【相互】種死リリカルなのはSS【乗り入れ】その3

このエントリーをはてなブックマークに追加
1通常の名無しさんの3倍
種死&リリカルなのはクロスオーバー

シンが八神家に餌付けされたり
なのはさんが種死に行き、世直しをしたり
ほかetc……

・職人様はコテとトリ必須
・次スレ立ては950を踏んだ人が立ててください
・各作品の考察は該当スレでどうぞ
・スレは、sage進行です。

前スレ
【相互】種死&リリカルなのはSS【乗り入れ】その2
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/shar/1167498043/l50

前々スレ
【相互】種死&リリカルなのはSSスレ【乗り入れ】
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1163678370/l50

雑談スレ
【スバル】種vsリリカルなのは4【ティアナ】
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1167225154/l50
21:2007/01/25(木) 21:07:02 ID:???
訂正

前々スレ
【相互】種死&リリカルなのはSSスレ【乗り入れ】
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/shar/1163678370/l50

雑談スレ
【スバル】種vsリリカルなのは4【ティアナ】
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/shar/1167225154/l50
3通常の名無しさんの3倍:2007/01/25(木) 23:40:49 ID:???
>>1 乙!
4通常の名無しさんの3倍:2007/01/26(金) 08:03:42 ID:???
>>1 乙乙です
5通常の名無しさんの3倍:2007/01/27(土) 00:05:23 ID:???
>>1
6通常の名無しさんの3倍:2007/01/27(土) 18:31:08 ID:???
このスレ上げとかなきゃ落ちるんじゃないか?
7通常の名無しさんの3倍:2007/01/27(土) 19:31:14 ID:???
職人さんたちまだ前スレで活動中なのか?
8通常の名無しさんの3倍:2007/01/27(土) 20:29:27 ID:???
まだ前スレ30KB以上も残ってるからな
明らかにスレ立て早すぎた
9通常の名無しさんの3倍:2007/01/28(日) 10:58:09 ID:???
あげ
10通常の名無しさんの3倍:2007/01/29(月) 19:35:00 ID:???
アゲ
11梟道人:2007/01/29(月) 21:57:51 ID:???
シン+八神家に拘りすぎると正直退くぞ
12通常の名無しさんの3倍:2007/01/30(火) 04:50:23 ID:???
↑?
13通常の名無しさんの3倍:2007/01/30(火) 12:06:53 ID:???
ようするに>>11はテンプレが読めないんだよ
14通常の名無しさんの3倍:2007/01/30(火) 12:18:34 ID:???
>>13
ようするに>>1の2行目にケチつけてるだけだろ
意味わかんないんだったらスルーしろアフォ
その方が利口だ

今の調子だと過疎る悪寒・・・
15通常の名無しさんの3倍:2007/01/30(火) 14:48:02 ID:???
ああ、2行目の話の職人さん帰ってきて欲しいな。
あと非バトルモノにも出てきて欲しいモノです。
16通常の名無しさんの3倍:2007/01/30(火) 15:19:23 ID:???
最近減ってきたよね。
17黒い波動:2007/01/30(火) 16:13:30 ID:???
「ここは?」
 視界がぼやけてはっきりとしない。
 丁寧にかけられていた毛布をどけ、身を起こし辺りを見渡す。
 どうやら、俺は医務室に寝かされていたらしい。
「何でこんなとこに?」
 何で自分がここで寝かされているのかが分からない。昨日は確かに俺の部屋で寝たはずだ。
「まあ、考えていても仕方がないか」
 俺はベッドから出ようとして
「っ」
 突然頭痛に襲われた。
「これは……」
 痛みは映像となり、俺に何かを見せる。
(記憶、なのか?)
 それは吐き気のするような映像だった。赤い空。なぎ倒された木々。周囲は土砂と炎で囲まれていた。
 そして。
 その土砂の合間に見えるモノ。それは……
「ぐっ、あれ、は」
 思い出してはいけない気がする。あれを認識したら、きっと全てが変わってしまうから。
「はあ、はあ」
 それを振り払うと、俺はこの部屋から出ることにした。
 あの景色が霞んでいくと共に、頭痛は治まり始めていった。

「そうだ。こんなことをしている場合じゃない。今日はフェイトの裁判に……何だ?」
 通路に出て気付いたことがある。
 どうも、この艦におかしな緊張感が漂っている気がする。
(この空気を、俺は知っている)
 体調も戻ってきている。
 俺は妙な胸騒ぎがしたので、とりあえずブリッジに向かうことにした。
18黒い波動:2007/01/30(火) 16:14:32 ID:???
(この角を曲がれば……)
「うわ!」
「ぃだっ!」
 何かが凄まじい勢いで突っ込んできた。堪らず吹き飛ばされ、通路に尻餅をつく。
 痛みを堪えながら、立ち上がると、そこには俺と同じように尻餅をついたアルフがいた。
「おい、大丈夫か?」
「んん、大丈夫だ。ってあんたは、いや今は構っている暇はないんだ」
 それだけ言い残し、あっという間に駆けて行ってしまった。
(あいつがあんなに慌てているって事はフェイト絡みか?まさか、フェイトに何かあっただろうか)
 こうしてはいられない。このおかしな雰囲気と関係したことなのかもしれない。
 俺はアルフを追いかけて走り始めた。
 だが、アルフの足は予想以上に速い。
 やっとのことで追いついたときには、アルフは転送ポートにいた。
「アルフ!何かあったのか?」
 聞かれた彼女は、俺が追いかけてきたことに驚いたらしく、一瞬呆気に取られていたが、
「フェイトが危ないんだよ!掴まりな!」
 そう言って、こちらに手を伸ばしてくる。
 アルフは言った。フェイトが危ないと。なら迷うことはない。
 俺もアルフに手を伸ばし、お互いが手をきつく握る。
「行くよ!」
「ああ!」
 魔法陣の輝きが増すと共に、世界を越える扉が開く。
 その扉を潜り、俺たちは世界を翔んだ。
19黒い波動:2007/01/30(火) 16:16:06 ID:???
 転移の光が収まると、そこはビルの屋上のようだった。
「アルフ!」
 聞き慣れない声に振り返れば、そこに見知らぬ少年と少女がいた。どうやらアルフの知り合いらしい。
「ユーノ、それに、なのは!大丈夫なのかい?」
「はい、なんとか。フェイトちゃんが助けてくれたから」
 半円状の結界のなかで、横たわる白服の少女。この娘がフェイトの友達のなのはというらしい。
「なあ、そのフェイトはどこなんだ?」
「アルフ、この人は?」
「あ、私知っている。フェイトちゃんのビデオメールに一緒に映っていたお兄さんですよね?」
「ああ。ユーノへの紹介は後だよ。シンはここにいて二人の護衛を頼んだよ。私はフェイトのところに行ってくる」
「おい、待て…」
 アルフは俺の言葉も聞かずに、そのままどこかへ飛んで行ってしまった。使い魔だから主の居場所は分かるのだろうが、それなら俺も連れて行ってほしかった。
 ちらりと二人を見ると、こちらの様子を伺っている。
「あ、その、はじめまして?」
「はい。はじめまして。私の名前は高町なのはっていいます。こちらはユーノ君」
 なのはからの紹介を受けて、ユーノと呼ばれた少年も頭を下げる。
「ああ。俺はシン・アスカっていうんだ」
 フェイトを助けに来たはずなのに俺は何をやっているんだろうと思いながらも、とりあえず自己紹介を終わらせる。
「それより、大丈夫なのか?」
「はい、今ユーノ君が治癒してくれていますから」
「そうか」
 とりあえずは一安心、といきたいところだが、どうやらそうもいかないらしい。
 俺となのはちゃんのデバイスが同時に警告する。
『ワイドシールド』
 俺の上方に広く展開した障壁が、勢いよく飛んできた鎖の束を弾く。
「もう一人!?」
「なのは、ダメだ!まだ回復が!」
「俺が迎撃する。二人はそこにいてくれ」
『フォースジャケット』
 赤い光が翼を形作ると共に、俺は空へと飛翔する。
 こちらを待ち構えるかのように、そこには男が待っていた。
20黒い波動:2007/01/30(火) 16:17:02 ID:???
(こいつも使い魔なのか?)
 アルフと同じような耳をした男は、いきなりこちらに向かって突っ込んできた。
「いきなりかよ」
『ビームサーベル』
 手に光が集い、それが剣の形をとる。
「はあああああああああああああ!」
 相手はどうやら小細工する気はないらしい。こちらもソードでいきたいところだが、今は温存することにし、手に光る刃を構える。
「はあっ!!」
 男の拳に向けて剣を振るう。相手は素手だ。こちらの方が有利とふんでいたのだが、
「ぐう、く、うわああああああ!!」
 数瞬の力比べの後、逆に弾き飛ばされてしまった。
「なんてパワーだよ、こいつは」
 その力にも驚いたが、何よりこちらの魔法刃をまったく無視していたのにも驚きだ。恐らくあの手甲があいつの武器なのだろう。
『フルブースト』
 光を強めた翼を背に一気に最高速度まで達した俺は、敵の周りを高速で移動し続ける。
「パワーで勝てないのなら!」
『それ以外でいきましょう』
 三百六十度を高速で動き続けながら、ビームライフルを乱射する。
 相手は時に避け、時に防ぎながらも、徐々に俺そのものの動きに反応しつつある。
 しかし、今回はこちらの勝ちらしい。相手が反応しきるより先に、こちらの攻撃が連続でヒットし始めた。
「いける!」
『ソードジャケット。エクスカリバー』
 換装すると共に、手には先ほどと比べ物にならない光の剣が現れる。
「はあああああああ!!」
 動くことができない敵に、それを思いっきり振り下ろす。
 が。
(っ!)
 まずいと直感する。敵は怯んでいて動けないのではなくて
「ぬああああ!」
 魔力を纏った拳が飛んでくる。
 それはこちらのエクスカリバーを吹き飛ばし、更に俺自身を捉えた。
「がっ」
 意識ごと吹き飛ばされそうになるが何とか堪える。顔を上げれば敵は遥か彼方だ。
(ここまで吹き飛ばされたのかよ……)
 凄まじい一撃だった。おそらく直撃していれば、墜とされていただろう。
21黒い波動:2007/01/30(火) 16:17:55 ID:???
「ほう、あそこから回避するとは、やるな」
 確かに殴られはしたが、その寸前にバックして威力を多少和らげたのだ。
(あいつとの模擬戦のおかげか。何か気に食わない)
 だが、直撃ではないとはいえ、ダメージは決して小さくはない。
 確かに痛い。危険な戦いだ。模擬戦とは違う。
 だが。
(知っている)
 そう。知っている。この緊張感を。戦うときに感じるこの感覚。
(でも、足りない)
 そう。あそこではこんなものじゃなかった。お互いが命を賭けて戦っていた戦場とは。
「俺は……」
『危険です。非殺傷設定を解除することはできません』
「!」
 インパルスからの警告で我に返る。
(今、俺は何をやろうとしていたんだ?)
『接近警報』
「ちぃ」
 気が付けば、あの男が目の前まで迫っていた。
「どこを見ている!」
 声に怒りを滲ませながら、再びあの拳をうってくる。
 あれとは打ち合うつもりはない。ここは回避を選ぼうとしたのだが
「しまっ」
 遅すぎた。あたり一面に鎖が漂っている。少しでも動けば拘束されて終わりだ。
「くそ!シールド!」
 全力で障壁を展開する。
 しかし。
「そんなものでは!この拳は阻めん!」
 粉々に粉砕される障壁。
 俺は今度こそ敵に叩き落されたのだった。
22黒い波動:2007/01/30(火) 16:18:42 ID:???
「あれは!」
 シグナムの持つ剣に膨大な魔力が渦巻くのが感じられる。
(まずい)
『Arc saber』
 バルディッシュの魔力刃をシグナムに向けて射出する。
(これで隙を)
「あまいぞ、テスタロッサ」
「!」
 気が付けばシグナムは目前まで迫っていた。
(な?さっきとスピードが違いすぎる)
 振りかぶられた剣。避けきれない。
 咄嗟にバルディッシュの柄で受け止めようとするが
「紫電!一閃!」
 振り下ろされた剣は、そのままバルディッシュを切り裂いて
「くぅっ」
 私を叩き落した。
(そんな……)
 落ちていく中、無残に破壊されたバルディッシュを見る。
(バルディッシュ……)
 後悔の念と共に、私は意識を失った。
23黒い波動:2007/01/30(火) 16:19:28 ID:???
どうも。投下しました。では、またの機会に
24通常の名無しさんの3倍:2007/01/30(火) 18:14:03 ID:???
乙。
シンのライバルはザフィーラか。
25通常の名無しさんの3倍:2007/01/30(火) 18:38:56 ID:???
>>11
>シンが八神家に餌付けされたり
>なのはさんが種死に行き、世直しをしたり

この時点でまともなクロスをする気などない、なのは厨種アンチの巣窟だという事に気付くんだ
26通常の名無しさんの3倍:2007/01/30(火) 19:51:59 ID:???
>>25
なぁ、そういうこと言うのやめようぜ?
27通常の名無しさんの3倍:2007/01/30(火) 20:02:09 ID:???
>>26
釣られちゃ駄目だぜ?
28通常の名無しさんの3倍:2007/01/30(火) 20:10:39 ID:???
てか、非殺傷設定て後付できんの?
黒い波動氏のシンのデバイスは非殺傷設定って存在しなかったんじゃなかったっけ?
29通常の名無しさんの3倍:2007/01/30(火) 20:13:42 ID:???
非殺傷設定(笑)なら付けれるだろ
30通常の名無しさんの3倍:2007/01/30(火) 20:15:47 ID:???
>>25
まともなクロスだってwww
31通常の名無しさんの3倍:2007/01/30(火) 21:46:41 ID:???
>>11
テンプレにケチをつける奴に碌な奴はいない
コレ常識?www
32通常の名無しさんの3倍:2007/01/30(火) 22:37:48 ID:???
誰か芝刈り機持ってきてくれ
33通常の名無しさんの3倍:2007/01/30(火) 23:08:16 ID:???
    _, ._
  ( ・ω・)
  ○={=}〇,
   |:::::::::\, ', ´
.wwし w`(.@)wwww

芝刈り機一丁お待ち!
34黒い波動:2007/01/31(水) 00:38:01 ID:???
間違えちゃった。今度からは気をつけます。
35通常の名無しさんの3倍:2007/01/31(水) 00:38:48 ID:???
>>28
少なくとも、黒い波動氏のSS内では後付けできる描写があったはず
36通常の名無しさんの3倍:2007/01/31(水) 01:54:11 ID:???
>>35
そうなの?
すまん、よく見てなかったようだ。
黒い波動氏、スミマセン。
37通常の名無しさんの3倍:2007/01/31(水) 04:43:07 ID:???
>>25
なにが悪いの?
38通常の名無しさんの3倍:2007/01/31(水) 18:11:30 ID:auQHQ3mF
なのは側の存在が、SEED側の存在を塗り替える事のみを前提においている=SEED蔑視って解釈じゃないかなぁ。

まあ、俺はなのは世界の存在がピンクに塗り潰される所なんざ見たくないし、
ある意味ではあたっていなくも無いが。
39通常の名無しさんの3倍:2007/01/31(水) 18:55:32 ID:???
なのはのキャラが種死のキャラ(と言うか桃色陣営)と出会って影響を受けて、いい方向に成長するってのが
容易に想像できないんだが……そこら辺、テンプレの文句は的を射ていると思う。
40通常の名無しさんの3倍:2007/01/31(水) 19:02:58 ID:???
二次創作の基本ってのは本編の不満点を自分だったらこうしたいという、いわゆるIFを楽しむ事だと思う
その点、種の場合は、「こうしたら面白い」という点については枚挙に暇が無い
対して、なのはは、本編のIFってのがパッと思いつかない
現にSSでも、なのは本編の再構成とか、あまり見た事ないし
41通常の名無しさんの3倍:2007/01/31(水) 19:18:49 ID:???
なのはキャラに種キャラが物申すところを想像したら、種キャラがオリキャラ化した。

逆だと、なのはキャラは素のままでいける。


……キャラが悪いんじゃない。
きっと作り手が悪かったんだ。
42通常の名無しさんの3倍:2007/01/31(水) 20:44:30 ID:???
>逆だと、なのはキャラは素のままでいける。
ねーよwww
43通常の名無しさんの3倍:2007/01/31(水) 22:58:06 ID:???
好きに書けばいいじゃん
44通常の名無しさんの3倍:2007/02/01(木) 01:33:56 ID:???
>>41
いい男スレが良い見本だよ、種キャラが原型を
留めてない
45通常の名無しさんの3倍:2007/02/01(木) 07:26:43 ID:???
wiki見てて気付いたんだけど、黒い波動第一話の後半(シンとフェイトの場面)が入ってなかった。
46通常の名無しさんの3倍:2007/02/01(木) 07:33:38 ID:???
>>38
なる程
47通常の名無しさんの3倍:2007/02/01(木) 08:20:26 ID:???
最近、神隠しさん来ないね
忙しいのかな?
48通常の名無しさんの3倍:2007/02/01(木) 08:30:47 ID:???
いいじゃないか クレしんスレの如く戦いを忘れて海鳴でまったりとする種キャラ達をのぞんでも。
49通常の名無しさんの3倍:2007/02/01(木) 11:08:27 ID:???
忘れちゃダメだろ…
常識的に考えて…
50通常の名無しさんの3倍:2007/02/01(木) 11:13:48 ID:???
まあ黒い波動のシンは忘れてるわけだが

まったりはしてないけど
51通常の名無しさんの3倍:2007/02/01(木) 18:32:17 ID:???
要は種キャラはここのU−1みたいでないと嫌なんだろwww

tp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/7644/1160891908/
52通常の名無しさんの3倍:2007/02/01(木) 18:40:29 ID:???
>>51
そりゃ酷すぎwww
53通常の名無しさんの3倍:2007/02/01(木) 22:17:34 ID:???
>>51
すげぇ・・・。ラクシズが常人にみえるw
54ガンダムし〜どD´s:2007/02/01(木) 23:06:06 ID:???
出来たので少ししたら投下します。
55ガンダムし〜どD´s:2007/02/01(木) 23:22:59 ID:???
そろそろ投下。

機動戦士ガンダムし〜どD´s第17話後編

「シン。ちょっとええ?」
夕食も終わり、皆がリビングでくつろいでいるときに、はやてが話しかけてきた。
「何?」
そういえば、今日はなにかやけに考えてこんでたことを思い出す。
「いや、このまえのことでちょっと……」
この前?なんのことだ、と思っているシンにはやてがいう。
「ほら、この前に『結局、人って運命からは逃れなれないのかな』っていよったやつ」
そういわれてああ、という。
少し前まで自分が考えていたことだった。
「あの時も言っただろ、ひとり言だから気にすんなよ」
こんな事をはやて達にはなしても意味が無い。
けど……とまだなんかいいたそうなはやて。
しかたない、といった感じで言う。
「これは俺の世界のことだから。はやてたちには無関係なんだ」
それシンの言葉を聞いて、はやては反論する。
「関係ないことないやろ?シンも家も家族なんやけん」
すこし怒鳴ったようなはやての言い方に少し驚くシン。
そこで気になる。
「何でこそまで気になるんだよ」
シンは、はやてがそこまでいう理由がわからなかった。
そしてはやては寂しそうに言う。
「ほなって、家族の誰かが悩んどったらだれやって気になるやろ?」
まあ確かにそのとおりである。
だが、それだけの理由で言えるのだろうか。
そうおもいシンは黙ったままでいる。
「ほな、シンはうち等のこと家族と思ってないん?」
そしてはやてから涙が出かけてる。
非常に気まずい雰囲気が漂う。
ヴィータを見ると、「これ以上はやてを泣かしたらたとえお前でもどうなるかわかってるんだろうな」と、言葉にしなくてもわかるほどこちらを睨みつけている。
それ以前に、シン自身どうも女性(しかも子供)の涙は苦手である。
「いや、そういうわけじゃなくて……」
ほなどういう意味?とさらに迫るはやて。
そんなはやてに、とうとうシンは根負けした。
「わかったよ、言えばいいんだろいえば!!」
そういったとたん、はやてはさっきの涙が嘘のように頬笑む。
作り涙じゃないだろうなというくらいに。
まあ言うっていったんだから言わなきゃ仕方がない。
そう思いシンは今時分が疑問に思っていること、そしてそれで自分が思っていることを話した。
56ガンダムし〜どD´s:2007/02/01(木) 23:23:56 ID:???
「美由希、ちょっといいか?」
なのはの家も夕食が終わり、皆がhなしをしているところで、美由希は恭也に呼ばれてギクッとゆっくりと恭なりのほうを向く。
「なに、恭ちゃん?」
少しびくつきながら答える美由希。
そんなにあれが聞かれたくなかったのか。
「あの遊園地のチケット、何なんだ?」
やっぱりこの話か……そう思いながらどうしようかなーと思ったところ。
「どういうこと、恭也」
そこへ、桃子が話に加わり、結局全員が話を聞くことになった。
恭也が少し前のことを説明した。
美由希が稽古のために道場に向かおうとしたとき、何か紙があったから拾うと、遊園地のチケットがあって、それを美由希に見せたらものすごい勢いでチケットを取り自分の部屋に向かっていったことを。
どう説明しようか迷う美由希。
そこへ桃子が質問する。
「そのチケット、どうやって手に入れたの?」
桃子は、この遊園地は最近出来たばかりで、そこのチケットなんてなかなか手に入らないことを知っている。
まあそれくらいなら、なんとかいえるだろうと思った美由希は答える。
「えーと、友達が彼氏とその友達と行く予定なんだけど、なんか彼氏達のほうが急な予定があってだめだったから私達と緒に行こうってことになって」
ところどころ嘘と本当を混じり合わせて説明する美由希。
家族に片思いの人と行くなんて絶対恥ずかしくていえない。
……ってさっき私なんていった?片思い?
「そお、じゃあお友達と行くの?」
桃子の答えにそうそう、といいながらその場を離れようとする。
だが……
「美由希……」
桃子はコーヒーを飲みながら美由希を止める。
「家族に内緒事はともかく、嘘つくような子に育てた覚えはないわよ」
やっぱりばれてた。そう思いながら美由希は思う。
っていうか恭ちゃんが言うから最初から内緒に出来ないし…
しかし、元はといえばチケットを落とした自分が悪いのだから何もいえない。
「そうだぞ美由希。ちゃんと話してくれないと」
これが本当の四面楚歌、完全孤立といのだろうか。
観念して本当のことを話す美由希。
最近、シンにナンパされているところを助けてもらって以来、彼のことを考えていたこと。
そして、そのことを友達に話したらこのチケットをくれて誘って来いっていわれてその帰りに偶然シンに会い、チケットを渡したこと。
そのことを家族に話したら、桃子がなにかうれしそうに美由希に言う。
57ガンダムし〜どD´s:2007/02/01(木) 23:24:53 ID:???
「美由希もとうとう春が来たのねー」
感慨深く桃子は言う。
ってちょっとまって、って美由希がいう。
「別に好きってわけじゃ……」
そういおうとしたが、速攻で美由希に否定される。
「そんなわけ無いでしょう。ただわからないだけど」
私もそうだったわあ、と桃子も懐かしく思い出す。
桃子の話を聞いて、だんだんと美由希の気持ちがかわって来る。
いまならなんとなくわかる。
自分はシンに好意を持っている。
「がんばってね、母さん、応援して得るからね」
家族が美由希の恋の成功をする中、なのはだけはどこかくらい顔をしている。
本当のことを言っていいのかどうか。
「なのは、どうした?」
士郎がなのはが暗くなっているのがわかり声をかける。
「ううん、なんでもない」
そういってその場を後にするなのは。
いえるはずが無い、それ以前に親にも話しているはずだ。それを知っていてああ言ってるのだろうか。
シンは別の世界の人間。いつかはこの世界とはお別れになる。
それは、姉の初恋が成就しないと意味がほぼ同じである。
それで、応援なんて自分は出来るはずがなかった。
シンもシンである。何故デートの誘いを受けたのだろうか。
まあシンの場合、ただ単にわからなかっただけなのかもしれないが……

シンははやて達に話した。
アースラにいたときのムゥとの話。
そしてエクステンデットとステラの事。
そしてクローンであるレイ。
いろいろ考えて、結局人って言うのは、生まれたときから運命に逃れなれないかもしれないという自分の考え。
話を聞いて、みんなが黙る。
そしてはやてがいう。
「なんやいってることようわからんけど……」
ほらやっぱり、そういった感じでシンははやてを見る。
しかし……
「シンがいっとった人は運命から逃れなれないっていうんは間違いやと思う」
そういって寂しそうにはやてはいう。
「もしシンのいうとおりやったら、うちはもしかしたら既に死んどるかもしれんから」
いきなりのはやての言葉にシンは驚く。
はやても自分のことを説明した。
以前シグナムから、闇の書の関係ではやては足を満足に動かせないとは聞いた。
実は、下手をしたらそのままはやては死んでいたという事実を知る。
58ガンダムし〜どD´s:2007/02/01(木) 23:26:07 ID:???
「あの時、なのはたちに会わなかったら、ほんとうにはやては死んでたかもしれない」
さらにシグナムたち、ヴォルケン何とかといったか、彼女らは最初はなのはたち時空管理局と敵対していたことも明らかとなる。
彼女達も、闇の書の一部として、ただ主の命に従うだけだった。
だが、はやては違った。
彼女は自分達を家族として迎えてくれたことを。
「せやから、人は運命から逃れなれないっていうんは間違っとると思う」
はやてたちの話を始めて聞いて、シンは驚くしか出来なかった。
(はやてたちに、そんな過去があったなんて……)
過去といっても、半年くらい前の話なのだが……
そしてシャマルも言う
「その、ステラさん、でしたっけ。その人も最後は幸せだったんじゃないでしょうか?」
シャマルの言葉に、シンは疑問を抱かざる終えない。
「どういう意味だよ?」
さっきの話を聞いていなかったのか。
ステラは、本人が望まないまま戦うための身体に改造され、薬や特別なことをしないと生きていけない。
それのどこが幸せなのだろうか。
「だって、その人はあなたのことを慕ってたんでしょう?」
シャマルにそう言われて少し考える。
おそらく、自分はネオほどではないがステラに慕われて入ると思う。
「多分……」
「じゃあ、そんな人に看取ってもらえるんだから十分幸せじゃないのかな?」
その時に、ステラが最後に自分に言っくれた言葉を思い出す。
(シン……好き……)
だが、このときのステラの気持ちは自分にはわからない。
「そうだといいんだけど……」
そして、はやてあるものを取り出した。
「ちょっと聞きたいけどシン。これ何?」
そういって机に出されたのは美由希からもらったチケットだった。
「って、何でお前が持ってんだよ!!」
少し慌ててシンははやてに聞く。
ちゃんと自分の部屋の机の上に置いてあったはずだった。
……この時点である意味ばればれなのだが。
「シャマルが掃除しよったときに見つけたって」
そういって少しシャマルを睨む。
「で、これどしたん?」
いつの間にか警察官の取調室のような感じになっている。
そしてシンがぽつりと言う。
「もらったんだよ」
だれに?と聞くはやて。
何でここまで聞くんだよ、そう思うシンである。
「美由希だよ」
仕方なく言って、意外な人物に驚くはやて。
そしてシャマルが茶化す。
59ガンダムし〜どD´s:2007/02/01(木) 23:26:55 ID:???
「もしかして…デート?」
だが、そのシャマルの返答も、シンはわからない。といった感じで答える。
「そもそも、なんでそんなんもらったん?」
はやての問いにそんなのこっちが聞きてーよ、そう思うシン。
それを聞いては?といった感じでシンを見るシグナム。
「おまえ、気付いてないのか?」
は?といいながらシグナムを見る。
「お前、私とあいつがナンパされてるのを助けてやっただろ」
最も、私は何もしなかったが、とシグナムは付け加える。
それを聞いて、たかがそれだけだろ?というシン。
その時、場が一瞬とまた感じがした。
わかりやすく言うと……
 時よとまれ!ザ・ワールド!!
こんな感じである。
「それだけって……十分すぎる気もするけど……」
みんなの反応に?といった感じで首をかしげるシン。
「もう少し、女性というのを学んだらどうだ?」
シグナムにそう言われたシンは、
(あんたにだけは絶対に言われたくない!!)
と心で叫んだ。
「じゃあ、土産よろしくな!!」
恋愛関係など全然わからないヴィータは、とりあえずシンに土産を請求した。
一応デートのはずなのだが……
「まあとりあえず楽しんできたら?」
そういってはやてはシンにチケットを返す。
もはやどちらが年上なのかわかったものではない。
そして、なんだかんだ言いながら時間が過ぎ、デートの当日がやって……
60ガンダムし〜どD´s:2007/02/01(木) 23:29:30 ID:???
第17話後編投下完了。

次回はデート編&マユ下界(ぇ)編。

ところで変わるけど、へんな電波を受け取ったんだが……
種のスーツCDなのはキャラ版。
……流石にスレ違いだよな
61通常の名無しさんの3倍:2007/02/02(金) 00:09:26 ID:???
毒電波受信するぐらいなら氏ね
62通常の名無しさんの3倍:2007/02/02(金) 00:55:06 ID:???
感想をなぜか前スレに書いてしまった……

俺も落ち着けorz
63通常の名無しさんの3倍:2007/02/02(金) 01:15:28 ID:???
関西弁では「〜けん」とは言わへん。
64 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/02(金) 08:13:35 ID:???
ども。10日ぶりです。
ちと、相談なのですが、2話目ぐらいであるキャラの描写を入れ忘れていました。
次の話で、そのキャラが出てくるのですが、登場に唐突感があります。
色々書き試してみましたが、今度は話の流れが悪くなってしまいます。
で、書き忘れていた分を2話目ぐらいに足すのが、自分ではしっくりくるのですが、
今さら訂正してもいいものかと。
……正直、できれば住民の方々に容認して頂けると助かります。



チラ裏
1,5話分ぐらいまで書き上げてたものが、月曜日に全消失してしまいましたorz
65通常の名無しさんの3倍:2007/02/02(金) 08:34:49 ID:???
メガミマガジン見たらStrikers時点では15歳どころか19歳だってよ

もう駄目だ・・・
66通常の名無しさんの3倍:2007/02/02(金) 10:29:52 ID:???
3人娘がより凛々しくなっててカコイイから個人的には無問題。


それよりアリサとすずかの出番が…
67通常の名無しさんの3倍:2007/02/02(金) 13:10:02 ID:???
>>64
いいんでね?
Wikiのほうを直して、注意書きとともにリンク流して、それから次話投下すればいいと思う。
68通常の名無しさんの3倍:2007/02/02(金) 20:09:18 ID:???
>>64
まぁ、そこら辺は作者さんの良いようにしたほうが良いんじゃない。

結果として、話がまとまっている方が全体から見ると良いと思うし。
69 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/02(金) 20:21:20 ID:???
>>67-68
どもです。
では、挿入訂正の方向で書き進めてみます。
70シンとヤマトの神隠し:2007/02/03(土) 05:23:30 ID:???
「あなたたちの戦争と違って、命を落とすものは少ないわ。
だけど、命を落とすこともある。その数だけを見れば…シン君からしてみれば少ないのだろうけど、命っていうのは数で計るものではないでしょう?」
「…はい。」
返事をして、シンは自分の前に差し出された味噌汁を見つめる。
流れる沈黙。
室内には、リンディの書類を捲る音と、風が窓を揺らす音だけが響く。
次第に、まんべんなく混ざりあっていた味噌が沈殿し、味噌汁が半透明な部分と不透明な部分とに分離し始めた。どうやら、味噌は白味噌を使っているらしい。「シン・アスカさん!」
突然、名前を呼ばれたので驚き、椅子が跳ね、姿勢をただしてしまう。
「もう二度と、命令違反をしないと誓いますか?」
いつのまにか厳しい眼差しでリンディがシンを見つめていた。
一瞬、はいっ!と即答してしまいそうになったが、ちょっと待てよと考え込む。アースラにはフリーダムのパイロットがいる。自分を押さえる自信がない
「……。」
リンディはずっとこちらを見ている。
「……はい。」
一応、はいと返事をしておいた。その方が何かと都合がいいと思ったのだ。
「では、今回までの命令違反は不問とします。
でも次回からは……わかってますね?」
「…はい。」
「それから提案があります」リンディはそう言った。

学校、屋上にて。
「よかったね…、シン君がお弁当持ってきてくれて」となのは。
「うん、ホント…助かった」「へぇ〜、フェイトのお兄さんてあんななんだ?
似てないね。」
アリサが言う。
「あ、シンはその…親戚で兄弟って意味のお兄さんじゃないんだ。」
「なのはちゃん、アリサちゃん、フェイトちゃん、あの…はやてちゃんのことなんだけど…。」
アリサとフェイトの会話が終わるのを見計らって口を開くすずか。
八神はやてのことはなのはもフェイトもアリサも前々からすずかに出来た新しい友達と言うことを聞いていた。
すずかは、はやてが入院したことを話した。
「そっか…、はやてちゃん大丈夫なのかな?」
さも自分の友達のように心配するなのは。
「それで、提案なんだけど…はやてちゃんの紹介も兼ねて一緒にお見舞いにいかない?」
そう、すずかは提案した。
71シンとヤマトの神隠し:2007/02/03(土) 05:24:33 ID:???
アースラ一室。
クロノによるキラへの取り調べは続いていた。
「そうか…、それで君は彼等に協力してたのか…。」
「…はい。」
キラからあらかたの事情を聞いたクロノはエイミィに指示し、八神はやてを捜索させていた。
空間にモニターが開く。
「なんだ?ユーノか?」
クロノの対応にムッと顔をしかめるユーノ。
『コホンッ、闇の書についての経過報告だけど…いいの?キラ君?だっけ…、に聞かれても…。』
「あぁ、どうもキラの話を聞いていると、闇の書について勘違いしてるみたいなんだ。
まぁ、ヴォルケンたちが都合のいいように吹き込んだのかもしれないが…。
続けてくれ。」
『わかった。まずは闇の書、これは正式名ではないみたいだね。正式名は夜天の魔導書、主と旅をしながら、各地の魔法を蒐集して書きしるすもの。言わば図鑑って言えばいいのかな?
闇の書と呼ばれるようになったのは、何代目かの主によってプログラムを改変された後からだね。
闇の書と呼ばれるようになってからは酷い。闇の書を完成させると、主に際限なく魔力を使わせようとする。だからいままでの主は完成後すぐに亡くなってるね。
それから、闇の書は一定期間蒐集がないと主から魔力を奪って行く性質があるみたいなんだ。』
「そうか…、闇の書を完成前に封印する方法はないのか?」
『そっちは今調べてるとこ。だけど、完成前に封印するのは難しいと思う…。
今はここまで、また何か分かったら報告する。』
「わかった。頼んだぞ。」
モニターが消え、クロノがキラへと向き直る。
「じゃあ…このままじゃ、は…はやてちゃんは?」
「さっきのユーノからきいたろう?暴走して、魔力を絞りとられ、そして…。
だが、まだユーノが調べてくれているから、手があるかもしれない。」
そして、クロノはモニターを開き、キラに質問した。画面には、突然現れた、あの仮面の男の映像。
「君はこの男のことを知っているか?」
キラは首を左右に振った。「そうか、じゃあ、今日はここまでだ。また闇の書についてわかったら連絡する。」
「すいません…、こんなこと、頼める立場でもないのに…。」
「…いや、気にしないでくれ。どうせついでだ…。あっ、そうそう、技術部の連中が君のデバイスに興味があるみたいなんだ。見せてやってもいいか?
場合によっては手を加えられるかもしれないが…。」
「はい…。もう、僕には必要ないですから…。」
キラは笑ってそう言った。
72シンとヤマトの神隠し:2007/02/03(土) 05:25:35 ID:???
「(落ち着けシャマル、私たちが鉢合わせなければいいだけの話だ。)」
「(で…でも、もしはやてちゃんが主だってわかったら…・)」
「(幸い、我が主の魔力資質はほとんど闇の書の中だ。詳しく検査されないかぎりばれることはない。)」
「(で…、でもぉ…。
はぁ…顔を見られたのは失敗だったわ。変身魔法でも使っておけばよかった。)」「(今更、過ぎたことをどうこういっても仕方ないだろう?
とにかく、ご友人が来るときは、こちらが外そう。)」「(そんなことして…、はやてちゃん、変に思わないかしら?)」
「(それは仕方ないだろう。何か適当に理由をつくるしかない。)」
そう言って、シグナムは念話を切った。
シャマルは携帯の画面に写っている四人の少女にみいっている。
一人は月村すずか、はやての友人だ。その周りを取り囲むように三人の少女が写っているのだが、一人は管理局民間協力者である高町なのは、残り二人のうち一人は管理局嘱託魔導士フェイト・テスタロッサである。
シャマルが慌てていたのは、この画像のせいではない。多少は驚いたが…、問題はメールの内容だった。
今度四人ではやてを見舞いにいっていいですか?
そんな内容のメール。
駄目とは言えない。
すずかに、はやての病状は重くはない、検査で入院すると伝えている以上、断る理由がない。
また、はやても見舞いを断らないだろう。
そこで、シグナムに念話で連絡し、相談したのだ。シグナムは鉢合わせなければいいとそう言ったが…。
シャマルは不安を拭いきれないまま、携帯の画面を閉じた。

翌日、昼過ぎ。
キラの元に面会者がきた。リンディに連れられ、部屋に入ってきたのは、赤い瞳の少年だった。
「キラ・ヤマトさん、紹介します。こちら、管理局民間協力者のシン・アスカさんです。
シン・アスカさん、ご紹介します。キラ・ヤマトさんです。」
キラは視線を合わせないよう、目だけそらし、軽く頭だけをさげる。対するシンは、鋭い視線でキラを凝視したまま無言でいたが、リンディに後ろ手に背中をつつかれ、どもっと低い声で挨拶した。
キラはシンと対面して座り、間に挟まれる形でリンディは椅子に腰かけた。
「さぁ、始めましょう。」
リンディの提案、それは、キラとシンに一対一で話し合いの場を持たせることだった、
73シンとヤマトの神隠し:2007/02/03(土) 05:26:29 ID:???
三人の間に沈黙が続く。当たり前だ。
互いに殺し合いをした相手、大切な人を奪った相手、そして事情はそこそこかじってはいるが無関係な相手が仲裁役。
いきなり話せと言われても、言葉が見つからないし、余計なお節介だとリンディにいいたくなる。
「あぁ…、忘れてたわね。」リンディは席を立つと、部屋から出ていく。
その前に、一旦振り返り、シンに一言。
「…わかってるわね?」
と告げ、シンとキラの二人を放置したまま部屋を後にした。
暫くの間沈黙が続き、キラはシンと視線が合う度にそらし、シンは足を何度も組み直していた。
「あの…、この前は…ごめん。あんなこと言っておいて、謝るべきじゃなかったね…。」
フンっと鼻を鳴らすシン。「別に、気にしちゃいませんけどね…。ていうか、あんた、やってることが目茶苦茶だ。
何がしたいのか、さっぱりだね。」
ははは…、と自嘲気味に笑うキラ。
「元の世界にいたときは…ただ、戦争をなくしたくて…、この世界に来てからは一人の女の子の運命を変えてあげたくて戦ってたんだ。」
シンの拳に力が入る。
「でも、あんたは悪戯に戦闘を拡大させただけだ。
こっちの世界に来てまた、俺の…大切な仲間をまた…オノゴロ島で俺の家族を殺し、仲間のハイネ、…ステラ…。あんたは一体なんなんだよ!」
「………僕には…謝ることしか出来ない。
だけど、じゃあ、君はなんで戦ってるの?」
何、分かりきったこと聞いてんだこいつ?
「戦争をなくす為に、守りたい人を守るために戦ってる。あんたと同じで…。」
「守りたかった…。分かるよ。その気持は僕にだって分かる。
僕も…前大戦の時はフレイを仲間を守るために戦った。」
「あんた強いもんな。
あんな機体に乗って、今もその仲間達とアークエンジェルで…」
「死んだよ…。フレイも…。トールも…トールは僕の親友に殺された…。」
シンの心が揺らぐ。
「ベルリンでの巨大モビルスーツ…、あれにステラって子が乗ってたの?」
キラはシンにきいた。
確信があったわけではないが、ただ、そんな感じがした。
デストロイを攻撃しようとしたとき、シンがこちらを攻撃してきたのを思い出したのだ。
74シンとヤマトの神隠し:2007/02/03(土) 05:27:36 ID:???
「だから…なんだよ?」
「彼女は沢山の人を殺した…。」
「ステラのこと、なんにも知らない癖に!」
「君も沢山、人を殺した。もちろん、僕も…。」
「殺したから、殺されて、殺されたから、殺して、そんなんで戦争は…!」
「…だよね。でもステラって子があのまま最後に砲撃していたら…君は死んでいたし、それによって、君のような子が増えてしまったかもしれない。」
シンの脳が思考する。
自分は被害者だったはずだ。だから、それを経験したから、戦争を終らせようと自分も立ち上がった。
けど、自分は…連合のパイロットを数えきれないほど討ってきた。
あれ?
シンの頬を涙が伝った。
自分は、一体なんだったのだろう?
被害者のはずだった。けれど、自分が連合軍の誰かを打つ度に、その家族が、仲間が、友達が自分を恨み、憎む。悪循環が続く。
自分が不幸の連鎖に荷担しているのだと気付く。
「俺は…なんの為に…。」
シンはキラを見た。
前大戦を生き残った、言わば先輩。こいつなら、なんの為に戦えばいいのか知ってる気がした。
キラはうつむき、頭を振る。
「…僕も…探してはいるんだけどね…。分からないんだ…。まだ…。」
「…あんたも…分かんないのかよ…。」
シンは流れた涙を拭き、キラを見据える。
「謝って済むことじゃないけど…。…ごめん。」
謝るキラ。
シンは首を振った。
「あんたがやったことを、俺は許さない。だけど…、あんたを射てばまた、誰かが悲しんだり、恨んだり、憎んだりで、悪循環が続くだけだし…。」
キラは初めてシンと目を合わせた。
「俺も、人のこと言えないから…。」
家族を奪った、仲間を奪った、大切な人を奪った。
それは許せない…。
「キラ・ヤマトさん。俺は、あんたを許せないけど…あんたを殺さない。
俺があんたを殺せば、また……」
プシューッ
とドアが開き、お茶とお菓子を持ってきたリンディが戻ってきた。
「話をするときはこれがないといけませんわ。」
固まるシンとキラ。
お茶がそれぞれの前に置かれ、テーブルの中心にお菓子を配置した。
真剣な話をしてるのに…この人は…!!
シンもキラも妙なところで空気をよまないリンディに呆れながらも、互いに喋ったので喉を潤すため湯飲みを手にしてお茶を飲んだ。「どうかしら?私のおすすめブレンドは?」
二人の口の中を緑茶の風味と心地好い苦味…それに多すぎる甘味、そして濃厚なクリーミーな味わいが襲った。
『ブハッ!!!!』
75シンとヤマトの神隠し:2007/02/03(土) 05:46:39 ID:???
夜天の魔導書終了になります。

まずは、長期間、間を空けてしまい、楽しみにしてくださっていた方々、すみません。第六話は早ければ今週、遅くても来週には投下出来るようにしたいと思います。

キラとシンの会話、がんばってはみたんですが、うまく書けなかったように自分でも反省してます。
途中で話が変わってます。なんとかこの二人の好感度をここであげておきたかったので…。言い訳です。
すみません。

予告、第6話 舞い降りる剣
闇の書完成、フェイトとシンは闇の書に吸収。クロノは姉妹を、ユーノとアルフはすずかとアリサを護衛。監理局で戦闘出来るのはなのはのみ。しかし、闇の書が使用するブラッディーダガーとドラグーンに自由を奪われ、フォトンランサージェノサイドシフトがなのはを襲う。
76通常の名無しさんの3倍:2007/02/03(土) 05:53:46 ID:???
GJ!
シンとキラの和解はこういうのを求めていたですよ。
堕ニメの唐突なのではなく。
うんコレなら十分だ。
77通常の名無しさんの3倍:2007/02/03(土) 06:06:03 ID:???
乙なの!

待った甲斐があったってもんです
種死世界でだったら無理矢理感があったかもしれないけど、なのは世界とそこでの出来事を経ているから、二人の和解(?)にも納得

シン……闇の書内部で己の過去を断ち切れるのか!?
78通常の名無しさんの3倍:2007/02/03(土) 06:56:23 ID:???
GJです
やっぱこういう和解をするべきだよなぁ・・・

>多すぎる甘みと濃厚なクリーミーな味わい
元は同じ葉っぱだし大丈夫なのかと思ってたけど、やっぱきついのだろうか・・・(試す気はない)
79通常の名無しさんの3倍:2007/02/03(土) 08:40:50 ID:???
エゲレス人はマジに緑茶に砂糖とミルク入れるけど
80魔法少女リリカルなのは DESTINY:2007/02/03(土) 09:24:45 ID:???
 学校のほうで色々あって、ネット死んでましたorz
 一応復活です^^;

 第四話、前編と後半に分けて、前半だけUPします。
81魔法少女リリカルなのは DESTINY:2007/02/03(土) 09:27:22 ID:???
プレシアの幸せを願うキラは、彼女の過去を詮索する内にフェイト・テスタロッサという少女の存在に行き着いた。
今は無きアリシアのクローンとして。そしてアリシアを蘇らせる為に必要だった未知の世界―アルハザードへの
入り口を開く為にどうしても手に入れなければならなかった力―ジュエルシードを探す兵として創り出された彼女は、
しかしそれを巡る戦いの末にプレシアの元を離れていった。今のキラは、そこまでしかしらない。フェイトのことを
プレシアにそれとなく話しても、彼女は何も知らない様子だった。プレシアは自分の手となり足となって働いた
フェイトのことを忘れ去っていた。しかしそのことで、キラの中で一つの可能性が出来上がった。
 もしアリシアを蘇らせることが出来なくても、フェイトがいれば?そうすれば、全てが丸く収まる。
 だからキラの確保すべき存在は、かつてプレシアが求めたジュエルシードとそしてもう一つ。
 
 ‘フェイト・テスタロッサという名を持ったアリシア・テスタロッサ'が、キラにとってのある意味で
最も優先するべき目標だった。

 その頃、エイミィは医務室に向かって走っていた。
 フェイト達がここを訪れたのは、キラ対策だけではなかった。修理されたレイジングハートをなのはに
届ける為に本部からやってきたのだ。しかしエイミィは気掛かりだった。
 今のなのはに、‘新しくなったレイジングハート'が受け入れられるかどうか。
そして、今の精神状態で果たして再び立ち上がるかどうか。
 『レイジングハート』。不屈の心の意味を持つそのデバイスを担うなのはも、
強い心の持ち主だ。だが、それでも限界はある。なのははまだ幼い。そんな彼女を
あんな化け物の前に再び出すことになる現実に、エイミィは悲しくなった。
「でも……でも‘なのはちゃんじゃないと!'」
 エイミィが強く言い切った瞬間、アースラが大きく揺れた。

82魔法少女リリカルなのは DESTINY:2007/02/03(土) 09:29:03 ID:???

「ファイア!」
 戦斧―バルディッシュの指揮で槍状の魔力弾、フォトンランサーが放たれる。
フェイトの技量を以ってすれば同時に複数のフォトンランサーを生成出来るが、
場所が艦内である為、下手な射撃は控えていた。あくまで緻密な射撃を心がける。
この辺りはフェイトの親友にして戦友であるなのはの独壇場だったが、今は彼女の
猿真似で通すしかない。彼女はすでに、キラの情報をレティから得ていた。
それを元に彼女は対策を練っていた。
 接近戦で決める。自分が最も得意とする攻撃をぶつけるしかこの怪物を止める方法は
無いと確信していた。だがそれを当てるには相手との距離を縮める必要がある。無数に
飛び回り、こちらのデバイス―バルディッシュを正確に狙ってくる(腹立たしいことに
この魔道師は魔道師の半身たるデバイスを破壊する戦法を多用していると聞いていた。
そのことがフェイトの闘志を焚き付けていた)キラの遠隔魔法攻撃がそれを阻んでいた。
「アルフっ!」
フェイトの合図に合わせ、控えていたアルフとユーノが同時にバインドを仕掛ける。
拘束魔法で動きを殺そうと言う戦法だ。
『チェーンバインド!』
『リングバインド!』
ユーノが翳した手の前に回る小さな魔法陣から緑に光る鎖がキラの両手に巻き付く。
さらにアルフの円盤状のバインドが足を止めた。魔法を指揮するデバイスを封じ、
身動きを止める。強力な補助魔法の使い手であるユーノとアルフがいて成り立った作戦だ。
奇しくも、シンが提唱していた作戦にほぼ沿う形となっていた。
「今だよフェイト!」
アルフがバインドに込める力を強める。予想以上の反発だ。このままではすぐにバインドは破られる。
だがフェイトにとっては僅かな隙で十分。
「はあぁっ!」
バルディッシュをサイズモードへと変え、光子の鎌でキラへと斬りかかる。ユーノもアルフも、
フェイト自身も手ごたえを感じた。だが、キラはこの窮地を思わぬ方法で脱する。
 突然、キラのバリアジャケットが閃光を放って弾け飛び、フェイトをも吹っ飛ばした。
爆発に煽られ、ユーノとアルフも圧し飛ばされる。それがキラの反撃の狼煙だった。粉塵の中より、
黄金に輝く‘それ'を見つけ、迷うことなく丸腰で飛び掛る。一瞬の交錯。粉塵が晴れたとき、
そこに佇むは―
「悪いけど、着いてきてもらうよ」
 一撃でフェイトの意識を刈り取り、その小さな身体を肩に担ぐキラは、悲痛な面持ちで呟いた。
83魔法少女リリカルなのは DESTINY:2007/02/03(土) 09:31:21 ID:???
 ……僕は‘また’、死ぬんだろうか。
 蒼い翼のMSに家族が殺された時……今までの僕は死んだ。生きてるけど、死んだようなもんだ。
 こっちの世界に来て、レティさんに助けられて。何かに駆り立てるように走った魔道師への道。
 非力だった、自分が許せなかった。奪った力が、許せなかった。復讐すべき相手も、いないのに。
 それなのに……忘れていたのに……なんで!?
「―何で、何でお前はぁっ!」
 マユ
 父さん
 母さん
 皆殺された。殺したのは、蒼いMS。キラ……ヤマト!
 知らなかった筈の名が、僕の―俺の中に流れてくる。身体の痛みがひいてゆく。代わりに流れてくる
激情。そして知らぬはずの戦いの記憶。
 ルナ!
 ステラ!
 レイ!
 アスラン!
 護りたかった。あるいは共に歩いてゆきたかった、尊敬したかった人達。それを奪ったのは……!
「キラ……!キラ・ヤマトォッ!」
 今まで……あの蒼い魔道師と遭ってから、感じていたモヤモヤが、全て繋がった。ならばすべきことは一つ。
 あの男を、止める。
『往くのか?』
フォースが語りかけてくる。元から声に抑揚が無いヤツだったが、これはそれに輪をかけてない。
「ああ」
俺は答えた。すべきことが分かったのに、止まる必要は無い。
『魔力は殆ど残されていないぞ。その上で戦うか』
「ああ」
ブラストは使えない。フォースの機動力も活かせない。だけど俺には、聖剣がある。
「これだけで……十分だ」


 
84魔法少女リリカルなのは DESTINY:2007/02/03(土) 09:32:35 ID:???
とりあえず後編はまた後日。速筆する余裕はありませんが、
ゆっくり書いてゆきたいとおもいます。次回はなのは仮復活と
シンくん頑張る編っぽい。アースラ艦内戦闘終わったらしばらく
マッタリムードな話になるかと。
85通常の名無しさんの3倍:2007/02/03(土) 10:51:25 ID:???
⌒* _、_
  ( ,_ノ`)*⌒ <わたし高町なのは、19歳だけど永遠の17歳なの
86通常の名無しさんの3倍:2007/02/03(土) 10:57:55 ID:???
渋澤さんは何をやってるんだ
87通常の名無しさんの3倍:2007/02/03(土) 19:19:46 ID:???
リリカルDESTINYさん、乙ッス。
これからも期待してますぜ!
88通常の名無しさんの3倍:2007/02/03(土) 20:00:35 ID:???
二人とも乙。
神隠し氏
やっぱりあの飲み物に耐えられるものはそういないのか…

リリカルDESTINY氏
最後のやり取りがアヌビス思い出した
89魔法少女リリカルなのはC.E.73 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/03(土) 22:11:38 ID:???
 オーブ連合首長国行政府内のとある一室。ウナト・ロマ・セイランの執務部屋。
 ウナトは、若年のカガリを補佐する地位にあり、オーブの政に関して最も――代表であるカガリよりも実質的な裁量を持つ者である。
 執務机に座るウナトは、彼の息子がいきなり持ちかけてきた提案に耳を疑った。
「……ユウナよ、お前は自分が何を言っているのか分かっているのか?」
「僕は本気ですよ、父上」
「何を馬鹿な事を……わざわざ国を危険に晒してどうする?」
「これはオーブに巡ってきたチャンスなのです。我々は、大西洋連邦や彼ら≠フ顔色を常に窺ってきた。オーブは誇り高き一国家だというのに」
 ユウナの顔が忌々しさに歪む。
「国を守る為とはいえ、国土を焼いた国に屈せねばならない屈辱。僕だけじゃない。民衆だって――」
 その時、大きな音が――ドン、と――部屋中に響き、ユウナの言葉を遮る。ウナトが机に拳を振り下ろしたのだ。
「そのような事、お前に言われるまでも無いっ! 誰が好き好んで大西洋連邦の言い成りになど!」
「……ならばこそ、オーブはこの機を逃すわけにはいきません。それに、僕だってただ感情に身を任せているわけじゃないですよ」
「何?」
「世界は変革の時を迎えています。歴史の闇に潜んで社会を制してきた者達は駆逐されていく」
「……例の一族≠フ事を言っておるのか? あらゆる情報を制し、影からこの世界を統べてきた一族。はっ! そのような与太話を信じているのか、お前は?」
 ある筋よりもたらされた情報。一族≠ニいう存在。もっとも――つい最近になって、内部分裂により滅びたらしいが。
「戦争を裏からコントロールして利益を得る死の商人だって実在するじゃないですか?」
「だからこそ、彼らを敵に回すわけにはいかんのだ」
「なんたって、大国をも恫喝できる民間団体ですからね」
「下手をすれば世界の全てを敵に回す事になる」
「でも、こちらにもジョーカーが手に入りました。世界を動かすだけの力を秘めた民間人がね」
「ラクス・クラインの事か? あんな小娘で彼ら≠ノ対抗できるわけがなかろう!」
「とにかく、一度彼女達に会ってみて下さい。そうすれば、父上の考えも変わるものと思います」
「……いいだろう。それで、お前の気が済むのならばな」

=========================
90魔法少女リリカルなのはC.E.73 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/03(土) 22:13:11 ID:???
 大気圏突入後、アスラン・ザラは乗機であるZGMF−X23SセイバーをMA形態に変形させて、オーブへと向かっていた。
(俺がザフトに復隊したと知ったら、カガリはどう思うだろうな……)
 彼はある種の後ろめたさを胸に、機体を急がせる。
 アスランはプラントへ赴き、最高評議会議長であるギルバート・デュランダルに共感し、友人らに叱咤され――彼は再び撃つ側≠ニなる事を選んだのだった。
 一人一人の平和を願う想いが、必ずや世界を救うと信じて。


 オーブ領空間近まで来た所で、アスランは通信回線を開いた。
「オーブ・コントロール、こちら貴国へ接近中のザフト軍モビルスーツ。入港中のザフト艦ミネルバとの合流の為、入国を希望する。許可されたし」
 しかし、返信がこない。不審に思いながらも、アスランはもう一度呼び掛けてみる。
「オーブ・コントロール?……聞こえるか、オーブ・コントロール?」
 だが、やはり返事は返ってこない。
(……Nジャマーの影響か?)
 ザフト機に乗っている以上、このまま許可無くオーブ領空内に入ってしまうと、領空侵犯になってしまう。
(参ったな……ん?)
 その時、アスランは自機に接近してくる機体に気づく。それらは、たしかオーブの最新鋭MSだったはずだ。
(これは……ムラサメか?)
 アスランは眉をひそめた。
 二機のムラサメが真っ直ぐこちらに向かって来ている。
(……演習でもしているのか?)
 アスランがそう考えていると、ムラサメ側から通信が入る。
『警告する。ここより先はオーブ領空内となる。速やかに転進されたし』
「ちょ……ちょっと待ってくれ! いきなりどういう事だ!?」
『我々は接近中のザフト機を追い返すように指示されている。そちらが転進されない場合は、オーブ国防本部からの撃墜許可も出ている』
「なっ……なんだと!?」
 アスランには訳が分からなかった。
『オーブは世界安全保障条約機構に加盟する事になった。そうなれば、プラントは敵性国家となる。我が軍はまだザフトと交戦状態ではないが、入国など認められるはずもない』
「――!? そ……そんな」
 理由は分かったが、それはアスランにとって信じられないもの――信じたくないものだった。
「な……なら、ミネルバは? 貴国に入港中のザフト艦は!?」
『それも我々が教えるわけにはいかない。貴官も軍人ならば分かるだろう?……これ以上、この空域に留まるのならば、迎撃せざるを得ないが?』
「くっ……了解した」
 仕方なく、アスランは機体を転進させた。
 行政府に連絡を取って直接カガリと話す事も考えたが、彼女の立場を考慮するとそれも憚られた。
(くそっ!……どうする?)
 これからの行動を決める為の情報が彼には少な過ぎた。
(……ここから一番近いのは……カーペンタリアか)
 機体の補給の問題もある。残されたエネルギーで辿り着けそうなザフトの基地は、オーブから最も近くに位置するカーペンタリア基地ぐらいだった。
(もしかしたら、ミネルバもオーブを出て、あそこに向かったのかもしれないしな)
 そんな希望的観測を胸に、カーペンタリア基地のある西南西へと機首を向けるアスランだった。

=========================
91魔法少女リリカルなのはC.E.73 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/03(土) 22:16:34 ID:???
 オーブ行政府、代表であるカガリの執務室。
 ウナトはそこでの対面に戸惑っていた。
(な……何だ、これは?)
 ラクス・クラインとは二年前に一度だけ会ったきりだった。
 その当時は、このような小娘一人に熱狂しているらしいプラント市民の事が理解できなかった。 
 しかし、今ならそれも頷ける。
 目の前の少女が纏う魅力。その視線と言葉に吸い込まれそうになる。
「――しかし、貴女はそれでよろしいのかな?」
「はい。わたくしは、かつて放棄したわたくし自身の責務を果たしに戻るだけですから――」


 少し離れてその会話を見ていたユウナは思わずほくそ笑んでいた。
 ラクスがウナトに語った提案は、先程ユウナ自身がウナトに語ったものと内容的にはほぼ変わらない。
 にも関わらず、ウナトはラクスの言葉に傾斜しつつある。
 ラクスの持つカリスマ性をユウナは見抜いていた。
 たとえ全く同じ事を言ったとしても――ラクスが語った方が、他の者のそれ以上に正当性が増して聞こえるのだ。
(まったく、政治家としては妬ましい限りの天分だけどね。これを利用しない手はない)
 ユウナにとっては、ウナトの説得は、彼をラクスに会わせた時点でほぼ終わっているようなものだった。


 そして、ウナトにとってもう一つ信じられない事。
「代表も……宜しいのですか? これも結局はオーブの理念に背く事になりますが?」
「守るべきなのは、理念ではなく、民達の想いだからな」
 このカガリの変わりようもウナトにとっては驚きだった。
 カガリはウズミが掲げた理念を異常なほど盲信していた。
 理詰めで諭せるようなものなら、自分がとっくに説き伏せている。
 だが、カガリは頑なに理念に拘っていた。
 しかし──たった今、カガリ自身がその理念を否定したのだ。
 ユウナの話を信じるならば、このカガリの変わり様もラクス・クラインによるものらしい。
(なるほど。たしかに人々を導く指導者の器なのかもしれん)
 そして、ウナトは――彼自身もまたラクス・クラインに魅せられている事も実感していた。
(……そうか、そういう事か。我が息子ながら小賢しい)
 ウナトはこの対面に仕組まれた意図に気づいた。
92魔法少女リリカルなのはC.E.73 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/03(土) 22:18:39 ID:???
「代表。一つお聞きかせ願いたい。オーブの民の為に、必要とあらばいかなる犠牲をも厭わない覚悟が、貴女にはおありか?」
「……国民が望まぬ事以外なら。だからこそ彼女にも協力してもらっている」
 ウナトの問いに、ラクスを示しながら答えるカガリ。
 その返答だけで満足したわけではない。実際にそういった選択を迫られた時、おそらくカガリは甘さを見せ苦渋するだろうと思う。
 現に、カガリは友人関係にあるラクスに対する後ろ暗さがある様だった。
 だが、綺麗事だけでは政治は成り立たない事ぐらいはカガリにも分かっているらしい。以前よりは、割り切った決断ができるようになっているふうに見える。
 国民の為に、縋り続けてきた理念を曲げる事ができる現在のカガリになら、自分が尽力する甲斐がある。
「いいでしょう。このウナト・ロマ・セイラン、オーブ宰相としてアスハ代表のお力になりましょう」
 ウナトの言葉に、カガリは胸が熱くなった。
 思えば、ウナトからこのような言葉をかけられたのは今回が初めてだった。
(今、初めて私は代表として認められたのか)
 カガリの心中に憤りなどは無い。以前の自分が相手では、それも仕方のない事だと思ったからだ。
「私は未熟で至らない事だらけだ。ウナトやユウナ達の支え無しでは満足に立つ事もできない。だから、また私が間違えそうな時は正してほしい──今度は、私もちゃんと話を聞くから」
 そう言ってから、カガリはウナトへと右手を差し出す。
「分かりました。厳しくいかせて頂きます」
 にやりと笑ってウナトもカガリの手を取る。
 その握手は、代表と宰相の間でようやく結ばれた主従の絆だった。


「時に、ユウナよ」
「はい、何でしょうか?」
「この父を見縊ったな?」
 ユウナは、ウナトの眼光に射ぬかれるような錯覚を覚える──どうやら自分の目論みは感づかれていたらしい。
「いえ、そのように事は──」
「私が賛同したのは、代表と──お前に対してだ」
「……は? 僕に……ですか?」
 ウナトは決してラクス・クラインの言葉に当てられたからではなく、あくまでもカガリの意志に賛同したのだと言いたい事は分かるが──
(『僕に』って?)
「この二年、お前を私の後継とするべく仕込んできた。そのお前が感じたのだろう? 年老いた私には感じ取れなかった時代の流れを」
「父上……」
「混迷する情勢の中、オーブが変わっていかなければならないのならば、代表やお前のような若い力が不可欠となる。より良き未来へと導いてみせよ、このオーブを!」
 やはり、まだまだ父には適わないと思った。
 だが、その父が政治家としての自分を認めてくれているのだ──正直、嬉しかった。
「必ずや!」
 父に。カガリに。自分自身に。そしてオーブに住む民衆に──ユウナは改めて誓った。

=========================
93魔法少女リリカルなのはC.E.73 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/03(土) 22:19:54 ID:???
 オーブ行政府内、大会議室。
 通常の予定より遅れて、首長や閣僚達の入り交じった閣議が始まった。
 閣議の開始早々、カガリは発言の為に立ち上がると周りを一瞥してから口を開いた。
「オーブはプラントと同盟を結ぶ」
 カガリの発言に閣僚達一同はざわめく。
「今さら何を──」
「大西洋連邦との同盟は?──」
「ザフトの艦を見捨てた我らとプラントが?──」
「そのような事を言い出して、貴女はまた国を焼く気ですか?──」
 予想通りの否定的な反応。カガリはそれらの反論意見に対して一つ一つ答える前に、楔を打つ事にした。
「なお、この件は既に宰相であるウナト・ロマの賛同を得ている」
 カガリの言葉に、今度は唖然とする一同。そして、信じられないといった様子でウナトの方を見る。
 その疑惑の視線にウナトは答える。
「突然の方針転換の案に、皆様方の驚きは当然の事と思う。だが、聞いて頂きたい──」
 今後、オーブが取っていく方針。その新たな案をカガリとウナトが説明していく。
 その最中、カガリはウナトと自分との間にある政治家としての力量差を改めて感じていた。
 先の大戦での実戦経験から軍事関連でこそ他の閣僚達を説き伏せられるが、政治・経済面ではウナトの足元にも及ばない。
 しかし、今は己の未熟を恥じている場合ではない。
 まずは、この場にいる閣僚一同の賛同を得ない事には、何一つ始まらないのだから。


「――他に質問のある方は?」
 ウナトの問いかけに答える者はいない。ただ、カガリとウナトを除いた室内の誰もが戸惑いの色を隠せないでいた。
「皆も戸惑いの事とは思うが、事は一刻を争う。閣議はここで一度小休止として、五時間後に再開する。それまでの間に各々方の意志を決めて頂きたい」
 カガリの言葉で、閣議は中断された。それぞれがざわめきながら大会議室を後にする。
 残ったのはカガリとウナトのみとなった。
「……皆が賛同してくれるといいんだが」
「いえ、代表。皆を賛同させる為に私がいるのです」
 ウナトが言わんとしている事――政治の裏部分。
 カガリは未だに慣れそうもないが、時にはそういった裏工作も必要であり、今はそういった時だった。
「すまない、ウナト。よろしく頼む」
「お任せください。では、失礼いたします」
 そう言って部屋から退室するウナト。
「さて、私も行かないとな」
 アスハ派の人間相手なら、カガリ自身が正面から呼び掛ければ、説得に応じてくれる可能性が十分にある。
 そういった人物達のもとへとカガリは急いだ。
94 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/03(土) 22:24:50 ID:???
投下終了です。

wiki内で第2話を加筆修正しました。
その描写内での彼の行動は種死本編通りなので、見なくても支障はないです。

あと、今回はなのはの出番がなかったので、オマケを全スレに投下さておきました。


……C.E.73の方、当番はなのはの出番ないかも。
95魔法少女リリカルなのはC.E.73 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/03(土) 22:26:18 ID:???
>>94
あと、今回はなのはの出番がなかったので、オマケを前スレに投下しておきました。
96通常の名無しさんの3倍:2007/02/03(土) 22:49:39 ID:???
>>95
GJ!

おまけの方も笑わせてもらいましたぜ!w
97通常の名無しさんの3倍:2007/02/03(土) 23:02:00 ID:???
プラントとの同盟なんてオーブ経済が崩壊しますよ。
輸出先がプラントと大洋州と南米しか無くなるんですから。
98通常の名無しさんの3倍:2007/02/03(土) 23:06:27 ID:???
>>82
バリアジャケットを着ているフェイトの意識を生身で刈り取るなんて出来る分けないです。
99通常の名無しさんの3倍:2007/02/03(土) 23:20:17 ID:???
>>90
条約に加盟を決定して直ぐに破棄するとは、
オーブの国際的信用はがた落ちですね。
次はプラントとの同盟を直ぐに破棄するのでは?
とプラントや大洋州に突っ込まれますね。
100通常の名無しさんの3倍:2007/02/04(日) 00:13:29 ID:???
>>94
GJ.
しかしなのはさんはどうなるのだろう……。
101シンとヤマトの神隠し:2007/02/04(日) 04:21:19 ID:???
シャマルが恐れていた事態が起こってしまった。
前回のお見舞いのときは事前にすずかから連絡があったため、自分達から監理局の彼女らとの遭遇を避けることが出来たのだが…、
「サプライズ プレゼントぉ〜!」
すずかとアリサがはやてを驚かす為に連絡を入れず、来てしまったのだ。
「わぁ、ありがとう。アリサちゃん、すずかちゃん。」
顔が引きつっているシグナムとシャマル、そして、ヴィータはなのはとフェイトを睨んでいた。
それに対して、はやては満面の笑みを浮かべ
「わぁ、ありがとう。すずかちゃん、アリサちゃん」と喜んでいる。
「あの…そんなに睨まないで…」
ヴィータの睨みに耐えきれなくなったなのはがぽそりと言う。
「別に睨んでねぇです。元々こういう目なんです。」
「こら!ヴィータ、嘘言うたらあかん!そんな悪いこはこうやで!」
とヴィータの鼻をつまむ。「いでででで、はやて、痛い!」
ヴィータやシグナム、シャマルたちが主であるはやてを思う気持がなのはに、フェイトに伝わってくる。
そして、なのはとフェイトは彼ら三人に闇の書のプログラムが改悪されていることを、今の状態で闇の書を完成させてはいけないことを伝えなければならない。なのはとフェイトはそう決めた。別に二人が念話を使ったわけではない。
今は使いたくても使えない。シャマルがなのはとフェイトの念話回線を遮断している。
けれど、なのはとフェイトの思いは最初から同じだった。

シンは何をするでもなく、アースラ内部の食堂で食べていた食事の残ったじゃが芋をつつきながらキラと話したことについて考えていた。
俺は、被害者だと思ってた。でも、いつのまにか加害者になっていて…、きっと、自分で自分自身と同じような境遇の者たちを作ってしまったに違いない。
そう考えると気分が落ち込んだ。
家族を、マユを、ステラを取り戻したかった…守りたかった。
でも、…だけど、自分がそうしようとする度に、犠牲が出た。
シンはコップに残った水を一気に飲み干す。そして考えを切り替えた。
過去に捕われたままでは駄目だ。前に、未来に向かって歩き出さないと駄目だ。最後のじゃが芋を口の中に放り込み、飲み込んで立ち上がった。
そして、アースラ内部に警報がなり響いた。
102シンとヤマトの神隠し:2007/02/04(日) 04:24:25 ID:???
キラは警報の音に目を覚ました。
「…これは…。まさか…。」何が起こっているのかは分からないが、胸騒ぎがした。嫌な感じが、キラの背筋を駆け抜ける。
「闇の書が…、完成したのか?」
キラはベッドから抜け出て立ち上がり、自分のポケットを探る。
「…そうか…、フリーダムは…。」
もう、手元にはなかった。自分には何も出来ない。
それに、シグナム達と戦うなんて事は自分には出来ない、何より、会ってどんな顔をすればいいのか、キラにはわからなかった。

とあるビル、屋上。
フェイトはクロノからの情報をシグナムにそのまま話した。
「闇の書は悪意ある改変を受けて壊れてしまってる。今の状態で完成させたら、はやては…。」
シグナムはフェイトにレヴァンティンをつきつけた。「我々はある意味で闇の書の一部だ。」

「だから私たちは闇の書の事を一番知ってる!!」
『フランメ・シュラーク』問答無用のヴィータの一閃がなのはを襲い、障壁ごと吹き飛ばす。
しかし、なのははとっさにレイジングハートを起動させ、ダメージを軽減する。フランメ・シュラークの火炎属性によって、炎が立ち上る。なのはは炎の中から姿を現し、レイジングハートをヴィータに向けて構えた。
「だったら、なんで本当の名前で呼んであげないの?!なんで闇の書なんて呼ぶの?!」
「ほ…んとうの、名前?」
ヴィータの動きが止まった。

シグナムも、フェイトに対しての攻撃を開始する。
シグナムの跳躍しての縦一閃をバックステップで回避するフェイト。
バルディッシュを起動させる。
『バリアジャケット・ソニックフォーム』
「薄い装甲をさらに薄くしたか?」
『ハーケン』
カートリッジを消費し、バルディッシュがハーケンセイバーを作り出す。
「そのぶん、早く動けます。」
「緩い攻撃でも、当たれば死ぬぞ…。正気か?テスタロッサ…。」
「……あなたに勝つためです。強い、あなたに勝つためにはこれしかないと思ったから…」
「…ぐっ…。こんな、出会いをしていなければ、お前と私は、一体どれ程の友になれただろうか…。」
「まだ…間に合います!」
「止まれん…。我等、守護騎士…。主の笑顔のためならば…、騎士の誇りさえ捨てると決めた…。」
シグナムの頬を涙が伝う。「…もう…、止まれんのだ!」
「止めます!私とバルディッシュが…。」
『イエッサー』
主の気持を察してか、バルディッシュも同意した。
103シンとヤマトの神隠し:2007/02/04(日) 04:27:06 ID:???
「リンディ艦長!」
シンは食堂からブリッジまで大急ぎでやってきていた。
「シン君、ちょうどいいところに来てくれたわね。」エイミィがせわしく空間モニターのキーを叩いている。
「駄目です。やっぱり、繋がりません。」
「なんなんですか?一体…。」
リンディは各局員に指示を出したあと、シンに向き直って、状況を説明した。
「フェイトさんとなのはさんに通信が繋がらないのよ。闇の書が完成したときの対策の打ち合わせをしようと思ったんだけど…。
ちょっと心配だから、見て来てもらえないかしら?」
「えぇ、別にいいですよ。」「じゃあ、転送ゲートに向かってもらえる?クロノもあとで向かわせるから。」
「分かりました。」
シンがブリッジから出ていこうと、リンディに背をむけたとき、
「シン君!」
はいっ?と振り向くシン。「くれぐれも、無理はしないようにね。」
シンは驚いたような表情をし、そして
「はいっ!!」
と、一声。ブリッジからでると駆け出した。

あっという間だった。
仮面の男が再び現れ、なのはを四重のバインドで拘束。フェイトはそれに対してすぐに反撃を開始。
だが、もう一人仮面の男が突如として現れ、フェイトを攻撃、なのはと同じく四重のバインドによって拘束された。
それだけでは終わらず、シグナム、シャマル、ヴィータも同じように拘束。
そして、リンカーコアを摘出、いつの間にか奪われていた闇の書に蒐集されてしまった。
後、駆け付けたザフィーラも闇の書に蒐集された。
シグナム達はプログラムであって、人ではない。故に、彼らは魔力で創られた存在であり、実体を形成するコアを奪われてしまえば、体は消えてしまう。
屋上に、シャマルとシグナムの服だけをのこし、ヴィータだけは、十字架に磔られたかのように、空中に制止させておく。
ザフィーラはヴィータの足下に転がしておく。
そして、二人の仮面の男は、なのはとフェイトに変身し、病院にいるはやてを空間転移で屋上に召喚した。
104シンとヤマトの神隠し:2007/02/04(日) 04:30:32 ID:???
はやては胸騒ぎを感じ、目を覚ました。
辺りはまだくらい。
時間は、辺りを見回してみたが、暗くて確認できなかった。
体を起こした瞬間、胸の辺りに激しい痛みが襲う。
そして、一瞬体が宙に浮いたような感覚に襲われ、視界が真っ暗になり、気が付いたときには、どこかの屋上にいた。

目に入ったのは、宙に磔られているヴィータ、地に伏しているザフィーラ。
そして、自分のみしっているなのはとフェイトだった。
「…なのはちゃ…、フェイトちゃん?何なん、これ…。」
はやては事態を飲み込めず、なのはとフェイトに問掛ける。
「君は病気なんだよ…。」
なんだかいつもとは違い、暗い雰囲気のなのはが言う。
「闇の書の呪いって病気。」何でなのはが闇の書の事を知っているのだろうか?
闇の書の呪いって…何?
「もうね…治らないんだ。」フェイトがなのはに続いて口を開く。
「…え…ぇ?」
はやては分からない。何で?病気が治らないのは薄々気が付いていた。けれど、何故、なのはとフェイトがそこまで…?
なのはとフェイト、二人の顔を交互に、不安そうに見るはやて。
「闇の書が完成しても…、助からない。」
なのはが言う。
「君が救われることは…ないんだ。」
フェイトが言う。
闇の書の完成?自分は騎士達に命じてはいない。何故?何で、なのはとフェイトが自分にこんなことを…?はやては胸の痛みをこらえながら言った。
「そんなん…、えぇねん…。ヴィータを離して…、ザフィーラに何したん?」
空中に磔られているヴィータ、地に伏しているザフィーラに彼女等が何をしたのか。
自分の体よりも、はやてはそっちの方が心配だった。「この子達ね、もう壊れちゃってるの…。私たちがこうする前から…。」
なのはは言う。
「とっくの昔に壊された闇の書の機能を、まだ使えると思い込んで、無駄な努力を続けてたんだ。」
フェイトは言う。
「無駄ってなんや!!シグナムは…シャマルは?」
はやては、意味が分からず、残りの騎士達を気にかける。
フェイトが顎で方向を指した。はやては、恐る恐る振り向き、そして…、シグナムとシャマルを確認する。服だけが、そこにはあった。
悪い予感が頭を駆け巡る。信じたくない。認めたくない。夢であってほしい。現実であるはずがない。
「壊れた機械は役に立たないよね?」
なのはは言う。
「だから、壊しちゃおう。」フェイトは言う。
二人は手に持っているカードを構えた。
「や!やめ…やめてぇえ!!」はやてのそんな悲痛な叫びもなのはとフェイトは聞こえていないかのように口の端をわずかにあげ、笑った。
105シンとヤマトの神隠し:2007/02/04(日) 04:34:10 ID:???
「やめてほしかったら…。」「力ずくで…どうぞ…。」
なのはとフェイトがさらにカードの構えを変えながら言う。
はやての目から涙がこぼれる。何で、自分ばかり?何で、こんな思いを?
私の騎士達を!家族を苦しめないで!!
「何で…!…ひっく…なんでやねん!!
何でこんなん…!!!!」
はやては自分の下半身を引きずり、なのはとフェイトへと這っていく。
やめて!やめて!!やめて!!!ヴィータへと手を伸ばす。「ねぇっ、はやてちゃん…」なのはは言う。
「運命って残酷なんだよ?」フェイトは言う。
そしてカードが発光し、その輝きがましていく。
「ダメ!!やめてぇ…!やめてぇぇええ!!」
カードが一度強く発光し、その輝きを失った。
同時に、はやての胸の痛みが増す。
「ぅわぁ…ぁぁっ……ぁぅ」ドクンッ
脈打つ何か。何度か経験したこの感覚。そして、騎士を失ってしまったことで、絶望が、悲しみが、憎悪がはやてを支配する。
「うっく…ひっく……っく、ぐっ…うぅ…っく…。」展開される白く光る魔法陣。中心の円を囲む三つの円から三角型に形成される。そして…、闇の書がはやての前に現れる。
『グーテンモルゲン、マイスター』
闇の書が覚醒を向かえる。純白の魔法陣を陰が覆い、深く、濃い黒色。例えるなら、それは今のはやての胸中。
絶望の色。悲しみの色。憎悪の色。全てが混ざりあって出来た混沌の色。
そして、四重のバインドの後、クリスタルケージによって閉じ込められていたなのはとフェイトは、ようやく、脱出することができ、はやてのもとへと向かおうとする。
すでに、自分達の偽物はいない。
はやてはうつ向いている。鳴咽を漏らし、涙が地を濡らす。
やがてそれは、
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!!」
絶望、悲しみ、憎悪の咆哮へと変わった。
辺りに響き、空高く声は舞い上がり、沈黙が訪れる。突如として爆発が起こり、暗い紫色の光が空を一直線に伸び、その光の中に、はやては取り込まれた。
「我は闇の書の主なり…。この手に力を…。」
はやての手の中に闇の書が握られる。
「封印…解放…。」
抑揚のない声で、闇の書の主、八神はやては命じた。『解放』
黒い電撃を走らせ、その中ではやての骨格がメキメキと音を立てて変わっていく。
髪の色が灰色に変わり、顔や腕に赤いラインが複数入る。両足、片腕をベルトが巻かれ、金のラインがはいった漆黒の騎士服を纏い、背には六枚の漆黒の翼。
そして赤い眼は、光を失っていた。
106シンとヤマトの神隠し:2007/02/04(日) 04:42:47 ID:???
とりあえずは書けたところまでということで…。
一応、アニメを見直して書いたんですが、はやて覚醒のところはアニメを思い出したほうが早いと思います(笑)
思い出す為に読んでもらえると幸いです。

次でシンが登場しているのでそこからの戦闘はオリジナルで書けると思います。
107シンとヤマトの神隠し:2007/02/04(日) 04:52:57 ID:???
もしかすると羽は八枚かもしれません。
耳の部分も羽に入るのかな?
修正して読んでいただけると嬉しいです。
108シンとヤマトの神隠し:2007/02/04(日) 05:55:02 ID:???
何度もすみません。
確認したら、耳の部分をあわせても六枚ですね。
お騒がせいたしました。
109通常の名無しさんの3倍:2007/02/04(日) 13:01:29 ID:Br73SEzC
おつかれさま!
次も楽しみにしてる
110通常の名無しさんの3倍:2007/02/04(日) 17:34:02 ID:???
嗚呼…、
シンのインパルスの三種ジャケットとか、デスティニーのジャケットとか、
キラのフリーダムのジャケットとか、ハイマットモードとか、
レイのレジェンドジャケットとか、

脳内では総天然色で絶賛上映中なのにそれを絵にする力が無い自分が憎ひ…。
111通常の名無しさんの3倍:2007/02/04(日) 18:31:18 ID:???
>>110
同士・・・!
頭の中ではシンがヴィータに叩き起こされてるとことかシンがフェイトの頭を撫でているとことか、色んな場面が鮮明に思い浮かぶのに・・・
自分の絵心の無さに絶望する今日この頃・・・
112通常の名無しさんの3倍:2007/02/04(日) 18:43:57 ID:???
精神的にグロッキー状態のシンがはやてとヴォルケンに会って何かを掴む話とか思い浮かぶが文章力のない自分が嫌だ
113通常の名無しさんの3倍:2007/02/04(日) 19:26:40 ID:???
何かを掴むとかって言うとシグナムのおっぱい掴んでるシンが思い浮かぶ自分が嫌だ
114通常の名無しさんの3倍:2007/02/04(日) 19:32:06 ID:???
神隠し氏乙です。
面白くなってきましたねー次回もwktkしてます!
115通常の名無しさんの3倍:2007/02/04(日) 20:22:39 ID:???
最後はシンとキラはC.E.に帰れるのか?
神隠し氏、乙です!
もうすぐA's本編は最終回。
キラはこのあとどう動くのか?
気になるぜ!!
116魔法少女リリカルなのはC.E.73 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/05(月) 00:15:32 ID:???
 オーブ連合首長国のオノゴロ島に本社と工場施設を置き、兵器等の開発製造を行っている企業――モルゲンレーテ社。
 その施設内の待合室にマリューとバルトフェルドはいた。
「まったく! いつまで待たせる気なのかしら?」
 マリューが苛立ちの声を上げる。
 いきなりセイラン家の名前でここに呼びつけられたかと思えば、朝からずっと待たされっぱなしという状況である。
「まあ、焦っても仕方あるまい」
「そうは言っても――」
 なだめる様に声を掛けてくるバルトフェルドに、マリューがなおも愚痴をこぼそうとした時だった。
 入り口のドアが開き、青年が入って来る。彼――ユウナは真っ先に謝罪の言葉を口にした。
「いやあ、待たせしまって申し訳ない」
「……こんな所にお呼びになられた御用件はなんでしょうか?」
 マリューは不機嫌さを隠す事なく、ユウナへ問いかける。
「それは場所を変えてから話すよ。まずは、二人に見てもらいたい物があるんだ」
 ユウナは振り返ると廊下へと出る。
「とりあえず、僕について来てもらえるかな?」
 マリューとバルトフェルドは、とりあえず――訝りながらではあるが――ユウナに従った。


 ユウナに案内された先は、戦艦用の格納庫だった。
 その場にある一隻の艦の姿に、マリューとバルトフェルドは目を見開く。
「これは――」
「――アークエンジェル!?」
 それは、先の大戦で不沈艦とまで呼ばれ――かつてマリューが艦長を務めた連合の艦そのものだった。
「正確にはアークエンジェル級三番艦デュナメイスだよ」
「デュナメイス……」
 ユウナに教えられた艦の名を呟くマリュー。
「奇跡を司る天使様とはねえ。で……これに乗って奇跡でも起こしてこい、とでも?」
 バルトフェルドはユウナの真意を測ろうとするが、彼は臆面もなく応じた。
「奇跡ってほどの事でもないけどね。君達にはこれに乗ってオーブの為に戦ってもらいたい」
 ユウナの要請に二人は考え込む。
「他の元アークエンジェルクルーにも声を掛けているんだけどね――君達にも、そろそろ恩返しの一つぐらいはしてもらわないと」
 二年前、脱走兵となってしまったアークエンジェルのクルーの面々はオーブに亡命者として受け入れらた。さらには、代表であるカガリの計らいもあって、偽りの身分や職まで与えられたのだ。
 ユウナが言っているのはその事だろう。
「まあ、そう言われるとこちらも断りにくいが……僕達がわざわざこれに乗らなきゃならんほど、オーブ軍が人材不足だとは思えんがね」
 たしかに、アークエンジェル級戦艦の運用にあたって、同型艦の乗船経験があるマリュー達ほどの適任者はいない。だが、現在の彼らはあくまで民間人なのだ。それを正規の軍人を差し置いて、というのは疑問ではある。
 すると、ユウナは少し思案してから、自分の計画を話し出した。
「……プラントとの同盟にあたって、我が軍は軍事活動目的の国外派兵は断ろうと思っているんだ。一隻の艦を除いてはね」
 そうする事で、経済的には軍事面での出費を抑えられる。そして、それ以上に――軍人とはいえ、オーブ国民には違わないオーブ兵を前線に当たらせずにすむ。
 しかし、そんなユウナの考えにバルトフェルドは呆れた。
117魔法少女リリカルなのはC.E.73 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/05(月) 00:19:58 ID:???
「おいおい……いくらなんでもそれは無茶だろ」
 現在の世界情勢で、ユウナの言っている事はオーブにとって都合が良すぎる事この上なかった。
 本来ならそのような要求は通らないのだが──
「現在、あるザフト艦が地上での遊撃支援任務に就いている。君達はその艦に合流してもらいたい」
「もしかして……ミネルバ?」
 マリューが思い当たった艦の名前を口にする。
「ご名答。ギルバート・デュランダルはミネルバに、先の大戦でのアークエンジェルのような役割を担わせようとしているみたいだからね。世界を平和へと導く正義の艦といったイメージがほしいんだろうけどさ」
「なるほど。デュランダル議長がそういった考えなら、たしかに有効な提案条件にはなるだろうな」
 ミネルバのような代役などではなく、こちらは本家本元なのだから。
「ラクス・クラインに不沈艦アークエンジェル。ヤキン戦後、英雄視されている三隻同盟縁の者達が賛同している──プラント側が自分達の正当性を民衆にアピールするにはうってつけだ」
 デュランダル議長の策略に多大なプラス材料となるものを提供する事で、他の面で妥協してもらうというのが、ユウナの考えだった。


「ああ、それからアスラン・ザラもミネルバと合流しているはずだ」
「アスラン君が!?」
 マリューはユウナの口から出た思いがけない人物の名の登場に驚く。
「さっき知ったんだけどね。ザフトの機体に乗ってオーブに向かって来ていたのを哨戒部隊の者達が領空手前で追い返してしまったらしい」
 参ったよ、といった感じのジェスチャーを交えるユウナ。
「オーブの方針転換は閣議で可決されてからの話だからね。軍部に大西洋連邦との同盟締結を前提とした対応をさせてしまったのも仕方ない」
「それにしても……彼がザフトに復隊しただなんて……」
「彼がプラントに行った以上、こうなる予感はしてたけどね。文官なんて柄じゃなさそうだったし、彼」
 戸惑うマリューにユウナが自分の主観を述べる。
「それで、アスランは今どこに?」
 バルトフェルドはアスランの行方が気になった。
「とりあえずは、カーペンタリア基地に向かったんじゃないかな。ミネルバの行方を聞いていたそうだから」
「アスランも一緒となると、まさに三隻同盟の中心核が揃い踏みだな」
「それが狙いだからね。カガリの弟君にもデュナメイスに乗ってもらうつもりだし」
「まさか、キラ君まで!?」
「簡略的な手続きではあるけど、彼のオーブ軍籍は用意済みだ。だから、彼に対しては軍からの正式な命令扱いになるかな。もっとも、君達が引き受けてくれないと、始まらないけど」
 民間人への協力要請ではなく、軍人に対する正式辞令。
 当然、元軍人である二人にも、その意味合いは分かるのだが──
「ちょっと待ってくれ。アスランと違って、フリーダムのパイロット――キラ・ヤマトの名は世間に認知されていないだろう?」
 バルトフェルドの指摘はもっともなのだが──
「敵MSの戦闘力のみを奪う。乗っている機体が違ったって、戦闘中にそんな芸当をしてみせれば……」
「……誰もが思い浮かべるでしょうね。不殺のフリーダム≠」
 ユウナの思惑に気づき、マリューが二の句を継ぐ。
 MS戦の最中に敵MSの戦闘力のみを奪うなどといった事ができるほどの桁外れな技量のパイロット。そんな人間はおいそれとはいないだろう。
「しかし、キラとて二年のブランクがある。フリーダムのような強力な機体もない。……そんな戦い方ができるとは思えんが?」
「ブランクは努力で埋めてもらうさ。じゃないと困る。それに、彼の不殺の戦い方には利点もある──」
 圧倒的な技量に対する畏怖で戦く者。逆に、侮られた事に対する怒りや対抗心に囚われる者。その結果、味方兵の負担軽減に繋がる、とユウナは説明する。
「──と、この説明は軍部の人間の二番煎じだけどね。本人に伝えたら、かなり前向きに受け取ってくれたみたいだ」
 自分が頑張る事で、味方の負担が減る。キラなら進んでやりそうな事だった。
118魔法少女リリカルなのはC.E.73 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/05(月) 00:21:51 ID:???
「だけど、それではキラ君が!」
 当然の事ながら、不殺の戦いはキラにとってハンデとなる。戦場でのマイナス要因は、死傷率の増加に繋がるのだ。
 その事を考えると、マリューは気が気でなかった。
「それでもやってもらわないとね。不殺のフリーダム≠フパイロットだった者もデュナメイスに乗っていると世間に知らしめる為にも」
 プラントについたオーブの正当性を表す為に、ユウナはあくまでも三隻同盟の再現に拘っていた。
 暴虐な連合に対するのは、再び集った英雄達である。その事実は、地上の国々をこちら側に引き込む為の材料にすらなり得るからだ。
「……僕達ができるだけキラをサポートしてやるしかないか」
「ば……バルトフェルド隊長!?」
「こういう流れになってしまっている以上、君だって放っておけないんじゃないか、ラミアス艦長▲
 マリューはしばらくの間、俯いて思案していたが、やがて大きく息をついた。
「……分かりました。この件、引き受けさせて頂きます」


 こうしてマリュー・ラミアスとアンドリュー・バルトフェルドもまた戦場へと戻る事となった。
 まもなく集まってくるかつてのクルー達と共に。

=========================
 カガリは行政府内の自室で頭を抱えていた。
 一通りの人物に彼女への賛同を呼び掛けて回った後、閣議再開までの時間を代表としての執務に当てる事にした。彼女のもとに回ってきた書類を処理していたのだが――
 ある事項に関する書類に出くわし、目を疑った。それらは、軍部より提出された新部隊設立に関する書類だった。


 コンコン――と、部屋のドアをノックする音。
「代表。ユウナ・ロマです」
「ああ……入ってくれ」
 自分が呼びつけた相手をカガリは部屋へ招き入れる。
 自ら彼の所へ行こうかとも思ったが、あまり公にできる話でもない為、自室に彼を呼んだのだ。
「……どうしたんだい? 分かってるとは思うけど、僕も僕で忙しいんだけど?」
 カガリがなぜ自分を呼んだのかを分かっていながら、ユウナはあえて彼女に尋ねた。
「これはどういう事だ?」
 カガリが指し示した書類をユウナは手に取る。
「……新部隊設立の要請だね」
「そうじゃなくて! なんだよ、デュナメイスって!?」
 新部隊は、アークエンジェル級三番艦デュナメイスを母艦として、十機のムラサメで構成されていた。
 デュナメイスの艦長にマリュー・ラミアス、副艦長にアンドリュー・バルトフェルド。その他のクルーもアーノルド・ノイマン、ダリダ・ローラハ・チャンドラII世、コジロー・マードックなどといった旧アークエンジェルクルーが選ばれていた。
 ムラサメのパイロットには、馬場一尉が率いる精鋭九名にキラ・ヤマトを加えたものだった。
119魔法少女リリカルなのはC.E.73 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/05(月) 00:23:38 ID:???
 秘密裏に――少なくともカガリは知らされていなかった――建造されたアークエンジェル級戦艦。そして、その艦の部隊に関する人選。カガリはそれらの事に憤っているのだ。
「事後報告の形になってしまった事は謝るよ……だけど、承諾はしてくれるよね?」
 書類には、新部隊が持つ対外的側面についても記されていた。なので、カガリもユウナの意図は理解はしている。
 しかし――
「だけど、こんな!……彼らだけに全てを押しつけるような事――」
「カガリ」
 喚くカガリをユウナが遮った。
「だったら君は、君に近しい人達を守る為に、より多くのオーブ兵を戦地に送り出すって言うのかい?」
「なっ!?――そんな事は言ってないだろ!?」
「言ってるよ。だけどね……何より本人達が協力的なんだ。みんな、君への恩があるからね。そして、それ以上に君の事を慕っている。オーブは……使えるものは何でも使っていかなくちゃ、この先やっていけない。彼らの好意は受け取っておくべきだよ」
 今回の事で、敵対関係となる国家との交易は当然閉ざされる。その経済的損失は、他国との貿易で成り立っているオーブの経済事情にとっては、計り知れない痛手となる。温存できる部分は少しでも切り詰めておきたいのが、実情だった。
 それは、軍事費用に関しても同様である。派兵戦力を極力限定する事で軍事費用を抑えるといった意味でも、この新部隊の構想は必要なものだった。
「……分かったよ」
 しばらく俯いていたカガリだが、意を決して書類に代表としてのサインをする。
『オーブの民の為に、必要とあらばいかなる犠牲をも厭わない覚悟が、貴女にはおありか?』
 カガリは、つい数時間前に、ウナトに問われたばかりの事を思い出す。
(この先も、こうやって割り切っていかなきゃならないんだよな……)
 その高過ぎる理想と厳しい現実に――カガリ・ユラ・アスハの苦悩は続いていく。

=========================

「では、オーブは今後、プラントと共に歩む道を取る事とする」
 カガリの宣言に頷く閣僚達――中には、未だに今回の方針転換を納得していない者もいるが。
 再開された閣議において、代表やセイランが提案した方針が可決された。
 オーブの行政に対して強い発言力を持つ代表とセイラン家の提案であった事。
 早くも、スカンジナビア王国の賛同を得られた事。
 さらには、もう一つのオーブ――アメノミハシラにいるロンド・ミナ・サハクまでもが、今回の方針を支持し、必要に応じた協力を申し出てきた事。
 そして何より――やはり、かつてオーブを焼いた国との同盟を本心から望んでいる者などいなかった事。
 その他の小さな要因が入り混じった結果だった。
120魔法少女リリカルなのはC.E.73 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/05(月) 00:28:58 ID:???
投下終了です

次回ぐらいで、キラ達が出発できるといいのですが……
でないと、なのはの出番が回ってこないorz

……なのはパート増やそうかな(ぇ
121通常の名無しさんの3倍:2007/02/05(月) 00:30:07 ID:???
乙。
合流後のシンの反応に期待。
122通常の名無しさんの3倍:2007/02/05(月) 00:49:00 ID:???
ユウナがかっこいい。
123通常の名無しさんの3倍:2007/02/05(月) 01:46:17 ID:???
おつー。
なのはパート増量キボンヌ。
124シンとヤマトの神隠し:2007/02/05(月) 06:48:59 ID:???
「なのは!フェイトォ!!」声に振り向くと、シンが二人のもとへと向かってきていた。
「何なんだよ、これは!?」
まがまがしい光を放つ、一人の女を見下ろし、シンは目を疑った。
「闇の書が…はやてちゃんが…」
なのはは言葉に詰まる。
その先は言わなくても分かる。つまりは闇の書が完成したと言うこと。
「また…すべてが終わってしまう…。一体、幾度こんな悲しみを繰り返せばいいのか…。」
天を仰ぎ、涙を流す一人の女。
「はやてちゃん!!!」
「はやて!!」
なのはとフェイトがはやての名前を叫ぶが、女はそれを否定した。
「我は闇の書…。我が力の全ては…」
右腕を空に向かって闇の書は伸ばす。
『デアボリック・エミッション』
掌に闇ができ、それは拡大していく。
「主の思いなりの…そのままに…。」

「よし、結界ははれた…デュランダルの準備は?」
「…出来ている。」
仮面の男、二人はシンたちからある程度距離をとって、様子を闇の書の様子をうかがっていた。

闇の書の掌の上にできた、巨大な闇の塊が圧縮され、見る見るうちに小さくなっていく。
「闇に…そまれ…。」
小さな闇の塊が破裂し、膨大な闇が溢れ出す。
広範囲の空間攻撃。
フェイトはシンの腕を引っ張ってなのはの背後にまわり、なのははレイジングハートの力をかりてラウンドシールドを展開する。
すさまじい衝撃が、負担がなのはの腕にかかる。
尚も広がり続ける闇。
そんな光景をみていた仮面の男は
「もつかな?あの三人…。」「暴走開始の瞬間まではもってほしいな。あいつが来るのは計算外だったが、二人よりも三人のほうがもつだろう?好都合だ。」
刹那、二人の男の体がバインドによって拘束される。「ストラグルバインド」
男二人は、突然の声に反応し、声のした方を見る。
時空管理局執務管、クロノ・ハラオウンだった。
「相手を拘束しつつ、強化魔法を無効化する。あまり使いどころのない魔法だけど…、こういうときには役に立つ。」
二人の男は苦しみ出す。
「変身魔法も強制的に解除するからね。」
うめき声を上げ、そして…姿が変わり、仮面が取れ、その正体はリーゼ姉妹だった。
125シンとヤマトの神隠し:2007/02/05(月) 06:54:20 ID:???
空間攻撃から逃れたなのは、フェイト、シンは闇の書から距離をとり、近くの建物の陰に身を潜めていた。なのはは手に相当な負担がかかったのか、痛みを堪えていた。
「なのは、ごめん。ありがとう。大丈夫?」
「サンキュー、なのは大丈夫か?」
「う…うん…大丈夫。」
まだ、痛みに顔を歪ませているが、大丈夫のようだ。「あの子、広域攻撃型だね。避けるのは難しいかな…。バルディッシュ…。」
『Yes, sir. バリアジャケット ライトニングフォーム』
フェイトのバリアジャケットが形態を変える。
ちょうど、そのとき、ユーノとアルフがこちらへやって来た。

「主よ…あなたの願いを叶えます。愛しき守護者たちを…傷付けたものたちを、今、破壊します。」
闇の書の黒色の魔法陣が展開され、広範囲で封鎖領域を作る。
「なんだよ!これは…!!」魔力の波がシンたちの体を通り抜け、領域を拡大していく。
「前の時と同じ…、閉じ込める結界だ。」
アルフがシンに教える。
「やっぱり、私たちを狙ってるんだ…。」
フェイトは複雑な表情でそう言うと、なのはへと視線を向けた。なのは悲しげな表情で闇の書を見つめていた。
「とにかく、今はクロノが解決法を探してくれてる。応援もこっちに来てくれるらしいけど、まだ時間が…。」
ユーノはみんなとなのはにいい聞かせる。
「俺たちでなんとかするしかない…か…。デスティニー!」
『OK,デスティニーフォーム』
カートリッジを二発消費し、シンの背中に緋色の魔力の翼が形成された。
「シン、行くよ!」
「あぁ」
フェイトが先に飛びたち、シンもその後を追う形で飛翔する。
「フェイト!俺が先に攻撃を仕掛けるから、フェイトは俺の後ろに身を隠せ!いいな?」
コクリと頷くフェイトは、スピードを落とし、シンの背後へまわる。
「デスティニー!」
アロンダイトの柄に当たる部分からいきおいよく薬筒が弾けとぶ。
翼が開き、鮮やかな光を噴射、シンは加速し、フェイトの姿は正面からは捕えられない。
そのまま、闇の書に向かって、渾身の突きを繰り出す。もちろん、この攻撃はかわさせるためにある。
闇の書は半身をずらすだけで回避。しかし、シンが駆けたあとに残る光の中から、フェイトが姿を現し、バルディッシュを縦一閃。
完全に不意を突いた攻撃だったが、闇の書は障壁を展開せず、逆に攻撃を仕掛けることでそれを回避した。
126シンとヤマトの神隠し:2007/02/05(月) 06:57:07 ID:???
魔力を帯た拳とバルディッシュが交差する。
鋭い音が響き、フェイトはシンと逆方向へ抜け、闇の書を挟み撃ちする形で、同時に攻撃をしかける。
「このっ!!」
「はぁぁああ!!」
「うがて…、ブラッディーダガー」
『ディフェンサープラス』『シールド』
紅い閃光がシンとフェイトを襲うが、バルディッシュとデスティニーによる自動防御により直撃を避ける。だが、無理矢理後退させられる形となった。
しかし、連携はシンとフェイトだけではない。
闇の書の攻撃の際に生まれたわずかな隙をつき、ユーノとアルフのバインドが闇の書を完全に捕え、自由を奪う。
そして
『ディバインバスター・エクステンション』
なのはのレイジングハートから桜色の魔力の奔流が打ち出される。
「砕け…。」
闇の書の一言でユーノとアルフのバインドは破壊され、なのはのディバインバスターは障壁で防がれた。
その防いでいる間に、シンとフェイトが再度、攻撃を仕掛けるが…。
「撃ち落とせ…。」
『ドラグーン』
不規則な動きをする複数の魔力の塊がシンとフェイトをおいまわし、砲撃により、牽制される。
「これって…あの人の!?」避けることに集中しながらキラとの戦いを思い出すフェイト。そして、ディバインバスターを撃ち終わったなのはに超高速の魔力弾、クスィフィアスが襲う。
『ラウンドシールド』
桜色の円形魔法陣を展開、しかし、なのはの体を大きな衝撃が駆け抜ける。
「いっつ…。」
五人がかりで、圧倒されていた。
「くっそー、こいつ!!」
『パルマ・フィオキーナ』カートリッジを三発消費、翼を展開して闇の書に突攻を仕掛ける。瞬時に最高速度に達するシン。
『ブラッディー・ダガー』対する闇の書は、ブラッディー・ダガーをシンに向かって発射する。
「ッ!?シン!!」
無謀なシンの突攻に誰もが、彼の名前を口々に叫ぶ。「シンくん!!」
「無茶だシン君。戻って!!」 ユーノも慌てて、シンの後を追う。万が一のために、シンを守るための障壁を準備する。

向かってくるブラッディー・ダガー。しかし、シンは当たるつもりなどない。
自分の中の何かが弾ける。先程は、デスティニーの自動防御に頼らなければ防ぐことすら叶わなかった攻撃を今度は、アロンダイトで破壊する。
そして、さらにそのままスピードを上げ、左手を闇の書の障壁に当てがう。
『バースト』
掌から純白の光が溢れだし、闇の書の障壁にヒビを入れて行く。
そして、
「貫け!!デスティニー!!」一瞬、光が輝きを増し、見事に障壁を砕いた。
127シンとヤマトの神隠し:2007/02/05(月) 07:01:04 ID:???
両手でアロンダイトを、握り直し、一閃を見舞う。
だが、闇の書の渾身の一撃が、アロンダイトを振り上げたシンにカウンターで入った。
「しまっ…!うわぁあ!!!」魔力を込めた拳がデスティニーの障壁に突き刺さり、弾き飛ばす。
建造物に激突し、粉塵を上げた。
呆気にとられるなのは、フェイト、アルフ、ユーノ。その間に、闇の書は魔法陣を展開する。
今度は、白い魔法陣を足元に展開し、正面に桜色の環状魔法陣を展開。
「咎人たちに滅びの光を…」空気中から魔力が収束してゆく。最初は小さな魔力の塊がみるみる巨大化する。「そんな…、スターライトブレイカー…!?」
なのはの必殺の砲撃を闇の書が使用しようとしていた。
「なのはは一度リンカーコアを蒐集されてるから、その時にコピーされたんだ。」
ユーノがなのはに言う。
「とにかく、回避距離を…、アルフ、ユーノをお願い。なのは!」
アルフはユーノの手を、フェイトはなのはの手を掴み回避行動に移った。

「…ぅ…痛てて、って…。」ガラリと音をたて、瓦礫が崩れた。立ち込める粉塵の中、シンは立ち上がり、バリアジャケットについた汚れを叩き落とす。
「シン!」
フェイトが慌てた様子でシンのもとへやって来た。
「なんだよ?」
「スターライトブレイカーが撃たれる。早く、回避距離を…。」
フェイトのただならぬ様子に、シンはすぐに状況を理解し、回避距離をとるため、なのはを連れたフェイトの後を追うことにした。

「キラ君…。」
リンディは暗い面持ちで、キラが収容されている部屋へとやって来た。
格子ごしに話をする。
「闇の書が…完成したわ。」「…みたい…ですね。」
話を聞かなくても、艦内の尋常じゃない、慌ただしさから予測できる。
「はやてさん…闇の書に取り込まれたわ…。」
うつ向いていたキラが、顔をあげた。
「それで…はやてちゃんは…今、どう…?」
わからない。と、リンディ。
「局員達が全力で対応してはいるけど…長丁場になりそうね。」
自分に何か出来ることは…ないのか?
キラは両手で拳を作り、力を入れる。
「また、何かあったら、知らせるわ。」
そう言って、リンディは部屋から出ていった。
128シンとヤマトの神隠し:2007/02/05(月) 07:04:24 ID:???
次回に続きます。
129通常の名無しさんの3倍:2007/02/05(月) 07:34:57 ID:???
神隠し氏、乙なの!

燃え展開にwktkが止まらない!
ブラッディダガーを切り払うシンがカッコヨス

……俺にもあんな戦闘シーンが書けるセンスがあればorz
130通常の名無しさんの3倍:2007/02/05(月) 13:24:44 ID:???
神隠し氏乙です
戦闘描写うまいですねー
次回もwktkしてますぜ
131ガンダムし〜どD´s:2007/02/05(月) 18:11:19 ID:???
18話前編(最近員前後編ばっかだな)が出来て、見直しがあるので夜には投下します。
132通常の名無しさんの3倍:2007/02/05(月) 18:20:11 ID:???
>131
まぁ、作者さんたちの腕が上がっているってことだろう。
133通常の名無しさんの3倍:2007/02/05(月) 19:10:30 ID:???
>>132
おまいのアンカーは
>>131 でなくて >>129
ではないか?
134ガンダムし〜どD´s:2007/02/05(月) 20:11:02 ID:???
第18話前編が出来たので投下します。

機動戦士ガンダムし〜どD´s第18話前編

ある晴れた休日の朝。
朝といってももう9時過ぎだが……
「んー…」
そのなか、美由希は目を覚ます。
まだ眠気が残る中、今日の予定を確認する。
(えーと……確か今日は……)
そう考えてはっと思い出す。
美由希は恐る恐る時計を見る。
既に朝の九時を回っている。
時刻を見て美由希の脳が一気に覚醒する。
(やっば……)
美由紀は速攻で着替えを済まして下へ降りる。
そこには恭也がゆっくりとコーヒーを飲んでいた。
「あれ、美由希今起きたのか?」
とっくの前に起きてると恭也は思っていた。
確か今日シンと出かけている約束をしていたことを彼は思い出す。
しかし、恭也の言葉を無視して簡単に食事を済ませて出かける準備をする。
(チケットは……よし、あとはサイフ……)
必要なものも全部そろい、急いで家を出る。
シンは今どうしているだろう。
待っているのだろうか、それとも自分みたいに遅れているのか……

「あれ?まだ来てない?」
シンは少し息を荒げながら思う。
シンは20分くらい前に家を出たのだが、まだ完全に道がわからず、結局道に迷ってしまった。
そして何とか待ち合わせ場所のバス停に着いたのだが、まだ美由希は着ていなかった。
周囲を見渡しても美由紀が来る様子が無い。
(もしかしてバス停間違えたか?)
美由希との待ち合わせ場所はあと5分くらいでここに来る海鳴ランド行きのバス。
だが、既にバス停には複数の家族や恋人たちがいるからここで間違いないだろう。
「なんとか……間に合った」
ふと、後ろから声が聞こえたので後ろを向くと、美由希がやってきた。
「はぁ……はぁ……」
家からずっと走ってきたのか知らないが、かなり息が上がっている。
「えーと…大丈夫か?」
とりあえず心配するシン。
シンの言葉に気付いて、美由希は顔を上げる。
「あ、ごめん。待たせちゃった?」
美由希の問いに、シンは首を横に振る。
「道に迷ってて、俺も少し前に来たばかりだった」
二人が話をしていると、バスが来たみたいだった。
「とりあえず、バスに乗ろう」
そういって二人はバスに乗り、目的地へと向かっていった。
135ガンダムし〜どD´s:2007/02/05(月) 20:12:12 ID:???
「う……」
マユは久しぶりの日の光をあび、まぶしくなって目を閉じる。
この世界に来て依頼、ずっとプレシアの研究所にいて、こうやって日の光を浴びるのは久方ぶりだった。
そしてしばらくして光にも馴れて、ゆっくりと目を開けると……
「うわあ……」
今彼女がいるところは自分達の世界ではないが、確かに地上であった。
「どうだね?久しぶりの地上は」
横にいるクルーゼはマユに語りかける。
数日前、地球に降りるように手配してくれたのは彼だと聞いた。
「はい、とてもうれしいです。ありがとうございます」
マユは上機嫌で答える。
ちなみに、外にいるときは流石にあの仮面は目立つので、彼は今サングラスをかけている。
……このサングラスも特殊なため目立つことこの上ないが……
(さて、これからどうしようか)
自分の目的は別に今すぐでなくてもいい。
(まあ、まずはこの少女の機嫌でも取るか)
「マユ君、とりあえずお金もあることだし、何か買いたいものはないかね?」
マユはそう言われて、うーんと考える。
今必要なもの。携帯はなくしたけどここは別世界だからつながらないし……
とりあえず今必要なもの。それは…
「服…かな?」
今彼女が着ている服はプレシアのところにあった服。
話をきくと、プレシアにはアリシアとは別に、もう一人子供がいて、その人の服を使わせてもらっているとクルーゼから聞いた。
貸してくれるのはありがたいが、やっぱり自分の服は出来る限り自分で選びたい。
「解った。それじゃ早速いこうか」
そういいながらクルーゼは以前来た時に調べたショッピングモールにマユを連れて行くことにした。
今はとりあえず彼女の前では「やさしいおじさん」を演じる必要がある。
後々、彼女を大いに利用させてもらうために。

海鳴ランドの前には、開演前ということもありかなりの人数がいた。
「すごい人気だな……」
うん…と美由希も頷く。
ここはアトラクションはたくさんあるが、それでも載るときはかなりの時間を待たされそうであった。
「あ、シンと美由希さん」
ふと声が聞こえて、振り向くと、そこにはアリサがいた。
「アリサちゃん?」
美由希は、すっかり今日もなのはたちと一緒にいるはずの子がここにいることに驚いた。
「実は…昨日、パパが急に仕事にキャンセルが入って、たまには家族と遊びにいこうって事になって…急だったからなのはたちにもいえなくて…」
なるほど、それでなのはやはやても知らなかったのかと納得する。
おそらくその父親はアリサを驚かせようと前々からチケットはあったのだろう。
出なければ昨日だけで次の日のチケットを手に入れるなんて普通は出来ない。
アリサの話をしていると、後ろから両親がやってきた。
彼女の両親はともに忙しく、美由希もアリサの父を見るのが今回が初めてだ。
136ガンダムし〜どD´s:2007/02/05(月) 20:13:15 ID:???
「あ、パパ。こっちがなのはのお姉さんの美由希さんで、こっちがはやての家にお世話になっているシン」
「ども」
「おはようござます」
俺だけ呼び捨てかよ、と思いながらも、と軽い挨拶をするシン。
一方美由希は丁寧に挨拶をする。
そんな二人を見て笑いながら挨拶する。
「アリサの父のバーン・バニングスです。娘がお世話になってます」
なんかのアニメか何かで聞いたような名前だが、それはさておき、シン達は少し彼と話しをした。
そして開園時間の午後10時が来ようとしていた。
「お、そろそろ時間だな。アリサ、いくぞ」
バーンに呼ばれて、ついていくアリサだったが、ふと何か思い出したように二人に近づく。
「なのはたちにお土産をプレゼントするつもりだから、私がここにいるのをなのはとはやてに黙っててくれますか?」
おそらく明日にでもプレゼントを渡して、皆を驚かそうとしているのだろう。
まあそれくらいなら、とアリサの頼みを聞いた二人。
「それじゃあ二人も楽しんでください」
何かを察したのか、アリサは妙な挨拶をして家族の下へ戻る。
そして海鳴ランドは開園される。
「なあ、最初に何に乗る?」
園内に入り、パンフレットを開けてシンが美由希に聞く。
シンの言葉を聞いてえーと……と顔を隠すようにパンフレットを見る。
よく見ると、シンのほうもすこしそわそわしている。
お互い、男女二人きりでこういうところに行くのは初めてだから微妙な雰囲気が漂わせる。
「おい、聞いてるか?」
さっきからボーっとしているのシンが聞いていると、やっと美由希は考え出す。
(やっぱ遊園地に来たんだし……)
そう言って彼女が選んだのは…………

「フェイトちゃん、もう風邪大丈夫なの?」
朝から皆で話をしていると、この一週間ずっと学校を休んでいた。
だが、今さっきフェイトがリンディとともにやってきた。
「うん。もう大丈夫」
だが、1週間もずっと学校を休んでいるので心配にもなる。
実は、風邪は既に治っているのだが、まだレイのことが気にかかっていて、今週いっぱい学校を休むことにした。
それで、今日なのはたちと話をすれば少しは気がまぎれるかもしれない思ったリンディたちは今日翠屋に来た。
「あれ、アリサは?」
ふと見ると、ここにいるのはいるのはなのはにすずかにはやて、そして今日はヴォルケンの皆も来ていたが、珍しくアリサがきていなかった。
「うん、お家の人と出かけたって昨日メールが」
話を聞いて、そうなんだ、と話を聞くフェイト。
「そういえば、シグナムって今日稽古で出かけるだったよな?」
ヴィータの言葉にいきなりだなともいつつもああ、と答えるシグナム。
ふと、ここでなのはが思った。
「そういえば、魔法なしだったらシグナムさんとフェイトちゃん、お兄ちゃんの3人だったら誰が一番強いんだろう?」
137ガンダムし〜どD´s:2007/02/05(月) 20:14:10 ID:???
今日は少し前に恭也と忍も来ていて店を手伝っていた。
丁度今は客が少ない時間帯なので、みんなで話に参加していた。
このなのはの言葉に大いに興味を示した3人。
「確かに、興味はあるな」
ふと、ここで一番不利な人を考えてみる。
「魔法がないと、流石にテスタロッサは不利なんじゃないか?」
フェイトはシグナムの言葉にむっとするが、自分でも流石に不利だと感じた。
「確かにそうですね。体格の問題もありますし」
体格、体力、力。確かにどれをとってもまだ子供のフェイトには魔法なしではほかの二人に比べて不利な要素である。
「で、でも、この3人の中じゃ一番身軽だし、そういう利点もあるよね?」
さっきからフェイトがぼろくそに言われているので、なのはは必死にフォローする。
「まあ確かに……実際やりあって見ないとわからないか」
確かに、実際戦ってみないと誰が強いかなんてわからない。
そこで士郎は一つの提案をした。
「じゃあ、明日家の道場で戦ってみたらどうかな?勿論武器は木刀でだけど」
士郎の考えに3人は納得する。
「それじゃ、そろそろ忙しくなるからなのはは店を手伝ってくれ」
はーいといって、なのはは店の奥に入っていった。

「はあ、すごかった。まだ足ががくついてる」
美由希はひざを押さえながら答える。
シンたちが最初に乗ったのはこの遊園地でも注目度が高い乗り物だった。
だからあとで乗ろうとして待ち時間で結局乗れなかったというのは意味が無いので最初に乗ることにした。
それでもかなりの時間待たされたのだが。
そのアトラクションはジェットコースターの一つで、特徴は足を置く床が無く、足が宙に浮いたまま進行するのでしばらく足がガクついて動けなくなる。
「ああ、確かに」
流石のコーディネーターのシンでも美由希と同じように足が動かない。
「しばらく休憩しようか」
そう言って近くにあるにあるベンチに腰掛ける二人。
「とりあえず、次何に乗る?」
休みながら次に乗るものを決めようとするシン。
同じベンチに座っているので距離はかなり近い。
「えーと…次は…シンが」
美由紀は顔を少し赤らめながら言う。
最初は自分が決めたので、次はシンが決めて欲しい。
そう言われてシンはパンフレットを見る。
いきなり乗ったのがあれだったから次は何に乗るか、そう考えるが……
(ほとんどこういうのばっかりじゃねえか……)
パンフレットにある内容を見ると、ほとんどこういう、いわゆる絶叫系アトラクションが大半を占めている。
その中でどうしようか迷って……
「これにするか」
と決めたのが、急激に上昇、下降するアトラクション。
対G訓練のようなものの遊びバージョンのようなものだろうだろうと思ったからこれを選んだ。
だがその前に……
「いったん腹ごしらえする?」
まだ昼食には早いと思ったが、流石にこの人数。昼飯時に店に入っても時間がかかるだろう。
この考えは美由希も同じで、二人はどこで食べるか相談することにした。
138ガンダムし〜どD´s:2007/02/05(月) 20:15:53 ID:???
「ふぅ」
マユたちは今、駅前で座っている。
マユは、両手いっぱい(といってもまだマユは小学生なのでそこまでの量はないが)の荷物を持っていた。
あれから、結局服などでいろいろ悩んでしまった。
「おや、もうこんな時間か」
クルーゼは時計を見るとすでに正午がこようとしていた。
しばし考えて、サイフからある程度の金額を出してマユに差し出す。
「マユ、これから私は少し用事がある。だからそれまでの間、あの喫茶店でお昼でも食べてきたらいい」
そういいクルーゼは近くにある喫茶店を指差す。
名前は「翠屋」と書いてあった。
「わかりました。けど、クルーゼさんはどうするんですか?」
「私はすることがあるから、そのついでにどこかで食べるさ」
そういうと、わかったね?といってクルーゼはこの場を後にしようとしたが、ふと何かを思い出す。
「わかっているとは思うが、魔法のことやプレシアのことは絶対に言わないように」
そういって、今度こそクルーゼはどこかに出かける。
マユもおなかが空いていたので、言われたとおりに翠屋という喫茶店に入る……
「いらっしゃいませー」
入ってきたときに聞こえてきたのは、自分と年はあまり変わらない女の子の声であった。


18話前編投下完了。
後編はデート編後編とマユ&なのはたち初面識。
っていうかデートってこんなのでいいのか?
139通常の名無しさんの3倍:2007/02/05(月) 21:07:25 ID:???

恭也VSシグナムが楽しみ

ただ
>流石のコーディネーターのシンでも美由希と同じように足が動かない。
には違和感が…
いくら何でもMSパイロットとしてもコーディネイターとしてヘタレ過ぎ
140通常の名無しさんの3倍:2007/02/05(月) 22:39:38 ID:???
普通にシグナムが勝つよね。
たかが十数年程度しか剣術を研いて無い恭也と
数百年以上剣術を研いてるシグナムとでは
どっちが勝つかはわかりきってるよ。
141通常の名無しさんの3倍:2007/02/05(月) 22:58:17 ID:???
>>140
数百年っていっても覚醒した後封印ってのを何時も繰り返してんだから
そんな差がないように思うんだが…
じゃなきゃフェイトと互角だったのだってありえないじゃん
142通常の名無しさんの3倍:2007/02/05(月) 23:08:40 ID:???
>>141
フェイトとの戦いは剣術関係なくね。
>封印
それでも、恭也より修練した年数は長いし圧倒的に経験した場数が違う。
143通常の名無しさんの3倍:2007/02/05(月) 23:11:35 ID:???
リリカル世界の恭也だからなぁ……
神速とか魔法並の反則技が使えるかどうかによるか?
144通常の名無しさんの3倍:2007/02/05(月) 23:28:56 ID:???
>>142
相手の得物が剣じゃないというだけで、長年修練した剣術の成果が接近戦で
生かせないような雑魚ならしょうがないな
145通常の名無しさんの3倍:2007/02/05(月) 23:33:31 ID:???
どっかの黒騎士ワロタ
146通常の名無しさんの3倍:2007/02/05(月) 23:54:30 ID:???
>>144
得物じゃなくて魔法の事だよ。
147通常の名無しさんの3倍:2007/02/06(火) 01:54:09 ID:???
恭也の使う剣術は魔法が無い分、技術面を徹底的に洗練されてるとか
148通常の名無しさんの3倍:2007/02/06(火) 03:39:11 ID:???
>>147
特異な力が技量の向上を阻害するなら
恭也もまた技量の向上が阻害されてますね。
149通常の名無しさんの3倍:2007/02/06(火) 03:55:55 ID:???
闇の書のスターライトブレーカーを防いだなのは、フェイト、シンの三人はクロノからの指示により、闇の書に投降の呼び掛けをしていた。
ユーノとアルフは、結界内に取り残された民間人、すずかとアリサを保護、また、守護するため、今は戦線から離脱していた。

「主は…愛しき騎士達を奪った…この世界が…夢であってほしいと願った。
主には…夢の中で…騎士達と平和に暮らしてもらう。」
闇の書は、何の感情も、抑揚もない声でそう言った。だから、はやてには夢の中で平和に暮らしてもらい、この世界には滅びを…と。「はやてちゃんは、そんなこと望まないよ!
そんなことをしたら、きっとはやてちゃんは悲しいよ!!あなただってそうでしょう!?
あなたにも心があるんだよ!嫌なことは嫌だって言っていいんだよ!!
はやてちゃんは!あなたのマスターはちゃんとそれを分かってくれる子だよ!」
なのはが思いのたけを吐きだす。
「私に悲しみなど…ない。」
なのはの言葉を否定する闇の書。
シンは今の闇の書と自分の姿を重ねる。
自分がそうだった。自分に力がないのが悔しくて、家族を大切な仲間を、人を奪ったやつらが憎くて、だから力を手にした。

ズンッ!!!
地響きがしたのち、地面から触手が、火柱が立ち上る。
アッというまに、なのはとフェイトは触手によって絡めとられた。シンも最初の数本は斬ったり、かわしたりしていたが、数が多く、避けきれなくなって結局は、動きを封じられる。
「もう、崩壊が始まったか…。せめて意識があるうちに…主の願いを叶えたい…。」
「バリアジャケット、パージ!」
フェイトがバリアジャケットをパージし、ソニックフォームへと換装。その際に生じる爆発で、自分達を拘束している触手を粉砕する。
「悲しみがないなんて…そんな顔で言われて…誰が信じるもんか!!」
闇の書が手をかざす。ブラッディー・ダガーがシン、フェイト、なのはを囲んだ。
「闇に…沈め…。」
フェイトはそれが発射される前になのはを救出、自分もダガーを避け、空中へと逃げる。シンも同様に、そうした。
「シン!行くよ。」
「あぁ、わかってる。」
フェイトが、シンが、バルディッシュを、デスティニーを構える。
「この…、だだっこ!!」
『サイズ・ドライブ』
「言うことを…。」
フェイトの両手足に、高速機動補助魔法、ソニック・セイルが発動する。
『イグニション』
「聞けぇー!!」
珍しく、フェイトが声を張り上げる。シンも装填カートリッジの最後の一発を消費し、翼を展開。フェイトの叫びを合図に、二人、同時に飛翔した。
150シンとヤマトの神隠し:2007/02/06(火) 04:03:32 ID:???
「お前も…我がうちで眠るといい…。」
闇の書が、デバイスを突きだし、障壁を展開する。
金色の光と緋色の光が向かってくる。
迎撃はしない。
二つの光が一度交差する。「はあぁぁぁ!!」
フェイトの
「もう、やめろぉお!!!」
シンの声が大きく響く。そして、バルディッシュがデスティニーのアロンダイトが同時に障壁に突き刺さった。
フェイトとシンは腕に力を込めるが、障壁はびくともしない。しかし、やがて、自分達の体の異変に気付く。
フェイトは金色の光に包まれ、シンは緋色の光に包まれて、爆散し、その光は闇の書によって吸収された。「全ては…安らかな眠りのうちへ…。」
消えた。目の前で、フェイトとシンが、なのはは愕然としていた。

アースラ。
『エイミィさん!!』
闇の書との三人の戦闘をモニタリングしていたエイミィも、一瞬、愕然としていたが、なのはからの通信で我に帰る。
「状況確認!」
すぐさま、キーを叩き始め、フェイトとシンの安否を確認する。
「フェイトちゃんとシン君のバイタルまだ健在、闇の書の内部空間に閉じ込められただけ、助ける方法、現在検討中!」
リンディの額に汗が滲む。「まずいわね。エイミィ、しばらくの間、ここをまかすわ。」
「艦長!どこに!?」
「なのはさん一人では危ないわ!局員の派遣を要請を…」
無駄だとと言うことは分かっている。その辺の戦闘局員を派遣してもらっても、なのはの足手まといにしかならない。
なのはを援護するためにはフェイトとなのは、そしてヴォルケンリッターの騎士達と渡り合えるほどの力をもつ魔導士が必要なのだ。そして、それほどの力を、魔力を持つ魔導士はリンディには思い浮かばなかった。

「…ゃん?…お兄ちゃん?」肩をゆさぶられ、意識が覚醒してゆくシン。そこは、見慣れた場所、そして、自分を呼ぶ声は、聞き慣れた声。
いつのまにかベッドで眠っていたシンは体を起こした。まだ少し、意識がボウッとしている。
「あは、やっと起きた。今日は私とお兄ちゃん、ステラさんと三人で遊ぶ約束してたじゃない。待ち合わせの時間に遅れちゃうよ?」シンは自分を起こしてくれた人物を見て、目を疑った。
「…ま、…マユ…?何で…生きて…るんだ?」
そう、シンの妹、マユ・アスカは確にオノゴロ島で死んだはずだった。
151シンとヤマトの神隠し:2007/02/06(火) 04:09:42 ID:???
服を着替えてから、リビングに行くと、料理をつくっている母親と、食卓の椅子に座って新聞を読んでいる父親がいた。
「…母さん…?父さん…?」「おはよう、シン。」
母親がシンの名前を呼ぶ。「遅かったじゃないか、今日はステラちゃんと遊ぶ約束してるんじゃないのか?」
父親が自分の名前を呼ぶ。「さ、座って、座って、ごはん食べたら、公園まで競争ね!お兄ちゃん!
………て、お兄ちゃん、聞いてるの?何か、今日は朝から変だよ?」
「えっ?あ…あぁ、競争だな。うん…、ちゃんと聞いてるよ。」
両親の声が…、妹のマユの声が懐かしくて、優しくて、自分が今まで取り戻したかったものでシンの目から涙が溢れた。
声を殺して、涙を流す。
「…へっ?…お兄ちゃん、どうしたの?」
母親も、父親もシンが突然泣き出したことを心配し、気遣う。
「何処か痛いの?病院行く?」
マユがシンの肩を抱く。首を左右にふるシン。
「…違うんだ。…そうじゃ…なくて…。…うっ…ひっく…。分かんなくて…いいから…。ごめん…もう、俺…。」
声を殺すのももう限界だった。声を上げて泣いた。みっともないくらい。まるで幼い子供の様に。

『プロテクション』
レイジングハートの全包囲防御魔法。それを全包囲機動攻撃魔法ドラグーンが襲う。
基本、砲撃魔法を使うときは一度魔法陣を展開するため、動きを止めなければならない。
しかし、ドラグーンはその隙を与えない。
もちろん、魔力を使って攻撃する以上、ドラグーンによる攻撃は無限ではない。キラの高速機動兵装魔法スーパードラグーンは、翼を切り離し、ターゲットに計八個のドラグーンを飛ばす。
そして、砲撃する度に、魔力が減少していくことになるが、ある程度まで減少すると、キラの元へと戻り、魔力を充填する。
しかし、闇の書は魔力の塊をばらまくだけだ。
充填する必要がないぶん、ドラグーンに弱点は、ほぼないに等しい。
皮肉なことに、キラが闇の書をより強力にしてしまったと言えるだろう。
「これじゃあ、反撃が…!」『Master!!』
レイジングハートが警戒を促す。
しかし…。
「バインド!?それに…、あれは!?」
闇の書の周囲に金色の魔力の塊が無数に出来ていく。『フォトンランサー・ジェノサイドシフト』
152シンとヤマトの神隠し:2007/02/06(火) 04:14:18 ID:???

アースラ内部。
「艦長、なのはちゃんが!!」なのはの周囲を飛び回る無数の魔力の塊が、砲撃をする隙を与えない。
初めの数発はなのはでもかわせるが、しかし、なん十発と砲撃されると、小回りの効かないなのはは障壁をはるしかなくなる。
そして、障壁をはるため動きをとめるたびに、闇の書の攻撃により、障壁を破られ、吹き飛ばされる。
それを繰り返していた。
攻撃に転じる魔法陣を展開するための隙がなかった。そして、なのははその攻撃の殆んどが砲撃であり、闇の書との相性は最悪だった。
下唇を噛む、リンディ。だが、局員の中に、このアースラの中に魔法陣を展開せず、また、砲撃の際の魔法生成、発射の際に動きを止めずに撃てる者など…。
いた…。
管理局員ではないが、唯一、デバイス自体から、トリガーを引くだけで魔法を放つことができる魔導士が…。

「…はやて…ちゃん…。」
キラはベッドに座り、はやてのことを思う。闇の書に取り込まれてしまった。
そう聞いた。
大丈夫なのだろうか。
カッカッカッカッカッ!!大きな足音が、キラの元へと近付いてくる。
扉が開く。
「キラ君!」
なんだか、ただ事ではない様子。闇の書についての状況報告と言うわけでは無さそうだ。
「何か…あったんですか?」「単刀直入に言うわ。手を貸してほしいの。
(エイミィ!モニターを…)」
空間にモニターが開く。
なのはと闇の書が戦っていた。
「あれが…闇の書?」
はやての面影が残っていなかった。それに、シンとフェイトの姿がない。
「シン君とフェイトちゃんは?」
はぁ、と溜め息をついて、頭を抱える。
「闇の書の内部空間に閉じ込められてるわ。今は救出の方法を探してる。
お願い、時間がないの。」これ以上はなのはの身が危ない。戦況は明らかになのはに分が悪いのだ。
だが、キラは迷う。闇の書ははやてを取り込んだ。つまり、闇の書を撃つと言うことは…。
僕には…。
「今、闇の書を止めないと、はやてちゃんも…どうなるか…。」
何を…何を迷ってるんだ。こうやって迷ってる間にも、はやてちゃんも、なのはちゃんも、フェイトちゃんも、シンの身に危険が迫ってるんだぞ。
こうやって、できないって言って、何もしなかったら、もっと何もできない。
前に自分でいったじゃないか!
「…リンディさん。僕は…やります。必ず…今度こそ、守って見せます。」
リンディは格子の鍵を開錠し、キラを連れ出した。
153シンとヤマトの神隠し:2007/02/06(火) 04:18:09 ID:???

技術局からデバイスが転送されてくる。それを受けとり、転送ゲートへと走る。カートリッジは22発。今、技術局員が総出でカートリッジをつくっているとのこと。
出来上がり次第、転送するとのことだ。
転送ゲートへ走る。
「また、一緒に戦ってくれるよね?フリーダム…。」『Yes, My Master.Device Mode.』
フリーダムが答え、二丁の銃がキラの手に握られる。一度、大きく息を吸い込み「ハイマットモードプラス起動、ドラグーン起動、バラエーナ起動、カリドゥス起動、クスィフィアス3起動。」
金属的な音がアースラの艦内に響きわたる。
薬筒が落ちる音だ。

「転送位置、座標固定。キラ君!」
『行けます!!』
キラを光が包みこみ、なのはと闇の書の遥か上空に姿を現す。
キラを蒼い光が包みこみバリアジャケットを装着。背中に蒼い魔力で出来た翼が十枚形成された。
「ミーティア起動!!」
『ミーティア・モード』

「お前も…もう眠れ…。」
闇の書のが手を動かし、横に一閃した。
「撃ち抜け…豪雷…。」
なのはがまだバインドの拘束から逃れられないまま、フォトンランサーは発射された。
「レイジングハート!お願い!!」
『 ラウンド・シールド 』桜色の円形障壁が発動する
『オールシステムズセットアップコンプリート』
「ターゲットマルチロック」『Alright』

なのはは目を閉じた。耐えられるか自信はない。だが、今はレイジングハートを信じるのみ。
「当たれぇぇぇえええ!!」突然の声。その直後に蒼い魔力の濁流がフォトンランサーを全て飲み込み、破壊する。
そしてなのはの目の前には十枚の蒼い翼が舞い降りた。
「僕があの子を引き付けます。なのはちゃんはチャンスがあったら砲撃を…!!」
「でも…撃てるチャンスあるかな?」
レイジングハートがあると言う。
『Please call me エクセリンモード』
なのはは、起動させる。負けないために、仲間を助けるために…。コントロールを失敗すればレイジングハートは壊れてしまうが、だが…、なのははレイジングハートを信じ、今、叫ぶ。「レイジングハート・エクセリオンモード、ドラァイブ!!」
154シンとヤマトの神隠し:2007/02/06(火) 04:39:55 ID:???
>>149のタイトルが抜けてます。すみません。

第六話 舞い降りる剣 終了です。
次回は第七話 ありがとう
です。
第七話はシンとマユ、ステラの話を中心に書いていきます。
155通常の名無しさんの3倍:2007/02/06(火) 09:50:21 ID:???
面白いってレベルじゃねえぞ!



GJ!
156通常の名無しさんの3倍:2007/02/06(火) 17:41:37 ID:???
>>153
ミーティアフルバーストキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
ようやくキラキュン復活か。シンとキラのトークが楽しみだww




ところで最近
tiger◆G4K/hkr/gs氏の魔砲戦士リリカルSEED Cross Magic
129◆gM8g7KCl.U氏 『魔法少女リリカルなのはA's destiny』
の投稿がないけどどうしたんだろ?
難産かな…。
157通常の名無しさんの3倍:2007/02/06(火) 17:59:21 ID:???
>>110
シンのデスティニージャケットを、赤服+ストライカーズでフェイトが着てるような白いマントでイメージしたら、
まんまギルティギアの聖騎士団ソルになってしまった
同じような構えでアロンダイトを肩に担ぎながら、赤い魔力光を纏った掌を突き出してる感じで
158通常の名無しさんの3倍:2007/02/06(火) 18:18:57 ID:???
俺も、シンのジャケット姿想像するとGG聖騎士団の服に似たのが思い浮かぶ
絵心無いから描けないけどorz
159通常の名無しさんの3倍:2007/02/06(火) 21:01:54 ID:???
>>157
ドラゴンインストール発動して、両目が禍々しい赤に発光するシンを幻視した
160通常の名無しさんの3倍:2007/02/06(火) 22:01:12 ID:???
バルディッシュとレイジングハートのMS形態を想像してみたが、某英雄伝シリーズアニメの魔神にしかならなかった。
161通常の名無しさんの3倍:2007/02/06(火) 22:30:21 ID:???
>>160
龍○丸?
162通常の名無しさんの3倍:2007/02/06(火) 22:45:24 ID:???
なのはがレイジングハートを掲げて
「レイジングハートー」
『オオォォ!!』
みたいな。
163通常の名無しさんの3倍:2007/02/06(火) 23:07:35 ID:???
俺的には某魔法騎士の魔神お方がイメージ近いな
車名つながりで
164ガンダムし〜どD´s:2007/02/06(火) 23:18:27 ID:???
165通常の名無しさんの3倍:2007/02/06(火) 23:22:47 ID:???
これは…。
バルディッシュ確実に敵だな(笑)
166通常の名無しさんの3倍:2007/02/06(火) 23:23:06 ID:???
>>160
他には

鬼械神(デウスマキナ)
魔導王(マドーキング)

辺りがあるか。魔法ロボットモノは

他にはなんかあったか?
167通常の名無しさんの3倍:2007/02/06(火) 23:28:19 ID:???
魔法かどうかわからんが、VS騎士ラムネとかわ?
168通常の名無しさんの3倍:2007/02/06(火) 23:32:30 ID:???
ミンキナーサとか
169通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 00:11:30 ID:???
>>160

なのは=ウィング
フェイト=デスサイズ
はやて=ヘビーアムーズ
クロノ=サンドロック
ユーノ=ナタク
シグナム=エピオン

ぴったりじゃないか
170通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 00:25:33 ID:???
バルディッシュをMS化してみると、まずエネルギーは魔力。
搭乗者がフェイトでないと起動しない。また、普段は灰色で、フェイトが操縦席に座ることで、種で言うフェイズシフトの色変化が行われる。
黒に金のラインか?
背部に翼ありかな…これを展開すると、よりスピードが早くなる(ハーケンフォームから)。
兵装は、両肩にハーケンセイバー×2、胸部にプラズマスマッシャー×1、腰にプラズマランサー×2(フリーダムのレールガンみたいな)。
腕に魔力シールド×1
可変式の斤と鎌(魔力刃)×1
対艦刀(バルディッシュ・ザンバー)×1
どちらも背中に収納。

レイジングハート
バルディッシュと同様に、搭乗者であるなのはが、乗らないと起動しない。色は赤系(ピンクやめたほうがいいかも…)がベースに白と金か?
兵装、魔力ライフル・ディバインバスター×2、連結でエクセリオンバスター。背部、ドラグーン×8(ディバインシューター)、胸部、スターライトブレーカー×1。両腕に魔力シールド×2、近接戦闘用武器なし。
171通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 00:28:22 ID:???
そんな下らない妄想はチラシの裏にでも書いとけ
172通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 00:32:54 ID:???
>>169
ヴィータは?
173通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 00:34:52 ID:???
なのは・・・ディープストライカー
174通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 00:41:41 ID:???
>>171は辛口だな。
でも、これでなのはたちが種世界にいっても宇宙で戦えるんじゃね?
175通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 01:08:01 ID:???
宇宙服着て戦えば良いだろ
176通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 01:09:13 ID:???
宇宙だと姿勢制御の問題でいろいろ…
177通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 01:11:42 ID:???
普通に生身で宇宙空間で戦いそうだけど
魔力でフィールド作ってその中は地球上と同じ環境
紫外線や放射線もそのフィールドで防ぐ、みたいな感じで
178通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 01:19:10 ID:???
サイズ的に、迫力に書けない?
179通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 01:26:54 ID:???
>>177
酸欠で死にますね
180通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 01:35:59 ID:???
サイズ的に迫力が欠ける。一里あるな。
MSと人間サイズが戦っても微妙じゃね?
181通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 03:34:23 ID:???
コズミック・イラ73。仮初の平和を得た世界に再び戦火の闇が迫る。
アーモリーワンにおけるザフト新造艦・アースラの出航の日、この物語は始まる。
機動戦士リリカルガンダム、近日公開予定。
182通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 04:27:23 ID:???
期待してるぜ!
183通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 05:02:05 ID:???
>166
つ魔装機神
つアームドギア(アルシャード)
184シンとヤマトの神隠し:2007/02/07(水) 07:00:45 ID:???
第七話 ありがとう
久しぶりの家族との朝食。世間話やマユの友達の話を聞きながら、これまた久しぶりに母親の作った料理を食べた。
(ほんとに…母さんが作ったみたいだ…。)
もう、味は覚えていなかったが、そんな気がした。
(今までのが夢なのか?いや、だったら、ステラはオーブにはいないはず…。じゃあ…これは…。)
「お兄ちゃん!早く食べないと、ステラさんとの約束に遅れちゃうよ!」
「…あ、あぁ…。悪い…。」残りの料理を急いで掻き込み、無理矢理飲み込む。
櫛で寝癖を直し、歯を磨く。
「じゃあ、行こっか?」
「…あぁ…。」
靴を履き、行ってきまーすと両親に一声。シンとマユは家を後にした。

『ライフルモード』
「僕が前衛で引き付けるから、なのはちゃんは…。」
「はい。…でも、大丈夫ですか?」
「うん、…大丈夫。…僕は…大丈夫だから…。準備は…いい?」
キラはフリーダムを握る手に力を込め、なのはに聞く。
「はい。」
闇の書から放たれるドラグーンがキラとなのはを襲う。羽を開き、全方位三百六十度から一斉に放たれるそれらを避けるキラ。
なのはも避けようとはしているのだが、数が多すぎる。背後からの一撃を避けたとき、自分の頭上からの攻撃に気付いていなかった。しまったと思い、障壁を展開しようとしていたら、黒い魔力の塊に蒼い魔力がぶつかり、相殺された。
「なのはちゃんは砲撃することだけ考えて!君には当てさせない!…絶対に!」キラは自分の中の何かを自らの意思で弾けさせた。
『バラエーナプラズマバスター』
高密度に圧縮された魔力を二発、通常射撃を二発で、なのはの周りを不規則に飛び回るドラグーンを4つ同時に撃ち落とす。
なのははキラの言葉を信じ、魔法陣を展開した。

「…それで、友達がね…。」ステラとの待ち合わせ場所に向かう途中。マユの話を聞きながらシンは考えていた。
ひょっとして、俺は死んだのか?
だが、闇の書には死ぬような攻撃をされた覚えはない。しかし、死んだ者と会えるのは死んだときぐらいだろう。別に、天国や地獄を信じているわけではないが、でなければ説明がつかない。一体、何故。思考の渦にのまれていると
「もう…お兄ちゃん!!」
マユに頬を抓まれた。
185シンとヤマトの神隠し:2007/02/07(水) 07:04:18 ID:???
縦横無尽に空を駆け、降下上昇を混ぜ攻撃をかわし、ときにシールドを使い。
ときに射撃、斬撃をおりまぜて、ドラグーンを破壊する。
闇の書もドラグーンばかりに頼っていてもしょうがないと判断したのだろうか。今度は接近戦へと転じた。なのはにとってこれはチャンスだった。

オーブ、とある公園。
「あっ!!ステラさんもう来てる…。ステラさ〜ん!!」マユがステラの元へと駆けてゆく。シンはそんなマユを見送りながら、本来はオーブにいるはずのない、ステラの姿を見て、立ち尽くしていた。
金色の肩まで伸びた髪。純粋な、無垢な笑顔。
ステラ・ルーシェ。彼女もまた、マユと両親と同様、死んだはずだった。
やがて、マユがシンに指を差す。そして、マユと話しているステラは、シンを見た。
目があった。
ステラが微笑む。マユが笑う。
「お兄ちゃん!早くこっち来てぇ!」
「…あぁ、今…今そっちに行くから!」
のろのろとシンは歩き出した。

「うがて…ブラッディーダガー…。」
キラとなのはに向かう赤い閃光。
『サーベルモード』
ダガーのわずかな隙間に体を通し、すり抜け様にダガーを破壊し、ドラグーンを射出する。
なのはは、砲撃体勢をとっているため、障壁は張らない。
そんななのはにレイジングハートが警告するが、
「大丈夫だよ。きっと…。」ダガーはなのはに当たる前に、キラの最後のカートリッジを消費した、ドラグーンにより全弾迎撃された。なのはは、キラを信じる。「アクセルチャージャー起動!ストライクフレーム」『オープン』
エクセリオンモードのレイジングハートの尖端に魔力を具現化させた矛先が形成される。
キラが二刀で打撃による闇の書の強化攻撃を受けている。
バチバチ、バキンッ!!
「…ぐっ!!…くっそぉ!!」弾き飛ばされるキラ。
攻撃後に硬直する闇の書。「今だ!なのはちゃん!!」海面すれすれで、体勢を建て直し、なのはにキラが叫んだ。
なのはは闇の書に向け、レイジングハートを構え一直線に向かっていく。
闇の書は魔力の渦を発生させ、なのはの突攻を阻もうとするが、レイジングハートのストライクフレームが貫通し、尖端に魔力が収束し始める。
「まさか…!!」
なのはの狙いに気付いた闇の書が、目を見開き、その表情を初めて変えた。
「エクセリオンバスター!!!ブレイクシュート!!!」ほぼ零距離で、エクセリオンバスターが闇の書に直撃した。
186シンとヤマトの神隠し:2007/02/07(水) 07:06:08 ID:???
呼吸が乱れ、なのはの息遣いが荒くなる。
「ほぼ零距離…これで駄目なら…。」
「…まだだよ。なのはちゃん。」
爆煙が晴れ、姿を見せる闇の書。ダメージはほとんどないようだ。
キラは再びフリーダムを構え直す。
『Master!!』
「もう少し、頑張らないとだね。キラ君、レイジングハート。」
なのはレイジングハートを持つ両手に力を込めた。
『キラ君、カートリッジを二組送ります。受け取って…。』
キラは転送されてきた二組のカートリッジを受取り、そのうちの一組をフリーダムに装填した。

「…シン?」
「…何だよ?…ステラ…。」ステラが覗き込むようにシンの顔を見ている。
「お兄ちゃん、今日は朝からボーッとしてるの。あんまり気にしなくていいよ」
「…調子…悪い?」
心配そうにシンを気遣うステラ。
「あぁ、いや、大丈夫だよ。ステラ、別にそういうわけじゃないんだ。ただ…」
「「ただ…?」」
マユとステラが聞き返す。「…いや…、何でもない。」「ね?…変でしょ?」
と、ステラにマユが言う。ポツリと手に水滴が降ってきた。いつの間にか空が曇り、辺りも暗くなっていた。
「今日は晴れだって言ってたのに…。…お兄ちゃん、ステラさん、そこで雨宿りしよ。」
「…そだね。」
ステラもベンチから腰をあげ、シンに手を差し出す。「ステラとマユは先に行けよ。…俺は、ここにいる。少し…雨に濡れたい気分なんだ。」
頭を冷やしたかった。考えれば考えるほど、この世界が現実ではなくなっていく。夢だ。現実じゃない、ただの夢…。
だけど…自分が望んだ世界だった。失ったものがある世界。
「じゃあ、私もここにいるよ!ステラさんは?どーする?」
「…ステラも…シンと一緒にいる…。」
降ってきた雨は最初のうちは激しかったが、やがて霧のように細かく、辺りを真っ白に染める霧雨になった。
それが心地いい。ステラとマユもそう感じているようだった。
「なぁ…マユ、ステラ。これは…夢…だよな。」
できれば現実であってほしい夢。だが、もう自分はこれが夢だと知っていた。
だから泣いた。
自分が一番欲しかったもの、取り戻したかったものだったから。
この夢が覚めてしまうのが怖い。だが、どうしても聞きたかった。
マユとステラは答えなかった。
シンは二人を見つめ、
「俺は…ずっと、…これからもずっと、ここに居ていいのかな?」
一番知りたかった事を聞いた。
187シンとヤマトの神隠し:2007/02/07(水) 07:09:22 ID:???
「お前達は…なぜ眠らない?」
闇の書の言葉。
「眠りにつけば…望んだ世界にいける。」
キラが弾き飛ばされる。なのはがディバインシューターを放つ。
「そして…その望んだ自分の世界は…永遠だ…。」
ディバインシューターを交す闇の書。体勢を建て直すキラ。
「永遠なんて…ないよ!人は変わってく…、変わらなきゃいけないんだ。
私たちも…あなたも…。」放たれるプラズマランサー。そして、それを撃ち抜く蒼き魔力の閃光。
「誰だって…こんなはずじゃない人生を送ってる!」キラを囲むドラグーン。
フレイの顔が、トールの顔が頭をよぎる。
左右のフリーダムで左右のドラグーンを撃墜する。
「僕も!シンも!フェイトちゃんも!生きている人たちはみんな!!…でも、それでも、生きていくんだ!」両腕をクロスさせ、左のフリーダムで右の、右のフリーダムで左のドラグーンを撃ち落とす。
「どんなに辛くても、悲しくても、夢の中なら幸せだから、平穏だから…。そうやって逃げてちゃ駄目なんだよ!!」
『エクセリオンバスター』「だが…、それは…大きな苦しみを…、深い悲しみを…伴う…。」
闇の書がスターライトブレーカーを発動させる。
「覚悟はある!!」
『ハイマットフルバースト・ドラグーンプラス』
「僕は…戦う!!」
「「シュート!!/当たれぇ!!」」

「なぁ、俺は…本当にここに居ていいのか?」
濃い霧雨の中、シンはマユとステラに問掛ける。
「…シンが…それを望むなら…。」
「お兄ちゃんはここに居たくないの?」
居たい。ずっと、ここに居て、マユとステラと、父さんと、母さんと幸せに暮らしたい。でも…現実じゃない。
「でも…この世界は…。マユも、ステラも、父さんも、母さんも…みんな…夢…なんだろ?」
マユの頬に…、ステラの頬に触れる。ステラもマユもうつむくだけだった。
「…ステラは…夢でもいい…。シンと、一緒が…。
だから…行こう…。シンが望んだ…あったかい世界に…。」
ステラは歩き出す。真っ白な景色の中を。
俺は…もう、疲れた…かな。
このまま、この世界で、夢で、家族とステラと永遠の時を過ごすのも悪くはない。シンは、ステラを追って歩き出した。
188シンとヤマトの神隠し:2007/02/07(水) 07:12:26 ID:???
はやては、暗闇の中で闇の書と会話をしていた。
眠れば、騎士たちと平和に暮らせる。
あの楽しかった日々が戻る。けれど、それは現実ではない。だから、はやては拒んだ。
「せやけど、それはただの夢や!」
眠りかけていた、はやての意識が覚醒し、はやての足下に真っ白な純白の魔法刃が展開された。

シンは歩く、ステラの元へ行くために、家族を…幸せを取り戻すために。
だが…袖を引っ張られ、歩みをやめた。
マユだった。
「…やっぱ…、駄目だよ…。お兄ちゃ…。」
うつ向いたままの姿勢から顔をあげるマユ。
「…何で…だよ。俺は…マユと…家族と、ステラと一緒に居たい!これからも、ずっと…。もう苦しいのは、悲しいのは嫌だ!」
「お兄ちゃん!!」
マユが声を張り上げる。
「お兄ちゃん…決心したじゃない…。前を見るって、前を向いて歩くって…、過去に捕われては駄目だって…。」
マユの、シンの頬をポロポロと涙が伝う。
「…お兄ちゃ…ひっく…の帰りを…待ってる人たちが…居るんだよ?
元の世界にも…こっちの世界にも…。」
「…シン…これ…。」
ステラが手を伸ばし、シンの手をとって何かを握らせる。握らされた手を開くと、デスティニーだった。
シンの中で止まっていた時間が動き出す。マユの死を、ステラの死を受け止める。
認めたくない現実を受け止める。過去が取り戻せないものだと知る。
涙が溢れた。歯をくいしばり、声を殺そうとするが…それは鳴咽となって外に漏れる。
「うぅぅぅ…うぅ…うっ…」膝をついて、マユとステラを抱き締める。
「ごめん…守ってあげられなくて…、守ってやるはずだったのに…、守ってやれなかった。
死なせてしまった…。」
マユが、ステラが、そっとシンの体を抱き締める。
「…ステラ…ちゃんとシンから昨日をもらったよ。」
「…お兄ちゃん…もういいよ…。ありがとう…。マユも…ひぐ…ちゃんと昨日をもらったから…。」
マユとステラの体が徐々に薄くなっていく。
そんな光景みたくない。だが、これが最後の別れだ。涙でくしゃくしゃになった顔をあげるシン。
「…ありがとう…シン…。」「…現実でも、こうやって暮らせたら…よかったね…。…ごめんね、お兄ちゃん…それから、ありがとう。」
そう言い残し、二人は光となって消えた。
「…マユ…ステラ…、ありが…とう…。」
そして、ありったけの大声を空に向かって張り上げた。
189シンとヤマトの神隠し:2007/02/07(水) 07:17:33 ID:???
次回につづきます。
感動するな文は書けませんでしたが、とりあえず、これでシンは闇の書から脱出します。
そして、最終決戦に移行する予定です。

シンとヤマトの神隠し、あとニ話か三話で最終回となります。
ここまで付き合ってくださった皆さま方、もう少し、お付き合いしてくだされば幸いです。
190通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 08:15:41 ID:???
GJです!
なんかちょっとウルッときた・・・
後2、3話か・・・シンとキラはCEに帰ってしまうのだろうか・・・
191通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 08:52:45 ID:???
ぶっちゃけ、違和感はある。
だけど、それでもウルッときた。
神隠し氏、GJ!


……あれ?
CE世界に帰れるとしたら、シンもキラの生身での戦闘力が桁違いに。
192シンとヤマトの神隠し:2007/02/07(水) 09:24:42 ID:???
最終回は三つ用意してありますが、まだどれにするか決めてません。
うち一つは、ストライカーズに続けようとして考えたものです。
ストライカーズは始まりまで期間が相当あるので、連載開始がかなり遅れると思います。その間はエースとストライカーズの間のオリジナルの話(主にほのぼの)を書こうと思ってますが、引き際も大事だと考えてます。
よろしければ、ご意見の方をお願いしたいのですが…。
193黒い波動:2007/02/07(水) 12:09:22 ID:???
「くっそぉぉぉ!」
 体を覆う瓦礫をどける。
(ビルに突っ込んだときはさすがにやばいと思ったけど。これがバリアジャケットの性能か)
 大穴の空いた天井を見上げると、さっきの男はユーノに向かって攻撃し始めていた。
(あそこには、なのはちゃんが)
 震える膝を叱咤しなんとか立ち上がる。
「このままで、終われるかよ」
『反撃開始ですね?』
「ああ。ブラスト、いけるか?」
『もちろんです』
「いくぞ!」
 魔力はまだまだ尽きる事は無い。さっきの戦いは言うなれば第一ラウンドだ。勝負はまだ序盤。
(さっきの一撃だって、あれは俺の集中力不足が招いたにすぎない……はずだ)
 あのときの警告。非殺傷機能の解除。一瞬、何かに戻ったような不快な感覚。
(不安要素はあるけど、それでも!)
 砲撃戦用に換装し、俺は目標に狙いを定める。
 見ると、ユーノはあの男と同じ、拘束の魔法と防御をうまく駆使して耐えているみたいだが、どの道敗れるのは時間の問題だろう。
『ケルベロス』
 若干威力は弱めに、俺は魔力塊を解き放つ。
 ビルから天に光の柱が建つ。
 さすがにこの段階にもなれば、敵もこちらの攻撃に気付く。軽々と避けたつもりだろうが、それは間違いなく油断からくる動きだ。
『拡散』
 インパルスの追加詠唱。それと同時に、光は三つに枝分かれする。
 それに対応して、大きく回避動作をとった男に幾重ものバインドが絡みつく。
 男の隙をユーノが見逃さなかったのだ。
(もらった)
 再び、魔力をチャージする。が、初撃とは違い、今度はフルパワーだ。
「こいつで!トドメだ!」
 再び、空に光の柱が建つ。だが、今度の光は真っ直ぐ敵へと突き刺さる。
 徐々に弱まっていく輝き。光の消えた先には
「いない?」
『転移の痕跡があります。逃げられましたね』
「……」
 違和感がある。あの状況で逃走を選択するだろうか。仮にもユーノに捕縛されていたはずだ。自ら転移など行えないだろう。だとすると。
「転移させた魔導師がいるのか?」
 少なくともまだ敵はいるということだ。
 今回の戦闘はおかしな点が多い。特に、あの時の感覚。だが、それを気にするのはこの状況を切り抜けてからでも遅くはない。
 俺は、なのはちゃんたちと合流するために空へと飛んだ。
194黒い波動:2007/02/07(水) 12:10:08 ID:???
「サンキュ。いいタイミングの援護だったよ」
「こちらのほうこそ助かりました」
 俺たちは互いに礼を言いながら、さきほどの転移のことについて考える。
「僕達側はこの結界に阻まれて転移する事はできません」
 そう言って、ユーノは空を見上げる。そこは不気味な色をした結界で覆われていた。
「あの結界をどうにかしなきゃいけないのか?」
「ええ。でもあれを打ち抜くには高威力の攻撃が必要です。例えば」
 そう言いかけ、ユーノはなのはちゃんをチラッと見やる。
 おそらくあの子には可能と言うことだろう。だが、今の彼女に無理はさせられない。
「とりあえずは、フェイトたちと合流したいな」
「そうですね」
 どうやら手詰まりだ。先の会話から結界を打ち抜くのは自分のケルベロスでも駄目らしい事は察しがついている。
「……フェイト、アルフ」
 どこともしれない彼女達。胸騒ぎがする。
「フェイト、早く」
 戻って来い。そう思いながら、俺は空を見上げていた。


(!何だ、この感覚は)
 突然感じた不思議な感覚に、僕は手伝いの手を止める。
「どうしたん?」
 はやてちゃんが問いかけてくるが、僕はそれに曖昧に答えて、再び手を動かし始める。
(あの感覚は)
 かつての戦争で感じたことのあるもの。
(彼が、こんなところにいるはずがない)
 そう。彼は前大戦で僕が殺したのだ。
(気のせいに違いない)
 心のどこかでそれを否定するが、どのみち今ははやてちゃんのもとを離れるわけにはいかない。
(……)
 彼のことが気になりながらも、僕ははやてちゃんと一緒に料理を進めていった。
195黒い波動:2007/02/07(水) 12:10:55 ID:???
 懐かしくも忌々しい感覚を意識の隅に捉えながら、私は結界内へと侵入する。
「プロビデンス。捜せ」
『了解』
 低い男の声と共に、周囲に自立機動のユニットが漂い始める。
 ドラグーンと名づけたのは、あちらの世界で最後に乗った機体と何もかもが似ているこのデバイスとやらからだ。最も、使い勝手は比較にはならない。
『ドラクーン、探知モード』
 辺りへと飛び散っていくドラグーンを見ながら、この後受けるであろう叱責にため息をつく。
 シン・アスカへの無断干渉は厳禁。それを破ったのだから、当然彼は怒るだろう。
『対象を発見。リンカーコアを抜き取られている最中のようです。どういたしますか?』
 ドラグーンの一基が彼女を見つけたようだ。
「構わん。騎士の蒐集行為を待ってから行くぞ」
 運命の歯車は回り始めている。この世界でどのような運命を紡げるのか。
「期待を裏切らないでくれよ。シン・アスカ」
 後に待つ喜劇を思い、私はその身を震わせた。


「やっぱりこっちから捜し始めるか?」
 あまりに遅いフェイトの帰りに不安は頂点に達する。
「うーん、でもそうする……!?」
「!」
「何!?」
 空を見れば、結界が徐々に解け始めていた。
「フェイトが術者を倒したのか?」
「分からない。でもそうとしか」
 しばらくすると結界は完全に解けてしまっていた。
「みんな聞こえる?」
「エイミィ?」
 アースラとの通信も回復したようだ。これで一安心か。
「そっちでフェイトの位置を特定してくれ」
「それが大変なんだよ。フェイトちゃんが」
 エイミィから伝えられた言葉。
 それは。
196黒い波動:2007/02/07(水) 12:12:08 ID:???
「クルーゼ!貴様何を考えている!」
 地球から帰還して早々。私の鼓膜を破るような声で怒鳴りつけてくる男を見ながら、私は笑いを堪えていた。
「どうしたのです?」
「まだ発動させるには早すぎるはずだ!それなのに何故干渉した!」
「どうしても何も、慣らしておく必要があると思いまして」
 提督はどうやら冷静に戻ったらしく、私の差し出したお茶を飲み、
「だからと言って、この時期には早すぎるのではないか?予定では闇の書の起動寸前でも良いということではないのか?」
 未だ鋭い眼差しを向ける提督。
「それはそうなのですが。寸前に過負荷で暴走すらしなかったら……あなたの長年の願いも水の泡になってしまいますからね」
 こちらの答えに提督は少々思案したようだが、やがて
「あの戦闘にも関与したそうだな。そちらは不問としておいてやる。次からは勝手な真似をすることは許さんぞ」
 そう言って、部屋から出て行った。
 まったく。一つのことに囚われた人間というのはこうも愚かな者とは。自分と似ているところに、つい苦笑してしまう。
 あのような仕掛けを行える機会はもうないだろう。
(だが、切り札はもう私だけのものだ。あとは)
 最後のピース。
 忌々しいことに、それは過去私を討った男。
(これもまた運命だよ。キラ・ヤマト)
197黒い波動:2007/02/07(水) 12:16:42 ID:???
神隠し氏
いやー、最近の興奮する展開の連続、楽しんで読ませていただいております。ストライカーズに続く、いいですね。

自分の話の方ですが、段々原作から逸れていきます。ですが、話の大筋は変わりませんし、最後はハッピーエンドのつもりなので。
再試が近付き、投下感覚は長くはなりますが、何とか忘れないでいてやってください。
198黒い波動:2007/02/07(水) 12:19:14 ID:???
あ、ちなみに第二話はこれで終了です。第三話はクルーゼがあの戦闘でなにをしたのか、というところから始まります。
199通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 12:41:40 ID:???
>>神隠し氏
ここはマルチエンディング方式で、3パターンとも……
ぜいたくかw


>>黒い波動氏
乙なの!
考えて戦ってるシンがカッコヨス

今回の話では読み手としては置いてきぼり感があるので、次回に期待して待ってます。
200通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 12:58:22 ID:???
黒い波動氏、乙です!
これからの展開にかなり期待してます。
闇の書の改悪されたプログラムがクルーゼという設定で私も出そうとしたんですけど、駄目でした。
201黒い波動:2007/02/07(水) 12:59:18 ID:???
最後のクルーゼと提督の会話ですが、聞かなかったことにしてください。
あれは第三話で入る予定のものです。間違えた。ごめんなさい。
202通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 13:35:30 ID:???
てか、フェイトが激しく心配だ……
203通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 16:29:18 ID:FScuIJxh
>>神隠し氏

ストライカーズに続くということは
やっぱりキラとシンの恋愛フラグは立つんですか?
204通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 16:36:19 ID:???
BLは勘弁して
205通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 17:23:32 ID:FScuIJxh
いえいえ
キラとシンがではなくて
キラとシンがなのは達の誰かがという意味です
誤解を招いてすみません
206通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 17:24:48 ID:???
それはもっと勘弁して欲しい
207通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 18:09:07 ID:???
もれは賛成派だな…
それはそれでアリなきがする。
208シンとヤマトの神隠し:2007/02/07(水) 18:16:51 ID:???
その編はまだ考えてないですが、ただ、機動六課に関係していくと思います。
シンもキラもエースから十年後になりますからねぇ…。
多分、キラはライトニング分隊。主に、シグナムとフェイトの援護。シンはスターズ分隊に分けられると思います。主になのはとヴィータの援護。
魔導士ランクはシンが空戦S┼、キラが総合S┼か?
209通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 18:30:08 ID:???
待った。それじゃあシンとキラは二十○歳になっているということか?
210通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 18:37:50 ID:???
たぶんエースコンバットのピクシーみたいな渋い男に成長してるのさ
211通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 18:43:24 ID:???
ストライカーズが十年後の話だからな、そうなるだろーよ。
三十前のおっさん?
212通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 18:59:04 ID:???
まぁなのはと年の差10〜7歳差だからな…
213通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 19:01:02 ID:???
神隠しA's編(?)のラストで、シンとキラが凍結封印的な目(デュランダルの制御失敗とか)に合う
→10年後に起きた事件に連動して封印解除
→なのは達とキラシンが同年代に


妄想、スマソ
吊ってくるわ
214通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 19:05:39 ID:???
>>210
見たいような見たくないような…
てか渋い男ならいるじゃないか。なのh…あれ?なんか窓の向こうがピンク色…
215通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 19:06:01 ID:???
いやイイ考えだ

一度戻せたが、十年後また19歳のままのキラ達が戻ってくるとか・・・。
さっきは子供だったフェイト達の成長に驚くキラ達…


ごめん漏れも吊ってくる
216通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 19:20:24 ID:???
魔法ランクもAAA前後のままのほうが
なのは達とスバル達の中間ぐらいで、バランス良いかも
217通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 19:43:36 ID:???
ロストロギアとかの影響(寄生?)で体の成長が止まり、なのは達が15、6歳くらいになった頃にようやく解ける


・・・やっぱ無理あるか。
218通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 20:29:40 ID:???
「やっぱ俺、ロリコンだったみたいでさ。
 あいつの綺麗な体知っちまったら、あんたなんか薄汚くて抱く気にもなれねぇんだよ、ババァ!!」


な感じに覚醒すればスレ違いスマソ
219通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 21:00:55 ID:???
そこは、某流派の逆刃刀遣いと同様コーディネイターにもそのスキルがあるってことで…。
220シンとヤマトの神隠し:2007/02/07(水) 21:43:31 ID:???
C.E.となのはたちの世界の時間の流れが違うとかどうでしょう?
221通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 22:01:15 ID:???
なのはの世界はCEの三倍の時間で進む…

するとなのは19歳のときシン19歳 キラ&アスラン21歳
すばらしい一致じゃないか
222通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 22:06:01 ID:???
とらは世界には成人した子供が居るとは思えない外見の人達も居るがw
223通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 23:03:43 ID:Zh4Qtm87
CEの世界に戻したはずなのに、手違いで未来に送った
というオチは流石にないですよね〜
それはそれとして、間の話にはキラ達も参加するんでしょうか?
個人的にはしてほしいですね。
エピローグにあった6年後あたりなら年齢は微妙ですね
キラのスーパーコーディネイター特性って生きてるのかな〜
224通常の名無しさんの3倍:2007/02/08(木) 00:04:25 ID:???
てか、何?
この『神隠し、続編決定!』な流れはw
225通常の名無しさんの3倍:2007/02/08(木) 00:24:05 ID:???
前スレまだ残ってるんだが、埋めないのか?
226通常の名無しさんの3倍:2007/02/08(木) 01:57:14 ID:???
227通常の名無しさんの3倍:2007/02/08(木) 02:46:20 ID:???
機動戦士リリカルガンダム公開中止。
あいつらはなのはキャラの名を被ったオリキャラ以外の何者にもなりませんでした。
228通常の名無しさんの3倍:2007/02/08(木) 02:47:42 ID:???
おぃお〜ぃ!
期待させといてそれかよw
229通常の名無しさんの3倍:2007/02/08(木) 13:02:18 ID:???
>>228
どうせ釣りだったんだろうよw
230ガンダムし〜どD´s:2007/02/08(木) 19:30:21 ID:???
後編が出来たので投下します。

機動戦士ガンダムし〜どD´s第18話後編

シン達が昼食に選んだ場所は、簡単に言えばファミリーレストランのようなものである。
二人の好みが解らないからいろいろあるこういう店にしようということになった。
店内は流石に満席ではないが、シンたちと同じようなことを考えている人たちがかなりいた。
早めに来て良かったと思い、席を決めようとしたら。
「あ、美由希さんとシン」
振り向くとアリサの家族がいた。
どうやらアリサの家族もシンたちと同じことを考えていたらしい。
「私達も今来たばかりだ。どうせなら君達も一緒にどうだい?食事も私がおごろう」
一緒に食事はともかく、流石におごってもらうのが気が引けるのだが……
「私が忙しい間、娘がお世話になりっぱなしでね。ちょっとしたお礼でもとおもったのだが」
けど、それはなのはで自分達ではない。
だがバーンは続ける。
「それに、シン君だったかな?娘から危ないところを助けてくれたと聞いたが?」
それをきかれて「え?」と考えるシン。
「ほら、守ってくれたじゃない、あの時」
そういわれてみれば、と思い出す。
以前の戦闘のとき、一応は彼女を傀儡兵から守ったことになる。
ふとここで思う。
(あいつ、魔法のことしゃべったのか?)
そんなこと、普通子供から聞いて信じるわけが……
そこで、アリサの母親が言う。
「確かあなたは、ロボットのパイロットなのでしょう?」
……信じてるよこの人……いやまあ事実だけど……
「だからそのお詫びとしてもね」
そこまでいわれて、結局食事をおごってもらうことになった二人であった。

新しくお客さんが着たので、なのはは「いらっしゃいませ」といい客のほうを見ると、少し驚いた。
自分と同じ年頃の女の子が一人でやってきたのだ。
その女の子は少し迷いながら席に着き、メニューを見る。
流石に小学生の女の子が一人で来たのが不思議に思って、桃子が水を運んですこし話を聞くことにした。
「お一人ですか?それともほかの人が後から来るのですか?」
流石に言われている意味が分かったマユは答える。
確かに考えてみれば、自分みたいな子供が一人でこういうお店に入るのはおかしい。
「あ、一人です」
正直に一人で来たことを告げたが、予想外の言葉に戸惑った桃子。
とりあえず一人で来た理由を言うマユ。
「えと、出かけるときは一緒だったんですけど…その人がなんか用事を思い出して、それで私ひとりで……」
大体のことをいって、桃子がそう、といちおう納得してくれたようだ。
そのあとマユはランチセットを頼んだ。
しばらくして、頼んだメニューが到着して、口に入れる。
いつも食事は、プレシアの身辺の管理をしている彼女の使い魔が料理をしている。
その人(人といっていいのか微妙だけど…人型なのでまあべつにいっか)が作る料理もそこそこおいしいが、この店の料理はさらにおいしかった。
231ガンダムし〜どD´s:2007/02/08(木) 19:31:29 ID:???
昼食を食べながら、ふと駅を見る。
目の前の駅はクルーゼとの待ち合わせ場所なのだが、まだクルーゼが帰ってきそうな気配が無い。
彼は別のところで昼食をとるといったのだから、おそらく時間がかかるのだろう。
そう思いながらマユは食事を続けた。
食事をしていると、さっき注文を聞きに来た女性が話しかけてきた。
「ちょっといいかしら?」
なんだろうと思い女性のほうを向くマユ。
「さっき言ってたけどその後から来る人ってここで待ち合わせしてるの?それとも別のところ?」
そういわれてマユは話す。
「えーと、一応駅前で待ち合わせすることになって…いつ戻ってくるかはわかりませんけど」
そう……と桃子が悩む桃子。
すると、士郎が後ろから答える。
「じゃあ、その人が来るまでここで待ってたらどうかな?ちょうど駅も見えるし」
いきなりのことで戸惑い、どうしようかと思った。
「流石に小学生一人を駅で待たせるなんて出来ないしね」
そこまでいわれて、ありがたく好意に甘えさせてもらうことにした。
「なのは」
士郎に言われて、なのはがくる。
「しばらくこのこと皆でお話しておいで」
そういい、なのははマユをフェイトたちのところへ案内した。

「どうもご馳走様でした」
シンと美由希はバーンに挨拶をして、アリサたちと別れ、二人はとりあえずさっき乗ろうとしたアトラクションのところに行くことにした。
運よくあまりまたされずに乗ることが出来た。
そして、何回かアトラクションにのり、時間も夕暮れにさしかかろうとしていた。
「ずっとこんなのに乗ってくると、流石に飽きるな」
最初にのったのはすごかったが、軍人であるシンにとっては、訓練などの対G訓練やMSシュミレーションなどで既に馴れている。
……もっと楽しもうよといわれたそれでおしまいだが……
「嘘……私もう無理」
一方美由希は連続での絶叫アトラクションですでにへばっている。
だが、なんかまだ帰るのも早いと思っていて、どうしようか迷う
そこでシンはじゃあ最後にと乗ったのが観覧車だった。
……別にこの前シャマルが見てたドラマと同じようにしてたってわけじゃないけど……
二人は観覧車に乗って、あたりの景色を見渡す。
そこにはあたりが夕焼けに染まる景色が移る。
「綺麗……」
美由希は食い入るようにその景色を見る。
確かに、デートの最後をしめくくるにはぴったりである。
一方シンは、その景色をある記憶と重ねる。
それは、シンが今回以前にテーマパークに来たときの記憶であった。
あの時は家族がまだ生きているときで、今回と同じように最後に家族みんなが乗っていて、夕焼けがオーブの町を赤く染めていた。
(似てるな……)
自分達が住んでいた、まだ好きだと感じていたオーブ、そしてなのはたちが今いる国。
シンはこの国が何故かどこか似ている感じがした。
美由希はいつの間にかそんなシンを見ていた。
232ガンダムし〜どD´s:2007/02/08(木) 19:32:34 ID:???
そして思う
(たまにはこっちからいってみようかな……)
そして、彼女は意を決したように顔を上げる。
「ねえ……隣に座ってもいい?」
いきなりの言葉にびっくりしたが、シンは美由紀を隣に座らせる。
観覧車なのであまり広くなく、二人はほぼ密着しているようなものであった。
お互い何か恥ずかしそうにしている。
だが、そうこういているうちに、観覧車もだんだん降りてきていった。
美由希は勇気を振り絞って自分の思いを伝えようとする。
「ねえ、シン……」
また呼ばれて、ん?とシンは美由希を見る。
えーと…とまだ一歩を踏み出せない美由希。
その美由希の行動を不思議そうに見るシン。
「またこれたらこようね」
そういってしまい、自分は心でため息をつく。
そして観覧車を降りた二人。
もう日をくれかけていた。
「いろいろ忙しかったけど……楽しかったな……まだ園内出てないけど」
シンの言葉にそうだね、と返事をする美由希。
そして気付く。
「そういえば、あいつらに土産買ってかないとな……ヴィータがやかましい」
シンがそういって、美由希も家族やチケットをくれた友人に何か買わないといけないと思い、二人でそれぞれ土産を飼うことにした。

「私は高町なのは」
なのははマユに自己紹介をする。
「私、マユ」
マユも名前だけ自己紹介をする。
マユはなのはに店のテラスに連れられた。
そこに、複数の女性が話をしていて、なのははその群れの中に入っていった。
「なのはちゃん。その子は?」
すずかは、なのはが自分達が知らない人を連れてきて、それが誰なのかを聞く。
「このこは…一人でうちに来て、駅前で誰かと待ち合わせしてたんだけど……駅前で女の子一人じゃ危ないからここで皆と一緒にいようって事になって」
このテラスも、駅前からも見えるためすぐにわかるというもの利便である。
「こんにちわ。マユ・アスカです」
マユはここで初めてフルネームで自己紹介する。
ふと、フェイトは今マユが来ている服に見覚えがあった。あの服は、自分がプレシアといたときに着ていた服。
それを何故彼女が……
「あの……私がどうかしたんですか?」
マユはそんなフェイトを不思議に見る。
「あ、ごめん……私はフェイト・テスタロッサ。この子はアルフ」
フェイトは子犬形態のアルフの頭をなでながら紹介する。
フェイトの名前を聞いて、今度はマユは驚く。
233ガンダムし〜どD´s:2007/02/08(木) 19:34:31 ID:???
(テスタロッサって……プレシアさんの?…)
確かに、良く見ればこのフェイトという少女は、プレシアの娘アリシアとそっくりである。
だが、それはあまりにも偶然過ぎると思い、そのことは今は忘れることにした。
そのことを、またプレシアにでも聞いておこうと思って。
「うちは八神はやてで、この子達は…」
「あたしはヴィータ。そんでこいつがザフィーラ」
「私はシグナムだ」
「私はシャマルです」
はやてたちも自己紹介をする。
ふと、はやてはマユに聞く。
「マユちゃん。苗字がアスカっていうんやな」
はやての問いにそうだよ、とこたえるはやて。
「うちにもう一人男の子がおるんやけど、その子もアスカって苗字」
自分の同じ苗字の人物に、マユは興味を持った。
「え?そうなんですか?」
「うん。男の子やけど、名前はシン」
それを聞いて、え?というマユ。
「私のお兄ちゃんもシンって名前だけど?」
それを聞いて、全員がへ?といった感じでマユを見る。
「シンの妹もマユって名前や」
それを聞いて、またもやマユがえ?といった感じの顔をする。
そういえば、以前シンの携帯電話を見たとき、少女の姿が映っていたが、その携帯の少女のマユと目の前の少女マユはそっくりというか、ほとんど本人のような感じである。
しかし……
「けど、もうシンの家族はおらんって、ちょっとしたことがあって亡くなって……」
それを聞いてマユも暗い顔をする……
「私も、私以外の家族、全員事故で…マユだけが助かって……」
さらにマユはある程度嘘を混ぜながら続ける
「それで、その時のショックで、家族の顔がどうしても思い浮かばないの……」
あれからたまに思い出そうと試みたが、どうしても家族の顔が思い出せない。
それを聞いて、しまった、といけない話題を踏んでしまったと思った一同。
「で、でも、きっとそのうち思い出せるよ」
菜の葉の言葉を聞いてそうだね、というマユ。
そうだ、まだ時間はある。ゆっくりと思い出せばいい。
「それにしても、シン君とマユちゃんって似てるところ多いね、一回あってみる?」
などはなしていたそのときだった。
「マユ」
ふと、自分を呼ぶ声が聞こえたので振り向くと、そこにはクルーゼがいた。
「あ、クルーゼさん」
そういってマユはクルーゼの元へ行く。
逆になのはたちは、クルーゼにあっけにとられる。
そして全員がこう思った
234ガンダムし〜どD´s:2007/02/08(木) 19:35:33 ID:???
(あやしい……)
変わったサングラス、おそらくマユのものであろう買い物袋をもっている。
一瞬(あんたロリコン)と突っ込んでしまいそうである。
さらに、なのはたちのほうを見ると、不意に笑っていた。
しかもその笑いは、なのはたちというよりフェイトに向けられたような気がしたが、本人は気にしないようにした。
気にしたら夢に出る。
これがマユの知り合いじゃなければ即刻警察に通報していただろう。
「そろそろ時間だ、戻るぞ」
簡単な内容だけ言ってそばを後にした。
眉はクルーゼについていこうとしたが、すぐになのはたちのところにむかって。
「話とか面白かったよ、また合えたらまた遊ぼう」
そういってすぐにクルーゼのところに戻っていった。

クルーゼは、さっきふと笑ったことを自重する。
だが、笑わずにはいられない。
駅に行ってマユと合流しようと思えば、喫茶店のテラスで少女達と話をしていた。
そして見つけた。いや、見つけてしまった。
自分と同じ存在、フェイト・テスタロッサを。
あれからマユから話を聞き、なおさら間違いないと確信する。
自分という存在に逃げ、隠して生きている愚かな存在を……

「ただいまー」
シンが戻ってきたのは7時を回ったくらいの時だった。
真の声が聞こえて、台所からはやての「おかえり」というこえがきこえてくる。
居間に戻ると、シンは荷物を机に置く。
荷物といってもほとんどが土産なのだが……
それを見て、ヴィータがはしゃぐ。
「何買ってきたんだ?」
しょうがない、といった感じでシンは土産袋の一つを取ってヴィータに渡した。
ヴィータは早速袋を開けると、そこは海鳴ランドのイメージキャラクターのぬいぐるみだった。
ヴィータはそれを見て満面の笑みを
「何が良かったかわからなかったけど、それでよかったか?」
ああ!とヴィータが喜ぶ。
そして、あることに気付いたヴィータはすぐに自分の部屋(といってもはやてと同室)に戻ってきた。
その五分後、ヴィータはバリアジャケットに着替えてシン達の前に現れた。
だが、それは以前と全然変わってなく、どこがどう変わったか気付くのに少し時間がかかった。
235ガンダムし〜どD´s:2007/02/08(木) 19:39:18 ID:???
「頭にあるぬいぐるみが増えてる?」
防止に伝いるぬいぐるみの隣に、シンがかったぬいぐるみがつけられていた。
(それって喜んでいいのか?)
シンの心境は複雑なことこの上ない。
「そういえば今日……」
はやては昼に会ったことを話した。
マユ・アスカという少女に出会ったこと。
シンの携帯に移っていたマユと瓜二つで、彼女も家族を失っていたこと。
「似てるひとっているんだな」
流石に誰も思わないだろう、そのマユこそが、シンの妹のマユだったことに。

18話後編投下完了。
いきなりですみません。
次回は以前言ったとおり道場の戦いです。
出来れば恭也、シグナム、フェイトの3人以外の戦いを加えたいと思います。
236通常の名無しさんの3倍:2007/02/08(木) 22:59:35 ID:???
GJ!!

金髪サングラスでろりこん疑惑がついたら、どこぞの総帥と変わらないwwwwwww
237通常の名無しさんの3倍:2007/02/08(木) 23:15:08 ID:???
シンとレイそしておっさん(笑)が戦闘に参加できるかきになるところだなw
238シンとヤマトの神隠し:2007/02/09(金) 08:29:45 ID:???
「名前をあげる。」
暗闇のなか、闇の書の両の頬に、はやては手を触れる。膝まづく闇の書。
「もう、闇の書とか、呪いの魔導書なんて言わせへん。私が呼ばせへん!
私は管理者や、私にはそれが出来る。」
「無理です。自動防御プログラムがとまりません。管理局の魔導士と異世界の魔導士が戦ってますが…それも…。」
そんな闇の書の言葉を無視し、はやては目を閉じ、強く念じる。
「止まって…!!」

「…くっ……。」
キラの顎を汗が伝う。バリアジャケットはところどころ損傷していた。
なのはもキラと同様、疲労し、息を切らしていた。
駄目だ…。…きりがない。攻撃が当たっているはずなのに、闇の書はそんなそぶりを全く見せない。
終りが見えない。
それがなのはとキラの疲労を加速させていた。
闇の書が再び、キラとなのはを襲おうとしたとき、その動作がまるで電池が切れた玩具のように突然止まる。そして
『外の方!管理局の方!!私はそこにいる子の保護者の八神はやていいます。』
「「はやてちゃん!?」」
『その声は、なのはちゃんとキラ君?なんでなのはちゃんがここに?キラ君、自分の世界に帰ったとちゃうん?』
「うん、なのはだよ。色々あって闇の書さんと戦ってるの!」
「話すと長くなるから…、それよりはやてちゃん!」キラが促す。
『ごめん、二人とも、なんとかその子とめたげてくれる?
魔導書本体からのコントロールを切り離したんやけど、その子がああしてると、管理者権限が使えへん。今そっちに出てるのは自動行動の防御プログラムだけやから…。』

なのはとキラが押されていることを管理局から知らされた、ユーノとアルフ。
その援護に向かっている途中ではやての言葉を聞いた。
「闇の書完成後に管理者が目覚めてる…これなら…!なのは!」

「(分かりやすく伝えるよ!今から言うことををなのはができれば、はやてもフェイトもシン君も外に出られる!
どんな方法でもいい、目の前の子を魔力ダメージでぶっとばして!!
全力全開、手加減なしで!!)」
そのあまりに簡単な方法になのはは笑う。
「さっすがユーノ君、わっかりやすい!!」
『It's so...』
動けない闇の書の自動防御プログラムに変わり、海面下からたくさんの触手が姿を現す。
「キラ君!お願い!!」
「うん!!」
239シンとヤマトの神隠し:2007/02/09(金) 08:33:33 ID:???
「行くよ!フリーダム!!ターゲットマルチロック」『ハイマットフルバースト・バラエーナ・プラス』
左右のフリーダムから弾き飛ばされる四発の薬筒。
防御プログラム以外の触手を全てロックする。
キラは両手のフリーダムを大きく振りかぶり、狙いをつけた。
同時に発射される六本の魔力の奔流が触手を根刮吹き飛ばす。
「エクセリオンバスターバレル展開、中距離砲撃モード!!」
『All Right, バレルショット』
柄が伸び、レイジングハート本体から桜色のつばさが生える。
そして、魔力による衝撃波を放った。防御プログラムの自由を強制的に奪う。

「夜天の主の名において、新たな名前を汝に贈る…。強く支えるもの、幸運の追い風、祝福のエール…リィン・フォース」
はやての真っ白な魔法陣が輝きを増した。

一方、フェイトも、自分の望んだ世界に、アリシアに、プレシアに、リニスに別れを告げていた。
「バルディッシュ…ここから出るよ。ザンバーフォーム…いける?」
『Yes, sir』
「…いい子だ…。」
バルディッシュを掲げ、バリアジャケットを装着する。両手でしっかりと柄を握るフェイト。
『ザンバーフォーム』
カートリッジを二発消費することでバルディッシュは大剣に姿を変えた。
魔力が具現化できるまでに高められた紫電を帯た太い魔力刃。
フェイトは魔法陣を展開した。

ステラから受け取ったデスティニーを大事に胸に抱き締め、しゃがみこんでいたシンは立ち上がる。
もう…、いいだけ泣いた。目を拭い、空を仰ぐシン。霧雨が、優しく、熱くなった目頭を冷ます。
両親の顔を、マユの顔を、ステラの顔を思い浮かべる。
さようなら…。
自分の過去に別れを告げる。もちろん、忘れるわけではない。
もう、二度と、恨んでも憎んでも、どんなことをしても取り戻せないものだと、変えられないことだと理解することだ。
そして…ありがとう。
自分の背中を、前に踏み出すことが出来なかった自分の後押しをしてくれたマユとステラにもう一度だけ礼を言う。
「…ふぅっ!」
息を大きく吐き出し、泣いて乱れた呼吸を落ち着かせる。
「…行こう、デスティニー、闇の書の運命を変えるために…。繰り返される悲しみの連鎖を断ち切るために!」
そして…、自分のこれから運命を、未来を切り開く為に…。
『Destiny Form Final Plus』
青と白がベースのバリアジャケットを装着し、両手にはニ刀のアロンダイト。
背中には緋色の翼。
『ダブルケルベロス』
緋色の魔法陣が展開。両アロンダイトの柄が伸び、それを腕と間接を使って固定する。
切っ先に収束して行く魔力が巨大な塊になった。
240シンとヤマトの神隠し:2007/02/09(金) 08:35:51 ID:???
「エクセリオンバスターフォースバースト!!」
なのはの言葉と共にレイジングハートから蒸気が排出される。
そして形成された魔力の塊が輝きを増し、巨大化していく。
なのは一呼吸を置いて叫ぶ。
『ブレイクシュート!!
スプライトザンバー!!
吠えろ!!ケルベロス!!』
内部空間のフェイト、シン、そして、外部のなのはが同時に繰り出す攻撃。
レイジングハートから発射されたエクセリオンバスターは4つに別れ、たった一人のターゲットへと向かい直撃する。
桜色の光に飲まれ、そしてその光を貫くように天に伸びる一本の金色の閃光と二本の緋色の閃光。

『新名称、リィンフォースを認識。管理者権限の使用が可能になります。
ですが、防御プログラムの暴走がとまりません。
管理から切り放された膨大な力が、直、暴れだします。』
明るい光に包まれるはやてにリィンフォースが状況を説明する。
「…ぅん、まぁ、それは何とかしよう。」
本形態のリィンフォースがはやての前に現れる。
「いこか…、リィンフォース…。」
『はい、我が主。』
それを胸元に抱き締め、はやては純白の光に包まれた。

シンもフェイトも無事に闇の書からの脱出を完了していた。
「フェイト!シン!」
いち早く気づいたアルフが二人の名前を呼ぶ。フェイトはアルフに微笑み、シンに顔を向ける。
「ちゃんと…お別れできた?」
シンも微笑み、頷く。
「フェイトは?」
「うん…、出来たよ。ちゃんと…。」
「そっか…。」
言葉にしなくても、闇の書の中で何をしていたのかは不思議と分かった。
フェイトは一本の大剣バルディッシュを構え、シンは二本の長剣アロンダイトを構えた。
まだ、終わってはいない。空間が震動する。
『みんな気を付けて、闇の書の反応、消えてないよ!』

アースラ。
「さぁ、ここからが本番よ!クロノ!」
『はい、もう現場につきます。』
リンディは小さく息を吐き、自分の手に握っている赤い鍵を見る。
「アルカンシェル…使わずに済めばいいけど…。」
アースラスタッフに緊張が走った。
241シンとヤマトの神隠し:2007/02/09(金) 08:38:36 ID:???
震動は続き、海面にその半分を沈めた、ドス黒い光の塊が姿を現す。
『みんな!下の黒い淀みが暴走の始まる場所になる。クロノ君が現場に到着するまで、むやみに近付いちゃ駄目だよ!』
六者六様の返事をエイミィに返した。

はやては光に包まれながら暴走の妨害と破損したプログラムの修復を行う。
「管理者権限発動…。」
『防衛プログラムの進行に割り込みをかけました。数分程度ですが、暴走開始の遅延ができます。』
「うん…それだけやったら…充分や…。
リンカーコア送還、守護騎士システム…破損修復。」4つのコアが輝きを増し、シャマル、ザフィーラ、ヴィータ、シグナムがその姿を取り戻す。
「おいで、私の騎士たち。」カッ!!
と真っ白な光が輝き、天に地にその光が伸びる。
そのあまりの眩しさに、その場にいる六人、なのは、フェイト、シン、キラ、ユーノ、アルフは目をかばう。
中心に純白の丸い光を残したまま、同色のベルカ式の魔法陣が展開され、そしてその光の球体を守るかの様に、四人の人影が立っていた。
「ヴィータちゃん!?」
「「シグナム!?」」
なのはとフェイト、シンは驚き、キラは緊張で険しかった顔を一瞬緩めたが、すぐに顔を背けた。
「キラ…。」
フェイトが名前を呟く。聞く話によれば、キラは自分との戦闘のあと彼等にコアを抜かれ、管理局に捕まったと言っていた。
また、闇の書の主をかばっていたようだが、それを途中、情報交換を条件とし、管理局に彼等を売ったとも聞いた。キラにも色々と思う所があるのだろう。
「我等、夜天の主の元に集いし騎士。」
シグナム。
「主あるかぎり、我等の魂、つきることなし。」
シャマル。
「この身に命があるかぎり、我等は御身のもとにあり。」
ザフィーラ。
「我等が主…夜天の王八神はやての名のもとに!」
ヴィータ。ここに四人が完全なる復活を宣言した。
242シンとヤマトの神隠し:2007/02/09(金) 08:42:03 ID:???
やがて、光が晴れると、そこには黒い甲冑に身を包んだはやてがいた。
掲げられる、金色の円を貫く十字の杖、そして夜天の魔導書。
「夜天の光よ、我が手に集え!祝福の風、リィンフォース!」
ユニゾンデバイス夜天の魔導書、リィンフォースは漆黒の闇と、対の純白の光を放ち、はやてと融合する。目の色が透き通るブルーに、髪の色が白く染まる。インナースーツにジャケットが追加された。そして背中には六枚の漆黒の翼。
「はやて…。」
今にも泣きそうな顔で、声でヴィータが主の、はやての名を呼ぶ。
「…うん。」
頷き、ヴィータに微笑みかけるはやて。
「すみません…。」
謝るシグナム。
「あの…、はやてちゃん…私達…。」
命令に反した事、そして、こんな事態を巻き起こしてしまったことを詫びようとする騎士達。
「えぇよ、みんな分かってる。リィンフォースが教えてくれた。そやけど…、細かいことはあとや…。今は…おかえり…みんな。」
一番にヴィータがはやてに抱きつく。そして声を上げ、涙を流す。はやての名を何度も、何度も叫びながら…。そんなヴィータをはやては優しく抱き締めた。
そこへ、なのは、フェイト、シンがやって来る。
「なのはちゃん、フェイトちゃん、シン君ごめんなぁ、うちのこ達が色々迷惑かけてもうて…。」
「うぅん。」
となのは。
「平気。」
とフェイト。
「どっちかって言うと、あんた達には礼を言いたいぐらいだ。」
とシンが言って笑った。なるほどと思ったフェイトも笑った。

「よかったね…、はやてちゃん。」
遠巻きに、はやて達を見守るキラは小さく呟いた。フリーダムを腰に下げ、手を楽にする。
「いいの?行かなくて?」
そんなキラを見ていたユーノが言った。
「今は…いいかな…。どんな顔をして…会えばいいか、わかんないし…。」
「…でも…。」
とアルフを見るユーノ。アルフが眉間にシワをよせ、目を閉じている。片方の眉がピクピクしていた。
「…僕は…ッ!?ちょっ…アルフさん?何を……。」突然ジャケットの襟首をアルフに捕まれたキラは
「女々しいこと言ってんじゃないよ!!気になるなら行ってくりゃいいだろぉ!」はやて達の元へブン投げられた。
243シンとヤマトの神隠し:2007/02/09(金) 08:46:43 ID:???
突然のことに対応が遅れたが、翼を展開して、慌てて静止するキラ。
だが、目の前にはシンの後頭部があった。
背後の気配に気付き、シンが振り向いて言う。
「何やってんですか?あんたは…。」
「……あ、いや、その、僕は…。」
皆の視線が痛かった。
「キラ君も、ごめんな…うちの子たちが迷惑かけて…、それから、ありがとな、止めてくれて…。」
「…うぅん。管理局にいる間、ずっと心配だったから…。だから、今は、こうしてはやてちゃん達とまた会えたことが本当に嬉しい。」
少し、目に涙をためて笑うキラ。
「キラさん、そのセリフを俺の後ろで言ってどうするんですか…。」
シンに背中を押され、前に出るキラ。
「すまない、キラ・ヤマト。」
「ごめんなさい、キラさん…。私達…。」
シグナムとシャマルがキラに謝る。
「…うん。…僕は大丈夫だから…ねっ?」
中々頭を上げてくれないシャマルとシグナムに戸惑いながら
「…心配してくれて、ありがとう。」
とたまった涙キラは拭った。
「すまないな、水を差してしまうんだが…。」
突然の声とともに上空からゆっくり降下してくる一人の少年。
時空管理局執務官クロノ・ハラオウンだった。
244シンとヤマトの神隠し:2007/02/09(金) 08:54:25 ID:???
第七話、終了となります。シンとキラの会話が難しいです。シンがキラの名前を呼ぶとき、さんづけなのか、キラがシンの名前を呼ぶとき君づけなのか、会話したところを見たことがないので、間違っていたらご了承ください。

さて、次回は第八話、運命です。
ここは少し、闇の書の設定が変わります。
障壁が複合六層式になっています。シンとキラにも参加していただくためです。
たぶん、次回をいれて、二話で終わります。
読者さん、もうちょっとです、もう少し、付き合ってくだされば幸いです。
245通常の名無しさんの3倍:2007/02/09(金) 09:43:33 ID:???
キラのミーティアに匹敵する、シンの最強形態キタコレ!
アロンダイト二本って事はアレか、運命両断剣ツインブレード期待していいのか!w
246通常の名無しさんの3倍:2007/02/09(金) 10:00:28 ID:dxCK8Y5x
>>神隠し氏
GJです
できれば、ストライカーズに続いて欲しいですね。
247通常の名無しさんの3倍:2007/02/09(金) 10:10:34 ID:???
前々回ミーティア起動しておいてその描写がまったく無いのがちょっと気になったりして
248通常の名無しさんの3倍:2007/02/09(金) 11:07:04 ID:???
GJGJGJGJ!!
もうこと後のシーンが楽しみでしかたがない!
249通常の名無しさんの3倍:2007/02/09(金) 11:17:00 ID:???
>>244
あと二話どころかもっとやってくださいな…(続編とか)
私たちはいつでも付き合いますから。
250通常の名無しさんの3倍:2007/02/09(金) 11:34:36 ID:???
GJ!
是非続編を・・・!


251通常の名無しさんの3倍:2007/02/09(金) 11:57:34 ID:???
終わる前から続編とか言ってんなよ
252通常の名無しさんの3倍:2007/02/09(金) 12:32:35 ID:???
神隠し氏GJです
シンの形態が変わったことに驚かされました…よく考えましたなー
続編より2人がCE世界に帰る話が見たいかなと。
そしてなのは世界で成長したシンを見たいですね

欲を言えばストライカーズに続くのも見たいんですがねwww

次回もwktkしてます!長文失礼
253通常の名無しさんの3倍:2007/02/09(金) 15:31:47 ID:???
>>245
何かと思ってググって見たら、コレかw
ttp://www.youtube.com/watch?v=c0u_MJOH5yk
254通常の名無しさんの3倍:2007/02/09(金) 17:35:17 ID:???
キラにシンの名前を呼ばせるときは「君」付けの方がいいかな
255通常の名無しさんの3倍:2007/02/09(金) 17:37:46 ID:???
真君だと中国の物語の登場人物みたいだ
256通常の名無しさんの3倍:2007/02/09(金) 17:48:38 ID:???
>>253
そう言えば、ゴッドハンドスマッシュ使えたなシンは
257通常の名無しさんの3倍:2007/02/09(金) 18:51:37 ID:???
プロローグ

 荒れ狂う嵐の中、まるで何かから逃げるかのように一機のモビルスーツが空を行く。
 いや、逃げるかのようではなく、それは事実、逃げているのだ。
 そのモビルスーツの後方より、二条の光が奔る。一つは当てる気は無かったらしく、大きく逸れて海面に消えるが、もう一つは的確に目標を捉えていた。
 しかし、狙われたモビルスーツは最低限の動きでそれを避ける。
「アスランさん……」
「くっ」
 その後も幾本も奔る光を、鮮やかな動きで避け続けるその力量は非凡なものだった。
「あんたって人は!何で!」
「アスラン、大人しく投降してください」
 コクピットに響く二人の少年の声に、アスランと呼ばれた男は固く唇を噛む。
 傍らで今にも泣き出しそうな表情でいるメイリンに心配するなと微笑みかけると、アスランは追手である元同僚の説得を試みる。
 だが、その声は彼らには届かず、尚も牙を剥き続ける。
 アスランの額に汗が伝う。
 追ってきている二機のモビルスーツの内の一機、デスティニーがその背に輝く翼を広げる。
「この!裏切り者がぁぁぁぁ!!」
 怒りの叫びと共に、ぐんぐん縮まる両者の距離。
 デスティニーが構えた大剣、アロンダイトの切っ先が吹き荒ぶ風さえも切り裂きながら迫り来る。
(これでは……)
 数々の戦場を生き抜いてきた戦士としての勘が、冷酷にも回避不可能と告げる。その未来を直感しても、それを無視し、アスランは懸命に機体を動かすが、
「はああああああああ!!」
 無情にも、大剣は深々とアスランの駆る機体へと突き刺さった。
(しま……)
 閃光に包まれる中、アスランの脳裏にはいくつもの映像が浮かんでは消えていく。それは自身の一番の親友であったり、かつての大戦を共に戦った仲間であったり、将来を誓った女性であり、そして。
(シ、ン)
 ついこの間まで自分の部下であった者たち。その中でも瞳に怒りを宿す少年がこちらを睨みつけていた。
(俺は、こんなところで……)
 それを最後に、アスランの意識は闇へと落ちていった。


「シン?」
 裏切り者であるアスラン・ザラを討った友にかける言葉を考えていたレイは、その光景が告げる事実に困惑していた。
 アスランの機体が爆発し、その光が止んだとき、そこには友の機体の姿まで無くなっていた。
 レーダーには反応は無い。
(まさか)
 一瞬、あの爆発に耐え切れなかったのだろうかと考えるが、それこそまさかだ。ザフトの最新鋭の機体があの程度の爆発に耐えられない筈がない。
 だとすると、シンの機体はどこに消えてしまったのか。
 レイは機体の残りのエネルギーを確認した後、デスティニーの捜索に向けて動き出す。
 しかしこの後、彼が友を発見する事はなかった。

 アスラン・ザラがなのはの世界を駆け抜ける。
 魔法戦士アスランSEED、始まります。
258通常の名無しさんの3倍:2007/02/09(金) 18:58:48 ID:???
ごめんね。空気読まなくて。本当にごめん。無性にアスランの物語が書きたくなっちゃったんだよ。
少しでも期待してくれる人がいれば、続きも書こうかなと思っていたり。
でもここの人たちはどんな話なら読みたいのかな?原作準拠+α?完全オリジナル短編?
誰か意見くださいな。

ガンダムし〜どD´s氏
うひょー、マユがどうなるんだー?気になってしかたがないです。

神隠し氏
最後に書くとついでみたいであれですが、決してそういうわけではありません。一読者として毎回楽しみにしています。シンとキラに期待です。

259通常の名無しさんの3倍:2007/02/09(金) 19:05:42 ID:???
俺は応援する。ガンガレ!
作風というか、ストーリーは作者が書きたいまま書けばいいと思う。
260通常の名無しさんの3倍:2007/02/09(金) 19:27:17 ID:???
おお!新職人さんキター!期待させていただきます。
>>神隠し氏       乙です!シンの最終形態がカッコイイです。
261通常の名無しさんの3倍:2007/02/09(金) 21:22:03 ID:???
新職人さん乙!
ストーリーは好きなように書けばいいと思うよ。
自分の書きたいもの書かないと途中でたぶん嫌になっちゃう。
262通常の名無しさんの3倍:2007/02/09(金) 21:49:22 ID:???
ザラとバレルの神隠しに期待www
263通常の名無しさんの3倍:2007/02/09(金) 21:56:34 ID:???
アスランSEEDさん
頑張ってください!!応援してます!
264通常の名無しさんの3倍:2007/02/10(土) 00:52:43 ID:???
というよりは、リリカルアスラン?
265通常の名無しさんの3倍:2007/02/10(土) 00:57:10 ID:???
魔法禿リリカル凸
266通常の名無しさんの3倍:2007/02/10(土) 01:00:22 ID:???
禿の魔法少年(フリル付)を想像して
リアルに吹いたぞ…
267通常の名無しさんの3倍:2007/02/10(土) 01:14:50 ID:???
アスラン必殺技……
日輪の力を借りずとも、今必殺のヅラフラッシュ!!

……ちょっとダイターンクラッシュ喰らってくる
268通常の名無しさんの3倍:2007/02/10(土) 02:18:20 ID:???
つヅラ型デバイス
269通常の名無しさんの3倍:2007/02/10(土) 02:52:44 ID:???
真面目な話、アスランのデバイスはジャスティスになんのかな?
270通常の名無しさんの3倍:2007/02/10(土) 03:46:33 ID:???
ジャスティスなら、バインド(アンカークロー)はとりあえず使えるな



ここは意表をついてハロ型のデバイスか!?
271通常の名無しさんの3倍:2007/02/10(土) 06:38:46 ID:???
意表ついてイージス
272通常の名無しさんの3倍:2007/02/10(土) 06:40:07 ID:???
取り付いて自爆を再現するとエロくなるな
273通常の名無しさんの3倍:2007/02/10(土) 08:34:49 ID:???
もう変態じゃないかwww

両手両足を広げてフェイトに取り付くアスラン。
274通常の名無しさんの3倍:2007/02/10(土) 09:14:56 ID:???
>>273
サザンクロスに行くことをお勧めする。
275通常の名無しさんの3倍:2007/02/10(土) 09:16:38 ID:???
ということは、両手両足を広げ抱きついたアスランの股からスキュラが発射されるのか。
276通常の名無しさんの3倍:2007/02/10(土) 10:07:16 ID:???
八頭身のアスランはキモイ 海鳴編

りりかるマジカル やらないか?
277通常の名無しさんの3倍:2007/02/10(土) 11:42:52 ID:???
それ以前に取り付くにはMA形態にならなきゃいかん……
それとも普通に抱きついてへそからスキュラを出すのか。
そんでデバイスを自爆させてジャスティス受領。

………なんでアスランになったら急にこんな想像しかできないんだろう
278通常の名無しさんの3倍:2007/02/10(土) 12:18:31 ID:???
ユニゾンデバイスにすればよくね?
近接戦闘特化型
バリアジャケット装着時にはいてる靴から魔力刃発生。あと連結サーベル。
中距離、シャイニングエッジに、グラップルスティンガー
遠距離、フォルティスビーム
279魔法戦士アスランSEED:2007/02/10(土) 12:21:23 ID:???
 第一話「異世界よりの来訪者」

 見渡す限りの白の世界。
 軽い眩暈のようなものを感じながら、アスランはそこにいた。
「ここは?」
 その疑問に答える者はいない。
 時間にして数分。
 アスランはその答えに思い至ったが、頭を振ってそれを否定した。
 自身の足場さえ判別できない世界を、アスランはゆっくりと歩き始める。
「俺は、シンに」
 殺された。それは理解できても、認めることができない事実。だが、どのような反論材料を用意しても、結局はそこに行き着いてしまう。
「俺は、本当に……」
「死んではいねーよ」
 突然の声にアスランは辺りを警戒する。だが、誰もいない。気配も無い。
「ここは夢のような場所。お前に確認したいことがあったから、ここに来てもらったんだ」
 だが、声はアスランの耳に届く。
「お前は誰だ!」
「誰って、俺は俺だ。そしてお前でもある」
 そこでようやく異質な気配に気付いたアスランは、視線を足元に下ろす。
「ようやく気付いたか。我ながら鈍い奴だな」
 嘲りを含んだ声も、今のアスランには届かない。目のあたりにした事実に、ただ茫然自失とするばかりだ。
280魔法戦士アスランSEED:2007/02/10(土) 12:22:12 ID:???
「これは……」
「くっくっく。そんなに驚くなよ」
 その声は、アスラン自身の影が発していた言葉だった。
「なあ、俺。そろそろ本題に入らしてもらうぜ」
 影の声が、真剣なものへと変化する。
「何、簡単な質問さ。大切な一人のために大勢の人間を危険に曝すことを、お前はどう思う?」
「何?」
 影が喋るということに、不思議と違和感がしなくなっている。そのことに戸惑いながらも、影の質問の真意を図る。
(たった一人のために、か。)
 どれくらい時間が過ぎただろうか。アスランは考えが纏まらないまま、自分の気持ちを正直に伝える。
「分からない」
「分からない、だと?」
 それが彼の答え。
 自己の信念が揺らいでいる彼に、このような質問は酷だったのかもしれない。
「そうか」
 落胆を滲ませた影の声に、アスランは逆に問いかける。
「じゃあ、おまえはどうなんだ?」
「知るかよ。俺はお前の正義だぜ?お前に分からないんじゃ、俺にだって分からねーよ」
「何だと?」
「まあ、今のお前に正義はないことは分かったよ。んじゃ、俺は消えるぜ」
 その言葉を最後に、影は消えた。
 それと同時に、白い世界に罅が入っていく。
 ついにはアスランの足元までその罅は侵食し
「っ!?」
 砕け散った。
 後に残るのは、昏い奈落。
「〜〜〜〜〜〜〜〜っ」
 抵抗することすらできず、アスランはそこへと落ちていった。
281魔法戦士アスランSEED:2007/02/10(土) 12:23:06 ID:???
 見渡す限りの黒の世界。
 闇より暗いその場所に、シンは漂っていた。
 状況を飲み込めないまま、それでもシンは行動する。
 だが、結局は何も変わることない。
「何なんだよ、これは」
 つい愚痴が漏れる。情けないと思いつつ、微かな疲労感に身を任せようとし
「諦めてしまうのですか?」
 突然響いた声に、意識を覚醒させる。
「誰だ?」
「私はあなたの運命。あなたの未来を求める意思」
 その涼やかな声に一瞬、母を連想するが、すぐに頭から打ち消す。
「シン、あなたに一つ質問があります。答えてくれますか?」
 綺麗過ぎるその声は、どこか作り物めいた感じがしてならない。シンはこの声に少し不快な感情を抱いた。
「何だよ、その質問ってのは?」
 刺々しいシンの声を気にした風もなく、謎の声は言葉を続ける。
「大切な一人のために大勢の人間を危険に曝すことを、あなたはどう思いますか?」
 その一種の極端な質問に、シンは迷うことなく答えを告げる。
「その人が本当に大切なら、俺ならそうする」
 思い浮かぶステラの笑顔。マユの笑顔。家族の笑顔。それらを守るためならば、と考えるシンに声は告げる。
「本当に、それでよろしいのですか?」
「何が言いたいんだよ?」
 お互いの質問に答えることなく、両者とも黙り込む。
 張り詰めた空気の中、シンは謎の声の主がいなくなったことを悟った。
「本当にそれでいいのかだと」
(いいに決まっている)
 大切な者たちを失った少年にとって、それは揺るがない真実だ。
「いいに、決まっている」
 だが、不の感情で強くなった想いは、ある種の脆さを持っていることに、彼は気付いていない。
282魔法戦士アスランSEED:2007/02/10(土) 12:24:17 ID:???
 数秒の身動ぎの後、アスランは目を覚ました。
 霞む思考を纏め上げ、自分の置かれた状況を確認する。
「ここは、医務室か」
 部屋の作りの独特さから、おおよその当たりをつける。そして、それは正解だった。
 痛みに叫ぶ体を無視し、アスランはベッドから起き上がる。
 彼には確認しなければいけないことがあった。
(メイリンは?)
 一緒にいた彼女の姿がどこにもない。
 最悪の事態が頭を過ぎる。
 アスランが部屋の扉を開けようとしたとき
「あ」
 扉の方が勝手に開いた。アスランはその先にいる少女と目が合うと、とりあえずはと挨拶する。
「やあ。偉いね、お手伝いかい?すまないけど、誰か大人の人を呼んできてもらえるかな」
「……分かりました。それよりもちゃんと寝ていてください。傷の具合が悪くなりますよ」
 少女は少しの驚きを見せながら、アスランを慌ててベッドへと誘導する。
 アスランはそんな少女の姿を微笑ましく思いながら、言われた通りにベッドへと戻る。
 横になりながら、アスランはメイリンの所在を確かめるために少女に質問するが、少女の表情が少し翳る。
「一命は取り留めました。ですけど、まだ昏睡状態で、意識は取り戻していません」
 生きている、という情報にアスランは安堵した。
「でも驚きました。発見されたとき、あの女の人は勿論、あなたは物凄い重症だったんです。いったい、何があったんですか?」
 少女の瞳に宿る真剣さに多少驚かされながらも、アスランとしては血生臭い話を子供にするわけにもいかない。曖昧に笑って誤魔化すと、何かを察したのか、少女もそれ以上の追及はしてこなかった。
 しばらく沈黙が部屋を支配するが、扉の開く音がそれを打ち破った。
283魔法戦士アスランSEED:2007/02/10(土) 12:25:04 ID:???
「フェイト、彼が意識を取り戻したって」
 入ってきた少年を見てアスランはため息をつく。
(ここに大人はいないのか?)
 その意図を察知したらしい少年は、僅かに顔をムッとさせながらも、名を名乗る。
「僕は時空管理局執務官、クロノ・ハラオウンだ」
 堂々と言った少年の言葉に、アスランは思わず噴き出しそうになるのを懸命に堪えた。
(時空管理局?最近の子供の流行なのか?)
 対して、クロノと名乗った少年は額に青筋を浮かべながら、現在のアスランが置かれた状況を淡々と告げる。
 アスランもその説明を微笑ましく思いながらも、思考の端に留めておく。
「ふう、どうやらまったく信じていないみたいだね」
「管理外の世界から来たのかも。それも魔法の認知されていない。なら仕方がないよ」
 二人の子供のやり取りを聞きながら、自分に刃を向けた戦友のことを思う。
(……シン、レイ)
 そして、自分が離反することになった理由。一刻も早く傷を癒し、議長の企みをキラ達に知らせなければならない。
 自分はいったい何のためにザフトへと戻ったのか。それで何を得ることができたのか。幾つもの思考が頭を埋め尽くす中、二人の子供の話を聞き続ける。
「……というわけさ。まあ、今日のところはこの辺にしておこう。あなたの傷もまだ完治したわけじゃない。もうすぐ、医療班がこちらに来るから、それまで待っていてくれ」
 そう言い残し、クロノは部屋をあとにした。
「じゃあ、私もこの辺で」
 それを追う形で、フェイトも部屋を出て行った。
 再び静けさを取り戻した室内で、アスランは今後について考える。
 とりあえず、ここの人に敵意が無いことは先程の会話で伝わってきた。
(やはりどうにかしてキラ達と合流しないと)
 手段はまだないが、とりあえずの方針を纏めたところで、アスランは眠りにつくことにした。
284魔法戦士アスランSEED:2007/02/10(土) 12:26:12 ID:???
 アスランが目覚めてから数日。
 驚愕の事実を知らされて、それを理解し始めた頃。
 今後の方針について、改めて考える必要性があることに気付く。
 あの時、クロノ達が語った事は真実だった。
 異世界、管理局、魔法の存在。
 どれもこれもアスランの理解の範疇を超えていたが、受け入れなければ前には進めないことを自覚してからは、積極的にそれらに関する情報を集めていた。
 その中で親しくなった人間もいた。
 金髪の映える、可愛らしい少女。フェイト・テスタロッサ。
 子供だと思っていたら、実は案外歳が近かったクロノ・ハラオウン。
 フェイトの使い魔と言う存在らしいアルフ。
 アースラという艦の艦長、リンディ・ハラオウン。
 通信主任兼執務官補佐、エイミィ・リミエッタ。
 主にこの五人から現在自分が置かれた状況の説明を受け、そして得た答えは結局どうしようもないということだった。
 アースラの主要メンバーは現在、あることに追われているらしく、あまりアスランに構っている余裕は無いのだそうだ。
 それでも忙しい合間を縫って、自分に付き合ってくれたことにアスランは感謝している。だが、先のことについて不安も抱いていた。
 もうすぐ手が空くという言葉を信じ、それまでは気晴らしにこの世界についてもっと深く調べようと、艦内の資料を閲覧する許可を貰った。勿論、機密に関すること以外だけだが、それでも十分に興味深い内容だった。
 それから、何か変わったことが起きるでもなく、日々はゆっくりとだが、確実に過ぎていった。
 アスランがこの状況に慣れ始めた頃、リンディ提督に自室に呼び出された。
 自分に関することで何か変化が起こったのかと思い、慌てて行くと、そこには何とも言えない飲み物が用意されていた。
「これは?」
「ふふ、どうぞ。私のお気に入りなのよ」
 促されたとおりに、その飲料に口をつける。見た目同様、何とも言えない味わいだった。
(飲み物に関しては、俺たちと少し差があるみたいだな)
 正直飲みたくなかったが、郷に入りは郷に従えという言葉を思い出し、無理矢理胃袋に押し流す。
 軽い眩暈に襲われながらも、リンディの言葉に耳を傾ける。
「ずっと艦内で生活っていうのもあまりいいものじゃないでしょう?だから、明日は私たちと一緒に出かけてみない?」
 思わぬ申し出だったが、この艦以外というのも興味がそそられる。
 アスランはそのことを了承し、退室しようとしたが、リンディに呼び止められる。
 まだ何か用事があるのだろうかと振り返れば、リンディが嬉しそうな表情で先の飲み物を持っていた。
 その後、アスランは三杯ほどあのお茶に付き合わされることになった。
285魔法戦士アスランSEED:2007/02/10(土) 12:27:13 ID:???
 意識がある中での初の転送体験に、内心興奮しながらも、アスランは皆と一緒に、とある建物へと来ていた。
 アスランはついさっき聞いた話を思い、フェイトへと視線を向ける。その視線の意味を感じ取り、フェイトは微笑み返す。
 その笑顔が多少ぎこちないことに気付かない振りをし、アスランはフェイトに一言
「頑張れ」
 とだけ告げた。
 フェイトが皆と建物の奥へ入っていく中、アスランはエントランスホールで立ち止まる。
(俺にはあの奥へ行く資格は無い)
 過去にどのような事件があったのか。フェイトの表情を見れば、おそらく悲しい出来事だったのだろう。
 そう思い、一行の中から抜けると、エイミィも付き添いとしてついて来てくれた。
「迷子になられちゃ困るからね」
 明るく失礼なことを言ってのけるエイミィに苦笑しながらも、アスランはその行動に感謝する。
「この後は皆でパーティーするからね。楽しみにしておくといいよ」
「そんなことを言って、一番楽しみにしているのは君だろう?」
 アスランはフェイトのことを思う。
 出会って間もないが、それでも一人の少女の人生が大きく変わる日だ。気にならないわけが無い。
「大丈夫だよ」
 突然のエイミィの声に、アスランは視線を向ける。
「絶対、無罪だからね」
 確信に満ちた声。信頼からの答え。
 もっとも、既にパーティーの計画すらたてているのだ。きっと無罪はほぼ確実なのだろう。
(あんな幼い子が、か。この世界には表立った人の遺伝子操作の技術はないようだし……それにしては随分と早熟な子だな)
 フェイトのことを考えながらも、エイミィとの何気ない会話を楽しむ。
 もとの世界では久しい穏やかな時間。
 しかし、それは一つの轟音と共に破られた。
286魔法戦士アスランSEED:2007/02/10(土) 12:28:30 ID:???
 アスランたちのいる建物から数十メートルの位置で火災が発生していた。
「な!?襲撃!?」
 エイミィの驚愕を横目で見ながら、爆発音が聞こえた方へと意識を向ける。
 爆発に吹き飛ばされたであろう人間を見て、アスランはそこへと向かおうとするが
「駄目だよ!あそこには魔導師がいるから…」
 エイミィの静止を無視してアスランは駆け出す。
 そこに傷ついた人がいるのだ。助けるのが道理だろう。
 現場まで近付くと、子供の泣き声が聞こえた。
 アスランはその子を必死で探す。炎の中を掻い潜り、ついにその子を見つけたときは絶句した。
 その子の母であろう女性が、瓦礫の下敷きとなっていたのだ。赤く流れ出る血の量が、彼女がもう助からないことを告げていた。
「くっ」
 アスランは女性に冥福の祈りを捧げると、子供を胸に抱き、その場から離れた。
「逃がさん」
「!」
 冷たい声と共に、アスランに向けて何かが飛来する。
 持ち前の反射神経でそれを避け、声のした方へと視線を向ける。
 そこに一人の女性がいた。
 長い髪を後ろで結い、手には剣が鈍く光る。全身を甲冑のような服で包んだ姿。まさに女騎士とでも呼ぶべき姿をしていた。
「……何故魔法を使わない?貴様、管理局の者ではないのか?」 
「魔法なんて使えるわけないだろう!それより、これをやったのはお前なのか?」
 冷めた声に、アスランは激情を持って返す。
「……魔法無しでその身体能力。しかし、一般人か。ならば用はない。その子供を連れてここから立ち去れ」
 そう言って女性は歩みを、先ほどまでアスラン達がいた建物へと向ける。
 その意図を察し、アスランは叫ぶ。
 だがその声を黙殺し、女性は剣を構え、烈火の如く吼える。
「紫電っ!一閃っ!」
 振るった剣の斬撃は、焔を奔らせながら、建物の正面にいた数名の人間を焼き払う。
 それを見たアスランは、子供を安全な場所に降ろし、その拳を握り締める。
「止めろ!」
 地を蹴り、女性の背後へと迫る。
 その拳を振り上げ
「邪魔をするな」
 光速の斬撃が、アスランのわき腹を打った。
287魔法戦士アスランSEED:2007/02/10(土) 12:29:18 ID:???
 そのまま真っ二つになることは免れたが、それでも数メートル吹き飛ばされたその体は、満足に動かすことができない。立ち上がろうとするも、うまく力が入らない。
 当の女性は、そんなアスランに気を払うことなく、ただ黙々と歩き続ける。
「それ以上動くな!」
 怒声が辺りに響く。
 見れば先ほど焼き払われていた男たちが、態勢を立て直していた。
(あの炎の中で生きていたのか)
 アスランの感嘆は、しかし無意味だったと悟らされる。
 女騎士の目が細まり、何事かを呟く。
 すると、手に持つ剣から何かが排出された。機械的な音と共に、剣が鞭のように変形する。
 それを女性が振るうと、剣の鞭はまるで蛇の如く、男たちへと襲い掛かった。
 時間にして僅か数秒。男たちは皆意識を刈り取られてしまった。
(彼女は、魔導師なのか?)
 アスランは動かない体に鞭打ち何とか立たせると、引きずるようにして歩を進める。
「止めるんだ!」
 その声に、女性は驚いたようにこちらを振り返る。
「ほお、あそこでのびている雑魚どもに見習わしてやりたいな」
 感嘆と共に、女性は苦笑する。
 だが、次の瞬間にはまた冷たい表情に戻っていた。
「いかに無関係な人間であろうと、これ以上邪魔するのならば容赦はせん」
 その確かな敵意に、身が震える。
 だが、アスランとて戦闘に関しては素人ではない。気迫で負けるわけにはいかない。
「……そうか」
 どこか残念そうな声と共に、剣を振り上げる女性を見て、アスランは身が竦む。
 やはり素手で魔法と戦うという事は無謀にも程があるということを改めて実感する。
(どうする?)
 対処法を考えるが、どれも今のコンディションでは無理があるものばかりだ。
 そうこう迷っているうちに、剣が振るわれ斬撃が放たれた。
「くっ」
 だが、その斬撃はアスランへと届かなかった。
「アークセイバーッ」
 上空からの攻撃がその斬撃を相殺する。
 見上げればそこに、黒いマントをたなびかせたフェイトが、女騎士を見据えていた。
288魔法戦士アスランSEED:2007/02/10(土) 12:32:55 ID:???
とりあえずはここまで。
今後、アスランが幼児愛好者への道を辿っていく過程を描いていきたいと思います。

デバイスの件はスレの雑談からパクらせていただきます。
少し駆け足で読みにくいかもしれませんが、今後の成長に期待してください。
何かアドバイスとかあったらくださいね。

最後に、書き込める最大行数って何行でしょうか?
289通常の名無しさんの3倍:2007/02/10(土) 12:37:02 ID:???
ヴォルケンs'の行動に違和感があり過ぎる
290魔法戦士アスランSEED:2007/02/10(土) 12:48:26 ID:???
ですよねー。
何といったらいいのでしょう。原作準拠だと三番煎じになってしまうので、ちょっとキャラの初期状態が違います。
彼女の行動の理由は後々明かすということで、今は勘弁していただきたい。
すいません。こんなこと書かなきゃ分からないような話にしちゃって。
291通常の名無しさんの3倍:2007/02/10(土) 12:52:24 ID:???
同じく。
彼女達は死人や重傷者が出ないように気づかっていたはず。

シグナム(?)が出てくるまでは、かなりGJ!
この先も頑張ってください!

最大行数って40行くらいだったっけ?
292通常の名無しさんの3倍:2007/02/10(土) 13:15:17 ID:???
アスラン・ペドになるんですねぇwww
次回も楽しみに待ってます。がんばって下さい。
293通常の名無しさんの3倍:2007/02/10(土) 16:31:43 ID:???
ペドと化したアスランを見てメイリンは何を思うんだろうwww
294通常の名無しさんの3倍:2007/02/10(土) 18:07:56 ID:???
シグナムが豹変した理由に納得できるような展開を期待してまつ
295通常の名無しさんの3倍:2007/02/10(土) 19:16:52 ID:???
>>293
エイミィと一緒に「好きな男をペド化させない同盟」を作る
296通常の名無しさんの3倍:2007/02/10(土) 20:04:36 ID:???
凸はぺドでヘタレだろ。
297魔法戦士アスランSEED:2007/02/10(土) 22:38:53 ID:???
あれ?ロリコンと幼児愛好者って違うの?あはは。両刀でいっちゃおうかな。
次の話は明日にでも投下します。
298通常の名無しさんの3倍:2007/02/10(土) 22:51:21 ID:???
299通常の名無しさんの3倍:2007/02/10(土) 23:59:57 ID:???
シン:接近戦重視、砲撃戦はやや苦手
キラ:砲撃戦重視、接近戦も出来るが専門家には及ばず
レイ:ドラグーンを駆使したトリッキーな戦法
凸:変態変形、サイバイマン

4者の特徴としてはこんなもん?
300ガンダムし〜どD´s:2007/02/11(日) 01:09:59 ID:???
描きあがったけど眠いので明日投下します。
301通常の名無しさんの3倍:2007/02/11(日) 01:10:41 ID:???
ちょwwwwサイバイマンナツカシスwww
302魔法戦士アスランSEED:2007/02/11(日) 01:23:36 ID:???
「管理局の者か?」
「はい。嘱託魔導師、フェイト・テスタロッサ」
「そうか」
 言葉はどこまでも冷たく、剣の切っ先は静かにフェイトへと向けられる。
 フェイトは悟る。この相手に言葉は届かない、と。
「……いきます」
 告げる言葉と共に、フェイトが猛スピードで騎士に接近する。互いが同時に一撃を振るい、その衝撃が周囲に奔る。
 捲れあがる地面を後に、二人は上空へと戦場を移す。
 地上からでは二つの光がぶつかり合っている様にしか見えないであろうその戦いは、当の本人たちからしてみれば冷や汗ものの激突だった。
 少しのミスが命取りになるという認識の中で繰り出されるのは、相手を崩すための牽制の嵐。一般的な魔導師にとって必殺の一撃も、彼女たちには牽制程度の働きしか示さない。
 だが、その均衡は第三者によって崩される。
「スナイプショット!」
フェイトが離脱すると同時に、加速する無数の光弾が騎士へと襲い掛かる。
 だが、騎士はそれら全てを斬撃で薙ぎ払う。


「凄まじい攻撃力だな」
 アスランが振り向けば、そこにはクロノがあきれたように立っていた。
「無事かい?」
「少し、辛いな」
 アスランはクロノの肩を借りる。
「安全な場所まで退避するよ。しっかり?まって」
 突然の浮遊感にアスランは足元を見ると、体が宙に浮いていた。
「!」
「行くよ」
 合図と共に、空を行く二人。
303魔法戦士アスランSEED:2007/02/11(日) 01:24:36 ID:???
 一方、上空での二人の魔導師の戦いは熾烈を極めていた。
 互いのスピードは視認することすら容易ではない域に達している。騎士が一太刀振るえば、二の雷撃がそれを押し返す。
 フェイトが無数の雷撃を放てば、猛る騎士はそれらを全て斬り伏せる。
 両者互角の中で、互いが一時攻撃の手を緩める。だがそれは次の大技へと繋げる空白に過ぎない。
「ちぃ」
「このっ!」
 焔と稲妻がぶつかり合い、大きな爆発を生む。
 フェイトはこの爆発が止む前に、次の行動へと移ろうとしていた。
 だが。
 爆炎から飛び出してきた騎士に、フェイトは一瞬対応が遅れる。
「ぐぅ」
『Defenser』
 自動発生の防御魔法は、しかし盾としては脆すぎた。
 易々と切り裂かれた防御ごと、フェイトは地上へと叩き落とされた。
 遠のく意識は最後に、顔を歪める騎士を見た。


 轟音に振り向くクロノからは余裕の表情が消えていた。
「っ」
 焦りを浮かべる彼の表情から、アスランはフェイトに何かあったことを悟る。
「フェイトちゃんに何か?」
「いや、大丈夫だ……君をあそこで降ろす。すぐに管理局の者が駆けつけてくるはずだ。その人を頼ってくれ」
「クロノは?」
「僕は、あいつの足止めをする」
 地上が再び近付いてくる。安全な高度まで下がると、アスランは地上へと離される。
「たのむぞ」
 自分の無力を嘆きながら、アスランは小さな友に彼女を託す。
「任せろ」
 そう言い残し、空へと飛翔するクロノを見送り、アスランは安全な場所まで自力で行くことにする。
「アスラン!」
 聞き慣れた声に振り向けば、エイミィが駆け寄ってくるところだった。
「その傷……待っていて。今医療班を……」
 そう言いどこかに連絡するエイミィも、所々に怪我をしている様子だった。
「エイミィ、君こそその怪我」
「ん、大丈夫だよ。それよりつい最近まで重症を負っていた人間が無茶するものじゃないでしょ」
「それは」
「それは、じゃないよ」
 その後、アスランは医療班が到着するまで、エイミィの説教を受けることになった。
304魔法戦士アスランSEED:2007/02/11(日) 01:25:41 ID:???
 アルフはフェイトの状況を察知し、すぐにでも助けに行きたい衝動に駆られた。
 だが、非戦闘要員の避難の援護という役目を主人に言いつけられている。
 そこに本来の主従関係ほどの強制力は存在しないが、かわりに信頼という絆がある。
(フェイトなら大丈夫。大丈夫。大丈夫)
 自分に言い聞かせるようにして、避難の誘導を続ける。
「こちらへ来ていただきます」
「いやぁ、やだやだやだ」
 不穏なやり取りを耳にしたアルフは、そこに向かうことにする。
 見れば、管理局の魔導師が数人で、一人の少女を取り囲んでいた。
「あんたたち、何してんのさ?」
 突然の乱入者に驚いた風にも見えた数人組みは、しかしすぐに静かな声で
「何も知らない女が」
「所詮は使い魔にすぎないということだ」
「汚らわしい」
 理不尽な侮辱の数々に、瞬時にアルフの怒りが頂点に達するが、寸でのところで冷静さを取り戻す。
(危ない危ない。今ここでこいつらを殴ったら、折角のフェイトの判決が台無しになるとこだったよ)
 拳を握り締めたまま、アルフは多少相手を立てて尋ねると、どうやら少女が治療を嫌がって駄々を捏ねているということだった。
 その感も、少女は必死にもがいていたが、魔導師の一人が何事かを呟くと、やがておとなしくなった。
 その強引なやり口にアルフは絶句した。
 特に目立った外傷は見受けられなかったが、そう言い張られてはアルフの立場ではどうすることもできない。
 アルフには少女を見送ることしかできなかった。

 アルフは気付く事はなかった。
 その少女は、さきほどアスランが助けた少女であることに。
 その少女には本当に、軽度の傷しかなかったことに。
 連れ去っていった魔導師たちが、全員管理局から死亡扱いを受けていたことに。
 気付く事は、できなかった。
305魔法戦士アスランSEED:2007/02/11(日) 01:29:53 ID:???
祝・第一話終了。SS書くのは初めてですが、何だか妙なテンションです。
今は未熟ですが、先人達に並べるように上達していきたいと思っていますので、末永くよろしくお願いします。
次回は第二話「魔導の才覚」です。
306通常の名無しさんの3倍:2007/02/11(日) 02:50:53 ID:???
ついに、アスランが…。
デバイスがどうなるか楽しみやぁ〜。

307通常の名無しさんの3倍:2007/02/11(日) 06:47:38 ID:???
乙!
次回も楽しみに待ってま〜す!
308通常の名無しさんの3倍:2007/02/11(日) 08:08:04 ID:???
ザフトが発見した黒いモビルスーツ、バルディッシュとそのパイロット、フェイト・T・ハラオウン。
連合が発見した赤いモビルスーツ、レイジングハートとそのパイロット、ナノハ・タカマチ。
フェイトはコーディネイターを敵視する連合を止めるために、自らの意思でミネルバへとのる。
一方、ナノハは記憶を操作され、連合のエースパイロットとして、ミネルバの前にその姿を表す。

機導戦士ガンダムSEED DESTINY
頑張って書いてみますので、よろしくです。
309通常の名無しさんの3倍:2007/02/11(日) 08:14:07 ID:???
楽しみにしてます。
なのはさん……それなんてネオ・ロアノーク?
310ガンダムし〜どD´s:2007/02/11(日) 09:37:18 ID:???
昨日の予告どおり投下

機動戦士ガンダムし〜どD´s第19話 前

「はあ!」
ここは高町家の道場。
ここでは一種の交流試合のようなものが行われていた。
今戦っているのは恭也とフェイト。
その中でみんながそれを見ているのだが……
「何でレイたちまで?」
隣を見ると、レイまでもが来ていた。
「艦長が『たまには外に出て空気を吸ってきなさい。ちょうどなのはさんのところで剣術の試合のようなものがあるからみてきなさい。これは命令です』といわれたのだ」
子供に言い聞かせるわけじゃあるまいし……そう思いながらシンはリンディを見る。
ふと、フェイトがレイを一瞬見たがすぐに顔を背ける。
あれを見たアルフはレイを睨む。
だが、レイはそんなことは気にしないといった感じで試合を見る。
今、この道場にはいつもの面子が混ざっていた。
もちろんこいつも……
「何でそんなに嫌そうにこっちをみてるんだ?坊主」
ムゥを見て別に…と答えるシン。
どうもこいつとは気が合わない。
まあ、どの道敵だしいいか、と思い恭也とフェイトの戦いを見ようかと思ったとき…
「コラ、シン。なかようし」
はやてに思いっきり耳をつねられる。
「いてててて、耳をつねるな」
もはや誰が年上なのかわかったものじゃない。
だが、ここがどういう場所なのかわかってはいるのであまり声には出していない。
そのとき、シンの目の前にいきなり木刀が飛んできた。
「おっと」
シンははやてに耳をつねられている上体のままその飛んできた木刀をキャッチし、飛んできた方向を見る。
「あ、ごめんなさい。大丈夫ですか」
どうやら試合のときに思いっきり木刀を吹き飛ばされたみたいだ。
「ああ、大丈夫だけど」
そういいながらフェイトに木刀を投げる。
「すこし振りが大きすぎるようだけど……」
まるで初心者のような感じがする。
「普段何でたたかってるんだ?」
バルディッシュは鎌とか大剣など、いろんな形態があるが基本は……
「斧です」
そういわれ、まだフェイトが戦っている姿を聞いたことが無いものは、大きな斧を持ち、暴れまわっているフェイトを想像する。
「それはまた……」
絶対なにか勘違いされている。そう感じたフェイトはどうしようかと思ったら。
311ガンダムし〜どD´s:2007/02/11(日) 09:38:22 ID:???
「だったらみせたらいいんじゃない?」
というリンディの言葉通り、フェイトはバルディッシュを手に取り起動させる。
小さなペンダントのようなものがいきなりフェイトより少し小さいくらいの斧に変化する。
以前なのはの砲撃を見た恭也たちだが、今度は斧か、と思う。だがそれ以前に
(それはすでに魔法じゃないんじゃ……)
だが、なんか言っちゃいけないような気がして、とても口にはいえなかった。
だが、これで納得がいった。
おそらくこういう武器を使ってばかりいるから癖でもついているのだろう。
「こういう武器も練習しておかないと」
フェイトはそういってリンディたちのところに戻る。
……普通はこういう武器を最初に学ぶものだが……
そして次の戦いは、恭也とシグナムである。

「マユに友達が?」
クルーゼは昨日のことをプレシアに話す。
その内容には勿論翠屋のことも含まれていた。
「ええ、まだお年頃の子供。お友達が出来てもおかしくはあるまい」
そんなことを言っているわけじゃない。そんな目でクルーゼを見るプレシア。
そこであのことを教える。
「私とマユはフェイト・テスタロッサに遭遇した」
その言葉にピクっと眉を動かすプレシア
「マユは彼女ともお友達になったようですが」
そしてクルーゼはあることを言う。
「それで、2、3日したら私自らが出撃でもしようかと」
いきなりのクルーゼの言葉に驚くプレシア。
「まだはやいんじゃないの?」
確かに着々と、予想以上の速さで進んでいる計画。
だが、それでも少し早い気がする。
せめてあと1週間は必要である。
「ですが、少しでも彼女に揺さぶりをかけておくことは必要でしょう。いきなり死んだと思っていたあなたが来て「こっちへこい」といっても無理でしょう?」
そういわれて少し悩むプレシア
「なあに、少し傀儡兵を送ってくださればそれでいい。待っているだけでは何も始まらない」
それを聞いて、プレシアはクルーゼに出撃の許可を出した。
クルーゼは笑いながらある部屋に向かう。
部屋というよりはドッグに近いそこに、灰色の巨大なロボット、最後に彼が使った機体、プロヴィデンス……
312ガンダムし〜どD´s:2007/02/11(日) 09:39:35 ID:???
高町家の道場では、一進一退の攻防が繰り広げられていた。
「はあ!」
シグナムが放つ一撃を恭也が受け止める。
「づああ!」
そのままカウンター攻撃を放つがそれはシグナムに止められる。
いったん二人は距離をとる。
さっきから同じことの繰り返しているだけ。
このままでは埒が明かない。
そう思った二人はこれで決めようとお互いが構える。
そして駆け出す二人。
「おおおお!!」
声とともに同時に剣が振られる。
そして勝利したのが……
「私の勝ちのようだな」
そういってシグナムは恭也が落とした木刀を拾って渡す。
「参ったよ。また戦ってくれるかい?」
恭也の言葉にああ、と簡潔に答え、二人は軽く握手を交わした。
「すげえ………」
シン達は二人の戦いを素直に見入っていた。
「やっぱ強いなシャマルは」
はやては暖かくシグナムを迎える。
「いえ、彼もなかなかのものでした。彼も魔術師だったらよかったのですが」
と恭也のことを絶賛するシグナム。
ふと、何かに気付いたように付け加える。
「勿論、テスタロッサも強いですが」
まあ確かに今回は武器のこともありフェイトが不利だったことには変わりは無かった。
「お兄ちゃん負けちゃったね」
逆になのはは残念そうに恭也を見る。
だが恭也は少し気になった。
「なのは……お前本当にあの人たちと戦ったのか?」
以前聞いた話では、なのははシグナムたちと戦ったと聞いたが。
「うん。シグナムさんと戦ってたのはフェイトちゃんだけど」
今回は魔法がなしで戦ったのだから、魔法を使えばもっと強いことになる。
それをその少女達は互角で戦っているのである。
…一瞬想像してしまう。
以前言ったが、本当にたくましくなったと思う。
「すみません。少しよろしいですか?」
家族と話していると、レイが士郎に話しかける。
「少し道場を使わせて欲しいのですが」
何に使うのかと思ったが、士郎は使わせるのを許可する。
許可をもらったレイは、隣においてあった袋を取って、シンのところに行く。
313ガンダムし〜どD´s:2007/02/11(日) 09:42:04 ID:???
「シン。たまには一勝負しないか?」
いきなりレイに勝負を申し込まれたシン。
「たまには身体を動かさないとな」
まあ確かに、と思いシンは立ち上がる。
その時、レイはシンにあるものを渡す。
それは………
「な……なんでナイフなのレイ君?」
その内容にはシンと同じだった。
「しくじって道場傷つけたらどうするつもりだ?」
そういう意味で言ってるんじゃないんだけど……となのはは思う。
なのはの変わりに士郎がいう。
「まあ多少道場を傷つけるくらいならいいが、二人が怪我したらどうするんだ?」
本物のナイフなので下手すれば命を落とすかもしれない。
そう言われて、二人は訓練学校を思い出す。
そしていう。
「いまさら切り傷ぐらいじゃな…」
「ああ、なんとも無い」
彼らは軍人と聞いたが、どんな練習内容なのだろう、とその場にいる全員が思った。
「だが、もしものときもある、頼むからやめてくれ」
そういわれて、わかりましたと答え、似ている小太刀で戦うことになった。
勿論木刀で。
二人は場に立って、お互い木刀を構える。
それは恭也たちも見たことが無い構えだった。
先に動き出したのはシンで、レイはそれを迎撃する形となる。
構えと同じで、二人の戦い方は恭也たちの戦い方とは違う。
二人は、ほとんどの攻撃を防御せずに回避している。
その理由は彼らが使っているナイフの刀身が短く、あまり防御にむかない。
だからといって普通はなかなか回避などは出来ないが……
だがこの二人はどうしても回避しきれない攻撃だけを防御し、ほとんど回避を優先している。
「意外とやるもんだな」
シグナムは興味ありありで二人を見る。
以前も少しシンの動きを見たが、軍人とはああいうものなのか?と思った。
その時、ムゥはため息をつけながら言う。
「やっぱすごいな、コーディネーターっていうのは……」
ムゥの言葉にえ?といった感じではやてはムゥを見る。
「コーディネーターって何?」
それを聞いてあれ?とムゥは疑問に思う。
もしかして、俺って地雷踏んだ?それより……
(坊主、話してなかったのか……)
そう思い、話そうかどうか迷う。
ちょうどそのときだった。
シンがレイの喉に木刀を刃の部分を前に出す。
314ガンダムし〜どD´s:2007/02/11(日) 09:43:53 ID:???
「また俺の負けか……」
レイがそういって、シンは刀を下ろす。
最後に戦ったときもシンはレイに買った。
どうやら接近戦はシンのほうが上手らしい。
二人は元の場所に戻ろうとしたが、何か視線を感じるシン。
よく見ればはやてがシンを少し睨んでいた。
「シン、まだうちらにかくしとることあるやろ?」
は?とはやてを見るシン。
自分のことはすべて話したはず。ほかに何か話してないことって無かったっけ?
「コーディネーターって何?」
それをきいてあっと思い出したような顔をする。
だが、コーディネーターのことなぞ誰から聞いたのか。
自分とレイ以外にコーディネーターのことを知っている人物は一人しかいない……
シンはムゥを睨むとわりぃ、といった感じでシンを見る。
はぁ、とため息をついてもう一度はやてを見ると、はやてはすこし涙ぐんでいた。
だからその涙はやめろって……おいヴィータ!こっちを睨むな!!
数日前とおんなじパターンとなり結果はやはり……
「わかったよ、帰ったら教えてやる」
そういってこの場を逃れようとするが……
「ふーん、はやてさんたちにだけ話して私達に話さないの?」
うしろからリンディが話しかける。
いつもアースラにレイやおっさんがいるんだからそいつに聞いてくれよと思った。
だが、名の二十歳も聞きたそうにしていて、この場で話そうか迷う。
それ以前にコーディネータ−のことをどう話そうか迷う。あんまり説明するのは得意ではない。
だが、以外にもレイがコーディネーターのことを話し出す。
「コーディネーター。受精卵の遺伝子を改良して、容姿や能力を調整した人間」
レイはコーディネーターのことを簡潔に話すが、あんまりわかってもらえないらしい。
次にムゥが説明する。
「たとえば………そうだな……」
ムゥは少し考えて、士郎と桃子を指差す。
「二人がこの譲ちゃんを産むとき、どんな子供に育って欲しいとおもった?」
そのあとムゥはなのはを指差す。
ももこはすぐに答える。
「元気に、健やかに育って欲しいとおもいましたけど……」
そういうとムゥはそれじゃあと思ったこともないような言葉を口にする。
「じゃあ髪の色は?目の色は?他の人よりも賢く、強くなって欲しいとおもったことは?」
ちょ、ちょっと待ってくださいと桃子は慌てる。
「い、いきなりなにをいいだすんですか?」
二人はこの人が何を言っているのかわからなかった。
「コーディネーターとはそういうものです」
もういちどレイが言う。
「コーディネーターはさっきコイツが言っていたように、受精卵の遺伝子に手を加えて紙の色や目の色をコーディネートし、頭脳や身体能力も本来の人よりも高い人種」
315ガンダムし〜どD´s:2007/02/11(日) 09:45:58 ID:???
まるでゲームの解説のようなものでも聞いているかのような気分になる一同。
「俺達の世界ではコーディネーターが住むプラント。そして普通に生まれてきたもの、ナチュラルの地球連合で戦争をしているんです」
レイの言っていることに皆がうつむく。
だがそこでクロノが気付く。
「じゃああなたは地球連合の人間?」
クロノの問におしいとムゥは言う。
「確かに俺は地球連合にいたけどいまはオーブっていうところに入っている。オブはナチュラルとコーディネーターが一緒にいる国のことな」
オーブ、その言葉に聞き覚えがある。確か……
「アスカはオーブの出身だったな……」
シグナムの言葉でムゥはシンを見る。
シンはふん、とそっぽを向く。
それをみたはやてがあかんよ、と注意をするが、言うことを聞く気も無い。
だがそんなことよりも……
「坊主、なんでオーブ出身のおまえがオーブ軍に入らずにザフトなんかに……」
そんなの個人の勝手でしょう、といった感じでシンはムゥを睨む。
だがムゥは言う。
「軍人なんていつ死ぬかわからない。だから自国のことを思っていなけりゃ軍人になんかなれるはず無いだろ。それをなんで他の国から着たお前が……」
「うるさい!」
ムゥは言葉を続けようとするがシンの怒声によってかき消される。
「そういうあんただって、地球軍を裏切ったじゃないか!!」
もう回りにはやてやなのはたちがいることを忘れている。
今シンの目にはムゥしか映っていない。
シンは今まではやてたちには見せたことないような目でムゥを睨む。
図星を付かれ黙るしか出来ないムゥ。
そんなムゥに腹が立ち、つい口走ってしまう。
「あんな国!守りたいって気も起こりませんよ!!逆に滅んで欲しいくらいです!!」

19話前編投下完了。
後編はほとんどシンのしゃべりになるかもしれません
316通常の名無しさんの3倍:2007/02/11(日) 09:55:00 ID:???
小太刀二刀流の恭也の闘い方は、どっちかと言えばシンやレイの
軍隊格闘術に近いような気がするんだが
317通常の名無しさんの3倍:2007/02/11(日) 10:43:24 ID:???
GJ!

>>312でシグナムとシャマルが入れ替わってるように見えるが、間違いでいいんだよな?
318通常の名無しさんの3倍:2007/02/11(日) 11:09:18 ID:???
GJです
ついにシンとムウが衝突

剣道、居合経験者の俺も、本職のナイフの戦闘はみたいな〜
319ガンダムし〜どD´s:2007/02/11(日) 12:55:25 ID:???
>>317
すいません、間違えました。
ちゃんと確認したつもりだったんだけど……
320 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/11(日) 23:20:36 ID:???
15分後くらいに投下します
321魔法少女リリカルなのはC.E.73 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/11(日) 23:34:22 ID:???
 ザフト軍カーペンタリア基地の修理ドックでは、ミネルバの修理作業が行われている。
 そのドックから少し離れた、海が望める空きスペースでは、シン達が談笑していた。
「けどホント、あの時はどうしちゃった訳?」
 ルナマリアが弾んだ声でシンに尋ねる。
「急にスーパーエース級だったじゃない。火事場の馬鹿力ってやつ?」
 そう言われて、シンは先日の戦闘中に自分を襲った不思議な感覚について思い起こした。
「さあ……よくは分からないよ、自分でも。オーブ艦が発砲したのを見て、アッタマ来て……『こんな所でやられてたまるか!』って思ったら、急に頭ン中クリアになって……」
 考えながら言葉を紡ぐシンに、ルナマリアが首をかしげる。
「ブチ切れちゃったって事?」
「うーん……そういう事じゃないと思うんだけど――ん?」
 シンは上空を飛来してくる航空機に気づく。
「何だ……あの機体?」
 見慣れぬ形状の真紅の機体は、空中で素早くMS形態に変形すると、ミネルバが停泊しているドックへと降下した。


 アスランはカーペンタリア・コントロールの指示に従い、セイバーを降下させていく。
 ふと脇を見やると、ついこの前、カガリとともに乗艦した艦が視界に入る。
(ミネルバ……やはりカーペンタリアに移動していたか……)
 よく見ると、その艦体は新造艦とは思えないくらい傷ついていた。
(艦体を修理している……戦闘があったのか?)
 その場に居合わせなかったアスランにも、激戦の跡が見て取れる程に。


 見知らぬ機体の正体が気になったシン達が格納庫の中に駆け込むと、先程の真紅からディアクティブモードの灰色に変化した機体から、パイロットが降りてくるところだった。
「何なの、この新型……いったい誰?」
 疑問符を浮かべるルナマリアの目が、そのパイロットの胸元にいく。
(フェイス……!?)
 初めて実物を見る徽章に驚くルナマリア達。
 ヘルメットを脱いだパイロットの素顔に、彼女達はさらに驚愕する。
「――!!? アスランさん!!?」
 驚きの余り、思わず声を上げてしまうルナマリア。
 そんな彼女達の視線をさほど気にすることなく――ある程度は予想していた反応だった所為だが――アスランは現在の自分の身分と用件を口にした。
「認識番号285002、特務隊フェイス所属のアスラン・ザラだ。乗艦許可を」
322魔法少女リリカルなのはC.E.73 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/11(日) 23:36:00 ID:???

 知らない機体から降りてきたのは、オーブで別れたアスラン・ザラ。
 しかも、彼はフェイス――議長直属の特務隊で、軍部のエリートである――だと言う。
 急にもたらされた事実に、シンは混乱する。
「な……何でアンタが!? いったい、どういう事だ!?」
「シンっ!」
 ルナマリアが小声でたしなめる。
 アスランはそれには取り合わず、この場での年長者であろう、マッド・エイブスに声をかける。
「艦長は艦橋ですか?」
「ああ……はい――だと思います」
 困惑気味に答えるエイブスをよそに、ルナマリアが進み出る。
「確認してご案内します!」
「あ……ああ。ありがとう」
 彼女の勢いにやや気圧されながら、アスランは頷く。
 ルナマリアに先導されてエレベーターに向かうアスランの背中に向かって、シンは抑えきれずに声を投げつけた。
「ザフトに戻ったんですか!?」
 シンには納得できなかった。相手がフェイスだからといって、おとなしく歓迎する気にはなれない。
 ルナマリアがはらはらとした感じで、アスランとシンの顔を交互に見やる。
 アスランは振り返って答えた。
「……そういう事になるね」
 その曖昧な返答がなんとなく癪にさわり、シンはさらに噛みつくように訊く。
「何でです!?」
 だが、アスランはケンカ腰なシンの言葉には取りあわずに立ち去る。
 ここでシンと論争をしてもあまり意味はない――彼への答えは、これからの行動で示そうと、アスランは思っていた。

=========================

 議長用の執務室で仕事をしていたデュランダルのもとへ報告が入る。
『議長。緊急を要する通信会談をオーブが希望してきているのですが……』
「オーブが?」
 大西洋連邦との同盟へ向けて動き、ミネルバを事実上見捨てたあの国が、今さら何の用だというのだろう。
『それがですね……会談希望者なのですが……』
「ん? どうしたのかね?」
 相手の戸惑っている様子に気づいて尋ねる。
『それが、アスハ代表と……ラクス・クライン≠フ名前が使われているのです』
「……ふむ」
 なるほど、とデュランダルは納得する。
 公的には行方不明となっているラクス・クラインの名前が出てきたのなら、相手の戸惑う様子にも頷ける。
 だが、デュランダルを始めとするプラントのトップ達は知っていた。ラクス・クラインが、戦後はオーブに渡った事を。
 そのオーブからだというのなら、おそらくはラクス・クライン本人が絡んでいるのだろう。
「分かった……三時間後に通信会談を行えるように準備してくれ。オーブにも、そのように返答を」
『了解しました』
 デュランダルは机の上に肘をつき、顔の前で両手を組む。
(さて、どう動くかな? オーブは──そして、彼女は)

=========================
323魔法少女リリカルなのはC.E.73 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/11(日) 23:37:43 ID:???
 ザフトの制服に着替えたアスランは、ルナマリアに案内されてエレベーターに乗っていた。
「……私も訊いてみたいんですけど……いいですか?」
 突然、悪戯っぽい笑みを浮かべながら、ルナマリアが口を開く。
「え?」
「何で急に復隊されたんですか?」
「復隊したというか……まあ、うん……ちょっとプラントに行って、議長とお話して……」
 ルナマリアはその先を聞きたそうにしているが、簡単に話せる事でもないので、アスランは話題を変える事にした。
「それより、ミネルバはいつオーブを出たんだ? 戦闘もあったようだが?」
「え!?」
 ルナマリアは目を丸くする。
「オーブに行かれたんですか!? 大丈夫でした? あの国、今はもう――」
「警告だけで、攻撃はされなかったが……門前払いだったよ……」
 ――つい数日前までは、代表であるカガリのボディガードだった自分がである。 
 アスランは自嘲気味に答えた。
「メチャクチャですよ、あの国! オーブを出る時、私達がどんな目に遭ったと思います!? 地球軍の艦隊に待ち伏せされて!」
 それを聞いたアスランは耳を疑った。
 ルナマリアは怒りも冷めやらぬ様子で喚き続ける。
「しかも、後ろにはオーブ艦隊もいて! シンが頑張ってくれなきゃ、ホント、死ぬトコでした!」
「……どうなってるんだ、オーブは……カガリがそんな……」
 アスランは戸惑った。
(カガリがいるなら、そんな事だけは許すはずがないのに……)
 胸騒ぎすらするアスランをよそに、ルナマリアは大きく嘆息する。
「私も前は少し憧れてたんですけどね〜、オーブのカガリ・ユラ・アスハ。でも、何かがっかり! しかも――」
 ここにきて、ルナマリアは声を潜める。
「変な噂が流れてるんですよね……オーブが大西洋連邦との同盟を土壇場になって拒否するかもしれないって」
「は?」
 アスランは再度、戸惑った。
 たしかにカガリは大西洋連邦との同盟に反対していたが、そんな彼女の意見がやすやすと通るような内情ではなかったはずだ。
 それに――
「でも! それが本当なら、ミネルバがわざわざ窮地に立たされたのって、何だったのよ!――って話ですよね?」
(そうだ、辻褄が合わない……いったい、オーブに何がおこっているんだ?)
 アスランの混乱は深まるばかりだった。

=========================
324魔法少女リリカルなのはC.E.73 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/11(日) 23:38:43 ID:???
 ラクスをカガリのもとに残し、キラ達は一度孤児院へと戻って来ていた。
 オーブを出立する前に、家族達に暫しの別れを告げる為と――
 もう一つ。マユになのはの事を伝える為だった。


 言い難い事ではあるが、マユに黙っておくわけにもいかない。
「その……なのはちゃんの事なんだけど――」
「お願いがあります」
 マユはキラの台詞を遮った。
「私も連れて行ってください」
「――え?」
 マユの申し出は、周りの者達を驚かせる。
「おいおい。マユ君、いったいどうしたんだ?」
 バルトフェルドが怪訝そうに尋ねる。
「ここに残っているよりは、なのはちゃんに会える可能性があると思うからです」
「――!? なのはちゃんが行っちゃった事を知ってるの?」
 マユの言葉に、今度は別の意味で驚かされるキラ達。
 マユによると、なのははキラ達の前から去ってから、この孤児院に立ち寄ったらしかった。 
「マユちゃんにお別れを言いたかったのと……もしかしたら、孤児院が本当にセイランの手出しを受けていないか確認しに寄ったのかもしれないわね」
 キラからセイランの言動を聞いていたマリューが、自分の推測を述べる。


「しかしだな……だからといって君を連れて行くわけにはいかんよ」
「お願いです! 雑用とか……とにかく何でもしますから!」
 自分の願いを拒否するバルトフェルドに、マユは食い縋る。
「マユちゃん。私達と行けば、必ず戦闘に巻き込まれる。死んでしまう可能性だって、常にあるわ。だから、貴女を連れて行くわけには行かないわ」
 マリューが諭すように言うが、それでもマユは納得できない。
「……もういいです!!」
 マユは孤児院の玄関を飛び出して行ってしまった。


 それから程なくして――
 キラとマリューとバルトフェルドの三人は、モルゲンレーテへのドックへと戻る為、車で孤児院を後にする。
 その車に――四人目の乗員がいる事を、キラ達は気づいていなかった。

=========================
325魔法少女リリカルなのはC.E.73 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/11(日) 23:39:46 ID:???
 ミネルバの艦長であるタリア・グラディスは、アスランが預かってきたデュランダルの命令書に一通り目を通すと、小さく息をついた。
 彼女はアスランが命令書とともに携えてきた小箱を開く。
 そこにはフェイスの徽章――アスランのものとは別にもう一つ――が輝いている。
「貴方をフェイスに戻し、最新鋭の機体を与えてこの艦に寄越し……その上、私までフェイスに?」
「……」
 その意向はアスランも聞かされていたが、その意図するところまでは彼にも分からなかった。
 タリアは命令書を副長であるアーサー・トラインにも見せながら言う。
「それに、この命令書……いったい、何を考えているのかしらね、議長は?」
 書面の指令内容を目にしたアーサーが、あっけにとられた顔になる。
「……我々がスエズの支援にですか?」
「……そうよ。ユーラシア西側の……連合の制圧から独立しようとするレジスタンスの紛争もあって、地上では今一番ゴタゴタしている場所ね。何の意図があるのか知らないけど……ともかく、準備が整い次第、出航する事になるわね」
「ミネルバは地上艦じゃないんですけどねぇ……」
 タリアとアーサーの会話に、アスランは遠慮がちに口を挟む。
「あの……」
 こちらへと向く二人の視線に、アスランはきまり悪く感じながらも、問わずにはいられなかった。
「オーブの事情について……艦長は何かご存知でしょうか?」
「え?」
「私は戦闘の前に、すでにオーブを出ていまして……」
 タリアは意外に思ったが、アスランの説明に納得した。
「……そうだったの。あの戦闘での事は代表の意思じゃないわ。私達がオーブを出る時、彼女は直接私のところにきてくれたもの」
 タリアの脳裏に、深々と頭を下げるカガリの姿が思い出される。
「そうですか……」
 あまりにカガリらしい話に、アスランは少し安堵した。
「でも、今は大変よね。『オーブが大西洋連邦との同盟を拒否する』だなんて話が湧いてきちゃって……」
「はあ……」
 アスランは落胆する。タリアですらルナマリアと同程度の事くらいしか把握していないようだったからだ。それは、地上の一般ニュースで報じられているものと変わらない程度のものでしかない。
 結局、現在のアスランには、オーブの内情は分からないままだった。
 
=========================
326魔法少女リリカルなのはC.E.73 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/11(日) 23:40:38 ID:???
 中国西部に位置する崑崙山脈の中の一山。その中腹辺りに建てられている小さな山小屋に、なのははいた。
 登山者用の休息場なのだろう──というか、そういった説明書きがあった――、簡易ベットや非常食なども備えつけられてある。
 しばらく利用者がいなかったようであり、ベットには埃が積もってあったが、この世界の金銭を持っていない身では贅沢はいっていられない。
 レトルト食品とはいえ食事にありつけ、屋根のある小屋のベットで寝れる。
 数年前に経験した訓練校でのサバイバル研修の時と比較しても、そんなに悪くない居心地であった。
 ──が、この世界で一人ぼっちという状況には、やはり孤独感を感じてしまう。
 もちろん、なのはとの連絡が途絶えた時空管理局──その中でもなのはと親しい者達は、彼女を助ける為に懸命に動いてくれているはずだし、その事を彼女は疑ってもいない。
「だから……助けが来るまでは、私達だけで頑張らないとだね」
《Yes》
 なのはの意思に応えるレイジングハート。
 ダーククリスタル──いつまでも呼び名がないのも不便なので、こう呼ぶ事にした──をなんとかできるのは、今はこの世界で自分一人だけ。
 その事実に、なのはは必要以上に奮い立っていた。これは、彼女の長所であると同時に、問題を自分一人で背負いこみ過ぎてしまう欠点でもあった。


 なのはは、ダーククリスタルの魔力波動を辿ってきたのだが、現在地付近でその魔力波動が停滞していた。
 そして、現在はこの山小屋を基点にして探索を行っていた。
 ダーククリスタルがこの世界の兵器を取り込んで活動する性質を持っていると判断した為、軍事施設や都市部を重点的に探策したのだが、成果は上がっていなかった。
 だが、この近辺にダーククリスタルが潜伏しているのは確かなのである。
(いっその事、発動しちゃってくれた方が――)
 ――と、なのはは考えかけたが、頭を振る。
 その場合、周囲にもたらされる被害を考えると、それは好ましくなかったからだ。
 そんな発想をしてしまった事への後ろめたさからか、なのはは思考を切り替えようと、ふと思いついた事を声にする。
「ねえ、レイジングハート?」
《Yes my master》
「レイジングハートは、どうして私の事、気に入ってくれたの?」
《…………》
「うぅ……お返事がない……相変わらず、必要以外の事は喋ってくれないんだね」
 愛杖からの答えは返ってこず、なのはは少しへこんだ。
《Sorry master》
「わっ……ううん。こっちこそゴメン。謝ったりしなくていいんだよ」
 すまなさそうにするレイジングハートに、なのはは驚いて慌ててフォローを入れた。くだらない事を訊いてしまったと反省する。
 そもそも、質問の内容自体が、今さらなものだった。
 なのはは再び思考を切り替える。
「明日は砂漠の方を探してみよっか?」
《All right》
 なのは達は、この地域で探索を後回しにしていた北の砂漠地帯に行ってみる事に決めた。

=========================
327魔法少女リリカルなのはC.E.73 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/11(日) 23:41:34 ID:???
「──我々はオーブの意志を受け入れたいと思います。大西洋連邦の強引な政策に従わざるを得ない地上国家の中で、正しき平和の為にと立ち上がって下さるオーブには尊敬の念を持って止みません」
 モニターに映る男は、プラント最高評議会議長であるギルバート・デュランダル。そして、彼の後ろには評議員の面々。
 そのモニターの前には、カガリとユウナ、そしてラクスの三名。
 彼らは、アメノミハシラを中継したオーブ・プラント間での通信会談を行っていた。
 通常ならば、オーブがプラントへ同盟の意を伝えた後、プラント側は評議会でその可否を決議し、オーブへ返答――と、いった形式を取るはずである。
 だが、今回の会談内容は、オーブ・プラントの双方共が結論を急ぐ為に、このような形で行っている。
 オーブ側は、早急に他国と手を取り合わなければ、大西洋連邦を主とする連合の脅威に再び呑み込まれてしまう。
 一方で――プラント側も、地球連合への報復を望み憤る市民を落ち着かせる事に四苦八苦していた。
 また、ブレイク・ザ・ワールド事件後の地上は、反コーディネイター・反プラント≠フ気運が強まっている。親プラント≠表明してくれた大洋州連合のような国もあったが、プラントの立場は地上の世論では劣勢だった。
 オーブとプラントがそれぞれ抱える問題を思うと、この会談で得られるものは、両国にとって魅力的なものであったのだ。


「では、引き受けて頂けるのか?」
「ええ、もちろんです。それと、我々にとっては願ってもいない戦力と人材の提供……姫のお心遣い、感謝いたします」
 モニター越しにデュランダルが一礼する。
「……議長。以前にも申し上げたと思うが、その『姫』というのは止めて頂きたい」
「これは失礼しました、アスハ代表」
 不快さを露にするカガリに、デュランダルは素直に詫びる。


「それにしても……貴女が再びプラントにお戻りになられるとは……正直、我々としては助かります──ラクス嬢」
「いえ……わたくしの方こそ、今さら身勝手ではあるとは思いますが……」
「そのような事はありませんよ。今でも、プラントの市民は貴女の事を大変慕っています。大西洋連邦の核攻撃で憤る市民を宥める為に、貴女の偽物を用意しようなどといった話まで出る程です」
 デュランダルはやや自嘲気味に続ける。
「ですから、貴女が戻ってきて下さるというなら、我々プラントは歓迎いたしますよ」
「それは……オーブに亡命する事は、もう決めてしまった事ですから」
「先の大戦での貴女の行いを気にしておられるのですか? 貴女は世界を平和に導いた英雄なのです。いったい、何の気兼ねが必要だと言うのです?」
 デュランダルの言葉は、先の大戦でのラクスの罪状が、プラント国内では不問になっている事を暗に示していた。
「それでも……わたくしは、あくまでナチュラルとコーディネイターが共存するオーブという国で立ち上がりたいのです。」
「そうですか……少々、残念ではありますが……そこまで決意なさっておられるのでしたら仕方ありません」
 デュランダルが嘆息する。


 この会談が、ここまでとんとん拍子に進むとは、ユウナにとっても意外であった。
(どうやら僕の予想以上に、プラントも苦労しているみたいだね)
 ユウナの推測は図星だったのだろうが──
 プラント市民の感情を抑える為とはいえ、ここまで素直にラクス・クラインを欲するとは思っていなかった。
 経済面では、ブレイク・ザ・ワールド事件以降滞っていた輸出入の再開を。
 軍事面では、デュナメイスの分を除けば、カーペンタリア基地の防衛協力を──今のところではあるが──要求された程度である。
 他にも細かな調整が必要な項目はいくつもあるが、続きは双方の議会でさらに詳しく煮詰めてから、という事になった。

 
「では、今回はこれで失礼させて頂きます。先の大戦の三隻同盟≠フように、国境を越えて平和の為に集い戦う。そして、ミネルバとデュナメイスの働きが、再びこの世界が平穏に向かう手助けとなる事を切に願います」
 この後、一言二言の社交辞令を交し合ってから、オーブ・プラント間の首脳会議は終わった。
328通常の名無しさんの3倍:2007/02/11(日) 23:54:06 ID:???
投下終了です
展開が強引過ぎたかも……

キラ達の出航は次回以降に持ち越し
なのはパート増設に伴い、あのキャラがスポット出演



チラ裏
最終決戦の部分が先に書き上がってしまいました
……そこまで辿り着けるのは、いつになるのかなぁ
329通常の名無しさんの3倍:2007/02/12(月) 00:16:26 ID:???
乙。わーい、なのはパート増設キター!!(゚∀゚)
最終決戦までたどり付けることを祈ってまつ。
330通常の名無しさんの3倍:2007/02/12(月) 00:21:54 ID:???
あのキャラ…あ〜マワールの人かな?

フェイト達の増援がくるのかも気になるところだな。

とりあえず乙
331魔法戦士アスランSEED:2007/02/12(月) 03:52:22 ID:???
今日、誰も投下する気配が無かったら投下させてもらいます。
332通常の名無しさんの3倍:2007/02/12(月) 06:47:46 ID:???
そんなこと言わずに、投下しちゃおうぜ?
333シンとヤマトの神隠し:2007/02/12(月) 12:33:14 ID:???
第八話 運命
「時空管理局執務官クロノ・ハラオウンだ。時間がないので、簡潔に説明する。あそこの黒い淀み、闇の書の防衛プログラムがあと数分で暴走を開始する。
僕らはそれを何らかの方法で止めないといけない。
停止のプランは現在二つある。」
クロノはカードを取りだし、二つのプランの説明を始めた。
「ひとつ、極めて強力な氷結魔法で停止させる。
二つ、軌道上で待機している艦船アースラの魔導砲、アルカンシェルで消滅させる…。
これ以外に、他にいい手はないか?闇の書の主と守護騎士である君達に聞きたい。」
クロノはどちらのプランもリスクと被害が大きいのでこの二つのプランには消極的だった。
だから、こうして闇の書の一部でもある騎士達、そして、その主であるはやてに聞いているのだ。
「えぇ〜…っと…」
シャマルがおずおずと手をあげ、クロノの質問に答えた。
「最初のは、たぶん難しいと思います。主のない防衛プログラムは魔力の塊みたいなものですから…。」
「凍結させても…コアがあるかぎり再生機能は止まらん…。」
シャマルとシグナムも、氷結魔法によるプランは消極的なようだった。残るは一つだが…。
「アルカンシェルも絶対駄目ぇ!こんなところでアルカンシェルぶっ放したら、はやての家までなくなっちゃうじゃんか!」
と、両腕をクロスさせてヴィータが反対の意思を示す。
「そんなにすごいのか?アルカンシェルって…。」
魔法に詳しくないシンが丁度隣にいるなのはに聞いた。キラも、興味があるようで、そちらに体を向ける。なのはも魔法に詳しいわけではない。
隣にいたユーノに聞いてみた。
「そんなに…すごいの?」
「発動地点を中心に百数十キロ範囲の空間を歪曲させながら反応消滅を起こさせる魔導砲…って言うとだいたい分かる?」
それを聞き、なのは
「あの、私もそれ反対!」
「同じく、絶対反対!」
フェイトも反対する。
「俺も反対だ。」
「うん、僕も反対だね。」
シンとキラも反対する。自分達の世界よりも綺麗なこの世界をそんなもので傷付けたくないし、何より、守りたかった。
二人はそう思い、反対した。
「僕も、艦長も使いたくないよ。でも、あれの暴走が始まったら、被害はそれより、確実に大きくなる。」黒い淀みを見るクロノ。
「暴走が始まると触れたものを侵食して、無限に広がって行くから…。」
ユーノの言葉が、皆を沈黙させる。暴走を停めるための手段ははやくも、アルカンシェルのみとなってしまった。
334シンとヤマトの神隠し:2007/02/12(月) 12:34:19 ID:???
『は〜い!闇の書の防衛プログラム。暴走開始まであと15分きったよ!!』
策もないうえ、時間もない。
「すまない、役に立てそうにない…。」
シグナムの表情が曇る。
「我々も、暴走開始の瞬間に立ち合うのはこれが始めてなのだ。」
とザフィーラ。希望の光が小さくなっていく。
「あぁ〜ん、もうごちゃごちゃうっと惜しいなぁ。なんかこう、みんなでズバッとぶっ飛ばしたり出来ないわけ?」
先ほどから、全員の話を聞きイライラを募らせたアルフが苛立たし気に言った。
「アルフ、これはそんな
簡単な問題じゃ…。」
「なぁ、アルカンシェルってここじゃないと撃てないのか?」
アルフをなだめるユーノをよそに、クロノにシンが聞いた。なるほど、キラもシンが何を言わんとしているかに気付く。
自分達の世界ではさほど珍しくもない場所。
「宇宙…だね?」
キラが言うと頷くシン。
「そこならよっぽどじゃない限り被害は出ないはずだ。場所にもよるけど…。」
「アースラが今軌道上にいるなら、何らかの方法を使って、あの防御プログラムを軌道上まで運んで、アルカンシェルで消滅させる。成功すれば被害は押さえられる。」
クロノへと視線を向けキラ。
『管理局のテクノロジー…舐めてもらっちゃぁこまりますなぁ〜…。
撃てますよぉ〜、宇宙だろうが、どこだろうが!!』あっけにとられているクロノの代わりにエイミィが通信で答える。
「おぉい!?ちょっと待て君ら…!ま、まさか!?」
シンとキラ、そしてこの策にその場にいる皆が賛成した。

アースラ。
「なんとまぁ…。さすがは異世界の人間と言うか…。」
驚きとなるほど、というようにリンディが呟いた。
「計算上では、また実現可能って言うのが怖いですね…。」
エイミィもシュミレーションを行い、キラとシンの案が実現可能だということに驚きを隠せないでいた。
「クロノ君!こっちのスタンバイはオッケー、暴走臨界点まであと十分!」
残り時間十分。
局員も現場のみんなも、全てをこの新しいプランにかけることを決めた。
335シンとヤマトの神隠し:2007/02/12(月) 12:37:56 ID:???
「実に個人の能力頼りで、ギャンブル性の高いプランだが…。まぁ、やってみる価値はある。」
クロノも納得していた。
「防衛プログラムのバリアは魔力と物理の複合六層式。まずはそれを破る。」
はやてが内部空間で手に入れた情報を皆に話した。
「バリアを抜いたら、私とはやて、なのはとキラの一斉砲撃でコアの露出。」
フェイトが作戦の段取りを説明する。
「そしたら、ユーノ君たちの強制転移魔法で、アースラの前に転送!」
なのはがフェイトに続く。『あとは、アルカンシェルで蒸・発…と。』
なるほど、うまくいけばこれがベストだ。シンの作戦を改めてリンディはそう思った。
現場で皆の配置が行われ、各自、所定の位置へと慌ただしく動き始めた。

ギル・グレアム、このアースラの提督である彼は、闇の書を主ごと凍結するプランをとろうとしていた。
そして、その準備を行っていたのがあの二人の仮面の男、提督の使い魔であるリーゼ姉妹だ。
だが、それはクロノにより阻止された。
過去、闇の書事件で父親を失ったクロノ。不可抗力だったとは言え、アルカンシェルで闇の書ごと、父親を吹っ飛ばされたのだ。
だからこの事件対するクロノの思い入れは強かった。できれば犠牲を出さずに解決したい。
そう思っていた。
『提督…、見えますか?』空間モニターでモニタリングしているグレアムに、クロノから通信がはいった。「あぁ、よく見えるよ。」
『闇の書は、呪われた魔導書でした。その呪いは、いくつもの人生を喰らい、それに関わった多くの人の人生を狂わせてきました。
あれのお陰で、僕も、母さんも、多くの被害者遺族も…こんなはずじゃない人生を進まなきゃならなくなった。
それはきっと…、あなたも、リーゼたちも…。』

「なくしてしまった過去は、変えることができない。」
カードを宙に放り、デバイスを起動させる。
『Start Up!』
カードは青い杖に形状を変え、クロノはそれを握る。「だから…今を戦って、未来を変えます!」
そのクロノの言葉が、シンに、キラに、この場にいる全員に深く届いた。
管理局はアルカンシェルのチャージを開始する。
『暴走開始まで、あと2分。』
全員が沈黙しているためか、エイミィの声が普段よりも大きく響いた。
336シンとヤマトの神隠し:2007/02/12(月) 12:41:00 ID:???
黒い淀みの周りをうねうねとうごめいている触手がその活動を活発にする。
そんな様子を真剣な面持ちで見つめるなのは、フェイト、シン、キラにはやてが声をかけてきた。
「なのはちゃん、フェイトちゃん、それから、シン君にキラ君。」
視線を淀みから外し、四人がはやてに体ごと視線を向けた。
「シャマル。」
と、はやてが声をシャマルにかける。
「はい、四人の治療ですね?」
シャマルはそういって、アームドデバイス、クラールヴィントに呼び掛ける。
「静かなる風よ、癒しの恵みを運んで…。」
そう永昌すると四人の体が緑の光に包まれ、損傷していたバリアジャケットが、怪我が治っていった。
「湖の騎士シャマルと、風のリング、クラールヴィント。癒しと補助が本領です。」
と微笑んだ。
「すごい…すごいです。」
「ありがとうございます。シャマルさん。」
フェイトとなのはがお礼と感嘆の声を漏らす。
「ありがとうございます。」「ありがとう、シャマルさん。」
それは、シンもキラも同様だった。
準備は整っている。あとは待つだけだ。
アルフ、ユーノ、ザフィーラはサポート班にまわる。攻撃してくる触手の排除を行う。
リズムよく、手早く障壁を六枚も抜いていかなければならないのだ。
攻撃されている暇などない。
海面から半分だけ顔をだしている黒い魔力の塊の回りに、同色の柱が一本、二本と数を増やしながら立っていく。
「夜天の魔導書を呪われた闇の書と呼ばせたプログラム…、闇の書の…闇。」
はやての言葉とともに暴走開始が近付いていく。
柱の中心の魔力の塊が徐々に海面から浮上し、そして、その塊を漆黒の闇が包み込み、爆散した。
その中から現れる防御プログラム。
まがまがしい姿にどくどくしいその色。そして、剥き出しの牙が鋭く光る。
プログラムの全貌が明らかになったのを開始の合図とし、最初に行動するのはアルフとユーノだ。
「チェーンバインド!!」
「ストラグルバインド!!」作戦通りに、まずは、触手をチェーンバインドとストラグルバインドが拘束し、そのまま切断した。
次に行動するのはザフィーラだ。
「きばれ!!鋼の軛!!」
轟くザフィーラの咆哮。
つむがれる白い刃が、展開された魔法陣から勢いよく噴射され、触手を根刮ぎ刈り取って行く。一時的にバリケードがなくなる今が、障壁を最初の二層を壊す合図となった。
337シンとヤマトの神隠し:2007/02/12(月) 12:44:47 ID:???
かつては敵同士だったヴィータとなのは。その二人が今、力を合わせる。
「ちゃんと合わせろよ!高町なのは!」
グラーフアイゼンを構えるヴィータ。
「ヴィータちゃんもね!!」なのはの顔に不思議と笑みが溢れた。
「鉄槌の騎士、ヴィータと!黒金の伯爵!グラーフアイゼン!!」
カートリッジが一発消費され
『ギガント・フォルム』
光を放ち、グラーフアイゼンはその姿を変えた。
ハンマーヘッドが巨大化する。
「剛健爆砕!!!!」
ヴィータは、咆哮とともにそれを振り上げさらに、ハンマーヘッドを巨大化させ「ギガント!!シュラーク!!」そのまま、防御プログラムの障壁に莫大な質量と込められた魔力を叩きつける。その攻撃力はもはや一撃必殺の大威力。
防御プログラムの障壁が、易々と砕け散る。
だが、まだ攻撃は終わらない。
「高町なのはと、レイジングハートエクセリオン、行きます!!」
覇気の篭った声と共に、なのはは天にその不屈の心を掲げ、桜色の魔法陣を展開する。
『ロードカートリッジ』
カートリッジが四発弾け飛び、レイジングハート本体から六枚の翼が現れる。なのはは、レイジングハートを自在に操りながら、砲撃の構えをとった。
「エクセリオン、バスター!!!!」
しかし、防御プログラムを護衛する触手が、再生し、なのはに攻撃を仕掛ける。レイジングハートの先端に不可視の魔力が収束する。『バレルショット』
発射される衝撃波が、不可視のバインドが触手の自由を奪う。
そしてその衝撃波の通り道は、照準・弾道安定・発射直後の暴発を防止するための補助魔法が敷かれている。
「ブレイク…」
拡散して放たれる4つの桜色の奔流が、防御プログラムの障壁をえぐる。
「シュート!!!!」
レイジングハートの先端から4つに分かれた桜色の奔流を一つに束ねる膨大な魔力が放出され、障壁を打ち破った。
「次!シグナムと、テスタロッサちゃん!」
シャマルが合図する。
攻撃はまだ終わらない。
シグナムとフェイトはレヴァンティンとバルディッシュを構えた。
338シンとヤマトの神隠し:2007/02/12(月) 12:52:39 ID:???
紫色の魔力を体に纏わせ、その集中力を露にするシグナム。
「剣の騎士、シグナムが魂…炎の魔剣、レヴァンティン。」
鞘から引き抜かれたレヴァンティンを掲げる。磨き抜かれたその刀身が、輝きを放つ。
「刃と連結刃に続く、もう一つの姿。」
鞘を柄の後ろに押し当て、カートリッジを一発消費した。
剣からでは想像もつかない形状に姿を変えるレヴァンティン。
『ボーゲンフォルム』
弓へと変化し、魔力の弦が両端を繋ぐ。
魔法陣を展開し、シグナムは狙いを定め、弦を引いた。魔力を練りこまれた矢が形成される。
カートリッジを二発消費し、さらに矢に、弦に魔力を込める。
足元から炎が噴き出した。「駆けよ!ハヤブサ!!!」
『シュツルムファルケン』声と共に弦を弾く。
空をハヤブサがかけ、防御プログラムまでの距離を、刹那で到達し、障壁を爆砕した。
なおも攻撃は続く。
「フェイト・テスタロッサ、バルディッシュザンバー、行きます!!」
大剣を構え、金色の魔法陣を展開する。
そして、その大剣を一振り。
不可視の魔力が触手を一瞬にして斬り飛ばす。
天高く掲げたバルディッシュに落ちる雷。
「撃ち抜け!ライディン!!」振り被った大剣を振り下ろすフェイト。
『ジェットザンバー』
金色の魔力刃が、防御プログラムの障壁を貫く。
まだだ、まだ攻撃は終わらない。残る障壁は残り二層。
「次!アスカさんとキラさん!!」
シャマルが再び合図する。「シン・アスカと運命の剣、デスティニー、行きます!!」
両腰にかけていたアロンダイトの左を抜刀し、右のアロンダイトを連結させて抜刀する。
『アロンダイト・アンビデクストラスフォーム』
「出力リミッター解除!パワー全開!!」
実体から出ていた魔力刃が消え、鍔から緋色の魔力刃が発生する。ただでさえ長いアロンダイトを、魔力刃がさらに長くする。
「貫けデスティニー!!」
カートリッジを四発消費。翼を展開、同時、今までにないほどの魔力を噴射し、シンは防御プログラムにむかって、突攻をしかけた。緋色の閃光が防御プログラムへと向かっていく。
緋色の閃光に襲いかかる触手は、連結アロンダイトを振るうシンに切り裂かれ、そして…、障壁に突き刺さるアロンダイト。
両方からカートリッジが一発ずつ消費され
『Deep Impact』
アロンダイトを中心に衝撃が広範囲で駆け抜ける。
障壁は砕け散り、最後の障壁にも亀裂を生ませ、再生しかけていた触手を押し潰す。
339シンとヤマトの神隠し:2007/02/12(月) 12:55:57 ID:???
シンが離脱したのを確認し、砲撃の準備に入るキラ。「キラ・ヤマトと蒼天の剣、ストライクフリーダム、行きます!!」
『ロード・カートリッジ』計六発の薬筒が弾け飛ぶ。『ミーティア・セットアップ』
キラの周囲を大小様々、無数の魔力の光が囲む。
両方のフリーダムを連結させ、形状を変える。
それは一門の巨大な砲口。「これでぇ!!」
『ハイマット・フルバーストミーティアシフト』
轟音を立て一斉に放たれるそれらは、シンが亀裂を入れた障壁を難無く貫通した。
防御プログラムの上半身を根刮ぎえぐりとり、半壊させ、尚も反撃を加えようとする触手に、無数の魔力の奔流が降り注ぐ。
しかし、再生が早く、すぐさま、また新たな触手が姿を現し、砲撃を行おうとするが…。
「盾の守護獣、ザフィーラ!砲撃なんぞ、撃たせん!!」
広範囲で発生する捕縛・拘束魔法が触手を、防御プログラム本体を貫き、自由を奪う。
「はやてちゃん!」
シャマルの声を合図に、本を開き、永昌を開始するはやて。
「彼方にきたれ、宿り木の枝、銀月の槍となりて、撃ち貫け!」
杖を横に一閃し、純白の魔法陣を展開する。
渦巻く闇に、現れる七つの銀月。
「石化の刃!ミストルティン!!!!」
輝きを放つリィンフォース。それと同時に、反時計回りに放たれる銀月の槍。
防御プログラムに突き刺さり、そこから石化を開始する。
石化はプログラムの全体を浸食し、一部を破壊した。だが、新たに姿を変え、その再生力の圧倒的な強さを見せつける。
「う、うわぁ〜…。」
「何だか…凄いことに…。」まがまがしさと、あまりの気持悪さに声を上げるアルフとシャマル。
『やっぱり、並の攻撃じゃ通じない。ダメージを入れたそばから再生されちゃう!』
エイミィからの現状報告。だが、クロノは言う。
「だが、攻撃は通ってる。プラン変更はなしだ!
行くぞ、デュランダル。」その掛け声に、シンとキラが反応するが
『OK, Boss』
と、デバイスの声を聞くとまた、元の臨戦態勢を取る。
「悠久なる凍土、凍てつく棺の内の瀬に…永遠の眠りを与えよ。」
青い魔法陣を展開し、両腕を広げる。
まるで粉雪の様な魔力が雪の様に舞い降り、海を凍らせてゆく。
「凍てつけ!!」
『エターナルコフィン』
デュランダルが輝きを放つのと同時に、防御プログラムは完全に凍った。
340シンとヤマトの神隠し:2007/02/12(月) 13:00:29 ID:???
しかし、尚も暴れようとする防御プログラム。
だが、あくまでこの凍結魔法は動きを封じるためのものだ。
「行くよ、フェイトちゃん、はやてちゃん、キラ君!」
なのはの呼びかけに、フェイト、はやて、キラは頷き、所定の位置へと向かう。だが、キラは途中でシンを振り返り、手を差し出す。「一緒に、行こう…。」
なのは、フェイト、はやてはもう準備をしている。
「…この綺麗な世界を、守ろうよ。…一緒に…。」
キラはシンを見据える。
シンはキラを見据える。
しばらくした後、シンは頷き、そして、キラの手を握った。
五人で防御プログラムを中心に円を描くように陣形をとる。
なのはも、フェイトも、はやても、突然のシンとキラのやりとりを嬉しく思っているのか、微笑みながら頷いた。
そして…。
「全力全開、スターライトー!」
「雷光一閃、プラズマザンバー!」
『ハイマット・フルバースト、オールシフト』
『ダブルケルベロス』
「ごめんな…おやすみな…。」
積極的な姿を見せるなのは、フェイト、キラ、シンとは違い、何処か、悲痛な表情で防御プログラムを見つめているはやて。
だが、やがて決心したのか、凛とした表情に変わる。リィンフォースを掲げ、魔導書を開き、永昌を始めた。
「響け、終焉の笛!ラグナロク!」
放つ言葉は、砲撃は同時。「「「ブレイカー!!!!」」」/「「うぉぉおお!!!!」」
桜色の閃光が、金色の閃光が、白色の、蒼色の、緋色の閃光が同時に発射される。
直撃を受けた防御プログラムは、色とりどりの鮮やかな光とは裏腹のすさまじい衝撃を受ける。
五人の奔流が途切れるのと爆発を起こしたのはほぼ同時だった。
「本体コア、露出。」
クラールヴィントを用い、コアを捕まえるための空間を開く。
ドス黒く、まがまがしく輝くコアがその姿を現す。
「捕まえ…た。」
シャマルの言葉を聞くが早いか、ユーノが叫ぶ。
「長距離転送!!」
「目標軌道上!!」
緑と、オレンジの環状魔法陣に挟まれるコア。
「「「転送!!!!」」」
三人が叫ぶと同時に、コアは転送された。
341シンとヤマトの神隠し:2007/02/12(月) 13:11:21 ID:???
次回に続きます。
とりあえず、戦闘は書ききりました。
難しかったです。自分の語彙の少なさに絶望しましたwww

次回は第八話を終わらせたいと思います。
出来れば最終話 決着にはいりたいと思ってます。
ここでも、戦闘があるんで、今度は反省を生かして書いていきたいです。
342通常の名無しさんの3倍:2007/02/12(月) 13:20:37 ID:???
GJ!
最後のシンを誘うキラが良かった。
本当に仲直りしたなあって感じがイイ!
343通常の名無しさんの3倍:2007/02/12(月) 13:34:16 ID:???
GJ!
スレ覗いた時に、俺のi PodからBRAVE PHOENIXが流れてたのは運命に違いないw

最終話はキラとシンの決着なのかな?
小説版なのはみたいな感じで
344シンとヤマトの神隠し:2007/02/12(月) 13:38:24 ID:???
>>343
当たりです。
決着してから…終わりへ…ですね。
345通常の名無しさんの3倍:2007/02/12(月) 13:45:11 ID:kMpTf5mU
そうなると、なんとなくスクライドというアニメを思い出してしまいます。
あれはどっちが勝ったか微妙で、視聴者の間で揺れましたからね。
1つのオチが浮かんでしまったのですが、
リインフォースが逝ったのがC.E.だったら笑えますね。
346通常の名無しさんの3倍:2007/02/12(月) 14:14:18 ID:???
>>344
ちゃんと決着つけるんだ
それ聞いて安心した
やっぱ一度ライバルとして相見えた以上、如何なる形であれ、白黒キッチリつけにゃならんよな
347通常の名無しさんの3倍:2007/02/12(月) 16:30:13 ID:???
GJ!!

BRAVE PHOENIXが脳内で流れっぱなしだ!
だが、ヴィステージや暁の何とか(名前忘れた。連ザ2で使ってる奴)でもいける!


348通常の名無しさんの3倍:2007/02/12(月) 17:00:32 ID:???
焔の扉ですねぇ。分かりますよ。あいそうな気がします。
シンのディープインパクトが格好よかった。
349通常の名無しさんの3倍:2007/02/12(月) 17:46:46 ID:???
てっきりシンの最終奥義は「アークインパルス」だと思っていたw
350通常の名無しさんの3倍:2007/02/12(月) 18:38:40 ID:???
>>349
ワイルドアームズ?
351通常の名無しさんの3倍:2007/02/12(月) 18:51:00 ID:???
てか、このスレって意外と住人いるんだな
352通常の名無しさんの3倍:2007/02/12(月) 19:19:02 ID:???
わりと職人さんも多いよね
353ガンダムし〜どD´s:2007/02/12(月) 19:23:02 ID:???
魔道戦士まじかるシン

「ふう」
一人の男が休憩室で休息を取っていた。
男の名はトダカ。オーブ軍の軍人で階級は一等海佐。
オーブ軍。それはオーブが誇る、時空管理局とは別に、管理局が管理している国の中で数少ない独自の、自国を守るために作られた自国に住む魔術師で編成された軍隊。
軍隊といっても管理局の縮小版のようなもので、警察としての役柄のほうが強い。
時折、人手不足の管理局とも連携をしくこともある。
トダカはここのところ仕事が続いていて、彼にも疲れが生じていた。
ここ最近、様々な惑星で起こっているテロリスト事件。
その事件を引き起こしている組織の名は「ブルーコスモス」
なぜテロリスト行動を起こすのか目的がいまだはっきりしていない謎の魔術師集団。
だがトダカはテロリストの事件が起こるたびに、思い起こされる事件が一つある。
4年前、同じようにブルーコスモスが引き起こした自爆テロ。
その内容は、ブルーコスモスの団員が偶然手に入れたロストロギアを無理やり起動させようとして失敗。その衝撃で町が二つほど焼け野原になった。
ロストロギアに関する事件ではかなり小さい事件だったが、そのロストロギア自体はまだ発見されておらず、もしかしたらブルーコスモスに回収されているかもしれない。
その中、たった一人だけの生還者がいた。
名はシン・アスカ。当時まだ12歳の少年。
管理局の人が見つけた彼を、トダカはしばらく預かることにした。
そのときはその管理局の人が面倒を見るといったが、生まれた町既にはないが、シンも故郷でくらしたいだろうということで、トダガが預かることになった。
最初は家族を失ったショックでふさぎこんでいたが、だんだんと本来の元気を取り戻していったシン。
しばらくして、彼は管理局に入ると言い出してきた。
私は一応彼にオーブ軍に入ることを勧めた。
だが彼は
「この星だけじゃない。いろんな星であいつらが暴れている。だから俺のような人が一人でも出ないようにしたい。もしくは助けたい。俺は、出来る限りの事をしたいんです」
シン自身、自分ひとりでできることなど高が知れていること自体知っている。
だが、少年の意志は強かった。
だからトダカはあえて何も言わず。彼を見送った。
彼とは手紙でやり取りしていて、トダカにとっては数少ない憩いの時間となっている。
実は今日の朝方にも手紙が来ていた。
彼は封筒を破り中身を見る。
内容は、彼はやっと管理局の魔術師として働けるというものであった。
さらに今回は写真まで入っていた。
彼と、おそらくチームメンバーであろう金髪の少年。
そして技術服を身にまとっている肌が黒い少年と陽気そうな少年が移っていた。
トダカは、まるでシンの親のようにうれしく思った。
いつか、彼と共に戦える日が来るかもしれない。そんな気が彼の脳裏をよぎる。
だが、彼はシンに対してひとつの心配事があった。
それはオーブが独自の軍を持つ理由になったことでもある。
彼はコーディネーター。一部の惑星の人にとって、忌みされし稀少人種だから……
354通常の名無しさんの3倍:2007/02/12(月) 19:23:39 ID:IwZ4GkUI
もし戦うとしたらシンがキラのデバイスの最終形態を見て
「そいつと戦いたかった。」と言うのか?
にしても決着はどうなるんだろう。
まさかキラが「やめてよね。」と言って勝つか、シンが「てめぇは俺を怒らせた。」
と言って勝つか。
355ガンダムし〜どD´s:2007/02/12(月) 19:24:39 ID:???
「うう」
少年は夢を見ていた。
だが、うめき声が消えている限りよい夢ではない。
今少年の目に映っているのは廃墟だった。
本来は綺麗な町並みがそろっている自分の故郷。
だが、急に何か衝撃が起こり、気を失ってしまう。
しばらくして目が覚め、立ち上がると体中に痛みが走る。
そして目に映るのは変わり果てた故郷の姿。
ふと「生存者がいたぞ」という声が聞こえてきたが、彼には関係なかった。
「父さん?母さん?…マユ?」
少年はあたりをうろつかせ、周囲を見る。
すると……
「君、大丈夫?」
声のほうを振り向くと、年は自分よりも二つか三つくらい上の、長い金色の髪をしている、オーブ軍ではなく時空管理局の執務官の服を纏う女性がいた。
「その怪我…まってて、すぐに医療班を呼ぶから……」
だが、それを気にせず家族を探すシン。
傷が痛み、よろよろと動いていると、何かに躓いてしまう。
何に躓いたのか見ると、少女らしき腕があった。その腕は間違いなく……
「マユ!」
だが、見えたのは血に染まった妹の右腕だけだった。
ふと管理局の人が「あ……」と、少し声を震わせている。
なんだろうとおもい声尾のほうを見ると、そこには……
「とう・・・さん・・・かあ・・・さん・・・ま・・ゆ・・・」
そこには、瓦礫に切り刻まれ、また瓦礫に打ち付けられただの肉塊と化した家族の変わり果てた姿。
家族だけではない、辺りを良く見渡すといろんな人の死体があった。
どれもシンの知っている人ばかりであることに、シンは更なる衝撃を襲う。
「あ・・・あ・・・」
少年はひざを着き脱力したように地面を見る。
そこには、焼け焦げ、わずかに残ったピンク色で誰のものなのかやっとわかった妹の携帯があった。
シンはそれを手にとる。
「う・・う・・・」
今まで貯めていた涙が一気に流れ出るかのように号泣するシン。
横にいた女性は心配そうにシンのほうを見て、手を背中に当てる。
(なんで…なんでこんなことに……)
頭の中が混乱する少年。
今は空に向かい叫ぶことしかすることが出来なかった
「うあああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーー!!」
356ガンダムし〜どD´s:2007/02/12(月) 19:25:30 ID:???
「ああああ!!…はぁ…はぁ…」
ここは管理局の宿舎。
少年は飛び上がるように起きる。
「はぁ…はぁ…夢?」
少年はくそっと頭を手で覆う。
(またあの夢か……)
家族が死んでいる場面があまりにも衝撃的過ぎて、今日のようにとその時の夢を見てしまうときがある。
そういえば……
(あの人、なんて名前だったんだろう…)
自分があの夢の後、ほんの少しの間だけ面倒を見てくれた管理局の女性。
すぐにトダカさんに引き取られることになって、結局名前を聞くことが出来なかった。
(あんまし礼も出来なかったし……今度探してみようかな……)
とはいっても、記憶に残っているのは長い金髪の女性。それだけだ。
その時…
「またあの夢か?」
横で声がしたので見ていると、同僚であり現時亜コンビを組んでいるレイ・ザ・バレルがいた。
どうやら起こしてしまったようだ。
「悪い。起こしちゃったか?」
レイはそれを聞いて「気にするな」といってまた寝る体制に入る。
シンももう一度寝る姿勢に入る。
明日からは仕事があるにしろ無いにしろ、初めての管理局入りで、チーム同士での模擬線がある。
そのためには寝ておかないと、そう思いながら彼は彼はまた眠りに入る。
そして2ヵ月後、ある事件が発生するのであった。

魔道戦士まじかるシンプロローグ
以降、続く?
357ガンダムし〜どD´s:2007/02/12(月) 19:27:54 ID:???
ども、D´s作者です。
いきなりですみません。
なんとなく最初ッからシンを魔術師にしたらどうなるだろうと思い数名の種キャラを呼んでみた。
反省はしていえるが後悔はしていない。
どうせネタだし、最後の?にもあるとおり、続くかは不明。ってかまだD´sまだつづいてるしね。
358ガンダムし〜どD´s:2007/02/12(月) 19:39:31 ID:???
最後に、ねたでしたので事前連絡しませんでした。
そこはすみません。
359通常の名無しさんの3倍:2007/02/12(月) 21:37:48 ID:???
神隠し氏、乙!
まさに神作品ですよ。

ガンダムし〜どD´s氏、乙!
新作も続き期待して待ってます。
もちろん、D´sの方も。

wikiなんだけどCE73の更新されてないね。
360通常の名無しさんの3倍:2007/02/12(月) 21:45:49 ID:???
wikiは微妙に穴開いてたりするよ。
黒い波動氏の第1話後半とか、最近音沙汰の無い228氏の第3話とか
361通常の名無しさんの3倍:2007/02/12(月) 22:49:35 ID:???
>>350
若い人はそっちの方かw
「時空戦士スピルバン」の主人公の必殺技
ツインブレードで斬りつけてとどめを刺す技では、多分これが元祖じゃないかなあ
「アーク!イン!パルスッ!!」って掛け声が最高に格好良い
362通常の名無しさんの3倍:2007/02/12(月) 23:51:20 ID:???
>>359-360
CE73の方は登録できたけど
黒い波動の方は文字数制限にひっかかったorz

勝手に1話目を前後編に分けてもいいのかな?
363魔法戦士アスランSEED:2007/02/13(火) 02:58:47 ID:???
すみません。今週一週間は試験勉強のため投下を休止します。
ですが、二話はほとんど書き終わっているので機を見て投下します。
勝手ですみません。
364通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 03:48:16 ID:???
試験ガンガレ!

待ってるぜい!
365通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 07:29:59 ID:???
なのはとのクロスってことで来ました

このスレで現在も続行中のSSを教えてもらえませんか?
すでに完結の見込みが無くなってるSSは避けたいので
366通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 07:30:13 ID:???
>>362
いいと思うよ。
連邦の白い悪魔スレでもそうされてるし。
367通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 08:12:37 ID:???
>>365
てか、完結の見込みが立ってる方が少ない。
シンとヤマトの神隠しが第八話終了後、九話で最終回らしい…。
368通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 11:00:35 ID:???
>>367
すでに連載が止まっているものを避けたいんです
この先、止まってしまうものもあるかもしれませんが
それはしょうがないですし

とりあえずシンとキラの神隠しは読んでみます
369通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 11:09:58 ID:???
神隠し
し〜どD's
CE73
黒い波動
なのはDestiny

今現在コンスタントに続いてるのはこの辺か
370通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 11:27:47 ID:???
結構多いなぁ〜。
371魔法戦士アスランSEED:2007/02/13(火) 11:35:42 ID:???
 第二話「魔導の才覚」

 絶え間ない攻撃を、受け、逸らし、反撃の機会を窺うクロノは、もう一人敵がいることに気付いていた。
 遠くから敵意を向け続けられている。
 その者がどのような役割を担っているのかは分からないが、そのことがクロノの行動を制限していた。
 もし長距離攻撃型だとすると、下手に隙を晒せば狙い撃ちされるだろう。
 それとも単純に戦闘能力の無さから遠くに待機している補助型なのか。
(厄介な)
 それゆえ受けに回らざる得ないクロノは歯痒さを感じていた。
 フェイトのこと、下で合流したらしい二人のこと、避難する人たちのこと、クロノにとって気になることが多すぎた。
「スティンガーレイ!」
 高速で駆け巡る光は、騎士を確かに捉えるが、
「はあぁぁぁぁぁ!!」
 その全てが、また、あの剣に叩き落された。
 クロノは相手の力量を、一対一なら勝てるだろう程度に捉えていた。それは余裕でも驕りでもなく、確かな実感だった。
 だが、それでもあの剣技には脅威を感じた。
 接近されたら負けるという確信が、クロノに常に距離をとらせる戦いを選択させる。
 だが、今はそれで十分だった。
 第一目的は時間稼ぎ。無理して倒すことに固執する必要はないのだ。
(それに、この女性は)
 敵は、先ほどから攻撃するときに、常に下から上に向けて攻撃していた。
 まるで、地上にいる人たちを気遣うような戦い方。
(あんなことをしておきながら……どういうつもりだ?)
372魔法戦士アスランSEED:2007/02/13(火) 11:36:29 ID:???
 その騎士、シグナムは敵の実力に感嘆していた。
 恐らくシャマルの存在にも気付いているだろうその戦い方、未だ見せない本気。向こうは時間稼ぎを望んでいるようで、それはむしろシグナム達にとっても望むところだった。
(管理局員などでなければ……純粋に勝負を楽しめたのかもしれんな)
 どこか残念な気持ちと共に、レヴァンティンを振るう。
 巻き起こる焔は、その勢いのまま敵に迫るが
(凄まじい対応力だな)
 たった数回の攻撃で防ぎ方を感得したらしい敵に、これはもう通用しない。
〈シグナム〉
〈終わったか?〉
〈ここに手がかりらしいものはなかったわ〉
 念話で伝えられたその言葉にシグナムは落胆する。
(あの女を始末できただけでも良しとしなければな)
 自らを納得させ、離脱ようとしたシグナムに
〈待って。今シグナムと戦っている彼なんだけど〉
〈どうした?〉
〈あの男の使い魔の……弟子のようなものだった少年よ〉
 一拍の間が空き
「そうか。貴様は」
 本当に残念だった。
 このような魔導師があの男の関係者だったとは。
 裏切られたような感覚に身を任せて。
「おおおおおおおおおお!!」
 シグナムは咆哮した。
373魔法戦士アスランSEED:2007/02/13(火) 11:37:16 ID:???
 騎士の突然の変貌に、さすがのクロノも一瞬途惑った。
 曖昧だった敵意が、明確な殺意へと変わったのだ。
「くっ」
 来るべき攻撃に備え、身構えるクロノは騎士の持つ剣から何かが排出されたのを見た。
(まさか、あれはベルカ式の)
 実際に見たことはないのだが、知識としては持っていた。
(だとすると)
 あの騎士は非常に危険な相手ということだった。
「ここで、散れ」
 宣告は、膨大な魔力と共に迫り来る。
 クロノはバインドで対抗するが、対象が速すぎて捕らえることができない。
「終わりだ」
 避けきれないと知り、間近まで迫られたところでぎりぎり防御を固めることに間に合うが
「紫電一閃」
 冷たい焔と共にクロノに襲い掛かった斬撃は、先ほど地上で放ったものとは桁違いの威力だった。
 まさしく空を割る一撃は、クロノの防御を易々と貫く。
 体中に奔る衝撃に顔を歪ませながら、クロノは地上へと一直線に落下していった。


 その光景を見た一同に動揺が走る。
「そんな!クロノ君!」
 エイミィの叫びに続くように、その場でクロノを知る者たちのざわめきが広がっていく。
「くっ」
 アスランは自分の傷の手当をしていてくれた男性を押し退け、クロノのもとへ行こうとするが
(素手では魔導師に対抗できない……せめて)
 あの騎士に対抗するのに必要なものがある。
 そしてそれはあった。
 負傷している魔導師らしき人物の側に立て掛けられている杖。
「少しの間、お借りさせてもらいます」
 アスランはその杖を手に取ると、持ち主の静止を無視して、クロノのもとへと走り出した。
374魔法戦士アスランSEED:2007/02/13(火) 11:38:36 ID:???
 瓦礫の山から手が伸びる。
 それは億劫そうに自分に圧し掛かる物を退かし始めた。
「くっ……つ」
 奔る激痛に眉を顰めながら立ち上がったのは、フェイトだった。
 マントは擦り切れ、髪は薄汚れ、全身に大なり小なりの傷がある。
 フェイトが見上げれば、クロノが派手に落下していくところだった。
(そんな)
 あの騎士が自分に続いてクロノを破ったということに、フェイトは戦慄した。
「行かないと。バルディッシュ」
『Sir.』
 フェイトは再び空に舞い上がる。
 それに気付いた騎士は、クロノからこちらにターゲットを変更する。流石にこの状況でクロノを狙い続けるという事は無理だと判断したというところだろう。
「来るか、テスタロッサ」
 騎士の言葉の冷たさに、フェイトは悪寒の走る思いがした。
(さっきまでと……違う?)
 殺気を纏う騎士に、フェイトは再び戦いを挑む。
 しかしそれは、最早戦闘と呼べるものではなかった。
 消耗し切った今のフェイトには、圧倒的な攻撃を前に一方的にやられることしかできなかった。
375魔法戦士アスランSEED:2007/02/13(火) 11:40:09 ID:???
 息を切らして走るアスランは、ようやくクロノを発見した。
「しっかりしろ」
 クロノはどうやら意識はあるらしく、こちらの声に僅かに反応した。
(生きている、よかった)
 堵と同時に、今まで気付かない振りをしていた傷が痛みだす。
 アスランが跪くと同時、空からフェイトが落下してきた。
「フェイト!」
 アスランの声が聞こえたのか、フェイトはギリギリのところで持ち直す。
「アスラン、さん」
 どうやらフェイトも自分同様ボロボロらしい。
 上ではまだ騎士は健在のようで、こちらに向けて剣を向けている。
(トドメをさすつもりか?)
 焦りの色を浮かべる一同に、無常にも刃は振り下ろされる。
 空を駆ける衝撃は、迷うことなくアスランたちへと向かう。
『Defenser』
 バルディッシュが苦し紛れに防御を展開する。
「プロ、テクション」
 聞き取れないほどの小さな声で、クロノもなんとか防御を展開する。
 だが、所詮は無駄だと分かりつつの盾。
 数秒間の足止めにしかならない。
 フェイト一人だけなら、その間に逃げる事はできただろう。
 だが、他の二人を見捨てるような真似をできる筈もない。
 二人が諦めかけたその時。
「プロテクション!」
 アスランの声が響く。
 素人の見様見真似のその詠唱は、普通なら無意味に木霊するだけだっただろう。
 だが、その常識をアスランは覆す。
 数秒のタイムラグがあったとはいえ、アスランの魔法は完全に起動したのだ。
 その天賦の才に驚愕する二人。
 惜しむらくは、騎士の攻撃にはまったく意味のない選択だったということだろう。
 他と同様、アスランの防御も貫かれてしまう。
「くぅ」
376魔法戦士アスランSEED:2007/02/13(火) 11:41:00 ID:???
 迫る死の前に、アスランの時の流れが緩やかになる。
『……』
 ゆっくりと迫ってくるように見える斬撃。
『…………』
 フェイトの表情が見えた気がした。
『………………』
 クロノの表情が見えた気がした。
『……………………』
 思う事は唯一つ。
『見つけたな?』
(見つけたよ)
『護りたいのか?』
(護りたい)
『ならば、その手に取るべきは俺だろう?そんな三流選んでんじゃねーよ』
(ああ)
『お前の剣は、この俺だ』
「来い!ジャスティス!」

 フェイトは、クロノは、シグナムは見る。
 数にして三。煌く光が焔の刃を吹き飛ばすのを。
377魔法戦士アスランSEED:2007/02/13(火) 11:44:51 ID:???
こっそり投下完了。
現在、勉強を進めながら話の大筋を決めているところです。それに伴い二話の後半を改稿しています。

それと一つ質問が。種キャラとなのはキャラの恋愛要素は禁忌なんですかね?それによって話が二つに分かれるので、皆様の意見を聞かせて欲しいです。
378通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 12:02:15 ID:???
アスランSEEDさん、乙っす!
試験勉強がんばれ!!
種キャラとなのはキャラの恋愛の絡みについては、賛成と反対どちらもありますよ。
私は見たいッスね。
自分ではそういうの書けないんで…。
379通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 12:13:18 ID:???
乙です。
種キャラとなのはキャラの恋愛ねぇ。なのは達は小学生だけど、その辺はどうなるの?
シャマルとかシグナムと絡むのか?
380通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 12:27:36 ID:???
賛成反対両方ある場合はやめといた方が荒れずに済むと思う
381通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 12:36:06 ID:???
なのは、フェイト、はやてによるアスランの女難を見たい。
382通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 13:04:24 ID:???
本編並に無意味な女難はやめて欲しいがな。
383通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 13:17:17 ID:???
いやでも漏れは>381に同意だな。
女難で困るアスラン最高
384通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 13:20:37 ID:???
お前らメイリンの存在を忘れてないか?
385通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 13:22:42 ID:???
女難ねぇ…
いらんだろ。アスランウジウジするだけだし。
386通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 13:30:56 ID:???
鷹姉妹とかミーアみたく、アスランマンセー要員にされなきゃいいや。
387通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 13:31:58 ID:???
幼女相手にはりきるアスランもどうかと…。
妹が兄に持つ憧れみたいな感情でいいんでないかい?
388魔法戦士アスランSEED:2007/02/13(火) 13:40:35 ID:???
皆様、ご意見ありがとうございます。
愛情ではなく、信頼と憧憬の方向でいってみようと思います。
389通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 13:59:28 ID:???
アスランが魔法使ってる!?
で、瞬く間にフェイト達レベルだったり?
それはいくら何でも……




似たような小学3年生がいたんだった……
390通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 14:24:21 ID:???
それはまあいいんじゃね?
つーか他のSSだといきなり使えてるのもあるし、
きっかけがあってから発動した分まだ描写的にマシだと思う
391通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 14:27:26 ID:???
>>389
つか、この時期のなのはに出てきてスバルレベルだったら話にならん気もする
392通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 14:29:27 ID:???
信頼と憧憬ね……あってもいいかも知れないけど、それに相応しい言動を凸ができなきゃ話にならないから、
まずは凸をしっかり成長させた上でやって欲しい
1話目から既に本編で最も電波を発してる頃の状態だし、ぶっちゃけシンやキラを成長させるより数十倍大変だと思うが、そこは作者の腕の見せ所かな?

あ、あと女難だけは真剣にカンベンしてくれ
本編第二クールの悪夢を嫌でも思い出してしまうから、それだけで拒絶反応が出る
393389:2007/02/13(火) 14:31:41 ID:???
ぶっちゃけ、最後の1行が言いたかっただけなの!
394通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 14:40:41 ID:???
キラが敵側で出てきたりしたら一巻の終わりだな>アスラン
395通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 14:44:38 ID:???
>>394
キラは敵じゃない!の一言で寝返ります
信長の野望の武将の寝返りより簡単、お手軽です
396通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 15:38:39 ID:???
アスランSEED氏GJ!


デバイスの声が冥王……もとい電王で再生されてしまった…………

>>アスラン「こい!ジャスティス!」
>>正義『刻を越えて…俺、参上!』

スマン吊ってくる………
397通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 15:55:51 ID:???
シンも来てるはずだから、ヴォルケン側に与するのかな
はやての為なら、凸を倒す事に一片も容赦しなさそうだ
398通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 16:13:18 ID:???
がんばれアスラン…。
てか、ここのSSでアスランが出てくるのって少ないよな?
399通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 16:33:04 ID:???
この展開だとアスランの相手はクロノか?
400通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 16:38:28 ID:???
リーゼ姉妹とアスランの絡みに期待
401通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 17:08:42 ID:???
>>399
ウホッ!
402通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 18:39:41 ID:???
誰かSS投下してくんないかなぁ〜、
暇だぁ〜〜。
そして、続きが気になるぅ〜。
403通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 18:52:08 ID:???
アスランSEED見て.hackを思い出したのは俺だけでいい
404通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 20:34:28 ID:???
>>402
むしろ、アンタが書いてくれ
暇時間の大活用!
405通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 20:44:21 ID:???
>404
まじかぁ〜、じゃあちょっち考えてみるよ。
406通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 21:36:09 ID:???
>>403
ハセヲのキャラは、むしろシン向きだがなw
407魔法戦士アスランSEED:2007/02/14(水) 00:48:55 ID:???
「お前、やはり魔導師だったか」
 シグナムの声に、アスランは答えない。
 いや、答えられない。当の本人すら戸惑っているのだから。
 今のアスランの体を覆うのは、アースラで支給された服ではなく、赤を基調としたバリアジャケットだ。
「これは……」
『は、テメーのバリアジャケットだ。このくれーで驚いてんじゃねーよ』
 アスランの頭に、現状の説明と、魔法の戦闘についての知識が流れ込んでくる。
『今はこれだけだ。詳しい事は後で教えてやる』
 先ほどから威勢良く喋る杖を、アスランはまじまじと見る。
(これが、インテリジェントデバイス)
 それは長いロッドの両端に、長刀の刃のような形状の機器が取り付けられたようなデバイスだった。機器の端に見える二つのトリガー。対称性を持ったその杖を、アスランは握り締める。
 絶体絶命の危機を救ったその力に、フェイトやクロノも驚きを隠せないでいた。
「ふん。貴様も戦うというならば、ここで斬るのみだ」
 シグナムは改めて、その剣を構え直す。
『あっちはやる気みたいだぜ。どうするよ?』
「退かないのなら、相手になるまでだ」
『なら、行くぜ』
「ああ」
『呼びな、俺たちのもう一つの力を』
「来い!ファトゥム!」
 呼び声に応え、アスランの足元に大きな翼のついたリフターが出現する。
 アスランは当然のようにそれに乗ると、ファトゥムと呼ばれたそのリフターは、ゆっくりと宙に浮き
「おおおおおおおおおおおおお!!」
 アスランの咆哮と共に、シグナムのいる空へと行く。
 対するシグナムは、その意外な動きに動じることなく、剣の構えに乱れは見せない。
『フォルティス』
 その乗り物の先端に備え付けられた二本の砲門から、先ほどよりも強い光が溢れ、閃光となってシグナムに襲い掛かる。
 シグナムはそれを受けず、最低限の動きで回避し、迫りくるアスランに必殺の一撃を放とうとするが
「!?」
 ファトゥムの上に、アスランの姿は無かった。だが、ファトゥムは更に加速しながらシグナムに迫り
「ちぃ」
 シグナムはそれをも回避する。だが、そこに大きな隙が生じてしまった。
 シグナムが気付いたときには既に遅かった。
408魔法戦士アスランSEED:2007/02/14(水) 00:49:56 ID:???
 アスランは、フォルティスを撃った後、上に跳躍していたのだ。それを隠すための牽制であり、隙を作るための牽制。
 二つが重なったことで、アスランに決定的な好機が生まれた。
 杖の両端から形成された魔力刃を、シグナムへと叩きつける。
「スピアースラッシャー!」
 しかしその刃は届かなかった。
 彼女の自動防御がそれを阻んだのだ。
 攻撃を弾かれたことにより、今度はアスランに隙が生じてしまう。
「終わりだ」
 刃を振るわれたアスランは、しかしその表情に恐怖はない。
 シグナムがその気配に気付いたときには、今度こそ遅すぎた。
「っあ」
 短い呻きを残し、シグナムは吹き飛ばされた。
 後方より迫っていたファトゥムによって。
「ぐ、なるほど。遠隔操作可能というわけか。いや、考えれば当然のことか」
 シグナムは知らず知らずに油断していたという事実に、頭に血が上り冷静さを失ったという事実に恥じた。
 そして今度こそ本気で戦うために、構えたところに
〈シグナム、時間切れだわ。管理局の増援がもうじき到着よ〉
 シャマルによって、水を差されてしまった。
〈あの女はもう死んだわ。他に手がかりが無い以上、もう長居は無用よ〉
〈……どうやら熱くなりすぎていたようだ。分かった、転送してくれ〉
「すまない。この勝負、お前に預ける」
「何?」
 突然の申し出に、アスランは戸惑った。
「私の名はシグナム。良ければ名を教えてくれ」
 シグナムの意外な言葉に、アスランは驚いたが
「……アスラン・ザラ」
 と、短く名乗った。
「ザラか。ふむ、言い難いな……では、アスラン」
 少し失礼な言葉が混じっていたような気もするが、アスランはとりあえず続きを促す。
「次に相間見えたときこそ、決着をつけよう」
 そう言い残し、シグナムは消えた。
 ファトゥムの上で、アスランは緊張を解く。
 どうにか危難はさったようだ。
『初めてにしちゃ、上出来だぜ』
 その賞賛に小さな笑みを向けて、アスランはフェイトたちのもとへと降りていった。
409魔法戦士アスランSEED:2007/02/14(水) 00:50:42 ID:???
 外で戦いが繰り広げられている頃。
 リンディは外部からの干渉を察し、情報管轄室に向かっていた。
 と言っても、中央の無限書庫と比べるでもなく、その規模は小さい。
「これは……」
 アクセスされた痕跡が僅かに残っていた。
どうやら専門家の仕事ではないらしい。
 しかし、アクセスされていた情報に問題があった。
 ハラオウン親子にとって、まさしく因縁の相手とでも言うべきロストロギア。
「……闇の書」
 誰知らず、その手を握り締めるリンディ。
「なんでこんなところにこんな情報が……」
410魔法戦士アスランSEED:2007/02/14(水) 00:52:02 ID:???
 ヴィータは延々続く砂漠に飽き飽きとしながら、灼熱の空を飛んでいた。
 陽射しは何に遮られる事無く、我が物顔で地上を照らしていた。
「ったく、なんて奴だよ」
 さきほど戦った魔導師のことを思う。
 あれはついあの頃の懐かしさに負け、はやての家のある町に寄ったときだ。
 たまたま強大な魔力を感知し、蒐集しようと戦いを挑んだのだ。
 だが、見かけによらず強力な砲撃を繰り出す魔導師に苦戦し、最終的には敗北寸前まで追い詰められたのだった。
「まったく」
 愚痴を零しながら飛ぶヴィータは前方の地表に何かが埋もれているのを発見した。
「何だありゃ?」
 この世界は文明どころか生命反応すらほとんど無い世界だ。
 だからこその拠点なのだが、そんな場所にあのような機械が廃棄されている筈が無い。
 一応用心しながら近付くヴィータは、近くでそれを見て、何だ、と気を抜いた。
 巨大な人型の機械はゴーレムの類とふんでいたヴィータだが、魔力がまったく感じられない。
 灰色の表面は、まだ比較的新しさを感じさせる。
(ふーん、ここ開くのか?)
 とりあえず入り口らしきものを見つけたヴィータは
「うりゃ!」
 手に持つ鉄槌、グラーフアイゼンを数回叩き付けた。
 異様な音と共にその歪み、その歪みが限界を超えたとき
「おお」
 開いた、というより壊れた。
 中を覗き込んだヴィータは思わぬものを発見した。
「生きて……るよな?」
 その巨人、モビルスーツの中にいたのは、胸に羽根の飾りを輝かせる赤服を着た少年だった。
411魔法戦士アスランSEED:2007/02/14(水) 00:57:06 ID:???
真夜中に投下完了。そして二話終了。
戦いの描写って難しいですね。次はもう少しマシになるよう努力します。
全体の半分ほどは骨格ができ、種死から引っ張ってくるキャラも決まりました。
次回は第三話「穏やかな日に」です。次は状況説明とか戦いの準備とかで終わる予定です。その次から話は大きく動き始める(予定)。
412通常の名無しさんの3倍:2007/02/14(水) 01:00:18 ID:???
ヴォルケンsは、はやてと一緒にくらしてないわけか
今までのSSの中で序盤の引っ張り方は一番上手いかも
413通常の名無しさんの3倍:2007/02/14(水) 01:58:32 ID:???
投下乙!
"あの女"とは誰かな…?
グレアムへの憎悪といいはやてと暮らしていたのが過去の物になってる表現といいまさかはやてはもう…
次回に大いに期待です
414通常の名無しさんの3倍:2007/02/14(水) 02:02:51 ID:???
細かいツッコミなんだが、胸に羽根の飾りってフェイス徽章の事?
だとしたら、シンがフェイスになったのはヘブンズベース戦以降だから、おかしいぞ
415通常の名無しさんの3倍:2007/02/14(水) 02:11:18 ID:???
神隠し氏
いつも乙であります

これはあくまで折れの妄想でありますが・・・
シンの武装(デバイス)の構想(今更)です
カレーにスルーしちゃって下さい

アームドデバイス・デスティニー
デバイス展開時には手甲としてシンの両腕に実体化し、アロンダイト等の武装や
光の翼(推進系)、遠距離攻撃魔法等の生成、発動の触媒となる。
テバイス様式はベルカ式で、カートリッジ・ロードされた魔力は
パルマフィオキーナ・システムという両腕のデバイスに一旦プールされ、
必要に応じて行動行使時に魔力を瞬時に供給、開放して
自らの能力を爆発的に高めるというもの
ベルカ式と似たりよったりだが、カートリッジ・ロードから形態変化、発動までの
タイムラグが殆ど無く、瞬時発動、複合発動可、防御や移動面での運用が出来、
魔力の消費効率も良いというスグレモノ
416魔法戦士アスランSEED:2007/02/14(水) 02:49:32 ID:???
>414
ご指摘ありがとうございます。素で間違えました。どうしましょう。
あれはフェイスの勲章を象った何か?ということにしておいてください。
本来ならフェイスの勲章がそのまま、って流れだったんですけど。
まだまだ作りが雑だったみたいです。申し訳ない。
417415:2007/02/14(水) 03:10:07 ID:???
発動形態(ちょっとサイバーフォミュラ入ってます)

推進系 スパイラル・ブースト
推進用の光の翼に魔力を与え、方向転換用に拡散させていた翼を前方推進用に
集束させて、爆発的な突進力を生み出す

推進系 リフティング・ターン
推進用の光の翼に魔力を与え、自らの態勢を維持したまま急旋回(相手の背後を取る)し、
瞬時に次のモーション(攻撃、退避)に移れる様にする

防御系 ソリドゥス・マルチ・キャンセラー(・シールド)
防御用の障壁に魔力を与えて暴発させ、相手の攻撃と対消滅現象を引き起こし、
こちらへのダメージを無力化する
対消滅現象の性質上、どれだけエネルギーの高い攻撃でも、
自分の魔力が尽きない限り、例外無く無効化出来る(例えなのはのスターライトでも)

攻撃系 ハイパー・デュートリオン
通常攻撃(ビームライフル、フラッシュ・エッジ等)に魔力を振り向け、
これらの連続使用時間と連続発射数を何倍にも増やす

攻撃系 アロンダイト・ディープ・インパクト
アロンダイトが目標に命中した時に、両腕のパルマ・フィオキーナから
アロンダイトに魔力を送り込み、2対の魔力を干渉させて目標の内部で
大爆発を引き起こす

攻撃系 アウフプラール ドライツェーン
デスティニーの遠距離攻撃(正式名称不詳)とパルマ・フィオキーナを
連結し、瞬間的に威力、射程、効果範囲(ビームの太さ)を大幅に向上させ、
なおかつ照準の移動(デストロイみたくビームを振り回す)も可能にする

これならシンに華を持たせられるかな・・・
418通常の名無しさんの3倍:2007/02/14(水) 03:17:10 ID:???
アスランSEEDさん乙です!
これからも楽しみにしております。
419通常の名無しさんの3倍:2007/02/14(水) 06:53:53 ID:???
A'sとは違う話の流れにwktk
420通常の名無しさんの3倍:2007/02/14(水) 07:52:55 ID:???
>魔法戦士アスランSEED氏
乙なの!
てか、文章うまいですな。

シンがフェイスの飾りをつけててもいいんじゃないでしょうか?
何も本編準拠である事はないんだし。
元ネタの世界観皆無の完全オリジナルにならない限りはアリだと思います。
まぁ、すべては作者さん次第ですけど。

続き、期待してます!
421通常の名無しさんの3倍:2007/02/14(水) 08:38:46 ID:???
つい先ほど思いついたバカネタ。書いてるヒマがないので投下

・ユーノがレイジングハートを持って現れるのが海鳴ではなくCE世界のヘリオポリス。
・レイジングハートをもらったのがナタル。リリカルナタル誕生。
・リリカルナタル奪われたガンダムを撃破。ストライク&キラ&マリューは無用の長物に。
・拾われたラクス、リリカルナタルの大ファンに。でもプラントに強制送還
・一方プラントはパトリック・ザラと手を組んだプレセア。レノアクローンの少女を作り出す。
・クルーゼとレイに引き取られたフェイト、母とお兄ちゃんズの為に奮闘。
・クルーゼとレイは急性シスコン発症。ヴェサリウスの赤福共もフェイトFANに
・そんなこんなですでにMSは旧式兵器に成り下がる。
・なんだかんだでザフト開発の新デバイス「フリーダム」と「ジャスティス」をラクスが盗み出す。
・そのころキラはすでに一般人に戻ってましたとさ
422ガンダムし〜どD´s:2007/02/14(水) 21:46:16 ID:???
5分後に投下
423ガンダムし〜どD´s:2007/02/14(水) 21:52:26 ID:???
そろそろ投下。
機動戦士ガンダムし〜どD´s 19話後

「あんな国、守りたいって気も起こりませんよ!!逆に滅んで欲しいくらいです!!」
シンの言葉が道場内に鳴り響く。
「なんでなんだ、坊主……」
そういえば、こいつにだけは言ってなかった、自分がオーブを嫌いになった理由。
「俺は家族を、オーブに、アスハに殺されたんだ!!」
2年前、地球軍との戦いのときに家族は死んだ。
「あれは、地球軍が攻めてきたからじゃないか」
ムゥの言っていることはわかる。
当時、宇宙へ上がる手段を失った地球軍はオーブが持っているマスドライバーを目当てに攻めてきた。
その兵力差は圧倒的だった。
それにムゥは知っていた。あのときのウズミの覚悟を
だが……
「他にやり方があったはずだろ!!」
少なくとも、犠牲を少しでも減らせるくらいのことは出来たはずだ。
「それとも、アスハは民よりもオーブの理念のほうが大事なのかよ!!」
その言葉に、ムゥは反論する。
「嬢ちゃんはそういう人間じゃない!!」
ムゥの言葉にはっと鼻で笑うシン。
「あんた、ネオ・ロアノークの記憶が残ってるんでしたよね?」
シンの言葉にああ、というムゥ。
「だったら、ダータネルスやクレタ沖のとき、あいつが取った行動は民のためだったのかよ!!」
あの時、アークエンジェルにいたカガリは、ミネルバを討つため地球軍とともにいたオーブ軍にオーブの理念を説き、オーブ軍に退却しろと命令した。
一方、指揮官であるユウナはあのまま続戦した。
だが、結果的に言えば、カガリの言うとおりにしたら敵前逃亡として、オーブは地球軍に問い詰められる。
そういうことを考えたら、ユウナの取った行動は正しかったかもしれない。
まあ、あの指揮官のことだから本心はどうだったかは知らないが……
「それは……」
痛いところを疲れて黙り込むムゥ。
いい加減にしなさい、と注意しようとしたリンディだが、
「シン、そこまでにしておけ。場所を考えろ」
レイの言葉ではっと周囲を見渡す。
周囲はシンの迫力にあっけに取られていた。
子供たちがどこか怖がっている節がある。
特にはやてたちは普段見せないシンの姿に唖然としている。
「すみません、俺達はここで」
レイは士郎に挨拶をし、二人は道場を後にする。
424ガンダムし〜どD´s:2007/02/14(水) 21:54:39 ID:???
「シン」
はやてはついシンを呼ぶ。
シンは何とかいつもの顔ではやてを見る。
「夜には戻るよ」
そういって、レイと一緒に外に出る。
戻るといったからおそらくレイとアースラにでも行くつもりだろう。
だが、みんなはそんなシンを見るしか出来なかった。

二人はあの後、アースラの食堂にいた。
そのなかでシンは迷っていた。
あんなことを言っておきながら、あれでよったのかと思う。
確かにオーブは憎い。
だが、それをなぜか否定している自分がいる。
自分はどうしたかったのか……
「どうしたんだ?」
ずっと考え込んでいて、レイの言葉ではっとする。
「いや、別に……」
シンはそっぽを向いて水を飲む。
いくら考えてもわからない。
ふと、アスランの言葉がよぎる
(お前は本当は、オーブが好きなんだろ?)
オーブが好き?俺が?わけがわからない。
いったいあいつは何が言いたかったのか……
(くそ、なんて裏切り者のことなんか……)
そう思っていると、声がした。
「ちょっといいかしら」
リンディの声に「どうぞ」と返事をして、リンディはシンの横に座る。
「少しお話を、ね」
そういってリンディはさっきからもっていたトレイからお茶らしきものをシンに渡す。
見た目は少し白いお茶。
「なのはさんのせかいでいいお茶が手に入ったのよ」
嬉しそうにリンディは言う。
ただ、ここからでも十分甘味が伝わってくる。
あったかいからだろうか。
それを見たレイは、レジェンドの整備に行った。というより逃げた
「あなたの話を聞いて、解かったことがあるの」
シンが少し変なことを考えていると、一呼吸おいて、リンディは言う。
「あなたって、本当はオーブのこと好きなんでしょ?」
シンはぴくっと身体を反応させる。
(何で、この人はあいつと同じことを言うんだよ…)
シンはさっきまで考えていた、頭の薄い元上司、今は裏切り者を思い起こす。
「好きだからこそ今のオーブっていう国が嫌なんでしょ?」
425ガンダムし〜どD´s:2007/02/14(水) 21:56:41 ID:???
シンはそれではっとする。
「本当に嫌いだったら、気にも留めないしね」
リンディの言っていることは、シンの心に響く。
あの時、アスランが言ってきたときよりもである。
……おそらく信頼上の問題だろう……
(俺は、オーブが好きなのか?)
わからない。だってあいつらは俺の家族を……
そう思っていると
「まだ実感が無いだけよ、そのうちわかるわよ」
そういうものなのか?そう思いながらついお茶を見る。
その横で、リンディはおいしそうにそのお茶を飲む。
ついシンはきいてしまう。
「これに何いれたんですか?」
シンの言葉にリンディは答える。
「砂糖少々に、クリームも少し」
どう見ても少々でもないに少しでもなさそうである。
ついシンは心の中で愚痴る
(砂糖にクリームって、普通はコーヒーだろ常識的に考えて…)
普通はそうだろうとシンは思う。
「あの、普通はコーヒ」「好みは人の勝手でしょ?」
すっぱりとシンの言葉を切り捨てるリンディ。どうやら以前にも何回か同じ事を聞かれたようだ。
とりあえずリンディに後押しされ、勇気を振り絞ってお茶を飲む。
(う!)
お茶のほろ苦さは確かにある。
だが、砂糖とクリームでほとんど消えている。
それに暖かいせいでむつごいあまさが体中に染み渡る。
「うえ…」
あまりの濃さについに声を出すシン。
「お口に合わなかった?」
リンディの言葉にええ、まあと答えるシン。
だめだ、流石じゃないが飲めない。
そこまで甘党でもないシンにとっては余計だ。
「お砂糖が足りなかった?」
だからなんでこうなるんだろう……
シンはため息をつき、さっきまで考えていたことをすっぱり忘れてしまった。
どうもこの人と話すと調子が狂ってしまう。
ペースを握られてる。そんな感じがして仕方が無い。
そう思い立ち上がるシン。
「どこに行くの?」
リンディの問に「帰る」とだけいってその場を後にした。
なんとかシンに、自分でも気付いていない自分の気持ちに気付かせようとしたのだが…
(もうちょっと時間がかかるかな?)
そう思い少しため息をつく。
おせっかいだとは思うが、今のシンの心をどうにかしたいと思って話をしたのだが……
クロノといいシンといい、この時期の男の子は扱いが難しい……
(一度、桃子さんにでも相談しようかしら……)
だが、恭也はしっかりしているのであまり参考になりそうもなさそうだ……
426ガンダムし〜どD´s:2007/02/14(水) 21:58:19 ID:???
「ドォォモォォオオオーーーーン!!」
「今日こそあんたを越えてみせる!!出ろおぉぉx―――!!カンタァァァァーーム」
「カンタムファイトォ…」
「レディー…ゴオォォーーー!!!」
テレビ画面で、男二人が壮絶な殴り合いを披露している。
毎週皆が見ているアニメなのだが、一番見たがっているヴィータが、あまり見る気ではなさそうだった。
「どないしたん?ヴィータ」
はやてはそんなヴィータをきにかける。
「べ、別に、なんでもない。」
みえみえの嘘をつくが、そんなことははやてにはお見通しである。
「シンのことが気になるん?」
図星を疲れて黙り込むヴィータ。
ヴィータはあのシンの表情が忘れられなかった。
「まだうちらに相談してくれたらいいんやけど、今度ばっかしはちょっと難しいなあ」
はやてはあのときのシンが話していたことを全部理解していない。というか理解できない。
だが、流石に今回は自分達はあんまり役に立ちそうになさそうだった。
「できたら力になってあげたいんやけど……」
残念そうにはやては言う。
「く、うううううぅぅぅぅぅぅ……」
「どおしたドモン!自らひざをつくなぞ、自ら負けを認めたものがすること、そんなことでは悪党のこのわし一人、倒せることなぞできんぞ!!」
つけているテレビは佳境に突入していて盛り上がりを見せる。
「けど」
ふとはやてがヴィータに言う。
「多分、今のシンなら何かあったら相談してくれると思う」
なんとなくだが、はやてはそう思った。
そのときだった。
「ただいま」
おつもより少しテンションが低いシンの声が聞こえた。
「あ、おかえり」
はやてはそういってシンのほうへ向かう。
「昼間は悪かった」
シンはばつが悪そうに答える。
「もうお前は……本物のキング・オブ・ハード……」
「し……師匠……」
「このわしを、まだ師匠と呼ぶのか……」
テレビはいま暑苦しい感動のシーンが流れている。
「べつにええよ」
そういって笑うはやて。
427ガンダムし〜どD´s:2007/02/14(水) 22:01:36 ID:???
「けど、もし相談することがあったら話してよ」
そういうはやてに、わかった、と簡単に答える。
確かに自分はオーブは嫌いだ。けど、そうじゃない自分がいるのも事実。
けど、少なくとも今はそれもいいと思う。そんな気がした。
それと、とはやてはまだ何かいいたそうだった。
「ムゥさんと仲良くしぃよ」
その言葉を聞いて少し顔をゆがませるシン。
確かに昼間は言い過ぎたと思う。
でも、なんかあいつとだけはあんまり仲良くはなりたくないと思った。
けど、それを言うとまたはやてが何か言い出すので「できたらな」とだけ答える。
そして数日後、シン達の身に、特に数人の間で衝撃的な事実が発覚する。

「師匠!……師ぃ匠おおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーー!!!!」

続く……

シン「っておい!最後これでいいのか!!?」
いいんですよ、たまには。


第19話投下完了。
途中で変なになりましたがすみません。
以前やったネタ小説ですが、一応あれはプロローグなんで、1羽を投下して続けようかどうか決めようと思います。
428通常の名無しさんの3倍:2007/02/15(木) 00:36:23 ID:???
ちょwww
なぜにGガンw
てかドモンとか名前まんまなんだから
カンダムでなくてガンダムで…
429通常の名無しさんの3倍:2007/02/15(木) 07:38:56 ID:???
GJ!
Gカンタム噴いたwwww
430通常の名無しさんの3倍:2007/02/15(木) 12:06:09 ID:CDTD2tlG
ちなみにあの場にレイが残っていたら
シンの悩みを「それは弱さだ。それではなにも守れない」
とか言うんでしょうね。
議長なんかがいたら、みんな口車に乗せられそう
431ガンダムし〜どD´s:2007/02/15(木) 15:12:01 ID:???
>>428
もしガンダムにしたら最初デスティニーとであったときヴィータあたりが
「ガンダムだ」
って言いそうでつじつまが合わなさそうだったからカンタムにしました
432シンとヤマトの神隠し:2007/02/15(木) 15:49:49 ID:???
軌道上アースラ。
「コアの転送、来ます!
転送されながら生体部位を修復中!すごい早さです!」
「アルカンシェル、バレル展開!」
アースラの前方に三つのリングが縦列に展開される。中間のリングの中央に青白い光が輝きをましながら、巨大化していく、
「ファイアリングロックシステム、オープン。」
緊張が漂う艦内にリンディの声が響く。目の前に現れる中心に球体を埋め込んだ立方体と、それを囲む三つのリング。
「命中確認後、反応前に安全距離まで待避します。」防御プログラムが、その不気味な姿を再生させながら、もうじき、転送ポイントまでやって来る。
リンディは鍵を立方体の中に埋め込まれた球体にさしこんだ。
赤く色を変化させるそれ。そして、ポイントに転送された防御プログラム。
「アルカンシェル!発射!!」リンディはアルカンシェルを発射した。
前方に窪みを帯たレンズ状の物体が形成され、それに向かって、青白い光が射ち出される。
一旦、光を吸収したそのレンズ状の物体から、勢い良く放たれる青白い閃光が防御プログラムに突き刺さる。
海上にいるなのはたちが、アースラにいる局員たちに走る極限の緊張。
アルカンシェルの直撃を受けた防御プログラムは、青い閃光に包まれ、白色の光を放ち、反応消滅を起こす。
最後に赤い閃光に包まれ、そして、その姿を消した。「効果空間内の物体、完全消滅!再生反応、ありません!」
「…うん。準警戒態勢を維持。もう暫く、反応空域を観測します。」
「了解…。」
はぁ…、安堵の吐息を漏らすエイミィ。アースラ局員全員にも、先ほどまでの様な緊張感は、もうなかった。

『と言うわけで、現場のみんな、お疲れ様でした!』エイミィからの通信が、現場にいる全員の緊張を解く。
現場のみんなも、安堵の吐息を漏らす。
終わった…。
繰り返されてきた惨劇はもう終わった。
夜天の魔導書は運命の呪縛から解き放たれた。
それは、騎士たちも主たちも同じで、その顔には自然と笑顔が浮かんでいた。
皆が皆、互いに労いの言葉を掛け合う。
「はやて!!」
そんな中ヴィータが声をあげる。
それに気付いた全員が視線を移すと、気を失ったはやてをシグナムが抱きかかえていた。
433シンとヤマトの神隠し:2007/02/15(木) 15:52:00 ID:???
アースラに運びこまれたはやては、応急処置を終え、今は医務室で静かに眠っていた。
そんなはやてを心配し、シグナム、ヴィータ、シャマル、ザフィーラ、そして、リィンフォースが付き添っていた。
キラは医務室の外で、壁に体重を預け、彼等が出てくるのを待っている。
「行かないんですか?」
リンディたちと通りかかったフェイトがキラに聞く。「…うん、…僕はいいよ。もちろん、はやてちゃんのことは心配で…行こうとも思ったんだけどね…。
深く事情を知らない僕が首を突っ込むことじゃないじゃない?
それに、シグナムさん達と、リィンフォースさんも、積もる話があるだろうし…。」
「じゃあ、私達と一緒に食堂で待ってましょう。
シン君とキラ君、あなたたちの世界のこと、もっと聞きたいわ。」
キラとシンはリンディに従い、フェイト、なのはも食堂へと向かった。

食堂。
五人はそれぞれ、昼食をつつきながら会話をしていた。
「話を聞いてると、キラ君って相当強そうなのに…、シン君には負けちゃったんだね。」
素直な意見を口にするなのは。
「そうだね。でも、守りながら戦うのと、ただ倒せばいいのとじゃ、かかるプレッシャーが違うよね?」
フェイトが言った。
先に消耗しつつ、アークエンジェルを気にかけながら戦うキラと、全てのバックアップが整っているシン。もちろん、気を散らした方が負けで、キラも敗けは敗けだと認める。
「まぁ、アークエンジェルに気をとられてたのは事実だけど…、でもやっぱり、君の勝ちだと思う。」
「俺自身、対等な戦いをしたなんて思ってませんよ?だから、そのうち、決着をつけたいと思ってたりします。一対一で…。」
シンの意気込みにあいまいな笑みで返すキラ。
「あら?それなら…。」
リンディが一つの案を提案した。
その提案に、最初は乗り気ではなかったキラも、なのはとフェイトに後押しされ、キラもその提案に同意した。
「お楽しみ中、水を差すようで悪いんですが…。艦長ちょっといいですか?」
突然の声に視線を向ければ、深刻な面持ちをしたクロノが立っていた。
434シンとヤマトの神隠し:2007/02/15(木) 15:56:11 ID:???
リィンフォースは消えた。いや、正確には生まれ変わったと言った方がいいだろうか。
クロノとリィンフォース自身の話によれば、このまま自分がいると、またはやてを暴走に巻き込んでしまう。だがら、自分は消える。
そう言った。
はやては、反対した。リィンフォースをこれからもっと幸せにしなければならない。
今までが今までだ。
闇の書となり、リィンフォースとなるまで、悲惨な運命を辿ってきた。
はやての言うことはもっともだが、しかし、リィンフォースの言うことももっともだった。
なのは、フェイト、シン、キラ、そして、騎士たちに、主であるはやてに見送られ、リィンフォースは旅立った。

それから数日が経った。
はやて、シグナム、ヴィータ、シャマル、ザフィーラはクロノの取り計らいで、相当な減刑をしてもらった。
むろん、その見返りとし、管理局に従事、また保護観察がつくことになる。本当なら、これではすまないのだから、クロノには皆感謝していた。

闇の書の運命は変えられた。
そして、その主の定まっていた運命も変わった。
その騎士たちの運命も…。そう、未来は…、運命は、変えられるのだ。

さらに、数日後。
はやてたちと、なのはたち、それから、シンとキラはアースラに召集をかけられていた。
「期間は一週間。その間、はやてさんたちは、キラ君を…、なのはさんたちはシン君を指導してあげて。いいかしら?」
はやてたちも、なのはたちも頷く。
「言っときますけど、俺は負けるつもりはありませんよ?」
シンはキラにそう言って手を差し出した。しばらく、沈黙してシンの手をみていたキラだが、
「そうだね…。だけど、僕も負けるつもりはないよ。あのときのようにはいかないからね?」
そう言い放ち、キラはシンの手を握った。
キラとシン、一週間後、二人は一対一で戦う。
435シンとヤマトの神隠し:2007/02/15(木) 16:14:42 ID:???
第八話 運命 完結です。
今回は短くて申し訳ない。本当は、「ある日のシンとリンディ」、「ある日の八神家」という番外編をお届けしようと考えていたのですが、思ったよりも進行が遅れているのでお届け出来ませんでしたm(__)mスマソ
出来次第、投下する予定です。

さて、次回は最終話 決着 〜そして…〜
に入っていきます。
内容としては、キラとヴォルケン一行、シンとなのはたちの修練の後、戦技室(いいのかな?)で勝負です。
「そして、帰還、なのか?」「そして、続く未来なのか?」
「そして、六年後なのか?」どうぞ、お楽しみに…。
436通常の名無しさんの3倍:2007/02/15(木) 18:26:09 ID:???
乙!
リィンが逝く話にシンとキラも絡むと思ってたので、個人的にはちょっと残念。
シンとキラの戦う場所は本局の訓練室でいいんじゃないでしょうか?
コミック版でミッド式VSベルカ式やったのも、そこだったし。

早く続きを読みたいのは本音ですが、あくまで神隠し氏のペースで投下してもらえたらいいと思います。
437通常の名無しさんの3倍:2007/02/15(木) 21:17:05 ID:???
シンとキラはそろそろCE世界の心配をして欲しい・・・
特にキラwwwwwwwww

とりあえず神隠し氏乙なの!
438通常の名無しさんの3倍:2007/02/15(木) 21:37:23 ID:???
シンとキラが二人とも居ないとCEはどうなるか
シンが居ないと、レイはシンの手で凸殺させる事にこだわらなくていいので、レイ直々に凸完殺
一方、キラが居ないとピンクは宇宙にてエターナルや和田・隠者共々、宇宙の藻屑に
オーブは遅滞なく占領され、ジブもすんなり逮捕の為、レクイエムも未発射でプラント無傷
ザフト完全勝利で、戦争も速やかに終結


結論:お二人には、このまま嘱託魔導師として頑張ってもらった方が双方の世界の平和の為にもいいようです
439通常の名無しさんの3倍:2007/02/15(木) 23:06:19 ID:???
>>438
ちょwwwwww
440通常の名無しさんの3倍:2007/02/15(木) 23:22:36 ID:???
>>438
これは・・・同意すべきなのかw
441ガンダムし〜どD´s:2007/02/16(金) 00:04:21 ID:???
問題はデスティニープランだな……

ちなみに、ネタ小説は出来たけど最終調整で投下は明日になる予定。
そのとき、続投するかD´s一本で行くか決めますので、投下時でいいので評価をお願いします
442通常の名無しさんの3倍:2007/02/16(金) 00:41:57 ID:???
ラクシズは、種の戦争をぐだぐだにしたテロリストなので、しかたがありません。

そういえば、種死やなのはで電子戦の描写ってあった?(なのはは念話だけど)
種も無線通話しまくってたけど秘匿とかしてんのかね?
443通常の名無しさんの3倍:2007/02/16(金) 00:45:17 ID:???
NJの副作用で電波障害があるって話だけど規模は不明。
戦闘中の会話はガンダムのお約束みたいなものだからいいとして、それ以外はさっぱりだな。
444通常の名無しさんの3倍:2007/02/16(金) 01:49:54 ID:???
直線距離100kmかそんくらいだとおもう。

たしか種の最初の方にアークエンジェルが増援と通信がつながったシーンあったから、
そこでの友軍合流予想時間とだいたいのアークエンジェルの速度で有効通信距離がわかるはず
445ガンダムし〜どD´s:2007/02/16(金) 11:46:47 ID:???
描きあがったので5分後くらいに投下
446ガンダムし〜どD´s:2007/02/16(金) 11:53:33 ID:???
魔道戦士まじかるしん 第1話

ここは魔法が存在する世界ミッドチルダ。
その東部にあるとある町を数人の人間が歩いていた。
人数は4人。
男性が3人、女性が一人である。
「それにしてアルフ、大丈夫なの?その形態に戻って。フェイトに負担がかかるって言っていつもはもっと小さい姿なのに」
その中の少年、時空を管理する字句言う管理局の無限書庫の司書所、ユーノ・スクライアはその横にいる狼の尻尾と耳を生やしている、いつも書庫での仕事を手伝ってくれている女性、アルフに言う。
「ちゃんとフェイトにも許可とってあるし、なにより子供形態はあたしが勝手に始めたみたいなもんだし問題ないよ。それよりもなんかあったとき、小さい身体よりこっちのほうが動きやすいんでね」
彼女はそのフェイトという人と契約している狼の使い魔。
普段は今よりも小さい子供モードなのだが、今回ユーノが大事な仕事でこの町に用があると聞いて、護衛目的で数年前まで使っていた人間年齢的には16歳くらいの姿になっている。
ただ、その分主であるフェイトに負担がかかるので、そのことをユーノは気にしていた。
「それに、あたし以外に護衛がついてるって言っても、新米二人じゃちょっと頼りないかなって」
それを聞いて後ろにいる黒い髪で、特徴的な紅い目をしている少年は少し不機嫌になる。
確かに入局してまだ2ヶ月で、新米もいいところだ。
何回か巡回任務をこなしたが、実戦経験は一度も無い。
一方その横にいる金色の髪を長く伸ばしてる少年はいわれても微動だにしない。
そんな二人に新たに言い渡された仕事、それは「司書長、ユーノスクライアを片道の間だけ護衛」というものだった。
それが終れば、その日の仕事は終わりで、後は彼の顔見知りである現地に駐留している魔術師が護衛を行うという。
二人の反応を見て苦笑いを浮かべるユーノ。
「それでも、二人は今年入ってきた新米魔術師でも期待のルーキーらしいじゃないか」
黒髪の少年、シン・アスカと金髪の少年、レイ・ザ・バレル。
今年入局してきた魔術師の中で、シンは空戦、レイは陸戦でトップの成績を示している。
「へ?そうだったのかい?」
アルフはもう一度二人を見る。
そうこういっているうちに目的地であるこの町の図書館に到着する。
「じゃあ僕達は中に入るから、君達は一応今日のところは仕事は終わりということになっている。
この前巡回任務が終ったばっかりって聞いたから、身体を休めといて」
ユーノの言葉に「わかりました」とこたえるレイ。
シンもぶっきらぼうだが答える。
二人は、仲間を喫茶店で待ち合わせをしているのでその場を後にした。
「そういえばさユーノ。現地に駐留してる魔術師って誰なんだい?」
アルフの問に聞いてなかったの?いった感じでユーノは言う。
「帰りはなのはたちに護衛してもらうことになっている。フェイトも一緒だよ」
それを聞いて本当かい?と聞いてくるアルフ。
どうやら聞いていないようだった。
447ガンダムし〜どD´s:2007/02/16(金) 11:56:08 ID:???
「そういえば久しぶりだな、なのはたちに会うのも」
お互い仕事が忙しく、ここしばらくなかなか会えていない。
「それもそうだね。フェイトも元気でやってるといいけど」
アルフもユーノの仕事の手伝いでここ最近自分の主には会っていない。
「おっと、そろそろ行かなきゃ。あ、アルフ。無限書庫では少し多めに見てるけど、あんまり図書館では騒がないでね」
ユーノの問にあいよ、と返事をするアルフ。
本当に守ってくれるか心配だったが、待ち人を待たせるわけにもいかなかったので中に入って行った。

「そろそろですかね?」
ここはユーノたちがいる町のとある喫茶店。
そこには二組の男性がいた。
一人はどこかお金持ちという感じがして紳士的な言葉で対応する30代くらいの男性。
「ええ、そうですね」
もう一人の男性も金色の髪をしているが、こちらはそれを長く伸ばしていて、顔に特徴的な傷がある。
それ以前に、どこか軽そうな感じが漂っている男であった。
「やれやれ、やっと見つけることが出来ましたね。何年振りでしたっけ?」
男性はひい、ふう、みい、と一つづつ指を曲げて数える。
「4年です」
傷の男は簡潔に答えた。
ああ、と相槌をうつ男性。
「そうでしたね。月日がたつというのもはやいものですね」
男性はそういって少し大げさにポーズを取る。
「それよりいいのですか?」
男の言葉にはい?と疑問符を浮かべる男性。
「あなたのような人物が最前線で行動するなど……」
男の言葉にやれやれ、と方を落とす。
「確かにそうですが……渡しお手魔術師の端くれ。自分のみ喰らい自分で守れますよ」
それに、ともう一言付け加える。
「私は前線での彼らのアドバイザーでもあるのですよ。自分でやったことは自分でしないと」
それで話の話題が変わった。
「あれは使えるのですか?ちょっと内心不安な気がするのですが……」
「まあ、今回のようにただ暴れるだけなら現在は問題ありません。それに、それを言えばあなただって同じでしょう?」
「まあ確かにそうですけど」
男性はそういって時計を見る。
「そろそろ時間のようですね。あれにもどのようにしたらいいか言っておく必要もありますし」
男性の言葉にそうですね、と答えて二人は立ち上がり、お金を清算する。
「あ、代金は自分が」
男はサイフを手にしようとしたとき、男性はその手を止めた。
「私から誘ったんです。ですから私が払うのが道理です」
そういって代金を支払う男性。
二人は外に出てある場所へと向かう。
「それでは、失敗が起きないことを祈りましょう。ネオ・ロアノーク」
「そちらも。ムルタ・アズラエル」
二人の男はそれぞれの場所へ向かっていった。
448ガンダムし〜どD´s:2007/02/16(金) 11:56:56 ID:???
「はやてちゃん、おまたせ」
とある街角で、二人の女性が待ち合わせをしていた。
走って待ち合わせの場所へ向かっている女性は、茶色の長い髪をサイドポニーでまとめている。
「なのはちゃん、ちょっと遅刻」
かわってもう一人の少女、八神はやては笑いながら答える。
「ごめん。ちょっと忘れ物を……」
なのはは少し苦笑いを作る。
『なのはちゃん、何を忘れたんですか?』
ふと、はやての肩に乗っているデバイス、リィンフォースUが話に興味を持った。
ちなみに、Uはツーではなくツヴァイと読む。
リィンの声に少し脂汗をかきながら答えるようとはしないなのは。
それをなのはの変わりにとある物が答える。
『私です』
そういってなのはが首にぶら下げているペンダント、もといデバイス、レイジングハートエクセリオンが答える。
それを聞いて大いにこけそうになるはやて。あやうくリィンを落としそうだった。
なのはの話ではこうだった。
数日にも及ぶ訓練生の指導で疲れ果て、今日の仕事、司書長の仕事でロストロギアを持ち帰るユーノ・スクライアの護衛も昼からということもあり、先日の夜は爆睡した。
そして、今日目が覚めるとはやてとの集合時間に遅れそうになり、あわてて準備をしていて、急いで出かけようとしたら自分の相棒、レイジングハートから『忘れないでください』という声が聞こえ、いそいで取りに帰ったということだ。
その話を聞いたはやてが半ば呆れる。
「普通戦技教導官が自分のデバイス忘れる?しかも結局遅れた理由って単なる寝坊やし」
「そこまでいわなくても……」
容赦ないはやてのことばに軽く落ち込むなのは。
『そういえばこの前、ヴィータちゃんが言ってました。指導が終ったとき、思いっきりイスに躓いて、みんなの笑いものになってたって』
「ヴィータちゃん……」
黙っておいてっていったのに……おそらく彼女のことだろう。リィンフォースと話していて、つい喋ってしまったのだろう。
「なんか、そういうとこは昔っからあんまし変わってへんな」
魔術師としてS+の実力を持つなのは。しかし、運動神経は以前と変わらないままである。
今回のように子供でもあまりしない妙なミスをたまに起こし、そのたびに自分の副隊長でもあるヴィータによくからかわれている。
「まあこのまま立ち話も何やしとりあえずユーノ君のところに行こう。フェイトちゃんは執務官の仕事で遅れるっていよるし」
そだね、ととりあえず気持ちを切り替えたなのははユーノがいるという図書館に向かう。
「そういえば、ユーノ君と会うのも本当にひさしぶりだね。ずっと忙しかったし」
最後に会ったのは確か3年前で、偶然皆が同じ日に休暇が取れて、自分の親が営んでいる店、翠屋で簡単なパーティーを行ったのが最後だった気がする。
「なのはちゃんはそうやね。うちはロストロギアのこととかでたまに会ったりするけど」
ふと、はやては今後について話す。
「なのはちゃん、今度の休みに、久しぶりにアリサちゃん達にでも会わん?」
はやてが部隊長を務めている機動6課は、優秀ゆえに出撃回数が多い。
ここ最近、ロストロギア関連の事件が多いというのも一つの理由だ。
それで、上のほうかに、ユーノ・スクライアの護衛が終れば五日ほどの休暇を与えるといわれた。
449ガンダムし〜どD´s:2007/02/16(金) 11:58:11 ID:???
「そうだね、アリサちゃんたちも大学が休みだったらいいけど……」
だが、それは向こうの時間帯では今は確か夏季休暇のはずだから問題ないだろう。
時空によって時間帯が違うのでややこしくなる。
話すのに夢中で、曲がり角で人が出てくるのにわからず、その人とぶつかってしまう。
「おっととと…」
いきなりのことでバランスを崩すはやて。
それはリィンフォースも同様で、思いっきり地面にぶつかってしまう。
はやてももう少しで倒れそうだったが。
「うぎゅ!?」
「大丈夫ですか?」
ぶつかったもう一人…男性のようだが、男性ははやてを支える。
……リィンフォースを踏んづけていることに気付かず。
だが……
「は……はやてちゃん…」
「……//////…」
はやては顔面を真っ赤に染める。
男性がはやてを支えるため、わざとではなさそうだが、彼は思いっきり彼女の胸を掴んでいるのだから。

「これが、例の?」
図書館で、ユーノは館長から一冊の本を渡される。
「はい、4日ほど前に新しい書物を搬入して、これが入ってました」
ぱっと見は、ただの古い書物だ。
だがわかる、その本から魔力が感じられることを。
「ずいぶんとまあどす黒い魔力だねえ」
アルフもその魔力に感じていて、脂汗をかく。
直感でわかる。このロストロギアは危険だ。
「わかりました。ではお預かりします」
そういってユーノは書物をどこにでも売ってそうな袋に入れる。
そのこうどうに、アルフは不思議がった。
「そんなのに入れて大丈夫かい?」
だが、その答えはすぐにわかる。
少しづつではあるが、あのどす黒い魔力の感覚が薄くなってゆく。
「これは少し特殊でね。中に結界を仕掛けてるんだよ」
最も、時間つぶしでしかないけどね、と苦笑いう浮かべる。
それほどこの書物が危険で強力ということなのだ。
その後、なのはとの待ち合わせ場所に向かう途中、大きな爆発音と魔力を感知する……
450ガンダムし〜どD´s:2007/02/16(金) 11:59:30 ID:???
少年、シン・アスカは迷っていた。
歩いていて、訓練生時代からの親友である技術部のヴィーノとヨウランで話をしていた。
レイは何か思い出したことがあるといっていったん魔術師の待機場所に戻っていた。
そういうことで3人と話をしていた。
そこまではいい、そのあと、曲がり角で女性とぶつかってしまった。
そこでこけかけていたので支えようとするのだが……
その女性の胸を思いっきり触ってしまった。
それだけではない。今時分が私服に着替えているが、どうやら彼女は管理局の人間で、服を見る限りは部隊長クラス。つまり、彼の上司となる。
それで混乱してどうしたらいいのかわからず、ずっと固まっている。
このとき、女性の隣にいる女性も何故か唖然としていたのが幸なのか不幸なのかはわからない。
さっきから足元で何かが暴れているのにも気付いていない。
さらに、後ろで友人が笑っているのにも……
そのときだった。
急に数箇所で爆発が起こった。
なんだ?そうおもったとき、後ろからレイの声が聞こえた。
「シン!テロリストだ!!」
レイの声にピクっと身体を震わせるシン。
何故早くもレイはテロリストが来たなんて言ったのかわからない。
だが、一つだけ分かっていることがある。
レイは何故か感が鋭い。
コンビ戦でもそのおかげで何度助けられたことか。
そんなレイがいうのだ、間違いない。
シンはテロリストに家族を、友達を、町を破壊された。
自然とシンの力に力が入る。
「ん……」
勿論手にも力が入ってしまう。
女性のちょっとした喘ぎ声にはっと気付いたシン。
「とりあえず俺達は東地区へと向かうぞ。ヨウラン、ヴィーノは町の人の救助を」
その声に反応して、ようやくはやてを離したたシン。
そして180°回転する。
「むぎゅ!!?」
そのときに何か声がしたような気もするが、気にせずさっさとむかう。
「あの、ちょっと!せめて謝るぐらいは!!」
何故か呆然としていたなのはは、すぐに去ってゆく少年に告げる。
すると、別の少年が「すみませえん!」と変わりに謝る。
それが彼の代わりなのか、彼が何も言わずに去っていったのを謝っているのかはわからないが。
「………」
さっきからハヤテは赤い顔のまま地面に屈している。
わかりやすく言うとOTL←こんな感じである。
その横では………
「うぐ……ひっく……えっぐ……」
背中に足跡が残ったままリィンが泣きじゃくっていた。
おそらくかなり痛かったのと服が汚れたからだろう。
「はやてちゃん、難しいと思うけど今は気持ちを切り替えて。町の人たちを」
町の人たちという言葉に流石に反応したはやて。
451ガンダムし〜どD´s:2007/02/16(金) 12:00:27 ID:???
「それもそうやな、リィン……」
はやてもリィンを見て言葉が止まる。
大体何が起こったのかさっしがついた。
「ごめん、なのはちゃん、ちょっと遅れるかもしれんけん先いっといて」
そう言われてなのははう、うん……と西側に行く。
そういえば、さっき東側に行くと金色の髪をしていた少年は言っていた。
(もしかして管理局の人?それに……)
なのはは、はやての胸を触った張本人を知っているような気がする。
もしかしたら以前自分が教えたことのある人かもしれなかった。

「この数……」
フェイト・T・ハラオウンは周囲に現れた傀儡兵ため息をつく。
さっきやっと執務官の仕事が終ってユーノと合流しようとした直後にこれだ。
現場に到着すると早くも傀儡兵が暴れていた。
仕事はまだまだ続きそうである。
早く帰って子供たちと休暇でどこかに出かけようと思ったのに。
はぁ、とため息をつきながらさりげなく親バカぶりを発揮するフェイト。
だが、そうも言っていられない、
「いくよ、バルディッシュ」
「イエス、サー」
フェイトは相棒であるバルディッシュを構える。
長引きそうなら、さっさと終らせるまで。
そのときだった。
「あぁ……」
ふと、か細い声が聞こえて、声の方を向くと、逃げ遅れた少年が傀儡兵に囲まれて立ちすくんでいた。
傀儡兵の数は5。
そして傀儡兵は少女に杖や砲門を向けた。
まずい。そう思ったフェイトは瞬時に考える。
まとめて一気に叩き斬るか、結界をはるか。
少し考えた結果、少女に結界を貼る。
まとまってくれれば楽なのだが、フェイト自体スピード重視とはいっても、間に合いそうに無かった。
だが、時間が無いためそんなに強力な結界ではないし、それ以前にフェイト自体執務官になったとはいえ、まだそこまで防御魔法が得意というわけではないため不安が残る。
そして、傀儡兵が結界を張っている少女に向けて放たれるそのときだった。
452ガンダムし〜どD´s:2007/02/16(金) 12:04:18 ID:???
『デリュージー』
どこからともなく流れる声。
それが聞こえたと思ったら、傀儡兵の一つに二つほどの高速弾が放たれた。
反応に遅れた傀儡兵は直撃し、崩れ去る。
別の傀儡兵が空を見るとそこには……
『デファイファント』
「うおーーーーーーーー!!」
目の前にいる緑のバリアジャケットを着用した少年が、バリアジャケットと同じ色の魔力で固められたジャベリンを持ち突撃。その勢いで傀儡兵のどてっぱらに風穴を開けた。
その少年の背中には、二つの砲門をかたどった、おそらく彼のデバイスがある。
フェイトは少年を見る。
(あれ、この子、確か……)
自分の記憶が正しければ、彼は4年前に、一時的に自分が保護した人物だ。
名前は確か………
(シン…君?……)
「なんでこんなことを……」
少年、シン・アスカは周囲を見る。
まだそこまで被害は出ていないが、ところどころ火の手があがっている。
シンは怒りながらジャベリンを構え、吼える。
「何でそんなに殺したいんだ!あんた達は!!」


まじかるしん1話投下完了。
まあ内容は、シンというかコズミック・イラの世界自体が管理局の管轄化の状態で
種死をやってみようというもの(数名キャラが省かれますが……)
ただ、少しこのスレの概要に離れてる気貸しj内でもないので、皆さんの許可が下りればD´sと同時進行ということで(その分各作品の投下時間は遅れる気もしますが。
453通常の名無しさんの3倍:2007/02/16(金) 14:39:37 ID:???
続きが楽しみっす!

つーかシン!
このラッキースケベが!!
俺と変わ(ラグナロクブレイカー
454通常の名無しさんの3倍:2007/02/16(金) 14:58:57 ID:3946rTtL
キラやアスランも出てくるんですか?
となるとアスランは管理局では伝説のエース扱いか!?
キラはまた自由に暴れまくるのか!?
恋愛は・・・いや〜色々な意味で楽しみ楽しみ♪
455通常の名無しさんの3倍:2007/02/16(金) 15:02:08 ID:???
これはこれでアリだと思う。続きが楽しみです。

シン……ステラではなくはやてになんてことを……ヒロインは彼女か!?
456通常の名無しさんの3倍:2007/02/16(金) 15:11:40 ID:3946rTtL
はやてがヒロインは問題ないとして
ステラみたいな最後だけは勘弁
ハッピーなエンドを希望
時期早々でごめんなさい
457通常の名無しさんの3倍:2007/02/16(金) 15:34:44 ID:???
なのはA'sでは湖の人が探知/通信妨害とか担当してたはず
458通常の名無しさんの3倍:2007/02/16(金) 16:43:27 ID:???
まて、たしかにはやては胸触られたがプロローグでシンを助けたのはフェイトだ。
フェイトがヒロインという可能性も(ry
459通常の名無しさんの3倍:2007/02/16(金) 16:57:34 ID:???
GJ!
シン・・・このラッキースケベめっ(誉め言葉)
はやてがヒロインですか、今までにないのでこれは楽しみですね
立ち位置は、アスラン→はやてとかになるのかな?
460通常の名無しさんの3倍:2007/02/16(金) 20:06:16 ID:???
というか、ラクシズは支配とか占領とかに過敏に反応する連中の集まりだから、
管理局がコズミックイラを管轄下に入れるときに戦闘とかやってそう。

凸も同じかなぁ…
461通常の名無しさんの3倍:2007/02/16(金) 20:19:49 ID:???
ラクス「“支配”か‥‥オモシレーなそれってよ?」

        !?
462通常の名無しさんの3倍:2007/02/16(金) 21:04:42 ID:???
魔砲伝説 特攻(ブッコミ)のなのは!?
463通常の名無しさんの3倍:2007/02/16(金) 21:05:29 ID:???
大丈夫たぶん管理下ってなってても事実上、協力体制しくだけだから
464通常の名無しさんの3倍:2007/02/16(金) 21:06:07 ID:???
GJ!ところでこのフェイト達って何歳?
465通常の名無しさんの3倍:2007/02/16(金) 21:07:51 ID:???
アリサ達が大学生らしいから、ストライカーズと同じ19歳じゃない?
シンを助けたのは4年前だから、A’sの後ぐらいかな
466通常の名無しさんの3倍:2007/02/16(金) 22:05:18 ID:???
>>462
シン「俺の"インパルス"ソッコーで持ってこい!?」
467機動戦士ガンダムSEED/FATE:2007/02/16(金) 22:40:22 ID:???
「プロローグ」

 資料の束やデータディスクの散乱する部屋の中を、白衣を着た男たちが忙しげに動いていた。
 薄暗いその部屋はけっして快適な空間とはいえないだろう。その中でも更に異様なのは、丁度部屋の中心に備え付けられた巨大なシリンダーだ。
 中を得体の知れない液体で満たすその中で、「それ」は確かに動いた。
「おお、これは……」
「テスタロッサ博士、こちらに」
 ざわめく男たちに呼ばれ、部屋のデスクに座っていた妙齢の女性が静かに「それ」に近付いていく。
 艶やかな黒髪と整った顔立ちは、明るい日のある世界でならどこぞの貴夫人と間違えるほどの美貌なのかもしれないが、今の彼女の纏う空気がそれを台無しにしてしまっていた。
 それは偏執。妄執。叶わぬ何かを追い求める人間が纏うもの。
 テスタロッサと呼ばれた彼女は、シリンダーに手を当てて、何かを周りに伝えた。
 そして最後に、シリンダーの中の「それ」に
「……出来損ないね」
 冷たく、そう告げた。

 彼女の言葉に「それ」は、確かに反応し、
「……」
 去っていくその背中に、力無くその手を伸ばした。


 どんなに手を伸ばしても、取り戻せないものがあることを少年は知っていた。
 だから、決めたのだ。
 決して、奪わせはしないと。
 力無き人が、その理不尽に屈するしかない時、自分がその人の代わりにその理不尽を打ち砕こう、と。
 だが、どこまでも純粋だったその決意は、時と共に歪んでいくことになる。
 いつの日か、あの頃の決意こそが取り戻せないものだと気付くことになる。
 しかし、今の少年にはそのようなことを知る由も無く、ただ我武者羅に己の才能を開花させるための努力を行うことしかできなかった。
468機動戦士ガンダムSEED/FATE:2007/02/16(金) 22:43:44 ID:???
安易なネタでごめんね。どうしてもシンがシスロリでフェイトを甘やかす話が書きたくて。
469通常の名無しさんの3倍:2007/02/16(金) 23:02:14 ID:???
シンが変態へと堕ちる話ですか?


フェイトのブルマ姿を妄想して種割れするシン…
470通常の名無しさんの3倍:2007/02/16(金) 23:31:46 ID:???
え〜と…GJ!
>シンがシスロリでフェイトを甘やかす話
ドンと来ーい。新しい切り口な話ですな!

また連載多くなってきたな〜、目が離せないですっ。
471通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 05:09:23 ID:???
乙なの!
新作ktktってことで楽しみだ
472通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 11:35:57 ID:???
>>468
GJ!
是非とも!是非とも最後まで書いて戴きたい!!

シンはドが付くほどのシスコンなのは間違いないぜ
なんせ両親よりマユの仇として自由を見てたっぽいし
473通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 11:56:36 ID:2UwTPR8+
一度書いてみたいな〜とか思いますが
みなさんって歳の差カップリングは認めます?
474通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 12:16:44 ID:???
歳の差カップリングは認めるけど種キャラとなのはキャラのカップリングは認めん
475通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 12:24:30 ID:???
それじゃぁクロスできなじゃないか…

まぁ好きにしな。漏れはとらはキャラ多数出演以外だったらなんでもおk
476魔法戦士アスランSEED:2007/02/17(土) 12:34:02 ID:???
テスト勉強に嫌気がさしてきました。
ようやく最後までの骨組みができました。多分、火曜ぐらいから投下できると思います。
忘れられないように一応告知しておきます、ということで。
それでは。
477通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 12:34:10 ID:???
なのはキャラ以外と種キャラとの歳の差カップリング・・・


ティオレ・クリステラとシンとか
478通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 12:59:18 ID:???
シン×はやて フェイト×キラ

アスラン×すずか アスラン×アリサ

ここら辺のカップリングが頭で決まった…
479通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 13:04:49 ID:???
悪いがそんなSSが始まった日に荒らさせてもらう
480通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 13:14:37 ID:???
OK、カプ話はここまでだ
せっかくのスレを下らん拘りで荒らされてはたまらん
481通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 13:29:23 ID:9SdXdP1L
ですね
なるようにしかなりませんから
482通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 13:57:02 ID:???
カップリングとか作者のオナニーSSが上がると確実に荒れちゃうからな
こういうのは脳内でよろ^^が基本
483通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 14:07:23 ID:???
っと蒸し返すようですまんかった
なのはseedスレ初期の頃から見てたもんで荒らされる前に止めたくて書いちまった
484通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 16:45:18 ID:???
ハートフルなのはいいかい?
485通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 16:54:29 ID:???
機動魔砲少女タクティカルなのはDestiny
486通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 16:54:53 ID:???
書きたいなら、注意これは〜と一言つけて、アプロダに上げるのはどう?
487通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 18:39:42 ID:???
>>486
俺はそれで賛成

読んでみたいが、それでスレが荒れた嫌だし……
488通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 18:45:19 ID:???
俺も読んでみたい
489通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 19:09:53 ID:9SdXdP1L
事前に承諾は難しいでしょうが
ダメなようなら無視してください
くらいでいいんでないですか?
けっきょく価値観なんて人それぞれですから
理解してくれる人は理解してくれますよ
490通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 19:41:29 ID:???
俺もそう思う。
ちゃんと注意書きをしておけば、読む前に飛ばせるしね
491通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 20:18:15 ID:???
これはいい案ですね。
こういう風にすれば職人さんも書きやすいし、スレも荒れずにすむ。
492通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 20:22:11 ID:???
まあそれでもカップリングがどうのとかだったら荒らすけどな
493通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 20:45:15 ID:???
カプ禁止!
494通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 20:49:56 ID:???
注意書きを書いたとこで読み飛ばすとは限らないから無駄だと思うぞ
まぁこういう問題があるからこそクロスオーバーは難しい

正直最近の感想だがシンやキラに自己投影してのU−1ものが多い気がするんだが

このまま続けるなら>>486のいうようにアプロダに上げるのがいいかもな
495通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 21:16:18 ID:???
だからこの程度じゃ、Uー1とは呼べないんだよ
本物のUー1ってのは種死も裸足で逃げ出すレベルだぞ
496通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 21:20:06 ID:???
今更なんでこんな話が出てくるんだ?
他の作品で既にシンが女キャラと恋愛フラグみたいなもの立ててるだろ。
497通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 21:23:01 ID:???
とりあえず職人さんにあまりきびしすぎるのもどうかと。
08MSスレなんてすごいことになっちゃったし。
書いてくれる職人さんに感謝して
批評や意見はともかく、激しすぎる非難は控えるのがいいのでは、と思います。
498通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 21:33:59 ID:???
同意。
職人さんはスレの宝じゃ。
499通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 21:34:07 ID:9SdXdP1L
ここって作家さんあってですからね
多少は大目に見てもいいんじゃないですか?
作家さんが去っていくのも
荒らしで消されるのも悲しいですよ。
まあ、それ以前に荒らしはルール状禁止みたいですけどね
500通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 21:35:13 ID:???
俺の場合「それはそれ。これはこれ」って感じで読んでるんだけど……俺が変なのか?
流れ読まずに投下してもいいですか?
502通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 21:38:29 ID:???
>>496
シンはどうでもいいがなのはキャラが種キャラとくっつくなんてぞっとする
503通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 21:41:36 ID:???
>>501
是非ともお願いします。
職人さん万歳!
504通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 21:42:46 ID:???
>>502
気持ちはよーーーーーーく分かる

>>501
流れぶった切ってくれ
505魔法少女リリカルなのはC.E.73 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/17(土) 22:02:24 ID:???
「ちいっ! 何なんだ、こいつは!?」
 カナード・パルスは全く予想だにしていなかった己の窮地に焦燥していた。
 彼は傭兵として連合国に雇われていた。依頼内容はウィンダム部隊── 一小隊が三機で編成されていて、それが五組の全十五機である──の仮想敵役である。カナードの機体も、愛機であるドレットノートイータではなく、相手と同型のウィンダムを使ってのものだった。
 訓練が一区切りしたところで、一時休息の為に機体から降りた時に、それは起こった。
 無人となったウィンダムのうちの一機が、突然動き出したのだ。
 カナード達は慌てて機体へと戻り、暴走した一機を取り押さえようとしたのだが、カナードが乗るウィンダム以外は瞬く間に返り討ちにあい破壊されてしまった。
 そして──今もなお、暴走を続けるウィンダムは、カナードの機体へと襲いかかる。
 放たれたビームをカナードはかわそうとするが、被弾して機体の左腕が吹き飛ばされる。
「ば、馬鹿なっ!? かわしたはずだろうが!?」
 己の被弾に驚き戸惑うカナード。
 彼の驚愕も無理はない。
 敵機の放ったビームは、回避行動をとった彼の機体へと軌道修正したのだから。
 魔力を伴った射撃だからこそ行えた追加効果──それは、この世界のMS戦において、反則ともいえる能力だった。

=========================

 タクラマカン砂漠の上空。
 探索飛行をしていたなのはのは、ダーククリスタルが発動した事を察知する。
 と同時に、あるイメージがなのはの脳裏に流れる。
「……!! 見つけ──っ!?」
 見知らぬ金髪の少年が助けを求めている。
 オーブで見たものとは違う機体が、同型の機体に破壊されていく。
「今のって……」
 魔導師間で使われる念話とは違った感覚。
 試しに念話で返事をするが、相手からは何も返ってこなかった。
 だが、幻視や幻聴の類とも思えないし、魔力反応も感じる。
「とにかく急ごう、レイジングハート」
《All right》
 なのはの両足のフィンが強く輝き、飛行速度を上げていく。

=========================
506通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 22:03:08 ID:???
↓では>>501氏、お願いします
507魔法少女リリカルなのはC.E.73 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/17(土) 22:03:30 ID:???
 カナードの機体が放ったビームは、的確に敵機を捉えるが――その前に現れた障壁に阻まれる。
「くそっ! アルミューレ・リュミエールの発展型とでもいうのか!?」
 モノフェーズ光波防御体シールドの発生装置が見当たらないが、こちらの攻撃は一切通らず、敵は一方的に攻撃できる≠ニいった現状に、カナードはかつての乗機であるハイペリオンガンダムを思い浮かべていた。
「ドレットノート・イータなら、こんなヤツっ!!」
 彼の愛機に搭載されている兵装――アルミューレ・リュミエール・ハンディならば、相手の防御を貫けるはずだと、カナードは愚痴った。
 その考えは誤りなのだが――まさか、魔力によって発生している広域防御魔法などと、この世界の人間に分かるはずもない事だった。
「くっ……」
 敵機から放たれた閃光をカナードは最低限の動きで回避しようとするが――
「――!?」
 彼は頭に過ぎったイメージを頼りに、機体を急旋回させた。
 そして、彼は先程の被弾の原因を覚る。
「ビームが……曲がる!?」
 だからこそ、着弾ギリギリまで引きつけた事で回避に成功したのだった。
「……俺はまたお前に助けられたのか」
 カナードはたしかに感じていた。かつて、命を懸けて自分を救ってくれた少年の魂を。


 そして、彼は再び敵機と対峙するのだが――
「……ん?」
 カナードは微かな違和感を感じる。まるで、敵は自分ではないものを見据えているかのような。
「――っ!」
 ふいに放たれた敵機からの射撃をカナードはとっさに回避しようとするが――そもそも、その射線は彼の機体に向いていなかった。

=========================

「……あれだ!」
 なのはは、前方で交戦中の二機を見つけた。その片割れからは魔力反応もある。 
 先ほど感じたイメージ通りの現状に戸惑いはあるが、今はそんな事を気にしている猶予は無さそうだった。
《Caution》
「――!!」
 レイジングハートからの警告に、なのはは警戒レベルを上げた。
 直後に、数発の射撃がなのはを襲うが、大きく上昇してかわす。
《Divine Shooter》
 なのはは、自分の周囲に桜色の光球を四つ生成すると、相手に向かって飛ばした。
 相手は回避行動を取るが、なのはの操るシューターからは逃れられない。動きを止め、手をかざして円形の魔法陣型シールドを張る。
「アクセル!」
 加速したなのはのシューターは、相手のシールドを容易く撃ち抜いて直撃する。
 頭部と左腕・右足を失った相手は、右腕をぎこちない動きで上げて、ライフルの銃口をなのはに向けるが――不意にその向きをずらした。
508魔法少女リリカルなのはC.E.73 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/17(土) 22:04:25 ID:???
 カナードは、目の前で行われている戦闘に釘づけになったいた。
 自分を窮地に追いやったウィンダムが――空飛ぶ少女に破壊されていく。
 そんな非常識極まりない光景に目を奪われていたがゆえに、反応が遅れてしまう。
「――!? ちぃっ!!」
 少女に圧倒されていたウィンダムが、カナードの機体へライフルの銃口を向けたのだ。
 すかさず回避行動に入るが、通常の射撃ならかわせるタイミングであっても、この射撃はかわせそうになかった。


「やらせないっ!!」
《Flash Move》
 なのはは、カナードの機体の前に一瞬で移動すると――
《Wide Area Protection》
 広域防御魔法で飛来する魔力弾を受け止めた。
 お返しとばかりに砲撃の発射体勢をとるなのは。
 しかし、ウィンダムはいきなり爆発してしまう。
 再度、広域防御魔法で自分の身と後ろの機体を爆発から守る。
 爆発の煙が晴れる頃には、ダーククリスタルの姿形は無く、魔力の残滓が漂うだけだった。
《Target lost》
「……逃げられた?」
 レイジングハートからの状況報告に、なのはは肩を落とした。


 カナードはすっかり混乱していた。
 今、起こっている事は夢ではないのかと思い──古典的ではあるが──ヘルメットを脱いで、頬をつねったほどだ。
「いったい、何なんだ……?」
 そして──
「──!?」
 またも彼の脳裏を過るイメージ。あまりに不可解な出来事の連続ではあるが──
「……よく分からんが、お前の頼みじゃ断れないな」
 今もなお、時折自分に触れてくる少年の意志をカナードは全面的に受け入れる事にしていた。


 カナードはコクピットのハッチを開けると、目の前に対空している少女に声を掛ける。
「おい! そこのお前!」
「わっ!?」
 またもダーククリスタルを取り逃がしてしまった事に気落ちするなのはは、一時的に第三者の存在をすっかり忘れてしまっていた。
 そこへ、いきなり声を掛けられたので、驚いて振り返る。
「──!? き、キラ君!?」
 振り返った先には、先日まで一緒にいた少年の顔があり、さらに驚く。
「……じゃない?」
 しかし、よく見ると彼は長髪だったし――キラに比べて目つきが悪かった。
 とりあえず、なのはは自分の勘違いを謝る。
「す、すみません。人違いでした」
509魔法少女リリカルなのはC.E.73 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/17(土) 22:05:39 ID:???
 一方、カナードも少女の口から出てきた人名に驚いていた。
 以前の彼なら、我を忘れて少女に掴み掛かって問い質しただろう。
「……俺はそんなにキラ・ヤマトに似ているのか?」
 昔のような拘りはないが――それでもつい聞いてしまった。
 だが、返ってきたのは意外な答え。
「……よく見ると、そんなに似てない気もします」
「ほう?」
「えっと……」
「カナードだ。カナード・パルス」
「カナードさんは、キラ君の親戚か何かなんですか?」
 少女の問いにカナードは考え込む。
(俺とアイツは──)
「兄弟のようなもんだ」
 同じようにメンデルで生まれた存在。だから、そう答えた。
「そんな事よりも……お前はいったい何者なんだ?」
「えっと……私は……」
 なのはは焦った。
 受け取ったイメージに導かれるまま戦闘に割って入ったが、このままではオーブでの二の舞になってしまう。
 この少年を魔法関連の問題に巻き込むわけにはいかない。
(どうしよう……逃げちゃおっかな)
 しかし──
「言っとくが、説明しなかったら、世界中にお前の事をバラすぞ」
「なっ……そんな!?」
 カナードとしては、少女が事を隠したそうにしている素振りを見て、当てずっぽうに言ってみただけだったが──少女の慌て振りを見ると図星だったらしい。
(うぅ……やっぱり似てない!)
 キラなら、こんな意地悪な事は言わないはずだと、なのはは思った。
 彼が乗っていた機体を破壊すれば、証拠となる戦闘記録は無くなる。
 だが、そういった荒っぽい事は避けたい。第一、そんな事をすれば、彼は砂漠の真ん中で立往生してしまう事だろう。
 なのはは仕方なくカナードに自分の事を話す。
 最初は必要最低限の事に止めておくつもりだったが、少年の妙に鋭い詮索に、なのははキラ達に話したレベルまでの話をする羽目になった。

510魔法少女リリカルなのはC.E.73 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/17(土) 22:07:18 ID:???
 カナードは少女の話に唖然としていた。
 だが、先程の少女とウィンダムの戦闘を見た後では、信じざるを得なかった。
「……俺には使えないのか?」
「魔法を――ですか?……たぶん、無理だと思います。魔力の源たるリンカーコアを持ってないと……」
「キラ・ヤマトでもか?」
「はい、同じだと思います」
 それはカナードにとって衝撃的な事だった。
「は……はは……ははははは!!」
 急に笑い出したカナードをなのはは訝る。
 カナードは、そんななのはの視線に気づく。
「──悪いな。何でもない」
 何でもなくはなかった。
 スーパーコーディネイター――人類の夢、最高のコーディネイター。生まれながらに、人間という種の限界点まで先天的能力を引き上げられた存在。
 その成功体であるキラ・ヤマトにも到達できない境地に、目の前の少女はいるのだ。
 異世界の人間とはいえ、同じ人間であるらしい少女にできる事をキラ・ヤマトがどんなに頑張ってもできないのである。
 その事実は、あらゆる分野において最高の資質を有しているはずのスーパーコーディネイターという存在を否定し得るものだった。 
 過去、カナードを縛りつけていたものを否定する存在。それは、自分より遥かに幼い少女。
 そのあまりの滑稽さに、カナードは耐え切れず笑ってしまったのだ。
(まあ、今さら、どうでもいいがな)
 スーパーコーディネイターなどといった存在であるかどうか以前に――自分はカナード・パルス≠ナしかない事を彼は知っていた。


「で……お前はこれからどうするんだ?」
「ダーククリスタルを追いかけます」
「当てはあるのか?」
「魔力反応を地道に探っていけば……」
「そうじゃない」
「え?」
 カナードは、やや呆れ口調で言う。
「飯は? 寝る所は? お前、この世界の金とか持ってないんだろ?」
「そ、それは……」
 彼の言う通りだった。今まで利用していた山小屋みたいなものが、そうそう都合良くあるとは限らない。
 そうやって困ってしまうなのはに、カナードは一枚のカードを渡した。
「……これは?」
511魔法少女リリカルなのはC.E.73 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/17(土) 22:08:05 ID:???
「キャッシュカードだ。好きに使え」
 それは、カナードが傭兵家業での稼ぎを貯えたものを複数の口座に分散した内の一つだった。
「えっ!? そ、そんな……いらないですよ!」
 なのはは慌てて、渡されたカードを返そうとするが――
「遠慮するな。助けてもらった礼だ」
「で、でも……」
「だいたい、お前にどうにかしてもらわないと、この世界の兵器ではどうしようもないようだからな。その為の投資だと思えばいい」
 そう言われて、なのはは少し思案するが、やはり受け取る気にはなれない。
「すみません、やっぱり――」
「ああ、もう! ゴチャゴチャうるさいヤツだな! いいから黙って受け取れ! さもなきゃ全部、世界中に言い触らすぞ!!」
「……それ、ズルいです」
 カナードの強引さに折れる形で、なのははカードを受け取る。
「ありがとうございます」
「ふん!」
 なのはから礼を言われてそっぽ向くカナード。そんな彼の姿は、なのはから見ても可笑しかった。
「何が可笑しい!?」
「別に何でもないです」
 不機嫌そうにするカナードに、なのはは悪戯っぽく笑って答えた。


 ふと気づけば、かなりの時間が経っていた。
 急がなければ、ダーククリスタルの魔力反応を追えなくなってしまう。
「それじゃ、私はもう行きますね」
「ああ、頼んだぞ」
「任せといてください!」
 そう言い切ると、なのははその場から飛び去った。


 カナードは、なのはが飛び去った軌跡を見上げながら呟く。
「プレア……これでよかったのか?」
 あの少女の話を聞く限り、戦闘面での手助けはできなさそうであるし、行動も彼女一人の方が身軽そうだった。
 自分にできそうなのは、資金面での援助くらいしか思いつかなかった。
 自分なりに、あの少女の手助けをしたものの、カナードにはそれで良かったのか分からなかったのだ。
 そんなカナードの問いに答えるかのように――砂漠地帯には不似合いな柔らかな風が、彼の頬を撫でていった。
512通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 22:15:06 ID:???
GJです!
カナードがいい味だしていると思いました。
513 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/17(土) 22:15:35 ID:???
とってつけた感のある第12話、投下終了!
書いてたら10KB超えたので、今回はなのはパートのみにしました。

カナードってこんな感じだっけ?
コミック参考に書いてみたものの、自身ないです。
ついでなんで、なのはのお財布役にw


チラ裏
今のところ、なのはが敵機を圧倒してますが……
514 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/17(土) 22:20:25 ID:???
>>506さん、GJ!
気掛かりだった連投規制に引っ掛からずにすみましたw

……開始合図なしの投下スマソ
515通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 22:21:36 ID:???
乙。
カナードだったのか……特別ゲストって。
516通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 22:26:08 ID:???
スヴェンかな〜と予想してたが
カナードだとは思わなかったわw
517通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 22:29:26 ID:???
GJ!
しかし、カナードくらいの使い手でも魔法にはなす術がないのか・・・。
そこがちょっと残念です。でもすごくいい作品だと思いました!
キャラが立ってるって感じです。
カナードが敵の誘導ビームを避けたところはかっこよかったです。
518通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 22:45:51 ID:???
いくら搭乗者の技量が高くても、使用している媒体が既存の物理法則の範囲にあるMSに
乗っている限りなす術がないのは仕方がないんじゃないかな?
しかも今回の場合、使い慣れたウィンダムで通常起こりえない事に遭遇した訳で、
不意打ちであれだけ対応できただけで凄いと思うな。
519通常の名無しさんの3倍:2007/02/18(日) 01:15:45 ID:???
田中ぷにえがうっかり現れたらどうなるんだろうか
520通常の名無しさんの3倍:2007/02/18(日) 02:11:13 ID:???
>>517
対応戦術が全く無い状態で火力、防御、機動力ともに優越されてる敵を、
正面から正攻法で撃破できたらかえって厨臭い。
しかも>>518で言ってるとおり不慣れな機体に乗ってるんだし。

大丈夫、次はちゃんと対応できるさ。
そもそも相手のビームがホーミングしたりビームはじくのが完全に想定外だし。
ストライクダガーと思って襲い掛かったらフォビドンだったようなもんだぞ。
初見にしちゃよくやったぞカナード。
521通常の名無しさんの3倍:2007/02/18(日) 02:21:34 ID:???
ドレッドノートだったら結果が変わってたのかな?
倒せなきゃ意味ないかもしれませんが
それでもカナードなら
にしてもブレア・・・もう怨霊の領域かな
522通常の名無しさんの3倍:2007/02/18(日) 08:48:30 ID:???
気に入らないならこなけりゃいいだろ 何を書こうが自由だし ネタ程度許容出来ない 器の小さい奴ばかりですか?
523通常の名無しさんの3倍:2007/02/18(日) 08:56:39 ID:???
厨臭いのはどっちもどっちだな オタ向けってとこも同じ
524通常の名無しさんの3倍:2007/02/18(日) 09:48:08 ID:???
>522
句読点が打てないやつに言われたくないな
リアですか?
525通常の名無しさんの3倍:2007/02/18(日) 09:51:34 ID:???
萌えオタは社会のゴミ
526通常の名無しさんの3倍:2007/02/18(日) 11:24:00 ID:???
>>513
お待ちしてますたー。
ところで、そのおサイフ、認証時に「本人じゃない」とか言われて現地警察にとっつかまりそうになったりして:-)
527通常の名無しさんの3倍:2007/02/18(日) 12:20:50 ID:???
何この自慰最低SSの数々
キメェwww
528通常の名無しさんの3倍:2007/02/18(日) 12:42:58 ID:???
>>527
わかったから巣にお帰りw
529通常の名無しさんの3倍:2007/02/18(日) 12:56:21 ID:???
>>526

 インド洋沿岸の小さな町に辿り着いたなのはは、宿代が必要なので銀行へと向かった。
 ATMコーナー。カナードの厚意に入れてみた感謝しつつ、カードを挿入。教えてもらっていた暗証番号を入力し終えたのだが──
「……指紋認証?」
 どうやら暗証番号だけでは取引できないらしい。
 一応試しにと、なのはは右手人差し指を機械に置いたのだが──それが不味かった。
「えっ!? えっ!?──」
 突如として鳴り出したけたたましい非常警報に、なのははおろおろする。
 瞬く間に警備の者が駆けつけ、なのはは拘束されてしまう。


 ── 一時間後。
「パルス様の承諾が得られましたので、以後は高町様にもご利用頂けます」
「はぁ……その、すみませんでした」
 かなりの大騒ぎとなってしまい、なのはは後ろ暗い気持ちから謝った。
「いえいえ……それでですね。パルス様が高町様に繋いでほしいと仰られまして──」
 銀行員が手渡してくる受話器を受け取るなのは。
「……もしもし、なのはです」
『ああ、カナードだ。悪かったな、指紋認証の事をすっかり忘れていた』
「お陰でひどい目に遭いました」 ややムスっとするなのは。
『捕まったらしいな。でも、お前の指じゃダメな事ぐらい分かるだろ?』
「むぅ……カナードさんが何とかしてくれてるのかと思ったんです!」
『あのなぁ──』


 この後、二人の不毛な言い合いが三十分ほど続いたのだった。


こうですか? よく分かりません!
530 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/18(日) 13:01:53 ID:???
>>529
×カナードの厚意に入れてみた感謝しつつ
○カナードの厚意に改めて感謝しつつ


昼休みに携帯からの即興です。
かなり適当なので流し読み推奨。
wikiには乗せないで下さいまし。
531通常の名無しさんの3倍:2007/02/18(日) 17:10:29 ID:???
>530 GJ:-)
532通常の名無しさんの3倍:2007/02/18(日) 20:21:04 ID:???
>>530
GJ!小ネタは収録落ちやすいけど、
◆GmV9qCP9/g 氏が認めるなら残しといてほしいなぁ。
533魔法少女リリカルなのはC.E.73 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/18(日) 23:31:56 ID:???
なのはさんがいく 第3話 【世界の終わる時なの(前編)】



 コズミック・イラ7X年。
 この世界に、一つのロストロギア(=古代遺物)と三人の魔導師が紛れ込む。
 同時に、この世界から『常識』が失われてしまった。
 その影響は三人の魔導師たちにもおよび、各々の精神に影響を受けてしまう。
 本来ならあり得ないはずの介入。本来ならあり得ないはずの出来事。
 これは、そんな『if』な話。


 そう。例えば――

=========================

 ユニウスセブン――直径およそ十キロにも及ぶ巨大な大地が、地球にいる人々の頭上に落ちていこうとしていた。
 プラント側は、ユニウスセブンを大気圏突入前にできるだけ小さな破片にしようと、破砕活動を行う為の部隊を出した。
 しかし、そこで待ち受けていたのは、同じザフト製のMSを駆る所属不明の部隊だった。
 それらとの戦闘に突入した為に、破砕作業は難航。
 元のサイズに比べればそれなりに分割できたものの、地上に対して十分な脅威となる質量を持ったものがいくつか残っていた。


「ミネルバはこれより大気圏に突入し、限界までの艦主砲による対象の破砕を行いたいと思います」
 ザフトの新造艦ミネルバ艦長タリア・グラディスの凛とした声に、プラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルやオーブ連合首長

国代表カガリ・ユラ・アスハだけでなく、クルー全員が息をのむ。
 一瞬の静寂を破ったのは一人の少女の声だった。
「その必要はありません」
 ブリッジに入ってきたのはザフトの白服に身を包んだ、身分の割りに若い――十五歳前後の少女である。
 その胸元には、議長直属の特務隊であるフェイスとしての証が銀色に輝いていた。
「来てくれたのだね、八神君」
「はい。高町とハラオウンも同行しております」
「そうか。残った破片はまだ巨大だが……やってくれるかね?」
「お任せください。では、失礼します」
 そう言うと、彼女はブリッジを後にした。
 その姿を見送る誰もが信じていた――彼女たち三人の力を。
534魔法少女リリカルなのはC.E.73 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/18(日) 23:33:59 ID:???

 廊下に出て始めの通路を曲がった所で、八神はやては表情を崩した。
「あー、もうっ! 体裁上、しゃーないとはいえ、肩凝ってまうわ」
 先程の議長とのやり取りを思い出しながら肩をほぐすはやて。
「だいたい、あーゆー畏まったんは私よりもフェイトちゃんのが向いてるんやから、私やなくてフェイトちゃんが行ったらええのに……」
 高町なのは、フェイト・T・ハラオウン 、そして八神はやての三人娘を主軸にした特務部隊――ストライカーズ。その部隊指揮官である

はやてが愚痴をこぼしていた。
 彼女が指揮官の座にあるのは、三人娘の中で最も指揮官適正が高かったからである。
 そして、彼女達の能力の特異さから通常の指揮系統に組み込む事が難しい為、その年若さにも関わらず、はやてにはザフトの白服が与え

られていた。ちなみに、フェイトは黒服ではやての補佐役、なのはは赤服である。
 なのはにも黒≠ェ与えられたのだが、『下手な足枷がつくよりも自由に動ける方がいいの』と言って辞退した。本人の希望は緑≠セ

ったのだが、『特務部隊所属の人間という立場上、せめて赤服を』との判断を受けて、しぶしぶ赤≠着ている。
 そういったわけで、プラント上層部の人物に接するのは、部隊の長であるはやての役割となる。
「まあまあ……マイスターはやては、ストライカーズのトップなんですから……仕方ないですよ」
 はやての傍らに実体を現したリインフォースUが、なだめるように言った。
「せやかて、人には向き不向きがあるんやから……指揮官適正が高い言うても、あーゆー場面には関係あらへんやんか?」
「それは……まあ、そうなんですけど……」
「まあ、そんなんは置いといて……なのはちゃんとフェイトちゃんは?」
「お二人は先にMSデッキの方で待機しているそうです」
「ほな、私らも急ごか?」
「はい、マイスターはやて」
 リインフォースUは、主であるはやてにそう答えると、出撃に備えてデバイスの中に戻って休眠状態に入った。


 はやてはMSデッキに着くと、同じ年の少女達の所へ寄っていく。あちらも彼女に気づいたようだ。
「あ、はやてちゃん」
「二人ともお待たせー」
「はやて、ユニウスセブンの状況はどうだった?」
「んー、あんまし良くはないけど……まあ、なんとかしよか?」
「――だね!」
「うん、アレを地球に落とさせるわけには――って、なのは、なんで睨むの?」
「ん?……なぜか『アレ』って響きにイラッときたの」
「そ、そうなんだ……ごめんね」
「フェイトちゃんが謝る事ないよ。理由は私にも分かんないし」
「二人とも、お喋りはそのくらいにして、そろそろ出よか?」
「うん」
「了解」
535魔法少女リリカルなのはC.E.73 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/18(日) 23:36:54 ID:???

(そうだ、急がないと……あんなものが落ちたら地上が死滅してしまう!)
 フェイトは、地上に降りかかろうとしている災厄を払う決意を漲らせる。
「我、闇を貫く者也……夜を切り裂く閃光の戦斧よ、今この手に来たれ!! バルディッシュ、セットアップ!!」
 フェイトの声が凛と響くと、その掌にある金の台座に乗った三角形の黄色い宝石が、黒き戦斧へと姿を変える。
 同時に、彼女自身の姿も、紺色を基調とした制服の上に白いオーバーコートといった出で立ちになった。
 普段は省略しているデバイスの起動パスワードを詠唱したのは、己を鼓舞する為である。
「おー、フェイトちゃん、気合入っとるなー。ほんなら、私も――」
 はやては右手を頭上へと掲げる。その掌にあるのは剣十字の欠片。
「夜天の光よ、我が手に集え……祝福の風リインフォース、セーットアップ!!」
 フェイトの時と同じく、瞬時にはやての着ている服が変わっていく。
 はやてがその身に纏っていくのは、白と黒と黄金色の三色で構成された騎士甲冑。リボンがついた大きな帽子が特徴的だ。
 その手には、剣十字の杖――シュベルトクロイツ。その背には三対の漆黒の翼。
 さらに今回は、リインフォースUとのユニゾンも同時に行っているので、はやての髪と瞳も変色していた。
 そして、はやての傍らに浮かぶのが、本型ストレージデバイス――蒼天の書である。
 バリアジャケット、もしくは騎士甲冑をそれぞれの身に纏ったフェイトとはやてが、なのはの方へ向く。
 二人の視線に促され、なのはは目を閉じる。その首元に浮かぶのは、紅く小さな丸い宝石。
「風は空に、星は天に……輝く光はこの腕に、不屈の心はこの胸に!! レイジングハート、セーットアーップ!!」
 なのはの全身を純白の防護服が包み込む。その手にするのは、愛杖レイジングハート。


『進路クリアー。ストライカーズ、発進どうぞ!』
 ミネルバのオペレーターであるメイリン・ホークのアナウンスが流れ、カタパルトが開いていく。
 三人は互いに頷き合うと、眼前に広がる宇宙へと飛翔した。
536 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/18(日) 23:43:49 ID:???
投下終了。
>>534の最初ら辺に誤字発見orz

今回の話は、知名度低いっぽい、バルディッシュ起動パスを書いてみたかっただけだったりもしますw
それと、はやて&リインの台詞書き練習的なものも。
実は、はやて弁以上にリインの台詞が難しい……。


>>532
>>526を見てから、投下まで30分もかかってない小ネタなのに……
鼻血もののお言葉、ありがとうございます。
まぁ、収録禁止なわけではないので、取り扱いは住人の皆様にお任せします。

少し思ったのは、>>529レベルぐらいの短いやつなら、気軽に書ける人も出てくるかもって事で、
そうやって投下された数人の小ネタを寄せ集めて、『Seed-NANOHA単発小ネタ集/作者・スレ住人多数』なんてものができたらいいなぁ、と妄想してみたり。


長文スマソ
537シンとヤマトの神隠し:2007/02/19(月) 00:28:10 ID:???
◆GmV9qCP9/g氏、乙です!なのはの微妙な黒さに笑いました。

本編の執筆に行き詰まりました。
代わりと言ってはなんですが、気分転換に書いた短編(かなり短い)をお届けしたいとおもいます。
538シンとヤマトの神隠し:2007/02/19(月) 00:32:30 ID:???

サアアァァァアアーー…

部屋の中にいても聞こえるこの音は雨音で、時折近くを走る車が水しぶきをあげる音を不規則に混ぜる。
天候も薄暗く、なんだか気だるい雰囲気に包まれ、しかし、そんななか、シンはフェイトの勉強を見ていた。
まだ午前中だが、カーテンを閉め、部屋には電気がついている。
カリカリと、フェイトが鉛筆を走らす音が聞こえる。時折、シンをちらりと見て、自分の答えがあっているかを確認する。
答えがあっていれば、シンは頷くし、間違っていれば首を左右に降り、解説してやった。
それを繰り返すうち、
「くぁ〜〜っ!」
可愛らしい欠伸が一つ漏れた。
子犬形態のアルフだ。
フェイトは一旦、手を止め、アルフを見、そして真剣だった表情を緩ませる。
まぁ、無理もないだろう。アルフにとっては、勉強なんて面白いとは思わないだろうし、退屈なだけだ。
さらに、今は十二月、朝から雨と言うことで、太陽は昇らず、気温は低い。
部屋の中を、体を、ヒーターやコタツが暖めている。その暖かさが睡魔を呼んだのだろう。
ちなみに、コタツは長方形型でフェイトの隣にシンが座って雑誌を読んでおり、アルフはその間で半身をコタツにいれて寝息を立て始めていた。

サァァアアーー…

尚も降り続ける雨。
時間は十一時半を過ぎたころ。
――お腹すいたし…。ちょっと疲れたなぁ…。
フェイトは手を休め、シンに休憩しようと言うつもりだったのだが…。
――寝てる…。
起こさない方がいいよね?何てことを考えながらフェイトは絨毯の上にシンと同様に寝転がり、体を横にする。
規則正しくシンの胸が上下し、アルフの背中も上下する。
そんな様子を見ているフェイトの瞼も重くなり、そして……。

「ただいま〜…。」
と、買い物ついでに翠屋に寄ってきたリンディが帰ってきた。
リンディは何の返事もないことをさして気にも留めず、廊下を歩き、居間へと通じるドアを開けた。
買い物袋を冷蔵庫の近くに適当に下ろし、コートをしまいに行こうとしたところで、足を留め、その光景を見て微笑んだ。
「あらあら…。」
シン、フェイト、アルフの二人と一匹が寄り添うように眠っていた。

サアアァァァアアー…。

まだ午後一時を過ぎぬうちにハラオウン家が住む部屋の明かりが消えた。
雨はまだまだやむ気配がないが、明日の海鳴市は、晴れだ。
〜完〜
539シンとヤマトの神隠し:2007/02/19(月) 00:40:05 ID:???
ある日シリーズ
「ある日のシンとフェイト」でした。
別に面白くもなんともないと思いますが、今朝、雨が降っていたので、こんな話は駄目かな?
って感じで、思いつきで書きました。
退屈な話かもですが、読んでいただいてけると幸いです。
540シンとヤマトの神隠し:2007/02/19(月) 00:48:58 ID:???
申し訳ない、
>太陽は昇らず、じゃなくて、太陽は雲に隠れて
です。
541通常の名無しさんの3倍:2007/02/19(月) 01:35:06 ID:???
神隠し氏は焦らしがお上手ですねwwww
冗談は置いといて、たまには気分転換も大事ですよね。
本編最終回とても楽しみにしてます
542通常の名無しさんの3倍:2007/02/19(月) 03:57:54 ID:???
このスレのまとめサイトはあるの?
543通常の名無しさんの3倍:2007/02/19(月) 04:25:17 ID:???
>>539
GJ!
こういう話も良いね
544通常の名無しさんの3倍:2007/02/19(月) 07:23:30 ID:???
545544:2007/02/19(月) 07:26:03 ID:???
携帯からだったから間違えた
http://wiki.livedoor.jp/arte5/d/FrontPage
だけでぉK
546通常の名無しさんの3倍:2007/02/19(月) 08:45:06 ID:???
>545サンクス
547通常の名無しさんの3倍:2007/02/19(月) 08:52:56 ID:???
>>538
乙なの!
こういった日常風景もいいもんですな
548通常の名無しさんの3倍:2007/02/19(月) 10:16:38 ID:???
>>538
GJ!
和んだ(*´∀`*)
549通常の名無しさんの3倍:2007/02/19(月) 11:56:28 ID:???
>>538
すばらすぃ!
これはこれで短編集でイイと思うw
550通常の名無しさんの3倍:2007/02/19(月) 12:39:43 ID:???
>>536の案を採用して、>>529>>538を短編ネタとして収録してもいいのかな?
両作者さんが認めてくれればだけど。
551シンとヤマトの神隠し:2007/02/19(月) 12:49:54 ID:???
オッケーですよ。
552 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/19(月) 17:20:53 ID:???
同じくオッケーです
553通常の名無しさんの3倍:2007/02/19(月) 19:44:15 ID:???
>>529>>538をwikiに収録してみました。
長編ものとは違う形式にしてみたんですが、どうでしょうか?
要望あれば修正します。
554ガンダムし〜どD´s:2007/02/19(月) 20:47:50 ID:???
D´sのほうは描きあがったので5分後には投下します。
555ガンダムし〜どD´s:2007/02/19(月) 20:53:14 ID:???
投下します

機動戦士ガンダムし〜どD´s20話前編

「そういえば、徐々に減ってきているな」
アースラの食堂でクロノはふとつぶやく。
「どうしたんだ?」
その目の前で、ムゥは食事を取っている。
二人が今食べているのはうどんである。
最初はうどんなどメニューに無かったが、なのはたちの世界に来てから、この世界の食べ物をリンディが気に入って、アースラの食堂のメニューに何品か取り込むことになった(講師、八神はやて、高町桃子。講習場所、喫茶翠屋)
なお、そのうち本局の局員が使用するレストランにも追加予定。
「傀儡兵が出現する回数が以前に比べて減ってきてるんだ。シンがこっちの世界に来てからあたりだけど」
ほぉ、と話を聞きながらムゥはうどんをすする。
ちなみにムゥはきつねうどんで、くろのはてんぷらうどん。
「まあいいことじゃないの」
それはそうだが、と何か考えるクロノ。
「何かの前触れでなかったらいいのだが……」
それを聞いて、ムゥは軽く答える。
「お堅いねぇ。もっと軽く出来ない?人生損するぜ?」
ムゥの言葉にう、とうつむくクロノ。
「休憩くらい仕事考えずにのんびり行こうぜ。切り替えも大事なもんだぞ」
ムゥの言葉に「そうよ」という声があがる。
「もっといってやってください。この子ったらいつも仕事のことばっかりで。この年になって仕事馬鹿になったらどうするの?」
すでになってるきがするんだけどね、と後ろにいるエイミィも付け加える。
この面子になると、クロノは勝てない。もともとしゃべり上手じゃないクロノが、この口の達者な二人(今は三人だが)に勝てたことが一度も無い。
そのときだった。アースラにアラームが鳴り響く。
それを聞いて急いで4人はブリッジに行く。
「何であなたまで?」
「うるせえ!非常時なんだろ!!」
ムゥの言葉にどこか引っ掛かりがあるが、確かに急いでいるためブリッジに急ぐ。
「どうしたの?」
到着したとたんリンディは乗組員に聞く。
「太平洋上に傀儡兵が多数確認!」
モニターに写されたのは、海の上に存在する傀儡兵であった。
そのことにムゥは舌打ちする。
「海の上か。じゃあ俺は出番なしか……」
この世界に来たとき、アカツキはシラヌイを装備している。
飛行能力を持たない装備であるため活躍できそうに無かった。
だが、思ったよりも数が少ないのが助かった。
「ヴォルケンリッターとアルフを向かわせます。シン君とレイ君は待機」
なのはたちは今学校だが、今回は彼女達でどうにかなるだろう。
556ガンダムし〜どD´s:2007/02/19(月) 20:54:38 ID:???
「さてと、このくらいかな?」
クルーゼはプレシアの研究所の最下層の中にある部屋で、傀儡兵を出して微笑む。
数分もすれば管理局の人間が現れるはず。
そして用意した傀儡兵はおそらく全滅するだろう。
そこからが彼の仕事である。
仕事といってもとある人物にちょっとしたことを言う、もしくはかかわりのありそうな人物に言うだけである。
「それにしても、この星でも地球があるなどとは……」
最初聞いたときは驚いたが、妙な因縁を感じる。クルーゼは思った。
「さて、そろそろ主役のご登場ということか……」
そう思いクルーゼは自分の愛機へと向かっていった。

「こんにゃろーーー!!」
ヴィータは一つの傀儡兵に向かってグラーフアイゼンを振り下ろす。
振り下ろされたハンマーはまっすぐ傀儡兵に向かい、命中。
「妙だな……」
傀儡兵を真っ二つにしたシグナムは考える。
「いくらなんでも少なすぎる……」
今回は久しぶりの傀儡兵の出現。だが、前回のような街中での無く、それでいて数も多いとはいえない。
「罠か、それともおびき出されたか……」
だが、今はそんなことを考えている暇は無い。
今はこの傀儡兵を倒すだけ、何かあれば、おそらくテスタロッサたちが対応してくれるはずである。
(シャマル、なにか感じるか?)
シグナムは念話でシャマルに聞く。
(今は何もないけど…もう少しあたりを探ってみる)
念話をきったシャマルはクラ―ルヴィントを構え、検索する。
だが、勿論そんなシャマルにも敵の攻撃は来る。
「はあ!」
だが、その敵はザフィーラとアルフが相手をしている。
「うおおおおりゃあ!」
アルフの盛大なパンチが傀儡兵のシールドを破り、装甲を貫通する。
「相変わらずの馬鹿力だな。その体格でどうやったらそんな力が……」
あんたに言われたくないよ、と背中合わせで話し合う二人。
そうしてあらかた傀儡兵が片付いたときだった。
クラールヴィントに大きな反応があった。
いきなり周囲に雷が降り注ぎ、暗雲が立ち込める。
その反応はアースラでも確認される。
まるでシン達が来たときのように。
「念のために至急シン君とレイ君を!」
指示通りに、シンとレイは出撃し、シグナムたちと合流しようとしていた。
ちょうどそのときであった。
雷が止み、そこに現れたのは、シン達と同じようなロボット、MSであった。
そしてそのMSから声が聞こえる。
557ガンダムし〜どD´s:2007/02/19(月) 20:55:54 ID:???
「君達は管理局の人間かね?」

大方予想どおりに傀儡兵は駆逐され、そろそろかと思ったクルーゼはなのはたちの世界へプロヴィデンスごと転移した。
やれば出来るものなのだなとクルーゼは心から微笑する。
この世界へ来て、独学ではあるが魔法を学んでいた。
目の前にはおそらく管理局の人間であろう人物が数人いた。
さて、どう話しかけようかと思ったそのときだった。
『そこのMS!聞こえるか!!』
不意に、ありえない通信が聞こえてきて、周囲をも渡すと、2機のMSがいた。
そしてそのうちの一機、プロヴィデンスに似ていそうなMSを見つける。
そしてその中から感じ取った感覚。
(そうか、彼が………)
クルーゼは笑った。確かに感じていはいたが、まさかここで再開するとは……
「君が乗っているのか?レイ・ザ・バレル」

『君が乗っているのか?レイ・ザ・バレル』
全周波で語られてきた言葉に、一同は疑問を浮かべるが、レイだけはあっけに取られていた。
何故彼が生きているのか、彼は死んだはず。
なのに何故ここに、自分の前に?
「レイ、知り合いか?」
シンの言葉も聞こえないまま、レイはかつて自分を世話してくれた男が乗っていた機体へと目を向けた。
そしておそるおそるレイは尾sの名前を答える。
「ラウ…ラウ・ル・クルーゼなのですか?」
そのレイの問に「ああ」と答えるラウ。
「管理局にもこの声は聞こえているのだろう?」
全周波数で話すラウの言葉は、勿論アースラにも聞こえている。
ふいに、怒鳴り声も聞こえて来る。
「生きていたのか!?クルーゼ!!」
この声、懐かしいものだ。そう思いながら微笑するクルーゼ。
「貴様も生きていたとはな。つくづく私達は妙な縁で結ばれているな」
ほざけ!ムゥは叫ぶ。
「何が目的だ!どうせお前のことだ!ただこの世界に流されてきたわけじゃないだろう!!」
相変わらずの勘の良さだ、やはり一族の血か、とクルーゼは思う。
「心配しなくてもいい。今回は別に戦いに来たわけではない。私はとある人物を探していてね。どうもそれは時空管理局とかかわりを持っていると聞いて、話を聞きに来ただけさ。」
どう見ても信用できない、そういった口調であった。
「君達はフェイト・テスタロッサを知っているかね?」
予想外の人物の名前が出てきて驚く一同。
「フェイトになんか用なのかい!!」
変な男がいきなりフェイトを名前を言って、アルフがクルーゼに噛み付くように言う。
「おや、きみは……」
「あたしはそのフェイトの使いさ」
それを聞いて、クルーゼはふっと笑う。
558ガンダムし〜どD´s:2007/02/19(月) 20:57:56 ID:???
「ならその主に言っておくがいい、プレシア・テスタロッサが母親として待ってるとな!!」
それを聞いてアースラ組、そしてアルフは耳を疑う。
「今……なんていった?……」
特にアルフは愕然とする。いま、彼はなんと言ったか……
「まあ信じられないといわれても無理はない。もう一度言っておこう。プレシア・テスタロッサが、母親としてフェイトを待ってる、とね」
それを聞いて、アルフは思い出す。
あのときの、鞭の音。フェイトの叫び声。あいつの狂気の笑み。
(あいつが……生きている?)
そんなアルフを見て、そばにいたザフィーラは首をかしげる。
それと……と今度はレイを見る。
「レイ、君も協力して欲しい。そして、一緒に望みをかなえようではないか」
宿命。それを聞いてうつむくレイ。
「まあすぐにとは言わんよ。またくるよ。その時に答えてくれたらいい」
そういうとプロヴィデンスの周囲に暗雲が立ち込め、そして消えていく。
「エイミィ、追跡は?」
「それが……周囲にジャミングがかけられていて追跡が不可能なんです」
みんなは、ただクルーゼが消えるのを見ているしかなかった。

「どう……いう……ことですか?」
フェイト達は、学校から帰ってくる途中に、3人で話があるからアースラに来て欲しいといわれた。
そしてその話の内容が、シン達の世界の人間が「プレシア・テスタロッサが母として自分を待っている」と言い残したということだった。
最初に思ったことは「わけがわからない」だった。
なんで、あの人、母さんは死んだはず。なのにどうして……
「母さんが……生きてたんですか?」
母さんは自分の目の前で消えた。次元の狭間に飲み込まれて。この目でちゃんと見た。
だが、言われて見れば飲み込まれただけで、死んでいるとは限らないのも事実だった。
ジュエルシードで、違う世界に飛ばされたといっても納得がいく。
だが、「母として待っている」という言葉に理解が出来なかった。
自分のことを欠陥品扱い。さらには「大嫌い」と本人に向かっていった。
それにその人物が本当のことを言っているのかさえ怪しい。
「フェイト……」
アルフはそんな主を優しく抱きしめる。
「あんな奴をもう母さんなんて呼ぶんじゃないよ……」
アルフの言葉でさらに考えこんでしまうフェイト。
クロノはフェイトを心配するが、もう一つ気にかかることがある。
「問題はもう一つあったな」
クロノはそう言ってレイたちのほうへと向く。
「君達の話では、彼は死んでいるのだったな」
559ガンダムし〜どD´s:2007/02/19(月) 21:01:15 ID:???
クロノの言葉にレイは頷く。
その表情は先ほどとは違い、いつもの冷静な表情に戻っていた。
「彼、ラウ・ル・クルーゼは俺たちの世界で言えば2年前に死にました」
それを聞いて考える一同。
何故生きていたのか。
「彼がどのように死んだかわかりますか?」
クルーゼが死んだのはデュランダル議長から聞かされたもので、そこまではわからない。
「いえ、そこまではわかりません」
おそらく、自分と同じように倒されたときの衝撃でこの世界へ飛ばされてきたのだろう。
「そういえばあいつ、レイにも何か言ってなかったか?」
クルーゼはレイに言った「気も協力して欲しい。そして、望みをかなえようではないか」と。
「まさかあいつ……」
ムゥはなんとなくわかる。あいつが何をしようかということを。
そしてレイも、おそらく彼が一番知っているだろう。
「そうですね。おそらくラウは俺にこういってくるでしょう」
レイは一呼吸置いて答える。
「俺達の世界の人類の抹殺を………」


20話投下完了。
悪役を際立たせるためにクルーゼも魔法が使えるようにしました。
多分次の更新はまじかるしんになるとおもう(交互に更新してるような)
560通常の名無しさんの3倍:2007/02/19(月) 21:35:02 ID:???
これはいいGJ
フェイトってシンと同じ赤目だっけ?
561通常の名無しさんの3倍:2007/02/19(月) 21:41:51 ID:???
GJです!あいかわらずクルーゼすごいですねw
ナチュラルなのにスーパーコーディと張り合えるくらいMS使えて
さらに魔法まで使えるなんて。まさに本物の天才ですね。
まじかるしんの方も期待しています、頑張ってください!
562通常の名無しさんの3倍:2007/02/19(月) 23:44:20 ID:???
レイはラウを心底慕っているはずですからね
向こう側に行くんじゃないないですか?
それで肉体を改善してもらうとか
563通常の名無しさんの3倍:2007/02/20(火) 00:47:25 ID:???
GJっす!
564通常の名無しさんの3倍:2007/02/20(火) 04:29:56 ID:???
GJ
565魔法戦士アスランSEED:2007/02/20(火) 11:39:25 ID:???
テストが終わりました。これから投下します。
566魔法戦士アスランSEED:2007/02/20(火) 11:44:00 ID:???
 第三話「穏やかな日に」

 ジャスティスをコンピューターに繋いだアスランは、滑らかな動きでキーボードに指を走らせている。
「次だ。A207Rのシミュレーションを開始する」
 次々と画面に浮かぶ情報を処理していくアスランに、ジャスティスが声をかける。
『おいおい、いい加減一休みしろよ。体壊したら意味無いんだぜ?』
 かれこれ四度目の諌める声に、アスランはようやくその指を止めた。
『その努力は認めるぜ?だが限度ってものがあるだろう』
「……ああ」
 アスランは小さくそう答えると、魔法演習プログラムを終了させる。
あちらの世界でも馴染んでいた羽根飾りを胸に着け、自室として宛がわれた部屋を出た。
『あの嬢ちゃん達の見舞いかい?』
 無言で頷くアスラン。
 医務室への道を歩く途中、友達の見舞いに行くのであろうフェイトと合流した。
「こんにちは、メイリンさんのお見舞いですか?」
「ああ、それになのはちゃんのもね」
 歩きながらの会話は特に弾むことも無く、少々淡白な感じで進んでいく。
 フェイトは会話を盛り上げようと頑張っているのだが、アスランのほうがそれを拒んでいるようだ。
 原因に心当たりのあるフェイトとしては、彼に無理させるわけにもいかず、徐々に押し黙っていった。
 だが、これだけは言わなければと、フェイトはアスランに向き直る。
「アスランさん」
「?」
「アスランさんの言ったこと、私たちとは違う考えなのかもしれません。でも、それが間違いなんてこと……ないと思います」
 フェイトの真摯な言葉と眼差しに、アスランはため息をつき
「そうか……君にまで心配かけてしまったか。すまなかったな」
 フェイトの頭を優しく撫でた。
「あ、その」
 恥ずかしそうにしているフェイトに、アスランはその手を止める。
「ありがとう」
 最後にそう言うと、アスランはもう目の前まで迫っていた医務室の扉を開いた。
567魔法戦士アスランSEED:2007/02/20(火) 11:45:34 ID:???
 医務室の中では、メイリンとなのはが紅茶とクッキーを挟んで仲良く談笑していた。
「あ、アスランさん」
「フェイトちゃん」
 二人は扉の開く音に気付き、見舞いに来た二人に挨拶をする。
「なのは。もうだいぶ良くなったみたいだね。良かった」
 フェイトの心の底からの言葉に、なのはは溢れんばかりの笑顔で返す。
 アスランは椅子を二つ持ってくると、それをなのはたちのベッドの近くに置く。
「ありがとうございます」
「いや、これぐらいは」
 アスランとフェイトは椅子に座ると、なのはたちの会話に加わり、アスランを除く三人は、ここが医務室ということも忘れて話に華を咲かせ始める。
 アスランも聞き役にまわり、この時間を楽しんでいるようだった。
(ふう、メイリンも大分慣れたみたいだな)
 メイリンが目覚めたのは、あの事件があった日の夜だった。
 当初は状況を飲み込めずかなり混乱していたが、同室のなのはと話しているうちに頭の整理を終えたようで、今ではすっかりなのはたちと仲良くなったようだ。
「なのは、家のほうは大丈夫なの?」
「うん。リンディさんがうまくやってくれたみたい」
「夏の時と一緒かな?」
「うん、多分」
「夏の時って何ですか?」
「えっと」
 楽しげに話すなのはたち。
 アスランは紅茶を啜りながら、クロノのことを考える。
が、扉の開く音がし、全員が入り口の方を見ると、そこには疲れた様子のクロノが立っていた。
「!」
 アスランとクロノはお互いにお互いを気付くと、部屋の空気がみるみるくすんでいく。
「……なのは、リンカーコアの具合はどうだい?」
「え、えっと、明日には全快するって言われたけど」
 クロノは次にフェイトの体調を聞き、二人のデバイスの強化の件について話し、最後にメイリンの様子を聞くと、さっさと部屋を出て行ってしまった。
 まるで、アスランを避けるかのように。
「……アスランさん」
「いや、いいんだ。悪いのは俺だから」
「違います!」
 珍しいフェイトの大声に、一同は静まり返る。
「クロノは、その、恥ずかしがっているというか、照れているというか」
 これまた珍しく要領を得ない説明だが、アスランはその気遣いに改めて感謝する。
「フェイト、ありがとう」
 その言葉で、部屋の空気は再び明るくなっていく。
 それからしばらくしてから、アスランは医務室を退室する。
 通路に出てから、アスランはため息をつく。
(さて、どうしたものか)
 クロノとの関係の悪化は、正直歓迎できるものではない。
 アスランは自室まで戻ると、あの事件のことを回想し始めた。
568魔法戦士アスランSEED:2007/02/20(火) 11:46:23 ID:???
 襲撃者・シグナムが去ったあと、現場周辺はごたごたとしていた。
 アスランたちは、リンディ提督のもとに集合すると、事件について簡単な報告を行った。
 襲撃者はおそらく二人。
 被害状況は、建物が一軒全壊。数件が半壊。
 負傷者は二十名以上。
 そして、死傷者一名。
 アスランからの報告で、現在他の局員が確認及び搬送をするために行っていた。
 皆の間に漂う暗い空気。
 アスランはそれを少しでも紛らわせようと、苦し紛れの慰めを言う。
「これだけの事件で、たった一人しか死傷者がでなかったんだ。それだけは不幸中の幸いだな」
 戦時中のパイロットであったアスランは、たった一人の死人など、頭の中では悔やむことだと理解していても、鈍った感覚はそれを悲しみとして捉えることができなかった。
 ましてやそれが知らない人間であり、仲間に死人がでなかったのであれば、アスランとしてはまさしく不幸中の幸いであった。
 しかし、この一言がクロノの怒りに火を点けた。
「く、お前!」
 クロノの怒りを隠さない声に、アスランははっとする。
「死んでしまった人がいるんだぞ!それが不幸中の幸いだと!?ふざけるな!!」
 掴みかかろうとするクロノを、エイミィとリンディが必死に押さえ込む。
「……」
 クロノの様子にどういった対応をとっていいか分からないアスランは、ただ戸惑うことしかできなかった。
 助けを求めて辺りを見渡すが
「……」
 周りの皆も、形容し難い視線をアスランに向けているのを見て、そこで初めて失言だったことに気付く。
「いや、その」
 必死に弁解しようとするが、言葉がでてこない。
 その後、エイミィに連れられてクロノは皆から離れていった。
「アスランさん……」
 フェイトの呼び声にも、アスランは反応を示さない。ただ、唇を噛み、表情を歪めているだけだ。
 そこに、一人の局員が近付いてくる。
「ハラオウン提督、報告が」
 畏まった様子で礼をする男に、リンディは続きを促す。
「その、死体があるとのことでしたが……現場のどこにもそのようなものは」
「何?」
 突然声をあげるアスランに、局員は驚きながらも続きを口にする。
「ただ一箇所、血溜まりのようなものが確認されましたが……それだけです」
「そんなはずは!」
 驚愕するアスランに、リンディはその場所に案内するように言う。
 疲労を癒していた一行は、アスランの先導に従い、死体のあるはずの場所に向かうが
「……そんな」
 そこには、炎に焼けた血溜まりしかなかった。
569魔法戦士アスランSEED:2007/02/20(火) 11:47:09 ID:???
「おお、シャマル。こいつ気付いたみたいだぞ」
 どこともしれない洞窟の中で、少年は覚醒した。
 焼けたような感覚が全身を苛む。
 それを無視して起き上がろうとすると、女性の手がやんわりとそれを制する。
「まだ駄目ですよ。あなたは死にかけていたんですよ?もう少しだけ安静にしていてください」
「ぐ、その、君たちは?」
「私の名前はシャマルといいます。こっちは」
「ヴィータだ」
 柔らかな雰囲気の女性と、どことなくムスッとしたような少女が自己紹介をする。
「ちょっと待っていてくださいね」
 そう言う女性は手をかざし
「クラールヴィント」
 少年の体を、涼しい風が包み込んだ。
「これは?」
「治癒魔法です」
 さっきよりほんの少しだけ軽くなった体を、少年は驚いた様子で動かす。
「魔法って……」
 まるで不思議な体験をしたといわんばかりの少年の胸の羽飾りを見て、シャマルは注意深く問いかける。
「それより、あなたのお前を聞かせて欲しいのですけど」
「あ、ああ。俺の名前はシン。シン・アスカだ」
「そうですか。よろしくお願いしますね」
 これが、シン・アスカと騎士たちの始めての邂逅だった。
570魔法戦士アスランSEED:2007/02/20(火) 11:50:42 ID:???
前半終了。ここは自分的に大切な部分なのですが、自分の力量が足りません。
あのすれ違いを表現できません。
ですので、物語が後半に進み、自分がレベルアップしたら改訂版を投下しようかなと思っています。
いや、ほんとすみません。皆さんからのアドバイスも聞かせていただけると助かります。
571通常の名無しさんの3倍:2007/02/20(火) 14:54:11 ID:???
乙。
まあ確かにコズミック・イラにいたアスランにとって、確かに死傷者が一人だけなのは「不幸中の幸い」のような気がしないでもないけど……
やっぱアスランは場の読めない男だったのか…………
572通常の名無しさんの3倍:2007/02/20(火) 14:57:55 ID:???
アスランらしいと言っちゃあアスランらしい。
GJです。
573通常の名無しさんの3倍:2007/02/20(火) 15:36:18 ID:???
クロノだって管理局の一員なんだから、死を冷静に見つめれなきゃおかしいだろ
何なのはキャラだけ良い子ぶろうとさせてんだか
574通常の名無しさんの3倍:2007/02/20(火) 16:02:47 ID:???
良い子ぶるとかじゃなく常識の基準が違うだけだろ
管理局はどっちかと言えば警察機構、殉職する者は居てもそうそう日常的に死と隣り合わせというわけじゃないし、
しかも今回は死んだのは一般市民(とクロノを始めとした周囲の人は思ってる)だ
毎日のようにボコボコ人が死んでいく戦場で過ごしてきたアスランとは違う
575通常の名無しさんの3倍:2007/02/20(火) 16:13:02 ID:???
これがシンやキラだったら、アスランのような反応はしなかったろうな
アスランは良くも悪くも、自分と近しい人間以外には無関心なところあるから
ガルナハンゲートのゲリラに撃ち殺されてた連合兵に対しての反応とか
576通常の名無しさんの3倍:2007/02/20(火) 17:12:08 ID:???
クロノも昔はジュエルシードのとき
フェイトが勝手に自爆するのを待ってました
変わったって事なのでしょう
地方警察と戦争してる国の軍人では
基本的に考え方が違うからちかたないでしょう
そもそもアスランは現実主義ですからね
577通常の名無しさんの3倍:2007/02/20(火) 17:45:05 ID:???
シンやキラでも似たような反応しそう。
やっぱ、一回の戦闘で大勢命を落とすから、一人で済んでよかったって思うんだろうな。
578通常の名無しさんの3倍:2007/02/20(火) 20:39:44 ID:???
思っても口には出さないだろ、特にキラは
579通常の名無しさんの3倍:2007/02/20(火) 20:47:33 ID:???
キラは俯いているだけっぽい
シンは鼻で笑うっぽい
レイはなんか考えてるっぽい
580 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/20(火) 20:47:37 ID:???
21時頃に>>535の続きを投下予定です。
581通常の名無しさんの3倍:2007/02/20(火) 20:49:09 ID:???
>>580
楽しみに待ってま〜ス
582魔法少女リリカルなのはC.E.73 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/20(火) 21:02:56 ID:???
>>533-536の続きです


 砕かれたユニウスセブンの欠片の中でも、一際大きなものが一つ。それよりは二回りほど小さいものが二つ。
 三人が優先して破壊すべきものを見定めていると、フェイトがある事に気づく。
(あれは……友軍!?)
 最も大きな欠片に設置されたメテオブレイカーの側で、インパルスとザク、敵機と思われるジンが交戦していた。
(帰艦命令が出ているはずなのに!!)
 彼らに離脱してもらわないと、存分に火力を振るう事ができない。
「……何かいる?」
「んー、特に何も見えへんなー」
(――!? いけない!)
 なのはとはやても交戦するMSに気づいたようだ。その上で――見なかった事にして、彼らごとあの欠片を破壊する気だ。
「な、なのはとはやてはあっちの二つを先にお願い! ここは私が何とかするから!」
「……うん。じゃあ、フェイトちゃんに任せるね」
 ひとまずは別の欠片へ向かうなのは。少し残念そうなのはきっと気のせいだろう。
「……フェイトちゃん。分かってるやろうけど、あんまり余裕はあらへんで?」
 なのはとは別の欠片に向かうはやて。やはり、どこか残念そうなのは気のせいだと思いたい。
「……急がないと!」
 タイムリミットは二人が目標を破壊して戻ってくるまで。
 フェイトは全速力で、交戦中のMSへ近づく。


(……これは?)
 交戦しているザクとジンのパイロットが、戦いながらも会話をしている。
 否――ジンのパイロットの慟哭に、ザクのパイロットは言葉を失っているようだ。
 だが――
「貴方は……間違ってるっ!!」
『なんだと!?』
 ジンのパイロット――サトーは、己の信念を否定する少女に叫ぶ。
 しかし、フェイトも怯む事無く叫び返す。
「世界は、いつだってこんな筈じゃない事ばっかりだ! ずっと昔から……いつだって、誰だってそうなんだ!」
『むぅ……』
「こんな筈じゃない現実から逃げるか、それとも立ち向かうかは個人の自由だ。だけど……自分の勝手な悲しみに、無関係な人間まで巻き込んでいい権利は、どこの誰にもあるもんか!!」
『くぅ……だが、止まれん……止まれんのだぁっ!!』
 ジンが振り下ろしてくる斬機刀をフェイトは防御魔法で受け止める。回避せずにその場に留まったのは、ジンのパイロットを説得したいとの想いから。
「だけど……こんな事、亡くなった貴方の家ぞ――!?」
 突然、目の前のジンのコクピット部分を閃光が貫いた。インパルスのビームサーベルだ。
『大丈夫ですか!?』
(そんな……)
 ジンのパイロットは、悲しみと怒りに囚われていた。復讐心が今回のような凶行にまで及んだ。
 だが、言葉は交わし合えるのだ。説得できたかも知れないのだ。
 それなのに、その機会をインパルスのパイロットは潰してしまった。
「なんで……」
『えっ?』
 思わず漏れ出す言葉。インパルスに乗っている彼には、その意味が分かっていないふうだった。
(分かってる……彼は別に間違ってなんかない)
 彼は友軍として、敵に襲い掛かられた自分を助けただけだ。彼のとった行動は、ザフト兵として当然のものだ。
583魔法少女リリカルなのはC.E.73 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/20(火) 21:04:11 ID:???
「……何でもないわ。そんな事よりも……帰艦命令は聞いているでしょう? 早く離脱して!」
『で、ですが……ここまで来てしまっては、インパルスの推力でも、もう――』
 今、インパルスが装備しているのは高機動用のものだったはずだが、それでも彼の言う通り地球の重力から離脱するだけの推力は出せないだろう。当然、すぐ側にいるザクにも。
 フェイトは焦れる。時間がないからだ──二重の意味で。
 フェイトは離れた所で轟いた大きな爆発音を聞いていた。それが、なのはとはやてが目標を破壊した音だと確信している。
 あの二人が次の破壊目標とするのは、自分達がいるこの巨大な欠片に違いなかった。
 この状況で二人に撃たれたら――自分は生き残れるだろうが、インパルスとザクのフォローまではできそうもない。
 なぜ、自分達に構わず二人が撃ってくる事を前提に考えなければならないのかと思うと、彼女は頭が痛くなってきた。
「私がフォローします! 早く!」
 フェイトに促されたインパルスとザクが、バーニアを全開にして離脱しようとする。だが、やはり推力が足りないようだ。
「バルディッシュ!」
《Blitz Rush》
 加速作用の魔法効果を与えられたインパルスとザクが、凄まじい勢いで地球の重力を振り切り、離脱を果たした。
 これで、ようやくフェイトも破砕活動に移る事ができる。
「バルディッシュ! ザンバーフォーム、いくよ!」
《Yes sir. Zamber Form》
 バルディッシュは二発の薬莢を排出し、その姿を戦斧から半実体化した魔力刃を持つ大剣へと変えた。
 フェイトが閃光の刄を振り上げる。バルディッシュがさらに三発の薬莢を排出する。
「切り裂け、雷刃!!」
《Jet Zamber》
 気合いとともに振り下ろすのは、魔力によって長大に伸びた魔力刃。
 ユニウスセブンの巨大な欠片が真っ二つに両断され――その衝撃からか――二分された塊は互いの距離を離していく。
(だけど、まだ!)
 だが、さらに細かく砕けなければ、地上に被害が出てしまう。

584魔法少女リリカルなのはC.E.73 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/20(火) 21:05:00 ID:???
「フェイトちゃん!」
 なのは、そしてはやてが駆け寄って来た。
 なのはが辺りを見回す。
「……小さいのもいれたら、まだ大分残ってるね」
「二人とも、こーなったら一気に決めよか?」
「うん!」
「そうだね」
 こんな時のなのはとはやては頼もしい。そして、今回ばかりは、フェイトも二人と同意見だ。
「右側は私が引き受けるから、二人は左側を頼むで!」
「「了解!!」」
 はやての指揮の下、受け持つ範囲を分担する。
 先程、フェイトが両断し、二手に分かれた欠片。
 彼女達から見て右側の欠片を中心とした範囲をはやてが、左側の欠片を中心とした範囲をなのはとフェイトが担当する。
 背中合わせになるなのは、フェイトとはやて。
 彼女達は空間攻撃魔法で、この宙域に漂うユニウスセブンの欠片を大小問わず全て消滅させようとしていた。


「全力全開!」
《Barrel Field》
 二人の前に、直径約十キロメートルにもおよぶ巨大なバレルが展開される。
「疾風迅雷!」
 なのはの魔力をもバルディッシュの刀身に上乗せし、フェイトが斬撃による威力放射を行うと、バレルが前方に広がっていく。
 二人が協力して形成したフィールドは、眼前の宙域に漂う、大小百を超えるユニウスセブンの欠片を包み込む。
「「ブラストシュート!!」」
《Divine Buster Extension》
《Plasma Smasher Plus》
 それぞれ三発ずつカードリッジを消費して、レイジングハートとバルディッシュから砲撃が放たれる。
 バレルフィールド空間内が魔力砲撃の凄まじく強力なエネルギーで満たされていく。
 やがて、その負荷に耐え切れなくなったバレルが内側から爆ぜる。
 フィールド内に存在していたユニウスセブンの欠片は、残らず爆砕した。

585魔法少女リリカルなのはC.E.73 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/20(火) 21:05:52 ID:???
 なのはとフェイトが振り返ると、はやてもこちらを向いていた。
 もちろん、はやての向こう側の宙域も、ユニウスセブンの欠片は存在していなかった。
「任務完了だね。二人ともお疲れ――」
「まだだよ」
「そや、まだや」
「へ?」
 フェイトは戸惑う。
 脅威は打ち払ったというのに、まだ何かあるというのだろう――だが、なのはとはやての顔は真剣そのものだ。
「急いで確認しなきゃ……」
 なのはが物凄い勢いでミネルバへ戻っていく。
 はやてもそれに劣らない速度で、やはりミネルバへ向かう。
「ちょ、ちょっと、二人とも――」
 訳が分からず、一人取り残されるフェイト。
(まさか……ミネルバに何か!?)
 自分が気づかなかった母艦の危機を二人は感じ取ったのかもしれないと、彼女もミネルバに急いで戻る事にした。


 フェイトが二人に追い着いたのは、ミネルバのMSデッキに設置されている端末の前だった。
「やった! 予想通り!!」
「どれどれ……おー、なのはちゃんはそこを買うたんかー。中々やるなー」
「はやてちゃんこそ……その会社は盲点だったよ」
「……二人とも、何してるの?」
「株や、株。今回の騒動で、地上の市場は混乱してもうたからなー」
「ユニウスセブンによる被害がゼロで終わるだなんて、私達にしか分からない事だもんね」
「……二人が必死だったのって、もしかしてそれが原因?」
 フェイトは半眼になりながら、二人に訊いた。
「や……やだなぁ、フェイトちゃん。そんなわけないでしょ?」
「そ……そやそや。あくまで地上のみなさんを助ける為にやなー……」
「……はぁ……」
 二人のやけに必死な言い分を耳にしながら、フェイトは大きく嘆息するのだった。
586魔法少女リリカルなのはC.E.73 ◆GmV9qCP9/g :2007/02/20(火) 21:08:56 ID:???
投下終了!

なのは&フェイトの合体魔法ブラストカラミティは、公式描写が不鮮明なので
自分なりに設定解釈してアレンジしてみました。

587通常の名無しさんの3倍:2007/02/20(火) 22:38:28 ID:???
乙です。
株………

そういえば、デバイスの音声ってベルカ式がドイツ語なのか、それともアームドデバイスがドイル語なのか……
どっちだったっけ?
588通常の名無しさんの3倍:2007/02/20(火) 23:14:32 ID:???
ベルカ式ってアームドデバイスのことでは…?
589通常の名無しさんの3倍:2007/02/21(水) 00:00:36 ID:???
魔法戦士アスランSEEDの作者さん、GJ
アスランとクロノ、両方の言い分はそれぞれわからんでもない。
戦争という極限状況に慣れていたアスランとそうではないクロノ…この二人にばかり目が行ってしまったよ。
今後二人の和解(?)に期待。まあクロノの内面も見てみたいわ。

シンの事は忘れてました…
590通常の名無しさんの3倍:2007/02/21(水) 08:03:09 ID:???
ベルカ式(アームドデバイス)がドイツ語だったと。
591通常の名無しさんの3倍:2007/02/21(水) 12:10:55 ID:???
ベルカ式の特色は、武器(媒介)に魔力を乗せて力を行使する。
だから、武器の形をしている事が多く、アームドデバイスと呼ばれる。
指輪・振り子型のグラールヴィントもアームドデバイスなんだし、
ベルカ方式のデバイスはみなアームドデバイスと呼ばれるんじゃない。

そうじゃなかったら、フェイトのバルディッシュもアームドデバイスなのかって事になるし。
592通常の名無しさんの3倍:2007/02/21(水) 12:26:28 ID:???
バルディッシュは待機状態の時(刃を出してないとき)は
外見はただの棒(杖)だからアームドデバイスでは少なくともないと
俺は解釈してるのだが…
593し〜どD´s:2007/02/21(水) 12:59:18 ID:???
588〜592
いろいろありがとうございます。
名前付け忘れたけどD´sの作者です。
まじかるしんで連合のキャラも出すつもりで、連合のMSは主にヨーロッパ方面の言葉使ってるんでそのまま出すとしたらどうしたらいいんだろうと思って質問しました。
594通常の名無しさんの3倍:2007/02/21(水) 14:23:19 ID:???
まさかデストロイも参戦…
もしくは傀儡兵みんなデストロイ並の
攻撃力と防御力…一斉に撃たれたら勝てる気しないなw
595通常の名無しさんの3倍:2007/02/21(水) 14:27:59 ID:???
>>593
北欧神話とかからがいいと思いますよ。
実際ザフトも連合も使ってますからね。
名前的にもはまると思います。
596通常の名無しさんの3倍:2007/02/21(水) 21:37:13 ID:???
何このオナニー丸出しのSS
597通常の名無しさんの3倍:2007/02/21(水) 21:54:22 ID:???
SSってのはそういうもんだ
読者は他人のオナニー見て楽しむわけよ
興味ないなら他所行けば?
598通常の名無しさんの3倍:2007/02/21(水) 22:29:15 ID:???
作家さん達は一生懸命書いてるんだから
ただ文句しか言えない奴に批判する資格はない!
文句を言うくらいなら自分で書いてみろ!!
599通常の名無しさんの3倍:2007/02/21(水) 22:50:54 ID:???
>>597
所詮妄想だしな。
合わん奴が見るほうが悪い。

>>598
お前うざいから黙っとけ。
600通常の名無しさんの3倍:2007/02/21(水) 23:30:26 ID:???
今日は誰も書かないのかな〜
601通常の名無しさんの3倍:2007/02/22(木) 00:06:35 ID:???
なのはキャラって良い子ちゃん過ぎるから種とは合わん気がするんだよな
種人死にまくる作品だし
602通常の名無しさんの3倍:2007/02/22(木) 00:09:35 ID:h40f5urG
たまにはそういう日もあるさ
職人さんも人間だからな
603通常の名無しさんの3倍:2007/02/22(木) 00:51:11 ID:???
下げて
604通常の名無しさんの3倍:2007/02/22(木) 04:26:53 ID:???
上げて
605通常の名無しさんの3倍:2007/02/22(木) 09:23:45 ID:???
左へ→                                       こっちは右だ
606通常の名無しさんの3倍:2007/02/22(木) 11:39:19 ID:???
↑↑↓↓←→←→ABスタァーーーーーートォーーーーー!!
607通常の名無しさんの3倍:2007/02/22(木) 12:11:44 ID:???
>>598

いい事言った!
面白ければそれで良し、SSってそういう物だよな。
608通常の名無しさんの3倍:2007/02/22(木) 12:20:12 ID:???
自演乙
609通常の名無しさんの3倍:2007/02/22(木) 12:29:47 ID:???
投下まだかなぁ〜、てか、Cross Magicさんや他、職人さんたちはもう投下してくれないのだろうか?
610通常の名無しさんの3倍:2007/02/22(木) 14:06:08 ID:???
まぁ、マターリフワーリ投下を待つだけだ
611通常の名無しさんの3倍:2007/02/22(木) 17:55:36 ID:???
俺もマターリ投下待ちしてる。
で、マターリSS書いてる。

……中々時間が取れないのよorz
612し〜どD´s:2007/02/22(木) 18:04:27 ID:???
学校が忙しくてなかなか書く時間が無い。
投下に時間がかかるので気長に待っててください。
613通常の名無しさんの3倍
「右むけ」
「左むけ」
「上むけ」
「下むけ」












「皮むけ」
と書いてあるトイレがあった。