 24 ////

 ところが、日本の仏教の引導は、死んでから棺桶の前で渡す。生きているうちに
坊さんがきたら、患者はびっくりしてしまう。不治のガンも同様で、日本では大体に
おいて本人には告げないことになっている。このため、患者が遺言を書くこともなく、
相続問題をこじれさせる例が少なくない。しかし、それにも合理的な根拠がある。
ガンを告知すると、結果が著しく悪いのである。
 外国の統計では、患者に不治のガンを告知した場合も告げない場合も、ほぼ
同じくらい生きるそうだ。つまり確実に死ぬといわれても、それで気を病んで寿命を
縮めることは少ないらしい。

//// 堺屋太一著 ///


52名無しさんの主張:04/09/10 20:58:50
スレを

『 日本社会の崩壊と絶望、その方向 』

に変更いたします。
53 ◆z0ldaqsUxc :04/09/11 21:11:21

/// 繁栄と限界 25 ////

 ところが、日本での統計では、告知した場合には、断然死期が早まってしまう。
ある有名なお坊さんが、
「自分は若い頃から修行して仏に仕え、精神修養をしてきた。けっしてガンを
告げられても驚かないから、本当のことをいってくれ」
 というので、お医者さんが、
「じつは、ガンです。あと六ヵ月ぐらいの寿命でしょう」
 といったところ、翌日から食事もできなくなり、二週間で死んでしまったという例も
ある。医者が病状から判断した期間に比べて、日本人の場合は、告知された人は
告知以前の予想余命の平均三分の一ぐらいの期間で死んでしまうといわれている。
 要するに、日本人は死を恐れるのであり、生命に対する執着、現世的欲望の
強い民族なのだ。

//// 「日本とは何か」 ///



54 ◆z0ldaqsUxc :04/09/12 19:00:21

/// 繁栄と限界 26 ////

 では、それほどに死を恐れる日本人から、特攻隊を志願する若者が相当数出た
のはなぜか。外国には、切腹や特攻隊が喧伝されているため日本人は死を恐れぬ
民族だと思いがちだが、じつは違う。特攻隊を志願して、幸いにも出撃前に終戦に
なって生き残った人々にインタビューした記録を見ると、志願の理由を「国のために
死ぬ気になった」と答えた人は、一割以下だった。あとの人々は、
「行きたくはなかったけれども、みんながやかましく行け行けというから、断れなく
なった。仕方がなかったのだ」

//// 1991年刊 ///



55名無しさんの主張:04/09/12 20:31:20
構造改革は政治、行政財政改革だけではだめだ。司法改革、法曹改革もしなければだめだ。
56 ◆z0ldaqsUxc :04/09/13 19:58:13

/// 繁栄と限界 27 ////

 というのである。日本人にとっては、みんなの意向、つまり自分の属する集団の
意思と見られるものに逆らうことは、恐ろしい死以上に恐ろしい。水利に頼る
水田農業に親しみ、村落共同体を離れては生きていけなかった日本の伝統が、
集団に逆らえない性格と習慣を、日本人全体に植えつけたのである。
 こうした集団主義の気性が、神と仏とを同時に祭る相対的正義感の気風と
相まって、日本社会のムードと日本人の倫理観を一挙に激変させることが
しばしばある。幕末から明治維新にかけての十年余りの間にもそれが起こったのだ。

//// 講談社文庫 ///


57 ◆z0ldaqsUxc :04/09/15 22:28:34

/// 繁栄と限界 28 ////

        文明開化から官僚主導ヘ

 アメリカの黒船がはじめて現れたとき、全国民のほとんどが攘夷を唱え、
安定社会の継続を主張した。もっともこれには、徳川幕藩体制を守ろうという
積極的理由よりも、外国の要求に屈したくないという民族意識のほうが強かった
だろう。しかし、馬関戦争や薩英戦争によって、それが大きな損失を伴うと
分かると、たちまちにしてムードが変わった。

//// 購入しましょう!///



58 ◆z0ldaqsUxc :04/09/17 19:14:16

/// 繁栄と限界 29 ////

 そしてそうなれば、従来の体制はすべて否定され、誰もこの流れに抗し難くなって
しまうのが日本だ。二百五十年にわたって圧倒的な権威と実力を誇った徳川幕府が、
抵抗らしい抵抗もできないままに倒壊しただけではない。各地の大名も武士階級も、
その地位と特権が主張できなくなる。寺院も神社もヨーロッパ風の発想で再編成
させられる。土地所有や職業団体も一挙に近代資本主義の概念で決定されてしまう。
歴史や国語の教科書さえも、欧米の近代理論によって書きかえられてしまうという
有様だった。「文明開化」が流行語となり、「脱亜入欧」が叫ばれた。単に「入欧」
(ヨーロッパ近代文明に親しむ)だけでなく、「脱亜」(これまでの東洋的学識と慣習を
捨てる)までいわれるのだから凄まじい。明治の人々は、仏教を推奨しながら
「敬神の詔」を出した聖徳太子よりも性急だった。

//// 絶賛発売中 ///


59 ◆z0ldaqsUxc :04/09/19 08:06:37

/// 繁栄と限界 30 ////

 この結果、維新以来二十年を経ずして、日本には欧米を模倣した概念や制度や
組織が生まれ、近代技術を取り入れた工場や鉄道ができ出した。しかし、本当に
日本社会を近代工業社会につくり変えることは、ムードと模倣だけではできない。
このためには、近代的大工場を数多くつくるだけの資本を蓄積し、それを効率的に
投資運用する大組織と、そこでつくられた同一規格の商品を大量に販売する
統一大市場と、大量生産の現場で働くにふさわしい多数の人材とを用意しなければ
ならない。

//// 堺屋太一著 ///


60名無しさんの主張:04/09/19 08:34:38
アルゼンチンが破綻したのは外国からの借金が多かったからではない。
いくら外国からの借金が多くても自国の通貨を好きなだけ発行して外貨に換えればいつかは返せる。
アルゼンチンが破綻した原因は自国通貨をドルにペッグしていたことで、自国通貨の発行にドルの
裏付けが必要だったから。その為のドルが無かっただけ。逆にいうと資本主義経済において、
変動相場制を採用している国(もちろん日本も含む)は理論的に破綻することはあり得ない。
物理的に輪転機を動かす電力が無くなったとか、札を印刷する紙が無くなったとかいう場合は別だけど。
61名無しさんの主張:04/09/19 08:39:27

そうか。韓国が破産したのもワイマールが破産したのもソ連が破産したのも理由が無いわけ?
62名無しさんの主張:04/09/19 08:45:47
アルゼンチンと日本の最も大きな類似点は、強力な1政党が長年政権を握り、その弊害が最近目に見えて現れていることである。
さらに悪いことに反対党の勢力が弱く政治の浄化作用ができなかったことである。アルゼンチンの場合はJusticialista党(正義党
と言う意味であるが、一般にはペロン党と言っている)が寡占的にアルゼンチンの政権を握り、汚職をしても罰せられない体質を作
ってしまったことである。アルゼンチンの現在の問題はペロン党がほとんど政権を握る24の地方政府であり、必要もないのに人気
を取るために地方公務員を増やし、それで毎年財政を赤字にしており、連邦政府に交付金をねだっていることである。連邦政府の
交付金が少ないと言って、事実上の借金である日本の昔の藩札に当たる地方債通貨を発行するなど言語道断のことをしている。
IMFも業を煮やして、地方政府の放漫行政が解決されない限り、支援資金を出さないと言っている。事実アルゼンチンの地方政府
の財政赤字体質を矯正しなければ、いくら金をつぎ込んでもどぶに金を捨てるのと同じことである。
日本の場合は自民党があまりにも長期間政権を握ったため、いろいろなところで癒着が起きており、最近それが目に付きだしたこ
とである。特殊法人の問題、郵便制度や郵便貯金の問題、雪印など農水省に関する不祥事など、いろいろの問題が表面に出てき
ている。しかし自民党の内部では国民のためと称して自分たちの権益を強引に守ろうとしている。
63 ◆z0ldaqsUxc :04/09/20 18:55:58

/// 繁栄と限界 31 ////

 社会ムードとして近代精神を肯定した日本は、それを実現するための大企業の
育成と統一市場の形成と人材の大量要請を目指して邁進する。これにはそれぞれに
抵抗があったが、比較的短期間で成功し得たのは、やっばり日本的伝統の作用である。
ここでとくに重要なのは、専門家を重視する下意上達の組織的伝統と、「令外の官」を
生み出した情報共通性であったろう。

//// 「日本とは何か」 ///




64 ◆z0ldaqsUxc :04/09/22 21:15:13

/// 繁栄と限界 32 ////

 近代文明の特色の一つは、細分化、専門化である。とくに規格大量生産の場に
おいてはそれが徹底している。つまり、一つの概念が形成されると、それを部門別、
部品別に分解、それぞれに最適のものをつくり、組み立てれば最適の製品がつくれる
という仕組みになっている。
 規格大量生産では、全体を決める概念発案者はわずかだが、それに従って製造に
あたる部門担当者は数多い。それもできるだけ部分に細分化すれば、それぞれを
深く究めて最善を尽くしやすいので、コストを引き下げ品質を向上することができる。

//// 1991年刊 ///



65名無しさんの主張:04/09/22 21:45:58
企業が 銀行が あのプロ野球でさえ変わろうとしている。

変わらないのは政治だけ? あと2年は何も変わらない。
66名無しさんの主張:04/09/24 01:12:45
【海洋国家】日本の戦略【総合安全保障】 スレもあるよ
67名無しさんの主張:04/09/24 01:28:32

【経済】高齢化の影響、日本が深刻 IMF、移民受け入れを提言★2
http://news19.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1095934986/

出生率1.29 女のせいで日本沈没 Part2
http://love3.2ch.net/test/read.cgi/gender/1087744422/
68 ◆z0ldaqsUxc :04/09/24 20:10:35

/// 繁栄と限界 33 ////

 したがって、規格大量生産を巧く行うためには、全体の概念を生み出す少数の天才と、
かなりの数の部門別改良者(中堅技師)と、その意図するところを忠実勤勉に実行する
多数の現場勤労者が必要である。日本的集団主義が膨大な数の忠実勤勉な現場勤労者を
生み出す条件になったとすれば、細部重視の下意上達慣習と「型の文化」の伝統は、
かなりの数の中堅管理者を育成する基盤になった。
 日本には、全体概念を創造する天才は少なかったが、幸いなことに、それらは外国から
流入した。このお陰で、かなりの数の中堅管理者と多数の勤勉な現場勤労者を用意
できた日本は、急速に工業化することができたのである。

//// 講談社文庫 ///


69 ◆z0ldaqsUxc :04/09/26 09:56:34

/// 繁栄と限界 34 ////

         出稼ぎ産業だった戦前の製造業

 アジア諸国のなかでは、日本だけが急速に工業化した。しかし、昭和の初期、
一九三〇年代までは、まだ幼稚な段階だった。製糸業と紡績業とは量質ともに
世界的水準に達していたが、他の産業、とりわけ近代工業社会においては中核と
なるべき重化学工業は、規模も小さかったし技術的にも劣っていた。何より重要
なのは、社会構造においても人生設計のなかでも、近代工業はまだ信頼すべき
就業の場とは考えられていなかったことである。

//// 購入しましょう!///




70 ◆z0ldaqsUxc :04/09/28 19:36:37

/// 繁栄と限界 35 ////

 終身雇用が一般化した今日からは信じ難いほどだが、一九三〇年代までの日本は、
世界で最も労働者横転率(労働者が勤め先の会社を変わる率)の高い国だった。
首切りも多かったし、それを抑制する法規もなかった。それどころか、日本には解雇の
制限や事前通告などは不必要だという「理論」さえあった。いわゆる「出稼ぎ労働理論」
である。「日本の工場や商店の労働者は、農家の次、三男や娘たちが主であり、
精神的にも経済的にも郷里の家族に深くつながりを持っている。だから、たとえ
勤め先で解雇されても故郷に帰れば、親兄弟が温かく迎えてくれる。そこで農業の
手伝いをしていれば、生活は苦しくとも飢え死にすることはない。

//// 絶賛発売中 ///



71 ◆z0ldaqsUxc :04/09/29 21:01:41

/// 繁栄と限界 36 ////

 そのうちに景気が回復、勤め口が見つかれば、また都会に出て勤め、何年かの間に
貯金をする。次の不況の折にはまた郷里に帰り、蓄えた金で田地の一反でも買い、
親兄弟の農業を手伝って過ごし、景気の回復を待ってまた勤めに出る。そのときには、
自分の買った田地を親兄弟に貸し与え不況の間世話になった礼とする。このようにして
女性は高等小学校を出てから結婚するまでの約十年間を、男性は四十前後までの
二十年余りを過ごし、やがて不惑の声を聞く頃(四十歳前後)には、郷里に生活基盤を
築いて農業に戻る。それが健全なる臣民の理想の人生というものであろう。

//// 堺屋太一著 ///




72 ◆z0ldaqsUxc :04/10/01 20:26:33

/// 繁栄と限界 37 ////

 欧米諸国では、そうした温かい大家族制度がないから、労働者が勤めを解雇されれば
親子路頭に迷う。だからこそ解雇の制限も労働者の団結闘争も必要なのだ。それに対し、
大きくいえば天皇陛下を長として国家全体が家族をなし、細かく見れば各家系の本家を
核とする大家族の美風があるわが国では、欧米のような解雇制度も団結闘争も必要ではない」
 というのである。戦前、合理主義一本槍の欧米に比べて、日本が優れている点として
強調されていた日本的伝統とは、この大家族制度による家族福祉の存在だった。

//// 「日本とは何か」 ///




73 ◆z0ldaqsUxc :04/10/02 19:53:36

/// 繁栄と限界 38 ////

 もちろん、これには労働者側の不満もあったが、大半の勤労者は何となく納得して
いたといえる。生涯を工場や商店の従業員として暮らすことを望む者は少なかったし、
平均寿命の短かった当時は、中年から帰農できる可能性も高かった。長男が肺結核で
若死にすることもあったし、養子の口も珍しくなかった。
 要するに、一九三〇年代までは、製造工業はまだ、社会経済の中核になっていなかった
ばかりでなく、人生を通じて身を置くほどの安定した職場とも考えられていなかった。
民間企業のサラリーマンは、大学卒の管理職でも「浮草稼業」と呼ばれていた。つまり、
当時日本はまだ、近代工業社会の入口、ごく低い段階にとどまっていたのである。

//// 1991年刊 ///





74 ◆z0ldaqsUxc :04/10/04 19:12:16

/// 繁栄と限界 39 ////

 それには三つの理由があった。第一は、資本蓄積が乏しかったことだ。明治以降、
欧米の制度と技術を学んで強引な殖産興業政策を推進したとはいえ、三百年の
準備期間と百五十年の実績を持つ欧米に、五十年で追いつくことはできなかった。
第二は、工業製品の市場が未熟だったことだ。軍備の近代化と産業の発展とを
同時に推進した明治政府の政策は、軍需や公共需要を生み出した半面、国民大衆の
生活水準を抑圧し、耐久消費財などの工業製品の国内市場を狭くしていた。昭和初年
(一九二六年)、この国にあった乗用車は四万台、ラジオは三十三万八千台(NHKとの
契約台数)、電話は六十二万八千本に過ぎない。

//// 講談社文庫 ///




75 ◆z0ldaqsUxc :04/10/05 20:09:46

/// 繁栄と限界 40 ////

 第三の理由は、この国に工業用原材料とすべき天然資源が乏しかったうえ、一九三〇
年代は世界的にも資源不足時代だったことだ。日本は国土が狭く平野が乏しいので、
工業用原材料の農業生産には適さない。羊毛、皮革などの動物性のものはもちろん、
徳川時代の鎖国体制のなかでは盛んだった綿花栽培も、国際競争力のあるようなもの
ではなかった。鉱物資源も種類は多いが産出量は少なく、採掘には人手がかかる。戦前、
この国で国際競争力のあった工業用原材料といえば、労働集約的な生糸と比較的資源に
恵まれていた銅だけである。不利な輸入原材料に頼らねばならなかったことは、産業の
発達と資本蓄積の妨げになったといってよい。

//// 購入しましょう!///



76 ◆z0ldaqsUxc :04/10/07 20:12:10

/// 繁栄と限界 41 ////

 このため、第一次大戦後の日本政府は、市場と原材料を求めてアジア大陸に進出
する。だがそれは、アジア諸国や欧米との緊張を高めた。軍事官僚(いわゆる軍部)は、
これを梃としていっそうの軍拡を推進したが、それだけまた、生活の場での需要は
圧迫された。こうした状況のなかで、さまざまな抵抗を排してつくられたのが「官僚主導型
業界協調体制(官導体制)」または「昭和十六年体制」といわれるものである。
 今日の日本を最適工業社会にまで発展させたのは、この体制の成果なのである。

//// 絶賛発売中 ///


77名無しさんの主張:04/10/07 20:13:59
小泉内閣は「改革なくして成長なし」
   ↓
修正   「改革しても成長なし」

イチローのように外国に行くのが良いでしょう。
78 ◆z0ldaqsUxc :04/10/08 20:18:03

/// 繁栄と限界 42 ////

    官導体制の確立と推進
        工業化のための規格統一

 規格大量生産社会を目指す政策は、地域を代表する保守的分権論者の多かった
帝国議会の抵抗に遭い、容易に進まなかった。このため、昭和に入ると官僚・
軍人たちは議会の権威を失墜させることに努め出す。
 議会制民主主義を破壊しようとする者の策謀は、古代ギリシャ以来変わらない。
金銭疑惑を喧伝することだ。明治時代の政治家たちは、豪壮な邸宅に住み何十人もの
使用人を置いていた。山県有朋の椿山荘を見ても分かるように、明治の元勲たちの
豪華な生活は、とうてい陸軍大将の給与や爵位報奨でまかなえるものではない。
しかし、彼らの金銭問題が重大な政治問題に発展することはなかった。

//// 堺屋太一著 ///


79 ◆z0ldaqsUxc :04/10/10 19:21:17

/// 繁栄と限界 43 ////

 ところが昭和になると「珍品三品事件」など、些細なことが重大問題になり、しばしば
政争の具にも使われた。この時代の政治家は「井戸塀」といわれるほどに私財を
磨り減らして選挙と国政に当たったのだが、マスコミの金銭疑惑追及は厳しさを増す。
その背景には、議会の権威を失墜させようとする官僚軍人の組織的思惑が働いて
いたのである。
 その集大成ともいえるのが、昭和九年のデッチ上げ疑惑「帝人事件」だ。昭和
三年の金融不況によって倒産した鈴木商店が設立した帝国人絹(現帝人)の株式が、
日銀融資の担保流れとして政府に保有されていた。その払下げをめぐって政官界を
巻き込んだ大汚職があった、というのがこの事件の筋書きである。

//// 「日本とは何か」 ///


80 ◆z0ldaqsUxc :04/10/11 18:12:32

/// 繁栄と限界 44 ////

 発端は時事新報の特ダネだったが、以降六ヶ月、各新聞が詳細に報道、会合の
出席者や場所まで具体的に書かれたため、たいていの者はそれを事実と信じ込んだ。
こうした「世論」を背景に、現職大臣を含む十数人の政治家、官僚、若手財界人が
逮捕起訴されたため、時の斎藤実内閣は総辞職。そのあとには岡田啓介海軍大将の
内閣が生まれる。

//// 1991年刊 ///



81 ◆z0ldaqsUxc :04/10/13 21:31:39

/// 繁栄と限界 45 ////

 この事件は三年余りにわたる裁判の結果、「事実無根のデッチ上げ」であることが
判明、被告全員が無罪となった。しかし、その間に「二・二六事件」が起こり、
国家総動員法が成立し、軍務大臣(陸軍大臣・海軍大臣)現役制が復活していた。
このため、敗戦まで議会政治が権威と機能を回復することはなかった。裁判は
被告たちの個人的名誉は守ったが、民主政治は守れなかった。この点では、
ナチスのデッチ上げた「国会放火事件」とも共通している。

//// 講談社文庫 ///




82 ◆z0ldaqsUxc :04/10/15 21:01:23

/// 繁栄と限界 46 ////

 こうして議会勢力を抑え込んだ軍人官僚たちは、昭和十三年(一九三八年)の
国家総動員法の成立を契機に、次々と法規を改正強化して「官僚主導体制」を
つくり上げた。それが完成したのは昭和十六年(一九四一年)前後である。
したがってこれを「昭和十六年体制」とも呼ぶことができるだろう。
 これには三つの柱があった。その第一に、規格大量生産を徹底させるための
規格化基準化である。

//// 購入しましょう!///


83 ◆z0ldaqsUxc :04/10/17 18:06:50

/// 繁栄と限界 47 ////

 工業製品については「日本工業品規格」が定められ、ネジやビスからラジオや
家具まで基準規格が設けられた。以来、規格化標準化は商工省現通産童の重要な
政策の一つとなる。農産物でも、お米は一等米から五等米までの等級制になったし、
お酒は酒税法の改正によって特級、一級、二級の三種類に限られた。施設の面でも
基準法規や安全基準が決定された。建築基準や電気工作物基準も厳しく定められたし、
鉄道施設基準も全国一律に定められた。昭和十五年までは、各地の駅舎には地域の
個性を生かした建物も多かったが、それ以降は全国一律で規模だけの違いとなる。

//// 絶賛発売中 ///



84 ◆z0ldaqsUxc :04/10/19 20:58:06

/// 繁栄と限界 48 ////

 医療に対しても標準医療なるものがつくられた。規格主義の究極は、全国民の
服装を統一する「国民服令」(昭和十六年)だった。成人男子の服装を甲・乙二種類の
国民服に限定しようというものだったが、ナチの制服を真似たデザインは日本人に
似合わず、はなはだ不人気に終わった。
 この規格化標準化は、戦後に至ってますます強化される。終戦直後の占領下では
一時緩和されたが、独立を回復するとともにいち早く強化された。日本工業品規格は
JISマークと名を変え、企業の自由採用になったが、公共事業や官庁消費をJISマーク
製品に限ることで事実上強制された。

//// 堺屋太一著 ///



85 ◆z0ldaqsUxc :04/10/21 20:16:39

/// 繁栄と限界 49 ////

 農産物については米価の等級制が長く維持されたばかりか、新たにJASマークも
つくられた。標準医療制度に至っては、いまも「差額ベッドの規制」や「基準外病院の
禁止」などますます厳重に適用されている。
 一九七〇年代まで、日本の官僚は「国民車」の選定や「ハウス55」計画など、
全国民に一律の規格品を供給する政策を推進しようとしていたのである。

//// 「日本とは何か」 ///



86 ◆z0ldaqsUxc :04/10/23 19:37:20

/// 繁栄と限界 50 ////

 これと並行して(ときには先行して)、企業の統合合併も強引に進められた。一県
一行原則による地方銀行の統合、電力会社の日本発送電一社への統合、製鉄業界
での日本製鉄の出現、地方私鉄の合併などがそれである。企業の数を減らし、
製品の種類を限定することで、規格大量生産の実を上げようとしたのである。
 この政策も占領下では中断、いくつかの企業が分割され、財閥企業グループも
解散させられた。しかし独立の回復と同時に企業統合が進み、一九六〇年代からは
金融グループとして戦前以上に強化されることになる。戦後日本が目指した
最適工業社会の形成に役立つと考えられたからである。

//// 1991年刊 ///




87 ◆z0ldaqsUxc :04/10/25 20:27:13
88 ◆z0ldaqsUxc :04/10/27 19:14:17
89 ◆z0ldaqsUxc :04/10/27 19:15:46

/// 繁栄と限界 51 ////

        「国民学校令」で人格の規格化を図る

 最適工業社会を目指した「官僚主導体制」の第二の柱は、人間の規格化、
つまり規格大量生産に適した均質的な人材の養成である。昭和十六年の
「国民学校令」は、その最終的到着点といえるだろ。
 「国民学校令」は、その名からも分かるように、ナチスの「フォルクス・シューレ」を
直訳したものだ。当時「革新官僚」といわれた日本の新進気鋭の役人たちは、
ナチスのつくった「フォルクス・シューレ」の仕組みに驚嘆かつ賛同。ナチスの
法律を正確に翻訳した「国民学校令」をつくったのである。

////// 講談社文庫 ///



90 ◆z0ldaqsUxc :04/10/29 21:35:01

/// 繁栄と限界 52 ////

 その「国民学校令」によって定められた仕組みの要点は二つある。一つは、私立学校、
とくに初等教育での私立の新設は認めない、いまある私立学校もことあるごとに廃止し、
究極的にはすべて公立学校のみにするという「初等教育公営制」である。これは戦後にも
厳格に守られ、現在も私立の小・中学校の新設は非常に難しい。
 第二の要点は、一通学区域一学校制度の通学区域を設け、居住地によって通学する
学校を決める「学区制強制入学方式」である。この制度はいまも厳重に保たれている。
今日では公立の小・中学校が一通学区域一学校なのは当然のようにさえ思われて
いるが、このような制度が厳格に実施されているのは、共産圏と日本ぐらいである。

//// 購入しましょう!///


91 ◆z0ldaqsUxc :04/11/01 21:05:22

/// 繁栄と限界 53 ////

 以上の二つを組み含わせると、教育の需要者たる生徒や父兄の側には学校選択の
自由がなくなる。私立学校をつくらせないのは、指定された公立学校に入らない抜道を
なくすためだ。教育の需要者たる生徒や父兄が学校を選ぼうとすれば、「越境入学」
として罪悪視されてしまうのが今日の日本である。
 この仕組みが目指したのは、すべての学校に「平均的生徒群」を集めることだ。
大阪市東区に音楽の上手な子ばかり誕生とか、東京都世田谷区に算数の得意な
子ばかり居住ということは絶対にあり得ない。つまり学校別に生徒群の個性的偏りが
なくなる。したがって、学校も個性的な教育はいっさいできないわけである。

//// 絶賛発売中 ///





92 ◆z0ldaqsUxc :04/11/04 21:40:53

/// 繁栄と限界 54 /////////

 たとえば、ある学校が音楽を重点に置いた教育をしたなら、音楽の好きな数人の
生徒は喜ぶが、あとの子供たちは困ってしまう。ある学校が小学校から英語を重点的に
教えようとなったら、英語の嫌いな子供は怒るだろう。したがって、結局はすべての
学校が、官僚の定めた標準的な教育しかできないわけである。
 ナチスの教育官僚が考え出したこの教育統制は、国民から個性を奪う悪魔的天才性が
あった。すべての学校が同じ教育しかできないとなれば、国の決めた教育が実施され、
完全な規格・画一教育が行われる。全体主義体制を目指していた戦争前の日本の
官僚たちもこの方法を取り入れた。そしてそれを戦後も「学校格差の是正」の美名の
もとに推進し、より徹底させてきた。これが規格大量生産の遂行に有利だったからだ。

/////////// 堺屋太一著 ///



93名無しさんの主張:04/11/05 10:12:07
フェミナチ
94 ◆z0ldaqsUxc :04/11/07 20:09:30


/// 繁栄と限界 55 ////////////

 教育問題といえば、とかく戦後の六・三制から議論をはじめ、教科書の内容や教師の
資質に及ぶ教育の「中身」の論議になりがちだが、重要なのは「国民学校令」以来の
教育の「仕組み」である。このナチス的仕組みの下に、戦後は個性的な生徒を悪とし、
すべての生徒を均質化することを理想とするように教育指導が行われているのである。

/////////// 「日本とは何か」 ///




95 ◆z0ldaqsUxc :04/11/10 22:04:16

/// 繁栄と限界 56 ////

        欠点とともに個性をなくす教育

 日本の学校では、先生は不得意な科目ほど熱心に教えてくれる。体育が上手で
数学の苦手な子供には、数学の補講をしてくれる。英語が上手で理科のできない
子には、理科の宿題を出す。けっして、できる科目のほうを先に進めるような補講は
してくれない。つまり長所を伸ばすより欠点をなくす教育をしているのである。
 結果としては、子供たちの能力に大小の差はあっても、みんなが長所も欠点もない
円い相似形になる。優等生はオール5、普通の子はオール3、それがよい子なのだ。
5もあるが2もある子供は「悪い子」、つまり個性を残した不真面目な生徒と
見なされてしまう。

//// 1991年刊 ///



96 ◆z0ldaqsUxc :04/11/13 22:03:58

/// 繁栄と限界 57 ////////

 これでは、学校では不得手な科目の時間が増え、得意な科目の時間が減る。
人間は下手なことは嫌いだ。だから、いまの学校では嫌いな時間が増え、
好きな時間が減る仕かけになっている。これで学校へ行くのが好きという子供が
いたとすれば、人格的に欠陥があるとみてもよい。日本の教育が重視しているのは、
嫌いな時間に耐え、苦手なことを長時間やる辛抱を養うことであり、みんなと
同じ知識技術を身につける協調性を備えることなのだ。そうした人材こそが
規格大量生産の現場に役立ったからである。

/////////// 講談社文庫 ///




97名無しさんの主張:04/11/15 01:08:42
                利己的為政者打倒祈願心経

老硬原潜 領海侵犯 海自僚幕 早期探知 文民統制 歯軋激高 腰抜首相 優柔不断
大使雲隠 公使代打 無礼中共 厚顔無恥 略術策謀 事態明白 低脳外相 反論皆無
盗人笈銭 国際無心 借金肥大 投税湯水 軍隊外遊 無駄遣費 災害勃発 救援不在
連日散財 危険手当 他力本願 外人護衛 笑止適任 飼犬総理 幼児判断 総指揮官

藪氏再選 茶番選挙 総理統領 世襲同士 国益縁屈 我田引水 戦争商売 益々繁盛
候補蹴井 残念至極 比較投票 無選択肢 自由平等 再来不能 良心崩壊 不治病根
安全憲法 闘地域外 大手安泰 記者逃亡 佐蛆王侯 仰天贅沢 油虫諸国 嫉妬咥指
金融始還 恐慌必至 新札発行 好機到来 擦寄属国 御零頂戴 兌換再開 冗談過多

修瓶羅殿 方々騒動 出番一番 移民兵隊 一攫千金 掘出原油 妄想優先 居楽占領
口実山荘 弾薬消費 無実人民 殺戮三昧 地球全域 狂気蔓延 黙秘待望 藪氏暗札
変人人気 絶久無残 国民悲願 順次裏切 口先達者 行動不遜 偏執狂者 平和呆也
軍事音痴 外交同様 米国戦略 判断適当 景気低迷 責任転嫁 役人天国 空前絶後

年金放送 公社公団 道路建物 天下喰物 国家財政 破綻目前 既得権益 保守貫徹 
郵政民営 虚言改革 徹頭徹尾 風呂屋釜 献金親玉 万事優遇 古今東西 下請悲鳴 
悪行履歴 日刊暴露 強気答弁 意味不明 前科隠滅 婦女暴行 鈴木宗夫 足向不眠
官房経費 不正支出 売国奴党 摩替参拝 都合第一 金権体質 打倒小泉 祈願心経
98 ◆z0ldaqsUxc :04/11/17 22:17:50

/// 繁栄と限界 58 /////////

 教育を規格化し生徒の能力を相似形にすれば、新入社員の教育訓練も容易だ。
大学卒の優等生なら大体これぐらいの能力はあるはずだと推定できるし、普通の
高校卒ならこれぐらいの知識があるということも分かる。だから、それを基準に
して社内訓練をはじめればよい。辛抱強く協調性に富んだ人材だから、決められた
とおりの仕事を勤勉かつ確実にやるはずである。

//////// 購入しましょう!///




99 ◆z0ldaqsUxc :04/11/20 21:32:09

/// 繁栄と限界 59 //////////

 一方、教育を規格化均質化すると、生徒を測る尺度も一律になる。生徒の能力が同じ
円形なら面積の大小によって順位がつけられる。したがってその尺度(いわゆる偏差値)
によって測られた優れた生徒の集まる大学が、優秀大学ということになる。このため、
戦後は大学の間に東京大学を頂点とするピラミッド型のヒエラルヒーが確立され、
偏差値によって進学対象が決められるようになった。そしてそのことがまた、子供たちを
ただ一つの尺度に適うように勉強させる受験競争を激化させることにもなった。ナチスの
教育思想を取り入れて、昭和十六年に施行された「国民学校令」の仕組みこそが
戦後教育の原点であり、日本国民の均質化を徹底させる受験地獄の源泉ともなって
いるのである。

//////////// 絶賛発売中 ///




100名無しさんの主張:04/11/21 05:31:23
年間5回程の重要政治議案の国民参加制度を
http://money3.2ch.net/test/read.cgi/seiji/1099084593/l50

日本の政治システム・官僚システムに変革をもたらす制度かも
101 ◆z0ldaqsUxc :04/11/23 21:20:25

/// 繁栄と限界 60 //////////

 戦後も何度か教育改革が問題になり、実際にもいくつかの改革が行われた。
しかし、その都度、受験地獄はひどくなるばかりで、緩和されることはけっして
なかった。「国民学校令」の仕組みが手つかずに残されてきたからだ。そして
そうなったのは、この仕組みが規格大量生産の近代工業社会に適していた
からにほかならない。

//////////// 堺屋太一著 ///



102 ◆z0ldaqsUxc :04/11/26 21:51:39

/// 繁栄と限界 61 //////////

    頭脳機能の東京一極集中

 最適工業社会を目指す官導体制の第三の柱は、有機型地域構造の形成、つまり
東京一極集中の推進である。
 有機型地域構造とは、国土全体を一つの有機体、いわば人間の身体のようにする
という発想である。国土全体が一つの人体であれば、頭は一つでなければならない。
したがって、全国的な頭脳機能は特定の一都市、つまり政府の所在地である「首都」に
のみ集中しなければならない。

///////// 「日本とは何か」 ///




103 ◆z0ldaqsUxc :04/11/29 21:37:36

/// 繁栄と限界 62 ///////

 では、頭脳機能とは何か。それを当時の官僚たちは、経済統制機能と情報発信
機能と文化創造活動と規定した。そしてそれらを東京一極に集中する巧妙な方策も
生み出した。
 まず、経済統制機能の東京集中のためには、各業界に業界団体をつくらせ、その
全国本部を東京に置かせ、官僚OBを専務理事や事務局長に送り込んだのである。
これは鉄鋼連盟や自動車工業会などの産業別団体から日本医師会や文芸家協会
などの職能別団体に至るまで、あらゆる供給者団体に及んでいる。

/////////// 1991年刊 ///



104 ◆z0ldaqsUxc :04/12/03 21:38:57

/// 繁栄と限界 63 /////////

 この結果、企業経営者も医師や作家の類も、全国団体の役員となり団体本部に
しばしば呼び出されるようになると、東京居住を強いられる。政府は、経営者や
各種職業人が東京に住んで団体役員になることを促すため、団体役員にのみ
勲章を与え名誉を讃えた。このようにしておけば、全国団体の役員になるほどの
大企業の首脳や有名人は東京に集まり、おのずからその企業の本社機能も
文芸活動も東京に集中する。

//////////// 講談社文庫 ///





105魔法のセニョリート ◆40WnEtzSeY :04/12/05 18:39:19
みどくつ先生もよろしく。

http://www.midokutsu.com/
106 ◆z0ldaqsUxc :04/12/07 20:56:46


/// 繁栄と限界 64 //////////////

 一般に、企業の本社機能の東京集中は営業の便利さのためだといわれているが、
関西や名古屋から東京への本社機能の移動を詳細に調べると、たいていの企業で
まず東京に移ったのは社長室、秘書室である。全国団体の役員となった(または
なろうとする)社長や会長は東京滞在が多くなるからである。これに次いで東京に
移るのは、金融部門と宣伝広報部門である。前者は金融界が大蔵省に統制されている
ためであり、後者は情報発信機能が東京に集められたためである。逆に最も後まで
地方に残るのは営業関係と総務関係、つまり商売と人事は東京に移る必要が
乏しかったのである。
 それだけに、政府官僚は業界団体本部を東京に集めることには、ことのほか
熱心だった。とくに戦後、規格大量生産が確立されはじめた一九六〇年代からは、
それが強化される。

//////////////// 講談社文庫 ///






107 ◆z0ldaqsUxc :04/12/11 20:01:29

/// 繁栄と限界 65 ////////////

 しかし、すべての産業界がこれに従順に従ったわけではない。たとえば繊維業界は
明治以来関西を中心に発展、大部分の企業の本社が大阪にあり、各種団体も大阪に
できていた。六〇年代初期から通産省は、これを東京に移動させようと働きかけて
いたが、六〇年代末に至って日米繊維貿易摩擦が発生したのを機会に、強引な
移動を図った。当時、「敵はアメリカではなく大阪、繊維業界団体が大阪にいる限り
アメリカとの交渉には責任が持てない」と公言してはばからぬ官僚もいたのである。
 結局このときは、繊維業界の側が各種別団体(紡績協会、化繊協会など)の
上部機関として「日本繊維工業連合会」を新設して、その本部を東京に置くことで
妥協したが、その後も政府の強引な「指導」はつづき、多くの団体本部が東京移動を
余儀なくされた。

///////////// 絶賛発売中 ///






108 ◆z0ldaqsUxc :04/12/14 20:15:36

/// 繁栄と限界 66 ///////////////

        情報発信機能も文化創造も

 第二の情報発信機能については、より簡明な方法が採られた。
 まず電波情報では、昭和十六年当時、唯一の電波情報発信機関であった日本
放送協会(NHK)の規則を改正、全国放送の発信は東京放送局(AK)に限ると決めた。
 それまでは全国放送の三五パーセント内外を担当していた大阪のBKも、それ以降は
放送範囲が近畿二府四県と三重県の伊賀地区および自動的に電波の届いてしまう
四国の一部に限定されてしまう。

///////////////// 堺屋太一著 ///




109 ◆z0ldaqsUxc :04/12/19 20:50:02

/// 繁栄と限界 67 ///////////

 戦後、民間放送が誕生したときにも、この思想が厳格に踏襲され、世界に類例を
見ない「キー局制度」が考え出された。つまり、民間放送ネットワークのなかで最大の
発信力を許可された局にのみ全国番組編成権を与えて「キー局」とする。そしてその
キー局は東京都以外では許可しない、というわけである。もっとも、これには全国
最初に民間放送をはじめた大阪などから抵抗も強かったので、大阪に四つ、名古屋に
二つ「準キー局」なるものを認め、全国放送も可能にしたが、全国番組編成権は
あくまでも東京のみとした。

///////// 「日本とは何か」 ///







110名無しさんの主張:04/12/19 22:54:18
 , /⌒⌒γ⌒ 、
       /      γ   ヽ
       l       γ    ヽ
      l   i"´  ̄`^´ ̄`゛i |
      |   |         | |
      ヽ  /  ,\, || ,/ヽ./
       !、/   一   一 V
       |6|      |     .|
       ヽl   /( 、, )\  )  
        |      ) 3 (   /` ;   ガタガタぬかすな!
        丶        .ノ    ;:。         
         | \ ヽ、_,ノ      , ;` ;・
        |    ー-イ         ペッ 


111名無しさんの主張:04/12/19 23:28:43
test
112 ◆z0ldaqsUxc :04/12/25 18:07:12


/// 繁栄と限界 68 ////////////

 このため、大阪や名古屋の局でドラマを制作全国に放送しようとすれば、東京の
キー局に番組に入れてくれるよう陳情しなければならず、その際には東京側の厳格な
審査と指導を受けることになる。つまり「地方らしさ」という名目のもとに、伝統産業か
事件ものしか許されない。セリフや配役まで厳格に審査されるし、こじつけたような
地方色が強要される。これでは、地方は滅びゆく産業と事件事故ばかりの「文化
果つるところ」と見えてしまうのも避けられないだろ。

/////////////// 1991年刊 ///




113 ◆z0ldaqsUxc :05/01/01 00:32:54

/// 繁栄と限界 69 ///////////////

 もう一つの情報発信、文字印刷物については、文部省思想局の指導によって
書籍元売が四社に統合され、そのすべてが東京に集められた。
 この結果、県境を越えた書籍の販売はすべていったん東京に運び込まなければ
ならなくなった。いまでは、大阪市で出版した本を橋一つ渡った尼崎市の書店に
置くのにも、必ず東京に持ち込んで送り返さなければならないようになっている。
このことは、地方の出版社にとってコスト高になるばかりでなく、輸送期間だけ
締切りが早くなる。したがって時事問題を掲載する雑誌類は、東京以外では出版
できなくなり、すべての出版活動を東京一極に集中させる結果になったのである。

///////////////// 講談社文庫 ///




114 ◆z0ldaqsUxc :05/01/05 19:58:40

/// 繁栄と限界 70 //////////////////

 何故に情報発信機能の東京一元化が必要だったか。それは全国の情報環境を
共通にして、日本全体を規格品の統一市場にしようという発想があったからだ。
全国ネットの情報は東京からしか出ないから、日本国中の情報はすべて同じ。
規格大量生産品の販売にはきわめて良好な情報共通性ができ上がった。東京から
コマーシャルを流せば、北は北海道から南は沖縄県まで同じコマーシャルが流れる。
だから、同一規格商品を売りやすい。東京で情報管理が完全にできるのである。
 同時に、頭脳は一つだから企画設計などの機能も東京にだけ集中する。その結果、
企画設計者も個性が乏しくなり、共通の規格に従いやすい。結果としては最適工業社会が
完成しやすいわけである。

////////////////// 絶賛発売中! ///

115 ◆z0ldaqsUxc :05/01/08 19:14:16

/// 繁栄と限界 71 /////////////

        文化創造活動の場は東京だけ

 第三の頭脳機能とされた文化創造活動に関しては、文化創造に必要な施設と
団体を東京に集中する方策が採られた。特定の機能と目的を持つ施設はすべて
東京にのみつくる。歌舞伎のための国立劇場も、オペラ専用の第二国立劇場も、
陸上競技の国立競技場も、すべて東京にのみ設ける。一方、地方には、何でも
できる施設、多目的ホールや団体展覧会用の美術館だけを配置する、
というのである。

/////////////// 絶賛発売中 ///




116 ◆z0ldaqsUxc :05/01/12 20:09:04

/// 繁栄と限界 72 ////////////////

 この政策によって、地方都市に多数つくられた多目的ホール(戦前はナチス流に
「全体劇場」と呼んだ)とは何ものか。多目的ホールとは、シンフォニーでも、歌舞伎でも、
オペラやバレエでも、講演会でも何でもできるホールという意味だが、何でもできる
ということは、何をやっても最適でない、ということでもある。つまり多目的ホールとは、
無目的ホールのいい換えなのだ。
 歌舞伎をするには下手寄りの直角に花道がなければならない。シンフォニーホール
なら緞帳は不要である。オペラの舞台は高さが高いが回り舞台はないほうがよい。

/////////////////// 堺屋太一著 ///




117名無しさんの主張:05/01/12 20:34:39
>>歌舞伎をするには下手寄りの直角に花道がなければならない。シンフォニーホール
>>なら緞帳は不要である。オペラの舞台は高さが高いが回り舞台はないほうがよい。

スペースさえあれば花道の取付は簡単だ、

ウイーンの楽友協会大ホールは、オペラやバレーの時は緞帳を使い
ウイーンフィルハーモニー管弦楽団の演奏会に緞帳は使わない
カーネギーホールも、上野の文化会館も同じ、世界中のホールは皆同様だ

地方都市に於いて、一年に何回もない同種のイベントに対して、
別々に専用のホールは不要だ。





118名無しさんの主張:05/01/12 22:33:37
>>116で言っている事が事実なら
堺屋太一は社会批評は良いかも知れないが、舞台芸術や音楽には
無知らしい、又それを検証無しでパクっている君も駄目人間だね。

パクリばかりしてないで、自分の意見を言い給え。
119名無しさんの主張:05/01/15 12:37:12
パクリと引用の違い

ぱくり・・・他人の著作言説をそのまま、発表する事

引用・・・・先ず自分自身の思想、方法があり、それに同意又は反対に対して
       意見を表明して議論を深める
120 ◆z0ldaqsUxc :05/01/15 17:22:16


/// 繁栄と限界 73 /////////////////

 それぞれの出し物には、それ特有の施設と演出があり、何でもできることは
あり得ない。つまり、多目的ホールでは、「似たようなもの」はできても、「本物」は
できない。したがって、そんな施設を本拠にして楽団や劇団が育つことはあり得ない。
「本物」の音楽や演劇を志向する芸術家は、特定目的の施設のある東京以外では
住めないわけである。
 こうした多目的ホールを全国各地に配置したのには、文化創造活動を東京に
集中する意図が隠されていた。

/////////////// 「日本とは何か」 ///


121名無しさんの主張:05/01/15 21:28:00
>>120
>それぞれの出し物には、それ特有の施設と演出があり、何でもできることは
>あり得ない

あり得るぞ、では何故オペラ、オペレッタ、バレエとシンフォニー、コンチェルト等の
ジャンルの違うものが、本場のウィーン楽友協会ホールやカーネギーホール、コベントガーデンその他
世界の一流ホールで同じ舞台で行なわれているのか、説明してくれ。又専門劇場を具体的に挙げてくれ
そしてその数のパーセンテージはどのくらいか、是等は君が提起した問題だ判りやすく
答えて貰いたい。

歌舞伎、能、文楽(関西)等は専門劇場が必要なのは、先刻承知だがこれは少数派だ
ヨーロッパにもドイツにはバイロイト劇場はワグナーの楽劇の専門劇場としてあるが
寡聞にして他には専門劇場を知らない。
122名無しさんの主張:05/01/15 21:38:21
>それぞれの出し物には、それ特有の施設と演出があり、何でもできることは
>あり得ない

オペラとバレエ、交響管弦楽曲はジャンルが違うが、舞台に上げるについて
具体的に何処ができないのか挙げてくれ。
123名無しさんの主張:05/01/16 12:49:35
>>120
>特定目的の施設のある東京以外では
>住めないわけである。

能楽は世界に認められた、日本固有の古典仮面劇で、芸術性は高い。

『加賀宝生』という言葉がある、加賀百万石の城下町金沢での能楽を言う
現在でも隆盛である、能楽堂も多い、能楽堂は特定目的の施設では無いのか
返答をしてくれ。

又各地で催されている薪能は、屋外でも行われているが、能楽堂以外で行われている
能は偽物か??

答えられなければ、このスレッドにに来て妄説を垂れ流すのは止めてくれ。

124名無しさんの主張:05/01/16 13:47:21
日本社会の変革と創造、その方向についてなんだけど
電化製品や自動車を造るようなインフラ整備産業から
よりソフトなコンテンツ産業にシフトさせる以外ないと
思うんだよね。このままだと現実的に中国もあるから
資源と環境がもたないでしょ。しょうもない自動車の機能
つけるにのに時間使うぐらいなら新しい価値観をもって
産業構造をシフトさせることを考えた方がいい。
125名無しさんの主張:05/01/16 14:25:33
日本を国際的に見た場合の優位性というものを
考えてみたほうがいいよ。

純度の高い淡水、手先が器用で利口な労働力。
極東故に西洋式からはかけ離れた文化遺産。
国際競争に勝ち抜けるのはそういう長所を生かせる
分野のみだと思う。
126名無しさんの主張:05/01/16 14:58:20
現実には
”勝ち抜ける”分野はどの国にも限られていて、
勝ち抜けない分野が大半を占めていると思われる。
なぜなら、”勝ち抜ける”分野は他国と違う特性があるからであり、
”生活に必要なもの”は人類共通で
どの国にもあるからだ。

競争社会に組み込まれた国々(いわゆる先進国)は、
ちょっと勝った、ちょっと負けたの、
熾烈な争いを繰り広げる日々。

勝ち抜けない分野(熾烈な争いを繰り広げる
どこの国にもある分野)をどうするかのほうが
重要なのではないか。

すなわち、”長所を生かせる”のは、ごく自然の当たり前として、
頭をひねらなければならないのは、
ごく自然でないところ(長所で無い分野で勝つor引き分けるようにする)
にあると思われる
127名無しさんの主張:05/01/16 15:01:13
>>125
観光?手工業?
東洋のスイス
128名無しさんの主張:05/01/16 15:28:12
>>126
勝てない分野での国際競争をどう生き抜くかと問うならば、
低価格路線しかないね。でもそれでは国内の産業分野によって
貧富の差が生まれるから、得意分野で潤った金銭を不得意分野の
保護育成に廻す経済システムが必要だと思う。
129126:05/01/16 15:56:43
>>128
はげしく同意。

でも、分野間の支援関係(保護育成にまわす)は
かなり難しい問題。

実生活レベルまで具体化してもなお、他分野との比較検討は難しい。

不公平感の無い”システム”が必要では。
130名無しさんの主張:05/01/17 00:05:11
国際競争にある程度勝ち抜いて、エアコン付の部屋でインターネット
できるようになっても日々大半をしめる労働で多くの人は大した満足を
得られていないのでは。何故なら今の企業はその商品がもうすでに
完成形に達してるとしても企業の規模を維持するため付加価値の低い機能を
追加し続けないといけない。この大儀なき労働を国際競争や労働は美徳で
あるというような言葉ではごまかせなくなってきてると思う。生活を便利にする
ための労働に加えて自分がより向上し満足するため必要なもののために働く。
今日本が世界の頂点にいる時代だからそうゆう可能性を探れるしその責任が
あると思う。
131名無しさんの主張:05/01/17 10:11:10

『加賀宝生』は金沢の人々に伝統として、連綿と続く宝生流の能楽で、
高度の技芸を保持し、東京にも劣らない。
132名無しさんの主張:05/01/18 11:06:55
>完成形に達してるとしても企業の規模を維持するため付加価値の低い機能を
>追加し続けないといけない。

↑認識不足、技術革新は飽和点に達してない、基礎技術、生産技術とも
向上の余地はまだまだ十分有ると言うのが、世界的コンセンサスだ。

日本もその波にに応えるだけの、金も人も技術も有る。
現在、貿易黒字世界一、外貨準備世界一、対外資産黒字世界一の
三冠タイトル保持国だ。条件は揃っている、後は国民の努力次第だが、
日本人の努力性向は世界でも有名。

133おなかすいた:05/01/18 11:35:15
今の政治屋さんでは何も出来ない手遅れさ
http://f54.aaa.livedoor.jp/~kakat/sub2.html
  アドレスが違って出る事が有ります直して見て下さい
134 ◆z0ldaqsUxc :05/01/18 19:23:36


/// 繁栄と限界 74 /////////////////

 この政策も、戦後になって一段と強化され、自治体に対する補助金交付規則によって
厳重に実施されている。たとえ県単独事業(国の補助金を受けない事業)としてでも、
オペラ劇場や歌舞伎座をつくったとすれば、たちまち中央官庁からは「おたくの県は
随分余裕があるらしいな。それなら他の補助金も遠慮してはどうかね」という厭みを
いわれる。これにたまらず県庁の役人は「知事、やっばり多目的ホールにしましょうよ」
ということになるから、個性的な施設は絶対にできない。日本の官僚は、「令外の官」
以来の伝統に従って、法規の定め以上に判断と干渉を行うのである。

///////////////////// 1991年刊 ///




135名無しさんの主張:05/01/21 09:48:27
>>134・・・先ず誤謬を指摘する

>オペラ劇場や歌舞伎座をつくったとすれば、

君は歌舞伎座が普通名詞と思っているのかね

『歌舞伎座』は東京は銀座(元、木挽町)の劇場の固有名詞で他には無い。
恰も歌舞伎専門劇場は総て『歌舞伎座』と言うかの如くではないか??
この程度の知識はネットで、"歌舞伎"と検索すれば誰でもすぐ判る。
余程無知だな、そんな事で、舞台芸術を語るな。チャンチャラおかしい。

>それなら他の補助金も遠慮してはどうかね という厭みをいわれる。

↑憶測で無いなら、一件でも良いから事実を語ってみろよ。

>>121>>122>>123←のレスの回答がないぞ、答えられないのか?
答える事が出来ないなら、下らんレスをしたり顔で貼るな。
136 ◆z0ldaqsUxc :05/01/21 20:30:28


/// 繁栄と限界 75 ///////////////

    「手足の機能」を押しつけられた地方

 それでは、東京以外の地方はどうすればよいのか。それは「手足の機能」、つまり
生産現場と規定されている。したがって、地方の開発は工場誘致しかあり得ない。これを
積極的に支援したのが、高度成長時代に打ち出された「工業先導性理論」だった。
「大規模工場は自主的に立地を選べる唯一の生産施設であり、また地域への波及効果も
大きい。これに対して第三次産業や経済上部活動は地域の経済活動に従属して発達
するものに過ぎない。だから、地域を開発するには工場誘致するしかない」というわけだ。

///////////////// 講談社文庫 ///



137 ◆z0ldaqsUxc :05/01/25 19:12:04

/// 繁栄と限界 76 /////////////////

 これは理論的にも実際の例から見ても正しくない。だが、「地方は生産現場」と
規定した有機型地域構造の思想からすれば当然の帰結であり、それ以外には
あり得ない。このため、戦後の地域開発は「工場誘致」を意味するようになり、
第三次産業の施設は、工場で働く地域住民のためのサービス施設としか考え
られなくなった。
 地域の人たちの子弟を教育するために教育機関をつくる。地域の人たちのための
医療機関をつくる。そして年に何度か地域の人々に東京の文化の香りに接する
音楽会や演劇らしきものを催すための多目的ホールをつくる、といった具合である。

///////////////// 絶賛発売中! ///



138名無しさんの主張:05/01/27 04:06:39
『いじめの社会理論』(柏書房)より
http://www.amazlet.com/browse/ASIN/4760120882/
http://www.e-shinamono.com/aws/asin/books-jp/4760120882/
「大人たちは『子ども』のいじめを懸命に語ることで、実は自分たちのみじめさを語っているのかもしれない。私たちの社会では(国家権力ではなく)中間集団が非常にきつい。そこでは『人間関係をしくじると運命がどうころぶかわからない』のである。
この社会の少なくとも半面は、普遍的なルールが通用しない有力者の『縁』や『みんなのムード』を頼らなければ生活の基盤が成り立たないようにできている。会社や学校では、精神的な売春とでもいうべき『なかよしごっこ』が身分関係と織り合わされて強いられる。
そしてこの生きていくための『屈従業務』が、人々の市民的自由と人格権を奪っている。大人たちは、このような『世間』で卑屈にならざるを得ない屈辱を、圧倒的な集団力にさらされている『子ども』に投影し、安全な距離から『不当な仕打ち』に怒っている。
『子ども』のいじめは、自分の姿を映し出すために倍率を高くした鏡として、大人にとって意味がある。わたしたちはその投影をもう一度自分たちの側に引き受け、美しく生きるためには闘わなければならないことを覚悟すべきである。
 問題はわたしたち自身だ。」
139名無しさんの主張:05/01/27 04:08:27
「(学校の)制度・政策的ディテールは、生徒を全人的に囲い込み、『かかわりあい』を無理強いするように考え抜かれている。
つまり学校は共同体であるとして、生徒が全人的に交わらないでは済まされぬよう、
互いのありとあらゆる気分やふるまいが互いの立場や命運に大きく響いてくるよう、
制度的・政策的に設計されている。
 学校では、これまで何の縁もなかった同年齢の人々を朝から夕方までひとつのクラスに囲い込み、さまざまな「かかわりあい」を強制する。
たとえば、集団学習、集団摂食、掃除などの不払い労働、雑用割当、学校行事、部活動、各種連帯責任などの強制を通じて、
ありとあらゆる生活活動が小集団自治訓練となるように、しむけられる。(中略)
 このようにありとあらゆる生活活動を囲い込んで集団化する事細かな設計は、ありとあらゆることで「友だち」とかかわりあわずにいられず、
自分の運命がいつも「友だち」の気分や政治的思惑によって左右される状態をもたらす。
そしてあらゆる些末な生活の局面が、他者の感情を細かく気にしなければならない不安な集団生活訓練となる。
生存や立場が賭けられた利害の関連性は非常に密になり、生活空間はいじめのための因縁づけ・囲い込みの資源に満ちる。
こういう環境では迫害に対して身を守るのが困難になり、そのためのニーズが大きくなる。
つまり共同体主義の学校は、身の安全をめぐる利害関係を構造的に過密化する。
「生き馬の目を抜く」ように、いつなんどき「友だち」に足をすくわれるかわからない過酷な環境ではじめて、
「みの安全」「大きな顔をしていられる身分」といった希少価値をめぐる、人間関係の政治が過度に意味をもつようになる。
学校が全人的な「共同体の学び」となるよう意図された制度・政策的空間設計が、集団心理-利害闘争の過酷な政治空間を生み出す。
 以下では典型的な事例をもとに、赤の他人と一日中べたべた共同生活することを強いる学校制度のもとで蔓延しがちな、
集団心理-利害闘争の政治空間を分析しよう。」
140(・∀・):05/01/27 04:09:02
通報しますた
141名無しさんの主張:05/01/27 04:09:36
「学校に集められた若い人たちは、少なくともそれだけでは赤の他人であるにもかかわらず、深いきずなで結ばれているかのようなふりをしなければならない。
学校では「みんな」と「なかよく」し、その「学校のみんな」のきずなをアイデンティティとして生きることが無理強いされる。
すなわち学校では、だれが大切な他者でだれが赤の他人なのかを、親密さを感じる自分の「こころ」で決めることが許されない。
逆に親密さを感じる「こころ」が学校によって強制される。(中略)
 学校の「友だち」や「先生」に親密さを感じない「こころ」の自由はない。
生徒は学校に強制収用され、グループ活動に強制動員され、いじめや生活指導で脅されながら、
「親密なこころ」をこじり出して群れに明けわたす「こころ」の労働を強制される。(中略)
生徒は(スチュワーデスのように感情労働職を選択して対価として賃金を得ているわけではなく)、義務教育によって学校に強制収容され、
いじめや生活指導で脅されながら「親密なこころ」をこじり出して群れにあけわたす精神的な売春とでもいうべき労働を無理強いされる。
したがって生徒は、感情労働者ではなく感情奴隷であるといえる。
生徒の境遇は、感情労働者であるスチュワーデスよりも性奴隷としての従軍慰安婦に近いといえるかもしれない。
学校に強制収容されて、たまたま同じクラスに配属されただけの者と「親密な友だちとして共同生活」をさせられる強制労働は、
拉致され従軍慰安婦にされて皇軍兵士と「愛しあわされる」強制労働と同形である。
従軍慰安婦にされた女性に兵士と「なかよく」しない自由がないように、生徒にされた若い人にも、
「友だち」や「先生」に親密さを感じない「こころ」の自由はない。」
142名無しさんの主張:05/01/27 04:10:06
「学校に集められた若い人たちは、少なくともそれだけでは赤の他人であるにもかかわらず、深いきずなで結ばれているかのようなふりをしなければならない。
学校では「みんな」と「なかよく」し、その「学校のみんな」のきずなをアイデンティティとして生きることが無理強いされる。
すなわち学校では、だれが大切な他者でだれが赤の他人なのかを、親密さを感じる自分の「こころ」で決めることが許されない。
逆に親密さを感じる「こころ」が学校によって強制される。(中略)
 学校の「友だち」や「先生」に親密さを感じない「こころ」の自由はない。
生徒は学校に強制収用され、グループ活動に強制動員され、いじめや生活指導で脅されながら、
「親密なこころ」をこじり出して群れに明けわたす「こころ」の労働を強制される。(中略)
生徒は(スチュワーデスのように感情労働職を選択して対価として賃金を得ているわけではなく)、義務教育によって学校に強制収容され、
いじめや生活指導で脅されながら「親密なこころ」をこじり出して群れにあけわたす精神的な売春とでもいうべき労働を無理強いされる。
したがって生徒は、感情労働者ではなく感情奴隷であるといえる。
生徒の境遇は、感情労働者であるスチュワーデスよりも性奴隷としての従軍慰安婦に近いといえるかもしれない。
学校に強制収容されて、たまたま同じクラスに配属されただけの者と「親密な友だちとして共同生活」をさせられる強制労働は、
拉致され従軍慰安婦にされて皇軍兵士と「愛しあわされる」強制労働と同形である。
従軍慰安婦にされた女性に兵士と「なかよく」しない自由がないように、生徒にされた若い人にも、
「友だち」や「先生」に親密さを感じない「こころ」の自由はない。」
143名無しさんの主張:05/01/27 04:11:01
「学校の集団生活では人間関係が生活の焦点となり、生徒たちはたがいの「こころ」を気にしながら群れて生きる。
学校共同体にいきわたる秩序は、その場の雰囲気を超えた普遍的なルールや正義による秩序ではなく、
「まじわり」「つながり」あう各人の「こころ」や「きもち」が動きあうこと(を問題にすること)がそのまま秩序化の装置となるようなタイプの秩序である。(中略)
「こころ」や「きもち」が普遍的な正義の機能的等価物となり、秩序化の原理として流用されるということは、「こころ」が政治的な道具となることを意味する。
過酷な集団心理-利害闘争を生き延びるためには、自己の利益にかなった仕方で真に迫った雰囲気を醸成し上手に他人を巻き込んだり、迫力で相手を圧倒したりすることが強いられる。
「こころ」は保身や生存のための集団心理-利害闘争の器官としてすり切れるまで活用される。(中略)
学校では、選択の余地のない特定の「なかま」集団の共生が善い生であると前もって決められており、それがどんなに醜悪に感じられても、与えられた「みんな」の共生のスタイルを生きなければならない。(中略)
「こころ」の秩序空間においては、他人に咎をつきつけたり、いいわけをしたりする政治闘争は、行為が法や正義にかなっているかどうかではなく、もっぱら「こころ」を問題にすることによってなされる。
たとえば「あいつはムカツク」とか「ジコチュウ」といった告発は、行為ではなく「こころ」を主題とした告発である。
「こころ」を秩序化の原理とした生活空間では、いつも他人から「こころ」をあげつらわれ、互いの「こころ」を過度に気にし、不安な気分で同調しなければならない。
「こころ」や「きもち」に準拠してクレイムをつける場合、攻撃する側は、気にくわない者に対して攻撃点をどこにでも見出すことができる。
攻撃される側は、あらゆる方向から「こころ」を見られ、自分の「こころ」に反応する他人がどういう悪意をもつかわからず、それにより自分の運命がどう転ぶかわからない不安を全方位的に生きる。
そして弱者は「友だち」に対してひたすらビクビクと「反省」の身振りをするのだが、それが強者にはめっぽう面白いのである。」
144名無しさんの主張:05/01/27 04:11:32
「さらに自分で友を選択して親しみが湧いてくる以前に、強制的にベタベタさせられて政治的に「なかよくする」生活環境は、個として親密性を築く能力を破壊する。
そしてしばしば、自分は本当は誰が好きで、誰がなぜ憎いのかがわからなくなり、その情動判断を場の雰囲気に代替させるようになる。
数分前になかよくしていた「ともだち」が「みんな」からうとまれはじめると、半分は保身から、半分は本当に「なぜかいじわるな気持ち」になり、「みんな」といっしょに蹴っていた、といったケースは枚挙にいとまがない。
 自分がいじめグループの標的となるやいなや、今まで仲のよかった「友だち」が見てみぬふりをしたとか、手のひらを返したようになったとか、攻撃の先方に転じたといったことは、よくあることだ。(中略)
 こういう場合、いじめ被害者はよく「なかよくできなくてごめんなさい」と泣く。そして、裏切り迫害する「友だち」に「なかよくしてもらおう」と必死になる。
学校の弱者は「みんなとうまくやっていけるように自分の性格を変えなければ」と思う。」
145名無しさんの主張:05/01/27 04:12:07
「学校の集団生活では人間関係が生活の焦点となり、生徒たちはたがいの「こころ」を気にしながら群れて生きる。
学校共同体にいきわたる秩序は、その場の雰囲気を超えた普遍的なルールや正義による秩序ではなく、
「まじわり」「つながり」あう各人の「こころ」や「きもち」が動きあうこと(を問題にすること)がそのまま秩序化の装置となるようなタイプの秩序である。(中略)
「こころ」や「きもち」が普遍的な正義の機能的等価物となり、秩序化の原理として流用されるということは、「こころ」が政治的な道具となることを意味する。
過酷な集団心理-利害闘争を生き延びるためには、自己の利益にかなった仕方で真に迫った雰囲気を醸成し上手に他人を巻き込んだり、迫力で相手を圧倒したりすることが強いられる。
「こころ」は保身や生存のための集団心理-利害闘争の器官としてすり切れるまで活用される。(中略)
学校では、選択の余地のない特定の「なかま」集団の共生が善い生であると前もって決められており、それがどんなに醜悪に感じられても、与えられた「みんな」の共生のスタイルを生きなければならない。(中略)
「こころ」の秩序空間においては、他人に咎をつきつけたり、いいわけをしたりする政治闘争は、行為が法や正義にかなっているかどうかではなく、もっぱら「こころ」を問題にすることによってなされる。
たとえば「あいつはムカツク」とか「ジコチュウ」といった告発は、行為ではなく「こころ」を主題とした告発である。
「こころ」を秩序化の原理とした生活空間では、いつも他人から「こころ」をあげつらわれ、互いの「こころ」を過度に気にし、不安な気分で同調しなければならない。
「こころ」や「きもち」に準拠してクレイムをつける場合、攻撃する側は、気にくわない者に対して攻撃点をどこにでも見出すことができる。
攻撃される側は、あらゆる方向から「こころ」を見られ、自分の「こころ」に反応する他人がどういう悪意をもつかわからず、それにより自分の運命がどう転ぶかわからない不安を全方位的に生きる。
そして弱者は「友だち」に対してひたすらビクビクと「反省」の身振りをするのだが、それが強者にはめっぽう面白いのである。」
146 ◆z0ldaqsUxc :05/01/28 20:12:28


/// 繁栄と限界 77 //////////////

 国は一九六二年の全国総合開発計画から新全総、三全総へと、国土開発政策を
打ち出した。そこでは新産都市や工特地域、テクノポリスなどの建設を唱え、いろいろと
地方分散政策をとっているように見えるが、その実体はすべて有機型地域構造の
完成を目指すものであり、地方分散の対象となっていたのは「製造業の生産施設等」
だけである。三全総以降には、地方における「都市機能」の充実が書き加えられているが、
その内容は前述の多目的ホール型の地域サービス施設であり、「工場に人を集める
ための生活充実用」に過ぎない。
 こうした地域構造政策も、ただ一つの規格を中央でつくれば、大量生産品が全国に
普及する最適工業社会を形成するためであった。

/// 絶賛発売中 ////////////////




147名無しさんの主張:05/01/31 02:39:49
これはどう
生涯大学制度を提案します。大学に4年だけでなく一生行けるようにする。
今でも行けるけど働いてる人の半分が行くようにしたい。会社で働き且つ
大学に通う。この大学はカルチャースクールではなく産学一体。今 企業内で
行ってる教育をもっとパブリックに開放する。そのことで雇用の流動化、
産業構造の変化に柔軟な対応ができる。それには企業は囲ってる労働者をパブリックに
少し開放し、労働者も二つの職業を掛け持ちする気分で やらないといけない。
でもその二つの職業は観客と演者、一方は企業の立てた目標に対して能力の一部を
提供し、もう一方は自分の能力全体に対して社会との接点を探る。
最高の休日の過ごし方は、結婚式や、誕生日祝いで何しようかとか友達と考えて
練習したりすることであったりして、それはある目的に向かって集団で何かする
つまりそれって働くってこと。今一番買いたいものって純粋に働いてる時間じゃ
ないかな。
148 ◆z0ldaqsUxc :05/01/31 19:28:05


/// 繁栄と限界 78 //////////////

        新しい概念を生めない日本型エリート

 昭和十六年に生まれた「官僚主導体制」は、最適工業社会の形成のために、
産業政策、教育政策、地域政策を集中するものだった。そしてそれは、戦後において、
より一段と徹底された。この結果、日本は規格大量生産に非常に適した国となり、
工業モノカルチャー社会を実現した。これが比較的容易に、きわめて徹底した形で
行えたのには、風土と歴史によって築かれた日本の気風と気性のためであったろう。

///////////////// 堺屋太一著 ///




149 ◆z0ldaqsUxc :05/02/04 20:36:02

/// 繁栄と限界 79 ////////////

 最適工業社会をつくることで、今日の日本は工業の発達した国となり、統計上は
豊かになった。しかし、ここでは新しい発想が入らず、進歩の要素が欠けるという
問題がある。じつは日本が、最適工業社会をつくりやすい気風と気性を早くから
持ちながら、産業革命に立ち遅れた理由もそこにあった。
 ところが、戦後の日本は、幸いにも外国から新しい発想と概念と技術を入手することが
できた。そしてそれを学ぶ点では、日本人は非常に優れた伝統的手法を持っていた。
そのおかげで戦後の日本は、規格大量生産社会でありながら停滞することなく、
四十五年間の成長をつづけられたのである。

/////////// 「日本とは何か」 ///


150 ◆z0ldaqsUxc :05/02/07 20:02:57

/// 繁栄と限界 80 ////////////

 戦後、日本には新しい物財とサービスと制度と機能が数多くできた。しかし、
その概念はことごとく外国から入ってきたものだ。洗濯機もテレビもテープレコーダーも
そうだし、テレビ放送の番組づくりもそうだ。スーパーマーケットもサラ金もプロレスも
高速道路も外国に見本があった。輸出振興政策も金融ノウハウも外国から学んだ。
 もちろん、外国に見本がなく、日本ではじまって大成功したものもないではない。
パチンコやインスタントラーメン、カラオケ、引越しセンターなどがそれである。

//////////////// 1991年刊 ///



151 ◆z0ldaqsUxc :05/02/11 18:49:25

/// 繁栄と限界 81 ////////////

これらの共通点は、けっして大組織や「エリート」といわれるような人々が考え出した
ものではない点だ。逆にいえば、日本的エリート、つまり規格型の均質教育の優等生
からは新しい概念が生まれなかった。彼らのしたことは、外国の概念を導入し、技術
を学び、それに改善改良を加えて規格化し大量生産したことだけである。
 それはかつてこの国の人々が、巨大な銅溶着像をつくったり、火縄銃を大量生産し
たりしたのと同じ手法であった。日本人は昔もいまも、概念が導入されれば、細部を
改良し、規格化して大量生産をするのが得意なのだ。文化を「いいとこどり」にして、
集団主義的細部重視で勤勉に行うからである。

////////////// 講談社文庫 ///




152 ◆z0ldaqsUxc :05/02/14 21:09:45

/// 繁栄と限界 82 /////////

    最適工業社会の限界 - 迫られる日本革質
        直面する三つの「壁」

 いま、日本は厚い「壁」に突き当たっている。それを現象的に見ると、「外圧」と
「暮らし」と「不祥事」ということになるだろう。
 まず最初に現れたのは、外国からの批判、つまり国際摩擦の諸問題だ。中東湾岸戦争
における国際貢献の要請に十分応えなかったという非難から鯨や海亀を殺すという
ものまで、日本に対する国際的な批判は数多い。なかでも重要なのは貿易摩擦、
とりわけ国際収支の大幅黒字であろう。

///////// 絶賛発売中! ///




153 ◆z0ldaqsUxc :05/02/17 20:05:18

/// 繁栄と限界 83 ///////

 国際摩擦は、どこの国の間にも、いつの時代にもある。国家民族の利害が対立
するのは、つねにあることだ。日本も明台開国以来、つねに国際問題を抱えてきた。
戦後においても、それがまったく絶えたことはない。しかし最近、一九九〇年代に
入ってからのそれは、従来のような個別問題ではなく、日本の政策と経済構造と
社会体制とに対する総合的なものとなっている点は看過してはなるまい。

///////// 絶賛発売中 ///



154名無しさんの主張:05/02/17 20:38:05
まずは日本国民一人一人が
日本を如何に富ませるかと
安全保障を如何に実現するかを考え
ドイツのように如何にアメリカの占領から
自立していくべきかを考えていく事から
155 ◆z0ldaqsUxc :05/02/20 21:40:41

/// 繁栄と限界 84 ////////////

 第二の問題は暮らしのなかで豊かさが実感できないという声、つまり消費者の
不満だ。一九八○年代後半、日本人は対外的な円高と国内的な土地株式の高騰で、
大いに豊かになり、世界断トツの金持ちになったはずである。しかし、現実には
これによって暮らしが豊かになったと感じている人は少ない。むしろ「一生働いても
家が買えない」という不満がつのり、公共施設の改善は困難になり、将来に対する
不安は一段と高まっている。このため、いまや日本には、どんなに働いて経済を
発展させても一般庶民は豊かさが実感できないのではないか、という諦めさえ
生まれはじめている。

////////////// 堺屋太一著 ///




156 ◆z0ldaqsUxc :05/02/23 20:38:52

/// 繁栄と限界 85 //////////////

 第三の問題は、一九八九年の「リクルート事件」以来、絶え間なく、いろいろな
分野で発生する「不祥事」だ。一九九一年の夏には、イトマン事件や架空預金事件など
大銀行から次々と重大な不正事件が発覚した。証券会社が暴力団関係者と取引をし、
三百七十億円余もの資金を無価値な証書を担保にあっせんしていたことも分かった。
有名弁護士が背任行為を犯して逮捕されたし、警察官が現行犯を暴力団の要求で
逃がす事件もあった。

//////////// 「日本とは何か」 ///


157 ◆z0ldaqsUxc :05/02/26 21:41:39

/// 繁栄と限界 86 ///////////

 何より世間を驚かせたのは、証券会社による損失補填事件だ。判明しているだけでも
一九九〇年三月までの補填金額は千七百億円にのぼり、九一年三月期にも数百億が
あった。補填を受けた企業は七百社に近い。しかもそれは、大蔵省の認可する高い
手数料によって稼がれた資金から、大蔵省の黙認によって出されたものであった
というから恐ろしい。
「不祥事」はどこの国にもいつの時代にもある。戦前にもあったし戦後もあった。
欧米諸国にもある。共産圏でも裏経済は社会構造の一部になっている。発展途上国では、
政治家が賄賂を取って親類縁者や有力支持者に分配するのが一種の「美風」と
見なされているところさえある。

/////////////// 1991年刊 ///




158 ◆z0ldaqsUxc :05/02/28 19:03:32

/// 繁栄と限界 87 //////////////

 しかし、いま、この国で起きた一連の「不祥事」は、「ロッキード事件」までの
金銭疑惑とは性格が違っている。金額が巨大なだけではなく、業界ぐるみの犯行
であり、犯した側に罪悪感がきわめて乏しい。しかもそれには、多くの場合、
政府機関による保護政策が絡んでいるのだから、正しく日本社会の体質と
気質に染み込んだ構造的退廃である。
 これら三つの「壁」は、個々別々の問題に見えるが、じつは共通の社会構造に
由来している。それこそ、この国を「経済大国」にしてきた官僚主導型集団主義が
つくり上げた日本型最適工業社会である。

//////////////// 講談社文庫 ///





159 ◆z0ldaqsUxc :05/02/28 21:33:07

/// 繁栄と限界 88 //////////

        供給者保護の官僚主導体制

 これら三つに共通する基盤は、まず第一に供給者保護体制である。外国との摩擦の
最も大きな問題である貿易黒字にしても、長年の政府の援助によって強化された
規格大量生産型工業製品が大量に輸出される半面、日本が弱体な農業や流通業での
外国製品や外国企業の進出は厳しく抑えられていることと深く関わっている。お米の
輸入が全面的に禁止されているのはその象徴だが、他の分野でもさまざまな障壁が
設けられている。

////////// 絶賛発売中! ///




160 ◆z0ldaqsUxc :05/03/01 19:22:51

/// 繁栄と限界 89 /////////

 医薬品は許認可によって制限されているし、教育機材は没個性的な均質教育の
ために入りようがない。流通業への進出は、大規模小売店舗規制法(大店法)に
よってほとんど不可能だった。
 金融業も医療施設も免許制や許認可制で抑えられている。自動車のように日本の
競争力が強い商品でさえ、独特の道路交通法や厳格な排気ガス規制法によって、
外国車は数十ヵ所の改造がなければこの国では販売できない。
 こうしたことの背景にあるのは、明治以来供給者保護育成を目的としてきた行政機関に
染み込んだ発想と、そのためにつくられた組織原理だ。とくに昭和十六年に確立された
官僚主導体制は、各分野で規格大量生産の確立を目指した結果、必然的に生まれる
過剰生産の解消のため、いっそうの供給者保護を必要とした。

////////// 絶賛発売中 ///



161 ◆z0ldaqsUxc :05/03/02 19:41:53

/// 繁栄と限界 90 ///////////////

つまり、一方においては規格化のための官僚統制を行い、他方では過剰生産を
抑えるための業界協調を強要する形になっているのである。工業製品などの輸出拡大は
過剰生産の捌け口であり、お米や小売店の保護は過剰生産構造の温存である。
 こうした供給者保護の風潮は、捕鯨業者にも、たった千八百人しかいない鼈甲業者
にも適用されている。日本人自身は、「われわれは自然を愛する心優しい民族だ」
と主張するが、こと供給者保護となれば自然環境などには構っておれないというのが
現実である。

///////////////// 堺屋太一著 ///



162 ◆z0ldaqsUxc :05/03/02 21:27:47

/// 繁栄と限界 91 ////////////

 日本人が暮らしの豊かさを実感できないのも、これと強く結びついている。
規格大量生産が徹底したこの国では、消費者の選択の自由は乏しく、それぞれの
人が好みを満たすことができない。「国民学校」以来の強制入学制度のもとでは、
好みの学校を選ぶこともできないし、標準医療制度のもとでは好みの医療をしてくれる
病院も存在しない。お米の輸入が厳禁されているのでは、外米を選ぶ自由もないし、
大店法のせいで、好みの店を選ぶことも難しい。
 公園や公立図書館がつくられても、供給者たる管理人に便利な規制があるので、
使う側は少しも楽しくならない。道路にしても管理者と警察がやりやすいように
規制するので、渋滞が著しくなるばかりだ。おそらくこの国の警察は、道路利用者の
便利さや楽しさのために要人警備のやり方を自制しようと考えたこともないだろう。

/////////// 「日本とは何か」 ///


163 ◆z0ldaqsUxc :05/03/03 20:00:27

/// 繁栄と限界 92 ///////////

        「不祥事」を生む保護と協調

 いま、日本が直面する第三の「壁」、あらゆる分野で続発する不祥事も、まったく
同根の問題である。極端な供給者保護のもとでは、事業さえ拡大すれば巨利を
得ることができる。その一方で過剰供給を防ぐべく官僚主導の協調体制によって
拡大抑制策が採られている。これでは、各業者が官僚統制の抜け穴を探し、
内密のうちに事業を拡大しようとするのも不思議ではあるまい。そこから生じるのは、
多額の費用と時間をかけての人脈づくりであり、官僚政治家への接近であり、
いろんな形でのリベートや補填である。今回の証券業界の損失補填は、その
露骨な一例に過ぎない。

/////////////// 1991年刊 ///






164 ◆z0ldaqsUxc :05/03/04 19:40:03

/// 繁栄と限界 93 ///////////

 大銀行が絡んだ不正不当な融資もまた同じ構造から生まれている。政府の
保護下にある銀行は、預金貸出しの規模さえ拡げれば必ず儲かると確信していた。
とくに供給が制限されている土地に対する融資にはその信念が強かった。とくに
ゴルフ場は造成が制限されているうえ、人脈づくりに利用される施設だから有利と
見られていた。日本の金融業者は、政府の保護と供給規制に頼る以外には、
担保評価も人物鑑定もできないほどに無能力化していたわけである。

///////////// 講談社文庫 ///


165 ◆z0ldaqsUxc :05/03/05 08:50:45

/// 繁栄と限界 94 ////////////

 これは、経済界に限ったことではない。上部組織の指導に従って協調する風習は、
はるかに末端にまで浸透している。農民は農業指導員の指示した日時に農薬を撒く。
天候の変化や地区の実態に適さない指示でも従うため、その撒布量は膨大になるが、
政府買い上げの米価がその代金を埋める仕組みになっているので、逆らわないほうが
よいのである。
 小売業者はメーカーと卸業者の指示で商品を並べるだけである。そこには自営業者と
呼ぶにふさわしい創造性と責任感が見られない。保護と競争制限でその必要もなかった
からである。医師は高価な検査機器と薬剤を使うばかりで問診の技能を失ってしまった。
多様な医療の競争がないためである。

//////////// 絶賛発売中! ///




166 ◆z0ldaqsUxc :05/03/05 22:46:05

/// 繁栄と限界 95 /////////////

 なかでも著しいのは教育だろう。「国民学校」以来の強制入学制によって、
必ず生徒がくるのだから、教師は学校生活を楽しくしようなどとは思いもつかない。
ただ文部省の指示通りに教科書を読み、生徒を強圧的な校則に従わせればよいと
思い込んでいる。生徒のほうもそんな教育に慣れ、教科書を丸覚えし受験技術を
習得することだけに努める。そしてそれがこの国では「利口な生き方」なのである。
 誰もが個性を持たず、誰もが創造力を働かせず、官僚が前例と外国の先例で
つくり上げた規制と規格に従っていればよいという馴れ合い社会 ― それが
最適工業社会・日本の現実である。

/////////////// 絶賛発売中 ///




167 ◆z0ldaqsUxc :05/03/06 21:12:33

/// 繁栄と限界 96 ////////////

        倹約の精神と集団主義

 今日の日本が直面する三つの「壁」 ― 外圧、暮らしの不満、不祥事 ― の背景にある
共通の原因は、供給者保護の官僚主導体制だ。そしてそれは、この国を「経済大国」
といわれるまでに発展させた最適工業社会の形成要因でもあった。
 それだけに、日本社会の現状と日本人の心情からして、これを廃止することは難しい。
この体制がつくり上げた最適工業社会の利点も捨て難いし、そのためにつくられた
組織や利権も多い。何よりも、既に半世紀を経たこの体制のもとですべての専門家が
育てられているため、これを改める発想が専門家からは生まれない。試験に合格した
専門家を尊重するこの国では、専門家の枠組みを超えることもまた、大変に難しい。

////////////// 堺屋太一著 ///


168 ◆z0ldaqsUxc :05/03/07 22:02:36

/// 繁栄と限界 97 ///////////////

 しかし、それだけであれば、まだしも体制改革の問題に終わるだろう。より困難な
ことは、この体制を成立させ維持してきた基盤に日本の長い伝統と慣習、つまり
倹約勤勉の精神と集団主義の慣習が強くかかわっていることだ。
 現在大きな問題になっている貿易黒字は、本質的には日本人がつくるほどに使わない
ことに由来する。享保の昔に、石田梅岩が開いた石門心学にはじまる倹約と勤勉を
両立させる倫理が、いまもこの国には残っているのだ。効率よりも安定が重視された
徳川幕藩体制の鎖国時代には生産性を引き下げることでマクロ・バランスを保つという
石田梅岩の提案は受け入れられたが、いまの日本は効率重視、加えて外国からは
新しい技術も大量の資源も入ってくる。規格大量生産の製造工業では生産性を
引き下げるどころか、どこの国よりも高くなってしまった。

////////////// 「日本とは何か」 ///




169 ◆z0ldaqsUxc :05/03/08 21:04:51

/// 繁栄と限界 98 ///////////////

 他方、農業や流通業、企画調査、知価創造などには、いまなお生産性を引き下げる
ことを是認する風潮がある。大して売れないのに深夜まで店を開いている小売店、
やたらに人を集め分厚い報告書をつくる調査会社、観客には分からぬところに凝る
映像制作者、納税者名簿だけを頼りに見も知らぬ他人を勧誘して回る証券マンなどが
それである。こうした分野は、日本語と集団主義的人脈と政府の保護政策に守られた
鎖国状態だから、いまも石門心学が通用している。ただ重大な違いは、効率主義の
影響で、これに従事する人々が高所得を求め、政府が高価格を維持する統制と
競争制限を行っていることだ。

////////////// 「日本とは何か」 ///



170 ◆z0ldaqsUxc :05/03/09 19:30:41

/// 繁栄と限界 99 //////////////

 つくるほどに使わない世の中で、生産性が上がれば供給過剰になり輸出超過に
ならざるを得ない。それで得た資金を使わないとなれば資金過剰、結局は外国に
投融資するか、日本の限られた投資対象に集中するかのいずれかだ。この結果は
欧米における対日批判であり、国内での土地と株とゴルフ会員権と書画骨董の
暴騰である。
 石門心学は二百五十年前の不況時代に生まれた日本独特の哲学だ。根強いとは
いえさほどの歴史があるわけではない。日本全体が豊かになれば変化する可能性が
ある。それを食い止めているのが、より長い日本的慣習・集団主義だろう。

/////////////// 1991年刊 /////



171ピーターパンシンドローム:05/03/09 20:59:51
だから日本、ていうか世界は滅んで、
そこから一から創っていけばいいのだ。
172 ◆z0ldaqsUxc :05/03/10 19:38:59

/// 繁栄と限界 100 ///////////

水田稲作をはじめた頃に遡る日本の集団主義は、つねに経済集団への帰属意識が
強かったのが特色だ。それが戦後、職場つまり企業や官庁に単属するようになったから、
誰しもここから脱け出せない。職場集団に嫌われることは死ぬより怖いとあっては、
供給者の立場からしか考えられないのも当然だ。
 日本人が勤勉から脱出するためには、職場以外に帰属意識の対象を持つ必要があり、
倹約から脱け出すためには、消費を美化する感覚が不可欠である。いまのところ、
それが実現しているのは供給者を装っての消費、つまり交際費消費の場合だけである。

/////////////// 講談社文庫 ///



173 ◆z0ldaqsUxc :05/03/11 19:44:55

/// 繁栄と限界 101 /////////////////

    「日本革質」を迫る三つの要素

 このように考えれば、未来の日本が絶望的にも見える。しかし、その一方で日本人は
実際主義者でもある。このことは、多くの場合は変革を抑制し不満を内攻させることにも
なるが、ときには重大な変革を何なくやり遂げる力にもなる。現実の利益のためには
思想を変え、帰属意識の対象が変われば違った倫理にも賛同できるからだ。
 この国の歴史を見ると、苛烈な殺戮破壊なしに大変革をやり遂げたことも、再三ある。
明治維新や太平洋戦争直後がそれだった。さらに遡れば、平安京が開かれた頃の
古代体制の崩壊と貴族社会の誕生、鎌倉幕府が生まれたときの貴族支配の終焉と
武家社会の成立なども、この例に加えることができるだろう。平家一門の滅亡などといっても、
本当に殺害されたのは人口の一パーセントにも足りない支配家族だけである。

////////////////// 絶賛発売中! ///




174 ◆z0ldaqsUxc :05/03/11 22:00:34

/// 繁栄と限界 102 ////////////

 その半面、それに至るまでの長い期間、多くの矛盾と人々の不満を抱えながら
旧体制がつづいていたことも見逃せない。平安時代は三百九十八年、貴族階級の
実力が衰退したあとだけでも百年以上、奇妙なやりくりで空虚な体制が保たれた。
徳川時代は約二百六十年、その後半は現実離れした虚像で、幕藩体制の形式支配が
つづいていた。いずれの場合も、経済は停滞し、人口は抑制され、文化は衰退して
しまったが、革命や暴動は起こらなかった。
 これからの日本が、いずれの道を歩むかは予断を許さない。だが、この一九九〇年代には、
それが決定するであろうことは間違いない。これからの十年間に日本の変改を強いる
激しい要素が内外から迫ってくると思われるからである。

///// 講談社より絶賛発売中! ///

175 ◆z0ldaqsUxc :05/03/12 08:37:01

/// 繁栄と限界 103 ///////////////

 その第一は、いうまでもなく国際環境だ。今日の日本は、平安時代や徳川時代のような
半孤島的鎖国の状況にはない。膨張した人口と発達した産業と便利な生活とを保つ
ためには、巨額の貿易が不可欠である。農林水産省の役人や農業保護派の政治家の
なかには、食糧安全保障のためにお米の輸入を禁止して米作農家を保護せよという者も
いるが、そんなことでこの国の食糧が保障できるはずがない。敗戦直後には、山の上から
学校の運動場にまでイモを植えて食糧増産に励んだが、当時の七千万人の人口さえ
養えなかった。耕転機も肥料も農薬も、輸入石油に頼るいまでは、貿易が途絶すれば
食糧生産は敗戦当時の何分の一かになるだろう。

////////////////// 堺屋太一著 ///



176 ◆z0ldaqsUxc :05/03/12 22:41:44

/// 繁栄と限界 104 ////////////////

いま、米だけは自給できているのは、輸入食品の豊富な副食物やパン、麺類が
出回っているため、一人当たりの米の需要が少ないからである。もはや日本は
鎖国も戦争もできない国になっているのだ。
 工業モノカルチャー社会・日本ほど、世界の平和と貿易の自由が必要な国はない。
従って、日本人が冷静かつ賢明であれば、この国の社会質を変えても、世界平和と
自由貿易の維持に努めるはずである。それこそが日本に有利な国際秩序、つまり
国益に沿った自主外交である。

//////////////// 「日本とは何か」 ///



177 ◆z0ldaqsUxc :05/03/13 09:21:41

/// 繁栄と限界 105 ///////////////

 第二の要素は、消費者の豊かさを求める動きである。日本の文化は、歴史の
大部分の期間を通じて、モノ不足ヒト余りのなかで形成されてきた。そしてその名残は、
モノづくりの立場、つまり供給者優先、仕事第一の発想として、いまも受け継がれている。
しかし、現実の日本は豊かな社会であり、モノ余りヒト不足の状況にある。このことを
正しく認識するならば、モノづくりよりもヒトの暮らしを大切にする消費者優先、暮らし
第一の発想が広まってよいはずである。モノ不足ヒト余り社会の経験のない世代が
増加するに従って、そうした発想の転換が社会全般に広まる可能性は十分にある。
日本人も、奈良時代や戦国時代には、豪壮な物財と無遠慮な自己顕示の文化を
築いたことがあのだ。

////////////////// 1991年刊 /////



178 ◆z0ldaqsUxc :05/03/13 21:35:08

/// 繁栄と限界 106 ///////////////

 もちろん、これにも激しい抵抗があるだろう。企業内部では上層部からの締め付けが
あるだろうし、社会全般には官僚機構の抑圧が加えられるだろう。何よりもこの国に
根づいた倹約と勤勉を尊ぶ倫理からの反撃が強いに違いない。消費を優先させ
暮らしを第一とし、自らの好みを実現しようとする人々に対する軽蔑と罵倒である。
しかし、日本人がもし、現実を見きわめる英知と自己に忠実な勇気を持っているならば、
やがてはモノ余りの社会に適した倫理も生まれるはずだ。それが豊かさを実感できる
世の中をつくる道だからである。

////////////////// 講談社文庫 ///




179 ◆z0ldaqsUxc :05/03/14 23:32:18

/// 繁栄と限界 107 //////////////

        ストック社会を生む高齢化

 日本の変革を強いる第三の要素は、人口構造の激変である。これまで人類は、
歴史のほとんどの期間を通じて、十五歳未満の子供四人に対し六十五歳以上の
高齢者一人という割合で社会をつくってきた。つまり、現在の豊かさよりも未来の
成長に利益を感じる者のほうがずっと多かったのだ。今日の日本も、そうした社会の
長い伝統と慣習ででき上がったものである。
 ところが、いまや日本では、子供と高齢者の数は著しく接近、一九九八年には
逆転する見込みである。このことは単に、需要の構造や生活の形態を変えるだけ
ではない。過去の蓄積で生活する消費者を増やし、未来の成長に期待する人口を
減らす、つまり社会全体がフロー経済からストック経済に変わるのである。

/////////////// 絶賛発売中! ///



180 ◆z0ldaqsUxc :05/03/15 20:50:57

/// 繁栄と限界 108 ///////////////

 温暖湿潤な風土に恵まれた日本は、フロー経済の社会であった。伊勢神宮の
社殿が二十年に一度建て替えられることに象徴されているように、住宅も道路も
家具、装身具の類も、フロー型になっている。その日本が、生産よりも蓄積の大きい
ストック社会を迎えるとなれば、社会環境と人間心理に重大な変化が起こるだろう。
生産組織に属すことのなくなった純粋消費者としての高齢者群の膨張は、この国が
はじめて経験する静かな革命である。

//////// 講談社より絶賛発売中! ///



181 ◆z0ldaqsUxc :05/03/16 19:38:04

/// 繁栄と限界 109 //////////

 もちろん、これにも反対はあるだろう。生産者組織としての企業は純粋消費者の
意見を無視したいだろうし、供給者保護型に組織された官僚機構は、年金と施設に
高齢者を囲い込もうとするだろう。高齢者自身のなかにも、子女への愛情から現在の
消費意欲を抑えることを美徳と考える古い美意識を保っているふりをしたがる者が
少なくないだろう。日本的伝統のなかでは、つねに子供は優遇される立場にあったのだ。

////////////// 堺屋太一著 ///



182 ◆z0ldaqsUxc :05/03/17 21:45:06

/// 繁栄と限界 110 /////////////

 しかし、日本人がもし、高齢者に対する愛情と人口構造の変化を理解する知恵を
持っているならば、これに対応した美意識の変化が起こるはずである。
 これからの十年間、国際環境と社会の豊かさと人口構造の変化の三つの要素を、
どう消化して行くかをめぐって、日本は大いに悩むに違いない。それは、外国から
解答の与えられない問題という意味で、仏教文化を見た飛鳥時代やゼロサム社会に
直面した享保時代の悩みに似た深刻なものになるだろう。これからの日本人にとって
重要なのは、ここで再びこれを解決する日本的哲学を生み出すことではないだろうか。
 <了> ・・・・・

//////////// 「日本とは何か」 ///




183 ◆z0ldaqsUxc :05/03/17 22:01:12
184 ◆z0ldaqsUxc :05/03/19 08:50:24
文化創造・時持ち・小さな官を柱に、21世紀ビジョン案

 内閣府が近くまとめる「日本21世紀ビジョン」の最終案が18日明らかになった。
2030年までに目指す日本経済の姿として、海外との連携を深める「文化創造国家」、
時間にゆとりを持って暮らす「時持ち」社会、小さな官という3本柱を提示。
生産性を高め、公共の分野で民間活力を引き出せば、豊かな社会を保てるとの
見方を打ち出す。

 21世紀ビジョンは、四半世紀(25年)後を視野に人口減少や超高齢化を円滑に
乗り切り、経済・社会の活力を保つための処方せんを盛り込む「日本のビッグ・ピクチャー」
(竹中平蔵経済財政担当相)。内閣府が政府の経済財政諮問会議に報告する。 (07:01)

http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20050319AT1F1801318032005.html

185名無しさんの主張:05/03/19 10:53:15
なぜ、自民党の族議員があそこまでひっくり返って反対するのか?
諸悪の根源は「特定郵便局」だ。

ぜひ、下のリンク先を読んで欲しい。「特定郵便局」の実態が解るから。

郵便局はいかさま天国? 「自民党と歩んだ相互膨張の半世紀(前半)」
http://nb.nikkeibp.co.jp/free/YUSEI/20020116/101648/
なぜ選挙に走るのか 「自民党と歩んだ相互膨張の半世紀(後半)」
http://nb.nikkeibp.co.jp/free/YUSEI/20020116/101649/
郵便局長、逃走の謎 「特定郵便局の迷宮」
http://nb.nikkeibp.co.jp/free/YUSEI/20020116/101646/
186 ◆z0ldaqsUxc :05/03/19 21:41:30


/////////////// 東洋経済新報社 ///

「あるべき金融−リスクの市場化なくして再生なし−」
New Financial Concept and Economic Revival of Japan

堺屋太一, 刈屋武昭, 植草一秀 (著); ¥1,575
東洋経済新報社; 2003年11月発行; 単行本197p

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492653341/249-7582109-1606713
http://books.rakuten.co.jp/RBOOKS/0001617070/
http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/4221bca45ca430102edc?aid=&bibid=02384889&volno=0000
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=31302552
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=9977663440

/// 絶賛発売中! /////////////////



187 ◆z0ldaqsUxc :05/03/19 21:45:43

/// 規格大量生産時代の終焉 1 ////////

 「あるべき金融−リスクの市場化なくして再生なし−」 ¥1,575
東洋経済新報社2003年11月発行; 堺屋太一, 刈屋武昭, 植草一秀 (著)より

・・・・・
第1章 日本の金融、何が問題か
        ――知恵の時代と金融社会主義の終わり  【堺屋太一】

    1 規格大量生産時代の終焉
        戦後日本の産業政策

 現在、日本の金融はあらゆる面でうまくいっていない。「メインバンク資本主義」
といわれたように、あらゆる産業を牽引し、多くのエリートたちを抱えてきた
金融機関のほとんどが行き詰まってしまっている。

///// リスクの市場化なくして再生なし ///



188 ◆z0ldaqsUxc :05/03/20 21:35:31

/// 規格大量生産時代の終焉 2 ////////

 株価をみると、私が経済企画庁長官をしていた二〇〇〇年四月頃には、日経平均は
二万八三三円まで上がった。二年半を通じて、安いときでも、一万五〇〇〇円程度は
保っていた。ところが、私が経済企画庁を辞めると再び株価は下がりはじめ、森内閣の
末期には一万三〇〇〇円台まで下がり、小泉内閣に変わってからは一時、一万五〇〇〇
円まで戻したが、二〇〇三年三月八○○○円割れという非常事態にまで陥った。
 現在は一万一〇〇〇円台で、小康状態を保っているが、それでも本格的な回復とは
ほど遠く、私が大臣を務めていた頃よりも大きく値下がりをしていることに変わりはない。

////////////////////// 堺屋 太一 ///

189 ◆z0ldaqsUxc :2005/03/21(月) 21:32:47

/// 規格大量生産時代の終焉 3 ////////

 また、金融機関の不良債権処理もいっこうに進んでいない。さらに悪いことに、
中小企業を中心とした貸出金利が上昇し、中小企業の経営が圧迫されている。
つまり、銀行は取れるところからお金を取って不良債権処理を進めているが、それでも
追いつかずに赤字が拡大しているという状況なのだ。したがって、当然景気は良くならず、
株価も本格的に上昇しないという非常に困った状態が出現しているわけである。
 なぜ、こんなことになっているのか。それは、日本の金融思想の、現在の状況が
根本的に間違っているからにほかならない。
 戦後の日本の金融は、本質的に規格大量生産に奉仕するものだった。規格大量生産に
奉仕する金融にはリスクがない、という前提に立っていた。この金融思想が、もはや
時代に適合しなくなっているにもかかわらず、いまだに前時代的な金融思想から
脱却できないことに本質的な問題がある。

////////////////// 東洋経済新報社 ///


190 ◆z0ldaqsUxc :2005/03/22(火) 20:51:21

/// 規格大量生産時代の終焉 4 ////////

 規格大量生産に奉仕する金融という思想は、太平洋戦争後に日本に定着したものだ。
太平洋戦争に敗れた日本は、二つの国是を創出した。一つは、日米同盟を基軸として
西側自由主義陣営に加わり、経済大国・軍事小国を目指すという外交コンセプトであり、
もう一つは規格大量生産の近代工業社会をつくるという経済コンセプトであった。
 この外交コンセプトと経済コンセプトが冷戦構造のなかでうまくかみ合い、日本は
高度経済成長を遂げ、社会的・政治的安定を維持しながら、約四〇年にわたって
平和と繁栄を謳歌することができたわけである。

////////////// ¥1,575で発売中! ///


191 ◆z0ldaqsUxc :2005/03/23(水) 21:41:10

/// 規格大量生産時代の終焉 5 ////////

        「官」の統制

 日本の戦後経済には、きわだった三つの特色があった。第一は官僚主導の業界協調
体制であり、第二は日本式経営、第三は職場に忠実に帰属する職縁社会体質である。
これらは、規格大量生産の近代工業社会をつくるという経済コンセプトから生まれた
ものであり、互いに補強しあうことによって、日本という社会の隅々にまで浸透していった。
いまでは日本の気質、体質そのものにまで発展しているが、実は、一九五〇年代、
六〇年代の高度経済成長、そして規格大量生産の近代工業社会を確立した
七〇年代を通じて広がっていったものにすぎない。
 しかしながら、この三つの特色は日本の経済発展の原動力となり、人類史上もっとも
完壁な近代工業社会をつくりあげることに貢献した。なかでも、日本経済に大きな
影響を与えつづけているのが、官僚主導・業界協調体制である。

//////////////// 2003年11月発行 ///


192 ◆z0ldaqsUxc :2005/03/25(金) 22:10:13

/// 規格大量生産時代の終焉 6 ////////

 日本の官僚機構の特徴は、産業別に縦割りにできているということだ。経済産業省は
製造業と流通業を所管し、農林水産省は農業や水産業に従事する人々や農業協同組合を
所管するというように、各産業には監督官庁がある。監督官庁は、所管する産業分野の
保護・育成に努めるわけである。そこに官と民のもたれ合いが生まれた。
 官僚は所管する業界の意見をもとに具体的な政策を決定し、行政指導という圧力を
加える。多くの場合、それは業界の主流にとって有利な決まり事だ。たとえば、
業界への新規参入を抑え、主流企業にとって目障りな異端者を抑圧する。そうして、
業界中核企業の利権を保護するのである。ここに、官僚主導・業界協調体制が
確立される。

///////////////// 「あるべき金融」 ///



193 ◆z0ldaqsUxc :2005/03/27(日) 00:39:40

/// 規格大量生産時代の終焉 7 ////////

 官僚主導・業界協調体制が敷かれれば、業界の既存企業は新規参入企業との
激しい競争を避けることができたり、過度の設備投資を抑制することができるので、
安定した経営を行うことができる。官僚側は、業界団体の理事職や所管企業の
役員などに天下りするようになる。これで、ますます官僚主導・業界協調体制は
強固なものになっていったのである。
 官僚主導・業界協調体制は、競争による進歩という市場原理のメカニズムを
阻害し、最終的には消費者の不利益を招く可能性がある。しかし、規格大量生産の
近代工業社会の確立を目指す八○年代までの経済コンセプトのうえでは、むしろ
「日本の強み」「日本の美徳」ととらえられていた。

///// リスクの市場化なくして再生なし ///



194 ◆z0ldaqsUxc :2005/03/27(日) 20:48:29

/// 規格大量生産時代の終焉 8 ////////

         規格大量生産の限界

 ところが、一九八○年代末になると、米ソ冷概構造の崩壊とバブル景気の破綻が
起こり、外交コンセプトと経済コンセプトの二つがうまく機能しなくなってしまった。
 まず、西側自由主義陣営の一員として経済大国・軍事小国を目指すという外交
コンセプトは、冷戦構造が消滅し、西側陣営という概念がなくなってしまったため、
まったく意味をなさなくなった。したがって、いまや日本が経済大国であることも、
軍事小国であることも国際的なコンセンサスを得られていない。

////////////////////// 堺屋 太一 ///



195 ◆z0ldaqsUxc :2005/03/29(火) 22:01:09

/// 規格大量生産時代の終焉 9 ////////

 軍事小国であることがもはや認められなくなったために、アメリカのイラク戦争においても、
イージス艦派遣を求められたり、自衛隊のイラク派兵を要求される。軍事面での協力を
強く求められるようになったわけだ。これは日本で政策転換が行われただけではなく、
日本を見る世界の目がまったく変わってしまい、冷戦構造後の新しいスキームのなかで
日本の国際貢献が求められてきたということなのである。
 また、経済大国であるということも認められなくなったので、これまでのように米の
輸入を禁止して国内の米づくりを保護したり、複雑な流通経路を通して内外価格差をつけ、
日本の企業が利益を得られるようにするといった官僚主導・業界協調体制を維持する
ことが困難になってきた。もはや日本だけの特別ルールは通用せず、国際競争のなかで
日本の経済を運営していかなければならない時代になったのである。

////////////////// 東洋経済新報社 ///



196 ◆z0ldaqsUxc :2005/03/31(木) 21:39:43

/// 規格大量生産時代の終焉 10 ////////

 一方、規格大量生産の近代工業社会をつくるという経済コンセプトも限界を迎えて
いる。いまや同じものをたくさんつくる規格大量生産の時代ではなく、主観的に
価値のあるものが高く売れる時代になった。規格大量生産から多品種少量生産への
転換である。それは言葉を換えれば、多様な知恵の価値をつくりだす「知価社会」への
変貌ということができる。
 日本は産業政策においても、金融政策においても、あるいは東京への一極集中を
促す地域政策でも、学校教育における没個性化でも、すべてにおいて規格大量生産の
近代工業社会をつくりあげるための施策をとってきた。その努力が実り、八○年代後半
には人類史上でもっとも完成度の高い近代工業社会を完成させた。

////////////// ¥1,575で発売中! ///




197 ◆z0ldaqsUxc :皇紀2665/04/01(金) 21:15:09

/// 規格大量生産時代の終焉 11 ////////

 その当時、自動車や電機製品に代表される規格大量生産品は世界一の品質を誇り、
世界中に輸出されていった。そのおかげで円はどんどん強くなり、日本の金融力が
世界を覆うようになった。東京証券取引所上場株式時価総額が世界一になり、
大阪証券取引所先物取引額が世界一になったのはこの頃のことだ。そして、
日本企業は土地を担保に入れさえすれば莫大な資金を調達することが可能になり、
アメリカの映画会社からオーストラリアの荒野までをジャパンマネーが買い占めた
のである。
 ところが、世界はそのとき、文明の方向を変えていた。日本はそのことにまったく
気がつかなかったのだ。

//////////////// 2003年11月発行 ///



198 ◆z0ldaqsUxc :2005/04/02(土) 20:34:04

/// 規格大量生産時代の終焉 12 ////////

        規格大量生産の時代を終わらせた三つの要因

 規格大量生産の時代から多品種少量生産の時代へと、社会は動きはじめていた
のである。そして、その背後にある知価社会への転換を日本は気づかなかった。
では、なぜこのような大転換が起こったのか。二〇世紀をかけて人類が向かってきた
規格大量生産の時代を終わらせた要因は三つある。 第一は、コンピュータ制御が
発達したことである。コンピュータ制御が発達した結果、規格大量生産でなくても
コストを抑えることが可能になった。それまでは一つのベルトコンベア上では一種類の
自動車しか生産することができなかったが、コンピュータ制御を用いれば、さまざまな色に
塗装することが可能になり、多種類のオプションを加えることができるようになった。

///////////////// 「あるべき金融」 ///



199 ◆z0ldaqsUxc :2005/04/04(月) 19:01:39

/// 規格大量生産時代の終焉 13 ////////

在庫管理もコンピュータで行って効率化し、一つのベルトコンベアからいくつもの自動車を
生産することが可能になったのだ。後で詳しく述べるが、「優秀な中間管理職」という
日本の持つアドバンテージが小さくなってしまった。
 第二は、グローバル化が進展したことである。とくに、経済のグローバル化が進んだ
ことが大きい。二〇世紀に人ってから八○年間、日本につづく工業国は出現しなかった。
 大量生産の時代において、工業化には多大な設備が必要とされ、それを建設する
だけの巨額の資本を集めることは、途上国にとって不可能に近かった。ところが、
石油ショックの頃からアメリカが貿易赤字国となり、大量のドルが世界中に流出して、
いわゆる「ユーロダラー」として流動するようになった。このユーロダラーを利用すれば、
発展途上国でもそれほど資本蓄積を行わずに製造業を発展させることができるように
なったのである。

///// リスクの市場化なくして再生なし ///




200 ◆z0ldaqsUxc :2005/04/06(水) 21:19:07

/// 規格大量生産時代の終焉 14 ////////

 その結果、一九八○年代の前半には「四匹のミニドラゴン」といわれた韓国、台湾、
香巷、シンガポールが工業化する。つづいて八○年代後半には「三匹のニュードラゴン」
といわれたタイ、マレーシア、インドネシアの工業化がはじまった。そして九〇年代に
入ると、いよいよ「ビッグドラゴン」といわれる中国の工業化がはじまったのである。
 これらのアジア諸国の工業化は、他の先進国がたどってきた工業化と根本的に異なる。
たとえば、日本が明治から大正にかけて工業化を進めてきたときには、資本蓄積が
大きなネックとなった。規格大量生産の工場をつくるためには、資本が必要である。
そのために日本は金融制度を整えた。銀行制度をつくり、郵便貯金を普及させた。
都市から農村に至るまで国民一人ひとりに預貯金を募ってお金を集め、産業資本を
つくったわけである。

////////////////////// 堺屋 太一 ///



201 ◆z0ldaqsUxc :2005/04/07(木) 19:42:50

/// 規格大量生産時代の終焉 15 ////////

 ところが、八○年代以降に工業化したアジア諸国は、そんな手間をかける必要が
ない。儲かりそうなビジネスモデルをつくって外国資本を導入すれば、たちまち
資本は入ってくるからである。
 さらに、日本が工業化したときには、大量の中堅技能者、中間管理職をつくらなければ
ならなかった。工業化を推し進めるためには、優秀な経営者だけではなく、現場で
実際に働く優秀な技術者、あるいは本社支社の課長クラス、係長クラスの中間管理職を
育てる必要があった。それも一〇〇〇人や二〇〇〇人という規模ではなく、何十万人、
何百万人といった単位で中堅技能者、中間管理職を育成しなければならない。
そのために、日本は明治以来、商業学校や工業学校を創設し、工業化に必要な
人材を育ててきたわけである。

////////////////// 東洋経済新報社 ///




202 ◆z0ldaqsUxc :2005/04/08(金) 21:31:04

/// 規格大量生産時代の終焉 16 ////////

 以前は、中堅技能者や中間管理職の育成には何十年もの歳月が必要なので、
発展途上国はそう簡単に工業化することはできないといわれていたが、前述したように
八○年代になるとコンピュータ制御が発達してきたために、中堅技能者や中間管理職の
必要性が薄らいできた。かつて、日本では工業学校を出て一〇年や一五年の経験を
積まなければできないといわれていたボールベアリングやICの部品を、いまや中国の
沿岸部の工業地帯では、去年まで農業をしていた一〇代の女の子がコンピュータ
制御の機械を使っていとも簡単につくっている。

////////////// ¥1,575で発売中! ///



203 ◆z0ldaqsUxc :2005/04/09(土) 18:43:19

/// 規格大量生産時代の終焉 17 ////////

 規格大量生産の時代を終わらせた第三の要因は、マーケットの問題である。
日本の工業化においては、日本でつくった規格大量生産品をどこで売るかを
考えなければならなかった。そのために、まず日本国内の市場を整えたのだが、
八○年代以降に工業化したアジア諸国は、そんな心配をすることはなかった。
価格さえ安ければ、アメリカ市場で大量に売れたからである。
 つまり、グローバル化したことによって、外国の資本で、外国の技術を使って、
外国向けの商品をつくる「水際製造業」がアジア諸国に広がったわけである。
これによって、日本の規格大量生産は、中国やアジア諸国との競争で不利な
立場に立つことになってしまった。

/////////////////// 2003年11月発行 ///




204 ◆z0ldaqsUxc :2005/04/10(日) 21:29:11

/// 規格大量生産時代の終焉 18 ////////

 だが、何よりも重要なのは、人々の二ーズが規格大量生産品から多様な知恵の
製品、いわば主観的な価値に移りはじめたことだ。これこそ近代工業社会から
知価社会へと展開していく大きな要因となった。
 みんなと同じものをより多く持つより、ブランド品が欲しい。大量生産の安物では
なく、ちょっと高くても思い出に残るものを使おう。人とは違った個性的なものを持って
見せたい。そのような願望を人々が持ちはじめた。それはさらに、映像やゲーム
といったソフト的なものの価値を高め、情報そのものに価値が生まれるようになって、
規格大量生産離れを加速させていったのである。

///////////////// 「あるべき金融」 ///




205 ◆z0ldaqsUxc :2005/04/11(月) 20:11:49

/// 規格大量生産時代の終焉 19 ////////

 こうなると、日本は非常に苦しくなる。一方においては中国やアジア諸国の
商品にマーケットを食われ、他方においては規格大量生産品のマーケットが縮小し、
個性的なもの独創的なものを求め、知恵の値打ちが拡大していく。ところが日本は
規格大量生産の近代工業化に合致した中堅技能者、中間管理職の養成に努め、
教育の段階から個性、独創性を抑えてきたので、容易に知価社会に転換することが
できない。ここで、九〇年代以降の日本の大苦戦がはじまったわけである。・・・・・

///// リスクの市場化なくして再生なし ///




206 ◆z0ldaqsUxc :2005/04/11(月) 22:03:16

/////////////// 東洋経済新報社 ///

 「あるべき金融−リスクの市場化なくして再生なし−」
 New Financial Concept and Economic Revival of Japan

 堺屋太一, 刈屋武昭, 植草一秀 (著); ¥1,575
 東洋経済新報社; 2003年11月発行; 単行本197p

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492653341/249-7582109-1606713
http://books.rakuten.co.jp/RBOOKS/0001617070/
http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/4221bca45ca430102edc?aid=&bibid=02384889&volno=0000
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=31302552
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=9977663440
http://books.livedoor.com/item_detail?id=63152

/// 絶賛発売中! /////////////////




207名無しさんの主張:2005/04/11(月) 23:25:18
208 ◆z0ldaqsUxc :2005/04/12(火) 21:45:45

/// 「戦後日本の金融」の行き詰まり 1 /////

 「あるべき金融−リスクの市場化なくして再生なし−」 ¥1,575
東洋経済新報社2003年11月発行; 堺屋太一, 刈屋武昭, 植草一秀 (著)より

・・・・・
    2 「戦後日本の金融」の行き詰まり
        官僚主導で整備された戦後日本の金融制度

 規格大量生産の近代工業社会から知価社会へ。この文明論的な大転換の
途上で問題になってきたのが金融である。
 前述したように、日本の金融制度は、規格大量生産に奉仕するためにつくられた
ものである。日本で郵便貯金が広く普及しているのは、まさにその象徴といっても
いいであろう。郵便貯金の普及は、規格大量生産をいかに発展させるかという
発想そのものである。

////////////////////// 堺屋 太一 ///



209 ◆z0ldaqsUxc :2005/04/15(金) 19:48:05

/// 「戦後日本の金融」の行き詰まり 2 /////

規格大量生産を発展させるには、私利私欲に偏らず国益を第一と考える
お役所に預けるのが一番いい。そうした意識誘導が行われ、郵便貯金に
大量のお金が流れ込んだ。
 郵便貯金にお金を預ける国民は、国のため、お役所のためにお金を預けて
くれるのだから、税金は安くしてやろうということで、分離課税を認めて
利息の二〇パーセント、さらに高齢者減税の特別措置まで付けられている。
 郵便貯金に預けられたお金は、かつて大蔵省(現財務省)理財局の
資金運用部に入り、財政投融資という形で、国会の承認を得ることもなく
住宅金融公庫、道路公団、ODAなどに年間数十兆円が使われていた。
まさに、官僚の自由になるお金だったのである。

////////////////// 東洋経済新報社 ///





210 ◆z0ldaqsUxc :2005/04/16(土) 22:06:17

/// 「戦後日本の金融」の行き詰まり 3 /////

 一方、銀行は郵便貯金とは違い、民間企業だ。しかし、民間企業とはいっても、
大蔵省はがんじがらめに監督していた。各銀行の支店の配置や人数、給与水準は
もちろんのこと、カレンダーのつくり方やネオンの有無、ショーウィンドウの飾り付けに
至るまで事細かく口を出していた。
 それほど大蔵官僚の指導監督が仔細にわたっていることからも察することが
できるように、銀行に預けられた預金もおおむね官僚の意向に沿って使われていた。
すなわち、規格大量生産の製造業に重点的に融資が行われたのである。
したがって、預金者にも分離課税を認めて二〇パーセントの税率とした。

////////////// ¥1,575で発売中! ///





211 ◆z0ldaqsUxc :2005/04/17(日) 20:33:20

/// 「戦後日本の金融」の行き詰まり 4 /////

 株式も産業資本の重要な要素だが、投資家は自分の利益のために銘柄を選び、
投資する時期を決定するので、官僚の思惑通りにならない。郵便貯金にお金を
預ける国民に比べると、官僚の意思が入りにくい。ただ、証券取引所に上場されて
いれば、取引所が官僚の監視下にあるので分離課税は認める。それでも税率は
預貯金より六パーセント多い二六パーセントの課税とした。

/////////////////// 2003年11月発行 ///




212 ◆z0ldaqsUxc :2005/04/19(火) 19:41:19

/// 「戦後日本の金融」の行き詰まり 5 /////

 官僚にとって、もっとも目障りだったのがベンチャーキャピタルである。官僚の
目の届かないところで、上場もされていない企業にお金を貸して金利や配当を
稼ぐベンチャーキャピタルは、お役所の目を盗んで悪どく儲けるヤミ金融という
発想であった。いまでこそベンチャーキャピタルの重要性は広く認識されているが、
ほんの五〜六年前まではヤミ金融、マチ金と同じ扱いだったのである。そのような
ものに分離課税は認めないのみならず、元々の資金にまでさかのぼって厳しく
税務調査を行うというのが当局の基本姿勢だった。

/////////////////// 2003年11月発行 ///




213 ◆z0ldaqsUxc :2005/04/20(水) 21:02:55

/// 「戦後日本の金融」の行き詰まり 6 /////

 このように、日本では規格大量生産の近代工業社会を確立するために、
官僚主導で金融制度が整備されてきた。
 規格大量生産のために提供したお金は絶対に安全であるという意識が
植え付けられ、すべての資金を規格大量生産のために提供するよう
誘導する形で金融制度が整えられてきたのである。

///////////////// 「あるべき金融」 ///





214 ◆z0ldaqsUxc :2005/04/21(木) 19:34:07

/// 「戦後日本の金融」の行き詰まり 7 /////

       日本の金融制度を成立させていた五つの前提

 九〇年代に入るまでは、この金融制度はうまく機能していた。なぜなら、
日本には五つの前提が成り立ったからである。
 まず第一に、人口が増えること。次に、国土は狭く上地は足りないこと。
第三は物価は必ず上昇すること。第四は経済は成長すること。そして、
第五に貿易を除いては国際競争にさらされない島国である、
ということである。

/////// リスクの市場化なくして再生なし ///





215 ◆z0ldaqsUxc :2005/04/22(金) 20:38:48

/// 「戦後日本の金融」の行き詰まり 8 /////

 この五つの前提に立てば、経済は成長をつづけ、地価も値上がりをつづけることに
なる。そして、規格大量生産も発展をつづける。だから、規格大景生産に従事する
企業に生産規模を増やすための資金を提供するのは安全なことであり、それによって
日本は発展をつづけるのだから、まったく心配することはないというのが、この
金融制度の根幹だったのである。
 また、規格大量生産に従事する大企業ではなく、中小企業や個人にお金を貸す
ときは、必ず土地を担保に取るようにした。日本は人口が増え、経済が成長し、
物価が上昇する土地の少ない国なので、必ず土地は値上がりする。だから、土地を
担保にとっておけば安全である、という発想である。

////////////////////// 堺屋 太一 ///




216 ◆z0ldaqsUxc :2005/04/23(土) 20:24:23

/// 「戦後日本の金融」の行き詰まり 9 /////

 この結果、日本の金融機関は、規格大量生産に従事する大企業に貸すか、土地を
担保に取って貸すという、きわめて安全な融資しか行わなくなってしまった。つまり、
日本の主要な金融機関は、金融ブローカーである。お金を持っている右の預金者から、
お金を必要とする左の事業者にお金を移動させるだけの仲介業者にすぎない。
 預金金利と貸出金利の差は、仲介業の手数料ということになる。規格大量生産が
発展し、なおかつ値の下がらない土地を担保に取っていれば、貸し倒れることはなく、
また預金金利と貸出金利の差は比較的小さいので、日本の金融機関は絶対に
安全な存在である。そういう神話が出来上がっていった。

////////////////// 東洋経済新報社 ///





217 ◆z0ldaqsUxc :2005/04/25(月) 19:35:35

/// 「戦後日本の金融」の行き詰まり 10 /////

        バブルに対する認識の甘さ

 ところが、バブル景気が起こって、五つの前提が崩れてしまった。地価が急速に
値上がりし、一〇年前の六〜七倍にまで跳ね上がった。そのため、土地を担保に
融資を行っていた金融機関は、バブルがはじけたときに莫大な不良債権を背負う
ことになったのである。
 問題なのは、バブル崩壊に対する官僚と銀行の認識の甘さである。バブル崩壊に
際して、官僚も銀行員も、「これは歴史上稀に見る事件によって生じた不良債権だ、
と考えた。

///////////////// ¥1,575で発売中! ///




218 ◆z0ldaqsUxc :2005/04/26(火) 21:06:18

/// 「戦後日本の金融」の行き詰まり 11 /////

いわば、関東大震災による被災と同じであり、このようなことは二度と起こらない
であろう。だから、一〇年かけてこの不良債権を処理してしまえば、また元の
状態に戻るだろう」と考えたのである。この致命的な認識の甘さ、状況判断の
まずさが、今日の事態を招いた最大の原因といっていい。
 銀行は、五〜一〇年かけてコツコツと不良債権の穴を埋めていけばいいと考えて
いたので、当初は住宅専門金融機関の面倒だけ国が見てくれればいいといった。
ちょうど村山内閣時代で、武村正義氏が大蔵大臣を務めていたとき、銀行は「住専の
六八○○億円だけ面倒を見てくれれば十分である」と話をしてきたのである。

//////////////////// 2003年11月発行 ///




219 ◆z0ldaqsUxc :2005/04/28(木) 20:44:59

/// 「戦後日本の金融」の行き詰まり 12 /////

 その話を聞いたとき、私は「ケタが二つほど違うのではないか」といった。不良債権
処理が六八○○億円で済むなどということは到底ありえないことで、一〇倍の六兆
八○○○億円どころか、一〇〇倍の六八兆円は必要ではないかと考えていたからで
ある。ところが、銀行関係者は「いやいや、六八○○億円さえ面倒見ていただければ、
もう十分です」という。
 いかに、銀行の認識が甘いものであったか、わかろうというものだ。もっとも、
住専処理に六八○○億円の公的資金を投入することは、世間から猛烈に非難を
浴びた。「銀行を救うためにそんなお金を出す必要はない」。そんな声がうずまいたが、
この時点では世間もバブル崩壊というものの本質がまったく見えていなかったと
いえよう。

//////////////////// 「あるべき金融」 ///




220 ◆z0ldaqsUxc :2005/04/29(金) 18:30:40

/// 「戦後日本の金融」の行き詰まり 13 /////

        不良債権への認識の誤り

 一九九五〜九六年にかけて、景気は一時上向いた。本来なら、このときに、
大胆な金融改革を行うべきであったろう。
 当時の橋本内閣は六大改革を唱え、そのなかには金融改革も含まれていて、
橋本首相自身も金融改革に手をつけようとした。だが、残念ながら大蔵官僚の
そそのかしに乗ってしまい、財政改革を先に行ってしまった。そして、消費税を
三パーセントから五パーセントに引き上げ、医療費を増徴するなどして九兆円の
税収増加をはかり、予算の赤字幅を一五兆一二〇〇〇億円まで引き下げた。
これが、決定的な失敗だったのだ。

///// リスクの市場化なくして再生なし ///




221名無しさんの主張:2005/04/29(金) 22:45:43
いい加減その押し付けがましいコピペやめてくれないか。
せめて簡潔に3レスくらいで書けないものかな。
222 ◆z0ldaqsUxc :2005/05/01(日) 19:54:54

/// 「戦後日本の金融」の行き詰まり 14 /////

 金融改革より先に財政改革を行うのでは、不良債権という大きな疾患を抱えたまま、
過度な運動をはじめたようなものである。九七年四月に消費税を値上げすると、
あっという間に大不況になり、一〇月には山一證券、北海道拓殖銀行が破綻する
という事態にまで発展したのだ。そこで慌てて特別減税を実施するなどの緊急対策が
打たれたが、時すでに遅しという状況であった。
 九八年の総選挙で自民党惨敗の責任をとって橋本内閣が退陣し、代わって七月に
小渕内閣が成立した。このとき私は経済企画庁長官として入閣したわけだが、
経企庁長官となって驚いたのは、各銀行自身がどれだけの不良債権を抱えているか
正確に把握していない、という事実である。

//////////////////////// 堺屋 太一 ///





223 ◆z0ldaqsUxc :2005/05/03(火) 20:55:39

/// 「戦後日本の金融」の行き詰まり 15 /////

 銀行はこれまで護送船団でずっと国に保護されており、そのうえ規格大量生産は
安全だと思っていた。また、日本経済の成長が止まることはなく、永久に物価は
上がりつづけると信じていた。だから、不良債権があっても金融機関が貸出をつづけて
キャッシュフローさえ回っていけば、やがて土地価格や製品価格が上昇して企業は
利益を上げ、債務を返済できる、と考えていたのである。
 そのため、「融資先で危ないところはどれくらいありますか」とたずねても、「いや、
たいしたことはありません。うちが面倒見ますから」という答えしか返ってこない。

//////////////////// 東洋経済新報社 ///





224 ◆z0ldaqsUxc :2005/05/05(木) 18:52:58

/// 「戦後日本の金融」の行き詰まり 16 /////

さらに「この会社はずいぶん不良債権を抱えているようですが、本当に大丈夫ですか」
とたずねると、「うちの銀行の貸出態度は積極的ですから、どんどんお金を貸します。
資金を入れてキャッシュフローがつづけば、やがて含み益が出るので大丈夫ですよ」
という寝ぼけた返事が返ってきたのである。
 このような銀行の態度はとんでもない話である。われわれは、銀行自身が多額の
不良債権を抱えていることを問題にしているのに、銀行が強い貸出態度であるか
どうかなどということは問題外だ。銀行は企業の収益が上がれば不良債権は返せる
という認識であったが、事態はそんな生やさしいものではなかったのである。

///////////////// ¥1,575で発売中! ///





225 ◆z0ldaqsUxc :2005/05/07(土) 19:24:21

/// 「戦後日本の金融」の行き詰まり 17 /////

        金融行政改革の失敗

 小渕内閣では、金融機関に対してかなり厳しい調査を行った。その結果、長銀、
日債銀が債務超過に陥っていることがわかり、破綻処理することになる。さらに
何十もの地方銀行、第二地銀を潰すという荒擦治を行った。これは昭和五年以来、
はじめて銀行を潰すという大改革の断行である。さらに、二〇〇一年にはペイオフを
実施することになっていたから、メガバンクも慌てて合併を行い、五大金融グループに
統合されることになったのである。

/////////////////// 2003年11月発行 ///





226 ◆z0ldaqsUxc :2005/05/09(月) 21:01:35

/// 「戦後日本の金融」の行き詰まり 18 ///////

 この改革の目的は、金融機関を国際的な市場競争に耐えられる体質に鍛えるのが
目的であった。そのために、厳しい検査とペイオフをムチとし、金融緩和を徹底し、
ゼロ金利政策を実施した。金利負担を軽減して債務企業を助け、金融機関の
負担を軽くしようというアメの政策である。
 さらに、企業の合併分割の推進、SPC(特別目的会社)やNPO(非営利団体)を
制度化する法律やベンチャーキャピタルの法律も整備した。さまざまな法律をつくって
体制を変換し、護送船団方式による保護を撤廃して、市場原理によって動く健全な
マーケットを形成しようとしたのである。小渕内閣は、こうした一連の改革を推進
してきたのである。

////////////////////// 「あるべき金融」 ///




227 ◆z0ldaqsUxc :2005/05/11(水) 21:42:22

/// 「戦後日本の金融」の行き詰まり 19 ///////

 この改革プログラムが継続して行われていれば、事態はもう少し変わっていたで
あろう。しかし、改革プログラムは継続して行われるどころか、この二年のうちに
ストップしたばかりでなく、逆方向に進んでいるのだ。
 金融機関に対する検査は行われるが、企業も金融機関も暖昧な形で延命される
ケースが多い。存在意義を失った企業は市場から退場させるというムチの政策は
影をひそめ、金融機関が高額な営業利益を上げて不良債権を償却するまで待つ
アメの政策が主流になってしまったのである。

///////// リスクの市場化なくして再生なし ///





228ミネ ◆tr.t4dJfuU :2005/05/13(金) 07:33:55
献金意思と役人意思に影響される人々****議員****にのみに立法権
があることが全ての不条理の原因ではないでしょうか

http://www.enquete.ne.jp/hundred/survey/19990121-3/stat/
229 ◆z0ldaqsUxc :2005/05/13(金) 20:54:31


/// 「戦後日本の金融」の行き詰まり 20 /////

 しかしながら、このアメ政策が成功しているとはいいがたい。ゼロ金利政策に
よって金融機関の営業利益は伸び、不良債権の償却額も増大したが、不良債権
そのものはむしろ増加している。バブル崩壊で発生した不良債権については
相当償却が進んでいるが、不況や地価、株価の下落によって新たに不良債権化
するものが続出しているのである。

///////////////////////// 堺屋 太一 ///





230 ◆z0ldaqsUxc :2005/05/15(日) 19:30:14

/// 「戦後日本の金融」の行き詰まり 21 /////

 さらに、新たな不良債権の発生に怯える金融機関は、貸し渋りを行うようになった。
銀行としては安全確実な優良企業に貸したいのだが、そのような優良企業は潤沢な
資金を持っているのでそうそう借りない。これまで土地を担保に取るノーリスクの融資を
行ってきた銀行は、資金を必要としている中小企業やベンチャービジネスを審査し、
リスクを取って融資する能力がないので、中小企業やベンチヤービジネスには一向に
資金が流れていかない。
 その結果、ゼロ金利の現在も、年利二〇パーセント以上の商工ローンがはびこり、
銀行の余剰資金は年利一パーセント台の長期国債に流れている。そんないびつな
金融状況が生まれているのである。・・・・・

//////////////////// 東洋経済新報社 ///





231 ◆z0ldaqsUxc :2005/05/17(火) 19:37:50

/////////////// 東洋経済新報社 ///

 「あるべき金融−リスクの市場化なくして再生なし−」
 New Financial Concept and Economic Revival of Japan

 堺屋太一, 刈屋武昭, 植草一秀 (著); ¥1,575
 東洋経済新報社; 2003年11月発行; 単行本197p

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492653341/249-7582109-1606713
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http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/4221bca45ca430102edc?aid=&bibid=02384889&volno=0000
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=31302552
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=9977663440
http://books.livedoor.com/item_detail?id=63152

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232 ◆z0ldaqsUxc :2005/05/17(火) 21:51:15

/// あるべき金融へ 1 ///////////////

 「あるべき金融−リスクの市場化なくして再生なし−」 ¥1,575
東洋経済新報社 2003年11月発行; 堺屋太一, 刈屋武昭, 植草一秀 (著)より

・・・・・
    3 あるべき金融へ
        官僚支配からの脱却

 前述したように、規格大量生産の近代工業化は官僚主導によって推し進められた。
そこには、日本特有の文化や信仰があることは間違いない。優れた教育と経験を
積んだ有能な官僚なら、日本社会全体にとって最善の経済計画がつくれるに
ちがいない、という官僚信仰である。だからこそ、官営金融機関である郵便貯金に
これほど莫大に資金が集まったのである。

///////////// ¥1,575で発売中! ///




233 ◆z0ldaqsUxc :2005/05/19(木) 20:58:51

/// あるべき金融へ 2 //////////////

 しかし、有能な官僚の指導にしたがい、みんなが協調すれば最善の結果が
得られるというのなら、それは社会主義の思想と同じだ。日本は戦後の外交
コンセプトで西側自由主義陣営に属したので、政治体制としては社会主義
にはならなかった。ところが、社会体制では官僚主導・業界協調という
社会主義体制そのものの仕組みをとっていたのである。日本は「もっとも
成功した社会主義国だ」と皮肉混じりに言われるが、それはけっして誤った
指摘ではないのだ。

////////////// 2003年11月発行 ///






234 ◆z0ldaqsUxc :2005/05/21(土) 21:31:53

/// あるべき金融へ 3 //////////////

 官僚主導による規格大量生産の近代工業化は、戦後日本の経済復興に大きな
役割を果たした。しかし問題なのは、八〇年代から世界の知価革命によって、
官僚主導によって築いた規格大量生産の文化がことごとく崩れてしまったにも
かかわらず、いまだに官僚主導から脱却できないことだ。
 コンピュータ制御とグローバル化によって規格大量生産の有効性は失われ、
ソフト化の進展によって人々は同じものではなく、個性的なものを欲求するようになった。
いかに有能な官僚が、どれほど多くの情報を集めたとしても、万人の満足を得られる
商品を見つけ出し、指導することは不可能である。実はこれがソ連などの社会主義
官僚が陥った自己矛眉なのだが、世界で「もっとも成功した社会主義国」日本の
官僚も同じ自己矛盾に陥ってしまっているのだ。

/////////////// 「あるべき金融」 ///





235名無しさんの主張:2005/05/21(土) 21:33:37

/// あるべき金融へ 4 //////////////

まず、いきり立つバカ白人どもの意表をついて、イキナリ日本の側から、捕鯨やめます宣言してしまえ。
もちろんブラフだ。一時的な、臥薪嘗胆作戦である。なにしろ、相手も振り上げた拳をどこに下ろせばいいかわからずキョトンとしちまうアホ面が見てみてぇ(笑
そうすれば、反捕鯨という名の人種差別によってボロ儲けしていたグリーンピースも資金源を失い、緑豆に取り入ることで票を集めていた政治家は旨みがなくなり、去る。
そう、アメリカやフランスが口では平和のためと言いながら実は戦争がなくなると儲からなくなるのと同じで、反捕鯨で喰ってた奴等は日本が捕鯨やめちゃったら何で喰ってきゃいいの?
そうして、ほとぼりが醒めた頃、日本の主張が正しかったことを世界が思い知る。クジラがあまりに増えすぎて、海の生態系が崩れたとき、晴れて捕鯨は再開される・・・認めざるを
得なくなるだろう。

/////////////// 「あるべき金融」 ///


236名無しさんの主張:2005/05/23(月) 00:11:24
>>235
それはいい方法だと思う。
237 ◆z0ldaqsUxc :2005/05/23(月) 21:52:45

/// あるべき金融へ 4 ////////////////

 自己矛盾を強いられた者は倫理的に退廃し、自己弁護と組織利益だけを追求
するようになる。私はすべての官僚が倫理的に退廃しているとは思わないが、
それでも自己弁護と組織利益しか頭にない官僚が増えているように見える。
 日本の官僚制度は、規格大量生産を推し進める近代工業社会の確立のうえで
出来上がってきた。その官僚組織が、知価社会においても主導的な役割を果たす
ことは不可能である。いま、われわれが成さねばならないのは、官僚主導の
文化から脱却し、市場原理にゆだねる体制に転換することだ。

//// リスクの市場化なくして再生なし ///





238 ◆z0ldaqsUxc :2005/05/25(水) 20:52:42

/// あるべき金融へ 5 //////////////

    "ブローカーからリスクテイカーへ"――金融思想の大転換

 マーケットにゆだねるとはどういうことか。金融でいえば、それはリスクを
市場化することにほかならない。
 これまで、銀行は規格大量生産に従事する大企業に貸しておけば
まず安全であり、中小企業や個人に貸すときには必ず土地を担保に
取った。まったくリスクを取ることなく、お金を右から左へ移すブローカーに
過ぎなかった。

////////////////// 堺屋 太一 ///




239 ◆z0ldaqsUxc :2005/05/26(木) 21:04:19

/// あるべき金融へ 6 //////////////

 しかし、いまや規格大量生産の大企業といえども安全とはいえなくなった。地価も
下がりつづけ、土地を担保に取っても安全ではない。企融には常にリスクがともなう
という、いわば当たり前の状況になったのである。したがって銀行も、リスクを取らずに
お金を右から左に移すブローカーの発想から、金融リスクをいかに分散するかという
ディーラーの発想に切り替えなければならない。
 ところが、銀行は「人様の大事なお金を預かっているのだから、リスクを取ることには
慎重にならざるをえない」という。とても、バブルの頃には土地を担保に無謀な
融資を競って、莫大な不良債権を積み上げた者のセリフとは思えない。

////////////// 東洋経済新報社 ///





240名無しさんの主張:2005/05/26(木) 21:12:48
見逃すな

報道ステーション  5/26 (木) 21:54〜23:10(76分)

テレビ朝日 (地上波) 【ジャンル:ニュース/報道】
おかしいぞ介護保険(3)現役ヘルパーが怒る!!家族の
洗濯物や犬の世話まで…利用者のエゴ&低報酬の仰天実態
241 ◆z0ldaqsUxc :2005/05/27(金) 21:05:31

/// あるべき金融へ 7 /////////////////

 そのうえ、銀行がいまリスクのある投資をしていないかというとそうでなく年利
一パーセント台の長期国債を大量に買っている。長期金利が上がって国債価格が
暴落する危険性もあるはずだが、その点をただしても「他の銀行もやっている
ことだから」という返事しか返ってこない。とどのつまり、彼らはリスクを取ることを
怖がっているのではなく、リスクに対する責任を取ることを恐れているのだ。
 だから、依然として金融思想の転換を行わず、規格大量生産時代の発想から
抜け出していない。バブルの頃に発生した不良債権を一〇年かけて処理すれば
何とかなるといまだに考えている者が少なくないのである。

////////////// ¥1,575で発売中! ///




242 ◆z0ldaqsUxc :2005/05/28(土) 19:10:12

/// あるべき金融へ 8 //////////////

 銀行は安全確実なところへ融資を行って仲介手数料を取るブローカーしかやって
こなかったので、リスクを覚悟して新興企業に投融資することができない。リスクを
見きわめる審査能力も、リスクを分散する能力もないからである。これではバブル
以降も続発する不良債権を処理することなど到底できないだろう。
 日本の金融を正常化するには、銀行が単なるブローカーではなく、リスクの
分担も分散もできるディーラーにならなくてはいけない。そのためには、リスクの
分散ができる自由で多様な金融市場が必要なのだ。

//////////////// 2003年11月発行 ///





243 ◆z0ldaqsUxc :2005/05/29(日) 20:45:52

/// あるべき金融へ 9 //////////////

 ところが、そのようなリスクを分散できる自由で多様な金融市場をつくる代わりに、
小泉内閣はリスクを国有化する方向に走りだした。いわゆる「竹中金融再生プラン」
である。破綻寸前の金融機関に公的資金を導入する、あるいは産業再生機構を使って
破綻企業を存続させるというわけである。はっきりいって、これは社会主義の発想
である。金融社会主義への逆戻りだといってもいい。このようなことをつづけていけば、
外国資本は日本から逃げ出し、株価は再び低迷することになるだろう。
 金融当局は、金融リスクをマーケットに分散するという発想に転換し、自由で
多様な金融市場を広げていかなければならない。そのための象徴的な政策を
採る必要がある。

/////////////// 「あるべき金融」 ///





244名無しさんの主張:2005/05/29(日) 21:14:04
もう、手遅れぽ。
245 ◆z0ldaqsUxc :2005/05/30(月) 20:40:10

/// あるべき金融へ 10 /////////////////

    不退転の決意で思想と体制の改革を

 思い返してみていただきたい。平成になってから11人の首相が政権の座に
ついたが、このなかで「改革」を口にしなかった者はいない。全員が「改革」を
旗印に掲げていたのである。
 平成に入って最初の総理大臣である竹下登氏は「われ辻立ちしても衆に説かん」と
言って消費税を導入した。非自民連立政権として発足した細川護煕内閣は
小選挙区制度の採用と政党助成金などの政治改革は行ったが、経済改革は
放置された。

/////// リスクの市場化なくして再生なし ///





246 ◆z0ldaqsUxc :2005/05/31(火) 20:38:20

/// あるべき金融へ 11 //////////////

 橋本龍太郎内閣は、行政・財政・金融・社会保障・教育・経済構造の六大改革を
掲げ、「改革の火の玉になる」と宣言したが、前述したように財政改革を先に
行ったために経済を悪化させ、他の改革はつまずいてしまった。
 小渕恵三内閣は、橋本内閣の志を受け継ぎ、一歩踏み込んだ改革を行ったと
いえるだろう。先に申し上げたように、金融改革では不良銀行を潰し、市場原理を
持ち込むという、大胆な改革を推し進めた。残念なのは、小渕首相が志半ばで
倒れてしまったことだ。さらに心残りなのは、小渕改革の成果がその後まで継続
されなかったことだ。

//////////////////// 堺屋 太一 ///





247 ◆z0ldaqsUxc :2005/06/01(水) 20:53:49

/// あるべき金融へ 12 //////////////

 現在の小泉純一郎内閣は、「自民党をぶっ潰してでも改革を断行する」という
威勢のいいかけ声とともに誕生した。ところが、小泉首相が掲げた郵政三事業の
民営化と高速道路事業の民営化は、まだ進んでいない。「改革の痛みに耐えて
ほしい」と国民に訴えたように、痛みはたっぷり味わうことになったが、改革の
ほうは一向に進んでいないのである。
 なぜ、国家のリーダーがすべからく「改革」を口にしながら、改革がことごとく
挫折してしまうのか。官僚や政治家の抵抗勢力が存在するのは、当然のことだ。
そうした抵抗勢力を押さえ込むことができなければ、改革など成功するはずがない。

//////////////// 東洋経済新報社 ///





248 ◆z0ldaqsUxc :2005/06/02(木) 20:55:21

/// あるべき金融へ 13 //////////////

 それよりも、これまでの改革は、「仕方」「仕掛け」と「仕組み」の改革である
ことが問題なのだ。民間企業の改革を例に取るとわかりやすい。
 八○年代後半の円高の際に、日本の製造業は製造工程の改良や在庫の
削減など合理化を進め「仕方」の改革を行った。また九〇年代に入ってバブルが
崩壊すると、伝統的な年功序列から実力主義、年俸制賃金の導入など「仕掛け」の
改革を行った。そして、九七年から大不況に陥ると、リストラを行って終身雇用制
を崩壊させ、企業系列や事業構造の大変更など、企業の「仕組み」の
リストラクチャリングを断行した。

////////////// ¥1,575で発売中! ///





249名無しさんの主張:2005/06/02(木) 22:17:41
元郵政相で自民党衆院議員の野田聖子氏(岐阜1区)に、130人以上の特定郵便局長が個人
献金していたことがわかった。広島県と地元の岐阜県に集中し、献金額などはほぼ横並び。議員
事務所は「自発的に献金してもらっている」というが、「献金した覚えがない」と話す郵便局長もいる。

(略)

 名前が記載された郵便局長の中には「個人的に献金した」という人がいる一方、「献金した覚えが
ない。野田議員を特に支援しているわけでもない」「自分では献金していないが、郵便局長はいろん
な名目でカネを徴収されるので、その中から献金されたのかも」と無自覚な人もいた。

野田元郵政相に郵便局長130人以上が個人献金
http://www.asahi.com/national/update/0914/002.html
250 ◆z0ldaqsUxc :2005/06/03(金) 21:19:31

/// あるべき金融へ 14 //////////////

 幾度となく、こうした改革を企業は行ってきたわけだが、いまだに経営環境は
好転しない。それは、なぜいか。もっとも重要な「思想」と「体制」の改革ができて
いないからである。
 いくら「仕方」や「仕掛け」「仕組み」を変更してみても、考え方や体制が変わらな
ければ、最良の成果を得ることはできない。金融においても、まさに金融思想と
金融体制の問題が解決されていないのである。この二つが変わらないかぎり、
いくら小手先の改革を行ったとしても、本当の意味での金融再生にはならない。

/////////////// 2003年11月発行 ///





251名無しさんの主張:2005/06/03(金) 22:53:08
諸悪の根源は、特定郵便局にあります。
全国郵便局の2万4769の約4分の3にあたる1万9000は、特定郵便局です。

特定郵便局長は、国家公務員にもかかわらず、世襲で引き継がれます。
膨大な利権を、江戸時代の領主のように、息子や娘が受け継ぐのです。
http://members.at.infoseek.co.jp/J_Coffee/tsure9.html
252 ◆z0ldaqsUxc :2005/06/04(土) 21:46:35

/// あるべき金融へ 15 //////////////

 「思想」と「体制」の改革は、大変むずかしい問題である。しかし、小渕首相が
不退転の決意で金融再生法をつくり、長銀、日債銀を処理し、第二地銀を潰し、
大銀行を統合させる大金融改革を行ったように、勇気を持って金融の思想改革、
体制改革を行わなければならない。勇気を持って過去のしがらみを断ち切らねば
ならない。それが、いま金融再生に求められているもっとも重要なポイント
なのではないだろうか。・・・・・

///////////////// 「あるべき金融」 ///





253 ◆z0ldaqsUxc :2005/06/05(日) 19:54:34

/////////////// 東洋経済新報社 ///

 「あるべき金融−リスクの市場化なくして再生なし−」
 New Financial Concept and Economic Revival of Japan

 堺屋太一, 刈屋武昭, 植草一秀 (著); ¥1,575
 東洋経済新報社; 2003年11月発行; 単行本197p

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492653341/249-7582109-1606713
http://books.rakuten.co.jp/RBOOKS/0001617070/
http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/4221bca45ca430102edc?aid=&bibid=02384889&volno=0000
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=31302552
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=9977663440
http://books.livedoor.com/item_detail?id=63152

/// 絶賛発売中! /////////////////




254名無しさんの主張:2005/06/05(日) 21:21:13
最初の持ち点→100 以降、x(掛ける)"係数"でおまいらの
"人生の持ち点"の可能性に着いて考察汁

・親が金持ちじゃないと半分くらい人生終了(x0.5)
・有名大でないと半分くらい(x0.5)
・ブラックに逝ったらほとんど人生終了(x0.05)
・新卒で正社員にもぐりこめなかったら「職歴なし」と見なされ人生終了(x0)
・いくらキャリアを積んでも時代でその業種自体がなくなれば他業種転職は
 許されず人生終了 (x0)
・長年経験を重ねても自分の業務にとって変わる機械が発明されれば
 人生終了 (x0)
・入った会社、業種がやがて自分に合わないと感じて転職しようと辞めると
 未経験年齢制限に引っ掛かり人生終了 (x0)
・会社を辞め心機一転、転職しようと思ってもDQN企業しか募集はなく
 無職期間が長くなればマイナス評価となり人生終了 (x0)
・一旦会社を辞め学校に通い資格、能力開発をしても「実務経験なし」扱いで
 人生終了 (x0)
・上司と折り合いが悪くケンカ退職すると運が悪ければ次の会社の前職調査
 に引っ掛かり転職できず人生終了(x0)
・正社員でも35歳以上で倒産、リストラされたらかなりの実力者以外人生終了(x0.01)
・かなりの実力者になっても手鏡を悪用すれば人生終了 (x0 - 100 )
255名無しさんの主張:2005/06/05(日) 23:57:27
↑100
つーか親が創業社長な時点で一回目のとこでもう決まっちゃったわ
256名無しさんの主張:2005/06/06(月) 00:00:34
金持ちは金持ちのままでだからね。
もうこっからすることはグリーンシートでアッパークラス目指すぐらいか。
257 ◆z0ldaqsUxc :2005/06/08(水) 22:33:08

/// 日本経済の問題点 1 //////////////

 「あるべき金融−リスクの市場化なくして再生なし−」 ¥1,575
東洋経済新報社2003年11月発行; 堺屋太一, 刈屋武昭, 植草一秀 (著)より

・・・・・
第2章 日本株式会社の行き詰まり
      ――企業と金融はなぜ失敗したか 【刈屋武昭】

    1 日本経済の問題点

 「熱い湯のなかにカエルを落とすと、びっくりしてカエルは跳びだすが、水の
なかに入れてゆっくりと温度を上げていくと、カエルはパラダイムがシフト(移行)
しつつあることに気づかず、ゆで上がるまでじっとしている」

//// リスクの市場化なくして再生なし ///





258 ◆z0ldaqsUxc :2005/06/11(土) 22:08:59

/// 日本経済の問題点 2 //////////////

        なぜ日本は変われないのか

 パラダイムとは、ものの考え方の枠組み、世界を見る見方の枠組みのことである。
この話のなかで「ゆで蛙」とは、ものの考え方が変わってもその変化に気づかず、
かつての成功体験に固執している組織(日本)や人(日本人)をたとえたものだ。
 なぜ日本は変われないのか。それは、これから少しずつ説明をしていくが、まず
「日本的なものの考え方とそれに付随した精神構造(メンタリティ)」と、本来
資本主義が機能するための条件がかなり矛盾していること。そして、そのメンタリティを
共有した政官財のエリートたちと、彼らの手でつくられた制度・規制のために、
資本主義の新しいものと旧いものとを入れ替えていくメカニズムが十分機能していない
という点がきわめて大きい。また、その問題が実際に金融や日本的経営、日本経済に
関わる部分に大きく出てきているのである。

////////////////////// 刈屋武昭 ///





259 ◆z0ldaqsUxc :2005/06/15(水) 20:43:08

/// 日本経済の問題点 3 //////////////

 ITなど技術革新の進展や、中国への投資など資本(お金)移動の進展、環境や
人権などのものの考え方におけるグローバル化の流れなどとともに、私たちの経済や
企業、そして社会環境を考えるパラダイムも進化し絶えずパラダイムシフトが起きている。
しかしこの国では、政治家も官僚もそして学者も、企業人も個人も全体としてみれば、
そのパラダイムシフトの認識が遅く、利害関係のなかで完全に競争力を失うまで
呪縛の構造にいるようだ。
 その結果として、ものごとを少しずつしか変えることができない、政官財を中心とした
漸次改変主義の日本的意思決定システムの大きな負の遺産(ツケ)が、進化に遅れた
「失われた一〇年」として記述されるものの本質だろう。私たちの経済システムの
陳腐化リスク、競争力喪失リスクがますます高まっている。

//////////////// 東洋経済新報社 ///





260名無しさんの主張:2005/06/15(水) 20:51:59
人権擁護法案を可決させたら在日共と古賀誠の首が議事堂に並ぶからな。覚えとけよ。この売国奴め!死ね!クソじじぃ!オイボレ!腰抜け!さっさと棺に入れ!このヴォケが!古賀誠の遺族と在日も根絶やしにしてやる!
261 ◆z0ldaqsUxc :2005/06/19(日) 20:18:51

/// 日本経済の問題点 4 //////////////

 何が悪いのだろうか。それには、次のような問題点が考えられよう。
@日本人が共有してきた共同体・平等意識とものの価値の考え方に関わる問題
A価値(所得、富、資本)の大きな発生源として、「価値創造をつかさどる企業の
機能」についての理解の甘さ
B金融の機能の問題として、企業成長・持続的経済成長の基礎となる企業投資に
関わるリスクの担い手(リスクテイカー)の機能と役割についての考え方
C「政府と企業と家計・個人の関係をつくる」制度・システムと政府の役割に
ついての考え方

///////////// ¥1,575で発売中! ///




262 ◆z0ldaqsUxc :2005/06/23(木) 21:03:59

/// 日本経済の問題点 5 //////////////

 これらの問題を考えることが、実は日本再生とは何か、構造改革とは何か、
金融再生とは何かを考えることであり、新しい進化に対応する能力を持った日本、
持続的成長のもとに豊かさを享受していくことができる日本を構築していくことの
出発点になるであろう。それゆえこの問題を考えることは、個人や家計が最初に
将来の人生設計を考え、結婚や子供の教育や老後の生活の安定などを考える
ことと密接に関係している、と思う。

//////////////// 2003年11月発行 ///





263 ◆z0ldaqsUxc :2005/06/27(月) 20:16:33

/// 日本経済の問題点 6 //////////////

        重くのしかかる将来世代への負担

 日本経済と金融の関係の議論をはじめる前に、日本の現状について
ふれておこう。少子高齢化、グローバル化、低経済成長化、そして国際競争
激化の流れのなかで、日本経済はますます厳しくなっている。失業率は現在
五パーセント半ばであるが、この数字には、職がほしくても、長期経済低迷
により職をあきらめている人は含まれていない。

//////////////// 「あるべき金融」 ///




264 ◆z0ldaqsUxc :2005/07/02(土) 20:35:15

/// 日本経済の問題点 7 //////////////

 さらにもっと心配なことに、日本経済と日本型経営と日本型雇用制度の影響を
受けて、大学卒業者のうち五人に一人は就職できていない。なかでも、大学新卒
失業率は二〇パーセント(中高卒の場合四〇パーセント以上)であるが、女子学生は
さらに厳しく、老人への福祉や介護、あるいは年金支給の厚さとは対照的である。
日本にとって将来を担う世代に対して、日本型システムから実現したリスク
(ここでは構造的な経済の低迷の結果)の移転が現われているように思われる。
しかし、経済の低迷の責任は、少なくとも彼らにはないだろう。

//// リスクの市場化なくして再生なし ///




265 ◆z0ldaqsUxc :2005/07/08(金) 21:33:43

/// 日本経済の問題点 8 //////////////

 これまでの日本では、
●機会平等型の社会(平等に与えられている機会を自己責任のもとに
自由に活かし、資本の論理による資本主義的メカニズムやダイナミズムを
利用する社会)ではなく、
●結果平等の日本型社会主義的共同体型の社会(あまり所得格差をもたらさず、
横並びの社会的規範を強制するものの、雇用と福祉を保障することで結果的に
平等が確保される社会)のもとにさまざまな制度をつくってきたのだから、この
現状を理解する方法に多くの議論があるにしても、政官財の意思決定システムは
その責任の対象として、そこに登場するだろう。

///////////////////// 刈屋武昭 ///




266ピーターパンシンドローム:2005/07/10(日) 03:03:35
みんな、オナニー革命で世界平和を築こう。
「オナニー革命」とは、オナニーを通じて真の平和な社会を築いていく革命である。
みんな、世界平和のためにオナニー革命に協力してくれ。
267 ◆z0ldaqsUxc :2005/07/11(月) 21:06:43

/// 日本経済の問題点 9 //////////////

 この新卒失業率の高さは、若い世代のライフサイクルに影響し、結果として
少子化を加速させ、さらに年金財政の悪化も進むだろう。少子高齢化の結果、
現在の賦課方式(現役世代が高齢者の年金を支払う)年金制度のもとでは
現役世代四人で一人の高齢者を支えなくてはならないときがきている。
二〇二五年には一.九人で、二〇五〇年では一.四人程度で一人を支える
ことになる。
 年金制度のあり方は、「企業の活力」、将来の日本経済に依存している。
積立の原資となる所得の発生が必要である。たとえば、倒産企業数が
二〇〇二年に史上二位を記録した。その結果、年金の積立にも影響している。
結局、所得の流れをつくる企業の価値創造力を上げる以外にないのである。

//////////////// 東洋経済新報社 ///




268 ◆z0ldaqsUxc :2005/07/13(水) 22:27:28

/// 日本経済の問題点 10 //////////////

 さらに年金改革で社会保険料を上げると、社会から購買力が奪われ、消費にも
影響を及ぼす。また、徴収した年金資金は国債などを中心として安全運用するしか
ないので、ベンチャー企業などの育成のためのリスクマネー(リスクを取る資金)
となりにくい。さらに運用での株価の変動や金利の変動、それらの変動を市場リスク
というが、市場リスクに対する運用能力やリスクマネジメント能力も必要である。
低成長グローバル時代に、運用競争の厳しい市場リスクに対置していくことは
難しく、もうすでに大きく負けている。

//////////////// ¥1,575で発売中! ///





269 ◆z0ldaqsUxc :2005/07/17(日) 22:43:16

/// 日本経済の問題点 11 //////////////

運用の責任問題も考えてもらいたいものだ。将来世代への負債の減少
こそが現世代の務めだろう。
 国債といえば、その残高がいよいよ五〇〇兆円に達し、国債等の政府の
累積負債は七〇〇兆円になろうとしているが、その他政府が責任を持つ
特殊法人などの赤字を含めると頭が痛い。また、国民健康保険や高齢者
医療・介護の赤字も積み上がり、不良債権を含めた金融システムの
脆弱性は、依然として克服されていない。

////////////////// 2003年11月発行 ///




270 ◆z0ldaqsUxc :2005/07/21(木) 22:05:23

/// 日本経済の問題点 12 //////////////

        問題解決のための三つの視点

 このような大きな問題、大きな負債を若い人たちが背負っていかざるを
得ないときに、どうやってそれを解消していくのだろうか。その手段とは、
@日本人の潜在的能力を活かすための自由・多様な教育、移動自由な
労働市場環境の整備、社会人教育の充実、経営者教育、等による
戦略的知的優位性の確保
A金融の「リスクテイク」メカニズムの機能の確保、資本主義的「破壊的創造」
メカニズムの受容、機能的企業ガバナンス・メカニズムの確保をとおした、
企業全体としての持続的価値創造機能の確保

////////////////// 「あるべき金融」 ///




271 ◆z0ldaqsUxc :2005/07/25(月) 22:31:15

/// 日本経済の問題点 13 //////////////

B小さな政府のもとに、政府・企業・家計の有機的関係.システムの樹立
と考える。その狙いは、「企業の価値創造能力・イノベーション能力」を高め、
持続的経済成長と国際競争力を確保し、若い世代や将来世代に対して
豊かな社会をつくっていくことである。
 その基本は、私たち日本人という人的資産(アセット)を一〇〇パーセント
有効に利用し、完全燃焼させていく、という道以外にはないだろう。たとえば、
能力のある若い人たちの失業率が二〇パーセントということはおかしい。
そのような状況を変えるには、人的資源を有効利用するシステムのもとで、
次から次に新しい企業がでてきて、価値創造力を発揮し、将来世代に
つなげていくことである。

////// リスクの市場化なくして再生なし ///




272名無しさんの主張:2005/07/25(月) 22:31:57

   ┏━━━━━[郵政は民営化]━━━━━━
   ┃
   ┃  ・郵政の免税額(=補助金)は毎年1兆円!
   ┃    →4人家族で年間約4万円を郵政のために負担!
   ┃       
   ┃  ・民主党は労働組合の奴隷!
   ┃    →参院筆頭理事の伊藤基隆は元全逓委員長!
   。  。   http://www.dpj.or.jp/giin/show_giin.php3?id=148&lang=
  ハ,,ハ   /   
 ≧,,゚ー゚≦/━━━━━━━━━━━━━━━━━
  ( 〒)つ
  (__,,)_,,)
273 ◆z0ldaqsUxc :2005/07/27(水) 23:39:27

/// 日本経済の問題点 14 ////////////

 世界のどの国を見ても、たとえば中国を見ても、社会のなかで生活の豊かさの
基盤を確保する、所得や富、あるいは資本(これらをまとめて価値という)を創造
していく機能を担うのは、実は企業なのである。企業は社会にとって戦略的価値
創造機構である。それゆえ、企業を核としながら、技術革新、競争環境の変化や
グローバル化や個値観・嗜好の変化に対応して、企業とそのシステムに進化や
イノベーションのプロセスを確実に起こしていくことが、私たちの豊かさのみならず
将来世代の生存と繁栄を確保するうえできわめて重要である。

///////////////////// 刈屋武昭 ///




274 ◆z0ldaqsUxc :2005/07/29(金) 20:19:10

/// 日本経済の問題点 15 //////////////

 このことを効果的に実現するためには、企業に多くの柔軟性を与え、企業活動
プロセスで発生する「リスク(経済的損失の可能性)を社会的にどのようにシェアー
していくか(互いに持ち合うか)、という金融問題」をどのように解決していくか、
が問われているのである。リスクを社会的にどのように共有化するかという問題は、
単に企業の発行する株を誰が買うかだけの問題ではなく、企業を効率的に
経営する経営者育成、社会にイノベーションを起こす人材の育成、金融システム
(金融の制度的枠組み)と企業システム、および税制のあり方に関わる問題であり、
それらをはっきりと有機的に結合しない限り、価値創造プロセスは効率的、
あるいは競争力のあるものとはならない。
 それは、国際競争がますます激しくなっていくなかで、私たちの持続的豊かさ、
国家の持続的繁栄に関わる問題である。このことを本章と次章で少しずつ
理解していこう。

//////////////// 東洋経済新報社 ///



275名無しさんの主張:2005/07/29(金) 20:21:32
朝日と朝鮮を意図的に叩こうとする勢力が日本には存在するが、
彼らは日本を軍国化し、過去の過ちを繰り返そうとしているだけなのだ。
北朝鮮は日本と平和的に正常化したいと常々思われているのだ。
朝鮮総連にしても、小泉総理からは多大な評価を頂いているのだ。
差別の無い日本を作る為にも人権保護法案は可決されるべきなのだ。
276 ◆z0ldaqsUxc :2005/07/31(日) 19:11:02

/// 日本経済の問題点 16 //////////////

        家計と企業と政府の有機的関係とは

 最初に準備として理解の枠組みを述べておく。よく知られているように、社会の
なかで経済活動をし、発展させていく経済主体を「家計」「企業」「政府」という
三つの主体に分けて考える。全体としては、それらの主体の相互連関的な
活動をとおして、価値(所得や富の増加)が創造され、経済が発展する。
 まず「家計」だが、家計の経済活動は消費と貯蓄に関するものである。消費する
ことは、企業の製品・サービスを購入し、社会に所得の流れをつくる。消費は、
企業の雇用にも関係している。豊かな時代の消費の内容は昔と違い、質だけでなく、
嗜好の変化や価値観の変化で、絶えず進化していくが、企業は自らをその変化や
進化、社会のニーズの変化に対応していくしかないのである。

//////////////// ¥1,575で発売中! ///



277 ◆z0ldaqsUxc :2005/08/03(水) 23:37:10

/// 日本経済の問題点 17 ///////////

 他方、貯蓄の部分は、家計のリスクマネジメントに関係して、最適なリスクとリターン
の組合せを求めて資産ポートフォリオをつくることを意味する。そのポートフォリオの
資産構成は、具体的には株・国債・定期預金・社債・投資信託などの金融商品となる。
金融商品の購入は資金とリスク移転の流れをつくり、金融にとって最も重要な
リスクテイク行為(リスクの取り手となること)に関係する。そのリスクテイク機能により、
企業に資金が流れ、新しい売れ筋製品の開発や新しい技術開発により競争力を
高めるために投資し、新薬の開発や通信技術の革新など、イノベーションを起こす
ことになる。

/////////////// 2003年11月発行 ///




278 ◆z0ldaqsUxc :2005/08/05(金) 21:42:43

/// 日本経済の問題点 18 //////////////

 それゆえ、リスクテイク機能としての金融の機能が重要なのである。金融の
機能については第3章で詳述するが、豊かさを持続するうえでは、「家計の
消費・貯蓄と企業の生産・資本蓄積の関係のダイナミックな進化のプロセス」
こそ、価値創造プロセスのエンジン(命)なのである。これを「企業と家計の
関係のダイナミズム」ということにする。「民間の活力」とはまさにこの部分をいう。
この点についてこれから詳しく述べていきたい。

//////////////// 「あるべき金融」 ///




279名無しさんの主張:2005/08/05(金) 22:16:48
もし、理不尽亀井の意が通り、郵政民営化が成されなくても、解散になれば
民主主義国家の国民に意が問われことになり良いことだ
解散を嫌がっている政治家は、国民のことを・・・
280 ◆z0ldaqsUxc :2005/08/07(日) 18:52:09

/// 日本経済の問題点 19 //////////////

 次に「企業」である。企業は家計や他の企業や政府のために財・サービスの
生産・消費活動だけでなく、新しい技術の開発などのイノベーションを起こしたり、
資本蓄積をしたりしている。それが価値創造の社会的機構であることを、
金融の機能と一緒に述べていく。
 銀行の企業への貸出ローンは、企業の発行する借用証書(ローン契約=
金融商品)を銀行が購入していることと同じである。直接資本市場で発行
される社債は、企業がその借用書を証券会社を通して直接個人や機関投資家に
売ることであり、社債の購入者は、通常クーポン利子を半年ごとに受け取る。

////// リスクの市場化なくして再生なし ///



281 ◆z0ldaqsUxc :2005/08/09(火) 23:54:35

/// 日本経済の問題点 20 //////////////

 企業にとっては、いずれも借入金として貸借対照表(バランスシート)の負債側に
計上される。これらの金融商品には元本返済と利子の支払いがあるが、企業が
倒産した場合には、元本が完全には保証されないので損失が発生する。これは
信用(倒産)リスクがある商品である。銀行ローンの場合、そのリスクは銀行が取るが、
担保を取ることでそれを避けてきた。社債では、購入者が直接そのリスクを取る
ことになる。他方株式は、基本的には企業の資本金に繰り入れられる資金であるが、
研究開発や企業の経営がうまくいかないときのリスクを吸収する資金ともなる。
そのリスクの取り手は株主である。

/////////////////////// 刈屋武昭 ///




282名無しさんの主張:2005/08/11(木) 23:45:28
民主の衆院選スローガン「日本を、あきらめない。」に
 民主党の岡田克也代表は11日、衆院選のスローガンを「日本を、
あきらめない。」とすることを明らかにした。「もっと大事なこと
がある」とのキャッチフレーズを掲げていたが、印象が弱いと判断
した。スローガンは岡田氏自身が選んだ言葉で、「日本はがけっぷ
ち。希望のない国になっている。この国を立て直す」と語った。

 岡田氏は「政権交代がある政治をつくるという信念があったから
こそ、今日まであきらめずに頑張ってこれた」と強調。キャッチフ
レーズとの関係については「選挙が本格化するまでのつなぎであり、
その先にある」と述べた。 (22:00)

ttp://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20050811AT1E1100H11082005.html
283 ◆z0ldaqsUxc :2005/08/12(金) 20:44:20

/// 日本経済の問題点 21 //////////////

 最後に「政府」だが、政府は家計や企業から徴収した税や国債などの借金に
基づいて、自らの消費、道路建設など社会資本の整備、人的資源の教育・医療
などの福祉、防衛などに関係した経済活動をしている。また、経済のあり方の
政策としていろいろな規制などの法律をつくっているが、現在の法律は旧い
パラダイムの思考法のもとにつくられたものが多い。
 また、文部科学省、経済産業省、財務省、厚生労働省、金融庁、国土交通省
などが、「総合的な経済観を共有」せずに、縦割り構造をつづけていることも、
日本の非効率性の原因だろう。

////////////////// 東洋経済新報社 ///


284 ◆z0ldaqsUxc :2005/08/14(日) 20:53:30

/// 日本経済の問題点 22 //////////////

 以上が各主体の機能・役割であるが、問題はその関係である。日本経済が
一〇年以上にわたって低迷してきた要因は、戦後の経済復興へのプロセスと
並行的につくられていった、次節で述べる旧いパラダイムの持つ主体間関係を
そのまま維持してきたことにある。二一世紀の新しいパラダイムでは、家計と
企業の関係を「価値を機能的、効率的、かつ有効的に発生する関係」として
機能させることである。

/////////////// ¥1,575で発売中! ///




285 ◆z0ldaqsUxc :2005/08/16(火) 22:41:57

/// 日本経済の問題点 23 ////////////

 私の議論は、まず本章で旧いパラダイムのもとでの日本型経済システムと
日本型金融システムについて論じ、その問題点を浮かび上がらせようと思う。
そして次章では、新しいパラダイムにおける、あるべき家計と企業と政府の関係、
あるべき金融と価値創造を重要視した企業経営とは何かを論じ、将来世代が
豊かになれる新しい日本について考えていきたい。

//////////////// 東洋経済新報社 ///




286MOMO:2005/08/16(火) 23:17:57
人々の愛の箱を開ける鍵は、愛の箱の中にしかない、という状況を突破せよ
その1

精神の自由=愛=お金のない貢献社会=道徳と自由意志に
基づく社会=与え合う社会の実現の為には、
精神の自由(愛)を閉じ込めている
箱の鍵=貨幣という絶対者による人間生活の拘束支配、
を開け放たなければならない
(=経済的自由=人々からの贈与)
が、その鍵(経済的自由)は、
箱の中にある、
人々の精神の自由(愛)なしには実現しない。

だから、精神の自由(愛)を実現しようとしても、
やっぱり、愛を閉じ込めている箱(経済的不自由)
がじゃまで、うまく行かないという、堂々巡り、
悪循環を繰り返している。
その2につづく
287MOMO:2005/08/16(火) 23:19:26
人々の愛の箱を開ける鍵は、愛の箱の中にしかない、という状況を突破せよ
その2

深く考えず、疑問を感じずに、金を欲しがる普通の利己主義
の生き方、つまり、世の中の流れにそって、さからわずに常
識的に生きていると、
技術のめまぐるしい進歩や、新製品に目をうばわれて、
そんな状態が、平常なので、なれっこになって、それが、
正常だと想っているけれど、何かおかしな事に疑問を感じ、
一度、精神の自由(愛)の方向に一歩踏み出そうとすると、
はじめて、自分の足の、足かせの存在に、気づくのだ。
人々の置かれている状況が、いかに人々の精神の真の自由を
喪失させているかという、社会的事実に気づくのだ。

この呪われた状況を突破するには、
箱をこわす、つまり、経済による人間支配をやめさせる
以外に方法は無い事に、どうして人は、気づかない、
または、気づこうとしないのだろう。
その3につづく
288MOMO:2005/08/16(火) 23:20:36
人々の愛の箱を開ける鍵は、愛の箱の中にしかない、という状況を突破せよ
その3

私達のおかれている、自分達で、自分達の首をしめあって
いる状況は、何かに似ている。
そう、戦争や、内戦と一緒だ。
人の首をしめる手をゆるめると、自分の命があぶないから、
首を絞めあうのを、一斉にやめさえすれば、つまり、
皆が、武器をすてさえすれば、世界平和が実現すると
いうのに、それが出来ない。

世界中の人が生きていける物とサービスと、それを支える
労働が 行われている。
なのに、奪い合っているから、勝者と敗者が出来て、
飢餓死する子供や、破産、自殺、殺人、強盗、人身売買、
詐欺、強姦、武器商人、虚構の投機、いじめ、虐待、家庭内
暴力がはびこる。
奪い合うことをやめることは、経済競争という武器を
すて、戦争をやめるということだ。
その4につづく
289MOMO:2005/08/16(火) 23:21:51
人々の愛の箱を開ける鍵は、愛の箱の中にしかない、という状況を突破せよ
その4

十分生きていける物とサービスと労働はある。
だから、労働を、いまのまま続ければ、
後は、すべての人と分かち合う
こと(与え合うこと、無条件かつ公正に分配すること)
だけが、私達の、残されたなすべき仕事なのだ。


それに、貨幣なんぞ必要はない。
必要なのは、自分に正直になること、自然に人間らしく
振舞うことだけだ。
武器を捨てて、握手することだけだ。
奪い合う手を、与え合う手に変えることだけだ。

なぜ、それが出来ないのか?
出来ないと想っているからだ。
やろうとしないからだ。
皆で一斉に、武器をすてなければ、
自分だけ捨てたら、自分と自分の家族の命が
あぶないからだ。
その5につづく
290MOMO:2005/08/16(火) 23:23:09
人々の愛の箱を開ける鍵は、愛の箱の中にしかない、という状況を突破せよ
その5

この状況を、突破する方法は、一つしかない。

第1に、経済競争放棄賛同者を、十分な数つのって、
さまざまな能力をもつ人達からなるグループを、
呼びかけて、つくること。

第2に、たとえば、10年後の何月何日と、
武器を捨てる日=奪い合い社会脱退日
=与え合い社会移住目標日
エックスデーを宣言すること。

第3に、各自が、エックスデーの為に、
何が必要か考え、その日の為の
準備を開始すること。
その6につづく
291MOMO:2005/08/16(火) 23:25:45
人々の愛の箱を開ける鍵は、愛の箱の中にしかない、という状況を突破せよ
その6

第4に、エックスデーを待たずに、与え合いの関係を、
各自、状況の許す、出来る範囲で、即、開始すること。

第5に、グループ内だけで、実現出来る事と、
実現出来ない事をはっきりさせ、出来ない事を、
出来る事に変える為の計画も立て、開始する。

第6に、もし万一エックスデーに、実施する事が、
皆に負担になるから
もう少し準備に時間が必要だと分かった時は、
エックスデーを延期し、
皆が、エックスデーへの移行で、
物質的に困窮しない条件が十分そろう
のを、待つ事も考慮に入れること。
以上
292名無しさんの主張:2005/08/16(火) 23:26:12
今更糞もへったくれも無いよ。税金のベラボウな垂れ流しを止めることと、強権暴君主義を改めることがまず何より先決だよ。

小手先の話術で煙に巻くのはもうたくさん。
293名無しさんの主張:2005/08/16(火) 23:52:55
今回の選挙で判る通り、日本はますます堕落の一途を辿しかない道を進んでいる。
歴代総理の中でこれだけ国民を苦しめた総理はいない。亡国のA級戦犯は小泉である。
それを見抜けない国民が多数いるのだから日本は滅んでもしょうがない。
自民党における候補者の擁立のやり方を見てもよくわかる。名前が売れていれば誰でも
いいのである。バカでも犯罪者でも誰でもOK。金まみれの利権まみれ、郵政改革を
叫んでいる連中も結局は金まみれの利権まみれ、その親玉が小泉だということを
まだ判らないのか!!自民党公認を受ければ金が手に入る、利権が手に入る、
そんな連中ばかりだ。選挙のやり方を見ていれば一目瞭然ではないか。
こんな連中に国を任せること、すなわち亡国を認めること。
国民は今こそ目を覚ますべきである。特に若者は目を見開いて考えて
欲しい。君達の将来は真っ暗なのです。
小泉と小田信長を云々したマスコミもあった。小田信長を理解していない
バカに何がわかるのか。改革、改革、表面だけのもの、形を変えるだけの
改革、信長はそんな改革はしていない。
郵政民営化に反対した連中も所詮同じ穴の狢、所詮甘い汁を吸える人数が
減って自分は吸えなくなるから反対しているだけ。
結局郵政民営化など甘い汁を吸える人数を抑えて金額を吊り上げようとしている
だけだ。全て国民の税金をいかに懐に入れるかを考えているだけのもの。
それを浮かれてワーワーキャーキャー小泉人気だのと囃し立てて。
自分らの暮らしが成り立たなくなることも判らずに。
国民の90%が貧困であえぐ時代になるのですよ。このままでは。
今こそ亡国の輩を排除しなければならない。
294名無しさんの主張:2005/08/16(火) 23:56:25
293
トンデモナイ倒錯の屁理屈で国民を錯乱させ惑わそうとする、
気違い妄言奇弁論者のご登場ですねw
295名無しさんの主張:2005/08/17(水) 00:08:17
>293 デンパで長文って誰も読まんよ
296 ◆z0ldaqsUxc :2005/08/19(金) 00:05:32

///////////////// 東洋経済新報社 ///

 「あるべき金融−リスクの市場化なくして再生なし−」
 New Financial Concept and Economic Revival of Japan

 堺屋太一, 刈屋武昭, 植草一秀 (著); ¥1,575
 東洋経済新報社; 2003年11月発行; 単行本197p

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297中三川幸也 ◆6YHgv7snDM :2005/08/19(金) 00:16:02
日本は西欧(特にドイツ、フランス等)の国々を模範にすべき。

自然合理的社会主義とでも言うのかな?すごく人間の本質に合致していると思う。

今こそアメリカ型大量消費文化から脱却し、自然と人間の融合した社会を構築すべき。
298MOMO:2005/08/19(金) 11:45:57
個人がすべての人に生かされている社会のはずなのに
その1

今日の社会は、基本的に「働け、さもなければ路頭に迷うぞ」と、社会(他の
人)から、個人が脅迫されている社会です。
MOMOの考えるあるべき社会とは、
「社会(他の人)は、私が社会の一員であるというだけで、
心身共に健全に生活するに足る物資、医療、教育、住宅などの
社会の果実を、無条件で与えてくれる信頼出来る社会だ。
だから、私は、他の人の為に、自分が出来る事をしたい。」
そう言うことの出来る社会です。
今の社会は、生存権、自然利用権などの基本的な社会の果実や人権を奪われた
マイナスから人生をスタートさせられ、それが正しいゼロだと思い込まされて
います。それらを取り戻す為に一生を費やします。とても、自由意志に基づい
て、与え合う余裕などないのです。

しかし、それらすべてが無料で、与えられた所からスタートするのが、
共同社会の望ましいゼロポイントだと想います。そこからスタートする
社会では、人間は、もっと豊かな道徳に基づいた精神の自由の基礎を、
獲得しうると想うのです。
299MOMO:2005/08/19(金) 11:48:23
個人がすべての人に生かされている社会のはずなのに
その2

マイナスは、奪い合いの社会、プラスは、与え合う社会です。
私達は、成人になると同時に、社会に貢献する義務が生じる。
それは、納得出来る事です。しかし、それと同時に、生存権
を失い、それが欲しかったら働け、さすれば見返りに、生存権
をお返ししましょうと、言われます。そして、おちこぼれた
人を、社会保障や、ボランティアで、事後処理的に助けます。
しかし、それは、穴の開いたボートの穴は、そのままで、
水を汲み出すようなもの、または、殴っておいて、倒れた人を
助ける様なものです。そこで、見逃されているのは、人の心です。

私達は、もはや、自給自足の時代に生きているのではありません。
人々は、皆他の人の為、働いているのです。与え合う時代に、
突入しているのです。なのに、それを分配する時、いまだに、
自分と自分の家族の為だけに、自給自足し、家族間で、
奪い合っているのです。
このずれが、あらゆる問題を引き起こします。
300MOMO:2005/08/19(金) 11:49:48
個人がすべての人に生かされている社会のはずなのに
その3

けれども、与える生き方をせよと、説教されても、なかなか
そうは出来ないのは、ゼロ水面下にいるから、自分と自分の
家族が生きる糧を得るのに、精一杯だからです。
衣食足りて礼節を知るです。人間は、経済のレベルでは、
与えるだけの存在では有り得ないからです。

人々の精神(愛)をがんじがらめにし、
経済の奴隷にしている社会から、脱出する為には、沢山の人が、
一斉に、奪い合う手を、与え合う手に変えなければ、不可能
です。なぜなら、奪い合いの水面下で、奪い合いをやめると、
たちまち溺れてしまうから、他人に生かされている安心、
水面上=ゼロ状態から、スタートする必要があるのです。

空の鳥を見よ、播かず、刈らず、蔵に収めず、然るに、汝らの天の父は、
これを、養い給う。汝らは、これよりも、はるかに優れる者ならずや。
まず神の国と、神の義とを求めよ、さらば、すべて、これらのものは、
汝らに加えられるべし。
301よく考えて:2005/08/19(金) 12:17:02
今回の総選挙は郵政民営化選挙だとか言ってるけど、自民党が勝っても小泉さんはあと1年ちょっとで辞める。
もし自民が負けたら、彼は直ぐ辞めると言っている。
どっちに転んでも、間もなく消費税率引き上げ議論が表に出てくる。
民営化賛成票の積りで自民に入れた票も、民営化反対の積りで民主に入れた票も消費税率引き上げ賛成票に変身する。

郵政民営化なんてはっきり言ってどうでもいいが、消費税率が引き上げられたら、
それどころじゃない。平均的な家庭で、50〜60万円の増税になる。
1〜2ヶ月分以上の給料がパー。
そもそも何で増税が必要になったかと言えば、何年か前に高額所得者の累進税率をどかっと下げたので、
それで財政赤字が一層酷くなり、その穴埋めの為に必要になったのだ。
言ってみれば、庶民から取り立てて、金持ちに払うようなものだね。
302まさる:2005/08/19(金) 16:02:32
個人がネットやるのに役所の個人登録の許認可制にする?
あほな法律

警官の天下り先確保のために
自転車も免許制にするとか
もう日本も終わりだな。

内務省復活も間近
役人の権限は今後拡大、焼け太り
中央集権化が進むのは確実

個人情報保護法の裏の顔が出てくる

こうやって日本国民から言論の自由を奪っていく
情報の独占秘匿が政府の支配の要である。

政府や政治家の悪態を暴かれないために
まずはくだらないネット犯罪を利用してだな
303 ◆z0ldaqsUxc :2005/08/20(土) 19:47:01


/// 日本型社会主義と資本不足時代の金融 1 //////

 「あるべき金融−リスクの市場化なくして再生なし−」 ¥1,575
東洋経済新報社2003年11月発行; 堺屋太一, 刈屋武昭, 植草一秀 (著)より

・・・・・
    2 日本型社会主義と資本不足時代の金融

 社会主義的マインド(心)を持った形式的資本主義の国(日本)の経済と
資本主義的マインドを持った形式的社会主義の国(中国)の経済は、
どのように違っていくのか。それがこの五〇年を振り返ることで見えてくる。

///////////// リスクの市場化なくして再生なし ///




304 ◆z0ldaqsUxc :2005/08/22(月) 22:23:45

/// 日本型社会主義と資本不足時代の金融 2 ////

        日本的ものの考え方の下地

 まず、私たちのものの考え方にある下地として、古代以来支配構造や社会秩序を
つくるために社会に埋め込まれた儒教的な考え方や、事大主義的(権力依存的)な
考え方、それらと関係した文化・宗教的側面として受け入れてきたもの、などの
概念を塊としてつくられてきた「日本主義(日本ナショナリズム)」を、私たちの
精神構造のなかに持っている、刷り込まれている、と指摘したい。そのほかにも、
江戸時代から明治に受け継がれた代々の家屋敷を長男が受け継いでまもる
家督制度、地主制度に関係した土地に対する考え方など、私たちのものの考え方
として持っている。

///////////////////////////// 刈屋武昭 ///




305 ◆z0ldaqsUxc :2005/08/25(木) 22:30:08

/// 日本型社会主義と資本不足時代の金融 3 ////

 その塊のあり方は、人それぞれに違い、そのものの考え方は、それぞれの
人の中でも必ずしも全体として合理的・整合的ではない。それは歴史の
プロセスとして自然なプロセスでもあり、そのこと自体何も悪いことではない。
しかし、二一世紀の国際化時代ではグローバルな思考法が必要であり、
国家の概念や人権や環境の問題についても新しいパラダイムに移行していく
なかで、それをそのままの形で継続していくかどうかは若い人の選択に
関係してくる。

//////////////////////// 東洋経済新報社 ///



306 ◆z0ldaqsUxc :2005/08/27(土) 21:27:45

/// 日本型社会主義と資本不足時代の金融 4 ////

 これらをあえて述べるのは、資本主義を効果的に運営する「ものの価値」
についての認識の仕方と、このような日本的文化のもとに育まれたメンタリティ
(精神構造)に組み込まれている「ものの価値」の考え方との間に、全体
としてかなりの違いをもたらしていると思う。これは、前節で述べた小さいとき
からの教育のプロセスにも大きく関わっているので、日本人としての経営者、
政治家、官僚、学者、庶民などすべてに関係する。

///////////////////// ¥1,575で発売中! ///



307 ◆z0ldaqsUxc :2005/08/29(月) 21:08:20

/// 日本型社会主義と資本不足時代の金融 5 ////

 日本型経済を議論するときに、このメンタリティ問題が考え方の下地に
埋め込まれているから厄介なのである。またバブルの生起と「失われた
一〇年」の要因としても、このメンタリティとそのもとで形成されたシステムに
関係する問題がある。失われた一〇年は結果としてみれば、そのメンタリティに
呪縛された政官財構造の政治家・官僚・経営者・学者たちの進化に
対応する感覚が、「ゆで蛙状態」であったといわれてもしかたがないだろう。

/////////////////////// 2003年11月発行 ///




308 ◆z0ldaqsUxc :2005/08/31(水) 22:19:30

/// 日本型社会主義と資本不足時代の金融 6 ////

        おカネに対する偏見を改めよ

 日本的メンタリティのもとでのものの考え方には、人間としての個人がおカネを
稼ぐことは悪いことで、会社や組織が稼ぐのは良い、というようなメンタリティを
植えつけられている部分がある。それは、会社の金が社会の金であるかのように
錯覚しているだけでなく、誤った平等概念を植えつけられた結果であろう。そこには
国民を支配しようとする意図さえ感じる。結果平等型の社会を目指していた時代に、
社会の共通な規範としてそのような概念を植えつける教育は有効だった。このような
「刷り込まれた概念」を基礎に国をまとめ、社会の秩序や社会のあり方を規律
していくのだが、その概念は貧しい時代とそれなりの暮らしができる時代とでは
異なっていくのである。

//////////////////////// 「あるべき金融」 ///




309名無しさんの主張:2005/09/01(木) 00:19:39
これって著作権法違反にならないの?
310 ◆z0ldaqsUxc :2005/09/03(土) 23:10:29


/// 日本型社会主義と資本不足時代の金融 7 ////

 お金を儲けることができることは、少なくともビジネスの能力があるという
ことである。そのような人が、たとえばベンチャーで新しい企業をつくって、
それがだんだん大きな企業になり、人が雇われ、社会全体を豊かにしていく、
という点こそ重要なのである。
 なかでも、お金をたくさん稼ぐ人は、結果としてたくさん税金を払い、
その税金が教育や福祉、防衛、その他農業補助金、年金、環境維持
などの資金となり、道路など公共投資の公共資金として利用される。
つまり、豊かな社会を築くインフラとしてもたくさんの税金を払う人が
必要なのである。

//////////// リスクの市場化なくして再生なし ///




311 ◆z0ldaqsUxc :2005/09/06(火) 21:09:29

/// 日本型社会主義と資本不足時代の金融 8 ////

 実際税収不足は深刻である。法人税は税収のなかのおよそ二五パーセント、
個人所得税がおよそ三〇パーセントだが、個人所得税は、当然法人から
給与所得としてもらっている部分がかなりある。したがって、税収の半分
以上が企業の価値創造機能から出ていることになる。税収不足を基本的に
変えようとするなら、小さな政府にすることと、企業のこの機能を強化する
こと以外にはないだろう。

///////////////////////////// 刈屋武昭 ///




312ほりえもんは「比例は創価」だそうだ:2005/09/06(火) 21:26:21
自民党と公明党を支持する思考は正直いってアホだな。

自民党&公明党のマニフェストの議員年金のところをみると、
本来なら昨年できたはずのことをこれからやるんだとさ。
もう、完全な詐欺・ペテンだよな。

小泉・自民党・公明党は、すでに国民のための本当の改革をしないことを自ら証明した。
本当の改革が絶対にできないのだから、本当の改革を期待するなら自民党と公明党には投票してはいけない。
すでに改革ができないことが証明されているのに、なぜ彼らに改革を期待するのか。

本当の改革を阻害しているのは、小泉・自民党・公明党だ!
313 ◆z0ldaqsUxc :2005/09/09(金) 22:22:39

/// 日本型社会主義と資本不足時代の金融 9 ////

        政官財共同意思決定システムの問題点

 「日本型経済システム」の形成プロセスの概略を見てみよう。日本が太平洋戦争に
向かう途中で軍事的社会統一の狙いから、戦時社会主義的経済システムを導入され、
そこでは、重要な産業は国の支配下に置かれた。戦後には、戦前からすでに高揚
していた労働者階級の意識とあいまって、戦後の民主化運動のなか、官僚が戦時中
用意してきた国家を中心とした共同体型統治が自然に導入され、革命を経ずに巧妙な
社会主義的統治システムが実現していくこととなる。それが、現在でも行われている
「四〇年体制」と呼ばれるものだ。政治家、官僚、財界人と学者が審議会のもとに
経済制度をつくっていく「政官財統治(意思決定)システム」の基礎がここでつくられたと
見ることができる。

//////////////////////// 東洋経済新報社 ///




314 ◆z0ldaqsUxc :2005/09/19(月) 22:46:22

/// 日本型社会主義と資本不足時代の金融 10 ////

 このシステムを維持していくために、また国家が中心となって国策としての
経済計画を実行していくために、企業の所有者は形式的には株主であっても、
実質的には従業員のものという考え方を社会のなかに埋め込んでいった。
これによって、「日本型実質的社会主義」システムが形成されることになる。
 そこでは資本家不在のもとに、株主の権利としての「企業の所有権」
(資本金の提供者=株主はリスクテイカーとして利益請求権、経営人事権を
持ち、解散時には残余分配権を持つ)を意識的に排除していった。

///////////////////// ¥1,575で発売中! ///




315 ◆z0ldaqsUxc :2005/09/25(日) 21:04:53

/// 日本型社会主義と資本不足時代の金融 11 ////

経済同友会の大塚萬丈氏が中心となって草稿した『企業民主化試案―
修正資本主義の構想』(昭和二二年、同友社)には、資本家の権利を
抑制する視点からの「所有と経営の分離」をきちんと進め、労使協議を
含めた「日本型経営」の原型をつくろうとしていたことがうかがえる。
そこには、戦後の民主化のなかで進んだ財閥解体や、大正時代から
昭和のはじめにかけての行きすぎた株主の権利のあり方への反省、
労働運動の高まりと国家を中心とした経済復興の必要性、などをその
背景として見ることができる。

/////////////////////// 2003年11月発行 ///




316 ◆z0ldaqsUxc :2005/10/01(土) 22:54:59

/// 日本型社会主義と資本不足時代の金融 12 ////

 その所有と経営の分離は、株主の権利の形骸化とともに従業員が
昇進して経営者になる、ということから、経営者と従業員の結合と、
儒教的家族主義の考え方のもとに「従業員主権の企業システム」を
つくり出していった。そこでは、終身雇用、年功序列、企業内労働組合、
という「日本型雇用システム」も並行してつくられた。

////////////////////////// 「あるべき金融」 ///




317 ◆z0ldaqsUxc :2005/10/15(土) 22:17:12

/// 日本型社会主義と資本不足時代の金融 13 ////

 しかし、だからといって労働者が幸せであったかというとけっしてそうではなく、
絶対的に貧しさがあった。残業手当を要求すれば、経営者からは「お前は日本人か、
金のことなど言うな」というような日本的精神主義で人をコントロールしていた。
転職者を社会の落伍者として扱い、企業のなかに閉じ込めてしまう社会では、
じっと我慢する以外ほかの選択は許さない社会であった。不満は赤提灯で愚痴を
肴に慰めて、明日につなげていった時代は、まさに「演歌がなじんだ時代」であった。

//////////// リスクの市場化なくして再生なし ///




318 ◆z0ldaqsUxc

/// 日本型社会主義と資本不足時代の金融 14 ////

 実際、日本型雇用システムのもとでは、途中採用はなく、転職者を
人生の落伍者と見る社会的価値観が共有されていた。人生の就職の
大きなチャンスは一度しかなく、やり直しがきかないのだから良い大学を
出て大企業に就職する、そして定年までがんばる、あるいはじっと耐える、
これが「外から見た人生の成功」への道だった。企業の間であまり競争が
なくても、いわゆる受験競争は厳しかったことから、大企業は潜在的に
良い人材を確保できた。貧しい経済環境のなかで、有為な人材を育成
するために六〇年代まで国立大学の授業料は年間一万円未満の
時代でもあった。

/////////////////////////////// 刈屋武昭 ///