種・種死のキャラがX世界に来たら 月の公転3周目

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1通常の名無しさんの3倍
スレの運営につきましてはマタ〜リと進行しますのでよろしく
関連スレ・サイトは>>2以降
>>荒れ防止のため「sage」進行推奨<<
レス数が970を超えるか、スレ容量が450KBを超えたら次スレを立ててください

・SS作者には敬意を忘れずに、煽り荒らしはスルー
・本編および外伝の叩きは厳禁
・種キャラのみの話にならないように
 ここがクロスオーバースレであることを考慮して下さい
・スレ違いの話はほどほどに

本編と外伝、A.W.とC.E.両方のファンが楽しめるスレ作りに取り組みましょう
2通常の名無しさんの3倍:2007/04/24(火) 09:37:26 ID:???
過去スレ
種・種死のキャラがX世界に来たら 月の公転2周目
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/shar/1165365910/
種・種死のキャラがX世界に来たら
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1153316471/

兄弟スレ
ガロード達が種・種死世界に来たら -風景画9枚目-
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/shar/1174678265/

まとめサイト
GX-P 様
ttp://aw0015.hp.infoseek.co.jp/

GX-P 「ディスティニー in A.W.0015」(作者トリップ:◆nru729E2n2)
ttp://aw0015.hp.infoseek.co.jp/DinAW/DinAW.html#ss2a
ttp://aw0015.hp.infoseek.co.jp/DinAW/DinAW2.html#ss2b

GX-P 「機動新世紀ガンダムXアストレイ」(作者トリップ:◆XGuB22wfJM)
ttp://aw0015.hp.infoseek.co.jp/DinAW/hoshu.html#ho
3通常の名無しさんの3倍:2007/04/24(火) 10:02:23 ID:???
「見える…見えるぞ! まるで全てが>>1乙!しているようだ!
フフハハハ…! 素晴らしい!!」
4通常の名無しさんの3倍:2007/04/25(水) 01:19:17 ID:???
>>1に乙が降るごとく・・・
5通常の名無しさんの3倍:2007/04/25(水) 02:12:11 ID:???
>>1乙はいつもそこにある
6通常の名無しさんの3倍:2007/04/26(木) 16:55:33 ID:???
おっつん
7通常の名無しさんの3倍:2007/04/26(木) 22:02:50 ID:???
>1乙でございます
8GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/04/29(日) 13:44:35 ID:???
なんか新スレが立ってますね
>>1乙です

ですが、2周目スレが埋まってからこっちに投下するようにしますので
よろしくノシ
9GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/04/29(日) 13:49:07 ID:???
ってよく見たら2周目スレすでに500Kこえてるし…
そういうわけで3周目初投下!!

第五十九話『アスラン・ザラに会わせろ!!』(前編)

 翌日、フリーデン一行はエスタルドの首都にある軍事基地に到着していた。戦後作られたその基地はまだまだ真新しい部分がおおく、
兵士達も若い。MSの数もそれなりにそろっていたが、新連邦政府と戦うことを考えると戦力としてはやはり心もとないものがあった。
「へぇ…、これがパイロンか…。」
艦を降りて、MS格納庫に入ったシンが目にしたものは、整然と並ぶエスタルド、ガスタール、ノーザンベルが共同開発した
MS『パイロン』であった。
 シンの知る量産型MSといえばプラントならゲイツやザク、地球連合のものならダガーやウィンダム、オーブのものなら
M1やムラサメなどがある。しかし、このパイロンはそのどれよりも機敏さを感じさせない寸胴のような体型であった。
ディスティニーの腰周りほどの太さの脚、同じく脹脛ほどの太さの腕。アンテナや翼といった付属パーツが少なく、
ほぼ曲面のみで四肢は構築されている。胴体もまさに”寸胴”という表現がふさわしく、ウエストのくびれがほとんど見られなかった。
 今までに見たことの無いタイプのMSにシンはただただ驚くばかりである。
「共同開発したって言ってたけど、ガスタールとノーザンベルにも同じMSがあるのか?」
「ああ、何でも機体の色が違うだけで基本は同じらしい。」
「へぇ……。」
 3つの国が互いに協力し、同じ量産機を使う。それぞれの国が小さいからこそできたことなのだろうが、すべての国がそのように
協力する事ができたら国家間での戦争をなくす事ができるかもしれない。
「三国同盟の象徴なんだな…。」
 立ち並ぶパイロンを横目に見ながら、シンはそれらに好感を持った。
 しかし、立ち並ぶ紺色のパイロンの列の最後尾に立つ”あのMS”を見た瞬間、彼は顔を凍りつかせ、走り出した。
「お、おいシン!?」
 ガロードが何かを言ったようであったが、彼にとってはどうでもよかった。今大事なことは、”あのMS”がここにあるのか
どうかだけである。もし有るのとすれば、それは”あの男”がここにいると言う事を意味した。
「…間違いない…、ってことは…!」
 “あのMS”を確認したシンの瞳に憎しみの炎が燃え上がる。それと同時に、リー将軍が数名の部下と共に入り口から堂々と入ってきた。
「フリーデンの諸君、良くぞ来てくれた。我々は君たちを歓迎しよう!」
「…あんたが、軍の代表なのか?」
 歓迎の言葉でフリーデンのクルーを向かえる将軍に、シンは階級や上下関係などをまったく考えないで話しかけた。
自分の半分も年を取っていない少年に口語で話しかけられた将軍は表情を固くする。
「いかにも、わしが将軍のリーだ。それから小僧、目上の人間には敬語を使うように教育されていないのか?」
「俺たちはあんた達の”協力者”であって”部下”じゃない。」
上から見下ろす将軍をシンはまっすぐに見つめ返す。二人がじっとにらみ合いをしている姿にみなは注目した。
「…フム、確かにそうじゃな。」
目を伏せて将軍は彼の意見を認めた。そして、今度はさっきとは打って変わってやさしい表情で彼に目を向けた。
「君は、何度も修羅場をくぐってきたようだな。」
「君じゃない、俺はシン・アスカだ!」
「それくらいにしておけ。」
ジャミルは将軍と話すシンを止める。二人が話すことには別に問題はないが、今回は今後のことを話さなければいけないので時間的な余裕が無い。
10GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/04/29(日) 13:51:13 ID:???
第五十九話『アスラン・ザラに会わせろ!!』(中編)

「おお、これはジャミル殿。今回の貴殿達の協力、まことに感謝いたしますぞ。」
「町の惨状はここに来る前にクルー全員が見てきました。全面的に協力させていただきます。」
「ではこちらへ。作戦の内容を説明いたします。」
「待ってくれ!!」
ジャミルを作戦室へ案内しようと歩き始めた将軍にシンは食い下がった。彼の行動に少し驚いた様子で将軍は目をパチパチとさせる。
「な、何だね?」
「俺をあいつに…、アスラン・ザラに会わせろ!!」


「うわスッゲー! こんないい部屋初めてだぜ!」
 真っ赤な絨毯に紺色のカーテン、さらにしわ一つ無く整えられたベッドにすべてのタイルがピカピカに磨き上げられたバスルーム、
フリーデンの自分の部屋とはまるで違うきらびやかで隅々まで清掃の行き届いた内装にキッドは感嘆の声を上げた。
「おい見ろよガロード!! ベッドだってこんなにでけーぞ!!」
「あんまりはしゃぐなよ…。」
クルーの人数が多いため、彼らに割り当てられた部屋はそれぞれ2人で使うことになった。
 キッドと同じ部屋になったガロードは、部屋の中ではしゃぎまわる彼を見てあきれた様子で頭を掻いている。
「だって今までこんな良い部屋に入ったことねーんだも〜ん!!」
「ハァ…、そういうところは歳相応のガキンチョなんだな。」
「んだよぉ! 喜んじゃいけねぇのか!? フリーデン以外でまともに生活したこと無い俺に取っちゃ、初めてなんだぞ!! 少しは感動を噛み締めさせろよ!!」
「わかったわかった。俺は外でちょっと時間つぶしてくるから、その間しっかり感動を噛み締めてくれ…。」
 部屋のベッドをトランポリン代わりにして跳ね回るキッドを残し、ガロードは部屋を後にした。
 
 部屋を出て建物の中を歩き回ってわかったことだが、今回彼らはかなり良い扱いを受けている。リー将軍の計らいとはいえ、
割り当てられた部屋は国賓クラスが滞在する際に使用される部屋であった。
「俺の場合、あんな部屋じゃ落ち着かねぇんだよなぁ…。」
 そう言いながらガロードは2階にある食道へと足を向けた。時計は2時を回っており、遅めの昼食を取る人が数名いるだけで、人影はまばらだった。
「お、ガロード!」
名前を呼ぶ声の聞こえた方向に目を向けると、ティファとテクス、シンゴとサラとトニヤといった面々が窓際の席で休息を取っていた。
「皆も来てたんだ…。」
「だって、なんだか落ち着かないんだもん。」
 トニヤはそう言いながらカップに入ったカフェオレをかき混ぜる。いつもとは違いすぎる環境に彼女達も少し戸惑った様子であった。
「…そうね。なんていうか…、雇われた側の私達の待遇があまりにもよすぎるのよね…。」
「それだけ、俺たちの仕事に期待してるってことだろ?」
「そう考えるのが自然だろうな。エスタルド政府からすれば、新連邦軍の爆撃基地を破壊する手段が降って沸いたようなものだからな。」
 トニヤ同様戸惑いの色を見せるサラにシンゴとテクスは今回の事の重大さを率直に口にした。
今度新連邦軍に対して行われる作戦は、エスタルド、ガスタール、ノーザンベルにとっては新連邦軍からの脅威を退けるための
大切な作戦である。そして、その作戦の最大の鍵となるのがダブルエックスの”サテライトシステム”であった。
11GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/04/29(日) 13:53:17 ID:???
第五十九話『アスラン・ザラに会わせろ!!』(後編)

「ガロード…。」
「…………。」
 ティファは沈んだ表情のガロードを心配そうな面持ちで見つめた。
ガロードからは”できることなら撃ちたくない”という気持ちははっきりと伝わってくる。
その一方で、”撃たなければエスタルドの市民が再び犠牲になる”ことを理解していることも伝わってきた。
 目の前で板ばさみになって悩むガロードの姿に、彼女も心を痛めていた。
「サテライトキャノンを撃てば勝てるだろうが、”勝利のための多少の犠牲”ではすまないからな…。」
 テクスはつらい現実を口にする。午後の静かなひと時を重い空気が支配した。
「そ、そういえばシンは?」
「さぁ? えっと…誰だっけ? さっき将軍に会わせろって喚いてたじゃない。」
重たい空気を振り払うためにガロードは話題を変えた。シンは将軍の部下に連れられて別の場所へ行ってからまだ戻ってきていない。
「確か、アスラン・ザラと言っていたな。」
「カガリから聞いたことあるわ。彼女達知り合いだったはずよ。」
「え? じゃあさじゃあさ、もしかして三角関係?」
「さ、さぁ…?」
 テクスとサラの話の中で出てきた情報を元に、まだ会ったことも無いアスランの話をトニヤはティファに振る。
ティファはただどう返答していいかわからず首をかしげた。
「おいおい、ティファにそんな話を振るなよ…。」
「えー! 良いじゃん別に? 別に減るもんじゃないし。」
 ねー、とトニヤは横目でティファにまた同意を求める。引きつった笑みを返す彼女は、内心どういう返答をすればいいのかわからなかった。
「まぁ、シンたちと関係が有ることは間違いないだろうけどな。あのMSの装甲、おそらくあの変色装甲だろうし…。」
 シンゴは腕を組みながら”あのMS”の姿を思い出す。シンが目の色を変えたMSはガンダムタイプであった。
しかも、ディスティニーと同じように灰色の装甲をつけていることを考えると、起動すれば装甲の色が変わることは予想できる。
「ま、なんにしても後でじっくりと話を聞かんといかんな…。」
 そういうとテクスはカップに残ったコーヒーを飲み干した。


「まさか、あんたと戦場以外で会うことになるなんてな!」
部屋に入って彼の姿を確認すると、シンは怒気の混じった声では口を開いた。部屋の主は椅子に座ったまま、彼を見つめる。
「何とか言ったらどうなんだ!? この裏切り者!!」
「…あんまり騒ぐな。周りに響く。」
アスランはそういうと彼を席に座るように促した。
「ここは戦場じゃないんだ…。それに状況が状況だ。」
「俺だって、今あんたといがみ合う気はねぇよ! だけど、どうしても聞きたい事があるんだ!!」
「…それはお互いさまだ。」
 あまり友好的ではないムードの中、かつての仲間同士の会談は始まった。
12通常の名無しさんの3倍:2007/04/29(日) 15:18:55 ID:???
作者さん、3スレ目初投下GJです。

しかし、アスランは珍しく自分から敵意放ってるな。
10中8,9キラと敵対したからだろうが、それだけにAWでも裏切りそうで怖い。
13通常の名無しさんの3倍:2007/04/29(日) 15:41:53 ID:???
GJです。
アスランとシンの会話、次回がどうなるのか気になります。
話せば話すほど、溝が深くなっていきそうな気がするのは、俺だけではないだろう。
特に、キラの話題が出ようものなら、どうなるやら。
前回の、キラの話題がでた直後の、アスランのカガリに対する態度からして……。
14通常の名無しさんの3倍:2007/04/29(日) 16:31:42 ID:???
現時点でのフリーデン一行のキラに対する認識は、当然だけど迷惑な敵でしかも
ヘンな奴、でしかない訳だから、その空気を察したら新連邦に走りかねないな。
それも一人で出奔するんなら厄介払いにもなるけど、カガリかティファを
『悪い環境から助け出す』つもりで誘拐していきそうな危惧が…
15通常の名無しさんの3倍:2007/04/29(日) 17:08:35 ID:???
ティファをさらった方にはもれなく炎のMS乗りと最強の兵士が地獄を持ってくるから・・・
16通常の名無しさんの3倍:2007/04/29(日) 17:12:22 ID:???
ラクス、キラ、カガリ、アスランと真正面から取り組むのは難しい。
是非とも作者さんには頑張り抜いて欲しい。それと、GJ!
17通常の名無しさんの3倍:2007/04/29(日) 20:26:28 ID:???
何でもいいよ凸アンチの巣にならなきゃ
18通常の名無しさんの3倍:2007/04/29(日) 21:42:01 ID:???
GX氏乙!シンとアスランの再会
これからどうなるのか・・・

ところで保守作品でGXがライフルを三丁装備してるけど
どうやってマウントしてるんだ?エアマスターみたいに腰にマウントしてるのか?
19通常の名無しさんの3倍:2007/04/29(日) 21:52:32 ID:???
腰に1丁ずつと背中に1丁じゃなかったか
20通常の名無しさんの3倍:2007/04/29(日) 22:12:18 ID:???
>更新乙、そして添削

>>9
>新しい部分がおおく | 多く

>整然と並ぶエスタルド、ガスタール、ノーザンベルが共同開発したMS『パイロン』であった。
やや形容が乗りすぎた文章、[ 整然と並ぶ ]に姿などを加えて後に持っていくとすっきりするかも、難癖レベル

>もし有るのとすれば | もしあるのだとすれば

>〜少年に口語で話しかけられた将軍は〜
口語の反対語は文語なので意味合いとしてはズレているかも
もっとも伝えたい所は伝わるので文の形を大事にする場合は妥協できる線ではある

>にらみ合いをしている姿にみなは注目した | 皆

>>10
>部屋を出て建物の中を歩き回って
直前に[ 部屋を後にした ]とあるのでここでことさら強調する必要はないかと、難癖レベル

> 2階にある食道へと | 食堂

>>11
>さっき将軍に会わせろって喚いてたじゃない
より正確を期すなら、会わせろが将軍にかからないよう代名詞を加えておくとよいかも、難癖レベル

>シンは怒気の混じった声では口を開いた | 声で口を
21通常の名無しさんの3倍:2007/04/29(日) 22:18:18 ID:???
>>19
違うよ、両手に2丁持たせてバックパックに1丁装備
(腰に1丁は間違いって後で訂正入ってる)
22通常の名無しさんの3倍:2007/04/30(月) 01:46:36 ID:???
シールドライフルならGXはBPに3丁装備できるけどね
23保守作34  ◆XGuB22wfJM :2007/04/30(月) 11:40:30 ID:???
「全滅!? ローザ一家の荒くれが一人に全滅!? 化け物か……がふっ」
「ふっ、口ほどにも無い」

死屍累々、食堂は酔いつぶれた男どもが倒れ伏す戦場跡だった。
ただ独りの勝者は、虚しい勝利の味を噛み締める。
免疫に加え、肝臓、毒素抵抗を強力に調整されているシンは、酒豪だ。
「息子と思う存分酒が飲みたい!」
そんな我が儘を言った父親がコーディネイトした。
母親はあきれ返っていたが、人生なにがうまく転ぶか分からないものだ。

グラスに残った琥珀色の液体を、ぼんやりと眺めながら、睡魔に身を任せながら、想う。
……そんなことに大金つぎ込んだ父親は阿呆だ。
理想の子供を得られるようになって、行き着いた先が、息子と酒が飲みたい。
……なんて良い父親だったろう。

寂しさを紛らわすように、グラスに残った戦後生まれのウイスキーをあおると、テーブルに突っ伏し
目蓋を閉じる。
「僕も、父さんと飲み比べたかったよ…………おやすみ」
限界を突破していたシンは、周りの飲んだくれ同様、眠りに落ちた。

夢を見た。
いつもの家族が消し飛ばされる夢ではない。眼下に地球を望む、過去の夢だった。
視界いっぱいに広がった蒼。人類の99%が住まう、人類の永遠の故郷。
その姿は、悲しみを一時的に忘れさせるほど雄大で圧倒的だった。
その地球が遠ざかっていったときの不安。そして無慈悲な真空を拓いて築かれた、新たなる人の故郷、
プラントへの希望。
そんな未来へ漕ぎ出した頃の、ひどく懐かしい夢を見た。
24保守作34  ◆XGuB22wfJM :2007/04/30(月) 11:40:50 ID:???

「……ん………」
「あら、起こしちゃったわね」
「ローザさん……?」
霞がかった視界には、男衆に毛布を掛けて回る艦長の姿。
「艦長さんがやらなくても……」
「ふふ、起きた時に、男にかけられたって聞くのと、ワタシに掛けてもらったって聞くのと、
どっちがいい?」
「男って、悲しい」
反論などこれっぽっちも浮かばない。
シンは一家を取り仕切る女の、器量の一端を垣間見たのであった。

水を一杯もらい、ガンガンする頭に活を入れ、シンは居住まいを正した。
「そろそろ話してくれてもいいんじゃありませんか?」
対面に座ったローザは、面白そうにシンの瞳を覗き込み、
「件の町なんだけど、もう向かってるわ」
「……え……」
「いつもモビルスーツの残骸を掻き集めたら、その町に卸してるの。
理由は買取額が他の町より適正なこと。革命軍のモビルスーツに関して、整備や修理の腕が
素晴らしいことよ。もちろん連邦軍のでも扱ってくれるけど。
多分ワタシと同じように回収していたバルチャー艦なら、他にも同じ目的地を目指しているかも」

意味が頭に染み渡るのにしばらく時間がかかった。
「最初からその町に行く気だった……………もしかして謀った」
「全然。たまたまワタシの目的地が貴方を満足させることができたってだけよ。
内心大喜びだったけどね。本当にラッキーだったわ。他の艦長にも質問攻めだったのよ。
どうやってあのガンダム乗りと交渉したんだ、とか。どんな内容で取引したんだ、とか」
顔に手を当て、シンは落ち込んだ。

取引としては正しいが対価が釣り合っていない。こちらは大量にお宝を譲り渡し、向こうは
ジャンクを卸しに行くだけで、情報提供に加え案内のアフターサービスをつけたことになる。
「不公平だ……」
「約束は約束よ。ちゃんと守ったわ」
ああ、狡猾なバルチャーに災いあれ。
25保守作34  ◆XGuB22wfJM :2007/04/30(月) 11:41:22 ID:???
「ねえ、宇宙に行ってどうするの?」
「さあ、考えてません。
ただ人生の先輩に、若い頃は無茶をしろと焚きつけられただけですよ」
「それだけ」
「それだけ」
「それだけで宇宙を目指すの?」
「いけませんか?」
「こんな時代にね。……夢を追うか。眩しいわね」
「いくつになったって、追えますよ」
「あら、口説く気? まだ酔ってるみたいね」
それはそうだ。酔わなきゃこんな台詞言えない。

「…………もしも、宇宙に上がって、そして地球に戻ってきたら、一緒にやっていかない」
魅力的な提案だった。この艦長さんの下なら楽しそうだ。だけど、
「時代は変わります。ずっとバルチャー家業が続くとは思えませんよ」
「そうね。………実のところ、貴方のガンダムにあんなにたくさん群がってきたのは、
対革命軍用に戦略兵器が積んであったって噂があったからよ。その力で新連邦を片付けようってね」
「期待してもらって悪いですけど、俺、ニュータイプじゃないんで宝の持ち腐れなんです」
「そっか、本当に残念………。この家業、気に入ってたんだけど」
「ゆくゆくはリサイクル業者ですかね」
「ドンパチがなくなれば、仲間は死ななくて済むけど、やっぱり違うのよ。
飼いならされたらバルチャーは死んでしまう。叶うなら、このまま自由奔放で刺激のある
バルチャーを続けたい。たとえ、憎まれても、恨まれても」

シンは何も言えない。
その自由さに憧れもするが、自分の歩んできた道は体制側。秩序をもたらす側だ。
法と秩序があって、初めて人は人間として社会を営める。その入隊時の心得を否定したくない。
無秩序と自由は違う。秩序ある平和な社会があって初めて、自由がどうこう言えるのだと、
オーブ生まれのシンは思う。
バルチャーは衰退し消えるべきといういう結論は今も変わらない。変わらないが、ローザのような
人情味あるバルチャーが、せめて傷つかないように衰退していってほしい。
シンは心底そう願うのだった。

シンとローザは食堂で雑談を交わし続けた。
シーバルチャーについての話が弾み、海と陸のバルチャーの生態で盛り上がった。
いつかローザとルマークが出会う日が来れば面白そうだ。

こうしてフリーのガンダム乗りと、陸バルチャーを乗せたローザ艦は、一路目的地へ
向かうのであった。
26保守作34  ◆XGuB22wfJM :2007/04/30(月) 11:41:42 ID:???
時刻にして午後5時頃、シンを乗せたローザ一家は目的の町にたどり着いた。
艦は町の入り口付近の茂みで停止して、ガンダムXとシンを降ろす。
『この艦は工房に直接出向くから、此処でお別れよ』
「お世話になりました。短かったけど、楽しかったです」
『ワタシもよ。いい仕事だったわ。また会えるといいわね』
「はい。約束はできませんけど、縁があれば、また会いましょう」
爆音を起こしながらピンク色の陸上戦艦は去る。

彼らに幸運がありますように。
シンはいもしないハウメアに祈っておいた。

茂みにガンダムを隠し、徒歩で町に入る。
妙な連中が集まるといっていたが、確かに町に入ってから視線を向ける者が多い。
よそ者やバルチャーを見つめる、いつもの冷たい視線に変わりはない。が、その中に違和感がある。
微小な違和感が、確かにある。例えるなら脱走時に監視していた視線に似通っている。
宇宙船の情報が手に入るとは思えないが、なにやらきな臭い。揉め事が起こる予感がする。
シンは首筋を撫でると、目的の酒場を目指した。

「バーベナ……。酒場に花の名前か」
ドアを開けた瞬間、酒場に居る全員の視線がこちらを向く。
ローザさん曰く、自分達が狼の群れなら、そいつらはまるで訓練された猟犬のようだ。
確かに、この刺すような視線は素人にできるものじゃない。
邪魔者を排除する視線を平然と受け流し、カウンターへ移動する。
「マスター、一番高いの」
金貨を一枚置く。

「子供は帰りな」
隣で一杯飲んでいた男が呟く。ありがちな、嘲り見下すような視線ではない。殺気のこもった敵視。
「そんなに子供に見えるかな」
こちらも殺気を篭めて睨み返す。自分とてカトックに師事し、紛争地帯を駆けてきた自負がある。
これで子供呼ばわりするような奴ならたいしたことはない。
男は、フンと鼻を鳴らすと黙った。相手の戦力を測ることはできるらしい。
一介の客の割には侮れない。

マスターが無言で酒を置く。相変わらず視線は自分に集まったまま、すこぶる居心地が悪い。
「宇宙船か宇宙ロケットを探している。モビルスーツごと行けるやつだ。知らないかな」
金貨をもう一枚カウンターに置く。マスターは胡散臭げにこちらを見やった。
「そんなものは戦時中に革命軍に破壊されるか、とっくにバルチャーが漁ってる。
悪いが、期待には応えられない。それと、それを飲んだら帰ってくれ」
二枚目の金貨をこちらに押しやるマスター。金では動かないというのか。

さて、困った。てっきり揉め事にでも発展するかと身構えていたのに、普段と同じ反応だった。
酒場の雰囲気は尋常ではないが、自分の納得できる回答はまだ得られない。
今日のところは引き上げて、明日もう一度寄ってみようか。
そう思いながら、酒を含んだ時だった。
27保守作34  ◆XGuB22wfJM :2007/04/30(月) 11:42:14 ID:???
背後の入り口が開いた、自分に集まった視線は新たな客に流れる。足音からして複数。
ドアを開けた客の一人が口を開いた。声量は小さかったが、静かな店内には良く通った。
「この人たち、みんなそうなの?」
疑問系の女の声。
「彼らだけではない。他にもいる」
答える低い男の声。
「そう。これが私の仲間なの……」

耳に全神経を集中させて聞き取る。気になる台詞があった。『この人たち』『仲間』。
それに男の声に聞き覚えがあるような気がする。
自を見つめるマスターの視線が殺意を纏うが、気づかないように振舞いながら、極々自然に
後ろを向いた。
露出の大きい服を着た、バルチャー風の女。そしてスーツを着た、金髪の男。

───知っている。会った事がある。金髪の男に見覚えがある。
何処だ、軍か、違う。カトックと一緒にいた時か、……違う。ならば、ニュータイプ研究所か?
男の服装を白衣に替えてみると………ある。会った事がある。話したこともある。
名前は………ニコ、ニコ、ニコル?………ニコニコニココニール……ニコニコ…………
「………ニコラだ!」
弾かれたように男が、店内全ての客が自分を見る。
ニコラとシンの視線が絡まる。ニコラは赤い瞳を凝視して、
「君は………確か………研究所で……赤い眼の……シン……シン・アスカ君か……!?」
モルモットと研究者、場所を変え、再び二人は出会った。



保守。それと>>1乙。そしてGX1/144氏GJであります。
アスランVSシン。どんな会話を持ってくるだろうかわくわくしております。
28通常の名無しさんの3倍:2007/04/30(月) 12:59:34 ID:???
保守氏GJ!エニルとニコラ出てきたーよ
それにしてもニコルとコニールってw
前に本編筋に行くって言ってたがこれからか?続きに注目するぞ
29通常の名無しさんの3倍:2007/04/30(月) 21:09:14 ID:???
保守乙!

バーベナ作戦に絡んできたか、これはシンの出方次第ではなかなか大変なことになりそうな
30通常の名無しさんの3倍:2007/04/30(月) 21:34:50 ID:???
>>1
31通常の名無しさんの3倍:2007/04/30(月) 23:22:17 ID:???
あなたに>>1乙を……

そしてGX氏&保守氏乙。
GX氏の方も保守氏の方も嵐の予感だな。

後……
>理想の子供を得られるようになって、行き着いた先が、息子と酒が飲みたい。
>……なんて良い父親だったろう。
ちょっとじーんと来た。
32通常の名無しさんの3倍:2007/05/01(火) 08:22:22 ID:???


誘拐魔(ロリコン疑惑有)の登場。


革命軍は宇宙船自体は新連邦の施設乗っ取ってたけど、北米に活動拠点ってのは有りそうな話だよね。
連邦の勢力圏から外れてるし、MSも手に入れやすい。
33通常の名無しさんの3倍:2007/05/03(木) 18:38:13 ID:???
つまり、シスコンがブラコンを理解したようにロリコンと共鳴する訳か。
ニュータイプ研究所にいい思い出が無かったわけがやっと分かったよ。
34通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 16:47:33 ID:???
>>32
それを言うならエニルもショタコン疑惑ありとも言えるんじゃないか?
35通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 20:59:17 ID:???
エニルは疑惑じゃなくて黒。真っ黒
36通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 21:46:31 ID:???
エニル17、ガロード15
なにか問題が?
37通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 21:51:53 ID:???
たった二歳の違いでショタコンとはな・・・
38通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 00:23:17 ID:???
十代半ばの2歳差は結構でかい。
高校2年が中学3年に惚れて振られてストーカーになるってことだ。
39通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 09:19:47 ID:???
エニルって17だったのか…永遠の17歳理論じゃなくて?
実は20代半ば過ぎといっても俺、信じる!
40通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 09:20:19 ID:???
というか、AWは早熟なんだろう
41通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 17:26:56 ID:???
そりゃ幼児にアンチマテリアルライフルの弾の種類を見分けろなんていう世界ですよ?
人の良さそうなおばちゃんがMSのコクピットに精密射撃しかけたりするんですよ?
生身でMSを狩る少年がいるんですよ?
42通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 19:19:22 ID:???
公式サイトに19歳って書いてあるぞ
17歳はスー夫妻だろ
43GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/05/06(日) 20:06:27 ID:???
GW? 何それおいしいの? ってな感じの一週間でした…つか、祝日全部休み無しって…
普通の会社だろ? サービス業じゃないんだから…

第六十話『わかった事がある』(前編)

「メイリンは無事なのか?」
「……そっちから来たか…。」
 シンとアスランは机を挟んで向き合って座っている。質問を促されたシンは、彼が殺したかもしれない友人の安否を問うた。
 メイリン・ホーク、彼のよく知る友人であり、また親しい女性の妹でもある。彼の乗っていた戦艦『ミネルバ』の通信オペレーターで、
タリア・グラディス艦長と共にブリッジの華とも言うべき存在であった。
「悪いか? ルナだって心配してたんだからな、メイリンのことは。」
「…最初の質問が予想と違って驚いただけだ。彼女なら元気でやってるよ。いや、『元気でやっているはずだ』だな。」
アスランの歯切れの悪い回答にシンは一瞬頭に血を上らせたが、すぐにそれを自制した。
 シンとて、今ルナマリアやレイがどこで何をしているのかはわからない。彼らのいるべき世界とは違うまったく別の世界にいる以上、
そういう回答しかできないのだ。
「生きてるならそれで良い…。もしあんただけが生き残ったって言うのなら、それこそ失笑物だ。」
「助けられた時、彼女の方が元気だったらしい。」
「そうですか…。んじゃ、そろそろ本題に入るとしますか。」
 そういうと、シンは椅子の背に預けていた上体を起こし、前かがみになって座りなおした。少し下を向き、睨む目が彼の不快感を物語っている。
「何であんたは、議長を裏切った?」
「俺は、議長の信じる未来が正しいものだと思えなくなったんだ。」
 アスランはそんな彼の顔を真正面から見ながら返答した。
 今度は、頭に血が上ることは無かった。『ああ、またわけのわからない言い訳が始まるな』と重いため息をつく。
「なんで? 議長のしようとしている事は戦争のなくし、誰もが幸福で幸せに暮らせる世界を創ることなんだぞ?」
「戦争をなくす事ができても、皆が皆幸せに暮らせる世界は議長の言う”ディスティニー・プラン”では創る事はできないさ。
人が集団で、誰かと一緒に生活をしているうちはな。」
「ど、どういうことだよ?」
 含みのある言い方に、シンは今目の前にいるアスランは本当に『あのアスランなのだろうか?』と思わずにはいられなかった。

『キラは敵じゃない』

 彼はフリーダムを撃墜したシンに対してそう言った。
戦場に割って入ってきて、対峙する両陣営に無作為に攻撃を加えて戦闘不能にしたキラ・ヤマトの乗るフリーダム。
戦闘をただ傍観しているならともかく、割って入って『戦闘を停止しろ』の一点張りで攻撃を加える彼らを、ザフトも連合も『敵』と認識した。
 しかし彼は、自身の乗るMSを撃墜されてもなお『敵じゃない』と言い続けた。それしか言わない彼にきちんとした『考え』があるとはとても思えなかった。
だが、今目の前にいる彼はさらに熱弁を振るう。
「これは最近特に感じるようになったことだが、人間は他人の庭が気になって仕方ない動物だ。
だから、自分とは『違う世界に住む相手』にはとても惹かれる。」
「違う世界に住む相手?」
「そう。たとえば…、国家元首とMSパイロット、とかな。」
「ハァ?」
「…なんでもない、俺もいろいろあってな。」
アスランの表情に影がよぎる。それを見たシンは彼のことを心配になったが、敵のことを心配した自分に気づき、取り繕うように顔を背けた。
「そ、そんなことは聞いてない!」
「そうだな、話を戻すが、料理人、医者、作曲家や演奏家…。自分が持っていない技能、自分が経験したことのないことに人は
脚色された願望のようなものを持つ。その願望が、本人を動かす原動力となるんだ。」
「願望ねぇ…。」
44GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/05/06(日) 20:08:47 ID:???
第六十話『わかった事がある』(中編)

「お前も家族を亡くして、力がほしいと願っただろう? それと一緒さ。」
アスランは調子を変えず静かに語り続ける。窓の外から入る太陽の光が静かに彼らを照らし、窓から入ってくる穏やかな風が静かに彼らの間を吹き抜けた。
「プランが実行され、資質だけで判断されるような世界になったら、自ら目標を持つことも罪になるんじゃないか?」
「あんた、議長のプランは絶対的な拘束性があるわけじゃないんだぞ?」
「『従うか従わないかは本人の判断だ』って言うなら、確かにその通りだ。だが、そういう『出る杭』があっては
プランそのものが崩壊する要因になりかねない。だから、出る杭は叩き直さなきゃならない。」
 そういうと、アスランはシンを指差した。指先ははまっすぐシンの眉間に向けられている。
「そして、そういう『出る杭』を『潰す』役割を任されるのは、お前だ。…『あの時』のようにな。」
「…………。」
アスランの言葉にシンは返事をしなかった。
 『あの時』、それはシンが初めてディスティニーに乗って出撃した時のことである。新型のグフ・イグナイテットを奪って
軍を脱走したアスランは、シンの乗るディスティニーによって撃墜された。
 その時は無我夢中であったが、後々それは彼の中に大きな影を残している。
「俺だけじゃない。お前は命令一つでルナマリアにも、レイにも、メイリンにもヴィーノやヨウランにも銃を向けなきゃならなくなるんだぞ?」
「それが命令なら、従うのが軍人だ!」
シンは怒気をこめてアスランの言葉を切り捨てた。
 軍人とは国家や組織の尖兵であり、あくまで一つの駒に過ぎない。駒が私情や自身の考えで動くことは本来許されないことである。
「あんたはいっつもそうだ! 自分の感情に任せて、相手の情に訴えて!! 世の中には情で動く奴ばかりじゃない!!
大体、論点がずれているじゃないか? あんたはさっき、人が集団で、誰かと一緒に生活をしているうちは幸せな世界は
創れないって言った。それとこれと、一体どういう関係があるんだよ!?」
「…プランを導入すれば、人は自分の資質にあった道を行くことになる。だが、人との接触は本人の考え方を変えてします危険性が有るんだ。」
 そういうとアスランは立ち上がって部屋の中をゆっくりと歩き始めた。言葉を選びながらまるで逸る自分を必死におさえるように。
「俺はこの国に来て、いろいろなことを考えた。それしかする事が無かったからだが、その中で少しだけ、わかった事がある。」
シンに背を向け、彼は外に広がる町や空に目を向けた。町は先日の空爆で廃墟と化したままだが、空はいつものように青かった。
「俺も、たくさんの人と出会ったことでやっぱりいろいろ変わった。だがそれは、俺が知り合った人たちが『俺と違う考え』を持ったやつらばかりだったからだ。」
「………それで?」
「プランが導入されれば道はほぼ100%決まってしまう。その中で自身の考えを揺るがすような出来事や出会いをしてしまえば、
後々それは尾を引くことになる。」
「…じゃあなんですか? 人との出会いが無ければ、プランは成功するんですか?」
「たとえ人との出会いを絶ったとしても、人はいろんなものから何かしら影響を受けるさ。」
「結局、あんたが言いたいのは『いろいろなことを知れば、人間は変わる。だからきめられたレールの上を走り続けることはできない』
…そういうことでしょ?」
シンは肘掛に頬杖をついたままアスランの言いたいことを要約した。
 人は年を重ねるごとにその考え方や物の見方がわかる。それは人との交わりによるものもあれば、自身で目にしたり、感じたり、
ふとした拍子に出会ったりとさまざまだ。そうやって変わっていく人間を、きめられたレールの上で最後まで走らせる事ができるのか?
 シンもアスラン同様、人との出会いで自分を変えた経験がある。ただ泣くだけだった彼を変えてくれた人物はもといた世界にはもういないが。
45GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/05/06(日) 20:10:41 ID:???
第六十話『わかった事がある』(後編)

「長々と講釈したが、結局はそういうことだ。人の器というのかな? そんなものを資質とか遺伝子だけで、見極めることなんてできないと思う。」
アスランは穏やかに笑いながらゆっくりと自分の席へと歩いていく。シンはそれを黙って見守った。
「…あんたの考えはわかった。これで、俺がここにいる理由もなくなったな。」
「待て、俺のほうはまだ話が終わっていないぞ。」
 一番知りたかった事がわかったシンは席を立って扉へと向かう。しかし、それをアスランは止めた。
「…まだ何か?」
「リー将軍から借りたものだ。これを見てほしい。」
彼はシンの前に大き目の茶封筒を差し出した。封筒はかなり膨らんでおり、中身がかなりかさばるものであることは間違いない。
「これは?」
「世界各地で新連邦軍が侵略行為をしているのはお前も知っているだろう? これはその現状だ。」
 茶封筒の中にはアフリカ大陸やユーラシア大陸など、新連邦の侵攻現状が事細かに記されていた。
「アフリカ大陸は制圧完了、ユーラシア大陸のアジア西部は現在残党潰し、オーストラリアには先月から侵攻開始…。」
「その辺は今晩にでも読んでくれ。資料は明日まで借りておくつもりなんでな。大事なのはここだ。」
「なになに…? 各戦線でのエースパイロットの異名? 『白い死神:デマー・グライフ』、『東部戦線の狩人:ドウェート・ラングラフ』、
『不死身の殺人マシーン:ミルラ・ドライド』…っ!? これまさか・・・!!?」
報告書の中にはそれぞれの地域で通り名がつくほど活躍したエースパイロットの名前も載っている。
そして、最後に記された異名とパイロットの名前にシンは目を見張った。
「そうだ、その顔写真を見てもまず間違いない。」
「じゃ、じゃあ…!?」
 エースパイロット達が名を連ねる中にあった名前、それは『灰狼の長:レイ・ザ・バレル』であった。
46通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 20:30:49 ID:???
おお!続きがきてた、GJ!!
47通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 22:39:38 ID:???
GX氏GJ!なんかアスランが飛ばしてるぞ
クワ・・・てかジャミルのイメージが頭によぎった
でもシンってあそこまで軍人気質だったっけ?
レイが出たって事はミネルバもこの世界にきてるのかな
続きが待ち遠しいな
48通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 23:19:56 ID:???
で、ディスティニープランに反対してるのはわかるけどそれに勝る代案って凸にあんの?
49通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 23:41:56 ID:???
> 灰狼の長
長?特殊部隊でも率いてるんだろうか?
50通常の名無しさんの3倍:2007/05/07(月) 03:26:48 ID:???
灰色狼=ドラグーンでそれを統べる長って事だろ。
51通常の名無しさんの3倍:2007/05/07(月) 04:37:12 ID:???
CEのロゴス・ブルコスと大して変わらない?新連邦にレイが身を置いているのは、
キラ抹殺のチャンスをうかがうため…とか?
いや、フォートセバーン以来の経緯や現在のケルベロスの檻の所在等を
どの程度把握しているのかまだわからないけど。
52通常の名無しさんの3倍:2007/05/07(月) 17:44:07 ID:???
GX氏GJ
アスランとの確執のせいとはいえ、シンが種世界にいた頃に逆戻りしてしまってちょっとガッカリ。
すでにDPが否定される要因を抱えてるのを教えられてるのにそれを忘れたかのような態度に
自分も軍規に背いてステラを逃がしたことを棚に上げたり、
お前がAWでフリーデンと共に過ごして得た経験は何だったんだと。
53通常の名無しさんの3倍:2007/05/07(月) 18:03:08 ID:???
GJです。
>>52
たしかに相手がアスランだから反発してるって感じが結構目に付くな。内面的なものをいえば一番軍人に
向いていないのに軍人の理屈で反論するあたりにシンがアスランの意見に納得してしまっている感じがする。
あと、アスランの意見が結構鋭い。Dプラン的に抜擢されたはずのシンが軍人になりきれていないって描写は、
ただZをインスパイアしただけぐらいに思っていたけどそう考えるとDプランの問題点をわかりやすく
示したようにも思えるこの不思議。
54通常の名無しさんの3倍:2007/05/07(月) 18:59:52 ID:???
むしろアスランの方がとても五十五話や五十七話のと同一人物とは思えん…
カガリやルクスとの会話だけであんなにもサクッと皮が剥けるのか。
翌朝までに、赤月鷹とかX運命その他版のと入れ替わったとしかw
55通常の名無しさんの3倍:2007/05/07(月) 19:15:29 ID:???
アスランは嫁補正で難しい話になると
意味不明な呼びかけばかり+キラのことになると暴走で
本編でも冷静な時とそうでない時の差が激しいから
大して違和感無し
56通常の名無しさんの3倍:2007/05/07(月) 19:39:13 ID:???
XはハッピーエンドZ、運命は劣化Zって散々言われたわけで
てかいまさらな事を一々言うなよ
57通常の名無しさんの3倍:2007/05/07(月) 19:42:57 ID:???
>XはハッピーエンドZ

これは初めて聞いた
58通常の名無しさんの3倍:2007/05/07(月) 20:00:46 ID:???
XとZのストーリーが直接似てる、というわけじゃなく、よく言われる
X冒頭の地球荒廃やジャミルの人生は初代やアムロのありえたかもしれない
結末例の一つで、その後日談だから…という事じゃないか。
59通常の名無しさんの3倍:2007/05/07(月) 21:08:53 ID:???
遅ればせながら更新乙、そして添削

>>43
>彼が殺したかもしれない友人の安否を問うた
[彼]ではこの文章中で指す相手がやや不明確、[自分]とすべき所、難癖レベル

>議長のしようとしている事は戦争のなくし、誰もが幸福で幸せに暮らせる世界を
[ 戦争をなくし ] | [ 誰もが幸せに ]あるいは[ 幸福に暮らせる ]

>本人を動かす原動力となるんだ | [ 人を ]で十分かも、難癖レベル

>>44
>世の中には情で動く奴ばかりじゃない | [ 世の中は ]あるいは[ 〜ばかりいるわけじゃない ]

>人との接触は本人の考え方を変えてします危険性が有るんだ | 変えてしまう

>俺が知り合った人たちが『俺と違う考え』を持ったやつらばかりだったからだ
場所や前の流れを考えると[ やつら ]を使うのは不自然、[ 人たちが皆〜持っていたからだ ]などの方がよいかも、難癖レベル
60通常の名無しさんの3倍:2007/05/07(月) 21:46:07 ID:???
GX氏も添削の人も乙彼様

>58俺はそう思う。GMでのX特集や某個人サイトにもそんな感じで紹介されてた
アムロとシャアの要素や立ち居地がジャミルとランスローにいったって所かな
絶望の中の希望、一年戦争のif、早すぎた新世紀
Xだけじゃなく平成三部作はかなり異質だったのかもしれないとふと考えた
・・・最後は蛇足過ぎたな、申し訳ない
61通常の名無しさんの3倍:2007/05/07(月) 23:46:10 ID:???
GX氏GJ!
62通常の名無しさんの3倍:2007/05/08(火) 22:11:30 ID:???
ふと疑問に思ったこと
保守作品のニコラはどうやって北米大陸にきたんだ?
ニュータイプ研究所はユーラシア辺りだったはず
それにガロードが飛んだ施設はアジア辺りじゃなかったっけ?
63 ◆XGuB22wfJM :2007/05/09(水) 18:40:57 ID:???
もしかして壮大に勘違いしているかもしれない、自分。
ちょっと調べてきますね。
6462:2007/05/12(土) 22:45:01 ID:???
まとめサイトにあるUTMスレの過去ログから転載


614 名前:通常の名無しさんの3倍投稿日:04/12/25 23:13:58 ID:???
おまいら他のページも嫁よ。

「来月」のデータガンダムでガロード・ランキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!


このガロードの特集が乗ってたガンダムAにAWの世界地図?見たいなのが載って滝がする
てか調べさせてすまない、言わないほうがよかったかも試練し
65通常の名無しさんの3倍:2007/05/13(日) 01:35:07 ID:???
>>62
バンダール二世はたしか北米大陸に革命軍の残党がいるとの情報で
残党掃討のために派遣されていたんじゃなかったっけ?
つか第八宇宙軍基地があったところだが、どこだ。
あ〜記憶があやふやだ。
66GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/05/13(日) 21:52:01 ID:???
仕事の研修ももう少しで終わります… って、これから先もっと忙しくなるってことか…

第六十一話『俺は俺だ』(前編)

「…全機進軍せよ!!」
 リー将軍の言葉に、エスタルド、ガスタール、ノーザンベル連合軍は進軍を開始した。
フリーデンの協力が決まってから三日、
連合軍は各国に爆撃を繰り返している爆撃基地を破壊するべく、作戦を決行した。夜の帳がおり、闇に染まった空の元、旗艦で
全体の指揮を取るリー将軍はブリッジの艦長席で静かに前方を見つめていた。
「敵移動要塞との接触予定時刻まで後30分です!」
「頼んだぞ…、この作戦が成功するかどうかの鍵は君達が握っている…。」
 作戦はいたってシンプルである。今回の作戦は『爆撃基地を破壊すること』である。そのためリー将軍は、全軍で突撃して
陥落させるのではなく、『一撃』で基地を陥落させる作戦を立てていた。
 そして、この作戦の『鍵』を握っているのは、ガロードの乗るガンダムダブルエックスであった。


「でもさ、サテライトシステムを使った時点でそこにダブルエックスがいるってことバレないか?」
『サテライトシステムを起動して、照準用レーザーの照射、さらにマイクロウェーブの到達までの時間は一分もかからない。
レーザーに気づいてあわてて準備したって、間に合わないよ。』
 シンとガロードは通信機を介して会話をしながらうっそうとした森の中を進んでいた。ガロードの乗るダブルエックスとシンの乗る
ディスティニーは夜の闇にまぎれて陸路で爆撃基地を目指している。ほかに友軍機の
姿はなく、2機のガンダムが寝静まった森の中に重たい音を響かせていた。
 ダブルエックスもディスティニーも、ゾンダーエプタでの時とは少しばかり装備が変更された。ダブルエックスにはフリーデンの
チーフメカニックであるキッドが製作した専用のビームライフルと、同じく自作のシールドが装備され、接近戦でしか
戦うことのできなかったゾンダーエプタでの戦闘に比べるとかなり楽に戦えるようになっていた。
 武装に変化があっただけのダブルエックスに比べ、ディスティニーには大幅な改修が施されていた。ヴァサーゴとアシュタロンによって
大破した機体は、戦前のMSテスト基地で回収した大量のルナ・チタニウムを使ってそのほとんどが復元されている。
『それよりもさ、俺はお前の機体のほうが心配だぜ?』
「俺の機体が? なんで?」
『いや、だってあのキッドだぜ? なぁんかいろいろな所に手を加えてそうでさぁ…。』
「ま、確かにろくにテストする暇も無く実戦ってのはな。」
 修復が完了したのが作戦の1日前であったこともあり、機体の動作テストは行われていない。無論、過去のデータを下に復元した
だけなので動くはずではあるが、やはり性能向上を目的にプラスαで手を加えられている場所もあった。
「新装備の『これ』にしたって…。」
シンはそう言いながらキッドオリジナルの『第三の武器』に関するデータを正面ディスプレイに表示させた。
 『アトミックランチャー』レオパルド用に開発されていた大砲をディスティニー用に改修したものである。
 以前のディスティニーであればエネルギー上の問題もあってまともに扱う事ができない兵器であったが、装甲がVPS装甲から
ルナ・チタニウムに変わったことでそれも解消された。今は前に高エネルギー長射程ビーム砲を固定していたラックを改造して
背中に二つ折りにされた状態で収納されている。
 銃身は超射程ビーム砲に比べてかなり重厚なつくりをしており、破壊力も比例して大きくなっていることは想像に難くなかった。
「ブリューナクが有るから別に今更…。」
『それ試運転もかねて持ってきたんだろ?』
67GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/05/13(日) 21:56:36 ID:???
第六十一話『俺は俺だ』(中編)

「ああ。キッドの話じゃ、”クラウ・ソラスは近距離戦、ブリューナクは中距離戦、アトミックランチャーはその気になれば
接近戦でも使える超長距離戦用の装備”って話だけど…。狙撃とかするわけじゃないし…。」
『狙撃…か。』
狙撃という言葉を聴いたガロードは暗い表情を浮かべた。
 今回の作戦はリー将軍の率いる連合軍が新連邦の移動要塞をひきつける”おとり”となって激しい戦闘を繰り広げる。その隙を突いて、
ダブルエックスがサテライトキャノンで基地を破壊する手筈となっていた。
『なぁシン、お前なんで俺についてきたんだ?』
「何でって…、護衛役は必要だろ? サテライトシステムを起動する前に敵に見つかったら厄介だし…。」
 ダブルエックスの護衛は本当なら数機のパイロンが任に就く筈であった。しかし、シンの”おとりの戦力は多い方が良い、
それに隠密行動を取るべき攻撃部隊が大所帯じゃ見つかってしまう”という発言に土壇場で作戦内容が変更されたのである。
確かに今回の作戦は敵に見つかることは良いことではない。だが、”万が一”の場合は激しい戦闘が予想された。
 シンはこの役を進んで申し出たが、ガロードには彼に別の理由があるように感じられたのだ。
『…ホントにそれだけが理由なのか?』
「…なんか、今日のガロードは鋭いな…。」
 そういってシンは小さくため息をついた。彼と行動を共にするようになってかなりの字時間が経過している。そのせいか、
お互いに小さな変化に微妙に反応するようになっていた。
『やっぱりあれか? アスランとか言う…。』
「…ああ、6:4ぐらいで。あいつとは、どうもそりが合わなくてな…。」
 元々は敵同士なのだから、そりが合って良いはずが無いのだが、同じ艦で行動をしているときでもどうにも彼のことは好きに
なれなかった。彼のどこが気に入らないか言葉にしようにも、適当な言葉が見つからない。『本能的』に嫌悪を覚えているという
表現が一番適当な物だろう。
 たしかに、ユニウス7落下の時に一度は彼のことを認めたが、上官としてミネルバに乗り込んでからは反発してばかりいた。
シンもアスランも正規の軍人としてきちんとした教育を受けているにも関わらずどうしてここまで違いが出るのだろうか。
「あんなのと一緒に行動させられている連合軍の皆も大変だよ。」
『どうだろ…? 俺はその人のことぜんぜん知らないけど、シンの見ている世界とそいつが見てる世界って違うんじゃない?』
「見ている世界?」
 そういわれてシンは考えをめぐらせ始めた。
前の戦争で父の指揮するザフトを抜けてアークエンジェル側についたアスラン・ザラ。血のバレンタインで母をなくし、軍人となって
ナチュラルと戦うことを選んだ彼は、その戦いの中で友人と銃を撃ち合うこととなった。めぐり合わせが悪かったといえばそれまでだが、
その事が彼に”何とどう戦うべきなのかを考えること”を教えたのだろう。
「ただ戦うだけの兵士だったら、楽だったろうに…。」
『へ?』
「いや、こっちの話さ。」
 それは俺も一緒か、と自重しながらシンは唇をゆがめた。
“ただ命令に従って戦うだけの兵士”であれば戦場に赴き、ひたすら敵を倒すだけで良い。何も考えず、命令に従ってただひたすら
事務的に効率よく少ない手数で敵を殺すことだけを考えていれば良いのである。上層部の命令に従えなくなってしまった兵士は、
軍という組織の全体の統制を乱すことになりかねない。
「けど俺は、議長のプランに対して疑問が拭えないんだよなぁ…。」
 ギルバート・デュランダルが提唱するディスティニープランは、遺伝子からその人物の特性を見極め、そこから本人が取るべき道を
指し示すシステムである。デュランダルはこのプランによって”誰もが幸福に生きられる世界”を作る事ができるといった。
68GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/05/13(日) 22:00:52 ID:???
第六十一話『俺は俺だ』(後編)

しかし、そうやって”指示されるがまま生きる世界”が本当に幸福な世界なのだろうか? そこには機械が計算してはじき出した
数値しか判断材料はなく、本人の意思、それまでの経験、趣味思考はまったく度外視されている。そういう面ではアスランの
言ったことは的をいていることは認めざるをえない。
 無論、プランに沿って生きていくのも一つの生き方として認めることはできる。そうやって言われるがまま生きていれば自身は
失敗することもなく、順風満帆の人生を送る事ができよう。
「でもそれは、俺の人生じゃない。俺がいないんだよ…。」
 こちらの世界に来てから、シンは今まで自身が歩いたことのない過酷な世界を歩いてきた。たった4ヶ月しかたっていないが、
体験したものの密度はそれまでのものよりもずっと濃い。
「誰かの生き方をなぞるのは趣味じゃない!」
 それを理由に、彼はアトミックランチャーの銘をあえてきめなかった。それまで”クラウ・ソラス”、”ブリューナク”と武器に
銘を刻んできたが、神話や伝説のなかにある武器から名前を借りることに初めて抵抗を覚えたのである。
「俺はヌァザでもルーでもない、俺は俺だ。」
 ゾンダーエプタでケルト神話のヌァザの最後をなぞるように破れた事が、シンには悔しかったし、むなしかった。


『お、おいシン…?』
なにやらぶつぶつと口を動かしているシンにガロードは不安そうな表情を見せた。時々このように思案にふけっている彼を見たことは
あったが、今回はかなり重症に見えた。
「あ? ああ、だいじょう」

ビビー!! ビビー!!

 言葉を言い終わらないうちに2機のコックピットの中で警報音が響く。すぐさま機体を操り、後方からの攻撃を回避した。
「…あいつらぁっ!」
シンは顔を猛獣が牙をむく様にゆがめて怒りをあらわにする。振り向いた先には、闇の中に溶け込んでいた赤と紫のMS、
彼が一度完全な敗北をしたヴァサーゴとアシュタロンであった。
『久しぶりだな、ガロード・ラン。そして先日闇に飲まれた雑兵。』
「ちょっと待て! なんでガロードは名前で俺は雑兵なんだんだよ!!?」
『雑兵は雑兵さ。僕らにとって、君はたいした障害じゃないからね。』
 シャギアとオルバは嬉々としてシンを“雑兵”と呼ぶ。ディスティニーを一度撃退させている彼らからすれば、今彼は取るに足らない存在でしかなかった。
「……ガロード、こいつら倒して良い?」
『一様聞くけど、ダメって言って聞くのか?』
「そんな答えは聞かない。」
『…今の状況じゃ、相手しないわけにも行かないだろ!』
「OK…! あんたらの胸にしっかりと刻んでやるぜ…!!」
 ディスティニーは背中に固定されていたアトミックランチャーを腰のサイドアーマーに内蔵されたフックに引っ掛け、左手でグリップを握った。
「俺の名前は、シン・アスカだ!!」
 ダブルエックスとディスティニー、ヴァサーゴとアシュタロンは夜の森に散開した。
69通常の名無しさんの3倍:2007/05/13(日) 22:09:18 ID:???
初のリアルタイムだ、GX氏GJ!
アスランとあの二人は囮組か?
ガロシンVS変態兄弟、続きが楽しみだな
70通常の名無しさんの3倍:2007/05/13(日) 22:25:47 ID:???
GX氏GJ!
71通常の名無しさんの3倍:2007/05/13(日) 22:58:58 ID:???
更新乙、そして添削

>>66
>作戦の1日前であったこともあり〜無論、過去のデータを下に復元
[前日]、難癖レベル | データを[元に]

>プラスαで手を加えられている場所もあった | 箇所

>>67
>彼と行動を共にするようになってかなりの字時間が経過している | かなりの時間が

>お互いに小さな変化に微妙に反応するように
[に]の使いすぎ、[ お互い(が)微妙な変化に何となく気が付くように ]などの方が読みよいかも、難癖レベル

>俺はその人のことぜんぜん知らないけど、シンの見ている世界とそいつが見てる世界って違うんじゃない?
[その人]の後で[そいつ]とすると一貫性を欠く、統一が望まれる
また、[見ている世界]は[シンと誰々で]とする事で繰り返しを避けられるかと(強調する場合はそのままで問題なし)

>>68
>アスランの言ったことは的をいていることは認めざるをえない | [的を射ていると]認めざるを

>振り向いた先には、闇の中に溶け込んでいた〜ヴァサーゴとアシュタロンであった
[先には]がかかるべき動詞の欠落、[先にいる(あるいは、見える、現れた)のは]など、動詞を加える必要あり
72通常の名無しさんの3倍:2007/05/14(月) 00:04:35 ID:???
シンが微妙にリュウタロスになりかけてるような
73通常の名無しさんの3倍:2007/05/14(月) 11:52:29 ID:???
>>72
ナカーマ

おいらも一瞬「リュウタもどきがいる!!」って思ったよ
74通常の名無しさんの3倍:2007/05/14(月) 19:30:25 ID:???
,.r '  .l   ヽ、  .,イ` ー- 、  ./ / l |   .|'          ',  'ト.::::::::::l
    l    l. : :/ { {`::::ーt 、_` r'   l |   .|           ',  .l l:::::::::|
、    ト   .l :/  ∧',::::::::::', : .:..l l   .l |  /           |  .レr ' ´
..ヽ   . :ヘ   ヽ   〉〉 、:::::::ー-l l   .l |/           ,. r' ´   ,..
  ヽ'. : : : :lヽ   ヽー/   ` ヽ.| ト、/´         ,..-‐ ´   ,..r ´ ,.r
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: : : : : l´::/∧ ヽ/       /::::/  __ ,,...... -'    _,. r '´ ,. r '/  ∧
: : : : : :l:::ト./ ',ヽ〈`ヽ 、   /::::/ ̄ ̄         ,.r '   ,.ィ ´  /  ./  ', .l
',: : : : : l .V   ヽ.l::::::::::::::::ヽ/::::::/  __,.......-‐ T´  ,. r ´〈ヽ 、  /  ./  /.l
. ',: : : : ::V    ∧::::::::::::::::|::::::/ ̄´       ,... ┴<   ,.イr..ヾ-/  ./ ,.ィ  .l
. ',: : : ::/    / ∧:::::::::::::|:::::/  __,.....-‐ ´   ,.. イ / ,L辷ソ/  ///  ./:
\ ',: : /    〈ヽ./: l:::::::::::::|::::ー/´ _,...-− ''' フ"´|  l レイ  `7  ´/:/  ./: :
  \:/     | |: : l`ゝ-、レr<ミー-ニ二 ̄,ri彡ミ/ー-|  .トミ、'/|  ./::/  ./: :
   ∧    ./.l l: : V. ト/ ' / `ヾ、::r-┴‐' / / / `>.r'  /:::/  ./: : :/ 倒してもいいよね?
  ,'  ',   l ∧.l: : ヽ` ヽ、.∠._ /|/__..|,/ ./ / ./ イ」  ィ::::/  ./: : :/:
  ,'.   ',  l l:::::l l: : ハ   ヽ   .|./   /l `Y /,.ィ' ,ィ/´/::::/  ./: : /: : :
 ,'     ', |ヽl:::::ト.|/  l ト 、 ヽ  |'   / l  l./'/,.ィ'‐'//:::::::/  ./: : /: : : : 答えは聞かないけど!
. ,      ', .l |:::/    V`ヽ`ヘ,_..|.‐ Tイ  / ./r' /ィ' /:::::::::/  ./: : /: : : : :
.,'       ',l .|;:/ヘ、  ./::::::::/:::ヽニ=<l  / ' ´/ノ./:::::::::::/  ./: : /: : : : : :
'       V':::::::::::::`:./:::::::/::::::::/`ヽー:/ / /´, /::::::::::::::/   /: : /  : : : : : :
',      /:::::::::::::::::::::::ト、/::::::/    .レ '´  ̄  :::::::::::::/  /: : /    : : : : :
75通常の名無しさんの3倍:2007/05/15(火) 01:20:04 ID:???
シンが一瞬アチャ男さんに見えた。

シン 「アレを倒してしまってもかまわんのだろう?」
76通常の名無しさんの3倍:2007/05/15(火) 02:43:15 ID:???
刻むとかカズマさんも混じってるな……内面が荒れてるからか?
77通常の名無しさんの3倍:2007/05/16(水) 00:10:27 ID:???
何はともあれ元気そうで、GJ
78通常の名無しさんの3倍:2007/05/18(金) 20:57:40 ID:???
シンはサテライトキャノンの威力をもう一度目にするのか?
79通常の名無しさんの3倍:2007/05/20(日) 01:26:01 ID:bYjJ7s4w
大阪にサテライトキャノンを撃って過ちを繰り返させてはならん!
80(。・囚・。):2007/05/20(日) 01:30:03 ID:71GUQpCB
81通常の名無しさんの3倍:2007/05/20(日) 15:50:57 ID:S5byvYHZ
サテライトうんこ
82通常の名無しさんの3倍:2007/05/20(日) 16:59:00 ID:???
おい福田、早く仕事しろよ
それとも仕事がなくなったのか?
ここにくるより仕事探しとけって
83GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/05/20(日) 21:56:32 ID:???
前回は狙ってリュウタネタやったんですが… うん、今後は中途半端なネタはやめよう。
某人みたいになるのがオチだ

第六十二話『”赤い鬼神”がついてるんだよ!!』(前編)

 シンたちがフロスト兄弟と戦闘を開始した頃、リー将軍の率いる陽動部隊は新連邦軍と激しい戦いを繰り広げていた。
「5番艦デーヴァは後方にさがれ!! 3番艦アスラは5番デーヴァの援護!!」
旗艦アプサラスの周りでも激しい爆音が轟く。前線でのMS同士の戦闘、後方からの長距離砲を使った援護に戦艦を狙った
ミサイル攻撃。状況は膠着していた。
「フリーデンのガンダムたちは!?」
「エアマスターは空中から第8小隊を援護! レオパルドは第17小隊と共に前線で戦闘を続けています!!」
「ジャスティスは!?」
「第1、2小隊を引き連れて前方約2kmのところで新連邦軍と交戦中です!!」
 なかなか前進できない状況に、将軍は苛立ちながらも次々に指示を出していく。今回の作戦は陽動ではあったが、将軍としては
これからの戦いを有利に進めていく上でも、できるだけ多くの敵MSを倒しておきたかった。
「全機に通達!! “怯まず進め! 祖国の未来のために!!”」
将軍は擦れはじめている声で檄を飛ばした。


「戦況はどうなっているのだろう…?」
ウイリスは心配そうに下を向いたまま言葉を漏らす。そんな若い国家主席の姿をカガリは静かに見守った。
 二人は今、同じ部屋で戦況の報告を待っている。カガリからすれば、フリーデンに乗って前線で戦況を見守っていた方がよかったのだが、
目の前で縮こまっている頼りない国家主席を見るに見かねて、官邸に残ったのだった。
「…お前。あんまり心配すると、禿げるぞ?」
「は?」
「だから、あんまり心配するなといっているんだ。」
 そう言いながらティーポットから紅茶を注ぎ、カップを彼の前に置いた。気を揉んでいるウイリスとは対照的に、カガリは
落ち着いた様子で自分のカップにも紅茶を注ぐ。
 カップに写る自分と、目の前に座ってミルクを入れてカップをかき混ぜる彼女。いくらか年上であるとはいえ、彼女のどっしりと
構える姿にウイリスは自分の情けなさを痛感させられる。
「あの将軍が指揮を取っているんだろ? 少しは彼のことを信用してやれ。」
「しかし…。」
「この国のために戦っている兵士たちを信頼しないでどうするんだ?」
「そ、そう、ですね…。」
会話が途切れ、部屋の仲が沈黙で支配される。前線での激しい戦闘とは打って変わって、この部屋は異常なほど静かだった。
「ウイリス様…」
部屋の扉が開き、一礼して大臣のグラントが部屋に入ってくる。ウイリスとカガリが向かい合って座っている光景を見て、
彼は少しだけ顔をしかめた。
「どうしたグラント? 僕に何か用かい?」
「ええ、少しお話したい事がございまして…。」
グラントは困ったようにカガリに目を向ける。その視線に気づいたカガリは無言でカップを持って席を立った。
「か、カガリさん?」
「大臣と主席の話を部外者の私が聞くわけにもいかない。外で待ってるから、終わったら呼んでくれ。」
そういうとウイリスたちの返答を待つことなく彼女は自分から廊下へと出た。
84GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/05/20(日) 22:01:17 ID:???
第六十二話『”赤い鬼神”がついてるんだよ!!』(中編)

白い壁紙の張られた長い廊下の真ん中で、壁に背中を預け静かに紅茶を口に運ぶ。オーブにいた頃はこんなことは”行儀が悪い”と
言われてやらなかったが、こうしてやってみると逆に落ち着いつかず、あたりをきょろきょろと見渡してしまう。
「あいつら、一体何を話しているんだろ…?」
 ドアの方に目をやり、二人がどのような話をしているのか思い描く。主席と大臣の話、政治的な話であることは明白であった。
強硬派のリー将軍に対して、大臣であるグラントは穏健派である。将軍が前線に出ている今というタイミングにする話となると、
答えは意外に簡単に出てきた。
「この戦闘に勝ったら、停戦交渉かな…?」
 大臣は血が流れることをよしとしていない。この戦闘に勝利して、強硬派が勢いに乗って次に攻め込むような真似をさせないために
先手を打ったのだろうと結論付けた。
 無論、壁に耳を当てたところで彼らの話が聞こえるわけではない。それに彼女はこの国の政治に携わる人間ではないし、
どうこう口出しする気にもならなかった。
「こんな所で何をしているのですか?」
 扉の方に意識を向けていた彼女に、後ろから突然声がかかる。びくりと肩を震わせてゆっくりと振り向くとそこには長髪で
物静かな主席の側近が立っていた。
「…何だ、お前か…。」
「突然声をかけたことはお詫びします。ですが、レディがこのような場所でお茶を飲むのは、少々はしたないかと…。」
 ルクスは頭を下げて詫びつつも、彼女の行動を注意する。彼女は頬を引きつらせながらも愛想笑いを浮かべ、強引に話題を変えた。
「そ、そういえばルクス、戦況はどうなっているんだ?」
「戦況は膠着状態に陥っているとのことです。さらに、月からのレーザー回線も確認されていません。」
「そ、そうか…。」
「心配ですか? 彼の事が。」
「…まぁな。」
ルクスの言葉に彼女は静かに同意した。
 戦況を聞き、視線をカップに戻す。半分ぐらいになった紅茶の表面には沈痛な面持ちの彼女の顔が写っていた。
 ウイリスの前では落ち着いた様子を見せていた彼女だったが、やはり前線で戦っているアスランやシン、フリーデンのみんなの
ことを考えると、不安な気持ちは大きい。
「なるほど、やはりあなたも乙女ですね。」
「な!? ナ、なな何を…!?」
 思わず口に含んだお茶を噴出しそうになりながら彼女は後ずさりする。いきなり言われ馴れない”乙女”という言葉に
たじろぐ姿にルクスは口元を押さえて笑った。
「失礼、歳相応の顔が見られましたので…。あなたの事は彼から聞いています。いろいろと苦労されているようで。」
「た、たいした事じゃないさ。……そう、私の苦労など、お父様の苦労に比べれば…。」
 真顔に戻って歯を噛み締める彼女を見ると、ルクスは静かにため息を漏らした。
「そうですか…。…お父上には別のやり方もあったでしょうに…。」
「え?」
「ウイリス様は中にいらっしゃいますね?」
 そういうとルクスは彼女の返答を待たずに部屋の仲へと入って行く。1人残された彼女は、ルクスの言葉にただただ立ち尽くした。
85GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/05/20(日) 22:06:03 ID:???
第六十二話『”赤い鬼神”がついてるんだよ!!』(後編)

「俺が行く! 皆援護を!!」
 そういってアスランはZGMF-X19A”インフィニットジャスティス”を敵の部隊へと突進させる。
後には10機のパイロンが控えており、マシンガンで彼の突撃を援護する。
「うおぉぉぉっ!!」
通常のMSであればこれは自殺行為に他ならない。正面にはドートレスが3機、マシンガンのトリガーを引いて正確に
ジャスティスに弾丸の雨を見舞う。
 だが、ジャスティスはその攻撃をものともせず、まったく速度を落とさずに距離を詰めた。
「な、何だこいつは!!?」
 怯むことなく突撃してくるジャスティスに、ドートレスのパイロットは驚愕の声を上げた。
 ガンダムの装甲で有名なルナ・チタニウムであっても、マシンガンやバルカンの弾が当たれば変形し、貫通し、最後には砕け散る。
だが、目の前に迫るガンダムは未だ傷一つない。実弾に対して無敵を誇る”VPS装甲”を装備しているジャスティスにとって、
実弾による攻撃は意味を成さないのだ。
 ジャスティスは両方のサイドアーマーに装備されているビームサーベルを引き抜くと、2機のドートレスを切り伏せた。
『隊長! 右!!』
 アスランは通信の声に素直に反応し、右側に取り付けられているすべてのスラスターを使って左へ強引に移動させる。
元いた場所に残った隊長機らしきドートレスがビームサーベルを振り下ろし軌跡を残す。だが、その最後の1機も10機のパイロンからの
集中砲火により爆砕した。
『見たか!! 新連邦のクソ野郎ども!!』
『俺たちには、”赤い鬼神”がついてるんだよ!!』
「無駄口を叩くな!!」
 アスランはレーダーで敵の位置を確認しながら歓喜に沸く第1、第2小隊の面々を注意した。周りではまだ戦闘が続いている。
3機のドートレスを撃墜しただけで喜んでいてはいつまでたっても戦闘は終わらない。
『ッたく、隊長も細かいなぁ! ちょっとぐらい喜んでも良いじゃないですか!?』
「そうやって喜んでいる間に味方が1機、また1機と撃墜される! 敵を倒すことも大事だが、
戦友を守ることも同じくらい大事なことだ!!」
 彼自身、自分の感情に任せて行動したために友人を1人亡くしている。そんな思いを彼らにはしてほしくなかった。

「敵の動きが妙だな…。」
ジャミルは地図を見ながら眉をひそめた。
 フリーデンは現在、連合軍の艦隊と共に行動している。戦況は徐々に連合軍が前線を押し上げており、敵MSの後退にリー将軍は
このまま一気に決着をつけるつもりで前進の指示を出した。だが、ジャミルは敵のこの後退の動きに違和感を覚えたのである。
 ジャミルの言葉に彼と同じようにブリッジで状況を見守るサラは振り返ってジャミルの顔を見た。
「戦略的後退だというのですか!?」
「敵の引き際がよすぎる。」
その心配は、的中した。

 アスランの率いる第1、第2小隊は幾重にも掘られた塹壕に身を潜めていたドートレス部隊の集中砲火を受け、完全に孤立して
しまっていた。塹壕内に隠れていたドートレスは約40機。4倍の砲門から放たれる弾丸の嵐に、彼らは成す術もなかった。
『クソ!! やつら塹壕に隠れてやがッた!!』
『隊長ぉぉぉぉっ!!!』
 さっきまで敵を倒して歓喜の声を上げていた彼らが今度は苦痛をにじませ、悲鳴じみた声を上げる。1機、また1機と目の前で
味方が倒れていく中、アスランは舌打ちをしながら決断を下した。
「俺が血路を開く、その隙に後退しろ!!」
アスランの中で、何かがはじけた。
86通常の名無しさんの3倍:2007/05/20(日) 22:42:46 ID:???
GX氏GJ!それにしてもアプサラスと第8小隊って・・・
まあ赤の騎士よりは良いか、俺08好きだしw
アレックスがアスランになってるよ、カガリも何か乙女だし
87通常の名無しさんの3倍:2007/05/20(日) 22:59:28 ID:???
更新乙、そして添削

>>83
>そんな若い国家主席の姿をカガリは静かに見守った。
進行形でないと、時間の流れと上手く合致しないかも。難癖レベル

>フリーデンに乗って前線で戦況を見守っていた方がよかったのだが
[ 戦況を把握できる前線にいた方が ]など、場所を主眼に持ってきた方が後半の文との相性がよい。難癖レベル

>会話が途切れ、部屋の仲が沈黙で支配される。 | 中が

>>84
>こうしてやってみると逆に落ち着いつかず | 落ち着かず

>強硬派が勢いに乗って次に攻め込むような真似をさせないために
今回は制圧戦でないことを踏まえると、[ 次の作戦を展開する ]くらいにぼかしておいてもよいかも。難癖レベル

>そういうとルクスは彼女の返答を待たずに部屋の仲へと入って行く。 | 中へと

>>85
>すべてのスラスターを使って左へ強引に移動させる。 | [移動する]とするかあるいは[機体を]を加える

>元いた場所に残った隊長機らしきドートレスがビームサーベルを振り下ろし軌跡を残す。
ちょっとわかり辛い文章。[ ドートレスの(振り下ろした)ビームサーベルが元いた場所に ]など、それぞれの単語の繋がりを整理すべき。難癖レベル
88通常の名無しさんの3倍:2007/05/21(月) 19:32:15 ID:???
赤い鬼神ねえ、現時点はまあいいが、この先ハートマン教育を修了した
キラが投入されてきたらどうすんのか、その際の対応見るまで安心できんなあ。
89通常の名無しさんの3倍:2007/05/22(火) 19:10:26 ID:???
GX氏の文体、物語の描き方共にシリアスな作風だからね。そこが好きでずっと読んでる訳だが
前回の小ネタも嬉しかったけど、作品から見ると少し違和感感じちゃったからね

今回は集団戦か。本編だとアスランの指揮能力は?が付きそうな印象だったけど
エスタルドでは部下に慕われてるのね
90通常の名無しさんの3倍:2007/05/22(火) 20:20:58 ID:???
>>89
キラがいないからだよきっと。
まあ種死のキラのいなかった時分のを見てると不安に感じるのも無理はないと思うけど。
91通常の名無しさんの3倍:2007/05/22(火) 20:29:08 ID:???
キラが新連邦の隠し球的に現れたら、瞬時に掌返して向こうにつくか、
あるいはケルベロスの檻とやらの再教育の結果より確実非情な殺人マシーンにでも
なってたらさすがにドン引きして裏切らないか、それともその変貌をやはり
シンやフリーデン一行のせいにして出奔するのか、はたして…
92通常の名無しさんの3倍:2007/05/22(火) 22:16:23 ID:???
てかレイと対峙した時のシンはどうなるんだろう
まだ先が見えてこないから楽しみだな
93通常の名無しさんの3倍:2007/05/22(火) 23:39:05 ID:???
>>89
単純に強いからってだけじゃないの?
しかしシンもキラも、この世界に来たばかりの時は技術差の洗礼を受けているんだが、
凸もここに来るまでにそれなりの修羅場くぐってきたのかね
94通常の名無しさんの3倍:2007/05/23(水) 00:31:09 ID:???
凸はキラシンと違ってほとんど射撃を使わない、どんなMSに乗ってもほとんど格闘一本槍なスタイルだし、隠者の格闘性能はAWのMSにとっても厄介だからな
今回の戦いぶりだと、機体性能でゴリ押ししてるようにも見えるし
逆に、隠者以上の格闘性能を持つMS…例えばコルレルとかが相手なら、現状の凸じゃ手も足も出なくなりそうだ
95通常の名無しさんの3倍:2007/05/23(水) 05:49:15 ID:???
数ヶ月ぶりに来てみたら新作大量アップでウッハウハ

明日もとい今日学校なんだがどうしてくれる

GJ!!!
96通常の名無しさんの3倍:2007/05/24(木) 13:34:34 ID:???
ドートレスネオが出てきたら凸の戦い方は機能しなくなるよな。
97通常の名無しさんの3倍:2007/05/24(木) 13:54:23 ID:???
バリエントの時点で通用しないだろ
ガロード達だって最初苦戦したくらいなのに
98通常の名無しさんの3倍:2007/05/24(木) 14:24:58 ID:???
そういやバリエントもビーム持ちか。
シンはVPSに頼ってばかりじゃいけないって思ってんのに。
99通常の名無しさんの3倍:2007/05/24(木) 22:39:52 ID:???
ガディールコワス
100通常の名無しさんの3倍:2007/05/25(金) 19:07:21 ID:???
もしかしてレオパルドってPS装甲の天敵?
101GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/05/26(土) 17:22:35 ID:???
レオパルドと言うかビーム兵器持っている奴はPS装甲の天敵なのではと思いつつ…

 エー、こうやって投下以外で書き込みするのは久しぶりですねぇ…
仕事のほうはようやく研修が終わり“そう“です。終わったらなんか新しく立ち上げる
部署の管理をしろといわれてます。
新人にそんなことやらすなと思いますが(残業とかがあったらSS書く時間なくなるし)

少しばかり今後の展開について。
今まで“オリジナルな話やりたいな“といってはいたものの、
結局本編通りの話しか書いていませんでした。ですので、この場を借りて宣言させていただきます。

本編の時間軸の中で“誰かさん“が一旦フリーデンを離れて別行動をするため、そちらにスポットを当てた話を書きます。

まぁ、結局はフリーデンに戻ってくるのですが。こうやってずっと本編をなぞるだけじゃ
自分自身不完全燃焼で終わりそうなんです。
 これに反感をもたれる方もおられると思います。大風呂敷広げすぎて話の収拾つかなくなるんじゃないかと
思う方もいると思います(私も広げすぎないか不安です)
賛否両論あるでしょうけども、やらせてください。 

後2話分はまだオリジナルはやりません。ですが、その後はそういう方向で行きます。
やれるだけのことはやるつもりなので今後ともよろしくお願いします。m(_ _)m
102通常の名無しさんの3倍:2007/05/26(土) 18:24:52 ID:???
何を今更。ここの住人はGX氏の作品を楽しみにしてる連中ばかりですよ。
GX氏が書きたいと思う物を書くのが一番ですし、ここの住人は、少なくとも自分はそれを楽しみにしています


入社していきなり管理職とは凄いというか大変というか…w
無理せずお体に気をつけてください。何事も体が資本ですから
103通常の名無しさんの3倍:2007/05/26(土) 18:31:36 ID:???
どんな展開になろうと最後まで見届けますよ、ガンガンいっちゃって下さい
104通常の名無しさんの3倍:2007/05/29(火) 13:03:47 ID:???
保守

誰かさんが別行動…普通ならシンだが…
本編の時間軸の中でとなると…あの優男かしら
105通常の名無しさんの3倍:2007/05/31(木) 16:53:23 ID:???
誰かさんが一人とは限らない気もする・・・
106通常の名無しさんの3倍:2007/05/31(木) 21:33:42 ID:???
てかビーム兵器が標準武装のCE73年代じゃPS装甲のアドバンテージが無くなったと思うんだが

今日2005年3月号のダムA見てきた。それによると
ニュータイプ研究所がネパール辺りでジャミルたちがカリスに助けられた辺りがモンゴルの北側辺りだった
でカスピ海の近くになんか基地があってそこから宇宙に飛んだ・・・かもしれない
そこから飛んだかどうかは明確に書いてなかったがほぼ間違いないだろう

まあNT研究所から北米大陸まで行くのに一日ぐらいしかかからないと思うが
107通常の名無しさんの3倍:2007/05/31(木) 23:52:36 ID:???
それ飛行機使ったらだろ?
AWの世界観で飛行機なんて軍の任務以外で飛ぶのか?
108通常の名無しさんの3倍:2007/06/02(土) 10:45:24 ID:???
エアマスターが必要だわな
109GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/06/03(日) 21:22:52 ID:???
あれ? 前回投下から2週間たってる… 
ごめんなさい(T T)ノ どうにも戦闘シーンが上手く書けなくて…

第六十三話『まだ確認されんのか!?』(前編)

 新連邦軍の策にはまってしまった連合軍は、塹壕に潜むドートレス部隊からの激しい攻撃を受け劣勢に立たされていた。
ウイッツとロアビィも必死に戦っていたが、たった2機のMSが奮戦した所で、どうにかできるような状況ではなかった。
 ロアビィの乗るレオパルドは、その強固な装甲と火力を武器に最前線に出て塹壕から頭を覗かせているドートレスへの攻撃を続けていた。
かつての戦争の際に最終決戦兵器として作られたと言うだけあって、量産型のドートレスではレオパルドを止めることはまずできない。
しかし、それは1対1の時の話であり、絶対的な数の前にロアビィも舌打ちをせずに入られなかった。
「ッたく! 後から後からうじゃうじゃわいて来やがって!!」
塹壕から頭を覗かせているドートレスを1機破壊すると、そこにできた穴を補うように2機のドートレスが顔をのぞかせる。
ねずみ算式とは言わないまでも、敵の数が減る気配は一向になかった。
 そんな状況に業を煮やした連合軍のパイロン1機が塹壕に向けて全速力で機体を進ませる。左腕のインナーアームガトリングを
撃ち続けるレオパルドの横をすり抜け、その1機は塹壕へ向けて突撃していった。
「ッ!? やめろぉぉぉ!!」
 ロアビィは突撃するパイロンに大声で叫ぶ。だが、パイロンは静止することなくまっすぐに敵に向かって進んでいく。
そしてドートレス部隊からの集中砲火を受けて、爆砕した。
「クッ…!!」
 ロアビィの顔がゆがむ。その表情には声にならない”バカ野郎!”がにじんでいた。
『俺が上からやつらを叩く!!』
 上空でバリエント部隊を相手にしていたエアマスターが飛行形態のまま上空からの攻撃を試みる。ドートレスからの攻撃を最小限の
動きで避けながらエアマスターは銃口を向けた。
 塹壕は地面に溝を掘り、敵の攻撃から身を守るためのものである。その性質上、直接地面に立って戦うよりも被弾の
確率は少ないが、”上”からの攻撃には極端に弱い。
「穴ん中に隠れているクソ野郎どもにきついやつをかましてやるぜ!!」
そう言ってトリガーに手をかけた瞬間、けたたましく警報機が鳴り響いた。ウイッツがレーダーに目をやると、
接近する機影が2機映し出される。
「ッ!? 敵の新型か!!?」
地面に向かって進んでいた機体を強引に方向転換させ、近づいてくる新連邦の新型MA”ガディール”を迎え撃つべく上昇していった。
 夜の空に溶け込むような紺色のMA”ガディール”は、メインスラスターが2基と、機体中央から長く伸びた機首の下にビーム砲が一門、
MSの頭部を思わせる形のメインカメラがなければ”戦闘機”としか言い様がない形状をしていた。前大戦時に制空権を得るために
作られたエアマスターと、そのノウハウを生かしつつ量産型として作られたガディール。両機の空中での性能はほぼ互角。
2機のガディールとエアマスターの戦うその光景は、何十年も前に同じように空中で繰り広げられていた戦闘機同士の戦いのように
華麗に、そして激しい物になっていった。
110GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/06/03(日) 21:26:32 ID:???
第六十三話『まだ確認されんのか!?』(中編)

「いくぞ!!」
 生き残っている第1、第2小隊の面々に指示を出し終えると、アスランはジャスティスの背中に装備されている”ファントム−01”を
切り離し、その上に乗って塹壕に潜む敵めがけて単機で進撃を開始した。塹壕からは10数機のドートレスが顔を覗かせ、
マシンガン、バズーカ、背中に装備するタイプの500ミリキャノンなどなど数多くの砲門を向ける。
「まだだ…!!」
 バズーカと500ミリキャノンの攻撃は回避し、マシンガンは2、3発の被弾は覚悟の上で突撃を続ける。急な回避行動と装甲に
攻撃が当たった時の衝撃でコックピットの中は常に振動に襲われながらも、アスランは歯を食いしばって”攻撃”のタイミングを図った。
「まだ…、まだ……! ……今!!」
 その瞬間、後ろに控えていたパイロン達はいっせいにハンドグレネードを塹壕に向かって放り投げた。着弾点は塹壕とその周辺。
幾つもの爆音と煙を巻き上げながらグレネードは爆砕する。朦々と立ちこめる煙の中にアスランは迷うことなく機体を飛び込ませた。

『う、うあぁあぁぁ!!』
煙が立ちこめる中、ドートレスはマシンガンを当たりかまわず乱射させる。さっきまで近くにいた仲間たちの姿を見つけることはできず、
さらにビームサーベルが金属を切り裂くような音だけが大きく聞こえた。
「来るな…! 来るなぁあぁぁ!!」
パイロットはパニック状態になっており、右手は操縦桿を折らんばかりに握り締めている。荒い息の中、弾切れになったことに
気づかずに彼はマシンガンを振り回し続けたが、突然、機体上部を激しい衝撃が襲い、ディスプレイからすべての映像が消えた。。
『ハ、ハハハ…。』
ズシン、ズシン、と近づいてくる何かに恐怖に引きつった顔のまま、彼の視界は光に包まれた。


 ハンドグレネードが投げ込まれて2分ほどたった頃、煙の中から上空へ向かって飛び出してくる機影を新連邦軍のドートレス部隊の面々は捉えた。
『バカめ!! 全員上空に飛び出したガンダムに攻撃を集中しろ!!』
後方の塹壕に待機していたドートレス部隊は隊長の指示に従い、煙をまとったまま飛び出してきた何かに激しい砲撃を見舞う。
だが、煙を振り払って出てきた物は先ほどまでジャスティスが乗っていた”ファントム−01”だけであった。
「な?」
 あっけに取られた隊長機を一条の光が撃ち抜く。最前列の塹壕の煙がはれると、そこには隠れて攻撃をしていたドートレスの
残骸が転がっているだけであった。
「うおおぉぉぉっ!!」
 敵の塹壕に侵入することに成功したアスランは、敵陣まで一本道の塹壕をまっすぐに突き進む。
 一本道でMS1体がどうにか活動できる横幅しかない塹壕の中では、複数のMSがいても障害物にしかならない。さらに、
ビームは貫通して後ろに控える敵も一緒に破壊する。そして破壊してできた爆炎は敵の視界を奪う。
 だが、塹壕の中では前進するか後退するか二つに一つ。塹壕に侵入した敵を撃退するべく、数機のドートレスが塹壕から這い出して
上からジャスティスに直接攻撃をしようとライフルを向け、トリガーに指をかけた。
『ようやく出てきやがったな!!』
 ライフルのトリガーを引こうとした瞬間、第1、第2小隊で生き残っていた数機のパイロンがジャスティスと同じように塹壕に入り込み、
這い出してきたドートレスに対してお返しとばかりに激しい攻撃を加える。両側の壁の上で爆発が起きる中、ジャスティスは迷わず前へ前へと進んだ。
111GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/06/03(日) 21:29:34 ID:???
第六十三話『まだ確認されんのか!?』(後編)

「月からのレーザー回線は、まだ確認されんのか!?」
前線の様子や自軍の損害状況が次々と報告される中、今回の作戦の本命であるサテライトキャノンの起動が確認されないことに
リー将軍は焦りを感じ始めていた。
 サテライトキャノンの発射予定時刻を既に15分オーバーしている。敵に発見されて攻撃を受けていることはほぼ間違いない。
「ええい!! 新連邦軍は一体どれだけの戦力をこの戦いに投入しているというのだ!?」
前線では塹壕に隠れて戦う何十体にも及ぶドートレス、空にはエアマスターと互角の戦いを続ける新型ガディール、さらに
ダブルエックスとディスティニーを止めるだけの戦力。
圧倒的な物量差を前に、将軍の表情は険しくなるばかりであった。

果たして我々に価値目はあるのだろうか?

 そんな嫌な考えが頭をよぎる。
 今回の作戦が失敗に終われば国そのものの存続すら危ういというのに、自分達は一体何をしているのだろう。
自分の無力さ、情けなさが将軍の拳を強く強く握らせる。わなわなと震えるそれをどこにぶつければいいかわからず、
さらに表情を険しくさせていた。


 その頃、ダブルエックスとディスティニーはヴァサーゴとアシュタロンを相手に戦いを続けていた。
「ハァッ! ハァッ!! ハァッ!!」
 コックピットの中で操縦桿を握るシンは荒い息を吐きながら必死に戦っていた。だが、それをあざ笑うかのようにヴァサーゴと
アシュタロンはストライククローやアトミックシザーズで打撃を見舞う。それは、彼にとっては屈辱的な戦い方であった。
「クッソォォッ!」
『どうした? 先日よりも動きが鈍いぞ!?』
 ヴァサーゴはストライククローで殴りつけながらシンの気持ちをかき乱すようにあざ笑う。
ディスティニーのアトミックランチャーを見たフロスト兄弟は、離れて戦うことが不利だと判断し、一定の距離以上は離れようとしない。
フラッシュエッジ2を右手で操りながらシンは脂汗を浮かべながら応戦する。
『シン!!』
『君の相手はこの僕だ!』
 防戦一方のディスティニーを援護しようと機体を進ませると、そのあいだには必ずアシュタロンが割って入る。その動きは普段の
戦闘の時に見せるようなものではなく、”とりあえず近づかせないように”と手を抜いている様子が感じられた。
『僕達は彼にチャンスを与えたんだ。』
『チャンスだと!?』
『そう、あの時は2人がかりで彼を止めたからね。あっさり負けた彼に再戦のチャンスを与えてやったのさ!』
 嬉々と語るその様子にガロードも怒りをあらわにする。だが、オルバを出し抜くことはそう簡単なことではない。時間がない中で、
この状況は苦しいものがあった。
 しかしガロードがそれ以上に気になっていたことは、今ヴァサーゴと戦うディスティニーの動きが明らかにいつもとは違っていたことだった。
112通常の名無しさんの3倍:2007/06/03(日) 22:11:08 ID:???
GX氏GJ!アスランどうしちまったんだ?って種割れしてたんだっけ
ガロシンコンビは変体兄弟と交戦中か
相変わらずのクオリティに敬礼!
113通常の名無しさんの3倍:2007/06/03(日) 22:21:43 ID:???
GJ!
でも隠者が背負ってるのはファントムじゃなくてファトゥムなんだぜ……
114通常の名無しさんの3倍:2007/06/03(日) 22:43:49 ID:???
GJ!
>>113
きっとグレートブースターみたいに飛んできて合体してから打ち出すんだよ。F-4を。
115通常の名無しさんの3倍:2007/06/03(日) 22:57:26 ID:???
更新乙、そして添削

>>109
>絶対的な数の前にロアビィも舌打ちをせずに入られなかった。
絶対的な数の差に〜いられなかった

>塹壕から頭を覗かせているドートレスを1機破壊すると、
同じ説明の繰り返しになっているので、クドく感じさせてしまう場合あり、
[ 1機破壊すると ]くらいバッサリ削ってしまっても良いかも、難癖レベル

>だが、パイロンは静止することなくまっすぐに敵に向かって進んでいく。
>そしてドートレス部隊からの集中砲火を受けて、爆砕した。
この場合つないでしまった方がより一連の流れを表現できるかな、難癖レベル

>近づいてくる新連邦の新型MA”ガディール”を迎え撃つべく上昇していった。
ウィッツに合わせてここではまだ名前などを濁しておいた方が良いかも、難癖レベル

>>110
>ズシン、ズシン、と近づいてくる何かに恐怖に引きつった顔のまま
全体で見ると擬音が浮くため、読み手に違和感を与えるかも、難癖レベル

>ジャスティスは迷わず前へ前へと進んだ。
[ 前へ前へと ]は心理的強調が強いため、主語にするならば人間の方が望ましい、
ここでは[ 前進を続けた ]などで抑えておいても良いかも、難癖レベル

>>111
>ダブルエックスとディスティニーを止めるだけの戦力 | [ 足止めできる ]、難癖レベル

>果たして我々に価値目はあるのだろうか? | 勝ち目

>自分の無力さ、情けなさが将軍の拳を強く強く握らせる。
前後が将軍を主眼に置いた文章であるのに対し、ここで主語がすりかわっているので
強調効果はあるものの形は悪いかも、難癖レベル

> 防戦一方のディスティニーを援護しようと機体を進ませると | [ ガロードが ]が抜けている?

>しかしガロードがそれ以上に気になっていたことは、今ヴァサーゴと戦うディスティニーの動きが明らかにいつもとは違っていたことだった。
[ ことは〜ことだった ]では少し代名詞に頼りすぎ。
[ ガロードにとってそれ以上の不安は ]、あるいは[ ディスティニーから感じる明らかな異常だった ]など
変化をつけると良いかも、難癖レベル


とここまで書いてきてあまりに難癖だらけというか、ちょっと調子に乗りすぎかなぁ…初心に返って誤字脱字のみ抜き出すべきか
116通常の名無しさんの3倍:2007/06/03(日) 22:58:37 ID:???
どのファントムだ?
FH−1?
それともF−4?
117通常の名無しさんの3倍:2007/06/04(月) 14:57:12 ID:???
いやアークの空気が肌に合わなかったタンクヤローだろ

何はともあれGJ!
デスティニーの動きが違うのが気になるぜ…
アトミックランチャーのせいかしら…
118通常の名無しさんの3倍:2007/06/04(月) 17:26:46 ID:???
シンが迷ってのも珍しいな……
俺はシンが名前なんて所詮飾りに過ぎんことに気づいてくれると信じてる。

名前つきの武器カコイイけど、それに飲まれちゃだめだよな……
119通常の名無しさんの3倍:2007/06/05(火) 23:00:06 ID:???
>>115
添削の人乙、てか兄弟スレにもきて欲しい
あっちに新人さんが二人いるんで良い励みになると主雲すけど
俺らじゃうまい「モンク」が言えないんで手伝って保志逸す
120通常の名無しさんの3倍:2007/06/06(水) 21:32:12 ID:???
>>119
職人方がOKなら、そりゃあまぁ構わないですが
枝葉末節でわざわざ重箱の隅つついてる訳で励みにはあんまりならないんじゃないっすか
121通常の名無しさんの3倍:2007/06/06(水) 21:56:37 ID:???
向こうにもここにも別に来なくていい
つか来んな
122通常の名無しさんの3倍:2007/06/06(水) 22:31:55 ID:???
ここではGX氏が容認なさってたみたいだからまあいいとして、
他の(スレの)職人・読者諸氏によっては反感と荒れの元にもなりかねないかも?
もっとも正直>>119も真剣に言ってるようには見えんけどね。
123通常の名無しさんの3倍:2007/06/06(水) 22:43:41 ID:???
実際問題このスレでも散々叩かれてた訳で
124通常の名無しさんの3倍:2007/06/06(水) 22:50:46 ID:???
重箱の隅つつくのって楽しい?
コレは職人の為なんだ、きっと励みになる筈だとか思ってやってんの?
それとも編集者気取りか暗にバカにしてんのか?
125通常の名無しさんの3倍:2007/06/06(水) 23:12:53 ID:???
う〜ん……正直言って添削の人がいるのが当たり前になっちまってたw
ここで騒ぎ出しても今更何よ?って感じしかしないぜ。
126通常の名無しさんの3倍:2007/06/06(水) 23:13:58 ID:???
このスレで初めて見たときは、何だコレ…… とは思ったが
SS書いてる本人がいいって言ってるならいいんじゃね。
外野がどうこう言ってもしょうがないし。

でも普通は荒れるよな。
127通常の名無しさんの3倍:2007/06/06(水) 23:15:21 ID:???
じっくりコトコトって感じのスレだもんなぁ
128通常の名無しさんの3倍:2007/06/06(水) 23:15:26 ID:???
普通に慣れたし見たくないならあぼんすりゃいいだけじゃね?
129通常の名無しさんの3倍:2007/06/06(水) 23:25:21 ID:???
そうだな。
でも向こうのスレまで行って添削してほしいかどうか聞かなくても。
130通常の名無しさんの3倍:2007/06/06(水) 23:29:39 ID:???
待てこれは>>119の罠だ!
131通常の名無しさんの3倍:2007/06/06(水) 23:36:35 ID:???
添削内容が的外れで俺流文章押し付けてるだけならアレだけど、
指摘してる部分はあながち間違いでもないからいいんじゃないのとは思うよ。
GX氏もそれで許容してるんだろうし。
132通常の名無しさんの3倍:2007/06/06(水) 23:42:49 ID:???
俺このスレから見始めた新参だからよく分からんが、もうその辺は散々議論したうえで
職人さんがおkなら……ってことになってるんじゃないの?

誰かそろそろ流れを変えてくれyp!
133通常の名無しさんの3倍:2007/06/07(木) 00:25:42 ID:???
おいしいホイコーローの作り方

まず豚肉とキャベツを用意します
134通常の名無しさんの3倍:2007/06/07(木) 00:37:29 ID:???
wwwww変わり過ぎwwwツボったwwwwwwww
135通常の名無しさんの3倍:2007/06/07(木) 00:53:45 ID:???
次に鍋に水とねぎ、生姜の薄切りを入れ、豚バラを入れます。

弱火で30分ほど煮込み、こまめに灰汁を取ります。

茹で上がったら、豚バラを厚めに切ります
136通常の名無しさんの3倍:2007/06/07(木) 10:18:45 ID:???
てか、GX関係NEEEEEEEEEEEEEE!

シンが動きが鈍いのは「国」とか「国民」とか「街の様子」とかで頭ハツカネズミ状態なのだと思ったです
137通常の名無しさんの3倍:2007/06/07(木) 22:25:22 ID:???
MSに重たい武器は要らないんだ!とばかりにアトミックランチャーを投げ捨ててサーベルだけで挑む

うん、折角の新装備が意味無いねorz
138通常の名無しさんの3倍:2007/06/08(金) 20:10:07 ID:???
寧ろそれでどつく

タタタタタッ タータ タタタタタッ♪
なノリで
139通常の名無しさんの3倍:2007/06/13(水) 02:07:16 ID:???
PHASE-01「また戦争がしたいのか!」
PHASE-02「慎ましくな」
PHASE-03「名はその存在を示すものだ」
PHASE-04「アスラン・ザラ?」
PHASE-05「俺はあんた達を信じない!」
PHASE-06「何故偽りの世界で笑うか!」
PHASE-07「敵って…誰だよ…」
PHASE-08「誤魔化せないって事かも」
PHASE-09「やっと来て下さいましたのね」
PHASE-10「あのパトリックの息子です!」

なんとなく、種死を10話までX風タイトルにしてみた。
意味は無い。
140通常の名無しさんの3倍:2007/06/13(水) 17:15:19 ID:???
なかなかいいじゃない
G J
141通常の名無しさんの3倍:2007/06/16(土) 19:21:52 ID:???
種死はまともに見てないが
X風タイトルいいね
142保守氏まだかな・・・:2007/06/18(月) 22:28:01 ID:???
何で兄弟スレのことになると一々荒れるんだろうな・・・元は同じスレだったうえに住人はかぶってるだろうに
今のX本スレを今度からテンプレに入れようと提案されてたからこっちも入れようか

機動新世紀ガンダムX−43
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/x3/1176510623/
143通常の名無しさんの3倍:2007/06/20(水) 15:39:30 ID:???
GX氏の多忙さが想像できて空恐ろしい…
先日来、業務が集中しすぎて倒れて廃人になった人のニュースが新聞やTVで
散見されてるだけに…どうかご無事で。

それはそうと、某よそのキラはフルメタルジャケット式新兵訓練で意外にも
心身ともに健全化を達成しつつあるが…こなたのキラinケルベロスの檻とやらでは
どうなってますのやら…
144GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/06/24(日) 20:06:21 ID:???
あー、3週間ぶりっすか…
つうか、新人相手に容赦ないヨうちの会社…
先週から始まった残業が10日で20時間弱……
あれ? このペースじゃ月の残業40時間?

とか何とか思いつつ、今回投下するねたには以前私がバイク(原付)でスっ転んだときの
体験を過剰演出して使用しています。 なんじゃこりゃと思うかもしれませんが私のときは
こんなでした。それではいってみよう!!

予告

全ての物には『限界』というものが存在する

かつて体験した出来事によって、シンは大きく揺さぶられる。

そしてそれが頂点に達したとき、彼は初めて、背を向けたのだった。


第六十四話『この罪は万死に値する!!』
145GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/06/24(日) 20:09:20 ID:???
第六十四話『この罪は万死に値する!!』(前編)

怖かった。
目の前にいるヴァサーゴが怖かった
ヴァサーゴの振り回す爪が、放つビームが、なぎ払うサーベルが怖かった。
視界にいないアシュタロンも怖かった。
いつ機体を拘束されてしまうか、あのはさみが、あのパワーが怖かった。
あの時のものすごい衝撃が何度も何度も彼を襲う。
視界の半分はパチパチと銀色の得体の知れない火花に覆われ、顔色は青く変色していく。
シンは自覚していなかったが、
彼の体はヴァサーゴとアシュタロンのコンビと戦うことに拒否反応を示していた。

 彼は浅く速いテンポで呼吸を繰り返す。操縦桿を握る手は余計な力が加わり、いつもどおりに動いていない。結果的にいつもの
彼なら回避できる攻撃をまともに受け、もう何度も地面に倒れていた。
 ゾンダーエプタでの戦いで、彼は初めて”撃墜”された。爆発や衝撃という点ではフリーダムを撃墜したときなど、
これと同等の衝撃を味わったこともある。だが、それとは比べ物にならないほど”その瞬間”は彼にとって恐ろしいものであった。
はじけ飛ぶ計器類、ショートして火花を上げる回路、けたたましく鳴り響くアラームに危険を知らせるレッドランプ。
あの時の光景が、音が、衝撃が、何度も何度もフラッシュバックして彼を襲った。
 修復作業のときに何度もコックピットの中に入って作業をしたし、作戦を決行されてから戦闘に至る前までは、今までどおりに
機体を操る事ができた。だが、戦闘が始まってヴァサーゴとアシュタロンと戦っていく中で”あの瞬間”が脳裏に
よみがえったまま離れてくれない。
 額を浮かぶ幾つもの汗が彼のすさまじい緊張を物語っている。
「ハァッ、ハァッ、ハァッ、ハァッ……!!」
 どれだけ呼吸を繰り返しても足りない。むしろ吐いている量のほうが多く感じられた。
『どうした雑兵? いつも突撃する貴様が、今日は逃げてばかりだな?』
『無様だね!』
 正面で彼と戦うヴァサーゴから、背後でダブルエックスを押さえているアシュタロンから嘲笑の混じった声が響く。普段の彼なら
それに反応して怒りをあらわにしただろうが、今のシンにはそんな余裕はない。大きく膨れ上がった”恐怖”という感情を押さえこみ、
逃げたくなる気持ちをこらえて戦うことで精一杯であった。
『シン!!』
 ガロードもシンほどではないものの、余裕のある状況ではなかった。新連邦軍と連合軍が戦い始めて既にかなりの時間が経過している。
連合軍が優勢であろうが劣勢であろうが、ダブルエックスが新連邦軍の爆撃基地を破壊しなければ連合軍に真の勝利はない。

ウゥーッ! ウゥーッ!

『おや? どうやら基地にスクランブルがかかったようだな?』
 サイレンを聞いたシャギアは爆撃基地の方向にメインカメラを向ける。夜の滑走路を照らすライトが次々に点灯し、
爆撃機の離陸まで時間が長くないは明らかだった。
「クソッ…!」
 眼前にタイムリミットを突きつけられたガロードは毒づく。状況はまずい方向へと進んでいる。滑走路で準備をしている爆撃機を
基地から飛び立たせたらおとりをしているジャミルたちの命が危ない。
「どうにかあれを止めないと……!」
『俺が、…こいつらを、ひきつける…!』
ヴァサーゴの攻撃を掻い潜りながらシンはダブルエックスに通信を入れた。モニター越し見るシンの顔は先ほどまでの
彼とは大きく変わっていた。
146GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/06/24(日) 20:11:46 ID:???
第六十四話『この罪は万死に値する!!』(中編)

「お…、おい大丈夫かよ!? どこかけがでもしたのか!!?」
『だ、大丈夫だ! 大丈夫じゃないけど大丈夫だ!!』
そういってシンは親指を立てて笑った。顔は青く、額からあごにかけて幾つも汗が流れている。その量は尋常なものではなかった。
『俺が、やつらをひきつける! その隙に、基地を…、破壊しろ!!』
「引きつけるったって…。」
『チャージ完了までの時間は、そんなに長くないんだろ!? 今回は基地を破壊すれば、俺たちの…、俺たちの、勝ちだ!!』
 そういうとシンは通信を切り、機体を上空に飛び立たせた。それを追ってヴァサーゴも上空へと舞い上がる。
アトミックランチャーを警戒してか、相変わらず距離を詰めて攻撃を繰り返す。
『逃がさん!!』
「グ、グゥゥゥゥ!! ここで逃げたら……! 俺はもう…!!」
恐怖心が膨れ上がり、”逃げ出したい”と思う気持ちが彼の心を侵食していく。ひとたび気を緩めれば本当にガロードを
おいて逃げ出しかねない。彼は折れそうな心を必死に支えながら戦う。
「このままじゃダメだ……! 2機とも抑えなきゃ………!!」
ヴァサーゴとアシュタロン。おとりになった以上、この2機をどうにかしてダブルエックスから引き剥がさなければならない。
残っているアシュタロンをどうやってこちらに引っ張るか。恐怖でパニックになりかけている頭で必死に方法を思案する。
しかし、その隙を見逃すほどシャギアは甘くはない。
『戦いに集中できていないな!!』
ヴァサーゴがビームサーベルを袈裟懸けに振り下ろす。思案中に放たれた攻撃に、シンの反応は一瞬遅れた。
「う、うわぁあぁぁっ!!」
回避が間に合わず、ディスティニーは左手でヴァサーゴの腕を受け止める。その瞬間、恐怖で固まっていたシンの腕が条件反射で
操縦桿を操り、機体をヴァサーゴに組み付かせた。
『何!?』
「ああぁあぁぁ!!!」
無我夢中で腰に回された右手のパルマ・フィオキーナを放つ。浅い角度で打ち込まれたビームは後から右わき腹にかけて貫通した。
『邪魔だ…!』
 シャギアはすぐさま機体両腕のストライククローでディスティニーを引き剥がす。ディスティニーが態勢を整えるまでの
一瞬に機体の損傷をチェックし、そして驚愕した。
『メ、メガソニックの動力ケーブルを!?』
ヴァサーゴの胴体には、切り札となる”メガソニック砲”と呼ばれる大型ビーム兵器が内蔵されている。その砲門にエネルギーを
送り込む動力ケーブルの一つを、シンは偶然にも撃ち抜いたのだ。先ほどまで雑兵扱いしていた敵に機体を損傷させられたシャギアは
思考を停止させた。
 その間に体勢を立て直したディスティニーは、アトミックランチャーを構えてヴァサーゴに狙いを定める。以前装備されていた
高エネルギー長射程ビーム砲のおよそ1.7倍の出力を持つアトミックランチャー。ルナ・チタニウム製の装甲相手に
どれだけダメージを与えられるかわからないが、うまくいけば一撃でヴァサーゴを落とす事ができるだろう。
『兄さん!!』
シンがトリガーを引く寸前に、アシュタロンが空中で固まっていたヴァサーゴを捕まえて一緒に射線上から退避する。
長射程ビーム砲の物より2倍弱太いビームが、ヴァサーゴ達のいた空間を一瞬のうちに通過した。
『兄さん! 兄さん!!?』
『…オルバよ、どうやら私はあいつの力を見くびっていたようだ…。』
口調は普段どおりであったが、シャギアは恐ろしいほどの殺気をまわりに撒き散らし始めていた。
147GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/06/24(日) 20:14:05 ID:???
第六十四話『この罪は万死に値する!!』(後編)

「ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…。」
 シンは相変わらず速いテンポで呼吸を繰り返す。先ほどのほんの10秒程度の攻防は無我夢中で機体を操作していた。
今までの戦いの中で培ったものと言えば聞こえが良いが、実際の所、がむしゃらに動かしていたに過ぎない。
右手のパルマ・フィオキーナの発射にいたっては完全な誤射だった。
 青白い光を放つ月から、マイクロウェーブの照準用レーザーがのびてくる。レーザーの向かう先にダブルエックスが金色の翼を広げていた。
『オルバよ、基地のことはもういい。』
『兄さん!??』
 ダブルエックスが両腕両足のエネルギーラジエータープレートから周囲がゆがんで見えるほどの熱量を吐き出す。
シャギアはその様子を流し見たあと、ディスティニーに向き直った。
『我々にとって、あの基地は利用価値などない。サテライトキャノンに真正面から立ち向かうなど、愚の骨頂だ。』
『でも兄さん!!』
抗議の声を上げるオルバをシャギアは眼光だけで静かにさせる。その瞳には怒りの炎がメラメラと燃えていた。
『…だが、やつは雑兵の分際で私の愛馬に傷をつけた。この罪は万死に値する!!』
『…わかったよ兄さん。確かにそれは、十分な理由だね…!』
 ヴァサーゴとアシュタロン、2機のガンダムがディスティーと向かい合う。ディスティニーの中でシンは震えていた。
「ハァッ、ハァッ、ハァッ、ハァッ…!!」
 あの時、彼はこの2機に撃墜された。だが、その撃墜の仕方はパイロットであるシンを殺す目的のものではなかった。
だが、今回は違う。2機とも、むき出しの敵意を彼に向けていた。
『シン・アスカ、だったな。』
 ヴァサーゴから外部スピーカーを通じて声が届く。低く、濁りのない声がシンの嵐のように荒れる心をさらに揺さぶる。
『貴様は言ったな? “私の胸に名前を刻む”と。良くぞ目的を果たした、それについては賞賛しよう。』
『けど、それは君のような雑兵がやって良いことじゃなかったんだよ。』
 アシュタロンからも声が響く。ヴァサーゴ同様落ち着いた声であったが、若干こちらの方が若々しく聞こえた。
『ねずみは常に猫に狩られる側じゃなきゃ…。 ね、兄さん?』
『お前はネズミの以下の分際で、猫にではなく我々兄弟に噛み付いた。そのことを、あの世で後悔してもらおう……!』
 2機はじりじりとディスティニーとの距離を詰める。シンは口をガタガタと震わせながらそれを見つめる。
恐怖に完全に支配された彼の体は、まったく言うことを聞かなかった。
 ダブルエックスのツインサテライトキャノンが発射され、基地は光に包まれる。その光をバックに迫る2機のガンダムを前に、
シンの心はついに折れた。
148通常の名無しさんの3倍:2007/06/24(日) 20:37:53 ID:???
GX氏GJ!恐怖に震えるシンがフロスト兄弟と戦うのが良い感じですね
お仕事のほうも大変でしょうが続きを楽しみにしています、頑張ってください
149通常の名無しさんの3倍:2007/06/24(日) 20:53:24 ID:???
GX氏GJ!
150通常の名無しさんの3倍:2007/06/24(日) 21:04:40 ID:???
更新乙、そして添削

…した所、難癖抜けば問題無し、パーフェクトですね
151通常の名無しさんの3倍:2007/06/24(日) 21:43:19 ID:???
GJ!
シン早く逃げてーw
152通常の名無しさんの3倍:2007/06/25(月) 21:10:46 ID:???
いや、逃げてはいけないw

添削氏も100点満点を付けた一作、感服です

考えてみれば種死本編含めてシンが戦うことに恐怖したのって初めてじゃないだろうか
エーズパイロットが初めてかかる新兵の病気、どうやって立ち向かっていくか凄い楽しみ
153通常の名無しさんの3倍:2007/06/25(月) 21:17:14 ID:???
そこでいいニートことジャミルの出番でつよ
154通常の名無しさんの3倍:2007/06/25(月) 21:51:49 ID:???
えーと、非常に言いにくいのですが・・・>>147
>ヴァサーゴとアシュタロン、2機のガンダムがディスティーと向かい合う。ディスティニーの中でシンは震えていた。 | ディスティニー
かと
GX氏と添削氏、ならびに公転スレの皆様、本当にごめんなさい
そろそろS作戦が始まりますね、これから先がどうなるのかが気になります
いつもながら乙です
155通常の名無しさんの3倍:2007/06/25(月) 21:52:55 ID:???
いやあやまらなくても…見落とし拾い乙
156通常の名無しさんの3倍:2007/06/28(木) 20:48:37 ID:???
保守?
157通常の名無しさんの3倍:2007/07/01(日) 20:04:23 ID:???
保守?
158通常の名無しさんの3倍:2007/07/01(日) 20:49:02 ID:???
なんつーか、GX氏の投下より添削叩きの方が盛り上がってたってのはどうよ…
159通常の名無しさんの3倍:2007/07/02(月) 02:16:43 ID:???
そういえばACE3でSEEDとX共演するね
160通常の名無しさんの3倍:2007/07/03(火) 16:13:32 ID:???
本人が誤字脱字だけを添削しようかという発言に対し兄弟スレに来てくれというレスがついた
それに一部の住人が暴れて兄弟スレにも飛び火しただけ
添削の人が名無しなのもあるかもな
BB戦士三国伝にガンダムALIVE、8月号のダムA(Xのコラム)にACE3参戦
ほかのXスレでは結構話題になってるがね
まあ保守氏が来るまで保守しつつ兄弟スレを置いておくわ

ガロード達が種・種死世界に来たら -風景画10枚目-
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/shar/1181749113/
161通常の名無しさんの3倍:2007/07/03(火) 16:20:39 ID:???
もはや風景画では話題にさえなってないのにわざわざリンク貼る件。
162通常の名無しさんの3倍:2007/07/03(火) 21:09:07 ID:???
別にいいじゃん、今の兄弟スレだろ?あってもなくても変わらんよ
ここは風景画や本スレと違ってのんびり進めばいいんだし
GX氏と保守氏の投下をおとなしく待ってても良いだろ
163通常の名無しさんの3倍:2007/07/03(火) 21:32:52 ID:???
保守氏最近忙しいのかねぇ…
164通常の名無しさんの3倍:2007/07/05(木) 19:14:59 ID:???
保守?
165通常の名無しさんの3倍:2007/07/08(日) 12:56:30 ID:???
腐女子死ね・くたばれ・消えろ・失せろ・潰れろ・馬鹿・あほ・間抜け・ドジ・ポンコツ・トンチキ・ガラクタ・クズ・ゴミ・カス
最低以下の下劣・下等種族・劣等種族・下衆野郎・腐れ外道・邪道・外道・非道・ウジ虫・淫乱、害虫・ガン細胞
ウィルス・ばい菌・疫病神・病原体・汚染源・公害・ダイオキシン・有毒物質。廃棄物・発ガン物質・猛毒・毒物・アメーバ
ダニ・ゴキブリ・シラミ・ノミ。 毛虫・蠅・蚊・ボウフラ・芋虫・掃き溜め・汚物・糞・ゲロ・糞虫野郎・ほら吹き・アスベスト
基地外・デタラメ・ハッタリ・穀潰し・ろくでなし・ごろつき・ヤクザ者。社会の敵・犯罪者・反乱者・前科者・インチキ・
エロ・痴漢・ゴミ・シデムシ。ゴミ虫・毒虫・便所コオロギ・詐欺師・ペテン師・道化師・危険分子・痴呆・白痴。
魔物・妖怪・悪霊・怨霊・死神・貧乏神・奇天烈・奇人・変人・毒ガス・サリン。ソマン・マスタードガス・イペリット・クソブタ
ブタ野郎・畜生・鬼畜・悪鬼。 邪気・邪鬼・ストーカー・クレイジー・ファッキン・サノバビッチ・シット・ガッデム。
小便・便所の落書き・不要物・障害物・邪魔者・除け者・不良品・カビ・腐ったミカン。土左衛門・腐乱・腐臭・落伍者
犯人・ならず者・チンカス・膿・垢・フケ・化膿菌。放射能・放射線・鬼っ子・異端者・妄想・邪宗・異教徒・恥垢・陰毛
白ブタ。 ケダモノ・ボッコ・ろくでなし・VXガス・ヒ素・青酸・監獄・獄門・さらし首。
打ち首・市中引きずり回し・戦犯・絞首刑・斬首・乞食・浮浪者・ルンペン・物乞い。
放射性廃棄物・余命1年・アク・割れたコップ・精神年齢7歳・3審は必要なし。
腐女子頃す!!氏ねじゃなくて死ね!!死ね!!死ね!!死ね!!死ね!!死ね!!
腐女子死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
腐女子の臭いマンコなんか爆破だ!!
                           ∧_∧
◎        ↓腐女子       へ    (´<_` )
  \    ≫ ̄ ̄ ̄ ̄彡ヽ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄⌒    \
      彡____人  )  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\       )
 ◎-●一( * *    ヽミ          |.      |
      ((_ _ (( ( ;;-=- ̄=─ ̄ '⌒ヽ〉     | |
 ‘,'.∴・,‘・(ε ((  ヽ-=_二__ ̄    \     | |
  ,'.・∵  ヽ_____ ノ       ̄\     / /
       (__))     ヽ        .\__/_丿
       |  |  801命   ヽ          |  |
       |  |______)          |  |
       |  〉三三三[□]三)        |  |
       ノノノノ:::::::::::::::::::::::::::::/         \ ヽ
       ~~~|::::::::::::::::::/:::::::/             \ |
         |;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;/            / ノ
        (___|)_|)           `-
166通常の名無しさんの3倍:2007/07/08(日) 14:38:57 ID:???
以上腐女子がお送りしました。
167保守35:2007/07/08(日) 17:05:57 ID:???
「懐かしい顔に、乾杯」
「乾杯」
チリンとグラスを合わせる音が酒場に響いた。
「私はね、てっきり恨まれていると思っていたんだよ、君に。君達に」
「カロン所長には、確かに」
「所長は非道な方だからね、自業自得だ」
「いい年してキチガイですよね、あのおばさん」
二人は再会を祝ってカウンターに座って酒を酌み交わしていた。ニコラに同行していた女性は
酒場から去っていった、ちらりと拝見しただけでも年上の魅力を発散していただけに、お近づきに
なってみたかったが、シンには綺麗なお姉さんを口説き止めるスキルは、まだ備わっていなかった。
そんなわけで、シンは残ったニコラと昔話に花を咲かせることになったのだ。
それにニコラの方が重要だ。アベルの伝えた出会いとは、多分この人の事だという確信もあった。
きっと宇宙への手がかりが彼から得られると。
「何故、こんな新連邦から、欧州から離れた地域で?」
「スカウトだよ。潜在的なニュータイプ能力者───いや違うな。
研究所風に言えば、フラッシュシステムに対応する異能者を探し出すためのスカウトさ」
「アジアや南米あたりは、既に調べつくしたと」
「研究所の再発足以来、連邦の手の及ぶ範囲では、ほぼ調べた。残るは手を出しづらかった
北米地区だけだ。それに北米はバルチャーの活発な地域でもある。ニュータイプの覚醒には
死の危険が必要という説があってね、元々可能性が一番高い地方だったのだよ。
ただし、余りに危険すぎて、私ぐらいしか此処まで来る所員はいないがね。
それに、比較的最近だが、今はなきアルタネイティブ社で、ニュータイプを長期間監禁していた
という報告が上がってね、その調査も兼ねているのだよ。これが私の事情だ。
さて、君の番だな。どうしてこの北米に?私の知る限りシステムに対応しない素材として、
───新連邦軍に送り込まれたはずだが?」
軍の名前を出したときに、ニコラの視線が周囲を流し見たのをシンは捉えた。
どうやら酒場の面子の中で、ニコラが気兼ねするような連中で、かつ知己がいるらしい。
「カテゴリーFで結構ですよ。気にしませんから。軍を抜けた理由は、カテゴリーFの事で
左官クラスとドンパチしまして。反撃でワンオフMAを中破させて、脱走してしまったんですよ。
そのせいで、連邦の勢力圏では顔を出し辛くなっちゃって……」
「それは、苦労したのだね。一般人と違うというだけで、異能の力を持つ者は迫害される。
フラッシュシステム対応できるのならば英雄。それ以外は無能、化け物扱い。
無知蒙昧な連邦軍の体制化では致し方ないが……」
どうやら、ニコラの空想ではシンは軍隊内で孤立し、連日、いじめや上官のいびり、手柄の横領など
で心身ともに耐え難い苦痛を受けた、という風に発展しているように感じられる。
はっきり誤解だと釈明しようかとも思ったが、ここは勘違いさせておいた方が得策か。
「俺は瞳が目立ちますから。忌避されるのは仕方ない部分もありますよ」
「違う、そんな事はない!」
「へ?」
突如激昂するニコラさん、おかしい、研究所では物静かなタイプだったように思うが。
168保守35:2007/07/08(日) 17:07:43 ID:???
「フラッシュシステムに対応しなかったから、ニュータイプではない。
そんな暴論がまかり通る連邦こそがおかしいのだ!」
「に、ニコラさん?」
「どのような形であれ、異能である事、オールドタイプにない力を備えたというのなら、それこそが
地球に住む人間でも新たなる革新、ニュータイプへの覚醒が始まっているという明らかな証拠なのだ。
フラッシュシステムへの対応など、その一例に過ぎない。
だというのに、自らの既存利益にしがみつく愚かなるオールドタイプ至上主義者ども!
腐った旧連邦の上層部がその事実を認めず、ニュータイプを単なる戦争の道具へと貶めたのだ!
それは恐れたからだ! 人の正しき革新、ニュータイプを! その萌芽を!
宇宙の、正しく革新の道を歩むスペースノイドと呼応することを恐れ、消し去ろうとしたのだ。
シン・アスカ君、自信を持つんだ! 決して君はニュータイプのなり損ないなどではない。
ニュータイプとしての一部の力が顕現した、まことのニュータイプなのだ」
「は、はぃ」
がっしりと両肩をつかまれ、熱弁を奮い始めるニコラ。
むわっとするような熱意が、口から飛び散る唾と一緒に伝わってくる。
そうして、ようやくシンは気づいた、目の前の人の正体を、この酒場に集まった人間の正体を。

────この人達は、宇宙革命軍だ────

なるほど納得、ここは工作のために地球に潜伏した、あるいは15年前の地球降下作戦の生き残りが
集うには最も都合の良い土地だ。
もしや北米戦線のバルチャー連中を焚きつけるのも任務のうちか。
そういう集団ならば持っている筈、地球での戦果を、宇宙生まれの同志をソラへ返す手段を。
巧く交渉すれば自分も宇宙に行ける。ただし、失敗すれば畑の肥やしか、ビームで蒸発の刑
になるのは想像に難くない。
あの腐れオルバ大佐みたいに口が巧ければなあ、と思ったりして。
「研究所の所員がそんな考えを持っているとは思いませんでしたよ。
フラッシュシステムなしでもニュータイプ扱いなんて、研究所の思想じゃない。
まるで、まるで革命軍みたいだ」
自分に腹の探り合いは向いてないので、直球で切り込んでみた。店の雰囲気が冷たくなる。
最悪、ニコラさんを人質にとりつつ店の全員と銃撃戦をして、捕虜から情報を聞き出そう。
個人的に恨みはないが、元々連邦の仮想敵だ。口八丁でぼろを出すより、体育会系な行動が良い。
「む、それは、たしかに研究所の考え方とは異なる」
冷静さが戻るニコラ、喋りすぎたとの自覚がこっちにも伝わってきた。
「せめて、研究所の時に、俺とは違ってニュータイプに望みをかけて絶望したFAKEたちに、
言ってあげて欲しかった」
あのフロスト兄弟だって、こういう考えの人が傍に居れば歪まなかったかもしれないのに。
「研究所内では口に出すことは憚られたのだよ、すまない」
本当に反省している様子のニコラさん。敵ながら良い人だ。本当に、こういう人とは戦争を
したくないものだ。敵はやっぱりモビルスーツ越しで、顔が見えないのが一番だ。
「いえ、こんな時代ですから。ニコラさんも生活あるでしょう」
「本当に申し訳ない。研究所の方針には逆らえないんだ」
169保守35:2007/07/08(日) 17:09:42 ID:???
しばらく研究所時代の雑談をしてから、本題を切り出すことにする。どう食いつくかな。
「そうだ、北米で聞きまわってるんですけれど、モビルスーツごと宇宙までいける、
ロケットや宇宙船を探しているんです。なにか知りませんか?」
視線が鋭くなるニコラ、ここで下手な会話にもっていくと西部劇だな。
「どうして宇宙へ?」
知らないではなく、理由を聞いてくるか………怪しい。
「逃亡中に占い師、もしかしたらニュータイプなのかもしれないおじさんに言われたんです。
宇宙に行ってみろって。俺も地球を眺めてみたかったし、それに北米まで連邦に制圧されたら、
本当に窮屈になっちゃうんで。思い切って挑戦してみようと思ったんです。
雲を掴む様な話なんですけどね」
「このご時世で夢か、いやはや眩しいね。連邦が地球を統一してしまえば無茶な行動もできなくなる。
バルチャーもモビルスーツ乗りもいなくなるだろう。逆に言えば、今でなければ難しいか。
しかしモビルスーツを持ったまま宇宙に上がってどうするんだね?」
銃撃戦に備え、懐の忍ばせた銃を意識しつつ、
「俺、今はジャンク回収で食ってるんです。だから宇宙でもそうやって暮らそうかなって。
仮に食い詰めても、ガンダムだからきっと宇宙でも売れると思うんです」
「ガンダム?」
「ええ、見たこと無い型です」
「レオパルドでもエアマスターでもない?」
「はい。誰も持ってない飛び切りの奴です。ニコラさんなら知ってると思いますよ。
手の平を貸してください」
グラスの酒で指を濡らし、胸元に突き出されたニコラの手の平に、
「そのガンダムの名前は───」
おおきくアルファベットのXを書き込んでやった。自分からみてもX、相手から見てもXだ。
まさか意味が分からないわけではあるまい。研究所の職員なら、まして革命軍ならば。
「ッ───!?」
絶句するニコラ。気持ちは良くわかる。驚愕から回復するとキッと睨みつけてくる。
「未だ現存していたとは……しかし何処に」
「消滅した新連邦基地。その海中に、ですよ」
「君は、宇宙にガンダムごと上がって何をしようと?」
いよいよ持って視線が怖い。よほどの恐怖なのだろう、伝説の悪魔だし無理もないか。
「俺はカテゴリーFですよ。何が出来るって言うんです?」
問い詰める視線が、多少和らぐ。疑うからいぶかしむくらいにはなったか。
「ニュータイプが宇宙時代の人の革新というのなら。行ってみたいんです、宇宙に。
会ってみたいんです、スペースノイドに。だから、知りませんか? 宇宙船」



久しぶりに保守。矛盾点を解決できなくて落ち込んだ。他の板で荒唐無稽なSS書いてた。
結局開き直ることにしました。
ところで、『希望の灯は消さない』で北米の方々が戦力一式持って、ロシアあたりの地域まで
助けに来たのって奇跡的じゃないかな? しかもガンダムを回収してから陸上輸送したし。
意外と新連邦の防衛力はザルだったりするんだろうか。
170通常の名無しさんの3倍:2007/07/08(日) 18:34:51 ID:???
保守乙!本当に久しぶりだ
アラスカ経由でなら奇跡ってほどでもないんじゃ、バルチャーも多数参加してるから輸送は手馴れたもんだろうし
新連邦の防衛力は戦前に比べてかなり低下してると思う
単純に人口から少ないし、量産機にバリエント採用して航空戦力重視してる辺り
171通常の名無しさんの3倍:2007/07/08(日) 18:45:28 ID:???
懐かしい保守に乾杯!
172通常の名無しさんの3倍:2007/07/08(日) 19:19:16 ID:???
>>137
お前のような
ゆとり 馬鹿・あほ・間抜け・ドジ・ポンコツ・トンチキ・ガラクタ・クズ・ゴミ・カス・
最低・下劣・下等種族・劣等種族・下衆野郎・腐れ外道・邪道・外道・非道・ウジ虫・淫乱・
害虫・ガン細胞・ウィルス・ばい菌・疫病神・病原体・汚染源・公害・ダイオキシン・有毒物質・
廃棄物・発ガン物質・猛毒・毒物・アメーバ・ダニ・ゴキブリ・シラミ・ノミ・毛虫・蠅・蚊・
ボウフラ・芋虫・掃き溜め・汚物・糞・ゲロ・糞虫野郎・ほら吹き・アスベスト・基地外・デタラメ・
ハッタリ・穀潰し・ろくでなし・ごろつき・ヤクザ者・社会の敵・犯罪者・反乱者・前科者・インチキ・
エロ・痴漢・ゴミ・シデムシ・ゴミ虫・毒虫・便所コオロギ・詐欺師・ペテン師・道化師・危険分子・
痴呆・白痴・魔物・妖怪・悪霊・怨霊・死神・貧乏神・奇天烈・奇人・変人・毒ガス・サリン・ソマン・
マスタードガス・イペリット・クソブタ・ブタ野郎・畜生・鬼畜・悪鬼・邪鬼・ストーカー・クレイジー・
ファッキン・サノバビッチ・シット・ガッデム・小便・便所の落書き・不要物・障害物・邪魔者・除け者・
不良品・カビ・腐ったミカン。土左衛門・腐乱・腐臭・落伍者・犯人・ならず者・チンカス・膿・垢・フケ・
化膿菌・放射能・放射線・鬼っ子・異端者・妄想・邪宗・異教徒・恥垢・陰毛・白ブタ・ケダモノ・ボッコ・
ろくでなし・VXガス・ヒ素・創価信者・基地外・チョン・在日・非人・キモオタ・デブ・精神病・戦犯・
中卒・下品・童貞・引きこもり・病原菌・乞食・浮浪者・ルンペン・物乞い・放射性廃棄物・余命1年・
アク・割れたコップ・精神年齢3歳・3審は必要なし・ブサイク・ホモ・ゲイ・ウンコ・ションベン・池沼・
身障・包茎・臭いインポ・マンコ・チンポ野郎は殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね



  __________,,,iiiiii,,,      .゙゙゙゙!llllii,
  !!!!!!!!!!lllll!!!!!!!!!!!!llllll!!!!!!!!!!!!!!!!!!!″      .lllllll’     ,,,,,,
     .lllll!′   llllll              ゙llll゙   ._,,,,iiiiiiiiiiiii,,,、
     ,,llllll,,,,,,,,,iiii,,, llllll   .,,,iiii,,、   .liii,,,,,,,,,,,lllllilllli,,,iiill!!゙゙゙ ̄"゙゙!lllli,、
    ,illlll゙゙゙゙゙゙゙lllllll!! llllll  ,,,iiilll!!!!!″   ゙゙!!!!!!゙゙゙llllllllill!!゙°     .゙llllli、
   .,llllll゙   .illlll゙ .lllllliiiil!!!゙゙′            ,illllll!!゙゜        lllllli、
  .,,illll゙!!lliiii,,,,lllll!′.llllll゙″              ,,illllllll          llllll
 .,iil!l゙′ '゙llllllllll!゙  llllll|              ,iilll!゙゚llll|     ,,,,,,,,,  .llllll  
 .゙°   .,,illllll°  .llllll      ,,ii    ,,,illllll゙ lllll   .,iiil!l゙゙゙゙゙゙!!llilllllll,_
    .,,,iillll!゙`   .llllll      llll   .lllllll゙゙!lii,,lllll   '!lli,,__,,,,iilll!!lllllliii,
  .,,,,iilll!!゙°    .lllllliiiiiiiiiiiiiiiiiiilllllii   '゙!!° ゙!llllllll    ゙゙゙゙゙!!!!゙゙゙゙゙’ ゙゙!!。
173GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/07/08(日) 20:34:35 ID:???
>>169
お久しぶりです〜ノ
そーいやそっちはすでに宇宙に上がる前でしたっけねぇ…
私も追いつかねば…

 さて皆さん、今回から新章、ちゅうか私オリジナルの話を展開していきます。
シリアス路線の変更や原典(X本編)の内容の改変ではなく、あくまで同じ時間の別の場所
での出来事にですのでどうぞよろしく
本日は保守氏とGXの二本立てでお送りします!
感想書くときは両方よろしく!!

予告

かつての戦争で、人の世を捨てた者達がいる
あるものは人里はなれた山奥に住み、あるものは大洋に思いをはせて旅に出る
彼女の名はサクラ・アルムタート
森に住む彼女の日常に、新たな出会いが待っていた

第六十五話『私はサクラ、サクラ・アルムタート』
174GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/07/08(日) 20:36:43 ID:???
第六十五話『私はサクラ、サクラ・アルムタート』(前編)

 約5時間ぶりの外の空気は彼には信じられないほど新鮮に感じられた。
コックピットのハッチから転げ落ちたシンは、静かな湖の岸に横たわって朝日の昇る真っ青な空を見上げた。
 
 爆撃基地の破壊作戦が完了した直後、シンはフロスト兄弟からの執拗な追撃を受けた。原因は彼がフロスト兄弟の兄、
シャギア・フロストの愛機を傷つけたためだが、シンのこの行動がなければ作戦は成功していなかっただろう。
 しかし、その事がシン自らの首を絞めることになったのは言うまでもない。偶然とはいえ、プライドの高いシャギアの
愛機を傷つけたことは逆鱗に触れた。4時間以上に及んだ追撃の前に最大の武器であるメガソニック砲を
使用不能していなければ、シンの命はなかったに違いない。
 また、逆鱗に触れたことで完璧だった兄弟のコンビネーションが乱れたことも彼が辛くも逃げ切った要因と言えるだろう。
普段は冷静な彼が逆上し暴れ馬となったことで、オルバのフォローが間に合わなかったり、自ら飛び込んで連携を乱したりと、
彼らしからぬ行動が追撃の中で目立っていた。
 崖の上に機体をひざまずかせ、静かに朝日を臨むシャギアは、先ほどまでの自身を静かに反省していた。
傍らにたたずむオルバは兄にかける言葉を必死に探すが、思い通りの言葉が出てこなかった。
「すまなかったな、オルバよ。」
「え?」
 突然口を開いた兄に、オルバは戸惑いの声をあげた。シャギアの表情は逆上していた先ほどよりも幾分緩んでいる。
溜飲が下がったのかどうかはわからなかったが、今の彼は普段の冷静さを取り戻していた。
「…ゴメンよ兄さん。僕がちゃんとフォローしていれば……。」
「いや、謝るのは私のほうだ。たかが雑兵ごときに機体を傷つけられたからといってあの場で逆上する必要は無かった。」
 そういってシャギアは朝日に背を向け、オルバと向かいあった。いつもどおりの表情を浮かべているが、
そこからは普段よりも黒いオーラを放っている。
「それにやつを取り逃がしたことで、やつにふさわしい償わせ方を思いついた。」
「へぇ……。」
 シャギアの顔が獲物を狙う蛇のようにぎらりと笑う。同じようにオルバも笑みを浮かべた。
「で、具体的にはどうするつもりなの?」
「死の苦痛は一瞬だが、生きている時の苦痛は死ぬまで続く。やつの周りの人間から殺して、絶望させる。」
「じゃあ、フリーデンを?」
「やつらとは何かと縁があるな。」
「あいつらには、いろいろと借りがあるかなね。」
「借りは返さなければならん…。」
「それも、倍返しだよね?」
「そうだ。」
 二人はギラギラとした笑顔のまま、自機のコックピットに乗り込んでいった。


 吹き抜ける風は静かに木々の葉を揺らす。森の中にある湖の上に小さな細波を残しながら、風はシンの頬をなでる。
ひざまずいている機体の陰に大の字になって寝息を立てているシンは、とても穏やかな表情を浮かべていた。
175GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/07/08(日) 20:45:47 ID:???
第六十五話『私はサクラ、サクラ・アルムタート』(中編)

 しかし、それとは対照的に機体の損傷は激しい。先日張り替えられたばかりのルナ・チダニウム製の装甲はいたるところが変形し、
きれいな曲面を描いていた部位のほとんどがいびつな凹凸になっている。VPS装甲の時は接近戦で
どれだけだけ打撃を加えられても変形することはなかったが、ビームへの耐性を得る代償として、
ディスティニーは激しい戦闘の傷跡を残すようになっていた。
 エンジンが停止した状態でピクリとも動かないディスティニーの姿は、主君の眠りを静かに見守る従者のようであり、
また戦いに疲れ果てた戦士のようでもあった。


 彼女が彼を見つけたのは父と一緒に暮らす家から台車を引いて水を汲みに来た時のことであった。
都市部ならば水道という便利なものがあるのであろうが、戦後になって父が築いたその家にはそんなものはない。
朝と晩の二回、彼女の水汲みは毎日の日課となっている。
 背中まで伸びる黒髪を揺らしながら湖に向かう。戦後の激しい混乱に嫌気がさした彼女の父は、この森の中で
静かに暮らすことを選んだ。当時2歳だった彼女はその時のことはまったく覚えていないが、
その時の父の選択は正しいものだろうと信じている。
 毎日通る湖までの道は舗装などされていない。16歳になって父からこの仕事を受け継いだ時から少しでも
台車が動かしやすいように雑草を抜き、小石を拾いくぼんだ場所に集め、自分なりに整備をしてきた。
 見た目は格好のつくものではないが、彼女が持っているものの中でこれが一番自信を持って人に見せられるものであった。
 いつもの時間にいつもの日課、彼女にとっていつもどおりの生活の中が、今日は違った。
 湖の反対側、歩いて10分はかかるところにMSがひざまずいている。MS自体は彼女も見たことはある。
戦後バルチャーと呼ばれる荒くれ供が自分達の生きる糧とするもの、先の大戦で一番の戦力として投入されたもの。
そして、彼女の父が一番嫌いなもの。
「…なんでこんな所に…?」
 近くにできた国がなにやら戦争をやっていることは彼女も知っていた。数少ない電化製品といえるテレビとラジオ、
太陽電池で発電して昼間だけ見る事ができるそれらから得られる情報は、彼女達にとっては貴重なものである。
だが最近は、新連邦とエスタルドの戦争のニュース以外にはめったに聞く事がない。
「まさか、ここで戦争をやろうって言うの?」
 戦後の世界の苦しみは彼女も痛いほど感じてきた。疫病、天災、人間同士の醜い争い。彼女と父親しかいないこの森で、
よそ者にそんな事をされるのは住んでいる側からすればたまらない。
「…冗談じゃないわ!!」
一刻も早くここから出て行ってもらわなければならない。戦争をするもの、生活を乱すものはここに存在する必要は無い。
彼女は自分の静かな生活を守りたい一心でMSに駆け寄っていった。


 最初に驚いたのは、パイロットが芝の上で大の字になって眠っていることだった。ここは彼女と父親以外に
住んでいない。逆に言えば人間は目の前の少年を含め3人しかいない。森の中には狼や熊なども生息しており、
こんな無防備な状態でいたら本当に獣の餌食になりかねない。
 次に驚いたのは、パイロットが自分とほとんど同じ年齢の少年であることだった。自分と同じ黒い短髪の髪、
細い眉毛に白い肌。よくできた彫像のような彼の寝姿に彼女はしばらくのあいだ目を奪われる。
「なんていうか、のん気な寝顔ね…。」
 安心しきった表情の彼に彼女は呆れを通り越して感心した。
176GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/07/08(日) 20:47:33 ID:???
第六十五話『私はサクラ、サクラ・アルムタート』(後編)

 人は、眠っている時が一番無防備である。さらに、誰もが自身の寝顔を見た事が無い。カメラなどでその様子を
撮影すれば見ることもできるが、そんなものを撮るのはそれこそ物好きだろう。彼女も自分の寝顔がどんな風に
なっているかは知らない。一緒に暮らす父の寝顔は何度か見た事があるが、今目の前にいる少年のような美しさは持っていなかった。
 彼の様子を見た彼女は、なんとなくずっとその顔を見ていたくなり、少年の横に腰掛けた。
 湖を挟んで反対側には彼女が運んできた台車と水を入れるタンクがそのまま残されている。
いつもなら既に水を汲み終わって来た道を戻り始めている時間であったが、今日父は食料調達のために山に入っている。
家に帰ったところでたいしてやる事もない。
「まったく、私も物好きね。」
立てた膝に頬杖をついて周りの景色に目を移す。自分の家のある方角をこんな風に見ることもたまには
いいものだなと思いつつ、彼女は彼が目を覚ますのを待った。


 歌が聞こえた。
シンは未だ浅い眠りの中にいる。体の感覚は既に目覚め始めており、まぶたを開ければ彼は完全に覚醒するだろう。
そんな中、耳に誰かの歌う歌声が響いていた。

もしも心を 目で見る事ができたなら
傷ついた痛み 気がついて
癒してあげたいのに そっと

いつからなの 素直に
泣くのやめて 我慢して生きてる

When you find love in your heart…
思い出してね
ホントは愛されていることを
生まれたその日から

 その歌声は、森の中で本来響くはずのない人間の作り出す旋律。風の吹きぬける音でも、木々が枝を鳴らす音でもない。
しかしその歌はとても穏やかで、心地よいメロディーをつむぐ。その歌に導かれるように、彼はまぶたを開いた。


 目覚めたシンの目に飛び込んできたのは、まぶしい青空と、太陽の光をさえぎるディスティニーの姿だった。
一体何時間こんな風にして眠っていたのかわからない。この湖に降り立ったのが夜明け前だったことを考えると、
少なくとも4時間は眠っていただろう。
「…ようやく起きたわね。」
 彼の横には少女が腰掛けていた。背中までの黒い髪に、大きく黒い目、白の長袖シャツに黒のジーンズをはいた
少女は彼の顔を覗き込む。
「あなた、こんな所で寝てると獣に襲われるわよ?」
「…あんたはずっとそばにいたのか?」
「ええ、15分ほど前から。」
シンはその言葉を聞いて、自分の無用心さを痛感した。いくら疲れていたからといって、この距離に人が
接近したことに気付かない上に、15分もその状態のままのん気に眠っていたとあっては、兵士失格である。
「私はサクラ、サクラ・アルムタート。あなたは?」
「お、俺はシン、シン・アスカだ。」
 サクラの言葉に、シンは上ずった声で答えた。
177通常の名無しさんの3倍:2007/07/08(日) 21:18:41 ID:???
更新乙、そして添削

>>174
>「あいつらには、いろいろと借りがあるかなね。」 | あるからね

>>175
>ルナ・チダニウム製の装甲は | ルナ・チタニウム

>どれだけだけ打撃を加えられても | どれだけ打撃を
178通常の名無しさんの3倍:2007/07/08(日) 21:22:46 ID:???
しまった、一つ見落とし

>>176
>泣くのやめて 我慢して生きてる | 泣くのを
179通常の名無しさんの3倍:2007/07/08(日) 21:23:49 ID:???
リアルタイム乙!
オリジナル展開、オリジナルキャラ、茨の道を往くのですね。
頑張ってください。
ってか、いきなりオリキャラに死亡フラグ立ってルーーー!?
シン視点、笑顔で別れるか、欝展開で別れるのか、予断を許しません。
180通常の名無しさんの3倍:2007/07/08(日) 21:50:45 ID:???
保守たんとGX1/144たんが同時に来てる。

なんてハッピーな日だ今日は!
181通常の名無しさんの3倍:2007/07/08(日) 22:16:49 ID:???
両氏ともGJ!

さてGX1/144氏のサブタイ見て、それなんて竜の帝国?
と勘違いした卓ゲマは素直に挙手するように。


ノシ
182通常の名無しさんの3倍:2007/07/09(月) 18:09:02 ID:???
周りの人間を殺そうと、サyギアとオルバが言ったそばから、オリキャラ出てきました。
地道に生きてそうな娘さん、生き残れもしくは逃げてーGJ!
183通常の名無しさんの3倍:2007/07/09(月) 18:52:46 ID:???
太陽が見えるようになったのが、逆算するとAW05年(トニヤ談)。
彼女の年齢が16以上で、引っ越したのが2歳。で、親父さんはMS嫌い。
冬の森で男手一つで子供を育ててきたのか……。親父さん生活力ありすぎ。
184通常の名無しさんの3倍:2007/07/09(月) 23:27:00 ID:???
GJ
やっぱ良いね、ヒューマン・タッチ
185通常の名無しさんの3倍:2007/07/10(火) 20:27:29 ID:???
>>181
ノシ
てか、グノーシスが元ネタだろ常考……
てか、お前か?お前が俺の巡回スレで卓ゲネタ振ってる真犯人か?!

それは兎に角GX1/144氏GJ!
186通常の名無しさんの3倍:2007/07/13(金) 06:29:38 ID:lUtHt9s9
サクラ死なないでおくれよ〜
187通常の名無しさんの3倍:2007/07/15(日) 22:11:26 ID:xAeZ9PY8
オリキャラが今後どうなるかは今後のお楽しみと言う事で…
そしてネタ投下… 皆様三連休の最終日をこちらにてお楽しみください。
…俺は月曜から仕事ですが

第六十六話『おもいっきり泣きなさいよ』(前編)

 いつもの日課の中で、彼女は小さな発見をする事がある。花が咲いた。実がなった。
動物が道を横切った。雪が降った。父が教えてくれた"四季の変化"を彼女は肌で感じて
今まで生きてきた。だが今日は、そんな四季の変化とはまったく関係のない発見をした。
 
タンクに水を入れて台車を引くサクラの後をシンは静かについていく。機体をそのままにして
良いものかと迷ったものの、ズタボロになった愛機を目の当たりにして改めて情けなさを感じ、
機体に背を向けた。
 彼女は道中自分のことをいろいろと話してくれた。父が建てた家のこと、父が先日狩でしとめた大物こと、
父が調子の悪いテレビやラジオをすぐに直してしまうこと…。彼女の話題はほとんどが父親のことだった。
「でね、お父さんッたら…。」
「あんた、父親のことしか話さないんだな。」
 笑顔で話を続ける彼女にシンは正直な感想をもらした。
 シンの父親と共有した時間は既に2年前に絶えている。彼を取り巻く環境もあいまって彼にはうれしそうに
父親の話をする彼女がわずらわしく思えた。
「…たまに嫌になることもあるわよ? いつまでたっても子ども扱いだし、私が大丈夫って言ってもぜんぜん聞かないし。」
「あっそ、…俺にはもう、父親も母親もいない…。」
そういってシンは不機嫌そうに顔を背ける。サクラはシンの言葉に動きを止めた。
「俺の家族はMS同士の戦闘の流れ弾に当たって死んだんだ…。。」
「私は、…お母さんの顔を知らないわ。」
先ほどまで明るかった彼女もポツリと悲しい現実を呟いた。
 父の話では戦後の混乱の中で彼女の母はなくなったという。物心ついたころから母親のいない生活を
送っていたため悲しみの涙を流すことはなかったが、自分を産んでくれた母がどのような人物だったかは知る由もない。
父もこの話題になると途端に口数が少なくなる。
「……こんな時代だ。むしろ家族全員が残っている所のほうが少ないさ。」
彼の知る限り、家族が全員そろって生きているものは独りもいない。ガロードも両親を亡くしているし、ウイッツも
本当の父親と弟を、ロアビィも家族をとうの昔に亡くしている。
「外の世界は混乱してるって話は本当みたいね…。私は移り住んでからずっとここを出た事が無いから、わからないけど。」
「…あんた、ここを出ようと思わないのか?」
「ぜんぜん。だって外の世界の話をテレビとかで聞くけど、何が良いのかさっぱりわからないわ。私は、ここで静かに生活するほうが良い。」
そう言って、彼女は風になびく左腕の袖を押さえる。正確に言えば"左腕があるべき場所"を押さえた。
 彼女の左腕は、ひじから下2cmのところで途切れている。父の話では、戦時中に散布されたいろいろな薬物によって"奇形"が生じたらしい。
どのような奇形かは教えてくれなかったが、成長してそれが彼女にとってマイナスにならないように切り落としたとのことだった。
「左腕…、なくて不便じゃないのか?」
「…不便だと思ったことはないわ。だって、左腕がなくても太陽は見えるし、風の音も森の香りも感じれる。
どこかに行きたくなったら足で歩いていけばいいもん。」
そういって彼女はなんでもないことのように笑った。
「…お、俺が言いたいのはそういうことじゃなくて! その…、生活の中で片腕じゃやりにくいことだってあるだろってことだよ!」
穏やかな笑顔を浮かべた彼女と一瞬目があい、シンはあわてて顔を背ける。彼女の方は疑問符を浮かべたが、
朗らかにシンの質問に答えた。
188GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/07/15(日) 22:16:12 ID:???
名前いれそこねた……  
>>187は俺です…

第六十六話『おもいっきり泣きなさいよ』(中編)

「確かに重たいものは運べないわ。でも分けれるものなら分けて運べばいいし、そうでなくても少しずつゆっくりと
やればいいもの。別に急ぐ必要はないんだし。」
「……ハァ。」
シンは彼女ののんびりした調子にため息を漏らす。彼女は態度にも、その笑顔にも嫌味がない。その無邪気な
彼女の姿が、彼自身を余計惨めに感じさせた。
「悪いけど、今の俺に笑いかけないでくれ。」
「? なんで?」
「俺は、あんたとは違うから…。」
「何が違うの?」
「何もかもがだ!」
サクラの質問にシンは語尾を荒げた。彼自身、戦場から逃げた自分が情けなくて苛立っていることはわかっている。
彼女に対して八つ当たりをしていることもわかっている。だが、彼の中で渦巻く抑えきれない感情は行き場を求めて荒れ狂っていた。
 そしてその行き着いた先が彼女だった。
「俺は戦場で仲間をおいて逃げ出したんだ!! あんたは知らないよな!? 戦場がどんなに怖いか!!?」
 声も身振りも激しくなる。木々に留まっていた鳥達もいっせいに逃げ出し、静かか森に彼の叫びが響き渡った。
「今まで戦場で何度も戦っておいて、今更戦場で戦うことが怖いって言ってるんだぞ!? "エース"と呼ばれた俺が!! そりゃ戦いで
勝てなかったことだってあるさ!! でもそれは機体性能の差や体調が関係してた! でも今回は違う!! 前に戦ってボロ負けした相手に、
またボロ負けするのが嫌で逃げ出したんだ!! おれは、もうあんな怖い思いをするのは沢山なんだ!!!!」
 そこまで言いきって、シンは改めて自分の弱さを自覚した。戦いから逃げたことも許せない。しかしそれが悔しいからといって、
名前以外ほとんど知らない彼女に喚き散らして八つ当たりする自分はもっと許せなかった。
 シンの言葉を聞いていたサクラは彼が静かになるまで黙って彼の話を聞き続けた。
 自分の中にたまっていた苛立ち、葛藤、恐怖心。すべてがごちゃ混ぜになって自分の中からその一端を放出した
途端、彼の腰が大地に落ちた。
「ハ、ハハハ…。少し叫んだだけなのにこの体たらく、俺ももうおしまいだな…。」
「………。」
肩を落とし、どんどんと自分への自信をなくしていく彼の横に、彼女は静かに腰を下ろす。互いに何も言わず、何も聞かない。
ただ静かに太陽の光が降り注ぎ、風が木々を揺らす音だけが響いた。
「………。」
「…男の人って不便ね…。簡単に泣けなくて…。」
 サクラの父も彼女の見ていないところで自分の中にたまったいろいろなものを吐き出していた。それが自分で作った酒を飲むことで
解消されることもあれば、森の中で木や雑草に怒りをぶつけることで解消されることもあった。
だが、彼女が今まで垣間見た父の感情の吐き出し方で、その後一番感情が安定したのは『涙を流す』ことであった。
無論、父親としてそうそう娘に涙を見せるようなことはしない。しかし、彼は流した涙をすべて隠しきれていたわけではなかった。
「お父さんも、そんな風にしてよく顔を隠して泣いてた。なんで泣いているのかはしらないけど…。」
シンはうつむいたまま彼女の話に反応しない。ただじっとしたまま座っている。
「私は、泣きたかったら泣いて良いと思う。自分に素直になるのが、一番人として自然なことだと思うから…。」
189GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/07/15(日) 22:18:18 ID:???
第六十六話『おもいっきり泣きなさいよ』(後編)

 サクラは沈痛の面持ちのシンに顔を向けた。シンは一度堰を切ったら出しつくすまで終わる事が無いそれを、
流さないために必死に耐えている。その様子は彼女から見てもすぐに感じられた。
「だから、おもいっきり泣きなさいよ。ここにはあなたと私しかいないんだから。」
「……そんなこと言われたからって、おいそれと泣けるもんか。」
「私が信用できない? これでも口は堅いわよ?」
「口が堅いんじゃなくて、話す相手がいないんだろ?」
そう言って、シンはようやく顔を上げた。表情もさっきまでの沈んだ表情から一変とまではいかないが、
いつもの彼の表情が現れていた。
「…ンじゃ、俺はいったん湖に戻るよ。」
「え?」
「あんた言ったろ? おもいっきり泣けって。でもそれはあんたの前じゃやるつもり無いんだ。」
「…わかった。」
シンは立ち上がり、来た道を再びゆっくりと戻り始める。サクラも立ち上がって脚を進めようとして、
ふと思い立ってシンの背中に声を変えた。
「シン!」
「ん?」
「まだ、……行かないわよね?」
「行くって、どこに?」
「なんか、あなたこのままどこかに行っちゃう様な気がしたから…。」
「保障はできない。」
彼女の心配そうな声にシンは抑揚のない口調で答える。背中で彼女が落胆した様子を感じたのか、
シンはさらに言葉を続けた。
「だけど、今はMSに乗って戦う気にはどうしてもなれないんだ。」
シンは湖までの道を走り出す。サクラは彼の後姿を目で追いながらポツリと呟いた。
「少しは傷が癒えたみたいね、赤羽の鳥さん。」
 そうして、彼女もようやく家への道を歩き始めた。


「さて…。」
眼前には湖、周りには森が広がっている。シンはそれら見渡したあと、恥ずかしそうに頭をかいた。
「まったく、俺ってかっこわりぃなぁ…。」
彼女に感情の捌け口を求めた挙句、さらに励まされてしまった。このことで、シンは自身の小ささを改めて認識させられたのだった。
「…ンじゃ、とっとと済ませるとするか。」
肩幅ぐらいに脚を開いて立ち、少し腰を落とす。さらに大きく息を吸い込み、逃げた自分への怒り、
彼女に八つ当たりした自分への怒り、そして自分を制御できない自分への怒りと彼が感じるすべての怒りを込めて腹の底から叫んだ。

アアアアアアアアアアアアアァァァァァァァッ!!!

 彼女のおかげで少しだけ気が楽になっていた彼は、自分の中にあったどす黒いものを
"涙"ではなく"叫び"にして静かな湖に向かって吐き出し続けた。
190通常の名無しさんの3倍:2007/07/15(日) 22:54:17 ID:???
更新乙、そして添削

>>187
>左腕がなくても太陽は見えるし、風の音も森の香りも感じれる。 | 感じられる

>>188
>でも分けれるものなら分けて運べばいいし | 分けられる
191通常の名無しさんの3倍:2007/07/16(月) 02:49:55 ID:???
GXさん乙
ついでにジャオームのパイロットも乙
192通常の名無しさんの3倍:2007/07/16(月) 11:05:49 ID:???
右手だったらもしかして……と思った
193通常の名無しさんの3倍:2007/07/16(月) 21:58:33 ID:???
意識してる部分はあるだろうね
さすがにシンが重ねてみるような年齢ではないけど

人前で涙を見せようとしないのはシンの利点、というか男としての意地みたいな感じで
肯定的に見ていたけどこういう解釈もあるんだな

このエピソーでは戦士ではない16歳の少年としてのシンに期待
194通常の名無しさんの3倍:2007/07/21(土) 23:13:06 ID:???
久しぶりにここをのぞいたら保守氏の投下が来ていた
トリップがなかったから一瞬騙りかと思ったがSSと後書きを見れば本人だった事に安心
ただ前半のSSは、の遣い方がおかしいと思ったかな
これからNT研究所に戻って宇宙へ行くのか、と続きを楽しみにしている

GX氏のSSはオリ展開とオリキャラ、そして何よりヒューマンタッチが光っていたな
完全に復活したシンがフロスト兄弟に立ち向かってくれることを切に願う


お二人ともお仕事のほうも頑張ってください、後は体調に気をつけて
195通常の名無しさんの3倍:2007/07/25(水) 21:15:28 ID:???
ほしゅ
196通常の名無しさんの3倍:2007/07/26(木) 23:03:11 ID:85zNQLL0
保守作業
197通常の名無しさんの3倍:2007/07/28(土) 01:05:34 ID:???
スウェンとセレーネが寝て起きたら
何故かAWとか妄想したんだが…

無謀だよな
198通常の名無しさんの3倍:2007/07/28(土) 01:43:41 ID:???
>>197
いや、無謀なんかじゃない。大いなる挑戦だ。是非とも読んで見たい。
199通常の名無しさんの3倍:2007/07/28(土) 02:03:01 ID:???
セレーネが注射した薬物はすごいな。超冬眠
200通常の名無しさんの3倍:2007/07/28(土) 02:12:24 ID:???
今のところ、ここのスレでAWに来ているのは本編キャラだけだよな。

アストレイやスターゲイザーの連中を放り込んでみたい。
というか、全然違和感を感じないのは気のせいか?
201通常の名無しさんの3倍:2007/07/28(土) 08:07:28 ID:???
バルチャーの活動が傭兵にしてもジャンク屋にしても≒のイメージですからなぁ。
Xアストレイからプレアを放り込むってのを考えたことはありまする。
機体のXつながり、ニュータイプ関連、それと兵器として王道でないことを貫けるか、などネタは多数なんですが、
いかんせん、突き詰めて書ききる技量も知識もありませんで。
今のところ他力本願状態……。
202通常の名無しさんの3倍:2007/07/28(土) 09:30:59 ID:???
プロトアストレイって拡張性の高い機種だから何とかなるんじゃないかって思えてくる。
ロウや劾がAWに来て初めは苦戦を強いられまくっても、そのうちAW技術を取り入れてトンデモない魔改造を施しそう。
203通常の名無しさんの3倍:2007/07/28(土) 23:31:21 ID:???
>>201
他力本願とか言い出すんなら止めた方がいいな

最初から読ませる文章を書ける人間など居ない
GX氏も保守氏も技量も知識も無いまま走り始めたはずだ

何も考えずに走り出せるか否かは自分のやる気次第だよ
204名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 05:54:38 ID:???
アストレイ主人公がAWに来た場合

ロウ:あっさり順応。レッドフレームがAW仕様に。
劾:なんだかんだでバルチャー相手にも善戦しそう。どこかのバルチャーと契約を結べばブルーフレームの強化も可。
プレア&カナード;ぜひDOMEに触れてもらいたい。
ジェス:戦闘になれば一番きつい。カイトがいなければ瞬殺される可能性大。フリーデンに拾われれば案外ガロードと気が合いそう。
アグニス:ちょっとは性根を叩き直してもらいたい。

主人公に据えるのならば、プレア、カナード、アグニスってところかな?
205名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 06:33:38 ID:???
そこでギナ様ですよ
206名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 06:38:35 ID:???
ロンド・ギナ・サハクか。
フロスト兄妹と絡ませるとかなり面白そう。
207206:2007/07/29(日) 06:39:58 ID:???
いかんいかん。

×兄妹 → ○兄弟

何をやっているんだ、自分。
208名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 09:00:25 ID:???
>204
劾はエニルに雇われたりすると面白いかも。
209名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 09:05:40 ID:???
>>209
ルマークがブルーフレームを強化するとか?
210名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 20:15:54 ID:???
エスタルドでの敵側キャラでヴェイアとかアッシュとか。
211通常の名無しさんの3倍:2007/07/29(日) 20:44:24 ID:???
ネタが無いのは判るがそろそろ自重しとけ

アストレイ出せ出せと騒いでるように見えちゃうぞ
212通常の名無しさんの3倍:2007/07/30(月) 00:01:03 ID:???
どこが?別に見えないけど?
213通常の名無しさんの3倍:2007/07/30(月) 22:35:06 ID:???
フリーダムの流れ弾で腕が吹っ飛んだマユがエニル姐さんに拾われる・・・
そんなシチュを考えたときもありました

ちゃんと文章にできるかどうかは、あまり自信が無い
214169:2007/08/02(木) 10:46:14 ID:???
百合の花が咲き乱れます。
215通常の名無しさんの3倍:2007/08/04(土) 12:13:27 ID:???
エスペランサUにのるんですね
216通常の名無しさんの3倍:2007/08/05(日) 23:10:46 ID:???
ガンダムタイプのエスペランサV・・・いや、なんでもない
217GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/08/05(日) 23:31:06 ID:???
世間は夏休みですが… ま、社会人だから当たり前か

第六十七話『君はどちらを選ぶ?』(前編)

 山の気温は昼と夜の差が激しい。また天気も変わりやすく、山の中を探索するためにはそれなりの装備が必要であった。
「フゥ………。」
男は背中に背負っていた大きなリュックを下ろし、ちょうど椅子くらいの高さがある岩に腰を下ろした。加齢と苦労のために
白髪が混じり薄くなり始めた頭をぽりぽりとかきながら周りに広がる木々に目を向ける。
草木に覆われたそこは、15年前彼が生活していた時の風景とはまったく一致しない。当然といえば当然だろう。
この15年間はただの15年ではなかった。ここで生活して変わっていった彼同様、この森も姿を変えていた。
「さて、獲物はこんなもんか…。問題は日の出前に見た"あれ"だな。」
十数匹の魚の入った籠と鉄の棒に脚を結んでぶら下げたウサギから目を離し、男は頬杖をついて考えをめぐらせる。
彼の言う"あれ"とは、彼自身がもっとも嫌いな存在のことをさしていた。
「…さすがに今更手荒なまねはできんか。体もそうだし、今はあいつがいる。」
そういって男は立ち上がると、荷物を再び背負って歩き始めた。彼の進む道はうねうねと曲がりくねっているものの、
その先には青く輝く湖が見えていた。


 シンは空の中天に昇った太陽を寝転がって見上げていた。
 腹の底から自分の中にたまっていたいろいろな感情を吐き出した後、彼はどこかほっとした表情で大地に背を預けた。
それから既に一時間、そのままじっと空を見上げている。
「これからどうするかなぁ……。」
 今までの生活があわただしかったのか今が穏やか過ぎるのかはわからないが、何もせずただボーッとした
時間を過ごすのは本当に久しいものであった。
 元いた世界では戦いに明け暮れ、こちらに来て幾分戦いの機会は減ったものの逆にフリーデンでの仕事の
分担などで忙しい毎日を過ごしていた。そのせいかいきなり何もすることのない状態なるとどうやって時間を使おうか迷ってしまう。
 無論、一番に彼がするべきことはフリーデンが身を寄せているエスタルドに戻ることであるが、
"戦場から逃げ出した"という事実が彼の決断を阻み続けていた。
「帰らないとして、何すりゃ良いんだろ?」
 帰るべき場所はある。やるべきこともある。しかしそれを今すぐやれといわれても、一度自分に負けた彼には
なかなかできない決断であった。
「君、こんな所で何をしているんだ?」
 突然、彼の視界に初老の男が入ってきた。顔は黒く日焼けし、しわが幾重にも顔に広がっている。薄い頭髪にも口の周りを
覆うひげにもかなりの白い毛が混じっており、かなり老け込んで見える。
「……考え事です。これからどうしようかを考えてました。」
「そうか、それじゃもう一つ質問するが。」
彼はしゃがみこんでそう切り出すと同時に、寝転がっていたシンの額に銃口を当てた。額の中央に押し当てられた
黒塗りの鋼鉄の砲身に、シンは目を見開く。
「"あれ"は、お前さんのかい?」
彼の持っている銃はハンドガンタイプのものだが、密着した状態で発射されれば確実にシンの頭を撃ち抜く。
彼の命はこの男が握っていた。
218GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/08/05(日) 23:34:37 ID:???
第六十七話『君はどちらを選ぶ?』(中編)

「どうした? 別に口をふさいでいるわけじゃないんだ。さっさと答えろよ?」
「……"あれ"って?」
「あのMSだよ。」
 男は変なそぶりを見せた時点で間違いなく引き金を引く。シンはそう確信し、体を動かそうとはしなかった。
「ああ、あれは俺のMSだ。」
「何をしにここに来た? 目的は"あれ"か?」
 "あれ"という言葉に、シンは眉をひそめる。男の言葉はこの森に何か秘密があることを案じさせた。
そのことにはあえて触れず、彼はそっけなく言葉を返す。
「…俺は戦場から逃げてきたただの脱走兵さ。」
「新兵か?」
「……いや、"元"エース、かな?」
自嘲気味にそう言葉を返す。今更見栄を張っていても疲れるだけなので、正直に答えた。
「一度死にかけたおかげで、恐怖が体に染み付いてしまった情けない元エースだよ。」
「………お前は、変わっているな。なぜ見ず知らずの俺にそこまで言う?」
「……知ってほしいのかな? 俺はそんなに立派なやつじゃないってことを。」
男はシンの額に突きつけていた銃を腰のホルスターにもどし、しゃがんだまま上からシンの顔を覗き込む。
数秒のあいだ、約30cmの距離で二人は見詰め合った。
「俺はMS乗りが嫌いだ。」
「そんなこと俺が知るかよ。」
「MSがあったから、俺は罪を犯すことになったんだ。」
「しつこいなあんた、あんたの人生なんて」
「マイクロウェーブなんて物を実用化したから、この世界が今のような姿になったとしても、か?」
「………は?」
男の独白した内容に、シンは目を丸くした。
「戦争が、戦争さえ無ければ! あれがあんなふうな使い方をされることなどなかったんだ…!」
「ちょッ、ちょっと待てよアンタ。今何て言った?」
「マイクロウェーブによるエネルギー送電システムを開発したのは、この俺だ。」
身を起こし身構えるシンに対し、男は確かにそう答えた。


 男の名はダイキ・アルムタート。シンが今日知り合ったばかりの女性、サクラの父親であった。
 彼は20年前、ある研究のプロジェクトリーダーとして毎日を過ごしていた。
「当時の地球は、エネルギー不足に陥っていた。」
世界人口は100億に達し、地球全土で人があふれかえっていた。人々は地上だけではなく、
宇宙にも生活の場をどんどんと広げていった。
 しかし、その人口の増加に伴い浮上してきたのはエネルギー問題であった。一つの町に住む人口が増える一方で、
必要なるエネルギーも徐々に増加していく。全世界の人間が同じ生活水準を保つために必要なエネルギー総量は、
地球だけでは賄えない物になり始めていたのである。
「コロニーではエネルギーは自家発電が行える。だが、地上はそうもいかん。」
事態を重く見た旧連邦は、それまで民間企業が行っていたそのプロジェクトを支援しはじめた。そのときから彼の肩には、
地球圏すべての未来がかかっていたと言っても決して過言ではなかった。
彼自身、当時は地球の未来のために働くことに強い使命感を抱きながら働いていた。うまく行けば彼の名は歴史に
名を連ねることは間違いない。彼が見ていた未来は、明るくすべての人間が希望に満ちた笑顔を浮かべた世界であった。
「戦争が始まるちょっと前に結婚もした。思えば、あの時が幸せの絶頂だった。」
219GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/08/05(日) 23:39:03 ID:???
第六十七話『君はどちらを選ぶ?』

子供も生まれ、研究も進み、順風満帆だった彼の人生をゆがませたものは、一つのコロニーの独立に端を発した"戦争"であった。
「忘れたくても、忘れられないもんだよ…。あの時の光景は……。」


 ダイキがリーダーになって3年目のその日、彼がリーダーとなって6回目のマイクロウェーブ受信実験を行っていた。
それまでの5回の実験ではすべて目標地点に0.002%未満の誤差でエネルギーを送電できている。月に送電施設を作ってから
宇宙空間での実験も含め既に472回の送電実験を重ねているだけあって、送電地点を捉えることに関してはほとんど
問題なくできるようになっていた。
 しかし、それだけの照準精度を持っていれば戦争の中で兵器転用も容易である。彼がリーダーとなる前から、既に旧連邦の
好戦派はこのプロジェクトに目をつけていた。
「今回の実験が成功すれば、いよいよ実用試験ですね。」
 助手のソフィア・アディールはうれしそうに彼の横で実験の様子を見守る。月からの直通回線のみのため、いつでもどこでも
エネルギー充填と言うわけにはいかないものの、これが実用化できれば世界のエネルギー事情は大きく変化するであろう。
「ようやく、ここまで来たんだな…。」
 マイクロウェーブ実用化に反対する一派からの横槍が何度も入った。エネルギー分野の経済界からの物含めるとリーダーに
なってからの3年でそれこそ30に届きかねないほどだ。そのたびに彼は『すべての人たちが生きるために』と自ら矢面に立って
プロジェクトを守ってきた。彼自身、よくここまで身が持ったものだと感心していた。
「今回の実験が終わったら、皆に特別休暇をプレゼントしよう。」
「一番特別休暇がほしいのはリーダーでしょ?」
「そうそう、もう半年以上奥さんと子供の顔見てないんだし!」
 各々の担当場所でモニターをチェックしているみなから笑いが漏れる。リーダーとしての威厳が無いといわれれば
そうかもしれないが、彼は"自身の威厳"よりも"チームのムード"を重視していた。
「当たり前だろう? ここで失敗したら俺たちの苦労がすべてパァだから。」
笑顔で部下達に言葉を返し、計器に目を戻す。もう何度も見てきたその光景。月からのびるマイクロウェーブは、
確かに目標の受信アンテナに到達していた。


「"オービットエナジー・プロジェクト"、それがプロジェクトの名前だった。」
ダイキは昔を思い出しながら静かに語った。
"オービットエナジー・プロジェクト"、文字通り軌道上にエネルギープラントを数機建設、そこから必要なエネルギーを
マイクロウェーブで送電してエネルギーを確保するプロジェクトである。月の送電施設はそのための第一歩であり、衛星軌道上に
建設される予定だった2号施設、3号施設の建設用エネルギーを確保するための施設でもあった。
「へぇ……。」
「だが、プロジェクトのおかげで私は究極の2択を迫られることになったんだ。」
「究極の・・・2択?」
「娘の命か、世界の人々の命か。どちらかを選べといわれたら、君はどちらを選ぶ?」
シンは、言葉を詰まらせた。
220通常の名無しさんの3倍:2007/08/05(日) 23:41:51 ID:???
グッジョ……
> 助手のソフィア・アディール
?!!!
221通常の名無しさんの3倍:2007/08/05(日) 23:53:41 ID:???
なんかスゴイことになってキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!
222通常の名無しさんの3倍:2007/08/06(月) 00:13:27 ID:???
更新乙、そして添削

>>217
>何もすることのない状態なるとどうやって時間を使おうか | 状態になると

>これからどうしようかを考えてました | どうしようかと

>>218
>男の言葉はこの森に何か秘密があることを案じさせた。 | 暗示

>>219
エネルギー分野の経済界からの物含めると | 物を or 物も
223通常の名無しさんの3倍:2007/08/06(月) 14:52:17 ID:???
まさかっ! デステニィーにサテライトシステム(プロトタイプ)搭載フラグきた?
224通常の名無しさんの3倍:2007/08/06(月) 18:29:58 ID:???
話が横にそれたと思ったら、そこにどえらい地雷埋まってたー!?
驚きのGJ!
225通常の名無しさんの3倍:2007/08/07(火) 00:10:21 ID:???
>>222
>>217二行目と>>218はそのままでも意味通ると思うが。
226通常の名無しさんの3倍:2007/08/07(火) 00:44:13 ID:???
>>225
「どうしようか」という言葉には複数の中からの選択の意がある。
そのためこの後に続く言葉としては主に単数を指す「を」よりも
「〜と〜」という意を含む「と」がふさわしい。口語でならもうどうでもよくなってる所ではあるが。

「案じる」では心配する、深く考えるという意味が表に立ちすぎてしまい
ここでいう頭をよぎる程度の浅い思考とは合わなくなる。
227通常の名無しさんの3倍:2007/08/07(火) 16:26:56 ID:???
うっとうしいから他人の文章にツッコミ入れるのは添削氏だけでいいよ。
228通常の名無しさんの3倍:2007/08/08(水) 21:41:51 ID:???
まぁ待ておまいら
文章云々はこのスレじゃ今更のことじゃないか

さて、今回の投下で出たソフィアなる女性は

@ティファのかーちゃん

Aティファのばーちゃん

Bティファ本人

Cまったく赤の他人


どれだと思う? まぁ順当に行くならかーちゃんだろうけど
229通常の名無しさんの3倍:2007/08/08(水) 22:19:22 ID:???
つDティファのねーちゃん
この線もアリかと。
230通常の名無しさんの3倍:2007/08/08(水) 22:29:30 ID:???
おお、GX氏の投下が来てるッ!!
色々気になる固有名詞も出てきたけどw、このおっさんの登場がシン、そして世界にどんな影響を与えるのか…
ジャミルやルチル辺りの事も知ってそうなんだよな…ジャミルとは違う意味で引き金を引いてしまった訳だし

オリジナル展開とはいえ、こういう風に世界観の補完、掘り下げに絡めた展開とは恐れ入ったよ
231通常の名無しさんの3倍:2007/08/08(水) 22:38:42 ID:???
つEティファのおばちゃん
つFティファのいとこ

親族の線もありじゃないか?
232通常の名無しさんの3倍:2007/08/09(木) 16:48:21 ID:???
G実はtelinko除去したティファの(元)とーちゃん
233通常の名無しさんの3倍:2007/08/10(金) 10:27:41 ID:???
Gはともかく、ティファのとーちゃんは気になるな。もう結婚してるんだろうか?
234通常の名無しさんの3倍:2007/08/10(金) 10:45:46 ID:???
未婚とか夫婦別性とかじゃなければナニガシ・アディールさんだろう。
235通常の名無しさんの3倍:2007/08/10(金) 22:41:54 ID:???
実はティファが苗字な家系かもしれないじゃないか。
236通常の名無しさんの3倍:2007/08/13(月) 04:59:20 ID:???
敢えてHで俺の嫁というのはどうだろう
237通常の名無しさんの3倍:2007/08/13(月) 11:09:35 ID:???
>>236
にア ころしてでもうばいとる
238通常の名無しさんの3倍:2007/08/13(月) 23:02:09 ID:???
>>236
ナインボールが嫁か・・・
グレネードで吹き飛ばされないようになw
239通常の名無しさんの3倍:2007/08/15(水) 22:19:18 ID:???
シンとメイリンの再会マダー?
240通常の名無しさんの3倍:2007/08/16(木) 10:12:58 ID:???
Hと見ると某氷の妖精が真っ先に出てくる……。
241通常の名無しさんの3倍:2007/08/20(月) 14:57:28 ID:???
ほっしゅ
242通常の名無しさんの3倍:2007/08/21(火) 00:44:20 ID:???
>>240
んなこといったらメイリンと見ると中国がでてきてしまうじゃないかw
243通常の名無しさんの3倍:2007/08/21(火) 22:33:36 ID:???
危ないのでage
244通常の名無しさんの3倍:2007/08/25(土) 18:42:17 ID:???
保守保守と
245通常の名無しさんの3倍:2007/08/30(木) 19:48:03 ID:???
hosyu
246通常の名無しさんの3倍:2007/09/01(土) 21:34:25 ID:???
保守
247通常の名無しさんの3倍:2007/09/02(日) 21:28:00 ID:???
月一の更新になるとは…
夏だからと言ってだれてはいけません
今後は気をつけます。(どうも上手くできなかったのも有りますが)

第六十八話『あんたには罪がないと思います!!』(前編)

 無事にマイクロウェーブの実験を終えたダイキは、7ヵ月半ぶりに妻と娘の住む故郷に戻ってきた。彼の娘、サクラが
生まれて今日でちょうど1年になる。彼の家は研究施設とは別の国にある。以前は1月ごとに戻っていたが、この7ヶ月は
いろいろと忙しく、今日まで帰る事ができなかった。
「サクラももう1歳か…。」
1週間前の妻の話では、サクラは既に"はいはい"をするまでに成長し、そろそろつかまり立ちをすると思うとのことだったが、
子供の成長には個人差があるので彼自身は気長に待つつもりでいる。親がどれだけ急かした所で、子供は子供自身が
思う速さでしか成長しないものだ。
「さてさて、久しぶりの我が家での生活を楽しむとするか…。」
彼の家は都市部から離れた高台の住宅街の中にある。高層ビルが立ち並ぶ都市部を右手に見ながら、
彼はゆっくりと足を進めた。


「ただいま〜。」
 ようやくたどり着いた自宅の玄関の扉を開け、ダイキは妻アカネと娘サクラに自身の帰宅を伝えた。だが彼の声がむなしく
家の中でこだましただけで、妻の"お帰り"という反応は返ってこない。時刻は午後2時過ぎ。仕事をしていない妻が家に
いないことに、ダイキは少し戸惑いを感じた。
「……買い物にでも出てるのか?」
 疑問符を浮かべたままダイキはダイニングへと足を運ぶ。そして、たどり着いた先に広がっていた異様な光景に目を見開いた。
「な、何だこれは…!?」
 横倒しになったテーブルと椅子、割れたいくつもの食器、画面に大きな穴のあいたテレビ、そして鍵が閉められたまま
叩き割られた庭側の大きな窓に床に散乱したガラス…。
七ヶ月前に見た最後の光景とはかけ離れたその場所を彼はただただ呆然と見つめた。ここで一体何があったのか検討もつかない。

空き巣に入られたのか? それではテレビなどを壊す必要は無い。
爆発物でも持ち込まれたのだろうか? とてもじゃないが爆弾ではこんな風な壊れ方はしない。
いつまでも帰ってこないダイキにアカネが癇癪を起こした? 帰れない分、連絡は入れていた。
俺とあいつの関係にそんな些細なことで溝があくはずが無い。

 いろいろな可能性に彼はまるで数学の簡単な計算問題を解くように次々と"NO"という答えをだしていく。
延々と考え続けた結果、最も可能性の高い"1つ"だけが残った。
「襲撃…か。」
 嫌な汗を浮かべながらダイキは奥歯を噛み締めた。
 研究所にいた頃から多少の嫌がらせは受けていた。嫌がらせの犯人がわかる範囲でそれらの関係するところに
抗議しにいったことも何度もあるし、連邦の仕業である事がわかっていても結局こっちが泣き寝入りするしかなかったこともあった。
だが、今までこんな風に"家族"が襲撃を受けたことは無かった。
 家に帰りつくまでに会った周りの住民は、ダイキの家が襲撃されたことに気がついている様子は無かった。こんな事をまわりの
住民に気づかれずにやってのけたとすると、かなり訓練された人間の仕業となる。
そして、それをやる技術を持つ事ができ、かつ育成・維持する環境、資金のあるところとなると、彼の知りうる限り、
相手はそこ以外に思いつかなかった。
「連邦めぇっ!! 戦争に勝つためにそこまでやるのか、そこまでして勝ちたいか!!!」
 地球連邦軍内部の好戦派の非道なやり方に彼は柄にもなく怒声を上げた。
248通常の名無しさんの3倍:2007/09/02(日) 21:32:33 ID:???
第六十八話『あんたには罪がないと思います!!』(中編)
 
 彼の研究は戦争のためのものではない。だが、簡単に軍事利用できるものであることも間違いない。マイクロウェーブによる受電は、
小さな島で使用するエネルギーの1週間分に相当する。それだけ出力の高いマイクロウェーブであれば、連邦軍の敵である
宇宙革命軍の本拠地"クラウド9"を破壊するには十分なものなのだ。
 よこしまなやつらに研究を悪用されることは彼には許す事ができないことであったが、それ以上に研究とは関係の無い
家族にまで手を出した連邦軍のやり方に彼の心は今にも爆発しそうだった。

プルルルル……

不意に電話の呼び出し音が鳴り響いた。ダイキは音に反応してギロリと目を向けたが、電話を取ろうとはしなかった。
と言うよりも、今の精神状態で電話に出ようものなら、相手に対して八つ当たりをするに違いない。そうほんの少し残った冷静な部分が
彼自身を押しとどめ、電話を徹底的に無視した。
やがて、電話は留守番電話に変わり、相手の声を録音し始める。その相手の声はダイキが今一番嫌悪している存在のものだった
『やあダイキ・アルムタート君、元気にしているかね?』
「…アイムディス・カーライル…!!」
『君は私が電話をしたときは留守が多いね。まぁ、そんな世間話は録音時間の無駄か。』
 何も知らない人からすれば"話し易い男性"のイメージかも知れないが、ダイキにとっては今一番声を聞きたくない男の声だった。
アイムディス・カーライル。連邦軍好戦派の若手で、なかなかのやり手として名の知られた将校である。ダイキ達の
オービットエナジー・プロジェクトに目をつけたのも彼であった。
『君はとても強情な男だよ。幾たびの我々の"説得"にまったく耳を貸さなかったのだからね。
そこで、我々は君より先に君の"家族"を落とすことにした。』
 アイムディスはさも当然のように話を続ける。彼の口調はいたって普通だが、話している内容は普通ではない。
ダイキは血が出るほどに手を握り締めながら彼の話を聞き続けた。
『君の奥さんと君の子供は、我々と一緒にいる。君の態度次第ではすぐにでも会わせてあげる事ができるのだがね…。』
 たとえ相手の顔が見えなくても、絶対的に有利な立場にいるアイムディスの顔が残虐な笑みを浮かべていることはその声色から感じられた。
『よい返事を期待するが、最後に一つだけ。私達は、君の家族の安全を保障しているわけではない。それをわかって
もらうために、冷蔵庫の中に"置き土産"を残している。』
 そう言われて初めて、ダイキは冷蔵庫を見た。入ってすぐのダイニングの散々たる状況に目を奪われていたが、
台所にある大きな冷蔵庫にははっきりと"血"でかたどられた手の跡が残されていた。
『今回のプレゼントを私は気に入っている。君にとっては』

ブッ!!

そこで録音は途切れ、部屋の中を静寂が支配した。


「ま、まさか……!?」
「…………その、まさかだ。」
ダイキの語る彼の周りで起きた出来事はシンの想像していた物よりもかなりひどいもであった。
 ついさっきまで有った普通の生活が、ごく一部の人間の目的のためだけに踏み潰される。その理不尽な出来事は、
受ける者の心をガラスを砕くように簡単に壊す。そんな体験をした彼がその後こんな山奥に生活の拠点を移したことに、
シンも納得するしかなかった。
「それから先はいたって簡単だ。やつらはマイクロウェーブの送受電からからサテライトシステムをくみ上げ、
最終決戦にシステムを搭載したMS"ガンダム"を投入。後は見ての通り、地球はめちゃくちゃだ。」
 二人が目の前に臨む目の前の丸い湖も元々はクレーターだとダイキは語る。シンはただ、呆然と目の前の湖を見渡した。

249通常の名無しさんの3倍:2007/09/02(日) 21:48:22 ID:???
ん?支援します……
250GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/09/02(日) 22:01:59 ID:???
第六十八話『あんたには罪がないと思います!!』(後編)

「だから、俺は大罪人なんだよ。最初からこうするためにプロジェクトが立ち上げられたわけじゃない。
だが結果的に俺はこうなるための土台を作っちまったのさ。」
大きく息をつきながら、ダイキは肩を落とした。
「こんなことなら、最初からプロジェクトに参加しなけりゃよかった、って当時は悔やんだ。だが、コロニー落としのおかげで
地球に長い長い冬が訪れた。そんな中で、俺は娘のために、妻のためにがんばらなければならなかった。」
 そういってダイキは立ち上がって大きく背伸びをした。話し始めてかれこれ一時間はたっただろう。
「泣き言を言うことはいつでもできる。だが、やらなきゃならんことをやらんで泣くのは、子供のやることだ。」
「それは、俺に対する当て付けですか?」
「……別にそんな意味は無い。」
 そういってダイキは荷物を背負いなおし、娘サクラの待つ家へと足を向ける。
 何も言わず静かに歩いていく背中に向かって、シンは大声で叫んだ。
「俺は、あんたには罪がないと思います!!」
 ダイキはシンの声に足を止めた。
 シンは声のボリュームをそのままに言葉を続ける。
「悪いのは、アンタのプロジェクトを奪い取った旧連邦軍のやつらだ!」
 世界には物を盗む時に"取られる方が悪い"と言う人間がいる。だがそれは間違いだとシンは思う。どんな状況であれ、
"奪う"と言う行為はその行動そのものが罪だ。
「あんたは、みんなの生活を良くする為に一生懸命やったんだろ!? そんなあんたがなんで罪悪感を持つ必要があるんだよ!!」
「………俺が、その時家族を捨ててでも拒否していれば、今の地球は無かったかもしれん。」
背を向けたまま、ダイキはシンに言葉を返す。声に力はなく、ただただ当時の自分の判断を悔やむしかできない彼に
シンはさらに言葉を投げかけた。
「俺は、そんな事をするやつのほうが信用できない!!」
「……何?」
「誰だって、守りたいものがある。あんたにとって、プロジェクトも家族も世界の平和も大事だったと思う。でも、プロジェクトは
また立て直せるけど、家族は失ったらもう戻らないじゃないですか!?」
「だが俺は、90億以上の命よりも自分の家族の命を選んだんだぞ!?」
 ダイキは振り返って叫んだ。
 自分の犯した"過ち"は償うことのできるものではない。まして、人から非難されることであるはずなのに、目の前の少年は
彼の非を認めようとはしなかった。
「確かに、最小限の犠牲で成果を挙げることも大事だと思います! でもだからって、自分の家族を見捨てるような
父親は"本当の父親"じゃないですよ!!」
シンは、自分が思う"正しい意見"をダイキにぶつけた。
「父親なら、親なら! 子供のために命を懸けるのが、あんたがこの15年やってきたようにするのが"本当の父親"じゃないんですか?」

251通常の名無しさんの3倍:2007/09/02(日) 22:09:45 ID:???
GJ……サクラの左腕は……そして変態兄弟に次は命まで奪われるのか……
AW世界の苛烈さが伝わってくるようだ……

だからこそどこか甘えているシンを鍛えるのにはいいのだろうけれど。
252通常の名無しさんの3倍:2007/09/02(日) 22:48:31 ID:???
更新乙、そして添削

>>247
>叩き割られた庭側の大きな窓に床に散乱したガラス
前の文と比較すると窓と床の間は「と」を使うか句読点。

>>248
>マイクロウェーブによる受電は | 送電

>やつらはマイクロウェーブの送受電からからサテライトシステムを

>>250
>"奪う"と言う行為はその行動そのものが罪だ | それ自体が


更新気にしてくれるのは嬉しいですが、くれぐれも無理はしないで下さい。ガンガレ!
253通常の名無しさんの3倍:2007/09/04(火) 11:22:00 ID:???
>>251
シンが守りきったっていいだろ。
254通常の名無しさんの3倍:2007/09/04(火) 13:42:41 ID:???
こういうモノの見方は、シンの限界で、いいところでもあるなあ…GJ!
255通常の名無しさんの3倍:2007/09/06(木) 23:11:34 ID:???
つうか、今回のサクラの腕切り落とした(切り落とさせた?)
アイムディスってアイムザットの親戚か?


ほら、I'm thatとI'm this……まさかね
256通常の名無しさんの3倍:2007/09/06(木) 23:28:28 ID:???
そろそろコーヒー中毒者の脱走兵の話を読みたい今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか?
257通常の名無しさんの3倍:2007/09/07(金) 12:17:56 ID:???
>>255
別に本人でもよくないか?やりすぎ&戦後の被害がでかすぎたおかげで
名前を変えざるをえなかったとかで。

>>256
俺も待ってる、だからお前もマターリ待て。保管庫読みながらな
258通常の名無しさんの3倍:2007/09/08(土) 20:39:32 ID:???
メイリンの出番マダー?
259通常の名無しさんの3倍:2007/09/08(土) 21:30:49 ID:???
GX氏投下待ち保守
260通常の名無しさんの3倍:2007/09/11(火) 23:12:21 ID:???
保守氏はどうやら仕事が忙しい上にスランプ中らしい、GX氏も忙しいようだしこればっかりはどうしようもないか
夢オチとか妄想ネタならいくらでも出るけどお目汚しになっちまう・・・でも出してみようかな
まあ今ACE3やってるからそっち系やりそうで怖いなw
本スレじゃあまり優遇されてないだろうとか言ってるけど俺は満足かな、Xが出たから衝動買いしたくらいだし
で、X本スレ
機動新世紀ガンダムX−45
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/x3/1188911649/
261通常の名無しさんの3倍:2007/09/14(金) 11:07:06 ID:wY6FEPaz
メイリンの出番マダー?
262通常の名無しさんの3倍:2007/09/14(金) 15:30:17 ID:???
ピザ豚イラネ
263通常の名無しさんの3倍:2007/09/16(日) 01:08:56 ID:???
本当に辛い体験や生活をしてきた奴らって…どこかこう”生きる活力”ってのが見え隠れしてる気がするなぁ
264通常の名無しさんの3倍:2007/09/18(火) 21:06:13 ID:???
保守
265通常の名無しさんの3倍:2007/09/18(火) 23:14:55 ID:???
hosyu
266通常の名無しさんの3倍:2007/09/22(土) 13:11:53 ID:???
age保守
267GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/09/23(日) 22:29:33 ID:???
オリジナルシナリオ第一部(?)『アルムタート親子編』ようやく折り返し地点です…

第六十九話『正直になれよ!』(前編)

 空を覆う薄雲の向こうに、月の輪郭がおぼろげに見えていた。
夕日が西の空にその姿を消し、東の空から静かに"夜"と言う名の黒いカーテンが空を彩る。
木々のあいだを吹く風も昼間の温かさとは違ってどこか刺すような冷たさをはらみ始めていた。
「…不味い。」
 非常時のために機体に常備しておいた乾麺をお湯で戻して口の中に押し込みながらシンは毒づいた。
『空腹は最高の調味料である』と誰かが言っていたのを聞いた事があるが、万人にそれが当てはまるようではないようである。
「非常食はなんでこんなに不味いいんだろ? 作戦前に良い物食べたから余計に不味く感じる…。」
 パチパチと音を立てて燃える薪を前にして、シンは一体何度目になるかわからないため息をついたのだった。


 森は昼と夜では違う姿を持っている。昼間は日光の下で穏やかな姿を見せていた木々たちも、
夜の暗い空の下では不気味な塀のように両側にそびえ立っていた。
「今夜は雲が出てて星が見えないな……。」
 自分の身長よりもずっと大きな黒い壁のあいだの道をサクラは普段どおりに歩いていく。
彼女からすれば、そこはいつもの道であり、昼であろうと夜であろうとほとんど関係なかった。
 彼女はたまに、夜ダイキが眠った後に家を抜け出していた。目的は湖での沐浴か、
眠れない時に星を眺めて気分転換をするためだ。
右手に小さな籠をぶら下げ、鼻歌を歌いながら歩く彼女はいつにも増して上機嫌だった。
いつもはその先に誰もいないが、今日は彼がいる。
「さて、あいつは今どこに…。」
両側の壁が消え、開けた湖にたどり着くとサクラはシンの姿を探す。夜の闇が支配するそこでは、
普通ならばとても彼を見つけることは困難なことである。しかし彼女はすぐに薪の前にたたずむシンを見つけ、
彼の元へ走っていった。


 彼女の持ってきたドングリを使って作ったパンとブドウやらの果物は非常食の乾麺とは比べ物に
ならない美味しく感じられた。食後に薬草で淹れた茶を飲みながらシンは感心した様子で彼女への
感謝の言葉を口にした。
「乾麺だけじゃ足りなくてさ、助かったよ。しかしドングリでパンとは、すごいなあんた。」
「作ったのはお父さん、私は少し手伝っただけよ。」
 士官学校時代に野営の講義を受けたこともあったが、彼はここまでやった記憶は無い。大昔の食料と
いっても過言ではないドングリでパンを作る人物がいるとは、思っていなかった。
「その気になればなんだってできるよ。」
そう言いながらサクラは笑う。作る際にどんな工程を踏むのかは知らないが、『パン』を作る以上、
 生地を寝かせる時間も含めて3時間以上かかるだろう。
「そりゃ作れるかもしれないけどさ、試行錯誤すればの話だろ? わざわざ少ない食料を俺に回さなくても…。」
これから季節が冬へと向かっていく中で、ドングリの確保は容易になるだろうが、時期的にまだそんな季節ではない。
そんな彼の心配をよそに、彼女は笑顔で空を見上げた。
「冬ならともかく、今の時期はほかにも食料はあるから平気だって。でも、この時期は雲が多くて星が見えないのよねぇ…。」
 空を見上げる彼女に釣られてシンも空を見上げた。そこには相変わらず雲が流れているだけで、
星々のきらめきはほとんど見えていない。雲に覆われた空を見上げる彼女の表情はどこか悲しげだった。

268GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/09/23(日) 22:43:47 ID:???
第六十九話『正直になれよ!』(中編)

「星…好きなのか?」
「…うん。好きっていうよりも、ただきれいだからずっと眺めていたいの。」
「わかった。じゃあさ、星を見に行こう!」
 そういってシンは立ち上がると、彼女の手を取って駆け出した。つられて走るサクラは困惑の表情を浮かべる。
空には雲があって直接星を見ることはできない。たとえ木を登ったとしても、雲そのものを取り払わなければ
見ることはできないはずである。
「ほ、星を見に行くって、どこに行く気よ!?」
 そう心配する彼女に向かってシンは笑った。
「どこにって? 雲の上までさ!!」


 コックピットに乗り込んだシンは手馴れた様子で機体の各システムを立ち上げていく。ヴァサーゴとアシュタロンに執拗な追撃を
受けたものの、幸い大きな損傷はしていない。正面と左右のモニターに頭部のカメラからの映像が写され、
それまで閉ざされた小さな空間だったコックピットに外の情報が届けられる。
「狭いわね。」
「モ、MSのコックピットは大体こんなもんだ!」
GXのコックピットとは違い、ディスティニーのコックピットは計器やらなにやらであまり広く感じられない。
ガロードがティファをつれて逃げる際に、コックピットに一緒に乗っていたという話を聞いた事があったが、
世界の違いか、この機体ではゆっくり座ってと言う風にはいかない様である。
「やっぱり、MSの手のひらに乗ってたほうがよかったんじゃない?」
「そんなこと言って、酸欠になっても知らないぞ? 上は空気が薄いんだからな。」
 彼女を手の上に乗せても落とさない自信はあるが、酸欠で転げ落ちられては元も子もない。
そういった事態を考慮して彼女を一緒に乗せたのだ。
「ゆ、揺れるからなんかつかまって。」
「…この状態じゃこうするしかないわね。」
そういって、サクラはシンの首に腕を回した。
「な!?」
「仕方ないでしょ? こんな風にあなたに抱えられた状態じゃ、こうやるのが一番定番だと思うけど。」
 抱えてはいないと抗議をしようと思ったが、それ以外の手段が思いつかずシンは口をつぐむしかなかった。
両腕は操縦桿でふさがっており、彼女が納まるスペースが彼の太ももの上しかなかったとはいえ、
これで操縦桿から手を離して彼女の体を支えたら抱きかかえた状態とさほど変わりない。
「女の子の憧れよね。白馬の王子様にお姫様抱っこされるのって。」
「俺は、王子様じゃない…。」
 本気か冗談か判断のつかないことを言うサクラをよそに、シンは機体を夜の空へと舞い上がらせた。


 夜空に瞬く星達はそのほとんどが太陽と同じように自ら光を放っている。その光の強さ、色は星の年齢や
大きさによって大きく変化する。オリオン座の右肩のべテルギウスのような赤い星は老いた星であり、
逆に左脚の付け根にあるリゲルのような青い星は若い星である。
「そして、この時期に見える一等星ははホーマルハウト!」
「……どれがどれだかいまいち判んないんだけど…?」
雲の向こうに広がっていた満天の星空にシンはうめいた。
269GX1/144 ◆nru729E2n2 :2007/09/23(日) 22:47:38 ID:???
第六十九話『正直になれよ!』(後編)

 地上を飛び立って数十分、ディスティニーは雲の層を抜け、雲に妨げられることの無い夜空の下にたどり着いた。
西の空には黄色い半月が沈みかかっており、星空は完全に星たちだけのものになりつつあった。
「私、あの時の光景が忘れられないんだ。」
「あの時?」
「うん。6歳の時、初めて"太陽"が私達の前に姿を現したわ。その時に日光に暖かさは今でも忘れられない。
そしてそれ以上に、厚い雲が晴れて姿を現したこの星空に感動した…。」
 終戦直後の長い冬の間ずっと見る事のできなかった空。どこまでも果てしなく続くその途方も無い大きさ、多種多様な
表情、そしてそれを彩る多くの星たち。彼女は我を忘れてカメラ越しに見えるその姿を見つめていた。
「……あんた知ってるよな? 地球は丸いってこと。」
「それがどうかしたの?」
「ほかの地域に行けば、こことは違った星空が見える。」
 不意にサクラの動きが止まる。お互いに言葉を発することなく、しばらくのあいだ沈黙がコックピット内を支配する。
「あんたがどう思うかどうかは勝手だけど、いつまでもあそこに篭っていてもダメなんじゃないか?」
「言いたいことはわかる。けど、お父さんを置いていくわけには行かないのよ」
 サクラは小さく首を振った。
 彼女自身、今住むこの森が自分にとって小さすぎる籠になりつつあることをうすうす感じ始めていた。森の中で季節の
変化を感じることは確かに楽しい。父の料理も美味しいし、森での生活がつまらないものかと言われれば"NO"と答えるだろう。
 しかし、既に16歳になった彼女にとって"庭"であるこの森の中で、1年と言うサイクルの中で変化していくもの以外に
新しい発見ができなくなっていた。しかし、一歩も森を出たことのない彼女にとって山の反対側、川の反対側は"未知"の
世界が広がっている。彼女がそれを求めないのは、今まで育ててくれた父親の存在があった。
「私、ホントは外に出たくてうずうずしてる。けどお父さんを1人で置いていけない…、なぁんてね。外は危険なんだし、
そんな所での生活は命がいくらあっても足りないよ。」
 彼女は肩を落としながらおどけた調子でごまかす。そうする彼女にシンは真剣なまなざしを向けた。
「そんなことで、親父さんの名前出すなよ…!」
「え?」
「見たことないのに、どうして危ないって決め付けるんだよ? あんた、結局自分が出るのが怖いだけじゃないか!?」
「だ、だって、現実に近くの国々と新連邦軍は」
「ああ、確かに戦争している。」
サクラの言葉をさえぎり、シンは断言した。
「確かに危険なもんはいっぱいある。けど、あんたと違う世界を見てきた俺から言わせれば、危険も魅力も半々だよ! 
ブラウン管やスピーカーを通して知った情報なんて、役には立たない!!」
「でも…!」
「あんたは、初めて星を見たときに感動したって言ったよな? あんたがその当時星についてどれくらい知識があったかは
知らないけど、本物の前じゃそんなものは霞んじゃうんだよ! 正直になれよ!」
 一条の光が夜空を流れる中で、サクラはシンの言葉に心を揺さぶる。狭いコックピットの中をわずかな沈黙が支配した。
 しかし、その沈黙はサクラの言葉でもシンの言葉でもなく、MSの接近を告げる警報音だった。
270通常の名無しさんの3倍:2007/09/23(日) 23:12:14 ID:???
GJ
いいところで・・・・楽しみは後に取っておこう。
271通常の名無しさんの3倍:2007/09/23(日) 23:28:08 ID:???
更新乙、そして添削

>>267
>非常食はなんでこんなに不味いいんだろ? | 不味いんだろ

>両側の壁が消え | 木々(壁が本当にある訳ではないので、錯誤の元)

>比べ物にならない美味しく感じられた | ならないほど

>>268
>こうやるのが一番定番だと思うけど | 一番基本(あるいはお決まりのパターン、定番自体に番号の意味があるので)

>そして、この時期に見える一等星ははホーマルハウト! | 一等星はホーマルハウト

>>269
>その時に日光に暖かさは | その時の光と(の?)暖かさは

>しかし、その沈黙はサクラの言葉でもシンの言葉でもなく | を破ったのは が抜けている?
272通常の名無しさんの3倍:2007/09/23(日) 23:52:41 ID:???
GJ!

逃避行の道連れを欲するか…シンよ
人に手を差し出す以上、その幸せや生命を背負わなきゃならないが
自分自身の責任から逃げ出した今のお前にその覚悟はあるのか?
273通常の名無しさんの3倍:2007/09/24(月) 00:31:43 ID:???
ぼーいみーつがーるGJ
色々フラグが立ってるんだが、大丈夫なのか、この娘さん
274通常の名無しさんの3倍:2007/09/24(月) 15:40:04 ID:???
なかなか魅力的なキャラだから生き延びて欲しいねえ。 >サクラ
275通常の名無しさんの3倍:2007/09/25(火) 22:08:30 ID:???
つーか、襲撃? だよな。相手は誰だかわからんが
コックピットに同乗してるのはまずくね?



あ、これもシンの特技“ラッキースケベ“か。
逃げる最中にしがみつくサクラの

ブッ

――――――回線が切断されました――――――
276通常の名無しさんの3倍:2007/09/26(水) 03:52:32 ID:???
ここでシンを探しにきたガロとか言ってみる
277通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 22:37:05 ID:???
ここでシンを潰しに来たキラと言ってみr
278通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 15:26:08 ID:???
とりあえずサクラの親父さんは死亡フラグたったな。
サクラも十分危ないが。
279通常の名無しさんの3倍:2007/10/03(水) 23:18:05 ID:???
ミーアとメイリンの出番マダー?
280通常の名無しさんの3倍
明日に備えてあげておくよ