論文過去問を検討するスレ

このエントリーをはてなブックマークに追加
1大谷 ◆Dqq8NzOdu6
論文過去問の答案を作成して、コピペしていきたいと思います。
ご意見・感想などがありましたらよろしくお願いいたします。
2大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/03 01:13:43 ID:???
憲法を書いてみました
平成5年1問目

 都道府県知事の長期在職は、地方自治の固定化ないし沈滞を招き、地方自治の発展を阻害するとして、知事の連続四選禁止の規定を公職選挙法に設けたと仮定する。そのような立候補の資格制限は、憲法第14条、第15条第1項、第22条第1項、第92条に違反するかどうか、論ぜよ。
3大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/03 01:14:50 ID:???
一、14条について
1、14条はいわゆる「法の下の平等」を規定している。
ところが、本問法律は一定期間知事の職にあった者について、知事の資格を制限するものであるため、14条に反さないかが問題となる。
2、思うに、14条は法適用のみならず法内容の平等をも要請していると考えるが、ここで必ずしも絶対的平等が要請されるものではなく、社会的格差を是正するなど合理性が認められる範囲での差別を許容するものと考える。
そして、14条は後段列挙事由以外についても適用されると考える。
では、いかなる差別であれば合理的といえるか問題となるが、後段列事由以外についてはその権利の性質に応じて要求される合理性の程度が異なるため、問題となる権利の性質について個々具体的に考える必要がある。
この点、本問法律は知事の被選挙権を制限するものである。そして、後段列挙事由の「身分」とは出生に伴い有している地位をいうため、本問法律は後段列挙自由以外の差別にあたる。
そして、被選挙権は国民主権に基づく権利といえ、原則として差別を許容すべきでないから、厳格な合理性の基準(目的が重要で、手段との間に実質的関連性があること)を用いて考えるべきである。
3、そこで、本問法律が合理的差別といえるか、厳格な合理性の基準を用いて検討するに、目的は地方自治の活性化・発展を狙うことにあり、重要といえる。
しかし、かかる目的達成のために、必ずしも同じ知事が職務を行うことを防止する必要はなく、仮に同じ知事が職務を行ったとしても地方自治の発展に尽くしうる場合もある。
したがって、目的と手段との間に実質的関連性があるとは認められず、本問法律は14条に反する。
二、15条1項について
1、15条1項は、国民の選挙権を保障するが、これは同時に表裏一体の関係にある被選挙権をも保障しているものと考える。そして、この理は国民主権原理(前文・1条)に基づくものであり、国政レベルに限らず、地方自治レベルにおいても妥当すると考える。
ここで、本問法律は、知事としての連続当選を禁止するものであるから、当該住民の選挙権及び知事になろうとする者の被選挙権を侵害し、15条1項に反さないかが問題となる。
4大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/03 01:15:10 ID:???
2、この点、15条1項も「公共の福祉」(13条)による制約を受け、相当な範囲において行使しうるにすぎない。また、選挙権・被選挙権は国民(住民)の権利であるとともに公務としての性質を有することから、それ相応の制約を受けうるといえる。
もっとも、立法府が無限定に制約をなしうるものではなく、選挙権・被選挙権を直接に制限するような場合には、両権利が国民主権原理に派生するものである以上、原則として規制をゆするべきでなく、厳格な基準により判断するべきである。
そこで、厳格な合理性の基準を用いて判断する。
3、そうすると、立法目的達成のため手段との間に実質的関連性がないことはすでに述べたところであり、本問法律は15条1項に反するものといえる。
三、22条1項について
1、22条1項は、いわゆる「職業選択の自由」を保障するものである。
ここで、知事という公職が同条項にいう職業に含まれるか問題となるが、知事も広義の職業であり、およそ人がいかなる職業に就任するかを自由に決定しうることを同条項は定めたものといえ、知事も含まれると考える。
2、もっとも、職業選択の自由も絶対無制約なものではなく、「公共の福祉」による制約を受ける。そして、22条1項が他の精神的自由権とは異なりあらためて「公共の福祉」と規定していることから、同条項の「公共の福祉」による制約は政策的なものでも許容されると考える。
ここで、経済的自由権の行使による不平等を是正することが現代福祉国家に求められていることから、同条項に基づく制約は社会経済的弱者保護という積極目的に限られず、広く国民の利益に基づくものであれば許容されると考える。
そして、かかる政策的制約においては、国会の立法裁量が尊重されるべきであり、立法目的及び目的達成のための手段が明らかに不合理でなければ憲法に反さないとする明白性の原則を意見審査基準として用いるべきである。
3、本問法律は、地方自治の停滞を防止するというもっぱら政策的なものであり、明白性の基準を用いて判断すべきである。
そして、地方自治の停滞という目的、それを達成するために知事の連続当選を禁止することは明らかに不合理とまではいえない。
したがって、本問法律は22条1項に反さない。
5氏名黙秘:05/01/03 01:15:54 ID:???
>>1
読み易く改行してね。
気が失せる。
6大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/03 01:15:56 ID:???
四、92条について
1、92条は、地方自治の「組織」について、地方自治の本旨に基づいて、法律で定めると規定している。ここで、知事という職務も地方公共団体の「組織」といえる。
そこで、知事の連続当選を禁止する法律を制定することは92条に反さず許されるかが問題となる。
2、思うに、92条は、「地方自治の本旨」を法律によっても侵害されない中核として、制度として保障されたものと考える。とすると、地方自治の本旨を侵害するような法律は、92条に反するものといえる。
ここで、「地方自治の本旨」とは、住民自治と団体自治を意味するが、いかなる者を知事に選出するか、されるかということは、住民自らが直接地方自治に参画していくという住民自治の点から問題となる。
3、そこで、本問法律が住民自治を侵害するものでないか検討するに、一定の資格を有する者を知事として選出しえないという規制は、住民自治の原則を直接に侵害するものといえる。
したがって、本問法律は、「地方自治の本旨」を害するものといえ、92条に反する。
以上

コメント
分量的に述べる部分が多く、各論点を丁寧に論じている余裕はないものと考えたため、コンパクトに仕上げました。文字数的には2300字なので、答案として4ページ目に入るくらいだと思います。
7氏名黙秘:05/01/03 01:16:05 ID:???
ヨミニクイ。
8大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/03 01:16:59 ID:???
>>5
ごめんなさい
もう一度貼り付けなおします
9氏名黙秘:05/01/03 01:18:21 ID:???
論文解答って紙に書かないと読みにくいんだよね…
10大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/03 01:18:30 ID:???
一、14条について
1、14条はいわゆる「法の下の平等」を規定している。
ところが、本問法律は一定期間知事の職にあった者について、知事の資格を制限するものであるため、14条に反さないかが問題となる。

2、思うに、14条は法適用のみならず法内容の平等をも要請していると考えるが、ここで必ずしも絶対的平等が要請されるものではなく、社会的格差を是正するなど合理性が認められる範囲での差別を許容するものと考える。
そして、14条は後段列挙事由以外についても適用されると考える。

では、いかなる差別であれば合理的といえるか問題となるが、後段列事由以外についてはその権利の性質に応じて要求される合理性の程度が異なるため、問題となる権利の性質について個々具体的に考える必要がある。
この点、本問法律は知事の被選挙権を制限するものである。そして、後段列挙事由の「身分」とは出生に伴い有している地位をいうため、本問法律は後段列挙自由以外の差別にあたる。

そして、被選挙権は国民主権に基づく権利といえ、原則として差別を許容すべきでないから、厳格な合理性の基準(目的が重要で、手段との間に実質的関連性があること)を用いて考えるべきである。

3、そこで、本問法律が合理的差別といえるか、厳格な合理性の基準を用いて検討するに、目的は地方自治の活性化・発展を狙うことにあり、重要といえる。
しかし、かかる目的達成のために、必ずしも同じ知事が職務を行うことを防止する必要はなく、仮に同じ知事が職務を行ったとしても地方自治の発展に尽くしうる場合もある。

したがって、目的と手段との間に実質的関連性があるとは認められず、本問法律は14条に反する。

11大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/03 01:18:52 ID:???
二、15条1項について
1、15条1項は、国民の選挙権を保障するが、これは同時に表裏一体の関係にある被選挙権をも保障しているものと考える。そして、この理は国民主権原理(前文・1条)に基づくものであり、国政レベルに限らず、地方自治レベルにおいても妥当すると考える。

ここで、本問法律は、知事としての連続当選を禁止するものであるから、当該住民の選挙権及び知事になろうとする者の被選挙権を侵害し、15条1項に反さないかが問題となる。

2、この点、15条1項も「公共の福祉」(13条)による制約を受け、相当な範囲において行使しうるにすぎない。また、選挙権・被選挙権は国民(住民)の権利であるとともに公務としての性質を有することから、それ相応の制約を受けうるといえる。

もっとも、立法府が無限定に制約をなしうるものではなく、選挙権・被選挙権を直接に制限するような場合には、両権利が国民主権原理に派生するものである以上、原則として規制をゆするべきでなく、厳格な基準により判断するべきである。
そこで、厳格な合理性の基準を用いて判断する。

3、そうすると、立法目的達成のため手段との間に実質的関連性がないことはすでに述べたところであり、本問法律は15条1項に反するものといえる。

12大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/03 01:19:15 ID:???
三、22条1項について
1、22条1項は、いわゆる「職業選択の自由」を保障するものである。
ここで、知事という公職が同条項にいう職業に含まれるか問題となるが、知事も広義の職業であり、およそ人がいかなる職業に就任するかを自由に決定しうることを同条項は定めたものといえ、知事も含まれると考える。

2、もっとも、職業選択の自由も絶対無制約なものではなく、「公共の福祉」による制約を受ける。そして、22条1項が他の精神的自由権とは異なりあらためて「公共の福祉」と規定していることから、同条項の「公共の福祉」による制約は政策的なものでも許容されると考える。

ここで、経済的自由権の行使による不平等を是正することが現代福祉国家に求められていることから、同条項に基づく制約は社会経済的弱者保護という積極目的に限られず、広く国民の利益に基づくものであれば許容されると考える。

そして、かかる政策的制約においては、国会の立法裁量が尊重されるべきであり、立法目的及び目的達成のための手段が明らかに不合理でなければ憲法に反さないとする明白性の原則を意見審査基準として用いるべきである。

3、本問法律は、地方自治の停滞を防止するというもっぱら政策的なものであり、明白性の基準を用いて判断すべきである。
そして、地方自治の停滞という目的、それを達成するために知事の連続当選を禁止することは明らかに不合理とまではいえない。

したがって、本問法律は22条1項に反さない。
13大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/03 01:19:37 ID:???
四、92条について
1、92条は、地方自治の「組織」について、地方自治の本旨に基づいて、法律で定めると規定している。ここで、知事という職務も地方公共団体の「組織」といえる。

そこで、知事の連続当選を禁止する法律を制定することは92条に反さず許されるかが問題となる。

2、思うに、92条は、「地方自治の本旨」を法律によっても侵害されない中核として、制度として保障されたものと考える。とすると、地方自治の本旨を侵害するような法律は、92条に反するものといえる。

ここで、「地方自治の本旨」とは、住民自治と団体自治を意味するが、いかなる者を知事に選出するか、されるかということは、住民自らが直接地方自治に参画していくという住民自治の点から問題となる。

3、そこで、本問法律が住民自治を侵害するものでないか検討するに、一定の資格を有する者を知事として選出しえないという規制は、住民自治の原則を直接に侵害するものといえる。

したがって、本問法律は、「地方自治の本旨」を害するものといえ、92条に反する。

以上
14大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/03 01:20:29 ID:???
憲法平成5年1問目
>>10-13

コメント
分量的に述べる部分が多く、各論点を丁寧に論じている余裕はないものと考えたため、コンパクトに仕上げました。文字数的には2300字なので、答案として4ページ目に入るくらいだと思います。


よろしくお願いします
15氏名黙秘:05/01/03 01:22:16 ID:???
よろしくお願いしますじゃねーよ。
せめて答案構成にしないと、長すぎる
16氏名黙秘:05/01/03 01:22:50 ID:???
>>13
1行25文字で書いてくれ
あと、段落を分けるならインテントを入れる
17氏名黙秘:05/01/03 01:26:43 ID:???
一、14条について
1、14条はいわゆる「法の下の平等」を規定している。
 ところが、本問法律は一定期間知事の職にあった者に
 ついて、知事の資格を制限するものであるため、14条に
 反さないかが問題となる。
2、思うに、14条は法適用のみならず法内容の平等をも
 要請していると考えるが、ここで必ずしも絶対的平等
 が要請されるものではなく、社会的格差を是正するな
 ど合理性が認められる範囲での差別を許容するものと
 考える。
  そして、14条は後段列挙事由以外についても適用さ
 れると考える。
 
18氏名黙秘:05/01/03 01:26:55 ID:???
>>1
最初のアップ同様改行がなってないぞ!

>15の指摘あるように、答案全文だと長過ぎて文句でるかもしんないよ。
そしたら、ここに答案構成を貼付けて、自前のHPに答案載っけた方がいいかも。
最初に言っておくね。
19氏名黙秘:05/01/03 01:27:05 ID:???
 では、いかなる差別であれば合理的といえるか問題と
 なるが、後段列事由以外についてはその権利の性質に応
 じて要求される合理性の程度が異なるため、問題となる
 権利の性質について個々具体的に考える必要がある。
  この点、本問法律は知事の被選挙権を制限するもので
 ある。そして、後段列挙事由の「身分」とは出生に伴い
 有している地位をいうため、本問法律は後段列挙自由以
 外の差別にあたる。
  そして、被選挙権は国民主権に基づく権利といえ、原
 則として差別を許容すべきでないから、厳格な合理性の
 基準(目的が重要で、手段との間に実質的関連性がある
 こと)を用いて考えるべきである。
20氏名黙秘:05/01/03 01:27:45 ID:???
3、そこで、本問法律が合理的差別といえるか、厳格な合
 理性の基準を用いて検討するに、目的は地方自治の活性
 化・発展を狙うことにあり、重要といえる。
  しかし、かかる目的達成のために、必ずしも同じ知事
 が職務を行うことを防止する必要はなく、仮に同じ知事
 が職務を行ったとしても地方自治の発展に尽くしうる場
 合もある。
  したがって、目的と手段との間に実質的関連性がある
 とは認められず、本問法律は14条に反する。
21門外漢:05/01/03 01:27:51 ID:???
22氏名黙秘:05/01/03 01:30:04 ID:???
とりあえず、一の部分だけ直してやった
>>17の1行目
>14条はいわゆる「法の下の平等」を規定している。
は不要。
>一 一定期間知事の職にあった者について、知事の資格
> を制限する本問法律は、14条に反さないか、「…」が問題となる。
で良い
23氏名黙秘:05/01/03 01:34:14 ID:???
>14条はいわゆる「法の下の平等」を規定している。
不要か?
24大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/03 01:40:03 ID:???
二、15条1項について
1、15条1項は、国民の選挙権を保障するが、これは同時
 に表裏一体の関係にある被選挙権をも保障しているもの
 と考える。そして、この理は国民主権原理(前文・1条)
 に基づくものであり、国政レベルに限らず、地方自治レ
 ベルにおいても妥当すると考える。
  ここで、本問法律は、知事としての連続当選を禁止す
 るものであるから、当該住民の選挙権及び知事になろう
 とする者の被選挙権を侵害し、15条1項に反さないかが
 問題となる。
2、この点、15条1項も「公共の福祉」(13条)による制約
 を受け、相当な範囲において行使しうるにすぎない。ま
 た、選挙権・被選挙権は国民(住民)の権利であるとと
 もに公務としての性質を有することから、それ相応の制
 約を受けうるといえる。
  もっとも、立法府が無限定に制約をなしうるものでは
 なく、選挙権・被選挙権を直接に制限するような場合に
 は、両権利が国民主権原理に派生するものである以上、
 原則として規制をゆするべきでなく、厳格な基準により
 判断するべきである。
  そこで、厳格な合理性の基準を用いて判断する。
3、そうすると、立法目的達成のため手段との間に実質的
 関連性がないことはすでに述べたところであり、本問法
 律は15条1項に反するものといえる。


こんな感じでよいのでしょうか?
25氏名黙秘:05/01/03 01:41:27 ID:???
おけー
26大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/03 01:42:18 ID:???
三、22条1項について
1、22条1項は、いわゆる「職業選択の自由」を保障する
 ものである。
  ここで、知事という公職が同条項にいう職業に含まれ
 るか問題となるが、知事も広義の職業であり、およそ人
 がいかなる職業に就任するかを自由に決定しうることを
 同条項は定めたものといえ、知事も含まれると考える。
2、もっとも、職業選択の自由も絶対無制約なものではな
 く、「公共の福祉」による制約を受ける。そして、22条
 1項が他の精神的自由権とは異なりあらためて「公共の福
 祉」と規定していることから、同条項の「公共の福祉」に
 よる制約は政策的なものでも許容されると考える。
  ここで、経済的自由権の行使による不平等を是正するこ
 とが現代福祉国家に求められていることから、同条項に基
 づく制約は社会経済的弱者保護という積極目的に限られず、
 広く国民の利益に基づくものであれば許容されると考える。
  そして、かかる政策的制約においては、国会の立法裁量が
 尊重されるべきであり、立法目的及び目的達成のための手段
 が明らかに不合理でなければ憲法に反さないとする明白性の
 原則を意見審査基準として用いるべきである。
3、本問法律は、地方自治の停滞を防止するというもっぱら政
 策的なものであり、明白性の基準を用いて判断すべきである。
  そして、地方自治の停滞という目的、それを達成するために
 知事の連続当選を禁止することは明らかに不合理とまではいえ
 ない。
  したがって、本問法律は22条1項に反さない。


>>22
ありがとうございました
27大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/03 01:43:53 ID:???
四、92条について
1、92条は、地方自治の「組織」について、地方自治の本
 旨に基づいて、法律で定めると規定している。ここで、
 知事という職務も地方公共団体の「組織」といえる。
  そこで、知事の連続当選を禁止する法律を制定するこ
 とは92条に反さず許されるかが問題となる。
2、思うに、92条は、「地方自治の本旨」を法律によって
 も侵害されない中核として、制度として保障されたもの
 と考える。とすると、地方自治の本旨を侵害するような
 法律は、92条に反するものといえる。
  ここで、「地方自治の本旨」とは、住民自治と団体自
 治を意味するが、いかなる者を知事に選出するか、され
 るかということは、住民自らが直接地方自治に参画して
 いくという住民自治の点から問題となる。
3、そこで、本問法律が住民自治を侵害するものでないか
 検討するに、一定の資格を有する者を知事として選出し
 えないという規制は、住民自治の原則を直接に侵害する
 ものといえる。
  したがって、本問法律は、「地方自治の本旨」を害す
 るものといえ、92条に反する。

以上
28大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/03 01:45:17 ID:???
憲法平成5年1問目
>>17,>>19-20,>>24.>>26-27

コメント
分量的に述べる部分が多く、各論点を丁寧に論じている余裕はないものと考えたため、コンパクトに仕上げました。文字数的には2300字なので、答案として4ページ目に入るくらいだと思います。
29氏名黙秘:05/01/03 01:48:48 ID:???
知事が組織?不要じゃない。
30氏名黙秘:05/01/03 01:53:23 ID:???
>>28
全然コンパクトじゃないとは思う
まず、14条に関してだが
もともと平等原則というのは万策尽きたあとに、奥の手として出てくる性質がある
だから、いきなり14条はどうかと思う。そして、もっともっとコンパクトで良い

>>19で、参政権と国民主権を絡めているが、ある意味危険
国民主権と言う概念は多義的で、曖昧で、それだけに奥が深い
簡単に扱えるものではないのに、さらっとかくと、こいつ、国民主権わかってないんじゃないか?
と思われる。
そんなことより、「被選挙権は政治プロセスに直接関わる、重要な権利」で良い
>>23
そんな、当たり前すぎる事書いて何の得にもならないだろうさ
31氏名黙秘:05/01/03 01:56:35 ID:???
>>17
「そして、14条は後段列挙事由以外についても適用さ
 れると考える。」
も省略可。14条メイン問題なら必要だが、そうじゃないなら
書いても点くれるかわからない(さらに今では争いがない)論点だからね

32大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/03 01:58:03 ID:???
>>29,30

ありがとうございます
考えるところがいっぱいです
33氏名黙秘:05/01/03 02:07:37 ID:???
最後に、アテハメだが、ちょっと荒い
「多選禁止条項」の意味をもっと考えた方が良い
なんで多選を禁止するのか、それは、多選OKの場合の弊害を考える
良いサンプルが埼玉県だね。
あと、禁止条項を取り入れてる例も考える
良いサンプルがアメリカ大統領選

活性化というが、本当の目的は、多選に伴う癒着を防止する点にある
強制的に変革を要求すると、癒着というのが非常にリスキーになる
ここら辺の視点をぽっかり落としてるのはどうかと思う
34氏名黙秘:05/01/03 02:10:46 ID:???
追伸
14条の論証だが、色々書いてあり、間違っては居ないが
読みにくい。
論理の筋がまっすぐじゃないのが原因
あと、色々書いてることも原因

14条は相対的平等、合憲性判断基準は権利の性質による
この二つさえ書けてれば良い。
35氏名黙秘:05/01/03 02:18:39 ID:???
>>24の二(15条1項)について
14条と違い、逆に薄い
ここでは国民主権原理をメインに近い形で持ち出してるが
さっき言ったように、さらっと書くのは危険
当然の法理が捨て去られている以上
もっと突っ込んで書く必要あり。

>(1) 15条1項も「公共の福祉」(13条)による制約
>を受け、相当な範囲において行使しうるにすぎない。
>(2)また、選挙権・被選挙権は国民(住民)の権利であるとと
> もに公務としての性質を有することから、それ相応の制
> 約を受けうるといえる。
>(3)もっとも、立法府が無限定に制約をなしうるものでは
> なく、選挙権・被選挙権を直接に制限するような場合に
> は、両権利が国民主権原理に派生するものである以上、
> 原則として規制をゆするべきでなく、厳格な基準により
> 判断するべきである。
(1)と(2)は「また」と並列的な関係ではないはず
(1)を受け、より緩和されても良いのでは?が(2)
それに反対するのが(3)
だから、「確かに」「しかし」の方が読みやすい
36大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/03 11:54:07 ID:???
>>33-35
貴重なご意見ありがとうございます
あてはめは荒いですよね(思いました)
文章の構成も考えないといけませんね
がんばります
37大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/03 21:07:08 ID:???
今日は第2問目を書いてみました

【憲法】 平成5年・第2問
 次の各事例における裁判所の措置について、「裁判公開の原則」との関係で生じる憲法上の問題点を挙げて論ぜよ。
(1) 映画の上映がわいせつ図画陳列罪にあたるとして、映画製作者が起訴され、当該映画の芸術性、猥褻性を巡って争われた刑事訴訟において、裁判所が、わいせつ物の疑いのあるものを一般傍聴人の目にさらすのは適当でないという理由で、公判手続の傍聴を禁止した場合。
(2) ある企業が、その保有する営業秘密を不正に取得し使用しようとする者に対し、右不正行為の差止めを求めた民事訴訟において、裁判所が、審理を公開すると営業秘密が公に知られるおそれがあるという理由で、口頭弁論の傍聴を禁止した場合。
(3)上記(2)の訴訟において、裁判所が、口頭弁論の傍聴は禁止しなかったものの、傍聴人がメモを取ることを禁止した場合。
38大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/03 21:10:56 ID:???
一、 小問(1)について
1、裁判所がわいせつ物の疑いがあるものを一般傍聴人の
 目にさらすのは不適当として、裁判手続を非公開とする
 ことは認められるか。裁判の公開を定めた82条との関係
 で問題となる。
2、この点、82条は裁判手続を国民の目にさらすことによ
 り、裁判手続が公正に行われているかを国民自らが監視
 することに意義がある。
  もっとも、同条2項は公序良俗に反するおそれがある場
 合には、裁判官の全員一致をもって、対審に限り非公開と
 することができると定める。
  これは、公開することにより、かえって不都合をまねく
 おそれがあるため、それを回避するための例外的措置と考
 える。
  ただ、出版に関する犯罪、第三章の権利が問題となって
 いるような事案については、かかる不都合性より公開によ
 る監視の必要性が勝ることから、同条項但書は非公開とす
 ることはできないと規定する。
3、本問において、映画の上映はいわゆる表現の自由(21条
 1項)に関わるものであり、第三章の権利が問題となってい
 ることから、これを非公開とすることはできないと解する。
  したがって、裁判所の措置は82条に反し、違憲である。
39大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/03 21:11:28 ID:???
二、 小問(2)について
1、特定の企業秘密を保持するため、口頭弁論を非公開とする
 措置は82条に反さないか。
2、まず、口頭弁論手続は「対審」にあたる。
  では、企業秘密を公開することは、「公序良俗」に反するか。
  思うに、企業秘密を公開することにより、当該企業は他の企
 業にかかる秘密を利用されるおそれがあり、公開することによ
 る不都合性が認められる。そして、「公序」とは、社会一般の
 平穏な秩序を意味するところ、企業秘密の公開により、当該企
 業の平穏な秩序を害するものといえる。
  したがって、企業秘密の公開は「公序」に反すると考える。
  そして、裁判官の全員一致があれば、82条2項本文の要件を満
 たす。
  また、営業秘密の不正利用は、82条2項但書所定の事由にあた
 らない。
3、以上より、本問措置は、裁判官全員一致に基づく限り、82条に
 反さない。
40大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/03 21:11:54 ID:???
三、小問(3)について
1、傍聴人がメモを取ることを禁止することは、82条に反さないか。
 同条にメモを取る自由までも含まれるか問題となる。
2、思うに、国民による裁判の監視という同条の趣旨からは、公判
 手続を公開すれば足り、メモを取ることまでもその内容として認
 める必要性はないと考える。
  したがって、メモを取る自由は82条により当然に保障されるも
 のではないと考える。
3、もっとも、メモを取る行為は、裁判内容を正確に記憶し、理解
 するための手段であり、国民の知る権利としての側面を有するこ
 とから、21条1項により保障されると考える。
  ただ、知る権利も公共の福祉(13条)に反する場合には制約を
 受ける。
  もっとも、メモを取る行為が裁判手続を阻害することは通常考
 えにくく、被告人や証人に対して不当な圧迫を与える等特段の事
 情のない限り、制約は許されないと考える。
4、以上より、本問裁判所の措置は、かかる特段の事情がない限り
 21条1項に反し、違憲であると考える。
以上
41大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/03 21:12:39 ID:???
コメント
第1問で分量を厚く書きすぎたので、こっちは短くまとめたつもりです。
分量的には1500字、2ページちょっとだと思います。

よろしくお願いいたします
42大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/03 21:13:47 ID:???
忘れてました

憲法平成5年2問目
問題文
>>37
答案
>>38-40
43氏名黙秘:05/01/03 21:17:47 ID:???
統治の問題だからもっと82条の趣旨から図太く書かなきゃいかん。
あと,この問題は裁判公開原則との関係を聞いてる。小問3は判例に引っ張られて21条メインで書いちゃだめ。
44大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/04 00:10:23 ID:???
>>43
丁寧にありがとうございます

82条はもっと書くべきだと思います
やはり総論を設けた上で、論じたほうがよかったですよね

小問(3)については、
82条からは直接問題にならないけど、21条も公開原則の一つと一言触れておいたほうがよいのでしょうか?
確かに問題文から離れてしまっていますし、ただ、判例も無視できないですし
悩みどころでした
45氏名黙秘:05/01/04 00:24:06 ID:UqEJQ7PN
この解答ってどっかの過去問集からの転載?
それとも大谷 ◆Dqq8NzOdu6 オリジナル?
46大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/04 00:39:13 ID:???
>>45
私のオリジナルです
時間を1問あたり1時間と決めて、書いてみました
間違っているところもあるかと思いますので、すみませんです
47氏名黙秘:05/01/04 05:44:13 ID:???
>>44
小問1
82条の問題だが、単なる条文への機械的アテハメとなっている
だから点が来るかといえば来ない
もっとも、守りの答案としてはアリ
この問題では、裁判そのものより、証拠調べの一部分を非公開にしているに過ぎない
これは駄目というのは今ではかなり少数派。

小問2
これは「控除良俗」の解釈とその構造を解き明かす問題
採点委員が学者なら一気に稼げる問題ではある
が、この答案では解釈されてないに等しいので、加点はないだろう
まあ、守りとしてはアリ

小問3
判例もあり、みんなある程度書いて来たと予想される
他方で、体系的には各論の端っこで、実はあまり配点は無いとも予想される
まあ、こんなもんでしょう
なお21条を公開原則とするのはおかしい。
公開原則は「制度的保障」だからね
それやると減点食らうと思う
48大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/04 21:00:13 ID:???
>>47
ご丁寧なコメントありがとうございます。
小問3は、この年受けた方々は何を書いていたのでしょうか?
私は受けていなかったので多分ここに書いたような答案を作成していたと思います。
「守れている」というのはすごくうれしいです。

実際、不十分だと思いましたが、何とか守ってみたいという気持ちで書いてみましたので。

ありがとうございます。
49大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/04 21:01:20 ID:???
今日は民法を書いてみました。
よろしくお願いいたします。

【民法】 平成5年・第1問
 Aは、Bに対して、売却納品した物品の代金を支払うよう求めたところ、Bは、この取引はBの従業員Cが勝手にしたものであると主張して、支払わない。
 Aは、Bに対し、表見代理(民法第110条)による代金請求と使用者責任(同法第715条)による損害賠償請求とを考えている。Aが考えている2つの制度の関係について論ぜよ。
50大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/04 21:07:46 ID:???
一、表見代理(110条)、使用者責任(715条)の関係を論
 じる前提として、両者の要件について検討する。
1、 表見代理について
ア、110条に基づく表見代理は、代理人が代理権を逸脱して
 法律行為を行った場合に、本人に法律効果を主張しうる
 という効果を生ずる。
 これは、表権法理に基づき、代理人を通じて取引をした
 相手方の取引安全を確保するために規定されたものであ
 り、表権法理一般に要求される、虚偽の外観、外観作出
 への本人の帰責性、相手方の信頼を要件とする。
  ここで、虚偽の外観とは代理人が権限内の行為を行っ
 ているかのような外観をいい、外観作出への本人の帰責
 性は代理権授与行為に求められ、相手方の信頼は正当な
 理由、すなわち代理人が権限内の行為をすることについ
 ての善意無過失をいう。
  そして、表見代理が成立する場合、相手方は本人に対
 して契約の効果を主張できるという効果が生ずる。
イ、本問において、BがCに対して法律行為についての代
 理権を与えたという事情があり、AがCの行為をBが与
 えた代理権の範囲内の行為であると善意無過失で信頼し
 た場合には、Bに対して表見代理の成立を主張し、売買
 代金の請求をなしうる。
51大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/04 21:08:57 ID:???
2、 使用者責任について
ア、715条は、被用者が不法行為責任を負った場合に、この
 責任を使用者に対しても追求しうる旨を規定する。
  これは、使用者は被用者を利用することによりその経済
 的活動範囲を拡大しているため、それにより生じる損害も
 また負担すべきという報償原理に基づく規定である。
  そこで、使用者責任は、被用者が不法行為責任(709条)
 を負うこと、被用者との間に雇用関係などの指揮監督関係
 があること、使用者が被用者の選任・監督につき相当の注意
 をなさなかったこと(715条1項但書)を要件とする。
  そして、使用者責任を追及しうる場合、不法行為を行った
 被用者に対する請求と同内容の請求を使用者に対して追及で
 きることになる。
52大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/04 21:11:32 ID:???
イ、本問において、Cが故意または過失によりてAに対し
 て損害を与えた場合、BC間には雇用関係があるため、
 AはBに対して使用者責任を追及しうることになる。
二、両者の関係について
1、このように、表見代理、使用者責任は、ともに相手方
 保護を目的とする規定であるが、それぞれ異なる要件を
 要求している。
  そこで、Cに故意過失がないため使用者責任を追求で
 きず、表見代理のみの主張が許される場合、逆にBがC
 に代理権を授与したことがなく表見代理が成立せず、使
 用者責任のみ追求しうる場合など、一方のみの主張が許
 されることも生じうる。
  また、Cが無権代理であるのにことさらにこれを秘し
 てAと売買契約を締結したなど、使用者責任の追求が可
 能であり、同時にBはCに何らかの法律行為について代
 理権を与えた場合など、両者が競合する場合もありうる。
  この両者が競合する場合、Aはいずれを主張すべきか、
 また、競合的に主張しうるとしていずれがAに有利かが
 問題となる。
2、まず、表見代理と使用者責任は、その目的・要件が異
 なる以上、債権者にいずれかを主張しなければならない
 という負担を課すべきでない。そして、両者を競合的に
 主張したとしても、請求の重なり合う範囲においていず
 れか一方の主張を認め、他方を認めなければ二重の利得
 を与えることもない。
  そこで、両者は競合的に主張しうると考える。
53大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/04 21:11:57 ID:???
3、では、いずれの主張がAに有利といえるか。
ア、まず、請求額の範囲については、表見代理責任を追求
 した場合、原則として売買代金額に限られるが、使用者
 責任を追及した場合でも通常生じうる損害は売買代金額
 に限られるから(461条類推)、両者に本質的な差異はな
 いといえる。
イ、次に、表見代理を追求しうる場合、その期間は通常の
 債権と同様10年の時効期間に服するが(167条)、使用者
 責任を追求する場合、AがCの不法行為を受けたことを
 客観的に知りうべき時から3年の消滅時効に服する(724
 条)。このように考えると、表見代理の主張のほうが有
 利とも思えるが、AがCの不法行為に気づかなかった場
 合、20年の除斥期間に服するのであり、このような場合
 には使用者責任の追求のほうが有利であるといえる。
ウ、また、証明責任について、表見代理において代理権を
 信頼したことについての善意無過失をAは立証しなけれ
 ばならないが、使用者責任においてCの故意過失をAが
 立証しなければならず、両者に実質的に差異はないとい
 える。なお、715条1項但書の免責事由についてはBが証
 明責任を負うため、Aの負担は問題とならない。
エ、このように考えると、両者の間には本質的に差異がな
 く、いずれの主張も確定的にAに有利とは言い切れない。
三、以上より、表見代理と使用者責任とは、その目的・要
 件において差異があるものの、両者は競合的に主張でき、
 また、いずれの請求も実質的に同様の結果を生じるもの
 であり、いずれが債権者にとって有利とは断じ得ないと
 いう関係にある。
以上
54大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/04 21:13:02 ID:???
コメント

今回の問題は、問題文から何を論じればいいか明らかでなく、実際に本試験で出たらパニックになるだろうと思いました。
とりあえず、無難に趣旨・要件から入り、効果においてその差異があるかないかを示すように心がけました。

よろしくお願いいたします
問題
>>49
答案
>>50-53
55氏名黙秘:05/01/04 21:40:40 ID:???
>>54
ならば、もっとコンパクトで良いとは思う。つまり、答案構成に時間がかかるのだね
一の部分だが、もっと短くしましょう
問題は「二つの制度の違い」ですから
趣旨は論じなくていいです。次の「違い』の部分で使いますから
要件と効果だけでよいし、そのほうが読みやすい

>1、 表見代理について
 ア 110条に基づく表見代理は、「代理権の存在」と、
 「権限逸脱」し、相手方に正当事由がある場合に成立する
 イ 成立する場合、有効な代理関係の成立をみとめ(ここも突っ込めば色々あるが、表見代理の問題ではないので流すのが吉)
  本人に法律効果を主張しうることになる
>2、 使用者責任について
 ア、使用者責任は「被用者が不法行為責任(709条)
 を負い」「被用者との間に指揮監督関係 があり」
 「使用者が被用者の選任・監督につき相当の注意
 をなさなかった(715条1項但書)」場合に成立する
 イ 成立すれば、不法行為を行った被用者に対する請求
 と同内容の請求を使用者に対して追及できることになる。

 
56氏名黙秘:05/01/04 21:47:41 ID:???
>>53
ところで、「いずれの主張がAに有利といえるか」は問題に書いてあるかな?
書いてない。問題は「二つの制度の比較」だから、この部分については
良い視点だが問題からずれ気味の論述となる
焦点は二にまずはあわせないと。
もっとも、わざわざ「主張したい人の存在」を問題文に匂わせていることから
どれが良い方法か、というのは加点事由ではあるかな

二ですが、まずは要件を比較しましょう
そして、効果を、最後に趣旨を比較しましょう
一に書いてありますが、比較がなされていないです
書いてあることと、比較することは別ですから

ところで、両者の関係ですが、本質では全然違います
かたや、意思主義、契約責任、法律行為に関わる『代理制度」
かたや、法定債権関係である「不法行為」
57氏名黙秘:05/01/04 21:49:36 ID:???
自分が採点しろといわれれば
相対評価なのでなんともいえませんが
24点くらいの答案な気はします
一通りの事は書いてある
でも、書いてあるだけで、ちょっと筋が見えない
後半で見えてきた筋はどうも聞いてることとずれている
でも、落ちない答案かなと
58氏名黙秘:05/01/04 21:57:36 ID:???
ていうか、なんなんだよ、1のハンドルネームは。
大谷、って・・・
本人が見たら悲しむぜ。
59氏名黙秘:05/01/04 23:17:45 ID:???
大谷昭宏が悲しむ
60大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/05 00:11:51 ID:???
>>55-57
ふむふむ
問題の捉え方が今一不明だったので、こういう構成にしてしまいました。
書き終わって参考答案見たら、同じようなコメントが書かれていました。
要件から比較していったほうがいいですよね。
でも、そこまで気が回りませんでした。

ピンポイントのコメント、感謝します。
私はまだまだ未熟ですけど、これからもよろしくお願いいたします。

>>58-59
「おおや」じゃなくて「おおたに」と読んでいただければ、不満も解消するかと
刑法を見ていてください。
見事な前田説を・・・
じゃなくて、大谷説を展開します(責任故意は認めますが)。
61大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/05 22:09:06 ID:???
今日は民法の2問目を書いてみました。
よろしくお願いいたします。

【民法】 平成5年・第2問
 A社は、B社に対し、実験用マウス30匹を売り渡した。
ところが、この中に、人およびマウスに有害なウィルスに
感染したものが混じっていた。その後、Bの従業員Cがこ
のウィルスに感染して発病し、長期の入院治療を余儀なく
された。Bはこのウィルスに感染した他のマウス200匹を殺
すとともに、Bの実験動物飼育施設に以後の感染を防止す
るための処置を施した。
 右の事例において、(1) Aに過失がなかったときと、(2)
Aに過失があったときとに分けて、AB間およびAC間の
法律関係について論ぜよ。
62大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/05 22:11:04 ID:???
一、(1)Aに過失がない場合について
1、AB間の法律関係
ア、AはBに対して瑕疵あるマウスを売却している。
  ここで、マウスはその個性に着目して取引対象になっ
 たのではなく、不特定物である。そして、不特定物にお
 いては、瑕疵のないものの給付をしなければ「債務の本
 旨」(415条)に従った履行がなされたとはいえず、いま
 だマウスは特定していない。
  したがって、BはAに対して、マウス30匹を請求できる。
イ、では、BはAに対して、ウイルスに感染して殺さなけ
 ればならなかったマウスや感染を防止するための措置を
 施した費用についての損害賠償を求めえないか。
  この点、Aには過失がなかったのだから、債務不履行
 責任(415条)は問いえない。
  また、不法行為(709条)に基づく損害賠償請求もなし
 えない。
  したがって、BはAに対してマウス200匹の損害賠償を
 求めることはできない。
2、AC間の法律関係
ア、CはAに対して入院費用及び休業補償を求めうるか。
  この点、AC間にはなんらの契約関係もなく、またAに
 は過失もないことから、CはAに対して債務不履行責任を
 問うことはできない。
  また、不法行為責任も同様に追求できない。
イ、したがって、CはAに対して入院費用等を請求すること
 はできない。
63大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/05 22:13:32 ID:???
ニ、(2)Aに過失があった場合について
1、AB間の法律関係
ア、BがAに対し、マウス30匹の引渡しを求めうることは、
 (1)と同様である。
イ、次に、Aには過失があることから、債務不履行に基づ
 く損害賠償請求もなしうる。問題は、どの範囲で損害賠
 償請求できるかにある。
  思うに、損害賠償の範囲を定める416条は、損失と責任
 のバランスを図った規定であり、損害の範囲については、
 通常予見しうる事情を基礎事情として相当因果関係の範囲
 を判断するのが1項の問題、当事者が特に予見していた事情
 を基礎事情として判断するのが2項の問題であると考える。
  そして、マウスがウイルスに感染していれば、そのマウ
 スが使い物にならないことは通常予見しうる事情といえ、
 416条1項により、BはAに30匹についての損害賠償を請求
 できる。
  また、Bが購入したのは実験用マウスであり、Bが他に
 もマウスを保有していること、ウイルスに感染したマウス
 を引渡せば他のマウスに感染することを予見していたとい
 える。そこで、かかる事情を基礎事情に含め、416条2項に
 より、BはAに対して殺さなければならなかったマウス、
 損害拡大防止に要した費用につき、損害賠償請求しうる。
ウ、さらに、BはAに対して不法行為に基づく損害賠償も求
 めうる。
  もっとも、不法行為に基づく場合でも、損害の公平な分
 担を図るべきであるから、その損害の範囲については416条
 が類推適用されることになり、時効や相殺の可否以外の点
 では債務不履行責任を追求する場合と結果的に異ならない
 といえる。
64大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/05 22:14:55 ID:???
エ、また、Aが履行期を徒過していた場合、Bは債務不履行
 に基づく解除をなしえ(541条)、支払った金銭の返還とと
 もに損害賠償をなしうる(545条)。
2、AC間の法律関係
ア、Aには過失があることから、CはAに対して不法行為責
 任を追求できる。
  そして、不法行為責任にも416条が類推適用されるところ、
 マウスがウイルスに感染していれば、近くにいる人間にも
 感染する可能性を予見しえたといえ、これを基礎事情に含
 めることができる。
  そうすると、Aの賠償する損害の範囲は、ウイルスに感
 染した人間が入院することは通常予想されることから、入
 院費用及び休業補償にまで及ぶ。
  したがって、CはAに対してこれらの請求をなしうる。
65大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/05 22:15:16 ID:???
イ、次に、AC間には契約関係がないことから、CはAに対
 して契約責任たる債務不履行に基づく損害賠償を追求しえ
 ないのが原則である。
  ただ、不法行為では時効や立証の点でCに不利な場合も
 ある。
  そこで、CがAに対して契約責任を追求できないか問題
 となる。
  思うに、契約関係という密接な利害関係を有するにいた
 った者との間には、信義則上相手の生命・身体・財産を害
 さないように配慮する義務(安全配慮義務)が認められる。
  そして、かかる義務は、契約の相手方当事者のみならず、
 相手方と通常一体とみなしうる者に対しても及ぶと解する
 のが公平の見地から妥当である。
  この点、CはBの従業員であり、BC間を一体としてみ
 ることができる。
  したがって、CはAに対し、安全配慮義務違反に基づく
 損害賠償請求をなしうる。
以上
66大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/05 22:16:16 ID:???
コメント
多少冗長になってしまいましたが、丁寧に話を拾っていったつもりです。
損害の範囲や種類について、触れてみました。
文字数的には1800字、3ページ程度だと思います。

よろしくお願いいたします。

問題
>>61
答案
>>62-65
67氏名黙秘:05/01/05 23:10:04 ID:???
大谷くんはすごいな
司法受験生ってこれくらいはできないとダメか?
68氏名黙秘:05/01/05 23:13:57 ID:???
特定したかって415条で決まるんだっけ?
あと不特定だとしても瑕疵担保は書いた方がいいかも。
69氏名黙秘:05/01/05 23:32:38 ID:???
>>66
そこそこ書けている
その意味でこれを現場で書ければ合格答案になる

ただ、内容的には「うーん、どうだろう」ってのはある
ここ3通ほど見ての感想なのだが、おおたに君は、知識が一通りあり
それも間違ってないのだが、どうも「一本の芯」が見えてない
それでも受かるから、治す必要はないけど
もっと良い答案を書くなら、そこかな

一の無過失についてはこんなもんで良いと思う
瑕疵担保も問題といえるが、書かなくても致命傷にはならない

中心は二の過失のある場合の
「債務の本旨」から外れる物的拡大と
契約当事者外の人的拡大
この2点に大きな配点がある
70大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/05 23:41:51 ID:???
>>68
あ、そうです。
特定は401条ですよね。
間違えました。
ありがとうございます。

瑕疵担保責任は迷ったのですが、長くなりそうだったので削ってしまいました。
あと、書き終わった後に気づいたのですが、債務不履行と不法行為との競合も触れたかったです。

>>69
「1本の芯」というのはどういうものなのでしょう?
芯から筋を通した答案を書くように心がけなさいと教育されてきたのですが
いまだに「芯」の意味がわからず困っています。
ウエイト分配に気をつけるということでしょうか?
よろしければご教授いただけませんでしょうか。

あと、丁寧なコメントありがとうございます。
二は、そうですね。
拡大損害がメインですよね。
まさにそのとおりだと思いました。
コメントを読ませていただいて、物的拡大と人的拡大という
キーワードを出せると光るのかな?と思いました。
71氏名黙秘:05/01/05 23:43:40 ID:???
まず、物的拡大二1イですが
416条の損害賠償の範囲で処理してますが
この少数説に立つ理由が書いてない(これがあれば点が跳ねると思う)
本問のように「給付物から債権者の財産に損害を与えた場合」の処理について
「債務の本旨」と考えるか否か、ここは一大論点ですから、すっきりかけるといいです

さて、人的拡大ですが、ここで安全配慮義務を出してますが
この事案を安全配慮義務と呼ぶかは分かれます
というか、安全配慮義務は労働事件に限定するのが多数なんですよ(あれは物的環境の整備の問題なんで)
だから、この単語は危険だと思います

>、契約関係という密接な利害関係を有するにいた
 った者との間には、信義則上相手の生命・身体・財産を害
 さないように配慮する義務(安全配慮義務)が認められる
そのとおり、しかし、なぜ??これが無い。これがあれば点は跳ねる

詳細は省きますが
身分から契約へ、という中世から近代への流れがあれば
契約から関係へ、というのが近代から現代の流れと捕らえることが出来ます
そこから、債務者が引き受けるべき責任の範囲も、従来の契約概念から
拡大していくべき、という主張が最近なされています
おおたに君の答案に「この視点」を書けたらまず30点来るとは思います
すっきり書けたら40点
72氏名黙秘:05/01/05 23:46:25 ID:???
スレの私物化
削除依頼
73氏名黙秘:05/01/05 23:57:55 ID:???
さて、一本の芯ですが
全教科にわたるとなるとあまりに抽象的になるので
今回は民法に限り、ちょっとだけ話します

民法の芯とは何か、といえば、色々考えあるでしょうが
一つの観点として
「物の支配としての物権関係、財貨の交換としての債権関係」が上げられます
これをベースに財産関係を分析していくのが「近代民法」です
このように財産関係を分析するのは一つの企てです

そして、問題を見るとき、まずこれはどちらの関係なのか見るといいです
今回は債権関係の問題です。(場合によって?
74氏名黙秘:05/01/06 00:04:16 ID:???
色々書いたけど、消えました

今回の問題
古典的な民法解釈だと、債務者の責任は限定されます
契約は、合意した内容につき、当事者のみを拘束しますから

ところが、複雑化した現代社会においては、これでは狭すぎる嫌いがある
そこで、古典的民法解釈から逸脱した、「契約責任の拡大化現象」がおきるのです
今回はそのうちの2つがテーマになってます
どうやって債務者に多くの責任を負わせることが出来るか
それがテーマなのです

その際、規範として働くのは、法のケンケツを補う信義則です
ただし、その信義則を導く「理屈」が肝になります
75氏名黙秘:05/01/06 00:06:15 ID:???
追伸ですが、契約責任の拡大化
他には、時的拡張(契約締結上の過失は典型)
さらには、主観的拡大(無過失責任化)などもあります
76大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/06 22:19:49 ID:???
今日は受験の順番にならい、商法を書いてみました

【商法】 平成5年・第1問
 取締役会においては、株主総会の場合と比べ、その招集手続および議決権の行使につき、どのような違いがあるか。株主総会の場合との違いは、どのような理由に基づくか。
77大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/06 22:21:07 ID:???

1、取締役会(259条)とは、取締役により構成され会社
 の業務執行につき意思決定をする株式会社の必要的常置
 機関をいう。
  株主総会(230条の10)とは、株主により構成され会社
 の基本的・重要事項について意思決定をする株式会社の非
 常置機関をいう。
2、この点、株主とは会社の実質的所有者であることから、
 株主自らが業務執行についても意思決定を行うのが筋であ
 る。
  しかし、株式会社においては、株主は出資額を限度とし
 た間接有限責任を負うにとどまり、また利益追求を目的と
 する者が多いことから、株主は経営に無関心ないし無能力
 であることが多い。また、株主は多数にのぼることが想定
 されており、すべての業務に株主の意見を反映させること
 は現実的に不可能である。
そこで、株式会社の経営の迅速化と合理化を図るため、通常
 の業務執行の意思決定を取締役会に委ね、株主総会は基本
 的ないし重要な事項についてのみ決定権限を与え、経営と
 所有の分離を図っている。
3、このような取締役会と株主総会はの性質の違いから、そ
 の召集手続及び議決権の行使方法につき違いが設けられて
 いる。
  以下、それぞれの制度について述べた上、両者の違いに
 ついて検討する。
78大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/06 22:23:50 ID:???
二、召集手続について
1、株主総会
ア、まず、株主総会の招集は、原則として取締役会が決定
 し(231条)、ただ一定の要件を満たす株主は少数株主権
 として株主総会の招集を求めることができるとされてい
 る(237条)。
イ、次に、召集にあたっては、原則として2週間前に、通知
 を行わなければならない(232条)。但し、閉鎖会社にお
 いてはこの期間を1週間に短縮することができる(同条1項
 但書)。そして、召集通知には、会議の目的たる事項を記
 載することが必要とされる(同条3項)。
  なお、総株主の同意があったときには、この手続を省略
 することができる。
2、取締役会
ア、まず、取締役会は、各取締役が召集することができる
 とされている(259条)。
イ、次に、取締役会の招集にあたっては、原則として1週間
 前に通知を発することを要する(259条の2)。もっとも、
 この期間を短縮することは可能である(同条但書)。そし
 て、召集通知に議決事項を添付する必要はない。
  なお、取締役及び監査役全員の同意があれば、かかる手
 続を省略することも可能である(259条の3)。
79大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/06 22:24:26 ID:???
3、両者の違いが生ずる理由
ア、まず、株主総会の召集権者は、取締役と一定の株主に限
 られている。
  これは、株主が多数にのぼり、むやみに召集を行うこと
 は会社の合理的運営の観点から問題があるし、責任の範囲
 に限定があるため各株主に召集権を認めなくとも足りると
 いう理由による。
  これに対し、取締役は通常少数であり、招集において手
 続的に煩雑でなく、また各人が他の取締役の行為について
 も責任を負う可能性があることから、各取締役に召集権が
 認められている。
イ、次に、召集通知を発する時期及び議題の添付について、
 株主総会の招集にはより重い手続が課されている。
  これは、株主は多数にのぼり、通常の業務に携わってい
 ないことから、株主に議題について検討し、出席のための
 準備をする期間を与えたものといえる。
  他方、取締役は少数であり、また通常の業務に携わって
 いない以上、株主総会より簡単な手続で足りるという理由
 による。
  なお、閉鎖会社において、召集期間が短縮され、また全
 員の同意があれば召集手続を省略できるとされている点で
 は、両者は近接しているといえる。
80大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/06 22:26:01 ID:???
三、議決権の行使について
1、株主総会
 株主は、株式数に応じた議決権を有するとされている
(241条)。また、決議においては、一定の重要事項(24
5条等)を除き株式数の過半数で決するとされている(な
お、343条参照)。
2、取締役会
 取締役会の決議方法は、取締役の頭数に応じて、一人が
一議決権を有する(260条の2)。また、その決議方法は、
原則として取締役の過半数で決するとされている。
3、両者の違いが生ずる理由
 株主は、出資額に応じた責任を負うのであり、それに対
応してより出資した者の意思を尊重すべきであるから、株
式数に応じた議決権を有する。
 ただ、多数株主による少数株主の侵害を防止する観点か
ら、重要事項については決議要件を加重している。
 他方、取締役は、各人が業務執行や他の取締役を監視す
る責任を負うのであり、各人に平等に議決権を与える必要
があるため、株主総会とは異なっている。そして、決議要
件を加重することも可能であるが、各人が平等な議決権を
有している以上、議決要件を加重した規定はない。
四、このように両者は招集手続・議決権の行使につき、そ
 の構成員たる株主・取締役の責任や性質から、機関とし
 ての手続において違いが生じているといえる。
以上
81大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/06 22:27:42 ID:???
コメント
問題文を読んで、定義から入らなければ、両者の関係を書かなければ、と思ったのですが、総論段階でそれを述べると「どのような理由に基づくか」という問いから離れてしまうような気がしました。
ただ、他に構成が思いつかなかったので、やむを得ずこのような構成にしました。
文字数的には1900字。3ページマックスくらいだと思います。

なるべく総論で出した言葉を各論で使うように努力してみました。(リンク)
よろしくお願いいたします。

問題
>>76
答案
>>77-80
82大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/06 22:34:27 ID:???
>>71-75
詳細なコメントありがとうございます。
確かに昔そのような話を聞いたことがあります。
債権的構成と物権的構成に分けて考えろと。

今の自分はただ論点を拾っているだけです。
そういう芯の見えた答案ではないことは明らかです。

より理解を深めるのであれば、制度の趣旨や沿革を学ぶべきということですね。
非常にためになる、深いお言葉でした。
ありがとうございます。
できる限り意識して論文を書いていこうと思います。
83氏名黙秘:05/01/06 23:45:07 ID:???
>>72
そんなこというなよ
漏れも大谷の答案見て勉強になってるんだから
84大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/07 21:19:29 ID:???
>>83
ありがとうございます。
そういっていただけると助かります。

さて、商法5-1については何もコメントがなく、少し寂しいです。
今日は2問目です。

【商法】 平成5年・第2問
手形行為独立の原則の適用は、手形取得者の善意・悪意によって影響を受けるか。
85大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/07 21:21:23 ID:???
一、手形行為独立の原則(7条)とは、手形の振出が無効
 であったとしても、その後になされた手形当事者間には
 影響を及ぼさないという原則をいう。
  例えば、Aが意思無能力下でBに手形を振り出し、B
 がCに手形を裏書譲渡した場合、Aは手形債務を負わな
 いためCはAに対して手形金請求できないが、Bに対し
 ては手形金請求をなしうるということになる。
  ただ、この場合、手形取得者Cの主観的要件について、
 7条は何も規定していないため、解釈上善意を要求すべき
 かについては別途検討の余地がある。
二、ここで手形取得者の主観的要件を考えるにあたり、手
 形行為独立の原則が定められた趣旨を考える必要がある。
1、この点、手形行為は原因関係と無因であり、各人が独
 立して手形行為を行っている以上、手形行為独立の原則
 は当然に認められるべき原則であるとする見解がある
 (当然説)。
  この説を貫くと、手形行為を行った以上行為者は手形
 上の責任を負うのであり、手形取得者の善意・悪意は問
 題とならないということになる。
2、しかし、手形の振出行為に瑕疵がある場合、手形自体
 も無効になると解するべきであり、後行する手形行為に
 おいてかかる瑕疵は当然に治癒されるものではない。ま
 た、手形は転々流通することを予定されているのであり、
 その効力については各手形行為を別個独立に考えるので
 はなく、手形行為全体を通じて判断すべきである。
  したがって、当然説の立場は手形自体が無効である点
 を看過し、手形の本質的性格を誤ったものとして採用す
 ることはできず、ここから取得者の主観的要件に対する
 結論を導くことはできない。
86大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/07 21:23:00 ID:???
3、では、手形行為独立の原則が定められた趣旨をいかに
 解するべきか。
  思うに、手形は転々流通することを予定されており、
 そこには多数の利害関係人が存在しうる。また、手形の
 簡易決済機能という観点から、手形取得者が不測の損害
 を被るような結果を将来せしめることは妥当でない。
  そこで、無効な手形であっても、手形取得者の取引安
 全を図り、手形の流通を促進し、もって手形の本来的機
 能を確保するため、手形行為独立の原則は政策的に規定
 されたと解するべきである(政策説)。
4、このように手形行為独立の原則の趣旨を政策説に求め
 た場合、取得者の善意・悪意は手形行為独立の原則に影
 響を及ぼすか。
  思うに、上述のような趣旨から政策的に手形行為独立
 の原則が規定されたことに鑑みると、政策的に保護する
 に値しない者にまで同原則を適用することは法の趣旨に
 反するといえる。そして、本来無効な手形である以上、
 取得者は手形上の権利を取得しないのであるから、取得
 者の主観、すなわち瑕疵ある手形であることにつき善意
 か悪意かが、手形行為独立の原則の適用の有無を分ける
 ことになると考えるのが素直である。
  そうすると、手形の瑕疵について悪意者は政策的に保
 護に値しないといえ、手形行為独立の原則の適用はない
 といえる。なお、重過失は悪意と同視しうるため、重過
 失ある者についても同様に同原則の適用はないといえる。
三、したがって、手形行為独立の原則は、取得者の善意・
 悪意により影響を受け、悪意者には同原則の適用はない
 といえる。
87大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/07 21:23:53 ID:???
  上の事例において、CはAが意思無能力下で手形を振
 り出したことにつき悪意(ないしは重過失)があれば、
 手形行為独立の原則は適用されず、Bに対しても手形金
 請求できないことになる。このように解しても、CはB
 に対して不当利得返還請求や原因関係上の債権を追求し
 うる余地があるため、Cにとって格別不当な結論とはな
 らないといえる。
以上

コメント
かなり冗長に書いてしまいました。
思ったところは、反対説としてあげるのを意思説か当然説かどっちか迷ったところです。本来、迷ったなら書くべきではないのですが、今回は趣旨から当然説の話だったと思い、書いてみました。
常に問題に対して答える姿勢を見せてみたつもりです。
答案構成に7分、作成に40分弱です。
文字数的には1500字。3ページ目の真ん中くらいだと思います。
88大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/07 21:25:54 ID:???
よろしくお願いいたします。
あと、1問目について、何かありましたらよろしくお願いいたします。
1問目
問題
>>76
答案
>>77-80

2問目
問題
>>84
答案
>>85-87
89氏名黙秘:05/01/07 23:46:27 ID:???
商法平成5年1問目について

知識は良いと思うのですが、もう少し総論と各論のリンクを明確に
した方が良いかと思います。

総論で株主総会、取締役会の性質を大きく一言で示して(キーワー
ドの設定)、そのキーワードを用いて二つの各論の理由を示すとい
う感じでしょうか。

9089:05/01/08 00:01:28 ID:???
> 二、ここで手形取得者の主観的要件を考えるにあたり、手
 形行為独立の原則が定められた趣旨を考える必要がある。
1、この点、手形行為は原因関係と無因であり、各人が独
 立して手形行為を行っている以上、手形行為独立の原則
 は当然に認められるべき原則であるとする見解がある
 (当然説)。

 この部分について、理解を疑われる可能性があると思います。
 無因性の話と手形行為独立の原則の話は全く別の話なので、無因性の話
と絡めて書かないほうが良いと思います。
 無因性の話はあくまで手形外の抗弁の話なのに対し、手独の話は手形上
の権利義務の話です。

> 手形は転々流通することを予定されているのであり、
 その効力については各手形行為を別個独立に考えるので
 はなく、手形行為全体を通じて判断すべきである。
  したがって、当然説の立場は手形自体が無効である点
 を看過し、手形の本質的性格を誤ったものとして採用す
 ることはできず

 当然説の理解が不十分な気がします。
 当然説も「手形行為全体を通じて判断している」点は同じです。
 ただ、当然説の場合は、手形上の記載自体のみを問題とするだけで、記載に至る
内心などまでは考慮しない、というだけだと思います。

 また、「手形自体が無効」という表現もひっかかります。
 手形が無効であれば、そもそも手独が出てくる場面ではなくなるのでは?
 ちょっとした表現のアヤかと思いますが、意外と減点されてしまう気がします。
 
91大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/08 23:23:54 ID:???
>>89-90
丁寧なコメントありがとうございます。
1行問題ではリンクをもう少し考えたほうがいいということですよね。
う〜ん、難しいけど、がんばってみます。

2問目については、当然説の理解が全くできていませんでした。
そうすると、やはり書かないほうがよいということになりますよね。
よく理解してないことを書くものではない、ですね。
きちんと当然説の理解をしておきます。

なお、次の刑法でもよくわからないところを書いてしまいました。
でも、反対説を批判しなさい、という指示がない限り、自説だけで十分ですかね?

色々ためになります。
ありがとうございます。
92大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/08 23:24:45 ID:???
今日は刑法を書いてみました。

【刑法】 平成5年・第1問
 甲は殺人の意思で、乙は損害の意思で共同してAに切りかかり、そのためAは死亡したが、それが甲の行為によるものか乙の行為によるものか判明しなかった。共同正犯の本質に論及しつつ、甲および乙の罪責について論ぜよ。

よろしくお願いいたします。
93氏名黙秘:05/01/08 23:25:06 ID:fnTCY46u
一、甲は殺人の意思で、乙は傷害の意思でAを死に至らし
 めているが、各人にいかなる犯罪が成立するか。
  この点、甲に殺人罪(199条)、乙には傷害致死罪(2
 05条)が成立することは問題がないが、両者に共同正犯
 を成立するか。異なる犯罪を実現する故意をもって犯罪
 を実行した者の間に共同正犯が成立するか、共同正犯の
 本質に関わり問題となる。
二、共同正犯の本質
1、この点、共同正犯が成立するためには、各人が行為を
 共同しているという関係があれば足り、意思の連絡まで
 は不要であるとする見解がある(行為共同説)。
この見解によると、甲には殺人罪(199条)の共同正犯(6
 0条)が、乙には傷害致死罪(205条)の共同正犯(60条)
 が成立することになる。
  しかし、60条は「共同して犯罪を実行した」と規定さ
 れているのであり、「行為を共同した」とは規定されて
 いず、刑法の文言に反するため、行為共同説は妥当でな
 い。
2、思うに、共同正犯が、一部実行全部責任の原則の下、
 他の行為者の行為についてまで責任を負わされているの
 は、相互に利用補充し合って犯罪を実現するため、他の
 行為者の行為についても責任を負わせうるということに
 ある。
  そこで、共同正犯が成立するためには、特定の犯罪を
 実行するという関係が必要であると考える(犯罪共同説)。
94大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/08 23:28:02 ID:???
三、では、本問のように、行為者が異なる犯罪を実現する
 意思であった場合、共同正犯は成立しないのか。
1、この点、各々に単独犯としての罪責しか問えないとも
 思える。
  しかし、これでは犯罪の実態に則さず、妥当でない。
2、思うに、犯罪が重なり合う範囲においては、行為者相
 互に利用補充関係を認めうるのであり、その範囲で共同
 正犯の成立を認めうる。
  そして、かかる重なり合いの基準は、行為態様や保護
 法益を基準に実質的に判断すべきと解する。
3、そうすると、殺人と傷害とは、殺害行為と傷害行為と
 は行為態様において重なり合うといえ、保護法益も他人
 の身体の自由・安全という範囲で重なり合いが認められる。
  したがって、傷害罪の範囲で両者に重なり合いが認め
 られる。
4、では、死の結果についても責任を問いえないか。
  この点、205条は「よって」と規定されていることから、
 結果的加重犯の規定である。そして、結果的加重犯にお
 いて、判例は基本犯との条件関係があれば足りるとする
 が、これでは責任主義に反するおそれがあり、妥当でな
 い。
  そこで、結果的加重犯は、基本犯と結果との間に相当
 因果関係があることに加え、結果について過失があるこ
 とを必要とする。
  もっとも、結果的加重犯においては、基本行為を行う
 ことにより結果発生の蓋然性が高いことから、基本行為
 を行なった者は加重結果発生について予見可能・結果回避
 可能であったといえ、原則として責任を負う。
95大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/08 23:28:53 ID:???
  そして、過失の共同正犯においては、結果回避義務に
 共同して違反すれば「共同して犯罪を実行した」と評価
 しうる。
  そこで、基本行為共同して行なっていれば、結果回避
 義務に共同して違反したといえるため、結果的加重犯の
 共同正犯が成立しうる。
5、本問では、Aを傷害するという点で甲と乙は共同して
 実行しているのであり、Aの死の結果を防止するという
 結果回避義務に共同して違反したといえる。
  したがって、傷害致死の範囲で共同正犯の罪責を負う
 と考える。
四、以上より、甲には殺人罪(199条)が、乙には傷害致死
 罪(205条)が成立し、両者は傷害致死の範囲で共同正犯
 (60条)となる。
以上
96大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/08 23:29:30 ID:???
コメント
反対説を出して論じてみたものの、択一前とはいえ知識がきつかったです
単なる論点の羅列、筋が見えない答案ということになりそうです。
字数は1500字弱、2ページ半くらいだと思います。

よろしくお願いいたします。
問題
>>92
答案
>>93-95
97氏名黙秘:05/01/08 23:39:47 ID:???
ざっと見た感じだけど、枚数計算だいぶおかしくね?
4枚におさまりそうにないように見えるものまであるが。
普通はいくら書いても1800字くらいじゃないの?
時間はかって紙に書いたことある?
まあ、練習用に書けるだけ書くってのはありと思うが。
98大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/08 23:55:03 ID:???
>>97
私は1行当たり30文字以上なので、そうなっちゃうんですよ。
普通の人だともっとページ数が多くなっちゃいますよね。
99氏名黙秘:05/01/08 23:56:29 ID:???
>>97
漏れ、1行に40字ぐらい書いてるぞ
40*22=880で、1500字なら2頁弱w
100氏名黙秘:05/01/09 00:04:49 ID:???
>>98-99
読む人のこと考えてる?
字数と点数は比例しないよ。
論文試験受けたこと多分ないでしょ?
101氏名黙秘:05/01/09 00:22:31 ID:???
冒頭
>甲に殺人罪(199条)・・・・が成立することは問題がないが
ま、まじですか?
102大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/09 00:53:33 ID:???
>>100
受験経験は一応あります。
本試験でもそれくらいのペースで書いてきました。
ただ、結果は恥ずかしいので聞かないでください。

>>101
あの、おかしいですか?
結論的に学説上争いがなかったので。
それとも、構成要件該当性をもう少し丁寧に論じたほうがよかったのでしょうか。
よろしければご教授ください。
103氏名黙秘:05/01/09 01:17:04 ID:???
>>102
甲の行為あるいは乙の行為と、A死亡の結果との間の因果関係がわからない
んだという問題文ですよね。
単独犯として問題なく甲に殺人罪、乙に傷害致死罪を成立させたらまずいでしょう。
だからこそ、共同正犯という形で死亡の結果を帰責できないかが問題に
なるのではないですか?
104氏名黙秘:05/01/09 01:18:22 ID:???
>102
行為と結果の因果関係が不明なので殺人既遂と傷害致死を冒頭で結論づける
のはまずいかな〜と思います。
殺人の実行行為と傷害の実行行為を認定するぐらいでは?
過失の共同正犯の問題意識がもう少し明確に出てるといいなあ〜
と思いました。
あとは良く書けてると思いました。
105大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/09 02:00:41 ID:???
>>103-104
なるほど。
確かにそうです。
とすると、

甲には殺人罪を、乙には傷害致死罪を成立させられるか

とか、

因果関係が不明なため、死の結果を帰責できない
  ↓そこで
共同正犯として氏の結果を帰責しうるか

という問題提起のほうがよかったかもしれませんね。
ピンポイントのご説明、ありがとうございます。

あと、過失の共同正犯のところは、弱いところなんです。
問題提起をうまくできればよかったのですね。
参考書などで確認しておきたいと思います。

ありがとうございました。
106104:05/01/09 02:04:30 ID:???
過失の共同正犯は、
無意識の行為なのに共謀ということがあり得るのか?
とだけ問題提起できればいいと思います。
107大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/09 02:12:00 ID:???
>>106
ふむ
なるほど。
端的に切れ込めますね、それなら。
問題意識も十分に出ますし。
私じゃ合格されるような方にはまだまだ及ばないですね。

非常にためになりました。
心から感謝いたします。
後5通で5年の問題も終了します。

お付き合いよろしくお願いいたします。
108氏名黙秘:05/01/09 02:24:48 ID:???
>>107
こちらこそ宜しく。
楽しみにしてますよ。
109氏名黙秘:05/01/09 08:12:28 ID:???
>>102
それは失礼。
しかし、なんでそんなところで差別化を計ろうとするのか理解できない。
デメリットはあってもメリットは一つもないと思うが。
異常に小さな字でしか書けない理由でもあるのかな?
110氏名黙秘:05/01/09 18:29:23 ID:???
単純に字が小さいだけだろ。
自分の基準を他人に押し付けるな。
111大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/09 20:47:31 ID:???
>>109
そうですよね。
もう少し大きな字で書きなさいと友人からも言われたことがありました。
くせってなおらないものですが、何とか矯正しつついきたいと思います。

さて、今日は刑法の2問目を書いてみました。
よろしくお願いいたします。
112大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/09 20:48:17 ID:???
【刑法】 平成5年・第2問
 甲は、現金を盗もうと考え、A方に侵入し、タンスの中を物色したところ、茶封筒があり、
それを取り出して中を見ると現金10万円が入っていたので、ポケットにしまって引き上げた。
自宅に帰る途中、もう一度中を見ると、B信販会社発行のA名義のクレジットカ−ドが現金に
紛れて入っているのに気付いた。そこで、甲は、このクレジットカ−ドを利用しようと考え、
翌日、加盟店であるCデパ−トに行き、Aを装って同カ−ドを使い5万円相当のカメラを購入
した。その代金相当額は、後日、B信販会社からCデパ−トに支払われた。
 甲の罪責を論ぜよ。
113大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/09 20:49:19 ID:???
一、A方への侵入、窃取行為について
1、甲は、A方に窃盗目的で侵入しており、住居侵入罪(
 130条前段)が成立する。
  次に、10万円の入った封筒を領得した行為は、Aの意
 思に反して占有を移転する行為といえ、窃盗罪(235条)
 が成立する。
2、では、クレジットカードを領得した行為に窃盗罪は成
 立しないか。
ア、まず、クレジットカードが「財物」にあたるか、問題
 となる。
  この点、刑法上処罰に値するといえるために、「財物」
 は一定程度の価値を有するものでなくてはならないと考
 える。そして、クレジットカードそれ自体は処罰に値す
 る程の価値はないが、それを利用することにより預金を
 引き出せるという効用を有するため、いわば預金を引き
 出す権利がカードと一体になっているものとして価値を
 有するといえる。
  したがって、クレジットカードも処罰に値する価値を
 有するといえ、「財物」にあたる。
114大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/09 20:50:36 ID:???
イ、次に、クレジットカードに対する窃盗の故意が認めら
 れないか。甲は封筒を手に入れたときにクレジットカー
 ドの存在に気づいていなかったことから、窃盗の故意が
 認められないのではないか問題となる。
  思うに、故意責任の本質は、規範に直面しつつもあえ
 てそれを乗り越えたという人格的態度に対して道義的非
 難を課すことにある。そして、規範は構成要件の形式で
 与えられている。
そこで、同一構成要件に該当する事実の認識があれば、規
 範に直面しえたといえ、故意責任を問いうると考える(
 法定的符合説)。
  そして、構成要件は違法有責行為を社会通念に従い類
 型化したものであり、故意の個数もその範囲で抽象化さ
 れ、発生した結果全てに対して故意責任を問いうると考
 える(数故意説)。
  とすると、甲には10万円を窃取する故意があった以上、
 クレジットカードを窃取する故意も認められる。
ウ、したがって、クレジットカードについても窃盗罪が成
 立する。
二、クレジットカードを使用した行為について
1、デパートで甲がAを装って5万円のカメラを購入した行
 為につき、詐欺罪(246条)が成立しないか。
2、この点、詐欺罪が成立するためには、欺罔行為、錯誤、
 処分行為が因果関係で包摂されている必要がある。また、
 詐欺罪も財産罪である以上、財産上の損害が生じることが
 必要である。
  ここで、欺罔行為は錯誤に向けられている必要があると
 ころ、甲は加盟店であるCデパートにAであると誤信させ
 ており、この点に欺罔行為が認められる。
  また、クレジットカードを使用したのがA本人でなけれ
 ば、Cデパートはカメラの売却を拒んだであろうから、錯
 誤も認められる。
115大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/09 20:51:59 ID:???
3、そして、錯誤に基づいて処分行為がなされる必要があ
 るところ、詐欺罪は個別財産に対する罪であり、財物の
 交付自体が処分行為といえ、交付した財物自体を財産上
 の損害と観念しうる。
  なぜなら、財産罪は究極には本権を保護するものであ
 るが、財産関係の複雑化した現代社会においては占有そ
 のものを保護すべきであり、欺かれなければ財物を交付
 しなかったという関係がある以上、処分行為は財物の交
 付に求め、交付された財物その物を財産上の損害と捉え
 るべきだからである。
4、したがって、甲にはCデパートに対する詐欺罪(246条
 1項)が成立する。なお、CデパートはB信販会社から後
 日代金相当額を支払われているが、交付自体を財産上の
 損害と捉える以上、詐欺罪の成立には影響がない。
5、なお、被欺罔者を加盟店としつつ、処分行為者を信販
 会社と捉え、2項詐欺罪を成立させる見解があるが、この
 ように被欺罔者と処分行為者を分離するのは妥当でない
 と解するため、かかる見解は採用しえない。
6、また、クレジットカードを使用する際に、Aのサイン
 をしたであろうから、私文書偽造罪(159条1項)、同行
 使罪(161条1項)も成立する。
116大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/09 20:52:56 ID:???
三、以上より、甲には住居侵入罪(130条前段)、10万円、
 クレジットカードについてそれぞれ窃盗罪(235条)が成
 立し、後2者は観念的競合(54条1項前段)となり、これ
 と前者は牽連犯(54条1項後段)となる。
  また、私文書偽造罪(159条1項)、同行使罪(161条1
 項)、詐欺罪(246条)が成立し、これらはそれぞれ牽連
 犯(54条1項後段)となる。
  そして、前3者と後3者は併合罪(45条前段)となる。
以上

コメント
文字数的には1700字、3ページくらいです。
クレジット詐欺がメイン論点であるので、もう少し前段を抑え気味に書いたほうがよかったかもしれません。
(財物のところが長すぎる気がします)
クレジット詐欺のところは要件の出し方が難しかったです。
まだまだ訓練不足です。
117大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/09 20:53:48 ID:???
問題
>>112
答案
>>113-116

よろしくお願いいたします。
118氏名黙秘:05/01/09 22:18:51 ID:???
私文書偽造罪は特に書く必要がないような気がします。
詐欺罪の所でBは5万円を受取っており損害ないのではないか?
という問題意識を端的に出した方がいいと思います。
罪数のところで、クレジットの窃盗で後のクレジット使用が不
可的事後行為にならないか少し触れられたらよかったと思います。

いいと思ったのは説の名前を書いているところ。
特にミスもなく、本番でこれだけ書ければ十分だと思います。
119氏名黙秘:05/01/09 22:55:38 ID:???
説の名前、書きますかね。俺は書かないけど。
一行問題なら書かなきゃまずいと思うけどね。
120氏名黙秘:05/01/09 23:09:11 ID:???
>>119
全くいらないと思う。
書かなくても、どんな考え方をとっているかが一読でわかる
文章を目指す方がよっぽど重要だと思う。
121氏名黙秘:05/01/09 23:33:07 ID:???
まず、クレジットカードの財物性なんて一論点として扱う必要ない。
「住居」「侵入」「他人の財物」「窃取」という構成要件要素を明示して、コンパクトに。

クレジットカードの故意について
錯誤を論じても間違いではない。ただ、論じる必要はないと思う。
封筒に10万入っていると思って盗ったら11万入ってたというときに、
果たして1万円につき錯誤論が必要かどうか。それと同様に考えると?
未必の故意ありで処理しても文句は言われないと思う。
クレジットがらみの詐欺がメインと思うならこの辺は極力コンパクトに
行くべきではないか?特に時間の足りなくなりがちな刑法だし。

二3,4のところがもたもたしている印象。
「個別財産に対する罪」というのが、どう処理に生きてくるのか、読んでて不明確。
代金は支払われるが「損害あり」、といいたいがためにこの言葉出すんでしょ?
それを処分行為の認定のところで下手に出してるから、後ろと重複的で、論旨不明確になってる。
改善案
 @処分行為と損害を分けて書く。損害のところでのみ「個別財産に対する罪」云々を出す。
 A損害は明示された構成要件要素ではないから、処分行為に押し込んで書く。
  つまり、詐欺罪は財産犯ゆえ損害がないと成立せず。
       →  損害を発生させるような処分行為があることが必要。
       →  個別財産に対する罪だから、交付したこと自体が損害といいうる。
       →  損害を伴うような処分行為あり。
  みたいに。

気づいたことを思うがままに書きました。
偉そうでごめんなさいm(__)m
122氏名黙秘:05/01/10 00:38:41 ID:???
クレジットカードと現金って性質違うんじゃない?
錯誤かかないのは結構恐いと思う。
123氏名黙秘:05/01/10 01:22:58 ID:???
確かマコツも講義で錯誤書くのおかしいって言ってた希ガス。
124前田:05/01/10 09:29:34 ID:???
俺は、説の名前は書くとむしろ減点要素となりうると思う。
>>120の言うと通り、この試験は自分で論証することが求められてるわけだ。
そこを何何説に立ちますからそういう意味に読んでください、というのは明らかなごまかしだろう。
もし何何説と書かなければ、自分の意見として取ってもらえる。
そこまで正確でなくともちゃんと説明がされていればたいして減点されない。
書いてウソだと非常に心証が悪くなるだろう。
判例というのは学説と異なり法源である以上、書く意味があるともいわれてるが、これも書くやつは
ほとんどいない。
間違えると減点を食らうからだろう。

まあ、どっちでも好きなようにすればいいと思うけどね。
こんなところで合否は分かれないだろうし。
>>113
まず、判例通説からはクレジットカードは何の問題もなく財物として構成要件に該当するんじゃないかな?
極めて特殊な場合に、違法性が阻却されうるだけで。
その書き方は前田説かな?
ほかのところと矛盾がなければいいけどね。
>>123
多分おかしいんだろうな。
でも恐かったら、コンパクトに書いとけばいいだろうな。
ほかの方々も指摘してらっしゃるが、クレジットカード詐欺と、それと窃盗との罪数処理の二つが題意だろう。
構成要件はすべて検討する必要があるが、論点は書くとしても短くまとめる必要があるだろう。

個別財産のところは>>121のマル1に同意。
個別財産だろうが「交付」はあるわけで(多分どの説からも)、財産上の損害の要件の問題だろう。
ここはこの問題でもっとも重要なところだから、丁寧に書く必要がある。
窃盗と詐欺の関係は、やっぱり一言は欲しいんじゃないかな。

大谷さん、このスレはすばらしい試みだと思います。
是非がんばってください。

125氏名黙秘:05/01/10 10:06:28 ID:???
このクレジットカードは誰のもの?
二5は,展開する必要がありますか?

この問題だと,錯誤として論じなくてもいいんじゃない?
ただ,認識の食い違いについて一言書いておくべきだと思うが。
126前田:05/01/10 11:45:27 ID:???
俺も対抗してさっき書いてみた。
やっぱり錯誤は必要ないと思う。
なぜならば、10万円入りの「茶封筒」を窃取するという認識を有しているから。
この点に何の錯誤もないし、財物性がないとして違法性阻却される余地もないから。

客体を「10万円」と「クレジットカード」とするならばともかく、「10万円入りの封筒」と
「クレジットカード」として錯誤を論じるのは、積極ミスではないだろうか?
>>125
前段の意味がわかりません。

127前田:05/01/10 11:54:43 ID:???
罪数についてはどう論じるべきかよくわからないな。
相手がまったく異なる以上当然に併合罪になる気がするが、ケンレン犯は保護法益との関係の
問題ではないのか。
ちょっと勉強してみよう。
問題文からして、クレジットカードについての窃盗の故意も、なんらかの形で検討して欲しそうではあるな。
引っ掛けのようにもちょっと見えるが。
128氏名黙秘:05/01/10 12:30:49 ID:???
>>126
自己カードの議論を展開してもダメだってこと。
書く必要のない他説を書いて,
他人カードの議論が分かっていないってことを
自ら晒してしまってる。
129大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/10 15:07:55 ID:???
>>118-128
わ、たくさんのコメント、ありがとうございます

まとめますと
1、封筒の中にあるものについて窃盗の故意が認められるとして、錯誤論は不要としてもよい
2、不可罰的事後行為となるのではないかという点に触れること
3、クレジット詐欺では財産上の損害がないのではないか?という問題意識を先に出すこと
4、説の名前は極力書かないほうがいいということ
5、クレジットカードの財物性については争いがないからもっとコンパクトに書くこと

ですね。

1については各論の問題だし、それで十分かと思います。
ただ、問題が錯誤を強調していたので、一応触れておきました。

3については>>121さんの発言がすばらしいかと思いました。
わかりやすいですよね。
先に財産上の損害の有無を述べたほうが、読み手に安心感を与えますよね。

>>125さん、クレジット詐欺の反対説は不要と思いました。
時間的に余裕があったので、知識のアピールをしてみました。
ただ、自説以外は極力書かないほうが無難ですよね。
あと、あの程度だと加点要素になるか疑問ですね。
ありがとうございます。

>>124
クレジットカードの財物性って前田説なのですか?
すごい不安感をおぼえました。
確認しておきます。

みなさん、ありがとうございます。
130氏名黙秘:05/01/10 17:13:09 ID:???
>>121

>>錯誤を論じても間違いではない。ただ、論じる必要はないと思う。
>>封筒に10万入っていると思って盗ったら11万入ってたというときに、
>>果たして1万円につき錯誤論が必要かどうか。それと同様に考えると?

おまえアホ?
@10万を盗んだと思ったら+αでカードが入っていた、と
A10万を盗んだと思ったら+αで1万円余分に入っていた、では全然違うやろ。

Aでは量的な違いがあるに過ぎないけど、@では質的な違いがある。

本問は、
B書類を盗んだと思ったら+αで10万円が入っていた、場合と比較する方が近い。
とすれば、やはり錯誤は触れる必要あり。
甲は10万円を現認して窃取している以上、まさかカードも入ってるとは思わんでしょ。普通。
131前田:05/01/10 18:08:57 ID:???
>>128
なるほど、確かにここは間違ってるかもしれないね。
というかこの反対説は、販売店を通じてカード会社を欺き処分させるっていう説じゃなかったっけ?
いずれにせよ、よくわからないなら反対説批判はやらないほうがいいってことかな。
あってても加点になるかも疑問だし。
むしろ自説の穴をフォローすることのほうが重要か。
>>129
カードが財物に当たるかどうかの議論は、構成要件を実質化する立場(藤木説や前田説)に立たないと出てこないでしょ?
通説からは、有体物ならどんなものでも財物に該当する。
つまり構成要件該当性の問題ではない。
極めて例外的な場合に、(超法規的に)違法性が阻却されるだけで。
たとえばちり紙とか、例のタバコの一厘事件だったっけ?とかね。
132大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/10 22:05:15 ID:???
>>130-131
私の知識を超えた議論が・・・・
すごいです。ためになります。
ありがとうございます。

さて、今日は民訴の1問目を書いてみました。

【民訴】 平成5年・第1問
 訴えの主観的予備的併合について論ぜよ。
133大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/10 22:06:33 ID:???

1、訴えの主観的予備的併合とは、複数の者に対する請求
 が法律上両立し得ない場合に、主位的被告に対する請求
 認容を解除条件として、予備的被告に対する請求を併合
 する訴訟形態をいう。
  例えば、無権代理(民法113条)がなされたときに、本
 人に対して表見代理(民法109条等)を追求しつつ、これ
 が認められないときに無権代理人の責任(民法117条)を
 追求する場合がある。
2、このような訴えの主観的追加的併合は、明文規定がな
 い。しかし、原告の利益を考えると、かかる併合形態を
 認める必要性があるようにも思われる。
  そこで、かかる訴訟形態が現行法上認められるか、問
 題となる。

1、この点、これを認めないと原告はいずれの当事者にも
 敗訴する危険があるとして、原告の利益を重視して、肯
 定する見解がある。
  しかし、主位的被告に対する請求が認められた場合、
 予備的被告は実体審理を受けることができず、予備的被
 告の地位が著しく不安定となり、妥当でない。また、か
 かる併合形態を認めたとしても、一方被告の上訴により
 他方被告も当然に上訴審に移審するわけでもなく、合一
 確定という目的も達成できないという不都合がある。
134大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/10 22:07:37 ID:???
2、思うに、訴訟の円滑・迅速・効率化を図るため、裁判
 所による弁論の併合(152条)が認められているのであ
 り、被告を追加する場合には弁論の併合を待てばよく、
 これにより事実上矛盾判決は回避できる。このように考
 えるとかかる併合形態を認める必要性はないといえる。
  したがって、訴えの主観的予備的併合は認められない
 と解する(判例結論に同旨)。
3、この点、自説に対しては、弁論の併合は裁判所の裁量
 に委ねられており、必ずしも併合がされないという不都
 合性が指摘される。
  しかし、原告が併合を望むのであれば、同時審判の申
 出(41条)をすれば足り、これにより裁判所は併合を義
 務付けられるのであるから、不都合性は回避しうる。
  したがって、かかる指摘は妥当でないと考える。
以上
135大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/10 22:08:13 ID:???
コメント
文字数的には800字程度、2ページ目の半分くらいです。
書くことがあまりなく、短くなってしまいました。
一応反対説を出した上、批判してみました。

よろしくお願いいたします。

問題
>>132
答案
>>133-134
136氏名黙秘:05/01/10 23:23:19 ID:???
よいんじゃない?

欲を言えば
必要性についてもう少し触れること
改正の点に触れること

だね

ま、これでも合格点だよ
137氏名黙秘:05/01/10 23:30:25 ID:???
刑法だとみんな書き込みが激しいね
もともと難しい問題だから、その程度でいいと思う
で、あえて付け加えるとすれば
多分この問題、実務家が作ったのではないかと思う
自分が訴訟代理人である場合を考えて欲しいんだけど
例えば、代理で契約を結んだら相手に無権代理といわれた
でも表見代理の可能性もある。どうすればいいんですか?と言われて
「じゃあ、両方で訴訟を別々にしましょう」などというのはアホです
印紙代二重払いですか??安くないのですけどとなる
でも、じゃあ片方で、といって空振りに終わると目も当てられない
(つまり法律構成の誤りのリスクを原告が負うことになる)
さらに、弁論の併合っていっても、分離されたら同じジャン
だから、主観的予備的併合が欲しいな、となる
その点、矛盾判決の防止しか書いてないけど
原告側からすればそんなんどうでも良いのかもね
ま、その程度でいいとは思います
138おやすみ前に1問:05/01/11 00:55:57 ID:IfukoUQ/
1999年9月9日、Xは吉宗市北斗町3丁目99番99号にあるXの事務所でYの代理人Aに100万円を貸し渡した。
Aは、Yの代理人として、同年10月9日に返還することを約束した。しかし、弁済期になってもYが返還しないので、Xは返還請求の訴えを提起し、前記の事実を主張した。
これに対して、Yは、「Aに代理権を付与したとの事実は否認する、その余の事実は知らない」と答えた。
Xが証明する必要のある事実は何か。
139氏名黙秘:05/01/11 08:38:18 ID:???
>>130
おまえアホ?
おまえは10万円入りの財布を盗もうとしたらクレジットカードが入っていたときにも
ご丁寧に錯誤を論じるつもり?

>書類を盗んだと思ったら+αで10万円が入っていた、場合と比較する方が近い。
>甲は10万円を現認して窃取している以上、まさかカードも入ってるとは思わんでしょ。普通。

なぜゆえおまえが、甲は10万円という高価なものを現認しているといいながら、書類という価値
の低いものを盗んだと思ったら、という事例と比較してるのかわからん。
封筒なんかに結構多額の金を入れてる、他に高価なものを入れててもおかしくないとは考えられんか?
別に121も錯誤が間違いとはいってないしな。

それに、錯誤を論じるかどうかを、量的な差異か質的な差異かに求めてるようだが、どっから引っ張って
きた見解?
140氏名黙秘:05/01/11 10:13:00 ID:???
>>139

>>おまえは10万円入りの財布を盗もうとしたらクレジットカードが入っていたときにも
>>ご丁寧に錯誤を論じるつもり?

財布にクレジットカード入ってるのは未必の故意の枠内でしょ。
130は、封筒にクレジットカードが入ってるのは未必の故意の枠外だと言ってるんだよ。
泥棒が封筒覗いて10万円入ってるのを見つけた場合、まさかそれ以外にカードが入ってるとは思わないでしょ。
本問泥棒にとってクレジットカードの取得は「棚から落ちたぼた餅」であって、よって錯誤を論じる必要があるということでしょう。

どっちにしろ故意は肯定されるわけだから、時間がなければ書かなくても良いだろうけど、書くに越したことはない論点だと思うね。
少なくとも、ちゃんと書いたら減点にはならない。

141氏名黙秘:05/01/11 11:27:38 ID:2WarVVEG
丁寧に書いて減点されないのは当たり前。
ただ、丁寧に書けばそれだけ他の論点を
書く時間がなくなるし、
全体のバランスも悪くなる。
それだけ。
142氏名黙秘:05/01/11 17:48:56 ID:???
認定の問題だからな。
上手く書ければ、どちらでも問題ないだろう。
143氏名黙秘:05/01/11 18:13:13 ID:???
>>134
二2のところだけど、
主観的予備的併合を否定したとしても、原始的に併合するなら
併合自体は(単純併合という形で)原告のイニシアチブでできる
ことに問題はないでしょう。
問題は、「予備的併合という形で」併合できるかどうか。
だから、裁判所が弁論の併合ができるからOKということにはなら
ないと思う。

この論証って、主観的追加的併合の可否についてのものでしょう?
予備的併合の問題点と、主観的追加的併合の問題点が混ざってしまって
いるという印象を受けました。

あとは良くかけてると思いました。
144氏名黙秘:05/01/11 21:10:20 ID:saJ1s1jA
ttp://www.amigo.ne.jp/~eternal/ronbun/ronbun.html
論文の手本ぞろい。特にkaz イビルの論文は必見に値するほどの良作
145氏名黙秘:05/01/11 21:15:27 ID:???
>>144

ワラた
ぐっじょぶw
146大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/11 21:40:33 ID:???
>>139-142
この問題、やっぱり難しいですよね。
錯誤について述べるべきか、現場だと相当迷うと思います。
積極ミスをするのが一番怖いですから、どう対処してよいかわからなくなると思います。

>>138
証明すべき事実は
1、金銭の授受
2、返還の合意
3、受領についての代理権の存在
ですよね。
争うと不知は同じですし、無権代理人の責任追求では
無権代理人に代理権の存在について証明責任がありますが、
今回の場合は請求者に証明責任があると思います。
間違っていたらごめんなさい。

>>143
う〜ん、確かにこんがらがっているような気がします。
矛盾判断回避という原告の利益を叩いて、
予備的被告の地位の不安定を強調したつもりだったのですが。
難しいです。どういう風に書けばよいのでしょう。
原始的併合でも分離されうると一言触れたほうがよかったのでしょうか。
よろしくご教授のほど、お願いいたします。
147大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/11 21:43:15 ID:???
今日は民訴の2問目を書いてみました。
よろしくお願いいたします。

【民訴】 平成5年・第2問
 甲は、乙を被告として、乙に対する300万円の請負代金の支払を求める訴えを提起し、乙は、右請負代金債権の成立を争うとともに、甲に対する100万円の売買代金債権を自働債権として甲の右請負代金債権と相殺する旨の訴訟上の相殺の抗弁を提出した。
(1) 右訴訟において、裁判所が、甲の乙に対する請負代金債権の成立を認めるとともに、乙の相殺の抗弁を認容して、乙に対して200万円の支払を命ずる判決をし、これが確定した場合、この判決は、どのような効力を生ずるか。
(2)  乙が右訴訟において相殺の抗弁を提出した後、判決がされるまでの間に、甲を被告として右売買代金の支払を求める別訴を提起した場合、裁判所は、この別訴をどのように取り扱うべきか。
148大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/11 21:45:37 ID:???
一、小問(1)について
1、裁判所は、乙の相殺の抗弁を要れ、甲の乙に対する20
 0万円の請求認容判決を下し、これが確定している。
2、まず、かかる判決の効力として、まず既判力(114条)
 が生じる。
  ここで、既判力とは、後訴において当事者はこれと矛
 盾する主張を許さず(当事者拘束力)、また裁判所は前
 訴判決と異なる判断をしてはならない(裁判所拘束力)
 を意味する。
  そして、既判力の及ぶ主観的範囲は、原則として当事
 者、すなわち甲と乙である(115条1項参照)。
  なぜなら、既判力の正当化根拠は、手続保障を与えら
 れた当事者に対する自己責任を課すことにあり、また、
 当事者間に既判力を及ぼせば紛争解決としては十分とい
 えるからである。
3、では、この既判力の客観的範囲をいかに考えるべきか。
  この点、既判力は判決主文中に示された、訴訟物たる
 権利関係についての判断に生じるのが原則である(114条
 1項)。なぜなら、紛争解決基準としてはそれで十分であ
 るし、判決理由中の判断にまで及ぶとすると、弾力的な
 訴訟活動を阻害するという不都合が生じうるからである。
  したがって、甲が乙に対して200万円の債権を有する点
 につき既判力が生ずる。
  もっとも、同条2項は相殺の抗弁について、対抗した額
 についても例外的に既判力を及ぼすとしている。これは、
 自働債権の存否を後訴で争うことによる紛争の蒸し返しを
 防止する趣旨である。
  そして、相殺の抗弁に既判力を認めた法の趣旨から、自
 働債権の不存在についても既判力が生ずると考える(判例
 に結論同旨)。
149大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/11 21:48:55 ID:???
  この点、自働債権と受働債権がともに存在し、対等額で
 消滅したという点について既判力が生じるとする見解もあ
 る。しかし、自働債権の不存在についてのみ既判力を及ぼ
 せば紛争解決として十分であるから、そこまで広く解さず
 とも既判力を認めた意義を全うしうるため、自説のように
 考えるのが妥当である。
  よって、乙が自働債権として行使した100万円の不存在に
 ついても既判力が生じる。
4、また、かかる判決を債務名義として、甲は乙に対して強制
 執行しうるという執行力も生じる。
  さらに、判決が確定したことにより、上訴によっては争う
 ことができず、判決に瑕疵がある場合には再審の訴え(338
 条)により判決の効力を争うことができるにすぎないという
 確定力が生じる。
5、以上より、本問判決には、既判力、執行力、確定力という
 効力がある。
二、小問(2)について
1、乙は、請負代金請求訴訟(以下、本問訴訟とする)継続中に、
 別訴において自働債権に供した売買代金の支払いを求めている。
 そこで、かかる別訴は二重起訴禁止(142条)に触れないか問
 題となる。
2、思うに、二重起訴禁止の趣旨は、被告の応訴の煩い、
 矛盾判決、訴訟不経済を回避することにある。
  この点、請負代金請求訴訟において、乙は甲に対して
 当該売買代金を請求しているわけではなく、142条は直接
 適用されない。
  しかし、相殺の抗弁に既判力が認められる以上、自働
 債権の存否について矛盾判決が生じるおそれがあり、ま
 た甲は応訴しなければならないなど手続的に煩雑であり、
 訴訟上も不経済である。
150大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/11 21:50:05 ID:???
  そこで、二重起訴禁止の趣旨から、自働債権を別訴に
 おいて請求した場合、142条を類推適用すべきであると考
 える。
3、そして、二重起訴禁止に触れないことは、訴訟要件の一
 つである。
  そのため、乙の別訴は不適法却下されるのが原則である。
  ただ、そのように考えると、甲の請負代金債権が不存在
 だった場合、乙はあらためて訴訟提起しなくてはならず、
 乙にとって不利益・不経済である。
  そこで、事物管轄を同一であることから、裁判所は乙の
 別訴を本問訴訟に併合(152条)する措置をとるべきである
 と考える。この場合、必要に応じて移送等の措置を採る必
 要がある。
  もっとも、本問訴訟が控訴審に継続している場合、併合
 要件を満たさないため、乙の別訴は却下されることになり、
 乙は本問訴訟終了後にあらためて訴訟提起するか、反訴(
 146条)提起すべきと考える。
4、以上より、同一審級に属する限り、移送等の措置を講じ
 た上で裁判所は弁論の併合をすべきであり、そうでなけれ
 ば別訴を不適法却下すべきであると考える。
以上
151大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/11 21:50:59 ID:???
コメント
1700字程度で、3ページぎりぎりの分量です。
相殺の抗弁については今年出ましたよ、なんて思いながら書きました。
既判力の客観的範囲について、反対説は不要かと思いましたが、念のため書いておきました(間違ってはいないと思うのですが・・・)。
注意した点は、判決の効力について聞かれているため、既判力以外の効力についても触れ、既判力についても相殺以外の拘束力についても触れた点です。

よろしくお願いいたします。
問題
>>147
答案
>>148-150
152大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/11 21:52:31 ID:???
>>143
すみません。お礼を言うのを忘れていました。
あらためて、ありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。
153大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/11 22:32:28 ID:???
あ、忘れてました。
改正で事物管轄は別です。
ということで、移送が必要になります。
この場合、18条移送です。
すみません(確実に減点材料ですね)
154大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/11 22:36:46 ID:???
二、3「そこで」以下を修正しました。

 そこで、事物管轄が同一であれば、裁判所は乙の別訴を
本問訴訟に併合(152条)する措置をとるべきであると考え
る。この場合、事物管轄を異にするから18条に基づく移送
をなすべきと考える。そして、裁判籍が異なる場合、裁量
移送(17条)、必要的移送(19条)等の措置を採るべきと考え
る。
155氏名黙秘:05/01/11 22:44:11 ID:???
>>146
民訴の一問目についてですが、
併合の可否と併合形態という、レベルが異なる2つの事項を混合させている点に
問題があるわけですよね。
そして、問われているのは主に併合形態の方です。
(主観的追加的併合を予備的併合の形態で行うということも考えられますが)

とすれば、一番簡単な対処法は、二2の記述を省くことです。
二2は主観的予備的併合を否定しても問題はないということを論証しようとして
いるんですよね?
でしたら、二2の記述に代えて、同時審判申出共同訴訟をもう少し丁寧に論じて
はいかかでしょうか。
つまり、同時審判の申出により、主観的予備的併合が目的とすることは概ね達成
されるのであるから、これを否定しても不都合が少ないという内容をある程度具体
的に書けばいいと思います。
156氏名黙秘:05/01/11 23:36:20 ID:???
>>151
そらでこれだけ書けるなら十分合格点がつくと思う
移送だけど、事物管轄は一緒と問題文を読みかえていいと思う
試験委員は予備校みたいにバカじゃないから、ついでの問題は出さないと思う
だから、減点ではなく、加点事由でしょうね。まあ、みんな書いたら実質減点事由になるけど
157氏名黙秘:05/01/11 23:42:11 ID:???
内容については特に無いので、細かいとこだけ指摘します
一,1ですが、問題文の繰り返しなので不要でしょう
2から書いていいです
「ここで(*1)」、既判力とは、後訴において当事者はこれと矛
 盾する主張を許さず(当事者拘束力)、また裁判所は前
 訴判決と異なる判断をしてはならない(裁判所拘束力)
 を意味する。

*1 ここで、という接続詞に意味はなさそうです。「ああ、そうだね」くらいの調子をあわせる意味しかない
 書かないでいいでしょう
*2 既判力とは…を意味する。というのはどうかな
 これは既判力の作用を意味するからね。細かいが

158氏名黙秘:05/01/11 23:51:41 ID:???
ちょっと変だった。既判力の作用を「意味する」という熟語で閉めるのは変かも

つづいて、既判力の主観的範囲、客観的範囲、時的限界をかいてあるけど
どうも、ナンバリングが対応していない。じつはよくわかってないのではないか?
という印象を持つかな
(1を省略するので、2を1にしたうえで)
 2 そして、既判力の及ぶ主観的範囲は…
  ここの論証はもっとコンパクトで良い(自己責任だけでも良い)
なお、なんとなくだがセミナーかな?論述の癖からの想像
 3 では、この既判力の客観的範囲をいかに考えるべきか。
とあるが、論点じゃなくて良い。原則1項、例外2項で良い

4 この点、自働債権と受働債権がともに存在し・・・
これは時的限界の問題で、客観的範囲ではないのだね

4,5はいいと思う

小問(1)についていえば、少し冗長かな
もっとコンパクトで良い。
でも、合格答案ではあるとは思う
159氏名黙秘:05/01/11 23:55:39 ID:???
続きに小問(2)について
そつなく書けて良いかな。
合格を争う人々はこの内容を書ける
だから過不足はないけど、物足りない。

まあ、小問(1)でよくかけてるから、ここで無理する必要はないのだけどね

でも、相殺と二重起訴という論点は、書こうと思えばどこまでも濃くかける
そして、濃く書ければそれだけ点数がもらえるという論点
そこを、二重起訴禁止の趣旨は、被告の応訴の煩い、 矛盾判決、訴訟不経済を回避すること
だけであっさり終わらせるのはもったいない。


160大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/12 20:11:22 ID:???
みなさんありがとうございます。

>>155
おっしゃるとおり、41条が規定された以上、それについて説明すべきだと思いました。
その構成だとうまく書けますよね。
非常にためになりました。

>>156-159
確かに、「既判力とは」としながら、拘束力(作用)を述べるのはおかしいですね。
私も読み返してみて、あれ?と思ってしまいました。
二重起訴禁止についてはもう少し触れたほうがいいのかと思いました。
やはり受験生が書いてくるところなので、もう少し厚く書くべきですよね。
反省です。貴重なご意見ありがとうございます。

あと、私は、昔セミナーの論文講座を受けていました。
でも、安いのが魅力的だったので、最近はもっぱらLECに行っています。

一つわからないのは、

>4 この点、自働債権と受働債権がともに存在し・・・
これは時的限界の問題で、客観的範囲ではないのだね

時的限界の話なのですか?
今まで既判力の客観的範囲の問題としか認識していなかったのですが。
よろしければご教授いただけたらと思います。

あと、詳細なコメント、ありがとうございます。
161大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/12 20:12:39 ID:???
今日は刑訴を書いてみました。

【刑訴】 平成5年・第1問
 司法警察職員甲は、かねてから覚せい剤密売の疑いの
あった乙に対し、「覚せい剤を高く買いたいという客が
いるが、入手できないか。」との話をもちかけた。乙は
警戒し、幾度か断ったものの、甲の執拗な働きかけに最
後は応じた。乙が約束の場所に赴いたところ、張り込み
中の司法警察職員丙により覚せい剤所持の現行犯として
逮捕され、所持していた覚せい剤は証拠物として押収さ
れた。このような捜査方法の適否およびそこから生じ得
る問題点を論ぜよ。
162大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/12 20:13:49 ID:???
一、捜査方法の適否について
1、甲は、乙に対して覚せい剤購入を促し、覚せい剤を約
 束の場所に持ってきた乙を覚せい剤所持罪の現行犯人(
 212条1項)として逮捕している。
  このような捜査機関の働きかけにより犯罪を摘発する、
 いわゆるおとり捜査にあたる。そこで、おとり捜査とい
 う捜査方法が認められるか、明文規定なく問題となる。
2、この点、覚せい剤事犯は、外部から犯罪の認識が困難
 で、犯人の一定の行動がなければ摘発しにくい犯罪にお
 いて、おとり捜査は実効的であり、必要性が認められる。
  また、不当な人権侵害を生じる場合や適正手続(憲法
 31条)に反するような捜査方法でない限り、真実発見(
 1条)という刑訴法の目的に資するものといえ、許容性も
 認められる。
  そこで、強制にわたらない限り、任意捜査(197条1項)
 としておとり捜査も許容しうると考える。
163大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/12 20:15:16 ID:???
3、もっとも、おとり捜査は国家が犯罪に手を貸すという
 側面を有することから、国家による不当な人権侵害防止
 を究極の目的とする適正手続の観点から多少なりとも問
 題が生ずることは免れないところである。
  そこで、おとり捜査が認められるか否かは、適正手続
 の観点から相当な方法でなされたか、という観点から決
 するべきである。
  この点、従前に覚せい剤取引をしていない者に対して
 もっぱら逮捕する目的で犯罪を行なわせたような場合(
 犯意誘発型)は、国家が自ら犯罪を作出するものと同視
 でき、適正手続の観点から相当とはいえず、任意捜査と
 しても認められないと解する。
  他方、従前から覚せい剤取引をしていた者に対して覚
 せい剤取引の機会を提供したに過ぎない場合(機会提供
 型)は、国家による犯罪作出とは同視できず、適正手続
 の観点から相当といえ、任意捜査として認めうると解す
 る。もっとも、機会提供型においても、捜査機関が執拗
 に働きかけるなど、その方法が相当性を逸脱したような
 場合には、適正手続の観点から相当とはいえず、任意捜
 査として許容することはできないと考える。
4、本問において、乙にはかねてから覚せい剤密売の疑い
 があったのであり、機会提供型のおとり捜査といえるが、
 甲は乙が幾度か断ったにも関わらず、執拗に働きかけて
 覚せい剤の売買契約にこぎつけている。このような捜査
 方法は、適正手続の観点から相当とはいえず、任意捜査
 として許容することができない。
  したがって、本問おとり捜査は違法であると考える。
164大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/12 20:16:54 ID:???
5、そして、違法な捜査方法に基づいて乙を現行犯逮捕(
 212条1項)しているが、これも違法な捜査と同一の目的
 に基づき、違法捜査を直接利用してなされたものである
 から、違法であると考える。
  また、同様に押収手続も違法となる。
二、本問捜査方法から生じ得る問題点について
1、前述のとおり、本問現行犯逮捕は違法である。そして、
 法が逮捕については不服申し立てを許さず(429条1項2
 号)、「前三条の規定による」(207条1項)として勾留
 にあたって逮捕前置主義を採用していることに鑑みると、
 勾留を認めるか否かは逮捕の違法も含めて判断すべきも
 のと解する。
  本問において、現行犯逮捕が違法である以上、かかる
 逮捕に続く勾留は認められないと考える。
2、では、乙が覚せい剤所持罪で起訴された場合、押収さ
 れた覚せい剤を証拠として用いることができるか。
  この点、憲法31条が適正手続を保障した趣旨、将来に
 おける違法捜査を抑止する必要性、司法の廉潔性を保持
 し国民の裁判に対する信頼を確保すべき要請に鑑みると、
 違法捜査によって得られた証拠の証拠能力は否定される
 べきであるといえる。他方で、実体的真実発見という法
 の目的を達成する必要性も無視できず、一律に証拠能力
 を排除するのは妥当性を欠く。
  そこで、両者の調和の観点から、適正手続に反する重
 大な違法があり、将来における違法捜査抑止の観点から
 これを証拠として許容することが相当でないと認めうる
 場合には、当該証拠につき証拠能力は認められないと考
 える。
  本問では、適正手続の観点から相当性を欠くおとり捜
 査により覚せい剤が押収されているのであるから、適正
 手続に反する重大な違法があるといえ、当該覚せい剤の
 証拠能力は否定されると解する。
165大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/12 20:17:30 ID:???
3、また、違法な逮捕に基づいて得られた証拠、例えば尿
 鑑定書なども、違法捜査との関係が稀釈化され、もしく
 は違法捜査とは独立して収集されたものでない限り、前
 の違法を受け継いでいるといえ、証拠能力は否定される
 と考える。
4、そして、このように違法に得られた証拠が有罪の唯一
 の決め手となるような場合、もはや公訴提起自体が重大
 な瑕疵を帯びているものと評価できるため、「公訴提起
 の手続がその規定に違反した」に準じるものとして、裁
 判所は公訴棄却判決(338条4号類推)を下すべきである
 と考える。
以上
166大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/12 20:18:38 ID:???
コメント
おとり捜査ということで、できるだけ論述を厚くして書きました。
犯意誘発型については本問では不要だと思いましたが、多数の受験生が書いてくるところであると思われたため、いかなる場合が犯意誘発型か機会提供型か、という分類にも触れつつ、論じてみました。
捜査方法の適否という問われ方をしているため、逮捕・押収の違法についても触れておきました。
違法収集証拠排除は少し長すぎた気がします。
文字数的には1900字、4ページの半分くらいです。

よろしくお願いいたします。

問題
>>161
答案
>>162-165
167氏名黙秘:05/01/12 20:39:05 ID:???
>>160
158さんとは別人ですが、ちょっと説明しときますね。

「自働債権と受働債権がともに存在し・・・
これは時的限界の問題で、客観的範囲ではないのだね」

これについてですが、体系的にどこの問題かといえば、既判力はどの範囲に
生じるかに関する争いですから、客観的範囲の問題と考えていいと思いますよ。

ただ、このように考える少数説に対して、両債権が存在したというのは基準自前の
事情であって、そのような事情に既判力を及ぼすのは時的限界の発想に反するの
ではないか?あくまでも、既判力が生じるのは基準時における権利関係ではないのか?
という批判があるわけです。

したがって、このような意味で時的限界の問題が絡んでくる、ということだと思います。

予備校本なんか見るとこのあたりはゴチャゴチャした説明がなされてますが、以上のような
時的限界の観点からの批判の方がスッキリしていて、私もいいと思います。
168氏名黙秘:05/01/12 20:39:19 ID:???
よく書けていると思います。
本番でこれだけ書ければ合格答案だと思います。
169大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/12 23:27:57 ID:???
>>167
なるほど。
確かにいわれてみればそのとおりです。
今までそんな視点があることを知りませんでした。
ありがとうございます。
やはり知識面で不十分な面が多々ありますね。
まだまだ実力不足ですが、よろしくお願いいたします。

>>168
ありがとうございます。
刑訴でAを取れるように、がんばりたいと思います。
170氏名黙秘:05/01/12 23:57:29 ID:???
>>169
158っす。既判力は「口頭弁論終結時、その時点における判断で
それより前にも後にも効力は及ばない」のが時的限界の話
すると、自働債権と受働債権がともに存在(これは口頭弁論終結前の事情)
という点に既判力が及ぶのはおかしいのですね
他方、「相殺により消滅し」に注目すると客観的範囲ともなります
どの事項につき拘束力が及ぶ、ということですから

相殺と二重起訴だけど、何に焦点を当てて厚く書くべきでしょうか?
少し悩んでみてください。ピタリと当てられるなら
ホームラン間違いないでしょう
171氏名黙秘:05/01/13 00:04:03 ID:???
今回の問題ですが
好みの問題でしょうが、
1、甲は、乙に対して覚せい剤購入を促し、覚せい剤を約
 束の場所に持ってきた乙を覚せい剤所持罪の現行犯人(
 212条1項)として逮捕している。
  このような捜査機関の働きかけにより犯罪を摘発する、
 いわゆるおとり捜査にあたる。

について、おとり捜査の概念を出しつつ、あてはめながらコンパクトに記述するといいです
これだと、おとり捜査とは「捜査機関の働きかけにより犯罪を摘発」ですが
刑事訴訟法の本を見ればわかるように、違いますよね?

自分なら
「捜査員甲は、第三者乙に対して、覚せい剤購入という犯罪行為をするように促し
乙がこれに応じて、覚せい剤を約束の場所に持ってきたところ、逮捕、押収におよんでいる
。このようなおとり捜査は認められるか。」
とします。
172氏名黙秘:05/01/13 00:11:49 ID:???
つづいての流れですが
通常であれば、任意捜査にあたる(だから令状も法文も不要)
しかし、相当性という限界がある
という流れです
そして、相当性の判断の中に「必要性」が入ります

だから、受験通説に従えば
「強制処分」を定義して、それに当てはまらない、という流れになります
必要性、許容性があるから強制にわたらない限り認められる、というのは違和感ありますかな

あと、おとり捜査の問題点指摘のところで
「多少なりとも問題が生じる」とありますが
そんな枕詞は不要ですよ
司法の廉潔性、捜査機関の禁反言、被疑者の自己決定権への侵害から
「大問題」なのです。多少も糞もない、と

そんな大問題だから、厳密に「必要不可欠といいうる場合」「悪用されない場合」に限定する
そして、手段の相当性も要求する
という流れになります

最後の規範までのルートに、どうも曖昧というか、ロジックが見えない
もしくは、自力で作り出している点が見受けられます
田口先生やSシリーズなんかをみて、規範までの流れを押さえて欲しいですね
173氏名黙秘:05/01/13 00:18:49 ID:???
あと、合格者の人も大概誤解してるのですが
おとり捜査が違法と判断されたら違法収集証拠は出てこないのが通説です
(反対説は高田卓爾教授と池田修判事)
違法収集証拠とは、証拠禁止の観点からの「審判に出して良い物」の問題ですが
おとり捜査は「そんな国家に手続きを進める権利はない」という問題です
だから、田口教授の言うように「おとり捜査は証拠能力を超えた問題」なのです
書くことは良いですが、もっと、ニ行か三行で
人によっては「証拠排除じゃ救済されない場合があるから手続き打ち切りで」
といいますが、本末転倒といえるでしょう

だから中心は4にあります

なお、犯意誘発型の場合は、国家に処罰権がないから手続きが打ち切られるが
機会提供型で執拗な働きかけにより違法とされるときは、違法収集証拠排除法則による(光藤説)
もありますが、この事案では使えない点に注意してください

174氏名黙秘:05/01/13 00:20:58 ID:???
自分の印象ですが
先ほどいうように、違法なおとり捜査を導くロジックに曖昧さがあること
効果の点に誤りがあること
試験は相対評価であると考えれば
真ん中くらいの答案かな、と
模試であれば24くらいにします
175氏名黙秘:05/01/13 00:26:00 ID:???
論述はこんなものかと思います。合格答案だと思います。

もし加えるならおとり捜査については最高裁判例があるので、
それへの挨拶(最高裁事例は機会提供型の事案であったぐらいかな?)
を加えるぐらいですかね。
判例と異なる結論をとるならそれを意識しないと、論述はいまいちな気
がします。
176大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/13 06:58:27 ID:???
>>170
ありがとうございます。
時的限界については何とか理解できました。
二重起訴にあたるか、という点については、
「相殺の抗弁が実質的に請求としての性質を有すること」
これに焦点を当てるべきだと思います。
そして、そう考えてこそ初めて「訴え」を類推できると思います。
その上で、矛盾判決防止が要請されるのは
当事者の利益のみならず裁判に対する国民の信頼を保護するという側面を有すること
であるため、次にそこを重視して検討する必要があると思われます。

このような考え方でどうでしょうか?
よろしくご教授のほどお願いいたします。


>>138の問題に対し、>>146で答えを書いたのですが
これでよろしいのでしょうか?
177大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/13 07:09:15 ID:???
>>171
うまいです。その問題提起なら、十分コンパクトで、読みやすいです。
ありがとうございます。

>>172
そのとおりでした。
構成段階でどうしようか迷ってしまいました。
知識・経験不足です。
相当性の範囲としてどう考えるか、という問題として考えるべきですよね。
確認しておきました。

それと、違法なおとり捜査が大問題であるということはそのとおりだと思います。
なお、捜査機関の禁反言については初めて耳にしました。
なるほど、そういう利益もあるのか、と納得してしまいました。

>>174
確かに、学説が色々(田宮先生によれば4つ)指摘されていました。
そこから検討するに、証拠排除と公訴棄却を併合して考えるのはおかしいですね。
このようなご指摘がなければ気づかないままでいくところでした。
ありがとうございます。

>>174
確実に、「できたと思ったG答案」だと思われるのですが、ご配慮いただき、ありがとうございます。
これからも一層の精進をしていきたいと思います。
178大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/13 07:10:17 ID:???
上にある最初の>>174>>173の間違いでした。
すみません。

>>175
最近も判例が出ましたが、機会提供型の話で、合法としていたように思います。
具体的な事案は思い出せるのですが、それを別の事案や答案の中でどのように示すか
ここがやはり難しいです。
要するに、私の理解が足りていないということです。
検討していきたいと思います。

以上、正確・適切かつ必要十分なコメント、本当に感謝いたします。
ありがとうございます。
179大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/13 20:34:43 ID:???
今日は、刑訴の2問目を書いてみました。

【刑訴】 平成5年・第2問
 殺人被告事件において、被告人甲・乙両名は、共謀共同正犯として共同審理を受けている。甲が乙と共謀した事実を立証するため、甲に対する関係で乙の供述を証拠として用いるには、どのような方法があるか。それぞれについて問題点を論ぜよ。
180大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/13 20:35:45 ID:???
一、証拠として用いるための要件
1、乙の供述を甲との共謀の事実を立証する証拠として用
 いるためには、いかなる要件を満たす必要があるか。
  この点、317条は証拠裁判主義を規定するが、同条に実
 質的意味を持たせるため、犯罪事実の認定には適式な証
 拠調手続を経た証拠能力ある証拠によらなければならな
 いということを規定していると考える。
  そして、証拠能力が認められるためには、刑罰的事実
 につき厳格な証明(関連性があり、証拠禁止にあたらな
 いこと)が要求されるところ、共謀共同正犯における「
 共謀」は刑罰的事実にあたるため、厳格な証明が要求さ
 れる。
  したがって、甲に対して共謀の事実を立証するために
 は、適式な証拠調手続を経ていること、証拠能力が認め
 られること、という要件を満たす必要がある。
2、乙の供述を甲に対する共謀事実認定の証拠として用い
 る方法は、乙の供述の種類により分類して考える必要が
 ある。
  以下、乙の公判廷での供述を用いる場合と公判廷外で
 の供述を用いる場合とに分けて論ずる。
181大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/13 20:37:06 ID:???
二、公判廷での供述を用いる場合
1、この場合、証拠とする要件との関係で問題となるのは、
 適式な証拠調手続を経たといえるか、という点である。
  ここで、適式な証拠調手続とは、人証においては反対
 尋問(憲法37条2項、法304条)を経ることをいう。これ
 により、供述の正確性が吟味でき、無辜の不処罰(336条)
 を防止できることになる。
  では、乙の公判廷での供述を用いることは、かかる要
 件を満たし、許されるか。
2、まず、乙は甲と共同審理を受けている共同被告人であ
 ることから、乙には証人適格が認められず、手続を分離
 しない限り被告人質問(311条2項)によらなければ供述
 を求めることができない。
  しかし、共同被告人である限り乙には黙秘権(憲法38
 条1項、法311条1項)が保障されているのであり、自己の
 有罪認定を免れるために反対尋問と同視しうる程度に充
 実した被告人質問がなされないおそれが高い。
  そこで、反対尋問権を保障した憲法の趣旨に反するこ
 とを防止すべく、乙が黙秘権を行使せず、実質的に反対
 質問権が効を奏したような場合に限り、適式な証拠調手
 続を経たと評価でき、乙の供述を甲に対する証拠として
 用いることができると考える。
3、次に、乙を証人として尋問すること(143条)が考えら
 れるが、共同被告人のままでは証人適格がないため、証
 人喚問するためには手続を分離する必要がある。
  この場合、乙に対して反対尋問権を行使することがで
 きるのであるから、甲には適正な手続保障が与えられて
 いる。判例も手続を分離すれば、共同被告人の供述を用
 いることができるとしている。
  したがって、手続を分離すれば、乙の供述を証拠とし
 て用いることができると考える。
182大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/13 20:39:01 ID:???
三、公判廷外での供述を用いる場合
1、この場合、証拠として用いることとの関係では、証拠
 能力が認められるか、という点である。
  この点、公判廷外の供述は、検面調書、員面調書とし
 て提出されることになり、これらは反対尋問による供述
 内容の真実性を吟味でないため、伝聞証拠として法律的
 関連性を欠き、証拠能力が認められないのが原則である
 (320条1項)。そこで、甲の同意(326条)がない限り、
 証拠能力が認められず、かかる供述を甲に対する証拠と
 して用いるには、証拠とする必要性が高く、特信情況が
 ある場合を類型的に規定した伝聞例外(321条以下)にあ
 たる必要がある。
2、では、伝聞例外にあたるためにはいかなる要件を満た
 す必要があるか。
  この点、乙も共同「被告人」であることから、322条の
 要件を充足する必要があるとも考えられるが、証言を用
 いられる甲にとってはあくまでも「被告人以外の者」で
 あるため、同条の要件を満たす必要はないと考える。
  したがって、321条1項各号の要件を満たせば、法律的
 関連性が認められ、証拠として用いることができると考
 える。
  ここで、伝聞例外の要件に関して、まず、乙に対して
 証人尋問する必要があるから、まず手続を分離すること
 が必要である。次に、供述不能はおよそ供述を得られな
 い場合を例示したと考えるため、証言拒絶もこれに含ま
 れると解する。
183大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/13 20:39:22 ID:???
四、以上の方法によれば、乙の供述を甲に対する証拠とし
 て用いることができる。
  また、乙は甲に対する関係では「被告人」にはあたら
 ず、被告人に準じて扱う必要はないと考える。そこで、
 補強証拠(憲法38条3項、法319条2項)は不要と解し、引
 っ張り込みの危険は証明力を厳格に判断することにより
 回避すべきであるから、乙のみの供述で共謀の事実を認
 定しうると解する。
以上

コメント
導入部分と伝聞例外のところをどう書いていくか非常に困りました。
文字数的には1900字弱、4ページ目の頭くらいです。
答案構成に10分弱、作成に50分弱の、合計1時間弱かかりました。
時間との関係上、手続分離、補強証拠については、あっさりと流しました。
184大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/13 20:41:20 ID:???
少しながすきな気がします。
1問目と総合すると、もう少し短くまとめる必要があったと思います。
本番でここまで字を書けるか疑問です。

よろしくお願いいたします。

問題
>>179
答案
>>180-183
185氏名黙秘:05/01/13 20:42:58 ID:???
パッと見,問いに正面から答えてないね。
問題が聞いてるのは方法と問題点だよ。
186氏名黙秘:05/01/14 21:51:03 ID:???
一通りのことは書けてますが、少し一貫性に乏しいなという印象を受けました。

例えば、二2では黙秘権に十分配慮しているのに、3では一切触れてませんよね。
判例と同様の結論なので、結論的には問題ないんですが、書き方にもう少し
工夫の余地ありかな、と思います。

また、三1では反対尋問権の保障を伝聞法則の根拠にしていますよね。
でしたら、2の論点の論証でも、反対尋問権の保障という観点も入れて
書く方が説得力があると思います。
そうすることで、二において反対尋問権に配慮された論述がなされている
こととの整合性・一貫性も図りやすいと思いますし。

まとめると、根本原理・対立利益がもう少し浮き彫りになるような答案に
なると、一貫性も出て、もっといいと思います。
187大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/14 22:46:55 ID:???
>>185-186
ありがとうございます。
確かに、出題意図からそれてるような書き方ですし、
公判廷での供述でも、反対尋問件の保障を欠くという視点を出すべきです。
黙秘権を考慮して、証言拒絶権についても触れようかと思ったのですが、
分量が多くなりそうだったので、削ってしまいました。
書き方が難しいところです。

もう一度考え直してみます。
188大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/14 22:47:42 ID:???
今日から、平成11年の問題をやっていこうと思います。
まず、科目順に憲法からです。

【憲法】 平成11年・第1問
 受刑者Aは、刑務所内の処遇改善を訴えたいと考え、その旨の文書を作成して新聞社に投書しようとした。刑務所長は、Aの投書が新聞に掲載されることは刑務所内の秩序維持の上で不相当であると判断して、監獄法第46条第2項に基づき、文書の発信を不許可とした。
 右の事案に含まれる憲法上の問題点について論ぜよ。
189大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/14 22:49:02 ID:???
一、受刑者Aが新聞社に投書しようとした文書の発信を刑
 務所長が不許可とすることは、憲法21条に反さないか。
  同条は、2項前段で検閲の禁止を、1項で表現の自由を、
 2項後段で通信の秘密を規定しているが、刑務所長の処分
 はこれらに触れ許されないか検討する。
二、検閲について
1、検閲とは、行政権が主体となって、思想内容等の表現
 物につき、不適当と認めるものの発表を禁止することを
 目的として、発表前に網羅的一般的に審査する作用をい
 うと考える。これは、明治憲法下で行政権が主体となっ
 て思想統制を行なったという苦い反省に基づくものであ
 り、憲法があえて検閲の禁止を明示した以上、絶対に禁
 止されるものである。
2、この点、本問不許可処分は刑務所長が行なっており、
 行政権が主体となっている。
  そして、新聞社への投書は、個人の思想内容と直結す
 るものではないが、その目的が物の見方、考え方を世間
 一般に公表するという意義を有するため、思想内容等の
 表現物といえる。
  とすると、Aの発表前にこれを禁止しているのだから、
 本件処分は検閲に当たると考える。
3、もっとも、憲法は他方で在監関係の維持・存立を予定
 しており(18条、31条)、在監者は通常の一般国民とは
 異なった制約を免れないといえる。すなわち、在監関係
 の秩序維持・存立のため、行政機関が検閲を行なったと
 しても、それは憲法自体が予定しているものとして、21
 条2項の例外として許容されると考える。
  本件では、刑務所内の秩序維持のため、かかる投書を
 禁じており、検閲の例外として許容しうるから、本件処
 分は21条2項に反さない。
190大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/14 22:50:13 ID:???
三、表現の自由の制約について
1、としても、事前抑制は表現の自由(21条1項)に対する萎
 縮的効果が大きいことから、より制限的でなく行使され
 る必要がある。
  もっとも、在監者にも基本的人権は保障されるが、前
 述のように憲法自体が在監関係の秩序維持と存立を予定
 している。
  そこで、21条1項に反するかどうかは、他の人権との矛
 盾衝突を調整するという13条以外に、かかる憲法の予定し
 た秩序維持の観点から、必要的合理性が認められるか否か
 で決するべきであると考える。
2、この点、本件処分の目的は、刑務所内の秩序維持にあり、
 それを達成するために、投書の禁止をすることが必要的合
 理性を有するかどうかを検討する。
  思うに、逃亡や罪証隠滅等刑務所内の秩序を維持すると
 いう観点から、そのような内容を有する書面の発信を制限
 することは、合理的必要性があるといえる。もっとも、刑
 務所内の処遇改善というもっぱら行政活動に対する批判に
 出た書面は、それが発信され新聞社に投稿されることとな
 っても、刑務所内の秩序維持に影響を及ぼすとはいえない。
 また、表現の自由の本質は、このような国家政治活動に対
 する批判をすることにあるといえ、このような側面におい
 ては最大限尊重される必要がある。
  このように考えると、本件処分は、刑務所内の秩序維持
 という目的達成のために必要的合理性があるとはいえない。
  したがって、刑務所長の処分は表現の自由に対する過度
 な制約といえ、21条1項に反する。
191大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/14 22:50:55 ID:???
四、通信の秘密について
1、検閲と並び、あえて通信の秘密を保障した憲法の趣旨
 から、原則として通信の秘密を侵害することは許されな
 いといえる。
  もっとも、通信の秘密の本質は、通信内容を傍受され
 ないという個人のプライバシー的利益を保護することに
 ある。
  とすると、個人が一般に公開を予定している文書は、
 通信の秘密の対称となる信書とはいえず、通信の秘密の
 保障が及ばないといえる。
2、本件投書は、新聞記事の一部となることを目的として
 おり、一般に公開を予定されている文書である。
  したがって、本件処分は通信の秘密を侵害するもので
 はない。
以上
192大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/14 22:51:44 ID:???
コメント
1500字、3ページ目の半分くらいです。
当てはめにウエイトを置き、検閲、通信の秘密のところは判例の理論を採用し、表現の自由に対する制約としては合理的必要性を欠くとして違憲としました。
刑務所長の裁量権についても触れたかったのですが、長くなりそうだったので、省略しました。

よろしくお願いいたします。

問題
>>188
答案
>>189-191
193氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/01/14 23:26:45 ID:???
>>189
一、については良いと思います

二、検閲について
1、の定義、理由付けは悪くないです。なお、このような流れをみると、セミナー出身だなあ、と感じます(w
ただ、個人的にはここで理由を出すより、次の緩める方で使うのがいいかと
「規範の理由」は、規範を基礎付けると同時に、それの限界を設定する役割も担うのですよ

>2、この点、本問不許可処分は刑務所長が行なっており、
> 行政権が主体となっている。
>  そして、新聞社への投書は、「個人の思想内容と直結す
> るものではないが」、その目的が物の見方、考え方を世間
> 一般に公表するという意義を有するため、思想内容等の
> 表現物といえる。
「」の部分は不要でしょう。書いてあっても何も良いこと無いんですよ
反対利益への配慮でもなければ、アテハメを補強するわけでもない
次数減らせて読み手の意識をそがないために、削って良いでしょう

>  とすると、Aの発表前にこれを禁止しているのだから、
> 本件処分は検閲に当たると考える。
実は、このように書くと、絶対的に禁止されてるんじゃないのか???と思われる
苦い経験でしょうと。ここでいいたいのは「検閲にあたるので、一般国民との関係では絶対的に禁止される」
何だと思います。ならば、それを書くとグーんと良くなります
194氏名黙秘:05/01/14 23:31:18 ID:???
ざっとみた感じですが。

検閲にあたるとするのは危険。しかも例外を認めてる。
例外を許容する芦部説も裁判所による検閲の場合のみ例外を認めている。
ここは検閲に当たらないとあっさり否定するほうがいいです。
ここでGの推定がつきます。

>在監関係の秩序維持と存立
意味不明 存在と自律性の間違い?
>必要的合理性が認められるか否か
厳格な基準でもなく判例の採用する相当の蓋然性説でもない。意味不明。
>通信の秘密
書く必要はないと思います。

論述の筋も悪く内容も不正確です。二問目のできが相当良く
ない限りGになるでは?
大谷さんらしくないですね。
195氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/01/14 23:31:26 ID:???
>>189
3、はこの問題のメインです
簡単に書くともったいないかも

>もっとも、憲法は他方で在監関係の維持・存立を予定
> しており(18条、31条)、在監者は通常の一般国民とは
> 異なった制約を免れないといえる。すなわち、在監関係
> の秩序維持・存立のため、行政機関が検閲を行なったと
> しても、それは憲法自体が予定しているものとして、21
> 条2項の例外として許容されると考える。
>  本件では、刑務所内の秩序維持のため、かかる投書を
> 禁じており、検閲の例外として許容しうるから、本件処
> 分は21条2項に反さない。

在監関係の秩序維持のため、行政機関が検閲を行えるなら
なんで、国家秩序のため出来ないのか。
なんで、国家秩序の維持のためでも出来ない検閲が
「在監関係の維持・存立」だけを理由に、できるというのか
ここをかけるとすごくいい点がつくと思います
理由は判例が丁寧に書いてくれています。
タバコとかよど号とか読んでみてください

一については、そつはないかな、と
196氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/01/14 23:37:47 ID:???
>>194と違い、自分は検閲でも良いかなと思いますが
それは「一般国民(一般権力関係)と在監関係(特別権力関係*1)」という対比においてです
 *1 特別権力関係とは、いわゆるあの理論の話ではないです
  一般国民との対比ということです
普通の定義に従えば、検閲にあたることは避けられない
検閲は嫌というなら、技は2つ。
無理やり検閲から外す
検閲の例外にしてみる。
無理をやってることはいっしょだから
旨く筋が通せれば良いと思います
197氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/01/14 23:41:20 ID:???
>>四の通信については、不要とは思いませんが、どうでしょう
プライバシーだからといって、公開を予定してれば駄目とはいえない
むしろ、公開を予定しているのを止める点を問題とすべき
ここも、検閲と同じく「例外」を認めるのが良いとは思います

なお、検閲と通信については、もっと簡単にして
メインの三でかく部分を稼ぐ必要はあるかなと
198氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/01/14 23:53:09 ID:???
>>190
ここがメインですが、>>194のいうように、少し甘いかなと
> 事前抑制は表現の自由(21条1項)に対する萎
 縮的効果が大きいことから、「より制限的でなく行使され
 る必要がある」
だと簡単すぎる。今回、事前抑制に持ち込んでるので、「北方ジャーナル事件」の筋になる
「よど号」の場合、知る権利に持ち込むので、少し筋が違うのです
>必要的合理性
という基準は>>194の言うようにまずい。判例でも、学説でも、アメリカの判例でも採用されてないのですよ
学者が見ても、裁判官が見ても、これは何だろう、と感じてしまう

違憲審査の場合、怪しいときは、立法(処分)目的と達成手段を判断する規範に逃げましょう

自分なら採用する筋ですが、緩める規範を使わず
「事前抑制はまずいので、目的が重要な政府目的で、達成手段が最小限度である(侵害度最低)こと」
という規範を立てたうえで、アテハメで在監関係の特殊性を生かします
199氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/01/14 23:58:52 ID:???
>>179の刑訴
問題文にあるように、聞かれているのは
「方法」と「問題点(論点)」です
で、仮に全部の方法を網羅して論点ちゃんと書いて
それで4頁40分でいけるなら問題ない
だけど残念ながら、それは無理。方法が多いので、論点ちゃんと書いたら方法を落とすほかない

多くの人は論点を書いて方法を削ると思います
「ブロック答案」ならそうなる他ない。
でも、いい点が欲しいなら方法に重点を置くと良いですね
200氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/01/15 00:06:32 ID:???
>>180の総論は丸々削ると良いです
この内容を問題点で適宜書いていく
元司法試験考査委員もその方法を好むようです
どうしても書きたいならもっともっとコンパクトに

一、共謀共同正犯における「共謀」は刑罰的事実にあたる。
 れる。そこで乙の供述を認定のための証拠に用いるには、
 証拠能力が必要である(317条)
これで十分です。

なお、法定手続きによるのは、証拠からの認定の段階ですから
証拠の許容性とは別です

201大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/15 00:07:46 ID:???
みなさん、ありがとうございます。
今回は、自分独自の考え方を採らせていただきました。
が、危険性が高いということがよくわかりました。

本来の筋では、
検閲にあたるか
   ↓思うに
特殊な例外関係を認めるため、一般国民と同様の保障を受けない
   ↓よって
検閲にあたらない
   ↓また
信書にはあたらず、通信の秘密を侵害するものではない
   ↓次に
表現の自由に含まれる、在監者も人権享有主体たりうる
   ↓そして
表現の自由の優越性、事前抑制の萎縮的効果
在監関係の自律と存立の調和を憲法が予定
   ↓そこで
目的が合理的で、手段が目的達成のため合理的かどうかを厳格に判断する
   ↓この点
目的は在監秩序維持で合理的だが、手段との間に合理的関連性がない
   ↓よって
表現の自由を侵害する

という流れを採用しています。
今回は少し冒険してみました(しすぎました)。
詳細なコメントありがとうございます。
書き直したものを、もう一度アップしてみます。
202大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/15 00:10:13 ID:???
刑訴5年2問目の修正答案
一、証拠として用いるための方法
 乙の供述を甲に対する証拠として用いる方法としては、
乙の公判廷内の供述を用いる場合と、公判廷外の供述を用
いる場合とがある。
 この点、共謀共同正犯において、共謀の事実は犯罪を構
成する事実であるため、厳格な証明(証拠裁判主義、317条
)によらなければ証拠とすることはできない。ここに、厳
格な証明とは、自然的関連性、法律的関連性が認められる
ことをいう。
 そこで、これらの方法を用いた場合、厳格な証明という
要件を満たすか、検討する。
二、公判廷での供述を用いる場合
1、まず、乙が共同被告人のまま供述する場合、公判廷で
 の乙の供述を用いているが、乙は包括的な黙秘権を有す
 るため、これに対して尋問することができず、内容の真
 実性をチェックすることができない。
  この点、320条1項は伝聞証拠について法律的関連性を
 否定し、証拠能力を否定しているものと解する。伝聞証
 拠とは、裁判官の面前で反対尋問を経ない供述証拠をい
 うが、これは知覚・記憶・叙述といった過程に誤りが介入
 するおそれが高く、反対尋問によるチェックを受けなけ
 れば真実性を吟味できず、誤判防止の観点から犯罪認定
 の証拠とすることはできないとするものである。
203大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/15 00:11:47 ID:???
  とすると、被告人が公判廷で供述することについても、
 黙秘権が行使されれば、供述の真実性を吟味できず、伝
 聞証拠と同様の弊害が生じうるといえる。
  この点、判例は被告人質問(311条2項)を行使すれば、
 反対尋問と同様の結果を導くとして、共同被告人の供述
 に証拠能力を認めているが、黙秘権を行使すれば反対質
 問も効を奏さないのであり、妥当な結論とはいいがたい。
  したがって、乙が黙秘権を行使せず、実質的に反対質
 問権が効を奏したような場合に限り、証拠能力が肯定で
 き、乙の供述を甲に対する証拠として用いることができ
 ると考える。
3、次に、乙を証人として尋問すること(143条)が考えら
 れるが、共同被告人のままでは証人適格がないため、証
 人喚問するためには手続を分離する必要がある。
  この場合、乙に対して反対尋問権を行使することがで
 きるのであるから、甲には適正な手続保障が与えられて
 いる。また、証言拒絶権(146条)は黙秘権のように包括的
 に保障されているものではなく、反対尋問も十分効を奏
 しうると考える。判例も手続を分離すれば、共同被告人
 の供述を用いることができるとしている。
  なお、乙が証言拒絶権を行使すれば、乙に対して有罪
 の推定が及ぶとして、この場合も限定的な場面において
 のみ証人尋問しうるとする見解もあるが、手続が分離さ
 れている以上、証人としての供述は自己の公判手続に影
 響を与えることもないと考えるため、自説のように考え
 るべきである。
  したがって、手続を分離すれば、乙の供述を証拠とし
 て用いることができると考える。
204大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/15 00:14:35 ID:???
三、公判廷外での供述を用いる場合
1、ここで、公判廷外の供述は、検面調書、員面調書とし
 て提出されることになり、これらは反対尋問による供述
 内容の真実性を吟味でないため、伝聞証拠として法律的
 関連性を欠き、証拠能力が認められないのが原則である
 (320条1項)。そこで、甲の同意(326条)がない限り、
 証拠能力が認められず、かかる供述を甲に対する証拠と
 して用いるには、証拠とする必要性が高く、特信情況が
 ある場合を類型的に規定した伝聞例外(321条以下)にあ
 たる必要がある。
(以下は最初の答案と同じように書くので、省略します。)
四、以上の方法によれば、乙の供述を甲に対する証拠とし
 て用いることができる。
以上
205氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/01/15 00:29:12 ID:???
>>181
1については全部削って良いです。
点になる事が書いてない
乙が公判廷で供述する場合、出てくる証拠は「供述証拠」しかあり得ない(そりゃそうだけどね)
供述証拠を得る方法は、被告人質問と証人尋問しかない
そしてそれぞれの問題点を書けばいいのです

2、まず、乙は共同被告人であることから、被告人質問(311条2項)
 により、供述をえることが出来る。しかし、知覚、記憶、叙述とい
 う過程をたどる供述証拠は、各過程に誤りが混入するおそれがある
 ので、反対質問による吟味を経なければ、類型的に事実認定を誤ら
 せるおそれがある。
  そこで、共同被告人が黙秘権(憲法38条1項、法311条1項)行使し
 せず、実質的に反対問権が効を奏したような場合に限り、乙の供述
 拠に法的関連性がみとめられ、証拠として用いることができると考える。

3は大きな論点をまるごと落としてます。どうせなら簡単に触れましょう
206194:05/01/15 00:35:39 ID:???
>201
その筋で十分合格点になると思います。

論点で判例・有力説以外を書くと、判例・有力説を踏まえて
かかないと大幅減点になることが多いと思います。

冒険はあてはめでやるのがよいかと・・・
207氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/01/15 00:43:50 ID:???
>>204
うーんと202は色々書いてるけど
セミナーの人だ、ってわかる筋だね
個人的にはちょっと厚すぎかと。
なぜかというと、公判廷外はすごく色々かける
さらに、共犯者の自白という論点まである
すると、書ける事が限られるんですよ
これだけ厚くかけば、どうしたって方法を削るほかない
>公判廷外の供述は、検面調書、員面調書として提出されることになり
とありますが、そんなことない
証人丙さんが「乙が「○○」といってましたよ」でも出てくる
伝聞供述ですね。
さらに、テープで出てくることもあり得る
伝聞なのか、非伝聞なのか、供述証拠か、非供述証拠か、が問題になるね
継ぎ足すと証人丙の検面調書の中に「丙:乙は○○といっていた」とある場合もある(再伝聞)

さらには、弾劾証拠で出てくる可能性すらある
乙が共謀の事実を否定したので、おらーって出てくる
これも、共謀事実の立証のため、乙の証明力を減殺しようと(まあ、自分なら書きません)

で、もう一個一大論点として、共犯者の自白に補強証拠は要らないのか?というのもある
208大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/15 01:04:22 ID:???
>>207
確かに調書以外もありますね。
口述で聞かれたら、そのとおりです、としか言いようがないです。
メインになってるのは調書だ、という程度の記述にとどめた方がよかったですね。
ありがとうございます。
弾劾証拠や補強証拠は、あえて削りました。
出題意図から外れるかな?と思いましたので。
みなさんは、この問題が出たら弾劾証拠、補強証拠まで書かれますか?

>>205
全部は削れなかったので、コンパクトにまとめてみました。
その上で、公判廷での供述部分に修正を加えました。

今から憲法の修正をアップしてみます。

みなさん、本当にありがとうございます。
209大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/15 01:06:02 ID:???
憲法修正答案

一、受刑者Aが新聞社に投書しようとした文書の発信を刑
 務所長が不許可とすることは、憲法21条に反さないか。
  同条は、2項前段で検閲の禁止・通信の秘密を、1項で表
 現の自由を規定しているが、刑務所長の処分はこれらに
 触れ許されないか検討する。
二、検閲について
1、検閲とは、行政権が主体となって、思想内容等の表現
 物につき、不適当と認めるものの発表を禁止することを
 目的として、発表前に網羅的一般的に審査する作用をい
 うと考える。
2、この点、本問不許可処分は刑務所長という行政権が主
 体となって、Aの思想内容等を記述した書面を対象とし、
 この投書を禁じている。
  とすると、検閲にあたるようにも思えるが、憲法が在
 監関係の存立と自律を予定している(18条、31条等)こ
 とから、在監者は一般国民と異なる制約を受けるのはや
 むをえないといえる。
  そして、刑務所内の秩序維持という目的のために、刑
 務所長が投書の内容を審査することは憲法上当然に予定
 されており、在監者がこれを受任しなければならないと
 することには合理性が認められる。
  したがって、本件処分は21条2項に反さない。
三、通信の秘密について
1、検閲と並び、あえて通信の秘密を保障した憲法の趣旨
 から、通信の秘密を侵害することは許されないといえる。
  もっとも、通信の秘密の対象は、個人が個人に当てて
 出す信書であり、本件のような新聞社への投書は通信の
 秘密の対象とならないと解する。
2、したがって、本件処分は通信の秘密を侵害せず、21条
 2項後段に反さない。
210大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/15 01:08:04 ID:???
四、表現の自由の制約について
1、在監者といえども日本国民であり、人権享有主体性が
 認められる。そして、21条1項は表現の自由を保障する
 が、在監者の表現行為もゆえなく妨げられてはならない
 といえる。
  この点、新聞社への投書は、Aの表現行為にあたり、
 21条1項により保障される。
2、もっとも、表現の自由も絶対無制約なものではなく、
 他者加害を防止するという公共の福祉(13条)による制約
 を受ける。
  ただ、表現の自由が自己実現・自己統治の価値を有し、
 人権規定の中でも優越的地位を占めることに鑑みると、
 かかる行為の制限は原則として認めるべきでないといえ
 る。
  また、本件処分は表現発表に先立ってなされるもので
 あり、事前抑制にあたるから、表現活動を萎縮させるお
 それが高く、より制限的に行使される必要がある。
  他方、憲法が在監関係の存立と自律を予定しているこ
 とに鑑みると、一般国民とは異なった目的(在監秩序の
 維持等)による制約も許容されるべきである。
  そこで、表現の自由の価値と在監関係の存立と自律と
 の調和の見地より、他者加害防止、在監秩序の維持等と
 いった重要な目的に基づき、目的と手段との間に実質的
 関連性が認められる場合に、表現の自由の制約は許容さ
 れると考えるべきである。
211大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/15 01:08:33 ID:???
3、本件処分は、受刑者に対する矯正教化を図り、逃亡等
 を防止し、もって刑務所内の秩序維持を目的としている
 ものと解されるため、重要な目的に基づくものといえる。
  もっとも、刑務所内の処遇改善を訴える投書を認めた
 ところで、刑務所内の秩序を破壊するとは考えられない。
 また、投書の相手が新聞社であることに鑑みると、逃亡
 等のおそれも低く、処遇改善を訴えることを認めても受
 刑者Aの矯正教化の妨げにはならないといえる。
  そうすると、本件処分の目的は重要といえるが、手段
 との間に実質的関連性が認められず、表現の自由に対す
 る制約として許容されないといえる。
4、よって、刑務所長の処分は表現の自由に対する過度な
 制約といえ、21条1項に反する。
以上
212氏名黙秘:05/01/15 01:11:44 ID:???
>>208
自分なら弾劾証拠は書かないかな
ただ、公判廷外のは、色々書きます
あと、共犯者の自白の論点も

実は、元試験委員の解説で、そこら辺を聞きたいような
そんな問題じゃないか、というのがあったのですよ
213氏名黙秘:05/01/15 01:11:49 ID:???
検閲展開しすぎ。
214大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/15 01:12:20 ID:???
修正後

刑訴5年2問目
>>202-204

憲法11年2問目
>>209-211

よろしくお願いいたします。

あと、私はセミナーよりもLECと仲がよいです。
今回アップしてあるものは、六法と問題だけ見て、その場で1時間以内に書き上げたものです。
雑になっている部分や抜けている部分も多くあるのに、これだけ丁寧にコメントしていただけて
本当に感謝感激です。
ありがとうございます。
215大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/15 01:15:55 ID:???
>>213
検閲はだいぶ削ったのですが、まだ多いみたいです。

そうすると、定義を省いたほうがいいでしょうか?

それとも、当てはめ部分で

「この点、本件処分は検閲に当たるようにも思えるが、
在監者の場合は一般市民とは異なった制約を受けうるため
例外的に検閲に当たらないと解する。」

くらいにおさめるのがよいでしょうか?
216氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/01/15 01:20:41 ID:???
>>213のように、もう少し短く
といっても、これ以上何を、ともおもえる
だから、定義とアテハメを同時に行う手法がいいと
おとり捜査で使った技です

 本文では、@刑務所長(行政権)がAAの思想内容
等を記述した書面(表現物)につきB不適当と認め、
投書(発表)を禁止することを目的にC投書前に網羅
的一般的に審査しているので、検閲にあたると考える。

なお、検閲概念で切るよきは。Cが使えるかなと
217氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/01/15 01:27:18 ID:???
>>215
それは危険。やるなら先に事前抑制で、一般市民とこんなに違うんだ
という展開を経る必要はあるかと
むしろ、自分なら、ここで、ある程度、在監関係の特殊性を一生懸命論じます
事前抑制は、ここで論じたことを「前述」で引っ張る

検閲とするのに、例外として保障が及ばないとするなら
その理由は説得的である必要がある
だからこそ、判例は検閲概念を厳格にして逃げてるともいえます

その意味で、検閲にあたらないとしちゃう(大多数の受験生ならそうすると思います)
のが安全といえば安全
218大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/15 02:01:22 ID:???
>>216-217
ありがとうございます。
もう一度検討してみます。

C投書前に網羅的一般的に審査しているので

ここで切るのっていうのはどうやるのでしょうか?
不適当な部分を削除しているだけに過ぎないとするのでしょうか?
よろしくご教授いただけたらと思います。
219例えば、憲法12年2問目:05/01/15 03:15:12 ID:vn6OJKhP
憲法なんかで、よく「○と×を対比しつつ論ぜよ」なんて問題がありますよね。
○と×を別々に並べて論じて、最後にまとめで対比の視点を少しだけ書いて
終わり、みたいな答案多いですよね。参考答案にしても、優秀答案にしても。
あんな形式でいいんですかね?
○を中心に論じて、×との対比もその都度入れていくってのが、「対比しつつ
論ぜよ」には忠実だと思うんですけど、どなたか意見ある方教えてください。
220氏名黙秘:05/01/15 11:44:28 ID:ilnJnrmz
>>219
そのとおりと思う

ただ、時間内にまとめるには参考答案みたいなやり方が無難なのも確か
論証ブロックも使えるしね
大多数の人が採るやり方なら、間違いも間違いじゃなくなるのが
相対評価の試験の特徴だから、割り切るのも一つの手です
221大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/15 20:06:05 ID:???
>>219
対比問題は視点を見つけるのが大変ですよね。
私は、視点がわからなければ、単純に一つ一つ比較していっています。

さて、今日は憲法の2問目を書いてみました。(長いです)
222大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/15 20:06:44 ID:???
【憲法】 平成11年・第2問
 X市は、住民の静穏な生活環境を良好に保持するために、次のような趣旨の条例を制定した。この条例の憲法上の問題点について論ぜよ。
1.X市の一定の区域内でパチンコ店を営業しようとする者は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)の許可のほかに、あらかじめ市長の同意を得なければならない。
2.市長の不同意に不服がある者は、裁判所に訴えを提起する前に、X市の設置する、市長及び議会から独立して職権を行使する不服裁定機関の裁定を受けなければならない。
223大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/15 20:08:06 ID:???
一、本問条例において憲法上問題となるのは、営業の自由
 に対する侵害しないか、法律の定める許可条件を条例で
 加重することは許されるか、不服がある者に不服裁定機
 関の裁定を強制することは許されるか、という3点であ
 る。
  以下、それぞれについて、検討する。
二、営業の自由に対する侵害について
1、憲法は、営業の自由について直接規定していないが、
 選択した職業を遂行する自由として22条1項により保障
 されると解する。
  もっとも、営業の自由といえども絶対無制約なもので
 はなく、公共の福祉(13条、22条1項)による制約を受け
 る。
  そして、経済的自由権の規制については、立法府の政
 策的配慮を尊重する必要が高く、原則として当該規制に
 合憲の推定が及ぶ。ただ、消極目的に基づく規制につい
 ては、裁判所は十分な判断能力を有することから、厳格
 な審査基準として厳格な合理性の基準が妥当すると解す
 る。
2、これを本問条例についてみると、条例の規制目的は、
 住民の静穏な生活環境を良好に保持することにあり、住
 民の環境権ないし静穏な生活権を保護することを目的と
 しているため、消極目的による規制であるといえる。
  そこで、厳格な合理性の基準を用いるに、上記条例の
 目的は住民の生活環境を維持するものであり、重要とい
 える。
  そして、パチンコ店を営業することにより、騒音や住
 民の浪費を招くことは高度な蓋然性をもって推認できる
 事実であり、これについて適正な配置や規模、条件を審
 査するため許可制を設けることは、目的達成のために実
 質的関連性を有するといえる。
  したがって、本問条例は22条1項に反さない。
224大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/15 20:09:56 ID:???
三、法律の条件を条例で加重することについて
1、地方公共団体は、「法律の範囲内で」条例を制定する
 ことができるとされている(94条)。そこで、本問条例
 は「法律の範囲内」とはいえず、94条に反するのではな
 いかが問題となる。
2、前提として、本問のような規制を条例ですることが許
 されるか、条例制定権の範囲を明らかにしておく必要が
 ある。
  思うに、地方公共団体に条例制定件が与えられた趣旨
 は、住民自治・団体自治といった「地方自治の本旨」(92
 条)を達成するため、地方公共団体の運営権を実効化す
 ることにある。
  そして、条例を制定できる範囲は、当該地方住民の利
 害に関わるものや、地方公共団体の事務処理に関する事
 項に及ぶと解する。
  とすると、住民の生活環境を保持するために条例を制
 定することも許されると考える。
3、ただ、条例制定権の範囲内であっても、全国民の代表
 (43条)により構成される国会の判断を地方公共団体が
 尊重すべきであることは当然といえる。そこで、94条は、
 条例制定権の範囲を「法律の範囲内」に限定したものと
 解する。
  では、いかなる場合が法律の範囲内として許容される
 か。
  この点、地方公共団体に条例制定権を付与した趣旨か
 ら、条例制定権を実質的に奪うような解釈は妥当でなく、
 広く条例が認められる方向で考えるのが、憲法の理念に
 沿うものといえる。
225大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/15 20:11:28 ID:???
  そこで、条例と法律が矛盾抵触するかについては、単
 に規制文言や対象事項など形式的な対比によるべきでな
 く、法律と条例の趣旨・目的・効果などを実質的に比較
 していくことにより、後者が前者と矛盾定職関係にある
 かどうかを決するべきと考える。
  具体的には、条例が法律より重い規制基準を定める場
 合にあっては、両者が異なる目的の場合、法律がそれ以
 外の目的による規制を許さない趣旨でなく、条例を制定
 することにより法律の効果を阻害しないかどうかを検討
 する必要がある。
4、ここで、風営法は風俗営業の適正を図り、もって国民
 の善良な風俗を維持するということを目的としており、
 本問条例が住民の生活環境を保護することを目的として
 いることから、両者は異なる目的に出た規制であると考
 える。
  そして、風営法はあくまでも善良な風俗の維持を目的
 とするものであり、生活環境を保護するため別に規定を
 設けることを許さない趣旨とはいえないし、条例によっ
 て許可要件を加重しても善良な風俗を維持することにつ
 ながることはあってもこれを阻害することはないといえ
 る。
  したがって、本問条例は風営法に抵触するものでなく、
 「法律の範囲内」にあるといえ、94条に反さないと解す
 る。
226大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/15 20:12:21 ID:???
四、不服裁定機関の裁定を強制することについて
1、76条1項は、司法権をすべて裁判所に帰属せしめ、2項
 は特別裁判所の設置を禁止している。
  これは、司法権を裁判所に専属せしめることにより、
 恣意的な判断により国民の権利・自由を害することがな
 いように配慮する趣旨である。
  そして、特別裁判所とは、裁判所の体系外に位置し、
 特定の事件や当事者について裁判ないし裁定する機関を
 いう。
  そこで、不服裁定機関は特別裁判所として、76条2項に
 反さないか問題となる。
2、この点、不服裁定機関の判断が最終判断とされる場合
 には、市長や議会から独立した地位を有するとしても、
 恣意的な判断を招くおそれがあるため、特別裁判所とし
 て認められないと解する。
  ただ、前審として裁判を行うにすぎず、通常裁判所へ
 の不服申立を許す制度である場合、地方公共団体が自ら
 誤りを是正する手段を残すことには合理性が認められる
 し、最終的な判断権は裁判所に与えられている以上、恣
 意的判断による権利・自由の侵害を防止しうる。
  したがって、本問機関を設けることは、76条2項に反さ
 ないと解する。
以上
227大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/15 20:15:37 ID:???
コメント
2100字、4ページ目の半分くらいです。
営業の自由についてはもう少し削ったほうがいいかと思いました。
条例制定権の範囲はもう少しコンパクトにしたいところです。
「法律の範囲内」は「具体的には・・・」以下を削っていきなり当てはめてもよいかなとも思いました。
特別裁判所の設置については、時間がなければ、前審としてなら許されるとあっさり流していくと思います。
判例を意識しつつ、丁寧に論じて当てはめてみました。


よろしくお願いいたします。

問題
>>222
答案
>>223-226
228氏名黙秘:05/01/15 20:17:29 ID:???
君さ,こんな分量の答案を現場で書けるはずないじゃん。
メリハリをつけようという意識をもたないと。
229大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/15 20:39:18 ID:???
>>228
こんな答案だと時間なくなりますよね。
短くした答案も作りました。

よろしくお願いします。
230大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/15 20:40:15 ID:???
一、本問条例において憲法上問題となるのは、営業の自由
 を侵害しないか、法律の定める許可条件を条例で加重す
 ることは許されるか、不服裁定機関の裁定を設置するこ
 とは許されるか、という3点である。
  以下、それぞれについて、検討する。
二、営業の自由に対する侵害について
1、営業の自由は22条1項により保障されるが、公共の福祉
 (13条、22条1項)による制約を受ける。
  そして、立法府の裁量を尊重する観点から、環境権維持
 という目的とパチンコ店設置という手段との間に合理性が
 ないとは明らかにいえず、本問制約は公共の福祉による制
 約として許容されると考える。
2、したがって、本問条例は22条1項に反さない。
三、法律の条件を条例で加重することについて
1、地方公共団体は、「法律の範囲内で」条例を制定するこ
 とができるとされている(94条)。そこで、本問条例は「
 法律の範囲内」とはいえず、94条に反するのではないかが
 問題となる。
2、この点、住民の生活環境を保持するために条例を制定す
 ることも条例制定権の範囲に含まれると解する。
  そして、法律の範囲内といえるかどうかは、法律と条例
 の間に実質的な矛盾・抵触関係があるかどうかを検討する
 必要がある。
231大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/15 20:41:25 ID:???
3、ここで、風営法は風俗営業の適正を図り、条例は住民
 の生活環境を保護することを目的としており、両者は異
 なる目的に基づく。
  そして、風営法は生活環境を保護するため別に規定を
 設けることを許さない趣旨とはいえないし、条例によっ
 て許可要件を加重しても風俗営業の適正を阻害すること
 はないといえる。
  したがって、本問条例は風営法に抵触するものでなく、
 「法律の範囲内」にあるといえ、94条に反さないと解す
 る。
四、不服裁定機関の裁定を強制することについて
1、76条2項は特別裁判所の設置を禁止している。
 そこで、不服裁定機関は特別裁判所として、76条2項に反
 さないか問題となるが、最終的な決定権限を有さない前
 審であれば特別裁判所にあたらないと解する。
2、本問機関は、裁判所への不服申立を許さない趣旨では
 なく、特別裁判所にはあたらず、76条2項に反さない。
以上
232大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/15 20:42:00 ID:???
問題
>>222

長い答案
>>223-226

短い答案
>>230-231
233氏名黙秘:05/01/15 21:29:13 ID:???
まず
2、これを本問条例についてみると、条例の規制目的は、
 住民の静穏な生活環境を良好に保持することにあり、住
 民の環境権ないし静穏な生活権を保護することを目的と
 しているため、消極目的による規制であるといえる。

ここは積極目的じゃないの?
害悪発生防止とは違う気がする

4、ここで、風営法は風俗営業の適正を図り、もって国民
 の善良な風俗を維持するということを目的としており、
 本問条例が住民の生活環境を保護することを目的として
 いることから、両者は異なる目的に出た規制であると考
 える。

ここは同一目的じゃないの?
両方とも環境の保護でしょ?
234氏名黙秘:05/01/15 21:34:51 ID:???
長い答案だと長すぎる
短い答案だと不十分
長い答案ベースに話すね

二(営業の自由)は長いね
統治の問題なんだから、人権は書くとしても最小限にとどめる
ここは短い答案くらいの分量で十分だと思う

三(法律の範囲内)はよくかけていると思う
ただ、同一目的なのか?というのは疑問に思った
まあ、消極目的と認定したなら、奏せざるを得ないかな?

四(特別裁判所)は長い
もう少し短くして、裁判を受ける権利にも触れられるとよかった
235東京 ◆asHRtOTOD2 :05/01/15 22:58:42 ID:???
aa
236氏名黙秘:05/01/15 23:51:48 ID:???
三で目的は事実認定の問題なのでどっちでもいいと思う。
あてはめはよく書けてると思います。
四はこんなものかな〜
ただ、確かに裁判を受ける権利が書いた方がいいと思います。
統治はなるだけ多く条文触れた方が無難なことが多い。

無難な答案だと思います。
237氏名黙秘:05/01/16 00:25:33 ID:???
>四、不服裁定機関の裁定を強制することについて
>1、76条2項は特別裁判所の設置を禁止している。
 >そこで、不服裁定機関は特別裁判所として、76条2項に反
 >さないか問題となるが、最終的な決定権限を有さない前
 >審であれば特別裁判所にあたらないと解する。
>2、本問機関は、裁判所への不服申立を許さない趣旨では
 >なく、特別裁判所にはあたらず、76条2項に反さない。

1.なぜ最終的な決定権限を有しない前審であれば特別裁判所にあたらないのか、説明ほすぃ
2.問題文の事実をもうちょっと使った方がいいと思うが。
238氏名黙秘:05/01/16 00:28:46 ID:???
というより,特別裁判所なんか問題にしなくていいでしょ。
それより司法権の帰属を定めた76条1項に反しないか方が問題。
239氏名黙秘:05/01/16 00:31:11 ID:???
>>238
俺もそう思う。
必要性と許容性から書ければ、十分じゃないか?
裁判を受ける権利を書くのはいいが、この問題では自爆する香具師が多発すると思うから、
そこまで書かんでも十分守れるハズ
240氏名黙秘:05/01/16 01:02:30 ID:???
この問題は何を書けばいいか見解が分かれるね。
241氏名黙秘:05/01/16 10:52:19 ID:???
戸波タン曰く、
経済的自由→即二分論は間違い。
242氏名黙秘:05/01/16 12:16:22 ID:???
>>241
そりゃトナーミの説だから。通説とは違う。
243氏名黙秘:05/01/16 13:22:09 ID:???
>>242
いや、判例が二分論を捨ててるわけですが。
というか、常に二分論になるとは限らないというか。
244氏名黙秘:05/01/16 13:30:33 ID:???
判例の評価は分かれる。
つーかそもそもこの問題は営業の自由はメインじゃないんだがな。
二分論がどうのこうのなんか書いてる場合じゃない。
245氏名黙秘:05/01/16 15:05:36 ID:???
砺波じゃないが、二重の基準から即二分論がまちがい
その間に
制限される権利の内容、性質、制限の程度、目的、手段、などを考慮し判断すべき。
といれるべき
二分論を採用する判例を良く読んでみてな。
246氏名黙秘:05/01/16 15:08:43 ID:???
だからそんなことを書いてる余裕のある問題じゃないし。
別に判例で書かなくたっていいだろうが。二分論が学説上は通説なんだから。
247氏名黙秘:05/01/16 15:12:45 ID:???
財産権の種類、性質
規制の目的、
必要性、
規制の内容、
規制の程度

学説上通説というが、酒税法事件などについては如何に?
敢えて判例に逆らうメリットもなし。
248氏名黙秘:05/01/16 15:18:02 ID:???
判例に従わなきゃいけないわけじゃないし。この問題は財産権の問題ではないし。
判例に従うと答案が無駄に長くなるというデメリットがある。
249氏名黙秘:05/01/16 15:19:13 ID:???
問題についてはそうだけど、
判例に従うと長くなるかといえばそうでもないよ。
250氏名黙秘:05/01/16 15:24:47 ID:???
経済的自由に関する問題
憲法採点委員陣がいう、点の低い答案の例

人権カタログ→精神的自由より下位
→公権力による規制おk
経済的自由だから二分論
→本問は○○目的だから○○の基準
→したがって合憲/違憲

趣旨や具体的説明が全くなく最悪とのこと。
多分新司法では救い様がないでしょう。
251氏名黙秘:05/01/16 15:28:51 ID:???
採点委員陣って誰なのか,みんなに聞いて回ったのか謎だけどな。
二重の基準や二分論の論拠を十分説明してあれば大丈夫です。
252氏名黙秘:05/01/16 15:32:56 ID:???
何で積極目的だと○○で
何で消極目的だと○○で
本問はどうして○○目的に当たるのか。
これを説明すると結局判例に舞い戻る。
そして舞い戻ればどっちか判然としない
事例の場合でも十分に対応できる。
253氏名黙秘:05/01/16 15:46:54 ID:???
今回の問題は度外視での話


受験生みんなが経済的自由権、目的二分論だから、それで書いても減点じゃない
でも、試験委員がいやがる流れなのは確か。あれは単なる「公共の福祉論」
規制する側の都合だけを考える片手落ちの議論なんだよね
本試験の一問目なら、予備校の模試と違い、十分論じる余裕はある
単に規制目的から基準を立てず、規制の様態、権利の内容に踏み込むことこそ
アテハメ重視なんだけどさ
254氏名黙秘:05/01/16 15:52:06 ID:???
芦部説が二分論なんだからそれでいいんだよ。
民法で我妻説で書いても何の問題もないのと同じ。
たしかに批判されているところかもしれないけど,
受験レベルでは何の問題もなし。
あてはめは基準の後にやればいい。
255氏名黙秘:05/01/16 15:55:02 ID:???
現行司法試験では問題ない。
新司法でも現行組が流れてるうちは
そちらが多数だからそれで問題ない。
だけど、自分がそこで甘んじている必要はないのでは?
特にロー経由は現行経由より上だということを
証明するためにも、きちんとした基準を立てて
あてはめられるレベルに到達する必要がある。
256氏名黙秘:05/01/16 15:57:58 ID:???
とゆうか、わざわざ採点者が嫌う流れを採用する
理由がわからない
いいけどね。
257氏名黙秘:05/01/16 15:59:58 ID:???
採点者が嫌うかどうかは不明だし。
単に二分論に批判的な学者がいるというだけで。
だいたい憲法学者なんかみんな言ってること違うし。
258氏名黙秘:05/01/16 16:02:26 ID:???
例えば,二重の基準の根拠は,
芦部,戸波,佐藤幸治,浦部・・・全員違う。見事に違う。
たとえ試験委員だろうと,特定の学者が言ったことは別に普遍性があるわけじゃない。
259氏名黙秘:05/01/16 16:03:35 ID:???
二分論は学会では通説。
別にそれを争ってるわけじゃない。
だけど、どのように積極/消極をわけるのか。
そこを無視していきなり二分論で積極だとか言っても
全く意味のないはなし。それは通説の誤った理解によるもの。
それに事案を無視したような基準を立てて、
実務家採点官の評価が高くなるわけが無い。
そんなことは常識。

結局>>250のような答案は平均ではあるけど、
高い評価がつくようなものではない。
他の論点部分で加点されて、
結果高くなる人がいないわけではないにしても。
260氏名黙秘:05/01/16 16:08:01 ID:???
積極か消極かの区別をしっかりあてはめなきゃいけないのは当然だろ。
しかし通説によれば,目的だけで区別できるなら制約の程度等までは考慮しなくていい。
事案については基準のあとに十分考慮すればそれで足りる。
261氏名黙秘:05/01/16 16:37:04 ID:???
そう?
積極目的ならまず合憲だし
消極目的ならまず違憲になる
よほど特殊事情がないかぎりね
そこが批判されてるところで
アテハメでなんとかなるんじゃ、何のための基準かわからんよ
262氏名黙秘:05/01/16 16:57:43 ID:???
それを言ったら,基準を立てるときに諸般の事情を考慮するんじゃ
あてはめの先取りで基準になってないという批判も成り立つ。
どっちもどっちなわけ。
263氏名黙秘:05/01/16 17:07:43 ID:???
違う
基準を立てるとき
権利の「一般的な」内容、性質や
規制手段の持つ一般的効果も考慮に入れる
規制する側、される側の一般的要素も考慮するのは
結論先取りではない

目的二分論を貫徹すれば
不合理な結論を選ぶか
目的で結論を先取りするか
無理な認定をするか
になる

だから芦部だって二分論を捨ててるのだがな
264氏名黙秘:05/01/16 17:09:33 ID:???
>>263
んなこと言ってもな。こじつけで批判に反論しようとすればいくらでもできる。
芦部は二分論を捨ててない。自分に都合のいい読み方をされても。
265大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/16 19:43:23 ID:???
二重の基準については、色々と問題があるみたいですね。
私は人権問題ではできる限り実質的に考えて違憲審査基準を導くようにしたいと思っています。
でも、それがまた難しいんです。
自己満足答案だけは避けたいところです。

さて、今日は民法を書いてみました。
266大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/16 19:45:38 ID:???
【民法】 平成11年・第1問
 Aは、工作機械メーカーのBとの間で、平成10年1月10日、
「Bは、Aに対し、同年5月31日までに、Aの工場専用の工作
機械を製作してAの工場に設置して引き渡す」「代金(設置費
用の実費200万円を含む。)は800万円とし、Aは、Bに対し、
契約締結日に内金300万円の支払をし、工作機械の引渡しの日の
翌月末日に残代金500万円の支払をする」との約定で契約を締結
し、代金の内金300万円の支払をした。なお、工作機械を設置す
るには、Aが工場を事前に改造する必要がある。
 Bは、同年4月30日に工作機械を完成したため、その旨を直ち
にAに連絡して工場の改造を求め、その後も度々改造を求めたけ
れども、Aが一向に工場の改造に取り掛からないため、工作機械
を設置することができないまま、同年5月31日が経過した。
 なお、Bは、金融業者から工作機械の製作費用として300万円を
借り、同年5月31日までの利息として20万円の支払をした。
 Bは、Aに対し、契約を解除する旨の意思表示をし、損害賠償と
して代金相当額800万円及び金融業者に対する利息金相当額20万円の
合計820万円の支払を請求した。これに対し、Aは、その解除及び損
害賠償額を争っている。
 まず、Bの契約解除が認められるかどうかについて論じた上で、
仮に契約解除が認められるとした場合のAB間の法律関係について
論ぜよ。
267大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/16 19:46:56 ID:???
一、解除の可否について
1、AはBとの間で、Bが工作機械を製作して工場に設置
 するとの契約を締結している。かかる契約の法的性質は、
 実質的に考えると請負契約(632条)というより、売買契
 約(555条)といえる。
  では、Bの側からの債務不履行解除(541条)が認めら
 れるか検討する。
2、この点、Aの債務の履行期は、Bが目的物を引渡した
 翌月末日であるため、Aは債務不履行に陥っていない。
  したがって、Bは債務不履行解除できないようにも思
 える。
  しかし、Bは機械を製作したにもかかわらずいつまで
 たっても支払いを受けることができず、Bの保護として
 妥当でない。
  そこで、Bを保護する法的構成を考える必要がある。
3、まず、Bは内金として300万円を受領しているため、こ
 れを手付け契約(557条)と解して、Aに対してば倍額の
 600万円を提供して契約を解除することが考えられるが、
 これではBの損失が大きく妥当でない。
3、次に、AがBの履行を拒んでいることから、受領遅滞
 (413条)に基づき解除できないか、受領遅滞の法的性質
 が問題となる。
  思うに、受領は債権者の権利であり義務ではなく、同
 条は債務不履行責任を定めたものではなく、債権者に特
 別の法定責任を課したものと考える(法定責任説)。
  とすると、受領遅滞の効果として、債務者に保管責任
 の軽減・履行遅滞を免れるという効果のみが生じ、解除
 権は当然には発生しないと考える。
  したがって、受領遅滞に基づく解除は認められない。
268大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/16 19:48:53 ID:???
4、では、信義則(1条2項)上、Aに受領義務を認め、こ
 れを怠ったことを理由に解除できないか。
  思うに、債務の履行に債権者の協力を必要とする場合、
 公平の観点から債権者に履行に協力する義務が信義則上
 生じると考えるのが妥当である。
  そして、本問においては、Aが工場を改造しなければ
 Bの履行義務が果たされない以上、AにはBの履行に協
 力する義務が生じると考える。
  そこで、かかる受領義務を怠ったことを理由に、Bは
 債務不履行解除をなしうると考える。
二、AB間の法律関係について
1、このようにBに解除が認められるとして、Aに対して
 いかなる請求をなしうるか。BはAに対して損害賠償請
 求をなしうるが(545条3項)、その損害賠償の範囲が問
 題となる。
2、この点、解除の法的性質は、契約関係を遡及的に消滅
 させることにある(直接効果説)。そして、公平の観点
 から損害賠償の範囲は、解除時において現に損害を受け
 た範囲に限られると考える。
3、そこで、Bの請求する800万円について、Bは工作物を
 設置する費用として200万円を免れているのだから、その
 部分は控除すべきである。そうすると、Bの損害は製作
 費用としての600万円にとどまるといえる。
  また、Bはすでに300万円の支払いを受けており、これ
 についてAから相殺の抗弁を対抗されうる(505条1項)。
  したがって、BはAに対して300万円の請求をなしうる。
4、次に、利息部分の20万円について請求できるか問題とな
 るが、Aが受領したとしてもBは当然に20万円を支払うべ
 きものであったのだから、これについては請求できないと
 考える。
269大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/16 19:49:42 ID:???
  したがって、BはAに対して解除の日から、法定利息(4
 04条)として年5分の割合に基づく損害賠償を請求しうるに
 過ぎず(545条2項)、20万円の請求はなしえない。
5、以上より、BはAに対して300万円及び利息の請求をなし
 うるにとどまる。
以上

コメント
メイン論点だけを拾い、事案に対して必要最小限のことのみ述べました。
最初の契約の性質については、どこかで見たことがあったので書いてみましたが、
これにより結論に影響が生じるとは思えないので、書く必要はなかったのではない
か、疑問です。
また、手付け契約については、16年度の本試験を思い出し、念のため触れておきま
したが、書く必要はあまりないかと思います。
文字数的には1400字、3ページ目の半分くらいです。
270大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/16 19:51:28 ID:???
よろしくお願いいたします。

問題
>>266
答案
>>267-269

あと、よろしければ憲法の長い答案と短い答案の
いずれのほうが好きかという点について、
よろしければご教授いただけたらと思います。
よろしくお願いいたします。
271大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/16 19:52:32 ID:???
忘れてました。すみません。

憲法平成11年2問目

問題
>>222

長い答案
>>223-226

短い答案
>>230-231
です。
272氏名黙秘:05/01/16 20:25:26 ID:???
@信義則上の受領義務の認定があまい。
A専用しかも高価な機械なので他の者への売却ができないとか
書いた方がいいと思いました。

A損害賠償の額の算定基準があいまい。
直接効果説からなぜこの損害賠償の基準がでてくるか不明。また、
>損害賠償の範囲は解除時において現に損害を受けた範囲に限られる
という基準自体もよく分からない。
直接効果説からだと契約がもとからなかった状態になるのだから報酬
は請求できないという筋になるのでは?

本問では解除における損害賠償(545V)は履行利益にも及ぶこ
とを指摘して報酬債権相当額の損害賠償は請求できるとした方がい
いと思います。
20万円は特別事情による損害(416)として請求できるかを
検討した方がいいと思いました。
273大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/16 23:23:40 ID:???
>A専用しかも高価な機械なので他の者への売却ができないとか

これいいですね。
短くて説得力すごいあります。

解除の効果については、すっかり知識が抜けてました。
うまくぼかしたつもりだったのですが、あらが目立ったみたいです。
ご指摘のところ、注意して検討しておきます。

いいご指摘、本当にありがとうございます。

あと、答練での文字数を数えてみたのですが、
1ページあたりに600文字。
大体1通3ページ程度、2通あわせて3600〜4200文字くらい書いてました。
本試験は答案構成に時間がかかるし、今回の民法は極力骨だけを書いたつもりです。
もう少し解除の効果を肉付けして、手付けを削って、1500字くらいがちょうどいいくらいでしょうか。
難しいです。
274氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/01/17 00:21:00 ID:???
ちょっと主観入れます
解除についてですが
手付は不要でしょう
受領遅滞の法的性質も論点化せず2行でかまわないと思います

例外的に受領義務を認める場合ですが
(1)は信義則でみとめる。答案の見解ですね
ここでは、契約類型一般において、通常人であれば期待される行為を基準に
法が義務を課す、というものです

もう一個は(2)契約から直接導いてしまうやり方です
これは当事者の合理的意思を探求するやり方です
個人的にはこの方法が非常にいいと思います
むろん、本文には「受領義務」を肯定する条項はありません
「現実に訴訟に挙がる事案だって、受領義務はない」でしょう。あれば勝負ありですから
裁判所は「諸般の事情を考慮して」「当事者は受領義務の存在を合意しているか」認定することになります
正に、事情のフル活用です

そこでは、(1)A専用(2)高価な機械なので他の者への売却ができない
(3)工場を改造することを前提に契約をしている
などあります。ならば、いちいち信義則を介さないでも
「おまえら、そういう約束してるんじゃねえのか?」でいけるかと
実務家ならばまず最初に頭に思い浮かびますから

そして、受領義務の懈怠ですが
(1)それを帰責事由にするのもありですが
(2)受領拒否した段階で受領とみなすという手もあります
(2)の方が効果が穏やかなんで、良いかもしれないですよ
受領義務は付随的義務ですからね
275氏名黙秘:05/01/17 01:03:40 ID:???
その意見には反対。契約の内容になっているというやり方はまずいと思う。
なぜか。そう言ってしまうと受領遅滞が問題となる場面のほとんどを契約で説明できてしまい,
受領遅滞の論点がいらなくなってしまう。
理論的にも,契約の解除は本来的義務違反でなければできないのが原則。
契約の内容になっているといってみたって本来的義務違反ではないから,どうせ直ちに解除には結びつかない。
当事者の合理的意思というのを広げていけば何でもできてしまって民法がいらなくなってしまう。
受領遅滞が典型的に問題になる事案なのだから,しっかり書いてよいです。
276氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/01/17 01:22:51 ID:???
>>275
逆説的に言うと、受領遅滞が問題となる場面のほとんどは
本来は契約で説明できるのではないか?という立場も強い
直ちに解除には結びつくともいわない
ただ、何らかのサンクションはある

あと、当事者の合理的意思というのを広げれば何でもでき、民法がいらなくなるわけではない

まず、どうやっても当事者の意思はない場合はある
さらに、当事者の意思解釈の基準として民法も働く
また、その限界としても民法の規定は大事になる

当事者の意思が任意規定に絶対的に優先するというのは、もう古典的議論になりつつある
とある元最高裁判事が「契約において大事なのは、なによりも当事者の意思の探求である」という
277氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/01/17 01:24:28 ID:???
ま、自分は信義則でも当事者の意思に還元するやり方も
結局は同じことになるので、拘らなくてもいいかとは思います
受領遅滞を「法定責任説か債務不履行説か」で大雑把に切る方が
「詰まらん奴だなあ」と思われるでしょう
278氏名黙秘:05/01/17 01:33:51 ID:???
>>275
率直な疑問。

>なぜか。そう言ってしまうと受領遅滞が問題となる場面のほとんどを契約で説明できてしまい,
>受領遅滞の論点がいらなくなってしまう。
これは別に受領義務を契約内容に取り込む説を批判することにはならないと思う。

>契約の内容になっているといってみたって本来的義務違反ではないから,どうせ直ちに解除には結びつかない。
これは信儀則を根拠にする説でも同じでは?


両説の違いは、前者は契約内容を外部から事後的・客観的に確定するのに対して、
後者は契約当事者の契約当時の意思を規範的に解釈していくというアプローチの違いで、
結論においては大差ない気がする。

279氏名黙秘:05/01/17 01:38:59 ID:???
>>278
そう、結論からはね
まあ、基礎理論はだいぶ違うから、色々応用は効くと思う
例えば、一昨年判決が出たサブリースや自動地代更新条項なんかも
合意にせまるアプローチもありうるのではないかなあ
280氏名黙秘:05/01/17 01:42:32 ID:???
つまるとかつまらないとかいう問題ではないんだが。

債務不履行責任説なら,本来的義務違反だから最も明快な説明になる。
だから,受領遅滞を論じる実益は十分ある。まずはこっちをしっかり書くべき。

というか契約の解釈というより,黙示の特約を認定できるかということであって,
当事者の合理的意思解釈とはちょっと違う気がするけどな。
281氏名黙秘:05/01/17 01:45:39 ID:???
>>280
でも、判例、通説じゃないでしょ?
書いてもいいとは思うけどね
筋道として、債務不履行説で終わらせるのも手

なお、黙示の特約を認定できるかと
ということこそ、当事者の合理的意思解釈でしょう

まあ、伝統的な立場でも良い
自分がいうような近時の立場でも良いとは思いますよ
282氏名黙秘:05/01/17 01:48:24 ID:???
百選によると,債務不履行責任説が近時の多数説だと。
だからやはり受領遅滞の論点をしっかり書いて,
その後黙示の特約なり信義則なり書くべきでしょう。
283氏名黙秘:05/01/17 01:51:45 ID:???
まあ、司法試験委員を呼んでこないと出ない答えだから
どっちでもいいでしょうね
284氏名黙秘:05/01/17 02:06:03 ID:???
話を戻すと,二 以降は法律論になってない。
設置費用200万は,損害にならないというより損益相殺。これは解釈上のもの。
20万円は,事実的因果関係がないというべき。
ちゃんと要件論にのせて書きましょう。
あと設置した機械の所有権の帰属についても書いた方がいい。422条か。これは損害賠償と関連するから。
285氏名黙秘:05/01/17 02:06:37 ID:???
設置した→設置すべきだった
286氏名黙秘:05/01/17 02:08:40 ID:???
あと,前段で,債務不履行解除なら,催告と相当期間の要件も必要。
せめて催告は問題文にあるからちゃんと書くべき。
287大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/17 02:30:43 ID:???
>>284-286
すみません。
問題文の事情を読み落としてました。
あと、422は気づきませんでした。
ありがとうございました。

>>274-283
色々検討していただいてありがとうございます。
分量が多いので、明日にでもチェックしてみます。
ありがとうございました。
288大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/17 21:15:08 ID:???
今日は民法2問目を書いてみました。
よろしくお願いします。

【民法】 平成11年・第2問
 民法の規定によれば,@詐欺による意思表示は取り消すことが
できるとされている(第96条第1項)のに対し,法律行為の要素
に錯誤がある意思表示は無効とするとされており(第95条本文),
A第三者が詐欺を行った場合においては相手方がその事実を知っ
ていたときに限り意思表示を取り消すことができるとされている
(第96条第2項)のに対し,要素の錯誤による意思表示の無効の
場合には同様の規定がないし,B詐欺による意思表示の取消しは
善意の第三者に対抗することができないとされている(第96条第
3項)のに対し,要素の錯誤による意思表示の無効の場合には同
様の規定がない。
 「詐欺による意思表示」と「要素の錯誤のある意思表示」との
右のような規定上の違いは,どのような考え方に基づいて生じた
ものと解することができるかを説明せよ。その上で,そのような
考え方を採った場合に生じ得る解釈論上の問題点(例えば,動機
の錯誤,二重効,主張者)について論ぜよ。
289大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/17 21:16:19 ID:???
一、詐欺と錯誤の違いについて
1、詐欺(96条1項)とは、相手方の欺罔行為により、錯誤に
 陥り、取引行為をすることをいう。
  要素の錯誤(95条)とは、意思表示の内心的効果意思と
 表示に不一致があり、かかる不一致に気づいていれば意
 思表示をしなかったであろうという場合をいう。
2、両者は、錯誤がありそれに基づいて意思表示がなされ
 ている点、表意者保護のため一定の場合に取消、無効の
 主張を認めている点では共通する。
  しかし、前者は内心的効果意思と表示との間に不一致
 はなく、取引行為において必要な表示と内心の一致とい
 う要件を満たしているのに対し、後者ではこれを満たし
 ていないという本質的な違いがある。
  そのため、詐欺と要素の錯誤とでは、法律上の効果に
 違いが生じている。
二、民法上の規定の違いについて
1、まず、@詐欺による意思表示は取り消すことができる
 とされているが(96条1項)、要素の錯誤に基づく意思表
 示は無効とされている(95条本文)。
  これは、詐欺の場合、取引行為として一応有効な要件
 を満たしているため、取り消しという手続を待って無効
 とされるのに対し、錯誤の場合、取引行為として有効な
 要件を満たしていない以上、無効とすることが意思主義
 (176条)を採用する民法の建前から妥当と解されるため
 である。
290大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/17 21:17:42 ID:???
2、次に、A第三者の詐欺においては相手方が詐欺の事実
 を知っていた場合においてのみ取り消すことができるが
 (96条2項)、要素の錯誤の場合そのような規定がない。
  これは、詐欺の場合、一応取引として有効である以上、
 相手方の取引安全を図る必要があるが、錯誤無効の場合
 は取引として有効な要件を満たしていないため、当初よ
 り無効であるという違いに基づく。
3、さらに、B詐欺取消は善意の第三者に対抗できないが
 (96条3項)、錯誤無効についてはこのような規定はない。
  これは、詐欺取消においては一応取引として有効であ
 るため、詐欺取消の遡及効の影響を受ける第三者を保護
 する必要があるが、錯誤無効では当初より取引が無効で
 ある以上、このような規定がおかれていないという違い
 に基づく。
三、解釈論上の問題点について
1、このように詐欺による意思表示と要素の錯誤による意
 思表示は、内心と表示の不一致があるかという点から、
 前者が一応有効な取引であるということに対し、後者は
 無効であるということに本質的な違いがある。
2、では、動機に錯誤がある場合、錯誤無効を主張できる
 か。
  この点、動機に錯誤がある場合、内心と表示には不一
 致はなく、本来的な錯誤とは異なるため、錯誤無効の主
 張はなしえないとも思える。
  しかし、錯誤の大半が動機の錯誤であることに鑑み、
 表意者保護という観点から動機に錯誤がある場合でも一
 定の場合には錯誤無効の主張を認める必要がある。
  ただ、これを無制限に認めると相手方に不測の損害を
 生ぜしめるおそれがあることから、動機が明示または黙
 示に表示され、要素に錯誤がある場合にのみ無効主張を
 なしうると考える。
291大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/17 21:18:55 ID:???
3、次に、詐欺も相手方の欺罔行為に基づく錯誤があるこ
 とから、意思表示に錯誤と重なり合う場合がある。そこ
 で、両者が重なり合う場合、いずれを主張しうるか、二
 重効の場合の処理が問題となる。
  この点、錯誤無効の場合、当初より無効であることか
 らもはや取り消す余地はないとも思える。
  しかし、いずれの規定も本質的には表意者保護のため
 の制度であり、取消も取引を遡及的に無効とするもので
 あるから、いずれか一方に限る必要はない。
  そこで、表意者は選択的に取消、無効を主張しうると
 考える。
4、また、詐欺取消においては、取引として一応有効であ
 り、最も利害関係を有する表意者に主張を認める必要が
 ある。
  他方、錯誤無効においては当初より取引が無効である
 のだから、誰からも無効主張を認めてもよいとも思える。
  しかし、錯誤無効が表意者保護という制度であること
 に鑑みると、詐欺取消と同様に主張権者を表意者に限る
 のが、瑕疵ある意思表示をした表意者の意思を尊重する
 観点から妥当であると考える。
5、このように、民法上両者は異なる規定が設けられてい
 るが、表意者保護という観点から、解釈上両者は近接し
 ているといえる。
以上

コメント
1800字弱、3ページ程度です。
なるべく取引として成立しているかという違いと、表意者保護という共通点を示すように心がけました。
ともかく、書きにくかったです。
錯誤無効の第三者を96条3項類推で保護されるかという点にも触れたかったのですが、きかれているところではないと判断しました。
292大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/17 21:19:41 ID:???
よろしくお願いいたします。

問題
>>288
答案
>>289-291
293氏名黙秘:05/01/17 22:35:19 ID:???
錯誤無効は意思表示理論の帰結という原則をもっとしっかり意識したほうがよいのでは?そのうえで表意者保護という「機能」があるから詐欺に近づくと。特に後半の錯誤無効は表意者保護を本質とするという表現はヤバイと思う。
294氏名黙秘:05/01/17 23:14:31 ID:???
一と二を分けて書いてるけどほとんど問題文を書き直しただけで
内容がないです。
293氏のいうとおり意思表示理論をしっかり明示しないと
点数になりません。問題文提示の三つの事例を別々に検討
する必要なんてありません。それ以前のもっと基本的な理論
を聞いている問題です。

本問では、詐欺の方が要保護性が高いのになぜ取消なのか
という問題であることを指摘しつつ、
動機→内心的効果意思→表示
という民法が採用した意思表示理論を明示して、詐欺は内心
的効果意思以前の問題だから取消等の効果に留めたことを
指摘すれば済む話です。
ごちゃごちゃ書いていてぼやけています。

本問前段はそれだけ書いて切り上げる問題です。
そういった意味で一問目と二問目の字数が配分がかなり
おかしいと思いました。二問目は40分くらいであっさ
り書く問題だと思います。
295大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/18 19:23:35 ID:???
>>293-294
確かに、問いに答えていないです。
完全に自分の世界に引っ張り込んでしまいました。
こういう答案がGつくんでしょう、と思いました。
ご指摘の点を踏まえて、もう一度書いてみようと思います。
ありがとうございました。

今日は、商法の1問目を書いてみました。
よろしくお願いいたします。
296大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/18 19:24:41 ID:???
【商法】 平成11年・第1問
 株式会社の株主総会と有限会社の社員総会とではどのような違いがあるか、そのような違いはどのような理由によるものであるかを論ぜよ。
297大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/18 19:25:46 ID:???

1、株主総会とは、株式会社の実質的所有者たる株主によ
 って構成され、株式会社の基本的意思決定をなす必要的
 機関をいう(商法(以下「商」とする)230条の10)。
  社員総会とは、有限会社の所有者たる株主によって構
 成され、有限会社の業務執行に関する意思決定をなす必
 要的機関をいう(有限会社法(以下「有」とする)35条
 以下)。
2、両者は会社の所有者たる株主により構成され、会社の
 方針について意思決定をなす点で共通する。
  また、原則として取締役により招集され(商231条、有
 35条)、株主が1株につき1議決権を有する点で共通する(
 商241条、有39条)。
3、両者は、会社の(実質的)所有者によって構成されるの
 であるから、本来、会社経営に関与してしかるべきである。
  この点、社員総会では権限の制限が規定されていないの
 に対し、株式会社においては会社の基本的または重要な事
 項についての議決権しか認められていない(245条等)。
  これは、株式会社が大規模公開会社を予定しているのに
 対し、有限会社は小規模閉鎖会社を予定しているという両
 者の本質的違いに基づく。
298大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/18 19:26:50 ID:???

1、株式会社においては、株主は相当多数に上り、また社
 員の個性が重視されず、構成員の変動も原則として自由
 とされている(商204条1項本文)ことから、会社経営に
 対して意思も能力もなく、自己の利潤追求を目的とする
 株主が多数存在する。そして、株主は出資額の限度で責
 任を負うに過ぎず(200条1項)、会社に対する責任は大
 きくない。
  そのため、かかる株主全員が経営に参加することは、
 技術的に困難であり、迅速性が要求される商取引におい
 てはむしろ弊害となるし、十分合理的な判断をなしえな
 い可能性があり、会社財産を流出させ会社債権者を害す
 るおそれもある。
2、そこで、会社経営の迅速化、合理化という観点から、
 所有と経営の分離がなされており(商254条参照)、会社
 経営の実質的意思決定は取締役会(商260条)に委ねられ
 ており、株主総会は基本的重要事項についてのみ意思決
 定なしうるとされているのである。

1、他方、有限会社においては、小規模閉鎖会社を予定し
 ていることから、株主総会とは異なった配慮が要求され
 る。
  すなわち、有限会社においては、社員の持分譲渡につ
 き社員総会の同意を要するとしており(有19条2項)、構
 成員の個性をある程度重視している(閉鎖性)。
  また、社員の人数も最大で50人であり(有8条)、比較
 的小規模な会社が当初から予定されている(小規模性)。
299大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/18 19:27:43 ID:???
  そのため、間接有限責任を負う(17条)とはいっても、
 各社員がより密接な関係を有していることから、一応経
 営を取締役に委ねているものの(有26条)、会社経営に
 対して無関心とはいえず、合理的な経営を期待しうる側
 面が大きく、会社債権者を害するおそれも小さい。
  また、小規模ゆえに社員総会において意思決定するこ
 とはさほど煩雑とはいえず、迅速な意思決定が不可能と
 はいえない。
2、そのため、有限会社においては、社員総会が経営につ
 いての実質的決定権を有するとしても、それは株式会社
 に比して迅速性・合理性の要求を妨げるおそれが小さい
 といえ、会社の意思決定について特に規定が設けられて
 いないのであると考える。
四、このように、会社経営に迅速性・合理性が要求される
 ため、株式会社においては、大規模公開会社が予定され
 ているがゆえに株主総会の権限は基本的・重要的事項に
 限られるのに対し、有限会社においては、小規模閉鎖会
 社が予定されているがゆえに社員総会の権限は制限され
 ていないと説明することができる。
以上
300大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/18 19:30:06 ID:???
コメント
1400字で3ページ目の半分くらいです。
共通点はいっぱい見つかったのですが、相違点となると根本的な違いしか思いつきませんでした。
ともかく、所有と経営の分離=迅速性・合理性というキーワードから離れないように論じました(難しかったです)。

よろしくお願いいたします。
301氏名黙秘:05/01/18 19:36:54 ID:???
>>297
有限会社なのに「株主」という表現は良くないと思う。
302氏名黙秘:05/01/18 19:43:50 ID:???
つか今さら有限会社なんて勉強するなよw
303大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/18 20:19:37 ID:???
>>301
ああ、すみません。
気づきませんでした。
うっかりやってしまいました。
こういうの、本試験でやると、かなり印象悪いですよね。

>>302
有限会社、出ないと思いますよね。
でも、改正前だからもしかすると出るかもしれないと思うと怖いです。
一応条文だけは引けるようにしておきたいと思います。
答案書いてて少しむなしかったのは事実です。
304氏名黙秘:05/01/18 21:54:14 ID:???
概ね書けていると思います。
本番の評価はもう一問の出来次第だと思います。
欲をいえば、社員総会は最高かつ万能機関だが株主総会は万能
でない、という教科書的フレーズや昭和25年改正にも触れた
方がいいなと思いました。

305大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/18 23:58:19 ID:???
>>304
ありがとうございます。
25年改正って、知りませんでした。
勉強しておきます。

あと、忘れていたので、追加します。
ごめんなさい。
問題
>>296
答案
>>297-299
306大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/19 19:19:04 ID:???
今日は商法2問目を書いてみました。

【商法】 平成11年・第2問
 甲は、乙から購入した商品の売買代金の支払のために、乙に対して約束手形を振り出したが、この売買契約は、乙の詐欺によるものであった。丙は、その事情を知りながら、乙から手形の裏書譲渡を受けた。その後、甲は、乙の詐欺を理由に、満期前に売買契約を取り消した。
1 丙が、満期に甲に対して手形金の支払請求をした場合、この請求は認められるか。
2 甲の取消前に、丙が、事情を知らない丁にこの手形を裏書譲渡し、その後、取消前に、丙が丁から裏書譲渡を受けた場合において、丙が、満期に甲に対して手形金の支払請求をした場合はどうか。
307大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/19 19:20:10 ID:???
一、小問1について
1、丙の手形金請求が認められるためには、@形式的資格
 を備えていること(77条1項1号、17条但書)、A実質的
 資格を備えていること、B振出人甲から人的抗弁(77条
 1項1号、17条但書)を対抗されないこと、を満たす必要
 がある。
2、まず、@について検討するに、本問手形は外見上有効
 な手形であり、丙は甲・乙・丙と裏書の連続している手
 形を所持している。
  したがって、@形式的資格の要件は満たす。
3、次に、Aについて検討する。
 この点、甲は乙との原因行為たる売買契約を取り消して
 おり、これが手形行為にも影響を及ぼせば手形も無効と
 なり、丙は実質的資格を有さないことになるであろう。
  しかし、手形は原因関係とは無関係に振り出されるも
 のであり、原因行為が取り消されたとしても手形行為に
 影響は生じない(無因性)。
  そこで、甲が原因行為を取り消したことは、受取人乙
 に対する人的抗弁とはなるにすぎず、手形自体の効力に
 は影響を及ぼさないと考える。
  したがって、丙が乙より有効な手形の裏書を受けてい
 る以上、丙は実質的資格を有するといえる。
308大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/19 19:21:24 ID:???
4、では、Bの要件を満たすか。
  この点、前述のように原因関係の取消は乙に対する人
 的抗弁となるが、これを丙に対しても主張できるか、17
 条の趣旨と関わり問題となる。
  思うに、手形も債権である以上、抗弁は承継されるが、
 手形取引の安全を図り流通を確保する観点から、政策的
 に人的抗弁は原則として切断されることを17条は定めて
 いる。ただ、取引安全を図る必要のない者、すなわち「
 債務者ヲ害スルコトヲ知リテ」(害意)手形を取得した
 者に対しては、例外的に抗弁は切断されないとしている
 (同条但書)。
  そして、ここにいう「害意」とは、所持人が取得時に、
 満期において振出人が所持人の直接の前者に対して抗弁
 を主張し支払を拒むことが確実であるとの認識を有して
 いた場合をいうと考える。
  けだし、取引安全を図るという趣旨からは取得時の主
 観を問題とすべきであるし、振出人が抗弁を主張するの
 は満期であり、また、取引安全・流通を確保する点から害
 意は客観的に明白でなくてはならず、確実であるとの認
 識を要求することが「害スルコトヲ知リテ」との文言に
 も合致するからである。
  そこで、丙に「害意」があるか検討するに、丙は取得
 時に乙の詐欺を知っており、甲が詐欺の事実を知れば乙
 に対して支払を拒むのが通常であることから、それにつ
 き確実との認識を有していたといえる。
  したがって、丙に「害意」が認められる。
5、よって、丙は77条1項1号、17条但書により、甲から詐
 欺取消の抗弁を対抗され、丙の請求は認められない。
309大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/19 19:22:22 ID:???
二、小問2について
1、丙は事情を知らない丁に手形を裏書譲渡した後、丁よ
 り戻裏書を受けている。
  この点、丁は詐欺の事実につき善意であったのだから、
 丁のもとで人的抗弁は切断されることになる。
  とすると、丙は人的抗弁の付着していないきれいな手
 形を取得したといえ、甲から人的抗弁を対抗されないよ
 うにも思える。
  しかし、丙は一度人的抗弁を対抗されうる地位にあっ
 たのにもかかわらず、丁を解することにより従前より有
 利な地位に立つことになり、あまりに丙の保護に傾きす
 ぎ、このような結論は妥当でない。
2、思うに、人的抗弁は手形自体に付着するものではなく、
 17条但書が害意ある人を政策的に保護しないことを定め
 たものであることに鑑み、その人は政策的に保護に値し
 ないとして、人的抗弁は人に付着すると考えるべきであ
 る。そして、このように人的抗弁を人に付着したものと
 考える以上、一度善意の第三者を介入させたとしても、
 人的抗弁の対抗を受けると考えるべきである。
3、この点、丙は小問1より甲より人的抗弁を対抗される
 地位にあったのだから、丁を介入させたとしても依然人
 的抗弁の対抗を受けるといえる。
  したがって、丙は甲より人的抗弁の対抗を受け、やは
 り手形金請求できないと考える。
以上
310大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/19 19:23:00 ID:???
コメント1600字弱、3ページぐらいです。
河本フォーミュラは、あの理由付けでよかったのか疑問です。
全体的に丁寧に論述してみましたが、形式的資格については不要だったかもしれません。

よろしくお願いいたします。

問題
>>306
答案
>>307-309
311氏名黙秘:05/01/19 23:45:06 ID:???
>>303
この問題、焼きなおすとすれば公開会社と閉鎖会社の株主総会の差異かも
勉強しておいて損はないと思います

>>307
@Aの要件はもっとコンパクトでいいと思います
自分なら前出ししないで、いきなり要件検討します
好みといえばそれまでですが

この問題は、問1で通説でいくなら問2では属人性説を取れない
両者で矛盾しないように答えられるかな?を一番見ると思う
書いた人間がどうかはわからないけど
どうも、矛盾してるように読める
すなわち
 手形も債権である以上、抗弁は承継される(民法の原則)が
 政策的に人的抗弁は原則として切断される(承継説?)
よく読みきれないけど、人的抗弁は当事者間の人的関係から生じるのだ
と言ってるのではないのはわかる。つまり、属人性説じゃないな、と
手形債権は無因かつ抽象的だから、原因関係の問題が手形債権に影響するわけない
と、考えてないのはわかる。
属人性説じゃないから、承継説か、この人独自の見解(G)のどっちかだと

ところが、問2では
 人的抗弁は手形自体に付着するものではなく(あら、実は属人性説?)、
 17条但書が害意ある人を政策的に保護しないことを定めたものである(おや?じゃあ、抗弁は承継されるものでないのだな)
 その人は政策的に保護に値しないとして、人的抗弁は人に付着する(ほう、属人性説か)
ときてる

 個人的にはGかなと
312氏名黙秘:05/01/20 00:05:56 ID:???
@形式的資格を備えていること(77条1項1号、17条但書)、
A実質的資格を備えていること、
B振出人甲から人的抗弁(77条1項1号、17条但書)を対抗されないこと、を満たす必要がある。

よく予備校答案で見かけるこの前出しは間違い。
なぜなら、形式的資格を欠いても実質的権利を証明すれば権利行使はできるから。
形式的資格は権利推定にすぎず、権利行使の要件ではないのだ。

あと、実質的資格という言葉はたぶんない。
313氏名黙秘:05/01/20 03:07:06 ID:???
小問1と小問2は別に矛盾じゃない。
戻裏書の通説はこの説だからこれで書くのが無難。
抗弁の理解がおかしいからそんな疑問がでるだけ。

ただ戻裏書の法的性質が復活なのか再取得なのかは一言述べたほう
がいいと思いました。
そういった意味で中ぐらいの答案。
314氏名黙秘:05/01/20 03:12:57 ID:???
>312
同意。
やはり発生、移転、行使、抗弁の順で考える方が無難かと。
315氏名黙秘:05/01/20 03:17:25 ID:???
>>313
まあ戻裏書のときだけ属人性を持ち出すのはおかしいと批判されるところだけどな。
通説書いて論理矛盾ってことはないだろう。
316氏名黙秘:05/01/20 03:22:09 ID:???
3、次に、Aについて検討する。
 この点、甲は乙との原因行為たる売買契約を取り消して
 おり、これが手形行為にも影響を及ぼせば手形も無効と
 なり、

とあるが、手形が無効となるという説はない。
有因論は、権利移転行為に影響を与えるというに過ぎないから。
理解もしてないのに反対説書いて減点食らわないように注意。
317氏名黙秘:05/01/20 08:44:05 ID:???
>>313、315
通説は属人性を持ち出すわけではないよ
それなのに属人性そのものを持ち出すような書き方をして
通説だ、と思い込むのが怖い。この問題もこの泥船を狙ったのだし
318氏名黙秘:05/01/20 12:07:33 ID:???
>>317
田辺によると、戻裏書に限って属人性を唱えるのではなく、これを一貫すべきである、
と通説を批判してるけどな。
君の言ってることがよく分からんのだが。
319氏名黙秘:05/01/20 15:02:56 ID:???
この問題って
戻裏書を受けた人に対して抗弁を主張できないことは不都合
っていう価値観はみな一致してる。
で不都合性を修正する方法として
@抗弁は人に付着すると考える
A権利復活説を採用
のいずれかを採用するのが今までの考え方。
これらを批判して新たな学説が数々主張されているが
どれもぱっとしない・・・という状況。

司法試験は別に学説オタクを評価するテストで無いのでいわゆる通説
を淡々と書いていれば合格点がつくよ。下手に通説批判して受験生一
人説書いた日にはそれこそGになる。
学者の一人説を正確に再現するのは非常に難しいしね。
320大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/20 18:58:10 ID:???
すごいレスがついてます。
ありがとうございます。

まず
>>312
形式的資格があれば権利推定が及ぶので、ここは不要だと思いました。
そして、手形行為自体が詐欺取消された場合、物的抗弁と考える見解があることから
ここで有因論を持ち出して述べてしまうのは理解をうかがわせると思いました。
余計なことを書いてしまいました。
ご指摘ありがとうございます。

>>311-319
ここの論証はえんしゅう本に載っていたものだったことに気づきました。
そこで、自分なりに調べてみたのですが
1、弥永・民事裁判例解説を読んでみても、判例は属人性説を採用すると批判が多かったです
2、百選の解説にはこの場合の処理を人に付着する抗弁と処理するのがベターのようなことが書いてありました

抗弁切断により請求できるとしてしまうのは、結論の妥当性・判例との調和を考えると怖いです。
そこで、抗弁は承継されるが、一度生じた抗弁はその人の下にとどまると解するのが妥当ではないかと思いました。
学者の本を読んでみてもよくわかりませんでした。

貴重な問題意識をいただき、本当にありがとうございます。
321大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/20 20:04:31 ID:???
今日は刑法を書いてみました。

【刑法】 平成11年・第1問
 甲と乙は、乙の発案により、路上で通行人を恐喝して
金を取ることを計画し、ある夜、これを実行に移すこと
にした。予定の場所に先に来た甲は、約束の時間を過ぎ
ても乙が現れないため、いらいらしていたが、そこに身
なりの良いAが通り掛かったので、計画を実行すること
にし、Aに近づいて「金を出せ。」と脅した。Aが逃げ
ようとしたため、気の短い甲は、いっそAを気絶させた
方が手っ取り早いと考え、携帯していたナイフの柄の部
分で背後からAの頭を力任せに殴った。そこに現れた乙
は、それまでのすべての事情を了解し、甲と一緒に、意
識を失いぐったりしたAの懐中から金品を奪った。乙が
一足先に立ち去った後、甲は、Aの様子がおかしいこと
に気付き、息をしていないように見えたことから既に死
亡しているものと誤信し、犯行の発覚を防ぐため、Aの
身体を近くの山林まで運び、茂みの中にそのまま放置し
た。Aは、頭部に受けた傷害のため数時間後に死亡した。
 甲及び乙の罪責を論ぜよ(特別法違反の点は除く)。
322大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/20 20:06:57 ID:???
一、甲の罪責について
1、甲は、恐喝の意思でAを脅しているため、恐喝罪(24
 9条1項)の実行の着手が認められるが、恐喝により財物
 を奪えなかったため未遂(250条)が成立するにとどま
 る。
2、次に、甲はナイフの柄でAを思い切り殴るという暴行
 により、失神させるという反抗抑圧状態を作った上で、
 金品を奪っているから、甲には強盗罪(236条1項)が成
 立する。
  ここで、Aが意識を失ったことから、Aの生理的機能を
 害したとして強盗致傷罪(240条前段)が成立しないか
 問題となるも否定すべきである。
  なぜなら、強盗においては反抗抑圧する程度の暴行が
 要求されるところ、失神程度の軽微な傷害は強盗罪で評
 価されていると解されるからである。
3、では、その後Aが死亡したことから、甲に強盗致死罪
 (240条後段)の罪責を問いえないか。この点、本問甲
 は殺害の故意まではなかったため、結果的加重犯の成否
 が問題となる。
  思うに、結果的加重犯は、基本犯に当たる行為から結
 果が生じることが類型的にありうることから規定された
 犯罪類型であり、基本犯と結果との間に相当因果関係が
 あれば結果について責任を負わせうるため、結果的加重
 犯は成立すると解する。
  本問において、ナイフの柄で思い切り頭を殴れば、頭
 部傷害によりAが死亡することは社会通念上相当であり、
 相当因果関係はみとめられる。
  したがって、甲には強盗致死罪が成立する。
  なお、Aが生きていたことから、甲には死体遺棄罪(19
 0条)は成立しない。
323大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/20 20:08:40 ID:???
4、以上より、甲には恐喝未遂罪(249条1項、250条)、強
 盗致死罪(240条後段)が成立するが、これらは同一の財
 物奪取に向けられた行為であり、前者は重い後者に吸収さ
 れ、強盗致死罪一罪のみが成立する。
  そして、これは後述のように乙と共同正犯(60条)の関
 係に立つ。
二、乙の罪責について
1、乙は、甲と恐喝を共謀しており、甲が実行に及んでいる。
 そこで、自ら実行を分担していない乙に、共同正犯(60条)
 の罪責を問いうるか、共謀共同正犯の成否が問題となる。
  思うに、共同正犯は、相互利用補充関係の下、特定の犯
 罪を実現する場合に成立するが、@共謀の事実があり、A
 それに基づき共謀者の一人が実行に出た場合、相互利用補
 充関係の下、特定の犯罪を実現したと評価できるから、共
 謀者に共謀共同正犯が成立すると解する。
  本問では、乙は、@甲と恐喝の共謀を行っており、Aそ
 れに基づき甲が恐喝に及んでいるため、乙には恐喝未遂罪
 (249条1項、250条)の共謀共同正犯(60条)が成立する。
2、次に、乙は甲が反抗を抑圧した後に合流し、財物を奪取
 している。そこで、乙に強盗罪(236条)の共同正犯(60条
 )が成立しないか、承継的共同正犯の成否問題となる。
  この点、強盗罪は暴行と財物奪取が一体となって成立す
 る犯罪であり、暴行・窃盗の結合犯といえる。そして、途
 中から参加した者は先行行為(暴行)を行なっていない以
 上、先行行為に因果性が認められず、原則として承継的共
 同正犯は否定され、窃盗罪(235条)のみが成立することに
 なる。
  ただ、先行行為により生じた結果を積極的に利用して後
 行行為を行なった場合、自ら先行行為を行なった者と同じ
 評価を下すべきであり、承継的共同正犯として先行行為に
 ついて責任を負わせうると考える。
324大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/20 20:09:29 ID:???
  本問では、乙は甲の作出した反抗抑圧状態を積極的に
 利用してAから財物を奪っており、乙には強盗罪の共同正
 犯が成立する。
3、では、さらに乙にAの死についても帰責しえないか。
  この点、結果的加重犯は、基本犯と相当因果関係にあ
 る場合に成立すると解する以上、基本犯について帰責し
 うれば結果についても帰責しうると考える。
  本問では、甲の暴行とAの死の結果に相当因果関係が認
 められ、乙に甲の暴行について帰責しうるのだから、Aの
 死の結果についても同様に乙に帰責しうると解する。
  したがって、乙には強盗致死罪の共同正犯が成立する。
4、以上より、乙には恐喝未遂罪(249条1項、250条)の共
 同正犯(60条)と、強盗致死罪(240条後段)の共同正犯
 (60条)が成立するが、甲と同様前者は後者に吸収され、
 強盗致死罪の共同正犯一罪のみが成立する。
以上
325大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/20 20:10:15 ID:???
コメント
1700字弱、3ページ後半くらいです。
甲の罪責が書きにくく、また分量も多いことからいかにコンパクトに書くかに気をつけました。

よろしくお願いいたします。

問題
>>321
答案
>>322-324
326氏名黙秘:05/01/20 20:47:02 ID:???
甲の罪について
強盗致傷という論じ方は違和感があります。普通は強盗の実行行為
に該当、ってぐらい。
狭義の因果関係(自己の行為介在パターン)の論点が抜けてます。
結構痛いかも
死体遺棄罪について一応錯誤論に触れた方がいいような・・・
(時間配分次第ですが)
恐喝未遂と強盗致死の罪数関係は?

乙の罪について
恐喝の共謀共同正犯触れたのはいいと思いました。
ただ乙には自ら実行行為をするパターンの共謀しかないような気がしますが・・・
致死の共同正犯まで触れたのはいいと思いました。

破綻せずに論点も結構拾っているのでなかなかだと思います。
327氏名黙秘:05/01/21 00:11:51 ID:???
>>320
>抗弁は承継されるが、一度生じた抗弁はその人の下にとどまると解するのが妥当ではないかと思いました
そう。すごく良い。あと少しだけだね
抗弁の発生は人的関係から
そして、発生した抗弁は承継されていくが(この点が属人性説との違い)
発生させる人的関係は移転していかない
すると、抗弁がない(切断された)状態で戻ってきた手形債権には
人的関係から生じる抗弁権がまた付着するわけ
先の論証だと、このように考えてるかわからないのがまずいのだよね
328氏名黙秘:05/01/21 00:24:27 ID:???
甲については>>326と同じく
一番のメインといえる「相当因果関係+自己の甲行為の介在による結果発生(遅すぎる構成要件の実現)」
をすっぽり欠いてるのが痛いかなと思います。
だれても知ってて、一番罪責検討でネックになりそうなこの論点には
甲についての配点の半分は掛かってると思います
逆にいうと、他のところは結構どうでもいいのです
ここのところのメリハリが大事かなと
たとえば、
1、甲は、恐喝の実行に着手したが(249条1項)財物を奪えなかった(未遂(250条)。

これでいいのではないかな?他に書くことないなら厚くてもいいけど
書くことあるからね。ここに沢山の配点が振られているのでもないし

次のもこれで十分
2 甲はナイフの柄でAを殴り失神させ、金品を奪っているので
 甲には強盗罪(236条1項)が成立する。

なぜ十分と考えるかは、これが第1問だから。つまり各論ではなく、総論なのです
各条の構成要件に一つ一つ当てはめるのは、余裕があるか、第二問でやれば良い
実際、メインに触れられず、しかも抽象的錯誤をまるまる落とすハメになったのは
余裕がない、という証拠なのです
329氏名黙秘:05/01/21 00:31:35 ID:???
この問題って因果関係そんなに大事かね?
山に放置した行為による影響は少ないから、そもそも特殊な事情が介在した場合でなく、
あまり問題ないように思えるんだけど。
330氏名黙秘:05/01/21 00:32:50 ID:???
乙の部分ですが
共謀共同正犯、承継的共同正犯のお決まりのフレーズが並んでます
でもいつも一つ疑問に思うのは、なぜ、彼らは正犯なのでしょう??
彼ら(ここでは乙)は狭義の共犯ではないです、なぜ?
利用補充関係云々より、因果性より、何より実は大事なのは「正犯性の論証」なのです
特定の犯罪を実現したのが正犯とはいえません。教唆だって実現に関わりますから
共同正犯って条文があるから正犯じゃんってのは理由じゃないんですよ
それを言ったら「実行」してないし、となる。そもそも、問題は60条の解釈ですから
なぜ、共謀行為が規範的に「正犯」扱いされるのか。それが一番の重要なところです

あと、共同関係における処罰根拠論(共犯の処罰根拠)もできれば
もっと、これがそうですよ、ってわかる位はっきり書いたほうがいいです
331氏名黙秘:05/01/21 00:35:26 ID:???
>>329
もともと、相当因果関係って「結果的加重犯」から生じた議論ですよ?
大事もなにも、産みの親ですから。特に、判例のように過失不要説を取るならば
相当因果関係こそが処罰限定理論になりますから
というか、相当因果の話がなければ、あとは抽象的錯誤と各論の議論だけになります
そんな問題を出すわけがない、とも思われ
332氏名黙秘:05/01/21 00:48:31 ID:???
>>319
終わった議論だけど
司法試験は別に学説オタクを評価するテストで無いのでいわゆる通説
を淡々と書いていれば合格点がつく
ただし、大事なのは、通説をちゃんと理解していること
まあ、1500人時代だし、よくわかってなくともいくらでも受かる
でも、団子の中で胸の差で勝負するより
先頭集団で勝負できる力をつけるのが大事


話し外れるけど、より安全に論文に合格したいなら
択一は50点オーバーを目指すべき。2こマークミスしても受かるくらいの余裕
なぜかといえば、合格ライン+1だと、合格発表まで集中できないのだよ
もう、あーーーー落ちてる気がする!!!ってな感じでとても論文どころじゃない
だから、2chでもここら辺の人間が張り付き、祭りが開催される
結構大事だと思うよ

無論択一ぎりぎりで2週間集中できなかったけど受かった人もいるけどね

より濃い勉強が出来る条件をつくり、合格の率を上げるべきさ

なお、論文にたどり着ければ俺は受かる!という自信は、択一のとき重要
333氏名黙秘:05/01/21 03:10:22 ID:???
>>331
一般論として因果関係論が重要だとというのは分かるけど。
この問題は特に厚く書くほどの事例か?というのは疑問。
334氏名黙秘:05/01/21 13:00:14 ID:???
最重要論点ってほどでもないんだろうね。
配点は勿論あるんだろうけど。
ちなみにこの年は因果関係否定するとG推定が
働くと聞いた(伝聞だけど)。
335氏名黙秘:05/01/22 00:07:32 ID:???
話の腰をおってしまってすみません。
憲法平成11年1問なのですが、監獄法の規定そのものを違憲とする処理ってどう思いますか?
10年2問16年2問などでも、実際に存在する規定を違憲とするのは座りが悪いと思ったのですが。
ご意見をお聞かせ願います。
336大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/22 01:04:44 ID:???
>>326-334
ありがとうございます。
私の結論からは、因果関係は問題にならないと思いました。
むしろ、抽象的事実の錯誤を落としてしまったことが痛いと思いました。
その他、適切なコメントありがとうございました。

>>335
私の見解ですが、現行法は違憲としないほうがよいかと思います。
試験委員もそれを前提に問題を作っていると思いますので。
僭越ながら、違憲を述べさせていただきました。

さて、今日は間違えて、刑法を飛ばして民訴を書いてみました。
337大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/22 01:05:35 ID:???
【民訴】 平成11年・第1問
 債務不存在確認の訴えの特質について論ぜよ。
338大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/22 01:06:53 ID:???
一、債務不存在確認の訴えとは、原告の被告に対する債務
 が存在しないことの確認を裁判所に求める訴訟をいう。
  ここで、債務不存在確認の訴えの方法としては、原告
 が被告に対して全く債務を負っていないと主張する方法
 と、原告が被告に対して一定限度を超えて債務を負って
 いないと主張する方法とがある。
  債務不存在確認の訴えは、原告の訴えが認められれば、
 事後被告より債権追求を受けないという効果を生じるも
 のであり、不存在の証明手段を有する内に原告の主導の
 下で訴訟追行できるという意義がある。
  この債務不存在確認の訴えには、以下のような特質が
 ある。
二、確認の利益
1、債務不存在確認の訴えは、確認の訴えの一形態である。
  この点、確認の訴えは給付訴訟、形成訴訟に比べると、
 一定の法律関係の確認を求めるに過ぎず紛争解決の実効
 性に欠ける場合が多い。
  そこで、訴訟要件として、確認の利益が要求される。
2、この確認の利益は、@確認の訴え以外の方法を採りう
 るか(方法選択の適否)、A紛争解決として対象が適切
 か(対象選択の適否)、B紛争を即時に確定しなくては
 ならないか(即時確定の利益)、という3つの要件をい
 う。
  この点、@債務不存在確認の訴えは、原告は能動的に
 給付を求めうる立場になく、他の訴訟形態によることが
 できないから、方法選択としては適切である。
339大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/22 01:09:38 ID:???
  また、A対象選択として適切であるためには、紛争解
 決の実効性の観点から、原則として自己の現在の権利義
 務に関する積極的確認でなければならない。この点、債
 務の不存在という消極的確認であるが、これにより将来
 被告より請求を受けなくなるという紛争の抜本的解決を
 図れるため、紛争解決の実効性は認められ、対象選択と
 しても適切である。
  さらに、B原告が被告より請求を受けている場合、原
 告の法的地位の安定を図るため、即時確定の利益も認め
 られる。
3、このように、確認の訴えの一形態であるという特質が
 ある。
三、特定の程度
1、訴えを提起するためには、訴状に請求の趣旨・原因(
 133条1項2号)のほかに、請求を特定するための具体的事
 実を記載しなければならない(規則53条1項)。
そこで、無条件に債務が存在しないと主張することや、30
 万円を超えて債務は存在しないと主張する場合に、請求
 を特定するために債務の上限を主張する必要があるので
 はないか問題となる。
2、思うに、債務の不存在を主張する者にとっては、債権
 額の上限を示すことは矛盾行為ともいうべきであり、こ
 れを期待することはできない。そして、請求額の上限は、
 審理の過程で明らかにしうる。
  そこで、訴え提起段階で上限を示す必要はないといえ
 る。
3、このように、債権額の上限を示す必要がないという意
 味で、訴え提起段階における請求特定の要件が緩和され
 ている。
340大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/22 01:11:09 ID:???
四、証明責任
1、通常、訴訟における証明責任は、原則として原告が負
 うのが通常である。なぜなら、証明責任の分配は、実体
 法との調和・基準の明確性の観点から、自己に有利な法
 律効果を主張する者が適用法条の要件事実について証明
 責任を負うと解されるところ、通常権利を主張する原告
 に証明責任が課されるからである。
2、しかし、債務不存在確認の訴えにおいては、被告が債
 務の不存在を主張することにより、債権の存在について
 は債権者、すなわち被告が証明責任を負うのであり、原
 告は債権の存在が明らかになった場合に権利障害規定、
 権利滅却規定について証明責任を負うにとどまる。
3、このように、証明責任が第一に被告に課されるという
 点にも特質が認められる。
五、判決
 債務不存在確認の訴えにおいても、当事者の合理的意思
を尊重する観点から、一部認容判決は認められる。
 したがって、債務全部不存在確認の訴えに対し、30万円
の限度で債務が存在するとの判決を下すこともできる。
 このように、単に債務の存否を確認するだけでなく、一
定限度で紛争解決基準を示しうるという特質もある。
341氏名黙秘:05/01/22 01:11:24 ID:???
おまえたちゃ、現行では受からんな
342大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/22 01:11:48 ID:???
六、既判力
1、既判力は判決主文に示された訴訟物たる権利関係につ
いて生じる(114条1項)。
 この点、債務不存在確認の訴えは、被告の主張する債権
額から原告が認めている部分までの範囲が訴訟物となるの
であり、既判力もその範囲に生じる。
2、したがって、100万円の債権の内、30万円を超えて債務
 が存在しないとの請求を認容する判決における訴訟物は70
 万円であり、原告があらかじめ認めた30万円については既
 判力が生じない。
  ただ、後訴で30万円の存否について原告が争うことは信
 義則(2条)に照らし認められないと解する。
3、このように、既判力は不存在を争う部分について生じる
 という特質がある。
以上

コメント
1900字弱で、4ページ目の真ん中くらいです。
不安なのは、条文を引かなかったこと、具体例をあまりださなかったことです。
構成としては、具体例を最初に挙げて、それに触れつつ特質を述べるというのも考えたのですが、構成に時間かかりそうだったので、オーソドックスに書いてみました。
確認の利益、証明責任の分配のところは余裕がなければ削るべきだと思いました。
343大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/22 01:12:46 ID:???
よろしくお願いいたします。

問題
>>337
答案
>>338-342
344氏名黙秘:05/01/22 21:39:58 ID:???
確認の利益のところ、書きすぎだと思う
あれだと確認の訴えの1行問題の答えになってしまう
もっと債務不存在確認特有の性質をずばっと出さなきゃいかん
345大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/22 23:08:25 ID:???
>>328
昨晩は遅かったので、もう一度読み返してみました。
確かに、それで十分な気がします。
字がいっぱいになりすぎてしまい、困っていたのですが、それなら短くなりますね。
ありがとうございます。

>>330
実は、共犯の処罰根拠・共同正犯の正犯性については、まだよくわかっていません。
勉強しておきます。
総論でここがわかっていないと痛いですよね。
ありがとうございます。

>>327
難しいですよね、手形の問題って。
理論を追求しすぎると、結論が不当ということになりかねないですし。
もう、こうなったら権利濫用で戻裏書は処理することにします。
色々とありがとうございます。

>>344
確かに、そのとおりです。
作成するときにも、色々と困りました。
参考答案などで確認しておきます。
346大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/22 23:09:34 ID:???
さて、今日は、すみません。
また忘れてしまい、刑法2を飛ばして民訴2を書いてしまいました。

【民訴】 平成11年・第2問
 甲は,乙に対し,不法行為に基づく損害賠償の一部請求として,
1,000万円の支払を求める訴を提起した。審理の結果,乙に不法行為
が成立すること及びこれによって甲が蒙った損害は1,500万円である
ことが認められるとともに,当該不法行為については甲にも過失が
あり,過失割合は,甲が4割,乙が6割であることも認められた。
次の事情がある場合,裁判所はどのような判決をすべきか。
1 乙は,乙の行為と甲の損害との間に因果関係がないとの主張の
中で,甲の行為が損害の発生につながったとの事実を主張していた
が,過失相殺をすべきであるとの主張はしていなかった。
2 乙は,甲の過失に関するいかなる主張もしていなかった。
347大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/22 23:11:20 ID:???
一、小問1について
1、甲の乙に対する不法行為責任追求において、甲にも過
 失があれば過失相殺(民法722条2項)により、乙の責任
 を軽減できることになる。ところが、本問において乙は
 甲に過失があること、過失相殺をすべきとの主張をして
 いない。
  そこで、裁判所は、乙の主張これまでの主張のみで過
 失相殺をすることができるか、弁論主義に反しないか問
 題となる。
2、この点、弁論主義は、私的自治の原則を訴訟法へ反映
 したことから導かれる概念であり、事実の主張、証拠の
 提出を当事者の責任かつ権能とする建前をいう。これに
 より当事者への不意打ちを防止し、審判対象を明確にす
 るという効果が生じる。そして、裁判所は当事者の主張
 していない事実を判決の基礎とすることはできないとい
 う弁論主義の第1テーゼが導かれる。
  もっとも、証拠の評価については裁判所の自由心証(
 247条)に委ねられていることから、弁論主義が妥当する
 範囲は権利の発生・変更・消滅を直接基礎付ける主要事
 実に限り、間接事実や補助事実は含まれないと解する。
3、では、過失相殺の前提たる「過失」は、主要事実とい
 えるか。
  この点、条文上「過失」と記載されていることから、
 「過失」自体を主要事実と捉える考え方もある。
  しかし、過失の内容たる具体的事実は多岐様々にわた
 り、当事者の主張していない具体的事実を基礎に判決す
 ることは不意打ちとなり弁論主義の精神に反する。
  そこで、開かれた構成要件たる「過失」の主要事実は、
 過失を基礎付ける具体的事実であると解する。
  本問では、乙は、甲の行為が損害の発生につながった
 として過失を基礎付ける具体的事実を主張しているため、
 これを判決の基礎としても弁論主義に反さない。
348大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/22 23:12:50 ID:???
4、では、乙が過失相殺を主張していないにもかかわらず、
 裁判所は過失相殺を認定することはできるか。
  思うに、過失相殺は損害の公平な分担を図る制度であ
 り、裁判所の後見的役割が機能する場面といえる。そし
 て、過失相殺の具体的主張がなくとも、過失について具
 体的主張があれば、相手方にとって不意打ちとなること
 もない。
  そこで、過失についての具体的主張がある限り、裁判
 所は過失相殺を認定できると考える。
  本問では、乙は過失について主張していることから、
 裁判所は過失相殺を認定できる。
5、では、過失相殺の基準となる金額はいかに解するべき
 か。
  ここで、甲は一部請求として1000万円を請求している
 が、この場合の訴訟物は1000万円であると考える。
  なぜなら、一部請求であることを明示しておけば被告
 に対する不意打ちとならないし、債権者に債権全額につ
 いて行使すべき義務はなく、また、試験訴訟等を認める
 必要性があることから、一部についてのみ請求したいと
 いう原告の意思を尊重すべきであるからである。
  とすると、過失相殺も訴訟物たる1000万円を基準にす
 べきとも思える。
  しかし、原告は過失相殺されても、なお最低1000万円
 は欲しいという趣旨で訴えを提起したと考えるのが、原
 告の合理的意思解釈に合致する。また、過失相殺は被告
 にいくらの支払を命じるのが妥当か、という政策的判断
 が要求されるのであり、裁判所の後見的役割が重視され
 る。
349大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/22 23:13:30 ID:???
  そこで、この場合、損害額全体を基準に過失相殺すべ
 きであり、それが原告の請求額を上回る場合には、請求
 額の限度で請求が認容されると解するべきである。
  なお、このように考えても、一部請求について争う過
 程で損害全体についても争っていると思われる以上、被
 告に対する不意打ちとはならないといえる。
6、そうすると、損害額全体の1500万円から甲の過失4割を
 差し引いた900万円は、甲の請求する1000万円を超えない
 から、900万円につき甲は給付を受ける権利を有する。
  そこで、裁判所は甲の乙に対する900万円の請求認容判
 決を下すべきである。
二、小問2について
 乙は甲の過失についてなんらの主張もしていないから、弁
論主義の第1テーゼより、裁判所は甲の過失を基礎に判決する
ことはできない。
 したがって、裁判所は甲の請求額である1000万円の給付判
決を下すべきである。
以上
350大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/22 23:14:16 ID:???
コメント
1700字程度で4ページの頭くらいの分量です。
弁論主義の部分が冗長すぎるかと思いました。
極力反対利益にも配慮しつつ論じたつもりです。
論点を出す順番に困りましたが、流れを出しやすい構成にしました。

よろしくお願いいたします。

問題
>>346
答案
>>347-349
351氏名黙秘:05/01/23 00:06:00 ID:???
>>345
でも、合格者でもわかってないとは思う。
こういうところを上手に理解できると点数があがると思います

>>347
趣味になりますが
  弁論主義は、私的自治の原則を訴訟法へ反映
 したことから導かれる概念であり、事実の主張、証拠の
 提出を当事者の責任かつ権能とする建前をいう。これに
 より当事者への不意打ちを防止し、審判対象を明確にす
 るという効果が生じる。
こういう記述は結構好きです。簡潔で締まってますね
なお、自分なら
  弁論主義は、私的自治の訴訟法への反映を根拠に、
 事実の主張、証拠の提出を当事者の責任かつ権能と
 する建前をいう。これにより当事者への不意打ちを
 防止し、審判対象を明確にする機能を持つ。
としますね。
352氏名黙秘:05/01/23 00:17:08 ID:???
>>347
2 の主要事実への限定は、なんか違和感感じる
もっと、普通の理由付けでいいのでは?
>>348
4 の過失相殺において主張すべき事実は、この小問のメインです
反対説を書く必要は無いですが、自分の説の核心はがっちり書いたほうがいいです
余裕あるなら、議論の分かれ目を提示してみると満点になるかも
この記述だと「なんか主張否定説にもおもえるんだが」と思われるかも

ここが合否の分かれ目(点数に差がつく)と思います
353氏名黙秘:05/01/23 00:25:56 ID:???
>>348の、外側説、按分説、内側説の部分は、ちょっと読みにくい
理由はナンバリングと、反対説を「留保します」が最初に無いからかな
一部訴訟の訴訟物はあっさりでいいかとは思います。書くこと多いので

  たしかに、当事者の処分権の尊重と、被告に対す
 る不意打ちへの防止の調和から、本文のように、明
 示の一部請求として1000万円を請求している場合の
 訴訟物は、1000万円である。ならば、過失相殺も訴
 訟物たる1000万円を基準にすべきとも思える。

こんな感じで。

 自説の理由付けで政策的配慮を出してますが、あんま聞かないような
(1)当事者の合理的意思と(2)請求全体の判断が下されている
(3)矛盾判断となる[この点は、訴訟物の分断を認める松本教授も理由とします]
という、一般的な理由付けでいいと思います
354氏名黙秘:05/01/23 00:31:34 ID:???
>>349
小問二について。まあ、分量としてこれ以上かけないかな
でも、そのまま判決下していいのかな。さすがにまずいでしょ
釈明権を行使するなり、しないと。
355氏名黙秘:05/01/23 00:41:03 ID:???
弁論主義に審判対象を明確化する機能なんてないんじゃないの。
今上田見たら,争訟内容の自主形成機能というのはあったけど,これは審判対象とは違うレベルの話だ。
356氏名黙秘:05/01/23 00:43:45 ID:???
>>354
積極的釈明だから,釈明義務違反といえるかどうかは微妙だね。
なきゃないでいいけど,書いた方がいいとは思う。
357氏名黙秘:05/01/23 00:51:22 ID:???
>>355
おっと見落とした。その通りだね
>>356
実際問題として、現場でかけるかといえば無理だったね
多くの人が落としただろうから、結局加点事由扱いになるとは思う
358大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/23 04:56:40 ID:???
>>351
確かにそれだと短く書けますね。
参考にします。
というか、みなさん文章うまいですよね。
ありがとうございます。

>>352
よくわかっていないという印象を受ける答案は避けなければなりませんよね。
ありがとうございます。

なお
過失相殺の主張→不要
但し、過失の具体的内容についての主張は必要

そういう流れで書いたつもりだったのですが。
どこら辺が勘違いの原因となるか、ご指摘いただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。

>>353
すごいコンパクトで必要十分な論証ですね。
これだけ短く書けると、流れも見やすく、読みやすいです。
私にここまでのスキルはなかったです。
より精進いたします。
ありがとうございます。

政策的配慮のところは、現場思考で考えました。
前のところとリンクさせるようにしてみました。
やはり変でしょうか?
基本書で確認してみますが、もしよろしければご説明いただきたく思います。
359大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/23 05:02:56 ID:???
>>354>>356
釈明は不要なのではないでしょうか?
過失の事実も主張していないのに、裁判所に釈明を求めろというのは
職権主義的過ぎないかと思うのですが。
仮に記録上過失の存在が明らかになっているが、それを主張していない場合には
「何でこの証拠を提出したのですか?」という消極的釈明をすべきと思います。
ただ、そこまでこの問題文から読み取るのはきついかと思うのですが。

他方、釈明が弁論主義の補完という機能を有することからすると、
弁論主義が問題となっている以上、釈明にも触れるべきとも思えます。

どうやって書くべきか書かざるべきか判断すべきなのでしょうか?
(私が一番困っているところです。)
よろしくご指導いただけたらと思います。

>>355
気づいてしまいましたね。
確かに、あそこはおかしいです。
むしろ、処分権主義の話ですよね。
筆が滑ってしまいました。
本試験ではやらないように、細心の注意を払います。
ありがとうございます。
360大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/23 17:42:24 ID:???
今日は、やっと刑法です。
何とか書きました。

【刑法】 平成11年・第2問
 甲は、食料品店主Aに対し、「指定した口座に400万円振り込まな
ければ、商品に毒を入れるぞ。」と電話で脅し、現金の振込先として
B銀行C支店の自己名義の普通預金口座を指定した。やむなくAが2
回に分けて現金合計400万円の振込手続を行ったところ、200万円は指
定された口座に振り込まれたが、2回目の200万円は、Aの手続ミス
により、同支店に開設され、預金残高が37万円であった乙の普通預金
口座に振り込まれてしまった。その直後、乙が30万円を通帳を使って
窓口で引き出したところ、なお残高が207万円となっていたので、誤
振込みがあったことを知り、更に窓口で100万円を引き出した。乙は、
家に戻りその間の事情を妻丙に話したところ、丙は、「私が残りも
全部引き出してくる。」と言って同支店に出向き、乙名義の前記口
座のキャッシュカードを用い、現金自動支払機で現金107万円を引き
出した。
 甲、乙及び丙の罪責について、他説に言及しながら自説を論ぜよ。
361大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/23 17:43:59 ID:???
一、甲の罪責について
 まず、甲は、「商品に毒を入れるぞ」と脅して現金200万
円という「財物」を、甲の指定口座振り込ませていること
から、恐喝罪(249条1項)が成立する。
 この点、財産上の利益を取得したに過ぎず、2項恐喝罪が
成立するという見解もある。しかし、振り込まれた金銭を容
易に引き出すことができるということに鑑みると、被害者Aと
の関係で現金が甲に交付されたと評価できるため、1項恐喝罪
が成立すると考えるべきである。
 次に、2回目の200万円の振込みは、甲の指定口座に振り込
まれていないことから、同罪の未遂(250条、249条1項)が成
立する。
 そして、これらは1つの脅迫行為に基づくものであるから、
観念的競合(54条1項前段)となる。
二、乙の罪責について
1、乙が最初に30万円を引き出したことは、なんら犯罪を構
 成しない。
  では、誤振込みがあったことに気づいて窓口で100万円を
 引き出した行為について、詐欺罪(246条1項)が成立しない
 か。
2、ここで、詐欺罪が成立するためには、欺罔行為・錯誤・処
 分行為・財産上の損害が因果の連鎖でつながり、故意で包摂
 されていることが必要である。そして、財産上の損害は、欺
 かれなければ交付しなかった財物そのものを指すと考える。
  この点、乙は自己の預金口座の金銭を引き出す権限がある
 ことから、欺かれて占有を移転したとはいえず、占有離脱物
 横領罪(254条)が成立するにとどまるとも思える。しかし、
 被害者たる銀行との関係で、現実に金銭の管理は銀行が行な
 っており、金銭の占有は銀行に認められる。そして、誤振込
 みの事実を知れば、銀行は払い戻しに応じなかったといえる。
362大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/23 17:45:12 ID:???
  そこで、乙は払戻権限があるかのように振舞い(欺罔行為
 )、それにより銀行が乙を正当な払戻権限を有すると誤信し
 (錯誤)、現金を交付した(処分行為)といえる。
3、では、財産上の損害はどの範囲で生じたといえるか。
  この点、乙は7万円については正当な払戻権限があったこと
 から、その範囲で詐欺罪は成立しないとも思える。
  しかし、預金債権の内、どの部分について処分行為がなさ
 れたかを明確に知ることは困難である。また、一部について
 払戻権限があっても、欺罔行為に気づけば全体につき払戻を
 拒否するのが通常である。
  そこで、払戻された現金100万円全額について財産上の損害
 が認められると解する。
4、よって、乙には100万円全額につき詐欺罪(246条1項)が成
 立する。
三、丙の罪責について
1、丙はキャッシュカードを用いて現金107万円を引き出してい
 る。
  この点、乙と同様に詐欺罪が成立するとも思えるが、現金
 自動支払機という機械に対する欺罔行為は観念しえないため、
 詐欺罪は成立しないと考える。
  そこで、丙に窃盗罪(235条)が成立しないか問題となる。
2、ここで、窃盗罪が成立するためには、相手の意思に反して
 その占有を移転し、財産上の損害を与えることをいう。そし
 て、詐欺罪と同様、財産上の損害は侵害された占有そのもの
 に生じる。
  この点、現金の占有は銀行にあり、銀行の意思に反して現
 金の占有を移転したといえる。そして、詐欺罪と同様に移転
 した占有全部につい財産上の損害が認められると考える。
3、したがって、丙には107万円について窃盗罪(235条)が成
 立する。
以上
363大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/23 17:46:16 ID:???
コメント
1300字、3ページ目の頭くらいです。
メイン論点は、預金の占有が誰にあるか、財産上の損害の範囲、2項恐喝か1項恐喝か、機械に対する欺罔行為の存否、の3つだと思いました。
この内、最初の2つが特に重要だと判断し、反対説に対する批判を大きく出しました。
コンパクトにまとめることに注意しました。
占有に関して、甲と乙・丙を分けたのは論理矛盾でしょうか?

よろしくお願いいたします。
問題
>>360
答案
>>361-362
364氏名黙秘:05/01/23 17:47:48 ID:???
一、甲の罪責について
 まず、甲は、「商品に毒を入れるぞ」と脅して現金200万
円という「財物」を、甲の指定口座振り込ませていること
から、恐喝罪(249条1項)が成立する。
 この点、財産上の利益を取得したに過ぎず、2項恐喝罪が
成立するという見解もある。しかし、振り込まれた金銭を容
易に引き出すことができるということに鑑みると、被害者Aと
の関係で現金が甲に交付されたと評価できるため、1項恐喝罪
が成立すると考えるべきである。
--------------------------------
趣味の域かもしれないが、結論の後に反対説って話が前後してイク無いと思う。
365氏名黙秘:05/01/23 18:00:50 ID:???
当然ながら本問の出題意図は甲乙丙での占有についての整合性なんだけどな。
そこに触れられていないので,高得点は厳しい。
366氏名黙秘:05/01/23 19:19:52 ID:???
>365
禿同
甲については占有を甲にあるとしながら乙については銀行にあると
してる。整合性に一言も触れてないのはまずい。

後はまあまあかな〜。
367366:05/01/23 20:04:21 ID:???
本当に乙に犯罪成立するのかな〜
内心を処罰することになるような気がする。

答案としては大谷さんのように乙犯罪成立、丙
も全体に犯罪成立ってやるだろうけど、なんと
なく腑に落ちないね。
368氏名黙秘:05/01/24 22:11:20 ID:???
便乗質問ですみません
便乗質問ですみません
大谷さんと同じ処理をしつつ、占有の整合性をとる処理の仕方がわかりません。
恐喝と窃盗については、窃盗と横領の場合に占有の重要性が事実上の支配と濫用のおそれのある法律上の支配であるため意義を区別できるのと異なり、いずれも占有の重要性は事実上の物に対する支配の排他性にあるので銀行と甲の占有は両立しないように思うのです。
恐喝と窃盗ではなく、ご振込の場合と意思通りの振込という区別で占有の帰属を分けて考えるということでしょうか
どなたかご教示ください
369氏名黙秘:05/01/24 22:21:38 ID:???
1.誤振込みの場合は銀行に占有があるが、そうでない場合には
  預金名義人に占有があるとする方法
2.恐喝の既遂を判断するための占有と、窃盗と占有離脱物横領とを
  区別する「事実上の支配」たる占有とは問題となる場面が異なる
  から、食い違っても矛盾ではないとする方法
370氏名黙秘:05/01/24 22:30:25 ID:???
財産犯において誰にどのような占有があるかは、適用法条の選択にかかわる重大な問題だから
とりあえず最低限の指摘をする必要がある。と。
そいうことだよ諸君。
371368:05/01/24 22:44:06 ID:???
>>369
ありがとうございます
2の方法については、確かに場面が違うと端的に処理してもよいのかもしれませんが、
本問では既遂時期ではなく1項か2項かの適用条文の選択に用いていること、
甲が恐喝した金を引き出す行為が不可罰的事後行為となること、
をかんがえると、やはり1の方がしっくりくると思いますのでそちらを採りたいと思います。
372大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/25 00:33:14 ID:???
遅くなりました。すみません。
刑訴の1問目を書いてみました。

【刑訴】 平成11年・第1問
 窃盗罪の現行犯人として逮捕された甲について、現行犯逮捕の要件は欠いていたが、緊急逮捕の要件は備わっていたことが判明した。
(1)右逮捕に引き続いて、甲を勾留することはできるか。
(2)甲について、勾留請求をせずに釈放した後、同一の被疑事実で再逮捕し、勾留することはできるか。
373大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/25 00:34:45 ID:???
一、小問(1)について
1、要件を欠く現行犯逮捕(212条)に続いて、甲を勾留(
 204条)することができるか。本問現行犯逮捕は要件を欠
 き違法であるところ、違法な逮捕に続く勾留が認められ
 るか問題となる。
2、この点、207条は「前三条の規定による」としているこ
 とから、勾留をするには逮捕が先行することが必要であ
 る(逮捕前置主義)。そして、逮捕には勾留と異なり不
 服申立てが認められていないことから(429条1項2号参照
 )、勾留段階で逮捕手続の瑕疵を含めて判断すべきと解
 する。
3、では、先行する逮捕手続が違法な場合、勾留は認めら
 れないか。
  思うに、勾留は続く公判手続への出頭を確保し、罪証
 隠滅を防止する目的でなされる処分である。そして、逮
 捕手続に軽微な違法があるに過ぎない場合にすべて勾留
 を認めないとすると、法の予定する勾留の目的を達成で
 きず、妥当性を欠く。
  他方、逮捕手続において被疑者は不服を申立てられな
 いのであり、逮捕手続に違法がある場合にすべて勾留を
 認めるのは、被疑者の人権保障の観点から妥当でない。
  そこで、両者の調和の見地より、具体的状況の下で、
 逮捕手続の違法の程度と勾留を認めることにより害され
 る被疑者の利益とを総合的に判断し、相当と認められる
 場合には勾留を認めうると考える。
4、この点、本問逮捕は緊急逮捕としての要件を備えてい
 たのであり、緊急逮捕として直ちに令状を請求すれば逮
 捕手続は違法でなかったのだから、違法の程度は軽微と
 いえる。
  また、甲が身柄拘束により受けた不利益も、当初から
 緊急逮捕が認められていた場合と比べて大きくないとい
 える。
374大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/25 00:36:51 ID:???
  したがって、本問事情の下では、相当性が認められ、
 勾留することができると考える。
二、小問(2)について
1、検察官が勾留請求せずに、甲を保釈した後、同一の被
 疑事実について再逮捕・勾留することは認められるか。
 逮捕・勾留の1回性の原則に反さないか問題となる。
2、ここで、逮捕・勾留の1回性の原則とは、同一被疑事実
 について、2度逮捕・勾留されないという原則をいう。こ
 れは、法が逮捕・勾留について厳格な期間制限を設け(
 203条〜208条)、被疑者の身体の自由に対する制約を必要
 最小限にとどめようとしていることから導かれる。
  そして、逮捕前置主義が採用されていることから、逮捕
 と勾留は一体として判断されるべきであり、前に勾留され
 ていなくても逮捕されていた場合には、後の勾留について
 も同原則が及ぶと解する。
  もっとも、前の逮捕・勾留の後に、逃亡や罪証隠滅のお
 それが高まったような場合にまで、任意処分しか認めない
 ことは、捜査の実効性を害しかねない。また、法も再逮捕
 ・再勾留を予定した規定をおいている(法199条3項、規則
 142条1項8号)。
  そこで、一定の場合には再逮捕・再勾留も認めうると考
 える。
375大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/25 00:37:45 ID:???
3、では、いかなる場合に認められるか。
  思うに、この場合も小問(1)と同様の利益対立があ
 ることから、捜査の必要性と被疑者の利益を総合的に判
 断し、具体的状況の下で相当といえる場合に再逮捕・再
 勾留が認められると考える。
  そして、前の逮捕行為が違法であった場合は捜査機関
 の落ち度が大きいことから、逃亡や罪証隠滅防止など逮
 捕・勾留の必要性が急激に高まった場合に、再逮捕・再
 勾留が認められると考えるべきである。さらに、勾留は
 逮捕に比べて身柄拘束期間が比較的長期であることに鑑
 みると(204条、208条参照)、逃亡等のおそれが高度の
 蓋然性をもって推認できる場合に限られると解する。
4、本問において、前の現行犯逮捕は違法であるから、逃
亡等のおそれが急に出てきたなど、逮捕の必要性が高まっ
たような場合には、甲を再逮捕できる。また、勾留につい
ては、逃亡等のおそれが高度の蓋然性をもって推認しうる
場合にのみ、勾留できる。
以上
376大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/25 00:38:25 ID:???
コメント
1500字強、3ページの真ん中くらいです。
比較衡量という手続を採用することにより、小問のリンクを図りました。
ただ、小問(2)では事情が不足していたため、抽象的な結論になってしまいました。

よろしくお願いいたします。
問題
>>372
答案
>>373-375
377氏名黙秘:05/01/25 00:47:46 ID:???
>>373
一1はいいです
2の 207条は「前三条の規定による」としているこ
 とから、勾留をするには逮捕が先行することが必要であ
 る(逮捕前置主義)。
もいい。ところが次がちょっとまずい。
  逮捕には勾留と異なり不服申立てが認められていないこと
 から勾留段階で逮捕手続の瑕疵を含めて判断すべき
というのが、逮捕前置主義の存在根拠なのかな。
それとも逮捕の瑕疵が拘留にも引き継がれるという立場かな?

前者なら、逮捕と拘留を同質に捕らえる立場だから、以後の論述がかわる

他方、後者なら、逮捕と拘留を異質にとらえて、影響を及ぼすのだが
困ったことに、逮捕前置主義の実質的根拠、及び、前置されるべき逮捕の性質は
論証されてないことになる。

378氏名黙秘:05/01/25 00:53:51 ID:???
続く論述をみると、逮捕と拘留を異質にとらえて、影響を及ぼすみたいだね
この、影響を及ぼす理由がちょっと長い。
もっと短く、影響が及ぶにせよ、真実発見との調和から
具体的状況の下で、諸事情を総合的に判断し、相当と認められる
場合には、勾留を認めうる、でいい

で、メインは次の部分です。この問題はよく解説の素材にあがるのですが
元試験委員なり学者は、「相当といえるか」を重視します。その意味で
これだけ薄いと点数は厳しいかも
 緊急逮捕としての要件を備えていたのであり
 緊急逮捕として「直ちに令状を請求すれば」逮捕
 手続は違法でなかったのだから
この部分、実にあっさりしてるけど、実は「」の部分に重要なのが潜んでる
379大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/25 00:54:18 ID:???
恐喝と詐欺・窃盗との区別について(大谷先生の本より)

恐喝が成立するには、被害者の占有を排除し、自己または第三者の占有を設定したことが必要です。
そこで、現金を銀行(第三者)の占有下に移したといえるので、本問では1項恐喝といえることになります。
つまり、現金の占有は引き出されるまで銀行にあるのですが、恐喝罪は既遂に達すると考えられると思います。

ただ、捜査機関が払い出しをできないようにしていた場合、財産上の損害が生じたとはいえず、未遂にとどまるみたいです。

やはり、現金を振り込んだ段階で、甲に占有があるとしつつ、乙・丙との関係で銀行に占有があるとするのは論理矛盾みたいです。

本試験でこれをやったらと思うと、怖いです。
でも、占有離脱物横領にしたり、2項恐喝にするのも少し迷います。
いい勉強になりました。
ありがとうございます。
380氏名黙秘:05/01/25 01:01:21 ID:???
逮捕というのは令状主義が妥当しますよね
そのうえで、現行犯逮捕は無令状とされている
これが重要なんです。なぜ無令状か。
それは「緊急性、必要性だからだ」といえば、現行犯と緊急逮捕は連続的なものです
でも、そのように習っていないと思います
無令状が許されるのは、犯行と犯人の関係の明白性から
令状主義による規制が不要になるから。だから私人ですら認められるのです
つまり、現行犯と緊急逮捕は質的に違う。緊急逮捕は通常逮捕と連続するのです
すると、「令状があるか」はすごく重要になる。
緊急逮捕を無令状で行うのは、憲法の潜脱になります。これを「軽微な手続き違反」という人は居ないと思われ
身柄拘束の程度だとか、逮捕される状況とか、じつは目くらましです
このアテハメを使い、逮捕の構造を聞こうという狙いもある

だから、ここには大きな配点が振られています
381氏名黙秘:05/01/25 01:07:41 ID:???
つづいて小問2
予備校答案もつっこまれてたけど
この問題、拘留してないよね。だから、再逮捕。初めての拘留が正解

で、相当性判断だけど
 前の逮捕行為が違法であった場合は捜査機関の落ち度が大きい
という理由付けはどうかな。むしろ、違法な逮捕の場合に再逮捕を認めるのは
違法な逮捕の潜脱になるよね。

この事案の特殊性をあげれば、窃盗であることかな。
382氏名黙秘:05/01/25 01:16:40 ID:???
あと、これは教授に言われたのだけど
窃盗犯なのに、現行犯(&準現行犯)ではないのに、緊急逮捕はできる
ってどういう状況なんだろう。少なくとも、事実としては盗んだものを持ってないし
盗みにはいって帰る途中でもないはず

こういう想像力も重要といってた。というか、ここに気づいた人は居なかったけど
気づいてたらそれだけで合格点だとはいってた
383氏名黙秘:05/01/25 01:22:32 ID:???
まぁ、それだけで合格点ってのはないわけだが、
(そんないい加減な試験だったら困るよ、ホント)
それ「だけ」気付く人ってのもいないだろうね。

横レス失礼@通りすがり
384大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/25 01:22:34 ID:???
>>377-378
>それとも逮捕の瑕疵が拘留にも引き継がれるという立場かな?

こっちの立場を採用したつもりです。

>困ったことに、逮捕前置主義の実質的根拠、及び、前置されるべき逮捕の性質は
論証されてないことになる。

確かにおっしゃるとおりです。
逮捕前置主義の実質的根拠はあえて省略しました。
まずいでしょうか?

前置されるべき逮捕の性質については、おっしゃるとおり、短くても書くべきだと思います。
完全に落としてしまいました。

相当性を要求する理由は確かに長いと思いました。
小問(2)でも使うので、あえて書いてみたのですが
単純に相当性を導けばよいのでしょうか?
とはいえ、ここを書くくらいなら、逮捕前置主義について厚くしたほうがいいと思いました。

緊急逮捕の要件を備えている場合であっても、令状主義の例外として
違憲の疑いが極めて強いことに鑑みると、違法の程度は強いですよね。

ただ、どこかの裁判例で違法の程度は強くないとしていたものがあったと
記憶の片隅にありましたので、合法にしてみました。
本試験では極力人権擁護的な発想でのぞみたいと思います。
385大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/25 01:30:25 ID:???
>>381
>この問題、拘留してないよね。だから、再逮捕。初めての拘留が正解

これについては

 「そして、逮捕前置主義が採用されていることから、逮捕
 と勾留は一体として判断されるべきであり、前に勾留され
 ていなくても逮捕されていた場合には、後の勾留について
 も同原則が及ぶと解する。」

という部分で示せていたかと思うのですが。
おかしいでしょうか。
私の頭の中での議論にすぎなかったので、よくわかっていないというのが本音です。
よろしくご教授のほどお願いいたします。

相当性判断のところは、はっきりいって困りました。
一番問題になるのは、時間制限を越えているという部分だと思います。
ただ、それからの結論がよくわからず、論述を組み立てる余裕がありませんでした。
窃盗罪という特質とはどういう意味でしょうか?

>>382
ここの点については、少し自分で考えてみたいと思います。
色々とご丁寧にありがとうございました。
よろしければ、先に書いた疑問について、お答えいただけると幸いです。
386氏名黙秘:05/01/25 01:33:23 ID:???
>>383
無論ね。まあ、形式がある程度かけてて、そこに気づく人は
良い点は付いたのではないかな?
刑訴はこういう点見ること多い

>>384
逮捕前置主義の実質的根拠を省くのはまずい
なぜなら、後の逮捕の違法性は影響するか、という点は
「逮捕の違法性」の程度が問題になる。そこでは、前置主義の根拠が効いてくる

確か下級審であったと思うけど、事案がちょっと違かったような
387氏名黙秘:05/01/25 01:38:10 ID:???
横レス2

いきなり出た場合、全体のイメージとして
1 違法な逮捕の後、勾留
2 違法な逮捕の後、釈放し、再逮捕・勾留
これをそれぞれ淡々と論じて普通の答案
関連づけて成功すれば優秀な答案、
という感じだと思います。

大谷さんの答案は、
前者としての「普通」の答案かと思います。
この書き方であれば、「もっと短く」を意識して構わないかと。
個々の部分はコメントしてる方に賛成。
388氏名黙秘:05/01/25 01:39:30 ID:???
>>385
うーんと、逮捕だけと、拘留までしてるのじゃ
だいぶ違うんだよね。72時間捕まえるのと13日捕まえるのではね
それに
 「そして、逮捕前置主義が採用されていることから、逮捕
 と勾留は一体として判断されるべきであり、前に勾留され
 ていなくても逮捕されていた場合には、後の勾留について
 も同原則が及ぶと解する。」
とかいても「誰だ、こんなこと言う奴は」で終わる
いわゆる、積極的減点事由というやつかも

窃盗って、場合によっては常習の可能性がある
あと、なんで「現行犯」として逮捕したのか。
っこらへんは想像だよね
389氏名黙秘:05/01/25 01:46:05 ID:???
まあ、刑訴って意外とみんなできない
予備校の模範答案も
現行犯での逮捕は軽微としてるし
再逮捕再拘留で通してるし

でも、刑訴って簡単な法律構成のうえで
加点の部分は結構「柔らか頭」が問われてる
柔らかくない、と思うなら、むしろ冒険しない方がいいかも
例えば、外国要件が問題となったのがあるけど
あれはタイの売春婦とかは、あんま見てない。おー知ってるねくらい
あれは「現在だったら海外要件はどんな意味があるのだよ」という点が一番みたい
例えば、NYに要る証人と北海道歌登町にいる証人じゃ、NYの奴を呼ぶのは大変
ではないでしょ。
あっさり海外要件を書くひとより、そこらへんに着目すると
すごく印象が良いといってた
390氏名黙秘:05/01/25 01:56:12 ID:???
さて、現実の問題として
「逮捕前置主義の根拠」
「違法逮捕の拘留への影響」
「再逮捕(再拘留)の原則、とその例外」
の三つをそつなく書ければ、守れます
ただし、この論点、散々答練で出てるので
そこそこでは一気に沈みます。短くても、正確に書けるよう
事前に自分の論証を用意している必要はあるかな
いわゆる論点落としや、無駄な論点はないので
曖昧さを省ければ、守れます
その守りの答案に、先ほどの「現行犯と緊急逮捕の違い」を書ければ
十分合格答案でしょう
391氏名黙秘:05/01/25 02:49:33 ID:???
>380
>これを「軽微な手続き違反」という人は居ないと思われ
これは説が分かれるよね?逮捕の形式の違いという軽微な瑕疵
に過ぎないっていう説・裁判例が現にある。
どっちでもいいと思うよ。

>389
それ田口に載ってる問題意識だよね。
現代では昔と違って海外渡航が簡単なんだから条文上
「国外にいる時」って書いてるけど、召喚しえない事
情があることを要件に読み込むべきだってさ。

大谷さんの答案で気になった点は
>法も再逮捕・再勾留を予定した規定をおいている
再勾留は予定していたっけ?
392氏名黙秘:05/01/25 03:01:44 ID:???
平成13年第2問?あの問題はタイ人売春婦の判例は全く無関係だよ。
退去強制された人が1年後に帰国予定のはずないでしょ。また不法入国するのか(笑)
393氏名黙秘:05/01/25 03:17:05 ID:???
>>379
別に論理矛盾ではない。下級新判例はたしかそんな見解だし。
むしろどう整合性を説明つけるのかを見たかったんだろう。
394氏名黙秘:05/01/25 03:19:31 ID:???
>>382
その学者の言ってることはあやしい。
そんなことを答案に反映させることは不可能だ。
緊急逮捕の要件は備えていたとある以上、その前提について議論しても無駄だと思う。
395氏名黙秘:05/01/25 10:43:18 ID:???
>>391
逮捕の形式の違いという軽微な瑕疵、という裁判例は救済判例だし
説は検察官が唱えている
問題なのは、一般論として「令状主義を潜脱する行為は重大な違法」という総論につき
異を唱える人はいないはず。たとえ実務家でもね
ところが、その各論問題であるここでは、ろくな論証もせず、突如軽微な手続き違背とする
おそらく、間違えて現行犯逮捕する場合もあるし、間違いが避けられないなら救済すべき
という考量があるんだろうとは思う

>>394
いっておくと、そういうことを答案に反映するのは難しいのを承知で
でも、できる人を求める。隠された宝を探す能力も見たいのだろうね
あと、緊急逮捕を備えている、現行犯はない、窃盗だ。という事案から
どこまでアテハメにつかえる事情を抜き出せるか、という問題だよ
396 :05/01/25 11:17:51 ID:???
1 小問1
(1)法207条は、勾留請求の前に逮捕が先行するこ
とを予定する(逮捕前置主義)。これは、勾留につき
二重の司法審査を通過させることで被疑者の人権保
障を図ることを目的とする。このことからすれば、先
行する逮捕は適法なものでなくてはならない。
(2)ところが、本問においては、勾留請求に先行する
現行犯逮捕はその要件を欠く違法なものである。ただ、
緊急逮捕の要件は充足しているため、現行犯逮捕後
に緊急逮捕へと切り替えることにより逮捕の違法を治
癒し、有効に勾留請求することができないか問題とな
る。
(3)思うに、事情が流動的な逮捕現場においては、逮
捕の種類を即時適切に選別することは困難であり、一
定の場合には逮捕の事後的な切り替えが要請される。
また、現行犯逮捕と緊急逮捕は、法定の要件こそ違え
ど、誤認逮捕の危険性が極めて少ないため令状なく
逮捕することが許容されている点で共通する。
よって、両逮捕は逮捕時において択一的な関係にある
わけではなく、違法な現行犯逮捕であっても、逮捕の
時点で緊急逮捕の要件を具備していたなら、後に緊急
逮捕へと切り替えることも可能であり、逮捕の違法は、
法210条所定の逮捕状が有効に発布された時点をも
って治癒される。
(4)以上より、本問においても後に緊急逮捕へと切り
替え有効に逮捕状の発布を得たならば、右逮捕に引
き続き甲を勾留することができる。
397 :05/01/25 11:19:29 ID:Do6r5Lor
2 小問2
(1)逮捕釈放後に同一被疑事実に基づく再逮捕を無
制限に認めることは、法が規定した厳格な身柄拘束
期間(205条等)の意義を没却し許されない(一罪一
逮捕の原則)。もっとも、上記規範は条文に直接規定
されたものではなく、身柄拘束期間の厳格性から間
接的に導かれるものであるから、一定の必要性・許容
性を充足する場合にはその例外も認められる。
(2)では、再逮捕が認められる一定の必要性・許容性
を具備する事情とはいかなるものか。そもそも、公判
の準備期間たる捜査においては、真実発見の見地か
ら、その弾力性が強く要求される。とすれば、重大な
新証拠が発見された等、再逮捕が必要といえる場合
は、不当な身柄拘束の蒸し返しとならない限り、再逮
捕も許される。
(3)本問においても、新証拠が発見され窃盗の嫌疑
が確実視されるような事情があれば、甲を再逮捕す
ることができる。
(4)また、勾留については、甲は当該被疑事実につ
き一度も勾留を受けておらず、要件を具備する限り、
当然にできる。

以上

約50行
398396:05/01/25 11:21:14 ID:Do6r5Lor
問題
>>372
大谷氏の答案
>>373-375
399氏名黙秘:05/01/25 12:14:10 ID:???
>>395
あまり学者の言うことを真に受けない方がいいよ。
ライブ盆を見ても分かるとおり、学者もいい加減なことを言うものだから。こと試験に関しては。
元試験委員の伊藤進でも変なことを言ってるからね。
400氏名黙秘:05/01/25 13:42:07 ID:???
現行犯としては違法だが、緊急逮捕は可能な事例で、勾留を認めない裁判例として百選13
他方、違法な実質的逮捕において、緊急逮捕の要件を備えていること
に加え、速やかに「令状請求」があったので
重大でないとした裁判例に百選16
401氏名黙秘:05/01/25 13:44:32 ID:???
>>399
作成に関わった、というか採点に関わった人のいうことがいい加減なら
誰の言葉を信頼するん?
予備校講師か?
402氏名黙秘:05/01/25 17:02:51 ID:???
>397
小問2は甲の逮捕が違法であることを前提として、
甲を釈放して再逮捕することで違法逮捕の瑕疵を
治癒できるかということが問われている。
これに対して、お約束の論証を持ち出して、
「新証拠が発見された場合には許される」と論じるのは見当違い。
403氏名黙秘:05/01/25 19:57:48 ID:???
田宮先生だと
@違法
A形式的瑕疵にすぎないから再逮捕可
て書いてるよね。試験委員の授業でもこの問題やったけど概ね同じ流れ
だった。
404大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/25 20:28:57 ID:???
僭越ながら、コメントを少々させていただきたく思います。

>>396
逮捕前置主義は、短くまとまっていて、すごいと思いました。
ただ、逮捕自体は終わって勾留段階に入っているのに、
事後的な切り替えというのには多少疑問を感じました。

>>397
>>402さんの発言ももっともかと思いました。
ただ、私はすごく短くて要点をついたいい論述だと思います。
参考にします。


この問題は、単純に瑕疵が軽微と認定することにはやはり抵抗があります。
ただ、実際上の妥当性を考えると、やはり瑕疵は軽微ともっていくほうがいいのではないかと思いました。
そこで、令状主義を前面に出すのではなく、手段を誤っただけに過ぎない
としてしまうのが無難ではないかと思いました。

私の答案は、後で参考答案を見たときに
やむをえない事情があり、不当な蒸し返しとならない
という再逮捕の要件を落としていることに気づきました。
>>397さんの答案がぐっさりと刺さりました。
ありがとうございます。

>>388
やはりまずいですよね。やっぱり変なことを書くのはやめます。
でも、前に勾留されていない事実をどう評価していいのか、困ります。
どなたか光を照らしてください。
お願いいたします。
405大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/25 20:29:44 ID:???
さて、今日は2問目を書いてみました。
少し冒険してみました。

【刑訴】 平成11年・第2問
 単独で強盗をしたとして起訴された甲は、公判において、「兄貴分乙に命じられて、強盗をした。」と主張した。裁判所は、「甲と乙との共謀を強く推認させる事実が認められる一方、共謀の事実を否定する乙の供述も虚偽とは言い難い。」と判断した。
 このような場合に、裁判所は、「甲は、単独又は乙と共謀の上、強盗をした。」と認定し、甲に対して有罪判決を言い渡すことができるか。
406大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/25 20:31:13 ID:???
一、択一的認定について
1、裁判所が、「単独又は乙との共謀の上」と択一的な認
 定をして、甲に有罪判決を下しうるか。有罪判決の言渡
 には「罪となるべき事実」(犯罪事実)を示さなければ
 ならないところ(335条1項)、本問のような択一的な認
 定は特定性に欠け、犯罪事実を示したとはいえないので
 はないか、問題となる。
2、この点、例えば「窃盗罪又は盗品等罪」といった、異な
 る構成要件について、択一的認定をすることは許されな
 いと解する。
  なぜなら、このような記載を認めると、法の規定して
 いない合成的構成要件により処罰することに他ならず、
 罪刑法定主義(憲法31条)に反するし、法も起訴状(25
 6条5項)とは異なり、予備的・択一的な判決をなしうる
 規定を置いていないからである。
  もっとも、同一構成要件内の事実については、犯罪の
 方法・手段について、完全な特定を要求することは困難
 であるから、判決においてある程度の幅を持たせた認定
 をすることも、処罰要請の確保から認められると考える。
3、では、どの程度の特定性が要求されるか。
  思うに、有罪判決は国家の刑罰権行使を許すという効
 果を生じるため、恣意的な事実認定による被告人の権利
 侵害を防止す必要がある。そこで犯罪事実につき恣意的
 な事実認定を行ないうる余地のない程度に特定性が認め
 られる必要がある。
  とすると、択一的な認定がなされてもそれだけで特定
 性に欠け、違法な判決とまではいえず、他の部分により
 被告人が罪を犯した事実が明らかで、それが犯罪事実の
 認定において重要でない場合には、恣意的処罰の余地が
 なく、特定性の要請に反さず許されると解する。
407大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/25 20:32:38 ID:???
4、本問では、単独犯か共謀共同正犯かという点は、罪と
 なるべき事実にあたる。
  ただ、甲は自ら強盗の実行行為を行なっているのであ
 り、強盗の結果が生じている以上、基本的行為について
 は認定されている。とすると、単独で行なったか、共謀
 の上で行なったかは、甲に強盗罪を認定する上でさほど
 重要でなく、恣意的な事実認定を許すことにはならない。
  したがって、本問のような択一的認定をすることも許
 されると解する。
二、訴因変更の要否について
1、では、検察官の設定した訴因は単独犯であるところ、
 共謀の事実を択一的に認定するために、裁判所は訴因の
 予備的追加的変更(312条1項)を経ずに、甲に対してか
 かる判決を下しうるか。いかなる場合に訴因変更が必要
 か、問題となる。
2、この点、当事者主義的訴訟構造(256条6項、298条1項)
 の下、審判対象は検察官の設定する具体的事実たる訴因
 であり、訴因には裁判所に対して審判対象を示し、被告
 人に対して防御の範囲を画するという機能がある。そこ
 で、具体的事実に変化があり、被告人の防御上不利益を
 生じるような場合には、不意打ち防止の観点から、訴因
 変更が必要であると解する。
  そして、被告人に不利益が生じうる場合とは、第一に、
 被告人の利益のために基準の客観的明白性を要求し、当
 初の訴因で被告人の防御が一般的に及びうるかという点
 を形式的に判断し、補充的に具体的な訴訟経過に応じて
 被告人に不利益が生じたかを実質的に判断すべきである
 と考える。
408大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/25 20:33:20 ID:???
3、本問においては、単独で行なったか、共謀の上行なっ
 たかは、事実に変化が生じているといえる。そして、単
 独犯の場合、被告人の防御は実行行為や結果発生等につ
 いて行なわれるのに対し、共謀共同正犯の場合、被告人
 の防御は共謀の事実について向けられるのが通常である
 から、形式的に被告人の防御に不利益が生じるといえる。
  もっとも、本問においては甲が自ら共謀の事実を主張
 して争っているのであり、訴訟経過に応じて甲には共謀
 の事実について十分な手続保障が与えられているといえ
 る。
  そこで、本問択一的認定をするために、訴因変更は不
 要であると考える。
三、結論
 以上より、裁判所は本問認定の下で甲に対して有罪判決
を言い渡すことができる。
以上
409大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/25 20:34:01 ID:???
コメント
1600字程度、3ページ後半です。
訴因変更の不利益の判断基準は、折衷説を採用しました。
抽象的防御説だと結論的に「だめ」ということになりそうだったので。
ただ、あまりなじみのない学説なので、少々論述に不安ありです。
項目立てについては、本試験では「一、1、裁判所が、・・・」としますが、そうすると行数が多くなるため、大段落に項目を立てました。

よろしくお願いいたします。

問題
>>405
答案
>>406-408
410氏名黙秘:05/01/26 00:47:06 ID:???
【論文の答練はどこがいい?】

http://school4.2ch.net/test/read.cgi/shihou/1102967098/l50
411氏名黙秘:05/01/26 01:21:54 ID:???
構成要件間の違いなのか行為態様の違いなのかを書かないといかんだろう。
自分が書いた前提の論証に答えてないぞ。
412大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/26 20:50:03 ID:???
>>411
確かにおっしゃるとおりです。
論述のつながりが見えてこないです。
問題意識がよく見えてこないし、つながりの悪い文章だと思いました。
もう一度検討してみます。
ありがとうございました。
413大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/26 20:51:04 ID:???
今日からは、平成8年の問題をやっていこうと思います。
憲法の1問目を書いてみました。

【憲法】 平成8年・第1問
 団体Aが、講演会を開催するためY市の設置・管理する市民
会館の使用の許可を申請したところ、Y市長は、団体Aの活動
に反対している他の団体が右講演会の開催を実力で妨害しよう
として市民会館の周辺に押しかけ、これによって周辺の交通が
混乱し市民生活の平穏が害されるおそれがあるとして、団体A
の申請を不許可とする処分をした。
 また、団体Bが、集会のために上記市民会館の使用の許可を
申請したところ、市民会館の使用目的がY市の予定している廃
棄物処理施設の建設を実力で阻止するための決起集会を開催す
るものであることが判明したので、Y市長は、団体の申請を不
許可とする処分をした。
 上の各事例における憲法上の問題点について論ぜよ。
414大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/26 20:52:37 ID:???
一、設問前段について
1、本問では、市民会館の利用に際し許可制を敷いている
 こと、団体Aに対して市民会館のY市長が使用不許可処分
 を下したことは、Aの集会の自由を侵害し、21条1項に反
 さないかが問題となる。
  ここで、集会の自由は、多数人が一定の場所に集まる
 ことにとどまらず、そこで意見交換をし、各人の人格的
 形成・発展という作用を有するものである。そこで、広
 く表現の自由の一環として憲法は集会の自由を保障して
 いるのである。
2、では、市民会館を利用することは集会の自由の内容に
 含まれるか。
  この点、市民会館は、当該地方住民が住民相互の交流
 を深めるため広く利用できるように設置されたといえる。
  とするなら、団体AがY市の住民で構成されているもの
 であれば、Aに市民会館を利用する権利があるといえ、集
 会の自由の内容に含まれるといえる。
3、このように考えると、市民会館の利用に際し許可制を
 敷くことは認められないとも思える。
  もっとも、市民会館はその用途に従って利用すること
 を予定されているのであり、用途外の目的での利用を認
 めることで、他の利用希望者の使用や周辺住民の平穏を
 害するおそれがある。そこで、事前に用途に従った利用
 といえるかどうかについて、市長の判断を要するとして
 許可制を設けることは必ずしも禁止されないと考える。
  ただ、集会の自由が前述のように人権カタログの中で
 も優越的価値を有することに鑑みると、許可が原則とし
 て義務付けられ、実質的に届出制と異ならないものであ
 る必要がある。
  本問において採用されている許可制が実質的に届出制
 と異ならないものであれば、それ自体21条1項に反するも
 のではない。
415大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/26 20:53:55 ID:???
4、では、許可制が許されるとして、本問市長の処分は21
 条1項に反さないか。
  この点、集会の自由も公共の福祉(13条)による制約
 を受けるが、公共の福祉の範囲を超えて不許可処分を下
 した場合には、市長が裁量権を濫用したといえ、21条1項
 に反すると考える。そして、公共の福祉の範囲内といえ
 るためには、集会の自由が他の人権との関係で優越的地
 位を占めることから、@目的が重要で、A目的達成の手
 段が必要最小限といえなければならないと考える。
5、本問において、@処分の目的は、周辺の交通の混乱を
 防止し、市民生活の平穏を保持することにある。この点、
 現在の社会情勢において、団体が威圧的な行動を伴うこ
 とで個人の私生活を脅かす危険が増大していることに鑑
 みると、目的の重要性は肯定できる。
  ただ、A本問ではAに反対する団体が市民会館周辺に押
 しかけるという抽象的な危険があるに過ぎず、未然にこ
 れを防止すべき必要があるとは思えない。仮にこれが現
 実化したとしても、治安維持は警察を配備することであ
 る程度防止できる。
  とすると、目的達成の手段として必要最小限とはいえ
 ず、本問処分は公共の福祉の範囲外であり、市長の裁量
 権が濫用されたといえる。
  したがって、本問処分は21条1項に反する。
416大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/26 20:54:39 ID:???
二、設問後段について
1、本問においても、団体Bの集会の自由を侵害しないかが
 問題となる。
  この点、設問前段と同様に、許可制が実質的に届出制と
 異ならない場合であれば、この制度自体は違憲とはいえな
 い。
2、では、本問処分は市長の裁量権濫用に当たるか。
  まず、@本問規制の目的は、廃棄物処理施設の建設を実
 力で阻止することによる周辺住民や地方公共団体の事務を
 害することを防止するものであり、重要といえる。
  ただ、A確かに設問前段とは異なり、団体の実力行使に
 よる危険の発生は具体的である。しかし、警察権を発動す
 ることにより危険を防止することも可能であるといえる。
  したがって、必要最小限の手段とはいえず、裁量権の濫
 用にあたり、21条1項に反する。
以上
417大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/26 20:55:15 ID:???
コメント
1500字程度、3ページ目の半分くらいです。
集会の自由についての論述が長い気がしました。
全体的に丁寧に論じてみました。

よろしくお願いいたします。

問題
>>413
答案
>>414-416
418氏名黙秘:05/01/27 01:52:00 ID:???
まあいいんではないかい
しいていうなら小問2の当てはめ部分が薄い気がするが、この程度でも十分

集会の自由の性質について丁寧に触れているのはいい
あと、許可制と処分のそれぞれについて検討している点もいい

流れよく読みやすい

問題文からは許可制より処分自体の合憲性について述べてほしいのだから
もう少しメリハリをつけてもいいと思う
419396:05/01/27 04:55:10 ID:???
評釈ありがとうございました。
大変参考になりました。
また機会があえば投稿したいと思うのでよろしくお願いします。
420氏名黙秘:05/01/27 05:27:14 ID:???
大谷さん、答案は何を見てかいているんですか?
ところどころ指摘されている点がありますが、答案の内容としてはいいと思います
問題集や予備校についても、教えてください

今までの答案を見る限り、不合格者とは思えませんでしたので
421氏名黙秘:05/01/27 08:17:21 ID:???
前段の3は憲法論になってない気がするけど。
また、
>集会の自由が前述のように人権カタログの中でも優越的価値を有することに鑑みる
とあるけど、優越的価値を有するという説明が全くなされていないように読める。
ここは本問で一番大事なところです。

問題文をよく読めば、許可制についてはそれほど論じなくてよいということは分かるはず。

あてはめがちょっと薄い。特に後段は点数をつけられる内容じゃない。
問題文にこれだけ具体的な事情が書いてあるんだから、ここは配点が高いはず。

>公共の福祉の範囲内といえるためには、集会の自由が他の人権との関係で優越的地位を占めることから、@目的が重要で、A目的達成の手段が必要最小限といえなければならないと考える。
違憲審査基準は公共の福祉の文言解釈ではありません。
この表現は理解してないと読まれる可能性が高い。

大きくは沈まないだろうけど、決して高い評価ではないと思います。
422氏名黙秘:05/01/27 21:59:26 ID:???
>>421
>違憲審査基準は公共の福祉の文言解釈ではありません。
え、そうなの?俺ずーっとそういう風に書いてきたんだけど。
説明キボン。
423氏名黙秘:05/01/27 23:21:20 ID:???
>421ではないが、公共の福祉は規制の正当化根拠であり
規制が正当かの判断基準かは、別問題だよね

債務不履行責任は債務者の引き受け意思(私的自治)に根拠を持つけど
どこまでが引き受け意思かの判断は別物
424氏名黙秘:05/01/27 23:22:35 ID:???
あのう、
平成14,15,16の刑法第一問の論点名だけ列挙していだだけないでしょうか。
425氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/01/27 23:47:08 ID:???

>>421は優越的価値を有するという説明がされていないというが
>>441の集会の自由は、多数人が一定の場所に集まる
 ことにとどまらず、そこで意見交換をし、各人の人格的
 形成・発展という作用を有するものである
は、それに該当してるよね
ただ、>>421の言うのも致し方ない。本来「定義」を書いて欲しいところを
「根拠、趣旨、性質」を書いてしまっているから
>>414の部分は、表現の自由の定義(内容)、集会の自由の定義(内容)
集会の自由が表現の自由に包摂されることを書かないと
結構、定義や要件を書くべきところで「趣旨、根拠」を書いてしまうのは
答練上位常連者がやってしまう間違いです。気をつけるといいです
426氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/01/27 23:55:18 ID:???
この答案があの最高裁判例に従ったものか、そうじゃないのかはちょっとわからないですが
従ったなら「うーん、論理が違うなあ」となりますし、従ってないなら「なんとも冗長だなあ」と印象を受けます
さらに、一部だけ従ったというなら「上手い具合にパクれてないなあ」という印象かなあ

許可制についていえば、どうも公安条例のやつを持ってきてるようですが
わざわざ他の判例を引っ張らなくとも、泉佐野のを使えばよいかと
許可条件を限定していると解釈すれば、かかる法による制限も合憲である
という制限合憲解釈を採用すればすっきりとするのではないかと
あの判例は、広めの市長の裁量を認めるのではなく
かなり限定しているので。
427大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/27 23:59:24 ID:???
みなさん、ありがとうございました。

>>421,>>423,>>425
コメントをよく見て勉強しておきます。
最初、表現の自由の優越的地位について述べておいたのですが、長くなったので後から抹消してしまいました。
おかげで論理のつながりが意味不明になってしまったと思います。
集会の自由の定義は、ないですね。
落としてしまったのは相当痛いかと思います。

>>420
色々なところの答練をやってます。
問題集も色々です。(論文の森がメインでしょうか)

>>424
14年は今覚えていません。
15年:ウェーヴァーの概括的故意、因果関係、抽象的事実の錯誤
16年:不真正不作為犯、中止犯
がメイン論点だったと思います。
428大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/28 00:00:49 ID:???
今日は2問目を書いてみました。

【憲法】 平成8年・第2問
 政党を基礎にした拘束名簿式比例代表制について、「選出さ
れた国会議員が、自発的に党籍を離脱した場合または所属政党
から除名された場合は、当該議員は議員の地位を失う。この場
合、当該議員が所属していた政党の名簿上の順位に従い、繰り
上げ当選人を決定する。」という趣旨の規定が法律で定められ
たと仮定する。この規定に含まれている憲法上の問題点につい
て論ぜよ。
429大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/28 00:02:11 ID:???
一、本問規定は、@比例代表制で選出された者は、政党を
 離れた場合に議員としての資格を失い、Aその場合、次
 順位の者が繰り上げ当選する、としている。
  そこで、このような政党本位の選挙制度は「全国民の
 代表」(43条)としての国会議員の資格に反するもので
 はないか問題となる。
二、「全国民の代表」の意義
1、まず、前提として、「全国民の代表」の意味を明らか
 にする必要がある。
  すなわち、議員が国民の命令委任を受けているものと
 考えれば、本問規定は違憲と解されるが、自由委任と考
 えれば、必ずしも本問規定は違憲と解されないといえる。
2、思うに、国民主権原理(前文、1条)は、国家権力の正
 当性を基礎付けるという正当性契機に求めるべきである。
 そこにいう「国民」とは、観念的抽象的統一体としての
 国民を意味すると考えられる。
  そして、選挙は国民主権原理の発現たる側面を有する
 ことから、個々の国民の個別的な委任を受けた者が議員
 となるものではなく、あくまでも観念的抽象的一体とし
 ての「全国民」の代表として選出されることになる。
  そこで、個々の議員は、国民の命令委任を受けている
 ものとは解するべきでなく、代表者として自己の意思を
 国政に反映させるという自由委任を受けていると考える
 べきである。
3、とすると、議員個人を対象とするものではなく、政党
 本位の選挙制度を定めることは、必ずしも許されないも
 のではないと考える。
430大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/28 00:03:28 ID:???
三、政党本位の選挙制度について
1、思うに、議院内閣制(66条3項)を採用する日本国憲法
 の下においては、憲法は「政党」を明文上組み込んでい
 ないが、政党の存在を当然の前提にしているものと考え
 るべきである。また、政党は同一の政治目的(政策)を
 有する者が集まっているのであり、政党に所属する議員
 は、所属政党の政策に基づいて行動することが統一的国
 家意思形成につながるといえる。
  そして、比例代表制は、国民は自己の意見と合致する
 政党に投票する制度であり、その政党に所属する議員を
 代表者として選出するに過ぎず、個別的な議員を選出す
 る制度ではない。
2、そこで、自由委任であることとあいまって、政党本位
 の選挙制度を定めることは、憲法に反するものでないと
 考える。
431大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/28 00:04:02 ID:???
三、本問規定の合憲性について
1、このように考えると、比例代表制により選出された議
 員は、当該政党に所属する議員という限りで「全国民の
 代表」といえるのである。
  そして、議員が自発的に政党を離脱したような場合は
 もちろん、政党から除名処分を受けた場合であっても、
 そのような場合には「全国民の代表」という意味が失わ
 れるといえる。
  したがって、@政党を離脱した場合に議員の資格を失
 うとする点は、43条に反さない。
2、次に、比例代表性の下で、国民は政党に投票している
 のであり、当該政党に所属する限りで「全国民の代表」
 といえるのだから、政党に所属する議員であれば、いか
 なる者が議員となったとしても、それは国民主権に反さ
 ないといえる。
  したがって、A繰り上げ当選を定めたとしても、43条
 に反さないといえる。
四、以上より、本問規定は43条に反するものでなく、合憲
 である、
以上
432大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/28 00:04:49 ID:???
コメント
1300字程度、3ページ目の頭です。
はっきりいって、書きにくかったです。
比例代表制の合憲性を前提として論述することが問題文から要求されていると思いました。
一度国民主権原理にまで立ち返り、そこから具体的に論じるという方法を採りました。

よろしくお願いいたします。

問題
>>428
答案
>>429-431
433氏名黙秘:05/01/28 00:06:02 ID:AONETEN/
>>427
どもです!
434氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/01/28 00:07:38 ID:???
この問題、そうとう書きにくいですね。それはみんな同じです
だから、上手く書ければ一気にボーナスですが
自信がなければ、とにかく手堅くまとめるパターンがいいと思います
手堅くまとめるパターンは「正しいとかは関係なく、みんなが書くこと書く」
「必要かわからんが、みんなが書きそうなこと書く」
「とりあえず、正確な知識を書いておく。論証が不十分でも、知らないことは書かない」
「芦部にのってない事を書かない」ですかな
435大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/28 00:11:38 ID:???
14年は今見ましたが、
1、自招危難に基づく正当防衛
2、正当防衛と共犯者
3、具体的事実の錯誤
4、第三者に防衛の結果が生じた場合

だと思います。
436氏名黙秘:05/01/28 00:14:43 ID:gBaRuql5
ところで、株式未上場の企業が、粉飾決算して銀行から融資を引き出した場合、どんな罪に問われるの?
437氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/01/28 00:16:42 ID:???
で、>>二2の「代表」の意義の
  そして、選挙は国民主権原理の発現たる側面を有する
 ことから、個々の国民の個別的な委任を受けた者が議員
 となるものではなく、あくまでも観念的抽象的一体とし
 ての「全国民」の代表として選出されることになる。
は、どうでしょう。何を言おうとしてるのか、よく判らないというのが実感です
それ以上に、芦部に載ってないことを書いてるのがよろしくない
「はっきり言って書きにくい」というように、この分野は得意ではないのでしょう(自分もです)
ならば、その場で考えない方が良いです。
観念的抽象的統一体としての「国民」では、そもそも「命令」することが不能です
かかる国民は、全く実体を持たないものですから。そこから自由委任につなげていいのです
それが「選挙は国民主権原理の発現たる側面を有する」なんてあると、うーーーーん。わからん!!という感じです

ところで、政党と、「自由委任」は全く別問題です。最後の
2、そこで、自由委任であることとあいまって、政党本位
 の選挙制度を定めることは、憲法に反するものでないと
 考える。
とあれば、うーーーーーん。何を言いたいのかわからん!!という感じです
「自由委任」かは、「党籍離脱が議員資格の剥奪」になる点で引っかかるのですよ
これは結構まずいかも
438大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/28 00:17:06 ID:???
>>434
なるほど。
特に最後の
>「芦部にのってない事を書かない」
これにはすごくインパクトありました。

今まで憲法だけは過去問をほとんど見ていないので、ぶっつけ本番の答案になってしまいました。
コメント非常に参考になりました。
ありがとうございます。
439氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/01/28 00:22:31 ID:???
あ、>>437の抜き出し間違い。
3、とすると、議員個人を対象とするものではなく、政党
 本位の選挙制度を定めることは、必ずしも許されないも
 のではないと考える。
ですが、こちらも、うーーーーーん。何を言いたいのかわからん!!という感じです
「全国民の代表」であることと、政党本位はまるで繋がらないのです
全く別次元ともいえるので。ちょっとここも勇み足かも

>>438
12通を攻める人は落ちると思います
攻めない答案で、合格答案を書く方法は、正しいことを書くことではないです
「みんなが書くこと」「みんなが読んでる本に書いてあること『だけ』書く」のが良いです
それが間違っててもいいのです。みんな間違ってるなら、試験的には「正解」なのですから
みんなが間違うところで正解を書いて攻めるのは「よく判る」ところに限定するのが吉です
440大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/28 00:24:43 ID:???
>>437
う〜ん。
おっしゃられるとおりです。
判例と基本書を見て確認してみます。
しかし、このような問題が本試験で出ると、怖いですね。
441氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/01/28 00:29:30 ID:???
本問の視点ですが、結局は政党論です
政党って、私的団体としてと、公的団体として「ヤヌスの顔」を持つ存在です
とある大学教授が日練でいうように「統治の難しさは色々な視点が絡み合うこと」なんです
この答案の二にあるように「全国民の代表」から考察も可能だし
「なんで政党ができたか」という歴史的意義からも可能だし
「現在、日本で政党が果たしている役割」という機能論
 これはさらに、事実の側面を重視する視点(これは社会学になっちゃいますが)と
 憲法(規範的側面)を重視する視点と、両者の乖離を重視する視点があります

答案は「全国民の代表」からの視点ですが、こちらの筋は難しいんですよ
442氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/01/28 00:37:11 ID:???
>>440
こういう怖い問題は、受験者みんなが怖いから、そこまで恐れる必要はないです

自分なら、の答案ですが、この問題は政党本位の選挙は「論点」になってないと判断します
この規定に含まれている憲法上の問題点を書くのが宿題ですが
この規定とは「」の中で、『党籍移転・離脱が議員資格剥奪』が内容です
「繰上げ」については、特にスルーできるかと。空いたから上げるというだけですから
問題は、空けていいのか??なんじゃないかなと
だから、『』だけを論じて終わりにします。それだけでも一杯一杯ですから

もし、政党本位の選挙を書くなら、これを論じるうえで書けばよろしいかと
443氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/01/28 00:43:47 ID:???
これは論点が二つに分けられます
「所属政党から除名」
「党から離れたら議員じゃなくなる」(つまりただの人になる)

これ、単体なら結構簡単ですよね。でも、両者を絡めると結構難しくなります

政党からの除名ですが、これは、「除名していいのか?」が問題となります
結社の自由は21条1項で保障される。政党もこれで保障される、は択一知識です
私的団体なら、イラン奴は除名して何も問題ありません。これも択一知識
ところが、公的団体としての側面もある政党は少し怪しくなる
さらに、次の「自動議席喪失」が、公的団体性をさらに強めるんですよ
だから、自由に除名はまずいのではないかと??ということになる
444氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/01/28 00:48:21 ID:???
続いて、
「党から離れたら議員じゃなくなる」というのは、先ほど言うように
政党を公的団体と変質させるものです。そこにいないと、議員という地位がないのですから
答案では、自由委任を強調してますが、つまりは、議員個人が信念に従い
自分が正しいと信ずる「全国民の利益」に従い行動する
芦部にもあるように、「除名による自動議席喪失」はこいつにぶつかる
自動喪失を認めれば、事実上自由委任ではなくなります。政党のロボットになる
445氏名黙秘:05/01/28 00:52:04 ID:???
>「芦部にのってない事を書かない」ですかな
これって重要だよね。
芦部は丸暗記するつもりで読み込めば本番でGとることはないと思う。
446大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/28 01:26:20 ID:???
>『党籍移転・離脱が議員資格剥奪』
確かにこれに視点を絞れば少し楽になりますね。

共産党袴田事件を引っ張ってきて、政党の本質論から述べると、除名は自由ということになります。

そうすると、自動失職を伴ってよいのか、という議論が問題となります。

ここで、自由委任を強調すれば、党議拘束に従うというのはそもそも背理ですね。
つまり、結論として、失職までは行きすぎだと

そうすると、後段で書くことがなくなります。

そこで、自らの意思でやめた人は、議員として辞職する意思であると推認すると考えられます。
(多少無理がありますが)

ならば、繰り上げ当選は認められるのか、というのが次の問題で出てくると思います。

ここは政党本位の選挙制度であることに鑑みると、当然認められてしかるべきといえるかと思います。

無難なのは、自由委任であることで切ってしまうことだと思います。
ただ、現行法で自ら党籍を離れた者は自動失職するということになっていますので、
そこに配慮した上で、論じるべきではなかったのではないか、と思いました。

あなたのご説明は、苦手とおっしゃられながら、すごいすっきりしています。
わかりやすいです。
私のレベルの低さに涙が出ます。
ありがとうございました。
447大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/28 01:27:57 ID:???
>>436
詐欺罪ではないでしょうか?
あと、粉飾決済自体を捉えて、特別背任罪も問題になるかと思います。
448大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/28 02:42:51 ID:???
もう一度1問目を書いてみました。

ご指摘の点を踏まえ、構成しなおしてみました。
449大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/28 02:44:24 ID:???
一、設問前段について
1、本問では、市民会館の利用に際し、Y市長が周辺の交通
 が混乱し市民生活の平穏が害されるおそれがあるとして
 不許可処分を下している。
  そこで、このような処分は集会の自由(21条1項)を侵
 害しないか、問題となる。
2、この点、集会の自由とは、多数人が特定の場所に集ま
 ることをいう。そして、多数人が集まることにより、意
 見交換がなされ、各人の人格的形成・発展といった作用
 を有することに鑑み、表現の自由の一内容として憲法上
 保障されているものである。そして、公共施設を集会目
 的で利用することも、集会の自由の一内容として憲法上
 保障されると解する。
  とすると、公共施設の利用を制約することは、集会の
 自由に対する制約として21条1項に反するおそれがある。
  また、表現の自由は、他の自由権に比べ人格的価値そ
 のものに関わるものであるから、人権カタログの中でも
 優越的地位を占め、これは集会の自由についてもあては
 まる。したがって、集会の自由には表現の自由に対する
 保障一般と同様の保障が及ぶべきと解する。
3、もっとも、集会の自由も絶対無制約なものではなく、
 他の人権との矛盾衝突を調整する公平の原理たる公共の
 福祉(13条)による制約を受ける。
  ただ、集会の自由は、表現の自由一般と同様に、人格
 形成・発展といった個人の尊厳(13条)に直接関わるこ
 とから、最大限尊重されなければならず、必要最小限の
 制約が許容されるにとどまると解するべきである。
450大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/28 02:45:19 ID:???
  そこで、不許可処分により事前に集会を禁止すること
 は、原則として許されず、公共の安全に対する明らかな
 差し迫った危険を及ぼすことが予見される場合に例外的
 に不許可とすることが許容されるにすぎないと考える。
 また、恣意的な制約を許すべきでないことから、集会の
 態様・目的、主催者の思想・信条を理由とすることは許
 されず、予見の程度は具体的に高度の蓋然性有する必要
 があると考える。
4、これを本問についてみると、団体Aに反対する他の団体
 が市民会館の周辺に押しかけ、これにより周辺の交通が
 混乱し市民生活の平穏が害される「おそれ」があるにと
 どまっている。
  すなわち、必ずしも集会を開くことにより、他の団体
 による妨害が行なわれるとが、高度の蓋然性をもって予
 見されるとはいえず、いまだ抽象的な危険の域を出ない
 ものである。
  したがって、Y市長の不許可処分は、集会の自由に対す
 る制約として許されず、21条1項に反すると考える。
二、設問後段について
1、団体Bに対して、市民会館の使用目的が、Y市の予定し
 ている廃棄物処理施設の建築を実力で阻止使用としたも
 のであることを理由に、Y市長は不許可処分を下している。
  この点、集会目的に着目した規制であるが、他の方法
 による集会を開くことは禁止されていないのだから、検
 閲の禁止(21条2項)にはあたらない。
  そこで、かかる不許可処分が集会の自由に対する制約
 として21条1項に反さないか、設問前段の基準を用いて検
 討する。
451大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/28 02:46:03 ID:???
2、この点、団体Bの集会は、廃棄物処理施設の建設を実
 力で阻止する決起集会である。これは、設問前段とは異
 なり、集会を開催することにより団体Bによる実力行使
 がおこなわれ、周辺の交通が混乱し市民生活の平穏が害
 されるという公共の安全が害されるおそれが高度の蓋然
 性をもって予見される。
  しかし、これは団体Bの集会目的を理由とする規制であ
 り、このような規制は公共の安全を害する危険性が高い
 としても、集会の自由に対する過度な制約として許容す
 ることができない。
  したがって、本問不許可処分は団体Bの集会の自由を侵
 害するものとして、21条1項に反する。
以上
452大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/28 02:47:22 ID:???
コメント
1500字強、3ページの半分くらいです。
許可制については触れませんでした。

よろしくお願いいたします。

問題
>>413
答案
>>449-451
453大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/28 05:29:32 ID:???
一、本問規定は、@比例代表制で選出された者は、政党を
 離れた場合に議員としての資格を失い、Aその場合、次
 順位の者が繰り上げ当選する、としている。
  そこで、このような制度は「全国民の代表」(43条)
 としての国会議員の資格に反するものではないか問題と
 なる。
二、「全国民の代表」の意義
1、では、43条の「全国民の代表」とはいかなる意味に解
 するべきか。
2、思うに、国民主権原理(前文、1条)は、国家権力の正
 当性を基礎付けるという正当性契機に求めるべきである。
 そこにいう「国民」とは、観念的抽象的統一体としての国
 民を意味すると考えられる。
  とすると、個々の国民の個別的な委任を受けた者が議員
 となるものではなく、あくまでも観念的抽象的一体として
 の「全国民」の代表として選出されることになる。
3、そこで、「全国民の代表」とは、観念的抽象的一体とし
 ての国民の代表であり、個々の議員は、自己の意思を自由
 に国政に反映させるという自由委任を受けていると考える
 べきである。免責特権(51条)が認められていることから
 も、憲法が自由委任を予定していると解することができる。
454大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/28 05:30:27 ID:???
三、@議員資格の喪失について
1、思うに、議院内閣制(66条3項)を採用する日本国憲法
 の下においては、憲法は「政党」を明文上組み込んでい
 ないが、政党の存在を当然の前提にしているものと考え
 るべきである。そして、拘束名簿式比例代表制は、この
 ような政党の価値に着目した選挙制度といえる。
  とすると、特定の政党に所属することを前提として選
 出された議員が、その政党を離れた場合に議席を失うこ
 とは当然とも思える。
2、しかし、一度選出された議員は、自由委任の下、自己
 の信ずべきところに従って行動することができるのであ
 り、政党が除名処分をしたがために自己の意思に従わず
 に議席を失うとすることは、議員の自由な活動を阻害し、
 自由委任の原則に反することになる。
  そこで、政党が除名処分をした場合、当然に議席を失
 うとする制度は、43条に反する。
3、他方、議員が自らの意思で政党を離れた場合、議員自
 身が拘束名簿式比例代表制により選出されたことを放棄
 するという意思をあらわしたものと評価できる。
  したがって、この場合に当然に議席を失うとしても、
 それは議員の意思に基づくものといえ、自由委任の原則
 に反さない。
4、よって、除名により当然に議席を失うとする点は43条
 に反するが、自ら政党を離れた場合に議席を失うとする
 点は43条に反さない。
455大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/28 05:31:47 ID:???
三、A繰り上げ当選について
1、この点においては、選挙民の意思に基づかず、議員を
 選出することになり、繰り上げ当選された議員は「全国
 民の代表」とはいえないのではないかが問題となる。
2、思うに、比例代表制の下で、国民は政党の名簿順位に
 従って投票しているといえる。そして、繰り上げ当選が
 なされたとしても、先順位の者が議院の資格を失えば、
 後順位の者が議員の資格を得ることは、選挙民の意思に
 基づくものといえる。
  したがって、繰り上げ当選を受けた議員も、当該政党
 に所属するのであるから「全国民の代表」といえ、A繰
 り上げ当選を定めたとしても、43条に反さないといえる。
以上
456大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/28 05:33:44 ID:???
8年の憲法を書き直した答案です。
よろしくお願いいたします。

1問目
問題
>>413
答案
>>449-451

2問目
問題
>>428
答案
>>453-455
457氏名黙秘:05/01/28 05:44:45 ID:???
大谷チャソ精がでるねぇ〜
458436:05/01/28 07:53:06 ID:gBaRuql5
>447
レスありがとうございました。試験うまくいくといいですね。
459氏名黙秘:05/01/28 19:12:42 ID:???
>集会の態様・目的、主催者の思想・信条を理由とすることは許されず
集会の目的が人殺しである場合にも不許可にできないのかいな?
あのね、ちゃんと判例や学説があるところで、自分で勝手に説を作っちゃダメ。
そんなものは99%が瞬時に論破されるようなものだから。
460氏名黙秘:05/01/28 22:29:02 ID:???
>>459
泉佐野市民会館事件判決も同じようなこといってるよ
ただ、平穏な態様で利用するという前提つきだけど

だからあながち間違いじゃないと思う
461大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/28 22:53:51 ID:???
>>457
ありがとうございます。
>>458
お互いがんばりましょう。
何としても合格を勝ち取りたいです。
>>459-460
判例の知識が不十分でした。
泉佐野市民会館では
「主催者が集会を平穏に行なおうとしているのに、その集会の目的や
主催者の思想・信条に反する他のグループ等がこれを実力で阻止し、
妨害しようとして紛争を起こすおそれがあることを理由に公の施設の
利用を拒むことは憲法21条の趣旨に反する」
としてありました。
主催者の思想を理由に制限しているわけではないのですね。
「集会の態様・目的、主催者の思想・信条を理由とすることは許されず」
の部分が明らかに不要です。

知ったかぶった答案を作成してしまったことを深くお詫びいたします。
せっかく読んでいただいたのに、お恥ずかしい限りです。
462大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/28 22:54:45 ID:???
さて、今日は民法1問目を書いてみました。

【民法】 平成8年・第1問
 Aは,Bに対する債務を担保するため,自己所有の甲建物に
抵当権を設定し,その旨の登記を経由した。その後,Aは,C
に甲建物を売却したが,Cへの所有権移転登記を経由する前に,
Dの放火により甲建物が全焼した。
 この場合に,A,BおよびCは,それぞれDに対して損害賠
償を請求することができるか。
 AがDに対して損害賠償を請求することができるとした場合,
AのDに対する損害賠償請求権またはDがAに支払った損害賠
償をめぐるBおよびCの法律関係はどうなるか。
463大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/28 22:56:36 ID:???
一、A,B,CのDに対する損害賠償について
1、まず、抵当権者Bは、抵当権侵害を理由に損害賠償請求
 (709条)できるか。
  思うに、抵当権(369条)も物権であり、抵当権が侵害
 された場合、固有の損害賠償請求権を有すると考える。
  そして、抵当権を実行できなくなったことによる損害
 は、消失前の価額を基準にして計算し、被担保債権額の
 範囲内で損害が生じていると考える。
  したがって、BはDに対して、放火により滅失した建物
 の価額につき、被担保債権額の範囲内で損害賠償を請求
 できる。
2、次に、AとCはDに対して損害賠償請求できるか。
  この点、意思主義(176条)の下、所有権は売買契約と
 同時に移転するのが原則である。
  もっとも、不動産については、登記をもって公示機能
 を果たしているのだから(177条)、登記が移転しない限
 り、買主は完全な権利を取得しないと考える。
  そこで、登記が移転していない本問において、A、Cに
 不完全な所有権が帰属していると考える。
  よって、A、Cはそれぞれ所有権侵害を理由に、Dに対し
 て損害賠償を請求できると考える。
二、AのDに対する損害賠償請求権
1、この場合、Aは不完全な権利をCと持ち合っているのだか
 ら、損害全額について請求できないとも思える。
  しかし、これではDを過度に保護することになるし、AC
 間の売買契約が取消(121条)・解除(541条)等により消
 滅した場合、AはあらためてCの損害賠償請求権を行使しな
 ければならず、煩雑である。
464大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/28 22:57:11 ID:???
2、そこで、この場合のAとCの債権は、不可分債権(428条)
 と捉えるべきであり、AはDに対して損害全額を請求できる
 と考える。
三、DがAに支払った損害をめぐるB及びCの法律関係
1、DがAに損害全額を支払った場合、Cの債権も消滅する。
  そこで、公平の見地より、CはAに対して、不当利得返還
 請求(703条)しうると考える。
  そして、いかなる範囲で請求できるかは、AがCより甲建
 物の売買代金を取得しているのに損害賠償全額の支払を受
 けていることから、Aが利得を二重取りした範囲、すなわち
 売買代金額につき、不当利得返還請求できると考える。
2、次に、抵当権者Bは、債務者Aに対して代償請求しうると
 考える。
  この場合、被担保債権額の範囲でAは抵当権を実行される
 おそれがあったのだから、Bは被担保債権額をAに対して請
 求できると考える。
以上
465大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/28 22:57:51 ID:???
コメント
1000字弱、2ページくらいです。
とにかく、短く事案解決に必要なところだけ論証しました。
要件として、不法行為の成否や不当利得の内容について、詳細に検討する余地があると思います。
ただ、結論的に変わらないので、骨だけに削った答案にしてみました。

よろしくお願いいたします。

問題
>>462
答案
>>463-464
466氏名黙秘:05/01/29 00:00:48 ID:???
前段
>A・Cともに不完全な所有権を取得し両者共に請求可
内田説ではないし、こういう学説があるのですか?
無ければかなりまずい。

後段
>そして、いかなる範囲で請求できるかは、AがCより甲建
>物の売買代金を取得しているのに
勝手に事情を付加してはいけません。
AC間の売買契約についてAの代金債権の存続の有無を検討
しないと駄目です(危険負担の問題)。
Aの代金債権が原則どおり消滅するならCに何らかの請求権
を認める必要が全くない(損害がないから当たり前ですよね)。
Bについては物上代位の問題です。

抵当権侵害による損害賠償を認める考えは処理が難しいです。
うまく処理できないのなら認めないで物上代位のみで処理
した方がいいと思います。

前段の論述が怪しいですし後段に至っては何も書いていないに
等しく厳しい点数になると思います。
467氏名黙秘:05/01/29 00:22:48 ID:???
簡単に書ける筋としては、
前段
本問ではAに所有権があると認定。
→所有権侵害に基づく損害賠償請求はAのみ可。
Bの抵当権侵害を否定(物上代位のみ)

後段
A→Dの請求権について代償請求権を取得するか?
CのAに対する引渡請求権→履行不能により消滅(Aに帰責事由なし)。
AのCに対する代金債権→制限説を採用。
今だAの支配領域内にあると認定→消滅。
Cに損害がなく代償請求権を認める必要無し。

Bの物上代位について
Aに対する支払前なら物上代位可能。
Aが受領後は不可。

みたいだと楽に書けます。民法は楽にかける筋を見つけないと
泥沼に陥る危険性があると思います。
468氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/01/29 01:39:54 ID:???
>>466
A・Cともに不完全な所有権を取得し両者共に請求可
という学説はある。実体法的にみて、登記が備わるまでは
ある物につき複数の所有権が成立しうることを端的に認める
そのうえで、一物一権主義は登記により確定する所有権についての規律とする
当事者(AC)では無論Cが所有権者。でも、第三者間では、異なるのだと
なぜそうなるかは、そのようなシステム(対抗要件主義)を採用したから。

ただ、二については聞いたことないかな。悩みなど見せずに、所有権者の所有権が侵害されて
賠償請求できて、何かおかしいか??くらい開き直っていいような
469氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/01/29 01:42:22 ID:???
三について
公平の見地より、CはAに対して、不当利得返還
 請求(703条)しうる
となっているけど、AC間では目的物引渡債権関係があるから
端的にこの契約責任とすればよいと思う
あと代位請求だっけ?それ。

他方、抵当権者については物上代位かな
470氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/01/29 01:50:09 ID:???
>>467
Aに所有権があると認定、は自分はまずいかと
不法行為者に対し、物権譲受人は不法行為請求及び物権的請求権を行使しうる
(不法行為者は登記のケンケツを主張する正当な利益はない)という判例、学説の一致した見解がある以上
Cを所有権者と扱わざるを得ない。ここで対立する学説は無いと思う
問題はAを所有権者とできるか。出来るとする人は
登記をするまで、Aも完全な所有権者(所有権者たるものたくさんの人に譲渡しうるのだ、との見解はこの極端系)
AとCで所有権は分属(不完全物権変動説やなし崩し的はこの系統)と説明するのではないかな

あとBの抵当権侵害を否定するのもわからないかなあ
目的物滅失である以上、物権侵害は否定できないと思う
そのうえで、物上代位できるとすべきでは
471氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/01/29 01:57:24 ID:???
後段については>>467で良いかと
帰責性が無い点は、自分が見落としたね
自分はCも所有権者とするので、Cに代償請求を認め
最終的に経済的利益を保持すると結論付けます。
472氏名黙秘:05/01/29 02:22:34 ID:???
>>470
横レスだけど、
物権変動を契約時じゃなくて現実的な引渡し(登記移転・代金支払等)があった時点とすれば
Aのみに所有権を認めても大丈夫だと思う。
473472:05/01/29 02:30:43 ID:???
>>470の後半にその説のことが書いてあるの見逃してた。
本問の事案ではなんら履行行為が行われていないと認定してもなし崩し説では一応Cにも所有権があるとするの?
474467:05/01/29 02:41:43 ID:???
>470
所有権の移転時期を契約の解釈の問題として捉え不動
産については登記又は代金支払時に所有権が移転する
という説はあるよ。Sには紹介されてた。
所有権の移転時期につき意思主義を認めた判例も「特約
がない限り」としてたと思う。

確かに抵当権侵害の損害賠償を認めた方が妥当性は図れる
と思うけど認めると後段で抵当権侵害の損賠請求権とA→D
の請求権との関係も論じてしまいそう。だから答案的に認め
るのが恐い。
認めない説もあるからこっちの方楽かなあと思っただけです。

Cの代償請求権を認めると(Aの代金債権を存続として)Bと
の物上代位の関係を書かないといけなくなっちゃう。
先に登記したBが勝つのかな〜(Aへの支払前)。

確かにBとCの関係を書いて欲しそうな問題だから時間があ
ればこっちかな。
475氏名黙秘:05/01/29 17:28:02 ID:???
去年の民訴の一行問題、柴田の解答読んでもわからん。
476大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/29 22:21:58 ID:???
>466-474
ありがとうございます。
確かに、私の答案ではほとんど点がつきませんね。
契約と同時に所有権が移転するという説を貫くと
Aは損害賠償請求できないが、特約があれば例外的に損害賠償請求できる
そうすると、Aが代金と損害賠償を二重に得るような場合はCの代償請求を認めるべき
となります。

Bの請求については、物上代位があるため、抵当権侵害を認める必要はないのではないか
という議論と、
目的物の滅失によりえられたはずの金銭を請求できないか
という議論があると思います。

ただ、この問題文だと、本番で思いつかないのが怖いです。
しかも、Bに固有の損害賠償請求権を認めてしまったら、物上代位できなくなるのでは?
という点も困ります。

>467さんの筋だと、簡単に書けそうです。
参考にします。
ありがとうございました。

>>475
民訴1問目は、私も全然だめでした。
何を聞かれているのか、出題の趣旨を見ても、あまりよくわかりませんでした。
今年はもう少し楽な問題にしてくれると助かるのですが・・・
477大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/29 22:23:01 ID:???
さて、今日は民法2問目を書いてみました。

【民法】 平成8年・第2問
 Xは,Yに国際見本市の会場の1つとなる乙建物の建築
を注文した。Zは,見本市の期間中,乙建物を出展用に使
用するため,Xと賃貸借契約を締結した。この契約には,
乙建物を使用させられないときはXがZに1000万円を支払
う旨の損害賠償額の予定条項が含まれていた。ところが,
乙建物は,完成後引渡し前に地震により全壊して使用不能
となり,見本市の期間中には再築も間に合わなくなった。
Xは,Zに予定どおり乙建物を使用させていれば,2000万
円の収益を得られるはずであった。
 右事例において,(1) 地震の震度が極めて大きく,Yが
耐震基準に適合した設計・施工をしていたにもかかわらず,
乙建物が全壊した場合と,(2) 地震の震度は,標準的な建
物であれば十分耐え得る程度のもので,Yの施工上の手抜
き工事が原因で乙建物が全壊した場合とに分けて,XY間
およびXZ間の法律関係について論ぜよ(なお,XY間の
請負契約には民法上の規定と異なる特約はなかったものと
する。)。
478大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/29 22:24:34 ID:???
一、小問(1)について
1、XZ間の関係について
ア、XZ間の賃貸借契約(601条)は、目的物の建築が不能と
 なった段階で、履行不能が確定し、終了する。
  したがって、XはZに賃貸する義務を負わず、ZはXに賃
 料を支払う義務を負わない。
イ、次に、XZ間に、乙建物を使用できなくなった場合に、
 損害賠償として1000万円を支払う特約があるため、ZがX
 にこれを請求できる。
  この点、履行不能が大地震に起因し、Xの帰責事由に基
 づくものではないため、賠償義務を課すことはXに対して
 酷とも思える。
  しかし、使用収益できなくなる一切の事情を考慮してX
 はZと特約を締結したと考えるのが合理的意思解釈に合致
 するため、Xに支払を義務付けても酷とはいえない。
ウ、また、Xに帰責事由がないため、債務不履行(415条)
 や不法行為責任(709条)は追求できない。
2、XY間の関係について
ア、XはYと請負契約(632条)を締結しているが、乙建物が
 滅失したためXのYに対する建物引渡請求権は消滅する。
イ、では、YがXに請負代金を請求できないか。
  この点、乙建物が完成しているため、建物の引渡しの
 みを捉えて、534条1項の債権者主義を適用し、請負代金
 の請求を認める見解もある。
  しかし、請負契約は建物の完成・引渡しを一体として捉
 えるべきであり、引渡しのみを別に捉えて考えるのは妥
 当でない。
  そこで、536条1項の債務者主義を適用し、YはXに対し
 て請負代金を請求できない。
ウ、また、滅失が大地震によるものであったのだから、XY
 とも帰責事由はなく、相互に債務不履行責任、損害賠償
 責任を追求することはできない。
479大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/29 22:25:48 ID:???
二、小問(2)について
1、XZ間の関係について
ア、XZ間の賃貸借契約が、履行不能により終了することは
 (1)の場合と同様である。
  したがって、Zの目的物の引渡請求権、Xの賃料支払請
 求権は消滅する。
イ、次に、Xに対して、特約の1000万円を請求できる。
ウ、さらに、本問建物の滅失が、請負人たるYの手抜き工事
 が原因であったことによるため、ZはYに債務不履行責任な
 いし不法行為責任を追求しえないか。
  この点、債務者の履行補助者の故意過失により損害が生
 じた場合、信義則上(1条2項)債務者の故意過失と同視し
 うる。そこで、請負人を注文者の履行補助者と同視できる
 かが問題となる。
  思うに、履行補助者の故意過失を債務者に責任を負わせ
 うるのは、債務者が、その支配下にある履行補助者を使っ
 て活動範囲を拡大し、利益を得ているため、利益の損する
 ところに損失もまた帰すべきという理由に基づく。そして、
 請負人は、債務者と契約関係にあるが、債務者とは別個独
 立の人格として行動している以上、債務者の支配下にある
 とはいえない。
  したがって、請負人を注文者の履行補助者とみることは
 できず、YはXに対して債務不履行・不法行為責任を追求でき
 ない。
2、XY間の関係について
ア、請負目的物が完成後、引渡前に消滅している以上、XはY
 に目的物引渡請求をなしえない。
イ、また、滅失がYの帰責事由によるものであるから、(1)
 と同様に、YはXに請負代金の請求をなしえない。
480大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/29 22:26:37 ID:???
ウ、では、XはYに対して債務不履行ないし不法行為による
 損害賠償請求として、XがYに対して支払った1000万円と、
 本来得ることのできた利益として2000万円の請求をなし
 えないか。
  この点、いずれの請求も、損害の公平な分担という観
 点から、416条の範囲においてのみ請求をなしうると考え
 る。そして、416条は、相当因果関係の基礎事情として、
 1項が通常予想されるものを、2項が通常予想されないが
 当事者が特に知っていたものを判断基準にするものと考
 える。
  そこで、まず1000万円について検討するが、これはXY
 間の賃貸借契約の特約であり、通常生じうる損害とはい
 えないため、2項の問題となり、Yが知っていた場合に限
 り損害賠償請求できる。
  次に、2000万円については、国際見本市の会場として
 使用することを契約の際に明らかにしていたと考えられ
 るため、利用できなかったことによる不利益は、1項の問
 題としてYの認識の有無に関わらず、XはYに請求できる。
  以上より、XはYに対して、2000万円と、Yが特約の存在
 を知っていた場合に1000万円の損害賠償請求をなしうる
 と考える。
以上
481大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/29 22:27:21 ID:???
コメント
1800字弱、4ページ頭くらいです。
1問目を薄く書いたので、2問目は少し厚めに書いてみました。
(1)と(2)を場合分けて、それぞれ同じ請求には同じ段落番号を振るなど、対比の視点を答案に出したつもりです。

よろしくお願いいたします。

問題
>>477
答案
>>478-480
482氏名黙秘:05/01/30 08:50:56 ID:???
なんか下のほうに類似スレがあることにいまごろ気づいた。

自分の答案を叩き台にして議論するスレ 二通目
http://school4.2ch.net/test/read.cgi/shihou/1094412923/
483大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/30 18:22:47 ID:??? BE:123617298-
>>482
見てみました。ありがとうございます。
本当に底に沈んでいましたね。
ぼちぼちと中身を見ていきます。

さて、今日は、あっさり目の答案を書きました。

【商法】 平成8年・第1問
 株式の併合または分割と資本との関係について論ぜよ。

484大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/30 18:23:51 ID:??? BE:92712896-
一、株式の併合・分割と資本の関係について
1、株式とは、株式会社の社員たる地位をいい、細分化し
 た割合的単位の形式をとり、これにつき株券が発行され
 るものをいう。
  そして、株式の併合とは、数個の株式を一つにまとめ
 ることをいい(214条以下)、株式の分割とは、一つの株
 式を複数に分割することをいう(218条以下)。
2、他方、資本とは、株式会社の財産を指し示す一定の数
 額をいう。
  そして、資本の額は、原則として発行済株式の発行価
 額の総数とされている(284条の2)。
3、では、株式と資本との関係をいかにとらえるべきか。
  この点、従前は額面株式が採用されていたため、額面
 株式の券面額が資本の最低金額を画するという機能を有
 していた。しかし、昭和25年改正で無額面株式の導入が
 なされ、昭和54年改正で無額面株式の最低限度額の規定
 が廃止されたことにより、株式と資本との関係は薄れた。
 そして、平成13年改正により額面株式が廃止されたため、
 資本と株式の関係は完全に切断された。
  このように、現在においては資本と株式の関係はなく、
 株式の併合・分割と資本とは関係がないといえる。
二、例えば、株式の併合により株式数は減少するが、資本
 の額は発行済株式の発行価額の総数で定まるため、資本
 の額は減少しない。
  また、株式の分割により株式数は増加するが、資本の
 額は増加しない。
  したがって、資本を増加・減少させるには、別に特別
 の手続を経なければならない(増加につき280条の2、29
 3条の2等、減少につき375条等)。
以上
485大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/30 18:24:24 ID:??? BE:72110467-

コメント
600字程度、2ページの頭くらいです。
何を書けばいいのでしょうか。
こんな問題をやってもしょうがないのでしょうか?

よろしくお願いします・・・すみません。

問題
>>483
答案
>>484
486氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/01/30 19:18:27 ID:???
>>485
まあ、今では「無関係ですな」ですんでしまうからねえ

>>478
一1イの特約について
この見解でも良いです
一言「債権者はこの点につき保証した」と入れると
無過失責任の論証が引き締まるかと

一2イの部分、反対説をたたくより
「自説の論拠」を示す方が良いかな
この論点は、作った部分の損失は誰が負うべきか、という問題意識が先で
どのように構成するかは「説明論」なんだよね
説明する場合も、危険負担を利用する場合としない場合がある
「この場合、価値判断的に言って、請負人が負担すべき。それを危険負担で説明します』という流れの方が
理解を示せるかと
487氏名黙秘:05/01/30 19:21:40 ID:???
>大谷
もっと最近の問題やってくれ。問題がつまらん。
488氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/01/30 19:27:56 ID:???
>>479
二1ウ。書き間違いかとは思うけど
ZがYに責任追及するのではないよね?
あと
「ZはYに債務不履行責任ないし不法行為責任を追求しえないか」
とありますが、
履行補助者の故意過失による損害発生が信義則上債務者の故意過失と同視されるのは
契約責任だけです。契約責任では、債務者による「債権者利益の移転の引受意思」があるので
過失責任は大幅に緩和される(責任を基礎付けるものではなく、免責させるものになる)
だから、他人の行為を以って責任の基礎付けが可能になる
他方、不法行為責任では、過失というのが正に責任を基礎付けることになる
だから、その責任の内容は明らかに契約責任と異質なのです
489氏名黙秘:05/01/30 20:00:50 ID:???
資本と株式、もしも、今問われたら、
株式の分割・併合→資本の関係は上記答案のとおりとして
資本の増加・減少→株式数、の、
現実的な運用も書いておいてもよいかもしれませんね。
490大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/30 20:12:56 ID:??? BE:20603726-
>>486
このコメントは貴重にさせていただきます。
「論証が引き締まる」
なんていい言葉なんでしょう
あと、積極的な理由付けをもう少し試みたほうがよかったですね。

>>488
すみません。
書き間違いです。
こんなところで点数を引かれたら大損ですよね。
気をつけます。

履行補助者のところは、きちんと債務不履行責任と分けて論じるべきところでした。
使用者責任なら、715条ですよね。
私の答案、つまらないところでミスが多いですね。
反省しなければいけません。

>>489
そうですね。でも、最近の傾向からすると、多分出ないと思います。
しっかりと減資の条文をあげられるか、新株発行と資本の組み入れに気づくか、分割や合併だとどうなるか。
ここら辺を抑えておかなければなりませんね。

>>487
う〜ん。それでは、商法の2問目も書いたので、それとあわせて14年の刑法1問目でも。
お願いできますでしょうか。
491大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/30 20:13:34 ID:??? BE:27471528-
【商法】 平成8年・第2問
 振出日欄が白地の約束手形の所持人が,その白地部分を補充し
ないまま,満期日に,振出人に対し,支払のためその手形を呈示
した場合,その提示は,どのような効力を有するか。

492大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/30 20:15:09 ID:??? BE:48073474-
一、手形の有効性について
1、振出日白地の手形は、手形要件を欠いているため(75
 条6号)、無効手形ではないか。無効手形であれば、手形
 提示になんらの効力も生じないため問題となる。
2、この点、手形が転々流通する有価証券であることに鑑
 み、取引の円滑・迅速のために手形は厳格な要式証券と
 されており、手形要件を欠く手形は原則として無効であ
 る(76条1項)。
  もっとも、法が手形要件の一部を欠く白地手形を予定
 していること(10条)、商慣習法上白地手形も有効に取
 引されていることから、白地手形も一定の要件の下で有
 効な手形となる。そして、無効手形と白地手形の区別は、
 白地部分を補充させる意思を付与したか否かで決すべき
 である。
3、そこで、振出人が所持人をして白地部分を補充させる
 意思であった場合、白地手形として無効手形とはならな
 いと考える。
二、白地手形の提示の効果
1、この点、完成手形であれば、支払呈示(77条1項3号、
 38条1項)の効果として、訴求効保全効(77条1項4号、
 43条)、付遅滞効(77条2項、5条)、時効中断効(77条
 1項8号、71条)が生じる。
  もっとも、白地手形は完全な手形ではない。したがっ
 て、白地部分を補充しないで呈示したとしても、完成手
 形と同様の効力が生じるものではない。
2、まず、遡及効保全効は生じないと解する。
  訴求効保全効は、満期において有効な支払呈示がなさ
 れて始めて生じるところ、白地手形では有効な支払呈示
 がなされたとはいえないからである。
493大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/30 20:16:02 ID:??? BE:60092257-
3、次に、付遅滞効も認められないと考える。
  なぜなら、付遅滞効は有効な手形金請求がなされるこ
 とにより生じるところ、いまだ未完成の白地手形では手
 形金を請求しうる要件を欠いているのであり、付遅滞効
 を生じる前提条件を欠いているからである。また、訴求
 に際しての付遅滞効を定める48条1項2号も、有効な訴求
 があったことを前提としているからである。
4、もっとも、時効中断効は生じると解する。
  なぜなら、時効制度の趣旨は、永続する事実状態を尊
 重し、それを法制度まで高めたことにあるが、所持人は
 手形金請求するという意思を表明したのであり、永続す
 る事実状態の尊重という時効の趣旨が妥当しないからで
 ある。
三、以上より、本問手形が白地手形であれば、支払呈示の
 効果として時効中断効が生じ、無効手形であれば何も生
 じない。
以上

コメント
1000文字弱、2ページの半分くらいです。
この年は、ほとんど書くことがないですね、商法。
できる限り膨らましてみました。
494大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/30 20:16:56 ID:??? BE:48074047-
【刑法】 平成14年・第1問
 甲は、Aに電話で罵倒されたため憤激し、A方に赴けば
必ずけんかになるだろうと思いながら、この機会にAを痛
めつけようと考え、こん棒を用意するとともに、友人の乙
に、こん棒を持っていることを隠し、これからA方に話合
いに行くが、けんかになったら加勢してほしいと依頼した。
乙は、気が進まなかったが、けんかの加勢くらいはしてや
ろうと考えてこれを承諾し、一緒にA方に行った。甲は、
Aを呼んでも出てこないので裏口に回り、乙は、玄関先で
待っていたところ、出てきたAが乙を甲と取り違え、いき
なり乙に鉄棒で殴り掛かってきた。そこで、乙は、Aの攻
撃を防ぐため、玄関先にあったコンクリート片をAに向か
って投げたところ、コンクリート片はAの顔に当たり、顔
面擦過傷を負わせ、さらに、Aの背後にいたBの頭にも当
たり、頭部打撲傷を負わせた。なお、コンクリート片を投
げたとき、乙はBがいることを認識していなかった。
 甲及び乙の罪責を論ぜよ(ただし、特別法違反の点は除
く。)。
495大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/30 20:18:07 ID:??? BE:96146887-
一、乙の罪責について
1、乙はAに対してコンクリート片を投げつけ、傷害を負わ
 せていることから、傷害罪(204条)の構成要件に該当す
 る。
2、もっとも、乙の行為はAが鉄棒で殴りかかってきたこと
 に起因する。
  そこで、乙に正当防衛(36条1項)が成立し、違法性が
 阻却されないか問題となる。
ア、まず、「急迫不正の侵害」があったといえるか。
  この点、判例は侵害をあらかじめ予期していた場合に
 は、急迫性が欠けるとする。しかし、急迫性の有無は客
 観的に判断すべきであり、主観により左右されるもので
 なく、判例の見解は妥当でない。
  本問で、Aは突然殴りかかってきており、「急迫不正の
 侵害」は認められる。
イ、次に、「防衛するため」という文言から、防衛の意思
 がなければならない。ただ、侵害をあらかじめ予期し、
 それを利用して積極的に加害行為に及んだ場合には、防
 衛のためにした行為とはいえず、防衛の意思を欠くと考
 えるべきである。
  この点、乙は喧嘩になるかもしれないという抽象的な
 認識を有していたに過ぎず、これを利用して積極的に加
 害行為に及ぶ意図まではなかったといえることから、防
 衛の意思も認められる。
ウ、そして、鉄パイプで殴られるのを防止するために、近
 くにあるコンクリート片を投げつける行為は、「やむを
 得ずにした行為」といえる。また、自己の身体の安全を
 守るため、Aの身体を傷害したのであるから、「防衛の程
 度を超えた」とはいえない。
3、したがって、Aに対する関係で乙に正当防衛が成立し、
 違法性が阻却されるため、傷害罪は成立しない。
496大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/30 20:19:08 ID:??? BE:51507656-
4、次に、乙はBに対しても傷害を負わせており、客観的構
 成要件要素を充足する。
  そして、人を傷害するという規範に直面しえたといえ、
 故意が認められる。また、構成要件の範囲で故意は抽象化
 されるため、発生した結果全てに対して故意責任を問いう
 ると考える。
  したがって、Bに対する傷害罪の構成要件該当性が認め
 られる。
5、次に、正当防衛は「不正の侵害」が必要であるところ、
 Bはなんら「不正の侵害」を行なっていないため、正当防衛
 は成立しないと解する。
6、では、緊急避難が成立しないか。
ア、まず、「現在の危難」は認められる。
イ、次に、「避けるため」との文言から避難の意思が必要で
 あると解するところ、自己の身を守るために行なっている
 といえ、避難の意思も認められる。また、補充性、法益の
 均衡の要件も満たす。
7、したがって、乙には緊急避難が成立し、Bに対する傷害罪
 は成立しない。
8、以上より、乙に犯罪は成立しない。
497大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/30 20:20:22 ID:??? BE:30905429-
二、甲の罪責について
1、甲は、乙と共同してAを加害する意思であったことから、
 自ら実行に及んでいないものの、傷害罪の共謀共同正犯
 (204条、60条)の構成要件該当性が認められる。
  また、Bに対する傷害についても、乙と同様に構成要件
 的故意が認められる。したがって、Bに対する傷害罪の構
 成要件該当性が認められる。
2、では、乙に正当防衛・緊急避難が成立し違法性が阻却
 されるところ、甲も違法性が阻却されないか。共犯者間
 において違法は連帯的に作用すると解されるため、問題
 となる。
  思うに、正当防衛も緊急避難も、防衛の意思・避難の
 意思が要求されるところ、主観は行為者ごとに判断され
 るべき問題である。
  したがって、防衛の意思・避難の意思の有無は連帯的
 に作用せず、個別的に別途検討を要すると考える。
  そして、甲はAの侵害行為を予期し、これを積極的に利
 用して加害行為に及ぼうとしていたのであるから、防衛
 の意思は否定される。また、避難の意思も防衛の意思と
 同様に、侵害を避けるという単純な心理状態を指すとこ
 ろ、積極的加害意思がある場合には避難の意思も否定さ
 れると考える。
3、したがって、乙の違法性阻却は甲に対して影響を及ぼ
 さず、甲にはA・Bに対する傷害罪の共同正犯(204条、
 60条)が成立する。そして、これらは観念的競合(54条
 1項前段)となる。
以上
498大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/30 20:20:53 ID:??? BE:10302023-
コメント
1600字、3ページ程度です。
判例の批判は必要だと思い、書きました。
メイン論点は、乙の正当防衛、甲の違法性阻却事由なので、これにしぼって書きました。
共謀共同正犯については、多少問題があるかと思いましたが、成立することに争いがないと思われるため、流しました。
499大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/30 20:22:54 ID:??? BE:20603726-
商法8年2問目
問題
>>491
答案
>>492-493

刑法14年1問目
問題
>>494
答案(コメント含みます)
>>495-498

よろしくお願いいたします。
500氏名黙秘:05/01/30 23:56:37 ID:???
商法はこんなものだと思います。
欲を言えば時効中断という意味はあくまで「催告」の意味があるにすぎない
という点に触れらたらよかったと思います。
刑法もそつなく論点に触れているのでまあまあだと思います。
特に矛盾はないし。
501氏名黙秘:05/01/31 02:17:06 ID:???
刑法,まあまあ良く書けてると思う。が,出題の趣旨は以下のとおりだ。

本問は,共犯者相互間において正当防衛の成否に関する事情が異なる点が問題となり,
事実の錯誤に関する論点をも伴う事案を題材にして,これらに関する各論点についての理解度を問うのみならず,
各論点相互の関連性を踏まえて,整合的に論述し得る論理的思考力を問うことを意図したものである。

つまり,違法の連帯性と事実の錯誤がメイン論点ということだ。
判例の批判というけれど,はっきり言って別にいらないと思う。
急迫性で考えようが防衛の意思で考えようが,
結論にあまり差はないのだ。
論点の客観的重要性よりも,その問題ごとにおける重要な論点をしっかり書くべき。
502氏名黙秘:05/01/31 02:46:39 ID:???
刑訴のH13年の1問目

【第一問】
 詐欺事件を捜査中の警察官は、「磁気記録テープ、光磁気ディスク、
フロッピーディスク、パソコン一式その他本件に関係する一切の物」を
差し押さえるべき物とする捜索差押許可状を請求し、その発付を得た。
警察官は、この令状に基づいて、捜索差押えの現場で、その内容を
確認することなく、フロッピーディスク100枚を差し押さえた。
 以上の手続に含まれる問題点について論ぜよ。


令状はこんな包括的文言でOKか?
確認なしの包括的差し押さえでOKか?

ていう論点の他にまだ何か論点あるですか?
503大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/31 07:23:07 ID:??? BE:96146887-
>>500-501
ありがとうございます。
そういえばこの年から出題の趣旨が出ていたんですね。
即興で作っていたので、すっかり忘れていました。
確認しておきます。

>>502
その2つだけでいいと思います。
(刑訴は苦手なので、当てにならないかもしれませんけど。)
8年の問題が終わったら、13年の問題に入ろうかと思います。
そのときはよろしくお願いいたします。
504氏名黙秘:05/01/31 12:44:50 ID:???
大谷さん
文字数ってどうやって数えてるの?
505大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/31 18:50:01 ID:??? BE:77260695-
>>504
一度ワードで打っています。
それで文字数を確認しています。

聞かれていないことですが、できるだけ1600字程度を目安に答案構成しているつもりです。
ページ数も、1行33文字、22行で設定しています。
(私の本試験の文字数とほとんど同じです)
なお、大体2問あわせて3200字〜3500字くらいでした。

今日は8年の刑法を書いてみますので、よろしくお願いいたします。
それでは、後ほど。
506大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/31 22:28:34 ID:??? BE:46357439-
遅くなりました。
刑法1問目を書いてみました。

【刑法】 平成8年・第1問
 甲および乙は、友人Aに対して、2人で殴る蹴るの暴行を
加え、傷害を負わせた。甲および乙は、Aを甲のアパートに
連れて行き、傷の手当をしていたが、Aが次第に高熱を発し、
意識もうろうの状態になったため、Aが死亡するかもしれな
いと思ったものの、発覚を恐れ、放置しておくこととした。
しかし、その後、乙は、Aがかわいそうになり、甲の外出中
にAを近くの病院に運び込み、看護婦に引き渡した。ところ
が、当時、その病院の医師が、たまたま外出中であったため、
手遅れとなり、Aは、甲および乙の暴行による内臓の損傷が
原因で死亡してしまった。
 甲および乙の罪責を論ぜよ。
507大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/31 22:30:31 ID:??? BE:68676858-
一、乙の罪責について
1、乙はAに暴行を加え、傷害を負わせ、Aが死亡している
 ため、乙には傷害致死罪(205条)が成立する。
2、次に、Aが死亡するかもしれないと思いつつAを放置し
 た行為につき、不作為による殺人罪(199条)が成立しな
 いか。
ア、この点、作為の形式で規定されている犯罪であっても
 不作為により法益侵害をすることが可能であるため、不
 作為による実行行為性は認められると解する。
  もっとも、すべての不作為を処罰すると、処罰範囲が
 拡大しすぎるため、刑法の謙抑性の見地より不作為犯の
 成立範囲を限定すべきである。
  そこで、@先行行為に基づく作為義務を有する者が、
 A作為が可能かつ容易であるにもかかわらずこれを怠り、
 Bかかる不作為が作為と同視しうる場合には不作為犯と
 して処罰しうると考える。
イ、この点、@乙は暴行により負傷したAを甲のアパートに
 連れ込んでおり、先行行為に基づく作為義務が認められ
 る。また、AAを病院に連れて行くなどAの救命をするこ
 とは可能かつ容易であったといえる。そして、B乙は共
 に暴行を加えた甲のアパートにAを連れ込んでおり、Aの
 生命に対する排他的支配を有していたといえる。
  したがって、乙の不作為は殺人罪の実行行為と認めら
 れる。
ウ、また、Aが死亡するかもしれないと思い放置しているの
 だから、Aの死亡に対する未必の故意も認められる。また、
 これらの行為と結果との間に相当因果関係も認められる。
  したがって、乙には殺人罪が成立する。
エ、ただ、乙は甲の留守中にAを病院に運び込むという救命
 措置を採っている。そこで、乙に中止犯(43条但書)が
 成立し、刑の必要的減免を受けないか。
508大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/31 22:31:55 ID:??? BE:30905036-
  この点、中止犯の法的性質につき、違法性が減少する
 と解する見解もある。
  しかし、一度法益侵害行為が行なわれた以上、事後的
 に違法性が減少すると解するのは不自然である。
  思うに、中止行為を行なったという人格的態度が、非
 難可能性を減少させるのであり、中止犯の法的性質は責
 任が減少すると考えるべきである。
  このような中止犯の法的性質から、「自己の意思によ
 り」とは、外部的障害に基づかずに自発的な意思に基づ
 くことをいい、「中止した」とは結果発生防止に向けら
 れた真摯な努力をいうと考える。
オ、この点、乙はAがかわいそうになって自発的に病院に連
 れて行ったのであり、「自己の意思により」といえる。ま
 た、病院に連れて行く行為はAの死亡結果発生を防止する
 真摯な努力といえ、「中止した」といえる。
  とすると、乙には中止犯が成立しそうである。
  もっとも、中止犯も未遂犯の一種であり、結果が生じて
 しまった以上、中止犯成立の余地はない。
  したがって、乙に中止犯は成立しない。
3、以上より、乙には傷害致死罪、殺人罪が成立するが、前
 者は後者に吸収され、殺人罪(199条)のみが成立し、後
 述のように甲と共同正犯(60条)の関係に立つ。
509大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/31 22:32:43 ID:??? BE:30904463-
二、甲の罪責について
1、甲は乙と共同してAに暴行を加え、Aを死に至らしめてい
 ることから、傷害致死罪が成立する。
2、また、瀕死のAを放置した点につき、乙と同様に殺人罪
 の実行行為性が認められる。そして、乙が病院に連れて行
 ったもののAが死亡している以上、不作為と結果発生との
 間に相当因果関係が認められる。
  また、未必の故意も認められる。
3、したがって、甲には傷害致死罪と殺人罪が成立するが、
 乙と同様に前者は後者に吸収され、殺人罪の共同正犯(
 199条、60条)が成立する。
以上
510大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/01/31 22:34:34 ID:??? BE:139069499-
コメント
1400字強、3ページの半分くらいです。
保護責任者遺棄致死にしようかと思いましたが、無理でした。
中止犯はどうせ否定するのだから、書かなくてもよいかと思いましたが、めずらしく論点が少なかったため、丁寧に論じてみました。

よろしくお願いいたします。

問題
>>506
答案
>>507-509
511氏名黙秘:05/01/31 22:45:24 ID:???
>>504
横レスだけど、ワードにコピペするとか「文字数カウンタ」でググると
出てくるサイトとかで文字数は簡単に調べられる。
知っておくとたまに便利。
512氏名黙秘:05/02/01 00:58:21 ID:???
因果関係についてあっさり認定し過ぎかな・・・
特に傷害と致死の因果関係は微妙。
あとはしっかりと書けてると思います。
513氏名黙秘:05/02/01 01:06:08 ID:???
うん,刑法はあまり問題ないように見える。
問題はやっぱり憲法や手形あたりかねぇ。
514大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/01 23:09:24 ID:??? BE:41205964-
刑法って、一番苦手な科目だと思います。
だから、そうやっていっていただけるとうれしい限りです。
ありがとうございました。

憲法、手形は確かに不安です。
でも、それ以上に訴訟法がすごく不安です。

さて、今日は刑法の2問目を書いてみました。
515大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/01 23:10:15 ID:??? BE:10302023-
【刑法】 平成8年・第2問
 株式会社の専務取締役甲は、監督官庁に勤務する公務員乙から、
会社が行っている、違法行為の摘発をほのめかされ、摘発しないこ
との見返りとして、現金100万円を要求された。そこで、甲は、会社
の信用と自己の社内での地位が失墜することを恐れて、会社の役員交
際費から乙に現金100万円を交付した。
 甲および乙の罪責を論ぜよ(特別法違反の点は除く。)。
516大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/01 23:11:46 ID:??? BE:46357439-
一、乙の罪責について
1、恐喝罪について
ア、乙は、甲に違法行為の摘発をほのめかし、100万円を受
 け取っている。
  そこで、乙に恐喝罪(249条1項)が成立しないか。乙
 の脅迫行為は適法行為を内容とするものであるため、恐
 喝罪にいう脅迫に当たるかが問題となる。
イ、思うに、恐喝罪は、脅迫行為により相手方を畏怖させ、
 財物を交付させる罪であり、適法行為の告知であっても
 相手方が客観的に畏怖する内容であれば、恐喝罪にいう
 脅迫にあたると考える。
  そして、株式会社の専務取締役に違法行為の摘発をほ
 のめかすことは、通常相手方を畏怖させる行為と評価で
 きる。
  したがって、恐喝罪の構成要件に該当する。
ウ、もっとも、甲は摘発に畏怖して100万円を交付したわけ
 ではなく、自己の社内での地位が失墜することを恐れて
 いたにすぎない。
  そして、恐喝罪が既遂に達するためには、脅迫、畏怖、
 財物の交付の間に因果関係が認められなければならない。
  とすると、脅迫行為により相手方が畏怖しなかった場
 合は、財物の交付を受けていたとしても、未遂にとどま
 ると考える。
エ、したがって、本問のように脅迫の内容に畏怖しなかっ
 た場合、恐喝未遂罪(250条、249条1項)が成立するにと
 どまる。
2、賄賂財について
ア、乙は、公務員の地位を利用して、甲から100万円を受け
 取っていることから、収賄罪(197条1項)の成否が問題
 となる。
517大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/01 23:13:50 ID:??? BE:20603243-
イ、この点、賄賂罪の保護法益は、職務の公正とこれに対
 する国民の信頼と考える。そこで、「その職務に関し」
 とは、一般的抽象的職務権限の範囲内であれば足りると
 考える。なぜなら、かかる権限内で賄賂を受け取れば、
 国民の職務の公正に対する信頼を害するからである。
  乙は監督官庁に勤めていたのであり、会社の違法行為
 を監視する権限があったといえ、「職務に関し」といえ
 る。
ウ、では、本問100万円は「賄賂」といえるか。恐喝罪の客
 体が、賄賂となりうるかが問題となる。
  思うに、恐喝罪は個人の財産の自由を保護法益とし、賄
 賂罪とは保護法益が異なるし、脅迫行為により畏怖したと
 しても交付することについての任意性は認められることか
 ら、恐喝罪の客体であっても「賄賂」にあたると考える。
  したがって、本問100万円は「賄賂」にあたる。
エ、そして、乙は100万円を要求し、収受していることから、
 要求罪と収受罪が成立するようにも思えるが、要求罪は収
 受罪に吸収され、収受罪1罪のみが成立する。
オ、したがって、乙には収賄罪が成立する。
3、以上のように、乙には恐喝罪、収賄罪が成立するが、こ
 れらは1つの行為で行なっているため、観念的競合(54条1
 項前段)となる。
518大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/01 23:15:56 ID:??? BE:48073474-
二、甲の罪責について
1、甲は、乙に対して100万円を交付しており、贈賄罪(198
 条)が成立する。
  前述のように、100万円は「賄賂」といえるし、甲には
 交付することについて任意性が認められるからである。
2、次に、会社の役員交際費から100万円を乙に交付した行
 為につき、業務上横領罪(253条)が成立する。
  なぜなら、横領とは、原則として権限を逸脱する行為を
 いうが、交際費を賄賂にあてる行為は権限逸脱行為といえ
 るし、専務取締役であることから、会社の交際費に対して
 「業務上」「占有」していたといえるからである。
3、したがって、甲には贈賄罪、業務上横領罪が成立し、こ
 れらは1つの行為によるから観念的競合(54条1項前段)と
 なる。
以上
519大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/01 23:16:46 ID:??? BE:27470382-
コメント
1400字弱、3ページ目の半分です。
乙の罪責がメインだと思ったので、業務上横領については軽く論じました。
余裕があれば横領と背任の区別も論じた方がいいと思いました。
困ったのは、乙の罪責です。
加重収賄罪が成立するかと思ったのですが、賄賂を受け取った後のことが書いていないので、あえて触れないでおきました。

よろしくお願いいたします。

問題
>>515
答案
>>516-518
520氏名黙秘:05/02/02 00:45:00 ID:???
ふ〜ん・・・
521氏名黙秘:05/02/02 14:29:58 ID:???
いーんじゃないですか?
コメントの内容だけど、時間があれば書くべき
ただ、やりすぎると、何が問題かを理解してないと思われる

メイン論点が恐喝と賄賂にあるからそれをきちんとしめせればよい
あとの部分は構成要件にあてはめればよい

刑法は見た感じ大丈夫だと思うよ
522氏名黙秘:05/02/02 14:48:44 ID:???
乙の罪責がメインだとした理由が不明。
前半と後半はバランスを失していると思う。
あと,恐喝と賄賂は「賄賂」の文言解釈ではないようだ。
体系的位置づけを明らかにせずに論点として展開すればよいのでは。

まあそこまで悪くはないと思う。
523氏名黙秘:05/02/02 15:47:46 ID:???
恐喝未遂?
「恐喝罪が既遂に達するためには、脅迫、畏怖、財物の交付
 の間に因果関係が認められなければならない」その通り。

摘発(脅迫)→「自己の…失墜を恐れて」(畏怖)→財物の交付

因果関係あるんじゃない。
(しかも、まとめでは恐喝罪が成立するとかいってるし。)
524大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/02 19:17:00 ID:??? BE:82411968-
>>521
ありがとうございます。

>>522
「賄賂」の解釈問題じゃないんでしょうか。
だとしたら、私の勘違いしているところです。
そろそろ賄賂罪も怪しいところですよね。
気をつけて復習してみます。
もし、よろしければ、どこの解釈問題とすべきなのか、ご教授ください。

>>523
すみません。結論が違っています。
恐喝未遂罪との観念的競合のつもりでした。
脅迫行為により意図した結果と、実際に相手方が畏怖した内容が異なる場合、
因果関係がもはやないのではないでしょうか?
という話をするなら、因果関係の錯誤を述べないといけないですね。
あと、相当因果関係論も。
どう構成するのがよろしいでしょうか?
問題文からは、問題意識を向けなさいという熱いメッセージが伝わってくるので、
無視するわけにはいかないですよね。
よろしくご教授いただけたらと思います。
525大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/02 22:14:56 ID:??? BE:109882188-
今日は民訴をかいてみました。

【民訴】 平成8年・第1問
 法律問題に関する釈明について論ぜよ。
526大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/02 22:16:06 ID:??? BE:41206346-
一、釈明とは、当事者の主張や立証が不明確とき、または
 当事者が必要な申立てをしない場合に、裁判所がこれを
 問いただし、または申立てを促す行為をいう(149条)。
  この釈明権が認められた趣旨は、弁論主義の補完にあ
 る。
  すなわち、私的自治の原則の下、裁判所は本来第三者
 的立場にあり、当事者の主張・立証を聞いて判断する役
 割を有するものであるが(弁論主義)、それでは当事者
 の訴訟追行能力に差がある場合など、真実発見の妨げに
 なり、公平な紛争解決が図れないおそれがある。そこで、
 裁判所が公平を図り、真実発見を達成するために、当事
 者に対して一定の訴訟行為をすることが要請されている
 のである。
二、このように、釈明が弁論主義の補完という役割を有す
 る以上、釈明が法律問題に及ぶためには、弁論主義の妥
 当する範囲である必要がある。
  そして、弁論主義は、権利の発生・変更・消滅といっ
 た訴訟物タル権利関係を直接基礎付ける主要事実に対し
 て妥当するものであり、間接事実や補助事実などには及
 ばない。
  なぜなら、主要事実の存在を推認する事実足る間接事
 実や、証拠の証明力に影響を与える補助事実は証拠と同
 様の機能を果たすため、自由心証主義(247条)が妥当す
 る裁判官の職責であり、弁論主義の妥当する性質ではな
 いからである。
  とすると、法律問題は主要事実ではなく、法の解釈・
 適用は裁判官の職責であることから、釈明は法律問題に
 は及ばないのが原則といえる。
  したがって、ある法律問題について、裁判所の法律構
 成を話すことや、当事者の法律構成について意見を聞く
 ことは、そもそも裁判所に要求されている義務とはいえ
 ないのである。
527大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/02 22:16:57 ID:??? BE:25754235-
三、もっとも、このように法律問題についてすべて裁判所
 と当事者の接点を奪うことは妥当でない。すなわち、当
 事者は裁判所の法律構成にしたがって行動することでよ
 り真実に近づいた結論を導きうる場合もあるだろうし、
 突然当事者の意図しない法律構成による判決が下される
 と、当事者にとって実質的な不意打ちとなり、公平な裁
 判とはいいがたいからである。
  したがって、一定の場合には、裁判所が法律問題につ
 いて当事者に釈明をする義務(法的観点指摘義務)が生
 じると解する。
  では、いかなる場合に法的観点指摘義務が生じるか。
  思うに、真実発見、不意打ち防止という観点から、@
 当事者が従前の訴訟活動により形成していなかった新た
 な争点で判決を下すような場合に、裁判所はかかる争点
 を指摘する必要があると考える。また、A当事者から裁
 判所に対して事案解決に必要な法律構成の指摘があった
 場合に、これに対して応答する義務もあると考える。
  そして、かかる義務に裁判所が違反した場合、上訴審
 は審理不十分として新たに事案について審理を行い、ま
 たは差戻しという手続をとるべきである。
四、以上より、釈明は法律問題には原則として及ばないが、
 上記@、Aのような場合には、例外的に釈明が及ぶと解
 する。
以上
528大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/02 22:18:14 ID:??? BE:48073474-
コメント
1200字、2ページ程度です。
問いに答えようと思ったのですが、今一わかりにくい文章になってしまいました。
気になった点は、釈明は法律問題に及ばない、という表現はふさわしいかどうかです。
積極的釈明と消極的釈明一般について先に述べたほうがよかったかもしれません。

よろしくお願いいたします。

問題
>>525
答案
>>526-527
529氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/02/03 00:38:28 ID:???
>>528
好みでちょっと評価します。「すなわち」以後の
  私的自治の原則の下、裁判所は本来第三者的立場にあり当事者の主張
 ・立証を聞いて判断する役割を有するものであるが(弁論主義)
なんですが、これは民事訴訟法の「原則」ですよね。それが、「が」という逆説により
後ろに引っ込んでしまうのですよ。これを、まずは前面に押し出すのが良いかと

続く2文ですが
  それでは当事者の訴訟追行能力に差がある場合など、真実発見の妨げに
 なり、公平な紛争解決が図れないおそれがある。そこで、裁判所が公平を
 図り、真実発見を達成するために、当事者に対して一定の訴訟行為をする
 ことが要請されているのである。
は、同文が続いて、無駄になっています。「かかる弊害を除去するため」ですんじゃいます

ところで、釈明権を「弁論主義」の例外に位置付けるときは、その本質、根拠なんかを書くべきかと
原則の根拠や目的って、その射程を示す手がかり、出発点になるんですよ

なお、裁判所の中立性と、当事者提出主義(弁論主義)は直結しないんじゃないかな、とは思います

ここでも、普通の基本書の記述と若干ずれてる「論証」がなされているのが気になります
530氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/02/03 00:42:54 ID:???
続いて、総論ぽいことですが
「釈明は法律問題に及ばない」というのも一つのテーゼです
「釈明は、弁論主義の補完機能のみを受け持ち、それ以外は射程外」とかんがえるなら
当然そうなりますよね。

でも、試験委員が聞きたいのはそういうのではないのではないかな?とは思います
「釈明は、弁論主義の補完が原則だけど、例外としてそれ以外も射程が及ぶかも」という視点が欲しかったのかも
もしくは「釈明は弁論主義の補完というが、それに限られてないのでは??」かも
すると、法律問題にも釈明という概念が入り込むのですよ。要は入りこませ方だから
どちら側のアプローチでもいいけど、お勧めは「原則→例外」ですね
531氏名黙秘:05/02/03 00:43:33 ID:???
私的自治は民訴の原則じゃないんだよね。
私的自治の訴訟法的反映をちゃんと説明しないと(こんなキーワードだけじゃダメだけど)。
たしかに独自すぎる論証が目につきます。
532氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/02/03 00:48:05 ID:???
二の部分で、事実への釈明が色々かいてありますが
不要じゃないかと。問いからズレますから
で、「なぜなら」のあと、自由心証主義がありますが
これは「証拠資料から経験則を介して事実を認定」という話で
法規の問題ではないです。
だから、「とすると」以下とは、全く関連性の無い話がなされています
そもそも「どの事実に弁論主義が妥当するか」すら不要な議論です
欲しいのは「事実に関することは当事者が出す。法律は裁判官に任せるのが現行法の建前」
が示せればいいのです
533氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/02/03 00:57:54 ID:???
三の
  このように法律問題についてすべて裁判所と当事者の接点を奪うこと
 は妥当でない。すなわち、当事者は裁判所の法律構成にしたがって行動
 することでより真実に近づいた結論を導きうる場合もあるだろうし、突
 然当事者の意図しない法律構成による判決が下されると、当事者にとっ
 て実質的な不意打ちとなり、公平な裁判とはいいがたいからである
は、核心ですよね。もっと充実させるといいと思います
「事実といっても、法律問題とは切り離せない。だから、法律問題に関する釈明は
事実の提出にとって、非常に重要なんだ」ということですが、一行で終わらせるの
はもったいないです。
534G:05/02/03 08:38:36 ID:MtQBzGu1
僕も答案を書いてみました。
難しかったです。論旨が一貫していないような気がします。
特に、最後、下級審の違憲審査権との関係で述べていたのに、急に31条14条を持ち出したのはまずかったかなと…
どなたか、コメントお願いします。

〔問題〕平成13年度第2問
下級裁判所の裁判権の行使に関し、
「下級裁判所は、訴訟において、当該事件に適用される法令が憲法に違反すると認めるときは、その事件を最高裁判所に移送して、当該法令の憲法適合性について最高裁判所の判断を求めなければならない。」
という趣旨の法律が制定された場合に生ずる憲法上の問題点について論ぜよ。
535:05/02/03 08:41:39 ID:???
第1  
仮に、本問法律が制定されていなければ、下級裁判所は適用法令が憲法に違反する場合であっても、当該事件を最高裁判所へ移送する必要はないのか。
81条は「最高裁判所は」法令審査権を有すると規定するのみであり、問題となる。
1 
思うに、最高裁判所の一義的任務は司法権の行使にあり、法令審査権(81条)も司法権の行使に付随する限りで認められる。
そして、法令審査権が司法権に付随して認められるものであるなら、必ずしもその主体から下級裁判所を排除する必要はない。
むしろ、下級裁判所に対しても法令審査権を認めることが、本権限の趣旨たる法の支配の貫徹に合致する。
そこで、81条は最高裁判所が法令審査権を有する「終審裁判所」である旨を規定するものであり、法令審査権の主体から下級裁判所を排除する趣旨の規定ではないと解される。
2 
よって、下級裁判所も司法権の行使の一環として当然に法令審査を行うことができる。
以上より、本来は、適用法令が憲法に違反する場合であっても、下級裁判所は自ら違憲判決を下すことができるのであり、当該事件を最高裁判所へ移送する必要はない。
536:05/02/03 08:44:20 ID:???
第2  
とすれば、下級裁判所に移送義務を負わせる本問法律は、その法令審査権を不当に侵害するものとはいえないか。
1 
そもそも、下級裁判所の構成その他は法律事項とされており(76条1項)、その決定につき国会に一定の裁量権が認められる。
これは、国民主権原理の基づき、非民主的機関たる裁判所に一定の民主的コントロールを及ぼすことを目的とする。
2 
他方、法令審査権と立法権は根底において相容れないものであり、両者は常に緊張関係にある。
そこで、国会が法令審査権に関する法律を制定する場合は、その裁量権を濫用・逸脱するものではないか、充分に吟味される必要がある。
3 
では、本問法律における目的の正当性及び手段の相当性を検討する。
(1)
立法目的について
本問法律は、最高裁判所の終審裁判所たる性格を強化するものである。
このことは、法令解釈の統一により法的安定性を高め、もって紛争の早期解決を図る目的であると思われる。
よって、立法目的は正当であり、裁量権を濫用するものとはいえない。
(2)
立法手段について
本問法律は、下級裁判所から法令審査権を実質的に剥奪するものである。
としても、下級裁判所の法令審査権はあくまで司法権の行使に付随するものであり、下級裁判所の権限の本質をなすものではない。
そこで、当該法令の憲法適合性の審査を仰ぐためだけに最高裁判所への移送を必要とするのであれば、その手段も目的との関係において相当性を有する。
また、法令審査権は終審たる最高裁判所に留保されており、権力分立の核心を侵害するものともいえない。
よって、この限りにおいて、立法手段も裁量権を逸脱するものではない。
もっとも、当該事件を終局的に最高裁判所へ移送することは手段の相当性がなく、裁量権を逸脱するものとして許されない。
なぜなら、適用法令が憲法に違反する事件の当事者のみが審級の利益を害され、憲法が予定する適正手続(31条)及び平等原則(14条)に違反するからである。
537G:05/02/03 08:46:09 ID:???
問題  憲法平成13年第2問
>>534
答案  1300字くらい
>>535-536
538氏名黙秘:05/02/03 09:18:06 ID:???
斜め読みしただけだけどもうちょっと判例がどういってるかを書いた方がいいな。
付随的審査制なら警察予備隊訴訟を一言。
下級審の違憲審査権も判例が認めていることを一言。
539氏名黙秘:05/02/03 13:34:10 ID:???
この問題は違憲審査権の性格がメイン論点。
法律で憲法裁判権を最高裁に与えることが許されるか?
という問題意識。砂糖工事には詳しく乗ってるし芦辺も触れてる。
これを書いてないといい点付かないと思うよ。
540氏名黙秘:05/02/03 13:35:04 ID:???
同意、私も本試験で書いた。
541もとい:05/02/03 13:37:21 ID:H8odsB97
同意、私も本試験で書いた。
542氏名黙秘:05/02/03 17:17:25 ID:???
いや,メイン論点はそのまま,下級裁判所の違憲審査権だよ。
百選の解説に同じ法律が載ってるし,
浦部憲法にも下級裁判所の違憲審査権のところでこの法律が載ってる。
543大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/03 19:36:31 ID:??? BE:36055837-
僭越ながら、よまさせていただきました。

>>535
流れとしては、いいと思います。
ただ、司法権の内容(法律上の争訟)の意義をここでもう少し詳しく書いておくとよかったと思います。

>>536
この部分は不要だと思います。
おそらく違憲審査権が下級裁判所に認められているなら、それを侵害する法律は、当然に違憲でしょうから。
しかも、下級裁判所に違憲審査権が認められるとしながら、
それは司法権の本質とは異なる、としている点が、矛盾のように聞こえます。

したがって、>>535を丁寧に、司法権の本質とは何か?というところから、論じていけばよいと思います。
後日私もかいてみます。

後、>>539さんの発言なのですが、少し違うかと思います。
具体的事件につき、法令違憲判断をするのだから、憲法裁判所とするのは違和感があります。
通常、憲法裁判所といったら、ドイツのような、独立した機関をいいますので。

すみません、感覚でものをいってしまいました。
544G:05/02/03 19:53:28 ID:MtQBzGu1
ありがとうございます。

>>538
一応、判例をふまえて書いたつもりだったのですが、いまいちだったようですね。

>>539
最高裁に憲法裁判所的性格を付与できないかという議論が最近活発になされているのは知っています。
しかし、それを書くとなると、どうも解釈論を超えて政策論へ踏むこまざるを得ないような気がして回避しました。
下級審の違憲審査権との関係であれば、立法裁量との関係で解釈論を示せると思ったので…

>>543
下級審に違憲審査権が認められたとして、本問法律が即違憲になるとは思えません。
むしろ、裁判所法において下級審の裁判権が規定されている現状に照らせば、本問法律も立法裁量の範囲内だと思います。
つまり、裁判権を規定するということは、立法により裁判権(司法権)の作用の範囲を一部規制するということです(職分管轄等)。
とすれば、司法権に付随して認められるに過ぎない法令審査権を最高裁にのみ付与することも許容されるのではないでしょうか。

あと、法令審査権が認められるもこれを剥奪することは司法権の本質を侵害するものではない、との記述は、
法令審査権は司法権に付随して認められるにすぎないことを前提としていたのですが、舌足らずだったようです。

僕は>>536は不可欠だと思うのですがどうでしょう?
545G:05/02/03 20:10:11 ID:???
あー、でも、憲法裁判所的性格を付与することの許否を問う問題のような気もしてきた!
546大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/03 21:41:54 ID:??? BE:30905036-
下級裁判所に憲法が違憲審査権を付与しているなら、これを法律で奪うことは無理だと思うのですが

立法により権利の範囲を画するというのであれば、憲法上違憲審査権を与えていないが、与えることもできる
という風に、考えるのが筋かと思います。

この問題を、統治の対立関係の視点から考えると、

立法により、司法権の行使を制限することは許されるか
   ↓
司法権とは何か?
   ↓
下級裁判所の司法権は何か?
   ↓
法律での制限は可能か?

だと思います(問題文を素直に読む限り)。

Gさんの答案の>536は、ここの
「法律での制限は可能か?」
という部分について論じているものと考えられます。
ただ、権力分立という概念を考えると、司法の本質を侵すような立法は当然に認められません。
したがって、Gさんの答案のように構成するなら、下級裁判所の違憲審査権は、司法の本質ではない、と考えるべきなのです。

要するに、法律で下級裁判所が定められたら、法律の範囲内でしか権限も認められないのか?
というのが出題の意図だと思われます。

この年は、みなさん書く内容がまちまちみたいでした。
私も今晩書いてみます。
(とりあえず、民訴の2問目を今から作成します。)
547氏名黙秘:05/02/03 21:44:07 ID:???
下級裁判所に違憲審査権が認められるのだとしたら,
それを否定したら違憲だと思う。
76条1項で下級裁判所の設置が法律事項とされているとしても,
憲法上の権限を奪うことまで認めてるわけではないことは当然でしょう。
立法裁量といったって,あくまで憲法の枠内で認められているに過ぎないのだから。
548大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/03 21:45:45 ID:??? BE:24036672-
追加ですが、
>>535は、すごく読みやすくて、いいと思います。
論述的に不足している(「法律上の争訟」)とは思いますが、答案として参考になります。
ありがとうございます。
549氏名黙秘:05/02/03 21:50:29 ID:???
>>535は,いきなり問題提起で仮定的な話から入るのはどうかと思う。
ちゃんと問題文中の法律に沿った問題提起にした方がいい。
550G:05/02/03 22:15:28 ID:MtQBzGu1
>>547

>>下級裁判所に違憲審査権が認められるのだとしたら,
>>それを否定したら違憲だと思う。

これは何を根拠とするのですか?権力分立違反ですか?

>>76条1項で下級裁判所の設置が法律事項とされているとしても,
>>憲法上の権限を奪うことまで認めてるわけではないことは当然でしょう。
>>立法裁量といったって,あくまで憲法の枠内で認められているに過ぎないのだから。

設置のみならず、権限の範囲についても法律事項とされています。
権力分立の観点からすれば、「立法」に対するのは「司法」であり、
最高裁判所に法令審査権が留保されている以上、権力分立の核心を侵害するものではない(つまり裁量逸脱ではない)という考えなのですが。
これは成り立たないのかな?
例えば、81条は抽象的違憲審査制を(潜在的にであれ)規定し、最高裁判所に憲法裁判所たる性格を併有させる見解は、下級審の法令審査権を否定しているのか、という…
ちょいと、勉強してみます。

551G:05/02/03 22:18:01 ID:MtQBzGu1
>>546

なるほど。ちょいと勉強してみます。

>>549

なるほと。丁寧な問題提起ですね。
552氏名黙秘:05/02/03 22:18:45 ID:???
81条が下級裁判所の違憲審査権を認めていると解するなら,
これを奪うことは81条違反だよ。
百選の解説もそうなってるね。
553G:05/02/03 22:46:08 ID:MtQBzGu1
>>552

まじで言ってるんですか?
百選解説では、本問同様の法律を導入するにあたり、消極説に立つ解説教授が、
「付け加えれば…下級審にも違憲審査権を与える憲法81条に違反すると思う」って述べてるだけですよ。
違憲についての言及は。
「思う」って。個人的意見じゃないんですか。
むしろ、積極説も有力に主張されていることからすれば、かかる法律も81条に違反しないと読むのが素直ですよ。
下級審の違憲審査権を前提として話進んでますし。
554G:05/02/03 22:49:41 ID:MtQBzGu1
百選解説も解説者が個人的に「違反すると思う」って述べてるだけで、
消極説の根拠はもっと実質的な部分にありますし。
憲法の争点にも同様の議論が載ってますが、81条違反を理由に当該法律案を否定するものはないですよ。
否定するとしても、もっと政策的・実質的な根拠です。
555大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/03 22:50:29 ID:??? BE:72110276-
とりあえず、話の途中ですみませんが、民訴書きましたのでよろしくお願いします。

【民訴】 平成8年・第2問
Aが死亡し、その共同相続人は、X、YおよびZである。
1 Xは、YおよびZを被告として甲土地がAの遺産に属することの確認を求める訴えを提起した。この訴訟において、YはXの主張を争ったが、ZはXの主張を争わなかった。裁判所は、Zに対する関係で口頭弁論を分離して終結し、判決することができるか。
2 Xは、甲土地の単独所有を主張するYを被告として、共同相続に基づき、甲土地の共有持分権を有することの確認を求める訴えを提起した。この訴訟においてX勝訴の判決が確定した場合、この判決は、どのような効力を有するか。
556大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/03 22:51:36 ID:??? BE:60091875-
一、小問1について
1、裁判所が口頭弁論を分離(152条)できるためには、本
 問訴訟が固有必要的共同訴訟(40条)にあたらないこと
 が必要である。
  そこで、遺産確認の訴えが固有必要的共同訴訟にあた
 るか、問題となる。
2、この点、固有必要的共同訴訟は、関係者全員が一体と
 なって訴え、または訴えられなければならない訴訟形態
 をいい、合一確定が要請されることから、弁論の分離は
 なしえないとされている。
  そして、合一確定が要請されるか否かは、実体法上の
 管理・処分権が複数人に帰属しているか、という観点を
 中心に判断すべきである。
  もっとも、一部の者の所在が不明であったり、共同し
 て訴訟追行しないような場合にまで当事者としなければ
 ならないとすることは、訴訟手続上困難を極める。
  そこで、実体法的観点に加え、訴訟法的観点を加味し
 て考えるべきである。
3、この点、遺産は、共同相続人全員の共有に属するので
 あり(民法898条)、遺産は相続人全員の協議により分割
 される性質のものである(民法907条)。
  そこで、遺産は、相続人全員により処分される性質の
 ものであり、その前提となる遺産の範囲も相続人全員に
 合一的に確定されなければならないものである。
  そして、戸籍謄本等により、誰が相続人かは容易に判
 明しうる事項であることから、訴訟手続上当事者の確定
 に困難が生じるわけでもない。
4、したがって、遺産確認の訴えは固有必要的共同訴訟に
 あたり、裁判所は乙について弁論を分離して判決を下す
 ことはできない。
557大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/03 22:52:27 ID:??? BE:96147078-
二、小問2について
1、XがYに対して共有持分の確認を提起した訴えは、持
 分という各人が処分できる権利であるから、固有必要的
 共同訴訟にあたらず、有効である。
  では、X勝訴の判決が確定した場合、いかなる効力が
 生じるか。
2、まず、既判力(114条1項)が生じる。
  既判力は、判決主文に示された訴訟物たる権利関係に
 ついての裁判所の判断に生じ、当事者及び裁判所を事後
 判決内容に拘束する効力を有する。
  したがって、当事者は本問判決に反する訴えを提起す
 ることはできず、後訴において裁判所は前訴判決を基準
 に判断しなければならない。
  そして、既判力の正当化根拠は、手続保障を与えられ
 た当事者の自己責任にあることから、当事者間にのみ既
 判力は生じるのが原則である(115条1項1号)。
  したがって、既判力はXとYに及び、Zに対しては及
 ばず、ZがXの持分を否定する訴えを提起することは妨
 げられない。
3、次に、確定力が生じる。
  これにより、Yは上訴(第三編)により判決の効力を
 争うことは許されず、例外的に再審の訴え(338条)を提
 起することができるにとどまる。
4、もっとも、本問訴えは、共有持分の確認を求めるもの
 であり、執行力は生じない。
  したがって、Xが移転登記を求めるのであれば、あら
 ためてXは訴えを提起しなくてはならない。
以上
558大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/03 22:53:02 ID:??? BE:60092257-
コメント
1200字弱、3ページの頭くらいです。
小問1と2のつながりが今一わかりませんでした。
したがって、簡単に小問2が固有必要的共同訴訟にあたらないと認定しました。
読みやすくするために、論述もあっさり目で、短くまとめました。

よろしくお願いいたします。

問題
>>555
答案
>>556-557
559大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/03 23:03:11 ID:??? BE:41205683-
民訴1問目のコメント、ありがとうございました。
>>529>>531
疑問を持たせるような書き方はよくないです。
やはり弁論主義が前提なんだ、ということをきちんと示すことが大事だと思いました。

あと、確かに裁判所の中立と弁論主義は直結しません。
ここは創造してしまいました。
本試験ではこのようなことがないように気をつけます。

>>530
原則と例外という意識で書いたつもりでしたが、答案上それが示せていないことがわかりました。
伝えたいことが伝わっていないと、点数になりませんから。
ただ、原則を示そうと思い、あえて>>532のような記述をしたのですが、確かに出題から外れている気がします。
参考答案などを読んで、検討してみます。

>>533
法的観点指摘義務というのは、あまりよく覚えていませんでした。
知らないことだったので、極力論述を省略しようと思いました。
そのせいで、全体的にバランスを失していることになったのかもしれません。
構成を全体的に見直しておきます。

ありがとうございました。

今から、憲法13年2問目を書いてみます。
Gさん(本試験Gという意味でしょうか?)の答案と比較していただけると幸いです。
560氏名黙秘:05/02/03 23:10:21 ID:???
>>554
争点は手元にないから今度読んでみる。
下級裁判所に違憲審査権を認めるべきかどうかという結論に至る過程が実質的な議論なんじゃないの?
あと,積極説って有力なのかね。
その説は,下級裁判所に違憲審査権を否定する説ないし認めるかどうかは立法政策だという立場から主張されてるんじゃないの。
浦部によると
「憲法の制定過程においては,下級裁判所の違憲立法審査権を否定する見解が政府部内では有力であり,
下級審での法律の合憲性が問題となったときは,
その事件を最高裁判所へ移送するか,あるいは,その問題を切り離して最高裁判所の判断を求める,
という手続が考えられていた。」
つまり,本問法律は,違憲審査権を否定する立場から主張されたものだ。
561G:05/02/03 23:34:14 ID:???
>>560
なるほど。政府見解の点、勉強になります。
確かに、見解の要約を見ただけでは前提部分がずれてるかもしれないから、要注意ですね。
ありがとうございます。
562大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/03 23:44:22 ID:??? BE:68676285-
書きました。
問題からコピペします。

【憲法】 平成13年・第2問
  下級裁判所の裁判権の行使に関し、「下級裁判所は、訴訟にお
 いて、当該事件に適用される法令が憲法に違反すると認めるとき
 は、その事件を最高裁判所に移送して、当該法令の憲法適合性に
 ついて最高裁判所の判断を求めなければならない。」という趣旨
 の法律が制定された場合に生ずる憲法上の問題点について論ぜよ。
563大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/03 23:45:24 ID:??? BE:41205964-
一、本問法律は、下級裁判所が法令を違憲と認めたときは、
 最高裁判所に移送して判断を仰ぐことを強制するもので
 ある。
  そこで、このような法律は、下級裁判所の司法権を侵
 害するものではないかが問題となる。
二、下級裁判所の司法権の内容について
1、では、下級裁判所に認められる司法権とはいかなる内
 容か。
  思うに、わが国においては、具体的な争訟に限り司法
 権を行使しうるとする付随的審査制が採用されている。
 これは、裁判所法3条1項が「法律上の争訟」につき裁判
 することができるとしていることからも明らかである。
  そして、ここにいう「法律上の争訟」とは、@具体的
 権利義務ないしは法的地位に関する紛争で、A法の適用
 により終局的に解決しうる紛争をいい、Aにいう「法」
 とは、憲法も含まれると考える。
  なぜなら、裁判官は「憲法及び法律」にのみ拘束され
 るのであり(76条3項)、違憲の法律を適用することは同
 条項に反することになり、ひいては憲法の最高法規性(
 98条1項等)を害するおそれがあるからである。
2、とすると、下級裁判所は法律により設置される裁判機
 関であるが(76条1項)、司法権を行使する機関として設
 置された以上、憲法判断をする権能を有すると考えるべ
 きである。
  また、条文上も、81条が第6章「司法権」の中に規定さ
 れており、司法権の行使にとって違憲審査権の行使は当
 然予定されているといえる。そして、同条は「最高裁判
 所は」「終審裁判所」と規定しているに過ぎず、下級裁
 判所の違憲審査権を認めない趣旨ではないと解される。
  したがって、81条は下級裁判所に違憲審査権を認めて
 いると考えるべきである。
564大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/03 23:46:02 ID:??? BE:34338645-
三、法律の憲法適合性について
1、このように、下級裁判所にも違憲審査権が認められる
 が、これを法律により最高裁判所の専権とすることは許
 されるであろうか。
2、思うに、憲法が三権分立を図り(41条、76条)、立法
 と司法を分離独立させた趣旨は、多数者の代表たる国会
 により、少数者の人権侵害を防止する役割を司法府に与
 えたことにある。
  とすると、裁判所の構成内部における、権限分配を立
 法府が定めることは、立法府による司法権の制約という
 側面を免れず、三権分立に反する疑いが強い。
  また、本問法律は、最高裁判所に違憲審査権を専属せ
 しめるものであり、司法府による違憲審査権は奪われて
 いず、三権分立原則にも反さないとも思える。
  しかし、81条により下級裁判所に違憲審査権が認めら
 れると解する以上、下級裁判所にも違憲判断を下す権限
 はあり、これを実質的に奪うような法律は認められない
 と考えるべきである。
3、したがって、本問法律は、下級裁判所の違憲審査権を
 奪うものとして司法権を侵害し、76条、81条に反し、違
 憲であると考える。
以上
565大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/03 23:48:15 ID:??? BE:92713469-
コメント
1200字程度、2ページです。
違憲審査権が下級裁判所に保障されることを丁寧に認定し、立法府との関係、司法府内部の関係を意識しました。

よろしくお願いいたします。

問題
>>562
答案
>>563-564

Gさんの答案
>>535-536

8年の民訴2問目もよろしくお願いいたします。
問題
>>555
答案
>>556-557
コメント
>>558
566氏名黙秘:05/02/04 14:13:11 ID:???
三権分立との関係を意識してるのはいいが、わざわざ触れる必要はないと思われ
ま、答案の流れはいいから、問題はないと思うけど
567氏名黙秘:05/02/04 17:48:58 ID:???
大谷さんの答案、こってりしてるけど読みやすいですね
ただ、商法と民訴は苦手なのかな?って感じがします
568539:05/02/04 18:34:23 ID:???
憲法の統治って芦部と佐藤幸治に載ってる議論をどれだけ書くことが
できるかの問題じゃないの?
芦部には下級審の違憲審査権はたしか触れてなかったはず。だからこれ
をメイン論点にするとは考えにくい。

下級審に違憲審査権を認める見解って付随審査制を根拠とするよね?
だから付随的審査制の議論で法律留保説を採用すれば、下級審から
違憲立法審査権を奪っても違憲の問題は生じないと思うけど。

まあ憲法は議論が分かれるから色んな意見があるってことで・・・
569氏名黙秘:05/02/04 19:37:26 ID:???
芦部に載ってるよ。

下級裁判所に違憲審査権を認めるかどうかの議論の中で
違憲審査権の性質論が出てくるってことでしょう。
570大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/05 00:03:23 ID:??? BE:82411586-
>>566-569
ありがとうございます。
憲法は難しいです。
特に最近の2問目は、何を書いていいかわからない問題が非常に多くて困ります。
聞かれていることを見つけられればよいのですが、中々に怖いです。

さて、今日は刑訴1問目を書いてみました。

【刑訴】 平成8年・第1問
 刑事手続における弁護人の役割について述べよ。
571大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/05 00:04:21 ID:??? BE:10301832-
一、当事者主義的訴訟構造(256条6項、298条1項、312条1
 項)を採用する現行法の下、被告人は一方当事者として
 検察官と対峙することになり、被疑者段階における将来
 の訴訟当事者としての地位を有する。そして、被疑者・
 被告人は、逮捕、勾留により身体を拘束されたり、法的
 知識に乏しいため、自らの精神的・肉体的負担を軽減・
 消滅させたり、法的知識の援助を受ける必要がある。
  そこで、被疑者・被告人を補助し、行動する弁護人の
 存在が必要となる。
二、捜査段階において
1、まず、弁護人は、接見交通権(30条以下)という形で
 被疑者と接触することにより、会話をし、精神的な不安
 を除去することが期待される。そして、それはとりもな
 おさず将来における公判廷の準備活動という側面を有す
 ることから、それに対する打ち合わせという意味をも有
 する。
2、次に、不当な逮捕・勾留等に対し、捜査を監視し、捜
 査機関に対して意見を述べ、または国家賠償法による損
 害賠償を請求することで、違法な捜査活動に対する歯止
 めをかけるという役割も期待される。
  そして、勾留においては、準抗告、勾留理由開示、勾
 留取消請求をするなど、被疑者の身柄解放に向けた努力
 をすることになる(429条、208条、60条以下)。
3、さらに、将来の公判に向けた準備活動として、証拠収
 集を行うことが期待される。
4、このように、捜査段階において、弁護人が上記のよう
 な活動をすることにより、被疑者の肉体的・精神的負担
 を軽減・除去するとともに、被疑者に対して法的知識の
 援助を与えるという効果が期待できる。
572大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/05 00:05:04 ID:??? BE:68676858-
二、公判段階において
1、ここでは、弁護人は主として法廷において、被告人に
 代わり訴訟活動を行なうことで、自由に活動できず、法
 律知識に乏しい被告人を援助することが期待される。
  具体的には、証人尋問を請求し、証拠の取調を請求す
 ることがあげられる(281条以下、305条以下)。
2、次に、身柄拘束されている被告人を解放するため、保
 釈(88条以下)の手続をとることができる。
  この内、権利保釈(89条)においては、一定の事由が
 ある限り保釈を認めなければならず、被疑者の早期解放
 という面で重要な役割を有する。
  さらに、勾留理由開示、勾留取消等、身柄解放に向け
 られた行為をなしうる。
3、また、接見交通権を認めることで、被告人との公判準
 備を充実させ、心理的不安を除去するという役割も期待
 される。
4、このように、公判段階においても、弁護人は被告人の
 肉体的・精神的負担を除去し、法的援助を与えるという
 役割が期待されている。
以上

コメント
1100字弱、2ページ程度です。
短く読みやすくまとめたつもりです。
573大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/05 00:06:20 ID:??? BE:51507465-
よろしくお願いいたします。

問題
>>570
答案
>>571-572
574氏名黙秘:05/02/05 00:17:17 ID:???
>>570
憲法が苦手という人は多いから。
あまり恐れないことです
>>573
このような一行説明問題の場合は、2ページ程度で終わらせないで
「これでもか!これでもか!」と詰め込む方が良いと思います
論理を通すことより、いかに「知識」を書き込むかが、点数に繋がるかと
二の捜査段階では、接見交通をもっと膨らませるのが良いかと
論点を書く必要はないので、教科書で書かれているようなことをね
さらに、弁護士の固有権とか、権利を条文を挙げながら書きなぐってみると良いです

三(でなくなってるけど)の公判段階では、「当事者主義的訴訟構造」の実質化を目論む
さまざまな法と解釈の企てを、これでもか!ってくらい書きなぐるのがいいかと

なお、一、当事者主義的訴訟構造(256条6項、298条1項、312条1
 項)を採用する現行法の下、被告人は一方当事者として
 検察官と対峙することになり、被疑者段階における将来
 の訴訟当事者としての地位を有する。
はちょっと判りにくい。公判は当事者主義的訴訟構造であるけど
捜査は違うよね。総論で書いてるとなれば、ごっちゃにしているようにも思える
「被疑者段階における将来の訴訟当事者としての地位」というのも、聞いたことが無い
冒頭の文章が判りにくいのはまずいかと

  被疑者・被告人は、逮捕、勾留により身体を拘束されたり、法的
 知識に乏しいため、自らの精神的・肉体的負担を軽減・
 消滅させたり、法的知識の援助を受ける必要がある。
これが重要です
575氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/02/05 00:30:18 ID:???
「被疑者段階における将来の訴訟当事者としての地位」というのも、聞いたことが無い
というのは言いすぎだったね。ただ、それをいうなら、「被疑者は、将来の訴訟当事者としての地位を有する。」でよい。
ただ、ぱっと読んですぐ理解できないが難点。
理由は簡単で、「被告人」という主語と「将来の訴訟当事者としての地位」という目的語(?)
の平仄が合ってない。
576氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/02/05 00:31:55 ID:???
自分で書き込みながら、あとで文を追加したのでわかりにくくなった、、

ぱっと読んでわからないとしたのは
「被疑者段階における将来の訴訟当事者としての地位」についてね
577:05/02/05 11:59:14 ID:JMAcPLy5
僕も昔書いた分があったのであげさせてもらいます。

1 役割
刑事手続は、犯罪事件を解明し、刑罰法規の実現を目指して行われる。
もっとも、これらの目的も被疑者・被告人の人権保障が全うされた上で行われなくてはならない(憲法31条、法1条)。
しかしながら、被疑者・被告人は、刑事手続の一方の主体である検察官に比し、法律的知識の面でも事実的経験の面でも圧倒的に不利な立場を負う。
そこで、被疑者・被告人はそれ自身が有する自己防御権を補完するため、弁護人を選任することができる(憲法34条1項等)。
即ち、弁護人とは、刑事手続において専ら被疑者・被告人の利益擁護を任務とする者であり、その者達の単なる代理人を越え、刑事手続における保護者的役割を担う者である。
2 役割の実効化
これら弁護人の意義を全うし、もって被疑者・被告人の人権擁護を図るため、弁護人は次のような権限を有する。
(1)
まず、捜査段階においては、特に身柄拘束被疑者の不利益を弁護人が補完する必要がある。
そこで、弁護人は接見交通権を有し、原則としていつでも捜査機関に身柄拘束被疑者との接見を求めることができる(法39条1項)。
また、身柄拘束そのものの正当性を審査するため、勾留理由開示請求権(82条2項)、勾留取消請求権(法87条)を有する。
公判に備え、証拠保全請求をなすことも可能である(法179条1項)。
(2)
公判段階においては、法律知識に乏しい被告人の不利益を補完することが重要となる。
そこで、弁護人は、訴訟書類等の閲覧謄写権(法40条)、証拠調べ請求権(法179条1項)等を有し、被告人に代わり防御方法を展開する。
また、被告人の勾留取消・保釈を請求することもできる(法87条等)。
(3)
そして、弁護人はあくまでも被疑者・被告人の利益を擁護するため選任された者であるから、これらの権限をその者達の利益に沿うよう、誠実に行使する義務を負う。
578G:05/02/05 12:01:31 ID:JMAcPLy5
3 役割の二面性
一方で、弁護人は刑事司法に携わる者としてその適正な運営を図るという公益的役割をも背負う。
しかしながら、被疑者・被告人の利益を図ることと、刑事司法の公益を図ることは時に相反する。
そこで、弁護人は両者の調和を図ることが求められる。
(1)
この点、弁護人が一義的には被疑者・被告人の利益擁護を図るために選任されたことに照らせば、
弁護人の行為が公益に反する場合であっても、それが被疑者・被告人が有する権利の範囲内のものであれば許容される。
例えば、たとえ実体的真実発見を阻害する場合であっても、弁護人は被告人に対し黙秘権の行使を薦めることができるし、
訴訟戦略上の上訴であっても、それが被告人の権限の範囲内にあれば、弁護人はそれを行使することができる。
(2)
しかしながら、積極的に実体的真実を歪めることは、被疑者・被告人の権利の枠を逸脱するものであり、弁護人がそれをなすことは許されない。
例えば、被告人が身代わり犯であることが判明した場合、弁護人はその身代わりを担保できない。
即ち、弁護人はその者の無罪を主張立証しなくてはならない。
また、虚偽の立証をすることは、たとえ弁護人であっても許されない。
その結果、虚偽立証を行った弁護士は、たとえそれが被告人の利益を擁護するものであっても、犯人等隠避の罪に問われる可能性がある。
4 結論
これらの意味で、弁護人は一義的には被疑者・被告人の利益擁護をその役割としつつも、公益保護の観点から一定の真実義務を負う。
言い換えれば、弁護人は、被告人等の「正当な利益」を擁護する役割を担う者といえる。
579G:05/02/05 12:10:09 ID:JMAcPLy5
問題
>>570

大谷氏の答案
>>571-572

僕の答案
>>577-578

コメント
この問題は、弁護人の役割の二面性を表現することが不可避だと思います。
大谷さんの答案は、ただ弁護士の権限を逐一取り上げて説明しているだけなので、その点はいただけないと思います。
反面、弁護士の行為が被疑者被告人にどのような効果を与えるかの説明が丁寧でよいなと思いました。
弁護士の保護者的役割と公益的役割の相克の表現が不可避だと考えたのは、法律用語辞典で「弁護士」をひけば載っている基礎事項であり、
かつ、口述試験で試験委員にしつこく聞かれていたからです。
誠実義務と真実義務
580氏名黙秘:05/02/05 12:39:39 ID:???
>>579
うーんと。1行25文字で統一してくれないかな
すごく読みにくいんだよね

>>572ですが
そこで、弁護人は両者(公的役割と被告人の保護)の調和を図ることが求められる。
とありますが、弁護士に採点があたれば、なんだとぉ!!!と思われるかも

両者の調和といわれると、折衷的に聞こえるのだよ。公的役割のため、被告人保護を交替させましょう、ってね
でも、弁護人の公的役割の実現も、被告人保護というフィルターを通して行われるのが基本だよね。調和というと違うような
(1)になると、被告人保護を通した公的役割になってるけどね

たとえ実体的真実発見を阻害する場合であっても、弁護人は被告人に対し黙秘権の行使を薦めることができる
という表現もどうでしょう。なんか違和感があります。被告人の黙秘権は真実発見を阻害するのか
言い換えると、被告人には真実解明義務が課せられているのか??と疑問が沸いたりします
581G:05/02/05 13:05:48 ID:???
>>580 失礼しました

1 役割
刑事手続は、犯罪事件を解明し、刑罰法規の実現を目指
して行われる。もっとも、これらの目的も被疑者・被告
人の人権保障が全うされた上で行われなくてはならない
(憲法31条、法1条)。しかしながら、被疑者・被告
人は、刑事手続の一方の主体である検察官に比し、法律
的知識の面でも事実的経験の面でも圧倒的に不利な立場
を負う。
そこで、被疑者・被告人はそれ自身が有する自己防御権
を補完するため、弁護人を選任することができる(憲法
34条1項等)。即ち、弁護人とは、刑事手続において
専ら被疑者・被告人の利益擁護を任務とする者であり、
その者達の単なる代理人を越え、刑事手続における保護
者的役割を担う者である。

582G:05/02/05 13:07:42 ID:JMAcPLy5
2 役割の実効化
これら弁護人の意義を全うし、もって被疑者・被告人の
人権擁護を図るため、弁護人は次のような権限を有する。
(1)
まず、捜査段階においては、特に身柄拘束被疑者の不利
益を弁護人が補完する必要がある。そこで、弁護人は接
見交通権を有し、原則としていつでも捜査機関に身柄拘
束被疑者との接見を求めることができる(法39条1項)。
また、身柄拘束そのものの正当性を審査するため、勾留
理由開示請求権(82条2項)、勾留取消請求権(法8
7条)を有する。公判に備え、証拠保全請求をなすこと
も可能である(法179条1項)。
(2)
公判段階においては、法律知識に乏しい被告人の不利益
を補完することが重要となる。そこで、弁護人は、訴訟
書類等の閲覧謄写権(法40条)、証拠調べ請求権(法
179条1項)等を有し、被告人に代わり防御方法を展
開する。また、被告人の勾留取消・保釈を請求すること
もできる(法87条等)。
(3)
そして、弁護人はあくまでも被疑者・被告人の利益を擁
護するため選任された者であるから、これらの権限をそ
の者達の利益に沿うよう、誠実に行使する義務を負う。
583:05/02/05 13:08:33 ID:JMAcPLy5
3 役割の二面性
一方で、弁護人は刑事司法に携わる者としてその適正な
運営を図るという公益的役割をも背負う。しかしながら、
被疑者・被告人の利益を図ることと、刑事司法の公益を
図ることは時に相反する。そこで、弁護人は両者の調和
を図ることが求められる。
(1)
この点、弁護人が一義的には被疑者・被告人の利益擁護
を図るために選任されたことに照らせば、弁護人の行為
が公益に反する場合であっても、それが被疑者・被告人
が有する権利の範囲内のものであれば許容される。例え
ば、たとえ実体的真実発見を阻害する場合であっても、
弁護人は被告人に対し黙秘権の行使を薦めることができ
るし、訴訟戦略上の上訴であっても、それが被告人の権
限の範囲内にあれば、弁護人はそれを行使することがで
きる。
(2)
しかしながら、積極的に実体的真実を歪めることは、被
疑者・被告人の権利の枠を逸脱するものであり、弁護人
がそれをなすことは許されない。例えば、被告人が身代
わり犯であることが判明した場合、弁護人はその身代わ
りを担保できない。即ち、弁護人はその者の無罪を主張
立証しなくてはならない。また、虚偽の立証をすること
は、たとえ弁護人であっても許されない。その結果、虚
偽立証を行った弁護士は、たとえそれが被告人の利益を
擁護するものであっても、犯人等隠避の罪に問われる可
能性がある。

584G:05/02/05 13:09:30 ID:JMAcPLy5
4 結論
これらの意味で、弁護人は一義的には被疑者・被告人の
利益擁護をその役割としつつも、公益保護の観点から一
定の真実義務を負う。言い換えれば、弁護人は、被告人
等の「正当な利益」を擁護する役割を担う者といえる。





問題
>>570

大谷氏の答案
>>571-572

僕の答案
>>581-584
585大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/05 22:43:00 ID:??? BE:41206346-
>>574-576
出だしの部分は失敗ですね。
最初が悪いと印象も悪いので、より注意しなければ、と思いました。
やはりもう少し制度をあげたほうがよかったですね。
余罪と接見交通とか、接見指定とか、ありますし。
ありがとうございました。

Gさんへ
個人的な感想ですが
「3」のところが長いような感じを受けました

内容的には大丈夫だと思います
ただ、私も言われたとおり、もう少し制度をあげたほうがいいと思います。

今から2問目を作成し始めます。
586G:05/02/05 23:04:39 ID:Y2UyV2aW
>>585

「3」は長いと感じましたか?
刑事訴訟法の争点トピック12「弁護人の責務」の章立ては、
一 弁護人依頼権
二 弁護人の地位・任務
三 弁護活動と真実義務 となっています。
そのうち、分量で言えば、3(一):2(二):5(三)の割合です。
口述過去問に照らしても、「3」こそがメイン論点だと思います。
昭和30年代ならともかく、まさか平成8年で単なる知識問題ということはないでしょう。
どこかに出題意図があり、弁護人の地位の二面性こそがソレだと思うのですが。
どうでしょう。
問題文からしても「役割」を聞いてるのに、制度を羅列するのはどうかと思います。
587G:05/02/05 23:09:52 ID:Y2UyV2aW
ということで
>>574さんの意見には反対です。

予備校の一行問題ならともかく、平成8年の本試験でわざわざ「弁護人の役割」という一行問題を提示してきたことに照らせば、
はやり何らかの問題意識があるわけで、
その問題意識は、過去の口述過去問に照らせば浮かび上がります。

ただ知識を書きなぐっても、どうなんでしょう。
制度に内在する葛藤を表現した方が点数つくんじゃないですか。
588大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/05 23:24:48 ID:??? BE:61808966-
>>586
う〜ん
おそらく一行問題では、挙げた制度の数によって、点数が振られているような気がします。

もちろん、「3」を書くことに反対ではないのですが、分量としても、現行制度を先にあげたほうがよいと思います。
口述で実質的な役割が聞かれているのは知っていますが、それを述べるのであれば、
基本的な精度を上げて、分類した上で、始点を設定し、そこから導き出すということが要求されると思います。

あくまでも、基本的な制度・条文を挙げた上で、応用部分を書くべきだと思います。
これは、昔警察官と検察官の役割について聞かれたことがありましたが、それと同じではないかと。

ですので、制度・応用の分量は、2:1程度にすべきだと思います。

>>587
あと、制度を書きなぐるというのは確かによくないと思います。
制度を、整理しつつ、書いていくという方法がよいかと思います。
そのための総論なのですから。

それと、仮に本試験でそのような視点が出てこなかったり、単なる思い付きだったりした場合、怖いですよね。

まあ、ここら辺は答案を作る側のスタンスの違いというところでしょうか?
589大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/05 23:26:01 ID:??? BE:24037627-
さて、今日は刑訴の2問目を書いてみました

【刑訴】 平成8年・第2問
1 A罪で逮捕した被疑者について、@B罪で勾留請求することはできるか。
 また、AA罪のほかB罪もつけ加えて勾留請求する場合はどうか。
2 仮に右のAが許されるとして、A罪のみによる勾留の場合と比べて、その
 後の手続にどのような違いとなって現れるか。
590大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/05 23:27:14 ID:??? BE:13735542-
一、小問1@について
1、A罪で逮捕されている被疑者をB罪で勾留することは、
 逮捕前置主義に反さないか。
  ここで、逮捕前置主義とは、勾留をするにあたって、
 適法な逮捕が先行していなければならないという原則を
 いう。
  逮捕前置主義を直接定めた規定はないが、207条が「前
 3条」として勾留前に逮捕を要求していると解されること、
 逮捕・勾留を通じて二重の司法審査を経たほうが被疑者の
 人権保障に資することから、法は逮捕前置主義を採用して
 いると解される。
2、このように考えると、B罪については逮捕を経ていない
 以上、逮捕前置主義から勾留することはできないと考える。
  この点、あらためてB罪について逮捕・勾留を経ること
 のほうが、被疑者の身柄拘束期間の点で不利益とも考えら
 れるが、逮捕・勾留の審査を受ける段階で要件を欠き逮捕・
 勾留が認められない場合もあるのだから、必ずしも不利益
 があるとはいえない。
  したがって、本問勾留はなしえない。
二、小問1Aについて
1、本問においても、B罪について逮捕されていない以上、
 逮捕前置主義からB罪についての勾留は認められないのが
 原則である。
  もっとも、本問ではA罪について勾留がなされる以上、
 それに付加して勾留をしても、被疑者の身柄拘束期間の点
 で不利益とはいえない。この場合、B罪について再度の逮
 捕を認めなければ、被疑者の人権保障として十分であると
 いえる。
2、したがって、本問においては例外的にB罪について付加
 的に勾留することができると考える。
591大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/05 23:28:26 ID:??? BE:108165097-
三、小問2について
1、B罪について勾留が認められた場合、同時にB罪につ
 いて逮捕・勾留を認めることは、一罪一逮捕・一勾留の
 原則に反する。
  したがって、B罪について勾留されている場合に、重
 ねてB罪につき逮捕・勾留することはできない。
  これに対し、B罪について勾留されていない場合は、
 かかる制限はないという違いが生じる。
2、次に、B罪について勾留がなされた場合、再逮捕・再
 勾留禁止の原則から、原則として勾留後にあらためてB
 罪について逮捕・勾留することはできない。
  これに対し、B罪について勾留されていない場合は、
 かかる原則の適用はなく、逮捕・勾留は原則として許さ
 れるという違いが生じる。
3、また、B罪について勾留されている以上、B罪につい
 て身柄拘束の理由が存続する限り、A罪について身柄拘
 束の必要・理由がなくなった場合でも、勾留を続けるこ
 とができると解する。
  これに対し、B罪について勾留されていない場合、A
 罪について勾留の必要・理由がなくなれば、B罪の身柄
 拘束の理由・必要性の有無に関わらず、被疑者の身柄を
 釈放しなければならないという違いが生じる。
4、さらに、B罪を勾留している場合はB罪について取調
 べることも許される(198条1項)。
  これに対し、取調べに事件単位の原則(200条1項、20
 3条1項等)の適用を認める立場から、B罪について勾留
 されていない場合は、任意捜査(198条1項但書)として
 認められない限り、B罪について取調べることは認めら
 れないという違いが生じる。
592大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/05 23:29:04 ID:??? BE:92713469-
5、さらに、接見指定(39条3項)をする場合、B罪につい
 て勾留していれば、B罪について取調の必要性があること
 を理由として接見指定をすることはできる。
  これに対し、B罪について勾留されていない場合、B罪
 について取調べる必要があることを理由に、接見指定する
 ことはできないという違いが生じる。
以上

コメント
1400字、3ページの半分くらいです。
小問1@でも反対利益に配慮しました。
小問1Aは小問2とかぶってしまう部分があったので、やや冗長となってしまいました。
小問2では、総論的な視点を設けることができませんでした。
「三、3」については、学説上争いがあるとこなので、書いたほうがよかったかもしれません。
593大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/05 23:29:38 ID:??? BE:123617489-
よろしくお願いいたします。

問題
>>586
答案
>>590-592
594氏名黙秘:05/02/06 00:48:11 ID:???
>>587
出来るだけ知識を書く
問題意識を書く

両者できれば素晴らしいです
でも後者、最低限書くべきことを書いて、初めて点になるかと
これ書いたら何点という割り振りがある以上
物量作戦も必要
てことかな。かつ、それで合格ライン届くなら
この手がいいかと

そんな程度っすよ
595氏名黙秘:05/02/06 01:38:47 ID:???
>592
よく書けてると思います。本番でこれだけ書けてたらいい評価
だと思います。
596氏名黙秘:05/02/06 03:36:01 ID:???
小問1
事件単位の原則は,ちゃんと書いた方がいいと思う。大展開しなくてもよいが。
これを書かないと,逮捕前置主義の司法的抑制の意義があまり見えてこない。
あと,A罪とB罪が「公訴事実の同一性」ある場合はOK,
という話も,書いた方がいいと思う。
安富は書かない方がいいみたいなことを言ってた気がするが,
あいつはあまり信用できん。
具体的な罪名が書いてない以上,「公訴事実の同一性」の範囲内という可能性もありうるし。
597大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/06 20:34:47 ID:??? BE:68676858-
>>595-596
ありがとうございます。
公訴事実の同一性については、確かに引っかかりました。
ただ、文字数やバランスを考えると、触れるのは少しきついと思いました。
もう少し、全体的に短くまとめておいたほうがよいみたいです。
検討してみます。

さて、今日は、13年の憲法1問目を書いてみました。
598大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/06 20:35:19 ID:??? BE:25754235-
【憲法】 平成13年・第1問
 法律上強制加入とされている団体が、多数決により、特
定の政治団体に政治献金をする旨の決定をした。この場合
に生ずる憲法上の問題点について、株式会社および労働組
合の場合と比較しつつ、論ぜよ。
599大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/06 20:36:16 ID:??? BE:54940984-
一、団体の政治献金
1、団体が政治団体に献金することは、構成員の思想良心
 の自由(19条)を侵害しないか。
  ここで、思想良心とは、世界観・人生観・主義・主張
 等に準ずる人の考え方等をいうが、どの政党を支持する
 かということも思想良心の自由に含まれる。
  そこで、団体が政治献金をすることは、構成員の意思
 に反して行なうことはできないのが原則である。
2、他方、団体自体も社会的実体を備えて活動する以上、
 性質上可能な限り人権が保障される。そして、政治献金
 の自由は、団体の目的を達成する上で必要な限り、権利
 として団体に保障されると解する。
  この点、政治献金が、団体としての行動や構成員の生
 活等を保護する観点からなされているのであれば、目的
 を達成する上で必要といえる。
  また、団体は団結権(21条1項)に基づき、団体として
 の意思決定として構成員に対して統制権を行使すること
 もできる。
3、そこで、構成員の思想良心の自由と、団体の統制権と
 の調和が問題となる。
二、調和の基準
1、思うに、団体には統制権が認められ、それにより個人
 の思想良心の自由が制約されることもある程度はやむを
 えないといえるが、それが合理的範囲を超えた場合には、
 統制権の行使が違法となると考える。
  そして、いかなる場合に合理的範囲を超えたといえる
 かは、制約される構成員の権利の性質・制約の程度、団
 体の性質、制約により得られる団体の利益等を総合的に
 考慮して決するべきである。
2、本問においては、個別具体的な状況が明らかでないた
 め、以下具体的事案を想定してあてはめる。
600大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/06 20:37:49 ID:??? BE:54941748-
三、検討
1、まず、法律上強制加入とされている団体としては、税
 理士会や司法書士会、弁護士会がある。これらは、特定
 の職業につくために、個人の意思に関わりなく加入が強
 制されているものであり、統制権の行使にあたっては、
 より個人の意思が重視されなければならない。
2、そこで、例えば税理士会が政治献金をすることは、構
 成員は自己の意思と関わりなく特定の政党に援助するこ
 とを余儀なくされる。そして、団体の性質も強制加入で
 あり税理士業務の円滑という公益を目的としたものであ
 ることから、より政治的に中立的である必要がある。ま
 た、政治献金をしたことにより守られる団体の権利は、
 法改正を通じての間接的なものにとどまり、直接的に団
 体の権利が保護されるものではない。
  したがって、かかる政治献金は構成員の思想良心の自
 由を過度に侵害するものとして、違法である。
3、他方、法律上強制加入とされていない団体として、株
 式会社や労働組合が挙げられる。ここで、労働組合にお
 いてはオープンショップ制とユニオンショップ制がある
 が、ユニオンショップ制は特定の企業に入ることで加入
 を強制されるものであり、法律上強制加入とされている
 団体と同視しうる。
  そこで、参入・脱退が自由な株式会社とオープンショ
 ップ制の労働組合について検討する。
601大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/06 20:38:41 ID:??? BE:108165097-
4、例えば、労働組合が政治献金をする場合、確かに、構
 成員たる労働者の思想良心は制約されうる。しかし、政
 治献金の目的が終局的には労働者の地位向上にあり、個
 々の労働者は権利として薄弱であることに鑑みると、よ
 り大きな団体の政治献金は労働者の利益にかなうもので
 あり、必ずしも労働者にとって不利益とはいえない。ま
 た、労働者は労働組合の方針が自己の主義・信条等に反
 する場合、税理士会等とは違い、組合を自由に脱退する
 ことができるのであり、強制的に労働者に対して献金を
 要請する性質のものとはいえない。
  したがって、労働組合が政治献金をすることは、必ず
 しも構成員の思想良心の自由を過度に制約するものでは
 なく、違法とまではいえない。
四、このように、法律上の強制加入団体において、政治献
 金は構成員の思想良心の自由に対する過度な制約として
 違法とされるが、任意加入団体においては、違法な制約
 とまではいえない。
以上
602大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/06 20:39:16 ID:??? BE:24036672-
コメント
1600字弱、3ページの後半です。
書きにくい問題でした。
先に団体の政治献金の自由から論じたほうがよかったかもしれません。

よろしくお願いいたします。

問題
>>558
答案
>>559-601
603氏名黙秘:05/02/06 20:57:17 ID:???
>>602
ぱっと見そんなには悪くないかと
個人の思想良心、さらには、表現の自由と
団体の、政治活動の自由の衝突であることをもっと押し出せれば良いかと

そのうえで、3団体の差異をだせれば十分かと思います

視点を付け加えるなら、団体が政治活動をすること自体の意味に突っ込めれば加点かなと
労働組合の場合、個人ではなく、団体が政治活動をすることに意味があるとも言えます
個人じゃ言えない事も、団体交渉なら可能になる

他方、株式会社の場合、株主が出資し、構成員が一生懸命稼いだお金を、上層部の意向で
適当な政治団体に寄付する。それは個人じゃ太刀打ちできないほど大金を贈る
なんていう側面もあります。逆に、企業がよりやりやすい環境を作ってもらうのも一つの手
まあ、現実は、企業献金が色々捻じ曲げてるという評価の方が強いでしょうが

強制加入団体の場合は、なかなか難しい。政治的に無力では、役人を学者に言いようにぶち壊された
司法改、、、うわやめろ何sdfghjkl

とまあ、中間団体、場合によってはギルドをどう考えるかも一つの手です
嫌でも弁○士会には入らなければならませんが、そこから贈られてくるニュースときたら
一方からの政治的宣伝かと思うくらいですしね
604氏名黙秘:05/02/06 23:43:48 ID:???
>それにより個人の思想良心の自由が制約されることもある程度はやむを
>えないといえるが
絶対的保障だよ。正面からこう書くと見る人によっては激怒するかも。
あとの部分は労組の特性を考慮されていてよかったと思います。
初見で一時間でここまで書ければ結構いい点がつくと思います。
605氏名黙秘:05/02/06 23:45:46 ID:???
株式会社が何も書いてないように見えるのがちょっと気になるな。
606大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/07 20:02:02 ID:??? BE:27470944-
ありがとうございます。

>>603
言いたいことはわかりました。
すごいわかりやすい表現でした。
う〜ん、そこまで試験会場で頭が働くかが疑問です。
いつも答案構成10分以内で終了しています。
本試験で時間がほしいです。

>>604
確かにごもっともです。
思想良心を間接的に侵害する、制約されるのはあくまでも外形的行為のみです。
ここは、表現的にまずかったですね。

>>605
はい。忘れていました。途中まで。
何とかねじ込んだんですが、任意的加入団体という点を強調しておけばよかったと思います。
しかし、厳しいですね、憲法は。

今日は今から民法1問目を書いてみますので、後ほどよろしくお願いいたします。
607大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/07 20:58:21 ID:??? BE:139069499-
書いてみました。
よろしくお願いいたします。

【民法】 平成8年・第1問
 Aは,Bに対する債務を担保するため,自己所有の甲建物に抵当権を設定し,その旨の登記を経由した。その後,Aは,Cに甲建物を売却したが,Cへの所有権移転登記を経由する前に,Dの放火により甲建物が全焼した。
 この場合に,A,BおよびCは,それぞれDに対して損害賠償を請求することができるか。
 AがDに対して損害賠償を請求することができるとした場合,AのDに対する損害賠償請求権またはDがAに支払った損害賠償をめぐるBおよびCの法律関係はどうなるか。
608大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/07 20:59:49 ID:??? BE:109882188-
間違えました。すみません。

【民法】 平成13年・第1問
 Aは、Bに対し、自己所有の甲建物を売却して引き渡し、
Bは、Cに対し、甲建物を、使用目的は飲食店経営、賃料月
額50万円、期間3年、給排水管の取替工事はCの負担で行う
との約定で賃貸して引き渡した。Cが300万円をかけて甲建物
の給排水管の取替工事をした直後、Aは、Dに対し、甲建物
を売却して所有権移転の登記をした。
 この事案において、DがAからBへの甲建物の売却の事実
を知らなかったものとして、DがCに対してどのような請求
をすることができ、これに対し、Cがどのような反論をする
ことができるかについて論じた上で、BC間の法律関係につ
いても論ぜよ。
609大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/07 21:02:09 ID:??? BE:36055837-
一、DのCに対する請求について
1、Dは甲建物の所有権に基づいて、Cに対して建物明渡
 を請求することが考えられる。
  これに対し、Cは有効な賃借権であると反論して明渡
 を拒むことが考えられるが、かかる反論は認められるか。
  この点、BDは対抗関係に立ち、先に登記を取得した
 Dが建物所有権を取得する(177条)。そのため、Bは建
 物の処分につき無権限であり、Cの賃借権はDに対する関
 係では有効たりえない。
  したがって、Cは賃借権を主張して建物の明渡を拒むこ
 とはできない。
2、次に、Cは給配水管の取替工事の費用300万円を被担保債
 権として、留置権(533条)が成立していると反論して建物
 明渡を拒むことが考えられるが、かかる反論は認められる
 か。
  この点、Cの行なった工事は建物の価値を一般的に増す
 ものといえ、給配水管工事に要した費用は有益費として所
 有者たるDに請求できる(196条2項本文)。そして、かか
 る有益費は建物に関して生じた債権であり、建物を留置す
 ることにより有益費の支払を間接的に強制するという関係
 にあるから、留置権が成立する。
  したがって、Cの留置権の成立という反論は認められ、
 CはDに対して建物の明渡を拒みうる。
  もっとも、有益費償還請求につき期限の許与が与えられ
 た場合(196条2項但書)、留置権は成立しえず、Cは建物
 の明渡を拒みえないことになる。
610大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/07 21:03:14 ID:??? BE:46357439-
3、さらに、Dは賃料相当額につきCに対して不当利得(70
 4条)を請求することが考えられる。
  これに対し、CはBに対して賃料を支払っているのだか
 ら、利得がないと反論することが考えられる。
  この点、不当利得返還請求が認められるためには、利得
 が存在することが必要である。そして、CがBに対してす
 でに賃料を支払っている場合、Cには利得がなく、不当利
 得返還請求は認められない。
  したがって、かかる場合であればCの反論が認められ、
 Dの請求は認められない。
  また、Dの請求が認められた場合であっても、Dは必ず
 しもCに対して賃料50万円を請求できるわけではなく、社
 会通念上Dが損失を受けたと合理的に考えられる額を請求
 できるにとどまる。
4、他方、Cに留置権が成立せず建物の占有権限を有しない
 場合、Cの占有は不法なものとなるから、不法行為(709条
 )による損害賠償請求することができる。
二、BC間の法律関係について
1、Bは甲建物につき所有権を有さず、BC間の契約は他人
 物賃貸借(559条、560条)となる。この点、他人物賃貸借
 も債権的には有効であるが、Cが所有者たるDより明渡請
 求を受けた段階で社会通念上履行不能が確定し終了する。
  したがって、CがDより明渡請求を受けるまでの賃料を
 Bは取得できるが、明渡請求後の賃料を取得することはで
 きない。
611大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/07 21:03:53 ID:??? BE:46356293-
2、次に、建物所有権がないことにつきBに故意・過失が認
 められれば、CはBに対して不法行為(709条)・債務不履
 行(415条)に基づく損害賠償、解除(543条)を請求でき
 る。
  しかし、BDはAより甲建物の二重譲渡を受けており、
 登記を怠ったこと自体をBの過失とまで評価することはで
 きず、また、契約時においてBは所有者であったのだから、
 通常自己の無権利につき故意・過失があるとはいえない。
  したがって、通常、CはBに対してかかる請求をなしえ
 ない。
3、そこで、CはBに対して担保責任(559条、561条)とし
 て、解除・損害賠償を請求することが考えられる。
  この点、561条は無過失責任であるため、賃貸権限を有さ
 なかったことにつきBの故意・過失は問題とならない。そ
 して、BC間の契約締結時にはBは無権利でなく、Bに甲
 建物賃貸権限がないことにつきCに悪意があるとはいえず、
 損害賠償も認められる。
  もっとも、損害賠償として認められるのは契約を有効と
 信じたことによる損害、すなわち信頼利益に限られる。
以上
612大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/07 21:04:32 ID:??? BE:20603434-
コメント
1500字強、3ページの後半です。
淡々と書こうと思ったのですが、書き方が難しく、ぐちゃぐちゃしてしまいました。
Bの側からの解除も触れたほうがよかったかもしれません。
ただ、Cの保護がメインなので、触れないでおきました。

よろしくお願いいたします。

問題
>>608
答案
>>609-611
613氏名黙秘:05/02/07 22:41:05 ID:???
ざっと見た感じとくに問題ないと思います。
614氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/02/08 19:18:20 ID:???
>>606
答案構成10分とはいかにも少ない
本番なら30分くらいはかけたいところです
10分で終わるというのは、すごい実力者(見た瞬間論点を抽出できる)か
知識が不足しているか、ちょっと慌て者かのどれかかなと

先の憲法の問題については、百選の事案、解説、そして芦部と4人組(なり他の補充本)
をしっかり読んだ成果を出せればいいかと

株式会社の政治献金については、商法でも習いますよね。それも応用すればよいのです
615氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/02/08 19:29:44 ID:???
>>612
同じく問題はないかと。もっと淡々と言う意味では
一2の留置権を論点化しなければ良いかと

  次に、Cは給配水管の取替工事の費用300万円を被担保債
 権とする留置権(533条)により建物明渡を拒む、と反論が
 考えられる。
  この点、Cの行なった給配水管工事は建物の価値を一般的に増す
 有益費といえ、要した費用はとして所有者たるDに請求できる(299条2項)
{なお、これを認定すれば、建物に関して生じた債権なのは当然といえるので、以下のアテハメは不要かと}
 よって、留置権の成立は認められるが、裁判所が期限の許与が与えた
 ときは(299条2項但書)、留置権は成立しない(295条本文)ので
 の明渡を拒みえない。

なお、留置権における有益費支出は299条に特則があります
616氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/02/08 19:42:44 ID:???
>>611
ちょっとだけ気になったのは、BはCに対する契約責任を
あっさり「契約時は所有者だったから」という理由で、責任なしとしてる点です
まず、契約責任の責任って、はっきりいうと、不可抗力の抗弁のみを認める
ほとんど無過失責任といっていい内容をもつのですよ。だから
履行補助者の故意過失だって「信義則上債務者の故意過失と同視できる」なんて言われるのです
だったら、きちんと「所有権の確保」をしない点に十二分に過失(義務違反)を認めることは可能かと
所有権を確保できなかったリスクを、所有権者(賃貸人)に負わせるか、賃借人に負わせるかという問題ですから

あと、担保責任だと信頼利益、契約責任なら履行利益と、単純に割り切るのも一つの手
(多くの受験生はそうするから、間違いではない。つまり、減点対象にはならない_けど
そのような割り切りをする実務家、学者は居ないんじゃないでしょうか
実は、他人物売買の担保責任って、法的性質でいえば、契約責任なんです
ならば、履行利益まで含めることも可能ですよね。当事者の行為責任の賠償転嫁ですから
ただ、無過失責任となると、通常の過失責任と同様の賠償を認めるのはどうかとも思われます
そこで、ある程度賠償額を絞るのが多数です。
例えば、対価を上限とする(賠償を減額請求と考える)、通常生ずべき損害に限定する(特別損害を排除)
また、信頼利益への限定も、この限定への一つのアプローチです

まあ、間違いじゃないんで、答案のままでも良いとは思います
617氏名黙秘:05/02/08 20:29:53 ID:???
これって本当に他人物賃貸?
DがBより先に登記を取得したとしてもBが遡って
無権利者になるわけではないと思うんだけど。
この場合にもCはBに561条で責任追及できるのかな。
ちなみに、この答案は否定してるけど、Bの債務不履行責任は追及できると思う。
618大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/08 21:22:17 ID:??? BE:41205683-
>>613-617
ありがとうございます。
留置権の有益費は、299条2項がありました。
落としてしまいました。
反省します。

やはり、登記を怠ったことを捉え、契約責任を認めるほうがよいのかもしれません。

損害賠償の範囲については、浅はかなのでしょうか。
択一知識として信頼利益、というのがすぐ浮かんだので、書いてしまいました。
でも、どこまでが信頼利益か?といわれると、困ります。
信頼利益に限定するなら、無過失責任だから、と理由を入れたほうがよいのかもしれません。
検討してみます。

あと、>>617さんへ
他人物賃貸借かどうか、というのは正直迷いました。
ただ、無権利になった後は、賃貸権限がないのですし、やはり他人物賃貸借かと思います。
さかのぼって無権利になるというわけではなく、登記の時点を基準に無権利となるのではないでしょうか。
そういう理解だったのですが。


なにぶん未熟なので、今後ともよろしくご指導いただければと思います。

今日は、受験生を地獄に陥れた2問目を書いてみました。
619大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/08 21:23:10 ID:??? BE:109882188-
【民法】 平成13年・第2問
1 不法行為責任と責任能力との関係について説明した上で、責任能力が必要とされている理由を過失概念の変容と関連付けながら論ぜよ。
2 未成年者の加害行為に対する親権者の不法行為責任を問う法的構成について論ぜよ。
620大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/08 21:29:04 ID:??? BE:108165479-
一、小問1について
1、不法行為責任とは、故意または過失により他人の権利
 を侵害した場合に、その賠償をすべき責任をいう(70
 9条)。
  本来、人は自由に行動できるのが原則であるが、他人
 の権利を侵害するような行動までもする自由を保障され
 たものではなく、権利を侵害した場合にはそれを金銭に
 換算して賠償責任を負わせたものである。
  他方、責任能力とは、是非善悪を判断し、それに従っ
 て行動する能力をいう(行動制御能力)。
2、この点、不法行為責任を負うには、責任能力がなけれ
 ばならないとされる(713条)。
  これは、責任能力がない者は、自己の行動を制御する
 力がないのであり、その者に損害を帰責しえないからで
 ある。
  このように、両者は、不法行為責任が成立する前提と
 して、責任能力が要求されるという関係に立つ。
3、では、なぜ責任能力という概念が必要とされるのか。
  思うに、私的自治の原則の下、人は自らの意思により
 行動した結果について責任を負うべきであり、原則とし
 て意思に合致した行動があれば責任を負わせうるはずで
 ある。しかし、行動能力に欠ける者に対して責任を負わ
 せるのは社会通念上相当とはいえず、逆に保護する必要
 性すら生じるといえる。
  ここに、責任能力という概念を必要とする理由がある。
621大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/08 21:30:17 ID:??? BE:13735924-
4、ただ、責任能力があれば、社会通念上その者に責任を
 負わしうるという結論を安易に導くことも妥当でない。
  この点、従来は過失により他人の権利を侵害した者に
 対し、結果の予見可能性があればそのような行動をすべ
 きでなかったとして、結果に対してすべて責任を負わせ
 うるとされていた。
  しかし、これではあまりに公平の観に反する。
  そこで、予見可能性を前提とした結果回避義務違反が
 あった場合に初めて責任を負わせうるとして、過失概念
 は結果回避義務を中心に変容してきた。
  実際上も、自動車の運転など社会的に有益だが他人の
 権利を侵害する危険のある行為が増えており、結果が予
 見可能であったとして運転したことによる結果をすべて
 帰責するのは妥当でなく、あくまで結果を回避しなかっ
 たことを過失と捉えて、責任の範囲を限定すべきである。
4、したがって、責任能力は不法行為責任の前提であるが、
 責任能力に加えて結果を帰責しうるのが公平かという観
 点から限定を加えるべきであると考える。
二、小問2について
1、未成年者の加害行為に対する親権者の不法行為責任を
 問う場合として、未成年者に責任能力がなかった場合と、
 ある場合とに分けられる。
  ここで、責任能力の有無は、概ね16歳程度を基準に決
 せられると考える。
622大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/08 21:32:18 ID:??? BE:10302023-
2、まず、未成年者に責任能力がなかった場合、被害者は
 未成年者に対して責任追求することができず、被害者保
 護に欠ける。
  そこで、被害者保護の観点から、未成年者を監督すべ
 き親権者(820条)に責任を負わしうるとしている(
 714条)。
  したがって、被害者は親権者に対して不法行為責任を
 問える。
  もっとも、714条但書は、監督義務を怠らなかった
 場合には免責を認めている。
  このことから、同条は親権者が監督義務違反をしたこ
 とに対する不法行為責任を定めたものであり、ただ、被
 害者保護の観点から立証責任の転換を図ったものといえ
 る。
  そして、責任無能力者である未成年者の行動により第
 三者が損害を被ることを予見しえただけで親権者に責任
 を負わせるのは社会通念上妥当でないため、義務違反と
 いう結果回避義務違反をもって責任を負わせうるとした
 のであり、親権者の責任能力を前提として不法行為責任
 の範囲を限定したものといえる。
3、次に、未成年者に責任能力があった場合、同条の適用
 はない。
  しかし、親権者は依然として監督義務を負うのであり、
 これに違反した場合には709条に基づいて不法行為責
 任を負うと考える。
  そして、この場合も、単なる予見可能性ではなく、監
 督義務違反という結果回避義務違反が必要であり、責任
 能力を前提として不法行為責任の範囲を限定すべきであ
 ると考える。
以上
623大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/08 21:33:39 ID:??? BE:61808966-
コメント
1500字程度、3ページの後半です。
この問題は、初めてまじめに考えました。
結果回避義務違反について、自分なりの理解を答案に出してみました。
ただ、長すぎという感じが多々ありました。

よろしくお願いいたします。

問題
>>619
答案
>>620-622
624氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/02/08 21:36:56 ID:???
>>617

他人物賃貸借というのは、最初から他人物の場合はもちろん
二重譲渡で相手が所有権者とならない場合も含むのです
契約当時は、所有権者か、どうかわからない浮動状態(我妻的には不完全)です

実は、実体法上、このような場合は結構多い
抵当権登記と同時に、抵当目的物からの賃料債権には、抵当権の物上代位の効力が及ぶけど
(今は、抵当権の効力自体及ぼすことできますが、それはさておき)
抵当権者による差し押さえがあるまでは、それを債務者は自由に処分できます
差し押さえがかかると、遡及的に、処分が否定される。そういう状態になる

DがBより先に登記を取得したとしてもBが遡って
無権利者になるわけではないとしても、やはり他人物賃貸借です
「他人物」が気になるなら、確定的な処分権能の無い者による賃貸借契約、と言い換えてもいい
625氏名黙秘:05/02/09 01:04:05 ID:???
Cが勝つかDが勝つかは説が分かれるんだよ。
昔の判例はCが勝つとしていたらしい。
626氏名黙秘:05/02/09 01:12:51 ID:???
責任能力の定義が違う気がするぞ。

しかも
>責任能力の有無は、概ね16歳程度を基準に決せられると考える。
年齢高すぎw
余計なこと書いて減点食らわないように。

小問1は,話が刑法になってるね。
民法は話が逆だから注意。責任を負わせようという話だ。
まあ知らずに現場で書くにはこれが限界だろう。
627氏名黙秘:05/02/09 01:18:20 ID:???
小問2
2が薄い。ここは事前に用意できるところだからしっかり書くべきだ。
しかも,内容はあやしい。
損害に対する過失ではなくて,
監督義務違反に対する過失でいいのか,
というのが問題点だ。

結果回避義務違反という場合の結果というのは,損害を意味しているはず。
監督義務違反=結果回避義務違反 といった独自の論述は,
本番では危険じゃないかと思う。
628627:05/02/09 01:27:38 ID:???
2が薄い→3が薄い
629大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/09 20:44:56 ID:??? BE:61808494-
>>624-625
難しいですね。
遡及効があるかどうか、今のうちにしっかり確認しておかなければ、本試験で痛いミスをしそうな予感です。
がんばって、乗り切ります!

>>626
この話しか思いつきませんでした。
ほぼ初見の問題でしたので、限界です。
この年、この問題でどれだけ多くの受験生が泣いたことか。
内田先生が引退して、ほっとしています。

>>627
ここは短い論証しか知りませんでした。
何とか小問1とリンクさせようとしたのがあだになったかもしれません。
しかし、きついです。

皆様、どうもありがとうございます。
本音を言うと、もうこんな問題は出てほしくないです。

では、今から商法を書いてみます。
630氏名黙秘:05/02/09 21:26:07 ID:???
>>629
しかし、12通のうちのどこかには
こんな風に、「隙間を狙う」問題は必ず出るよ
11年の問題だって、負けないくらい難しかったしね

こういう問題にぶちあたったとき、「もう嫌だ」と思うとまずいとは思う
「みんなどうせ嫌だろうなあ。ま、その中で落ちなきゃいいや」と思えることが大事
631大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/09 21:45:43 ID:??? BE:82411968-
>>630
ありがとうございます。
前向きにがんばってみます。
いや、気合で乗り切って見せます。

商法1問目を書きました。

【商法】 平成13年・第1問
 親会社であるP株式会社は、親会社としての影響力を背景に、子会社であるQ株式会社から不当に低い価格で製品を買い入れ、Q社に損害を与えた。Q社の少数派株主Aには、商法上どのような保護が与えられるか。この取引が商法第265条第1項の取引となる場合はどうか。
632大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/09 21:47:01 ID:??? BE:82411586-
一、設問前段について
1、Q社は不当に安い価格でP社に製品を売却し、損害が
 生じている。
  そこで、Q社の少数派株主Aは、Q社の代表取締役・
 平取締役・監査役に対して責任を追求することが考えら
 れる。
2、まず、代表取締役に対して株主代表訴訟(267条)を提
 起して266条1項5号の責任を追求しえないか。
  この点、取締役には会社に損害を与えないように職務
 を遂行する義務がある(善管忠実義務、254条3項、民法
 644条、254条の3)。そして、かかる義務に違反した場合、
 「法令・・・ニ違反」したといえる。
  本問では、不当に安い価格で製品を売却する行為は、
 善管忠実義務に違反するといえ、代表取締役は会社に対
 する損害賠償責任を負う。
  この点、266条1項5号の責任は過失責任と解されるが、
 不当に安く製品を売却する行為は、少なくとも会社に損
 害を与えた点につき過失があるといえる。
  したがって、Aは株主代表訴訟を提起し、代表取締役
 に対して損害賠償を請求できる。
3、次に、製品の売却が取締役会決議による場合、取締役
 会で賛成し、または異議をとどめなかった平取締役も、
 会社に対する損害賠償責任を負う(266条2項、3項)。
  また、取締役会が開かれなかった場合であっても、各
 取締役は相互に監視義務を負うことから、かかる義務に
 違反した取締役は責任を負う。
  したがって、Aは株主代表訴訟を提起し、平取締役に
 対して損害賠償を請求できる。
633大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/09 21:48:30 ID:??? BE:20602962-
4、次に、監査役に対して株主代表訴訟(280条1項、267条
 )を提起して277条の責任を追求できないか。
  この点、監査役が負うべき義務は、会計監査、業務の
 適法性監査にとどまり、妥当性監査までは及ばないと解
 する。なぜなら、監査役は業務執行について意思決定を
 しえず、妥当性の判断は経営の専門家たる取締役に任せ
 るべきだからである。
  とすると、製品をいかなる価格で販売するかは、妥当
 性の問題であり、監査役の義務は及ばないとも思える。
  しかし、取締役が善管忠実義務違反という行為を行な
 っているにもかかわらず、これを放置するようなことは
 認めるべきでない。
  そこで、善管忠実義務違反がある場合は法令違反とし
 て、適法性監査が及ぶと解する。
  したがって、監査役には任務懈怠が認められ、Aは代
 表訴訟を提起して、監査役に損害賠償を請求しうる。
  そして、この場合、取締役とは連帯責任を負う(278条
 )。
5、次に、親会社たるP社の取締役に対して責任追求しえ
 ないか。
  思うに、親会社は子会社と別個の法人格を有するので
 あり、親会社の取締役は、子会社の業務に関してまで責
 任を負わないと解する。
  したがって、P社の取締役、監査役には責任追及でき
 ないのが原則である。
  もっとも、P社が不法な意図をもって損害を与えたよ
 うな場合は、P社の取締役に対して不法行為(民法709条
 )に基づく損害賠償を、会社に代位して請求できると考
 える。
634大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/09 21:49:09 ID:??? BE:109882188-
6、さらに、株価が下落するなど、株主がかかる取引によ
 り間接的に損害を受けた場合、取締役、監査役に対して、
 株主個人の損害賠償を請求できると考える(266条の3、
 280条1項)。
二、設問後段について
1、Q社がP社の利益を図り、本問取引を行なった場合、
 利益相反取引(265条1項)となる。
  この場合、取締役会を開かなければならず、決議に賛
 成し、または異議をとどめなかった取締役は266条1項4号
 の責任を負う。
  そして、4号の責任は266条7項との対比から、会社財産
 に対して損害を与えたことに対する無過失責任を定めた
 ものと解され、5号の責任とは並存しうると考える。
  したがって、Aは株主代表訴訟を提起して、取締役に
 対し、266条1項4号、5号の責任を追求できる。
2、また、任務懈怠のあった監査役に対して責任追求でき、
 株主個人の損害賠償を請求できる。
  そして、P社が違法・不当な目的をもってQ社に損害
 を与えた場合、P社の取締役に対して責任追求しうる。
以上
635大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/09 21:49:46 ID:??? BE:17169825-
コメント
1600字弱、3ページの後半です。
少し長すぎたような気がします。
266の3は、「会社に損害を与えた」とあるため、メインではないと思ったのですが、念のため軽く触れておきました。
論証しておいたほうがよかったかもしれません。
取締役の監視義務については、条文が見つかりませんでした。

よろしくお願いいたします。

問題
>>631
答案
>>632-634
636氏名黙秘:05/02/09 22:00:02 ID:???
>>635
内容面は、石山のライブ本見たほうが、自分よりは良いかと思えるので
形式面を中心に。
設問前段のナンバリングですが
「誰に何を請求するか」で割り振る方が良い
ナンバリング(つまり項目立て)を見るだけで、どういう分析をしたか判る
「お、よく整理されてるね」と思わせないと
それを見ると、内容を読まないと、ここは何が書いてあるのか、どう繋げてあるのか
判らないのが残念。答案構成の段階で、しっかりナンバリングを考えるのが大事です
1から4までは「Q社関係」で、5だけは「P社関係」になってる、6は株主固有の損害を理由にしてる
ここをグルーピングすると読みやすい。ついでに言うと、論点も拾いやすい
自分なら
一 前段
1 Q社の取締役等への責任追及
(1) 会社の損害を理由とする追及
 ア 取締役へ
 イ 代取へ
 ウ 監査役へ
(2) 株主固有の損害を理由とする追及(266条の3)
2 P社への追求
(1) 原則
(2) 修正 {違法な利益供与、事実上の取締役)

なんてします
637氏名黙秘:05/02/09 22:14:57 ID:???
さらに、これは趣味かもしれないけど
>>632
2 代表取締役に対する論証。この中でナンバリングが欲しい
どこまで規範で、ここからアテハメとか判ると、採点がすごくしやすい
よく読むと、規範定立(要件提示)とアテハメを同時にやる手法(これはこれであり)なので
要件ごとにまとめるといいかも

アa まず、代表取締役に対して株主代表訴訟(267条)を提
 起して266条1項5号の責任を追求しえないか。
 b まず、取締役には会社に損害を与えないように職務を遂
 行する義務(善管忠実義務、254条の3、254条3項、民法644条)
 がある。
  不当に安い価格で製品を売却する行為は、これに違反する
 ものでした場合は「法令・・・ニ違反」したにあたる。
 C また、同条の責任は過失責任と解されるところ、廉価で売
 却するやむをえない事情はないので、過失もみとめられる。
 d したがって、Aは株主代表訴訟を提起し、代表取締役
 に対して損害賠償を請求できる。

こんな感じかな。過失については、要は「不可抗力か(もしくは、回避義務は尽くされるか)」
が重要になるんじゃないかな?予見とするなら、廉価で売れば損害があることを予測できる
みたいで
638氏名黙秘:05/02/09 22:24:50 ID:???
ところで、後段の商法第265条第1項の取引となる場合というのは
P社の取締役とQ社の取締役が兼任されていることを示しているよね
同上は、Q社がP社の利益を図り、という「法人』の問題ではなく
「取締役がどういうことをしたのか」という問題
P社の役員がQ社に、役員として送り込まれている事案となる。
ここを衝けるといいかと思う

個人的には、「みんなが書くところをきっちり書いている」点で、良い答案ではないかと思う
無理してプラスアルファは必要ないかも

なお、廉価で売らされたQ社はやがて倒産するかもしれないし、
個人である取締役などが、Q社の損害を埋めきれるわけも無い
(ミスドの取締役にうん百億の賠償でたけど、年収でも数千万レベルの人に
払えるわけがないから、まあ、意味は無い)
腰が抜けるほどの金をもらえるアメリカの取締役とは違うんだよね

そもそも、得してるのはPなんだから、ここから分捕りたいよね

まあ、答案の狙いを、実質的な損害補填におくならPから分捕れる構成が欲しいけど
悪いことやるなよ、というなら、機関への制裁を書いて、P社はあまり触れないでいいかもね
639氏名黙秘:05/02/10 01:03:59 ID:???
責任追求→責任追及 ね。分かってるかもしれないけど。

取締役の対会社責任と対株主責任のバランスが悪い気がするんだよね。
もっと対会社責任を短くまとめないと。
対株主責任だっていろいろ論じるべきことはある。

  もっとも、P社が不法な意図をもって損害を与えたよ
 うな場合は、P社の取締役に対して不法行為(民法709条
 )に基づく損害賠償を、会社に代位して請求できると考
 える。

とあるんだけど、法的根拠が不明。勝手なこと書くと大きく点引かれても文句は言えないよ。
640氏名黙秘:05/02/10 11:33:34 ID:???
こういう制度列挙型の問題は、広く浅くの方が
本試験評価が高い気がする(あくまで経験上ね)。
そういう意味で、対監査役とかはもっと薄くでいいので、
責任追及の前提としての情報収集方法とか、解任請求とかまで
書ければもっといいんじゃないかな。

641大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/11 04:47:41 ID:??? BE:13735924-
ありがとうございます。
>>636
なるほど、うまいですね。
もう少し構成の段階で、ナンバリングに意識してみます。
>>637
要件ごとにナンバリングを振っていくのですね。
確かに、読み手としてはその方が読みやすいかもしれません。
検討してみます。
>>638
利益相反の具体的イメージがつかめませんでした。
お話を伺って、なるほど、とはじめて思いました。
基本書などでチェックしておきます。
>>639
分かっていませんでした。
ずっと「追求」だと思っていました。
機関に対する請求をもう少し短くして、対株主についてしっかり述べたほうがよかったですね。
完全にバランスを失してしまいました。
構成段階のミスです。
あと、民法709は、確かに意味不明です。
Pに損害賠償を認めるべきという配慮を見せたつもりだったのですが。
余計なことは書かないほうがいいですね。
>>640
情報収集や解任権は、とても思いつきませんでした。
でも、あるとすごく光りますね。
ワンセットで短くかけるように抑えておいたほうがいいかもしれません。
ありがとうございました。
642大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/11 04:48:39 ID:??? BE:41206638-
遅くなりましたが、商法の2問目を書いてみました。

【商法】 平成13年・第2問
 Xは、得意先Zに対する売買代金支払のため、XがZにあ
てて振り出す予定で手形要件をすべて記載した手形金額200万
円の約束手形1通を入れたバッグを携えて、自ら自己所有の
車を運転して出張に出掛けた。Xは、Y経営のホテルにチェ
ックインし、Yに対し、車をホテルの屋内駐車場に入れてお
くよう依頼して、車の鍵を預けた。その際、Xは、本件約束
手形を入れたバッグを車の座席に置いたままにしてあったが、
Yに対しては、バッグについて特に何も告げなかった。とこ
ろが、その後、ホテルの屋内駐車場に何者かが侵入し、駐車
されていたXの車がバッグとともに窃取されてしまった。
 Xは、Yに対し、車の損害のほかに、バッグに入っていた
本件約束手形の手形金相当額200万円の損害賠償請求をした。
この200万円に関する請求は認められるか。
643大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/11 04:49:54 ID:??? BE:61808966-
一、Xは、Yに対し、商法594条に基づき、約束手形金相当
 額200万円につき損害賠償を請求するものと思われる。
  そこで、まず、Xに200万円の損害が発生している必要
 がある。
1、本問手形は、手形要件をすべて記載しているものであ
 る。そこで、Xに手形債務が生じていれば、Xに損害が
 発生しているといえる。
  では、手形債務は生じているか。
2、この点、振出人が手形であることを認識して手形を作
 成すれば、その段階で手形債務が生じるという見解もあ
 る。これは、外観上有効な手形を作ったのだから、取得
 者保護のためより早い時期に手形債務の成立を認めるべ
 きであるとの理由に基づく。
  しかし、かかる見解は、振り出し前において、振出人
 は手形債務者であり債権者でもあると構成することにな
 るが、これはあまりに技巧的に過ぎる。
3、思うに、手形行為も契約の一種であることから、手形
 の交付をもって手形債務が生じると考えるべきである。
 このように考えるのが、当事者の合理的意思解釈に合致
 するため、妥当である。
  とすると、本問において、Xはまだ手形を交付してい
 なかったのだから、手形債務は発生していず、200万円の
 損害も生じていない。
4、もっとも、かかる手形を有効な手形であると信じて取
 得した第三者の取引安全を図る必要から、手形取得者は
 権利外観理論により保護される余地がある。
  すなわち、Xは一見有効な手形を、車内に放置してお
 いたという過失があるため、取得者が有効な手形と善意
 無重過失(手形法10条類推)で信じれば、取得者はXに
 対して200万円の手形金請求をなしうる。
644大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/11 04:51:22 ID:??? BE:17169825-
5、このように考えると、Xは手形取得者より請求を受け
 る可能性があるのだから、手形金相当額の200万円につき
 損害があるといえる。
二、では、商法594条に基づき損害賠償請求できるか。
1、ここで、Xは車と一緒に手形をYに寄託していたのだ
 から、594条1項によりYに損害賠償することになる。
  もっとも、手形は何者かが侵入し、盗取したのだから、
 場屋の営業主たるYは不可抗力により滅失したと反論し
 て責任を免れることができないか。
  思うに、場屋の営業主は善管注意義務を負うが(593条
 )、営業活動の一つとして寄託を受けたのだから、通常
 の寄託(民法657条)より重い注意義務が課されていると
 考える。
  そこで、ここにいう不可抗力とは、天災など社会通念
 上やむをえない場合をいい、単に第三者の行為が介入し
 ただけでは不可抗力とはいえないと解する。
  したがって、何者かが盗取したことをもって、不可抗
 力と捉えることはできず、Yの反論は容れられない。
2、では、本問手形が「高価品」であり、Xが手形の存在
 を告げなかったことを理由に、595条に基づき責任を免れ
 ることはできないか。
  この点、595条は、場屋の営業主に対して重い責任を課
 す反面、受託物の価値を知らなかったような場合まで責
 任を負わせることは公平に反することから、寄託者に高
 価品につき告知義務を課し、それを怠った場合には場屋
 の営業主に免責を認めたものである。
  そして、200万円の手形は、証券に権利が化体している
 物であり、「高価品」といえる。
  したがって、XがYに手形の存在・価値等を告げなか
 った以上、Yは免責され、XはYに200万円の損害賠償を
 求めることができないと考える。
645大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/11 04:52:07 ID:??? BE:24036672-
三、したがって、Xの請求は認められない。
以上

コメント
1400字弱、3ページの頭くらいです。
場屋はよく分かりません。
念のため、趣旨らしきものを書いておきました。
単純に条文に当てはめて結論を出そうとすると、1ページくらいで終わりそうだったので、丁寧に論じてみました。
646大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/11 04:52:42 ID:??? BE:34338645-
よろしくお願いいたします。

問題
>>642
答案
>>643-645
647氏名黙秘:05/02/11 12:46:34 ID:???
気になったこと
@不法行為責任での賠償を書いてない。
Aあてはめが少しだけ足りない。
可もなく不可も無い程度だと思います。
648氏名黙秘:05/02/11 16:40:48 ID:???
>このように考えるのが、当事者の合理的意思解釈に合致するため、妥当である。

こういう,自分でもよく分かってないことを書いてしまうのはよくない癖だ。
合格者は,ちゃんと自分が理解できることしか文章にしないものだ。
試験委員が見れば,適当に書いてるかそうでないかはすぐ分かるはず。
当事者の合理的意思というのは有因論の理由付けだったはず。
649大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/11 20:24:35 ID:??? BE:25753853-
>>647
場屋が不法行為の特則か不明だったので、触れませんでした。
この程度なら、自分なりに決めて書いてしまったほうがよいでしょうか。
よろしくご教授くださいますようお願い申し上げます。

>>648
ご指摘のとおり、勝手に付け加えてしまいました。
やはり無理せずが一番なので、今後気をつけます。
細かいところまで目を通していただいて、ありがとうございます。


今日は刑法1問目を書いてみました。
650大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/11 20:25:39 ID:??? BE:25753853-
【刑法】 平成13年・第1問
 甲は,酒癖が悪く,酔うと是非善悪の判断力を失い妻乙や
2人の間の子供Aに暴行を加えることを繰り返しており,そ
のことを自覚していた。甲は,ある日,酒を飲み始めたとこ
ろ,3歳になるAが台所で茶わんを過って割ってしまったこ
とを見とがめ,Aの顔を平手でたたくなどのせっかんを始め
た。甲は,しばらく酒を飲みながら同様のせっかんを続けて
いたところ,それまで泣くだけであったAが反抗的なことを
言ったことに逆上し,バットを持ち出してAの足を殴打し重
傷を負わせた。甲は,Aがさらに反抗したため,死んでも構
わないと思いつつAの頭部をバットで強打し死亡させた。乙
は,その間の一部始終を見ていたが,日ごろAが乙にも反抗
的態度をとることもあって,甲の暴行を止めようとはしなか
った。甲については,逆上しバットを持ち出す時点以降は是
非善悪の判断力が著しく減退していたとして,甲および乙の
罪責を論ぜよ。
651大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/11 20:27:07 ID:??? BE:54940984-
一、甲の罪責について
1、まず、甲の行為は、暴行から殺人にいたるまで一連の
 行為と評価すべきことから、甲には殺人罪(199条)が成
 立する。
  もっとも、殺害行為に及んだ時点で、甲は是非善悪の
 判断能力が著しく減退しており、心神耗弱にあったとい
 える。そこで、甲は刑の必要的減刑(39条2項)をうける
 のではないか。原因において自由な行為を適用し、甲に
 完全な責任を問いえないか問題となる。
2、この点、原因において自由な行為とは、自己の責任無
 能力状態を利用して犯罪を実現した場合に、完全な責任
 を問いうるという理論をいう。
  これは、責任能力下での自由な意思決定に基づいて結
 果行為を意図し、それに基づき結果が生じた以上、結果
 に完全な責任を問いうるということを根拠とすると考え
 る。
  とすると、結果行為を意図した段階で、完全な責任能
 力がなければ結果について帰責しえないというべきであ
 る。
3、この点、甲に殺人の意図が生じた段階では心神耗弱状
 態にあり、それ以前にAを殺害する意図はなかったといえ
 る。とすると、殺害の意図は責任能力下での自由な意思
 決定に基づいたものとはいえず、甲に完全な責任を問う
 ことはできない。
  したがって、甲には殺人罪(199条)が成立するが、刑
 は必要的に減刑される(39条2項)。
652大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/11 20:27:53 ID:??? BE:20603726-
二、乙の罪責について
1、乙は、Aが死んでもかまわないと思い、甲がAを殺害す
 る行為を傍観していたため、不作為による殺人罪(199条
 )の正犯、ないしは幇助犯(62条1項)が成立しないか問
 題となる。
2、この点、正犯と幇助犯の区別は、結果発生に対して直
 接的に因果性を有したかどうかで区別すべきである。な
 ぜなら、正犯とは自ら実行行為を行なった者をいい、こ
 れを換言すると結果に対して直接的に因果性をおよぼし
 た者が正犯であるといえるからである。
  そして、殺人を行なったのは甲であり、乙は傍観した
 に過ぎないことから結果に対して間接的に影響を及ぼし
 たにすぎないといえる。
  そこで、乙には不作為による幇助犯の成否が問題となる。
3、では、不作為による幇助はいかなる要件の下で成立するか。
  思うに、幇助犯は、正犯の実行行為を容易にしたという関
 係が認められる場合に成立すると考える。ただ、責任主義の
 見地より、幇助犯の成立範囲を限定すべきである。
  そこで、@法令上正犯の実行行為を防止すべき義務ある者
 が、Aそれが可能かつ容易であるにもかかわらず、B作為に
 よる幇助と同視しうる不作為を行なった場合に不作為による
 幇助犯は成立すると考える。
  これを本問についてみると、@乙はAの親権者でありAを監
 護する義務があることから(民法820条)、甲の殺害行為を防
 止すべき義務があるといえる。そして、A逆上した甲をなだ
 めるなり制止することは、甲が酩酊状態にあったことから女
 性であっても可能かつ容易であったといえる。さらに、Bま
 さにAが殺害されようとしているのにこれを放置することは、
 作為による幇助と同視しうる。
653大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/11 20:28:34 ID:??? BE:13735924-
4、次に、乙は甲と意思の連絡なく幇助行為を行なってお
 り、この場合にも幇助犯が成立するか、片面的幇助の成
 否が問題となる。
  思うに、幇助犯は正犯の実行行為を容易にしたという
 関係があれば成立する。そして、物理的幇助であれば、
 意思の連絡がなくとも実行行為を容易にすることは可能
 であり、幇助犯が成立しうると考える。
  本問では、乙は不作為という物理的幇助により甲の実
 行行為を容易にしたといえる以上、幇助犯が成立する。
5、したがって、乙には殺人罪の幇助犯(199条、61条2項
 )が成立する。
  なお、甲には39条2項が適用され、刑の必要的減刑があ
 るが、責任は個別的に作用するところ、乙に39条2項は適
 用されないと解する。
以上

コメント
1500字、3ページ目の半分くらいです。
メインである原因において自由な行為にスペースをとりました。
乙の罪責についてはやや冗長な感じがあると思います。
正犯と幇助犯の区別、片面的幇助についてはもう少し短くしてもいいかと思いました。
654大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/11 20:30:20 ID:??? BE:24037627-
よろしくお願いいたします。

問題
>>650
答案
>>651-653
655氏名黙秘:05/02/11 21:13:43 ID:???
論点はひろってますが事案をほとんど拾ってません。
本試験の問題文には無駄はありません。
筋は簡単にまとまっていていいと思いますが、規範を
立てたなら事案を拾って当てはめした方がいいです。
656氏名黙秘:05/02/12 06:01:22 ID:???
好みのレベルかも知れませんが
なぜ「原因において自由な行為」か
なぜ「不作為犯」か
そこが書いてない気がして、
カラオケでサビだけ歌われてるような
そういう印象があります。
657氏名黙秘:05/02/12 08:57:44 ID:???
>>656
>カラオケでサビだけ歌われてるような

それいいじゃん。誉め言葉?w
658氏名黙秘:05/02/12 15:46:17 ID:???
よくナインじゃない??
前戯のないセックルみたいなもんでしょ??
659氏名黙秘:05/02/12 15:46:52 ID:???
あるいは前振りのない漫才
660氏名黙秘:05/02/12 19:41:42 ID:???
挿入のないセックスはイライラするよ
661大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/12 22:52:38 ID:??? BE:123617489-
>>655-660
メイン論点だけを書こうとしたのですが。
あまりいい印象ではないということでしょうか。
刑法は分量が多くなるので、どう書いてよいか、難しいです。

さて、今日は2問目を書いてみました。
662大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/12 22:54:30 ID:??? BE:123617298-
【刑法】 平成13年・第2問
 製薬会社の商品開発部長甲は、新薬に関する機密情報をライバル
会社に売却して利益を得ようと企て、深夜残業中、自己が管理する
ロッカー内から新薬に関する自社のフロッピーディスク1枚を取り
出した上、同じ部屋にあるパソコンを操作して同ディスク内の機密
データを甲所有のフロッピーディスクに複写し、その複写ディスク
を社外に持ち出した。その後、甲は、ライバル会社の乙にこの複写
ディスクを売却することとし、夜間山中で乙と会ったが、乙は、金
を惜しむあまり、「ディスクの中身を車内で確認してから金を渡す
。」と告げて、甲からディスクを受け取って自己の車に戻り、すき
を見て逃走しようとした。乙は、車内から甲の様子を数分間うかが
っていたが、不審に思った甲が近づいてきたことから、この際甲は
殺してしまおうと思い立ち、車で同人を跳ね飛ばして谷底に転落さ
せた。その結果、甲は重傷を負った。
 甲および乙の罪責を論ぜよ(特別法違反の点は除く。)。
663大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/12 22:56:20 ID:??? BE:36055837-
一、甲の罪責について
1、甲が、機密データを自己のフロッピーディスクに複写
 し、社外に持ち出し、ライバル会社の乙に売却しようと
 した行為につき、業務上横領罪(253条)と背任罪(247
 条)のいずれが成立するか。横領と背任の区別が問題と
 なる。
2、この点、権限濫用行為であれば、一応本人に効果帰属
 するため、背任罪が成立し、権限逸脱行為であれば、横
 領罪が成立すると考える。
  本問では、機密データをライバル会社に販売する行為
 は商品開発部長に与えられた権限を逸脱したものといえ、
 横領の問題となる。
3、では、ディスクのデータを複写する行為は、横領とい
 えるか。横領罪の客体たる「財物」をいかに考えるかとか
 かわり、問題となる。
ア、この点、「財物」を事務的に管理可能な物とする見解
 もある。この見解によれば、情報も「財物」に当たるこ
 とになる。
  しかし、これでは「物」という観念から離れすぎるし、
 電気を財物とした245条が意味のない規定になってしま
 い、妥当でない。
  そこで、「財物」とは、物理的に管理可能な物をいう
 と考える。
  とすると、情報は「財物」といえず、横領罪は成立し
 ないとも思える。
イ、もっとも、情報が記録されたフロッピーディスクは、
 刑法上保護の客体となり得る価値を有する有体物であり、
 「財物」にあたる。
  そこで、会社のフロッピーディスクを複写するために
 取り出した行為が横領罪に当たらないか、別途検討する
 必要がある。
664大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/12 22:57:43 ID:??? BE:20602962-
ウ、まず、開発部長として会社の所有するフロッピーディ
 スクを管理していたのだから、「自己の占有する他人の
 物」といえる。
  そして、開発部長としてかかるディスクを管理してい
 たのだから、「業務上」といえる。
  さらに、「横領」とは、不法領得の意思の発現たる一
 切の行為を意味するところ、情報の記録されたディスク
 をコピーのため取り出した行為は「横領」といえる。
  また、会社の支配を一時的にせよ排除し、ディスクを
 用途に従って利用処分する意思があり、不法領得の意思
 も認められる。
4、したがって、甲には業務上横領罪が成立する。
二、乙の罪責について
1、乙は、金を払う意思がないにも関わらず、甲からディ
 スクを受け取っている。そこで、乙に詐欺罪(246条1項
 )と窃盗罪(235条)のいずれが成立するか、甲の意思に
 基づいた占有移転があったか否かに関わり問題となる。
2、思うに、フロッピーディスクという小さな物を、容易
 に移動可能な車の中に持っていかせることは、社会通念
 上自己の意思に基づいて財物を他人の占有下に移転させ
 る行為といえる。
  したがって、本問では詐欺罪の成否が問題となる。
3、そして、乙は、甲を欺き錯誤に陥らせ、ディスクを交
 付させている。
  では、ディスクが横領の客体となった物であることか
 ら、不法原因給付(民法708条)として財産上の損害が認め
 られないのではないか。
  思うに、禁制品であっても一定の手続を経なければ没
 収できないため、刑法上は保護に値する価値を有するも
 のとして、交付自体に財産上の損害を認めうる。
  したがって、ディスクを交付したことに財産上の損害
 が認められ、乙には詐欺罪が成立する。
665大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/12 22:58:38 ID:??? BE:123617489-
4、次に、乙が代金支払を免れるため甲を殺害しようとし
 た行為につき、強盗殺人未遂罪(243条、240条後段)が
 成立しないか。
ア、この点、240条後段に殺害の故意ある場合も含まれるか
 問題となるが、社会通念上強盗犯人が殺人の故意を有す
 る場合が顕著であるため、含まれると解する。また、24
 0条後段の未遂とは、殺害行為が未遂であった場合をいう
 と考える。
イ、そして、強盗罪においては犯行抑圧する程度の暴行が
 要求されているため、被害者の処分行為は不要であり、
 ただ利得の移転時期を明確にするため、債権者の債権行
 使が事実上困難となったことが必要と解する。
ウ、本問では、乙は支払を免れるため殺意をもって甲を殺
 害しようとしており、殺害されれば甲の債権行使は事実
 上困難となる。そして、甲は結果として死亡していない。
 したがって、乙には強盗殺人未遂罪が成立する。
5、以上より、乙には詐欺罪、強盗殺人未遂罪が成立する
 が、両者は同一の利益移転に向けられたものであるから、
 詐欺罪は強盗殺人未遂罪に吸収され、強盗殺人未遂一罪
 のみが成立する。
以上
666大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/12 22:59:32 ID:??? BE:54941748-
コメント
1700字程度、3ページです。
論点が多すぎて、困りました。
甲については窃盗かとも思いましたが、占有があると認定し、横領にしました。
難しかったです。

よろしくお願いいたします。

問題
>>662
答案
>>663-665
667氏名黙秘:05/02/12 23:24:28 ID:???
>>661
前の問題になりますが(1問目)気になる点をコメント
一でいきなり原因において自由な行為の適用を検討していますが
自分はあまり説得的ではないかと。原因において自由な行為の定義も不要
38条2項をいきなり書くのもいかがかと

原因において自由な行為の位置付けがあの論証では判らないのです
説だけ読むと「行為責任同時存在の原則は重要じゃない」という位置付けなのは分かります
そこに至る道筋が見えない。

原因において自由な行為というのは
1 責任能力は実行行為時に存在すること
2 実行行為とは具体的危険を惹起する行為であること(ないし、構成要件に該当する行為)
という原則から発生する「処罰の間隙」を、一般の処罰感情を理由に埋める理屈なのです
まずは、この原則を示すことがすごく重要になります
この理屈は、大まかに分ければ(細かくすると大変なので)
A説 12の原則を堅持したうえで、道具理論の応用により、原因行為を実行行為とする(弾道)
B説 責任能力を「適法行為への決定しうる能力」とすることで、1の原則の射程を緩め
  2の原則は堅持する。山口説では「遡及モデル」とされる、西原、大谷説
C説 同様に、責任能力を「適法行為への決定能力」とするが、1の原則は堅持する(緩めない)
  そのうえで、実行行為概念を再構成するなり、解体することで、端的に「原因行為を実行行為」とする
  ここでは、正犯性を基礎付ける行為と、未遂を基礎付ける事実は別概念とする

どの見解でもいいのですが、このような流れを出せるかが重要なのです
残念ながら、答案ではそれは見えないかなと。

668氏名黙秘:05/02/12 23:31:42 ID:???
>>652
 正犯と幇助犯の区別を、結果発生に対する量的な因果性に求めるようなので
正犯と共犯は質的に同様と解してるような気がします(処罰根拠の因果性説)
他方「正犯とは自ら実行行為を行なった者」というのは、「共犯は修正された構成要件に該当する行為」をいうのでしょうか
ならば、換言しても、結果に対して直接的に因果性をおよぼした者が正犯である
とはいえないと思います。ここに、「よく判らない」原因があります。

前の区別基準によるなら、共犯も結果への因果性に処罰根拠がある以上、正犯と質的に同様であり
ならば、区別は量的(間接的か直接的か)に求めざるを得ない、とすべきでしょう
(大谷説には詳しくないのですが)
669氏名黙秘:05/02/12 23:38:51 ID:???
不作為による幇助の要件につき、幇助犯の一般的定義ののち、責任主義をだしてますが
そうではなく、「罪刑法定主義」でしょう。これだと、この人責任主義がわかってるのかな
と印象を受けちゃいます

 そのうえで、
 @法令上正犯の実行行為を防止すべき義務ある者
 Aそれが可能かつ容易である
 B作為に よる幇助と同視しうる不作為を行なった場合
としますが、これでは作為義務一般の議論でしかなく、幇助が実行行為の背後にある行為をも対象にすることから生じる
処罰の広範化を限定する機能は無いといっていいでしょう。最初の問題提起とつながりは見えない
書くなら、「不作為犯の限定が必要」とすべきでしょう
不作為による幇助は
 そもそも可能なのか(視点は二つあり、そもそも幇助は不可能という視点と、不作為犯は常に正犯では?という視点があります)
 可能なら正犯とはどの基準で区別されるか
 幇助の場合の特有の限定法理はあるか(これは無くても良いかも)
という議論ですが、これが無いようですし
670氏名黙秘:05/02/12 23:47:57 ID:???
>>663
非常に重要な、横領と背任の区別が問題が、理由もなく
 権限濫用行為であれば、一応本人に効果帰属するため、背任罪が成立し
権限逸脱行為であれば、横領罪が成立する
で片付けられているのはまずいかと。
さらに>>664で横領を「不法領得の意思の発現」をいうのは、先の区別基準と
通常は結びつかないです。別段のフォローがないので、論理矛盾と思われてしかたないかも

 それなのに、財物は反対説までフォローしてすごく色々書いてある。
ここのバランスが悪い。というか、アとイの議論は不要なのです
ウだけで良い。
671氏名黙秘:05/02/12 23:58:57 ID:???
え、この問題、横領と背任の区別の問題なのかね?
かなり疑問なんだが。
672氏名黙秘:05/02/13 00:02:57 ID:???
>>671
事案がちょっと異なったれば背任になるし
説によっては「背任の捕捉すべき」という
重要とはいえなくとも、前提としてきちんとした論証は必要
673氏名黙秘:05/02/13 00:07:49 ID:???
重要というのは「大転回」という意味で
コンパクトでもしっかりと議論の出発点を固めるいみでは
非常に重要と思うよ
674氏名黙秘:05/02/13 00:25:47 ID:???
>>先ほどからあげて書かれている方へ

学説には大変詳しい方かとお見受けしましたが、
実務家登用試験であることに対する意識が若干薄い
方であるように感じられました。

失礼ですが、学者の方でしょうか?
675氏名黙秘:05/02/13 00:30:51 ID:???
>>674
俺も少しそう思った。ちょっと答案に書ききれる内容じゃないかな。
676大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/13 00:32:47 ID:??? BE:10301832-
>>667
はい。確かにおっしゃるとおり、原因において自由な行為の基本的体系を明らかにすべきだと思います。
特にメイン論点ですから、ここを書かないと点は上がらないと思います。
コンパクトにまとめるとしても、メインはしっかり書きなさいと教わったのに、これではだめですね。
問題提起の段階から、問題意識を明確に示すべきだと思いました。

>>668-669
不作為の幇助はいまだよく分からない論点の一つです。
確か、正犯と幇助犯の限界という議論が新しく出てきてたように思います。
どの程度のことをどこまで書くべきか、という点から、問題をもう一度見直してみようと思います。
それと、「罪刑法定主義」のほうがしっくりきますね。
不真正不作為犯=責任主義から限定、と頭ごなしに覚えていたので、ああいう論証になりました。
日ごろの勉強で細かいところまでチェックを入れておくようにします。

ありがとうございました。
677氏名黙秘:05/02/13 00:36:22 ID:???
学者じゃあないですよ
択一においては、そこそこ学説に詳しいと断絶有利です
普通の人にはパズルでも、知ってれば単なる作業にできます
非常に厳しい択一競争を勝ち抜き実務家になりたいなら、少しでも有利な地位に立つことを薦めます
論文では自説を順序よく端的に間違いなくかければすごく有利です

先ほどの「学説知識」も学者から見たら初歩的でしょう

678氏名黙秘:05/02/13 00:37:57 ID:???
>>677
というより、答案に書けないようなことを要求しすぎではないかと。
論証よりもっと事案を拾わないといけないと思う。
679氏名黙秘:05/02/13 00:38:07 ID:???
元某試験委員はいわゆる論証は読み飛ばすと豪語してた。
刑法では論証なんかより事実をきちんと要件に当てはめると高評価らしい。
そういう観点からすると1問目は非常にまずい。
逆に2問目は結構事実を要件に当てはめてると思います。
ただ、甲の業務上横領罪になる行為は「コピーするために会社の
FDを取り出した行為」であることをもっと明確に書いた方がいい。
読んでいて甲のどの行為を問題にしているのかわかにくかったです。
(特に情報の財物性の論証が唐突な感じを受けました)。
680大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/13 00:38:26 ID:??? BE:20603726-
>>670
横領と背任の区別は、あまり問題ではないと思い、簡単にしました。
本問のメイン論点は、@情報が財物か、A占有移転に向けられた錯誤があるか
だと思います。
だとすると、それ以外の論点はあっさり述べてよいのかと思いますが。
一応権限濫用の場合、本人に効果帰属する、と簡単に述べたのですが、採点する上で、これだと少ないということでしょうか。
どの程度のことを書いていけばよいのかがわかりません。
この答案だと、もはや1700字ですし、かなり文字数も多くなっています。
削るべき箇所と論じるべき箇所の区別はどうしたほうがよいでしょうか。

あと、財物性について、述べなくてよいと書かれていますが、これはメイン論点ではないのでしょうか。

よろしくご教授いただきたく思います。
681氏名黙秘:05/02/13 00:41:13 ID:???
情報が財物に含まれないのは争いないんで・・・
そんなたくさん書くところじゃないかな。
682氏名黙秘:05/02/13 00:42:21 ID:???
>680
甲について窃盗罪を検討するなら財物性はメイン論点だけど窃盗罪
述べないなら書く必要はあまりない。
論点主義に走りすぎだと思います。
683大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/13 00:42:56 ID:??? BE:20603434-
>>679
確かに1問目は事案を十分に評価しきれていません。
論点主義の答案だと思われてもしかたありませんね。
あてはめをしっかりできるようにします。

2問目は、書いている途中で混乱してしまいました。
おかげで、論じる順番・内容が、自分でも整理できてないと思います。
答案構成をもっときちんとしたほうがよいということですね。

最近の刑法は時間不足が本当に怖い科目ですね。
684大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/13 00:46:57 ID:??? BE:92712896-
>>681
わかりました。
だとすると、「一、3」は単純に横領罪の構成要件該当性を検討していけばよいということですね。
その方が答案もすっきりしますし、文字数も少なくなってよいかもしれません。
だとすると、メイン論点は甲・乙ともに「占有」にあるのでしょうか。

難しいです。
685氏名黙秘:05/02/13 00:47:43 ID:???
>683
どの行為を問題にしているかを明確にするよう心掛けると混乱しません。
2問目では、
@会社のFDを取り出した行為
A自分のFDにコピーしてそのFDを持ち出した行為
が問題になりそうです。
Aに関して横領罪・窃盗罪を検討する時にはじめて財物性が問題となります。
@では会社のFDである以上財物性が認められるのはむしろ当然です。
686氏名黙秘:05/02/13 00:48:00 ID:???
学説検討なくして合格なし。以上。
687氏名黙秘:05/02/13 00:50:01 ID:???
>>686
答案に書くかどうかは別問題だよ
688氏名黙秘:05/02/13 00:50:50 ID:???
メイン論点がどれかというのはあまり気にしない方がいいです。
それより、犯罪になりそうな行為を事案から拾い出して要件を
一個一個検討していけば十分です。
大谷さんの答案をみてるとそれができてない。
689氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/02/13 00:51:29 ID:???
学説知識について批判を受けたので少しだけ反論させてもらいます

択一でもいつも出されて、論文でもよく出る論点のにおける「主要な説』の理解につき
詳しいことに悪い点はありません。なぜなら、形を変えて出されることがわかってることを
対策するに過ぎないからです

先ほどの問題では、原因において自由な行為の先の三説は択一で必ずといっていいほど出ます
他方他の説はでないので、特に知識はいりません
相当因果関係における、折衷説と客観説の同様。他方、客観的帰属説は不要でしょう

また、細かい論点については、一通り覚えれば十分です。

なお、比較的正答率の悪い択一論点(親族相盗例の難しいバージョン)とはか
少し詳しく理解すれば、差をつけることができるので、余裕あればやるべきかと。

2問目については、横領と背任の論点を知らないひとが論文にやってくることはまれでしょう
まさに、基礎的論点なのです。
他方、財物については詳しく押さえる人は居ません
さらに、この問題、財物を通説にしても、持ち出す行為で捕捉可能なので
特に詳しくやる必要ないでしょう。なお、ついでに、持ち出す点に注目するなら窃盗と横領もやるべきかと
これも、こいつを知らないで論文に来る奴は居ないというほど、重要論点ですね

他方、不作為と幇助は難しい。択一合格者でも押さえてるかどうか
ならば、判例があるから、それを丸々借りてくれば良いかと
択一知識として押さえておくと、みんなに差はつくかと思う
自分は、正犯と幇助の区別の各論に過ぎないのではないかなあとは思うかな
690氏名黙秘:05/02/13 00:52:07 ID:???
>>687
答案に表現しなければ、理解度を示すことはできない。
したがって、答案上の学説展開なくして合格なし。以上。
691氏名黙秘:05/02/13 00:53:27 ID:???
>大谷◆Dqq8NzOdu6さん
現在470KBだから,そろそろ次スレの季節ですね(512KB規制)。誰かスレ立てと,誘導よろ。
それと,今度,モリタポ用意しておくよん。これからもガンガレ!
692氏名黙秘:05/02/13 00:55:18 ID:???
>>690
司法試験は学説試験じゃないんだって。
なぜ今さらそんなことを。
693氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/02/13 00:56:59 ID:???
>>688には同意です
そのうえで、択一に落ちる人でも知っている重要論点はきちんとコンパクトに書く
というのが重要かと。択一のときはさまざまな知識があればそれだけで有利
他方、論文のときは、それを端的に示せるように、事前に準備しましょう
論文では論証を読み飛ばす実務家や、理屈はよくわからない実務家や
糞忙しい中、論文を書きたいのに採点している学者なんかが
一生懸命採点しているので、原則、修正、規範、でまとめるのが良いです
ナンバリングにも気を配りましょう
694氏名黙秘:05/02/13 00:58:32 ID:???
多面的な思考を示すには、学説への言及が不可欠。
そうでなければ、単に思いつきやフィーリングを並べただけの答案。以上。
695氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/02/13 01:00:07 ID:???
>>692
論文で、学説を披露する必要はない
また、試験委員からすれば、受験生の論証なんてまじめに検討するほど
たいしたものじゃないでしょう(一読で足りる)
ただ、自説を要領よく展開できない必要が無い、訳じゃないでしょう
>>687のいわんとすることは判りませんがね
696氏名黙秘:05/02/13 01:00:51 ID:???
自説をコンパクトに論じられれば大丈夫。
それより事案を処理する方が大事です。
697氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/02/13 01:01:37 ID:???
自説を要領よく展開できる必要は無い
の間違い。多角的な思考を示す必要はないでしょう
それを求めても受験生が対応しないのは試験委員がわかってるかと
698氏名黙秘:05/02/13 01:02:08 ID:???
自分も>>688には同意。

ただ、>>693には違和感あり。
大事なのは、論点自体の重要性ではなく、問題文を刑法的に処理するために
重要かどうか。
すなわち、書くべきことは、論点の重要性が決めるのではなく、
問題文が決めるんだと思う。
699氏名黙秘:05/02/13 01:02:52 ID:???
>>695
予備校どっぷりの悪しき論点主義は、もうそろそろ卒業すべし。
学説を展開しないのは、法曹としての知的水準が低いあかし。以上。
700氏名黙秘:05/02/13 01:06:04 ID:???
>>699
釣りなのか?
701大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/13 01:06:22 ID:??? BE:17169825-
新スレを立てました。

http://school4.2ch.net/test/read.cgi/shihou/1108224334/l50

今後ともよろしくお願いいたします。
512規制って一体なんでしょうか?
702氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/02/13 01:08:20 ID:???
>>686
大矢先生は、不作為犯の問題は処罰範囲の不明確さ、広範さという意味での
「罪刑法定主義」とのかかわりにある、といってないかな

>>680
問題は、横領を不法領得の意思の発現としながら
背任との区別を「権限濫用か逸脱か」としてる点にあるかなと
前者を前提にするならば、西田説のように、横領と背任の区別は横領といえるか
具体的には、自己の計算で行為したか、に求めるべきでしょう

後者に置くなら、横領を権限濫用と定義すべき、その規範に自己の計算におく

両者がねじれる見解は、あるかもしれませんが、マニアックでしょう
この論点について、事前に自分の論証を用意してないように思えたので
703氏名黙秘:05/02/13 01:08:30 ID:???
>>さっきから以上。を多用している人へ

あなたこそ論点主義に陥っている気がしますね。
しかも予備校のものよりたちが悪い。
せっかく合格に向けて頑張っている大谷さんを
間違った方向へ誘導するのはやめていただきたい。
704氏名黙秘:05/02/13 01:11:23 ID:???
>>701
1000いかなくても,512KB以上は書き込めなくなります。
次の答案は,新スレに移行した方がいいと思います。
705氏名黙秘:05/02/13 01:11:26 ID:???
>>703
思想の自由市場を破壊しようとするのは愚行。以上。
706氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/02/13 01:12:03 ID:???
>>698
ただ、問題を刑法的に処理するため重要な論点は
やはり、択一でも聞かれるような、重要な論点になってるよ
じゃないと、6分の1の科目なのに負担が大きいでしょ

あと、重要論点について、正確さや要領よさを欠くとそれだけで沈むかと
受かる人との違いとして現れるような
707大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/13 01:12:32 ID:??? BE:30904092-
>>688
確かにそれができればいいですね。
私も、刑法に関して事案の抽出が難しいと常日頃思っていました。
言い換えると、素直に問題を見なさい、ということですよね。
論点を書くより、事案を丁寧に評価したほうがいいというのは同感です。
この問題は、論点に走りすぎてしまいました。
反省します。

>>693
論点はコンパクトに書くように心がけます。
ナンバリングは構成要件一つに1つ振っていったほうがいいかもしれませんね。
検討しておきます。

ありがとうございます。
708703:05/02/13 01:13:03 ID:???
どうやら釣られたようですorz
709氏名黙秘:05/02/13 01:15:57 ID:???
>>708
あんた、論破されたからって、釣りってことにすんなよw
サゲw
710氏名黙秘:05/02/13 01:16:22 ID:???
>>708
相手にしなくていいぞ。時間の無駄だから。
711氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/02/13 01:17:19 ID:???
>>707
自分の例を挙げると
一 要件
二 効果
で、要件は段落を変えて、論点化されるときは
ナンバリングしました。

論点抽出ですが、マーカーを用意して、刑法的に「行為」といえるのに
引いてみましょう。そのうえで、それは構成要件にあてはまるか検討する
すると、微妙な要件があらわれる。それが論点になるかと思います
712大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/13 01:17:51 ID:??? BE:46357439-
>>704
知りませんでした。
新しい知識です。
システム変わったんですね。

>>702
おっしゃるとおりです。
自分の論証があやふやでした。
昨年度に刑法は一度まわしたのですが、そのときから知識が落ちています。
いつでもコンスタントに6科目書けるように、より一層の準備をします。
痛いくらい突き刺さりました。

ありがとうございます。
713703:05/02/13 01:21:46 ID:???
>>711
自分も論点抽出は同じようにやっていました。
でも、そうすると、やっぱり横領と背任の区別の論点は
出てこないような気がします。
714大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/13 01:25:23 ID:??? BE:34338454-
>>711
それでは、しばらくここと平行して昔の刑法の答案を作成してみます。
早く自分のスタイルを身につけたいです。

次の民訴からは、新スレに書いてみます。
1000いかなかったスレは、自動的に削除されるのでしょうか。
715 自動的に屁でましたよ :05/02/13 01:29:28 ID:???
自動的に屁でましたよ
716氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/02/13 01:32:06 ID:???
>>713
この問題、
マスターをロッカーから持ち出して
操作して複写して
コピーを会社から持ち出す

このとき、横領にするのはなぜでしょう
コピーFDと情報を切断して考えるなら、
確かに背任と横領なんかは不要かも。そこに背任の要素はあまりない
しかし、わざわざ、情報のコピーをぶつけてきたのは
やはり、情報漏洩をどう捕捉するのか見てみたいからじゃないでしょうか
会社のFD持っていったから横領で終わりじゃん、というための問題かなあ、とは思います
717氏名黙秘:05/02/13 01:38:41 ID:???
>>714
512KB規制は昔からあります。
この規制がかかると書き込めなくなりますから,必然的にスレが沈んでいきますよね。
で,一定期間書き込みがないスレはdat落ちというルールに従って,dat落ちします。
圧縮がかかったときに,落ちることもあり(圧縮のルールに従いますが)。
718氏名黙秘:05/02/13 01:39:46 ID:???
>>717
さすがベテ。
719氏名黙秘 ◆B07Twx8Uh6 :05/02/13 14:26:16 ID:???
さて、横領と背任の論点がなぜ出るかですが
自分の本当の理解を示せば
マスターをロッカーから持ち出して、操作して複写して、コピーを会社から持ち出す
行為は「背任」の実行行為に該当するでしょう
でも、背任の検討は、横領が成立するならしません
それは、横領が成立する場合、背任は成立しないからです。これが「横領と背任の区別」です
このことを示さないと、なんで背任のアテハメが無いのか理由が無い論証になります
だから、短くともきちんと書く必要があるかなと

あと、大谷さんの答案だと、複写する行為と持ち出す行為を分けてます。それはアリですが
自分なら、全部の行為を一つと扱います。
機密文書をロッカーから取り出しで持ち出すのと
マスターをロッカーから取り出して、持ち出す、というのと
間に複写をはさみ、コピーを持ち出すのは同じに扱っていいのではないかなと
720大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/13 18:08:35 ID:??? BE:108165479-
>>719
そうですか。
会社から持ち出した持ち出した物は、自分の物なので、横領にはなりませんよね。
だとすると、取り出した行為自体を処罰しないとだめではないか、という疑問がありました。
だったら最初から、会社のフロッピーを複写のために取り出した行為のみを問題にすればよかったかもしれません。
行為の評価をどうするか、悩みどころです。

横領と背任の区別は、私の答案だと何で述べているのか分かりませんね。
どうせ書くならきちんと書いておきたいと思いました。
こういうのが勝手に沈む原因なのでしょうか。

まだまだ検討の余地が十分ありますね。

色々とありがとうございます。
721氏名黙秘:05/02/13 19:07:02 ID:???
 719の説明には若干の異論がある。
そもそも「横領と背任の区別」という論点が存在するのは、それぞれの構成要件に
重なり合う部分があるため、両罪が成立する可能性があるからである。
ただ、重なり合う部分は一部であって、構成要件が同一なわけではないから、
財産上の利益については横領罪は成立しないし、加害目的の場合には横領罪は成立しない。
そして、このように両罪のいずれかの要件を満たさないことが明らかな場合には、
「横領と背任の区別」を論じる必要はない。
722氏名黙秘:05/02/13 19:07:45 ID:???
さて、本問について見ると、甲は自社の機密情報を自己のディスクに複写し、
これを持ち出しているにすぎない。通説によれば、情報は財物ではない以上、
少なくとも、719のように甲の行為を一体として考えれば、甲は「他人の物」
を領得したとはいえない。

したがって、本問で業務上横領罪を検討する場合でも、「他人の物」の要件
に該当しない時点でその成立を否定すべきであって、「横領と背任の区別」を
論じる必要はないし、また論じるべきでもない。
723氏名黙秘:05/02/13 19:14:06 ID:???
「機密文書をロッカーから取り出しで持ち出すのとマスターをロッカーから取り出して、
持ち出す、というのと 間に複写をはさみ、コピーを持ち出すのは同じに扱っていいのではないか」
という考え方にも賛成できない。
なぜならば、刑法では、このような類推解釈は認められないからである。
724大谷 ◆Dqq8NzOdu6 :05/02/13 19:55:08 ID:??? BE:108165479-
とすると、自分が処罰すべきと考える部分だけ抜き出して、述べればよいということでしょうか。
取り出した行為を考えるか、コピーして持ち出した行為を考えるか
いずれかにしぼって論じていけば、よりすっきりした答案になりますし。

処罰しないのは妥当でないから、単純に窃盗か横領を否定して背任を述べるか、
取り出した行為を検討して業務上横領に持っていくか、のいずれかを論じればいいですよね。

背任にしたほうが、楽なのかもしれません。

中々に難しいですね、刑法は。

あと、民訴の1問目を書いてみましたので、そちらのほうもよろしくお願いいたします。
http://school4.2ch.net/test/read.cgi/shihou/1108224334/l50
725氏名黙秘:05/02/13 20:00:35 ID:???
ここは色々議論あるでしょう。話は試験レベルとしては細かいので
自分の説明も、批判もどっちも成り立つと思います
自分の場合は、横領で捕捉するので、背任との区別が必要になります
横領とするのは価値的思考で、
マスターをコピーのため持ち出せば(領得意思はりとして)横領なのにあまり異論はないと思います
また、原本性の議論(さらに社会的法益の罪)ですが
原本の写真コピーも原本たりうる、という判例にも影響されてます

まあ、個人的には筋が通ってるなら良いのではと思います

なお、背任とする人は持ち出しを不可罰的事後行為とするみたいですね
726氏名黙秘
横領の筋も背任の筋もあるところかと。
再現にも両方ある。

横領だと「財物」をクリアしないとダメ。ある試験委員の問題意識(論文あり。また,刑法学会のテーマにもなっていた。)が反映していると思われるところ。
横領の筋で書いた香具師の中でも,ここをきちんと考えて論じられた答案の評価が高かった。受験生の再現答案から,ここに配点があったと推測されている。

横領と背任の区別は,書いても書かなくてもいいと思う。それぞれの罪責について要件を一つ一つ検討すれば十分じゃないか。