MSの右拳が『飛んだ』。
それと同時にMSはハイネのザクに顔を向け、
右目を『光らせた』。
同時にコクピット内に振動が走り、ハイネは、ザクの腹部が閃光に貫かれたのを悟った。それは、敵MSの右目から発射された高出力ビーム砲であった。
ミサイル群はビームガトリング砲で破壊しつくされ、トマホークは『拳』によって弾き飛ばされていた。
三方向同時攻撃は、三方向同時攻撃によって防がれた。
シュトロハイムの行動が少しでも遅かったなら、片手を失う事を恐れていたら、勝者はハイネとなっていただろう。だが、シュトロハイムは九割以上ハイネの勝利に傾いた天秤を、その決断力と行動力で覆したのだ。
(やめりゃあよかった。こんな猛者に戦いふっかけんのはよぉ)
だが、ハイネの表情に後悔はなかった。軍人として、このような結果は覚悟していたし、そう悪い最期とも思っていなかった。
「見事だった。ハイネ・ヴェステンフルス。敵といえど、私はお前のような勇者に敬意を表す!」
シュトロハイムの声が聞こえる。くだらない血みどろの騎士道、殺し合いを飾る偽善であると彼の理性的な部分は告げていたが、そうでない部分は別のことを告げており、ハイネはそちらの方を口にした。
「あんたもな。ルドル・フォン・シュトロハイム」
その言葉を言い終えられたことを、ハイネは運命とかそこら辺の何かに感謝した。やがてザクは爆炎をあげて砕け散り、ハイネという男の存在もまた、この世から消えていった。
その命を送るかのように、宇宙の闇を眩い光が閃いた。それは、核兵器によってプラントを狙った連合部隊『クルセイダーズ』の敗北の光であった。
「撤退命令だと?」
本部から届いた通信に、シュトロハイムは憮然として呟いた。核攻撃部隊『クルセイダーズ』は敵の新兵器により全滅したとのことだ。
「まったく我々を囮に使っておいてこの体たらくか」
「どうしますか?」
部下の言葉は、クルセイダーズを止めるためにザフト部隊が戦力を分散させた今、このまま戦い続ければ、プラントを攻略できるかもしれないと考えてのことだ。だがシュトロハイムは、
「命令とあれば軍人として従わざるをえん。それに残りエネルギーも微妙な量だ。ここは見逃してやろう」
ハイネとの戦いがなければ、引こうとはしなかったかもしれない。だが、MSの力を出し切らせる強敵との戦いと勝利に満足していた彼は、すがすがしい気分で全軍に命令を飛ばし、撤退を開始した。結果としてハイネの善戦がプラントを救ったのだ。
しんがりをつとめたシュトロハイムは、戦場で散っていった戦士たちに敵味方の区別なく敬意を表して敬礼し、月面基地へと降りていった。
後に『フォックスノット・ノベンバー』と呼ばれる戦いは、こうして終わったのである。
To Be Continued……
以上です。
ハイネ死す。
一戦目にして全装備を放出しました。ロケットパンチは出すか出さないか悩みましたが、結局出すことに。地球では重力や空気抵抗があるから使えそうにないし、手を無くすと戦力が格段に下がるので、今回こっきりになると思います。
>>936 グレーフライのようにはっきり死んだと描かれていなくても、これは普通死んだだろうというのも出すかと思います。
GJ!
なんという戦闘シーン!
ハイネいきなり死す
だがその戦いは決して無駄ではなかった…
ジョジョキャラ、SEEDキャラ双方の意地と覚悟が見えたGJな戦いでした。
あーん西川様が(ry
いつもながらGJ!
スレ立て規制食らってない人はいないのか…希望は…ないのか…
じゃあせっかくだから俺が立てようとしてみるぜ!
947 :
946:2007/08/05(日) 19:03:43 ID:???
gj
>>947 シンプル・オブ・ベスト!
渋いねぇ…あんた、渋いよ!
敬意を表して敬礼のGJを!!
950 :
通常の名無しさんの3倍:2007/08/06(月) 01:58:46 ID:JEgHEIOZ
ところで残り50レスをどうやって埋める?
だな
職人さんが降臨なされるのを待つか
雑談考察で埋めるか
そこは職人さんまかせという事で
953 :
通常の名無しさんの3倍:2007/08/06(月) 10:20:24 ID:uLyg1ti9
キラ・ヤマトの助! (ニコルとラスティとシンの家族の)仇討ちに参った!!
SSは新しいスレの方に投下します。
シュトロハイムは書いていて楽しいです。
イザークに、「俺はこれでも誇り高き連合軍人! お前らコーディネイターとは根性が違うのだ。この腰抜けめがッ! 祖国のためなら足の二本や三本かんたんにやるやるくれてわーッ!!」と怒鳴りつけるシーンとかが浮かびます。
>>955 >>やるやるくれてわーッ
て、なんだ……? なんでこんな間違いしたかまったくわからん。
>>くれてやるわーッ
です。
シュトロハイムによって連合軍人に前向きな考えがもたらされた事は、
いかなるチートにも勝る連合の勝利への道のような……
勝てないのがおかしい物量差だったんだ、精神力が加われば最強にもなるさ
オ…オレ……このスレ埋めるよ…
完璧に終わらせて新しいスレに移るのも結構いいかもな…
1000取りもしてえ!
サウンドマンを登場させてもらおう!
ええい!!
シーザーはまだか!?
ガンダムSEED・BIZARREにはツェペリ一族は出さないそうだからなぁ……。
新たな職人さんが現れるのを待つとしよう。
でも花京院は出るよな?
?
!
梅!
運命
>>731を読んで埋めネタにジョルノとキラの問答書いてみたけどむりぽ
電波出てる台詞とか書けない\(^o^)/オワタ
ume
上の奴はSS避難所ね
ume
gaundam
gjsa
ume
ume
ume
ume
yme
ume
fafnir in the azure
umerunone
983 :
968:2007/08/13(月) 16:17:56 ID:???
埋め用ネタ投下。
984 :
968:2007/08/13(月) 16:20:54 ID:???
ラクスの命を狙ってか、突如として襲ってきた謎の部隊を、封印から解かれたフリーダムで撃退したキラ。
愛機から降りた彼を待っていたのは、キラ達同様にマルキオの孤児院で世話になっている青年、ジョルノの非難そのものの眼と言葉だった。
「――キラ、どうしてあんな戦い方をしたんだい?」
「……『どうして』ってどういう意味?ジョルノ」
「そのままの意味だよ――それにしても、君といいラクスといい質問に質問で――いや、今はそれよりも、だ」
ラクスと同質のようで正反対の、他者を従える者としての視線がキラを更に厳しく見据える。
「MSの武器やマニピュレータ、頭部を破壊すれば確かに敵はその時は戦闘不能になるだろう。でも彼らはまだ再起『可』能なんだ。
自分は手を汚さないという一時の自己満足の為に、敵が新たな武器を手にして再び襲撃する危険性を放置するのは無駄ですらない愚行だ」
「でも、そうして殺し合って、憎しみの連鎖を止めないままで本当に満足なの?争い続ける方が君の嫌いな『無駄』なんじゃないの?」
どこか茫洋としたスミレ色の瞳が必死になって訴える『不殺』を、かつて生身で死闘を繰り広げた青年は冷たく切り捨てた。
985 :
968:2007/08/13(月) 16:23:43 ID:???
「争い続けることは確かに無駄だよ。けれども、キラ。そのことと君の自己満足でしかない『不殺』は異なる問題だ」
「……何が違うの?殺し合うことがいけないことなら、殺さないようにすればいいじゃないか」
穏やかな彼にしては珍しく苛立ちを隠せないキラの言葉に、常に冷静であるはずのジョルノもまた感情的になりつつあった。
「さっきも言っただろう?死ななかった敵が再び立ち上がってくることなんて、十分すぎるくらいに有り得るんだ。
そうなればそれこそ無駄な争いを続けることになる――君が守ろうとするものを無用な危険に晒すことにもだ」
「でも、僕はみんなを守れる!敵を殺さずに倒すことだってできる!それのどこがいけないのさ!?」
「ただ力を持つだけで強くなれる者などいない、覚悟があって初めて力と強さに意味が生まれる。キラ、君にはその覚悟がない」
「あるよ……覚悟ならある!ぼくは戦い続ける!」
叫び続けるキラの声は悲痛なものよりも寧ろ、幼子のかんしゃくに近いものを感じさせた。
強大な力を持ち、それを振るいながらも泣き喚くことしか知らず、より強大な者に唯々諾々と従うだけの幼子。
986 :
968:2007/08/13(月) 16:26:38 ID:???
その泣き声の中、ジョルノは感情が熱されながらも意識が冷たく醒めていく様子を明確に感じ取っていた。
「――ぼく自身は」
考え方の根幹から違う相手には何を言ったところで、虚しく響くだけだろう。
だが、言葉を伝えることはできる。
「ぼく自身は、『覚悟』とは犠牲の精神ではなく、暗闇の荒野に進むべき道を切り拓くことだと信じている」
それでも尚、伝える言葉ですら届かないのなら、それもまたただ響くだけの音にすぎない。
「そんな……想いだけで、そんなっ」
「ああ、これはあくまでぼくの意見だよ。君がどうするかは君の自由だ――だが、覚悟を『想い』と言うなら、君は『力』しか持っていないんじゃないのかい?
そうだとするならば、キラ。君は君が大好きなラクスの求めるような『力』と『想い』の二つではなく『力』しか持たないことになる……
『力』を振るうに値する覚悟がないのだから」
朝焼けに染まる海を見ながらジョルノが得た答えは、嗚咽の混じった意味のない切れ切れの繰り言だった。
987 :
968:2007/08/13(月) 17:02:07 ID:???
なんかやたら時間が空いたけど以上です。
埋まれ埋まれー
まあようは殺せるときにきっちりやっとかんと後が怖いということだよね
ume