2 :
氏名黙秘:05/02/13 01:06:06 ID:k6Kvp6Ta
2get
3 :
氏名黙秘:05/02/13 01:09:56 ID:???
学説の検討こそが法曹としての素養を育てる。
予備校どっぷりからは卒業すべき。
4 :
氏名黙秘:05/02/13 01:11:17 ID:???
相手にするだけ無駄だな
5 :
氏名黙秘:05/02/13 01:17:16 ID:???
>>4 論破されとるな、あんたw
そう簡単に負けんなよw
6 :
氏名黙秘:05/02/13 01:23:54 ID:???
7 :
氏名黙秘:05/02/13 01:29:05 ID:???
スルーしようよ。
それでは、民訴の1問目を書いてみました。
【民訴】 平成13年・第1問
弁論主義は、自由心証主義の適用範囲にどのような影響を及ぼすか。
一、定義
1、弁論主義とは、事実の主張及び証拠の提出を当事者の
権能かつ責任とする建前をいう。
これは、できるだけ当事者間の自治的紛争解決に近づ
けるべく、私的自治の原則を訴訟へ反映したものである。
弁論主義の内容は、@当事者の主張しない事実を判決
の基礎としてはならず、A当事者に争いのない事実は判
決の基礎としなければならず(179条)、B当事者間に争
いのある事実は証拠により認定しなければならない(180
条)を意味する。
2、自由心証主義(247条)とは、裁判官が弁論の全趣旨及
び証拠調の結果を斟酌して、自由な心証により心証を形
成することができる原則をいう。
これは、従来の法定証拠主義を排除し、論理法則と経
験則に則った合理的な事実認定を担保するものである。
自由心証主義の内容は、@証拠方法の無制限、A弁論
の全趣旨の斟酌と証拠力の自由評価を意味する。
3、このように、弁論主義は私的自治の原則から当事者が
主体として訴訟活動を行なうのに対し、自由心証主義は
合理的な事実認定を担保するため裁判所が主体となって
訴訟活動を行なうという、相反する性質を有するものと
いえる。
そこで、弁論主義が、自由心証主義の適用範囲にどの
ような影響を及ぼすかが問題となる。
二、適用範囲について
1、まず、弁論主義は、私的自治の原則に由来するもので
あるから、当事者が自由に処分できる範囲についてのみ
適用がある。
そこで、権利の発生・変更・消滅といった訴訟物たる
権利関係を直接基礎づける主要事実について弁論主義の
適用がある。
2、他方、自由心証主義は合理的な事実認定を担保し、ひ
いては裁判に対する国民の信頼を確保するために採用さ
れている原則である。
そこで、当事者に処分を許すべきでない事実について
は、弁論主義の適用が排除され、自由心証主義が妥当す
ると考える。
具体的には、主要事実を推認する間接事実、証拠の信
用力に影響を与える補助事実については、弁論主義の適
用が排除され、自由心証主義が適用される。
この点、書証の真正について、書証真否確認の訴え(
134条)が認められていることから、弁論主義の適用を認
める見解もある。
しかし、書証の信用力に影響を及ぼす事実にすぎず、
合理的な事実認定が要求されることから、やはり自由心
証主義が妥当すると解する。
3、このように、弁論主義と自由心証主義はその適用範囲
を異にするから、弁論主義は、その適用される範囲にお
いて自由心証主義の適用が排除されるという影響を及ぼ
すといえる。
三、具体例
1、例えば、AB間の売買代金請求において、売買契約の
存否は売買代金債権の存在を直接基礎づける主要事実と
いえ、当事者が主張しなければ判決の基礎とすることが
できず、争いがなければ判決の基礎とし、争いがある場
合には証拠によらなければ認定できない。そして、裁判
所の心証が当事者の主張と異なる場合であっても、裁判
所は自由に判断することができず、当事者の主張に拘束
されることになる。
2、他方、売買契約書に買主の署名捺印があることは、売
買契約書の真正を推認する補助事実にあたる。そして、
この場合は弁論主義の適用はなく、裁判所は当事者に拘
束されず自由な心証により判断できることになる。
以上
コメント
1300字程度、3ページの半分くらいです。
書き方が難しい問題でした。
具体例を入れるべきか迷いましたが、余力があったので入れておきました。
「影響を及ぼすか」ということに答えられてないような気がします。
13 :
氏名黙秘:05/02/13 19:51:10 ID:CkBbQm7G
すいません、ほどよくあげないで書いてくれますか?
14 :
氏名黙秘:05/02/13 19:55:01 ID:???
>一、定義
この無意味な見出しはなんとかなりませんかね。
15 :
氏名黙秘:05/02/13 23:09:43 ID:???
>自由心証主義(247条)とは、裁判官が弁論の全趣旨及
>び証拠調の結果を斟酌して、自由な心証により心証を形
>成することができる原則をいう。
君面白いけど、おとなしく過去問集買った方がいいと思うよ。
>>9 自由心証主義は、裁判所が、事実認定にあたり、口頭弁論の全趣旨
及び証拠調の結果を自由な心証に従い評価することを認める原則(伊藤眞314頁)
自由心証主義の内容は、@証拠方法の無制限とA証拠力の自由評価を意味する。
自由心証主義のところは、理解が甘いというより、書きなれてない印象かな
弁論主義は私的自治の原則から当事者が主体として訴訟活動
を行なうのに対し、自由心証主義は合理的な事実認定を担保す
るため裁判所が主体となって訴訟活動を行なうという、相反す
る性質を有する
というのは、自分の頭で考えた総論なんだろうけど、聞きなれないのだよね
相反するというより、別次元というべきじゃないかな
適用範囲なんだけど
自由心証主義を裁判に対する国民の信頼を確保する原則というのは、これまた聞かない
それ以上に、そこから「当事者に処分を許すべきでない事実については、
弁論主義の適用が排除され」ると言うのも繋がらないし、これは「職権探知主義、職権調査主義」で(伊藤眞260頁)
自由心証主義じゃないのだよね。これだけでG評価されて、もう採点もされなくても文句言えないかも、、
その後の記述を見ると、自由心証主義と弁論主義を同次元で捉えてる(排斥しあう)と思うけど
これは間違いで、両者は、玄関と廊下みたいな関係なんだよね
何を裁判所に出すのかと、出されたものをどう評価するかは、違う話だから
ただ、弁論主義の第一テーゼを主要事実に限る場合、すこし抵触が生じます
17 :
氏名黙秘:05/02/14 09:45:42 ID:???
iine
18 :
氏名黙秘:05/02/14 13:29:25 ID:???
きちんと学説に言及しろや
>>14 すみませんでした。余計な記述は省くようにします。
>>15-16 答案を作る時に、定義をよく思い出せませんでした。
条文を手がかりに、がんばって作ってみました。
自由心証主義と弁論主義は、適用される場面に違いがあるのですね。
去年の証明責任と似たような感じです。
去年の反省を全く生かしきれていませんでした。
ただ、実際にこれを本番でうまく書くのは、ものすごく難しいですね。
やはり民訴は鬼門です。
今日は2問目を書いてみました。
【民訴】 平成13年・第2問
甲は、乙に対し、自己の所有するA土地について偽造書
類によって甲から乙に所有権移転登記がされているとして、
甲から乙への所有権移転登記の抹消およびA土地の所有権
確認を求めて訴えを提起した。
1 乙の債権者である丙は、甲乙間の訴訟に補助参加する
ことができるか。
2 甲乙間の訴訟の係属前にA土地を乙から買い受けたと
主張する丁が甲乙間の訴訟に参加した。この場合に、丁
は、それまでの訴訟の中で乙が自白した事実を争うこと
ができるか。
一、小問1について
1、甲の乙に対するA土地の所有権を争う訴訟に、乙の債
権者丙は補助参加(42条)することができるか。
補助参加とは、他人間に継続中の訴訟に、一方当事者
を勝訴させることで自己の利益を守ることを目的として、
参加する訴訟形態をいう。これは、当事者適格のない利
害関係を有する第三者に自己の利益を守る機会を与え、
合一的な紛争解決を図ろうとした趣旨に基づく。
本問では、丙は乙のA土地所有権を保全することで、
もって自己の債権を保存するために、乙に補助参加する
ものと考えられる。
2、ここで、補助参加が認められるためには、@他人間に
訴訟が継続中であること、A「訴訟の結果」につき「利
害関係」があること、B書面で申し出をすること(規則
20条参照)が必要である。
この点、甲乙間に訴訟は継続中であるし、丙が書面で
申し出れば、@、Bの要件は満たす。
では、Aの要件を満たすか。「訴訟の結果」「利害関
係」の意味が明らかでなく、問題となる。
3、まず、「訴訟の結果」とは、判決主文に示された判断
のみならず、判決理由中の判断も含むと解する。なぜな
ら、判決理由中の判断こそが参加人の立場に決定的な影
響を及ぼす場合が多いからである。
次に、「利害関係」とは、法律上の利害関係を有する
ことが必要と解する。なぜなら、他人間の訴訟に参加し
ていく以上、より強い利害関係を要求すべきであるし、
法律上の利害関係を有さない者に参加を認めても、合一
的な紛争解決という目的を十分に達成しえないからであ
る。
4、本問では、丙は、乙にA土地の所有権がないと判断さ
れるという「訴訟の結果」に利害関係を有すると主張す
るであろう。
しかし、丙がA土地を乙から購入し、乙に対してA土
地について引渡しを求めうる地位にあるような特段の事
情がない限り、丙は単なる一般債権者にとどまる。とす
ると、満足のいく弁済を受けることができないというこ
とは、経済上の利害関係を有するものにすぎず、法律上
の利害関係は認められない。
したがって、上記のような特段の事情がない限り、A
の要件を満たさず、丙の補助参加は認められない。
二、小問2について
1、丁は、甲乙間の訴訟継続前にA土地を乙から買い受け
たと主張し、甲乙間の訴訟に参加している。この場合、
丁の参加形態として、乙に補助参加することと、独立当
事者参加(47条)することが考えられる。
そこで、乙の自白した事実を丁が争うことができるか
どうかは、いかなる訴訟形態で参加したかに関わるため、
以下場合分けて論じる。
2、補助参加の場合
ア、この点、45条は、1項で補助参加人の独立的地位を規定
し、2項で従属的地位を規定している。そこで、いずれを
主体的に考えるかが問題となるが、2項の従属的地位を中
心に考えるべきである。
なぜなら、補助参加人はあくまでも当事者ではなく訴訟
に参加するのであり、被参加人の訴訟行為に反する行為を
認めるべきでないからである。
とすると、乙が自白を撤回することが原則としてできな
い以上、45条2項により、丁は乙の自白を争うことはできな
いとも思える。
イ、しかし、丁は乙にA土地所有権が当初より帰属しなかっ
たとされることで、無権利者乙より土地を譲り受けたこと
になり、無権利の推定が及ぶという関係にある。このよう
に、他人間の訴訟の判決効が及ぶ場合にまで従属的地位を
貫くのは、参加人の利益をあまりに害する。
そこで、丁の地位を共同訴訟人に類似したものとして、
40条1項を類推適用し、丁に不利益な訴訟行為は、丁に効力
を生じないと解するべきであると考える(共同訴訟的補助
参加の理論)。
したがって、丁は乙の自白した事実を争うことができる。
3、独立当事者参加の場合
ア、丁は、甲乙に対してA土地の所有権を主張して参加する
ものと考えられる。そして、独立当事者参加がなされると、
三者間の訴訟を合一的に確定すべき要請が働くため、共同
訴訟参加の規定である40条が準用されている(47条4項)。
そして、乙の自白は丁に不利益な事実であるから、丁
には自白の効力は及ばない。
イ、したがって、丁は乙が自白した事実を争うことができる。
以上
コメント
1700字弱、3ページです。
全体的に丁寧に、特にメインの補助参加は趣旨から書きました。
小問1で単なる経済的な利害関係を有するにとどまる、と短く書くべきかと思いました。
よろしくお願いいたします。
問題
>>20 答案
>>21-23 あと、どうやらアクセス規制に巻き込まれた模様です。
携帯電話からも書き込みできませんでした。
今は別のパソコンを利用して書き込んでいます。
一日も早く復帰させてほしいです。
どなたか方法をご存知でしたら、お教えください。
25 :
氏名黙秘:05/02/15 07:05:52 ID:???
>>24 ・2ちゃんじゃない掲示板にスレッド立ててそこでやる
・自分でブログをはじめる
26 :
氏名黙秘:05/02/15 08:45:58 ID:???
しばらくまつしかないよ
27 :
氏名黙秘:05/02/15 09:57:23 ID:???
>>24 災難だね
しばらく待ってれば、そのうち解除されるよ
答案、楽しみに待ってるよ
ちなみに、民訴は共同訴訟的補助参加まで触れなくてよいとおもう
あとはいい感じですね
ありがとうございます。
負けずににがんばってみます。
今日は刑訴を書いてみました。
【刑訴】平成13年・第1問
詐欺事件を捜索中の警察官は、「磁気記録テープ、光磁
気ディスク、フロッピーディスク、パソコン一式その他本
件に関係する一切の物」を差し押えるべき物とする捜索差
押許可状を請求し、その発付を得た。警察官は、この令状
に基づいて、捜査差押えの現場で、その内容を確認するこ
となく、フロッピーディスク100枚を差し押さえた。
以上の手続に含まれる問題点について論ぜよ。
一、警察官が執行した捜索差押令状(218条1項)は、「そ
の他本件に関係する一切の物」と概括的記載がなされて
おり、また、警察官は本問令状に基づきフロッピーディ
スク100枚を差し押さえている。
そこで、@そもそもこのような概括的記載のある令状
は無効ではないか、有効であるとしてもA本問のような
包括的差押は認められないのではないかが問題となる。
二、@について
1、捜索差押令状には、捜索すべき物を明示することが要
求されている(219条1項)。
これは、差押対象物につき裁判官の審査を事前に得る
ことで、被疑者に受忍すべき範囲を明示し、もってプラ
イバシー保護を図るとともに、令状主義を潜脱する無令
状捜索差押を防止する趣旨である。
とするならば、本問のように概括的記載がなされてい
る場合、差押対象物が特定されず、被疑者に受任すべき
範囲を示すことができず、また、実質的な無令状捜索差
押を認めることになるため、本問令状は無効であるとも
思える。
2、しかし、捜査の初期段階においては、差押対象物が完
全に特定できない場合が多く、厳格な特定を要求すると
捜査の妨げになり、かえって自白中心の捜査活動を横行
させるなど捜査が糾問化するおそれがあり、被疑者の人
権保障の観点から妥当でない。
そして、「その他本件に関係する一切の物」との記載
があっても、例示物件に続く形で記載されているのであ
れば、被疑者に受任すべき範囲を告知することは可能で
あるし、その範囲で司法審査も及んでいるのだから、無
令状捜索差押を認めることとはならない。
したがって、例示物件に準じる形式で概括的記載がな
されている場合、令状は有効であると解する。
3、本問では、磁気ディスクテープ等の例示物件に続く形
で「その他本件に関係する一切の物」と記載されており、
例示物件に準じる物が差押対象物であることは認識でき
る。
したがって、本問令状は有効である。
三、Aについて
1、警察官が差押えの現場で内容を確認することなく、フ
ロッピーディスク100枚を包括的に差し押さえた行為は、
令状の執行する範囲として適法か。
思うに、差押えを受ける被疑者に対し、物を利用でき
ないという不利益をできる限り負わせるべきでないから、
執行に当たっては捜査に必要な物のみの差押えを認める
べきである。そして、フロッピーディスクの中には犯罪
事実と関係のない情報が含まれている可能性が高く、罪
証隠滅のおそれは出入禁止処分(112条)によって対応で
きるし、パスワードによるロック解除は令状執行に必要
な処分(111条1項)として管理者の協力をあおぐことで
可能である。
したがって、捜査機関は、できる限り現場で差押対象
物を確認し、犯罪に関係のある物のみを差し押さえるべ
きである。
2、もっとも、フロッピーディスクは、記録されている情
報量が多く、現場で内容を確認することに膨大な時間を
費やすおそれもある。また、他の物的証拠と比べ、内容
の変更・削除等が容易であるし、ロックがかかっている
場合に必ずしも管理者の協力を得られるとは限らない。
そこで、現場において差押対象物を判別することが困
難である場合は、警察署等に持って行き、鑑定人など専
門家によりロックを解除するなどした上で差押対象物を
選別することも、令状執行に必要な処分として許容され
ると考える。
3、本問では、フロッピーディスクの枚数が100枚にもわた
り、捜索現場においてすべての内容を確認し、差押対象
物を特定することは著しく困難であるといえる。
したがって、警察官が差押対象物を特定するためにフ
ロッピーディスクを差し押さえたのであれば、令状執行
に必要な処分といえ、本問差押えは適法であるといえる。
以上
コメント
1500字程度、3ページの半分くらいです。
条文をあまり引用できなかったのが気にかかります。
できるだけ、問題文の事情を利用するように努力しました。
よろしくお願いいたします。
問題
>>29 答案
>>30-33
35 :
氏名黙秘:05/02/15 20:33:43 ID:???
良く書けていると思います。
本問はこれだけ書けていれば十分だと思います。
36 :
氏名黙秘:05/02/15 22:37:31 ID:???
>>30 個人的趣味ですが、
警察官が執行した捜索差押令状(218条1項)は、「そ
の他本件に関係する一切の物」と概括的記載がなされて
おり、また、警察官は本問令状に基づきフロッピーディ
スク100枚を差し押さえている。
は不要と思います。結構元司法試験委員の学者は「問題文を要約されても、そんなことは知ってるんで
無駄としか思わないのですよ。スパっと議論に持ち込んでくれる方が印象が良い」と答案練習会で言います
自分も、3行使って書かれたこのことに、なにか意味があると思えないですよ。
「そこで」から後だけで良い。人によってはそれも不要と思うかもしれません
きちんとナンバリングをすれば、一に書いてあることを理解してますよというのは伝わるはずです。
1点にもならないことに7行も使っていいことは無い
これを書く時間を、答案構成や、問題文の熟読や、字をきれいに書くことに費やす方が良いかと
そのうえで、どうしても書きたいなら、そこでの前後を融合させるべきです。
自分なら
一、本問「その他本件に関係する一切の物」とい概括的記載の令状は、
『不明確ゆえ』無効ではないか、仮に有効としても、フロッピーディス
ク100枚もの包括的差押は、『過度の人権侵害として』認められないので
はないか。
という感じで。どうせ令状の種類は条文は本論である二で引用するので省きます
採点者もそれくらいは承知ですので、総論は「なぜ述べるか」に集中させます
37 :
氏名黙秘:05/02/15 22:46:32 ID:???
つづいてナンバリングの趣味ですが
二では1と2の話は違うでしょうか?
問題提起、規範、あてはめ、結論というブロックにおいて
1と2は規範を導く論証に該当します。
実は、事案解決だけなら、論証は不要なのです(だから判例は論証なんかしないのがある)
むろん、説得の戦いである論文試験では、論証は不可欠ですが、それは規範と結びつける必要があります
すると、反対説と自説という、同次元の話なのだから、1でいいと思います
なお、振りたいなら、下位レベルのナンバリングを振ってもらえると、非常に読みやすくなります
1ア 反対説
イ 自説
規範
2 あてはめ
3 結論
なお、あてはめと、結論ではナンバリングがないので、これもどうかと。
まあ、これを見ると、「答案構成は意外といい加減に済ましてる気がする」という印象があります
38 :
氏名黙秘:05/02/15 23:00:02 ID:???
内容面では、これまた細かいですが
批判の中の「実質的な無令状捜索差押を認めることになるため」
というのは、ちょっと表現が強すぎます。
「実質的な無令状捜索差押の許容につながるおそれがあり」
くらい、オブラートに包んであげましょう。
論証に問題はないので、指摘が細かくなりますが
自分的は、わざわざ反対説挙げてまでここまで一生懸命じゃなくてもいいかと
アテハメに事実の引用が少ないので、引っ張ってあげましょう
詐欺事件におけるFDやPCやなんかが記載されている理由も自分で考えるなりして
本件は限定されてるよ、ということを説得できれば良い印象を持ちます
39 :
氏名黙秘:05/02/15 23:11:23 ID:???
三ですが、こちらは問題提起はある。でも二はない
どうせなら両方問題提起したほうがいいんじゃないでしょうか。
で、問題提起と、論証がナンバリングで分けられてない
そのうえ、論証の途中でナンバリングが切れてる
この人は、問題提起、論証、規範、アテハメ、結論というブロックで書くことを
意識してないのかな、という印象があります
で、原則の後の修正の論証で、本問の事案をふんだんに利用してます
だから、アテハメる事情がなくなって、アテハメはわずか3行になってます
これだと、事案解決の基準を示しただけの印象があります
結論に至る話は説得的です。俺が考える理由はこうだ!!というのを
ボンボン投げつけて、うーん、その通りだね。という感じ
頭の斬れより、地道な努力と積み重ねですね。これでいいと思います
下手にロジックで勝負すると、天才以外は沈むと思いますので
40 :
氏名黙秘:05/02/16 00:59:54 ID:???
民訴の方だが
>しかし、丙がA土地を乙から購入し、乙に対してA土
>地について引渡しを求めうる地位にあるような特段の事
>情がない限り、丙は単なる一般債権者にとどまる。とす
>ると、満足のいく弁済を受けることができないというこ
>とは、経済上の利害関係を有するものにすぎず、法律上
>の利害関係は認められない。
特段の事情の場合,所有権を取得することになり,
債権者という地位とは全く関係ない話になる。
問題文に具体的事情があるのだから,
あてはめが大事だ。
むしろ,差押債権者ならどうか,と考えるべきだろう。
>2、補助参加の場合
>ア、この点、45条は・・・
きちんと条文の文言にあてはめよう。
基本が最も大事だ。
41 :
氏名黙秘:05/02/16 01:01:35 ID:???
>しかし、丁は乙にA土地所有権が当初より帰属しなかっ
>たとされることで、無権利者乙より土地を譲り受けたこと
>になり、無権利の推定が及ぶという関係にある。
この法的根拠は何なのか。
前から言ってるが,法律に基づかない議論を勝手に作り出して
自分が書きたい方向に無理やり持っていく悪い癖があるので,気をつけるように。
>そして、乙の自白は丁に不利益な事実であるから、丁
>には自白の効力は及ばない。
ちゃんと条文の引用を。
42 :
氏名黙秘:05/02/16 01:06:28 ID:???
刑訴だが,どの条文・制度に違反する可能性があるのか
明示されていない。
違法というなら何らかの具体的な条文に反しているはずだ。
特に後段はそうだ。
後段は,令状主義の趣旨から書いていくべきだろう。
>>36 確かに、問題提起の部分は少し長すぎますね。
もっとコンパクトに、要点をついた問題提起を心がけなければと思っています。
ただ、事案を抽出する点で、ある程度の分量は必要だと思うのですが、どうでしょうか。
問題となる事案を適切に抜き出せるか、というのも採点対象になってるのではないかと思っています。
にしても、私の答案はまわりくどいですね。
反省します。
>>37 ナンバリングは、分量とのバランスでいつも振るようにしています。
それよりも、問題提起、規範、あてはめ、結論、とパターンにしたほうが読みやすいのでしょうか。
(Aのところでは全然規範が立てられていないのはご愛嬌ということでお願いいたします。)
>>38 確かに、強すぎます。
そうしないと、次の話を出したときに、うん?って頭をひねらせてしまいますよね。
こういうご指摘をいただけると、すごくありがたいです。
細かい表現って、結構大事ですからね。
>>39 規範が思いつかなかったので、考えることをどんどんぶつけていきました。
ただ、やはり法律試験ですから、規範を立てて、しっかりあてはめる作業を心がけたいです。
以後、注意していきます。
ありがとうございました。
>>40 特定物の引渡請求権があるなら、その人も債権者に当たると判断しました。
後で答案を見ていたら、代位債権者は法律上の利害関係があるみたいですね。
基礎知識のようですが、今まで知りませんでした。
書くならもっと丁寧に記述しろ、という意味で理解させていただいたのですが、どうでしょうか。
あと、補助参加の条文に当てはめられていないというのは、痛感しました。
もっと条文を丁寧に使いたいです(それしか書くことがないもんだいですし。)
1日あけてまで、コメントしていただいて、ありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。
>>41 無権利であれば、それからの譲受人も当然無権利なので、そこを示したかったのですが。
そんなに疑念が残る記述をしたのでしょうか。
読み返してみても、今一理解できませんでした。
引っ張り込みというのではなく、法律上の利害関係があることを示したつもりだったのですが。
よろしければ、コメントいただければ幸いです。
自白について、条文がないのは痛いです。
忘れていました。
179条ですよね。
注意します。
>>42 確かに、令状主義から記述すべきですね。
令状主義に反するのが原則であることを示して、例外(?)を述べていく。
この問題のスタンスはこれでいいと思いますし。
もっと令状主義の問題であることを、明確に示したほうがいいと思いました。
コメント内容には、全く同感です。
ぐうの音もでないくらい、叩きのめされました。
趣旨を書かないと落ちますよね。
分かっているのに、書けていないというのは、大問題です。
反省です。
ありがとうございました。
追伸ですが、規制ラッシュが解除されたみたいです。
恋愛スレ?で大量の書き込みがあった模様です。
迷惑な話ですね、本当に。
カキコできるようになって、助かりました。
ご心配していただいた方、どうもありがとうございました。
今日は刑訴の2問目を欠いてみました。
【刑訴】 平成13年・第2問
傷害事件の公判において、次の各場合に、犯行を目撃した旨のAの検察官面前調書を証拠とすることができるか。
1 Aは、公判期日に証人として出頭し、「はっきりとは覚えていない。」旨を繰り返すだけで、その外は何も述べなかった。
2 Aに対し、証人として召喚状を発したが、Aは外国に行っており、帰国は1年後の見込みであることが判明した。
一、小問1について
1、Aの検面調書を証拠として用いるためには、調書に証
拠能力が認められなければならない(証拠裁判主義、厳
格な証明、317条)。ただ、本問調書は公判廷外での供述
内容を録取した書面である。そこで、伝聞証拠として法
律的関連性を欠き、被告人の同意(326条1項)がない限
り、証拠能力が認められないのが原則である(320条)。
これは、伝聞証拠は、知覚・記憶・叙述の各過程を経
て公判廷に顕出されるところ、各過程に虚偽が介入する
おそれがあり、裁判官の面前での反対尋問を経なければ
供述内容の真実性を吟味できず、誤判のおそれがあるか
らである。
もっとも、伝聞証拠であっても、証拠とする必要性が
高く、特に信用すべき情況(特信情況)の下でなされた
供述には、伝聞例外として証拠能力が認められる(321条
以下)。
そこで、被告人の同意がない場合、本問検面調書が伝
聞例外として証拠能力が認められないかを検討する。
2、ここで、本問検面調書は、被告人以外のAの供述を録
取した検面調書であるから、321条1項2号の問題である。
そして、Aは「はっきりとは覚えていない」旨を繰り返
していたのだから、前段の供述不能に当たるかが問題と
なる。
ア、前提として、321条1項2号が被告人の反対尋問権を保障
した憲法37条2項に反さないかが問題となるが、反さない
と解する。
なぜなら、憲法37条2項は、証人たりうべき者に対する
反対尋問権を保障したものではないからである。
イ、次に、供述不能を定めた前段の列挙事由は例示列挙と
考える。
なぜなら、列挙事由以外で証言を得られない場合であ
っても、原供述を証拠とする必要性が高い場合があるか
らである。
ウ、では、供述不能とはいかなる場合を指すか。
思うに、憲法37条2項が被告人に反対尋問権を保障した
趣旨を没却しないために、列挙事由に準じるような場合
でなければ、供述不能とはいえないと解する。
そこで、供述不能はある程度長期間にわたり供述を得
られる見込みがない場合に限られると考える。
すなわち、証人が単に物忘れのためはっきりした供述
ができないことの一事情をもって供述不能と解するべき
ではなく、記憶喚起を図るために誘導尋問(規則199条の
3第3号)等を利用しても証言を得られないような場合に
限るべきである。
本問でAは「はっきりとは覚えていない」旨の供述を
繰り返しているが、これはAの物忘れのためであったと
推認される。そこで、前段の供述不能に当たるためには、
検察官が記憶喚起のために誘導尋問をしてもAが証言を
できなかったという事情が必要である。
エ、さらに、Aの供述が特に信用できる情況でなされたこ
とが必要であると解する。
なぜなら、裁判官の面前とは異なり、検察官は訴訟の
一方当事者たる地位を有する以上、供述情況の信用性を
要求すべきだからである。
オ、そして、この特信情況の判断は相対的特信情況と解さ
れ、外部的付随事情により判断されるべきであるが、供
述内容を判断基準に含めることもできると解する。
なぜなら、供述内容から原供述時の情況と公判廷での
供述の情況を推認できるからである。
3、以上より、Aに対して誘導尋問をしてもAの供述が明
確にならず、供述内容・態度等を加えて判断した結果、
検面調書の作成過程に特信情況が認められる場合には、
321条1項2号前段によりAの検面調書を証拠とすることが
できる。
二、小問2について
1、本問でも、被告人の同意がない限り、Aの検面調書は
証拠能力を認められないのが原則である。そこで、伝聞
例外として証拠能力が認められないかを検討する。
2、ここで、Aは外国にいるのであるから、「国外にいる
ため」といえ、321条1項2号の要件を満たすようにも思え
る。しかし、Aは1年後に帰国する見込みである。
そこで、このような場合も供述不能に含めることがで
きるかが問題となる。
ア、この点、供述不能にあたるためには、長期間にわたり
供述を得られないことが必要である。
そして、供述不能の判断基準は、証拠調請求時を基準
に決するべきである。
なぜなら、裁判官が心証形成した後になって供述可能
となった場合に、白紙の状態であらためて心証形成する
ことを要求するのは困難であるからである。
イ、これを検討するに、1年後に帰国見込みであることは、
1年後に証人尋問が可能であるという事情を示す。これは、
被告人に迅速な裁判を受ける権利を保障した憲法37条1項
から、証拠調請求時を基準にすると相当長期にわたり証
言を得られない場合といえる。
そこで、本問の事情も、供述不能にあたると考える。
3、以上より、原供述時に特信情況が認められれば、321条
1項2号によりAの検面調書を証拠として用いることができ
る。
以上
コメント
1900字程度、4ページの半分くらいです。
長すぎました。
「一、2、ア、オ」(321条1項2号の合憲性、特信情況の判断基準)を削り、
「エ」(前段に特信情況を要求すべきか)の理由付けを削れば、1600字程度
になります。
構成段階で、字数が多くなることを見極めてから書き出すべきでした。
論点自体は丁寧に論じたつもりです。
よろしくお願いいたします。
問題
>>47 答案
>>48-50
52 :
氏名黙秘:05/02/16 21:34:55 ID:???
>>43 問題提起の部分だけど、一応個人的な趣味であることを断った上で
総論という形で前に引っ張り出さなくとも、各論点ごとに「事案抽出と問題の所在の指摘」があればいいかと
前に引っ張り出す。そのうえで、論点で問題提起しないとなるとどうなるか
試験委員は、論点ごとに文頭に目を移すことになる。印象は良くないと
ナンバリングですが、分量で振るものではないですよ
「何を書いてあるか」で振るのです。法律の答案で
事案処理なら、問題提起、規範、アテハメ、結論の繰り返しで
答案構成して、書くと思います
だから、そのように振るのが素直でしょう
一行問題なら総論、各論ですね
53 :
氏名黙秘:05/02/16 21:53:53 ID:???
>>51 分量が多いですが、論点落としがあります
もっともっとあっさりで良いのです
一ですが、いきなり証拠能力、伝聞法則の話になってます
まあ、多くの受験生が取る手法なので、いいでしょう
でも、この方法は、話の本題になかなか入れないという弱点があります
あと、伝聞書面が絡む問題一般での落とし穴なのですが
実は、まず、供述内容が「伝聞か非伝聞か」を分けないといけないのですよ
ところが、いきなり伝聞法則を書くと、落としがちになります
答案では「犯行を目撃」という、Aの証言が問題となるので
供述内容が問題となる、伝聞だ、と断った方がぐんと点が上がるかと
あと、二ですが、実は得点になるのは「国外要件」を現在に反映させることです
これは採点者が言ってました。なぜなら、一年後に帰ってくる
今はNYだ、というなら、じゃあ、つれて来い、って感じでしょう
飛行機乗せれば1泊2日です。交通機関が発達した今では、国外に居るから
帰って来れないのではないのです。帰ってくるのを待つ必要がないのですよ
検察官側は、帰ってくるのを待つ必要がある特段の事情を立証すべきでしょう
例えば、パミール高原に学術調査となれば、帰ってくるのも大変です
シベリヤの凍土でマンモス掘ってますとかもちょっと大変
54 :
氏名黙秘:05/02/16 22:01:30 ID:???
本問の犯罪の目撃というのは、直接、構成要件該当事実を立証するものです
クリティカルな証拠をぶつけてきてるのです
その点に気づけると良いと思います
55 :
氏名黙秘:05/02/16 22:10:55 ID:???
小問1って321条1項2号後段は問題にならないの?
56 :
氏名黙秘:05/02/16 23:51:27 ID:???
法廷で内容のあることしゃべってないので前段でいいと思うよ。
ガルルルル!! ガルルルル!!
58 :
氏名黙秘:05/02/17 01:15:29 ID:???
>無権利であれば、それからの譲受人も当然無権利なので、そこを示したかったのですが。
>そんなに疑念が残る記述をしたのでしょうか。
>読み返してみても、今一理解できませんでした。
>引っ張り込みというのではなく、法律上の利害関係があることを示したつもりだったのですが。
まず,推定という言葉を使っているが,
民訴法上,推定というのは立派な法律用語だ(調べてみてくれ)。
その言葉を独自の用語で使ってる。
そして,判決効は当事者間にしか及ばない。これが大原則だ。
それを,法律上の根拠なく,他人間にも及ぶとしている。せいぜい事実上の効力が及ぶだけだ。
全然民訴法に従った論述になってない。ちゃんと基本を重視した答案を目指してくれ。
>>52 問題提起のところは、十分参考にしたいと思っています。
私の記述だと、かなりまどろっこしいですからね。
早く本題に入ってください、という感じを与えたくないので、難しいですが、もっとコンパクトにまとめてみるようにします。
ナンバリングは、これから徐々に慣らしていきたいと思います。
ありがとうございます。
>>53 論点落としというか、間違いがありました。
321条1項2号前段の特信情況は、「絶対的」ですよね。
長々と書くことでミスが出てしまったらしょうがないです。
伝聞と非伝聞の区別は、本問ではいるのでしょうか。
明らかに伝聞であると思えるのですが、そのような場合でも「伝聞証拠とは・・・」と書いたほうがよろしいのでしょうか。
あと、「国外にいる」という条文に当てはまる以上、すぐ帰国可能であるという事情を用いるのは条文に反する気がします。
それに、再入国の自由が認められない以上、帰国させるのもどうかと思うのですが。
コメントの内容は、以前に見たことがあります(前スレでしたっけ?)。
それを踏まえて、書くべきではないと判断しました。
条文に当たる場合でも、限定を加えたほうがよいのでしょうか。
よろしくご教授願いたく思います。
>>58 ありがとうございます。
ご指摘の点、確かに理解いたしました。
そうすると、本問では共同訴訟的補助参加はできなくなりますね。
少し勘違いしていた部分がありました。
余計なことを書かない答案を目指したいです。
私の何がいけないのかが少しわかった気がしました。
自分の言葉で書いていくのもいいけど、言葉には気をつけること、
勝手な理屈をこねないで書くこと、というご指摘ですね。
ここは非常に大事だと思います。
こういうご指摘をいただけて、本当にありがたく思っています。
これからも、お気づきの点がありましたら、よろしくお願いいたします。
さて、今日からは平成9年の過去問を書いていきたいと思います。
【憲法】 平成9年・第1問
地方公共団体が、職員の採用について、日本国籍を有することを受験資格の1つとした場合の憲法上の問題点について論ぜよ。
また、日本国籍を有することを管理職登用試験の資格の1つとした場合についても論ぜよ。
一、設問前段について
1、地方公共団体が、職員の受験資格を、日本国籍を有す
る者に限ることは、@外国人の公務就任権を侵害し、ま
た、A平等原則に違反しないかが問題となる。
2、まず、@公務就任権を侵害しないか。
ア、公務就任権は、職業選択の自由の一環として、22条1項
により保障される。では、外国人に公務就任権が保障さ
れるか。
イ、ここで、人権は全国家的性格を有するものと後国家的
性格を有するものとに分類できる。そして、天賦人権説
の立場より、全国家的性質を有するものは、外国人にも
保障されるが、後国家的性格を有するものは、権利の性
質に応じて外国人に保障される程度が異なる。
そして、公務就任権は、国家ないしは公共団体が存在
して初めて問題となるものであるから、後国家的権利で
ある。
ウ、では、公務就任権は、外国人にも保障されるか。
この点、公務員が全体の奉仕者(15条2項)として、国民全
体の利益のために活動することを義務付けられていること
に鑑み、国家公務員に就任する権利は外国人に保障されな
いと解する。
他方、地方公共団体においては、職員は当該地域住民の
利益のために活動することを義務付けられており、国家公
務員とは異なる職務の性質を有する。
そこで、一律に外国人に地方公務員への就任権が保障さ
れないと解すべきではなく、地方自治(92条以下)の目的
に応じて、外国人に保障される権利の種類を分類すべきで
ある。
63 :
氏名黙秘:05/02/17 23:59:36 ID:zbrbpD5d BE:42923055-
エ、思うに、地方自治制度は、当該地域に居住する住民の
ため制度として保障されたのであり、地方に密着した住
民であれば広く参加を認めていくことが、地方政治に多
角的な意見を反映させることができ、より住民の利益に
かなった政治が可能となる。
そして、定住外国人は地方に密着し、地方政治に密接
な利害関係を有しているといえる。
そこで、定住外人にも一定の職務への就任権を認める
べきであると考える。
オ、したがって、一律に公務就任権を否定する措置は、外
国人の公務就任権を侵害するものとして、22条1項に違反
する。
3、次に、A平等原則に違反しないか。
この点、日本国民と外国人を差別することは14条1項後
段列挙事由の「社会的身分」に基づく差別といえる。そ
して、14条は合理的な差別を許容すると解するが、定住
外国人であれば公務就任権は保障されるのだから、外国
人であることの一事をもってこれをすべて否定するのは
合理的な差別とはいえない。
したがって、本問措置は14条1項に違反する。
二、設問後段について
1、日本国籍を有することを管理職登用の要件とすること
は、設問前段と同様、@外国人の公務就任権を侵害しな
いか、A平等原則に違反しないかという問題を生じる。
2、まず、@外国人の公務就任権を侵害しないか。
ア、この点、公務就任権を侵害するといえるためには、外
国人に管理職への就任権が認められなければならない。
ただ、地方自治は中央自治と対置されるものであり、
その意味で国民主権(前文・1条)とも密接に関わるもの
である。
そうすると、公務の中でも国民の政治的意思形成過程
に密接に関わる職種については、国民のみが就任するこ
とを予定されており、そのような職務への就任権は、性
質上外国人に保障されるものではないと考えるべきであ
る。
逆に、管理職であっても、政治的色彩を排した職種に
おいては、外国人に就任権を認めても国民主権への圧迫
は生じないため、外国人にも就任権が保障されると解す
る。
イ、したがって、職種を区別することなく、一律に就任を
禁止する措置は、22条1項に反し、違憲である。
2、次に、A平等原則に違反しないか。
思うに、管理職の中でも外国人に就任権が保障されるもの
がある以上、外国人であることの一事をもって日本国民
と異なった取り扱いをするのは、もはや合理的な差別と
はいえない。
したがって、本問措置は14条1項に違反する。
以上
コメント
1600字弱、3ページ程度です。
よくまとめることができませんでした。
14条の話は書かないほうがよかったかもしれません。
よろしくお願いいたします。
問題
>>61 答案
>>62-64
ぐひょひょひょ、ぐひょひょひょ
67 :
氏名黙秘:05/02/18 00:39:07 ID:???
>>59 ちょっと誤謬がある。まず、再入国の自由とあるが
問題文のどこにも「外国人」とは書いてない
日本人が外国に出張だってありうる
そして、仮に外国人にせよ、再入国の自由は、彼らが、日本国に入りたいとき
そして、日本国が入れたくないときに問題になるのであり
「裁判があるんで来てくれないかな」という場合に問題になるものでない
さらに、この「伝聞書面」が採用されれば、誰が得するかな?
むろん、検察官なのだよ。書面には被告人に不利なことが色々書き連ねてあって
それを、証言ならば反対尋問で暴くことも可能だが、書面じゃそれも叶わない
「国外要件」とは、検察官に、それに当てはまれば、伝聞証拠の提出を許容するものだったかな?
答案にもあるように、証拠として使う必要性が、類型的に高いとされるに過ぎないのだよ
証人を呼ぼうと思えば呼べるのに、証人でなく書面を使う。そんな必要性があります、というのはおかしな話
これを憲法論で言うならば、被告人に認められた証人尋問権を不当に制約するものとして
違憲にしないためにも、制限的に解釈すべき、となるかな
68 :
氏名黙秘:05/02/18 00:46:46 ID:???
この憲法の問題だけど、最高裁判例がでたので、なんともつまらない問題になってしまったね
それはさておき
相変わらず、悪い癖として、よくまとめることが出来ないのに
芦部で見ることの出来ない、独特の見解が書いてある
この点、公務員が全体の奉仕者(15条2項)として、国民全
体の利益のために活動することを義務付けられていること
に鑑み、国家公務員に就任する権利は外国人に保障されな
いと解する。
他方、地方公共団体においては、職員は当該地域住民の
利益のために活動することを義務付けられており、国家公
務員とは異なる職務の性質を有する。
合ってる間違ってるでなく、「みんなが書かないこと』を書いてある点がまずいと思う
きちんと裏を取って書いてるならいいけどね。なんとなく書いてみましたの場合、これが原因で落とされても文句言えない
天賦人権説の立場より、全国家的性質を有するものは、外国人にも
保障されるが、後国家的性格を有するものは、権利の性質に応じて外
国人に保障される程度が異なる。
もなんか変。採点者は、「誰もそんな名前の説を唱えてないよ」と評価されてもしかたない
もっともっと、シンプルに。芦部に書いてあることを書かないと
内容やいいたいこと間違いはないけど、ここがまずい
69 :
氏名黙秘:05/02/18 00:51:59 ID:???
外国人の人権享有主体性という、前提の論点でマニアックなことをしてるので
これを答練で採点しろといわれたら、23点ですね
「人権の固有性」でいいじゃないですか。どうして聞きなれない単語を使ったのか
逆に聞きたいかな。
かけなかったので苦し紛れにだったら、もっとちゃんと覚えないと
かけるけど、あえてあんな表現というなら、その癖を直さない限り来年も苦しいでしょう
70 :
氏名黙秘:05/02/18 00:59:27 ID:???
これまた個人的趣味ですが
ア、公務就任権は、職業選択の自由の一環として、22条1項
により保障される。『では、外国人に公務就任権が保障さ
れるか。』
イ、ここで、(外国人の人権享有主体性)
ウ、では、『公務就任権は、外国人にも保障されるか。』
見ての通り、繰り返しがあるのです。これはなんともリズムが悪い
まどろっこしさもあります
自分なら
ア、公務就任権は、職業選択の自由の一環として、22条1項
により保障される。
もっとも、(外国人の人権享有主体性)
ウ、では、『公務就任権は、外国人にも保障されるか。』
にします。主語と述語の平仄を合わせるように、問題提起と答えも平仄合わせると
読みやすいです。なんかわからないけど、問題提起は2つだけど、答えは一つとか気持ち悪いじゃないですか
これは、きっちり答案構成すれば治せると思います
71 :
氏名黙秘:05/02/18 01:07:15 ID:???
あと形式面。
ウ、では、公務就任権は、外国人にも保障されるか。
この点 …他方…
そこで、地方自治(92条以下)の目的に応じて
外国人に保障される権利の種類を分類すべき(規範)
ときたら、次はアテハメじゃないですか
そこを
論証なのかアテハメなのか、よくわからないものが書いてある
ましてや「思うに」とあれば、なんかまた論証かなあ、と思う
なんか、地方自治について色々論じてるんだから、アテハメでは無いと読んじゃうかな
内容がつかみにくいかな
もっと、シンプルに。
というか、そもそも『地方自治(92条以下)の目的に応じて』
って、どっから出てきたのかなあ。
72 :
氏名黙秘:05/02/18 01:19:54 ID:???
>>53 >伝聞と非伝聞の区別は、本問ではいるのでしょうか。
とありますが、非伝聞だったら長々かいた伝聞の話は全部意味無いですよね
で、問題文にはどこにもこれは伝聞ですよーとかいてない
上口先生(元司法試験委員)は「一生懸命伝聞法則を書く人に限って
こういう、出発点は書いてない」というニュアンスのことを言ってました
個人的には、なぜ不要なのかが聞きたいくらいです。
73 :
氏名黙秘:05/02/18 04:05:03 ID:???
>上口先生(元司法試験委員)
いつ頃就任してたの???
聞いたことない。
>>67 再入国といったのは、日本人についてのことです。
アメリカにいる日本人を日本に呼び戻して、証言後に再びアメリカに入ることが許されるか。
これは国家の裁量によりますよね。
つまり、確実にもといたところに戻れる保障が証人にはないと思います。
そのような危険を証人に犯させるのはどうかと思ったのです。
だとすると、呼ぼうと思えば呼べる、と簡単に言い切ってしまうことには疑問を感じます。
ただ、おっしゃることは十分納得しています。
証人を呼べるのであれば、被告人の利益のために呼ぶべきだと思います。
今回、ここで反論させていただいたのは、あくまでも私個人の見解ですので、気を悪くされないようにご配慮ください。
>>68-69 外国人の人権共有主体性については、私が理解している内容をそのまま書き下ろしただけです。
ただ、おっしゃられるとおり、「あれ?」と思われる可能性がありますよね。
だとしたら、もっとオーソドックスな方法で論述を展開していくべきだと思います。
この問題はもう一度書き直してみたいと思います。
(そもそも当てはめ部分が、自分で読んで見てもかなりおかしいです。理解できません。)
>>70-71 おっしゃられるとおりです。
今回の問題は、構成を十分にしませんでした、というよりも、できませんでした。
今まで書けると思っていた部分でしたが、いざ書いてみようとすると、かなり難しいです。
今日少し頭の中が整理できたので、後日もう一度答案をアップしてみたいと思います。
その際はよろしくお願いいたします。
そのような構成の方法は、確かにすっきりして読みやすいですね。
参考にさせていただきます。
>>72 なるほど。
少なくとも一言触れておくほうがいいですよね。
議論の出発点なのですから。
1行程度でも書いてあるのとないのとでは印象が違いますよね。
もっと丁寧に答案を書くようにします。
ありがとうございました。
今日は憲法2問目を書いてみました。
【憲法】 平成9年・第2問
住民訴訟(地方自治法242条の2)の規定は、憲法76条第1項および裁判所法第3条第1項とどのような関係にあるかについて論ぜよ。
また、条例が法律に違反することを理由として、住民は当該条例の無効確認の訴えを裁判所に提起できる旨の規定を法律で定めた場合についても論ぜよ。
一、設問前段について
1、住民訴訟とは、例えば、知事が違法な公金支出をしよ
うとし、またはした時に、これを差し止め、または公共
団体に対して損害を賠償するように、住民が請求する訴
訟形態をいう(地方自治法242条、242条の2)。
これは、権利を直接侵害されていない住民が訴訟を提
起するものであり、客観訴訟の一つとされている。
2、他方、76条1項は、裁判所は司法権を行使する旨を規定
し、裁判所法3条1項は司法権を「法律上の争訟」、すな
わち個人の具体的権利義務ないしは法的地位に関する紛
争で、法の適用により終局的に解決しうる紛争につき行
使できるものと定めている。
これは、司法権の目的は、多数者の行為により少数者
の権利が侵害されることを防止するという自由主義的意
義にあるが、過度に司法権が行使されると逆に多数者の
権利侵害を招くことになるため、司法権はより抑制的に
行使されるべきという配慮に基づく。
このように、わが国の司法制度は、具体的紛争を前提
とした付随的審査制を採用しており、紛争解決の必要性
・実効性がある場合に司法権が行使されることになる。
3、そうすると、住民訴訟は、住民自らの権利が直接に侵
害されていない場合に訴訟を提起しうるものであるから、
具体的紛争を前提としていず、司法権の範囲内の訴訟と
はいえないとも思える。
そこで、住民訴訟の位置づけをいかに解するべきか、
憲法76条1項と裁判所法3条1項との関係を明らかにする必
要がある。
4、この点、住民訴訟を、地方自治法が司法権の内容とし
て規定したと解することはできないと考える。
なぜなら、司法権は憲法上裁判所に認められた権能で
あり、法律によりその内容が定められるものではないか
らである。
思うに、司法権が具体的事件について行使されるべき
なのは、紛争解決に必要であり、実効性があるからであ
る。
とすると、司法権を行使する必要性・実効性が認めら
れ具体的紛争が擬制できる場合には、「法律上の争訟」
の要件を緩和して考えることも可能であるといえる。
そこで、機関の違法な具体的行為がある場合には、機
関に対する責任追及の必要性があり、違法行為による公
共団体の損害を防止・填補できるという実効性が認めら
れるため、具体的紛争が擬制できると考える。
5、この点、地方自治法242条の2は、同242条に規定される
地方公共団体の長等が違法な公金支出をした場合等の具
体的行為がある場合に、裁判所に対して訴訟を提起しう
ると規定している。
そこで、住民訴訟は機関の具体的違法行為がある場合
といえ、具体的紛争を擬制できるため、司法権を行使し
うる一場面といえる。
したがって、住民訴訟は、憲法76条1項、裁判所法3条
1項の一内容であるという関係にある。
二、設問後段について
1、住民が条例の無効確認の訴えを裁判所に提起しうる法
律を制定した場合、個人の権利義務に関する具体的紛争
を前提としないため、「法律上の争訟」として裁判所が
司法権を行使する場面であるかが問題となる。
2、この点、設問前段とは異なり、当該訴訟は機関の具体
的行為を前提とするものではなく、抽象的に条例の適法
性を判断するものであるから、具体的紛争を擬制するこ
とはできない。また、条例により個人の権利侵害が生じ
ていない段階で条例の適法性を判断する必要があるとは
いえず、条例を違法と宣言しても実効的な効果を期待で
きない。
そこで、このような訴訟は、「法律上の争訟」にはあ
たらず、司法権を行使する場面とはいえないと考える。
3、したがって、法律によって抽象的に条例の適法性審査
を裁判所に認めることは、憲法76条1項、裁判所法3条1項
とは異なり、特に裁判所に権限を付与するという関係に
あるといえる。
以上
コメント
1500字程度、3ページ目の半分くらいです。
構成段階で民事訴訟の確認の訴えまで考えました。
何で法律上の争訟じゃなければならないのか、という点をキーポイントに論じました。
初めてこの問題を見た場合に最低限の知識を使って書くことができるような答案にしたつもりです。
よろしくお願いいたします。
問題
>>76 答案
>>77-79
81 :
氏名黙秘:05/02/19 00:05:18 ID:???
4でいいたいことは
司法権+一定のもの=法律上の訴訟
ということでしょうか?
こういう考え方はあるのですか?
ずるむけ、べいべ、ずるむけ、べいべ
>>81 言いたかったのは、法律上の争訟に含まれるということなのですが・・・。
確か、通説もそういう風に解していたように思います。
司法権はあくまで法律上の争訟のみです。
反対説で、司法法律説を批判してみました。
結論的には、前段は司法権の範囲内、後段は司法権の範囲外です。
丁寧に書いたつもりだったのですが、伝わりにくかったのでしょうか。
84 :
氏名黙秘:05/02/19 20:16:46 ID:???
今回の答案はいいね
統治の方が得意?
筋も通ってるし、読みやすい
85 :
氏名黙秘:05/02/19 20:22:08 ID:???
1つ気になったのが,
裁判所法3条1項は,裁判所は「法律上の争訟」を裁判し,
「その他法律において特に定める権限」を有するとしてるんだ。
「法律上の争訟」なのか「その他法律において特に定める権限」なのか
明らかにすべきだった。
>>84-85 ありがとうございます。
裁判所法3条1項の条文をきちんと読むべきでした。
そうしたら、もっと分かりやすく論じることができたと思います。
完全に読み飛ばしていました。
参照条文として挙げられているのだから、もっとしっかり読まないとだめですね。
さて、今日は民法を書いてみました。
【民法】 平成9年・第1問
Aは、その所有する甲土地にBのために抵当権を設定して、その
旨の登記をした後、Cに対し、甲土地を建物所有目的で期間を30年
と定めて賃貸した。Cは、甲と地上に乙建物を建築し、乙建物にD
のために抵当権を設定して、その旨の登記をした。その後、Cは、
甲土地上の庭先に自家用車用のカーポート(屋根とその支柱だけから
成り、コンクリートで土地に固定された駐車設備)を設置した。
右の事案について、次の問に答えよ(なお、各問いは、独立した
問いである。)。
1 Bの抵当権が実行され、Eが競落した場合、乙建物およびカー
ポートをめぐるEC間の法律関係について論ぜよ。
2 Dの抵当権が実行され、Fが競落した場合、乙建物およびカー
ポートをめぐるFA間の法律関係について論ぜよ。
一、小問1について
1、Bの抵当権が実行され、Eが競落した場合、Eが甲土
地の所有権を取得する。ただ、乙建物は、抵当権設定者
Aから甲土地を借り受けたCが建築したものであり、抵
当権の効力は及ばず、Eは乙建物所有権を取得しない。
では、Cは甲土地の賃借権(601条)をEに対抗し、乙
建物に住み続けることはできるか。
2、この点、抵当権が目的物の価値を把握する担保権であ
ることに鑑み、設定者は抵当目的物を、抵当権者を害し
ない範囲で利用できる。そして、抵当目的物の賃貸も、
設定者に認められた利用方法といえる。
したがって、Eは正当な賃借権を有し、乙建物の賃借
権の対抗要件(177条、借地借家法10条)を備える限り、
Cの賃借権を当然に無効と主張することはできない(389
条2項)。
3、では、Eは、自らを新賃貸人として、Cに対して甲土
地の賃料支払を請求することはできないか。
思うに、賃貸人の義務は賃貸人の個性に関わらず履行
できる性質のものであり、賃借人の承諾の有無に関わら
ず、所有権の移転に伴い賃貸人たる地位も移転すると考
える。もっとも、賃借人の二重払いの危険を防止するた
め、賃料請求するためには賃貸人は登記を備えることが
必要であると考える。
したがって、Eは甲土地につき登記を備える限り、賃
貸人たる地位をCに主張し、賃料支払を請求できる。
4、次に、カーポートの所有権は、CとEのいずれに帰属
するか。
この点、カーポートが甲土地に固定されていることに
鑑み、付合(242条本文)により、甲土地の所有権者たる
Eが所有権を取得するとも思える。
しかし、カーポートは、Cが正当な甲土地の利用権に
基づき建物の効用を増すために設置したものであり、C
が権原により甲土地に付属させたものである。
したがって、242条但書が適用され、Cがカーポートの
所有権を取得する。
もっとも、カーポートは乙建物の効用を増すために設
置されたものであり、乙建物の従物(87条)といえるこ
とから、Cが所有権を主張するためには乙建物につき対
抗要件を備える必要がある。
二、小問2について
1、Dの抵当権が実行され、乙建物をFが競落した場合、
乙建物の所有権はFが取得する。そして、カーポートは
従物として主物たる乙建物とともに処分されることから
(87条2項)、Fはカーポートの所有権も取得する。
それでは、Fは甲土地の賃借権も競売により取得した
として、Aに対して甲土地の利用を対抗することができ
るか。
2、思うに、借地上の建物に抵当権が設定された場合に競
売により借地権を取得できないとすると、競売により建
物を取得した競落人は建物の収去を余儀なくされるため、
競落人となる者が現れなくなってしまうという不都合が
生じる。そして、賃借権は、建物の従たる権利として、
建物の処分に付随するものといえる(87条2項類推)。
したがって、Fは競落により甲土地の賃借権も取得す
ると考える。
もっとも、この場合は甲土地の賃借権の譲渡(612条)
にあたることから、Fが賃借権を甲土地所有者のAに対抗
するためには、承諾または承諾に変わる裁判(借地借家法
20条)を得ることが必要である。
3、このようにFがAに甲土地の賃借権を対抗しうるとして
も、甲土地につき旧賃借人Cの未払い賃料・差し入れてい
た敷金があった場合、かかる権利関係はFには承継されな
い。
そして、AはFに対して甲土地の賃料支払を請求するこ
とができる。
以上
コメント
1400字程度、3ページの半分くらいです。
小問1は、15年改正により30年の賃借権も対抗できるようになったとしか考えられませんでした。
カーポートを従物と設定することで、小問2の論述が楽になりました。
あまり書くべきことが思いつかなかったので、賃料関係、敷金関係まで軽く触れておきました。
よろしくお願いいたします。
問題
>>87 答案
>>88-90
92 :
氏名黙秘:05/02/20 00:48:26 ID:???
短期賃貸借制度が悪用されて抵当権者の利益が害されるから法改正がされたのですが・・・
>>92 395条は建物賃貸借の場合のみの規定となっていますし、
そのほかで短期賃貸借の場合に抵当権者に対抗できるという規定はありませんでした。
どこか条文の見落としでもあるのでしょうか。
それとも、解釈で今までの議論を突き進めるべきでしょうか。
よろしくご指導願います。
94 :
氏名黙秘:05/02/20 01:02:18 ID:???
単に賃借権が負けるだけの話だと思うが・・・。
>>94 条文上の根拠がなくなってしまっているのですが。
どうやって構成すればよろしいのでしょうか。
96 :
:05/02/20 01:27:55 ID:QsEV/yZB
問1は賃借権消滅でしょ
>>96 すみませんでした。
今日、本屋で改正民法のコンメンタールを見たら、抵当権設定後の賃借権は、抵当権者に対抗できないとありました。
改正で、土地賃貸借は完全に保護されなくなったんですね。
無知すぎました。
以後気をつけます。
ありがとうございました。
98 :
氏名黙秘:05/02/20 22:18:26 ID:???
>>97 まあ、議論の筋道の付け方の訓練にはいいのではないかな
法改正があるから、現行法に合わせると、賃借権の部分はつまらなくなったけど
ナンバリングは読みやすいです
趣味ですが、問題提起、論証、あてはめ、結論でも割り振れば良いような
現行法では、賃貸借がつまらなくなったんで
カーポートの帰属を詳しく書くことになるかな
>>98 ありがとうございます。
もう一度小問1だけ書き直してみます。
ナンバリングは、あまり細かすぎるのも問題かと思い、あの程度にしました。
民法は、規範とあてはめを混ぜたりすることが多いので、ナンバリングに困ります。
流れよく、読みやすい答案を目指します。
さて、今日は2問目を書いてみました。
【民法】 平成9年・第2問
多数当事者の債権関係において、複数の債務者全員を連帯債務
者とするよりも、一人を主たる債務者とし、その他の者を連帯保
証人とする方が債権者に有利であるとする考え方がある。この考
え方について、契約の無効・取消し、債権の存続、譲渡および回
収という側面から論ぜよ。
一、連帯債務(432条)とは、数人が債権者に対して債
務を負担し、債権者は各債務者に債権全額の行使をする
ことができる性質を備えた債務形態をいう。
他方、連帯保証(454条)とは、保証人が主たる債
務者と連帯して債務を負担する保証形態をいう。
これらは、連帯債務者または連帯保証人となった者が、
債権者に対して債務の弁済をする義務を負う点で共通す
るが、連帯債務者は独立の債務を負担する債務者である
のに対し、連帯保証人は独立の債務を負担せず、あくま
でも保証人の地位に立つという根本的な違いがある。
以下、このような違いを踏まえ、いずれの形態が債権
者にとって有利といえるか検討する。
二、契約の無効・取消
1、連帯債務の場合、連帯債務者はそれぞれが独立した債
務を負担している。そこで、連帯債務者の一人に契約の
無効・取消事由があっても、他の債務者の債務に影響を
及ぼさないとされる(433条)。
2、他方、連帯保証の場合、連帯保証人は保証人であり、
独立の債務を負担しないのだから、連帯保証人の一人に
つき無効・取消事由があっても、主債務者や他の連帯保
証人に影響を及ぼさず、この点では連帯債務と異ならな
い。もっとも、主債務者につき無効・取消事由がある場
合、主債務自体が存在しなくなるため、保証債務の付従
性により、連帯保証人の保証債務は消滅する。
3、したがって、主債務者に無効・取消事由があった場合
には、連帯保証のほうが債権者にとって有利とはいえな
い。
三、債権の存続
1、連帯債務の場合、請求による時効中断は他の債務者に
も効力を生じるとされる(434条)。
また、連帯債務者の一人に時効が完成した場合、他の
債務者はその者の負担部分について債務を免れる(43
9条)。
2、他方、連帯保証の場合、主たる債務者に生じた時効中
断は、請求以外であっても連帯保証人に効力を生じる(
457条)。そして、連帯保証人に対する請求は、主債
務者に対する時効中断の効力を生じる(458条、43
4条)。
また、主債務者に時効が完成した場合は、保証債務の
付従性から連帯保証人は債務を免れ、連帯保証人に時効
が完成した場合は、連帯保証人に負担部分を観念し得な
いことから、主債務者や他の連帯保証人の債務に影響を
及ぼさない。
3、このように、主債務者について請求以外の時効中断が
あるという点、連帯保証人の一人に時効が完成した場合
に主債務者や他の連帯保証人に影響を及ぼさないという
点では、連帯保証のほうが債権者に有利といえるが、主
債務者に時効が完成した場合に連帯保証人が債務を免れ
るという点で連帯保証が有利とはいえない。
四、譲渡
1、連帯債務者に対して債権譲渡を対抗するには、各債務
者に対して通知または承諾(467条1項)が必要であ
る(相対効、440条)。
2、他方、連帯保証の場合、連帯保証人に対する債権譲渡
の通知・承諾は、主債務者や他の連帯保証人に効力が生
じないが(458条、440条)、主債務者に対する通
知・承諾があれば、保証債務の付従性により連帯保証人
に対して債権譲渡を対抗することができる。
3、このように、主債務者一人に対する通知・承諾があれ
ば、他の者にも譲渡を対抗でき、すべての者に対する通
知・承諾が不要であるという点で、連帯保証のほうが債
権者にとって有利といえる。
五、回収
1、連帯保証の場合、債権者は各債務者に対して全額の請
求をなしうる。もっとも、連帯債務者の一部が債権者に
対して反対債権を有している場合、その者の負担部分に
つき他の連帯債務者は相殺の抗弁を援用して支払を拒む
ことができる(436条)。
2、他方、連帯保証の場合、連帯保証人は検索・催告の抗
弁を有さないため(454条、452条、453条)、
債権者は各人に対して全額の請求をなしうる。もっとも、
主債務者が債権者に対して反対債権を有している場合、
連帯保証人は主債務者の相殺を援用して履行を拒むこと
ができる(457条2項)。これに対し、連帯保証人に
は負担部分がないことから、主債務者や連帯保証人は、
他の連帯保証人の債権による相殺を主張して履行を拒む
ことはできない。
3、このように、相殺を対抗される場合が少ない点で、連
帯保証のほうが債権者にとって有利といえる。
六、以上より、譲渡・回収の点では連帯保証のほうが債権
者にとって有利といえるが、契約の無効・取消、債権の
存続の点で必ずしも債権者に有利とはいえない。
以上
コメント
1800字弱、4ページの頭くらいです。
丁寧に条文を引いて、検討しました。
よろしくお願いいたします。
問題
>>100 答案
>>101-103
ずん! ずんずん! ずんどこ!
民法2問目はコメントがないみたいですね。
書けているということでしょうか。
さて、今日は商法を書いてみました。
【商法】 平成9年・第1問
株式会社の取締役の職務執行に対する監査役による監査に関して、取締役会による監督と比較して、その範囲および方法について論ぜよ。
一、監査役とは、委員会等設置会社を除く株式会社におい
て、取締役の職務を監査する必要的常置機関をいう(27
3条以下)。
取締役会とは、会社の業務執行について意思決定をす
る必要的機関をいう(260条以下)。
監査役は取締役の職務執行を監査する義務を(274条1
項)、取締役会は取締役の職務を監督する義務を負う(
260条1項)。
両者はともに取締役の職務をチェックする義務を負う
が、監査役は取締役会とは独立した機関としてチェック
を行なうのに対し、取締役会によるチェックは自らの構
成員たる取締役により行なわれるという違いがある。
このような両者の地位の違いから、チェックの範囲及
び方法に違いが生じる。
二、範囲について
1、監査役の監査は、会社の会計監査に加え、取締役の職
務執行が法令・定款に違反するか、著しく不当な事項が
あるか、という適法性監査に及ぶ(275条)。
問題となるのは、取締役の職務執行の妥当性について
まで、監査役の監査が及ぶかという点である。
思うに、監査役は会社の業務執行に携わるものではな
く、いかなる判断が妥当かという判断能力に欠けるし、
監査役は業務について責任を負わないのだから、業務の
妥当性にまで監査を及ばせるべきでないといえる。
したがって、監査役の監査は、業務執行の妥当性には
及ばないと解する。
もっとも、取締役が著しく不当な行為をした場合、善
管忠実義務(254条3項、民法644条、254条の3)に反する
として、監査役の監査が及ぶと解しうるから、不当な結
論は免れうる。
2、これに対し、取締役会の監督は、取締役の職務執行の
妥当性についてまで及ぶ。
これは、取締役会が会社の業務執行しうる取締役によ
り構成されていることから、妥当性についても判断能力
を有するし、職務執行について自らが責任を負う地位に
あるからである。
3、このように、監査役は業務執行権限を有しない独立の
機関であるため、その監査の範囲は、職務執行の妥当性
については及ばない点で、取締役会に比べて狭くなって
いる。
三、方法について
1、監査役は、取締役会に対して会社に著しい損害が生じ
るおそれがある事項につき報告を求め(274条の2)、取
締役が会社の目的の範囲外の行為、法令・定款に違反す
る行為を行なおうとしている場合には、かかる行為の差
止請求をなしうる(275条の2)。そして、取締役会の招
集を請求することもできる(260条の3第3項)。また、会
社を代表して取締役に対して責任追及をなしうる(275条
の4、267条)。
このように、監査役の監査は、監査役が独立した地位
に基づき監査を行なうことを予定されていることから、
監査の実効性を確保するために強力な方法が認められて
いる。
2、他方、取締役会については、監査役のような規定を置
いていない。
これは、取締役会においては、自らが構成員である取
締役の合議により職務執行について意見を述べ、一定の
結論を導くことが合理的妥当性を見出せるという趣旨に
基づくものと考える。
3、このように、監査役の監査方法は、監査役が独立した
機関として取締役の職務執行を監査することを予定され
ていることから、法は取締役会に比べて詳細かつ強力な
規定を置いたものと考える。
以上
コメント
1300字程度、3ページの半分くらいです。
総論で視点がうまい視点が見つからなかったのが残念です。
何とかこじつけて書いてみました。
制度としては物足りないですが、よく分からなかったので、最低限のことだけ述べて逃げました。
何を書くかは君の勝手だが,
最近の傾向にあわない答案を落とされてもあまり読む気がしない。
会社なんてもう一行問題出てないよ。民法も最近はそうだ。
平成12年〜16年くらいの問題なら読む気するんだが。
俺の個人的な意見だけどな。
>>110 監査役の話はそんなものかとは思う
ただ、「逃げた」というのもわかる答案なので、合格ラインには届かないかな
もっとも、守る意味では成功してると
「××を、○○と比較しながら、論じなさい」という問題では
一番楽で、かつ、問いに答えてないけど、ぎりぎりOKなのが
××を論じて、○○を論じて
両者を比較することです。
××を論じているとき、○○と比較してないですよね
最後に比較してるけど、論じたわけではない。でも、このパターンは
暗記していることを吐き出せば答案になるので安全なのです
なお、自分は、○○を論じたうえで、それと比較しながら××を論じるのが
いいとは思いますが、難しいかなとは思う
なお、一行問題なんだけど
「○○と比較して」という場合
論じるべき部分の限定に使ってる場合が多いです
株式会社の取締役の職務執行に対する監査役による監査の範囲および方法
でも、問題になるけど、論じるべきことが多い
その結果、答案の内容にもばらつきが出て採点に困る
そこで、『取締役会による監督と比較』ということで論点を限定してるのです
平成9年の問題ですが、今でも「最近の傾向」の沿う問題といえるでしょう
>平成9年の問題ですが、今でも「最近の傾向」の沿う問題といえるでしょう
理由なしに人の意見を否定されるのは結構不愉快だぞ。
ま,おまえのモラルの問題だが。
>>112の物言いも、かなりモラルが問われそうな言い方ではあるがなw
今でも、会社法で、ある程度論じる部分を限定した一行問題は出されるでしょう
さらに、各機関相互の関係のうち、ひとつを取り出して
特徴を述べさせるのは、会社法の論文問題の王道です
例えば、平成12年は、株主平等の原則を、論じるべき各論を指定した上で出した
一行問題の変形バージョンです
平成13年は、株主と取締役、会社などの関係を、抽象的な事案を与えて
論点を限定したうえで述べさせる問題でした。
会社法は、事案問題にすると、典型論点にしないと難問になる
受験生が手薄な部分だからね。ちょうど良い問題となれば
どうしても一行問題を少し手を加えるパターンに落ち着くのだよね
予備校の答練でも、このパターン
平成11年までは,一定の視点から条文・制度を整理することが求められているが,
平成12年以降は,制度の整理といった問題ではなく,
論点(争点)を検討させる問題だった。
明らかに異質だぞ。
まあそんなことはいいんだ。
個人的には,もっと15年とか16年とか落としてくれれば,
いろいろコメントしたい。
重点講義がネタ本になってる過去問てどれですか?
お え え え え え っ ! >>120
122 :
120:05/02/22 20:40:49 ID:???
だいじょぶでつか
インフルエンザ流行ってますから
気を付けて
>>113-114 逃げたのはやはり分かりますか。
比較の方法については、今後の参考にさせていただきます。
でも、難しいですよね。
答案構成できっちり決まればいいのですが、分からない問題だとうまくまとめることができません。
まだまだ訓練不足です。
がんばります。
平成12年、14年の問題も、後日やろうと思っています。
ただ、10年以前の問題は、今年も論点的にかぶる可能性が高いと思っています。
商法は近年論点中心の問題が出ていますが、それでも制度自体を事例の中で聞くという形式をとっているので、一行問題をやるにこしたことはないと思います。
また、万が一一行問題が出たときに、太刀打ちできないのも困ります。
私が古い問題をやっている趣旨は、こんな感じです。
9年が終わったら12年をやってみようと思いますので、よろしくお願いいたします。
さて、今日は商法2問目を書いてみました。
【商法】 平成9年・第2問
商人Xは、商人Aに対して、Aが営業上使用する機械を、
代金の弁済期を納品の6ヶ月後とする約定で売却して引き渡
した。その際、Aは、売買代金債務を担保するため、Aを振
出人、Aの取引先Yを受取人、代金債務の弁済期を満期とし、
Yの裏書のある約束手形を、Xに交付した。
ところが、右機械には瑕疵があったので、AはXに対して、
満期の数日前に、売買契約を解除する旨の意思表示をした。
1 Aの契約解除は、有効か。
2 右解除が有効であるとしたとき、Xが訴求権を保全した
上、Yに対して手形金を請求した場合、Yはこれに応じな
ければならないか。Yが裏書だけをしたときと、売買代金
債務の保証契約もしたときで違いはあるか。
一、小問1について
1、XがAに対して売却した機械が、特定物か不特定物か
は本問事情からは明らかでない。そこで、以下場合分け
て論じる。
2、特定物の場合
ア、民法の一般原則に従えば、瑕疵ある物の提供でも債務
の本旨に従った弁済となる(民法483条)。
そこで、瑕疵を生ぜしめた点につきXに帰責性がなく
ても、瑕疵担保責任に基づく解除(民法570条、同566条
)をなしうるはずである。
イ、ただ、XAは互いに商人(商法503条)である。
そして、商人間の取引が反復継続して大量に行なわれ
ることから、商人間の取引はより早期に確定されるのが
望ましく、また一般市民に比べて商人は商品に精通して
いることが多いから、より高度の義務を課しても不当で
はない。
そこで、商人間の売買においては、買主は目的物を受
け取ってから直ちに検査を行い、売主に告げない限り、
瑕疵を理由に解除できないとされている(商法526条1項
)。そして、このような趣旨から、同条は債務不履行責
任の特則であると考える。
ウ、この点、Aが機械を受け取ってから6ヶ月近くも経過し
ていることから、直ちに検査を行い、Xに告げたとはいえ
ない。
したがって、Aは機械の瑕疵を理由に解除することはで
きず、Aの解除は無効である。もっとも、Xが機械の瑕疵
につき悪意であれば、Xの取引安全を図る必要はないから、
Aは解除できる。
3、不特定物の場合
ア、不特定物の場合、瑕疵ある物の給付では債務の本旨に従
った弁済(民法493条)があったとはいえない。
したがって、履行期を経過していることから、民法の一
般原則によれば、Aは債務不履行に基づく解除(民法541条
)をなしうるはずである。
イ、もっとも、商人間の取引においては、不特定物であって
も権利関係を早期確定する必要があるし、買主に瑕疵を検
査する程度の義務を課しても不当とはいえない。
そこで、商法526条は、商人間で不特定物の取引がなされ
た場合にも摘要があると考える。
ウ、したがって、特定物の場合と同様、AはXが瑕疵につき
悪意でなければ解除をすることはできない。
二、小問2について
1、本問で、Yは隠れた手形保証をしている。
この点、隠れた手形保証であることは外見上明らかでな
く、手形取得者の取引安全を図るために、所持人との関係
では通常の裏書として扱うべきである。
そして、Xは裏書の連続した手形を所持しているのだか
ら、権利推定が及び(16条1項)、遡求権を保全(44条)し
てYに手形金請求しているのであるから、YはXの請求に
応じなければならないのが原則である。
2、もっとも、XはAとの売買契約が解除されたにもかかわ
らず、手形を所持していることを利用してYに手形金請求
している。
そこで、YはXが無権利であると立証して遡求を拒むこ
とができるか問題となるが、手形は無因証券であり、原因
関係たる売買契約の解除は手形関係に影響を及ぼさず、Y
はXの無権利を証明して遡求を拒むことはできない。
3、では、Yは一切手形金請求を拒めないか。
思うに、原因関係が消滅し手形を所持する実質的理由
がなくなったにも関わらず、手形を所持していることを
利用して手形金請求したような場合、所持人の請求は権
利の濫用(民法1条3項)に当たるというべきである。
そこで、YはXの請求が権利の濫用に当たると主張し
て、手形金請求を拒むことができる。
4、では、Yが売買契約についても保証していた場合に違
いが生じるか。
この点、Yは売買契約についてAを保証しているのだ
から、Aが対抗できる売買契約上の抗弁を、Yも対抗で
きると考えるべきである。そして、売買契約の解除によ
り、Aは売買代金の支払義務を免れ手形金請求を拒める
のだから、Yも同様に手形金請求を拒みうると考える。
したがって、Yが原因関係について保証していた場合
であっても、結論は異ならない。
以上
コメント
1600字程度、3ページです。
小問1は、特定物に限ってよかったのかもしれません。
小問2はどうやって処理すべきか困りました。
よろしくお願いいたします。
問題
>>124 答案
>>125-127
>民法の一般原則に従えば、瑕疵ある物の提供でも債務
>の本旨に従った弁済となる(民法483条)。
これは昔の通説に立った場合の話だな。
現在の多数説は違うので,一般原則とまで言えるのか,少し疑問。
>XAは互いに商人(商法503条)
商法503条の内容を読んでみて。ここで引用するようなものじゃないよね。
>そして、このような趣旨から、同条は債務不履行責
>任の特則であると考える。
こういう蛇足を書いていつも自滅してるように読める。
なぜ債務不履行責任の特則なの?
債権者に注意義務を要求するから債務不履行責任の特則って読めるけど,
債務不履行責任って債務者が負うものだよね。
>この点、Aが機械を受け取ってから6ヶ月近くも経過し
>ていることから、直ちに検査を行い、Xに告げたとはいえ
>ない。
そんなことは書いてない。勝手に事実認定しない。
検査したけど見つけにくい瑕疵だったかもしれない。
>Xが機械の瑕疵
>につき悪意であれば、Xの取引安全を図る必要はないから、
>Aは解除できる。
条文を忘れずに。しかしなぜ526条1項後段を省略?
>Aは債務不履行に基づく解除(民法541条)
催告して相当期間経過すればね。分かってるならいいけど。
>2、3
そう簡単に最終手段の権利濫用にいってはいけない。
人的抗弁の個別性も書きたい。不当利得返還請求だと上手くいかないことも指摘。
>Yは売買契約についてAを保証しているのだ
>から、Aが対抗できる売買契約上の抗弁を、Yも対抗で
>きると考えるべきである。
ここも法的根拠が不明だな。分からなきゃ仕方ないけど。
いつも思うけど,現場でこんな分量書けるのかね?
書けるというなら別にいいけど。俺は無理だ。
131 :
氏名黙秘:05/02/23 00:52:06 ID:ARPcxgoJ
>いつも思うけど,現場でこんな分量書けるのかね?
俺も思ってた。新作問題出されて必要最低限どう守るかを検討した方が良いような。
人前にアップする答案なので力むのは分かるけど。
まあそういうことは答練で体得すればいいでしょ
そんな甘いもんじゃないよ。
冗長な答案を書く癖というのはそう簡単には直らない。
この内容のレベルを落とさずにもっと短い答案が書ける。
内容を落とさずに分量を減らす,これは日々の訓練が必要だよ。
分量を短くしてこの内容のレベルが落ちてしまうなら話にならない。
134 :
氏名黙秘:05/02/23 12:49:17 ID:cUPJLiSd
ろんぶのjん:おn
>>133 短くするコツみたいなのはあるかな?
書くべき内容を削るわけにはいかないし…。
まあそのうち
>>133が見本を見せてくれるらしいよ
ありがとうございます。
>>129-130は、よく検討しておきます。
論文本試験でいつも書いている分量が、2通あわせて3200字程度です
多いときには、3600字程度のときもありますし、少ないときには2500字のときもあります
多分書ききれるはずだと思います。
できる限り短くしているはずなのですが、まだまだ長いみたいですね。
もっと削るように努力します。
大谷の成績は分からんが,
もし悪いなら,無駄に長いのが原因じゃないの。
俺は合格してるが,どんなに長くても1800字はいかなかった。
1200字くらいのことが多かったよ。
あ,2通合わせての分量か。
それなら普通だな。
この答案の分量なんだが,
一行26字で73行,4ページ目の真ん中近くだ。
めんどくさいので空白も字数に入れると,約1900字だ。
>>138は空白も合わせた字数ね。
論点らしい論点は1つしかないこの問題で
1900字はやっぱり書きすぎだと思うよ。
大谷さんが、以前の成績とかを公開してくれれば、
俺等も評価しやすいんだけどな。
それじゃあ後付けの危険
成績だすと昔のプラダスレみたいな糞スレ化の危険
144 :
氏名黙秘:05/02/23 18:34:04 ID:UhmOHhSL
大谷タソはここにうpする答案をどのような状況で書いていますか??
@一通一時間or二通二時間or時間無制限
Aノートや基本書参照の有無
B直接PC打ち込みor手書きをうpのため打ち込み
などなど
成績は秘密でお願いいたします。
予断排除の原則(刑訴256条6項)を適用させていただきたいので。
さて、答案を作るときのことですが
@B1問1時間と決めて、答案構成してから直接打ち込んでいます。
Aノートや基本書は一切見ていません。六法と問題のみです。
時間配分は、概ね答案構成に10分程度、打ち込みに30分〜40分くらいです。
本試験のときと大体同じような感じで作っています。
これでよろしいでしょうか。
さて、今日は刑法をやめて、平成7年の憲法を書いてみました。
よろしくお願いいたします。
>>141 それだと評価する人の成績も公開せないかんね
自称合格者や弁護士が増えそうだな・・・。
【憲法】 平成7年・第1問
放送法は,放送番組の編集に当たって,「政治的に公平
であること」,「意見の対立している問題については,で
きるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」を要求
している。新聞と対比しつつ,視聴者及び放送事業者のそ
れぞれの視点から,その憲法上の問題点を論ぜよ。
一、放送法が、放送番組の編集に当たり、一定の制約を加
えることは、視聴者の知る権利及び放送事業者の報道の
自由を侵害しないかが問題となる。
以下、視聴者と放送事業者に分けて検討する。
二、視聴者について
1、放送法は視聴者が受ける情報の範囲を制限するもので
あり、視聴者の知る権利を侵害しないか。そもそも知る
権利が憲法上の権利として認められるか、明文規定なく
問題となる。
この点、現代の情報化社会において、情報の送り手と
受け手が分化しており、送り手たるマスメディアが表現
を独占し、視聴者たる一般国民は自らの意見を表明する
機会を与えられにくいという傾向がある。また、表現す
る場合であっても、事前に情報を入手しておかなければ、
適切な表現行為をすることができないといえる。
そこで、表現の自由は受け手の側から再構築される必
要があり、21条1項は、情報を受ける権利として知る権利
をも保障していると解する。
2、もっとも、知る権利も絶対無制約なものではなく、他
の人権との矛盾衝突を調整する実質的公平の原理たる公
共の福祉(13条)による内在的制約を受ける。
では、いかなる制約が公共の福祉に基づく制約といえ
るか。
この点、知る権利が表現の自由の一内容として保障さ
れることから、知る権利への制約は表現の自由への制約
として許容されるものでなければならない。そして、表
現の自由は、国民が自らの人格を形成・発展させていく
という自己実現の価値と、意見を表明することで国民の
意思を政治的に反映させるという自己統治の価値を有し、
他の人権に比して優越的地位を占める。
そこで、表現の自由への制約は原則として許されるべ
きでなく、@重要な目的に基づくA必要最小限の制約が、
公共の福祉に基づく制約として例外的に許容されるに過
ぎないと考える。
3、では、放送法の制約は、公共の福祉に基づく制約とし
て許容されるか。
ア、まず、放送法が「政治的に公平」で「多角的な報道」
を要請していることから、その目的は偏見のない多様な
意見を国民に享受せしめることにある。これは、国民が
自らの意見を形成し、それを表明する前提として、より
多くの情報を国民に与えることを趣旨とするから、表現
の自由の自己実現・自己統治の価値に奉仕するものとい
え、@重要な目的に基づくものといえる。
イ、次に、「政治的に公平」で「多角的な報道」を要請し
なくても、国民は他の手段により多面的な情報を得るこ
とができるとも思え、手段としての必要最小限度性が認
められないとも思える。
しかし、マスメディアの報道は、テレビやラジオが日
常生活に浸透している現代において、国民の人格形成に
重要な役割を有するため、可能な限り公平・多角的な報
道が必要であるといえる。また、新聞の場合とは異なり、
放送チャンネルは有限であり、国民が享受できる情報も
限られていることから、他の放送手段により国民が公平
・多角的な情報を入手できるとは限らない。
したがって、放送法の制限は、A必要最小限の手段と
いえる。
ウ、よって、本問制限は、公共の福祉に基づくものといえ、
21条1項に反さない。
三、放送事業者について
1、放送法は、放送事業者の報道内容に一定の制限を加え
るものであり、放送事業者の報道の自由を侵害しないか。
この点、報道の自由は表現の自由の一内容として21条
1項により保障される。そして、放送事業者は、社会的実
体を伴って活動するから、性質上可能な限り基本的人権
の保障が及ぶと解するところ、放送事業者が報道するこ
とは、放送事業の性質上可能であり、報道の自由は放送
事業者に保障される。
2、もっとも、報道の自由といえども絶対無制約なもので
はなく、公共の福祉による制約を受ける。
そこで、放送法の制約が、@重要な目的に基づくA必
要最小限の制約といえ、憲法上許容されるかについて検
討する。
ア、まず、放送法の目的は、国民に多様な偏見のない情報
を教授せしめることにあるから、@重要な目的に基づく
といえる。
イ、次に、かかる目的を達成するために、放送番組の編集
に当たり一定の制約を加えることは必要である。そして、
新聞と異なり放送チャンネルが有限であることから、一
定の方向で放送事業者に編集を要請してもそれが報道の
自由に対する過度な制約とはいえない。また、放送法は
個別具体的に編集内容を強制するものではなく、あくま
でも放送事業者の判断の余地を残す程度の規制しかして
いない。
したがって、放送法の制限は、A必要最小限の手段と
いえる。
ウ、よって、本問制限は、公共の福祉に基づくものといえ、
21条1項に反さない。
以上
1900字弱、4ページ目の頭くらいです。
違憲審査基準までの論述、及び当てはめは丁寧に行ないました。
ただ、知る権利、報道の自由が報道事業者に保障されるか、という点については、もう少し短くすべきだと思いました。
長くなってしまいましたが、これを短くするならどこを削られますか。
よろしければご教授いただきたく思います。
問題
>>147 答案
>>148-151
この問題を短くするには、
放送法は、視聴者の知る権利を制約するものではなく、
知る権利に資するものだという流れにすればいいよ。
こうすれば、設問前段は公共の福祉の前で終わるから。
俺的には、大谷さんのような答案より、そっちの方が
出題意図だと思ってるけど、このスレの他の住人の意見はどう?
ふぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!
>>153の答案例みないかぎりコメントしようがないな
はぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!
オナニー。
158 :
153:05/02/23 21:17:54 ID:???
めんどいので、構成だけ。
法は21条1項に反しないか。
↓
知る権利の論証
↓
としても、法が視聴者の知る権利を制約するか。
↓
電波の有限性・影響力の大きさからくる弊害
↓
視聴者の観点から見れば、政治的に公平な放送がなされることこそが、
知る権利に資する。
↓
法は視聴者の知る権利に資することさえあれ、
知る権利を制約するものではない。
↓
視聴者の視点からすれば、法は、21条1項には反しない。
後段は、普通の人権パターンで処理。
159 :
氏名黙秘:05/02/23 22:58:58 ID:ARPcxgoJ
知る権利に資するとすることは十分可能だろうし、おれもそうすると思う。
放送の公平性・多様性を確保することでより客観的真実に近い情報が国民にもたらされるのだろうし。
あと、個人的には、問題文の「政治的に公平」という点に着目すれば、知る権利が民主政の重要な前提であり、
参政権(15条)の実効を担保するものであることにも触れた方が良いと思う(要は自己統治の価値を掘り下げる)。
一通の答案でなるべく体系的理解を示せた方がよいから。
それに本試験の問題は予備校問題と異なり、一論点の問題ではなく、体系的理解を示せる抽象的な問題が多いし。
大谷さんの答案は知る権利と報道の自由の一本槍な点で残念。
まあ、本番でなら、大谷さんのでもよろしいかとは思うかな
とある教授の受け売りですが
新聞メディア(ペーパーメディア)を自由にして
電波のうち映像メディアを制限すると
「多様な情報があふれて、人々が幸せになる」という視点がある
サブカルチャーは作れば作るほど売れる。だから供給過多になる
受けては好みの情報を手に入れられる。くだらないのは売れずに消えてくので
市場原理で品質を保持できる。むしろ、ほっといたほうがより洗練されていく
だけど、政治の情報って売れないですよ。誰も欲しがらない
だから、強制的に作らないと、そもそも情報が出てこない
そこで、電波メディアにそれを担わせる
でも、強制的に売れないものを作らせるので(視聴率は稼げない)どうしても供給は過少になる
だから、ある基準をクリアしたものだけど、市場に出すことで
品質を保つ必要がある。放送メディアへの規制はこんな観点からも論証できます
こんなこと書く必要はないかもしれませんが
そのうえで、新聞メディアは自由にすると
サブカルチャー的な政治情報もあふれる。
これは放任させて、受けて側に取捨選択させる
すると、いかがわしい情報から、信頼できる情報まで
国民は豊富で、多様な情報が手にはいって、幸せ
という寸法。
ところで、ちょっと前に短い答案ってありましたが
長い答案って疲れませんか?
あれだけの緊張感で、12時間もがつがつやるのです
そのうえでぎっちり書いては、最後の方は力尽きて当然かと
書く手も筋肉痛でしょう
短くかいて労力を減らさなくては
自分は受かった年、30分答案構成で、25分で書いてました
当然、いけて3ページ真ん中。
大谷さんの答案をベースにしますが
一はいらないかと。わざわざ前だししなくても、読めばわかることなんで
次に、知る権利を論点化しないで、流して書いていい
また
2、もっとも、知る権利も絶対無制約なものではなく、人権
相互の矛盾を調整する公共の福祉(13条)による内在的制
約を受ける。
そして、表現の自由の一内容たる知る権利は、国民が自ら
の人格を形成・発展させていくという価値と、意見を表明す
ることで国民の意思を政治的に反映させるという機能を有す
る(表現の自由の優越的地位)。
そこで、知る権利が合憲となるには、その制約が@重要な
目的に基づきA必要最小限の範囲であることを要する。
大谷さんの内容以上でも以下でもないことですが、これくらいは短くできます
このあとに、
3、では、放送法の制約は、公共の福祉に基づく制約とし
て許容されるか。
とありますけど、これも不要です。書かなくてもそれについて書いてあるのはわかりますから
164 :
G:05/02/24 13:43:37 ID:NfIhgmzB
よろしくお願いします
〔問題〕 平成14年第1問
Aは、妻とともに、子B(当時18歳)の法定代理人とし
て、Cに対し、Bが祖父からの贈与により取得した甲土
地を、時価の500万円で売却して引き渡し、所有権移転
の登記をした。Aは、妻の了解の下に、その売却代金を、
AのDに対する500万円の債務の弁済に充てた。Aは、D
に弁済する際、甲土地の売却代金により弁済することを
秘していたが、Dは、そのことを知っていた。AがDに
弁済した時、A夫婦は無資力であった。その後、Bは、
成人した。
1 A夫婦が売却代金をAのDに対する債務の弁済に充
てるために甲土地を売却したものであり、Cは、甲
土地を買い受ける際、そのことを知っていた場合に
おいて、次の各問について論ぜよ。
(1) Bは、Cに対し、甲土地の返還を請求することがで
きるか。
(2) CがBに対して甲土地を返還したとき、Cは、Bに
対し、500万円の支払を請求することができるか。
2 A夫婦が売却代金をBの教育資金に用いるつもりで
甲土地を売却したが、売却後に考えが変わり、売却
代金をAのDに対する債務の弁済に充てた場合にお
いて、Bは、Dに対し、500万円の支払を請求す
ることができるかについて論ぜよ。
165 :
G:05/02/24 13:45:39 ID:NfIhgmzB
〔答え〕
第1 小問1
1 (1)について
(1)元来、甲土地の所有者であったBは、Cに対しその
所有権に基づき返還請求をする。しかし、CはBの
親権者たるAより甲土地を買い取ったため、甲土地
の所有権はCに移転した旨主張する。そこで、Bの
返還請求が認められるのはAC間の売買契約が無効
であることを要する。
(2)AC間の売買契約について
ア 親権者は子の財産に関し包括的な代表権を有する(
824条)。しかし、利益相反行為を行うことはで
きない(826条)。違反すれば、当該法律行為は
無権代理行為として無効となる(113条)。Aの
売却行為は利益相反行為に該当しないか。
利益相反行為に該当するかの基準は、動的安全を考
慮する観点から、親権者の主観を考慮せず、外形的
・客観的に決せられる。
本問において、Aが単にB所有の不動産を売却する
行為は、客観的には法が予定する親権者の財産管理
行為そのものであり、利益相反行為に該当しない。
166 :
G:05/02/24 13:46:33 ID:NfIhgmzB
イ としても、Bは売却代金を自己の債務の弁済にあて
るため甲土地を売却している。かかる意図は法が予
定する親権者の代表権を濫用するものである。そこ
で、代表権の濫用に基づきAC間の売買契約は無効
とならないか。
思うに、代表権の濫用も、代理意思と表示との一致
が認められる以上、当然には無効とならない。しか
し、経済的効果を帰属させる意図と表示との間に不
一致が見受けられ、これはあたかも心裡留保に類す
る。そこで、濫用意図につき悪意有過失の相手方と
の関係では、93条但書が類推適用され、当該法律
行為は無効となる。
本問において、CはAの代表権濫用意図につき悪意
である。よって、AC間の売買契約は無効となる。
(3)結果、BはCに対して甲土地の返還を請求すること
ができる。
2 (2)について
AC間の売買契約の無効により、Cがなした500
万円の支払いは法律上の原因ないものとなる。そこ
で、Cは不当利得返還請求としてBに500万円の
支払いを請求できるか(703条)。
この点、Bは500万円の支払いをAより受けてお
らず「利益」がないとも思える。しかし、これは本
人・代理人間における内部事情に過ぎず、相手方に
対抗し得る事情でない。
よって、Cは500万円の支払いを請求できる。
167 :
G:05/02/24 13:47:06 ID:NfIhgmzB
第2 小問2
1 取引当時、Aに代表権濫用意図は存在せず、AC間
の売買契約は有効に成立する。結果、本契約の効果
はBに帰属し(99条1項)、BはAに対し500
万円の引渡請求権を取得する。しかし、Aは500
万円をDに支払ってしまった。そこで、BはAD間
の弁済を詐害行為として取消し(424条)、もっ
てD対し500万円の支払いを請求できないか。
(1)詐害行為取消は債務者の責任財産を保全するための
権利である。とすれば、弁済は原則として詐害行為
にあたらない。なぜなら、弁済は、贈与の場合と異
なり、全体財産の増減に影響を与えないからである。
もっとも、債務者・弁済受領者間において他の債権
者を積極的に害する意図(通謀)がある等、特段の
事情ある場合は、弁済といえ詐害行為となる。
(2)本問において、AD間に通謀はない。また、DはA
が甲動産を売却した代金をもって弁済を受けること
を認識しているが、これをもってBを積極的に害す
る意図ということはできない。なぜなら、債権者平
等原則のもと、DとBの立場はあくまで対等であり
、Dは熱心に債権回収をしたに過ぎないからである。
(3)結果、Bの主張するAD間弁済の詐害行為取消しは
認められない。
(4)よって、BはDに対し500万円の支払いを請求で
きない。
168 :
G:05/02/24 13:51:06 ID:NfIhgmzB
1500字程度だと思います。
小問2の詐害行為取消しは肯定しようかとも思いましたが、
積極的詐害意図を満たさず否定、という結論にしました。
ただ、これだと金銭の直接引渡請求を述べれない。
問題
>>164 答案
>>165-167
169 :
G:05/02/24 13:55:01 ID:???
んー、推敲してないので、日本語の間違いがチラホラと;;
> 利益相反
禁止の趣旨も書かないんだね
細かいところですみません。
> ア 親権者は子の財産に関し包括的な代表権を有する(
824条)。しかし、利益相反行為を行うことはで
きない(826条)。違反すれば、当該法律行為は
無権代理行為として無効となる(113条)。Aの
売却行為は利益相反行為に該当しないか。
親権者が包括代理権を濫用し、子を食い物にするを防止するため、
親権者と子の利益が対立する法律行為は利益相反行為として無効
とされる(826条)。
> で、Cは不当利得返還請求としてBに500万円の
支払いを請求できるか(703条)。
この点、Bは500万円の支払いをAより受けてお
らず「利益」がないとも思える。しかし、これは本
できるか→することはできないか
この点→この点、確かに
あと、法的代理権の濫用の場合、93条類推にも絞りをかけるのが判例・通説だったと思います。
それについて何も触れていないのはどうかと思います。
小問2は不当利得返還の話を展開すればよかったのではないでしょうか。
424の話を出すのは筋が違っている気がします。
(詐欺・強迫による弁済の場合、債権者が悪意・重過失の場合には不当利得返還請求できるという話)
ざっと見たところ、クレームをつけるならこんなところです。
その他、特に問題はないと思います。
十分Aが来る答案だと思います。
放送法のコメントは、後でじっくりと呼んでみます。
みなさん、ご丁寧にありがとうございます。
小問2は、703でも424でも大丈夫だよ。
なんてったって、出題趣旨に書いてあるからな。
俺も、本筋は703だと思っているけどね。
荒らすんじゃねえ
>>157,
>>158-159 なるほどです。
そういう構成もありますね。
全く思いつきませんでした。
私の考えでは視野が狭いですね。
お決まりのパターンで処理するという予備校の悪い癖がついてしまっているようです。
もっと問題文をじっくり読んで、検討しなければいけませんね。
あと、自己統治の価値に奉仕するという側面も、問題になるので入れたほうがいいですね。
気づいたのですが、うまく入れられそうになかったので、逃げてしまいました。
これだと出題意図に十分応えられていないから、合格点はつかないですね。
>>160-161 そこまでの視点はさすがに出てきませんでした。
うまく組み込めたら高い評価がつきそうですね。
どうやったらそういう発想が出るのでしょうか。
こつなどがありましたらご教授いただければと思います。
>>162 確かに2日連続ですべて1通あたり1600字で書くというのは疲れます。
中には1000字程度のものもあったりします。
ただ、そういう答案に限って評価が悪かったりするんです。
どこまで書くべきかは悩みどころです。
むしろ、どうやって書くかという点が問題なのかもしれませんが。
より一層の検討を重ねます。
>>163 具体的なコメントをありがとうございます。
私のスタイルだと無駄な(点のつかない)記述が多いですね。
そこを省いていくように心がけたいと思います。
みなさん、ありがとうございました。
>>173 【民 法】
【第1問】
本問は,代理権と侵害回復方法に関する。1(1)では,利益相反
行為,代理権濫用といういわば定型的な問題についての基礎的な見解
を,1(2)と2では,議論が残されている問題を与えて,基礎的な
知識に依拠しつつ事案を分析し解決する能力を,見ようとした。2で
は,不当利得返還請求権,債権者取消権などが考えられるが,どれに
よる場合にも,財貨の移転・帰属を整理した上で要件を検討すること
が期待された。
出題意図にありましたね。
やはり、頭が固いみたいです。
もっと柔軟な考え方を身に着けなければ、合格は遠いですね。
さて、今日は7年の憲法2問目を書いてみました。
【憲法】 平成7年・第2問
国が、私立学校法にいう私立学校に対して、補助金を支出することは憲法上許されるかどうかについて論ぜよ。
また、地方公共団体が、学校教育法にいう幼稚園に該当しないがこれに類似した事業を行う幼児教室に対して補助金を支出する場合はどうか。
一、設問前段について
1、国が私立学校に対して補助金を支出することは、公金
支出の制限を定める89条後段に反さないか。同条の趣旨
をいかに解するかに関わり問題となる。
2、この点、公金は国民より徴収された税金により構成さ
れるものであり、それが濫用されてしまえば、国民の税
金が無駄になってしまう。
そこで、89条後段は、公費の濫用を防止するため、「
公の支配」に属する団体以外への公金支出を禁止したも
のと解する。
そして、私立学校は教育の事業といえることから、「
公の支配」に属する限り、私立学校に対する補助金支出
は89条後段に反さないことになる。
3、では、「公の支配」とはいかに解すべきか。
この点、「公の支配」の意義を、国家が人事権・予算
権などを掌握している場合に限るとする見解もある。
しかし、これでは自律性を有する事業への公金支出が
すべて認められないことになり、社会的に有用な事業の
発展を阻害することになるため、狭きに失し妥当でない。
思うに、89条後段の趣旨が公費の濫用を防止すること
にある以上、「公の支配」とは公費の濫用を防止しうる
だけの支配が及んでいればよいと考える。そして、具体
的にどの程度の支配が及ぶべきかについては、14条、23
条、25条、26条等、憲法の他の条項と調整的に考えるべ
きである。
そして、私立学校が国民の教育を行なう重要な役割を
有していることに鑑み、23条、26条との調和から、「公
の支配」とは、国家が私立学校の予算権・人事権などに
指導・勧告することができ、支出された公金の濫用を抑
止することができる程度の支配があれば足りると考える。
4、では、私立学校にかかる意味で「公の支配」が及んで
いるといえるか。
この点、現行の制度において、国家は学校の予算につ
いて報告を求めることができ、人事や予算について一定
の意見を述べることができるとされている。
そうすると、国家が私立学校に対する公金の使途を監
視し、これを不当と判断した場合に意見を述べることで
是正を促す制度が存在しているといえる。
したがって、国費の濫用を防止する程度の支配が私立
学校に及んでいるといえ、私立学校に対する補助金支出
は89条後段に反さない。
二、設問後段について
1、幼児教室も、広く教育の事業といえるから、これに対
する補助金の支出は幼児教室に「公の支配」が及んでい
れば89条後段に反さないことになる。
では、ここにいう「公の支配」をいかに解すべきか。
2、この点、幼児教室が義務教育課程とは異なる段階にあ
り、幼稚園のほかに教室を設置することが国民の教育に
とって必要不可欠ではないことから、より「公の支配」
を厳格に解すべきとも思える。
しかし、幼児の成長・発展を目指すという社会的に有
益な事業であることで、幼児教室と幼稚園とは異ならな
いし、幼稚園の数が減少している現状において、幼児教
室を設置する必要もある。そして、幼児教室も私立学校
も、成長発展過程にある子供の教育を担うという点では
同じである。
そこで、「公の支配」の内容も私立学校の場合と同様、
予算権・人事権に対して指導・勧告しうる程度の支配が
及んでいれば足りると考える。
3、本問で、幼児教室に対する支配がどの程度及んでいる
かは明らかではないが、国が幼児教室の予算について報
告を求め、これに対して意見を述べ不当な場合に是正し
うる制度が整っていれば、幼児教室に対して「公の支配
」が及んでいるといえる。
したがって、このような場合であれば、幼児教室に対
する公金支出は89条後段に反さない。
以上
コメント
1400字程度、3ページの半分くらいです。
1問目で文字数を使ったので、少し短めにしてみました。
幼児教室と私立学校の違いは何か?というのが今一分かりませんでした。
よろしくお願いいたします。
問題
>>177 答案
>>178-180
本番でこれだけ書ければ十分だと思います。
贈賄罪教唆実行の着手age
大量の税金を投入し維持している資格制度を私物化している場合の罪は無いのですか?
私物化したあげく法令としてしまえばお咎め無しですか?
185についての答弁をしてみてください。
弁護士・検事・判事の卵なら出来るでしょう
主張自体失当。
>>187
説得力なしですな。
最高裁の判例を読んでも、上告人や被上告人には理解の出来ない用語ばかり。
裁判官と弁護士・検事だけに分かる内容。
金を出したり、被害にあったり、している当事者にはチンプンカンプン
法律の世界の傲慢さが出ていますね。
法曹の傲慢さを語る前に、スレ違いの書き込みを重ねる
あなたの傲慢さをなんとかしてくれ。
まあローマ字の知識しかない奴に英文解釈なんて無理なわけでw
大谷君頑張ってね
少し刺激になったよ
おい、荒らすな。荒らすんじゃねえ。
193 :
G:05/02/25 13:09:51 ID:W1Q4dvEo
ありがとうございます。
参考になりました。
ところで、小問2は不当利得構成も可能とのことですが、検討がつきません;;
どういう構成になるんでしょう…
AD間の500万円の弁済が無効ということでしょうか…
194 :
G:05/02/25 13:17:52 ID:W1Q4dvEo
失礼しました。騙取金による弁済というやつですね。
抜け落ちてました。
おそくなりましたが、9年の刑法1問目を書いてみました。
【刑法】 平成9年・第1問
学生の甲と乙が深夜繁華街を歩いていたところ、一見してや
くざ風のAが、甲に因縁を付け、甲の胸ぐらをつかんで付近の
路地に引っ張り込み、ナイフを甲に突きつけた。甲と乙は、身
の危険を感じ、こもごもAの顔面を殴って路上に転倒させ、ナ
イフを奪い、これを遠くに投げ捨てた。甲はその場から逃げよ
うとしたが、乙は、Aが転倒したまま「待ちやがれ。」と怒鳴
って右手で上着のポケットを探っているのを見て、Aがまた刃
物を取りだそうとしているものと勘違いし、Aの腹部を数回力
まかせに蹴りつけた。その間、甲は乙を制止することなく、黙
ってみていた。Aは、乙の暴行により、すい臓破裂の傷害を負
って死亡した。
甲および乙の罪責を論ぜよ。
一、乙の罪責について
1、乙が甲とともにAに対して一連の暴行を加えた結果、
すい臓破裂の傷害を負わせ死亡させているため、傷害致
死罪(205条)の構成要件に該当する。
もっとも、乙はAがナイフを甲に突きつけたため、身
の危険を感じ暴行を加えたという事情がある。
そこで、乙に正当防衛(36条1項)が成立し、違法性が
阻却されないか。
2、この点、Aが最初にナイフを突きつけた段階では、甲
と乙の生命・身体に対する急迫不正の侵害があり、これ
を避けるために顔面を殴打し転倒させた行為(第1暴行
)については、正当防衛が成立し、違法性が阻却される。
しかし、ナイフを奪い、遠くに放り投げた段階で急迫
不正の侵害は終了しているといえ、その後に乙が腹部を
蹴りつけた行為(第2暴行)については、正当防衛は成立
しない。
したがって、乙の第2暴行につき違法性は阻却されない。
3、もっとも、乙はAが刃物を取り出そうとしているもの
と勘違いして第2暴行に及んでいる。そこで、誤想防衛
として責任故意が阻却されないか。
思うに、故意責任の本質は、規範に直面しつつもあえ
てそれを乗り越えた行為に対する道義的非難を課すこと
にある。そして、違法性阻却を基礎づける事実があると
誤信していた場合には、規範に直面しえたとはいえず、
故意責任を認めることはできない。
したがって、急迫不正の侵害を誤信した場合は、誤想
防衛として責任故意が阻却され、犯罪は成立しないと解
する。
ただ、安易に違法性阻却事由の存在を誤信した場合ま
で常に責任を阻却するのは妥当でなく、行為者にとって
急迫不正の存在があると誤信することがやむをえないと
いう客観的事情がある場合に限り、責任故意を阻却する
と考えるべきである。
4、本問においては、繁華街を歩いていた甲と乙に対して、
Aが突然因縁をつけ、路地裏に連れ込み、ナイフを突き
つけたという異常な事情がある。
そうすると、ナイフを遠くに投げ捨て危険を脱したと
しても、「まちやがれ。」と怒鳴り右手で上着のポケッ
トを探っている様子を見れば、Aの侵害の意図がいまだ
に継続し、刃物を取り出し甲・乙に危害を加えようと誤
信することもやむをえない客観的事情があるといえる。
したがって、乙の第2暴行は誤想防衛として、責任故
意が阻却され、犯罪は成立しない。
5、よって、乙に犯罪は成立しない。
二、甲の罪責について
1、まず、甲が乙とこもごもAの顔面を殴った行為は、部
分的犯罪共同説の立場から、暴行罪の共同正犯(208条、
60条)の構成要件に該当する。もっとも、Aの侵害から自
己の身を守るためにやむを得ず行なったものであるから、
正当防衛(36条1項)が成立し、違法性が阻却され、犯罪
が成立しない。
2、では、乙の第2暴行につき、甲に責任を負わせられない
か。
思うに、共同正犯が一部実行全部責任の原則の下、他
人の行為について責任を負うのは、特定の犯罪について
相互利用補充関係の下、結果について因果性を及ぼした
点に責任を問いうるからである。そして、甲が第2暴行に
ついて責任を負うためには、第1暴行から共同正犯の関係
が継続している必要がある。
3、しかし、乙の第2暴行は、急迫不正の侵害が消滅した後
になされたものであり、甲は乙の暴行を黙ってみていた
にすぎず、暴行に加わったという事情もない。また、乙
は第1暴行が終了した後、その場から逃げようとしており、
その段階で第1暴行における共謀関係は消滅したと評価で
きる。
したがって、第2暴行につき、甲に共同正犯の罪責を負
わせることはできず、この点について甲に犯罪は成立しな
い。
4、また、黙って見ていたことにつき傷害罪(204条)の幇
助犯(62条)が成立しないかも問題となるが、甲に乙の行
為を止める作為義務があるとはいえないため、幇助犯も成
立しない。
5、よって、甲には犯罪は成立しない。
以上
コメント
1600字弱、3ページの後半です。
削るとしたら、「一、3の後半」、「二、4」だと思います。
問題文の事情をよく使いたかったので、詳しく書いてみました。
よろしくお願いいたします。
問題
>>195 答案
>>196-198
>>175 >>160のような話は知らなくても良いとは思います
前にもいったように、芦部に書いてあることを最低限かければいいのです
なお、こういう無駄な知識は、講義にいってると聴けます。大学も捨てたものではないと
凄く裏技ですが、放送法の規定って倫理規定というのが通説ですよね。芦部にもある
「法的拘束力」はないのですよ。偏頗した放送をしても、国が何かできるわけではない
(ここに教育指導要領との差異があります)。ならば、憲法問題は生じないんですけどね
>>177 89条の解釈を、その法的性質と「公の支配」の意義の二つに分けていますが
それより、「公の支配」の意義の解釈の中で、法的性質を述べる方が
より「文言の解釈」の姿勢がしめせるので良いかと
思うに、「公の支配」緩和説
基準 。。。14条、23条、25条、26条等
憲法の他の条項と調整的に考えるべきである。
の次は、アテハメで良いと思います
次に、
「私立学校が国民の教育を行なう重要な役割を有していることに鑑み
23条、26条との調和から、「公の支配」とは、国家が私立学校の予算
権・人事権などに指導・勧告することができ、支出された公金の濫用
を抑止することができる程度の支配があれば足りる」
というのは、もうこの問題ではアテハメに該当してるといえるでしょう。
「現行の制度において、国家は学校の予算について報告
を求めることができ、人事や予算について一定の意見を
述べることができるとされている。そうすると、国家が
私立学校に対する公金の使途を監視し、これを不当と判
断した場合に意見を述べることで是正を促す制度が存在
しているといえる。」
という風に二段構えのアテハメだと、理屈の筋が良く見えない
「思うに」のあとに「そして(具体的には)」「そして(私立学校)」
と二段構えの規範定立がなされているとも読めます。どちらにせよ
ちょっとわかりにくい。
個人的には、「思うに」「そして、私立学校においては」ですませてしまうかな
なお、憲法の問題でよく使われるのですが
問題の後段がメインの論点に据えてあるのですけど
それだけでは少し難しいというときに、前段を設けて
その問題への橋渡し、手がかりとする、という形式があります
多くの受験生は比較的安易(まあ安易じゃなきゃ橋渡しになりませんが)な前段をがんばりますが
実は、得点の比重は、後段にあったりします。
あの問題、前段は「学校教育基本法」というのがあります。これだけ出しても
なんともばかばかしい問題ともいえますよね。簡単すぎて選別試験に適さない(バカしか落とせない)
他方、後段にはない。そんな時どうゆう風に対処するか、それを見たい。そんな問題じゃないかな
とは思います。
自分ならば、教育とはそもそも「公的」なものじゃないか、というのを手がかりにしますかな
>>196 刑法の問題は、結構批評がくるとは思いますが
まず、削るとすれば、乙の第二行為の正当防衛の成立を論点化させない
というのが良いかと
「Aがナイフを突きつけた行為に対し、顔面を殴打し転倒させた
(なお、「最初に」とありますが、ナイフは一回しか突きつけてないので不要かと)
行為は、甲と乙の生命・身体に対する急迫不正の侵害を避けるた
めなので、正当防衛が成立し、違法性が阻却される。
しかし、ナイフを奪い、遠くに放り投げた段階で
急迫不正の侵害は終了している。よって、その後に乙
が腹部を蹴りつけた行為については、正当防衛は成立
しない。
ですませる。
なお、一つの論点なのにナンバリングが分かれているのはなんか違和感があります
2、というナンバリングは要らないかと
次の誤想防衛の話が、この問題の最初の山場でしょう
「3、もっとも、乙はAが刃物を取り出そうとしているもの
と勘違いして第2暴行に及んでいる。そこで、誤想防衛
として責任故意が阻却されないか。 」
とありますが、誤想防衛の処理の仕方は、故意阻却を認める故意説、制限責任説と
責任阻却とする厳格責任説に分かれるので、「誤想防衛の法的処理が問題となる」が良いかと
で、自分、実はあまり通説の処理は知らないのですが
誤想防衛の故意阻却には、誤信することがやむをえない客観的事情が必要なのでしょうか
この立場は、本来主観の問題であるはずの錯誤論を超える「通常人に期待される認識」を要求してるっぽいです
名誉毀損における真実性の錯誤で、同じような話があるので、まあ、あるのかなと思いますが
現在の試験対応ならば、これくらいの論述でよいかと
で甲の話では、「制限従属性」の話が一言も出てこない
乙が適法ならば、甲も適法じゃあないのですか?というのが無い
第二暴行における甲の態度は「正犯」なのか「共犯」なのかを
はっきりさせておく必要があるかと。仮に共犯なら、通説に従う限り
正犯不法に従属する性質上、乙も不可罰になりますから
205 :
荒らすな :05/02/26 00:52:14 ID:???
荒らすな
>乙が甲とともにAに対して一連の暴行を加えた結果、
>すい臓破裂の傷害を負わせ死亡させているため、傷害致
>死罪(205条)の構成要件に該当する。
第一行為と死とは因果関係はないです。
過剰防衛には二種類あります。
質的過剰防衛と量的過剰防衛です。
本問の第二行為は量的過剰防衛で処理するのが普通です。
第二行為に関して誤想防衛と認定していますが、
「数回力任せに腹を蹴る」という行為に過剰性がないかを
きちんと検討した方がいいと思います。
その他は概ねよく書けていると思います。
>>200 大学の授業ではそういう細かい話は教えてくれませんでした。
私が習った先生はマニュアルだけの人だったので。
あと、倫理規定、というのはご指摘いただいて、なるほどと思いました。
それを利用すると、事実上の拘束力しかないから合憲という結論に導きやすいですね。
>>201 確かに、「公の支配」の中で趣旨を述べたほうがすっきりします。
ここは構成段階でのミスです。反省します。
あと、二段構えのあてはめとおっしゃられていますが、私としては2段構えの規範のつもりだったのですが。
さすがに14条等との調和から決すべきという規範だけでは抽象的すぎると思います。
少し困りました。
>>202 おっしゃられるとおりだと思います。
問題文をもっとじっくりと読み込んで、気づくべきでした。
ありがとうございました。
>>203 正当防衛のところはナンバリングを分けたおかげで読みにくくなってしまったみたいです。
読み返してそう思いました。
あと、「最初に」という余計な言葉は、本試験だと減点になるかもしれません。
注意します。
>>204 共犯従属性の話は、どうやって組み込んでよいのかよく分かりませんでした。
書かないほうがいいかと思い、触れませんでした。
どうすればうまく組み込むことができるか、ご教授いただけると幸いです。
誤想防衛において客観的事情を考慮する、というのは問題文の事情を利用するために作りました。
あながち嘘ではないと思うのですが、どうでしょうか。
>>206 第1暴行と第2暴行を分けて、暴行罪、傷害致死罪が成立する、とするのはセンスがないかと思い、まとめてしまいました。
ただ、おかげで疑念が残る記述になってしまいました。
確かに、過剰防衛についてもきちんと認定しておいたほうがよかったと思います。
ナイフに素手だから、過剰性はない、と判断してしまいました。
ありがとうございました。
さて、今日は刑法の2問目を書いてみました。
【刑法】 平成9年・第2問
甲は、たまたま居合わせた妻乙の面前で、隠し持っていたけん銃を用
いてAを射殺した。甲は、殺人罪の訴追および処罰を免れる目的で、実
弟である丙に対し、犯行に使ったけん銃を手渡し、身代わりとなるよう
に依頼して警察に出頭させた。一方乙は、警察から参考人として事情を
聞かれた際に、「確かに丙がけん銃を発射しAを殺害したところを見て
いました」と供述した。
甲および乙の罪責を論ぜよ(特別法違反の点を除く。)。
一、乙の罪責について
1、乙は、警察に対し「丙がAを殺害した」旨の虚偽の供
述をしている。
そこで、乙に偽証罪(169条)が成立しないか問題とな
るが、乙は宣誓した証人ではないため、成立しない。
2、また、参考人として虚偽の供述をした点で証拠偽造罪
(104条)が成立しないか問題となるが、偽造は供述以外
の方法で虚偽の証拠を作出した場合をいうため、証拠偽
造罪は成立しない。
なぜなら、宣誓した証人が虚偽の供述をした場合のみ
を処罰の対象としており、それ以外の供述形態は処罰し
ない趣旨と考えられるからである。
3、では、犯人隠避罪(103条後段)が成立しないか。
ア、まず、甲は殺人(199条)を犯しており、「罰金以上の
刑に当たる罪を犯した者」にあたる。
イ、次に、犯人隠避罪の保護法益は、刑事司法作用の適正
であり、「隠避」とは、蔵匿以外の方法で司法官憲によ
る犯人の身柄の発見・確保を妨げる一切の行為をいう。
そして、参考人として真犯人以外の者を犯人であるかの
ように捜査機関に告げる行為は、司法官憲が真犯人の身
柄を発見・確保する妨げとなる行為であり、「隠避」に
あたる。
ウ、したがって、乙には犯人隠避罪が成立する。
エ、もっとも、乙は甲の妻であり、甲の利益のために行な
った行為と考えられるから、その刑は任意的に免除され
る(105条)。
二、甲の罪責について
1、甲はAを殺害していることから、殺人罪(199条)が成
立する。
2、次に、実弟である丙に身代わり出頭させた行為につき、
犯人隠避罪の教唆犯(103条、61条1項)が成立しないか。
正犯者丙の罪責から検討する。
ア、まず、甲は殺人を犯しており、「罰金以上の刑に当た
る罪を犯した者」にあたる。
そして、丙が身代わり出頭することにより、司法官憲
による犯人甲の身柄の発見・確保が妨げられることから、
「隠避」にあたる。
したがって、丙には犯人隠避罪が成立する。
もっとも、丙は甲の親族であり、甲のために行なった
行為と考えられることから、その刑は任意的に免除され
る。
イ、では、甲に同罪の教唆犯が成立しないか。
この点、甲は犯人隠避罪の正犯となりえないこととの
均衡から、間接的に法益を侵害するに過ぎない教唆犯は
成立しないとする見解がある。
しかし、他人を介在させたほうが捜査機関の捜査活動
の妨げとなるおそれが強く、より刑事司法作用の適正を
害するといえるため、かかる見解は妥当でない。
思うに、犯人が自らを隠避させた場合に犯罪が成立し
ないのは、期待可能性を欠くからであり、他人を介在さ
せて隠避行為を行なった場合には、他人を犯罪に巻き込
むという認識がある以上、もはや期待可能性がないとは
いえないと考える。
したがって、甲に正犯として犯人隠避罪が成立しない
場合であっても、丙を介在させた以上、犯人隠避罪の教
唆犯は成立する。
ウ、では、甲に105条を準用して、刑の任意的免除をなしえ
ないか。
思うに、105条は、親族が犯人をかばうことは期待可能
性が減少するため、政策的に刑を免除しうる旨を定めた
規定である。
とすると、犯人が他人をして自己を隠避せしめた場合
であっても、期待可能性の減少は認められるから、同条
の準用を認めるべきである。
エ、したがって、甲には犯人隠避罪の教唆犯(103条、61
条1項)が成立するが、105条の準用により、刑は任意
的に免除される。
以上
コメント
1400字弱、3ページの半分くらいです。
あまり論点を見つけることができませんでした。
論点は全部拾っていると思います。
良く書けていると思いました。
平成6年憲法1の「土地収用」の問題は
29条3項を検討すればいいのであって
二重の基準とか規制目的二分論とかは
一切触れる必要ないよね。
29条3項で「公のために用いることができる」んだから
「公のために」に該当すれば、収用できることは当たり前なわけで。
過去問教材では、棟居のライブ憲法だけがそういってて、
それ以外はエンエンダラダラと規制目的が積極目的だの明白性だのを
垂れ流している答案ばかりだけど。
>>208 誤想防衛のところを確認したけど、やはりそのような見解はないね
だから、これだけでGをくらって致し方ないかも
この問題は相当性で斬るべきでしょう
>>210 偽証罪にあたらないのは当たり前なので、不要かもしれません
他方、この問題では、参考人として虚偽の供述をした点で証拠偽造罪
が成立しないかが一大論点となります。内容は、刑法の争点にもあるので確認してください
択一では良く聞かれるところですので
>>211 犯人隠避の教唆での
しかし、他人を介在させたほうが捜査機関の捜査活動
の妨げとなるおそれが強く、より刑事司法作用の適正を
害するといえるため、かかる見解は妥当でない。
というのはどうでしょうか。あまり聞かない批判です
単純に「期待可能性」としてますが、構成要件該当性の問題なので
「類型的な期待可能性」としたほうが良いでしょう
犯人隠避罪というのは、従犯が成立する大変珍しい、貴重(?)な犯罪です
(実務で従犯が起訴されることはほとんどありません)
総論における「正犯と従犯(共犯論)」も組み込めれば言うことなしでしょう
言い方を変えると、犯人隠避罪や偽証罪は
ある一定の人間は正犯になりえない
だから、検察側はどんなに工夫を凝らしても正犯としては訴追できない
よって、仕方なく、不本意ですが、従犯として起訴します、という犯罪
他の犯罪なら、訴追するなら共謀共同正犯です。
犯人隠避罪というのは共犯論のエキスがギュッと詰め込まれることになります
実は理由付け、責任共犯論ですよね。実務もそうです
だから、開き直って責任共犯論でいくのも一つの手です
>参考人として虚偽の供述をした点で証拠偽造罪が成立
>しないかが一大論点となります。
本問では供述調書が作成されていないので議論の余地が
あまりないと思いますよ。
220 :
氏名黙秘:05/02/27 21:27:50 ID:YfKGuCsm
>>219 供述調書の作成がなくても可罰だというのが有力説
不可罰が通説
作成があるかで分ける人は少数説
択一前なんだからこれくらいは押さえないと
>>216-217 誤想防衛、すみませんでした。
書いている最中はいい発想だと思ったのですが、悪しきひらめきというものでした。
自己満足に陥るのは合格したあとにします。
証拠偽造罪の論点は、択一でおなじみですが、論証に自信がありませんでした。
刑法の争点を今度読んで見ます。
論点が少ないので共犯理論にまで踏み込もうかと思ったのですが、各論の問題だったので避けました。
あっさりとでもふれてあると印象いいですよね。
このコメントはいい刺激になりました。
>>215 まだきちんと答案構成していませんが、
29-2の「公共の福祉」の内容
その範囲内の制約か
補償はいらないか
という3つが問題になるかと思いました。
なので、きちんと公共の福祉の範囲内かどうかを論じたほうがよいかと思います。
憲法は基本的なところに点数が振ってあるように思われますので。
私なら書いておくと思います。
さて、今日は民訴1問目を書いてみました。
(たっぷりご批判をいただけるとありがたいです。)
【民訴】 平成9年・第1問
原告の法律上および事実上の主張に対して被告がする陳述の態様とその効果について説明せよ。
一、法律上の主張とは、当事者の法律関係についての認識
ないし判断の報告をいい、事実上の主張とは、当事者の
事実の存否に関する認識ないし判断の報告をいう。
例えば、所有権に基づく土地明渡請求訴訟で、原告が
自分に係争土地の「所有権がある」と主張することが法
律上の主張であり、当事者間で所有権移転があったこと
を基礎づける「売買契約が締結された」と主張すること
が事実上の主張にあたる。
このように、法律上の主張を基礎づけるため、事実上
の主張がなされることになる。
そこで、先に事実上の主張について説明した上で、法
律上の主張について説明する。
二、事実上の主張について
1、民事訴訟においては、できるだけ自治的紛争解決に近
づけるために、事実の主張を当事者の責任かつ権能とす
る弁論主義が採用されている。そして、弁論主義の適用
される範囲は、訴訟物たる権利関係を直接基礎づける主
要事実について及び、裁判官の自由心証(247条)の妥当
する間接事実・補助事実については及ばない。
したがって、事実上の主張について、被告の陳述の態
様・効果が問題となるのは、弁論主義の妥当する主要事
実についてである。
2、以下、土地の売買契約を例にとって説明する。
ア、まず、原告が売買契約の成立を主張したのに対し、被
告がこれを否認した場合、原告は売買契約の成立を立証
しなければならないという効果が生じる。そして、原告
が立証に失敗した場合、契約の不成立を前提に判断され
ることになる(弁論主義の第3テーゼ)。
また、被告が売買契約の存在を知らない旨(不知)の
陳述をした場合、被告がその事実を争ったものと推定さ
れるため(159条2項)、原告は契約の存在を立証しなけ
ればならない。
イ、次に、原告が売買契約の成立を主張したのに対し、被
告がこれを認めた場合に、裁判上の自白(179条)が成立
し、原告は立証義務を免れるという効果が生じる。そし
て、裁判所は契約の成立を前提として判断することにな
る(弁論主義の第2テーゼ)。さらに、被告は原則として
かかる主張を撤回できないという効果も生じる(不撤回効)。
また、原告の主張に対し、被告がかかる事実を争うこ
とを明らかにしない場合(沈黙)も、弁論の全趣旨を考
慮した上で被告の自白を擬制できるため(159条1項)、
同様の効果が生じる。
ウ、これらに対し、当事者間に売買代金の受け渡しの事実
は、原告の所有権を間接的に推認する事実であるため、
原告の証明の問題や不撤回効は生じない。
3、このように、事実上の主張においては、主要事実につ
いて、被告の態様により原告・被告に対する効果が異な
っている。
三、法律上の主張について
法律関係の存否の判断は、裁判所の専権にあたる。
したがって、原告が法律上の主張をしても、被告はそ
れに応える義務もなく、被告が原告の主張を認める陳述
をしても、裁判所はそれに拘束されずに判断できるし、
被告は自由に撤回できるのが原則である。
もっとも、所有権といった日常的な法律用語について
は、被告が原告の主張を認める陳述をした場合、例外的
に自白の拘束力を及ぼすべきと考える(権利自白)。
四、このように、事実上の主張においては、被告の陳述の
態様により法的効果が異なるが、法律上の主張について
は原則として被告の陳述に法的効果が認められないとい
う違いがある。
以上
コメント
1400字弱、3ページの半分くらいです。
民訴の1行問題は書きにくいです。
よろしくお願いいたします。
問題
>>222 答案
>>223-224
>>225 ぱっと見ですが、ちょっと読みにくい
この問題、説明するのは@被告の陳述態様Aその効果なんです
「原告の法律上および事実上の主張」ではない。
すると、総論は、修飾の方しかなくて、問題の総論がない
これがまず読みにくい原因です。
また、項目立ても、修飾を中心においている
弁論主義も、総論がずれてる。被告側から見た弁論主義は
自らの態度で原告の立証の必要性を決められる点にあるんです
各論にはいるとこういうことが書いてありますが、ならば総論で書くべきでしょう
また、原告の主張に対し、被告がかかる事実を争うこ
とを明らかにしない場合(沈黙)も、弁論の全趣旨を考
慮した上で被告の自白を擬制できるため(159条1項)、
同様の効果が生じる。
も違う。本当に聞きたいこととはずれた論点でもあるかと
犠牲自白は、口頭弁論終結時を基準に自白が擬制されるはずです
自白の効果は不可撤回効と審判排除効ですが、前者は無い
むろん、時期に遅れたとして却下されますが、これは擬制自白の効果ではない
権利自白の話も少し少ないかと
あと、この問題の難しいのは
1 被告がする陳述の態様とその効果が問題であり
原告の法律上および事実上の主張は、その土俵を設定
論じる部分を制限する部分に過ぎない
2 実は、原告の法律上の主張と事実上の主張の違いが
問題の狙いで、その方法として被告の陳述と効果を論じさせる
形式上問題とされる部分は、試験委員の聞きたい部分を炙り出させる
そこへたどり着かせる道具ということ
の二つの読み方ができることかな
個人的には、素直に問題を読んで1だと思う
その場合、さまざまな被告の様態とその効果を論じるべき
>>226 確かに、出だしの部分は問いから離れてしまっています。
構成としては、法律上の主張と事実上の主張をいきなり分けて論じたほうが読みやすかったかもしれません。
権利自白はもう少し論じてもよかったかなと思います。
長くなりすぎるのが怖かったので、逃げました。
弁論主義の話は、うまく組み込むことができなかったため、後だしになりました。
このところはしっかりと参考答案でも読んで、見やすい構成を作っておきます。
>>227 法律上の主張と事実上の主張の違いを書ければよかったのですが、まとまりませんでした。
難しいです、この問題。
ありがとうございました。
さて、体調のせいで2日ほどお休みさせていただきましたが、今日は民訴2問目を欠いてみました。
【民訴】 平成9年・第2問
甲は、乙の不法行為により2,000万円の損害が発生した
と主張し、そのうち500万円の支払を求める訴えを提起し
た。乙は、甲の主張を争い、請求棄却の判決を求めた。裁
判所は、因果関係が認められないとの理由で、甲の請求を
棄却した。
甲は、この判決確定後に残額1,500万円の支払を求める訴
えを提起した。この場合における訴訟法上の問題点を論ぜよ。
一、甲は、前訴で不法行為に基づく損害賠償請求として20
00万円の内500万円を乙に対して請求したが、棄却され、
判決が確定している。
そこで、甲が後訴で残額の1500万円につき乙に請求す
ることは、既判力(114条1項)により遮断されないか。
前訴判決の既判力がいかなる範囲に生じるか問題となる。
二
1、ここで、既判力とは確定判決に生じる通用力をいい、
訴訟物たる権利関係について生じる。そこで、一部請求
における訴訟物が何かを明らかにする必要がある。
2、この点、原告が債権の一部について請求することは、
処分権主義(247条)から認められる。そして、原告が一
部についてのみ請求する意思であったのだから、一部請
求における訴訟物は請求部分であると考える。
もっとも、このように考えると被告が再度の応訴を負
担せねばならず、被告にとっての負担が大きい。
そこで、被告に反訴(146条)の機会を与えるべく、訴
訟物が請求部分に限られるためには、原告は一部である
ことを明示する必要があると考える。
3、本問では、事情は明らかではないが、甲が一部の請求
であることを明示していた場合、訴訟物は500万円であり、
既判力は500万円について生じる。
他方、甲が前訴で一部の請求であることを明示してい
なかった場合、訴訟物は2000万円全額であり、既判力は
全額についてについて生じる。
三、では、既判力が500万円について生じた場合、甲の後訴
は適法といえるか。
思うに、一部請求の訴訟物は請求部分であるが、審理
の過程で請求全部について審理がなされたといえる。そ
して、審理の結果、請求権自体が存在しないとして、請
求棄却判決が下されたのであるから、後訴で残部請求を
認めることは紛争の実質的な蒸し返しに等しい。
そこで、裁判所の労力や被告の応訴の負担を考え、一
部請求における請求棄却判決の場合、信義則(2条)上、
残部についても既判力を拡張すべきであると考える。
本問で、甲の前訴請求は棄却されているのだから、残
部の1500万円についても既判力を拡張して考えるべきで
ある。
四、このように、甲の後訴請求は既判力により遮断される
ことになり、後訴は不適法として認められず、裁判所は
請求棄却判決を下すべきであると考える。
以上
コメント
900時程度、2ページ目の半分くらいです。
一部請求の反対説に触れるのは避けました。
かなり短い気ため、論点を落としているのではないか疑問です。
おう
235 :
234:05/03/03 01:03:59 ID:???
セックス!
@@@
237 :
氏名黙秘:05/03/03 18:16:51 ID:ThDG4Rs5
今年初めて、受験しますが、択一・論文・口述過去問
に条文問題集、法律用語問題集で突撃予定です
市販の問題集やらんでもOKですかね?
コメントがないみたいです。
お休みしたせいで忘れ去られていないか、不安です。
>>237 落ちてしまった私はコメントしようがありません。
他の方が応えていただけるのを待ちます。
さて、今日は刑訴の1問目をかいてみました。
【刑訴】 平成9年・第1問
警察官が、暴力団員同士の乱闘事件による傷害の準現行
犯人として甲を公道上で逮捕した後、自動車で約3キロメ
ートル離れた警察署に連行し、逮捕から約1時間後に同警
察署において、甲の身体およびその携帯していたバッグを
捜索することは許されるか。
一、警察官が、甲の身体及び携帯していたバッグを無令状
で捜索することが許されるためには、緊急捜索差押(22
0条1項2号)にあたる必要がある。
もっとも、緊急逮捕は「逮捕の現場」でのみ行なうこ
とができる。
そこで、準現行犯逮捕をした場所から3キロメートル離
れた警察署において、逮捕から1時間後に捜索することは、
「逮捕の現場」といえるか、緊急捜索差押の法的性質と
関わり問題となる。
二、思うに、捜索差押は裁判官が事前に発付する令状によ
らなければ認められないのが原則であり(令状主義、21
8条)、これを潜脱するような捜索差押を認めることは、
対象者の権利を過度に侵害することになりかねない。
そのため、緊急捜索差押が認められる場合は、できる
だけ狭く考える必要があり、逮捕を完遂させるために必
要な範囲でのみ捜索差押をなしうるとする緊急処分説が
妥当であると考える。
すなわち、被疑者が凶器等を持っているおそれがあり、
被疑者の抵抗により逮捕を完遂できない事態を回避する
ため、法は逮捕者の身体の安全を図り、逮捕を完遂させ
るために令状主義の例外として緊急捜索差押を認めたも
のと考える。
三、では、「逮捕の現場」とはいかに解するべきか。
思うに、緊急捜索差押が逮捕を完遂させるために認め
られているのだから、「逮捕の現場」とは、被疑者を逮
捕しようとしている場所をいうと考える。
そうすると、逮捕された後には、もはや逮捕行為が完
遂されているといえ、緊急捜索差押を認める必要はない
とも思える。
しかし、逮捕が行なわれても、捜査機関が完全に被疑
者の身柄を保全したといえない場合も考えられるし、逮
捕はしたが、その後被疑者に逃亡されてしまえば逮捕の
目的を達することはできなくなってしまう。
そこで、必ずしも逮捕したその時点でなくとも、被疑
者の身柄を完全に保全するまでの間、すなわち逮捕行為
から時間的・場所的に近接している範囲においては、な
お「逮捕の現場」といえ、緊急捜索差押が認められると
考えるべきである。
四、本問において、逮捕したのが逃亡しやすく一般人の混
乱を招きやすい公道上であること、連行した場所が3キロ
メートル程度離れた警察署であることに鑑みると、場所
的に近接しているといえる。また、逮捕から1時間経過し
たに過ぎないのだから、いまだ被疑者の身柄を完全に保
全しているとはいえず、時間的近接性も認められる。
したがって、本問においてはなお「逮捕の現場」とい
える。
よって、緊急捜索差押として、警察官は甲の身体及び
携帯していたバッグを捜索することができる。
以上
コメント
1000時程度、2ページの後半です。
書くことが少ないので、自分の言葉で膨らませてみました。
バッグについては、携帯している物であることから、特に論点として展開する必要もないだろうと判断しました。
よろしくお願いいたします。
問題
>>239 答案
>>240-241
243 :
237:05/03/03 20:17:22 ID:ThDG4Rs5
すいません。大谷さんは過去問しかやらずに
失敗した経験があるんですか?
>237
過去問しかやらずに受かった人はいる。
良すれ
220条を緊急捜索差押と表現する説はあるの?
緊急処分説の論証も足りない。
証拠隠滅・逃亡防止も入ったはず。
>これを潜脱するような捜索差押を認めることは、
>対象者の権利を過度に侵害することになりかねない。
論証が抽象的過ぎる。何の権利がどう侵害される?
>逮捕から1時間後に捜索することは、「逮捕の現場」といえるか、
>では、「逮捕の現場」とはいかに解するべきか。
こういう二重の問題提起は避けたい。
逮捕したのが逃亡しやすく一般人の混
乱を招きやすい公道上であること、連行した場所が3キロ
メートル程度離れた警察署であることに鑑みると、場所
的に近接しているといえる。
よく読み返してほしい。文章が全く論理的でない。
逮捕から1時間経過し
たに過ぎないのだから、いまだ被疑者の身柄を完全に保
全しているとはいえず、時間的近接性も認められる。
この文章もよく意味が分からない。身柄を完全に保全って何でしょう?
1時間あれば歩いても4キロは進むよ。そこをよく考えてあてはめよう。
とりあえず自分と被疑者を手錠ではめちゃえば逃げることはできないんじゃないの?
どうも的が外れてるように思われる。
次民訴ね。
原告が債権の一部について請求することは、
処分権主義(247条)から認められる。そして、原告が一
部についてのみ請求する意思であったのだから、一部請
求における訴訟物は請求部分であると考える。
こういう論証ではないはず。原告が一部について請求する意思でも,訴訟物の分断まで認めていいかが問題。
実体法上,債権の一部行使も認められているから,
処分権主義が妥当する訴訟上も一部請求を認めようという議論だ。
あと,試験訴訟も。
本問は論点が少ないし,反対説も有力なところだから理由はしっかり書きたい。
本問では、事情は明らかではないが、甲が一部の請求
であることを明示していた場合、訴訟物は500万円であり、
既判力は500万円について生じる。
本当に本問では事情は明らかでない?
一部を明示したと読むのが普通じゃないのかね?
一部請求の訴訟物は請求部分であるが、審理
の過程で請求全部について審理がなされたといえる。
ここは請求棄却判決であることの指摘が必要。
請求認容判決なら請求全部について審理されたとはいえないだろうね。
信義則(2条)上、
残部についても既判力を拡張すべきであると考える。
よく知らないが,こういう説はあるのかね?
既判力が500万円について生じた
と先に言ったことと矛盾しない?
後訴は不適法として認められず、裁判所は
請求棄却判決を下すべきであると考える。
もし不適法なら訴え却下じゃないの?
全体的に,考える勉強が不足してるね。
知識をむやみに増やそうとしてよく分からないまま詰め込んでない?
なぜこうなるのか,どうしてなのか,
具体的にはどうなるのか,他の原理原則とどう関連してくるのか,などなど。
ちゃんと自分の頭で深く正確に理解するように心がけましょう。
適当な論述は読む人が読めばすぐバレます。
たくさんのコメント、ありがとうございました。
>>243 いえ、過去問をやらずに失敗しています。
過去問だけで合格できるかという点についてはコメントのしようがないのです。
すみません。
>>246 誤記です。
そのような記述は確実にだめですね。
反省します。
>>247-249 混乱していました。
問題を見て、何とかなりそうと一瞬思ったのですが、答案にうまく表現できませんでした。
緊急処分説の該当部分についての論証が不十分ですね。
よく見ておきます。
>>250 一部請求自体が認められることは争いがないというように習いました。
だから、「そもそも一部請求ができるか」、ではなく、「一部請求の訴訟物は何か」
という問題提起にしろというように指導されたのですが。
それでも一部請求が認められるか、書いたほうがよいのでしょうか。
>>251 一部であることを明示していたか明らかか分からなくなりましたので、触れておきました。
余計な主観は答案に入れたくなかったもので。
「請求棄却判決」の場合に、全体について審理が及んでいる、という指摘が抜けてました。
そうじゃないと、前提部分がずれてくるので、おかしくなってしまいますよね。
細かい表現に気を配りつつ論証していかなければなりませんね。
>>252 自説のような学説ってありませんでしたっけ。
争点効を否定して、既判力説、という流れがメジャーの気がするのですが。
>>253 既判力の遮断効の問題であれば、請求棄却になるのではないでしょうか。
もっとも、あれは時的限界の話でしたので、本問のように請求債権自体が前訴で否定された場合は別に考える必要があるかもしれません。
棄却か却下か少し迷いました。
どちらがよろしいでしょうか。
>>254 実際に書いてみて、詰まるところが多く、痛感しています。
もっと書いて、理解を身に着けたいと思います。
よろしくお願いいたします。
【刑訴】 平成9年・第2問
甲に対する殺人被告事件において、乙が、「甲が殺す
のを見た」と丙に語った旨の丙の検察官面前調書は、ど
のような場合に証拠能力が認められるか。それぞれの場
合の要件について述べよ。
一、証拠能力とは、証拠として用いるための一般的資格を
いい、犯罪事実の実質証拠に用いる場合、厳格な証明(
証拠裁判主義、317条)が要求される。
そして、丙の供述は裁判官の反対尋問を経ていない供
述証拠にあたり、伝聞証拠として原則として法律的関連
性が否定され、証拠能力が認められないのが原則である
(320条)。
なぜなら、供述は、知覚・記憶・叙述の各過程を経て
公判廷に顕出されるところ、各過程に誤りが介在してい
るか反対尋問によるチェックができず、供述内容の真実
性が吟味できないからである。
もっとも、伝聞証拠であっても、被告人の同意がある
場合(236条1項)、伝聞例外に当たる場合(321条以下)
には、例外的に証拠能力が認められる。
二、ただ、本問では乙が丙に話した内容を、検察官が録取
するという二重の意味で伝聞性が含まれている。
そこで、本問供述は再伝聞証拠に当たり、伝聞例外と
しても証拠能力が認められないのではないかが問題とな
る。
1、この点、伝聞証拠に証拠能力が原則として認められな
い趣旨が、内容の真実性を吟味できないということにあ
ることから、伝聞証拠に当たるかどうかは、供述内容の
真実性が問題となる場合かどうかで区別される。
そして、乙が丙に対して供述した「甲が殺すのを見た
」という供述の存在そのものを立証方法として用いる場
合、乙の供述の内容の真実性は問題とならず、再伝聞証
拠には当たらない。
2、したがって、この場合は、丙の供述部分に伝聞例外の
要件が充足されていれば足りる。
3、他方、乙が実際に甲の殺害を目撃したかどうか、とい
う乙の供述内容の真実性が問題となる場合、再伝聞証拠
に当たることとなる。
この場合、二重の意味で伝聞性が含まれているため、
そもそも証拠能力が否定されるとする見解もある。
しかし、伝聞例外が、証拠とすることの必要性と供述
情況の信用性という厳格な要件の下で認められているこ
とに鑑みると、再伝聞証拠であっても証拠とすることの
必要性が高く、供述情況の信用性が認められる場合があ
り、証拠能力を一律に否定するのは妥当でない。
そこで、各伝聞過程に伝聞例外の要件が充足されてい
れば、証拠能力を認めるべきである。
4、したがって、乙、丙の各供述過程に伝聞例外の要件が
充足されていれば、証拠能力が認められることになる。
三、では、いかなる場合に伝聞例外の要件を充足するか。
1、まず、丙の供述は検察官が録取したものであるから、
321条1項2号の要件を満たす必要がある。
ここで、321条1項2号は、供述不能と相反供述である場
合を規定する。
そして、供述不能の列挙事由は例示列挙であり、必ずし
も列挙事由に該当しなくとも比較的継続して供述を得られ
ない場合であれば、供述不能に含めて解することができる。
そして、条文上は後段の相反供述の場合にのみ特信情況
を要求しているが、訴訟の一方当事者である検察官の面前
での供述であることに鑑み、前段の供述不能の場合にも特
信情況が必要であると考える。
したがって、丙を証人尋問して証言を得られない場合や
丙が相反供述をした場合であって、検面調書に特信情況が
認められる場合には、丙の供述部分について伝聞例外の要
件を満たす。
2、次に、乙の供述部分に伝聞性が認められる場合、321条1
項3号の要件を満たす必要がある。
そこで、乙を証人尋問して供述を得られない場合であり、
特信情況が認められる場合には、乙の供述部分について伝
聞例外の要件を満たす。
四、以上より、被告人の同意が得られない場合に検面調書に
証拠能力が認められるためには、丙の供述部分に321条1項
2号の要件が満たされ、乙の供述内容の真実性が問題となる
場合には、さらに乙の供述部分に321条1項3号の要件が充足
される必要がある。
以上
コメント
1500字程度、3ページの後半くらいです。
一気に書き流しました。
要件のところは少し省略しつつ、全体のバランスを考慮しました。
よろしくお願いいたします。
問題
>>258 答案
>>259-261
>>257 一部請求は,問題提起はそれで合ってる。
そうじゃなくて,問題は理由付けね。
>一部であることを明示していたか明らかか分からなくなりましたので、触れておきました。
普通の判断ならそれでいいけど,
本問の問題文には,2,000万円の損害が発生したと主張し、・・・訴えを提起した,
ってあるからね。
どう読むのが自然か,よく考えてみて。
>争点効を否定して、既判力説、という流れがメジャーの気がするのですが。
主観的範囲(反射効→既判力拡張)と勘違いしてない?
請求棄却か訴え却下かだけど,
売買代金請求訴訟なら,請求棄却後に期限が到来してその後に請求認容がありうるからね。
基準時後の事由を検討する必要はあるけど,
不法行為に基づく損害賠償請求権が否定されたらそれ以上はなさそうだね。
どっちが答えかは分からない。よく考えてみて。
いずれにせよ,どっちなのかよく分からないような表現はよくない。
> 裁判官の反対尋問
面前での
> 伝聞証拠として原則として法律的関連
> 性が否定され、証拠能力が認められないのが原則
原則重複
> なぜなら、供述は、知覚・記憶・叙述の各過程を経て
> 公判廷に顕出されるところ、各過程に誤りが介在してい
> るか反対尋問によるチェックができず、供述内容の真実
> 性が吟味できないからである。
厳密さに欠ける
主語と述語の対応にも難
> もっとも、伝聞証拠であっても、被告人の同意がある
> 場合(236条1項)、伝聞例外に当たる場合(321条以下)
> には、例外的に証拠能力が認められる。
326を例外と位置づけるのはどうなんだろうね
> そこで、本問供述は再伝聞証拠に当たり、伝聞例外と
> しても証拠能力が認められないのではないかが問題とな
> る。
これも日本語がおかしい
再伝聞だから伝聞性が重畳しており、その各々についての検討を要する訳でしょ
全体として知ってることをバラバラに継ぎ合わせたような感じが否めない
むしろ日本語の力がせっかくの法律の勉強の成果の足を引っ張っている
えらそうなこと言ってスマソ
甲に対する殺人被告事件において
乙が丙に対して供述した「甲が殺すのを見た」
という供述の存在そのものを立証方法として用いる場合
何を証明するのですか?
非伝聞で論じてくれということだと思います。
乙→丙は書面じゃないから324条1項も引用する必要があります。
>既判力の遮断効の問題であれば、請求棄却になる
このように考えるのなら訴え提起自体は適法。
@丙が供述したこと自体を問題とする場合
A乙が供述したこと自体を問題とする場合
B乙の供述内容の真実性を問題とする場合
があると思うけど、@が抜けてる。
弾劾証拠の場合が抜けてる。
同意がある場合も証拠能力が認められる場合
の一つだから要件をしっかり書くべきです。
あとはまあまあ。
「再伝聞の問題」って頭から決めてるので論点落しをし
てるような気がします。
もっと問題文を大切にした方がいいと思います。
過去問を検討する大きな理由なんですから・・・
頑張って下さい。
>>263 一部請求の理由付けの部分でしたか。
「処分権主義から、当事者の意思を可及的に尊重すべき」
という理由付けならよいですよね。
確かに一部であることを明示していると読むのが素直です。
でも、答案を作るときには不安になってしまいました。
こういうとき、本試験だったら、やはり念のため触れていたほうがよいでしょうか。
その他のところは、もう少し検討してみます。
ありがとうございました。
刑訴について、細かいコメントをありがとうございます。
>>264 確かに、日本語が雑です。
注意して書かないといけないですね。
原則の重ね論述はよくないですし、主語と述語の対応も注意しないとだめですね。
再伝聞の一般的な流れも含めて、参考答案を検討しておきます。
>>265 存在自体を立証する場合とはどういう場合かについては、具体例は考えていませんでした。
今考えてみても、思いつきませんです。
324条については、落としてしまった自分が情けないです。
細かいところで差がつきますし、注意しないといけませんね。
>>266 丙の供述の存在を立証する場合というのは考えにくいかと思い、省略してしまったのですが。
こういう問題は、考えられる方策をすべて検討したほうがよいのでしょうか。
どうも刑訴は今一納得のいける答案がかけません。
答案作成される際に注意すべき点をご教授いただければと思います。
さて、今日は12年の憲法を書いてみました。
【憲法】 平成12年・第1問
学校教育法等の規定によれば、私立の幼稚園の設置には都
道府県知事の認可を受けなければならないとされている。
学校法人Aは、X県Y市に幼稚園を設置する計画を立て、
X県知事に対してその認可を申請した。X県知事は、幼稚園
が新設されると周辺の幼稚園との間で過当競争が生じて経営
基盤が不安定になり、そのため、教育水準の低下を招き、ま
た、既存の幼稚園が休廃園に追い込まれて入園希望児及びそ
の保護者の選択の幅を狭めるおそれがあるとして、学校法人
Aの計画を認可しない旨の処分をした。
この事例における憲法上の問題点について論ぜよ。
一、学校法人Aが学校教育法等の規定に基づきX県知事に
幼稚園の新設を申請したところ、知事から認可しないと
の処分を下されている。
そこで、このような知事の処分は、Aの職業選択の自
由(22条1項)を侵害し、違憲とならないか、問題となる。
二
1、この点、Aが人権享有主体たりうるかという問題があ
るが、Aは団体として社会生活において実体を伴って行
動しているのだから、性質上可能な限り人権の保障を及
ぼすべきと考える。
そして、職業選択の自由は、団体が性質上共有し得な
い性質のものではなく、A団体にも保障されると考える。
ここで、幼稚園の設立も、幼稚園の経営を選択すると
いう点で、職業選択の自由の一内容に含まれる。
2、もっとも、このようにAに職業選択の自由が保障され
るとしても、それは絶対無制約なものではなく、公共の
福祉(13条、22条1項)による制約を受ける。
そして、職業選択の自由のような経済的自由権に対し
ては、他の人権との衝突を防止するための消極目的に基
づく制約に加え、資本主義社会の矛盾を是正するための
積極目的に基づく制約も許容されるものと考える。
なぜなら、22条1項が13条とは別に「公共の福祉」を再
現していることに鑑みて、特別の意味を持たせるべきだか
らである。
3、では、いかなる制約が許容されるか。
この点、経済的自由権が精神的自由権と異なり侵害さ
れても民主制の過程で回復可能であることに鑑み、制約
に対しては合憲の推定が及ぶと解する。
そして、消極目的規制の場合、裁判所の判断能力が認
められることから、厳格な合理性の基準を用いて判断す
べきであり、積極目的規制の場合、裁量的判断が尊重さ
れるべきであるから、明白性の原則を用いて判断すべき
である。
もっとも、積極・消極両目的が混在する制約に対して
は、これらの基準を形式的に当てはめることができない
ため、主たる目的が積極目的、消極目的のいずれにある
かにより判断すべきであると考える。
三
1、この点、本問知事が不認可処分をしたことの目的は、
過当競争から既存幼稚園の経営を保護することにより、
教育水準を確保し、入園希望児及び保護者の選択の範囲
を確保することにある。
このような目的は、経済的弱者である既存幼稚園の経
営者を保護するという積極目的と、教育水準の確保等児
童及び保護者の教育の自由(26条)を確保するという消
極目的とが混在しているといえる。
そこで、いずれが主たる目的かを判断するに、本問処
分が第1次的に既存幼稚園の経営者を保護することにある
から、積極目的が主たる目的であると考える。
したがって、明白性の原則を用いて判断する。
2、ここで、明白性の原則とは、@目的が合理的でないこ
とが明らかでなく、A目的と手段との間に合理性が認め
られないことが明らかでない場合には、合憲性が認めら
れるものである。
本問では、@既存幼稚園の経営を保護することにあり、
目的が不合理であることが明白とはいえない。
そして、Aかかる目的達成のため、新しく幼稚園経営
に参入しようとするAに対して、不認可処分を下すこと
も、幼稚園経営者が増えることにより既存幼稚園の経営
を圧迫するおそれがあることから、不合理な手段とはい
えない。
したがって、本問処分は22条1項に反しない。
以上
コメント
1400字弱、3ページの前半です。
認可制の合憲性について触れたほうがよいかとも思いま
したが、問題文から認可制を定める条文趣旨が読み取れな
かったので、触れませんでした。
あてはめはあっさりしてしまいましたが、目的の認定を
丁寧にしたつもりです。
一見してあてはめ薄すぎ。
やばいと思います。
>>268 >>258 この問題は非常に素晴らしい問題だとは思います
伝聞法則の話が全部詰まってる。何度も繰り返すのが良いでしょう
で、批評については
>>264から
>>266にあるので、付け加える形で
この問題、伝聞法則を中心に考えるとドツボにはまります
中心に考えるべき(それは伝聞法則共通)は
>>266のように
誰の供述内容における、何が問題となっているか、です
「丙の供述の存在を立証する場合」というのは
丙が、公判廷で「甲が殺すのを見ていない」とか証言したときです
場合によっては、丙が、甲側の証人として「甲は殺してない」という場合もある
さらには、丙が「乙が殺した」と証言する可能性もある
弾劾証拠ですね。これについては出せるかという点も論点ですから
落としたらまずいです。324条を落としたのを悔やんでますが
個々でつまずいているからです
276 :
氏名黙秘:05/03/06 00:22:40 ID:S3DmQKom
職業選択の自由か?
>>269もいい問題です
ところで一、の
学校法人Aが学校教育法等の規定に基づきX県知事に
幼稚園の新設を申請したところ、知事から認可しないと
の処分を下されている。
はどんな意味があるのでしょう?自分は、全く意味が無いと思います
このような知事の処分は、Aの職業選択の自由(22条1項)を侵害し
とありますが、なぜですか?実は前の文章と繋がってない。
長々と書いてありますが、なぜ、侵害するか、一番肝心な部分が
完全に抜けています。点にならないのが、いきなり書いてある点で印象も悪い
おまえは印象が悪い。以上。
>>275 ありがとうございます。
しっかり場合を分けて、整理しきってから論じることを心がけます。
論点落しというより、答案構成段階での整理が不十分なのですね。
>>274,
>>277 問題提起で困ったら、おうむ返しをすることにしています。
今回は、出だしが今一不明でしたので、繰り返しました。
もっとうまく書けるといいのですが、難しいです。
どうやって問題提起されるか、参考までにご教授いただけたら幸いです。
22条1項の話を先出ししたのは、予測可能性を与えるためです。
幼稚園を設立する自由を侵害するものではないか
↓
幼稚園を経営することも職業選択の自由に含まれる
↓
法人にも人権享有主体性が認められる
↓
22条1項に反さないか、問題となる
とすると、問題を出すまでに長くなりすぎる気がするのですが。
どうでしょうか。
ご意見を伺いたく思います。
さて、今日は2問目を書いてみました。
テーマは、ともかく短く書くことです。
【憲法】 平成12年・第2問
最高裁判所の規則制定権と国会の法律制定権の競合関係について、議院の規則制定権と国会の法律制定権の競合関係と対比しつつ、論ぜよ。
一、最高裁判所は、訴訟に関する手続、弁護士、裁判所の
内部規律及び司法事務処理に関する事項について、規則
制定権を有する(77条1項)。
他方、国会には法律制定権が認められている(41条)。
ここで、そもそも両者に競合関係が認められるか、法
律制定権の範囲が問題となる。
二、この点、41条の「立法」は、実質的意味の立法、すな
わち一般的抽象適法規範の定立を意味すると考える。
したがって、訴訟に関する手続等最高裁判所の規則制
定事項であっても、国会が立法することは可能であると
考える。
そこで、両者には競合関係が認められるといえる。
例えば、国会が民事訴訟法を制定し、最高裁判所が民
事訴訟規則を制定するような場合が挙げられる。
三、では、このように、両者に競合関係が認められた場合、
いずれが優先するか。
この点、権力分立の観点から、最高裁判所に規則制定
権が認められた趣旨を重視すれば、最高裁判所規則が優
先するということになろう。
しかし、裁判所は民主的基盤を有さない機関であり、
他方国会は国民の代表(43条)たる議員により構成され
る機関である。
そうであれば、治者と被治者の自同性を確保し、もっ
て国民の権利義務を可及的に保護すべく、国会に立法権
を独占させた憲法の趣旨から、両者が競合する場合、国
会の法律が優先すると考えるべきである。
四、他方、両議院には規則制定権が認められており(58条
2項)、この場合も法律との競合関係が問題となる。
もっとも、議院規則の場合、各議院が国民の代表者た
る国会議員により構成されているため、民主的基盤を有
するという点で、最高裁判所の場合と大きく異なる。
そして、この場合、憲法が議院に規則制定権を与え独
立性を付与し、二院制、民意の多角的反映を図ろうとし
た趣旨から、議院の規則制定権が優先すると考える。
五、このように、法律と最高裁判所規則、議院規則との間
に競合関係が生じうるが、最高裁判所は民主的基盤を有
さないのに対し、議院は民主的基盤を有するという違い
から、法律は最高裁判所規則に優先するが、議員規則に
劣位するという関係に立つ。
以上
コメント
900字程度、2ページの後半です。
短くても筋のすっきりした答案を心がけました。
最高裁判所規則と議院規則の違いにウエイトを置いた論述を心がけました。
よろしくお願いいたします。
問題
>>280 答案
>>281-282
問題提起はオウム返しはしなくてもいいと思います。
端的に「〜が問題となる」でいいと思います。
一問目に関しては、砂糖・葦辺いずれにせよ「国会が摘示した
立法事実をうのみにしてはならない」として薬事法の事例を
あげています。本問はまさにこの立法事実の主張は適切でな
いと書かせたかった問題だと思いますので当てはめがいまい
ちだと思います。
2問目ですが、
@競合の範囲については議論があるところですので書いた方が
いいかもしれません。
@4つの事項
A31条との関係で刑事手続を規則で制定できるか?
など
A法律が裁判所の規則に優位するとしても、規則を尊重する運用の
確立が求められる・・・とか書いた方がいいと思います。
特段嘘はないと思いますが、論点が少ない問題ですので書き負ける
可能性が高いと思います。
そうそう,短くすりゃいいってもんじゃないよ。
内容を落としたら評価も落ちる。
憲法に関しては、論点に触れた数より、筋を重視した方がいいと思うよ。
特にこの問題は、制定「権」の優劣を聞いているだけで、
制定「事項」とかは少なくとも明示的には聞かれていない。
もちろんできるだけ多くの論点に触れつつ、筋の通った答案がかければベストだろうが、
大谷さんの答案でも十分A取れると思う。
>>284-286 確かに論点の論証として書き負けていると思います。
ただ、問題が直接聞いていないところなので、短く書く方が印象がいいかと思いました。
学説上争いが多いところですから、もう少し丁寧に競合関係を述べたほうがよかったかもしれません。
>A法律が裁判所の規則に優位するとしても、規則を尊重する運用の確立が求められる
これはいい表現ですね。
こういう一言は光りますね。
参考にします。
筋を通した答案のつもりですが、
>>286さん以外の評価はどうなのか、よろしければお教えください。
今日は、民法を書いてみました。
【民法】 平成12年・第1問
Aは、画商Bから著名な画家Cの署名入りの絵画(以下
「本件絵画」という。)を代金2,000万円で買い受け、代金
全額を支払って、その引渡しを受けた。当時、ABは、本
件絵画をCの真作と思っており、代金額も、本件絵画がC
の真作であれば、通常の取引価格相当額であった。Aは、
自宅の改造工事のために、画廊を経営するDに対し、報酬
1日当たり1万円、期間50日間との約定で、本件絵画の保
管を依頼し、報酬50万円を前払して、本件絵画を引き渡し
た。その後、本件絵画がCの真作を模倣した偽物であって
100万円程度の価値しかないことが判明したので、AがBに
対し、本件絵画の引取りと代金の返還を求めて交渉してい
たところ、本件絵画は、Dへの引渡後20日目に、隣家か
らの出火による延焼によって画廊とともに焼失した。
以上の事案におけるAB間及びAD間の法律関係につい
て論ぜよ。
一、AD間の法律関係について
1、AはDに絵画が消失したことに対して損害賠償を請求す
ることが考えられる。
この点、AはDに対して報酬の支払を対価とする寄託契
約(657条)を締結している。そして、有償寄託契約にお
いては、受寄者は善管注意義務を負う(400条)。
しかし、絵画の消失は隣家からの出火によるものであ
り、Dに過失が認められないため、善管注意義務違反を理
由として債務不履行に基づく損害賠償請求(415条)をす
ることはできない。
また、Dには過失がないことから、不法行為に基づく損
害賠償請求(709条)もできない。
2、では、寄託契約の目的物が滅失したことにより、寄託
契約が終了したとして、AはDに支払った報酬の返還を請
求できないか。
この点、Dの責めによらずに履行が終了したのだから、
Dは履行した割合に応じて報酬受領権を有する(665条、
648条3項)。他方、履行の終了していない部分について、
Dは報酬受領権を有さない。
本問では、1日当たり1万円との約定の下、AはDに50万
円を支払っているが、Dが保管を開始してから20日目に絵
画が滅失している。
そこで、20万円についてDは報酬受領権を有するが、残
額の30万円については報酬受領権を有さず、Dは法律上の
原因なく30万円を利得しているといえる。
したがって、AはDに対して30万円につき不当利得返還
請求(703条)することができる。
二、AB間の関係について
1、Aが購入した絵画がCの真作を模倣した偽者であったこ
とから、錯誤無効(95条)を主張して、Bに対して支払った
2000万円の返還を求めることができないか。
2、この点、Aには当該絵画を買うことについて錯誤はなく、
動機に錯誤があるに過ぎない。そこで、動機に錯誤があ
る場合に錯誤無効が主張できるか問題となる。
思うに、錯誤の大半が動機の錯誤であることに鑑み、
表意者保護のため、動機に錯誤がある場合にも要素の錯
誤である限り錯誤無効の主張を認めるべきである。
もっとも、常に錯誤無効の主張を認めるのは、動機を
知りえなかった相手方当事者の取引安全を害する。
そこで、動機が明示または黙示に表示された場合に限
り、錯誤無効の主張を認めるべきと考える。
3、本問では、Bは画商であり、通常は真作を売り渡すと期
待するのが通常人の合理的意思に合致するし、売買代金
も2000万円と高額であり、Cの真作であれば通常の取引相
当額であったといえる。
そこで、AはCの真作を購入することを黙示に表示して
いたといえる。
そして、偽者であればAは本問絵画を購入しなかったで
あろうから、要素に関する錯誤があるといえる。
したがって、Aは錯誤無効を主張しうる。
もっとも、Bは2000万円を受領したことの代わりに100
万円相当の絵画を失っている。
そこで、AはBに対して1900万円の不当利得返還請求な
しうるにとどまる。
4、では、AがDに寄託したことにより失った20万円につき、
Bに対して損害賠償を請求しえないか。
思うに、Bが画商であったことに鑑みると、偽者を売
却したことにつき過失を認めることができる。
したがって、AはBに対し、過失による不法行為責任を
追求できる。
そして、絵画の保管は、通常湿気や温度の調整など特
別な管理が必要であることから、Aが保管のために絵画を
寄託することも予見しうる。
したがって、AはDに支払った20万円につき、Bに対して
損害賠償請求なしうる。
以上
コメント
1400字程度、3ページの半分くらいです。
Bに不法行為責任を認めてよいか迷いました。
構成としては、AがBに2000万円全額の返還を請求できるとも考えられたのですが、あまりにBに酷なので避けました。
全体的に要件を丁寧に検討しました。
よろしくお願いいたします。
問題
>>288 答案
>>289-291
AD間は特に問題ないと思います。
AB間の100万円の価値返還に関しては完全に論点落ちです。
類型論にしたがって、危険負担(的)に処理するのが一般的だ
と思います。
その他はよく書けていると思いますが、どこかの再現答案(永山だ
ったかな〜)で、同じように100万円を適当に(確か信義則だっ
たと思います)処理してGを食らっていた答案があったと思います。
したがって評価はわかりません。
>>293 コメントありがとうございます。
錯誤無効に基づく返還請求(不当利得)の中で、100万円について考慮しています。
その段階で危険負担(この場合だと536条1項でしょうか)に触れるべきでしょうか。
それとも、別に分けてBの請求として論じたほうがよいでしょうか。
流れを壊しそうだったので、触れることを避けましたが、うまい方法がありましたらご教授いただければと思います。
>>279 問題提起ですが
>>269の問題、自分なら
「学校法人Aは、不許可処分を受けたことで、幼稚園の営業が不可能となっている
そこで、かかる処分は営業の自由への不当な制約として、違憲でないか問題となる」
にします。迷ったら
「本件処分は、22条1項に対する相当な制約として合憲か」で済まします
そのうえで、法人の享有主体性、営業の自由の人権性、そして本題の制約性になだれ込みます
文頭の問題提起は、文末の結論と対応していれば最低限OKです
>>287 >>280の自分の意見ですが、ライバル(合格を争う人々)ならば
大谷さんの筋は書いてくると思います
そして、採点する側として、あっさりしすぎた答案は加点することができない
すなわち
>>284と同様に書き負けて不合格答案になってしまうと思います
で、中心は「裁判所規則と法律」で、それを「議員規則と法律」と比べて述べて
という問題ですから、裁判所の話かいて、議院規則を書いて、両者比べる
というのは、今ひとつピンとこない。
現在の司法国家現象では、裁判所は国会より低いわけじゃないですよ
良い例が「違憲立法審査権」です。大谷さんの答案だと、「じゃあ、違憲審査もむりやね。民主基盤ないし」
といわれて詰まりませんか?
これでは、国会が、国会に反抗的ば裁判所を、法律で、裁判所を自分たちの都合いいように作り変えることも可能になる、
そこに、一つの拮抗があるんですよ。
そこを上手にクリアする道筋を見たいのに、書いてないなら点が無い
あと、なぜ適正手続(31条)が一言も出てこないのでしょう。これは痛いかな
>>294 動機の錯誤が問題であるなら、同時に瑕疵担保も問題となると思います
まるまる落とすのはまずい。
あと、古美術品であることへの配慮があるといいかも。
美術品を見る目が無いことのリスクは誰が負うべきか、という「常識」の視点です
>>297 別に瑕疵担保落とすのは全然まずくないと思う。
むしろ、動機の錯誤と瑕疵担保の両方を論じて、
更には両者の関係まで論じた答案は、
結局他のところに割く時間・紙面が足りなくなって
評価を落とした答案が多かったはず。
後段には同意だけど。
>>294 この問題では、100円を「利得」で処理するか
危険負担の規定で処理するかのどちらかでよく、
両方を検討する必要はないと思う。
ただ、あなたの答案では「利得」の検討が薄すぎるのでは
ないかと。
>>298 いや、動機の錯誤をみとめ、これに「性状の錯誤」を取り込むことを認めれば
当事者が予定した品質に届かない(瑕疵担保における主観説は通説)物の履行
すなわち瑕疵担保責任は必ず問題となる。理論的にならないとおかしい
動機の錯誤も瑕疵担保責任も(そして事情変更の原則も)
当時者の合意の「前提に齟齬」があるゆえ、拘束力からの開放、拘束力の改訂を
認めるか、という部分で繋がっている。
瑕疵担保を軽くあてはめ、両者の関係につき競合説に立てば、十分紙面は足りるはず
先に、瑕疵担保と錯誤の関係を論じ、どちらかを優先させ、それのみを論じるという技もある
むろん、合格者の多くが落とせば結局減点にはならない(加点扱いになる)
が、瑕疵担保に点数が振られていない訳が無い
必要なのは、瑕疵担保を斬ることではなく、動機の錯誤をコンパクトにすること
>>299 うーん、あなたの言うことも分かるけど、
理論的に問題になるからといって、
事案処理に不要な論点や構成を書く必要はないんじゃないかな?
瑕疵担保に基づく解除も錯誤無効も結局は効果が一緒なんだから、
どちらか一方で良いとする意見にも十分理由があるように思えるけど。
>>300 いや。実務家なら当然瑕疵担保責任を思い浮かべるよ
使える武器を総動員するのは当然
それに、錯誤は主張できなくとも、瑕疵担保は主張できる場合もある
瑕疵担保は、瑕疵があって、善意なら主張できるんだから
錯誤があるだの、表示しただの、重過失がないだの(これ凄い重要。抗弁だが)
が要件となる錯誤と違う意味がある。
>>300 あ、すでに実務家の方でしたか。
実務家的観点は、まだ要件事実をよく勉強してない自分には
よく分かりませんが、
(錯誤を主張すること自体が負け筋だと聞いたことはあります)
試験に合格するという観点からみると、
本問では問題文より錯誤無効が十分成立するので
それのみで合格点はつくだろうということを
言いたいんですよ。
現にこの年の合格者・A答案の多くは錯誤だけの
構成だったし、あなたが
>>299で言った様に瑕疵担保は
加点扱いだったんだろうと。
とすれば、大谷さんが瑕疵担保をまるまる落としても
「まずい」とまでは言えないと思います。
答案は裁判所の立場で書けばいいんだから法律構成は1個でもとりあえずは大丈夫だよ。
主位請求が認められるのに予備的請求を判断しないでしょ。
>>302>>303 この問題作った段階で、瑕疵担保を問題とする奴が出てくるのは
絶対予想するはず。ならば、書いてきたらどうするかが議題になる
書いてきたけど点はあげない、なんてアホことになるわけない
当然、何点かは割り振られる。書かなければ一点ももらえない。
一言でも書けば、少しおこぼれがもらえる
瑕疵担保を書かないと、瑕疵担保自体の点数&瑕疵担保と錯誤の関係の点数が
まるまる貰えないのだ。受かりたいなら、狙うべき。
そもそも、瑕疵担保や、錯誤との関係を書けるはず
>>304 ネット上になると急にイキイキして暴れるのはよせ。
日常生活で思ったことを言えないからといってネットで発散するのはやめろ。いいな。
>>305 去年まで試験委員をしていた先生も
「論点落としは致命的。採点者の恣意を防ぐため
論点ごとに点数が割り振られている」と明言してるよ
知り合いの教授も
「今は実務家委員が増えて、理屈に興味ない人も沢山採点している。
筋が通った事かいても点数来ない可能性ある。沢山の人が採点するから
論点ごとに点数を割り振らないと採点自体が不可能になってしまう
受かるためには、みんなが知ってる話で、論点を落とさないことだね」
といってた。
>>306 ネットでしか物を言えないようでは明らかに社会性が欠如している。
人とうまくやっていけないやつは駄目だ。
なにをやっても大成しない。
言いたいことはわかるんだけどね。
試験委員がいう「論点落とし」は、
特に民法に顕著だけど、
事案処理に必要な論点を落とすことを言ってると思う。
この問題で錯誤と瑕疵担保を両方書くのは、
事案処理のために必要かってことを言いたいんだよ。
せめて適用関係を最初に書いて、
その後に片方のみを論じるぐらいがせいぜいでしょう。
もしあなたが現行に受からずローに行ったんなら、
その辺りの認識がずれているから、
そうなったのかも知れないね。
煽りではなくて。
俺もローにいるけど試験委員の先生方からそんなこと
聞いたことない。むしろ逆の話をきくんですが・・・
確かに配点表はあるらしいけど、いわゆる「論点」に
以外にも問題文に添った形で色々配点をしてるみたい。
本問だと詐欺だろうが錯誤だろうが大した配点ないよ。
確かに「画商Bからの購入」は問題があるけどどうせ書ける
人はいないw
>309
なるほど。やっぱりそうですか。
でも、そういう風に事案処理に重きを置けば、
「画商」も要件検討(重過失の有無とか)の中で十分使えるし、
実際多くのA答案は使っていたけどね。
>310
ローでやったんだけど実は画商と買主との判例がたくさんあって
贋物の危険をいずれが負うかが問題となってる(そんな判例を
知っている必要は全く無いけど)。
そういう意味で画商を要件に読み込めばちょっとポイントがつい
たと思う。
書くべき論点は問題文によって決まるんだよね。
312 :
オウマー@性悟師:05/03/08 21:10:19 ID:gnV/oxFX
あゆ・あみスレから来ました!
ここはすごくまじめなスレですね><
みなさん、ありがとうございます。
今回の反省点は、瑕疵担保責任を書かなかったことよりも、全く瑕疵担保の問題に気づかなかったことです。
気づいた上で書かなかったのなら、まだよいかもしれません。
しかし、気づかないで書かなかったのはわけが違います。
錯誤無効が出てきたら瑕疵担保も問題になるのが通常であるにもかかわらず、全く意にもとめなかったのは反省すべきです。
そして、結論を導く上ではいずれかの構成でよいと思いますが、論点に点数が振られている可能性を考慮すると、やはり両方触れておいたほうがよいと思いました。
簡単に「隠れたる瑕疵」に当たると認定し、解除を請求できる。
↓しかし
570は契約の有効性を前提とした問題であり、要素に錯誤があり契約が無効な場合には、適用の前提を欠く
↓したがって
錯誤無効の主張のみを認めるべきである
ただ、一つ気になるのは、偽物であったことが、「隠れたる瑕疵」に当たるのでしょうか。
少々疑問です。
仮に「隠れたる瑕疵」に当たらなければ、瑕疵担保責任を適用する前提に欠けることになります。
そうしたら、やはり瑕疵担保責任は書かなくてもよいかと思われます。
よろしければ、この点について、コメントをいただければと思います。
ともかく、今回は猛反省です。
さて、今日は2問目を書いてみました。
【民法】 平成12年・第2問
1 Xは、Yから甲土地とその地上建物(以下「甲不動産」という。)
を代金2,000万円で買い受け、代金全額を支払った。当時、Yは、長年
にわたって専ら家事に従事していた妻Zと婚姻中であり、甲不動産は、
その婚姻中に購入したものであった。甲不動産につき、YからXへの所
有権移転登記を経由しないうちに、YZの協議離婚届が提出され、離婚
に伴う財産分与を原因としてYからZへの所有権移転登記がされた。
この事案において、YZの協議離婚がどのような場合に無効になるか
を論ぜよ。
2 上記の事案において、Yには、甲不動産以外にめぼしい資産がなく、
Xのほかに債権者が多数いるため、Yは、既に債務超過の状態にあった
ものとする。また、YZが財産分与の合意をした当時、Zは、Yが債務
超過の状態にあったことは知っていたが、甲不動産をXに売却していた
ことは知らなかったものとする。
仮に、YZの協議離婚が有効であるとした場合、Xは、裁判上、だれ
に対してどのような請求をすることができ、その結果、最終的にどのよ
うな形で自己の権利ないし利益を実現することになるかを説明せよ。
一、小問1について
YZは協議により離婚することができる(763条)。
そして、婚姻(731条以下)においては、夫婦共同生活
を形成する積極的な意思が必要とされるが、離婚におい
ては共同生活を解消する意思までは不要であり、届出を
する意思があれば足りると解する。
なぜなら、離婚後の当事者の関係は多種多様であり、
離婚後も同居することは十分考えられることであるから、
共同生活を解消するといった積極的な意思までは要求す
べきでないからである。
そこで、届出をする意思がない場合に、当該離婚は無
効となる。
例えば、離婚届であることを認識しないで届出用紙に
記入した場合や、夫婦の一方が勝手に離婚届を作成し、
提出した場合は、離婚意思を欠くため離婚は無効とされ
る。
二、小問2について
1、まず、XはZに対し、自己が甲不動産につき所有権を有
するとして、移転登記請求することが考えられる。
しかし、Zは甲不動産につき対抗要件たる登記を備えて
おり、ZがXY間の譲渡につき善意であったことから背信的
悪意者でもなく、Zは177条の「第三者」に当たり保護さ
れるため、Xの請求は認められない。
次に、XはYに対し、不法行為ないし債務不履行に基づ
く損害賠償(415条)を請求することが考えられるが、Y
にめぼしい財産がない以上、実効性に欠ける。
2、そこで、XはYZ間の財産分与(768条)が詐害行為に当た
るとして、詐害行為取消権(424条1項)を行使し、Zに
対し移転登記の抹消を請求することが考えられる。
ア、この点、財産分与が財産権を目的としない法律行為(
424条2項)に当たるか問題となるが、財産分与自体は財
産の移転を目的とする法律行為であり、財産権を目的と
しない法律行為とはいえない。
もっとも、婚姻生活中に取得した財産は、原則として
夫婦の共有に属するものとされ(762条2項)、財産分与
がかかる共有財産の分配という側面を有することに鑑み
ると、安易な取消を認めるべきでない。
そこで、詐害行為に当たるためには、財産分与が不当
に過大であることが必要と考える。
本問では、Yは甲不動産以外にめぼしい財産を有してい
なかったことから、甲不動産をZに譲渡することは、不当
に過大な財産分与に当たるといえる。
したがって、本問財産分与は詐害行為に当たる。
イ、また、詐害行為取消権が認められるためには、詐害行為
当事者に債権者を害する認識が必要である。
この点、ZはXがYに対して債権を有していることは知ら
なかったものの、Yが債務超過に陥っており、甲不動産の
譲渡を受ければおよそYの債権者を害することを認識して
いたといえる。そして、このような認識があれば、債権者
を犠牲にして自己の利益を図る意思があったと評価できる。
したがって、Zに詐害意思が認められる。
ウ、さらに、XのYに対する債権は、甲不動産の移転登記請求
権という特定債権であり、金銭債権ではないことから、責
任財産保全のために詐害行為取消権を認める必要がないと
も思える。
しかし、特定債権であっても、究極的には損害賠償請求
権という単純な金銭債権に転化するのであり、その段階で
は責任財産保全の必要性が認められる。
本問では、YがZに甲不動産の登記を移転したことにより、
YのXに対する甲不動産の移転登記は履行不能となり、Xの
請求権は損害賠償請求権に転化しているといえ、詐害行
為取消権を認める必要がある。
エ、よって、XはZに対して詐害行為取消権を行使し、甲不
動産の移転登記の抹消を請求できる。
そして、移転登記の抹消が認められたことで、Yに損害
賠償を履行しうる資力が備わるから、XはYに対して損害
賠償請求することにより自己の利益を保全できる。
3、では、XはさらにZに対し、自己の下へ登記を直接移転
せよと請求することはできないか。
思うに、詐害行為取消権は、総債権者の利益のために
行使されるものであり(425条)、Xに他の債権者に先立
ち利得を受ける権利までは認められない。また、動産と
異なり、不動産移転登記の抹消を請求する場合は、債務
者の受領拒絶を考える必要がなく、直接の移転登記請求
を認めなくとも債務者の責任財産保全という詐害行為取
消権の目的を達成できる。
したがって、XはZに対し、自己の下への移転登記請求
をすることにより、自己の利益を保全することはできな
い。
以上
コメント
1800字弱、4ページ目の頭くらいです。
177条と424条の関係は、分量的に困難だったため削りました。
形式的に問いに答えるように心がけたつもりです。
基本ながら、書きにくい問題でした。
よろしくお願いいたします。
問題
>>314 答案
>>315-317
>>314 偽者である点については、当事者が予定した品質に届かないので
「瑕疵」に該当します
たとえば、当事者がプラチナ(白銀)として売買したが
目的物がシルバー(銀)だった場合、錯誤の余地もありますが
瑕疵担保の領域でもあります。
財産分与が詐害行為取消の対象になるかにつきの論証は少し聞きなれない
「原則として財産上の行為ではないが、不当に過大な場合は、財産分与に仮託された
ものとして、財産法上の行為となる」というので良い
書くこと多いので、その他の要件は淡々と当てはめる(問題提起なんかしない)方がいいでしょう
後半の「Xは、裁判上、だれに対してどのような請求」
についてあまり書いてない。要は折衷説を書いてということです
XがZだけ相手にすれば良いと
177条と424条はちらっと触れるのが良いとはよいかと
自己への直接請求はもう少し短い方がいいような
書いてある内容はいいです
権利の実現は強制執行によるべき、と書けるといい
ちょっと考えて欲しいのは、XはYと新たに売買契約を締結して
当該不動産を取得することはできるでしょうか?
>>308 平成14年の問題の出題趣旨も,
不当利得か詐害行為取消権のいずれでもよいが・・・
みたいなこと書いてあったね。
両方書いたら点数が上がるかっていうと,たいして上がらないと思う。
ざっとみた感じ良く書けていると思います。
本番でこれだけ書ければ1問目の出来次第で十分Aになると思います。
あてはめですが、
「長年にわたって専ら家事に従事していた」を活用できればよりよかった
と思います。
財産分与が不当に過大であるか否かの判断で利用するとか・・・
>>321 そうだね。
それより「要件を検討することが期待された。」
とあったように、要件をきちんと検討する姿勢が大事だと思う。
>>大谷さん
全体的によく書けているといった印象。
ただ、
>>320や
>>322で指摘されていることの他に、
もっと要件を検討しているんだという姿勢を示すよう工夫すれば、
さらに答案が引き締まったものになるんじゃないかな。
>>306 >
>>305 > 去年まで試験委員をしていた先生も
> 「論点落としは致命的。採点者の恣意を防ぐため
> 論点ごとに点数が割り振られている」と明言してるよ
> 知り合いの教授も
> 「今は実務家委員が増えて、理屈に興味ない人も沢山採点している。
> 筋が通った事かいても点数来ない可能性ある。沢山の人が採点するから
> 論点ごとに点数を割り振らないと採点自体が不可能になってしまう
> 受かるためには、みんなが知ってる話で、論点を落とさないことだね」
> といってた。
自分の今の悩みそのものだ…
とにかくつまらなくてもいいからそつのない答案を書くべきなのか…
まぁそれが出来れば十分だし、受験生の多くがそこまで行かないんだが
>>324 今年合格した人々を見てると
あっさり、そつなく、正確に、論点は落とさず
というスタイルの人が多いね
>>324 最後の戦いだ。
好きなようにやんなさい。
後悔だけは残さないように。
俺個人としては、
>>325にちょっとだけ個性をプラスすれば
いいんじゃないかと。
とにかく頑張ってな。
>>326 まず大切なのは、とにかく正確に
それを「そつなく」書けるようにする
規範を立てるロジックでは、これが大事
そして、アテハメで、自分の考えを出してよい
そういう答案につまらないものはない
ロジックの部分に個性を出すと、やばいでしょう
だいたいよくできている。
少しだけ気になったのは,
Yの害意を認定していないことと,
特定物債権のところは,実際に損害賠償債権に転化している必要はないと思った。
あてはめはいらないはず。
あとやはり長いと思うので,
内容を削らずに短くするにはどうしたらいいか,考えてみるといいね。
>>327 俺も合格者だから、その辺りはわかってるよ。
ただ、個性の出し方としては、
問題提起を他人より丁寧にやったり、
原則や条文や要件にこだわったり、
色々できるでしょ。
別に当てはめだけじゃないよね。
一番無難なのが当てはめなだけで。
誰も書かない独自の論点を大々的に書く。
これで合格間違いなし。
確かに辰巳の合格者答案集見ても、あっさりしたのが多いよねぇ…。
でも、沢山書かないと不安なんだよねぇ…
答練とか受けてると特に。
>今年合格した人々を見てると
>あっさり、そつなく、正確に、論点は落とさず
>というスタイルの人が多いね
実際はこれすら出来ていない人が結構多いんじゃないかな…
だから
>俺個人としては、
>>325にちょっとだけ個性をプラスすれば
ができれば上出来なんじゃないかと思う。
>そつなく、正確に、論点は落とさず
は、確かに大変。
だから、あっさりタイプのつまらない答案でも受かるのかも。
どっかに貼ってあった、改革審議会での、井上正仁先生の発言だけど、
なんか採点にうんざりしたからロースクールつくったのかって感じだなw。
新司法試験の答案も金太郎飴になったら彼にとっては悲劇だろうが…
でも三つか四つ、予備校の数にあわせたパターンってとこは笑える。
そこまでハッキリ分かれるのか…?
>現に,私は,何年か前と現在と少し間隔をおきまして司法試験の考査委員を
>務めてきましたけれども,これは一般的な感想ですので申していいと
>思いますが,試験の答案を見ますと,ますますパターン化がひどくなってきて
>おりまして,大体三つか四つのパターンに分かれるのです。これは大手の
>予備校がそのくらいありますので,大体それに合っているのだろうと思うので
>すけれども,そういうパターンごとの同じような答案,人によっては金太郎飴的
>と言うのですけれども,現代風に言えばクローン的と呼んだ方がいいような,
>本当に同じような答案が驚くほど多い。これは夏に採点しますと,本当に
>うんざりします。1,000枚以上つけますけれども,分けるとおそらく
>四つくらいの山になるのだろうと思うのですが,そういう状態です。
http://www.kantei.go.jp/jp/sihouseido/dai14/14gijiroku.html
新司法の答案がどうなるかは知らんが、ローの試験の答案は明らかに金太郎飴だとよ。
>>319 ありがとうございました。
当事者の予定している品質に届かない=物の通常有すべき性能を欠いている
ということですね。
そういう風に理解しておきます。
しかし、この問題は、色々面白い検討ができますね。
今思うと、危険負担の適用ないし類推適用を書いておけばよかったと思います。
そうすれば、不当利得の処理をもっと丁寧にできたのではないかと思います。
>>320-323 ありがとうございます。
きちんと書くべきところとあっさりと済ますべきところが区別できていないみたいですね。
この問題は論点が424だけなので、要件をもっと大事にしていかなければいけないですね。
「この条文を理解していますよ」と試験委員にアピールできるようにしたいです。
この問題のように1つの条文をメインとする問題は今年も出るかもしれませんし、よく心に留めておきます。
ところで、これまで答案を色々アップしてみましたが、総合してみていかがでしょうか。
合格レベルにいるのかどうか、読み続けてこられた方でコメントいただければうれしいです。
もちろん、これからもよりよい答案を作成することを十分心がけていきたいと思います。
さて、今日は商法1問目を書いてみました。
【商法】 平成12年・第1問
1 株式の譲渡について株主総会の承認を必要とする。
2 1万株以上の株式の所有者は、自社の製品を定価の4割引きで購入することができる。
3 平成13年度以降に発行する株式に対して行う利益配当は、それまでに発行した株式に対して行う利益配当の2分の1とする。
一、小問1について
1、株式会社において、定款で、株式譲渡の際に取締役会
の承認を得ることを条件とすることは条文上認められて
いる(204条1項但書)が、株主総会の承認を必要とする
ことを条件とすることは、条文上規定がない。
そこで、定款で株式譲渡に際して、株主総会の承認を
必要とする旨を定めることは許されるか、問題となる。
2、この点、株主総会は、会社の実質的所有者たる株主に
より構成される機関であるから(230条の10参照)、所有
者たる株主が会社の意思決定をすることは制限されず、
本問のような定款変更も許されるとも思える。
しかし、脱退が認められていない株主に投下資本の回
収の途を与えるべく、株式譲渡は原則自由であるとされ
ている(204条1項本文)。そして、小規模閉鎖会社にお
いて、会社にとって好ましくない者が株主となることを
防止する必要があるため、例外的に定款で株式譲渡につ
き取締役会の承認を必要とすることを定めうるとしてい
るに過ぎない。
そこで、株主の株式譲渡は原則として自由に認められ
るべきであり、204条1項但書は株式譲渡を制限しうる最
低限の線を引いた規定と考えるべきである。
とすると、株式譲渡につき、取締役会の承認より厳し
い制限を認めることは、株式譲渡自由の原則に反し認め
られない。
3、本問では、株式譲渡につき株主総会の承認を要求して
いるが、株主総会がその召集方法、決議方法、召集期間
など、取締役会に比べてより厳しい規制を受けることに
鑑みると、株主総会の承認を要求することは取締役会の
承認を要求するより厳しい制限といえる。
したがって、本問の定款変更は認められない。
二、小問2について
1、1万株以上の株式の所有者が、自社製品を定価の4割引
で購入できるとする株主優待制度を採用する定款変更は、
株主平等原則に反し認められないのではないか問題とな
る。
2、ここで、株主平等原則とは、株主は株式の種類が同一
である限り、所有する株式の数に応じて、株主の権利行
使に関して平等の取り扱いを受けるという原則をいう。
この点、株主平等原則について直接定めた規定はない
が、議決権(241条)利益配当請求権(293条)残余財産
分配請求権(425条)等、株主に重要な権利につき株式数
に応じた平等の取り扱いを認めていることから、商法は
かかる原則を採用しているものと考える。
そして、株主優待制度は、株主の権利行使に関する取
り扱いではないが、株主たる地位に応じて取り扱いを異
にするものであるから、株主平等原則の趣旨を及ぼし、
必要性・合理性が認められない限り許されないと解する。
3、この点、株主優待制度は、多数の株式を有する株主を
育成するという点で、会社経営の安定性を図るという必
要性が認められる。
そして、市場で定価の半額程度で製品が売られること
が多いことに鑑みると、4割引という優待制度を認めるこ
とは、他の株主と不合理な取り扱いの差があるとまでは
いえず、合理性が認められる。
したがって、本問定款変更は、株主平等原則に反さず、
認められる。
三、小問3について
1、平成13年以降に発行した株式の利益配当を、それまで
に発行した株式の2分の1とする定款変更を認めることは、
株式数に応じて平等に利益配当すべきとする293条に反し
ないか問題となる。
2、この点、293条は株主平等原則を利益配当の側面から規
定したものであり、これに反する制度は無効であると考え
る。
そして、新株を発行した場合に、保有期間に応じて利益
配当の額に差を設けることは、株主たる地位に基づく実質
的な平等を達成するものとして許容しうるが、新株の配当
利益を既存株式より少なく定めることは、実質的な平等を
達成するものとはいえず、許容し得ない。
3、本問では、平成13年以降に発行した株式の利益配当を、
既存株式の配当額の2分の1と定めることは、株主たる地位
に基づく実質的な平等を達成する制度とはいえず、許容す
ることができない。
したがって、本問定款変更は、293条に反し、認められな
い。
以上
コメント
1600字程度、3ページの後半です。
小問3について論述が薄くなってしまいましたが、余計なことを書かないほうがいいと思い、端的に293違反を認定しました。
小問1については、簡単に趣旨に触れた上で説明してみました。
各小問ごとに株主平等原則との関係を検討したかったのですが、小問1についてはうまく触れることができなかったので、避けました。
よろしくお願いいたします。
問題
>>337 答案
>>338-340
>>328 Yの害意を認定していないのは、反省しなければならないですね。
簡単にでも一言触れておくべきだと思いました。
特定債権に424を認める場合、損害賠償に転化していないとだめ、とうい択一知識があるのですが、どうでしょうか。
少し疑問が残りました。
「内容を削らずに短く」
これは難しいですが、よく考えておく必要があると、胸に留めておきます。
言葉の重複をできるだけ避けて、事案を淡々と処理すれば、もっと短くなると思います。
十分検討しておきます。
ありがとうございました。
>>324-335 あっさり答案、金太郎飴。
それでも受かるというのが通説みたいですね。
ただ、本音を言うと、自分の理解、考え方を示す答案も作ってみたいです。
そのためには、もっと勉強しなければなりませんね。
基本的な部分をきちんと書けた上での話でしょうから。
がんばります。
小問3は立法的解決がなされました((222条)。
一3で条文を出せると印章が一気に良くなると思います。
>>338 一読したのみですが、良いでしょう
オーソドックスな答案だと思います
「小規模」閉鎖会社とありますが
株式譲渡制限を課すのは、なにも小規模である必要はないのです
大規模だけど閉鎖会社なのはそこらじゅうにある(FujiZeroxとか)
問2については、株主平等の原則の実質的根拠
公平の観念の表れとか株式が均一の内容をもつことの裏返しという政策なのか
書いたほうが良い。あと、株主平等原則の持つ機能も欲しい
株主勇退制度が合理性を持つ意味も欲しい
大株主を育成しても、会社経営は安定しないし
むしろ、それは合理的といえるかなあ。
すると1万株という大株主に半額で提供するのはまずいのではないかな
問2の方は取り扱いの平等
問3については内容の平等
これを書けるといい
個人的には合格答案に少し及ばない感じかな
>>342 最初からお付き合いさせてもらっていますが
率直な意見を言えば、重要な部分で、記述に不正確がある
自分が「こういう理由付けは聞きなれない」と言うところです。これが良くない
みんなが用意する論証については
市販のを利用するか、自分できちんと事前に作っておくのが良いです
ナンバリングはかなり良くなったと思います
あと、問題提起がもっと淡白になるといいかな
346 :
オウマー@性悟師:05/03/09 21:40:37 ID:udVPb9Eg
土屋さんは凄いな・・・
オウマーは勉強四ヶ月目に入ったけど、
よんでわかるだけでかけてこない(^_^;)
>>346 現行には間に合わんだろうから、ローに入って頑張れ。
>337
この問題はそんな攻める問題でもないのでこの程度でいいと
思います。上から1/2〜2/3には入ると思います。
あと一問無難にこなせばA〜Cはつくと思います。
>>343 種類株で、本問のような株式を発行することができるのですか。
知りませんでした。
ただ、少し不当な気がするのですが、どうでしょうか。
種類株としても発行できないと考えるのがすっきりする感じです。
私の頭が固いのですね。
>>344 確かに、小規模という言葉は不要ですね。
株主優待制度は、合理性を丁寧に認定する方法をよく知りませんでした。
こういうのがとってつけたような論証なのですね。
ここは基本書などで確認をしておきます。
あと、内容と取扱という2つの異なる場面であることを示したほうが印象が格段に違いますね。
本試験でもこういう視点を出せるように心がけます。
>>345 問題提起はやはり冗長すぎますね。
でも、難しいです。
もっと色々な答案を見て、問題提起をコンパクトにする技術を身につけるようにします。
ナンバリングは意識して整理しているつもりですが、うまくいかないときもおおいです。
今回の2問目もその部類に入ります。
これからもコメントをよろしくお願いいたします。
【商法】 平成12年・第2問
手形法第16条第2項ただし書の「悪意又ハ重大ナル過失」、
第17条ただし書の「債務者ヲ害スルコトヲ知リテ」及び第40条
第3項前段の「悪意又ハ重大ナル過失」には、どのような違い
があるか。そのような違いが生じる理由を挙げながら論ぜよ。
一、手形法16条2項但書は、前主の無権利につき悪意・
重過失がある場合には、手形を善意取得しえないと定め、
取得者の取引安全と手形債務者の静的安全の調和を図っ
ている。
17条但書は、手形債務者を害することを知って手形
を取得した者は、例外的に債務者の前主に対する抗弁の
対抗を受けるとして、所持人の取引安全と手形債務者の
静的安全の調和を図っている。
40条3項前段は、悪意重過失で支払をした債務者は、
免責されないとして、手形の正当な所持人の権利を保護
している。
このように3者は手形債務者ないしは所持人の権利保
護を定めたものという点では共通する。
しかし、16条2項但書は善意取得として手形権利を
取得しうるかどうかという点で問題になるのに対し、1
7条但書は人的抗弁が承継され手形の権利行使しうるか
という点で問題となり、40条3項前段は支払後に免責
を受けるかという点で問題となるものであり、それぞれ
場面が異なっている。
そこで、3者には以下のような違いが生じる。
二、16条2項但書について
1、16条2項は、裏書の連続した手形の所持人は権利者
と推定されるところ(16条1項)、前主が無権利であ
っても裏書が連続しているため前主が権利者であると信
頼した手形取得者を保護する善意取得を定めた規定であ
る。
もっとも、同条項但書は、このような信頼がなく、保
護に値しない取得者は、手形権利を取得できないと定め
る。
2、そこで、ここにいう悪意・重過失とは、前主の無権利
につき、通常の意味で悪意・重過失があることをいうと
されている。
三、17条但書について
1、17条本文は、手形の取引安全を図るため、人的抗弁
は原則として切断されるとしている。
もっとも、権利行使に際して害意ある者の取引安全を
図る必要はないことから、同条但書は例外的に抗弁を対
抗されるとしている。
ただ、手形は高度の流通性を備えた有価証券であるこ
とから、手形の権利を取得した者が権利行使できない場
面は限定的に解するべきである。
2、そこで、害意とは、手形取得時に、満期において債務
者が所持人の直接の前者に対して抗弁を対抗して支払を
拒むことが確実であるとの認識を有していた場合をいう
と考える(河本フォーミュラ)。
このように、善意取得しえない場合より抗弁切断を受
ける場合の方が狭いのは、善意取得は手形の権利を取得
する段階で問題になるのに対し、抗弁切断は手形権利を
取得した者について問題になるのであり、後者の方がよ
り取引安全の要請が強いからである。
四、40条3項前段について
1、手形債務者は、裏書の連続した手形の所持人に対して
支払義務を負うため、所持人が実質的権利を有さない場
合であっても支払により免責を受ける。
ただ、債務者が所持人の無権利を知っていた場合など、
債務者が免責を受けることがふさわしくない場合がある。
そこで、40条3項前段は、債務者が支払免責を受け
るために、一定の主観的要件を課しているのである。
もっとも、債務者は支払を強制される立場にあるため、
悪意・重過失を通常の意味に捉えると、債務者に過度の
負担を課すことになる。
2、そこで、ここにいう悪意・重過失とは、所持人の無権
利を容易に立証できることを知り、もしくは重過失によ
り知らないことをいうと考える。
このように、40条3項前段は、16条2項但書の場
合より悪意・重過失の意味を限定して考えるが、債務者
は支払を強制される立場にあるが、取得者は手形権利を
取得することを任意に選択できる立場にあるという違い
に基づくものである。
五、このように、16条2項但書の悪意・重過失に比べ、
17条但書の害意、40条3項前段の悪意・重過失は、
より限定された意味に捉えられている。
以上
コメント
1500字程度、3ページの後半です。
手形行為の性質の違いから、3者の違いを導こうと思ったのですが、論述にするとうまくまとまらないものだと痛感しました。
もっと自分の理解を答案に表せるようにしたいです。
よろしくお願いいたします。
問題
>>351 答案
>>352-354
>>355 冗長すぎる。1ページの半分にまとめろ。
>>355 総論が少し長い。本題の前の総論は、端的にまとめないと
だらだらした印象を与えます。書いて10行。まとめられないなら
いきなり各論に入るほうがいいです
手形法16条2項但書は手形債権の善意取得を規定し、
17条但書は抗弁を対抗できる要件を定める。そして、4
0条3項前段は支払免責の条件を定める。これらは手形の
流通及び迅速な支払の確保の点で共通する。
しかし、16条2項但書は権利の帰属が問題となるの
に対し、17条但書は権利行使の内容が問題となる。そし
て、40条3項前段は支払におけるリスク分担が問題とな
っている。
このような違いから、3者には以下のような違いが生じる。
>>353 ちょっと長い総論に続いての善意取得はなんともあっさりしています
なぜ善意取得制度があるか、がほとんどない。裏書の連続を理由にしてますが
じゃあ、なんで裏書が連続してるとそうなるか(そしてその規定があるか)が
書いてない。これだと、点数の上げようがないというのが感想
合格を争う連中であれば、もっと書いてくる。結果書き負ける
一大論点といえる、善意取得の守備範囲も、論述することなく通り過ぎています
>>353 続いて人的抗弁の切断ですが
もし通説に立つなら、まず、原則として
債権譲渡においては抗弁は承継されるのが原則(民法468)
を打ち出すといい。これを手形法でも採用すると不都合
だから「修正」されているのだ、という流れ
16条との比較は一生懸命考えたのだろうけど、なんか違う気がする
抗弁というのは、あっても使われるとは限らない。だから、結構付いてる
特にアブノーマルな使い方をされた手形では顕著
すると、知ってるだけで対抗されるとあれば、流通性が確保できない
そこで、河本フォーミュラの登場ですよ。
>>354 つづいて40条3項
「債務者に過度の負担」
というが、具体的にはどのような負担でしょう。これを書かないで
規範をだしても、逃げか、知らない採られる可能性あり
この部分を欠くがゆえGをくらっても文句をいえない(合格者はみんなかける)。
三者とも、あっさりしすぎて失敗している答案になっちゃってる
そのうえで、総論は重いからバランスも悪い。
各条の立法趣旨、そのためには、原則(民法)を書いて、それは不都合だから修正
ときっちり欠く。すると、違いが見えてくる
なお、文言の違いに注目してください。16条と40条3項は同じ、17条但はそれと違うのです。
じゃあ、善意取得と支払免責は似たもの同士で、人的抗弁は異質か、というと違うよね?
実際、文言を目的的に解釈して出てくるこたえは、むしろ17条但と40条3項が似ていて
16条2項但だけちょっと浮いてくる。「その違いはこれですよ」が出せるといい
17条に関して重過失を含むかどうかを検討していればよかった
と思います。百選にも載ってるしね。
ありがとうございました。
>>357 確かに総論は長いですね。
総論で悪意・重過失の意味等もまとめて述べておいて、後で違う理由を述べたほうが構成としてよかったかもしれません。
>>358 善意取得制度のは述べられませんでした。
短くするとしても、基本的なところは落とさないようにしなければならないですね。
わかってはいても、いざ書いてみると難しいです。
日々訓練ありですね。
>>359 手形では人的抗弁が承継されないのが原則ですから、あえて民法の原則から述べる必要はないと判断しました。
もちろん、民法の原則から述べたほうが印象がいいと思いますが、この問題ではそこまでいらないのではないでしょうか。
手形法の違いを聞いているのですから、手形の原則だけ述べておけば十分ではないでしょうか。
書くことが多いので、そう思いました。
ご指摘の点は、加点としての話か、基本として書くべきという話か、ご教授いただければ幸いです。
>>360 そうですね。遅延損害金の支払と一言だけでも入れたほうがよかったですね。
気が回りませんでした。
短くても理由を入れて説明する癖をつけておきたいです。
文言の違いについては、触れるべきだと思いましたが、うまく入れられませんでした。
この構成を答案に示せればいい感じですね。
>>361 17条についての話は知りませんでした。
確認しておきます。
さて、今日は刑法を書いてみました。
【刑法】 平成12年・第1問
甲は、友人乙、丙に対して、Aが旅行に出かけて不在なので、
A方に侵入し、金品を盗んでくるように唆した。乙、丙は、A方
に侵入したところ、予期に反しAが在宅しているのに気付き、台
所にあった包丁でAを脅して現金を奪い取ろうと相談し、Aに包
丁を突き付けた。ところが、Aが激しく抵抗するので、乙は、現
金を奪うためにAを殺害しようと考え、その旨丙にもちかけた。
丙は、少なくとも家人を殺したくないと思っていたことから、意
外な展開に驚き、「殺すめはやめろ。」と言いながら乙の腕を引
つ張つたが、乙は、丙の制止を振り切つて包丁でAの腹部を刺し、
現金を奪いその場から逃走した。丙は、Aの命だけは助けようと
考え、乙の逃走後、直ちに電話で救急車を呼んだが、Aを介抱す
ることなくその場に放置してA方を立ち去った。緒局Aは、救急
隊員の到着が早く、一命を取り留めた。
甲、乙及ぴ丙の罪責を論ぜよ(特別法違反の点は除く。)。
一、乙の罪責について
1、乙は、丙とともにA方に侵入していることから、住居侵
入罪(130条前段)の共同正犯(60条)が成立する。
2、次に、Aに対して、財物奪取を目的として包丁を突きつ
けるという犯行抑圧する程度の暴行を加えていることか
ら、強盗罪(236条1項)の実行の着手が認められる。
そして、240条後段は、強盗が殺人を犯すことが類型的
に多いことから、殺人の故意ある場合を含み、同罪の未
遂(243条)は、人身犯としての側面を有することから殺
人が未遂に終わった場合をいうと考える。
したがって、乙が殺意を持ってAの腹部を刺し、Aを殺
害しようとしたことから、乙に強盗殺人未遂罪が成立す
る。
3、以上より、乙には、住居侵入罪の共同正犯(60条、13
0条前段)、強盗殺人未遂罪(243条、240条後段)が成立
し強盗致傷罪の範囲で丙と共同正犯(60条)となり、両
者は牽連犯(54条1項後段)となる。
二、丙の罪責について
1、丙は、乙とともにA方に侵入していることから、住居侵
入罪(130条前段)の共同正犯(60条)が成立する。
2、次に、乙と共謀の上、Aに包丁を突きつけていることか
ら、強盗罪(236条1項)の実行の着手が認められる。
もっとも、丙は、乙が殺害の話を持ちかけたことに対
し、「殺すのはやめろ」と乙を制止しようとしているこ
とから、殺害についてまでの共謀は認められず、強盗殺
人未遂罪(243条、240条後段)は成立しない。
では、強盗致傷罪(240条前段)が成立しないか。
この点、結果的加重犯は、基本行為が加重結果を生じ
やすいことから、独立の犯罪類型として規定された犯罪
である。そして、加重結果について過失は不要であり、
基本行為との間に相当因果関係があれば足りると考える。
本問では、ナイフを利用して強盗を実行したことによ
り、致傷の結果が生じることは相当因果関係にあるとい
える。
したがって、丙には強盗致傷罪が成立する。
そして、同罪の未遂は殺人が未遂に終わった場合をい
うから、強盗致傷罪において未遂は観念し得ず、既遂犯
が成立する。そして、乙とは強盗致傷罪の範囲で共同正
犯(60条)となる。
3、また、丙が救急車を呼んでいることから中止犯(43条
但書)が成立しないか問題となるも、中止犯は未遂犯に
ついて成立が問題となるのであり、丙は既遂犯であるか
ら中止犯は成立しない。
4、以上より、丙には、住居侵入罪の共同正犯(60条、13
0条前段)、強盗致傷罪の共同正犯(60条、240条前段)
が成立し、牽連犯(54条1項後段)となる。
三、甲の罪責について
1、甲は、乙、丙に対してA方への住居侵入罪の教唆犯(61
条1項、130条前段)が成立する。
2、次に、乙、丙は強盗に出ているが、甲は窃盗(235条)
の教唆しかしていない。
そこで、窃盗の教唆の故意責任(38条1項)を問いう
るか問題となる。
まず、教唆の故意は、正犯が実行行為に出ることの認
識で足りると解する。そして、故意責任の本質は、規範
に直面しつつ乗り越えたことに対する道義的非難をいい、
規範は構成要件の形で与えられているから、構成要件が
実質的に重なり合う範囲で規範に直面しえたといえる。
したがって、構成要件が実質的に重なり合う範囲で故
意責任を問いうる。
この点、強盗罪も窃盗罪も他人の財物を奪取するとい
う点で重なり合いが認められるから、甲には窃盗教唆の
故意責任を問うことができる。
したがって、甲には乙、丙に対する窃盗罪の教唆犯が
成立する。
3、以上より、甲には、乙、丙に対する住居侵入罪の教唆
犯(61条1項、130条前段)、窃盗罪の教唆犯(61条1項、
235条)がそれぞれ成立し、これらは1つの教唆行為によ
るものだから、観念的競合(54条1項前段)となる。
以上
コメント
1500字程度、3ページの後半です。
短くまとめようとしましたが、難しいものです。
まとめで一度挙げた条文を繰り返したのと、乙の罪責で共同正犯の範囲を述べたのが、字数が多くなった原因だと思います。
よろしくお願いいたします。
問題
>>363 答案
>>364-366
368 :
氏名黙秘:05/03/11 21:52:51 ID:CykQMa7W
>>361 自分は書くべきかと。
各条文は民法の原則を修正するところに意味があります
すると書いた方が楽なんですよ
民法の原則だとこうなります
でも手形の機能からそれはまずいんです
だから手形法では修正されます
民法とのつながりで、各条文違いがある
だから、内容も異なるのだ、と
なお、抗弁は承継されないのは原則と、法律には書いてありません
学説でも争いがある(抗弁は発生するものとする属人説)
アプリオリに措定されてないのです
369 :
氏名黙秘:05/03/11 22:06:20 ID:CykQMa7W
>>362の間違いで
あと、民法と比較して論じる方が楽に良い答案がかける
手形法だけの話で説得的な答案かけるなら良いけど
実際書けてない。それじゃ意味無い
この刑法はほとんど問題はないと思うな。よく書けてる。
あとはもう少し短くできれば。刑法は答案構成に時間掛かるよ。
1つだけ。
同罪の未
遂(243条)は、人身犯としての側面を有することから殺
人が未遂に終わった場合をいうと考える。
生命・身体が保護法益だという部分をもっと強調する表現にしないといけない。
財産犯としての側面も有してるんだろ?とつっこみを入れたくなる。
刑法はよく書けてると思います。
行為毎に検討していて安心してみれます。
>>370 あ,生命・身体が一次的な保護法益,ってことな。
あと,甲の罪責の錯誤のところは,問題提起で38条2項を指摘。
その手前で,因果関係も軽く認定。法定的符合説は処罰範囲が広がりすぎると批判のあるところ。
>>368-369 どうもありがとうございます。
手形法では民法の原則から掘り下げて書くように努力します。
手形はまだまだ未熟ですね。
>>370-372 もう少し短くできるように、心がけます。
240条の未遂については、少し誤解を招くような表現でした。
反省したいと思います。
これからも行為ごとにすっきりした答案を心がけたいです。
38条2項を出すべきかどうかは少し迷ってしまいました。
ただ、因果関係の認定とはどういうことでしょうか。
よろしければ具体的にご教授いただければと思います。
ありがとうございました。
今日は刑法2問目を書いてみました。
【刑法】 平成12年・第2問
甲は、指名手配されて潜伏中、生活費に窮したため、X
という架空の氏名で就職しようと考え、履歴書用紙にXの
氏名、虚偽の生年月目、虚偽の住所等を記入した上、Xと
刻した印鑑を押捺し、更に甲自身の顔写真を貼付して履歴
書を作成した。その後、甲は、広告で見たA社人事部にそ
の履歴書をファクシミリで送信し、A社のファクシミリに
受信・印字させ、A社人事部長Bの面接試験を受け、A社
に入社した。甲は、自己の顔写真入りのX名の社員証を利
用し、金融機関C社D支店からX名義で30万円を借りたが、
当初の計画に従って期限内に利息分も含め返済した。
甲の罪責を論ぜよ。
一、履歴書を作成した行為について
1、甲が、Xという架空の氏名、生年月日、住所等を記入し、
履歴書を作成した行為が、有印私文書偽造罪(159条1
項)が成立しないか。
甲は、履歴書に甲の顔写真を貼付けていることから、
偽造に当たらないのではないか問題となる。
2、この点、私文書偽造罪の保護法益は、文書の真正に
対する公共の信頼をいうと考える。そこで、偽造とは、
名義人と作成者の人格的同一性を偽ることをいうと考
える。
とすると、名義人とは文書の法的効果が帰属する主
体をいい、作成者とは実際に文書を作成した者をいう
ところ、履歴書の法的効果の帰属主体は甲であり、実
際に文書を作成したのも甲であることから、人格的同
一性の同一性が認められるとも思える。
しかし、一般人はXという架空人が名義人と信頼する
のが通常であり、法的効果の帰属主体も甲ではなく架
空人Xと考えるべきである。
したがって、名義人と作成者との間に人格的同一性
は認められない。
3、そして、履歴書は個人の経歴を示す「事実証明に関
する文書」といえ、甲は架空人Xの印鑑を押捺している。
4、よって、甲には有印私文書偽造罪(159条1項)が成
立する。
二、A社のファクシミリに受信・印字させた行為について
1、甲は偽造した私文書を、その利用方法に従って行使
したといえるから、偽造私文書行使罪(161条1項)が
成立する。
2、さらに、ファクシミリに印字させた行為につき、有印
私文書偽造罪が成立しないか。
この点、ファクシミリが機械的に原本を印字する機能
を有することに鑑みると、印字された物から同一内容の
原本の存在を推知することができるため、ファクシミリ
に印字させる行為も私文書偽造罪に当たるというべきで
ある。
もっとも、甲には既に履歴書を作成した段階で私文書
偽造罪が成立しており、あらためて偽造罪を成立させる
必要はない。
そして、ファクシミリに印字させた行為は、行使の一
態様として考慮すれば、甲の処罰としては十分である。
3、したがって、偽造私文書行使罪のみが成立する。
三、C社D支店からX名義で30万円を借りた行為について
1、甲は、D支店に対して、Xとして金員を借り入れている。
そこで、甲に詐欺罪(246条1項)が成立しないか問題
となる。
2、この点、詐欺罪の成立のためには、欺罔行為、錯誤、
処分行為、財産上の損害が因果の連鎖でつながり、故意
で包摂されていることが必要である。
そして、別の名前で金員の借入を申し込む行為は欺罔
行為といえるし、X名義の社員証を見れば、D支店は甲を
Xと誤解するだろうし、30万円を渡しているのだから、処
分行為もある。
そして、詐欺罪における財産上の損害は、財物の交付
自体と考えるため、30万円が交付された段階で財産上の
損害は生じており、後に甲が返済したことは詐欺罪の成
否に影響を与えない。
そして、これらは因果の連鎖でつながり、故意で包摂
されている。
3、したがって、甲には詐欺罪が成立する。
四、以上より、甲には、有印私文書偽造罪(159条1項)、
同行使罪(161条)、詐欺罪(246条1項)が成立し、前2
者は目的手段の関係にあるから牽連犯(54条1項後段)と
なり、これと詐欺罪は併合罪(45条)となる。
以上
コメント
1300字程度、3ページの前半です。
ファクシミリへの印字でごねてみました。
理由付けが多少不十分かと思いますが、筋を通した短い答案を心がけました。
>>375 ぱっと呼んだ感想ですが
どうもよく判らない論証が続いている。
聞きなれないロジックばかりなんですよ
書いたときには良いと思ったけどGという答案かな
第1問とあわせてCくらいでしょう
故意で包摂
といいますが、これもよく判らない
客観的構成要件要素であれば、故意の認識対象なのは当たり前
こういう表現を使う必要がない
印字の部分も、よく判らない。原本の存在を推知させるだけなら
「文書性」を欠くとするとおもいきや、肯定している
(コポーの文書性肯定説は、原本と同一の意識内容をもつゆえ、原本性を持つという)
作成者と名義人の人格的同一性の有無を検討するにあたっては、
@指名手配されていること→本名だとばれてしまう恐れあり。
A履歴書は採用面談で使用される文書であること
を当てはめで使うと良かったと思います。
ファックスの文書性も一応それらしいことが書けてると思います。
故意に包摂云々っていうのは嘘じゃないので減点事由じゃないと思います。
「当初の計画により」の評価が抜けています。
→甲だと知っていれば貸さなかったと考えられる以上返済の意思
があったとしても詐欺の故意に欠けるところはない。
とか・・・
要件をしっかり検討してるのでなかなかだと思います。
本番だと皆書けないので一問目と併せてA・Bぐらいだ
と思います。
381 :
氏名黙秘:05/03/13 01:30:48 ID:2KjXhWQw
勉強四ヶ月 学部二年
論証とか答案自体はそこそこよんだから、良いか悪いかくらいはわかる
ようになってきました・・・。
でも、ここがよいかな、ここがわるいかな、くらいではっきりしてないし
自分では問題をよんでも、問題提起でてこないし。。
それでもいうなら、刑法はいい答案だとおもう。
司法試験はこれくらいかいても落ちるもんなのかな・・・。ガクブル
>>379 印字の部分は完全な誤解です。
理由付けが違っていました。
勘違いするということは、理解できていないということでしょう。
気をつけます。
そのほか、どこがよく聞きなれないロジックなのでしょうか?
よろしければご教授いただければと思います。
>>380 確かに問題文を使ったあてはめができませんでした。
うまく使えるといいですね。
各論では要件をしっかりと検討する癖をつけます。
ありがとうございました。
>>381 学部2年ということは、まだお若いんですね。
この時期だとロースクール組なのでしょうか。
お互いがんばっていきましょう。
さて、今日は民訴1問目を書いてみました。
【民訴】 平成12年・第1問
口頭弁論の意義と書面の役割について論ぜよ。
一、口頭弁論とは、当事者双方が対席の下、公開の法廷で、
口頭により攻撃防御を展開する期日の一形態をいう。
民事訴訟では、判決をするためには口頭弁論を経なけ
ればならないとされ(必要的口頭弁論の原則、87条1項)、
直接主義、公開主義、口頭主義、双方審尋主義が採用さ
れている。
これは、純然たる訴訟事件においては、当事者の実態
的権利義務を確定するという効果を生じ、当事者に重大
な影響を与えるため、口頭弁論という慎重な手続を経る
必要があるとされることから採用されている。
口頭弁論の諸原則の内、口頭主義は、当事者が公開の
法廷で口頭で陳述したことだけを裁判所は判決の基礎と
しうるという原則をいう。
これは、口頭による陳述が新鮮であり、裁判所が心証
形成しやすく、不明瞭な点があれば即時に釈明しうるこ
とから、真実発見に資するため採用されている原則であ
る。
二、もっとも、口頭主義を厳格に貫くと、裁判が長期にわ
たった場合に記憶が困難であり、下級審の審理を前提と
して上級審の審理をすることが困難となるという不都合
が生じる。
そこで、民事訴訟では口頭主義を補完するために、書
面主義が一部採用されている。
1、まず、訴訟の開始、上訴など重要な訴訟行為について
は、書面でなすことが原則とされている(133条1項、28
6条1項、314条1項、318条5項)。
これは、重要な訴訟行為を書面でなすことにより、当
事者の意思を明確に示すために採用されている。
2、次に、審理の過程で準備書面制度が採用されている(
161条1項)。
これは、事前に書面により準備することにより、裁判
所や相手方に審理の予測可能性を与え、迅速な訴訟を可
能とするとともに、審理の過程を保存するために採用さ
れている。
3、さらに、口頭弁論の結果は調書により保存される(16
0条1項)。
これは、口頭弁論で何を行なったかを事後的に明らか
にするために採用されているものであり、判決裁判所や
上訴裁判所の審理の見直しを容易にするために採用され
ている。
4、また、上告や上告受理申立てにおいては、理由書を作
成することが要求されている(315条、318条5項)。
これは、上告審が法律審であることに鑑み、上告の理
由を書面で明確に示すことで、上告審の審理対象を明ら
かにするために採用されている。
三、このように、口頭弁論においては口頭主義が採用され
ているが、一定の場合には口頭主義を補完するため書面
主義が採用されている。
以上
コメント
1000字程度、2ページの後半です。
口頭弁論の諸原則について触れたほうがいいかとも思いましたが、口頭主義と書面主義との関係をメインで聞いているので、削除しました。
また、書面主義の弊害も書くべきかと思いましたが、書面の役割という問題からはなれる気がしたので、削除しました。
よろしくお願いいたします。
問題
>>383 答案
>>384-385
387 :
裸の大将 :05/03/13 20:08:36 ID:???
せ、せ、せ、、、せっくす、、、なんだな。
388 :
氏名黙秘:05/03/14 09:54:43 ID:VLmk5EvF
訴訟法わかんねーw すまん
今は下の時期なのか?現行組みは
あまりメインとか考えず問題文に沿って「口頭弁論の意義」も
厚く書いてもよかったかもしれません。
すべて一問目との時間の関係で決まるので一概にいえませんが。
ただ、そつない答案ですので最低限守れていると思います。
>>388 私は、毎日色々な科目に触れておこうと思い、やっています。
択一後に全く忘れているというのでは困るので、今が大事だと思います。
でも、択一に落ちたら目も当てられない結果なのですが。
今年はやるだけやってみたいと思います。
これからもよろしくお願いいたします。
>>389 ありがとうございます。
口頭弁論の意義を4つの原則と絡めつつ、述べるには、原則について定義を述べる必要があります。
ここをどうやって短くまとめるか、口頭弁論と結びつけるか、当事者の権利に配慮していることを導くか。
これが腕の見せ所だったと思います。
でも、難しいです。
じっくり考えてみたのですが、どうしてもうまくまとまりませんでした。
本試験ではもう1問との関係で余力があれば書いてみたいと思います。
さて、今日は2問目を書いてみました。
【民訴】 平成12年・第2問
Aが死亡し、その相続人であるYは、限定承認をした。
その後、被相続人の債権者Xは、Aに対して有していた金
銭債権1,000万円の支払を求める訴えをYを相手方として提
起した。
1 この訴訟において、Yが限定承認の事実を主張したと
ころ、これが認められ、相続財産の範囲で1,000万円を支
払えとの判決がされて確定した。その後、Xが「Yは、相
続直後に相続財産を隠匿しており、限定承認には無効事
由がある。」と主張して、確定判決の効力を争うことがで
きるか。
2 この訴訟において、Yは、限定承認の事実を主張しな
かったところ、1,000万円を支払えとの判決(相続財産の
範囲で支払えとの限定は付されていない。)がされて確
定した。Xは、この確定判決に基づき、Yの固有財産に
対して強制執行をし債権全額の満足を得た。その後、Y
はXに対して、不法行為による損害賠償を求める訴えを
提起し、「Xが、限定承認の事実を知りながら、1,000万
円の給付判決を得て強制執行をしたのは違法である。」と
主張した。確定判決の効力との関係で、Yの主張の当否
を論ぜよ。
一、小問1について
1、Xが後訴で限定承認に無効事由があったことを争うこと
はできるか。
前訴で限定承認の事実について既判力(114条1項)が生
じるか問題となる。
2、この点、既判力は判決主文に包含された訴訟物たる権
利関係について及ぶのが原則である。なぜなら、その点
について既判力を及ぼせば紛争解決として十分であるし、
理由中の判断にまで既判力を及ぼすと当事者の弾力的な
訴訟活動を阻害するからである。
この点、本問では相続財産の範囲内で1000万円を支払
えとの判決が確定している。そして、判決主文に包含さ
れた訴訟物たる権利関係は、YがXに対し1000万円を支払
うというものであり、限定承認の事実は既判力に含まれ
ない。
2、とすると、Xが後訴で限定承認の事実を争うことも認め
られそうである。
しかし、前訴では1000万円の範囲内で支払うという判
決が確定しているにもかかわらず、後訴で限定承認の事
実を争えるとすると、紛争を実質的に蒸し返すことにな
り、妥当でない。
そこで、前訴において提出された限定承認の事実に対
し、既判力に準じる効果を生じさせ、後訴において限定
承認の事実を争うことはできないと解するのが、紛争解
決の実効性の観点から妥当であると考える。
3、よって、限定承認の事実に対し既判力に準じる効果が
生じる以上、Xの後訴は前訴により遮断され、認められな
い。
二、小問2について
1、前訴既判力が1000万円の給付請求認容について及び、
限定承認の事実は提出されていなかったことから、Yの後
訴は前訴既判力に抵触するものではなく、Yの主張は認め
られるとも思える。
しかし、前訴で提出することのできた限定承認の事実
を後訴で争うことは、実質的に紛争の蒸し返しとなり、
紛争解決の実効性の観点から妥当でない。
そこで、Yの後訴での主張を遮断できないか問題となる。
2、思うに、当事者は前訴事実新口頭弁論終結時(基準時)
まで自由に攻撃防御方法を提出できたのであり、既判力
もこの時までに生じた事実について生じる。
そこで、訴訟物に関し、基準時までに提出できた攻撃
防御方法は、後訴において提出できないと考えるべきで
ある。
本問では、限定承認の事実は、XのYに対する給付請求
権に付着する抗弁事由であり、Yは前訴口頭弁論終結時ま
でにかかる抗弁を提出できたといえる。
したがって、限定承認の事実について既判力の遮断効
が及び、Yは後訴において限定承認の事実を争うことはで
きず、Yの主張は認められないと解する。
3、もっとも、Xが故意にYの抗弁提出を妨げたような場合、
Yには前訴において限定承認の事実を争う機会が与えられ
なかったといえる。
そこで、前訴において限定承認の事実を提出できなか
ったことにつき、再審事由(338条)に準じる事由がある
場合には、例外的にYの後訴請求を認める必要があると考
える。
よって、例えば、Xが強迫によりYの抗弁主張を妨げた
ような事情があれば、Yの主張は認められる余地があると
考える。
以上
コメント
1300字弱、3ページの頭です。
準既判力という言葉を知ってしまったので、小問1は少し楽でした。
小問2はどこまで書けばよいのか不明なところでした。
既判力の遮断効まで丁寧に論じたほうがよかったのかもしれません。
必要最小限のことだけは述べたつもりです。
396 :
裸の大将 :05/03/14 20:21:24 ID:???
あ、あ、あ、、、アナル、、、なんだな。
良く書けてます。本番でこれだけ書けていれば
一問目と併せてA〜Bは取れるでしょう。
しかし、民訴の事例は去年の問題もそうですが
百選読んでると楽なことが多いですねえ。
去年の問題って百選と関係あったっけ?
>399
百選もってたら判旨をよく読んでみて下さい。
再抗弁の問題?たしかに判旨をきっちり読んでれば判例の事案とは違うってのは分かるが。
>401
そう再抗弁の事例。百選掲載の判旨には訴訟外で相殺の意思表示
をした場合についても結論を述べている。
>>398 百選読んでると楽なことが多いですねえ、って、、、お前、合格者じゃねえだろ!
合格者ぶるな!
俺は合格者
out
確かに俺は不合格者ですが何か?
>406
おまいは成績評価が辛いんだよ。
いつも旧評価でつけてんなら、話は別だけど。
>>398-407 百選はためになると思いますが、読み込むのはつらいですね。
時間的にあまり余裕がありません。
でも、時間があったら少しは目を通しておこうかと思います。
これからも厳しい評価をよろしくお願いいたします。
さて、今日は刑訴を書いてみました。
【刑訴】 平成12年・第2問
被告人は、「X日、Y町のA方において、同人の高級時計を
窃取した。」として起訴されたが、公判では、「その時計は、
そのころ、同所付近において、知人から、盗品であるかもしれ
ないと思いながらも5万円で買い受けたものである。」と主張
している。証拠調べの結果、裁判所は、被告人の主張どおりの
事実の心証を得た。
1 裁判所は、窃盗の訴因のままで、盗品の有償による譲受け
の罪で被告人を有罪とすることができるか。
2 窃盗の訴因のままでは有罪とすることができないとした場
合、裁判所はどうすべきか。
コピーを間違えました。
これは2問目でした。
改めて。
【刑訴】 平成12年・第1問
甲に対する覚せい剤取締法違反被疑事件に関し、同人方
を捜索場所とする捜索差押許可状の発付を受けた警察官が
同人方に捜索に赴いたところ、玄関が施錠されていた。そ
こで、証拠が隠滅されることをおそれた警察官は、「宅配
便です。」と声をかけ、甲にドアを開けさせた。警察官は、
甲に同許可状を示して捜索に着手したところ、その場に居
合わせた乙があわてて退出しようとしたため、これを制止
した上、乙の上着のポケットに手を差し入れて捜索し、ビ
ニール袋に入った覚せい剤を発見したので、これを差し押
さえた。
この警察官の行為は、適法か。
一、宅配便を装ってドアを開けさせた行為について
1、警察官が「宅配便です。」と声をかけ、甲にドアを開
けさせた行為は、欺罔的手段を用いたものである。
これは、捜索差押許可状(218条1項)の執行のために
必要な処分(222条1項、111条1項)としてなされたもの
と解されるが、このような欺罔的手段を用いることが適
法か問題となる。
2、この点、欺罔的手段を用いた捜査方法は、デュープロ
セス(憲法31条)の見地より認められないとも思える。
しかし、覚せい剤事犯のように、容易に証拠隠滅が可
能である場合にまで、一切認められないとすると、捜索
差押許可状の実効性を欠くおそれがあり、妥当でない。
思うに、欺罔的手段を用いることは、錠をはずす行為
に比べて侵害の程度が大きいとはいえない。
そこで、欺罔的手段を用いることも、それが必要かつ
相当な方法でなされる限り、適法であると考える。
3、本問では、甲に覚せい剤取締法違反の疑いがかけられ
ており、警察であることを名乗るとトイレに覚せい剤を
流してしまうなど、容易に証拠隠滅される可能性がある
ことから、宅配便を装う必要性があるといえる。
また、警察官は何ら強制力を用いず、甲が任意にドア
を開けることを待っていたに過ぎないのだから、相当な
方法であったといえる。
したがって、本問行為は捜索差押に必要な処分といえ、
適法である。
二、乙に対して捜索し、覚せい剤を差し押さえた行為について
1、甲方に対する捜索差押許可状で、乙の身体を捜索し、
覚せい剤を差し押さえることができるか問題となる。
2、思うに、法が場所と身体を分けて規定しているのは(
218条1項参照)、場所に比べて身体の捜索は対象者のプ
ライバシー等の権利侵害の程度が大きいため、裁判官に
よる別個の司法審査を経ることにより、対象者の権利保
護を図った趣旨であると考える。また、捜索差押許可状
の執行範囲は、あくまでも捜索場所にある人または物を
対象とするのであり、偶然その場に居合わせた者に対し
ても捜索しうるとすると、事前に司法審査を経て執行範
囲を限定しようとした法の趣旨に反する。
そこで、場所に対する捜索差押許可状で、偶然その場
に居合わせた者の身体に対する捜索をすることはできな
いと考える。
3、したがって、本問捜索差押許可状で、乙の身体を捜索
することはできない。
4、もっとも、本問乙に対する捜索は、捜索場所に居合わ
せた乙があわてて退出しようとしたため、警察官が静止
した上でなされたものである。
これは、職務質問(警職法2条1項)に付随する所持品
検査と見ることができる。
そして、所持品検査は任意処分(197条1項)として許
容されるが、職務質問の実効性を図るため、必要性、緊
急性、相当性が認められる限りで許容されると考える。
これを本問についてみると、覚せい剤事犯の被疑者宅
にいる乙が警察官の姿を見てあわてて逃げ出そうとして
いることから、覚せい剤を所持していると疑う理由があ
り、所持品検査の必要がある。また、乙が逃亡の気配を
見せていることから、緊急性もある。そして、警察官は
上着のポケットに手を入れて覚せい剤を取り出したにす
ぎず、乙を裸にするなど強制的な方法を用いたわけでも
なく、相当性も認められる。
したがって、本問所持品検査は適法である。
5、では、ビニール袋に入った覚せい剤を差し押さえた行
為は適法か。
この点、警察官が新たに令状を得たという事情はなく、
乙が覚せい剤を任意に提出した事情は認められないため
領置(101条)には当たらず、警察官が乙を現行犯逮捕し
た事情も認められないため逮捕に伴う捜索差押(220条1
項2号)ともいえない。
したがって、本問差押は無令状差押として違法である
と考える。
以上
コメント
1500字程度、3ページの後半です。
書くべきことは大体分かったのですが、書き方が難しかったです。
「捜索」とあるので所持品検査について触れるべきか迷いましたが、主に差押の適法性を聞いていると思い、触れておきました。
冗長になってしまったことでバランスを失してしまいました。
よろしくお願いいたします。
問題
>>410 答案
>>411-413
一はよく書けています。
二は単に場所への捜索差押令状が人へどこまで及ぶかその限界を
聞いる問題だと思います。
例えば田宮説みたいに書くと、
対象物を持っている合理的な疑いがあれば第三者にも及ぶ。
ただ人に対する場合についてもいきなり捜索をするのでなくまずは
説得行為から試みるべき。
本問では説得行為も行なわずいきなりポケットに手を突っ込んでいる。
よって違法。
といった感じです。三は不要です。
捜索にあたる行為には逮捕に伴う捜索差押以外では令状が必要です。
最高裁の判例で捜索を無令状で認めた判例はありません。
そういった意味で大谷さんみたいに捜索を無令状で認める見解は
試験委員の激怒に触れる可能性があります。
実際胸ポケットに手をいれたものを違法とした判例がありますよね?
「裸にするなど・・・」という論証は捜索に令状が必要であることを理
解していないと思われるだけです。
あくまで相対評価ですが致命的だと思います。
416 :
前田:05/03/15 22:31:51 ID:7zrJNbab
私も一はよく書けていると思いました。
二の3までについては原則を貫いたなあとの印象です。
二4の所持品検査を書くことの可否でついてですが、私もいつもこの論点については悩んでいました。
行政警察活動である以上、捜索差押えという司法警察活動を行っている本問では絶対書いては駄目だと思っていたのですが、平成元年一問の答案を見ると類似の事案で所持品検査を書いてあるA答案が非常に多かったからです。
私自身としては所持品検査に触れてもよいかなと思います。他の人の意見はどうなんでしょうか。
ただ、やはり所持品検査の結論はまずいです。
ちなみに私は合格者ではないです。反論があればお願いしますね。
あと少しですね。お互いがんばっていきましょう
ありがとうございます。
>>415 所持品検査のところは、フリスクの程度に抑えるべきとの学説のほうがよかったのでしょうか。
いまひとつ浮かんでこなかったので、変な論証をしてしまいました。
反省です。
>三は不要です。
これは「二、4」以下(所持品検査)という趣旨でよろしいでしょうか。
>捜索を無令状で認める見解
これは所持品検査についてのことをおっしゃっているのでしょうか。
問題文に「捜索」とある以上、これを認めるのはまずいという趣旨と理解しましたが、どうでしょうか。
余計なことは書くべきではない、とあれほど反省したにもかかわらず、まだまだ余計な論述が多いです。
構成段階でもっと骨まで削らないといけませんね。
>>416 上でも書きましたが、所持品検査の結論は、フリスクじゃないとだめなのでしょうか。
判例だとポケットも大丈夫だったような気がするのですが。
やはり捜査は苦手です。
お互いがんばりましょう。
ところで、前田さんは最近私と対談した方ですか。
それとも二段階の前田さんでしょうか。
くだらない質問でごめんなさい。
これからもよろしくお願いいたします。
>これは「二、4」以下(所持品検査)という趣旨でよろしいでしょうか。
そうです。
>これは所持品検査についてのことをおっしゃっているのでしょうか。
そうです。所持品検査で捜索を認めるのは非常にまずいです。
>416
平成元年も所持品検査を論ずるべきではなかったと思います。ただ
平成元年は職務質問っぽい行為が先行してるので自然と所持品検査
を書いた人が多かったのだと思います。
それに引換え本問は職務質問らしき行為が先行していない。
所持品検査はあくまで職務質問に付随する行為ですのでこの
問題で所持品検査を論じるのは違和感があると思います。
勿論所持品検査としても判例の筋に沿っていればいいですが
大谷さんのはちょっと外れてる。
]
420 :
前田:05/03/16 07:17:02 ID:1V/sYcje
>>417 所持品検査の判例は、承諾がないままポケットに手をいれて所持品を取り出すのは違法としているようです(田口p52)。
そういえば何年か前に対談してエキサイティングした気が・・・(^^;)
>>418 確かに本問は「制止」しただけで職務質問らしき行為を行ってないですね。納得しました。
>>420 なにを言ってんだか、はぁ、、、この、エキサイティング不合格者が!
まったく、、、
ありがとうございます。
確かに本問では職務質問のかけらが見えてきませんね。
こういう場合は書くべきではないのでしょう。
何でもかんでも書いておこうという精神は、ともすると自己崩壊の危険があるため、気をつけないといけませんね。
書かない勇気を持ちたいです。
さて、今日は2問目を書いてみました。
【刑訴】 平成12年・第2問
被告人は、「X日、Y町のA方において、同人の高級時計
を窃取した。」として起訴されたが、公判では、「その時計
は、そのころ、同所付近において、知人から、盗品であるか
もしれないと思いながらも5万円で買い受けたものである。」
と主張している。証拠調べの結果、裁判所は、被告人の主張
どおりの事実の心証を得た。
1 裁判所は、窃盗の訴因のままで、盗品の有償による譲受
けの罪で被告人を有罪とすることができるか。
2 窃盗の訴因のままでは有罪とすることができないとした
場合、裁判所はどうすべきか。
一、小問1について
1、窃盗の訴因のままで盗品等有償譲受罪を認定すること
はできるか。
いかなる場合に訴因変更(312条1項)が必要か問題と
なる。
2、この点、審判対象を検察官から受け継いだ社会的嫌疑
たる公訴事実と捉える見解がある。
この見解によると、盗品等罪も審判対象に含まれてい
るため、盗品等罪で有罪認定を下しうる。
しかし、現行法は当事者主義的訴訟構造を中心として
構成されており(256条6項、298条1項参照)、職権主義
的構造を中心として構成するのは妥当でない。
思うに、審判対象は一方当事者たる検察官が設定した
具体的事実たる訴因であると考える。そして、訴因は裁
判所に対して審判対象を示すとともに、被告人の防御の
範囲を画するという機能を有する。
そこで、具体的事実に重要な変化が生じた場合には、
裁判所の審判対象が変化し、被告人の防御に不利益が生
じるといえ、訴因変更が必要であると考える。
そして、ここにいう被告人の不利益とは、具体的な訴
訟経過に応じた不利益ではなく、現訴因を見たときに新
訴因について防御が及ぶかを抽象的に判断すべきと解す
る。
3、では、本問では訴因変更が必要か。
まず、「窃取した」という事実から「有償で譲り受け
た」という事実に変えることは、具体的事実に重要な変
化が生じたといえる。
そして、窃盗と盗品等罪とは、前者が被害者から直接
窃取したかが争点となり、後者は被害者以外から盗品を
譲り受けたかが争点となるため、盗品等罪の事実を認定
することは、被告人の防御に抽象的に不利益を生じると
いえる。
したがって、本問において裁判所が盗品等有償譲受罪
で有罪判決を下すためには訴因変更が必要であり、窃盗
の訴因のままで有罪認定を下すことはできない。
二、小問2について
1、まず、裁判所は窃盗の訴因のままでは有罪判決を下す
ことができないことから、釈明権(規則208条)に基づき、
検察官に対して訴因変更を促すことが考えられる。
ここで、訴因変更が認められるか問題となる。
2、この点、訴因変更が認められるためには、両訴因に「
公訴事実の同一性」がなければならない。そして、公訴
事実の同一性の判断は、両訴因に単一性が認められ、か
つ狭義の同一性が認められる必要がある。
そして、狭義の同一性が認められるためには、基本的
事実関係、すなわち行為または結果が共通していること
が必要である。
3、本問では、訴因の単一性は認められる。
そして、A所有の時計を取得したという結果の同一性
も認められる。
したがって、訴因変更は可能である。
4、そして、検察官が訴因変更に応じなかった場合、裁判
所は訴因変更命令(312条2項)を出すことができる。
ここで、訴因変更命令が裁判所に義務付けられるか問
題となるが、当事者主義的訴訟構造の下、裁判所は一方
当事者たる検察官に過度に肩入れすることは妥当でない。
そこで、犯罪が重大で、訴因変更を経れば有罪となる
ことが明白である場合に限り、訴因変更命令が義務付け
られると考える。
本問では盗品等罪の法定刑は3年以下の懲役であり(刑
法256条1項)、重大な犯罪とはいえない。
したがって、裁判所は訴因変更命令を出すことまでは
義務付けられない。
5、では、裁判所が職権で訴因変更命令を出した場合、検
察官が訴因変更をしていない段階でも盗品等罪で有罪判
決を下すことができるか。
この点、当事者主義的訴訟構造の下、訴因の設定・変
更は検察官の専権とされている以上、裁判所の訴因変更
命令に形成力を認めることはできないと解する。
したがって、検察官の訴因変更がない限り裁判所は盗
品等罪で有罪判決を下すことはできない。
6、以上より、裁判所は検察官に訴因変更の釈明を促し、
検察官がこれに応じれば盗品等罪で有罪判決を、応じな
ければ窃盗罪につき無罪判決を下すべきである。
そして、訴因変更により被告人に実質的な不利益を生
じる場合には、被告人に防御の機会を与えるため、被告
人または弁護人の請求により十分な準備をさせる機会を
与えなければならない(312条4項)。
以上
コメント
1600字程度、3ページマックスです。
分量的に、小問1で公訴事実説を批判する必要はなかったかもしれません。
論点に対して最小限の論証を心がけました。
「当事者主義的訴訟構造」をキーワードにしてみました。
よろしくお願いいたします。
問題
>>423 答案
>>424-426 明日からは平成7年度の問題を書いていこうと思います。
つまんない答案だな
頭がキレるとは到底思えない
でも勉強はしてるとw
今から
>>428が頭のキレを生かして面白い答案を書きます
>>427 > そこで、具体的事実に重要な変化が生じた場合には、
裁判所の審判対象が変化し、被告人の防御に不利益が生
じるといえ、訴因変更が必要であると考える。
裁判所の審判対象が変化するので訴因変更、というのは訴因説とは
相容れないです。訴因が変わるから審判対象が変わるのです。
あと、重要な変化かどうかを判断するために被告人の不利益を考慮するという
ロジックが曖昧なので、そこをはっきりさせた方がいいでしょう。
後半は
>>428で賞賛されているように、いいのではないかと思います。
(つまらなくても減点されなければいいのです。合格答案なんてつまらないものです)
この点、審判対象を検察官から受け継いだ社会的嫌疑
たる公訴事実と捉える見解がある。
この見解によると、盗品等罪も審判対象に含まれてい
るため、盗品等罪で有罪認定を下しうる。
まず,これが間違いです。公訴事実説を確認してください。
よく分からない反対説批判をして自滅しないように。
まず、「窃取した」という事実から「有償で譲り受け
た」という事実に変えることは、具体的事実に重要な変
化が生じたといえる。
そして、窃盗と盗品等罪とは、前者が被害者から直接
窃取したかが争点となり、後者は被害者以外から盗品を
譲り受けたかが争点となるため、盗品等罪の事実を認定
することは、被告人の防御に抽象的に不利益を生じると
いえる。
なぜあてはめが二段階になってるのかな?
重要な事実の変化=被告人の不利益
ということだったはず。
訴因変更の可否を書くのはいいけど,
何のために書いてるのか,書く実益が答案上から読み取れない。
以上より、裁判所は検察官に訴因変更の釈明を促し、
検察官がこれに応じれば盗品等罪で有罪判決を、応じな
ければ窃盗罪につき無罪判決を下すべきである。
訴因変更命令はどこへいっちゃったの?
法的義務じゃなくたって事実上はやるべきでしょ。求釈明だって法的義務とは限らないんだから。
それ以外はよくできてると思います。
そうだ,盗品等「有償」譲受罪の法定刑は3年以下ではありません。
433 :
前田:05/03/16 22:16:18 ID:1V/sYcje
まず、小問1について
論点自体については良く書けているとおもいました。私も分量を考えると反対説は不要だと思います。
一つ気になるのが当てはめです。
大谷さんは、規範を「具体的事実に重要な変化が生じた場合には、裁判所の審判対象が変化し、被告人の防御に不利益が生じるといえ、訴因変更が必要であると考える。」
としています。ということは「具体的事実に重要な変化が生じた場合には」訴因変更が必要となるということですよね。
とすると、あてはめも「具体的事実に重要な変化が生じたか否か」について検討することになると思います。
ところが、当てはめを見ると「 まず、「窃取した」という事実から「有償で譲り受け た」という事実に変えることは、具体的事実に重要な変化が生じたといえる。」とありここで規範に対応した当てはめを終わってしまっています。
なので、私としては「まず〜そして〜」と具体的事実の変化と防御の不利益を並立的に書くのではなく、「具体的事実に重要な変化が生じたか否か」を判断する上で防御の不利益を考えるべきだったのではないかと思いました。
小問2について、私はよくできていると思いました。とくに6のまとめとかは、裁判所がどう判断すべきかについて具体的に考えてあり、うまいなあと思いました。
ただ、ちょっと細かいのですが二2訴因変更の可否の論点については「ここで〜」とはじめるよりも、
「次に裁判所は訴因変更命令(312A)できるか。できるためには両訴因が「公訴事実の同一性」(312@)の範囲内にあることが必要である。そこで〜」
と始めたほうが訴因変更をなぜ論じるのかという姿勢を出せるので良いと思ったのですがどうでしょうか?
反論があればお願いしますね。
>>433 訴因変更の可否は,訴因変更命令以前に,
求釈明をすべきかどうかの次元で問題になる。
色々論点拾って良くできてると思います。
上位三分の一には入っていると思います。
すでに色々な批評があるので、「(広義の)公訴事実の同一性」に限定して、少し評します
広義の公訴事実を単一性と狭義の同一性に分けるみたいですが
まず、単一性についてなぜ認められるかを書いて欲しい
実体法上一罪である、というのが通説、そして、本文では「不可罰的事後行為」として一罪になる
そして、狭義の同一性だけど、なんともあっさりしてる。というか、行為「または」結果に同一性があればいい
という見解に立つと、帳簿を破るという事実において、背任罪と器物損壊罪でも公訴事実に同一性があることになりかねない
さすがにそんな見解はない。ここは百家争鳴の観もあるけど、ならば判例に従っておくのがいい
といっても、判例も読み方が非常に難しい(だから百家争鳴でもある)のだが
基本的事実の同一性を基礎に、同一性が弱い場合には択一性を勘案して判断している
(逆の読み方をする人もいる)。特に、不可罰的事後類型では、事実の同一性は弱い(時間的隔離がある)ので
択一関係による補充が必要になる(というか、択一関係は罪数評価にかかわる類型で働く)
ここが弱いのは、配点が高いと思われる分、致命傷になるかと思う
まあ、致命傷といっておきながら何ですが
他の点でカバーしていること、刑訴はあまりみんな勉強してない(ハイレベルの戦いにならない)ことから
結果的に合格答案といえるかもしれないです
中心論点での失敗を、地道な点数稼ぎで何とかカバーというパターン
こういう姿勢は大事です。食らい付く答案ですね。
438 :
前田:05/03/16 22:45:55 ID:1V/sYcje
>>434 なるほど。たしかにそうですね。
ならば「ここで」と入っていくのも別に良かったのかな。
あと、訴因変更においては、なんでそんな制度があるかをきっちり書いて欲しい
立法趣旨がその限界を設定する。
訴因対象説を貫けば新訴因で起訴すべきとなる(実際そのような国もある)
しかし、それでは訴訟経済に反する。そこで、当該手続きにおいて
訴因を維持する場合は無罪(検察官の主張する事実を立証できない)が
他訴因では有罪となることが判明したら、一定の条件下で訴因を変更することを認めたのが
日本法のシステム。無限定の変更は訴因制度と相容れない。だから、公訴事実の同一性をもって限界としたのだと
> 訴因対象説を貫けば新訴因で起訴すべきとなる
事実記載説だからということですね
>>438 ここで,という無意味な接続詞より,
訴因変更を促すべきか,訴因変更の可否が問題となる
という流れで書くべきだと思う。
>>436 そういう説の当否部分では差はつかないのでは。
そういや,平野説の場合,狭義の同一性のときは単一性を持ち出す必要はないんだな。
単一性は余事記載だ。
単一性については必要かの争いはあるけど
必要とする見解にたつなら、規範かいて当てはめるくらいはした方がよい
学説云々ではなく、自分が出した物は片付ける、ということ(比喩的に言うと)
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sage
>>430-431 公訴事実説からの帰結は、勘違いしていたみたいです。
やはり反対説を出すのはよほど自身がない限りやめたほうがいいですね。
ついつい書きたくなってしまう衝動を抑えなければなりません。
訴因変更の狭義の同一性の当てはめについてですが、論文の森には
2段階に分けて書いてありました。
受験生答案を見ると、被告人の防御の不利益のみに絞って書いてい
る答案が多いみたいですが、訴因の機能が2つある以上、2つとも検
討したほうがよいかと思いました。
このような考え方は、理論的に間違いがあるのでしょうか。
ただ、重要な事実の変化があるといえるためには、被告人の不利益
を考慮すべきである、と構成したほうが素直だったかもしれません。
ここはどうも理解が進まず、困るところです。
よろしければご指導いただけるとありがたいです。
>>433 今回は窃取と有償譲受とは全く行為が異なるので、重大な変化と簡
単に認定しました。
訴因変更の要否は被告人の利益がメインだと思うので、そちらにウ
エイトを置いたつもりです。
もっと丁寧に認定したほうがよろしいでしょうか。
それと、
>>434にもありますが、釈明段階でも訴因変更の可否が問題
になるので、あのような論じ方にしました。
ただ、文章のつながりが悪くなってしまったことが気になります。
うまい構成がありましたら、よろしくお願いいたします。
>>436-439 狭義の同一性については、私は行為または結果、もしくは行為態様
と保護法益といういずれかを基準にしています。
問題の長さ、あてはめのしやすさなどを考慮した結果、今回は行為
または結果としました。
訴因変更の趣旨に軽くでも触れられると印象はいいですよね。
短く触れられるように準備しておきます。
>>441 促す=釈明ですよね。
釈明できるか、という前提問題に訴因変更があるのだから、そのよ
うな構成が妥当かもしれません。
ただ、私の頭では、どうもきれいな論述にまとまりません。
具体的にどういう風に問題提起されるか、ご教授いただけたら幸いです。
あと、今の学者はほとんど単一性を要件としているので、書いても
問題にならない気がするのですが、どうでしょうか。
平野先生とそれを受け継いだ田宮先生は、公訴不可分の原則がなく
なったことを理由に単一性を不要としていますが、その他の要件で
単一性らしきものを問題にされていると思います。
論理矛盾には当たらないと思うのですが、いかがでしょうか。
それに、単一性を不要とする学説を書くのは少々怖いです。
困るところです。
>>442 >>436にもありますが、単一性のあてはめをもう少しだけやって
おいたほうがよかったかもしれません。
この問題では単一性が認められることが明らかだから、不要だと
思って省略してしまいました。
「自分が出した物は片付ける」とはいい言葉ですね。
肝に命じておきます。
あと、
>>436の単一性の当てはめは、違うのではないでしょうか。
「ずれ」の問題ですので、不可罰的事後行為という理由は妥当で
ない気がするのですが。
単純に、検察官は盗品を取得したという事実を起訴したののだか
ら、単一性が認められるのではないでしょうか。
不可罰的事後行為などの理由は、「はば」の問題な気がします。
よろしければご意見を伺いたく思います。
さて、憲法は前に書いたので、今日は民法を書いてみました。
【民法】 平成7年・第1問
飲食店経営者のAは、不要になった業務用冷蔵庫を、知人の
Bに頼んで破棄してもらうことにした。Aが、店の裏の空き地
にその冷蔵庫を出しておいたところ、近所の住人Cも、不要に
なった冷蔵庫を破棄したいと思い、勝手にAの冷蔵庫のそばに
自分の冷蔵庫を捨てた。Bは、トラックで空き地に乗り付け、
そこに置いてあった2つの冷蔵庫を回収して、Dの所有する山
林に不法に投棄した。これを発見したDは、付近が近所の子供
達の遊び場になっているため、2つの冷蔵庫に各5万円の費用
を費やして危険防止に必要な措置を講ずるとともに、A、Cを
つきとめた。なお、Bの所在は、不明である。
この場合に、DがA、Cに対してどのような請求ができるか
について、A、Cからの反論を考慮して論ぜよ。
一、Aに対する請求について
1、DはAに対して、山林の所有権に基づく妨害排除請求
権を行使して、冷蔵庫の撤去を請求し得ないか。
ア、まず、Aはかかる物件的妨害排除請求権は民法上規定
がなく、認められないと反論することが考えられる。
しかし、所有権よりも弱い占有権について占有の訴え
が認められている以上(197条以下)、所有権に基づく妨
害排除請求も認めるべきである。
よって、Dに妨害排除請求権が認められ、Aの反論は
容れられない。
イ、次に、Aは冷蔵庫を廃棄したのであり、所有権を放棄
しているとして、Dの請求を拒めないか。
この点、権利を放棄することも認められるが、第三者
の利益を害する態様での放棄は認めるべきでない。そこ
で、398条、538条を類推し、Aは所有権の放棄をDに対
抗できないと考える。
よって、AはDに対する関係では依然冷蔵庫の所有者
であり、Aの反論は容れられない。
ウ、では、Aは、Dの山林に不法投棄したのは、Bの契約
違反によるものであり、責任を負わないと反論すること
はできないか。
この点、所有者は、所有物が他人の権利を害すること
のないように注意する義務を負う。
したがって、AがBに廃棄を委託した以上、Bが適切
に廃棄措置を採ることを注意する義務を負うため、Aの
反論は容れられない。
エ、そこで、Aは排除の費用は、撤去を請求したDが負担
するものであると主張して、Dに対して撤去費用を求め
ることが考えられる。
しかし、正当な権利者が権利を侵害されたにもかかわ
らず、費用を負担するというのは公平の観に反する。む
しろ、侵害した者が責任を負うと考えるのが公平である。
よって、撤去費用はAが負担し、Aの主張は容れられ
ないと考える。
オ、以上、Aは自らの費用で冷蔵庫を撤去する義務を負う。
2、次に、DはAに対して、山林の所有権侵害を理由とす
る損害賠償を請求(709条)することが考えられる。
これに対し、Aは不法投棄をしたのはBであり、自ら
は責任を負わないと反論することが考えられる。
しかし、BはAの履行補助者として、Bの故意・過失
は信義則(1条2項)上Aの故意・過失と同視できるので
あり、Bが故意・過失によりDの権利を侵害した場合、
AもBと共同して不法行為責任を負うと考える(719条)。
そして、Bは故意にDの山林に冷蔵庫を捨てており、
故意にDの権利を侵害したといえる。
したがって、Aの反論は容れられず、Dの請求は認め
られる。
3、さらに、DはAに対し、危険防止のために冷蔵庫にとっ
た費用の5万円を、事務管理(679条)に基づき、有益費償
還請求(702条)することが考えられる。
これに対し、AはDの行為は冷蔵庫の価値を高めるもの
ではなく、有益費とはいえないと反論することが考えられ
る。
この点、事務管理が他人のために行なう行為であること
に鑑み、他人の利益になる費用であれば、有益費に当たる
と考えるべきである。
そして、冷蔵庫に子供が入り、閉じ込められるなど危険
が生じた場合、Aが不法行為責任を負う可能性があること
から、これを防止するための措置はAのためになされたも
のといえる。
したがって、5万円は有益費に当たり、Aの反論は容れら
れず、Dの請求は認められる。
二、Cに対する請求について
1、Dは、Cに対しても冷蔵庫の撤去を請求することが考えら
れる。
ア、この点、Dには妨害排除請求権が認められ、Cは他人の権
利を害する態様で、所有権を放棄することはできない。
イ、では、投棄がCと何ら関係のないBの行為によるものであ
ると主張し、責任を免れることはできないか。
この点、自らの行為によらなくとも、所有者は他人の権利
を侵害しないように注意する義務を負う。そして、これは第
三者が勝手に行なった行為であっても、かかる義務に違反し
たといえれば、他人の権利を侵害する注意をしていなかった
と評価できる。
この点、Cは、適切な廃棄手続を採っていなかった以上、
誰かが冷蔵庫を不法投棄することを注意していなかったとい
え、義務違反が認められる。
したがって、Cの反論は容れられず、Bの請求は認められ
る。
エ、そして、撤去費用は所有者たるCが負担する。
オ、以上より、DはCに対して、Cの費用で冷蔵庫を撤去
するように請求できる。
2、次に、DはCに対して不法行為責任を追求することが
考えられる。
これに対し、Cは相当因果関係がないと反論すること
が考えられる。
思うに、不法行為責任が公平の見地より規定されてい
ることに鑑み、因果関係も社会的に相当な範囲で認めら
れる必要がある。
そして、冷蔵庫を不法投棄することと、誰かが他人の
所有地に投棄することは相当因果関係があるといえる。
したがって、Cの反論は容れられず、Dの請求は認め
られる。
3、また、DはCに対し、冷蔵庫にとった措置の費用とし
て5万円の有益費償還請求をなしうる。
以上
コメント
2000字弱、4ページの真ん中くらいです。
どこを削ればいいか、困りました。
構成段階ではここまで長くなるとは予想できませんでした。
「一、2」のところは、債務不履行の理論を使ってしまいましたが、少し問題あるかもしれません。
715のほうが妥当だったのでしょうか。
ともかく、困る問題でした。
>>446 行為か結果さえ同一ならば公訴事実の同一性をみとめる
そこまでアバウトな説は無いと思います
学説を漁補したわけではないですが
判例だってもう少し踏み込んで判断してます
予備校説なんでしょうか。実務家も首を傾げると思います
あと、単一性は「実体法一罪」のとき認められます
すると、不可罰的事後行為は一罪扱いになるので
単一性が認められる
窃盗幇助と盗品関与罪に公訴事実の同一性がみとめられないのは
併合罪になるので単一性を満たさないからです
平野説は行為または結果という説じゃないの?
単一性という言葉の意味は学者によって違うので,
何が正しいかということを詮索しても仕方ない気が。
>>430を書いた者です。
>受験生答案を見ると、被告人の防御の不利益のみに絞って書いてい
る答案が多いみたいですが、訴因の機能が2つある以上、2つとも検
討したほうがよいかと思いました。
訴因説では、訴因(事実)だけを審判対象とし、訴因についてのみ防御することになります。
新事実が判明したとしても訴因外である限り裁判所は審判してはならず、被告人も
防御しなくてよいというのが建前です。検察官が新事実で有罪にしようと思ったら、
新たに審判対象として防御させるために訴因変更が必要になります。
そこで、訴因変更の要否と訴因の機能との関係は、
「事実の変化に伴って審判対象および防御の範囲を変化させる必要があるので
訴因変更が必要になる」ということになります。
(この時点では「重要」、「不利益」は出てきません)
もっとも、ささいな事実の変化でも訴因変更を要するというのは現実的でないので、
ある程度は、訴因変更を不要とすべき範囲を認めざるをえません。そこで、
「重要な事実変化」に限って訴因変更を要するとし、「不利益が生じるか」によって
重要かどうか判断するのが一般的な考え方です。
要するに、「重要」、「不利益」というのは訴因の2つの機能から直接出てくるわけでは
なく、現実的要求から出てくるものなので、出自を混乱させないことが重要です。
457 :
前田:05/03/18 01:23:07 ID:BXYP7FU7
民法平成7年1問は非常に難問ですね。
まず、 「1、DはAに対して、山林の所有権に基づく妨害排除請求権を行使して、冷蔵庫の撤去を請求し得ないか。」
の主張に対する反論としてウ、「では、Aは、Dの山林に不法投棄したのは、Bの契約違反によるものであり、責任を負わないと反論することはできないか。」はまずいと思いました。
なぜなら、物権的な請求に対して債権的な反論を加えているからです。ここはレベルが違うと思います。Dが所有権に基づく妨害排除請求をして、冷蔵庫の所有権の放棄が認められない以上、義務違反があろうがなかろうがAは請求の相手方になると思います。
次に、一.2のところで債務不履行の理論を使ったのは反省にもある通り、まずいと思います。
ここは、不法行為の因果関係の問題ではないでしょうか。
715条を使った方が良かったのかもしれませんね。そうすればDはAに10万円全額請求できますし。Dにとっても実効的な方法だと思います。
気になったのは以上です。 あとは細かいところを抜きにして良くできてると思いました。
反論があればお願いします。
俺も履行補助者の理論を使ったのは非常にまずいと思う。
マジレスすれば、これだけで下位Gがきてもおかしくない。
459 :
:05/03/18 02:08:58 ID:???
俺も履行補助者はやヴぁいと思った。
契約責任と物上請求は全く別物だからね。
>>454-455 この問題は難しいですね。
私も人から教えていただいたことを書いているだけなので、あまりよく理解していません。
訴因変更の要否は、ご指摘いただいた点を踏まえておきます。
今年出そうですしね。
ありがとうございました。
>>457-459 履行補助者の故意・過失を利用しないと715ですね。
ただ、雇用関係のような密接な関係があるとは思えないので、損害賠償は否定せざるをえないかもしれません。
むしろ、書かなくてもよかったかなとも思います。
どうでしょうか。
さて、今日は民法2問目を書いてみました。
【民法】 平成7年・第2問
A社団法人の事務・事業をその理事Bが行うにつき、Bの
過失によりCが損害を被った場合において、責任の性質を踏
まえながら、AのCに対する不法行為責任、BのCに対する
不法行為責任、AがCに損害を賠償した場合におけるAのB
に対する求償の可否・範囲について、Bが被用者である場合
を対比して論ぜよ。
一、Aの責任について
1、Bが理事の場合、CはAの機関たるBの行為により損
害を被っている。
そして、BはAの事務・事業を行なうにつき、Cに損
害を与えている。
したがって、Bの行為は目的の範囲内の行為といえ、
AはCに対して不法行為責任を負う(44条1項)。
そして、この場合、AはBの過失行為につき十分な監
督をしていたとして責任を免れることはできない。
これは、BはAの機関として行動したのであり、Aの
行動と考えられるからである。
2、これに対し、Bが被用者である場合、Bに不法行為責
任(709条)が生じるため、Aは715条1項に基づきCに
対して不法行為責任を負う。
この場合の不法行為責任の法的性質は、報償責任であ
り、Bに不法行為が成立して初めてAに責任が生じる代
位責任である。
そこで、報償責任の原理が妥当しない場合、すなわち
AがBの選任監督につき相当の注意をしていた場合には、
Aは責任を負わない(715条1項但書)。
したがって、Bが理事の場合と異なり、被用者の場合
はAに免責が認められる余地がある。
二、Bの責任について
1、Bが理事の場合、Aが責任を負うことを理由に自らが
責任を負わないと主張することはできない。
確かに、BはAの機関として行動したのであるが、そ
れは同時にB自身の行為であるともいえるからである。
したがって、BはAとは別に不法行為責任を負う(70
9条)。
2、これに対し、Bが被用者の場合、Bは当然に不法行為
責任を負う。
このように、理事・被用者いずれの場合も、Bは自ら
行為を行なっているため709条に基づく不法行為責任を負
う。
三、Bに対する求償の範囲について
1、Bが理事の場合、Aは44条により、Bは709条により不
法行為責任を負うことになる。
そして、この場合ABは不真正連帯債務を負い、互い
にCに対して全額賠償する責任を負うと考える。なぜな
ら、被害者Cの保護になり、公平の観点から妥当である
からである。
とすると、真正連帯債務の求償に関する442条1項の適
用はなく、AはBに求償できないとも思える。
しかし、これでは先に弁済をしたほうが不利益を負う
ことになり、被害者に対して弁済を拒むことで被害者救
済に欠けることになる。
そこで、この場合にも442条1項を類推し、自己の負担
部分を越えて弁済した額について、他の債務者に求償で
きると考える。
したがって、AはBに対して、Aの過失割合を越える
部分につき求償できる。
2、これに対し、Bが被用者の場合、Aの責任は代位責任
であるから、AはBに対して求償できる(715条3項)。
もっとも、715条の責任は報償原理に基づくものである
から、Bへの求償は信義則(1条2項)上相当と認められ
る範囲に限られる。
このように、求償の根拠、額による違いはあるものの、
Bが理事であると被用者であるとを問わず、AはBに求
償できる。
以上
コメント
1200字弱、3ページの頭くらいです。
あまり理解していない部分でしたので、できるだけ短く書きました。
法人と理事の責任が不真正連帯債務になるかどうか知りませんでした。
719による方法も考えられたのですが、理論的に無理があると思い、不真正連帯債務としました。
よろしくお願いいたします。
問題
>>461 答案
>>462-463
民法2問目についてはコメントがなく、残念です。
一応まとまっていたということでよろしいのでしょうか。
さて、今日は商法を書いてみました。
今年、山だといわれている範囲でした。
【商法】 平成7年・第1問
Aが株式会社の発起人として会社の設立中にした行為に
関して、次の問に答えよ。
1 Aは、Bとの間で、原材料を会社の成立後に譲り受け
る契約を締結した。会社の成立後、会社の代表取締役に
就任したAに当該原材料を引き渡したBは、会社に対し
その代金の支払いを請求することができるか。逆に、会
社は、Bに対し当該原材料の引渡しを請求することがで
きるか。
2 Aは、Cに対し会社の宣伝広告をすることを依頼し、
これを承諾したCは、近く会社が成立し営業活動を開始
する旨の広告を行った。Cは、会社の成立後、会社に対
しその報酬を請求することができるか。この請求ができ
ないとした場合には、Cは、誰に対しどのような請求を
することができるか。
一、小問1について
1、Bが会社に対して原材料の代金支払を求めることがで
きるためには、Aの行為が会社に効果帰属している必要
がある。
そこで、設立中の会社の発起人がなした行為が、成立
後の会社に帰属するか問題となる。
2、この点、会社は登記により突然成立するわけではなく、
設立準備を経て徐々に成立していくものである。
とすると、設立中の会社は実質的に成立後の会社と同
一であり、設立中の会社がなした行為は成立後の会社に
効果帰属するといえる。
もっとも、成立後の会社に有効に効果帰属するために
は、設立中の会社の権限内で、設立中の会社の機関たる
発起人の権限内である必要がある。
3、では、Aが発起人として原材料を購入した行為は、成
立後の会社に効果帰属するか。
ここで、原材料の購入は、設立後直ちに営業を開始し
うることを目的としたものであり、開業準備行為に当た
る。
そこで、開業準備行為が設立中の会社及び発起人の権
限の範囲内といえるか問題となる。
思うに、設立中の会社の目的は、会社を設立すること
のみを目的とするのではなく、設立後直ちに営業を開始
しうることも目的としていると考えるべきである。
したがって、設立中の会社及び発起人の権限の範囲は
設立準備行為にまで及ぶと解する。
4、もっとも、発起人が権限を濫用することにより会社財
産の不当な流出を防止すべく、財産引受においては定款
への記載(168条1項6号)、原則として検査役の検査(1
81条)が必要とされている。
そこで、このような商法の趣旨に鑑み、かかる手続を
経ないでなされた財産引受は無効と解する。
本問契約は、Aが会社設立後にBから原材料を購入す
るものであり、財産引受に当たる。
したがって、上記手続を経ている場合には現物出資は
無効となる。
5、以上より、財産引受の手続を経ていれば、Bは会社に
対して代金を請求できるが、かかる手続を経ていなけれ
ばBは会社に対して代金を請求できない。
6、では、会社がBに対して原材料の引渡しを請求するこ
とはできるか。
この点、財産引受が有効であれば、会社はBに対して
原材料の引渡しを請求できる。
これに対し、財産引受が無効であったとしても、財産
引受制度の趣旨が会社の利益のためにあることから、会
社から事後的に追認することは妨げられないと解する。
したがって、この場合でも会社はBに対して原材料の
引渡しを請求できると解する。
二、小問2について
1、会社の宣伝広告をすることは、設立後に会社が直ちに
営業を開始することを目的とした開業準備行為に当たる。
そして、開業準備行為は設立中の会社及び発起人の権
限の範囲内であり、宣伝広告は変態設立事項(168条)に
当たらないため、成立後の会社に法的効果が帰属する。
したがって、Cは成立後の会社に対して広告の報酬を
請求できる。
2、もっとも、本問契約が不当に過大であれば、発起人が
会社財産の不当な流出を防止することができない。
そこで、かかる場合には168条1項6号を類推し、AC間
の契約は無効となると解する。
この場合、Cは会社に対して報酬を請求できない。
そして、Aは発起人の任務を、悪意・重過失により懈
怠したといえる。
そこで、CはAに対して損害賠償を請求することがで
きる(193条2項)。
以上
コメント
1300字強、3ページの半分くらいです。
設立中の会社の権限について、どの学説を採用するか迷いました。
理由付けは不十分ですが、筋を通してみました。
しかし、逆に小問2後段へのつながりが悪くなってしまいました。
471 :
前田:05/03/19 22:25:09 ID:CFsAIEvo
>>460 715条が使えるかどうかは当てはめしだいかもしれませんね。Bは業者ではなくただの知人なので、独立性が弱いとみれば一時的な使用関係を認めることも可能だと思います。
次は平成7年二問の検討ですね。
まず、44条の責任のところは「自己責任」というキーワードが出せると、責任の性質が明確になるのでよいと思いました。
ただ、「Aの行動と考えられるから」という表現が自己責任を指していると思われますので、引かれるというわけではないと思います。
次に、一2の
「この場合の不法行為責任の法的性質は、報償責任であり、Bに不法行為が成立して初めてAに責任が生じる代
位責任である。
そこで、報償責任の原理が妥当しない場合、すなわちAがBの選任監督につき相当の注意をしていた場合には、
Aは責任を負わない(715条1項但書)。」はまずいと思いました。
代位責任である。「そこで」715条但書。とはつながらないと思います。AがBの選任監督につき相当の注意をしていた場合に免責を認めるのはむしろ自己責任とする説に合致します。
代位責任の根拠となる報償責任はもともと無過失責任を基礎付ける根拠となるものなので(内田Up445参照)、代位責任とするならば「715条但書は安易に認めるべきでない」という流れになるのではないでしょうか。
二については、コンパクトに責任の性質を踏まえながら書けていると思いました。
三については、被用者の方はよくかけていると思ったのですが、理事の方が責任の性質を踏まえられてないと思いました。
理事のほうは自己責任ですから、論理的には求償はできないことになるのではないでしょうか。
小問1,2を踏まえると、不真正連帯債務というのは本問で要求されている責任の性質とは違うと思いました。
反論があればお願いします。
商法ですが、
小問1はまあまあ書けていると思います。
ただし、前段は財産引受の問題なので開業準備行為を書く必要は
ありません。
後段ではせっかく書いた開業準備行為の論証を活かしたほうがい
いと思います。
小問2では1と2の関係が分かりません。
開業準備行為まで及ぶとする見解は「不当に過大」でなく、原則
として168条1項6号を類推適用するのでは?
Aの責任に関しては無権代理人の責任の類推適用も検討して
欲しいところです。
全体的に筋は外してないので真ん中ぐらいの評価だと思います。
473 :
前田:05/03/19 22:56:33 ID:CFsAIEvo
商法平成7年1問ですか。設立は要注意ですね。
全体的に良くできていると思います。
超細かいところをあげるとすれば、誤字が少し多かったのと、二2の「そして」という接続詞は「もっとも」の方がより良かったかなと感じたくらいです。
筋も通ってて良いとおもいますよ。
4、もっとも、発起人が権限を濫用することにより会社財
産の不当な流出を防止すべく、財産引受においては定款
への記載(168条1項6号)、原則として検査役の検査(1
81条)が必要とされている。
そこで、このような商法の趣旨に鑑み、かかる手続を
経ないでなされた財産引受は無効と解する。
解釈の結果として無効となるのではなく、条文があるから無
効です(168条1項柱書)。
解釈の結果として示すとしたら、6号が発起人の権限を制限
するのか、特別に拡張するものかについて示すと良いでしょう。
開業準備行為まで含むとして権限制限される、としたら追認で
無権代理類推につなげやすくなると思います。
ヤマといわれているので皆書けるでしょうから、、追認のところで
事後設立類推に触れたほうがいいんでしょうね。
ま、誤字は仕方ないでしょ。
手書きでやってるわけじゃないんだし。
>>471 ありがとうございます。
確かにおっしゃるとおりです。
報償責任、代位責任と責任の関係については、完全に理解不足でした。
コメントをいただいて、なるほど、と納得しました。
理事への求償は、明文規定がないことを示し、債務不履行により信義則上相当と認められる範囲について求償できるとすべきでした。
基本的知識がないこと、勝手な理屈をつけてしまったことに反省しなければなりません。
>>472-475 小問2は無権代理人の責任ですね。
後、事後設立の要件にも触れたほうがよかったと思いました。
この問題は、判例の見解にのったほうが、処理が楽かもしれませんね。
営業準備行為まで及ぶ=168条1項6号類推という話は始めて知りました。
基本書を読み返してみます。
あと、168条1項柱書に、「効力ヲ有セズ」と確かにありました。
条文をきちんと読んでいない証拠です。
猛反省します。
誤字が多いのはごめんなさい。
一通り見直しているのですが、どうしても出てきてしまいます。
なるべく減らすように努力いたします。
さて、今日は2問目を書いてみました。
【商法】 平成7年・第2問
約束手形の振出人が、満期日までに支払資金を調達することが困難であるため、支払の延期を求めようとしている。どのような方法が可能か。また、それぞれの方法には、どのような問題があるか。
一、振出人が支払の延期を求める方法としては、@手形外
で合意をする方法、A満期日を変更する方法、B手形書
換による方法とが考えられる。
二、@手形外での合意について
1、約束手形は設権証券であり、原因関係と無因関係に立
つため、手形の取引を円滑・迅速にするため、手形に記
載された事項に限り効力を生じる(文言証券性)。そし
て、満期日は手形要件とされており(75条3号)、満期日
の記載を変更しなくては、振出人は満期日に支払をしな
ければならないのが原則である。
もっとも、手形債権も通常の債権であり、当事者間の
合意により手形上の記載とは異なった条件をつけること
は禁止されない(私的自治の原則)。
そこで、振出人は所持人と合意することにより、支払
を延期することができる。
2、ただ、かかる合意は手形上記載されたものではなく、
手形の文言証券性から当事者以外には合意の効力を対抗
できない。
すなわち、振出人が所持人に対して支払延期の合意を
対抗することはできるが、所持人から裏書(16条1項)に
より譲り受けた者に対しては、被裏書人に害意なき限り、
支払延期の抗弁を対抗することはできない(17条)。
また、所持人は振出人と所持人との間にいる裏書人に
対して、支払延期を対抗することはできず、遡求要件(
43条)を満たさない場合には遡求できないという不利益
を被る。
したがって、かかる方法は振出人、所持人にとって好
ましい方法とはいえない。
三、A満期日を変更する方法について
1、満期日を変更すれば、振出人は手形上の権利行使を新
しい満期日まで拒めることになり、支払を延期できるこ
とになる。
そして、この場合は手形外の合意と異なり、手形上の
権利が変更されることになる。
2、もっとも、満期日は手形要件であり、その変更には関
係者の合意が必要である。
したがって、振出人と所持人のみの合意で満期日を変
更することは認められず、全ての裏書人の合意が必要と
なる。
そして、振出人と裏書人との間で合意があるに過ぎな
いのに満期日を変更した場合、手形債務の本質的部分に
権限なく変更を加えた(変造)として、他の裏書人に対
しては満期日の変更を対抗できない(77条1項7号、69条)。
もっとも、当事者間では@の場合と同様に、支払延期
の効力が生じる。
したがって、関係者全ての合意が必要とする点で、手
続的に煩雑であるといえる。
四、手形書換による方法
1、手形書換とは、旧手形に変えて、新しい手形を振り出
すことをいう。
この場合、旧手形を回収する場合と、回収しない場合
とがあるので、分けて論じる。
2、回収する場合
ア、この場合、旧手形に変えて新しい手形を振り出すもの
であり、その法的性質は代物弁済(民法482条)に当たる
と考える。
そして、振出人は新手形の満期日を延期することで、
支払を延期することができることになる。
イ、この点、当事者の合理的意思解釈から、旧手形に付着
していた担保や抗弁は新手形に承継されると考える。
もっとも、代物弁済により旧手形債務は弁済されたと
いえるため、旧手形の裏書人は特段の合意がない限り遡
求義務を免れることになる。
したがって、旧手形に保証人がついていなかったよう
な場合、所持人にとって回収可能性が減少することにな
り不利益な結果を生じうることになる。
3、回収しない場合
ア、この場合、新手形をもって旧手形の担保とする趣旨と
解するのが当事者の合理的意思解釈に合致する。
そして、所持人はいずれの手形を行使してもよいが、
振出人は所持人に対して新手形を先に行使すべきことを
主張することができ、その限りで支払を延期することが
できることになる。
イ、もっとも、旧手形の債権は消滅しないため、所持人が
裏書譲渡した場合、被裏書人に害意なき限り、手形書換
の抗弁を対抗できないことになる。
したがって、この限りで振出人に有利な効果が生じる
とはいえない。
五、以上より、手続的には煩雑であるが、関係者全員の合
意により満期日をする方法が、もっとも法的効果の安定
を導くことができ、妥当であると考える。
以上
コメント
1600字強、4ページの頭くらいです。
手形書換の話はよく覚えていませんでした。
問題点を指摘する方法は少々困りました。
手形外での合意は長すぎた気がします。
482 :
氏名黙秘:2005/03/21(月) 19:29:47 ID:???
本番でこれだけ書ければいいと思います。
特に目立った問題はありません。
483 :
氏名黙秘:2005/03/21(月) 21:09:52 ID:???
なぜ15年や16年の問題を書かないの?
>>482 ありがとうございます。
これからもがんばってみたいと思います。
>>483 論点の山という点で、少々古い問題を解かせていただいています。
今後書いていく問題については検討したいと思います。
とりあえずは、5〜14年までの問題を書いてみたいというのが個人的な意見です。
よろしくお願いいたします。
さて、今日は刑法1問目を書いてみました。
ここも山といわれているところだと思います。
【刑法】 平成7年・第1問
甲は乙から、「強盗に使うのでナイフを貸してくれ」と依頼
され、これに応じてナイフを乙に渡した。その後、乙は、丙・
丁に対し、「最近、知り合いのAが多額の保険金を手に入れた
ので、それぞれがナイフを準備してA宅に強盗に押し入ろう。
」と持ち掛け、3名で計画を立てた。ところが、乙は、犯行当
日の朝になって高熱を発したため、「おれはこの件から手を引
く。」と、丙・丁に電話で告げて、両名の承諾を得た。しかし、
丙・丁は予定どおり強盗に押し入り現金を奪った。
甲および乙の罪責を論ぜよ(特別法違反の点は除く。)。
一、乙の罪責について
1、乙は、丙・丁にA宅に押し入り強盗することを持ち
かけているが、犯行当日の朝に高熱を発したため、乙
は強盗に参加せず、丙・丁のみで強盗を実行している。
そこで、丙・丁に住居侵入罪(130条前段)、強盗
罪(236条1項)の共同正犯(60条)が成立するが、乙
にも共同正犯の罪責を問いえないか問題となる。
2、この点、共同正犯が、一部実行全部責任の原則の下
で他人の行為についてまで責任を負うのは、相互に利
用補充関係を有し、法益侵害結果に因果性を及ぼした
からである。そこで、共謀があるに過ぎない場合であ
っても、共謀者の一部が実行に出た場合には、相互利
用補充関係の下で結果に因果性を及ぼしたといえ、共
謀共同正犯の罪責を負うと考える。
本問では、乙は、丙・丁と強盗を共謀し、丙・丁が
実行に出ているため、乙は共謀共同正犯の罪責を負わ
せうる。
3、としても、乙は犯行当日になって、丙・丁に「おれ
はこの件から手を引く。」と告げている。そこで、乙
に共謀からの離脱が認められ、乙に共謀共同正犯が成
立しないのではないか問題となる。
思うに、実行行為に着手する前であれば、離脱の意
思表示と他の共犯者の承諾があれば、その時点で相互
利用補充関係が消滅し、結果への因果性が消滅すると
いえることから、共謀からの離脱が認められる。
もっとも、犯行で主犯的地位を占めていた者は、法
益侵害結果作出に強度の因果性を有しているといえる
ことから、他の共犯者の実行を阻止するという積極的
な作為が必要であると考える。
本問では、乙は離脱の意思表示と丙・丁の同意を得
ているが、犯行の話を持ちかけたのが乙であり主犯的
地位を占めることから、丙・丁の実行を阻止する積極
的な作為が必要であるところ、何ら積極的な作為をし
ていない。
したがって、共謀からの離脱は認められず、乙は共
謀共同正犯の罪責を負う。
4、以上より、乙には、丙・丁との住居侵入罪、強盗罪
の共謀共同正犯が成立する。
二、甲の罪責について
1、甲は乙に対し、A宅への住居侵入・強盗のため、ナ
イフを貸している。もっとも、乙は実際に犯行には参
加せず、かかるナイフを使用していない。
そこで、甲に、乙に対する住居侵入罪、強盗罪の幇
助犯(62条1項)が成立しないか問題となる。
2、思うに、刑法の目的が法益保護を通じた社会秩序の
維持にある以上、法益侵害と関係なく共犯を成立させ
るのは妥当でなく、共犯が成立するためには共犯行為
と法益侵害結果との間に何らかの因果性が認められな
ければならないと解する。もっとも、共犯は正犯を通
じて法益侵害結果を惹起する犯罪形態であることから、
因果性は正犯の実行行為を容易にしたという関係が認
められれば足りると解する。
この点、甲は乙に対してナイフを貸しているが、乙
は犯行に直接関与していず、ナイフは実際に利用され
ていないため、乙の実行行為を容易にしたという関係
は認められない。
したがって、甲に幇助犯は成立しない。
3、では、甲は乙の強盗を準備したとして、強盗予備罪(
237条)が成立しないか。
この点、条文は「強盗の罪を犯す目的で」と規定され
ていることから、予備行為を行なった者が強盗の罪を犯
す目的を有していなければ強盗予備罪は成立しないと解
する。
本問では、甲には自ら強盗の罪を犯す目的がなかった
ことから、強盗予備罪は成立しない。
4、したがって、甲には犯罪は成立しない。
以上
コメント
1400字弱、3ページの後半です。
甲を無罪にするのは少々気が引けました。
よく分からなかったので、守ってみました。
もっと構成要件に丁寧に当てはめるべきだったかもしれません。
490 :
氏名黙秘:2005/03/22(火) 00:29:39 ID:???
また、細かいこといいます
1、乙は、丙・丁にA宅に押し入り強盗することを持ち
かけているが、犯行当日の朝に高熱を発したため、乙
は強盗に参加せず、丙・丁のみで強盗を実行している。
問題文に書いてあることそのままで、自分なりの評価や考えを加えない癖は直したほうがいいと思います
自分なら
丙・丁には、住居侵入罪(130条前段)、強盗罪(236条1項)
を、直接、共同して実行しているので、両罪の共同正犯(60条)
が成立する。
しかし、乙は、丙・丁にA宅に押し入り強盗することを持ち
かけているものの、強盗自体には参加していない。
そこで、乙にも共同正犯の罪責を問いえないか。共謀共同正犯
の成否が問題となる。
とします。ただ単に事案かいて、問題提起してもいい評価は来ないと思います
両者をつなぐ何かが欲しいのです。
491 :
氏名黙秘:2005/03/22(火) 00:37:37 ID:???
で、共同共謀正犯については、一言「悩み」を見せた方がいい
ここでは、形式的に考えると「実行」してないのじゃないの?
ということです。
形式論→悩み→修正→自説、という流れです
共謀共同正犯の論証は間違ってないけど、この人良くわかってないっぽいのが出てます
ます、共謀共同正犯を共犯の処罰根拠だけで論証はできません。さらに、共同正犯の「相互利用関係」でも
ちょっと足りない。むしろ欲しいのは、なんで利用補充関係があると、狭義の共犯ではなく、(共同)正犯になるのか
「正犯性の基礎付け」なんですよ。共同正犯が、利用補充関係により正犯となるのは、因果性を及ぼすからじゃない
(狭義の共犯も、因果性はみとめられるはず)。利用補充関係により、法益侵害の直接性が生じるから。
だったら、共謀行為が、強い心理的因果性を持つゆえ、法益侵害の直接性を有するなら、なお共同正犯になる
ということ。
これをコンパクトにまとめて用意しておくのがいい
492 :
氏名黙秘:2005/03/22(火) 00:40:20 ID:???
いいと思った点
@主犯的地位を認定した点(判例がある)。
A幇助・予備罪(共同正犯も検討して欲しいところですが)を検討した点
二問目次第ですが大体Aは取れると思います。
ありがとうございます。
>>490 すみません。
ここで何度もいわれているにもかかわらず、かなり不要な問題提起をしてしまいました。
明らかに不要なところまで引用してしまいました。
「共謀共同正犯の成否が問題となる」
という問題提起をするにはその方がすっきりしますね。
なるほど。
>>491 共謀共同正犯は学説上争いがないところなので、あっさりと論じたほうがよいかと思いました。
「直接的」というキーワードは出せたほうがよかったです。
共謀共同正犯は基本書を読んで見ます。
ありがとうございました。
>>492 一緒に準備していない以上、予備の共同正犯は不要だと思ったのですが、どうでしょうか。
この場合でも共同正犯を成立させる余地はあるのでしょうか。
コメントをいただけると幸いです。
さて、今日は2問目を書いてみました。
【刑法】 平成7年・第2問
甲は、実在の弁護士と同姓同名であることを利用して金
銭を騙し取ろうと考え、請求者欄に「弁護士甲」と記入し
た上、自己の印鑑を押して報酬請求書を作成し、これを甲
弁護士が顧問をしているA会社のB経理部長に郵送して、
自己名義の銀行口座に請求金額を振り込むように指示した。
不自然に思ったBは、甲弁護士に問い合わせて、虚偽の請
求であることを知り、振り込まないでいたところ、甲が執
ように催促の電話をかけてきたので、金額もわずかであり、
これ以上関わり合うのは面倒であると考え、請求金額を指
定された銀行口座へ振り込んだ。
甲の罪責を論ぜよ。
一、請求書を作成して郵送した行為について
1、甲が、「弁護士甲」と請求者欄に記入し、自己の印鑑
を押して報酬請求書を作成した行為につき、有印私文書
偽造罪(159条1項)が成立しないか。
ア、まず、甲は金銭を騙し取る手段として文書を作成して
いることから、「行使の目的」があるといえる。
イ、次に、請求書は請求者が被請求者に対して金銭支払請
求権があることを示す文書であるから、「権利、義務・
・・に関する文書」といえる。
ウ、では、甲が「弁護士甲」と請求者欄に記入した行為が、
「偽造」といえるか。
この点、文書偽造罪の保護法益は、文書の真正に対す
る公共の信頼である。
そして、私文書において、一般人の信頼は文書の作成
名義の真正に向けられる。
そこで、偽造とは、文書の作成名義の真正を偽ること、
すなわち作成者と名義人の人格的同一性を偽ることをい
うと考える。
この点、「弁護士」という部分は肩書きにすぎず、作
成者も名義人も「甲」であり、偽造に当たらないとも思
える。
しかし、文書が弁護士報酬請求書であることに鑑みる
と、弁護士が文書を作成するのが通常であり、文書に対
する一般人の信頼は「弁護士」である「甲」に向けられ
ているといえる。
とすると、弁護士資格を有さない「甲」と「弁護士甲」
との間には人格的同一性を認めることはできないと考え
る。
したがって、甲の行為は「偽造」に当たる。
エ、さらに、甲は本問文書に印鑑を押していることから、
有印私文書といえる。
オ、したがって、甲には有印私文書偽造罪が成立する。
2、また、文書をA会社の経理部長に郵送する行為は、文
書をその用法に従って利用したといえるから、「行使し
た」といえる。
したがって、甲には偽造有印私文書行使罪(161条1項)
が成立する。
二、Bに金員を銀行口座に振り込ませた行為について
1、甲は、A会社に対して顧問弁護士と偽って報酬を請求
していることから、詐欺罪(246条1項)が成立しないか。
ア、まず、顧問弁護士であると偽って文書を送付する行為
は、欺罔行為にあたり、詐欺罪の実行の着手は認められ
る。
イ、もっとも、Bは顧問弁護士甲に問い合わせ、甲が顧問
弁護士である甲と別人であることを知っていたことから、
Bに錯誤は認められない。
ウ、そして、Bは金銭を振り込んでいるが、財物を交付さ
せる行為と欺罔行為、錯誤との間に因果関係が認められ
る必要がある。しかし、Bが錯誤に陥っていない以上、
財物交付と欺罔行為、錯誤との間に因果関係を認めるこ
とはできない。
エ、したがって、甲には詐欺罪の既遂犯は成立せず、未遂
(250条)が成立するにとどまる。
2、また、経理部長であるBは適切にA会社の金銭を管理
する任務を負っているにも関わらず、不当に金銭を流用
していることからBに背任罪(247条)が成立する。ただ、
Bを騙すつもりであった甲にはBに背任行為をさせる意
図までは認めることができず、同罪の教唆犯(61条1項)
は成立しない。
3、そして、執拗に請求電話をかけて請求しただけでは、B
を畏怖させる行為とまではいえず、恐喝罪(249条)も成
立しない。
三、以上より、甲には@私文書偽造罪、A同行使罪、B詐欺
未遂罪が成立し、@とAは目的手段の関係にあるから牽連
犯(54条1項後段)となり、これとBは一般的に目的手段の
関係にあるとまではいえないことから併合罪(45条前段)
となる。
以上
コメント
1300字強、3ページ目の半分くらいです。
私文書偽造罪についての学説の対立は、択一直前だというのによく覚えていませんでした。
淡々と構成要件に当てはめました。
499 :
氏名黙秘:2005/03/23(水) 00:28:31 ID:???
>>493 実務は共謀共同正犯肯定で固まってるけど
特に関西を中心に、いまだ否定説は根強いよ。肯定説の採用は
実質的に統一的正犯概念の採用だ、共犯論を無にするもので有害だ、とね
(実際、実務に共犯などというものは、一部を除き存在していない)
これをとる必要はないのだけど、批判は、択一前だし覚えるといい
それ以上に、解釈を示す論文しけんでは、形式的にあてはめたらどうなるでしょう
という、ばかばかしく、どろくさい出発点から進むのがいいのです
いきなり、飛び道具のようにすっとぶと、大谷さんの答案みたく
条文のどの文言を問題にしているのか判らないことになる(実際論証には、文言と条文がでていない)
それは、司法試験対策としてはよろしくない
まあ、そんなことです
その方がむしろあっさりかけたりする
500 :
氏名黙秘:2005/03/23(水) 00:42:05 ID:???
>>495 一のアからウの問題提起までいいと思います
で、偽造といえるかなんですが、どの答案を見ても不思議に思うのは
人格の同一性を偽ることが「偽造」ではないのですよ。どの教科書を読んでも
「有形偽造」の定義は、作成権限が無い者による文書の作成、のはずです
人格の同一性の齟齬は、この「作成権限の有無」を判断する基準なのです
で、名義人の話は出てきてますが、作成者の話は無かったりします
齟齬というからには、両方出てくれないと困る。
さらに、名義人の定義もなく、いきなり名義人は誰となっている
名義人とは「文書から一般人が認識する意思の表示主体」で
作成者とは、規範説によれば「文書に意思を表示させた主体」を言う
すると、この問題、名義人の判断基準が問題となるんです
文書の性質によっては、肩書き等も含めて名義人を特定すべきとね
でも、ここの話を手際よくまとめる力があれば上位合格かと思います
択一でも出てくるとこなんで、図にするといいです
501 :
氏名黙秘:2005/03/23(水) 00:47:12 ID:???
>>500 前田の本だと,
有形偽造=名義人と作成者の人格の同一性の偽り
みたいな表現になってるんだな。
西田も,名義人と作成者の・・・を「定義」と言ってるから偽造とイコールで問題ないはず。
502 :
氏名黙秘:2005/03/23(水) 12:40:16 ID:???
大谷さんの答案は前田の説の題意は大体捉えているので合格答案
だと思います。本番でこれだけ書ければ問題なし。後は一問目勝負。
>500
どの科目でもそうだけど、定義なんて学者でニュアンスが異なるから
シケタイあたりの定義を盲信するのはよくないよ。どうせ点の配分な
いし。
503 :
氏名黙秘:2005/03/23(水) 16:47:35 ID:???
偽造を人格の同一性のソゴと定義するなら
名義人と作成者の特定が必要になる
そこで両者の判断基準が問題になる
ここにはどうかな?なんとなくごちゃごちゃした論述の後
いきなり両者は違うといわれても、そうかなあ、となる
ここは名義人の特定ですよと、きちんとはっきり書いた方が良い
ところで西田先生も狭義の偽造は無権限者による作成としている
>>499 大谷先生の教科書を読ませていただきました。
確かに「正犯」の問題として書かれていました。
これを示せていないのはまずいと思いました。
ありがとうございます。
>>500-503 偽造の定義については、択一で得た知識のみで書いてしまいました。
これは勝手な理解につながりかねませんね。
分かっているつもりが実は全然分かっていないというおそれが高いです。
私の基本書で使われている書き方をするように心がけてみます。
なお、この問題に関しては、「弁護士甲」が名義人の問題か、作成者の問題かが分かりませんでした。
なのでなんとなくぼやかしてしまいました。
今考えると名義人の問題であることは分かるのですが、いざ答案を書こうと思うと困ってしまいました。
本試験でもパニックになったことがありますし、基本的なところを抑えていない知識は怖いですね。
日ごろの勉強をもっとしっかりやらなければと反省しました。
さて、今日は民訴1問目を書いてみました。
意味不明な答案になってしまいました。
【民訴】 平成7年・第1問
処分権主義は、訴えの提起の場面において、どのように現れるか。
一、処分権主義とは、訴訟を提起するかどうか、いかなる
内容の訴訟を提起するか、訴訟を終了させるか、という
訴訟の開始、内容、終了の判断を当事者の意思に委ねる
建前をいう。
この点、246条は、「裁判所は、当事者が申し立ててい
ない事項について、判決をすることができない」と規定
し、判決をするには当事者の申立てが必要であることを
示し、第6章において当事者の意思を尊重した訴訟終了形
態を規定していることから、現行法は処分権主義を採用
しているものと考えられる。
この処分権主義が採用された根拠は、私的自治を訴訟
に反映させるという点に見出せる。すなわち、訴訟外に
おいては当事者が自由に権利義務を行使・放棄できるの
が原則であり、裁判所による強制的な解決を求めるかど
うかについても当事者の意思を尊重した方が、公平かつ
妥当な結論を導くことが可能であるため、処分権主義は
採用されたものといえる。
そして、訴えの提起の場面において、処分権主義は、
@訴えを提起するかどうか、Aいかなる内容の訴えを提
起するか、という判断を当事者に委ねるものといえる。
以下、@、Aの場面に分けて、訴えの提起の場面にお
いて処分権主義がどのように反映されているかについて
述べる。
二、@について
1、当事者は紛争が生じた場合に、裁判所に対して訴えの
提起(133条以下)によって、救済を求めることができる
し、自ら相手方と交渉して紛争解決を目指すこともでき
る。
これは、第三者的立場にある裁判所を利用するかどう
かを当事者の意思に委ねたものである。
したがって、この点で当事者の意思を尊重するという
処分権主義の理念が反映されている。
2、もっとも、訴えの提起も無制約になしうるものではな
く、裁判所による紛争解決手段を選択した以上、裁判所
が適切に裁判権を行使し、公平かつ迅速な裁判を行なう
ために、一定の手続的制約が課されている。
すなわち、訴えの提起は原則として訴状を裁判所に提
出しなければならず、訴状には当事者及び法定代理人、
請求の趣旨及び原因を明示しなければならないとされて
いる(133条)。また、同種の訴訟手続による場合でなけ
れば、数個の請求を一の訴えで提起することもできない
(136条)。そして、既に提起されている訴訟と同一の訴
えを提起することも禁止されている(142条)。
このように、訴え提起の場面では、裁判権の適切な行
使、公平かつ迅速な裁判を行なうために一定の手続的制
約が課されており、処分権主義は無制約な訴訟提起を認
めるものではないといえる。
三、Aについて
1、当事者は、訴えによる紛争解決形態を自由に選べると
いう意味で、処分権主義が訴えの提起に反映されている
といえる。
すなわち、相手方に直接の給付を求める給付訴訟、一
定の法律関係を形成する形成訴訟、一定の法律関係の確
認を求める確認訴訟など、いかなる訴訟形態によるかど
うかを当事者は自由に選択できることになる。
もっとも、裁判所が本来自由である私人間の紛争に関
与する以上、裁判所の行使できる権限に関するもので、
紛争解決の実効性、必要性がなければ訴え提起を認める
実益がない。
そこで、訴えを提起するには、司法権(憲法第6章)を
行使できる法律上の争訟(裁判所法3条1項)に当たるこ
と、紛争解決の実効性、必要性を吟味するという訴えの
利益が要求される。
このように、処分権主義は、訴訟形態を自由に選択で
きるという面において反映されているが、それは訴えの
利益が必要とされる範囲に限られているといえる。
四、以上より、処分権主義は、訴えの提起の場面において、
訴訟の開始、内容を当事者が選択できるという点で反映
されているが、裁判所による救済を求める以上、範囲・
方法の面で限定されているといえる。
以上
コメント
1500字程度、3ページの後半です。
何から書いていけばいいかよくわからない問題でした。
この問題は、原則と例外を聞いている問題なのでしょうか。
「反映される」「制限される」という面を出してみました。
よろしくお願いいたします。
問題
>>505 答案
>>506-508
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511 :
氏名黙秘:2005/03/23(水) 22:46:43 ID:???
この問題は、処分権主義そのものを
訴訟の入り口に限定して聞くものです
それが認められる根拠
明文での扱い(政策的決断)
解釈による具体化、修正、穴埋めを
つらつらと書いていくタイプの一行問題
>>511 ありがとうございます。
こういう問題が一番苦手です。
過去問を検討していてよかったと思いました。
でも、本試験で出たときにうまく書くことができるかは微妙です。
さて、今日は2問目を書いてみました。
【民訴】 平成7年・第2問
甲は、株式会社乙の商業登記簿上の代表取締役丙を乙
の代表者として、乙に対し、売買代金の支払を求める訴
えを提起した。丙は、乙の代表者としてこの訴状の送達
を受け、口頭弁論期日に出頭して、甲の請求を争った。
丙は、訴訟の審理がかなり進んだ段階で、自分は乙の代
表取締役に選任されたことはなく、乙の真実の代表取締
役は丁である旨を口頭弁論期日において陳述した。右の
場合における訴訟法上の問題点および裁判所が採るべき
措置について論ぜよ。
一、株式会社乙に対する訴え提起後に、当初代表取締役と
されていた丙が代表取締役として選任された事実がない
旨を口頭弁論期日において陳述している。
この点、法人に対する訴えにおいては、その代表者が
訴訟追行権を有する必要がある(37条)。そして、代表
権を欠く者を法人の代表者として提起した訴えは不適法
となり、裁判所は補正を命じ、不備が補正されなければ
訴えを却下することになる(34条)。
そこで、裁判所は丙の陳述が真実かどうかをまず審理
すべきであり、真実でなければ従来どおり訴訟手続を進
めればよい。
問題となるのは、丙の陳述が真実であった場合である。
二
1、丙の陳述が真実であった場合には、甲の訴えは、代表
権を欠く者を代表者として提起した訴えとして不適法と
なるから、裁判所は補正を命じて期間内に補正がなされ
なければ訴えを却下すべきである。
逆に補正がなされれば、裁判所は丁に対して訴状を送
達し、新たに審理を最初から行なうべきである。
もっとも、丙のなした訴訟行為の結果は、そのままで
は乙会社に対して効力を生じない。なぜなら、乙会社は
訴訟手続に関与していず、効力を認めることは乙会社の
裁判を受ける権利(32条)を害することになるからであ
る。
しかし、丙に代表権がないことは、訴訟の審理がかな
り進んだ段階で判明しており、従前の訴訟追行の結果を
無駄にしてしまうことは、原告甲の利益、訴訟経済に反
することになる。
そこで、従前の訴訟追行の結果を、丁を代表者とする
訴えに利用できないか問題となる。
2、この点、乙会社が不実の登記をしていたのだから、外
観法理に基づく商法14条を訴訟行為に類推することで、
従前の訴訟追行の結果を利用できるとする見解もある。
しかし、外観法理は取引行為の安全を図った規定であ
り、訴訟行為に対して利用されることは予定されていな
いといえる。また、手続的に関与していなかった乙会社
の裁判を受ける権利を無視することにもなる。
したがって、商法14条を類推することで、従前の訴訟
追行の結果を利用することはできない。
3、このように考えると、甲は当然に丙を代表者とする乙
会社に対する訴訟行為の結果を、丁を代表者とする乙会
社に利用できないことになる。
もっとも、補正後に従前提出した訴訟資料は依然とし
て裁判所にある以上、それを口頭弁論期日において援用
することにより従前主張・立証してきた権利事実関係を
利用するという方法を採ることができるので、甲にとっ
てさほど不都合はないといえる。
4、したがって、裁判所は補正を命じ、補正に応じなけれ
ば訴えを却下し、補正に応じれば訴状送達から訴訟手続
を進めるべきである。
以上
コメント
1000字程度、2ページ後半です。
当事者の確定、任意的当事者変更、法人格否認と構成を考えたのですが、筋がずれている気がしたので書きませんでした。
短すぎたので、他に論点を落としているかもしれません。
訴訟法上の問題点と裁判所の採るべき措置を分ける構成も考えたのですが、流れが悪くなると思い、一緒に述べました。
よろしくお願いいたします。
問題
>>513 答案
>>514-515
517 :
氏名黙秘:2005/03/25(金) 01:35:36 ID:???
>商法14条を類推することで、従前の訴訟
>追行の結果を利用
論理のはしごがいつも抜けている
下位ロー完全崩壊!下位ローに入学したら人生破滅するぞ!
下位ロー、大崩壊キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
この調子で下位ローはどんどん潰れていってもらいたいものだ。
なぜなら、ロー制度が適正に運営されるためには、下位ロー廃校が必須条件だからである。
下位ローの後期試験の出願者数は軒並み30名前後にまで激減している!
つまり、ほとんどの受験生が「下位ローは嫌だ」と考えてるからだ。
これが世間一般のまともな人の感覚と言える。
さらに、どこの下位ロー卒なのかは、★「全国弁護士大観」★で一生晒されることになる。
ある意味、前科があるよりつらい状況だと言える。
下位ローなんかに行ってしまったら、一生の恥になる。
絶対に、下位ローには出願・進学しないように!
絶対に行ってはいけない下位ロー47校 (くだらない。ふざけてる。さっさと廃校すべき)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
南山 成蹊 日大 明学 専修 金沢 西南学院 岡山 広島 熊本 島根 甲南 神奈川 國學院 駒澤 獨協 信州 香川
琉球 静岡 新潟 東洋 大宮 龍谷 京都産業 福岡 愛知 東海 中京 名城 近畿 大東文化 関東学院 鹿児島 駿河台
山梨学院 桐蔭横浜 愛知学院 創価 久留米 北海学園 広島修道 大阪学院 白鴎 姫路獨協 神戸学院 東北学院
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
519 :
氏名黙秘:2005/03/25(金) 18:15:51 ID:???
>>516 この問題は、珍しく論点単発なので、そこをどれだけ上手に書けるか
というのが点数の分かれ目になります。かといって、そこへの通学路
もおろそかにはできない
もっとも、補正後に従前提出した訴訟資料は依然とし
て裁判所にある以上、それを口頭弁論期日において援用
することにより従前主張・立証してきた権利事実関係を
利用するという方法を採ることができるので、甲にとっ
てさほど不都合はないといえる。
というのは、間違いでしょう。これを認めることは、真実の代表者丁にしてみれば
自分が主張していないことを、甲が主張したら、訴訟資料にされる結果となります
こんなことを認めるならば、表権法理による処理を否定する実益すら存在しないことになります
この文だけで0点をつけられても文句言えないのでは?メイン論点の内容を理解していないと取られます
あと、他の表権法理の検討がまるまる抜けてます。単発論点なのだから、致命傷でしょう
この問題は、最低限、訴訟行為への表見法理の適用と、その前の処理(内容が真実とか補正とか)が書けて
合格を争える答案となります。そのうえで、「訴訟がある程度進行している」という事情と
「丙と丁が、具体的にどういう状況でそんなことをしているか」を少し想像して書けると
加点されていく、というものでしょう。
残念ながら大谷さんの答案では合格ラインでの争いには加われないと思います
520 :
氏名黙秘:2005/03/25(金) 18:22:31 ID:???
>残念ながら大谷さんの答案では合格ラインでの争いには加われないと思います
クソベテが偉そうにw
おまえこそ早く争いに加われよバーカw
>>519 ありがとうございます。
一つ疑問があります。
裁判所に提出した資料の副本を、真実の代表者に交付して、口頭弁論で主張すれば、弁論主義違反にはならないのではないでしょうか。
表見法理は否定するが、それは現在裁判所に提出した資料を再度提出すれば(もしくは援用)原告にとって不利益とならないからではないでしょうか。
現に裁判所に提出された資料を破棄しろというのも無理ですし、改めて提出しろというのも無駄だと思います。
なので、新しい被告に十分反論の機会を与えた上で、従前の訴訟資料を提出するというのは可能ではないでしょうか。
この点について、ご意見を伺えると幸いです。
>>517 確かに理論のつながりが全然なってませんでした。
ここは、もっと反対説の実益を中心に論じるべきだったと思いました。
この問題は、受験生を惑わす問題ですね。
おそらく自滅していった人が相当いらっしゃったのではないかと思いました。
今日は、刑訴を今から書いてみます。
【刑訴】 平成7年・第1問
覚せい剤使用の嫌疑のある被疑者に対して、尿を強制的に
採取するには、捜査官はどのような方法を採ることができる
か。被疑者が逮捕されている場合と逮捕されていない場合と
に分けて、その可否、要件および問題点について述べよ。
523 :
氏名黙秘:2005/03/25(金) 22:02:46 ID:???
>>521 ここで問題となる、提出されるされる事実は
丙が主張し、かつ、丁にとって不利益となる事実だよね?
予想されるのは不利益承認事実。
丁が「丙はそんな事いったとしても、俺はしらん」と主張した場合でも
甲は、かかる論理構造で事実主張できるというのかな?
ここがクリティカルな問題。被告にとって、反論の機会を与えるかどうかではない
被告側に、訴訟追行のイニシアチブを与えた弁論主義(弁論主義の第二テーゼ)に
違背するんじゃないかな?
大谷さんが主張する理屈って、どの本に書いてある?多分、どこにも書いてないと思う
その場で考えた理屈だと思うのだが、そういうのは、大概墓穴になると思う
あと、甲がイニシアチブを取って提出できる事実や、裁判所に取捨選択を任されている事実について
わざわざ表見法理を適用しなくとも、原告側に不利益はない。というか
表見法理の適用を問題視するのは、この事実ではない。
一、被疑者が逮捕されている場合
1、強制採尿とは、被疑者の尿道にカテーテルを挿入して、
強制的に体内にある尿を採取する処分をいう。では、捜
査官はいかなる方法により強制採尿をすることができる
か。
2、この点、このような捜査方法は被疑者のプライバシー
権、人格権を著しく侵害するものとして強制処分として
も認められないとする見解もあるが、検証による身体検
査(218条1項)の場合も同様の侵害があり、尿の証拠価
値の高さに鑑みて、強制処分として認めうると考える。
もっとも、強制採尿が被疑者の権利を著しく侵害する
ことに鑑み、犯罪の重大性、嫌疑の存在、証拠の重要性
と取得の必要性、代替手段の不存在等の事情に照らし、
犯罪捜査上やむをえない場合に最終手段として、適正な
法律の手続に従ってなされる必要があると考える。
3、では、ここにいう適正な法律の手続とはいかなる手続
をいうか。
ア、この点、鑑定許可状によるとする見解がある。
しかし、225条4項の準用する168条6項は139条を準用してい
ないし、172条を225条は準用していないため、強制の方
法によることができず、実効性を欠く。
そこで、鑑定処分許可状によることはできないと考え
る。
イ、次に、身体検査令状によるとする見解がある。
確かに、この令状によれば強制処分を行なうことがで
きる(139条)。
しかし、検証とは、人、物、場所の性状を五感の作用
により感知する処分をいうところ、尿の採取という作用
をこれに含めることは無理がある。
したがって、身体検査令状によることはできない。
ウ、そこで、鑑定処分許可状と身体検査令状を併用して用
いる見解もあるが、強制をするために両者を用いるとす
るのはあまりに技巧的にすぎ、妥当でない。
エ、思うに、尿はいずれ対外に排出される無価値物であり、
それを採取する作用は捜索差押(218条1項)といえる。
そこで、捜索差押令状によるべきと解する。
もっとも、身体への危険が伴うことから、「医師をし
て相当な方法による」という条件を付す必要がある(218
条5項)。
4、よって、捜査官は、強制採尿をなしうる場合で、かか
る条件を付した捜索差押令状を得ることにより、強制採
尿することができる。
二、被疑者が逮捕されていない場合について
1、捜査官は逮捕されていない被疑者に対し、いかなる方
法で強制採尿することができるか。
この点、強制採尿の可否、令状の種類については被疑
者が逮捕されている場合と同様である。
もっとも、被疑者は身柄を拘束されていないため、強
制採尿をするために一定の場所的移動が必要となる。
そこで、被疑者が任意に移動に応じれば問題はないが、
被疑者が移動に応じなかった場合に強制的に連行するこ
とができるか問題となる。
2、この点、強制採尿を行なうにつき、捜索差押令状によ
るとする自説からは、被疑者を連行することは捜索差押
とはいえず、令状の直接の範囲に含まれないとも思える。
しかし、「医師をして相当な方法」という条件を付す
以上、強制採尿を行なうのにふさわしい場所まで連行す
ることが、令状執行において必要不可欠となる。
そこで、令状執行に「必要な処分」(222条1項、111条
1項)として、被疑者を連行することができると解する。
3、したがって、捜査官は、強制採尿をすることができる
場合で、相当な条件を付した捜索差押令状の発付を受け
た場合には、被疑者を適切な場所に連行した上で、強制
採尿することができる。
以上
コメント
1400字弱、3ページの後半です。
答案をどのように組み立てるか迷いました。
前段では可否、要件について、後段では連行について、ナンバリングを分けて論じました。
問題提起をするのが難しかったです。
よろしくお願いいたします。
問題
>>522 答案
>>524-526
528 :
氏名黙秘:2005/03/25(金) 22:19:49 ID:???
>>527 間にレスが挟まって申し訳ない
刑訴についてですが、この問題、学者に聞くと色々細かい論点があるけど
受験レベルだと、有名な強制採尿の論点にひっぱりこんでおけばよいと思います
(たいがいの受験生がそうでしょうし)
細かいですが、可否と要件を分けるのが書くのが楽になると思います
あと、ほとんどの説を検討するスタイルも一つありですが
すると、話が抽象的になる弱点があります。書くこと多くなりますし
例えば、
捜査方法は被疑者のプライバシー権、人格権を著しく侵害する
(強制採尿肯定説もこの点を認めます)というが、具体的にはどうなのか?
強制採尿は被疑者の権利を著しく侵害するけど、具体的にはどの権利をどの程度侵害するのか
こういうことを書くほうが、沢山の説を書くより説得的だと思います
尿の証拠価値の高さ、というが、具体的には?(これは一番重要です)
楽な流れとしては
強制採尿のマイナス点(権利侵害)→プラス点(証拠価値)
許容性(身体捜索との対比)→強制採尿肯定
かな
要件は、どの令状によるべきか、という問題です。強制処分ですから
条文と令状が必要ですが、つまりはどこにぶち込むのか、ということ
欲しいのは、身体襲撃だから専門家によること、という内容
他説はもっと流していいと思う。
>>523 なるほど。
問題となる点がずれていたのですね。
主張・反論を終えた訴訟上の効果を受け継がせることができるかという問題で
事実を提出できるか、という問題とは異なるのですね。
完全に勘違いでした。
フォローしようと思ったのが裏目に出ました。
勘違いを正していただいて、ありがとうございます。
これからもよろしくお願いいたします。
>>528 なるほど。
ご丁寧なご指摘、ありがとうございました。
もう一度構成しなおしてみます。
反対説を書くよりも、可否をもっと論じるべきか迷ったのですが、問題が「方法」をメインに聞いていると思ったので、流してしまいました。
きちんと分析的に答案を作成するように心がけます。
531 :
氏名黙秘:2005/03/25(金) 22:31:04 ID:???
>>529 逮捕されてない場合の流れは凄くいいと思います。
有名な論点では、聞いたことがない話は絶対書かないほうがいいと思います
ミスったら致命傷になるからです。そして、大概は致命傷です
マイナーな論点では、基本知識の応用になるので、聞いたことが無くても
書いていい(みんながそうならざるをえないので)。ここらへんの見極めが大事です
532 :
氏名黙秘:2005/03/25(金) 22:36:17 ID:???
>>530 可否は、先ほどのように、書く内容を厳選するといいです
カテーテルは痛いらしいです。自分はしらないけど
なにより、自分の性器をさらして、尿を採取されるのは、覚せい剤じゃなきゃ認められないでしょう
ところで、何でそのような方法が必要かつみとめられるかは、覚せい剤使用罪があるからです
所持の処罰は普通ですが、使用の処罰は比較法的に珍しい(立法論として疑義すらある)
しかし、どうやって使用の事実を立証するかとなれば、難しい
そこで、尿の検査が必要になるのです。
ここに、強制採尿の必要があります。
533 :
氏名黙秘:2005/03/25(金) 22:38:13 ID:???
可否の論点ていうのは,刑訴法の問題じゃなくて憲法問題なんだよね。
それをはっきり書いた方がいい。
534 :
氏名黙秘:2005/03/25(金) 22:39:39 ID:???
付け加えると、使用罪の訴因は、一回ごととされている
すると、いつごろ使用した、という点も立証の必要性があるんです
かかる事実の立証には尿が不可欠。ということでもある
535 :
氏名黙秘:2005/03/26(土) 23:17:56 ID:???
age
>>531-534 ありがとうございます。
私が有名な論点と思われるところが実はマイナーだったりするので、その見極めができるようにもっと論点を学ばなければならないですね。
可否の論点はもっと丁寧に論じていったほうがよかったです。
犯罪が覚せい剤であることを利用すれば、丁寧に認定できたと思います。
確かに、最終的には憲法上の問題に行き着くと思います。
憲法の権利侵害の程度が著しいので、強制処分としても認められないという話になりますね。
抑えておきます。
さて、今日は刑訴の2問目書いてみました。
【刑訴】 平成7年・第2問
被告人が公訴事実について一切を黙秘し,何の主張立証
もしない場合,これを有罪認定のための一証拠とすること
が許されるか。また,量刑資料として考慮することはどう
か。
一、設問前段について
1、有罪認定のための一証拠とするためには、証拠に証拠
能力が認められなければならない(317条、証拠裁判主義
)。そして、公訴犯罪事実については厳格な証明が要求
され、自然的関連性、法律的関連性、証拠禁止に当たら
ないことが認められる必要がある。
ところで、被告人には黙秘権が保障されている(憲法
38条1項、法311条1項)。
そこで、被告人が公訴事実について黙秘していること
を有罪認定のための一証拠とすることは、黙秘権を侵害
するものであり、証拠禁止に当たり、証拠能力が認めら
れないのではないか問題となる。
2、この点、黙秘権が保障された趣旨は、自白が証拠の女
王として過度に信用されやすく、それを得るために捜査
活動が糾問化したことに対する反省から、実体的真実発
見と被告人の人権保障を図ることにある。
そして、黙秘権を憲法上の権利として位置づけられ、
黙秘権は最大限尊重されなければならず、これを実質的
に侵害するような捜査、訴訟行為は禁止されるべきであ
る。
そこで、黙秘権を実質的に侵害するような証拠は、証
拠禁止に当たり、証拠能力が認められないと考える。
3、この点、被告人が黙秘した事実を捉え、かかる態度が
罪を犯したという事実を認定するための証拠となるとす
れば、被告人が黙秘権を行使することを実質的に妨げる
ことになる。
とすると、本問のように被告人が黙秘した事実を有罪
認定の証拠とすることは、証拠禁止に当たり、証拠能力
が認められないというべきである。
したがって、裁判所は被告人のかかる態度を証拠とし
て用いることはできないと解する。
二、設問後段について
1、被告人が黙秘権を行使した事実を量刑資料として考慮
することはできるか。
この点、量刑資料は公訴犯罪事実ではなく、自由な証
明で足りるとする見解もあるが、被告人の最大の関心事
は量刑事実であることが多いことに鑑みると、量刑資料
についても厳格な証明を要求することが被告人の権利保
護の観点から妥当であると解する。
したがって、設問前段と同様に、量刑資料についても
厳格な証明がなければ証拠能力が認められず、証拠とし
て用いることはできないと解する。
そこで、被告人が黙秘権を行使したという態度を証拠
として用いることは、証拠禁止に当たらないか問題とな
る。
2、この点、量刑が裁判所の裁量に委ねられ、裁判所は被
告人の一切の態度を考慮することもできるとして、黙秘
権を行使したことを反省の態度がないとして量刑上不利
益に考慮することができるとも思える。
しかし、かかる事実を積極的に量刑上不利益に考慮す
ることは、実質的に黙秘権行使を妨げることになり、設
問前段と同様に証拠禁止に当たり認めるべきではないと
解する。
したがって、黙秘権を行使した事実を積極的に量刑上
不利益に考慮することは、証拠禁止に当たり、証拠能力
が認められないと解する。
もっとも、自白をした者に対し、反省の態度があると
して量刑上軽く認定することとの対比から、黙秘権を行
使した者が重く処罰されることは認められると解する。
このような場合、黙秘権行使の事実を積極的に不利益に
認定するのではなく、あくまでも自白した者が軽く処罰
されるだけに過ぎず、黙秘権を実質的に侵害するもので
はないといえるからである。
3、したがって、量刑資料として、黙秘権を行使した事実
を被告人に不利益な事実として考慮することはできない
が、自白した者が軽く処罰されることとの対比で結果的
に重く処罰されることまでは妨げられないと解する。
以上
コメント
1400字程度、3ページ目の前半です。
設問後段の自白した者との対比は要らなかったかもしれません。
542 :
氏名黙秘:2005/03/26(土) 23:58:37 ID:???
>>540 おおむね良くかけてるかな。
ただ、刑訴の単発論点問題(今回は2こだけ)という、古臭い問題(でも刑訴じゃよくでり)ので
あまりあっさり書かずに色々書いたほうがいいです(その方が点がくる)
前段は、黙秘権のことを沢山書く
例えば、黙秘権って、被告人が無罪の推定を受けて、かつ弾劾主義がとられる帰結から
自分から自己に不利益な証拠を提出する義務がどこにもない、という側面もあります
する必要がないからしてないだけなのに、その不作為を不利益に評価するのは、訴訟構造上矛盾ともいえる
そんなのも書いておけば、加点される。
黙秘してるだけなら、通常は自然的関連性はない、ともいえる(だから証拠禁止に焦点を当てちゃうのはまずいかも)
後段もいいと思います
自白したものとの対比も、あれば点がきます
書くことが限られてる本門なら、色々書いていい
というか、採点する側からすれば、書いてあればあるほど、点を挙げる要素が増える
あっさり答案だと、標準点をあげられても、プラスアルファのしようがないから
543 :
てかさ:2005/03/27(日) 02:28:59 ID:ijRJDuTA
上三法もとこうよ、土屋君
544 :
氏名黙秘:2005/03/27(日) 18:09:30 ID:???
@前段
不利益推認の禁止というフレーズが欲しかった。
A後段
実質的に余罪を処罰する趣旨にならないための工夫
を書いて欲しかった。
概ね良く書けています。
>>542-544 ありがとうございます。
黙秘権の部分をもっと丁寧に論証できるように勉強しておきます。
今年出てもおかしくないですからね。
「不利益推認禁止」というキーフレーズを出せなかったのは、知識不足でした。
こういう基本的な言葉は、書面審査の論文試験では知らないものとして扱われますよね。
自然的関連性についても迷いました。
一体黙秘の事実を有罪認定の証拠とするとはどういう場面なのでしょうか。
黙秘しているのだからやったのだろうと認定するのでしょうか。
それなら自然的関連性すら認められないですね。
実質的に余罪を処罰する趣旨にならないための工夫とは、一事不再理効(に準じた効力)を及ぼすということでしょうか。
二重処罰の危険から論じれば、1,2行ですみますね。
意識しておきます。
>>543 年度ごとに各科目をまんべんなくやったほうがいいと思うので、順番に回しています。
さて、今日からは平成10年の問題をやっていこうと思います。
【憲法】 平成10年・第1問
公立A高校で文化祭を開催するにあたり、生徒からの研究
発表を募ったところ、キリスト教のある宗派を信仰している
生徒Xらが、その宗派の成立と発展に関する研究発表を行い
たいと応募した。これに対して、校長Yは、学校行事で特定
の宗教に関する宗教活動を支援することは、公立学校におけ
る宗教的中立性の原則に違反することになるという理由で、
Xらの研究発表を認めなかった。
右の事例におけるYの措置について、憲法上の問題点を指
摘して論ぜよ。
一、Xらが、A高校の文化祭でキリスト教のある宗派に関
する研究発表を行なうことを応募したところ、Y校長は
公立学校の宗教的中立性の原則に反することを理由にこ
れを認めなかった。
そこで、このようなYの処分は、Xらの信教の自由、
学問研究発表の自由、表現の自由を侵害しないか問題と
なる。
二、信教の自由について
1、20条1項は信教の自由を保障するが、これは内心にとど
まる信仰心のみならず、一定の外部的行動を伴った宗教的
活動も保障しているものと解する。そこで、Xらには、自
己の信教に従い外部に公表するという宗教的活動の自由が
保障される。
2、もっとも、信教の自由は内心にとどまる限り絶対的保障
を受けるが、外部的行動を伴う宗教的活動の自由は、他の
人権との矛盾衝突のおそれがあるため、公共の福祉(13条)
による正当な目的による必要最小限の制約を受けると解す
る。
本問の場合、公立学校の秩序維持というのが対立利益と
なる。
3、この点、処分の目的は、公立学校の宗教的中立性の維持
にあり、正当な目的といえる。
もっとも、文化祭で宗教的な発表を行なったからといっ
て、学校自体が宗教的色彩を帯びるとはいえず、発表内容
がキリスト教のある宗派の成立と発展という学問的内容で
あることに鑑みると、宗教的色彩は大きく薄れているもの
といえる。また、文化祭は、日常の学業とは異なり生徒の
日々の研究成果を発表することを目的とし、発表行為に宗
教的色彩が含まれていたとしても学校の宗教的中立性を害
するとはいえないし、仮に害するとしても日常の学業にお
いてかかる発表を禁止することで足りるといえる。
したがって、本問処分は宗教的中立性の維持のため必要
最小限とはいえず、20条1項に反する。
三、学問研究発表の自由について
1、23条は学問の自由を保障するが、これには学問研究発表
の自由も含まれると解する。そして、Xらの発表は、ある
宗派の成立と発展を内容とするものであり、学問的色彩を
帯びるから、23条によりこれを発表することは保障される。
2、もっとも、学問研究発表の自由は、主として大学におけ
る研究成果の発表を意味するのであり、それ以外の場面で
は発表場所の管理者による合理的な制約を受けると解する。
そして、A公立高校という施設を利用して発表することに
対しては、高校の管理者たるYの裁量が広く及ぶ。
とすると、Yの処分が裁量権の範囲内であれば合理的な
制約として、23条には反さないと考える。
3、この点、Yの処分は信教の自由に対する過度の制約とし
て違憲となる以上、Yの裁量権を逸脱するものと考える。
したがって、Yの処分はXらの学問の自由に対する合理
的な制約とはいえず、23条に反する。
四、表現の自由について
1、Xらには特定の思想・事実を表現する自由が認められ、
本問のような研究成果の発表も表現の自由の一内容として
21条により保障される。
そこで、Yの処分は、表現の自由(21条)に対する制約
として許されないのではないか問題となる。
2、まず、Yの処分は、表現内容を理由として発表を禁止す
るものであるから、検閲(21条2項)に当たらないか問題と
なるも、否定すべきである。
なぜなら、検閲とは行政機関が表現物を発表前に審査し
て、不適当と認めるものの発表を禁止することをその特質
として備えたものをいうが、Xらには文化祭以外の場面で
研究成果を発表することができ、発表する機会が与えられ
ているからである。
3、としても、表現の自由に対する事前抑制は、萎縮的効
果をともないやすいことから、原則として認めるべきで
はない。
そこで、事前抑制が認められるためには、@重要な公
共の利益のため、A必要やむをえない措置であることが
必要と考える。
この点、政教分離原則(20条3項、89条前段)の下では
公立高校が特定の宗教に肩入れすべきでないことに鑑みる
と、Yの処分は@重要な公共の利益を目的としているとい
える。
もっとも、文化祭が生徒の研究成果を発表する場面であ
ること、Xらの発表を認めてもA高校の宗教的中立性が害
されるとまではいえないことに鑑みると、A必要やむをえ
ない措置とはいえない。
したがって、本問処分は表現の自由に対する制約として
許されず、21条1項に反する。
五、以上より、Yの処分は20条1項、21条1項、23条に反する。
以上
コメント
1700字強、4ページ目の頭です。
23条の話は触れるべきではないと思いました。
書いてみて、理解の不十分さが浮き彫りにされました。
どのように論じればよいか、よく分かりませんでした。
研究発表の自由を、20条の問題であるとともに21条の問題であると一緒に論じれば、答案が短くなったのではないかと思います。
構成段階では気づかず、書いている最中に気づきました。
よろしくお願いいたします。
問題
>>546 答案
>>547-549 今見て思ったのですが、出だしの部分が冗長すぎました。
端的に、Yの処分は20条、21条、23条に反さないか。とすべきでした。
その方が結論部分と対応できて、よかったと思います。
551 :
氏名黙秘:2005/03/28(月) 04:10:30 ID:???
化石のような知識満載のベテラン答案だな。
人権は1つに絞れとあれほど(ry
552 :
氏名黙秘:2005/03/28(月) 06:50:42 ID:???
誰かこのスレのその1をうpしてくれないかなぁ…
出来れば2ちゃんブラウザのログで、
面倒ならtxtでも結構です
553 :
氏名黙秘:2005/03/28(月) 12:28:53 ID:???
>>552 調べたら、持ってたけど、うpのやり方がわかんね
554 :
氏名黙秘:2005/03/28(月) 14:06:30 ID:???
555 :
氏名黙秘:2005/03/28(月) 17:53:12 ID:???
すいません。問題書いておきます。
下記の文章を読み法的問題点を指摘しなさい。
入店して待合室に通されると、オバサンが数人の客と話をしていた。
スポーツ新聞を読みつつ聞き耳をたてていると、全盲の息子が筆下ろしをしたいと言うので
付き添いで来たらしい。
オバサン(以下母)は色々心配事を口にしていたが、話し相手の客数人は「大丈夫」「心配しなくていいよ」
となだめていた。
暫くたって奥から白杖持った青年と姫が待合室にやってきた。
革靴はピカピカで結構いい服をきている。この日のために揃えてあげたのだろう。
母はソファから飛び出して姫と軽く会釈したあと、「どうだった?いいこと出来た?」
青年「うん。よかったよ。このお姉さんのおかげで」
実は姫を指差すつもりが別の方向だったので、姫が素早く指した方向に移動。
母は顔をくしゃくしゃにして泣きながら「あんたよかったね〜!!」と背中を何度もさすっていた。
客も拍手したり「よかったなあ」と激励していて、今まで無口だった893風の客まで立ち上がって
青年の肩をポンポン叩きながら「あんたも一人前の男になったぞ」と祝福していた。
姫も感動して泣いていた。実に素晴らしい光景。
涙腺の弱い私は新聞で顔を隠しながら泣いた 。
556 :
氏名黙秘:2005/03/28(月) 18:00:05 ID:VSJ5Hs5+
557 :
553:2005/03/28(月) 18:51:06 ID:???
>>551 この問題は、信教の自由(内心)と表現の自由(外部的行為)を聞きたいのだと思います。
近年の傾向とは多少違うと思いますが、2つの権利については触れておいた方がよいのではないでしょうか。
一晩考えて、そう思いました。
この点について、いかがでしょうか。
さて、今日は2問目を書いてみました。
【憲法】 平成10年・第2問
国会法第56条第1項は、「議員が議案を発議するには、
衆議院においては議員20人以上、参議院においては議員10
人以上の賛成を要する。但し、予算を伴う法律案を発議す
るには、衆議院においては議員50人以上、参議院において
は議員20人以上の賛成を要する。」と定めているが、この
規定には、憲法上、どのような意味と問題があるかを論ぜ
よ。
また、右規定のただし書を改正し、「但し、予算を伴う
法律案を発議するには、内閣の同意を必要とする。」とし
た場合の憲法上の問題点について論ぜよ。
一、設問前段について
1、国会法第56条1項は、議員が議案を発議できる場合を
一定の場合に制限している。
そこで、国会の立法権を規定する41条に反さないか問
題となる。
2、この点、41条は国会に唯一の立法機関として立法権を
認めており、国会を構成する議員には、法律を議決する
前提として発議権が認められると解する。
もっとも、国民代表の意味は、自由委任を原則とする
が、議員は全国民の代表(43条)であり、主権者たる国
民(前文、1条)の意思を可能な限り国政に反映させるべ
きであるから、社会学的代表である。そして、立法は国
政の上で重要であるから、可能な限り迅速になされる必
要がある。
とすると、議員の立法行為が全国民の意思から離れ、
迅速な立法を阻害する場合まで、無制限に発議を認める
のは妥当でなく、必要性・合理性が認められる限りでこ
れを制約することも、41条に反さず認められると考える。
4、通常の議案の発議について
ア、この点、現行の選挙制度は、比例代表制と小選挙区制
・大選挙区制を併用しているから、無制限に発議を認め
ると、地方での人気取りのためにお土産立法をするおそ
れがあり、全国民の意思から離れた立法活動を行なうお
それがある。また、無制約な発議について、逐一議決を
しなければならないとすると、迅速な立法を阻害するこ
とになる。よって、必要性は認められる。
イ、そして、衆議院議員の定数は480人、参議院議員の定数
は242人であり(公職選挙法4条1項、2項)、発議にはそ
れぞれその5パーセント弱に当たる20人、10人の賛成を必
要としているにすぎず、過度な制約とはいえず、議員の
発議権を不当に奪うことにはならない。そして、かかる
賛成を要求することで、上記弊害をある程度回避するこ
とが可能である。よって、合理性も認められる。
ウ、したがって、この点で本問法律は41条に反さない。
5、予算を伴う法律案の発議について
ア、この点、上記弊害を回避することに加え、予算は国家
財政の準則であり国政の運営上重要な意味を有すること
から、必要性は認められる。
イ、そして、予算が重要な意味を有することから、不当な
発議を防止するため、通常の議案の発議に比べて合理性
の判断は緩く解することができるところ、賛成に必要と
される議員数は衆議院議員が50人、参議院議員は20人で
あり、それぞれ定数の10パーセント程度に過ぎず、なお
議員の発議権を不当に奪うものとはいえない。よって、
合理性も認められる
ウ、したがって、この点でも本問法律は41条に反さない。
6、以上より、本問法律は41条に反さないといえる。
二、設問後段について
1、予算を伴う法律案の発議につき、内閣の同意を要する
と国会法56条1項を改正することは、41条に反さないか。
必要性・合理性が認められるか検討する。
ア、この点、内閣は行政権を行使し(65条)、国民生活や
多様な社会的事情に精通していることから、予算に関し
て国会より内閣の方が適切な判断を下しうるといえる。
また、内閣に予算案作成権が認められていることから(
73条5号)、予算を伴う法律にも内閣の意思を反映させる
ことが望ましいといえる。そこで、必要性は一応認めら
れると考える。
イ、しかし、法律の制定は国会の権能とされたものであり、
これに内閣の同意を必要とすることは、国会単独立法の
原則、三権分立の原則に反する。そして、財政民主主義
の下(83条)、予算の最終的決定権は国会に委ねられてい
るのであるから(60条)、予算を伴う法律が内閣の意思
と合致することまでは必ずしも要求されていない。よっ
て、合理性は認められない。
2、以上より、本問改正は議員の発議権を不当に奪うもの
として41条に反し、違憲である。
以上
コメント
1500字程度、3ページの後半です。
今一説得的な当てはめができなかったように思います。
極力基本的事項に立ち返るように心がけました。
思った以上に答案の作成に時間がかかりました。
564 :
氏名黙秘:2005/03/28(月) 22:17:23 ID:???
必要性合理性の観点から概ね書けていると思います。
ただ予算を伴う法律案に関しては予算の法形式の問題
も触れて欲しいところです。
予算国法形式説をとるがゆえに予算と法の不一致が
生じうる。→要件を厳格にした、という流れです。
565 :
氏名黙秘:2005/03/28(月) 23:45:48 ID:???
あえてまた、細かいとこです
2、この点、41条は国会に唯一の立法機関として立法権を
認めており、国会を構成する議員には、法律を議決する
前提として発議権が認められると解する。
ですが、「この点」という接続詞は、ほとんどの学者は不要といって嫌います
受験生時代は、かかないと気持ち悪いんですけどね。
で、この文、41条の趣旨と議院の発議権の二つの内容がありますが、これは完全に並列でしょうか?
並列なら、文を分けたほうがいいです。41条に議院の発議権が読み込まれているように読めるですよ
そうじゃないとも読める。どっちとも読めるで意味がつかみにくい
後を読んで、発議権を41条に読み込むのだな、とわかる。これはあまりよろしくない
さらに、句点をはさんで、主語が、条文と人という、性質の異なるものになってるのも
凄く読みにくい。
国会を唯一の立法機関とする41条は、その構成員である
議員に対し、法律を議決する前提として、発議権も認めて
いる解される。
の方がすっきりよめるでしょう。
566 :
氏名黙秘:2005/03/28(月) 23:58:11 ID:???
もっとも、国民代表の意味は、自由委任を原則とする
が、議員は全国民の代表(43条)であり、主権者たる国
民(前文、1条)の意思を可能な限り国政に反映させるべ
きであるから、社会学的代表である。
とありますが、不要でしょう。この論点でこんな話は出てこないのでは?
主権者の意思を反映させることと、議案提出にはある程度の人が必要なのは
全く話が通じないんです。国民意思の議会への流入とは無関係ですから
そして、立法は国政の上で重要であるから、可能な限り迅速
になされる必要がある。
というのも聞かない。
必要性、合理性を一生懸命考えたのだろうけど、あまり成功していないかな
でも、努力点は挙げていいかな、とは思います。
これは、個人的には、議会の自律権の話ではないかと思います
好き放題に法律を持ってこらえてはかなわない、そこで、議院は
ある程度ルールを作ることが出来るのだ、という話ですね
議院の発議権は、国民が持つ人権とはやっぱちゃうでしょう、というのも一つの視点です
まあ、結構好き勝手にかける問題なので、答案としてはいいかなと思います
>>557 ありがとうございます!
無事受け取りました。
感謝!!!
>>557 ああん!!! あんあんあんあんっ!!! うっ! ・・・
569 :
氏名黙秘:2005/03/29(火) 01:16:04 ID:???
570 :
553:2005/03/29(火) 18:11:53 ID:???
>>564-566 ありがとうございます。
この問題は去年の2問目とよく似ていますね。
何を書くべきかということは分かっても、どうやって書くか分かりませんでした。
文章の読みにくさは、読み返してみて反省しました。
分からない問題ほど文章が変になってしまいますよね。
予算の法的性質についても触れるべきか迷ったのですが、あまりに答案構成で時間を使ったので削除してしまいました。
出したほうが不一致の場面を示せてよかったと思います。
自律権の話は、ずれているのではないでしょうか。
国会法の問題なので、議院の話とは異なると思います。
どうやって構成されるのか、ご教授いただけると幸いです。
さて、今日は民法2問目を書いてみました。
【民法】 平成10年・第1問
Aは、Bに対し、自己所有の甲建物を賃料月額10万円で
賃貸した。Bは、Aの承諾を得た上で、甲建物につき、大
規模な増改築を施して賃料月額30万円でCに転貸した。そ
の数年後、Bが失踪して賃料の支払を怠ったため、AB間
の賃貸借契約は解除された。そこで、Aは、Cに対し、「
甲建物を明け渡せ。Bの失踪の日からCの明渡しの日まで
1か月につき30万円の割合で計算した金額を支払え。」と
請求した(なお、増改築後の甲建物の客観的に相当な賃料
は月額30万円であり、Cは、Bの失踪以後、今日に至るま
で賃料の支払をしていない。)。これに対し、Cは、「自
らがBに代わってBの賃料債務を弁済する機会を与えられ
ずに明渡しを請求されるのは不当である。AB間の賃貸借
契約が解除されたとしても、自分はAに対抗し得る転貸借
に基づいて占有している。Bの増改築後の甲建物を基準と
した金額を、しかもBの失踪の日からAが請求できるのは
不当である。」と主張して争っている。
AC間の法律関係について論ぜよ。
一、賃貸人Aは甲建物をBに賃貸し、CはAの承諾を受け
転借している。
そこで、BC間の転貸借契約は有効である(612条1項)。
では、AB間の賃貸借契約が、Bの債務不履行に基づ
き解除された場合、@AはCに対して甲建物の明渡を請
求できるか、AAC間の債権債務関係をどのように解す
るべきか。
二、@について
1、まず、Bの債務不履行によるAB間の賃貸借契約解除
は有効である。
次に、BC間の転貸借契約は、AB間の賃貸借契約と
は別個の契約である。
とすると、AB間の賃貸借契約が解除された場合でも、
BC間の転貸借契約は当然には終了しない。
ただ、Cの転借権は、Bの賃借権を前提とするもので
ある。
そこで、Bが賃借権を失えば、Cは転借権をもってA
に対抗することができないのが原則である。
2、もっとも、Cは、Aの承諾の下で転貸借契約を締結し
たのであり、Bの債務不履行というCの関知しないとこ
ろで転借権を対抗できないとすると、Cの甲建物につい
ての使用収益への期待を害するといえる。
そこで、AがCに債務不履行解除を対抗するためには、
まずCに対してBの未払賃料を弁済する機会を与えるべ
きでないか問題となる。
この点、613条は、転借人は賃貸人に対して義務を負う
ことを定めているにすぎず、賃貸人の転借人に対する義
務を規定していない。そして、借地借家法26条3項は、賃
貸借契約の終了における場合に、賃貸人に対して例外的
に義務を課しているに過ぎないといえる。そこで、かか
る場合を除き、賃貸人は転借人に対して義務を負わない
と解する。
したがって、賃貸人たるAはCに対して、AB間の賃
貸借契約の債務不履行解除に先立ち、Cに弁済する機会
を与える必要はないと考える。
3、では、Aが転貸借契約に承諾していることを理由に、
Cは転借権をAに対抗することができないか。
しかし、転貸借契約は、あくまで賃貸借契約と別個の
契約である以上、賃貸借契約が終了すれば転借権の基礎
が失われる。そして、これは点貸借について承諾がある
場合でも異ならない。
したがって、Cは承諾を理由に、転借権をAに対抗す
ることができない。
4、以上より、Cは、Aの甲建物明渡請求を拒むことはで
きない。
三、Aについて
1、まず、転借人CはAに対して直接義務を負うから(61
3条)、Bが失踪した後も、AB間の賃貸借契約が存続す
る以上、その間の賃料支払義務を負う。
もっとも、AはBに対し、AB間の賃貸借契約に基づ
く賃料請求権しか有しない以上、Bが負うべき賃料しか
請求できない。
したがって、Aは、Bに対する賃料債権たる10万円の
範囲でCに請求できるにとどまり、増改築後の甲建物を
基準とした30万円の請求をすることはできない。
2、次に、AB間の賃貸借契約が解除された場合、Cは転
借権をAに対抗することができない。
そこで、Cの占有は法律上の原因を欠くものとして、
AはCに対して不当利得返還請求(703条、704条)を請
求しうる。
では、AはCに対して、増改築後の甲建物を基準とし
た30万円の請求をなしうるか。
この点、不当利得請求権が認められるためには、利得
と損失の間に因果関係が認められる必要がある。そして、
Cは30万円の賃料支払義務を負っていたのだから、30万
円につき利得が認められる。
もっとも、Aは、Bに対して賃料10万円で甲建物を賃
貸していたのであり、甲建物の価値はBが増改築をした
結果30万円に増加したものである。
そこで、Aの損失は10万円であると考える。
したがって、利得と損失の間に因果関係が認められる
のは10万円の範囲にとどまり、Aは30万円を請求するこ
とができない。
以上
コメント
1500字程度、3ページ程度です。
論点の論証より、事案の処理という形になってしまいました。
利得のところが一番聞きたかったところと思いました。
ただ、全体のバランスを考え、短くまとめました。
577 :
氏名黙秘:2005/03/30(水) 01:52:53 ID:???
この問題は論点が問題文中に明示されているので誰が書いても筋は変りません。
従って、結論に至るまでの理由をしっかり書く必要があると思います。
まず前段ですが、催告の要否についていずれの結論にせよ必要性と許容性
をしっかり論じることが必要だと思います。大谷さんの理由付けはちょっと薄い。
>大規模な増改築を施して
>その数年後、Bが失踪して賃料の支払を怠ったため、
などの事情も自分なりに利用して論じた方がいいと思います。
後段ですが、
>AB間の賃貸借契約が解除された場合
本問では解除していますよね?言葉は不正確です。
解除後はAB間・BC間の賃貸借はもはや消滅しているのですから、明
渡までにAに発生する損害は30万円相当ではないでしょうか?
解除しているにもかかわらず解除していない状態を基準として損害を論
ずる大谷さんの論証はよく意味がわかりません。
>>577 ありがとうございます。
問題文に反論が示されているのだから、「Cの・・・という反論は認められるか」という問題提起のほうがよかったかもしれません。
後段について、賃貸借契約解除前の未払い賃料と、解除後の不当利得とは、請求権の性質が違うということを出したつもりでした。
今読み返してみて、表現が不正確だと思いました。
もう一つ間に言葉を入れたほうがよかったかもしれません。
有名な論点をきちんとかけるように訓練していきたいと思います。
さて、今日は2問目を書いてみました。
【民法】 平成10年・第2問
消滅時効と除斥期間につき、どのような違いがあるとされているかを論じた上で、次に掲げる権利が服する期間制限の性質やその問題点について論ぜよ。
1 瑕疵担保による損害賠償請求権
2 不法行為による損害賠償請求権
3 取消権
4 債務不履行による解除権
一、消滅時効と除斥期間について
1、消滅時効とは、権利不行使が一定期間にわたった場合、
相手方の援用を条件に権利を行使できなくなるという制
度をいう。
これは、永続した事実状態を尊重するとともに、義務
を免れる者の意思を尊重する観点から定められたもので
ある。
他方、除斥期間とは、権利の発生から一定期間が経過
した場合に、法律上当然に当該権利を行使できなくなる
という制度をいう。
これは、権利関係を早期に確定することで、法的安定
性を図るため、政策的に定められた制度である。
このように、両者は一定の期間の経過により、権利を
行使できなくなるという点で共通する。
2、もっとも、消滅時効の場合は当事者の援用を条件とす
る(145条)のに対し、除斥期間が経過すれば当事者の援用
なく裁判所は権利の消滅を認定できるとされる。また、
消滅時効の起算点は権利を行使しうる時から進行する(
166条1項)のに対し、除斥期間は権利発生の時を起算点
とする。そして、消滅時効は請求や承認による中断が認
められる(147条)のに対し、除斥期間には中断は認めら
れていない。
このような違いは、消滅時効が債権の不行使という事
実状態を尊重するのに対し、除斥期間は政策的に権利の
消滅を定めたものであることから生じる。
二、1について
1、瑕疵担保責任(570条)の行使は、買主が瑕疵の存在を
知ってから1年以内に行使しなければならないとされる(
566条)。
これは、買主が権利行使できる時から進行するものであ
るから、消滅時効を定めたものと解する。
2、瑕疵担保責任は、特定物について生じるものである。
そして、不特定物については、10年の消滅時効にかかる
(167条)。
そこで、特定物と不特定物とは消滅時効期間が異なる
ことになり、不均衡とも思える。
しかし、特定物の取引において、売主は目的物に瑕疵
があってもその状態で引渡しをすれば履行義務を免れる
(483条)。そこで、瑕疵担保責任は公平の観点から売主
に課された特別の法定責任と解すべきであり、通常の債
権と別異に解することができる。
したがって、不特定物と消滅時効期間が異なっても不
均衡とまではいえない。
三、2について
1、不法行為に基づく損害賠償請求権(709条以下)は、被
害者等が損害及び加害者を知ってから3年、不法行為のと
きから20年経過したときには時効により消滅する(724条)。
そして、3年は消滅時効を、20年は除斥期間を定めたも
のと解する。
2、この点、条文上は「時効によって」と規定されているこ
とから、いずれも消滅時効を定めたものとも思える。
しかし、消滅時効は権利を行使しうるときから期間が進
行するものであるから、権利を行使しうるか否かに関わら
ず権利消滅を定める規定を消滅時効と解することはできな
い。
したがって、20年の期間は除斥期間を定めたものであり、
「時効」の文言は便宜上使われているに過ぎないと解する。
四、3について
1、取消権は、追認しうるときから5年、行為のときから20年
で消滅する(126条)。
この点、5年は消滅時効を、20年は除斥期間を定めたもの
と解する。
2、そして、126条は「時効」という文言を使用しているが、
取消原因を了知しなければ取り消しえないのであり、取消
原因の了知の有無に関わらず20年の期間経過により消滅す
るものであるから、724条の場合と同様に「時効」の文言は
便宜上使用されているに過ぎないと解する。
したがって、やはり20年は除斥期間を定めたものと解す
べきである。
五、4について
1、解除権が、期間の経過により消滅すると定めた規定はな
い。
そこで、当事者は、解除原因がある限りいつでも解除で
きるとも思える。
2、しかし、瑕疵ある契約に認められる取消権の場合に消滅
時効や除斥期間が定められているのに、契約自体に瑕疵の
ない場合に無期限の解除を認めることは均衡を失する。
そこで、解除は解除原因が存在して初めて行使できるも
のであるから、債権に準じて10年の消滅時効にかかると考
える(167条1項類推)。
以上
コメント
1600字程度、3ページです。
570条は除斥期間ですが、筋を通して消滅時効と構成しました。
不特定物との違いではなく、消滅時効を除斥期間に修正する話を聞きたかったのかもしれません。
解除については、はおぼろげな知識と答案の筋から流してみました。
584 :
氏名黙秘:2005/03/30(水) 23:46:03 ID:???
>>583 個人的には凄い難問だと思うので
3ページはかけないでしょう。答案構成に何分かけたかわかりませんが
この手のは30分は悩んでから書くべきです
一番大事なのは、総論の部分だとは思います
で「両者は一定の期間の経過により、権利を行使できなくなるという点で共通する」
のでしょうか?時効は、相手方の援用がなければ、権利を行使できるはずです。
援用があれば行使できますが、その点で、援用不要な除斥期間と異なるのです
だから、この点で共通するというのは不正確。両者は実体法上の権利の得喪である点が共通点です
で、瑕疵担保における特定物と不特定物の論点ですが
これだけ書いてあるけど、間違いが書いてある。法定責任説にたつどの学者も、この場合は不均衡を是正すべきとします
ましてや、判例は不特定物に瑕疵担保を適用する。大谷さんの解は、誰も取ってない独自説なんですよ
知らん話が書いてあるなあ、ということで、この論点に点は来ないと思います
不法行為の消滅時効は問題点が書いてない。
ここでは短期消滅時効の起算点と、長期は時効か除斥期間か、停止はありえないか
という、百選にもでている論点があります。これに触れたほうが良い
取消権については、取消権の制限は取消権自体の消滅か、そこから生じる請求権も含まれるかという論点があります
解除においては、こんなものかとは思います
全体的にみて、総論がやはり冗長。そして、触れて欲しい論点(問題は「問題点を論ぜよ」)とある
を多く落としている。もっとも、難しいという意味で、相対評価で沈み込むこともないかもしれません
585 :
氏名黙秘:2005/03/30(水) 23:59:28 ID:???
で、この問題、答案構成の段階で、結構重い、書くこともあるなあ
と気づくと思います。だから、総論をまとめないと書けなくなる
大谷さんのを利用した自分なりの総論ですが
1、消滅時効と除斥期間は、権利不行使が一定期間にわたり
場合、実体法上において権利が消滅する制度である。
ただし、(1)消滅時効のは当事者の援用が必要である
が(145条)、除斥期間では不要である、(2)消滅時効の
起算点は権利を行使しうる時であるが(166条1項)、除斥
期間は権利発生の時である。そして、消滅時効には中断が
認められているが(147条)、除斥期間には認められてい
ない。
消滅時効は、債権の不行使という事実状態を尊重する制度
であり、その利益を受けるか選択は援用権者に委ねられる。
他方、除斥期間は法律関係の早期安定のための政策的な権利
の消滅事由である。両者の扱いの違いはこれにに基づくと解
される。
こんな感じです。
ありがとうございます。
>>584 ご指摘のとおり、この問題は1時間で書くのは厳しいですね。
今回、答案構成には15分程度かけました。
定義の知識が不足していたため、共通点がずれてしまいました。
おっしゃる通りだと痛感しました。
瑕疵担保責任の見解は、どこかで見た気がしました。
でも、あえて不合理な見解を採用する必要もないですし、修正したほうがらくだと思いました。
「その問題点」という問題文の指摘は今一つかみにくいです。
単純に知識として除斥期間か時効かを述べて、知っている論点を並べたほうがよかったのでしょうか。
今日考えてみたのですが、小問4で解除を問題としていることから、それと整合的に考えたほうがよいのではないでしょうか。
1:瑕疵担保は消滅時効のように見えるが、除斥期間であるのはなぜか
2:724の「時効」という文言
3:取消権の性質と126の「時効」という文言
出題者はこれを聞きたかったのではないでしょうか。
つまり、除斥期間または消滅時効とする理由を、制度趣旨から考えさせる問題ではないでしょうか。
この問題文に対する考え方は、間違っているのでしょうか。
未熟ゆえに不十分な答案を作成してしまった私の意見ですが、ご評価いただけると幸いです。
>>585 すごく短くまとまっています。
いただきます。
一つ気になったのは、定義は書かなくてもよいのでしょうか。
1行問題では定義から書き始めるように習ったので、疑問です。
正確な定義を知らない私がこのような発言をすることをお許しください。
コメントをいただけると幸いです。
さて、今日はここ数年山といわれている会社法の問題です。
【商法】 平成10年・第1問
甲および乙の2つの事業部門を有するA株式会社が甲
事業部門を別会社として分離独立させるため、商法上採
り得る方法とそれぞれの方法の特色について述べよ。
一、A株式会社が、甲事業部門を別会社として分離独立さ
せる方法としては、@新たに会社を設立する場合、A既
存の会社を利用する場合がある。
二、@について
1、まず、営業用財産を現物出資(168条1項5号)すること
が考えられる。
この場合、財産の価額を過大に評価することにより、
資本の空洞化を防ぎ、もって会社債権者を保護するため、
定款に記載し、原則として検査役の調査を受けなければ
ならない(173条)。そして、これに違反した現物出資は
無効とされる。
この方法は、検査役の選任を裁判所に請求し、調査が
要求される点で煩雑であるというデメリットがある。
2、次に、事後設立(246条)によることが考えられる。
これは新設される会社が、成立後2年以内に営業のため
に継続して使用するものを譲り受ける方法である。
この場合も現物出資と同様に資本の空洞化のおそれが
あることから、原則として検査役の調査を受けなければ
ならない(246条2項)。
したがって、現物出資の場合と同様に、煩雑であると
いうデメリットがある。
3、また、新設分割(373条)によることが考えられる。
これは、会社の営業の全部または一部を設立する会社
に承継させるものであり、新設会社はその営業について
の権利義務を承継する(374条の10)。
この場合、分割契約書を作成して株主総会の決議を経
るとともに(374条)、利害関係を有する会社債権者に対
する保護手続が要求されている(374条の4)。
この方法は、現物出資や事後設立と比べて、手続的に
簡易な方法で可能というメリットがある。
三、Aについて
1、まず、営業譲渡によることが考えられる。
ここで、A会社の営業が甲および乙の2つの部門であ
ることから、その1つである甲部門を譲渡することは、営
業の重要なる一部の譲渡に当たる。
そこで、この方法による場合、株主総会の特別決議を
経なければならない(245条1項1号、343条)。もっとも、
権利関係の承継は生じないから、債権者保護手続は設け
られていない。
このように、株主総会の特別決議という厳格な手続が
要求されるものの、さほど煩雑とはいえない。
2、次に、吸収分割(374条の16)によることが考えられる。
これは、既存の会社に営業の全部または一部を承継さ
せるもので、分割を受けた会社はその営業についての権
利義務を承継する(374条の26)。
吸収分割による場合は、新設分割と同様に、株主総会
の承認(374条の17)と債権者保護手続(374条の20)が
要求されている。
四、このように、A会社が甲部門の営業を譲渡す方法とし
ては、以上の5つの方法が考えられる。この点、私は、権
利義務の承継を伴う分割によることが、手続的に煩雑で
なく、効果が客観的に明白なので、妥当であると考える。
以上
コメント
1100字程度、3ページの頭くらいです。
分割がよく分からないのと、記憶があやふやだったため、最小限の記述にとどめました。
事後設立の条文を引くのに時間がかかったことに反省します。
591 :
氏名黙秘:2005/03/31(木) 23:41:00 ID:???
もう出ないでしょ。新設分割や吸収分割の条文ができたのに財産引受とか書かせてもしょうがないし。
592 :
氏名黙秘:2005/04/01(金) 00:01:33 ID:???
591に賛成。今の基本書には新設分割・吸収分割の説明しか書いてない。
条文追えば終了。まさに駆け込み出題。
593 :
氏名黙秘:皇紀2665/04/01(金) 00:14:28 ID:???
>>586 瑕疵担保の論点だけど、法定責任説だから違って不都合なし、という見解はない
法定責任説だと不都合があるので、修正するという見解だけ
それ以上に、その論点は、書かなきゃならないものでもない
あと、総論の部分で「除斥期間と時効の区別」を書くべきだね
これを落とすと相当点を引かれると思う
各小問は、除斥期間か時効か、のどちらかを述べた後
それにまつわる「問題点」(論点)を書くことになる
瑕疵担保については、1年の期間制限は返還請求まで含むのか否か
そして今は、10年の時効期間に服すか(判例がでたので)の二つが欲しい
もし、各小問についての「問題点」を「除斥期間か時効か」に限定するなら
「次に掲げる権利が服する期間制限の性質」「について論ぜよ。」で足りるはず
そして、「や問題点」が加わってるのだから、論点も書くべきと解するのが自然
ただ、単純に論点を並べるのではなく、期間制限にまつわる論点である必要はある
総論の定義についてだけど、書いてもいいが、その文答案は長く、冗長になる
時効と除斥期間の共通点と違いを述べると、自動的に定義まで述べることになる
それは大谷さんの答案を見ればわかると思う
>>580。記述が重複してるでしょ?
重複して、長いけど、肝心の区別基準が書いてない。これじゃあ駄目なんす
>>591-592 予備校では頻出だったので、てっきり出るものかと思っていました。
分割の制度については抑えていらっしゃいますでしょうか。
私はまだまだ不勉強ゆえに、制度が何たるか抑えられていません。
よんでおいたほうがいいでしょうか。
>>593 瑕疵担保については、自説を修正することにしました。
ためになりました。ありがとうございます。
総論は論述不足でした。
よく反省しておきます。
問題についての取り組み方を、詳細に述べていただいて、大変感謝しています
私の勝手な領域に引きずり込んでしまったということですね。
確実にG答案でした。
気をつけます。
今日は今から2問目を書いてみます。
【商法】 平成10年・第2問
手形が要式証券とされていることの意味およびその根拠について論ぜよ。
一、手形は、厳格な要式証券とされている。
手形には手形要件の記載が要求され(1条、75条)、当
然の指図証券とされていることから手形の譲渡は裏書に
よるとされている(11条、77条1項)。
手形は原因関係とは別に振り出される無因証券であり、
手形行為によって権利が発生する設権証券である。そこ
で、手形関係を明白にするために、手形行為には法律で
要式性を要求することが要求されている。
これにより、不明確な権利関係を排除し、流通を予定
されている手形取引の安全を図ることができる。
二、民法上、権利関係は、当事者が自由に決定できるのが
原則である。
しかし、手形は当事者間の取引のみならず、第三者が
権利関係を有することを予定されていることから、当事
者のみで自由に権利関係を定めることは手形関係に入る
第三者の地位を不安定にする。
そこで、このような流通証券性という手形の特殊性を
根拠に、手形は要式証券とされている。
以上
コメント
400字程度、1ページの後半です。
知りません。
昨年末に商法を勉強していたときには覚えていた気がします。
例外も思いつきませんでした。
598 :
氏名黙秘:日本国憲法施行59/04/01(金) 20:08:32 ID:R0kz7QT6
599 :
氏名黙秘:日本国憲法施行59/04/01(金) 21:29:44 ID:???
要式証券・・・要件が法定されているもの
厳格な要式証券・・・要件を書けば証券が無効となること
です。
例外は法定されているもの及び解釈上のもの(白地手形)があります。
せめて厳格な要式証券の意味(無効となること)及びその根拠条文を
上げる必要があると思います。
また、根拠で「流通証券性」を書くのであれば条文上の根拠を(善意取得・
裏書人の担保責任・支払免責など)を書いたほうがいいと思います。
誰も大して書けない問題は条文を丁寧に拾うだけでずいぶん違います。
>>599 ありがとうございます。
こういう問題は条文を丁寧にあげることが大事なのですね。
肝に銘じておきます。
他の部分で条文がよく分からなくても、流通証券のところは条文をあげることができるはずです。
それができなければ点数をあげようがないということですね。
さて、今日は刑法1問目を書いてみました。
難問です。
犯罪の結論が間違っているかもしれません。
【刑法】 平成10年・第1問
甲は、愛人と一緒になるために、病気で自宅療養中の夫Aを、
病気を苦にした首つり自殺を装って殺害する計画を立てた。そこ
で、甲は、まずAに睡眠薬を飲ませ熟睡させることとし、Aが服
用する薬を睡眠薬とひそかにすり替え、自宅で日中Aの身の回り
の世話の補助を頼んでいる乙に対し、Aに渡して帰宅するよう指
示した。睡眠薬の常用者である乙は、それが睡眠薬であることを
見破り、平素の甲の言動から、その意図を察知したが、Aの乙に
対する日ごろのひどい扱いに深い恨みを抱いていたため、これに
便乗してAの殺害を図り、睡眠薬を増量してAに渡した。Aは、
これを服用し、その病状とあいまって死亡した。Aが服用した睡
眠薬は、通常は人を死亡させるには至らない量であった。
甲および乙の罪責を論ぜよ。
一、乙の罪責について
1、乙に殺人罪(199条)が成立しないか。
乙は、睡眠薬を増量してAに渡し、Aはこれを服用し
て死亡している。
もっとも、Aが服用した睡眠薬は、通常は人を死亡さ
せるには至らない量であった。
そこで、乙の行為とAの死の結果に因果関係が認めら
れるか問題となる。
2、この点、判例は条件関係があれば、因果関係が認めら
れるとする。
しかし、これでは因果関係の認められる範囲が広すぎ、
処罰範囲が不当に拡大するため妥当でない。
思うに、偶然の事情を排除するため、因果関係の判断
は、条件関係の存在を前提に、行為から結果が発生する
ことが社会通念上相当といえるかという観点から決すべ
きである。
そして、構成要件が違法・有責類型であることに鑑み、
行為時に、行為者が特に認識していた事情及び一般人が
認識しえた事情を基礎に、一般人を基準に相当性を判断
すべきである。
3、この点、乙がAの身の回りの世話をしていることから、
睡眠薬を渡す時点でAの病状を一般人は知り得ないとし
ても乙は認識していたといえる。そして、看病が必要な
病人に増量した睡眠薬を飲ませれば、死の結果が生じる
ことは一般的に相当といえる。
したがって、乙の行為とAの死の結果との間に因果関
係を認めることができる。
4、また、乙にはAを殺害する故意もある。
5、したがって、乙には殺人罪が成立する。
二、甲の罪責について
1、甲は、殺人の手段として睡眠薬をAに飲ませるため、
乙を道具として利用しようとしており、主観的には殺人
罪の間接正犯の故意が認められる。
しかし、乙は睡眠薬であることに気づき、殺害を行な
っていることから、客観的には殺人罪の教唆犯(61条1項
)にあたる。
そこで、38条2項により甲に重い間接正犯を成立させる
ことはできないが、教唆犯の成立を認めることができる
か。甲に教唆の故意(38条1項)が認められるか問題とな
る。
2、思うに、故意責任の本質は、反規範的人格的態度に対
する道義的非難にある。そこで、主観と客観が異なって
いても、実質的に重なり合いが認められる範囲で反規範
性が認められ、故意責任を問いうると考える。そして、
間接正犯も教唆犯も他人を利用して犯罪を行なうもので
あり、教唆の範囲で実質的に重なり合いが認められる。
したがって、甲に教唆の故意を認めうる。
3、としても、甲は睡眠薬を利用して、首吊り自殺を装う
計画を立てているが、Aは睡眠薬を飲んだ段階で死亡し
ている。そこで、意図した行為より先に結果が発生した
場合にも責任を負わせられるか問題となる。
思うに、意図した行為より先に結果が生じた場合、因
果関係の錯誤の問題と捉えるべきである。そして、行為
と結果について故意が認められれば、相当因果関係の範
囲で結果が生じることは通常といえるため、因果関係は
故意の対象とならないと解する。
そして、睡眠薬を飲ませる行為とAの死の結果には相
当因果関係が認められる。
したがって、甲はAの死の結果についても責任を負う。
4、以上より、甲には殺人罪の教唆犯が成立する。
以上
コメント
1300字弱、3ページの頭くらいです。
乙と甲の分量が同じくらいになるように意識しました。
論点を落としている可能性があると思います。
事案解決に必要最低限の部分だけ書きました。
よろしくお願いいたします。
問題
>>601 答案
>>602-603
605 :
氏名黙秘:日本国憲法施行59年,2005/04/02(土) 21:11:56 ID:???
>>602 結果と実行行為の認定を明示した方がいいと思います
判例は条件説とありますが、そうとも言い切れない(正直わからない)ので
そう書く必要はないのでしょうか?むしろ、相当性判断の前に条件関係が必要
であることを指摘するほうが有益だと思います。
折衷説の理由付けは構成要件が違法・有責類型だから、としますが個人的には「そうかなあ」と思います。
もっとも、所詮司法試験のですからそれで足りるかなとも思いますが。
別に、構成要件を違法、有責類型として、客観説をとってもいいのですよ。
そういう、凄く抽象的で形式論を振りかざすより、実質的な話をした方がいいかと
折衷説によると、一般人が認識し得ない事情を行為者への帰責の判断に取り込めない
というのが基礎にあります。さらに、結果的加重犯において過失を要求しない実務を
有効にコントロールするという狙いもある。そういう話の方がいいかと。
乙と甲の分量を同じにするといいますが、あきらかに甲のほうが書くこと多いのです
正犯である乙は甲の半分でいいと思います
606 :
氏名黙秘:日本国憲法施行59年,2005/04/02(土) 21:16:49 ID:???
甲についてですが、まず問題になるのは
殺人の故意があるか、です。故意に留保があるのでは?
という論点が飛んでるのは痛いかと
また、相当因果関係がそもそもあるのか、という大問題もあります
第三者の故意行為が介入しているのだから、乙よりずっと問題があります
それに比べれば、相当因果関係の錯誤は比重は少ないと思います
なお、抽象的事実の錯誤は、責任の問題として一番最後に回すのが良いかと
607 :
氏名黙秘:日本国憲法施行59年,2005/04/02(土) 22:54:52 ID:???
乙について
条件関係のあてはめも一言書いた方が丁寧かも。
甲について
@主観的には傷害の故意では?
問題文は、まず熟睡させようとした、ってあるでしょ?
A乙が睡眠薬と見破ったのはいつ?
即座に見破るか、途中知情かで論点がかわったと思うが。
これは認定の問題だけど。
「常用者」ってのが、使えない?
常用者だから、即座に見破ったってな感じで(どっちの認定でもいいと思うけど)。
608 :
氏名黙秘:日本国憲法施行59年,2005/04/02(土) 22:56:34 ID:1ZcEnGFw
609 :
氏名黙秘:日本国憲法施行59年,2005/04/02(土) 22:59:17 ID:1ZcEnGFw
610 :
氏名黙秘:日本国憲法施行59年,2005/04/02(土) 23:11:46 ID:???
刑法ですから色々レスがつくと思いますが
この問題で、甲と乙を同じ分量にした時点で、FGは確実だと思います
答案構成すれば、乙で論じることは相当因果関係くらいしかないのに
甲については、多くの論点があるんです
自分的には、甲の、乙の利用行為は、(間接)正犯なのか教唆なのか
正犯と共犯の区別という論点もあります。某試験委員は、利用者に規範的障害があっても
間接正犯にならないわけではない。被利用者に故意があることは、正犯性を認定する際の一要素だ
とします。参考答案ではあまり触れられていないので、書かなくてもいいのかもしれませんが
結構重要ではないかと思います。その結果客観的には教唆となる、と認定してほしい
抽象的錯誤で、まず原則として、異なる構成要件間では故意は認められないことを指摘してください
そのうえで、実質的に重なり合う部分では、故意が認められるとして欲しい
で、
>>607にもあるように、早すぎる構成要件の実現については
第一行為の段階で故意が認められるのかというのが、問題になります。択一でもそうでしょ?
甲については、分量が足りないせいもあり、とても合格点を上げられない仕上がりになっています
個人的には、答案構成が甘すぎるのではないか?と感じます。良い答案と悪い答案の差が激しいのですよ
こういうタイプはなかなか受からない。12通平均でそろえればいいのに、そろわないからです
答案構成に20分かけてないなら、それが落ちている原因と考えて欲しい
ありがとうございます。
先立って、今回の答案構成の思考方法について書かせていただきます。
(ナンバリングは実際の答案とは異なります。)
1、乙の罪責
ア、睡眠薬を渡す行為(実行行為)、Aの死亡(客体・結果)
イ、因果関係が不明→折衷的相当因果関係説→肯定
ウ、犯罪成立
2、甲の罪責
ア、正犯か教唆犯か(いずれと認定するかで構成要件の内容が異なる)
イ、睡眠薬を渡す行為が実行行為といえるか→殺害までの一連の行為ととらえる→当たる
ウ、乙が増量した睡眠薬を飲ませる行為と結果との因果性→教唆の場合の処理が不明だったので無視(相当性があるものと黙示の認定)
以上が客観的構成要件
エ、早すぎた構成要件の実現→因果関係の錯誤→故意の対象とならず→故意阻却されず
オ、犯罪成立
以上が本問における答案構成の思考方法です。
>>605 相当因果関係は自説だけで十分でした。
判例も最近は必ずしも条件説を採用しているわけではないので、批判としては不正確でした。
書かないほうがよかったです。
ご指摘の点、重々考慮しておきます。
>>606 甲に殺人の故意があるのは当然だと思います。
答案にも、殺害の「手段として」と述べていることから、殺害までの一連の行為として捉えています。
言葉足らずだったので、この点についてきちんと説明しないと、論理飛躍となってしまいます。
ここは大変反省すべきところです。
相当因果関係の問題は、ごもっともです。
教唆犯は、正犯に実行行為を行なわせることですが、今回は間接正犯の故意だったので、どうしてよいかわかりませんでした。
>>611の「2、ウ」の通り、逃げてしまいました。
今考えると、睡眠薬を乙に渡す行為と乙が増量する行為とは相当因果関係の問題として論じる必要性があると思います。
構成段階ではそこまで気づきませんでした。
ここがこの問題の一番の悩みどころでした。
正犯か教唆犯かは、大前提として先に述べるべきであるというのが私の考えです。
>>611「2,ア」に示したとおりです。
これは間違いなのでしょうか。
ご指摘いただけると幸いです。
613 :
氏名黙秘:日本国憲法施行59年,2005/04/03(日) 01:41:55 ID:???
その,なんか,反対説を書いて自滅,みたいな癖をなんとかしないと。
なんで色気を出して反対説なんか書こうとするかね。
>>607 @について
殺害までの一連の行為と捉えると、傷害の故意ではなく、殺人の故意が問題となります。
なお、眠らせれば、意識のないAを絞殺することは容易ですので、一連の行為と捉えることも問題ないと思いました。
でも、別個の行為として捉えるほうが無難なのでしょうか。
Aについて
問題文からはすぐに見破ったと読めるので、客観的教唆の事例と考えてよいかと思いました。
ここは議論が錯綜しますし、難しいところです。
「常用者」というキーワードを使うというご指摘は、ごもっともです。
これがあるのとないのとでは、受ける感じが全く違いますね。
問題文を大事にすることを心がけます。
>>610 大塚説は、故意ある幇助道具という理論を用いていますので、正犯か共犯か、という点をもっと掘り下げてもよかったかもしれません。
ただ、事案が複雑で理解ができなかったことと、時間がなかったことから、単純に認定することにとどめてしまいました。
きつい問題でした。
抽象的事実の錯誤は、省略論述をしてみたのですが、やはり丁寧に論じるべきということですね。
今後は原則から述べるようにします。
早すぎる構成要件の実現について、一連の行為と捉えると、殺害の一手段に過ぎないとして故意が認められると思います。
でも、みなさんは2つの行為と捉えられているようなので、こういう場合は2つに分けて論じたほうがよかったかもしれません。
とすると、傷害もしくは傷害致死(死の結果に因果性が認められれば)ということになります。
この問題は、非常に難しい問題でした。
本番でいきなりこれを見たら、相当面食らうと思いました。
なお、答案構成には15分、作成には35分という時間をかけました。
コメントをいただけると幸いです。
みなさん、ありがとうございました。
615 :
氏名黙秘:日本国憲法施行59年,2005/04/03(日) 03:21:34 ID:???
>>612 正犯か教唆犯かは、大前提として先に述べるべきです
ただし、ならば、その基準をきちんと立てましょう
何も無く「教唆」とされると、なんでやねーん、となります
で、早すぎる構成要件の実現ですが、この場面、当然に殺人の故意があるかは激しく争いがあります
そして、殺害までの一連の行為と捉えるのはいいのですが
そのように考える理由と、一連の行為の認定基準がないのがとても困る
「答案にも、殺害の「手段として」と述べていることから、殺害までの一連の行為として捉えています。」
というのをきちんと答案に書いてないと、点が来ない。これが書面審査の怖さです
正犯と共犯を掘り下げてしまうと、書ききれないので、コンパクトでいいと思います
自分は大塚説を知らないですが、「正犯性は結果発生の自働性、確実性があるときに認められる」
というのが自分の規範です。通説なら道具に規範的障害があるか、で判断すればいいでしょう
抽象的錯誤は、丁寧というよりリズム良くです。「原則→趣旨→修正」と。
それほど長くなくていいんですよ。実質的な重なり合いを認める基準も欲しかったところです
あと、ちょっと自分も指摘を間違ったのですが
教唆犯で認定するなら、因果関係は相当因果関係ではなくなります
(自分は間接正犯でしたので、相当因果の問題になりました)
折衷説からいけば、乙の介在事情は予見できないでしょうから、相当性がないとなるでしょう
しかし、共犯においての因果関係は、正犯のそれと異なり、「促進」であれば良いはずです
この点の指摘が、教唆犯の筋では必要となります。
>>615 丁寧にありがとうございます。
正犯と教唆犯の区別、早すぎる構成要件の実現は、明らかに記述不足です。
難しい問題だからこそ、基本的部分を丁寧に認定していくべきですね。
ある程度の筋道を立てることは可能ですから、それを書面で示していくことが大事だと痛感しました。
錯誤のところは自分でもう一度検討します。
リズムよく、というのが一番難しいんですけどね。
教唆犯の因果性の問題について、大変参考になりました。
少し検討してみます。
「促進」というのは睡眠薬を飲ませること、飲ませることが死の結果を生じうる実行行為といえること。
この2つが因果性の判断基準になるかと思われます。
増量するかしないかは関係なく、ということで足りる。
相当因果関係を要求するなら、「教唆行為」と「正犯の実行行為の促進」との間に相当性があるかという判断になるかと思います。
検討させていただきたく思います。
そろそろ512メガ規制にかかりそうなので、刑法2問目終了後に次のスレを立てようと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
617 :
氏名黙秘:日本国憲法施行59年,2005/04/03(日) 04:11:37 ID:???
>>616 正犯と教唆犯の区別、早すぎる構成要件の実現は択一でも問われるので
この機会に「自説の論証」を作っておくといいと思います
抽象的錯誤は基本論点なので、前もって作っておきましょう
共犯ですから、正犯と同じ因果性と実行行為性は不要なんですよ
相当因果という考えが入ってこない。ここに狭義の共犯の特徴があります
すると、正犯と共犯は重ならないのでは?(質的に違うのでは)という批判もきますけどね
促進とは、正犯による結果発生を「増幅」するか、否かです
ただ、故意を生じさせる教唆犯ではほぼ認められますが
答案構成に25分かけて、作成に35分。これで60分です
構成にあと10分かけて欲しい所です
618 :
氏名黙秘:日本国憲法施行59年,2005/04/03(日) 04:45:06 ID:FN/xzE03
619 :
氏名黙秘:日本国憲法施行59年,2005/04/03(日) 06:23:53 ID:???
教唆の場合は相当因果関係いると思うよ。平成4年第1問参照。
幇助の場合は相当因果関係とはいわないな。
本問は,普通の早すぎた構成要件の実現とは少し違うんだな。
どこが違うかは考えてみてほしい。
本試験をなめちゃいけない。本試験問題が論点の組み合わせでできてるというのは,考えが浅すぎる。
抽象的事実の錯誤は,原則を飛ばしてもいいと思う。
刑法は,まともに論証したら書ききれない。
そこは目をつぶってくれると思う。
いろんな人がいると思うけど,本試験の問題に対して答案構成15分はかなり苦しい。
その点,
>>617と同意見。
620 :
氏名黙秘:日本国憲法施行59年,2005/04/03(日) 10:36:00 ID:???
>>619 教唆の場合は相当因果関係いるのだが、それは正犯と異なり拡張されたものじゃないかな?
山口261頁ー263頁参照。なお、平成4年第1問は、むしろ予備校答案に誤謬があると思う
というか、本問とは事案が違うような
早すぎる構成要件の実現じゃない?自分は故意の留保が問題となる事案だと思う
特に違うところも見あたらない。考えて欲しいと濁さす指摘して欲しい
抽象的事実の錯誤は、原則から書いて書ききれる
というか、原則から書いて書ききれる形でまとめておくべきというべきか
自分なら(説が違うので参考にならないかもしれないが)
「故意とは犯罪事実の認識・予見をいうので、異なる構成要件該当事実については認められないのが原則である。
もっとも、実質的に重なり合う場合には、その範囲において認識、予見にかけることはない。
よって、抽象的錯誤においても、実質的に重なり合う場合、すなわち保護法益、侵害態様等に共通性があるなら
なお故意が認められると解される」としていた。
みなさん、コメントありがとうございます。
本日、予備校帰宅後にコメントを書かせていただきます。
一つ質問があるので、お答えいただけると幸いです。
「2項強盗において、処分行為は不要だが、財産上の利益の移転時期を明確にするために、うんぬん」
という話があります。
これは、「暴行」の話で論じるべきか、「既遂か未遂か」の話で論じるべきか、いずれでしょうか。
強盗致死傷の場合と整合的に考えると「暴行」なのですが、「既遂か未遂か」のほうがすっきりします。
問題と関係ないところですみません。
スレの趣旨からずれるので、気に触られる方がいらっしゃった場合、深くお詫び申し上げます。
622 :
氏名黙秘:日本国憲法施行59年,2005/04/03(日) 11:14:34 ID:???
>>621 既遂か、未遂かでしょう
強盗致傷は人身保護の側面が出てくるので、少し話しが違うと思います
処分行為に対置しうる、事実的側面としての、利益移転が問われています
623 :
氏名黙秘:日本国憲法施行59年,2005/04/03(日) 11:30:07 ID:???
>>622 え?実行行為の問題でないの?
確実な利益移転に向けられていない暴行が、
強盗致傷の未遂(すなわち強盗?)になるってこと?
そりゃおかしいと思うんだけどなあ。
624 :
623:日本国憲法施行59年,2005/04/03(日) 11:36:34 ID:???
>>622 ごめん。質問読み間違ってた。
2項強盗の場合にも、実行行為の話にするのが、
整合的だと思う。
そもそも確実な利益移転に向けられていない暴行に
実行行為性を認めて未遂犯を成立させてしまうと、
結局処罰範囲の不当な拡大という批判を免れていないから。
625 :
氏名黙秘:日本国憲法施行59年,2005/04/03(日) 12:04:19 ID:???
>>620 因果関係の内容は,正犯とは違うね。でも,相当因果関係は必要。
典型的な早すぎた構成要件の実現と少し違う,ということね。
一つは,第二行為を実際にやったかどうかは不明なこと。
二つ目に,第一行為の危険は自分の行為によるものではないこと。
普通の早すぎた構成要件の問題は,そもそも第一行為が危険な行為である場合だね。
これをどう処理するかは,各自の判断だな。
>>622-624 実行行為(暴行)の問題として捉えることにします。
ありがとうございました。
>>625 この問題をもう一度構成しなおしてみました。
傷害の間接正犯を行なっている
↓
事実の錯誤で教唆犯成立
↓
実行の着手が認められる
↓
死の結果まで帰責できるか
↓
相当因果関係説より否定
↓
乙が傷害行為に出ている以上、故意が認められる
↓
傷害罪の教唆犯が成立する
これでよいでしょうか。
さて、今日は2問目を書いてみました。
【刑法】 平成10年・第2問
甲は乙にAの殺害を依頼し、乙はこれを引き受けた。甲は、
犯行準備のための資金として乙に現金100万円を手渡し、A殺害
後には報酬としてさらに200万円を支払うことを約束した。その
後、乙は、その妻丙から「甲なんかのために、危ない橋を渡る
ことはない。」と説得され、殺害を思いとどまり、丙と二人で
その100万円を費消した。そのころ、Aは既に重病にかかってお
り、しばらくして病死したが、乙はこれに乗じて、甲に対し自
分が殺害したように申し向けて約束の報酬を要求し、現金200万
円を受け取った。その夜、乙は、丙にこれを自慢話として語り、
同女にそのうちの100万円を与えた。
乙および丙の罪責を論ぜよ。
一、乙の罪責について
1、100万円を費消した行為について、乙に横領罪(252条
)が成立しないか。
ア、まず、乙は100万円を「占有」している。
イ、では、「他人の物」といえるか。
この点、金銭は民法上占有と所有が一致するが、使途
を定めて委託された金銭については、「他人の物」とい
えると考える。
そして、犯行準備のための資金として100万円が渡され
ているのだから、100万円は使途を定めて委託された金銭
といえる。
また、100万円は殺害のための準備資金として交付され
たものであり、不法原因給付として民法上甲には返還請求
権が認められないが、不法原因給付物といえども、没収の
手続を踏まなければ刑法上権利を剥奪されることがないこ
とから、刑法上はなお保護に値する財物といえる。
よって、100万円は、「他人の物」に当たる。
ウ、また、費消する行為は不法領得の意思の発現たる行為と
いえ、「横領」といえる。
エ、よって、乙には横領罪が成立する。
2、次に、200万円を受け取った行為につき、1項詐欺罪(24
6条1項)が成立しないか。
ア、まず、実際にはAを殺していないのに、自分がAを殺し
たと欺罔しており、甲は乙が殺したものと錯誤に陥り、20
0万円を交付している。
イ、では、甲に財産上の損害が認められるか。財産上の損害
は明文上要求されていないが、詐欺罪が財産犯であること
から、当然に要求されるため問題となる。
思うに、財産罪の保護法益は、究極的には所有権その他
の本権にあるが、権利関係の複雑化した現代社会において
は一応適法な占有であると解する。そこで、占有を喪失し
たこと、すなわち交付自体を財産上の損害と捉えるべきで
あると考える。
よって、200万円の交付を財産上の損害と認められる。
ウ、したがって、乙には詐欺罪が成立する。
3、以上より、乙には横領罪、詐欺罪が成立し、併合罪(
45条)となる。
二、丙の罪責について
1、丙が、乙とともに100万円を消費しているため、横領罪
の共同正犯(60条)が成立しないか。
ア、この点、横領罪は占有する者を主体とする真正身分犯
である。そして、65条1項は、その文言から真正身分犯の
共犯の成立と科刑を規定したものであり、非身分者も身
分者を通じて犯罪実行が可能であることから「共犯」に
は共同正犯も含まれると解する。
よって、65条1項が適用され、丙には横領罪の共同正犯
が成立する。
イ、もっとも、丙は乙の妻であるから、刑が免除されない
か(251条、244条)。誰との間に親族関係が必要か問題
となる。
思うに、244条の立法趣旨は、家庭内の紛争は家庭内で
解決すべきという「法は家庭に入らず」という精神に立脚
していると考える。
そこで、親族関係は、占有者及び所有者との間に必要と
されると考える。
本問では、丙は甲と親族関係がなく、刑は免除されない。
2、次に、100万円を受け取った行為について、盗品等無償譲
受罪(256条1項)が成立しないか。
ア、まず、乙には詐欺罪が成立するから、詐取した200万円の
内の100万円は、「財産に対する罪に当たる行為によって領
得された物」といえる。
そして、丙は、乙から自慢話として事情を聞いているため、
100万円が盗品等であることの認識も認められる。
よって、丙には盗品等無償譲受罪が成立する。
イ、もっとも、丙は乙の妻であるため、刑が免除されないか(
257条1項)。誰との間に親族関係が必要か問題となる。
この点、244条とは別に257条が規定されたのは、本犯者と
一定の親族関係にある者が256条の罪を犯すことは期待可能性
を欠くため、刑を免除するという趣旨と解する。また、被害
者と盗品犯との間に親族関係があることはまれであるため、
被害者との間に親族関係があることまでは要求すべきでない。
そこで、本犯者と盗品犯との間に親族関係があれば足りる
と解する。
本問では、丙は乙の妻であるから、257条1項が適用され、
刑は免除される。
3、以上より、丙には横領罪の共同正犯が成立する。
以上
コメント
1600字程度、3ページです。
実践的な答案として、最低限のことだけ書くようにしました。
各論の問題であるゆえ、65条については軽く結論のみ認定しました。
横領の「他人の物」の解釈で2つ論点がありますが、うまく論述ができませんでした。
不法原因給付は財産上の損害のところで論じたほうがまとまりがいいと思うのですが、「他人の物」のところで論じました。
殺人予備の中止犯の成否も問題となるかと思いましたが、予備自体成立しないため省略しました。
乙が丙に100万円を渡した行為が不可罰的事後行為であるということも示したかったです。
よろしくお願いいたします。
問題
>>627 答案
>>628-630
632 :
氏名黙秘:日本国憲法施行59年,2005/04/03(日) 23:55:20 ID:???
概ねよく書けていると思います。
ただ、予備罪は認定したほうが得点になるかもしれません。
一応殺人のための準備資金は用意しているのですから・・・
そうしないと奥さんの説得が全く意味がなくなる。
否定する場合でも一言触れた方がいいと思います。
>>632 ありがとうございます。
論点が多かったので、削ってしまいました。
1行ずつでも論じておいたほうがよかったかもしれません。
ところで、まだもう少し容量に余裕があるみたいです。
様子を見ながら次スレを立てたいと思います。
今日は民訴1問目を書いてみました。
【民訴】 平成10年・第1問
境界確定訴訟について論ぜよ。
一、法的性質について
境界確定訴訟とは、隣接する土地の境界の確定を裁判所
に求める訴えをいう。
境界確定訴訟は、裁判所が境界を定めるという形成力を
有する形成訴訟である。
もっとも、形成訴訟は、形成要件の定めがあるのが通常
である。例えば、株主総会取消訴訟は、召集の手続に瑕疵
がある場合など(商法247条1項1号)、請求が認められるた
めの要件が定められている。しかし、境界確定の訴えにお
いては、そのような定めがない。
そこで、境界確定訴訟は、裁判所が後見的に境界を確定
することが要求され、実質的に非訟の性質を有する形式的
形成訴訟であるといえる。
二、処分権主義の制限
1、民事訴訟においては、当事者が訴訟の開始、種類、終
了を自由に定めうるという処分権主義が採用されている
(247条)。これは、私的自治の原則を訴訟に反映させる
ことで、当事者の意思にそった合理的な解決を図ること
を目的としている。
2、もっとも、境界確定訴訟は、境界が公法上の課税単位
となるなど、公益的性質を有するため、私的自治の原則
が必ずしも妥当するとはいえない。そこで、処分権主義
が一定の範囲で妥当しない場合がある。
ア、まず、訴えを提起するかどうかという点では、当事者
の意思が尊重されているため、処分権主義の適用がある
といえる。
ただ、原告が何についてどのような審判を求めている
か明らかにするため、請求の趣旨を記載しなければなら
ないとされているが(133条2項2号)、境界確定訴訟は裁
判所が後見的に裁量で境界を確定するため、具体的な記
載が要求されない。
したがって、請求の趣旨が、単に境界の確定を求める
ということで足りるという点で、処分権主義が一部妥当
しないという性質を有する。
イ、次に、訴えの取り下げ(261条以下)により訴訟を終了
させるか、判決により裁判所の判断を待つかという点で、
当事者の意思による訴訟終了という処分権主義の適用が
ある。
もっとも、境界確定訴訟が公益的性質を有することか
ら、当事者による自由な処分を認めるべきでなく、訴訟
上の和解(264条以下)、請求の放棄・認諾(266条)は
なしえないとされる。
したがって、この点で当事者の意思による訴訟終了が
制限されており、処分権主義が妥当しないという性質を
有する。
ウ、さらに、裁判所は判決をするにおいて、後見的立場か
ら裁量権が認められ、当事者の申立て事項に拘束されず
に判決をすることができる。上訴において、不利益変更
禁止の原則が採用されているが(304条)、裁判所の裁量
的判断が尊重される境界確定訴訟においては上訴人に不
利に判決を変更することができる。
したがって、当事者の意思に拘束されないという点で、
処分権主義が妥当しないという性質を有する。
三、弁論主義の制限について
1、民事訴訟においては、事実及び証拠の収集・提出を当
事者の責任かつ権能とする弁論主義が採用されている。
これは、民事訴訟が私的紛争の解決であることから、
できるだけ私的自治の原則を反映させることが望ましい
という理由による。
2、もっとも、境界確定の訴えは、公益的性質を有し、私
的自治の原則が必ずしも妥当しない。そこで、弁論主義
が妥当しない場面がある。
この点、境界確定の訴えにおいても、証拠の収集・提
出は当事者が行ない、それを基礎に裁判所は判決を下す
のが原則である。
したがって、この点のみを捉えると、弁論主義が妥当
しているといえる。
もっとも、裁判所は、後見的立場から裁量的に境界を
確定できるのであり、当事者の主張や立証に関わらず判
決ができる。
したがって、弁論主義に一定の制限が課されていると
いえる。
四、訴訟の性質について
境界確定訴訟は、隣接する土地の境界を争う当事者が、
最も利害関係を有するといえる。
したがって、境界確定訴訟は、隣接する土地の所有者全
員が当事者とならなければならないという固有必要的共同
訴訟(40条)である。
そこで、一部の者を脱落して提起した訴えは不適法であ
り、原告は同調しない他の共有者を被告として訴える必要
がある。
以上
よろしくお願いいたします。
問題
>>634 答案
>>635-637 コメント
1600字強、3ページです。
テーマごとに分けようとしたのですが、「二、2、ア」で失敗したことに気づきました。
最後もお粗末になってしまいました。
何について論じているかを、段落ごとにタイトルをつけることで、読み手に予測可能性を与えるように配慮しました。
構成としては、形式的形成訴訟であることを述べた上で、
1、訴え提起段階
2、審理段階
3、判決段階
4、上訴段階
と分けるのもいいかと思いました。
さすがに今年はもう出ませんね。
639 :
氏名黙秘:日本国憲法施行59年,2005/04/05(火) 00:46:26 ID:???
>>638 形式的形成訴訟はでなくとも、こういう問題を検討することはいいと思いますよ
法的性質のところは、もう少しコンパクトだといいかも
境界確定訴訟は、裁判所が境界を定めるという形成力を
有する訴訟であるが、形成要件の定めがない点で通常の形
成訴訟とことなり、実質的には非訟事件である。
そこで、明文はないものの、これは、慣習的に訴訟手続
きによっている、形式的形成訴訟であると解される。
こんな程度でいいでしょう。意外と指摘されないですが
これは全く明文を欠く、慣習的な訴訟形態であることをかけるといいです
二2アですが、難しいことかいて失敗したパターンですね
非訴事件でも、「不告不理の原則」は維持されるのが普通です
勝手に裁判所はしゃしゃり出ない、ということですね
でも、審理に入ると、当事者だけに任されない、という仕組みになります
処分権主義、弁論主義の対概念が出せると良いかもしれません
640 :
氏名黙秘:日本国憲法施行59年,2005/04/05(火) 00:48:44 ID:???
境界確定訴訟って、法がちょっと変わったんじゃなかったかな・・?
まあいいけど
641 :
氏名黙秘:2005/04/05(火) 14:35:30 ID:???
刑法なんだけど、罪数処理はきちんとした方がいいよ。
本試験では罪数処理が思ったよりも重要視されているらしいからね。
丙の罪責なんか、犯罪論と刑の免除のレベルの違いをわかってないと思われてしまいかねない。
ありがとうございました。
>>639-640 境界確定、法律できたのですか。知りませんでした。
もう出ないと思いますけど、それならなおさらですね。
「慣習的な訴訟形態」というフレーズは知りませんでした。
「明文はない」というのも示せるといいですね。
いわれてみて、ごもっとも、という感じです。
土地所有権確認の訴えとともに提起されることが多い、という特殊性も出せればよかったかもしれませんね。
法的性質は、もっと短く書く練習をしなければならないと思いました。
>>641 刑法の罪数処理は、かなりまずいですね。
犯罪は成立するけど、一身的に刑が免除されるという類型ですから。
あれだと、犯罪が成立しない、責任阻却?と思われても仕方がないですね。
気をつけます。
さて、今日は民訴2問目を書いてみました。
【民訴】 平成10年・第2問
Yは、Xに対し、次の各事由を主張してそれぞれの確定判決の効力を争うことができるか。
1 XのYに対する売買代金請求訴訟においてX勝訴判決が確定した後、YがXに対し、その売買契約はXにだまされて締結したものであるとして、取消の意思表示をしたこと。
2 XのYに対する賃金返還請求訴訟においてX勝訴判決が確定した後、YがXに対し、事実審口頭弁論終結前より相殺適状にあった金銭債権をもってXの賃金返還請求権と対当額で相殺するとの意思表示をしたこと。
3 賃貸人Xの賃借人Yに対する建物収去土地明渡請求訴訟においてX勝訴判決が確定した後、YがXに対し、事実審口頭弁論終結前から存在する建物買取請求権を行使したこと。
一、本問では、前訴判決で確定された権利関係について、
変動を生ぜしめる形成権の行使が可能か問題となってい
る。
ここで、判決が確定した場合、判決主文に包含された
訴訟物たる権利関係につき既判力が生じ(114条1項)、
裁判所及び当事者は既判力に拘束される。すなわち、当
事者は前訴で確定された訴訟物たる権利関係と矛盾する
主張をなしえなくなる(当事者拘束力)。これは、当事
者が前訴判決の効力を争えるとすると、紛争解決の実効
性を欠くことになり、訴訟経済や相手方当事者の既得地
位を害するという不都合を回避する必要があり、当事者
は前訴において訴訟物たる権利関係につき十分に主張立
証する機会を与えられたという手続的保障があることか
ら、前訴判決に拘束されることは当事者の自己責任とい
えるため、認められている。そして、既判力は事実審口
頭弁論終結時(基準時)までに提出できた事実につき生
じる。
もっとも、紛争解決の実効性を害さず、当事者の自己
責任を問いえない場合まで、既判力の拘束力を認めるの
は当事者保護に欠けるため、一定の場合には後訴におい
て形成権の行使を認めうると考える。すなわち、@前訴
判決の訴訟物に付着した形成権ではなく、A基準時まで
に提出することが期待できず、B紛争の不当な蒸し返し
といえない場合には、例外的に形成権の行使が認められ
ると考える。
二、小問1について
1、YはXに対して売買契約の詐欺取消(民法96条1項)
を主張している。
これは、@売買契約債権に付着する抗弁であり、A基
準時までに主張できた事実といえ、B一度確定した売買
代金債権の存否に関する紛争を不当に蒸し返すものとい
える。また、実質的にも、既判力により無効主張できな
くなるのに、それより効力の弱い取消権を認める必要は
ないといえる。
2、したがって、Yは詐欺取消の事実を主張して、前訴判
決の効力を争うことは、既判力の拘束力により認められ
ない。
三、小問2について
1、YはXに対して、賃金債権と別債権による相殺(民法
505条)を主張している。
これは、@賃金代金債権とは別個の債権であり、前訴
訴訟物に付着した権利ではない。また、A相殺は相手方
の債権存在を前提とした抗弁であり、理由中の判断であ
るが例外的に既判力が生じる(114条2項)ため、相
殺の抗弁が容れられても実質的敗訴であることから、前
訴基準時までに主張することが期待できたとはいえない。
そして、BYは別訴で独立して金銭債権の支払を請求で
きるのであり、金銭債権の存在を前提として相殺の抗弁
を認めても紛争の不当な蒸し返しとはならない。
2、したがって、Yの相殺の抗弁は、前訴既判力に拘束力
されず、認められる。
四、小問3について
1、YはXに対して、建物買取請求権(借地借家法13条)
を主張している。
これは、@土地明渡請求権に付着した抗弁ではなく、
賃貸借契約終了時に賃借人が有する別個の債権であり、
A相手方の賃貸借契約終了の主張が認められることを前
提とした権利であるから、前訴基準時までに主張できた
抗弁とはいえない。また、B建物買取請求権は、建物の
効用を維持するために賃借人に認められた権利であり、
公益的性質が強く、かかる主張を認めても前訴紛争を不
当に蒸し返すことにはならない。
2、したがって、Yの建物買取請求権は、前訴既判力に拘
束されず、認められる。
以上
コメント
1400字弱、3ページの半分くらいです。
総論を設けて、一定の規範を定立してみました。
既判力の正当化根拠のところは長すぎたかもしれません。
各論は端的に事実を認定し、規範に当てはめることを心がけました。
648 :
氏名黙秘:2005/04/06(水) 00:13:29 ID:???
>>646 総論ですが、長すぎます。問題文に総論を設けることが要求されてない場合
15行ほどに押さえましょう。それ以上に長いと、印象悪いです
押さえられないなら、書かない。
この答案でも、なっかなか聞きたいことにはいってこないので、少しイライラします
まず、既判力の内容が2文も書いてあります
大事な方だけ残しましょう
理由付けは一文で書かれていて、読みにくい。ながーいのです
総論では、例外の部分が重要ですが、これまた色々かいてある
それだけど、手続保証というキーワードがない。
総論が長くて各論が端的だと、あまりピンと来ない答案になります
649 :
氏名黙秘:2005/04/06(水) 00:21:57 ID:???
>>646 基準時を事実審の口頭弁論終結時にする理由を正面から書いてみたら?
あと、形成権は形成原因は基準時前にあるけど、形成権は当事者の権利行使によってはじめて、
法律効果が生じる特殊性にも配慮できればベターかな
ありがとうございます。
>>648 試験委員の先生方も、きっといらいらされてしまいますね。
15行(私なら12行くらいでしょうか)でまとめる総論を作ったほうがいいですね。
原則に大きな配点が振られているという話を聞いていたので、厚く書きすぎてしまいました。
でも、読みやすさやバランスも大事ですね。
内容的に正確に書けていないのだから、もっと短くまとめるように心がけます。
>>649 ご指摘の点、ごもっともです。
基準時の理由付けも書こうと思っていました。
ただ、
1、流れを悪くする(今でも十分悪いと思いますが)こと
2、当てはめがここまで短くなるとは構成段階で予想できなかったこと
から、省略してしまいました。
手続保障(争う機会)は口頭弁論終結前まで与えられているということが理由ですよね。
やはり省略しないで書いたほうがよかったかもしれません。
民訴の1行問題でも出る可能性がありますし、もう一度よく見ておきます。
さて、そろそろスレの容量がきつくなりつつあるので、新スレを立てました。
論文過去問を検討するスレその3
http://school4.2ch.net/test/read.cgi/shihou/1112804021/l50 今後とも、よろしくお願いいたします。
択一直前でも、下3法を忘れずにやっていきたいと思います。
651 :
氏名黙秘:2005/05/01(日) 16:40:38 ID:???
俺もやりたい。
652 :
氏名黙秘:2005/05/15(日) 21:41:00 ID:QIXxaLTa
sj
653 :
氏名黙秘:2005/05/20(金) 22:08:18 ID:???
654 :
氏名黙秘:2005/05/30(月) 13:20:47 ID:???
655 :
氏名黙秘:2005/06/01(水) 23:47:23 ID:???
なかなかおちねーな
まだ落とすわけにはいかないです
657 :
氏名黙秘:2005/06/01(水) 23:51:58 ID:???
658 :
氏名黙秘:2005/06/03(金) 09:58:05 ID:???
@@
659 :
氏名黙秘:2005/06/06(月) 20:46:52 ID:???
あげ
660 :
氏名黙秘:2005/06/07(火) 01:14:08 ID:???
661 :
Z:2005/06/15(水) 00:47:53 ID:???
大谷さんではありませんが、民事訴訟法H8ー2を書いたので
お願いします。
1小問1について
(1)XのY、Zに対する訴えは、固有必要的共同訴訟か。(民事訴訟法40
条1項。以下条文のみ記す)
本件訴訟の性質が問題になる。
ア・本件訴訟は遺産確認の訴えである。
遺産確認の訴えは財産が現に共同相続人による遺産分割前の共有関係にあることの
確認を求める訴えである。
イ・固有必要的共同訴訟かは実体法を基準に判断する。
共有者の内部紛争については、共有権(共有関係)は共有者全員にかかわるので固有必要的共同訴訟
、共有持分権は共有者各人の権利であるので個別訴訟と解する。
ウ・本件では甲土地の共有権が審判対象であるので固有必要的共同訴訟と解する。
エ・したがってY・Zの審判分離はできない。
(2)このことは遺産確認の訴えの性質からも根拠づけられる。
ア・思うに遺産確認の訴えが認められるのは既判力で遺産の範囲を確定し、紛争の
抜本的解決が図れるからである。(判例)
イもし本件で手続きの分離(152条1項)が許されるならば、XZ間で認容判決が
出るのに、XY間で棄却される可能性がある。かかる場合にはXは、甲土地持分権を
Zには主張できるのにYには主張できないとの事態に陥る。かかる事態は紛争が抜本
的に解決できたとはいえない。
ウよって紛争解決の抜本性との遺産確認の訴えの性質から、固有必要的当事者訴訟と
するのが制度趣旨上、不可欠である。
662 :
Z:2005/06/15(水) 01:22:14 ID:???
2.小問2について
(1)X勝訴の確定判決の効力について
本件訴訟物はXのYに対する甲土地共有持分権を有することの確認である。
(2)既判力について
ア客観的範囲
X勝訴の確定判決は「Xが甲土地の共有持分を有する」との
主文である。
既判力は「主文に包含するもの」に生じる(114条1項)
既判力とは紛争の蒸し返しを防ごうと与えられた判決の判断に対する
拘束力である。主文とは訴訟物に対応する。
よって本件では「Xの甲の共有持分権の存在」にのみ既判力が生じる。
なお、「共同相続に基づく」との部分、つまり「XYZが甲土地をAから共同
相続に基づき取得した」との部分は理由であって既判力は生じない。
イ・主観的範囲
既判力は当事者にのみ及ぶのが原則である。(115条1項1号)
判決は当事者間の紛争解決のために下され、当事者以外の者には手続き保証が
及んでないからである。
本件Zは当事者ではなく115条2号〜4号の例外にも当らない。
よって既判力は当事者XYにのみおよび、Zには及ばない。
ウ・以上から判決主文について当事者XYに既判力が生じる。
663 :
Z:2005/06/15(水) 01:22:48 ID:hIs1QgK1
3.小問1と小問2の比較
(1)既判力の客観的範囲の観点から
小問題2では判決理由に既判力が及ばないため、遺産帰属性について
Zが後訴で争い否定する余地があり、紛争の解決が抜本的ではない。
その点、小問1では遺産帰属性が及ぶため、2より抜本的である。
(2)民事訴訟法の相対的解決の原則の観点から
小問2では、既判力の当事者間効力の原則から共有持分権の確認について
すらZには既判力が及ばないので紛争解決には役立たない。
小問1でも弁論の分離を認めてしまうと、ZとY間で異なる判決が下る
おそれがあり、紛争解決には役立たない。
当事者間の相対的解決との民事訴訟法の原則の帰結である。
小問1でこの不都合性を解決するには、既判力を拡張するか、固有必要的
共同訴訟として判決・審判を統一する方法が考えられるが、小問1で弁論
分離を認めないとの私の考え(判例も同じ)は後者に立脚してると考える
以上
664 :
Z:2005/06/15(水) 01:53:45 ID:???
平成8年・第2問
Aが死亡し、その共同相続人は、X、YおよびZである。
1 Xは、YおよびZを被告として甲土地がAの遺産に属することの確認を求める訴えを提起した。
この訴訟において、YはXの主張を争ったが、ZはXの主張を争わなかった。裁判所は、Zに対する
関係で口頭弁論を分離して終結し、判決することができるか。
2 Xは、甲土地の単独所有を主張するYを被告として、共同相続に基づき、甲土地の共有持分権を
有することの確認を求める訴えを提起した。この訴訟においてX勝訴の判決が確定した場合、この判
決は、どのような効力を有するか。
665 :
Z:2005/06/15(水) 02:00:05 ID:???
本問での私の思考過程
遺産確認の訴えの既判力の客観的範囲についてはよく教科書で触れられているが
固有必要的共同訴訟とされてることへの説明は薄い。判例の原審では共有関係を
理由に肯定。最高裁は紛争の抜本的解決との視点から肯定。なぜ最高裁は実体法
を基準に固有必要的共同訴訟としなかったのかが不明であった。そもそも
紛争解決に必要なのだとの理由は法解釈ではないとすら感じた。
しかし、小問1の設例で具体的に考えてみると矛盾判決がでる可能性があることに
気づく。要するに、これは誘導なのだ。
遺産確認訴訟自体、訴えの利益レベルで紛争解決を理由に認められるなら、
当事者レベルでそれが実現不可能になるのはおかしい。当事者レベルでも
統一すべき。つまり遺産確認訴訟を認めた以上、法が予定してる(許容性)
といえる。
小問2も小問1への誘導。
既判力の客観的・主観的範囲で分けて同じ視点で小問1を検討すれば
よい。既判力の拡張との手段は小問1では取れないから、それにかわる
役割を固有必要的共同訴訟がしてることに気けるはず。そして高橋「重点講義」
の既判力の主観的範囲の部分で、同様の記述を見つけ裏を取り安心した。
666 :
氏名黙秘:2005/06/15(水) 13:59:50 ID:???
評価よろ
667 :
氏名黙秘:2005/06/17(金) 11:45:38 ID:???
うんこ
668 :
氏名黙秘:2005/06/18(土) 06:20:55 ID:???
669 :
氏名黙秘:2005/07/09(土) 18:03:44 ID:???
wd
670 :
氏名黙秘:2005/07/21(木) 08:10:08 ID:???
保全
671 :
氏名黙秘:2005/08/06(土) 21:00:35 ID:???
age
672 :
氏名黙秘:2005/09/16(金) 10:30:23 ID:???
age
673 :
氏名黙秘:
age