デモンベイン>>>>>>>種シリーズループ9週目

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1通常の名無しさんの3倍
このスレはデモンベインのエキスを種シリーズにブチ込んだ混沌の箱庭です。
このスレに参加する諸兄には、旧神に連なる者として恥ずかしくない言動を望む。

以下は注意事項

・荒し、煽り、騙り、は原則で禁止。
・上記を破った者はインスマスの海にて『深きものども』と一生戯れて貰う。
・爆破作業はシュリュズベリィ教授に許可を得てから。
・ドリルは西博士と無数の漢達の夢であり浪漫だからして、これを止める事は無理であり不可能かつインポッシブルなのであ〜る。
・九郎ちゃんの パイルバンカーの露骨な使用は禁止。エロスは程々に。ネタとしては全然OK。
・ニャルさまが見てる。
・議長は根暗なオタ・・・・・・オカルト趣味
・うつけ!何を埋められておるかっ!そんな事では我が主は務まらんぞ!
・SAN値に注意しながらまったりやりましょう。

前スレ
デモンベイン>>>>>>>種シリーズループ8週目
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/shar/1195305278/
デモンベイン>>>>>>>種シリーズループ7週目
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/shar/1189555998/
デモンベイン>>>>>>>種シリーズループ6週目
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/shar/1183219896/
デモンベイン>>>>>>>種シリーズループ5週目
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/shar/1173516725/
デモンベイン>>>>>>>種シリーズループ4週目
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/shar/1165308646/
デモンベイン>>>>>>>種シリーズループ3週目
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1160223218/
デモンベイン>>>>>>>種シリーズループ2週目
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1155649090/

大十字九朗とシン・アスカの事件簿
デモンベイン>>>>>>>>>>種シリーズ
ttp://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1146806109/

まとめサイト (ガンダムクロスオーバーSS倉庫)
ttp://wiki.livedoor.jp/arte5/d/FrontPage
2通常の名無しさんの3倍:2007/11/25(日) 02:57:01 ID:???
何故あんな速さで落ちたんだ…
>>1
3通常の名無しさんの3倍:2007/11/25(日) 09:18:03 ID:???
違う板の話だが、
一定以上スレッドが存在すると最終書き込み時間が古い順に一定数までdat落ちになるらしい。
幾つになると発動して幾つになるまで減らされるとかここでそれがあるのかは知らないけど。
4通常の名無しさんの3倍:2007/11/25(日) 09:20:59 ID:???
まとめ引っ越したから一応URL書き込んでおく
まとめ ttp://arte.wikiwiki.jp/
5通常の名無しさんの3倍:2007/11/25(日) 15:31:49 ID:???
旦~保守
6通常の名無しさんの3倍:2007/11/25(日) 23:45:44 ID:???
乙age

>>3
ここは700超えると圧縮。
今も700超えてるからこまめに保守しないとすぐ落ちるぞ。
7通常の名無しさんの3倍:2007/11/26(月) 08:43:17 ID:???
出かける前にホッシュ
8通常の名無しさんの3倍:2007/11/26(月) 12:56:25 ID:???
圧縮以前に即死しそうだ
9通常の名無しさんの3倍:2007/11/26(月) 13:44:54 ID:???
保守
10通常の名無しさんの3倍:2007/11/26(月) 16:03:56 ID:???
数日ぶりに覗いたら新スレになってて吹いた
そうか落ちたのか
11通常の名無しさんの3倍:2007/11/26(月) 17:46:15 ID:???
我輩も保守の手助けをしよう。
12通常の名無しさんの3倍:2007/11/26(月) 19:19:17 ID:???
保守の空より来たりて。
13通常の名無しさんの3倍:2007/11/26(月) 19:22:31 ID:???
荒らしへの怒り胸に
14通常の名無しさんの3倍:2007/11/26(月) 20:30:01 ID:???
我らはスレ守る筆を執る
15通常の名無しさんの3倍:2007/11/26(月) 23:28:30 ID:???
汝、保守たる刃
16通常の名無しさんの3倍:2007/11/26(月) 23:33:19 ID:???
惑う業禁が二月に延期
17通常の名無しさんの3倍:2007/11/27(火) 08:46:44 ID:???
またか!
18通常の名無しさんの3倍:2007/11/27(火) 11:23:45 ID:???
……一体何を作ってるんだ
19通常の名無しさんの3倍:2007/11/27(火) 13:46:04 ID:???
完全変形デモンペイン
20通常の名無しさんの3倍:2007/11/27(火) 20:21:09 ID:???
>>18
ロイツァやシャンタクとかも付くらしい
もしかしたらトラペゾとクトイタ合体砲も付くかもな
21通常の名無しさんの3倍:2007/11/27(火) 22:12:43 ID:???
魔導合金またもや延期か保守。
22通常の名無しさんの3倍:2007/11/27(火) 23:10:59 ID:???
パーツ差し替えで胎動デモベに!
23通常の名無しさんの3倍:2007/11/28(水) 10:48:55 ID:???
むしろ素体が胎動
24通常の名無しさんの3倍:2007/11/28(水) 13:44:55 ID:???
一日一保守
25通常の名無しさんの3倍:2007/11/28(水) 20:52:21 ID:???
軍神デモンベインも忘れちゃ困るぜ
26通常の名無しさんの3倍:2007/11/28(水) 21:18:40 ID:???
むしろコンパチでアイオーンに。肩アーマー換装でエドガー版にも。
27通常の名無しさんの3倍:2007/11/29(木) 10:34:46 ID:???
保守
28通常の名無しさんの3倍:2007/11/29(木) 10:53:08 ID:???
なにを言ってるんだ。
コンパチでスーパーウェスト無敵ロボ28號Ver.Kaだろ!?
29通常の名無しさんの3倍:2007/11/29(木) 13:25:59 ID:???
完全変形トラペゾ発売希望
30通常の名無しさんの3倍:2007/11/29(木) 14:53:46 ID:???
作ってる途中に脳がイカれるぞ
31通常の名無しさんの3倍:2007/11/29(木) 21:15:06 ID:???
ほす
32通常の名無しさんの3倍:2007/11/30(金) 07:58:30 ID:???
保守
33通常の名無しさんの3倍:2007/11/30(金) 12:03:10 ID:???
保守
34通常の名無しさんの3倍:2007/11/30(金) 22:35:55 ID:???
保守
35通常の名無しさんの3倍:2007/12/01(土) 00:04:26 ID:???
ずっと人大杉だったのではじめて壷使って見たら
前スレ落ちてたよ保守orz
36通常の名無しさんの3倍:2007/12/01(土) 16:01:17 ID:???
な、な、なーんと!
ダブルオーの放送があと二時間後ではないか。

要するに保守するロボ。
37通常の名無しさんの3倍:2007/12/01(土) 17:35:02 ID:???
赤「イーッ!」
黄「イーッ!」
青「イーッ!」
38通常の名無しさんの3倍:2007/12/01(土) 19:08:15 ID:???
保守
39通常の名無しさんの3倍:2007/12/01(土) 19:36:28 ID:???
ロックオンがロリコン・ストラトスに改名しました


このスレ的(一応デモベスレ)には胸が豊か過ぎるきらいがあるが
40通常の名無しさんの3倍:2007/12/01(土) 20:00:30 ID:???
14にしてはスタイル良すぎだよなぁ、ラクスやマリナは涙目w有害図書達も羨望の眼差しをw
41通常の名無しさんの3倍:2007/12/01(土) 20:06:49 ID:???
アリスンも成長したらあんな風になるのかね
42通常の名無しさんの3倍:2007/12/01(土) 20:10:22 ID:???
マリナはショタコンである
○ or ○?
43通常の名無しさんの3倍:2007/12/01(土) 20:33:42 ID:???
漫画版の飛翔はもう何と言って良いか……
44通常の名無しさんの3倍:2007/12/01(土) 22:12:14 ID:???
保守……
45通常の名無しさんの3倍:2007/12/01(土) 22:16:13 ID:???
ニトロの作品が他メディアで報われないのは今に始まったことじゃない。
ニトロ金ないから実力ある人に頼めないからな。古橋は例外として
46通常の名無しさんの3倍:2007/12/01(土) 23:25:21 ID:???
>>43
言うほど酷いか? 絵が雑なところを除けば全然OKなんだが。
47通常の名無しさんの3倍:2007/12/02(日) 07:34:25 ID:???
保守
48通常の名無しさんの3倍:2007/12/02(日) 12:22:48 ID:???
保守
49通常の名無しさんの3倍:2007/12/02(日) 16:48:03 ID:???
保守
50通常の名無しさんの3倍:2007/12/02(日) 19:05:12 ID:???
51通常の名無しさんの3倍:2007/12/02(日) 19:18:47 ID:???
押すとペコンとへこむようなスカスカの乳袋なのかもしれない。
52種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/12/02(日) 21:42:20 ID:???
『──なるほど。その話が真実ならばこれまで起こった不可解な出来事、その多くの説明が付きます。
 しかし、にわかには信じられない話ではありますな』
 モニターの向こうのデュランダルが組んだ手を口元にやりながら、語り終えたカガリに鋭い目を向けていた。
 カガリが語ったのは現在知りえる限りの『魔術』に関する全ての情報。ティトゥスの知識、体験を
中心として、それを元にミナやユウナらが私見や憶測を交えて纏めたものだ。カガリがそれを語り終えたのは、
既に一時間近く経過した後だった。
『異界より邪悪な魔術師が現れ、世界の裏で暗躍を重ねている。そしてついにその姿を表したと──
 非常に興味深いストーリーですが、信憑性があるかどうかは別問題です。それに──』
 デュランダルがその視線を、表情一つ変えず立ち続けるティトゥスへと向けた。
『彼が『ユニウスの魔神』の片割れを操っていたなどと、誰がすぐさま信じられるというのでしょう?』
 一同の視線がティトゥスへと集中する。ユニウスを単機で一刀両断する程の、圧倒的な力を持つ
ユニウスの魔神──機械仕掛けの神、デウス・マキナ。その巨大すぎる力は、かのサムライがたった一人で
行使することが可能なもの──正確には可能『だった』だが──だというのだ。そしてそのような
力を持つ人物が今、直接確認されただけでも後3人は存在するという……信じられないのも無理からぬ話だ。
「彼については確かに、明確な身の証を立てる証拠はありません。しかし言い方は悪いですが、
 彼の異常性についてはアーモリーワンの件を知る議長やグラディス艦長らとて御存知のはず。
 そして我がオーブにも彼の異能──MSをも生身で倒し得る力を目にした者が居るのです。
 そこにいるトダカ一佐や……シン・アスカのように」
「……私も当時、あの光景を見た時は目を疑いました。まさかMSの足を刀で斬る人間がいるとは……
 事情を知ってからも信じられぬという気持ちが強かった故、つい先日までその場に居合わせた者以外に
 語る事はありませんでしたが」
『ほう。トダカ一佐はこう仰っているが、事実なのかね? シン・アスカ君』
 カガリとデュランダルのやり取りの中、今度はシンへと視線が集中する。困惑や奇異の視線に
戸惑いを隠せぬ中、シンはようやく、何故カガリが自分を呼んだのかについて思い当たった。
(つまり俺に、ティトゥスさんの事について証言しろってことかよ)
 シン自身もティトゥスについてカガリが語った時は驚いた。普通の人ではないとは感じていたし、
ユニウスの魔神についてももしや、とは思っていた。だがまさか魔術師などという常識外の存在だったとは!
 しかもかつては、先日オーブを襲ったあのゾンビピエロ達の同胞、アンチクロスなる悪党集団の
一員だったという。ミネルバの仲間達が彼に向ける視線に懐疑だけではなく、警戒や恐怖の感情が
見え隠れするのも当然だろう。シン自身とてわずかながら、それに似た思いを感じずにはいられない。
53種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/12/02(日) 21:46:41 ID:???
 しかし、それでもシンにとって、ティトゥスは恩人であることに変わりはなかった。
「……はい、本当です。俺はオーブが焼かれたあの日にティトゥスさんと出会い、そして助けられました。
 ティトゥスさんが居なければ、あの時俺は死んでいたかもしれません」
 たとえかつては極悪人だったとしても、シンにとってのティトゥスはあの日出逢って以降のティトゥスだけだ。
そして彼は今や自分一人だけではなく、ユニウスセブンの破壊に貢献し多くの命を救った、世界全ての恩人の筈。
そのような人物を悪人として嫌うなど、誰が出来よう。
 自分のような一介の兵士の証言でどれだけ理解が得られるかは分からない。アスハの考えに乗ってやるのは
シャクでもある。しかし自分の証言でティトゥスの立場が少しでも良くなるなら、喜んで証言しようではないか。
 ──そう思いシンが言葉を発した時、カガリと再び目が合った。彼女の厳しい顔がわずかに緩んだのを見て、
またしてもシンはカガリから目を逸らせる。初めて見る彼女の穏やかな笑みに照れてしまったことを、
シンは頭の中で必死に否定した。
 そのシンの発言から間を置かず、カガリが続けて言葉を紡いだ。口元は既に締まりを取り戻している。
「ティトゥスについて以外にも、この場の人間は己の目で見たはずです。人知を超えた高度で
 不可思議な技術──魔術、その力がもたらす圧倒的な破壊力を。その脅威が現実に存在するという事実を。
 そしてこれまで陽の光の下に現れる事が無かったそれが、徐々に我々の世界を犯し始めている──
 信じるか信じないかは、一人一人の自由です。ですがどうかこれまでの体験、事象を踏まえた上で、
 我々の言葉を信じていただきたい」
 最後に再び一同を見渡した後、カガリは一礼して一歩下がった。沈黙がその場を包む。
 ──信じ難い話ではあったが、決して根拠の無いでたらめと断じてしまえる話ではなかった。しかし──
思案と困惑に囚われ誰も言葉を発せぬ中、自然とデュランダルに一同の目は集中する。例え個人の考えが
どうであれ、最高議長の答えがいわばプラントの答えとなるのだ。
 だが当のデュランダルは目を伏せ、頑なに沈黙を保っている。延々と続く沈黙に
痺れを切らしそうになったカガリを、アスランが止めようとしたその瞬間。
「私は彼等の言葉を信じてみようと思います」
 狙ったように、沈黙が破られた。一斉に全員の視線が発言した人物に集中する。
 その人物は、皆が固唾を呑んで見ていたデュランダルではなかった。
54通常の名無しさんの3倍:2007/12/02(日) 21:49:38 ID:???
支援
55種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/12/02(日) 21:50:02 ID:???
「未だ疑念の全ては拭えませんが、完全に否定しきれない部分が存在しないのもまた事実。そしてアスハ代表の
 お言葉は非常に真摯で、虚言とは思えませんでした。信じるに足るお言葉だと私は認識いたしましたわ」
「グラディス艦長……」
 多くの者は予想外という顔でタリアを見る。特に慌てふためいたのはアーサーだ。厳しい現実主義だと
思っていた上官の肯定的な意見を信じられず、半分パニックになっている。
「かかかか、艦長ぉぉっ!? ホントに、本当に信じるんですかさっきの話を!? しかも
 議長より先に意見するなんて!?」
「いいのよアーサー、私はそう思ったのだから。それにこのまま沈黙が続いても、期待されてる本人が
 喋る気ないなら何時まで経っても話が進まないでしょう? なら誰かが切り出さなければ
 しょうがないじゃない……ですわよね?」
 苦笑しながら、タリアはその視線をモニターの向こう側にいる人物へと向けた。
「いつまで考え込むフリをして皆様に気を揉ませるおつもりですか、議長?
 お気持ちは既に決まっている……私はそう確信していますが?」
 そうタリアに振られた議長はゆっくりと閉じていた目を開く。ずっと物事を思案していると
思われていたその顔が、突然人が変わったかのように温和な笑みへと変わった。
『──やれやれ。もう少し引っ張ろうと思っていたのに、酷いじゃないか艦長』
「ハァ……やっぱり最初から信じるつもりで、わざととぼけてらっしゃったんですね、議長」
『いやいや、このように成否の結果を引っ張りに引っ張りぬく事で相手を引きこみ、印象を強くするという
 手法がかつての地球で確立されているのだよ。つまりは駆け引きというものだ、悪気があったわけじゃない』
 それが悪ふざけと言うんです、とタリアは大きく溜息を付く。状況に誰もが付いていけずに固まる中、
デュランダルはカガリに告げた。
『……アスハ代表。魔術の存在について、私は全面的に認めるつもりです……というか、私個人は
 既にかなり前から認めているのですよ。実は元々、この世界にも魔術は存在しているのです。
 それにはポピュラーな黒魔術はもとい、少数民族に伝わる降霊術や、考古学の皮を被った高度な陰秘学など
 数多くの種が存在します。勿論、極々一部の人間しかその存在を信じているものはいませんでしたが』
「……は? その、ぎ、議長?」
『ああ、何故私がそんな事を知っているのか、ですか? 恥ずかしながら、私は自らをプラントでも一、二を
 争うオカルトマニアであると自負しておりまして。数少ない同好の士もそれは認めるところです。
 ああ、出来れば他言は無用に願いますよ。評議会議長の肩書きには余り好ましくないと自分でも
 分かっているのですが、この役職に着く前からの趣味はそう簡単にはやめられぬものでして』
 全員を完全に置いてけぼりにし、デュランダルの口はかつてないほどに回り始めた。ふとその視線を
ティトゥスへと移し、ぺこりと一度頭を下げる。その瞳には財宝を発見した冒険家のような、
熱っぽい興奮が見て取れた。
『ばれてしまった所で、改めて礼を言わねばならんな。よくぞユニウスセブンの被害を
 抑えてくれた、ティトゥス。流石は鬼械神を召喚出来るほどの位階に達した魔術師だっただけの事はある。
 それで、出来るなら君の持つ魔導書はなんなのか教えて欲しいな、どうだね?』
56種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/12/02(日) 21:52:26 ID:???
そこからしばらく、熱く語る議長の魔術講演会オンステージが展開された。
『──とはいえ所詮、素人に毛が生えた程度でしてね。鬼械神ほどの高度な術に出くわしたのは
 ユニウスセブンが初めてでしたが……まさか魔術の中でも最高峰と言われる、機神召喚に立ち会えるとは
 思いませんでした! あの鬼械神、皇餓といいましたか。あの不完全なれど美しい姿を見た時は、
 不謹慎ながら感動を禁じえず……そもそも現在、この世界は多くの価値ある魔導書の原本が失われ──』
 突然矢継ぎ早に知りうる魔術の知識──ようは己の薀蓄を嬉々として語り始めたデュランダルに、
オーブ勢は勿論ザフト側、ティトゥスやエルザですら呆然としていた。カガリはそそくさとタリアに近付き、
小声で話しかける。デュランダル議長はそれにまるで気付かない。
「あの、グラディス艦長は議長の趣味についてご存知だったのか? だから魔術について納得を?」
「ええ、まああの方とは色々ありまして……申し訳ありませんが、アレはその内収まるのでしばらくお待ちを。
 特殊すぎる趣味で理解できる人物も少ないので、好き放題誰かに喋れる機会が嬉しいのでしょう。
 私も何度か似たようなことがありましたし……正直、ウンザリですが」
「は、はぁ……」
 カガリは正直、頭が痛くなった。真面目で優秀、博識でいて平和主義者のプラント最高評議会議長という
イメージは今や、木っ端微塵に弾け飛んでいる。目の前にいるのはタダのはしゃいでいる根暗なオタ──
もとい、一人の奇特な趣味人以外の何者でもなかった。
 とはいえいい加減再開せねばと思ったのか、通信費持ちでもあるミナが議長に促す。
「議長殿。高尚な趣味は結構なのだが、そろそろ話を進めたく思う」
『……おっと、これは失礼を。いやはや大変申し訳ない』
 デュランダルも流石に己の暴走に気付いたのか、コホンと咳払いしつつ、姿勢を引き締める……
全く反省の感じられぬ声色と目に未だ燃え残っている興奮の色が、少々心配ではあったが。
「では議長も落ち着かれたようなので、話を続けよう……ここからが、ようやく本題になる」
 表情を引き締めたカガリに、全員が倣う。ようやく最初の緊迫感が戻ってきたようだ。
「デュランダル議長。こちらが手渡した親書の内容を覚えておいでですか?」
『無論です。連合との同盟という望まざる道を進まねばならぬオーブの現状と、プラントとの繋がりを
 求められる説明が丁寧かつ分かりやすく記されていました。出来れば今後もアスランを通じてパイプを持ち、
 出来得るならオーブに攻め入る事は避けて欲しいと……そしてまず誠意の証としてミネルバの無事な
 帰還を約束するという内容でしたな』
「その通りです。そして議長は見返りの少ない我々の勝手な願いを、承諾するという返答をして下さった。
 本当に有り難く思っています」
 しかし、と一拍置くカガリ。
「あの親書の内容に、若干の変更を加えたいと思うのですが」
『ほう……どの部分にです?』
「現状ではミネルバを、確実に危険なく送り出すのはほぼ不可能です。既に我が国の周囲で連合の艦隊が
 動いているという情報もある。その代わり、といってはいささか心許ないかもしれませんが……」
 そう問うデュランダルに、カガリは淡々と変更点を告げる。だがその内容はデュランダルの目を見開かせ、
ミネルバのクルー、特にシンを驚愕させるには十分だった。
「こちらのアレックス・ディノを非公式ながらアスラン・ザラに代わる新たな特使として……そして
 ティトゥス、ドクターウェスト、エルザの三名を我が国が契約した傭兵として、ミネルバに派遣したいと
 思うのです。それと同時に、ミネルバにオーブへの専用直通回線を増設する事を許可してもらいたい」
57種死逆十字書き ◆oN23gQHrEc :2007/12/02(日) 21:53:50 ID:???
久々にスランプモードに入ってきたよこんばんわ。
説明文的な内容は本当に書くのが難しい……量少なくてスイマセンorz
つうか予告に反してあんまり真面目な話じゃねえ!?

ミネルバ組がようやく魔術に知る&議長の趣味暴露の巻。議長がどんどん変人になっていく……
しかも予想以上にただの話し合いで時間取りそうだぞ……後何話で終わるんだろ(汗)

次回は今度こそシン切れる……まで行ければいいなあ(マテ)
つ、次こそは! 次こそは量を!
58通常の名無しさんの3倍:2007/12/02(日) 21:59:52 ID:???
乙カレー
59通常の名無しさんの3倍:2007/12/02(日) 22:37:50 ID:???
GJッス!
イヤしかし議長が魔術に対し理解があってくれると
この先、屍食教典儀が擬人化した時に擁護してくれそうで安心だwww
ミナやアスランとかはもちろん、ウェストとかからも白い目で見られそうだからなwww
60通常の名無しさんの3倍:2007/12/02(日) 23:18:00 ID:???
おかしい…
あの空気読まないキ○○イが一言も喋っていない
辻褄が合わないっ! これは現実ではないっ!!
61通常の名無しさんの3倍:2007/12/02(日) 23:40:52 ID:???
GJ〜
段々議長が凄い事に…何処まで行くか楽しみDA。

>>60
お侍さんとエルザのクリティカルヒットを食らって泡吹いて伸びてる筈。
誰も気にしないってのがらしいといえばらしいがw
62通常の名無しさんの3倍:2007/12/02(日) 23:43:01 ID:???
エルザに気絶させられたんじゃないか?

ともあれGJ!! 議長自重せいwww
探偵さんやそのロリ妻がいたらもっと興奮しただろうなぁwww
63通常の名無しさんの3倍:2007/12/03(月) 12:52:00 ID:???
GJ!
64通常の名無しさんの3倍:2007/12/03(月) 19:40:13 ID:???
保守しときますね。
65通常の名無しさんの3倍:2007/12/03(月) 21:05:38 ID:???
ぐっじょほしゅ
66通常の名無しさんの3倍:2007/12/04(火) 23:19:53 ID:???
なんか書き込めないような保守
67通常の名無しさんの3倍:2007/12/04(火) 23:22:13 ID:???
ありゃ、書き込めた。
68通常の名無しさんの3倍:2007/12/05(水) 15:48:41 ID:???
保守
69通常の名無しさんの3倍:2007/12/05(水) 16:15:53 ID:???
なんだかんだ言って、金型に不備があって魔導合金延期・・・後1回くらい延期するんじゃないだろうか
70通常の名無しさんの3倍:2007/12/05(水) 16:55:20 ID:???
あと一回の延期で済めばいいけどなー
71通常の名無しさんの3倍:2007/12/05(水) 20:29:25 ID:???
ブル−コスモス盟主ロード・ジョイマックス・ジブリール
72通常の名無しさんの3倍:2007/12/06(木) 13:41:17 ID:???
歌って踊れる最狂盟主とな?
73通常の名無しさんの3倍:2007/12/07(金) 00:45:42 ID:???
ブル−コスモス盟主リューガ
74通常の名無しさんの3倍:2007/12/08(土) 13:12:09 ID:???
ほしゅ
75通常の名無しさんの3倍:2007/12/08(土) 20:25:06 ID:???
鯖移転して落ちにくくなってないかな、と思いつつ保守
76通常の名無しさんの3倍:2007/12/08(土) 22:28:31 ID:???
保守
77通常の名無しさんの3倍:2007/12/09(日) 18:25:42 ID:???
ちょいと前なら落ちてたような保守
78通常の名無しさんの3倍:2007/12/10(月) 15:57:30 ID:???
hosyu
79通常の名無しさんの3倍:2007/12/11(火) 20:17:04 ID:???
保守
80通常の名無しさんの3倍:2007/12/12(水) 17:56:46 ID:???
保守保守
81通常の名無しさんの3倍:2007/12/13(木) 20:53:33 ID:???
最近保守ばっかだな〜保守
82通常の名無しさんの3倍:2007/12/14(金) 16:27:20 ID:???
フォッシュ
83通常の名無しさんの3倍:2007/12/14(金) 16:56:51 ID:???
もうそろそろ侍さんが来る時期です捕手
84通常の名無しさんの3倍:2007/12/14(金) 17:48:19 ID:???
彼がくるまでここを保守する!
85通常の名無しさんの3倍:2007/12/14(金) 20:06:35 ID:???
双剣の人やめっきり来なくなってしまった人も含めて待ち続けるだけだ、保守をして。
86通常の名無しさんの3倍:2007/12/15(土) 16:45:21 ID:???
デモンベイン(書き手)を信じろ、あれは住人のためのデウスマキナだ
87通常の名無しさんの3倍:2007/12/15(土) 21:28:21 ID:???
光射す世界に!
88通常の名無しさんの3倍:2007/12/15(土) 21:35:23 ID:???
汝等暗黒棲まう場所なし!
89通常の名無しさんの3倍:2007/12/15(土) 21:37:29 ID:???
乾かず、飢えず、無に還れ!
90通常の名無しさんの3倍:2007/12/15(土) 21:39:23 ID:???
レムリアァ!インッパクトォォォォォォォォォォ!!!!!
91通常の名無しさんの3倍:2007/12/15(土) 21:40:53 ID:???
―――レムリア・デュアル・インパクト!
92通常の名無しさんの3倍:2007/12/15(土) 21:55:44 ID:???
昇華!!!!!!
93通常の名無しさんの3倍:2007/12/15(土) 23:00:31 ID:???
脱出!!!!!!
94通常の名無しさんの3倍:2007/12/15(土) 23:04:33 ID:???
マジレスすると
各作者san達はOCN規制で投下出来ないのでは?
95通常の名無しさんの3倍:2007/12/15(土) 23:34:20 ID:???
>>93
西自重

しかしよく毎度毎度脱出できるなw
96種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/12/16(日) 02:01:45 ID:???
 突然のカガリの発言に、最初に反応したのは艦を預かるタリアだ。
「ア、アスハ代表……ご自分が何を仰っているのかお分かりになっているのですか!?」
「……ええ、分かっていますグラディス艦長。私の言っていることは無茶苦茶だ。
 他国の、それも最新鋭の戦艦に完全な部外者を載せ、あまつさえ装備に手を加えるように依頼する……
 普通ならまかり通るはずがない。しかし、私にはそれをしなければならない理由がある。だからこそ
 このように最高評議会議長に直接、頼んでいるのです」
 タリアの叫びに冷静に対応しながら、デュランダルを見据えるカガリ。その姿には少し前まで
抜け切れていなかった少女の甘えも、議長と言う大きな相手への怯えも見出す事は出来ない。
 そこに居るのはまごう事なき、一国の最高責任者。それを認めたか、デュランダルもまた
一人の趣味人ではなく、最高評議会議長としての貌で彼女と相対する。
『一つずつ、詳しくお聞きいたしましょう。まず、ティトゥス達をミネルバに乗せる意図は?』
「先ほど言ったとおりオーブからの戦力補給、という意味も勿論あるのですが……実際は、彼等とそちらの
 利害の一致があるからです」
『ほう……利害の一致とは?』
「彼等の現在の目的はアンチクロスの速やかな排除……そして現在、ティトゥスを除くアンチクロスの
 内4名が、連合に協力している可能性が高いのです」
 事情を知らぬ人間達から動揺のざわめきが起こる。しかし二人の国家代表者は表情を変えず、
目も逸らさずに会話を続ける。
『その根拠は?』
「アーモリーワンで私とアレックスを襲った人間、いえ兵器は、ティトゥスの証言から『人造魔導兵器』
 と呼ばれる、魔術を用いた戦闘機械と見られています。その兵器を開発したと思わしき人物の名は
 ウェスパシアヌス……アンチクロスの一人です」
『っ……そのような話は始めて聞いたな、ティトゥス』
「あの時は虚言と取られると思っておりました。気分を害されたならお詫び致そう」
『いや、そうだな……私個人はともかく、議長としてはそう判断せざるを得なかったろう……
 失礼しました代表、話の腰を折ってしまった』
 ウェスパシアヌスの名を出した時、デュランダルの顔が一瞬強張る。カガリはそれを見逃さなかったが、
ティトゥスにそれを知らされなかったことに対する、かすかな戸惑いや不審から出たものだと判断した。
97種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/12/16(日) 02:03:23 ID:???
「では続けます。こちらのロンド・ミナ・サハクが調べたところ、この男と思わしき人物が
 ウィテリウス・ウェスパシアヌスと名乗り、世界の数多くの企業を数々の偽名や代理人を使って買収、
 経営権を入手していることが分かりました。表向きは、世界有数の富豪ということになっていて
 事実は隠蔽されていますが……一度裏に回れば、経済界の大物です」
 ディスプレイの端に写真の映像が現れ、クローズアップされる。髭を生やした老紳士が色々な人物と
握手や談笑している。相手もまた知る人ぞ知る、経済界の大物達だ。
「他のアンチクロスが起こしたと犯罪事件を、彼がもみ消した可能性も高いと見ています。
 とはいえ情報源自体は信用できても、法的な証拠や裏付けはまったく取れないのが現状ですが……
 そして先日、ロンド・ミナが管理するアメノミハシラが、連合製MSと人造魔導兵器、そして我が国を
 襲ったアンチクロスの一人、ティベリウスに襲撃されていたことが判明致しました」
『なんですと……アメノミハシラは無事だったのですか?』
「お気遣い感謝します。幸いにもジャンク屋に保護されていたティトゥス達が居合わせ、
 ロンド・ミナの計らいでドクターウェストにより、彼専用のMMが製造されていたのが救いでした。
 そのお陰でアンチクロスの存在を知り、ウェスパシアヌスの捜査を始めたそうなのですが……」
「当然であ〜る! まがりなりにも我輩が手にかけた機体が、我が愛しきエェェェルザァァァァァ! が!
 あのようなセンスのない機体や魔導兵器なんぞに遅れを取るわけがっ!」
「うっせえロボと何度言わせるロボ。頚動脈を止めて落とすロボよ?」
 もう落ちてます、というか頚動脈どころか首グシャっと潰しましたよねアンタ。しかもそれでなんで生きてんだ
コイツ……唐突に復活し即倒れたドクターウェストと無表情なエルザを、死んだ魚の目で見るしかない一同。
 とりあえずコントは黙殺して、カガリとデュランダルはそのまま話を続ける。
「とにかく、ここまで言えばもう議長もお分かりでしょう?」
『……このウェスパシアヌスと言う男を含め、アンチクロス達は連合に与している可能性は高い、
 というわけですか。しかしその理由は一体? それに何故、同盟直前のオーブを襲うような真似を?』
「それは我々にもまだ詳しくは。しかし今問うべき問題はそこではありません……ザフト、ひいてはミネルバが
 連中と交戦する可能性が、十分に有り得るという点です」
 アンチクロスとそのMMの姿は結婚式を撮るはずだったメディアや現場に居合わせたジャーナリスト達の
手によって、既に世間へ広まっている。デュランダルだけでなく、シン以外の現場を見ていないミネルバクルーも
知るところだ。
 たった三機でオーブ艦隊を翻弄し、インパルスやセイバー、フリーダムを圧倒したその力。奴等と
ミネルバがもし真正面からぶつかれば──あまりいい予測は出来ない。
98種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/12/16(日) 02:04:45 ID:???
『──対アンチクロス戦力として、ティトゥス達を使えというのですか?』
「そうです、それが彼等自身の希望でもある。そしてドクターウェストの知識と科学力もザフトにとって
 有益でしょう……性格はまあアレですが。それに仮にMMを始めとする彼のノウハウをプラントが
 応用できるなら、独自での対魔術対策も立てられるかもしれません」
『おお! それは私は興味深……失礼、プラントにとって大きな利益となるでしょう。しかしオーブとしては、
 表向きとはいえ敵対するプラントに彼の技術が流出して構わないのですか?』
「その辺りは彼等の意思次第です。我が国に所属する科学者ならばともかく、フリーランスの人間が
 何処でどのように行動しようと、我々にそれを制限する権利はありません。それに、ノウハウを
 利用するのが貴国だけどは限らないでしょう?」
 暗に『既にこちらはノウハウを得ている』という意の発言である。挑発や脅しにも取れるこの発言は、
実際は大嘘だ。確かに破壊ロボやオーガアストレイのデータはアメノミハシラに保存されているが、
どちらも特殊すぎて実用には程遠い。ただ相手に魔導技術が伝わる可能性がある以上、こちらにも強みがある
という認識は持たせておかなければならなかった──少々敵意を買う危険があっても。
『なるほど……とりあえずこの件については十分に理解いたしました。結論はまだ出せませんが……』
 表面上は特に気分を害した様子のないデュランダルに、カガリ他オーブ関係者は小さく安堵の溜息を付き──
次に告げられた言葉で、再び背筋に緊張を走らせた。
『では彼等の件はそれで良しとして、アスラン──いえアレックス君を、特使としてミネルバに同乗させ、
 更に通信回線を増設させる件についてお聞きしましょう』
 来たな、とカガリは気を引き締める。この件が今回の話し合いにおいて一番重要で、一番ややこしい話なのだ。
アスランがミネルバに駐留できるかどうか、回線を繋げることが出来るかどうかで、オーブへの益は大きく
左右される。
 今の自分の技量で出来るかは分からないが、やるしかない──決意を新たに、カガリは切り出した。
「はい。オーブとしてもプラントとしても、かなり際どい行為であるとは理解していますが、是非」
『ふむ……まず私が疑問に思ったことを挙げましょう。何故、オーブとザフトを行き来するのではなく駐留という
 形を取られるのか。何故、その駐留先がミネルバであるのか。そして何故、わざわざアスラン・ザラではなく
 アレックス・ディノが送られてくるのか……私にはそこが気になります』
 デュランダルが投げ掛けた疑問は、カガリの意図を測りかねる者全ての代弁であり……彼女が
予想していたものと寸分たがわぬ問いだった。
 三点立て続けに疑問点を指摘されてもカガリは慌てる素振り一つ見せず、数週間前の彼女からは
想像出来ない落ち着き払った声で、疑問に対し返答した。
99種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/12/16(日) 02:06:00 ID:???
「駐留と言う形を取るのは時間ロスを少なくするためと、我々の繋がりを隠すためです。連絡事項が出来る度
 特使を行き来させるなど非効率極まるし、更に接触の度に周囲の目を気にしなければならない。ならばいっそ
 こちらの大使を駐留させ、彼を通じて情報を交換した方が都合がいいと考えます。通信では秘匿性の問題が
 残りますが、そこはオーブの技術を信じて頂きたい。暗号化やスクランブル用ソフトにはモルゲンレーテ
 だけでなくアメノミハシラの技術陣、それにドクターウェストにも協力をお願いしています」
『なるほど。それもノウハウの一環、というわけですか』
「さて、どうでしょうね?」
 まだ復活していない■■■■を一瞥し、デュランダルがニヤリと笑う。カガリもまた薄い笑みで応じ、
一歩も引かない。
『では次に、何故ミネルバなのですか? わざわざ最前線で闘う船に特使を駐留させるのは危険なのでは?』
「問題は我々の関係が公に出来るものではない、と言う点です。ザフト内でも極力知る者は少ない方がいい……
 FAITHの艦長が指揮を務め、議長の直轄に近いミネルバなら機密性は十分。議長自身が直接接触する
 機会を多いでしょうし、最前線で手に入る情報もまた貴重だ。何より、そう簡単に落ちる船ではないでしょう?」
『……そう言われてしまうとこちらは何も言い返せませんな。なあグラディス艦長?』
「え、ええ。代表の評価はありがたいですが、少々過大評価を受けている気がしますわ」
「謙遜しないでくれグラディス艦長。私もミネルバに乗っていたんだ、船やクルーの能力は
 信用に足ると確信している」
 突然話を振られ苦笑するタリアに、カガリは少しの気恥ずかしさも見せず言い切ってしまう。久方ぶりに
表へ出た彼女本来の真っ直ぐな気質に、場の雰囲気がわずかに和む──が、次に発せられた声と共に
その空気は霧散した。
「では、最後の疑問ですが……何故先日プラントに訪れたアスラン・ザラではなく、アレックス・ディノ氏を
 新たな特使として派遣なさる必要があるのですか?』
 モニターの向こう側にいる男から問われ、数秒カガリは答えぬまま沈黙を保った。部屋に居る
全ての人間が固唾を呑んで見守る中、少女はゆっくりと口を開き、
「……アスラン・ザラという人物は、オーブに存在しないからです」
 ハッキリと、そう告げた。
100種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/12/16(日) 02:08:28 ID:???
「……なんですと?」
『言葉通りの意味です。オーブ国籍にアスラン・ザラなる人物は存在しない……先ほどは少し
 言い方を間違えました。アレックス・ディノを新たな特使にするのではなく、『元から彼が特使だった』
 ということです。議長』
 モニターの向こう側にいる少女の言葉を、デュランダルは理解出来なかった。
「何を仰られるのですか。現に先日、アスランはプラントへ訪れ、私と面会を……」
『こちらの記録では、プラントへ向かったのはアレックス・ディノとなっています。行政府発効の書類から
 シャトルの名簿に至るまで全て。そちらの記録もそうではないですか?』
「……確かに、こちらの入国名簿や面会記録でもアレックス・ディノとして処理されてはいますが……」
『確かに私はアスラン・ザラとは親しくさせてもらっていますし、先日は彼の名を使い議長にコンタクトを
 取ろうとしましたが、それは急を要したためです』
 この話題に入ってから完全な無表情となった少女は、深々とデュランダルに頭を下げた。
『そのせいで彼を含め、議長他関係者各位に多くの誤解や混乱を与えてしまったことについては、
 謝罪いたします。更にここで明言させて頂きたい。アスラン・ザラはプラントに籍を持つ人間であり、
 私個人はともかく、オーブ政府とは何の関わりもありません』
 デュランダルは、少女の言葉の意味を測りかねていた。ここまで強情に、アスランとオーブの関係性を
否定する理由が分からない。素直にアスランを特使として駐留させるならある程度の問題はあれ、滞りなく
話は進む。これではこちらに不快感を与えるだけではないか。
『……更に補足するのであれば』
 語り終えたはずの少女が、再び口を開く。その内容を聞き、
『アスラン・ザラはプラント国籍の人間です。よって、プラント政府が今後彼に対し、どのような行動を
 起こしたとしても、我が国が関与する権利はありません』
 全てを理解したデュランダルは、始めて驚愕らしい驚愕をその貌に映した。
「……それは、軍への復帰を要請したとしても、ですか?」
『無論です』
 そういうことかと、デュランダルはこちらを真っ直ぐ見つめる少女を改めて見据えた。
 彼女は『アレックス・ディノ』と『アスラン・ザラ』の二面性を利用したのだ。ミネルバにアレックスが
駐留することは外部に知られてはならない……が、アスランが復帰し、ミネルバに派遣されただけというなら
話題にはなるかもしれないが、誰も疑問は挟まない。そして必要な場面──オーブとの関わりがある時だけ、
アレックスに戻ればいい。
 そしてこれにより、アスランという貴重な戦力をミネルバに組み込める。恐らく己の復帰が期待されている
のを、アスランがカガリに話したのだろう。駐留先にミネルバを推したのもそれを見据えてのことか。
「……アレックス君は、それで構わないと?」
『それがオーブの望みであるならば。覚悟は出来ています」
 なんということだ。アスランもそうだったが、自分は目の前の少女までも見誤っていた。
 否、もはや少女ではない。ここまで語ってきたきわどい政治的判断の数々に、感情を抑え理論的に
対話を行える交渉力。最強議長である自分に一歩も引かない度胸に、何より相手を引きこむそのカリスマ。
 ──彼女こそ間違いなく、ウズミ・ナラ・アスハの娘──オーブの獅子の子だった。
(やれやれ、本当に私は人を見る目がないようだ)
 確固たる意思をまざまざと見せ付けられ、デュランダルは自嘲げに笑った。
101種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/12/16(日) 02:09:59 ID:???
(上出来だ、カガリよ)
 デュランダルと互角の対談を続けるカガリを見て、ミナは満足そうに笑った。端々にまだ未熟な面も
見えるが、今の彼女に直情で突き進むだけの子供の姿は全くない──少なくとも、表面上は。
 横目で見るとユウナやトダカが彼女の立派な姿に感動しており、トダカに至っては今にも涙しそうな勢いだ。
分からないでもないがと苦笑しつつ、ミナはホゥ、と優雅に安堵の息を吐き出し……すぐ顔を引き締めなおした。
(これで大方問題は片付いた、後はこちらでフォローすれば……いや、まだ一つあったな)
 彼女の予想は、すぐに現実のものとなりデュランダルの口から飛び出した。
『アスハ代表、もう少し聞きたいことがあります。あのアークエンジェルとフリーダムについてです』
 その二つ、特に核動力搭載のフリーダムが、オーブにとって最大の泣き所だ。完全にユニウス条約違反の
機体であり、それをオーブが──それもカガリが独断で修理を命じたとあっては、大問題である。
 故にカガリやユウナ、ミナは協議の末、真実に大幅な嘘を練り込むことを決断した。
「……それが、私にも分からない所なのです。白状しますと、オーブは全大戦終結後、連合の脱走艦である
 アークエンジェルクルーの亡命を許可したのです。そして接収したアークエンジェルとフリーダムは、
 即刻解体、廃棄した……その筈でした」
 陰のある表情で俯くカガリ。それが演技ではなく、自分のために弟や仲間を貶めていることから来る
罪悪感によるものとは、知る者しか分からないだろう。
「アークエンジェルが出現した地域を捜索したところ、オーブ辺境の無人島の地下に、戦艦用のドックが
 発見されました。既に放棄されていましたが、どうやらここでアークエンジェルとフリーダムの修復が
 行われていたようです……同時に亡命していたアークエンジェルクルーの何人かが、行方を眩ましているのも
 分かりました。おそらく……彼等がアークエンジェルを使い、私を誘拐しようとしたのだと……思います」
 悲痛に歪めた顔を顔で隠す。傍目には完全に、仲間に裏切られた哀れな姫気味にしか見えないだろう。
実際攫われかけた時点で裏切られたも同然ではあるが、それを利用しているなどとは誰も気付かない。
『オーブは一切関与していないと仰るのですか? 単なる市民に戦艦やMSを修理し、秘密裏に
 ドックの建造など出来るものでしょうか?』
「……ある人物の力があれば、おそらく可能だと思います。彼女を支援する人々は数多い……この場で
 名を明かすことは出来ませんが、それは議長もお分かりの筈です」
 そう言われてデュランダルは押し黙る。彼女とは言わずもがな、ラクス・クラインのことだ。未だプラントの
クライン派や各組織に所属する多くの人間が彼女を支持し、それが『ファクトリー』や『ターミナル』という
未だ謎の多い組織となっているのは事実なのだ。実際あのドックの建造には、彼等も一枚噛んでいる。
 だがプラントで影武者を立てた手前、デュランダルはそれをここで追求する事が出来ないのである。
『……では、何故彼等は代表を攫おうと考えたのでしょう? そしてオーブは今後、彼等に対しどのように
 対応なさるおつもりですか?』
「おそらく連合との同盟に反対だったのでしょう、彼等は連合に裏切られた末脱走した人間ですから……
 しかし私を攫っただけでは何の解決にもならないし、そもそも彼等の行いは犯罪であり、決して
 許されるものではない。今までうやむやになっていましたが、オーブはアークエンジェル、そして
 フリーダムを全世界に指名手配するつもりです」
 これが、オーブの決定。戦力としては十分危険な存在で、何より同乗しているラクスの影響力は規格外だ。
何か行動を起こす前に確保──もしくは文字通り『切り捨てなくては』ならない。
102種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/12/16(日) 02:11:49 ID:???
 カガリは一度アスランの方向を向き、告げた。
「それと……アレックス・ディノに命ずる。もしミネルバ駐留時にアークエンジェルを発見した場合、
 投降するように説得を行え。もし従わない場合は武力をもってしての逮捕を……場合に、よっては……」
「……心得ております、代表」
 恭しく一礼するアスランに、カガリは暗い表情のまま、小さく頷いた。
「この件はプラントにも協力をお願いしたい。アークエンジェルを見つけたら投降を呼び掛け対応するか、
 もしくはオーブに連絡を。万一ミネルバと接触した場合は、アレックスの行動に便宜を図って欲しい」
『勿論です、彼等を野放しにしてはおけませんしな……しかし、オーブ軍は動かないのですか?』
「……正直、動けないというのが現状です。先の襲撃での被害状況はかなり大きいですし、何より──」
 カガリの表情が悔しげに歪む。これは演技ではなく、本心からの表情だった。
「──じきに連合から兵力を派遣するよう催促が来るでしょう。それを引き伸ばす為にも、極力兵力は
 隠しておきたい」
 重苦しい沈黙が降りる。デュランダルが、少しトーンを落として聞いてきた。
『……分かってはいました、もはや避けられぬと。しかしやはり、オーブは連合と結ばざるを得ないのですね』
「ええ、あの襲撃で結婚式こそ白紙になりましたが、それだけのこと……現状は何一つ、変わっていない。
 我が国には圧力も、軍事力もはね退ける力はない。プラントと結ぼうとも、我が国を守ってくれるほどの
 戦力はない……そうでしょう?」
 無言は、肯定の意。例え裏でどれだけ親睦を深めようとも、いつか戦うかもしれない……それが、運命。
「……もし、オーブと闘うことになっても、躊躇の必要はありません。我等が敵対するのです、ザフトが
 我々に手心を加える必要はない。兵達もそれは覚悟して──」

「──ふざけるな!」

 怒号が、部屋に響き渡る。視線が一気に一人の少年に集中する。
(やはりこうなるか……カガリの予想通りだな)
 憤怒の表情でカガリを睨みつける赤い目の少年……かつてのオーブの決断、その負の面を一身に受けた、
オーブの民。カガリが彼にどのような対応をするか見極めるため、ミナはしっかりと状況の推移を見定めていた。
103種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/12/16(日) 02:13:30 ID:???
「勝手なことばかり言いやがって! アンタが不甲斐ないからこうなったんだろうが!
 そっちの都合だけプラントに押し付けて、闘う時は手加減はいらないだって? 舐めてるのか!」
「ちょっとシン、何言い出すのよ!」
「よせシン、ここが何処だか分かっているのか!?」
 シンは我慢がならなかった。やはりアスハは何の力もない、自分達のことしか考えてないヤツなんだと、
憎しみに汚染され、歪んだ思考はそう結論した。身体はルナとレイに抑えられたが、口を付いて出る憎悪は
止まらない。
「結局アンタは自分以外がどうなろうと知ったこっちゃないんだ! あの時オーブを攻めた地球軍と
 同盟なんてして、そのせいで誰が苦しむと思う!? 俺達ザフトやオーブ軍の兵が死ぬんだぞ!
 アンタの身勝手のせいで! 今までだってアンタ達アスハの身勝手で、どれだけの人が犠牲になったのか
 分かってるのか!?」
「アワワワワ、シンちょ、おま、なんてことをおぉ!?」
「シン、よしなさいっ! ルナマリア、レイ! この馬鹿をどうにかなさい!」
「構わない、グラディス艦長」
 アーサーは顔を青くし、激怒したタリアが叩き出すよう指示を出す。しかしそれを留めたのは、
暴言を受けているカガリその人だった。
 そんな周りの声すら耳に届かぬまま、シンの怒りは留まることなく燃え続ける。
 理念の為に国を焼いた。理念のせいで家族は死んだ。それなのに、コイツは──!
「散々言ってたオーブの理念はどうした! 理念理念って、ずっと奇麗事ほざき続けて!
 いざ都合が悪くなったら簡単に捨てるのか! なら最初から理念なんて語るな! 何処までいい加減で
 身勝手なんだ、アンタ達は! こんな国、敵に回るって言うんなら今度は俺が滅ぼして……!」
 ドンッ! と大きな音が響き渡り、シンは身をすくませ口を止めた。視線が集中する中、デスクに手を
叩きつけたカガリが、シンの目の前へつかつかと歩いていった。
 目の前のアスハを睨みつけ今にも飛び掛りそうなシンをレイとルナは更に力を込めて拘束するが、
カガリがそれを解くよう指示した。レイは簡単に、ルナは不安気に渋々と拘束を解く。
「……憎いか?」
 たったの一言。カガリの発した言葉に、シンは一瞬ポカンとした。
「お前の家族を守れなかったオーブ、理念を優先し奇麗事ばかりを言うオーブ、国を焼いた連合と同盟して
 ザフトの敵に回るオーブ──オーブが、アスハが憎いか?」
「……ああ、憎いさ! 俺達を見捨てたアンタ達アスハが、そんな連中がのうのうと生きてるオーブが、
 俺は憎い!」
 だろうな、とアスハは神妙な頷く。その悟りきったような顔が、シンの感に触った。
104種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/12/16(日) 02:16:28 ID:???
「お前の憎しみは当然だ、信じていた国に家族を殺されたも同然なんだからな……それは父ウズミの過ちであり、
 後を継いだ私が負うべき責任だ。いくら頭を下げようとも償いきれない。お前も許してはくれないだろう」
「あ、当たり前だ!」
「だが、それを全て承知した上で、ハッキリ言わせてもらうぞ」
 カガリの眼が、真っ直ぐシンの顔を見据える。そこに宿っている強い意志の光に、シンはたじろいだ。
「……二度と、同じ事は起こさない」
「な……」
「もう絶対に、一人たりともオーブで平和に暮らす民を殺させはしない。誰にも、相手が連合だろうと
 ザフトだろうと……例えお前でもだ。そのためなら私は何でもやる。土下座し、泥を被り、他人を偽り……
 命を奪う。兵を使い捨て、他国の兵や民を殺し、友人知人を利用し──そして、私の血も流そう。いくらでも」
 口が開かない。さっきまで流れ出るままに罵声を吐いていた口は痺れ、言葉を紡ぐことが出来ない。
「理念も国の威信も、国民を守ることが何よりの大前提──それが私の考えだ。今の理念の全てを否定はしない。
 だがそれを理念が阻むなら、私はそれを捨てる……いや、より良く変えてみせる!
 それが守れなかった者達への償いであり、私が背負うべき責任であり、罪だ。
 ──全てを背負う覚悟は出来ている。私は、闘う」
 シンはもう、何も言えない。自分が圧倒されていることを必死で否定するが、身体は動いてくれない。
「既に失ってしまったお前は、納得はいかないだろう。どうしても許せないというなら……私を殺せ」
 突然の言葉に、驚愕がシンを含む全員に広がった。それはたった今まで平静を保っていた、
 ユウナ達オーブの人間も同様で。
「罪には問わせない、オーブの代表として誓う。だが、お前には責任を負ってもらうぞ……オーブに、
 私の言った考え以上の結果を出してもらう。それが残った者の背負うべき使命だ──覚悟があるなら、やれ。
 出来るなら私は喜んで命を差し出そう」
 胸に手をやり目を瞑るアスハを見て、激しく動揺するシン。体中がガタガタ震える。

 ──そんな、俺はオーブの事なんて……どうすればいいかなんて、俺には──

 撃てるわけがないと、頭は最初から分かっている。自分の手で殺すなんて許されない、出来る筈がない。
 しかし、シンの心の奥底で、暗く甘い毒が蠢き、噴き出る瞬間を待っているのもまた、事実。

 ──何を躊躇してる? 憎いんだろう? オーブが、目の前のアスハが憎かったんだろう、お前は!

「俺は、俺は……クソ、クソッ、クソッッ! クッソォォォォォッッッ!」
 シンの手が震えを無理矢理押さえつけ、護身用ナイフを取り出そうと懐に入れられ──
「……やめておけ」
 その手を、何時の間にか詰め寄った男の手が止めた。
「ティトゥス、さん……」
「敗れた者の足掻きは、惨めだぞ」
「……っ」
 ティトゥスの深い諭すような声に、シンはただ俯き……カガリから逃げるように、後ろへと下がった。
105種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/12/16(日) 02:19:14 ID:???
「……ま、まあその流れる血を少なくすることが、ボクらの使命でもあるんだけどね」
 額に浮かんだ大量の冷汗を拭いながら、しどろもどろにユウナがフォローを入れた。
「そっちにはアレックスが行くわけだし、事前に連絡さえ取れれば戦場でもうまく立ち回れるでしょ。
 それにこっちも早々連合に従ったりはしないさ、せいぜい焦らしてあげるよ」
『そうは仰られますがユウナ氏。下手なことをすれば同盟自体が危ぶまれるのでは?』
「心配は無用だ」
 デュランダルの問いへの答えを、ミナが引き継ぐ。
「我がオーブ軍最高司令官として本国に復帰する。それだけでも連合への牽制にはなるだろう。
 アメノミハシラの力は連合もよく知っているからな……議長も存じていよう?」
 ザフトも散々手こずったのだからなと言外に込められ、デュランダルは苦笑する。
 シンから離れ、再びデュランダルと向き合ったカガリが、告げた。
「そして最も流れる血を少なくする手段は、終戦。議長、オーブは今後連合の内部で同じく同盟を
 受諾せざるを得なかった各国家、及び大西洋連邦の非主流勢力と接触し、連合全体の流れを終戦の方向へ
 持って行くよう動くつもりです。連合に反発を持つ国家は少なくない、有効な手段となる筈です」
『……連合を内部から変えていくと仰られるのですな』
「そうです。そして敗戦色が濃厚となれば必ず、ザフトと接触し停戦に持ち込もうとする国家が現れ、
 増えていく筈です……それらの国家との交渉の機会は、オーブが取り付けましょう。
 だがそのためには、ザフトには勝ってもらわなければならない」
 カガリは深々と、その頭をデュランダルに大して下げた。
「議長、一刻も早い終戦のため、平和のために……我々に力を貸して頂きたい」
『……顔をお上げください、アスハ代表。オーブの覚悟、しかと見させて頂きました。
 こちらからお願いしたい。表沙汰には出来ぬとも、共に戦いましょう。平和のために』
 今度はデュランダルが頭を下げる。それと同時に、誰かが拍手を上げた。拍手は伝播し、やがて大きな
物へと変わっていく……一瞬ギターのやかましい音がしたが、鈍い音と共に止まった。
 ──オーブとプラントの今後の未来を大きく左右することとなる協力関係はこの時、結ばれた。
106種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/12/16(日) 02:21:28 ID:???
「なんか、とんでもないことになったわね」
 トダカの車に送られミネルバの前まで戻ってきたルナマリアは、呆然とそう呟いた。未だに先ほどの話の
スケールの大きさに、理解が追いついていない。
「魔術とか裏取引とか議長がオカルトマニアとか、正直ワケ分かんないわ……あ、でもアスランさんが
 ミネルバに来るのはちょっと嬉しいかも。メイリンにも教えてあげよ♪」
「ミネルバの中ならいいが、あまり外でその手の話をするなよルナマリア。俺達は……
 いや、ミネルバはかなり危ない機密を背負うことになったんだからな」
 淡々と釘を刺すレイに、はいはいと不真面目に答えるルナ。しかしその気の抜けた顔も、後ろからトボトボ
歩いてくるシンを見ると複雑になってくる。
 細かい打ち合わせは、まだ行政府で行われている。しかし彼等三人は見事に追い返されることになった。
シンを呼んだ目的は果たされたということと、これ以上は本気でヤバイ最高機密に関わるためという理由からだ。
 帰り道の間、シンはずっと悔しげに顔を歪めていた。憎きアスハにあそこまで言われて、自分は何も
言い返せはしなかったのだ、当然だろう。時折震えていたのはあの暴言のせいで、タリアの説教確実だからか。
「ねえシン、元気出しなさいよ」
「別に、元気がないわけじゃないさ……悔しいんだ」
 それを元気がないって言うんじゃ──そう言おうとしたルナの言葉は、シンが続けた言葉で止まった。
「ユニウスセブンが落ちてから、俺は全然成長してないってずっとイジイジしてたのに……何時に間にか
 アスハのヤツがあんなに色々考えてて、色々やって。イジけてた俺が、すごく情けなくて、悔しい」
 ルナは信じられなかった。始めてシンの口から、カガリへの『否定的でない』発言が出たことが。
「シン、あんたアスハ代表が嫌いだったんじゃ……」
「今でも嫌いだよあんな女! 我侭で偉そうで、好き放題言いやがって……けど、アイツが言ったこと、
 全部が全部間違ってたわけじゃないだろ」
 そう言ったシンの顔には、少し赤味が差していて。すぐさま慌てて、しどろもどろに言葉を続けた。
「べ、別に認めたわけじゃないぞ! 何時裏切るかも分からないんだ! その時は本当に俺があいつを
 ぶっ殺してやる! そして俺があいつの代わりに平和に暮らしてる人を……この国の人達も、全員
 守ってやる! そのくらい強くなってやる! 見てろよ、アスハ!」
 勝手に一人で自爆した挙句自己完結し、シンはミネルバへと走っていった。それをポカーンと呆けた顔で
見ていたルナマリアは、
「レイ、あれ……」
「ルナ、俺は前に言ったな。例えオーブが変わっても意味がない、シン自身がオーブを許せるほどに
 強くなるのか、憎しみの対象が消え去らなければ固定化されたシンの憎しみは消えないと」
 コクリと頷く。レイはシンの走っていった方向を見ながら、滅多に見せない優しい笑みを見せた。
「どうやらもう一つ手があったようだ。アスハが、オーブが新たな道を進んでいるという事実を無理矢理、
 強制的に認めさせるという荒業がな……とんだショック療法だが」
「……そっか」
 ルナは笑った。シンの憎しみが少しだけ、ほんの少しだけ小さくなったのが、ただ嬉しかった。
107種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/12/16(日) 02:25:22 ID:???
「し、死ぬかと思った……」
 所変わってオーブ行政府。休憩としてタリアとアーサーを一度退室させ、デュランダルとの通信を一時切った
首長室で、カガリはチェアにどっと座り込み、背もたれに身体を倒して脱力した。
 ちなみにシン達赤服だけでなく、ティトゥス達にも一度帰ってもらった。今頃モルゲンレーテで
オーガアストレイの調整中だろう……頭から何か垂れ流しながらエルザに引きずられていったドクターウェストが
少し気になったが、気にしないことにした。
「カガリ君ってコはバカァ! バっカじゃないのほんとにもう! これは策か!? ボクを心臓発作に
 陥れる為の罠か馬鹿!」
「う、うるさいユウナ! バカっていうほうがバカなんだぞ!」
「ユウナは少しハジケ過ぎだが、カガリ。本気で心配したぞ、あのアドリブは……ティトゥスがいなかったら
 どうなっていたか」
 アスランにも言われふくれっ面になるカガリからは、先程までの首長然とした態度は消えていた。いつもの
直情で真っ直ぐなカガリ・ユラ・アスハその人だ。
 先程までの会話の三分の二くらいは、ユウナやミナが必死こいて仕込んだものだった。流石に首長としての
自覚が付いてきたとはいえ、一日二日でそう人は変われるものはないのだ。だが度胸やカリスマはカガリ
本人の持ち味であり、仕込んでいたとはいえあれだけ語れた以上、素質はある。
 それに、三分の一はカガリ自身の言葉なのだ。特にシンへ語った覚悟は、アスラン達の胸すら打つほど
素晴らしいものだった──ただし、後半は本当に余計だとこの場の全員が思っていた。
「悪かったよ……最後の方は謝る。ただ、シンにはハッキリと、私の考えを伝えておきたかったんだ。
 それが私の責任だと思ったから……だからわざわざ適当に理由をつけてここに呼んだんだからな」
 カガリは本当に、真っ直ぐで直情で、単純だ。だがだからこそ、本当にやるべき事の本質が見えている。
今まではただ目標だけに目が眩み、一人で先走って手段を取り違えていたけれど。
 なら、フォローしてやればいい。その為にユウナが、ミナが、そしてアスランがいるのだから。
「ミナ、これからよろしく頼むぞ。お前の力を貸してくれ」
「ああ、今の貴様には我が従うだけの価値がある。その間は我が手を貸そう……だが肝に銘じておけ。
 我等の敵は強大だ──連合、魔術師。そして最悪、神とも闘わなければならん」
「ああ、分かっている……さて、休憩ももう終わりだな」
 カガリがデスクに座り、両手を組む。アスラン、ユウナ、そしてミナ。信頼できる仲間が、彼女の傍らに立つ。
「もう、私は迷わない……オーブの民を守るためなら、例え神が相手でも戦い抜く。そのために……
 まずは戦争を終わらせる!」
 そして、世界を一つに──芽吹いた種と覚悟を胸に、彼女の戦いは幕を上げた。



to be continued──


108種死逆十字書き ◆oN23gQHrEc :2007/12/16(日) 02:28:40 ID:???
なんとか終わらせたぜこんばんわ〜!
よし、ちゃんとシン切れるまでやれたぜ。

シンの憎しみ解除フラグ一つ目&真カガリ可動開始の巻。おそらく作中最後かもしれないカガリの魅せ場(ぇ)
とにかく会話ばかりだけど、楽しんでいただければ幸い。次回はまた戦闘、かな(−−;)
ウェスパシアヌスが裏経済界のドンになってるってのはまあ、ロゴスに入れるくらいだからねえw
西博士は動かすと話が長くなるから、今回はちょっとだけ。次回からは弾けれるかな。

次回からはオーブ脱出の巻。わー、カニカニ! 飛びます飛びます!
とりあえず魔導合金延びすぎだろ……
109通常の名無しさんの3倍:2007/12/16(日) 03:53:12 ID:???
逆十字氏乙!!
相も変わらずすばらしいです、色々と。
110通常の名無しさんの3倍:2007/12/16(日) 12:14:22 ID:???
GJ!
あかん、シリアス過ぎて博士の登場シーン増量を望んでしまったw
111通常の名無しさんの3倍:2007/12/16(日) 13:10:30 ID:???
あぁチクショウ面白すぎて読み終わったのに続きが読みて―――!! とりあえずGJッス!
しかしアレだな、逆十字はホント両方の作品のキャラがマジに魅力的だ
112通常の名無しさんの3倍:2007/12/16(日) 14:08:19 ID:???
最強議長
113通常の名無しさんの3倍:2007/12/16(日) 18:12:27 ID:???
GJ〜!
キラ達は身内(と思ってる)に告発されて孤立無援。
さらなる暴走が期待されますなwww
そういやネロはどうしてんだろ。まだアメノミハシラに居るのかね?
114通常の名無しさんの3倍:2007/12/16(日) 21:24:45 ID:???
キラは魔道書と契約して再登場とか



この世界の人間で唯一鬼械神を自由に召還出来たり
115通常の名無しさんの3倍:2007/12/16(日) 21:37:52 ID:???
『アウトサイダーその他』の原本と契約…
116通常の名無しさんの3倍:2007/12/16(日) 22:38:43 ID:???
キラは魔術師の属性としては「土」っぽいイメージあるなぁ。
ほら、近くに地球皇帝いたり、ラクスが邪神っぽかったりするせいかな。
117通常の名無しさんの3倍:2007/12/17(月) 13:00:00 ID:???
118通常の名無しさんの3倍:2007/12/17(月) 18:22:09 ID:???
キラの魔導書はもちろん「Y脚本」ですよね
119通常の名無しさんの3倍:2007/12/18(火) 12:57:31 ID:???
そこはモロサワ断章だろ?
あと、福田篇でも可。
120通常の名無しさんの3倍:2007/12/18(火) 15:02:43 ID:???
ちょっとひねって「腐脚本典儀」が良くないか?
121通常の名無しさんの3倍:2007/12/18(火) 18:28:03 ID:???
キラにぴったりの魔導書(魔術知識は載ってませんが)を見つけたぞ
少なくとも俺は観てて(ストレスで)気が狂いそうになった

「ガンダムSEED DESTINY」って言うんだけど…知ってるヤツいるかな
122通常の名無しさんの3倍:2007/12/18(火) 18:36:51 ID:???
知ってるぜ……
嫁とかいうやつが書いた、負ならぬ腐の力が強すぎる魔道書だな……
締め切り間近のくせにクソ監督の夫とラジオに出たり
「次のガンダムもよろしく!」とまるで自分がまたガンダムやれると勘違いしたやつが夫の人間の書いた…

負債はマジで死んで欲しい。京都での講演でボロ出しやがったし。
123通常の名無しさんの3倍:2007/12/18(火) 18:57:45 ID:???
>>122
なにやったの?
124通常の名無しさんの3倍:2007/12/18(火) 19:04:18 ID:???
『嫌なら見ないでくださいよ。でもガンダムだと何故か皆見てくれるんですけどね』発言(京都大学での講演)。
125通常の名無しさんの3倍:2007/12/18(火) 19:08:57 ID:???
・ファーストガンダムではあったエンターテイメントが、
それ以降のガンダムには無かった。SEEDにはそれがあるからヒットしている

・嫌なら見ないでくださいよ。でもガンダムだと何故か皆見てくれるんですけどね

・SEEDの前番組であるウルトラマンコスモスの後に作られる予定だった
ウルトラマンの名称〈ウルトラマンジャスティスとジャスティスガンダム〉が重なり、
それに対し『こっちは天下のガンダムだぞ。お前らが避けて通れってね』
と京都大学アニメーション同好会主催の講演会で発言

・所詮アニメでの戦争はファッションでしかない。新聞は朝日と毎日を読んでいるけど、
アニメのそれはそれほどシリアスじゃないし、反戦論って言っても、
難しいからわからん。 息子とテレビ見ながら戦争っていけないねーっとか、その程度。

・ガンダムというブランドを使わない手はないでしょ


以上。
まあ京都の以前に言ったのもあるけど、ウルトラマン関連に関してはマジで許せん。
126通常の名無しさんの3倍:2007/12/18(火) 19:17:38 ID:???
過去だとまだまだあるなあのクソ監督

『G(機動武闘伝Gガンダム)は戦争から逃げている』    ←Gは元から戦争のことをテーマにしていない
『W(新機動戦記ガンダムW)は綺麗事』            ←自身の作品のことを棚上げに刷るな
『X(機動新世紀ガンダムX)はほとんど見ないで返した』  ←見ないことを自慢げに語るとは何事だ
『(SEEDは)髭なんか生えていないちゃんとしたガンダム』 ←あれでちゃんとしてるとは笑止千万w

よくわからんのが

『連れション感覚で戦争に参加する間違った友情を描いた』 ←これ。どういう意味?

あと上のでヒットしてるというけどそれかなり特定層での話だし
実際売れてるのはプラモとかぐらいじゃなかった?
127通常の名無しさんの3倍:2007/12/18(火) 19:18:15 ID:???
種厨が負債の忠実なコピーだってよく判る発言だな
128通常の名無しさんの3倍:2007/12/18(火) 19:21:36 ID:???
これが捏造とかじゃなくマジなのがさらにな…
129通常の名無しさんの3倍:2007/12/18(火) 19:48:12 ID:???
何かおかしな流れになってるなあ……けど福田発言についてはどれも事実なのがまた空しい。


ところでティトゥスの中の人って確かジャン・キャリーなんだよな。さらに言えばアーカードやギロロとかも。
130通常の名無しさんの3倍:2007/12/18(火) 20:24:26 ID:???
中の人の事は言い出したらキリがないからやめとけ。
「ココで流れ切るけど良いよね? 答えは聞いてない!」
131通常の名無しさんの3倍:2007/12/18(火) 20:54:13 ID:???
じゃ流れを戻して……
キラの魔導書は「偽善祭祀書(別名:桃色の書)」で問題ないかね?
132通常の名無しさんの3倍:2007/12/18(火) 20:58:19 ID:???
>>131
なんて恐ろしいもの……宿る精霊は桃色のアレですか
あ、でも無乳同士でアルと気が合うのか?
133通常の名無しさんの3倍:2007/12/18(火) 21:39:07 ID:???
え、「嫁蛆の秘密」じゃなかったの?
134通常の名無しさんの3倍:2007/12/18(火) 21:56:41 ID:???
それはラクスの魔道書だ。それがある限り永遠にやつが種死のヒロインになるという
恐るべき書だ。
135通常の名無しさんの3倍:2007/12/18(火) 21:57:13 ID:???
『よめしゅのひみつ』に養命酒吹いたwww

俺は『ボロサワの書』を押しておく
136通常の名無しさんの3倍:2007/12/18(火) 22:01:32 ID:???
>>129
お前は甘い!
wikipediaとか見りゃわかるけど超ベテランだぞ。
というかデモベの声優はみんな有名声優(特にブラックロッジ)

ラクスの魔道書は「妖嫁の秘密」じゃなかったっけ?
いや語呂的にはそっちのほうがいいけどw
137通常の名無しさんの3倍:2007/12/18(火) 23:03:19 ID:???
>>131
「フジョシノ男娼」でいいんじゃないのかw
138通常の名無しさんの3倍:2007/12/18(火) 23:29:06 ID:???
凸の魔道書「無毛祭祀書」
139通常の名無しさんの3倍:2007/12/18(火) 23:34:26 ID:???
福田詩篇
140通常の名無しさんの3倍:2007/12/18(火) 23:37:33 ID:???
フレイの魔導書「ア=ハーン断章」という電波を受信してしまった。
141通常の名無しさんの3倍:2007/12/18(火) 23:46:25 ID:???
>>131-140
どんな鬼械神召喚されんだよwww
142通常の名無しさんの3倍:2007/12/19(水) 00:48:44 ID:???
>>141
                 __,,,,、、、、,,,,,__  ゙!ヽト、
            ,、-''"´   _,,、-‐   `ソ .! ゙i
          /     /::     ,ノ  ノ l\
         /.:     /:::::    _/ ;/  /   ヽ
       /.:     /:::::    _/ ;/  /     ヽ
      / ..::: .:  .:  :j:::: .: i //,.イ /     :  ゙、   
     i ..::::i:::::::: i::i:..::l l:i::::::::::|;:   ───゙i .:: .:::  ゙!
     | i:::::|:::::::::l::l:::::|-゙!ヽ::i;:l,ヽ| ̄ ̄ ̄| ノ:::::;ィ:::  jl !  
     ゙i.|::::|;::::i:::|::l'ヽ! ゙ ヽぃ:、|┬┴ ト|///;ハ:::. / i   
     :.!゙!::|ヽ、-、ヽ!       \/__ノ  \/ ̄ト.|      
      Y::ヽ:!\\          ̄ ノ   \ ̄ ̄ヽ      
      j:i::::l´iヾ| |         /  __ノ    ) 
     :/::l:::::::j:::::゙!        /────-フ /l     ホモホモ〜☆
     __,ノ::::_/:::::::| 、       \二二二/ /:: .!     アテクシがキラきゅんの鬼械神よホモホモ〜☆☆☆ 
     ,;/レ' ::::::j、_ ゙ヽ    \      /:::  |    
     :::::/  .::/:/  ゙゙゙̄''''-   \__/ /::  /     
    :::::/  .::/:/       ゙゙゙''''-───-/::::: ./:j
    / /:::/               //:::::;ィ//
143通常の名無しさんの3倍:2007/12/19(水) 12:01:46 ID:???
なんとおぞましく、名状しがたき物か・・・
144通常の名無しさんの3倍:2007/12/19(水) 14:55:02 ID:???
ニートデス・ワン
145通常の名無しさんの3倍:2007/12/19(水) 19:48:14 ID:???
フサイ・オブ・ゴールド
146通常の名無しさんの3倍:2007/12/19(水) 20:37:29 ID:???
フサイクラノーシュ
147通常の名無しさんの3倍:2007/12/19(水) 20:45:44 ID:???
ボーロ・サワーキー
148通常の名無しさんの3倍:2007/12/19(水) 21:52:52 ID:???
く、九郎。何じゃこの名状しがたき奇っ怪な鬼械神の大群は!
149通常の名無しさんの3倍:2007/12/19(水) 23:49:37 ID:???
でも魔力も気合も足らなくて中身スッカスカなんだろうな鬼械神
150通常の名無しさんの3倍:2007/12/19(水) 23:51:20 ID:???
きっと中身は負債補正という名の呪いに満ち溢れてるよ。
151通常の名無しさんの3倍:2007/12/19(水) 23:56:21 ID:???
壊した瞬間呪いが撒き散らされて周囲を汚染するのか。。。
なんておぞましい
152通常の名無しさんの3倍:2007/12/20(木) 00:18:36 ID:???
輝くトラペゾヘドロンでアザトースの庭に封じ込めないと。
レムリアインパクトでは昇華しきれん。
153通常の名無しさんの3倍:2007/12/20(木) 01:02:06 ID:???
お前は次に「止めて! それだけはっ!!」「いっそ死なしてええぇぇぇ!!」
と、言う……
154通常の名無しさんの3倍:2007/12/20(木) 09:57:27 ID:???
なんと!なぁぁ〜〜〜んと!!デモンベインでも倒せないものがあるとはお笑いであるな!
こんなの我輩の無敵ロボにかかれば二つや百つくらいちょちょいのちょいであ〜〜る
155通常の名無しさんの3倍:2007/12/20(木) 10:12:31 ID:???
>>152
アザトース様が受け取りを拒否され返品されました。
156通常の名無しさんの3倍:2007/12/20(木) 19:16:33 ID:???
>>155
受け取り拒否した後庭でシンとチェスに興じるアザリンを幻視した俺……
157通常の名無しさんの3倍:2007/12/20(木) 19:39:53 ID:???
つまり、種・種死の世界は邪神の力によってループする世界だったんだな。
シンが最終+で泣きながらキラの手を取ったのは自身の敗北によって
夫妻の書くループから出られたことに対する喜びだったのか。
158通常の名無しさんの3倍:2007/12/20(木) 20:36:44 ID:???
つまりお兄ちゃんエンドか
159通常の名無しさんの3倍:2007/12/21(金) 00:42:02 ID:???
しかしシンにとってはそれが一番幸せなエンド。
160通常の名無しさんの3倍:2007/12/21(金) 01:14:36 ID:???
キラやラクスに「お兄ちゃん」なんて呼ばれてみろ
俺は発狂する自信があるぜ
161通常の名無しさんの3倍:2007/12/21(金) 08:23:55 ID:???
>>156
シンだとチェスよりも囲碁のイメージがある
中の人ネタじゃなくて、たねきゃら劇場的に
162通常の名無しさんの3倍:2007/12/22(土) 15:02:38 ID:???
アザリンと庭でチェスは喋くる混沌な漫画のネタだったんだけどなぁ……流石にマイナー過ぎた?

>>160
それだとアレにも納得出来そうな俺が居る
種死本編終了→キラアスはおろかウナト等のお兄ちゃん攻勢を受け続けていたと考えるとさ
163通常の名無しさんの3倍:2007/12/22(土) 17:56:24 ID:???
天使のお食事か。ヒロインは吸血鬼だったよな。
164通常の名無しさんの3倍:2007/12/24(月) 04:49:06 ID:???
保守っとこ
165通常の名無しさんの3倍:2007/12/26(水) 00:10:34 ID:???
誰もこなくなってきたな
166通常の名無しさんの3倍:2007/12/26(水) 02:22:53 ID:???
なに、そろそろドアをカリカリ引っかく音が──
167通常の名無しさんの3倍:2007/12/26(水) 07:01:58 ID:???
マジでどっかに合流でもする?
168通常の名無しさんの3倍:2007/12/26(水) 08:23:21 ID:???
こうなったら職人をいろんなところから呼び込むしかない
169通常の名無しさんの3倍:2007/12/26(水) 08:47:52 ID:???
喚び込むんだな
170通常の名無しさんの3倍:2007/12/26(水) 11:54:53 ID:???
ルイズもののところから呼んでくるしかない
171通常の名無しさんの3倍:2007/12/26(水) 12:26:28 ID:???
双剣の人かよ
172通常の名無しさんの3倍:2007/12/26(水) 14:36:20 ID:???
あちらでも一か月以上見てない


………まさかティンダロスの犬に喰われたか?
173通常の名無しさんの3倍:2007/12/26(水) 16:41:06 ID:???
みんなー! 部屋の角から逃げるんだ!
174通常の名無しさんの3倍:2007/12/26(水) 17:06:51 ID:???
大変だ!!>>176が逃げ遅れた!!
175通常の名無しさんの3倍:2007/12/26(水) 17:55:09 ID:???
デモンベインではなくき○がいのデモンペインでもつれてこないとな
176通常の名無しさんの3倍:2007/12/26(水) 19:29:22 ID:???
ぎゃー!
俺の腋からティンダロスの猟犬g
177通常の名無しさんの3倍:2007/12/26(水) 21:31:21 ID:???
あぁっ、>>176の腋に不浄っぷりに不浄が本質のはずのティンダロスの猟犬が倒れたッ!?
178通常の名無しさんの3倍:2007/12/27(木) 01:23:54 ID:???
いや待て!よく視ればこのてぃんだろす、「ひでぽんの書」に出てくるふたなりじゃないか!!
確保確保!!
179通常の名無しさんの3倍:2007/12/27(木) 03:05:12 ID:???
相変わらず濃いスレだ。
一般人には半分どころか、きっと一割も通じないぜ!


デスティニーベインとか紅い死霊秘法の続きはもう投下されないのかなぁ……
180通常の名無しさんの3倍:2007/12/27(木) 08:55:57 ID:???
職人はどこ?
ってかよびこめ
181通常の名無しさんの3倍:2007/12/27(木) 12:44:34 ID:???
リリカルなのはのクロスのところから職人をぬいてくるいかない
182通常の名無しさんの3倍:2007/12/27(木) 13:14:21 ID:???
今度は向こうの作品が中断されたり、他の作品にまた浮気するんですね!分かります!
 
まあ、なんだ。いつかは来るはずだ。永劫の螺旋の中で我々は旧神達が戻ってくるまで待ち続けようではないか。
 
全裸で。
183通常の名無しさんの3倍:2007/12/27(木) 13:19:46 ID:???
赤い翼のデモンベインの続編が非常に見たい俺が居てならない。
184通常の名無しさんの3倍:2007/12/27(木) 14:13:47 ID:???
どこからでもいいから職人こい
つーか俺がかくしかないか?(鬼神飛翔の方をクリアしたら書くかもしれん。期待はするな
走る、崖下へと
視線の先にあるのはピンク色の携帯電話
マユが落としたんだ
マユが大事にしていたものだから、拾わないと
でも急がないといけない
ほら、あんなにも近くで戦闘の音がする
だから急がないと
走る、崖下へと
滑るように下って、そして拾う
ピンク色の携帯はちょっとした傷がついただけ
よし大丈夫、壊れていない
胸を撫で下ろし、そして家族の下へと向かおうとして

――光が奔った

世界が爆音と荒れ狂う暴風に呑まれた
吹き飛ばされる体
空を舞う、見える地面
叩きつけられ、跳ねて、一瞬世界が真っ暗になる
そして気づく
誰かに起こされる
そして見る
確かに、今、そこに、今まであったものを
「あ……ああ………」
声が、出ない
燃えている、森が燃えている
今、さっきまで走っていた森が燃えている
燃えている、道が燃えている
今、殺気まで走っていた道が焼かれている
そして見る
186通常の名無しさんの3倍:2007/12/28(金) 04:59:55 ID:???
「あああ………ああああ、ああああ………!」
裂けた腹部、押し潰されはみ出た腸
千切れた腕、噴水のように湧く血の泉
叩きつけられ飛び出た眼球は木の枝で潰れて脳髄が髪の毛にこびりついて
灰色が灰色で脳は目玉がぶらぶらぶらさがっていててててててててててててて
ああ嘘だ嘘だ違うそんな嫌だ違う違う違う腕が千切れて腕腕腕手がそんな
どうしてああ、嘘だ、嘘だ、嘘だ

かあさんが とうさんが マユが        
            
潰れて             千切れて

けて
                        シンで

        いる


「あ…ああ………うああああああああああああああああああああああああああああ
 あああああああああああああああああああああああああああああああああああ
 あアアアあああああ!!!!!!!!!!!!!」


***********


「ッッッ!」
そこで夢は終わった。
目の前にあったのは見慣れた自室の天井、真っ白なそれがまぶしく眼を細める。
「起きたか、シン」
「………レイ?」
ゆっくりと起き上がり声のしたほうを向けばそこにはレイの姿がある。
「うなされていたようだな」
「あ……うん」
今見た夢を頭から追い出したくて、顔を腕で隠す。
そこで、思い出す。
「俺……どうなったんだ? 攻撃を受けて死んだんじゃなかったのか?」
覚醒した意識が断絶する瞬間に見た兇暴な閃光をシンの脳内に映写する。
それはどんな輝きよりも、残光よりも、きらめきよりも、何よりも冷たくて、
おぞましくて、恐ろしいものだった。あの時と同じ無慈悲な光だった。
「分からん。俺たちとあの巨大MSは確かにアンノウンの攻撃を受けたはず
 だったんだがな……」
そこでレイの声が困惑めいた色を帯びた。
どうにも理解できない事があったのか、口元に手を当てたまま何も言わない。
「どうしたんだよ?」
「……シン。ここがどこだかわかるか?」
奇妙な質問だった。ここはミネルバの中で、自分の部屋だ。
見ればすぐ分かる事だが、しかしそれ以外の答えをレイは求めている。
「どこって、そりゃ―――え?」
身体全体にかかる違和感にようやくシンは気づいた。
今さっきまで確かになかったはずの感覚が全身を覆っている。
それはあの時から久しく感じていなかった懐かしい感覚、重力だった。
「……地球、なのか?」
「ああ、その通りだ。アンノウンの攻撃を受けたはずだった俺たちは
 気づけば地球にいたというわけだ」
馬鹿な、そう言いかけたシンだったがその言葉は口から出ることはなかった。
立て続けに起きた在り得ない出来事のせいだった。
「一体何が起きたんだ?」
「俺にもまったく理解できん。とにかく今の時点で分かっている事はユニウスセブン
 の落下を防いだという事、それと此処が……オーブ近海だということだ」
オーブ、その単語にシンの身体が強張る、筋肉が収縮する、呼吸が乱れる。
脈拍が急上昇し、心臓の高鳴りが耳を打つ。
口内は急激に渇き、唾を呑み込む音が喉に響く。
脳内にフラッシュバックする家族の、死、死、死、死死死四肢死し四肢
示し死し死死――
「シン、大丈夫か?」
落ち着いた、だが、冷淡ではない言葉に我を取り戻す。
「あ……ああ。大丈夫、平気だ」
「あまり平気には見えんが、な」
「大丈夫だって」
平気な様子を見せようとベッドから身体を一気に起き上がらせる。
目立った傷もなく全身ほぼ健康体といっても差し支えはない。
「な、大丈夫だろ?」
「……どうだかな」
これ以上言っても聞きはしないのだろう? そんなことを言いたげな視線を
送り、レイは溜息をつく。
「まあ良い、起きたのなら仕事だ」
「仕事?」
起きたばかりの自分にいったい何の仕事なのだろうか。
そんな自分の顔を見るレイの顔が珍しく愉快気に、だが、すぐにいつもの
無表情に戻り、告げた。

「ああ、ユニウスセブンを破壊したパイロットの尋問だ」

******



画面の向こう、そこでは落ちる宇宙海月とプラントのMSが一緒に映っている。
それを傍らにアナウンサーはプラントのテロだと声高に非難している。
チャンネルを幾ら回しても映るのは同じようなニュースと映像、そして憎悪。
世界は悪意で出来ている、世界は相互憎悪でできている。
ナチュラルとコーディネイターという二つの種族は故に殺しあう。
嗚呼、何て下らない。
余りの下らなさにテレビの電源を落とし、窓へと歩み寄る。
外は蒼穹、海を臨む其処は美しく山際に見える緑がかつての記憶を呼び起こす。
家族と共に過ごしたかけがえのない日々の暖かさに満たされる。
父と母と兄がいた、平凡で、だけど、大切な思い出の数々が其処に在った。

――だが、それはもう二度と戻らない

「ハンプティダンプティ、塀の上。ハンプティダンプティ、落っこちた」
謡う、それはあの日全てを奪った天使へのあらん限りの怨嗟。
羽根を広げ、逃げる自分たちへと死神の鎌を振るった天使へ向ける復讐の誓い。
深紅の瞳の奥に揺らぐは吹き荒ぶ殺意の嵐、帰らぬ日々を薪に焔にくべ憎悪を
燃やす。
「ほうほう。マザーグースか、マザーグースだな」
かけられる初老の男の声、少女は振向き、声の主に向き合う。
白のスーツに白の外套そして夕暮れの陽のような橙の髪と髭、好々爺のような
笑みは嘘偽りのないものでありながら、其の実、偽りのみで固められていた。
「テレビ見たよ、ドク。でも、ドクのことは言ってなかった」
「なあに、私たちの事は当分誰にも知られはしないさ、しないのだよ」
「期は満ちた、とか言ってたのに?」
「ああ、そうだ、そうだとも。期は満ちた、得るべき物も得た。だが、期だけ
 では足りない、必要なものはまだまだあるのだ」
老人の顔には未だ笑み、だがそれ以外の感情も見え隠れする。
この数年付き合ってきたせいか最近では笑みの裏にあるものを推測する
くらいはできるようになった。
「まあ、どうでも良いけど」
「うむ?」
そう、どうでも良い。たった壱つの目的以外のことはどうでも良いのだ。
唯それだけのために、唯それを成す為だけに今の自分は在る。
再び蒼穹へ視線を向ける。
その青はあの天使の羽根と同じ色、青の羽根を背負いて家族を奪ったあの
死神と同じ色。
「ねえ、ドク?」
少女が紡ぐ声色、それは酷く静かでしかし狂気じみた静けさ。
「うむ、なんだね? 何としたかね?」
老人もそれを知っている。だからこそ、その声には嬉々としたものがある。
だが、それだけでないことも自分は知っている。
しかしそれでも構わない。
成すべき事の為になら自分は魂もこの肉体も全てこの男に奉げると決めたのだから。
それが悪魔であろうと何であろうと、だ。
今、この身に宿った【それ】がその身を奉げた証。
「ドクの手伝い、しようか?」
「ほう? やる気になったか、なってくれたのかね?」
「ドクがくれた命だもの、ドクのために使うのは間違ってないでしょ?」
「しかし代わりに、だな?」
ドクの瞳がこちらを見やる。分かっているのなら勿体ぶらずに言えば良いのだが
それがドクの癖だった。
「うん。それが終わったら私の身体をどうしようともドクの勝手にしていいから。
 だから…………」
そして真紅の瞳は老人を射抜く。

「―――フリーダム、キラ・ヤマトを殺させて」

その瞳に燃える怨嗟を彼は――ウェスパシアヌスは見逃さなかった。
その瞳と同じものを彼は知っている。
浮かべる笑みの裏に、あの世界で創り上げた復讐の漆黒の天使を思う。
それは彼が創り上げた作品の中の一つ。
それは白天使への憎悪を募らせ、白天使だけを求め、白天使への殺意だけに生きた、
白天使への殺意と愛情と憎悪だけしかない黒の天使だった。
今、この目の前にいる少女もまた青の天使への憎悪のみで生きている。
青の天使への憎悪だけをこの世に繋ぎとめる動力として生きている。
憎悪は愛に似るというが、いやしかし、やはり彼とこの少女【マユ・アスカ】は
同じと言うしかない。
ウェスパシアヌスは心の内で哂う。
「嗚呼、嗚呼、良いだろう、良いだろうとも。だがしかしだ、今はまだ駄目だ」
「何故?」
「言っただろう? 期は満ちたがまだまだ足りないものはまだまだあるのだ、
 あるのだよ、あるのさ」
そう、まだだ。この世界における要素【ファクター】が揃わぬうちは動くべき
時ではないのだ。
それが揃う時こそが、自分の待ち望む時なのだから。
「だからこそだ、マユよ。君にはやってもらう事があるのだよ」
そう告げるウェスパシアヌスの貌には変わらぬ笑みが浮かんでいた。
年末におこんばんわ。

えー、かなりご無沙汰しました。皆様お元気でしょうか?
そんなわけでようやく第9話です。
今回はやっぱり生きてたよ僕等の妹マユマユの回です。
生きていたのはいいけど一緒にいる相手が余りにも悪すぎました。
某所のマユちゃんと同じ道を歩むかどうかはこれからのお楽しみと
言う事でよろしくお願いします。

みんな、ミンチ肉とドッジボールは大好きですか?

それはよいお年を、いあいあ

191通常の名無しさんの3倍:2007/12/28(金) 06:55:38 ID:???
待っていた!待っていたとも!待っていたよ!
もちろん向こう側のも期待しているがね、まずはこの言葉を贈ろうじゃあないか!
GJ!
192通常の名無しさんの3倍:2007/12/28(金) 08:51:28 ID:???
俺も鬼神飛翔の方をクリアして書かないと
193通常の名無しさんの3倍:2007/12/28(金) 14:53:53 ID:???
おかえりなさい!
……久しぶりすぎて一瞬新作だと思ったなんて内緒だぜ?
194通常の名無しさんの3倍:2007/12/28(金) 15:45:27 ID:???
マユ草履王化フラグktkr
195通常の名無しさんの3倍:2007/12/28(金) 18:59:44 ID:???
誰か>>192に突っ込めよ
196通常の名無しさんの3倍:2007/12/28(金) 19:30:57 ID:???
まゆちゃんは、可愛いなあ
197通常の名無しさんの3倍:2007/12/28(金) 20:35:01 ID:???
ここでも魔乳と虎はミンチにされるのかな〜
しかしシンとマユに黒天使化フラグが・・・白天使役がいないから止めれねぇなwww
198通常の名無しさんの3倍:2007/12/29(土) 01:57:00 ID:???
マユが黒天使になるなら、シンが白天使になるしかない
まあシンに白は似合わんけどw
どっちかというと赤だな、つまりメタトロン二号
199通常の名無しさんの3倍:2007/12/29(土) 04:55:28 ID:???
>>197
個人的にシンは天使化よりは力の弱い魔導書数冊と契約して魔技雨棲化、(当て字適当)
機械神すら各部位が様々な魔導書の影響で変質しただけのインパルスとかで……
コレだとマユと遭遇したら血の雨降りそうだなぁ
200人誅:2007/12/29(土) 12:32:37 ID:???
失せろ
目障りだ
201通常の名無しさんの3倍:2007/12/29(土) 17:42:40 ID:???
さて、そろそろ…
202通常の名無しさんの3倍:2007/12/29(土) 19:13:27 ID:???
お侍さんの予感
203種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/12/30(日) 05:29:00 ID:???
「いよいよ行っちゃうんだねぇ、アスラン」
 車椅子のユウナとそれを押すミナの前で、青年はドッグに固定されたミネルバを眺めていた。
 アレックス・ディノ──否、今はもうアスランに戻っている彼が袖を通しているのは、赤服。
プラントの精鋭、ザフトレッドの証。ユウナ達に振り返った顔はそれに相応しい、戦士の貌。
「カガリはもう司令部に?」
「ああ。見送りに来れないのを最後までゴネていたが。すぐに通信で顔を合わせることになるだろうに……」
 それはさておき、とミナは素早く苦笑を微笑みに変えた。口のルージュを歪ませ、鋭い眼で値踏みするように
アスランを見る……挑戦的であるが不快ではなく、高貴な美しさを滲み出している。
「こちらの動きは打ち合わせ通りだ。お前達を逃がすことが目的ではあるが、我は容赦せぬ。
 生き残りたければ、そちらも手加減は無用だ」
「ハハ……まあお手柔らかに頼みます、ロンド・ミナ」
 彼女の雰囲気に少々気圧されながらも、なんとか笑みを作って返すアスラン。
ミナと軽く握手を交わしてから、今度はユウナに近寄る。
「ユウナ、カガリのことしっかり見ていてくれ……自分で決めたとはいえ、やっぱり離れるのは心配だ」
「分かってるさココロの友よ♪ まだまだカガリ一人じゃ危なっかしいからね、ボクやミナが頑張らないと。
 そこら辺は心配しないで、任せてくれて大丈夫だよ。ま、少しはカガリを信頼してあげるのも男の器量って
 もんでしょ──それともアスラン君は、ボクにカガリを取られるんじゃないかって心配してるのかな?」
 こんな時でもユウナは軽口を絶やさない。彼としてはアスランをからかうと共に、緊張しているであろう
彼の心を解してやろうと思ってやったことだったが……アスランが返してきた反応は全く予想外の、
落ち着き払った返答だった。
「もしそうなったら、今度は俺が取り返すさ」
「……! ハハッ! 言うじゃないかコイツゥ!」
 アスランの胸に拳をぶつけるユウナ。ユウナも拳を受けたアスランも笑っている。
「……じゃあ、行ってくる!」
「応、行ってこい友よ!」
 少し強めに、ゴツンと拳をぶつけ合う男二人。その光景を、ミナは一歩離れて評していた。
「フッ、女を巡るライバル同士で交わしあう、男の友情か……暑苦しく青いが、嫌いではない」



第十話『出航 もう一つの発現』


204種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/12/30(日) 05:33:31 ID:???
『全クルーに通達! これより本艦は予定通り、連合艦隊との戦闘に突入する! 既に背後にはオーブ艦隊が
 展開しており、後退は不可能である! 本館の目的であるカーペンタリアへの速やかなる到着と、
 敵増援の危険を鑑み、これより本艦は敵艦隊の中央を強行突破する!』
 オーブを出航したミネルバの艦内に、タリアの檄が響き渡る。館内放送が終わり、今度は
通信機の方から流れてきた彼女の声に、アスランとティトゥスが返答した。
『アスラン、ティトゥス。ミネルバからの出撃は二度目だけど、大丈夫?』
「私なら大丈夫です、グラディス艦長」
『こちらも問題ない、いつでも出れる』
 アスランはセイバーのコクピットにいた。メカニックの頑張りやオーブの協力もあり、既に修理は終わっている。
 本来ならこの機体との付き合いは、ミネルバに届けてそれまでのはずだった。なのに結局自分はザフトに戻り、
結局この機体に乗り続けている。人間、先がどうなるのかは分からないなと、アスランは不思議な気分だった。
『予定通り、まずミネルバは国境ギリギリで待機。MSにより敵の中央を開き、そこを突破します!
 タンホイザーは海域を汚染する危険があるので、使うのは避けたいけれど……万一の場合は止むを得ない。
 そうならないようMS隊には期待しているわ、頑張りなさい!』
『『『了解!』』』
 ミネルバ組三人のしっかりした返答に、アスランは安堵する。大丈夫、彼等とティトゥスなら
自分がいなくとも、ミネルバを任せられる。
『しかしアスラン、本当に私が指揮を取っていいのですか?』
「元々MS隊の指揮は君に任されていたんだろう、レイ? 俺と君は同じ赤服だ、遠慮することはない」
『しかし、貴方やティトゥスの方が操縦技術は上です。ならどちらかが……』
『技術の高さと指揮の上手さは別物。それに拙者の機体は特殊ゆえ、単独で動いた方が良かろう。
 指揮するにも、されるにも向かぬ』
 まだ納得がいかないらしいレイに、ティトゥスがそう言って断りを入れる。苦笑しながら、アスランは
ティトゥスの言葉に賛同した。
「そういうことだ。それに今回俺は単独でやらないといけないことがある。だから君達三人はいつも通りに
 やればいい。どうしても納得いかないなら、しっかり訓練や模擬戦をやって適正を測ってから決めればいいさ。
 まずこの場を乗り越えてから、な」
『……分かりました』
『もーレイってば、ホンット真面目なんだから』
『そう言ってやるなよルナ。レイはそこがいい所なんだから』
 やはりなんだかんだで、彼等三人の仲はいい。自分はザフトにしてみれば裏切り者、あの和には
溶け込めないかもしれないが……なら、別の形で助けるようにすればいい。自分の力で、自分の出来る事で。
「では、俺から出させてもらうぞ! ……みんな、改めてよろしくな」
『はい、よろしくお願いします!』
『期待していますよ、アスラン』
『英雄の腕前、見せてくださいね!』
 最後は小さく呟いただけのつもりだったが、しっかり聞こえていたらしい。若者三人にマトモに返答され、
アスランは頬を少しだけ染めた。
『セイバー、発進どうぞ! ……頑張ってくださいね、アスランさん!』
 オペレーターのメイリンから激励がかけられる。格納庫のメカニック達も、アスランの乗るセイバーに
なにやら叫んだり親指を立てたりして送り出してくれる。
 単なる社交辞令かもしれないが、それが自分を受け入れてくれているようで、アスランは嬉しかった。
「……アスラン・ザラ! セイバー、発進する!」
205種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/12/30(日) 05:39:32 ID:???
 ミネルバからセイバーが飛び立ち、赤い翼を広げる。次にカタパルトに乗ったのは、セイバーとは形の違う
赤い翼を背負った、オーガアストレイ。
『今回は海上での空中戦となるので、貴様の装備はエールストライカーであ〜る! 多少カスタマイズはしたが
 滞空時間は保っても3分未満、それまでに一度着地点を探して降りねばならぬ。ドボンと海に落ちモズクと消え、
 広島弁のカニに喰われたくなければ気を付けるのであるぞ!』
『がんばれがんばれティトゥ〜ス、ロボ♪ ファイト〜ファイト〜ティトゥ〜ス、ロボ♪』
「すまんウェスト、助る……しかしなんだその単調で脱力を誘う歌は?」
 通信機の向こうからの棒読み極まる歌に突っ込むと、今度はけたたましい叫びとギターの爆音が返ってきた。
『ええいこれだから頭の固いチャンバリアンは! 原曲からの再編曲を我輩、作詞ボーカルをエルザが担当した
 貴様への応援歌の素晴らしさが分からんか!? 罰として紅白マンジュウッ!?』
「じゃかあしいこのトンチキがぁ! 勝手に作業機械使いやがって、使ったら片付けろ! 客人だからって
 調子乗ってっとヤキいれんぞゴルァ!」
「テメェこのヤロ! 何でテメェみてえな■■■■にエルザちゃんみたいなカワイコちゃん作れんだよ!?
 あんな男の夢注ぎ込んだ完璧超人と四六時中一緒に居やがって〜!」
「才能与える奴間違ってんだろ神様! ホントこの世はこんなはずじゃないことばっかりだ!
 この際だ、せめて作り方教えろ今すぐに!」
「ええ〜いこの凡人ど……いや、だめそこ、やめ、やめてよしてスパナで殴らないでビビデバビデブゥゥゥ!?」
「ああ、エルザの美しさがモブの心すら掴んでしまうロボね……エルザは罪なオンナロボ」
 マッド他整備士達にタコられているウェスト。その制裁に参加している一部、特に二人の少年は
奇妙な怨念を滲ませてウェストにぶつけていく。ちなみにウェスト=■■■■の常識は
ウェスト登場と同時にミネルバ全クルーにも認識され、逆にエルザは船のマスコット状態と化している。
 溜息を付きながら、ティトゥスはオーガアストレイをカタパルトに乗せた。 
「と、とにかく……メイリン・ホークだったか。拙者も出るぞ」
『はい、準備完了です! オーガアストレイ、発進どうぞ!』
「承知。ティトゥス、オーガアストレイ……参る!」
 カタパルトから射出され、オーガアストレイは背の翼で風に乗る。飛び立った先には、
既に敵が身構えていた。
206種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/12/30(日) 05:43:36 ID:???
 何隻もの戦艦に、そこから次々と飛び立ってくる無数のMS。大型の翼とジェットエンジンを持つ
新型ストライカーパック『ジェットストライカー』を装備した、ダガーLやウィンダムの群れだ。
『俺とルナマリアのザクは飛行出来ない。よって我々二人が艦の守備する。シンとティトゥスは敵本隊の撹乱を、
 アスランもオーブが動くまでは二人をサポートしてください』
『了解だ』
『ティトゥス。後々アスランが抜けると貴方とシンに負担がかかると思いますが……シンをお願いします』
「心得た……やはりよく分かっている」
 さっそく指揮官ぶりを発揮するレイに関心するティトゥス。だがオーガアストレイの後ろから飛んできた
インパルスからは不平の声が上がった。
『なんだよレイのヤツ……そりゃティトゥスさんには適わないけど、なんでレイに子ども扱い
 されなきゃならないんだ』
「物事をしっかり把握するのが指揮官の仕事だ。文句があるなら実力で示せ……一度奥深くまで斬り込み、
 戦力を誘い出す。アスラン、シン。お主らはそこを狙え……いざ!」
『え、ちょ、ちょっと!?』
 背中に声がかかるが、既に聞いている暇はない。神経を研ぎ澄ませ、ティトゥスはペダルを深く踏み込む。
 オーガアストレイの全推進器が、激しく火を噴いた。黒鉄の侍が、一直線に敵陣へと斬り込んでいく。
 向かってくるモノに気付いたMS数機が戸惑いながらもビームライフルを放つが、オーガアストレイは
スラスター方向を調整してジグザグと動き回りながらビームをかいくぐる。
『ヒッ……』
 進行方向真正面にいた二機の不幸なダガーLが、オーガアストレイと接触。すれ違った直後、胴体と下半身を
泣き別れにされ、爆散する。そのままやや突出気味に先行していた巡洋艦に、蹴りを入れるかのような形で
強制着艦。二本の腕には、ダガーLを斬った時点で既に刀が握られている。
「破ッ!」
 甲板に切っ先を滑らせるように刀を走らせ、振り抜く。一泊置いて船体が中心に線を奔らせ甲高い音を
発しながらずれ、更に一泊置いて、真っ二つにされたエンジンが爆発した。炎上する船が沈む前
にオーガアストレイが飛び立つと、そこに火線が集中する。先程のように迷いのある散発的な攻撃とは違う、
無数のMSと軍艦による一斉攻撃だ。これはオーガアストレイといえど何時までも避け切れるものではなく、
何度も装甲をビームが掠めた。押さえ込まれる前に背を向け後退したオーガアストレイを、多くのMSが
追撃する。
 オーガアストレイの背を捉えるMSの一団──だがその鼻っ柱を、ビームの奔流が襲った。オーガアストレイと
交代するように現れたセイバーが、機首の先に伸びた長い砲身からビームを撃ちまくる。多くのMSを落とし
一団の中央を突っ切っていったセイバーに一同の目が集中し……その背に、更なる一撃が叩き込まれた。
『隙だらけだ、喰らえ!』
 インパルスが棒立ちの敵にビームを撃ちまくり、数を減らしていく。追撃してきたはずの10機近いMSは
、おびき出されたことに気付く間もなくたった三機に殲滅された。
207種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/12/30(日) 05:47:39 ID:???
「ええい、たった数機のMS相手に何をやっている!」
 一隻の空母のブリッジで、作戦指揮を一任された艦長が地団駄を踏んだ。連合側は瞬く間に多くのMSを
失ってしまった。いくらザフトの最新鋭戦艦相手とはいえ、無様にも程がある。
「バケモノどもめ……」
 彼は権力欲は強いが、ブルーコスモス思考には囚われていない人間だった。しかしそれでもそう思わずには
いられないほど、敵は強い。特に、武装がほとんどないにも関わらず、刀二本で次々MSを切り倒していく
ダークシルバーの機体に、艦長は勿論ブリッジクルーの多くも驚愕していた。
 その姿、得物、戦いぶり──それらの要素は彼等の脳裏に、一つの仮説を浮かばさせた。
「まさか、ユニウスの……」
「バカな! 勘違いだ、良くてザフトがアレを模倣しただけだろう!」
 クルーの呟きを艦長は怒鳴り散らして止める。そんな絵空事はどうでもいい、どうでもいいが……しかし、
もしそうならば。
「ええい、そんなことより」
 今は何より、現状をどうにかしなければならない。指揮官として決して無能ではなかったらしく、
手柄の減少覚悟で今取れるであろう、最良のカードを切った。
「数は多いのだ、散開せずに一気に押し切れ。ザムザザーも出す、もはや隠し玉だの何だのと
 言っている場合ではない! それと、オーブに救援要請だ! やつらにも闘ってもらう!」



「すごいですな、ミネルバは。それにあの武士のような機体、あれが……」
「そうだトダカ、あれがモビル・マキナ……我等がいずれ相手をせねばならぬ脅威、そのほんの一端の具現だ」
 空母タケミカズチのブリッジで、指揮官席に座り戦況を見据えるミナ。MSの数による比率で圧倒的に劣る
ミネルバは、しっかりと戦い抜いている。
「しかし……もし先行部隊が足止めされれば、敵MSは多くがミネルバに接近し先行部隊も孤立する。
 数の差というのはやはり大きい」
 そのミナの予想は、ほどなくして的中した。
「ん……!? 連合艦隊の中央付近から大型熱源が出現、前に出ます!」
「これは……MA!?」
 モニターに映るのは、MSの倍を超える体躯を持った、カニのようなMAだ。圧倒的な重厚を持つそれの
前面には、光の壁が展開している。
208種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2007/12/30(日) 05:49:52 ID:???
「光波防御帯、か……連合の技術もバカに出来んな」
「連合のMSの多くが、MAの出現と合わせミネルバへと向かっていきます!」
「司令官、連合から何度も『協力しろ』と電文が……」
「分かっている! トダカ、後は任せたぞ」
 スッと優雅に立ち上がり、ブリッジを出ようとするミナ。その行動にトダカは少し慌てる。
「このタイミングでですか!? それではアレックス君やミネルバが……」
「予定されたことを今更やめるわけにも行くまい……それに」
 ミナは、笑った。歴戦の勇士であるトダカすら背筋に寒気を覚えるような、
怖気を誘うほど美しく、恐ろしい笑みで。
「この程度の苦境を超えられぬなら、ミネルバにもアスランにも……そしてティトゥスにも価値はない」



『ちょっとちょっと、やばいんじゃない?』
「まずいな、あんなものを隠していたとは」
 ミネルバの甲板に待機していたレイとルナが身を引き締める。現れた大型MAにシンとティトゥスが
足止めされ、その隙を突きMS達がミネルバへと殺到してくる。アスランが後退しながら応戦しているが、
ミネルバまで迫られるのは時間の問題だろう。
(それにそろそろ予定の時間だ。始まればアスランはそちらに対応しなければ……いや、だが上手くすれば……)
 オーブ出航前に聞かされた『作戦』に、レイは考えを巡らせ──瞬間何発もの轟音が轟き、ミネルバの周囲で
水柱が立ち昇った。
『うわっ、ビックリした!』
「始まったか……!」
 砲撃が放たれた『後方』に目を向ける。そこに存在するのは、オーブ艦隊のみ。居並ぶ戦艦から次々
砲弾が放たれ、ミネルバ周囲の海に落ちる。海水が雨のように、ミネルバに降り注ぐ。
 そしてその中央の空母から、一機のMSが飛び立つ。黒い装甲から金色のフレームを覗かせるその機体は
ゴールドフレーム天──ロンド・ミナ・サハクの機体だった。
209種死逆十字書き ◆oN23gQHrEc :2007/12/30(日) 05:50:57 ID:???
こんな朝っぱらまで何やってんだろおはこんばんわ。
いや、寝たんですけどね、三時間くらいは。

さて今回はオーブ出航の巻。あれ、前回さんざんカニプッシュしといて出番が少ない……( ̄  ̄;)
まあ次はもっと出番がある筈! まあ、所詮ヤラレキャラだけどね(爆)

次回は対カニ&天。終わりまで書けるかどうかは微妙かな。
210通常の名無しさんの3倍:2007/12/30(日) 06:40:24 ID:???
グレイトォ………本当に来たぜ!
211通常の名無しさんの3倍:2007/12/30(日) 07:59:35 ID:???
男の夢フルボッコ的GJ!
212通常の名無しさんの3倍:2007/12/30(日) 11:12:58 ID:???
ランバ・ラル声の紳士の話し方…再現率高いなw
213通常の名無しさんの3倍:2007/12/30(日) 17:51:16 ID:???
久々に■■■■分が補給できたwwwwwwwwww

やはりこの戦闘シーンは燃えるぜ
214通常の名無しさんの3倍:2007/12/31(月) 00:55:50 ID:???
                __,,,,、、、、,,,,,__  ゙!ヽト、
            ,、-''"´   _,,、-‐   `ソ .! ゙i
          /     /::     ,ノ  ノ l\
         /.:     /:::::    _/ ;/  /   ヽ
       /.:     /:::::    _/ ;/  /     ヽ
      / ..::: .:  .:  :j:::: .: i //,.イ /     :  ゙、   
     i ..::::i:::::::: i::i:..::l l:i::::::::::|;:   ───゙i .:: .:::  ゙!
     | i:::::|:::::::::l::l:::::|-゙!ヽ::i;:l,ヽ| ̄ ̄ ̄| ノ:::::;ィ:::  jl !  
     ゙i.|::::|;::::i:::|::l'ヽ! ゙ ヽぃ:、|┬┴ ト|///;ハ:::. / i   
     :.!゙!::|ヽ、-、ヽ!       \/__ノ  \/ ̄ト.|      
      Y::ヽ:!\\          ̄ ノ   \ ̄ ̄ヽ      
      j:i::::l´iヾ| |         /  __ノ    ) 
     :/::l:::::::j:::::゙!        /────-フ /l    
     __,ノ::::_/:::::::| 、       \二二二/ /:: .!      
     ,;/レ' ::::::j、_ ゙ヽ    \      /:::  |    
     :::::/  .::/:/  ゙゙゙̄''''-   \__/ /::  /     
    :::::/  .::/:/       ゙゙゙''''-───-/::::: ./:j
    / /:::/               //:::::;ィ//
このAAが言ってる言葉がティベリウスの声に変換されてしまう
215 【中吉】 【1607円】 :2008/01/01(火) 10:09:55 ID:???
オマイラおめ。
今年もいあいあよろしくはすたぁ
216 【凶】 【1531円】 :2008/01/01(火) 23:47:07 ID:???
いあいあ、本年もよろしく。
217通常の名無しさんの3倍:2008/01/02(水) 01:26:26 ID:???
>>214
つーか表情がティベリ仮面そのものじゃん
218通常の名無しさんの3倍:2008/01/02(水) 11:36:04 ID:???
怨嗟の声を一身に浴びるのも一緒
219通常の名無しさんの3倍:2008/01/02(水) 21:29:37 ID:???
>>214
でも西博士の中の人に見えるのは何故なんだぜ?
220通常の名無しさんの3倍:2008/01/04(金) 19:14:00 ID:???
保守
221通常の名無しさんの3倍:2008/01/05(土) 21:16:47 ID:???
最近思った。

CEには合体攻撃がない。コンビネーションもクソも単独で暴れるだけの連中ばっかりだ。
ダブルレムリアインパクト並みの熱い攻撃はないのか・・・
222通常の名無しさんの3倍:2008/01/05(土) 22:55:12 ID:???
合体攻撃はあるにはあるがやはり豚嫁の妄想がクソ火力で暴れるだけで熱さもなにも
あったもんじゃないぞ
【フリーダム(ミーティア)+ジャスティス(ミーティア)】
223通常の名無しさんの3倍:2008/01/05(土) 23:26:25 ID:???
合体攻撃合いそうなのはシンレイコンビかな
プラスしてルナもいれていいかもしれんが凸はいらんというか邪魔にしかならなさそうだし
スパロボのランページみたいなかんじで合うのじゃないかと思いますけど
224通常の名無しさんの3倍:2008/01/06(日) 00:16:02 ID:???
Gジェネクロスドライブに、キラ&アスラン、シン・レイ・ルナの合体攻撃があった

後は何故かコウ(ハイパーモード)とシン(ハイパーモード)とか
225通常の名無しさんの3倍:2008/01/06(日) 00:44:03 ID:???
ってか、基本的にMSは合体攻撃とかしないよね?CEに限らず……
GガンはMSではなくMFなので除外と考えて。

あー、まぁ、コンビネーションすらCE勢は取ってない気もするか?
ヘブンズベースのデストロイ戦は…ちょっと違うか。
226通常の名無しさんの3倍:2008/01/06(日) 09:25:42 ID:???
>>225
Xのフロスト兄弟は?
227通常の名無しさんの3倍:2008/01/06(日) 09:33:47 ID:???
つ【黒い三連星】
つ【ヤザン隊】
つ【ガザの嵐】
つ【ジャムルの3D】
228通常の名無しさんの3倍:2008/01/06(日) 11:00:45 ID:???
>>225
CEでもドムトルーパー隊(まんま黒い三連星)とか、ムラサメ隊(何故か落とされる諏訪部)がコンビネーションらしいことやってたはず。
229通常の名無しさんの3倍:2008/01/06(日) 11:52:30 ID:???
合体攻撃ならジェリドとカクリコンの2機のマラサイを1機に見せる似非高速殺法を忘れてもらっちゃ困るぜ
230通常の名無しさんの3倍:2008/01/06(日) 13:14:13 ID:???
いや、まぁ、そうでしたね。
ジェットストリームアタックとかあるけど…
ダブルレミリアインパクトとの比較での合体攻撃ですよ?
そういう訳で主張しよう。
それらは合体攻撃ではなく、ただの連携。
231通常の名無しさんの3倍:2008/01/06(日) 13:38:48 ID:???
石破ラブラブ天驚拳とかサテライトランチャーとか
232通常の名無しさんの3倍:2008/01/06(日) 13:41:57 ID:???
つまりあれか。Sフリの連結ライフルと運命のビーム砲で「1、2、3!
ビームエクステンション!」「シュートー!」とかそういうことか。
233通常の名無しさんの3倍:2008/01/06(日) 13:47:47 ID:???
>>230
そんなこというとスパロボあたりはどれも連携攻撃ばかりになってしまうな
234通常の名無しさんの3倍:2008/01/06(日) 14:03:16 ID:???
うん、すまない。フロスト兄弟のことは忘却の彼方だったんだ。
とりあえず、俺のイメージでは連携攻撃は「1+1=一桁」な攻撃。
合体攻撃は「1+1=10?100?馬鹿言うな、∞ですよ」な攻撃。
235通常の名無しさんの3倍:2008/01/06(日) 14:15:56 ID:???
>>230
ダブルレミリアインパクト……妹様にサンドイッチされるのか。それはそれで昇天できそうだ
236通常の名無しさんの3倍:2008/01/06(日) 15:00:10 ID:???
妹様が四人に分身するんだから、姉だって二人くらいには分身出来そうじゃない?
つまりはダブルスピアザグングニル……orz

ゴメン、打ち間違えた。レムリア。うん、レムリアインパクト。
237通常の名無しさんの3倍:2008/01/06(日) 15:08:05 ID:???
合体攻撃なら種にもあるじゃないか、自由と正義のなんかじゃなくて

 デ ュ エ ル と バ ス タ ー の 連 結 砲 攻 撃 が !
238通常の名無しさんの3倍:2008/01/06(日) 19:22:43 ID:???
      ',      |     i        /
\\                       /       /
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        /::r--ヽ、 ,. -───- ..、              /
   _,,.. -‐''":::::::::i::::::::Y          `ヽ、
 ⌒ヽ     「::`ヽィ--!、___,!-、__       `ヽ.      暗黒の世界に
:::   ::i   〉:::::::!、_rへ__,!--、_7--/、    .  ',  /  汝ら光明住まう場所無し!
 \  i ::: L__Yイ  /   i  ヽーへ!--イ   i
   ァ-!‐-/、 / ノ  ハ,ゝ!、,ハ ハ  ハ ヽ/ヽ___/
 )ヽ!_.ノ!_ノ!__ハ.-〈r.!ン |!'i' .!`レ' _,!ィ;7k´ ! !ヽ、_/ヽ_     /ヽ、
 __!ヽ:::  ::と_!  ,イ i ゞ'   ´ ト、`!〉レ'    7´    /:::::::::ヽ.
  `ー'  ̄ ヽ、  ! .从"  _'____  ゞ-'/ / i  i 〈__,,.. -''"::::::::::::::::::::::ヽ.
 /⌒ Y ⌒ ::::レヘ !/ヽ、!   `ヽ ./ ./!_ハ ヽ、_ヽ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::!
:::     !   rY__,,. V`!、>ーr<!/´  ヽ!ヽ、!  ̄`ヽ、::::::::::::::::::::::::::::!
  :: ::  :: :/i_,,.    !ヽ、 くハ」  /     !、_      V⌒ヽ:::::::::::::::!
       i7'     /`ゝ、'ー--:〈_r、_/  !  `ヽ_       レ-、::::::::!
       !        /´ ̄ ̄ 7  ヽ7イ    ! i        ヽ::/
       { ト、/    /    /´ /     /Y         Y
  /    !ヽ、      /´ ̄  ,.イ     ヽン
//     !ヽ_7>、 /   ヽ!_!_!ン !    _,.ィ'7     \
        ヽ、__ヽへ二ヽ、___,.、___ !___,.rン_/        \
               `'ーくr、___r、!-r'"    ',
 /      /          ヽ.__,,,.ヘ              \\
        /             ヽ,__ノ

   ボムらず!避けず!コンティニューさせない!!

  |   \ |  | ─‐┐    / `ヽ |  | | o / ̄| |   「l 「l
  |   \ |  |  ├‐' ・ /|     | .|. ',    | |ヽ、  l」 l」
  !__ノ \  _ノ  ノ      |   __ノ /  ヽ.  / .|   .ロ .ロ
239235:2008/01/06(日) 20:51:27 ID:???
あ、しまった。妹様はフランドールで姉がレミリアか。
間違えるとは、まだまだ愛が足りないな俺

>>237
あれってどういうわけか滅多にゲームじゃ再現されないよね。
結構美味しいイベントなのに
240通常の名無しさんの3倍:2008/01/06(日) 23:21:57 ID:???
一回やれば次からは定番になる
それがスパロボ
241通常の名無しさんの3倍:2008/01/07(月) 00:20:02 ID:???
つまりMSでマッスルドッキングをやれといいたいのか<合体攻撃
242通常の名無しさんの3倍:2008/01/07(月) 00:20:32 ID:???
>>237
あれって普通だったらできないことだよな。
たまたまバスターのキャノンにはサブジェネレーターが
内臓されてたからできた芸当だし。
243通常の名無しさんの3倍:2008/01/07(月) 00:27:44 ID:???
>>238
東方的にはそこは「避けず」じゃなくて、「カスらず」な気がする。

まぁ、そんなことはいいとして
>>234
連携攻撃=ビットMSで代用出来るんじゃね?
合体攻撃=俺とお前が力を合わせたからこれだけの力が!!かな?
244通常の名無しさんの3倍:2008/01/07(月) 01:40:22 ID:???
>>243
確かにまあ、スパロボでMSの合体攻撃って二人で大砲撃つとか
二人でファンネル飛ばすとか、同時攻撃の範疇だしな

ただ、あんまり無茶やらかすとファンの反感を買う可能性もある諸刃の剣
245通常の名無しさんの3倍:2008/01/07(月) 14:17:00 ID:???
いつのまにか作品がとうこうされている!!
246通常の名無しさんの3倍:2008/01/07(月) 14:20:52 ID:???
マスターテリオンに両種族(コーディとナチュラル)を抹殺してほしい!!
247通常の名無しさんの3倍:2008/01/07(月) 15:45:24 ID:???
マスターテリオンは興味がないようだ
248通常の名無しさんの3倍:2008/01/07(月) 17:19:24 ID:???
エセルとのバカンスを邪魔されたペルデュラボー君なら殺ってくれるさ。
というか飛翔おまけCGのエセルって成長してね? メガネっ子で
黒髪ロングの美女になっちゃうとかだったらモロタイプなんだけどw
249通常の名無しさんの3倍:2008/01/07(月) 20:17:41 ID:???
「夜明け前より瑠璃色な」のカレンみたいになるんじゃね?黒髪ロングで
メガネでナイチチ…おや、誰か来たみたいだ。あと犬の鳴き声g…
250通常の名無しさんの3倍:2008/01/07(月) 20:34:45 ID:???
>>248
黒髪ロングでメガネっ子ならナイアさんが居るじゃないですか
251通常の名無しさんの3倍:2008/01/07(月) 22:07:51 ID:???
じゃあ今度は入れ替わりに、ナイアさんがロリになるって事で
前々回の反省も生かして、な
252通常の名無しさんの3倍:2008/01/07(月) 22:24:48 ID:???
確かにナイアさんがロリだったら危ないところだったな
253通常の名無しさんの3倍:2008/01/07(月) 23:18:03 ID:???
ナイア「反省を生かしてロリッ子になってみたニャルラ」
254通常の名無しさんの3倍:2008/01/07(月) 23:44:54 ID:???
なっちゃいない! なっちゃいないぞ>>250よ!
黒髪ロングな娘は木○香みたいにストレートでおろすか、
刹○(00に非ず)のようなポニーテールが一番良く似合うと決まっているぞ。

あと和服! 黒髪にはこれが映える。しかし爆乳は和服には合わない。
だからこそエセルのスレンダーな体に合うということに何故気づかない。
255通常の名無しさんの3倍:2008/01/07(月) 23:55:39 ID:???
――夢だったのか。
喰らい、崩れた地下室の底で、飢餓と酸欠によって衰弱した>>254が、誰にも知られることなく、ひっそりと息を引き取った。
死の寸前、彼は黒髪ロングでめがねっこで爆乳美女が和服姿を鏡で似合わないものなのかと考える姿を見たように思ったが、
それが現実になんらかの影響を与えることはなかった。
256通常の名無しさんの3倍:2008/01/08(火) 01:22:43 ID:???
ひでえ。
>>254には俺も同意なんだが。
おや何だこんな時間に窓から
257通常の名無しさんの3倍:2008/01/08(火) 02:48:07 ID:???
>>253
エロパロ小説版にお帰りください・・・
258通常の名無しさんの3倍:2008/01/08(火) 22:09:47 ID:???
馬鹿だなぁ、神様だって?
そんなもん玄関にかけてあるチェーンソーでイチコロさっ!!

…………………
……………
………

……ぃぁ,ぃぁ……
259通常の名無しさんの3倍:2008/01/09(水) 08:35:01 ID:???
>>258
か み は バ ラ バ ラ に な ら な か っ た
260通常の名無しさんの3倍:2008/01/09(水) 12:14:20 ID:???
ドクター・ウェストに感情をもったモビルスーツを作らせたい
もしくは、エルザの量産型を……
261通常の名無しさんの3倍:2008/01/09(水) 13:18:43 ID:???
>>260
感情を持ったロボと聞いて
真っ先にコンパチカイザーが思い浮かんだ
262通常の名無しさんの3倍:2008/01/09(水) 15:32:53 ID:???
常々考えていたが、諸兄等が考える「感情をもったロボット」とは
1.自我を持つ程に高度なAIが搭載されている。
2.付喪神的な感覚で、機体そのものに意思を宿す。
のどちらがより自分のイメージに近いかね。
また「俺にとっては全然違うぜ!」という第三案があるなら教えておくれ
263通常の名無しさんの3倍:2008/01/09(水) 15:33:16 ID:???
MSサイズで喋りはエルザ口調、声は若本なメカ沢(破壊ロボ)の群れがががが
264通常の名無しさんの3倍:2008/01/09(水) 17:24:31 ID:???
>>262
世界観しだいで、どっちも有りだな
265通常の名無しさんの3倍:2008/01/09(水) 17:32:31 ID:???
ふむそういえば、
意思や感情があることが当たり前のように話が進んで
デモンベインの意思については明確な記載がないような

機械でもあるからAIなりが搭載されている気もするし
無限のループの中で意思を得たような気もする
266通常の名無しさんの3倍:2008/01/09(水) 20:18:50 ID:???
>>262
龍神丸とか、リューナイトみたいなのは、
1とも2ともちがうよな。
267通常の名無しさんの3倍:2008/01/09(水) 20:37:54 ID:???
栗橋の胎動で魂が宿ってるという記述があったな
268通常の名無しさんの3倍:2008/01/09(水) 21:08:40 ID:???
>>265
確か乗っ取られたときは涙を流していたような
269通常の名無しさんの3倍:2008/01/09(水) 23:16:07 ID:???
個人的には九郎やアズラッド達の思いを受けて意志が芽生えたって方が燃える

ジャイアントロボ(実写版)や鉄人28号(長谷川裕一版)のラストみたいに、ただの
鉄の塊が自分の意志で動くってのが(ゲッターはムサシが乗ってるからちと違うかな)
270通常の名無しさんの3倍:2008/01/09(水) 23:21:04 ID:???
飛翔でティベリウスに拳を叩きつけた(落下?)シーンからして、
意志は宿ってるでしょ?
271通常の名無しさんの3倍:2008/01/10(木) 00:35:36 ID:???
ループのせいで何兆年以上も存在しているだろうから
付喪神なんてレベルの存在ではないであろう。
まさしく鋼鉄の神だわさ。
272通常の名無しさんの3倍:2008/01/10(木) 01:40:20 ID:???
兆年っつーか、確か宇宙より歴史長くなかったっけ?
幾星霜なんて言うくらいだし
273通常の名無しさんの3倍:2008/01/10(木) 01:52:12 ID:???
兆年で十分長いじゃないか。
今の宇宙の年齢が観測上150億歳ぐらいだからね(間違えてる可能性も十分ありえるが。)
274通常の名無しさんの3倍:2008/01/10(木) 01:53:35 ID:???
…と思ったら毎度毎度宇宙の歴史を初めからやりなおしてるんだから
兆年どころじゃないな。一体0がいくつ付くんだか…
275通常の名無しさんの3倍:2008/01/10(木) 02:47:12 ID:???
んな想像もつかないような年月を経てさ
意思を宿し、無垢で気高き剣であり続けたデモベも凄いんだが
死に絶える事も狂う事も否定されたマスターはどんだけ辛かったんだって話だなぁ。
276通常の名無しさんの3倍:2008/01/10(木) 09:23:54 ID:???
テリオンもある意味被害者ってことだな
それでも精神が崩壊しないのがすごい
277通常の名無しさんの3倍:2008/01/10(木) 12:32:23 ID:???
まあ、テリオンの父親は「アレ」だからねえ……
純粋に人間と言う訳ではないし。
ある意味、それを手駒にするナイアはまさにナイアだわな。
278通常の名無しさんの3倍:2008/01/10(木) 13:09:07 ID:???
むしろ、絶望すらせずひたすらマスター一途なエセルドレーダがすごくね?
279通常の名無しさんの3倍:2008/01/10(木) 19:40:28 ID:???
マスターの愛の為に生き、マスターの愛の為に戦うラブグリモワール、エセルドレーダ
280通常の名無しさんの3倍:2008/01/10(木) 20:08:38 ID:???
というよりエセルも絶望してただろ、ただエセルは永劫の時の中縋れるモノがマスターへの愛で、
マスターは己を解放する事のできる宿敵との闘争に縋ってたって違いじゃね?
281通常の名無しさんの3倍:2008/01/10(木) 20:19:55 ID:???
マスターやエセルが絶望してたそのころ苦労ちゃんは猫食って餓死寸前であった。
マスターが憎むのもわかるな
282通常の名無しさんの3倍:2008/01/10(木) 20:41:21 ID:???
もしかしてマスターって裏でこっそり九朗ちゃん助けたりしてたんじゃね?

そんな楽?な死に方許さんって感じで
283通常の名無しさんの3倍:2008/01/10(木) 20:47:36 ID:???
リューガ「お前は魔導書を食ったことがあるか?」
ってのもたいがいですがね
284通常の名無しさんの3倍:2008/01/10(木) 20:51:34 ID:???
どこぞの貧乏人「貴様は餓えのあまり新聞紙を喰ったことはあるか!?そして腹を壊したことがあるのか!!???」

俺はないがそれなりにヤヴァイ食料状況な人っているもんだなw
285通常の名無しさんの3倍:2008/01/10(木) 22:34:16 ID:???
>>278
胎動を見るに、エセルがループ入ったのは意外と最近じゃないか? と、水を差してみる。
ラストのナイアさんの台詞からして、マナウス神像が使える限りは出てこない(と思う)し。

まあ、大差無いが。
286通常の名無しさんの3倍:2008/01/10(木) 23:27:11 ID:???
そういやデモンベイン自体も今の形に完成したのは最近かもしれないな。
本編開始のほんの20年位前の時点で蒸気機関をサブ動力にせんと動かん状態。

仮にその時の覇道の技術力が低くてもアリゾナに埋まってるデモンベインが破損状態でも
完成形ならそこからデータとって元の状態に復元するのは難しくないはず。
でも蒸気機関を使っていたのはその破損デモンベインが未完だったからではないかと考えれるのだが。
287通常の名無しさんの3倍:2008/01/11(金) 00:47:31 ID:???
だが、軍神の時期には既に完成しているぞ

個人的には人類の魔道技術自体があの時点ではほとんどなくて
魔道・錬金も覇道が一代であそこまで技術を上げていってようやく復元できる、とかそんなレベルじゃないかと思う
瑠璃ルートで鋼造がテリオンと決着をつけようとした際に使わなかったしな
ダーレスが瑠璃の母親になるのは確定事項じゃないって考えるっていう、少々強引な介錯も必要になるけど
288通常の名無しさんの3倍:2008/01/11(金) 00:55:21 ID:???
>>287
通信手段にパンチガードなんてもん使ってたから
ハードとしては完成していてもソフトが低レベルだったんじゃないかな。
あれから何回かの改修をうけて本編の状態になったとか。
289通常の名無しさんの3倍:2008/01/11(金) 08:20:55 ID:???
>>288そこはほら、ロマンって単語で済ますのが一番良い楽しみ方じゃね?
290通常の名無しさんの3倍:2008/01/11(金) 21:22:18 ID:???
デモベ本編でも、指令所は真空管コンピュータみたいだったしなぁ
291通常の名無しさんの3倍:2008/01/11(金) 22:24:55 ID:???
しかし本編小説版では西博士があきらかにパソコンを打っている
描写と挿絵があったり。トランジスタかICが無きゃできんはずなんだがなぁ。
292通常の名無しさんの3倍:2008/01/11(金) 22:43:50 ID:???
西博士だったら真空管でなんとかするに違いない。
パソコンよりもハードルが数十段高いエルザ作ってるしな。
293通常の名無しさんの3倍:2008/01/11(金) 23:13:26 ID:???
>>291
基地のアレはきっと真空管の形した超大型集積回路なんだよ!
高性能すぎて小型化できてないだけさ!!
294通常の名無しさんの3倍:2008/01/11(金) 23:39:51 ID:???
>本編小説版


そんなものは無い!!
295通常の名無しさんの3倍:2008/01/12(土) 00:08:53 ID:???
まぁ地獄のビッチハイカーでも読んで落ち着きなブラザー
296通常の名無しさんの3倍:2008/01/12(土) 00:12:19 ID:???
ドクターの過去とか設定では両親と死別したはずの
ライカとリューガ姉弟がなんだか捨てられたことになってるしな

小説は古橋以外は黒歴史
297通常の名無しさんの3倍:2008/01/12(土) 08:46:01 ID:???
え、小説はまだ読んでいないが公式な外伝らしいぞ
298通常の名無しさんの3倍:2008/01/12(土) 09:39:16 ID:???
それが古橋版
299通常の名無しさんの3倍:2008/01/12(土) 11:37:54 ID:???
水橋涼・・・だっけ?
あれはデジターボの作家とはいえ、少々やりすぎた

デモンベインは三巻だけほとんどゲームの転載だし
ハローワールドも期待させといて下巻はほとんどゲームの転載だし
300通常の名無しさんの3倍:2008/01/12(土) 11:51:06 ID:???
涼橋涼(すずかぜりょう)だ。

まぁ、上手くないのは否定せんが。
301通常の名無しさんの3倍:2008/01/12(土) 14:31:07 ID:???
>>298
しかし古橋版もアルが覇道鋼造やデモンベインのことを本編では
知らんかったという矛盾が。
302通常の名無しさんの3倍:2008/01/12(土) 14:38:55 ID:???
別にあれがそのまま本編の時間に繋がるとは限らんだろ。
アルがアズラッドのことを知っていたのは九朗と同じく「知ったから」で説明出来るし。
303通常の名無しさんの3倍:2008/01/12(土) 20:12:24 ID:???
>>301
デモベスレではとうの昔にゲーム本編より前のループと結論付けたが
304通常の名無しさんの3倍:2008/01/13(日) 00:47:39 ID:???
正確な時間軸を知ってる・あるいは覚えているのは
それこそナイアルラトホテップくらいだろう
305通常の名無しさんの3倍:2008/01/13(日) 12:08:28 ID:???
テリオンとエセルも覚えてるよ
306通常の名無しさんの3倍:2008/01/13(日) 12:13:34 ID:???
しかしテリオンは転生に失敗したとか
エセルは黒ヤギさんに喰われたとかあったから
どこまで正確に覚えているんだか・・・

特にテリオンが転生に失敗の場合は、かなり前の段階からやり直すのでナイアさん涙目です
307通常の名無しさんの3倍:2008/01/13(日) 16:25:38 ID:???
”正確に憶えている”から絶望なんでないかえ
正確さが欠けるとそこが”穴”になるんじゃぞえ
308通常の名無しさんの3倍:2008/01/13(日) 17:08:55 ID:???
>>306
おっと、この流れは無しだ
キリキリキリキリ
309通常の名無しさんの3倍:2008/01/13(日) 22:07:04 ID:???
仮にも魔術師なんだから記憶力を拡張するような術もあるんじゃね?
「脳を鍛える狂気の魔術トレーニング」とか
310種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2008/01/13(日) 23:21:29 ID:???
 ミネルバに接近する敵を追っていたアスランの視界に、水柱に囲まれたミネルバとオーブ艦隊から飛び立った
ゴールドフレームの姿が映る。
「やはり始めるか、ロンド・ミナは本当に容赦がない……」
 予定通りではあるが、イラ立ちにアスランは唇を噛む。自分はゴールドフレームを押さえることを演じなければ
ならない。しかし今ミネルバに迫る敵機もかなりのものだ。シンとティトゥスは敵陣でMAや艦砲射撃に
足止めを受けており、援護は期待できない。『弾幕』があるとはいえミネルバの防衛機構とザク二機で、
あの数を防げるのだろうか。
 一度MSの数を減らしてからでも──そう考えたアスランの耳に、二つの激が飛んだ。
『アスラン、早く行ってください!』
『そうですよ! あれに乗ってるサハクって人、本気でこっちを攻撃する気なんでしょ!?』
 ミネルバから高出力のビーム、無数のミサイルが放たれる。太いビームの奔流をMSの一団が散開して避けた瞬間、
立て続けに飛んできた誘導ミサイルがダガーやウィンダムを捉える。盾で防ぐ者や撃ち落す者もいたが、何機かは
直撃を受け大きなダメージを受け、中には撃墜された機体も見受けられる。
 白いブレイズザクと赤いガナーザクが、ミネルバ甲板の上で得物を構え、連合軍を睨みつけている。
『雑魚は我々が抑えます! アスランはアスランに出来ることをやってください!』
『そーいうこと! あたし達だって赤です! こんな奴らーーーー!』
 ガナーザクがもう1発、構えた大口径ビーム砲を撃ち込んだ。またしても当たりはしなかったが、その威力に
MS達はうろたえたのか、足並みが大きく遅れる。
『二人の言う通りよ、アスラン。貴方はやるべき役割を果たしなさい。ミネルバのため、そしてオーブのために!』
「グラディス艦長……了解!」
 戦闘機形態のセイバーの速度を、一気に最高に引き上げる。セイバーがソニックブームの唸りを海に広げる中、
Gを身体に受けながら、加速する視界に連合のMS隊を捉えるアスラン。操縦桿を一気に横に引き倒しながら
トリガーをオン、セイバーはロールしながら先端の大型ビーム砲を放つ。後ろからのビームに晒されるMS部隊を
一気に抜き去り、そのままミネルバの傍を通り過ぎるセイバーの中で、アスランは小さくサムズアップ。
「もののついでだ、これくらいはいいだろう?」
 そう言って笑ったアスランの顔は、即座に厳しい顔に変わる。大盾と鉤爪を持つ両手と黒い翼を広げ、
ゴールドフレームがセイバーの眼前へと躍り出た。
311種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2008/01/13(日) 23:24:10 ID:???
「クソッ! こいつ、なんなんだよっ!」
 連合艦隊を目の前に、インパルスは二の足を踏んでいた。彼等の目の前にはカニのように見える、
一機の大型MAがその巨体を大型ブースターで無理矢理中に浮かせ、誇示している。
「攻撃が、効かない!?」
 そしてこのMAには、インパルスのビームライフルが全く通用しない。前のめりにかがんだ体の前面から
光の壁が展開し、ありとあらゆる攻撃を防いでしまう。
 陽電子リフレクター──ユーラシア連邦の光波防御帯技術を発展・小型化した、圧倒的な防御力を持つ
エネルギーシールド。その強度は陽電子砲にすら耐えられる。もしミネルバが軽々しくタンホイザーを
使用していたならば、それは無意味にこの海域を汚染することにしかならなかっただろう。
「このぉ、落ちろよ!」
 であるからして、当然MSのビームサーベルでどうにかできるシロモノではない。しかしシンは
そんなこと関係ないと言わんばかりに切りかかり……サーベルをリフレクターに弾かれた直後、
足を巨大な爪に掴まれた。
『見くびるなコーディネーター! 新型機トライアルで好成績を残した、ザムザザーの力を思い知れ!』
「うるさい! こんなカニに負けてたまるか!」
『フッ、見た目で甘く見ないことだ……操縦士! ヤツを海に叩きつけてやれ!』
『ラジャー!』
 接触回線越しにいくつかの声が聞こえる。あのザムザザーとかいうMAは多人数で動かしているのかと思った瞬間、
シンの体はフッと軽くなり──立て続けに走った衝撃に、一瞬呼吸が止まった。
 掴まれたインパルスが、ザムザザーにブンブンと振り回され、何度も海面に叩きつけられる。リフレクターが
消えている今を狙おうにも、インパルスの中のシンは身体を襲うGと吐き気にもうそれどころではない。
 更にもう一度叩きつけんと、ザムザザーがその爪を振り下ろそうとした瞬間、
『何を呆けている!』
 インパルスを掴んでいた腕が、根元から斬り落とされた。先行して船や護衛のMSを相手にしていた
オーガアストレイが援護に入ったのだ。
「ケホッ……す、すいませんティトゥスさん……」
『詫びる暇があれば行動しろ……断!』
 インパルスが爪から抜け出たのを確認して、両手の長刀をザムザザーの胴体に振り下ろす。再び前傾姿勢をとり、
展開したリフレクターに刀は止められるが、その刃はゆっくりと光の壁の内側へ進んでいく。
『やはり、光波防御帯と同じく実体の武器なら通すのは可能か……だがっ……』
 刃先が三分の一ほど壁を貫いたところで、刀を抜いて後退する。先程までオーガアストレイの立っていた場所に、
連合艦隊の艦砲射撃や護衛MSの援護射撃が飛ぶ。至近距離のザムザザーへ逸れたものも多少あったが、それらは
リフレクターに阻まれザムザザーを傷つけることはない。
『彼奴等が邪魔をしていては、悠長に力押しする暇はない、か……!』
「くそっ!」
 インパルスとオーガアストレイが並ぶ。ザムザザーを中心に陣を組むウィンダム──
シンにはそれがとてつもなく大きな壁に見えてしょうがなかった。
312種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2008/01/13(日) 23:26:36 ID:???
「なにが手加減は無用、だ……」
 MS形態のセイバーがライフルを連射。無規則に見えて相手の動きを先読みし、牽制するために計算された
ビームの奔流を、より深い読みの元動くゴールドフレーム天は難なくかわす。単なる回避行動でありながら
優雅さを持ち、そして確実に距離を詰めてくるその姿に、アスランはつい舌打ちした。
「そんなことしてたら、間違いなく瞬殺じゃないか……!」
 懐に入ってきたゴールドフレームが、右腕の大盾『トリケロス改』からビームサーベルを発生させ斬り付けてくる。
それを左手のシールドで受け止め、ライフルを素早く収めたセイバーが右手で剣を抜き──切り付けようとした腕を、
相手は左手の鉤爪『ムツハノタチ』の刃で止めた。
『どうしたアスラン・ザラ。そんなことではミネルバを救うどころか、我を抑えることも出来ぬぞ』
「なら、少しは手加減してもらえませんかっ……!」
『既にしている。我がオーブ軍はゴールドフレーム以外のMS全てを待機に回し、砲撃は相当抑えている。
 そしてその数少ない砲撃は煙幕代わりにしてやっているのだ。これ以上の手加減など出来うる筈もあるまい』
 ゴールドフレームに乗るオーブ軍最高司令官、ロンド・ミナ・サハクの言葉は全て、事実だ。
 オーブ軍の行動の大半は、ほとんどがミネルバを邪魔することのないよう計画されている。大規模なMS部隊は
あくまで本土防衛用の切り札とし、この戦闘には使わない。艦砲射撃は一見、ミネルバを後少しで捉えそうな
絶妙な位置に着弾しているが、実際はわざと外しているどころか、水柱を煙幕代わりにした『援護射撃』だ。
 そこまで精度の高い砲撃が可能なオーブの砲撃手達と、それをあたかも回避しているよう見せる
ミネルバの操舵手の技術が光る、高度な芝居。全てはミネルバを無事脱出させるため。
 しかし、嘘は多少の真実を盛り込まねばすぐに見抜かれる──そしてこの場合の真実とは、
『一騎当千の力を持つオーブの軍神と、それを押さえ込むほどの力を持つ、帰還したザフトの英雄』という
劇的なシチュエーションそのものなのだ。
『我を失望させるな……ここで潰える力ならばそれまで! この窮地を耐え切り、脱して見せろ!』
 ゴールドフレームの翼──エネルギー吸収機構『マガノイクタチ』がセイバーを捉えんと展開。
危険を感じたアスランは鍔迫り合いを解き、セイバーを一気に後退させる。だがその顔面とボディを、
マガノイクタチ先端に装備されたワイヤー兵器『マガノシラホコ』が容赦なく打ち付けた。ワイヤー先端の
フェイズシフト装甲で出来た矛先が、セイバーと中のアスランへ強い衝撃を伝えてくる。
「クソッ、やはり強い……けど、負けられない。負けは、しない!」
 頭を振り意識をしっかり保つ。確かにミナは強く、ゴールドフレームも素晴らしい機体だ。彼女に勝つのは
非常に難しいと言わざるを得ない。
 ──しかし、今回勝つ必要はないのだ。確かに勝ってミネルバの援護にいけるのが理想だが、そう簡単には
いかない。出来るならこの場を投げ出し、ミネルバの援護に回りたい気持ちもある。
 だが、ミネルバには仲間がいる。自分を送り出し、今もミネルバを守ってくれている仲間。そしてその
進む道を切り開かんとする仲間──彼等がいれば、何も心配することはないと、アスランは何故か確信出来た。
 ならばこそ、自分は今、自分の役割を果たせばいい。負けないことが重要なのだ──が、しかし。
「ただこのまま、押されっぱなしというのは少し気に入らない、か」
 意地、だろうか。自分は元ザフトのトップガンであり、このセイバーは最新鋭機──やってやれないことはない。
そんな沸きあがる感情に苦笑しながら、アスランは操縦桿を握り直す。
 ──アスラン・ザラとして戦いに戻った彼の闘争本能が今、完全に戻りつつあった。
313種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2008/01/13(日) 23:30:21 ID:???
 一方、オーブだけでなく展開を始めた連合艦からも攻撃を受け、近くにも遠くにも多数の水柱が上がるミネルバ。
ミネルバの防衛機構やルナマリア、レイが向かってくるMSやミサイルを迎撃していたが──
「なんで!? なんで当たらないわけ!?」
 水柱の合間を縫い、巨大な得物を撃ちまくる赤いザクウォーリア。そのコクピットで、ルナマリアは叫びを上げた。
その声には、もはや半泣きに近い色すら混じっている。激しいビームの奔流が連合のMS隊に向かって伸びるが、
届くころにはもう敵はその場から散開してしまう。
 攻撃が、まるで当たらない。それはこの戦闘だけではなく、実戦に出てからずっとルナが抱えている悩みだった。
 アーモリーワンで始めて実戦を経験して以降、MSの扱い自体はけっこう上達したという自覚はある。しかし
何故か射撃が上手く行かない。愛用するガナーウィザードの高エネルギー長射程ビーム砲『オルトロス』が
命中した回数は数えるほど。確かに士官学校の時から射撃は取り立てて上手い訳でもなく、テストでは時に
散々な結果だったこともある。しかし、決して命中が全く見込めないほど下手糞というわけではなかった。
ちゃんと標準に捉え、ロックオンした状態で撃っている。当たるはずなのに、どうして。
 ──そもそも何故、そんな自分がガナーウィザードを愛用するようになったのだろう?
「あ……そっか、あたし……」
 ルナはすっかり忘れていた、自分がこの長物を使うことにした経緯を思い出す。
 士官学校の同期であり、同じ艦に配属されることになった、シンとレイ。彼等には目に見える、
ハッキリとした力があった。
 シンは性格こそ難はあったが能力全般は低くなく、特に生身での格闘やMS戦闘には光るものがあった。
そして何より、最新鋭機であるインパルスのパイロットに選ばれた。
 対して突出した点はないが、ありとあらゆる事項において平均を上回っていたのがレイだ。性格は沈着冷静、
パイロットとしての能力は勿論、指揮官能力にも適応がある。同期の中で抜きん出ていたのは誰もが、
シンすら認める事実であり、何故彼がインパルスのパイロットに選ばれなかったのか今でも語り癖になるほどだ。
 ──彼等二人と比べて、自分はどうだ。赤服に選ばれた理由は、総合的な評価が他の連中より高かったから。
取り立てて優秀な能力など何一つない。万能といえば聞こえはいいが、結局のところ器用貧乏。真の万能とは、
レイくらい全てにおいて高い能力を持つ者に使われる言葉なのだ。
 状況に応じた形態を取れる最新鋭機を駆るシン。汎用性あるブレイズウィザードを多用し、あらゆる状況で
一定の能力を発揮できる隊長機型ザクで指揮を取るレイ。そんな二人と、自分はどういう立場で肩を並べるべきか?
 ──選んだのは、火力。一撃で敵を薙ぎ払える、圧倒的な力。インパルスにも砲撃装備はあるが、シンは射撃より
格闘を好む。そしてレイは全体の指揮を取りながらの中距離でのアシスト。ならば後方から彼等を援護できる、
砲撃で力になろう──そう思って選んだはずだったのに。
「バカだ、あたし……ただバカスカ撃って、はずして、悔しがるばっかりで……これじゃ意味、ないじゃない……」
 意気消沈し、ヘルメットを被った頭を垂れる。呼応するようにザクも両手で構えた長物を下げ──
それが仇となった。
314種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2008/01/13(日) 23:31:54 ID:???
『何をしているルナマリア、撃て! 敵が来ているぞ!』
「っ!?」
 ルナマリアの前方で水柱が上がり──その中から、三機のダガーLが飛び出す。
 水柱が視界を塞ぐだけでなくビームを多少ながら減衰する上、ミネルバの各兵装やザクによる迎撃──
特にルナの高威力砲撃により思い切った接近が出来ず、連合のMSはミネルバに有効打を与えられていなかった。
ルナは意識せぬうちに、この状況において良い対応をしていたのである。
 が、ルナがその手を安め砲撃に隙間が空いた時、痺れを切らした敵が捨て身覚悟の接近を仕掛けてきた。
ルナの砲撃が集中していた角度にはレイもミネルバもあまり意識を割り振っておらず、更に丁度水柱を突っ切る
形になった三機はミネルバへの接近に成功し──視界に飛び込んできた赤いザクに、一機のダガーLが
ビームサーベルを抜いて迫り、ガナーウィザードの銃身を叩き切った。
「キャアア!」
 得物を破壊されたザクの頭上にサーベルを構えたダガーLが浮かび、その後ろにもまだ二機。完全に追い詰められ、
ルナは恐慌状態でパニックになりかけていた。
(ウソ、そんな、あたし死ぬの? 死ぬ、死ぬ、こんなところであたし、死ぬ!? ……嫌、嫌嫌イヤッ!)
 そんな状態でも、体が動いたのは流石ザフトレッドと言うべきか。『死にたくない』という思考に囚われたルナの
意識は、『とにかく攻撃しろ』という反射に近い結論をはじき出し──それを実行した。
 ガナーウィザードのパージと同時に、右腕を腰の裏に。マウントされていたライフルを掴み、構える。目の前の
ダガーLはサーベルを振りかぶり、後ろの二機もライフルを構えようとする。もはやロックオンすることすら億劫と
言わんばかりに、ルナはライフルを敵がいる方向に向け、標準を意識することなく直感の命ずるまま
トリガーを連射した。
「……え?」
 呆然と、ルナは呟く。ビーム突撃銃の別名も持つ高い連射性を持ったライフルは、ダガーL達が行動に移る前に
三発の光を連射し──その光は揃って、武器を構えたダガーLの腕を貫いた。
「あたし……今何した?」
 撃たれた側が状況を理解しきれず硬直する中、最も驚いたのはその早業を行った張本人。
 操縦款を握っていた掌を見る。スーツに覆われた内側は見えないが、その中でジットリと汗が滲んでいるのが
分かった。
315種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2008/01/13(日) 23:33:30 ID:???
 呆然としているルナの意識を、轟音が引き戻す。硬直していたダガーL三機を、横から飛んできた緑の光が
貫いた。幾重にも分かれた光は彼等の五体を解体し、バランスを崩した本体は立て続けに海へ落下していった。
『ルナマリア、なにボーっとしてるロボ?』
「エ、エルザちゃん!?」
 光の飛んできた方向を見れば、ルナの目はミネルバの船首に立つ二つの小さな影を捉える。片方は術式魔砲
『我、埋葬にあたわず』を構えたエルザ。
 そしてもう一人は言わずもがな、ギターを掻き鳴らすあの男──
『ギャハハハハハハハ! さ〜ぁ、しかと見たであるか愚民メカニックども、我輩の最高傑作エルザの力を!
 我輩のエルザと魔術兵装の前にはあの程度の超絶的ピンチなんぞの〜ぷろぶれむ!我輩の偉大さが分かったならば
 今すぐ先程の非礼を詫び、甲板に転がっているMSの部品を掻き集めてくるので……』
『じゃかあしい! 戦闘中にヘンなトコ昇って喚き散らすんじゃねえ! ダガーの腕にくくりつけて沈めたろか!?』
『『つうかテメェは何もしてねぇぇぇ!』』
『ギィヤァァァァァ!?』
 メカニック一同のスパナやらなんやら一斉攻撃を受け、落下していくウェスト。缶ジュースのアタリを引いたら
二本目がぬるかった時の様ななんとも言えぬ目でそれを見ていたルナは、メイリンの言葉で現実に戻った。
『お姉ちゃん、お姉ちゃん! 大丈夫なの!? ねえ!?』
「え……あ! う、うん……大丈夫よメイリン、なんともないわ……」
『ハァ……よかったぁ』
『ルナマリア、大丈夫か?』
「レイ……ゴメン、あたし……」
『気にするな、俺は気にしていない。だがもう油断するな、まだ敵はいる』
『エルザも援護するロボ! 大船に乗ったつもりで任せるロボ!』
「……うん、アリガト。じゃあお願いね、エルザちゃん……メイリン、あたしは大丈夫だから仕事に戻りなさい」
『うん……お姉ちゃん、気をつけて』
 メイリンの心配する声を聞き終えると、ルナはヘルメットのバイザーを上げ、ブンブンと顔を振った。
汗をシートに散らし、髪を整え、頬を指でピシャリと叩く。小さいが鋭い痛みに、意識は鮮明さを取り戻す。
「悩みも訳分かんないことも、今は後回し──!」
 ビームライフルを構え、ミネルバを囲む敵機を見据える。集中を遮るノイズ全てをかき消そうとするかのように、
ルナは敵機目掛けライフルを乱射した。
316種死逆十字書き ◆oN23gQHrEc :2008/01/13(日) 23:34:05 ID:???
今回もあんまり進めなかったこんばんわ(汗)
カニは防御力高いだけみたいなもんだからなかなか目立たんなあ……

今回は対カニ&天、そして何故か出張ってきたルナメインの巻。
ルナって原作だと確かに射撃下手だったけど、あれって演出じゃなくって公式設定だったっけ?
まあこの話は独自解釈ってことで。

次回は逃走劇に決着。ちゃんと主役に活躍してもらわんと(−−;)
そして西博士のネタ難しいよ博士(爆)
317通常の名無しさんの3倍:2008/01/14(月) 00:28:59 ID:???
乙!
ルナがなんか開眼した!?
318通常の名無しさんの3倍:2008/01/14(月) 00:55:44 ID:???
乙〜
追尾機能付きビーム砲の「我、埋葬にあたわず」はチートだなw
ルナは何に目覚めたんだろう? NTモドキじゃなきゃ
何かしらの天然魔道能力にでも目覚めたんかね。
319通常の名無しさんの3倍:2008/01/14(月) 00:59:33 ID:???
公式かは知らないけど、劇中ではアスランセイバーよりは当ててたね。
ついでだから、思いついたことを書き込んでみる。

ルナはミネルバに配属されて以来、シンやレイとシミュレーターや模擬戦をやっていた。
彼らはご承知の通り、その半年後にはザフトのトップガンになるような連中な訳で
そいつらを相手にする内に相手の判断基準がそっちに合わせられていた。
こうなってしまうと大半のナチュラルMSパイロットが相手だと遅すぎる。
でも、相手だって遅くとも動いていることには変わりないので静止目標とはまた違う。
戦闘中にその誤差を修正するのはなかなか難しいことだけど、
シンはインパルスのパイロットに選ばれるほどの状況適応力が高いので当てる。
レイはフラガの血で高度な空間認識能力を持っているので当てる。
ルナはそれが出来なかったので当てられなかった。

豪打のチームがへろへろ球に打ち取られていった某野球漫画から着想した。
320通常の名無しさんの3倍:2008/01/14(月) 01:18:18 ID:???
>>319
アスランよりってのは意外だな

だが、相手がヘボかったから結果が出せなかったってのはどうだろ
シミュレーターでも三番手なわけだから、結局どんなやつ相手にも結果が出せてないってことだし

レイも成績が良かったって割りには戦果は目立たないし
赤服自体の平均的なレベルの低下って考えてたな
シンは無印含めてもトップクラスだと思うけど
321通常の名無しさんの3倍:2008/01/14(月) 01:42:42 ID:???
>>320

ナチュラル側の技術の進歩が
コーディネーター側の予想より早いのが原因じゃないかな。

コーディネーターは自分たちがより優れたものだと自惚れているのと、
必要とする人間が少ない所為もあって革新的な技術などは
ナチュラル側からよく出るとかアストレイあたりで誰か愚痴っていたような
覚えがある。

そこら辺がナイアさん好みかもしれんな。
322通常の名無しさんの3倍:2008/01/14(月) 01:46:38 ID:???
いや、レイの戦果って仕方なくね?
彼ら、種運命当初はまだ新兵だったんですよ?
空戦が出来ない機体で海上でばっかり戦わせられてたんですよ?
伝説乗ってからはそれなりに活躍してた…よね?
シンの戦果は異常。

あと、赤服のレベルが低下したって言うか、周りのレベルが上がったんだと思う。
ナチュ用のOSすらまともになかったのが種時代の話だし。
323通常の名無しさんの3倍:2008/01/14(月) 02:32:17 ID:???
なるほど、相対的な問題ってことか
運命時代にはナチュ側もMS運用の体裁が整ってたってわけだったな
そういえばシンって主役中では特殊な設定のない珍しいキャラだよな
キラはスパコディ、アスランはかなり金かけてあるってのに対して
あくまで一般人コーディネイターって出自しかない
324通常の名無しさんの3倍:2008/01/14(月) 03:27:14 ID:???
種が割れるじゃないかああああああああああああああああああ!?

……どういう意味があるのか知らんけど
そして、特殊な設定がないってのにも頷かない
親と妹が目の前で爆死、何の後ろ盾もなしに(オーブとは教育システムの違う)プラントに移住、
たいしたコーディはされてないらしいのに赤服になるくらい頑張って、
新兵ながら最新鋭機のテストパイロットに選ばれる
最終的には死んだ筈のステラと交信するNTモドキ
まぁ、生まれが特殊じゃないって言われれば、その通りとしか言えないけど…
325通常の名無しさんの3倍:2008/01/14(月) 03:50:17 ID:???
ラクス「ただのコーディネーターに……ただの人間に出来るはずがないだろう!?」
シン「人間だから、出来るのさ……」

こうですかわかr(ry
326通常の名無しさんの3倍:2008/01/14(月) 03:55:56 ID:???
>>323-324
やっぱり邪s
327通常の名無しさんの3倍:2008/01/14(月) 12:03:31 ID:???
ルナは単に地球での戦闘に慣れていなかっただけだったりして。
ザフトの軍学校ってたぶんコロニー内での訓練が主だろうし。
地上戦はシミュレーションでしかやってないせいで実力が発揮出来ないとか。
328通常の名無しさんの3倍:2008/01/14(月) 12:20:35 ID:???
考え方しだいだろうな
ミネルバが地上に降りることになったのはアクシデントのようなものだし
戦後ってこともあって地上戦をそれほど想定していなかったってのはありかも

ただ、赤服はエリート部隊ってこと考えるとやっぱりなあ
ディアッカやイザーク達が慣れてなくて苦戦していた時期が短いこと考えると
赤服に入隊できるほどのコーディネイターの割りに能力が低く見えるのはいかんともしがたい
329通常の名無しさんの3倍:2008/01/14(月) 12:28:47 ID:???
メンタル面の問題もあるんじゃないか?
開戦当時だと肉親を血のバレンタインで失った者が多いから
「ナチュ死すべし」って復讐に燃える連中が多かったが
二年間仮初めとはいえ平和になってだんだんそんな連中が少なくなって
平和ボケしたのほほんとした奴ばっかりになったから兵の質が落ちたとか。
330通常の名無しさんの3倍:2008/01/14(月) 13:11:31 ID:???
それはどうだろ?
前作の赤服4人衆だって、復讐がどうこう言ってたのアスランだけだし。
イザークとディアッカはエリート意識ばかり目立ってる感じだったし、
ニコルは本気でおぼっちゃまにしか見えなかったけど?

連合側にもMSが出てきて戦力差が縮んだって説が
やっぱいちばん適当なんじゃね?

331通常の名無しさんの3倍:2008/01/14(月) 13:13:46 ID:???
イザーク達だって、同程度の性能のMS四機でキラ一機落とせなかったですよ?
つまりは嫁g(ry

まぁ、それらが重なったってことでいいのかね?
平時だったので平均的な兵の質が落ちたかどうかはともかく、
地上戦に不慣れで相手のレベルも上がってた。
モチベーション的にも開戦理由はブレイクザワールドだから向こうの方が高い。
一つ一つはそこまで大きくなくとも積み重なることで本編ルナが生まれると。
332通常の名無しさんの3倍:2008/01/14(月) 13:25:19 ID:???
>「ナチュ死すべし」
これはサトーのジン部隊がいい例かもしれん

ただ、ルナの場合はザク時代はミネルバ固定での砲撃は駄目だったけど、インパに乗り換えてからは
初空中戦でもウィンダム落としまくってたから能力が低いとも言えん
まあ結局は嫁(ry
333通常の名無しさんの3倍:2008/01/14(月) 13:49:34 ID:???
ルナは大砲振り回すより肉弾戦のほうが得意だった罠
334通常の名無しさんの3倍:2008/01/14(月) 13:52:29 ID:???
ミレニアムシリーズ期待の星であるザクが砲台ってのも問題だったな
アクシデントということもあるだろうけど
連合が量産機ですら飛べるってのに、飛べないからミネルバの上で砲台代わりとか
飛行可能なウィザードがあったってよさそうなものだが
335通常の名無しさんの3倍:2008/01/14(月) 13:57:26 ID:???
ジェットストライカーのスクラップから作りゃいいのにな。
ガルナハンとかの陸上なら拾えるだろうし。
336通常の名無しさんの3倍:2008/01/14(月) 14:58:56 ID:???
あっという間にデュエルを強化した
ZAFT脅威の技術力はどこいった
337通常の名無しさんの3倍:2008/01/14(月) 15:08:37 ID:???
>>336
ラクスがストフリの設計図と共に全て簒奪した
338通常の名無しさんの3倍:2008/01/14(月) 15:45:31 ID:???
>>334
つかロドニアラボ偵察の際に、レイザクがゲタみたいなのに乗ってるし
あれ見た時は流石に開いた口が塞がらんかった
339通常の名無しさんの3倍:2008/01/14(月) 16:46:45 ID:???
そういやゲタは種でもジンが使ってたなw
340通常の名無しさんの3倍:2008/01/14(月) 17:15:12 ID:???
>>338
しかし下駄履きのMSなんて自由に飛べるMSにとってはいい鴨ですが

>>339
種の時は連合の航空兵力は脅威ではなかったし
341通常の名無しさんの3倍:2008/01/14(月) 18:22:52 ID:???
当たらない砲台やってるよりはマシだな
342通常の名無しさんの3倍:2008/01/14(月) 19:57:58 ID:???
つかザムザザー初登場の時点で俺は

ナチュ>>越えられない努力・執念の壁>>コーディ

と感じてしまったぞ。飛び回って武器も必要な物はしっかり付けた
最新量産機と戦艦の主砲すら跳ね返す色物な化け物。

コーディの最新鋭の集まったミネルバよりずっとスゲーじゃん。


とまあ、こんなのはどうでもいいけど

ルナがこの時点で何かを掴みそうになった話見たのは初めてだったから新鮮だったわ。
何気にシンより成長してないか?

しかもおかしいぞ。レア物中のレア物であるマジで格好いいアスラン……
343通常の名無しさんの3倍:2008/01/14(月) 21:10:06 ID:???
>>338
グゥルか
あれは足をロックしなけりゃ有用なゲタなんだがなぁ
単騎用だから大型化すれば土台になって運用に幅が出るのにねぇ
344通常の名無しさんの3倍:2008/01/14(月) 21:29:08 ID:???
今回のルナ見ててキャルのクイックドローを何故か連想したのぅ
345通常の名無しさんの3倍:2008/01/15(火) 00:09:40 ID:???
SSとは関係ないけど「神の摂理に挑む者達」と「破神昇華 渇かず飢えず無に還れ」
の二曲が歌になってることを今日初めて知った。
どっちもカッケーぜ!
346通常の名無しさんの3倍:2008/01/15(火) 00:42:32 ID:???
それ、凄い前からなってなかったか?
飛翔が出た時くらいに通販特典で付いてたはずだが
347通常の名無しさんの3倍:2008/01/15(火) 00:46:32 ID:???
飛翔本編でも
アルが復活したときに流れたよ。
348通常の名無しさんの3倍:2008/01/15(火) 13:20:35 ID:???
>アルが復活したとき

「機神咆吼ッ!デモンベイン」じゃね?
「神の摂理に挑む者達」と「破神昇華 渇かず飢えず無に還れ」のボーカルは流れてないよ
349通常の名無しさんの3倍:2008/01/15(火) 13:32:56 ID:???
>>348
ごめん、間違えてた。
350通常の名無しさんの3倍:2008/01/16(水) 14:23:35 ID:???
グリモアがロリロリだからデモンベインは神なんだ!!
351通常の名無しさんの3倍:2008/01/17(木) 02:39:13 ID:???
然り。「神」と書いて「ようじょ」と読むものなれば。
352通常の名無しさんの3倍:2008/01/17(木) 07:03:58 ID:???
人外という免罪符もあるいしな
353通常の名無しさんの3倍:2008/01/18(金) 08:52:44 ID:???
地球皇帝に本当に地球を征服させたいな
>>350
ロリは正義だ!!!
354通常の名無しさんの3倍:2008/01/18(金) 20:27:52 ID:???
ニャル「じゃあ僕もロリになるよ♪」
355通常の名無しさんの3倍:2008/01/18(金) 22:12:48 ID:???
>>354
胎児が正義だ!
356通常の名無しさんの3倍:2008/01/18(金) 22:45:01 ID:???
次は豆が正義だ、って流れか
357通常の名無しさんの3倍:2008/01/18(金) 22:48:43 ID:???
無限の貌を持つニャル様なら老若男女メカも人外もありとあらゆるニーズに応えてくれますよ?
358通常の名無しさんの3倍:2008/01/19(土) 01:46:19 ID:???
そして、幼女、胎児、受精卵となって、最終的には原子になるんですね?ワカリマス!
359通常の名無しさんの3倍:2008/01/19(土) 01:50:58 ID:???
問題は「ニーズに合う姿+α(人には理解できない狂気と邪悪)」ってとこ
360通常の名無しさんの3倍:2008/01/19(土) 10:44:08 ID:???
そういやドラマCDで悪の幼女萌だったな、大導師殿は
361通常の名無しさんの3倍:2008/01/21(月) 12:15:57 ID:???
ラスボスと主人公がロリコンなのが良い
今思ったが地球皇帝も意外とロリコン?
362通常の名無しさんの3倍:2008/01/21(月) 12:25:43 ID:???
絶望した!!主人公とその宿敵の外道っぷりに絶望した!!!
あそこには社会不適合者しかいないのかーーー!!!
363通常の名無しさんの3倍:2008/01/21(月) 13:19:38 ID:???
まあ魔導に足を踏み入れた時点で既に外道だからな
364通常の名無しさんの3倍:2008/01/21(月) 17:22:45 ID:???
>>361
どっかでルルイエ異本をルルたんと呼ぶ地球皇帝をみたような…
365通常の名無しさんの3倍:2008/01/21(月) 18:23:28 ID:???
>>364
確かルルイエ異本に欲情する地球皇帝のSSがあった
366通常の名無しさんの3倍:2008/01/22(火) 08:36:40 ID:???
金枝篇をロリと化すべく渾身の魔力を注ぐものの、実体化したのはしわくちゃのババアだった。
という可哀想な地球皇帝もいたな。
367通常の名無しさんの3倍:2008/01/22(火) 09:52:27 ID:???
>>364>>365
たぶんここの【A計画】っていうSSのことだと思うぞ
http://s03.2log.net/home/apro/

ある意味社会不適格者ばっか……
368通常の名無しさんの3倍:2008/01/22(火) 10:35:48 ID:???
『ネギ君がデモンベインを招喚したようです』を発見
ttp://game14.2ch.net/test/read.cgi/gal/1200886233/1-100
369通常の名無しさんの3倍:2008/01/22(火) 14:20:40 ID:???
そろそろロリ魔導書になって自分達に闘いを挑むニャル様が現れても良いと思うんだ
370通常の名無しさんの3倍:2008/01/22(火) 18:44:59 ID:???
ある意味紅朔がそうじゃない?
今も残ってるかはしらんがニャルの血肉混じってたし。
371通常の名無しさんの3倍:2008/01/22(火) 21:53:23 ID:???
>>370
じゃあ次は九郎役も自己調達で
372通常の名無しさんの3倍:2008/01/22(火) 22:38:41 ID:???
鬼械神に偽装してたけど、九朔の思いで味方になったニャル様を忘れるなよ
373通常の名無しさんの3倍:2008/01/22(火) 23:02:46 ID:???
>>372
だから残るは苦労役だろ
374通常の名無しさんの3倍:2008/01/23(水) 02:02:21 ID:???
……さて。何かSSみたいなのができましたが、投下していいものか。
自信あんまないんで、出来が悪くてもいいなら投下します。
375通常の名無しさんの3倍:2008/01/23(水) 03:13:29 ID:???
基本来るもの拒まずだからいんでないかな
376ですべのひと ◆aPPN.qr8X2 :2008/01/23(水) 03:17:50 ID:???
どもです。では投下を開始します。
トリップ合ってるかな……?

久しぶりなんで、ただでさえ文才がアレなのがさらに鈍っていそうですが、
そこらへんご承知願います。あと原作ゲーム7話視聴前提。

ちなみに難産から多忙だったため、またさらに文章力が落ちています。ご了承を。
377ですべのひと@おさらい ◆aPPN.qr8X2 :2008/01/23(水) 03:23:40 ID:???
〜 wikiに掲載されている話を見たこと前提 〜

前回までのデスティニーベイン!

遂に現れたブラックロッジ幹部・ティベリウス、ティトゥス。
覇道邸への襲来……ティトゥスと対したのは執事ウィンフィールド。
まさかの活躍を見せ、魔術師相手に互角以上に戦って見せた。
一方九郎達はティベリウスの力に翻弄され、ボコボコにされてしまう。
しかし、その決着に水を差したのは他でもない。
マスターテリオンその人だった……

「へー……
 って、それは原作六話! デスベのおさらいはどこ行った!
 つーか俺は!? シン・アスカは!?」

|(・・;)=3

「逃げるなぁぁぁ!!」

まあ、ド・マリニーの時計のせいか、はたまた神様の悪戯か、
デモベループに巻き込まれてしまったシン・アスカのお話です。
彼が何故ロイガー、ツァールの力を手に入れられたのか、携帯に何が起こっているのか。
それはまあ、これからの展開を楽しみにしていてもらえると。

始まりがアレですがね!
378デスティニーベイン ◆aPPN.qr8X2 :2008/01/23(水) 03:28:22 ID:???
青い空、白い海、光る太陽。
空気違いな程に輝くこの場所。
こうして来てみると、魔術とか邪神とかの存在する世界とはまるで違うように見える。
昔は家族と来たものだけど、今は同僚や上司と来ている。
こうして考えると、大人の付き合いになってきたのかな……。
ちなみに原作と比べるとチビキャラが二人増えてる。まあ言わずもがな。

ところで。
「…………あぢー」
空気の読めない魔法使い族が一体。
「DA☆MA☆RE。
 大体ここに何しに来たと思ってるんだ、お前は」
「そりゃアンタへの依頼だろ?
 それもオカルト絡みでいかにも魔術師の仕事的な」
……あくまで、ここに来た理由は観光ではない。
ここインスマスで起こっている不可解な事態、それの原因究明、解決のためだ。
しかし魔導探偵らしい仕事だと涙すら流した九郎がこれなのはどうか。
「大丈夫だろ。アルだってあんな感じだし」
で、勿論そのだらけ探偵の相棒はちゃんと遊びまくってる。
原作通りの描写は……さあ早く原作で補完する作業に戻るんだ。移植前か移植後かはお好みでどうぞ。
「それに、どうせ今日は何も起こりそうにないし。今日くらいは遊んでもバチ当たらないだろ?」
379デスティニーベイン ◆aPPN.qr8X2 :2008/01/23(水) 03:31:49 ID:???
―――言って気付いた。
何で俺はそんなことを口走ったんだ?
これが普段であれば、俺はこう結論づけるだろう。こんな雰囲気だし別にいいじゃんと。
ならばこれはなんだ。
心の中に妙にひっかかる、この感情は―――

わぷっ!

「どうだ! これぞ我が至高にして究極のコンボ攻撃ぞ!
 某スーパーな大戦に参加した暁には……」すなわち荒れる話題ですね! わかります!「ほーらほら、九郎ちゃんにシンちゃん、油断してると後ろからバッサリよん?」
水鉄砲装備の魔導書とシスターのツインユニットが同時攻撃を仕掛けてきた。
つまりお誘いだ。
我慢の限界なのか、九郎は少しばかり考えた末

→せっかくだから俺はこの「遊ぶ」の選択肢を選ぶぜ
 ころされても あそばない

すっとんでく。
変な選択肢が見えたが気にしない。
俺も参加しようと駆け寄る前に、アルの肩に乗っかってる「双子」が目に止まる。
なぜ海仕様なのかは気にしない。
そいつら、口を開いたと思ったら
「主……凡骨ですか」
「ヘタレ化は進行中のようです」
OK、どうやら二人も俺を誘っているようだ。
闇のゲーム的な意味で。

 機神咆哮デスティニーベイン
  PHASE-5「Evil Shine」
380デスティニーベイン ◆aPPN.qr8X2 :2008/01/23(水) 03:33:54 ID:???
「すみませーん、そのボール取ってくださーい」
(結局九郎含め)皆で遊んでいる最中に、誰かがボールを飛ばしてしまったらしい。
でもなーんか聞き覚えがあるな、と思ったら。
『あ』

凍りつく周囲。
止まったような時間。
無言で歩み寄る二人―――。
「爆撃掌!!」「シェルブリットバースト!!」
皮切りは、クロスカウンターだった。

「何でアンタまで此処に居るんだ! しかもあの奴等に思いっきり溶け込んで!
 多少マシかと思ってたがもうアンタも仲間か! すっかり元の電波ビンビン野郎になってしまったのかよ!」
「電波は否定したいね! 生きていくにはこれしかないわ、フリーダムの存在にも困るわ、
 逃げられないわでこうするしかないじゃない!?」
因縁ある者はやはり因縁ある者と?
九郎達があの科学者やその部下どもと喧嘩している最中、
俺とキラ・ヤマトのマシンガントークも幕を開けた。
よりによってあのキ……もういいや。それと和やかにビーチバレーとか何やってるんだ。
381デスティニーベイン ◆aPPN.qr8X2 :2008/01/23(水) 03:36:41 ID:???
「ええい、仕方あるまい。こんなこともあ(ry

ここらへん原作とあんま変わんないんでスルーしていいですか?
ほら、錆びたドラム缶があそこにあるし。
もうアホかと。馬鹿かと。あまりのアホさに何も言えない俺。
「kiss☆summer!! 我輩とて無限の可能性の中で爆発的な成長を遂げる大天才、
 貴様のような凡人にはこの『患部で錆びてすぐ発進
 〜天才のスーパーウェスト無敵ロボ28號は大変な自由を盗んでいきました〜』の違いは分かるまい!」
「色々言いたいが、お前がニコってることだけはわかった。ニコ厨乙」
どんな略語だ、それわ。さすがキ印の扱いは大十字のお家芸だと言いたいが。
なに、貧乏人がそんな単語を知っていていいのかって?
今は西暦何年なのかを考えたらどうでもよくなる。
「汝も随分と読者への発言が板についてきたな」
うるせいよ。そこの読まれる側。
382デスティニーベイン ◆aPPN.qr8X2 :2008/01/23(水) 03:38:33 ID:???
「で―――どうするんだ?」
「フン、こうするまでよ」
俺の問いに答えるように、キ印がギターを取り出す。
「右から スパコディ 文句を言ってきた〜♪」
「それ、僕のこと? というか何でその単「天才は それを 左に受け流す〜♪」」
「何したの? ねえ、僕が何をしたんだ?」
「――――受け流すのも、自由だァァァ!!」
「聞けよ! つーかいきなりネタ変更されても困るから!」
必死に叫ぶキラ。それを右から左に受け流してギターをかき鳴らすウェスト。
正直聞くに耐えないと思ってたら

「コール、フリーダァァム!」
ガィン。

「――――」
場内の雰囲気が凍りつく。
「……おかしいである。本来ならあれで破壊ロボの中からフリーダムが
 剣を突き立てられた黒ひげの如く出てくるはずなのであるが。
 ……リトライ。コール、フリィィィダァァァム!!」
ガィン。
勿論、ロボ内部からの音だった。

場内の全員の意見が一致した。
―――なにやってんだお前。

「イ゛ェアアアアアア!!」
キ(ry の悲鳴と撲殺音が響く。
なぜだか、この瞬間だけキラと息が合ったような気がした。
「アレでフリーダム呼ばれても失敗しても、なんか嫌じゃない?」
ですよねー。
383ですべのひと ◆aPPN.qr8X2 :2008/01/23(水) 03:41:35 ID:???
とりあえずここまで。
……まあ、長い間凍結していた分忘れてる人もいませんが生きてます。
また書き始めますが、記憶違いやらがありましたら意見等受け付けます。

なんつーか、本気ですみませんでした。
384ですべのひと ◆aPPN.qr8X2 :2008/01/23(水) 03:45:39 ID:???
……忘れてました。
よりによって次回予告と今回タイトルを一致させるのを。

正しくは「THE SHADOW OVER INSMOUTH」です。
重ね重ね失礼しました。
385通常の名無しさんの3倍:2008/01/23(水) 10:21:11 ID:???
うお、すげえ久しぶり!
もう来ないと思ってたから嬉しいぜ
そして、相変わらずカオすだw
386通常の名無しさんの3倍:2008/01/23(水) 12:21:27 ID:???
懐かしいな
387通常の名無しさんの3倍:2008/01/23(水) 23:17:07 ID:???
旧神が戻ってきた!
久しぶりでもカオスはまだまだ健在ですな
そしてこの作品のキラはどんどん愛すべきバカと化しているw
とにかくGJ!
388通常の名無しさんの3倍:2008/01/23(水) 23:25:49 ID:???
えーと、確かこのキラって

九郎ちゃんとバトル→キ(ryに攫われる→グランドマスターと本にサンドイッチ

というとんでもない波乱万丈な生き方してたんだよな。
そら馬鹿にもなるわな。
389通常の名無しさんの3倍:2008/01/24(木) 04:20:55 ID:???
このキラは好きだ。
最初こそ本編の電波をゆんゆんとさせていたが、
ドクターウェストと言う愛すべきキ(ryとの出会いが彼を変えた。
今の彼は輝いている。
このキラなら、本編時空に戻っても、きっとナイスな突っ込みキャラを確立するに違いない。
そして、ニコ厨吹いた。
390通常の名無しさんの3倍:2008/01/24(木) 10:14:04 ID:???
そんなドクター・ウェストに痺れる!憧れる!!
391通常の名無しさんの3倍:2008/01/24(木) 10:28:06 ID:???
ちょwww憧れんなwww
392通常の名無しさんの3倍:2008/01/24(木) 11:10:38 ID:???
俺はそんなキチ○イに憧れる!!
俺はまだまだ普通のマッドサイエンティストだったということを世紀の大天才ドクター・ウェストに教えてもらった
いつかは超えてやる!!!
393通常の名無しさんの3倍:2008/01/24(木) 12:05:58 ID:???
>>392
発迷品ぷりーづ
394通常の名無しさんの3倍:2008/01/24(木) 12:53:04 ID:???
>>392
よし、エルザを作ることに成功したら発送してくれ。
395通常の名無しさんの3倍:2008/01/24(木) 13:48:11 ID:???
これは久々にいいカオス。
GJと言うしかあるまいて
それにしてもニコ厨ワロス
396通常の名無しさんの3倍:2008/01/24(木) 14:50:33 ID:???
ある意味ウェストはキラの理想と言える。
あれだけの騒動起こして死人0だからな。
397通常の名無しさんの3倍:2008/01/24(木) 16:11:26 ID:???
そんな理想ヤダwwww
398通常の名無しさんの3倍:2008/01/24(木) 17:47:23 ID:???
いや待て、アズラットも言っていたではないか。「ドクター・ウエストを信じろ。彼は人類のための基地外だ」と。
…………あれ、何か違うような。
399通常の名無しさんの3倍:2008/01/24(木) 19:42:00 ID:???
ウェストからすればチアキは凡人めがねだけど
ダーレスはどうなんだろう
400通常の名無しさんの3倍:2008/01/24(木) 20:18:00 ID:???
自分には今一歩及ばないけど勝負にはなるレヴェルのライバル扱いじゃね? 多分。
401通常の名無しさんの3倍:2008/01/24(木) 21:02:00 ID:???
戦闘スーツメタトロン(オリジナルと同等?)作るくらいだから
実際技術レベルはウェストとタメはれそうだぜ。
402通常の名無しさんの3倍:2008/01/24(木) 21:06:06 ID:???
>>ダーレス
飛翔が出る前のデモベスレでは、
「じつはウェストの母親じゃないか」という説までささやかれていたくらいだしなw
403通常の名無しさんの3倍:2008/01/25(金) 04:12:51 ID:???
ダーレス的にはウェストの才能を高く評価した上で、
「科学は人を幸せにするものです、悪の道なんかに走っちゃいけません!」
とか説教しそう、ダーレス自身頭も悪くないし意外と天敵みたいになりそう?
404通常の名無しさんの3倍:2008/01/25(金) 15:56:17 ID:???
そろそろage
405通常の名無しさんの3倍:2008/01/25(金) 17:25:01 ID:???
ダーレス……ティベリウスに陵辱して殺された瑠璃の母親とイコール……なんですよね?
キャラが立ってしまうと、名無しのキャラのままの方が良かったかもしれない、そう思えてなりません。
406通常の名無しさんの3倍:2008/01/25(金) 17:27:11 ID:???
うん、涼風設定は無効なんだ、すまないね
407通常の名無しさんの3倍:2008/01/26(土) 12:44:53 ID:???
無限すら越える永遠に続いた螺旋回廊の世界。
ナイアさんが気まぐれと言うか、悪ふざけというか、気の迷いというか……もしかしたら一回くらいは『綺麗なドクターウェスト』があったかもしれない。
408通常の名無しさんの3倍:2008/01/26(土) 16:36:52 ID:???
うそだっっっ!!!!!!!!!!!
409通常の名無しさんの3倍:2008/01/26(土) 20:49:38 ID:???
んなことしたらあまりの退屈さに輝男のやる気とSAN値が急降下するぞ。
410通常の名無しさんの3倍:2008/01/26(土) 20:51:56 ID:???
元々やる気ないでしょうが。
まぁアレ以上やる気なくなったらニャル様も困るだろうなぁ…
411通常の名無しさんの3倍:2008/01/26(土) 21:44:31 ID:???
テリオンは九朗ちゃんLOVEだからきっと大丈夫だよ
412通常の名無しさんの3倍:2008/01/26(土) 21:49:51 ID:???
俺はいつかスパロボで
九郎、輝夫が合体攻撃を出し
さらにはそれに九朔も加わって
レムリアトリプルインパクトが出ることを夢見ているんだがどうなのだろう
413通常の名無しさんの3倍:2008/01/26(土) 22:53:44 ID:???
いつかゴッドフィンガーとレムリアインパクトとパルマで合体攻撃を…
ダメだ。明らかにパルマが足を引っ張ってしまう…

このスレ的にシンが紅朔と絡んでくれると俺はとってもハッピー
そんな超展開なら、俺はシンが九朗や九朔にフルボッコされても文句は言わない
…絶対にない事だろうとは思うけど、妄想は自由だ!
414通常の名無しさんの3倍:2008/01/26(土) 23:07:00 ID:???
>>407
無害な西なんてのが居たなら、鋼造が間違いなく拉致って
デモベの開発に参加させているかと
415通常の名無しさんの3倍:2008/01/26(土) 23:12:05 ID:???
綺麗なウェストが居たとしたら……何かと挙動不審な大導師に部下達が動揺したかもしれない。
いやマスターテリオンよりもエセルドレーダの方が堪えられないか。
416通常の名無しさんの3倍:2008/01/27(日) 00:43:08 ID:???
やる気のないテリオン・・・
アニメ版(主に作画的な意味で)かっ!
417通常の名無しさんの3倍:2008/01/27(日) 01:11:05 ID:???
>>413
パルマはゲームだとダークネスフィンガーと真っ向から張り合えるんだぜ?
GジェネPのオープニングムービー的に
418通常の名無しさんの3倍:2008/01/27(日) 01:12:42 ID:???
ヒント
あの後、運命は師匠にボコボコにされた
張り合っているように見えたのは邪神(スタッフ)のせめてもの良心のおかげ
419通常の名無しさんの3倍:2008/01/27(日) 01:14:23 ID:???
>>417
それ初めて見たときめっちゃ噴いた記憶があるわ。
あの威力ならいい線いくんじゃないか、レムリアと組んでも。
420通常の名無しさんの3倍:2008/01/27(日) 01:16:51 ID:???
お前ら・・・・相手は仮にも師匠だということを忘れるなよ、
生身でアルベルトと張り合った男だ、MFに乗ってる時よりも素手で戦ったほうが強いのかも試練罠
421通常の名無しさんの3倍:2008/01/27(日) 01:33:01 ID:???
種死の機体なら、原作レイプの大幅なてこ入れがされても構わない
デスティニーの原形を留めていれば、マシンセルを打ち込まれようが、
ドクターウェストに魔改造されようが、構わない
ああ、でも、ドリルはいらない
味方機としては使えない設定にされようが、素敵な敵役になってくれるならそれでいい
そんな俺はスパロボクロススレ住人

師匠は生身で戦った方が強いだろうとは思う
しかし、MFではないとできないことがあるのです。そういうことにしといてください…
422通常の名無しさんの3倍:2008/01/29(火) 08:29:33 ID:???
>>421
ドリルはいる!!
ドリルは漢のロマン!!
423通常の名無しさんの3倍:2008/01/29(火) 09:29:42 ID:???
私はドリルに漢を見た!
424通常の名無しさんの3倍:2008/01/29(火) 10:15:02 ID:???
>>423
軍師自重
425通常の名無しさんの3倍:2008/01/29(火) 16:08:09 ID:K8drE/Lb
>>424
軍師とドリルの組み合わせとは、この海のリハクの目をもってしても見抜けなかったわ
426通常の名無しさんの3倍:2008/01/29(火) 18:50:33 ID:???
ウェスト=ドリル
マスター=アッパー
427ですべのひと ◆aPPN.qr8X2 :2008/01/31(木) 01:42:12 ID:???
どうも、ですべのひとです。
今回はセリフだけの部分がありますが、姫さん以外それぞれ名前の最初の文字をとってるので注意。
無駄にぐだぐだと長いですが投下参ります。
428デスティニーベイン ◆aPPN.qr8X2 :2008/01/31(木) 01:43:56 ID:???
―――さて。
俺とキラ・ヤマトがここにいる以上は、色々と確執があるし
聞かなきゃならないことも山ほどある。
こいつのやったことも忘れていない。
だけど。
「やめてよね。君がいくら頑張っても僕の前でご馳走にありつける訳ないじゃない?」
「アンタって人はぁぁぁ!!」
今はとりあえずその蟹を返せ。
つーか食うな。俺が懸命に働いて得た機会を潰すな。食うな。
お前自分のあるだろ。お前自分の食えって。
だからちょ、おい、カニ食うなってー!!
「んぐ……はい、完食♪」
「ちくしょー……食われた……」
待ちわびた宴席イベントを食い荒らされ、失意体前屈。
話が遅れたけど、結局話は夜になって今はホテルの中。
覇道の件で行くんだから、どんな食い物が待っているかも気になるところだった。
だのに、これだ。
「うさ(・x・)うさ(・x・)うさ(・x・)うさ(・x・)うっさっぎー!
 ウサギと亀の大一番、勝利したのはウサギさん!
 我輩の配下に勝てぬようでは、役立たずもいいとゴフッ」
「うるさいロボ、博士」
「とりあえずウルセイ」
見事な合体攻撃。なんかキラも波長が合ってきたよなあ。
何でここにキ印がいるか? 俺に聞かないでくれ……。
429デスティニーベイン ◆aPPN.qr8X2 :2008/01/31(木) 01:46:52 ID:???
「主、これを」「お気を確かに」
うう……ロイガーにツァールが慰めてくる。
魔導書に慰められるとかどんだけー。
とりあえず渡された蟹を一口。

……蟹?
「どこから持ってきた」
「「あそこから」」
蟹? あ、いいよ。蟹、いいよ。蟹。
……そこには手付かずの蟹があった。
当人がキ印にかまけているうちに、復讐と言わんばかりにキラの蟹を食い漁る俺。
「つーか、何であいつらの食事も出てるんだ……」
「主、私にも」「私にも」
二人にも分けてやる。普段はちびなんで、少しでいいだろう。
こうして食べる姿を眺めてると、やっぱ仕草とかは双子だなぁと呑気に思っていた。
「……シ〜ンく〜ん?」
背後の存在をすっかり忘れていた。
「あ、アンタも俺の蟹食っただろ! これでおあいこだよ!」
「……君はd「あなたたち〜?」うわ!?」
会話に割って入らないでください総帥。つーか臭っ! 酒臭っ!!
絡まないで腕まわさないで勘弁して。この臭いがなきゃおいしいシチュ……いやいや。
「それは君のラッキースケベを否定する考えじゃないかな?」
うるさい。お前も同じような目にあってるくせに。
つか敵をなんとかしようとしませんか総帥。
「飲みっぷりが足りませんわねぇ〜。うり、一杯一杯」
無理そうだ。
そして俺に突き出されるアルコール。
まあ確かにプラントじゃ成人ですが、というか総帥かなり酔って
「 飲 め 」
……はい。
430デスティニーベイン ◆aPPN.qr8X2 :2008/01/31(木) 01:50:51 ID:???
「……うぅ」
ふらつきながら腰にタオル一枚という格好になった俺。
露天風呂にでも入って酔いを覚まそうと。
流石にあの空間にいたら……

 〜回想〜
九「一番、大十字! ハムスターやります!
  『はむはー!!』」
姫「反則。ラス○ブネ○ス! ついでに○サルト○ーマー解除!!」
九「ぐげぶほっ!!」
シ「おーい、大丈夫か……?」
九「……よ、ヨ○ンという奴は死んだよ」
シ「ネタ合わせるなよ! GXか!!」
姫「あら、じゃあ次はシンさんにやってもらおうかしらぁ?」
シ「ぐ……に、二番シン・アスカ、仮○ライダーやります!
  『倒してもいいよね? 答えは聞かないけど』」
姫「同ベクトル。必殺、俺の必殺技!」
シ「グアアアアア!」
 〜回想終了〜

死体の山になりそうだな。別の意味で。
というわけで、そんな回想してるうちに身体を洗い終わった。
さっさと入るか。野郎のサービスシーンなんて誰も期待してな……
い、一瞬悪寒が走ったけど気のせいだ。
酔っているからだな。断じて一部女性の視線とか感じてない。
そう思って、熱い温泉に身を落とす。
「露天風呂って……気持ちいい……」
一万年と二千年前から……何でもない。
431デスティニーベイン ◆aPPN.qr8X2 :2008/01/31(木) 01:53:36 ID:???
……気が付くと、見知らぬ場所を歩いていた。
暗闇の空、荒れ果てた大地……そして、デモンベインの残骸。
一体ではない。荒れ地のあちらこちらに、
視認できるだけでも何十体ものデモンベインが「亡くなっている」。
ある物は下半身が消えていたり、ある物は腕が欠けていたり、ある物は頭部が飛んでいたり。
ただ―――五体満足なデモンベインは、一つたりともなかった。

ただ、その中を俺はひたすらに歩き続けた。
それしかできなかったから。それしか知らなかったから。
そして、漸くその中で何かを見つけた。
人がいる。
銀の長髪を後ろで束ね、こちらに背を向けている。
俺は、いつしか走っていた。彼女に追い付くために。
何故かは分からないが、俺は「掴まなくてはならない」気がしていた。
それが彼女なのか、はたまた別の大事なものなのか……

そして、やっとの思いで届く位置に手を伸ばした―――瞬間。

霧散した。

視界に拡がる紙。紙。紙。
書かれている文字は読めない。
自らの眼前で、少女の形は砕け散った。
今俺の前にあるものは、ただの紙切れだけだった。
膝をつき、くずおれる。
なぜだか、とても悲しかった。無性に悔しかった。やるせなかった。

「―――まだ、巡り逢える」

この夢の中で、最後に聞いた言葉は、それだった。
432デスティニーベイン ◆aPPN.qr8X2 :2008/01/31(木) 01:56:10 ID:???
「……ちゃん、シ………ん!」
気付いた時には、誰かに揺り起こされていた。
俺はどうやら、風呂の中で寝ていたようだ。
「あ、起きた……もう、お風呂の中で寝るものじゃありません!」
……ライカさんか。
ぼうっとした頭で彼女のことを視認―――

そしてまた夢の世界へと旅立った。

そう。ライカさんの見事な00が、至近距離で俺の視界と煩悩に武力介入してきたのである。
その後無意識に出してしまった鼻血のせいで思考を読まれ、
文字通り叩き起こされたのは言うまでもない。
ツッコミ激シクナリマシタネ。九郎のときより。……なぜに?

いや、ほら。
隠し芸大会で一回脱がれて(水着着てたけど)、
そのあと至近距離の00(タオルあったけど)の武力介入とか。
耐えられると思うか、普通?

それからまあ、またバカ騒ぎに戻ったりして慌ただしくも楽しい一日が過ぎ去っていった。
フラグ? なんの話かな。俺には毛頭関係ないことだ。
ほら、この物語の主人公は俺でもデモンベインの主人公は九郎じゃないか。
チクショー!!
433デスティニーベイン ◆aPPN.qr8X2 :2008/01/31(木) 01:57:01 ID:???
「主、大丈夫ですか」
……ああ。なんか電波が飛んできただけだ。問題ない。
「あちらを」
双子に誘われて向こうを見ると―――

「何でそんなもの持ってるんですか総帥」
着ませんよ。そんな服なんて着ませんからね。
つーか、しまえよ☆セーラーふく!
なにその制服! ちょ、まともに選びなさいよ!
「シンさんにツインテールの髪型ひとつ」
聞いてねえしっ!!
そしてあっと言う間に囲まれる俺。
なに手招きしてるんだ九郎。一人無意味にキマった女装させられたのがそんなに嫌なのか。
俺も嫌だ。そんな骨格が変わって見えるような女装なんて絶対に嫌だ。
そして汗…ベイベェ…のひと、BGMで主題歌を歌わないでください。
とにかくメイドさんたち、頼むから離してくださいってかむしろHA☆NA☆SE!
「黙りや! 男にはなぁ、逃げたらアカン時があんのや!」
女にされそうですがチアキさん。
「主人公下ろされたままの癖に我が儘言わないでくださいですぅ〜」
それ、俺に対してこうかはばつぐんだからソーニャ。
「……男のままでいられると目に毒」
本当に性別までは変えませんからねマコトさん。
嗚呼、なんたる四面もとい三面楚歌。
「シン様、お覚悟を」
ごめん四面楚歌。
ウィンフィールドさん、あなたも来るのは反則です。
「君は、何をそんなにいやがるんだい?」
……だからさりげに混じるなよキラ。
しかもこいつもセーラー服似合ってるし。
って、待てよ?
「それでは皆さん……やっておしま〜い!!」
総帥、その格好あんたまさか「「あらほらさっさー!!」」


 〜 ぐだぐだ劇場 〜
姫「さあ、始まるザマスよ」
九「いくでガンス……」
キ「ふんがー」
シ「まともに始めなさいよ!
  ……って、やっぱこれかああああああ!!」
434ですべのひと ◆aPPN.qr8X2 :2008/01/31(木) 02:01:19 ID:???
投下終了。
原作最大のカオス場面を何とか乗りきりました。
相変わらず文才はないですが、まあ少しでも楽しんでいただけたら。

ここから離れてたツケが一番痛いのはメイドトリオかもしれない。
ごめんなさい三人とも。
435通常の名無しさんの3倍:2008/01/31(木) 03:10:38 ID:???
GJ!
ってか中の人が多すぎて分かりませんw
436通常の名無しさんの3倍:2008/01/31(木) 10:21:56 ID:???
GJ!
ってかシンのラッキースケベ能力は次元を超えても健在か!w
437通常の名無しさんの3倍:2008/01/31(木) 10:45:02 ID:???
GJ
やはり種死とデモベは合わんな…
438通常の名無しさんの3倍:2008/01/31(木) 12:18:41 ID:???
これはいいCHAOS
どこまでいくかw
439通常の名無しさんの3倍:2008/01/31(木) 21:31:09 ID:???
CHAOS HEADよろしくね♪
440通常の名無しさんの3倍:2008/02/02(土) 11:22:31 ID:???
保守
441通常の名無しさんの3倍:2008/02/04(月) 22:47:56 ID:???
保守
442通常の名無しさんの3倍:2008/02/05(火) 02:21:21 ID:???
>>439そっちもいいが、俺としては
NIΘが原画、鋼屋ジンがシナリオの新作「ドグラQ」ってヤツの方に興味がある。
443種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2008/02/05(火) 03:35:53 ID:???
「膠着状態までは立て直せましたが、今一歩押し込めませんな」
「どいつもこいつも腑抜けおって! 何故これだけの数の差があって、ザムザザーまで投入して押し返せん!」
 その数に調子付き、最初まるで作戦らしい作戦も立てず真正面からぶつかったのは何処の誰だと、不機嫌に
怒鳴り散らす艦長の横で副官は内心毒づいた。
 とはいえ、かく言う副官も当初は艦長のやり方で問題ないと考えていた。数の差は大きく、多少の被害は出ても
戦艦一隻程度普通なら簡単に押しつぶせる。保険として、トライアルが終了して間もないザムザザーまで持ち出した。
 だが実際は出鼻をくじかれた挙句、切り込んできたたった二機のMS艦隊を撹乱されて動きを抑えられてしまう。
その二機を押さえるためザムザザーを出し、艦隊の一部とMSの大半をミネルバに向かわせたが、未だに致命傷を
与えられない有様。仕方なく手柄の分配覚悟でオーブに増援を要請してみれば──
「やる気があるのかオーブは! MSを一機だけよこした挙句、当たりもせん砲撃ばかりしおって! あれでは
 むしろ邪魔だ!」
「オーブはまだ同盟に正式加入したわけではありませんし、この間の騒ぎで相当戦力は落ちたと聞いています。
 諸外国からの感情もあるでしょうし、これだけしてくれれば上等でしょう。MS一機とはいえ新型を
 抑えているのです、十分なのでは?」
「甘いわ! 奴等が他の国にどう思われようと知ったことか! 幾ら被害が大きかったといってもまだMSは
 あるはずだ! 我等連合軍が苦戦しているというのに、それに全力で協力せんとは何事か!」
 この喚き散らす権威主義者をどう宥めすかせるべきかと、ウンザリした副官は本気で思考を巡らせ始めるが──
何かをひらめいたかのようにニヤリと笑った艦長を見て、その顔色を蒼白にした。
「艦長、何を──」
「鳴かぬなら鳴かせてしまえホトトギス……奴等の尻ならぬ、顔に火をつけてやれぃ!」
444種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2008/02/05(火) 03:41:29 ID:???
「しぶといな……」
『こいつっ! 手間取ってる場合じゃないのに!』
 ザムザザーを中心とした防御陣形を組まれ、二人は敵陣への進攻を完全に止められていた。MSに攻撃を
仕掛ければ相手はすぐさま後退し、その間にザムザザーが入り込み攻撃を防ぐ。直後MSの一斉攻撃が向けられ、
後退すれば今度は艦隊からの援護砲撃が雨のように降り注ぐ。致命傷はないが何度も攻撃を受けた
オーガアストレイはかなりのダメージを蓄積し、インパルスのエネルギーも削られていた。
『早くしないと、ミネルバへの被害が……うおおおお!』
「待て、シン! 遮二無二向かっても……ええい!」
 痺れを切らしたシンが直接ザムザザーに突貫する。先程似たようなことをして死にかけたのに、まるで
懲りていないらしい。止める間もなく突っ込んでいったインパルスを追おうとするティトゥスだが、その周囲を
何体ものウィンダムが取り囲む。シンをザムザザーに倒させるまで、ティトゥスを足止めする腹つもりか。
「有象無象が……邪魔だ!」
 機体に刀を構えさせ、ティトゥスは敵の懐に踏み込もうとする。しかしウィンダムは包囲は崩さぬまま、
オーガアストレイから距離を取っての射撃のみに徹した。オーガアストレイの戦法が、接近戦のみであることに
気付いているのだ。突っ込んで一体ずつ斬り倒すのが最も確実だろうが、ダメージは免れない。
下手をすれば集中砲火に落とされる可能性もある。
 どうするべきかと考えた直後、突然ガクンとオーガアストレイが傾いた。エールストライカーの持続限界だ。
風に乗る形でかなり消費を抑えていたつもりだったが、流石に滞空時間が長すぎた。
「くっ……!」
 考えている暇はない。全推力を全開にし、その力のみで機体を加速。真正面のウィンダムに狙いを絞る。
もう一度海に落ちるのは仕方がない。ならばせめて、その前に一機でも倒してシンの負担を軽くしなければ。
 しかし出力が高いとはいえ重量があり、揚力を得られない状態のオーガアストレイが宙に留まるのは難しかった。
徐々に高度が落ち、しかも周囲からはライフルの攻撃に晒される。目算で刃がかするか否か──ティトゥスは
一縷の望みに賭けて突き進む。操縦桿を握る手に力が入る。
「南無三!」
 スラスターの火が消える。なけなしの慣性に機体を任せながら、一刀に全力を込めて振り下ろすオーガアストレイ。
頭一つ高い位置に居座るウィンダムの表面を、刀の先端はわずかに撫でるだけに終わる。
 落下していくオーガアストレイを嘲笑うように、ウィンダムはライフルを構え──自らに起きた変化に
まったく気付いていなかった。
 中心に走る一本の線。それにそってウィンダムの身体は二つに別れ、そのまま爆散する。
「……すまんが持ち応えてくれ、シン」
 敵を落とせても、もはや海に落ちるのは避けられない。落下しながら攻撃を受けるオーガアストレイの
コクピットで、ティトゥスは複雑な面持ちで呟く。シンのピンチに手を貸してやれないことへの申し訳なさと、
ある『ヒント』に思い至ったことによる、思案の顔が混ざった表情だ。
(先の一撃、今ならば──この機体ならば、可能か?)
 考え続けるティトゥスを乗せたまま、オーガアストレイは海面へと激突する。その場に上がる大きな水飛沫。
そしてその直後、別の場所でも新たな水柱が上がっていた。
445通常の名無しさんの3倍:2008/02/05(火) 03:42:27 ID:???
リアルタイム投下に喜びながら支援
446種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2008/02/05(火) 03:43:51 ID:???
 ビームサーベル二本での連続攻撃にも、ザムザザーはまったく怯んだ様子を見せない。シンの心は、
焦りと不安で塗りつぶされていた。
『そらそらどうした? コーディネーターとはその程度か!』
「ちっくしょおおお!」
 シンはザムザザーに圧倒されっぱなしだった。リフレクターが貫けないなら別の角度からと考え、
シンは後方に回り込もうとした。だがいざリフレクターの角度から外れれば、待っていたのは何発もの
ビームと砲弾の洗礼だった。ビーム砲単装砲低圧砲、そしてバルカン砲。無数の迎撃火器がザムザザーの全身には
内蔵されている。リフレクターが一部の角度にしか有効でないことなど、開発者は分かっていたわけだ。
 実弾とはいえ多量の弾幕にインパルスはエネルギーを削られる。衝撃も強く、当たっても避けても
攻撃してる暇がない。結局出来ることと言えば、真正面から突っ込むというエネルギーの無駄使いだけだ。
『所詮MSなどその程度! これからはMAの時代なのだ!』
「舐めるな!」
『うっとおしいわ、どけ小僧!』
 リフレクターを解き、残った片方の爪──超振動クラッシャー《ヴァシリエフ》をインパルスにぶつける
ザムザザー。吹き飛ばされつつインパルスは体制を立て直す。しかしシンの体力はもう既に限界であり、
エネルギー残量も少ない。
 何もできない悔しさに唇を噛むシン。どうすればと途方にくれる中、後方で何かが海に落ちる音が響いた。
「え……」
 上がった水飛沫の向こうからウィンダムが団体で迫ってくる。だがそこに、オーガアストレイの姿はない。
まさか、自分がこのカニに気を取られているうちに──
「そんな、ティトゥスさ──!?」
 呼び掛けようとした声が、視界の端に偶然捉えた遥か彼方の光景に途切れた。吹き上がる水柱、これだけなら
なんの変哲もない、単に艦砲が海に落ちたというだけの話だ。
 だが、撃った艦と落ちた地点が問題だった。撃ったのはミネルバに接近し砲撃をかけていたはずの連合艦隊。
そして着弾地点は──オーブ艦隊の目と鼻の先。
 シンは声も出せないまま、その光景を呆然として見つめていた。
447種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2008/02/05(火) 03:47:12 ID:???
「フハハハハハハ! 今頃オーブの連中顔を青くして大慌てだろうよ! 誇り高い連合軍に対し協力せんなど
 愚劣の極み! 協力せんというならばザフトごと蹴散らしてくれるわ!」
(愚劣はどちらだ……私はもう、どうなっても知らんからな)
 連合艦隊による、オーブへの砲撃。その行動はそれを見ていた多くの者に対し波紋を呼んでいた。
「どういうつもりだ!? 連合の奴等、何を考えてあんな真似をした!?」
「タケミカヅチより入電! 先程の砲撃は敵の抵抗にうろたえた艦の誤射であり、オーブへの攻撃の意図が
 あったのではあらず。しかし事態の早期収拾の為、オーブにも積極的な強力を求む、との通達がきたと……」
「脅しのつもりか……同盟への正式加入もまだだというのに、オーブを属国扱いか!」
「やれやれ、だから連合ってのはヤなんだよね……ブルーコスモスかどうか知らないけど、こういうバカを
 軍に放置しておく姿勢がさぁ……!」
 本島の作戦司令部でカガリが激しく、ユウナは静かに連合の暴挙への怒りを燃やす。
「バカな! こんなことが知れ渡れば、諸国の悪感情を呼ぶだけだと分かっていないのか!?」
「どうやら、とんだ馬鹿者が艦隊を率いているらしいな……しかし、これはちと厄介だぞ」
 怒りよりも戸惑い、呆れが強かったのはアスランとミナの二人だ。二人ともこの行為を愚かと捉えたが──
ミナはこの愚行によりオーブもまた追い詰められたことを理解していた。
「れ、連合がオーブに攻撃ぃ!?」
「ま、まさかグルになってるのに気付かれちゃったんでしょうか!?」
「落ち着きなさい! おそらく消極的なオーブに対する援護の催促のつもりでしょうけど……」
 ミネルバのブリッジで、慌てふためくアーサーとメイリンを一喝するタリア。だがタリアはミナと同じ考えに
思い当たり、現状が更にマズイ状況に陥るのではと懸念していた。
(問題は今よ……執拗に迫られれば、オーブに選択権は……!)
 この行動が後々連合にとってどのような悪影響を及ぼすかは、今問題ではない。問題は、オーブがたった今連合に
協力するか否かを迫られているということだ。
 このような強攻策に出る相手だ、協力しなければ本気で攻撃してくるつもりだろう。あの規模の艦隊なら、
おそらくオーブが抵抗すれば勝てる……この場だけでなら。だがもしそんなことをすれば同盟は白紙、最悪の場合
敵性国家として連合に敵視される。無理矢理な理屈だが、連合のそれは今に始まったことではない。
そうなればまた二年前の悪夢が繰り返されることとなるだろう。
 だが、逆に連合と協力すればミネルバは終わりだ。ただでさえギリギリの状況なのに、ここにオーブ軍まで
出てこられては勝ち目がない。そしてそれは同時に、オーブとプラントのわずかな繋がりの消失を意味する。
 どちらを取るにしても、オーブにまず未来はない。だがあえてどちらかを取るというのなら……後々
正式に同盟を組む、連合ということになるだろう。
「ただ一つ、これを避ける術があるとするならば……」
 ミナは宙に浮かぶインパルスと、波立つ海面を見つめる。オーガアストレイが海に落ちたのをミナは確認
していたが、彼女はティトゥスがやられたなど欠片も思っていなかった。
「オーブが動き出す前に彼奴等がすぐさま突破口を開き、ミネルバが即座に離脱することができるならば」
 無茶にも程がある机上の空論だ。だがあの二人なら可能だろうと、ミナは何故か奇妙な確信を感じていた。
448種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2008/02/05(火) 03:48:59 ID:???
 シンの中から焦りや怒りは消え、その心は不自然なほどに澄み渡っていた。その真っ白な心に、
沸々と湧き上がる衝動がある。
「アンタ達は……」
 ティトゥスさんを──俺の恩人を落としたのか。ミネルバを──俺の帰る場所と仲間を、落とすつもりなのか。
 オーブを──俺の故郷をまた焼くつもりなのか。トダカさん達を──あの国を守るために闘う人々を、
踏みにじるつもりなのか
「アンタ達は……!」
 何度、繰り返す。どれだけ、奪う。
 アンタ達連合は、どれだけ俺から大切なものを失くせば気が済むんだ。

「──ッ! アンタ達はあァァァァァァァァァ!」

 ──繰り返させはしない、奪わせない。絶対に、守る。

 《守る》という衝動がシンの中の真紅の《種》と化学反応を起こし、種が弾ける。
 だがシンの起こした行動は、《守る》という衝動とは真逆のベクトルを向いていた。

 ──だから、お前らはみんな死ね。

 インパルスがザムザザーに正面から突っ込む。当然ザムザザーはリフレクターを展開し、インパルスを待ち構える。
「バカの一つ覚えか! 単細胞め!」
 インパルスは真正面から突っ込んで来る。余裕でそれを見ていた三名のザムザザー乗組員だったが、
インパルスとの距離が狭まってくるうちに、その額に驚愕を貼り付けた。
 ──インパルスに、まったく減速する気配が見えない。いやむしろ、加速し続けている。
「ま、まさか特攻する気か!?」
「ええい慌てるな! ザムザザーならMSの一機や二機、跳ね返すことなど造作もない!」
 怯える操縦士を機長が制する間にも、インパルスは止まらない。その手に握られているのは、実体ナイフ
《フォールディングレイザー》。
 あわや激突という寸前、インパルスはナイフをリフレクターに突き立てた。高加速を与えられたナイフは
リフレクターに深く突き刺さるが、ザムザザーの装甲に至るまでではなくそのままバキンとへし折れてしまう。
「残念だったな! 捨て身に出る覚悟は見事だが、それもここまで……!?」
 ザムザザーの目前で、インパルスがナイフを突きいれた状態で身体を捻った。ザムザザーの
頭上を、まるで宙返りするかのような形でインパルスは飛び越そうとする。
「ほ、砲撃手! ヤツを撃ち落せ! この距離なら外れはせん!」
 ザムザザーの全火器が一斉に火を吹く。しかし驚くべきことに、ほぼゼロ距離といってもいい至近距離にも
関わらずインパルスに攻撃は当たらない。インパルスは最小限の動きで、ザムザザーの砲撃の隙間を掻い潜るように
避けているのだ。まるでいつ、どの砲が発射されるのか分かっているかのような正確さで。
 ザムザザーを飛び越えたインパルスがサーベルを抜く。眼前にあるのは、高推力エンジンのノズル。
「バ、バカな! ザムザザーがァァァァ!」
 サーベルの一閃が、二基あるエンジンの片方を切り裂いた。大きな炎と煙を上げながら、ザムザザーは
海へと沈んでいく。
449種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2008/02/05(火) 03:53:42 ID:???
「ミネルバ! ブラストシルエットを出してくれ!」
『シン、スゴイスゴイ! って、え?』
「ブラストシルエットだ! 早くしろメイリン!」
『りょ、了解!』
 ザムザザー撃破の余韻に浸りもせず、戦果を称えるメイリンに怒鳴り散らすかのように言い放つシン。
光を失った虚ろな瞳は、《SEED》が発現した状態の特徴だ。
 早くシルエットを受け取ろうといったん後退しようとするインパルスだが、その進行方向に
ウィンダムの群れが迫る。インパルスに攻撃が行われる直前、海から飛び出した何かが二つ、
二機のウィンダムに突き刺さった。
『待たせた!』
「ティトゥスさん!」
 突き刺さった二本のワイヤー付きアーマーシュナイダー。それに引きずられ海に落ちるウィンダム。それを
足場にし、海から飛び出したオーガアストレイが更に跳躍する。同時にスラスターとエールストライカーをフル回転、
肩から伸びたワイヤーごとアーマーシュナイダーを引き戻し、両手の刀を一気に振るう。
 刀は数メートル、目標の間合いに入っていない──にも関わらず、ウィンダム二機が動体を斬り裂かれ爆発した。
高速で振られた刀の衝撃が剣圧となって空気を裂き、刃の先にいた敵を斬ったのだ。数メートル先まで
斬れればいい方だが、それだけでもオーガアストレイにとっては大きなアドバンテージとなる。
『やはり、これならば……とにかくここは拙者に任せろ、お主は行け!』
「はい!」
 ウィンダムをオーガアストレイに任せ、インパルスはミネルバへと向かう。既にミネルバから射出された
ブラストシルエットがこちらに向かって来ている。
 フォースシルエットを除去し、空中で合体。ミサイルランチャーと一体化した二門の大型砲を持つ
重砲撃戦機、ブラストインパルスとなる。
「どいつもこいつも、みんな消し飛べェェェェェェ!」
 ホバー機動で海面に浮遊しつつ、まずはミサイルランチャー八発を全弾ミネルバの方向へ発射。
すぐさま大型砲を展開しながら振り向き、自機のバッテリーに残ったわずかなエネルギーとシルエットの
全エネルギーをつぎ込み、高エネルギー砲《ケルベロス》をシュート。ミネルバを囲んだ敵への牽制と、
ティトゥスに任せた敵を素早く両方こなす。倒しきれなかった敵も突然の攻撃に動きを鈍らせ、
そこを仲間達が突いて次々と撃墜していく。
「ミネルバ、デュートリオンビームを!」
『了解! インパルスの位置確認、障害無し! デュートリオンビーム、照射!』
 シンの要請で、ミネルバからインパルスへと一直線に光が伸びる。光はインパルスの額に当たり、
バッテリーにエネルギーをチャージする。これこそセカンドシリーズとその専用艦であるミネルバに装備された
機構、デュートリオン送電システム。まだまだ課題は多いが、着艦せずともエネルギーをチャージ可能な
エネルギー供給機構である。
450種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2008/02/05(火) 03:59:06 ID:???
 チャージを完了したインパルスはミネルバの前方、艦隊の密集地帯へ向かう。多数の艦からの砲火を
ものともせずかわし、再びケルベロスを発射。併走していたMS輸送艦二隻を一撃で貫く。ザムザザーという
防御の要を失った艦隊はその威力に焦り、包囲網を崩してしまう。
 MSを迎撃しながら、艦隊を切り崩していくインパルス。その姿にミネルバがようやく動き出す。
「今よ! 全速前進、シンの開けた穴から一気に突破するわ! 多少の被弾は覚悟なさい!」
 ミネルバが艦隊の隙間へと前進する。向かってくる砲撃に耐え、とにかく突き進む。寄って来るMSを、ザクと
エルザが迎撃していく。
 その後方で剣を交えていたアスランとミナも、お互いに引き際を悟った。
『ここまでだな。達者でやれ、アスラン』
「貴方も。オーブを頼みます」
『言われるまでもない……さあ行け!』
 マガノイクタチでシールドごと弾き飛ばされたセイバーは、そのまま変形してミネルバの援護に回る。それを
ゴールドフレームは追わない。
 アスラン、そしてティトゥスと合流したミネルバは更に加速する。既に艦隊の隊列はシンの活躍で崩れており、
加速するミネルバを止めることも追いつくことも出来はしない。
 とにかく暴れまわって包囲を崩したシンが我を取り戻した時には、既にミネルバは囲いを突破していた。
何時の間にか半壊した艦の上に乗り、未だ迫るMSを迎撃するしんがりの役回りになっていたらしい。
『シン、もういいからミネルバに戻って! 早くしないと置いてっちゃうよ!』
「……おいおい、そりゃないんじゃないか?」
 既にシンの目には光が戻っている。インパルスが乗る艦を横切りそのまま前進していくミネルバへ、シンが
向かおうと飛んだその瞬間。
『行かせはせんぞ、コォディネェタァァァァァ!』
「うわあ!」
 突然甲板を貫いて、なにかがインパルスの足を掴んだ。沈む艦からなんとか海に飛び出たシンは
下を見て愕然とする。そこにはどうやって海の底から戻って来たのか、クローでインパルスを掴む
ザムザザーの姿があった。後部の破壊されたエンジン部から大きな亀裂が入り、今にも崩れ落ちそうな身体で
インパルスを引きずり下ろそうとするその姿には、激しい憎悪と執念が感じられる。
『貴様だけは、貴様だけは逃さァァァん!』
「くそ、離せ!」
 このままではミネルバに追いつけない。それに突破したとはいえ、まだ艦隊やMSは多くが残っているのだ。
立ち往生していては多勢に無勢、あっと言う間にインパルスはやられてしまう。
 フルブーストで逃げようとするインパルスだが、巨大なザムザザー相手では分が悪すぎる。どれだけ機体が
力を噴かそうとも、ザムザザーに引きずられ機体は海へと落ちていく。
『一度宙へ飛べ、そのまま勢いを殺すな』
 耳にその声が届いた直後、シンは反射的にインパルスの力を上昇に向ける。インパルスに引かれクローが上を
向くが、その力はまったく弱まらない。
「──え!?」
 しかしその直後、クローの根元が鋭利な断面を伴い断ち斬られた。つい先程見たのと同じ光景、
しかし今この場にあの人はいないのに──
 拘束から脱し、未だ動いて追ってくるザムザザーやMSを無視してミネルバへ向かうシン。その目に
ミネルバの後部甲板に立つ、刀を持った一機のMS──否、MMが映った。
451種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2008/02/05(火) 04:02:09 ID:???
(やはり。足りぬのは質量と魔力──それを太刀筋と速度、そして気合で補えさえ出来るならば!)
 後部甲板に立つオーガアストレイは、腕を十字に構えながら両手の刀を肩に当てた。グッと腕を身体に近付け、
刀の鍔が肩に当たるほどまでにする。
 コクピットの中のティトゥスは全ての感覚を研ぎ澄ませ、その手に握る操縦桿を解してオーガアストレイの手、
その手に握る刀に神経を集中させる。高められた精神は力を増し、それは屍食教典儀を通して刀へと伝達される。

「我が剣は風を斬る」

【──I'm a blade that slash the wind──】(──私は風斬りの刃──)

「我が太刀は鼬[イタチ]殺し」

【──I'm wolf fang that hunts the target──】(──私は獲物を狩る狼の牙──)

「我が一刀は空を駆け、彼方の敵をも断つ一撃也!」

【──I'm a evil sword that break my lord's enemies──】(──私は、主さまの敵を殲滅する魔剣也──)

 右に持つ刀が、火花を散らして煌いた。目にも止まらぬうちに、その手の刀が甲高い音と共に振り抜かれている。
直後、ザムザザーが中心から上下に分かたれ、爆散する。少々の間を置いて左の刀が振られると、今度は
その後方にいたウィンダムが斬られて落ちた。
 剣圧で少々離れた相手すらも斬ることが出来る、ティトゥスの剣。その剣を更に加速させるため
一振り一振りに神経を集中させ、更に肩口に刀背を滑らせて全力で振るう。高速を越える超高速で撃ち出された
剣圧は空気を裂き風を斬る真空の刃へと昇華し、その射程は通常の剣圧の比ではない。
 ティトゥスの卓越した技術と、オーガアストレイの超反応があって始めて可能な、常軌を逸した剣の業。
これこそ──
「──魔剣、鎌居太刀・空。我が剣の錆となりたいものは来い──斬って捨てる」
 鞘に戻した両刀の柄尻に掌を添え、オーガアストレイが向かってくるMS部隊を睨むように見つめた。
鎧武者が魅せた姿と技に、誰もが明確にあの脅威を──ユニウスの魔神を重ね合わせ、足を止める。
 ミネルバはそのままオーブ海域を離脱する。それを追う者はもう、連合には誰もいない。
「無事か、シン?」
『は、はい……ありがとうございました!』
 甲板に降り立ったインパルスが頭を下げる様に、魔剣の使い手は苦笑した。
452種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2008/02/05(火) 04:03:06 ID:???
「さあ、これからが大変だよ。オーブの、いや世界の運命を賭けた戦いの始まりだ」
 モニター越しにミネルバを見やるカガリとユウナ。その周囲の兵達は誰からとも知れぬうちに、
皆がミネルバへ敬礼していた。
「頼んだぞミネルバ、この世界の未来を──そしてアスラン、出来るならばアークエンジェルを──」
 弟と仲間を止めてくれとは、カガリは口に出さなかった。
 敬礼しているのは、艦隊のトダカや他の兵も同様だった。ゴールドフレームの中のミナは
ミネルバに向けて少しだけ笑った後、すぐにオーブ艦隊に指示を出し始める。
「連合艦に通達しろ。これよりオーブ軍は負傷者の救助にあたるので砲撃するなと。
 ──そして、先程の誤射についてじっくり話をきかせてもらうともな」
『ハッ!』
 漆黒の機体がタケミカヅチに降りると共に、オーブ艦隊が救助のため前進を始めた。
453種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2008/02/05(火) 04:05:50 ID:???
 ミネルバの脱出劇が繰り広げられている中、マルキオ導師は浜辺で一人、海の音を聞きながら己の決断を
省みていた。
「キラとラクスには伝えておくべきだったのでしょうか……いえ、今の彼等にはまだ荷が勝ちすぎる。
 今は戦争を終わらせることだけを考えてくれればいい」
 酷く都合のいい考えだ、とマルキオは自嘲した。確かに『SEEDを持つ者』の運命は過酷であり、最悪
この世界に仇すら為す可能性もある。彼が見つけた四人は皆純粋だが、どう転ぶかは未だマルキオにも分からない。
 ──などと言いつつ、自分は逃げているだけではないかと、マルキオは思う。結局の所、自分は体よく
彼等を利用するつもりなのだ。その為の力が、彼等にはあるから。
 自らの罪を、贖うために──かつてこの目で見た恐怖の記憶を、消し去るために。
「その通りさ。分かっているじゃないか、マルキオ?」
 不意に聞こえた声にハッと振り返る。目は見えないが先程の声と雰囲気、そして『魔力』で分かる。
今目の前にいるのは、少し前に自分を尋ねて来た男だ。
「神父アウグストゥス? 数日前に母国に帰られた筈では──」
「ハハッハ! そうだろうね、君はそう思うだろう。だがね、残念ながらそれは正解であり、間違いだ」
 何が違うというのか。目の前にいるのは間違いなくアウグストゥスのはずだ。違うのは馴れ馴れしい言葉遣いと、
嘲笑としか思えない不快な笑いのみ。訝しんでいると、アウグストゥスは溜息を付いた。
「まだ分からないのかい? 仕方ない、ならば……これならどうかね?」
 瞬間、アウグストゥスの気配が一変した──否、『人間の気配ではなくなった』。汚れ淀んだ瘴気をそこら中に
撒き散らし、人間が発するとは思えない呪いのような鳴き声を響かせ、同時にけたたましい嘲笑を上げる。
そしてその気配は一つにして、無限。その場にいるのは一人の筈なのに、その身体から無数の汚らわしいモノが
噴出すかのようなおぞましいな感覚。
 そして思い出す……あの日に見た光景を。三つの目を持った怪異を。盲いるまで、いや盲いても脳裏に残る、
あの邪悪を!
「き、貴様は……無貌の……!」
「然り」
 その声もまた、人のものではなかった。恐怖感と嫌悪感にマルキオが震えながら杖を取り落とし、
砂浜に膝をつく。しかしその顔は怯えをわずかに映しながらも、普段見せない激しい憤怒に歪んでいた。
454種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2008/02/05(火) 04:07:47 ID:???
「そう睨まないでくれ、我が愛する友よ。しかしそんなに怯えられては話も出来ないな」
 つまらなそうに怪異が言うと、その気配が元のアウグストゥスのものに戻った。それで恐怖は少し収まり、
マルキオは杖を持ち直しアウグストゥスの姿をした怪異と対峙する。
「何をしに現れた? 貴様にとって私はもう、なんの価値もない虫ケラに過ぎないはずだ」
「どの口がそんなことをほざくのかね? 私の撒いた『種』を使って私の計画を水泡に帰そうとしているのは
 他ならぬ君だろう?」
 嘲りを隠しもしない怪異の言葉に憤りを覚えるが、マルキオは言い返すことなく唇を噛む。自分には
何も出来ないのだ。この怪異を打ち倒すことも、封じることも。
 それが出来るのは、真に目覚めた『SEEDを持つ者』のみ。この怪異の最も望むモノであり、
そして同時にこの怪異に対する唯一の切り札。
「その通りだ……そしてその日は近い。私には彼等を鍛える術も、資格もない。だが彼等を出来うる限り
 正しい道に導けたと信じている。彼らは平和のため闘い、その中で鍛えられていくだろう。そして
 彼等が正しき心を持ったまま力に目覚めた時、その時が貴様の姦計が潰える時だ」
「言うじゃないか。だが……果たして本当にそうかな?」
 言い放ったマルキオを、怪異は嘲笑った。その声には嘲りだけでなく、憐憫の色もわずかに含まれている。
「正直『いつも通り』、彼等はまだ芽をまったくつけていない。少々甘やかしすぎたのではないかね?
 予想外だったのはカガリ嬢の発芽だが、彼女は元々偶然の産物。気質はともかく能力までは
 発現しないだろう」
 それに、と一泊置いて怪異は歩みを進める。マルキオはあとずさるが、怪異はゆっくりと彼の傍へと近付いていく。
「この台詞を言うのも久しぶりになるが……知っているかい? 『最悪の魔導書』の知識を得、模倣し、
 それ故に邪悪に触れ光を失い、その代償に邪神の途方無き計画を知り、彼の者が落とした『種』を知覚する
 心眼を得た魔導の賢者よ」
 瘴気を含んだ吐息が、耳元に吹きかけられる。その瞬間、眼の見えぬマルキオの脳裏に、ハッキリと見えた。
燃えるような真っ赤な赤い眼が、邪悪な笑みに歪む光景を。
「君が見つけた四人の『SEEDを持つ者』……その中にたった一人、『SEED』とは似ても似つかぬ正体を持った者が
 いることに」
 マルキオはその言葉を理解できなかった。同時に怪異が再び人の気配を捨て、なんともいえぬおぞましい感触が
マルキオの全身を包み込んだ。
『ハハハハハハハハハハハハハハハ! このパターンも何千回あったか知れないが、君のその反応だけは
 飽きないぬぁあ! ブハ破ハはHAはHA羽はHA歯haハ!』
455種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2008/02/05(火) 04:10:16 ID:???
 時間にしてわずか数分後、浜辺には何の変化もない。静かに波が打ち、そよ風が吹き、マルキオ導師が
そこにいる。他には何も、足跡一つない。怪異の痕跡など何処にも残っていない。
「おォォォォォォォ……おあァァァァおォォォォォォォォォォォォ!」
 その穏やかな場所でマルキオはうなだれ、光りなき眼から涙を流していた。その嗚咽は世界に絶望した
呪いのようにも、全ての生命に許しを請う謝罪のようにも聞こえる。
「許してくださいキラ……許してくれギルバート……私は、私は……おお神よ! 貴方は
 何処におられるのですか!? もしおわすなら世界をお救い下さい! それが叶わぬなら……
 私を! 罪深き私を殺してくれェェェェ!」
 泣き喚く男に、答えは返ってこない。彼に出来るのはただただ、嗚咽を上げることのみだった。



 マルキオ導師の自殺が発覚し、その遺書がカガリの元に届けられたのは数ヵ月後──
世界が大きな変革を向かえた時とほぼ同時だった。



「フフフ、これでいい。これで『アレ』はオーブから彼の手に届くだろう……さて、ウェスパシアヌスの方は
 うまくやってくれるかな? まあそっちはアウグストゥスに任せないとね。 アハハハハハハハハハハハハ!」



to be continued──
456種死逆十字 ◆oN23gQHrEc :2008/02/05(火) 04:12:31 ID:???
めっちゃ忙しくて二週間なんかとっくに過ぎたよこんばんわ。

さて今回シン再び覚醒&ティトゥス一の魔剣取得イベントの巻。これでもって脱出劇は終結。
フォースは飛べてブラストはホバー移動……ソードの意味あるのかと本気で考えてしまったり(−−;)
マルキオあぼーんは早すぎるという方もいるでしょうが、正直ここでフラグ立てとかないと後々出せる
タイミングがないので(汗)。まあ時間軸的には死ぬのはずっと後ですが、本編と同じでこれで出番終わりw

んでもってちょっと業務連絡っぽいものを。最初書いたとおり、ちょっと現在仕事が相当忙しいことになってます。
なので次の投下は大分遅くなるかもしれません。具体的には最悪四月ぐらいまで投下できないかも……
書き続けるつもりではあるので、こんな作者が書いた作品を読んでくださる方は
しばしお待ちしていただければ幸いです。

というわけでしばしさらば! 多くの旧神とスレ住民に加護を!
……とりあえず寝よう
457通常の名無しさんの3倍:2008/02/05(火) 09:02:03 ID:???
GJ!
458通常の名無しさんの3倍:2008/02/05(火) 11:17:56 ID:???
GJ!
マルキオのくだりがクトゥルー風味でまたいいですね。熱くさせられた後にサッと凍えさせられる緩急の付け方とかも見事です。
さて彼は何をSEEDと誤認してしまったのか、お忙しいとのことですが慌てず焦らずにがんばって下さい。
459通常の名無しさんの3倍:2008/02/05(火) 11:21:39 ID:???
GJ!
熱い展開だが最後の引きが不気味すぎる。
やっぱ襲撃時のあの子なのかしら。
460通常の名無しさんの3倍:2008/02/05(火) 11:35:52 ID:???
ソードも飛行可能にしちまえばいいんじゃね?
で、対艦刀ブン投げて大車輪とか
461通常の名無しさんの3倍:2008/02/05(火) 12:31:48 ID:???
GJ!
SEEDではない者、順当に考えるならラクスかキラかもしれんが
マルキオが把握できなかった五人目であるシンも怪しいな。
ニャルのいう「アレ」も気になる。
462通常の名無しさんの3倍:2008/02/05(火) 14:40:03 ID:???
GJ。マルキオ哀れだ……。
しかし暗躍するしゃべくる混沌様がこえぇ。
マルキオが議長の名前呼んでたりするからシンにも何か及びそうな気がしてならない。
463通常の名無しさんの3倍:2008/02/05(火) 19:56:08 ID:???
いあ!いあ!GJ!あい!あい!GJ!

すわ熱い展開だ!と興奮したのも束の間にマルキオのシーンで冷や汗かいた
にゃるさまは冒涜的なほどにおぞましいくも格好いいなでもKOEEEE!
自壊もwktkして待ってる
464通常の名無しさんの3倍:2008/02/06(水) 19:10:18 ID:???
混沌さん活躍しすぎwww
だがそれがいい
465通常の名無しさんの3倍:2008/02/06(水) 20:19:03 ID:???
「これぐらい暗躍しないと道化芝居で終わっちゃうじゃないか、ねぇ?」
466通常の名無しさんの3倍
今までほっといていたわりにはすでに何千回かループしてたんかいw
今回は監督自らモブ出演しちゃって本気やね〜