2
. -―- . やったッ!! さすが
>>1だ!
/ ヽ
// ', おれたちにできないことを
| { _____ | 平然とやってのけるッ!
(⌒ヽ7´ ``ヒニ¨ヽ
ヽ、..二二二二二二二. -r‐''′ そこにシビれる!
/´ 〉'">、、,,.ィ二¨' {. ヽ _ _ あこがれるゥ!
`r、| ゙._(9,)Y´_(9_l′ ) ( , -'′ `¨¨´ ̄`ヽ、 乙れるぅ!
{(,| `'''7、,. 、 ⌒ |/ニY { \
ヾ| ^'^ ′-、 ,ノr')リ ,ゝ、ー`――-'- ∠,_ ノ
| 「匸匸匚| '"|ィ'( (,ノ,r'゙へ. ̄ ̄,二ニ、゙}了
, ヘー‐- 、 l | /^''⌒| | | ,ゝ )、,>(_9,`!i!}i!ィ_9,) |人
-‐ノ .ヘー‐-ィ ヽ !‐}__,..ノ || /-‐ヽ| -イ,__,.>‐ ハ }
''"//ヽー、 ノヽ∧ `ー一'´ / |′ 丿! , -===- 、 }くー- ..._
//^\ ヾ-、 :| ハ  ̄ / ノ |. { {ハ. V'二'二ソ ノ| | `ヽ
,ノ ヽ,_ ヽノヽ_)ノ:l 'ーー<. / |. ヽヽヽ._ `二¨´ /ノ ノ
/ <^_,.イ `r‐'゙ :::ヽ \ `丶、 |、 \\'ー--‐''"//
\___,/| ! ::::::l、 \ \| \ \ヽ / ノ
5 :
通常の名無しさんの3倍:2007/08/05(日) 22:55:04 ID:5xGLVzWA
ようやく2スレ目か……
月面基地に戻った漆黒のMSを、まず迎えたのは技術者の集団であった。彼らは格納庫に納まったMSの胸部を開けさせる。普通のMSであればコクピットがあるそこに、人間が入るスペースはなかった。だがそれにもかかわらず、そこにパイロットは存在していた。
「ジークハイル。シュトロハイム閣下」
技術者たちは敬礼して、目の前の『モノ』に挨拶をした。MSの内部、小さな隙間のような空間に存在するそれは、一つの『生首』であった。首の切断面には幾本ものパイプや配線が差し込まれ、MSと繋がっている。
その『生首』は奇妙なコルセットを右眼部につけ、髪の毛を逆立てた白人男性のものであった。その『生首』こそがルドル・フォン・シュトロハイムであった。
技術者たちは、表面張力がぎりぎりの水が入ったコップを扱うように丁寧に、MSとシュトロハイムを分離させた。
同時に別のパイプや配線を首に繋げていく。そのパイプは成人男性と同じ大きさとシルエットを持つ物体に繋がっていた。それはシュトロハイムの人間型ボディ。かつての彼のボディに、改良を施したもの。
たっぷり一時間をかけて完璧に『生首』はMSから人間型ボディに移された。
「完了しました。閣下」
軍帽を差し出しながら言う技術者に、シュトロハイムは初めて反応を見せた。軍帽を被ると、まず首を左右に曲げ、ぐりぐりと回して座りを確かめる。次に両腕を曲げる。腰を捻る。足踏みをする。他にもいくらか動かした後、満足げに微笑んだ。
そして軍帽のつばを右手の親指と人差し指で掴み、
「連合の科学技術は世界一ィィィ!! 相変わらず見事だァァ!!」
「ありがとうございます、閣下」
「うむ。しかしすまん。初陣で片腕を失うとは」
ハイネとの戦いで失った右手の跡を見て、シュトロハイムは技術者に言う。
「なぁに、予備は用意していますよ。それに相手はハイネ・ヴェステンフルス……前大戦でも活躍した凄腕です。片腕ですめばいい方ですよ」
「ふん……確かにな。今までこちらで戦った中では一番だった」
「それを破った閣下とGAT−1938の力は更に高いというわけです」
GAT−1938。それがこの漆黒のMSの形式番号。1938とは、このシュトロハイムにとって思い入れのある数であるらしく、そこからつけられた。
シュトロハイム専用の機体であり、シュトロハイム唯一の生身である頭部と繋がる事で、シュトロハイムは己の身体と同じようにこのMSを動かすことできる。
操縦を必要とせず、考えただけで動かせるので、その速度は並のMSを圧倒する。
無論、うまく動かすためには動かす者のセンスが優れていなければならないが。
今回が初の実戦導入であったが、結果は良好といえる。
「さて、こいつが使えることがわかったところで名前が欲しいな。GAT−1938なんて番号じゃあ今いち呼びにくいッ!
このシュトロハイムが名付け親(ゴッドファーザー)になってやるッ! そうだな……ゲルマンの伝説に登場するドラゴンで、『抱く者』という意味の……『ファフニール』というのはどうかな!?」
ファフニール。英雄ジークフリートに倒された、欲深き竜の名。決して縁起のいい名ではないが、シュトロハイムはそういったことは気にしない。インパクトがあってかっこよければ充分である。
周囲も特に反対はなかったので、その呼称が正式なものとして決定された。
「しかし我々の部隊は成果を上げたといえ、全体的には大失敗に終わったわけだが……これからの軍の方針はどうなるのだ?」
「まだ定まっておりません。待機命令が出ております」
部下の返答に頷き、シュトロハイムはこれからのことを考えた。
(このまま終わることはなかろう。このままでは引っ込みがつかんし、プラントとて黙ってはいまい)
「まあどうせ、俺にできることは戦うことだけだがな」
彼が連合軍に入ったのは二年前。南アメリカ独立戦争の真っ只中であった。気がつけばジャングルにいたシュトロハイムは、さまよい歩き疲労の果てにぶっ倒れていたところを、連合軍の兵士に助けられた。
借りを返すために戦闘に参加し、ユニウスセブン条約が締結した後、正式に連合軍人となった。
シュトロハイムには居場所が必要であったし、連合軍はシュトロハイムの機械の体の秘密を知りたがった。需要と供給が一致したのである。(今のところ、第二、第三のサイボーグソルジャーの完成は遠いようだが)
また、連合軍は独立戦争で活躍した彼に大佐の階級を与え、同時に世界初のサイボーグ戦士として英雄に祭り上げた。
ろくな成果もあげられなかった戦争を起こしたとして責められる前に、讃えるべき華々しい存在を担ぎ出して人々の目をそらそうとしたのである。
そして軍の思惑は成功した。だが、成功しすぎた。彼の猛々しさは民衆からも軍人からも高く指示された。戦闘力を試すためにゲリラ退治などをやらせるたびにその名声は高まり、階級も増えていった。
ブチャラティと似たパターンをたどっていたが、ブチャラティと比べてシュトロハイムはあまり危険視されなかった。彼が単純で熱血漢の軍人であることは誰の目にも明らかであり、利用しやすいと思われたためだ。
軍の思惑はともかく、シュトロハイムは何を企むでもなく、軍人としての職務を真っ当するためにただただ突っ走るのみであった。その突っ走る先に、障害物があれば、それが何者であろうと叩き潰すであろう。そう考えると、彼はただ利用しやすい人物ではなかった。
「閣下が我が軍にいる限り、コーディネイターにも遅れはとりますまい。次は勝てます」
部下が決しておべっかではない、真実そう信じている言葉をシュトロハイムに投げかける。
「……前から思っていたが、お前たちはコーディネイターを特別視しすぎておる。コーディネイターといっても精神はナチュラルと変わらん。いや、人間そのものが石器を持ってイノシシを追い回していたころから変わっちゃいないということか」
あらゆる面でナチュラルより優れているとうたわれるコーディネイター。だがシュトロハイムの見る限り、科学技術において圧倒的な差異は感じられなかったし、
かつての部下ドノヴァンに勝るような戦闘能力を有するコーディネイターもいなかった。精神においては、ユニウスセブン落下を見れば、言わずもがなだ。
吸血鬼や柱の男といった真なる超越種や、その超越種すらも倒した波紋戦士を知る彼にとって、コーディネイターが人類の進化型などというのはお笑い種であった。
「まあマシなのもいるが」
さっき戦ったハイネや、かつてDSSD(深宇宙探査開発機構)の研究所で出会ったあの女……セレーネ・マクグリフのように。共感はできなかったが、あの女は中々の気概を持っていた。
あのどこまでも己の夢と理想を追求し、そのためならば何でもするという強い意志を宿した瞳。
昔、あんな目をした人間を見たことがある。女ではなく男だったが。確かそう……ヴェルナー・フォン・ブラウンだ。ナチスドイツの兵器開発をしていながら、宇宙へ行くという夢を持ち続けた男。
『こちら』で読んだ本によれば、戦後アメリカに渡り、人類を月へ送った男という栄光を手にしたそうだ。だが同時にミサイルの概念を生み、ロンドンを焼いた男でもあった。
セレーネは確かにブラウンに似ている。目的のためには手段を選ばぬという姿勢が。それにしても、
「そんなによいものか。この星の世界は」
シュトロハイムは宇宙が嫌いだ。かつて地球をも超越した究極生命体をすら、行って帰ることはできなかった、凍てついた死の世界。地獄とは地の底ではなく、天の果てにあるのだと確信させられる。
ナチュラルに追われて、やむにやまれぬとはいえ、こんな世界に住むコーディネイターの気持ちがシュトロハイムにはよくわからない。まして、地球にコロニーを落下させるにいたっては、もはや彼らは地球を母なる星とは見ていないのだろう。
それが、シュトロハイムが連合の側に立つ理由。たとえ一部の過激派の仕業に過ぎなくとも、ジェネシスやコロニーによって、地球という星そのものを滅ぼそうとした連中に信頼を抱くことはできない。
「二人の囚人が鉄格子の窓から外を眺めたとさ……一人は泥を見た。一人は星を見た」
「は?」
「詩だ」
シュトロハイムは部下の疑問の声に応える。1849年に生まれ、1923年に没したイギリスの詩人、フレデリック・ラングブリッジの『不滅の詩』。
「地球を過去として切り捨て、星を新たな故郷と見るか、コーディネイターよ。ならば俺は泥(だいち)を見よう。どちらが善か悪かなど関係ない。貴様らが我が故郷である地球を害するならば、そこにどんな正当な理由があろうとも、このシュトロハイムが打ち倒す」
その独白を聞いていた周囲の部下たちは、魂が高揚するのを感じていた。
軍に強い影響力を持つブルーコスモスは、コーディネイターを嫌い、その存在を厭う。それはコーディネイターがナチュラルより優秀であるという嫉妬の部分が大きい。そんな負の感情からきた敵愾心は自分自身をも貶めてしまう。
しかしシュトロハイムにはそれがない。コーディネイターが自分より上の存在であるなどと欠片も思わず、ただ同格の敵として見ている。何の負い目もひがみもなく、堂々と立っている。
それが彼らにとっては力強い憧憬の対象であった。彼のようになりたいと思う。彼のように在りたいと願う。それはコーディネイターに対するような嫉妬ではなく、より前向きで光り輝く想いであった。
「ジークハイル!」
部下の一人が、口にする。それはシュトロハイムがかつていた場所で行われていたという、士気高揚の言葉だという。その意味も由来も、もはや事典で調べでもしなくてはわからない、忘れられた言葉。だが、彼らはそれを口にする。敬礼と共に。
「ジークハイル!!」
「ジィィークハイルゥ!」
「ジークハイルッッ!!!」
その言葉は連鎖的に広まっていく。誰もが唱える。誓いの言葉を。勝利の誓いを。
「ジークハイル!」「ジークハイル!」「ジークハイル!」「ジークハイル!」「ジークハイル!」「ジークハイル!」「ジークハイル!」「ジークハイル!」「ジークハイル!」「ジークハイル!」「ジークハイル!」「ジークハイル!」「ジークハイル!」………
やがて月面基地中に言葉が響き渡る。彼らはその日、勝利者であった。少なくとも、敗者では決してなかった。
To Be Continued……
『泥を見る者』終了です。黒幕が出ると期待していた人、すいません。
何年か前、ゲームや漫画の悪役を収録した本を立ち読みしたとき、DIO様の項に、DIO様の強い向上心から『星を見た囚人、それはDIOだったのかもしれない』という一文がありました。そこからいろいろと解釈できるものだと考え、この話を思いつきました。
しかし調子に乗って書いていたらシュトロハイムが凄いカリスマになってしまっていた。どうしよ、プラント&オーブ勝てないよ。どうにかせにゃ……。
ファフニールは新紀元社から出ている本『ドラゴン』を参照。「抱擁するもの」を意味する名であり、黄金を抱くドラゴンのイメージの原点となったそうです。このファフニールはシュトロハイムの首を抱いているわけです。
GJ!!
こいつら熱すぎw
確かに勝てないわコレw
何故抱く者、と思ったがそういうことか
色々とうまいこと考えるもんだ
GJ!!
シュトロハイム、まさしく将来の元帥!!!
開戦前に現れてたら、それで終ってたかもな。
確かにドノヴァンの身体能力は波紋法もスタンドも持たない、
吸血鬼でもない人間としてはかなり究極に近いレベルに達してるよな。
アズラエルは当然ジークハイルの意味知ってるな。
コーディの最終解決を考えてる自分の軍隊には相応しいと気に入ってそう
ジブリールか。
あそこまで天使の名前が似合わないキャラもそうはいないな
上に立つ者としてもユウナとは大違いだ
髪の色は似てるのに
しかしこのシュトロハイムはカッコよすぎるw
精神力じゃあ種のメインキャラは誰も勝てないww
種キャラの精神力じゃ川尻早人にも勝てませんよ。
初登場時早人や猫草ならどうにか…
というか小学生にもかなわないとかどんだけwww
最終回付近の川尻早人の精神力はもはやスタンド使い並だろw
キラークイーンの爆弾の特性を見切っちゃったもんな。
最終戦での早人の活躍
バイツァ・ダストを破った
億泰が爆弾化したことを見切り、自分の身を賭して解除した
空気弾が近づいたことを教えたり、吉良の居場所を探ったりと丈助をサポートした
追い詰められた吉良にはバイツァ・ダストがあることを説明した
なんというスーパー小学生
覗き趣味だけの廃人に育つ筈だった早人を更正させたのは吉良
女として刺激も無く腐って行くだけだったしのぶに春を与えたのも吉良
良い奴じゃないか
TATOO YOUをMS戦に活用するにはどうすればいいと思う?
スタンド能力のMS戦への応用自体が難しい上にあの特殊なスタンド…
なかなか難易度が高いぞ
>>28
死亡した一人のタトゥーのある部位を緊急退避用のアイテムとして用意し
いざというときに逃げ出すために活用するとか
狭いコクピット内に複数人が合体した状態で存在し
一人当たりの作業分担を減らすことで高い戦果を挙げたり
幾人かで交代することで疲れ知らずのパイロットとして名を馳せるとか
いっそのことMSに巨大タトゥーでもつければいいんじゃね?
ありだな
投下します。
ガンダムSEED・BIZARRE
『PHASE 09:ギフトの「G」』
・gift
@ 贈り物、プレゼント
A 才能
アスラン・ザラがデュランダル議長と面会できたのは、すべてが終わった後であった。あるいは、始まった後というべきか。
地球連合はプラントとの戦争の扉を開き、初っ端から核を撃ち込むという暴挙に出た。対するプラントは核兵器を暴走させる秘密兵器『ニュートロン・スタンピーダー』によって、核兵器を爆破させ、連合軍を壊滅させた。
両者共に、決して軽くない被害をもたらした第一戦はこうして終わった。
デュランダルが沈痛な面持ちで口を開いた。
「想定していなかったわけではないが、やはりショックなものだよ。こうまで強引に開戦され、いきなり核まで撃たれるというのはね……」
アスランはデュランダルの言葉を黙って聴く。戦争が避け得ないものとなるだろう、という覚悟はできていた。だが実際戦争が起こったとなると、ショックは大きい。これでカガリたちの努力も無駄に終わった。
だがへこたれているわけにもいかない。戦争が止められぬ以上は、戦争を終わらせる努力をせねばならない。
「この状況で開戦するということ自体、常軌を逸しているというのに、そのうえこれでは……これはもう、まともな戦争ですらない」
まともな戦争というものがあるかどうかはともかく、実際ユニウスセブン落下の大被害を考えれば、呑気に戦争などしている場合ではあるまい。それでも戦争をするということは、それで大きな利益を得る者がいるということだ。
(もっとも、連合軍を操るブルーコスモスのコーディネイター敵視は、もはや狂信だ。利益など度外視であってもおかしくはない……父が最後に、ナチュラル抹殺にすべてを投じたように)
アスランは父のことを思い返しながら、冷静であることができた。父の罪や、父を止められなかったことへの自責の念がなくなったわけではない。
だが、その念はカガリやユウナ、ウェザーたちの覚悟を思い起こせば、その苛烈さの前に吹き飛ばされてしまう。今は過去への悔恨よりも、未来への闘志が意味を持つのである。
「それでプラントは……今後どうしていくおつもりなのでしょうか?」
デュランダルはアスランの冷静な態度に、内心首を傾げた。
(ミネルバでの彼を考えると、もっと動揺し、精神的に付け入る隙を見せると思ったのだが……これではこちらに取り込むのが難しくなりそうだな)
そんな内心をおくびにも出さず、デュランダルは答えた。
「そうだね……市民は報復を叫ぶだろうし、この流れは変えられまい。それでもできる限り戦争を早期に終わらせる努力はするつもりだが、終わらせるまで踏みこたえるのは難しいだろう」
「なればこそ、オーブとの協力をお願いしたいのです」
「ふむ……本当にオーブはプラントと組むのかね? 地球連合と組むほうがよほど勝ち目はあるだろうに」
「確かに……しかし地球連合に味方すれば、勝利したところで待っているのは大西洋連邦の支配です。それに、アスハ代表暗殺事件によってオーブ国民は皆、地球連合と組むことに反対しております。現状ではあなた方と組むことが、残された道なのです」
デュランダルは頷く。
「オーブの力を得られることは、我らとしてもこの上なくありがたい。しかし……一つ我侭を言わせてもらえないかな?」
「と……申しますと?」
「英雄と名高いアスラン・ザラを一人……ザフトの方で借り受けたい」
「なっ!?」
デュランダルは多少強引にでも、アスランをザフトに取り込むことにした。完全に取り込めなくてもかまわない。『計画』達成のために使うことができれば、充分である。
「君は前大戦の英雄だ。その君がザフトにつけば、士気は大いに上がるだろう。戦争を早く終わらせるためにも、ザフトに入ってほしい。それに……私も志を同じくしている人間が、近くにいることは好ましい」
アスランは突然の勧誘に頭を混乱させたが、こう答えるしかなかった。
「それは……私の一存で決められることではありません」
「うむ。だがオーブでは君の力を発揮しきれまい」
確かにアスランは現在、軍人ではない。カガリやユウナが手を回してくれれば軍部に入れるだろうが、元からオーブ軍にいた者たちと、プラントからの余所者である自分の足並みがそろうかは疑問だ。それを考えれば、確かにザフトの方がアスランは腕を振るえるだろう。
「このことは、後でオーブ政府に伝えるつもりだ。無論受け入れられなくても、手を組まないなどと馬鹿なことは言わない。しかし、君に知っておいてほしかったのだよ。君が求められているということを」
そしてアスランはデュランダルにうながされ、軍施設の中を進むうちに、ひとつのゲートの前に出た。そしてそこにいたのは、
「ポルナレフさん!」
「よっ、兄ちゃん。元気してたか?」
ユニウスセブンで別れたポルナレフだった。
「え、ええまあ、そちらこそあれからどうしたんです? 左腕を切断されたと聞きましたが……」
「敬語でなくてもいいっつーのに、まあいいや。で、これか?」
そう言ってポルナレフはひらひらと『左手』を振る。
「ついてますね」
「まあいろいろあってな。それより」
ポルナレフはカードキーを差込み、ゲートを開けた。
「これは……」
ゲートの開いた先に現れたのは、一体のMSであった。二つの角と目を持った、インパルスなどとの同型機。戦闘機型のMAへ変形する機能を備えた、大気圏内での空中戦を得意とするMS。
「ZGMF−X23S『セイバー』」
デュランダルの声が格納庫に響く。
「この機体を君に託したい」
「え……しかし私は」
「たとえ君がザフトに来てくれなくても、だよ。志を同じくする君に、力ある存在でいてほしいのだ」
力。確かに再び混乱の渦に飲み込まれようとしているこの世界で、力は必要だ。だが、真に必要なのはこのような力だろうか。
「我らが誤った道を行こうとしたら、この力でそれを正してほしい」
果たして、この力は道を正すことができる力なのか。
そもそも正しい道とはなんだろう?
愛とか正義を願う気持ちを持つあまり、間違った道に迷い込むこともある。
それが正しいのか誤った道なのか、どうやって「二つ」を見分ければいいのか? 誰が教えてくれるというのか? 愛する気持ちゆえに、愛する者を傷つけてしまったら、どうやってそこを抜け出せば良いのか? 誰もがそういう「状況」にある。
「タダでくれるってんだから貰っとけ貰っとけ」
アスランの葛藤など気にもせず、ポルナレフが相変わらずの軽い調子で笑って言う。タダより高いものはないのだ。
「ん? 待てよ、兄ちゃんがいらないとなると、持ち主不在になるな。で、代わりにこいつを使えるような有能でかっこいい男といえば……やっぱ断れ」
「ポルナレフ、君にはもうグフがあるだろう。それもやたら改造した」
デュランダルが呆れた様子で突っ込む。
「それはそれ、これはこれです」
悪びれずに言うポルナレフをもはや無視して、デュランダルはアスランに顔を向ける。
「急な話だ。すぐに心を決めてくれとは言わんよ。だが君にできること、君が望むこと、それは君自身が一番よく知っているはずだ」
穏やかに言うデュランダル。そんな彼を信頼できるか否か、見極められない自分がまだまだひよっこであることを、アスランは感じていた。
To Be Continued……
以上です。第9話『ギフトの「G」』でした。
Nスタンピーダーをストフリとインジャに使っていれば最終決戦も楽勝だっただろうに。
>>32 ありなんすか?
MSを服だと認識すれば可能……なわけないな
確かストフリ、インジャは核融合だかデュトーリオンと核融合とのハイブリッドエンジンだか諸説入り乱れてしますが、とりあえず核分裂炉では無いのでNスタンピーダーは効きません
>>40 なんだか放送当時、設定を核融合にするか核分裂にするかごたごたして結局デュートリオンと核分裂のハイブリットで落ち着いたって事だった気がするが
ディスティニーとレジェンドはハイブリットのハイパーデュートリオンで
ストフリと隠者は全くの新型エンジンじゃなかったっけ?
どっちも詳細は不明だが
>>43 とすると、あのラストの結果も結局は機体の性能差だったとかになりかねない?
ちょうどディスティニー特集だったファクトファイル見てきた。
またなんか新しい設定が出てた。
なんですか「ハイパーモード」って。そんな描写原作にねーですよ?
>>44 動力が違うってだけで、どっちが上(or互角)かはいまいち不明ぽい
>>43 最新の設定ではストフリと隠者も原子炉のハイパーデュートリオン。
>>45 次号の特集は武者頑駄無じゃないか。
そんなものチョイスしてる時点で資料としておかしいだろ……
投下します。
デュランダル、ポルナレフと別れ、ホテルについたアスラン・ザラは困惑の極地にあった。その原因は、今、彼にしがみついている彼の知人にとてもよく似た少女の存在である。
「えーと、君……」
「ミーアよ。ミーア・キャンベル。でも、他の誰かがいる時はラクスって呼んでね」
そう、彼女はミーア・キャンベル。アスランばかりでなく、およそこの時代の誰もが知る人間、ラクス・クラインに瓜二つの顔の持ち主であった。
デュランダル議長の話では、彼女はラクスの身代わりであるという。『救国の歌姫』ラクス・クラインの声と姿とカリスマをもって、平和を訴えるために。
正直アスランとしては複雑な心境だった。友人の身代わりが勝手に立てられたこと、人々を騙していることを思うといい気分ではない。だが同時に、混乱と暴走を沈めるためには仕方ないとも思う。
ウェザーの言うとおり、目的が手段を正当化するとは思わないが、ユウナを認めてからのアスランは、多少は綺麗でないやり方も受け入れるようになっていた。根はいまだに清廉潔白な石頭であるが。
そうして話すうちにやや強引に彼女に誘われ、アスランは彼女と夕食を共にすることになった。
「いよっ、元気してたか?」
「……三日前に会ったばかりでしょうに」
ポルナレフの軽い言葉に、サングラスを掛けた女性がため息をつく。
彼女の名はサラ。ミーア・キャンベルの付き人の一人である。
「あなたは見るまでもなく元気そうね。もっとも、元気でないあなたというのが想像もつかないけど」
「そりゃひどいな。こう見えても俺は繊細で傷つきやすいんだぜ?」
冗談めかしてそう言うポルナレフだったが、サラは何も言わず、フウと息をついた。彼女は知っていた。この快活な友人に、実際繊細な面があることを。
「んで、あのお嬢さんはどうした?」
「ミーア・キャンベルはアスラン・ザラと食事しているわ」
「ほ、あの兄ちゃん、そう手が早いとは思えなかったが」
「ミーアの方から誘ったそうよ」
ああそれなら、と納得したようにポルナレフは頷く。
「それなら、後はお若い二人に任せて、私たちも優雅にディナーと洒落込みませんか、レディ?」
「………そうね、久々だしね」
彼女は薄く微笑んで了承する。それは冷たい美貌と、完璧な作り笑顔を持つ彼女にとって、非常に珍しい本物の微笑みであった。
「私、元々ミーアさんのファンだったんです。彼女の歌も好きでよく歌ってて、そのころから声は似てるって言われてたんですけど……」
ミーアは純粋な喜びを顔に浮かべて話している。アスランは彼女に対してどう振舞えばいいのか、決めかねていた。彼女は何を思って、『他者の身代わり』を演じているのだろう?
「そしたらある日、急に議長から呼ばれて……」
「それで、こんなことを?」
「ハイ!」
「……それでいいのか? 自分ではない、他の人間になってしまって」
赤の他人で、声も顔も同じなど普通ありえない。声が元々のものだとすれば、その顔は作り変えられたものなのだろう。
「……いいんです。ミーアは別に誰にも必要じゃないけど、ラクス様はみんなに必要だから。だから、みんなのために私が役に立てるのなら、嬉しいんです」
アスランは何も言えなかった。否定することも、励ますことも、したくはなかった。
「でも、ありがとう。アスランは思ったとおり優しい人ね。先生みたい」
「……先生?」
「ええ、私をラクス様にしてくれた人。その人も、本当にそれでいいのかって、優しく訊ねてくれたの」
「フゥ〜、あまりこういった仕事は……させないでほしいものですわ〜〜」
彼女はデュランダルに言い放った。優美な顔が迷惑そうに歪む。顔を左右に振ると、後頭部でまとめられた長い髪もそれに合わせて揺らめいた。
「私は医者ではありません。フ〜〜、こういった仕事をさせるのは〜〜、私に対しても、医者に対しても〜〜、侮辱することになります」
「そう言わないでくれ……君の力がどうしても必要だったんだ。今、彼を失うわけにはいかなかったのだよ」
ジャン・ピエール・ポルナレフ。歴戦のスタンド使いであり、教官として、多くの新兵から支持を受ける人物である。ナチュラルであるというネックがあるが、実力と人望からすれば一つの隊を任されてもなんら不思議ではない。
いずれはより高い地位につけ、より働いてもらうつもりなのだ。こんな序盤で戦線離脱されるわけにはいかなかった。左腕を付け直さなければならなかった。
だから、彼女に依頼したのだ。どんな名医にもできない、あの腕を『繋げる』ことのできる彼女に。元々、自分を好いていない彼女の機嫌を、損ねるとわかっていても。
デュランダルは彼女に頭を下げる。しかし彼女は、反省がないと判断した。
「言っておきますが、フ〜〜、私がその気になれば、いつだって『貴方のラクス』は宇宙から消えることになる……それは忘れないように、フ〜〜」
ゆったりと、低血圧っぽい話し方をするが、そこには確かな迫力が篭っていた。
「ああ……わかっているとも」
彼女の脅し文句にデュランダルは頷く。ミーア・キャンベルの整形をやってのけたのは彼女だった。ミーアの顔も、髪の毛も、目の虹彩も、指紋も、すべてラクス・クラインのものへと変えたのだ。
「運勢に干渉せず部品を変えただけですから、能力を持続させる『口紅』は必要ないですけど……フ〜〜、私が能力を解除したり、死んだりしたら〜〜、確実に彼女は元の彼女に戻りますわ……フ〜〜……私としてはそちらの方が、彼女にはいいと思うのですけど……フ〜〜〜……」
彼女はエステシャン。
名は辻彩。
スタンドは人型のロボットのような姿をした『シンデレラ』。
能力は、人間の体の部品を作り出し、元からの部分と付け替える。
To Be Continued……
以上です。辻彩の口調がなんか難しい。
動力の情報をありがとうございました。
GJ。
>51
>「私、元々ミーアさんのファンだったんです。彼女の歌も好きでよく歌ってて、
「ラクスさんのファンだったんです」だよね?
確かに間違えました。すいません。
GJ!
なるほど、ポルナレフの腕を繋げたのは辻彩だったか
治療系のスタンドは仗助とかジョルノとか主役しか思いつかなかったから読めなかったぜ
トニオさんとか出てくると思ったwww
こんな展開は嫌だ
本物ラクスが辻彩を脅して、自分のをミーア並みの巨乳にさせる
…あれ、そういや辻彩死んでも川尻に化けた吉良は元に戻らなかったよな?
ヒント:ハッタリ
>私が能力を解除したり、死んだりしたら〜〜
死ぬのはともかく、能力を解除したらと言ってるのがミソだよな
仮に生放送中でもいつでも辻の意志一つで元に戻せるなら、機嫌損ねるだけでアウトだし
議長に対してある意味では辻が最強のカード持ってるね
性格的にやんないだろうけど、その気になれば幾らでも強請れるし
戦闘能力のないスタンドも、ホント状況次第では最強だわ
そして、GJした!
GJ!
そうか辻彩か…メイクの方の印象が強かったから意表をつかれたよ
そして何やってんだポルポルwww
61 :
通常の名無しさんの3倍:2007/08/17(金) 08:44:25 ID:87qF7x3P
そろそろageようか
62 :
通常の名無しさんの3倍:2007/08/18(土) 14:07:33 ID:aKd/ShzQ
保守ついでにageる
投下します。
無論。デュランダルに辻彩をどうこうする気はない。デュランダルにとって、彼女は最も敵に回してはいけないスタンド使いだった。
例えば、ポルナレフや形兆が敵に回ったとしても対処できる。彼らの能力はあくまで戦闘用のものであり、戦争を左右できるほどのものではない。
だが彼女の能力、シンデレラは人間の体を変えるだけでなく……手相や顔相などを変えることで運勢すらも変えられるのだ。今この瞬間、彼女はデュランダルの運勢を剥ぎ取ることもできる。
そうなればデュランダルの政治家生命はおしまいだ。逆に、デュランダルの政敵に幸運をもたらすこともできる。
(政治家という身の上、ルックスは重要な要素の一つ。それを自在に変えられる彼女を、目の届くところに置いておくことは不可欠)
だからこそ、彼女にミーアの整形を依頼した。切り札を与えることで、彩が安心できる繋がりを作ったのだ。
彼女はプロである。客に対して甘くはないが、誠実だ。こちらが裏切らない限り、客であるミーアの不利になるようなことはしないだろう。総合的には彩優位の関係でもいい。彼女を敵に回さないことがすべてだ。
「そのことはよくわきまえている……君を裏切るような真似はしないよ」
「フ〜〜、だといいですけど……貴方は好きでないけれど、ミーアさんを悲しませたくはないから……。それにしても惜しい。フ〜〜……私ならミーアさんを〜〜、元の容姿を崩さぬままに光り輝かせることができたのに……彼女は今よりもっと美しくなれた……フ〜〜」
そして、どうやら彩はミーアを気に入っているらしい。本来、顔を別人に変えるなどということを嫌う彼女が、ミーアをラクスの顔に変えたのも、ミーアが願ったからだ。(体型は変えていない。下手に変えると辻彩的に言って醜くなることから、元のままである)
つまり、デュランダルにとってもミーアは切り札になりうるということだ。
ミーア・キャンベル。彼女は知らないうちに、デュランダルの破滅と栄光の両方を兼ねる、双方にとっての人質となっていた。
「乾杯」
「乾杯」
ポルナレフとサラがワイングラスを軽く打ち合わせ、澄んだ音を出す。
「で、調子どうよ。その鉄面皮でアイドルの付き人なんて務まってるのか?」
「あなたが規律命の軍人職に就いているよりは、マシと思っているわ」
気心の知れた者同士の、遠慮のない会話が行われる。
「色っぽい方面はどうよ。黙ってりゃ美人なんだし、世間知らずの新人アイドルとか騙したりしてねえのか?」
「騙すって何よセクハラ野郎」
サラは迷いなく、ハイヒールの踵で、ポルナレフの足を踏みにじる。ちなみに彼女のハイヒールは、このためだけに踵には軽くて強い特殊合金をあしらった特別性である。本気でやれば革靴に穴が開く。
声も出せず悶絶するポルナレフを養豚場の豚さんを見るような冷たい目で見つめ、
「この鈍感は……」
と、ボソリ呟いた。
「ん? なんか言ったか?」
「別に……それより、時間があるうちに行っておきなさい。まだなんでしょ」
サラが言うと、ポルナレフの表情が崩れた。悲しみと怒りとが入り混じった歪み。
「今行っておかないと、当分行けなくなる……シェリーの墓参りに」
シェリー。サラとポルナレフの親友の名前。ポルナレフの妹と、同じ名前を持った友の名前。この世界に現れたばかりで、右も左もわからなかったポルナレフの世話をしてくれた恩人の名前。優れた科学者であったサラの幼馴染の名前。
ブルーコスモスのテロによって失われた、自分たちの親友の名前。
ポルナレフの表情を見ながら、サラは深く静かにため息をつく。
(生者は死者には勝てないというけれど……)
この男の死者への思いは特に強い。きっと、この男は死者への思いを、克服することは決してできない。彼は命を賭して戦い、必ず復讐を果たすことだろう。
(私の分まで……ね)
彼女の死によって、サラが復讐心の虜囚にならなかったのは、ポルナレフがサラの分までその使命を背負ってくれたからだろう。
(その代わり、私は私で目を光らせてあげるから)
デュランダル議長は、どうやら何か大それたこのを企んでいるらしい。少し前まで、サラもその計画に巻き込もうとしていたようだが、今は鳴りを潜めている。
その計画に、ポルナレフは利用されるだろう。ポルナレフがいなければ、サラも余裕をなくしていいように操られていただろうと思えるほど、デュランダルは巧みな言葉の使い手だ。
(まして、この単純馬鹿ならやすやすと騙されるでしょうね……)
気をつけなくては。何ができるわけでもないが、デュランダルが何を考えているか、探らなくては。それには、ミーア・キャンベルの付き人という立場は悪くなかった。
「ジャン。一つだけ言っておくわ」
サラはこの鈍いくせに傷つきやすく、落ち込みやすく立ち直りやすい、暖かな心を持った男に誓った。
「もしもあなたが殺されたら、あなたの仇は私が討つから」
ポルナレフが息を呑む。
「え、いや、だってそりゃ……」
「まさか女は仇討ちをしてはいけない、なんて男女差別する気はないわよね?」
ポルナレフは呻いて頭を抱えてしまう。その様を笑って見つめながら、
(そうなるのが嫌なら、無事に生きて帰ってきなさいな。命に代えても、なんて、許すつもりはないから)
悠然とワインを飲み干すのだった。
To Be Continued……
以上です。
話が中々進まず、申し訳ありません。
辻彩の能力。吉良の顔は別人とはいえ能力で作られたものではなく、本当の肉体部品だったから永続したんではないかと思っていました。
しかし、もう一度考えると、由花子の顔も本当の顔はこの世からなくなり、辻彩の能力で作られたものを付け直したということを考えると、やはり辻彩の死後も永続するのかもしれない……。
GJ!
投下乙!
サラはツンデレ確定w
>>70 目欄にんなこと書くぐらいなら別口で短編小出しにしてくれた方が最高にハイになるほど嬉しい
逆パターンマダー?
>>73 種キャラがジョジョ世界に来たら、ということか?
ジョジョ世界でやっていけるような種キャラがいるかなぁ。
初期ナタルとかクルーゼとか?
あとアウトフレームとか火星人とか出てくる前のアストレイ組あたりはどうだろうか
フレイやシンあたりも頑張ればなんとか…なるといいな
誰か一人、矢に撃たれて発現しそうな気がする
テコ入れ以外の目的でクロスさせるには両者の世界が似ていないと難しい
78 :
通常の名無しさんの3倍:2007/08/20(月) 19:28:06 ID:wBzz17Ls
そこでヴァージニアによろしくですよ
スタンドDISCがCE世界に出現したら
スタンドにもよる
サバイバーだったら即あぼん か も
キラは既にザ・ワールドのDISCを手に入れていた可能性がある
キングクリムゾンかも
DISCはどうか知らんが、シンデレラの使い手は確保してるな。
本体名は勿論、両s(ry
投下します。
デュランダルと対談した次の日、アスランは墓地を訪れていた。隣にはイザークとディアッカがいる。アスランの護衛監視役という任務を受けたのだ。だが、この際はそれだけではない。この墓地に眠る者たちは、彼ら三人の共通の友人であった。
ミゲル・アイマン、ラスティ・マッケンジー、そして、ニコル・アマルフィ。
アスランたちの同僚。かつてのザフトレッドであった三人。
この墓地は、彼らが生きて、そして死んだことの証明だ。この墓地に遺体はない。遺体は戦場で塵と消えた。墓は死者のためにではなく、生きている者が死者に思いをはせるために存在するのだ。
「また戦争になるのか……」
かつての戦争における、友の死に様を回想し、アスランは哀しげに呟く。言っても詮無いことなれど、愚痴りたくもなる。永遠の平和などと高望みはしないが、まさかたったの2年でまた戦争とは。
「しかたなかろう……無抵抗というわけにはいかん」
イザークが苦々しげに吐き捨てる。
「今更立て直すのは無理だ。どうしようもない部分は壊してから、新たに打ち立てるしかねえさ」
その言葉を口にしたのは、アスランでも、イザークでも、ディアッカでもなかった。
「ポルナレフさん……」
「よお、奇遇だな」
銀髪の男は、今までの赤い軍服ではなく、肩を露出させたラフなシャツと、長ズボンの私服姿だった。
「どうも兄ちゃんとは縁があるみたいだな……えーと、お前たちは?」
ポルナレフはイザークとディアッカの二人に目を向ける。
「この二人はイザーク・ジュールとディアッカ・エルスマン。ユニウスセブンの破壊作戦の指揮をとっていた隊の隊長と副隊長です」
「ああ、あの時の。俺はジャン・ピエール・ポルナレフ。ザフトでは白兵戦と剣技の教官をしている。よろしくな」
「イザーク・ジュールです。お噂はかねがね」
「ディアッカ・エルスマンです。なんでもかなりの剣の腕とか」
イザークは生真面目に、ディアッカは薄く笑みを見せて挨拶をする。簡単な自己紹介がすんだところで、アスランが口を開いた。
「あなたも墓参りに?」
「ああ……友人のな」
「やはり……戦争で?」
無礼な質問をしてしまったと、アスランは言った側から後悔した。だがポルナレフは気にした様子もなく、答えた。
「いや、テロだ」
ポルナレフは語る。自らの過去を。
――――――――――――――――――
破壊された屋内。
積み重なった死体。
そして、原型をとどめぬ彼女の残骸。
「シェリィィィーーッ!!」
喉が破れて血を吐きそうな叫びをあげる。だが彼女が答えることはない。
自明の事実を認められずに彼女の体を揺さぶるポルナレフに、一つの影が近づく。この惨状をつくりあげた、邪悪の影。
「うわあああぁぁぁぁッ!!」
今度は悲痛の叫びではなく、激情の怒声が、大気を震えさせた。
只人の目には見えぬ騎士の剣が、人影を幾重にも切り裂いたはずだった。が、
「がふぅっ!?」
吹っ飛んだのはポルナレフの方だった。腕に抱いたシェリーごと、背後の壁に激突する。
「な、何ぃ……?」
「面白い……お前は殺さずにおいてやろう……」
影は口を開いた。
「近頃、同じことばかりやっていて退屈している……こういう遊びも悪くない」
人影は、ポルナレフに背中を向け去っていく。
「待ちやがれッ!!」
ポルナレフが追おうと立ち上がると同時に、天井が砕け、瓦礫が落下する。その瓦礫は、ポルナレフと人影の間を完全に閉ざしていた。
「ブルーコスモスに身を置き……お前の復讐を待つとしよう。名前も教えておいてやる」
人影は、瓦礫の向こう側から己の名を告げると、ポルナレフが瓦礫を斬り砕くよりも早く、その場から姿を消していた。
その後、ポルナレフはサラのつてで議長に紹介され、ザフトに入ることになる。
――――――――――――――――――
「そいつはその後、指名手配されているが足取りはつかめていない。ブルーコスモスはそのテロを行ったことを否認しているしな。テロリストといっても、実際は連合軍の暗殺者のようなものなのだろう。もし、お前たちが奴の情報を得たら、教えて欲しい」
「そいつを……どうするのですか?」
アスランの質問は、答えの決まりきった愚問というものであったが、ポルナレフはしっかと返答した。
「殺す」
その答えを聴いた三人は、ケツの穴にツララを突っ込まれたような気分を味わった。
「おれは誓ったッ! 我が友の魂の尊厳とやすらぎは、そいつの死で償わなければ取りもどせんッ! おれの手でしかるべき報いを与えてやるッ!」
彼はそのためだけにザフトにいるのだと、三人は理解した。ユニウスセブンのテロリストのように暴走こそしていないが、だからこそ真っ直ぐで強烈な意志があった。
「ですが、その復讐によって、今度はあなたが復讐される立場になるのではないですか?」
止められないとわかっていても、アスランは口にした。かつて、復讐を志した者として、復讐が人を幸せにするとは思えなかったからだ。
「承知の上だ」
ポルナレフは一瞬の戸惑いもなく言った。
そんなことはすでに……経験済みだ。たとえ悪であれ、愛する者はいる。息子の仇を討とうとした、あの老婆のように。
しかし修羅道に落ちようと、復讐を諦めるという選択肢は存在しない。
「復讐なんかをして失った友が戻るわけではないと知ったフウなことを言う者もいるだろう。許すことが大切なんだという者もいる。だが、自分の友人を殺されてそのことを無理矢理忘れて生活する人生なんて俺はまっぴらごめんだし……
俺はその覚悟をしてここにいるッ! 復讐とは自分の運命に決着をつけるためにあるッ!!」
ああ、と、アスランは理解した。
彼と自分は、そもそも違うのだ。
復讐の対象が友人であったという違いがある。死を覚悟すべき戦士という立場の違いもある。だが何より、想いが違う。
かつて、自分はニコルを殺したキラを討とうとした。それを自らに課せられた罰と考えて。しかしそれは、復讐によってその罪から楽になるための行為だった。
だがポルナレフは、罪悪感や義務感から復讐を求めているのではない。自分のためではなく、失われた友のために生きている。それを自らの不幸とも思わず、人生を友のために捧げ、それを自分の運命と受け入れている。
復讐を果たすまで、自分の人生や運命などないものと覚悟している。
『覚悟』。今まで何度、その言葉を思い知らされたことか。そしてこれからも思い知らされるのだろうか。
アスランは認めるしかなかった。
復讐のための人生。それは決して幸福にはなれないだろうが……無価値なものではないのだと。
なぜなら自分は、彼の姿に感動していたのだから。
To Be Continued……
以上です。
キラ、シン、ナランチャの次はアスランとポルナレフを書きました。
ジョジョで私が一番好きな兄貴はエルメェス兄貴です。しかし設定上、登場させられそうにないので、あの名台詞はポルナレフに代弁を。
GJ!
今回のキーワードは暗殺か!?
乙。
細かいことだけどミゲルは赤じゃないよ。
既にドイツ軍人向けのオリ機出てるし
ポルナレフには「ギャン・レクイエム」でも下賜されそうな気もする
チャリオッツと同じ感覚で使いこなしそう
投下します。
来い!!
プラントと連合の様子を見ながら、オーブは備えていた。来るべき敵に。
「やれやれ……プラントは生き延びてしまったか……」
オーブ宰相、ウナト・エマ・セイランは息子ユウナを前に呟いた。
「プラントが敗れていれば、すべてわかりやすく終わったろうに」
確かにプラントが滅びていれば、国民がどう言おうが大西洋連邦と組む以外の選択肢はなくなり、当初からの彼の望みどおりの展開となっただろう。
ユウナはそんな父親に恐れを抱く。プラントには使者としてアスラン・ザラを向かわせている。連邦と組むということは、アスランを切り捨てるということに他ならない。
ウナトは、最近のユウナとアスランの関係が中々に良好であることを知っているはずだ。つまりユウナに『もしもの時は友人をも切り捨てる覚悟を決めておけ』といっているのだ。
(まだまだ敵わないな……)
善悪を超えたところに、ユウナは自らの未熟さを感じた。切り捨てる行為にではなく、切り捨てるという責任を背負う覚悟に、ユウナは尊敬を抱く。
「まあ、言っても詮無いことだ。もはやプラントと組み勝算の低い戦いをするか、連合と組み内乱を引き起こすかのどちらかだ。となれば、前者の方がまだマシ……で、準備の方は?」
「対戦闘準備は完了。かつてオーブが焼かれた時の教訓を生かし、国民の避難はより安全に行えるようになっています。無論、100パーセントの安全はありえませんが。一方、ミネルバの修理は完了、戦闘時には大きな助けになるでしょう」
「まだ正式にプラントとの同盟がなされているわけではない。過度の期待はしないようにしろ……次に、アカツキとやらはどうなった?」
「カガリの側近、レドニル・キサカに搭乗させます。我々がカガリ意識不明の状況で好き勝手していると思われないために。アスランを乗せれば最良だったのでしょうが」
「仕方あるまい。キサカも腕は悪くないからな……ウェザーはどうする?」
「使わない手はないでしょう。スタンド能力を駆使すれば活躍は期待できます。そのための新型機能もつけましたし」
「わかった……後は敵を待つのみか」
ウナトはサングラスの奥の目を細める。その視線の先には、まだ見ぬ災厄の姿があった。
怒りに唇を震わせている男がいた。
その名はロード・ジブリール。怒りの原因はもちろん、プラント強襲の失敗である。
ロゴスのメンバーに散々こき下ろされ、侮辱を受けた彼は、その屈辱のすべてをプラントとコーディネイターに向けていた。
「あの人外どもは!!」
核攻撃を防がれるとは思っていなかった。短期決戦ですべてを終わらせるつもりであったというのに。このままずるずると長引けばユニウスセブンの被害がある分、こちらも絶対優位とは言えなくなる。
「核攻撃を防がれた……防がれたからこそ!! それほどの脅威、あってはならない!!」
今、彼は自分の性質の悪い面のみを表していた。確かにロード・ジブリールは、前大戦の後、力を落としたブルーコスモスを復興させた有能な人間である。
だが、その精神は子供のそれと変わらない。自分の我侭が通らないことを許せない。我侭を通すためには、利害すらも視野から外れて冷静な思考ができなくなる。
「プラントへの直接攻撃はしばらくやめだ」
月基地にはまだ兵力は残っている。あそこにいるシュトロハイム少将はかなりの実力者で、部隊の士気も保たれている。だが、下手に動かしたくない駒の一つだ。彼はブルーコスモスに従順ではない。
彼の力とカリスマの危険性、有用性を考え、連合軍に働きかけて、シュトロハイムをブルーコスモスの一員とすることには成功している。
シュトロハイム自身はブルーコスモスの思想はどうでもいいようだが、連合軍とブルーコスモスの関係悪化を起こさないために、表向きブルーコスモスをして見られることを了承している。
(だが、あくまで軍の命令しか聞かないからな……軍を通して命令することはできるが)
極力、あてにはしないようにしよう。後々、自分が権力を握るためにも、自分の息がかかった者に任せたい。
「とりあえずは、地球の戦力を叩いておくか」
第一目標として、彼が目を向けたのはザフトの新造戦艦ミネルバ。そして、それをかくまうオーブであった。
「オーブはいまだにどちらにつくか解答を出していない。我々につくのならばよし。愚かにもプラントに尻尾を振るというのなら……」
ジブリールは邪な笑みを浮かべた。
「滅ぶしか、あるまい」
ジブリールは一枚の写真を手に取る。そこには彼が選んだ、オーブへの刺客の姿が写されていた。
連合軍に対抗するために、ザフトの地球への降下作戦が始まり、世界が本格的な大戦へと動き出す、一日前のことであった。
To Be Continued……
第9話・ギフトの「G」、終了。次回は第10話・ブラッディオーシャン(血染めの海)を予定しています。
レドニル・キサカは種運命ではいつの間にか連合軍に潜入していて、アスランを救助してきましたが、アカツキに乗ることになりました。デルタに出ていた下級氏族五人組を乗せようかとも思いましたが、乗せる理由が見当たらないのでやめました。
>>91 ご指摘ありがとうございました。
ウェザー機の新型機能はスタンドの動きをトレースするとかそういのじゃありません。念のため。
GJ!!!
ウェザーも戦場に出る事になるのか……
悪夢の悪寒。
最終兵器重天気が出ないことを祈る
あれって解除できたっけ?
カタツムリになったら操縦不能で墜落・・・
MS戦では最強かもしれないww
ウェザー自体が戦略兵器みたいなものだ
MS戦ではカタツムリにされて墜落続出だなw
というか、歩く気象兵器ですから。
天気予報だけでもやば過ぎる。
MSが持てるサイズのアヌビス神はでますか?
アヌ○スがMS操れたらチートとしか言えない武装ですね!
反則過ぎるw
>>106 絶対に無いとは言い切れない上に……MSパイロットを操れば、結果的に同じような事が出来るんだよなー
マジ反則。
アヌ○スはやばいんじゃないかと
あれはもはや傍中兵器ww
アヌ神は・・・どうなんだろ?
正直、一撃耐えきれさえすれば「憶えた!」と言ってビームだろうが何だろうが切り返しそうだが
もしアヌ神が硬度とかも憶えられるとすれば、MSを輪切りにするGガン展開もあるのだろうか?
アヌ○スなら透過能力使って、シールドや装甲を抜けて直接パイロット狙うって手もあるぜ
…ふと思ったが、スタンドだけの存在だから、
種世界へ飛ばすにしても、あれは死亡とか再起不能というより、
海のどん底で動けなくなっただけだからねぇ…。
あのまま、永遠の眠りについて遠い未来で拾われるまで再動出来ない…。
つか、さびて朽ちてるから、切れ味は直してもらえるまで透過と見切りしか出来ないだろうな。
つまりは、殴り倒すしか出来ない。
いずれにしろ、死亡するまで来ないっていうルールの世界の場合、
アヌ神は来襲不能って話になるけど…。
実は本体は可能なんだよね。大昔に死んでるだけで、
スタンドがそのまま永久に存続可能な状態になっただけで。
………だからこそこの流れでいえる。
もし、ロウにあのMS用の剣を作る技能を教わり、
それでアヌ神版菊正宗が完成した時、
アヌ神復活とかスタンド覚醒とかあったら……。
…………ただ、本体がどんな奴か俺らが知らないから、
錆びた剣のままロウに憑依して、
MS用の剣として復活させる方がそれらしいんだけどな。
むしろ、あの刀の材料にアヌ神がまじているとか。
投下します。
ガンダムSEED・BIZARRE
『PHASE 10:ブラッディオーシャン』
オーブは臨戦態勢を取っていた。
ウナト・エマ・セイランは緊張に唾を飲み込む。
目の前の海には連合軍の艦隊が存在している。オーブの回答……『連合との同盟は行わない』という答えは今送ったばかりだが、攻撃開始までに五分は待たないだろう。
(カガリ・ユラ・アスハが最初から連合軍と組むことに納得していれば……)
カガリが反プラントの過激派に暗殺されかけることもなく、民の反対もなく連合と手を結べたかもしれない。
(いや、そんなものは結果論だ。そうなったときは、また違う問題が出たかもしれんし、彼女の意向を潰して連合との同盟を押し通せなかったことは、私の責任でもある)
過去を思い煩っても仕方ない。今は今のことのみを考えよう。
「諸君、これより、オーブ防衛戦が始まる。二度も国土を焼かせるな」
ウナトは飾り気のない言葉を口にした。さほど独創性があるものではなかったが、『二度も国土を焼かせるな』のみで、オーブ軍を奮い立たせるには充分であった。
ウナトの言葉はミネルバにも届いており、彼の言葉に心ならずも奮い立っている者がいた。
「ちぇっ」
その男、シン・アスカは舌打ちする。やる気になっている自分が少し悔しかったからだ。いまだ許せぬ国と政府なれど、住まう民まで死ぬことを黙って見ていられるはずがない。
「やってやるさ、こんちくしょう」
複雑な感情を少々持て余しつつも、シンの士気は最大限に上がっていた。
「準備はいいようだな」
傍らのレイが言う。大規模な戦闘の前であっても、いつもどおりの冷静な顔だ。
「ああ、俺はな。ルナは……」
「私もOKよ」
ルナマリアは両の拳を握って、明るく言う。最近、彼女は前よりも活き活きしているようだった。妹のメイリンなどは、姉が両手をじっと見詰めて頬を赤らめているのを時折見かけ、何があったのかと首をひねっている。
そんなパイロットたちの輪に、形兆だけは入らないのはいつもどおりだった。
彼はただ、敵と戦いに思いをはせ、
「オーブも……後戻りすることはできなくなったなぁぁ」
そう呟くのみだった。
「クルー諸君、これよりミネルバはオーブ軍と協力し、連合軍艦隊との戦闘を行う。戦闘の終了後、艦に大きな被害がなければそのままオーブを出港する」
グラディス艦長の声が艦内に響く。この一戦にのみ協力するというのが、ミネルバ修理に力を貸してくれたオーブに対する借りの返却である。
そして直後、戦闘は開始された。
黄金のMS、アカツキを旗印としたMS部隊が空を舞う。キサカの操縦するアカツキは、ビームを弾き返しながら次々と敵MSを屠っていく。
これは順当な結果である。アカツキの戦闘力はあのフリーダムにも匹敵する。パイロットの腕も高かった。オーブ陸軍第21特殊空挺部隊の一佐の肩書きは伊達ではない。
「カガリも目覚めぬうちに、オーブを陥落させてたまるものか!」
暗殺が行われる前のカガリは、よい方向に変わりつつあるように見えた。その芽をここで絶やしたくはない。
レドニル・キサカはかつてのキラ・ヤマトにも迫る活躍を見せていた。
ムラサメを中心に構成されたMS部隊も、連合軍MS部隊に対して優勢のようであった。ユウナにとっては不本意だが、ウズミ・ナラ・アスハの遺したMS、アカツキの士気上昇効果は予想以上のものだったということだ。
実直な軍人たちとは別に、下級氏族たちも出世のチャンスとばかりに働きを見せる。
それらは予想と大きく変わらない結果であったが、予想以上の力を発揮したのがウェザーの駆るムラサメであった。
ウェザーのMS操縦技術は平均である。戦士としての経験と胆力を加味したところで、並みの兵士よりは上という程度のレベルだ。にもかかわらず、彼の操縦するムラサメは、平均を遥かに上回る撃墜数を記録していた。
「なぜだっ! あの程度の動きなら、こちらのビームが当たらないはずがないぃぃ、当たらないはずがないのにィッ!!」
連合軍のウィンダムパイロットが叫ぶ。彼の言うとおり、ウェザーのムラサメに当たるはずのビームは紙一重で当たることはなかった。
その秘密はウェザーのスタンドにあった。敵から放たれるビームは、ウェザー・リポートの作り出す空気の層によって射線を歪められる。ほんのわずかなズレによって、ビームはあさっての方向に飛んでいってしまうのだ。
業を煮やしたパイロットは、直接切り伏せようとウェザー機に接近する。だが、
「なんだ!? スピードが落ちる……機体の温度が急激に上昇していく!?」
ムラサメに接近すればするほど期待に抵抗がかかっていく。ウィンダムのパイロットは突如、機体に発生したわけのわからぬ現象に焦った。
「これはまるで……宇宙から大気圏に突入したときのような……!?」
過去の経験から似たような状況を探り出し、なお状況がわからなくなる。
「と、とにかく、この場を離れなければ!」
ウィンダムは接近を断念し、今一度ムラサメと距離をとる。
だが、それも寿命をほんの十秒ほど長引かせるだけであった。
「九機目……」
ウェザーの放ったビームによって撃墜された。ウェザーは命中率もまた並みより上というところだが、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる。十本近くのビームの幾本かが、ウィンダムを貫き破壊した。
本来ならこうもビームを撃つことはできない。すぐにエネルギーが尽きてしまう。だが、ウェザーに限ってはいらぬ心配であった。
バッテリーの容量が少なくなると、ウェザー・リポートがムラサメ内のバッテリーの一部に触れる。それは、通常のバッテリーにはない装置であった。
「『ウェザー・リポート』!」
雷が発生し、バッテリーに吸収された。これこそがセイラン家が子飼いの技術者たちに造らせた新機能『ミチザネ』。ウェザー・リポートの雷をエネルギーとしてバッテリーの充電を行うシステム。(ちなみに名称の第二候補は『デロリアン』であった)
ウェザーの精神力が持つ限り、エネルギー切れになることはない。従って、ビーム兵器を大量に使うことができるのだ。
規格外のスタンドをフル活用することで、ウェザーはエースの一人という地位を獲得しつつあった。
ミネルバの方も、期待通りに善戦してくれている。
連合軍のMSは海岸まで近づくのがやっとであり、内陸にまで進出することはできずにいた。
「妙だな……敵の兵力が少なすぎないか?」
この圧倒的なほどの優勢な戦況に、見守っていたユウナは呟いた。
ユウナがいる所は、軍本部である。とはいえ、あくまで責任者の一人としているのであって、口出しをする気はない。ユウナは軍人ではなく政治家だ。専門外のことにでしゃばるようなことはしない。以前ならともかく、今は多少なりとも自分をわきまえているのである。
だが、連合の出方が今ひとつ不自然に見え、思わず口に出してしまった。この程度の戦力でオーブを落とせるわけがない。これでは本土に被害を与えることはできない。海岸辺りですべて撃退可能だ。
「これでは見せしめにもならない……何を考えている?」
「確かにそうですが……ザフトに対抗するため、オーブにまで戦力を裂けなかったのではないでしょうか?」
軍人の一人、ソガ一佐が答えるが、ユウナは納得しきれなかった。いざとなったら不自然であってもウェザーに嵐を起こさせ、敵戦艦を転覆させてしまおうと考えていたユウナはこの勝ち戦に喜びよりも胡散臭さを感じていた。
そのとき、
「敵艦より、MAが発進しました!」
オペレータの一人が叫ぶ。モニターには暗緑色の蟹のようなMAが映っていた。
To Be Continued……
以上です。
ウェザー・リポートは反則だとつくづく思います。原作の「ハイウェイを遮断しろッ! 30キロ先までを! 集中豪雨でッ!」にはさすがに「え〜〜〜!?」と思いました。
アヌビス神は今のところ出す予定ありません。MS用巨大アヌビスも考えましたが、やはり強すぎるなど問題があり、出しづらいです。某所のアヌス神は尊敬に値する。
書ける人がいたらお願いします。
乙です。
デロリアンワロタwwwwwwwww
121 :
通常の名無しさんの3倍:2007/09/02(日) 22:38:30 ID:FpAFn2Nt
アヌビスはナイフとして再生できんだろうか
?アスランが所持とかだと使いこなせそうな感じが。
やめておけ。
使いこなす以前に乗っ取られて、最悪の辻斬りが完成する。
別の話になるんで、それはやめた方がいい。
…まあ、実際ナイル川に沈んだ時、すぐに引きあがっていれば、
まだまだ戦えたのは事実だが。
ただ、どこまで加工が可能かはわからない。
折れたりすると乗っ取りが解除されたりするから、
あんまり本格的な加工は難しそうだ。
ミチザネ?
……火雷天神かいwwwww
なんという便利スタンド
そしてデロリアンワロタwww
シンの初種割れももうすぐですか?wktkがとまらないぜ!
ウェザー強!!
ホント反則の能力だよな・・・
今思ったけど、ミナ様にもジョジョキャラの部下がいるんでしょうか?
デロリアンwwwww
下手したら過去に行きそうwwwww
GJ!
ウェザーもそうだけど暗殺チームなんかもMS戦強そうだよなぁ
デロリアン、予想以上にわかる人がいました。やはりバック・トゥ・ザ・フューチャーは有名だ。
投下します。
「なんだ! あれは!」
ミネルバ副長アーサーが声をあげる。驚くのも無理はない。誰も見たことがない、全長47メートルもの新型巨大MAである。だが驚いてばかりもいられない。
「形兆! あれをミネルバに近づけさせないで!!」
タリアは、ザムザザーから最も近い位置にいる形兆のザクファントムに命令を下す。形兆はすぐさま命令に従った。踊るような動きで空中を飛び、ビーム突撃銃を放つ。その攻撃は正確にMAへと突き刺さった。
「ちっ、効かないか」
形兆は不愉快そうに呟く。
MAは力場を発生させて、ビームを弾き返したのだ。陽電子ビームリフレクターシールド、戦艦の陽電子砲すらも防ぐ高性能のシールドである。
ビームが効かないまでは予想していた形兆だったが、次の予想はできなかった。
「ぬぅっ!」
MAがその巨体からは思いもよらぬ速度によって、形兆のザクに急接近してきたのである。巨大な鉤爪がザクを襲う。
右肩の盾によって身をかばうが、物理的な衝撃によって盾は凹み、ザクは吹っ飛ばされる。
「まずいっ……こいつは小細工が通用する相手ではない……!」
単純に力押しで強い相手というのは厄介だ。単純であるだけに弱点らしい弱点がない。
ザクはファイヤビー誘導ミサイルを発射した。これで倒せるとは思わない。煙幕を張って目をくらまそうというのだ。
だが、煙幕を貫いて発射されたビームにより、ザクの右腕が破壊される。その衝撃で、ザクのコントロールが一時鈍った。
「狙ったものでないものに当たるとは……俺もいよいよ、運が尽きたか?」
形兆はこの期に及んで不敵な笑みを浮かべた。煙幕を突き破り、MA本体が姿を現す。MAの巨大な鉤爪がザクを凪ぎ砕くために振るわれた。
だが、鉤爪の軌道上から、形兆のザクは突如外れた。何者かに突き飛ばされて。
急に移動させられた衝撃からすぐに立ち直った形兆が見たものは、さきほど自分がいた位置にいる白いザク―――レイ・ザ・バレルのザクであった。
「レイーーーーッ!!」
形兆の支援のために彼の元に向かっていたシンは、形兆をかばい、危機にさらされているレイの姿を見て、絶叫をあげていた。
(また、失うのか? 連合軍の理不尽な暴力によって、同じこのオーブで、自分はまた失うのか!?)
シンの脳裏に、家族の、妹の死に様がフラッシュバックされる。
「やらせるかぁぁあぁぁっ!!」
プッツ〜〜〜〜ン!!
頭の奥で、何かがはじけた。
同時に全方向に視野が広がり、周囲のすべてが感じ取れる。世界が自分と一つになったように。
次の瞬間、インパルスはMAの鉤爪を切り落としていた。
「な……」
レイは呆然としてそれを見ていた。彼が呆然とするのは珍しいことである。
(今の高速……インパルスなら出せるだろうが、あの速度を出しながらビームサーベルを振るうなどという細かい動作が、できるものなのか?)
あれだけの動きができるほどの優れた運動神経と動体視力を持つ者は、レイの知る限りポルナレフくらいだ。そのポルナレフにしても、MS操縦の経験が足らず、ああも精密に鉤爪を切り落とすなどという動きはできないだろう。
(一皮剥けた、というにしては、度が過ぎる……これが、ギルが見つけたシンの力なのか)
レイは、目の前で破壊されていくMAを見つめながら、微笑みを浮かべていた。この力が、デュランダルの役に立つことを思って。
「こいつは……凄まじいものですな」
ソガの言葉を聴きながら、ユウナは頷く。
「連合と組んでたら、まずアレを敵に回していたわけか。ぞっとしないね」
装備を換装し、エネルギーを充填して、次々と敵艦をなぎ払っていくインパルスに、オーブ軍本部は賞賛と驚嘆の目を向けていた。
連合軍が退いていったのは、それからまもなくのことであった。
かくて戦いは終了した。その結果は、オーブの大勝利といってもよかった。敵は海岸までですべて食い止め、民間人の被害はゼロ。軍の被害も予想より遥かに少なかった。
(これで、終わったのか……?)
喜びに沸く軍本部の中で、ユウナは内心で呟いた。
(あのMAだけが切り札だったというのか? 確かに手強かったが、あれ一機だけでは……それともまだ何か……)
あまりにうまくいきすぎている現状に、不安を消すことができずにいた。
一方、戦いの終了と共にそのままカーペンタリアに向かうミネルバでも、歓喜の声があがっていた。
「シン!! すっげえじゃねぇか!!」
「よくやってくれたぜ!!」
特に、敵艦を何隻も沈めたシンに対しての激励は凄いものであった。
ルナマリアやレイも笑みを浮かべて、それに参加する。
「ホントにスーパーエース級じゃない。ポルナレフ教官が聴いたら驚くわよ?」
「お前は船を護った。勲章ものの活躍だ」
シンはその賞賛を嬉しさ半分、気恥ずかしさ半分で受け入れていた。いきなり力が増したあれは『火事場の馬鹿力』というやつだったのだろうか。かつてポルナレフも友人を失ったとき、通常以上の実力を出すことができたというが……。
歓声があがる中、場になじまない男が現れた。このミネルバでただ一人、常に孤高を保つ男―――虹村形兆。
「レイ」
形兆の方から話しかけるなど、極々稀なことである。シンとルナマリアは、自分に話しかけられたわけでもないのに体を硬直させる。周囲の騒ぎがピタリとやみ、沈黙が降りた。レイは少し戸惑いを目に宿して、次の言葉を待つ。
「なぜ俺を助けた? 命を賭けてもらえるほど親しい付き合いとは思っていないが?」
形兆はどこか苛立たしげに言う。性格的にきっちりしていないといつまでも気分が悪いのだ。
「そうだな……俺はあなたの強さが知りたい。おそらくそれが理由だ」
それはきっと、ギルの役に立つから。しかし、純粋に形兆を助けたいという理由もあった。レイは自分で思っているよりも、この男に敬意を抱いていたのだ。
自分で生き方を決めることのできないレイにとって、彼は尊敬の対象だった。彼もまた自分のための人生を持っていないようであったが、少なくとも彼は自らの意志で人生を捨てたのだから。
「そうか……助かった。感謝する」
形兆はただそう言っただけだったが、周囲の反応は劇的だった。誰もが耳を疑い、目を丸くし、口を半開きにしていた。レイですらも。
「この借りは返す。几帳面な性格でね。借りっぱなしというのは我慢ならない」
形兆はそれきり口をつぐむと、格納庫を出て行った。
やがて格納庫にざわめきが戻るが、それは勝利の喜びではなく、形兆への驚愕から出るざわめきであった。
こうして、ミネルバはオーブを離れていった。
そしてもう一つの陣営でも会話が行われていた。ジブリールは、オーブ攻撃を行った艦隊からの報告を聴いていた。
「それでは『成功』したということでよいのだな?」
《予想より被害も大きく、ザムザザーまで破壊されてしまいましたが、目的は達成しました》
「そうか……ご苦労だった。ザムザザーについてもデータは取れたのだからよしとしよう」
ジブリールはねぎらいの言葉を送り、通信を切る。その手には、今回のオーブ攻撃の計画書があった。その書類の一番上にはこのように書かれていた。
『オーブ緑化作戦』
「海が赤く染まった後は……大地が緑に染まる番だ」
ジブリールは、天使の名にふさわしからぬ暗い感情を胸に、今後のことを楽しみに待つのだった。
オーブの海岸に、一つの荷物が置き去られていた。それは1.5メートルほどの大きさのトランクのような飾り気のないカプセルで、連合軍のMSによって運ばれ、海岸に置かれたものだった。(置いたMSは数分後に破壊された)
しかし中は空であった。その『中身』は、自分から外に出ていたのだ。
「そろそろ頃合か……」
中身であったものは呟く。空は暗く、星の光が瞬いていた。戦闘が終わって半日が経っている。連合軍の動きを警戒し、国民はまだシェルターにおり、今夜はそこで眠りについている。今、外にいるのは軍の関係者がほとんどのはずだ。
その『男』は、あの戦闘からずっと影に身を潜め、機を待っていたのだ。
「それなりに命を賭けたのだ。元を取らねばな」
誰が想像できるだろう。太陽が出ている間の戦いは、この男一人をオーブに上陸させるための陽動にすぎなかったことを。そして、その男にはそれだけのことをさせる価値があることを。
そして男は動き出した。髪の毛を、十本以上の『キノコ』や『カタツムリの触覚』のような形に束ねている。耳には丸いイヤリング、口には紅をし、顔には奇妙な模様をつけている。手にはビデオカメラを持ち、その目は好奇心に輝き、常に観察を行っていた。
男の横を、軍用車が通り過ぎる。
その運転手の不幸は、男の近くを通ってしまったことと、その道が下り坂だったことであった。その車は、あからさまに怪しい男を見咎めることもなく、カーブでも曲がらずに壁に突っ込み、爆発炎上した。
男は振り返りもしなかった。自分の求めるものを観察するには、手遅れであるとわかっていたからである。
投げ出された運転手はすでに息絶えていた。その死体はグシャグシャに潰れ、砕けていたが、奇妙なことに全身が緑色に染まっていた……。
To Be Continued……
乙でした。
可燃ゴミ男キター!?
以上です。『第10話・ブラッディオーシャン』終了。次回、『第11話・死に埋もれる大地』を予定しています。
さて、これからが本当の地獄ってやつです。次回投下までは、また少し時間がかかると思います。
>>125 ミナ様も今は出す予定ありません。ジョジョキャラと渡り合えそうな数少ない種キャラだけに、動かしづらいです。天空の宣言したあと、どう動いていたのかよくわからないし。
うわあああああああああああ
チョコラータがああああああ!!!
まさしく阿鼻叫喚の地獄絵図が約束されました
>>136 JOJOキャラを接触させて、宣言の内容を変更させるとか、
先延ばしにすれば、少しは動かしやすくなるかも。
…つか、チョコラータ投入とは、まさにブルコスのやり方にふさわしい男を人選したなw
悪魔のような殺戮に期待しつつ、GJコールを!
……それにしても、種割れというよりもプッツンで表現したのは良かったYO!
これぞ、JOJOとコラボって感じだ。
オーブオワタww
よ、よりにもよって奴がC.Eの大地に…オーブオワタ
助けてプチャラティーーーっ!
おちつけ!「プ」チャラティってなんだww
まあ順当に行くとウェザーとの対決かな?今オーブには彼しかいないし
兄貴……おお兄貴!
そうか本編中で死んでたしゲスコンビだって条件は満たしてるんだよな
燃えるゴミは月・水・金!
チョコラータはいずれ来ると思ってたが
この威力のスタンドを投入するのは時期早過ぎると思う・・・
時間系が軒並み出演不可なんだから
後の山場はヴァニラ・アイスがラクシズ側で参戦した時位か?
ゲス野郎が来やがったァ――ッ!!
オーブオワタ
みんな諦め早すぎだ
でも俺もチョコラータが俺の町に来たら諦めるな…
セッコがいないのは・・・・本編で軽蔑したからな。
おチョコ先生襲来!!
149 :
通常の名無しさんの3倍:2007/09/04(火) 15:28:16 ID:I21FKYNz
人間生物兵器キター!! !!
というかあれも人間戦略兵器です
おまけにワクチンないときた戦争では最悪の存在だよな。
デストロイガンダムより始末が悪い 目に見えない品。
すまん、スタンドのわからない俺には皆が何を言っているかわからない
パープルヘイズみたいなもんか?
「パープルヘイズ」は殺人ウイルス。本体もろとも巻き込んで
殺しかねないほど凶悪だが、光に弱いのですぐ殺菌される。
「グリーンディ」は殺人カビ。スタンドを発動させた所より
低い場所で爆発的に増加し、無差別殺戮を行う。
さらに、死体を媒介してカビがどんどん広がってゆく。
チョコ先生の倫理観のなさ、残虐性、観察願望と相まって
大都市だろうと阿鼻叫喚の地獄絵図に。
パープルヘイズは知ってるのにグリーンデイを知らないとは
>>151 ロックバンドの方は知ってるんだがwwww
もっかい読み直してくるって言うか買い戻してくる
チョコ先生が来たァァァァァーーーーーッ!
…勝ち目はあるんだろうか?
先生の防御能力戦闘力は大した事が無いので
原因を推測する洞察力、先生を発見する探査能力
それらを迅速に行うための機動力、先生を倒す戦闘力
その間の被害を抑える民衆への統治力があればさしたる被害も無く倒せるんでない?
いや、1つ欠けるたびに被害甚大デスガ。
お前ら今日はSBR13巻の発売日ですよ
今ブチャラチィ達は何処にいるのだろうか
ってもしかしてオーブにいるんじゃないか?
ジブリールが邪魔なブチャラチィごとオーブを消そうとしていたら、まだいる可能性は大
ていうかもうそれしか希望が見えない
俺……今月の引っ越しが無事に終わったらSBRの新刊を買うんだ……
時間系スタンド、SBRキャラ出演があるならマンダムは出られると思うけどな
先生がゲリラ的に活動したら被害が甚大だな
カビはどんどん死体と共に増えるし スタンドなので防護服も意味内
恐怖も感染でオーブオワタ。
オーブオワタwwww
てゆうかチョコ先生はヤバすぎwwwww
>>157 ならブチャラティにも知らされてるんじゃないか?
所詮元ギャング、ジブリールの命令あらば今は仲間のチョコを助けるだろ
上に移動しながら
手近な基地ごとジッパーの落とし穴設けて行くとか
>>161 チミはブチャラティの事がわかってない
外道はボスでもやっちまう男なんだぜ?
>>158 シンが男の世界に入門する展開キボンヌ
余所のSSでは、
ウェザーが空気中の湿気を抜く事で黴の発生と進行を遅らせた、というのがあったな
局所的には緑の日の方がスタンドパワーが強いので、完全には止めきれなかったけど
しかし、全スタンド使いでも有数の能力射程と凶悪さを持つ先生が上陸とは・・・
趣味に走らずに姿でも隠された日には、正直言って対抗手段が思いつきません
都市で緑の日が使われたらバイオハザードみたいな阿鼻叫喚の地獄絵図ですよ。
>>155 チョコ先生がわざわざ相手の観察に出て行かない限り見つけるのは不可能に近いからなあ。
そういえばアヴドゥルさんは今どこにいるんだろ?
マジシャンズ・レッドはグリーンディにたいしてかなり相性がいいんじゃなかろうか
なんとなくウェザーVSチョコ先生の反則スタンド対決になりそう
オーブが地獄と化すぞ。
ウェザーVSチョコ先生
オーブが天災で壊滅しますた。
そこから何とか復興しようとしてるオーブ市民の所に
つ" サバイバー
職人がSSを考えている間に
オーブはどんどんオワていく…
グリーン・ディは能力射程に加えて、偉大な死とかにはない即効性があるからなぁ
どっかで、
チョコ先生のスタンドは、荒木神さえその扱いづらさから味方サイドより退場させたフーゴのスタンドを、
敵側の能力として手を加えた上で出したもの
というのを見たことがあるが
ある意味では殺人ウイルスの弱化拡大版だよな、アレ
死者三桁、死傷者四桁位はかたいか?
>>170 天気予報はともかく黴とその二次災害は、間違いなくトラウマになって後後まで残るよなぁ
天気予報VS緑の日の舞台となった場所の光景とか、世界最後の日と言われても納得できる
フーゴの代理としてチョコ先生がでてきたとかいう話もあるよね
こんなに反響があるのは初めてです。さすがはチョコ先生。
追い立てられて投下します。
ガンダムSEED・BIZARRE
『PHASE 11:死に埋もれる大地』
午前1時のセイラン家にて、ウナトは首を回し、肩を揉みながら言った。
「さて……少し休むとするか」
とりあえず連合軍の艦隊は本当に撤退し、すぐに再戦を挑んでくる気配はない。大変な一日であったが、どうやら無事終わったようだ。今日しなければならない処理は済んだ。明日は明日で忙しいのだから休養はしっかりとっておかねば。
(下の階にいるユウナに声をかけておくか)
なにげなくそう思ったウナトは、階段を『降り始めた』。それが現在とる中で、最悪の行動であると気づきもせずに。
悲鳴がセイラン家に走った。しかし使用人もほとんどがシェルターに避難している今、その声を聞き取った者は二人だけであった。
「父さん!?」
ユウナはその悲鳴が父のものであることにすぐ気づき、立ち上がる。ウェザーもまた迅速に動いた。
「階段の方からだ!」
五秒とかからぬ距離にある階段へと走る。たどり着いたユウナは、目の前の光景に愕然とした。
「た、助けてくれ……!」
父、ウナトが気色の悪い緑色の物質に足を覆われていた。緑色の物質は異様な速さでウナトの体を侵食していく。そして、
ボギリ
気持ちの悪い音を立て、腐った木が折れるようにウナトの右足が砕けた。上半身のバランスが崩れて階段から落下しそうになる。
「『ウェザー・リポート』!」
ウェザーはスタンドによってウナトの体を抱きとめ、階段の上に戻してそっと床に座らせた。すると、緑色の侵食は収まる。
「父さん!」
「待てユウナ! 俺が先に行く!」
緑色の正体がわからない今、下手に行動するのは危険だ。そう考え、ウェザーは階段を上っていく。
「大丈夫ですか? ミスター・セイラン」
話しかけるが反応はない。どうやらショックで気絶しているらしい。
「パニックになるよりはましだが……」
砕けた足を見てみる。緑色の一部が付着しており、奇妙なことに出血はない。緑色の下は肉が腐ったようにグズグズになっているようだった。
「この緑色はなんだ……?」
ウェザーはポケットからペンを取り出し、つついてみる。綿のような、埃のような物体である。見たところこいつは、
「ユウナ……どうもこいつは『カビ』らしい」
「カビだって?」
「そうだ……だが無論、人をこんな風に食ってしまうカビなどありえないはずだが……とにかく医者を呼ばねば」
ウェザーはそう言い、階段を下りようとした。
「むっ!!」
突如、ウェザーの右足からも緑のカビが噴き出してきた。
「うおぉぉぉ!!」
さすがのウェザーも焦りの叫びをあげ、足を階上に戻す。するとカビの噴出は止まった。
「だ、大丈夫かウェザー!!」
慌てて階段を上ろうとするユウナにウェザーが怒鳴る。
「来るなユウナ!! どうもこのカビは、下に下がると湧き出てくるらしい!!」
「な、なんだって?」
ウェザーは足を曲げてしゃがみながら、左手を下に伸ばしていく。そして、足よりも下に手が伸びたとき、手にカビが生える。
「やはりな。『自分の体より低い位置に下がるとカビが生える』」
「そ、それはわかったが……そ、それじゃあ父さんを病院に連れて行くこともできないってことじゃないか! いや、それだけじゃなく、君も下に降りられなくなってしまっている!!」
「そうだな……このカビが何なのかわからないが……まずい状況だ。しかも、このカビが現れているのは、セイラン家だけってわけはないだろうしな……」
ユウナもウェザーも、取る行動を決めかねていたとき、ユウナの部屋の電話が鳴った。
「なんだこんなときに!」
「こんなとき、だからかもしれん。このカビが外にも出ているのかも……」
ウェザーの言葉にハッとなり、ユウナはすぐに部屋に戻って受話器を取る。
「ユウナ・ロマ・セイランだ!!」
慌てたせいで乱暴な口調になったが、向こう側は気にしなかった。それどころではなかった。
「よかった、まだ生きていたか」
その声にユウナは聞き覚えがあった。ごく最近、話したばかりの声だ。
「スピードワゴン!?」
「憶えていてくれてありがとうよ。そう、お節介焼きの便利屋、スピードワゴンさ」
モルゲンレーテの使者として、ユウナをアカツキへと案内した男は、陽気な声をユウナの耳に届けた。
「なんだってあんたが……あ!! ひょっとしてカビのことか!?」
「カビのことはもう知っていたか」
「知っていたも何も、父さんが足を失くしてしまったんだよ!! なんなんだいあれは!!」
ユウナはやや恐慌に陥って叫ぶ。
「落ち着けよ、足だけですめばいい方だ。外はもうえらいことなんだぜ」
「……外にも、広まっているのか?」
「どんどん、な。だんだんカビが生える範囲が広がってきている。一般市民がまだシェルターにいるのは幸運だったが、外に出ている軍事関係者の被害は結構なもんだ。カビの襲う条件は」
「『自分の体より低い位置に下がるとカビが生える』だろう」
「もう気づいていたのか? ああ、ウェザーだな」
ユウナは自分では気づけなかっただろうと判断されたのかと、少し不機嫌になった。多分、その判断は正しいから余計に。だが不機嫌になっている場合ではない。
「おかげでウェザーが下に降りれなくなってる。面倒な習性もあったもんだよ」
「珍しい習性じゃねえさ。俺は世界各国を渡り歩いていろんなものを見てきた。アフリカの珍しい動物だの、アジアの奇怪な植物だの、カリブ海の大木まで吹っ飛ばす竜巻だの、そして吸血鬼やそれ以上の化け物も」
吸血鬼? とユウナは疑問を覚えたが話を止めはしなかった。
「その中で昆虫なんかに寄生するカビも見たことがある。こうしたカビには、寄生した虫が『低い位置に移動』したときに繁殖し、虫を殺すものがいる。生息範囲を広げるために」
「広げる……って、どこまで!?」
「さあな。そこがまったく最悪なとこでね。下手すればこの島一つがカビの領域になっちまうかもしれねえ」
「一体このカビはなんなんだ? 連合の生物兵器か!?」
「いや……こいつは生物兵器なんかじゃねえ」
スピードワゴンが苦々しげに言う。
「モルゲンレーテでこのカビを分析してみたが……機械はカビの存在そのものを認識できなかった」
認識できない? これが幻だとでもいうのか?
「これは本物のカビじゃない……あんたならわかってるんじゃないか? あのウェザーを側に置いているあんたなら」
「……知っているのか?」
「スタンド、だろ? アスハ襲撃事件のとき、公表された情報に怪しい点があったんで、モルゲンレーテ社が調査したんだとさ。決定的なのは今回の戦での活躍だな。こっそりデータを取らせてもらったが、不自然な現象がウェザー機の周囲で発生していたようだったんでな」
つまり、モルゲンレーテ社はスタンド使いの存在を知っているということだ。ユウナは話を聴きながら決断する。今は隠し事をしているときではない。この事態を一刻も早く解決しなくては。
「……そうだ。ウェザーはスタンド使いだ」
「決断が早いのは助かるぜ」
「そちらもスタンドを知っているようだが……いるのか?」
「ああ。とびきりの奴がな」
スピードワゴンが得意げな声を出す。
「モルゲンレーテにこの事態の解決を依頼されてんだ。今、相棒がこの事態の張本人の居所を探っている。すぐに見つかるさ。探し物にかけちゃ、奴ほどの能力はそうはねえ。ここは俺たちに任せてくれないか?」
ユウナは迷ったが、スタンドを知らない軍では対処できないだろうし、頼みのウェザーも動くことはできない。ここは任せるしかないだろう。
「……餅は餅屋というわけだな。わかった。してほしいことはあるかい?」
「パニックにならないよう、統制をとって欲しい。正確な情報を伝えて、下手に動かねえように抑えといてくれ。あと、軍の部隊を動かせる権利がほしい。モルゲンレーテだけじゃ戦力が足りねえ」
「わかった。すぐに軍と連絡をとる」
ユウナは返事をしながら肝が冷えるのを感じた。今、父はいない。下に下りるだけで死ぬという状況下では、連絡を取り合い、助けを求めることすら難しい。この事態が解決するか否かは、自分一人の能力にかかっているのだ。
その不安を感じ取ったのか、
「なぁに、安心しな。俺はあんたより長く生きている分、多少はものを知っている。そんな知識から一つ教えてやるとだな」
電話の向こう側で笑っていると確信できる朗らかな声で、スピードワゴンは言った。
「悪は必ず滅びるのさ」
そして電話は切られた。
ユウナはしばらく言葉もなくたたずんでいたが、すぐに軍への連絡を取り始めた。
(まったくふざけた男だ。『本気』で言い切りやがった)
その自信に妙に腹が立っていたが、数秒前の不安は吹き飛ばされていた。不安であることが急に馬鹿らしくなったのだ。
(スピードワゴン……これが終わったらスカウトしてみるか)
「連絡はした。これで好きなように動けるぜ。あとは、お前の働き次第だ」
スピードワゴンは帽子を被りなおしながら、『相棒』に声をかける。髪の毛を何本もの角状に固めた、奇妙な髪型の少年は答えた。
「わかってるど。今、言われた範囲内を重点的に調べているところだど」
「隠れている奴、妙に冷静な奴、とにかく怪しい奴を見逃すな。これ以上カビが繁殖したら俺たちも動けなくなる。この戦い、お前が頼りなんだからな」
言いながらもスピードワゴンの顔には笑みがあった。相棒の能力に絶大な信頼を寄せているがゆえだ。少年の能力が絶対にカビのスタンドの本体を見つけ出すと、確信しているのだ。
「『収穫』を期待しているぜ。重ちー」
実質、90年以上の経験を持つ『黄金の血統』の永遠の友と、『黄金の血統』をして『無敵』と言わしめたスタンド使いは、ここに行動を開始した。
To Be Continued……
以上です。
今回、第5話『今落ちてきたばかりの空の下で』の最後以来、ようやく彼を出すことができました。
>>144 予告しておくと、ヴァニラ登場もわりと早い予定です。
>>164 どこのSSでしょうか?
GJ!
まさかここでハーヴェスト!
意外ッ!それは重ちー!
重ちーって カビごと空間を削り取るのか?確か
>184
それは億泰だ!!
重ちーのハーベストは小型のスタンドが無数にいて、色んな門を集める。
カビが生えて体が崩れる、これってすげー恐怖だよなー。
>>184 >色んな門を集める。
一時期流行した中国人窃盗団かよ(w
わかっててボケてるだろうが、
おせっかい焼きが言ってやるぜ。
ハーベストは『物を集めるスタンド』。
特に小さな物を集めるのが得意なスタンドだが、
少なくても100体ぐらいいる数にモノを言わせれば、
しげちーぐらいの重さと大きさでも運んでこれる。
ハーベストの凄いところは、その複数スタンドの団体力。
通常、一体のパワーはコインとか切手程度の重さを運ぶ程度で、
それでも人並みのスピードで移動出来る。
しかし、先もいったが集まればしげちーも運べるし、
その速度も消す、出現させるの応用も加えて『バケツリレー』とか『キャタビラ』とかを
思わせる行動をさせたら、恐ろしく早い。
人並みのCからBぐらいを思わせるスピード。
壁すらもすいすいと昇る荒業も披露してる。
ついで、しげちーも割と頭が良い。
よって、そのスタンドの応用力はずば抜けて高い。
…戦闘時にはだが。普段はどちらかといえば、頭が抜けてる方。
ただし、お金に関しての事は意外と賢い。
以上、参考になるデータを提出したので、参考にしてくれ…。
>>181 ゼロの奇妙な使い魔(ゼロの使い魔+ジョジョの奇妙な冒険)
の中におけるヘビー・ゼロ(記憶を取り戻したウェザーが主人公)という作品です
まとめサイトである、
ゼロの奇妙な使い魔 まとめ の六部コーナーの同SSの第22話中にそのような描写があったので
ウェザーVSチョコ先生があるかと思ったらふと思い出しただけですので、
もし気にされたのでしたら悪しからず
190 :
189:2007/09/07(金) 04:32:26 ID:???
GJを忘れていました
しかし、重ちー相手にラストのセリフは映えますね
収穫も稀に見る広射程距離のスタンドですし、これは面白いスタンドバトルの予感
GJでした
意外ッ!ネタ先にやられたか・・
しかし重ちーか・・
吉良のときといい、本体見つけるのにゃ何気にかなり効果的だよな
192 :
通常の名無しさんの3倍:2007/09/10(月) 17:21:36 ID:i+6zBqD1
そして時は動き出すage
「スレを落さない」「静かに待つ」、両方やらなきゃいけないのが読者の辛いところだ
ボスとドッピオのスレ見てたら頭のカビを消したボスのコラ画像があったんだが、
何に似てるか今日やっと気づいた
ラクスに似てるんだ、ボス
195 :
通常の名無しさんの3倍 :2007/09/14(金) 18:56:46 ID:qKaiKkBl
見た目だけじゃあねー
中身もだぜ
それはない
自分の目的のためには弱者を平気で踏みつける、吐き気を催すような邪悪ってことなら(ターン
いや、ボスはふつーにギャングやってたら乗っ取られましたなんだが……
むしろ、乗っ取る気満々で入団してきたジョルノの方がたちが悪いよーな
自分がやりたいようにやった挙げ句が親父ヌッコロの元凶なのに被害者ヅラなラクス
自分の絶頂の維持のために過去の足跡は全て消し去り、実の娘も殺そうとしたボス
(実母生き埋め・育った村ごと養父を焼き殺すおまけつき)
正しいと信じるものがある主人公(両親はDQNだけど本人は更正済・夢はギャングスター)と並べるほうがカワイソスじゃないか
ジョルノは、善ではあっても正義ではないと思うんだ
悪事働いたわけだし、更正済みではないと思う
まあ、ボスと比べると悪事というのも憚られるほど小さいけどね
舞台が現代日本でもなかったから、悪の感覚も違うしさ
>>195 ボスは自分が悪に位置するとは思ってる(でも罪悪感はない)だろうから、どちらかと言うと神父だと思う
自分を正義と信じて疑わないし、邪魔者は遠慮無く排除するし、
しかもその手段が悪そのもの(神父は無関係や無辜の人間巻き込んでるし、ラクシズはテロ行為のオンパ)
神父は世界一巡する時にに結局は人類皆殺しだし(あれって転生だよな?)、
ラクシズは種の後で復興に関与もせず政治家になって民意と責任の上で世界を変えるでもなく隠居して丸投げ、
後にまたもテロ行為だし
ところで、ラクスに一番近いジョジョの女キャラって誰だろうな?
主に内面的な意味で
神父もちょっと違うんじゃないかな
>ラクスに一番近いジョジョの女キャラ
グェスとかかな?友達や仲間=自分に都合のいい格下の存在でしかなく、
自分にちょっとでも逆らった瞬間に容赦なく攻撃
女キャラで縛られると選択肢ほとんどねえな。
絶対数が少ないし、出てくるのはたいてい覚悟完了している男前な女だし。
ラクスに一番近い……エンヤ婆かな?
特に理由は無いけれど。
無理矢理だな
>>204 つまり、
エンヤ婆=ラクス(息子=キラに惜しみない愛情を注ぎ、息子のためなら殺人=MS強奪とその際の戦闘だってエンヤこら)
自分達の行いの正当性や相手の事情なんてお構いなし。私こそジャスティス!
正義のためなら一般人や命令に忠実なだけの兵士が幾ら死んでもオッケー
J・ガイル=キラ(親=ラクスの惜しみない愛情と庇護によって徹底的な自己肯定が行われ、
しかもスタンド=フリーダムもあってオレTUEEEE!
自分の行いを客観的・世間的視点で見れない(武器と四肢壊されたMSの末路とかテロ)
見れても反省しない
うーむ。思ったよりしっくりくるw
ちなみに、ラクスっぽいキャラは、性別考えなきゃどうなるかな?
これは苦しい
けっこうしっくりくると思う
エンヤ婆=ラクスはしっくり来るが、J・ガイル=キラはちと苦しいと思う。
個人的にはキラはむしろアレッシーじゃないかと。
弱い相手としか戦わないとか、少し不利になると(キラの場合は昔の機体+圧倒的な数)ボコボコにされたり。
ただ、キラの場合は弱い者いじめをしてる自覚がまったくないんだよな。
まさに「オレってえらいねェ〜」だよな
211 :
通常の名無しさんの3倍:2007/09/15(土) 16:34:24 ID:olg9pJ+v
職人さんまだ?
キラは吉良じゃないのかな?
平穏に暮らしてたいと願ってたり、それを乱すものは根こそぎ排除しようとするあたり。
>>212 吉良は洗脳なんてされないだろ。
それに、わざわざ戦場に出て相手を排除はしない。
>>213 そうか、まあ言われてみれば種死でのキラの扱いはセッコのようなものだから
吉良だと確かに納得はしないだろうなー
, -― ――┛┗
/に (ニニ┓┏
//') u に二) (ヽ
〃____,r^)__,r、(ニユ| この俺をなめてんのか
i! ●`' ./ /´●uヾヽヽ,!
ヽニ⊃,// ⊂⊃}:}ソi
/⌒ヽ__ ヘ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~/⌒ヽ
\ /::::: >,、 __, イァ/ /
. \ |三/ []「/__ /
`ヽ「ミヾr‐ 、[]「ヾ三/
>>215 舐めたいくらいは可愛いとおもってますよ。
__ ,_
,、‐'´ ̄  ̄`'ヽ、 _,,,_ i、`'iヽtr、 i-、
/ `、 r‐-、,,、ト亥 ''v!ヾ/| !!ノ |'i .)ヽ, ,、
レ レ レ `, r‐亠彡ミ、 ミ|トミミ|ヾ))/ノ ノ ´.''彡}ノ!|
ロ ロ ロ i i´ /// ≡゙、`vi‖| !以´' <ヾ≡ ノノi
| !, //// (r、、i , ン、/ ヽヾ ≡三.c,,ノ|
. レ レ レ レ | ) | |/ 》 )/イ´''''‐-i |iノ iiノ ヾ、ヾ= <<
. ロ ロ ロ ロ .| く ! | |` .|イ{ i!/ノノイ ミミ=---ミζ
/ ,、! 彡r,ソ ト、ri ,, リノソ ト、ミ ミミ≡γ
レ / , ア .t‐' tテ}゙ '`===-、⊥,,.t三≡彡,
ヽ、 .ロ / .//τ'' | 7 ヾr゚‐´´ ̄ i!/´ri.|、|
ヽ、, / |!ii|'´ |<.. ´ ' ))!ノ、|
`''''''''''' ̄ヽゝ ヾi.! _ ''r, |、,_ ,, t-‐´ヾ|i
`` ,、r-<ヽ, CO、'''''‐ァ /σ゙'λ!i |
i! >, テ=|.ミ三彡'´ / / ヽiκ
} ノゝ'`´ .|`'''''' ,、、-‐'''´,、-'' yヘ,
ヽ、 .!´-、ミ-t'''i´,,、、-''´_ //υi
\ ! . } { !i'´´i! / \
_,,,,、、、/`'''‐ ,.r‐' ヽ . /\ \
| ´'''''''‐‐‐‐‐‐''''r'| ヽ / \ ´
219 :
通常の名無しさんの3倍:2007/09/16(日) 12:45:36 ID:7OaavkWQ
職人さんまだ?
220 :
通常の名無しさんの3倍 :2007/09/16(日) 22:54:57 ID:gnMNgKiY
まだー?
221 :
通常の名無しさんの3倍 :2007/09/17(月) 12:50:11 ID:uu+x84Vi
だー?
222 :
通常の名無しさんの3倍:2007/09/17(月) 15:49:02 ID:WAEwnfB7
ー?
?
224 :
通常の名無しさんの3倍 :2007/09/17(月) 17:14:13 ID:uu+x84Vi
そしてなにもいなくなった
キングクリムゾンッ!
226 :
通常の名無しさんの3倍:2007/09/17(月) 19:47:19 ID:+jakSE1y
続きマダー?
新しい職人さんマダー?
-‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
/・・/:・,へヾヽ・:\
//,::'/ /レ'/ ヽハ 、・.ヽ
〃 {_{ル'´ リ|l.│・:i|
>>225 レ!小ノ `ヽ フ|l:i・ i| 自分でも気付かないうちに時を吹っ飛ばしていた・・・・・・
ヽ|l ● ● |: ・|ノ! でぃあぼろーん
|ヘ⊃ 、_,、_,⊂⊃j |・, |
|: /⌒l,、 __, イァト |/.|
| /==イ,┃, ,_┃XXヽ:|
| || |il !トー癶-イXX/━||
ずれたorz
229 :
221 ◆KtKsDuZC0Q :2007/09/18(火) 14:36:31 ID:GVx7yLPO
チョコ先生パート投下します。
男は喜悦に満ちた目をギョロつかせ、目の前の光景をビデオカメラで熱心に撮影していた。
「くふふふ……よぉ〜しよしよしよしよしよし、いい〜〜顔だぁ」
男の足元に転がるは、一人のオーブ軍人だった。まだ若いが、かつての大戦も経験した、筋金入りの戦士である。
とはいえ、今の彼はほとんど『生ける屍』であった。その男への怒りや敵意も、身に走る苦痛も、仲間を殺した邪悪に対する正義も、すべて等しく、男を喜ばせる『観察対象』にすぎなかった。
「いい目だ。私が憎いだろう? さあ、もっと見てくれ。もっと見せてくれ。君が私を憎悪に満ちた目で見つめながら、死んでいくところを……このチョコラータに見せてくれ……!!」
周囲には仲間の死体が散らばっていた。不審者であるチョコラータを見つけ、問いただそうと階段を下りたとき、彼らの体からいっせいに緑のものが噴き出した。防弾チョッキやブーツも食い破るように破壊して、オーブ軍人たちの体を蝕んだのだ。
「ぐ、が……ぐぐぐ……」
「お? お? 何か言いたいのか? 遺言かね? 興味深いな。聞かせてくれ」
はしゃいで顔を近づけるチョコラータに対し、オーブ軍人の生き残りは吐き捨てた。
「てめーも、くたばれ!!」
ドバッ!!
地に倒れ、鈍く蠢くことしかできなかった軍人の腕が、ここぞとばかりに俊敏に動いた。腰のピストルが抜かれ、チョコラータの顔面に弾丸がぶち込まれる……ハズだった。
「え……?」
だがその弾丸はチョコラータの顔面に当たる前に、虚空にて弾かれ、男の寝転がるすぐ脇の床に着弾した。
穴の開いた床を横目で見つめ、軍人は言葉を失った。
「うわははははははは!! いいぞッ!! さすがは勇猛果敢なオーブ軍人!! 最後まで怨敵を討ち果たさんとするその執念!! 素晴らしいッ!!」
チョコラータはご機嫌に笑う。
対して軍人は目に涙を浮かべ、歯をカタカタと鳴らし、すべての勇気を失っていた。
(ば、化け物……!?)
もはや軍人に打つ手はなかった。それどころか、彼はもはや自分の国の未来を思い描けなかった。
(オ、オーブは終わるのか? このモンスターに、俺たちの国は消されてしまうのか……?)
希望を失った軍人を見下ろし、チョコラータは満足げに微笑む。
「うんうん。またまたよい顔だ……その絶望感……私は、絶望した奴を見下ろす時、本当に幸せだって感じる……ああ、君は実にいい観察対象だったよ」
チョコラータは感謝の証として、そろそろ楽にしてあげることにした。彼とてたまにはそれくらいの慈悲を与えることはあるのだ。チョコラータは軍人が今撃ったばかりのピストルを取り上げ、軍人の頭に軽く撃ち込んでやった。
「さて、カガリ・ユラ・アスハはどこにいるのかな? 意識不明状態というところだから、動ける状態じゃない。たぶんシェルターに避難させられているだろうな。カビに犯されていないといいが」
かつての大戦の英雄の一人であり、国一つを背負って立つ少女。そんな特別な素材は、ぜひ目の前で死んで欲しい。
「楽しみだ。実に楽しみだ」
チョコラータは期待に胸を躍らせる。英雄はどのように死ぬのだろう? 威厳を保ち立派に死ぬのか。最後まで抵抗して死ぬのか。みっともなく命乞いをして死ぬのか。
「興味深いなぁ……それにコーディネイターの死に様ももっと見たいな。遺伝子調整を受けた超人!! やはりナチュラルとは死ぬのにも違いがあるのかねぇ?」
こちらの世界に来てからも観察はしていたが、コーディネイターと出会う機会はなかった。今回の仕事が終わったら、次はぜひプラントに潜入したいものだ。
それにしても、この世界に来れて本当に良かった。こんなにも多くの興味深い『観察対象』が溢れているのだから。
死。宇宙で最も公平な概念。生きとし生けるもの、あらゆる存在にすべからく訪れる終焉。
それを見つめることが、チョコラータのすべてであった。死は人生の集大成であり、死を知るということは、人生のすべてを知ることに等しい。死を観察し、断末魔を聞くことで、自分は人類すべての上に君臨し、人生の真理を理解できると信じていた。
「それに何より『キラ・ヤマト』と『ラクス・クライン』!! 彼らの死は絶対に見逃せないな!!」
フリーダムを駆る伝説的なMSパイロット、キラ・ヤマト。前大戦を終結に導いた、平和の歌姫、ラクス・クライン。話を聞いただけで、どんな風に死ぬのか、見たくてたまらなくなった。ジブリールに従う条件も、キラとラクスの最終的処分を自分に任せてもらうことである。
ただ状況によっては……自分は彼らの『味方』をすることになるかもしれない。
なぜなら、チョコラータは戦争を好まないからだ。
戦争による死も興味深い観察対象であるが、戦争が無いなら無いで、いろいろな観察はできる。戦争で自分と関係ないところで多くの観察対象が死ぬことを思えば、デメリットの方が大きいだろう。
命は戦争などと言う下らないことで無駄遣いされるのではなく、自分の実験により価値ある消費をされねばならない。
(今はまだいいが……戦争が長引き、あまり戦火が拡大するようなら、私も手を打たねばならないな。反戦派と協力し、ロード・ジブリールなどの主要人物を効率よく殺すことで、戦争終焉の流れを導けるだろう。
それにジブリールたちの死に様も見てみたい……自分をあれだけ特別だと思い込んでいる人間の死はどんなものだろう?)
まったく興味は尽きない。何人殺しても、何千人殺しても、次から次へと殺す必要が出てくる。戦争なんかで無駄に殺させてたまるものか。『死』はことごとく自分の物だ!
(ああ、ああ、まったく、なんて幸せなんだ私は!!)
チョコラータは、世界で一番幸せなのは自分であると感じていた。その幸せをもっと味わうために、彼は歩き出す。
もっともっと多くの死を見るために。
この国を埋め尽くすほどの人間を殺すために。
To Be Continued……
以上です。一週間経ってもアクセス規制が解除されないので、別のコンピュータから投下しています。
なんかラスボスにしてもいいような気になってきますチョコ先生。
>>189 ありがとうございます。そのSSは知っていましたが、チョコ先生のところは見落としていました。
11話の続きは大幅に手直しをしているところなので、またしばらくお待ちください。
GJ!
なんというゲス野郎…
この男には悪の限界がない!
オーブやっぱ終わり…
そういや宇宙空間で回転してるプラントでグリーンディ使ったらどういう風に発動するんだ?
それ言ったら地球だって回ってるし。
だから重力で引っ張られる方向が「下」になるんじゃないか、とか思うけど、
それじゃ本当に無重力の空間の場合どうなるんだろうな。
チョコラータ「じっけん♪じっけん♪」
おチョコさんKOEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!!!!!
プラントは縦長構造だから縦に長い施設が多いんだろうなぁ・・・
おチョコさん大喜びしそうだ
チョコって「悪」としての器ならディアボロより明らかに上だったと思う
なんという吐き貯めのような下衆!
まさにチョコラーさんな外道ぶり!
さすがは燃えないゴミさんだー!(どれもが誉め言葉です)
そんなチョコさんも戦争は反対なんだね。
下衆な理由だけど。
>彼らの『味方』をすることになるかも
>ラスボスにしてもいいような
やっぱりここでチョコの能力を使い潰すのは勿体無いと思ってたから
自分としては嬉しい方向に行ってるかも
チョコ先生は本当に下衆で最低だと思うけど、もっとチョコ先生の活躍を見たい自分がいる。
>>240 ジョジョにおける最長ラッシュはチョコ先生。四ページもラッシュやってるのを見て、
当時は荒木が手を抜いたかと思った。
タクシー泥棒からギャング王への成り上がりを目指すDIOの息子が
ありとあらゆる同業変態ギャングを内ゲバで倒すって話が飛ばしてたな
父親譲りの無駄無駄ラッシュで
しかしDIOは首から上だけなので実際にはジョナサンの息子でジョージU世の弟というカオス
ジョルノは存在自体が奇妙
投下します。
ぐじゅりぐじゅりと音がする。カビが人食う音がする。
夜の街を無数の小さな者たちが飛び交っていた。
それは子供の手のひらにも乗るような大きさで、丸っこいフォルムをしていた。目と鼻のある人面に、2対の腕と1対の足が生えた形である。胴体はなく、蜂のような縞模様に彩られている。
せわしく駆け回り、キョロキョロと何かを探しているようだった。
彼らの名は『ハーヴェスト』。収穫を意味する名を持つスタンド。
やがて彼らのうちの一匹が、目的のものを発見した。
死体の溢れる闇夜の底で、嬉しそうにビデオの撮影を行う、見るからに怪しい人物を。髪型にしても顔の模様にしても普通ではない。だが何より異常なのは、その顔に浮かんだ喜びの表情。
中に荷物を背負ったその姿は、遠足へ行く子供を連想させるほど楽しげであった。
そしてその人物の背後にうっすらと存在している、奇怪な人影。その人影の顔はラバーマスクを被ったように目と口しかなく、頭頂部と背中に幾つもの筒が生えており、その穴から何かを噴出していた。
「ミツケタゾッ! しししっ!」
ハーヴェストは手柄を立てた喜びに笑う。
そして、一方的な殺戮は終わり、戦いの幕は上がる。
「見つけたどっ!!」
重ちーが声をあげ、デスクに広げられた地図を見る。
「この辺にいるど!」
指差した場所は、スピードワゴンがいる場所からそう遠くなかった。
「どうにかカビにやられる前に見つけられたな。どっちに向かっている?」
「う〜ん……西に向かっているみたいだど」
重ちーのハーヴェストは遠隔操作型のスタンドである。重ちーの求めるものを探し集める能力を持ち、その数およそ500体。一体一体がどこにいるのか感じ取れるし、周囲の状況だってある程度わかる。
「西か……よし。よくやったぞ重ちー」
「ししししししししーッ」
重ちーはスピードワゴンに褒められて嬉しそうに笑う。日常生活ではあまり褒められることがないので、褒められるのは物凄く好きなのだ。調子に乗りやすいので褒めすぎるとよくないが。
「さあて、敵の居場所と進路がわかれば、どこで迎え撃つかだな」
スピードワゴンは地図を睨み、待ち伏せに適した場所を探す。敵の現在地から西に位置するのは……
「オーブ行政府……軍本部……いや、違うな……?」
目的地がわからず首を傾げていたスピードワゴンだったが、一瞬後、その疑問は氷解した。
「……シェルターか!!」
民間人が今も眠りについている避難場所。敵は民間人を人質に取るつもりだ。いや、人質だったらまだいいが……
「この異常性からすれば、虐殺しても不思議じゃねえな」
連合軍がそれを望んでいなかったとしても、この相手ならばそんな意向は無視するだろう。
スピードワゴンは状況から、敵がいかなるものか、理解していた。
こいつは、良心を持たない相手だ。
こいつは、悪の限界のない相手だ。
放って置けば、限りなく人を殺し続ける相手だ。
決して、自由にしていてはいけない相手だ。
その理解にスピードワゴンは吐き気を覚えたが、気を取り直して対策を思案する。
「……この大通りなら西に移動する以上、必ず通らなきゃならねえ。それに平地だ。ここに集められる限りの兵を集めてもらおう」
「おらのハーヴェストで一気にやっつけちまってもいいんじゃないかど?」
重ちーがこう言うのは驕りではない。
スピードワゴンが、落ちている小銭を集めながら生活をしていた重ちーと出会って、一年と七ヶ月。様々なことがあったが、重ちーの能力と真っ向から戦い、勝てた者はいなかった。その事実を目にしてきたスピードワゴンは、しかし首を振る。
「いや、この戦いは絶対に失敗できねえ。お前が負けるとは思わねえが、援護射撃ができるようにしとくにこしたことはねえ。ハーヴェストの力を発揮するのは準備ができてからだ」
それに、なんだかんだいっても重ちーはまだ子供だ。大人の意地として、子供に人殺しまではさせたくない。少なくとも、戦いを任せて責任のすべてを負わせるようなことはしたくない。
(子供といやあ、あいつらもだな)
キラ、ラクス、アスラン、カガリ……見知った顔が脳裏に浮かぶ。なんでもかつての戦いでかなり『ご大層』な手柄をたてたそうだが、スピードワゴンが見たところ、彼らはまだまだ人生を知らぬ、青二才にも至っていない子供にすぎない。
能力が高いとか、そんなことは関係ない……というか、なまじ能力が高いからこそ、ほっとくとえらいことしそうな気がする。
(だから、大人がしっかりしてなくちゃよぉ)
スピードワゴンは帽子を被りなおし、気を入れる。今ここにあの一族はいない。
ならば、この国は、この国の人々は、自分たちが護らなければ。
To Be Continued……
以上です。
訂正部分
>>249 >『中に荷物を背負ったその姿は』→『背中に荷物を背負ったその姿は』
すいません。更に訂正。
>>249 >『中に荷物を背負ったその姿は』→『荷物を背負ったその姿は』
『背中に荷物を背負う』というのは意味が重複しました。
うーん・・・・特番のCM開け、
経過10秒写しただけでまたCM入り・・・って感じだな
こちら焦らされとります
重ちーって何気に無茶苦茶強いんだよなぁ
GJ!
256 :
通常の名無しさんの3倍 :2007/09/21(金) 06:39:42 ID:kjpjER3D
重ちー漢だぜ!
重チー!!!!
それと成熟した心をもったヤングなスピードワゴンに惚れそうだ!!
少年達を導くスピードワゴン燃え。
GJ!
スピードワゴンはかっこいいなあ・・
チョコさん包囲網が始動したが、いったいどうなるんだろ
>>237 カビの例に上がってたように生物学的に見ていいんじゃないかな?
つまり、下は重力基準、無重力では発動しないと思う。
投下します。
ハーヴェストが怪しい人物を見つけてから十五分後、作戦を行う大通りにいたスピードワゴン、重ちーのもとに、すぐに駆けつけられる場所にいたオーブ兵士、五名が到着した。
「ユウナ・ロマ・セイランも期待以上にしっかりやってくれたようだな」
いろいろな報告を聴くに、パニックは起こることなく、統率の取れた行動は取れているようだ。ユウナの迅速な行動のおかげだろう。
(これで軍部もちったぁセイラン家を見直してくれるといいんだが)
アカツキを渡して以来、ユウナのことが結構気に入ったスピードワゴンはそう思う。
「動ける人数が五人ってのは少ないが、まあ仕方ないか」
ないものねだりをしても意味はない。サブマシンガンを主武器として、拳銃、防弾服、ヘルメットなどで武装した兵士たちだ。まだ若く、扱いづらそうだが、今はこれ以上は望めない。
ちなみにスピードワゴンと重ちーも大体同じ格好である。ただスピードワゴンはヘルメットではなく、いつもの帽子を被っているが。
「よーし、それでは諸君は今回、スピードワゴン(SPW)隊として行動してもらうぜ」
「「「「「了解しました」」」」」
五人が敬礼をして答える。しかしその声に高揚感がない。中にはいかにも険悪な目つきをしている者もいる。スピードワゴンという指揮官に信頼を抱けないのか。上官を信頼できないとなれば、士気も上がらない。すなわち作戦の成功率に影響が出る。
(とはいえ軍人でもない俺を信頼しろって方が無理だよな……しょうがねえ、これでやるしかねえな)
スピードワゴンは諦める。いっぱしの軍人である以上、命令無視や勝手な行動を取ることもないだろう。そう思いたい。
そしてスピードワゴンは説明を始めた。
「いいか。今回、ある手段で潜入した敵を捕捉することに成功した。敵にその方法がばれる危険があるため、現在はマークを外しているが……敵がこの大通りを通過してシェルターに向かっていることはほぼ確実だ。
俺たちは立ち並ぶ店の隙間や、街路樹の陰などに身を潜め、敵の来訪を待つこととする……」
――――――――――――――――――
「ちっ」
野性的な顔立ちをした我の強そうな男が舌打ちをする。下級氏族の一人であり、四人の氏族仲間と共に、SPW隊に組み入れられた隊員の一人、ワイド・ラビ・ナガダである。
「どうした。不満そうだな」
長髪の男が煽るような声で話しかける。下級氏族の一人、ファンフェルト・リア・リンゼイだ。
「はっ、あのユウナの野郎に命令されて、あんな軍人でもない奴の下につくんだぜ? 気分がいいわけねえだろ?」
「命令は命令だ。それに、この任務にはオーブの未来がかかっている。文句を言っている場合ではあるまい」
黒い肌をした、実直そうな男、ガルド・デル・ホクハがワイドをたしなめる。
「しかし……彼はいったい何を考えているのでしょうか?」
眼鏡をかけた理知的な顔立ちの男、ホースキン・ジラ・サハトがいぶかしげな声をあげる。
「この蔓延している生物兵器を駆除するためには、生物兵器をばらまいた連合軍の刺客が持つワクチンが必要……と説明されました。そのために万全を尽くすのはわかります。しかし、あれはなんです?」
と、鼻をほじっている重ちーに蔑むような目を向ける。
「あんなどう見てもド素人の子供に、何をさせようというのです? しかも我々は、『指揮官殿』が刺客を捕らえることがうまくいかなかったときの、援護のためにいるらしいのに、捕縛方法を説明しないというのはどういうことか」
スタンドの存在は極秘事項である以上に、そう簡単に理解してもらえるようなものでもない。ユウナにせよアスランにせよ、認める以外にない状況であるからこそ受け入れられたこと。
下手に説明すればからかわれていると思われるのがオチと思い、スピードワゴンは説明しなかったのだが、それがホースキンの不信感を煽っていた。
「大丈夫かな……」
小声とボソリと言ったのは、サース・セム・イーリア。五人の下級氏族の子息の中で、特に大人しいというか、内気な人間である。体格も小柄で、肉体的な戦闘能力にも自信がなかった。
「安心しろ。俺がフォローする」
サースの兄貴分的な存在であるガルドがそう言って励ます。だが、サースの顔から不安の影は消えなかった。
――――――――――――――――――
(……妙だな。静かすぎる)
チョコラータは首を傾げた。いくら一般市民がシェルターに閉じこもっているとはいえ、活動している軍人たちが多くの事故を引き起こしていてもいいはずだ。だが、少し前から、爆発事故や悲鳴などの音がまったく聞こえない。
(早くも気づかれたか……?)
カビの習性にはいずれ気づかれると思っていたが、この早さは異常だ。機械で調べることができないカビの異様さに対し、もっと混乱するのが普通だろうに。
(この冷静な対応は……もしや、スタンドを知っている……オーブにもスタンド使いがいる……?)
「この先は平地……罠があるとすればそこだな。さて……どうするか」
スタンド使いがいるとすればそこに配置されているだろう。危険ではあるが、後顧の憂いをなくすため、ここでまとめて始末しておきたい。
「……攻めるとするか」
チョコラータはそのために必要なものを探し始めた。
――――――――――――――――――
(来た……)
スピードワゴンをはじめ、SPW隊の七人は、大通りを歩む人影を視認した。夜闇ゆえに細部はわからないが、服装はオーブ軍人のものではない。
(だが……いやに無防備だな。平地ではカビが活性化しないという弱点をわかっているだろうに……罠をまったく予想していないのか?)
「重ちー、もうちょっとだ……もうちょっと待て……」
スピードワゴンは釈然とせず、重ちーへの攻撃命令を即座には出さなかった。
(もう少し……街灯の光に照らされて、姿がしっかり見えるまで近づけさせてやる……)
だが、その慎重さをワイドは、『ビビッた』と判断した。
(ちっ、今がチャンスじゃねえかよッ!)
ワイドはサブマシンガンを構え、敵の足に狙いをつける。上部への攻撃は地に伏せてかわせるが、下部への攻撃に対し空を飛ぶわけにはいかない。
(ワクチン奪取の手柄は俺のものだッ!!)
そして引き金は引かれた。
轟音と共に、一秒数十発の弾丸が放たれた。弾丸は目標物の足をえぐり、いや、砕き散らし、吹っ飛ばした。相手は道路に倒れこみ、ピクリとも動かなくなる。
「へっ、なんでえ。呆気ねえぜ」
ワイドは嘲笑を浮かべて、隠れていた場所から顔を出した。
「オラオラ、生きてるか? 生きてるならワクチンを出しな。今なら命だけは助けてやるぜ」
それを見たスピードワゴンが通信で勝手な行動をしないように命令するが、ワイドは止まらない。それどころか、ガルドを除いた他の面々も姿を表してしまう。
(くそッ! まずいぞ! やべえ空気だ!!)
勝ったと思えたときが一番危険なのだ!! いつの間にかエイジャの赤石を付けていたカーズのように!!
「おいッ! まだ動くんじゃねえ!!」
スピードワゴンが、長年の経験で鍛えた勘で状況のヤバさを感じ、再度命令を出したとき、
ガガアアアンッ
突如、ワイドの目の前でマンホールの蓋が跳ね上がった。
「なぁ!?」
ワイドが反応する間もなく、マンホールは空中でいったん止まり、直後、ワイド目掛けて投げつけられた。重い鉄の蓋はフリスビーのように回転して、ワイドの脇腹に食い込み、肋骨に亀裂を入れた。
「ごふがぁッ!!」
その衝撃に、ワイドはサブマシンガンを手から離してしまう。そのまま地に膝を着く前に、彼を支えた手があった。だがそれは、仲間のものではなかった。服装こそオーブ軍人のものであったが、少なくともオーブ軍人に『群生したキノコ』のような髪型をした者はいない。
「さて、これで人質が一人」
微笑と共に呟いたのは、今しがたマンホールの穴から素早く躍り出た男であった。爛々と目を輝かせ、ワイドの肩を掴み、もう一方の手で拳銃を構えていた。
「ひぃ、ふぅ、みぃ……四人か。まだ隠れている者がいても、全部で十人はいないようだな」
男はワイドを自分の前に置き、SPW隊が攻撃できないような位置を取っている。その手際のよさに、ワイドは自分が敵の策にしっかり嵌ってしまったことを悟るしかなかった。
「始めまして。私が君らの敵……名をチョコラータという。ちなみに今、サブマシンガンでなぎ倒された男は、君たちと同じオーブ軍人さ。カビの発生を防ぐためじっとしていたところを捕まえた。
ちょっと薬で心を壊して、服を取り替えられても文句一つ言えず、歩き回るくらいしかできない廃人にしてしまったけどね」
このとき、午前1時40分。朝日が昇るまでにはまだ多くの時間が必要であった。
To Be Continued……
以上です。次回には重ちーを目立たせたいと思います。
GJ!
チョコ先生の外道っぷりが冴え渡る!
GJチョコ先生……ハッ
なぜオレはチョコラータにGJをっ
何者かのスタンド攻撃の可能性がある!
チョコ先生を応援している俺がいる
いや、SPW好きですよ?
チョコ先生いい!
投下します。
(さて、果たしてこの中にスタンド使いがいるのか)
チョコラータは分析する。少なくとも、今人質に取っている男はスタンド使いではない。姿を現している他の三人も行動を起こさないところを見ると違うだろう。
見たところ、実戦経験はない者たちだ。たとえ人質を無視して撃ってきたところで、負けることはない。チョコラータは余裕を持って話し出す。
「誰も動くなよ……一人でも近寄ってみろ。この男の鼻を吹き飛ばす。大事な人質だから殺しはしないが、命以外のものをいくつも失うことになる」
チョコラータはワイドのヘルメットを取り外して放り捨て、防御のなくなったワイドの鼻に、横から銃口を押し付ける。
(近距離型のスタンドなら、この距離では攻撃できない。長距離型ならパワーが弱いはずだから、グリーン・ディで対抗できるだろう)
「さて……君らの中にスタンド使いはいるかね?」
そう言われて、ワイド、ファンフェルト、ホースキン、サースは怪訝な顔をする。その表情を見て、彼らはスタンド使いを知らないことがわかった。
(まだ隠れている者の中にいるかもしれんな……)
「まだ隠れている中にいるのなら……出てきてもらおう」
まず出てくることはないだろうが、見せしめのために鼻を吹き飛ばしておくことにした。だが、チョコラータの予想は外れた。
「その手を離すど」
「……何?」
強い口調の命令に、チョコラータは目を丸くする。
彼の反応を無視して、少年は現れた。軽やかではないが、落ち着いた足取りで。その右には少年を補佐するように、守護するように、顔に傷をつけた男が力強く立っている。
「聞こえなかったか? その手を離せと、言ったんだど!」
ドワアァァァーーーーーッ!!!
「何ぃッ!?」
少年の背後から無数の小型スタンド、ハーヴェストが現れ、さながら津波のようにチョコラータへ向かう。
「こ、こいつは!?」
大きさはかつて潰したセックス・ピストルズと同程度だが、数が桁違いだ。
「『グリーン・ディ』ッ!!」
スタンドを出してパンチを繰り出すが、数匹潰せたにとどまり、残りの数十匹はチョコラータを一斉に取り囲む。腕も足も指も押さえつけられ、銃の引き金を引くこともできない。
「戦いは数だどッ!! おらのハーヴェストは無敵なんだどッ!!」
チョコラータを一目見た瞬間、スピードワゴンは背筋が凍りつくような感覚に囚われた。かつてディオや柱の男たちを見た時のような、あるいはそれ以上に、ドス黒い恐怖の疼きを感じた。
「重ちー、結局お前に任せることになっちまって悪いが、早いとこけりをつけるんだ。こいつは俺が今まで会った中で一番酷い臭いがする……!! ゲロ以下の臭いがプンプンするぜ……!!」
重ちーもまた、かつて感じた気分を再燃させられていた。自分を殺した殺人鬼に出会ったときの悪寒を。
「わかってるど……オラも得体の知れない汚らわしい気分になって、たまらないど」
その男を見た瞬間、二人の思いは一致した。
『こいつをこの国にいさせておくわけにはいかないッ!!』
「ワイド……早くこっちに来るんだ……そいつはもう動けないから心配いらないど」
重ちーの言葉に、おっかなびっくりという足取りで、ワイドはチョコラータから離れる。チョコラータに反応がないのを確かめると機関銃を拾い、脇腹の痛みに耐えながらも、必死に走ってスピードワゴンの背後までたどり着いた。
同時に、重ちーが号令する。
「やっつけろハーヴェストーーー!!」
ハーヴェストが一斉に腕を振るう。短い腕での攻撃は弱いものだが、人間の肌をえぐるくらいはできる。
「ケードー脈を、ブッチ切ってやるどッ!」
ザクザクザクザクザクザクザクザク!!
ハーヴェストは一斉にチョコラータの肉をえぐっていく。えぐり裂かれて出来るのは、せいぜい数ミリの深さの傷であるが、広範囲にわたってやられると洒落にならない。
「ぬぐうッ!!」
単純にして凶悪な『数の暴力』に対し、チョコラータは焦燥を顔に浮かべた。
「このすっ呆けた小僧がッ!!」
無理矢理グリーン・ディを動かして攻撃するが、やはり一匹二匹を潰すにとどまり、大したダメージは与えられない。むしろグリーン・ディにまでたかられそうになり、慌ててグリーン・ディを消すという有様だ。
「な、何が起こっているんだ……?」
ホースキンが目の前の光景に唖然とする。いつの間にかガルドも姿を現し、状況を掴みかねた表情で見つめていた。スタンド使いでもない彼らの目からは、チョコラータの体が勝手に傷ついていくようにしか見えないのだ。
「ぐぅああああ……!」
チョコラータは体を丸め、頭を抱え、亀のような体勢となる。
「そんなに縮こまったって無駄だど、ハーヴェス……」
突然、重ちーの言葉が切れる。そして顔を引きつらせ、脂汗を流し始めた。
「重ちー、どうした?」
「な、なんかおかしいどッ! ハーヴェストが……動かないど!?」
「な、何だと?」
そこにチョコラータの哄笑が沸き起こった。
「うわはははははははははははは!! 所詮、このチョコラータが貴様のようなガキにやられるはずはないのだ……グリーン・ディ!!」
チョコラータに覆いかぶさるハーヴェストたちが、グリーン・ディによってブチブチと潰されていく。雑草を無造作に掴んで引きちぎるように、2,3匹ずつ手に握り締めて潰していく。
「どぎゃああああ〜〜〜〜〜っ!!」
「重ちーッ!!」
重ちーの体のあちこちで肌が裂け、血が吹き出る。ちょっとくらいスタンドをやられても本体に影響のない重ちーにとって、スタンドをやられてダメージを受けるというのは初めてのことであった。
「お、おい、しっかりしやがれッ!!」
「だ、大丈夫、だど。それより」
チョコラータはハーヴェストを潰し終わり、悠然と立ち上がった。
五十体ほどのハーヴェストを潰した後に現れたのは、人型のシルエットをした緑色の塊であった。それは、カビの全身を包まれたチョコラータであった。カビの間から覗く目玉には、悪意に満ちた幸福感が放たれていた。
「全身をカビで分厚く覆えば、このチビどもの攻撃など肌まで届くことはないし、カビで飲み込んでチビどもの動きを抑えることもできる……もはや貴様のスタンドは通用しない」
下卑た笑みを浮かべるチョコラータの呟きが聞こえたわけではなかったが、ハーヴェストによる攻撃を無力化されたことを理解したスピードワゴンはすぐさま命令を下した。
「撃てぇッ!!」
号令と共に、六つの銃口が火を噴いた。機関銃は二秒に満たない時間をもってして、緑の塊に100発以上の致命的破壊力を叩き込んだ。
だが、弾丸がえぐり取り、バラバラに砕いた後に、人間の死体は残っていなかった。空中に散り、道路にばらまかれた気持ちの悪い緑の破片のみがあった。
「これは……そうか、カビを目くらましにして、本体はマンホールの穴にもう一度逃げ込んだな」
スピードワゴンは黒く口をあけた下水道への穴を睨みながら、次の行動を考える。
(奴はこの後どうする? このまま逃げていくか? いや……奴は重ちーの能力を知った。自分を探し出せる唯一の存在を、ほってはおけないだろう……。どこかから攻撃してくるはず)
この道には他にマンホールはない。少なくとも視界に届く範囲には。こちらの目の届かないどこかから地上に出てくるということだ。
「円陣を組め、上下左右、油断せず気を引き締めろ。必ず攻撃してくるぞ! そのときがチャンスだ、蜂の巣にしてやれ! いったん逃げたってことは、正面から機関銃と戦うほどの力はないってことだからなぁ!!」
SPW隊はすぐさま行動する。これで、どこから攻撃してきても、誰かが対応できるはずだ。
(しかし相手はスタンド使いだからなぁ〜〜、常識が通用するかどうか)
スピードワゴンはそう思いながらも、恐怖心を表に出そうとはしない。士気を落とさないために。そして更に、
「重ちー、ハーヴェストは使えるか? 奴がどこにいるのか、探してくれ」
「ハァッ、ハァッ……やってやるど」
傷だらけで荒い息をつきながら、重ちーははっきりと言い切る。
「おい、何やるのか知らねえが、こんなに怪我したガキに無理させる気かよ!!」
ワイドがスピードワゴンを責める。どうやったのかはわからないが、自分を救ってくれたらしい重ちーに無理をさせたくなかった。普段の態度から誤解されやすいが、ワイドは悪い人間ではない。
自己中心的であることは確かだが、仲間の犠牲に心を痛めないほど非情ではなかった。
「気にしなくていいど……今は、この程度の傷で、まいっている場合じゃないど……」
だが重ちーは、毅然としてハーヴェストを発動させる。
「このオーブはオラ達の暮らす国だど……あんなうすら汚らわしい奴の、勝手にはさせないど……!!」
スピードワゴンと出会ってから、『この世界』のあちこちを旅したが、この国にいる期間が一番長く、その分、知人や友人も多くいた。
「ハァッ! ハァッ! オラ達が……この国を守るど……この国に住んでいるみんなを、守るど……!!」
「重ちー……お前……」
ワイドは、何か熱いものが胸のうちに生まれたのを感じた。
(くそ……チビで太ったガキのくせに……なんかちょっと……グッときたじゃねえかよ……!)
To Be Continued……
以上です。
重ちーはキラやラクスたちとも交流がありますが、彼らに対する重ちーの感情は、『いまいち言っていることがわからない、頼りない困った年上の友達』という感じでいこうと思っています。
訂正
>>275 下卑た笑みを浮かべるチョコラータの呟きが聞こえたわけではなかったが、ハーヴェストによる攻撃を無力化されたことを理解したスピードワゴンはすぐさま命令を下した。
→下卑た笑みを浮かべるチョコラータの言葉を聞き、ハーヴェストによる攻撃を無力化されたことを理解したスピードワゴンはすぐさま命令を下した。
直したつもりで忘れていました。
>>276 GJ!
さすが重ちー、なんという的確な評価だwwww
>>いまいち言っていることがわからない、頼りない困った年上の友達
的確すぎて吹いたwwwwwww
チョコ先生!必ず生き延びてくれ!
>>280 そんな都合のいい話があると思うか…?あいつのような男に
ともかくGJ!
重ちー……。おめぇちょっとかっこいいじゃねぇか。
そして人物評も的確だw
最近このスレを見つけてまとめで全部読んだ
これ、すごく面白いわ
ジョジョキャラはC.E世界でもキッチリジョジョキャラやってるし、
それに影響を受けて精神的に成長する種キャラの様子がまたいい
自分としてはこれから動くであろうキラとジョジョキャラとの戦場での対決が楽しみ
あと未だ姿を見せないポルポルのグフも
投下乙
ワイドがなにかやってくれそうだな
本当にラクスとキラって奴は敵にすると恐ろしいほどに厄介極まりないけど
味方にすると頼りな・・・はっ!このフレーズは危険だwww
>>285 GEって何だ、CEだろw
ともかく作者さんGJ!
チョコ先生のカビの使い方、どっかでみたことあるんだが、なんだっけ?
>286
おそらく『イエロー・テンパランス』だとおもわれ
ハンサム顔自重wwwww
さすが重ちー!
JOJOで一番イカス中学生!
そこにシビレる!憬れるぅ!!
つまりはGJ!(ぐっどじょじょ)
289 :
通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 23:57:39 ID:1dYEvZzU
保守
チョコラータ先生!
しかしチョコ強えーな
あのハーヴェストを正攻法で潰して重ちーにダメージ与えるとは…
吉良のときは不意打ちみたいなものだったからな
投下します。
「焦らしやがるぜ、クソ野郎……ッ!」
ワイドがたまらず吐き捨てる。
(くそっ!! こういうのは嫌いだぜ。いつ襲ってくるかわからない状態で待つっていうのは、精神的にくる……)
苛立つワイドにスピードワゴンが声をあげた。
「落ち着きな……そろそろだろうからな……」
「なんでそんなことがわかるんだよ?」
重ちーは少々見直したワイドだが、スピードワゴンに対してはまだ反抗的だ。だがスピードワゴンは気にせずに説明する。
「これは、ウィル・A・ツェペリという、昔の戦友から教わったことだ。『戦いの思考』……『相手の立場になって考えろ』。もしも俺が奴だったら、重ちーをほっておくことはできねえ。攻撃を破ったとはいえ、いまだに奴にとって最も脅威であるのは重ちーだからな」
初めて聞いたときは、邪悪な敵の思考など考えるだけでおぞましいと思ったが、今にしてみれば重要なことだと実感できる。
「そして、重ちーは奴を見つけることができる。そして奴はそのことも感づいているだろう。ハーヴェストが遠距離操作系だとわかれば、探索の役割ができる可能性は高いと連想するだろう」
SPW隊の面々は、ハーヴェストや遠距離操作系といった単語を理解できないものの、ひとまず黙って話を聞き続ける。
「だからどこにいるのかばれる前に、急いで攻撃しようとするだろう……だからそろそろ」
ザサッ!!
道の脇の茂みがざわめいた。
「そこかッ!」
ファンフェルトが、反射的に銃を撃つ。だが、手ごたえはなく、茂みから『ソレ』は飛び出した。
「なっ、なあっ!?」
彼は恐怖の色を浮かべて叫ぶ。
飛び出してきた『ソレ』は人間の腕……だけだった。
「うおおおおおおっ!!」
混乱しつつも撃ちまくるが、冷静さを欠いた攻撃は、機敏に跳ね回る『右腕』を捕らえることはできない。至近距離まで近づいた右腕は、ファンフェルトの脇腹へと貫き手を食らわした。
「ぐぶほっ!!」
右手は丈夫な防弾服をも突き破り、深々と突き刺さる。ファンフェルトは一度大きく震え、意識を失った。
「お、おのれ!!」
その光景に、唖然としていた隊員たちは我に返り、ファンフェルトの右隣にいたホースキンが銃口を向ける。
だが右腕はそれを敏感に察知し、ファンフェルトの体から離れたかと思うと、ファンフェルトの背後に回り、盾とした。それを見てホースキンは引き金を引けなくなる。
右腕はその隙に円陣の外に飛んでいき、ナイフなど近距離攻撃の射程から離れた。
「ファンフェルトッ! ちくしょうッ!!」
ワイドが叫び、右腕に対しサブマシンガンを乱射する。だが右腕は大地を掻きながら機敏に移動し、逃げ回る。そうやって引き付けておきながら、
バザッ
右腕の反対側から挟み撃ちにするために、もう一つ敵が現れる。『下半身』。
「うああああ!」
サースが怯えて悲鳴をあげる。手が震えて、引き金を引くこともままならない。
下半身は『重荷』を乗せていないためか、信じられない速さで走り、サースに肉薄する。
「あ、ああ……!!」
サースは動けない。蛇に睨まれた蛙のように、恐怖に完全に飲まれてしまっていた。そんな彼に、下半身の蹴りが放たれる。グリーン・ディとほぼ重なって放たれる蹴りは、武術的な問題を超越し、強烈な一撃を可能とした。
ドグシャアッ!!
下半身は思い切り蹴り上げた。だが、その相手はサースではない。
「ぐッ!!」
蹴り上げられたのは、サースをかばったガルド・デル・ホクハだった。
蹴りの衝撃は致命的なものではない。致命的なのは、『上げられた』ということ。ほんの数十センチ、ガルドの体は宙に浮いた。そして、上昇が転落へと転じたとき、彼の体をカビが襲った。
「ぐううううッ!!」
爆発的という言葉がふさわしい速度で、カビはガルドの全身を覆っていく。落下して道路にぶつかっただけで、ガルドの体に罅が入った。
「ガルドぉぉぉぉッ!!」
サースが絶叫する。だが、そんなものに絶望を覆す力はない。
「サース……生き延びろよ……」
ガルドはそう口を動かし……それが精一杯であった。全身をカビに覆われたガルドは、もはや親にもわからぬほどに無残に朽ち果て、およそ、その高潔な精神とは不釣合いの死を遂げた。
「あ、ああ、あああああああッ!!」
サースはそのあまりにも残酷な死に様に理性を保てず、狂ったように悲鳴をあげ続けた。その無防備な様を、チョコラータの下半身が見逃すはずもなく、続けて蹴りを浴びせようと右足を後ろに引く。
「くそうッ!!」
だが蹴りが再度放たれる前に、スピードワゴンは帽子を投げた。『異常事態』に耐性があるゆえにとれた迅速な行動であった。
回転した帽子の縁が、右足に突き刺さる。スピードワゴンの帽子の縁の中身は、鋭利な刃物になっているのだ。右足の肉を切り、骨まで達して鈍い音を立てる。もしも下半身に声が出せたならば、苦痛の声をあげていただろう。
下半身は攻撃を諦め、左足で地を蹴ってスピードワゴンたちから距離をとる。帽子が右足から離れると同時に、傷口から血しぶきが飛び散る。だが、道に着地したときには、傷口は塞がっていた。傷口にはカビがわいている。
「カビで傷を塞いでいるのか……!?」
よく見れば下半身や右腕の断面も緑のカビで塞がっている。
「あのカビを使って、切り離された腕を動かしてやがるのかッ!!」
そんなことが可能なのか? いや、もともと尋常の相手ではない。実際、そうやっているからには可能なのだろう。どれほど狂ったやり方であっても。
ザガッ、ザガッ
下半身と右腕は、サブマシンガンの攻撃を避け、また茂みへと逃げていった。
(あの右腕や下半身をいくら相手にしても、奴に致命傷は与えられねえ……あの野郎、柱の男並みの化け物だぜ)
スピードワゴンは、ファンフェルトを地面に寝かせているホースキンに目を向ける。
「ホースキン……ファンフェルトの様態は?」
「気を失っているだけです。脇腹の傷も浅い。肋骨に当たって、内臓までは達していないのが幸いしたようです」
命が助かったのはもうけものだが、もはやこの戦いでは役に立つまい。これでファンフェルトとガルド、二人分の戦力が失われた。
「重ちー、さっきの奴は?」
「ハアー……ハアー……ハーヴェストで追っているど。あの腕と両足の位置はわかるど」
これで不意打ちは避けられる。だが『司令塔』の位置はまだわからない。
「隊長。このままでは我々は敗北します」
ホースキンが冷や汗を流しながら発言する。
「あなたが言うように、敵がこちらの探索方法を知っているとしたら、あの敵は細心の注意を払って、その探索から逃げているでしょう。それでも時間をかければ見つかるかもしれませんが、すでに我々の戦力は3分の2ほどに減っている……。
今はまだサブマシンガンの攻撃力がこちらを有利にしていますが、弾が切れたとき、我々の迎撃手段はなくなります。このままだとそうなることが……理解できますでしょう?」
確かにホースキンの言うことはもっともだ。だが、現状では重ちーが敵を見つけるまで待つ以外に手は思いつかない。
(ジョセフだったら、もっと意表を突いた名案を思いつくのかもしれないが……)
親友の孫であり、彼自身にとっても孫のような存在であった捻くれ者の姿を思い浮かべる。この体になってから若返った精神が、老け込んでいくような感覚を覚え、ジョセフの姿を振り払う。
そして、もはや声も出ず茫然自失となり、座り込んでガルドの死体を見つめているサースへと歩み寄った。
その光景に、スピードワゴンは既視感を抱いた。
『こ…こんな! こんなこと! 残酷すぎる! お…おっさん! ツェペリのおっさあーーん!』
ガルドの死に様に、戦友の散り様を思い出す。サースの哀しみは痛いほどに理解できたが、今は呆けていてもらっては困るのだ。
「サース、立ちな」
だがサースは反応一つ見せない。虚ろな目で死体を見つめ続けるだけだ。
スピードワゴンはサースの胸元を掴み、力づくで立ち上がらせる。
「馬鹿野郎!! 悲しんでいる場合じゃねえだろう!!」
スピードワゴンの厳しい声に、サースの目に僅かながら光が戻る。
「う……うう……」
「そんなざまじゃあ、この戦いを生き残れやしねえぞ」
「だって……ガ、ガルドがいなくなったら……僕は……」
サースの目から涙が溢れる。だが、スピードワゴンは許さない。今必要なのは、涙ではない。
「ガルドはもういない!! お前を命と引き換えに救った!! お前が死んだら、ガルドの勇気が無駄になる!!」
激しい言葉にサースの目から涙が止まり、真っ白な無表情となる。
「いいか。お前はもう、軽々しく死ぬことは許されないんだよ。お前には、ガルドの生き方と精神を受け継ぐ……義務と責任があるんだからな!!」
スピードワゴンはサースから手を離す。サースの体は地面に倒れることは無く、立ち上がっていた。
「円陣を組みなおせ。状況は崖っぷちだが、希望はまだある」
SPW隊に命令を下し、言葉を紡ぐ。
「これもツェペリさんから教わったことだ……お前たち、ノミを知っているだろう? あのちっぽけな血を吸う虫だよ。あのノミは、潰されるというのに人間に向かって飛び掛ってくる……さて、これは勇気と言えるだろうか……?」
スピードワゴンは男らしく、見る者の心を盛り上げるような笑みを見せた。
「ノミのそれは勇気とは言えねえなぁ〜〜」
そして突如声を張り上げ、強く叫ぶ!
「勇気とは恐怖を知ること!! 恐怖を我が物にすることだ!! 人間賛歌は勇気の賛歌!! 人間の素晴らしさは勇気の素晴らしさ……!!
俺たちが今相手にしている敵は俺たちを脅威と見なしていない。生きるか死ぬかという恐怖もなく、勝って当然と思っている。どれほど人を殺せても、このゲス野郎は恐怖を知らねえ……ノミと同類よぉっ!! 勝てないわけがねえ!!」
スピードワゴンの目と声には、まだ絶望に負けぬ熱が篭っていた。その熱に応え、ワイド、ホースキン、重ちーは敵襲に対して身構える。
そしてサースもまた、銃を握り締めた。
苦痛、悔恨、悲哀、恐怖――――それらは少しも消えてはいない。だが、ただ一つ、自棄だけは、その目から消えていた。
「生きる……自分のためじゃなく……ガルドのために……」
To Be Continued……
以上です。
ファンフェルトだけはまったく見せ場を作ってやれなかったのが残念です。最初は死んでしまう予定だったんですが、不憫すぎるのでせめて生存させてやることにしました。この後で活躍するかどうかはわかりませんが。
>>298 投下乙です
スピードワゴンがツェペリから受け継いだ『戦いの思考』でこの窮地を脱することを望むます
というかここであの『帽子』を出しますか
本編ではジョナサンに一度使ったきりだったんで妙に嬉しいw
×望むます
○望みます
やれやれだぜ…orz
GJ!
どいつもこいつもいい味出してるなぁ。
そして下半身だけで素早く迫ってくるチョコ先生koeeeee!!
>人間賛歌は勇気の賛歌!!
コーディネーターは人間の可能性を諦めて遺伝子操作に頼った落伍者の集まりだろ
毎日ラクスの歌を聴いてるような連中だからな。
>>302 「人間賛歌は勇気の賛歌! 人間の素晴らしさは勇気の素晴らしさ!
こいつらコーディネイターはいくら力は強くとも勇気を知らん! ノミと同類よォーーーッ!」
やばい、違和感が無さすぎて逆に恐ろしい
まぁコーディネーターは望んでコーディネーターとして生まれたわけじゃないから
正確には落伍者なのは我が子をコーディネーターにした親だけどな。
そういうの抜きにしても「プラントの」コーディネーターは人間としてどうかと思う奴がざらざら居るのは確かだがw
傭兵のコーディネーターを少しは見習うべきだよなww
>>305 劾とイライジャはコーディネイターにしておくにはもったいないぐらいの漢
いや、外伝はキャラ違うから、MSとMF位に。
投下乙でした
ああ、なんと素晴らしいキャラの立ちっぷり、みんな良い味だしてるなー
生き残れさえすれば一皮むけそう。
ブルコス信者がいるようだな
ジョジョキャラが絡むだけでこんなに違うとは…
特にユウナ、主役クラスに
アスランもカガリも成長しつつあるし、この調子でキラとラクスも黄金の精神に目覚める事に期待
しかしチョコラータは相変わらず外道
単独でもこの強さ
これでセッコが一緒だったらどうなっただろう
触れた物を弱体化及び液状化するだけでなく、それを活かした地盤沈下攻撃
しかもグリーンデイとの相性抜群
どうやって勝てと…あの時は二人を分断できたから勝てと改めて実感
>>309 ジョジョは元々そういう戦闘の流れが多いからなぁ。力押し一辺倒ってのは意外と少ない。
相手がどれほどの力を有していても、自分の戦い方さえ保っていられたら、勝つ事が可能なんだもの。
戦闘で重要視されるのは、相手の戦術を如何に見抜き、打ち崩せるかの半分知略戦になる。
……少しは見習え、種・種死。単純に性能と数と洗脳で押し進められても面白さが感じられないんだョ!
>>309 キラは無印種で絶望状態から得た(得てしまった)悟りが今の精神状態とか思考の基盤になってるから、きっとジョジョキャラとは相容れない
ナランチャとは完全に決裂してた、というか完全にナランチャに論破されててむしろ可哀想な事になってたし
余談だけど、京兆兄貴がザフト側で出てきたのが、
カガリの精神的な成長のキーマンとなるためだとは思いもよらなかった
後にカガリの成長がユウナとかアスランの精神的成長にも影響を及ぼしてる辺り、
京兆兄貴の存在は果てしなく大きいように思える
あとアスランでなくブチャラティに惚れてしまったルナの今後が気になって仕方がない
それでもjojoキャラなら、奴等なら、なんとかしてくれるに違いない
種キャラと違いそう思わせてくれる何か、凄味があるからな〜
キラもナランチャに完全に論破されたことで、新たなる悟りを得るきっかけに繋がってほしい
今持つ価値観だけが絶対じゃないし、jojoキャラとの出会いがラクス共々より良い成長へ繋がるのを希望
アスラン、カガリが京兆の言葉に打ちのめされたのなら、
キラ、ラクスはスピードワゴンに殴られて活を入られるくらいのことをされるべきだ
そして新たなる覚悟と黄金の精神に覚醒してほしい
…ぶっちゃけ言うとただ叩くだけじゃなくて、ありえない出会いによって成長することこそクロスの醍醐味だから
キラがナランチャに論破されたことを自覚してるかどうかわからんからなあ・・
>>313 問題はまさにそこなのだ・・・・・・
キラのことだからナランチャのことを「話の分からないガキ」だとか思っていかねない
そして覚悟を理解したカガリやアスランやシン、果てはユウナにさえ精神的に敗北し・・・だめだ、これ以上は恐ろしくて書き綴れない
315 :
通常の名無しさんの3倍:2007/10/06(土) 10:38:24 ID:rf8tb46p
なんだこの流れ
そこでスピードワゴンだよ
あるいはウェザー
こいつらならブライトビンタ以上の事をしてくれるに違いない
ぶっちゃけ言うとキラだけヘタレなのはいただけないのもあるから、原作ではできなかった成長を見たいのが本音
でも結局どうなるかは作者の意思次第、今は静かに見守るしかない
特定キャラヘイトではなく、そんなキャラすら成長する黄金の精神への道のりを示す、後味のいい話を期待する
問題はラクスの方だな、彼女が本編のままならどう考えても敵にしかならんし
裏を返せば彼女がまともになればキラも影響されるしクライン派も無法な事をしなくなり頼れる仲間になる
神父IN天国産を倒すのと同じくらい難しそう
プッチのメイド・イン・ヘブンって一見無敵のようだけど、
ウェザー・リポート以外にギアッチョのホワイト・アルバムが天敵らしい
超低温で動きを止めて粉砕しちゃうから
これは完全無欠な存在なんてありえない事を指している
以上の点からジョースター卿の発想の転換、逆に考えればいい
ワンパターンな種・種死と違い、あのジョジョキャラ達だぞ
嫌でも大きな影響を与えてくれるに決まってる!
今の考えだけが全てじゃないと気付かせてくれるさ
むしろラクスやキラがジョジョキャラと触れ合うことでで、
どういう過程で黄金の精神に達するのかに期待すべきだ
ただ嫌いだから叩くのではなく、どういう風に更正してゆくのかに注目したい
作者殿の健闘に期待する
同じ事しか言われてないのだが、新手のスタンド攻撃だろうか?
メイド・イン・ヘブンに効きそうなスタンドって他にないか?
プロシュートのグレイトフル・デッドもいけるかと思うんだが。
本編でもブチャラティと戦った時、ブチャラティが速く動きすぎたせいで急速に老化していったって、うろ覚えだけど。
速く動けば人間は体温が上がる
体温が上がれば効きがよくなるって事。速度は関係ない
射程距離外まで逃げて一巡させれば圧勝っすよ
続きはまだか?
>>323 あそこで殺せなければ一巡後の世界まで付いてきたギアッチョにやはり殺られる訳だが
>>321 魔術師の赤とか紫煙とかの広範囲攻撃系なら勝てるだろ。
機動力では勝てないから近距離パワーじゃ無理だが特殊攻撃が主のやつなら関係ないし。
法王の緑の結界とかでも何とかなるかな?
あとキンクリ。エピタフとあわせて全部見えるし。
327 :
通常の名無しさんの3倍:2007/10/07(日) 10:08:20 ID:6n8lPn+o
>>321 ブチャの場合は早く動いたことで体温が上がったから。あれ体温に反応する攻撃だし。
MIHはプッチ自体の時間の流れが変わってるから速くなるだけで運動量変わらないし体温上がんないから
老化もそう早くはならないよ
>>325 一巡後はプッチ以外運命を変えることはできない
>>328 え、じゃなんでエンポリオは勝てたんだっけ
>>329 プッチ自身がウェザーリポートのディスクを打ち込んだから
そもそもディスク化する能力自体がプッチの能力を利用しての事だし
因縁が切れなかったって事
宇宙が一巡を始めた瞬間かどっかまでは運命が決定されていない時間。
その瞬間が来るまでに神父を倒せば運命は決定されず、世界はもとの
先が見えない世界に戻る。
まとめから一気に読んだけど、凄く面白いね。
戦う事をウジウジ悩む種死のキャラに対する、ジョジョキャラの反応や影響が面白い。
特にカガリパパに対するウェザーの反応と、ナランチャに論破されたキラの反応が。
というか、コーディネーターがナランチャに論破されていいのかw
ナランチャは勉強は出来ないが、戦闘頭脳はジョジョキャラの例に漏れずすこぶる優秀だし、何より一番大切な事は何かって事を本能的に理解してるから
投下します。
ガルドの死、ファンフェルトの気絶から2分が経過した時点で、チョコラータはハーヴェストの目を慎重に避け、大通りに面した家屋の3階に辿り着いていた。
3階のリビングの窓から、重ちーの姿が見えることを確認する。椅子に乗れば位置的にちょうどいい。身体をくねらせて這いずり、左手で椅子の足を握り、引き摺って窓際まで運ぶ。
(さて……)
背中の荷物を下ろし、中身を取り出す。幾多の鉄の塊を左手だけで丁寧に組み立てていく。この器用さは人間を捌く月日の中でつちかったものだ。
(よし)
5分と経たずにそれは完成する。大口径の狙撃ライフル。オーブ軍の防弾服といえど貫通できる威力を持つ、とっておきだ。本来ならこんな五体不満足で使える代物ではないが、グリーン・ディの左手も使いながら構えを取る。スコープを覗き、標的を確認する。
(このスコープに……録画機能でも付いていればよかったな)
舌なめずりしながらそんなことを思った。
―――――――――――――――――――――
じりじりと状況の変化を切望するワイドの視界に、ふと道路に倒れた死体が入った。ガルドではなく、ワイドが撃ち倒した名も知りえぬオーブ軍人の死体である。薬物で精神を壊されていたとはいえ、殺してしまったことにワイドは罪悪感を抱く。
(あのゲス野郎は毒まで持っていやがるのか……)
そこで何かが引っかかった。
(『持っている』……だと?)
そういえば、あいつは荷物を背負っていた。あれの中身は、薬だけでは足りない。
(他に何が入っている? 考えろ……敵の立場で考えろ……)
その時、
「見つけた! あそこだどッ!!」
重ちーがある家の3階の窓を指差す。
「もう遅い」
こちらを指差す重ちーを見つめながら、チョコラータは愉快げに呟く。
銃声が弾けた。
熱と力が大気を引き裂く。
耳を抉るような破砕音が響く。
皮膚が千切れ血が飛び散る。
そして、その血は重ちーのものではなかった。
「ワイドッ!!」
誰かの声がする。
「ぐふっ、がはっ!!」
ワイドは脇腹が、さっきの骨折とは違う痛みを訴えていることを理解する。
銃弾はワイドのサブマシンガンに命中し、サブマシンガンに使用不可能になる衝撃を与え、跳弾してワイドの脇腹をえぐったのだ。
『接近戦ではサブマシンガンの差で敵は不利。ならば、単純に考えて敵が取る行動は、サブマシンガンで対処できない場所からの狙撃』
そこまで推測したわけではなかったが、何かがヤバイことを感じ取っていたワイドだけが、弾丸の射線の間に入り込むという行動が取れたのだ。考えてのことではなく、本能による行動であり、だからこそ間に合ったのであろう。
「大丈夫か」
ホースキンがワイドに駆け寄って介抱する。
「ぐっ、大した事ねえさ……それより」
ワイドは激痛に耐えながら弾が放たれた窓を睨む。
スピードワゴンは無言でそれに応え、サブマシンガンの引き金を引く。
だがチョコラータは部屋の奥へ逃げ、弾丸はむなしく窓を壊すのみ。
「ちくしょう! 届かねえ!」
悔しがるスピードワゴンに、声をかけるものがいた。
「スピードワゴンさん……」
重ちーだ。
「オラならスピードワゴンさんを、3階まで運べるど……あいつが攻撃してきても、けど援護することはできない……それでいいかど?」
「いいぜ」
1秒と間隔を置かずにスピードワゴンは了承した。
「『ハーヴェスト』ォッ!!」
さきほどまで探索にあたっていたハーヴェストがスピードワゴンの周囲に集まる。もちろん、スピードワゴンにそれを見ることができないが。
「うおおおおお!!」
スピードワゴンの身体が急に浮き上がり、彼は思わず声をあげる。
ハーヴェストが集団で彼の身体を押し上げているのだ。一体一体の力は大した事が無いハーヴェストだが、何十体にもなれば人一人を動かす事も簡単だ。
ハーヴェストに押し上げられ、人が走るのよりも速くスピードワゴンはチョコラータのもとへと、壁を滑り上がっていく。
「ふん……飛んで火に入る……だな」
チョコラータは嘲笑する。スタンド使いでもない凡人が、一人で突っ込んできたのだ。笑わずにはいられない。
ライフルを置き、拳銃に持ち帰る。
「弾丸も弾き返すことのできない身で……調子に乗るな」
チョコラータとスピードワゴンの距離、4メートル。
引き金が引かれる。
スピードワゴンの胸に着弾する。防弾服に止められるが、衝撃はくらう。
スピードワゴンはゆるがない。
チョコラータとスピードワゴンの距離、3メートル。
引き金が引かれる。
頬をかすめ、血が流れる。
スピードワゴンはゆるがない。
チョコラータとスピードワゴンの距離、2.5メートル。
引き金が引かれる。引かれる。
こめかみをかする。サブマシンガンを握る右腕に着弾する。
脳が震える。右の上腕を貫通する。
スピードワゴンはゆるがない……ゆるがない!!
「な、んだと?」
チョコラータとスピードワゴンの距離、2メートル。
「『グリーン・ディ』!!」
スタンドの拳で殴りかかる。目に見えず、対処もできない攻撃がスピードワゴンを襲う。
ゴズガズッ!!
左頬が殴られる。奥歯が折れる。
右胸が殴られる。胸骨に罅が入る。
右脇腹を殴られる。肋骨が折れる。
右腕を殴る。穴の開いた右腕に激痛が走る。
「どうだッ!!」
チョコラータが勝ち誇る。これでここから突き落とせば、カビによってこの男は死ぬ!!
だが、
「何がだ」
スピードワゴンの右腕が動き、銃口がチョコラータに向けられる。
炎のごとき視線が、チョコラータを見据える。
スピードワゴンは、ゆるがない。逃げない。退かない。悪に対しては、絶対に。
(何故止まらない――!?)
チョコラータには理解できない。この男は、力無き弱者のはずなのに!!
チョコラータは意識せぬまま、取るに足らない凡人を前に、一歩退いた。
ダンッ!!
床を踏む音がたつ。スピードワゴン、3階への潜入、達成。
チョコラータとスピードワゴンの距離、1メートル。
「『戦いの思考』……『北風が勇者バイキングを作った』。窮地へと踏み込むことが、勝機を生むッ!!」
銃弾の嵐が吹き荒れた。
「ぬうっ!!」
チョコラータはスタンドを持って必死に弾丸をはじく。だが、グリーン・ディの速度は並みである。一発二発ならともかく、数十発を防ぎきるのは至難の技。
「キイイイイコエエエエエエエ!!」
チョコラータは苦肉の策を選択した。
ゴゴンッ!!
スタンドの腕が思い切り床を叩く。その反作用によってチョコラータの身体が浮き上がった。跳躍した肉体は弾丸の洗礼を受ける。だが幸運としかいいようがないことに、頭部や心臓に当たることはなかった。他の弾痕はすぐにカビで塞ぎ、止血する。
そしてスピードワゴンの頭上を越え、外へと逃亡することに成功する。そして、下にいる者達に目を向ける。そして、一番組みやすそうな相手を判別した。
(人質が、必要だ!!)
「ぎょっええああああッ!!」
グリーン・ディで家の壁を殴り、落下方向を修正。
その落下方向にいる者は……サース・セム・イーリア。
「サース撃て!」
ワイドの言葉に弾かれたように、サースはサブマシンガンを構え、引き金を引く。
何も、起こらない。
「弾切れっ!?」
「逃げろサース!!」
重ちーとホースキンが叫ぶ。だが支援は間に合わない。
サースは動かない。
チョコラータが目前に迫る。
「逃げても無駄だッ!!」
チョコラータが言い放つ。
サースは、
「北風が……」
一歩、
「バイキングを」
踏み出した。
「作った!!」
サースはとっさにサブマシンガンの銃身(バレル)を握り、思い切り振りかぶった。グリップがチョコラータの顔面に吸い込まれ、したたかに殴打する。歯が2本折れ飛び、キリキリと回転しながら道路に突き刺さるように頭から落下する。
2度バウンドし、ズザザザという音をたてて道路で身を削った後、ようやく静止した。
そのまま、ピクリとも動かなくなる。
周囲をハーヴェストが囲み、誰もが息を殺して、その動きを警戒した。
3階に残されたスピードワゴンは、窓からそっと手を出し、自分の足の位置よりも下に下ろした。
カビは生えなかった。
「……カビは消えた。俺たちの勝利だ!!」
この高らかな勝利宣言が下されたのは、午前1時53分のことであった。
―――――――――――――――――――――
「ああ、そうだ。もうカビの心配はない」
チョコラータはユウナと連絡を取っている。
『そうか……本当によくやってくれたよ』
「礼なら、SPW隊のメンバーに言ってくれ」
これからの対応についても多少話はしたが、SPW隊の仕事はこれで終わりだ。後の始末は上層部にゆだねることになる。しかしスタンドのことを伏せたまま、この事件の説明をつけるのは中々難しいだろう。
スピードワゴンはユウナの気苦労を思い、同情した。しかし、人の同情をしてもいられないのだ。
「隊長……そろそろ、この馬鹿げた冗談みてえな事件について、説明してくれねえか?」
連絡を終えたスピードワゴンの背中に、ワイドの声がかかった。
言いたいことはよくわかる。ここまでのものを見せられて、ウイルス兵器などという言い訳は通るまい。
(しかし……どう話したものか)
ワイド、ホースキン、サース、気絶から目覚めたファンフェルトの顔を見ながら、スピードワゴンは腕組みをして考えこむ。
「えーと、まずはだな」
ザガッ!!
「なにィッ!?」
スピードワゴンの右方向から黒い影が躍りかかった。
いきなりの襲撃に、スピードワゴンは腕を交差させて顔を防御するものの、突き倒されてしまう。
黒い影は走り、倒れ伏すチョコラータへと向かう。黒い影の正体は、チョコラータの『下半身』であった。茂みから『右腕』も姿を見せ、チョコラータの上半身とくっつく。上半身と下半身も繋がり、チョコラータは五体満足な状態に戻った。
「ウヘヘヘヘこのアホどもがーーッ! 今回はしてやられたが、逃げ延びれば最終的に私の勝利だッ!!」
チョコラータは大通りの外へと走る。
「くそッ!! 追うんだ! もうカビを出す力はないはずだ!!」
もしもカビを使えるのなら、下水道へ逃げるはずである。そうすれば追いかけようがないからだ。なのにそうしないということは、下に降りることで繁殖するカビは、もう使えないということだ。そのスピードワゴンの判断は当たっていた。
(もはやカビを蔓延させるだけのスタンドパワーはない! だが、だがまだ手はある!!)
チョコラータは走り、目当てのものに辿り着く。
オーブの軍用車。さきほど囮にしたオーブ軍人のものだ。無論、キーは奪ってある。
「これで逃げて、身を潜め……スタンドパワーが戻り次第ッ!! またやってやるぞ!!」
エンジンがかかり、タイヤが回転を始める。そして、人の足では到底適わない速度で、自動車は走り出した。
―――――――――――――――――――――
遠ざかっていく自動車を眺めながら、スピードワゴンは重ちーに訊く。
「……やったか?」
「オラのハーヴェストなら、楽勝だど」
重ちーの足元に三十体以上のハーヴェストが並び、そのどれもが、小さな機械部品を持っていた。
「オラのハーヴェストはなんだって集め取ってくるど。『自動車の部品』だって……」
やがて激しい爆音が耳に届いた。
「カーブでブレーキがかからなかった、とかかねぇ」
煙が立ち昇るのを見て、スピードワゴンは通信機で連絡を取ることにした。消火活動は自分たちでは無理だろうから。
―――――――――――――――――――――
「ぬ、ぐ、ぐぐう……」
チョコラータは目を開いた。
体中に痛みが走り、ろくに動くこともできない。視線をずらすと、家屋に突っ込んだ自動車と、燃え盛る家が見える。
(そうだ、確か私はあの車に乗っていた……なぜ助かった?)
どうやら自分は芝生の上に寝かせられているらしい。そこに、
「気がついたようだな。死んでも不思議ではない傷だったが、しぶといものだ」
声がかけられた。
「ッ!!」
SPW隊のものではない。その声の主は、チョコラータの死角から、見える位置へと姿を現した。
「……誰だ貴様は」
顔はよく見えない。声質からして男のようだが、聴き覚えはない。
「ご同類だ。ジブリールの命令で、お前を監視していた」
「何?」
「お前と同じ手段でオーブに潜入し、お前の動向を探っていた。もしもお前がやりすぎるようなら、消せと言われていた」
「なッ!!」
チョコラータは思わず身を起こそうとするが、痛むだけで体が動かない。
「無駄だ。さっきの衝突で肉体に相当の衝撃を受けた上に、炎であぶられたのだから。治療を受けなければ、このままでも充分に死ぬ」
「私をどうするつもりだ……」
チョコラータは割りと落ち着いていた。始末するなら、とっくにやっているはず。生かしておくつもりがあるのだろうと踏んだのだ。
「それだが……お前、このまま死んだことにするつもりはないか?」
男がチョコラータの顔を覗き込みながら言う。そこでやっと、チョコラータは男の顔をはっきりと見た。確か大西洋連邦の、というよりはブルーコスモスの暗殺者であり、テロリストとしても手配されている男である。
「あの自動車からお前を助け出したあと、適当な死体を放り込んでおいた。あの火力だ。消火される前に骨まで灰になる。そうなれば、お前が生きているとわかる者はいない。オーブも、ジブリールもだ」
「……ジブリールを裏切れと言うのか。裏切って、どうしろと?」
「とりあえず、私の『もう一人の雇い主』と会ってもらおう。話はそれからだ」
チョコラータは考えるまでもなかった。どうせこのままなら死ぬのだ。ならば生きる望みのある方に賭けるのは当然。彼は首を縦に振り、承諾の意を示した。
「よし。では運ぶぞ」
男はチョコラータを軽々と担ぎ上げ、人が来る前に闇の中に姿を消した。
惨劇の舞台を後に残して。新たなる舞台の幕を上げるために。
―――――――――――――――――――――
死者312名。
負傷者1128名。
オーブ最悪の一夜として歴史に刻まれる事件は、ここに終結した。
また、このときスピードワゴンが発した『戦いの思考』は、隊員たちの口から伝播し、伝えられていくことになる。オーブを救った教えとして。
To Be Continued……
GJ!!
スピードワゴンの勇気に敬意を表する!!
『第11話:死に埋もれる大地』終了です。チョコ先生は生かすことに。これが吉と出るか凶と出るか……うまい使い方を思いつきたいものです。
これで、種運命小説版にして一巻分のエピソードを書き終えました。残り4巻分……SBRが終わるまでに書き上げられるかなぁ。
>>316 難しいこと言うなぁ。まだキラやラクスの末路は決めておりません。前スレでも書いたように、敵方にするつもりです。最終的に更正するかどうかは未定。
GJ!
チョコ先生が生き残ってよかった!
>チョコラータはユウナと連絡を取っている。
ちょwwww
>>339 > チョコラータはユウナと連絡を取っている。
これはミス?
ミスです。チョコラータじゃなくてスピードワゴン。すいません。
GJ!
チョコラータを助けた男はいったい!?
シェリーを殺した男と同一人物かな?
となれば、ポルナレフを吹き飛ばした事と、小さくは無いチョコ先を軽々と担いだところから推測すれば…
って邪推はしない方がいいっすね。
GJ! チョコ先生生き残ったか……読者視点ではホッとするが、登場キャラ視点では物騒極まりないな。
スピードワゴン活劇な話でしたな。真実な意味で、オーブの影の救世主になりそうだ。
>チョコラータはユウナと連絡を取っている。
本気で眼を疑ったよ、俺。
しかしこの小説、チョコ先生の生き残りといい、この最後の人の唐突な登場といい、
いきなり3部DIO様が出てきて一勢力の台頭に立ちそうで目が話せないほど怖い。
チョコ先生が生き残ってくれ嬉しすぎる、事故った時はマジ死んじゃったかと泣いた。
投下乙だぜ!
ツェペリさんの言葉がCEへと広がっていく。
ついにオーブ丸ごと覚醒か!
あとチョコ先生ご存命の報に全俺が安心した。
なんでチョコ先生大人気だよwww
>>353 さらに悪系ヒーロー役、純悪役、外道博士役と多才だしな。
唯一出来ないのは、その他大勢なモブぐらいだろうね。
>>354のお陰でチョコ先生がモブのごとく大量発生しているところを創造してしまったじゃないか。
どうしてくれるwww
>>355 私に絶望を見せてくれ、「私達」よ!
とチョコラータ同士で緑日合戦が脳内劇場に吹き荒れています
むしろ大量のチョコ先生がスタンド効果範囲ギリギリに一人ずついて、全員同時にグリーン・デイ発動。
何故かプラントにもいて、そこでも同時発動。
コズミック・イラ70年、世界はグリーン・デイの黴で包まれた……
, -― ――-、
/に u (ニ==\ …は世界が滅ぶ…
//') u に二) (ヽ うぐぐ………
〃____,r^)__,r、(ニユ| 角砂糖が…たべれなぃ……
i! ● / /● uヾヽヽ,!
ヽニ⊃,// ⊂⊃}:}ソi
ヘ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~`=ーノ
/⌒l,、 __, イー-<
. /lilili/ |三/^ oOo,ヽ
|三 lキヾr-、[] 「! (ニ }
角砂糖よりももっと気にするとこあるだろwwwww
……と思ったがセッコだから問題ないな
、--‐冖'⌒ ̄ ̄`ー-、
/⌒` 三ミヽー-ヘ,_
__,{ ;;,, ミミ i ´Z,
ゝ ''〃//,,, ,,..`ミミ、_ノリ}j; f彡
_) 〃///, ,;彡'rffッ、ィ彡'ノ从iノ彡
>';;,, ノ丿川j !川|; :.`7ラ公 '>了
_く彡川f゙ノ'ノノ ノ_ノノノイシノ| }.: '〈八ミ、、;.)
ヽ.:.:.:.:.:.;=、彡/‐-ニ''_ー<、{_,ノ -一ヾ`~;.;.;)
く .:.:.:.:.:!ハ.Yイ ぇ'无テ,`ヽ}}}ィt于 `|ィ"~
):.:.:.:.:|.Y }: :! `二´/' ; |丶ニ ノノ
) :.: ト、リ: :!ヾ:、 丶 ; | ゙ イ:}
{ .:.: l {: : } ` ,.__(__,} /ノ 逆に考えるんだ
ヽ ! `'゙! ,.,,.`三'゙、,_ /´
,/´{ ミ l /゙,:-…-〜、 ) | 「世界が滅べば全ての角砂糖は自分のもの」と
,r{ \ ミ \ `' '≡≡' " ノ
__ノ ヽ \ ヽ\ 彡 ,イ_ 考えるんだ
\ \ ヽ 丶. ノ!|ヽ`ヽ、
\ \ヽ `¨¨¨¨´/ |l ト、 `'ー-、__
\ `'ー-、 // /:.:.} `'ー、_
`、\ /⌒ヽ /!:.:.|
`、 \ /ヽLf___ハ/ {
′ / ! ヽ
少し練り足りない部分がある気もしますが……投下します。
ガンダムSEED・BIZARRE
『PHASE 12:ファントムブラッド』
SPW隊がチョコラータに勝利し、オーブが破滅の危機から救われた後……オーブの別の場所、アスハ家の別邸で動きがあった。連合軍艦隊の攻撃も、グリーン・ディの侵蝕も、影響のなかったその場所で、今、戦いが繰り広げられていた。
「コーディネイターの特殊部隊か……一体どういった連中だ……?」
バルトフェルドは身を潜め、銃撃をやり過ごしながら言う。おそらくラクスを狙ってきた連中であるとは思うが、隠遁しているラクスを狙うメリットがわからない。
ナチュラルのコーディネイター絶滅主義の過激派ならまだわかるが、コーディネイターとあっては更に不可解だ。
「まあ、襲ってくる以上は迎え撃つまでだがね」
彼の左手には大口径の拳銃があった。威力が大きすぎて生身の腕では扱いの難しい銃だが、左腕が義手である彼ならば、自在といわないまでも、使いこなすことができた。
「スピードワゴンが呼べればいいんだが……」
ナチュラルであるが、コーディネイターに含むところのまったくない、便利屋の友人の顔を思い起こす。
モルゲンレーテの仕事で、『荒事』をする時は組むことも多く、助け合ったものだ。彼と彼の相棒の協力があれば、この程度は危機の内にも入らないだろうが、呼んでいる暇も、到着を待つ余裕もない。
「ま、ここは大人として気張らなくちゃな!」
スピードワゴンと付き合ううちに、彼に負けてはいられないという気になってくる。最近まで、バルトフェルドはキラ達に遠慮するようなところがあった。腫れ物に触るような、というものか。
だがスピードワゴンがキラ達に自然に接するのを見ているうちに、それを改めたいと思うようになった。
どんな過去があろうと、キラもラクスもまだ子供だ。子供は大人が護り、育てなければならない。子育ての経験などないバルトフェルドには、勝手がわからないけれども、そのように在る努力はしていこうと、自らに誓ったのだった。
一方、アスハ別邸を襲撃した特殊部隊は、予想外の抵抗に遭い、攻めあぐねていた。
「くそ……思いのほか手強い……」
「うまくいかないようだな」
思わず愚痴るヨップ・フォン・アラファスの耳に、冷静な声が響く。嘲りも怒りも含まれぬ冷たい声であったが、ヨップにはどうしても当てこすりに聞こえた。
「それでは貴様はどうにかできるというのか? 相手は『砂漠の虎』だぞ」
かつて、ザフトでその名を知らぬ者のいない英雄であった男。トップクラスのコーディネイター。その英雄は、ヨップにとって許しがたい逆賊として牙を剥いていた。ナチュラルとの和平などを望む、愚劣なラクス・クラインの手駒として。
「虎だろうと狐だろうと、何とかしろと言われれば、何とかするとしよう」
ヨップの脅しを意にも介さず、男は淡々と言い放った。
(な……ナチュラルふぜいが!!)
自分たちコーディネイターの特殊部隊が束になっても倒せぬ相手を、あっさりと何とかすると言われ、ヨップは馬鹿にされたような気分になる。
目の前にいる男は傭兵だと紹介されていた。ヨップたちが雇ったわけではなく、ヨップたちにラクスの居場所を教えた『ある人物』が、余計な気を回してヨップたちの部隊の助っ人として連れてきたのである。
『ある人物』はヨップたちの協力者であるが、詳しいことはわからない。ただその人物もラクスを邪魔に思っているらしく、利害が一致した結果、協力し合っているわけだ。
「いいだろう……では何とかしてもらおうか!!」
ヨップの言葉に、男は頷いて、戦場へと足を踏み入れていった。その後姿を見送った後、ヨップは部隊に命令を下す。
「奴が戦っている間に我々は撤退し、屋敷の外から攻撃を加える。奴もラクス・クラインもバルトフェルドも、まとめて焼き尽くしてやれ」
ヨップは、もうすぐ忌々しい者たちがまとめて吹き飛ぶことを思い、気分を晴れやかにする。しかし直後、外に出たら、外で待機している『もう一人の』ナチュラルの傭兵と顔を合わせなければならないことを思い出し、渋面をつくった。
「攻撃は収まってきたようだな……」
バルトフェルドは一息ついた。そして首をひねり、背後の護衛対象を確認する。
「全員無事か?」
「はい、子供たちにも怪我はありませんわ」
ラクスが応える。そこにいるのはキラ、ラクス、マリュー、キラの母であるカリダ、マルキオ導師、孤児たち、そして色とりどりのハロの群れ。軍人であったマリュー以外は戦闘力として期待はできない。今のうちにシェルターへ逃がさなくては。
カツッ
音がした。自然の物音でも、キラ達が出したものでもない。
バルトフェルドが音の方向へ体を向けたとき、その横を黒い影が通り過ぎた。通り過ぎ様にナイフが突き出されたが、とっさに義手で防御し、事なきを得る。
(隙を突かれたか!)
バルトフェルドは、攻撃が収まったことで油断した己を後悔した。
黒い影は、さっきまで攻撃してきた者達と、どこか違うようだった。格好は彼らと同じであったが、動きが軍人のものとは違う。戦いの技術を身に付けた軍人ではなく、ただひたすらに人を殺す術を磨いた、暗殺者の身のこなしであった。
暗殺者は鈍く輝くナイフを振りかざし、キラへと襲い掛かった。
「させんッ!!」
横合いから、バルトフェルドが弾丸を放つ。暗殺者はとっさに体をひねったお陰で、右の二の腕をかすめただけのようだった。だが大口径の銃弾はそれだけで強烈な衝撃を暗殺者に叩き込んだ。負傷した暗殺者は形勢不利と見たか、あっさりと退いていった。
(………?)
その退き方に、バルトフェルドは違和感を覚えた。チラリと見えたその口元には、退却する者とは思えない、凶暴な笑みが刻まれていたように見えたのだ。気にはなったが、追っている余裕はない。
「急げ!!」
バルトフェルドはキラ達を促す。戦士としての直感が、彼に訴えるのだ。途方もない危険を。
だが……遅かった。
だが突如、ラクスの背後をついて来る、青色のハロが奇妙な震えを見せた。
「ハロハロ…!?……ミトメタクナイ……ッ……ビビッ……ハハハファハハグエッブババババ……」
ガクガクと振動し、壊れたラジオよりも耳に障る騒音が吹き出る。まるで病気のようだ。
「ネ、ネイビーちゃん?」
ラクスが困惑した表情で近寄った瞬間、
「ケケケケケケケケ――――――――ッ!!」
ネイビーは奇声をあげると共に、本来のポテンシャルを超越する速度でラクスに飛び掛った。
「キャアッ!!」
ラクスはその突進の軌道から身を避ける。
ネイビーはあっという間にラクスやキラたちから、十数メートル離れた位置まで移動した。
「ラクスッ!!」
キラが駆け寄り、目を見開く。ラクスの肩が裂け、血が流れ出しているのを見たためだ。
「大丈夫です……大したことはありません……」
ラクスはキラを安心させるように言う。実際、肌を薄く傷つけられた程度である。もし避けなければ、もっと深い傷を負っていたか……あるいは既に死んでいたかもしれない。
「うけけけけけ!! 惜しい惜しい、もーちょっとだったなぁ!!」
ネイビーが声を出した。それはどす黒い殺意を詰め込んだ、男のものであった。
黒い機械的な目は、血走った人間の目と代わり、口に相当する部分には、サメの如き牙が並び、涎を垂らしている。先ほどラクスの肌を切り裂いた、鋭い爪を備えた作業用アームが、クネクネと不気味に動いていた。
あまりの光景に、子供たちが悲鳴をあげる。マリューすら顔を青ざめさせ、身を震わせていた。
「コンピュータ・ウイルスとか……そういうもんじゃないね、これは……君、一体どうしたのよ?」
一人冷静なバルトフェルドが銃を向けて問いかける。
「うけけけけけけッ!! さっき俺に痛い思いさせてくれたばっかりじゃねえかよ―――ッ!! 忘れちゃうなんて悲しいぜ―――ッ!! うけけけけッ!!」
ネイビーは嗜虐的な笑い声をあげた。
「まあいい……どーせてめえら全員おっ死ぬことは決定済みなんだからなぁ〜〜。この『呪いのデーボ』の漆黒の悪魔……『エボニーデビル』の力でなぁ!! ぶはははっははは!!」
To Be Continued……
GJだッ!メーーーーン!
GJ!
デーボとは意外だった。
…最初、切り裂きジャックかとww
ゾンビ化・吸血鬼化して逝った連中はCEの世でもゾンビや吸血鬼なんだろうか。
だとしたら切り裂きジャックでも相当やっかいだな。あとスト様出ねえかなw
今思いついたんだが、デーボってMSも乗っ取れないかな?
あれもデカイ人形みたいなもんだし。
出来るなら、デーボは対MSで最強の戦力になるかもw
それが出来たら強化版リジェネレイトってかんじだな
GJ!
しかし・・・なんて恐ろしいヤツなんだ、エボニーデビル
タイミング次第では子供達全員虐殺できてたぞ・・・
アギャギャァ〜〜〜ッメーン!
つーかもう孤児院の子供たちはハロがトラウマだなw
「アギーッ!てめーの武装を噛み切ってやるぜェェェェ!メーン!」
と叫びながら頭をクルクル回すフリーダム。
という展開を予想しないでもないわけじゃないw
キラ「なら僕は…お前の“そこ”以外を達磨にする!」
とかやり出したら嫌すぎるがw
何そのキラ。超ほれる
MSに干渉できるスタンドと言ったら他に、
運命の車輪とストレングスか?
ストレングスの方は無理かもしれないが、運命の車輪ならどんなMSでも化け物見たいな性能になりそうだ。
陸空海に加え、他のMSではなし得なかった地中移動までできるし。
地中移動できても意味無さそうだけどw
>>379 ストレングスだったら戦艦をアークエンジェル級にしそう
>380
しかしストレングスが作れるものはオランウータンの頭で理解できる範囲なんじゃないだろうか。
人間並みに高い知能で貨物船は作れても、宇宙戦艦まではどうかと。
その代わり、エロ本も読みこなすサルだからそっち方面で暴れそうな気がするw
炒飯やフラガと気が合ったりしてw
ところで吉良パパやねずみの「虫食い」はこの世界に出せるんだっけ。
>>381 つまり外見はアークエンジェル級なのに速度が遅くて、立派な砲塔があるのに何故か撃ってこなくて、
そのくせやたら耐久性が高くて、何故か敵艦に接近して二股に分かれた船首(?)で殴ってくる謎の戦艦が出来上がるわけだw
あ、そうか。ミドラーは再起不能だけど死亡はしてないんだっけ。
もう全員二巡目で死んでるでいいじゃん
タワーオブグレイを忘れてもらっては困る
実に暗殺向きだぜ
イエローテンパランスは射程15mだから、コクピットに乗ればMS全体を覆える。
そうすりゃ無敵のMSの誕生だッ!
が、案外簡単な方法で撃破されそうw
同じく能力射程10mのホワイトアルバムでもMSごと使える可能性がある。
ジェントリーウィープスって、ビーム兵器の前には無力っぽいが
ホワイトアルバムはMSのサイズと能力射程に気をつければ冷却機能に回すエネルギーとか節約出来るな
突入時にも重宝するね
ギアッチョ「リゾット、どこに落ちたい?」
それ、なんて009?
ホワイトアルバム使えばオーバーヒート防げるから、MSに100%以上の力を出させる事もできるんじゃないかな。
それにしてもこのスレ見るまでMSとスタンド使いがここまで馴染むとは思わなかった。
>>389 自己レスになるが
コクピットは基本的に胴体(胸)だよな?
体育座りで両足を抱えて落ち込んでるポーズを取れば能力射程に収まるよな?
394 :
通常の名無しさんの3倍:2007/10/14(日) 08:13:03 ID:oiqQdG8S
>393アッガイたんの出番でつね。
(==〇=)つ
(=〇=)
核MSの天敵レッドホットチリペッパー
>>395 わざわざMSを狙わんでも、宇宙にある建造物なら電力を吸い上げるだけで大惨事だよ。
>>395 あれは導体が無いと移動できないからな
あらかじめ、MSに潜行させておくとかしないと攻撃できない気がする
量子通信とかで移動できるなら超強力だが、量子通信は電気ってわけじゃないからなぁ
>397
ノーマルスーツの生命維持装置の電源に潜むとか、いくらでもやりようがあると思うぜ。
>398
まあどっちにしろ、戦闘中に初めて出合って攻撃するのはMSのマニピュレータで接触するとかしないと無理そうだし難しそうだな
まあジョジョはそこらへんの戦いの工夫が面白いわけだが
お肌の触れ合い回線だッ!
『レッド・ホット・チリ・ペッパー!』
とかやるのか
イン・ア・サイレントウェイの方がレッチリよりもやばい
ザクザク音が触れるだけでMS崩壊とか
グフのスレイヤーウィップ使えばいいんじゃね?
雨の日ならキャッチザレインボーがかなり脅威だろうな。
歩兵からアークエンジェル級まで射程内の敵を一瞬で全滅させられる。
まぁスタンドって状況次第で無敵ってのは結構多いからな
真夜中のブラックサバスとか
自分と相手の特性を把握し得意な状況に持ち込むのがジョジョの基本
有利で絶対無敵な状態で戦闘を挑むと、大体負けると言うのもジョジョ的ダナ。
敗北必至な不利な状況を、如何に覆すかはジョジョの魅力の一つだからな。
絶対無敵・有利な方がそのまま勝利じゃ、当たり前すぎてジョジョっぽく無さそうだ。
「相手が勝利を確信した時、 そいつはすでに敗北している」のがジョジョだと勝手に思ってる。
まぁつまりジョジョ的には、原作のプラント陣営は第一話前に、ブルコス陣営はオーブ戦くらいで敗北している。
>>403 キャッチザレインボーin雨だと、MSとか戦艦はその場で標本状態になるだけじゃないか?
ジャイロの鉄球とかジョニィの爪弾はキャッチが固定した雨粒に削り取られずに弾かれたし
歩兵がお亡くなりになるのは確実だけど
でもその場で釘付けになるだけでもヤバすぎるよな、やっぱり
結構な速度で飛んでいるものがいきなり何かにぶつかるんだからただじゃ済まないと思うが。
>409
かなり大きな質量も持ってるしな
細かい雨粒にぶつかっても慣性で進み続けるから蜂の巣だろう
凍ったチキンが高速でぶつかっても割れないフロントガラスのコピペ思い出した
個人的にはプラネットウェイブスはMS戦ではかなりやばいスタンドだと思う
宇宙空間でいんせきにぶつかられたら…………
>>412 本体のギリギリ前まで隕石は飛んでくるから、乗ってるMSどころか最悪ノーマルスーツに穴が開く
自分のスタンドで自分がヤバイ
チューブラーベルズってMSも膨らませられるのかなぁ?
膨らませられたとして……本人の肺活量が問題な気もスル
つか膨らましてどうすんだw
デストロイを更にでかく出来るじゃないか。
ファンシーな外見になるかもしれないがw
マイク・Oとラクスが会話したら……
端から見てる人のSAN値がエラいことになりそうだな
世界世界世界……
投下します。
「痛い思い……さっきの暗殺者! 貴様、まさかスタンド使い!」
キラやバルトフェルドたちは、重ちーからスタンドのことを聞いていた。
「ほっ! スタンド使いを知っているのかよ! ケケケッ! だがスタンド使いではないようだなぁ! スタンド使いだったら、さっきの攻撃で出したエボニーデビル気づいているはずだもんなぁ!!」
ネイビー、いや、エボニーデビルは嘲りに満ちた言葉を放つ。
「いかにも、この俺はスタンド使い! スタンドはタロットにおける『悪魔のカード』の暗示、エボニーデビル。呪いにふりまわされ精神状態の悪化! 不吉なる墜落の道! を意味する……」
バルトフェルドは、相手についてある程度の推測をたてることができた。おそらく、この敵は無生物に憑依し、操ることのできる能力なのだろう、と。
その推測は完全ではないが当たっていた。エボニーデビルは、まず本体である呪いのデーボが自身を傷つけられることで、その恨みのエネルギーによって発動する特異なスタンドである。
発動した後は人形に取り憑き、同化して自由に動き回る。力も速さも高くはないが、長距離から操ることができ、恨みを晴らすまでその能力は持続する。しかも恨みが強ければ強いほど、スタンドの力も強くなる。
「ご挨拶はこの辺で終わりにして……次はお遊戯の時間といこうじゃねーカッ! いや、お食事の時間かなぁッ!?」
ギュルルルルルと音がしそうなきりもみ回転をしながら、エボニーデビルは大口を開いて飛び掛る。今度の狙いはキラ・ヤマト。
「ああっ!」
叫ぶものの、戦闘訓練を受けたことの無いキラに対処方法はない。そういった面では役に立たないキラを庇い、マリューは無言で引き金を引く。
しかし、エボニーデビルの影響か、そもそもハロが頑丈なのか、彼女の銃の弾ははじきとばされ、エボニーデビルの突進を食い止めきれない。
「キャアッ!!」
結果、マリューは右上腕部の肉を、食いえぐられることになった。血が舞い散り、床に紅い模様を描いた。
「ぐぬぬぬ……」
腐っても軍人であるマリュー・ラミアスは、激痛に歯を食いしばってこらえるが、もはや戦闘力として数えることはできない。
エボニーデビルは更に攻撃を加えようとしたが、一発の銃弾がそれを阻む。バルトフェルドによるものだ。
マリューの銃では威力不足であったが、バルトフェルドの銃であればエボニーデビルにも通用した。それは、今この敵に対抗できるのがバルトフェルドしかいないことを意味していた。
「こいつは俺が相手をする。お前たちは逃げろ」
バルトフェルドは、超常の力を前に、毅然として言った。
「バルトフェルドさん、そんな」
「ここは任せて先に行くんだ!」
キラの躊躇いを強く断ち切ると、バルトフェルドはラクスの目を見て、
「アレを出すんだラクス……悔しいが、この状況はそれでしか破れない」
俺は今まで膨らませた釘の数を世界で数えてただけだぜ!
ってなるわけか
アレについて、ラクスは正確にその意味を受け取った。
その名はフリーダム。前大戦においてキラが搭乗し、戦場を駆けた伝説の機体。核エンジンを搭載した最強のMS。自由の名を冠する、誰にも妨げることのできない圧倒的蹂躙者。
バルトフェルドとしても、キラを再びフリーダムに乗せるのは苦渋の決断である。だが、世界の事情を見れば、死蔵したままでいるわけにはいかない。遅いか早いかの違いだけで、いつか乗る日はやってくる。
できれば、こうした仕方がないから乗る、というような状況ではなく、自ら選び取る形で乗って欲しかったのだが……。
「わかったわ……必ず、また生きて会いましょう」
マリューとラクスはバルトフェルドに頷く。納得しきれぬ表情のキラを引っ張り、子供たちを連れてシェルターへと急ぐ。
「ケッ! しょうがねえ、まずはてめえから死なす!! 元々、てめえへの恨みが一番深いんだからよぉ!!」
大口径の銃弾が貫通したというのにピンピンしている。一体化しているとはいえスタンドはスタンド。
『スタンドはスタンドでしか攻撃できない』
このルールは曲げられない。並みの武器で攻撃したところで、ハロを破壊するだけで、本体のデーボにダメージを与えることはできない。それでもハロを行動不能なまでに破壊しつくすことができれば、この場を収めることは可能だ。
そこまでの破壊を与えることが大変なのだが。
「厄介だね……でもこんな奴に負けたら、スピードワゴンに笑われてしまうね……」
バルトフェルドは不敵な笑みを浮かべ、死闘へと突入した。
銃弾が連続で放たれる。だがエボニーデビルは、床へ壁へ天井へ、機敏に跳ね回って、それらをことごとくかわしきった。
「うぎっ、うぎっ、当ったらねーーよぉ!!」
そしてそのまま噛みかかってくる。バルトフェルドは避けるものの、素早く不規則な動きを見切ることは難しく、脇腹を切られる。肌を薄く裂かれ、ジリジリとした痛みが生まれる。
「ギャハハハハハッ!!」
「やかましい奴だッ!!」
そう怒鳴り返すものの、彼の撃つ弾丸はことごとく壁や床を破壊するのみで、エボニーデビルには命中しない。逆に、バルトフェルドの体は奴が通り過ぎるたびに、爪や牙によって引き裂かれ、血を流していく。
「へたっピィイイイイイーーーッ! 伝説の軍人さまが、可愛いペットロボット一つ仕留められねえたぁお笑いだぜぇーーー!! アギアギ アギッアギッ アギッアギッ アギィィーーッ!!」
縦横無尽に跳ね回り、バルトフェルドの全身に二十を越える傷をつけ、エボニーデビルは嘲り笑う。
やがて、バルトフェルドの銃から弾丸が尽き、引き金を引いても金属音がするのみとなった。
「きゃっきゃっきゃっ! おしまいかぁ!?」
バルトフェルドは素早く弾丸を込めなおそうとする。彼ほどの腕になれば、要する時間は瞬き程度のものであろう。だが、その間は確実に存在する。悪魔が仕掛けるには充分すぎる間が。
「ドっにぶィゼィイイッ!!」
悪魔は銃を握る手にかぶりついた。大型の銃が悪魔の牙によって手ごと噛み砕かれる。この凶悪な怪物への抵抗手段がなくなった……というのに、バルトフェルドの顔に浮かんでいたのは微笑みだった。
「アギ?」
エボニーデビルもそれに気づき、怪訝な声を出すが、それよりもすぐに口を離すべきであった。
ドガガガガガガッ!!
爆音が悪魔の口の中で轟いた。
「ドゲエッ!?」
衝撃で吹っ飛びながら、さしもの悪魔も驚愕した。それはそうだ。
左腕がショットガンになっているなんて、普通思いもしない。
「俺も驚いてるよ。マジで使うことになるとは思ってなかった」
モルゲンレーテの酔狂な科学者たちが、冗談(と思いたい。本気だったら手に負えない)でくっつけた義手内蔵武器。安いマンガのごときギミックであったが、その威力は絶大である。
エボニーデビルが憑依しているハロの、口の後ろ側を吹き飛ばし、全体の3分の1以上を砕き散らすことができた。
「ウギ、ウギギギギ………」
ハロの全身を罅が覆い、ボシュウボシュウと煙が立ち昇っている。機械油に引火でもしたのだろうか。動いただけで体が砕け、跳ねれば部品がバラバラと落ちる。やがて、動きは止まり、ギラギラとした目も、牙の生えた口もなくなり、ただのハロの残骸が残った。
「……ふう〜〜」
バルトフェルドは一息ついた。
「あ〜、痛いなぁ。早く治療しないと」
傷を抑えながら呟く。そうしていると、爆音と共に大地が揺れた。次に、屋敷のどこかが崩れた音が聞こえる。
「……外でもやらかしはじめたな」
襲撃者は屋敷ごと自分たちを潰すつもりなのだろう。それはキラが相手をしてくれるだろうからいいが、ぼさっとしていると屋敷の破壊に巻き込まれるかもしれない。
「ちゃっちゃと避難しないとねぇ」
―――――――――――――――――――――
男はその戦いを見ていた。
ザフト最新の水中用MS・アッシュと、実在すら疑われた伝説のMS・フリーダムの戦いを。
アッシュはフリーダムを十数機がかりで取り囲んでいた。丸みを帯びた体を動かし、両手のハサミで迫り来るフリーダムを攻撃する。だが、ビームクローを備えたハサミが当たる前に、ハサミは腕ごと切り落とされる。
砲弾が放たれる。ビームが放たれる。ミサイルが放たれる。そのどれ一つとして、フリーダムを阻むことはできなかった。
最も危険に満ちた空間である戦場を、あまりに自在に、俊敏に駆け抜け、その後ろには無力化されたアッシュが残される。まさに『自由』の名に偽りなく、彼を止められるものはそこにいなかった。
男は、コーディネイターの特殊部隊に組み込まれたもう一人のナチュラルである男は、フリーダムの戦闘を観察し、判断した。
勝てる、と。
そして男は動き出す。『自由』の名を、過去のものとするために。
―――――――――――――――――――――
キラはフリーダムを操り、次々とアッシュを行動不能にしていく。それは戦いですらない。命の奪い合いですらない。奪おうと必死になるコーディネイターたちに対し、キラは決して殺さぬように戦った。腕を、足を、武装を破壊し、コクピットは絶対に傷つけなかった。
コクピットを攻撃し、パイロットの命が奪われれば、残された人間は奪った者に恨みというカスを残す。恨みを抱いた人間は、奪った者へと復讐の牙を向け、その連鎖によって戦いは永遠に続く。
そうならないために、戦場で命を奪ってはいけない。それがキラの信念であった。
その信念が、正しいか否かは問題ではない。問題なのは、キラ自身がその信念に対して覚悟を持ち、貫いていけるかということだった。だが、その問いは今のキラには考えもしないことであった。
「よし、早くバルトフェルドさんを助けに行かなきゃ」
いくらスタンド使いといえども、このフリーダムに敵うはずはない。キラはそう考えていた。
そして、その考えは間違っていた。
ガクン
突如、バランスが崩れた。倒れこみそうになるところで、ブースターを作動させ、体勢を整える。
「なんだ今のは」
右足の調子がおかしい。動きが酷く鈍くなっている。
原因を探る間もなく、アッシュのビームが放たれる。ブースター噴射で飛び回ることで、それをかわし、逆にビームを放ち、アッシュを沈黙させる。
そしてどうにか地面に降りるが、油が切れたかのように右足の動きが悪い。これでは走ることは不可能だ。どういったトラブルかわからないが、キラは残りの敵を倒すためにブースターを使って移動することにした。
他に手段がないゆえに取ったその行為は、しかし敵の望みを更に加速させることになるのだった。
―――――――――――――――――――――
外に出たバルトフェルドは、キラの乗るフリーダムを見て眉をひそめた。
動きがおかしい。どうしようもなくぎこちなく、今にも倒れこんでしまいそうだ。
「何かトラブルか……?」
しかし、彼に他人の心配をする暇は与えられなかった。
ガズッ!!
飛来した何かが足を打つ。よろめいたのを立て直しつつ地面を見ると、ハサミが一つ落ちていた。幸い義足の方だったので支障はないが、問題は誰が投げたのかと言うことだ。
「ケケケケケ……やっぱガキどもを飼っているだけのことはあるな〜〜」
木陰から声が響く。
「ちょーっと探せばおもちゃがたくさんあったよ……人形とか、ぬいぐるみとかもなぁ……」
姿を現したのは、人間の赤ん坊ほどの大きさのあるクマのぬいぐるみであった。ただし、血走った目と牙の生えた口は、さきほどのハロと同じく凶悪だ。両手に台所から持ち出したらしい包丁を二本備えていた。
「体が一つ壊れたってよ……いくらでも代わりはある」
ニタァ〜〜とした笑みを浮かべ、エボニーデビルはクマの首を高速回転させた。
「今度こそてめーのタマキン、噛み切ってやるぜーーーッ!! メーーーン!!」
悪夢の再戦が始まった。
―――――――――――――――――――――
事態は、男の望んだ通りになっていた。
男が今どこにいるかというと、フリーダムの右すねの裏側だ。フリーダム本体からは見えづらく、発見されにくい場所に能力を使って張り付いているのである。
高速で動き回るフリーダムに飛びつくのは難しかったが、スピードは男も中々のものであったし、敵味方の位置から、動きの軌道を予測し、準備していればできないことではなかった。
後は踏み潰されたり、弾き飛ばされたりすることを恐れぬ、クソ度胸があるかどうかの問題である。
ほとんどギャンブルに近い行動であったが、成功したのであるから良しとしよう。
男の能力は、フリーダムの動きをどんどん鈍らせていった。完全に停止するのも時間の問題だ。ただ問題は、動かなくなる前に、アッシュがすべてやられてしまいそうであるということだ。
「さすがに伝説の機体っつーだけのことはあるな」
そうなったら男がコクピットを攻撃するしかない。男にしてみればフリーダムごと攻撃されない分、そちらの方がよいかもしれない。さすがの男もビームによって起こる爆発にはまだしも、ビームの直撃には耐えられない。
攻撃を受ける直前にフリーダムから離れるつもりであったが、この分ではそんな計画も無意味だ。結局全滅という結果になるのだったら、最初から戦いが終わってフリーダムから降りてくるまで待っていればよかったと思うが、今更仕方ない。
「全身『凍りつく』のに、あと1分くらいか……それまで持つかな……あの偉そうなコーディネイターの皆さんはよぉ〜〜」
男は呟く。
そう、今、フリーダムの温度は急速に低下していた。空気中の水分が氷となって張り付き、機体のパワーですら動かせないほどに間接を固めていく。それでもブースターを使えば動けるが、無理に激しく動こうとすれば、風圧をかぶって、更に温度が下がってしまうのだ。
「しかしコーディネイターってよぉ……コーディネイトってのはわかる。調整って意味だ。遺伝子を調整されてるってことはわかる。スゲーわかる。けどよ……コーディネイターってよ……調整する者って意味だよな……」
そこまで呟き、男は急に表情を怒りで歪めた。
「なんで遺伝子調整された奴がコーディネイターって呼ばれてんだよーーッ!! 遺伝子の調整をする科学者とかがそう呼ばれるべきだろうがッ!!
ハンターは狩りする者で、テニスプレイヤーはテニスする奴のことなのに、なんでコーディネイターだけ『される側』なんだよッ!! いらつくぜチクショウ!! ナメやがって!! クソッ! クソッ!」
To Be Continued……
以上です。
バルトフェルドVSデーボ戦はいまいち平凡な結果になりました。2回戦目はあるけれど、あまり長ったらしくしたくないし、困りどころ。
>>370 最初、連合VSプラント戦でMSに取りついたエボニーデビルと、ジュール隊の戦いを書こうと思っていたのですが、強すぎるのでやめにしました。
しかし、エボニーデビルはMSにも憑依できるくらいの力があってもいいのではないかとも思います。
能力を発動するためにまず、命がけでわざと傷つかねばならず、発動した能力も、力や運命の車輪と比べれば弱いもの。MSほどの大きさのある人形にも憑依できるくらいの力が無いとメリットとデメリットのバランスがとれません。
強さのバランスを崩さずに、MSを操るエボニーデビルを書けないものか……。シュトロハイム閣下相手ならいけるか?
430 :
423:2007/10/17(水) 22:08:06 ID:???
リロードすんの忘れてた。ごめんなさい
GJ!!
「ぼくがかんがえたさいきょうのガンダム」ことフリーダムの突破口がこんなところにあったとは・・・予想外だった
絶対零度が相手じゃあ、駆動系とか間接は凍りついて動かなくなるし、
スラスター吹かす角度も調整できなくなるから墜落は確実だし・・・これはフリーダムオワタ
あとギアッチョが正論過ぎてワロスwwwwww
GJ!
ギアッチョktkr
さっそく切れてるwww
GJ!
もうなんかこのままキラが再起不能とかになっても全然かまわない気がしてきた
というかむしろ好ましい
がんばれギアッチョ!
>コクピットを攻撃し、パイロットの命が奪われれば、残された人間は奪った者に恨みというカスを残す。恨みを抱いた人間は、奪った者へと復讐の牙を向け、その連鎖によって戦いは永遠に続く。
>そうならないために、戦場で命を奪ってはいけない。それがキラの信念であった。
ジョジョ風に表現するとエラくカッコよくなる不思議
しかしながら実際のキラはこの直後にあっさり前言翻して「勝てばよかろうなのだァーッ!」だからな…
ギアッチョ登場の方にシビれちまったぜ
種のコーディネーターもだけど、00のガンダムマイスターも使い方間違ってるよな。マイスターって職人=作り手の称号だろ。
>>434 キラが不殺なのはある意味自己満足だからな
普段は不殺不殺でも差し迫った状況になったら平気で戦艦真っ二つにするし、
アッシュがぼこぼこ自爆すんのを見ても無反応だし、
自分が殺さなかった敵がそいつの敵を殺す、つまり間接的に自分が殺した事になっても何も思わない
要するに甘ったれなんだよな
自分の手を血で汚す覚悟無いし
GJ!
デーボって強い印象が殆どなかったけど、恨みと人形がある限り射程を無視して襲い掛かってくるって一般人には脅威だな〜とつくづく思った。
それにしてもここでギアッチョとは。
そしてフリーダムの足をボコボコ殴っている所を想像して吹いたwwww
でも人形がポルに八つ裂きにされたらデーボ本人にもダメージが還ってホテルのトイレで人知れず惨殺死体になったんだし、
無限に戦えるってわけでもないだろ。
アレは中のスタンド体にダメージを与えたからだと思ってる
一般人にはデーボをどうにかするしかないんじゃないか?
倒すか逃げ切るかしかないらだろうけど、
逃げたら逃げたで、人型の物に警戒して暮らさないといけないから平安なんて無いだろうな…
キラ「オレは人を殺さねえ!何故ならオレは生きるって事を尊敬しているからだッ!!」
ギアッチョの怒りが珍しく理不尽じゃないな
確かにコーディネートされてるんだけど
その能力を使って自分も人類間を「調整」するのが理想とされたんじゃからじゃなかったっけ?
皮肉に、その存在自体が戦争の原因になったけど
アストレイでは
コーディネイター(取り持ち役)の仕事をしてるコーディネイターが居たな
保管庫読み直して今更気づいたんだが
「PHASE 06・地球と風と火」でウェザーの
>結果を求めるあまりに過程をないがしろにすることは、『目的の為には手段を選ばない』
という思考に繋がり、果てには善い事を行なっているつもりで、気づかぬうちに悪を行なってしまうことになりかねない……。
それは悪よりも更に悪い、最もドス黒い悪だ……。
の台詞はラクシズそのものに当てはまる台詞だよな・・・
空気読まずにスマソ
アバッキオの警官時代の相棒もでてこないかなー チョイ役ででも
むしろチョイでないと半オリキャラしそう
GJ!
フリーダムが無敵じゃないのがいい。
どんなものにも弱点は存在するってこと。
ここでボロ負けしたほうがキラにとってはいい教訓になるから、生存できたけがフリーダム破壊に一票。
さてさてキラの運命はいかに。
何とか生き残ってスピードワゴンの説教(キラの考えに対して)を喰らってほしいね。
スピードワゴンも心配してるのはこれまでの台詞からもわかるし。
スタンド使いでもないのにチョコラータを倒したスピードワゴンは流石としか言えない。
川尻 早人以上の凄味を持つ男のラクシズ更生劇をやってほしい。
クマのぬいぐるみに憑依したエボニーデビル・・・
昔読んだSS思い出した(エボニーデビル2ティディ)
_,. -―――- .,_
/ !二_'ヽ、` 、
/\ `¨´ ,.、ヽ
,'::::::::ヽ .!_| ',
i::::::::::::〉 i
.|::::::::::/ | }.: .|
|;=、::| ‐-ニ''_ー<、{_,ノ -一 |
>>449よ
!ハ.Y . ぇ'无テ,`ヽ}}}ィt于 `|
|.Y }. `二´/' ; |丶ニ ノ 逆に考えるんだ
ト、リ ヾ:、 丶 ; | ゙ イ
.l ` ,.__(__,} / 「日本人形やフランス人形じゃなくてよかった(ホラー的な意味で)」と
! `'゙! ,.,,.`三'゙、,_ /
,/´{ ミ l /゙,:-…-〜、 ) | 「虎秘蔵のアイシャ型空気嫁(夜のお供的な意味の)じゃなくてよかった」と
,r{ \ ミ \ `' '≡≡' " ノ
__ノ ヽ \ ヽ\ 彡 ,イ_ そう考えるんだ
\ \ ヽ 丶. ノ!|ヽ`ヽ、
\ \ヽ `¨¨¨¨´/ |l ト、 `'ー-、__
\ `'ー-、 // /:.:.} `'ー、_
`、\ /⌒ヽ /!:.:.|
`、 \ /ヽLf___ハ/ {
′ / ! ヽ
>>448 つ「あの時は本気じゃなかった」@本編でシンに負けた時のキラ様
そういえばMSって人型だから人間と共通する弱点もあるんだよな、今回ギアッチョが凍らせた関節とか
脳=パイロット
心臓=動力炉
に相当するのかな
>>444 アストレイでのその部分の会話を見る限り、その辺りの事情を知っている人間自体が(種世界でさえ)希少じゃないか?
従って本来「部外者」であるギアッチョ先生が怒るのも無理は無いんじゃないかね
と思う俺サマーソルト
ああ、そういえば脳みそだけになったジョージ・グレンが嘆いていたな
でも
調停者たるべき存在だってことを大して喧伝せずに技術だけ公開したから自業自得だ
とアストレイの過去スレで言われてたような
まあ調整者とかそんなのは思いっきり後付けなので致し方なしというかなんというか
まあ愛すべき種シリーズってことで
種は結構好きだったんだけどね〜。
ムウさんの最後とか…あれは格好よかった。
まさかアブドゥルみたいに復活するとは夢にも思わず…orz
ムウはあの状況で生き残ってるのはおかしいがな。
>>456 メット、画面の中央付近にプカプカ浮いていたしなw
>>455 アブドゥルぐらいカッコ良くて話を盛り上げる復活の仕方だったら良かったんだけどね
実際は、適当なだけで種の数少ない美点まで汚しまくった最悪の出来だった
あれだけの混戦の中
エンデュミオンの鷹を回収できた連合はラッキーだったな
治療後原隊復帰じゃなく、特殊部隊に据える理由が良く分からないが
連合兵卒にもフラガ裏切りが知れ渡ってて
今更シンボルに使えないってか?
あれだけの混戦の中
エンデュミオンの鷹を回収できた連合はラッキーだったな
治療後原隊復帰じゃなく、特殊部隊に据える理由が良く分からないが
連合兵卒にもフラガ裏切りが知れ渡ってて
今更シンボルに使えないってか?
>>457 人間は結構真空に耐えられるらしい。
たしか真空に晒されてから15分以内なら蘇生できるんじゃないか、と本に書いてあった気がする。
>>459-460 こ、これは!!キッスの攻撃かッ!?
救助してみたら裏切り者だったんで、能力が高いから洗脳して再利用したってところじゃないかな。
特殊部隊に配置したのは、表に立てて正体がバレタらまずいと思ったからと。
それにしても「オレってやっぱり不可能を可能に―」で消えた所が衝撃的で凄く格好よかったのにな〜。
種死で似たような状況で尚且つ無傷だったのを見た時は、ため息すらでなかった…
>>461 ジャンピン・ジャック・フラッシュの話では、真空+無重力だと血液が沸騰して人間なら二十秒で死ぬということだったけど。
まあ何が言いたいのかというと、「種だからなぁ」で片付けとけばいいんでないかということよ。
463 :
462:2007/10/22(月) 00:10:41 ID:???
>>452 まあそもそも「根掘り葉掘り」の「葉堀り」にだって理由があるにはある
ギアッチョ的にはそんな迂遠な意味合いは知ったこっちゃ無いんじゃなかろうか
英語圏の人間が書けばヴェネツィアの地名が英語表記のベニスになるのは不可抗力だと思うんだが
そんなのだってギアッチョは知ったこっちゃないしな
>>463 ジャンピン・ジャック・フラッシュの能力は、無重力を発生させた後、
あたりに血液を沸騰させて人間を20秒で死に至らしめる、特殊真空を発生させる、でいいんじゃないかな?
まあ、スタンドのおこす現象を既存のものに当てはめるのはきびしいな。
バイツァとか
スタンドはそもそもスタンドのルールに則ってるわけだから既存の法則に似てる能力があってもそれは似て非なるものだしな
磁力とか真空とか。
>>466 某プレステの兎を頭に思い描いた俺は末期
ムームー
>>468 本体の認識によるのかも。
「真空では血液が沸騰するよね〜」とか「血液に強力な磁力を当てたら鉄を取り出せるよ!」とか、
「純酸素を吸うと大変だね」見たいな認識が。
>>471 エックスメンを愛読するリゾットとか浮かんだ
イメージ強化の為だとか言い訳しながら。
>>472 アメコミ界最強の悪役の一人、マグニートーか
スタンド使いって自覚さえあれば能力の範囲内でなんでもできるってことでFA?
>>473 そのマグニートー、人間のミュータント虐殺部隊(ティターンズ?)が結成された時は
XMEN導いてるんだよな…
その後も再度XMENのリーダーになった事有り
クワトロに似てる
投下します。
フリーダムの足をガツガツと殴りつつ、眼鏡をかけた巻き毛の男、ギアッチョは能力を発揮し続けた。
能力の名は『ホワイト・アルバム』。ギアッチョの周囲を超低温の世界へと変える事ができる。スタンドのヴィジョンはなく、戦闘時には氷の装甲スーツをまとう。その強固な防御は生半可な攻撃では突破できず、下手に触れればそのまま凍らせられる。
まさに無敵の矛と盾である。
ホワイト・アルバムが生み出す、宇宙の最低温度マイナス273.15℃の前に、止まらないものはない。爆走する機関車であろうと、荒巻く海だろうと、殺人ウイルスだろうと、そして、最強のMSであろうと……すべては静止する。
やがて、フリーダムは完全に自由を失い、彫像のように立ったまま凍結した。
―――――――――――――――――――――
「なんで……なんでっ!」
キラが叫ぶ。理解ができない。異常はないはずなのに、なぜ動けないのか。
まったく予想していないことであったから調べてもいなかったが、温度センサーを動かせばわかっただろう。今この機体が、南極や宇宙空間よりなお冷たい、超低温空間の中にいるということを。
もっとも、わかったところでどうしようもないことではあったが。
「落ち着け……敵MSは全部動けなくした……ここは安全だ。落ち着いて脱出を」
キラは更なる考え違いをしていた。
「……あれ? なんだこれ……操縦桿から、手が離れない!?」
操縦桿には霜が降り、キラの手に凄まじく張り付いていた。
すでにコクピットは安全な場所ではなかった。
―――――――――――――――――――――
「機体は完全に凍結し……そろそろ『内部』にも影響が出ている頃だな……」
ギアッチョはフリーダムをよじ登りながら呟いた。
「こうやってコクピットに近寄れば……その分、コクピットの温度も下がる。そのままコクピットを『棺桶』にして、眠っちまいな」
―――――――――――――――――――――
クマのぬいぐるみが包丁を振り回しながら飛び掛る。
「ギャッハァァアアァ!!」
残虐なる歓喜に叫び、エボニーデビルはバルトフェルドの首筋に、刃を振り下ろした。
「ぬうっ!」
バルトフェルドは呻きながら、ショットガンとなった左腕でその攻撃を受け止める。
「アギィッ! よくよけたなッ! だが時間の問題だッ! 俺はスタンドだが、そっちは生身!! しかも傷だらけッ!! 自然、てめえの方が早く力尽きるぅぅぅ!!」
クルクル回転しながら着地したエボニーデビルが、右手の包丁を投げた。包丁は、今度は義足ではない右足に突き刺さる。
「ぐああっ!!」
バルトフェルドの顔が苦痛に歪む。疲労のピークに達した体は、その衝撃に耐え切れずしりもちをついた。
「もらったぁぁぁッ!!」
今度こそ! と意気込んで、クマの口からよだれを垂らしながら、悪魔の刃が迫り来る。
「まだだッ!!」
バルトフェルドは、義足の方の足を振り上げた。
「ファイア!!」
ゴウッ!!
左足の踵から、それは放たれた。細長い円柱に申し訳程度の羽がつき、先端は尖っているという形状。しかしそれは、矢のように突き刺さってダメージを与える類のものではない。
「嘘ぉ!?」
それがクマのぬいぐるみの最後の言葉。
ドッグォォォォン!!
空気を痺れさせる大音を生み、『小型ミサイル』が爆発した。
(さすがに冗談じゃすまないんじゃないかなコレ)
バルトフェルドにも冷や汗を流させるような灼熱により、クマのぬいぐるみは当然のごとく灰になった。
ビュンビュンッ!!
バルトフェルドは空気を切る音を察知し、左腕を振り回してその音源を弾き飛ばす。二本のナイフが地に落ちた。
「さすがにもうひっかからねえか」
そう言ったのは、木の枝の上にいるフランス人形。尻をつけずに不良のような姿勢で座っており、かわいらしかった顔は、トカゲのような化け物染みたものに変化している。
「まさかミサイルまで持ってるとはなぁ。他にも何かあるのかい? まあどっちみち、おしまいだろうけどよぉ」
バルトフェルドの体から力が抜けていく。すでに多くの血が流れ、ナイフを払ったのが限界であった。そして仰向けに倒れ込む。痛みは無かった。すでに感覚が麻痺していた。
(こ、ここまでだってのか……駄目だろ、こんなとこでくたばってちゃ……アイシャに会わせる顔がない……)
だがもはや体は言うことを聞かない。目も開けていられなくなり、心が絶望に落ちようとしたとき、
「な、なんだこりゃ……?」
エボニーデビルの、呪いのデーボのうろたえた声が耳に届いた。
「え? て、てめえ一体……」
「ちょ……ちょっと待てコラ」
「嘘だろぉ!? なんだってアンタがここにぃ……!!」
そこまで聞いて、バルトフェルドの意識は途絶えた。
眠りにつく彼の側には、男が二人立っていた。男の一人はバルトフェルドに脈があることを確かめると、傷の応急処置を始め、もう一人の男はフリーダムの方へと歩いていった。
―――――――――――――――――――――
「んん……?」
フリーダムの右脇腹、もう少しでコクピットというところで、ギアッチョは不穏な気配を感じた。フリーダムに触れる手のひらから、奇妙な振動が響くのだ。
「なんだ……なんかわかんねえが……ヤバイ気がするぜ……!!」
殺し屋としての長年の勘が、ギアッチョに危機を教えた。氷の装甲スーツを形成し、万が一に備える。
「!!」
ギアッチョはフリーダムの表面に異変が生じるのを見た。自分が張り付いている部位より、1メートルほど上に当たる辺りに、波紋がたったのだ。そして、フリーダムの中からズリズリとそいつが顔を出した。
体にぴったりとフィットする奇妙な服で、全身を覆った男。頭や顎も覆っていて、露出しているのは顔のみ。
男はフリーダムから上半身を現し、通信機を一つ、ギアッチョに突き出した。
(スタンド! 使い!)
およそいかなる物質よりも頑丈であるPS装甲が、まるで水のようだ。それがこの男の能力か。
「なんだってんだぁオイ」
だがその程度で怯むギアッチョではない。ただ苛立ちに顔をしかめながら、相手の意図を問い質す。相手は応えるように、通信機のスイッチを押した。それから数秒経過し、
『ガ・ガ・ガ……あー、通じる? Nジャマーの影響が、少ないといいのですが……』
通信機から声がする。
「誰だテメーは」
『ああ……通じるようですね……私は、今回の襲撃の……まあスポンサーです』
スポンサー……つまり、ヨップたちにラクスの情報を渡した人間であり、そして自分たちをヨップに紹介した者ということか。それがなぜ? ギアッチョが訊ねるまでもなく、相手は説明した。
『私が本当に相手をしたかったのはヨップたちではなく……ラクス・クラインたちだったのですよ。私は【一族】という組織に身を置いていたのですが……このたび、組織が壊滅しましてね。新たな後ろ盾が必要なのです。
そこで、ヨップたちにラクスたちを襲わせ、その窮地から彼女たちを救う……そうして恩を売り、関係をつくる。そういう作戦だったわけです。古典的でしょう?』
声の相手は、冗談めかして言うが、ギアッチョはクスリともしなかった。
「確かにベタな手だが……なんで俺たちを雇った?」
『一つは、ヨップたち程度では窮地に陥らず、彼女らだけで解決してしまえるからです。ちゃんとした恩を売るためには、もっとピンチになってくれなくては困りますから。そしてもう一つは……あなた方をスカウトするため』
「すかうと?」
『そう……フリーダムさえ止めるあなたの力、見せてもらいました。その力を、私の部下として使って欲しい。今回のことは、ラクスたちとの関係作りと共に、あなた方との関係作りでもあったわけです……。
すでにもう一人の方とは話がついています。あなたも、どうか私の計画に乗って欲しい。無論、あなたのチームごと。報酬はいくらでも払いましょう』
「ふうん……断ったら?」
『この計画を知ったあなたを、ほってはおけないことになりますね……』
予想通りの答えだった。
「『ホワイト・アルバム』!!」
ギアッチョは通信機を持つ男に殴りかかる。男はフリーダムの中に『潜って』その攻撃をかわした。そしてギアッチョの拳の射程外からまた顔を出す。
『決裂……ということですか?』
「顔も見せない相手の下につけるかよ……そんなのはもう懲りてるんだ」
ギアッチョは怒りも露わに言う。かつての屈辱を思い起こし、その苛烈な闘志をそのままスタンドパワーとして注ぎ込む。
『わかりました……では死んでもらうぜ!!』
丁寧だった口調が、突如獰猛なものへと変化した。
『セッコ……そういうことだ。後は任せた。そいつをぶっ殺せ!! ――ブツン』
通信は途絶えた。
「あっ、ああっ」
セッコと呼ばれた男は妙な声をあげ、ギアッチョと向かい合う。その目は異様に濁っていた。
(フリーダムの中に入り込む、か……どの程度の実力かわからんが、ここは初っ端から全力でいくぜ!!)
「『ホワイト・アルバム ジェントリー・ウィープス(静かに泣く)』!!」
これこそが、ギアッチョの奥の手。ホワイト・アルバムの力を最大限に発揮し、空気をマイナス210℃という低温によって凍らせる。凍って固体となった空気は、ギアッチョへの攻撃を阻む壁となり、何者もその領域に入り込むことはできない。
「来やがれッ!!」
ギアッチョは絶対の自信を持って、言い放った。
対してセッコは、特に注意や警戒をする様子もなく、
「『オアシス』」
手刀を振り下ろした。
シュバァッ!! ズパァァァンッ!!
ギアッチョの右胸が切り裂かれた。
「なっ、がっ、がぁああぁぁぁ!?」
ギアッチョは痛みを感じるより前に混乱する。
超低温の防御が、無敵の氷の装甲スーツが、絶対零度のジェントリー・ウィープスが、ナイフでバターを切るようにあっさりと切り裂かれたのだから。
確かにその手刀は、人には出せぬ高速であった。しかし、しかし、それでもホワイト・アルバムの奥義を切り裂くには不足のはず。
(こいつ……フリーダムだけじゃねえ……俺の氷にまで『潜り込んで』きやがる!!)
ギアッチョは右拳でパンチを放った。だがそれはセッコに当たる前に、手刀によって切り落とされる。
「なん、だって……」
ギアッチョの顔が蒼ざめる。その顔を見て、セッコに初めて無関心以外の表情が表れた。セッコは、確かな嘲笑を浮かべたのだ。
「オアアァアアアシス――ッ!!」
セッコは突きの連打(ラッシュ)を繰り出した。それをギアッチョは間一髪かわす。代わりにフリーダムの装甲がそのラッシュを受け、泥細工が砕けるようにグチャグチャに破壊された。
「逃げんじゃ、ねーーーッ!!」
セッコはギアッチョを睨み、更に突きを放った。壁に張り付いて戦うようなこの状態では、かわすことにもすぐ限界が来る。
ドグブッ!!
セッコの拳は、ギアッチョの足をへし折っていた。
「グヒホハハハ!! もう逃げられねえぜッ、くたばりなッ!!」
久々のリアルタイム支援
「てめーがな……覚悟はできてるか?」
「ああ?」
セッコは思わぬ言葉に首を傾げる。だがすぐに、相手の意図を理解した。
「んっ……なっ、手が足から離れねえ……! 体が凍る!!」
「てめーの能力は……俺のホワイト・アルバムみてーに、体に纏うタイプのスタンドらしいな……。そして、触れた物体を液状化させる。俺とは逆だな」
ギアッチョは残った左手を伸ばし、セッコの首を掴む。
「だがよ……こうして直接凍らせられたらどうだ? 凍った物を溶かせてもよ、自分の体まで溶かすわけにはいかねえよな? ドロドロになっちまうもんなぁ?」
だからあえてセッコに足を打たせた。接触するために。
ピキピキと細かい音を立て、セッコの体は凍っていく。もはや呼吸もままならない。
「ブチ……割れな……!!」
ズンッ
「ああ?」
ギアッチョは下に目を向けた。すると、自分の左脇腹に透明な『槍』が突き刺さっているのを発見した。『槍』は左脇腹から右胸に抜けている。傷口から血が溢れ、ギアッチョの肌を伝って流れた。
「生……生暖けえものが……血、血か……なんだ、こりゃ……」
『槍』は肺を片方貫いているらしく、次第に呼吸が苦しくなる。
「ぐぐ……この……くらいで」
それでもギアッチョは能力を解除しなかった。もう少しでセッコに止めをさせるのだから。だが、『槍』はそれを許さなかった。
ギアッチョの右胸が破れた。
「がぼっ!?」
血がフリーダムとセッコを濡らす。
ギアッチョは自分の右胸を突き破った凶器を見た。それは、『水』だった。
『槍』の正体は、凍った『水』だったのだ。高速で飛来した水は、ホワイト・アルバムの力で強固な『槍』となり、ギアッチョを貫いた。そして、暖かな装甲スーツの内部で『水』に戻り、内側から攻撃をしかけたのだ。
(『水』のスタンド……二人もスタンド使いがいたのか……)
口からゴブリと血が吹き出る。その瞬間、ホワイト・アルバムの効果は消え去り、フリーダムの凍結は解除された。そしてギアッチョの体は重力によって傾き、フリーダムから離れ、地上へと落下していった。
―――――――――――――――――――――
「キラ!」
ラクスは叫んだ。
すべてのアッシュを倒し、戦闘能力を失ったアッシュが自爆しても、キラはずっとコクピットから降りてこなかった。心配になってフリーダムの側に行ったラクスたちが見たものは、力なく座るキラと、全身に包帯を巻いたバルトフェルド、そして3人の男だった。
「ああラクス」
キラは笑みを浮かべた。疲れきっているようだったが、重症を負っているということはなさそうだった。
「ど、どうしたんですの? それに、この方たちは?」
只ならぬことがあったらしいと察し、ラクスが一同を代表して訊ねた。
「うん、危ないところを、この人たちが助けてくれたんだ」
キラは信頼のこもった声で言ったが、バルトフェルドは『どうだか』という感じに顔をしかめた。
「この人たち……?」
マリューが呟き、その場の全員が新参の3人を見つめる。
一人は、全身をダイバースーツのような奇妙な服で包んだ男。
一人は、杖を持った、目が不自由らしき男。額に布を当て、大きな輪の耳飾りをしている。
一人は、ユウナ並みに長いモミアゲをし、後ろ髪を短く二本に結んだ、中々に端正な面持ちの青年。
彼らを見たラクスたちの見解は、『怪しい』を通り越して、『変』ということで一致した。それ以外はまったく正体不明である。ラクスは、とにかく話を聞いてみることにした。
「はじめまして。わたくしはラクス・クラインです……あなたのお名前は?」
ラクスは知らない。目の前の男が、『魔の血統(ファントムブラッド)』を受け継ぐ存在であることを。
男は穏やかに応えた。
「はじめまして。ミス・クライン……私の名は、ドナテロ・ヴェルサス。あなた方の力となる者です」
最悪の邂逅がなされ、そして災厄は始まった。
災厄から幾度となく世界を救った『黄金の血統』のいないこの世界に、果たして救いはあるのだろうか。
『奇妙な冒険』はなおも続いていく……。
To Be Continued……
以上です。『第12話:ファントムブラッド』終了。次回は本編ではカガリ誘拐の話になるが……どうしたものかな。
ようやく黒幕登場。実はここでヴァニラアイスも出そうと思っていたのですが、変更しました。
GJ!
だが…ギアッチョーーーーー!
GJ!!
ヴェルサスが来たか・・・
もしかして種世界でアンダーワールドって超強力なんじゃないか?
血のバレンタインとか、様々な大惨事が起きてるし・・・
全世界で十億人が餓死、凍死した世界……確かに怖いな!
おおっと、感動して忘れてた
GJ! 今回始めて読みましたが目茶苦茶面白かったです。
登場部を越えたスタンドとスタンド使いの饗宴!
でもギアッチョのプッツンがもう聞けないと思うと……
意外だぁ〜ッ!意外性の繰り返しだよぉぉ〜〜っ!!
GJ!
つまり今後ヴァニラまで出てくると?
ヴェルサスがいるとなると三兄弟で出演とか?
wktk
ただ……なんでギアッチョすぐ死んでまうん?
ギアッチョあっけねーw
でも確かにオアシスはホワイトアルバムの長所をことごとく潰してしまうわけで、これは盲点だった。
相性最悪の相手にぶつかってしまったんだな。
しかしラクスよ……ンドゥールはともかく、残りの二人はどう考えても悪党にしか見えんだろw
……と思ったが、考えてみればラクスはあのドム三人組も支配下に置いていた奴だった
つまり、自分達の力になってくれさえすれば善悪は問わないんだな
>>494 自分につく=善というのがラクスの考え方なんだろう。
キラが成す術も無かったのは面白かったが、
唐突に現れた第三者による救助はジョジョっぽくないなぁ。
ジョジョではたった一回だけ、ポルナレフが上ったつもりで降りていた時に皆が来て助かってはいるが、
ジョースターご一行様は唐突に現れた第三者ではなかったし、全然状況は好転していなかった。
エイジャの赤石も唐突に波紋増幅機能が備わって、アルティメットカーズを倒したといえるかも知れないが。
後、ゲブ神が凍りつくとンドゥールの右腕も凍っている筈。
マジシャンズレッドの炎に当てられた時右腕を火傷していた。
アクアネックレスだと霧になろうが沸騰しようが関係なかった様だけど。
ダカラドーダコーダイウツモリハナインデスガネ
>>493 もっと肝心な事は氷衣ギアッチョと
セッコが乱戦になると見分けつかなくなる事
>>497 角砂糖を投げて、飛びついた方がセッコ。
「角砂糖の角ってよォ、この直角になった部分の事だよなァ。
一部分の事で全体の形を表してねえじゃねえか! どうして賽子砂糖とか言わねえんだ!
クソッ! クソッ!」
と切れたらギアッチョ。
ギアッチョが退場になってしまったのは悲しいけど、ここは敢えて逆に考えてみよう
仲間が殺されたとなると暗殺者チームがヴェルサス達に報復するのは間違いない
そしてヴェルサス達は間違いなくオーブやプラントだけでなく連合にとっても敵になるだろう
つまり暗殺者チームとブチャチームにウエザー・重ちーそしてポルや形兆の共闘フラグが
今回の話で立ったのだ!
ああ早くかっての敵同士のブチャチームと暗殺者チームの共闘バトルが読みたいぜ…
敵の敵はやはり敵
職人様GJ!
そしてギアッチョ大人気に吹いたw
>>496 ギアッチョが死んだ時点で右腕の氷も溶けるんじゃないか
>>496 つマウンテンティム
一応電話してるシーンあったけど
ジョジョ流で行けばギアッチョはこのまま退場だけど、
種死流で行けば仮面をつけて再登場だなw
>503
そういや死んだキャラなら7部キャラでも良いんだな!
…マウンテン・ティムのスタンド能力って正直弱いよなあ。
使い道が少ないし、その使い道でダントツに強いわけでもない。
GJ!!
ンドゥールはDIOの息子だと知ってるの?
第三者の乱入で形勢逆転というのはむしろ種的な演出だと思う。
黄金の魂を知る前のラクス一行にとっては順当な展開かも。
皆は今回キラ達が助かった展開はジョジョ的じゃあない、と言っているが、落ち着いて考えて欲しい
そもそも今回のヴェルサスの狙いは、
キラがピンチになる(ギアッチョのせいで)→ギアッチョを味方に引き入れる
→ギアッチョにフリーダムを凍らせるのを止めてもらう→ヴェルサス達3人&ギアッチョがキラ達に顔見せ
→「キラをピンチに陥れた悪漢は俺達が排除したぜ!」的な自己紹介をする(実際にフリーダムを凍らせたのがギアッチョなのは黙っておく)
つまり今回の襲撃は最初から最後まで、ヴェルサスがキラ達から信頼を得るための自作自演だったんだよ
呪いのデーボも多分最初から自分らで殺すつもりで引き入れてたんだろう
ヴェルサス的にはギアッチョの引き入れに失敗したりと多少計画通りじゃないところもあったが、
計画の大本命だった「キラ達の信頼を得る」ということに関しては成功してる
そして今キラ達はまんまとヴェルサスの計画通りに動かされかけている
ボスの策略で、ドッピオとトリッシュを見分けられなくなり、結果的にまんまとボスに嵌められたブチャのようにね
つまり結局のところキラが助かるのも虎がンドゥールに助けられるのも計画の中に入っていたわけだから、
ご都合主義でキラ達が助かったのとはちょいと違うんじゃあないか?と俺は思うよ
>>509 キラ達が助かった展開がジョジョ的じゃあないっていってる人は多分一人も居ないと思うんだが。
念のため、
>>496はキラ達が助かった事ではなく、唐突な第三者が助けた事がジョジョ的ではない。と書いたつもり。
× ストーリー上助かった事がジョジョ的ではない、
○ 一バトルとして第三者に助けられた事がジョジョ的ではない
と書いた方がいいかな?
ストーリーに文句?
ま さ か だ ろ !
逆に考えるんだ。キラたちは当事者じゃないから、非ジョジョ的ではない、そう考えるんだ。(AAry
ギアッチョが殺られたとなると暗殺チームも黙ってないだろうな
AAの連中はある意味最悪の奴らを敵にまわしたかもしれん
保守
メタリカの磁力ってモビルスーツに悪影響出そうだよな
さすがにまるまる動かすような真似は厳しいだろうけど電子機器類がバツンバツンショートしそうだ
あと戦闘中にプロシュートが乱入したら地獄だな
激しい運動で体温ガンガン跳ね上がってるから一気に老化する
どうでもいいが暗殺チームの名前って美味そうだな
リアルタイムで読んでた時は知識がないので判らんかったが
あんな名前の人間が居るわけ無いってツッコミガあるが
あれはマフィア(極道と違って秘密結社)としてのコードネームだろうな
ふと思った
人間の体内の鉄分って針一本にも満たない程度の量しか無いらしいが・・・
どうやってあんな大量のハサミとかメタリカで出したんだ?
凄み
>>517様、大切なのはイメージッ!
空気を吸って吐くことのように! HBの鉛筆をベキッ!とへし折る事と同じようにッ できて当然と思うことですじゃ
>>517 一応、釘6本分くらいはあるって学研が言ってた。
メタリカには鉄分増幅作用もあるんだよきっと
常時最期の力を振り絞ってるんだよきっと。
人間の鉄分は磁力の影響を受けないとテレビで見た覚えがある。
採取した血液から鉄分だけ取り出して磁石に近づける実験をしていたが、無反応だった。
それはマロンの議論スレや夏漫板の5部スレで散々外出。
>人間の鉄分は磁力に影響されない
鉄原子じゃなくて鉄元素を自在に操ると考えればいいんじゃないか?
スタンドにおいて重要なのはイメージだからな
本人がそう思うとおりに能力が発現するんだろう
だから時間系の能力が厄介な事になるんだと思う
時間の止まった世界のイメージが、「自分以外停止している」だとそうなるんだろうな。
時間系スタンドは反則だよなぁ…
時間を止める世界
5秒間の未来予測&その時間をふっとばす赤紅
時間を巻き戻す殺女王
普通に勝てネーヨ
>>527 きっかり六秒巻き戻すマンダムも仲間に入れてあげてください
クレイジー・ダイヤモンドも「物体の時間を巻き戻す」と解釈すれば
時間系スタンドに分類されるんだろうか?
>>527 時間を無限に早送りする天国製
同じ時間系の世界さえ破られた相手だな。
投下します。
ガンダムSEED・BIZARRE
『PHASE 13:フリーダムがやってくる』
「えっ、あいつ、今オーブにいるの?」
短い褐色の髪をした少女、ミリアリア・ハウは驚きの声をあげた。『あいつ』とは、ミリアリアと同じ時期に共にジャーナリストを始め、1年間行動を共にした友人のことである。
ミリアリアは、前大戦で地球軍として戦った影響から、主に戦場を撮っているが、『あいつ』はスポーツや歌、映画といった、人間の営みの方面を撮っていた。
そういった方向性の違いから、今はコンビを解消し、それぞれの道を歩いている。時々は会って、近況を語り合うこともあった。
「オーブに生き別れになった昔の友人がいるって情報があったんだとさ。それで会いに行ったらしい。連合のオーブ攻撃より少し前だったな」
ジャーナリスト仲間にそう教えてもらい、ミリアリアは物思いにふける。
「オーブ……か」
そう呟いてため息をついた。ミリアリアの故国、オーブ。友人でもある国家元首カガリ・ユラ・アスハは暗殺者に襲われて昏睡状態。連合とは敵対関係となり、すでに一戦を交えたという。
「こんなときに行くとはね。それともこんなときだからかな……? ま……あいつのことだから無事でいると思うけど……」
自分はこれからどこへ行くのか。ミリアリアは漠然とそんなことを思った。
「そうか……よくやってくれていたみたいだな。ありがとう」
カガリ・ユラ・アスハは力なく微笑みを浮かべ、感謝の意を表した。
彼女が目覚めたのは、チョコラータによる襲撃が終わった後、午前3時のことであった。それから健康状態を調べなおし、問題なしとの太鼓判を受け取った後、こうしてユウナからこれまでの経過を話してもらっていた。
「それにしても、まったく役に立てなかったな。情けない……」
「それは気にしなくてもいいよ。戦争の準備にしたところで、君にできることなんてないんだから」
「はっきり言うな……」
カガリは苦笑するが、確かにユウナの言うとおり、カガリが起きていてもそれほどやることはなかっただろう。認可を与え、事後の責任を引き受けるくらいだ。
「それよりも病み上がりのところ悪いけど、セレモニーに出てもらわなきゃいけないよ。元気なところを見せて、国民の士気を盛り上げてもらわなくちゃいけないし」
「ああ……お飾りなりに、やれることはしなくちゃな」
「おいおい、ちょっと卑屈になりすぎてないかい? 傲慢すぎるのはよくないけど、国のリーダーたるもの、自信がなさすぎるのも問題だよ?」
ユウナは肩をすくめる。どうもカガリは反応が極端なところがあり、対応が難しい。もう少し落ち着いて欲しいところだが、まあ前よりはだいぶマシになった。
「まあそのうちアスランも帰るだろう。プラントの協力を得ることに成功した使者としてね。彼とイチャイチャしていれば少しは元気になるだろ」
「そういうこと言わないでくれユウナ!」
顔を赤くして講義するカガリを見ながら、
(……ちょっと楽しいぞ)
と、ユウナは思った。だがすぐに気持ちを切り替えて言う。
「でも真面目な話、こっちの被害も相当なものだからね。これからを乗り切るには、君にも頑張ってもらわないと」
ユウナの表情がにわかに真剣なものになる。チョコラータの殺人カビにやられた者は多く、軍事的にも政治的にも、痛手は大きい。ユウナの父であり、有能な政治家であるウナト・エマ・セイランも、足を失い入院中である。
一般国民に被害者がいなかったのは不幸中の幸いであったが……。
「まだまだこれからだな」
「まだまだこれからさ」
カガリとユウナは互いに頷き、セレモニーについての話し合いを続けた。
戦いの余波で半壊したアスハの別邸の前で、ラクスは断言した。
「ゆゆしき状況と言わざるを得ませんわ」
ドナテロ・ヴェルサスなる人物がラクスたちに与えた情報。それは、プラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルがラクス・クラインの暗殺をもくろんでいるということである。
【一族】という組織にあり、行動する中でそれを知ったヴェルサスは、ラクスを助けるためにかけつけたのだという。実際、襲撃した部隊が使ったMS、アッシュはザフト正規軍でなければ手に入らない代物であった。
「彼がなぜ、ミス・クラインを狙っているのか? 現状の彼の立場は、ミス・クラインを敵視するものではありません。しかし、未来においてはミス・クラインと敵対する立場となるとしたら……
前もってミス・クラインを『始末』しておこうと考えるでしょう。動機のない今ならば……怪しまれずに行える」
ヴェルサスは冷静な表情で、講義をするかのように言葉をつむぐ。
「ミス・クラインが邪魔になるような立場になることを、彼が望んでいるとしたら……その立場は、社会や、人々にとって、よからぬものに違いないでしょう」
キラは頷く。ラクスは善良な、平和の歌姫だ。そんなラクスと敵対するならば、それは悪に違いない。
「まあ、暗殺者を送り込む時点で悪には違いないのですがね。しかし具体的に何を企んでいるかは不明です。私も組織の中で探りましたが、突き止められぬままに、組織は崩壊し、情報は失われてしまいました」
本当は議長の計画の調べはついているのだが、今はまだ隠しておく。悔いるような表情のヴェルサスを、キラは慰める。
「仕方ないですよ。僕やバルトフェルドさんを助けてくれただけで、充分すぎるほどです」
「安心してくださいヴェルサスさん。わたくしを支援してくださる方々に、協力をお願いします。きっとデュランダル議長の企みもわかるでしょう」
「……ほほう、それは頼もしい」
そう呟いた瞬間、ヴェルサスの目に野心的な光が灯ったが、気づく者はいなかった。
ヴェルサスが欲しているのは、ラクスが握るクライン派の組織力であった。それをヴェルサスが使えるようにするためには、ラクスからの信頼と、力を使わなくてはならない状況が不可欠である。それらを得るために、彼は『敵』を用意した。
デュランダル議長は実際、『デスティニープラン』という計画をもくろんでいるし、そのためには手段を選ばず、悪事を働くこともするだろう。ラクスの偽者まで使っており、まさに『敵役』として申し分ない。
あとは敵との戦いの中で、ラクスたちが振るう力を借り、自分の目的を果たすための道具とする。
無論、そんな簡単にいくはずはないだろう。ラクスたちに正体がばれるかもしれない。目的達成を前にラクスたちが他の勢力に敗れるかもしれない。だが今回失敗したところで別の後ろ盾を見繕うだけだ。
その場合、立つ鳥後を濁さず、ラクスたちを念入りに始末しておく必要があるが。
コバンザメのように、寄生虫のように。誇りなく、恥も知らず。その行いは決して賞賛には値せぬが、手段はどうあれ最終的に、目的を達成すればよいのだ。
だがヴェルサスはわかっていなかった。彼らの恐ろしさを。
バルトフェルドはベッドの上に横たわっていた。無論、半壊したアスハの別邸のベッドではない。
『アークエンジェル』。大天使の名を持つ、フリーダムと共に回収された伝説の戦艦。彼はそこに運ばれていた。
柔らかなベッドにくるまりながら、しかしバルトフェルドの顔は苦々しかった。
(確かに俺たちは奴らに救われた。しかし……いくらなんでもできすぎてやいないか?)
普通に考えてあの状況で、都合よくマンガのヒーローのように、ジャジャーンと登場して『待ってました!』と間一髪助けがくるなんてこと、あるわけがない。
(それに……そもそも本当に、議長があの部隊を送り込んだのか?)
議長がラクスを狙っているというのは、ヴェルサスが一方的に言っていることだ。アッシュにしても状況証拠以上のものではない。確実な証拠はないのだ。
(だが、俺が奴らを怪しむ決定的証拠もないわけだしな。それに、この怪我じゃろくに動けない。下手に刺激して、こいつらが牙を剥いたら対処のしようがない)
全身に包帯を巻かれた我が身を苦々しく思う。もっとも、いくら万全であっても相手はスタンド使い。どこまで通用するかわからないが。
(キラやラクスはしっかり信用しちまったみたいだし……そうなると頑固だからな。今は様子を見るしかないか……)
「ラミアス艦長。俺は少し眠って体力を回復させる……キラたちについていてやってくれ」
「ええ、ゆっくりおやすみなさい。隊長」
傍らで看病をしていたマリューにその場を任せ、バルトフェルドは泥のように眠りにつく。しかしその判断を、バルトフェルドは後に悔やむことになるのだった。
「しかし……まずはオーブから脱出せねばなりませんね。オーブはプラントと協力し連合と戦う姿勢でいる……。もしもプラントからミス・クラインの引渡しを迫られたらことです」
ヴェルサスがそう言ったのは、オーブの公的機関により、この部隊がデュランダルの手のものであるか、調査されたら困るからである。ゆえに危機感を煽り、一刻も早くこの国から立ち去ろうとしていた。
だが、ヴェルサスは思い違いをしていた。ラクスたちは、自分たちの身の安全のみを考えて、議長に対抗しようとしてはいなかった。議長の未知なる企みから、『世界を護る』ために行動しようとしていたのだ。
「ええ……ですが、その前に一つやることがありますわ」
「そうだね」
ゆえにラクスは待ったをかけ、キラも同調する。そして二人同時に、
「「カガリ(さん)を脱出させなくちゃ(ては)」」
「……カガリ?」
カガリというのは、カガリ・ユラ・アスハのことだろう。情報によれば、キラ・ヤマトの肉親であり、ラクスとは前大戦での戦友でもある。
(確かに……プラントが敵となった以上、それと組むオーブ、ひいてはカガリ代表が危ないと感じるだろう。国から出して安全な場所に移したいと考えるのも……まあわかる)
ヴェルサスはそう判断する。彼には肉親の情などないが、そういうのを大事にする人間がいるのはわかっていた。
「いやしかし……今プラントとの協力が破れれば、それこそオーブは連合によって押し潰されてしまいます。今はプラントと共に連合と戦った方が、オーブにはいいでしょう。プラントとて、この状況でカガリ代表を害するはずがない。
我々は戦況を見守りつつ、準備をしながら時を待ち、デュランダル議長が真の野望を露わにしたとき、世界を救うべく参上すればよろしいかと」
自作自演がばれないように、カガリ救出に反対するヴェルサス。
「いいや、それじゃ駄目だ」
だがキラは断固反対する。そんなにカガリが心配かと思ったヴェルサスに、キラが言ったことは、ヴェルサスの予想を遥か斜め上に超えたものだった。
「オーブは戦争をしてはいけないんだ。それは『理念』に反する」
「……はあ?」
目を丸くするヴェルサスに、理念のことがわからなかったのかと思ったラクスが説明をする。
「オーブの理念……他国を侵略せず、他国に侵略されず、他国の戦争に介入せず……今、それが破られようとしているのです」
「いやそれは……」
ヴェルサスは、ラクスの目を見て反論しようとした時、怖気が走った。
(なんだ? 今、俺はこの女に何を感じた?)
それは、本能的な恐怖。
プッチ神父の宗教的カリスマとは異なる、何か。だが同じように、人を従わせる力の片鱗を、ラクスから感じた。彼女の言葉が、奇妙に頭に染み入ってくる。
「今のカガリさんは間違っています。確かに命の心配はないかもしれない。けれど、このままでは別の物が失われてしまう。ですからこれ以上間違う前に、助けなくてはなりません」
ヴェルサスは息を呑み、搾り出すように声を出した。
「わかりました……では、そういたしましょう」
これからどうなろうと、今はただラクス・クラインと話していたくなかった。カガリ救出などにまったく納得はしていなかったが、だからこそ今のうちに話を切り上げたかった。このままでは、『納得させられて』しまいそうで恐ろしかった。
ヴェルサスの賛同に、キラとラクスは無邪気に喜び、救出方法についてあーだこーだと意見しあっている。それを無気力に眺めながら、ヴェルサスは自分の取っている行動の危険性を思い知った。
(【一族】が危険視したイレギュラー……Aのキラ・ヤマトと、Qのラクス・クライン。甘く見ていた……この俺が、こうも気色悪い恐怖を味わうなんて)
だが今更やめることはできない。既にサイは振られたのだから。
(それでも、それでもこいつらを利用して、俺は幸せになってやるさ。俺にならできる! なんたって俺は……DIOの息子だ!!)
To Be Continued……
以上です。今回はさほど活躍しませんが、新キャラ登場します。
ヴェルサスは好きなキャラです。栄光を求め、のし上がろうとする悪党ってのがいい。ハーメルンのギータや、ダイのフレイザードとかよかったなぁ。DIOを弾こうとしたホルホース、五部のギャング連中、7部のDioも好き。
ボスをも押しのけて、卑怯に卑劣に幸せになろうとする野心、飢えが面白い。ヴェルサスならビームを掘り返したりして攻撃できるし。
キラやラクスは結局何を主張したいんだか、よくわからなくて困ります。
作者氏GJでした!
キラやラクスは、何を主張したいのか良く分からないのに被害を広げていく、
しかも自分達が正義だと思い込んでいるからなおタチが悪い。
まさに表現出来てますよ!
GJです!
キラやラクスは敵に回すのも恐ろしいが味方に回すともっと恐ろしい
なんという斜め上をマッハで突き進む頭の持ち主達だろうか
GJ!
まさしくキラクスは制御不能!
その場その場の思いつきと憶測で人を殺すタイプの悪ってのは
考えるとジョジョに居なかったなぁ
種死終盤で、戦争するな→して良いにラクスの鶴の一声で180度変わってしまうのが凄い
「何やってンだァアーッ!?」
このジョジョ風ツッコミがこうまで適用される集団を、ラクシズ以外に私は知らない
質問には質問で返す、それがラクスクオリティ!
GJ!
DIO+プッチ÷2=ラクス・クライン
てな感じかな?
というか、今回ラクスよりDIOやディアボロの方がよっぽどまともに思えたwww
>ジャジャーンと登場して『待ってました!』
トジョォ〜
という効果音が頭の中で成ったのはわしだけかの?w
547 :
でん:2007/10/28(日) 23:11:13 ID:vFydp8KT
悪意が微塵も入ってない善意ほど怖いものはないと思う
今回の話で「ヴェルサスがんばれ」という気持ちになった。
ヴェルサスがまず最初に掘り出すべきもの
胃薬
ヴェルサス……
(´・ω・`)つ胃薬
>>既にサイは振られたのだから
サイかわいそす
>552
それではジョリーンとの結婚を許してくださるんですね、承太郎さん!
トニオ「う〜む、アナタ仕事上のストレスから胃ヲ悪くしまシタネ」
ヴェルサス「…?!」
チョココロネ「このアカツキの装甲板をGEで胃袋に作り替えましょう」
>>フリーダムがやってくる
なんだろう、このサブタイトル
チョコ先生の時のサブタイトルよりずっと怖いんだけど
なんつーか、ラクスってナデシコの草壁っぽい
平和を愛する歌姫、理想のためなら死ねる女
問題はその理想が万人にとって理想だと頑なに信じているところ
だがラクシズと草壁とでは「覚悟」の一点において天と地の差があると思う。
キラの「覚悟はある」の一言に「どこがやねん!」とつっこんだ人はきっと沢山いるんだろうなぁ。
>>554 イタリア料理を「うンまい〜い!」してるヴェルさん想像して吹いた
「馬鹿が戦車でやってくる」を連想したのは内緒だ
ヤァヤァヤァ!と続けたかったが、あれは「やってきた」だしなあ。
ところであまり関係ない話で悪いが、ニコルとジョルノって声同じだな。
少し思うところがあったので、6部ホワイトスネイクの「真の邪悪」の話を
マックイイーンからラクスに置き換えてみる。
「ラクス・クライン。 君こそ、真ノ邪悪ダ。
君には『敵意』がナイ。
『敵意』……『敵意』には力が向カッテ来ル……
ヨリ強い力が『敵意』を必ずタタキにヤッテ来ル…
『敵意』はイツカ倒サレル。 実に単純ダ。
ダガ君は違ウ……君には敵意もナケレバ、悪気もナイシ、
誰にも迷惑ナンカかけてナイと思っテイル。
自分を被害者ダト思っているし、他人に無関心のクセに、
誰カガイツカ自分を助けてクレルト望ンデイル。
だが、ソレコソ悪より悪い『最悪』と呼バレルものダ。
他人を不幸に巻き込んで、道づれにスル『真の邪悪』だ。」
・・・恐ろしく違和感が無いように思えた。
特に真ん中辺り。
>>564 >>君には敵意もナケレバ悪気もナイシ、
>>誰にも迷惑ナンカかけてナイと思っテイル。
>>自分を被害者ダト思っているし、他人に無関心のクセに、
>>誰カガイツカ自分を助けてクレルと望ンデイル。
まさにラクスそのもの過ぎて吹いたwww
こんなんでよくスピードワゴンに「こいつはくせぇーーー! ゲロ以下の臭いがプンプンするぜぇーーーッ!」
と思われずに済んだもんだ
平時は隠居してるだけで無害だからか?
スピードワゴンの嗅覚は明確な「悪意」に反応するからじゃないかな
現に、ここのSSでも触れられてたけど、直前までストレイツォの裏切りを見抜けなかった事もあるし
ラクスは本心から善意で行動してるから、それが読めないと
>自分を被害者ダト思っているし、他人に無関心のクセに、誰カガイツカ自分を助けてクレルと望ンデイル。
厳密には『自分達は正義であり、自分達でなければ善良な人達を助ける事が出来ないと思い込んでいる』だな
実際は身内以外には認められていないし、自分達のやり方に固執しすぎで、大半の人達に大きなお世話だと思われているわけだが…
無印時代だと「平和を唱えながら武器を取る我々もまた悪しき者なのかも知れません」とか言ってたのにな……
それが種死になると何の根拠もなく「自由のためには戦ってもいいのです」とか言っちまうだもんな
まさに人が腐るスピードは光速よりも早い
元から腐ってた中身が種死でぶちまけられただけじゃね?
いやまて、ラクスはともかく種序盤のキラは少々難有りだが
腐ってるというほど酷くはない筈だ。
「やめてよね」だってキラの追い込まれた状況を考えれば弁護の余地があるし。
お前らのせいで、もしもマルキオ導師がプッチ神父だったらとか妄想しちゃったじゃないか
>>569 >>571 あれはラクス、キラが変わったんじゃあなくて、福田(両澤もか)がイカレタだけだという説が……。
だって、種放送前インタビューと種死終了後インタビュー・福田講演会では言ってる事全然違うからな。
「戦争とはどういうものかを書きたい」→「男なら戦え」だぜ?
良くも悪くもスタッフ次第でキャラは変わっていくという見本だな(悪影響的な意味で)。
福田っていつもそういう無軌道な作風なの?それとも種でだけ?
福田は演出のレベルはかなり高い方だと今でも思う
でも引き出しが少ないから、既に時代遅れになりつつある
我等が荒木みたいに常に新たな表現方法を模索するような、クリエイターとしての真摯な姿勢が致命的に欠けてるからね
演出のレベルは高いけど、思いつきと身内贔屓が玉に瑕
嫁の腐的脚本と合わさって番組スタッフを上手く扱えないのが一番の弱点では?
つまり監督じゃなくて演出家として活動するのが福田には最適ということか
ん?嫁?嫁は廃業しろ
玉に瑕どころか粉々じゃん
ドラグナーの演出、Vガンの絵コンテ、08小隊のプロモ絵コンテを手がけたほどの男であるからして、
福田は丸っきり無能じゃないんだろう
ただ脚本に関わるのとメディアの前で喋るのがノーサンキューなだけでさ
でも電童を腐らせ、種を腐らせた両澤は死んでいい
基本的に才能・努力・実力が必要な職業なのに、そのどれも持ち合わせていないからな、両澤。
ああいうのが業界に存在している事が、アニメ業界七不思議。
荒木先生は、才能溢れ、日々の努力を怠らず、優れた実力を持つ事に加え、
歳を取らない吸血鬼属性まで持つ漫画家だからな。これ最強。
ところで、このラクス、ジョジョでの各部最終ボス並みの異常さを感じる。
カリスマ! 異質な(結果的な)悪意! 並外れた(組織的な)強さ! 尋常ではない行動!
ラクスは悪のカリスマとしてはかなりの凄味を持っているッ!
そして何より凄いのは彼女には悪意というものが全く無い!
その点においてラクス=クラインは無敵だッ!!
いや、ラクスにはカケラほどのスゴみもない
スゴみってのは、例えばDIOと会った瞬間に
「このお方にだけは殺されたくない」と思ってしまうような、それほどまでのプレッシャーの事、
あるいは、その目に十年も修羅場をくぐり抜けてきたかのような気迫が宿る事を言うんだ
ラクスにはそういったスゴみは無いが、話しているうちに相手を納得させてしまう、
言うなれば洗脳に近いカリスマがある
そういう意味では、ラクスのカリスマは40年前輝いていた頃のケンゾーじじいのカリスマと同系統だろう
そのうち風水に目覚めるかもしれない
そしてバケツの中にIN!
そういやケンゾーじじいのドラゴンズドリームって、一般人にも見えるのか?
いや、スタンドの特性上見えるんじゃないかって思っているんだが。
ラヴァーソルは見えるらしいけど他のはわかんないな
身にまとうタイプのスタンドは実体化してるんだろうけど、それ以外だとアヌビス神ぐらいかね、実体があるのは
>>588 ストレングスとか運命の車輪とかゲブ神とかアクアネックレスとかスーパーフライとかホワイトアルバムとかFFとか
エンプレスも見えるな。ジョセフが見せた医者に見えていたから間違いない。
だがエボニーデビルとかは見えることになるんだろうか?
スタンドが取り付いた人形と実体化したスタンドはやっぱり違いそうな気がする
スタンドが実体化する場合、大抵は何かの物質と一体化している。
というか、それ以外で一般人にも見えるスタンドなんてあったっけ?
ストレイキャットは微妙だけど見えるでしょ。
ハーヴェストが運んでいる硬貨も(これは違うけど)見えるかな?
ストレイキャットはFFに近いんじゃないかな、スタンド=本体
ハーヴェストが運んでいる硬貨は近距離パワースタンドに凹られている一般人とでも思っておけばいんじゃね?
ハーヴェストが運んでるものは見えていないんじゃあないか?
中に入れられた物は半透明で描写されてたと思うし。
見えてるなら重ちーの所に集まってきた人も多いと思う。
12時くらいに投下します。
そしてその日、セレモニーは始まった。
場所は、海を目前にしたハウメアの神殿。白い石で組まれた崇高なる建造物。勝利の喜びと、未来の栄光を祝うのに、ここほどの場所はあるまい。
マスコミがカメラを向ける中、壇上ではスーツを着込んだカガリが凛々しい姿を見せる。彼女の後ろには、ユウナをはじめとしたオーブの政治家たちが控えていた。
周囲にはオーブのMS、アストレイが守護騎士のように配置されている。
多くの人々が見つめる中、カガリは戦闘の勝利に対しての礼賛と、これからに向けての対応について、演説を始めた。
「あいつがカガリ・ユラ・アスハか……。ミリアリアに話は聴いていたけど、なるほど、結構良さそうな奴じゃん」
かなりの男勝りだという話だが、そうは見えない。自分の友人に比べれば、むしろおしとやかにすら見える。
(あいつらが今の私を見たら、どう思うだろう)
まさかカメラマンになっているとは思っていないだろう。人間を知りたいと思い、始めた仕事だが、思いのほか楽しい。そしてカメラは『思い出』を形として残せる道具だ。生きるということは『思い出』をつくることと考える自分にとって、これは天職かもしれない。
「写真の一つも撮っておくか」
気分よく彼女は呟く。普段なら政治家の写真を撮るなど趣味ではないが、今回の素材は悪くない。ミリアリアに会った時に見せてやるとしよう。
そうしてカメラを向けたとき、異変は起こった。
海の向こうから、光る点が現れた。点は見る見るうちに大きくなり、その全貌を神殿にいる者たちに見せるのに、さして時間はかからなかった。
空を支配するかのように広げられた、十枚の青い翼。
鋭く天を突く角。
通常のMSとは比較にならない圧倒的武装。
まさにそれは人類戦争技術の結晶。
伝説となった破壊芸術品。
『ZGMF−X10A フリーダム』
「なんだ……って?」
ユウナの呟きがカガリの耳に届く。カガリはといえば、声も出せずに絶句していた。周囲にいる他の人間、護衛兵やMSですら呆然として動けなかった。そうしている間にフリーダムはカガリの前に降り立つ。
そして、その手をカガリに向けて伸ばした。卵をつまむようにゆっくりと、しかし決して逃げられないほどに力強く。
その動作に、呆然としていたユウナが我に返る。
「何をするだーーッ!」
言葉と共にカガリのもとへ駆け寄るが、距離から言って間に合いはしない。
立ちすくむカガリが、フリーダムの巨大な手に包まれんとした時、凄まじい竜巻が巻き起こり、フリーダムの腹部を押し上げ、その巨体を突き飛ばした。
「なぁっ?」
いきなりの衝撃にキラも面食らう。スラスターを吹かし、宙を飛んで状況を確認する。竜巻は既に消え、代わりにいつの間にか一体のムラサメが地に立ち、上空のフリーダムへと銃口を向けている。
「さて……カガリ代表から離れたところで、コクピットから降りてもらおう」
ウェザーは、有無を言わせぬ口調で要求した。
「邪魔しないで!」
もちろんキラは突っぱねる。
空気を引き裂き、猛スピードで急降下するフリーダム。ビームによる攻撃は流れ弾による被害があると考え、接近戦で片付けるつもりなのだろう。
ウェザーはビームサーベルの一閃を辛くもかわし、空中に舞い上がる。フリーダムが追い上がってくることを確認し、ウェザーはとにかく防御に重点を置いて対応する。
フリーダムを落とすなどという欲は出さない。そこまでの戦闘をすれば、周囲がメチャクチャになるのは目に見えているし、技量的にも自信はない。
「カガリが避難するまで付き合ってもらうぞ」
ボソリと呟き、ウェザーはスタンドを展開した。空気の層が生まれ、フリーダムの速度が抵抗を受けて鈍る。
「なんだ……オーブの新兵器?」
不可解な抵抗に疑問を覚えるも、キラは無理すれば押し通れると見て、突進する。実際、宇宙から大気圏に突入できるだけの装甲である。ムラサメに到達することはできるだろう。ムラサメが動かなければ。
黙って斬られるまで待っているはずもなく、ウェザーは攻撃をかわした。
「くっ!」
キラは近接戦闘では倒しづらいと考え、ビーム攻撃に切り替える。しかし、そのビーム攻撃も射線が歪み、当たらない。
「特殊な力場が発生しているのか……?」
そう推測するも、対抗策が見つからない。戦況は膠着していた。
―――――――――――――――――――――
「うわぁ……えらいことになったなこいつは」
呆れた声を出し、カメラでその光景を撮影する。
上空ではフリーダムとムラサメが戦っている。いや、戦っていると言うよりは、フリーダムが一方的に攻撃し、それをことごとくムラサメがしのぎ続けているという状態だ。
どちらも相手を倒せぬまま、時は過ぎていく。周囲には他にも数機のアストレイが飛んでいたが、フリーダムに近づいたアストレイは、一瞬にして武装を破壊され、戦闘不能にされる。中々手出しできず、様子を見守っていた。
「そうか……『そこ』にいるのか。お前は」
彼女は懐かしさに笑みを浮かべる。だがいつまでもこうしていると、流れ弾にでも当たるかもしれない。正式な再会を楽しみにしつつ、彼女はいったんその場から離れた。
―――――――――――――――――――――
「何がどうなってる!」
カガリは思わず怒声を放った。
なんだってこんな時にあれが来たのだろう。あれは間違いなくフリーダムであり、ということはつまり、あれに乗っているのはカガリの兄弟であるキラ・ヤマトである。その彼が、なぜこんな真似をする? 突然セレモニーに現れ、戦闘を行うなど。
「なんだかわからないけどねぇ! とにかく安全な場所へ」
隣を走るユウナがそこまで言ったと同時に、カガリは急に倒れ込んだ。
(なんだっ)
カガリは足に違和感を覚え、目を向けると、彼女の右足首を地面から生えた『手』が、がっしりと掴んでいた。
「な――」
悲鳴をあげる暇もなく、カガリは手によって地中へと引きずり込まれる。
「カ、カガリィッ!!」
ユウナが彼女の手を咄嗟に掴み、踏ん張った。そのおかげで、カガリは腰まで引きずり込またところで停止する。だが足首から手は離れず、なおも強い力で彼女を引っ張る。
「くっ、こ、これもスタンド能力かっ!」
カガリがユウナに握られていない方の手で、地面を押して出ようとする。だが相手の力の方が遥かに強い。どちらが先に力尽きるかの勝負になると思われたとき、カガリの手を掴むユウナの力が急に落ち、カガリの上半身は急速に地面に吸い込まれていった。
「ユウナ!!」
カガリが最後に見たのは、数本の石槍に刺され、血を流して地に伏せる、ユウナの姿だった。
「はい、こちらヴェルサス。カガリ・ユラ・アスハは確保しました。アークエンジェルまで運びます。キラ殿、それまでの援護をお願いします」
ヴェルサスは了承するキラの声を聴きとどけ、通信を切る。
彼はムラサメのコクピットにいた。膝の上に気絶したカガリを乗せている。背後には半ばコクピットにめり込んだセッコがいた。カガリをさらってきた功績の褒章として与えられた角砂糖をかじっている。
このムラサメはさきほどセッコに奪わせたもので、元々のパイロットは放り捨ててある。運がよければ助かるだろう。
(ユウナ・ロマ・セイランはどうかな……セッコの噴き出した石槍をもろにくらったからな。まず助かるまい……。奴らのご機嫌を損ねるかもしれんな)
ムラサメはヴェルサスの操縦で飛び上がる。卓越した戦闘をするほどの腕はないが、この程度は簡単だ。そしてアークエンジェルの待つ海へと向かう。
途中、オーブMSを振り切ってきたらしいフリーダムと合流する。追いかけてきたムラサメはフリーダムに翼を破壊され、落ちていった。
「とりあえずは成功か……」
そうは言うものの、先がまったく見えない。ヴェルサスは何の達成感もなく、帰路に着いた。
―――――――――――――――――――――
ユウナは目を覚ました。どうやら病室で眠っていたらしい。しばらく、焦点定まらぬ目で天井を眺めていたが、やがて跳ね起きて叫んだ。
「……………そうだカガリはっ!?」
「連れ去られた」
冷徹な答えに、隣を見ると、ウェザーが座っていた。看病してくれていたらしい。
「ウェザー!! 連れ去られたって……!!」
「ムラサメが一体消えていた。どうやら俺がフリーダムを相手にしていたうちに、別の侵入者が奪って逃げたらしい。おそらくそれにアスハ代表は乗せられていたのだろう。待機していたアークエンジェルにフリーダム、ムラサメが収容され、潜って逃げたようだ」
「くそ!!」
ユウナは感情の高ぶりを抑えきれず、ベッドに拳を打ちつける。
「すまん……俺がフリーダムを逃さなければ……」
深追いは危険であると考えたのだ。もしも向こうが殺す気でかかってきたら、技能の差から考えてまず勝てない。だが、こんなことなら命に代えても追うべきだった。
「いや……君のせいじゃない。それに、誰の責任かなんて言っている場合じゃない。どうにかしてカガリを助けなければ」
なぜキラ・ヤマトが、ラクス・クラインがこんな真似をしたのかわからないが、どうにか対策を立てなければ。
「あれ……ところで、僕は何で生きているんだ? かなり重傷だと思ったけれど」
「それは彼女のおかげだ」
「彼女?」
ウェザーが目配せする。そこでようやく、ユウナはこの病室にもう一人人間がいることに気づいた。
ウェザーの背後に、壁を背にして静かに立つ女性の姿があった。カガリのように短い髪、背丈は160センチ強、細い体つきをしている。顔のつくりは可愛らしいが、浮かべる表情は戦士の強さを感じさせる。
「俺の昔の友人だ。彼女が君の傷を手当てしてくれた」
そして彼女は口を開く。
「感謝しなよ。あんたがウェザーの知り合いとは思わなかったけどさ」
思ったよりも明るい声だった。
「『フー・ファイターズ』、あるいは『FF』……私のことを呼ぶなら、そう呼びな」
To Be Continued……
以上です。本当はカガリ説得や、ヴェルサスの気苦労を書きたかったのですが、次回に回します。
『第13話・フリーダムがやってくる』終了。次回『第14話・自由人の狂想曲』。次回もラクスたちは自由に狂ってる予定です。
おおおおおおおお!!!
FFキタ━━━ヽ(*・∀・)ノ┌┛)゚Д)、;'.━━━━♪」
戦闘を複雑化する回復要員の参加とこれからの展開に期待します!!
リアルタイム更新GJ!
どんな強力な攻撃も『当たらなければ意味が無い』ですな。
しかし、ヴェルサスよ…そのうち胃に穴が空くんじゃ無いだろうかw
スタンド使いとして目覚めるまで不幸。
スタンド使いに目覚めてもわけのわからぬカタツムリ地獄に巻き込まれ不幸。
転生しても奇人変人大集合の面倒見させられて不幸。
とことん不幸の星に生まれてるのね、ヴェルサス。
DIOの息子で死んだのってジョルノ以外全員だっけ?
GJ!!
FFゥゥゥゥゥゥゥ!!!!
まさかと思ったがグッと来たぜ!!!!
もしや次回ダリオの孫登場か??!!
いつも思うがフリーダムは本当に自由だな
少しは自重しろw
>>606 6部に出てきた三人息子は全員死亡だったかと
FFかぁいいよFF
ヴェルサスに同情する日が来るとは・・・・・・
>>カガリ説得
洗脳の間違いじゃ・・・・
>>610 ウンガロは希望のない人生に戻った事を悟って再起不能なだけで、死んではいないはず。
614 :
610:2007/11/02(金) 15:48:13 ID:???
>>613 あ、そうだったのかスマン
なんか再起不能時の顔的に死んでるもんだと思ってた
>「何をするだーーッ!」
若き日の英国紳士っぽい、拳を握ったユウナが脳内再生されましたw
「ウェザー」と「FF」ッ!
この世にこれほど相性の良いスタンド使いがいるだろうか!
………実際この二人がタッグ組んだらめちゃくちゃ強いよなぁ………
>>616 集中豪雨&FF大増殖という凶悪すぎるコンボがあるからな
しかもその間FFは不死身に近いし
ところで、ミリアリアの報道仲間ってFFで合ってるんだよね?
>>617 だと思うよ。
時にMSを外殻だけにして、ウェザーで増殖したFFを入れれば、
見た目はMS!中身はスタンド新生物!!!の究極兵器が出来るんじゃないか?
人間大の時に弾丸を弾くストーンフリーといい勝負してたんでスピードは抜群だろうし、
握っているストーンフリーの拳を無理やりこじ開けるパワーもあるんで、
近距離戦最強のMSになれると思う。
ダメージはウェザーの雨で回復可能だし、ビームが当たっても爆発しないしw
>タッグ
セックスピストルズとエアロスミスの一斉射撃が見てみたかったが駄目だった
>>618 ちょwww無敵すぎるwwww
ブ男でも持ち出さん限りかないっこないぞwww
それだと基本の水の消費量もやばいことになりそうなんだけどw
水タンクをつけるか海の機体にしたら無敵そうだな
>>620 そういやブ男さんのあれは何気に凄いスタンドだったんだよなぁ
っていうか三部は特殊能力はほとんどないけど純粋なパワーは相当な奴らが多かったな
ブ男は何気に主人公パーティー最強
だから荒木にガオンで抹殺された
実際、如何なる物理法則も無視して炎を操れるって無茶苦茶な能力だもんな
他作品の半端な魔法使い程度じゃ絶対勝てん
フーゴの毒ガス能力も強すぎたせいで、戦闘に出たのは一回だけで退場させられたし、
(その能力をアレンジしてチョコラータにしたという説もあるけれど)
重ちーも早々に退場、空間を削れる億泰は能力をいまいち活用できないおバカキャラになったわけだ。
フーゴもおバカキャラなら続けられたのに…
毒ガス能力強すぎで展開思いつかねーよ
↓
裏切らせて敵にするお
↓
後味悪くなりそうだからやっぱやめた
↓
退場
俺も当時フーゴはいつ再登場するのかと思ってたら、そのまま5部が終わって唖然とした
まさかあそこで事実上のリストラとは誰も夢にも思わんかったろうな
>626
「このド低能/腐れノウミソがー!!」が、ナランチャいじりネタが、使えなくなるじゃないか!
むしろナランチャにフォークを刺されるフーゴ
小説版だと再登場してるけどな
5部小説はフキョカ
>>629 ここは一つ、ナランチャと双子という設定で。
5部小説のどこ辺がアウトかねぇ
3部小説はバギーを砂漠で失ってる時点で既にパラレルワールドだけど
作者本人も無かった事にした、GE製イキモノのダメージ反射設定を
使った辺りか?
・
>>635も挙げてるダメージ反射設定がクライマックスで使われてた
・何が綱渡りなのか分からんフーゴの暴挙(やってることはチョコばりのゲスな暴走)
・オリジナルキャラの爺さんを見下すフーゴはどう見てもただの厨二病なキレやすいだけの現代っ子です本当に(ry
・性格が改変通り越して改悪(例:父親が何者か知ろうと覚悟決めたはずのトリッシュが依然我がまま)
・ミスタがヒットマンやってたことになってる
・エアロスミスは機雷の探知はできません
・抗体できてても無意味だよ、PHのウイルスは進化するから
・既にリビングデッド化してるブチャラティは腐らないはず
・「アリアリ…アリーヴェデルチ」が無駄にかっこ悪い書き方されてる
今思い出せるだけでもこれだけある
ところでセックスピストルズで曲芸並の軌道修正や一回で弾二発撃ちだすのを使ったフェイクができても、
あんな銃身短いリボルバーじゃライフルに勝てないと思うんだ
ライフルの弾をピストルズではじき返すとかできそうな気がする
ジョンガリAとミスタの駆け引きは面白いかも知れんな
>>634 ンドゥール戦の後、その影響でガタが来て壊れた、と解釈していましたが。
>>636 ・トーキング・ヘッドが暗殺チームのスタンドにされている。
投下します。
ガンダムSEED・BIZARRE
『PHASE 14:自由人の狂想曲』
「どういうことだァァァッ!!」
カガリがキラとラクスに対面し、放った第一声がそれだった。
確かに、まったくそれ以外に言うことはあるまいと、やや離れて見ていたヴェルサスは内心頷いた。隣のンドゥールはこの作戦に参加しておらず、事態をよく知らなかった。
「どうしてアスハ代表は怒っているのだ? 救出作戦と聞いていたが」
「いや、オーブが戦争しようとしていて、それは間違っているからだそうだ」
ンドゥールの問いにヴェルサスが答える。
「んん……つまり、彼らはオーブが戦争をするのを止めたいのか?」
「そうらしい」
「それがなんでカガリ代表をここに連れてくることに繋がるのだ?」
「それなんだが……俺にもよくわからん」
二人が小声で話しているときも、カガリの怒りは続いていた。
「いきなりセレモニーにMSで乱入して、戦闘した挙句、国家元首をさらうなど、正気の沙汰ではないぞッ!! そろいもそろって頭脳がマヌケか!! 脳みそがクソになっているのかァァァッ!!」
「カガリさん、はしたない」
マリューが恐る恐るそう囁くが、ギラリと睨んだカガリの目に、言葉を失う。
「あなた方がついていながら、何ですか! 国際手配クラスの犯罪行為ですよ!? なんでこんな馬鹿げたことを!!」
「返す言葉もない……」
バルトフェルドは深く沈んだ面持ちで言った。バルトフェルドはこの行動に関わってはいない。あれからずっとベッドの上で傷を癒しており、知ったのは作戦決行の真っ最中であった。怪我人に心配をかけたくないという配慮だったらしいが、余計なお世話だ。
(知っていればどうあっても止めたものを……)
マリューたちではキラたちを止めきれないとわかっていたのに。彼女たちはかつての戦争に巻き込んだという負い目もあって、自分よりキラたちに甘い。その上ラクスの不可解に強い影響力が加われば、結果は明らかだったはずだ。
バルトフェルドは深く後悔し、反省したが、もはや取り返しはつかない。
「でも仕方ないじゃない」
今までになく激烈なる怒りを見せるカガリに、酷くあっさりとキラが言った。
「なんだと?」
「こんな状況で、カガリにまで馬鹿なことをされたら、もう世界中が本当にどうしようもなくなっちゃうから……」
キラは静かに落ち着いていて、自分はちっとも悪いと思っていない、むしろ絶対に正しいと確信していた。
「馬・鹿・な・こ・と? お前が言えた台詞かァッ!!」
だがキラにカガリの怒りなど効き目はない。
「今のプラントとの協力体制が、本当にオーブのためになると、カガリは本気で思ってるの?」
「思っているに決まっているだろう! 連合と同盟するわけにいかない以上、そうしなければかつてのように焼き滅ぼされる! 他にオーブが取れる道があるというのか!!」
「でもそうして……オーブさえよければ、それでいいの? もしもいつか、オーブが他の国を焼くことになっても、それはいいの?」
「よくはない! だからといって焼かれるわけにはいかん! 国民を死なせるわけにいくものか!」
「ウズミさんの言ったことは?」
「む……」
『このまま進めば世界はやがて、認めぬ者同士が際限なく争うだけのものになろう。そんなものでよいのか!? 君たちの未来は!』
憶えている。無論、憶えている。今やカガリは父のすべてを肯定はしない。現在、生きている国民を犠牲にしてまでも、未来を守らなければいけないのかとも思う。だが、それでも父の言葉である以上、娘としては怯んでしまう。
「そうですわ、カガリさん」
その隙を突くかのように、ラクスは前に出て、悠然とした微笑でカガリに語りかける。
「ラ、ラクス……」
ラクスの静かな自信と清廉たる雰囲気は、カガリにはないものであり、苦手なものとなっていた。だからなのか、それとも違う力によってなのか、カガリは急速にラクスのペースに引き込まれていった。
「確かにカガリさんのおっしゃるように、戦いを仕掛けられた以上、守るために戦わなくてはならないかもしれません。しかし守るため、と言っても、やはり人を傷つけることに違いはないでしょう?」
「それは……そうだが……」
キラに対して行えた強い言葉も、ラクス相手では出てこない。ラクスの声は甘く、脳に直接入ってくるかのように、抵抗を奪うものであった。
「プラントは、自衛権の行使と称して自己の正当化をしていますが、やっていることは連合と大差ない、戦争です。そんな戦争に、オーブが参加してもいいのですか?」
ラクスの目が、カガリの目をじっと見つめる。純粋に、無垢に、穢れの一つもない瞳が、カガリを見据える。
「う……うう……」
カガリはのけぞる。ラクスに威圧感を与えられているのではない。逆に威圧感などが何もない故に、こちらの気勢が受け流され、一方的に消耗してしまうのだ。
「だ、だが、参加しない、という選択肢はなかったんだ」
「選択肢が無いから、仕方ないから……そんなふうに諦めてしまっては、見つかる答えも見つかりません。それは、かつての戦いでわかったのではなかったのですか?」
そしてラクスの目に、責める光が宿り、カガリを刺す。その時すでに、カガリは思考力を失っていた。
そこまで話を聴いていたンドゥールは、訝しげに呟く。
「ヴェルサス……俺にはキラやラクスの言うことが、無理の押し付けとしか聴こえんのだが? 非難するばかりで具体案の一つも出さぬではないか」
「……俺に訊くな」
ヴェルサスは頭痛を我慢するかのような表情をしていた。
「でも……カガリさんだけを責めるわけにはいきませんわね。私もキラも、あなたを助けられずにいましたわ……」
「あ……」
カガリは唐突に与えられた『許し』に、心を開いてしまう。致命的に。
「ごめんね……カガリ」
キラも言葉をかける。駄目押しのように。
「でも……今ならまだ、間に合うと思ったから」
「間に……合う?」
カガリは痺れた脳でその言葉を鸚鵡返しにする。
「ぼくたちにも、まだいろいろなことがわからない。でも、だからまだ、今なら間に合うと思ったから」
「え、ええと……」
考えがまとまらない。反論することができない。疑問すら浮かばない。
「だからカガリ……一緒に行こう」
「……わかったよ、キラ」
ついに、ついにカガリは、頷いてしまう。
キラとラクスは安堵の笑みを浮かべ、そろってカガリに抱きつき、親愛の表現をなす。
「僕たちは今度こそ、正しい答えをみつけなきゃならないんだ。きっと……逃げないでね」
キラの言葉を聴きながら、カガリは現状が正しいと納得していた。キラたちの行動は正しいと認めていた。
(そう、こいつらの言うことは正しい……あれ? 何で正しいんだっけ? いや正しいから正しいんだけど。でも……あれぇ?)
一抹の疑問を抱えながら。
「……結局、何のためにアスハ代表をさらったのか、これから何をするのか、さっぱりわからんのだが?」
「……だから訊くなというのに」
ヴェルサスは疲れきった声で答える。彼は、改めてラクス・クラインという人間の扱いづらさを実感していた。
(ラクス・クライン。こいつの人を従わせる才能にもまして厄介なのは、こいつの在り方だ)
ラクスを観察していたヴェルサスは、彼女についてある程度の分析をしていた。
平和の歌姫と呼ばれ、現在人類におけるカリスマの頂点とされる彼女。しかし、彼女にはカリスマ性などはない。それどころか、彼女には何の実も無い。
人間、自分がまったく完璧であるという自信がある者はそうはいない。誰しも、自分に穢れや弱みがあると考えている。選択を間違えて挫折し、傷ついたことがある。愚かな行いをし、自らを卑下したこともある。そいうものだ。
ラクスにはそれがない。口では自分を罪人だと言うこともあるが、それは無意識にとるポーズでしかない。非合法的な行為についても、良い結果(ラクスの主観において)が出たのだからよいと考えている。
父の死さえ、悲しみの対象とはなれど、彼女自身の挫折とは感じていない。
何もかもうまくいってきて、誰からも褒め称えられてきた。だから、彼女は生きてきた中で、自分が間違ったことをしたと実感したことがない。罪を犯したと痛感したことがない。深刻なる挫折を経験したことがない。
穢れの自覚がないから、周りからは穢れていないように見える。純粋なる聖女のように錯覚してしまう。そんな周囲の認識は、彼女の人を操る才能の効果を、より大きなものにしているに違いない。
だが彼女の本質は、何もわかっていない赤子のようなものだ。そしてだからこそ、ラクスは自分に向けられる闘志も悪意も、深く受け止めることもなく、あっさりと受け流す。試練を知らぬ弱き精神。それゆえに、柳の葉のように力によって折れることも無い。
この奇妙な在り方が、どのようにして誕生したのか。
人を操ることで、周囲のすべてから賛同と賞賛を浴び続け、自らを否定されたことがない環境ゆえに培われたのか。それとも、もともとそういう在り方の人間として生まれたがゆえに、穢れ無き聖女として崇められ、そのうちに人を操れるようになったのか。
おそらくはどちらも正しい。元々、彼女は二つとも持っていたのだろう。どちらか一方だけであったなら、すぐに消えてしまうような小さな資質を。
人を操る才能を持たなければ、挫折することもできただろう。挫折することがあったなら、彼女は聖女とならず、人を操る才能も大した効力を持たなかっただろう。二つの小さな資質が、相互に強めあい、確固たるものとなってしまった。それが今の彼女だ。
(だが……こいつは人を操る力をコントロールしているわけではない。プッチは、スタンド能力と、相手に生きる理由と目的を与えることで、他者を従えていたが、それは奴の強い精神力が基盤となっていた。
ラクス・クラインは違う。自分を完璧と思い込み、挫折も過ちもなく、後悔も反省もせず、それをバネに成長することもなく、ここまで来た。こいつ自身の強さはほとんど無い。ただ無意識に、無自覚に、人を操るだけだ)
何もない最弱ゆえに持ちえた、最悪の力。
だが正体が割れた以上、もはや直接的恐怖の対象ではなかった。
意図的でないゆえに、影響力も曖昧。バルトフェルドやンドゥールのように、効き目が薄い人間もいる。そして彼女の在り方を理解した以上、ヴェルサスも錯覚にかかることも無く、操られることはない。
だが油断ならないことは変わらない。意図的でないということは、誰にも、ラクス自身にも、才能の効果がどう出るかわからないということだ。下手に動かれたら、ヴェルサスの意図などあっさり超えてしまうだろう。
また、何かの拍子でラクスが挫折してしまえば、彼女は聖女ではなく、ただの少女と成り下がる。いや、ただの少女より遥かに脆弱な存在となる。そうなれば、ヴェルサスの望む組織の力も、維持できまい。
結局、これからもヴェルサスが頭を悩ませることになるのは、変わらないということだ。
「ふざけるな……」
ヴェルサスは己の運命に対し、力なく抗議した。
To Be Continued……
以上です。ラクスという人間について、この作品での設定を書きました。
ヴェルサスは最初、キラやラクスをいいように操るという設定だったのに、なんでこんな苦労人になっているんだろう……?
GJ!
なんて奴らなんだキラクスは…
ラクスなんてものをしょい込むことになったヴェルサスに同情。
GJ!
無茶苦茶に叩かれてる五部小説でもパブリックイメージリミテッドは評価されてもいいと思うんだ
ただヴェルサスにとっては
そんなラクスを守らなくてはならないって葛藤もあるしな
ドム3人衆と違ってこの三人はラクスの重臣としていいわ
カガリのプッツンぶりとンドゥールの的確過ぎる突っ込みに吹いたwww
特に今回のカガリは荒木絵になっててもおかしくないってか違和感全く無しなノリだったな
「脳ミソが糞になってるのか」なんて種死世界の住人に吐けるセリフじゃないだろ常考
しかしラクスの毒電波を会うたびに聞かされたんじゃ、カガリも洗脳一直線だな
果たしてどのあたりで洗脳は解けるのか・・・
ラクス挫折フラグも立ってるし、色々伏線が混じって面白くなってきた
あとやっぱりヴェルサスは可哀相な子
GJ
ヴェルサスがんばれ超がんばれ
カガリもこのCE世界で改めてがんばれ
かわいそぶって同情引いて他人を動かす人間よりタチ悪いなあ、ラクス
シーゲルは愛情込めて娘を育ててたつもりが、とんだモンスターになっていたわけだな。
その結果フリーダム略奪という娘の愚行でわけもわからぬまま反逆者の黒幕の汚名を着せられてみじめに死んだ。因果だな。
大きな子供なりに、
ポリシーに一貫性があればいいんだけど
その対象に成り得たはずの反戦も「戦ってもいいものです」とあっさり放棄したからな
しかも本人がその事に何の痛痒も感じていない
それまでに殺されていった連中があまりに浮かばれない
GJ!
ラクス…
おまえは……自分の『汚点』に気づいていない…
もっとも純白なる『無垢』だ…
今思うと彼女ほど『邪悪』という言葉が似合う人間はいないな。
虎さんとンドゥールのこれからについての話し合いなども見てみたいです。
(具体的にキラとラクスが何したいのかを虎に聞くみたいな)
GJでした
ここのラクス、X運命の初期ラクス並みに怖いな…
どんな混乱を巻き起こすことやら…
カガリ一人が好戦派大本なら拉致ってのも分かるが
身内が戦争指揮するなんて嫌(汚い事はセイラン家にさせておきたい)って感情と
政略で結婚させられて可哀想っていうお節介だけなんだろうな>ラクスは何がしたい
まさにGJ
懊悩しながらもきっちり分析してるヴェルさんの天才的頭脳と、板に付きすぎてる苦労人っぷりに感動した…
>>655 確かに似てるよな
あっちの方のシン&ガロードコンビみたく、JOJOキャラが理路整然とした説教してくれる展開を望む漏れ
あと下手にラクスに説教等できない(組織を維持するために)ヴェルサスがとても気の毒ですw
あっさり堕ちたなカガリ・・・。
そしてスピードワゴンがラクスから悪党に臭いを嗅ぎとれなかったわけが、よくわかりました(笑)
TVでルージュで介入してきたあたりでウェザーに説得されて正気に戻ると予想。
ついでにラクスがたちの悪いクレーマー兼アジテーターということもウェザーが看破してくれると予想します。
X運命スレの二の舞になりそうな予感
でもX運命スレは嵐とか議論(というか叩きや煽り)とか職人アンチとかでgdgdになったように覚えてるんだが
その辺についてはここは大丈夫なんじゃね
>>659 敵に説教なんて展開はジョジョ的ではないと思うんだ
>>663 ジョジョキャラは結構戦いながらブツクサ言ってるけど。
最後には殺すがねw
しかし説教はほとんどなかった
フーゴがCE世界に来てないかなー?
フォークをキララクに突き立てて、「このド低脳がぁーッ!!」とか読んでみたいのさw
さあ空気がおかしくなってまいりました
ジョジョが好きなタイプの人間はラクスが嫌いってのは分かる、自分もそうだし
まぁ、一部三部共に追い詰められると毎回チンピラ化する卑小な本性を
取ってつけた帝王ベールで塗り固めてる浅いキャラでありながら
妙なファン層が未だにくっ付いてるDIOもラクス同様に大嫌いだが。
確かにディオはチンピラだと思うが浅いキャラだとは思わない
何いってんだよその小物っぷりがDIOのいいところじゃねぇか
DIO様は帝王って偉ぶっている割には
「ノリが良い」「重度の負けず嫌い」「追い詰められると激情家」「さり気ない解説役」「意外と紳士?」「小さな名言集」etc,etc...
と、結構好かれる要素満載だぞ。
672 :
通常の名無しさんの3倍:2007/11/05(月) 18:54:40 ID:Y95dUiDZ
>何もない最弱ゆえに持ちえた、最悪の力
サバイバーを思い出した。
一部と三部のディオが肯定して六部のディオを否定する奴はにわか
>>668 >取ってつけた帝王ベールで塗り固めてる
そうか?DIOと同じような帝王ベールなんてもんは見たことないぞ?
>>674 まあ凄まじい混乱というか争いを巻き起こすという点でサバイバーを思い出したんじゃないか?
>>675 そういや、ダンのやつも来ているのか?
出てきたら議長かミーアあたりを人質に取りそう。
ダンは承太郎に死ぬほど殴られたけど死んではいないだろ。
3部で死んだのはグレーフライにキャプテンテニールに醜女帝に両手が右手の親子にペット・ショップに
ンドゥールにヴァニラ・アイスにDIOにヌケサクに花京院にブ男にイギーで全部かな?
怖さを知り、恐怖を我が物とすることこそが「勇気」!
人間の素晴らしさは勇気の素晴らしさ!人間賛歌は勇気の賛歌!!
挫折を知らず、恐怖を知らないラクスは「勇気」を知らぬ!
蚤と同類よぉぉ!!
という書き込みがまだ出てないことに驚いた。
人間賛歌なのに人間を否定するのは何か矛盾してないだろうか
ダイアーさんが出てるから、同じ波紋使いのツェペリ一族はこの世界に入門する資格あるわけだよな。
>>679 ツェペリのおっさん乙w
ところで今になって思えば、ギアッチョがあそこでヴェルサスの仲間になってたら今頃恐ろしい事になってたな
「『オーブを戦争に介入させないためにアスハ代表を誘拐する』の……
『オーブを戦争に介入させない』って部分はよくわかる……スゲーよくわかる
オーブの理念は他国を侵略せず、他国の戦争に介入せず、自国を守ることだからな……そのご立派な理念を守りたいっつーのはよくわかる
だが『アスハ代表を誘拐する』ってのはどういうことだぁ〜〜?
なんでアスハ代表を拉致る事がオーブの理念を守る事に繋がんだよ!?
オーブに残ってる奴らが戦争始めちまったらオーブの理念が守れねーじゃねーかッ!
アスハ代表を拉致ってそれでオーブの理念を守れるっつーんなら守ってみやがれってんだチクショー!
どういうことだよクソッ! ナメやがってクソックソッ!」
>>660 その辺りはまだ考え中ですが、予想されると外したくなる。
>>681 今にしてみれば、出してもよかったと思うけど、一度出しませんと言ってしまったことだし、出さない方向で。
久々の連日投下!!
そして、ヴェルサスは割り当てられた自室で、ぐったりと椅子にもたれて座った。あの後、カガリは首を傾げながらも、こちらの行動を認めてくれた。あとでまた納得いかなくなるかもしれないが、それはもう自分にどうこうできることではない。
やることといえば、逃げられないように注意しておくことくらいだ。今更逃げられて、オーブに自分たちの存在を知られるのは困る。
このアークエンジェルの警備システムを避けて逃げるのは至難の業ではあるが、念には念をだ。こっそりカガリの部屋にカメラや盗聴器をしかけておくべきか。
「むしろ、キラやラクスに仕掛けた方がいいかもな……何やるか想像もつかん」
滅入る気分を鎮めるため、彼はポケットから一つの箱を取り出した。結婚指輪の箱のように小さいその箱を、ヴェルサスは丁寧に開く。
箱の中身は、指輪や宝石などではなく、ほんの一握りほどの土だった。だがただの土ではない。この世界ではここにしかない土だ。それは『異世界の土』。
「『アンダー・ワールド』……」
ヴェルサスはその土を掲げながら、スタンド能力を発現させる。
形状は人型。頭部には目や口、鼻、耳、髪の毛などの部品はなく、代わりに階段の手すりのような飾りが張り付いている。
能力『アンダー・ワールド』。
『過去を掘り起こす』スタンド。大地は、過去の出来事をすべて記憶している。磁気テープのように、デジタルカメラのように。
父親に銃で撃たれた少年のことを、地面に墜落した飛行機のことを、原始人の石器に刺し殺されたマンモスのことを、凶弾に倒れた最初のコーディネイターのことを、突き立てられた無数のNジャマーのことを、
友をかばって死んだザフトの赤のことを、すべて記憶している。
その記憶を掘り起こし、過去の出来事を再現することができる。戦いともなれば、墜落する飛行機を掘り起こし、敵をそれに乗せてしまうことで、墜落に巻き込ませて殺すことができる。また知りたい過去を掘り起こし、実際に何があったのかを見ることもできる。
そして今、彼はこの『異世界の土』の記憶を、掘り起こした。
浮かび上がったのは、一人の男の後姿。
黄金色の頭髪。
透き通るような白い肌。
男とは思えないような妖しい色気。
その首の付け根には星型のアザが見られた。
その顔の見えぬ男こそ、ヴェルサスの『父』であった。
『ディオ・ブランドー』
彼らを取り巻く運命、そのすべての始まりとなった存在。
「おお……」
ヴェルサスは恍惚の声をあげた。ただの過去の再現と、わかっていてもなお鳥肌が立つ。心臓が高鳴り、魅了されざるをえない。
プッチ神父から教えられた、彼の存在。彼が己の父であるということが、ヴェルサスの誇りのすべて。
ヴェルサスは己の記憶をたどり、あの日を思い起こしていた。
―――――――――――――――――――――
そこは古びた屋敷。スラム街の中にあり、今にも倒壊しそうであったが、そこに住む者は存在した。夢も希望も持たず、ただ生きているだけの人間だった。何をすることもなく、死ぬまでこの世にいるだけの存在だった。その日までは。
「貴様が……DIO様の息子だと?」
盲目のスタンド使い、ンドゥールは敵意を込めて吐き捨てた。彼が宿としていた屋敷に足を踏み入れた者は、彼にとっての聖域にまで、足を伸ばしてきた。
「まあ落ち着いてくれ……」
その客人、ヴェルサスは当時、【一族】の組織に入り活動していた。秘密主義の彼の組織に入ることは簡単ではなかったが、【一族】の方もヴェルサスの能力を高く評価していたらしく、利用できるうちは使ってやろうと判断したのだろう。
「俺がDIOの血をひいている。嘘ではない。嘘ではないが……信じる必要は無い。話したいことは別にある」
「たとえ本当であったとしても、俺には関係ない。DIO様の血をひいていようが、DIO様本人でなければ、意味のないことだ」
【一族】の中で働くうちに、偶然このンドゥールの情報を掴み、彼はンドゥールを味方に引き込むため、交渉を行った。ンドゥールのことは、プッチ神父の昔語りから聴いていた。その能力も、彼がDIOの狂信者であることも。
「そのDIOのことさ。あんたは、『向こうの世界』でDIOが敗れたことを知っているか?」
突如、空気が変わる。
「DIO様が……なんだと?」
激情を押し殺そうとして、殺しきれなかった声が、ヴェルサスの耳を打つ。殺気だけで人が殺せるなら、ヴェルサスは十回は死んでいただろう。
「負けたのさ。ジョースター一行の手によって、その命を絶たれた」
そう言った途端、水のスタンド『ゲブ神』が、ヴェルサスを襲った。だがその一撃はヴェルサスが『掘り起こした』障害によって防がれた。
「あんたのスタンドの殺傷能力はかなりのものと聴いているが……さすがにこいつは切れなかったな」
組み立てられる前のMSの装甲である。
「おのれッ!!」
「落ち着けって」
なおも攻撃をしようとするンドゥールだったが、ヴェルサスが次に掘り起こしたものの前には、怯まざるをえなかった。床下を突き破って現れたのは、こちらに向けられたビーム砲の口。
「いくらあんたでも……冷静さを失った状態で、おれを相手に勝機はない。違うか?」
「くっ……」
「あんたと戦いに来たんじゃないんだよ俺は……交渉しにきたのさ。こっちの世界に、ポルナレフが来ているぜ?」
いきなりの言葉に、ンドゥールは呆然となる。
「ポルナレフはDIOの戦いで生き残った三人のうちの一人だ。残る二人はジョセフ・ジョースターと空条承太郎。花京院とアブドゥルは死亡した。こっちで確認されているのは今のところポルナレフだけだ。現在、ザフトにいる」
「……なぜそんなことを教える?」
「仇、とりたくないかい?」
ヴェルサスは、ンドゥールが話に食いついたことに喜びの笑みを浮かべる。
「あんたの心の支えであったディオ・ブランドー……ポルナレフはDIOの殺害に手を貸し、それからも生きていたんだぜ? 復讐するに値しないかい?
俺の力になってくれるならば……見返りにポルナレフとの戦いをセッティングしてやる。ザフトに所属している人間に、個人で挑むのは苦労するからな」
ヴェルサスの申し出にンドゥールはしばし黙っていたが、やがて口を開いた。
「貴様に乗せられるのは忌々しいが……この身はDIO様に捧げたもの。この命も人生も、DIO様なくして意味はない。この世界にDIO様がいない以上、せめてDIO様の敵を倒すことに命を使うのも悪くはあるまい」
そう言うものの、別に良いわけでもないのだろう。復讐したところでDIOが生き返るわけでもない。だが、DIOを殺した報いを、受けさせないという選択肢もなかった。ンドゥールは酷く面白くなさそうに言い放った。
「ああ、実にいい答えだ。そうだ、もしも花京院やアブドゥルらの情報が入ったら、そっちも教えてやるよ」
「何? 奴らもいるのか?」
「それはわからないが……いないとも限らない。何せ、この世界には死者が集まっているんだからな」
ヴェルサスは解説を始めた。この世界のことを。死んだはずのンドゥールが、ここに生きている理由を。
ヴェルサスの他にも、DIOの息子はいた。ヴェルサスが知る限り、他に二人のDIOの血をひくものがいた。
一人の名はリキエル。熱を吸収する怪生物・ロッズを操る『スカイ・ハイ』を使うスタンド使い。
もう一人の名はウンガロ。彼のスタンド能力は『自由人の狂想曲(ボヘミアン・ラプソディー)』。その力は、創作されたキャラクターに命を与え、実体化させること。
「この『ボヘミアン・ラプソディー』が、俺たちの今の状況に深く関わっているのさ」
ボヘミアン・ラプソディーは、まずピノキオやミッキー、白雪姫、スパイダーマン、鉄腕アトム、ラオウ、女神ヴィーナスなどのキャラクターを、創作に込められたエネルギーを利用して現実世界に実態として生み出す。
そして、それらのキャラクターを好きな人間は、それを目撃したら『魂』をキャラクターの世界に引きずり込まれ、肉体と分離した『魂』は、その物語と同じキャラクターの結末を辿ることになる……。
「そこでだ。もしも、肉体をはじめから持たない『魂』……『幽霊』がキャラクターの世界に引きずり込まれたら、どうなると思うね?」
ボヘミアン・ラプソディー自体は、ウェザーの活躍によって倒され、その能力は完全に封印された。そして引きずり込まれた『魂』も、物語の中から肉体へと戻っていった。
しかし、戻る肉体を持たない『魂』はどうなる? 物語の中から、戻ってくることができるのか?
「その結果がこれさ。俺たちは今、『物語』の中にいるんだよ」
『魂』たちは戻れなかった。ボヘミアン・ラプソディーの能力が半端なところで中断したために、物語と同じ結末を辿ることもなくなった。自我と行動能力を持った存在として、物語の中に存在するようになったのだ。
「では……我々はもはや生きていない偽りの存在だというのか? 空想上のキャラクターにすぎないと?」
「それはわからないさ。少なくとも、こうして俺たちは自由意志をもって生きている。それは確かだ。それに、俺たちが元々生きていた世界が、誰かの空想の世界でなかったなどと、どうして言える?
俺たちはひょっとしたら、二束三文のマンガ雑誌に書かれた登場人物にすぎなかったのかもしれない。あんたとジョースター一行の戦いは、アニメとして誰かに見られていたのかもしれない」
「そんな馬鹿なことが……」
「スタンド使いの俺たちが、今更そんな常識めいたことを言うのもおかしいだろ? それにもしそうだとしても、俺たちがやることに変わりはない。生きていくしかないだろう?」
さしものンドゥールも、ヴェルサスの言う『真実』を受け止めることは容易ではないらしかった。無理もない。今の自分が作り物の存在だなどと。その命も、DIOへの想いも、ただの『設定』にすぎないと認めるなど。
「……だが、お前はそのとき、生きていたのではないか?」
ひとまず答えの出ない悩みを棚上げし、ンドゥールは問う。話を聴けば、そのボヘミアン・ラプソディーが発動していた頃、ヴェルサスは生きていたはずだ。
「俺の能力『アンダー・ワールド』は過去を掘り起こす。死ぬ間際、俺は必死の思いで本能的に『ボヘミアン・ラプソディー』の現象を掘り起こすことができた。実際、大した偶然だったよ。いや、奇跡かな。それによって俺はこの世界に引きずり込まれた」
そのとき、同じく死亡していたウェザーの魂も引きずり込まれていたのだが、ヴェルサスもそれは知らなかった。
「もう一つ。なぜ、この世界にばかり引きずり込まれたのだ? 創作物は世界に多くあるではないか」
「スタンド使いは引かれあう、という性質のせいかもしれない。一人のスタンド使いの魂がたまたまこの世界に引きずり込まれ、それに引き付けられて、他のスタンド使いもこの世界に来た。
だが疑問点もある。こちらの世界に来ているのがスタンド使いばかりではないということだ。それから考えるに、DIOとジョースターの因縁にかかわる者たちが、その運命によって集められたのかもしれない……どちらにせよ想像にすぎないがな」
「ふん、まあいい。だがそうか……それで、花京院やアブドゥルもいるかもしれないと……」
「そういうことだ」
ンドゥールは頷き、
「よかろう。ジョースター一行の情報があればそれを教えろ。そして、この俺と戦わせろ。代わりに、お前の手足になってやる」
交渉は、成立した。
―――――――――――――――――――――
それから今に至る。
【一族】のもとで働き、ユニウスセブン落下にも手を貸した。グレーフライを探し出して雇ったのは彼だ。ンドゥールには情報を与えているが、彼とポルナレフを戦わせる状況はまだ作れていない。そして【一族】無き今、こうしてラクス・クラインを利用している。
だがそうは言っても無様なものだ。あんな小娘に頭を痛めている自分が腹立たしい。
「それでも……最終的には俺が勝つ」
ヴェルサスはDIOを見つめて誓う。
この世界に来る前に、死の間際で彼が掴んでいた一片の土くれ。それに刻まれたDIOの情報。だが、再現できるのは後姿だけ。DIOの顔を見ることは叶わない。アンダー・ワールドの力が足りず、情報を掘り起こしきれないのだろうか。
それでも、2年前に比べれば、ほんの少しであるがこちらを向きつつある。
(目的を達成したとき、俺はDIOと向き合えるのだろうか)
DIO。ヴェルサスにとってあまりに遠い存在。
プッチ神父は言った。
『王の中の王』と。
ンドゥールは言った。
『悪の救世主』と。
だがDIOも元々はただの人間に過ぎなかったはずだ。それがこんなにも多くの人間の運命に関わり、巻き込み、犠牲にしてきた。
良心のブレーキがなく、目的のために手段を選ばないというだけなら、珍しくない。それだけなら、夜の街でやかましく騒いでいる、考えなしのチンピラも同じことだ。だが、DIOの悪はあまりに巨大だった。
いくら好き勝手に悪をなすといっても、常人であれば殺人や略奪程度の、小さな悪で終わってしまうだろう。だがDIOは世界のすべてを我が物にし、作り変えてしまおうとするほどに巨大だった。世界を狙えるという精神だけで、彼はすでに他を圧倒していた。
その比肩するものなき野心の巨大さゆえに、彼は『王の中の王』であった。力があるゆえに自由すぎて安住の地を持てぬ者にとって、彼はより強い力で自由を奪い、繋ぎ止めてくれる『救世主』であった。
「この世界にも、世界すべてを変えようとした者はいたようだな……ラウ・ル・クルーゼ、パトリック・ザラ、ムルタ・アズラエル。それに今はギルバート・デュランダルにロード・ジブリール、そしてラクス・クラインか」
だがそれも、自分を正義と思ってやったことだ。正しさという後ろ盾なしに、大業をなせるほど、強い人間はそうはいない。悪を自覚し、誇りや倫理、ご立派な大儀などなく、個人的欲望のために、世界を目指した者はこちらにはいない。
「俺以外はな」
やがてDIOの姿が消えていく。スタンドパワーの限界だ。
「俺は必ず、目的を達成してみせる……!」
この自分が。プッチ神父と出会うまでヘトヘトの人生を生き、それからも利用されて無惨な死を遂げた、この自分が。今度こそ、この世界で幸せになって見せる。いや、幸せなんて本当はどうでもいい。だが目的を達成したとき、自分はより強くなれているだろう。
(結局のところ……俺は貴方と肩を並べる場所に立ちたい。それだけなんだ……!!)
そしてヴェルサスは眠りにつく。力を蓄えておくために。いまだ遠い『父』を夢見て。
To Be Continued……
以上です。C.E世界になぜジョジョキャラがやってきたのか、について書きました。
なんかヴェルサス主役になってきた。もっと種キャラを書かないと。次回は帰ってきたアスランかな。
221氏乙&GJ!
ウンガロSUGEEEEEEEEEEE
あれ、なんだろうヴェルサス見てたら目から濁り酒が
GJ!
>一人のスタンド使いの魂がたまたまこの世界に引きずり込まれ、それに引き付けられて、他のスタンド使いもこの世界に来た。
これはもしかしてとばされてきたスタンド使いの中にガノタがいるってことなんだろうか
ミラ・ボンジョビッチが第一子出産ってバイオハザードの監督とできてたんだな
スレ違いだ!
ヴェルサスがんばれ。
全ての原因がウンガロとは・・・
てかこれでSBRキャラは参戦出来なくなったな。
投下乙!
なんということだ…
GJ!
>目的を達成したとき、俺はDIOと向き合えるのだろうか
すみません、何だかとてもヴェルサスを応援したくなったんですが。
そういや花京院は隠れゲーマーだったなw
>悪を自覚し、誇りや倫理、ご立派な大儀などなく、個人的欲望のために、世界を目指した者はこちらにはいない。
そういえばそうだったなぁ。誇りや倫理は無い連中ばかりではあるが、誰もが自分が正義だ、自分は正しいって言い張っていたな。
行動だけ見ると、ジョジョの各部ラスボスよりも性質が悪いがww
花京院はF-ゼロをやりこんでいたところから見ると、きっとガンゲーもやっていたに違いないと思うんだ。
きっと、ラクス親衛隊のドムを踏み台にするとか、輸送機をMSにぶつけるとか、色々やってくれるに違いない!
ちょっと待てみんな、三部当時はまだ種死どころか種も放映していなかったぞ。
逆に考えるんだ
ガンダムなら何でもよかったと考えるんだ
>>704 だけど、別のガンダムシリーズは知ってるかも知れないぜ。
ただガンダムシリーズの中でも一番ファンタジーやメルヘンが利く作品だろ、種・種死は。
宇宙空間でヘルメットが割れてても無問題だし、MS真っ二つでも無問題。物理法則? 時間設定? 戦時下? なにそれ? な世界だし。
Z〜CCAやX、∀も大丈夫っぽいが……。Gガンは、ファンタジーの域を超えてるし。
宇宙空間でヘルメット云々は他のシリーズでもよくあることwww
これからクロスオーバー作品の説明をする時は
「ドラえもんの道具の効果だよ」
「神である涼宮ハルヒが望んだ世界…」
「渋谷の空間に揺らぎが」
「これもイデの導きだってのかよ!?」
「ライディーンとラーゼフォンとエヴァが(ry」
「俺たちの世界は実験室のフラスコだったんだ!」
「意外!それはウンガロ!」
ということになるわけだなw
>>683 そんなことになったらギアッツョに論破されまくったラクスが絶望しちゃってヴェルサスの目の前が真っ暗にwwwwww
つ華麗に受け流して洗脳
さすがラクスだなんともないぜ
>>675 ラオウとか?
しかしンドゥールが救世主と崇め、アイスが全てを捧げた人物が
目潰しでも勝とうとするゲス野郎ってのが浮かばれない
あれ部下達の方が格好良いだろ
>>709 質問で返す連中には質問で返せばよか。
ギアッチョならラクスキラの10倍は投げ返すだろ
そういう問題じゃあない
>>684 「大人はウソつきではないのです、気がかわるだけなのです」
って手もありますぜ、ツェッペリさんだけに
>>709 言葉を受け流した所で拳は受け流せないだろ
ラクスをボコボコにするギアッチョを、果たしてキラが「やめてよね」で止められるのか…?
その発想はなかったわ
と言うかいいのかそれって……
>>711 まあお前さんの気持ちも解らんでもないが「浅い」キャラでは無い
お前さんが否定しているところこそが「深さ」でdioの魅力でもあると俺は思うがな…
まあ本気でそうした話がしたければジョジョの本スレでやればよかろうなのだァー!と思った俺ガイル
>>712 つまりこういうことか?
マウンテン・ティム「おっと会話の成り立たないアホが一人登場ォ〜〜
質問文に対して質問分で答えるとテスト0点なの知ってたか? マヌケ」
GJ!!ヴェルサスがカッコいい・・・キラやラクスと手を切ることがあるとしたら
ものすごく精神的にくる捨て台詞を言ってほしいな。
えーと、アナスイとエルメェスは出てこれないってこと・・・orz
FF出てきたから、2人も出てくると思ったのに・・・
7部はどうとでも言い訳出来そうだけど。
どっちが勝つか何て目に見えてるがな
負けたやつが出るならDIO様もでてくるのか?
だからでてこないって…なんどい(ry
>>724 そこら辺に関しても設定あるのかな
よくよく考えればダイアーさんやスピードワゴンの例もあるし、ヴェルサスの説明だけが全てじゃないのかも
そうか、ジョースター一族やラスボスが出てこない理由って
ヴェルサスが掘り起こしたボヘミアン・ラプソディーの記憶だけじゃ説明できないもんな
>>725 >>726 いやお恥ずかしながら、特に設定があるわけではないのです。
スタンド使い以外も引き込まれたのは、ヴェルサスの言ったように、DIOとジョースターの強い運命に巻き込まれた者たちが、またも巻き込まれたから。
ジョースター一族の場合、本編で死んだとはっきりしているのがジョナサンやジョージ1世、2世くらいですし、どうせなら脇役を目立たせたいなと思い、彼らは出さないことにしたという、作者の都合です。
ツェペリ一族は、シーザーをアークエンジェル側に出して、ただ一人の良心的役割をさせようとも思ったのですが、ジョジョキャラ出しすぎもよくないかと思い、その役柄はバルトフェルドに任せることに。
ボスについては、DIO→神父と一体化? カーズ→宇宙で生きている。それにさすがに宇宙は範囲外 ディアボロ→死んでは生き返っている ので、設定上出ないということに。
ただ、出して欲しいという人も結構いそうですので、話の展開上、より面白くなりそうだったら出してもいいかなぁと、心揺らいでいる今日この頃。
行き当たりばったりですいません。
行き当たりばったりでも面白ければ文句はない
行き当たりばったりのせいで退場したフーゴみたいなことになるのは勘弁だけどな
行き当たりばったりこそジョジョの醍醐味
そして行き当たりばったりで面白くないのが種
荒木の場合、話の結末決めてから
間をノリで描くそうだからモロおばさんの行き当たりとは違う
荒木の根本には「人間賛歌」という一貫したテーマがあるから途中でどういう展開になっても
全編読み返してみると大事なところでは一本筋が通ってる
負債には何のテーマも無くただ腐女子に受ければ良いという意地汚い商魂しかないのでgdgd
腐女子=キャラ萌えしかしてないと思い込んでるクズこそ真の邪悪だ。
確かに一部はそうだが、大半は作品を純粋に楽しんでるものだってのに。
適当に仕入れた知識でアンチ腐女子をしてるヤツを見ると反吐を吐きたくなる。
>734
なんで折角種から持ち出した「反戦」で貫かなかったんだろうな
連合壊滅後ラクスが矛を収めてればそれなりに話通ったんだが
俺は
>>734じゃないが
腐女子≠女のオタクかつ腐女子≠801好きかつで
腐女子=
>>735の言うようなキャラ萌えのみの女で男同士(ただし美形限定)の友情=愛情だと思ってるような香具師
だと思ってたんだが違うのか?
腐女子という言葉の解釈の問題なんだろうけどさ
作品自体を楽しむ奴か、キャラカップリングだとかの萌えを楽しむ奴の違いじゃない?
キラアス萌え〜とかいってる一部の腐女子が酷いだけでそういう人ばかりじゃないと信じてる
投下させていただきます。
ガンダムSEED・BIZARRE
『PHASE 15:明日なきインド洋』
「お前は何を言っているんだ」
オーブへと帰還し、ユウナから事情を聴いたアスランは始めにそう言った。別にユウナに疑いを覚えたわけではなく、本当にわけがわからなかったからである。
「フリーダムとアークエンジェルがカガリを拉致した? そんなことあるわけないだろう」
フリーダムということは、犯人はキラやラクスたちということになるが、彼らがそんなことをする理由はない。
「いや、そう思うのも無理はないが、事実なんだ。マスコミのカメラにも映ってる。動機は皆目見当つかないが、カガリをさらったのは彼らに間違いない」
「……本当に本物なのか?」
「偽者だとして、彼らを装うメリットがあるのかい?」
確かに、せいぜいキラたちの評判を落とすくらいしか意味はない。
「今のところ、犯行声明も出ていないし、どう対応したらいいのか方針もしっかり立っていない状況だよ。国際的にこの蛮行を訴えるつもりではあるけどね……
それで今後のことだけど、デュランダル議長の頼みを聞き届けることにするよ。君にはミネルバに行ってもらう」
「いいのか?」
ユウナがこうもあっさりと要求を呑んだことが、少し意外であった。その考えを読み取ったのか、ユウナは説明する。
「確かに、セイバーなんて最新鋭兵器をいきなり渡してきたり、ザフトへの複隊だけならまだしも、特別権限を持ったフェイスなんてものに任命したりと、あまりに旨すぎて怪しくはあるが……怪しいからこそ、食いついて見る価値はある」
「言いたいことはわかるが、食いついて釣り針や毒が仕掛けられていたらどうする?」
「仕掛けにひっかかる前に気づくくらいは、期待してもいいだろう? なぁに、君にならできるさ」
「簡単に言ってくれるな」
アスランは苦笑する。対するユウナは真顔で言う。
「今のオーブは正直いっぱいいっぱいだ。カガリはさらわれ、父は病院、ぶっちゃけ一番の政治的実力者が青二才のこの僕という体たらく。フリーダムの行動で国民も混乱してる。外に向けて動ける状況じゃない」
今のユウナは父ウナトの地位である、宰相の代理ということらしい。今のところ、オーブへの攻撃を行うという動きはない。連合もプラント対策で手一杯なのだろう。
だがそれは同時に、連合の攻撃はプラントに集中するということだ。協力を申し込んでおいて、手をこまねいているわけにはいかない。
「そういうわけで、今プラントに行える協力は、君を派遣するくらいなんだ」
「つまり俺はオーブ代表ということか。責任重大だな」
「責任は僕が取るさ。責任者は責任を取るのがお仕事だからね。それと、カガリの、そしてアークエンジェルの情報を集めてもらうのにも、外に出た方がいいだろう。
これからカガリ捜索依頼を含めた諸々の書類をまとめて……それからあのセイバーも調べたいところだし、そうだね明日にでも飛んでもらうよ」
「わかった」
キラたちの行動は不可解であるが、彼らがカガリを害するとも思えない。その辺りについては安心していたアスランは、まず自分ができることをすることに思考を切り替えた。
「頼むよ。オーブと、カガリのために」
そしてどちらからともなく、アスランとユウナは手を差し出し、握り合った。趣味も得意分野も違う、かつては嫌いあっていた二人は、同じ守るべきものと覚悟のもとに、分かり合っていた。
そして翌日早朝、アスランはミネルバの待つカーペンタリア基地へ飛んだ。使命感と不安とを半々に。
カーペンタリアを訪れたアスランを最初に出迎えたのは、いわく言いがたい表情をしたシン・アスカであった。どういう感情を向ければいいのかわからないという感じだ。
「ザフトに戻ったんですか?」
「いや、正確には違うな。オーブから派遣された形だ」
「……それでいてフェイスって、そういうのって、いいんですか?」
フェイス(FAITH) は、評議会直属の特務隊。国防委員会や評議会議長に戦績・人格ともに優れていると認められた者が任命される。
通常の命令系統には属さず、並みの指揮官クラスより上の権限を持ち、現場レベルなら作戦の立案、実行の命令もできる。ザフトのトップエリートと言うべき存在である。
他国の人間に与えられるようなものでは、ありえない。
「さあ、デュランダル議長とユウナ宰相代理が認めたんだから、いいんじゃないか?」
シンは納得いかないという顔を見せたが、そのことは置いて、別のことを、もっと気になっていることを口にする。
「……あの女がさらわれたって聴きました。オーブはどうなっているんですか」
「今はまだなんとも言えないな。ひどく混乱しているのは確かだが、このくらいで潰れるほど弱い国じゃないさ。君の故郷は」
シンは一瞬ほっとした顔を見せたが、それを恥じるようにすぐさま打ち消し、憮然とした表情を繕った。アスランはその変化に笑いそうになるのを、どうにか堪える。
「話はまた後で……まず艦長に挨拶にいかなきゃな」
アスランはそう言って歩き出す。
(なんか、前会ったときより余裕? があるみたいな気がするな……)
シンがそう思っていると、アスランが不意に立ち止まり、シンの方を振り返り言った。
「言い忘れていたことがあった。ポルナレフさんからの伝言だ。『じきに俺もそっちに行く。それまで艦を沈ませるんじゃないぞ。タリア艦長やアスランの言うことはちゃんと聞いておけ。暴走すんなよ』だそうだ」
シンは目を丸くしたが、やがて口元をほころばせ、次にアスランに怒鳴り声をあげた。
「それを早く言えよ!!」
敬語も忘れたシンの声に、アスランは今度こそ大笑いした。
「あいつは本当にポルナレフさんに懐いているようだな」
アスランは艦長室に向かいながら、シンの表情を思い返して呟く。その声に、一応艦長室への案内として、共に歩いているルナマリアが反応した。
「そうですね。あいつ他の教官や上司には反発してばかりなのに、ポルナレフ教官の言うことは文句言いつつもちゃんと聞くんですよ。私もまあ面白い人だとは思いますよ。女好きですけど」
(実際、ポルナレフさんは大した人だからな。影響力もある)
アスラン自身、影響を受けている一人だ。ポルナレフにはそこいらの人間にはないエネルギーがある。生命力の強さというか、タフネスというか、コーディネイターだの遺伝子の優秀さだのをどうでもよくしてしまう、強さがある。
それはウェザーや形兆にも言えることだ。
(なんだかんだで、俺たちは遺伝子に振り回されている。だが彼らは、そんなもの気にせず、人間としての本質が強い)
そこに痺れる。憧れる。自分たちが忘れてしまったものを、彼らは持っているのだ。
艦長室についたアスランは、議長から預かった書類と、ユウナからの書類を、タリア艦長に渡した。
「オーブの人間であるあなたをフェイスにして、最新鋭の機体を渡し、そして私もフェイスに……何を考えているのかしらね。議長は」
「私にもわかりかねます」
アスランはポルナレフに、議長の意図を尋ねてみたが、返事はこうだった。
『いちいち気にしたってしょうがねえって。俺も頭いい方じゃねえし……都合のいいところ貰っておいてよ、何か悪いこと企んでるとわかったら止めればいいのさ』
なるほどとアスランは頷いた。彼らしいシンプルな答えだ。だがどうやらポルナレフも議長のことはあまり信頼していないようだ。
『とことん悪い奴ってわけじゃないだろうが、根っからの善人とも思えねえ。キャラ的に。でも世話になってるし、できれば敵にしたくはねえな。サラ……あ、俺の友人な。そいつもデュランダルが何か企んでるっぽいっつうんだがよ、
俺には【騙されないように注意した方がいいけど、注意したところであんたじゃどうせ騙されるんだろうから、気にしても始まらない。自然にしてろ】、なんて言うんだぜ? 俺を何だと思ってやがんだ』
確かにデュランダル議長は油断ならない相手には違いない。だがそれを思い煩っていてもどうしようもない。不毛な思考を中断し、アスランはタリアと話をする。
「この命令によると、ミネルバは今後、ジブラルタルへ向かい、現在スエズ攻略を行っている駐留軍を支援せよ、ということよ」
現在、スエズは最も混乱の激しい地域である。ユーラシア西側は、大西洋連邦の横暴に反発し分離独立を求める一派が、紛争を起こしている。元々大西洋連邦の支配下にあるに近い地球に、不満を抱く者は多かった。
そこにこの戦争である。ユニウスセブン落下の被害に苦しんでいるというのに、無理矢理出兵を要求され、我慢の限界に達したということだろう。
「それらの多くを地球軍は力で押さえつけようとして……酷いことになっているみたいね」
アスランはタリアの言い方に、疑問を覚えた。
「多くを……ということは、少しは力以外で何とかしようとしているところもある、と?」
「聞き逃さないのね。ええ、確かにほんの一握りだけど、あるわ。極力、対話によって解決しようとしているところがね……『スリーピング・スレイヴ』って、聴いたことはない?」
あまり情報通ではないアスランも、その名は知っていた。
「『平和の敵よ心せよ、眠れる奴隷が目を覚ます』……軍における唯一の民衆の味方と讃えられる、治安維持特別部隊」
「そう、情報は少ないけれど、あなたも噂くらい耳にするでしょ? 人気者ですもの。今起きている紛争も、彼らの活動がなければ、より大きなものになっていたかもしれないわ。
けど、スリーピング・スレイヴも対話でどうにもならなければ、力を振るいもする。私たちがその地方に行けば、彼らと戦うことになるかもしれない」
アスランは頷く。話に聞けば、隊長ブローノ・ブチャラティ率いるその部隊は優秀にして強力。自分たちの十倍規模の敵との戦いにも勝利したという。
(民衆の味方、か。できれば戦いたくないな、力量的にも、心情的にも)
アスランもタリアも知らない。すでに彼らとやりあっているということを。
そしてアスランがやってきた次の朝、ミネルバはカーペンタリアを出港する。新たな戦場を目指して。
To Be Continued……
以上です。今回は導入部。
サブタイトルは【集英社リミックス ジョジョの奇妙な冒険PART5 黄金の風8『明日なき街角』】より取りました。今回話に出たブチャラティはまだ出しません。別のジョジョキャラは出しますけどね。
次回は戦闘シーンなので考えることも多いです。戦争中の住民への実際の対応とかは、どうするのかわからないので、その辺りはフィクションになります。
あとアスランがシンを殴ったのは、命令違反をして深追いしたり、基地を大破させたりしたから、というだけでしょうか? もっと深い意味があったのでしょうか。
お疲れ様です。しかしシン・アスカを久しぶりに見たな。活躍はするんだろうか
>>747 最終的にキラとの決戦でシンが復讐を果たせれば、それ以外で空気やかませでも問題なしと思う漏れw
>>748 ポルポルに「誰に復讐したいんだ?」って聞かれたときに泣きながら「この世の理不尽の全てです」って言ったぐらいだから、
フリーダム単体に深い恨みを持ってるわけじゃないと思うぜ
750 :
748:2007/11/08(木) 20:49:05 ID:???
>「この世の理不尽の全てです」
それで思ったんだが、シンが戦うべきなのはキラじゃなくラクスなのかも
彼女は『CE世界の理不尽』を具現化したような存在だし
理不尽と戦う!と言われるとどうしても
「覚悟とは苦痛を回避しようとする本能すら凌駕する魂のことなり!
正義とは邪悪に挑戦する肉体のことなり!」を思い出すのはきっと俺だけじゃないw
シンって本編でも種族の違いなんてこだわらないというなかなかに凄いキャラなんだよな。
何故か一部の雑誌だとナチュラルを憎んでるとかっていう捏造が載ってたが…。
>>737 腐女子の定義はもはや誰にも分からない問題になってしまってるから。
801だけの人もいれば、ノマカプや百合だけの人もいるし、全部好きな人もいる。
自分から腐女子って言う人もいれば、801は嫌いだから自分は腐女子じゃないって言う人もいる。
だから明確な腐女子の線引きとかはこれからも誰にも出来ないし分からないと思う。
まぁ、この話はここで終わりにしよう。
まあ本人曰く「俺もマユも風邪引かないって以外は何も違わない」って言ってたしな
シンは謙遜するタイプじゃないから、多分シンの力は全て後天的に修得したもので、
コーディとしての素の能力はマジでナチュラルと大差無いんだろう
だからこそ妙な選民意識や疎外感なんてものに無縁でいられたのかも
>シンって本編でも種族の違いなんてこだわらないというなかなかに凄いキャラなんだよな
そこら辺はオーブという国の成功面なんだと思ってる。
劇中で明確に描写された唯一の「ナチュとコーディが共存する国」なのは伊達じゃないね。
ただ上記の内容が理想主義者だからこそ達成できた内容なんだけど
同時にシンを襲った悲劇も硬直的な理想主義者が国の舵取りしてたからこそ起こったものなんだけどね。
公平に見るならナチュとかコーディとかを気にしないコーディを育てた
オーブの土壌を育んだウズミの功績はCE世界的には本当に凄いよ。
ただ最後の自爆やら何やらが晩節を汚しまくってるけど。
まあ、平行世界のユウナ曰く「理想という名の楊貴妃に捕らわれた男」って言われるような人だが・・・
ここのユウナとアスランの戦友じみた友情はラクス・キラの戯言でも揺るがないで欲しい。
シン、原作の主役(仮)の意地を見せてヤレ!!
>>755!貴様G-SEEDスレを読み込んでいるな!!
>>754 しかしシン以外には本編にはナチュラルと偽ってるコーディしか居ないオーブ
・キラ:コーディであることを隠してました
・エリカ主任:コーディであることを隠してます
不思議!
表立って差別されないだけで、実はあまりよく思われていないのでは?
戦争起こってから流れ込んできたのもいるだろうし結構治安も悪くなってたりして?
その2人とシンを比較する限りでは、能力差が顕著になるところでは軋轢が生まれかねないから隠してる、といったところかね?
それもこの2人に限った事かもしれないが
こいつらコーディとしても能力高いし
GJ!
>そこに痺れる。憧れる。
ディオの後ろに立つアスランとキラが見えたのは秘密だ
時に、いまだに本編で議長の何が悪かったのか把握していないんだが、アスランに罪を着せて暗殺仕様としたことだけかな?
761 :
通常の名無しさんの3倍:2007/11/09(金) 12:26:20 ID:WDI0AhX9
ザ・ワールド!!
時は止まる
議長がやった悪いことってラストで運命計画強行して、他国を攻撃したぐらいしか思いつかない。
それ以外は基本的に政治家として当たり前の行動だったと思うんだが。
ラクス暗殺未遂事件は過激派が勝手にやったことで議長は無関係な筈だし。
議長はそうとう腹黒いぞ・・・。裏で暗躍しながら表の顔はすげーイイ人っぽく意識して見せてるダケ。
アーモリーワン襲撃やベルリンの時も「一族」を通じてだかで知ってたのに前もって防ごうとはしなかったし。
まぁ、プラントのためになるのなら政治家としては非常に正しい行動なのだが
(その点で言うとカガリは全然ダメ。清濁併せ呑んで自国の利益のために動かないで感情のおもむくまま動く)
本当のところはプラントのためでもなんでもなく、婚姻統制でタリアと結ばれなかったから
その代わりに歴史に名を刻む事で見返してやるだかなんだか?だったハズ。
ディスティニープランもプラントの中だけでやっとけばキララク達と真っ向ぶつからなくても良かった気もするが、
そんな事言ったら話の落としようがないしなぁ・・・。
今まで世論を見方につけて絶好調だったのに最後の方は別人のように下手こいて負けるし。
最後にかわいがってたレイに撃たれて死ぬってどんだけ〜。
>>763 >婚姻統制でタリアと結ばれなかったから
>その代わりに歴史に名を刻む事で見返してやるだかなんだか?だったハズ。
そんな設定は負債だって一言も言ってねえよ。どこの脳内妄想だ。
>>763 表は良い顔の腹黒って。政治家に対する褒め言葉ジャマイカ
つうか結局はお前さんも言ってる通り「そんな事言ったら話の落としようがないしなぁ・・・。 」という理由だけで
暴走してアホになって散っていった負債の殉教者って事じゃないかと
横レス故恐縮だが、
>>762に対する反論としては微妙じゃないかね
えーと…つまり。
「あれ?議長やってることあんまし悪くなくね?」
「え?あ!マジだどうしようwこれじゃ駄目ジャンww」
「んじゃあ種死終わらすために議長を暴走させてもいいと思うもの挙手」
ノノ ノ ノ ノノ ノ
「じゃあ議長暴走の末レイに撃たれて死ぬってことで」
こんな感じですかね?
>>764 総集編か何かでそんな感じのカットがあったらしいぞ
種・種死は、監督・脚本の都合で、番組途中にキャラの設定が変更になる場合があるからなぁ。
案外、当初の予定では議長が悪役ではなかったのかもしれんぜ? でも負債の都合上、急遽ラスボスに抜擢された、とか……。
まぁシャアボイスから考えると、ありえない脳内妄想だとは思うが、ね。
アスランの冒頭のセリフの元ネタってK−1のミルコだよな?
それはいいとして、ポルナレフに死亡フラグが立ってる気がしてしょうがない俺
>>767 いや、そもそも種死はシン・アスカが主人公、議長はその上役なんだから
どうして議長を否定して終わらなきゃいけないのかが分からん。
>>768 期待されてるようなので一言いわせていただこう。
ま た 後 付 か
>>768 本当なのか?詳細を。らしいだけではダメだぜ。
>>772 総集編じゃ特に意味もなくメサイアでアスランがキラに同行してることにしたからな。
総集編から出てくる情報の信憑性とか言って、まったくないだろう。JK……。
総集編一番の被害者は何の理由も無く殺されたヨウラン。
実際には死んだと明記されてないから生死不明なのがまた哀れ。
・アスランの攻撃で機関部が破壊されるシーンでヨウランらしい人物がいる
・ミネルバからの脱出シーンでヨウランだけ居ない
・ヴィーノがヨウランのものらしき手袋を持って泣いてる
・何故か総集編で声が杉田智和じゃなくなってた
これらを見るに多分、死亡は確定だと思う。
本当に何の為に殺されたんだろう…。
つくづくシンが最後にキラ達と和解したの謎だわ
ステラはまだしも、レイ・ヨウラン・タリアと同僚をこれだけ殺されてマジありえねえ
しかも無印のキラ凸と違って、シンは一方的に殺されまくってんだぞ
「一緒に戦おう」
「はい!」
誰と?どこと?ラクス議長様の為に?
>>776 妹や家族を殺されてキラを憎んだシンが、
友達や上司や仲間を殺されてもキラと仲良くできるようになりましたっていう・・・・・・
そういった、“成長”を描きたかったんじゃねーかと。
>>779 もしもそうだったとしたら確実に言える
負債死ね
こっちのシンはポルナレフの影響受けてるから、受けた屈辱をそのままにしておくような奴じゃないさ
シンがキラを『許す』って行為はいい。
だが、その過程をキングレで吹っ飛ばされてるんだよな。
だから、あまりにも薄っぺらい…。
それどころか、洗脳されましたwと思わざるえない。
つか、まじで何かのスタンド攻撃を受けたとしか思えない結末だよな…。
しかし、ここならば明確な決着と許すなら正しい行動の上で、
『シン』が決めた決定の元でキラを許す過程が期待出来る。
白黒は残酷なまでにハッキリさせるジョジョワールドへようこそ!だ。
頑張ってくれ、黄金の精神を持つ職人さん…。
ポルポル君の名台詞を吐いた後『針串刺しの刑』
荒木氏が講演会でマンガの書き方をやったそうです。
ttp://atmarkjojo.org/archives/2007/2007-11-06-001503.html ・絵
>誰が見てもそれと分かる「ピカソ」の絵画や、マル3つだけで分かる「ミッキーマウス」、大スターなら「マイケル・ジャクソン」も、遠くから見ても分かる。絵が上手い・下手ではなく、15メートル先から見て分かる、自分だけの「絵」を持つ事がまず重要。
・キャラクター
>「悪」を描くのは楽しくて簡単で、作者も読者もスカッとする。反面、「善」は安易に描くと読者に反感を買われやすく、描くのは凄く難しい。だが、悪は善を引き立てるもの。
悪ばかり描いていてはむなしいし、「善」は美しい心、正義や勇気を持っていて、時代を超えて愛される。だから、「善」を大きく描き、それに対比して「悪」を描くのがキャラクター基本。そして、2つに必要なのが、「読者の共感」。
主人公にも、吉良のようなヤバイ奴にも、ただの雑魚キャラにも、読者に好かれる「愛」が必要。
・ストーリー
>絵とキャラクターを動かしていくのが、「ストーリー」。プロの中には、キャラクターさえいればストーリーは動いていく、と言う作家もいるが、それでは行き詰ってしまう。
ストーリーの上で動かしていくと、主人公が成長し、時代や年代を超えて読まれる作品となる。
>困難に立ち向かい、絶体絶命になっても、あくまで最後はハッピーエンド。ここで言うハッピーエンドとは、単純に勝ち残る事ではなく、例え主人公が死んでしまっても、美しい心の為に、誰かの為に死んでいくなら、ハッピーエンド。
この構成のバリエーションで、バトルでもギャグでも恋愛でも描ける。
・テーマ
>ストーリー、キャラクター、絵を統括するのが「テーマ」。作者の哲学でもある。重要なのは、絶対に読者を説教してはならない。説教をすると読者は引いてしまうし、反感を買ってしまう。
だから、テーマはキャラクターの行動やセリフ、最後のメッセージなど、作品の「背後」に隠す。
種死作る前に負債もこれ聴いときゃよかったな。
>>784 ヒント:豚に真珠、馬の耳に念仏、馬耳東風
番外:厚顔無恥、腐女子的脳内変換
もういっそ次のガンダムは脚本・荒木飛呂彦でやってくれないかな。
最新鋭のMSが旧型機を落としまくるバトルはいい加減詰まらん。
ここは一つ逆転劇を書いてほしいものだ。
あ、今のガンダムが詰まらんのは主人公チームが最新鋭過ぎるからか。
納得。
明らかに性能が上の敵を技術によって倒す、みたいなカタルシスを見たい
荒木先生がやったら良い意味でも悪い意味でも突っ込みどころ満載になるだろ。
先生がストーリー考えて、別の人が脚本書くなら大丈夫かもしれんが。
井上敏樹、小林靖子、黒田洋介、横手美智子あたりが書いたら良作になると思う。
ただし敏樹さまと靖子にゃんの盟友コンビは暴走したら大変だろうけど。
00の脚本が黒田なので個人的にはかなり期待している。特に後半の盛り上がりに。
ストーリー原案・キャラクターデザイン:荒木飛呂彦
なんてことになったら日登に寄付しまくってその日の食事に事欠くようになってもいい
メカデザインもやって欲しいな。
どんなガンダムになるのやらw
>>790 チャリオッツやクレイジーDにV字アンテナ付けたような感じかもしれんw
クレイジーDは首から出てるパイプのせいかメカっぽい感じがすると思う漏れ
OOとは違う感じで「ガンダムっぽくない」と評判が出そうだな
むしろGガン同様になる予感だな
最後は時間を撃ち抜けるガンダムが出るんだろうな
多分、∀みたいなやつになるんじゃね?
そういや∀にジョルノとアバッキオ出てるな。
ロラン=ジョルノ、ユニバース=アバ
第三部OVAは艦長勢ぞろいだぞ。
承太郎=ヘンケン(ラーディッシュ)
ジョセフ=シナプス(アルビオン)
アブドゥル=デラーズ(グワデン)
花京院=ブライト(ホワイトベース)
ポルナレフ=ガルマ(ガウ攻撃空母)
00やW以上に得意分野が固定されてて
敵味方一機に一種類特殊装備ってのは面白い
>>797 いいねー。
何でも出来る万能MSってあんまり好きじゃないし。
今日の00も例によって主人公チームの一方的な虐殺だけだったんで詰まんなかったな。
来週ひろしが何かやってくれそうだけど
jojo立ちのガンダム想像したらフイタw
>>798 何でも出来るMSだと必然的に一騎当千になっちゃうからね
自由とか運命とかまさにそれだわ
むしろ出来ることが多すぎて何がしたいのかが分からない、ってね
ファーストガンダムみたいにむしろ特徴らしい特徴がないからこそ逆に何でも出来て、
その分パイロットに時と場合に応じた工夫が強く要求されるとかならいいんだけれども
そういや00の前世代ガンダムが
タロット名に即した個別機能持ち、とか聞いたんだが
何でも出来るMSは駄目だというがMSの売りは機動性と汎用性じゃねーの?
と言ってもその「汎用性」は場所を選ばないことと
マニピュレーターによる武装の拡張性であって
固定武装ゴテゴテの自由とかは逆に汎用性を失ってるとは思うが。
>>802 第一回の電撃の外伝でカード分のガンダムがあるのか?
という質問が作中であったが、全部じゃなく
その中から厳選して命名したとの事。
【GNY-001ガンダムアストレア】
正義の女神「アストレア」の名を冠した機体。
【GNY-004ガンダムプルトーネ】
タロットカードの「審判」「冥王星」の名を持つ機体。
カードの象徴である「復活・変化」に符合する機能を持つ。
正義と審判…エンヤ婆とオメガはなかなか渋い選択かも。
何気に強スタだし。
>>マニピュレーターによる武装の拡張性であって
ハードポイントで付け替えれば済む事だろ…常考
ハードポイントでの付け替え程度で
ライフル・サーベル・ミサイルランチャー・マシンガン・大口径キャノン砲・
バズーカ・シールド・手榴弾・ハンマーその他色々な武装を扱いきれるわけないだろ…JK
「さまざまな武器をオプションとして扱いうる形式としての人間型マニュピレータ」みたいな理屈を,アニメ関係の雑誌で読んだ事が有るが,
多少なりとも兵器やメカニズムに関する知識の有る人間にとって,この理屈が大嘘である事は明白である.
『パトレイバー』でも,野明がマニュピレータで綾取りするエピソードが有ったが−要するに複雑な操作を前提として設計された繊細なメカニズムに,
発射時に強大な反動を発生する兵器の操作を兼用させること自体,無茶以外のなにものでも無いのである.
最大限好意的に考えて,宇宙空間での使用を前提とした無反動砲やビーム兵器ならともかく(それでも故障しやすいシステムに生命線とも言うべき兵器の操作委ねるというリスクは伴う),
火薬発射式の銃を操作させるなどとは無謀そのものであり,ましてや殴り合うが如きは論外である.
兵装の多様化とは航空機のそれを見ても明らかなように,ウエポンキャリアである装備主体の側ではなく,
搭載する兵装側の多様化オプション化によって実現するものであり,生産効率や損耗性等の観点からも論を待たない.
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押井守著「押井守・映像機械論 メカフィリア」(大日本絵画社,)11P
戦車の装甲をシールドと同じものにして、キャタピラの変わりにドムのホバーをつけて、
大砲の代わりにビームライフル、その両脇にビームサーベルを着ければ、遠距離戦・接近戦もこなせてコンパクトで小回りが効き、
間接が無い分メンテも簡単なMSより性能も使い勝手もいい兵器ができる。
MSの元々のコンセプトは宇宙での作業用ロボットスーツだったっけ?
それなら手足があるのは納得できるけど、そのままの形で戦闘に使うってのは、シャベルカーのシャベルの先に大砲をつけて戦うようなもんだよな。
スレ違いですよおまいら。
逆に考えるんだ
「現実では役立たずでも格好良ければいい」
と考えるんだ
要はスゴ味だな
スゴ味って便利な言葉だな。思わず納得してしまう。
ザクなんかの初代ジオン系はスゴ味の塊だな
あんなものをデザインしちまうお禿様と魔人ARAKIのコンビが見てみたいと思う俺はだめぽ
>>814 そういえば昔の模型雑誌に載ってた、一つ目の鳥の頭にそのまま足が二本ついてるような姿のビグザム
(富野監督の初期案)は凄かった
荒木先生がアレンジしたらアムロ・レイも月まで吹っ飛ぶような化け物になるに違いないw
荒木版アムロやシャア、カミーユとか見てみてーな
100%別人になるんだろーがw
アムロ「う〜〜ううう、殴ったな…
H E E E E Y Y Y Y
あ ァ ァ ァ ん ま り だ ァ ァ ア ァ
AHYYY AHYYY AHY WHOOOOOOOHHHHHHHH!!
おおおおおおやァァァァァじィィィィィにもォォォォォなァァァァァぐゥゥゥゥゥゥらァァァァァれェェェェェた事がァァァァァ
なァァァァァいィィィィィのォォォォォにィィィィィ〜〜〜!!」
ジュドー「へっへへ……またまたやらせていただきましたン♪」
カミーユ「お前は次に『カミーユ?何だ男か。女みたいな名前だな』と言う!」
ジェリド「カミーユ?何だ男か。女みたいな名前だな…ハッ?!」
戸田版アストレイを初めて見たときにジョジョっぽいと思ったのは俺だけじゃないはず。
戸田はスクライドかいてるからな、その感想も当然といえば当然かと
スクライド、ゾンビ屋れい子、ひぐらしの三作品はジョジョが好きだと数倍楽しめる作品。
戸田アストレイは劾のクルクルシュピン!!で神認定した。
アッシュ・グレイなんて確実にジョジョからやってきたようなキャラだったな。
「速攻死んでろ!」とか「腐った蝿どもがぁ!」とか台詞までそれっぽい。
まぁ、ジャンプ出身者だし>戸田
>>823 バイツァというかGERというか
昭和58年6月を繰り返してるあたりはバイツァ
死に方の多彩さではGER
>824
正確にはヤングジャンプ。孔雀王の荻野真のアシ出身
初期作品で単行本化された「剣の鳳凰」なんて
エロ描写やdでも科学考証によるオカルト等見事なまでの荻野節
それと一般的に荒木っぱく評価されてる絵柄だけど
実際には「うしおととら」の藤田や「職業・殺し屋」のまみやこましの系統だべ
梨花が死ぬと発動するバイツァ的な能力にGER並のいろんな死に方。
羽入のザ・ワールドとラッシュ時の掛け声の「無駄無駄無駄ァ!なのですよ」
イリーの固有結界の名前が「メイドインヘヴン」だったりととパロ要素は多い。
でもそれ以上に悲劇という運命を覆すのがテーマなあたりジョジョ的な感じ。
ちなみに脇キャラの一人、岡村君の声はナランチャ。
あと圭一と梨花ちゃんの声がスクライドのカズマとかなみだったりする。
多分、キラにジョジョの精神が宿ってカズマを合わせたら圭一になるんだろうな。
でも序盤の圭一はかなり情けないけど…疑心暗鬼から仲間を殺してしまうし。
>>826 まみやこましって、ちゃんと西川秀明って書かないと知らない人混乱するぞw
戸田作品がジョジョっぽいと言われるのは絵柄よりも、ポージングとキャラの性格や台詞回しの面が大きいのかも。
ていうかぶっちゃけギャランド(以下削除
832 :
通常の名無しさんの3倍:2007/11/12(月) 15:51:30 ID:z3V+JTNA
>>834 買いましたよ。対談が「荒木が優しいからいいようなものの……」的内容だったりしました。極私的スタンド事典は便利でベネ。
投下します。
〔当部隊のウィンダムを全機出せだと!? 何をふざけたことを言っている!〕
インド洋上に浮かぶ地球連合軍空母、『J.P.ジョーンズ』の艦橋で、ネオは通信機の向こうの相手に怒声をあげられていた。
「ふざけてるのはどっちだよ。相手はボズゴロフ級の潜水艦と、ザフト最新鋭艦ミネルバだぞ? 全力出さないでどうする」
ネオはあえて高圧的に言い放つ。相手が下手に出れば付け上がるだけの人間であると、読んだためだ。
〔我々は対カーペンタリア前線基地を造るために派遣されているのだぞ!! その任務をおろそかにして、貴下にMSを出すなど……〕
「その基地も何も、すべてはザフトを討つためだろ? 寝ぼけたこと言ってないで言うことを聴け!! ここの護衛にはガイアを置いていってやる!!」
そもそも、基地発見の危険性にもかかわらず、ネオにこの近辺での戦闘を、上層部が許したということは、上層部はこの基地の完成を諦めたということだ。
上層部としては、自分たちから基地建設計画の失敗を言い出したくないから、基地建設部隊のミスによって基地を見つけられ、計画が終わってしまう、という形にしたいのだろう。
彼らは、失敗の責任を押し付けられる未来に気づいていない。ネオもそれを教えてやるほど、義理は無い。
〔いやしかし……〕
〔いいんじゃないか?〕
突如、向こうから新しい声が発せられた。
〔この基地にMSがあったところで、作りかけの今じゃ発見されたらそこでおしまいだ。彼らに使ってもらった方が役に立つんじゃないかな?〕
向こう側の司令官に対し、随分な言いようだ。ネオは声の正体がつかめず、首をひねる。
「そう言って頂くのはありがたいが……貴官は一体?」
〔ああ。わたしは『ブードゥーキングダム』。それでわかるだろう?〕
「……!!」
声の返事に、ネオは一瞬息を呑む。
『ブードゥーキングダム』――それはネオたちファントムペインとはまた別に、最近作られた特殊部隊。部隊というよりは、ロード・ジブリールの私兵集団であり、ロゴスやブルーコスモスの指揮系統にも組み込まれない、ジブリールのためだけの戦力である。
同時に、ジブリールの許可を受ければ、あらゆる行動を許される存在でもある。その内部情報は一切不明。まさに『闇の王国(ブードゥーキングダム)』の名のとおりである。
「……なるほどね。それで、ウィンダムは借りれるってことでいいんだな?」
〔ああ。ただし、わたしは今、君らファントムペインに命令する権利も持っている。それを憶えておいてもらおう〕
気取った口ぶりに、ネオは顔をしかめながらも了承した。
「まったく! 何がファントムペインだ!!」
司令官は通信を終えて、忌々しそうに吐き捨てる。本当は司令室にいるブードゥーキングダムの人間も怒りの対象であったのだが、面と向かって言えはしない。
「……司令官」
「何だ!!」
憤懣やるかたない彼に、部下がおそるおそる話しかけた。
「現地の者たちが、責任者を出せと、押しかけてきています」
この基地は、地球連合に加わる国の一つ、赤道連合に属する島に建設されている。基地建設のさい、人の住んでいない土地を選び、現地の人間とも話し合いはすませてある。
最初は現地人を強制的に収容し、働かせるという案も出たのだが、スリーピング・スレイヴなどという煩いものができたため、廃案となった。そしてできるだけ穏便にことを行っているのだが、軍事基地が付近の人間に歓迎されるはずもない。
「今更講義など受け付けんぞ! 話し合いはとうに終わった!!」
「それが……どうも部隊の人間が、女性に暴行を働いたと向こうは主張しておりまして」
なんたることだ。司令官は暗然となる。なんでこの厄介なときに厄介なことをしてくれるのだ。
「くッ……今は忙しい。とりあえずお前が話だけ聴いておけ。詳しいことは後日だ」
司令官は気づかなかった。ブードゥーキングダムの男が、猟奇的な猫のような笑みを浮かべたことを。
「大丈夫かね……連合の軍人ってのは荒っぽいそうじゃないか?」
「今更そんなことを言っても仕方ないだろう」
男は友人に言う。
「そうだよ。それにこの兄さんがいてくれりゃ安心さ!」
別の友人が男の肩を叩く。その言葉に、二十人ほどいた現地の人々の顔に笑みが浮かぶ。誰もが信頼しているのだ。この男を。
「まあ、何があっても最善は尽くすさ」
二年前、男は彼らの村にやってきた。そこがどこかもわからない男を、村の人たちは快く迎え入れてくれた。やがて、彼は『この世界』のことを知るために旅に出たが、時にはこの村に戻ってきていた。その村は男にとって第二の故郷だった。
あのユニウスセブン落下の後、心配になって村に来て見たが、幸い被害は大したことなかったが、村でも特に男の世話をしてくれた村の長老が、ショックで寝込んでいた。男は恩返しとばかりに村に滞在し、長老の世話をした。
やがて長老の具合もよくなって、また旅に戻ろうかと考えたところに、この騒ぎだ。
(面倒ごとは尽きない……いや俺が世話をやきすぎるのかな?)
そう思うものの、男が村人たちを助けないという選択肢はありえないことだった。
男は知らない。この後に、更なる面倒ごとが訪れることを。
出航から数時間後、ミネルバ及び、ボズゴロフ級潜水艦ニーラゴンゴは、熱源探知センサーによって連合MSウィンダム三十機と、カオスの存在を捕らえていた。
シンとアスランが、それぞれのMSに搭乗する。コクピットに入ったシンに、アスランから通信が入る。
「発進後の戦闘指揮は俺が執ることになった」
「ええっ……いや、いいすけど」
シンはアスランの言葉に、若干納得いかないものを持ちながらも、了承する。アスランに向けられる感情は、オーブのこともあって少々複雑ではあるが、悪い人間とは思っていない。ポルナレフの言いつけもある。
「シン・アスカ、コアスプレンダー、行きます!」
「アスラン・ザラ、セイバー、発進する!」
二人のMSが出撃する。二人の目に敵MS部隊の姿が飛び込んできた。
赤紫のウィンダムに乗るネオは、見覚えの無い赤いMSに気づき、コンピュータ照合を行なう。だがデータはない。
「また新型か」
ザフトの技術力に感心しながらも余裕を持ち、どう対処するか考えを巡らせる。
「ふん! あんなモノ……! それよりアイツは……」
カオスに乗るスティングはそう呟き、暗緑色のザク、形兆の搭乗機を探す。
「ちっ、まだ出てきてないか。なら、とりあえずこいつらをッ!」
カオスがウィンダムの集団から突出し、セイバーへと向かう。ネオはそれを止めない。MSとパイロット、共にウィンダム部隊と差がありすぎて、ろくな連携プレイはできまい。
実力的につりあうネオ、ステラ、アウルとならばできるのだろうが、ネオはウィンダム部隊の指揮を執らなくてはならない。ステラはガイアが海で戦闘できないために戦えない。アウルはアビスで海中から攻撃を仕掛けている。
「しょうがないねまったく。まああいつなら大丈夫か……じゃあやるかね、白いの!」
カオスがセイバーにビームと機関銃の弾丸を叩き付ける。だが機動力重視でつくられたセイバーは、驚異的な加速でその攻撃をかわし、雲の中に入り込む。そして雲の向こうからカオスに向けて、ビームが放たれた。だがビームは紙一重でカオスから外れる。
「ちいっ、なるほど、ほんのちょっとはやるじゃねえかッ!」
更に放たれるビームをシールドで防ぎながら、スティングはこの新型機を強敵と認めた。
「ええい! 数ばかりごちゃごちゃと!」
一方シンは、ウィンダム十機以上を一人で相手にしていた。四方八方からビームが放たれるが、シンは動き回って回避する。ウィンダム一機一機はシンの敵ではないが、この数では厳しい。
最初こそ際立った性能を持つインパルスに次々と撃墜されていったが、次第にその動きに慣れたらしく、こちらが攻撃しようとすれば、その隙を別の機体が突いてくる。
「シン、出過ぎだぞ! 何やってる!」
アスランからの通信に気がつけば、ミネルバからかなり引き剥がされている。ここにいる以外のウィンダムは、ミネルバに向かっているのが見えた。
「これが狙いか!」
このまま戦っても落とされる気はしないが、本命(ミネルバ)が落とされてしまっては意味がない。しかし、そう簡単に落とせるミネルバではない。ミネルバ自体の強さと、何よりうちのMSはまだ三機もいるのだから。
ウィンダムへの対処として、ミネルバから暗緑色のブレイズザクファントムが出撃する。
「まあものは考えようだな……カオスはアスランが、ウィンダムの大多数はシンが抑えている。俺は網から漏れた雑魚を潰せばいい」
形兆は呟き、自らのザクを動かす。ミネルバを向かうウィンダムに対しビームを発射する。ミネルバからもミサイルの攻撃がなされた。それによって上空のウィンダムは足止めされてしまう。
「こっちはこれでいいが……」
『海中からMS接近! これは…アビスです!』
「やっぱ来るよな」
ミネルバからの通信を聴き、形兆は納得する。挟み撃ちは戦術の基本中の基本。しかもミネルバは宇宙船だ。水中の敵への対処方法はない。
「弱点を順当に狙ってきたわけだが、さて」
やがてニーラゴンゴから水中用MS・グーンが三機、発進したという連絡が入った。このためにいるのだから当然だ。こちらもレイとルナマリアを出すそうだ。戦力的には互角と見ていいだろう。
形兆は戦況の分析をしながらも、迫り来るウィンダムを確実に落としていった。
「やはりやるな……だがもう終わりだ」
ウィンダム部隊はすでに五機ほどに減らされていたが、ネオは不敵に笑った。敵機のエネルギー消耗も少なくはないはず。だが自分はエネルギーを温存していたし、陸地も近く、ガイアの支援も望める。
シンに勝つために、今残っている以外のウィンダムとパイロットを生贄としたことを、ネオは自覚していた。命を使い捨てにする恥ずべき行為だ。
少し前までのネオならば、気にはしなかっただろう。自分と親しいわけでもない者に、いちいち構ってはいられない。勝つための行為なのだから、どれほどの犠牲が出てもすべて正しい。
だが、彼らなら。ブチャラティたちならば、このような行為は許すまい。部下を使い捨てにするような行為は。そう思うと、自分が酷く嫌になる。
「それでも、どんな手を使ってでも勝たなきゃならんのが……ファントムペインのつらいとこだ……」
勝てないファントムペインに存在価値はない。存在価値がないもの末路は滅びだけ。自分はせめて、あの三人の子供たちを生かしたい。そのためなら何でもしてやると決めたのだ。だからこの選択に後悔はない。
「ネオ! スティング! こっちは潜水艦をやっつけたぜ!」
アウルが陽気に言う。しばらく弱敵を弄ぶものと思っていたが、最近、アウルたちは戦闘に対して真剣になったように思える。やはりブチャラティの言うとおり、恐怖を知らぬ戦士などノミの同類、真の強者たりえないということなのだろうか。
「ようし、こっちも負けちゃいられないな!」
そしてネオが、インパルスからの攻撃をいなし、相手にビーム砲の照準を合わせた時、
〔引いてくれないか? ロアノーク大佐〕
その通信が入った。
「なっ……ブードゥーキングダムの!」
〔そうだ。それがわかっているのなら、この命令に逆らってはならないことも、わかっているだろう?〕
そして男は、もう少し陸地に引き付けてから、ファントムペインはJ.P.ジョーンズに戻るように命令を下した。
(もう少しで、あいつを倒せるというのに!)
ネオは唇を歪め、怒りの表情をつくったが、どうしようもなかった。彼の命令に逆らうことはできない。結局自分は、ただ命を無駄にしただけだったわけだ。自分の情けなさに涙が出そうだった。
その時には、ウィンダムはすべて撃墜されていた。
「なんだってんだ……?」
シンはやや呆気にとられた様子で、敵の動きを見ていた。さっきの瞬間、もう駄目だと思った。致命的な隙をつくってしまい、それを見逃すような相手ではなかったのだ。
だが、予想に反して攻撃はなかった。それどころか、カオスやアビスもまとめて引き上げてしまったのだ。
シンは奇妙に思いながら、何気なく大地を見下ろしたとき、予想外のものを発見した。
「……基地!?」
間違えようもない。滑走路が伸び、銃や砲台が備え付けられ、格納庫が並んでいる。それは連合の基地に間違いなかった。
「こんなカーペンタリア基地の目と鼻の先でよくも……今までなんで気づかなかったんだ?」
シンは敵の度胸と、味方の迂闊さに呆れつつ、基地の前に降り立ち、報告をする。
「……攻撃してこないな」
MS部隊を撃破されて諦めたのだろうか。そうしていると、アスランのセイバーが隣に降り立った。
「シン! 勝手に動くんじゃない!」
アスランは一言叱責した後、外部スピーカーに切り替え、
「この基地にいる者たちに告ぐ。諸君らのMS部隊は全滅した。大人しく降伏するというのなら、身の安全は保障する!」
そう促すが、反応はない。
「どうしたんだ……?」
基地の規模からして、何十人もの軍人がいるはずだが、どこにも姿を見ることはできない。攻撃してくる気配もない。
「俺、ちょっと見てきます」
シンはそれだけ言うと、アスランが止める間もなくインパルスから降り、基地内部へと入っていった。
「なっ、こら待てシン! ったく!」
アスランは頭を掻き毟る。扱いづらいというか、無茶苦茶だ。行動力がありすぎる。しかしこの行動力が、シンの価値であることも否定できないのが難しいところだ。
「仕方ないな……ミネルバ、こちらアスラン。私とシンは、これより基地内部の調査を開始します。30分経っても連絡がなければ、応援をよこしてください」
こうしてアスランもまた、セイバーを降り、シンを追った。
基地に乗り込んでくる二人を見て、ブードゥーキングダムの男はほくそえむ。双眼鏡を目から離すと、歓迎を始めることにした。
こうしていると、あのときを思い出す。あのとき、自分が死んだときも、このようにしていた。
自分が一度死んだあの日、彼は一心に救いを求めた。
死にたくない。生きていたい。
事切れようとした一瞬、彼は全身を光で包まれたような感覚を得た。そして意識が暗闇に落ち、永遠とも思えるほどに深い眠りより覚めたとき、かれは『この世界』にいた。
まさしく、『奇跡』。ましてや死者の復活など、『あの方』にしかできないことだ。
「『あの方』は私を救ってくださった! 私は、選ばれたのだ!」
選ばれたことへの歓喜を抱きながら、しかしなぜ、本来の世界に復活しなかったのか。彼は不思議に思ったが、やがて謎は解けた。
「さあ、この世界を救わねばならない。コーディネイターによって汚されたこの世界を、私が浄化する!」
それが、彼がこの世界に呼ばれた理由だと、彼は信じた。真実はわからないが、少なくとも彼にとっては、疑いようのない真実だった。
基地内を散策して五分ばかり経つが、誰も出ては来ない。あとは建物の中だけだが、もし待ち構えているとなると、さすがに入るのは危険だ。
「犬の子一匹出てこない……逃げたのか?」
シンの呟きを、アスランが否定する。
「いや、そう素早く逃げられるとは思えない。もしも逃げたとすれば時間的に、俺たちが戦闘を始める前からでなくては間に合わない。そんな敵前逃亡を行うとは考えにくい。それに自動車も置きっぱなしだ」
そう言いながらも、アスランは状況の奇妙さに首をひねる。そんな彼の目が、あるものを捕らえた。
「なんだこれは……」
格納庫の壁にいくつもの銃痕があった。そして、その場に放り捨てられたようなサブマシンガン。サブマシンガンには微量であるが、赤黒いものがこびりついていた。
「血……?」
戦闘が、行われていたというのか? 自分たちが来る前に何者と?
考え込んでいると、シンの方でドタドタという物音がした。
「どうした!」
行ってみると、シンが座り込んだ男の顔に、拳銃を突きつけていた。地球軍の軍服を着ていることから、この基地の人間であることは間違いない。手を上げて、無抵抗の意を表している。
床に一丁の拳銃が落ちているのは、彼のものであろう。顔が腫れているところからして、シンを見つけ銃をかざしたが、引き金を引く前に殴られて銃を落とし、降伏する羽目になったというところか。
「何者だ?」
「……私はブルート・リンブルグ、階級は軍曹だ」
髭を生やした、筋肉質の大男であり、格闘技術には長けていると見受けられた。アスランは、この男を倒したシンの身体能力を脳裏で評価する。
「他の軍人たちはどこだ?」
「この先の本部だ。隊長たちは武器を持って立て篭もり、篭城戦を考えている」
「篭城戦ね……救援が来るとも思えないが」
助けを当てにできない篭城戦など、敗北を遅らせるだけで最終的には無駄である。しかし人間誰もが、いつでも合理的というわけでもない。
「どうすんです?」
なってない言葉遣いのシンに、ちょっと眉をひそめながらアスランは通信機を取り出す。とりあえず状況をミネルバに知らせないといけない。だがそこで、シンが怪訝そうに声を出した。
「……? おいお前、そんなに口、でかかったか?」
濃い髭が邪魔でわかりにくかったが、ブルートの口は明らかにさっきよりも大きくなっていた。いや、今もなお大きくなっている。ピリピリと裂けるように広がり、今や口の端が耳元まできている。
「へへへ、連絡は……できねえ、ぜッ」
バシッ
アスランの右手で音がした。見れば、その手に通信機はなかった。通信機は、一瞬にしてアスランの背後まで跳躍したブルートの手の中にあり、そして、ゴキャリと握り潰された。
その手は、カサカサに乾燥しているように見えた。肌がひび割れてウロコのようになっている。爪は鋭く尖り、悪魔のようだ。
「な、んだ、今の動きは、何者だ貴様ッ!」
アスランが銃を抜く。シンのものを含め、二丁の拳銃を突きつけられながら、ブルートは笑っていた。
「へへへ……脅してるつもりかよ? ぜーんぜん怖くねえな。お前らノロマだし、へへ、俺がブチのめして、連合軍のヒーローになってやるぜ……!」
ブルートの軍服が、肌と同化していく。瞳は蛇のように細り、鼻先が突き出てくる。体の姿勢が前かがみになり、ブーツが破けて尖った爪先がのぞく。彼の背後では、細長いものが揺れているのが見えた。
「おい……だ、誰が『しっぽ』生やしていい、なんて言ったよ」
シンが調子の外れたことを言う。さすがにこの光景に混乱しているのだろう。
「き・や・が・れ・ベ・イ・ビ・−」
ブルートが人間に理解できる言葉を口にしたのは、それで最後だった。彼はもはや、人間ではなくなっていたから。
二本足で立つそれのシルエットは、鳥に似ていた。しかし羽毛は無く、かわりに長い尾と、ナイフのような爪を備えた前足、そして鋸のような牙があった。長い首をくねらせながら、鼻息荒くこちらに視線を向けている。
シンもアスランも知っていた。その存在の呼称を。一度も見たことはないし、誰にも見ることはできないそれを、しかし彼らは知っていた。それは過去に失われたものであり、そして今は無いものの中で、最も有名な存在なのだから。
「『恐竜』」
どちらかが、あるいは、どちらもがその名前を口にした。二人のコーディネイターが目にしているものは紛れも無く、6500万年前の遥か過去に滅び去った、かつての地球の支配者の姿であった。
To Be Continued……
以上です。
『ブードゥーキングダム』はご存知ファントムブラッド劇場版主題歌より取りました。ブルート・リンブルグは、あたしのブルりんとは何の関係もありません。現地人の中にいる、誰かさんについてはまた次回に。
ここでフェルディナンド博士とは
GJ!
しかしなんてこった・・・フェルディナンド博士が来ていたとは
しかしこの調子ならすでに故人となったリンゴォ、ブラックモア、サンドマン、マイク・Oの登場も期待できるな
あと生き残りが一人だけの11人の男、もとい10人の男もか
ヴィジョンに囚われない分ある意味3〜6部の面々よりヤバイSBRのスタンド使いの活躍に期待だ
種世界に転移したキリストの死骸を探してそうだな
GJ!
最先端科学の申し子『コーディネーター』 VS 前時代の支配者『恐竜』
面白くなってきたああああああああああ!!!!
SBRからも参戦があるって事は
そのうちシュトロハイムVSシュトロハイムとか、アブドゥルVSアヴドゥルとか
イケメンVSハンサム顔とかもあり得るんだな?
>>849 ウルムドとフリッツシュトロはまだ死んでないハズ
でもマウンテン・ティムは死んでるからこっちにいるかも
GJ!!SBRからくるとは思いませんでした。スリーピングスレイヴもそうだが
ブードゥーキングダムという部隊名もカッコいいな。ちょっと所属してみたくなる。
マウンテン・ティムはグフのスレイヤーウィップでオォロンサムミーを使うのだろうか?
>>848 なんか範馬とかピクルとかを彷彿とさせる
さすがにそりゃ無理でしょ
>848
ジュラシックパークでは、
恐竜は遺伝子操作で作られてるから、『前時代の支配者にして最先端科学の申し子』ってことになるな。
誰かさんがすごくマウンテンティムっぽい
>>854 何かそこまでの肩書きになると逆に弱そうw
光速の異名を持ち重力を自在に操る高貴なる女性騎士
を髣髴とさせるな
無限大の速度を持ち重力を自在に操る最悪なる狂信神父
ちょっと思いついただけ。
ラクスとプッチの会話を是非見てみたい。
興味あるがあまり関わりたくない二人だ
プッチの思想はラクスというよりデュランダルに近い気がする
ラクス+デュランダル=プッチ
と言ったところか?
個人的にはプッチに方が異常性において数枚上だと思う。
書き手の感性や言語感覚の違いかね
自分は真っ当な会話が成立するのはデュランダル>>>プッチ>>>(脳の具合の壁)>>>ラクスだと思う