1 :
通常の名無しさんの3倍:2007/10/31(水) 06:30:48 ID:??? BE:1153259879-2BP(0)
激しい雨が心をふるわせる あの日のように
3
重複してるぞ。
荒らしが立てたスレだからdat落ちへ
.
.
.
もう一個のほうが落ちちゃったけどこっちが本スレでいいの?
.
何度も訪れた事のある彼女の部屋のドア。
それを前に俺、シン・アスカは立っている。
部屋のドアをノックし自分の名前を告げて来訪を知らせる。
ドアが半分開き彼女が出てきた。その顔がやけに懐かしく感じる。
「シン! 来てくれたのね。」
久しぶりに聞く彼女の明るい声と笑顔。それが俺の心を暖かくする。
「まぁ、来ないわけには行きませんから。」
思わずそっぽを向いてぶっきらぼうに答える。心とは裏腹に出てしまう態度と言葉。
そんな俺を見て彼女は屈託無く笑う。
態度も言葉も見透かされている感じがしてやりきれない。
「入って。」
その言葉と共に俺は室内に導かれた。
テーブルを挟んで椅子に座り俺と彼女は向き合う。
ピンクのティーポットから彼女の手で二つのティーカップに紅茶が注がれる。
この部屋で、俺と彼女がいて、紅茶を飲む。
それは慣れた場所、慣れた雰囲気、慣れた味。
遠く離れたように感じたものが今当たり前のように俺を包み、心を安らげる。
「今回はありがとうね。」
彼女が不意に切り出した。
「いきなり何の事だよ。」
俺の問いに彼女はやや顔を伏せ、ティーカップを置く。
「今回の襲撃事件の事よ。あたしの我が儘に付き合ってくれたでしょ?」
ああ、その事か。
「まあ、仕事だから。」
俺は簡潔に答える。
人からすれば彼女のあの時の決断は幼稚な価値観や正義感の賜物、とでもいうかもしれない。
自分の重要性を認識していない、と。
でも俺はあの状況で他の乗員と共にあろうとした彼女の心が純粋に嬉しかったりもした。
……不満もあるし、口に出して言う気はないけど。
「しかしあんたも無茶をするよな、本当に。」
「うん……。そうだよね。」
俺の言葉に彼女は目線をやや伏せたまま静かに答える。
その口調は明るい普段と違い儚げだ。
「あたしもね、不思議に思っているの。昔のあたしだったらあんな事出来たかな、って。」
不意に彼女は自身を抱きしめた。肩を始めとしてその身が小刻みに震えている。
「今でも思い出すとこうなるの。ひょっとしたら…ううん。きっと昔のあたしだったら
逃げ出していたと思うの。」
それは一人の少女として極当たり前の事だった。
皆が求める『ラクス・クライン』ではなく、一人の自然な少女の姿がそこにはあった。
「でもね。今のあたしは昔よりほんの少し変われたんだと思う。」
ここで彼女は顔を上げ、穏やかな表情を浮かべる。
「あたしの心を支えてくれる人がいたから。」
彼女の口から流れる言葉。それは静かだがはっきりとした意思を感じさせた。
「その人はひたむきで、単純で、根は優しくて、でも素直じゃなくて、
普段は弟みたいだけど……大切な時にはとても強い意志を見せる人。」
彼女の心が、声が、言葉の一つ一つがまるで俺の中に浸透していくような錯覚を覚える。
「その人と接してきた事で、あたしにひたむきに向き合ってくれるその人といた事で
あたしは変われたんだと思う。皆が戦ってた時も本当はあたし怖くて仕方無かった。
でもその人の事を考えると勇気を出せたの。」
ここで彼女はひどく穏やかで優しい笑顔を見せた。
「だから……ありがとうね、シン。」
その言葉も、笑顔も優しいのに何故だろう? 胸が苦しい。
なんであんたは時々、今みたいにどこかへ消えてしまいそうな雰囲気をするんだ?
まるでいづれは消え行く運命の人魚姫みたいに……。
その思いが俺に口を開かせる。
「なあ、あんた人魚姫のお話を知ってるか?」
「え?」
俺の問いに彼女は驚いた声を上げる。馬鹿らしい問いだっていうのはわかっている。
前に俺に同じ事を聞いたのは他でもない彼女なんだから。
「人魚姫は最後に消えてしまうけど、その結末は変えられたんじゃないかな。」
俺の言葉に彼女の顔が戸惑いの色を浮かべる。
「人魚姫一人では運命に抗えなかったけど、側に彼女を大切に思う人間がいたなら
きっと結末を変えられたと思うんだ。」
悲しくて美しい童話、それでも可能性を信じる事は出来るから。
「虚構にされてしまう真実も、二人でならきっと『本当』にしていけるさ。」
その言葉に彼女は一瞬押し黙り、やがてその表情が明るい感情の色で満ちていく。
「……うん。きっとそうよね。」
彼女が輝くような笑顔を浮かべた。
それに満たされていく自分の心を感じる。俺はずっとこの笑顔が見たかったんだな。
彼女と過ごす何気ない時間。
こんな時間がいつまでも続けばいいのに、そう思っている自分がいる事にようやく俺は気がついた。
ようやく巻き込まれていた規制が解除された。
感想をもらえた事からまた書かせてもらった単発ネタその21
とりあえず第一部完のような感じ。
GJでした。
このままシンとミーアは最後まで行きそうな勢いですな
グミ涙目ww
.
.
うわーん辿り着いたー
GJです。
ミーアかわいいなあ
書いてみたいが…
どうしようかな…
職人大歓迎、書いちゃえ。