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知らない間に落ちてたのか。
おっつー
うあー、マジかよ…これからまとめて読もうと思ってたのに
誰かまとめ更新してくれんかね…
まとめ更新しました。急いでやったので変なところありましたら指摘よろしくです。
仕事から帰ったらこちらでもチェックします
ほしゅ
ほしゅあげ
今日も病室でシンはミーアとドラマを観ていた。
シンの中では駄作扱いのドラマでも、少しは展開が気になるので観るのを拒否せずミー
アに付き合っているのだ。
ドラマの展開は進み、少女は少し大人になっていた。
男は戦場から戻った後、婚約者と結婚していた。
これまでの内容で婚約者が居るような描写は無かったというのに、此処に来て突然の結
婚にシンは呆れてぽかんと口を開けたものだったが、ミーアはこの展開を何も不思議に
思っていなかった。
ただ少女が可哀想と泣くミーアを見てシンは、これもまたどう慰めたらよいものかと彼
女を見ることしか出来なかった。
男は戦争で受けた傷の為眼帯をつけていた。
勿論プラントの技術ではかなり高性能な義眼をつける事は出来たが、男はそれを拒否し
たらしい。
多分見た目の問題なんだろうなとシンは思いつつ、ドラマの続きを観る。
少女は男の結婚をテレビで観て知った。
ZAFTの高官で家柄の良い男の相手はこれまた家柄の良い、少女と年の近い女性だった。
少女はその時に激しいショックを受けたが、それでも職を変え、頑張って生きていた。
(どうやら男への恋を忘れる為に職を変えたようだった)
男の事を忘れるかのように懸命に働き、そして一人の男性に想いを寄せられるようにな
っていた。
なんてうざったい展開なのだろうかとシンは思ったが、口には出さない。
そして男はというと、結婚はしたもののの、少女の事を心残りに思っているようだった。
エレカでの移動中に少女の姿を何とはなしに探す男の様子が描写されている。
不誠実な男の姿にシンは呆れるしかない。
シンには婚約者というものが居た事が無いが、結婚しても忘れられない人が居るなら結
婚をしなければいいのにと思う。
こんなドラマの何処がいいのかとつくづく思うが、ミーアが必死になって観ているので
シンも適当に流し観る。
と、此処で男が少女を見つけた。
少女に言い寄る男と仲良くしている姿を偶然車内で見つけたのだ。
男には妻が居るというのに、少女が他の男と仲良くしている姿を見てショックを受けて
いた。
一瞬外に出ようかドアに手をかける。
感情に任せて僅かにドアを開く。
その瞬間、隙間から少女と男の笑い声が車内に届いた。
その幸せそうな声に男の手は止まり。
一時の間を置いて、ドアは再び閉じられた。
運転手に命じてエレカは走り出す。
男は振り向かなかった。
エンディングロールが流れ、いつもの曲が流れる。
感動を呼び起こすような演出をしたつもりなのだろうが、シンにしてみれば不快でしか
なかった。
優柔不断な男。
未練がましくて、情けなくて。
人の上に立つ筈の人間なのに、戦場よりも自分の恋情を選ぶ。
恋愛ドラマだから許されることなのかもしれないが、それであればなにもZAFTの高
官なんていう設定にしなければ良かったのにと思う。
正直明日も観る事になるのかと思うと・・・・ミーアには悪いが明日からは断ろうかと
考えてしまう。
そういえば、ミーアは・・・・。
シンが視線を向けると、ミーアは布団の中に潜り込んでいた。
途中からミーアの様子を見る事無くテレビを流し観ていた為、今回ミーアがどう思った
のか分からない。
しかし、「明日が楽しみ!」「早く明日にならないかな!」と叫ぶのが通例であるから、
今日のこの反応はシンにとっては意外に思えた。
「ミーア?寝るのか?」
ソファから立ち上がりベッドに近付くと、上掛けのシーツが震えていた。
まさか、泣いている・・・・?
この展開は流石に考えて居なかった。
今回の何処をどう観れば、何処で泣けるのかシンは必死に考えてみたが全く分からなかった。
同意をして彼女の反応を伺おうにも何と声を掛ければいいのかも分からない。
「ミーア・・・」
途方に暮れて漏れた言葉はなんとも情けない響きだった。
彼女の肩でも揺すった方がいいのか、それともそっとしておけばいいのかも分からない。
シンは肩を揺するべきかと手を伸ばし、しかし泣いている少女の慰め方として正しいの
か分からず結局その手は止まり、僅かに引く。
それを何度か繰り返し。
枕が涙で濡れたら眠るのに気持ち悪くないだろうか。
と、思考が変な方向に走り始めた頃・・・・・。
ミーアは息苦しくなったのか、シーツから僅かに顔を覗かせた。
涙を拭ったのか、目元は真っ赤になって濡れた跡はあっても今流れている涙は無かった。
「シン・・・」
「・・・・な、何?」
「シンも・・・・・偉い人なんでしょう?」
「え・・・・?」
自分が偉いなんて思っても無かった。
しかし、確かに自分の立場はZAFTのトップエリート「FAITH」の一人だ。
シンは前回の戦争ではグラディス隊に所属し、FAITHになってからも所属が変わら
なかったので偉くなったという気がしていなかったが。
今回のこの任も彼がFAITHだから得られた物。
確かに、自分はZAFTの中で人より「特別」だった。
今更自覚して、今まで観ていたテレビの、「男」と、「自分」の立場を考える。
シンに無いものは血筋などのしがらみ位のもので、ZAFTには階級が無いのでよくよ
く考えたら男と然程変わらない「力」を持っていた事に、たった今、気付く。
少なからず、ショックを受けた。
自覚があるようで、無かった自分にショックを受けた。
目の前にある任務をこなせばそれだけで自分はFAITHに相応しいと思っていたが、
「男」だって任務はこなしていた。
しかし、「男」にはプライベートで任務よりも大事な者が居て、揺れ動いて。
・・・・シンには、任務以外の大切な物が無かった事に、気付いた。
「シンだったら、どうする?」
ミーアがそう問い掛けた。
聞こえては居たが、返す言葉が見つからなかった。
呆然と、愕然と。
シンがミーアを見つめ返すと、ミーアはじっとシンの言葉を待っていたが、他の事に気
を取られている事に気付いたのだろう。
いつまでも返らない返事に、ミーアは再び涙を滲ませ、枕に顔を埋めた。
「アスラン・・・・・・」
枕に押し付けた為くぐもった声だったが、彼女はそう呟いたようにシンには聴こえた。
ミーアにとってこのドラマの「男」はアスランだったのだろうか。
そして「少女」はミーア自身だったのだろうか。
分からなかったがシンにとってはそれは些細な事だった。
『シンだったら、どうする?』
ミーアの問い掛けが、シンには辛かった。
<続>
>>1 おつです。
ミーアはアスラン(とラクス)に捨てられた事をドラマで思い出して涙していただけです。
(一応補足)
次回ミーア視点になるかもしれないです。
GJ!
続きが気になる展開だなー
GJです!
GJ&∩゚∀゚∩age
どようあげ
ほしゅ
あたしの脳はおかしくなっちゃったらしい。
目覚めて暫くしてそれはアスランが教えてくれた。
あたしはいつの間にかアスランに変な事を言っていたらしい。
普通に会話していた筈なのに、ある日突然告げられて。
アスランは、あたしに謝った。
「もっと早く助けられなくて、悪かった」
それは、アスランがあたしに謝る事なのかしらと、他人事のように思った。
戦争だもの。
プラントの病院でも、地球の病院でも。
戦争で沢山傷付いた人を見てきて。
その病室の一人にあたしもなったのだと、思った。
それよりもあたしが不思議だったのは、アスランもラクス様もあたしを助けてくれた事
だった。
アスランには酷い事言ったのに。
ラクス様にも酷い事言ったのに。
どうして、あたしは今病室に居て、アスランとラクス様を見上げているのかが分からな
かった。
「あたしは生きていて、いいの?」
あたしの記憶がおかしいのなんてどうでもいい。
これからあたしに人生があるという事の方が、大事。
あたしはあたしなりに真面目に聞いたのに、その後アスランに怒られた。
命を大事にしろって。
どれだけ心配したのか知らないだろうって。
あたしが生きている事を望んでくれた人がいる。
それは、とっても幸せなんだって。
アスランの怖い顔と一緒に思い知らされて。
それが嬉しかった。
いらない子のミーアは、居なくなったんだって。
思ってたのにな。
あたしは結局プラントに一人で帰ってきた。
この頃にはあたしは自分の記憶が本当におかしくなっているんだって事に自覚が出てき
てた。
自分の中の矛盾に気が変になりそうな時もある。
アスランは一緒に戻ってくれるって言ったのに、突然一人で戻ってくる事になって。
どうしてなのかも教えて貰えずに、それからアスランにも、ラクス様にも会えずに気付
いたらプラントに居た。
ぽつん。って。
あたしはベッドの上しか居場所がないように思えて。
月の病院の、偽物の灯かりの中が一番幸せだったと、思えた。
でもそれは結局逃げてる事で。
あたしは、プラントに戻って来たからには責任を取らなきゃならないんだなって、覚悟
を決めた。
だから、死刑にして欲しいとシンに伝えたのに、シンは少し怒った顔であたしを睨んだ。
「・・・・・・貴女はその「生きている一人」なんじゃないですか?」
おかしいなぁ。
あたしの事を殆ど知らない筈の人なのに。
シンはアスランと同じような顔であたしを咎めたのだ。
アスラン程怖くは無かったけど。
アスランが怒った時と同じような顔だったから。
彼があたしを必要としてくれてるみたいで、悲しいけど、嬉しかった。
あたしは病室で観るテレビが制限されていた。
ニュースは見れない。
タイムリーな情報番組は観れない。
観れるのは歌番組や映画、ドラマくらいのものだった。
今でも政治の事は分かってないのに、多分議長と繋がりがあったから、あたしに政治的
な知識があるものだと思われてるのかもしれない。
それともあたしに余計な知識を付けさせない為か。
どちらにしろ、あたしが偽証する事を企まないように制限しているようにしか思えなか
った。
確かに、月で目覚めてからニュースを観るようにして、少しでも政治を分かろうとして
みたけど。
一朝一夕でどうにかなるものじゃないなぁと思ってたところだったの。
だからニュース番組が観たいなぁと思う心を誤魔化すようにドラマを観るようになった。
一日に何種類ものドラマを観るのって結構大変。
だけど、朝に見るドラマは好きになった。
昔はドラマなんて観る暇がない位に貧乏で暇が無かったから初めて観たドラマだったけ
ど、少し流行遅れな感じが逆に懐かしくてよかった。
この主人公の男の人が少しアスランに似てる。
顔が似てるとかじゃなくて(逆に全く似てない)優しくて、情けなくて、優柔不断なの
に仕事をする時は格好良いの。
ヒロインは・・・昔のあたしによく似てた。
何をやっても駄目で、失敗が多くて、苛められる事もあって、友達が少なくて。
そんな昔のあたしにこんな出会いがあったら、ラクス様になろうなんて考えなかったの
かなぁとか思いながら、観てた。
最初のうちは一人で観てたんだけど、シンが途中から一緒に観る事になって。
あたしがドラマを観ながら声を出していたのがきっかけみたい。
あたしがドラマに反応するたびにシンが驚いてこっちを見てて、そのうち時々テレビを
覗き込んでくるかと思ったら、いつの間にか毎日一緒に観るようになってた。
まるで少し警戒心の強い猫が少しずつ気を許してくれたみたいで可笑しかったっていう
のは内緒。
そのシンが最近少し変。
朝のドラマはもう・・・あんまり観たくなかったんだけど、先が気になるから観てる。
シンはいつも何も言わずにじっと観てるだけだから何を思って観てるのかよく分からな
かったけど、一緒に観てるって事は少しは気に入ってくれていたのかなぁと思ってた。
でも、最近は殆ど観てないように思う。
何故って、以前は少しは観てる時に反応があって「うわ」とか「それは・・」とか呟い
ていたんだけど(でも思わず呟いているみたいで、口に出している事にシンが気付いて
いたのかはあたしもよくわかんない)最近はその少しの反応もなくって、殆ど瞬きもし
ないでモニターを見てる。
あたしはドラマの内容も勿論気になるところだけど、シンの様子も気になって、ついつ
いこっそりとシンの反応を伺いながらドラマを観るようになった。
何か悩み事があるのか、前はもう少し笑ってくれてたのに笑顔も少なくなって、落ち込
んでるように見える。
何があったのかなぁ。
シンは落ち込むと丸くなるみたいで、ドラマが終わってもいつも暫くソファの上で足を
抱えて丸くなってる。
そうしてると年相応に見えて、少し可愛いんだけど、可哀想にも見える。
んー。
捨てられた仔猫みたいな?
折角毎日一緒に居るんだし、元気になって欲しいと思うんだけど、シンって少しあたし
に対して壁を作ってる感じでいつも素っ気無い。
毎日12時間も一緒に居るのにそんなに会話が無いのよ。
ZAFTのお仕事があるみたいで大抵は機械の前に座って作業してるし、作業に飽きた
ら勝手に筋トレしてるし。
あたしと一緒に何かをするのはいつもドラマを観る時間と、ご飯を食べるとき位?
たまーに少しお話しして、でも会話は続かない。
何の話をしたら話が続くのかなぁと思うけど、これまでの人生で一番長く男の人とお話
ししたのはアスランと食事をしたときだけだったから(それもあたしが頑張りすぎて一
方的に話しかけるだけだった)、ハッキリ言って自信が無い。
今日もシンはドラマが終わったのにじっと考え込んで丸くなってる。
困ったなぁ。
ラクス様じゃないあたしに出来る事ってなぁんにもないんだけど。
「・・・・・・シン?」
「・・あ、はい」
我に返ったみたいにはっと顔を上げて足を床に置くとあたしを振り返る。
そんなに畏まらなくていいって言ってるのに、シンはいつも不意打ちでは畏まってる。
あたしはまだ歩くのが下手だから、シンを招き寄せる為に手を振るとシンはソファから
立ち上がってベッドに近付いてくれる。
見上げるのが大変なあたしの為に傍の椅子に腰掛けてくれる。
まだ顔が苦い表情で、少し暗い。
あたしは頑張ってベッドの端まで移動して、上体を倒してシンの手を握ろうとしたら、
もう片方の手がベッドから滑り落ちた。
「きゃぁっ・・・!」
「うわっ!」
間一髪のところでシンがあたしの体を支えてくれたから、床に顔面から落ちることは免
れたんだけど、シンはあたしの体を起こすのを手伝ってくれたら呆れて溜息を吐いた。
そんな明らかに溜息を吐かなくてもいいじゃない。
「何やってるんだよ」
「シンの手を握ろうと思って」
「・・・・手?」
シンは自分の手をじっと見て、あたしを見る。
改めて見られると・・・・。というか、改めてあたしがしたかった事を振り返ると物凄
く恥ずかしいんだけど・・・・。
あたしが出来る事って何もないし!
頑張れ、自分!
「シンが、元気が無いから・・・・。手を握ろうと思って」
「・・・・・・はぁ?」
呆れられてる!
呆れられてるよ!!
そりゃそうだよね!
いきなり手を握りたいとか言ったら変だって思うよね!
あたしも思うけど!
でも、あたしに出来る事ってそれだけしかないの!
お金も持ってないし!
何も持ってないし!
体温が急上昇するのを感じる。
もう急上昇しすぎて緊張の汗まで掻いて来た。
分かってる。
あたしが変な事言ってるっていうのは十分分かってる。
顔が赤くなってるんだろうなぁ。
シンはあたしを変な人だと思ってるんだろうなぁ・・・・!
でも。
最後に見たラクス様の笑顔を思い出す。
手を握ってくれて。
少し体温の低いラクス様の手は、ひんやりとして、でも気持ち良かった。
それと、同じ事がしてみたいと思ったの。
「あ、あ、あの・・・!ごめんね!変な事言ってるっていうのは分かってるんだけど・
・・!でも・・・・元気なかったし!あたし何も持ってないし!どっちかって言うとシ
ンの方から何か貰ってばかりだし、何もお返しできてないし!うぅんと。そういう事を
言いたかったんじゃなくて!シンもどっちかっていったらラクス様と手を握りたいだろ
うケド、あたしの手で悪いケド!で、でも何もないよりかは何かあったほうがいいのか
な!とか!思ったり!して!ごめんね!」
あぁぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁあぁぁあああぁぁあぁああぁぁぁぁぁぁぁあぁぁ!!!
あたしもう何言ってるのかな!
何言えばいいのかも分かんなくて、両手で顔を隠すしかなかった。
あたしの馬鹿馬鹿馬鹿。
恥ずかしくて涙が出そう!
今あった事全部無かった事にしたい!
穴があったら入りたい!
穴が無かったら作りたい!
本当に間抜けだぁ・・・・!
と、思ってたら。
影が差して。
肩を抱かれて、引き寄せられて。
・・・・・・・・・・・・・だ、だきしめられてる?あたし。
硬直した。
男の人に抱き締められるのなんて・・・・・数える程しかないんだもん。
違う違う。
あたしとシンはまだ出会って3週間くらいしか経ってなくて!
それはちょっと展開速くない!?
これが普通なの!?
最近の若い子(あたしも若いけど、何となく)って手が早いって本当だったの!?
シンは童貞で、ちょっと素っ気無い猫みたいで、こういう事してくる子だと思わなかっ
たから。
あたしは顔を覆った手を放せず、動けもせず(動いていいの?こういう時って)ただこ
の時が終わるのを待ってた。
どれくらいの時間が経ったのかな。
シンは突然驚いたように体を離して体を起こした。
驚いてるのはあたしの方なんだけど・・・・・。
そうか。
カメラがあるから。
思わず指の間からシンを見上げたら、シンはあたしに背を向けていた。
「シン・・・・・?」
「・・・・手が、握れなかったから」
ちいさな、ちいさな声。
あたしが自分の顔を手で隠していたから抱き締めたんだって・・・・・変じゃない?
変じゃないのかな?
よく分からなかったけど、ちょっとほっとしたの。
「・・・少しは、元気出た?」
「・・・・どうだろう」
手を下ろした時にシンが振り返るから、またあたしは自分の顔を隠した。
恥ずかしいよ。抱き締められたばかりだし。
顔なんて見られたくないもの。
「・・・・・あの。そうやられるとこっちの方が恥ずかしいんだけど」
「そういうものなの?」
「・・・今の俺にとっては」
あたしも手を降ろすきっかけが無かったから、正直シンの言葉は有り難かった。
手は下ろして、シンを見上げるとシンは一瞬驚いた表情で彼の方から顔を逸らされた。
どういうリアクションなのか分からなかったけど、何となくその理由を尋ねられなくて
あたしは話を切り替える。
「シンはいい人なのね」
「それは・・・・・突然抱き締めた男に言うもんじゃないと思うけど」
そうなのかな?
それは・・・そうかもしれない。
可笑しくて笑ったら、シンは気まずそうに髪をかきむしって。
でもよく考えてみてよ?
いい人じゃなかったらここで否定しなくて、自分はいい人なんだって売り込めばいいん
だもの。
それをしないだけでもシンは十分にいい人じゃない。
うん、いい人よ。
「シンは元気な方がいいよ。落ち込んでるなら、あたしで良ければ話を聞くわ」
「・・・・・・俺、護衛なんだけど」
「護衛の人は護衛対象者に人生相談しちゃいけないって誰が決めたの?ZAFTでそう
決まってるの?」
「そういう訳じゃないけど」
じゃあいいじゃない。
あたしの言葉にシンは困ったように笑ってから窓の外を見て。
そのままあたしのベッドの端に腰掛けた。
あたしはシンの横顔を見つめて、話し始めるのを待つ。
こういう表情をする兵士を、あたしは何人も見てきたから分かる。
話してくれる。
確信を持って待っていると、シンは小さく息を吐き出してから目を閉じて。
「あのさぁ」と、小さく呟いた。
「俺・・・・・・・・なんで戦ってたのかな・・・・・・・・」
何でだろう。
シンはやっと話し始めてくれたってだけなのに。
その表情があんまり苦しそうだったから。
あたしはそれだけで視界が滲んでしまった。
シンの声に出さない叫びが聞こえるような気がした。
<続>
GJありがとうございます。
ミーア視点の総まとめみたいに書いていたら予想以上に長くなった・・・orz
以前ミーアは処女で妄想されている方が居ると書き込みがあった為、ミーアは処女の方向で書きました。
自分から攻める時には積極的でも、攻められると途端に弱くなる女の子みたいな感じがいいかなと。
今回長くて読むの辛かったらすみません。
次回からはまたシン視点で書きます。
GJでした。続きも期待してますw
GJ&age
GJ!
二人ともすげぇ可愛いんだけどwww
続き待ってます!