もしシンとキラが逆だったら2

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1通常の名無しさんの3倍
さて、シンから主役の座を奪ったキラだが、
シンとキラの立場を逆にして考えてみよう。

シンの撃った流れ弾がカリダとカガリを殺した時。
キラは仇討ちを考えないのか?

自分なりに平和を求めて戦い、その戦いをシンに荒らされ汚された時。
キラは苛立たないのか?

最後の戦いでラクスとアスランが死に、レイに達磨にされて破れた時。
キラは泣かないのか?

失意のうちに墓参りに来たら、ルナレイシンと出会い、シンに「一緒に戦おう」と握手を求められた時。
キラはその手を握れるのか?

って感じのIFスレ2スレ目
前提をよく読んで理解したら
あとはまったりと行こうか
2通常の名無しさんの3倍:2007/07/14(土) 14:01:00 ID:???
前スレのURLうp
3通常の名無しさんの3倍:2007/07/14(土) 14:05:04 ID:???
ラクスたん
4通常の名無しさんの3倍:2007/07/14(土) 14:05:14 ID:???
5通常の名無しさんの3倍:2007/07/14(土) 14:13:25 ID:???
>>1
6通常の名無しさんの3倍:2007/07/14(土) 14:17:22 ID:???
ここで疑問
性格って立場変わっても変わらないのか?
確かシンってマユが死ぬ前は穏やかだったらしいじゃん
つまりカガリとか殺しちゃったらシン自殺しちゃうんじゃね?
7通常の名無しさんの3倍:2007/07/14(土) 14:18:02 ID:???
オーブでのことなら気付かないで終わり
8通常の名無しさんの3倍:2007/07/14(土) 14:28:53 ID:???
こんな感じか

「君が僕の家族を殺したんだ!!」
「俺が…罪の無い人を?嘘だ…嘘だぁぁ!!」

「父さん、母さん、マユ、それからルナやレイ…俺は罪の無い人を殺しちゃたよ、謝ってすむ問題じゃないし、かと言って謝らなかったら余計に…もう俺は…」

「お兄ちゃん、あれ?どこに行ったのかな〜もう」

「さよならみんな…」
バキューン!!

と言う事か?
9通常の名無しさんの3倍:2007/07/14(土) 16:21:38 ID:???
今度はどんな狂態をみせてくれるのかwktkするぜwww
10通常の名無しさんの3倍:2007/07/14(土) 16:26:22 ID:???
負債より厨房な糞がいなけりゃ良スレなんだが
11通常の名無しさんの3倍:2007/07/14(土) 16:38:28 ID:???
全スレ965が余所の作品をパクっている件について
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/shar/1170763861/965

元ネタ↓台詞を丸々完コピ
http://wiki.livedoor.jp/arte5/d/Lnamaria%2dIF%5f%c0%d6%a4%ad%b7%ee%a4%ce%c2%eb%5f%c2%e813%cf%c3
12通常の名無しさんの3倍:2007/07/14(土) 17:26:53 ID:???
全スレ>>965
>「昨今の巨大資本にとって全世界を巻き込んだ大戦争などと言う物は、悪夢だよ。
>なぜなら現代の戦争は彼らの資産を徹底的に破壊し、良質な労働者と言う資源を戦争に取られてしまうのだからね。
>資本主義の発達した現代最も大きな消費は民需だ。これを減退させる戦争は企業にとって悪夢に他ならない。
>そうなれば経済は後退するだろう。現にそうなっている」

Lnamaria-IF_赤き月の鷹_第13話
>「聞いたことがあります。昨今の巨大資本にとって全世界を巻き込んだ大戦争などと言う物は、悪夢だと。
>なぜなら現代の戦争は彼らの資産を徹底的に破壊し、良質な労働者と言う資源を戦争に取られてしまうのですから。
>資本主義の発達した現代、最も大きな消費は民需です。これを減退させる戦争は企業にとって悪夢に他なりません。
>そうなれば経済は後退するでしょう。現にそうなっています」

ついでにもとネタ
国際情勢調査会の木津研究員の発言、『パナマ侵攻1』佐藤大輔(中央公論新社C★NOVELS)
>「マルクス主義者の一般的な見解とはことなり、昨今の巨大資本は大戦争を嫌います。心を入れ替えたから、ではもちろんありません。
>現代の戦争はかれらの資産を徹底的に破壊し、利潤の追求に不可欠である良質な労働力を奪い取るからです。
>また大戦争は株式市場その他、健全な商取引を一種の麻痺状態に陥れます。戦時経済の維持には国家統制が必須であるためです。
>正常な貿易、企業間競争が許されないなど、大多数の企業にとっては悪夢です」



   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)
. |     (__人__)  書くのははいいけど
  |     ` ⌒´ノ   コピペはダメだろ、常識的に考えて…
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ        \
   /    く  \        \
   |     \   \         \
    |朴李乙|ヽ、二⌒)、          \

13通常の名無しさんの3倍:2007/07/14(土) 18:07:56 ID:???
前スレ1000
>本人です。なんかID曝されて恥ずかしい〜(>_<)と、WIKIに乗せるのとまどっていたら親切な人が載せてくれました。
あほかwそんなわけあるかww

hequil417love=arufa53

arufa53=三人目

だから

hequil417love=三人目

決まりだなw
14通常の名無しさんの3倍:2007/07/14(土) 18:08:24 ID:???
2回続けて全スレとかどんだけ日本語不自由なんだよ……
15通常の名無しさんの3倍:2007/07/14(土) 18:09:25 ID:???
全スレ1000が三人目のブラフの可能性もあるな
16通常の名無しさんの3倍:2007/07/14(土) 18:14:23 ID:???
>>13
その論法でいくと、紅い死霊秘法や逆シンのGSCI氏、CCAの98氏なんかも三人目だなw
スゲーな三人目www
17通常の名無しさんの3倍:2007/07/14(土) 18:15:20 ID:???
結局コピペなんだ・・・
18通常の名無しさんの3倍:2007/07/14(土) 18:19:28 ID:???
>>16
逆に言えばそのすべてが同一人物の手による物になるねw
19通常の名無しさんの3倍:2007/07/14(土) 18:22:15 ID:???
>>16
どれだけヒマなんだw
20通常の名無しさんの3倍:2007/07/14(土) 18:22:29 ID:???
>>18
ありえねーだろwwwwww
21通常の名無しさんの3倍:2007/07/14(土) 18:23:44 ID:???
hequil417love・・・どおりで・・・
リアル焼酎染みた内容な訳だw
22通常の名無しさんの3倍:2007/07/14(土) 18:25:45 ID:???
親切な人が載せてくれました。」というほうがありえんとおもうがw
23通常の名無しさんの3倍:2007/07/14(土) 18:31:53 ID:???
もうそっとしといてやれよ…つまりスルー推奨
24通常の名無しさんの3倍:2007/07/14(土) 18:42:33 ID:???
佐藤作品からの朴李が多そうだなw
25通常の名無しさんの3倍:2007/07/14(土) 19:32:23 ID:???
職人様方は気にせず投下を
割り割りは気長にお待ちしてますので
26通常の名無しさんの3倍:2007/07/14(土) 21:13:15 ID:???
ま、どんな二次創作でも完結した奴は偉いヤツだと思うよ
ホントに二次創作って奴は何処行っても大抵は第一話で投げ出しやがってクズが……
お前、4-5話で終わるのが大抵って、お前、お前……そんなに後が続かんのかよ
もう最後まで書いてくれたらそれでいいよ俺
27通常の名無しさんの3倍:2007/07/14(土) 21:47:36 ID:???
>>26
はげしく同意
28通常の名無しさんの3倍:2007/07/14(土) 21:57:04 ID:???
誰かの言葉だが
「内容がどうであれ真剣に物事に取り組み努力する者を
何もしない者が嘲笑ったり、馬鹿にするのはどうかと思うね」
という言葉が浮かぶ


まあ、スルーすればいいものをわざわざ長文で指摘をするアンチ君も努力してると言えばしてるな
貴重な時間を費やして書き手のために・・・


次来たら「やあツンデレ君」って言わせてもらうかな

29通常の名無しさんの3倍:2007/07/14(土) 22:17:06 ID:???
>>12
つまり冷戦期の朝鮮戦争で日本の得た利益
やベトナム戦争で韓国(日本もだけど)の得た利益
を例に挙げて戦争当事国より第三国のほうが
戦争で得をする(韓国はベトナムに大量派兵してますが)
ことを説明しこのスレをハングル板出張所に改造すればいいんですね!
(違います)
30通常の名無しさんの3倍:2007/07/14(土) 22:34:20 ID:???
>>28
やあ、ヤンデレ君w
31通常の名無しさんの3倍:2007/07/14(土) 22:55:53 ID:mcaWblxN
>>30
どこ笑う所?
32通常の名無しさんの3倍:2007/07/14(土) 22:57:12 ID:???
素で気持ち悪いなこいつ>>28
33通常の名無しさんの3倍:2007/07/14(土) 23:02:41 ID:???
そうか?ヤンデレって何?
34通常の名無しさんの3倍:2007/07/14(土) 23:12:44 ID:???
ヤンデレ?
歴史上最大級に最も萌える萌え要素だよ俺視点的には
まあ、ツンデレも俺的には最も萌える要素なので個人的には

……どっちも大好きだぁッ!!!!
35通常の名無しさんの3倍:2007/07/14(土) 23:16:29 ID:???
本当にここはスレに萌え住民が多いインターネッツですね!1!!!

人生\(^o^)/サイコー!
36通常の名無しさんの3倍:2007/07/14(土) 23:17:59 ID:???
>内容がどうであれ真剣に物事に取り組み努力する者を
それでやってることはコピペでそれじたい元ネタからの改変盗用かよw

>貴重な時間を費やして書き手のために・・・
ヒマだからだろw
37通常の名無しさんの3倍:2007/07/14(土) 23:21:18 ID:???
>>25
このコピペも飽きましたよw1!
38通常の名無しさんの3倍:2007/07/14(土) 23:26:26 ID:???
>>36-37
ああっ、もっともっと僕をののしってェッ!!!
否、むしろ僕をののしってェッッ!!!
39通常の名無しさんの3倍:2007/07/15(日) 00:17:08 ID:???
1か変態め・・・
40通常の名無しさんの3倍:2007/07/15(日) 01:22:28 ID:???
ヽ(´∀`≡´∀`)ノ
41通常の名無しさんの3倍:2007/07/15(日) 02:46:44 ID:???
>>38
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::こいつもう狂ってるな……:::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
42通常の名無しさんの3倍:2007/07/15(日) 07:25:50 ID:???
>>12
レッドサン ブラッククロスか
架空戦記が元ネタじゃ辻褄が合わないわけだ
43通常の名無しさんの3倍:2007/07/15(日) 07:44:47 ID:???
>>29
日本は朝鮮戦争で大赤字なんだが。
44通常の名無しさんの3倍:2007/07/15(日) 08:52:09 ID:???
つーか、日本は武器輸出できないし。
45通常の名無しさんの3倍:2007/07/15(日) 09:32:14 ID:???
>>43
ウィキ見ると確かにぼろ儲けという訳じゃなかったみたいですね
武器輸出ってレーションや軍服軍靴も入るのかね殺虫剤とかさ
空気を読まずにガイシュツの話題するけど
シンとキラ逆にした場合フリーダムでシンが射撃しまくる
ことになるのかなシンはモビルスーツへの適応能力高いから
十分可能だろうけど
ブラストインパルスでフルバーストするキラは想像できん
普通にフォースで戦いそう
46通常の名無しさんの3倍:2007/07/15(日) 10:27:48 ID:???
服は武器じゃないだろw殺虫剤は武器だけどさ対蟲用のw
武器の定義は自衛隊法に書いてあるけどさ↓
>人を殺傷し、又は、武力闘争の手段として物を破壊することを目的とする機械、器具、装置等
武器に関しては部品すら売れんかった希ガス。
武器輸出を語るならまず業界の大手、米英仏露中だろ、北朝鮮も中東にミサイル売って外貨を稼いでるし。
47通常の名無しさんの3倍:2007/07/15(日) 11:01:13 ID:???
>>46
ヒント
 当時まだ自衛隊はない。
48通常の名無しさんの3倍:2007/07/15(日) 17:27:12 ID:???
ああ、超閃戦争のことw
49通常の名無しさんの3倍:2007/07/16(月) 02:12:21 ID:???
ここって何のスレ?
50通常の名無しさんの3倍:2007/07/16(月) 05:09:32 ID:???
>>45
作者の書く展開次第としか言えない
ラクシズと絡まずフリーダムやジャスティス中破まで追い込んでろかく、ストライクにパーツ組み込んで改造とかも出来るんだし
51通常の名無しさんの3倍:2007/07/18(水) 00:53:25 ID:???
いざとなればアカツキを使うって手もないわけじゃない
問題は2年前のアカツキの完成度がどれくらいなのかだが
フレームが組みあがってたら恩の字か
52通常の名無しさんの3倍:2007/07/18(水) 03:51:18 ID:???
CE71末期のダガーがでてくるんだから時間と空間を超越してインパルスだってありじゃねw
どうせギャグだし
53通常の名無しさんの3倍:2007/07/18(水) 09:34:44 ID:???
アカツキは装甲が完成してなかったんだよん
武装はCE73年に後から作ったものだけど、機体自体はCE71年作成だったはず
54通常の名無しさんの3倍:2007/07/18(水) 15:38:39 ID:???
>>53
まあストライクのコピーみたいなもんだしな


あとインパルスよか最初期テスタメントのが良いと思う……まんま核動力ストライクだけどさ
55通常の名無しさんの3倍:2007/07/18(水) 18:54:44 ID:???
ま、スレタイIF設定だけのはずがいつもオリ・独自設定混入になるね。この人。
56通常の名無しさんの3倍:2007/07/18(水) 19:03:10 ID:???
何言ってんだ、お前。
57通常の名無しさんの3倍:2007/07/18(水) 19:15:47 ID:???
何逝ってんだw
58通常の名無しさんの3倍:2007/07/19(木) 10:13:47 ID:EvNj3r0m
暁は核動力じゃありません
59通常の名無しさんの3倍:2007/07/19(木) 16:18:37 ID:???
ゼンマイ巻かないと止まっちゃうんだな。
60通常の名無しさんの3倍:2007/07/19(木) 19:05:33 ID:???
「巻きますか?巻きませんか?」
61通常の名無しさんの3倍:2007/07/19(木) 19:49:16 ID:3yXEGHlZ
答えは聞いていないけどね
62通常の名無しさんの3倍:2007/07/19(木) 19:53:13 ID:vKzpZjGQ
うーん
63通常の名無しさんの3倍:2007/07/19(木) 21:41:20 ID:EvNj3r0m
暁はゼンマイでもありません
64通常の名無しさんの3倍:2007/07/19(木) 22:37:45 ID:???
ワラビ
65通常の名無しさんの3倍:2007/07/19(木) 22:41:31 ID:???
デンチ。
66通常の名無しさんの3倍:2007/07/19(木) 23:22:25 ID:???
ワラビ電池
67通常の名無しさんの3倍:2007/07/20(金) 00:43:29 ID:???
シンは自由に乗らずにオーブに流れ着いていた達磨デスティニーをストライク使って直すのがいいな。
で、ストライクとデスティニーの二個一だから「ストライクデスティニー」って名づけて周りから
センスねーって笑われる。
68通常の名無しさんの3倍:2007/07/20(金) 10:15:43 ID:???
やっぱストライク○○って聞いたらみんなそう思うよな。

ストフリは、正体不明の超兵器なんかじゃなく、大破したフリーダムとストライクルージュの二個一

そう思っていた時期がおれにもありました……
69通常の名無しさんの3倍:2007/07/20(金) 17:44:54 ID:???
◇◇◇


もうここで粘るのも限界だった。本艦は一刻も早く味方の勢力地へと入り、アラスカ本部と連絡を付けなければい
けない。予想外に補給も出来たことだし……

「この辺りは、廃坑の空洞だらけだ。こっちには俺達が仕掛けた地雷原がある。戦場にしようってんならこの辺だ
ろう。向こうもそう考えてくるだろうし。せっかく仕掛けた地雷を使わねぇって手はねぇ」
「本当にそれでいいのか?俺達はともかく、あんたらの装備じゃぁ被害はかなり出るぞ」
「虎に従い、奴の下で、奴等のために働けば、確かに俺達にも平穏な暮らしは約束されるんだろうよ。バナディー
ヤのようにな」
「女達からはそうしようって声も聞こえる。だが、支配者の手はきまぐれだ。何百年、俺達の一族がそれに泣いて
きたと思う?」
「ぅ……」
「支配はされない、そしてしない。俺達が望むのはそれだけだ。虎に押さえられた東の鉱区を取り戻せば、とりあ
えずそれも叶うだろう。へぇ…。こっちはあんたらの力を借りようってんだ。それでいいだろう、変な気遣いは無用
だ」
「おーけー、分かった。艦長?」
「…分かりました。では、レセップス突破作戦へのご協力、喜んでお請け致します」
「ああ」

「そういや、あの坊主はどうした? ご大層な物を注文した奴は」
「おかげさまで。キラ君なら、今頃は嬉々としてモビルスーツに補給した部品を取り付けていますよ」

本当に、あの子の考えには驚かされる。確かに攻撃、防御ともにパワーパックに頼ると言うのは、危険だったか
もしれない。それを素人のキラ君に指摘されるとは……もし、Gの量産型にフィードバックできるなら、必ず生か
そう。


◇◇◇
70シンinキラ:2007/07/20(金) 17:46:43 ID:???
食堂に入ったら、フラガ少佐がいた。

「なんだ遅いなぁ。早く食えよ。ほら、これも」
「ああ、ありがとうございます。ここ数日モビルスーツとプログラムに掛かりっきりで」
「ん〜。やっぱ、現地調達のもんは旨いねぇ。で、どうなの? 使い物になりそうかね?」
「ええ、移動砲台代わり程度にはなれそうですよ。ザフトのミサイルポッドも付けましたしね。まだまだ改良の余地
があるし、そうすれば、もっと……」
「そうか。そりゃよかった」
「いずれ、フラガ少佐も乗りたいって言わせて見せますよ」
「はは、頼むよ」

昼食はドネルケバブだった。あの日を思い出すなぁ。

「フラガ少佐……まだ食べるんですか? 腹撃たれたら腹膜炎起こしますよ」
「俺達はこれから戦いに行くんだぜ?食っとかなきゃ、力でないでしょ。拳銃で撃ち合うんじゃないんだ。戦闘機
やられるような弾ぶち込まれたら終わりさ。ほら、ソースはヨーグルトのが旨いぞぉ」
「通が多いなぁ」
「ん?」
「いえ……俺の親友もヨーグルトソースが好きで。それからバルトフェルドもそう言ってたんですよ。ヨーグルトの
が旨いって」
「ぁ…んー!味の分かる男だな。ハムゥ。けど、敵のことなんか知らない方がいいんだ。早く忘れちまえ。これ
から、命のやり取りをしようって相手のことなんか、知ってたってやりにくいだけだろ」
「まぁ、知ってるから余計にやりやすいって事も時にはありますけどね」
「怖い事言うな、坊主。お!」
「あ!」

爆音と衝撃が響いた。

フラガ少佐が艦内通話機に走る。

「ブリッジ! どうした!?」
『レジスタンスの地雷原がやられました!』
『総員、第一戦闘配備! 繰り返す! 総員、第一戦闘配備!』

俺とフラガ少佐は更衣室に走った!

「あ、ハルトマン大尉、イェーガー少尉」
「よう、お先。頑張ろうぜ。ここを切り抜けたら地中海だ!」
「はい!」


71シンinキラ:2007/07/20(金) 17:47:08 ID:???
『スカイグラスパー1号、フラガ機、発進位置へ。進路クリアー、フラガ機、どうぞ! APU起動。カタパルト、接
続。ストライカーパックはランチャーを装備します。ランチャーストライカー、スタンバイ』

レジスタンスは当てにならない。アークエンジェルも全戦力を出す。

「これから派手なパーティが始まるのですね」
「ミリアリア、こんなパーティ俺は始めてだよ」
「私もこんなパーティは始めてです、キラ」
「じゃあ、キラ・ヤマト、ストライク、レッツパアァァリィィイイイイイ!!!」

よし、脚のミサイルポッドもさほどの障害にはなっていないな。
くっ、いきなり目の前に戦闘ヘリが! とっさに盾でかばい、イーゲルシュテルンで反撃する!
一杯居やがる!
お? 周りの戦闘ヘリもやられる! これは!

「よう、俺達も出撃だ! 歩いてだけどな」
「戦闘ヘリ程度は俺達に任せな! 頑張れよ!」
「サイ、トール……」
「俺らが頑張ってプログラムいじった成果見せてやろうぜ!」
「ああ! 無理はするなよ!」
「ああ、アークエンジェルからは滑り落ちないように気をつけるよ。砂漠は怖いからな」
「はは」

サイはバスターダガー、トールはデュエルダガーで出撃だ。ちょっとだけ、心強くなった。

――!本命のバクゥだ! 何機? 5機か!

「バクゥが出てきたぞ! 対空援護はしっかりしてやる! 坊主、思いっきりやってやれ! いつも通りやれば大
丈夫だ!」
「はい!」



72シンinキラ:2007/07/20(金) 17:47:52 ID:???
「地獄の底へようこそ、アリンコ! 穴あきチーズにしてやるぜ!!!」

わははは! 補給のおかげで重突撃銃の弾幕も遠慮なく張れる。今回のバクゥは口にビームサーベルのような
ものがある。やはり、バナディーヤで見たとおり、改造されていたか! 近寄らせないぜぇ!

「いただきー!」

弾幕で動きを止めたバクゥに上空から、ハルトマン大尉達が襲い掛かる! バクゥ一機、撃破!

「ありがとさん、ヤマト少尉!」
「どういたしまして!」

気がついたら、戦闘ヘリは全滅していた。さっすが!

お、向こうでフラガ少佐がレセップスにアグニを撃ってる。
――! しまった一機のバクゥが弾幕を抜けて来た! 相手の頭をシールドではたくと、首筋に重突撃銃をぶち
込む!
ガガガガガ!
バクゥは動きを止めた。ふぅ、びっくりした。
また! こちらへ向かってバクゥが高くジャンプする。脚のミサイルポッドからミサイル射出! 相手は空中で勢

いが止まる。 そこ! 下腹をビームライフルで貫く!
今度はこちらが! レジスタンスのバギーを狙うバクゥを、右肩の120mm対艦バルカン砲から雨霰と打ちまくり、
飛び上がって空中からアグニを二発!
気が付いたらバクゥは全滅していた。

え!? アークエンジェルが思ってもいない方向から攻撃を受けた。伏兵か!? 俺がそれに気を取られた時、
バクゥとは違う、獣のようなモビルスーツが俺の横に駆け抜けて来た!
とっさに飛び退く!
これは……ラゴゥか!
ジャンプ! だめだ!ラゴゥも同じくらいに飛びやがる! ラゴゥの背中には2連装ビームキャノン。シールドで受
けるしかない!
俺は牽制に重突撃銃とミサイルを放ちながら、逃げ回る。

「フフフファハハハハハハァ・・・やぁキラ、相変わらず弾をばら撒くのを楽しんでいるようだな」
「大丈夫か、坊主! 敵の戦艦はあらかた片が付いた! 応援に来たぜ!」
「ありがたい!」

3機のスカイグラスパーが上空からラゴゥを牽制する!
ミサイル残弾発射! いらなくなったミサイルポッドを廃棄! 弾切れの重突撃銃を投げ捨てる! 着弾の煙にま
ぎれてジャンプ!

「キラ、無茶よ! ランチャーストライカーでは!」
「無茶じゃない、なぜなら俺は、このモビルスーツのパイロットだからだ!!!」

こちらを見上げるラゴゥの首筋にアグニを当て! ごとり。ラゴゥのヘッドが落ちる。
ラゴゥの背中を踏みつけ! M68キャットゥス500mm無反動砲を2本! ドゥ!ドゥ! 弾をぶち込む!
ラゴゥは動きを止めた!
73シンinキラ:2007/07/20(金) 17:48:20 ID:???
「Yeahhhhhhhhhhhhh!!!」
「見事だ、少年! 止めを刺せ!」
「……爆発しなかったようだな。運がいい。議長に、デュランダルの言っている事に疑問が出てきたから、今は見
逃してやる。次は無いぞ。だが、俺の言った事を忘れるな! ラクスに惑わされるな!」

自分でも矛盾した事を言っているな、と感じながら俺は落ちたラゴゥのヘッドを手に取り、アークエンジェルへと帰
還した。


◇◇◇


「やれやれ、どうやら命だけは助かっちまったみたいだな」
「そうね。悔しい?」
「ああ、悔しいね。しかし、やはり不思議な少年だな。議長ね……彼はずいぶん『議長』に捕われているみたいだ
な。果たしてそれがシーゲルなのか? 別人なのか? シーゲル議長とラクスの関係は? デュランダルとは何
者か? 遺伝子学者のデュランダルか? 色々興味深い事が山盛りだよ」
「知りたいわね」
「ああ、知りたい困ったな。簡単に死ねなくなったぞ」
「夜になったら、抜け出しましょう」
「ああ」

俺達は夜が来るのを待って、放棄されたレセップスへと移った。


◇◇◇
74シンinキラ:2007/07/20(金) 17:48:54 ID:???
「明けの砂漠の勝利を祝って! かんぱ〜い!」

明けの砂漠のテントでは、酒盛りが始まっていた。

「あたし達もちょっぴり飲んじゃおうか、お・さ・け」
「え。ミリィ……」
「だってぇ、せっかくトールが無事に初陣済ませたんだもの。お祝いしたっていいじゃない?」
「おお! 飲め飲め!」
「気が利くな、アフメド」
「へへ、ここらじゃ、昔からあまり酒は飲まなかったんだけどな。サイーブ先生が酒好きだから」
「じゃ、あらためて、サイとトールの初陣に、みんなの無事にかんぱーい!」
「「かんぱ−い」」
「で、どうだった、サイ、トール。みんなの考えを元にプログラムぶっこんでみたけどさ」
「射撃システムは大体あんなもんだろ」
「うん、それほど苦労せずにすんだ。結構戦闘ヘリも落としたぜ! でも、格闘となると、まだ無理だな」
「ああ、当分キラの後ろから撃たせてもらうよ」
「お前らが切りあいなんてしないように頑張るよ。射撃で方が付きゃそれが一番だからな」
「「キラー!」」
「……男に抱き付かれても、嬉しくない」
「しょうがないな、キラ。今だけよ。ぎゅ。」
「わ、私だって! ぎゅ」
「両手に花だ、いいなーキラ」
「ぐ・る・し・い」

「あ、そうだ、これやるよ、カガリ」
「なんだ? アフメド」
「マラカイト――孔雀石だ。加工してからやろうと思ってたんだけどな。時間無いから。邪眼をはね返す石だ。邪
眼というのは、魔や他人の悪意のことで、幸福を奪い、不運をもたらす物だ」
「いいのか?」
「ああ、カガリに持ってもらいたい……俺はもう、着いていけないから」
「……ありがとう」
「キラ。カガリを守ってやってくれよ」
「……ああ!」
75シンinキラ:2007/07/20(金) 17:49:37 ID:???
……


「へー、これが海かー?」

アークエンジェルは無事、地中海に脱出した。 交代でデッキに出ていい事になったが……

「 あーーー! 気持ちいいぃ!」
「地球の海ぃ! すんげー久しぶりー!」
「最近モビルスーツとプログラムに掛かりきりだったもんなぁ」
「でもやっぱ、なんか変な感じ」
「そっか、カズイは海初めてか」
「うん」
「ヘリオポリス生まれだったもんなぁ」
「砂漠にも驚いたけどさぁ、何かこっちのが怖いなぁ。深いとこは凄く深いんだろ?」
「ああ」
「怪獣が居るかもよぉ?」
「ええ!」
「何言ってんだよ、ミリィ」
「「あっはっはっは」」

「なに一人だけ灰になってるんだ、キラ? 青菜に塩って感じだぞ」
「ああ、カガリ……そういや俺何にも考えて無かったよ。 紅海抜けてオーブ経由でアラスカ行く途中でラクスから
適当に接触が来る物とばかり思ってて……でも史実と違って地中海じゃん? どうすんだよ? もう……」
「ラクスって……そうか、キラはあんなのが好みか。しょぼーん」
「えっ!? っておい待てよ! ラクスなんてどうにも思ってないって」

あわててとぼとぼ歩いてくカガリを追いかける!
ああ、誰かにぶつかってしまった!

「あ、ナタルさん、すみません」
「痴話喧嘩か? ふふ。頑張れよ、ヤマト少尉」
「あ、いやぁ、ははは」

目指すは、ヨーロッパとアジアにまたがる都市、イスタンブール!


76シンinキラ:2007/07/20(金) 17:50:11 ID:???
◇◇◇


ダーダネルス海峡を抜けイスタンブールに入港する。私はマリュー艦長と現地司令部へ赴いた。

「ずいぶんな数の将兵がいるわね。バジルール中尉」
「それはそうです。スエズからの撤退兵が集まっているのですから」

街にはスエズでの敗残兵が、あふれていた。
だが、私達の姿を見る彼らの目は死んではいない。そう思えた。

「ムスタファ司令がお会いになるそうです。どうぞ」
「ありがとう」

案内されて、マリュー艦長とともに司令官室へ赴く。

「ようこそ、トルコへ! 司令官のムスタファ・ケマルです」
「第8艦隊、アークエンジェル艦長、マリュー・ラミアスであります」
「同じく、副長のナタル・バジルールであります!」
「君達の活躍は聞いている。緒戦を負け続けの我等にとって何よりの知らせだ! ぜひこれからの反撃の端緒と
したい物だ!」
「ありがとうございます」
「アラスカへ連絡を取りたいとの事だが、あちらからも、君達とすぐ話したいとの事でね。案内しよう」

そう言うと司令官は歩き出してしまった。なんと、司令官自ら案内されるとは!

「あ、ありがとうございます!」

私達は、通信機の前に立つ。

77シンinキラ:2007/07/20(金) 17:50:52 ID:???
「もしもし、こちらマリュー・ラミアスです」

……もしもしはないだろう! 私はあやうく艦長に突っ込みを入れる所だった!
画面の向こうからはクスリ、と笑った声がかすかに聞こえた。

『アラスカ基地のウィリアム・サザーランド大佐だ。君達の活躍は良く聞いている』
「ありがとうございます!」
「で、だ。アラスカ基地へ来る必要は無い」
「なんですって!?」
「すでに地球軍の大部分ではモビルスーツの有用性は理解されている。コーディネイターだというではないか、
アークエンジェルのモビルスーツのパイロットは」
「はぁ。しかし……」
「コーディネイター同士が戦っての戦果だ。我々のモビルスーツの基本的設計は優れていると言う事がわかっ
た。それで十分だ。パイロットに対しての叙勲も予定されている」
「は、はい」
「これからが本題だ。ナチュラルのパイロットも初陣を飾ったそうだな。すぐにプログラムのデータを送ってくれ。
こちらからも改良されれば可及的速やかに渡そう」
「はい、了解しました」
「それでこれからの貴艦の行動だが……」

スエズ基地奪還。それが、アークエンジェルに下された命令だった。


◇◇◇


78シンinキラ:2007/07/20(金) 17:51:25 ID:???
もう何日だろう。俺達は寝る時と食べる時以外はプログラムの修正、モビルスーツの訓練にかかりっきりだ。
ミリィとデートも出来やしない。いや、せめて二人きりに……

「ええー休み無しかよ! 他の人は交代で街に出てるのに!」
「ごめんなさいね。キラ君。本部から一時間単位でデータを送って来いって言ってるのよ。欲しい物があったら
買ってこさせるから」
「選ぶ楽しみってもんもあるんですよ。まぁ、しょうがないですけどね」
「助かるわ。サイ君。特別手当も出るから。ね? キラ君」
「ちっしょうがねえな」
「サイ君とトール君は、操縦訓練もね。頼むわよ」
「りょうかーい」

イスタンブ−ルで休めるかと思ったのに、俺らに休みは無かった。くすん。
サイと目が合う。

「しょうがないさ。自分達のためだもんな」
「そうだな。ダガーの動きが良くなれば、それだけ助かるからな」
79シンinキラ:2007/07/20(金) 17:51:32 ID:???

そうだ。アラスカからデータが送られて来る。それを実際に試して修正点を出す。それを元に修正したデータが
アラスカから送られて来る。その繰り返しで初陣の時とは比べ物にならないくらい、動きが良くなっている。さす
がにキラのようには動けないけどさ。

「そうよー。トールが無事でありますようにって願いこめながらプログラムしてるんだからね」

黙々とデータを打ち込んでいたミリィが突然言った。その顔は真剣だった。

「ありがとう……ミリィ」

「あー熱いなぁ、お二人さん」
「――カガリ! ……ちゃかすなよぉ」
「今更ちゃかさないって。差し入れだぞー。トルコのアイス、ドンドルマ、買ってきた!」
「「おー!」」
「じゃ、休憩にすっか!」
「おー」

「のびーるー」
「もちもちだー」
「ねるねるねるね」
「あ、キラにお土産」
「お、なんだ?」
「ほら」
「ターバン!? こんな物一体どうしろと」
「かぶってみろよ……ほら、なかなか格好いいぞ」

「ふふ、あの二人、仲良いね」
「ああ。俺とミリィみたいになるかもな」
「やだぁ。ふふふ」

絶対、守ろう、その笑顔を。そう思った。


◇◇◇
80シンinキラ:2007/07/20(金) 17:53:20 ID:???
投下終了ー

書き溜めた分はこれで終わりー。
ますます忙しいので次はいつになるやらわかりませんがみなさんお元気で(ToT)/~~
81通常の名無しさんの3倍:2007/07/20(金) 18:12:26 ID:???
今回は漆原教授でてこなかったな・・・菅原教授とかハムテルやチョビもみたかったが
とにかくGJ!!!
82通常の名無しさんの3倍:2007/07/20(金) 18:25:42 ID:???
IFじゃねぇ
まあなんだスレタイ見てでなおせよw
83通常の名無しさんの3倍:2007/07/20(金) 18:33:52 ID:???
>ますます忙しいので
>(ToT)/~~
( ̄∇ ̄)ニヤニヤ
84通常の名無しさんの3倍:2007/07/20(金) 18:51:47 ID:???
>>80
異世界?
ならシーゲルもクラインも別物じゃ…
ε=('A` )ハァ…シンの意味ネェ・・・
85通常の名無しさんの3倍:2007/07/20(金) 19:01:08 ID:???


何かこのままだと遺作自由&凸正義との戦いになりそうだww
86通常の名無しさんの3倍:2007/07/20(金) 19:02:19 ID:???
>>84
???
87通常の名無しさんの3倍:2007/07/20(金) 19:37:51 ID:???
>>86
前スレ嫁
984をそのままパクってるし節操なしだなw
88通常の名無しさんの3倍:2007/07/20(金) 20:12:45 ID:???
ロング・ダガー
C.E.71年4月10日 量産1号機ロールアウト
↓ナチュラル用に改装+デュエルのアサルトシュラウドをコピー
デュエル・ダガー
C.E.71年6月20日 量産1号機ロールアウト

105ダガー
C.E.71年5月 量産1号機ロールアウト
↓ストライカーパックを断念。新型機として新たに本体を再設計
バスター・ダガー
C.E.71年7月5日 量産1号機ロールアウト
89通常の名無しさんの3倍:2007/07/20(金) 20:37:49 ID:???
これわw
90通常の名無しさんの3倍:2007/07/20(金) 20:45:52 ID:???
オイオイwシンがキラと入れ替わっただけでなんでダガーがあるんだよw
入れ替わるだけで勝手に歴史が変わるってかw腐債よりひでえwww
91通常の名無しさんの3倍:2007/07/20(金) 20:51:06 ID:???
滅多な事じゃ否定しない俺のつもりだけど、だんだん意味不明になってきたんじゃね?
色々ショックな事や、現世との兼ね合いから多少は変わるとしても、シンの性格は改変されすぎている気がする
もう、作者のセンズリでしかないよ。。。ストーリーも何もあったもんじゃないし。
作者は精神病か何かなんじゃないか?がっかりだ。
スレ汚しスマン。もうたまにしかロムらない事にする
92通常の名無しさんの3倍:2007/07/20(金) 21:04:26 ID:???
どれだけ厨ニ病なんだよw
93通常の名無しさんの3倍:2007/07/20(金) 21:33:23 ID:???
最初の方でマンセーしすぎた結果だな。
IF物を読みたいんじゃないのに、もう負債以上にぶっ飛んできてるし終わったな。
94SPIRAL:2007/07/20(金) 21:51:09 ID:???
お久しぶりです。そしてすいません。かなり長いこと投下できてませんねorz
来週から前期テストです。かなり厳しい戦いになることが予測されます。しかし
たとえ玉砕したとしても金曜には投下しますので、どうかどうかお待ちください(謝)。
95通常の名無しさんの3倍:2007/07/20(金) 22:13:38 ID:???
設定を改悪しすぎだよな。連合初の量産機はストライクダガーだろ。
デュエルダガーなんてストライクダガーの上位機種だし。
もうこの時点で連合は、ストライクダガーより高性能な量産機を作れるわけで。
連合すごい優勢になるよね。

あとシンが強すぎ。
いくらスーパーエースの経験と実力、スパコディの肉体、機体がストライクだからってあれはないだろ。
砂漠戦でラゴゥ相手にランチャー装備で圧勝、種割れもなし最強すぎるよ。
最初の方の話はよかったのに、だんだんおかしくなってきてるよね、いろいろと。
何か勢いで書いているような気がする。
もう少し設定などをよく考えて書いて欲しい。
96通常の名無しさんの3倍:2007/07/20(金) 22:38:15 ID:???
サザーランドがコーディ褒めるってそりゃねーべww
97通常の名無しさんの3倍:2007/07/21(土) 00:17:02 ID:???
夏休みだねえ。
IDとIPが必要だねえ。
98通常の名無しさんの3倍:2007/07/21(土) 00:31:32 ID:???
ひどいね、これ。
99通常の名無しさんの3倍:2007/07/21(土) 00:37:32 ID:???
いや、って言うかこのスレ
IFスレだからさ、しかも入れ替わってりゃなんでもいい類の
>>1
100通常の名無しさんの3倍:2007/07/21(土) 00:42:02 ID:???
……ヤロウ、気づきゃあがったか
そのまま1とかIFとか気付かんまま忘れてりゃいいものを……
101通常の名無しさんの3倍:2007/07/21(土) 03:25:09 ID:???
IFはIFでも1で言ってるのは立場の違いでの入れ替わりでのIFだろ。
設定変更IFじゃないだろ
102通常の名無しさんの3倍:2007/07/21(土) 04:19:05 ID:???
〉〉83
職人追い出したぞわ〜いとでも思ってんのか?品性下劣野郎
103通常の名無しさんの3倍:2007/07/21(土) 07:04:12 ID:???
オナニストを職人呼ばわりするなよ失礼じゃないかw
104通常の名無しさんの3倍:2007/07/21(土) 08:00:51 ID:???
入れ替わりだけじゃなくて量産MSがあるわブルコスが協力的だわやたら都合がいいなそういうIFなのか?
バルトフェルドの様子ではクライン親子の派閥のことを知らなそうだし、デュランダルが評議員になっていないような口ぶりだけどこれだとプラント側もだいぶ事情がちがうんじゃないか。
バルトフェルドは最初に加わっていないだけでザフト内にクライン親子の派閥があることは知っていたし、デュランダルはCE71当時から評議員なんだが。
105通常の名無しさんの3倍:2007/07/21(土) 08:20:01 ID:???
イヤなら書けば良いじゃないか
そういう、緻密で大胆でどこまでも公式設定に沿った展開の
オレ風IFSSを

別に設定変更しちゃいけんなんて>>1にも前のスレにも書いてないだろう
何今更オレ理屈をこのスレの常識のように見せかけて鬼の首をとったように騒ぎ出すのかって方がわからんわ
投下されるSSは最初からこんな感じだったので、それがイヤなら自分でそういう流れ変えれば良いのに
職人するガッツもないなら、必要以上に意固地になって叩くとか、周りの空気呼んでやめれば良いのに
その辺が出来ないあたりが荒らしとか厨房とか言われる所以なんでしょうね
106通常の名無しさんの3倍:2007/07/21(土) 08:39:12 ID:???
>>105
限定条件がないからを書いてもいいってものじゃないだろ。つーか、普通にIFを書くなら前提条件だけで書くだろ。オリキャラやら独自設定なんて代物は入れないぞ。
自己弁護乙。職人とオナニストを同列に扱うなんてばればれだwキモイ自慰を披露しておいて突っ込まれると、書いてみせろとか最初からこんな感じだったとか開き直り恥しくないのか。毎度毎度同じ書き込みだろ。
そりゃおまえの書いたものだけ最初からこんな感じだったろうが、本当に職人している作者さんたちはちゃんと前提条件のシン⇔キラIFだけで書いてるぞ一緒にするな。
107通常の名無しさんの3倍:2007/07/21(土) 08:59:31 ID:???
>限定条件がないからを書いてもいいってものじゃないだろ。

いや、お前の普通を日本人やこのスレの普通にされても……正直日本語でおK、からをって何だよwwww
ってか一行目も普通に何いってんのかワカンネが二行目以降で本性を表した感じがあるよね
相変わらず自分を省みないで理由にもなってない理屈で荒らしを自己正当化ですか、
流石チョンの人ですね、半島でキムチ食ってる種族は郷里に帰れやwww
108通常の名無しさんの3倍:2007/07/21(土) 09:00:12 ID:???
>>102
Wikiのarufa53とhequil417loveの更新履歴をみてみ
>>80で言うますます忙しいとやらの具体的な理由がわかる
109通常の名無しさんの3倍:2007/07/21(土) 09:02:27 ID:???
>>106
お前は実に物知らずだね
自慰ならむしろ突っ込まれたら気持ちいいんだよ、男でも
世の中には後ろに突っ込まれる前立腺オナニーというものがあって
聞くところによるとこれがたいそう気持ちが良いらしい
110通常の名無しさんの3倍:2007/07/21(土) 09:03:50 ID:???
>>106
開き直って空気読まずに叩く人にいわれたくありません
111通常の名無しさんの3倍:2007/07/21(土) 09:07:29 ID:???
>>106
逆に考えるんだ
「今現在粘着してるオレを除いて、それ以外の奴等はオリキャラやら独自設定入れても毎回普通にマンセーしてる時点で
 ひょっとしたらこの場で場違いなのってオレじゃね?!1!!」と
そう考えるんだ

っていうか、作者の自演とか考える思考回路が頭おかしいと思う
いったいどんだけ穿っているのかと、もしかして過去に糞SS書いて自演で盛り上げたのがバレた厨房なのかな?
嫉妬は見苦しいぜ
112通常の名無しさんの3倍:2007/07/21(土) 09:12:28 ID:???
とりあえず、>>106の主張と行動がこの場では自慰そのものだって事はよくわかった
お前、今時気に食わないからってスルーせずに突撃してくるってどんだけー
113通常の名無しさんの3倍:2007/07/21(土) 09:26:50 ID:???
監督と脚本家自らが設定無視を繰り返す作品の二次創作で、設定と違うと喚かれても
ギャグにもならんよ。

WikiのID云々言ってるやつも他人のプライバシー覗き見してる自分の品性下劣さを誇示してどうするのさ。

>>80
暇になったらで良いので続きをお願いします。
114通常の名無しさんの3倍:2007/07/21(土) 10:33:28 ID:???
すげえ自演だな>>105
30分内に連続レスとか不自然だろオイw
主張もワンパターンだしw

・場違いなのってオレじゃね→場違い以前に不自然なのはオナニーをマンセーするお前だよ
・空気読まずに→はぁ?空気読んでないのは>>105だろ?脳が逝かれているのか?
・嫉妬見苦しい→そんな奴このスレにいねえよw
・スルー→鏡見ろ鏡w
・負債のほうが設定蟲→それよりもひでえよ
・プライバシーをみるなよ→バカじゃねWikiのIDにプライバシーも糞もあるか
・続きをおねがいします→いつもそれだけなw期待しているならどこがいいのか具体的に褒めてやれよw
115通常の名無しさんの3倍:2007/07/21(土) 11:01:52 ID:???
>>109-113
不自然www
116通常の名無しさんの3倍:2007/07/21(土) 11:08:46 ID:???
こんな流れで職人さんがいなくなっちゃうのがやだなぁ。

漏れはSEED in Sin氏心待ちにしております〜
117通常の名無しさんの3倍:2007/07/21(土) 11:21:23 ID:???
105は前スレ985の改変コピペだね。
118通常の名無しさんの3倍:2007/07/21(土) 11:29:57 ID:???
量産機が試作扱いされてるダガーの件は今更だねそれより、なんでアラスカとAAでデータのキャッチボールやってんだい?機密じゃないのかい?
素人パイロットを乗せるにも小まめに修正しなきゃならないなんてWindowsアップデートかい?未完成品を前線にもってくるなどこのゲイツの指示だい?
そんな未完成品でも余裕で勝てる砂漠の虎の異名持ちの部隊だろ弱すぎ、完成されたOSで量産MSにのるコーディネイターは未完成のOSで試作MSにのるナチュラルよりも弱いのかい?
すごい補正だ嫁補正なんて目じゃないね。
119通常の名無しさんの3倍:2007/07/21(土) 11:39:49 ID:???
どこを読んだらダガーがザフトのMSと戦ったなんて箇所があるんだい?
120通常の名無しさんの3倍:2007/07/21(土) 11:42:49 ID:???
およびでないのに俺SEEDを投下していくテロリストと自演臭い取り巻きどもはほんとにうぜえ

こいつらが」いなくなれば作者さんたちも安心して投下できるのによ
>>94SPIRAL氏お待ちしてますぜ
121通常の名無しさんの3倍:2007/07/21(土) 11:44:14 ID:???
肯定派も否定派もスルー覚える
これでおk
122通常の名無しさんの3倍:2007/07/21(土) 12:54:02 ID:???
スレ保守にはスレの保守以上の意味を感じなければいいのに。
123通常の名無しさんの3倍:2007/07/21(土) 13:05:19 ID:???
好きな作品には感想を
嫌いな作品は読まず話題にもしない

たったコレだけの事なんだぜ?

このままの流れだと皆居なくなりそうで嫌だなぁ
124通常の名無しさんの3倍:2007/07/21(土) 16:59:50 ID:???
とりあえずオレはシンが活躍してキラがまともになってくれれば
設定とか、そー言うのはどうでも良い、後ブルーコスモスが活躍してプラントをヘコませてたら後細かい所はどーでもいい
そいで、後は完結さえしてくれたら職人と崇める
125通常の名無しさんの3倍:2007/07/21(土) 19:44:54 ID:???
>>120
そうやって職人さんが投下しにくい雰囲気作るのわざと?
126通常の名無しさんの3倍:2007/07/21(土) 20:20:34 ID:???
>>125
そうやってスレがあれるような雰囲気をつくるのわざと?
127通常の名無しさんの3倍:2007/07/21(土) 21:12:06 ID:???
>>124
残念w件の駄文で活躍するのはシンでもキラでもないキメラですw
でもって書いた人設定で精神異常なので全然まともではありませんwww
128通常の名無しさんの3倍:2007/07/21(土) 21:21:11 ID:???
夏だからな・・・スルーしとけば適当に飽きるさ
129通常の名無しさんの3倍:2007/07/21(土) 23:59:20 ID:???
批判をスルーできないのよね>>自称ファンがいつも沸くし激しく分霊?叩かれるとスルースルーいいだすし、鏡見たことあるか?鏡
同じ俺設定でしかかけないのよね>>俺種ワールド準拠で書くから矛盾が共通なのがワロス同人アニメよりひどいなぁキャラの人格とか名前が違うだけで中身おなじみ自己投影かいおかしな思想に嵌まってる?台詞とか共通つうかコピペつうか普通に盗用だね佐藤大輔に詫びて氏ねよ
130通常の名無しさんの3倍:2007/07/22(日) 00:36:25 ID:???

| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| 電波を感知しました。 |
|__________|
              / /
              /
      _         ビビビ
     /||__|∧    /
  。.|.(O´∀`) /
  |≡( ))  ))つ
  `ー| | |
    (__)_)
131通常の名無しさんの3倍:2007/07/22(日) 06:53:06 ID:???
シンinキラ氏はもう当分だかずっとだかその真意はわ
からんが書く事がないと言っているのになにをいつま
でも長文粘着してるんだか。
早く夏過ぎないかなぁ。
132通常の名無しさんの3倍:2007/07/22(日) 09:32:28 ID:???
ポーズだからさ
マルチポストであちこちでウザがられてるよarufa53
死ねばいいのに
133通常の名無しさんの3倍:2007/07/22(日) 10:21:18 ID:???
いつまで同一人物だなんて言うでたらめ吹き続ける気だ
134通常の名無しさんの3倍:2007/07/22(日) 11:34:21 ID:???
( ´д)ヒソヒソ(´д`)ヒソヒソ(д` )
135通常の名無しさんの3倍:2007/07/22(日) 12:22:24 ID:???
           ↓hequil417love=arufa53

         ,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
         (.___,,,... -ァァフ|          あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
          |i i|    }! }} //|
         |l、{   j} /,,ィ//|       『おれが作品を投下したと
        i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ        思ったらいつのまにかWikiに登録されていた』
        |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |
       /´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人        な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
     /'   ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ        おれも何をされたのかわからなかった
    ,゙  / )ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉
     |/_/  ハ !ニ⊇ '/:}  V:::::ヽ        頭がどうにかなりそうだった…
    // 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
   /'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐  \    自作自演だとか別IDだとか
   / //   广¨´  /'   /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ    そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
  ノ ' /  ノ:::::`ー-、___/::::://       ヽ  }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::...       イ  もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
136通常の名無しさんの3倍:2007/07/22(日) 16:56:42 ID:???
>>133
アイタタタタw

できれば中学生以下であって欲しいな。
137通常の名無しさんの3倍:2007/07/22(日) 20:44:15 ID:???
>>136
同一人物だという証拠もないのに
同一人物だと決め付けてるお前の方が痛いぞ。
138通常の名無しさんの3倍:2007/07/22(日) 20:56:02 ID:???
証拠キタ━━(゚∀゚)⌒Y⌒(。A。)⌒Y⌒(゚∀゚)⌒Y⌒(。A。)⌒Y⌒(゚∀゚)━━!!!
139通常の名無しさんの3倍:2007/07/22(日) 21:03:15 ID:???
前スレを読めばええ人並みの頭をもってりゃ理解できることじゃけぇ



じゃあの
140通常の名無しさんの3倍:2007/07/22(日) 21:10:17 ID:???
もうさ同一人物だろうが、なかろうがどうでもいいじゃん。
ようは職人さんに今まで書かれた批評などを受け止めてもらい、考えを改めて今後のSSに生かしてもらえれば良いんだろ。
別に謝罪して欲しいわけじゃないし、ちゃんと設定や構想を練ってもらってSSを書いて欲しいだけなんだから。
141通常の名無しさんの3倍:2007/07/22(日) 21:15:40 ID:???

        、                            , ./
        ヾ 、                        ,、. ',. '
         ヽ丶、      ,.ィTTT.i‐.、        ,、 ' ,、 '
           \ ` 、,  . //.l l l l l lヽヽ   ,. - ' ,、 '
              ` 、,` '‐-'.⊥l⊥l⊥'-‐ ' ´ ., - '.´
              ,..-`,:ー--.,..== 、,.--‐:':´>,
                (:*。:>:':´::::::; ;:::::::`:':<*:)   
      .        ,ィ>f:-:、::::::::::; .;::::::::_;;::、<::ヽ  とりあえずいたち政宗
            /://::;;i:{. ``''T''''ィtラハ::::ヽヽ:\
           /:::/./l::::';:;'`ー ' l :.  ̄ ';:::::iヽヽ:::\
      .    <ヽ:ノ./ l:i::::ヾ,.  ゝ.. -   //:::l::;;ヽヽ/
           ``'‐'.-リl::::::::'ヽ ――‐ /イ::::〈 ヽ`
          ,. - ─ー- 、.,__/  ンー'''‘
         /             /
        ノl    )___i   _/
(!llllllllifニ二 -<_-;;く,,    `ヽ〔;,
142通常の名無しさんの3倍:2007/07/22(日) 21:32:43 ID:???
おいおい、ここ何投下か職人さんに浴びせられてたのは批評なんてもんじゃない悪意ある誹謗中傷だろう。
それについては何にもなしかよ。
考えを改めてとか謝罪して欲しい訳しゃないとか君、俺様系?自分の好みのじゃなきゃ嫌々ってか?
だ・か・ら嫌なら読むなよ楽しみに待ってる人もいるのにさ。
職人さん逃げちまったんじゃないかと心配だぜまったく。
143通常の名無しさんの3倍:2007/07/22(日) 21:43:31 ID:???
釣乙普通にレベル低いね。
144通常の名無しさんの3倍:2007/07/22(日) 21:48:59 ID:???
どうか職人さんたちがこのスレを見捨てることが無いように。
SSの投下心待ちにしてる人間もここに居るんで続きをお願いします。
145通常の名無しさんの3倍:2007/07/22(日) 22:17:47 ID:???
ワンパターンワロスw
146通常の名無しさんの3倍:2007/07/22(日) 22:59:33 ID:???
イタタ・・・
まぁ、夏だ。大目に見てやれよ……
147通常の名無しさんの3倍:2007/07/22(日) 23:32:58 ID:???
このスレは電波飛びまくりだな

もう誰が荒らしとか言えるレベルじゃない

148通常の名無しさんの3倍:2007/07/23(月) 01:40:42 ID:???
ここは何時ごろからこんなにひどくなった?
前スレではいい雰囲気だったのに。
149通常の名無しさんの3倍:2007/07/23(月) 03:08:44 ID:???
前スレはまだ方向性がスレタイ通りだったからだろ。
ここに来て方向性がちょっとずれだした為に受け入れられない層が出てきただけの話。
150通常の名無しさんの3倍:2007/07/23(月) 03:08:48 ID:???
前スレでもひどかったが。
151通常の名無しさんの3倍:2007/07/23(月) 04:48:02 ID:???
投下されて、これからどうなるんだろうと感想を述べあっていた時、すでに
「本編なぞってるだけじゃないか、本編よりずれた展開などこの作者には期待するだけ無駄」
と煽る人はいた。まぁ夏ってことで作者さん方はあまり気にせず好きなように書いてください。
152通常の名無しさんの3倍:2007/07/23(月) 19:45:15 ID:???
>>151
典型的なマッチポンプだね
その内、自分ですら、煽り認定するだろうさ
153通常の名無しさんの3倍:2007/07/24(火) 18:34:32 ID:???
保守
154通常の名無しさんの3倍:2007/07/24(火) 23:04:44 ID:???
痛い設定の邪気眼、某商業作品やらに当て付けやらの意味でやっているのかの
155小ネタ:2007/07/26(木) 00:46:23 ID:???
○月X日
朝、目が覚めたらシン君になっていた。
しかも、見た事ないほど若いよ。
中年でラクスの尻の下だった僕には最高の出来事だ

夢なら覚めないで欲しいと切実に願ったのはないしょ。

○月△日
学校の帰りにキャバクラに寄った。
おねーさん達に凄く可愛がってもらった。

また行こう。

○月●日
学校のテストでパーフェクト取った。
シン君のお友達達が不思議がってた。

シン君、コーディネーターなんだからもうちょっと勉強しようよ。
156小ネタ:2007/07/26(木) 00:48:06 ID:???
○月X日
TVを見ていたらラクスのコンサートをやっていた。
この頃のオーブでも見れたんだ。

あまりのラクスの若さに苦笑いしか出なかった。

○月Z日
ウズミ氏の政見放送を深夜に見た。
この年齢でこれだけの理想を掲げられるのは凄いと思う。

僕の理想はラクスとかかわらない事だけなのに。

○月Y日
シン君の妹のマユちゃんの宿題を見てあげた。
小学生の宿題程度で・・・
と、思ってたら感想文で失敗。

なんですか?その眼差しは。
157小ネタ:2007/07/26(木) 00:49:22 ID:???
○月A日
この間、キャバクラに行ったのがバレた。
ついでに飲酒も。

シン君のお父さんにぶん殴られた。痛いよ。

○月B日
謹慎中にヒマなのでモルゲンレーテのサーバーをクラッキングした。
ふうん。シン君のお父さんって社員だったんだ。

面白そうだったのでOSの外注先として登録と発注してみた。

○月F日
モーションデータをマユちゃんと遊びながら取った。
運動少女な彼女のデータは非常に参考になった。
最初は嫌がっていたのに最後にはノリノリでポージングだった。

これでバンクの使いまわしもばっちりだね。

○月R日
部屋に篭ってOSを仕上げる。
基礎データから作業用のオプションデータまで。
ついでに戦闘用データも送った。

すぐに送信容量オーバーで戻ってきた。orz
158小ネタ:2007/07/26(木) 00:50:39 ID:???
○月T日
謹慎がとけたので学校帰りに光ディスクを知らん顔して届けた。
中身はOSデータだけど一度見たらPCごと破棄されるよう仕組んだ。
夜にメールが来ててすぐに正式発注したいとのこと。

返信で値段つりあげてやった。

○月P日
下駄箱に手紙が沢山入っていた。
ほとんどが女の子からだったが中にはカミソリが入ってるものもあった。
なんでもオーブではこのやり方が普通らしい。

マユちゃんに話したら「お兄ちゃん、すごーい!」と言われたが娘ほどの子からもらっても。

○月K日
モルゲンレーテのエリカ・シモンズさんからメールが来てた。
発注金額は指定の金額の10分の1なのに高圧的な書き方だった。

腹が立ったので10分の1程に性能落とた上でクラックして彼女のフォルダに置いておいた。

○月J日
ユニウス7に核が打ち込まれる日を思い出した。
レノアおばさんに適当なメールを出しておいた。

上手く引っかかってくれると良いんだけどね。
159小ネタ:2007/07/26(木) 00:52:10 ID:???
X月W日
ブルーコスモスがやたらメディアに出てきてる。

血のバレンタインまで残り少ない。

X月Z日
再度エリカ・シモンズさんからメールが来た。
追加で元値の5倍払うとあった。
それでも僕の指定の半分だ。

返信に「人殺しになりたいならご自由に」と書いてやった。

X月Q日
学校で保険体育があった。
女の子はキャーキャー騒いで楽しそう。

今度はバレないようにキャバクラ行こうと決めた。

X月E日
前回の儲けを使って違う店に行った。
寂れた店だったけど胸の大きなおねーさんが凄く可愛がってくれた。
なぜか知ってる気がするおねーさんだった。

楽しかった。

X月F日
授業中にふと気が付いた。

昨日のおねーさんって、マリューさんだ。
160通常の名無しさんの3倍:2007/07/26(木) 02:36:42 ID:???
小ネタ氏GJ!

こうゆーのいいねw
161通常の名無しさんの3倍:2007/07/26(木) 06:30:45 ID:???
この勢いで>>69-80の鬼血骸を消し飛ばして欲しいぜw
162通常の名無しさんの3倍:2007/07/26(木) 18:29:27 ID:???
これは善いものだ
163通常の名無しさんの3倍:2007/07/26(木) 20:03:52 ID:???
自己投影でしか書けないオナニストと
独立したキャラクターを書けるエンターティナーとの違いだねw
164通常の名無しさんの3倍:2007/07/26(木) 20:55:29 ID:???
わざわざ糞作品を話題に出さないでほしい。
ムカつくから。
165通常の名無しさんの3倍:2007/07/26(木) 21:03:46 ID:???
>>164
どの作品のこといってるのか解ってるの?
166通常の名無しさんの3倍:2007/07/26(木) 21:50:35 ID:???
あるスレで荒氏対策にage進行でID表示にしたら成果が出つつあるんだがここでも試してみないか?
167小ネタ:2007/07/26(木) 22:08:48 ID:???
X月K日
血のバレンタインまで数日を残すところとなった。
レノアおばさんもアスランもまだユニウス7にいるらしい。

仕方ないので突然に訪問することにしてアプリリウスの家に戻ってもらうことにした。

X月G日
今日も下駄箱にはラブレターとカミソリ入りの封筒がてんこ盛り。

飽きないのだろうか?

X月O日
TVはユニウス7崩壊のニュースで持ちきりだった。
メールが入ってレノアおばさんが無事を知らせてきた。
大変だろうにレノアおばさんはしきりに僕の事を心配してくれてた。

生きていてくれた。嬉しくて涙が出たのは何十年ぶりだろうか。

X月T日
いきなりキナ臭い展開になって慌てたのか全額前金で払うと
エリカ・シモンズさんからメールが入った。

うん。素直なのは良い事だよ。

X月F日
モルゲンレーテからの支払い金で正式に会社の登記をした。
夕飯の時に話したらみなさん唖然としていた。
シン君のお母さんなんか病気になったと騒ぎ出してしまった。

失礼な。
168小ネタ:2007/07/26(木) 22:10:12 ID:???
X月I日
あれから何度かマリューさんと飲んだ。
子供の気安さで抱きついたり胸に顔を埋めたりしてみた。
ムウさんの気持ちが非常にわかる胸でした。

巨乳バンザイ。

X月S日
南アメリカに続いて世界樹でも侵攻作戦が始まった。
覚えてる通りならもうすぐNJが打ち込まれるはず。

まあ、オーブは地熱発電だから大丈夫でしょう。

X月A日
お店にマリューさんが来てなかった。
ママさんに聞いたら店を辞めたと言う。
帰りにママさんがマリューさんの事を色々教えてくれた。

今度、逢いに行ってみよう。

X月B日
モルゲンレーテからMSアストレイの簡易仕様書が暗号文で来た。
指示されたサーバーから詳しいデータを落として分析。

早速、基礎OSの構築を始めました。
169小ネタ:2007/07/26(木) 22:11:31 ID:???
X月D日
徹夜明けで学校サボってマリューさんの部屋に行ってみた。
隈を作ってボンヤリしてるだけのマリューさんがそこにいた。
ロクに反応しないのは心神喪失なのだろうか。

いったい何があったんだろう。

同日 夜 アスカ家
彼氏が戦死したとマリューさんは言った。
いきなり連れて来たのにシン君のあ母さんはあれこれ面倒見てくれた。
シン君のお父さんはモルゲンレーテで多少面識あったようで驚いていた。
マユちゃんは気に入ったのか一緒にお風呂に入っている。

モルゲンレーテには診断書偽造して長期休暇ってことにして誤魔化した。

X月G日
授業中にひたすらOS構築してたらバレて先生に怒られた。
生徒指導室で延々とお説教をくらう。

今度からカモフラージュ画面にソリテア使うのは止めようと思った。

X月H日
休み時間にOS作ってたら遊んでた子がぶつかってきてPCが落下した。
運が悪かったのか今日作った分が全部飛んでしまった。

自分でも顔が引きつってるのがわかった。

X月I日
前回の反省から徹夜でモルゲンレーテのサーバーからこっそりデータ引けるようにした。
昼過ぎにまた生徒指導室に呼び出されてカミナリ落とされた。

学校の回線がこんなに貧弱とは思わなかった。orz
170小ネタ:2007/07/26(木) 22:13:09 ID:???
X月H日
また徹夜で家のキャンピングカーにアクセスポイントとサーバーを仕掛けた。
朝、ナチュラルにハイのまま車に乗って学校行こうとしてシン君のお父さんに怒られた。

そうだった。僕は今12歳だった。OTL

X月J日
遅れてる工程を取り戻そうと徹夜した。
もちろん授業なんか無視で作業した。

学校帰りに躓いて転んだら鞄の中の光ディスクを割ってしまった。_| ̄|○

X月U日
徹夜4日目の朝。
マリューさんがようやく立ち直れそうな雰囲気。
翳があるものの微笑が少し出来るようになった。

マユちゃんに「マリューさんの隈がお兄ちゃんに移って良かった」と言われた。

X月Q日
徹夜5日目。
処理の遅さにイラついたので学校帰りに高スペックなノートを購入に走る。
が、シン君の制限付きカードに会社のお金入れてしまってたため購入不能。

不貞腐れて早寝することにした。

X月W日
先日のビクトリア戦でザフトが敗退したニュースが流れていた。
連日の徹夜ですっかり忘れてた。

4月1日まであと少しか。
171小ネタ:2007/07/26(木) 22:14:45 ID:???
X月P日
銀行にクラッキングかけようと思ったらメインは物理的に繋がってなかった。
さすがオーブ銀行だ。

これじゃお金移せないよ。

X月Y日
シン君のお父さんに頼み込んでカードの制限を緩くしてもらう。
もちろん接待に行ってもらった。
帰ってきたシン君のお父さんはバレたのかシン君のお母さんにタコ殴りにされていた。

ラクスにぶん殴られてる僕がダブって涙が出た。

X月Z日
部屋に遊びに来たマリューさんに作りかけの基礎OSデータを見られた。
マユちゃんは気が付かなかったようだけど。
マリューさんは技術屋の血が騒ぐのかしきりに質問してきて困った。

そうだ。マリューさんにも協力してもらおうかな?

A月A日
とうとうNJが打ち込まれた。
オーブは地熱発電のためほとんど被害はなかったけど。

でも、電波障害で携帯が通じなくなったのにはマイった。

A月F日
モルゲンレーテから出向の話が来た。
まずいよ。ミドルスクールの僕が行っても話にならない。

やっぱりマリューさんに協力してもらおう。
172通常の名無しさんの3倍:2007/07/27(金) 00:19:12 ID:???
>>166
お前が率先してやって見せろよ
軍板の嵐共が08スレでやってたな作品モドキとマンセーのIDが見事に一致するんだろ
173通常の名無しさんの3倍:2007/07/27(金) 02:44:59 ID:???
どうでもいいし必要ない
174通常の名無しさんの3倍:2007/07/27(金) 05:36:20 ID:fmP/t7so
>>171
>ラクスにぶん殴られてる僕がダブって涙が出た。
禿しくワロタ。。。
175名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 06:30:33 ID:???
アニメサロンVIPに立てるといいよ
176名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 17:21:03 ID:???
それは名案だw才ある職人も多いしな。
177通常の名無しさんの3倍:2007/07/31(火) 04:00:41 ID:???
CCAスレ10より

38 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/27(金) 01:36:22 ID:???
某スレで、age厨対策にID出しでの進行推奨中だからなぁ
他のスレでの保守も、ところどころID出しになっててワロスw


39 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/27(金) 12:25:21 ID:???
age厨対策に一緒になってageてどうすんだ?
それにそんなスレageたらますます厨が寄ってくるだけだろ。


40 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/27(金) 13:16:52 ID:???
難癖を付ける

(自演だけど)抵抗する人がでる

(今度は住人が)文句を付ける

(自演、ほくそ笑みながら)じゃあID出そうぜ?sageたヤツは荒らしな?

住人納得

荒れた状態でスレが急浮上。厨を呼び込む

ROM組、ヲチ組以外誰もいなくなる

ってことらしいから気をつけよう。
折角二桁入ったんだ、潰されるには惜し過ぎる。
178通常の名無しさんの3倍:2007/08/01(水) 01:02:49 ID:???
age厨じゃなくて自演対策だからアレ。
そんなに必死になってやめさせようとするところを見ると効果あるみたいだな。
179通常の名無しさんの3倍:2007/08/01(水) 19:26:39 ID:???
ID出しにしたとたんに、荒らしも擁護も消えて過疎化したからな
ほとんど自演だったんだろうな、あそこは
180通常の名無しさんの3倍:2007/08/02(木) 00:13:37 ID:???
過疎ってるなぁ。
つまりここも自演の巣だったわけなんだね。
181通常の名無しさんの3倍:2007/08/02(木) 01:03:02 ID:???
職人>様子見
住人>投下が無いんで話題が無い+また荒れるのがいやで様子見
なんだろ。
早いとこ元の活気を取り戻したいよ。
182通常の名無しさんの3倍:2007/08/02(木) 16:54:55 ID:???
>>180みたいに煽る人が多いなら当分書く気ない。
色々やりたい事も出てきたし。
そのうちこの経験生かして書きたいとは思ってるけど。
気長に待ってね。
183通常の名無しさんの3倍:2007/08/02(木) 21:51:40 ID:???
別に嫌なら書かなくてもいいよ
期待して待つほど良い出来でもないし

まあ、どうせ脳内職人なんだろうけどさ
184通常の名無しさんの3倍:2007/08/02(木) 21:59:20 ID:bJ9iVncj
プロローグ

広大な宇宙空間の中、運命と無限大の正義の名を冠するMSが激突していた。
背中に大きな羽を持ったMSは主兵装のうちの一つ、「アロンダイト」を破壊されながらもあきらめる事はなく目の前の相手を倒すことだけに集中している。
が、リフターを背負ったMSから通信が入る。

「シン!過去に囚われたまま戦いはもうやめろ!!そんな戦いを続けた所で何も戻りはしない!!」

「アンタなんかに俺の何が判るっていうんだ!!分かった風な口を利くな!この裏切り者が!!!」

「くっ!だが、お前は未来まで殺すつもりか!?お前が欲しかったのは、本当にそんな力なのか!?」

「オレは…誰かを守れる力が欲しかっただけだ!!ルナや、ステラや、マユを!!」

「だが、そんな事をしても死んでいった者達は喜びはしない!!」

「五月蝿い!それでも!ルナはまだ生きている!!だから、ルナを守る為にオレはあんたを、フリーダムを倒す!」

「このッ!馬鹿野郎!!」

「あんたは言ったよな!?敵って誰だよ…って!俺の敵は、目の前にいるお前達だ!
お前達を倒して平和で皆が安心して暮らせる世界を目指すんだ!!」

「それがお前の答えか!シン!!なら!俺もお前を倒す!!」

「あんたって人はぁーーー!!!」

185通常の名無しさんの3倍:2007/08/02(木) 22:00:34 ID:bJ9iVncj

既に対艦刀を失ったシンは両肩のフラッシュエッジを構え突進する。
対するアスランは両手にビームサーベルを持ち二刀流で応戦する。


「アンタを倒す!!答えは聞いていないッ!!!うおおおおおッッ!!!!」

「ぬああああああッ!!!!」

小太刀とサーベル。

この二つが激突し、宇宙に綺麗な花を咲かせる。

二人の男の想いが激しくぶつかりあう。運命と正義が宇宙に舞い、激突する。弾かれ、離れ、再び斬り合う。そんな光景が何度も繰り返される。五分と五分どちらも引くことはない。

長引く勝負にアスランは意を決した。

(俺は…未来を生きる!だから、未来を切り開く!!)

何度目かの斬り合いかなんて分からない。斬り合った瞬間に運命を弾き飛ばし持ち得る全ての火器を運命に照準を合わせ引き金を引く。

緑色の光が運命へ吸い込まれるが間一髪のタイミングで防御する。
だがそれがアスランの狙いだった。

「俺の勝ちだ!シン!!」

リフターを切り離し運命に向かって突撃させる。

「うわああああ!!!!!!!」

防御した運命の腕を上げると目の前に迫る桃色の刃。
シンが挙げた悲鳴。それは恐怖か、負けた悔しさか?

ごめん、ルナ…俺、守ってやれなかったよ。

目を閉じ静かにシンは桃色の光に貫かれた。


186通常の名無しさんの3倍:2007/08/02(木) 22:02:56 ID:???
ひとまず序章だけ書いてみました。
ここからシンはキラの中に入ることになります。
また書き溜めたら投下したいと思います。

駄文失礼しました。
187通常の名無しさんの3倍:2007/08/02(木) 22:47:35 ID:???
お、新しい職人か?がんばれ
188通常の名無しさんの3倍:2007/08/02(木) 23:19:01 ID:???
自演煽りが現れる↓
189通常の名無しさんの3倍:2007/08/02(木) 23:24:31 ID:???
なんでわざわざageて投下するんだ?
190通常の名無しさんの3倍:2007/08/02(木) 23:31:45 ID:???
sageかた知らねんじゃね?
191通常の名無しさんの3倍:2007/08/02(木) 23:45:13 ID:???
夏だもんなぁ…
192通常の名無しさんの3倍:2007/08/03(金) 00:17:37 ID:???
↑ここまで自演
193通常の名無しさんの3倍:2007/08/03(金) 00:38:02 ID:???
↑ここまでが自演
194通常の名無しさんの3倍:2007/08/03(金) 02:54:39 ID:ENIMtecc
>>188-193は自演荒らし

>>186
GJ!
楽しみにしてます。
195通常の名無しさんの3倍:2007/08/03(金) 21:08:45 ID:???
>>194
ageてるお前も荒らしだなw
196通常の名無しさんの3倍:2007/08/05(日) 18:28:24 ID:???
「アンタを倒す!!答えは聞いていないッ!!!うおおおおおッッ!!!!」
↑これもろリュウタロスw
197通常の名無しさんの3倍:2007/08/05(日) 22:01:08 ID:???
みんな分かってると思うよ?
198通常の名無しさんの3倍:2007/08/07(火) 22:15:12 ID:???
自演がいないと静かでええヤネ
199通常の名無しさんの3倍:2007/08/13(月) 12:40:08 ID:???
般  羯 多 呪 多 得 想 掛 所 亦 無 耳 不 是 異 蘊 観  摩 
若  諦 呪 能 是 阿 究 礙 得 無 意 鼻 増 舎 色 皆 自  訶
心  羯 即 除 大 耨 竟 無 故 老 識 舌 不 利 色 空 在  般
経  諦 説 一 神 多 涅 掛 菩 死 界 身 減 子 即 度 菩  若
      呪 切 呪 羅 槃 礙 提 盡 無 意 是 是 是 一 薩  波
   波 曰 苦 是 三 三 故 薩 無 無 無 故 諸 空 切 行  羅
   羅   真 大 藐 世 無 陀 苦 明 色 空 法 空 苦 深  蜜
   羯   実 明 三 諸 有 依 集 亦 聲 中 空 即 厄 般  多
   提   不 呪 菩 佛 恐 般 滅 無 香 無 相 是 舎 若  心
        虚 是 提 依 怖 若 道 無 味 色 不 色 利 波  経
   波   故 無 故 般 遠 波 無 明 觸 無 生 受 子 羅
   羅   説 上 知 若 離 羅 智 盡 法 受 不 想 色 蜜
   僧   般 呪 般 波 一 蜜 亦 乃 無 想 滅 行 不 多
   羯   若 是 若 羅 切 多 無 至 眼 行 不 識 異 時
   諦   波 無 波 蜜 顛 故 得 無 界 識 垢 亦 空 照
        羅 等 羅 多 倒 心 以 老 乃 無 不 復 空 見
   菩   蜜 等 蜜 故 夢 無 無 死 至 眼 浄 如 不 五
   提
   薩
   婆
   訶
200通常の名無しさんの3倍:2007/08/14(火) 01:03:03 ID:???
………………盆だから?
201通常の名無しさんの3倍:2007/08/18(土) 09:06:18 ID:???
保守
ついでにage
202通常の名無しさんの3倍:2007/08/18(土) 23:41:58 ID:???
ageるなよ厨がよってくるじゃないか俺とかつ鏡
203通常の名無しさんの3倍:2007/08/22(水) 21:11:49 ID:???
age
204通常の名無しさんの3倍:2007/08/22(水) 21:22:24 ID:???
上げるなっつうのハゲ!
205通常の名無しさんの3倍:2007/08/22(水) 22:07:32 ID:???
ハゲてないもん!
206通常の名無しさんの3倍:2007/08/23(木) 12:37:43 ID:???
>>205はアスラン。
207通常の名無しさんの3倍:2007/09/02(日) 23:40:35 ID:???
保守
208通常の名無しさんの3倍:2007/09/08(土) 00:48:04 ID:???
>>1 にある前提とは外れてると思うけど、取り敢えずプロローグだけ。
209逆行のシン⇔キラ:2007/09/08(土) 00:49:05 ID:???
プロローグ〜〜我が人生に悔いあり!




「アスカ隊、任務を終え帰還しました!」
「おう、ご苦労さん」
テロリストの掃討任務を終えた俺は、バルトフェルド副指令に挨拶した。彼は40台の半ばの年齢だが、
そうと感じさせない気さくさと、同時に年齢以上の重厚さを併せ持っている。
俺はこの人に促されて、今回の戦闘の詳細の説明を開始した。
副指令は時々質問を挟みながら聞き終えると、自ら入れたコーヒーを振舞ってくれる。そして満足そうに
俺の事を褒めてくれた。
「いや、大したもんだ。あの辺りのテロリストには手を焼いていたが、あっさりと片付けるとはな。
 正直もう少し手こずるかと思っていた。流石ネオザフト最強を謳われるアスカ隊だな」
「そんな。ヤマト司令に比べれば」
「アイツは、そう易々と動ける立場では無い。それにこういった任務を安心して任せられるのはアイツ
 より、はお前のとことホーク隊……スマン」
「……いえ」
彼女の名前が出たことにより、場を気まずい雰囲気が流れた。ホーク隊隊長ルナマリア・ホーク、戸籍の
上ではルナマリア・アスカは、イザーク・ジュールが後方任務にディアッカ・エルスマンがネオザフトの
アカデミー校長に就任して以来、俺のアスカ隊に次ぐ功績を誇る実戦部隊の隊長になっていた。
「なあ、思い切って聞くが、よりを戻そうとは思わんのか?」
副指令は気まずい沈黙を破って、切り込んでくる。しかし。
「戻すも何も、俺には何で彼女が出て行ったか……」
「まだ原因が分からんのか?」
俺は首を縦に振ると、3年前に出て行った彼女との思い出を振り返る。
レクイエムの攻防戦に敗れた後、ラクス・クラインが新たなプラントの支配者になった。俺は敵対者の上、
当事のザフト軍のエースパイロット。はっきり言って彼女の側に付いて戦った兵士を数えるのもバカ
らしいほど殺害していた。それどころか俺は彼女の恋人であるキラ・ヤマトを後一歩のところで殺して
いたのだ。戦場でのこととは言え関係無かった。戦後の裁判など戦勝国の公開リンチみたいなものだ。
だから俺は処刑されるのを覚悟していた。
しかし、現実は処刑どころか優秀な戦士として迎えられ優遇された。キラさんには友人として扱って
もらい、すぐに一隊を任せられる事になった。
210逆行のシン⇔キラ:2007/09/08(土) 00:50:26 ID:???
正直、ラクス・クラインよりギルバート・デュランダルを支持する俺としては複雑な気持だったが、
付き合っていた彼女、ルナが妊娠した事で、そんな事を考える事も無くなっていた。コーディネーター
同士の恋人で子供が出来るのは奇跡に近い。これはキラさんでも成していない偉業で、多くの人から祝福
と同等の嫉妬を浴びた。
そして俺達は結婚し、やがてルナは女の子を出産した。コーディネーター同士の子供は親に似ていない
ケースがある。俺と両親もそうだったし、そして俺達の子供もそうだった。産まれた娘は淡い金髪を
していた。だから俺は娘に『ステラ』と名付けた。
それからは幸せな日々が続いた。外ではネオザフト屈指の軍人と称えられ、内では温かい家庭の父親。
最初の頃は俺なんかが、こんなに幸せで良いのかと疑問にも感じたが、ステラが成長するにつれて、
今の幸せに浸っていった。
それからの俺は、家に帰るとステラにただいまのキスをして、ステラと風呂に入り、ステラと添い寝して、
ステラにいってらっしゃいのキスをしてもらって任務に向かう。そんな日々を過していた。
そして月日は流れていき、そろそろ胸が膨らみだす頃かなと楽しみにしていた矢先だった。
『貴方の娘を見る目は普通じゃ無い!』
そんな謎の言葉を残して、ルナはステラを連れて家出した。訳が分からない俺は、ルナに何とか戻って
くるように頼んだが聞き入れてもらえず。諦めかけた俺は最後の頼みをした。
『なあ、ルナはいいけど、ステラは返してくれない?』
返事は無言でビンタだった。怒りと悲しみが極限まで達したかのような表情に俺は恐れ、それ以来彼女と
たまたま軍で会っても無視されるに至っている。
俺は溜息を吐きつつ副指令に質問した。
「何がいけなかったんでしょう?」
「気付けよ」
「え?」
「いや……なんでもない」
何故か副指令は溜息を吐いて頭を抱えていた。
しばらくすると副指令は顔を上げ、いくつかの伝達事項を伝えてきた。
「……まあ、要するにしばらくは何も無い。休暇だと思え」
「はい。それでは部隊に戻り、部下に伝え解散します」
「うむ」
そして、お互いに立ち上がり、右腕を斜め45度に真っ直ぐ伸ばし……
「ラクス様のために!」
「ラクス様のために!」
お互いにネオザフト式の敬礼をすると、俺は副指令の元を辞した。
……それにしても、副指令の考えたこの敬礼ってどうよ?
211逆行のシン⇔キラ:2007/09/08(土) 00:51:30 ID:???


俺は自分の部隊に指示を伝えると、街へ出るべく軍内部の廊下を歩いていた。
1人でいると色んなことを考えてしまう。俺もすでに30歳を過ぎた。俺は今何をしてるんだろう。
戦って帰ってきても誰も出迎えてくれる人はいない。そんな空しい生活。そう言えば昔言われたっけ?
『お前の望みはそんなものなのか?』
あの時は鬱陶しいだけだったが、今ならはっきりと言える。
『違う。俺の望みは今みたいな生活じゃない』
何処で間違えたんだろうか……そう考えると、視界に見知った人物が入ってきた。
「キラさん……じゃ無く、ヤマト司令」
「ん?……シン」
死んだ魚みたいな目で俺を見てくる人物。ネオザフト軍総司令官キラ・ヤマトだった。
俺は、その表情で察した。彼がこれから戦いに赴く事に。すでに時間は殆どの公務が終わり、後は夜勤の
連中の警戒任務等の時間だ。しかし彼の戦いは終わらない。つーか、ぶっちゃげ司令と言っても、この人
昼間は何もやってないし。
「ハハハ……久しぶりだね」
「はい、先程戻ったところです」
「そう、無事に戻ってこれて良かった……それと堅苦しい言い方は必要無いよ」
「でも、ここは軍内ですから」
目の下にクマを作り、死にそうな目で俺を気遣ってくれる優しさに感謝しながら、彼のこれからを確認
する。
「あの……これから?」
「……君は良いよね。どうせ、これから若い女の子を引っ掛けてよろしくするんだろうね。その点、僕
 なんか…!」
「ダメだ!」
俺は咄嗟にキラさんの口を片手で塞ぎ、その先を言わせなかった。万が一聞かれでもしたら、キラさんは
ただでは済まないだろう。
「ゴ、ゴメン……それと有難う」
「気にしないでいいさ。俺に出来るのはこれくらいしか……」
別にラクスさんは自分の悪口を言われたからって、その人物をどうにかするほど狭量な人では無い。
キラさんだけが色んな意味で別格だった。良くも悪くも愛されている。まあ、俺だったらゴメンだが。
「それじゃ……行ってくるよ。ラクスを待たせると不味いし」
三十路を過ぎ、ますますお盛んな女帝の相手を務めるため、ザフト最強の戦士は売られた小牛のように
弱い足取りで歩み去っていった。
212逆行のシン⇔キラ:2007/09/08(土) 00:53:35 ID:???
俺はキラさんの姿が見えなくなるまで見送ると、再び歩き始めた。
そして、歩きながら今夜の食事を何処でするかを考え始める。手っ取り早いのは軍の内部にある食堂だが、
俺みたいな上の立場に立つ者が行くと、他の連中が気楽に食事が出来なくなってしまうのが欠点だ。
あそこは給料の安い若い軍人にこそ優先権があるべきだろう。という訳で、俺は適当な店を探そうと街を
彷徨い始めた。給料はそこそこ貰ってるから別にケチるつもりは無いが、最大の問題は一人では入れる
店が限られてしまう事だった。
「……結局ここか」
そして、散々迷った挙句辿り着いたのは、普段から愛用している店だった。
「いらっしゃいませ。お一人様ですか?」
実は後から連れが来るなんて見栄を張りたい気持を我慢して正直に頷く。
「それではカウンターになりますが、よろしいでしょうか?」
席に向かう途中、4人グループの若者がいた。雰囲気から軍人だと察し、右手をポケットから出し、彼等
の動きに備える。
「……あ!」
そして思ったとおり、1人が俺に気付き、周りの仲間に伝え立ち上がろうとするが、俺は素早く右手を
前に差し出す。いわゆる「マテ!」のポーズだ。
「ラク……」
そして、ネオザフト式の敬礼をする前に止める事に成功する。
「いい、プライベートの時間だ」
「はい!」
これで、何とか周りの注目を浴びるのを防げた。やっぱり、あの敬礼は何とかしてほしい。
そして、カウンター席に到着する。カウンターには長い黒髪の女性の1人客だけで、他には居なかった。
適当な席を決め、座ろうと椅子を引いた時、隣に座る女性が俺の顔に気付いた。
「え!?……ラクス様のために!」
「ラクス様のために!……」
迂闊だった。後ろから見た限りでは全然軍人らしくなかったんだが……
「ん? 君は……」
「ハイ! リセリア・ストーンです!」
通りで軍人らしく無いはずだ。表情に幼さを残す少女は先日アカデミーを卒業したばかりで、先の戦闘の
前に俺の隊に配属されたばかりの新米兵士だった。
「まあ、座ってくれないか。周りが注目している」
「え? も、申し訳ありません!」
彼女は周囲の視線に気付くと慌てて席に着く。その緊張した初々しい姿に俺は自然に笑みが零れた。
やはり若い子はいい。
213逆行のシン⇔キラ:2007/09/08(土) 00:54:48 ID:???
こうして出会った以上、無視するわけにもいかないので彼女と会話する事にする。
「初めての実戦がアレでは、大変だったろう?」
「いえ! そんな事は……と、言いたいところですが、付いて行くので精一杯で、一機も……」
今回の任務は、副指令が言ったようにハードな相手だった。正直、そんな場所にルーキーを連れて行く事
自体に抵抗を感じたくらいだ。
しかし、彼女は活躍できなかった事を恥じてる様子だった。彼女は俺の部隊に配属されるだけあって、
赤服、所謂エリートだった。おそらくプライドもあったはず。だからこそ、こんな場所で1人食事を
突っつきながら落ち込んでいるのだろう。ここは先輩として慰めることにする。
「気にする事は無い。初陣では何より生き残る事が大切だ。こう言う俺だって初陣では一機も落とせは
 しなかった」
「隊長がですか!?」
「ああ、やっと落せたのは戦場に出て3回目だったかな」
嘘は吐いていないはずだ。何と言っても初陣の相手がステラ(娘じゃ無い方な)達だったからな。思えば
よく生きて戻れたもんだ。
その後、彼女との会話は弾み、やがて家庭の話しになっていった。彼女の父親はザフトの軍人だった
そうで、彼女が生まれて間も無く、レクイエム攻防戦の時に戦死したらしい。
どちらに付いたかを言わなかった事から、多分俺と同様デュランダル議長の元で戦ったのだろう。
もしラクス側だったら、もっと誇らしげに語るのが今のザフトだった。まあ、それはある意味正しい姿
なのだろう。ラクス・クラインの治世が安定している証なのだから。
しかし、やりきれない気持になる事もある。特にこんな出会いをしたら。
「すまなかったな。もう少しあの時の俺に力があれば、君のお父さんを死なせずに済んだのかもしれない」
「そ、そんな! それより隊長の家族は…も、申し訳ありません!」
慌てて言い繕う彼女の態度に苦笑してしまう。そう。俺の家庭の話などザフトの軍人は殆ど知っている。
「気にする事は無い。戦う事しか知らんから女房にも逃げられる。それが俺という男さ」
「隊長……」
「俺みたいな人間は世の中に居てはいけないのかもしれんな」
「そ、そんな事ありません!」
「いや、そうなんだろうさ。だから君は俺みたいにはならないでほしい」
決まった。元々ルナに逃げられた後、キラさんが呆れながら呟いた台詞。
『戦争の事しか考えないから女心が……て、いうより一般常識が欠けてるんだよ。君みたいな人間は
 世間が許さないと思うよ』
それを改変しただけなんだが、何故か格好良くなる。
ごめんキラさん。キラさんは今頃、女帝のお相手で大変だろうけど、俺は上手く若い娘さんをゲット
出来そうです。
214逆行のシン⇔キラ:2007/09/08(土) 00:55:54 ID:???


ラクスが、ようやく満足して眠った事を確認すると、僕は力尽きて横になった。
ラクスは外では公明正大な政治家として評価されているけど、僕に対しては……
バルトフェルドさんは、それがお前の仕事だと言うけどさ、僕の存在って何なんだろう?
疲れた……もう疲れたよ……何でこんな事になったんだろう? おかしいよ。今頃シンは若い女の子と
上手くやってるはずだ。何故か彼はルナマリアに逃げられてから逆に女の子が寄ってくるようになった。
シンはロリコンなのに何で誰も気付かないんだろう? いっそ、これ以上若い女の子が犠牲にならない
内に、ルナマリアに逃げられた理由をばらしてしまった方が良いんじゃないかな。
でもルナマリア本人が口止めしてるし……正式に離婚もしてないとこを見ると未練があるのかな?
優しい奥さんに未練を持たれて、さらに若い女の子と上手くやってて……
「ズルイや……代わりたいよ」
僕だってたまには若い女の子とイチャイチャしたいよ。まあ、シンほどストライクゾーンが低めに
広くは無いけど……実際、僕たちの歳でアカデミーを卒業したばかりの15歳程度の女の子を喰うのは
不味くない? と、そこまで考えたときラクスが動き出す気配がした。
「ん〜〜〜♪」
「ひっ!…………ふぅ〜」
良かった……ただの寝返りだった。
「……もうヤダ」
何で隣で寝てる女の子の動きにビクビクしなきゃいけないのさ!
僕は何処で間違ったんだろう? 人生のやり直しが出来ないのは分かってるけど……もう一度やり直しが
したいよ。もしくはシンと入れ替わりたい……
「神様……助けて……」
そう呟いて僕は目蓋を閉じ、眠りに付いた。
215逆行のシン⇔キラ:2007/09/08(土) 00:57:01 ID:???


あの後、アルコールがメインの店に場所を代え、彼女との会話を楽しんだ。やがて酔った彼女は心の中に
溜め込んでいたものを少しずつ吐き出していった。物心が付く前に父親を失なった少女は父親の事を
知りたがるが、得られる回答は母から聞かされる優しく勇敢だった立派な男性と、母以外の人が語る
ラクス様に逆らった愚か者。よって死んで当然の人物という正反対の回答。
「お父さん……」
リセリアが俺の腕を枕に寝言を呟く。彼女は父親を求めていた。
酔った彼女は俺に父親を重ねて甘えてきた。行為の最中にお父さんと呼ばれるのが、コレほど興奮する
とは……癖になりそうで怖い。
まあ、それは置いといて、やはり今の状況にやりきれない気持が強くなる。
「まるで傷の舐めあいだな……俺が弱かった報いか?」
もし、あの時の俺にキラさん程の力があれば、彼女の父親は死なずに済んだかもしれない。
俺は、あの人の絶対的な力に憧れる。そうすれば大切なものを失わずに済んだと今でも考える。
そして、俺は彼女の寝顔に娘の姿を重ねた。今年12歳を過ぎたばかりで、まだ甘えたい盛りだろう。
ステラは俺が居なくて寂しい思いをしていないだろうか?
「ステラ……」
そう呟いた。それがどちらのステラなのか自分でも判断が付かなかったが、どちらも会えない事実には
変わりなかった。
こうしていると、俺は今まで何をしてきたのかと考えてしまう。未だに争いは無くならない。今の俺は
ラクス・クラインを守る兵士だが、本音では未だにデュランダル議長を尊敬していた。
ラクスさんのやり方では、どうしても手緩いのだ。大きな戦争は無くなったが、テロの規模は拡大して
いる。先日のブルーコスモスのテロなどコロニーが丸ごと無くなった。その前のパトリック信者は、
事前に防げたとは言え、地球に隕石を落そうと目論んでいた。
ギルバート・デュランダルが最後に何故ああも急いだのか未だに分からないが、彼なら今よりマシな
世界を築いていたのではないかと真剣に考えてしまう。
「あの時に今の力があれば……」
昔の俺は弱かった。何も考えずに闇雲に暴れていただけだが、今なら少しは成長している。
今の俺ならマユもステラも、それ以外の大切な人も守れたはずだ。
「あるいはキラさんみたいな……」
そう、それ以上の力の持ち主。そんなありえない事を考えながら俺は眠りに付いた。せめて、夢の中では
大切な人たちに出会えるように願いながら。
216逆行のシン⇔キラ:2007/09/08(土) 00:58:06 ID:???


「お兄ちゃん朝だよ。もう起きてってば!」
僕の身体を揺さぶり起こそうとする声…………お兄ちゃん? 確かに若い女の子と仲良くしたいとか
思ってたけどさ、よりによって兄妹プレイ?
「ほら、早く起きるの!」
お腹の上に圧迫感を感じる。どうやら腹の上に乗っかったようだ。そして何より、この甘ったるい声。 
ちょっと勘弁してよラクス。目尻にシワのある三十路の女が出す声じゃ無いって! この声から察するに
格好も若作りしているはず、多分小学生くらいかな?…………嫌だ! 絶対に見たくない! ランドセル
を背負ったラクスを想像して、鳥肌が立ってしまった。
「ちょっと、お兄ちゃん! ぜったい起きてるでしょ!」
僕が目を開けまいと力を入れてるのが分かったらしく、ラクスは更に大声を出し、身体を揺さぶる。
いや、声は本当に可愛いんだよ。でもね世の中には見ない方がいいものってあるよね? 朝から絞られる
のは我慢するからさ、お願いだから目を瞑ったまましようよ。
「もう、こうなったら!」
そう宣言すると、なんと指で強引に僕の目を開こうとしてる。ちょっ! 痛い! 痛いってば!
さすがに抵抗も空しく僕は目を開けてしまった。痛々しいラクスの姿を見る覚悟を決めていたが、
そこに映ったのは……
「あれ?……」
「もう!やっと起きた。お父さんもお母さんも、お仕事に行っちゃったからね。マユ、御飯の準備する
 から二度寝しちゃ駄目だよ」
そう言うと、絞る事も無く僕から離れていく姿は、どっから見ても小学生………凄い! これがザフトの
脅威の科学力か!
で、でもねラクス、いくらなんでもやりすぎだよ。そこまで年齢を下げたら流石に無理! シンなら
喜んでくれるだろうけど、僕には……
「って、ゴメン!」
そこまで考えたとき、シンと目が合い、あわてて謝る……え?……シン?
「あれ?」
僕がシンだと見間違えたのは……いや、見間違いってわけじゃ無いけど若すぎる。10台前半だろう。
そして何より、シンが居るのは鏡の中だった。
「何で……シンが……」
そう、鏡に映る僕の姿は、紛れも無く少年の頃のシン・アスカだった。
217逆行のシン⇔キラ:2007/09/08(土) 00:59:16 ID:???


「……起きなさい! 朝ですよ」
優しい声が、俺に覚醒を促す。
「ん……ん?」
そして、隣で寝ている少女の姿が消えている事に気付く。
「あれ?……ここ……何処だよ?」
見渡してみると見知らぬ部屋。それに俺は何時の間にか服を着ていた。
リセリアの仕業か? そう考えながら部屋を出て、見知らぬ家を人の気配がある方向へと進んだ。
「おはよう。やっと起きたわね」
俺を見て、微笑んでくる年配の女性。彼女の母親? 落ち着いた感じの優しそうな女性だ………って、
ちょっと待て………つーと何? あの子、事に及んだ後、寝ている俺を自分の家まで連れてきたって事?
……怖っ! 怖すぎる! 俺はどうやらトンでもない地雷女に手を付けてしまったようだ。
「なに、ボーっとしてるの? お父さんに挨拶しなさい」
は? お父さん?……確かにテーブルにはそれらしき男性の姿がある。
「え〜と……亡くなられたのでは?」
それを聞いた男性は驚愕の表情……クソッ! 完全に騙された。もう地雷女なんてレベルじゃ無い。
「もう寝ぼけた事言ってないで顔を洗ってらっしゃい!」
何故か怒られてしまった。まあ、このままでは埒が明かないし、俺としても彼女が何を考えてるか冷静に
考える必要がある。ここは取り敢えず顔を洗うため洗面所を借りる事にしよう。
そもそも彼女は何処に行ったんだ? そんな事を考えながら洗面所に辿り着いたとき、鏡に映る自分の
姿に思考が停止する。
俺じゃない……でも見たことがある……いや、俺の記憶にある彼の姿より、かなり若い顔……
「キラさん?」
年齢は15、6歳だろうか……その姿は間違いなく、キラ・ヤマトだった。



続く
218通常の名無しさんの3倍:2007/09/08(土) 01:00:39 ID:???
このノリで問題ないなら続きを書くことにします。
219通常の名無しさんの3倍:2007/09/08(土) 01:11:20 ID:???
問題はない。問題はないが……
どっちもダメ人間でどーしよーもないなこれはw
かなり新機軸な気がする。期待。
220通常の名無しさんの3倍:2007/09/08(土) 01:44:21 ID:???
ダメ人間、バンザイですね。
続きを期待して待ってまーす。
221通常の名無しさんの3倍:2007/09/08(土) 04:24:08 ID:???
GJ! 続き期待してます!
222通常の名無しさんの3倍:2007/09/08(土) 12:08:34 ID:???
GJ!
登場人物みんなが非常に人間くさくて面白い。
223通常の名無しさんの3倍:2007/09/08(土) 12:10:47 ID:???
こんな駄目っぷりな二人では期待するしかない
224通常の名無しさんの3倍:2007/09/08(土) 13:18:47 ID:???
これはwktkが止まらないwww
225逆行のシン⇔キラ:2007/09/08(土) 20:51:08 ID:???


周りから見ると幸せでも、本人はそうでないケースってものがある。例えば僕とラクスの関係がまさに
それだった。
みんなは、あんな素敵な女性から愛されて羨ましいと言うけどさ、物事には限度があるんだ。簡単に
言うと絞りすぎなんだよね。
僕がシン・アスカになって一ヶ月が過ぎようとしていた。今の僕はラクスといた頃の正反対の状況にある。
つまり極限の禁欲生活。
「ん? お兄ちゃん、どうしたの?」
その状況を作った元凶が目を瞑ったままこちらを振り返る。きめの細かい白い肌はほんのりと赤く染まり
肩から背中、腰からお尻へ綺麗なラインを描いている。
「何でもないよ。それじゃあ流すからね」
「うん♪」
僕はシャンプーを終えたマユちゃんの髪に付いた泡をシャワーで流す。
シンがシスコンだという事は知っていた。正直、彼の妹は鬱陶しかったんじゃないかと思ってたけど、
その予想は外れた。彼女も負けず劣らずブラコンだった。
両親は不在が多く、彼女は幼いながらも家事を一手に引き受けようと奮闘し、その健気な姿には感動を
覚える。実際に彼女はこの幼さで家事が上手く、将来は良いお嫁さんになると思えた。
それでいながら甘えん坊で、寝る時もお風呂も一緒でないと嫌だと駄々をこね、片時も離れる事は無い。
最近になって気付いたけど、シンの娘に対する異常な行動もアスカ家にとっては普通の事だったようだ。
つまり何が言いたいかと言うと、僕は溜まっていた。何しろ自分で処理しようにも1人になる事が
出来ないのだ。
「お兄ちゃん、まだ〜?」
「も、もう少し〜まだ、泡が付いてるから」
「え〜、長いよ〜」
この後、湯船で彼女が座る特定席、正式名称は僕の足の上を整えるべく戦闘体制に入ってる僕のジュニア
を収めなくては……そう、僕は溜まってるだけなんだ。別にマユちゃんに興奮しているわけじゃ無い!
僕はノーマルなんだから幼女の裸に興奮するわけ無いんだってば!
「お兄ちゃ〜ん!」
「も、もう少し待って!」



第1話〜〜こんなはずじゃ……
226逆行のシン⇔キラ:2007/09/08(土) 20:52:12 ID:???


キラ・ヤマト、コーディネーターの最高傑作。その能力はあらゆる常識を超越したものだった。
例えば戦闘中にOSを書き換えるという知識と判断力とキーボートの操作スピード。
例えば対G訓練もなしにMSで実戦に入れる体力。
例えば毎晩女帝の相手をやり遂げる無限の精力。
「……そのはずじゃ無かったか?」
俺はパソコンの前で力なく項垂れていた。目の前にあるのは俺が通うカレッジのカトー教授から渡された
手伝いという名の雑用。
それにしても量が多すぎる。明らかに人間に出来る量じゃ無かった。なんでキラさんはこんなものを
引き受けていたんだろう?…………あ、分かった。あの人、気が弱いから断れなかったんだな。それで
下手に能力があってやり遂げるものだから、調子に乗った教授が次の仕事を……
「損な性格してるよな……でも、今の問題は」
俺は溜息を吐いて、再び項垂れてしまった。
俺がキラ・ヤマトになって一ヶ月が過ぎた。だが俺が俺である以上、決してキラ・ヤマトでは無かった。
つまりは記憶の混濁。16歳までのキラさんの記憶は確かにあるが、それはか細いものだった。例えば
キラさんの両親を見て、すぐには分からなかったように友人関係などキラさんなら当然の事と受け止める
はずの事柄が、俺にとっては遠い記憶から無理に引き出すことで理解するしかないのが現状だった。
それは当然といえば当然の事で人間というものは、過去からの積み重ねで構築されるものだ。そして俺が
シン・アスカとしての自意識がある以上、俺の記憶のメインはシン・アスカのものであり、そう構築
されている。逆にキラ・ヤマトの記憶は読んだことがある本の内容のようなものだった。
また、そうでなければ俺は自分の事がシン・アスカかキラ・ヤマトか判断出来なかっただろう。
俺の性格の変化に、両親をはじめ周囲の人間は戸惑ったが、まさか別の人間が憑依(?)しているとも
言えず、また向うもそうは考えないため遅すぎる反抗期と捉えているようだ。
無論、状況に気付いてからは、俺だって出来るだけキラさんらしく振舞っている。そうしないと今の
状況が一時的なものか、それとも死ぬまで続くか分からない以上、下手な事は出来なかった。
それこそ、今夜眠ったら翌朝は俺は消え元のキラさんに戻っている可能性だってあるんだから、残された
キラさんに迷惑を掛けるわけにはいかないのだ。
しかし、いくらキラさんらしく振舞おうにも……
「出来るかってんだ! こんなもんがぁぁぁ!!!」
人間には出来る事と出来ない事がある。キラさんなら可能な仕事量も俺には無理難題だった。

227逆行のシン⇔キラ:2007/09/08(土) 20:53:22 ID:???


「キラ。こんなとこに居たのかよ、カトー教授がお前のこと探してたぜ」
「見かけたらすぐ引っ張ってこいって」
「ゲッ……」
挨拶もなしに俺に死の宣告を与えるバカップル…トールとミリアリアは俺というか正確にはキラさんの
友人だった。
このミリアリアの方は俺の記憶にもあるんだけど、トールって知らないな?
「な〜に? また何か手伝わされてるの?」
「……え〜と、昨日と言うか、その前からのが随分溜まってるんだけど」
「全く教授も頑固だよなぁ。キラが嫌がってるの気付いてるだろうにさ」
トールが呆れながら呟く。まあ、嫌がってるというより本当に無理なんだけどさ。彼は反抗期を迎えた
俺が仕事を押し付ける教授に反発してるが、教授は諦めずに仕事を押し付けているのが今の現状と
認識してるようだった。それでいて、俺に同情的だなんて、ホント良い奴だな。
キラさん、何でこの人と友人関係続けなかったんだろ?……って、あれ? たしかミリィさんって……
「まあ、俺も付いてくから取り敢えず顔だけでも……お、なんか新しいニュースか?」
考え事をしていた俺にトールが声をかけるが、途中で別のものに反応する。
彼が反応を示したのは、戦闘を告げるニュース番組だった。
「ああ、カオシュンらしいな」
「うぃあ〜、先週でこれじゃあ今頃はもう落ちちゃってんじゃねぇの、カオシュン」
「だろうな」
「カオシュンなんてけっこう近いじゃない。大丈夫かなほんと?」
「まー、そら心配ないでしょう。近いったってウチは中立だぜ。オーブが戦場になるなんてことは
 まずないって」
「そう、ならいいけど…って、キラ?」
「お前……」
「え?……あ、ああゴメン」
どこか怯えた表情で声をかけてきた様子から、俺は険しい顔をしていたらしい。
「え? 俺の顔に何か付いてる?」
「いや、何でも……それより教授のとこに行こうか」
迂闊だった。突然キラさんになって混乱していたとは言え、今の状況、ザフトと連合が戦争の真っ最中
だということを、ここヘリオポリスが最初のモビルスーツ戦の舞台になる事をすっかり忘れていた。
彼等の甘い考えは昔の俺と同じで、すぐに打ち砕かれることになる。
「なあ? ホントにどうかしたのか?」
トールが不安そうに尋ねてくる。俺は首を横に振って否定するが、思い出してしまっていた。
ミリアリア・ハウの恋人は今回の戦争で死んだということに。
228逆行のシン⇔キラ:2007/09/08(土) 20:54:30 ID:???
俺はカトー教授の下へ向かっていた。はっきり言って彼の仕事に付き合っている暇は無い。
明日には元の俺に戻っているかもしれないが、ここに残る可能性がある以上は出来る範囲のことは、
やっておきたかった。
キラさんの迷惑を考えて余計なことはしないようにしてきたが、教授に関してはキラさんだって迷惑
していただろう……多分。
だから多少高圧的になっても、これ以上俺に仕事を押し付けてこないように釘を刺しておこう。
「あれ?ミリアリア」
「はーい」
そんな考えをしながら歩いていると、ミリアリアに声をかけてくる女の声……フレイか。
ミリアリアを含めた友人たちと話している少女。フレイ・アルスター、キラさんが愛し、守れなかった
事を悔いた少女……
「ん?」
しかし、俺は背中の気配に反応して振り返る。一組の男女がいる。そして不機嫌そうな表情……
俺達がエレカの前で立ち止まっている事に気付き、すぐに道をあけた。
「あ、ごめんなさい。お先にどうぞ」
「え? いや……では悪いけど先に失礼させてもらう」
「いえ……」
俺は頭を下げると、彼女の不信そうな表情に気付いていた。
「参ったね。後ろ待ってる人がいたなんて。良く気付いたよな」
「うん。たまたま後ろ見たんだ」
俺はそう言ったが、譲られた彼女はそうとは思っていないだろう。俺は彼女が不機嫌になった途端に
反応をしてみせたんだから。
あの雰囲気は軍人か? どうも、ここに来てからの俺は迂闊すぎるな。
余計な動きだった。気付かないフリをするべきだったと俺がそう考えたとき、以外にも素人のトールすら
騙せていない事を知らされる。
「おかしいだろ?」
「え?」
俺の背中に冷たい汗が流れる。
「だって、フレイは向うだぞ。ムッツリスケベのお前が視姦しないなんて」
「いや、ちょっと待て!」
そんな理由かよ……て、ゆーかキラさん。アンタ、好きな女の子をジロジロ見るタイプだったんだね。
思わず俺もフレイの方を見る。たしかに綺麗な少女だ。俺の好みとは少し離れてるけど、彼女を相手に
童貞を捨てたキラさんは幸せだったんだろう……あれ? ちょっと待て……
「どうした?」
「いや……えっと」
……ってことは、俺あの子とやれるの? 
229逆行のシン⇔キラ:2007/09/08(土) 20:55:32 ID:???
フレイ・アルスター。15歳の美少女……キラさんがどうやって最後まで漕ぎ着けたのかを考えながら
歩いてると何時の間にやら目的地に辿り着いていた。
「うーっす」
「あ、キラやっと来たか」
トールの挨拶に友人の1人のサイが俺の事に気付いた。俺も声をかけようとしたが、サイの後方に居た
人物の姿に俺は固まってしまった。
「な、なんで?……」
「どうした?」
「あ、ああ……アイツ…じゃなく彼女は?」
「あ、教授のお客さん。ここで待ってろって言われたんだと」
「え? あれ女!?」
トールが驚くのも無理は無かった。どっから見ても男にしか見えないが、紛れも無くアイツは女だ。
それにしても、何でカガリ・ユラ・アスハがこんなところに?
「それにしても彼女がどうかしたのか? えらく驚いてるが?」
「え? いや……その、何か顔が俺に似てるなって……」
アイツがオーブのカガリ・ユラ・アスハだと言う訳にもいかず、咄嗟の言い訳にキラさんとアスハが双子
だと知ってる俺は、そう言って彼等の注意を逸らす事にした。
「ん? そう言えば……」
「本当だ……」
「ん? 何か用か?」
あまりにも自分が見られているのでアスハまで反応してしまった。俺達は慌てて誤魔化すが、アイツは
不信そうな目でずっと俺達を見てくる。
俺は思わず苦笑していた。昔はアイツの事が嫌いでどうしようもなく憎かったが、あの戦争の後のアイツ
の人生に同情する。
恋人だったアスランと別れた。うん。それはまだ良い。良くある話さ。だが、何でそのアスランを
オーブ軍で雇ったんだろう? しかも相変わらず無神経なアスランは平気でメイリンをオーブに連れて
くるし……
一度は結婚式まで上げながら結婚式をボイコット…後に相手は死亡。指輪を送ってくれた婚約者は
自分が治める国で別の女と……そしてアイツは三十路を超えても未だに独身。
「……キツイだろ?」
カガリ・ユラ・アスハ。憎み続けるにはあまりにも可哀想になる女だった。
230逆行のシン⇔キラ:2007/09/08(土) 20:56:43 ID:???


サイが教授からの依頼を渡してきたが、俺はそれを受け取るだけ受け取ってテーブルに放り投げた。
俺の意思を察したか、サイは苦笑を浮かべただけで何も言ってこなかった。
コイツも良い奴だな……キラさん友達に恵まれてる?
その後、アスハが教授の部屋に向かったりと、俺の用件は後回しにされていたが、その間に俺は今後の
事を考える事が出来た。
このコロニーが何時攻撃されるか覚えていなかったが、そう遠くないはずだ。その間に何が出来るか?
俺とキラさんを比較すると戦闘経験は俺のほうが遥かに上だ。これは今でも引き継いでるので問題無い。
だが、元の俺に比べ体力面では遥かに劣っている。これは今からでも鍛えていくしか無い。まあ素材は
最高なので申し分なかった。
しかし最大の問題は、そんなことでは無い。この時のキラさんに比べ俺が遥かに劣っているのがOSの
書き換え。俺だって多少は出来るが簡単な動きを入力する程度だ。戦闘に耐えるものは専門家の手助け
無しでは、それもましてや戦闘中に変えるなど俺には到底出来ない芸当だ。
だが、この身体はキラ・ヤマトのもの。鍛える事で俺も、正確に言えばこの体が出来るようになるかも
しれない。
まあ、確信は無いし、今夜から早速トレーニングを兼ね、OSの作成を始めよう。それを持っておけば
いざという時にインストールして使える。ストライクのOSの現状が分からないから何とも言えないが、
備えておくに越した事は無い。
やることは決まった。教授に今後は仕事を押し付けないように釘をさしたら、早速トレーニング開始だ。
今日から帰りは走って帰るか。そして帰宅後は筋トレをして、後にOS作成。
俺は大きく頷くと、このプランを新デスティニープランと頭の中で命名する。
その時……
「うわー!」
「隕石か?」
激しい振動が俺達を襲った。
「……あれ?」
……もしかして手遅れ? 今まで考えたのは全部ムダ?……やっぱり命名に失敗したかな。


231逆行のシン⇔キラ:2007/09/08(土) 20:57:55 ID:???


「やっぱり……地球軍の新型機動兵器……お父様の裏切り者ー!」
何かアスハが泣きながら絶叫している。まあ、落ち着けよ。そう思える俺って随分丸くなったよな。
あの後、1人で走っていったアスハを見捨てるのが可哀想で、ここまで追っかけてきたんだけど……
なるほどなぁ……まあ中立謳ってる祖国がこんなことしてたら怒るわな。俺も今のアスハくらいの歳なら
間違いなくキレてたろうなぁ。裏で連合と組まなければMSは出来なかったって事なんだろうけどさ、
それって最初から中立貫く力が無かったってことで……
でも今はそれどころじゃ無い。何しろザフト軍がそこまで攻めてきてるんだから。こんな場所にいたら
軍属と思われて撃たれても仕方がない。
「ほら、ここで泣いてても意味無いだろ。どうするかは落ち着いてから考えろ。行くぞ!」
俺はアスハを引っ張って近くのシェルターにアイツを放り込んだ。ちょうどシェルターは後1人が定員
だったので都合が良かった。
どの道、俺はこの後ストライクに向かおうと思っていたし、言い訳しなくて済む。アスハは最後まで
何か叫んでいたが無視した。相変わらず煩い奴だった……ホントに変わらない女だな。
そして俺はストライクの元へ向かった。
「なに考えてんだか俺って」
思わず愚痴を漏らしてしまった。相手はザフト軍。なんだって俺が戦わなくちゃならないんだ?
でも、知ってしまったから。サイやトール。キラさんの友達が良い奴だってことを……守りたいって
思ってしまった。
こうなったらシン・アスカが取る道は決まっている。
そしてストライクがあった場所へ戻ってきた時、先程もいた女……どっかで見たことあるんだけど
憶えていない。つーか、なんか思い出したく無い女……の後ろから銃を向けるザフト兵がいた。
「危ない後ろ!」
「さっきの子? まだ」
そう言いながら銃を放ち、ザフト兵を撃つ……まて! アンタ本当にナチュラルか? 何か周りに
ザフト兵の死体がいっぱいあるぞ!……アイツが殺ったの?
ええ〜と……そうかアレだ! エクステンデッドはまだ完成したないから、その前期型のヤツ。
何だっけかな?……まあ、アレだ強化人間……あれ? なんだよそれ。そんなのが居るなら、
そいつらが普通にMSに乗っちゃえば良いだろ? 無理してナチュラル用のOS使わなくてもジンの
OSをそのままでも使えるんじゃ?…………何だよ。キラさん、つーか俺の出番無いよ。
「来い!」
そんな考え事してると、強化人間の女が大声で命令してくる。怖いよ!
「え? ひ、左ブロックのシェルターに行きます! お構いなく!」
232逆行のシン⇔キラ:2007/09/08(土) 20:59:05 ID:???
咄嗟に嘘を付き、ここから離れる事を考える。この巨乳の強化人間が居る以上は俺に出番は無い。
「あそこはもうドアしかない!」
……は? ちょっと待てよ! それじゃあ、どうすれば……
「こっちへ!」
え? 強化人間と御一緒しろって? 勘弁してくれよ。そんな事したら……
強化人間に助けられる→俺がコーディネーターってばれる→ヌッ殺される。
……のコンボが決まっちまう。あ〜〜もっと早くこの日を予測できてたら……今の俺じゃあ、絶対に
強化人間に勝ち目は無い。確か前期型の強化人間って薬中だろ? 
「急げ!……ハマダ!」
強化人間が俺の手を引きながら、撃たれた仲間の名を叫ぶ。その時、急に思い出した。この前期型の
強化人間の名前を。たしか……
「ブース…」
「あぁん!」
死んだ。俺は死ぬ。殺気の篭った視線に俺は生を諦めた。
「うわぁ!」
だが、その時、奇跡は起こった。誰だか知れないが勇敢なザフト兵の銃弾がブーステッドマンの肩を
掠めた。
「えーい!」
しかも、ソイツはナイフを片手に突っ込んでくる。俺はこの勇者に眼が釘付けになった……そして、その
顔を見て驚愕する。
「アス…ラン!?」
「……キラ!?」
その懐かしい姿を見た俺は自然に笑みが零れるのを感じた。
本当に懐かしい……いや、アスラン自身は最後に会ってから1年も経ってないけど……アスランの前髪を
見たのは何年ぶりだろう?……本当に懐かしいなぁ……


続く
233通常の名無しさんの3倍:2007/09/08(土) 21:02:28 ID:???
懐かしいの前髪かよ!
234通常の名無しさんの3倍:2007/09/08(土) 21:05:15 ID:???
どうみても今は無き「ラクスとキラってやったの?」スレのキラです
本当にありがとうございました
235通常の名無しさんの3倍:2007/09/08(土) 21:50:25 ID:???
カガリもなんと言うかいまいち幸福になれない人なのか
236通常の名無しさんの3倍:2007/09/08(土) 21:56:36 ID:???
カガリは売れ残ってしまったのか…政略結婚なら山ほどあるんだろうが、そういうの嫌いそうだしなあ。
237通常の名無しさんの3倍:2007/09/08(土) 23:21:12 ID:???
楽しいわ、コレwww
238通常の名無しさんの3倍:2007/09/09(日) 00:34:17 ID:???
前髪なのかwwwww
239通常の名無しさんの3倍:2007/09/09(日) 01:32:11 ID:???
なんつーかこう燃え上がる熱さが一切なくて微妙と思いきや
絶妙なギャグ加減が最高すぎる。
240通常の名無しさんの3倍:2007/09/09(日) 07:39:05 ID:???
in sinもう続きこないのか
逆行のシン⇔キラは全体に漂うトホホ感が好きだ
241通常の名無しさんの3倍:2007/09/09(日) 14:14:56 ID:???
なんかGDGD……良い意味で。
242通常の名無しさんの3倍:2007/09/09(日) 15:28:56 ID:???
>>236
ユウナの末路を見りゃそれすらなくなるだろ。
243逆行のシン⇔キラ:2007/09/09(日) 20:09:12 ID:???


俺をブーステッドマンの手から守ってくれたのは……
「アスラン?」
まだ前髪が残ってるアスランだ……懐かしいな……

10年前……
「アスラン、何か前髪が…」
「気のせいだ!」
7年前……
「アスラン、何か前髪が…」
「……もう駄目かもな……なんで…こんな…いや、まだ…」
5年前……
「アスラン……」
「ああ、もう諦めた。ハハハ……笑っても良いぞ♪」
「そ、そんな…」
「いやな。ここまで来ると変に気を使われると辛いんだって」

あ、なんか目頭が熱くなってきた。そうやって、懐かしい思い出に浸っていると、突然後ろに強い力で
引っ張られた。
「シートの後ろに。この機体だけでも。私にだって動かすくらい」
「え?……ちょっと」
俺は油断している隙に再びブーステッドマンに捕えられてしまっていた……あれ?
なんか風雲急を告げるって感じです。俺はブーステッドマンに捕まりストライクの中に押し込められ、
お姫様ポジション……ってことは王子様は……アスラン?
「勘弁してくれよ」



第2話〜〜やるときはやります!
244逆行のシン⇔キラ:2007/09/09(日) 20:10:19 ID:???


さて、これからどうするべきか?……俺はお姫様の如くストライクのコクピットで成すすべもなく……
「ん? サイ! トール! ……と、え〜と……カ、カズイ!」
そんな俺の視界……正確にはストライクのモニターに友人が映っていた。そうだ。彼等を助けなくちゃ。
だが、彼等の姿を見つけて身を乗り出したとき、コクピット内を衝撃が奔った。
「くっ!」
「下がってなさい!死にたいの!?」
ジンからの攻撃。だが、すぐにPS装甲を起動したためダメージは無いようだ。だけどジンの砲撃は
続けられ、コクピット内の衝撃は収まらない。このままではバッテリーが持たないぞ。
これからどうする?……このストライクに搭載されてるOSは書き換えの必要がありそうだ。俺もOS
の書き換えは苦手とは言え、薬中のブーステッドマンよりはマシな自信がある。だが、それをやると
戦闘後にこの人に殺され……あれ? この人ホントにブーステッドマン? なんか動きが鈍いんだけど?
先程の銃を持って戦ってたときとは別人みたいだ。それにさっき動かすくらいならって……
「あの……つかぬ事をお尋ねしますが……」
「なんなの! こっちは手一杯なんだから!」
「いや、え〜と、貴女……パイロットですか?」
さすがに機密である存在のブーステッドマンですかとは聞けずに、言い方を変える。
「……気落ちさせて悪いんだけど違うわ。技術者よ」
気落ちどころか安心! それなら!
「どいて下さい!」
「え?」
「早く! OSを弄ってみる!」
強引に彼女を押しのけコクピットに座る。そして調整を……
「マジかよ! ここまで酷いなんて、こんなのでよくMSを動かそうなんて!」
「まだ全て終わってないのよ。仕方ないでしょ!」
そんなレベルじゃ無いって罵りたかったけど、そんな暇は無い。だが、ここまで酷いOSを戦闘中に
書き換える能力は俺には無かった。
「どうする……ん?」
だったら何で未だに平気なんだ? もし俺がジンに乗っていたら今頃ストライクをスクラップに
変えている自信がある。
「そうか……相手は素人か」
「え?」
「いえ! 何でもありません」
245逆行のシン⇔キラ:2007/09/09(日) 20:11:20 ID:???
俺はストライクの片膝を付き、動きを止めてみせる。
「ちょっと、何を?」
「黙ってて!」
そう言ってブーステッドマン…改め巨乳女を黙らせると、OSの調整を開始した。
思ったとおりジンはすぐには攻撃してこない。無理も無い。何と言っても相手はMS戦の素人。今頃は
戸惑っているだろう。
「……なんで?」
隣で驚いてるから少し説明しておく。
「彼はMS戦は初めてなんですよ。だから変な動きに戸惑っただけです。まあ、すぐに攻撃してくると
 思いますけど」
「え? あのジンのパイロットが初陣って……なんでそんなの分かるの? くっ!」
その時、再び攻撃が再開され、彼女は小さな悲鳴をあげる。なんか勘違いをさせたみたいだ。
俺の知識が確かなら、あのジンのパイロットは初陣どころか黄昏の魔弾と呼ばれたエースパイロット、
ミゲル・アイマンのはず。
「初陣じゃ無いでしょうけど……でも、あのパイロットに限らずMS戦なんかやったことある人間は
 いませんよ」
そう唯一の例外、俺を除いては。
「よし、これなら!」
目的の動きを入力した俺はキーボートをしまい、操縦桿を握る。そして俺の中で何かが切り替わる。
気弱な民間人キラ・ヤマト少年からネオザフトの軍人シン・アスカ隊長へと。
「運が悪かったな若造」
そして重斬刀を振りかぶって突進してくるジンに語りかける。
ミゲル・アイマン。思えば彼は本当に不運な男と言える。それまでは幾多のMAを撃墜し黄昏の魔弾と
呼ばれた男は、この日を境に初めてのMS戦に敗れた男として歴史に名を残す。
ましてや、その相手が本来であったら人類最高のコーディネーター……
そして今回に限りは、CE史上最も多くのMSを撃破してきた男……
「だが同情はしない!」
俺は接近したジンの脇を潜るようにストライクを前転させながら、その間に抜いたアーマーシュナイダー
で、ジンの動力ラインを擦れ違い様に切り裂いていた。
これなら、ジンを自爆させることも出来ない。俺はコクピットから走って脱出していくミゲルを
見ながら、ジンのOSを奪いストライク用に改造して使うため、ジンに近付いていった。
「ん?……あ!」
そして、俺は周りが静かになってる事に気付いた。MSで前転なんかしたものだから……
「どうしよう……これ?」
俺は気絶している巨乳女を見て背中に汗が流れるのを感じていた。
246逆行のシン⇔キラ:2007/09/09(日) 20:12:23 ID:???


ジンを一旦退けた俺は、ジンのOSをベースにストライクのOSを仕上げていく。
今頃はアスラン達も母艦で解析とOSの強化をやっているはず……多分、向うも呆れてるだろうな。
「よし……これなら」
これで、本体に関してはある程度の動きは問題ないはず。だけどストライクの場合は戦闘における
基本武装がインパルスの様に換装で変わるから、それぞれの戦闘形態での設定を入力しておかないと。
……でも、ストライクのパーツらしいのは向うにあるのが見えるんだが、勝手にやったら不味いよな。
「キラー!」
ちょうど都合よくミリアリアが俺に声をかけてきた。連合の巨乳が目を覚ましたらしい。
「すみませんでした。なんか俺、無茶苦茶しちゃって」
今後の関係を考えても一応は謝っておかないと……って、よく見ると興奮したトールたちがMSや周りの
パーツを見てはしゃいでいる……まあ、気持は分かるけどさ、不味いだろ?
「その機体から離れなさい!」
……ほらな。その手には再び銃が握られている。正直パイロットとしては使えない、メカニックとしては
未知数の女だが、こと白兵戦にかけては超一流だった。下手に逆らうとヤバイことになる。
だが、俺の予想では、彼女は基本的に善人だと思える。MSに乗せたのだって、俺の力を当てにしたわけ
では無く、単に民間人の少年の俺を守るための緊急手段だったんだし。
「あの、待って下さい! 彼らなんですよ。気絶してる貴方を降ろしてくれたのは」
よって、善意の押し付け。こういうタイプはこう言われると怯むはず。まあ、降ろすときにカズイが
どさくさに紛れて胸を触ってたけどさ。
「助けてもらったことは感謝します。でもあれは軍の重要機密よ。民間人が無闇に触れていいものでは
 ないわ」
うん。少し口調が柔らかくなった。これなら話せる余地が充分にある。トールがまだ突っ掛かっているが
大丈夫だろう。
そして、俺達は彼女に名前を告げさせられる……なんか学校で担任じゃない先生に怒られてる気分だな。
「私はマリュー・ラミアス。地球連合軍の将校です。申し訳ないけど、あなた達をこのまま解散させる
 わけにはいかなくなりました」
「「「えぇーーーー!」」」
「事情はどうあれ軍の重要機密を見てしまったあなた方は、然るべき所と連絡が取れ処置が決定するまで
 私と行動を共にしていただかざるを得ません」
みんなが驚愕し、抗議しているが、俺は別の意味で驚いていた。マリュー・ラミアスだと?……どうりで
記憶にある顔だし、思い出したくも無かったはずだ。アークエンジェルの艦長だった女。
まあ、この女が別にどうこうってわけじゃ無い。たださ……"あの男"の妻になるんだよな。
247逆行のシン⇔キラ:2007/09/09(日) 20:13:44 ID:???


あの男の事を思い出してかなり動揺しながらも、俺はマリューの指示に従い、アークエンジェルへの
通信を定期的に行う。同時に敵襲にそなえて装備の設定を開始した。
「どれですか?パワーパックって!」
「武器とパワーパックは一体になってるの! このまま装備して!」
なるほど、ブラスト…じゃなくランチャーだっけ? これを装着するんだな……って、待てやオイ!
「ちょっと、コロニーの中でこんなもん使うって、アンタ正気かよ!」
え? もしかしてヘリオポリス崩壊の原因ってザフトの攻撃じゃなくキラさんなの?
「え? で、でも……素人の貴方に他の武装は」
……俺に気を使って?………そうだよな。コイツも、コイツが結婚するあの男も良い奴なんだよ。
それは知ってるけど、だけどさ……チッ、暗い思考に沈む前に頭を振り、冷静に状況を説明する。
「先程も言ったでしょ。向うはMS戦の経験無いって。だったら撃ち合いより、斬り合いの方が
 こっちに利があります」
「でも、貴方だって経験なんて」
え〜と、本当はたくさんあるんですよ。それもウンザリするくらい。でもそれを言うわけにもな……
「このMSはMSを倒すために作られたんでしょ? でもジンはMAを倒すために作られたんです。
 あの変な装甲もあるし、切り込んだほうが有利に働きます」
「なるほどね……ってことは、今後は斬り合いを主にした戦い方をすれば、こっちが勝てるって事…」
「今回だけですよ。向うだって馬鹿じゃないんだ。すぐに対MS戦の戦闘に対応してきます」
「それもそっか」
まあ、彼女も名案を思いついたと言うより、思ったことを口に出しただけみたいだから、変に固執は
せずに苦笑しただけで流してしまった。
「じゃあ、こっちのソードパックを装着してくれる!」
「了解です!」
「でも、これは遠距離装備が無いから気をつけなさいよ」
「……わかってます。多分、大丈夫ですよ」
俺は彼女のこちらを心配する優しい眼差しを真っ直ぐに見ることが出来なかった。
彼女でこれだ。これから会うはずのあの男と出会って、俺は平静でいられるんだろうか?
「俺、大丈夫かな……ステラ」
俺は近くで戦っているはずのネオ・ロアノーク…いやムウ・ラ・フラガのことを考え、唇を噛んでいた。
248逆行のシン⇔キラ:2007/09/09(日) 20:15:04 ID:???


「あ!」
「どうしたの? お兄ちゃん」
「いや、なんでもないよ」
首を傾げながら僕を見つめるマユちゃんに萌えなが……ち、違う! そう。可愛い妹を見守りながら、
僕は今日という日を思い出していた。ヘリオポリスが襲撃される日だ。
『僕』は上手くやってるんだろうか?
出来るなら、まだ若い僕に色々とアドバイスがしたいけど……
「出来た♪ お兄ちゃん。食べてみて」
「ん? うん。美味しそうだね」
マユちゃんが焼いたクッキー。うん。見た目は問題ない。僕は1つ摘んで口に運ぶ。
「…………うん。美味しい。凄く美味しいよ」
噛み砕くと口の中にバターの香りと甘みが広がる。本気で美味しい。なるほど、シンの携帯に彼女が
クッキーを焼いた所を撮っていて、僕に自慢たっぷりに見せるのも頷ける……って、マユちゃんって
まだ8歳だよね? それでこのクッキー……クオリティ高いよ。この子……
「よかったぁ〜♪ じゃあ、マユも」
嬉しそうに自分もクッキーを食べ始める。
そして、僕は再び考え始めた。今の状況、僕がシン・アスカになっている状況が何時まで続くか不明
だけど、それでも僕は知っている。この先起こるシン・アスカが辿る運命を。
この子が戦火に巻き込まれるなんて……流れ弾にやられたらしいけど、いったい誰なんだよ。そんな
酷い事するなんて、許せないじゃない!
「ん? お兄ちゃん?」
「いや、なんでもないよ。もっと食べていい?」
「うん。いっぱい食べて」
僕は礼を言いながらクッキーを食べ始める。この子を守らないと、だけど今の僕に何が出来る?
CE80年代、僕の知ってるシン・アスカは強い。僕が戦ったら勝てると言えない唯一の相手だ。
でも今はCE71年。今のシンはただの少年。しかも僕と違い、彼の強さは血の滲むような長い訓練と
数え切れないほどの実戦で手に入れたもの。つまり今の僕は無力で、いざって時に役にたたない。
でも…だからって…それでも護りたいものがあるんだ。キラでは無く、シンである以上は努力しなきゃ。
いざという時のために、鍛えとかないと……
「ねえ、お兄ちゃん……こうやって2人でお菓子食べてると恋人みたいだね」
「そ、そうだね」
「今日はのんびりしようねぇ」
……まあ、訓練は明日からで良いよね。


続く


249通常の名無しさんの3倍:2007/09/09(日) 20:45:41 ID:???
シンは非日常に巻き込まれてシリアスになり出したが、平穏の中のキラは相変わらず駄目人間だなww
250通常の名無しさんの3倍:2007/09/09(日) 21:11:11 ID:???
可愛いなあマユ…
251通常の名無しさんの3倍:2007/09/09(日) 22:34:23 ID:???
>まあ、訓練は明日からで良いよね。
テラ駄目人間www
252通常の名無しさんの3倍:2007/09/10(月) 00:27:17 ID:???
>まあ、訓練は明日からで良いよね。

俺がいる件
ともかくGJ!この絶妙な軽さがたまらんw
253通常の名無しさんの3倍:2007/09/10(月) 10:44:42 ID:???
ミゲルって劾を撃墜した実績持ちじゃなかったっけ?
254通常の名無しさんの3倍:2007/09/10(月) 11:14:43 ID:???
そういや傭兵なんてのもいたな
255通常の名無しさんの3倍:2007/09/10(月) 11:26:22 ID:???
オーブはその辺のアストレイ開発がらみの暗部の隠蔽に成功して
シンは知らないってことじゃない?
あとミゲルってブルーフレームと戦ったの?アストレイ読んで無いからわからない
256通常の名無しさんの3倍:2007/09/10(月) 11:52:59 ID:???
>>255
ブルーフレームとは戦ってないていうか戦えないよ。.ロウたちが赤青枠発見する前に死んでる。
劾とはヘリオポリスに来る前に戦って専用機壊されてる
257通常の名無しさんの3倍:2007/09/10(月) 20:48:51 ID:???
えーっと、劾はプロペラント背負ったジンでミゲルと戦った事あります
まあでも、ミゲルさんのあれは宇宙でしたし、ミゲルさんも専用ジンでしたし、コロニー内戦闘とかは初めてなんじゃないスか?

劾に専用ジンぶっ壊されて今回の作戦はノーマル素組みのジンでコロニーだからヨワヨワかも
もしくはほら、隊長の独断専行での中立コロニー内戦闘で遠慮とか
258通常の名無しさんの3倍:2007/09/10(月) 21:08:43 ID:???
どっちにしてもシンの対MS戦経験には勝てそうにないが。
259通常の名無しさんの3倍:2007/09/11(火) 02:00:33 ID:???
だろうね
ましてやこのシンは16歳ではなく、中身三十路過ぎの大ベテランだし
260通常の名無しさんの3倍:2007/09/11(火) 12:15:50 ID:???
しかしキラってのは、某同人じゃないけど本当に

「どちらかというと吹き飛ばす方の人」

なんだなぁ。
261逆行のシン⇔キラ:2007/09/11(火) 19:20:20 ID:???


GAT-X105ストライク。10年以上前に製作された旧式のMS。そのせいか? いまいち動きが悪い。
でも試作機とは言え、今は最新のMSだし、まして相手はシグー。
「そんな攻撃に当たるか!」
シグーが放ってくる重突撃機銃を回避しつつ間合いを詰める。まあ、当たっても良いんだけどさ、つーか
アークエンジェルの面々も見てるし、ちょっとくらいは当たった方が良いとは思うんだ。こう何てゆーか
変に警戒されても困るし。でもね……つい避けちゃうんだよな。て、ゆーかさ……
「捉えた!」
自分でも分かるが、こう俺はノリノリだった。体が若いと心も若返るらしい。本当は30台のオッサン
なんだけどね。
そして、ロケットアンカーの間合いに入ったからパンツァーアイゼンを使ってシグーの重突撃機銃を
奪うとシュベルトゲベールを振りかぶる。向うも武器を重斬刀に持ち換えるが……
「遅い!」
俺はシュベルトゲベールを一閃させシグーの右腕を斬り裂いた。
「この動き! なんなんだ! 貴様は!?」
シグーから驚愕の声が聞こえるが、そんなのは無視。コイツとは話をしたく無かった。
もう一閃させて左腕を斬り飛ばす。するとシグーは撤退を行う。
「逃がすか!」
俺はビームブーメラン、マイダスメッサーを取り出す。
白いシグーのパイロット。多分、アイツがクルーゼだろう。世界の破滅を目論んだ男。そして……
「認めるかよ!」
レイと同じ存在。バカを言え! レイは未来を望んでいた。俺に未来を託したんだ。それが同じなんて…
「冗談じゃ無い!」
俺は悪霊を切り裂く気持でマイダスメッサーを投げる。奴の存在を認める気は無かった。
俺はマイダスメッサーがシグーの身体に突き刺さるのを……
「……あれ?」
あさっての方向に飛んで行くマイダスメッサー……誰だよ武器の調整したの? 
「俺です」
自分で自分に突っ込むと、これからのイベントを考えて溜息を吐く。



第3話〜〜こうなったら八つ当たり!

262逆行のシン⇔キラ:2007/09/11(火) 19:21:21 ID:???


「両親はナチュラルってことか。…いや、悪かったなぁ。とんだ騒ぎにしちまって。
 俺はただ聞きたかっただけなんだよね」
頭をかきながら、本気で申し訳無さそうに謝罪するフラガ。今の俺は唇を噛み、拳を震わせながら怒りに
耐えていた。
ソードパックの調整をしている最中に現れた交戦中のMSとMA。コロニー内に入ってきたアーク
エンジェル。そんなドタバタした状況でクルーゼが乗るシグーを撃破した後は当然アークエンジェルに
収容されたんだけど……そこで俺は会った。ネオ…いや、ムウ・ラ・フラガに。
冷静でいられるかとか考えてたんだけど、いきなりのフラガの発言に自体は動転。コーディネーターと
分かった俺は銃を向けられたり、マリューが諌めたり、トール達が俺のために憤慨してくれたり……
まあ、それが今の状況なわけなんだけど、ある意味助かった。
「本当にすまなかった……こんなつもりじゃ無かったんだ。ここに来るまでの道中、これのパイロットに
 なるはずだった連中の、シミュレーションをけっこう見てきたが……」
フラガが誠意を込めて謝罪を続ける。そして、不用意な発言をした理由を教える。
彼が、こうやって謝罪しているのは今の俺を見ての事だろう。怒りとか悲しみとか、そんな感情が
ごちゃごちゃしてて、自分でも何が何だか……コイツは、俺を気遣ってくれてるんだ。自分が余計な
事を言った所為で俺に辛い思いをさせてしまったって……でもさ、違うんだよ。
「まあ、なんだ。今回はお前さんに足助けられたな。感謝してるよ。それと少し休んだ方が良いだろ。
 良いよな?」
フラガは俺がショックを受けてる状況だから休ませようと気遣い、マリュー達に確認を取る。
確認ってより、頼んでる感じだな。
「え、ええ。そうですね。キラくん。疲れてるだろうから少し休みなさい」
「は、はい」
俺は声を絞り出すように返事すると、休める場所に案内されて、そこで眠りについた。

263逆行のシン⇔キラ:2007/09/11(火) 19:22:25 ID:???


戦後オーブに行った時の事だった。アスランが俺に会ってほしい人がいるって言うから……
何でも2人きりで会いたいらしく、アスランは場所だけ伝えると最後まで何か言いたそうにしながら
去っていった。
その態度に疑問を感じはしたが、アスランの挙動不審は珍しいことじゃ無いし、今更俺をどうにかする
とも考えられなかった。まあ、この時の俺は例え殺し屋が待ってても仕方ない。死んで当然の人間だと
思っていた。
そして、俺は待ち合わせの場所へと向かった。オーブのとある海岸。海が綺麗な場所だった。
そこにアイツは待っていた。獅子みたいに長い髪をなびかせ、傷だらけの顔で俺に声をかけてきた。
「久しぶりだな……俺が誰だか分かるか?」
「アンタ……まさか?」
「ステラのことは……」
その先の言葉は無かった。何か言う前に俺が殴っていたから。
でもアイツは抵抗も弁解も無く、両手を後ろに組み黙って俺を見つめてくる。そんな態度にムカついて
もう一発殴った。今度は倒れた。だけどすぐに立ち上がると同じ体勢になる。膝に来てるんだろう足が
ガクガク震えている。それでもアイツは立っていた。
俺は戸惑っていたんだろう。しばらく黙って睨んでると、ようやくアイツが口を開いた。
「ステラの事は言い訳しない。俺が殺したも同然だ。だから気が済むまで好きなだけ殴ってくれていい!
 ……だが、命だけは勘弁してくれないか? 身勝手だとは百も承知だが俺が死ぬと悲しむ奴がいる。
 ソイツだけは……もう2度と泣かせたく無い」
本当に身勝手な言い草だ。ステラは泣く事だってもう出来ないのに。だいたい気が済むまでって、
俺が本気で殴り続ければ、すぐ死んでしまうんだぞ。そもそも何回殴れば俺の気は済むんだ?
俺だって本当は分かってる。ステラの事はコイツの立場を考えれば仕方が無かったって。それでも俺は
憎んでいたかった。誰かの所為にしたかった。だから、コイツがステラの事を人間だと思っていない
嫌な奴だと思ってた。いや、そうでいて欲しかったんだ。
でも違ってた。考えてみれば当たり前だ。ネオって奴はステラが頼りにする人間だったんだから。
コイツは罪を受け入れ、いや違う。本当はコイツも誰かに裁いて欲しかったんだ。本心は殺されても
いいと思ってるかもしれない。でも自分が死んだら悲しむ人がいるから、それも出来ずに苦しんで……
「なんだよ……それ……」
悪党でいてほしかった。自分に罪は無いって弁解するような下種でいてほしかった。
でも違ってた。ネオ…ムウ・ラ・フラガは、こちらの憎悪さえ受け止めてくれやしない嫌な善人だった。
おそらくアスランにも何も言うなって釘を刺したんだろう。これは俺達2人の問題だって。
そうじゃなきゃアスランが何も言わないなんてありえないだろ?
264逆行のシン⇔キラ:2007/09/11(火) 19:23:29 ID:???
それからアイツはステラの事を話だした。俺の知らない事もたくさんあって、海が好きだったとか、
実は観賞魚を飼ってたけど世話は自分がやってたとか、そんな知りたかった事。また、知りたくなかった
事も教えてくれた。スティングとアウルの事。ステラの兄貴分でステラと同じ苦しみを抱いていた。
でも、そいつらは俺が殺したんだ。そのことに関してアイツは殺さなきゃお前が殺されていた。悪いのは
あいつ等に戦わせた人間だって、それには自分も含まれるって言ってくれたけど、俺は割り切れなかった。
それで終わり。殴り続けることも出来なくなった俺はトボトボと帰った。出迎えたアスランは、そんな
俺を見て静かに笑った。
その後、珍しく気をきかせて俺を1人にしてくれた。だから俺は泣いた。もう泣くしかなかった。
あの男は俺に憎ませてくれなかった。それまで感情のぶつけ先を怒りと憎しみしか知らなかった俺には
残酷な仕打ちだった。
それどころか、意図しての事じゃ無いにしろ、いつ死んでもいいなんて考えてた俺に、自分が死んだら
ルナが悲しむって気付かせてしまった。
そしてステラが産まれて俺は幸せになった。まあ、その後、色々あったけどさ。
それから俺はアイツの事を少しずつ知る機会があった。中でもアイツがネオになった原因とも言える
アークエンジェルを護った話は衝撃だった。だってアイツは俺と違って大切な人を護ったんだから。
だから俺はムウ・ラ・フラガが苦手だった。俺にとって絶対に許せない罪を持っていながら、俺以上に
ステラに懐かれ、俺に出来なかった事をやりとげ、俺に憎しみ以外の道を示した。
そんなアイツの前では、俺は憎悪と感謝とが混ざった複雑な感情。そして敗北感に苛まれるしかなかった。
そんな奴と今後どう向き合えば良いんだ? 誰か知ってたら教えてくれよ。
「おい、キラ起きろ!」
「……え? トール?」
俺はゆっくりと目を開き周りを見渡した。そしてマリューと目が合う。
「なんか、お前に頼みがあるらしいけど……」
そうか、夢と現実逃避の時間は終わりだ。
「敵ですか?」
「え? ええ……貴方にはまたストライクに乗って欲しいの」
「わかりました」
「え! ちょっとキラ!」
トールが心配してくれる。だからこそ戦うんだ。俺は彼を死なせたくないから。
それに今はムシャクシャしてる。なんだか、久しぶりに本気で戦いたい気分だった。
それが惨めな男の八つ当たりだって事は承知してるけどさ。


265逆行のシン⇔キラ:2007/09/11(火) 19:24:32 ID:???


「D装備! 正気かよ!」
出撃した俺はジンの装備を見て怒りと同時に呆れていた。そんなものコロニーで使ったら、コロニーが
壊れて……
「なるほどね。世界の滅亡を願ってたって……洒落じゃないってことかよ」
中立国の不正の証拠を掴んでおきながら、外交カードに利用せず、わざわざ相手が敵対勢力に入る事を
薦めるようなコロニーの破壊。
「中立国の存在意義を認めないって事だな」
ラウ・ル・クルーゼにとって交渉の場など不要ってことか。 
「だからって、やらせるわけには!」
アークエンジェルの守りにつくため、飛び上がったとたん俺を狙ってくるジンがいた。
「そーら、落ちろ!」
「落ちるかよ!」
俺は回避できたが、かわした砲撃がコロニーの地表を撃つ。
「このままじゃ……」
俺が目を離した一瞬の隙を突き、重斬刀でストライクに斬りつけてくる。
「チッ!」
D装備でこの動き? コイツ、速い!
「ええい! この前の借り返させてもらう!」
この前? ミゲル・アイマンか! どうりで……ん?
「イージス! アスランか!」
接近するイージスを警戒する。そこにミゲルのジンが……
「今度の動きは迂闊だぞ! 魔弾!」
「なにぃっ!」
シュベルトゲベールを一閃させ、ジンを斬り裂いた。最後の驚きの声は自分がナチュラル如きに敗れる
ことへの驚愕か、それとも俺が彼の異名を知っていることか。どの道、彼は2度と話す事は出来ない。
そして、目の前には、おそらくはアスランが乗っているイージス……落すか?
今の俺なら、この頃のアスランを落すのは容易い。だが、この人には色々世話に……
「キラ! キラ・ヤマト!」
「は? ちょっとアスラン?」
え〜と今は戦闘中で……
「やはりキラ…キラなのか?」
俺は先程アンタの仲間のミゲルを殺したところで……なんか思い出してきた。ハイネとかハイネとか
ハイネとか……やっぱり殺しちゃお♪
そう思った瞬間、大地の崩壊が始った。ヘリオポリスの最後だ。

266逆行のシン⇔キラ:2007/09/11(火) 19:25:36 ID:???


「すごい……なんかヌルヌルしてきたよ」
僕が優しく揉みしだくとヌメリが出てくる。
「えへへ……でも、もうちょっと強く揉んでいいよ」
「そう? なんか壊れちゃいそうで……」
「平気だって♪」
「じゃあ、もう少し強く……うわっ、手がヌルヌルしてきた」
「お兄ちゃん、上手」
「そう?」
「じゃあ、次は塩を入れて……どうしたの?」
「いや、なんでも」
いや、別に会話の内容が淫靡だったから、もう少し楽しみたかったなんて思ってないよ。
今の僕はマユちゃんと夕飯の準備をしてる。メニューはエビチリ。こうやって海老を揉んでヌメリを
出した後に洗い流せば海老のプリプリとした食感が増すらしい。まあ、これからさらに手を加えるみたい
だけど。
さて、本当は訓練をしなきゃいけないんだけどさ。でもそうするとマユちゃんが1人になってしまうって
問題に気付いてしまった。
こんなにお兄ちゃん子なのに可哀想だよね。うん。そんなの酷すぎる。
だから僕は上手くマユちゃんを説得出来る方法を考えてるんだ。でも名案が浮かばなくって……
だから残念だけど、凄く残念だけど、それまで訓練はお預け。仕方がないよね。僕だって、やる気が
無いわけじゃないんだ。でも、可愛い妹のために僕は訓練出来ない。仕方が無いんだよ。


続く
267通常の名無しさんの3倍:2007/09/11(火) 19:33:01 ID:???
GJ!!

あああキラ(見た目シン)がさらに駄目人間にwwwwww
268通常の名無しさんの3倍:2007/09/11(火) 19:33:35 ID:???
>だから残念だけど、凄く残念だけど、それまで訓練はお預け。仕方がないよね。僕だって、やる気が
>無いわけじゃないんだ。でも、可愛い妹のために僕は訓練出来ない。仕方が無いんだよ

うむ、実にどうしようもないのでそのままマユと戯れていたまえ。
ってかやっぱりキラのせいでマユ死にそうだw
269通常の名無しさんの3倍:2007/09/11(火) 19:54:36 ID:???
苦悩しつつ戦うシンと堕落一直線のキラの対比がなんとも言えないw
270通常の名無しさんの3倍:2007/09/11(火) 21:03:19 ID:???
シンはヘリポリでツッコミに専念してるというのにキラときたらwww
271通常の名無しさんの3倍:2007/09/11(火) 22:21:25 ID:???
>俺は先程アンタの仲間のミゲルを殺したところで……なんか思い出してきた。ハイネとかハイネとか
ハイネとか……やっぱり殺しちゃお♪

中の人が同じだけにワラタww
苦悩したシンに対してトホホなキラ……それにしてもミゲル、拾った命をあっさり散らしたな。
272通常の名無しさんの3倍:2007/09/12(水) 00:32:17 ID:???
>>240 >in sin
アレはもういいよ。荒れるし荒らすし。
273通常の名無しさんの3倍:2007/09/12(水) 04:11:48 ID:???
>俺は先程アンタの仲間のミゲルを殺したところで……なんか思い出してきた。ハイネとかハイネとか
>ハイネとか……やっぱり殺しちゃお♪

仲間殺された直後に冷静に会話してるアスランもアスランだが何気にシンも危険な奴だなw
キラは別の意味で危険な事になりそうだが・・・・・・・・マユに惚れた?
274通常の名無しさんの3倍:2007/09/12(水) 04:58:58 ID:???
一話から見てきたが面白すぎるだろコレ。
親父プレイとかマニアックすぎんぞwwwww
275通常の名無しさんの3倍:2007/09/12(水) 05:37:35 ID:???
>>272
荒らしの対象にされたのはシンinキラ氏の方だろ。
276逆行のシン⇔キラ:2007/09/12(水) 21:29:14 ID:???


「見失ったか……まあ良いか」
崩壊に紛れアスランを見失った事を、心の何処かで安堵していた。やはり殺したくは無いらしい。
「X-105ストライク! X-105ストライク! キラ・ヤマト! 聞こえていたら…無事なら応答しろ!」
そんな奇妙な感情を持て余してると、通信が入ってくる……そう言えばフラガの事で俺はパニックに
なってたけど、この女の顔と声は記憶にあった。エレカのとこで会った女だ。
鋭そうな女だったし、これ以上警戒されるのは気をつけよう。
「…あ…こちらX-105ストライク…キラです。どうなってるんですか?」
「ハァ…無事か?」
安堵の溜息が聞こえる。まあ、俺でなくストライクが心配なんだろうけど……
「はい」
「こちらの位置は分かるか?」
「ええ〜と……はい」
「ならば帰投しろ…戻れるな?」
「やってみます」
そう返事すると通信を切りアークエンジェルに向かう。それにしても結局ヘリオポリスを守れなかった。
わかってるさ。俺が油断してたって。何しろ俺はヘリオポリスの崩壊はキラさんが何も考えずにアグニ
ぶっ放した所為だって思ってました。ゴメンなキラさん。
「ん? ヘリオポリスの救命ポッド?……推進器が死んでる……他は?」
基本的に救命ポッドを発見したところで、放っておくに限る。このままでもオーブ政府が救助活動を
行うだろうし、救助までの時間はかかるが、後の事まで考えれば連合の軍艦よりマシだ。だが……
「おい、聞こえるか! 中に居たら返事しろ!……通信機もアウトかよ。まさかな」
最悪は装置の破損で酸素の供給が止まった場合。
「仕方がない」
俺は救命ポッドをアークエンジェルまで運ぶ事にした。……あ〜怒られるだろうなぁ……


第4話〜〜誤解です!


277逆行のシン⇔キラ:2007/09/12(水) 21:30:30 ID:???


正直、今の俺はブルーだった。いや、別にフラガとどうこうしたわけじゃ無いんだ。ただね……
「サイと婚約してたなんて……」
フレイ・アルスター。俺がやるはずの15歳の美少女……
俺が拾った救命ポッドに彼女が乗っていた。もうその時は運命を感じたさ。おそらく助けてくれた俺に
感謝して、そこから恋が芽生える。そんなことを考えていた。多分キラさんもそうしたんだろうと。
だが、その予測はすぐに泡となって消えた。サイが来た途端、俺を突き飛ばしてサイにベッタリ。
しかも、俺がコーディネーターだと分かったら嫌悪感まで見せてきやがった。
「じゃあ、どうやって?」
そう。フレイはキラさんと深い仲になったんだ。だが、あのキラさんが上手く口説けるとも思えないし、
フレイが急にコーディネーターの俺に好意を持つ理由が見当たらない。
ここでサイが嫌な奴で、フレイは親に無理矢理決められた婚約者だから仕方なく……なら話はわかる。
しかし、サイは良い奴で、フレイもサイに好意を抱いてる。
とても付け入る隙があるとは思えない。そもそもサイみたいな良い奴の婚約者を横取りするなんて、
そんな外道なマネが人として出来るわけが無い。じゃあ、何故……
「……まさか!」
そうか……そうだったのか! 道理で俺、シン・アスカがサイを知らないはずだ。きっとトール同様、
彼も死んだんだな!
そして、愛するサイを失った彼女は寂しさからキラさんに……そうか、そういうことか!……って待て!
じゃあ、あれか? 俺がフレイとの間にフラグを立てるにはサイに死んでもらう必要が……でも、俺は
彼に死んで欲しく無い。サイもトールも守りたいんだよ。でも、そしたらフレイは……
「……無理だ……俺には出来ない!」
「そうか、辛かったんだな」
「え?」
俺がフレイとのフラグのためにサイを犠牲にすることを悩んでるとき、横合いから声をかけられた。
「バジルール少尉?」
「悪いとは思ったが、あまりにも辛そうなので声をかけた」
「え〜と」
「実を言うとだな。私は君を信用してなかった。最初に会った時の事を憶えてるか?」
「は、はい」
「異常に勘の鋭い子供。それだけでも引っ掛かっていたのだが、次に会った時はMSに乗っていた」
うん。それって無茶苦茶怪しいです。
278逆行のシン⇔キラ:2007/09/12(水) 21:31:30 ID:???
「おまけに、とても素人とは思えない戦いをしてみせるし、先の戦闘も、そしてフラガ大尉に聞いたが
 次に出ることも承知したと言う。私は君が怖くなった。だから君の事を監視していたんだが……
 ……疑って、すまなかったな」
「え?」
「君は、1人で苦しんで、悩んで、そして叫んでた。俺には出来ないと……本当は戦いたくなかったんだな」
え〜と……凄く誤解してます。はい。
「周りを不安がらせないため強がり、そして誰も居ないところで苦しむとは……うむ。素晴らしい」
なんか感動してるんだけど……まあ、この人も多分アレだ。周りには強がって弱みを見せず、誤解される
タイプなんだろうなぁ。
「昨今は軟弱な若者が蔓延っている中で君のような若者がいるとは……キラ・ヤマト!」
「ハ、ハイ!」
「私も本当は君に戦わせたく無い! しかし遺憾ながら我々は君の力を必要としている! 辛いだろう!
 怖いだろう! だが恐怖を外に見せるな! 胸を張って戦え!」
うわぁ〜、演説かましてるんですけど……この人って本当に典型的な軍人だ。冷静なふりして実は
熱い奴……でも、このタイプは……
「少尉殿! ありがとうございました! お陰で目が覚めました!」
「うむ! 頑張りたまえ! だが、辛いときもあるだろう。誰にも言えない時は私を頼るといい」
「はい。ご配慮に感謝します!」
「よし! では急いで機体の整備に戻るが良い!」
「了解です! 少尉!」
俺は踵を返し、ストライクの方へと向かった。
ん〜……予想以上に上手くいった。なんかキラさんになって初めて上手くいったんじゃないか?
もっとも警戒すべき人が味方になってくれたのは大きい。それに俺の素の部分、軍人らしさが出ても
彼女は無理をしてると捉えてくれるだろう。
「キラー!」
ん?……って、ちょっと待てよ!
「トール! どうしたんだ!? その格好?」
彼等の説明を聞いて、俺は感動していた。俺だけに戦わせるわけにはいかないから……
ゴメンなサイ。少しでも悩んだ俺を許してくれ。フレイは惜しいけど、もう諦めるよ。俺、絶対に
サイやトール、みんなを守るから……


279逆行のシン⇔キラ:2007/09/12(水) 21:32:40 ID:???


「とにかく、艦と自分を守ることだけを、考えるんだぞ」
「…了解です。大佐もお気を付けて」
「いや、俺は大尉なんだが……まあ、良い! ムウ・ラ・フラガ、出る! 戻ってくるまで沈むなよ!」
フラガが隠密先行して前の敵を討つ。その間に俺は後方の敵から艦を守るか、悪くない作戦だな。
それにしても、アスランにイザーク・ジュールとディアッカ・エルスマン……俺にとっては豪華メンバー
だな。俺のいた時代なら正直、尻尾巻いて逃げ出すメンバーだ。
だが、今はまだ尻の青い小僧でしか無い。
あの裏切り者共め……ふん、まとめて殺してやるか?
「キラ!」
「え? ミリアリア」
「以後、私がモビルスーツ及びモビルアーマーの戦闘管制となります。よろしくね」
通信機からミリアリアの元気な声と、その口調を注意する声。フラガと話してた事で湧いてきた劣等感と
過去の記憶が引き出す俺の心の闇が晴れていく。
「装備はエールストライカーを。アークエンジェルが吹かしたら、あっという間に敵が来るぞ!」
続けてバジルール少尉の勇ましい声。
「了解です!」
俺はエールパックを装備しながら微調整を開始する。相手は4機。しかも俺が弄ったOSより、ザフトの
整備士が手を加えたOSの方が上だろう。そんな相手を無理して落すより、この艦に乗ってる人を守る
事が優先だ。
「キラ・ヤマト! ストライク発進だ!」
「了解! キラ・ヤマト、ストライク、発進する!」
俺はアスカ隊で使っていた……亡くした友が使っていた掛け声でストライクを発進させた。
レイ、今の俺を見たらお前は笑うか?…………うん、どっちかていうと呆れるだろうな。


280逆行のシン⇔キラ:2007/09/12(水) 21:33:42 ID:???
ストライクを発進させた俺の前に先行してきたイージス。アスランか……やってやるさ。
ところで、このビームライフル大丈夫なのか? 何と言っても調整したのは他でもなくこの俺。
………うん。絶対に信用は出来ない。だが、やるしかない!
「キラ!」
ズギューン!……やっぱり外れた。少し右か……
「やめろ! 剣を引け! キラ! 僕達は敵じゃない、そうっ…!?」
ズギューン!……今度は左すぎる……
「何故僕達が戦わなくちゃならっ…!?」
ズギューン!…… あれ?
「同じコーディネイターのお前が、何故俺達と戦わなくちゃっ…!?」
ズギューン!……避けた? やるな。
「お前が何故地球軍に居る? 何故ナチュラルの味っ……って、人が話してる最中に撃つ奴がいるか!」
いや、むしろ戦闘中に話しかける奴がいるか? ん? デュエルが来たか!
「イザークか!?」
イザーク? そうか、イザークはアレに乗ってるのか……
だが、デュエルが来たって事はだ……やはり。残りの2機がアークエンジェルに取り付いたか!
「させるか!」
バスターを狙ってビームライフルを放つ。距離があるから当たりはしないが牽制にはなる。
「俺達を前にして舐めたマネを!」
だったら舐められない動きをしてみせるんだな。俺はイザークの攻撃は回避するだけにして、バスターと
ブリッツがアークエンジェルを攻撃しにくいように牽制の射撃を加える……そう言えばアスランは?
「おいおい……」
なんかボーってしてやがる。
「なんだよ。昔っからこうなんだ?……ん? やったか?」
遠くでナスカ級から爆発してるのが見える。フラガがやったんだな。
さらに陽電子砲発射の合図。まあ、俺は避ける必要の無い位置にいるが……無理だな。どうせなら
誰かを射線上に誘導したかったが、そう上手く行く位置には誰もいなかった。
「さて……続けるバカはいるか?」
……さすがに居ないか。去って行く4機のGを見ながら、俺は息を吐いた。
イザークが最後まで未練がましく攻撃したそうにしていたが、俺が隙を見せなかったから諦めたみたいだ。
俺としても、まだやれるし4機を相手に勝てる自信はあったが……
「まあ、アークエンジェルが無事なら、それで良いさ」

281逆行のシン⇔キラ:2007/09/12(水) 21:34:45 ID:???


「へぇ〜、これか……どんなゲームなの?」
「えっとね、ロボットが戦うの」
「対戦ゲーム?」
「それ!」
今日は休日。僕はマユちゃんに誘われゲームを買いに街へ出ていた。それにしても対戦ゲームか……
正直言って僕は見た目からは意外だって言われることがある。まあ、キラ少年の頃の話しなんだけど……
それが実はゲーム。僕はゲームをやらないんだ。見た目は好きそうって言われるけど、実はやらない。
「ねえ、買おうよぉ!」
「う〜ん……」
「お兄ちゃん、変だよ。だって最近ゲームしてないじゃない」
そう言われてもなぁ……別に嫌いってわけじゃ無いんだ。ただね、簡単すぎるんだよ。
例えばシューティングゲームなら、ゲーセンで初めて見るゲームでも、コインを入れれば1機も失わず
最後までクリアー出来る。そんな僕と対戦して楽しめると思う?
そんな訳で僕はゲームをやらない。まあ、RPGとかシミュレーションならマユちゃんがやってるのを
横で見てれば良いけど、対戦だとそうもいかない。手加減してマユちゃんの反応を見るって手も……
「あ!」
「ん? どうしたの?」
「……マユはロボットの対戦ゲームがやりたいんだよね?」
「え? そうだけど……」
「例えば、MSが戦うのとか?」
「MS?……ジンだっけ?」
「まあ、他にも……」
……まだザフトの初期の頃のしか無いか。でも…
「もっと格好良いのを作ってあげる」
「へ?」
「僕が作ってあげるよ。マユが楽しめそうなゲームを」
そう言いながら、僕はマユちゃんの手を握ってジャンク屋の方向へと向かった。
ゲームを、遊びを兼ねてOSでも作ろう。出来ればコクピットを再現したいんだけどなぁ……そうすれば
マユちゃんだけでなく僕も遊べ…じゃなく訓練出来るし。
安くて使えそうなパーツがあることを祈りながら、不思議そうな顔をして僕を見るマユちゃんに萌え…
じゃなく微笑みかけた。


続く

282通常の名無しさんの3倍:2007/09/12(水) 22:01:39 ID:???
>>277-281
乙!
>「……マユはロボットの対戦ゲームがやりたいんだよね?」
>「え? そうだけど……」
>「例えば、MSが戦うのとか?」
>「MS?……ジンだっけ?」
もしかしてこれって無印連ザ!?
そしてシスコンなキラinシンに吹いたw
283通常の名無しさんの3倍:2007/09/12(水) 23:14:05 ID:???
GJ!
はっ、もしかしてAAがオーブに到着するころには、キラがモルゲンレーテで
ナチュラル用OSばっちり完成させてると言うオチ!?
異常に高度なシミュレータ訓練のおかげで3人娘生き残ったりとかw
284通常の名無しさんの3倍:2007/09/13(木) 00:01:34 ID:???
GJ
ひよっこ相手とはいえガンダム4機相手では落とせないと言った所か、
まあアークエンジェルの護衛もかねてるからな〜
これからもマイペースに頑張ってください
285通常の名無しさんの3倍:2007/09/13(木) 00:48:28 ID:???
シンはパイロットでしかないからOSいじるのにも限界あるだろうからな
向こうには専門の人いるだろうが、アークエンジェルにはハードはいじれてもソフトはいじれる人いないし
パイロットとしての腕だけでどこまでやれるか楽しみだ
286通常の名無しさんの3倍:2007/09/13(木) 01:00:15 ID:???
>>275
まとめの履歴とグーグル先生の活躍で正体は08スレのアレで荒れも自作自演でしたというオチだったが。
もうやめようぜこの話題。
287通常の名無しさんの3倍:2007/09/13(木) 01:44:25 ID:???
作者氏 GJ!
ここはダメ人間担当のキラに、作ったシュミレーションでマユに
コテンパンにやられてorzになったほうが面白いかもw
で、複線としてここでシンの「血の滲む様なMS戦の経験値」貯めるとか。
288通常の名無しさんの3倍:2007/09/13(木) 02:40:59 ID:???
何気にシンはナタルにフラグ立てか!?
289通常の名無しさんの3倍:2007/09/13(木) 11:10:59 ID:???
フレイルートを諦めてナタルルートに転進しました
中の人同じだし
290通常の名無しさんの3倍:2007/09/13(木) 11:58:32 ID:???
まあ、シンってなんだかんだで人情派だしサイを押しのけて
フレイにはモーションかけられんだろうね。

あと、作者氏の作品見てると一番の悪女はマユに見えてきた。
291通常の名無しさんの3倍:2007/09/13(木) 15:54:15 ID:???
>>290
まあほとんどオリキャラだしヘイト対象をそういうキャラに求めるのはよくあること。
292通常の名無しさんの3倍:2007/09/13(木) 18:18:27 ID:???
これが言い掛かりの付けはじめであった。
293逆行のシン⇔キラ:2007/09/13(木) 19:26:02 ID:???


さすがオノゴロ島。なかなか良いのが見つかった。それで、あーして……こーして……
で、出来上がったゲームでマユちゃん大ハシャギ。
「ちょっ!……えっ!……うっ!……あれぇ〜?」
「う〜ん、少しモーションが変かな? ちょっと待ってね……」
そう言いながら横にあるキーボートを操作して不具合調整。
「……ねえ、お兄ちゃん……何でこんな事出来るようになったの?」
「え?……そ、それは……」
「それは?…………」
じーっと僕を見つめるマユちゃん。ちなみにマユちゃんは今、僕の膝の上に座ってる。その体勢で後ろを
振り返って僕を見つめる……可愛い♪
いや、そうじゃなくて! ど、どうやって誤魔化そう?……え〜と、え〜と……
「マユへの愛の力だよ」
なに言ってるんだ! 僕はロリコンじゃ無い! ちゃ、ちゃんとした言い訳……あれ?
「…………………」
なんかマユちゃん、顔を真っ赤にして俯いちゃった……なんだよ。この萌えっ子! 僕の理性にケンカを
売ってるな! 負けないからね! 僕はノーマルなんだから! シンとは違うんだ!
「え、え〜と、続き出来るよ」
「う、うん……」
そう言ってゲームを再開。なんとか気まずい雰囲気を脱した。
そして、マユちゃんもゲームに集中。
「んっ!……だめぇっ!……いやぁん!」
「………………!」
ね、ねえマユちゃん……君ってゲームをする時、身体も動くタイプだったんだね。
その、君が動くとさ、君のお尻で僕のが擦られるんだけど……これって反則じゃ?
ま、負けるもんかぁぁぁぁぁ!


第5話〜〜危険地帯へ!



294逆行のシン⇔キラ:2007/09/13(木) 19:28:05 ID:???



なるほどね……フラガがあんな事言うからなんだろって思ってたけど……
俺は溜息を吐いていた。どうもユーラシア軍としてはコイツに興味があるらしい。それにしてもフレイが
あんな女だったなんて……フレイといいラクスといい、女運が無い人だな。キラさん。
「OSのロックを外せばいいんですか?」
こうして俺はフレイに売られて、ストライクの元へ……まあ、あの状況じゃ仕方ない気もするけど
気分は良くないな。
「まずはな。だが君にはもっといろいろなことができるのだろ?」
なんだ? 抽象的すぎて分からないっての。
「何がです?」
「例えば…こいつの構造を解析し、同じものを造るとか…逆にこういったモビルスーツに対して有効な
 兵器を造るとかね」
は?……コイツ頭おかしいのか? そんな事が出来たら、ソイツは超一流の科学者として本国でチヤホヤ
されてるっての。
「俺はただの民間人で学生です。軍人でもなければ、軍属でもない。そんなことをしなければならない
 理由はありません」
「だが君は、裏切り者のコーディネイターだ」
「は?…裏切り者?」
「どんな理由でかは知らないが、どうせ同胞を裏切ったんだろ? ならばいろいろと」
ああ、そういうこと……なるほどね。コイツは馬鹿だ。コーディネイターを良く知らないから偏見の目で
見ている。蔑んでいるように見えるし、本人もそのつもりなんだが、実は恐れている。そして、何でも
出来ると思っている。
「地球軍側に付くコーディネイターというのは貴重だよ。なに、心配することはない。君は優遇されるさ
 ユーラシアでもな」
……戯けが。俺は大げさに溜息を吐いた。
「少佐。貴官はそこまで分かっていながら、何故もう少し頭を使えんのかね?」
「な!」
「貴官とて言ったではないか。地球軍側に付くコーディネイターというのは貴重だと。何故そこで大西洋
 連邦もそうだと気付かん。貴官は私が本当にただの民間人と思っているのか?」
口調は静かに、しかし殺気を解き放つ。頭の中でこの男を殺す。この状況で殺す方法はいくらでもある。

295逆行のシン⇔キラ:2007/09/13(木) 19:29:12 ID:???
恐怖と驚愕に怯んでる。当たり前だ。俺はコイツの前で民間人キラ・ヤマトからネオザフト軍のシン・
アスカへと変わって見せたのだから。
「さて、もう少しヒントを与えよう。君達が総出で出来なかったOSのロックの解除。それほど厳重な
 ロックが誰の手によるものか。そして、それが出来る……いや、もう少し大きいヒントが良いかな。
 このMSを作成したのは誰か? そして、その科学者がどういった地位にいるか、考えてみたまえ」
「き、貴様はコーディ…!」
「そうだ! だからこそ私の存在は公表出来ない。君が知らないのも無理はない……だがな、これだけは
 言っておく。私の身に何かあれば、それは君の首だけで済む問題では無いぞ」
俺は、そう言いながら周りの兵士を一瞥する。
おそらく今回の騒動はコイツの独断だ。アルテミスなんて戦略価値の無い僻地の司令官が、目の前の宝に
飛び付いたって所だろう。
そして、そんな男のために命を懸ける兵士はいない。
「まあ、大西洋連邦の圧力を断固として退ける価値が貴官にあれば話は別だが、もしそうでない場合は
 貴官はおろか、この基地に居る将校、下手をすれば家族まで……」
「馬鹿な!」
「残念だが、私は君の常識で測れる存在では無いよ。あのブルーコスモスでさえ、我慢して道具として
 使っているのだから。彼等とて、このMSのために憎いコーディネイターを我慢して使っていたのだ。
 それがユーラシアの軍人に……彼等はどう思う? これまでの我慢は何だったのだろう? その怒り、
 彼等がどうやって晴らすと思う?」
う〜ん、我ながら無茶苦茶な話だ。でもね、残念ながら冷静に考えれば変だって思うけど、ここに居る
連中で冷静な奴は1人もいないんだな。
だってさ、僻地に飛ばされた軍人が、最前線で数えるのも馬鹿らしいほど人を殺してきた人間の殺気を
浴び続けてるんだぜ?
「……あ、……」
「まあ、君の立場も理解は出来る。君ほどの能力の持ち主が…」
「な、なんだ!」
「き、基地が攻撃されています!」
おい……ここから良いとこなんだぞ。ここで、俺が寛大な態度を示して不問に処す。後は補給を終らせ、
向うには感謝される……こう、そんな上手い話あるかっ! って突っ込みたくなるようなご都合主義。
そんな場面だろ?
それなのに……なんかさ、俺って最近、やる事なす事、みんな裏目に出てる気が……

296逆行のシン⇔キラ:2007/09/13(木) 19:30:42 ID:???


ブリッツの奇襲……まあ、普通なら前もってブリッツの性能を話しておけば、こんな被害は防げたんだが
あいにくGは重要機密。同盟国とは言えユーラシアの、まして少佐ていどの地位の人間には言えるはずも
無く。
つまりアルテミスは崩壊。一応は敵の目を欺く役にはたってくれたが、残念ながら補給の問題が残ってた。
それで、フラガの提案でデブリ地帯で使えそうなものを拝借することになったんだが……
「ユニウス7……」
そう。そのデブリ帯には、あのユニウス7が漂っていた。
俺にとって忘れられない地……サトー達が落として地球との間に再び戦争の火蓋が上がる切欠となった
……では無い。いや、昔はそうだったんだけどさ。


「そう言えばキラさんはユニウス7が落ちたとき、どうしてたの?……って、キラさん?」
他愛も無い雑談の途中だった。どんな流れだったかは忘れたけど、あのブレイク・ザ・ワールドの時、
キラさんはどうやって避難してたかを聞こうとしたんだ。そしたら……
「や、やだ……なんで僕は……行ったら駄目だったんだ……やっぱり血のバレンタインで犠牲になった
 人たちの怨念が……なんで僕は……」
「ちょっ! 大丈夫かよ! どうしたんだ!」
「行ったら駄目だ……あそこには悪魔がいたんだ……あそこで僕はとり憑かれたんだ……」
「ユニウス7に、行った事あるのか?」
キラさんは何度も頷く。そして再び頭を抱えて震えだした。
「僕が……ヘリオポリスから……地球へ……途中で……」
「それって、キラさんがストライクに乗ってた時の?」
「なんで僕はあんなものを!」
「あんなものって?」
「あれが無かったら……僕は平穏な人生を……」
「あれって何なんだよ!?」
「そ、それは……うわぁぁぁぁぁぁああぁ!!!」
「キ、キラさん!」
そのままキラさんは悲鳴をあげると、白目を剥いて気絶した。


目を覚ましたときは何も憶えてなくって……俺は気になっていたけど、聞くに聞けなくて……
まあ、そんなわけで、ユニウス7と言うと、俺にとってはキラさんの恐怖に震える顔を連想するもの
になっていた。
297逆行のシン⇔キラ:2007/09/13(木) 19:31:57 ID:???
そんなわけで、詳細は不明だがキラさんにとって、ユニウス7は鬼門なわけで、今の俺はキラさんで、
兎に角、そこには近付きたくない場所なわけで、だというのに……
「あそこの水を!? 本気なんですか!?」
おいおい、勘弁してくれよ……よりによって、そのユニウス7から水を補給するだって?
なんとか回避したいイベントなんだが……
「…でも! …ナタルさんだって見たでしょ? あのプラントは何十万人もの人が亡くなった場所で
 それを…」
「誰も、大喜びしてる訳じゃない。水が見つかった!ってよ」
フラガ! てめえはすっこんでろ! そんな俺の心の悲鳴にも構わず、奴は正論を続ける
「誰だって、できればあそこに踏み込みたくはないさ。けどしょうがねぇだろ。俺達は生きてるんだ!
 ってことは、生きなきゃなんねぇってことなんだよ」
そんな正論に反論する術を持たない俺はトボトボとストライクを発進させ警戒の任に就くことになった。
あれだ。フラガって奴は、俺を徹底的にへこますのが趣味なんだな。






なんか、肌がヒリヒリする……
キラさんとの会話の所為か、なんか出てきそうで……こう別に信じてはいないよ。その幽霊とかお化け
の類はさ……でも、ここって、何の罪も無い人が何十万人も亡くなった場所なんだよね……
あんまり考えるのは止そう。
「ん? 民間船? 撃沈されたのか……」
おいおい、民間船まで撃沈されて……マジ怖いんですけど……ん?
生きてる機体? あれは強行偵察型…複座のジンか? なんでこんなところに… アークエンジェルが
見つかって応援を呼ばれたら……不味いな。気付かずに通りすぎてくれたら……って、作業ポッドに
気付いた!? 
「バカが! 何で気付く!」
あ〜あ……撃っちゃった。こうなんかさ……墓前で罰当たりなことした気分になるな……祟られないよう
気を付けよう……って、どうやって気を付けるんだよ? そんなもんを。
ん?……あれは救命ポッド?……………………………よし、助けよう!
こう、なんかね。迷信を信じるわけじゃ無いけど、何て言うか、善行で悪行を相殺する。
うん。我ながらナイスアイディア♪ え〜と、ユニウス7にいる霊の方々、見てますか? 私はこれから
人助けをします。良いことですよね? だから呪わないで下さいよ!
298逆行のシン⇔キラ:2007/09/13(木) 19:33:11 ID:???
「つくづく君は、落とし物を拾うのが好きなようだな」
呆れた表情のバジルール少尉。気持はわかるけど、俺だって呪われたく無いんだよ!
でも、大丈夫だった。あの後、別に焼け爛れた人に追っかけられるとか、そんな不気味イベントも発生は
しなかったし、無事にアークエンジェルに戻れた。ここまでくれば安心だ。
やったよキラさん! 俺、キラさんが何を見たのかは知らないけど、悪霊イベントは回避できた。
「開けますぜ?」
お? 救命ポッドを開けるか。どんな人が乗ってるんだろう? 見に行こう。ってなわけで、俺は
ストライクのコクピットから脱出ポッドに向かう。このボーとした浮遊感の所為か、色んな妄想が……
こう、どうせなら美少女が乗ってて、助けた俺に感謝して、こう…なんて言うかさ。
『貴方が助けてくれたんですね。なんと礼を言っていいのやら……でも、何も持ってなくて……代わりに
 私を……』
う〜ん、やっぱりそれだと軽すぎるなぁ……どうせなら……
「ハロ、ハロー、ハロ、ラクス、ハロ」
………は? な、なんか聞き覚えのある脱力系の声。
うん。俺は馬鹿だった。考えてみればさ、キラさんが恐れるものって言えば、1つしかないっての。
「ありがとう。御苦労様です」
現れるピンクのお方……何を隠そうこのお方こそ、この先プラント最高評議会議長になられる平和の歌姫
……その裏の顔は何をやっても許されるという特技の持ち主、恐怖の女帝、ラクス・クライン。
そして俺の正体はネオザフト軍の最強部隊、アスカ隊隊長シン・アスカ。
また、テロリスト用語ではクラインの犬。
「ラクス様のために!」
「へ?」
「はぁ!?」
やっぱり俺の行動って裏目に出てるよ……つい敬礼をしてしまった……みんな唖然としてるよ……
どうしよ?



続く
299通常の名無しさんの3倍:2007/09/13(木) 19:38:16 ID:???
>>293-298
乙。

>「んっ!……だめぇっ!……いやぁん!」
>「………………!」
>ね、ねえマユちゃん……君ってゲームをする時、身体も動くタイプだったんだね。
>その、君が動くとさ、君のお尻で僕のが擦られるんだけど……これって反則じゃ?
>ま、負けるもんかぁぁぁぁぁ!

キラ頑張れ、理性を押さえつけるんだ!

>「ラクス様のために!」
さすがシン、ここに至ってはとうとう地がでたなw
300通常の名無しさんの3倍:2007/09/13(木) 22:32:16 ID:???
ちょ、シンどつぼにハマってるwww
301通常の名無しさんの3倍:2007/09/13(木) 22:47:49 ID:???
サブタイの通り危険地帯へ行こうとしてるのは、果たしてキラとシンのどっちなんだろうなw



……両方か?
302通常の名無しさんの3倍:2007/09/13(木) 23:22:46 ID:???
しらね
303通常の名無しさんの3倍:2007/09/13(木) 23:46:57 ID:???
マユ……恐ろしい子、まさに魔性のょぅじょwww
304通常の名無しさんの3倍:2007/09/14(金) 00:02:30 ID:???
このシンとキラは良い意味で俗っぽいなwwwGJでした。
305通常の名無しさんの3倍:2007/09/14(金) 03:05:14 ID:???
ついに最恐の女が来たなw
306通常の名無しさんの3倍:2007/09/14(金) 03:49:46 ID:???
中のシンが賢明にもフレイフラグを自ら封印したので、かの「やめてよね」始め
かなりの修羅場が回避された事になり、改めてナタルと…なんて言ってるが、
ピンクは元よりじきにエルたんとの出会いが控えてるはず、
この中のシンのバツイチの訳に鑑みてはただでは(ターン
307通常の名無しさんの3倍:2007/09/14(金) 05:47:26 ID:???
まあ軍人さんだし仕方ないよね…とシンは解るが
キラのユニウス7でのトラウマッぷりは骨身の染みてるっぽいなぁw
308通常の名無しさんの3倍:2007/09/14(金) 08:07:24 ID:???
つかフレイフラグって完全に回避できたのか?
何かこのシンだとフレイに言いよられたら案外コロッといってしまいそうで不安なんだがw
ただ流石にそこから「やめてよね」にはいかないだろうから、サイへの後ろめたさと後悔で自己嫌悪のスパイラルに陥ったり
309通常の名無しさんの3倍:2007/09/14(金) 14:19:16 ID:???
むしろフレイでさえもこの三十路シンならたやすく受け入れてしまうぞ。
まぁ、個人的にはナタルと・・・に期待してしまったが・・・ww
どちらにしろGJ!!
310通常の名無しさんの3倍:2007/09/15(土) 02:59:11 ID:???
ラクソが出てくると扱いはヘイトかギャグにしかならんからなあ。追体験ものだし凸に押し付けて尾張。
311通常の名無しさんの3倍:2007/09/15(土) 07:13:37 ID:???
作風から考えるとこのラクスは天然最強キャラなのかな
312通常の名無しさんの3倍:2007/09/15(土) 08:57:38 ID:???
ストックが切れたのかな…続きが読みたくて仕方ナス
313逆行のシン⇔キラ:2007/09/15(土) 19:31:00 ID:???


俺の目の前には、持ち歌を熱唱するラクスさま……もう、かれこれ3時間は経過している。
何でこんなことになったんだ? いや、理由は分かってるよ。思わず敬礼してしまった俺は、みんなに
誤魔化すため、ラクスさんの熱狂的なファンだと嘘をついた。
まあ、それは良かった。なにしろ彼女はプラントの現議長、つまりは地球にエイプリール・フール・
クライシスを起こした人の娘なんだし、プラント以外では表立ってファンだと言い難い存在だ。
だから俺が隠れファンだとしても、驚かれはしても不信がられはしなかった。
そう問題は、彼女がその事に甚く感激してしまったこと。
『まあ、それでしたら今までは、こっそりと聞いてたのですわね。わかりました。それでは今日は
 思う存分お聞きくださいな♪』
そんな、ありがたい言葉と共に、俺は彼女が監禁されることになった部屋で彼女の善意のコンサートを
聞く羽目になってしまった。
「次はわたくしの1番得意な曲を歌いますね♪」
そう言って次の曲を歌いだす彼女……いや、次の曲というには御幣が生じる。
なにしろ、新曲、好きな曲、1番人気の曲、etc、全部同じ歌だった。
誰か助けて……
「ほ〜しの〜♪」
そんな願いも空しく歌い続ける未来の上司様。
正直言って、このままじゃ俺の精神が持たない
……なあ、いっそのことザフトでも攻めてきてくれないかなぁ〜



第6話〜〜敗北!
314逆行のシン⇔キラ:2007/09/15(土) 19:32:01 ID:???


そんな俺の願いが天に通じたのか。本当にザフトが攻めてきた。まあ、正確にはアークエンジェルに
合流しよと近付いてきた第8艦隊の先遣隊が襲撃されたらしい。
俺は喜び勇んで悪魔の巣から脱出すると、ストライクの元へと向かった。
「戦闘配備ってどういうこと? 先遣隊は?」
だが、そんなノリノリな俺に水を差すように途中でフレイが話しかけてくる。
「俺も詳しくは知らないんだよ」
鬱陶しい! 何でコイツは焦ってるんだ?
「大丈夫だよね!? 」
「何がだよ!?」
「パパの船、やられたりしないわよね? ね!?」
「パパ?」
その甘えた声が……
「先遣隊にパパがいるの!」
……ステラを思い出させた。
「大丈夫……守ってみせるから」
俺は娘に、そして、今は居ない彼女に話しかけるように決心する。
そして、俺は気を取り直し、ストライクに乗り込んだ。
大丈夫、この時代の連中はMS戦には不慣れだし、俺が警戒する敵なんて居やしない。
「キラ・ヤマト、ストライク、発進する!」
それにさっきまで、ずっと変な歌を聞かされてたんだ。やって来たザフトには感謝するが、それでも
憂さ晴らしに付き合ってもらおう。


315逆行のシン⇔キラ:2007/09/15(土) 19:33:05 ID:???


「何でだよ!?」
俺の砲撃が当たらない? 何故?……
俺は出撃前までの余裕が消し飛んでいた。
「キラ!」
「アスラン!」
迫り来るイージス。俺は躊躇せずにビームライフルを放つがアスランにかわされる。
「そんな……っ! 今度はジンか! 舐めるなよ!」
横からしゃしゃり出て来るジン。まずは、この馬鹿を叩きのめす。
「落ちろ!……な、何で!?」
また回避された。おかしい。どうなってるんだ?……ラクスの怨念? そんな馬鹿な話じゃ無い!
「何でコイツ等……こうもMS戦に慣れてる!?」
そう、コイツ等の動きは明らかにMS戦を意識している。だが、おかしいだろ!?
俺がアカデミーで習った内容では、MS戦ってのは、連合がダガー系を開発してから本格的になった。
それまではMS対MA。ようするに基本はミゲルがやってた戦法だ。砲撃しながら懐に入り込む。
それまでに当たれば良し。当たらなければ重斬刀で一閃。だから、ミゲルは飛び道具を持たない
ストライクに接近戦を挑むなんて馬鹿な真似をして死んだ。
しかし、コイツ等の動きは……
「今度こそ……チッ!」
狙いを定めたジンは先遣隊の艦を射線に入る位置に身を踊りいれると、こっちが撃てないのを良い事に
一方的に射撃してくる。
「そんな砲撃が!……なぁっ!」
しかし、回避したところを別のジンに攻撃される。
「あ、当たった!? 俺に……ジンなんかの攻撃が?」
PS装甲のお陰でダメージは無いが……それって、この俺がPS装甲に助けられた?
何でザフトがこんな動きするんだよ? ザフトって言えばコーディネイターの軍だぞ。コーディネイター
って言えば、1人で複数のナチュラルを相手しなきゃなんない立場で……
「それが、何で複数で俺を攻撃してくる!?」
316逆行のシン⇔キラ:2007/09/15(土) 19:34:10 ID:???
こんなの……こんなのもっと先の話だ。ナチュラルにもフラガみたいな化け物じみたパイロットが
居る事、いや、もっと正確に言えば、コーディネイターと思ってたレイやクルーゼがナチュラルだって
分かったからナチュラルも侮れないって分かって……
「今は違うだろ!?」
今は完全にナチュラルを蔑視していた時代。しかもMS戦さえ確立してない状況だ。みんなMS戦の
ノウハウが無くて、だからこそMS戦の経験が豊富だった…キラ・ヤマトの乗るストライクと戦った
アスランやイザーク、ディアッカがトップエースになったんだ。
「それが……何で俺がジンなんかに!?」
俺は誰だ? 俺はこれより10年以上の間、今より遥かに高度なMS戦を経験し、戦い続けた男だぞ。
テロリストには、クラインの猟犬とも使い魔とも言われてきた。それは蔑称でありながら恐怖も
含められていた。
それが、何でこの時代の未熟者共に苦しめられている?
「認められるかよ!」
だが、現に俺は苦戦している。
この時代では考えられない洗練された動きに。
俺がこの時代に来たからか? その所為で歴史に変化が? そんなのありか? この前までアスランも
イザーク達もド素人だったじゃ無いか? 何時だって倒せる敵。そんな相手だったのに……
アイツ等が俺を強敵と認めて作戦を練った? それも可笑しい。だからって、こうも早くに、ここまで
考えられたフォーメーションを考えられるはずが無い。これは余程の経験の持ち主が考えたとしか
思えない動きだ。
何かが起こってる。俺の知らないところで変化があったんだ。俺は気付かない内に何かしてしまったのか?
「いったい……何が?」
「キラ! 銃を引け!」
アスランが……何時でも倒せるはずの敵が……今の俺には……



317逆行のシン⇔キラ:2007/09/15(土) 19:35:13 ID:???


「偶発的に救命ポッドを発見し、人道的立場から保護したものであるが、以降、当艦へ攻撃が加えられた
 場合、それは貴艦のラクス・クライン嬢に対する責任放棄と判断し、当方は自由意志でこの件を処理
 するつもりであることを、お伝えする!」
「卑怯なっ!」
アスラン……気持は分かるよ……ほんとに最悪だ……
「救助した民間人を人質に取る……そんな卑怯者と共に戦うのが! お前の正義かっ!? キラ!」
「…アスラン……だったら、何も知らないままアークエンジェルを落とした方が良かったか?」
「何だと!?」
惨めな負け惜しみだって事は分かっているが、一方的に悪人呼ばわりは気に入らなかった。
「そして、アークエンジェルを落とした後、中にラクスが乗っていた……悲劇のヒーローになれたのに
 残念だったな」
「そんなことっ!」
「だが、そうなってた! それを一方的に!」
暫くの沈黙。アスランも冷静になってきたようだ。そして重要な事を聞いてくる。
「……彼女は無事なんだな?」
「ああ……まるで敵に捕らわれた自覚なんて無しに好き勝手してる」
通信機から笑った声が聞こえた気がした。
「…彼女は助け出す!必ずなっ!」
勇ましく立ち去るアスランに比べ、俺ときたら……
「ゴメンな……フレイ……守ってやるって言ったのに……俺……また守れなかったよ」



318逆行のシン⇔キラ:2007/09/15(土) 19:36:21 ID:???


…………どうして……僕は……こんな事に……
溜まってた。それは分かるよ。ここにきて1回も抜いてないし。
それに今の僕の身体は30台のオッサンじゃなく、精力漲るローティーンのヤングボーイさ。
だからさ、朝起きたらパンツがヌルヌルして不快になる現象は理解できるんだ。
うん。僕は今朝、夢精をした。でもね……夢の中に出てきたのはラクスでもフレイでもなく……
「……う〜ん…おにいちゃん……」
この隣で無邪気に寝てる幼女です! 最低だ。僕は最低の男だ……
僕は夢の中とは言え、マユちゃんにあんなことを!
もう……駄目みたいだ……
フレイ……君のおっぱい、凄く好きだったよ。
でも、何でだろう? 僕は今も腕に当たっているペタンとした感触にドキドキしてるんだ。
もう、あの頃には戻れないのかな? ラクスの貧弱な胸に不満を感じていたあの頃に……
シン……君は良い友人だったけど、君の趣味だけは理解できなかった。正直、変態だった思ってた。
でも、今は違う。悲しい事に君の気持が凄く理解できるよ。
……それって僕が負けたってこと? この幼女に? み、認めたくない! 認めたく無いけど! 
「ん〜〜、う〜〜……」
マユちゃん? 起きたのかな?
「お兄ちゃん……」
なんだ寝言か……
「う〜……イカ臭いよ〜〜……」
……そういや、コレどうしよう? 僕はベタベタして気持悪いパンツを見ながら処分に悩んでいた。





続く

319通常の名無しさんの3倍:2007/09/15(土) 19:43:35 ID:???
シン頑張ってるな、それに比べてキラと来たら…このやろう生意気なぁーw
逆行のシンキラ氏乙!
320通常の名無しさんの3倍:2007/09/15(土) 19:53:40 ID:???
シン側はいったい何が起こったんだ?次回もワクテカだぜ!って思ったら、キラこのやろうwwww
GJでした。
321通常の名無しさんの3倍:2007/09/15(土) 20:20:41 ID:???
まさか…他にもいるのか?
逆行した奴
今度はどんなダメダメな奴が来るのやら
322通常の名無しさんの3倍:2007/09/15(土) 20:23:50 ID:???
投下キターーーーーーー!
シンはシンでシリアス一直線で、キラはキラでロリペドの街道を爆進中www
シンは何かしらの歴史の修正を受けてるっぽいな…
多分キラも歴史の修正を受けているからロリペドの道へ(ry
323通常の名無しさんの3倍:2007/09/15(土) 20:29:58 ID:???
いや、キラ、シンはアンダーティーンは守備範囲じゃないと思うぞ。

GJ!
324通常の名無しさんの3倍:2007/09/15(土) 22:56:05 ID:???
なんという落差
このシンは泣いていいはずだ
325通常の名無しさんの3倍:2007/09/15(土) 23:37:47 ID:???
シンがトールやサイが死なないように頑張っているというのにキラなにやってんのー!!
326通常の名無しさんの3倍:2007/09/16(日) 11:01:56 ID:???
シン・・・急げ、じゃないとマユが危ないぞ!
327通常の名無しさんの3倍:2007/09/16(日) 12:09:22 ID:???
これはシンがオーブに着くまでに
マユ(や家族)死亡以外の
シン−キラ対立が発生するなww

ハッ!これが歴史の修正力?!
328通常の名無しさんの3倍:2007/09/16(日) 14:00:49 ID:???
>>325 サイは死んでませんwww
329通常の名無しさんの3倍:2007/09/16(日) 14:14:52 ID:???
まあ裏を返せば、原作でキラが死線を潜り抜けていた間、シンは幸せな時間を過していたって事だよな
それが、ある日を境に全く逆転する訳だが
330通常の名無しさんの3倍:2007/09/16(日) 14:54:59 ID:???
キラは死線といっても相手の馴れ合いと怠慢に救われた部分が大きいけどな
前者は凸で後者は寅、この二人でかなり経験値を稼いだだろうし
あとはチート状態で卑怯なまでの高性能機にのって無敵モードを満喫していたからなあ
331通常の名無しさんの3倍:2007/09/16(日) 18:56:27 ID:???
なぁに、その代わりキラはまったく不必要な仲間との諍いや修羅場を経験して
経験して……ま、まあキラだし仕方ないよね!?
332逆行のシン⇔キラ:2007/09/16(日) 19:18:02 ID:???


最初は、マユちゃんに煩悩を抱かないように何かに集中しようと始めた事だった。
でも、やはりマユちゃんはいつも一緒なわけで……
「スゴイ!スゴイ!スゴイ!スゴイ! お兄ちゃんって天才!」
マユちゃんのはしゃぐ声。あ〜癒される……以前の僕なら、我に返って自分にツッコム場面だけど……
……まあ、良いか。うん。諦めよう。
そんな訳で、マユちゃんの喜ぶ顔に調子に乗った僕は……
「じゃあ、シートに座って……」
「え〜と……こう?」
「そう、それで操縦桿を握って……」
……うん。僕はMSのコクピットを再現していた。はっきり言ってゲームなんてレベルじゃ無い。
しかも、使える機種はデスティニー。本当はフリーダムにしたかったんだけど、マユちゃんの好みを
聞いてたら、何故かこうなった。……チッ! どうせ僕は本当のお兄ちゃんじゃ無いけどさ。
まあ、兎に角、ゲームは完全にMSシミュレーターと化していた。
実際は、シートは動かないからGは無いし、子供でも安心設計なんだけどね。
だから、いきなりマユちゃんが転がってるMSに乗り込んで「えい、このスイッチだ!」なんて超展開は
ありえないんだ。
それでもコイツは、今ある、連合、ザフト、オーブを含めた全てのMSシミュレーターの中で
トップクラスの一品だった。
ちなみにジャンク屋のオジサンとも、すっかり顔馴染みになった。
「マユ・アスカ、フリーダム、いきま〜す!」
そして、MSを発進させてジンを落としまくるマユちゃん。うん。さすがにジンにデスティニーは
反則だね。圧倒的過ぎるよ。
「スゴイね。このフリーダムって」
「うん。名前が良いからね」
ゴメンねシン……格好はデスティニーだけど、マユちゃんにはフリーダムって教えてるから。


第7話〜〜やりすぎ!



333逆行のシン⇔キラ:2007/09/16(日) 19:19:04 ID:???


「あんまり気にしすぎるなよ」
「……ああ」
トールが気遣ってくれるが、俺の心は晴れなかった。帰艦した俺を待ち受けていたのは……
『あんた…自分もコーディネイターだからって、本気で戦ってないんでしょう!』
俺は窓の外に輝く星の煌めきを見ながら、フレイの言葉を反芻していた。
「俺達は知ってるから、キラが頑張ってるってことをさ」
違うんだよトール。俺が落ち込んでるのは、彼女の言葉が図星だからなんだよ。
そう。俺は本気のつもりで本気じゃ無かった。
今までだって、アスランたちを倒す機会は何度もあった。艦を守るのが優先とか、見失ったとか
もっともな理由をつけてたけど、でも本当は殺したくなかっただけなんだ。
それに俺が苦戦したジン。たしかに良い動きをした。俺の予測を完全に上回っていた。
しかし、それだって実際は予想より強かったから混乱しただけで、俺が戦ってきたテロリスト程では
無い。つまり最初から油断しなかったら勝てる相手だ。
俺は本気じゃ無かった。……俺は窓に映る自分の姿を見る。
本気じゃ無かった理由。相手を見下してたってのもあるけど、最大の理由は俺が、この世界にとっての
イレギュラーだということ。俺はキラ・ヤマトでは無い。
だが、それを言うなら、この体の本来の持ち主、キラ・ヤマト本人がイレギュラーな存在だ。
彼も自分が本気を出す事に疑問を抱えていた。自分のような存在が本気を出して良いのかと。
そして、その事に苦しむ彼に俺はなんと答えた。戦った相手に失礼だ。アンタは神じゃない。
ただの人間だ。俺に負けることだってある。そう言ったじゃないか。
だからこそ、キラ・ヤマトはシン・アスカに心を開いた。自分を倒せる同等の存在を得た彼は本当に
嬉しそうだった。
それなのに……俺は自分が同じ存在になった途端、相手を見下し、本気を出さなかった。
たしかに今の俺は、キラさんとは事情が違う。だけど、俺は今、この場所に存在してるんだ。
明日になったら居なくなるかもしれない不安定な存在でも、俺は今ここに居るんだ。
だったら……
「キラ? 何処に行くんだ」
突然、歩き出した俺にトールが驚いて声をかける。
「艦長たちのとこへ」
俺は笑顔で答えると艦長たちのところへ向かった。
……見せてやるよ。クラインの猟犬の本気ってやつを。

334逆行のシン⇔キラ:2007/09/16(日) 19:20:05 ID:???


「シーゲル・クラインの娘を返還しろ? 正気か貴様は!?」
「正気ですよ。少尉」
俺が話があると言って集めた艦長とフラガ、バジルール少尉。
そしてラクスを返還しようと言った俺に少尉が怒りを見せる。
「なあ、ボウズ。気持は分かる。たしかに人質なんて格好悪いさ……だが、そいつは無理な相談だぞ」
「そうね。私たちだって好きで彼女を拘束してるわけでは…」
「それは分かっています。理想は彼女を月基地まで連れて戻る事だと言う事は。ですが、同時にザフトに
 とって、1番避けたい事もそれです」
「それは……」
「このまま、俺たちが月に行くまで黙っているとは思えません」
「……まあ、確かに奴が見逃すはずは無いよな」
クルーゼという男を良く知るフラガが同意する。
むしろ、クルーゼにとっては理想的展開だろう。卑怯にもラクスを人質にとった連合に婚約者である
アスランが涙ながらに彼女ごと卑劣な連合の船を沈める。プラントの民は怒りと悲しみを胸に連合に
復讐を叫ぶだろう。そう戦争なんかじゃ無い。復讐をだ。
「だからと言って、返したところで攻撃しない理由は無い。むしろ喜んで攻撃を加えてくるぞ」
「ですが、現在彼等が攻撃してこない理由は増援を待っているものと思われます」
「増援?……アルテミスで襲ってきた連中か」
「はい。つまり、時間を置けば向こうが有利になります。それに、彼女を返せば異なる事があります」
「異なる事?……何だ? それは?」
「奴等はラクス・クラインという、チェックでいうキング。つまり絶対に傷つけてはならない存在を
 抱えたという事です」
「キング……それはそうだが……」
「まあ、たしかに返してもらったのに、調子に乗って攻撃したら、反撃喰らって、お嬢様が
 死んじまいました。なんて言えんよな」
理解してくれた。彼女を返せば敵は守りながら戦わなくてはならない事を。まあ、普段だって自分の身や
母艦は守るが、それでも思い切った行動を抑えられる点は大きい。
「分かった。だが、具体的には? 案はあるのか?」
バジルール少尉の言葉に、俺は予定通り、黙っていた事を打ち明ける事にした。
335逆行のシン⇔キラ:2007/09/16(日) 19:21:11 ID:???
「はい。そこで、返還の際にはイージスに迎えに来させます」
「何故? そもそも先方が従う理由が…」
「イージスのパイロットは……俺の幼馴染です」
「なっ!」
「本当か!? それは!?」
「……今まで黙ってて申し訳ありません……ですが…」
「ああ、いいよいいよ。少尉も落ち着いて……言い辛い事って誰にでもあるだろ?」
「それは……」
フラガがフォローを入れてくれ、少尉が黙り込む。正直助かった。ここでアスランとの事を説明するのは
面倒だった。
でも、確かにバジルール少尉が慌てるのも無理は無い。今、最大の戦力である俺が敵のパイロットと太い
繋がりを持ってるなんて、まともな神経の持ち主なら疑って当然だしな。
「じゃあ、キラ君、話を続けて」
「はい。イージスのパイロットは、アスラン・ザラ。現国防委員長パトリック・ザラの息子です」
「パトリック・ザラ!?」
さらに俺の落とした爆弾で3人とも驚きを隠せないで居る。
「おい、待てよ……たしかシーゲル・クラインとパトリック・ザラの子供って……」
「はい。2人は婚約者の間柄です。ですから、こちらが指定してくればアスランは間違いなく来ます」
「……わかった。それで、なんだってイージスに迎えに来させる。代わりに人質になってもらうか?
 まあ、アークエンジェルまで来いと言っても、流石に来んだろ」
「はい。それに関しては中間地点で引渡しを、此方からは俺が行きます」
「妥当だな……」
フラガは視線で俺に先を促す。
「まず、引渡し前にアークエンジェルをこの位置へ。それで、引渡しポイントをここにします」
俺は航路図のそれぞれのポイントに指を差す。
「なるほどね。そこなら向こうがラクス譲を艦に収容してからだと、こっちが全力で離脱すれば
 引き離す事が出来るな。だが……」
「はい。敵が攻撃してくるとしたら、引渡し直後が考えられますが、この方法だと、敵の最大の戦力の
 イージスが戦闘に参加できなくなります」
イージスさえ戦闘に参加しなかったら、敵はジンだけだ。あるいはシグーが出てくる可能性もあるが、
どちらにしろストライクは落せない。
336逆行のシン⇔キラ:2007/09/16(日) 19:22:16 ID:???
「それに、正直そっちの方が都合が良いんですよ。生憎ジンの攻撃ではストライクに有効打は与えにくい。
 警戒するのは艦砲射撃だけで済みます。おまけに戦闘中イージスを盾にして戦う戦法も取れます」
「お……おい?」
なんか口を挟みたそうだが無視して続ける。ここからが作戦のメインなんだから。
「なにしろ向うはお姫様を乗せてるんです。ですから、俺はランチャー装備で出撃し、イージスごと
 ナスカ級を狙撃します」
「イ、イージスごと!?」
そう。敵のナスカ級との射線上にイージスを置き、そのままアグニをぶっ放す。これで、ナスカ級からの
砲撃は無い。
「まあ、イージスは避けるでしょうが、イージスが邪魔で反撃出来ないナスカ級には当ててみます。
 そうやってナスカ級を撃沈できれば、残ったジンも片付けられますし、上手く行けば母艦を失った
 イージスの捕獲。つまりプラントの議長の娘に加え、国防委員長の息子も人質に出来ます」
今取りえる最高の作戦だと自負する。
これならば……って、空気が重いんですけど? むしろドン引きされてる?
「その……つまりこの作戦って、キラ君は幼馴染とその婚約者を盾にして……その……さらに人質に?」
艦長……その言い方は当たってますけど、その少し……
「ま、まあ、私は賛成します。良い作戦だと……その人としてはアレですが……その……外道?」
少尉まで! つーか外道って!?
「……ボウズ。お前さん……その内、後ろから刺されるぞ」
アンタは黙ってろ!……なんだよ……人がせっかく真面目にやったら……激しく欝だ。
なんか嫌になってきたよ……もうヤダ。こんな卑しい仕事……この仕事やめゆぅ……



337逆行のシン⇔キラ:2007/09/16(日) 19:24:30 ID:???


危うく現実逃避しかけたが、気を取り直してミッションスタート!
「こちら地球連合軍、アークエンジェル所属のモビルスーツ、ストライク! ラクス・クラインを同行、
 引き渡す!」
アークエンジェルが所定の位置に付いたため、俺はラクスさんをストライクに乗せ発進した。
あとは獲物がかかるまで、通信を続ける。待つ。
「ただし! ナスカ級は艦を停止! イージスのパイロットが、単独で来ることが条件だ。この条件が
 破られた場合、彼女の命は保証しない!」
しばらく通信を続けてると暇だったのか、ラクスさんが歌い始める。
「あ、あの……」
「ええ、最後になるようですから思う存分お聞きくださいな♪」
……ありがた迷惑って言葉知ってるか?
まあ、善意なんだろうけどさ、この人の場合は、その善意で戦艦を強奪したり、テロ起こしたりと、
周りの被害が半端じゃないんだよな。ちなみに現在進行形で俺が被害を受けてます。
さらに言えば、子供好きで知られるこの方は、俺の娘を勝手に養女にしようとしたり、それを副指令に
止められると、代わりに俺達が留守の間、ステラの面倒を見てもらう事を提案。
まあ、それは助かるけどさ……でも、その後、途端に俺達の仕事が増えたり……
そんな落ち込みかけた俺を救うように、イージスがやってきた。助かったよアスラン。
それにしても、俺がラクスさんとフラグを立てずに済んだのは僥倖だ。悪い人じゃ無いとは思うけど、
如何せん、常識を遥か彼方に置き去りにしてぶっちぎってるお方だし、キラさんの姿を見てると、
本気でこの人とのフラグは勘弁して欲しい。
実は艦長たちには話していないが、この作戦にはもう1つの真実があった。
名付けて、ラクスのフラグをアスランに押し付けちゃえ作戦!
うん。そのまんま。
この後、2人を人質にしようがしまいが、これ以上ラクスに懐かれたくなかった。だから、ここは本来の
婚約者の出番。今回こうして敵艦に捕えられ心細い思いを……したと思うラクスさんが、助けに来た
アスランに惚れ直すという素晴らしいシナリオだ。
まったく、キラさんもこうしてれば良かったのに。
そんなわけで、さっさとラクスさんをアスランに引き取ってもらうべく行動を開始する。
そして多少の会話の後、ラクスさんはイージスのコクピットに納まった。
さあ! 感動の再会に震えるがいいさ! 俺の事は気にするな! だが、感極まってキスはするな。
まあ、しても構わんがその前にコクピットは閉めろ。そうしないと息苦しいなんてレベルじゃ済まない。
338逆行のシン⇔キラ:2007/09/16(日) 19:25:31 ID:???
そして、いよいよ感動の再会シーン……
「いろいろとありがとう。キラ。アスラン、貴方も」
……あれ? そんだけ?……アスランなんかお辞儀しただけだぞ。アンタ等本当に婚約者か?
しっかりしろよアスラン! 男だったらなんか言えよ!
「キラ! お前も一緒に来い!」
…………何考えてんだ? お前って……
「お前が地球軍に居る理由がどこにある!?」
待て待て。それよりもさ、アンタ婚約者を無視して何で俺に夢中なんだ?
おまけにラクスさんまで期待するような目で俺のこと……誘ってる? あんだけの事でフラグ起ったの?
…………冗談じゃない!
「あの船には守りたい人達が居る! それを踏みにじろうとしてるのはソッチだろ!」
絶対にプラントなんかに行くもんか! つーか、アスラン! アンタ本気で昔からこうだったんだな!
「……ならば仕方ない……次に戦うときは…俺がお前を討つ!」
何を悲壮感出してる! 敵なんだから当たり前だろ! まあ、良いさ。これで敵対は決まった。
………正直、アスランは未熟とは言え、一流のパイロット。敵に回せば恐ろしい相手だ。だが……
「……本気なの?」
「え? キ、キラ?」
……だが、それ以上に味方にすると鬱陶しくて厄介になる男だ。
「僕を討つって……僕……アスランに殺されるの?」
「い、いや……そうじゃ無くて…」
忘れられないミネルバでの日々……コイツが来た途端バラバラになっていく俺達の人間関係。
「アスランは僕が嫌いなんだね?」
「ち、違う!」
クルーゼ隊の諸君にも味わってもらおうか!
「僕は君を討ちたくない。討たせないで」
「キ、キラァァァァ!」
これで、この馬鹿はいい足手まといになる。俺はハッチを閉じると、イージスから距離を取る。
さあ、これからが本番だ。来いよラウ・ル・クルーゼ!
そして、ナスカ級がエンジンを始動し、MSが発進する。良い子だ……今頃、アンタは俺を甘ちゃん
呼ばわりでもしてるのか?
だが、甘いのはアンタの…
「ラウ・ル・クウーゼ隊長!」
そんな俺に水を差す声。それは凛とした未来の上司様の声……
339逆行のシン⇔キラ:2007/09/16(日) 19:26:40 ID:???
「止めて下さい。追悼慰霊団代表の私の居る場所を、戦場にするおつもりですか?」
……そうだった。この人の事を舐めてた。
「そんなことは許しません!すぐに戦闘行動を中止して下さい!」
……相変わらず空気を読まない傍若無人な態度………
どうする? 無視して攻撃するか?…………そうだな。ここを見逃す手は無い。 
「キラ・ヤマト、帰艦しろ!」
「な! 少尉!?」
だが、そんな俺を止める声。
「何を言ってるんです!?」
「我々の最優先の目的を忘れたか!?」
そんな事は分かってる! 無事に離脱することだって! だが、仕留められる時に仕留めるべきだ!
「お言葉ですが!」
「キラ・ヤマト! 命令だ!」
「………なんで?」
いくらラクスが戦闘中止を叫んでも、こっちが言う事を聞く必要は無い。ここは攻撃すべきだ。
それなのに何を考えてる?
「君が無理する必要は無い」
「へ?」
だけど、そんな俺に意外な言葉を、優しい顔で告げる少尉……
「無理って?」
た、たしかに前回は無様だったけど、今回は違う。今なら……
「良いんだ。君が無理してる事は分かってる。誰だって友人とは戦いたく無い」
…………も、もしかして気を使われてる?
「良くやってくれた。さあ、帰艦しろ」
そ、そりゃ無いよ……でも、ここで攻撃したら、俺はマジで外道のレッテルを貼られる。
…………優しさが痛い!


続く
340通常の名無しさんの3倍:2007/09/16(日) 19:30:28 ID:???
つぅこみいいですか
宇宙でキスしたらしねます
へるめっとごしは無理でしょなあのデザインじゃ

あとナタルさんならおかまいなしにゴッドフリート撃ってます止めるなら魔乳
341通常の名無しさんの3倍:2007/09/16(日) 19:42:31 ID:???
>>340
いや、ナタルフラグ立ってるからナタルが止めるんだろw

>だから、いきなりマユちゃんが転がってるMSに乗り込んで「えい、このスイッチだ!」なんて超展開はありえないんだ。
岡崎版アムロ自重w

しかしどんどんキラがシスコンになってくのに対してシンは超シリアス…
ナタルあたりに泣いてもいいんだとか言われそうな(゚∀゚)ヨカーン
逆行のシンキラ氏乙!
342通常の名無しさんの3倍:2007/09/16(日) 19:58:29 ID:???
>>340
>あとナタルさんならおかまいなしにゴッドフリート撃ってます

射程内で人質の引渡しなんてするか? 
ナスカ級は確実に外だろうし、イージス狙ったらクルーゼ大喜びだぞ。
どんだけ無能なんだよナタルw
343通常の名無しさんの3倍:2007/09/16(日) 20:35:52 ID:???
結局原作沿いかオリジナリティないなぁ
344通常の名無しさんの3倍:2007/09/16(日) 20:39:57 ID:???
>>343
そういってシンinキラ氏のように原作から外れたら外れたで叩くんだろ?
345通常の名無しさんの3倍:2007/09/16(日) 20:42:29 ID:???
通信開いててそれを聞かれたんだろうか?迂闊なヤツめ。

>この仕事やめゆぅ
可愛く言ってもダメ。
346通常の名無しさんの3倍:2007/09/16(日) 20:43:08 ID:???
いや、マユがシミュレーター乗ってる時点で少なくとも
オーブ防衛戦で原作から逸脱する気満々だろ
347通常の名無しさんの3倍:2007/09/16(日) 20:46:31 ID:???
相変わらずのすれ違う翼(フラグやら勘違い的な意味で)っぷりが面白い。
黒いのに抜けてるシンや、やたら人間臭い駄目人間のキラが良い出してる。GJでした。

後、「仕事やめゆぅ」に萌えたww
348通常の名無しさんの3倍:2007/09/16(日) 20:47:33 ID:???
>>344
荒らしはスルーしろって。
349通常の名無しさんの3倍:2007/09/16(日) 20:55:57 ID:???
>>344
逆行のシンキラ氏に失礼だろ
オナニストと一緒にするなよ
350通常の名無しさんの3倍:2007/09/16(日) 22:01:19 ID:???
>>349
お前死ね
351通常の名無しさんの3倍:2007/09/16(日) 22:11:28 ID:???
既知外の話題も相手もヤメレ
352通常の名無しさんの3倍:2007/09/16(日) 22:53:23 ID:???
07話、Wikiに登録しました。黒くても漢なシンがかっこいいですね。
353通常の名無しさんの3倍:2007/09/17(月) 03:57:29 ID:???
やっぱこの冷静にして冷徹な判断力は中身がガキだった頃のシンじゃないんだなと実感
しかしキラはやってる事はスゴイのに中身は完全に妹萌えのロリコン化しとるなw
354通常の名無しさんの3倍:2007/09/17(月) 12:28:53 ID:???
ていうかキラも元々は三十路シンより年上なんだよな…
355通常の名無しさんの3倍:2007/09/17(月) 12:33:21 ID:???
つまり、今のキラは真性の最低ロリペド親父だって…そう言いたいのかよ?!アンタは!!
356逆行のシン⇔キラ:2007/09/17(月) 14:57:00 ID:???


「その程度のことで!」
俺はデュエルのコクピットの隙間に右手に持ったアーマーシュナイダーを突き刺す……浅いか?
やはり、体勢に無理があったようだ。PS装甲の隙間を狙ったアーマーシュナイダーは途中で阻まれ
デュエルはふらふらしながらも、まだパイロットの生存を感じさせた。
まあ、左手に持ったアグニでブリッツとバスターを牽制しながらだったし、そっちに気を取られて
デュエルの接近を許したための苦し紛れの攻撃だ。退けただけでも良しとしよう。
それにしても、また動きが悪くなってる。バスターなんか支援砲火用のMSのくせにMAに突っ込んで
いやがる。
コイツ等寝ぼけてるのか? それとも、やはりアレはユニウス7の犠牲者かラクスさんの呪い?
まあ、そんな事は無いはずだから、普通に考えると、あそこで戦った部隊が別格だったかのか?
仮にもクルーゼの部下になるくらいだから、一流のパイロットが来るだろうし……
でも、それだったらアスランまでパワーアップしてる説明が……
「プラント本国か?」
考えられる可能性は、アスランとクルーゼはイザーク達と別行動をしていた。そして、その間に何かが
起きてる……MSの増強がされている事から、本国に戻っていた可能性が高い。
だとしたら、プラント本国で対MS戦の研究がされており、その成果を受け取ったのか?……
「それにしたって……ん? 撤退する気か?」
イザークたちが撤退していってる。追うか?
「無理だな……本格的な撤退だ。そう安々とはいかんな」
まあ、さすがに無理して攻めては来ないよな。この状況じゃ……
俺は近付いてくる第8艦隊を見ながら、無事に辿り着いた事に安堵していた。
「……俺は、トール達を守れたんだよな」


第8話〜〜忘れてた!
357逆行のシン⇔キラ:2007/09/17(月) 14:58:01 ID:???


終った……後は除隊許可書を出せば……
「今度こそ守れたんだ」
合流後に挨拶したハルバートン提督は紳士的な人で、コーディネイターの俺にも優しく声をかけてくれた。
まあ、それが嬉しかったわけじゃ無いけど、彼のもたらした情報、俺達の両親が無事だと言うことは
素直に嬉しかった。
そういう気遣いが出来るのは、軍人としては兎も角、人間としては俺なんかより遥かに上出来だ。
「でも……これからどうする?」
問題は、この後だった。俺がキラ・ヤマトである以上は両親の元へと向かわなければならない。
だが、彼等は俺の両親では無いんだ。
「また騙すのか……あの人達を……」
キラさんの両親は本当に優しい人で、俺を本当の子供として扱ってくれる。
まあ、キラさんと思い込んでるんだから当然といえば当然なんだが、俺は知っている。キラさんから
聞いてるから……あの人たちが、本当の両親じゃ無いってことを。
俺の存在は、あの人達を卑下してる気がしてならなかった。全てを知ってる人から見れば、子供が
入れ替わってるのに気付かない親。そう思われても仕方ない状況なんだ。
それって本当の子供じゃ無いから……そんな事は無いだろ。あの人たちが注ぐ愛情は本物だ。
でも、あの人たちが真実を知れば自分を責める気がして……
「……まったくさ」
俺は、その現実から目を逸らすようにストライクの整備を始めた。
「降りるとなったら、名残惜しいのかね?」
「え?……提督!?」
ハルバートン提督の姿に、俺はコクピットから話す訳にもいかず、MSを降りて敬礼した。
「あ、あの…何か?」
「キラ・ヤマト君だな? 報告書で見ているんでね」
「はい」
「しかし、改めて驚かされるよ。君達コーディネイターの力というものには……ザフトのモビルスーツに
 せめて対抗せんと造ったものだというのに、君達が扱うと、とんでもないスーパーウェポンになって
 しまうようだ」
「そんなことは…」
「君の御両親は、ナチュラルだそうだが?」
「え!…あ…はい。そうです」
俺の両親は違うけど、キラさんの両親は……
358逆行のシン⇔キラ:2007/09/17(月) 14:59:02 ID:???
だが、俺が何かを言う前に提督は話し続ける。
「どんな夢を託して、君をコーディネイターとしたのか…」
……単に、単に狂った科学者が最高のコーディネイターを作りたかっただけさ。実験動物みたいにな。
それに……
「夢を託された側は、どうすれば良いんでしょうか?」
「ん?」
俺はキラ・ヤマトを知ってから、疑問に感じていた事を、この人に聞いてみたいと思った。
「コーディネイターは自然に生まれた者じゃありません……作った人がいるんです」
「たしかにその通りだ」
「ブルーコスモスはコーディネイターを歪んだ存在だと言います。ですが、コーディネイターを
 作った人は? 俺に言わせれば、そいつ等の方が余程歪んでます! 夢? 子供を思い通りに設計
 して、どんな夢を託すんですか!?」
「……君は…ご両親が嫌いかね?」
「え?……いえ、違います」
しまったな……確かに、これじゃあ両親を憎んでると思われても仕方ない。
「何にせよ、早く終わらせたいものだな、こんな戦争は!」
「閣下!メネラオスから、至急お戻りいただきたいと」
「やれやれ…君達とゆっくり話す間もないわ!」
「いえ……変なことを言って申し訳ありませんでした」
「気にするな。それと、ここまでアークエンジェルとストライクを守ってもらって感謝している。
 良い時代が来るまで、死ぬなよ!」
「はい! 提督も」
提督は軽く頷くと、この場を立ち去った。
「でも……」
そう。俺は知っている。ハルバートン提督は軌道上会戦にて戦死する事を。



359逆行のシン⇔キラ:2007/09/17(月) 15:00:06 ID:???


ストライクの整備を終え、やる事の無くなった俺は、結局今後の事を考えざるを得なかった。
キラさんは何故か残って戦い続けることになったみたいだけど……トールとサイが死んで復讐とか
考えたのかな?
でも、俺には残る理由が無い。どっちかって言えばザフトとは戦いたくなかった。だったら……
「俺はオーブに帰るんだな……」
オーブで、懐かしの故郷で他人のフリをして暮らすのか……今までは知らない地、ヘリオポリスだった。
でも、今度は違う……すぐ側には本当の家族が居るのに、他人の……
「……あれ?」
え〜と…ちょっと待て……考えてみれば、今はまだ居るんだよな。俺の家族が……父さんと、母さんと、
「マユ!」
え? あれ? そうだよ。何で今まで忘れてた! 今オーブに行けばマユに会えるんだ。
「でも、今の俺はマユとは他人なんだ……」
そう。残念ながらマユの兄は、この時代のシン・アスカもオーブに居る。
「……なんだよ……それじゃあ」
マユは俺を知らない人として扱うんだ。
「そんなの……って、待て!」
他人? ちょっと待てよ。それってさ……その……まあ、今はまだ小さいけど、もう少し成長して……
その……アレとか結婚とか……出来るわけ?
「………そうだよ! 今の俺はキラさ…」
あれ?……って、待て! だとすると、キラさんがマユと?…………
「認められるか! そんなの、お兄ちゃん許しません!」
クッ!……盲点だった。そうだよ。マユをキラさんの身体なんかで汚してなるものか!
キラさんの身体はラクス……って、それじゃあ俺が!? 
「それも断る!」
冗談じゃ無い! 俺はあんな生活は断固として拒否だ!
「……ど、どうしよ?」
すげえジレンマ……これが究極の選択か?……いや違うだろ?
「と、とりあえずオーブだ。オーブに帰って……」
うん。マユを見に行こう。まずはそれからだ。


360逆行のシン⇔キラ:2007/09/17(月) 15:01:10 ID:???


さて、トールたちも死なせずに済んだし、帰ってマユを見守ろう。
ところで、みんな何処に居るんだ? このシャトルってオーブ行きだよな?
「キラ!」
ん? トールの声。やっと来たか……って、軍服?
「おい、どうしたの? みんな居ないから…」
「これ、持ってけって。除隊許可証」
おお! 忘れるところだった…って、違う!
「ちょっと待って! みんなは…」
「俺達さ、残ることにしたからさ」
「サイ!?」
「アークエンジェル、軍にさ」
「ト、トール……残るって…どういう…」
「フレイ、軍に志願したんだ」
「なんでフレイが!?」
「それで…俺達も…」
それでって……おい、戦争なんだぞ……付き合いでやる事じゃ無いだろ?
「総員、第一戦闘配備! 繰り返す! 総員、第一戦闘配備!」
「あ? ヤバイ、行かなきゃ……じゃあな!」
「な、なんで……」
これで終わりじゃ無かったのか?……トールもサイも、この後はオーブに……
「そうだ……オーブだって……」
そう。オーブだって安全じゃ無いんだ。俺、何をやってたんだ?
「おーい、乗るなら早くしろ!」
シャトルの搭乗員が急かして来る。だけど……
「行ってください! 俺、残りますから!」
俺はシャトルに背を向けると、走り出した。
まだ……終ってないから。



361逆行のシン⇔キラ:2007/09/17(月) 15:02:12 ID:???
ノーマルスーツを着るため向かったロッカーの前には意外な人の姿があった。
「フ、フレイ……なんで?」
……ここって男子更衣室じゃ?………間違った?……もしかして、色んな物が飛んでくるシーン?
「貴方…行っちゃったと思ったから…私…みんな残って戦ってるのに…最初に言った私だけ…
 だから私!…私が…!」
よし! 俺が女子更衣室に入った事を怒らない! 助かった!
「まさか!…フレイ!そんなバカなこと!…モビルスーツなんて無理だよ…君みたいな女の子が! 」
だが、油断は出来ない。ここは一気に捲くし立てる! そうしないと一気に変態扱いだ!
「だって…私…」
「ストライクには俺が乗る。フレイの分も戦うから!」
ん?……待てよ? ここって良く見れば男子更衣室……
「は!…キラ!」
……って、事はフレイが男子更衣室に…………いや。だからと言って油断は出来ない。なにしろ女なんて
自分が悪くてもキャーッ!って悲鳴を上げれば正義になれるんだから!
「だから…フレイの想いの分もさ……決めたんだ。しょうがないよ。この戦争を終わらせなきゃ!」
何故か近付いてきたフレイの肩をガッチリ抑えると、俺はノーマルスーツを掴んだ。
「だ、だから任せて!」
「あれ?…ちょっと…」
俺に肩をつかまれ、何故か戸惑うフレイ?……ヤバイ! この状況に気付いたか!?
「行ってきます!」
「いや…だから…私の思いが…って…」
俺は更衣室を出ると一目散にストライクへと向かった。
た、助かった…………
「ん?」
冷静になってくると先程のシーンを思い出す。まるでキスしそうな距離まで近付いた時……
「……あの目?」
俺は懐かしいものを思い出した。
「……チッ! 今は良い!」
それよりも、大事なことがある。トール達を死なせないって事は歴史を変えることなんだ。
「俺に出来るのか? 今までは?」
今までの流れに変化はあったのか? そもそもトールが何時死ぬのか俺は知らないんだ。
確かめようが無い。だったら試してみよう。俺の知ってる確実な歴史を変えてみせる。
「まずは……この戦いでハルバートン提督を死なせない」



362逆行のシン⇔キラ:2007/09/17(月) 15:03:15 ID:???


「総員、大気圏突入準備作業を開始せよ」
俺がストライクの元へ到着したとき、艦内放送が流れた。
「間に合うか!?」
「ん? ボウズ?」
「ストライク! 出します!」
それだけ言うとストライクのコクピットシートに座り、起動させる。
「おい、ボウズ!」
「どの道、ザフト艦とジンは振り切れても、あの4機は来ます!」
「だよな……分かった! 俺も付き合う!」
「……気持は嬉しいですが、4機だけじゃ無いですよ」
「ん?…なに…」
その時、ハルバートン提督の全艦への命令が出された。
「メネラオスより、各艦コントロール。ハルバートンだ! 本艦隊はこれより、大気圏突入限界点までの
 アークエンジェル援護防衛戦に移行する。厳しい戦闘であるとは思うが、彼の艦は、明日の戦局の
 為に決して失ってなぬ艦である。陣形を立て直せ! 第8艦隊の意地に懸けて、1機たりとも我らの
 後ろに敵を通すな! 地球軍の底力を見せてやれ!」
「やはりな……艦長!」
「キラ君!?……どうして貴方…そこに…」
「そんなことより、旗艦メネラオスに伝えてください! アークエンジェルの盾になるな! むしろ
 そこにおびき寄せろって!」
「な、なにを!?」
「奴等の狙いはこの船です! 無理して突っ込んでくるところを脇から狙えって言って下さい!
 艦の正面には俺が出ます!」
「貴方が!?」
「カタログスペックでは、ストライクは単体でも降下可能です!」
「分かった! ただしフェイズスリーまでに戻れ! スペック上は大丈夫でも、やった人間は居ないんだ!
 中がどうなるかは知らないぞ! 高度とタイムは常に注意しろ!」
「了解! ストライクはエールパックを装備」
「バジルール少尉!」
「キラ・ヤマト! ストライク! 発進する!」
363逆行のシン⇔キラ:2007/09/17(月) 15:04:32 ID:???
「くっ……重力に引かれてる?……艦隊は?」
俺の目の前で、壁のように展開していた艦隊が穴を開ける。
「やってくれたか」
提督が聞き入れてくれたらしい。その穴からMSが出てくるが、殆どは横から加えられる砲撃にさらされ
落ちている。
「命令とは言え辛いな」
クルーゼは、やはりアークエンジェルへの攻撃を厳命してるようだ。遮二無二アークエンジェルに向かう
MSは第8艦隊を半ば無視して、こちらへ向かっている。
だが、それにも限界がある。多くのMSが抜け出して来た。
「さてと……」
「お〜! ウヨウヨ来やがった!」
「大尉!?」
「お付き合いしますよ♪」
「……無茶はしないで下さいね」
「お前さんには言われたくないな」
悔しいけど…その明るい態度に笑みが零れてしまう。
「参るな……じゃあ、気を取り直してと……」
俺が集中すると頭の中で種が弾ける。視界がクリアーになり集中力が増す。
「始めよう……アークエンジェルには触れさせんよ!」







「ほら……まだこんなに元気だよ」
「……うん」
僕が無傷でクリアーした事にマユちゃんが呆然としてる。
そうやって僕たちがゲームという名のシミュレーターで遊んでると、突然ドアがノックされた。
「マユ、いるの?」
「お母さん?」
……あれ? 僕の出番はこれだけ? そもそも今回のネタが分かる人いるの?



続く


364通常の名無しさんの3倍:2007/09/17(月) 15:29:38 ID:???
GJ!!

うーん 微妙に運命が変わってきてる
365通常の名無しさんの3倍:2007/09/17(月) 16:26:48 ID:???
GJ!
シンもマユ絡みだと予想どおりダメ人間だなw
それはそれとして、マユ飛んじゃう!
366通常の名無しさんの3倍:2007/09/17(月) 17:11:59 ID:???
周りに敵意がないのに四面楚歌っぽいなシンは。主に女性関係で。
367通常の名無しさんの3倍:2007/09/17(月) 17:56:39 ID:???
HAHAHA

fuck sister
368通常の名無しさんの3倍:2007/09/17(月) 18:24:16 ID:???
とりあえずフレイフラグ1は回避したか
このまま上手くかわし続けられればいいんだが
369通常の名無しさんの3倍:2007/09/17(月) 23:02:02 ID:???
浮霊に憑かれないようにするにはまず二人きりにならないことだが大変だな。
おしかけで既成事実を作ったりサイを焚きつけるようなイタイ女だし。
370通常の名無しさんの3倍:2007/09/17(月) 23:18:58 ID:???
>>369
はいはい、アンチは消えようね
371通常の名無しさんの3倍:2007/09/17(月) 23:48:02 ID:???
回避したと言うか
このシンはなんだか理解したうえでキラとは別アプローチで踏み抜きに行きそうだからドキドキする、演出的に
372通常の名無しさんの3倍:2007/09/17(月) 23:48:25 ID:???
>>363
ネタがすぐにわかった俺様は何なんだろう。
それにしても、歴史が少しずつ変わるとしたら提督もさる事ながら
エルたんもエルたんもエルたんも(以下無限リピート
373通常の名無しさんの3倍:2007/09/18(火) 01:52:54 ID:???
シンもキラもマユが戦火に巻き込まれたら怒りのままに大暴れしそうだな
374通常の名無しさんの3倍:2007/09/18(火) 02:17:17 ID:???
現在の流れで目一杯マユと萌えいちゃついておいて、あの惨劇だけは
歴史を変えられなかった、となったら凄い事になりそうだな
375通常の名無しさんの3倍:2007/09/18(火) 02:52:12 ID:???
ナタルに踏み抜かれwktk。
「何でこんな年増と……」とか。
376通常の名無しさんの3倍:2007/09/18(火) 08:53:39 ID:???
※キラの中身はナタルよりも年上です
377通常の名無しさんの3倍:2007/09/18(火) 10:25:22 ID:???
>>376
だがストライクゾーンを大きく外れているのかもしれない。
378通常の名無しさんの3倍:2007/09/18(火) 10:58:28 ID:???
気が強い?ショートカットの♀ってどこかにいた気がするw
379通常の名無しさんの3倍:2007/09/18(火) 13:19:54 ID:???
オーブ戦で、キラ(中身はシン)が最後の一線を越えてしまったシン(中身はキラ)を見て、
凄惨な事になるとか……
380通常の名無しさんの3倍:2007/09/18(火) 15:14:09 ID:???
>>377
おいおい、シンはシスコンであってもロリコンじゃないぜ
……何、アカデミー出たての女にばかり手を出してるじゃないかって?
まあ躰が大人なら問題無いだろ
381通常の名無しさんの3倍:2007/09/18(火) 18:00:06 ID:???
>>378
マユラか。
……本来ならアストレイで活躍する筈のキャラだったし生存できると良いな
382通常の名無しさんの3倍:2007/09/18(火) 18:15:29 ID:???
>>380
貴様何故未来シンがルナに娘ごと逃げられたかお忘れでやがりますか
383逆行のシン⇔キラ:2007/09/18(火) 18:32:45 ID:???


「まだ来る気か!」
「ボウズ、限界だ!」
「大尉は戻って!」
「だが!」
「ストライクなら大丈夫です! それにメビウスのバッテリー、限界でしょ!?」
「……スマン! だが、ボウズも時間が無いぞ!」
「わかってます」
俺は近付いてくるMSを次々と落としながら、メネラオスの姿を確認した。
「健在か……アークエンジェルを逃がしたら、クルーゼもこれ以上の攻撃はしてこないはずだけど…」
クルーゼは猪武者では無い。獲物を逃がしたら代わりの獲物で溜飲を下げるなんて馬鹿な真似をしないと
思いたいが……それに提督も離脱を開始している。
「キラ・ヤマト! フェイズスリー突破だ! 早く戻れ!」
「了か…チッ! あれはデュエルか!?」
砲撃を潜り抜けたMSが、一瞬何なのか悩んだが、追加装甲を施したデュエルだった。
「無理です! 少尉! 今戻れば…」
アイツ……大気圏を突破しながら攻撃する気だ!
「キラ・ヤマト!…」
「キラ君!」
1人で突っ込んで来るなんて……コイツは危険だ! 自分だけは安全な場所で周りに死ねと言う男では
無いが、ある意味、ソッチより始末が悪い。自分の命も、周りの命も軽く見てるんだから!
「危ないんだよ! アンタはさ!」
アークエンジェルと距離が開くのを感じながら、俺はイザークに集中する。ここで仕留めて…
「なっ!……オーバーヒート!? ストライクって、こんなに脆いのか!?」
インパルスだったら容易かった大気圏突破もストライクではそうも行かないようだった。
俺は各所で危険を知らせるランプが付くのを見て、戦慄していた。


第9話〜〜特訓開始!


384逆行のシン⇔キラ:2007/09/18(火) 18:33:46 ID:???


「あ…気付いた?」
「……フレイ?……そうか…あの後…」
大気圏を突破しながらの戦闘はストライクに大きな負担を強いた。同じ試作機でもデュエルの方が、
突破能力に関しては不備が無かったようだ。
整備の腕の差か? やはり、MSの管理と運営能力に関してはザフトの方がまだ上だから無理もない。
とにかく戦闘中に降下コースを外れた俺は、何とかデュエルを退けたが、コクピット内の冷却が不完全で
熱で気を失いかけた時、進路にアークエンジェルが来てくれた。
何とかアークエンジェルに辿り着いた俺は、格納庫まで入った記憶はあるが、そこから途切れている。
おそらく、そこで気を失ったんだ。
「アークエンジェルが来てくれなかったら……そう言えばここは? アラスカって事は無いんだろ?」
「うん。アフリカ…って言ってた」
「……参ったな……じゃあ、俺の所為で」
「気にしないで……それより体の方は?」
「大丈夫。まだ熱っぽいけど、軽い脱水症状だ……水、もらえるかな?」
「うん……じゃあ、私、お医者さん呼んでくる」
フレイはそう言うと、俺に水を差し出し、部屋を出て行った。俺は水を飲んで一息つくと、頭の中を
整理する。
冷却機能は弱いながらも機能してくれた。体の方は暫く休めば問題ない。気になることといえばフレイの
あの目だ。思わず苦笑してしまう。それにハルバートン提督は無事なのか? 俺は歴史を変える事が
出来たのか? そして、もう一点。
「アフリカって言えば……居るんだよな」
俺にとって頼れる上官であり、おそらくは俺から夢を奪った張本人。
「副指令……今は砂漠の虎か」
「キラ」
その時、フレイが軍医を連れて戻ってきた。
診断の結果は予想通り軽い脱水症状。今日一日安静を言い渡された。
「何かあったら遠慮なく言ってね」
「……ああ。そうするよ」
俺は彼女の瞳の奥の色に気付いていた。おそらく、彼女が俺に何を望んでいるかも……
「健気なもんだ」
「え?」
「いや、何でも無い」


385逆行のシン⇔キラ:2007/09/18(火) 18:34:49 ID:???


何時の間にか少尉になっていた俺は個室を与えられた。その部屋で1日中、ボーっと身体を休める。
まあ、そうなってくると暇で、どうしても副指令の事を考えてしまう。
あの人が、俺の上官になって…少し違うな。俺がキラさんたちの事を知るに連れて、ある疑問が生じた。
あのブレイク・ザ・ワールドの後、ラクスさんが命を狙われたことを知らされた。黒幕はデュランダル
議長だって思われてるけど、俺にはそうとは思えなかった。贔屓目かも知れないけど、あの人が
そんな馬鹿な真似をするとは思えなかった。
キラさんは状況から怪しいと思ったそうだけど、そもそも、その状況からして可笑しい。
襲撃した側はコーディネイターの特殊部隊。それに対し、された側の陣容はメインのラクスさんは民間人。
銃の訓練はしたことが無い運動神経だけの素人キラさん。かつて勇名を馳せたとは言え、重傷を負い、
義手に義足、おまけに距離感を掴みにくい隻眼の副指令。元軍人とは言え、ナチュラルの技術将校だった
マリュー・ラミアス(白兵戦は強い事は分かったが、それでも…)あとは孤児院の子供が数名。
これで、襲撃された側は1名も負傷者が出なかったなどありえるだろうか?
しかも、襲撃したタイミングは津波で今までの家が壊され、“たまたま”MSを隠していた家で就寝
していた時。
俺は何者かの作為を感じたが、ラクスさんを見てると、そんな謀略を使う人には見えない。なにしろ
議長職を面倒くさがってる人だ。それより子供の面倒を見ていたい人だし。おまけにキラさんも
自分から何かする人では無い。悪く言えば主体性に欠ける。
だが、新しく結成された体制側で精力的に活動してる人がいた。その人物は、まるで以前から草案が
あったとしか思えない素早さで新体制を整備していった。
それがアンドリュー・バルトフェルド。ネオザフトの副指令であり、ネオザフトを理想の軍隊とまで
呼ばれる規律と精神で各地の混乱を沈めた凄腕。そして、襲撃犯をデュランダルの手下だと最初に
言った人物。
そして、それ以前はラクスを立てザフトを脱走し、3隻同盟を結成させた。
多分、その時から新体制のプランがあったんじゃ無いだろうか? しかし、何らかの理由でラクスさんは
新議長になる事を拒否。そして、次の機会を待っていた。それがブレイク・ザ・ワールドを契機に起きた
戦争。
睡眠を挟みながら、そんなことを考えてるとフレイが部屋に入ってきた。考えを中断された俺は彼女を
見つめる。そうだな。副指令の事を考えるのは何時でも出来る。それより今は彼女の望みを適えよう。
「あ、あの……」
「フレイは、こんな事は不慣れだろうから辛いと思うけど、覚悟は出来てる?」
彼女の肩に手を置き、そう語りかける。彼女は顔を真っ赤にしながら頷いた。
難儀なものだな。嫌いなコーディネイターに縋るしか無いなんて……
「え、えっとね……私、初めてだから優しく…」
「悪いけど、出来ない相談だな。俺は荒っぽいので有名だ」
俺は、そう言いながら緊張から身体を硬くした彼女の手を取った。



386逆行のシン⇔キラ:2007/09/18(火) 18:36:58 ID:???


「お、お願い……少し…休ませて…」
俺はグッタリと倒れ付すフレイを見下ろし、溜息を吐いた。やれやれ、本気で体力の無いお嬢さんだ。
病み上がりの俺でも、まだ元気一杯だぞ。
「キ、キラ!? 何してんだよ?」
声に振り返ると慌てた表情のトールがいた。まあ、確かにショッキングな光景だろう。
「ん? トール? お前こそ?」
「俺は休憩だよ。交代時間。そっちは……なんでフレイが床で寝てるんだ!?」
「ああ、実はな……」
言って良いものか少し悩んだが、ある程度はみんなにも知ってもらってた方が良いだろう。
「フレイがパイロットになりたいみたいだから特訓してるんだ」
「「え!?」」
ん? 今、何故かフレイまで驚いてたみたいだけど? まあ、いいや。
俺は今までの経緯を話した。俺がオーブ行きのシャトルから引き返した時、フレイがストライクで
出撃しようとしていた事。そして、その後は俺の側にいて俺の回復に手を尽くしていた事を。
「今は基礎の段階で体力作りで走らせてるんだ。ついでに俺も鍛えようかと」
「そうかぁ、なぁんだ。俺、フレイがキラに献身的な理由ってサイから乗り換えたかと思ってた」
「んな馬鹿なことあるか。俺が回復しないと教える相手がいないからだよ」
まあ、そうなったら15歳の美少女と出来るんだし、歓迎だが、世の中そんなに甘くない。
「それにしても素直じゃないよな。フレイも」
「まあ、今までコーディネイターを嫌ってたからな。素直にパイロットになりたいから教えてください
 なんて言い難いだろ…って、ああ、フレイは気にしないで。俺も気にしてないから」
「え? あ、その…」
「でも、フレイがパイロットね……意外だな」
「……そうでもないさ」
フレイには兄弟は無く、母親も早くに無くしている。つまり、たった1人の肉親を先日失った。
1人残された彼女が復讐を考えても不思議では無い。
俺は彼女の瞳の奥にある色を思い出す。それは懐かしい……かつての俺と同じだったから。
俺は何故か呆然と見上げてる彼女を見る。
「今日は軽めに流すけど。明日からは本格的にいく。死ぬほど辛いから……覚悟しておけ」
俺の訓練は荒っぽいので有名だった。本来なら、もっとハードなんだけど、初日だしな。
「え?……はい」
彼女は15歳。ちょうど俺がアカデミーで強くなろうと、死に物狂いで鍛えていたときと同じ年齢だ。
俺はフレイ・アルスターに、昔の俺…シン・アスカを重ねていた。



387逆行のシン⇔キラ:2007/09/18(火) 18:38:00 ID:???


「初めまして、シンくん。私はご両親と一緒に仕事をしてるエリカ・シモンズよ。よろしく」
「どうも…初めまして」
初めてじゃないんだけど……まあ、今の僕はシンなんだから初めてだよね。
そんな訳で、僕はモルゲンレーテに呼ばれていた。理由は僕が作ったゲーム。
「貴方が作ったというシミュレーター、貴方にとってはゲームね。見せてもらったわ」
失敗だったな……考えてみれば、あんな大掛かりなもの家の人に見つからないはずが無いよね。
「正直言って驚きだわ……君って天才ね」
当然だね。でも、天才なんて言われても嬉しくないけどさ。
「それで、折り入って相談…と言うより、お願いがあるんだけど…」
聞かなくても検討はつくんだけど……要するにさ、僕にOS作れって言いたいんだろうな。
黙って聞いてると、やはり予想通り。しかもオマケ付き。
「MSのOS開発にMS戦の技術指導!?」
「そうよ。貴方の作った作品はMSのOSに通じるものがあるの。それに貴方の戦闘…まあ、これは
 ゲームなんだけどね…素晴らしいものよ。正直言って参考にはならないけど、貴方と対戦すれば
 嫌でも強くなれるでしょうね」
何考えてんだか……まあ、見る目はあるし、気持もわかるけど……でも正直気が進まない。
確かにオーブの現状を考えれば、欲しいものはナチュラルでも使えるOSと実戦経験のあるパイロット、
この2つだ。だけど……
「その…僕はただの学生なんです」
だってさ、そんな事してたらマユちゃんと一緒の時間が……その、僕は良いんだ。僕はね。
でも、マユちゃんが寂しがるよね。ただでさえ両親は忙しいのに……
「でもね。貴方が協力してくれたら、お父さんも、お母さんも、家族との時間が取れるようになるの」
…………って、事はだよ。なかなか家に帰ってこないのはMS開発に関ってたんだ?
「そうしたら妹さんも、寂しい思いをしなくて済むのよ」
………い、いや…別に僕がいればマユちゃんは平気だよ。うん。
「そう言われても……」
しつこく食い下がってくるシモンズ主任。そう言えば、以前もアークエンジェルの修理を引き換えに
僕にOS作成をさせたんだっけ……人を利用するのが好きだよな。
「もちろん謝礼は出すわよ」
見くびらないで欲しいな。僕がお金なんかで動くわけないじゃない。
388逆行のシン⇔キラ:2007/09/18(火) 18:39:05 ID:???
「どうしてもダメ?」
今度は泣き落とし? そんな態度取られても……
「入ります」
そう言って、部屋に入ってきたのは……誰?……そ、そうだ。シンの、つまりは僕の両親だ。
「どうなってますか?」
「それが……」
シモンズ主任は困った顔で説明してる。
でもね、なんと言っても僕はヤダよ。そ、それにねちゃんとした理由もあるんだ。
僕は、本当のシン・アスカじゃ無いから、何かやってこの世界に変な影響を与えたくない。
それに、僕は何時元の世界に戻るか分からないんだ。そうしたら残されたシンが困るじゃないか。
うん。そうなんだよ……別に今思いついたんじゃ無いよ。
「なあ、シン…」
そう言いながら、お父さんが僕の前に座る。隣にはお母さんが。
何と言ってもダメだよ。マユちゃんとの時間…じゃ無く、友達のシンのためなんだから!
もし、お父さんが、OS開発や技術指導を勧めたら、僕に人殺しの道具を作れなんて酷いよ! 
そう叫んで泣こう。うん完璧だ。
「もしシンがOS開発をしてくれたら、マユに尊敬されるぞ」
「―っ!」
「何と言っても大の大人でも不可能な事をするんだからな」
「それにね、貴方がMS戦の指導なんてしたら、お母さんは勿論、マユにとっても自慢のお兄ちゃんね。
 ほら、パイロットって格好良いでしょ?」
「やります! 任せてください!」
そ、そうだよ。考えてみればマユちゃんに格好良いとこ…じゃ無くて……そうだ! マユちゃんを
それにオーブを守らなきゃ! 前から考えてたじゃないか、訓練の事とか! そうだよ!
「あ、あの……息子さんって…その…シス…」
「ああ、お気になさらずに」
「昔っから言う事聞かせるには、マユの名前だせば一発ですから」
……あれ? 昔からって、僕がアナタ方の息子になったのは、つい最近なんですが?



続く
389通常の名無しさんの3倍:2007/09/18(火) 18:54:36 ID:???
相変わらずハイクオリティw
ってかシンに鍛えられたフレイがキラの作ったOS載せたMSで戦ったりするのかwww
390通常の名無しさんの3倍:2007/09/18(火) 18:56:12 ID:???
GJ!
っか、騙されたよ。ああ騙されたさ。プロローグで躊躇なくやっちゃってるから見事に引っかかったさ!

>息子になったのは、つい最近なんですが?
恐るべきマユの魔性!
391通常の名無しさんの3倍:2007/09/18(火) 19:03:23 ID:???
ああ、ザフトの動きが良くなったのはキラが変なシュミレーター作っちゃったせいか……。
392通常の名無しさんの3倍:2007/09/18(火) 19:40:58 ID:???
GJ!
見事に騙されました

しかしこのクオリティとテンポの良さはすごいな
393通常の名無しさんの3倍:2007/09/18(火) 20:56:57 ID:???
GJ
シンのシスコンは遺伝子レベルで肉体に刻み込まれてるのか?
さてこれからどうなっていくのか
394通常の名無しさんの3倍:2007/09/18(火) 22:00:37 ID:???
うほ!すげえシスコン!!
それとキラ(シン)のフレイに対しての恐ろしい位のフラグクラッシュに吹いたww
395通常の名無しさんの3倍:2007/09/18(火) 22:26:30 ID:???
フレイワラタwwwww
シン、逆にこれで本当に惚れられたらどうするんだろうwww

キラはまあ自業自得なところもあるけど…なんか籠と棒で仕掛ける罠に
あっさり嵌ったようにしかみえねえwww
396通常の名無しさんの3倍:2007/09/18(火) 22:51:13 ID:???
GJ!
で、前から気になっていたんだけど

副指令×
副司令○
じゃないのか?
397通常の名無しさんの3倍:2007/09/19(水) 00:27:04 ID:???
キラが……キラが落ちてるよ(笑)
まあ、話の流れ的に同じ魔女(性的な意味かも知れない)でも
ラクスより、フレイより、マユがいいって思ってる時点で本人は幸せなんだろうけど
何て言うか、これはこれでありと思えてきた。
シン厨でキラ嫌いな漏れが言うんだから間違いない。

シンがフレイに落ちない理由はサイに対する好意とか倫理観とかそんなんじゃなく、
単にマユに比べてどれほどの魔性も放ってないからじゃね?とかおもうおれはもはや炉利?
398通常の名無しさんの3倍:2007/09/19(水) 00:33:07 ID:???
つかシンの訓練って無茶怖そうだな
なまじ本人が無茶する奴だから他人も同じ事できるとマジで思ってそうだし
新兵の時点で潰れる奴が何人もいそうだ
399通常の名無しさんの3倍:2007/09/19(水) 01:56:03 ID:???
しかしまぁ。そうだよな
酸いも辛いもかみ分けてきた三十路シンが
まだ子供のフレイの本当の動機を見抜けないはずがないんだ

・・・直接じゃなくて搦め手でやろうとしてたことには気付かなかったようだがw
400通常の名無しさんの3倍:2007/09/19(水) 02:46:44 ID:???
GJ!
フレイの復讐を見抜いたのは流石!
しかも微妙に勘違いでフラグクラッシュw

このすれ違い具合が最高です!
401通常の名無しさんの3倍:2007/09/19(水) 07:17:23 ID:???
しっかしすごいなぁ、シンのフラグクラッシャー能力は。
種死本編ではシンは気づかずに女の子たちとフラグ立てる鈍感だったのに。
キラの方も幸せでどっちかって言うと本編もこんなんで進行してくれれば良かったのにな…
402通常の名無しさんの3倍:2007/09/19(水) 07:50:53 ID:???
このまま行ったら紅の戦乙女が誕生してしまうわ
403通常の名無しさんの3倍:2007/09/19(水) 10:14:15 ID:???
フレイがカガリからルージュを奪っちゃうぐらい凄腕になればいいじゃない!
メタ情報しかないながら本気で始めたシンの行動に騙されたのと、魔性の女のせいで深みにはまるキラ笑ったwww
なんか凄く投下を期待している自分に気が付いて驚いた、ともかくGJ!
404通常の名無しさんの3倍:2007/09/19(水) 19:27:16 ID:???
魔性の女×
魔性のょぅじょ○
405通常の名無しさんの3倍:2007/09/19(水) 20:09:44 ID:???
>>404
あれ、俺がいる
406通常の名無しさんの3倍:2007/09/19(水) 20:12:07 ID:???
>>404
あれ。俺いつ書き込みしたっけ。
407逆行のシン⇔キラ:2007/09/19(水) 20:47:11 ID:???


「新しい量子サブルーチンを構築して、シナプス融合の代謝速度を40%向上させ、一般的なナチュラルの
 神経接合に適合するよう、イオンポンプの分子構造を書き換えました」
「よくそんなこと、こんな短時間で。すごいわね、ほんと」
「とりあえずは、これでやってみて下さい。様子を見ながら調整しますから」
シモンズ主任にそう言い残すと、僕は自分の機体に乗り込む。
「さてと…自分の分もやっとかないとね」
僕用に与えられたM1のOSを、コーディネイター用に調整する。
「でも、この時代のMSってまだ飛ぶの少ないんだよな」
僕が乗ってたMSに比べると、M1は性能が低すぎる。まあ、あまり期待はしていなかったけど、
それ以上にM1では飛べないことが難点に思える。
この時代では飛べるやつの方が珍しいんだけど、それでも島国で海岸線から市街地までの距離が短い
オーブでは地上に上がられる前に撃退したい。
そうなると水中用か飛行能力が必要で、宇宙での戦闘も考えれば、空中戦に慣れてる方が望ましい。
「シュライクを作るか」
本来ならヤキン・ドゥーエ戦後に開発されるものだけど、今の技術でも充分可能なはずだ。
「シモンズ主任! ちょっと提案があるんですけど!」
「え? なにかしら?」
「ええ、M1のパーツなんですが……」
な、なんか僕が真面目に働いてるよ。凄く久しぶりな気がする……
「なんだか……シンくんって凄いわね……」
唖然とするシモンズ主任。まあ、気持はわかるけどね。
「このくらい……オーブを、守りたいですから」
おお! シリアスな雰囲気! 今の僕をマユちゃんにも見せたいよ。




第10話〜〜シリアス
408逆行のシン⇔キラ:2007/09/19(水) 20:48:12 ID:???


「ゴ、ゴメン……ちょっと…これ以上は…」
昨日と同じ、床に倒れ付すフレイ。貧弱な……俺なんか重量装備で走ってるんだぞ。
まあ、今までろくに運動した事も無い女の子なんだから無理もない……と、言いたいところなんだけど…
「フレイ…」
「ん?……なっ!…なん…」
フレイが驚きに声を震わす。そりゃあ、そうだろ。いきなり頭を土足で踏まれたらな…
「ちょっと! なに……って、痛い!…」
「声が出るうちはマダ平気だ」
少しずつ、フレイの頭に載せた足に体重をかける。
「それとも、いっそ、ここで死ぬか?」
俺はフレイに対し、殺気を放つ。……ふん、顔が見る見る恐怖に歪んでいく……
「お、おねがい……ヤメ…テ…」
……まだだ。お前の中身を…本性を引き出してやる。
「ふん! 所詮は間抜けの娘か」
「な!」
フレイは家族の…父親の復讐に身を投じた女だ。だったら、父親の悪口が一番効く。
「そうだろ? だって、助けにきた先遣隊に乗ってきながら、何の役にもたたないなんて、間抜けも
 いいところさ。無駄死にってやつ? それとも犬死に?」
「パパの!…」
表情が変わる。恐怖から怒りへと……
「悪口を……」
頭が少し上がってきた。良いぞ! その顔だ! 
「言うな!」
そして、顔を上げて俺の足を払いのける。俺をにらむ表情は憎しみに満ちていた。
「悪口? 本当の事さ! 娘のお前を見てれば分かる。役立たずが!」
「違う!」
「フン! だったら証明してみろ。次は腕立て伏せだ」
「……やるわよ! やれば良いんでしょ!」
そう言いながら、目に涙をためて腕立て伏せを始める。それで良い……俺はそうしてきた。



409逆行のシン⇔キラ:2007/09/19(水) 20:49:15 ID:???


さてと、体力訓練が終ったらストライクのOSを砂漠用に調整しないと……じきに虎の縄張りだ。
その前に仕上げておきたい。
「キラ!」
「ん?……サイか」
「サイかじゃ無い! お前、フレイに何をした!?」
「何って、特訓だけど」
ちなみにフレイは途中でぶっ倒れた。完全に動かなくなったので、担いで部屋まで運び、
放り投げておいた。最後まで出来なかったので、運ぶ最中は俺の罵倒をBGMにしながら歩いたから、
ずっと泣いてたけど。
多分、今も泣いてるだろう。さらに全身が痛くて寝るに寝れないはず。
「何だってMSの訓練で、あんなに走ったり筋肉つけたりするんだよ!?」
かなり怒ってるな。冷静なサイが俺の襟首掴んで睨みつけてる。
「ああ……」
俺は、苦笑しながらサイの手首を掴んだ。
「つぅ!」
「俺が本気で握ると痛いだろ? でもなパイロットには必要なんだよ。まずGで息苦しい。まともに
 出来ないときも多い。そのためには心肺機能を鍛える必要があるんだ。  
 それにGは身体全体にかかる。とくに厄介なのが首と腕だ。胴体と違って固定出来ないからな。
 だから、それに耐える筋力が必要なんだ」
俺はサイの手を放した。サイは辛そうな顔をしてるが、腕の痛みだけの所為じゃないだろう。
「サイ……お前は正しいよ。好きな女の子が辛そうだったら、助けたいのが当然だ」
「キラ……」
「お前は、フレイに死んで欲しいか?」
「そんなわけ無いだろ!」
「俺もだよ」
「だからって……」
「俺に出来るのはフレイが簡単に死なないように鍛えてやるだけだ。それでも、死ぬ時は死ぬけどね。
 今のフレイを見るのが辛いなら、フレイに戦わないように説得すれば良い。それが出来るのは
 俺じゃなくサイの役目だろ」
「俺に……出来るかな?」
……正直、難しいだろう。俺がそうだったから。今のフレイは悲しみで潰れそうな気持を怒りに変えて
生きてるんだから……



410逆行のシン⇔キラ:2007/09/19(水) 20:50:23 ID:???


「なあ、ボウズ……本気か?」
「俺は、どっちでも構いませんよ」
翌日、格納庫では困惑の表情のフラガ少佐。その隣には……
「よろしくお願いします!」
パイロットスーツに身を固めたフレイ・アルスター。
目の下のクマがチャームポイント。筋肉痛で眠れなかったらしい。
俺はチラリとサイを見るが、彼は首を横に振った。やはり説得は失敗したようだ。
「まあ、食事は抜いてるんだろ?」
フレイは頷く。吐いた場合が危険だ。下手すれば吐いた物が気管に詰まってしまう。
「でもなぁ……大丈夫かよ?」
「死にはしないでしょうけど、本気でやばかったら中止しましょう」
「そうだな……なあ、お譲ちゃん。耐えられなかったら言うんだぞ!」
「は、はい」
少佐は新型のスカイグラスパーに慣れなければいけないのと、俺のストライクの砂漠での調整を兼ねて
今日はストライクとスカイグラスパーの模擬戦を行う事になった。
そして、いきなりだが、少佐の機体にフレイを同乗させる事にした。
戦闘スピードでのGを体験してもらうためだ。
危険ではあるが、ここで無理と判断できれば、サイにお任せ。
「それじゃあ、行くか。まあ、最初はボウズの調整があるからゆっくりと行こう」
「お願いします」
「よし! ボウズ、それじゃ早速使わせてもらうぞ」
少佐がスカイグラスパーにセットされたランチャーパックを見ながら言う。
俺は、戦闘距離が短い地上では、ストライクがランチャーを使う機会は少なそうだから、
少佐のスカイグラスパーの強化パーツとして使った方が良いと提案し、艦長の許可も得た。
それに最大の理由は、砂漠で色んな換装をするほどOSを弄るなんて俺には無理だし。
そんな訳で、パックはエール1本と決めた。
「それじゃあ、行ってくる」
俺はサイに告げると、心配そうな彼に何も言えずにストライクに乗り込んだ。
「俺の本心はどうなんだ?」
1人になると自問した。俺はフレイに戦ってほしいのか、それとも諦めて欲しいのか?
もっと正確に言えば、彼女に俺と同じになって欲しいのか、それともなって欲しくないのか?
でも、自分の気持が良く分からなかった。
411逆行のシン⇔キラ:2007/09/19(水) 20:51:24 ID:???
アークエンジェルを発進して砂漠に降り立つと、いきなり足が滑った。
「チッ! まだ甘かったか……接地圧が逃げる!……摩擦係数………砂の粒状性……これなら?」
よし、落ち着いた。最近になって、キラさんの力の使い方が分かってきた。要するに頭の中に辞書が
あるようなものだ。キラさんの知識が詰まった辞書。自分の知識と違い、すぐに出せないのは難点だが、
時間をかけてページをめくるように……
「ボウズ! どうだ?」
「大丈夫です……その…」
「こっちは平気らしいぞ。どうだ?」
「気にしないで……全然平気だから」
声には苦しさが見えてるが……強がれるなら大丈夫だな。
「では、軽く始めましょう」
何時の間にか、フラガと平気に話せることを自嘲する気持もあるが、やはり頼れる人なのは間違い無い。
「OKだ。まずは攻撃を仕掛ける!」
「お願いします!」
最初は、スカイグラスパーの砲撃をかわす。それの繰り返しで、問題点を洗い出す。
「くっ!」
砲撃を避けるたびに足元が覚束くなる。考えてみれば、地面に足を付けて戦うなんて久しぶりの
経験だった。
「逃げる圧力が想定より高い!」
「よし、一旦止める! 調整をやってくれ」
「はい!」
俺はキーボードを取り出して、調整を変える。
「終了です!」
「よし、行くぞ!」
今度は高くしすぎた……俺って不器用だよな。身体はキラさんのなのに……考えてみればキラさんは
戦闘中に変えてたんだよな……
「どんだけ化け物なんだよ」
「ん? 何か言ったか?」
「いえ! すいません! 今度は高すぎたんで!」
「いや、高いとか言われてもな……変更するで良いんだな?」
「はい」
それを何度か繰り返して満足できる状態になると、次は此方からも攻撃する手順だ。
「譲ちゃん! 今度は回避運動が入るから、そうとうキツイぞ!」
「だ、大丈夫です!」
「よし! やるぞ!」
412逆行のシン⇔キラ:2007/09/19(水) 20:52:27 ID:???
スカイグラスパーが急降下しながら砲撃を放つ。狙いが単調! MAの欠点だな。
「甘い!」
バックステップでかわしながら、ビームライフルで反撃。完全にヒット。正直、敵として物足らない。
さすがに攻撃するときはバランスを崩しやすいが、そのためのエールストライカー。スラスターを
吹いてバランスを取る。
「これならいけるな……だけど」
出来れば接近戦での調整をしたいが、MA相手にそれを求めるのは無理だしな。
なんか良い手は……あった。でも、俺に出来るか?
「……やってみるか」
俺はライフルを収め、ビームサーベルを抜く。
「ん? どうした?」
サーベルでは反撃できないから少佐が不信に感じ声をかける。
「構わず攻撃してください」
「は?」
「お願いします!」
「……分かったよ! まったく…」
少佐が旋回して、再び攻撃を仕掛ける。集中して攻撃に備えろ……今の俺なら……この身体と俺の経験が
あれば…
「くっ!」
直撃を喰らった。模擬専用の弾とは言え、結構キツイ。
「ボウズ!」
「続けて!」
今度こそ、見るんじゃない! 感じろ! 砲撃のラインを……
「そこ!」
サーベルで弾を弾き飛ばす。
「嘘だろ!」
「……やれた。俺にも」
飛んでくる弾をサーベルで払い落とす。キラさんはビーム相手にやってたんだ。模擬弾くらい。
「続けて下さい」
「お、おう!」
再び急降下に入り、攻撃を仕掛けようとする……さあ、やってやる!
「待て、ボウズ! 中止だ!」
「え?」
「譲ちゃんがヤバイ!」



413逆行のシン⇔キラ:2007/09/19(水) 20:53:35 ID:???


急いで着艦し、スカイグラスパーを見ると、丁度フレイが降ろされるところだった。
「フ、フレイ……」
俺はコクピットに座るフレイの姿に愕然としてしまった。
「……戦っていたのか」
そう、彼女は腕を前に置き、操縦桿を握る体勢で固まっていた。
おそらく、心の中で俺に攻撃していたんだろう。
「フレイ! しっかり…!」
サイが駆け寄ったが、フラガ少佐が彼女のヘルメットを取ると、その姿に踏み止まってしまった。
「飲んでますか?」
「いや……大丈夫らしい」
胃液を吐いて、汚れた顔。俺は不安を質問したが、少佐は彼女の呼吸を調べ、安全を確認する。
「ボウズ……いや、何でも無い」
しまったな。不信に思われたらしい。普通はサイの反応が正しい。それほど彼女の姿は一般の人には
正視しがたいものだった。
「医務室に運びます」
「そうだな。頼めるか」
「はい……フレイ?」
俺が少佐に代わり、フレイに触れると、彼女の目が開いた。
「ころ…してや…る」
「……そうか」
吐いたばかりの胃液に汚れた顔は、苦痛と怒りに歪み、その瞳には狂気にまで昇華された憎しみの炎が
宿っていた。
「アンタ等……コーディ…イターをみな…ごろし…してやる」
「今のお前には無理だ」
「……だったら…」
「ああ、強くなれ。俺が強くしてやる。俺を殺せるくらいに」
そう言うと、彼女は再び目を閉じる。気を失ったか。
俺は彼女を抱き上げ医務室へと向かう。
「……ゴメン」
サイと擦れ違うとき、謝ってしまった。謝っても意味は無いけど……
でも、サイの望みは適わない。それは俺が一番知ってるから。



続く

414通常の名無しさんの3倍:2007/09/19(水) 20:55:38 ID:???
リアルタイムktkr
415通常の名無しさんの3倍:2007/09/19(水) 20:57:06 ID:???
前半の鬼軍曹なシーンを見てこれなんて調教とワクテカしたのは俺だけでいい
416通常の名無しさんの3倍:2007/09/19(水) 22:17:45 ID:???
シンがダーク(?)ヒーローっぽいのに対してキラの暢気さにワラタ。
417通常の名無しさんの3倍:2007/09/19(水) 22:59:23 ID:???
GJ!
原作でアレだったキャラが成長するのは見ていて楽しいな。
まぁフレイのこの変化が成長かどうかは判断しかねるが。
418通常の名無しさんの3倍:2007/09/20(木) 00:08:57 ID:???
シンも鬼軍曹が過ぎるとハートマンみたいに撃たれちゃうから注意して欲しいね
419通常の名無しさんの3倍:2007/09/20(木) 00:22:05 ID:???

    /ノ 0ヽ
   _|___|_
   ヽ( # ゚Д゚)ノ   呼んだか?クソ虫共!
     | 个 |     
    ノ| ̄ ̄ヽ    
     ∪⌒∪ 
420通常の名無しさんの3倍:2007/09/20(木) 01:00:11 ID:???
譲ちゃん→嬢ちゃん
ではないかと揚げ足取りが来ましたよ。
シン×フレイはこの調子だと無さそうだな。
421通常の名無しさんの3倍:2007/09/20(木) 02:24:34 ID:???
むしろ、サイとフレイに対する罪悪感なんかのせいで
少なくともキラの演技が出来なくなってる位には追い込まれてる訳だし
慰めてくれるシン主観でフリーな(ここ重要)ナタルとのフラグが立ちそうじゃね?
422小ネタ:2007/09/20(木) 03:05:57 ID:???
>>420
修正してまとめにUPしておきました。

まさか、わざとじゃないよね?>作者氏
わざとだったら戻すから言ってね。
423通常の名無しさんの3倍:2007/09/20(木) 08:17:30 ID:???
GJ!
これじゃあシンと同じ苦しみを・・・・
424通常の名無しさんの3倍:2007/09/21(金) 14:32:36 ID:???
まあ童貞を誑かして間接的に復讐を遂げようとするよりは余程健全だ
こうやって今の内に負の感情と向き合った方が将来的には成長に繋がると思うけど
最後の辺りではスパロボWばりにキレイなフレイになる可能性もある
425逆行のシン⇔キラ:2007/09/21(金) 19:05:48 ID:???


フレイを医務室まで運ぶと、帰りにヘリオポリスのみんなが待ち構えていた。
正直、気が重い。
「フレイのことか?」
「なあ、もう止めさせないか」
トールが第一声を放つ。おそらく他のみんなも同じ気持だろう。
「みんなが説得して止めるなら、それで良いさ」
「止めたよ! でも聞かなくて!」
「で、俺が教えなければ、それで済むと?」
「そうだろ」
「その時は別の手段をとるだろうな。下手すれば無謀にも拳銃片手に飛び出すかもよ」
「そ、そこまでは……」
「無いとは…言えないよ」
「サイ?」
意外にも俺の言葉を肯定したのはサイだった。かなり落ち込んでるみたいだけど……
「実は俺……振られたんだ」
「は?……えっと…それは…」
「キラが気絶から目が覚めた次の日だけど……フレイが、あまりにもキラの事ばかり気にかけるから、
 嫉妬して……」
まあ、要約すると、サイとの婚約は父親が決めたことだから、父親が死んだ今は無効との発言。
「だから、俺さ、キラにフレイを止めるのは俺の役目だって言われて、頑張ってみたんだ。
 もしかしたら、それを切欠にやり直せるかもって期待して……でも駄目だった」
「そうは見えなかったな……フレイ、サイにベッタリだったろ」
「うん。サイに気に入られようと努力してたよ」
「それも父親のためさ。父親が決めた婚約者だから、気に入られたい。そう思ってたんだ。
 それくらいフレイにとっては父親は全てだったんだよ」
俺が部屋で寝てる間に、そんなイベントが起きてたんだ。
何か言ってやりたいけど……そうだな…
「あのな、サイ…」
だが、言う前に艦を振動が襲う。そして警報が鳴り響いた。間違い無い。奴が来たんだ。



第11話〜〜久々にプッツン!
426通常の名無しさんの3倍:2007/09/21(金) 19:06:43 ID:???
つかシンって30過ぎのベテランになっても16歳時のキラに出来たビーム斬りが出来なかったのか?
シンの反応速度と技術なら、10代のうちにとっくに達成しているものだと思ってたが……
427逆行のシン⇔キラ:2007/09/21(金) 19:06:50 ID:???


俺はストライクに乗り込むと、ブリッジに通信を繋ぐ。はっきり言って艦長より中尉の方が頼りに
なるから、中尉に聞こう。
「バジルール中尉、状況は!?」
「敵の第一波ミサイルはイーゲルシュテルンで迎撃した。だが砂丘の影からの攻撃で、発射位置は
 特定できん!」
「面倒な!」
状況説明が早くて助かるが、内容は最悪だった。
いやな攻撃のしかただ。前にやってたゲリラとの戦いを思い出す。
「アークエンジェル。動かす準備をしたが良くないですか? 今のところはミサイルで済んでるけど」
「艦の主砲か……そうだな。艦長!」
早速、艦長に進言。仕事が速いと便利だ。正直、俺の部隊に欲しかった。
それじゃあ、俺は出た方が良いかな…
「ヤマト少尉、貴様はストライクを発進させて地上待機だ。ザフトの地上用MSに警戒しろ。
 私は見たことが無いが、戦車などより遥かに厄介らしいぞ」
「…了解」
……先に言われてしまった。
「少佐は出れますか?」
「少し待ってくれ! 弾薬を詰め替えなきゃならん!」
「申し訳ありません! 俺が模擬戦をしようなど言わなければ」
「気にするな。ボウズが手伝ってくれなきゃ、今頃はまだ飛べない状態だった」
まあ、確かに模擬戦をしたくてスカイグラスパーの整備を手伝ったけど……
「では発進できる状態になったら、まずは敵の母艦の位置を探ってください。それまで、航空戦力は
 こちらで…」
「俺も手伝います」
「……出来る範囲で構わん。メインはMSだということ忘れるな!」
「了解です」
「こっちも了解した!」
「じゃあ、俺は出ます! ミリィ、頼む」
ミリアリアの指示に従い、発進準備を整える。
「キラ・ヤマト、ストライク、発進する!」
砂漠戦か……あまり、経験は無いが……やるしかない。
428逆行のシン⇔キラ:2007/09/21(金) 19:07:52 ID:???
ストライクを発進させ、戦闘ヘリ、アジャイルにライフルの照準を合わせる。
「少し、減らす……落ちろ!」
まずは1機…………あれ?
「逸れた?……そうか! 砂漠の熱対流を忘れてた!」
ヤバイ!……考えてみりゃ模擬戦の弾しか使ってない……何考えてんだ、俺?
助けて、ヴィーノ、ヨウラン……マードックのオッサンじゃ全然役に立たねえ!
今まで整備士の人間に至れり尽くせりで来た俺には、アークエンジェルの環境は厳しかった。
「で、でも…俺がやらないと……」
兎に角、ヘリに照準を合わせ撃つ……調整……撃つ……調整……ん? この反応?
「右から? バクゥ!」
今度はバクゥが来た。ヘリは諦めて目標変更。撃つ……調整……撃つ……調整……撃たれる?
「痛っ!…調整終るまで待てねえのかよ!」
待つわけ無いだろ! 自分に突っ込みながら調整を続ける。回避する余裕は無い。PS装甲に頼って
調整に専念する。
「これなら?……当たった!」
調整終了。ここからが反撃……あれ? 今、変な音が……これって警告音?
「バッテリーが……」
何故かバッテリーが激減している。心当たりと言えば、無駄弾を撃ちすぎたのと、被弾が多くて
PS装甲にエネルギーを喰いすぎた事くらいしか無いんだが?
「……充分だな」
謎でも何でも無い。自業自得だった。
そんな俺に接近するバクゥ。ピンチか!?
「なわけ無いだろ!」
シールドを捨てながら、近付いた1機をビームライフルで撃破し、もう1機をアーマーシュナイダーで
仕留める。
「バクゥが相手なら!」
実は俺はバクゥの相手が得意だった。つーか、地上では俺の部隊だけでなくネオザフトが最も相手にする
機会が多いのがバクゥの系統だった。
なにしろ、俺達が相手していたのは国では無く、テロをやるゲリラだったから、当然彼等が使うMSを
相手にすることが多い。
そして、ゲリラに人気の機種が4足獣タイプ。地上の洞窟などを隠れ家にする者が多いし、そういった
場所に隠れながら攻撃する戦法が使いやすい。さらには操縦が比較的簡単でナチュラルでも少しOSを
弄れば使える機体になる。まあ脚部関節を最大限縮めたら普通の戦車と変わらないし。
429逆行のシン⇔キラ:2007/09/21(金) 19:08:55 ID:???
「そうだな……機体を捕獲するか」
今のバクゥだったら、口のビームサーベルも装備されてないから、高機動戦車と言っても差し支えない
性能だ。これならフレイにも使える。
だが、そんな事をしてる間にアークエンジェルが落ちたら笑い話にもならないが……
「少佐が出た」
すでに地上を飛び立ち、敵艦の主砲に備えてるアークエンジェルから、スカイグラスパーが飛び立った。
隠れ場所さえ見つかればこっちのものだ。レセップスとアークエンジェルじゃ勝負にもならない。
だったら、少佐が索敵に専念できるようアジャイルを片付ける。
「今度は外さない!」
ストライクのビームライフルに撃たれ、アジャイルが全滅する。翼を振って俺に合図を送ると、敵の
隠れてると思われる方向にスカイグラスパーは向かう。
「後はこっちか」
あまり、ゆっくりとは出来ない。副司令の事だ。すでに不利を悟ってるだろう。
いや、そもそも今回の攻撃はこちらの戦力を図るための行動だった可能性が大きい。
ならば、すぐにでも撤退を始めるはず……
「残りのバッテリーは……厳しいな。だったら!」
PS装甲をオフにし、バッテリーの消耗をさける。要は当たらなければ良いんだ。
バクゥは残り3機。
空中から砲撃出来れば楽なんだけど、今回はそうはいかない。地面に足を付けて、上手く立ち回らないと。
「行くぞ!」
バクゥに突進。ビームライフルを地面に目掛け放ち、砂塵を撒き散らす。
「まず1機!」
アーマーシュナイダーでコクピットを貫く。
「2機目!」
ビームライフルで足を破壊。
「これで最後!」
ひっくり返してコクピットにビームライフルを突きつける。
「投降しろ!…なんて野暮は言わない。逃げて良いぞ」
「な、なにを…」
「貴様の上官に伝えて欲しい」
そう言って、俺はコクピットを開き、ヘルメットを取る。
「俺はコーディネイターだ」
430逆行のシン⇔キラ:2007/09/21(金) 19:10:00 ID:???
「何故、同胞が!?」
「察しって欲しい。貴方の上官に伝えれば分かってもらえる」
「バルトフェルド隊長を知ってるのか?」
やはり、あの人の部隊か……
「詳しくは言えません。行ってください。早く!」
もちろん嘘。本当は機体を無傷で手に入れたかっただけ。
逃げ去って行くザフト兵を見ながら安堵する。自爆スイッチを押さないでいてくれた。
「さてと……っ!」
だが、銃声が鳴り、そちらを振り向くと、俺が逃がしたザフト兵が倒れていた。
「……ゲリラか?」
俺は銃を持った軍人に見えない集団を見て、怒りを抑えるのに苦心していた。






予想通り副司令は部隊を撤退させた。相変わらずの手際の良さだ。後一歩でアークエンジェルの砲撃を
放てる所だったらしい。
そして、こちらも予想通りゲリラだった。基本的にゲリラは嫌いだし、まして俺が逃がした兵を撃った
連中と友好的にはなれない。
そんなわけで俺は、艦長たちが接触してる間、捕獲したバクゥを運びたかったが、待機を命じられ
コクピットで不貞腐れていた。
ただ、暇だったからマードック曹長と通信していた。
「ボウズ、じゃあ、そのMSを嬢ちゃんに」
「艦長しだいですけど、使えるにこしたことはありません」
「なるほどね……」
「ヤマト少尉、降りてきて」
なんだ? 艦長が呼んでる。面倒な……まあ、仕方ないか。そして俺が降りてる最中に……
「…お前…お前が何故あんなものに乗っている!?」
ん? どっかで聞いた事がある声……アスハ!?
何か怒りながら殴りかかろうとしてるけど……
「それは、こっちの台詞だ! この馬鹿が!」
久しぶりに切れた。俺は殴りかかってくるアスハの腕を極めると、関節を捻りながら髪の毛を掴む。
そして強引に顔をこちらに向けると睨みながら怒鳴った。
「アスハ! アンタなに考えてんだ!」
…………あ?…ヤバッ! 名前言っちゃった!
431逆行のシン⇔キラ:2007/09/21(金) 19:11:23 ID:???


なんか飽きた……こう来るも来る日もひたすらモルゲンレーテで蟻のように働く毎日。もう3日目だよ。
こんな仕事、僕には向いてないと思うんだけど……
「どう? はかどってる?」
シモンズ主任が気楽に聞いてくるけど……シュライク作ろうなんて、言わなきゃ良かった。なんで僕が
基礎設計をしなきゃいけないのさ。
「そう簡単にはいきませんよ。MSを飛行させるには、重量や出力の問題が複雑で」
「それは分かるけど…」
本気で大変なんだからね。やっぱり無理だよ…
「お兄ちゃ〜ん」
「え?」
なんでマユちゃんが……
「ど、どうしたの?」
「お迎え。もう終った?」
「ゴメンね。マユちゃん。お兄さん、まだ終ってないのよ」
「そうなんだ……お父さんと、お母さんは」
「そうね……お兄さんの仕事が終れば、引き継ぎで忙しくなるけど、しばらくは…」
え? それって、僕がノルマを終らせれば、残りは父さんと母さんが……それって、これを終らせれば
マユちゃんと2人きりに……………パリーン!
「M1の重量は53.5t。だったら出力はこれだけ……チッ! 重量が重すぎる。15t以下に抑えるには
 材質を…強度不足?…だったら、こっちで! 出力が足らない分はローターのサイズを…これなら! 
 主任、出来ました!」
「うそ!」
「終ったよ。帰ろうか」
「うん」
「お父さんと、お母さんは遅くなるみたいだけど」
「お兄ちゃんが居れば良いよ♪」
「そう♪」
「あのね、あのね、お兄ちゃんがパイロットになるって友達に自慢しちゃった」
「じゃあ、もっと頑張らないとね」
「うん。応援してる。それと今日の夕飯何にする?」
マユちゃんと手を繋いで家路を急ぐ。今日もお仕事頑張ったよ。うん労働って素晴らしいね。
そう言えば、シモンズ主任が唖然としてるけど、何でだろ?



続く
432通常の名無しさんの3倍:2007/09/21(金) 19:20:32 ID:???
キラはなんだかんだいって女の子に操縦される(フレイ、ラクス、マユ)
運命なのだろうか
433通常の名無しさんの3倍:2007/09/21(金) 19:29:11 ID:???
うわ、マユすげぇwwww
434通常の名無しさんの3倍:2007/09/21(金) 19:41:08 ID:???
たかが3日で来る日も来る日もとは言わないだろ。
さすがだなキラは。
435通常の名無しさんの3倍:2007/09/21(金) 20:17:57 ID:???
ついにカガリが来たか!
こいつぁwktkだぜ!
436通常の名無しさんの3倍:2007/09/21(金) 20:21:10 ID:???
筋金入りのニート体質だからな
437通常の名無しさんの3倍:2007/09/21(金) 20:27:00 ID:???
最後のキラinシンの種われワロタwwww
438通常の名無しさんの3倍:2007/09/21(金) 20:36:53 ID:???
>俺は殴りかかってくるアスハの腕を極めると、関節を捻りながら髪の毛を掴む。

まさか「やめてよね」されるのがカガリになるとはw
439通常の名無しさんの3倍:2007/09/21(金) 22:02:35 ID:???
オーブ陥落がなくなりそうな勢いでキラがダメ人間になっていっているなぁ
GJ
440通常の名無しさんの3倍:2007/09/21(金) 22:06:52 ID:???
なんというかこんなキラのマヌケな種割れは阿部シードのシン並みだ!!
それと、カガリ自重……シンは巧く機体を鹵獲したのがGOOD!!

441通常の名無しさんの3倍:2007/09/21(金) 22:13:30 ID:???
「意気揚々と上陸した連合のMSを上空から蜂の巣にするM1アストレイの大軍」
という光景が浮かんだぞw
442通常の名無しさんの3倍:2007/09/21(金) 22:49:34 ID:???
キラが労働の喜び目覚めよったw
443通常の名無しさんの3倍:2007/09/21(金) 23:32:02 ID:???
「労働の」喜びじゃねぇだろw
444通常の名無しさんの3倍:2007/09/21(金) 23:49:07 ID:???
労働の喜びに目覚めた×
ょぅじょの魅力に目覚めた○
445通常の名無しさんの3倍:2007/09/22(土) 00:07:13 ID:???
カガリはこの先もシンにとっては面倒の種になるだけなので、手遅れになる前にコマすなりなんなりして屈服させといた方がいいな
446通常の名無しさんの3倍:2007/09/22(土) 00:17:27 ID:???
人間としてはダメなんだけど、やってる事は過去の何より意義があるってのがw
447通常の名無しさんの3倍:2007/09/22(土) 01:44:25 ID:???
>>445
カガリの将来(三十過ぎで独身。しかも高確率で処女)を考えると、そっちの方がカガリも幸せかも分からんね
448通常の名無しさんの3倍:2007/09/22(土) 04:02:06 ID:???
今の体でやると近親相姦ですよ市民。
449通常の名無しさんの3倍:2007/09/22(土) 04:45:41 ID:???
いやあキラは遺伝子いじりまくってるし
中身もシンなんだから別に問題ないんじゃね?
450通常の名無しさんの3倍:2007/09/22(土) 08:16:05 ID:???
キラの駄目人間っぷりがさらに酷くなってるよ。
なんで種割れしてんだよ。しかも理由がマユと二人っきりになるためとか
451通常の名無しさんの3倍:2007/09/22(土) 10:54:15 ID:???
>>448
いえコンピューター、胎を借りただけで遺伝的には他人ですので問題ありません。
452通常の名無しさんの3倍:2007/09/22(土) 13:04:53 ID:???
>>447
本編でのウザい姉キャラから、おバカな妹キャラに華麗な転進を図るカガリの未来を見た。
ホラ、キラとカガリって双子だし。

つーかファザコンだから、強くて決断力あって包容力もある中身中年のシンにメロメロになっても別におかしくはないよな?
453通常の名無しさんの3倍:2007/09/22(土) 15:33:07 ID:???
もうなんだかんだで自分の感情に折り合いつけてるだろうしな
むしろ過去の自分を見るようでほっておけないようになって…とか考える自分はカプ厨か
454通常の名無しさんの3倍:2007/09/22(土) 16:53:55 ID:???
カプ厨というかエロ厨
何せここのシンは中年の味を生かして、10代半ばの少女を喰いまくってた筋金入りのエロ親父なんでw
455通常の名無しさんの3倍:2007/09/22(土) 19:32:50 ID:UycCsqiu
エロくていいんじゃね?
ここのキラは明らかにもうマユとやっちゃってるだろww
456通常の名無しさんの3倍:2007/09/22(土) 19:36:14 ID:???
馬っ鹿お前それはマユちゃんが自発的に求めてくるまで最後の最後に取っておくのがここのキラのジャスティスだろwwww
457通常の名無しさんの3倍:2007/09/22(土) 19:46:09 ID:???
中年男のテクニックと十代の若者の精力か…。こりゃ女性陣陥落するしかないだろ常考…
458通常の名無しさんの3倍:2007/09/22(土) 20:22:24 ID:???
いや流石にキラも手を出すなら元の体に戻ってからと思ってるだろう
このままシンがAA組を全員守り抜きついでにラクスフラグ潰し
キラがマユを守りきりついでにオーブの被害を最小限にして
どうにかして自分の体に戻りお互いに新しい未来にって感じじゃないか
まぁその状況でお互い元に戻ったらマユを巡って大乱闘しそうだけど
459通常の名無しさんの3倍:2007/09/22(土) 21:17:17 ID:???
無理だろ。
三十路キラよりマユの方が明らかに上手だ。
ヤるヤらない以前に、完璧に操縦されてんじゃねーかw
460通常の名無しさんの3倍:2007/09/22(土) 21:18:55 ID:???
しかしラクスフラグを完全に潰してしまうと、凸に自爆された後の次の機体が……
461通常の名無しさんの3倍:2007/09/22(土) 21:32:50 ID:???
>>460
そりゃあ、おまい
ストライクで頑張るんだよ
新型機入手みたいなノリで新装備"グランドスラム"を手に入れて
462通常の名無しさんの3倍:2007/09/22(土) 21:35:03 ID:???
そこは今回のバクゥのように出てきた自由か正義ぶんどりでいけないか?
恐ろしく難度高そうだが
463通常の名無しさんの3倍:2007/09/22(土) 21:43:55 ID:???
むしろキラが技術協力して開発した連合の新型ストライクに
シンが乗ってさあ来いザフト星人!! 地球(と言うか主にマユ)の平和は俺達が守る!!!
だろ?
464通常の名無しさんの3倍:2007/09/22(土) 21:48:02 ID:???
そういや、自由か正義を上手く戦闘不能にすればキャンセラーが入手できるな。
外交とかMSパワーアップとかいろいろ使えそうだ。
465通常の名無しさんの3倍:2007/09/22(土) 22:06:29 ID:???
ソードカラミティ試作型があるじゃあないか連合には
強化人間もカラミティやレイダー程度で頑張って核MSの自由正義に対抗しているんだ
機体の強さが力じゃあない、技術が力なんだ
466逆行のシン⇔キラ:2007/09/22(土) 23:30:11 ID:???


「これまでも貴様には随分と助けられたが、今回はまた……どれだけ感謝しても足りんな」
「……どうも」
俺はバジルール中尉の皮肉に吐き捨てるように返事した。
ここは、アークエンジェル内の独房らしい。名目上は、協力的なゲリラと争ったためだが、実際は
ゲリラと引き離して、俺の安全をはかると共に情報を聞き出すのが目的だ。
「で、アイツはどうしてます?」
「怪我は無い。その後は普通にしてるよ」
「普通ね……」
「まったく、馬鹿なお姫様だな」
「ねえ、中尉。お願いがあるんですが、聞かなかった事にしてくれません?」
「無理だな」
即答ですか。まあ当たり前だな。
「ヤマト少尉、貴様は優秀な軍人だ。子供とは思えんほどのな。だったら分かるだろ?」
オーブの姫がアフリカで反ザフトのゲリラに参加している。ショッキングなニュースだよな。
これで中立なんて、誰が信じる? ヘリオポリスでのMS開発の件だけでも厄介なのに、今回の事が
ザフトに知られたら、宣戦布告無しに攻撃されたと言われても無理は無い。
連合にとっては、高い技術力と資金を持ったオーブを自陣営に引きずり込むチャンスだ。
「生憎と政治には疎くて」
「なんだ。分かってるではないか」
「皮肉ですよ。でも中尉は軍人でしょ? だったら政治のことは…」
「軍人だからこそ、戦場で起こったことを全て報告する義務がある」
「なるほどね」
参ったな。俺のミスだ。俺がカッとなって、奴の名前を言ったから……
だが、本当にばれてないのか? あの人に。
「まあ、これで貴様がザフトのパイロットと話していた件は不問だ。報告どおり、バクゥを無傷で
 手に入れたかったからだと認めよう」
「だから感謝しろと?」
俺がバクゥを手に入れるためにバクゥのパイロットを逃がした時、ゲリラの中に見ていた奴がいた。
まあ、当たり前だ。逃げるパイロットを狙撃した奴がいたんだから。
そして、そいつがアスハとケンカした事に腹を立て、その事を言いやがった。
何が勝利の女神だ! バカが! 
467逆行のシン⇔キラ:2007/09/22(土) 23:31:13 ID:???
「そう怒るな。本当に貴様には感謝してる」
「だったら、黙っててくれても良いんじゃありませんか?」
無理を承知で頼んでみる。何だかんだで愛着のあるオーブを不利な立場にしたくない。
「さっきも言ったが……それは出来ん。許せ」
そんな辛そうな顔されてもさ……もう、怒る気力もなくなる。
分かってるさ。連合にとっては貴重な情報だ。それを伝えるのは軍人として正しい。
そして、ナタル・バジルールは正しい軍人だ……笑ってしまうほどに。
「代わりに私に出来る事なら何でもしよう」
おいおい、んなこと言ってると肉体要求するぞ。まあ、そんなスマートじゃ無い事はしないけどさ。
「中尉も不器用ですね」
「……何がだ?」
「中尉が、もっと狡猾なら、ここは了解してみせて俺に感謝されるように振舞います」
中尉は心外だという表情をする。駄目だ。この人、真面目すぎ。つい、苛めたくなる
「そして、俺をのせて戦わせますよ。甘すぎます。そんなんじゃ出世出来ませんよ」
「別に出世したくて軍人になったのでは無い!」
「ご立派。貴方のような方の下で戦えて幸いであります」
「貴様……皮肉か?」
「正解です。自分でも分かってるんでしょ? 貴方には人望が無いって。一生懸命やってるのに、
 艦のみんなは何故か艦長を慕ってる。正直、俺もラミアス艦長は無能だって思いますよ」
「何もそこまで」
「本当の事です。アークエンジェルは中尉が居なければ、とっくに沈んでいました。でも、誰もそうは
 思わない。逆に、あんな堅物が副官で艦長も大変だと同情されてる」
「余計な世話だ!」
「全くです。だから、俺を慰めようなんてしないで結構ですよ。それとも本当は慰めるふりをして
 俺に慰めて欲しいのか? 何だったら抱いてやろうか?」
「なっ!……」
立ち上がってビンタ……スナップが効いてて素晴らしい……しまった。からかいすぎた。本気で痛い。
それにしても顔を真っ赤にして、この反応は処女か?
「ス、スマン……だが、貴様の方も上官に対して…」
感情的になって手が出たことを謝る。冷徹な軍人であろうとする中尉には、感情で動いた自分は
屈辱だろう。本当に不器用すぎる。
「失礼します」
ちょうど、良いタイミングで部屋をノックして入ってくるフレイ。正直、助かった。
468逆行のシン⇔キラ:2007/09/22(土) 23:32:20 ID:???
「どうした?」
「はい。先程は申し訳ありませんでした」
何を謝ってる? 訓練で気絶した事か。無意識に俺を殺すと言ったことを憶えてるのか。それとも、
さっきの戦闘に参加出来なかったことか? まあ、どれでも良い。
「気にしなくて良い。要件はそれだけか?」
「いえ。この後どうすれば…」
「走ってろ」
「……了解です!」
そう言い残して部屋を出る。こいつも健気だな。
「厳しいな……あの娘は使えるのか?」
話を変えられるネタに飛びついたのか、それとも前々から気になっていたのかは不明だが、中尉が
聞いてくる。
「まだ、何とも言えませんよ。ただ、少なくとも、やる気だけはあります」
「やる気だけあっても、死ぬだけだ。貴様もだが、彼女、最近は仲間との距離が開いてないか?」
良く見てるな……
「みんな状況は分かってますからね。どう接して良いか分からないだけで、嫌ってるわけじゃありません
 フレイも余裕が無いから、みんなと話す時間が取れないだけです。その内、元に戻りますよ」
「その内とは?」
「……彼女が自分の望みが不可能だと諦めたとき」
「……随分と気が長い話だ」
「まあ、その前に訓練に慣れれば、周りが見えてきますよ」
「まあ、良いさ。私には関係が無い事だ。問題は彼女が戦力として使えるか否かだ。貴様はここを出て
 バクゥの調整をしろ。艦長には私から許可を取る」
「はいはい。ありがたくて涙が出ますね。そんなんだから、その歳で未だに処女な…」
「死ね! 貴様は!」
……痛い…また殴られた。



第12話〜〜戦士の才能

469逆行のシン⇔キラ:2007/09/22(土) 23:33:22 ID:???


そんな訳で、バクゥを調整中……
「フレイ! ここに座って」
「う、うん」
さっきまで走ってたのか、汗臭いが嫌な感じでは無かった。つーか慣れてるし。ただ、彼女は辛そうだ。
無理も無いか、最近までは、少し汗をかけばシャワーを浴びれる身分だったんだし。
「今から操縦方法を教える。安心しろ。スカイグラスパーより簡単なくらいだ」
そう言って、フレイに説明を始める。
「分かった。やってみる」
コクピットに直結させたシミュレーターを開始する……ふむ。なかなか飲み込みは早い。
まあ、大西洋連邦の事務次官の娘でありながら、オーブのヘリオポリスのカレッジに通うくらいだから
頭が良いのは当然か。
「まあ、今までのは基本だな。そして、これからがMSとしての本領だ」
今までは戦車形態で動かさせていたが、今度は足を伸ばして起動させる。
「え!……ちょっと…」
「真横に動ける。これがバクゥと戦車の違いだ。開戦当初は連合は砲撃力の高いザウートを警戒してたが
 本当に厄介なのは、このバクゥだったんだ。理由は分かるか?」
「動きが早すぎる……こんなのに当てるなんて…」
「そうだ。逆に、コイツに乗るには早い動きが要求される。そうしないと良い的になるぞ」
「わ、分かった……使いこなしてみせる」
そう言ってシミュレーターに集中する……本当に集中している。先程まで汗で不快がってたのが嘘の
ようだ。
力を、復讐の道具を手に入れたことが嬉しいんだろう。
「なあ、何やってんだ!?」
そんな中、気配を読めない能天気な声……馬鹿が来やがった。
「それ、私にもやらせてくれないか?」
俺は冷たい眼で、そう言ってくるアスハを睨んだ。
「悪いが、これはオモチャじゃ無い」
「そう怒るなよ……さっきは…悪かったな。殴るつもりはなかった」
「は?」
「…訳でもないが…あれは……はずみと言うか……まあ許せ」
「あのな……」
「ずっと気になっていた。あの後…お前はどうしただろうと」
「あの後?」
470逆行のシン⇔キラ:2007/09/22(土) 23:34:26 ID:???
何の事かと悩んだが、すぐに思い出した。
「ヘリオポリスでの事か?」
「ああ。私だけシェルターに入ったからな……なのに、こんなものに乗って現れようとはな」
「ふん。アンタの家が作ったMSをこんな物呼ばわりか?」
「私は知らなかったんだ! それで……」
「調べるために、ヘリオポリスへ?」
「ああ……」
「まあ、良いさ。それより悪かったな。あんたの名前を言ってしまった。謝ったって許される事じゃ
 無いけどな」
「ああ。気にするな。それより、良く私を知ってたな」
…………………………………………………おい?
「ん? どうした?」
「いや、あのな、許してくれたのは嬉しいんだが……不味いだろ?」
「へ?…………ああ! 心配するな。サイーブは私の正体を知ってるぞ。それに敵対してたザフトなら
 兎も角、連合だったら、そうは心配ないだろ」
サイーブ? ああ、ゲリラのリーダーか…………じゃ無く、やっぱりバカだ。
ま、まあ気が良い奴だってのは認めよう。うん。懐も深いよ。でもな……
「ん? どうした? 溜息なんか吐いて。幸せが逃げるぞ」
………アンタにだけは言われたくない。
いき遅れの上に毎年失業率を増やしてる国の首長なんかにな。
分かってんのかな……いや、分かんないからこそ、未来のオーブは、あんな惨状なんだが……
現実を見ない理想主義者の上に、この気の良さ。人間としては兎も角、国のトップとしては最低だ。
「あのな……」
少し説教してやろうと……オッサン言うな!……思ったその時。
「空が燃えてる?」
アスハが外を見ながら呆然と呟く。
「どうした?……何処だ!?」
「タッシルの方向だ!」
「タッシル?」
「サイーブのところに行く!」
そう言いながら、駆け出すアスハを、俺は呆然と見送った。
タッシルとはゲリラの街か?…………それにしてもアスハめ。どうしようもなくバカでお人よしだな!



471逆行のシン⇔キラ:2007/09/22(土) 23:35:30 ID:???


「キラ・ヤマト、ストライク、発進する!」
予想どおり、タッシルとはゲリラの街で、副司令に攻撃されたようだ。それにしても攻撃前に街の住人に
避難を呼びかけたのといい、その後の撤退の遅さといい……
「試されてるって、何で気付かない!」
あの人は、投降してほしいんだ。でもゲリラは聞き入れなくて……俺にもゲリラの言い分は分かる。
だけど、それで結局は自分だけでなく、周りの人を道連れに死ぬって何で分からない。
「俺だって……」
俺だって、不満はある。デュランダル議長を尊敬してる。
「でも、俺が……」
俺が逆らったら、現政権に反感を持つ多くの人間が期待するだろう。俺はキラ・ヤマトを倒した人間だ。
俺が立てば、反乱勢力は1つになれるって誘われたことも1度や2度じゃ無い。
「でも、そうしたら、苦しむのは、」
俺が立ったら、テロじゃ無く戦争になる。そうしたら苦しむのは力の無い人間だ。
「もう・・・・・・嫌なんだよ!」
力が無い人間が泣くのを見るのは。
「・・・・・・あれか?」
目の前の光景が、俺を今に、現実に引き戻す。すでに戦闘が…いや、一方的な殺戮が開始されていた。
「もう、やめろぉぉぉ!」
俺はビームライフルを放ち、敵に備える。バクゥは3機。これなら……
「あの動き?」
楽に倒せると思ったのは一瞬。3機のバクゥが陣形を組む。
「フォーメーションデルタ!?」
副司令の考案した陣形。この前のアスランたちが使っていたフォーメーションほどは洗練されていないが、
不慣れな砂漠戦に加え、敵は砂漠での戦闘を得意にする猛者。結構厳しい……
「……でも少佐の援護は期待できない」
フラガ少佐はタッシルに向かって、今頃は処理に追われてるはず。
「やるしか……なに!?」
バクゥが砲撃された? 何処から?……あれは?
「フレイ! 無茶だ!」
勝手に飛び出したのか? フレイの乗るバクゥが戦場に現れた。
472逆行のシン⇔キラ:2007/09/22(土) 23:36:37 ID:???
まだ戦場に出るには早すぎる。
「フレイ! 戻れ!」
「……嫌よ。アイツ等を見逃したりしない」
バカが! 見逃すって何様のつもりだ!
戦場では女だからって、素人だからって、そんな甘えが通じる場所じゃ無いってのに…
「死ね!」
フレイのバクゥがレールガンを放つ。ザフトのバクゥも味方の機体のバクゥに攻撃され最初は
戸惑っていたが、すでに鹵獲されたことを知っているため、状況を察している。
「そんなんじゃ当たるはず…」
案の定、回避され、逆に反撃を喰らう。一瞬、ヒヤリとしたが、上手く回避した。だが、何時までも…
「させるか!」
フレイに攻撃させまいと、俺も攻撃に移り、敵の気を引き付ける。
強引に躍り出て、敵の真ん中に突っ込む。さあ、これで攻撃しやすいだろ!
1機にライフルの照準を合わせた時、右から攻撃してくる機体…
「こいつ…動きが良い!」
咄嗟にビームライフルを放ったが、回避された上に反撃のレールガンを喰らった。
「……まさか……それに乗ってるのか?」
間違い無い。他の2機に比べレベルが違う動き……
「虎ぁぁぁあぁ!」
集中し、精神を覚醒させる。そうしないとヤバイ相手だ。
奴のバクゥにライフルを撃った瞬間、違うバクゥが横から来る。だが…
「遅い!」
シールドを投げつけ、怯ませた瞬間、ビームライフルで止めを刺す。
「これで………もう1機は!?」
迂闊だった。副司令に気を取られすぎた。もう1機を見失うなんて……
「フレイ!」
フレイのバクゥに向かう、もう1機のバクゥ。俺はそいつの後を追うが……
「そんな……後期型!?」
その1機の頭部の先端から左右に伸びる光……ビームサーベルだ。
もう配備されていた。そうか、考えてみれば副司令がキラさんと戦ったのはラゴゥだったんだ。
だったら、バクゥの後期型が配備されていても不思議では無い。
「……間に合わない!」
追いつかない。砂漠じゃバクゥの方が早い。そしてフレイの機体と接触すればビームサーベルで……
爪の攻撃だったら、そう簡単にはやられないが……
「きゃぁぁぁああぁ!!!」
473逆行のシン⇔キラ:2007/09/22(土) 23:38:43 ID:???
通信機から響くフレイの悲鳴……
「嘘だろ?」
なあ、戦士に…パイロットに向いてる奴ってどんな人間だと思う?
結構聞くのが勇敢な奴だ。何故なら戦場で怯えないからだってさ。
でも俺の意見は反対。臆病な方が良い。戦場に慣れない内は勇敢な奴は無謀と同じ。自らの力を弁えずに
死んでいく。逆に臆病だったら生き延びて、その内、戦場に怯えなくなる。
次に敵を討つのに躊躇しない事。これは当たり前だ。余程の腕の差が無い限りは、そんな甘いことを
言ってたら殺されてしまう。残酷なくらいで丁度良い。
そして、状況判断の的確さ。これは冷静な判断力があれば良いんだけど、これが難しい。レイなんか
凄かった。全然動じないし。でもさ。慌ててたって咄嗟に良い判断をする奴が、たまに居るんだ。
「運が悪かったな。バクゥのパイロット!」
俺はフレイのバクゥに体当たりを食らって引っくり返ったバクゥのパイロットに叫ぶ。
そう。臆病なフレイは悲鳴を上げながら逃げ出した。もっとも安全なバクゥの正面…サーベルの無い
鼻先に。普通は後ろや横、とにかく離れようとするはずだが、それはハズレ。危険だ。
しかし、フレイは一番安全な逃げ場所を咄嗟に見つけだしていた。
そして、鼻先を付き合わせた勢いで両機とも引っくり返ってしまった。
考えてみればフレイは、父親を失った時、先遣隊が全滅して、進退窮まっていたアークエンジェルの
クルーの中で唯一、ラクス・クラインを人質に取るという突破口を探し当てた。
臆病で、残酷で、そして最も正しい選択をする。
「お前は天才だよ。フレイ」
俺は引っくり返ったバクゥの首をビームサーベルで跳ね、次いでコクピットを刺して止めをさした。
「え?……あの…どうなったの?」
「終ったぞ」
副司令の乗ってたバクゥは、すでに撤退している。
「さてと……勝手に飛び出したろ?」
「う!……その……」
「アークエンジェルに戻るぞ。それまでに中尉への言い訳と、処罰の覚悟をしとけよ」
「う!……ど、どうしよ」
敵を目の当たりにして興奮して飛び出したんだろうな。そんで今になって冷静に考え始めた訳だ。
俺は切り落としたバクゥの頭部を片手に帰艦する。
そして、俺の横には考え事をしながらもバクゥを動かしてるフレイ。
俺はその才能に驚きを隠せなかった・・・・・・あれ? そう言えば、フレイって俺を殺す気
満々なんだよな・・・・・・怖っ!



474逆行のシン⇔キラ:2007/09/22(土) 23:39:54 ID:???


「それでは、フレイ・アルスター二等兵の初陣と無事な帰還を祝って………乾杯!」
「「「乾杯!」」」
艦長の音頭に一斉に乾杯……って、待て待て! 何なんだこの艦は? 本当に軍艦か?
何で、こうなってるんだ? 俺の予定では今頃、中尉の説教を喰らったフレイが独房に入れられる
はずだったんだが?
「それにしてもフレイ。凄いね」
「そんな……結局、敵を倒したのはキラだったし」
「それでも、無事に戻ってこれたんだし」
「そうそう。俺、絶対にフレイ死んだって思ってた」
「あ、あのね……」
「サイなんかずっと泣いてたぜ」
「お、おい!」
「……ご、ごめん……」
何か気まずい雰囲気……フレイ、サイと距離置いてる? まあ、復讐に身を投じた以上は仕方無いのかな?
それとも、このまま俺とのフラグが起ったり……は無いか。
「ま、まあ、こうして無事だったんだし!」
「そうだよ! 取り合えず喰おうぜ。これケバブって言うんだって」
「ちょっと、そんな肉の塊……」
「何言ってんだ! お前はパイロットだろ? だったらこれくらい! ほらチリソース」
アスハ……何でお前が……何処にでも湧いてくる奴だな。つーか、ここは連合の軍艦だぞ。
「いやぁ〜元気になって良かったわ」
「艦長?」
呆然として距離を置いていた俺に艦長が声をかけてくる。
「艦長の仕業ですね」
なるほど。仲間との溝が出来ていたフレイを気遣って、この人が発案したんだろう。
「それがね、じつはナタルが言い出したの」
「は?」
「やっぱり、意外だった? 私も驚いたもん。でも、本当は優しいのよ彼女。今日だってタッシルの街で
 子供に囲まれてたみたいだし」
「そうなんですか……」
あまりにも意外な答えに、俺は呆然としてしまった。
475逆行のシン⇔キラ:2007/09/22(土) 23:41:00 ID:???
「何だかな……」
パーティ会場を抜け出し、俺は風に当たってた。砂漠は日が落ちると急激に冷え込んで寒い。
それにしても、発案者がバジルール中尉だったのは意外だった。何でも、艦長はヘリオポリス組の関係が
変だとは気付いていても、どうすれば良いか分からなかったらしい。
そんな時に中尉がパーティを開こうと進言したそうだ。アスハのお陰で補給物資の目処が立った事も
あり、一度ストレスを発散させたが良いとの判断だった。
「生意気な……」
お堅い、いい歳をした処女の分際で、そんな気配りをするなんて……どうせ、俺は気が回らない上官って
言われてたよ。
なんか置いて行かれた気分だ。余計なこと言わなきゃ良かった。
「寒っ……」
風が冷えてきて、益々寒くなってきた。
だが、寒いのは風の所為だけでは無いだろう。
「やっぱり場違いだよな……俺ってさ」
俺が会場を抜け出した…いや、逃げ出した理由。それは俺が本物のキラ・ヤマトでは無いってこと。
ヘリオポリスのみんなが笑い合ってると、何となく疎外感を感じた。
フレイの笑顔は随分と久しぶりに見た気がする。そう簡単には、彼女の闇は消えないだろうが、それでも
笑えるようになったのは良い事だ。
「このままだと彼女にも置いていかれるか?」
俺達の共通点は決して適わぬ望みを抱いてしまったこと。
俺は戦争の無い世界。フレイはコーディネイターの皆殺し。
今なら分かるが、これは不可能だった。戦争なんて人が居る限りはなくならない。
そして、コーディネイターもそう。現状でも核を使ってプラントを全て潰したところで、地球にはオーブ
だけでなく、大勢のコーディネイターが潜んでいる。もし、そいつらが報復にテロ活動をしたら、絶対に
止められない。それに最大の問題はコーディネイターが作られた存在だってこと。国際法では、とっくに
作っちゃいけないって事になってるのに、キラさんは産まれた。現在の議長シーゲル・クラインも禁止
されてから産まれているんだ。
「人の欲望には限りが無いんだよ」
そんなコーディネイターを絶滅させるには、人の欲望を向き合わなければならない。
フレイが、この問題にどう向き合うか興味があったが、彼女は向き合う前に諦めて平穏な道を選ぶかも
しれなかった。何となくそんな気がする。
そうなれば、彼女は俺と同類では無くなる。未だに夢を捨てきれない俺は、また置いていかれるんだ。
「……なんか、今の俺って渋くない?」
そんなシリアスな自分に酔ってた時、背後から足音が近付いてくる。何だ? このルート決定のような
シチュエーションは? もうヒロイン確定なのか?
誰が来る? フレイか? 中尉か? それとも意外にも艦長か? 正直アスハは勘弁なんだが……
476通常の名無しさんの3倍:2007/09/22(土) 23:44:45 ID:???
支援
477逆行のシン⇔キラ:2007/09/22(土) 23:46:53 ID:???
「ようボウズ。こんなところで…」
「失せろ! 消えちまえよ!」
何でここでフラガ少佐が来る? 絶対におかしいだろ!
「待てよ! 何なんだ! その言い草は!」
「今はそれどころじゃないんですよ!」
何でだ 待てよ……何処で選択を、間違った? 
このままじゃ『エンディングNo.13 アニキと俺』になるぞ!
それは避けたい……落ち着け。何とか回避手段を……
「なあ、葛藤してるところ悪いんだが……」
「なんすか!?」
「き、機嫌が悪いな……」
当たり前だ! もうアンタには心を開かない! 間違ってもアンタのルートに入るわけには行かない。
そうだ。忘れるなよ俺! コイツはステラを………………ステラ?
「そうだ……」
「ん?」
今ならステラ生きてるじゃん! 何で忘れてた? 
今は何処に居るんだ? そうかロドニアだ。あそこのラボで……早く助けなきゃ!
俺はフラガを見る。コイツに協力をしてもらって……
「ロドニアに行きましょう!」
考えてみれば、俺と会った時のステラは俺と同じ歳か一つ下くらい……って事は、今は13か14歳。
………じゃあ……発育中? あの約束されたナイスバディが、現在まさに成長中…………今なら未熟な
体型と、後日のナイスバディを楽しめるお得キャンペーン期間!…………絶対に行かなくては!
「なあ、ロドニアって何処だよ?」
「ユーラシアですよ! ダーダネルス海峡付近の…」
「無茶言うな! それって地中海の北じゃねえか! ジブラルタルもスエズもザフト領なんだよ!」
「そこを何とか!」
「無理なもんは無理! だいたいユーラシアってアルテミスでのことを忘れたのか? そもそも今後の
 行動予定は決まった。このまま紅海に抜けて太平洋を横断する」
「そんな……すぐ側まで来てるのに……」
発育中のステラが……でも、俺が1人でロドニアのラボに突っ込んでも、あそこは強化人間の巣らしいし
確実に死ねる場所だ……ゴメンよ。ステラ……でも必ず助けに行くから……
「発育中ぅぅぅ!!!」
「わけ分かんねえよ!」


478逆行のシン⇔キラ:2007/09/22(土) 23:48:04 ID:???


「アサギ機、戦闘不能。全滅です」
あ〜疲れた疲れた♪ 3機を同時に相手なんて大変だったなぁ〜♪
「何やってんのよ。貴女たち、それでもオーブのパイロットなの!」
「そ、そう言われましても主任」
「相手は子供なのよ!」
「ただの子供じゃありませんよ」
「凄いすぎるよ……これがコーディネイターの能力なの?」
コーディネイターでも色々だけどね。実際、3人とも悪くは無いよ。僕が強すぎるだけで。
「シンに、このまま正式なパイロットになってもらえば?」
「でも、あの子の機体、シミュレーターじゃGはかからないんでしょ?」
「まあね。だから実戦では使えないんじゃない?」
「それもそっか」
ムカッ!……舐めるなよ。ひよっこ共。ヤキンで死んだ君たちが、その後も戦い続け、ネオザフトに
逆らうテロリスト共から"歌姫のヒモ"と、恐れられた僕を侮るなんて……お仕置きが必要だね。
「じゃあ、僕の機体にもGをかけますね」
「ちょっと、本気?」
「大丈夫ですよ」
僕に対して、そんな暴言を吐いたことを後悔してもらおうか……さっきまでは手加減してたけど、
久しぶりに屈辱の達磨プレイを♪
「それじゃ、始めます」
ふ〜ん……この身体だと結構Gがきつ………ちょっと!
「にょえぇ〜〜〜〜〜!!!」
「だ、大丈夫?」
何なんだよ? この軟弱な身体は……
「シミュレーター止めて!」
シン……君は、こんな身体をよく鍛えたね……ダメだ……意識が……



続く

479通常の名無しさんの3倍:2007/09/22(土) 23:53:13 ID:???
GJ!
シン壊れたw
キラ訓練は明日からって言ってたの何日前だよwww
480通常の名無しさんの3倍:2007/09/22(土) 23:57:42 ID:???
GJですた

シン・・・実はアーサーと仲がよかったりしたのかw
それとも妻子に逃げられてからかw
あまり苦労してなかったくせにぃ、こいつめ
481通常の名無しさんの3倍:2007/09/23(日) 00:01:11 ID:???
歌姫のヒモってwww
ホントに恐れられてたのかそれwww
482通常の名無しさんの3倍:2007/09/23(日) 00:11:08 ID:???
直前までシリアスだった癖に秒で壊しやがってからにww
483通常の名無しさんの3倍:2007/09/23(日) 01:23:29 ID:???
あにきと俺w
484通常の名無しさんの3倍:2007/09/23(日) 01:39:44 ID:???
あーあーあー
キラだけじゃなくシンまで再びぶっ壊れてきたw
2人そろって駄目人間街道まっしぐらかよwww

ともあれGJ!
485通常の名無しさんの3倍:2007/09/23(日) 01:51:05 ID:???
絶望した!!途中までナタルルートに直行して、フレイルートに行くのかと思い。
そして、最後の最後に再びナタルルートにいったのか!?とか期待したのに・・・!!


それはともかくひたすらGJ!!
486通常の名無しさんの3倍:2007/09/23(日) 11:26:16 ID:???
おもしろかったですGJ!
頭は最強、体は貧弱なキラと頭は普通、体は最高コーディのシンww
文章力に脱帽

487通常の名無しさんの3倍:2007/09/23(日) 12:44:11 ID:???
GJ!
キラは訓練してなかったのかよw
488通常の名無しさんの3倍:2007/09/23(日) 17:02:12 ID:???
>487
してなかったんだろ?
訓練を積んだ赤服とただの学生が短期間でやりあえるようになるんだから・・・
スパコは訓練した従来のコーディー並みの能力をあたりまえに備えていてコーディーは訓練したナチュラル並の能力を普通に備えてるんだろ?
489通常の名無しさんの3倍:2007/09/23(日) 17:22:48 ID:???
>>488
誤解が広がりそうだから言っておくが、コーディネーターはあくまで生まれてくる子供の遺伝子を改造して色々外見だの身体能力だのを付加した存在で
スパコーは、コーディネーターの改造の際の不確定要素を取り払って完全にコーディネート通りの性能を発揮できるようにした存在なんだぞ
色んな所でよくわからん超人扱いされてるのは嘆かわしいことだが
490通常の名無しさんの3倍:2007/09/23(日) 17:33:25 ID:???
外見はともかく、能力に関しては「才能」を生まれつき付加されているだけなのがコーディ
つまりちゃんと訓練をしなければ才能は開花しない
ちなみにコーディとナチュの差は成長効率の差であって、上限値は一緒
491通常の名無しさんの3倍:2007/09/23(日) 17:56:00 ID:???
上限云々に関してはイライジャみたいのがいるからね
顔のみコーディ能力ナチュラルだが努力でエースクラスの傭兵にまでなったのが
492通常の名無しさんの3倍:2007/09/23(日) 17:57:22 ID:???
顔の良し悪しを遺伝子いじって決めるってどうやるんだろ
493通常の名無しさんの3倍:2007/09/23(日) 18:09:23 ID:???
見栄えのする顔した人間の遺伝子データ集めて試行錯誤すりゃいいんじゃねぇの。
コーディネート失敗して捨てられる人間もいるくらいだし、以外に適当なんだと思うぞ。
494通常の名無しさんの3倍:2007/09/23(日) 18:09:54 ID:???
普通に、まぶたが一重とか二重とか、鼻筋がどうとか髪や瞳の色をどうとか
そういう遺伝子をコーディネイトするんだろう
親の美的センスがちゃんとしてれば、パーツを整えてピザにならないよう気をつけて育てれば美形になるんだろう。きっと
でも、遺伝子がちゃんと陽性で出るようにしないと意味ないとは思うから、そういう技術もあるんだろうな
495通常の名無しさんの3倍:2007/09/23(日) 18:19:38 ID:???
イライジャは顔だけじゃなくて免疫系だけいじったコーディだろ……
奴の美貌はナチュラルの天然自然のたまもの
496通常の名無しさんの3倍:2007/09/23(日) 18:32:20 ID:???
>>495
ってことはイライジャもカガリもナチュラルな美しさって事なのか…
497通常の名無しさんの3倍:2007/09/23(日) 19:41:28 ID:???
seedで美形と明言されてるのってレイとイライジャぐらいかと思ってた。

っていうか、カガリは美形なのか?別にそんなこと言われてなくね?
498通常の名無しさんの3倍:2007/09/23(日) 20:12:19 ID:???
アスハを信仰し、褒め称えている人々でさえ「美しい」と言わないのなら
そうじゃないんじゃなかろうか
まぁ、キラと瓜二つの男顔だから「凛々しい系美女」になれる可能性はあるかもしれないが
現状では粗暴さが顔に出ているとしか・・・

まぁ、カガリには本当にナチュラルであるか疑問符がついてるけど。
アレだけコーディー蔑視思想を持ってるカガリが実はコーディーだったりすると笑えるんだけど
499通常の名無しさんの3倍:2007/09/23(日) 21:18:35 ID:???
凸も小説だとイケメンだと言われているが、リウは凸腐だから主観が大いに入ってる可能性十二分にあり
500通常の名無しさんの3倍:2007/09/23(日) 21:24:14 ID:???
>>494
肥満も遺伝子コントロールできそうだけどな
太りにくい体質を付加してさ
501通常の名無しさんの3倍:2007/09/23(日) 22:28:38 ID:???
遅ればせながらGJです

>屈辱の達磨プレイを…
キラ…お前ってヤツは…w
502逆行のシン⇔キラ:2007/09/24(月) 07:42:21 ID:???


「お兄ちゃん……カッコ悪い」
ショックだった。あの後、気絶したことを知らされたマユちゃんの一言が僕の心に突き刺さった。
だから、僕は今度こそトレーニングする事にした。昨日はマラソンして、その後は筋力トレーニング。
久しぶりに疲れた………
「なのに……なんで変わってないの?」
おかしい? トレーニングした翌朝は目覚めたら筋肉ついた実感があったのに……あれって、普通じゃ
なかったの?
「やだ。もう飽きた」
こんなペースじゃ、やってらんない。予定ではMSのGが平気になるまで3日だったんだけど、
これだと何時になるか分かんないや。
そもそも、トレーニングするとマユちゃんと一緒の時間が減る。
「お兄ちゃん、朝だよ。トレーニングするんでしょ?」
うっ……何て言い訳しよう……でも、嫌なものは嫌なんだよ。
「お兄ちゃん?」
「あの……え!」
僕はマユちゃんを見る。その格好は……
「その服?」
「うん♪ マユもトレーニングに付き合うの。お兄ちゃんと一緒に居たいし♪」
そう言って笑顔を見せるマユちゃんの服装はブルマだった。
……って、事はだよ。トレーニングをすればブルマ姿のマユちゃんと一緒に居れるわけで……
「よし! 行こうか!」
「うん。頑張ろうね♪」
よ〜し! 頑張るぞ! そんで、マユちゃんが見てる前で、3人娘を達磨にしちゃる!



第13話〜〜強者の理想と弱者の叫び
503逆行のシン⇔キラ:2007/09/24(月) 07:43:26 ID:???


俺はどうも気を使われてるらしい。
「おい、何ボケッとしている。お前は一応護衛なんだろ?」
「はいよ」
俺はバナディーヤの街でアスハの護衛をする羽目になった。普通はパイロットをアークエンジェルから
離すなんて馬鹿げた行為なんだが、そのパイロットが最近、友人との関係が上手くいってないと思われ
気を使ったようだ。
つまり、気晴らしをしろってことだろう。
正直、気を使ってくれなくても大丈夫なんだが……まあ、ステラのことを思い出した俺は、助けに
行けないことを落ち込んでいたので、誤解されても仕方ないか。
「それにしても、のどかだな」
「平和そうに見えたって、そんなものは見せかけだ」
そんなもんは何処でも一緒だろ? 例えばオーブなんかも。
要は見かけだけでも活気があって平和そうなのは良いことなんだよ。世の中には、そう振舞う余裕すら
無い国がたくさんあるんだから。
「これでだいたい揃ったがぁ、このフレイって奴の注文は無茶だぞ。プロテインだの筋肉増強剤だの、
 こ〜んなところにあるもんか」
……たしかに無いだろ。つーかさ、なんつーもんを注文してんだ。ホントに変わりすぎ。
「じゃあ、休憩にしようか。あー、疲れたし腹も減った。ケバブ喰おうか」
「好きだな。アンタも」
そう言いながら注文をし、目の前に出されたドネルケバブ。
「よし、喰うぞ。ほら、お前も食えよ。このチリソースを掛けてぇ…」
「あーいや待ったぁ!ちょっと待ったぁ!ケバブにチリソースなんて何を言ってるんだ!このヨーグルト
 ソースを掛けるのが常識だろうがぁ!」
……どっかで聞いた声。
「いや、常識というよりも…もっとこう…んー…そう!ヨーグルトソースを掛けないなんて、この料理に
 対する冒涜だよ!」
……何してんだ。このオッサンは
「なんなんだお前は!」
……アスハ、今言っても信じてくれんだろうが、アンタの目の前に居る変なオッサンが砂漠の虎、
アンドリュー・バルトフェルドなんだよ。
504逆行のシン⇔キラ:2007/09/24(月) 07:44:31 ID:???
ケバブにかけるソースについて熱く論じ合う男女が、未来の一国の元首と一軍の事実上のトップだと
知ったら、笑うだろうか呆れるだろうか……ん?
「「伏せろ!」」
俺と虎の声がハモる。殺気を感じてカガリを押さえつけたが……襲撃?
「へ〜〜、良い勘してるね少年」
「……どういたしまして」
「な…なんなんだ一体…」
チッ! この様子だとこっちの正体に気付いてたか……
「死ね! コーディネイター! 宇宙の化け物め!」
「青き清浄なる世界の為に!」
なるほどね……何をしてるかと思ったけど、俺達と接触すると同時に…
「構わん! 全て排除しろ!」
自らブルーコスモスを誘き寄せる餌になってたか。
すでに配置されていたザフト兵の手でブルーコスモスの構成員は一網打尽になっていた。
「死ねぇ!」
やけくそのブルーコスモスの1人が爆弾を投げつけようとしてる。
俺は咄嗟に銃を抜き、そいつの手を打ち抜いて爆弾を落とした。
我ながら良い反応だ。射撃訓練なんて、この身体じゃ一回しかやってないのに……体力自体も簡単に
アップした。キラさんがずぼらになった理由がよく分かったよ。
「隊長! 御無事で!」
あ! ダゴスタだ……この頃から一緒にいたんだ。
「ああ! 私は平気だ。彼のおかげでな」
「ぁ…アンドリュー・バルトフェルド…砂漠の…虎…」
お? アスハもやっと気付いた。さすがに変なオッサンが砂漠の虎と知ってショックだったか?
「いやぁ〜助かったよ。ありがとう」
「どういたしまして。それでは失礼します」
そう言って、この場を離れようとしたんだが……
「いやいや〜、お茶を台無しにした上に助けてもらって、彼女なんか服グチャグチャじゃないの。
 それをそのまま帰すわけにはいかないでしょう。ね? 僕としては」
やっぱりダメか……



505通常の名無しさんの3倍:2007/09/24(月) 07:45:17 ID:???
>>466-478
乙!
シン、とうとう壊れたか…まぁあんだけ頑張ってりゃ無理もないな。
キラ真面目に訓練しろーw
506逆行のシン⇔キラ:2007/09/24(月) 07:45:35 ID:???


「どう?コーヒーの方は?」
「少し酸味が強すぎます。若者向きじゃありませんね」
感心しながら頷く副司…じゃなく虎。おそらく頭の中ではコーヒーのブレンドについて考えてるんだろう。
あの後、虎に屋敷まで連れてこられ、アスハは着替えに案内され、俺はクジラの話をしながらコーヒーの
味を聞かれていた。
「アンディー」
その時、頭の悪そうな声……虎の愛人らしい女がアスハを連れてきた。
「おやおや!」
………ドレスって……やはり、この人は気付いてるな。アスハがオーブの王女だって。
「ドレスもよく似合うねぇ。と言うか、そういう姿も実に板に付いてる感じだ」
「勝手に言ってろ!」
「しゃべらなきゃ完璧」
「余計なお世話だ!」
……ダメだ。アスハは気付いてないよ……って、コイツが気付くわけ無いか。
俺は未来のオーブの惨状に思いを馳せる。
そもそもオーブの悲劇は、CE71年6月のオーブ解放作戦で大西洋連邦の保護下になった事から始る。
俺の家族も、この戦いに巻き込まれて死んだ。
まあ、それは置いといて、問題はその後のユニウス条約で再び主権を取り戻したことから始る混乱。
この時、首長に3隻同盟で戦った英雄扱いのカガリ・ユラ・アスハが選ばれた。しかし、彼女は幼く、
政治を取り仕切るには未熟だった。それどころか、今回のアフリカでの行動を見ればバカだと分かる。
そこで補佐役に抜擢されたのがウナト・エマ・セイラン。彼は実質的にオーブの政治を取り仕切り、
中立を唱えてはいるが、オーブを大西洋連邦寄りに変えていった。
そして大西洋連邦の支援を受けたオーブは瞬く間に復興した。オーブ解放作戦では国の主要産業だった
モルゲンレーテとマスドライバーを破壊しておきながら、短期間でこれだけ復興できたのはウナトの
非凡さの表れだったんだろう。
でも、これは後になったらよく分かるんだが、当事の人はそう思わなかった。
あまりにも早く復興したので、その苦労が良く分からなかったってのも大きいが、やはり問題は
大西洋連邦に媚びた事を気に入らない人が多いってこと。まあ、当たり前だ。そもそもオーブを
焼いたのは大西洋連邦なんだし、俺みたいに家族を失った人間だって居る。俺だって、オーブに居れば
不満をぶちまけただろう。
そんなわけで、この頃のオーブでは、大西洋連邦に物を売った金で、大西洋連邦から買った麦から作った
酒を飲みながら大西洋連邦の悪口を言う。それが日常だった。
507逆行のシン⇔キラ:2007/09/24(月) 07:46:40 ID:???
そんな時、ブレイク・ザ・ワールドと、それに伴う戦争が勃発。
詳しくは長くなるから割愛……とにかく、宰相のウナトは息子のユウナとともに死んだ。
しかも、何時の間にかアスハが返り咲いたオーブはラクス・クラインと共に勝者になっていた。
つまり今まで嫌われていたセイラン親子と大西洋連邦寄りの政治家は一掃され、公平で慈悲深くて、
勇敢なカガリ様が実質上のトップになったわけだ……大西洋連邦嫌いの軍人を侍らせながらね。
大西洋連邦はオーブを恐れた。立場が逆転したんだからな。賠償金や何らかの条約を結ばなければ
ならないと覚悟した。
でも、そこは人の良いアスハ。大西洋連邦を責めるでも無く、今後は良い関係をと懐の深さを示す。
だが、彼女は知らなかった。それに周りの軍人も忘れていた。敗戦国の国民の感情を。
手っ取り早く言えば、オーブは大西洋連邦の国民に嫌われた。ちなみにユーラシアもアジアも同様で、
オーブは大事な商売相手に嫌われてしまったんだ。
食料なんかは嫌いな相手からも買わなければいけないが、オーブの商品は違う。質が悪くても他国にも
同じようなものを売っている。しかも、これを機にオーブは強大な商売敵を持ってしまった。
それがプラント。ラクス・クラインをトップにしたプラントは、これまで商売が成り立たなかった国とも
関係を結んだ。
しかもプラントの商品はオーブより高品質の上に低価格。まあ、元々オーブは共存するコーディネイター
の技術で持ってた国だし、純粋なコーディネイターの集まりのプラントと勝負すれば勝ち目は低い。
さらにプラントに住む人達は、最近まで半植民地の生活だったから、オーブの国民に比べ質素な生活に
慣れてるから人件費も安くて済む。
これにより、反コーディネイターの人間は質が悪くても、ナチュラルだけの国のものを、そうでない
人はプラントの製品を購入するようになった。
もし、連合各国との間に商売上の条約でも結んでいれば強引に売りつける事も出来たが、そうは
しなかったオーブは瞬く間に転落。
アスハは結婚もせずに日夜働いてるが事態は好転せず。
ロゴスを失った世界は、経済的にも不安定で、オーブが復興する目処は未だにたたない。
ついにはセイラン親子をオーブ復興の英雄と崇め、アスハは無能な戦争屋と罵倒する者まで出てくる。
「なんだかな……」
「おい、また溜息吐いてるぞ。この前も言ったが幸せが逃げたらどうする?」
だから、アンタにだけは言われたくないよ!
「まあ良い……それよりお前、ほんとに砂漠の虎か? 何で人にこんなドレスを着せたりする? 
 これも毎度のお遊びの一つか!」
無謀にも虎に喰って掛かるお姫様……勝てるわけ無いだろ。
「ドレスを選んだのはアイシャだし、毎度のお遊びとは?」
「変装してヘラヘラ街で遊んでみたり、住民は逃がして街だけ焼いてみたり。ってことさ」
508逆行のシン⇔キラ:2007/09/24(月) 07:52:37 ID:???
「いい目だねぇ。真っ直ぐで、実にいい目だ」
「くっ! ふざけるな!」
ほら、余裕の虎に対し、感情的な王女様。話にならん。
「君も死んだ方がマシなクチかね?」
へ?……いきなり話が飛んだ? 
「そっちの彼、君はどう思ってんの?」
「え?」
「どうなったらこの戦争は終わると思う? モビルスーツのパイロットとしては」
「お前どうしてそれを!」
「見てたんだろ。俺がバクゥのパイロットを逃がしてたところを。まあ、カマをかけた可能性も
 あったんだがな。その場合はお前のお陰で正解が得られたわけだ」
「あ…」
「あまり真っ直ぐすぎるのも問題だぞ」
笑いながらアスハをからかう虎。余裕だな。
「それで、どうだね? 戦争には制限時間も得点もない。スポーツの試合のようなねぇ。
 ならどうやって勝ち負けを決める?」
「勝てないと思った方が降伏すれば良いだろ。まあ、条件付でな」
違う。奴が言いたいのは、そんな事じゃ無い。
「だったら、先日の件はどう思う?」
「タッシルか?」
「そう。正確には、そこで逆らうゲリラさ。彼等が勝てると思っているのか?」
「なんだと…貴様! みんな必死で戦ってるんだ! 大事な人や大事なものを守るために必死でな!」
横からアスハが口を出す。だが…
「大事な人? 本気でそう思ってるのか!」
「キラ?」
まさか、俺に反論されるとは思っていなかったであろうアスハは愕然としてる。
「虎が言っただろ? 君も死んだ方がマシなクチかと……タッシルにはもう抵抗は止めてザフトに
 従おうって奴等も多いってっ聞いた。それの殆どが女だって。つまり弱い奴等さ。
 でも、その言葉は聞き入れられない。弱い奴の言葉は届かない。無謀と勇敢の区別もつかずに
 抵抗を続ける連中が、そんな弱者の言葉を臆病者、裏切り者と言って封じてる。
 そいつ等は良いさ。死んだ方がマシだって思ってるのかもしれない。
 でも、死ぬのは本人だけじゃ無い。強者の理想や理念に踏みにじられる弱者の事を少しは考えろ!」
509逆行のシン⇔キラ:2007/09/24(月) 07:53:40 ID:???
「キラ…お前……」
俺は重ねていた。タッシルに住む弱い人たちと幼かった自分と家族を、そしてゲリラの主張とオーブの
理念を。さらに虎がアスハに追い討ちをかける。
「そう。そして、そこが今回の戦争の最大の問題なのさ」
「もん…だい?」
「そう。その少年が言ったとおり、弱者の意見は通じない。例えば戦争は嫌だと思っても、すでに
 プラントは核を撃たれ、地球にはNジャマーが投下された。それを許せないと叫び、復讐に燃える
 強者によって、戦争を避けようと願う者は封じられている。困ったものさ」
「あ…で、でも…」
自分が弱者の味方をして、ザフトと戦っていると思っていたアスハは、自分が弱者を踏みにじっている
立場に立っていた事に気付き、顔を青ざめている。
「それで、少年。先程の質問の続きだが? どうやって勝ち負けを決める? すでに世界は冷静な判断を
 する者が、正論を言えない立場になってしまった。
 このルールの無い殺し合い……どうけりをつけるね?」
そうか……だからこそ……
「ルールが無いというのは正確じゃありませんね?」
「そうだ。厳密に言えばルールはある。しかし、誰がそれを守る? まさか、核が、Nジャマーが、
 つまり、民間人を犠牲にするやりかたがルール違反で無いとは思ってないだろ?
 だが使われた! そして、それを罰しようとしてる結果が今だ!」
そう、ルール違反をして、その相手を罰しようと相手を殺し合っている。それが今の戦争。
だからこそ、この人は……
「アンタは、ルールを見張る審判が必要だと言いたいのか?」
……ネオザフトを作ったんだ。厳格な規律と精神。理想の軍隊。敬礼は平和の象徴たるラクス・クライン
の名前を言わせる事で、戦場で起きやすい暴走や殺戮を封じた……まあ、やる方は恥ずかしいが。
「まあ、それが出来れば今回の問題もマシになるだろ?」
やはり、そうだったんだ。この人は、この時点で、すでにプランを持っていた。
「……でも、もっと良い方法がありますよ」
「ほう? それは?」
「もっと、根本的な問題。コーディネイターについて……コーディネイターは人のエゴ、欲望の
 産物です」
「……まあ、確かに」
……つまり、この人が俺の夢を……
「つまり、そんな物を生み出そうとしてる時点で、この世界の人間はおかしいんですよ。だったら…」
一時とは言え、争いの無い世界を生むデスティニープランを潰した張本人。
「…人を管理してしまった方が良い」
510逆行のシン⇔キラ:2007/09/24(月) 07:54:43 ID:???
「人を管理?……正気かね?」
「はい。争いの要因になるのは主に貧困です。それを抑えるため、安定した職業を与え、同時に管理する。
 俺は、それくらい厳しくしないと、この先も争いは無くならないと思いますがね?」
「いくら管理したって争いは無くならんよ。少年は共産主義って知ってるか?」
「ええ。AD世紀に唱えられた社会体制ですね」
「じゃあ、それがどうなったかも知ってるな?」
「それを目指した国家は、全て崩壊しました。つまり、俺の案もそうなると?」
「そうだ。そもそも少年のアイディアは、実現さえ無理さ。今の争いから目を逸らしていないか?」
そう。確かに実現不可能に見える……でも、それを成そうと、いや、実現の一歩手前まで行った人を
俺は知っている。
「貴方はロゴスを知ってますか?」
「ロゴス?」
「彼らの表の顔は軍需を担う重工業会社の経営者たちで、ロゴスは利潤確保を目的とする裏の業界団体
 として結成されたものみたいですが、地球連合軍の実質的な権力を何らかの手段で手に入れてます。
 そして、同時にブルーコスモスの支援者です。ちなみにメンバーには国防産業連合理事でブルー
 コスモス盟主、ムルタ・アズラエルの名前があります」
「なん…だと?」
「そいつ等に生贄になってもらいます。つまり、今回の戦争は彼等が利益欲しさに、起こした事だと。
 まあ、完全に外れってわけでも無いですし、今日まで甘い汁を吸っていたんだ。構わんでしょ?」
「怖い事を言う少年だな」
「つまり、共通の敵を持つことでナチュラルとコーディネイターを共闘させる。これが第一段階。
 次に戦後の事ですが、ロゴスは別に悪の秘密結社じゃありません。それどころか、地球のほぼ全ての
 企業がロゴスに関与してます。存在しなければ地球圏の経済界は大混乱に陥り空前のインフレーション
 を招くでしょう」
現にそうなった。
「ですから、ここで新たな管理社会を築くチャンスがあるんです。遺伝子の適正を調べ、その人にあった
 職業に就ける。先程の共産主義の欠点は、そのシステム上、労働意欲の低下から始る貧困が主な
 原因です。この方法だとそれが防げます」
「どうやって、適正を調べるんだ? それにだ。例え、出来たとしても根本的な問題が残ってるな。
 それは人の欲望には限りが無いって事だ。少年も言っただろ。コーディネイターは欲望の産物だと。
 どれだけ、安定した生活を持つ世界を作ったところで、やがて不満は生じる」
「ですが、しばらくは持ちます」
「それは問題の先送りにすぎん。しかも、下手に管理が行き届いていると、溜まった欲望が爆発する
 ときが大きすぎる。その際の被害は歴史上に例を見ないものになるぞ」
511逆行のシン⇔キラ:2007/09/24(月) 07:55:48 ID:???
「それでも、今は傷を癒し、人の業を見つめなおす時間が必要です」
「人は、そこまで謙虚にはなれんさ。君の発案で訪れるのは、かりそめの平和にすぎん。
 未来の人間に、災厄の種を押し付ける自覚はあるのか?」
「貴方の考えも、その場凌ぎにしかなりませんよ。審判だって腐敗する。だったら一時とは言え、
 争いが無くなる分マシだ!」
「そして自分達が一時の平和を享受したツケを未来に押し付けるのか!」
「未来が絶望的なんて決定して無いだろ! アンタの予想は悲観的だが、そうじゃない可能性だって
 残ってる。いや、そうなるためにも休息が必要なんだ!」
「状況は最悪を予想して動く…!……いや、止めようや少年。僕たちが、ここで議論しても意義のある
 問題じゃ無いだろ?」
「……そうですね。俺達は軍人です。政治家じゃ無い」
そう。どっちが良いかなんて結論は出ない問題。政治の問題は正解なんてありえないんだからさ。
結局のところは、どちらを取るかメリット、デメリットを踏まえ多数決で決めるか、あるいは力で
従わせるか。そして、議長は…俺は彼等に負けたんだ。
「なあ、少年……」
「なんです?」
「僕の元へ来ないか? 君はコーディネイターだろ?」
「部下になれと?」
「いや。同志だ」
アスハが驚いた顔で、こちらを見てる……心配するな。
「……残念ですが、お断りします。色んなしがらみがありますので」
「そうか……ま、今日の君は命の恩人だし、ここは戦場ではい。帰りたまえ。話せて楽しかったよ。
 よかったかどうかは分からんがねぇ。また戦場でな」
「そうですね。本当に……コーヒー、ご馳走様でした」
「ああ、もし、再び振舞う機会があったら、酸味は抑えよう」
「……ええ、もし、あれば、お願いします」
おそらく、その機会は来ないだろう。今度会うときは戦場だから。



512逆行のシン⇔キラ:2007/09/24(月) 07:56:56 ID:???


「なあ、キラ……お前、凄いな」
「は?」
アークエンジェルへと戻る道を急いでいた俺に、後ろからトボトボと歩いていたアスハが、声をかける。
「……それに比べて、私は……はぁ〜〜」
「おい……溜息吐くと幸せが逃げるんじゃ無かったのか?」
お前の場合は、ただでさえ幸薄いんだから。
「ん〜〜」
いかん。何か知らんが、思いっきり落ち込んで元気が無い。
それに歩くペースが遅くて苛々するので、手を握って引っ張る。
「キラ?」
「急げ。多分、みんな心配してる」
「……うん……はぁ〜〜…」
また溜息かよ……慰めるのも面倒だし、無視しよう。
俺は再び、虎のことを考える。俺と彼のどっちが正しいのかなんか分からない。
だけど、彼が俺の夢を壊したのは間違いじゃ無かった。
燻っていたもの、ずっと疑問に思っていた事に答えは出た。
でも、それが分かったところで意味は無かった。
帰り際に副司令が言った通り、よかったかどうかは分からない。
所詮はデスティニープランは、あの時、ギルバート・デュランダルだからこそ行えた政策だ。
一応は職業の選択の自由はあったらしいが、才能が無いと言われた職業に固執する奴は少ない。
ロゴスを共通の敵にしたて破壊し、その後はデスティニープランによる新しい経済体制を根幹にした
管理社会。
エイプリール・フール・クライシスとブレイク・ザ・ワールドで混乱し、疲弊した社会を安定させる。
だが、すでにロゴス喪失の傷も癒えた状況では、余計な混乱を招くだけだ。
だから、俺が元の世界に戻っても、再び実行する気は無い。
今まで通り、クラインの猟犬として生きるだろう。副司令に従って……
だが、ここでは違う。八つ当たりかもしれないが、借りはきっちりと返す。
今度は俺が奴の夢を奪ってやる。今度の戦場で……アイツには抱いた夢と一緒に死んでもらう。
「戦場で……だ」



続く
513通常の名無しさんの3倍:2007/09/24(月) 08:19:25 ID:???
>>502-504 >>506-512
乙!まさかリアル投下直視+割り込みになってしまうとは…

>って、事はだよ。トレーニングをすればブルマ姿のマユちゃんと一緒に居れるわけで……
キラ、お前シンのこと言えなくなるぞ…。

シンがデスティニープランを持ち出してくるのは意外だったが、シンはもっと癒されてもいいと思うんだ…
514通常の名無しさんの3倍:2007/09/24(月) 09:29:14 ID:???
作者乙!
キラのニート体質は、最少の努力で最大の成果を得られるからなんだな
スーパーコーディというより、スーパーニートだな
515通常の名無しさんの3倍:2007/09/24(月) 10:11:59 ID:???
作者GJです
虎との会話の解釈、目から鱗ですね
そして己の未熟をかみ締めるカガリ
・・・キラ(中身シン)がそばに居て支えてくれればセイランはじめまっとうな政治家をきちんと使いこなすまっとうな首長になれるかも
516通常の名無しさんの3倍:2007/09/24(月) 11:50:58 ID:???
んー、ある意味これはまだあの敗北に引きずられてるってーことなのかな。
改善じゃなくてまんまDプランだし。
517通常の名無しさんの3倍:2007/09/24(月) 12:41:39 ID:???
>>516
シン的には改善案のつもりなんてさらさら無いでしょ
単にラクシズで唯一政治的なヴィジョンを持ってる虎に、Dプランをそのままぶつけてみたかっただけで
その後でシン自身はそれを実行するつもりなんて無いし、
そもそも自分達は政治家じゃなくて戦争屋だから、そっちで決着つけるって言ってるしね
518通常の名無しさんの3倍:2007/09/24(月) 12:55:14 ID:???
シン的には聞かれたから自分の中で一番ましだと思っている政策を答えただけであって、
軍人にもかかわらず政治の分野にまでちょっかい出そうとしている虎よりは余程ましだろう
てか戦争なんてものはあくまで暴力的外交であって、
それ以外の余計な感情を持ち込んじゃうと落とし所を見つけ辛くなると言うのにほんとCE世界の政治家ときたら……
特にプラント評議会な
519516:2007/09/24(月) 13:38:42 ID:???
いや、自分でその先(上)を考えてみなかったのかなーとか思って。
行動に反映しない限りは兵士でも思想思索は自由だし、三十路なんだし
Dや議長について色々と考えることもあっただろうに、と。
なんか未だに議長信奉者に見えて。
520通常の名無しさんの3倍:2007/09/24(月) 13:41:19 ID:???
おかしい…キラとマユを最初に持ってきたせいで読後感が妙にシリアスだ
521通常の名無しさんの3倍:2007/09/24(月) 14:16:15 ID:???
少なくとも、以前のシンのような盲目的に議長を賛成するわけでもなく、シンなりに考えた末の結論だから良い。
こういうと信念を持ったハードボイルドのようで私生活は壊滅的にアレだがww
虎は果たして生き残れるか?それ以上にキラは訓練が三日坊主で終わるのか?
522通常の名無しさんの3倍:2007/09/24(月) 14:57:31 ID:???
>>521
下手したらキラ脱落でマユがMSパイロットに成りそうな…

マズイ、シンが兄莫迦モード突入で戦闘力が不安定になっちまう!
523通常の名無しさんの3倍:2007/09/24(月) 15:51:01 ID:???
俺的にあのシーン無くてよかった安心した
「やめてよね」
524通常の名無しさんの3倍:2007/09/24(月) 16:03:28 ID:???
なに言ってんだお前ら、ヘリポリ組との関係やら魔性のょぅじょやらの話題は
もうとっくに通過したはずだろ?今回問題にすべきは
プ ロ テ イ ン だろ?
525通常の名無しさんの3倍:2007/09/24(月) 16:56:41 ID:???
そうだね、プロテインだ(ry

そーいやどっか忘れたが蛋白質摂取の為に芋虫喰うんだよな……
526通常の名無しさんの3倍:2007/09/24(月) 17:13:53 ID:???
いつの間にかフレイが熱血の園の君にw
527通常の名無しさんの3倍:2007/09/24(月) 18:11:21 ID:???
>>525
今の熱血フレイなら食べかねないw>蛋白質摂取の為に芋虫

528通常の名無しさんの3倍:2007/09/24(月) 18:21:04 ID:???
どうでもいい話かもしれんが、フレイもカガリもファザコンだから
父親プレイできるんだよな
529通常の名無しさんの3倍:2007/09/24(月) 18:22:06 ID:???
たたかうおぜうさん
最後はVの人かターンAの人かどちらなんだろうな?
530通常の名無しさんの3倍:2007/09/24(月) 18:37:57 ID:???
フレイが男前すぎる
生き残るのか、どうなのか

読んでると全キャラ好きになってしまってこまる
人間味があるんだよなあ
531通常の名無しさんの3倍:2007/09/24(月) 18:58:19 ID:???
流れをぶった切って質問するけど、逆行シンキラ読んでるとき、
中身シンなキラの声はどんなふうに感じてる?
おれの場合、☆は☆でもスクライドのカズマ風☆に違いないと思ってるんだが。
532メロン名無しさん:2007/09/24(月) 20:26:47 ID:???
いかん
もうキラとマユの世界がほのぼの・・・いやエロすぎる・・・
533通常の名無しさんの3倍:2007/09/24(月) 20:42:57 ID:???
ここまで引っぱっといて結局歴史を変えられず腕だけになったら…
534通常の名無しさんの3倍:2007/09/24(月) 20:52:39 ID:???
俺は、声は中の人にして読んでいる
でもカズ君はナイス!w
カズマの性格も好きだしあの声も好きだ
535通常の名無しさんの3倍:2007/09/25(火) 00:00:23 ID:???
・・・なんだろう、このフレイがサイに向かって
「あなたはあの人のことを何も素人していないのね」
といってキラ(シン)にべったりと依存していくのを幻視してしまった。

なにはともあれGJ!!
536通常の名無しさんの3倍:2007/09/25(火) 01:08:08 ID:???
GJ
>「なあ、キラ……お前、凄いな」
おいこら首長の娘ちっとは疑問に思えよ。

寅はこの時点からラクス教徒だからダメだと思ふ狂信者にはいかなる言葉も通じない。
537通常の名無しさんの3倍:2007/09/25(火) 01:15:14 ID:???
>>536
いや、この場合はラクス教徒ではなく、自分の目的のためにラクスを利用しているだけだろ
結局どっちが正しいというわけでもないんだがな
538通常の名無しさんの3倍:2007/09/25(火) 01:27:40 ID:???
アニメではよくわからんしアストレイ設定と小説設定でちがうからなあ、行き着く先がラクス信徒なのは変わらんが。
539通常の名無しさんの3倍:2007/09/25(火) 16:10:27 ID:???
職業管理=共産主義では無い訳だが・・・
540通常の名無しさんの3倍:2007/09/25(火) 16:40:02 ID:???
>>539
どっちかというと社会主義か?
541通常の名無しさんの3倍:2007/09/25(火) 20:59:33 ID:???
別に会社毎の資産否定して国営にするって話が無いから社会主義でもない
正に管理社会の究極系って事なんだろうけど
この場合会社の利益とかどうなるんだろう
542通常の名無しさんの3倍:2007/09/25(火) 21:26:33 ID:???
一応資本主義型じゃね?
そして各会社はより適正の高い人材を取り合って争い、
結果、人材を集め切れなかった会社とより適正の高いものに敗れた人間は淘汰されていく、と…
管理社会というからにはただそのまま淘汰されるに任せるというわけでもないと思うが。
543通常の名無しさんの3倍:2007/09/25(火) 21:29:38 ID:???
なんか経済活動とかは放任で遺伝子ハローワークに過ぎないんじゃないのか
それで職種に偏りが出て経済活動にまで影響及ぼしだしたらどうすんだろうかって感じはするが
544通常の名無しさんの3倍:2007/09/25(火) 21:36:13 ID:???
>>541
管理社会って聞くとアーマードコアを思い出す俺
545通常の名無しさんの3倍:2007/09/25(火) 21:49:52 ID:???
>>544
奇遇だな、俺もだ。
運命計画発動してたらあんな世界になってたのかね
546通常の名無しさんの3倍:2007/09/25(火) 22:36:59 ID:???
>>546
アーマード・コア3はまさにそれだな…
って事は狂う、または試練を与えようとしない限り安泰って事か
547546:2007/09/25(火) 22:39:00 ID:???
すまん、>>545
548通常の名無しさんの3倍:2007/09/25(火) 22:48:32 ID:???
>>539
どこにも職業管理が共産主義なんて書いてないぞ。

シンは管理する方法として職業を与え同時に管理する。
シンの考えは管理が優先で、そのために職業を与える。
寅は管理自体を否定。管理社会が無理な例として共産主義を出した。

ここのシンの考えが正しいDプランじゃ無いだろうけど、シンの目的は争いの無い世界
なんだし、そのための方法がロゴス壊して経済が混乱した状況で適した職業を与えるじゃね?
それ以前にDプランがただの共産主義ってことは無いだろ?
549逆行のシン⇔キラ:2007/09/25(火) 23:49:40 ID:???


上空からバクゥ目掛けて降下しながら砲撃するスカイグラスパー。
「お? 全部かわしたか」
少佐の攻撃をかわすなんて大したもんだ。あの人は先読みが上手いから、逃げる方向に砲撃を
加えて行く。だからこそ反射神経に優れるコーディネイターとも互角以上に戦えるんだが……
フレイの臆病さと判断の良さはそれと渡り合える。
「でも、これじゃ少佐の訓練でフレイの訓練にはならないな……どうする?」
実力的には少佐の方が上だが、問題は機体の性能。ザフトの戦力は地上戦艦に戦闘ヘリ、そしてMS。
スカイグラスパーを相手にしていても、あまり訓練にはならない。
だが、シミュレーターは、すでにやりつくした感がある。まあ、元々砂漠戦のデーターなんて少ないから
手持ちのパターンが少ない所為なんだが……
「まあ、機体に慣れるだけでもよしとするか」
何時もと違う攻撃を避けるだけでも練習にはなる。
あとは、接近戦の練習をどうするかだ。前回の戦闘で手に入れた後期型バクゥの頭部を取り付けたから、
フレイのバクゥもビームサーベルが使えるようにはなった。
だが、所詮は後付け機能。人型の腕に比べバクゥの頭部は大して動かないから、格闘戦には不向き。
機能的には速さを生かした一撃離脱に向いている。
「まあ、贅沢な悩みなんだけどな」
本来なら現時点では、後方から支援させるか、精々囮になって敵を引き寄せるかくらいしか使い道が
無いと思われていたフレイだったが、その頑張りが成果を出し、艦長と中尉が揃って戦力と計算し
始めてしまった。
実際に俺も遊ばせる気は無い。とことん使わせてもらう気でいるし……
「まあ、感覚だけでも掴んでもらおうか……フレイ、メニューを変える。少佐は帰艦してください」
「へ? うん」
「はいよ……やはり嬢ちゃんは自分で面倒みたいか?」
「スカイグラスパーじゃ練習相手に不足してるからです」
「お、おい! この前から、えらく俺に厳しいな!」
当たり前だ! アンタには気を許すもんか! 絶対にアンタのルートは阻止だ。それにロドニアに
行けない八つ当たりでもある。
「さあ、邪魔です。消えてください」
「うぐっ!…ふっ、まあいい……じゃあ、先に戻ってるぞ」
ん? なんか不穏な気配が?……まあ、いいか。
550逆行のシン⇔キラ:2007/09/25(火) 23:50:43 ID:???
「で、どうするの?」
テクテク近付いてくるバクゥ……なんか可愛いな。
犬か……ステラ、どうしてるだろ? 訓練辛いのかな? もう薬とか打たれてるのかな?
「おい……アンタ何してんの?」
「え?」
「え? じゃ無いでしょ!」
ん?……何を怒ってる?……って、おお! なんだか、つい可愛くて頭撫でてた。
でもさ、MSに乗ってて、目の前にバクゥが居たら、頭撫でるの普通じゃね?
「で…ど う す る の?」
何か、凄い怒ってる……
「え〜と、次はだな、ビームサーベルに慣れてもらう」
「え? わ、分かった。どうすればいい?」
うん。流石に訓練の内容になると素直だ。
「俺が攻撃をするから、それをかわしながら接近してビームサーベルで一閃する。その後は直ぐに離脱。
 基本的にこれの繰り返し」
「ねえ? 私の攻撃が当たっても当たらなくても離脱なの?」
「そう。間違っても人型相手に足を止めるな。まあ、これは相手が人型に限った事じゃ無いけどな」
「そ、そうか」
あっさりと同意。バクゥの性能と特徴を把握してる証拠だ。優秀な生徒で助かる。
「今度の戦闘はザウートやジンオーカーが居る可能性がある。その対策は?」
「ザウートは格闘武器が無い上に動きが遅い。だから正面を避けて接近しながら砲撃。近付きすぎたら
 サーベルで斬る。ジンオーカーは……聞いたっけ?」
「いや。教えてない」
「あのね……」
「自分でも考えろ。それも訓練だぞ」
「うっ……ごめん」
「まあ、いいさ。ジンに関しては、ストライクと同じと思っていい。動きは遅いけどね。基本的には
 ザウートや戦艦と一緒。ただ接近したときに武器を持ち替える事がある。相手が剣を持ったら、
 迂闊に近付くな。バクゥの単調な斬撃と違って色んな角度から斬り込んで来るからな」
「相手が剣を持ったら距離を置いて砲撃で良いのね?」
「そう。ただストライクと戦うんじゃ無く、その辺を考えながら攻撃しろ。じゃあ始めるぞ」
「分かった」


第14話〜〜強くなろう?
551逆行のシン⇔キラ:2007/09/25(火) 23:51:47 ID:???


「疲れた……」
訓練を終えたフレイがヘルメットを取ると首を押さえながら呟く。
やはり、MSの機動はナチュラルの少女には辛いようだ。まあ、当たり前だけどね。
だからって、プロテインは如何なものか?
「今日の訓練は終わりだ。それと明日は休みだから、ゆっくりしていいぞ」
「え? 訓練は!?」
「無し。明後日は作戦を実行するからな」
「だから、作戦は明後日でしょ? 明日はどうするのよ?」
「体力の回復。もし敵が攻めてきても、余程の事が無い限りはフレイは出さない」
「ちょ、ちょっと…」
凄く不満そうな顔だ。まあ、気持は分かるけどね。でもこれは決定事項。艦長の許可も取ってる。
「訓練を始めて、もうすぐ2週間になる。正確には12日。その間休みも無しによく頑張ったよ。
 俺の予定では、もう少し前に熱を出すかしてダウンする筈だったんだが……意外と丈夫で驚いた」
「だったら…」
「全身がだるく無いか?」
「…………す、少しだけ」
「1日休めば、それが完全に回復する。その後は今より体力が付いてるから……これは明後日の
 作戦でフレイに期待してるって事だ。だから従ってくれ」
「……う……」
不満そうだ。何で、こんなに頑固なんだ? 最初は、すぐに休ませろ言ってたのに……
「キラは、平気なんだよね?」
「え?」
「キラこそ休んでないじゃない。私が訓練を始める前から戦い続けてる」
「それは……」
「コーディネイターだから? だから平気なの?……ズルイよ……」
力の無い者は全て思う事。俺だって、自分より才能を持った者を羨ましと思う。
そして、フレイでさえ例外では無かったってことか……
でもダメだ。お前は、そんなものに頼ってはいけないし、必要もない。
「もし、私がコーディ…」
「フレイ、お前はコーディネイターを皆殺しにしたいんだろ?」
「え!? そ、それは…!」
その様子だと、自分が言ったうわ言を憶えてお無かったらしいな。
「それは、どうすれば実現できると思う?」
552逆行のシン⇔キラ:2007/09/25(火) 23:53:07 ID:???
フレイは困った表情で俯く。まあ、黙ってたつもりだった自分の企みが知られたのと、回答が困難な
問題を出されては無理も無い。
「あのな…これは俺の考えだから、正解じゃ無いかもしれない。だからフレイは参考にするだけで
 良いから…」
そう前置きをしてフレイに聞かせる。そうしないと、フレイに自分の答えを出して欲しいっていう
俺の目的が達成できない。
「本当だったらさ、コーディネイターは、すでに滅んでいなきゃおかしいんだ」
「え?」
「だってさ、ジョージ・グレンの告白の後、コーディネイターが作れるってなったけど、国際法では
 直ぐに禁止された。この時に我が子をコーディネイターにしようなんて思わなければ今の状態は
 回避できた」
「で、でも…」
「そう。でも産まれた。いや、作ったんだ。それが今のプラントの評議会の議長シーゲル・クラインを
 始めとするコーディネイター達。
 でも、彼等にしたって、実は問題はある。フレイはコーディネイターの生殖能力の話、聞いたことは
 ある?」
「うん。子供が出来にくいんだよね。おまけにコーディネイターの子供同士は、もっと出来にくい」
「正解」
そう。だから、俺とルナに子供が出来たときは大騒ぎになった。
それと同時に、俺達の子供には友達がほとんど出来なかった。だって周りに子供が居ないんだから。
そこに目を付けた女帝…もとい、可哀想と思った子供好きな議長、ラクスさんは俺達が仕事で不在の
時は面倒を見てくれた。
ルナが俺の元を出て行ってからは、忙しくなったルナの代わりに殆ど彼女が面倒を見てくれた。
本当に感謝してる……まあ、ルナに内緒で会わせてくれと頼んだら何故か殴られたけど。しかも椅子で。
笑いながら『顔洗って出直して来て下さい』と言われたときは、本気で殺られると恐怖した。
まあ、そんなラクスさんもキラさんとの間に子供は出来ない。アスランとだったら出来るらしいが、
本人は死んでも嫌だそうだ。
そして、彼女はこれまで実施されてきた婚姻統制を廃止した上に、新たにコーディネイターを産む
事を厳しく禁じた。
「キラ?」
「あ、ごめん」
少し思い出に浸りすぎた……
「要するにさ、本当だったらコーディネイターなんか、ほっときゃ滅ぶんだよ。わざわざ、危険を
 冒してまで、戦う必要は無い」
553逆行のシン⇔キラ:2007/09/25(火) 23:54:19 ID:???
俺の答えに納得出来なかったんだろう。フレイは反論しようとする。
「そ、そんなの!」
「そう。残念ながら、そうはならない。何故か?……俺の両親はナチュラルだ」
正確には違うけどね……でも、キラさんの存在は、説明するのに助かる。
「それって……」
フレイは俯いて、続きを言えずに黙り込んだ。俺の言いたい事を察してくれたんだろう。
「そう。コーディネイターは人の欲望の産物。さっきのフレイみたいな考えが無くならない限り、
 コーディネイターは滅びはしないんだ」
そう。ラクス・クラインもコーディネイターを作る事を禁止したにも関らず、コーディネイターを
作ろうとする者は無くならなかった。
ラクスさんはコーディネイターの緩やかな消滅を願っているようだ。
副司令のように未来へのビジョンがあったわけでは無い。それでも第2次ヤキン・ドゥーエで
戦ったのは、そのためだったんだろう。
おそらく彼女に言わせれば、どうせ滅びるのに何で戦ってるんだ? って、とこだろう。でも彼女は
知らない。人は、もっと欲深い生き物だって。我が子をコーディネイターにしたいナチュラルは未だに
居る。
それだけじゃ無い。コーディネイターによる人工子宮の開発も秘密裏に進める奴がいる。
自らの滅亡を享受するほど、諦めがいい人はコーディネイターにも少ない。
そう。世の中は彼女みたいに達観した人間だけで構成されてはいないって、よく理解していない…
つーか、その前に、あの人は自分が非常識の塊だって気付けよ先に! 
なんか考えが分かんないんだよ。不思議ちゃん!
キラさんは、まだ理解できる。あの人は欲望に忠実だし、ずぼらだし、適当だし、そんで能力だけは
高いから始末に終えない。
まあ、そのキラさんを尻の下に敷けるのは、ラクスさんくらいじゃないと無理なんだろうな……
他の人では、あの人を動かす事すら不可能だ。ほっとけば絶対にニートするし。
「キ、キラ?」
「あ、ごめん」
いかん。また思考がぶっ飛んだ。どうも、ラクスさんのことを考えると脳がおかしくなる。
「え〜と、とにかく、フレイはそのままで良いんだ。フレイは自分がどれだけ凄いか理解してないよ」
「え? 私が?」
「そう。フレイは強いよ。多分、今なら1対1でやり合えばザフトの一般のパイロットと互角以上に
 戦える」
「……う、うそでしょ?」
まあ、条件付だけどね。でも、彼女の乗るバクゥに勝てるジンやザウートが少ないことも確か。
554逆行のシン⇔キラ:2007/09/25(火) 23:55:28 ID:???
信じられない様子だな。まあ、あの後は戦ってないから分かってないのも当然か。
「フレイは天才だよ。そして、その強さの秘密はコーディネイターでは、決してありえない種類の
 ものだ。君はナチュラルに産まれた事を誇って良い」
「私の……強さの秘密?……それって?」
「………う〜ん、言葉では説明が難しいな」
いや、臆病で残酷なんて言えないだろ? あと判断力を褒めれば自然とラクス・クライン人質事件に
触れなきゃいけないし……それって褒めづらいよな?
「と、とにかく保障する。フレイは強いから、明日は安心して休んで。その分、明後日の戦闘では
 期待させてもらうから」
「うん。分かった。それにしても……」
「ん?」
「キラって、年寄り臭いね」
…………あ? 今、サクっと心臓にナイフが刺さったイメージが……まあ、確かに本当は30過ぎの
オッサンだけどね……
「い、いや! あのね! 別に貶したわけじゃ無いのよ!」
「あ、ありがと……」
「お、落ち込まないでよ。そ、その……なんかさ、パパを思い出しちゃって……」
「パパ?」
そう言って、黙り込むフレイ。そう言えばフレイってファザコンだっけ?…………つーことはだ。
フラグ起った? 禁断の親子プレイ再び? おめでとう俺!……あっ! でも、彼女サイの婚約者。
……でも、終ったって言ってたし……でも、サイは未練が……でも、親子プレイ……
「おーい、キラァ!」
そんな難問に取り組む俺の思考を中断させる声。
「トール? どうした?」
おまけにサイとカズイも……何の用だ?
「お前さ、ロドニアに彼女が居るって本当か?」
「へ?」
「さっき少佐に聞いたんだ」
あ、あのオッサン! 変な仕返し考えやがって!
「じゃあ、私、部屋に戻るから」
そう言い残して、さっさとこの場を離れるフレイ……しまった!
「なあなあ、どんな子なんだ?」
「ど、どんなって……」
今日こそ確認した。ムウ・ラ・フラガはやはり俺の天敵だったと。
何時か始末しちゃる!



555逆行のシン⇔キラ:2007/09/25(火) 23:56:54 ID:???


僕がトレーニングを始めて一週間が過ぎようとしていた。
「シィン! ペースが落ちてるぞ! もうへばったのかぁ!」
「まだまだぁ!」
「よぉし、その意気だぁ! お前は世界を取れる器だ!」
「まかせな! とっつぁん!」
そんなことを言いながらジョギングを続ける僕とマユちゃん。まあ、マユちゃんは自転車なんだけどね。
今日の設定は、僕はチャンピオンを目指すボクサーで、マユちゃんはトレーナーのおじさん。
毎日、違う設定でやってるから飽きない。つーか楽しい♪ 
「へへ……とっつぁんにピカピカのベルトをプレゼントしてやるぜ」
「なっ! 生意気言ってんじゃねえ! ひよっこがぁ!」
甲高い声でオッサンの口調のブルマ少女……意外と萌える。
そして、ジョギングが終るとマユちゃんをお腹の上に乗せてブリッジ。もちろん腕は使わず首と足で
体重を支える。ちなみに手はマユちゃんがずり落ちない様にマユちゃんの手を握って支える。
「さあ、動くぜぇ〜」
マユちゃんが、そう言いながら身体を揺すり始める。
「ぐっ…」
歯を喰いしばって、耐える……頑張れ僕! 変形の騎乗位と思えば……雑念禁止!
「よし、1分経過。30秒の休憩だ」
「はあ…はあ…はあ…」
ブリッジを止め、お腹にマユちゃんを乗せたまま横になる。呼吸は苦しいが、この重さが心地よい。
「2セット目!」
「ふぬっ!」
そして再びブリッジして耐える。これを毎日1セット増やして行ってるから、今日は残り6セット。
この身体も悪くは無い。僕の身体に比べると伸びは遅いけど、それでも一般のコーディネイターよりは
早いと思う。
それに、普通に訓練するのが最近では面白くなってきている。
前の身体じゃ経験できなかった事だ。
「よし! 次は腕立てだ!」
「おう! きやがれ!」
次はマユちゃんを背中に乗せて腕立て伏せ。この腕立て伏せも奥が深い。掌を置く位置で付加のかかる
場所が変わる。
556逆行のシン⇔キラ:2007/09/25(火) 23:58:07 ID:???
それに、背中にマユちゃんを乗せて高い負荷を与える事で、腕を曲げて固定する訓練がはかどる。
普通は腕立てって言えば、プッシュアップなんだけど、元々Gに耐える訓練だから、腕を動かす筋肉より
固定する筋肉が必要だ。つまり、僕が腕を曲げた状態で固定し、背中の上でマユちゃんが暴れる。
「くっ……」
腰から肩まで動かれ、負荷が掛かるのを実感する。これもブリッジと一緒で毎日増やしてる。
そして筋力の基礎である腹筋と背筋も鍛える。
それらに耐えると終了の時間がやってくる。
「お、終ったぁ〜〜」
もう1歩も動けない……それどころか指先まで震えてる。乳酸プリーズ!
でも、これが重要。限界まで鍛えて筋肉の繊維を傷つける。そこから回復する筋肉が新しい力になる。
……って、マユちゃんが教えてくれた。
うん。実はトレーニングのメニューはマユちゃん任せ。
「お疲れ様、お兄ちゃん♪」
素に戻ったマユちゃんが、完全にグロッキー状態の僕の汗をタオルで拭いてくれる。
そして膝枕をしてもらった状態で、栄養ドリンクのストローを咥え飲んでいく……至福♪
いや。本当の至福はこの後だ。
「落ち着いた?」
「うん……よっ…と」
僕は立ち上がると身体を伸ばしてみる。体中が痛い。でも動けるようになった。
「大丈夫」
「じゃあ、帰ってお風呂は入ろ♪」
「う〜動けないから身体洗えない」
「もう! 汗臭いからダメ。今日もマユが洗ってあげるから」
そう真の至福は、この後のお風呂タイムにある。これでこそ今日も頑張った甲斐がある。
「ところでマユは達磨って可愛いと思わない?」
「え?……うん」
「良かった♪」
「ん?」
ふっふっふっ……待ってろよ3人娘。マユちゃんに達磨って花をプレゼントしてやる。



続く
557通常の名無しさんの3倍:2007/09/26(水) 00:04:12 ID:???
キラ・・・・・・
GJ!
558通常の名無しさんの3倍:2007/09/26(水) 00:07:45 ID:???
ファザコンフラグが・・・GJ
559通常の名無しさんの3倍:2007/09/26(水) 00:10:58 ID:???
アニキ…あんた、なんて事をwwwwwww
560通常の名無しさんの3倍:2007/09/26(水) 00:35:34 ID:???
シン(中の人キラ)は地道に努力して真人間に更生してる筈なのに
ダメ人間のレベルが上がってるような気がするのは何故だw
561通常の名無しさんの3倍:2007/09/26(水) 00:40:41 ID:???
馬鹿ばっか!!(褒め言葉)
シンがダメ人間なのに考えているな(30だもんな)
562通常の名無しさんの3倍:2007/09/26(水) 01:33:47 ID:???
どっちも順調にだめな大人コースwww

……でも世界のためにはそのほうが(ry
563通常の名無しさんの3倍:2007/09/26(水) 02:38:14 ID:???
世界の事を考えながら基本駄目人間なシンといい
努力する事を覚えたが駄目人限度がさらに加速してるキラといい
超人なのに変なところで人間が小さくてコイツラ好感が持てるなw
564通常の名無しさんの3倍:2007/09/26(水) 04:27:45 ID:???
虎と政治問答したり
努力したり
空回りしたり
なんだろう、ガンダムを見てるって気になってくるぜ!Gj!
565通常の名無しさんの3倍:2007/09/26(水) 05:07:47 ID:???
俺にはなんか、キラはまともになってる気がするぜ。
566通常の名無しさんの3倍:2007/09/26(水) 09:02:06 ID:???
冷静に考えるんだ
シンが30代であることばかりが取り上げられるが、
キラも30代なんだ。つまりマユちゃんに対する感情は娘に対するそれなんだよ。
はっ! つまりキラはステラを狙って・・・
567通常の名無しさんの3倍:2007/09/26(水) 11:53:30 ID:???
ルナかわいそす
568通常の名無しさんの3倍:2007/09/26(水) 17:24:22 ID:???
ステラってそんないい子だったっけ
あんまり印象に残ってないんだが……
569通常の名無しさんの3倍:2007/09/26(水) 18:00:21 ID:???
悲劇の塊の人生のまま悲恋の後に死んだからな……
マユに続いて不可侵の聖母化されてしまった可能性は否めんな。
570通常の名無しさんの3倍:2007/09/26(水) 18:07:17 ID:???
否めんってかむしろそれが普通じゃね?
まあ、ベルリン関係とかでたたかれる対象にされてる気がせんでもないけど
実際生まれて死ぬまでただただ利用され続けた設定だし、けっこう美化されてて
当然ってな気はする。
571逆行のシン⇔キラ:2007/09/27(木) 19:53:59 ID:???


空中で対峙する僕とアサギさんのM1。他には何も存在しない。
「くっ!……なんなのよ…」
苦悶の声を上げるアサギさん……ふっ、まあ仕方ないよね。すでにジュリさんとマユラさんのM1は
達磨になって、地面に這い蹲っているんだから。
これが実戦なら、もう降伏して下さい。これ以上戦うのは無意味です。とか言って、相手のプライドを
ズタズタにしてやるんだけど、今回は訓練だからそうはいかない。
「いきます」
「―!」
僕の冷たい声の宣言に焦るアサギさん。最後だから、徹底してやらせてもらう。
「つぅっ!」
ビームライフルを撃って、シュライクを傷つける。推力を低下させ地上に降り立つしか道は無い。
「チッ! まだ…え!」
空中の僕を狙おうとしたのに、僕まで地上に降りたので驚いてる……でも、驚くのはこれから!
「舐めたマネを!」
僕に向かって飛んでくるアサギさんの撃ったビーム。でもそれは僕が左手に持ったビームサーベルで、
払い飛ばす。
「う…そ……?」
良い声♪ じゃあ止めを♪
右肩、左肩をビームライフルで撃ち抜く。次いで右足、左足……支えを失い落下する胴体。中の
パイロットにはなす術も無く……今頃、モニターに映る僕のM1が傾いてるだろう。でも、それも
見納め。最後にもう1発撃って頭部を破壊。迫るビームの光はどうだった?
「しゅ…終了です……」
シモンズ主任が呆然としながらシミュレーターの終了を告げる。これでは前回のように叱責する気も
起きないようだ。
そして、僕はマユちゃんの元へ……気に入ってくれたかな?
「マユ…」
「お兄ちゃん……ねずみをいたぶる猫みたいでカッコ悪い……サイテー」
……………そ、そんな………僕は………



第15話〜〜勝ったのに……
572逆行のシン⇔キラ:2007/09/27(木) 19:55:00 ID:???


現在、アークエンジェルはタルパディア工場区跡地に向かっていた。アフリカを突破するには最善の
道と言える。だからこそ、あの人は待ち構えているだろう。
俺がストライクのコクピットで待機している時、爆音が聞こえた。始まったって事か。
「地雷原、一瞬で壊滅だそうよ」
バクゥのフレイから通信が入る。まあ彼女も緊張してるんだろ。
「ま、レジスタンスのトラップなんて、そんなもんだろ。で、調子は?」
「身体が軽い……昨日休ませてもらって良かったみたい」
「そうか、良いことだ」
「うん。ありがと」
「……で、声が震えてるが、怖いか?」
「……別に怖くなんか…」
「怖いのは悪い事じゃ無い。俺だって怖いさ」
「そうなの?」
「ああ、戦いを恐れないなんて、ただのバカさ。まして相手は虎だぞ」
「そうね。あの地雷原があるから、こっちに来たんでしょ?」
「それだけじゃ無いけどね……どっちにしろ…」
「お2人さん、仲が良いのは結構だが、そろそろ出撃だ」
出たな邪魔者め。
「了解」
「まあ、最近のお前等なら心配ないとは思うけどな。踏ん張れよ。なにしろ連中には悪いが、
 レジスタンスの戦力なんぞはっきり言って当てにならん」
俺が言おうと思ってた台詞……アンタが邪魔した台詞……
「分かってます。少佐も気を付けて下さい。何処から攻撃が来るか分かりませんから」
「はいよ。忠告感謝ってね」
忠告じゃ無く脅しだよ。アンタって人は……ダメだ。苦手意識のせいか勝てる気がしない。
「対空、対艦、対モビルスーツ戦闘、迎撃開始!」
「ストライク、スカイグラスパー、バクゥ、発進!」
そして、艦長と中尉の指示が出た。
さあ、ここでは始末させてもらう……虎!
「キラ・ヤマト、ストライク、発進する!」
573逆行のシン⇔キラ:2007/09/27(木) 19:56:01 ID:???
外ではすでにゲリラとザフト軍との戦闘が開かれ混戦になっていた。
「随分とかき回してるな……」
「戦闘ヘリは気にするな! ボウズと嬢ちゃんはMSを!」
「はい」
「フレイ、バクゥは俺が相手する。君はアークエンジェルと行動しろ!」
「わかった!」
「俺はザウートやジンは相手しない。バッテリーが持たないからな。近付いてきたら君が倒せ!」
「や、やってみせる!」
悪いが今回の戦闘ではフレイの援護はしてやれない。でも彼女ならザウートやジンには負けないはず。
それにアークエンジェルの援護があれば少しは安心できる。
「バクゥは何機出てる?4…5機か!」
思ったより少ない……今までの戦闘で品切れか?
「だったら!」
さっさと片付ける。虎との戦いを邪魔はされたくない。
「遅い!」
バクゥの攻撃を避けながら反撃のビームライフルを撃つ。
自分でも驚くほどスムーズに動ける。
「なんだか……訓練してやってるつもりで、俺が訓練してたか」
フレイとの訓練は俺にも砂漠での動きのコツを掴ませてもらえた。それにザフトよりフレイの方が
厄介な動きをする。
「迂闊に近付いて!」
バクゥのビームサーベルに慣れない所為か、接近戦を仕掛けてくる奴まで居る。
「使い方を間違ってるぞ若造!」
そして、最後のバクゥを視界に納める。
「これが最後!」
ビームライフルで撃破し、息を吐く……アークエンジェルは? フレイが想像以上に良くやってる。
近付いてくる敵を根絶やしにしてるようだ……あ! 装甲車踏み潰した……あれって、普通は躊躇
するんだけど……
「怖いなぁ…………伏兵? 不味い!」
虎め、戦艦を伏せていたなんて……あれは?……
「フレイ…ついでに少佐……アークエンジェルは頼む」
……俺の前に立ちはだかるラゴゥ。
「君の相手は私だよ、少年」
「アンタを殺す! 虎ァ!」
574逆行のシン⇔キラ:2007/09/27(木) 19:57:11 ID:???
ラゴゥ相手には半端な距離は不味い。ましてや相手は虎。
「迂闊に近付くと、やられる」
いったん距離を置いて……
「逃がさんよ!」
俺が逃げるとでも思ったか、ビームを撃ちながら、距離を詰めてくる……
「だったら!」
アンチビームシールドの防御に頼って構える。回避はしない。そんな余裕は俺には無いし、向こうにも
与えない。
「行くぞ!」
エールのスラスターを全開にし、すぐにライフルからサーベルに持ち替える。
向うが俺の狙いに気付いて、距離を取るより早く……
「捕ったぁぁぁ!」
「チィッ!」
ラゴゥもビームサーベルを展開する。それを牽制に距離を取ろうとするが、そうはいかない。
「逃がすかぁ!」
ビームサーベルの突き……あと少しで顔の正面に直撃だったが、伏せて避けられた。ラゴゥの
ビームキャノンを破壊したが……
「残念だったな少年! 今度は…!」
……ラゴゥのビームサーベルがストライクの脚を狙ってきた…いや、最初から脚を狙うつもりで、
さっきの攻撃を伏せてかわしたんだ。
「させるか!」
だが、俺も突きをさけられた時点で、向うの狙いは察した。下がったら間に合わない。強引に
ラゴゥの上を転がるように避ける……
「流石だな……少年」
装甲が溶けたがギリギリでセーフ……
「終わりだな。虎」
ラゴゥはさっきの攻防でビームキャノンを失った。対する俺はサーベルを収めてビームライフルを
腰から外して構える。
「そう簡単に……いくかな!?」
俺の撃つライフルのビームをかわしながら…いや多少は当たっても強引に接近を狙う……
「……いくさ」
アンタは甘いんだよ。今の構図を、飛び道具が無いアンタを俺が離れて倒そうとしている。だから距離を
詰めれば勝機が掴める。そう思ったんだろ?
やはり、アンタの負けだ。
575逆行のシン⇔キラ:2007/09/27(木) 19:58:22 ID:???
「な、なに…?」
砲弾を潜り抜けて、安心したか? それとも勝ったと思ったか?
「何時の間に…?」
頭部をアーマーシュナイダーで串刺しにされた虎が呆然と呟く。
俺はシールドで隠しながら、こっそりと左手でアーマーシュナイダーを持っていた。
後は直前で邪魔なシールドを外し、下から突き上げる。
「見抜けなかったアンタの負けだ」
ラゴゥからビームサーベルの刃が消える。
「少年…君は……何者なんだ? その若さで、こんな駆け引きを…」
歳のことは言うな。
「今度こそ終わりだな……アンタほどの軍人だ。この状況でも周りは見てるんだろ?」
炎上するレセップス。共に戦った中型戦艦はすでに沈んでいる。
「そうだな……ダコスタ君。 退艦命令を出せ!」
良い判断だ。無理に艦で撤退すればアークエンジェルか少佐のアグニの餌食になる。
「勝敗は決した。残存兵をまとめてバナディーヤに引き揚げ、ジブラルタルと連絡を取れ!」
通信が終った後、しばらくの沈黙が流れる……
「さて、ここで僕を見逃すほど、甘くは無いよな?」
「当然だ。だが、女は降ろしてやれ。ラゴゥは複座式だ。乗ってるんだろ?」
「…………何故このラゴゥが複座型だと知ってるか興味は尽きないが……まあ、良いさ。
 それなら気にするな。そう勧めたんだが、断られたばかりだ」
そうか、さっきの沈黙は同乗する彼女に逃げるよう言ってたんだな……
「彼女も死んだ方がマシなクチか」
「そうらしい」
「分かった……では、アンドリュー・バルトフェルド……死んでもらう!」
「最後まで……足掻かせてもらう!」
武装を失って、なお戦うか……だが、終わりだ……



576逆行のシン⇔キラ:2007/09/27(木) 19:59:33 ID:???


終った……破壊したラゴゥを見下ろしながら、俺は呆然としていた。
「キラ!」
通信機から声が入る。ノイズの無いハッキリとした声……
「フレイ……」
Nジャマーの干渉を受けないほどに近付いたバクゥからだった。
「敵は撤退したわ。キラにも帰艦命令が出たけど、聞こえなかった?」
「ああ。こうもノイズが酷くちゃね……信号は出たのかな? 見る余裕が無かったけど?」
本当は聞こえていたかも知れないけど、呆然としてたから自信が無い。
「まあ、しょうがないよ。この状況だもん。ところで、それは?……」
「……虎だよ。さっき倒した」
「え!」
フレイにとってはバクゥに似たMSに興味があったんだろうけど、さすがにパイロットが敵の大将とは
思わなかっただろう。
「そうか……やっぱりキラは凄いね。あの砂漠の虎を仕留めるなんて」
「そんなこと……」
仕留める? 本当に仕留めたのか? だって、キラさんも……
「チッ!」
俺はラゴゥの操縦席を覆う装甲を剥がし始めた。
「キラ!?」
フレイが驚いた声を出してるが、構ってる余裕は無かった。
キラさんに聞いたことがある。副司令と戦ったとき、絶対に死んだと思っていたと。生還の可能性を
考えられないほどの損傷をラゴゥに与えたはずだって……
「まさかな……」
……そして、俺の眼にラゴゥの操縦席が映る。
「そんな……」
俺はコクピットを開けて、ラゴゥの操縦席に移動した。
「もう! キラってば!」
無視された事に腹を立てたフレイも俺の後を追ってくる。だけど、俺は彼女を止める余裕が無かった。
だってその時の俺は、操縦席の中の光景に心を奪われていたから……
バルトフェルドには、まだ息があった。あの爆発の中、確実に死んだと思ったのに……
キラさんの時も、そうだったんだろう。副司令を庇うようにして死んでる人が居る。
この人は守れたんだな。俺と違って、大切な人を、命を懸けて守ったんだ。
577逆行のシン⇔キラ:2007/09/27(木) 20:00:45 ID:???
「もう! キラ! 聞こえない…え!?」
呆然としていた俺に追いついたフレイが、中の光景を見て声を失う。
「こ、これ……?…」
吐き気を抑える震えた声、今まで無縁だった生々しい人の死がフレイの目に映ったんだ。
本当に吐き出さないだけマシだろう。
「虎の恋人。前、カガリと一緒に会った」
「お、女の人なんだ……」
知らなければ、分からない姿。爆発の衝撃でヘルメットが割れたんだろう。その後襲った炎は、
あの長くて綺麗だった髪を焼いた。
その細身の身体では、屈強な副司令の身体全てを覆えず。彼の左半身は大怪我をしている。
それでも……
「虎の方は、まだ生きてる……」
そう言いながら、俺は銃を抜いた。
元々、俺はそのつもりだった。ここで殺すと決心していた。
この人は、ここで殺すべきだ。この後、この人がやる事を考えて、俺はそう思った。
ここで始末しておけば、ラクス・クラインは武力で起つ事が出来なくなる。彼女の目的は別の方法で
やるべきだ。
そもそも、平和の歌姫は戦場に出るべきでは無い。
「アンタには悪いが……」
せめてもの情けだ。そのまま……愛する女に抱きしめられたまま、死なせてやる。
本当は覆いかぶさった彼女を退かした方がやりやすいが、このままでも殺せる。
ちょうど、ヘルメットのバイザーが割れている。そこに銃口を突っ込めば……
「……!」
そして、バイザーに銃口が触れた時、彼女の頭部から何かが落ちてきて、銃に当たった。
「…………何だ?」
俺は、それを拾い上げた。金属部は熱で溶け、表面は炭化している。何か飾りがあったのかもしれない。
彼女は、こうなってまで、守ろうって言うのか?……こんなちっぽけな抵抗で……
「何?……それ?」
「多分……髪留め……凄く髪の毛が長い人だったから……」
「そうなんだ……ねえ、キラ……」
俺は、副司令に覆いかぶさって死んだ女性の肩を掴むと、強引に彼女を引き剥がした……



578逆行のシン⇔キラ:2007/09/27(木) 20:02:02 ID:???


「何を考えてるのだ! 貴様は!」
バジルール中尉の怒声が耳を打つ……なんか記憶にある光景なんだけど?
「お、落ち着いて……ね。ナタル」
「ですが!」
宥める艦長に反発する中尉。これは何時もの光景だし……
「そうだな。まあ、ボウズのやったことは結果的には敵の大将。しかも砂漠の虎を捕虜にしたんだし」
次いで正論でフォローする少佐。ムカツクけど、これも何時もの光景……
だったら、何だろ? この既視感?……
「私が言いたいのは、そんなことじゃありません! たしかにヤマト少尉は敵の指揮官、アンドリュー
 バルトフェルドを生きたまま捕虜にしました。これは功績です。ですが問題は…」
怒りを溜め込むように息を吸う……
「何故、それを無断で! こちらの許可も無くアークエンジェルの医務室に運んだかです!」
「いや、そりゃあ……」
「しかも、驚いて呼び止めるマードック曹長を突き飛ばして!」
いや、通行の邪魔だったから……退けって言っても聞かなかったし……まあ、悪かったって思います。
「まあ、曹長も怪我はしてないし、彼には俺がフォローしたから……ま、後でボウズにはきちんと
 謝らせるからさ」
「私が言いたいのは、そういう事じゃありません! 敵を捕虜にした場合は何より先に、上官に連絡
 する義務を怠った事です! もし、捕虜が目を覚まして艦内で暴れだしたら…」
思い出した! あの時と同じだ……ロドニアで…ミネルバでも同じ事を……
「ぷっ……くっ…」
いかん。思わず吹き出してしまった。でも笑いが止まらない……
「……スマン。俺、フォロー止める」
「バジルール中尉、処分は任せます。好きにしちゃって」
穏健派の2人も俺の態度にカチンと来たようだ……目が据わってる……
「独房に入ってろ! この馬鹿者は!」
ま、しょうがないよな……それにしても俺、全然成長してなかったや。あの頃のままだ。
でも、これで良いよな……ステラ。



579逆行のシン⇔キラ:2007/09/27(木) 20:03:21 ID:???


「バ〜カ、アンタさ、何考えてんの?」
独房に入って丸一日が経過……退屈してる俺の元へ、フレイが嫌味を言いに来た。
まあ、それだけじゃ無いと思うが……
「いや……何かな? 殺せないって諦めて、もうこうなったら助けなきゃって思ったら身体が勝手に…
 ……つーか、フレイだって、助けたそうにしてなかった?」
「してない! アンタがいきなり彼女…を退かした後、虎を抱き上げて、さっさと消えただけ!」
「置いていかれて、寂しかった?」
「……殺すわよ?」
……お嬢様、凶暴さが増してないですか? 今回の戦闘でも随分と活躍なされたようで……
「まあ、良いわ。それよりこれ」
「ん?……拾ってきたのか?」
フレイの手には、俺に射撃を躊躇わせた物……
「一応、洗っておいた……良く見たら、何だか分かんない物が付いてたし……」
「肉片?」
「…………ち、違うと思う。て言うより、お願いだから違うって信じさせて」
「多分、それ炭化した肉片か脳…」
「黙りなさい!」
う〜ん……よく分からん奴。鬼みたいに平気で敵を殺せるタイプかと思いきや、変に情けかけるし、
デリケートだし……まだ不安定なのか?
「なあ、フレイ」
「ん?」
「昨日の戦闘で、コーディネイターを殺したわけだが、どんな感想?」
「…………分からない………自分でも分からない。憎んでたコーディネイターを殺せた。嬉しくないと
 言ったら嘘になるけど……同じくらい人を殺した罪悪感みたいなのを感じてる」
……それで、俺のところへ来たんだな。自分で自分が分からなくなってる。
ルーキーにありがちだ。平和を乱すテロリストを殺して、それでも、彼等の言い分に耳を傾けると
理解や共感できる部分があったり。
彼女には早すぎたんだ。昨日の光景は。生々しい死の光景と、憎む相手の行動にしては美しい姿。
しばらくは、敵を倒せた喜びと、生き残った喜びだけで良かったんだが……
「あまり、深く考えるな。悪いけど、それしか言えない」
「難しいこと言うね……今朝方も夢に見たんだけど……」
「夢? あの光景を?」
「……え〜と、ちょっと違ってて……砂漠の虎とその恋人じゃ無く、アンタとわた…」
580逆行のシン⇔キラ:2007/09/27(木) 20:04:35 ID:???
「よっ! 邪魔して悪いな」
…………またコイツか……
「少佐? どうしたんです?」
「いや、嬢ちゃんじゃ無く、中に居る不届き者に用でね」
うるせえよ。
「なんすか?」
「ああ、虎が目を覚ました」
「も、もうですか!?」
俺もビックリ。あの怪我だと2〜3日は目を覚まさないか、下手すりゃ、そのまま死んでしまうって
思ってたんだけど……さすが虎、凄い体力だな。
「まあ、動けはせんがね……で、ぜひともボウズに会いたいそうだ」
「俺に?」
「どうする?」
「………行きます」
「よし、出ろ」
そう言って、少佐がドアを開ける。
「フレイ、あれを」
俺がフレイに手を差し出す。
「うん」
フレイが俺の手に乗せたものを少佐は不思議そうに見ていた。
「何だ?…それ?」
「はっきりとは分かりませんが、多分髪留めだと思います」
「は? それのどこが?」
まあ、判んないよな……俺だって、彼女の生前の姿と、コレが落ちてきた場所から検討をつけただけで、
確信は無かった。
「おい?」
そんな返事を期待されてもな……
「虎が呼んでるんでしょ。早く行きましょう」
「……分かったよ。ったく……」
返事をしない俺に、不貞腐れた態度で応じる少佐……別に嫌がらせじゃ無いんだけどな……



581通常の名無しさんの3倍:2007/09/27(木) 20:05:44 ID:???
支援
582逆行のシン⇔キラ:2007/09/27(木) 20:05:45 ID:???


「入ります」
俺が病室に入ると、中にはアークエンジェルの軍医と艦長、それに何故かアスハが居た。
中尉は艦橋だろう。
「バルトフェルドさん、彼が来ました」
艦長が、副司令に伝えると、彼は視線だけ動かして俺を見る。
「……助けてくれたそうだが……礼を言うべきかな?」
「必要ありません」
顔の半分に包帯を巻いている痛々しい姿。シーツの膨らみから左腕と左足は失われていることが、
確認できる。やはり怪我が酷くて、切断したんだろう。
間違いなく、俺の知っている副司令の姿に近付いている。
「そうか……だが、何故助けた? 君はどういう訳か、僕を殺したがっていたと思ったが?」
艦長の目が俺に注がれる。後方からは少佐の視線を感じる。2人にとっても疑問だったのだろう。
「どういう訳も何も、俺は軍人で、貴方は敵の指揮官。殺そうとするのは当然だと思いますが?」
「それだけには、見えなかったがね?」
そうさ。それだけじゃ無い。俺はアンタに八つ当たりをしたかった。でも……
「これを…」
「ん?」
フレイに渡された物を彼の胸の上に置く。
「俺が貴方を連れて行った後、彼女が持ち帰りました」
フレイに視線を移しながら伝える。
「これは……」
それを手にしようと、腕をゆっくりと上げていく。
「まだ、無理をしては!」
軍医が制止しようとするが、止まらない。止められるはずが無かった。彼は、それが何であるかに
気付いたんだから。
「間違いない……アイシャの?」
「彼女は貴方に覆いかぶさって死んでいました……貴方を守って……それでも俺は、貴方を撃とうと
 しました。そうしたら、今度はそれが……」
「この髪留めは、俺が彼女にプレゼントしたんだ。髪が長いからヘルメットを被るときに困るからって」
「か、髪留め!?」
艦長が驚きの声を上げる。まあ、それが髪留めって言われたらな……
583逆行のシン⇔キラ:2007/09/27(木) 20:07:09 ID:???
「まあ、すまなかったな……刺激が強い光景だったろ」
その髪留めの変化から彼女が、どんな死体になったかを察したんだろう。でも……
「綺麗でした」
嘘じゃ無い。本気でそう思った。俺がやりたくて、出来なかったことだから……
「凄く綺麗な……」
「ふっ、無理する必よ…」
「私も、そう思いました」
「フレイ?」
俺が気を使ってると思ったんだろう。だが、フレイも俺を肯定した。
「安らかな……笑顔でした。本当です」
誰も信じないだろう。そもそも表情どころか性別すら分からなかったんだから。そんな事はここに居る
人間…軍人だったら誰でも分かることだ。
でも、俺は信じる。表情が分からなくても、俺にもそう見えたから……
「そう言えば……名前を聞いていなかったな」
「キラ。キラ・ヤマト」
視線をフレイに向ける。
「え? フ、フレイ・アルスターです」
「そうか……礼を言うよ。ありがとう。キラ、フレイ」
虎は…溶けた髪留めを握り締め、そう呟くと目を閉じた。
おそらく、彼女との思い出を振り返っているんだろう。
「それでは、失礼します」
その時間を俺達が邪魔して良いはず無い。
俺は、部屋のドアへ向かった。フレイと少佐も付いてくる。
「ありがとう」
もう1度言われたが、俺は返事しなかった。いや、出来なかった。
俺は、殺すって決めてたのに出来なかった。また敗れた。また負けたんだ。
俺は、彼女に…アイシャって言ったけ…負けたんだ。
そして、その事を悔しく思わない事が悔しかった。



584通常の名無しさんの3倍:2007/09/27(木) 20:07:58 ID:???
支援
585逆行のシン⇔キラ:2007/09/27(木) 20:09:03 ID:???


「本当にごめんなさい。お兄ちゃんも悪気があったわけじゃ無いんです」
「い、いや……き、気にしないで……」
「ほら! お兄ちゃんも謝る!」
「ご、ごめんなさい」
僕はマユちゃんに言われ、どんよりと落ち込む3人娘に謝罪する羽目になった。
でもね。これって傷口に塩を刷り込んでるような気もする。
だって、見た目は子供の僕に達磨にされて屈辱の完敗……僕も可能な限りいたぶったし。
その上、謝罪って……悪気は無いって分かっても……キツイよね?
でも、マユちゃんにそれを言うわけにはいかない。だってこれ以上嫌われたくないし……
「少女よ! 気にしなくてもいい!」
そこに現れた野太い声……あ! 馬場さんだ。この頃から居たんだ……って、当たり前か。
うん。年齢から言っても、すでにこの頃からパイロットだったに決まってる。そうしとこう。
「此度の敗北……彼女たちだけで無く、我々にとっても教訓とあいなりました!」
相変わらず暑苦しいオジサンだな……マユちゃんもビックリしてる。
「このまま自らの未熟に気付かずにおけば、愛する祖国、オーブの惨状を見ることになったかも
 しれません」
えっとね。心配しなくても、未来のオーブの惨状は酷い有様だよ。
「ですが、我々は知ることが出来た! ならば、やることは1つ!」
ずいっと僕に近付いてくる馬場さん……やめてよね。暑苦しいんだから。
「シン君……いや、アスカ教官!」
「きょ、教官?」
「先程の戦闘、感服しました。我々を鍛え直して下さい!」
「「お願いします!」」
「え?」
何時の間にか馬場さんの後ろには、むさいオジサン達が一斉に頭下げてる……こ、怖いよ。
でも、なんか見覚えが……あ! シンが大暴れしてオーブ艦隊壊滅させた後の……
「お兄ちゃん」
ん? マユちゃんが期待する目で…………分かった!
「やりましょう! 一緒にオーブを守りましょう!」
「「「教官!」」」
うん。マユちゃんも喜んでる。そう言えば、訓練の時も熱血系の漫画を参考にしてたっけ……



続く
586通常の名無しさんの3倍:2007/09/27(木) 20:31:25 ID:???
作者乙!
587通常の名無しさんの3倍:2007/09/27(木) 20:32:14 ID:???
GJ!
どんどんマユに調教されていくキラカワイスw
588通常の名無しさんの3倍:2007/09/27(木) 20:40:14 ID:???
虎を殺せなかったか、まだまだ未熟よのぉ
589通常の名無しさんの3倍:2007/09/27(木) 20:52:11 ID:???
乙!
>>588
いや、原作でも死んだと思ってたのに生きてたし。
590通常の名無しさんの3倍:2007/09/27(木) 21:57:15 ID:???
うーむ、ダメ人間だけど、憎めない面々だ……歴史も良い(?)方向へいっていそうだし
591通常の名無しさんの3倍:2007/09/27(木) 22:09:29 ID:???
キラってほんと女次第なんだなw
592通常の名無しさんの3倍:2007/09/27(木) 22:16:31 ID:???
キラにしろバルトフェルドにしろなんで生きてるか本編で説明全く無しだったからなぁ
アストレイで一応説明されてるけど……
593通常の名無しさんの3倍:2007/09/27(木) 22:26:12 ID:???
GJ!

>お兄ちゃん……ねずみをいたぶる猫みたいでカッコ悪い……サイテー
種死のときには視聴者の大半が思ってたに違いないw

そして虎がどうなるのかwktk
本来の歴史みたくラクスを変な方向へ扇動するような人間にはならないような感じを受けたが……
594通常の名無しさんの3倍:2007/09/27(木) 22:48:57 ID:???
アイシャに置いていかれて人生の理由を見失いかけたところで
ラクスの桃色電波に侵食されたという見方もなくもないけどね。
いずれにせよまた歴史が変わったのは間違いない?
595通常の名無しさんの3倍:2007/09/27(木) 22:50:53 ID:???
シン青いな・・・。だが、そこがいい。
キラ・・・。ある意味かっこいいよ。
596通常の名無しさんの3倍:2007/09/27(木) 23:07:16 ID:???
シンは酸いも甘いも噛み分けた中年の哀愁みたいなものを感じさせて如何にも年喰ったなって感じがするが、キラは全く変わらんな
若々しいというよりは、ピーターパンだな
597通常の名無しさんの3倍:2007/09/27(木) 23:12:21 ID:???
なまじ優秀すぎると困難とかないから人格が磨かれないためか・・・いや、ズボラな性格のせいか?
598通常の名無しさんの3倍:2007/09/28(金) 00:41:18 ID:???
キラは今人間として大切なものを取り戻してる所なんだろうな
599通常の名無しさんの3倍:2007/09/28(金) 01:19:41 ID:???
ムウの兄貴は対シンフラグブレイカーとなりました

そいや、シンなのにラッキースケベじゃないな
正確にはラッキースケベルートのフラグ軒並みへし折られてるだけだけど

キラ(中の人シン)が桃色の魔の手に怯えつつ姉を政治、思想面で鍛えて
シン(中のry)が幼女と戯れつつ軍人、兵器を鍛えていくと書いてみると
オーブの未来は輝かしいものになりそうなんだけど・・・
600通常の名無しさんの3倍:2007/09/28(金) 02:35:51 ID:???
>>598
キラが磨いてる人として大切なもの⇒魔性のょぅじょに磨かれてる
の間違いでは?キラが磨いてるのはロリ魂かシス魂じゃね?
601通常の名無しさんの3倍:2007/09/28(金) 09:24:33 ID:???
何と言うか、シンの面影すらないな。
まぁ成長してから入れ替わったから仕方ないんだろうけど…。
602通常の名無しさんの3倍:2007/09/28(金) 09:51:04 ID:???
30過ぎにもなって思春期の頃の面影があるってのもおかしな話だけどな。
それよりも未だに精神てか主張が不安定なのが気になる。こんなもんなんだろか
603通常の名無しさんの3倍:2007/09/28(金) 10:30:13 ID:???
こんなもんだろ。
普通の人だって主張なんかは変わる。逆に強固な信念の持ち主なんか危険人物だしな。
ここのシンの場合は、未だに争いの無い世界を夢見てるガキっぽさを持ちつつ、
それは無理な事って内心諦めてる。
普通うにいそうな、子供の頃の夢を捨てきれないサラリーマンみたいな感じ。
604通常の名無しさんの3倍:2007/09/28(金) 10:35:57 ID:???
>>子供の頃の夢を捨てきれないサラリーマン
嫌になるくらいその通りだなぁ・・・
ラクシズ(嫌な会社)で平和(生活の為)に日夜闘ってた三十路男が
あるひ突然人生をやり直せるかもしれなくなったってのがこのお話だろうし

しかし、虎は下手したら桃色毒電波よりタチの悪いタイプに成長しそうだな
605通常の名無しさんの3倍:2007/09/28(金) 16:22:52 ID:???
>>強固な信念
ラクス・クラインのことかい
606通常の名無しさんの3倍:2007/09/28(金) 22:19:24 ID:???
桃色は信念というより妄念じゃないかと思わないでもない
607逆行のシン⇔キラ:2007/09/28(金) 23:22:13 ID:???


「海か……」
ついにアークエンジェルは紅海に出た……つまり、ロドニアから離れたんだ。
俺は視線を北に向ける。そこに居るはずの彼女を思い浮かべる。
「ステラァァァ!」
今は何してるんだろ? それと何カップかな? やっぱりノーブラで……
「へぇ〜、ステラって言うんだ? ボウズの彼女」
また出た……俺の天敵。
「何ですか?」
「いや、なんか黄昏てんなって思って」
海上を航海する船の甲板の上で2人きり……コイツ、実は俺とのエンディングを迎えたいのか?
それは認めん! だからロドニアに……
「……ねえ、今からでも…」
「無理だって」
まだ、何も言ってないのに……つーか、この人にとってもステラは重要人物…
「何でアンタがステラの事、ほっとけるんだ!?」
「い、いや、ステラって子は知らんぞ? 俺の知り合いか?」
そりゃあ、まだ会ってないはずだけど……
「記憶じゃ無い! 魂で感じろ!」
「知るか! なに無茶苦茶言ってやがる!」
「お〜い! キラァ!」
そこへ、何だか慌てた様子の声……
「トール?」
「キラ、フレイが……」
ん? どうしたんだ?



第16話〜〜それぞれの変化

608逆行のシン⇔キラ:2007/09/28(金) 23:23:24 ID:???


トールに言われて向かった先はMSの格納庫。
「じょ、嬢ちゃん……」
「な、なんか機嫌悪いんだけど……」
表情までは分からんが、バクゥを見上げる後姿は不機嫌オーラを発している。
そこから少し離れて、サイを始めとしたヘリオポリス組。みんな引き気味だ。
「じゃ、俺はこれで…」
「待て!」
逃げようとする少佐を掴むと、俺の声に反応したフレイが振り返る。
「あ、キラ、良いところに…」
「な、なんです?」
「ん? 何で敬語なの?」
「べ、別に……」
そんな人殺しみたいな目で見られたら……って、すでにフレイは童貞じゃ無いんだ……あれ? 女でも
殺した後って童貞捨てたって言うのか?
「まあ、良いわ。それより、さっき曹長に聞いたんだけど、この子泳げないってホント?」
フレイがバクゥを指差しながら訊ねる。つーか、MSにこの子ですか……
「うん。泳ぐのは無理」
「ストライクは?」
「基本的に無理だけど……少しは動ける」
ストライクで水中戦なんか避けたいが、いざって時のために調整はしてある。ちなみに装備は右肩に
ランチャーパックのコンポウェポンポッドに魚雷を詰め込んだのと、左腕にパンツァーアイゼン。
後は手持ちのバズーカー。ちなみにシュベルトゲベールを持たせるって案もあったけど、水中で
あんな長いものを振り回すのは難しいと判断して却下。別にアーマーシュナイダーがあるんだし。
「だったら、バクゥも…」
「無理なものは無理」
「じゃ、じゃあ、アレは?」
続いて指差したのは……ジン? 何であんなものが……あ! そうか、ミゲルが最初に乗ってたやつ。
OSを奪うために鹵獲したんだけど、まだ置いてたんだ。
「あれも無理。泳げない。つーか、あんな羽で泳げると思うのか?」
「だったら、私はどうするのよ!」
「あれ」
俺が指差す先には、スカイグラスパー2号機。
609逆行のシン⇔キラ:2007/09/28(金) 23:24:43 ID:???
「……い、嫌よ! 私、モビルアーマーなんて! モビルスーツが良い!」
「いや、そんなこと言われても……」
「だったら、またパチってきてよ! 得意なんでしょ! MS盗むの!」
「ちょっと待て! お前は俺をどんな目で見てる?」
しかもパチって? お嬢様じゃ無かったのか? あ! サイが引いてる……
「だって……」
そう言いながら、バクゥとジンを見る……そりゃあ、たしかに俺が鹵獲したんだが……
「ねえ、モビルス〜ツゥ〜」
そんな甘えた声出されても、無理なもんは無理。
例え、水中用MSが出てきても、水中戦では鹵獲する余裕は無い。
「さっきから黙って聞いてたが……ここにアーマー乗りが居るってこと気付いてるか?」
ん? 気付いてたけど、それが何か?
「まあ、ちょうど良い。おい、お前たちも!」
「「「へ?」」」
ヘリオポリス組に向かって呼びかける。
「ちょっとした適正試験だ。みんなでシミュレーターするぞ」
「は? 適正試験って何ですか?」
「いや、まあな。艦長も中尉も嬢ちゃんの活躍に驚いてな。他の連中はどうだろ?って話が出てたんだ」
なるほどね……ま、気持は分からんでも無いが……さすがにムシが良すぎる。
だいたい、MSやMAに乗って戦うなんて、みんなは納得しな…
「やる! 俺やります!」
トール、遊びじゃ無いんだから……
「俺も、ぜひ!」
サイ? なに熱血してる?
「じゃ、じゃあ私もやってみようかな」
「え? じゃあ……僕も」
ミリィ、カズイまで……つーかカズイも嫌ならやらなくても……この空気じゃ無理か。
「ハァ……仕方ないか……MSじゃ無いと意味無いと思うんだけど……」
最後にお嬢様も参戦を決意……それにしても、何でそんなにMSに拘るんだろ?



610逆行のシン⇔キラ:2007/09/28(金) 23:25:51 ID:???


「ん? お前ら、何してんだ?」
「あ、カガリ」
適正試験の最中に現れたのは、いかにもこういう類が好きそうなお姫様……
「みんなにMA乗りの適正があるかを見てるんだ」
「へ〜〜」
「ねえ、カガリもやってみる?」
そんなこと言ったら、やるって言うに決まってる。
「え?……ん〜〜、やってみたいけど遠慮する。私が出来ても意味ないしな」
「え!?」
アスハが拒否した? 思わず声を出して驚いた。
「じゃ、私、虎に餌やってくるから」
「じゃあね〜」
「おう、また後でな」
え? なんだ? どうなってる?
「どうしたんだ? キラ?」
「え? なんか態度が変かなって……」
驚いた俺が小声で話しだすと、雰囲気につられてか、トールとカズイが近寄ってきて、思わず小声で
話し始めた。
「何が? 前からミリィともフレイとも仲良いけど? なんかフレイとは色々と父親の話してるって」
「でも、カガリって王女様だろ? それ考えると変って言えば変じゃないかな? 僕たちにも普通に
 接してくるし」
いや、カズイ。俺が言いたいのは、そうじゃ無く……え?
「なあ、トール。父親って?」
「ああ、フレイのお父さん、大西洋連邦のお偉いさんだったろ? 興味あるみたい」
……アスハが政治に関心を? 何があったんだ? いや、ありえない。だってアスハだぞ?
「それにしても、ホントに変わったお姫様だよな」
「アンタ達、何コソコソしてるのよ?」
「いや……別に」
「ああ! そうだ。結局オーブに行くの決定したの?」
俺が誤魔化すために、トールに別の質問をする。
「ああ、ついに中尉が折れたって」
やはり、そうなったか。
611逆行のシン⇔キラ:2007/09/28(金) 23:27:08 ID:???
オーブに立ち寄ってアスハを降ろすと言った艦長に、真っ直ぐにアラスカに行きたいと主張する中尉。
艦長の主張は補給無しじゃ持たない。だからオーブでアスハを降ろして、代わりに補給をしてもらうよう
交渉する。
まあ、人情的にアスハをアラスカに、連れて行きたくないってのもあるだろう。
一方、中尉の主張は、食料や水を切り詰めて、アラスカに直行。理由は、それが任務だから……
当然ながら艦長の意見を皆が支持。よって、相変わらず中尉は嫌われた。
だが、中尉の考えが実は正しい。俺もアスハのことを知らなければ中尉を支持しただろう。
それは、皆が知らない表立っては言えない理由。俺も聞かされてないけど、推測できる。今の
アークエンジェルにとって、オーブに行くのは危険極まりないと……
つまり、俺達は口封じで監禁される可能性がある。悪けりゃ命まで……この可能性については論議
出来ない。何故なら張本人のアスハが、この艦に居るから彼女の耳に入れるわけにはいかない。
その理由とはオーブのお姫様の御乱行を知ってしまったから……実際に、中尉はアラスカに伝える
気だしね。
まあ、アスハなら大丈夫だと思うし、正直、このまま無事にアラスカまで辿り着けるとも思えない。
確率としては、アスハの人の良さに賭けた方が分がある。
そもそも、補給を送らない連合が悪いんだ。だから、今回は俺も艦長の味方だった。
いや、別にオーブに行ってマユを見たいとか、マユの声を聞きたいとか、マユの匂いを嗅ぎたいとかじゃ
無いからな。
あくまで冷静な計算の上で、艦長を支持した。
それに、副司令を早めに病院で見てもらいたい……あれ?
「ん? そう言えば、虎に餌って?」
「え? カガリはバルトフェルドの世話してるよ」
「マジ?」
「大マジ。何かプラントの話聞いてるって」
…………う、嘘だろ? アイツが、そんな……そうだ! きっとプラントの美味しい食べ物とかに
興味があるんだ。間違いない。
た、確かに未来のアイツは真面目に政治に取り組んでた。でも、それはオーブが取り返しのつかない
惨状になってからの……
「おい、次はトールの番だぞ」
「あ! はいはい。今行きま〜す」



612逆行のシン⇔キラ:2007/09/28(金) 23:29:25 ID:???


試験が終って、今は男だけでお茶会。ちなみに女性陣は別の場所でご一緒らしい。
空しいとか言うな。男同士の付き合いは重要なんだぞ。
それにしても……
「な、なあ、何でサイは落ち込んでるんだ?」
「察してやりなよ」
「フレイに勝って、男を見せたかったんだよ」
そ、そんな無茶な……アイツは、一種の化け物になってきてるのに……
「でも、トールは結構良かったじゃん」
「え? まあ、俺はアークエンジェルの副操縦士やってるし……」
ある意味、あのアーノルド・ノイマン氏の愛弟子だ。凄くもあろう。だが、パイロットとして戦場に
出るには危険なレベル。
「でも、フレイの成績みたらな……」
「凄かったよね……」
「どうせ、俺なんか……」
「げ、元気出しなよ。サイ」
ちなみに結果はフレイが断トツで、大きく離れて、トール。そこから結構離れて、サイ、カズイ、ミリィ
の順。ちなみに後ろ3人は混戦で誰が勝ってもおかしくない。つーか具体的に言えば、出撃した途端に
瞬殺された。
「まあ、ああいうのは慣れだよ。フレイはパイロットだし、トールは操縦をやってる」
「じゃあ、俺も出来ると思うか?」
「フレイほど努力すれば、あるいは」
そう言えば沈黙するしかない。努力なんて簡単に言うけど、フレイのそれは鬼気迫るものがあった。
「何かさ……彼女、変わったよな」
「それは認める」
「昔はさ………」
サイの口から語られるフレイの思い出…………それは紛れも無いお嬢様。うん。別人だね。
「なんだかなぁ〜」
「元気出せよ。女はフレイだけじゃ無いって」
何で男同士で集まると女の話になるんだろ?



613逆行のシン⇔キラ:2007/09/28(金) 23:30:42 ID:???


僕は教官になったけど、教えるのは得意じゃ無い。そんなわけで、馬場さんには僕のサポートを
してもらってる。
本物のシンだったら、厳しいけど理に適った教え方をするし、戦術やフォーメーションも上手い。
でも、僕はそういうの苦手だから……その点は馬場さんが優秀だった。
だから、基本は3機の小隊が馬場さんの指導の下考えたフォーメーションで、僕と戦う。
まあ、僕に勝てるよう努力すれば自然と強くなれるって寸法だね。
そして小隊同士でも戦闘する。むろん欠損時の訓練もしてるけど、僕はその辺はノータッチ。
「さて……」
目の前にはオーブのパイロットが整列してる。これから訓練前の儀式を行うんだけど……
ちなみに発案者は馬場さん。僕はオーブのパイロットと言えば馬場さんってイメージがあったけど、
この頃は違ったようだ。
でも、僕が馬場さんにMS隊のリーダーを任せるようになってからオーブは変わってしまった。
元々、素養はあったんだけど、それでも……
「教官! 準備終了です!」
正直、気が重い……オーブのこの空気には慣れないけど……マユちゃんもオーブ人なんだな……
こういうの好きらしい。
頑張れ僕……よし、やるぞ!
「我々は何だ!」
「「「オーブのMSパイロットであります!!!」」」
「オーブの理念とは何だ!」
「「「他国を侵略せず・他国の侵略を許さず・他国の争いに介入せず!!!」」」
「ならば、オーブに侵略する愚か者はどうする!」
「「「叩き潰します!!!」」」
「貴様等にその力はあるか!」
「「「あります!!!」」」
「では見せてみろ!」
「「「了解であります!!!」」」
……汗くさっ! オーブ軍全員が…3人娘まで馬場さんみたいになっちゃった……
僕は取り返しのつかない事をしてしまったんだろうか?


続く

614通常の名無しさんの3倍:2007/09/29(土) 00:12:23 ID:???
おお少しではあるが運命が変わり始めてるな
しかしシンにMSおねだりするフレイにワロタ
615通常の名無しさんの3倍:2007/09/29(土) 00:14:57 ID:???
最後はみんなガンホーガンホー言いそうな……まあそれはそれでよし。(GJ!!)
616通常の名無しさんの3倍:2007/09/29(土) 00:34:40 ID:???
どっちも、周りの人間が着々と逞しくなっていくw
617通常の名無しさんの3倍:2007/09/29(土) 01:11:17 ID:???
あれか、馬鹿娘は正史で親共々馬鹿なことしながらも成功しちゃったから成長せなんだな。
成功自体する前に思い違いを突き付けられたから成長フラグが立ったのか。
しかし二射の邂逅は間近。どうする魔性の幼女!?
618通常の名無しさんの3倍:2007/09/29(土) 02:11:30 ID:dRPRvXlN
ミサミサと一発、やっちゃうよ
619通常の名無しさんの3倍:2007/09/29(土) 02:52:49 ID:???
いつも乙です

そういえば、トリィは生きているのだろうか
620通常の名無しさんの3倍:2007/09/29(土) 05:14:33 ID:???
トリィと聞くと種ラストの恍惚としたトリィを思い出すから困る
621通常の名無しさんの3倍:2007/09/29(土) 08:36:19 ID:???
トリィと聞くと某所のトリィのスーツを着たキラを思い出して困る
622通常の名無しさんの3倍:2007/09/29(土) 09:35:22 ID:???
>>621
詳細ぷりーず
623通常の名無しさんの3倍:2007/09/29(土) 14:14:19 ID:???
トリィはアスランが作った物で、キラの中身はシンだからな。
メンテ放り出して、ガラクタ箱の中に突っ込んでるのかもしらん
624通常の名無しさんの3倍:2007/09/29(土) 15:13:01 ID:???
>>622
ガンダム種DESTINY
http://www.nicovideo.jp/watch/sm726932
↑多分このシリーズのキラ
625通常の名無しさんの3倍:2007/09/29(土) 17:17:38 ID:???
え、あの世界のメカってメンテ必要ないんj(ry
626通常の名無しさんの3倍:2007/09/29(土) 17:23:24 ID:???
メンテどころか弾薬や推進剤とか補給物資も(ry
それどころか人の食料補給(ry
627通常の名無しさんの3倍:2007/09/29(土) 18:15:14 ID:???
それなんてお兄ちゃんといっしょ?
628通常の名無しさんの3倍:2007/09/29(土) 21:16:42 ID:rnvAmPPc
作者GJ
これは面白いww
629逆行のシン⇔キラ:2007/09/29(土) 23:22:37 ID:???


「やっぱり、お兄ちゃんは凄いね♪」
「そんなこと無いよ」
MS戦の指導を終え、お迎えに来たマユちゃんとの帰り道、マユちゃんに褒められた僕はご機嫌だった。
「もうオーブのMS部隊は世界最強だって、お兄ちゃんのお陰だって、馬場さんも言ってたよ」
「馬場さんは大げさだから……」
謙遜はするが、自信はある。オーブのMS隊は質では最強だと……でも、数がね……やっぱり、連合が
攻めてきたら、数で圧倒される。それに実戦の経験が無い事が痛い……
このままだと……僕は隣を歩くマユちゃんの頭を撫でた。シンの苦しみが今なら分かる……
「ん?」
「守ってあげるから」
マユちゃんを死なせはしない。そのためにも、やれることをやろう。
最大の弱点は数の少なさ。それは1人1人が戦闘時間を延ばすことで……スタミナのトレーニングを…
…ダメだ。いくらパイロットの体力が上がっても、バッテリーが持たない。
もう1つの弱点、経験不足……出来れば、オーブ解放作戦の前に実戦を経験しておきたいけど……
「あ!」
「ん? どうしたの?」
「いや、別に……」
そう言えば、もうすぐ、アークエンジェルがオーブに到着する予定じゃ?……
改めて記憶を検索……もう少し時間はあるな。
この世界の僕……は、あまり役にはたたない。未熟すぎる。今頃フレイを泣かせてるだろう。
それよりも追ってくるはずの……彼等の方が……
「お兄ちゃん……達磨笑いしてる」
「え?……ご、ごめん」
マユちゃん曰く、僕が悪企みをしている笑い方……先日の件、忘れてないようだ。
気を取り直して、でも実戦の目処が立った。丁度良い相手だ。
そう言えば、アークエンジェルが来るって事はフレイ…………何とかしたいな。
彼女を思い出そうにも、僕は辛そうな顔しか思い出せなかった。
出来れば、もう1度やり直しが出来たら…………
それで、焼きもち焼いたマユちゃんと、僕を取り合いで…………女難の予感♪
「お兄ちゃん、また達磨!」



第17話〜〜アスランの影
630逆行のシン⇔キラ:2007/09/29(土) 23:23:41 ID:???


事件発生! フレイが行方不明です。
まあ、オーブの手前にはカーペンタリアが。おそらくはそこから出撃した潜水艦の部隊と交戦した。
で、水中用のMSをやっと倒した俺が帰艦すると、スカイグラスパーで出撃したフレイが撃墜された
らしく帰ってこないとの報告が待っていた。
ちなみにフレイがザフトの潜水艦を沈めてる。それなのに、何で? 誰にやられた?
悩んでてもしょうがないから、俺は夜を徹して捜索した。しかし、見つからない……
「で、見つかったんですか?」
マードック曹長からフレイ発見の報告。
「ああ、無人島に墜落したってよ」
うん。あっさり解決。夜が明けると簡単に見つかった。で、今はアークエンジェルで迎えに行っている。
「お、着いたみたいだぜ」
「じゃあ、俺はストライクでスカイグラスパーを拾ってくれば良いんですね?」
「まあ、そうだが、顔くらい見せてやれや」
そう言うなら……たしかに初めて撃墜されたんだショックが大きいだろう。まあ、普通はショックの
前に死ぬ可能性の方が高いんだけど……
「お、戻ってきたな」
迎えに行ったバジルール中尉と一緒にフレイが帰ってきた。俯いてるし落ち込んでるんだろう。
あるいは恐怖で……パイロット辞めるかな? 
まあ、俺は明るく出迎えてやろう。
「フレイ、おか……ど、どうしたんだ?」
「あ? キラ…」
何か予想と違う。確かに疲れてる。元気は無い。でも何か違う。そう、ゲンナリって感じだ。
「だ、大丈夫か?」
「…………一緒だった」
「へ?」
何か溜息吐いたら、今度は意味不明な言葉……
「…………アスラン……」
アスラン? アイツも地球に来たのか? え? 一緒だった。
「え〜と?……」
631逆行のシン⇔キラ:2007/09/29(土) 23:24:47 ID:???
フレイは憔悴しきった表情と弱々しい声で、ポツポツと語り始めた。
「えっとね、まず最初は、私が輸送機を見つけて撃ち落したのよ」
何か喋りかたが変……幼児退行してるのか?
「そしたらさ、そっからイージスが出てきて……撃たれちゃった」
イージス? つまりアスランに撃たれた? そんで生きてるって? フレイ、アンタ凄いよ。
「で、何とか機体を制御して、近くの島に不時着したんだけど、そこにイージスが……」
「追ってきた? いや、イージスは飛べないから、向うも不時着したら、たまたま…」
「正解……で、中から人が出てきて……私、びっくりして銃を構えたんだけど…………はねたの」
「は?……跳ねた?」
「こう………びょ〜ん、って」
ああ、アレか、アスランジャンプ。…………うん。あれはビックリする。
「私、怖くて……ゴメン」
「え?」
「その……ついね……悲鳴上げて、一緒にアンタに名前を…」
「い、いや……気にするな」
顔を赤くして、そんなこと言われたらドキドキするから止めて。
「それがいけなかったの……それが悪夢の始まり……」
「へ?……悪夢?」
「凄い形相で、キラを知ってるのか! って……それで、一緒の船に乗ってるって言って、でね
 取り合えず、アンタの悪口を言ったんだけど…」
……まあ、何で悪口なのか、あと内容にも興味があるが、今は黙っておこう。
「そしたらさ、違う! キラはそんな奴じゃ無い! って怒って」
うん。俺も似た様なこと言われた事ある。
「で、今度は、キラにも良いとこあるって褒めたんだけど……今度は、お前にキラの何が解る!って」
「え〜と……」
「朝まで…………キラの素晴らしさについて、朝まで語り始めた……」
「ご、ごめん」
「眠くて、私眠いのに……眠ろうとしたら、俺の話を聞け!って……」
以前はそこまで酷くなかったはずだが……俺の所為か? まさか、ユニウス7での台詞が効果ありすぎた?
俺は、取り返しの付かない事をしてしまったのか?
632逆行のシン⇔キラ:2007/09/29(土) 23:26:11 ID:???
「それで、眠い頭で一生懸命考えたの。どうすればコイツは満足するのかって…………ゴメン」
「いや、いきなり謝られても……」
「何であんなこと言ったんだろ?………ごめんなさい。許して……あんな事になるなんて……」
「な、なに言ったんだ!?」
「トリィ……」
「え? トリィ?……そう言えば、アレどうしたんだ?」
「何故か私に懐いて、一緒に居る」
「そ、そうなんだ……」
そう言えば、フレイが乗った救命ポッドから出てきたんだよな。どうでも良いから無視してたけど、
フレイのとこに居たんだ。
「あれ……アスランが作ったんだってね。なんか自信満々に言ったの」
「あ、ああ。実はそうなんだよ」
「……流れから言って、キラが放置してるって言い辛くて……」
「う、うん気持、わかる」
そんなこと言ったら嘘だって暴れるだろうな……
「それで、凄く大事にしてる。時々、トリィに向かってアスランって呼んでるって…」
「ちょっと待て!」
「ゴメン! 失敗だった。もう、本気で後悔した」
「ど、どうなった?」
「何か照れてた……はにかみながら……そ、そうか…って、…………キモイ」
うわ……何でだろ、その気持悪い表情が容易に想像できる。
「それでね……今度は、その時の様子を教えてくれって……」
「まさか……」
「……い、今更、ウソなんて言えなくて……」
「話……作ったんだな?」
「ごめん」
「さ、参考までに……」
「眠くて、頭死んでたから……」
「大丈夫、怒らない」
「ホント?」
「本当」
「でも……」
「言えや!」
633逆行のシン⇔キラ:2007/09/29(土) 23:27:54 ID:???
そして、フレイの口から語られるキラとトリィの日常…………とても説明できない。
あえて言うなら、アスランは凄く喜んだ。
「お、お前ってやつは……」
「反省してる。許して……」
普段だったら、例え女でも殴ってるところだが、こうも弱っていては怒るに怒れない。
「あとね……」
「まだ、あるんだ?」
「うん……彼ね、隊長になったんだって」
「え? 隊長?」
「うん。ザラ隊」
アイツを隊長にするなんて……ザフトを潰す気か?……そうか、任命したのはクルーゼだな。
本気で世界を滅亡させる気だな。
「でも、ザラ隊って語呂が悪いから、ヤマト隊にしようかと悩んでたんだって」
「……アイツは正気か?……」
「絶対に変……と、とにかく、悩んでたんだけど、決心がついたって……」
「な、なあ……ウソだろ?」
「今度から俺はヤマト隊を名乗るからって、アイツに伝えてくれって……」
「も、もう良い……疲れたんだろ。眠ってきな」
「うん………お休み」
フラフラしながら、自分の部屋に戻るフレイ……何でこんなことに……
ま、まあ、俺もスカイグラスパーを拾いに…
「え?」
俺がストライクに乗り込もうと後ろを振り返ると、大勢の同情の眼差しが待っていた。
「そ、その……頑張れや」
「すまなかったな……あの時、貴様を止めずにイージスを破壊すべきだった」
「と、とにかく、スカイグラスパー拾った後は、休んで良いぞ」
うん。優しさが見に染みる……



634通常の名無しさんの3倍:2007/09/29(土) 23:29:27 ID:???
シンとマユ(&キラ)の再開も楽しみだけど
キラと(変わり果てた)フレイの邂逅も楽しみだw
635逆行のシン⇔キラ:2007/09/29(土) 23:29:47 ID:???


「これで良いかしら?」
「ええ……」
こ、これが来たか……僕がシモンズ主任に依頼したモノ……M1用のビーム以外の武器。
改めて品目に目を通す。
ちなみに、希望したのは長距離からの砲撃武器。中距離での射撃武器…希望としては取り回しに優れ
速射製のあるもの。そして接近戦で使用出来る格闘用装備。
それに対してシモンズ主任が持ってきたサンプルが、長距離攻撃用ライフルタイプの115mmレールガン。
中距離攻撃機関砲に30mm径6銃身ガトリング機関砲。格闘用装備の9.1m対艦刀。
……どっかで見た事あると思ったら、固定式から手持ちタイプになったため、変わっているが細部は
I.W.S.Pの装備と同じだった……
やっぱり、作ってるかな?……まあ、そんな事より、使う人に確認。
「馬場一尉、どうです?」
「素晴らしい! 問題ありません!」
「これが使えるなら、ある意味ありがたいわ。テストにもなるしね」
これらを必要としたのは、シュライクを装備した弊害でM1の稼働時間が短縮したから。
簡単に言えば、武器までビーム兵器を使ったら、すぐにバッテリー切れを起こしてしまう。
まあ、パワーエクステンダーの改良も進めているから、そっちが上手く行けば問題は無いんだけど、
現場のパイロットにとっては、完成の見込みが不透明な強化より、確実なものが望ましい。
つまり実弾兵器の使用を選んだ。
そして、開発側もあっさりと同意した。最初は開発側はパワーエクステンダーの改良をしてるんだから
無駄なことだと反発すると予測してたんだけど、これを見て納得。M1の強化だけで無く、I.W.S.Pの
装備の実験もあるんだな。
「これで、我が軍のパイロットは10年戦い続けられます!」
「いや、無理だから……」
「いや、心意気を言ったまでです」
馬場さんが言うと、本気で補給無しで10年戦い続けそうだから怖い。
「それで、M1の方には腰のサイドアーマーを改造して、マウント出来るようにするけど……」
「え!? サイドアーマーと言う事は、携帯できるのは2つまでですか?」
驚く馬場さん……多分、この武器を全部装備させる気でいたんだな。しかも、ビームライフルも含めて。
「ええ、一応は最初に手持ちしていた分は含まないんだけど、そうしたら持ち替えがね……希望があれば、
 ガトリング砲は盾に装備できるけど、バランスが悪くて使いづらいわよ?」
「むむむ……」
636逆行のシン⇔キラ:2007/09/29(土) 23:30:50 ID:???
不満そうに唸る馬場さん。ここは宥めるべきなんだけど……この手があった。
「ところでシモンズ主任」
「え? 何かしら?」
「ガトリング砲の弾数は?」
僕の記憶が確かなら、大した数は込められなかった。元々、実弾を望んだのはオーブ軍は仮想敵国の
連合やザフトに比べると、どうしても数で劣勢になるからだ。まあ、当たり前だけどね。
だから、どうしても1機が長時間戦闘するしかない。それなのにすぐ弾切れを起こすようだったら、
最初から重い実弾兵器なんか持たないほうがマシ。
「さっき言ったシールド装備型で無いならカートリッジに1万発」
「カートリッジ?」
「ええ、あそこの円柱の部分。弾が切れたら交換できるわ」
……で、でかい……あんなものを予備で持つのは大変だと思うけど?
「あれも、サイドアーマーに装着出来るようになるけど?」
「どうやってです?」
「専用のカバーにカートリッジを3つまで付けられるわ」
う〜ん、ってことは…
「ならば中近距離装備として、基本装備にガトリング砲とシールド。サイドアーマーにカートリッジと
 対艦刀。その装備を中核に……」
悩みだす馬場さん。よし、乗ってきた。最近、彼の扱いが分かってきた。
根っからの軍人だから、与えられた情況で最善の結果を出す努力をする。要するにシンと同じタイプ。
「やれますか?」
「お任せを!」
「では、シモンズ主任。急いで量産を」
「そんなに慌てなくても……」
「お願いします。出来るだけ急いでください!」
「まあ、出来るだけ急がせるけど……」
あまり、ゆっくりは出来ない。もうすぐ、アークエンジェルが到着する頃だ。それまでには……
フフフ……アスラン、イザーク、ディアッカ、オーブ軍の実戦トレーニングに付き合ってね♪
大丈夫。実弾だから多分死なないと思うよ♪




続く
637通常の名無しさんの3倍:2007/09/29(土) 23:35:53 ID:???
gj!
シンは女難というより男難ですな。
638通常の名無しさんの3倍:2007/09/29(土) 23:37:57 ID:???
シンとキラはともかくアスランのダメ人間化がインフレ起こしてるぞ。
オーブ戦で出くわしたらどんな地獄絵図が起きるんだろうかと思うとwktkだぜ。

GJです。
639通常の名無しさんの3倍:2007/09/29(土) 23:39:38 ID:???
GJ!

>大丈夫。実弾だから多分死なないと思うよ♪
大量の実弾浴びて脳味噌揺さぶられる連中の姿が目に浮かぶw

あ、でもその前にシンと遭遇しちゃうのかw
640通常の名無しさんの3倍:2007/09/29(土) 23:41:51 ID:???
GJ!!アスランのキモサが凄い!!
カガリフラグもフレイフラグも立たないでホモフラグを勃起させたか……
シン、頑張れ、頑張れ、マジ頑張れww
641通常の名無しさんの3倍:2007/09/29(土) 23:43:08 ID:???
GJです。
しかしアスランの壊れっぷりがすごい
ああ、なんかあのストライクとイージスの自爆のときはなんかアスランが脱出せずに俺もキラとともにとか言いそうな気がしてる
642通常の名無しさんの3倍:2007/09/29(土) 23:45:47 ID:???
>>640
フレイフラグはシンが意識してないだけで、こっそり立ってね?
643通常の名無しさんの3倍:2007/09/29(土) 23:48:29 ID:???
カガリフラグもカガリの台詞見る限りこっそり立ってる気がする。
644通常の名無しさんの3倍:2007/09/29(土) 23:52:04 ID:???
>>637>>640>>641
こうか。

凸「キラ……(ハァハァ)キィラァァァァァァァ……(ハアハァ)」
シン「イージスで組みつくころは同だけどどアンタの荒い息はいったいなんなんだぁぁぁぁぁっ!?」
645通常の名無しさんの3倍:2007/09/29(土) 23:52:41 ID:???
俺の見るところ
フレイルート、カガリルート、ナタルルート、アスランルート、アニキルートのフラグが立っていて
アニキルートが一歩リードしている
646通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 00:00:28 ID:???
むしろアニキがものすごい勢いでシンフラグ立てに来てるw
647通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 00:49:51 ID:???
フレイ頑張れ、超頑張れ
648通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 00:58:57 ID:???
キラの発言から思ったんだけど、根っから軍人タイプの
シン×ババ なんて思いついたんだ。
・・・ごめん吊ってくる
649通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 01:00:44 ID:???
801がだめなら馬場の娘を妄想すればいいじゃない
650通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 01:02:22 ID:???
これだけフラグ大量に立てても一向にフラグの立つ気配のないマユ、ステラフラグ。

>大丈夫。実弾だから多分死なないと思うよ♪
アスランの現状を知ったら1万発×3叩き込もうとするだろうなw
651通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 01:10:15 ID:???
乙です

ザフトを練習台にするとは…
いろいろとマズイんじゃw
652通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 01:45:17 ID:???
ここのアスラン、阿部さんバージョンの一歩手前まで来てないかい?
653通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 02:05:50 ID:???
領海内ならザフトフルボッコにしても可
654通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 03:17:16 ID:???
アスランガチホモかよ!
655通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 05:59:25 ID:???
GJなんですが、ひとつだけ突っ込ましてください。

あ、これ、負債も思いっきり勘違いしてるフシがあるので、作者氏を責める意図はまったくないんですが、

レールガンはバッテリーメチャ食います。
下手したら粒子ビームなんかよりドカ食いします。

リアル21世紀現在、レールガンの実用兵器化が進んでいないのは、レールガンへの供給に耐える電源がないからです。

バッテリー節約するなら、火薬で投射する兵器が最適です。

と言うわけで、自分はこれから樹海行って来ます。
656通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 09:47:32 ID:???
>アイツを隊長にするなんて……ザフトを潰す気か?……そうか、任命したのはクルーゼだな。
>本気で世界を滅亡させる気だな。

さりげなく、これが一番ひでえwww
まあ種死見ちまうと納得できるけどさ
657通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 09:49:46 ID:???
発射機構の種特有の長ったらしい名前のイニシャルがレールなんだと
レールさんが開発したという説に一石を投じてみる
658通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 10:26:07 ID:???
種世界の『なんとかかんとかレール砲』はすべて
ベンジャミン・レール氏考案の新型火薬式砲で
通称『レール砲』らしいよ
659通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 10:29:42 ID:???
まあ、この辺の誤解というかいい加減さは負債に限ったことじゃないがな。
660通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 11:28:40 ID:???
まあ陽電子砲も中華系技術者陽・電子氏考案の新型ビーム砲だしな
661通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 13:00:49 ID:???
種世界のレールガンはきっと携行サイズの列車砲のことなんだよ(ツッコミ禁止)
662通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 13:36:14 ID:???
CE三大科学者
ベンジャミン・レール
陽 電子
量子
663通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 13:55:46 ID:???
えっ、種のレールガンって実弾兵器じゃなくてレールさんの作ったビーム兵器じゃないの?
だって見た目が明らかにビームなんだし
664通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 17:24:46 ID:???
ですよねー
665通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 18:20:35 ID:???
リニアさんの作ったリニアガンタンクもお忘れなく
666通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 18:38:36 ID:???
>>660
いやいや、日系の電極・陽電子さんとかかもしれん
667通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 19:33:56 ID:???
>>666
こち亀かい
668通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 20:41:30 ID:???
オーブについたらついにキラとシンの再会か
オーブは凄い事になりそうだな
再会フラグがアスラン&キラ、シン&マユ、キラ&AA仲間、キラ&親とか色々立ってるな

いつもGJです
669逆行のシン⇔キラ:2007/09/30(日) 21:23:09 ID:???


グゥル欲しい。グゥル欲しい。グゥル欲しい。グゥル欲しい。グゥル欲しい。グゥル欲しい。
「あ〜〜! ムカツク!」
もうすぐオーブだって時に、ザフトの襲撃を受けた。相手はお馴染みの4人組。
「近付いてこい! 臆病者!」
まあ、いくら叫んでも聞いてはくれない。お陰で、俺はザクに乗ってたレイやルナみたいに甲板で
移動砲台と化していた。
少佐とフレイのスカイグラスパーコンビも、さすがにG4機が相手では勝ち目は無い。
1度だけエールの滑空距離内に入ったバスターからグゥルを奪おうと突っ込んだが、上手くブリッツの
牽制射撃に邪魔されたしまった。
それが最初で最後のチャンスだったんだ……後は、その時の距離を覚えられたのか、そこから少し離れた
距離から砲撃を喰らっている。
しかも、俺よりアークエンジェルに狙いを絞って、俺の居ない方向から攻撃してくる。
時々、イージスが突っ込もうとするが、その時は味方の3機から攻撃を受けて止まっていた。
……アスラン、すっかり人望無くしたみたいだな。
それにしても……あのイザークまで、大人しくしてるなんて……どっから、こんな戦術仕入れたんだ?
「損害率25%を超えました」
「イージス、ブリッツ、接近!」
「ウォンバット照準!グゥルを狙うんだ!」
アークエンジェル内で交わされる会話に背中が冷たくなる。俺がいながら……情けない!
「どこかに突破口は!?」
珍しくバスターが長距離射撃に徹している。時々接近してくるデュエルを狙おうにも、ブリッツが目を
光らせている……アスランに助けを求めるか?……ダメだ。プライドを抑え利用しようにも、アイツが
迂闊なマネをした途端に、他の3機から一斉攻撃を受けて沈みそうな雰囲気だ。残念だが、今の鬱陶しい
ぐらいの価値が最善だろう。
「どうすれば……」
正直言って、大ピンチ!



第18話〜〜とっても過激な平和の国

670逆行のシン⇔キラ:2007/09/30(日) 21:24:17 ID:???


「御覧いただいている映像は、今、まさにこの瞬間、我が国の領海から、わずか20kmの地点で行われて
 いる戦闘の模様です。政府は不測の事態に備え、既に軍の出動を命じ、緊急首長会議を招集しました。
 また、カーペンタリアのザフト軍本部、及びパナマの地球軍本部へ強く抗議し、早急な事態の収拾、
 両軍の近海からの退去を求めています」
テレビ画面に映るアークエンジェル対ザフトのMS。ようやく来たね。
「情けない限りですな。あれがザフトのMS部隊とは……」
馬場さんの呆れた声。気持は分かる。でも……
「ホントに、あんな船沈めるのにどれだけかかってるんだか?」
「でも、結構頑丈そうよ」
「だったら、近付いてブリッジ狙えば1発じゃない?」
「まあ、たしかに……」
……アサギさんも強気な意見。ジュリさんも一応はアークエンジェルの頑丈さに目を付けたけど、
結局は、アサギさんの意見に納得。……ダメだ。確かに彼等は強いけど、肝心なところを見落としてる。
「甲板に居るMS……どう思います?」
「へ? どうって……」
しばらく皆でストライクを観察……やっぱり変だな。この頃の僕、あんなに強かったかな?
「な、なによ! あれ!?」
「速い? 違う、上手いんだ」
「じゃあ、ザフトの4機が近付かない理由って……」
「申し訳ありませんでした教官。危うく敵を甘く見るところでした」
「いえ……」
責める気はしない。僕だって、何となく昔の僕の戦いを見てみようって、気楽な気持で見てたから
気付いただけだし……
「まあ、今回みなさんのターゲットは追撃してくる4機のMSです。情報は頭に入ってますね?」
「はい。モルゲンレーテから頂いたデータ。全て頭の中に」
「では行きましょう。目的は追撃しているザフトのMSの無力化。撃墜してしまうと、面倒ですから
 気をつけてください」
「「「了解!」」」
「お願いします。アークエンジェルは僕が相手をします」
「ですが……お1人で大丈夫ですか? 教官の腕を疑うわけではありませんが……」
671逆行のシン⇔キラ:2007/09/30(日) 21:25:31 ID:???
馬場さんが心配する。3人娘や、他のパイロットも同様だ。
まあ、ある意味、さっきより良い傾向だね。甲板にいるMS。ストライクの力が分かってるって
事だから。でも……
「なんとかなる相手です」
うん。シュライクがあって良かった。それにストライクの性能は充分に分かってる。つまり、どんな
動きをするか、どんな事が可能か、全部分かっている。
「ならば……」
「ええ……」
僕は、少し離れた場所から見ているマユちゃんの微笑みかける。民間人が、こんな場所に居て良い筈は
無かったが、彼女は特別に許可されていた。
何でもマユちゃんがいると、仕事の効率が上がって、色々と便利らしい……何でだろう?
まあ、良いや。とにかく今はマユちゃんに格好良いところを見せるチャンス。
そして始る馬場さん作の出陣前の儀式。
恥ずかしいけど……でも、マユちゃんが好きだったら、やるしかないじゃない!
「オーブのパイロット諸君! 我が国の目の前で、戦っている連中……アレは何だ!?」
「「「愚か者であります!!!」」」
「なにゆえ彼等を愚か者と思う!?」
「「「獅子の目の前で騒ぐ鼠ゆえに!!!」」」
「獅子とは誰だ!?」
「「「我々、オーブ軍!!!」」」
「では、目の前で騒ぐ鼠を獅子は如何する!?」
「「「捻り潰します!!!」」」
「よろしい! ならばあそこで騒いでる鼠どもに見せてやれ!我等、獅子の力を!」
「「「了解!!!」」」
汗くさ〜〜……でも、マユちゃん喜んでる……うん。頑張れ僕。
それに待っててね。フレイ。今、艦内で怖い思いをして震えてるんだろ?
アークエンジェル、ちょっと揺れるけど我慢して、すぐに助けるから。



672逆行のシン⇔キラ:2007/09/30(日) 21:26:40 ID:???


「ああぁ! もう鬱陶しい! 死ね! この変態野郎!」
フレイがお嬢様とは思えない叫びを上げながら、アスランを攻撃してるが、流石に無理らしい。
まあ、反撃を避けてるし、互角と言っても差支えが無い。だが……
「フレイ! 気持は分かるがアスランは放っておけ! それより、バスターだ! お前はソードパックを
 装備してるんだからランチャーの少佐と代われ!」
「でも!」
「火力の強いバスターは厄介なんだよ! 逆にアスランはアークエンジェルに対しては役に立ってない! 
 あの馬鹿、お前には本気でやれるが、こっちには…俺が……いる…し……」
「ご、ごめん……分かったから泣かないで。とにかくバスターを優先する!」
「頼む!」
……情けない! フレイに頼むだけなんて! 俺が、あそこまで行けたら……
「領海線上に、オーブ艦隊!」
何?……ヤバイ! 向うにはアスハが乗ってることを伝えていない。このままじゃ……
「接近中の地球軍艦艇、及び、ザフト軍に通告する。貴官等はオーブ連合首長国の領域に接近中である。
 速やかに進路を変更されたい。我が国は武装した船舶、及び、航空機、モビルスーツ等の、事前協議 
 なき領域への侵入を一切認めない。速やかに転進せよ!」
だよな……
「本艦隊は転進が認められない場合、貴官等に対して攻撃する権限を有している」
……どうする? このままじゃ……
「うむ、その戦艦。我が国の領海に入ったな! これより、攻撃を開始する!」
は?……
「ちょ、ちょっと待て! 艦長!?」
「え? ま、まだ入ってないわよ!」
そうだよな……なんで………って、おい!
「何でアレが!?」
オーブの艦隊から一機のMSが発進した。
「M1?……しかもシュライク装備だと?」
おかしい……M1の完成は、もう少し後じゃ……それにシュライク装備は戦後の事で……
「え?」
さらに近付いてきた機体をよく見ると、カラーリングが少し違う。腕や脛、アンテナが赤から白に、
爪先と翼のような背部ユニットは青……その色調はまるで……
「フリーダム?」
673逆行のシン⇔キラ:2007/09/30(日) 21:27:47 ID:???
なんで?……って呆けてる場合か! アイツが来る前に落す!
「落ちろ!」
あっさりと避けた?……なんなんだよ? コイツ!
しかも、攻撃しているのは俺だけじゃない。アークエンジェルの艦砲射撃も完全に避けてる。
「チッ!…気持を切り替えろ……あの色に惑わされるな…ただの偶然だ」
M1がビームライフルを撃ってくる。避けたらアークエンジェルに……
「させるか!」
次の瞬間、頭がクリアーになる……弾けた。まずはシールドで防御……ほら第2射が来た。
「ふん」
ビームをビームサーベルで弾く……動揺してくれたか?
「今度は…」
動きが止まった相手にシールドを投げつける。続いてビームライフルを発射。
反射を利用した攻撃……これなら……
「避けられた!? 読んでたのか!?」
嘘だろ?……そんな…って、おい!
「逃げる気か!」
違う。そんなんじゃ無い。M1が、アークエンジェルの下に回った。
「こっちが攻撃できない場所から……」
まさか奴の狙いは……
「1番2番エンジン被弾!48から55ブロックまで隔壁閉鎖!」
「推力が落ちます!高度、維持できません!」
……やられた! 今度こそオーブに向かって落下しはじめるアークエンジェル。
「キラ!」
「フレイ?……ソードを渡せ!」
「え?」
「速く!」
「う、うん」
フレイのスカイグラスパーからシュベルトゲベールが落下し、ストライクの手に……
もうすぐ、アークエンジェルは着水する。そして、あのM1は今はアークエンジェルの後方やや下。
だったら!
「ふざけたマネを……」
ここまで舐められて、黙っていられるほど人間は出来ていない。俺はストライクを艦の後方に
走らせた。
もうすぐ見えてくるはず……
674通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 21:28:56 ID:???
支援が要るだろうか
675逆行のシン⇔キラ:2007/09/30(日) 21:29:19 ID:???
「見えた! 落ちやがれ!」
M1の姿が見えたのと、俺が後方に辿り着いたのは、ほぼ同時。
俺は一気に跳躍し、M1に斬り付けた。
「うおぉぉぉっ!」
「くっ!?」
俺の頭からの斬り降ろしの攻撃。だが、わずかに横に避けてかわされた……俺の一撃はM1の右腕を
奪うだけに終った。そして、その時、聞こえたパイロットの驚きの声……
「子供?……つあっ!」
呆けた一瞬、M1の左手に持ったビームサーベルにエールパックが破壊された。
「や、やばい!」
もう飛行出来ない……このままじゃ、動きの取れない海上で狙い撃ちに、いや、向うも腕と一緒に
シュライクをやられたか、海上に着水した。だったら……
「キィィィラァァァァァァ!」
…………おい、何考えてるんだ? ここはもうオーブの領海だぞ。
「今、助けるぞぉぉ!」
馬鹿みたいに近付いてくるイージス。それを切欠に残りの3機もアークエンジェルに止めを刺そうと
近付いてきた。
まあ、アスランは兎も角、多少無理してもアークエンジェルを沈めようとする3機の気持は分かる。
でも……
「そのMS、貴様等も我が了解に入った! MS隊、発進!」
「お、おい……」
オーブの艦隊から飛び立ったM1……12機。
「キラ! 大丈…ぐあっ!」
3機小隊のフォーメーションでGに攻撃開始するM1隊……な、なんだよ! この連中!?
「キ、キラ……だ…い…じょ…う…ぶ…か?」
ガトリング砲の雨を浴びながら、アスランが何か言ってるけど、今はそれどころじゃ無い。
アスランだけじゃ無い。残りの3機も、飛行MSのフォーメションに成すすべも無く、次々と
やられてる。
そして、ブリッツ以外がPSダウンすると、ようやく砲撃が収まった。
「さあ、速やかにオーブの領海から引け!」
指示に従い、残りの3機をグゥルに載せて、撤退をするブリッツ……そして、俺の頭上にもM1……
ど、どうする? だが考える間も無く、ガトリング砲が俺目掛けて撃たれ始めた……



続く
676通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 21:32:46 ID:???
リアルタイムGJ!
凸は味方に攻撃で制止されるとかホントどうしようもないなw
艦長か中尉は早く馬鹿が乗ってることを通達したれ。
677通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 21:40:12 ID:???
ニコル(だと思う)すげえええ!!
678通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 21:42:10 ID:???
作者乙
MSの性能は別として
スーパーコーディ、キラの体に膨大な戦闘経験を持つシンと
普通のコーディ、シンの体に圧倒的な技術を持つキラ
どっちが強いのか気になるね
679通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 21:43:07 ID:???
アスラン面白すぎるw
680通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 21:52:28 ID:???
キラってスカグラにはカガリが乗ってると思ってるんだろうなぁ…
でなかったらアークエンジェル攻撃できんよな
681通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 21:57:11 ID:???
>>680
このキラはカガリのこと覚えてないように見えるんだが。
682通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 21:57:17 ID:???
アマゾネスに変貌したフレイに会ったときのキラの反応にwktk
683通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 21:58:00 ID:???
>>678
今の段階では
キラ(中身シン)>シン(中身キラ)
だと思う。

何より身体のスペックが違いすぎるし…あと年齢も。
684通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 21:59:32 ID:???
> あの馬鹿、お前には本気でやれるが、こっちには…俺が……いる…し……」
>「ご、ごめん……分かったから泣かないで。とにかくバスターを優先する!」
冗談抜きにここで吹いたwww
685通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 21:59:47 ID:???
おおおおリアルタイムで見れた乙です
686通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 23:24:03 ID:???
このニコル(?)ならアスラン庇わない気がしてきたw
687通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 01:24:30 ID:???
そろそろお互い中の人が入れ替わってるのに気づいたかな?
688通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 01:51:08 ID:???
感動の対面が楽しみだな。

キラ(中身シン)とマユ。
シン(中身キラ)とフレイ。
689通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 12:15:02 ID:???
今思ったんだが、オーブ領海に入る直前から手を出したんだよな?
更にAAはオーブのお姫様がゲリラとしてザフトに参加してた事を知ってる
これ外交問題どころじゃなくないか?
オーブの理念ってのにも反してるだろうし
実は原作よりオーブの立場悪くなる可能性あるんじゃないのか
690通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 13:23:18 ID:???
まぁCEの国際法では問題ない行動だったのかもしれん。
691通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 13:51:49 ID:???
積極的自衛権の行使だよたぶん
692通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 14:09:59 ID:???
NJへの報復行為です(嘘)
693通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 16:00:08 ID:???
キサカ辺りからカガリの正体ばれたって報告が行ったんじゃね?
だからAAだけは落しておく必要があったとか。
ZAFTは近づくまで待ったっぽいし、AA乗員の口封じが目的だったと見ていんでは?
694通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 16:49:24 ID:???
というかキラの場合、シンの身体能力だとMS戦に慣れた、ただのエースレベルだと思うんだが?
695通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 17:02:21 ID:???
皇太子が乗ったロシア軍機が北朝鮮の戦闘機に撃たれながら追われていました
そこで領空の外だったけど領空内だと言う事にして自衛隊機が両方に攻撃を仕掛けました
めでたしめでたし
696通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 17:56:55 ID:???
この時点では歴史を知ってるキラ以外はカガリが乗ってること気付いてないんじゃないか?
・・・まぁ、あの姫様なら知らなかったことにして諸共に沈めても・・・

事実はどうあれ、お前らは領域内に入ったと宣言してるから、「自国内での治安維持行為」とすればまぁ、オーブの理念には反しないだろうし
計器の故障とか書類の偽造とかで領域内で行ったと記録すれば・・・NJでまともな測定器のない世界だからなんとかなるんでないか?
国際法上も・・・まぁ、あの世界のそれになら反してないんじゃないか?
戦争当事国じゃないからエニシングオッケーとかわけのわからん理屈が通りそうな世界だし
697通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 19:25:50 ID:???
>>688
キラ(中身シン)とマユはともかく
シン(中身キラ)とフレイは感動になるんだろうか?
話の流れ的に
698通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 19:34:55 ID:???
シン(中身キラ)が種ラストのアレをいう光景しか思い浮かばない・・・
699通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 20:05:26 ID:???
>>694
ソレより身体がスーパーコーディじゃないから動きが重いだろうな、頭の切れも鈍ってそうだ。
元から100%スパコディの能力発揮していたかどうかは別にしてな。
700逆行のシン⇔キラ:2007/10/01(月) 20:51:45 ID:???


よく見たらスカイグラスパーが2機……カガリも出撃してるの? おまけに強いよ! どっちがカガリか
ムウさんか判別できない。
「アークエンジェル、領海に入ってくる気配ありませんが、どうします?」
「う〜ん、入ってくると思ってたけど……このままじゃ、本当にやられそう……」
「そうですね。時間の問題かと」
確か、カガリがオーブ領に入れって命令したんだよな……じゃあ、このまま見ててもアークエンジェル
入ってこないね。ホントに無駄に頑張って、迷惑な身内だな……
でも、今回の出撃の裏の目的は、アスランたち相手に実戦を経験したいってのと、戦闘データ満載の
アークエンジェルの捕獲。あと個人的な希望でフレイと……
だから、このままアークエンジェルを沈めるわけにはいかない。
「しょうがない。もう入ったって事にしちゃって下さい。宣言よろしくお願いします」
「い、いいんですか?」
「構いませんよ。人員は傷つけずに落とします。船体に関しては、どうせ修理しなきゃいけないし、
 そうすれば、文句は言わないでしょ。それにザフトを攻撃するわけじゃ無いから、ザフトから
 領海外で攻撃を受けたとは言われませんよ」
「ですが、それでは肝心のザフトとの戦闘は?」
「アークエンジェルを落すときに、領海内に着水するようにします。そうすれば多分ですが、
 追ってきます」
「そうでしょうか?」
「彼等だって、アークエンジェルとオーブの関係は疑ってます。完全に撃墜したと確認をするまで
 引き下がらないかと……それに因縁の相手でしょうから自分の手でって思うんじゃ?」
特にイザークはそう考えるはず。
「なるほど、分かりました」
さてと……強引な宣言をしてもらって、後は僕が上手くやれば……
「シン・アスカ、M1、行きます!」
心の中でミーティアのメロディーが流れ出す。うん。絶好調。近付いてくるアークエンジェル。
その上にはストライクが……さてと、もうすぐ射程距離だよ。
「フッ、見せてもらうよ。昔の僕の力を」
お? 撃ってきた撃ってきた。でも余裕で避けちゃう♪……あれ? 何かさ……撃ち方が上手い?
正確に言えば艦砲射撃を避ける動きを狙って撃ってる? それも無意識の行動に感じる。
701逆行のシン⇔キラ:2007/10/01(月) 20:52:52 ID:???
「なんで、こんなベテランみたいな?」
……考えていてもしょうがないや。それよりこっちから攻撃。
お? シールドで受けた。感心だね。避けたらアークエンジェルが傷付くって分かってるじゃない。
でも、何時までもシールドは持たない……
「ちょっ?」
ビームサーベルで弾いた? この頃の僕にそんな技能……って、シールド投げるな! 
そんなシンみたいな…撃ってきた?……これって?
「させない!」
頭がクリアーに……弾けた。
とっさに身体が動いた。シールドを使ったトラップ攻撃。シンと戦った経験が役にたった。
「強い……」
凄いぞ僕。格好良いぞ僕……じゃ無く、変じゃない?
「あ?」
アークエンジェルが舵を切ってる……このままじゃオーブ領海に落せない。
「僕との戦いに夢中になってる場合じゃ無い!」
アークエンジェルの下方に回り込み、一気に後方へ突き抜ける。バ、バランスが……
なんとか突破……さて、上手くタイミングを合わせて…………………………ここだ!
ビームライフルでエンジンを破壊。ゆっくりと高度を下げるアークエンジェル……
ばっちり♪ これで、着水したときは言い逃れのしようが無いほど完璧なオーブ領。
ふう……良い仕事した。帰ったらマユちゃんに褒めてもらって、アークエンジェルに居るフレイに……
「え!」
アークエンジェルの高度が下がり、僕と同じくらいになった時……いきなりストライクが飛び出した。
「くっ!」
……危なかった! 右腕だけで助かった!……だけど、まだ油断は出来ない。
左手にビームサーベルを持ってエールパックを壊す。これで……え? 推力が落ちてる?
さっきの攻撃でシュライクもやられていた?
……落ちちゃった………向うもだけど、海上じゃ動きが取れない……何かライオンと一緒に川に
落ちた気分……うわっ! こっちの隙を伺ってる。何で僕がこんなに好戦的になったんだよ?
ん? イージスが突っ込んできた!? なに考えて!?
「キィィィラァァァァァァ! 今、助けるぞぉぉ!」
…………深く考えちゃダメだ。
続いて、他の3機も……まあ、これは助かった。これで当初の目的が達成できる。
訓練通り、3機で1機のGに当たってる。
702逆行のシン⇔キラ:2007/10/01(月) 20:54:09 ID:???
まずはバスターのPSダウン。大丈夫かな? デュエルを残すなと言っておいたけど……イザークだと
ムキになって向かってくる可能性が……次に落ちそうなのは……
「キ、キラ……だ…い…じょ…う…ぶ…か?」
君の方こそ大丈夫? 色んな意味で。ハッキリ言って変だよ。
で、思った通りイージスが落ちた。次に落ちるのは…………デュエルでした。
助かった。凄いドキドキした。
そして、M1部隊がブリッツとストライクに別れて、銃を向ける。
ストライクには……アサギさんだ。彼女は容赦ないから気を付けてね。変な動きしたら死ぬから。
「さあ、速やかにオーブの領海から引け!」
そこで馬場さんが再度の警告。ブリッツのパイロットは会う前に僕が殺しちゃったから知らないけど、
聞く限りでは思慮深い人だったらしいし……
「分かりました! こちらも、これ以上は逆らいません!」
「よし! 投降しろとは言わん! 大人しく去れ!」
「分かりました。ですが、仲間を助けてもよろしいでしょうか?」
「無論だ。我等は領海に侵入したから追い払っただけ。貴官らを殺す気は無い」
「ありがとうございます。ですが、もう1つお願いが?」
「なんだ?」
「あの船を、こちらに引き渡していただきたいのですが」
う〜ん……こんな人だったんだね。冷静に状況を見ながら少しでも有利に事を運ぼうとしてる。
ごめんね。色んな人。特に御両親とバルトフェルドさん。……彼の損失は痛かったよ。
彼が生きてたら、ネオザフトにとっても有益だったに違いない…………アスランと引き換えにして
良い命じゃ無かった。
「残念だが、それは出来んな。それでは我等がザフトに加担した事になるでは無いか」
「そうでしょうか? 戦況は僕たちが圧倒的に優位でした。その艦が貴国の領海に入らなければ、
 間違いなく撃墜していました。もっとも、本当にその艦が領海に入ったとは見えませんでしたが?」
「それでは、貴官は我が軍が連合に戦争を仕掛けたように見えたかな?」
「いいえ。どちらかと言えば守ったように……そもそも、貴国はその艦をどうする気で?」
す、鋭いよ! うん。実は僕がアークエンジェルは捕えたいって言ってたんだ。
だから、君の言うとおり、守ったんだよ。
「どうもこうも、見ての通り、この艦は自力では動けまい。ならば武装解除させた上で、クルーを拘束。
 後に艦は破壊、クルーは連合に引き取らせる」
「…………どう考えても、ザフトにとっては面白く無い話ですね」
「それは分からんでもないが…ここで彼等を引き渡す方が中立から外れている事くらい分かるだろ?」
703逆行のシン⇔キラ:2007/10/01(月) 20:55:15 ID:???
「………まあ、中立に関しては疑問が無いでもありませんが、一介の軍人である僕が口出しする
 問題ではありませんし、そちらの言い分、理解できます……」
おお? 冷静だ。ここでイザークだったら、なにが中立だキシャマァ〜!って叫ぶよ。
軍人の分を外れ、無理に拗れた話にしない。凄いよニコル。
「残念ですが、引き下がります。それでは貴国が中立国としての立場を守ってくれると信じてます」
「………分かった」
痛い、痛いこと言ってくる。実際は真っ黒だよね。オーブって。
そして、ニコルは動けない3機を助けて……何故かイージスに触れるのを躊躇ってる?
あれ? ニコルってアスランと仲が良かったって聞いてたけど?
変だな?…アスランと仲が悪くなったって事……じゃあ、唯一の欠点が無くなったって事じゃ?
話を聞く限り、アスランを尊敬さえしてなければ、何の欠点も無い人物だったんだし。
それって完璧超人じゃない……あ、何か嫌そうにイージスをグゥルに乗せた。
そして、去って行くザフと軍……後は……
「教官……如何なさいます?」
そして、ストライクを取り囲んでいたアサギさんたちから……さっきからストライクが僕の隙を
伺っていることは気付いていた。
あのね。僕は君を助けてあげたんだよ。
それなのに、そんな態度とって……お仕置きが必要だね。
「壊さない程度に」
「了解!」
一斉に火を噴くM1部隊のガトリング砲。
ストライクが成すすべも無くもがいてる……
う〜ん。悲惨だな…………あ、PSがダウンした。
「アークエンジェルに告ぐ、全武装を解除せよ!」
そして、馬場さんが通告。これにてミッションコンプリート♪



第19話〜〜俺と僕

704逆行のシン⇔キラ:2007/10/01(月) 20:56:24 ID:???


し、死ぬかと思った。アークエンジェルの格納庫に戻った俺はぐったりとストライクを降りた。
ガトリング砲の雨を浴びながら、急激に減っていくバッテリー、コクピットの振動……怖かった。
「キラ! 大丈夫!?」
「ああ、なんとか」
フレイが慌てて近付いてきた……このまま抱きついてきたり…
「ボウズ! 無事か!」
…………もう良いよ。このパターン……
「はいはい。大丈夫ですよ」
「なんか不機嫌だな……まあ、やられたことは気にすんな。お前さんだって負けることくらいあるさ」
………マジでムカつく。
「それにしても、トンでもない国だな。何だよ、あのMS?」
少佐が、アークエンジェルの格納庫で仁王立ちする3機のM1を見ながら、呆れたように呟く。
それには同感。色々とおかしい。
「ねえ、私たちどうなるの?」
「さあ? でも、沈められなかったし、これから交渉だろ? カガリが居るから話は聞いてくれると
 思いたいな」
「そうよね……」
「おいおい、2人とも、そんな暗い顔すんな。大丈夫さ」
そう言われても、気分は晴れない。
フェイズシフトがダウンするまで砲撃を受け、その後動けなくなった俺は、M1の手でアークエンジェル
の格納庫に運ばれた。
オーブ軍がその気なら、俺達は今頃、こうして話す事も出来はしなかっただろう。
そして、今もM1が格納庫で睨みを効かせている。決して友軍では無い部隊を艦内に入れている状況。
「情けない……」
「ん? コクピットが…」
その時、M1のコクピットが開き、パイロットが現れた。
そして、ヘルメットをとると……
「お、女!?」
「話はついたようだ。これからオーブに案内する……よろしくな少年」



705逆行のシン⇔キラ:2007/10/01(月) 20:57:30 ID:???


アークエンジェルはオーブ艦隊に牽引され、モルゲンレーテのドッグへと運ばれた。
そして、俺達は艦を降り、モルゲンレーテの一区画での生活を余儀されなくなった。
「まあ、恩の字かな?」
「ですね……」
これなら待遇は良い方だろう……でも、これじゃマユに会いにいけない!
どうする?……そう言えば、父さんと母さんが働いてるはず……
「キラ・ヤマト少尉はいる?」
あの時、M1から現れた女性パイロット、アサギ・コードウェルだ。
「は、はい……コードウェ…」
「アサギで良いよ。それより折り入って話があるんだけど、良いかな?」
「はあ……」
何の用だ? キラさんはOSの開発を手伝ったって言ってたけど、今のM1はすでに実戦配備された
状況だ。だったら……
「アンタもさ、アークエンジェルの修理が終るまで暇だろ? だったら訓練に付き合わないか?」
「訓練?」
アサギさんの言う事を直訳すると、実戦経験が豊富な俺と模擬戦がしたいらしい。
まあ、暇と言えば暇だし、俺もオーブ軍の不自然な強さに興味がある。
それに恩を売れば、その内、外出許可をもらえる可能性が……
「分かりました」
「そう。感謝するよ」
「あの……」
そしてフレイが挙手。
「私も良いですか?」
「え? 貴女ってMAの…」
「一応、バクゥにも乗ってました」
「へ〜、驚いた……それだったら歓迎するよ。出来るだけ色んな機体と戦闘した方が良いだろうし。
 まあ、私の一存じゃ決められないから追って連絡する」
「お願いします」
そんな訳で、向うも準備があるから、時間と待ち合わせ場所を決めて、一旦は別れる事になった。
まあ、面白い。ついでにフリーダムモドキのパイロットの顔を拝んでやる。
706逆行のシン⇔キラ:2007/10/01(月) 20:58:40 ID:???
そんなわけで、フレイと一緒にMS訓練所へ向かう事になった。
トールたちも興味があるらしく、後から来れるように許可を貰ってる最中。
後で合流できるかもしれない。
「何か、楽しそうだな?」
「だって、アサギさんってナチュラルよ。それなのにMSパイロットなんて……」
「いや、お前の方が凄いだろ」
「そ、そうかな? だって向うは2速歩行のMSだし」
「OSさえ、揃えば何とかなるんだよ」
「だったら、私もM1を操縦出来るかな?」
「ああ、もち…え!?」
「ど、どうしたのよ? 大声出して?」
「今の……」
今、チラッと見えた人影……マユ?
確か向うに……
「キラ?」
「わ、悪い! 先に行っててくれ…ちょっとトイレ」
「あ、あのね……分かった先に行ってる」
「すまん」
マユらしき人影を追う……見間違いじゃ無いよな?…………あの後姿……でもマユがこんな所に……
暫くすると、この場所に不似合いな幼い後姿……似ている。
「マユ?」
「ん?……誰?」
そして少女が振り返った…………見間違いじゃ無かった……本物のマユだ……
「あの……どうしたんです?」
「あ……う…」
「え? な、何で泣いて…きゃっ!」
「会いた……かった…」
涙が止まらなかった。そしてマユが驚いてるにも関らず抱きしめて……懐かしい感触…
「あ、あのぉ〜?」
「元気に…してた?」
「え、ええ…」
懐かしい再会。感動のシーン……でも、それを邪魔する声。
「やめてよね! 僕の妹に何するんだよ!」
「何言って…!…え?…」
「え?…」
707逆行のシン⇔キラ:2007/10/01(月) 20:59:56 ID:???
「俺?」
「僕?」
俺が居る……それに何でパイロットスーツを……そして俺に向かって何て言った?
「お兄ちゃん?」
「「なに?」」
……ハモってしまった。そ、それにしても……
「お兄ちゃんの、知り合い?」
「え? う、うん」
「そうなんだ。じゃあマユのこと知ってて……あのゴメンなさい。マユ、憶えてなくて……」
「い、いや、気にしないで……こっちこそ驚かせてゴメン」
「いえ、大丈夫です♪……それに、嫌じゃ無かったです。何だか懐かしい感じがしました♪」
「あ、あのねマユ……お兄ちゃん、この人と話があるから、先に行っててくれないかな……馬場さんに
 遅れるって伝えて欲しいんだ」
「うん。分かった。……じゃあ、失礼します……あの、お名前…」
「シン」
「え?」
「じゃ無くて、キラ、キラ・ヤマト」
「じゃあ、キラさん。失礼します」
テクテクと歩き去るマユ……相変わらず萌える歩き方……では無く…
「え〜と…」
「あの…」
……うん。何となく分かってきた。俺の仮説が正しければオーブ軍の強さや、あのフリーダムカラーの
M1の正体も説明できる。
向うも、どうやら俺より先に気付いたみたいだけど、さすがに聞き辛いよな……つーか、俺も聞き辛い。
だって、キラさんだろ?って言っても、はあ?って反応されたら辛いし…………そうだ。
「ユニウス7で脱出ポッド」
「ヤダ…止めてよねぇ〜……あんなもの拾っちゃダメェ〜」
うん。確認終了。でも俺の顔で、その死んだ魚の目は止めて欲しい。
「落ち着いて、キラさん。悪かった俺が悪かったから」
「はっ!……や、やっぱりシン?」
「うん。どうやら状況は似た感じみたいだな」
「そうだね……どうりで強かったはずだよ」
「とにかく、状況が知りたい。情報交換をしよう」
「わかった」



708逆行のシン⇔キラ:2007/10/01(月) 21:01:30 ID:???


驚いた。こんな事ってあるんだね……それで情報交換をすることになったんだけど、中身の人格は
同じ時間から来たらしい。つまり、シンがテロリスト掃討任務から帰ってきた日。
それで、互いの現在の状況を話す事になったけど、この頃はシン・アスカよりの方がキラ・ヤマトの方が
波乱万丈な生活を送っているため説明に時間がかかる。
そこで、僕から説明する事に…………………………
「……で、そうやって一緒にエビチリを作ったんだけど、これが美味しくて」
「ふん……甘いな」
「な、何がさ!?」
「そのエビチリは失敗作だ」
「な!」
聞き捨てならない。僕とマユちゃんの合作。しかも、ちょっとエッチな会話も楽しめる。
この完璧な料理の何処が不満なんだ。
「何故なら、そのエビチリ、もっとも大事なものが欠けているんだよ」
「大事なもの?……それは?」
「それは……マ ユ エ キ ス!」
「マ、マユエキス!?」
な、何? その甘美な響きは?
「マユエキスとは、マユの手が触れた食材、口に入れた箸が触れたもの、それらの総称のことさ。
 例えば鍋を囲んだとき、結果としてマユの唾液も口にする事になる」
「そ、それは!」
「最高のものとしてはマユエキスたっぷりの雑炊……」
「そんな!……じゃ、じゃあ、あのエビチリは!?」
「そう。アンタが肝心の海老の下ごしらえをやってしまったために、マユエキスを吸収し損ねたんだ
しかも、海老の下ごしらえと言えばハンバーグに匹敵するマユエキスの豊富な作業」
「じゃ、じゃあアレは!?」
「アンタが喜んで喰ったのはキラエ…いや、身体は俺のだからシンエキス!」
なんて事を! 僕はガックリと膝を付いた。だって、マユちゃん味からシン味に……泣きそう。
そんなの認めたくない!
「そ、そうだ…………で、でも味の方は!」
「マユエキスは舌で味わうんじゃ無い! 魂で味わうんだよ!」
「た、魂!」
何だか格好言い!
709逆行のシン⇔キラ:2007/10/01(月) 21:03:03 ID:???
「しかも、海老の下ごしらえは別の楽しみもあるって言うのに……会話を楽しんだ? 馬鹿馬鹿しい」
「な、何故?」
「海老の下ごしらえ……手が白い液体で汚れただろ?」
「う、うん……最後に片栗粉を混ぜたから」
「それをマユの手で想像してみな」
マユちゃんの手に……白い……ドロドロ……っ!
「はい、ティッシュ」
「あ、ありがとう」
鼻血を抑える。
「キラさん、アンタはマユとの会話の誘惑に負けて、大事なチャンスを失ってしまったんだ」
……分かる。分かるよ! 僕は……なんて過ちを!
僕は僕の姿をした英雄を見た。デカイ! これがマユちゃんが生まれた時から兄をしている男のオーラ!
それに比べて僕は……何てちっぽけな……
「やはり、アンタにマユは任せられないな」
「くっ!……」
悔しいけど……反論出来ない! 認めるしか無いのか!?
でも、マユちゃんを譲りたくは……
「で、でもマユちゃんは、今は僕の妹なんだよ」
「ああ、確かにな……この身体はアンタのもの……つまり兄妹では無い…………だが、手はある。
 何も一緒に暮らすのは兄妹だけの専売特許では無いだろ?」
「ま、まさか!?」
「そう、俺がマユを引取るには…………結婚するしか無い!」
結婚?…………そ、そんな! マユちゃんがお嫁に行くなんて!……
あれ? じゃあ………ふっ
「何が可笑しいんだ!?」
「シン、随分と落ちぶれたね。それとも僕の身体を得て血迷ったのかな?」
「な、なにが!?」
「結婚? そんなことしたら……もう妹じゃ無くなるんだよ?」
「え?………マユが妹じゃ無い?」
「君はもう2度と、マユちゃんからお兄ちゃんと呼んで貰えなくなる」
「マユから……」
「……しかも、マユちゃん人妻になっちゃうよ?」
「マユが人妻?………ダメだ! 人妻が嫌いってわけじゃ無いけど、マユには合わない!」
「そして……処女じゃ無くなる」
「!!!!!!!!!」
710逆行のシン⇔キラ:2007/10/01(月) 21:04:40 ID:???
がっくりと膝をつくシン……見た目は僕だけど……
「君は一時の快楽に負けて大切なものを失うつもり?」
「お、俺が間違っていた……俺は……」
「そう。マユちゃんの魅力は、俗人には分からない……でも、君なら」
「ああ、分かる。マユとの正しい付き合い。それは手を出したくても出せない、あの悶々とする苦しみ!
 マユの兄として産まれたこの身を喜び! それと同時に呪う!」
「分かってくれたんだね」
「ええ。ありがとう……もう少しで己を見失うとこでした」
「気にしないで、僕も逆の立場だったら……」
そう。逆の立場だったら、僕だってマユちゃんに結婚を申し込む。
でも、そうしたら……お兄ちゃんって呼んでくれなくなる! そんなの……
「キラさん……よくぞ、この短い期間に、これほどのマユ道を……」
「ううん。まだ分からない事がたくさんある……さっきまで僕はマユエキスの存在さえ知らなかった。
 いや、見落としてたんだね……奥が深いよ。マユ道は……良かったら、もっと教えてくれないかな?
 ……ダメ…かな?」
「俺で良かったら……キラさん……」
シンが手を差し出す。暖かい手……同じ道を選んだ男の手。だったら……
「シン……」
僕は、その手を握った。これから…
「「一緒に萌えよう♪」」
おお! 何だか感動のシーンだよ。目頭が熱いよ! 頭の中では"君は僕に似ている"が流れ……
「シン・アスカ教官、シン・アスカ教官、内線873まで、ご連絡ください」
……何? 良いところで、この無粋な放送は? これからマユ道について語り合うんだから。
「あ?……ヤバイ」
何故かシンが焦ってる。
「どうしたの?」
「俺……訓練に呼ばれてたんだ」
「…………実は僕も」
時計を見ると…………あれ? 3時間も経過している。情報交換終ってないよ。むしろ何も分かってない。
「とりあえず急ごうか」
「そうだね」
情報交換は後に回して、取り合えず急ごう。




続く
711通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 21:04:50 ID:???
おお、リアルタイムで・・・支援支援
712通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 21:05:52 ID:???
なんだ、このダメ人間達w
713通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 21:07:23 ID:???
リアルタイム乙です。
更新押せば続きが読めるなんて初めてだ。
714通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 21:10:39 ID:???
乙!
715通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 21:11:56 ID:???
変態が二人居るw
716通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 21:12:01 ID:???
GJでしたー。
なんというだめ人間っぷり…w

それはともかく、オーブ防衛フラグは完璧に立ったようでなにより。
717通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 21:15:27 ID:???
二匹の変態が逝くw
718通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 21:28:47 ID:???
ダメ人間という言葉しか浮かばないw
719通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 21:31:55 ID:???
マユ談義で3時間も費やすなんて…
もうダメダメだなこいつらww
720通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 21:32:10 ID:???
そして、すっぽかされて怒髪天なフレイ様に遭遇する変体二匹w
721通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 21:37:09 ID:???
作者氏GJ!

なんか新シャアのSSスレで一番盛り上がってるんじゃないか?
722通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 21:40:07 ID:???
GJ!!
駄目人間が二乗。

しかし俺はそろそろムウに殺意を覚えた。
723通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 21:41:11 ID:???
>>720
それを見たときのシン(中身キラ)の反応が楽しみだ。
724通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 21:43:37 ID:???
清々しく馬鹿だなこいつらwww
725通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 21:49:31 ID:???
>「キィィィラァァァァァァ! 今、助けるぞぉぉ!」
>…………深く考えちゃダメだ。
こっちの視点だとなおさらキモいんだがww
726通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 21:55:29 ID:???
おばかですね(最高のほめ言葉)!!
原作の理不尽な手を取り合って助け合うシーンだったが、ここでは最高のタッグが誕生したな!!
まあ、あれだ、今マユ坂を駆け上がっていくのですね
727通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 22:15:09 ID:???
馬鹿だ、こいつら大馬鹿だよ。この二人はなに3時間もそんな話してんだよ。
アスランはアスランで二コルにすら触ることすら拒まれかけてるし
728通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 22:19:50 ID:???
種世界では珍しくマトモだったニコルだがこの話では更に成長したなw

しかしシンとキラは和解したか…。マユが絡むと無敵になりそうだなこいつら
729通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 22:25:15 ID:???
>「ユニウス7で脱出ポッド」
>「ヤダ…止めてよねぇ〜……あんなもの拾っちゃダメェ〜」

ここで吹いた。
シン(外見キラ)がすでにラクス拾っちゃったって言ったらキラ(外見シン)はどうするんだろう。
730通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 22:39:29 ID:???
ヤバイ、久しぶりに本気でワロタwww

>>729
脱出ポッドって聞いた時点で拾ったのは気づいちゃってるだろう、多分。
だからこそこの台詞かと。
731通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 22:40:05 ID:???
>>727
そりゃいきなりヤマト隊とか言い出したら拒まれるだろ普通w
732通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 23:44:30 ID:???
シン(中身キラ)は完璧にマユの虜になったわけだが、フレイのことはどうすんだろ
ムウと一緒にフラグブレイカーか
フレイをキラ(中身シン)に押し付けた隙に、マユ道の第一人者の座を狙うのか
733通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 23:47:47 ID:???
個人的にはナタルフラグを育てて欲しい俺がいる。
734通常の名無しさんの3倍:2007/10/02(火) 01:04:56 ID:???
ロドニアを忘れてないか。
735通常の名無しさんの3倍:2007/10/02(火) 01:06:59 ID:???
どうでもいいけどこいつら嫁いるんだよな?
736通常の名無しさんの3倍:2007/10/02(火) 01:12:25 ID:???
>>735
キラ様:飼い殺し(嫁はエカテリーナ)
シン:絶賛別居中(嫁の方には未練有り)

現実はキビシーな
737通常の名無しさんの3倍:2007/10/02(火) 01:13:03 ID:???
感動のシーンだなw
君は僕に似ているが本編よりも効果的な感じで脳内に流れた
738通常の名無しさんの3倍:2007/10/02(火) 01:48:13 ID:???
>>737
効果的過ぎw
739通常の名無しさんの3倍:2007/10/02(火) 02:32:09 ID:???
桑島フラグ盛り合わせ(ナタルフレイステラ)を期待してる。
740通常の名無しさんの3倍:2007/10/02(火) 02:41:36 ID:???
更新乙
もうなんか色々だめだ
この主役三人w
741通常の名無しさんの3倍:2007/10/02(火) 16:42:47 ID:???
ラスボス…というか、例えばTVのクルーゼみたいな黒幕というのではなく
最強の敵パイロットという意味だが…はニコルになりそうだなここの場合。
742通常の名無しさんの3倍:2007/10/02(火) 19:28:34 ID:???
こいつらなら間違いなくマユの名の下に世界を変えるw間違いないw(二回ry
743通常の名無しさんの3倍:2007/10/02(火) 20:20:15 ID:???
キラ(中身シン)はアニキとアスランに囲まれる恐怖のフラグが一番立ってるけどなw
744通常の名無しさんの3倍:2007/10/02(火) 20:42:27 ID:???
ラストはキラ(中の人シン)が、弟子のフレイと、ドミニオンからスパロボWの劾よろしく救い出したナタルを連れて、ロドニアにステラを助けに行くよ
745通常の名無しさんの3倍:2007/10/02(火) 20:49:26 ID:???
キラとシン「「マユの名の下に!!」」
746通常の名無しさんの3倍:2007/10/02(火) 20:58:52 ID:???
>>745
何そのある種の過激度はブルコスとは比べ物にならない組織
747通常の名無しさんの3倍:2007/10/02(火) 21:42:14 ID:???
キラ(中身シン)がマユの兄…というか義兄となる為に、
カガリとシン(中身キラ)を結婚させようとすると壮大で迂遠な妄想が見えたぜ。
748通常の名無しさんの3倍:2007/10/02(火) 22:12:22 ID:???
>>747
その手があったか!
749通常の名無しさんの3倍:2007/10/02(火) 23:17:34 ID:???
キラルート
「隠しエンディング おれがあいつであいつがおれで」
のフラグ成立を確認しますた!
750通常の名無しさんの3倍:2007/10/02(火) 23:23:27 ID:???
>>747
なるほど、そうすりゃどちらもマユの兄か!!
751通常の名無しさんの3倍:2007/10/03(水) 00:07:35 ID:???
キラはカガリとマユを比べて嘆きそうな気がする
752通常の名無しさんの3倍:2007/10/03(水) 01:42:17 ID:???
出撃時↓

マユ「お兄ちゃん、キラお兄ちゃん、頑張ってね!」

キラとシン「「マユの為に!!」」
753通常の名無しさんの3倍:2007/10/03(水) 02:56:39 ID:???
追加で凸はどっかから沸いて出てきて
「キラの為に!!」
754通常の名無しさんの3倍:2007/10/03(水) 04:07:10 ID:???
>>753
キラとシン「「ロイヤル・スカーーーーーーーーーーッシュ!!!!!」」
(クロスボンバー、地獄のネジ回し、ロングホーントレイン、ライダーダブルキック、
 ウルトラダブルフラッシャー、ブレーザーカノン他ツープラトン技なら何でも可)
755通常の名無しさんの3倍:2007/10/03(水) 04:48:45 ID:???
そういや、ザフトにいると思われる逆行キャラは誰なんだろうな。
756通常の名無しさんの3倍:2007/10/03(水) 05:01:22 ID:???
ラクス……? の線はないだろうから、イザークか炒飯か。
ルナマリアの可能性もあるか。

あるいはレイinクルーゼだったりして……?
757通常の名無しさんの3倍:2007/10/03(水) 07:43:54 ID:???
>>747
それが真のデスティニープランか
758通常の名無しさんの3倍:2007/10/03(水) 11:07:17 ID:???
なんだか美味しんぼのワンシーンが思い浮かんだな
マユのエビチリ
759通常の名無しさんの3倍:2007/10/03(水) 14:41:43 ID:???
>>757
真の、というかシンのデスティニー(ry
760通常の名無しさんの3倍:2007/10/03(水) 18:11:00 ID:???
なんというウロボロス
まさに穴兄弟w
761通常の名無しさんの3倍:2007/10/03(水) 18:35:12 ID:???
最終的な乗機が気になるな・・・
シン(中身キラ)特製オーパーツ?の塊のデスティニーになるか
ストライクに変な装備つけるか
ラクスにとっつかまって原作どおりフリーダムになるのか・・・
762通常の名無しさんの3倍:2007/10/03(水) 18:50:54 ID:???
まあ、このまま順当にいけば魔改造されたM1だろうけど……

あと、ZAFTの逆行者は議長がいいな議長。んで、前世の敗北について
若さゆえの過ちは……とかいってくれwww
763通常の名無しさんの3倍:2007/10/03(水) 18:52:38 ID:???
>>761
今の2人だとラクスなんて蹴っ飛ばしてマユ様のために!!のような気が。
764逆行のシン⇔キラ:2007/10/03(水) 18:53:26 ID:???


凄く有意義な時間を過せた……マユ道。奥が深いよ。
これで、後は今頃落ち込んでるフレイを慰めて……フレイとマユちゃんで両手に……あれ?
「おい、急げよ!」
そう言って僕の手を掴んで走り出すシン……でも外見は僕なんだ。
あれ? ……ってことはさ、フレイは……シンと?
元の世界でシンは………凄く女の子に人気があった……軍人限定だけど。
そして、噂が広まった。
さすがゴッドフィンガーのパクリはアスカのお家芸ね♪ だって……
ま、まさかフレイもゴッドフィンガーの餌食に!?
う、嘘だよね? そんな、シンは僕がフレイの事を好きだって……でも、僕がこの世界に居ることを
彼は知らなかったんだし……シンがフレイみたいな可愛い子を見逃すはずが……
「ね、ねえシン……」
「ああ、そうだ。俺のことをシンって呼んだら不味いだろ?」
「あ!」
「俺も、シンって呼ぶからキラさ…じゃ無く、シンも俺のことキラって呼んでくれよ」
「え、え〜とキラさん?」
「自分の名前に、さんって付けるの言い難いだろ?」
「う、うん」
「呼び捨てで良いよ。シン」
「分かった。キラ」
……って、そうじゃ無くて!
あ! もうすぐ、目的地に着いちゃい……
「コラ! 遅いじゃない! 何処に行ってたのよ。この馬鹿は!」
「スマン!」
え?………………
「アンタさ、自分の立場分かってる? ここはオーブのモルゲンレーテで、私達は連合なの」
「分かってる。そう怒るなよ。フレイ」
……何で?



第20話〜〜嬉しくて悔しくて……
765逆行のシン⇔キラ:2007/10/03(水) 18:54:31 ID:???
「え? キラ、見つかったの?」
「あ、ホントだ」
トール、サイ……それにカズイとミリィも……
「ホントに呆れた。この子が、お兄ちゃんとお話してるって言ってくれなかったら、脱走兵扱いされても
 おかしくないわよ」
「いや、反省してるって……ありがと、マユ」
「いえ、そんな……お兄ちゃんとのお話は終ったんですか?」
「まあ、後で、また話そうと思ってるけど……」
「え? じゃあ、キラと一緒に居る子が?」
「はい。マユのお兄ちゃんです♪」
「へぇ〜〜この子が噂の天才少年」
そう言いながら、近付いてくるフレイ……何で?
「初めまして。私はフレイ・アルスターよ。よろしくね」
……何で、そんな眩しい笑顔を……
「おい、何だ? その天才少年って?」
「いや、凄いのよ彼。私と1つしか違わないのに、このM1のOSを作って、しかもMS戦の教官 
 なんだって」
「ああ……」
「ああ、ってアンタね、何でそんなに冷静なのよ!…………と、ところで相談が…」
「却下!」
「ま、まだ何も言ってない!」
「どうせ、M1が欲しいって言うんだろ? こんなの鹵獲したら生きて出られないぞ」
「で、でもさ…」
フレイがM1を?……なんでさ?
「諦めなってフレイ、キラにだって無理な事あるだろ」
トールが呆れながらフレイを嗜めて……それを見ながら、みんなも笑ってて……
「そうだけどさ……でも」
指を咥えてM1を見上げるフレイ……子供みたいに……
「どうしてもダメ?」
「ダメ」
「………あ、そうだ!」
フレイが僕の肩に手を置いて……
「ねえねえ、お願いがあるんだけど……」
「コラコラ!」
766逆行のシン⇔キラ:2007/10/03(水) 18:56:14 ID:???
「なによ?」
「お前……今度はシンに頼む気だろ?」
「……ダメもとで…」
こんなの……だって、僕が知ってるフレイは、オーブに着いた頃……

『なによ! 同情してんの!? あんたが!…私に…?』
『冗談じゃないわ! 止めてよねそんなの! なんで私が! あんたなんかに同情されなきゃなんないのよ!』
『可哀相なキラ…独りぼっちのキラ…戦って辛くて…守れなくて辛くて…すぐ泣いて…だから…だから!
 なのに! なのになんで私が! あんたに同情されなきゃなんないのよ!』

……ずっと泣いてた。僕が傷付けたから……みんなとの距離は離れて……
それなのに……
「フレイ、迷惑かけすぎ」
「ホント、子供みたい」
「だって……ねえ、シン……え? 何で泣いてるの?」
「お兄ちゃん?」
「おいおい……フレイ」
「貴女ね……」
「え? 私の所為?」
シンが苦笑しながら僕を見てる……だって……
「ゴ、ゴメンね」
「ち、違う……」
僕が泣いてるのは、彼女の所為であって、そうじゃ無い。
僕はフレイが笑っているのが、みんなと笑い合ってるのが、みんなが気を使わずにフレイを責めてるのが、
そんな自然な、ちょっと乱暴だけど……でも、僕が好きになった頃のフレイが、今ここに居るのが、
嬉しくて……涙が出てきた。



767逆行のシン⇔キラ:2007/10/03(水) 18:57:17 ID:???


「落ち着いた?」
モルゲンレーテの外の敷地。芝生の上に座った僕にフレイがジュースを持って来てくれた。
「ごめんなさい……」
あの後、シン…じゃ無くて、キラが「フレイが泣かせたんだからお前が面倒見ろ」って言って、僕たちを
追い出した。
多分、気を使ったんだろう。僕がフレイと話せるように。
「ホントにゴメンね。まあ、あんな無理なこと言われたら困るよね」
「い、いや、その……」
誤解なんだ。いくら何でも、そんな事じゃ泣いたりしない。でも、正直には言えない内容だから……
「あの……お友達と…仲良い…よね」
「え? う〜ん……そうかな? これが普通だから分かんないけど……でも、みんな良い人だよ」
普通……そう、これが普通だった。でも変わったんだ。僕の所為で……
「シン君は友達少ないのかな?」
「え?」
「いや、悪い意味じゃ無くね、その歳でMSのOS作ったり、MS戦してたら、やっぱり、友達付き合い
 減っちゃうかなって」
「う、うん……」
「そうか……う〜ん……じゃあ、友達になろっ。みんなに紹介してあげる」
「へ?……何で?」
「え? え〜と……」
……はは…今度は僕が同情されて…
「…お礼」
「え? お礼って…僕は何もしてないけど?」
「ううん。気付かせてくれたから。私が幸せだって……私、MSやMAに乗って結構無茶してるけど、
 みんな心配してくれて……そんな立場が幸せだって、気付かせてくれた」
「いえ……そんなこと……へ!? モ、MSやMA!?」
「え? な、なにかな?」
「の、乗ってるの!?」
「う、うん……こ、この前の戦闘でもスカイグラスパーに……」
「うそ……」
あ、あれカガリじゃ無かったの?……凄く強い気がしたんですが?
768逆行のシン⇔キラ:2007/10/03(水) 18:58:24 ID:???
「そ、そんなに意外?」
「え、ええ……」
「やっぱり……」
頭をかきながら苦笑するフレイ。
そ、そう言えば、元はと言えばフレイがM1欲しいって言い出して、そのタイミングで僕が泣いたから
こうなってんだよね……
でも、何が、どう転んだらフレイがパイロットになるのさ?
「あ、あの……なんでパイロットに?」
「え!?……それは……聞きたい?」
困った顔で訊ねてくる……言い辛いのかな? でも凄く興味が……
「その……言いにくい事?」
「まあ……言い辛い…かな?」
な、何があったの?……凄く聞きたい……後でシンに聞けば分かるかな?
「……そうね。聞いてもらおうかな…」
「いいの?」
「……誰にも言わないって約束できる?」
黙っておきたい内容なんだ……尚更知りたい。
「出来ます」
「嫌な……話だよ。私の事、軽蔑すると思う……それでも良い?」
真剣な彼女の瞳に吸い込まれそうになりながら、僕は頷いた。
「うん。じゃあ、話すね……正直言うと、本当は誰かに聞いて欲しかったから……」
そう言いながら、フレイは僕から視線を外し、空を見上げた。
「私、小さい頃にママが死んじゃって、家族はパパだけだった」
……それは知ってる。
「だから、パパのことが大好きで、かなりパパの影響を受けてる。コーディネイターに対する価値観
 とかね……私、コーディネイターが嫌いなの」
僕をチラッと見ながら爆弾を落す。……でも、それも知ってる。
「……驚かないんだ?……まあ、いいわ。でも勘違いしないでね。私、キラもシン君も嫌いじゃ無いよ」
「……ありがとう」
「まず、嫌な話の1つ。でも、これで終わりじゃ無いから……」
僕は頷いて先を促す。
「……あとね、私は婚約者が居た。パパが決めたね。だから彼に愛されるように努力した。彼を
 愛してるからじゃ無く、パパに喜んでもらうために……」
769逆行のシン⇔キラ:2007/10/03(水) 18:59:36 ID:???
そうだったんだ……でも、僕がサイから彼女を奪った事実は消えない。
「それでね……そんな大好きだったパパが死んだの……私の目の前で……」
彼女の口から話される内容は、僕が経験した事と殆ど一緒だった。
「私、憎んだわ……パパを奪ったコーディネーターを……そして、守れなかったキラを」
……それも、知っている。僕は憎まれて当然だ。
「だから考えたの……復讐する方法を……私は、キラを利用して、ザフトのコーディネイターを
 皆殺しにしようと思ったの」
……それは…知らなかったけど、検討は付いていた。多分、そんな事だろうって……
「それで、私……軍に志願した。理由はキラに戦わせるため……私が残れば、キラは心配して残るって
 思ったから……キラだけじゃ無い。友達を、みんなを巻き込んで……」
うん。憶えてる。それから話す内容も同じだった。
「……そして、私はパイロットスーツを握って待っていたの……きっと、キラは来るって信じて……
 そして、彼は来た」
知っている。その時、君は僕に……
「そしたらね。アイツって馬鹿でさ♪」
知っている。シンは馬鹿だ。それもハイレベルの……って、何か大笑いしてるんだけど……
「後で分かったんだけど、アイツね、私が本気でパイロットになりたがってるって思ったの」
「へ?」
「ホント、しょうがないよねぇ〜」
「え〜と……」
「それからさ、私、誘惑するつもりで、彼の部屋に行ったの……そしたらね。俺に任せろぉ! とか
 言いながら、いきなり訓練が始っちゃったの」
……シン…君、面白すぎ……
「いやぁ〜、初日はまだ楽だったんだけど2日目からは、もう地獄だったわ。
 こっちが、これ以上走れないって倒れたら、いきなり頭を踏みつけてさ、乙女の頭を土足でよ! 
 しかも、パパの悪口まで言うのよ! 親子揃って役立たずって! 頭に来るわよ!」
「ひ、酷いね……」
彼の訓練が厳しいって事は知ってるけど……本気で容赦が無い。
「う〜ん……でもね、実際さ、私って役に立ってなかったのよ。アークエンジェルで、みんなは仕事が
 あるのに、私だけ雑用しか出来なくて……私が巻き込んだのに、申し訳なく感じてたの……」
たしかに、みんなはブリッジの仕事があったけど、フレイには……
「だから、もう怒りをパワーに代えて、地獄の訓練を頑張った! もう、馬鹿キラになんか頼らない! 
 私が自分の手で戦うんだ!ってね」
話し始めた時の後悔に満ちた悲しい顔では無い……自信に溢れた凄く眩しい笑顔…
770逆行のシン⇔キラ:2007/10/03(水) 19:00:44 ID:???
「それから、初陣で……敵は倒せなかったんだけど、何とか生き延びて……その時は勝手に
 飛び出しちゃったから、怒られるなぁ〜って、ビクビクしながら帰ったんだけど、何かね、中尉の
 発案でパーティーが始ったの……私が初陣から無事に帰れたことを、みんなが祝ってくれた」
中尉ってナタルさん?……意外な人が意外なことを……
「何か嬉しくて、自分の居場所を見つけた気がして……少しだけど負い目が無くなって……
 訓練に夢中になってて、壁が出来ていたみんなと笑い合えた。謝ることが出来たんだ」
その時のことを思い出してるのか、本当に嬉しそうな笑顔でフレイは語る。
「一応、その夜はキラにもお礼を言おうと思ったんだけど、なんか少佐と話し込んでて、ロドニアが
 どうとか、変なこと行ってたから、何も言えなかったな……
 考えてみれば、全部、あのバカの勘違いのお陰なんだよね」
……うん。彼が、そこで勘違いをしなければ……
「その後の戦いで、バルトフェルドさんを倒したキラと一緒に、凄いの見ちゃって……」
それから語られた事は、僕にとって意外だった。バルトフェルドさんと彼を守ったアイシャさんの姿に
衝撃を受けたって……
え? じゃあ、バルトフェルドさんは、今はアークエンジェルに……って事はだよ……ラクスが戦艦を
盗めなくなって……ナイスだシン! もう最高だよマイフレンド!
「で……って聞いてる?」
「き、聞いてる」
「じゃあ、続き。その戦闘の前にキラと話ししたんだ」
「何を?」
「どうやったらコーディネイターを滅ぼせるのか……その時は分からなかった。だって、今居る
 コーディネイターがみんな死んでも、多分新しく産まれるはず……そんなの滅ぼせない」
「うん……そうだね」
そう。世の中には、僕の父親みたいな人が居る。あの後だって…
「だから、私は考えた。そして、私なりの方法を見つけた」
「え?……見つけたの?」
そんな方法が……
「コーディネイターは人の欲望の産物て言うけど……でもね、コーディネイターになりたいって思っても、
 それは不可能なのよ。だってコーディネイターかどうかは産まれた時に決まってるんだもの。
 本人が望むにしろ望まないにしろ……でしょ?」
「う、うん」
「だから、人は子供に夢って名の欲望を託す……託される方の迷惑も考えずにね。
 つまり、言ってみれば欲望を押し付けられた存在なのよ」
「……そうだね。その通りだよ」
771逆行のシン⇔キラ:2007/10/03(水) 19:02:37 ID:???
「自分がやりたくて出来なかった事を、子供にさせようなんて変よ。絶対に変! 
 でも、キラを利用しようとした私は、その変な親と本質的に同じなんだと思う。だから私は……」
もう1度、空を見上げる。そして、自分の決心した事をゆっくりと吐き出す。
「……今まで、コーディネイターの、専売特許だった、MSの、パイロットで、一番になる。
 キラよりも、ザフトのどのパイロットよりも、もちろんオーブのパイロットよりも強くなる。
 ナチュラルの、私が、それをやる。ナチュラルだって頑張れば、コーディネイターに負けないって
 証明してやる。そして目立ってやる。そして、今の考えを世界中に言ってやる。
 そうすれば、自分の子供をコーディネイターにしようなんて、誰も思わなくなる……と思う。
そうすれば、コーディネイターは消える。それが私の復讐……パパを殺したコーディネイターと
 過去の私に対する」
最後はちょっと自信なさそうだったけど……それでも…
「引いたでしょ。変な女だって思った?」
…決意した彼女の姿に心を奪われたから。
「M1に……乗ってみる?」
「え?……良いの?」
「アークエンジェルに渡すわけにはいかないけど、データを取りたいって言えば、訓練で乗せる事は
 出来ると思う……いや、絶対に許可を貰う」
「ホントに?」
「うん。約束する。多分、連合でもMSの開発は進んでいる。だから、君が連合に戻ってもM1で
 訓練した経験は無駄にならない」
実際に、連合は開発を進めている。そして、それはアークエンジェルの到着を待つまでも無いレベル
まで達している。
「でも、私はコーディネイターを…」
「別に僕を殺そうってわけじゃ無いんでしょ?」
「も、もちろん! それに生きてるコーディネイターを皆殺しとかは、もう思ってないから」
「だったら、問題は無いよ。僕もフレイの考え、悪くないと思うから……応援する」
「あ、ありがとう!」
……やっぱり、眩しい笑顔だ。僕が好きになった女の子。
でも、僕はその笑顔を奪った。それに比べてシンは……
今の僕が、そのまま昔の自分に戻っても、こうは成らなかったと思う。だって、シンは彼女を自分と
重ねたからこその勘違いをしたんだから……僕では出来なかった……
僕は、フレイの笑顔が再び見れて……その事が、とても嬉しくて……同時に、とても悔しかった。



 
772逆行のシン⇔キラ:2007/10/03(水) 19:04:22 ID:???


僕とフレイが戻ると、そこには……
「へ〜え、料理が得意なんだ。俺もマユちゃんの手料理、食べたいなぁ〜」
「そ、そんな……あの、だったら今度お弁当を作ってきましょうか?」
「ホントに! 感激だなぁ〜♪ あ、それとね、そんな他人行儀な喋り方しなくて良いよ♪」
「え、えっと……」
「どうせだから、お兄ちゃん、って呼んでね♪」
……コイツは……僕がちょっと目を離した隙に……さっきは尊敬も感謝もしたけど、それとこれとは
話が別……
「ちょっと…」
「この、馬鹿ぁぁぁ!」
「ん? って、待て! な、何で蹴るんだよ!?」
……フレイ? 何で怒ってるの?
「アンタね! 何、こんな小さい子を口説いてるのよ!?」
「べ、別に口説いては……」
「顔赤くして何ほざいてる?」
「お前、ホントに最近、言葉遣い乱暴だな……」
「煩いわね! それより訓練はどうしたの!?」
「ああ、あれ…」
「え?……何よあれ?」
シンが指差す方を見ると……
「きょ、教官……負けました」
「手も足も出んとは……ふ、不甲斐ない!」
……オーブの精鋭たちは、精神が屍と化していた。
まあ、シンの前ではこんなものかな……でも、
「じゃあ、僕とやろうか?」
「へ?……本気かよ?」
「もちろん」
「……今の俺に、今のアンタが勝てると思ってるのか?」
小声で聞いてくる……その余裕の態度が気に入らない。
「やってみなきゃ、分からない事ってあるよね?」
……負けるもんか!



773逆行のシン⇔キラ:2007/10/03(水) 19:05:31 ID:???


「なあ、いい加減に泣き止めよ」
「うるさいな! ほっといてよ!」
何を張り切ってたのかは知らないけど、キラさんの身体を持った俺が、子供の頃の俺の体のキラさんに
負ける可能性なんて、それこそ万分の一も無いんだから……それで、負けて泣かれても……
「キラ、最低」
「子供泣かすなんて……」
……でも、俺は何故か悪役に……どうしよ?
「ねえ、シン」
「うう……フレイ?」
お! 頑張れフレイ! 慰めてやれ!
「悔しい?」
「うん……」
「だったら頑張ろ。それで強くなろうよ。私と一緒に」
「フレイと……?」
「そう、一緒にこの馬鹿をやっつけようよ」
馬鹿ってなんだ! だいたい、お前は師に対して無礼すぎる!……でも、ここは黙っておく。
俺って大人だな。
「……うん」
「よし♪ じゃあ、ムカツクけど、この馬鹿は戦術とか戦闘技術は高いから、恥を忍んで、すっごく
 我慢して、教えを請いましょ♪」
…………なんか、無茶苦茶言われてない?
「分かった……我慢する」
「よし♪ それじゃあ……そういう事だから、宜しく」
「習ってあげるから、頑張って教えてね。ついでにオーブ軍も」
「「「よろしくお願いします!!!」」」
なんだろ? 凄いムカツクんだけど? でも、逆らえないこの空気…………
こうして、俺はアークエンジェルの修復が終るまで、オーブ軍の戦闘指導をすることになった。



続く

774通常の名無しさんの3倍:2007/10/03(水) 19:09:48 ID:???
GJ!! GJ!!

ここまでキラ(外見シン)の方が駄目人限度が高かったのに、
マユと再開してシン(外見キラ)の駄目人限度が一気にブーストしてきたなぁ。
フレイのヒロイン度が素敵。
775通常の名無しさんの3倍:2007/10/03(水) 19:15:04 ID:???
なんかもうどっちもダメ人間だから、両方居るとどっちだかわかんねぇなw
776通常の名無しさんの3倍:2007/10/03(水) 19:37:32 ID:???
やっぱりシンの方が凄いのかw
GJ
777通常の名無しさんの3倍:2007/10/03(水) 19:43:03 ID:???
基本的にギャグ物なのに、時たまジーンとさせられるんだよなぁ
778通常の名無しさんの3倍:2007/10/03(水) 19:46:19 ID:???
>え? じゃあ、バルトフェルドさんは、今はアークエンジェルに……って事はだよ……ラクスが戦艦を
>盗めなくなって……ナイスだシン! もう最高だよマイフレンド!
なんていうか吹いたw
779通常の名無しさんの3倍:2007/10/03(水) 19:50:42 ID:???
>さすがゴッドフィンガーのパクリはアスカのお家芸ね♪

って、おいw
780通常の名無しさんの3倍
そういや次あたりでアスランたちがオーブに忍び込みそうだな・・・
アスランだけ単独行動とってこっちからキラの匂いがするとかいいつつ(ry